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2011/05/10 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 農林水産委員会 第8号
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2011/05/10 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第177回国会 農林水産委員会 第8号
平成二十三年五月十日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         主濱  了君
    理 事
                岩本  司君
                大河原雅子君
                野村 哲郎君
                山田 俊男君
    委 員
                一川 保夫君
                金子 恵美君
                郡司  彰君
                外山  斎君
                徳永 エリ君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
                加治屋義人君
                鶴保 庸介君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                横山 信一君
                渡辺 孝男君
                柴田  巧君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大塚 耕平君
       農林水産副大臣  筒井 信隆君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
       農林水産大臣政
       務官       田名部匡代君
       農林水産大臣政
       務官       吉田 公一君
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
       国土交通大臣政
       務官       市村浩一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      小田 克起君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  門山 泰明君
       文部科学大臣官
       房審議官     徳久 治彦君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      渡辺  格君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       梅田  勝君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (東日本大震災による農林水産関係被害と復興
 対策に関する件)
 (東京電力福島第一原子力発電所事故による農
 林水産業への影響と対策に関する件)
 (食肉の生食による集団食中毒事件に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(主濱了君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官小田克起君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(主濱了君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(主濱了君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 東日本大震災発災からあしたで二か月となります。五月二日には第一次補正予算も成立いたしまして、被災地の復旧復興に向けて大きく前進するものと思います。一方で、私の地元の福島県では、その復旧復興のスタートラインにもなかなか着けないという、そういう苦しみもあります。この度の連休中も、私は被災者の多くの皆様方からたくさんの訴えを伺ってまいりました。ふるさとへの思い、そしてまた将来への不安について、その声に私たちはしっかりとこたえて、そしてまた、そういう皆様方に希望を持っていただくような施策を、対策を講じていかなくてはいけないと感じています。
 まず最初に、被災地の皆様方のその心というもの、それをないがしろにしているのではないかという、そういう事例についてお伺いさせていただきますが、まず原子力損害賠償紛争審査会に東京電力が要望書を提出した、この件についてお伺いさせていただきたいと思います。
 四月の二十八日には第一次指針がまとめられ、公表されましたが、もちろんこの内容については十分ではないということから今後しっかりと協議をしていただきたいという思いでおりました。そんな中でございますが、東京電力が第一次指針がまとまる前の二十五日に清水正孝社長名で審査会に要望書を提出したと、そういうことが分かりました。要望書を受け取った能見審査会の会長は、一次指針を示す直前に、働きかけと思えるような要望は適切ではないと不快感を示したと報道されております。
 原発事故は多くの方々を苦しませています。人々の人生を変えてしまいました。苦しみを消すためには、もちろん賠償だけで終わるものではない、様々な支援が必要となっています。しかし、皆様方の生活を取り戻すためには、まずはその賠償について最大限の努力をすべきだというふうに思っています。
 このような東京電力の行動に対して、誠意がないと不信感を持たれる多くの方々がいます。今後、東電の皆様にはこのような行動をしっかりと控えていただきたいということと、そしてさらには、避難されている方の心情というものをしっかりと理解し、お考えいただいた上でいろんな賠償についての件についても進めていただきたいという思いでいます。
 今回の東電の行動について、大臣の所感を伺わせていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(鹿野道彦君) この度の大震災によりまして、福島の原子力発電の事故によって本当に多くの方々が大変苦しんでおられる、こういう状況の中で東京電力としてどういう姿勢が問われるかといえば、やはり今先生がおっしゃったとおりに真心だと思います。誠心誠意事に当たっていくという姿勢が、一番、今東京電力に求められることじゃないでしょうか。そういう意味で、いろいろなる要望が出されるのも結構でございますけれども、とにかく国民の人たちに、そしてとりわけ被災を受けて大変苦しんでおられる方々に真心を持って接していくというこの基本的な姿勢が伝わるような、そういう行動を取っていく、このことが一番東京電力に求められることだと思っております。
#7
○金子恵美君 ありがとうございます。
 まさに大臣がおっしゃるとおりだと思いますし、これからも被災地での原発事故の影響というものをしっかりと御理解していただいた上で、審査会においては中立公正とした上で協議を進めていただきたいと願っているところでございます。
 本日、十日からは、川内村を皮切りに、住民の皆さんの原発から二十キロ圏内の警戒区域の一時帰宅が始まるわけでございます。一時帰宅される皆様には様々な思いがあると思います。きっと大切なものを手にして戻られることだと思いますし、また、残された家畜やペットの安否を確認されることかもしれません。
 私は、実は八日に、許可をいただきまして二十キロ圏内の警戒区域にあります南相馬市の養豚場を視察する機会を得ることができました。もちろんその前に、浪江町の請戸地区におきまして行方不明者の捜索活動、捜索などを拝見する機会もいただきましたが、この養豚場で大変な状況になっているということも確認させていただきましたが、もちろん母豚は死に、そして多くの子豚も無残な死骸となって山積みとなっていました。養豚業の方は、警戒区域になるまでどうにか餌をやり続けたいという思いでいましたが、もちろん警戒区域となりましたので、全面立入禁止ということですので、もう本当に苦しい思いをしながら、大切な母豚も飢え死にさせてしまったということです。その中で、もう本当に大変な苦しみをされています。
 この警戒区域では、農家の同意を得て家畜の殺処分をすることができるとされていますが、繰り返しになりますが、これは大変悲しい決断だということです。人の命を守ることは大変重要なこと、もちろん最優先されるべきことではあります。しかし、このような状況になる前に何か手段がなかったのか、これから畜産、酪農家の皆様の声にこたえるために国が何ができるかということをお伺いさせていただきたいと思います。
 今日は、その家畜の移動についてお伺いさせていただきますが、まず、原発事故で設定されました計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の家畜の数、そして移動の状況についてお伺いさせていただきます。
 四月の十八日の段階で農水省は、生産局畜産部畜産振興課長、そして食肉鶏卵課長の連名で福島県の農水部畜産課長あてに文書を出して、家畜の移動等について留意点を示しました。この留意点に基づいて一応の移動の手順というものが示され、そして少しずつ移動が進められているわけです。実際、震災前にはどれぐらいの家畜がいて、そして現在までにどれぐらいの家畜が移動されているのか、そしてまた家畜の移動について、これまでの農水省の取組についてお伺いさせていただきたいと思います。
#8
○大臣政務官(吉田公一君) 家畜の移動につきましては鋭意努力をいたしているところでございますが、当面、福島原発周辺の家畜の頭羽数を申し上げますと、警戒区域では、牛につきましては三千五百頭、それから今のお話の豚は三万頭、それから計画的避難区域につきましてですが、これが牛が九千三百頭、豚が一万頭ということでございます。
 なお、あわせまして、牛についてでございますが、計画的避難区域等の家畜の移動先のあっせんを支援いたしておりまして、既に農林省からは畜産担当の専門官を派遣をいたしております。
