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2011/07/07 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第20号
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2011/07/07 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第20号

#1
第177回国会 予算委員会 第20号
平成二十三年七月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十日
    辞任         補欠選任
     林  芳正君     長谷川 岳君
     丸川 珠代君     福岡 資麿君
     義家 弘介君     山崎  力君
     山本 香苗君     草川 昭三君
     横山 信一君     長沢 広明君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     加賀谷 健君     金子 恵美君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     山崎  力君     金子原二郎君
 七月六日
    辞任         補欠選任
     友近 聡朗君     大久保潔重君
     米長 晴信君     轟木 利治君
     草川 昭三君     荒木 清寛君
     長沢 広明君     秋野 公造君
     桜内 文城君     水野 賢一君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 七月七日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     相原久美子君
     西村まさみ君     白  眞勲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 武志君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                水戸 将史君
                森 ゆうこ君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                相原久美子君
                有田 芳生君
                一川 保夫君
                梅村  聡君
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                榛葉賀津也君
                徳永 エリ君
                轟木 利治君
                中谷 智司君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                片山さつき君
                金子原二郎君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                丸山 和也君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                秋野 公造君
                荒木 清寛君
                石川 博崇君
                水野 賢一君
                井上 哲士君
                片山虎之助君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣
       環境大臣     江田 五月君
       外務大臣     松本 剛明君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣
       国務大臣     海江田万里君
       国土交通大臣
       国務大臣     大畠 章宏君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、行
       政刷新))    枝野 幸男君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        細野 豪志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        平野 達男君
   副大臣
       財務副大臣    櫻井  充君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  浜田 和幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       消防庁長官    久保 信保君
   参考人
       東京電力株式会
       社取締役会長   勝俣 恒久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (懸案事項に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に東京電力株式会社取締役会長勝俣恒久君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(前田武志君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、懸案事項に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 これより質疑を行います。轟木利治君。
#5
○轟木利治君 民主党・新緑風会、轟木利治でございます。初めて総理に質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。そして、この場を与えていただきました諸先輩の皆様方、そして当委員会の委員長を始めメンバーの皆様方に感謝を申し上げます。
 早速でございますけれども、総理に御質問をさせていただきます。
 総理は三つの法案の成立に向けて意欲を示されました。その中で、電気事業者による再生エネルギー電気の調達に関する特別措置法、通称再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度に関しましてお伺いをいたします。
 総理はさきのOECDの五十周年記念行事においてのスピーチで、自然エネルギーの実用性への挑戦として、大胆な技術革新に取り組み、太陽電池の発電コストを二〇二〇年には現在の三分の一にすることを目指すと発言されておられます。この具体的な方法についてお伺いをしたいと思います。
 私の受け止めは、太陽電池の発電コスト、二〇二〇年、三分の一ということは、住宅に設置する太陽光パネル等の費用を現在の三分の一にすることかと思うのですが、そうであれば、現在の費用をどの程度として考えその三分の一はどれぐらいの価格にするとお考えなのか、そのための具体的対策はどのように考え進められていこうと考えられているのか、お聞かせください。
#6
○内閣総理大臣(菅直人君) 二〇二〇年に再生可能な自然エネルギーの比率を電力発生の中で二〇%にしたいと、これは当初三〇%であったものを十年前倒ししたいという趣旨で今御指摘のOECD五十周年の記念行事で申し上げました。この根拠は、元々二〇三〇年に予定していたものの前倒しということで、経産省の方からも考え方を聴取をして、それに沿って提起をいたしたものであります。
 日本の住宅に設置されている平均的な太陽光発電システムの費用は、周辺機器や設備費用を含めて現時点では大体二百四十万円、これは約四キロワットについて二百四十万円程度というふうになっております。これを割りますと約四十二円パーキロワットアワーということになります。これに対して、今後は固定価格買取り制度が導入されて、量産効果や革新的な技術開発等によって二〇二〇年までに三分の一の約八十万円程度に引き下がると、これを目指してまいりたいと思っております。
 ここに経産省が持ってきた一つの革新的技術として、例えば従来のいわゆるソーラーパネルに対してもっと周波数を、つまりは光の範囲が広い範囲で電力を発生できる、そういった量子型の発電装置といったものも、ここに量子ドット型太陽電池というものも研究開発の一つの例として指摘をいただいておりまして、是非ともこういうものを開発を進めることで技術的な効果と量産効果の両面から六分の一というものを実現したいと、このように考えております。
#7
○轟木利治君 大変ありがとうございます。
 現行二百四十万を十年後には八十万ぐらいにしたいんだということで、これ八十万ということであれば相当普及が進むと思います。
 八十万になれば、もう一つの考え方とすれば、今回の買取り制度は電気代をプレミアムを付けて買い取るということになりますが、プレミアムを付けなくても、多分十年以内にその設備投資は回収できるのではないかなと思いますし、もう一つ、これはお願いなんですが、今言われたこの八十万、現行の二百四十万という前提でいくと、今の太陽光パネルでも、夜は電力会社から買っているといった状況になっております。昼間発生して、その余った分を電力会社に買い取ってもらうという制度になるかと思うんですが、昼間は逆に家庭は余り使いませんので、需要は夜に家庭は多くなると思います。そういった意味で、私は、この太陽光パネルが目指す姿というのは、やっぱり自給自足できるようにしなきゃならないと思っております。そのためには、昼間つくった電気を蓄えておく。ですから、蓄電池若しくは燃料電池等が非常なポイントになろうかと思っています。
 しかし、蓄電池なんかで考えますと、今非常にまだコストが高い。先ほど総理がおっしゃいました十年後の価格と同じぐらいの今価格になっております。これも是非同じように価格を下げて、住宅においては自給自足できるようなシステムが私は望むべきだろうと思いますし、今、車で電気自動車とかハイブリッドが普及し出しておりますが、プラグインも普及をスタートしております。先日、カーメーカーの方に聞いて、そのプラグインで車で夜、自分のところの電気を供給させることができないのかという質問をいたしましたら、できますけれども、今の段階でいうと車の燃料電池の寿命がもたなくなると、こういったことも言われておりました。
 そういった面で、是非この推進を力強くやっていただきたいと思っております。
 次に入らせていただきます。
 総理は、六月十四日に行われました参議院の東日本大震災復興特別委員会において、再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度に関する答弁で、この制度に関して、一部経済界にコストが上がるのではないかという見方がありますけれどもと発言されております。この一部経済界はどの経済界なのか、またどのような産業を認識されているのか、お答えください。
#8
○内閣総理大臣(菅直人君) 実はこのときに私が申し上げたのは、現在、成長戦略の会議の中で経団連等の方も出席をされております。そのときは、経団連会長が書面で意見を出された中に、この制度について、電力コストが上がることについて懸念を示されて、慎重にするようにという、そういう御指摘がありましたので、そのことを念頭に置いて申し上げました。必ずしもどういう産業分野という意味で申し上げたのではなくて、経団連の方の御意見を念頭に置いて申し上げました。
#9
○轟木利治君 総理の発言趣旨は理解いたしました。ただ、後でまた議論をさせていただきたいと思いますけれども、やはり電力の料金というのは非常にウエートの高い産業もありますので、また議論をさせていただきたいと思います。
 次に、その答弁に続いて総理がおっしゃいましたことは、このコスト上昇に関して、私は、化石燃料のコストも上がっていますし、今回の事故で原子力に対するコストも間違いなく大きく上がることを考えますと、将来に向かってコストが下がっていく再生可能エネルギーを促進するこの法律は極めて重要だと答弁されております。
 そこでお聞きしたいと思います。再生可能エネルギーのコストダウンと、化石燃料、原子力のコストアップが接近して同じになる時期は何年後、又は西暦で何年ごろを想定されておられるんでしょうか、お聞きします。
#10
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、一般的には、原子力はキロワットアワー当たり四・八円から六・二円、あるいは石油火力は十円から十七円、あるいはLNGが五・八円から七・一円等となっていて、太陽光は先ほどのように四十三円あるいは四十九円というふうに言われております。
 原子力について、今回の大きな事故があったことによって、例えば賠償の費用などをどういうふうに計算するのか、あるいは従来、最終処分については必ずしもコストという形にカウントされないで国の責任で行うとされていたわけでありますが、そういったものを含めた原子力のコスト、これはこれからしっかりと検討いただくことになりますけれども、少なくとも今まで言われていたコストよりは大幅に上がることが私は間違いないと思っております。また、化石燃料も、いわゆる新興国の需要が大変増している中で全体としてはマーケットがタイトになりつつあると、そういう中ではどちらかといえば上昇傾向に進むのではないかと思っております。
 先ほど申し上げました太陽光、三分の一からさらには二〇三〇年には六分の一程度に引き下げるということを目指しておりますけれども、これが六分の一程度になれば、今の原子力のコストと言われているものとほぼ同等になってまいります。
 私は、二〇三〇年、これから二十年間の間には、そうした形で現在における原子力のコストに近いところまでこうした太陽光発電などが、あるいは風力発電などがコストを下げることが可能になると、このように私なりの見通しを持っております。
#11
○轟木利治君 ありがとうございました。
 総理のお考えは分かりましたけれども、今の御答弁いただいた内容でいけば、見通しとしてはそういう方向にあるんだろうと思うんですが、通常の電気料金を考えても、世界的に見ても日本はまだ高いポジションにございます。それがそういった要因で上がっていかざるを得ないときに、国としてどういう政策を打つのか、どういった形でそのインフラコストを抑えていくのか、これは大変重要なことだろうと思います。
 そういった意味でいきますと、先ほどの原子力に関して一言だけ申し上げさせていただきますと、賠償のところまで電気料金というようなニュアンスでおっしゃいましたけれども、それが本当に正しいのかどうか、こういったことは十分議論の余地はあるところだろうと思います。
 いずれにしましても、分かったのは、十年後、二十年後の話だと、想定だということで理解をいたします。
 次に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、通称再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度について経済産業大臣にお伺いいたします。
 まず、国民の皆さんにこの制度を分かりやすく私なりに説明させていただきますと、今回の法案が成立することによって、買取り制度そのものは二階建ての制度として運営されるのではないかなと思っております。一階部分は従来から実施されている住宅を中心とした余剰分の電力の買取りでありまして、その上に事業用として発生する電気を全量買い取る再生エネルギーの全量買取り制度ということで、余剰分と全量分ということで、家庭と事業用ということでの二階部分として今回制度として成立していくと。
 ですから、買取り制度そのものが全く新しいものではなくて、従来からの制度に追加的な内容を付加するものであるという認識でよろしいでしょうか、経産大臣にお聞きしたいと思います。もし間違っていたら修正してください。
#12
○国務大臣(海江田万里君) 轟木委員にお答えをいたします。
 轟木委員御指摘のように、現在は余剰電力買取り制度でございますから、特に住宅用ですね、まず自分の家で消費をしていただこう、そして余った分を買取りをしますよという制度でございます。それに対して新しい制度では、これは買取り対象をメガソーラーでありますとかそれから風力、バイオマス、中小の水力、地熱に拡充をするということと同時に、今お話をしましたこれまでの住宅用の十キロワット未満、この太陽光発電については現行制度を維持するということでございますから、二階建てという考え方もできようかと思います。
#13
○轟木利治君 ありがとうございます。
 余剰分の買取り制度はもう現行スタートをしていて、買取り価格も昨年まではキロワット四十八円、今年度から四十二円ということになって、逆にそのコストの負担分としては、もう現状、この四月からキロワット四銭、一家庭当たり三百キロワットを前提と考えますと十二円ぐらい負担が生じてきているということでございますので、新たな事業用として、そして全体の負担、そして普及としてどう考えるかということがこの法案の趣旨たるものだろうと思っております。これで、全量固定価格買取り制度という名前でどうも難しく考えられる方が多くおられますので、そういった意味では理解していただけたのかなと思っております。
 続きまして、具体的な法案の内容についてお伺いをしたいと思っております。
 これまでも国会の中の議論でもこの再生エネルギーを推進する議論というのは非常に活発に行われております。ただ、私は負担する側の立場の議論が少し少ないのかなという気がしております。そういった意味でのその立場を含めた視点でお伺いをしたいと思いますが、経産大臣にお伺いいたします。
 法案の第三条の第四項に、経済産業大臣は、調達価格及び調達期間を定めるに当たっては、第十六条の賦課金の負担が電気の使用者に対して過重なものとならないように配慮しなければならないとあります。要は、再生可能エネルギーで発生した電気を買い取った分のコストを通常の電力会社から買って使用する電気料金に上乗せする価格について、過重なものとならないように配慮しなければならないという規定でありますが、まずそこで、具体的な上限としてどれぐらいを想定されているのか、経産大臣にお伺いいたします。
#14
○国務大臣(海江田万里君) 御指摘のように、再生可能エネルギーの全量買取り制度には賦課金という形で上乗せの価格が入るわけでございますが、この賦課金につきましては、買取りの価格、それから買取りの期間、そして再生可能エネルギーの導入量によって決まってくるわけでございます。
 ところが、今御指摘がありましたように、国民負担が過重になることは決して望ましいことではございませんので、この国民の負担軽減の措置、これをとらなければいけないというふうに思っております。こうした観点から、この賦課金につきましては、キロワットアワー当たり〇・五円を超えないように制度を運用していくつもりでございます。
#15
○轟木利治君 ありがとうございました。
 続けて、同様の中身で質問をさせていただきますが、今大臣がおっしゃいました〇・五円を超えないレベルということでございますけれども、そうすると、そのピーク時、多分十年後ぐらいがピークになるという想定をされていると思いますが、買い取ったコストの総額ですね、それはどの程度の額になるという想定をされているのか、お答えください。
#16
○国務大臣(海江田万里君) この賦課金の額は年によってだんだん上がっていくわけでございますが、今御指摘のありました二〇二〇年という時点で経産省が試算をいたしますと、年間約四千九百億円となる予定でございます。
#17
○轟木利治君 また、済みません、同じような質問をいたしますけれども、そうすると、〇・五円を超えない、総枠として四千九百億ということは、そのピーク時の十年後を前提として考えた場合、電力のキロワット、どの程度のキロワットをその対象とするのか。当然それはリンクして計算ができるはずですけれども、その量をお答えください。
#18
○国務大臣(海江田万里君) 二〇二〇年のキロワットで申しますと三千万キロワットということでございます。念のため、電力量に直しますと、約四百億キロワットアワーでございます。
#19
○轟木利治君 今、大変大きなポイントを三つ答えていただいたと思います。
 まず確認させていただきますと、総枠として四千九百億、これを国民の、それもそういう設備を持たない人たち若しくは電力会社から電気を買う人たちに負担をしてもらうということ、最高でですね、当然こういう山並みになりますけれども。その額として、その四千九百を割っていくと、〇・五円ぐらいがピークの値段になるだろうと。で、再生可能エネルギーとして買い取る量は三千万キロワットを想定しているということだろうと思います。
 ですから、特に負担の方で考えますと、どれぐらいどうなのかというのが一番心配なところでございまして、そういった意味では、この今答弁いただきました内容をしっかりキープしていただきたいと思います。
 次に、同じく経産大臣にお伺いしたいと思います。
 法案の附則の第六条、「見直し」のところで、政府は、再生可能エネルギー電気の供給の量の状況及び見通し、第十六条の賦課金の負担がその事業を行うに当たり電気を大量に使用する者その他の電気の使用者の経済活動等に与える影響、内外の社会経済情勢の変化等を勘案し、少なくとも三年ごとに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとともに、この法律の施行、実施後平成三十三年三月三十一日までの間にこの法律の廃止を含めた見直しを行うものとするとありますが、この中にある電気を大量に使用する者とはどのようなものを指すんでしょうか。
 私は、昨年十二月二十八日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会で決定された再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度の内容で、配慮事項として、本制度の導入により生じる負担については、電力多消費産業を始めとする産業の国際競争力に影響があり得ることに鑑みと記載されております。この電力多消費産業と電気を大量に使用する者は同じものと受け止めておりますけれども、経産大臣はどのような産業と受け止められておるのか。具体的な産業名をお答えいただき、そのような産業に対して何らかの国としての支援策は検討されているのかについてお伺いいたします。
#20
○国務大臣(海江田万里君) 今御指摘のありました電気を大量に使用する者ということで、これを網羅的に全てを今ここで挙げることというのは困難でございますが、ただ、私どもの頭の中にありますものは、例えば電炉業、それからソーダ業、それから鋳物、鋳造業ですね、こういうところに属する事業者は電気を大量に消費をしているという認識がございます。
 そして、そうした産業に対しましては、競争力強化につながるような支援措置を講ずる所存でございます。具体的には、省エネ設備導入の際の補助、それから省エネのための研究開発の支援などを念頭に置いております。
#21
○轟木利治君 ありがとうございます。
 今、製造業という目で見たときに、電力多消費産業ということで電炉業、ソーダ業、鋳造業という産業名を挙げられました。実は私も同感でございまして、この産業というのは非常に電力を消費するものでございまして、少し私なりにどの程度電気を使っているのかということを挙げさせていただきますと、電力使用量の製造業平均に対して、この三つの電炉業、ソーダ業、鋳造業というのは約十倍電気を使っております。一見、そういいますと、この電気が、設備を単なる動かすエネルギーではなくて、もう原料だというぐらいのポジションになるんではないかなと思っております。
 そこで、もう一つ付け加えさせていただきますと、電炉業と言ってもなかなかぴんとこない、何だと言う方も、おっしゃるかと思うんですが、要は鉄を造るやり方でございまして、鉄を造るには一般的には鉄鉱石と石炭を還元してできる、これ高炉と申しております。日本の鉄鋼の中で七割がこの高炉という形で鉄鉱石から造っておりますが、約三割がこの電炉業という中におりまして、この三割の中に今会社数で五十社ぐらいがありますけれども、要は、原料は鉄くずでございます。日本で発生した鉄くずを再度命を入れて鉄に復活させると。これは環境面で見ましても、リサイクルとして考えた場合に大変優秀な産業でありますし、この産業が日本でしっかり事業ができるような環境を整えていかないと、日本の鉄くずが処理できなくなります。
 今回のこの買取りでコストを大変心配されておられますけれども、仮に、仮にですね、じゃ、もう日本のコストが上がって海外へ、まあアジアに出ていくと、そうしたときどういう現象が起きるかというと、原料の鉄くずは日本から輸入しなきゃいけなくなります。今、日本の中で発生する鉄くずで賄っております。そういったことを考えると、輸入するというのはなおコストが掛かるわけですから、そういう産業はあり得ない。日本のリサイクル産業を育成していくという意味でも、このシステムというのは堅持していかなきゃいけないと思っております。
 その鉄の中でいいますと、鉄鉱石から造る鉄と今言いましたスクラップから造る鉄の中で電力の消費がどれぐらい違うかということを申しますと、高炉で造る鉄を一としますと、電炉業には普通鋼と特殊鋼というのがあるわけですが、普通鋼というのはどっちかというと建材に使われる鉄、特殊鋼というのはイメージ的には硬いと思っていただければ結構なんですが、自動車のエンジン回りとか足回り、それから金型を造る素材、こういったものを造っておりますけれども、高炉で造る鉄を一にすれば、普通鋼電炉が五倍、特殊鋼が約八倍の電気を使っています。
 なぜ電気を使うかということを申し上げますと、鉄を溶かす、鉄くずを溶かすときに、炉といって、簡単に言うと鍋ですけれども、そこにスクラップを入れて電極を入れて電気を発生させてスパークさせて、もう雷を起こすぐらいの電気を起こします。温度で千二百度ぐらいまで一挙に上げていって、一時間掛からないぐらいで溶かし切りますけれども、すごい電力をそのときに使います。
 じゃ、そのときに自家発を付けるなり太陽光を付けて賄えばいいじゃないかと、こういう発想も出るかも分かりませんが、瞬間値の電力を賄おうと思ったら、そんな電力ではとても賄い切れません。ですから、やっぱり大きな電力をもらうというのは、電力会社から買って、それも、コストを引き下げるという使命がございますので、深夜、夜作業をするというのがもう必然的になっていますし、電気の安い土日は必ず稼働だと。この夏でも考えましても、お盆はもう稼働です。人が休んでいるときは必ず稼働させる。逆に、電力が高い今、いろんな、この東電の中でも一五%削減と言われておりますが、七月の下旬から八月の頭は稼働を抑制しろというところも協力もしております。
 そういった産業でございますので、今大臣がおっしゃった十分な配慮、これを是非お願いをしたいと思いますし、もう一つ付け加えるならば、先ほどお話があった、いろんな省エネ設備なんかはこれまでも制度はあるわけですから、それにプラスアルファどうしていただけるのかというのが課題だと思いますし、よくこの買取り制度の先進国として紹介されるドイツ、十年前からこれスタートをしておりますが、ドイツですらこの電力多消費産業については十分配慮をしておりますので、そういったところも含めてお願いをしておきたいと思っております。
 次に、では、お願いをいたします。この再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度が成立すると、これまでの普及支援策であった住宅用の太陽光パネルの設置の補助金制度又はRPS法等の支援策はどのようになるのか、経済産業大臣にお聞きいたします。
#22
○国務大臣(海江田万里君) お答えをする前に、今丁重な、電炉の業界あるいは日本の産業の現在の状況、またそこで働いている人々の御苦労についてお話をいただきまして、ありがとうございました。感謝を申し上げます。
 その上で、今お話のありました住宅用太陽光発電の補助金、まず。これは昨年の事業仕分がございまして、将来的にはこれは全量固定価格買取り制度へと支援策を集中すべきだという指摘がございました。これを受けまして、私どもでは平成二十五年度をめどに終了する方向で検討をしております。
 それから、もう一つお尋ねのありましたRPSの制度でございますが、これも、今般、再生可能エネルギーの導入支援策として実用化されている全ての電源を対象とした固定価格買取り制度を導入することに伴い、これは廃止することとしております。ただ、廃止に伴いまして、既にRPS制度の下で電力会社に電気を買い取られている既存の設備の運転に影響が出ないよう、必要な経過措置を講ずるつもりでございます。
#23
○轟木利治君 ありがとうございます。
 結論から言うと、今まで支援策としていた補助金、そして事業用として支援をしていたRPS法は、この買取り制度によって、タイミングはありますけれども、やめますということだと思います。果たしてそれがいいのかどうかというのは今後の議論残るかとは思いますけれども、取りあえず今の法律の中にはそうであるということで理解をいたしますが、全体で後でまとめて少しちょっとお話もさせていただきたいと思いまして、次に入らせていただきます。
 再生可能エネルギーが大量に導入された場合、系統安定化対策として余剰電力の対応、そして周波数調整力の確保、電圧上昇対策が必要とされ、その費用、コストは莫大なものになると言われておりました。今回のこの再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度の法案の中では、どのような位置付けとなっていて、どのように取り組まれるのか、経産大臣にお聞きいたします。
#24
○国務大臣(海江田万里君) 今御指摘のありました系統安定化対策コストですね、これ、実際、通常の系統安定化対策ですね、これは不断に行わなければいけないわけでございますが、これと今回のこの措置に伴う系統安定化対策コストというのは、それを区分けをすることが不可能でございますので、その意味では、今回のいわゆるサーチャージの中には、サーチャージのところには含まないという考え方でございます。
#25
○轟木利治君 ちょっと済みません。今大臣、その電気料金のサーチャージには入れないよというのは分かるんですが、実際この今まで議論された中では相当額がこれは掛かるということなんで、それは掛からないようでは負担する側にはいいんですけれども、実際、じゃ、この先ほど言われました三千万キロワットを前提としたときに、そのコストが掛かるのか掛からないのか、系統安定化対策費用がですね、そのところをもう一度はっきりお答え願えませんでしょうか。
#26
○国務大臣(海江田万里君) この系統の安定化というのは、先ほどもお話をしましたけれども、不断に行っていかなければいけない事柄だろうと思っておりますので、その意味では不断に行っていくコストの中に入ってくるわけでございまして、特別にこの今回の措置に伴う系統安定化ということのコストを切り分けをするということではありませんが、不断に行うこの系統安定化のコストの中に入るというふうな考え方でございます。
#27
○轟木利治君 ありがとうございます。
 多分、私なりに解釈いたしますと、こういう対策は日ごろの設備投資含めてやっていかなきゃいけないんだと、だから、改めてこの買取り制度の三千万キロワットを買い取るための設備費用としては計上はしないという位置付けでよろしいんでしょうかね。そういう理解でよろしいですか。
#28
○国務大臣(海江田万里君) それでよろしかろうと思います。
#29
○轟木利治君 ありがとうございます。
 これまでこの再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度について議論をさせていただきました。まず感謝申し上げますのは、総理が、二〇二〇年には太陽光パネルを八十万ぐらいのコストにするという方針で進めていくと。この八十万というのは多分、先ほどお話があったように、現在行われている補助金は対象とせずとも、その価格そのものでその程度にするんだということで、このことが普及することについては、大変私も方向性としてはあるべき姿だろうと思います。先ほど申し上げましたように、やっぱり家庭用でつくった、自給自足できるようなもう一つ蓄電池等を含めて、その開発も是非お願いをしたいと思っております。
 全体で聞いていますと、先ほど御質問をさせていただいた中で、従来の、現在行われている支援策、太陽光パネルの補助金、そしてRPS法はやめるということでございます。ということは、買い取るコスト四千九百億、ピーク時でございます、これはまあ多分二十年ぐらい続くと思いますので、そのころにはもっと多くなると思いますが、ピーク時で考えたときに。ということは、国は具体的にこの再生エネルギーの拡大に向けてこれまでの政策はやめるということなんですね。そのツケは、ツケという言い方はちょっと失礼かも分かりませんが、負担は国民に求めるということだろうと思います。
 そういうことを考えますと、電気の料金に対してどう考えるかと。私は、電気料金というのは、もうこれは必然的に国民の皆さんはインフラコストとして使わざるを得ない、電気というのは。誰でも使う。そうしますと、この電気料金というのは、私は国民にとってみれば税金と同じだろうと思います。国会の中で、この税金でいえば消費税に関して非常にシビアな議論もされております。ただ、この電気料金についていえば、割とそこまでの議論が盛り上がらない。現行の価格に対してどれぐらい上げれるかと、国民のコンセンサスが得れるかと、こういうところでの議論になっていると。元々、日本の電気料金というのは非常に高い。韓国なんかと比べると四割程度高いんではないかなと思います。
 そこで、やっぱり日本が製造業を中心とした経済が成り立つためには国際競争力というのが非常に重要になっております。菅総理は、強い経済を目指すんだと、こういった方針を出されました。私はそれはもっともだと思いますし、是非それを実現すべきだと思います。強い経済を持って、そしてそこで得た国としての税収を含めて東日本の震災に対する資金をしっかりそこへ供給していくと、こういうのが使命だと思っております。
 そういった意味でも、やはりこの日本でしっかり、インフラコストであるコストが高くならないように、どっちかというと国際競争力に合うように抑えていくということも重要なポイントで、それを国がどう政策を打っていくかということが私は重要だと思っておりますので、是非そういった観点も含めてこの法案の議論を進めていただければと思います。
 本日は大変ありがとうございました。以上でございます。
#30
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。大久保潔重君。
#31
○大久保潔重君 おはようございます。民主党の大久保潔重です。(発言する者あり)ありがとうございます。