 福島県によりますと、計画的避難区域からは、牛今までに千四百三十二頭、それから緊急時避難準備区域からは牛百六十四頭が移動、出荷されたと聞いておりますが、そのほか約千頭近くが近々に移動させるという予定になっております。
#9
○金子恵美君 ありがとうございます。
 少しずつ家畜の移動が進められてきて、その中でも、しかしながら一方では、まだまだ残っている家畜についての地域の畜産農家の皆さん、そして酪農家の皆さんの懸念というのはまだまだ払拭されていないことだと思います。
 実際に、これからどのような形でこれが進められるのかということですけれども、現段階に至るまでには大変時間が掛かっているという状況なのですが、五月の六日に福島県が計画的避難区域からの家畜の移動についてという文書を出し、ある程度の方向性を出しています。
 その中で言っていますのは、計画的避難区域、これは葛尾村、浪江町、飯舘村、そして川俣町の一部及び南相馬市の一部における家畜移動については、生産者、市町村及び生産者団体等の意向を十分に配慮するため、現在、市町村を通じて五月の十日まで生産者の意向調査を実施するということがこの文書の中で示されているわけですが、そうすると、本日までにこの意向調査が終わり、そして取りまとめられて、今後、今も御答弁の中でもありましたけれども、順次移動がなされていく、本格的な家畜の移動がなされていくということだと思います。
 計画的避難区域に設定されましたのは二十二日ですので、今に至るまで残念ながらなかなかその方針が明らかになっていなかったということもありまして、この間、実は人の移動ということもしっかりと準備をしなくてはいけなかった中、畜産、酪農の皆様というのは、やはりお考えになるのは家畜を移動させることができないまま自分の避難について考えることができないという、そういうお訴えもありました。
 私は、ちょうど五月に入ってからは五日とそして八日、全村が計画的避難区域になっております飯舘村に入らせていただきまして、地元の皆様と意見交換もさせていただいておりますけれども、やはり深い思いの中、とにかく今後速やかに家畜の移動等をさせていただきたいということであったり、何らかの措置をしっかりと講じていただきたいということをおっしゃっておられました。
 限られた期間の中で意向に添った形で移動するために農水省としてどのような支援をしていくのか、お尋ねしたいと思います。
#10
○大臣政務官(吉田公一君) 今お話がありましたように、できるだけ移動していくという努力は最大図っております。
 御質問の点にありましたように、計画的避難区域からの搾乳牛の移動でありますが、原乳の出荷制限が解除されていないということから大変取扱いが難しいということもございます。
 今、飯舘村、それから葛尾村、浪江町につきましては、家畜の移動のために受入れリストを参考にしつつ、家畜の移動のために打合せを三町で行っているところでございます。
#11
○金子恵美君 繰り返しになりますけれども、しっかりと畜産、酪農家の皆様の意向を聞いていただきまして、支援をしていただきたいと思います。
 おとといも福島市にあります避難所で浪江町の酪農家の方にお会いしました。そこでは、やはり搾乳牛の成牛はとにかく移動させることができないというふうに考えているということで、そして何ら行政からの指導というものを受けていないということのお訴えがありました。その辺もなかなか今おっしゃっていただいたように、乳牛についてはいろんな課題があるということかと思いますけれども、しかしながら一方で、しっかりとした情報提供も是非していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今、畜産、酪農家の皆さんは現金収入というものがなかなか得ることが難しくなっています。家畜の移動に掛かる経費についても重い負担となっております。
 そこでお伺いしますが、この家畜の移動のための一時待避を行う場合の輸送経費等は、民間食肉関係団体からの資金貸付けにより社団法人福島県畜産振興協会において基金を造成して立替払により対応となっております。最終的には東電に請求し支払われるということでよろしいのでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
#12
○副大臣(筒井信隆君) 放射性物質が飛散をすれば家畜の移動をせざるを得なくなる、そのために移動経費が掛かる。これは通常予測される損害でございますから、明確に相当因果関係内にある損害として一〇〇%損害賠償の対象になる、これははっきりしていることだと思います。
 さらに、移動の場合に、移動先で移動しない場合よりも飼育等々に経費が掛かった場合、これも損害賠償の対象になりますし、出荷した場合に放射性物質の飛散がないときと比べて価格が低下している場合、この低下部分についても損害賠償の対象になる、こういうふうに考えております。
#13
○金子恵美君 今ほど、その移動のお話をさせていただいているんですけれども、一方で、どうにか家畜だけは残して区域から避難した後も、区域外から給餌等、もう家畜の世話をするために区域内の畜舎に入ることを許可していただきたいと、そういう願いを持っている方々もおいでなんです。この願いにこたえることは可能でしょうか、そして、こたえるためにどのような方策があるのか、御見解をいただきたいと思います。
#14
○副大臣(筒井信隆君) 計画的避難地域についての質問かと思いますが、一か月をめどにしてその後は完全に避難する。つまり、現在の警戒地域とほぼ同じ地域になるわけでございますから、この中に入って、一か月の後ですが、その中に入って給餌をする、これは原則許されない、これはできないというふうに考えております。
#15
○金子恵美君 飯舘村の村長、全村避難と設定されている村の村長は、現段階においても全村避難ということについてはいろいろな角度からもう一度考え直してほしいという、そういうお言葉もあり、おっしゃっていただいています。なかなか難しい。つまりは、ふるさとを失いたくないという思いからだと思います。
 いずれにいたしましても、現段階で全村避難という決定でありますので、それに向けて政府は進まなくてはいけないというそれは分かります。しかし、その中においても、今申し上げたように様々な思いがあるということをしっかりと受け止めていただきたいと、心からお願いを申し上げたいと思います。
 そしてまた、これも今申し上げた飯舘村との関係でもありますが、実は畜産農家の方々からは、築き上げたブランドや優れた繁殖牛などを守りたいという強い要望があります。飯舘村は、A4、A5ランクの質の良い肉であります飯舘牛で有名です。繁殖牛をどのように保護するかもその家畜の移動対策の焦点となっています。地元の畜産、酪農の、酪農家の方々の、畜産農家の方々の生の声としては、村内の肉質のいい牛を産む若い母牛を守りたい、その母牛を残せば飯舘牛のブランドが守れるんだという、そういう希望を持っています。そしてまたさらには、村に戻って飯舘牛の生産が軌道に乗るまで補償してほしいという、そういう訴えもあります。
 この飯舘牛ブランドは地元の畜産農家の皆さんが三十年掛けてつくり上げました。村としても、飯舘牛ブランドを守るために繁殖雌牛などの保護についての対策を国に要請していると伺っています。このような要請にいかにおこたえになるのか、このように繁殖牛などの優れた家畜を保護するためにどのような対策を講じていくのか、お答えいただきたいと思います。
#16
○副大臣(筒井信隆君) 飯舘牛については、私もそのブランド名よくお聞きをしております。これをきちんと維持していくことは極めて重要なことだというふうに認識をしております。
 家畜改良センターとも常時連携し、県とも、また地元自治体とも連携をしながら、これを何とか移動を早急に完了して、そしてそれを維持していく、そのために農水省としても全力を挙げておりますし、今後も挙げていきたいというふうに思っております。
#17
○金子恵美君 実はこの計画的避難区域だけではなく、警戒区域内にも貴重な畜種が存在しております。先ほど私も申し上げました南相馬市内の養豚場は実は前田ポークで有名なところなんですが、大変貴重な品種を持っています。まだどうにか生きている豚もいます。このように農家の方々が長い年月を掛けてつくり上げた財産、これを是非守るべきだと思います。今後どのような形でもその貴重な畜種を保存し活用していくこと、これは最終的には、ふるさとを取り戻したときの町の町おこし、復興にもつながると私は考えています。
 警戒区域内の貴重な畜種の扱い、これについての御見解をお伺いさせていただきます。
#18
○副大臣(筒井信隆君) 計画的避難地域と違って、警戒地域においてはそれが極めて今厳しい状況になっていることは御存じのとおりでございまして、その警戒地域内における今言われた点をどういうふうに確保していくのか、あるいは確保できないのか、その公益性等々の観点から、今最後の詰めを行っているところでございまして、なかなか厳しい条件になっているわけでございます。それは警戒地域という性格自体からくることでございますが、その中で公益的な観点をどういうふうに生かしていくか、更に詰めていきたいというふうに思っております。
#19
○委員長(主濱了君) 時間が来ていますので、おまとめください。
#20
○金子恵美君 はい。
 警戒区域の中には、今現在も豚が二百頭、そして牛が千頭生き残っていると伺っております。単なる殺処分ありきの検討ではない形で貴重なものは残していく、そして大切な命は残していくという観点から、是非御検討を重ねていただきたくお願いを申し上げまして、時間となりましたので私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#21
○徳永エリ君 民主党・新緑風会の徳永エリでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 四月十六日、十七日に続きまして、この連休、二回目、東北の被災地に入らせていただきました。前回行ったときにネットワークが幾つかできましたので、今回は岩手県の山田町に入らせていただきました。三日間滞在させていただきました。山田町は養殖の町です。そして、いそ漁の町です。本当に静かな温かい町であります。
 今回は、民主党の震災ボランティア室の避難所の調査という任務もありましたので、本当に多くの方々とお話をさせていただきました。漁業者の方々ともたくさんお話をさせていただきまして、そのときに是非聞いてほしいと言われたことを今日は質問をさせていただきたいと思います。
 その前に、皆さんのお手元に資料を配らせていただきました。一つ御案内をさせていただきたいと思います。
 岩手県の釜石の防災対策センターで見付けました。復興の狼煙ポスタープロジェクトというものが始まっています。このポスターに写っている人たちは被災者の方々であります。そして、このポスターのキャッチコピーを作ったのも被災者の方であります。十三枚のポスターになっています。このポスターを全国いろんなところに張っていただいて、現地の皆さんがしっかりと前向きに頑張っている姿を日本中の皆さんに知っていただきたい、そういう思いでこのプロジェクトを始めたそうでございます。
 復興の狼煙プロジェクトのサイトがありまして、五月の七日からインターネットで注文ができることになっておりますので、是非委員の皆さんにもお買い求めいただきまして、そして、経費を引いた分が自治体の方に寄附されるということになっているようでございますので、御協力をいただきたいと私からもお願いさせていただきます。
 そして、このポスターに共通しているメッセージ、「一緒に悲しむことよりも、あなたの仕事を一生懸命やってほしい。それが沿岸を、岩手を元気にする力になると思うから。」、このキャッチコピーが大変に私は心にしみました。これは本当に岩手の皆さんの、被災者の皆さんの声なき声だというふうに思っております。
 鹿野農林水産大臣も、山田町も含めまして多くの被災地に視察に行かれたようでございますけれども、改めまして、こういったポスターを通してでも、被災地の皆さんの気持ち、どのように受け止められますでしょうか、復旧復興に向けての思いを是非お聞かせください。よろしくお願い申し上げます。
#22
○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員から申されたこのポスター等々、基本的に、被災に遭った方々が、もう何としても俺たちがとにかく頑張っていかなきゃならない、前よりもいい町にしてやると、こういうようなことで本当に前へ前への気持ちを持っていただく中で、復旧復興に向けて取り組んでいくというこの意欲に燃えた姿勢というふうなもの、私どもは行政の面におきまして刺激を受けたということであります。
 そういう意味では、我々がやはりこの皆さん方のそういう思いというふうなものをしっかりと受け止めて、そしてそのことに対して今までより以上の気持ちを持って事に当たっていかなきゃならない、こんな思いをいたしているところでございます。
#23
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 もう瓦れきの中で、元あったお店の場所で商売を始めている方がいたりとか、本当に皆さん、できることを必死にやっておりますので、私たちも是非町が元気になるように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、一次補正の中の漁場復旧対策支援事業によりまして、今、収入のない漁業者の生活を支援するための事業が始まるところであります。この瓦れきの撤去に補助を行うことを決めたことを受けて、各漁協によりまして、この連休から、希望者を募って作業を始める準備をしているようでありますが、具体的にはいつごろからどういう内容で、また、いつごろまでをめどにこの支援事業が行われるんでしょうか。いつまでその現金収入を得られるのかということを非常に皆さん気にしていらっしゃいました。よろしくお願い申し上げます。
#24
○副大臣(筒井信隆君) これ、漁業者グループが結成されて、一日当たりの日当一万二千百円を基準として支給するわけでございますが、そのグループが形成されて、実際にその体制、瓦れき撤去作業に入ることができるという状態になってから、それら全体が基本的に終わるまでの間がこの支給の対象になるわけでございます。
 そのためには、漁業者等はもちろん、自治体とも、農水省、水産庁がいろんな声を聞いて、実情に合った形で実行していきたいというふうに考えております。
#25
○徳永エリ君 実は、高齢の漁業者の方々も、僅かな年金だけではとても食べていけないということで、この瓦れき撤去の作業をしたいという気持ちを持っている方がたくさんいらっしゃるんです。
 ところが、例えば岩手県では、六十五歳以上の漁業就業者は全体の三七・三%もいらっしゃるんですね。きつい瓦れき撤去の作業を一日八時間、果たして続けられるのか。やりたくてもやれないという方もいると思うんですけれども、こういう方々に対して、例えば短時間で負担の少ない作業というのも考えておられるんでしょうか。
#26
○副大臣(筒井信隆君) まさに先生のおっしゃるとおり、高齢者の方々が漁業者にも多いわけでございますが、そもそも体力的にできない支援事業をつくったところで意味がないわけでございますから、八時間というのが全体、一日の作業時間ですが、四時間で仕事していただいても結構だと。そして、その場合の金額は半分の六千五十円を支払う、こういうふうな取扱いも考えているわけでございまして、この作業の具体的な中身も、今先生おっしゃったように、それぞれの漁業者の実情に合わせた形で進めていきたいというふうに考えております。
#27
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願い申し上げます。
 本当に今、被災地の皆さん、お疲れかと思いますので、収入を得るために頑張ろうという気持ちがあっても、やはり体力、体は大事ですので、負担のないように頑張っていただけるような環境づくりをしていただきたいと思います。
 さて、私が山田町に滞在している間に、漁港関係等災害復旧事業で、港に漂流しているもの、沈んでいるものをサルベージ船でどんどん揚げておりました。漁場の養殖いかだなども撤去されてしまうのかという不安を実は漁業者の方が抱いておりました。
 実は、養殖いかだがあっても、船が壊れてしまった人とそれと使える人といて、養殖いかだを調査しに行くのに不公平が出るから行かないでくれというふうに漁協で言われていたそうなんですね。いずれ見に行かなければと思っているところに、漁港の方でサルベージの撤去が始まっているので、使えるいかだまでもしかしたら撤去されるんではないかということで、その辺は一体どうなっているんだろうか、調査に行くようなゆとりを与えていただけるんだろうかということを聞かれました。特に、漁業共済に加入していない方は補償もなくて、使えるものはなるべく使いたいと思っていますし、垂下物も一本でも残っていれば使いたい、そういう気持ちがあるようです。
 もちろん、一日も早く航路や港の片付けが必要ですが、調査する前に全て撤去されるのではないかという、この漁業者の方の心配、実際にはいかがなんでしょうか。お願い申し上げます。
#28
○副大臣(筒井信隆君) これも先生おっしゃるとおり、養殖施設あるいは養殖周辺、施設に限らず漁網等でもあるいはまだ使えるものが残っている可能性があるわけでございまして、これも瓦れきと同じような扱いをしたら、まさにそれは社会的な損失になるわけでございます。それらの調査もしながら、そしてその場所を一番よく知っている漁業者の皆さんの声も聞きながら、そういうものはきちんと保存をしつつ瓦れきの撤去をやっていく、こういう方針で臨んでまいりたいと思っております。
#29
○徳永エリ君 漁港の方とそれから漁場の方ではまた作業が、範囲が違うというふうにも聞きましたが、この辺りはいかがなんでしょうか。今やっているのは漁港の瓦れきの撤去ですよね。漁場の方とはまた作業は分けられるんでしょうか。
#30
○副大臣(筒井信隆君) 漁場、漁港とそれぞれ分かれるわけでございますが、しかし瓦れき撤去の事業を行うという点では全く一緒でございまして、やり方に関しても先ほど申し上げたような同じようなやり方で進んでまいりたいというふうに考えております。
#31
○徳永エリ君 避難所にいながら、漁港やそれから漁場で行われている作業を一体どうなるんだろうという不安な思いで見ている方がたくさんいます。もちろん政府からのお知らせも避難所には届いていますけれども、なかなか皆さん目を通しても理解ができなかったりとか、それから行政、役場の方々も、じっくりと説明をするとか疑問に対して答えるというような余裕がないようでありますので、その辺の不安を払拭できるように何か説明をするような機会を頻繁に持っていった方がいいのではないかなというふうに思いました。
 さて、農林水産部門会議でも多くの民主党の議員が強く声を上げさせていただきましたが、被災地の漁業共済の御協力もありまして、これまでにない申請手続の簡素化を図る等などしていただきまして、共済金の支払が通常よりも一週間早く始まりました。四月十九日には岩手県に九億円、福島県に二億円、そして五月六日には岩手県、宮城県、福島県に漁業共済金のお支払があったということですが、他の被災地域にはいつごろこの支払が行われるんでしょうか。
#32
○大臣政務官(吉田公一君) 今委員がおっしゃったように、既に五月の六日までには岩手、宮城、福島県へ約八十五億円を支払っております。できるだけ五月中にその被災県につきましては共済金の支払をするということで努力いたしておりまして、今までは月一回の支払でございましたけれども、月三回にするということで、支払期間を短くすることによって役に立てるということから三回にしたところでございます。
#33
○徳永エリ君 私の出身の北海道はいかがでございましょうか。
#34
○大臣政務官(吉田公一君) 委員の御当地であります北海道、青森県も含めまして、被災地域へ二十七億円の支払がございます。五月末までに共済金の支払額は約百三十五億となりますが、北海道につきましても努力をしてまいりたいと思っております。
#35
○徳永エリ君 北海道も大変に大きな被害が今回の震災では出ておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今回の震災でカキ、ホタテ等の養殖施設を失った方々から、先のことを大変に案じていらっしゃいまして、何とか共済に継続契約ができないかという要望をいただいたんですが、そのためにはどうしたらいいんでしょうか。施設が失われているという状況がありますので、継続するためにはどうしたらいいんでしょうか。お願い申し上げます。