 三月十一日、本当に、我が国を襲った未曽有の自然災害、東日本地域に大変な甚大な被害をもたらしました。二万二千人を超える死者・行方不明者、並びに十一万二千人を超える方々が今でも避難、転居を余儀なくされております。三月十一日以降、全国で国民の皆さんが東日本地域に思いを寄せ、それぞれにできる支援をいただいておりますことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
 私自身は歯科医師であります。同じ歯科医師の仲間が震災直後から、残念ながら亡くなった方々の身元確認作業から、また避難所での口腔ケア等、大変な御尽力をなされております。ちょうどこの国会に議員立法で提出予定の歯科口腔保健法、これからしっかり与野党で論議をしながら是非成立に向けて頑張りたいと思っております。
 六月二十日、東日本の復興基本法が成立をしました。新しく就任をされました細野原発大臣におかれましては、これまでの経験と実績を生かしながら、確実な成果を出すべくスピード感を持って取り組んでいただきたいと思いますし、私たちも国会の立場で精いっぱい支援をさせていただきたいと思います。
 冒頭、まず定期検査中の原発運転再開について質問をしたいと思います。
 昨日の衆議院の予算委員会でも議論になりました。浜岡が駄目で玄海が何でいいのかというこの論議は今でもはっきりしておりません。原発再稼働の基準あるいは運転再開の条件というのが政府としてまず明確にされているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#32
○国務大臣(海江田万里君) まず、お尋ねの浜岡原子力発電所とそれから今回の玄海の原子力発電所の違いということでございますが、これは立地が違っておりまして、この立地の条件、とりわけ地震、津波ですね、境界型のプレートというものが実は御承知のように浜岡の沖と申しますか太平洋の沿岸にございます。それが東海、南海、東南海の地震につながるということでございまして、この境界型のプレートの隆起による地震というのは大きな津波を引き起こす可能性がございます。これに対して、玄海原子力発電所が立地をしております佐賀県というのは、こういった境界型のプレートはございません。
 むしろ、地震ということで申し上げると、これはやはり幾つかの直下型の地震につながるそうした震源はたしか二か所ほどだったと思っておりますけれども、これがございます。しかし、ここでの地震がいわゆる浜岡の太平洋の沖合のようなそういった大きな津波を生じるという可能性は大変低いわけでございます。ただ、低いとはいいましても、やはり今回のこの地震そして津波ということで大変大きなダメージを原子力発電所は受けたわけでございますから、今私どもは、およそ十五メートルの津波に対しては、従来は二メートルでございました、これは津波の対策が。それが十五メートルの高さに対する、およそでございますが、十五メートルの高さに対する津波に対する安全措置というものは講じてあるというふうに思ってございます。
 そうした観点から、今回の福島原子力発電所の事故を踏まえた現在の時点で分かっております原因、あるいはそれの及ぼした影響などを勘案をしまして、そして三月の三十日、それから六月の七日に安全の指示を行いまして、それはクリアをしているということでございますが、更なる安心を持っていただく、立地県の、立地地域のですね。特に玄海の町長などには本当に御苦労をお掛けいたしまして、そして苦渋の選択をしていただいたにもかかわらずこういうことでございますが、ただ、それはあくまでも本当に更なる安心を、その立地の地域だけじゃありませんで、近隣の地域もございます。こういう地域の方々、あるいは佐賀県民の方々、あるいは佐賀県民だけじゃありませんで長崎や福岡の方々も大変御心配をしておられますので、そういう方々に更なる安心を持っていただこうということで、今これはIAEA、特にヨーロッパで行われておりますストレステストなども行いまして、更に安心感を高める施策を取るつもりでございます。
#33
○大久保潔重君 海江田大臣、本当に何か苦しそうだなという感じがします。
 ストレステスト、これの表明は公式には昨日なのかなと思いますが、IAEA、ヨーロッパの手法だというふうにも聞いておりますが、海江田大臣が例えば玄海、佐賀県の玄海町を訪問されて理解を求めた、説明をし理解を求めたのは六月二十九日なんですね。そして、その後にストレステストの表明をされて、これからまた検査をして安全性を確かめますよというんじゃ、これはもう順番がちぐはぐでございまして、その辺非常にやっぱり厳しいなという感じがいたします。
 そもそも今回、福島の第一原発で想定外のああいう事故が起きたわけですから、当然ながら原子力行政に責任を持つ国としてEPZの見直し、これを速やかにやってほしいという、こういう要望もしてまいりました。それはその方針であるという原子力安全委員会の言葉もありました。また、その新たな方針、指針を受けて、当然各自治体は地域防災計画の見直しを迫られるわけであります。
 当然ながら測定の強化というのも図っていかなければいけない。そういう意味では、モニタリングポストの増設、これは、高木文部大臣、本当に第二次補正予算に全国二百五十か所の追加ということで盛り込んでいただいたことを私は評価もしておりましたし、是非そういう支援もさせていただきたいなと、こう思ったわけですよ。しかしながら、こういう事態であります。
 それからもう一つ、原発立地自治体そのものの説明はございましたね、例えば玄海でいうと玄海町、あるいは隣の唐津市、佐賀県。しかし、以前のEPZでいうところの十キロ圏内に長崎県の松浦市があるんですね。そして、今回の福島を受けまして二十キロ、三十キロという避難地域、これは全く海を介して途中遮るものはなくて壱岐という島もあるわけであります。そういう意味では、その立地する自治体以外の近接する自治体にも丁寧な慎重な説明が必要であると思いますが、いかがでございますか。
#34
○国務大臣(海江田万里君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、玄海町に行きましたときに、唐津の市長が同席をしてまいりました。お二人を前に私はお話をしたわけでございますが、玄海町の岸本英雄町長、この方は得心をいただきました。しかし、同席をしておりました唐津の市長はやはり最後まで得心に至らなかったということでございまして、私はやはりその点に今、大久保委員が御指摘になりました問題点があろうかと思いまして、そして、先ほども長崎県の話とそれから福岡県の話をさせていただきましたが、私は玄海町に行きますときに福岡の飛行場から陸路を行ったわけでございますが、まさにおっしゃるとおり、あの玄界灘の多くの小島、多くの島、そして本当に多くの県や町を通ってきたわけでございますから、そして、まず原子力発電所に行きましたから、そこから逆回しをすれば、まさに原子力発電所で事故が起きたとき、そうした島あるいはそうした町や村、大きな市もございますが、そうしたところがダメージを受けるということは肌で感じました。
 ですから、先ほどもお話をしましたけれども、やはりそうした関連の地域の二十キロ避難をお願いをしたわけですから、やはりそうした地域の市長の方々、町長の方々、あるいは地域の住民の方々の理解も受けられなければ本当の意味での立ち上げはできないということを実感をいたしました。それが実はこの度のこの更なる安心を持っていただくためのストレステストということにもつながっているわけでございます。
#35
○大久保潔重君 ストレステストも新聞報道では総理の唐突な指示があったというような記事もなされております。
 原発立地自治体と行政区が違っても、近距離の自治体には今後是非、電力会社や国との安全協定を結んでいただく、こういうことも是非政府として検討をしていただきたいと思いますし、当然ながら、先ほどの新たな防災計画を受けた各自治体の避難ルート等々、やはり丁寧な丁寧な対応を政府にお願いしたいと思います。
 と同時に、この原発の再稼働、この問題については非常に大事な問題であります。総理自らの積極的な説明をしていただきたいと思うんでありましょうが、総理、いかがでございましょう。
#36
○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の東電福島原発のこの大きな事故を踏まえて、私もずっとこれまでの原子力行政の在り方でいいのかということに対して、少なくともそのままであっていいとは言えない、これは多くの方が感じておられることだと思います。
 そういう中で、IAEAに対して政府としての報告書を当時の補佐官であった細野さんにまとめていただきました。また、IAEAからもいろいろな指摘はいただいております。中でも、どちらかといえば産業政策として進めていく経産省の中にある意味安全をも含めてチェックをする原子力安全・保安院が属している、そして原子力安全委員会は、内閣府といいましょうか、別の形で独立した存在になっている、それらの関係性についてもどうあるべきかということも検討が必要だと思っておりました。
 そこで、私はかなり早い時期から、経産大臣に加えて、やはり原子力事故を再発をさせないということに専念できる大臣を置いた方がいいんではないかと思っておりました。しかし、閣僚の数の制約等もありましてなかなかそこができませんでしたけれども、今回、改めて細野大臣をその任に当たるようにしていただきました。これは、原子力行政の在り方に対して根本的な検討を進める私は非常に大きな第一歩だと、このように考えております。(発言する者あり)質疑者との間で質疑をしていますので、ちょっとやじは少しやめてください。質疑者との間で質疑をしておりますので……
#37
○委員長(前田武志君) 総理、お続けください。
#38
○内閣総理大臣(菅直人君) はい。
 そういう中で、今回の一つの経緯で申し上げますと、確かに従来の法律でいえば、再開、つまり点検中の原子炉の再開に関しては、保安院の一つの考え方、チェックで経産大臣が決めることができることになっておりますが、しかし、私はやはりそれではこの大きな事故の後の対応としては国民の皆さんの理解をそれだけでは得ることは難しいのではないかと。少なくとも原子力安全委員会に意見を聞くなどのこと、あるいは今も海江田大臣からもありましたが、あるいは大久保さんからありましたか、IAEAの指摘のあるストレステストといったことについても、ヨーロッパでは既に行われておりますので、そういったことも含めてどのような形でこのことを言わば基準を設け、そしてそれをチェックすることが国民の皆さんに理解をいただけるか、このことについて海江田大臣と原子力担当の細野大臣の方に、国民の皆さんが理解しあるいは納得できるその仕組みをこういう段階でありますから是非検討してほしい、この指示を出して、今検討をお願いしているところであります。(発言する者あり)
#39
○大久保潔重君 野党からやじもありますように、本当に……。
 総理、分かりますよ。しかし、私がここで申し上げたいのは、その原発の再稼働の問題、これは当然ながら、先ほど轟木議員もあったように、我が国の電力供給をどうしていくのかという大事な問題と、それから福島の第一原発、ああいう想定外の事故が起きて、そして、それで国民の安全、安心をどうやって担保していくかという、その両際でのせめぎ合いです。その段階で一つ一つ大事な決断をしていく、そういう重要な場でありますから、総理自ら積極的にこの問題、それでやはり総理のいろんな意味での決断というのは大事だろうと思うんですね。そういう意味で、是非そういう説明をしていただきたいというふうに思います。
 論点を変えます。地元の諫早湾干拓、潮受け堤防の開門問題についてであります。
 昨年暮れに福岡高裁の判決を受け、国は上告を断念し、五年間の常時開門の義務を国は負うことになりました。元々、諫早市、またその近辺というのは水害が多い地域であります。昭和三十二年の諫早大水害。そういう中で、今回も、東日本地域のあの津波の災害を受け、今住民の皆さんの不安というのはピークに達しているわけですね。で、先般、六月十日、農水省で進めてきた環境アセスメント、これが発表された、素案。到底地元としては納得のいく内容ではございません。また、つい先日、六月二十七日、長崎地裁の判決はこれまでの判決とは全く逆の結論を下したわけであります。
 そういう中で、農水省は、来年度の概算要求に関連予算を盛り込むべく、開門方法を夏までに決めるというような発表をされたと聞いております。この政治的なレベルの決断というのはどういうことなのか、農水大臣にお尋ねします。
#40
○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に昨年の十二月の福岡高裁判決ということによりまして、これを確定ということになりましたから、平成二十五年十二月までに開門すべき義務というものを負っておるところでございます。このようなことから、開門の実現に向けて対応を進めているところでございます。そういう中で、開門の方法なり、あるいは期間なり、あるいは時期ということにつきましては、長崎県の関係者の方々を始め、話合い、あるいはまた意見をお聞きをしなきゃならない、こういう基本的な姿勢でございます。
 そういう中で、当然、防災がどうなるのか、あるいは営農がどうなのか、あるいは漁業の方々に対して影響はどうなっていくのか、このことにはもう十分配慮をしなければならないわけでございますので、そういうことを踏まえてきちっとした対策を事前に講ずると、このようなことから、私どもといたしましては、必要な予算というものを確実に確保していく必要があるんではないかと、こんなような考え方でおるところでございます。
 このような考え方を少しでも御理解をいただくと、こういうようなことで、地元の方々と本当に誠心誠意お話合いをさせていただきながら取り組んでいかなきゃならないということを基本といたしまして、今後、今申し上げたような方向性というものを見出すべく、概算要求というふうなものを行うことも必要になってくるんではないかと、こんな考え方に立っておるところでございます。
#41
○大久保潔重君 事前に国としてしっかり手当てをしながら開門調査をやっていくということですか。しかし、果たして事前に国の整備をしたところで、何らかの、開門をして調査していいデータが得られるのかどうかというのは、これは恐らく地元の皆さんはよくよく分かっていると思います。むしろ開けることによる防災面での損失、あるいは農業、漁業あるいは環境面での被害、これの方が大きいんじゃないかというところの恐らく今まではせめぎ合いだったと思うんですね。
 ちょうど昨年、赤松大臣のときの諮問機関といいますか、当時は社民党も連立を組んでおりましたが、与党の検討委員会というもの、私もメンバーでありました。参議院の西岡議長もメンバーでありました。最終的な結論を出すときに私と西岡議長は反対をしましたけれども、その検討委員会の出した結論は地元の同意を得て開門調査をしていこうということでありました。そういう意味では、それは強く生きていると思うんですね。
 地元の同意なくして開門することがないようにこれ求めたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#42
○国務大臣(鹿野道彦君) 検討委員会の考え方というものは、今委員からのお話のとおりでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、そういう検討委員会の考え方というものを受け止めさせていただくことも非常に大事なことでございますし、同時に、やはり地元の関係の方々の御理解というふうなものを受けるべく、誠心誠意、気持ちを持って話合いをさせていただくというふうなことがこれまた非常に大切なことだと思っております。
#43
○大久保潔重君 有明海及び八代海を再生する特措法の時限が来年に迫っております。これまでの特措法の中での内容というのは、単に公共事業のかさ上げとか、いわゆる覆砂とかしゅんせつとか海底耕うんということでありましたけれども、これは恐らく議員立法になるでしょうから与野党で論議を進めていかなければいけませんが、これはやはり有明海全体、八代海全体の問題ですから、当然この複合要因というのを検証して、環有明海全体でこの海の再生といわゆる水産振興に取り組んでいかなければいけない、そういうちょうど過渡期だと思うんですね。そういう中で、本当にこの諫早湾の問題だけが何かスケープゴートにされたのかなというような、こういう気がいたします。
 そもそもこれは、昨年、福岡高裁の判決を受けて上告を断念したというところに非常に苦しい苦しい道筋になったと、こう考えられると思っているんですね。いわゆる、そういう意味では、総理の判断で本当にこの地元関係者が翻弄されているという状況なんです、実は私の地元は。そういう状況なんですね。司法の場も法廷闘争、もう泥仕合の様子になってきましたですよね。
 そういう意味で、総理に申し上げたいし、求めたいんですが、この諫早湾干拓事業というのは国の直轄事業で半世紀にわたってやってきたんです。それを、政権が替わったから当然それは大型公共事業の方向性が変わるとしても、こういう法廷闘争、泥仕合というのを誰も望んではいないし、みんなが望んでいるのは、有明海をどうやって良くしようか、漁民の皆さんの営みをどうやって再生しようかということでありますから、そこを本当に丁寧に慎重に考えていただいて、そして、今後のトップリーダーとしての責任といいますか、それを十二分に出していただきたいと思います。総理、いかがでございましょう。
#44
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、大久保さんが最後におっしゃったことは私も全く同感であります。
 つまり、この有明干拓のことは、もう半世紀あるいは戦後以来、当時の食糧増産という立場から大きな干拓事業が計画されたわけでありますけれども、その後、どちらかといえば減反が進む中で目的も少し変わってきて、防災というものも組み入れられました。当時も漁民の反対等があったわけでありますけれども、結果としてこの干拓事業が完成をしたわけであります。しかし、その後の裁判というのは、御承知のように、その水門を閉じて内側の水が淡水化すると同時にかなり水が汚れますので、それを順次、水量が上がってきたら海の側に流し出しているわけでありますが、それによる有明海あるいは八代海に対する影響に対して漁業を営んでおられる方が訴訟を起こしたと、このように理解をいたしております。
 私も長年この問題にかかわってまいりましたのでかなり経過はよく知っておりますけれども、福岡高裁が高裁としてやはり開門して調査をしていこうという方向を出されて、もう工事そのものは終わっていますから、別に今の構造物を壊すとかなんとかということではなくて、既に入植された農業の方に対しても悪影響が出ないように、そういうことも含めて地元の方の理解も得てこの判決に沿った調査を行うことは私は適切ではないか、このように考えて高裁から最高裁への上告は断念をして、そしてそうした調査を行おうと、裁判所の指摘のように行おうと、そういう方向で今農水省にも御苦労をいただいているところであります。
#45
○大久保潔重君 今までの経緯というのは、もう私も含め地元の皆さんは百も承知なんですね。それを受けてこういう司法の場で泥仕合になっているというのを誰も望んではおりませんし、とにかくどうやって良くするかということを、国民も国会も政府全体挙げて頑張っていきましょうということでありますが、これなかなか方向性が、非常に農水大臣も苦しいと思いますけど、見出せないところに今日の大きな問題があると思いますので、是非そこは考えていただきたいと思います。
 福島第一原発問題について、そもそも何でこのような事態になったのかということであります。
 電源が喪失をしました。想定外です。長期にわたる全交流電源の喪失。外部は地震によって、そして内部は津波によって喪失をいたしました。それからメルトダウン、これもやはり起こりました。一番早くメルトダウンが起こった一号機、この一号機が福島第一原発の中では最も古い、四十年運転をしている炉であります。
 そういう意味で、原子炉の状態と運転年数の因果関係はどうなっているのか含めて、今後は、想定外のことが起きたわけですから、想定外の対策を打っていかなければいけない。当然、その安全設計指針の見直しというのもやっていただきたいと思います。原子力行政に携わるポストの閣僚の皆さんの数が増えたわけですから、ボリュームが出たわけですから、是非そこは強くお願いしたいと思います。
 それから、いわゆる建屋内の容器が当然メルトダウンによってだだ漏れ状態になった、原子炉の火種を冷却するために水をざぶざぶ掛けた、そして一時は十二万トンを超える汚染した水がタービン建屋の地下などにたまっておりました。今やっとこの循環冷却が機能し始めてオーバーフローの危機は脱したというふうにとらえていいのか。しかし、この汚染水浄化システムというのも度々トラブルを起こしております。この汚染水浄化システムというのは、アメリカのキュリオン、フランスのアレバ、いずれにしても外国のメーカーであります。そういうところ、私は個人的にでありますけれども、正直じくじたる思いがございます。
 フランス、アメリカ、いずれも核保有国であります。恐らく核戦争を想定したこのシステムの技術開発だろうと思われます。我が国は核こそ保有していないけれども、この国土に五十四基の原発立地を許しているわけであります。そういう意味では、我が国の本来ある優れた科学技術を生かして同じように汚染水処理システムを、その開発を自前で国産でやるべきと私は思うんでありましょうが、担当大臣の見解をお聞かせください。
#46
○国務大臣(細野豪志君) 大久保委員から冒頭、原発事故の収束ということで激励をいただきました。心より感謝申し上げます。ありがとうございます。精いっぱい職責を全うしてまいりたいと思います。
 今御質問をいただいた水の処理のシステムにおいて我が国の技術を最大限生かすべきだという大久保委員のお考えは、私も全く同じ思いでございます。当初、アレバのシステムとキュリオンのシステムを導入するときもそういう議論をいたしました。
 残念ながら、これまでの経験、実績ということになりますと、どうしても核保有国、さらにはこれまで事故を経験をした国、そういうところに一日の長がございまして、このシステムを導入をするのに僅か二か月程度ですぐ動くような仕組みにしなければならないということもあって、実績を重視をしてこの二社に決定をしたというのが、これが経緯でございました。
 ただ、この水の処理のシステムを含めて、廃炉に至るまで非常に長い時間にわたりまして我が国が責任を持って取り組んでいかなければなりません。そういったことを考えると、我が国の企業がそういう技術をしっかり身に付けて、そして問題の解決をしていくというのは非常に重要なことでございますし、また、そういう能力を根本的な部分では我が国の企業は持っているというふうに思っております。
 そこで、八月をめどに、今導入をしております二つのこの除去機能装置に加えまして、我が国の東芝を中心とした企業のシステムをもう一台導入をすることを計画をしております。さらには、この水処理システムはあくまで臨時のものでございまして、それこそ五年、十年もつような仕組みとは言えません。したがいまして、恒久的な仕組みを導入する際には、これは我が国の責任として、我が国の企業の技術を生かしたような仕組みを併せて検討し、できるだけ早い段階で完成に向けて努めてまいりたいというふうに思っております。
#47
○大久保潔重君 いずれにしても、汚染水を外国製のシステムで除染をします。しかし、そこには高濃度の汚染した放射性物質があるわけですね。その処理の問題というのは依然としてこれからも残るわけであります。その処理の問題も含めて、是非、今後は国産の技術開発を全力でこれは取組を進めていただきたいと思います。
 また、青森県六ケ所村の核燃料再処理工場、これも度々トラブルを起こしております。我が国の核燃料サイクル政策も正念場であると思います。同時に、その燃料の最終処分、この方針も含めてまだまだ課題は山積みであります。
 そういう中、先般、これはモンゴルですね、核処分場、これから世界で原発を新規導入する目的で燃料を必要とするところに対して、アメリカ、モンゴルなどが提唱をし、包括的燃料サービス、CFS、こういうものが打ち出されておりますが、これは世界的に原発をより推進するのではないかという、こういう懸念がされますが、これに対して国の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(海江田万里君) 御指摘のこのCFS構想でございますけれども、これはアメリカが提唱いたしました包括的核燃料サービスに関する国際的な議論の枠組みということでございますが、我が国もこれまで積極的に参加をしてきたところでございますが、モンゴル国内の状況、この議論の状況なども見極めなければいけないと思います。それと同時に、我が国全体のやはりこの政策の方向性というものを考えまして、そしてこれから検討していくということでございます。
#49
○大久保潔重君 これから作業が長期化すれば、当然、今現在二千三百人、作業員の健康管理が重要になってきます。被曝線量が二百五十ミリシーベルトを超える作業員が精密検査中も含めて今九名になっているというふうにも聞いております。また、サイトの中には今でも汚染水の水たまりがあり、先般、ベータ線熱傷の作業員が二人出ましたけれども、非常に急性被曝のリスクは高いというふうに推測をされます。
 こういう直接汚染水に接する機会が多い作業員の急性放射線障害、今、このパネルでいうと一番上の五番ですね。(資料提示)これは順番に一から五、こういうふうな形で、一番が放射線防護の基準であります。二番が通常の医療放射線被曝、三番は低線量、四番がこれがまさに発がんリスクの部分ですね、あります。
 もしそういう急性被曝の状態が起きたとき、これはもう今、恐らく千葉の放医研で最終的な対応をしないといけないと思うんですが、それを所管する文部大臣に、こういう急性放射線障害の予防策、それから仮に起きたときの緊急医療体制が構築されているのかどうかというのをお尋ねしたいと思います。
#50
○国務大臣(高木義明君) 大久保潔重議員にお答えをいたします。
 御指摘の緊急被曝医療でございます。
 その前に、今なお発電所の事態の収束のために日夜を分かたぬ収束の作業にかかわっておられる方々、この踏ん張りに心から敬意を表し、私たちも全力でそれを支えて収束を願っております。
 そういう中で、これまで国の現地対策本部といたしましても、緊急被曝医療あるいは緊急救命医療などを関係機関とも調整をしてやってまいりました。万が一高い放射線量の被曝患者が発生した場合に備えて、文部科学省においては、千葉県にあります放射線医学総合研究所、そしてまた全国の大学病院、特に広島、長崎などの病院とも十分連携を取りまして万全の医療体制の充実を努めてきたところであります。
 今回、東京電力が七月一日から福島第一原子力発電所のサイト内に緊急被曝医療体制の強化を行うに当たって、私どもも厚生労働省などとも連携を取りまして、現場に派遣する医師や看護師の皆さん方、そして放射線医療専門家の皆さん方の確保について全力で支援をしてまいりたいと思っています。引き続き緊急被曝医療の万全を期したいと考えております。
#51
○大久保潔重君 引き続きしていただきたいと思いますし、また今回、非常に救急搬送という意味では全国のドクターヘリも活躍をしました。そういう意味で、今後もドクターヘリ全国導入、あるいはパイロット、スタッフの皆さんのモチベーションが下がらないための研修、そういったものを国で是非サポートしていただきたいというふうに思っております。
 作業員のこれは熱中症対策についても厚労大臣にお尋ねしたいと思ったんですけれども、申し訳ありません、もう時間がございませんので、失礼をさせていただきたいと思います。
 今後は、作業員の健康管理も必要でありますけれども、同時に、福島県内の医療スタッフの健康管理も大事になってきます。福島県立医大のスタッフはまさに不眠不休の活動を四か月続けてきて、当然疲弊をしております。また、先ほど高木大臣にありましたように、広島大学、長崎大学以外の各大学もこれまで独自の予算で医療支援をしてきましたが、三か月たって引き揚げようとする動きがあります。
 そういう中で、我が国は元々医療資源が限られている。そういう限られた医療資源の中で、この福島県の体制をどうやっていくのか。まさにオールジャパンで取組を進めるべきと思いますが、国はどのように考えておられるでしょうか。
#52
○国務大臣(細野豪志君) 大久保委員御指摘のとおり、あの原発の中で働いている作業員の健康管理は非常に重要でございますが、同時に、県民の皆さんの間に広がっている不安にしっかりとこたえていく責任がもちろん国に最大あるというふうに考えております。
 そうした観点から、この度、福島県による県民健康管理調査というものを継続をして行うことになっておりまして、健康モニタリングの実施の点でこれは大変有意義でありまして、国としてはそれをとにかく全面的に支援をするという体制を取ることになっております。
 具体的に申し上げますと、これから御審議をいただく平成二十三年度の二次補正予算において、子供を始め住民の健康確保に必要な事業を中長期的に実施するための基金、これは九百六十二億円というかなりまとまった規模になっておりまして、福島県がやることを財政的にまず支援をするということです。
 もう一点は、財政的な支援だけでは十分ではありません。当然、これだけの広範囲の調査をするわけでございますので、それに対する専門的なそれこそ後押しというのも重要でございますので、そこは実務を担当している福島県立医大であるとか、また独立行政法人放射線医学総合研究所、いわゆる放医研、そういったところの意見も踏まえまして、国からも後押しをする中で、住民に安心感を持っていただけるよう、検査項目であるとか問診内容などの改善を図ることとしております。
 ただ、今の体制が十分なのかということについても順次私は検証が必要だと思っていまして、二十年、三十年続く検査を福島県だけでやれるわけではありませんので、国としてしっかり関与する在り方については、これから関係機関と調整をしながら、前に出ることを検討すべきだというふうに考えております。
#53
○大久保潔重君 是非その体制、前向きな検討、そして同時に行動をしていただきたいと思います。
 私が申し上げたいのは、緊急被曝医療に対する予算あるいはそれに携わる方々の人材育成、本当に限られた、民主党政権の事業仕分で減らされながら、このぎりぎりの予算の中で人材を育成してきたわけですね。そういう人たちが二か月、三か月、四か月、長期間で本当に疲れ果てているんですよ。これをオールジャパンでやるべきなんですね。是非そういうことを検討していただきたいという話でございます。
 同時に、福島県で今やっている県民の皆さんの環境モニタリング調査、これとて長いスパンでやる必要があるんです。広島、長崎は六十年これやってきた。そして、その経験でもってチェルノブイリにも行って二十年の実績がある。これから長い長い、そういう意味では我が国独自の疫学データを取るためにも、これはしっかり国がサポートをしていただきたいというふうに思っております。
 最後になります。
 地球上で相当の大気圏核実験行われた。それ以降、一九八〇年以降は地下核実験も行われている。人類は核を制御できるのか。是非この原発を境に、核保有国に対して我が国は核軍縮から核兵器廃絶に向け、より強く踏み出すべきと思います。
 そういうことも踏まえて、今年の八月九日、長崎原爆の日、平和祈念式典に、菅総理、日本の総理として、また民主党の代表として御列席されるかお尋ねして、終わりたいと思います。
#54
○内閣総理大臣(菅直人君) 広島、長崎の原爆の日には昨年も出席をさせていただきました。できるだけ万難を排して広島、長崎のその式典には出席をいたしたいと、このように考えております。
#55
○委員長(前田武志君) 以上で轟木利治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#56
○委員長(前田武志君) 次に、礒崎陽輔君の質疑を行います。礒崎陽輔君。
#57
○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔でございます。
 まず、先ほどもありましたけど、ストレステストとは一体何なんでしょうか。私も、原子力発電所の再開には新しい基準があった方がいいとは思いました。海江田経産大臣が大丈夫だといって予言者のように言っても、なかなかそれだけでは信用できるわけじゃありません。新しい基準を作れと言ったら、班目安全委員長が、いや、専門家の知恵を集めるには時間が掛かると、やる気がない。
 そういった中ではありますけど、今まさに佐賀県の玄海発電所の再起動については、佐賀県知事や玄海町長に対し、あるいは地元の皆さんに対して同意をお願いをしている、そんな段階にあるわけで、それが、総理の思い付きで一言でストレステストを突然持ち出して政府の方針を転換する。これまで政府の考えを真摯に受け止めて頑張っている佐賀県の皆さんに私は本当に無礼なことだと思います。
 これも、総理の意見も聞こうと思ったけど、先ほどの大久保委員に対して訳の分からぬ答弁を総理がなさったから、もう総理はいいですわ。海江田さんに聞きたい。
 海江田大臣、あなた一生懸命頑張っているんだと思いますよ。だけど、一生懸命頑張っても、あなたのやったこと、こんなに総理にぽんぽんぽんぽんひっくり返されておったら、それは大臣やっていても仕方ないでしょう。佐賀県の人に対して、あなたはどういう責任を取るんですか。あなたが言ってきたんだから、平然と、いや、ストレステストをしますなんか、よう平気で言えますね。あなた、佐賀県の人に対して腹を切るべきじゃないですか、お辞めになったらどうですか。海江田さんに聞きたい。
#58
○国務大臣(海江田万里君) ちょっと待ってくださいね。──いずれです、いずれ時期が来ましたら、それは私も責任を取らせていただきます。
#59
○礒崎陽輔君 今の海江田大臣のお顔、私はお気持ちはよく分かりました。野党からも、悪いのは海江田さんじゃない、総理だという意見がある。私もそう思います。この問題はしっかりと後で関連質問の中でやっていきたいと思いますが、本当にこんなことで日本国はもたないということだけはっきりもって言っておきたいと思います。
 今日は、原子力災害の当事者である東京電力の最高責任者の勝俣会長においでいただきました。
 今回の災害に対する東京電力の責任に対してどう考えておられるのか、簡潔に分かりやすく答弁してください。
#60
○参考人(勝俣恒久君) 東京電力の勝俣でございます。
 この度の福島第一原子力発電所における放射性物質を外部に放出させるという大変重大な事故によりまして、発電所の周辺の皆様、福島県民の皆様、さらには広く社会の皆様に大変な御迷惑と御心配をお掛けしておりますことを改めて心からおわび申し上げます。
#61
○礒崎陽輔君 簡潔にとは言ったけれども、簡単過ぎましたね。まあいいです、後でもう一回聞きますけど、そんなもんじゃ収まらぬと思いますが、出始めですからいいでしょう。