#36
○大臣政務官(吉田公一君) 今お話しの養殖業を再開するのにはどうしたらいいかというお話でございますが、客観的な状況があれば共済加入することは可能でございます。ただし、出荷が見込まれるとか準備をしているとかという第三者的な判断があれば共済への加入が可能でございまして、養殖業の再建に向けた支援としては、二十三年度補正予算におきまして、養殖施設災害復旧事業や貸付金利の無利子化、無担保無保証人での融資等を処置しておるところでございます。
#37
○徳永エリ君 農林水産部門会議などでは、このつなぎ融資の償還期間を延ばしていただきたいという声もたくさん上がっているようですけれども、この辺りの検討はされているんでしょうか。
#38
○大臣政務官(吉田公一君) 委員から御発言の件につきましては、更に検討させていただいて、検討といいましても答弁の検討じゃなくて、実際にどうできるかということを検討してまいりたいと思っています。
#39
○徳永エリ君 多くの漁業者の方がもう既に大きな借金を抱えているという現実があります。さらにこのつなぎ融資ということになりますと、いずれ返さなければいけないわけですから、なかなか踏み切れないというところもあると思いますので、なるべく負担の掛からないように対応していただきたいということを重ねてお願い申し上げます。
 ところで、先ほどもお話しいたしましたけれども、北海道も今回の震災による津波で過去最大の被害を受けています。皆さんのお手元に最新の被害額をまとめた資料をお配りいたしました。
 今、例えば道南の噴火湾辺りでは残った稚貝を分け合う形で作業しているんですけれども、今、北海道のホタテ養殖は稚貝の耳づり作業が行われているんですね。施設は、何とか残った施設を船で土のうを運んで流れないようにして使っています。この施設を新たに造るとなると一施設百二十万は掛かるということで、私がお話を聞いた漁業関係者の方は、自分の仕事を元に戻すのには十施設新設しなければならないんだけれども、とてもじゃないけれども一千二百万もの借金を背負うわけにはいかないと、一体この施設の補償はどうなっているんだろうというふうにおっしゃっておりました。政府の指針が決まらないと何もできないということで困っているということであります。
 そして、今一番の問題は、八月から九月にかけて稚貝を養殖かごに入れて育てる作業をしなければならないんですが、資料に写真がありますけれども、津波でだんごになってしまって、もう養殖かごが全部壊れてしまっているんですね。かなりの数が必要になっているんです。このかごを作ってもらいたいということで業者に発注したところ、もう膨大な数と膨大な金額になるので、万が一支払われないということがあっては困るので受けられないという話があるそうです。これ、業者に受けてもらえなくて作ってもらえなくては本当に大変なことになってしまいます。
 こういった養殖かごなどの資材は補助対象経費に加えてもらえるんでしょうか。早く指針を示していただきたいということです。お伺いいたします。よろしくお願いいたします。
#40
○大臣政務官(吉田公一君) ホタテにつきましては、北海道沿岸等で全滅に近いという話を聞いておりまして、ただ稚貝からホタテガイになるまでには約三年掛かると言われております。したがって、激甚災害の指定を受ければ私は対象となる可能性があるんではないかと、そう思っております。
#41
○徳永エリ君 養殖かご等、資材も対象になるということでよろしいんですね。
#42
○大臣政務官(吉田公一君) 施設と一体のものなら対象になるということでございます。
#43
○徳永エリ君 しっかりとそのことは伝えさせていただきます。
 さて、既に津波で絡まってだんごになってしまって壊れた施設の撤去には、台船を手配したり、それからダイバーを頼んだりしてもう経費が掛かっているんですね。この今まで掛かった復旧のための経費というのは、果たしてこれはどうなるんでしょうか。
#44
○副大臣(筒井信隆君) ダイバーに頼んだり、あるいはサルベージ船に頼んだり専門業者に頼んだりした、しかもそれが一次補正予算が成立する前に既に始まっているというような場合でも、四月一日までに遡って、つまり今年度の最初日に遡って遡及して支援の対象になる、こういうことでございます。
#45
○徳永エリ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 さて、北海道では、特に噴火湾では、もう本当に多額の借金を背負って、高齢化も進んでおりますし、それから低気圧にやられ、あとはヨーロッパザラボヤという透明な非常に不気味なホヤにやられまして、もう次から次へと皆さんは苦しみを乗り越えて今に至っているんですね。やっとこれからというときに今回の津波の被害であります。
 今回の震災の被害だけに目をやるのではなくて、激甚法のかさ上げ部分も東北の県と北海道では若干違うようでございますけれども、本当に今までの経緯も見ていただきながらどれだけ大きなダメージであるかということを考えていただいて、私のふるさと北海道のこともしっかりとやっていただきたい。水産業の復旧復興のために最大限に努力していただくことをお願いしたいと思います。決して東北以外の被災地を忘れられた被災地にしないようによろしくお願いしたいと思います。
 これで私の質問を終わらせていただきます。
 大臣、お願いいたします。
#46
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の東日本大震災におけるところの被害というものは、まさに北海道におきましても大きな被害が発生したということも知事さん始め関係の方々からも御要請もいただいているところでございますので、このことに対して農林水産省といたしましても、今回の被害に遭われた地域全体に対して私どもとしてはその復旧復興に向けてあらゆる努力をしてまいりたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
#47
○長谷川岳君 自由民主党の北海道の長谷川岳です。
 五月の連休、六日、七日と宮城県選出の熊谷議員と奥尻島に伺いました。町長を始め商工会の皆様とお話をしまして、また町民集会を開催していただきまして、膝を交えて南西沖地震の復興の話を聞かせていただいたところであります。今からちょうど十八年前にマグニチュード七・八という大地震と、二、三分後に襲ってきた第一波を含む津波に奥尻町は壊滅的な被害を受けております。死者百七十二名、行方不明者二十六名、合計百九十八名に及び、被害総額も六百六十四億円に上る大惨事となっております。
 人口が四千人半ばの奥尻町は町の年間予算五十億という非常に脆弱な財政基盤でありまして、震災の復旧復興対策がいかに莫大で重要であるかということを、自然がもたらした震災の猛威と恐ろしさから痛感させられたということをお話を伺いました。
 多くのボランティアの皆様、救助機関の皆様によって、奥尻町は平成十年三月において完全復興の宣言を果たしました。これは震災が起きてから四年と八か月という非常にスピーディーな形での復興宣言であります。
 今日、皆様にこちら、奥尻の復興の概要というものが町として非常によくできた資料でございましたので、この部数を町の方からもいただきまして、この場所での少しお話をさせていただきたいというふうに思います。
 特に、今回参考にさせていただけるのは、義援金百三十二億のうち、被災者への皆さんの見舞金として四十二億、そして九十億円を復興基金として活用をしております。この最も注目すべき点というのは、復興基金というものの設立であります。
 この町の概要の第三編というものがありますが、この三編の中に災害復興基金という題名が書かれておりますのでこれを御覧になっていただきたいんですが、災害復興基金、第三編というふうに書いてありますが、この復興基金が、内訳は、大まかに七十三項目に及ぶ非常に細かい支援事業を行っておりまして、住宅対策、家具・家財購入、商工業の皆さんに対する利率の補助、利子補給ということですね、あるいはまちづくりの対策というものがあります。こういった復興基金の活用によって住民の皆様の負担を軽減したと、そして、それに併せて対策を行って住民の暮らし、産業を守ったというのがこの奥尻町の復興の歴史であります。
 このことについて、まず農林水産大臣、内閣官房に伺いますが、やはり今回の震災後、復興基金というもの、きめ細かく行っていくためには復興基金が私は是非とも必要だと、そのように考えますが、復興基金の有効性について鹿野大臣、福山官房副長官にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(鹿野道彦君) 復興基金というふうなことについての効果的な結果というものについて、今委員からお話がございました。
 いわゆる第一次補正におきましては、とにかく緊急、応急措置と、こういうふうなところで予算措置がなされたわけでありますけれども、これから本格的な復旧復興に向けてどうあるべきか。当然のことながら復興構想会議におきまして、いろいろどういう形で復旧復興に向けていくかということも議論されていくと思いますが、もういろいろな提案なりいろんな考え方というふうなものを、やはり私どもといたしましては真摯に受け止めながら、どういう方策が一番よろしいかということを地元の関係県あるいは市町村等関係団体の人たちからもお聞きをしながらそのことを参考にし、そして復興構想会議の結論という中におきまして復興モデルになるようにしていかなきゃならないと、こんなふうに思っているところでございます。
#49
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 長谷川委員におかれましては、私、若い時分からよく存じ上げておりまして、国会でこうやって御一緒できること、大変うれしく思います。またよろしくお願いします。
 復興基金につきましてお答えをさせていただきます。ただいま農水大臣から御答弁があったとおりでございますが、自民党の方からも、思いやり基金等の要請を承っております。我々としても、いかに基金が有効に使われるかどうか、また基金の、これだけ広範囲ですからどういう形がいいのかも含めて今復興構想会議で議論をされているというふうに思いますので、委員の御指摘も踏まえながら検討していきたいというふうに思っております。
#50