 さて、松本復興担当大臣の辞任により、政権はもう断末魔の様相になってまいりました。一体誰が菅総理を今支持しておるんでしょう。もう閣僚も今言ったような感じであります。あなたを支える党の幹事長も国対委員長も幹部もあなたを批判しております。既に菅総理の命脈は尽きておるじゃないですか。それにもかかわらず、あなたは首相官邸に籠城し、震災復興と解散権を人質にして、その解放条件として三条件を要求いたしております。まさに官邸ジャックじゃないですか。
 ちょっと前まで、私のネットに対しては菅総理はけしからぬというのが多かったのですが、最近ちょっと変わってきました。総理には失礼ながら、最近、菅総理は気持ちが悪いというのが増えてきまして、それを見たほかの人が、うちのかみさんも同じことを言っていますというのを言っているんです。全て解説はしませんけど、一つには、菅総理が今後何をしでかすのか分からないという意味があるんではないかと思います。
 一つだけどうしても重要なことを聞いておきたい。今の人質に取っていることでありますが、既に退陣を表明したあなたが衆議院の解散を決定するということは絶対にありませんね。
#62
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、私が国会で首班指名をいただいたのが昨年の六月でありました。そして今回の三月の十一日の大震災が発生いたしまして、私として、その責任を負った総理である以上、その復旧復興に向けての内閣としての取組を全力を挙げ、そしてこの東電、福島の原発事故に対してもその収束に向けて全力を挙げ、そして今後のこうしたことが再度起きることがないような仕組みづくりに向けても一定の方向性を、道筋を見出していきたいと、そういう責任感でもって私は仕事をしているわけでありまして、何か籠城とかいろんなことを言われますけれども、私が憲法上与えられた権限の中で全力を挙げて仕事をしていると、そのことは国民の皆さんにも明確に申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)
#63
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
#64
○礒崎陽輔君 憲法上の認められた権限というのは解散権も入っておるということでしょうね。まあ、それは確かに憲法上入っていますが、まだやる気ですか、そこまで。私は、それも否定できない、早く辞めてもらうしかないと思いますけれども。
 退陣を表明した総理が内閣改造をした。その内閣改造の柱であった松本復興担当大臣が僅か九日間で辞任し、内閣改造は失敗に終わりました。ここに松本大臣がおれば、私ももうちょっと本人に厳しい質問をするつもりでおりましたが、辞められたので松本さんに対する質問もしませんし、発言内容もここで再確認することはいたしませんけれども、あの松本さんの発言、宮城県知事に対する発言は全く被災地の皆さんのお気持ちを逆なでするもので、許せないものであったと思います。総理はこのことについてどういう責任を感じておるのか、参議院としても確認をさせていただきたいと思います。
#65
○内閣総理大臣(菅直人君) 松本前大臣の一連の発言が被災地の皆さんに対して、今お話がありましたように、神経を逆なでするといいますか、非常に強い反発を受けるような内容であったことについては私からもおわびを申し上げたいと、このように思っております。私として、任命をした者としての責任を感じております。
 と同時に、松本前大臣は三月十一日の大震災発生以来、防災大臣として全力でこの問題に取り組んで、現地にも何度となく足を運び、多くの関係者との信頼関係も築いておられましたので、私としては、復興大臣としても十分に力量を発揮していただけると、そういう形で期待をして任命をいたしました。結果としてそうならなかったことについて、私も任命者としての責任を感じております。
#66
○礒崎陽輔君 責任は感じるだけじゃなくて取ってほしいと思います。
 民主党のある有力政治家と私、話をしました。そうしたら、松本大臣は、もう退陣を表明したあなたの下での今回の閣僚人事が嫌で嫌でたまらなかったと。それであなたに、じゃ、それなら松本流でやらせてもらえますかと言ったら、あなたがいいですよと言ったと、そういう経緯があるようですよ。で、松本さんがサングラスで記者会見をし、民主党も自民党も公明党も嫌いだと言った。あれからちょっと変なんですよ。ある意味、松本大臣は確信犯だったわけでありまして、総理の任命責任は極めて大きい。まさに最初から、一日目から松本さんは、ちょっと失礼な表現ですが、切れていたと、そんな感じであったのではないかと思います。
 もう一つの問題が、我が党に所属していた浜田参議院議員を総務政務官に就けた人事、これは全く訳が分からぬのです。何でこんな混乱を、与党の中にも野党の中にも混乱をもたらす人事をもう辞めると言った総理がやったのか、もう一回説明してください。
#67
○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の震災に当たって、直接ではありませんが、人を介して浜田参議院議員の方から、是非こうした震災に向けての仕事に自分の能力を発揮させてもらいたいと、特に国際的な協力関係について自分はいろいろなそういう知見を持っているので協力をしたい、こういうお話が伝わってまいりました。そういう中で、御協力をいただけるということであればそれを受け入れることが好ましいと考えて、受け入れることを決定いたしました。
#68
○礒崎陽輔君 この人事については、民主党幹部である岡田幹事長や安住国対委員長が我が党に陳謝をしております。民主党の代表である総理も同じ考えだと思いますが、この場で我が党に陳謝してください。
#69
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も三十年余り国会におりますので、いろいろなことが過去にもありました。それは自民党が他党から多くの方を引き戻した時期もありました。
 私は、最終的にはこういった問題は、政治家本人の判断と、そしてそれを有権者がどのように判断されるかというのが、究極的にはそういうことであろうと思っております。
 しかし、そういった中で自民党の皆さんに対してある意味……(発言する者あり)
#70
○委員長(前田武志君) 傍聴席の方はもう少し静かにしてください。
#71
○内閣総理大臣(菅直人君) 不快な思いをさせてしまったことについては申し訳なく思っております。
#72
○礒崎陽輔君 陳謝になっておるのかどうかさっぱり分かりませんがね。
 亀井静香議員が中心になって、我が党の中にたくさん毛針を垂らしたんでしょう。そうしたら、一番世間知らずのどんくさい魚が一匹毛針に引っかかってしまったと。一匹だけ釣り上がったものだから、今更リリースするわけにもいかず、ああ、そういえば総務省に言うことを聞かぬ政務官がおったと、あれと替えればちょうどぴったり合うわと、そういうことだったんだと思うんですよ、簡単に言えば。
 もう総理の方は分かったので。こんな政務官を押し付けられたら、片山総務大臣、困るでしょう。感想はどうですか。
#73
○国務大臣(片山善博君) これは任命権者が御説明されて、御本人がまた有権者の皆さんにどう説明されるかということが基本だろうと思います。総務省の直接の仕事をしていただくわけではありませんので、私の方で特段の感想はありません。
#74
○礒崎陽輔君 もう総務大臣も知らないと、総務省の仕事させるわけじゃないとおっしゃっておるわけであります。(発言する者あり)
#75
○委員長(前田武志君) 質疑の妨げになりますので、もう少し御静粛に。
#76
○礒崎陽輔君 全くもう党内も閣議も、何か訳分からぬような混沌状態になっておるような感じがいたします。
 まあいろいろありますが、ちょっと宿題となっていることをお聞きします。
 この三月に前原外務大臣が外国人からの政治献金を受けたことが発覚して引責辞任しました。そして、東日本大震災の当日、菅総理も外国人のKさんから政治献金を受けたことが報道されました。その後、総理は、弁護士を通じて返金したと言っていますが、その経緯について、さきの委員会で我が党の義家委員の質問に対し明確に答えることができませんでした。答弁で後刻報告すると言ったんだけれども、全く何の回答もありません。あなたは平然とうそを言います。
 仕方ありませんから、もう一回お伺いします。
 Kさんからの政治献金はいつどこで返金をしましたか、現金でしたか、振り込みでしたか。領収書はありますか。政治資金収支報告書は訂正しましたか。これは今日はちゃんと全部通告していますから、きちんと答えてください。
#77
○内閣総理大臣(菅直人君) 幾つかの点に御指摘をいただきました。
 この件について、まず、返金ということでありますけれども、三月十四日に弁護士を通じて現金で弁護士の方から返金したと、そういう報告を受けております。返金を行った三月十四日に弁護士が領収書をもらって、弁護士の方で預かっている、このように認識をいたしております。
#78
○礒崎陽輔君 委員長、今の領収書の提出を求めます。
#79
○委員長(前田武志君) 理事会において協議をさせていただきます。
#80
○礒崎陽輔君 今の領収書を提出してもらえますかというのの答弁を、ちょっと逆になりましたけど、総理、もう一回いただきたいと思います。どうですか。(発言する者あり)収支報告書。
#81
○内閣総理大臣(菅直人君) 領収書を収支……失礼しました。
 まず、ちょっといろいろな、領収書は……(発言する者あり)いいですか、ちょっと説明しますので。まず、これは、新たに私のいわゆる後援会、政治団体から返金という形で支出をすることに法律的にはなります。そういう形で支出をしたことについての領収書は今年度の収支報告に領収書を添えて提出をいたします。そういう扱いをいたしますので、そういう形できちんとした処理をさせていただくことにいたしました。
#82
○礒崎陽輔君 領収書を今は出さぬという意味ですか。まあこれは、じゃ理事会で引き続き協議をいたそうと思いますけど。
 信頼できる筋からの情報があります。あなたの弁護士は確かに三月十四日にKさん側の人と会っておりますけど、現金を返したのはその日じゃないでしょう。我々の把握しておるんじゃ、あなたが初めて知ったという地震の当日三月十一日の前日、三月十日に神奈川県の保土ケ谷パーキングエリアであなたのスタッフがこっそりと返したと、そういう事実を我々は聞いておるんですが、そんなことはあり得ませんか。
#83
○内閣総理大臣(菅直人君) 私はこの件について弁護士の方にお願いをいたしておりまして、弁護士から、本日御本人にお会いをして、そして現金で三月十四日に返金したと、こういう報告をいただいております。
#84
○礒崎陽輔君 報告を受けておると言うんでしょうが、あなたは三月十一日の決算委員会で、今朝の新聞を見て初めて知ったと言ったわけでありますから、もし本当に三月、前日の十日に返しているんだったら、これは大ごとになるということだけは申しておこうと思います。
 この件で菅総理は刑事告発をされております。今週、相手方のKさんが東京地検から事情聴取を受けておりますが、この件についてKさんから御連絡ありましたか。
#85
○内閣総理大臣(菅直人君) 私について何の、連絡などは一切ありません。
#86
○礒崎陽輔君 この件につきましては、もう総理が三月十四日に返したと明確に御答弁いただきました。いい答弁をいただきましたので、引き続きこの件については追及をさせていただきたいと思います。
 もう一つ、今度は菅総理の献金の方でございます。
 あなたの資金管理団体の草志会が、神奈川県の政治団体、政権交代をめざす市民の会に平成十九年に五千万円、二十年に一千万円、二十一年に二百五十万円、合計六千二百五十万円の巨額の寄附をしております。この団体は、東京都の市民の党の酒井代表の呼びかけで創立され、市民の党とは事務担当職員も同じという極めて近い関係にあります。表裏一体の関係と言ってもいいと思います。
 市民の党は、今年四月の三鷹市議会議員選挙でMさんを擁立しました。Mさんは、よど号ハイジャック事件のリーダーである故田宮高麿の長男であります。また、Mさんの母は、石岡亨さんと松木薫さんをヨーロッパから拉致したとして結婚目的誘拐容疑で国際手配されている森順子であります。
 総理、こういう拉致容疑者の近親者、親族との関係のある団体にあなたが多額の寄附をしておる。総理として問題だと思いませんか。
#87
○内閣総理大臣(菅直人君) 政権交代を実現する市民の会への寄附に関しましては、政治資金規正法にのっとって寄附をし、収支報告をいたしております。
 また、私としては、当時の党役職者としての職務を果たすために、このローカルパーティー、市民の党と党の活動の連携支援のためのものとしてそうした寄附を行いました。
 また、市民の党に関するいろいろな御指摘は報道等で承知しておりますが、その記事で掲載されている事実関係を含めて、私自身は何も承知をいたしておりません。
#88
○礒崎陽輔君 何も知らないのに六千二百五十万円も出している。前の鳩山さんのお母さんの金のような話にまたなってまいりましたけどね。
 市民の会と市民の党には民主党関係者が多くの寄附をしておるんです。鳩山由紀夫議員も市民の会に一千万円の寄附をしております。かつて市民の会から献金を受けていた黒岩法務政務官も市民の党に四百万円の寄附をしています。このほか、鷲尾英一郎議員、小宮山泰子議員、さっきの大久保潔重議員、池田元久議員、松崎哲久議員などが市民の党に百万円単位の寄附をしています。不思議ですね。民主党関係の都県議会議員や市議会議員レベルでも、例えば市民の会と市民の党へ、ある人は年間それぞれ百五十万円ずつ寄附して三百万円の寄附をしている。市議会議員が三百万円も寄附するというのはよっぽどのことがない限り考えられないんですが、この団体に寄附することにどんな御利益があるんでしょうか。
 総理、民主党とこういう団体は一体どういう関係にあるんですか。こんなにたくさんの金を集めて何をやっている。あなた自身が六千二百五十万円もの金を与えるだけの意味をちょっと教えてください。
#89
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたが、当時、私、多分代表代行という党の役職を務めておりましたが、その職務を果たす上で、ローカルパーティーである市民の党、市民の会と党の活動の連携支援のためのものとして寄附をいたしました。
#90
○礒崎陽輔君 連携支援って意味が分からぬのですけれど、何で、あなたの団体が六千二百五十万円あるし、多くの民主党の国会議員がこんなに多くの金をそこに出しているのか。だから、どういういいことがあるんですかと、どういう御利益があるか教えてください。
#91
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、ローカルパーティーとしての市民の会との連携支援のために行いました。
#92
○礒崎陽輔君 いや、意味が分からない。もうちょっとちゃんと言ってください。
#93
○内閣総理大臣(菅直人君) 私としてはちゃんとお答えをしているつもりです。連携支援のために私として寄附をいたしました。
#94
○礒崎陽輔君 連携支援じゃ分からぬじゃないですか。だから、どういう活動をその市民の会にあなたは期待をして、あるいは市民の党と一体と、市民の会に期待をして支援をしておるのかと聞いているんだから、どういう活動を期待してやっておるのか、それを言ってくださいよ。
#95
○内閣総理大臣(菅直人君) これは、いろいろな政治活動を行う上でいろんな団体と連携をされているケースはそれぞれあると思います。そういう意味では、政治的にいろいろな意味で連携をすることにとってプラスになると、そう考えましたので寄附をいたしたわけでありまして、そういうことをきちっとお答えをしているつもりであります。
#96
○礒崎陽輔君 答弁には全くなっておらぬですよ。言われないような金なんでしょう、これ、多分。市議会議員が年間三百万も四百万円も寄附するのはあり得ない。何かこれはお金の仕組みが書き込まれているんだと私は思いますよ。正直言ってまだ分かっていないけれども、今一生懸命調べておりますから。あなた、またやりましょう、この問題は。
 ただ、言っておかなきゃならぬのは、市民の党の代表の酒井氏は、御本人がマルクス・レーニン主義者であることを隠してはおられません。どちらかといえば思想的には極左に属する人であります。こういった極左の方と民主党が切っても切れない関係にある。それだけでなく、拉致実行者の近親者を地方選挙で擁立した団体ですよ。こんなものは拉致被害者の皆さんから見て許されるはずがないじゃないですか。
 だから、総理、あなたの私は献金は不適切だと思います。今からでも返してもらったらどうですか、六千二百五十万円。返すようにしてください。
#97
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、私として、私としての判断で寄附をいたしたものでありまして、特に今返金を求めるというつもりはありません。
#98
○礒崎陽輔君 返還するつもりはないと。何の金か聞いてもよく分からない、何をしている団体かよく分からない。ある年は人件費だけいきなり五千万とちょんと書いている。人件費なんて何も内訳ない。もうきちんとした活動はしていないですよ、この団体は。それに対して、何で前総理、総理を始め民主党の人が何百万円も何千万円も、県議会議員や市議会議員までも何百万円も出している。これは不思議ですよ。
 それで今説明を、どんな活動をしておる団体ですかと聞いておるのに、全く分からない。これは大きな政治疑惑、政治献金疑惑に私は発展してくるんだと今確信をいたしております。引き続きこの問題は調べてまいりたいと思います。
 総理自ら首相官邸に籠城し、人質解放のための三条件を示しております。それが二次補正予算、公債特例法、再生エネルギー法の成立であります。私の顔が見たくなければ早く法案を通せ、おだてられたにしても、あれは日本国の総理大臣の発言じゃないですよ。あなたは、もうさっきも言ったように、党内での命脈も尽きております。何か勘違いをしておるんだと私は思います。官邸ジャックをしておるあなたの身の代金要求にこたえることは私はできないと考えております。
 ただ、そこまで言うのなら、私たちも三条件出したいと思います。今国会、野党の方から、一つは原子力災害賠償金政府仮払い法案、そしてもう一つは瓦れき処理促進法案、それから三つ目は、まだ出しておりませんが、被災地の市町村が自由に使える財源としての災害臨時交付金法案、この三つを出したいと思います。
 これに対して是非とも、総理の賛同が得られるかどうか、これひとつ聞いてみたいと思いますが、午前中は時間が来ましたので、質問だけして終わりたいと思います。
#99
○委員長(前田武志君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#100
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。礒崎陽輔君。
#101
○礒崎陽輔君 では、引き続いてやります。
 午前中、総理にお伺いしました。野党も提案しておる法案、原子力災害賠償金政府仮払い法、それから政府も同じような法案を出しましたけれども、瓦れきの処理の推進法案、そして今後、災害臨時交付金という形で市町村に対する自由な財源を被災地の市町村に交付すると、この三つの法案を考えています。もちろん、丸のまま全部のんでくださいと言うつもりはありません。前向きな与野党協議を一生懸命やらせていただきたいと思いますが、この三法案について、総理、基本的なところは御賛同いただけますでしょうか。
#102
○内閣総理大臣(菅直人君) 午前中の質疑の最後に野党提出のその三法案について御指摘をいただき、今も御指摘をいただきました。大変、私は内容的には示唆に富む内容だと思っております。
 私どもも既に原子力損害賠償支援機構法案を提出をしておりますので、野党が出された原子力災害賠償金の政府支払法というものも、この機構法案をまずは進めることが重要ではないかと、私どもの姿勢はそういうことであります。
 また、瓦れき処理法案についてでありますけれども、これも既に政府の方で、実質的に費用的には一〇〇%を国が持つという形になっておりまして、更に強力なこの瓦れきの処理のために法案を準備をいたしているところであります。
 また、災害臨時交付金法案を準備されるそうでありますが、使い勝手の良い自由度の高い交付金という仕組みは復興構想会議の提言においても出されておりまして、十分に議論ができるものではないかと思っております。
 なお、一言だけ礒崎議員に申し上げますが、午前中の質疑の中で、あなたの身の代金要求にこたえることは私はできないというふうに言われたようでありますけれども、私は身の代金を要求したことはありませんので、この言葉だけは、この言葉だけはきちんと撤回をしていただきたい。国民の皆さんに誤解を招きますので、そのことだけはお願いを申し上げます。
#103
○礒崎陽輔君 三法案に対する総理の御意見がありました。まあ、総理が自分の予算、法律は三つとも全部通せと言っておるんだから、我々も別にこのとおり通せとは言いませんけれども、野党の法案にも少し目を向けて、昨日も津波法案の話もありましたから、これはしっかりと一緒になって災害復旧復興のために取り組むところはやっていこうと我々も思っておりますので、その辺は、ここはよろしくお願いしたいと申し上げておきたいと思います。
 さて、原子力の問題であります。これも山ほど言いたいことがあるわけでありますが、水素爆発のあった当日の海水注入の問題、いろんな答弁が変わってきております。一号機への淡水注入が停止したのは、清水東電前社長の答弁では十二日の午後二時五十分であります。その四十六分後に水素爆発が起きて、その水素爆発が今回の大災害の根源になっておるわけでありますから、この二時五十分淡水注入停止というのは極めて重要な時間でありますが、政府は私の質問主意書に対して一貫して、淡水注入の終了時刻は東電から聞いていないと回答をしております。
 勝俣会長にお伺いしますが、何でこんな大事なことを政府に東電は連絡しなかったんですか。
#104
○参考人(勝俣恒久君) お答えいたします。
 一号機の淡水注入につきましては、その進捗状況は適宜国に連絡いたしておりました。十四時五十三分に累計八十トンの淡水注入が完了したことを十五時〇五分に国に連絡しております。淡水の量には限度がありますことから、淡水注入と並行して海水注入に切り替える準備を行っており、十五時十八分には、準備ができ次第、海水を炉内に注入する予定である旨、国に連絡いたしました。
 その後、十五時三十六分に原子炉建屋で爆発が発生し、海水注入のためのホースの再敷設を行い、十九時四分に海水注入を開始いたしました。
 このように、八十トンの……(発言する者あり)はい、八十トンの淡水注入完了の……(発言する者あり)はい、失礼しました。
#105
○礒崎陽輔君 ということなんですよ。東電は、通告しておる、通告というか報告しておるというんですよね。私の答弁書は、何回聞いても、淡水注入の終了は東電から聞いていないというんです。
 同じ、お手元に資料一があります。異常事態連絡様式、これは、内閣官房に現地の吉田所長の名前で経済産業大臣ほか、恐らく経済産業省から総理官邸に行くんでしょうから、その一番下のところを見てください。今後、準備が整い次第、消火系にて海水を炉内に注入する予定といって、今後の海水注入の予定までちゃんと連絡しておるのに、私の質問主意書の答弁は、そんなものは一切聞いていないと。おかしいんじゃないですか。
 もう一つ面白いのがあるんです。もう一つ、これはなかなか、やっと入手することができましたけれども、消防庁の資料でありますけれども。十八時、総理指示、福島第一原発について真水による処理は諦め、海水を使えと。私も内閣で安全保障の担当をやっておりましたから、これは誰か黒板に書くんですよね。そうしたら、各省の役人がそれを筆記して、それをファクスで自分の役所に送る、そういうペーパーであります。十八時に総理が海水の注入の指示をしておるじゃないですか。
 あなた、淡水の注入が終わった時間も知らなければ、海水注入の指示をした覚えがない、準備の指示ぐらいしたんだというような答弁になっていますから、ちょっと言っておることがうそじゃないですか、総理。
#106
○内閣総理大臣(菅直人君) 何度か同趣旨の質問をこの委員会でもいただきまして、その都度お答えいたしておりますけれども、まず基本的な認識として、冷却のために注水が必要だという認識は一貫して私も、あるいは海江田大臣も、あるいは保安院も、安全委員会も持っておりました。その中で、淡水がなくなった場合には海水で注入をするということを申し上げるのは当然でありまして、そのこともそういう認識でおりました。
 前回もたしか申し上げましたが、たしか十八時の時点でそういった議論をしているときに、いやいや、海水注入にはまだ時間が、少し準備が掛かるのでという中で、たしかそのときの議論の中にいわゆる再臨界の議論などもありまして、そういうことも含めて検討していただきたいと、若干の時間があるのでということでありましたので、そういう経緯もあったということは申し上げているところであります。
 何か私が、一部の報道では海水注入を途中でやめさせたと、御党もそういうことを言われた方もありますけれども、結果として海水注入は一度もスタートした後は止まっていないということが後に分かったわけでありまして、少なくとも私が海水注入を止めたという報道は間違っていたということをこの場で改めて申し上げておきたいと思います。
#107
○礒崎陽輔君 答弁になっていないんですよ。もう総理が、これもう時間があればいろいろ挙げてもいいんですけれども、これだけじゃない、役人にまでみんなうそをつかせる。経産大臣にさえ、うそと言ったら悪いかもしれませんが、言いたくないことを言わせる。そういうことをずっとやっているんです。この問題、もう明らかな証拠があるじゃないですか。官邸はこういう指示を出したと少なくとも流れておるわけでありますから。これだけあって、海水、今言った東電も淡水の中止は連絡していますと、消防庁もちゃんとそう官邸から海水の注入指示が出ましたと、もう聞いておるじゃないですか。
 今日は午前中もいろいろ言いました。あなたの言うことはやっぱり、うそと言ったら怒るかもしれないけれども、本当、うそが多いと私は思います。結局、最初は、廃炉も覚悟をした海水注入を総理の英断によって決定したというシナリオにあなた、したかったんでしょう。またパフォーマンスなんでしょう。
 ところが、海水注入が一時中断されたと、七時二十五分に中断したと、これは、東電本社は決定していたんだけれども現場は中止していなかったと後からそれが分かりましたけれども、一時中断したというニュースが流れたから、今まさにあなたが聞かないのに言ったことですよ、私が止めたんじゃないよということが、そこが、あなたの責任を問われるのが嫌で、今度は海水注入は一切知らないというストーリーに変えたんでしょう。
 細野さん、大分それで動きましたよね。東京電力、言っていますよ。細野さんから、ホームページを、あそこを削れ、あそこを付け加えろと細かい御指示を細野さんからいただいて大変困惑いたしましたと言っていますよ、東電の人が。(発言する者あり)いえいえ、言っていますよ。それは私が聞いた話だから否定せぬでください。そんなことをずっと、ずっと……
#108
○委員長(前田武志君) 質疑、答弁は委員長の指示に従ってください。
#109
○礒崎陽輔君 下ろしてくださいよ。
 ずっとそんなことをあなた方はやっているわけであります、全てのこと。
 三月二十九日には、あなたのヘリコプターでの福島原発の視察のことを言いました。確かにあなたがそのときにベントを止めろとは言わなかったかもしれないけれども、ベントの指示が出たのは八時三分。あなたが福島原発を出たのが八時四分。あなたがおる間はベントの指示を吉田所長が出せなかったことは明らかじゃないですか。事実なんですよ、これは。何を否定しているんですか。あなたがいたのが邪魔になったことは少なくとも間違いないんであります。それを今までずっと分かっていた。全てあなたのパフォーマンスでこの原子力の処理もやってきた。こういうことだけは大きな私は問題であろうと思います。こんな大災害までも総理の延命に利用されていることを私は本当に憂慮をいたしたいと思います。
 退陣につきましてはもういろんな人が言っていますから私があえて重ねて言うことはないと思いますけれども、閣僚の中にもあなたの信頼はもうないですよ。もういいかげん退陣をなさることをお願いしたいと思います。
 さっきの市民の党の問題で大事なことを聞き忘れておりました。
 さっき言いましたように、読み間違えたんですが、Mさんのお母さんは森ヨリ子さんというらしいんですが、その田宮さんと森さんの息子であるM氏を市民の党がかなりのお金を出して市議会議員に擁立した、このことについて総理はどのような感想、あるいは、いい悪い、どう思いますか、この辺について御感想を聞きたいと思います。
#110
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろ一方的に、私のまた十二日のことでベントがどうと言われましたが、この間の経緯で、その日の午前一時半に経産大臣の方からもベントの指示を、出ておりますし、私の出かけたことがベントの遅れの原因ではないということは東電御自身がきちんと表明されているので、それをあたかもそうでないように言われるのは私はフェアではないと、こう思っております。
 それから、海水注入についても、これは御本人認められましたように、結果として、海水注入が確かに始まったことは私は聞いておりませんが、十九時七分から始まって、続けられたわけでありますから、決して私によって停止されたことでないことということははっきりとしておかないと、逆に委員の方が間違ったことを言われたことになりますので、間違ったことについてはきちんと否定をしておきたいと思います。
 なお、今最後に御指摘のありましたその立候補については、私は一切承知をいたしておりません。
#111
○礒崎陽輔君 結局、どう思うかという質問には全く答えてくれないわけであります。
 その訳の分からぬ政党に何で総理が六千二百五十万円も寄附する。何に使われておるのかも分からない。何のためにやっているのかも分からない。これは今後大きな問題になると私は思うわけであります。
 いろいろ言いましたが、今日はたくさんのことを言いました。もっと本当はネタはあるんでありますけれども、もう総理は非常に虚飾に包まれた人でありまして、もう限界であります。何度も同じことは言いたくはありません。今はこの震災復旧復興、与野党が手を携えて気持ちよく仕事をできるようにするために、一刻も早いあなたの引退を私は要求を再度いたしたいと思います。
 今後会うことはないと思いますけれども、今後……(発言する者あり)いやいや、もう本当に一刻も早く籠城をやめていただきたい、それを申し上げて、私の質問を終わります。
#112
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。片山さつき君。
#113
○片山さつき君 自民党の片山さつきです。
 総理の男の花道になさりたいのか、三法案、二次補正、特例公債、再生可能エネルギーですが、昨日来、私のところに東北の被災地からがんがん電話が掛かってきます。二重ローンについての今回政府が出そうとしている補正予算案の内容、七百七十億円が余りにも人をばかにしている。このうち半分が仮設の店舗や工場、そして製氷機を買うお金です。(資料提示)
 二重債務の何が問題だか分かりますか。私は、最初にこの五百七十七項目の提言を持っていって、あなたにも御説明しましたよね。そして、その答えを官房長官が持ってきたときから、多少なりとも事業再開のめどが出てきてから一番問題になるのはこれですと。阪神大震災のときは、半年たって震災手形をもう延ばすのをやめた瞬間に大量の倒産が起きたんですよ。命を絶った方もいた。夜逃げもあったんです。それを止めるために東日本大震災事業者再生支援機構という法案を、自民党と公明党が協力して、八十条ある法案ですけれども、あした提出予定です、参議院に。
 この七百七十億円の粉飾ぶり、これに対して、あなたが国会に出そうとしているこの二次補正予算案には、今日東電の勝俣会長にも来ていただいておりますが、東電の賠償機構法案にぶち込む四兆円もの予算が入っているんですよ。何もかもなくして、家族も失い、人生で積み上げてきたものは全て流されて、それでも四か月たって、自立して事業を再開しよう、生活保護に陥るまいと、そういう方たちには役にも立たない数百億円のほんの言い訳で、四兆円、大組合を抱える東電を債務超過にせず生かし続ける、それがあなたの政治判断ですよ。予算というのは内閣の最高判断なんです。
 私は、自民党の二重債務問題の責任者です。もう一か月以上も全く知識のなかった担当者に対して懇切丁寧に説明し続けましたよ。分かったと言う、後ろを向いて帰って役人に止められる、また元に戻っちゃう、その連続ですよ。悔しいですよ。だけれども、被災者のことを思えば、この法案の成立を待っている人を思えば、どんな我慢でもしなければならないからずっと耐えてきましたけれども、もう切れますよ。
 この法案、賛成するのかしないのか。
 民主党の案は中小基盤機構という天下り機構の子会社をつくる案ですよ。知っていました、民主党の人たち。天下りがトップを務めている中小基盤機構の子会社をつくって、無理やりそこに農業も入れようとするのか。まあ、これはできないですけれどもね。いずれにしても、ほとんどの方は助からない。私たちはこれに一兆円から二兆円の資金調達枠を入れようとしています。
 この法案に賛成していただけますね。総理、お答えください。
#114
○内閣総理大臣(菅直人君) 二重ローン対策については、この委員会でもいろいろ議論をいただきまして、野党の皆さんとも我が党いろいろと意見交換をする中で、今回の二次補正の中に二重債務の問題についてまずは盛り込ませていただいたところであります。
 六月の十七日に決定した対応方針に基づいて、現在、具体的な支援策について準備を進めており、先日閣議決定した二次補正予算においても、再生を目指す中小企業向けの相談窓口の強化など関連する予算措置を盛り込んだところであります。それに対して、農業や水産業についても範囲を広げるべきだということもありますので、そうした事業者が対象になるよう検討を進めてまいりたいと思います。
 是非、この問題を担当している経産大臣や、あるいは関係大臣もお呼びをいただいて、詳しい議論をお聞きになりたければ是非お聞きをいただきたいと思います。御党が出される法案については、御党が出される法案についてはこれまでもいろいろと議論を我が党の担当者が聞いていると思いますけれども、改めて法案を出されたことについては、当然ながら国会の中で真摯に受け止めて議論をいただきたいと思っております。
#115
○片山さつき君 あなたのためにきりきり舞いして苦労している安住国対委員長は、この法案に民主党が反対だったら地元に入れませんからね。
 次に、エネルギー問題について伺います。
 今の政局の最大の焦点は菅総理が脱原発で解散するかどうかですが、今朝、私の同級生でもある古川佐賀県知事から電話がありました。本当に憤っていました。何を信用していいか分からないと言っていましたよ。
 そして、資料も早々に届けられました。あなたがこの五月十八日以降、原発再開について何を言ってきたかが克明に書いてあります。