○長谷川岳君 資料以外にもこの災害復興基金というものの詳細についても町からいただいておりますので、この内容も見ていただきますと、国から出ている、あるいは道から出ている補助費以外の部分を、どうしても個人負担にならざるを得ない部分を復興基金でカバーする、できるだけ被災者の皆さんに対しての負担を減らすというのが復興基金の最も私は効果のあることだというふうに思いますので、是非とも政府として検討をお願いしたいというふうに思います。
 そして同時に、奥尻の町の役場の皆さん、特に町民の皆さんが異口同音におっしゃっていたことがありまして、住民の皆さんが復旧復興に対して最も評価した事業が二つあります。その一つが漁業集落環境整備事業と防災集団移転事業というものです。これも少し、実は書いてありますので、この第三編という部分のまちづくりというところをちょっと御覧になっていただきたいんですけれども、この青苗という最も被害を受けた地区、あるいは稲穂地区という、ここも非常に大きな被害を受けたところなんですが、ここにおいては漁業集落環境整備事業というものが有効に活用されたというふうに伺っております。この漁業集落環境整備事業の概要についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。お願いいたします、農水省。
#51
○国務大臣(鹿野道彦君) 平成五年に、今委員からお話のとおりに、奥尻の青苗地区におきましてこの漁業集落環境整備事業というものを実施されて、そして大きなこれまた成果を上げてこられたというお話も、今委員からお話がございました。そういう意味で、今回の補正予算の中におきまして、被災した漁業集落の地域住民の意向把握や集落整備の計画策定のための調査費を計上いたしているところでございまして、今後、先ほど申し上げました復興構想会議の議論あるいは地域の意向等を踏まえつつ、漁業集落環境整備事業の活用も含めまして漁業集落の安全、安心な居住環境というものを確保する具体的な方策についてこれからも詰めてまいりたいと思っております。
#52
○長谷川岳君 是非とも、やはり現場の方々が非常に、特に役場の方々含めて、この整備事業というのは非常に助かったという声が多くありますので、積み増しをいただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 さらに、奥尻町はこの同じ第三編の方にも書かれておりますが、岬地区という地区がございます。ここは大きな被害が出た場所でございますけれども、この港の近くに高さ十一メートルの避難場所を造りまして、すぐにまず港で作業をしている人たちが安心して働けるようにしました。さらに仮設住宅を建て、それから働く場所を造るために港にすぐさま共同作業所を造りました。このことによって働く場所が確保され、町の活性化につながったというふうに伺っております。
 東北の被災者地域においても、港のみならず、津波に負けない避難場所及び、すぐにやはり働ける環境としての、簡易なもので結構だと思いますが、共同作業所を早急に設ける必要があると思いますが、農林大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(鹿野道彦君) 近年のこの甚大な自然災害というふうなものの多発を踏まえまして、農業者を始め農村住民の安全を確保すると、このような観点から、平成二十年度から農村災害対策整備事業というものを創設いたしまして、避難場所等々の確保に努めておるところでございます。
 平成二十三年度からは地方の自主性が発揮できるように、県が自由に事業を選択できるよう、そしてこのような事業というものが地域自主戦略交付金で対応するというふうなことになりますので、地方の実情に応じた実施が可能な仕組みになっておりますということを申させていただきたいと思います。
#54
○長谷川岳君 奥尻町は国土交通省の防災集団移転事業というのを活用しまして、再度地震が発生したら災害に遭わないようにこの岬地区の住宅地を五ヘクタール買い入れております、この先っぽの部分なんですが。そして、ここを居住禁止区域にしておりまして、この地域に住んでいた人たちを被害のない高台に移転をさせております。
 この防災集団移転事業の予算、今どれぐらいあるのか、国土交通省にお尋ねをしたいと思います。
#55
○大臣政務官(市村浩一郎君) 四千万円でございます。
#56
○長谷川岳君 このような状況の中で四千万円というのは余りにも少な過ぎるというふうに思います。それでは十分な対応ができないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#57
○大臣政務官(市村浩一郎君) まず、長谷川委員の、私は議員になられる前からの本当御活躍を、御芳名を存じ上げております。本当にこうして議論できることをうれしく思います。
 おっしゃるとおりでございまして、今回の東日本大震災におきますこの対応については、四千万で足りないというのは当然でございます。したがいまして、しっかりとこの防災集団移転促進事業については活用していきたいと、まさにこれは委員がおっしゃるように、これは復興の選択肢の一つということになると思います。しっかりとこれは活用していくための予算付けをしてまいりたいと思っております。
#58
○長谷川岳君 こちらの防災集団移転事業で約町が五ヘクタールの買入れをしたときに、税額の控除率が非常に高かったために、大きくしたために、土地の売却がやはり民間から進んだと。そして集団移転が非常に速やかに行われたというふうに伺っておりますが、このときの税額控除についてどれぐらいだったのか、伺いたいと思います。
#59
○大臣政務官(市村浩一郎君) 二千万円と存じております。
#60
○長谷川岳君 今回の東北の被災地域においても、こういった集団移転事業を行うときの税額控除を是非とも求めていきたいというふうに思います。
 では、復旧についての現状をお聞きいたします。
 お手元にお配りをした奥尻の復興を考える会というのが作成した年表をちょっと御覧になっていただきたいんですけれども、これは結構、住民の皆さんの動きと、町の役場の皆さんの動きと、国・北海道庁の活動についてというふうに三つの項目に分かれた年表というか時系列になっておりまして、非常に参考になるものでしたからいただいてまいりましたけれども、奥尻では災害の三日後に仮設住宅の希望調査が実施されました。そして、九日後には生活資金の支給が始まっておりまして、一か月を待たずして義援金の配分が行われております。さらには、十六日後、仮設住宅の入居、そして四十日後には北海道庁が復興計画についての三つの提案を提示したという、非常にスピーディーな対応が取られています。
 そしてもう一つは、四か月後に、今度は住民の方から、奥尻の復興を考える会という方が書いているこの町長に提出した資料を皆さんにもお配りをさせていただいておりますが、これをちょっと御覧になっていただくと、この町民の皆様の有志が町長に提出した災害復興基金案、災害復興の基金をどのように活用するかというのを町民側から提案をしておる資料でありますが、これの約八割が町で採用をされております。つまり、住民による自発的な動きが活発化をし、そしてこれはある意味、被災者の方々にとって自分たちで絵を書くという非常に大きなモチベーションを上げる結果になりました。
 そこで、内閣官房にお尋ねいたしますが、今回被災された市町村もいち早く復興計画を作成していると思われますが、国として何らかの手助けをしているのかということをお聞かせをいただきたいと思います。
#61
○内閣官房副長官(福山哲郎君) それぞれの市町村、委員御案内のように、中には、あの津波で庁舎等を流されて大変厳しい状況にあるところもありますし、原発の被災地では町役場がその町から離れて置いているようなところもあります。そちらには、我々としてはできる限り、国として、国の各省庁の職員を派遣をして復旧に対してのお手伝いをできるようにということで努力をしているところでございます。
#62
○長谷川岳君 住民が考えるという機会を政府が促すということも私は非常に必要だというふうに思います。
 これも見ていただいて分かるように、奥尻の皆様、家を持つ方々、新築での補助金、助成金が一世帯当たり七百万、見舞金が四百万、計一千百万が一世帯当たり支給をされています。これによって、やはり建て替えをしよう、新しく家を建てようという復興に向けた住民の士気も十分上がったということを聞き取ることができました。義援金の配分も含めて、県や市町村に任せるだけではなくて、スピーディーに進めるべきですし、こういった奥尻のみならず様々な例をやはり町民の皆様、被災地域の皆様に示すべきだと考えますが、福山官房副長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#63
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 住民の皆様のいろんな御意見、それから御示唆、提案等々を我々が受け止めるのはまさに必要なことだというふうに思っておりますので、それはしっかりと委員の御指摘を踏まえて対応していきたいと思っております。
#64
○長谷川岳君 年表にもあるとおり、奥尻町では被災されてからプレハブに二週間で入っています。規模は違うかもしれませんが、やはり奥尻町民の皆さんにも聞くと、今回の対応はやっぱり遅過ぎるとおっしゃっています。報道ではいろんな情報がありますが、現状ではどのようになっておりますか、また、なぜこれほど遅いのかということをお聞かせいただきたいと思います。国土交通省の政務官、お願いします。
#65
○大臣政務官(市村浩一郎君) まさにこれは委員のおっしゃるとおり、本来、仮設というのは二か月以内に造って入っていただくというのが本来だというふうに私も聞いております。なぜ、じゃこれだけ遅れているのかという、まあ遅れているという評価が本当に正しいのかは分かりませんが、ただ、いろいろ私なりに、私は実は今、現地対策本部の本部長代行の役もさせていただいていますので、現地に行っていろいろ見ていますが、これは複合的要因というふうに見ていいと思います。
 ただ、特に重要なのは、やはり用地の確保ということが大変遅れているというところでございます。例えば、ある市から上がってきた用地のリストを見ると、面積的には確かに足りているんですけれども、実際に行ってみると、水道の布設とか電気を通すための時間が掛かるとか、結局まあありていに言えば使い物にならない場所も入っているわけですね。そういうのを一々一々精査をしていっております。そして、本当に建つところには、もう今、資材の確保もしていますから、もう、すぐ建つように、大体二週間から三週間で建ちますので、もう着工さえすれば建つという状況でございます。
 ですから、そういうふうにいろいろな努力をしているところでありますが、御指摘のとおり、遅いと言われればそういう部分もあると思いますので、しっかりとこれからは皆さんの意見も賜りながら進めてまいりたいと思いますし、是非とも、長谷川委員とか、御経験から、じゃこうしたらいいじゃないかということを、また長谷川委員のみならず、いろんな御提案を賜りたいと思うところでございます。
 よろしくお願いします。
#66
○長谷川岳君 奥尻というのは言わば今回の東日本大震災のスケールにしますと百分の一のスケールに匹敵すると思います。奥尻で行われることがまあ百行われる。つまり、早急に復旧復興のための区割りを行って、できるだけやはり奥尻のようなスピーディーな復興をするということが私は是非とも必要だというふうに思いますが、官房副長官、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#67
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 急げという御意見は、私は非常に理解をします。早ければ早い方がいいと思います。しかしながら、先ほど市村政務官も言われましたように、今回は大規模ですし広範囲ですし、先ほど百倍とおっしゃられましたけれども、恐らく仮設住宅の需要数でいうともっと多いというふうに思います。
 ですから、復旧に対しては急がなければいけないと思いますが、その後の復興に対しては、まさに住民の皆さんの意見をしっかりとお伺いをしながら、どういう町づくりが地震や津波に対して強い町づくりなのか、その中で漁業や農業をどういうふうに復興するのか、またそこにある商工業者の皆さんに対してどのような形で仕事ができるのかについて考えなければいけませんので、早くしなければいけないとは思いますが、しかし性急過ぎてもいけないと。
 これは、実は復興構想会議でも議論がありまして、急げという声と、早過ぎて阪神・淡路のときも若干いろんな問題が起こったという例も我々聞いておりますので、そこも含めて対応していきたいと思っております。
#68
○長谷川岳君 今の復興の中では、やはりいろんな議論があるのは承知しておりますけれども、最も害毒があるのは私は遅いということだというふうに思いますので、そこは徹底してスピーディーな対応をしていただきたいというふうに思います。
 副長官、ありがとうございました。是非、奥尻にも足を運んでいただいて、こういった町民の皆様の発案も是非とも参考にしていただきたいというふうに思います。
 農林水産省にお尋ねをいたしますが、以前にもお尋ねをさせていただいておりますが、養殖施設に関する激甚災害の復旧事業における地域指定の要件緩和について、やはり現在の要件では不十分ではないかという御指摘を多くいただいておりますが、いかがでしょうか。
#69
○副大臣(筒井信隆君) 御存じのとおり、被害を受けた施設の割合が二〇%超であれば対象にするというのが一つあって、さらにそれに加えて、被害額が二千万円を超えた市町村、これも指定の対象にするというふうに現在なって、それでもほとんどが対象になるかと思いますが、さらに、今まで魚種ごとに養殖施設を指定していたわけでございますが、今回は魚類養殖施設とか貝類養殖施設、あるいは海藻類養殖施設、さらにはそれ以外の養殖施設これらという一くくりの分類で指定をしているものでございますから、ほとんどのものが、必要なものが指定されると言っても言い過ぎではないのではないかというふうに考えております。
#70
○長谷川岳君 是非一〇〇%カバーをしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 そしてもう一つは、共同利用の冷凍施設等の機器への補助が行われておりますが、今回やはり共同利用ではない民間事業者も大きく被害に遭っている状況であります。民間事業者も支援の対象とすべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか、農林水産大臣。
#71
○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員のお話のとおりに、まず第一次補正におきましては、共同で使う施設の機器等の整備を行う場合の支援というふうな形にさせていただきました。応急措置、緊急措置ということでございます。
 今後につきましては、地域の水産業の復興のためには、今お話しのとおりに、漁業と水産加工、流通業の一体的な再生というふうなものがどうしてもこれは不可欠であると、重要であるという認識を持っておりますので、今後、地域の方々の意見というふうなお考えをお聞きしながら、今後の必要な施策について詰めてまいりたいと思っております。
#72
○長谷川岳君 それでは、福島原発の放射性排水についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 経済産業省、これはまず誰が決断して行ったのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#73
○大臣政務官(田嶋要君) 御答弁申し上げます。
 これは、法律の立て付けといたしましては事業者自身が決断をするということになってございます。具体的には、原子炉等規制法の第六十四条の一項に基づいて、やむを得ない状況の中でのそういった行為はできることになってございますが、政府部内といたしましては、その一つ手前のところで六十七条に報告徴収というのがございまして、東京電力からどういった事情でこういうことをやらなきゃいけないのかという報告を受けました。それに基づきまして、最終的な意思決定者という意味では、官房長官から上がっていきまして、総理大臣が最終的に決定をしておるというふうに言えるかと思います。
#74
○長谷川岳君 経済産業省の関与というのはないということになりますでしょうか。
#75
○大臣政務官(田嶋要君) 失礼いたしました。経済産業大臣がもちろん報告徴収を受けまして、最終的には総理大臣だという意味です。
#76
○長谷川岳君 今回、海水、海面における三十キロ圏内並びにそれを超える放射能のモニタリングをどのように行っておりますか。これは経済産業省と文科省の方に両方お尋ねしたいというふうに思います。
#77
○大臣政務官(田嶋要君) お答え申し上げます。
 三十キロ以内を経済産業省ということで、具体的には東京電力が測定をしてございますが、現在は二十一ポイントで行ってございます。具体的には、船に乗ってそのポイントに行きまして、バケツで採取をし、それをポリエチレン製の採取容器というものに一リットルごとに取り分けて、そして検査をしておるということで、海水の試料、試す料ですね、試料は福島第二原発の方の放射能測定室へ持ち込むことによって分析をしておるということでございます。
 なお、海洋生物のサンプリングということに関しましては、現時点では三十キロ圏内は行ってございませんが、今後、開始時期そして対象とする海洋生物等の確定を今協議しておるところでございます。
 以上です。
#78
○政府参考人(渡辺格君) 文部科学省におきましては、福島第一原子力発電所の沖合における海域モニタリングということで、従来よりモニタリングポイントの増設やそれから観測ブイの投入などを行いましてモニタリングを充実してきているところでございます。
 具体的には、独立行政法人の海洋研究開発機構の調査研究船が海水の採取とそれからダストサンプリング、空気中のダストでございますが、ダストサンプリング等を行い、それを独立行政法人原子力研究開発機構によって測定、分析を行い、それを文部科学省から公表しているところでございます。またあわせまして、放射能濃度の拡散、希釈のシミュレーションを行いまして、その結果についても公表しているところでございます。
 また、四月二十五日には環境モニタリング強化計画というのが発表されましたので、それを受けまして海域モニタリングの強化を発表いたしまして、水産庁、海上保安庁等の関係機関と連携をいたしまして、福島県沿岸及び沖合の採水ポイントを増やすとともに、茨城県沖におけるモニタリングも実施し、随時その結果を公表しております。
 さらに、五月六日には、海域モニタリングの広域化についてということで公表させていただきまして、関係機関と連携して、宮城県、福島県、茨城県の沖合海域での調査を開始することといたしているところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、海域モニタリングの着実な推進を図るとともに、その結果について国内外へ速やかに公表していくということに努めてまいりたいと思っているところでございます。
#79
○長谷川岳君 今お話伺いましたが、特に三十キロ圏内の二十一ポイントというのは、これは農林水産大臣としては余りにもこれ少な過ぎるというふうに私は認識をしておりますが、今回のこの海水、海面における放射線のモニタリングについて大臣としてどのようにお考えでしょうか。
#80
○国務大臣(鹿野道彦君) これは私自身、省内の会議におきましてもいつも言っておりますのは、調査の強化、強化だと、数を増やせと。ですから、機器が足らない、分析器が足らないならばもっと予算を要求してちゃんと整備しろと、これはもう本当に強く強く何回も何回も言っておるところでございます。
#81
○長谷川岳君 大臣、今回の放射性排水についてやはり何ら報告が大臣になかったということについて、やはり私たちも非常にこれは懸念をしております。一次産業が全く軽視されているんではないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#82
○国務大臣(鹿野道彦君) 低レベルのいわゆる汚染水の放水というようなことにつきましては、それは低レベルだからとか、あるいは海洋の汚染というものをより小さくするための措置としてやむを得ない、こういうようなことの措置であるということも聞いておるところでございますけれども、とにかくこのことについて、農林水産省に対しましてもまた漁業者に対しても何らの報告というものがなかったというふうなことについては、もうこれは基本的に問題ですねということを私も率直に申し上げました。大変遺憾だということを申し上げたところでございます。