 五月十八日、従来の方針に沿って安全性が確認されれば稼働を認めていくとサミット後の会見で明言しておられます。六月十八日、昨日さんざん問題になった海江田大臣の原発再起動安全宣言、その談話の翌日に、総理と国民のオープン対話において、今定期点検で止まっているものについてはきちんと安全性が確認されたものを順次再稼働をしていく、その経済産業大臣が言ったこれに私も全く同じでしたと言っています。
 六月二十一日の御自身のブログにもありますが、古川佐賀県知事もさすがにずっと国会の議論を聞いていて、これでも危ないと思ったんですよね。全国知事会議で茨城県知事に質問をされたんですね、あなたは、再稼働について。そしたら、答えが余りにもあやふやだった。だから、佐賀県知事として総理の姿勢を直接確認しなければ原発再開の最終決定はできない、この資料にある記事がそれを表しておりますが、そのように言った。そして、おととい、昨日と、その議論が非常に盛り上がってきたから、あなたはストレステストを急に言い出したんじゃないですか。そうでしょう。
 つまり、海江田大臣の安全宣言を翻して、これからの原発再開をやるやらない、その判断をまた地元の自治体と電力会社の間で話がまとまったらと言って逃げるつもりなんじゃないですか。そうでしょう。常に自分は矢面に立たない。そういうことで脱原発解散なんかする権利はありませんよ。これからストレステストを乗り越えて原発が再開されるときには、特に御自身が安全性はあるんだけれども安全の上に安全と言って停止を決めた浜岡については、必ず自分で会見して説明されますね。
#116
○内閣総理大臣(菅直人君) 片山委員にきちんと私もお答えしなければいけないと思っております。
 つまり、現在の……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。
#117
○委員長(前田武志君) 御静粛にお願いします。答弁が聞こえません。お静かに願います。
#118
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在の法律、制度でいえば、この定期検査について、点検について経産省の安全・保安院が一定の判断をして経産大臣がオーケーをすればそれでいいということになっておりますけれども、私は、今回の大事故を踏まえて、そのやり方では国民的な理解は得られないと。つまり、安全性をきちんと確認するには、ある意味でこれまでのやり方では国民の理解は得られないというふうに考えております。
 そういう意味で、私は、例えば原子力安全委員会などにもきちんと意見を聞く必要があるだろうと。あるいは、IAEA自体もこれまで既にストレステストのことを提起をして実施をしているわけでありますので、そういった国民的に納得され得る基準で、納得され得る体制で物事を判断しなければならないと考えるのは私は当然だし、また国民の皆さんのことを考えたら片山委員にも理解をいただけると思うんです。
 それを何か私の個人の思惑にすり替えないでください。国民の皆さんにとって必要な手続、国民の皆さんにとって納得できる手続を、両大臣、つまり経産大臣と原子力担当大臣にきちんと準備をしてくれるように指示したことが私は国民の皆さんにとって大変重要なことだと、このように考えておりますので、決して私が個人的な何か別の思惑でやったことではありません。
#119
○片山さつき君 ストレステストを行ってより上の安全性を高めることは、我が党は否定していません、いいことですよ。でも、なぜそれを突然昨日言うのかですよ。
 昨日の国会でも細野大臣は、ストレステストが終わらないと再稼働はさせないと言った。このストレステストというのは、テロ、飛行機が突っ込んでくることまで入るんですよ。我が国では前例がない、準備だけでも半年以上掛かるでしょう。それをやっていたら来年の五月には恐らく全部の原発が止まります。それも一つの選択肢でしょうが、それだったら総理大臣として、私は脱原発します、全部止めるんです、各電力会社について、これだけの我慢が要ります、これだけの値段が上がりますと全て出して、国民に判断を求めなければ大うそですよ。
 どちらなんですか。ストレステストが終わらないと再開できないと言った細野大臣が正しいのか。今日、私、海江田さんに来なくていいと言ったんですよ、武士の情けで。余りにも気の毒だから。海江田さんが昨日の夕方の記者会見で言ったのに、ストレステストは必ずしも再稼働の条件じゃない、そうじゃないと電力状態が悲惨になる。
 どちらが正しいんですか。二人の大臣は別のことを言っています。決定権はあなたにしかありません。どちらが正しいか、お答えください。
#120
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、この委員会、国民の皆さんにも理解をいただきたいんですが、質問者が希望されればちゃんと担当大臣をお呼びいただけるんですよ。
 そういう意味で、私が細野担当大臣をこの問題の担当大臣に任命し、また、海江田経産大臣もこの問題でやっているわけでありますから、是非、その当事者の大臣にきちんとお聞きになりたいことがあればお聞きになることが質疑をしっかりと進める上で私は重要だと考えております。
 そこで、今御質問の趣旨が私には必ずしも的確に分かりませんでしたが、少なくとも国民的に見て納得されるルールでなければ、私は安全性といっても、従来、ある意味でこれまでの保安院が、皆さんの御指摘もあるように、私が見ても必ずしも万全でないどころか問題点が非常にあるわけでありまして、そういう意味では、安全・保安院に全てを任せた判断は私は国民的には納得されないと。
 そういう意味で、両大臣に適切な基準と……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。
#121
○委員長(前田武志君) お続けください。
#122
○内閣総理大臣(菅直人君) 適切な基準と適切な判断の場をきちんと準備をしてもらいたいということを指示をいたしているところであります。
#123
○片山さつき君 ストレステストはあなたがやれと言ったんです。そして、細野大臣はストレステストが終わらないと再稼働は認めないと言い、海江田大臣はストレステストがなくても再稼働ができるかもしれない、プレストレステストがあるかもしれないと言ったんです。その二つは日本の電力事情に物すごい違いがあるんです。どちらが正しいかと聞いているんです。(発言する者あり)
#124
○委員長(前田武志君) 答弁の差し支えになりますから、どうかもう少し静かにしてください。
#125
○内閣総理大臣(菅直人君) それぞれの大臣の発言について微妙なところのニュアンスを含めてお聞きになりたいんなら、御本人の、御本人の質問をしてください。
 私の理解は、私の理解はですよ……(発言する者あり)今答弁中ですよ。今答弁をしております。(発言する者あり)
#126
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#127
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 質疑者及び答弁者に一言申し上げます。
 質疑者も冷静に、座ったままで余り指図をしないように。委員長の指示に従ってください。
 答弁者におかれましては、質疑者の質疑に的確に答えるようにお願いをいたします。
 それでは、菅総理大臣。
#128
○内閣総理大臣(菅直人君) 法律のことを余り申し上げるのはもう片山議員が得意かと思いますのであれですが、現在私は……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえませんか。原子力災害特別措置法の本部長という立場もあります。しかし、原災法に関して言えば、ある範囲の中での判断をすることにはなっておりますが、それを超えて判断することになっておりません。また、原災法の場合は、原子力安全委員会に助言を求めることになっております。
 しかし、先ほど来申し上げていますように、現在の法律では、この問題に関して再開をするしないに関しては、現在の法律では経産省の下にあります原子力安全・保安院がこういう形でいいのではないかと言って、そして経産大臣が判断すればそれでいいという法律の立て付けにはなっておりますけれども、私はそれでは国民の皆さんの理解は得られないと。ある意味では原子力保安院そのものが今回の大事故を防げなかった当事者でもありますので、それでは決して十分でないと。
 そこで、私は両大臣に、国民が納得し得るそういう基準なり場なりをどのようにつくればいいかを検討してくれと。私が直接何でもかんでも判断できると、私もそれほどうぬぼれてはおりません。まずは、そういうきちんと国民が納得できる場をきちんと検討してくれということを数日といいましょうか、前から申し上げて、そして海江田大臣の方からもあるいは細野大臣の方からも、IAEAが従来より提示、提起しているストレステストという考え方を提起をされてきたわけであります。
 まだ最終的にどういうルールでやるべきかということの結論をいただいておりませんが、二人の大臣にしっかりと国民の皆さんに納得できるルールを提案をしていただきたいと、そのことを申し上げているところであります。
#129
○片山さつき君 もうこれは何度聞いても返ってこないので、理事会の方で検討してください。
 そして、我々はずっとエネルギー源においては供給安定性、環境適合性、経済合理性、これが大事だと言ってきましたが、当然、安全性を加えなくちゃいけない。皆さんのおっしゃっていることの批判だけしているわけではございません。ここに菅内閣のエネルギー基本計画と、菅総理が五月二十五日に御自分でおっしゃった、再生可能エネルギー、二〇二〇年二一%プランの図があります。見ていただければ分かります。
 そして、二〇二〇年に再生可能エネルギーを二〇%にすることは、自民党は去年のマニフェストで、最終消費エネルギーベースですが、提案しています。今そこにいる山本一太さんが委員長になって我が自民党も画期的なエネルギープランを出しますから、過去のしがらみに全くとらわれず、そして、過去やってきたことはしっかり反省する。
 しかし、この二〇二〇年は九年後の近未来なんですよ。今全く研究開発もされていないような技術開発が突然起きることはありません。そして、二一%を再生可能エネルギーにしたら、残りの八割をどうするかが問題なんですよ。
 あなたが閣議決定したエネルギー基本計画では、何と原発を六十二基に増やして原子力を四二%にしていると言います。それを前倒したことが変更というのなら、原子力は四二%から三五%に減り、火力が増える。つまり、環境問題が犠牲になるか。つまり、鳩山プランと言われている二〇二〇年でCO2をマイナス二五%、減らすというプランをあなたは六月一日の国会答弁で引き続きやると言っているんです。そのためには、二〇二〇年でゼロエミッションと言われている再生可能エネルギーと原子力の合計を五割以上にしなくちゃいけない。原発は増えるんですよ。それを今からストレステストをやって、どれができる、どれができないの話をして、どうやってここにつなげられるのか、全く道筋が見えません。
 私が思うには、今この時点であなたはこのエネルギー基本計画は直ちに閣議を開いて廃止すべきですよ。だって、今、十九基しか動いていないんですよ。それが六十二基ですよ。廃止するのかしないのか、お答えください。
#130
○内閣総理大臣(菅直人君) エネルギー基本計画は御承知のように三年に一度改正されているものでありまして、これまでの法律ではエネルギー庁が中心になって立案をいたしております。今回の事故が起きた段階で、私は、その中に、二〇三〇年には、この資料にもありますように、電力の中に占める原子力の割合を五三%にするとなっているのは、これはもう一度白紙から見直す必要があるであろう、そういうことを申し上げ、現在、それを白紙に戻すことを前提にして議論を始めております。
 その中で私が特に重視したのは、再生可能な自然エネルギーと同時に省エネルギーというものも、まあマイナスの意味ではありますけれども、つまりは、使う量そのものを減らすわけでありますから、ある意味での、エネルギーをポジティブに生み出すのと同じ意味を持つという意味で、その二つの柱をもっと積極的に進めるべきだということを言ってまいりました。
 そういった意味で、今廃止をしろと言われましたけれども、エネルギー基本計画を廃止をしろと言われましたけれども、基本的には白紙の立場でこれからのエネルギー計画を検討を始めているところであります。その中で、今、化石燃料についてもお触れになりました。私も今経産省に、例えば一般的火力発電所で余力がどの程度あるのか、あるいは自家発電所がどの程度更に稼働が可能なのかというチェックをするように指示をいたしております。
 私も、ある段階では不足分について化石燃料に今よりも依存をしなければいけない時期は来るのではないかと思っておりますが、将来的に今申し上げたようないわゆる再生可能エネルギーと省エネルギーのウエートを高めていくと、そういう方向で進めていくべきだと考えております。
#131
○片山さつき君 菅総理及びブレーンの方々のエネルギー迷走発言というのがここにあるんですけれども、今や菅総理の唯一の経済界におけるお友達と言われているソフトバンクの孫社長ですが、休耕田の二割に太陽光パネルを設置すれば原発五十基分、再生可能エネルギー全量を二十年、四十円キロワットで買い取るべしと。
 この二点について、政府の見解、そして今朝のあなたの発言と大きな矛盾があります。
 政府の見解、この配付資料に取ってあります。休耕田の二割に太陽光パネルを全部設置しても、太陽光パネルは一日に三時間しか起動しないから原発五基分にしかすぎない。まあ、あなたが閣議決定したこの計画においても、ほとんど原発の割合を三割にするか四割にするかの差しかないわけですから、もうそれは言わずもがなですが。
 そして、再生可能エネルギーの全量を四十円で二十年間買い取るべし。こんなことをしたら、ノーリスク・ハイリターンのすごい利権商売ですよね。でも、あなたは、価格について質問をされて、こう答えています。価格は、これから再生可能エネルギーは劇的に下がる。劇的に下がるものをどうやって二十年間四十円で買い取るんですか。
 そして、あなたは、経済界にコストが上がるのではないかという見方もあるけれども、化石燃料のコストも上がっており、今回の事故で原子力に対するコストも間違いなく大きく上がる、将来に向かってコストが下がっていくこの再生可能エネルギーを促進する法律は極めて重要。
 自民党も再生可能エネルギーの買取り、これはマニフェストに入れています。あとは、鉄鋼や電炉や、どうしてもこれでは国際競争に勝てない、そういう産業にどういう手当てをするか。そして、電力料金が上がるということは非常に逆進的です。一番つましい、一番お金のない家庭にきついんです。それをどうするか。そういった問題が多々あるんですが、このソフトバンクの孫社長の言っていることをほとんどうのみにして、たくさんの県知事たちが、自分のところに太陽光パネルをただで敷いてもらえる、そうすれば原発を止めても大丈夫だと言っている方がいます。
 ここでしっかり訂正してください。政府の見解が五基分しかないのですから、このソフトバンク孫社長のおっしゃっていることは成り立たないと言っていただきたい。そして、もう一つ。太陽光パネルは圧倒的に中国が強いんです。半分から八割の市場を持っています。ドイツでも太陽光パネルは半分以上が中国産で、国内雇用に何の役にも立っていないと批判が立っています。これから太陽光パネルを一千万戸に増やす、それがあなたの五月二十五日の公約です。そのためには大型に輸入をしなければいけません。国産は三百万キロワットしかありません。無理なんですよ。
 まるで、あなたの太陽光発電強化作戦というのは中国と韓国に補助金を出しているようなものじゃないですか。お答えください。
#132
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、民間の皆さんからいろいろな提案が出ているというのは、私もあちらこちらから話を聞いております。しかし、その中身について、例えば幾ら幾らで買い上げる云々ということを私が申し上げているわけではありません。そういった意味で、何か私がそれを正しいとか正しくないと言う立場にあるとは思いません。
 それから、一千万戸の設置ということは、エネルギー基本計画の中で、元々のですよ、この震災前のエネルギー基本計画の中で、二〇三〇年に再生可能エネルギーを二〇%にするという目標が入っておりました。それを十年前倒しにしていこうということを私が提起をいたしておりまして、その元々二〇三〇年に予定されていた中の、経産省が試算したものの中に、百万戸の住宅に四キロワットか五キロワット程度の家庭用の太陽パネルを設置することなどを含めて、本来は二〇三〇年の二〇%でありましたが、それを前倒しして、二〇二〇年の二〇%に再生可能エネルギーで実現をすると、そういう経産省の試算に基づくものを国際会議でも一つの例示として申し上げたところであります。
#133
○片山さつき君 今日は東京電力の勝俣会長に来ていただきました。七月三日付けの毎日新聞の一面、「東電解体極秘プラン」。勝俣会長は、政権中枢の仙谷官房副長官と何度もお会いになって、東日本大震災は原子力損害賠償法が決めている天変地異だから免責してくれと訴えた。そして、政府の賠償支援策が固まらなければ、東電は膨大な賠償負担を背負って債務超過に陥るとの観測が広がった。そのころに、仙谷氏ら官邸首脳は、やむを得ず今の東電の賠償スキーム法案をその場しのぎで出した。そしてそのときに、あくまでこれは東電の決算対策、市場を動揺させない対策であって、東電解体を今後本格的に検討する方針を明記した文書を勝俣氏に通告した。
 勝俣会長、会長は一部上場企業の会長で代表権がありますから、今日の御発言が仮に後で正確でないということになりましたら金商法に触ることになります。その点もお考えの上、この記事が全て正しいのか、間違っているところがあるのかどうか、お答えください。
#134
○参考人(勝俣恒久君) 先生御指摘の新聞記事には、私が仙谷副長官に免責を訴えたとの記載がございます。しかしながら、私は、免責を訴えるのではなく、今の福島の状況、あるいは東電の状況も御説明いたしましたが、私どもとしては、事故の当事者であるということを真摯に受け止め、被害を受けられた方々の早期救済の観点から、原賠法の趣旨を踏まえて公正かつ迅速に補償を進めていく所存なので、よろしくお願いしたいと申し上げた次第であります。
 もう一点、東電解体を今後本格的に検討する方針を明記した内部文書で通告したという記載もございますが、私がこうした通告を受けたことは全くありません。
#135
○片山さつき君 それはおいおい明らかになると思いますけれども、いずれにしてもこの東電スキームというのは、利益が出たら毎年一千億、利益が出た分は全て機構に返済する、そして一般負担金も負う、一般負担金と特別負担金を合わせて二千億円を納入することが期待されております。そうでないと、このスキームは成り立ちません。
 今、燃料が非常に上がっております。最初に法案の説明を始めたときに、民主党と政府は値上げはしないと断言しておりました。値上げをせずに、経営者として、このスキームが仮に法案として成立したときにやっていく自信がおありになるのか。
 そして、今週の月曜日に、中部電力の社長が経済産業大臣に駆け込んできました。理由はこれは、一般負担金は、浜岡という原発が安心だけれども政府の申入れによって止めている中部電力としてはとても負担できないということです。今からストレステストをやって、安全な上にも安全をということで再開をしていくのであれば、東電の原発も同じ状況になります。一般負担金を払えるんですか。そして、値上げはするんですか、しないんですか。しないと言い切れるのか、お答えください。
#136
○参考人(勝俣恒久君) まだ具体的に法案の内容というのが決まっているわけではございませんので、例えば一般負担金が幾らになるのか、特別負担金が幾らになるのか、これもちょっと私は存じ上げていないんですが、私どものお支払いする予定になっています特別負担金というのは利益が出た中からできる限りのものを支払うと、そんなような条項になっていたかと思います。
 それから、電気料金の値上げにつきましては、ただいま私どもとしてはとにかく福島第一原子力発電所を収束させる、そして、できれば避難民の方に早期に元に戻っていただけるようなことが一番大事だと考えておりますのと、いわゆる今のスキームですね、その賠償の救済、これをいたすということでございます。
#137
○片山さつき君 今、政府では十数%の値上げを前提とした検討が進められております。
 それから、先ほどの菅総理の答弁のストレステストについての問題は全く答えになっておりませんので、正式に答えをいただけるように理事会で検討をお願いして、私の質問を終わります。
#138
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。金子原二郎君。
#139
○金子原二郎君 金子でございますが、まず今日は、水産の復興問題について農林水産大臣にお尋ねしたいと思います。
 先日ようやく東日本大震災復興基本法が成立しまして、復興構想会議から復興の提言があり、それに基づきまして、先般、農林水産省より水産復興マスタープランが公表されました。また、先般、水産都市気仙沼では、たしか先週でしたかね、カツオが四十五トン初揚げされたということで大変地元でも喜んでいるところでございます。ただ、昨年六月の震災前の気仙沼のカツオの水揚げを見てみますと、百隻の船が入港して六千トンの水揚げをしているわけなんですね。したがいまして、この震災前に復興していくというのは大変これは並大抵のものじゃないというふうに思っております。
 そういう中で、じゃ、具体的に今後農林水産省としては、例えば気仙沼を例に取っても構いませんので、どのように対応していきたいというふうにお考えになっているのか、お尋ねをしたいというふうに思っております。
#140
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生から気仙沼港のことにつきましてお話がございました。六月の二十八日にカツオの水揚げが開始されたということでありまして、大変今、漁業、水産関係の方々が努力をいただいておるわけでございます。
 そういう中で、第一次補正予算、第二次補正と、こういうふうなことがこれから審議されていくわけでございますけれども、農林水産省といたしましては、今回のこの大震災におけるところの水産関係をどう立ち直らせていくかということにつきましては、復興構想会議の考え方も、提言もございまして、そういう中で、私どもといたしましてもマスタープランを策定したわけでございますが、今後基本的には、気仙沼等のお話が出ましたけれども、気仙沼市あるいは関係者とも連携を取りながら具体化をしていきたいと、こういうふうに思っておるわけであります。
 特に、例年、気仙沼におきましては、今先生からお話ありましたとおりに、カツオの最漁期におきましては一日三百トンから五百トンくらいと、こういうことでございますけれども、今日の段階では百トンくらいというような漁況でございますので、そういうことを考えたときに、まず漁港の岸壁の本格的な復旧、それからやはり市場、そして製氷施設、そして冷凍の施設、あるいはまた加工施設等の本格復旧、こういうようなこと等々、また生き餌の餌を供給する体制、そしてそういうような定置網の本格復旧という、そういう具体的な形をいかに気仙沼の今日の状況とつなぎ合わせていくかと、こういうようなことを考えながら、これから第二次補正、また次の第三次とも言われる補正に向けて地元の方々ともよく協議をしながら詰めていきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#141
○金子原二郎君 答弁はなかなかいいんですけれども、問題は金目の問題だと思うんですよね。第一次補正でいろいろな設備関係の予算が付いておりましたけれども、製氷工場を気仙沼で見た場合、九社あったうちの今稼働しているのは一社だけなんです。あとの八社については全く予算を使おうとしていないわけなんですよ。
 要するに、使い勝手が悪い予算。言うならば、インフラの整備で公共事業は確かにこれは地元と国がやっていくでしょう。ところが、問題は、民間の企業に対する手当てというものを今後十分に考えていかないと、なかなか僕は震災前に復活するのは難しいと思うんですよ。そのためには、製氷、冷蔵、加工場、前の要するに案ではもう難しいですね。やっぱり思い切って今までにないような発想を考えてみなきゃいかぬ。例えば、今地方では企業を誘致するために工場を造ってリースで貸しているんですよ、各県が。後で質問する諫干も結果的にはリースで貸しているわけなんですよ。
 だから、私は、そういう民間の皆さん方が初期の投資は難しいということはもうはっきりしていますし、二重ローンの問題もありますから、ここは本当にこの気仙沼を含めて三陸海岸を復活していくためには、そういう第三セクター方式とかあらゆる違う発想を考えて、そしてそこに国が金を投入して、そして民間の皆さん方に、リースかまた賃借で貸していくような発想でやっていかないと、補助金を九割出す、一割負担があるといったって、それは難しいと私は思うんですよ。いかがですか。
#142
○国務大臣(鹿野道彦君) 今お話しのとおりに、製氷につきましても、九社のうち一社だけが稼働しておると、こういうことでございますが、今後、私どもも、第一次補正というふうなものを考えたときに、特に第二次補正におきまして予算計上ということについて私どもが考慮したのは、やっぱり加工そして製氷、そういうふうな漁業者の方々と一体的な一つの形の中で流通業も含めて取り組んでいくということの必要性を感じまして、そういう中では、これから先生から御指摘のとおりに、思い切った施策、例えばもうかる漁業方式というふうなものも私どもは今日までやっておるわけでございますけれども、それを養殖等も含めていろいろなところに組み入れることができないかというようなことも今検討をいたしておるわけでございまして、御指摘のいただいた点は十分取り入れながら、今後の復旧復興に向けて取り組んでいきたいと思っております。
#143
○金子原二郎君 水揚げされても、後の処理ができなきゃ駄目なんですよ。だから、漁業者に対する対応も十分やらなきゃいけないけど、背後地の整備がなされなかったら水揚げ整備できないんですから、そこをよく考えていただきたいということが一つ。
 もう一つは、これを復興していくためには人の問題なんですよ。これ農林水産省で今後やるのか、復興庁で、復興本部でやるのか、私は、その辺をはっきりしてもらいたいということと、もう一つは県との関係があります。県が結果的に事業主体になったときに、国との関係を考えていったときに、お互い話合いをしておったらなかなかスムーズにいかないと思うんですよ。本来ならば、いろいろな、仮にリースの工場を造るとしても、県がやるというならば、県と国が絶えず打合せしながらやっていかなきゃ。しかし、打合せするといっても難しいから、私たちはよく国から水産部長をもらったりしているんですよ。だから、例えば岩手県それから宮城県にも、それぞれ知事と話し合って、全責任者、全責任を持つ水産部長を派遣すると。その代わり、県と国と一体となって取り組むようなものは全責任を彼らに与えると。そういうふうな権限を与えてやっていかないと、なかなか今みたいなやり方ではこれはうまくいかないというふうに思いますが、いかがですか。
#144
○国務大臣(鹿野道彦君) 今御指摘いただいた点は非常に重要なポイントだと思っております。復興庁というものがどういう形でこれからでき上がっていくか。そういう中で、水産庁がどういうまたかかわりか、県がどういうかかわりをするか、あるいは地元の市町村はどうかというふうなこと、こういうふうなことについてやっぱり一体的に取り組んでいくような、そういう仕組みにしなきゃならないということで今政府の方でも検討いたしているところでございまして、これは重要な御指摘でございますから、我々は十分今後検討していかなきゃならないことだと思っております。
#145
○金子原二郎君 そのとき、部長だけじゃ駄目です、やっぱり二、三人若手を付けてあげないと。だから、そのときは、農林水産省も人がいないというけど、今全国に百人ぐらい出しているはずですから、それをしばらく当分各自治体はもう我慢してもらうと。で、三年か五年間ぐらい思い切って期間を切ってやらないと難しいということを指摘しておきます。もういいです。次は、もう諫干に入りますから。
 諫早干拓の問題についてお尋ねいたします。
 六月二十七日に出された長崎地裁の判決は、諫早湾干拓事業の公共性ないし公益上の必要性を認め、開門請求は認めませんでした。この判決は国の主張が認められたものと解釈していいのかどうか、法務大臣の見解をお伺いします。
#146
○国務大臣(江田五月君) 長崎地裁の訴訟においては、国の方は、これは開門の請求に対して棄却を求めておりまして、これが認められたわけで、この点では国の主張が認められたものと思っております。
#147
○金子原二郎君 そうしますと、総理が昨年の十二月に福岡高裁の判決に基づきまして、地元は上訴してもらいたい、上告してもらいたいという、また法務大臣も農林水産大臣もそれぞれがやっぱり所管大臣として是非これは上告して闘うべきだといった中で、全く地元の国会議員も無視してしまった中で独断で総理が、しかもそのときの総理の発言を聞きますと、判決は重い、高裁の判決は重い、かねてから私は諫干に関心を持っておったと、だから、この際、上告を取りやめるということになったんですが、何で、もう少し慎重にやっておれば、こういう判決がまた出たわけなんですから、それをどうお考えですか。
#148
○内閣総理大臣(菅直人君) 金子議員はもちろん御地元でもありますし、御両親の時代からのいろいろな懸案の経緯は私以上に詳しい方だということは私もよく知っております。
 その中で、この諫早干拓について、いろいろ事業そのものにも工事の途中から議論がありました。しかし、それはそれとして完成をしたわけであります。そして、その後、この水門が閉じられて内部のいわゆる淡水化された水が、かなり汚染されたものが門の外に出されることによる悪影響についていろいろな漁協から指摘があり、裁判になったと理解をいたしております。
 そういう中で、福岡高裁の判決に対して、私は、たしか五年間の開門調査ということでありましたけれども、それは行うべきだと、このように考えておりましたので、上告をしないで、それを上告しない形で判決が確定したと、このような経緯であります。
#149
○金子原二郎君 総理は、諫早干拓についてはもうかねてから無駄な公共事業と言って、いつも言ってたんですよ。どうも国民の一部にもそのように誤解があるように私は思うんですね。
 そこで、この事業は、当初は昭和二十八年に食糧増産と防災を目的としての国営事業として開始されました。紆余曲折が随分いろいろありました。昭和四十三年度に当時の知事が、今度は一万ヘクタール締め切って六千ヘクタールの土地を造るという南部総合開発構想を出したんです。ところが、地元の反対でなかなか着工できなかった。特に県外漁民、県内の漁民も全て反対だった。だから、反対だからこそどうにかしなきゃならぬということで、昭和五十七年の時の大臣がこれを打切りをしました。打ち切った中で、そして新たに防災を主とする事業として三分の一に縮小してこれが進捗してきたわけなんですが、そのときになぜこの防波堤を造らなきゃいかぬ。複式干拓方式ですよ。これは、ちょうどこれ着工したのは鹿野さんが大臣のときじゃないですか、たしか、平成元年ですから。大臣のときに着工したはずですよ。だからそういう中で、いや大臣が。
 それで、複式という方式を取らざるを得なかったその理由を農林水産省の立場でちょっとお話をしていただきたいと思います。
#150
○国務大臣(鹿野道彦君) 諫早干拓事業につきましては、諫早湾の湾奥部を潮受け堤防で締め切りまして、その中に調整池と干拓地を造成するという複式干拓方式が実施されたわけでございます。
 この複式の干拓方式を取ることによりまして、潮受け堤防で締め切られた調整池を淡水化して、それを水源とするかんがい用水を確保するとともに、大規模で平たんな優良農地を造成する。これと併せて、潮受け堤防で海のいろんなことについての問題点を遮断をして、そして調整池水位を低く管理をすることによりまして周辺低平地の高潮なり洪水等に対する防災機能を強化すると、このような考え方でこの複式干拓方式が取られたものと、このように承知をいたしているところでございます。
#151
○金子原二郎君 複式をやらざるを得なかった。その事情はこのパネルを御覧になっていただければ分かる。(資料提示)
 今、この有明海全体の潮の流れというのは時計の針と反対なんです。結果的には、この潮の流れに、各県のいろいろな堆積されたものが最終的にはこの諫早湾に全部集まってしまっているんですよ。だから、ほかの地域の干拓地の、どちらかというと大きい川があって上から流れ込むんですが、ここの場合は海から来るものを防がない限りは、これはもう対応のしようがないわけなんですよ。しかも、毎年干潟がだんだんだんだん大きくなっていって、かつては、この潮受け堤防を造らないときにはこういうふうな人力でやっていたわけなんですよ。
 だから、こういう地元の事情があった中でこの事業は行われたわけですから、どうしても複式でやらざるを得なかった。しかも、地域の皆さん方が安心して生活をしていくためには必要だった。農業というのは後から付いたものですよ、その後は。正直言って、やっぱりあの周辺、約六百年掛けて、大体全体で二千七百ヘクタールぐらいありますから、その辺の皆さん方はもう今も農業をやっている方もおるし、八百戸ぐらいの住んでいる方たちが、大雨が降るとほとんど洪水、浸水していたわけなんですよ。ところが、この防波堤ができたことによって、これは完全になくなっちゃったんです。まあ、どうしても排水関係がうまくいかないとき、一年に一回や二回はありましたけれども。
 そういう地域の実情ということを知った上で、私は、総理、判断したのかどうか。こういう状況だったということは知っていましたか。
#152
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、金子議員は、先代の時代からこの問題かかわっておられますから、私よりも詳しいことはよく分かっております。しかし、私も何度か足を運び、いろんな関係者から話を聞きました。
 今大変重要なことを言われたと思います。つまり、この地域は海の方からいわゆる潟土がどんどんたまっていくわけであります。そして、ここに六百年という数字を書かれていますが、私のお聞きしているのは、歴代、だんだんと潟土が集まってきて、簡単に言えば海面の上まで、海面が下がったときには出てくると。それを何年間、例えば百年とか二百年に一度、地先干拓、もちろん金子先生は御存じだと思いますが、地先干拓という形で少しずつ前へ前へと堤防を出して、そして農地を拡大してきたという経緯だと思っております。
 ですから、その地先干拓をすれば、その干拓をした更に先に新たな干潟ができる。いわゆるムツゴロウが住む干潟ができる。この干潟は有明海の子宮という言い方もされて、いろいろな魚介類の卵がここで繁殖をする。あるいは水が、非常に小さな砂ですので、極めて小さな砂ですので、水が、そういう意味では上から流れてきた水も浄化されて、海に流れてもそれが海の害にならない。そういうことでありましたので、私は、長年地先干拓を、何年間、多分百年とか百五十年に一回ずつやってこられた、そういう歴史があると思っております。