 このことは国際的にも大きな反響を呼んでいるというふうなことからいたしまして、もっと国、政府全体としてこの重大性というふうなものをきちっと鑑みて対応していかなきゃならない。こういうことを考えますと、二度とこのようなことであってはならないと、こういうふうな認識に立っておるところでございます。
#83
○長谷川岳君 経済産業省の政務官、今日いらっしゃいますから、今大臣のお話聞いていただいたと思いますけれども、特に経済産業省が進めていた、もう過去形にしておりますけれども、TPPについてなんですが、我が国の農水産物の輸出促進策を強化するとしておりました。
 しかし、今までの経済産業省の判断も含めますと、最終的にはこれは放射性排水というものは経済産業省が認めて行ったというふうに私たちは認識をします。日本の農水産物の風評被害を及ぼして、海外への輸出が激減している状況であります。言わば、今回の経済産業省の対応が一次産業の輸出力を大幅に縮めたということが言えるのではないでしょうか。このことについて経済産業省としてのお考えをお聞かせいただきたい。
#84
○大臣政務官(田嶋要君) お答えを申し上げます。
 汚染水の廃棄に関しましても、私も反省すべき点、いろいろあったんではないかというふうに思っておる、まあこれは質問通告ございませんけれども、思っておるところでございますが、そういったことを受けまして、おっしゃるとおり、特に食にかかわる部分が最も風評被害を始め一番大きなダメージを受けておると思います。特に日本の農業、これから外へ向かってということで、私も私の立場から関与はしてございましたし、あるいはクール・ジャパンということでも日本の食も大きな潜在力があるということで、これからまさにやろうというときに出ばなをくじかれた、くじいてしまったというところがあるのではないかというふうに思っております。
 そういう意味では、今後より正確な情報発信に努めていく、これは海洋や空気中の放射線のことも含めましてしっかりと的確な情報開示に努めていくということで、既に起きてしまったことではございますけれども、今後、極力その被害を極小化、最小化できるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 現在、中国が特に一番厳しい規制を加えてございまして、中国は日本の全ての食品に関しての輸入停止という措置をとってございますが、先般、日中韓の貿易大臣会合でも、海江田大臣の方から、過剰な反応やあるいは科学的、合理的判断に基づかない不当な措置を採用することを防止をする旨の確認を相互に行ったところでございます。また、東南アジアに対しましては、今月十九日から二十一日、APECがモンタナで開かれる予定でございますので、同じように経済産業省として発信をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#85
○長谷川岳君 TPP参加の経済産業省が示す条件が一つ、経済産業省自ら消してしまったわけですから、経済産業省がTPPを主導する立場にはなくなったと断言できると思いますが、政務官の考えをお聞かせください。
#86
○大臣政務官(田嶋要君) これは質問通告はいただいていないと思いますけれども、これはTPPというのは経産省だけがやるとかそういう話ではございませんので、まさに開かれた日本ということはやはり基本路線としては堅持していきたいというふうに思います。
 ただ、東北地方、特に一次産業が大変盛んなところでございますので私としても大変な状況になってしまったという思いでございますが、ちょうど今、これからこの三・一一の後にどういった我々が今後政策推進のために全体指針を掲げてやれるかということの今取りまとめをやっているところでございますので、今後三・一一の前と比べてどういうところが変わってくるかとか、そういうことも含めて今議論をしておるところでございますので、いろいろ反省すべき点はあろうかと思いますが、今後もしっかり経産省もやっていきたいというふうに思っております。
#87
○長谷川岳君 これ以上一次産業の皆さんにダメージを与えないでいただきたいということをお願いしたいと思います。
 田嶋政務官様、そして市村政務官様、済みません、遅くなっちゃって、ありがとうございました。御退席、結構でございます。ありがとうございます。
 続きまして、輸入バレイショについて、ちょっと時間が限られておりますが、質問をさせていただきます。
 バレイショの輸入解禁、二〇〇七年の二月に行われておりますが、植物防疫法の輸入障壁になっておりましたけれども、障壁がなくなって、アメリカ、米国ポテト協会、日本国内業者から強い要請によって輸入の解禁がなされたと。
 一つは、輸入の条件として、シストセンチュウが発生しない地域で生産、輸入期間を二月一日から六月三十日に限定をすること、そして密閉コンテナによって輸入され、輸入後速やかに指定された加工施設まで輸送するという条件でありましたけれども、平成二十二年の一月にアメリカから輸入期間の延長の要請があり、九月に国内加工業者から、十一月にアメリカからの加工施設の追加の指定が行われて、今農水省がパブリックコメントで意見の検討をして判断をするということになっておると聞いております。
 レクの資料をいただいたところ、広くパブリックコメントを求めて、検疫上問題なければ輸入するというふうに、輸入拡大するというふうにしておりましたが、レクの資料の中でこのような文面があります。検疫措置は十分に講じられ、検疫上の安全性の観点から問題はないと考えられる、このため輸入期間の一か月の延長を行うこととしたいと記載されておりますが、これはもう既に輸入拡大ありきで進めているのではないかということを大臣に伺いたいと思います。
#88
○副大臣(筒井信隆君) 今先生、施設の拡大と、これも今申請がありますが、それに期間の拡大と、二つの点を同時に言われましたが、まず施設の方の点については、先生が言われました条件にプラスして、もちろん先生御承知のとおりですが、百三十度二分間の加熱が可能な施設を有していること、そしてその残渣について焼却かあるいは焼却と同等の処分ができる施設を有していること、こういう条件があるわけでございまして、それらの条件に適合した施設であれば、どこからの申請であっても原則やはり認める方向で検討をしているところでございます。
 そして、期間の点に関しましては、日本の端境期といいますか、その期間に限っては前向きにやはり検討をしているところでございますが、まだ検討中で結論は出していないという状況でございます。
#89
○長谷川岳君 資料の中に、端境期の国内産六十キロ当たり三十三円から三十五円、アメリカのバレイショは五十三円から六十六円という、アメリカ産の方が高いというふうに記載をされております。しかし、昨日話を役所から聞いたところ、実際は日本産のバレイショの方が七十円を超えていて高いと。つまり、端境期の日本産バレイショの方が米国産より価格が高いと説明があって、食い違っている状況であります。
 これは、ポテトチップスの生産会社が端境期にわざわざ値段の高い米国産のバレイショを買っているとされる資料を使って生産者団体に説明していることは、意図的であるとしか私は思えないんですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#90
○副大臣(筒井信隆君) 意図的であればそれは全く間違いでございますから、そういうことがあるのかどうか、もう一度その点は精査をしたいと思います。原則としては、先ほど申し上げました基準に従って、そして端境期に限っての検討を前向きにしているという状況でございます。
#91
○長谷川岳君 今回、追加加工施設、鹿児島の話が出ておりますけれども、鹿児島が追加されるのであれば、日本全国どこの港を使おうと港湾の隣接工場は全て輸入解禁のお墨付きがあるという拡大解釈につながってしまうのではないかというふうに思いますが、どのように考えているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#92
○副大臣(筒井信隆君) 先ほど申し上げた、先生がおっしゃった要件プラス百三十度二分間と、残渣についての適切な処理、この要件が適合している限り施設としては前向き検討の対象になるかと思います。しかし、その都度一つ一つ検討した上で、あるいは時期的に先になれば状況また変わってくるかもしれませんから、その都度検討した上で適切な結果を、結論を得たいというふうに考えております。
#93
○長谷川岳君 国内における対策をしっかりして、ポテトチップス会社に対して安定した供給体制をつくることが必要というふうに考えます。
 北海道においては特に貯蔵技術の開発に取り組んでおり、長期間の供給が可能になっておりますし、輸入期間においては、国産加工バレイショの端境期をしっかりと踏まえ、なし崩し的な拡大は行うべきではないと考えます。
 新たな基本計画においてはジャガイモの増産の方向性が示されており、政府として安定供給をどのように考えているのか、具体的な対策があればお聞かせをいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(鹿野道彦君) ポテトチップ用などの加工用バレイショというものは、北海道畑作の重要な品目であるということも私どもも認識をいたしているところでございます。
 そういう中で、加工用のバレイショの安定供給を図るにはどうするかと、このような委員からの今の御質問でございますけれども、エチレンガスを用いた発芽抑制が重要な課題であると、こんなことから、施設整備などの支援のほか、エチレンを特定農薬へ指定する手続をも進めているところでございます。
 産地におきましても、加工用バレイショの安定供給とともに、生産者の所得というふうなものも安定的に確保するというようなことからいたしますならば、ポテトチップの適正品種への円滑な切替えというものも進めるということも大事なことではないか。そういう意味で、生産者に対するいろんな面での農業団体からの指導などもお願いをいたしたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#95