 それを今回、まさに複式という言い方をされましたが、逆に比較的沖の方に潮受け堤防を造ったことによって何が起きたのか。私は、結局、調整池を造ったことが、淡水化ということだけではなくて、上流から家庭雑排水を含んだ水が流れてそこにたまりますから、しかも相当長期間平均するとたまりますので、それによって言わば水質が悪くなって、それを時折水面の高さを調整するために外の海に、外海に出しておりますので、その外海に出した汚水といいましょうか、汚れた水の影響がいろいろな漁業被害をもたらしているのではないか、こういう指摘で、もちろん県によっていろいろありますけれども、佐賀県などはそうした認識の下で強くそうした仕組みそのものについても反対があり、開門調査を要求をしてきて、今回の高裁の判決になったと、このように理解をいたしております。
#153
○金子原二郎君 地先干拓をやっていくと、さっきも図面で見たように絶えずミスジがたまって、あれ排水が詰まるわけなんですよ。だから、しかもまた大雨が降ったときはどうしても塩害があるし、浸水があるし、抜本的な解決をするためには何があるかということの中で、複式というものが農林水産省の国営事業の中で行われてきたわけなんですから。
 総理は反対者の意見ばかり聞いてきたと思うんですよ。地元に住んでいた方々のどうしてこれが必要であったかということをやっぱり考えた上で、我々は苦労に苦労を重ねて、平成十二年にはノリの不作がありました。そして、時の大臣も、一時開けるような話がありましたけど、結果的には、検討委員会をつくって、そして短期、中期、長期の調査を一応提案をされた中で、最終的には長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県の知事、副知事、四県の漁連が集まって、そして短期でいいと。短期の調査でいい、漁連が来たんですから、短期の調査でいい。しかも、平成十八年には完成させると約束したんですよ。漁連がそれでいいと言っているわけなんですから。そして、結果的には、そういう中で工事が進んできてこれが完成をした。
 今、こういうふうに、ここで約七百人の人が働いていますよ。仮に総理が言うように開門調査をしてあそこに水を入れた場合、短期でやりましたから、私はそのときの状況よく分かっています。塩害が大変ですよ。しかも、短期で開けたために、あの小長井の漁協に約六千万ぐらい漁業被害、半年で払いました。今回、もし仮にあそこを開けて、常時開門して五年間海水ということになれば、それは被害は計り知れないものがある。まず、営農は完全に駄目です。塩水が入ったら下から入ってきます。米だけしか作らなかったというのは、水で抑えていたから米は作れたんですよ、背後地は。しかし、干拓地になってこれが水になったから、背後地の皆さん方も今までは米しか作らなかったのを、畑作も作れるようになって、ハウスも作れるようになったんです。だから、そういうふうな状況に今置かれている中で、高裁の判決の中でも、正直言って、この湾口部とか近傍の漁民には影響あるけど有明海全体には影響ないと言って、高裁の判決でも言っているんですよ。
 だから、そういういろいろなものを考えていったときに、私はやっぱり、しかも県と一緒になってこの事業をやってきたんですよ。一言の相談もなくて、ああいう形を取ってしまった。しかも、今回長崎地裁でこういった判決が出たということで、大変混乱でしょう、これは政治的に。だから、私は、やっぱりここはもう一度長崎地裁でこういう判決が出たということを非常に真剣に受け止めていただいて、そして、今後どういうふうに対応していくかということを考えていただかないと。
 環境アセスメントもこの前出ました。環境アセスでも、三つのケース、余り金が掛かり過ぎるからといって、総理から言われて四つ目を作ったというんですよね。あの三つのケースの中でも、どれも有明海全体に影響はないというふうに環境アセスで出ているんですよ。それは、有明海の、それと諫早湾の与える影響というのは、例えば流域面積でいうと有明海全体のたった三%なんですよ。それから海面面積でいったら二%なんですから。この数字を見ても、有明海全体に対する影響はないということはもう分かると思うんですよ。
 私は、是非そういった状況を考えて、仮にもし開けたら、さっきも言ったように大変ないろいろな被害が想像される。一番私が心配されるのはノリ業者の皆さん、あそこは有明海の中で約四、五百億の水揚げがあるんですよ。あれ、ノリ、もし開けてですよ、常時開門した中で翌年ノリが不作になったと、そうしたら漁民は絶対今度は補償を要求してきますよ。開けたために、要するに開門したためにこうなったということになりますよ。
 いろいろなそういう被害が考えられる中で、それは総理は今までライフワークでこの問題に取り組んできたかもしれぬけれども、やっぱり一国の総理ですから。自分のそれは考え方を貫くのもいいでしょう。私も小さい県ですけれども知事をやりましたけれども、それは知事をやったらやっぱり全県民の利益を考えながらやっていかなきゃいかぬ。そうすると慎重にならざるを得ない。だから、決断をするときは、必ず多くの人の意見を聞いて、その上で、これをやることによってどれだけのプラスとマイナスがあるかということを判断してやってきましたよ。そうしなきゃ行政というのはやれませんよ。思い付きだけで行政をやっておったら、結局地元は混乱をしてしまうわけなんですよ。
 私は、是非総理はここはもう一回考えていただきたいということを、農林水産大臣も一緒にやってきたんですよ、裏切ることだけはやめてくださいよ。一緒になって闘ったんだから、開けさせないというんで、平成十四年も。今回、長崎地裁のこの判決について、私は、一部うわさによると、金銭関係だけ要するに控訴して、開門については控訴しないというような、こういううわさがあるんですよ。ところが、漁民の皆さん方が仮にこれを控訴したら、国側が開門の話をしなかったらもう明らかに福岡高裁ではこれは勝利は向こうが取るということは分かっている。こんなことをしたら地元はもう絶対に黙っていませんよ。ますます混乱しますよ。どんなに地元に出向いてもこれは解決できませんから、そこを十分に考えた上で対応していただきたいということをお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#154
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。佐藤ゆかり君。
#155
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 政府は、ようやくこの六月十四日に原子力損害賠償支援機構法案を閣議決定いたしました。実は、私自身も既に四月十二日の段階で、参議院の財政金融委員会の質疑で東電の賠償スキームについては私なりに分社化によるフェニックスプランを提唱していたわけでありますが、その間、自民党としても東電の賠償スキームは検討を続けてきております。ようやく政府案が出てきたというところで、私どもも積極的に審議には応じたいというところでありますが、ただ、政府案にはやや問題点も見られるというふうに思われます。
 ここで、この賠償にかかわる幾つかの法律がありまして、中でも二つ取り上げたいと思いますが、御案内のとおり電気事業法、これは電力事業会社を規定している法律であります。これは公益企業としてエネルギーの供給に問題がないように、差し障りがないように電力会社の在り方というものを規定している法律でありまして、配付資料では一ページ目にその第三十七条の抜粋があります。そして、もう一つ、今回賠償スキームの策定でかかわってまいりますのがいわゆる原賠法でありまして、こちらの方も抜粋が下にあります。
 特に、原賠法では電力事業会社の無過失責任を規定している、これが大変今問題になるわけであります。ところが、第三条のただし書では、御案内のとおり、今回のような巨大な天災地変の発生におきましては電力事業会社がその損害の賠償を免責される可能性があるということがここで記されているわけであります。
 そもそも、この政府が上げてきた機構法案でありますけれども、この二つの既存の法律との絡みで考えてみますと、やや解釈に苦しむところがあるような気がしてならないわけであります。電気事業法のこの第三十七条では、私も、四月十二日、財金委員会の質疑で既に指摘をさせていただいたとおり、資金調達におきましていわゆる電力事業会社というのが発行する社債は一般担保付債券であります。したがいまして、債務不履行のような事態が発生すれば、一般担保付債券は優先的に弁済順位が優位に置かれる。その結果、銀行からの融資や、それから今回のような賠償債務というのは劣位に置かれるのが、それを規定しているのがこの電気事業法第三十七条であります。
 したがいまして、今回この機構法案の策定におきまして、政府案でも大変御苦労されたと思いますが、要は、この電気事業法を適用するようなそういう環境に置いてしまいますと、どうしてもこの三十七条がかかわってくる。要するに、東電が債務超過になるということを認めてしまえばこの社債が優先になり、法的整理になってしまうと社債権者の権利が保全される、そのことが優先されるために賠償責任を負うことができなくなる、被災者に対する対応ができなくなる、だから、何が何でも今回の東電の賠償スキームでは法的整理に持っていかないように、債務超過にさせないようにしなければいけない、そういうダイナミクスがこの機構法案の策定の下で働いていたというふうに思うわけであります。
 そこで、お伺いしたいと思いますが、しかしながら、実質にこの東電の財務内容を見てみれば、これから賠償責任五兆円とも言われております。そういうものを抱えていけば、必ずやこれ債務不履行になるんじゃないだろうか、そして債務超過になるんじゃないだろうか、そういう観測も金融市場で言われているわけでありますが、ここは思い切ってやはり物事を前に進めるためには、原賠法による超例外的な場合のみ国が責任を負う規定、これがあるわけでありますから、それに基づいて、東電と連帯して国が賠償責任を負う仕組みに改めるべきではないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#156
○国務大臣(海江田万里君) 佐藤委員にお答えをいたします。
 原子力賠償支援機構法案は、原子力損害賠償法のまず枠組みがございまして、この枠組みの中で一義的には賠償責任は東京電力が負うということでございますが、原子力事業者として協力して、共同して原子力政策を推進してまいりました国の社会的責務を認識して東京電力に対する支援を行うものでございます。ですから、電気事業法とも当然整合的になっております。
 具体的には、この相互扶助の考え方に基づいて設立される機構を通じて東京電力に資金を行います。これはまさに、同社の財務問題が制約となって被害者の方々が迅速かつ適切な賠償を受けられないことがないよう万全を期すためのものでございます。
 また、お尋ねのこの第三者委員会でございます東京電力に関する経営・財務調査委員会……(発言する者あり)それはよろしゅうございますか。
 債務超過にならないようにということで、これはこれから行うことでございます。
#157
○佐藤ゆかり君 今お伺いしなかったことを海江田大臣にお答えいただいて、よく訳が分かりません。
 総理、もう一度確認させていただきます。
 機構法案では国の賠償責任は認めておりません。それが政府案であります。国が賠償責任を認めないのが機構法案でありますが、しかしながら、電気事業法の第三十七条では、債務不履行になった場合には社債が優先されて、賠償責任は劣位にあります。したがって、債務超過に陥った場合には賠償責任を負うことができない財務体質になり得るわけでありますが、そのことを電気事業法は規定で設けているわけであります。
 要するに、電気事業法第三十七条は、暗に、債務不履行で賠償ができなくなった場合に、第三者の支援、そこには政府も含まれます、そういう第三者の支援が施されることを暗に余地として入れている法律と考えられるわけでありますが、この機構法ではそれに対して国の責任を認めておりません。矛盾しているのではありませんか。総理、お答えください。
#158
○内閣総理大臣(菅直人君) この電気事業法そのものは経産省が所管している法律でありますので、先ほど経産大臣がきちんと私は答弁されたと思っております。
 その上で、原子力損害賠償支援機構法案に関して言えば、つまりは東電がきちんと賠償ができるようにという観点から国としてそれを支援するというスキームになっているわけでありまして、原則的にはこの電気事業法が適用されると、そのように考えております。
#159
○佐藤ゆかり君 それでは、お伺いしたいと思いますが、実は、六月十四日、政府が閣議決定を行っておりますが、この資料で、実はその前に第三者委員会を設立しまして東電の財務内容を査定する、そして、その予備的な査定に基づいてこれから機構が支援をする、そのための第三者委員会の開催を五月二十四日に閣議決定しております。
 そして、その後の六月十四日にもう一つの閣議決定で、原子力支援機構法案と同時に決定した福島原発事故に係る損害賠償の政府支援の枠組みというものを六月十四日に閣議決定をしておりますが、この政府支援の枠組みの中で、債務超過にはさせないと、東電には債務超過にさせないということが明記をされているわけであります。これが閣議決定であります。
 電気事業法と矛盾していないと今の総理の御答弁ですが、ちょっと耳を疑いますが、もう一度、矛盾してないんですか。
#160
○委員長(前田武志君) 海江田経済産業大臣。
#161
○佐藤ゆかり君 総理でお願いします。
#162
○委員長(前田武志君) 担当大臣に答えさせます。
#163
○国務大臣(海江田万里君) 私どもの原子力損害賠償に対する基本的な考え方は、やはり今度の東京電力福島第一発電所の事故によって経済的な被害あるいは精神的な被害を受けた方々にしっかりとこの賠償責任が果たされなければいけないということが基本的な考え方でございますから、今お尋ねのありましたこの閣議の決定の内容もそういうことになっております。
#164
○佐藤ゆかり君 今、私は総理を指名したんですが、総理はそこで座っておられて答弁に立たなかったことを、冗談じゃないよっておっしゃったんですよ、今。こんなことはありますか。今聞こえましたよ。(発言する者あり)えっ、冗談じゃないって、いやいや、私の耳には聞こえたんですよね。
#165
○委員長(前田武志君) 質疑者に御注意申しますが、あくまでも質疑者と答弁の間でやってください。
#166
○佐藤ゆかり君 はい。
 それでは、総理にお伺いします。
 これは総理自身に是非お答えいただきたいんですが、ストレステスト。総理は、この玄海原発がようやく地元と経産大臣の調整で再開のめどが付きつつあったところにいきなり、唐突に、ストレステストを行うまでは安全確認できないということを発表されたわけであります。
 ストレステストを行うには、やはり当然ながらストレステストに耐え得る原子炉に替えていかなければいけないわけでありますから、そのためには耐久性の増強、そういう設備投資も各電力会社に求められてくるわけであります。そのための資金調達はどうするのか、そういう観点でお伺いしたいと思いますが。
 実は、今回の機構法案では大変金融業界も苦心をしているわけ、苦しんでいるわけであります。というのは、十社電力会社がありますが、この三月十一日の東日本大震災の発災以降、この十社の電力会社、当然東電も入ります、全て、一社も社債を起債することができていないんです。なぜならば、政府の方針が分からない。そして、賠償スキームをどういうふうにやっていくか。政府が賠償責任を負うのか負わないのか。どうも負わない方向性にある。そして、この機構法案では負わないというふうに打ち出されてしまった。その結果、社債は発行しても金融市場では今誰も引受手がいなくなってしまったんですよ。だから、誰も社債は発行できない。
 そして、じゃ銀行はどうですか。融資してくれますか。融資も三月末の融資で終わりですよ。あれでいっぱいです。あれ以降長期に融資をしたら、今度は代表訴訟にも遭ってしまいかねない。だから、今や銀行、金融機関でさえ電力会社に対して長期の融資はもうしない意向だって打ち出しているんですよ。
 どうするんですか、総理。ストレステストは言いました、いいですよ。でも、ストレステストやるためには、耐久性補強の設備投資が要るじゃないですか。その資金はどうするんですか。資金の蛇口を絞っておいて、機構法案で誰からも資金供給をさせないようにしているんですよ、それでどうやってストレステストに対応するんですか、お答えください。
#167
○内閣総理大臣(菅直人君) 佐藤委員がおっしゃっていることが、私は一面ではおっしゃっている意味は分かりますけれども、原子力の安全性について、しっかりと国民の皆さんに安心できるようなそういう形を取らなければならないという観点が若干抜け落ちているのではないかと感じました。
 つまり、今までの法律的な体系であればそれは自然にできたかもしれませんが、これだけの大事故が起きて、そして、これからの賠償などもどうするかという議論をしている中にありまして、そういう中で従来の、ほかの委員の方にも申し上げましたけれども、従来のように、いわゆる安全・保安院と経産大臣にお任せするというのが従来の法律体系でありましたけれども、それでは不十分だということで、きちんとしたルールを作っていただきたいということで両大臣に指示を出しているわけであります。そういう意味で、ストレステストも一つの有力な手法でありますので、それについて私は、そのことがおかしいという御指摘だとすれば、私はそれは適切ではないと思っております。
 また、資金的な問題については、先ほども申し上げましたように、原子力損害賠償支援機構法案というものを出しておりまして、これによって東電としてしっかりと補償ができるような、そういう仕組みを提案をいたしているところであります。
#168
○佐藤ゆかり君 全く何も答えていないですね。答弁そらしじゃないですか。全く長々長々と違うことを答えて、金融の資金調達はどうするんですかと。ストレステストをやるんだとあなたが言った以上は、じゃ金融機関も含めて、そして電気事業会社も含めてどうやって対応したらいいか、その対策も同時に考えて打ち出さなければ駄目じゃないですか。金融はどうするんですか。資金調達をどうするんですか。今の機構法案の下では資金調達できませんよということを言っているんですよ。そこだけお答えください。
#169
○委員長(前田武志君) 海江田経済産業大臣。
#170
○佐藤ゆかり君 いやいや、総理です。(発言する者あり)
#171
○委員長(前田武志君) 質疑者に申し上げます、質疑者に申し上げます。
 内閣のこの分担の責任は、金融等については、まず分担の担当大臣に答えさせ、その後、総理に答えさせます。委員長の指示に従ってください。
 どうぞ。
#172
○国務大臣(海江田万里君) では、委員長の御指示に従いまして答弁をさせていただきます。
 まず、ストレステストで電気事業会社が直ちに新たな安全対策のために資金が必要だということでは、直接は結び付いておりません。このストレステストの中にもいろんな種類がございまして、そして、そのストレステストによっては新たな資金需要というものも生じてくる可能性も全くないというわけではございませんが、ストレステスト即新たな資金の需要ということには直接結び付かないという考え方がまず第一。
 それから、今度のこの原賠法に基づく新たな仕組みづくりというのは、まさに委員御懸念のような電気事業会社、ここでは差し当たっては東京電力でございますが、東京電力が資金の調達にシフトが、資金の調達ができなくなって、そして結果的に被害を受けた方々に賠償金ができないということにならないように、国は交付国債でありますとかあるいは優先株でありますとか、そういう形で資金のショートがしないように万全を講じているものでございます。
#173
○佐藤ゆかり君 経産大臣、申し訳ないですけれども、資金繰りの問題は御担当じゃないんで、これだけ長々とお答えいただいても困るんですね。私は金融面のお話聞いているんですね。
 で、ストレステストを提唱して、言ったのは総理ですからね。総理の御自身の頭の中で、ストレステストを推進するんであるならば、じゃ資金調達の方はどうお考えなんですかと。それをセットで打ち出していただかないと経済界は大混乱を来すんですよ。そのことをお伺いしたんですが、恐らく考えていないと思います。
 どうですか、一言で。
#174
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的には、今経産大臣からお話がありましたように、ストレステストイコール何か資金需要というのは、それは、関係がないとは言いませんけれども、必ずしもイコールの関係にはありません。
 そこで……(発言する者あり)お聞きいただけますか、皆さん。そこで、我が内閣として提案しております原子力損害賠償支援機構法案というのは、これは損害賠償の実施もしっかりやれるようにするという目的もあると同時に、この東電福島原子力発電所の安定化及び事故処理に関係する事業者等がそういうことができなくならないようにという、そういう資金的な支援ということもあるわけでありまして、そういった悪影響を回避するための仕組みがこの支援機構法案の目的の一つであるということも申し上げておきます。
#175
○佐藤ゆかり君 全く答えておりませんので、やはりいつものとおり総理は思い付きでぱっと物を言うと。でも、結局何にも先々考えていなくて、経済界が大混乱を来す。そして、大混乱を来した後は、後始末は経産大臣やってくれ、誰やってくれと、またみんな周りのせいにして自分は動かないんですよ。またこの繰り返しじゃないですか。もう辟易としていますよ。国民の皆さんも今聞いているんですよ。
 まあ時間の無駄ですから、これ以上やってもしようがないので、次に行きたいと思いますけれども、この夏の節電でございます。
 今、熱中症が大変増えているんです。ちょっと熱中症の資料がありますので、資料の三ページ目を御覧いただきますと、去年の、前年同月で六月の水準、ここに載っている顕著な都府県ではもう二倍、三倍、四倍と、この熱中症による搬送人員が増えているわけであります。
 そこで、お伺いしますが、七月一日に政府は、大口電力需要家、五百キロワット以上の需要家に対していわゆる一五%の電力使用制限令を発令いたしました。これは九月九日まで続くものであります。しかしながら、この一五%の発令を決定し、経産大臣が通知をしたのが六月一日でありましたが、当時は同時に小口需要家と家庭に対しても一五%の節電を努力目標としてするようにと、そのような指示が出されていたわけであります。
 この小口需要家と家庭に対する努力目標は今でも実施されているんでしょうか。
#176
○国務大臣(海江田万里君) 今委員からお話がございました大口需要家についてでありますが、七月一日から九月九日までというお話ございました。これは東北地方と、東北電力の管内ということでございまして、東京電力の管内では九月の二十二日までということでございますので、これは是非一五%の節減に御尽力をいただきたいと思います。
 それから、小口の需要家、これはもちろん大口でない企業、工場なども含まれております。それから一般の家庭の方々も含まれております。この方々は、まさにおっしゃるように自主的な需要抑制ということでございますので、これにつきましては、政府が取りまとめをしました家庭の節電対策メニューですね、これを活用して節電に努めていただけるようお願いをしているところでございます。
#177
○佐藤ゆかり君 今日は消防庁の方にも、長官も来ておられますが、実際に現場ではいかがでしょうか。この節電でエアコンを切ってしまってお年寄りの熱中症患者が急増しているということで、大変、戸別訪問をして、消防署も無理にエアコンを切らないでくださいというようなことまで高齢者の方々に言って回っているというような事態も起きているというように伺っているんですが、ちょっと確認だけ、一言確認をさせてください。
#178
○政府参考人(久保信保君) 今年の熱中症、去年に比べて約三倍ぐらいですね、六月、増えております。私ども、熱中症対策用のリーフレットを作って、地元の消防本部等に働きかけをして、国民に訴えております。その内容の中で、例えば、室温二十八度を超えないようにエアコンや扇風機を上手に使うといったようなことも含めてリーフレットの中には書いてございます。
#179
○佐藤ゆかり君 このように、現場は逆にこの電力不足の中でも熱中症患者をどうやって防ぐかと、そういうことで奔走をしているわけであります。
 そこで最後に、じゃ、供給能力対策、この夏季の電力供給対策はどうかということをお伺いしたいんですが、浜岡原発の停止に始まりまして、今度は玄海がストレステストで駄目になる、当面再開のめどが立たない、いろいろ菅総理はやってくださるわけでございます。
 この浜岡原発も、菅総理は停止を五月六日の記者会見で唐突に発表をされたわけでありますが、なぜこの時期にタイミングとして停止を判断されたのか、お答えください。
#180
○内閣総理大臣(菅直人君) この浜岡原発について、私として、あの大きな東電福島原発の事故があった中でいろいろな指摘をいただいておりました。そういう中で、経産大臣とも御相談をいたしましたけれども、三十年以内にマグニチュード八程度の想定東海地震が発生する可能性が八七%と、こういうことを文部科学省の地震調査研究本部が公表しているわけでありまして、そういったことなどを含めて、国民の安心、安全を考えて運転停止を要請をいたしました。
#181
○佐藤ゆかり君 答えていませんね。私は停止した理由を聞いたんじゃないんです。なぜ今止めるというタイミングの判断の理由を聞いているんです。なぜ今止める判断をしたんですか。
#182
○内閣総理大臣(菅直人君) 端的に言えば、東電のこの福島原発の大きな事故がありまして、当初はもちろん、今でもでありますけれども、その事態の収拾、収束に現在も当たっております。そういう中で、同じようなことが起きないようにということでいろいろな原子力発電所についても御指摘を受けていた中で、その時期に私として判断したと。つまりは、東電福島の原発事故があったことを踏まえて、同じようなことになる危険性の、より地震という意味で確率が高いということで判断をさせていただきました。
#183
○佐藤ゆかり君 相変わらず菅総理は思い付いたときに即やると。先のことは後回し、そして周りが全部後回しされた後処理をやると、このパターンが浜岡原発でも見られたわけでありますが。
 実際にこの福島第一原発、東電の方にも確認をしたんですが、福島第一原発でも四号機、五号機、六号機、特に四号機はタービン建屋が水素爆発で飛んだわけで、爆発したわけですけれども、あれもいわゆる定期検査中で停止中だったわけであります。しかしながら、やはり、いざ地震、津波が起こると、定検中で停止している原子炉でもあっても放射能は飛散するんですね。水素爆発も起きたんです。
 だから、三十年内に八十何%浜岡原発の地震リスクはあります。でも、今ここで止めるのと九月に止めるのと、どうなんですか、どう違うんですか。停止していても地震、津波が起きれば、放射能飛散のリスクはどちらにしてもあるんですよ。そうであるならば、中期的なそういうエネルギー戦略の中での浜岡の位置付けと、短期的にこの夏季の電力需給問題をどうしのいでいくかという、そういう短期政策の中で、分けて浜岡のタイミングの判断をするべきじゃなかったんですか。
#184
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、少し認識が違っていると思いますが、福島第一サイトの第四号機というのは、これは定期点検といっても本格的な点検でありまして、内部の燃料棒は全て抜き出した上でプールに保管されております。そして、そのプールのものがちゃんと冷温、ちゃんとクーリングをしなければ危ないわけであります。ですから、四号機そのものは、四号機そのものがいわゆる定期点検とは違うわけでありまして、それと同じように何かこう、四号がやらないでこちらがやるのはおかしいというのは、私は指摘として間違っていると思っております。
 先ほど来申し上げておりますように、浜岡原発については、今回の東電福島原発の大きな事故を踏まえて、この地域が大変地震が可能性が高いということで私が停止をお願いをいたしたところです。(発言する者あり)
#185
○委員長(前田武志君) 質問を続けてください。流れの中で引っ張り出してください。佐藤ゆかり君。(発言する者あり)問い方を変えて。
#186
○佐藤ゆかり君 いや、浜岡原発をなぜ五月六日に止める発表をしたかと、そこだけはっきり言ってください。なぜ九月九日以降じゃ駄目なんですか。
#187
○内閣総理大臣(菅直人君) 何かこの日でなければいけないとか、そういうことで申し上げたんではなくて、三月十一日にあれだけの事故が起きて、そしてその事故が収束がまだまだではありますけれども一定程度の落ち着きを見せる中で、他の原子力発電所についてもいろいろと指摘をいただきました。その中でも特に可能性、危険性が高いと、そういうことの判断の中で停止を要請をしたわけでありまして、そういう判断をしたということであって、それ以上でも以下でもありません。(発言する者あり)
#188
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#189
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 それじゃ、佐藤ゆかり君。
#190
○佐藤ゆかり君 要は、答えられないというか、これは答弁拒否ですね、これはもう明らかに。要は、夏場の、夏季の需給対策を全く考えずに、真っ白な頭でいきなり止めると、それしか考えられない菅総理だということを無言の答弁が語っているんだろうと思いますよ。
 ただ、もう一つお伺いしますよ、熱中症患者が今増えているんですよ。御案内のとおり、死亡者も出ているんですよ、菅総理。そうした中で、じゃ、浜岡が止まります。ストレステストで、この結果、玄海もまた再開のめどが立たなくなった。そうしたら、この原発が稼働しない分、定期点検から再開に向けた遅れが生じている分、どうですか、熱中症対策の夏場の九月終わりまで代替エネルギーの対策というのはどう組んでいるんですか、一言で答えてください。
#191
○委員長(前田武志君) 菅総理大臣、時間が迫っています。簡潔にお願いします。
#192
○内閣総理大臣(菅直人君) ええ。浜岡の停止要請をする段階で、経産大臣とも、これが止まった場合のどの程度中部電力にとっての供給が減るかということも検討し、必ずしも、もちろんいろいろ御苦労はいただきますけれども、供給力はあるというふうに認識をいたしました。
 それから、一般的にですね……(発言する者あり)
#193
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
#194
○内閣総理大臣(菅直人君) 一応、じゃ、そういうことであります。
#195
○佐藤ゆかり君 全く答えになっていませんでした。
 菅総理が居座ることによってこれ以上熱中症患者が全国で増えないことを切に願いまして、夏場にでも早く、菅総理、総理の座を降りていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終えます。
#196
○委員長(前田武志君) 以上で礒崎陽輔君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#197
○委員長(前田武志君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
#198
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。
 まず、松本前大臣の任命責任についてお尋ねをいたします。
 松本前復興担当大臣の失言又は暴言によりまして被災地の皆様の気持ちがどれだけ傷ついてしまったのか、菅総理の任命責任はもう重大であります。もう与党からも菅総理の辞任を求める声が相次ぎ、政権は崩壊状態にあります。また、松本前復興相の後任の人選につきましても、仙谷官房副長官に就任を打診をしたけれども固辞をされたと伝えられ、まさに求心力の低下がもう鮮明になっております。
 もう既に総理、刀折れ矢尽きているんです。総理就任後一年余、さしたる成果も上げられない、その無念さは理解をいたしますけれども、もはや限界であります。私は、総理には、花道を飾るなどというけちな考えは捨てて、もう自分の身を捨てて、まさに国を救うために後任にバトンタッチを早くしてもらいたい。総理の決断をまず求めます。
#199
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は常に、今の震災の状況あるいは原発の状況に対して我が内閣として何ができているか、このことを私なりに判断をしてまいりました。
 幸いにして、今回、皆さんの御協力といいますか提案もいただいて基本法が成立をし、そして復興構想会議からの提案もいただき、そして、確かに松本前大臣の発言では大変申し訳ないことをいたしましたけれども、復興本部も立ち上げることができました。そして、一次補正で不十分だったことについて、皆さんの御指摘もいただいて二次補正案も閣議決定をいたしたところであります。また、原子力の事故に関しても、ステップワンがもうすぐ時期が来ますけれども、ステップワンのプロセスはほぼ予定あるいは一部は予定を超えて前進をしていると私は認識をいたしております。
 そういう中で、再生可能エネルギー法案についても、既に国会に出してかなり長い時間がたっておりますので、是非御審議そして成立を図ってまいりたいと。そして同時に、公債特例法についても、これが成立しなければ国民の生活に大変大きな影響が出ますので、そうした形をやっていくと。
 そういったことで、一定のめどが付いた段階で次の若い皆さんに移していきたいということを申し上げているわけで、何か行政が中断をしない中で次にきちんと責任ある形でつないでまいりたいと、このように考えております。
#200
○荒木清寛君 総理の意気込みとは裏腹に、昨日の新聞には、復興の最大の障害になっているのは菅首相だ、こういう投書が載っておりました。しっかりと国民の声に耳を傾けていただきたい。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 そこで、公債特例法というお話がございました。これは二十三年度の予算の歳入の四割に当たる赤字国債の発行の根拠でございます。
 野田財務大臣は、この法案が成立をしないと九月以降の予算執行が困難になる、このように会見をしておりますけれども、本当にそうならば、記者会見をする前になぜもっとこの公債特例法が成立をするように、野党が協力をしなければ成立しないんですから、政府・与党としてどうしてもっと真摯な努力をしないんですか。
#201
○国務大臣(野田佳彦君) 荒木議員御指摘のとおり、予算の全体の四割を占める歳入に欠陥が出ているという状況が続いております。
 ちょうど四月から六月までの執行実績と、それから七月から九月までの各省からの要求が出てきましたので、それをもって現段階で説明できる状況になりましたので会見で御説明をさせていただきました。
 それによりますと、建設公債を財源とする事業等の執行分を除いた累積支出額が九月末までに四十二・二兆円になる見込みでございます。早ければ十月中、遅くとも十一月中にはこれに対応する財源の裏付けのある歳出許容額、これは四十八・四兆なんですが、に到達する見込みであるということでございますので、すなわちこの今国会中、八月三十一日までの間にこの法案が成立しないと九月以降に円滑な予算の執行が困難になるという旨の御説明をさせていただきました。
 そういう危機的な状況でございますので、改めて、特例公債通すためには、いろいろ三党合意で合意していることもありますけれども、真摯なそういう御議論を通じて、それを踏まえて何としても成立をさせていただくように改めて御協力をお願いをさせていただきたいというふうに思います。
#202
○荒木清寛君 ねじれ国会なんですから、与野党の信頼関係を大事にしてもらいたいんです。
 四月二十九日、民主、自民、公明の三党の政策責任者は確認文書に署名をしました。そこでは、子ども手当の在り方や高速道路料金制度を始めとする歳出の見直し、年金臨時財源について第二次補正予算の編成の前にその見直しを含め検討を行う、このように明記をされております。そして、これを前提として公債特例法の成立に向け真摯に検討を進めるという、これが、三党ですけれども、確認をしておるわけですね。ところが、先般、第二次補正予算の概算の閣議決定をしました。
 では、お聞きいたしますけれども、これはもう総理にお聞きをいたします。その四月二十九日の三党の合意というのは履行した上でこの第二次補正予算の閣議決定をしたんですか。私は、公債特例法の成立を認めてもらいたいというのであれば、政府・与党としてこの子ども手当を含めた歳出の見直しをどうするのか、そしてまた年金臨時財源、いわゆる年金の財源を二兆五千億円流用したわけでありますから、これをどう戻すのか、この場で政府・与党としてこの歳出の見直しや年金財源についてどうするのかという明確な指針を示すことが野党にお願いをする前提じゃないですか。答弁を求めます。
#203
○内閣総理大臣(菅直人君) この三党合意、四月二十九日の三党合意に沿っていろいろと御党とも、あるいは自由民主党の皆さんとも政調会長を始め議論をしていただいていると聞いております。まだ完全な一致ではないかもしれませんが、大筋の方向性としては子供に対する手当などについても方向性がそろってきていると聞いておりまして、いま一層の努力を図ってまいりたい、是非御協力をお願いいたしたいと思います。
#204
○荒木清寛君 それでは、総理でも財務大臣でも結構ですが、子ども手当の見直しについて大筋の方向性ということですが、自民党、公明党は、これは今般の財政状況に鑑み所得制限を付すべきだ、このように言っております。じゃ、民主党はこの点について、与党は、政府はどういう考えなんですか。それが示されなければ、おおよその方向性が出ている、このように言えませんよ。
#205
○理事(森ゆうこ君) どなたがお答えになりますか。
#206
○国務大臣(細川律夫君) 所得制限につきましては、所得制限が掛かる世帯というのは、もう既に扶養控除の廃止によりまして増税が施行されておりまして、所得制限すればこの影響は大変大きいところになります。また、自治体の事務負担も増加することなどで、これらについてよく留意をしていかなければと。
 いずれにいたしましても、今この三党で話合いをしていくという、そういうことがこの合意の中でしておりますから、その与野党間の、三党の中での話合い、それを踏まえてこれを必要に対応をしていくと、こういうことになろうと思います。
#207
○荒木清寛君 それは私も、所得制限はそれはない方がいいですよ。しかし、財源がないんですから、財源がない中でやる以上はこれは申し訳ないけれども制限をせざるを得ない、また復興財源もある、このことについて民主党の中でちっともまとまらないからこの三党合意が一向に進まないんじゃないですか。このことを指摘をしておきます。
 次に、二重ローン問題につきまして、先ほど片山委員からもありましたので私も補充の質疑をさせていただきますが、民主、自民、公明の三党におきまして実務者協議が大詰めの段階になっている、このように理解をしております。特に、被災企業の債権の買取りにつきまして、民主党はこれまで従前の中小企業再生ファンドの活用を言っておりましたけれども、そういう方針を撤回をして、自民、公明が言う新機構の創設という、これを認める意向になったことは大変いいことだと思います。しかし、最終段階、この詰めの段階で合意ができるのかどうかということかと思います。
 それで、私、また公明党は、この既存の中小企業再生ファンドを用いることはもちろん大事ですけれども、これは民間のいわゆる利回りを求めるスキームでありますので救済できる被災企業が少ない、したがって公的な新たな買取り機構を設けなければいけない、これが公明党、自民党の立場であります。おおむね私は、民主党、与党もこういう方向になってきていると思うのでありますけれども、経済産業大臣、そういった新機構をつくる場合、当然これは法律を作らなければいけませんが、その場合にきちんと、商工業者だけではなく、農林水産業者、医療法人、こうした事業者も対象になるように、そしてまた再生の可能性ということにつきましても、厳しい事業再生計画の提出を求めるのではなくて、おおよそそういう見通しがあればいいということで広く支援、救済できるスキームを政府として考えるべきだと、このように考えますが、今の段階での政府の方針を求めます。
#208
○国務大臣(海江田万里君) 今委員から御指摘のありました再生ファンドの問題点と申しますか、今度のような大震災が発災する前は、まさに中小企業庁が中心になりまして再生の可能性を厳密に見極めをすると、それから業種なども限界がございました。しかし、今度のこの大震災、その被害を受けた中小企業をどうやって救っていこうか、少なくともゼロからの出発にしようかということで、今委員御指摘、あるいは野党の自民党、公明党の皆さん方が中心になって新たな機構をつくるべきではないだろうかということになりましたので、今その方向で、これはもう私ども政府よりも党の間の話合いになっております。
 しかも、その中で、新たな機構をつくりましたときのその中身に盛り込むことは、当然、今私が申し上げました、当初私どもが考えておりました再生ファンドの限界、これをやはり超越をする、超克をするものでなければいけないと思っておりますので、その意味では、私も党のこの話合いがうまくいくように見守っておるところでございます。
#209
○荒木清寛君 次に、被災地に対する義援金のことをお尋ねいたします。
 私たちも寒空の中、この義援金、早く現地の被災者の皆様にお届けをしたい、そういう思いで街頭に立ちました。全国から約三千億円寄せられている、このように承知をしておりますけれども、必ずしもこれが迅速に配分されておりません。
 義援金の現在における配分の実績はどうなっているのか、また、これが遅れている原因はどこにあるのか、厚労大臣の見解を求めます。
#210
○国務大臣(細川律夫君) この義援金につきましては、総額は二千九百四十七億円でございます。このうち第一次配分として被災都県に送金されましたのが八百七十八億円でございます。そのうち被災者のお手元に届いたのが五百九十六億円でございまして、これは市町村に送金されたものの七二・三%でございます。また、第二次配分として千四百六十八億円が被災都道府県に送金されておりまして、これは各被災都道府県の配分委員会におきまして被災者への配付基準が策定され次第被災者に配付されることになっております。
 そこで、なぜこの義援金の配付が遅れているかということにつきましての原因でございますけれども、これは、発災後しばらくの間は避難所の運営とかそういうところの応急の救助の事務が最優先ということでなかなか手が回らなかったということもございます。また、義援金配付の前提となります家屋の損壊、これの認定や罹災証明書の発行手続に時間を要したこと、また市役所とか町などで被害がありまして、このシステムの復旧だとか、あるいは職員そのものも被災をしたと、こういうような事情がありまして行政機能の復旧業務の立ち上げに時間を要したというようなこと、あるいは重複申請もあったというようなことで、そういうことが遅れた原因になっているというふうに聞いております。
#211
○荒木清寛君 総理に求めます。
 私は、四月二十八日の参議院本会議で指摘をしましたけれども、また同じことをここで言わなければいけない、大変残念であります。
 今、細川大臣が言われましたように、私は、これは今三千億円近くの義援金のうち五百九十億円、二割程度しか届いていないわけでありますが、早く手元に届けて当面の生活に使ってもらいたい、これが私は義援金を拠出をした国民の思いだと思うんです。もし、地元の自治体で手が足らないんだったら、そこまで手が回らないのであれば、政府の方で手を打って人を派遣をして、それこそ寄り添うような支援をして早く届ける、どうしてこういうことが手を打てないんでしょうか。総理に私は改めて改善を求めます。
#212
○内閣総理大臣(菅直人君) 思いは私も全く同じであります。
 例えば義援金の配付事務について、事務を含めて、被災自治体の支援のために現在五県五十四市町村に対して千百三十九名の応援職員を派遣しているというのが七月一日の現在であります。いろいろ先ほど厚生労働大臣からも話がありましたけれども、それぞれの立場で努力をいたしておりますけれども、やはり根本的にこれだけの職員を派遣している中でもマンパワー不足がなかなか解消し切れていないということでありますので、更なる努力を図っていきたい、このように考えております。
#213
○荒木清寛君 そういう思いは同じということじゃなくて、総理なんですから、具体的に手を打ってください。
 次に、液状化対策につきまして国交大臣にお尋ねをいたします。
 今回の震災では、首都圏沿岸部を中心として非常に広範囲に液状化の被害が発生をしました。特に高層マンションと比較をして木造の戸建て住宅の被害の大きさが目立った、このように承知をしております。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 そこで、同じ被害を繰り返さない、あるいは少しでも被害を減ずるために、今後の液状化対策については政府としてどういう検討をしているのか、どうするつもりなのか、お尋ねします。
#214
○国務大臣(大畠章宏君) 荒木議員の御質問にお答えを申し上げます。
 液状化対策について御質問をいただきました。
 私も、四月の二十三日に千葉県の香取市、それから茨城県の稲敷市に入りまして、液状化の被害の現状について視察をさせていただきました。想像をはるかに超える液状化の被害というものを目の当たりにいたしました。
 そこで、今後どうするのかと。この液状化の中で苦しんでいる市民の方々に対する対応というのはいろいろと今やっているところでありますが、今後どうするのかという御質問をいただきました。
 一つとしては、液状化の危険のある地域を周知し、よく調べて、それを明らかにして、住宅の建設又は購入、新たに購入する方々に注意を促すということを一つやりたいと。それから二つ目には、液状化の発生メカニズムというものをよく研究し、国土交通省管轄でもいろんな研究所がございますので、そこを使ってこのメカニズムを研究して、より安全にかつ低コストで行える液状化対策の技術開発を進めると、こういうことをしてまいりたいと思います。さらには、三点目でありますが、住宅の安全性の表示などにより、住宅のいわゆる建設又は購入をされる場合にはそのようなことをしっかりと周知をさせる、そういうことを総合的にしてまいりたいと、そう考えているところであります。
 さらには、これはまだいろいろと検討中でありますけれども、土地に関する情報の中に液状化に関する情報を加えることも必要ではないかと思っておりまして、いろいろと御質問を踏まえて、今後、同じような形で被害者が出ないような対策をしてまいりたいと思います。
#215
○荒木清寛君 分かりました。
 それは大事でありますけれども、これまでは特に戸建て住宅につきましては余り液状化のことは検討しないで建ててきたという現状があるかと思います。これではいけませんので、今言った技術開発あるいは情報提供も必要ですけれども、法の改正やあるいは告示の改正も含めてもう一歩踏み込んでこの液状化対策が取られるように政府として対応すべきではないですか。
#216
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 個別住宅に対しての液状化対策が不十分ではなかったかという御質問を賜りました。
 これまでは、いわゆる液状化によって倒壊をするというおそれがあるマンション等々大きなものに対しては、いろいろとその危険性ということから、建築基準法等において構造計算を義務付けたり液状化対策というものを求めてまいりました。しかし戸建ての住宅の場合には、倒壊をするという状況ではなく沈み込むですとかあるいは傾いてしまう、こういうことで、命に対する危険性というものが生じていないことから、建築基準法の中で指定はしておりませんでした。
 しかし、御指摘を踏まえて、個別住宅等も大変入居されている方が困っていることも事実でありますから、建築基準法の規制が、例えば耐震基準では居住者の生命に危険を及ぼすような倒壊の防止を目的としてこの建築基準法はできているんですが、そういうものとのバランスの問題、それから、住宅の立地に応じて液状化対策が必要かどうかの専門的な調査というのが法的に義務付ければ必要になってまいります。さらには地盤の調査や補強等に多大な予算も掛かりますので、そういうことをいろいろと検討をしながら、個別の住宅に対してはどのような形にすべきなのか、今義務付けをという御指摘もございましたが、いろいろと慎重に検討してまいりたいと思います。
 先ほど冒頭に申しましたように、土地の情報の中に液状化の情報というものを加えることも私は必要だと思いますので、ここら辺も含めて検討をしてまいりたいと思います。
#217
○荒木清寛君 是非、検討の結果を早く出してください。
 次に、仮設住宅の総点検のことについてお尋ねいたします。
 仮設住宅は被災者の方々が最大二年間暮らす可能性があります。特に、私は弱い立場の人にも十分配慮して住環境の改善をしなければいけない、このように思います。
 公明党宮城県本部では、六月二十九日から今月中旬にかけて、東日本大震災の被災者が入居する仮設住宅の問題点を調査する総点検運動を行っております。この点検の結果浮き彫りになった課題を市町村、県、国に対して訴えていく予定であります。
 この訴えを行った場合、政府としてはこれをしっかり受け止めて、入居者の不便の改善、安心な生活の実現に努めてもらいたい、このように思いますが、決意を伺います。
#218
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 応急仮設住宅の建設に当たりましては、バリアフリーの仕様になるようにとか、あるいは福祉仮設住宅、これらを建設をいたしまして、高齢者の皆さん方にも支援をしっかりやっていくと、こういうことで応急の仮設住宅の建設をしてまいりましたけれども、実際に使っている方々がまだ十分でない、そういう点でいろいろと御指摘もいただいております。
 したがって、応急仮設住宅が完成をして使用されている場合でも、不十分なところがあれば、例えば簡易スロープやあるいは手すりの設置をする補修とか、あるいはまた応急仮設住宅の敷地の通路、これが砂利道だとなかなか通行が不自由でございますからそこを簡易舗装するとか、そういうようなことも、仮設住宅が完成しても後でそれをやるということについて、それができるということも通知もさせていただいております。
 したがって、そういう不十分なところがございますれば、言っていただければ補修をしっかりやっていくということで取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#219
○荒木清寛君 今大臣からお話ありましたように、簡易スロープ、手すりを設ける。今回の点検の中でも、入口の段差が高くて危険だ、当然仮設住宅ですから、全部バリアフリーにするということはそれはできないと思いますが、三段も上がらなければ入れない、こういう現実があります。
 あるいは、私の聞いたところでも、室内で車椅子が使えないですとか、あるいはトイレや風呂の使い勝手が悪い、手すりが付いていない。政府に言いますと、いや、ちゃんと手すりは付けるようにしてありますと言うんですけれども、風呂の入口に一本付いているだけで浴槽のところにはないんですね。これじゃ役に立たないわけです。
 あるいはトイレにつきましても、右半身が不自由なのか左半身が不自由なのかによって必要な手すりの位置も違う、そういう意味できめ細かい対応をしなければいけないわけでありまして、自治体任せにしないで、通知を出すだけじゃなくて、政府もきちんと気を配ってこの仮設住宅の住環境の改善に努めることを要請をいたします。
 次に、もう一つ厚生労働大臣に、四月七日夜の余震の後、東北電力管内での停電中に、山形県でありますけれども、人工呼吸器と酸素濃縮装置を使用する在宅患者が亡くなられるという事態が発生をしました。
 こうした事態を防ぐため、計画停電や余震による停電への対策として、障害者に対して、保健所等に発電機と無停電電源装置を据え置き、在宅で人工呼吸器や吸引器を使用している難病患者に貸し出すという制度が今年度より開始をされました。
 しかしこの対象は、難治性疾患克服研究事業・臨床調査研究分野対象疾患の百三十疾患のみが対象であります。しかし、在宅で人工呼吸器を使う患者は全国で三千人以上いるとも言われております。この百三十疾患には入らなくても、脊髄損傷等を負っていて在宅で人工呼吸器を使う人、障害者にも小型発電機と無停電電源装置をセットで貸出しができるよう対象範囲を広げる、あるいは新たな制度を創設するべきであると考えますが、大臣に対応を求めます。
#220
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 停電によりまして、在宅人工呼吸器を利用している方、そういう患者の方が重大な危険、その人命に影響を与えるという、そういう危険をこれは避けなければいけないというふうに思っております。
 そこで、まずは厚生労働省といたしましては、医療機関に対しまして、在宅医療患者との緊急連絡体制を再確認をすること、また医療機器メーカーに対しましては、人工呼吸器等の在宅医療機器を使用している患者への外部バッテリーの配付を行うというようなことをするようにというようなことで、この停電に適切に対応するように求めてきたところでございます。
 そこで、委員が御指摘の難病患者に対しましては、今、貸出し用の発電機、これを貸与しているわけでありますけれども、全ての人工呼吸器を利用されている方にそういう発電機を貸与と、こういう御質問であります。
 それにつきましては、今現在の状況で、更にそれが必要かどうかというようなニーズの問題、あるいはそういう発電機を適切に操作ができるかというようなそういう課題もありますが、委員が御提案のこの問題については関係方面とも意見をお聞きしながら検討をしてまいりたいと、このように考えております。
#221
○荒木清寛君 私は脊髄損傷者の方から要望を受けているわけで、ニーズはありますから、是非実現するように要請をします。
 そこで次に、総理に、外交問題、2プラス2についてお尋ねをいたします。
 先月、四年ぶりに外務・防衛担当閣僚による日米のいわゆる2プラス2が行われました。ここで懸案の普天間飛行場の移設問題や在沖海兵隊のグアム移転問題については進展が見られず、二〇〇六年のロードマップで二〇一四年としていた期限を断念をする、このようなことになったわけでありまして、残念でございます。
 思えば、一年前に鳩山前総理が退任をした最大の理由はこの普天間問題がこじれたということであります。それを受けて菅総理は就任をしたわけでありますが、総理は確かに三回沖縄を訪問しておられます。先月二十三日に沖縄を訪問をし、仲井眞知事とお会いをされましたけれども、米軍基地問題の話はされなかった、このように報道をされております。
 一体この一年余、総理は本当にこの普天間問題、デッドロックに乗り上げたこの問題の解決のために真剣に汗を流したんですか。このことをお尋ねします。
#222
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年、鳩山政権の後を継いで私が総理になったときに、今御指摘のありましたように、この沖縄の普天間問題は最大の課題の大きな大きな一つとして私が引き継ぐことになりました。そして、五月のたしか二十八日ですか、鳩山内閣の下での日米合意を踏まえてこの一年間努力をしてまいりました。
 いろいろと御指摘をいただいておりますが、私としては、この沖縄における普天間の固定化を何としても避けなければならない。その場合に、私が二度目にお伺いしたときに記者団の前でも申し上げたんですが、確かに県外、国外を沖縄の皆さんは強く望んでおられることは私も承知をしているわけですけれども、そのことも申し上げましたが、しかし同時に、この間の鳩山内閣当時の努力も含めて、そうした道筋がなかなか見えてこない中では、ベストとは言えないかもしれないけれども、合意をした辺野古への移転によって例えば密集地域からの移転になりますし、その移転が実現されれば嘉手納以南の多くの基地の返還もありますし、またグアムへのかなりの、かなりの海兵隊の移転ということも見えてきますので、そういう意味では、沖縄の負担軽減に現実的な形でつながる道筋としては是非その方向性を理解してほしいということで努力をしてまいりました。また、それと並行して沖縄のいろいろな振興策についても努力をしてまいりました。
 結果として、この普天間の問題では理解を十分に得られるというところまでは行っておりませんけれども、そうした中で、できる範囲の、例えばホテル・ホテルといった地域の訓練場などの返還など、できる範囲での軽減の努力を更に継続をいたしている、そういう状況にあります。
#223
○荒木清寛君 今、非常にむなしい言葉のように聞こえました。
 今回の共同文書では、普天間飛行場の移設に関して、固定化を避けるためと明記をされました。つまり、固定化かあるいは辺野古移転か、そういう二者選択を沖縄に迫るような、沖縄に圧力を掛けるようなやり方というのは非常に私は不当であると思います。知事が、沖縄のせいで固定化だと言われてもとんでもない話だ、このように怒るのも当然でありまして、頭越しに決める前にどうして地元ともっと対話をしないのか、このことを指摘をしておきます。
 最後に、ストレステストの件につきまして、原発問題について、先ほどからもう本当に審議、答弁が混乱をしておりますけれども、海江田大臣、このストレステストで安全性が確認されるまでは玄海原発を含めて運転停止中の原発の再稼働はしない、これが政府の方針だということでよろしいんですか。
#224
○国務大臣(海江田万里君) 先ほども昼の時間に細野大臣と私とで会いまして、まずストレステストがどういうものになるのかと。やはり多くの皆様方の御理解をいただけるものにならなければいけないということで、このストレステストの中身、これはいろんな例がございます。基本的にヨーロッパの例もございますが、そういうのを見まして、そしてどういうストレステストにするのかと。これはストレステストも、例えばヨーロッパの国々がやっておりますのも、そのストレステスト、中間的な報告を求めるものと、それから最終報告を求めるもの、これ随分時間が掛かる問題でございます、最終報告まで待ちますと。ですから、そういう仕分をどういう形でやるのかということを含めて、そこで判断をしたいということでございます。
#225
○荒木清寛君 もう時間がないんですが、要するにこのストレステストに合格しないと再稼働させないんですか、そのことだけ答えてください。
#226
○国務大臣(海江田万里君) 私は、今回玄海に参りまして、玄海の岸本英雄町長に本当に申し訳ないと思っておりまして、できるだけ近くに伺いたいと思っているんですが、なかなか日程が付かないと思っておりますが、今、私がその時点でこの安全性が確保されているというお願いをしたわけでございますが、それがそういうわけにはいかなくなったという事情がございますので、私は、安全性、特にせんだってのあの地震、福島の地震、そしてその後の津波に対する安全性というものは確保されていると思っております、これは。
 しかしそれだけでは、この玄海の町長は本当に御理解をいただいたわけでございますが、唐津などの市長を始めとした近隣の皆さん方が納得をいただいていないわけでございますから、そういう方々の納得をいただけるようなやはり努力をしなければいけないということでございます。
#227
○荒木清寛君 これは細野大臣もいらっしゃるところで引き続き追及することにしまして、バトンタッチをいたします。
#228
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。秋野公造君。
#229
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。被災地のお役に立てるよう、関連質疑をさせていただきます。
 まず最初に、現時点における、日常生活における放射線の影響について伺いたいと思います。
 私は被爆地長崎で育ちました。原研で学位もいただきましたが、不勉強な私でもこの放射線に関する情報の混乱には本当に疑問を持っております。混乱している部分を整理させていただきたいと思っておりますが、今日はテレビ付きで審議をさせていただく機会をいただきましたので、国が責任を持って正しい情報を知らせていただきたいと思います。
 まず、緊急避難準備区域である南相馬市の原町区、伺いました。二百名の方、お集まりをいただきまして、様々意見交換をさせていただきましたが、その声というのは悲痛なものでありました。百日間、窓を一回も開けていないというようなお声をいかがお考えになりますでしょうか。
 現時点で、福島の皆さんが日常生活を送る上において窓を開けることは問題がないか、半袖、半ズボンでいることは問題ないか、そしてマスクをはめなくても健康に影響はないか、政府の公式見解を求めます。
#230
○国務大臣(枝野幸男君) 専門の、医師でもいらっしゃる先生に釈迦に説法のような話でございますが、国民の皆さんに必ずしも十分に伝わっていないと思いますので、答弁をさせていただきます。
 原発の事故の直後と違いまして、空気中に、大気中に放射性物質が漂っているという状況では、少なくとも原発のごく周辺部を除けば、そういう状況ではございません。したがいまして、窓を開けていただく、あるいは半袖や半ズボンをお子さんなど着ていただくというようなことが健康に影響するということはない状況になっております。
 政府としても、この間、ニュースレターやラジオ等によって周知を図っているところでございますが、必ずしもそのことが伝わっていないことを残念に思っておりまして、政府としても、こうした安全と生活を両立させる上での情報について更に徹底してお伝えできるように努力してまいりたいと思っております。
#231
○秋野公造君 とはいっても、空中にはなくとも土壌にはあるわけであります。舞い上がったもの、そういったものの内部被曝に関する影響をどのように考えているか、公式見解を求めます。
#232
○国務大臣(枝野幸男君) 土壌から空中へ巻き上げられた土ぼこり等を呼吸することで内部被曝に至ってしまう、あるいは土壌などを誤って口に入れてしまうというようなおそれはございます。しかしながら、こうしたことによる内部被曝の推定は、国際原子力機関、IAEAが土壌調査の調査結果から内部被曝量を推定するために提唱している信頼性の高い専門的手法を用いて、文部科学省が福島県内の学校の校庭で土壌の分析をいたしましたことに基づきますと、推定される内部被曝量は内部と外部を合わせた全体の被曝量の平均二%程度であるということを確認をいたしております。
 もちろん、非常に乾燥してすごい砂ぼこりが舞っているとか、そういったときについては御留意をいただきたいというふうに思いますし、また、小さなお子さんなどは誤って砂場などで遊んだりとかということの中で土や砂を口に入れてしまうというようなことについての御留意は必要でございますが、通常の状況において呼吸によって内部被曝に至るということについてのリスクは今申し上げた程度でございますので、そこについては一定の御安心をいただきたいというふうに思っております。
#233
○秋野公造君 積算線量が二十ミリシーベルトを超えそうなところを改めて避難勧奨地点としました。復興対策特別委員会で御議論をさせていただいてから二日ということで、非常に早い対応だったとは思います。
 その地点となった福島県伊達市にも行かせていただきまして、そこでお店を開いている方々にもお話を聞きました。こんな声がありました。二十ミリシーベルトを避難の基準とする考え方はICRPの基準に基づいているということは皆分かっているが、これを超えると即健康に影響があるのかという議論とごっちゃになっている、このようなお声であります。
 自分のお店の地域が二十ミリシーベルトを超えそうだけども健康に影響を与えるのか、これの御説明をお願いします。また、この基準というもの、妊婦や子供さんを無視して作られているのか、ちゃんと配慮をして作られているのか、国の公式見解を求めます。
#234
○国務大臣(枝野幸男君) この基準の二十ミリシーベルトという目安は、国際放射線防護委員会、ICRPと国際原子力機関、IAEAが示している緊急時被曝状況における放射線防護の参考レベル、年間二十から百ミリシーベルトのうち最も厳しい二十という基準を採用しているものでございます。また、この参考レベルに当たっては、大人や子供の区別なく適用することが勧告されているということでございます。
 また、被曝した放射線量が百ミリシーベルト未満では、放射線ががんを引き起こすという科学的な証拠はないということでございます。百ミリシーベルトを超えた場合でも、百から二百ミリシーベルトの場合のがんになるリスクは、喫煙や大量飲食、食事などの生活習慣を原因とするがんのリスクよりもはるかに低い値であるということとされております。
 したがいまして、年間二十ミリシーベルトを超えた場合であっても、健康への影響について過度に御心配をされる必要はないと考えておりますが、政府としては、万が一にも健康への影響が及ばないように、できるだけ低い目標といいますか、基準ということで二十ミリシーベルトとしております。
 なお、妊娠中の方あるいはお子さんについては、ICRPの勧告においても、同じ基準でいいけれども、特に十分な配慮を行いつつ適切な対応をする必要がある、特別な注意を払うべきであると指摘をいただいておりますので、この点については政府としてもそういった留意をしながら進めているところでございます。
#235
○秋野公造君 これは除染を徹底して行うとか、リスクをできるだけ減らすとかいったことが免れるわけではないということはどうか御留意をいただきたいと思います。
 しかしながら、こういった丁寧な説明を国民に対してしっかりやってこなかった、そのことが福島の皆さんに大きな混乱を起こしているということは私はあると思います。
 総理に伺います。今後は、今、枝野長官がしてくださったような、国の立場を明確に、そしてリスクコミュニケーションに配慮した説明を記者会見のときなどを利用しながらしっかりやっていただく、お約束をしてください。
#236
○内閣総理大臣(菅直人君) 原子力災害現地対策本部や、また政府、東電の合同会見、そして枝野官房長官の会見などを通して、今御指摘のように、正確な情報提供をこれからも、あるいはこれから特に留意して行っていただきたいと。また、被災住民の方々の不安解消のために、現在、現地の対策本部が頻繁に住民説明会を開催し、きめ細かく情報の共有を図ってきているところであります。これからも分かりやすい情報提供に更に努めてまいりたいと思っております。
#237
○秋野公造君 そう開き直られてしまいますと、正しい情報が伝わっておりませんということを今、私はお伝えをしたかったわけであります。総理、どうかここはきっちりやっていただくようにお願いをします。
 そして、安心を勝ち取るためのこれから県民健康調査はしっかりやっていただかなくてはいけないわけです。個人線量計を配るのも非常に重要であります。しかしながら、これは誰がどのような根拠でどのように説明をするのでしょうか。
 世界でコンセンサスを得られているICRPの情報さえもはや信用できないような状況の中で、これから三十年間以上しっかり健康調査を行っていく上では、世界の応援も借りる必要があると思っています。例えば、IAEAやWHOの海外の専門家の意見交換もできるような、また広島や長崎では原研が設置され、放射線影響研究所が設置されたように、第五福竜丸の問題が起きたときには放射線医学研究所が置かれたように、福島の方々の健康を守るためには何でもやるとの思いで国際交流拠点をきっちりつくって、データの集積もしながら福島の県民の皆様の健康を守っていく、この考え、いかがでしょうか。
#238
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のことは大変重要であるというふうに思っております。福島の県民の皆さんの健康状況について今後もしっかりとモニタリングをさせていただいて、万が一の事態がないようにということをしっかりとさせていかなければならない。そのためには、国内はもとより世界中の様々な知見、あるいはそうしたことをお持ちの皆さんのお力を結集できるための体制整備、必要だというふうに思っております。
 現状では、もちろんこれは福島県や福島県立医大が頑張っていただいておりますので、こうした皆さんと御相談をしながら、今御指摘をいただいたようなことも視野に入れて、実態としてできるだけ早い段階から様々な知見を得られるよう更に努力をしてまいりたいと思います。
#239
○秋野公造君 緊急時避難準備区域の指示について伺います。
 南相馬市の原町区においては、これは二十キロから三十キロ圏内でありますが、経済活動が認められたことから、子供が帰っていける状況であります。しかしながら、この地域は仮設住宅の建設が認められておらず、なおかつ子供がいる家庭は借り上げ住宅に入ることができないという制約が総理の指示によって行われています。また、学校も開設されることなく、病院があっても小児医療が今まで開設されることもなく、この月曜日にやっと開設をされましたが、救急も、そして入院も全く認められていない状況であります。住む家も教育も医療も全く担保されていない状況が四月の末から続いておりますが、実態として合わなくなってきています。
 ステージワンが達成されたらこの緊急時避難準備区域の縮小も考えるというような報道もありますが、まずはこの総理の指示をしっかり見直すことが先決ではありませんか。
#240
○国務大臣(枝野幸男君) 緊急時避難準備区域の皆さんには、もちろん避難をしていただいている方も当然ですけれども、また違った意味での、今御指摘いただいたような様々な御苦労、御負担をお掛けをしているところで、大変申し訳なく思っております。若干のところはこの間も改善をしてきているところはありますが、必ずしも十分でないという御指摘は真摯に受け止めなければいけないと思っております。
 今、御質問の中でも御指摘いただきましたとおり、何とかステップワンを完結させれば、いわゆる爆発等のおそれがなくなれば、緊急時避難準備でございますので、ここの見直しに直ちに取りかかれるのではないかという見通しを立てているところでございますが、それにも若干の時間が掛かりますので、同時並行で、今いろんなことを、これはやらないでくださいとお願いをしていることについて、さらにその間においても見直すことがないだろうか、できることがないかどうかということについては、安全性を優先しながらも更に努力をしなければいけないと思っております。
#241
○秋野公造君 沖縄県に行かせていただいたときに、福島から沖縄に避難をされた方々のお宅を回らせていただきました。驚いたのは、公営住宅に入居をしている方であっても、罹災証明等の手続、義援金をもらう手続、様々な一切の手続が行われていない状況でありました。
 総務省においては、避難されている方々の情報を避難元自治体に届けるようにと様々な通知も出していただいたり、そしてその通知を受けた自治体等も様々対応をなさってくださっているのかもしれませんが、それでも、私がちょっと沖縄で何軒か回っただけでも、このように全くこういった救済の手が受けられていない方々がたくさんいらっしゃいます。
 全国で、今分かっているだけで六万人を超える方々が県外に行かれて、全く情報が足りない状況が続いています。自治体に周知をするだけではうまくいかないのであれば、被災者本人に情報が届くような仕組みというものを考える時期に来ているのではないでしょうか。例えば、広報戦略等を行って被災者の方々に必要な情報が確実に届くような取組を行ってはいかがでしょうか。総務大臣の見解を伺います。
#242
○国務大臣(片山善博君) 特に、福島で原発被災をされて全国に避難されている方々に対して、避難元の市町村から必要な情報が避難先に届けられるということは非常に重要だと思います。
 その前提としては、まず、避難元の市町村がどの住民の方がどこに避難されているかということを全貌を把握することが必要でありまして、この作業を今日までずっと続けてまいりました。その過程で、今御指摘になられましたような全国避難者情報システムというものを考えまして、全国の市町村の協力を得たわけであります。かなりの、福島県の資料によりますともう早い段階で九〇%後半の把握をされております。したがって、そこに対してきちっときめ細かい情報を提供していただくということが必要になります。
 並行して、まだそうはいいましても、今日時点でも少しずつの届出が今あるものですから、まだ今日まで未把握の方もおられますので、きめ細かい情報、これ特に全国の市町村の協力をいただかなきゃいけませんけれども、広報紙などを通じて、とにかく一声掛けてくださいということを通じて把握の努力をしていきたいと考えております。
#243
○秋野公造君 総務大臣、私は現場で見たことをお伝えをしておりますので、十分できているはずだということを前提にはどうかお話をなさらないようにお願いをします。私がちょっと回っただけで、全くされていない方が複数いらっしゃったんです。この確率は総務大臣の認識とは少し違うかと思いますので、どうか広報戦略、お力を入れていただきますようお願いをいたします。
 再生エネルギー法案について審議がなされるようですが、このような時期だからこそ、目の前のエネルギー確保は本当に大丈夫でしょうか。石油や天然ガス等の確保について、また、順調に進んでいるメタンハイドレートの実用化や沖縄の熱水鉱床の開発といったこと、こういったことが遅れないようにしっかりやっていただく、海江田大臣、どうか元気いっぱい御答弁をお願いいたします。
#244
○国務大臣(海江田万里君) ありがとうございました。
 メタンハイドレートにつきましては、日本近海に我が国の天然ガス消費量の百年分と言われる相当量の賦存が見込まれております。将来の国産クリーンエネルギーとしての期待が大変大きいわけでございます。しかしながら、メタンハイドレートは、従来の天然ガスとは異なり、単に井戸を掘るだけではこれは湧いて出てくるわけではございません。新たな生産技術を開発することが必要でございます。
 このため、平成三十年度をめどに商業活動に必要な技術を確立することを目指して研究開発を行っております。特に、委員御指摘の沖縄海域の伊是名海穴等、これが重要な地点として選定をいたしまして、新たに来年の二月になりますと最新鋭の海洋調査船「白嶺」が就航いたしますので、この船を十全に活用してしっかりと対応していきたい、そのように思っております。
 ありがとうございました。
#245
○秋野公造君 海江田大臣、本当に元気いっぱいありがとうございました。
 最後に、諫早湾干拓について伺います。
 総理は、諫早湾干拓訴訟について、昨年十二月、福岡高裁の判決について独断で上訴を放棄しました。この高裁判決に従い長期開門を行うとしましたが、長崎地裁では開門の必要はないとの判断が示されました。これは一体どうするんでしょうか。
 また、そもそもこの事業は漁協に対する補償が行われてから事業が行われていたにもかかわらず、個人に別途補償をすべきであるという福岡高裁の判決は、上級審の御判断を仰ぐべきではなかったでしょうか。これは公共事業等の在り方にも大きな影響を及ぼすものであり、総理のパフォーマンスで行ったものでは余りにも責任が取れない範囲だと私は思っておりますし、今回、長崎地裁でも、福岡高裁の判決を踏まえたものかどうか分かりませんが、同様の個人に対する補償をするような判断が示されました。これは争うつもりでしょうか。そもそも福岡高裁で上訴を放棄した手前、争う資格さえ失ってしまったということでしょうか。総理の見解を求めます。
#246
○内閣総理大臣(菅直人君) まずは昨年十二月の福岡高裁に関して、これは調査のための開門ということでありまして、そのことは私は適切な判断だと考え、上訴をいたしませんでした。今御指摘の長崎地裁の件に関しましては、若干請求内容などは異なっております。
 そして、最後に特にお話のありました問題は、長崎地裁判決で損害賠償請求を一部認められた原告の中には、既に諫早干拓事業の漁業補償を受けており、同判決には二重払いの問題があるということは承知をいたしております。この問題は、やはりそのまま放置するわけにはいかないということで、現在政府内で協議、調整をいたしております。
#247
○秋野公造君 ならば、福岡高裁で上級審の判断を仰ぐべきだったんです。どうかそこは御反省をいただきますようお願いを申し上げて、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#248
○委員長(前田武志君) 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#249
○委員長(前田武志君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
#250
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 総理は、最近は脱原発だとか再生可能エネルギーの普及に非常に熱心なようですけれども、この大震災の前を振り返ってみると明らかに原発推進していたわけですよ。それどころか、海外への売り込みにまで奔走していたんですね。
 今年一月の施政方針演説を聞いていても、総理はこうおっしゃっていますね。私自らベトナムの首相に働きかけた結果、原子力発電施設の海外進出が初めて実現しましたと、こうおっしゃっているんですよ。この原発売り込みの成功というのは、昨年来、国会でも少なくとも十回は御自身が言及していらっしゃる。ほかに実績として余り目ぼしいものがなかったからこればっかり言わざるを得なかったのかもしれませんけれども、それが急に脱原発というふうに言われても違和感がありますし、要は、信念じゃなくて思い付きなんじゃないかというような、そうした疑念が拭えませんけれども。
 じゃ、伺いますけれども、今の時点から振り返りますと、こうした原発売り込みに邁進していたのは、これは間違いだったというふうに何か考えていますか。
#251
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、今回の三月十一日の発生した大震災に伴う東電の福島原発事故は、私自身にとっても、可能性として考えていた原子力事故というよりも、そういうものをはるかに大きく超えた大事故でありました。私自身の中でも、それまでの原子力発電所に対する考え方と、この事故を踏まえてその後の原子力発電所に対する考え方は、私の中でも大きく変化をしたことはそれは率直に認めたいと、このように思っております。その上で、まず原子力発電所については徹底した安全の検証が国内的にも必要でありますし、これから国際的にもそのことをしっかり踏まえなければなりません。
 また、御指摘のように、ベトナムに関して原子力の分野での我が国からの提供について一定の成果を得たことについて、私もそのことについて確かに何度か申し上げました。現在の立場で申し上げれば、やはり原子力の安全性ということを従来以上にしっかりと確保する、そういうことを踏まえながら、今後のベトナムとの協力関係についても徹底した安全性というものの確保が前提とならなければならない、このように考えております。
#252
○水野賢一君 私たちも、再生可能エネルギーの普及そのものにははっきり言って大賛成なわけですよ。そのための手段として全量再生可能エネルギーの固定価格買取り制度、これも極めて有効な手段だというふうには思っています。しかし、これを導入をするということは、つまり電力会社が自然エネルギーを高く買い取って、その分価格に転嫁するというわけですから、電気料金が上がること、これだけは間違いないわけですよ。電力会社からすれば電気代に転嫁するだけですから、直接的にははっきり言って痛くもかゆくもない、痛いのは国民にとってです。そして電気代が高くなっても、地域独占企業のままだったら、例えば関東地方に住んでいる人は東京電力から電気を買わざるを得ないんですから、だから東京電力は何にも困らないわけですよ。
 だからこそ私たちは、こうした再生可能エネルギー導入策を推進するんだとすれば、それと同時に、電力料金を引き下げるような方向、つまり電力自由化とかもセットにすべきだと、こういうふうに、少なくともその道筋は付けていかなければいけないというふうに言っているわけです。そう言うと政府は、電力自由化はもう進んでいるんです、そういうようなことを言うんですね。確かに、法律上は一九九五年から電力自由化、部分的にされていますけれども、じゃ、実態はどうなのかということを海江田大臣に伺えたらと思うんですが。
 例えば今でも、一般電気事業者、全国に十ある電気事業者ですよね、これが自分のエリアから越えて管轄外のところに、言わば越境供給をすることは、ルール上は、法律上はできるようになっているんですけれども、その例ってありますか、どのぐらいありますか。
#253
○国務大臣(海江田万里君) おっしゃる越境供給の具体例は一件ございます。
#254
○水野賢一君 要するに一件だけ。つまり、電力会社間競争なんていうものは事実上全くないんですよね。しかも、今言ったのは既存の十電力の間での越境の話ですけれども、それ以外の新規参入事業者、いわゆるPPSです、これが自由化された電力のうち占めている、参入している割合というのはたった三%ですよ。総理、これじゃ自由化の名に値しない、形だけ。制度だけ、形だけなっていて、もう全然自由化の名に値しないというふうに、実態はそれと程遠いというふうに思いますけれども、総理、どうですか。
#255
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的にはおっしゃるとおりだと思っております。つまりは、制度的には越境供給とかあるいはPPS等によって自由化を進めることが可能になっておりますが、実態的にはなかなかそれが進行していないわけでありまして、そういう点でそういったものがもっと進むようなことをしっかりと制度的あるいは実態的に推し進めなければならないと私自身も考えております。
#256
○水野賢一君 そこは全く認識が同じなんですけれども、こんな独占企業のまま、ただ単に何でも料金に転嫁をされたら国民は本当たまらないわけですよ。電気料金を上げるというのは、これは税金を上げるよりもずっとやりやすいわけですよね。税金を上げるというのは曲がりなりにも国会で法案審議してそれを通さなければいけないのに対して、電気料金の値上げというのは経済産業省の認可さえあればできるわけですし、しかもこれは、燃料代が上がったなんていうときにはサーチャージの場合はそれさえ要らないわけですから。だからこそしっかりと目を光らせなければいけないし、だからこそ私たちみんなの党は、しっかり自由化の議論もしなきゃいけないというふうに思っているんですが。
 じゃ、今、菅総理もお認めになったように自由化が進んでいない。その理由というのは、結局、既存の電力業者が、電力会社が送電線を持ったままでは、幾ら法制度を準備しても自由化は進まないんですよ。これは理由は簡単で、要は、ほかの人が電気事業に参入しようとしても、送電線を使わなければこれは電気を送れないわけですから、結局送電線を持っているところが強くなっちゃう。
 だから、私たちみんなの党は、この発送電の分離、まあ最終的には配電ということも考えていますけれども、総理もこの問題、一旦は言及していたというふうに思うんですが、最近どうも何かトーンダウンしているような気もいたしますが、どうでしょうか、総理。
#257
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、原子力事故の収束、それから今後の原子力行政、あるいはそれに伴う電力行政、あるいはエネルギー政策、私は、全てのある意味での見直しがこの事故を契機に必要になっていると思います。
 今御指摘のありました発送電の分離といった問題も、これは当然、進めるとなれば電力事業の形態そのものの根幹にかかわる問題であります。私も、問題意識として、こういったことも含めた徹底的な言わば議論あるいは検証を行うべきだと。
 私は、特にトーンダウンしたということではなくて、ただ結論をこうすべきだというところを申し上げたということではなくて、まさにいろいろな側面からこの問題も含めてしっかりと検討する必要があると、その姿勢は何ら変わっておりません。
#258
○水野賢一君 しっかりと検討をして、しっかりとその方向に進んでもらいたいというふうに思いますが、この部分に対する懸念というのは、菅政権発足して一年余りたちますけれども、これまで多くのことを総理がまさにぶち上げて、しかし実現したものが、まあないとは言わないけれども、ほとんどないと。いつの間にか雲散霧消してしまうということが非常に多かったがゆえに、この発送電分離ということについても、いつの間にか雲散霧消してしまう、どこか行ってしまうということを懸念をするわけですし、有言実行の、それを言っていたわけですから、その覚悟を求めたいと思いますが。
 さて、この送電線の問題ではありますけれども、先ほど申し上げたように、電力会社がこれを持ったままだと結局電力会社が強くなるんですね。幾らほかの人が例えば自然エネルギーで発電をしても、送電線につないでもらわないと、当たり前ですけれども、電気、送電線につないでくれなかったら売ることができなくなるわけですから。ですから、確かに政府が今提出をしている再生可能エネルギーの買取り法案でも、一応、つなぐこと、接続が義務にはなっていますね。ただ問題は、そこに例外条項が余りにも広過ぎるという、そこなんですよ。
 例えば、法案の五条一項、こう書いてありますね、電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるときには接続拒否できると。こんなことを言ったら、おそれがありますといって何でもかんでも接続が拒否されてしまう。元々、電力会社というのは、自然エネルギーというまあ彼らにとっては異物を入れたくないという本能があるんですから。大臣、法案の中でこんな業界擁護の、こういうような条項は修正して削除すべきじゃないですか。
#259
○国務大臣(海江田万里君) まさに、そうした点はこれからの国会の議論の中で十分闘わせていただきたいと思っておりますが、ただ、私どもは、そうした事項につきましては、これは経産大臣がしっかりと、まさに電力の事業者がそういうことで拒否をするということのないように、これは当然のことでありますけれども、チェックをしてまいります。
#260
○水野賢一君 昨日、衆議院で渡辺代表がこの問題を質問したときに、これに対して、経済産業省が問題があるならば勧告したり命令したりすることができるというふうに言っていたんですね。ところが、その経済産業省の高級官僚が今年の一月には東京電力に天下っていたわけですよ。この震災の後にまさに問題だということで結局退任したわけですけれども、この勧告、命令をするような側と業界の方が癒着をしている、天下りの人事の中で関係している中で、こんな部分の、こういうようなことをしっかりと勧告、命令できるというふうには思えませんから、条文そのものを私は削除すべきだというふうに考えています。
 さて、総理に伺いますけれども、総理はこの法案について並々ならぬ成立への意欲を示していらっしゃいますよね。ただ、現実に参議院の議席数を見ると、野党の協力も得ないと確かに成立をしないわけです。そうした中ですから、修正協議というような話も、これも出てくるかもしれませんけれども、そのときに、修正といってもいろんな修正があり得る。言わば法案を骨抜きにするような修正、言ってみれば電力業界を喜ばせるような、そんなような形の修正を求める勢力もあるかもしれませんね。
 一方、私たちみんなの党は、逆の方向の、つまりもっと徹底した改革をしろという修正を言いますよ。つまり、発送電の分離であり、接続義務に例外をつくるなと、こんなものじゃまだまだ生ぬるいという、そういうようなことを言っていきますけれども、こういうふうにした方が良い法律になるというふうに思っているわけですからそう言うんですけれども、こうした建設的な提案を受け入れていくような度量、総理、示してもらえますか。
#261
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨日の衆議院の予算委員会においても、御党の渡辺代表が同趣旨のお話をされました。そして、今の政府案に対しては生ぬるいというようなたしか表現もされておりました。
 私としては、この政府案の中身について、確かにいろいろな御指摘、いろいろな立場からの不十分さがあろうかと思います。質疑を通していろいろ与野党間の議論を行うことについては、それは是非積極的に行わせていただきたいと思っております。
 しかし、いずれにしても、現在出している法案そのものが、前向きな修正であればそれはいいわけですけれども、後ろ向きな修正になることは私は望んではおりません。
#262
○水野賢一君 私たちの前向きな修正案というものを真摯に受け止めてもらいたいというふうに思いますが。
 さて、原発のコストについて伺います。
 今まで政府は、原発については、安全だというだけじゃなくて、一方で安くて経済的だというような、そういうような言い方をしていたわけですね。一キロワットアワー当たりのコストでいうと五円から六円のコストだというようなことで、他の発電よりも安いというようなことを言ってきましたけれども、この計算されたのはたしか平成十六年ぐらいの自民党時代のことですけれども、それに対しては強い批判もいろいろあるわけですよね。例えば電源開発交付金とか研究開発費とか宣伝費とか、そういうようなものが含まれていないと。だから、非常に原発に関して甘い数値だという批判はかねてからあるんですが、こうしたコスト計算、これは大臣、見直すのは当然だというふうに思うのですが、新しい数値というか、見直しの結果というのはいつごろ発表される予定なんですか。
#263
○国務大臣(海江田万里君) この点は、今、水野議員が御指摘ありました平成十六年の一月でございます。このときの総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会コスト等検討小委員会の報告を受けて、今のそのコスト計算決まったわけでございますが、確かに御指摘のように、一般的な廃炉の費用でありますとかそれから再処理の費用などは含まれておりますが、今回の事故のようなケースからの追加的に発生する安全対策の費用でありますとかあるいは賠償に関する費用、こういうものは一切含まれておりません。
 そこで、これから当然のことながら見直しをするわけでございますが、今後のエネルギー政策を検討していく中で行いたい、試算を行い明らかにしていきたいと思っておりますが、できるだけ早くという委員の意見はしっかりと受け止めさせていただきます。
#264
○水野賢一君 今度、この前の人事によって新たに、目玉の一つなんでしょうけれども、原発担当大臣というような形で細野大臣が任命をされましたけれども、原発担当大臣ということですから、もちろん事故処理も大切であることはもう当然ですけれども、こういうような問題についても、この試算などについて何か意見ありますか。
#265
○国務大臣(細野豪志君) 水野委員が従来から自然エネルギーの問題に非常に熱心に取り組んでこられ、原発のコストの問題についてもいろいろ指摘をされてきておられたというふうに承知をしておりまして、改めてここで立ち止まって考え直すべき時期が来ていると私も思っております。
 補佐官のときに私自身が取りまとめを担当いたしましたIAEAに対する日本の報告書の中で、こういう記述を私自身がしております。二十八項目の教訓を導き出したわけでございますけれども、その後の結びの部分で、「我が国は、原子力発電の安全確保を含めた現実のコストを明らかにする中で、原子力発電のあり方についても国民的な議論を行っていく必要がある。」と、こういうことを書いてございます。これはIAEAへの報告書ですから、半ば国際公約のようなものでございます。
 したがいまして、先ほども海江田大臣の方から御発言がございましたけれども、今回の事故を受けた安全対策のコストをしっかりと積み増すこと、さらには賠償の問題についても、これも大きなリスクということでございますので、しっかりと積み増した上で、その上で原発のコストが幾らなのか、自然エネルギーとの比較においてどうなのか、そこはしっかりと議論されるべきものというふうに考えます。
#266
○水野賢一君 要は、今までのがフィクションだったんですよね。だから、本当に実態に基づいたしっかりとした試算をしてもらいたいというふうに思います。
 さて、これまで電力会社は、例えば原子力は安全だとか原発は必要だとかいうCM、たくさん流していたわけなんですけれども、そのCMの内容そのものも問われるべきかもしれませんけれども、それ以前に、そもそも地域独占企業が、独占企業が広告宣伝する必要あるんですか。さらに、今おわびの広告まで出しているわけです。これが全部結局電気料金に跳ね返ってくる。こうした中で、こんな独占企業のままでこんなような宣伝をしているということに対して、大臣、何かこういうようなものは禁止すべきじゃないですか。
#267
○国務大臣(海江田万里君) 禁止すべきかどうかということは、これは民間の企業でございますからなかなか一律に禁止というわけにはまいらないと思いますが、ただ、今度の東京電力のリストラの中でも、やはりこのコマーシャルの費用というものは大変額も大きいというふうに承知をしております。今、第三者委員会が厳しい査定をしておりますが、やはり当然のことながら切られるべきだと思っております。
 それから、そのほかの事業主に係りましても、これはこれから賠償機構の中で負担金というのをお願いせざるを得なくなります。そして、その負担金をできるだけ電気料金に転嫁をしないという基本的な私どもの思いがございます。そういう方針がございます。それを実施をしていくのには、やはりこのコマーシャルに多額なお金を掛けるということはできなくなるものだと思っております。
#268
○水野賢一君 現行法の中でCM禁止というのを大臣が言うことはできないのかもしれませんけれども、しかし、お得意の要請するというのがあるじゃないですか。あの浜岡原発のときでも、止めるのを別に法的根拠がなくたって要請したりしたことがあるんですから、こういうようなことというのをしていただければというふうに思います。
 さて、この電力業界に関しては業界団体として電気事業連合会、いわゆる電事連というのがありますね。これは大震災が起きたときには電事連の会長というのは東京電力の社長が、清水社長がやっていたんですけれども、この電気事業連合会というのは、実は社団法人でもなければ財団法人でもなく、単なる全くの任意団体なんですよね。だから、中で二百人ぐらい職員いるんですけれども、内部のことが全くブラックボックスになっている。しかし、実態としてはここも多額な広告をしたり、若しくはここがパーティー券を買ったりとか、政治家の、そういうこともあれば、さらには各種の政府の審議会でもここで発言をしたりして、実際には非常に政策に影響を与える団体。
 こんな団体、業界団体の中でも珍しいですよ、この任意団体というのは。これは海江田大臣、透明性とかそういうことで変だと思いません、これ。
#269
○国務大臣(海江田万里君) 委員御指摘のように、電事連ですね、これは任意団体ということでございまして、委員からの御指摘がございましたほかに幾つかそういった任意の団体はないのか業界団体で調べてみましたら、確かにほかにも複数ございます。
 ただ、いずれにしましても、透明性ということは、これは社会的な存在である電力会社の集まりでございますので、これは透明性というものは確保しなければいけないわけですから、その透明性の確保のために注目をしていきたい、監視の目を光らせていきたいと思っております。
#270
○水野賢一君 ちょっと話題を変えまして、昨日の衆議院の予算委員会でも自民党の議員、また我が党の渡辺代表が取り上げた経済産業省の古賀茂明氏のことについても触れたいと思うんですが、一言で言えば、この古賀氏の問題というのは、経済産業省内の改革派で再生可能エネルギーでいえば推進派の古賀氏と、電力業界寄り、発送電分離潰しの松永次官との対立ですよね。
 そこで、昨日の質疑を聞いていてもこれは分からなかったのが、海江田大臣が古賀さんに何で退職勧奨をしたのか。例えば、じゃ、何か、この人はもう不要だと思ったのか、それとも何か外でいろいろ、外に向かって発言するのがけしからぬと思ったのか、その理由が全く分からないんですが、大臣、理由は何ですか。
#271
○国務大臣(海江田万里君) 私は、この古賀さんという職員は、やはりまず経産省の中でいろんな議論をしていただきたいし、それから私にもいろんな議論を聞かせていただきたいと思っておりますから、ですから、そういうことがもしできないのであれば、これは御自由に、外に出てそして働いていただければいいことでありますし、まず、とにかく私どものところに一度いつでもお越しくださいということを言っておりまして、昨日も正式に次官を通してそういうことを言いましたので、昨日、今日と国会がございましてまだお目にかかっていませんが、できるだけ早くお目にかかって、一体何がやりたいのか、一体どうしたいのかということを聞いてみたいと思っております。
#272
○水野賢一君 大臣室に呼んでいるという話もありますが、肩たたきをした後に呼んでどうするんだという気がしますね。その前にこれはやるべきことなんであって、言わば首を切るためのアリバイづくりに後から呼ぶというやり方に対しては強く異を唱えさせていただきたいというふうに思いますが。
 大臣に改めて聞きたいんですが、結局、退職勧奨、大臣の判断だということになっているのかもしれませんけれども、結局それは建前で、次官が決めたんじゃないんですか。だって、大臣は古賀さんと会ったことないんでしょう。会ったことない中で、どうやって自分で判断したんですか。
#273
○国務大臣(海江田万里君) 最終的に人事権は私にございますから、私の判断でございます。それから、勧奨でございますから、どうですかということで、当然そこは御本人の意向を聞かなければいけないわけですから、その御本人の意向を是非私は聞きたいと思っております。
#274
○水野賢一君 この問題、総理、結局、切るべき人を切らずに、切るべからざる人を切っていることがあるんだと思うんですよ。
 今日も、経済産業省の高級官僚がインサイダー取引で、それで証券取引等監視委員会の強制調査を受けたというふうに大きく報道されていますね。切るべき人というのはこういう人だというふうに思うのが普通であって、逆に古賀氏のように、業界の圧力にも次官の圧力にも屈せずに、こうやって電力自由化とかそういうことを唱えている人というのは、むしろ総理、政治主導でこういう人こそ登用すべきだというふうに思いませんか。どうですか、総理。
#275
○内閣総理大臣(菅直人君) インサイダーの件は、私も報道を見まして、それが事実であればもう大変けしからない話だと、こう思っております。
 また、古賀さんのことについて、昨日も渡辺代表からも同様な指摘がありました。私も個人的なお話をしたことはない方でありますが、おっしゃっている意味そのものは分からないではありません。
 ただ、単に今の事務次官対古賀さんという構造の中で、何かどちらかを選ぶというふうな発想で必ずしも物を見るか見ないか、いい人であれば両方いいわけですし、適任でなければ両方適任でない場合もあり得るわけですから、それはそれとして私なりの立場で物を見ていきたいと思っております。
#276
○水野賢一君 これは、だから、総理のおっしゃっていることも、ですから、そういう中で、いい話もいい提言もしているようだと思うんであれば、ここの場で全てを語ることはできないかもしれませんけれども、そういう人の意見というのも取り入れるということは検討していっていいんじゃないですか。どうですか、改めて、総理。
#277
○内閣総理大臣(菅直人君) 書かれたものもまだ詳しくは読んでおりませんが、一度書かれたものについても読んで、そういったことについても私なりの知見を持ちたいと、こう思っております。
#278
○水野賢一君 今日もストレステストの話が随分と議論をされていますが、問題は、この問題、原発を浜岡のように止めるにしても、若しくは再稼働をさせるにしても、どういう基準なのかというのが透明じゃないということが問題だと思うんですね。
 ですから、私たちみんなの党は、本日、今から夕方になりますけれども、今日中に原発の緊急点検法案、こうした手続をまさに明確化させる、そういうような法案というのを提出をする予定でありますし、こういうようなことについても、いい部分をしっかりと取り入れていくというようなことをやってもらいたいというふうに思います。
 最後に申し上げたいのは、この再生可能エネルギーの推進というのはいいことだけれども、これが既存業界にとって単に毒にも薬にもならないような形でこれを導入するんじゃなくて、発送電分離というような大きな改革につなげていってもらいたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。
#279
○委員長(前田武志君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#280
○委員長(前田武志君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
#281
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 東電の福島第一原発の事故は、一たび事故が起きれば他に類を見ない危険を人間社会にもたらす現在の原発の技術を社会は許容できるのかと、こういう根本問題を突き付けました。(資料提示)先日各紙が報道した世論調査では、直ちに全て廃炉、定期検査に入ったものから廃炉、電力供給に応じて廃炉を進める、合わせますと八二%、国民の声は明確であります。
 総理にお聞きいたしますが、総理はこの原発事故の後に、昨年閣議決定をした原発の新増設十四を含むエネルギー基本計画について、白紙から見直すというふうに明言をされました。ところが、四か月たちましたけれども、手付かずであります。先ほどの答弁で議論を始めたと言われておりますけれども、それでは原発推進の計画が生きているということになるんですか。私はまず、そうであるならば、閣議決定で廃止をするということから始めるべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#282
○内閣総理大臣(菅直人君) 私自身、今回の東電の福島原発事故をまさに体験といいましょうか、それに遭遇して、これまで原子力発電所に持っていた私自身の一つの考え方も大きく揺らぎ、またある意味で考え直しを迫られている状況であります。
 今御指摘のエネルギー基本計画については、白紙で見直すと申し上げたのは、まさに白紙で今後見直していこうということでありまして、必ずしもそれを法律的に廃止をしなければ既存のものが残っているということではありません。つまりは、今の計画で予定している、例えば二〇三〇年までに原子力の依存を五三%にするといった、そういう中身そのものを白紙に一旦戻して今後のエネルギー計画を立てていこうということであります。
 そういった意味では、今どういう場で議論をするのか、これまでだとエネ庁が中心になった法体系になっております。しかし、私は、従来のエネ庁だけに任せるということで決して十分だとは思いません。また、この事故に関する事故調・検証委員会も動いております。また、改めて原子力行政の在り方そのものを根本から私は検討する必要があるであろう、そのことも含めて担当大臣を任命をいたしました。
 そうした根本からの見直しに向けて、まだどの場でどの時期というところまで申し上げるのは少し早いと思いますけれども、まさに根本から見直していく必要があると、こう考えております。
#283
○井上哲士君 そうであるならば、今の計画を私はまず廃止をするということを明確にするべきだと思うんですね。総理は自然エネルギーの重視を言われますけれども、今後も原子力が柱だということは言われ、撤退ということは口にされません。それではこの国民の声に私はこたえることはできないと思うんですね。
 ドイツは、チェルノブイリの事故の以降、二〇二二年までに原発を廃止をするということを決めて、自然エネルギーへの転換を強めてきました。一旦廃止方針の延期ということはありましたけれども、福島の事故を受けて、改めて二〇二二年までに全廃をするということを決め、そして同時に、自然エネルギーの割合を現在の一六%から二〇二〇年までに三五%、二〇五〇年までに八〇%にするという基本計画を閣議決定しているわけですね。
 つまり、撤退という問題と、撤退の決断と自然エネルギーへの転換というのはやっぱり表裏一体なんですよ。撤退を決断してこそ自然エネルギーへの本格的な開発と普及できるということじゃないでしょうか。まず、総理、撤退を決断すべきじゃないですか。
#284
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、これまでのエネルギーが大きく化石燃料そして原子力エネルギーに依存してきたこの計画をまず白紙にし、そして、再生可能な自然エネルギーとそして省エネルギーというものを大きな柱にしていくということを提起をいたしております。
 今、私は、物事の考え方として、最終的にエネルギーをどのようなものを選ぶかというのは、ある意味、社会の在り方を選択することにもなりますので、最終的には国民の意思で決めるべき極めて大きな課題だと思っております。ただ、そのときに、例えば選択できる、例えばAというエネルギーをBに代えることが可能なのか可能でないのかということについても、きちっとした方向性を示さなければなりません。残念ながら、現在、再生可能エネルギーは電力の中では水力を除けば一%前後でありまして、なかなかまだ代替エネルギーの柱となるところまでは行っておりません。そういった意味では、代替エネルギーの柱として成長させていく、そしてある時期に国民の選択に委ねていくと、そういう考え方が必要だろうと、このように考えております。
#285
○井上哲士君 私は、危険な原発からの撤退を決断してこそ代替エネルギーの柱としての本格的な促進ができると、それがしかも国民の声でありまして、この世論調査のときの調査でも、八三・六%が自然エネルギーへの転換を求めているわけですね。しかも、その条件もあります。
 環境大臣にお聞きいたしますが、平成二十二年度、再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査の報告書が今年三月に出されておりますが、この報告で、電源ごとの導入ポテンシャル、可能性についてはどのように書かれているでしょうか。
#286
○国務大臣(江田五月君) これは委員が御提出の資料かと思いますが、その資料のとおりでございまして、環境省で試算し、本年四月に公表した結果によりますと、住宅以外に設置する太陽光発電、これが一億五千万キロワット、それから風力が、陸上が二億八千万、洋上が十六億、中小水力発電一千四百万、地熱一千四百万、これは導入ポテンシャルでございます。
 例えば今の洋上は十六億ですが、実際にこの洋上の風力というものを取り入れるためには相当の、どういいますか、経済性の面からの困難がありますから、そのとおりの数字というわけじゃありませんが、しかし再生可能エネルギーに大きな可能性があるということは確かだと思っております。
#287
○井上哲士君 今の数字をパネルにしておりますが、合計で約二十一億キロワット、現在の電力供給能力に比べますと約十倍、そして現在ある原発の供給能力からいいますと約四十倍に当たるわけですね。
 昨年五月にOECDが報告書を出していますけど、その中でも、日本は豊富な自然エネルギーの潜在能力を持ちながらその導入が遅れているというふうに指摘をしております。ですから、潜在能力はあるんです。それを生かす世界でも最先端の技術もあるんです。国民も求めているんです。何が問題かといえば、それを生かしてこなかったやはり政治の問題なわけですね。原子力に依存し続けて自然エネルギーの転換に本格的に取り組んでこなかったということだと思います。
 総理、自然エネルギー重視と言われますけれども、その政治自身を転換することが必要なんですね。今年の予算を見ましても、例えば電源開発促進税として電気代に上乗せして約年間三千五百億円も徴収しますけれども、これ原発推進に使うことと同じですね。この五年間で見ますと、原子力対策は二兆円以上税金使っていますけれども、自然エネルギー対策は六千五百億に満たないんです。こういう在り方を転換をして、まさに自然エネルギーこそ予算の主役にする、これが必要じゃないでしょうか。
#288
○内閣総理大臣(菅直人君) この点については、全くおっしゃるとおりだと思います。これまで私も長年いろいろな時代を見てまいりましたが、かつて科学技術庁という役所もあり、いろいろな政策が取られていましたが、どちらかといえば再生可能エネルギーは抑えていくという、そういう傾向が大変強いまま今日まで至っております。一方で、原子力に対しては極めて豊富な資金が投入されてまいりました。
 そういう点で、その資金配分を大きく変えて、過去に原子力開発に使った費用に相当するぐらいの費用を再生可能エネルギーの開発に向けていけば、このポテンシャル、潜在的な能力を大きく開花させることが可能になると私も考えております。
#289
○井上哲士君 それじゃ、具体的に聞きましょう。
 全量買取り制度の法案が出ております。遅過ぎたわけでありますが、これは一歩前進だと思っておりますが、しかし、この法案自体はあの原発事故の前に決まった法案ですね。ですから、原発優先のエネルギー計画の下での法案になっております。ですから、この買取り費用の国の補助はありませんから、全部電力料金に上乗せができるということになっています。そして逆に、全量買取りするからといって、逆に太陽光発電などへの導入補助は削られていくと。今年度予算では二百三十一億円も大幅に削られて、逆に予算削られているんですね。ですから、原発の場合はいろんな名目でお金をつぎ込んできたのとこれと全く違うんです。
 総理、今の立場からいえば、例えば年間三千五百億円の電源開発促進税をもう原発推進のためでなく自然エネルギーに使うと、この全量買取り制度の国民負担を抑えるとか、そして太陽光パネルなどの導入補助金に使っていくと、こういう方向に切り替えてこそ今の答弁になるんじゃないですか。
#290
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、これから本格的な震災復興に向けて物事を進めるときに、例えば東北地方も風力あるいは太陽エネルギーの潜在能力の大変高いところだと指摘をされております。例えばそういうところにそうした設備を置くときに、特に特区的といいましょうか、地域を決めて、その地域がそういうものの設置にとって有利に働くような仕組みなどといったこともいよいよ本格的な復興の中で検討に値すると。既に復興構想会議でもそういった趣旨のことが出ておりますので、そういう中に盛り込んでいくことが私は必要だろうと。
 もちろん、一般的に今、井上議員から言われたような考え方も併せてこの分野に財政的にももっと力を入れるべきだと考えております。
#291
○井上哲士君 自然エネルギーに力を入れるのは当然なんです。
 私が言っているのは、まさに撤退を決断することと併せて、原発につぎ込まれてきたこういう電源開発促進税などを自然エネルギーへの転換をすると、そこに踏み込むべきじゃないかと、こう申し上げているが、いかがでしょうか。
#292
○内閣総理大臣(菅直人君) 検討に値する御意見だと思います。
#293
○井上哲士君 これ、真剣にやっていただきたいと思うんですね。
 もう一つ、原発立地自治体への交付金の問題があります。
 これまでもこれが地方自治体を財政上の理由から原発にしがみつかせてきたと批判がされてきたわけですが、この交付金も民主党政権になって変わっております。これまでは、つまり原発の規模、出力と稼働実績の二つに応じて算定していたのを稼働実績に応じて算定するように変えました。ですから、今回のようにいろんな問題が起きて、住民の声が広がって定期点検中の原発の再稼働を遅らせますと、たちまち交付金が減っていくと、こういう仕組みになっているわけですね。一方で、定期検査の間隔を空けると年間二千万円、交付金の上乗せがあると。いわゆるあめとむちのようなやり方をやっているわけです。私は、自治体の財政困難に付け込んで、金でこういう危険なものを押し付けるような交付金制度は改めるべきだと思うんです。
 同時に、廃炉にしたらもう金がなくなるということで次の新しい新増設を求めざるを得ないという仕組みにもなっているわけですから、地方自治体がもう原発は廃炉にして、そして自然エネルギーなどの先端的な開発を進める、新しい仕事をつくると、こういうところに踏み出したときにもしっかり交付金で応援をすると、こういう方向に切り替えるべきじゃないでしょうか。この点、いかがでしょうか。
#294
○内閣総理大臣(菅直人君) そういった、これまで原子力というものをどんどん増やしていくということが前提として組み立てられてきたいろいろな政策についても根本的に再検討する必要があるだろうと、こう思っております。
#295
○井上哲士君 その鍵はやはり原発からの撤退を決断すると、そしてその下で自然エネルギーの開発促進に本格的に取り組むと、このことが必要だということを強く主張いたしまして、質問を終わります。
#296
○委員長(前田武志君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#297
○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#298
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。
 毎回同じことを言いますが、時間が短うございますので答弁は簡潔直截にお願いいたします。
 こういう時期だと、やっぱり松本さんの辞任問題を取り上げなきゃいかぬと思います。
 松本さんもどういうつもりでああいうことをお言いになったか知りませんが、三日の言動は、ここで私らが受けるイメージからいうと大変問題ですよね。高飛車、高圧的、傲慢、非常識。私は、だから辞任は当然だと思いますけれども、総理もやっぱりそういう人を目玉の復興担当相にしたんですから、不明を恥じていただかなきゃいかぬ。任命責任は衆議院から参議院にかけてずうっとお話ありましたから。任命責任は感じていると言われる。責任は感じるものじゃなくて取るものですけどね。そのことをまず申し上げておきます。
 それからもう一つ、私は、松本さんに絡んで、この震災が起こってから我々は、阪神・淡路の例もあるんだからすぐ震災担当の専任の責任大臣を置きなさいと。阪神・淡路は三日目に置いたんですよ。ところが、それを言を左右にして置かれない。環境大臣であり防災担当の松本さんを兼務にしてずっときたんですよ。それは法案が通らないから、基本法がどうだとか、閣僚の数がどうで内閣府がどうだから。そんなものは後でちゃんと追っかけりゃいいんですよ、手当てを。きちっと決めることが震災に対する内閣の姿勢なんですよ。それをおやりにならぬ。それで結局は百八日目ですよ、松本さんが復興担当大臣。百八日目で、九日でお辞めになったんですよ。私は、これはまた別の意味で任命責任だと思いますよ、総理。百八日も中途半端にした。ある意味では無責任な体制にした。それが震災への遅れを生み、混乱につながったと思いますけれども、どうですか、御感想は。
#299
○内閣総理大臣(菅直人君) 松本前大臣の発言が被災地の皆さんに大変不快な念をもたらしたことについては、私からも重ねておわびを申し上げたいと思います。
 今、震災発生から専任の大臣をすぐ置くべきではなかったかという御指摘、私もそれがより望ましいと、このように考えておりました。と同時に、防災大臣という立場は、震災の担当という意味ではある意味適任といいましょうか、所掌が大部分重なるわけでありますし、私は、松本大臣には事実上、この震災発生以降は防災大臣としてほぼ専任的に当たっていただいたと。もちろん、環境庁の方は副大臣がそれをサポートしていただいたと、こう認識しております。
 また何かを言うと言い訳だとかいろいろ言われますけれども、私としては、そうすることが可能になるように閣僚の数を是非増やさせていただきたい、今でもそのことは是非御理解をいただきたいと思っております。
#300
○片山虎之助君 閣僚の数は大議論をして、あの橋本内閣のときに数を減らしたんですから、それはやりくりをせにゃいかぬのですよ。今回もやりくりでしょう。行政刷新相は官房長官の兼務。まあ、あろうことか、環境大臣は法務大臣ですからね。今、法務大臣が答弁していると違和感があってしようがない。何か背中の方がぞくぞくしてきましたけれどもね。
 それで、今回の松本さんは、総理に悪いんだけれども、六月退陣を言った人ですよね。何回も固辞して、総理が説得されたんでしょう、お受けになった。今回の松本さんの辞任は自爆テロだという、こういううわさがあるんですよ。総理がお辞めにならないことに抗議して。そういう意味では、ちょっとおかしかったわね。復興大臣をお受けになったときは、サングラスで、何党と何党は嫌いだとか、それから、今回でも、私は、本当にああいう言動できたのかなと、こう思いますけれども、そういう見方については、総理、いかがですか。六月退陣を勧めた人ですよ。
#301
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、新しい基本法が、これは野党の皆さんの参加も含めて成立をして、そして、改めて復興担当大臣ということでお願いをいたしました。私としては、いろんな経緯はあったかもしれませんが、全力で復興に当たるというその決意、並々ならない決意を持って就任をいただいたと、このように理解をいたしております。
#302
○片山虎之助君 そこで、この延長国会、空転後の衆参の予算委員会を見まして、総理の続投意欲というのは何となく私も肌に感じますよ。しかし、総理、実際の国民の皆さんのお考え、各社が世論調査をやっていますけど、あれ見ると、総理の意欲と国民の認識は乖離してきていますよ。すぐお辞めになったらいいというのと、まあ八月中までしようがないけど八月末までにはお辞めになったらいいというのが七〇%超えていますよね。ある新聞は七二、ある新聞は七一、ある新聞は六八。支持率も次第に下がっていますよ。こういう非常時ですから本当は高くていいんです、支持率が。不支持が低いのが普通なんですよ。ところが、かなり支持率が低い。しかも、だんだん下がっている。
 こういう現象について、国民の皆さん、今までは私は幾らか総理に同情的だったと思いますよ。衆参で朝から晩までこれだけやられているんですから。しかし、やっぱり今はもうしびれを切らしてきているんじゃないでしょうか。両方悪いけれども、やっぱり総理の方の、悪いというのは言葉がおかしいかもしれませんが、ウエートがだんだん増えてきているんじゃないでしょうか。いかがお考えでしょうか。
#303
○内閣総理大臣(菅直人君) 大先輩の片山先生からは、この予算委員会等で、何度もいろいろと、ある意味信念を持って私にアドバイスをいただいているとお聞きをいたしております。
 私も私自身の進退についてもちろん考えないわけではありません。私がいつも申し上げているのは、私個人が何をやり、何をやらないというよりも、今このときに内閣としてやるべきことが進んでいるのかどうか、そしてその後にそれをきちっと引き継ぐとすれば、引き継ぐことの中で行政が停滞したり、あるいはそこに大きな混乱が起きて物事が進まなくなるようなことにならないか、そういうことを私なりに考えているつもりであります。
 先ほど来の原子力の問題についてもやっとステップワンが終了間近になって、少しと言ったら怒られるかもしれませんが、将来的なことについても議論が可能になった。これまでは、目の前、目の前の事態の収束にほとんどの、何といいましょうか、考え、頭を専念しなければなりませんでした。
 そんなことを含めて、私もいつも申し上げていますように、その二つのことについて一定のめどが立った段階で若い人に譲りたい。そのめどの中身についてもきちんと申し上げているわけでありまして、私の考え方は、そういう形できちんと責任を持った行動をし、責任をつないでいきたいというのが私のまさに心情であります。
#304
○片山虎之助君 そこで、総理の言われる一定のめどの、退陣いわゆる三条件というふうに今言われていますよね。私もいずれも重要な案件だと思いますが、総理、それは総理が自分が総理のときに自分の手で通さなきゃいかぬのですか。私はあの三案は重要な案件だと思いますよ、評価はいろいろ、議論いろいろありますけれども。自分で通さないかぬのですか。通ればいいんじゃないですか。そこはどうなんですか。
#305
○内閣総理大臣(菅直人君) あの三つの案件について、かなりそれぞれ性格を異にいたしております。
 二次補正については、もう閣議決定をいたしまして、予定では今月の十五日に提出をいたします。内容的にはかなり野党の皆さんの御主張も取り入れておりますので、あるいは比較的早い時期に成立をさせていただけるかもしれません。しかし、いずれにしても、これは一次補正に盛り込まれていないけれども急がなければならない課題ということでありますので、急がなければならない課題についてはできれば今月中にでも成立をさせてもらいたいと思っております。
 そして、いわゆる公債特例法に関しては、これはもう片山先生よく御存じのように、これそのものが成立をしないと、私が困るという以上に、どなたが政権を引き継がれるにしても、この問題は越えていかなければ大変政権運営が難しいだけではなくて、国民の皆さんにとって生活の面でも支障が生じるわけでありますので、これについても私の段階で責任をある形で成立をさせたい。
 そして、もう一つの再生可能エネルギーは、私のこの問題に関する主張を理解をいただいていればよくお分かりだと思います。
#306
○片山虎之助君 ところが、事態は、長い間の、総理になられて一年過ぎましたけれども、総理とのいろんな野党との関係の中で、やっぱりかなり状況はそんな簡単じゃないんですよ。総理がおられることが、むしろ全体の審議促進や法案成立に足かせになっているんですよ。それを自分の手でなきゃ駄目だということは、これは大変難しいあれですね。むしろ、総理がそこは大英断をされれば、私は三案は、今の状況よりはかなり改善されて、早めに通る可能性が大変強いと思いますよ。それは、理屈を言ってもしようがないんですよ。早く通すか通さないか、どこまでお互いの信頼関係があるかという問題ですから、そこのところは是非私はお考えを賜りたいと思いますけど、簡潔に総理のお考えを。頑張っておられることが三案を遅らせているんですよ、端的に言いますと。
#307
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろな見方があると思います。ただ、例えば先ほども申し上げたように、公債特例法に関して言えば、これは予算を成立させていただくころからずっと議論をしてきたわけでありますけれども、なかなか野党の皆さんの理解を得るところまで行っておりません。そういった意味で、この問題について残した形で引き継ぐというのは私は次の方に対して大変重い荷物を残すことになると、このように思っております。
#308
○片山虎之助君 ここで時間がなくなりましたんで、今の玄海原発を中心にした原発再稼働の問題ですけど、私は総理と経産大臣は一体の考え方で同じようにやられて安全宣言を出されたと思いますよ、二回もチェックされて。それが突然、昨日の朝か何かに変わる。いつ変わられたんですか、いつ状況変わったんですか。国民はびっくりしていますよ。経産大臣、いかがですか。
#309
○国務大臣(海江田万里君) いつ変わったのかということは、昨日の朝、私はストレステストが必要だということを申し上げましたが、ただ、その前に私が行いました原発の安全確認というのは、これは私、今でも生きていると思います。
 原発についてもう委員は本当によく分かっておられると思いますが、定期検査をやっていた原子力発電所でございます、炉でございますから、何か事故があって、それでそこから立ち上げるということではありません。十三か月ごとの定期検診をやって、それにまずしっかりとした検査を行って、その上、さらに三月三十日、六月七日の安全の確認もしたところでございますから。
 それから、私は、やはりこの日本の経済、先ほど来も話が出ておりますけれども、企業というのは、これは言うまでもありませんけれども、一年先、半年先、二年先、そういうものをやっぱり電力の需要を見てやはり生産の計画も立てているわけでありますよ。そこのところの電力の供給というものが、電力の需要じゃない、電力の供給が、一番根っこになるところが分からなければそういう計画も立てられないわけですね。
 そういうことをもって私は、玄海についてはこれはオーケーだという安全宣言をしたわけでございます。
#310
○片山虎之助君 いやいや、総理が言うように、経産省と原子力安全・保安院だけじゃ国民の理解は得られない。私もそうだと思いますよ。何でそれじゃ、早く言わない。震災が起こり、原発事故が起こって何か月でしょう。百もう十日を過ぎていますよ。今ごろになって、この土壇場で、しかもいろんなチェックをやって、この基準が変わるかどうかも分からない、これから中を決めるんでしょう、お二人で。そういうことではこれまた国民との間の信立たずでしょう、総理。
 こういう場当たりってどうしてもなる、ちぐはぐになる、お互いの連携が悪い、それが菅政権の最大の弱点ですよ。是非そこは直していただくか、退陣を英断を持って御決意いただくか。国を救うのはトップの仕事なんですよ。国民に迷惑を掛けない、国家を救う、国益を守るというのは総理の仕事ですから、是非御決断を賜りますようにお願いします。
 済みません。私は人事のことを聞こうと思ってほかの大臣の方をお呼びしましたけれども、また別の機会にいたします。
 それじゃ、終わります。
#311
○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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#312
○委員長(前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#313
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私は、先日アテネに行きました。世界の社会民主主義政党、社民党が集まって、七十か国、九十の政党がアテネに集まりました。
 そこで重要なテーマは、福島の教訓、原発の問題でした。私が基調報告をし、多くの方から応援演説をいただきました。日本の社民党が出した脱原発アクションプログラムを支持してもらい、ベネズエラ、メキシコ、イタリア、スペイン、オーストリア、キプロスなどから応援演説をいただき、そして御存じスイスやスウェーデン、ドイツ社民党、多くの国が、多くの政党が脱原発に向かって、とりわけ先進諸国は大きく変わっていっております。大変な危機感でしたよ。大変な危機感をみんな持っている。国境を越えて放射性物質が来る、人間がコントロールできない、これほど被害が起きるのかということで、本当に危機感でした。それが日本では実はどうかと思います。
 もう一つ、今日、社民党は原発震災・被曝ホットラインをやりました。切々とした電話やファクスをたくさんもらいました。郡山で子供がいる四人家族、でもすごく心配だから夫を残して引っ越す、でも二重生活は大変だ、子供のことが本当に心配。もうたくさん意見をいただきました。これが原発事故です。
 だから、ずっと長いこと唯一の脱原発政党として社民党はやってきました。だからこそ、お聞きをいたします。原発推進をやってきた経済産業省は、今度の福島原発事故についてどのような反省をしていらっしゃるか、お聞かせください。
#314
○国務大臣(海江田万里君) 大変深刻な反省をしております。そして、やはり本当に保安院も私は生まれ変わるべきだと思っておりますから、まず経済産業省から独立をするということはかなり早い段階から申し上げてきました。
 それから、しかし今それが新しい法律ができておりませんから経産省の中におりますけれども、私は、特に保安院の職員、これは検査員というのが全国におよそ百人おりますけれども、とにかくおまえたち、おまえたちと僕はそんな乱暴な言葉は使いませんが、あなた方、原発の第一発電所に行ってきて、一旦事故が起きたらどれだけ大変なことになるのか肌で感じてこいということを言ったんです。そうしましたら、百人のうちおよそ半分ぐらい、五十人ぐらいは行ってきまして、こもごもやっぱり大変なことになると、やっぱり自分たちの責任は重いんだということを自覚してもらいました。これを全員に行ってもらいます。
 それから、各発電所の所長がいますから、これを今グループで五、六人ずつ集めまして、本当のことを言ってくれと、おまえたちどういう、これもおまえじゃない、皆さん、何を考えているんだ。それから、やっぱり例えば内部告発なんかがあって、それを握り潰した過去もあります。だから、一人一人に、あなたたち、内部告発なんか握り潰してないなと、そういうことをやっぱり確認をして、やっぱり新しい、組織的には経産省から独立をした、本当に誰が見ても規制当局として恥ずかしくないものをつくることが目標でございますが、そこに至るまでも、やはり今度の原子力発電所の福島のこの経験というものを教訓化して行動しなければいけないということを口を酸っぱくして言っておるつもりでございます。言っております。
#315
○福島みずほ君 社民党は、脱原発アクションプログラムを作り、データから今年の夏も来年の夏も原発がなくても大丈夫ということを試算をいたしました。今まで脅されていたんですよ、国民は。原発なかったらどうなるかと脅されてきたんですよ。私が頭にくるのは、事故があった後も原発がなかったらどうなるか、産業どうなるかと脅されていることが、脅す人がいるってことなんですよ。これはやめなくちゃいけないんです。なくても大丈夫なんです。
 経済産業省、原発がなくても大丈夫という試算をされたことはありますか。
#316
○国務大臣(海江田万里君) なくても大丈夫という、そういう試算はやったことございませんが、これは総理の指示によりまして、これまでの火力でありますとかあるいは水力、揚水もそうでありますが、ありとあらゆる既存の施設、それをどういう形で立ち上げてというときの需給のデータというのはしっかりと、かなり分厚いものになりますけれども、一つ一つについて取っております。
#317
○福島みずほ君 私たちも資料をもらってその計算をしました。福島原発事故を経て日本の社会は変わらなくちゃいけない、ふるさとを失うようなことがあっちゃいけない、そう思っております。
 今までの基準で再稼働の審査はできないということで、細野大臣、総理、よろしいですね。
#318
○国務大臣(細野豪志君) 冒頭、福島委員の方から世界に対してというお話がございましたけれども、私もあの事故起こりましてからずっと渦中におりまして、本当に世界に対しても申し訳ないし、さらには、特にやっぱり子供たちに対して、未来に対して本当に申し訳ないなという思いを持ちましたので、そういう思いは共有をしております。
 玄海原発に関しては様々な意見がございますので、それを踏まえまして総理とも話をいたしまして、安全委員会としてストレステストの在り方について見解を出してもらいたいという要請を私自身からいたしました。
 したがいまして、まずは安全委員会でしっかり保安院の見解を聞いて、安全委員会としてしかるべき見解を出す、それがまずやるべき手続だというふうに思っております。担当大臣として、そこをしっかり見守りたいと思います。
#319
○福島みずほ君 ストレステストは再稼働の条件ということでよろしいでしょうか。
#320
○委員長(前田武志君) どなたに。
#321
○福島みずほ君 細野大臣と総理にお願いします。
#322
○国務大臣(細野豪志君) そこは、まさにストレステストというものをどういうふうに考えるのかということを、これを保安院がまずたたき台を出すんでしょうし、そして安全委員会もそこの評価をするということでございますので、そこはまずは専門家同士の議論を待ちたいというふうに思います。
#323
○福島みずほ君 今までの基準で再稼働はできないと思うんですね。福島原発事故があったので、今までの基準はやり直さなければならない。
 社民党は、ストレステストは必要条件ではあるが十分条件ではない、しかし、いろんな今までの安全基準を見直す、本当に見直す、基準を新しく作り直す、これは必要で、そうでなければ動かせないと思っております。そういうことでよろしいでしょうか。
#324
○国務大臣(枝野幸男君) 複数大臣にまたがっておりますので、私の方から答弁をさせていただきます。
 現行の法律に基づき、原子力安全・保安院において、しかも法令以上に福島の事故を踏まえた安全性のチェックをいたして、安全性については政府として確認をいたしております。
 しかしながら、当事者、周辺地域の皆様を始めとして本当に安全なのかということについて安心感を十分に持っていただけていないという状況の中で、その周辺住民の皆さんに安心感を持っていただくための方策として、IAEAからもお話がありましたし、欧州において採用されているストレステストというものを参考にしながら、今どういったチェックをすることによって安心感を持っていただけるかということについて、特に所管の両大臣において調整をしていただいているところでございます。
#325
○福島みずほ君 安心感の問題じゃないんです。今までの安全基準が無効だったということなんです。だから、作り直さない限り動かすことができないということなんです。だから、ストレステストもその一部でしょうというふうに思っているんです。
 官房長官、分かるでしょう。これは基準を見直さなくちゃいけない。経産省が出したあんな安全宣言では駄目なんですよ。ストレステストをやらない限り動かさないということでよろしいですね。
 細野大臣、IAEAに提出した二十八の項目のうち幾ら実施済みか、教えてください。
#326
○国務大臣(細野豪志君) 福島委員の御見解はよく私も理解はできます。ただ、安全委員会というのは、これは組織としては非常に強い権限を持っておりまして、独立をしておりまして、担当大臣である私といえど、その中でどういう議論がされるのかということについて、大臣として中をそれこそ指示するとか見解を左右するということはできない組織なんですね。ですから、私としては要請まではできますから、まずは安全委員会としての判断を待たざるを得ないということを是非御理解をいただきたいと思います。
 その上で、IAEAの報告書でございますが、二十八項目、項目を立てました。この項目を作るときにはいろんな議論が実はあったんです。つまり、現状の規制があるわけだし、現状の対策があるわけだから、その現状を考えれば、この二十八項目は、余りにきつい提言を出し過ぎると現状が追い付かないのではないかというような議論も実はあったんです。ただ、私は、現状を追認をするような提案ならしない方がいいと、この事故から得られた教訓については全て今の時点で把握できるものは出すべきだと考えまして二十八項目、提案をさせていただきました。
 その中には、いわゆるシビアアクシデントの防止策、そしてシビアアクシデントの対応策のような具体的な項目として一つ一つチェックをできるものもあります。一方で、例えば原子力災害への対応の強化という、そういうグループもございまして、そこはソフト面も含めて様々な総合的な政府の対策なんですね。そして、安全基盤の強化という意味では、規制機関の在り方についてこれを変えていくということも入っています。その第三、第四のところは、これはもう物すごく時間が掛かりますから、対応には恐らく時間が掛かると思います。第一グループ、第二グループのシビアアクシデントのところについては、経済産業省、保安院のところで短期的な対策において一つ一つ努力がなされ、その短期的なものについては結果が出ているということだと思います。
#327
○福島みずほ君 いや、駄目ですよ。つまり、IAEAに二十八項目言い、かつ福島原発事故があったので保安院のこの審査が駄目だったと明らかになったんで、さっき総理、答弁されたじゃないですか、保安院がやったことが駄目だったと。だったら、安全宣言なんか駄目なんですよ。基準を作り替えなくちゃいけない。
 原子力安全委員会委員長、これはしっかり指針をやり直す、基準を見直すということでよろしいですね。動かさないですね。
#328
○政府参考人(班目春樹君) 指針の見直しについては既に着手済みでございますので、一定のお時間をいただいてしっかりと見直していきたいと思います。
#329
○福島みずほ君 その指針の出来方はまた検討をしなければなりませんが、指針を検討しているんだったら動かせないじゃないですか。それがない限り再稼働をすべきではないと思いますが、細野さん、さっき、自分たちは原子力安全委員会の意向を聞かなくちゃいけないと言ったでしょう。少なくとも、原子力安全委員会は今指針作っているんですよ、それ、待つべきですね、再稼働まで。いかがですか。
#330
○国務大臣(細野豪志君) 指針の議論と、そして今回のいわゆるストレステストのこの基準を替えるという話は、これは若干意味合いが異なりまして、指針というのはまさに長期的にどういうふうにしていくのかという議論でございますので、それが全てそれこそできないと何もできないということではないと思います。
 ただ、少なくとも私も安全委員会の方に要請をした以上は、その要請に対する安全委員会の答えについては是非尊重していただきたいなと、こう担当大臣としては思います。
#331
○福島みずほ君 今の答えで、ストレステストについてもそれは任せてやっているわけで、そうだとすれば、安心感ではなく、きっちり安全だということがない限り再稼働することはできない、そのことを強く申し上げます。
 今回の福島原発事故は、三十キロ、五十キロ、場合によっては百キロでも非常に被害が起きた。(資料提示)これ、玄海原発ですが、五十キロまで行くと福岡や佐賀も本当にこれは範囲に入ります。
 それで、質問いたします。
 福島原発事故では三十キロ圏を超えて避難者が出ました。EPZ、緊急時計画区域の対象は、現在八キロから十キロと大変狭いです。だから、うまく避難ができなかった。このEPZを拡大する必要があるというふうに考えます。せめて三十キロにしてほしい、これはいかがでしょうか。三十キロ、五十キロ。
#332
○国務大臣(海江田万里君) お答えいたします。
 その三十キロ、五十キロという考え方も一つございますが、私が玄海に参りまして、そのとき唐津の市長もお見えになっていましたけれども、むしろ、例えば今回の事故ではっきりしたことは、SPEEDIというものがございまして、このSPEEDIをやっぱり有効活用するということも大切なんではないだろうかという思いもございまして、これは地元の協議もございます。
 それから、原子力安全委員会が、これは既にこのEPZについての見直し、防災指針ですね、これもやっているところでございますから、そういうことを多角的に検討して、その結果で変えていくということになろうかと思います。
#333
○福島みずほ君 原子力安全委員会、EPZ、これを三十キロ、五十キロ、場合によっては八十キロ、延長するということでよろしいですね。
#334
○政府参考人(班目春樹君) EPZにつきましては、当然、防災指針の中に書かれているものでございますので、防災指針の見直しと一緒に議論させていただきたいと思います。
#335
○福島みずほ君 是非これは三十キロ、五十キロ。
 そして、長崎県議会から自分たちにも説明しろというのが出ました。原発立地県以外にも放射性物質が降ってくるというのが今回の教訓です。幅広く原子力安全協定についても締結されるべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#336
○委員長(前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて懸案事項に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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