○長谷川岳君 時間になりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、若干前のことになりますけれども、シーシェパードの捕鯨船に対する執拗な攻撃を繰り返す、乗組員の人命に危機が生じる事態となるところでありましたけれども、大臣において乗組員の人命を守るための苦渋の決断を私は感謝しておりますし、シーシェパード対策についてしっかり対処していただきたい、そのことを要望して、終わりにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#96
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。
 今日は厚労省、文科省の方からそれぞれ副大臣、政務官にもお越しいただいております。心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
 ゴールデンウイーク中に、焼き肉チェーン店、焼肉酒家えびすの集団食中毒で四名の方々が亡くなるという大変痛ましい事件がありました。これまでは、生食用の食肉の衛生基準等については、行政指導でありましたので罰則がなかったというようなことでありますが、今後につきましては、食品衛生法に基づく規制とすることも含め検討を行っていくということが発表をされているわけであります。
 これはスケジュール的に、いつぐらいまでにどのような形で見直していくのか、見直しの工程についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#97
○副大臣(大塚耕平君) お答えを申し上げます。
 まず、時期の前に罰則について一言付言をさせていただきますが、罰則がないということではなく、基準を設けて、その下で生食等その他の食品が提供された後に食品衛生法上の第六条に違反するような事態が生じた場合には五十四条とか五十五条で営業停止や出荷停止等の措置がなされますので、そういう意味においては罰則はございます。
 ただし、基準そのものをクリアしなかったことによる罰則についてはこれまでなかったということは事実でございますので、先ごろ大臣の方から罰則も念頭に置いた見直しを行うということで、本日の閣議後の記者会見で、十月一日から新しい体制で運営ができるように対処したいというふうに厚生労働大臣が発言をさせていただいております。
 なお、その間も現行の体制で万が一にも今回のような事態がないように対応を徹底する通知を五月五日付け、そして昨日付けでも新たに出しておりますので、御報告申し上げます。
#98
○福岡資麿君 ありがとうございます。
 十月一日という具体的な日時伺いましたが、御承知のとおり、これから夏場暑くなると食中毒非常に発生しやすい時期等になるわけであります。緊急監視の実施等やられておりますが、しっかりとした安全策、講じていただきますようにお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 そして、それに関連してお伺いをさせていただきますが、農水省におかれまして、当然これは、生食用の肉が食べられないということになると、その分消費が落ち込んでしまう、またいろいろな風評も含めて食肉の流通にも影響が及んでしまうというようなことも十分考えられ得るわけであります。今屠畜場における加工についても、どこまで対応がきちっと進んでいるか、そういうことも含めて今後の食肉の流通に与える影響等についてどのようにお考えになられているのか、お伺いをさせていただきます。
#99
○副大臣(筒井信隆君) 消費減退等、消費に悪影響を与えないように農水省も取り組んでまいりたいと思っております。
 具体的には、今、大塚副大臣が言われましたが、今厚生労働省の方で検討しております検討状況等を踏まえまして、例えば農水省として、肉の消毒あるいは洗浄等の施設等が必要になるならば、それに対しての指導あるいは支援、それらも強めて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#100
○福岡資麿君 私も実は、ゴールデンウイーク中、焼き肉屋さんに行ったときに、やはりユッケは販売を見合わせておりますというような状況でございました。しっかりとしたそういう情報を示していただくこと、安全基準を設けていただくことによって私たちの食生活が大きく乱れることがないように、そういった観点で対応をお願いをしていきたいというふうに思います。
 話題を変えまして、これから先は風評被害についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 私は九州佐賀県出身で、被災地からは大分離れているんですが、連休中に地元に帰って農家の方々と話をしていて結構びっくりしたんですね。例えば、地元のホウレンソウを作っていらっしゃる方とかには放射線を測定して濃度を示せというような声が多数寄せられたりというような話であったり、また佐賀県にも玄海原子力発電所という原子力発電所がございます。その原子力発電所の付近にある野菜は食べたくないというような投書が寄せられたというようなことが指摘をされました。ですから、福島の原発じゃないところでも厳密に言えば、その影響の大きさは分かりませんが、風評という部分で影響を受けていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるんだということを改めて感じたわけであります。
 これは、風評というのをどういうふうに定義するかにもよりますけれども、こういったことも含めると物すごい大きな範囲で影響が及んでいるというふうに考えておりますが、原発の農林漁業に対する損害について、その広がりとか深さについて大臣がどのように御認識をされているか、お伺いをさせていただきたいと思います。
#101
○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員から御指摘されたこの原発事故におけるところの風評被害というものは、数とか数字ではとても示すことができない大きなものだと思っております。全国にもその風評被害は拡大をしておると、こういうことでございます。
 そういう意味で、この原発事故というものがいまだ収束しておらないと、このようなことから、いろんな事業者の方々の影響なり地域経済の影響というものは深刻な状況にあるということも懸念されているものと思っております。
 そういう中で、農林水産省といたしましては、こういう状況を踏まえて、農林漁業者等の損害というものが早期に回復できるようにこのような措置も講じていかなきゃなりませんし、また適切な速やかな賠償の実現等というふうなものについても私どもはできるだけの努力もしていかなきゃならない、こんなふうな認識に立っておるところでございます。
 そういう意味で、まさに、農林水産省といたしましては、国民の人たちに対して正確なる情報というふうなものをきちっと提供させていただいて、市場に出回っているものは安全なんですよというふうなことに理解をしていただくことができるように、これからもしっかりと対処していかなきゃならないと、こんなふうに思っているところでございます。
#102
○福岡資麿君 ありがとうございます。損害に対して速やかに賠償を行っていくことが必要だ、そのとおりだというふうに思います。
 それに関連して文科省の方にお伺いをさせていただきますが、先般、四月二十八日に公表されました原子力損害賠償紛争審査会におきまして、風評被害の具体的な指針が先送りをされたわけであります。これはどういった理由で先送りがなされたのかということについてお伺いしたいのが一点と、もう一つが、そういった風評にかかわる部分の具体的な指針はいつごろまでに示されるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#103
○大臣政務官(林久美子君) 今委員御指摘いただきました原子力損害賠償紛争審査会の第一次指針から風評被害が先送りされたというお話でございますが、先送りというか、むしろ順番に、なるべく早くきちっと救済をしていくために、相当因果関係が明らかなものから順次今回は策定をしてきたところでもございます。
 今回、確かに風評被害については対象外というふうになっているんですが、これは、先ほど委員の御質問の中にもありましたように、非常に被害が多岐にわたっている、あるいは多産業にわたっている、多種多様であるということから、こうした事故との相当な因果関係を明らかにするためには、被害の実態をしっかりと調査をして、その関連性の程度などについても検討をしていく必要があるというふうに考えておりまして、そうしたことから今後の検討課題となったところでもございます。
 ただし、一次指針の中に、この最初にはじめにというところがあるんですけれども、この中にも、第一次指針の対象外となった営業損害、括弧、いわゆる風評被害も含むものについては、合理的な範囲内で原子力損害に該当し得るものについて今後検討するというふうにある意味頭出しをしておりますので、当然これからしっかりとやっていくということでございますし、できるだけ早く検討を進めて、次の段階の指針からは反映をしていきたいというふうに思っています。
 その上で、いつぐらいに次のを示すことができるのかという御質問でございました。当然、この状況を本当にいろんな面で御苦労をいただきながら頑張っていただいておりますので、これはもう当然数か月先の話とかいうことではなくて、少なくとももう一か月ぐらいをめどにスピード感を持って対応していきたいと、していただきたいというふうに思っています。
#104
○福岡資麿君 ありがとうございます。おっしゃったように実態の調査とか把握が難しいのは分かりますが、これによってもう農業に就業しているのを諦めなきゃいけないような人たちもたくさんいるわけであります。先ほど大臣もおっしゃったように一刻も早い補償をすることが明日への希望につながるという意味においては、今後検討するとかいう漠然としたそういった表現ではなくて、具体的にいつまでに示すということを早く見せていただくこと、このことが大切だということを申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
 こういったことに関連しまして、ちょっと次に暫定規制値について伺わせていただきたいというふうに思いますが、厚労省の方にお伺いします。暫定規制値については、いつまでこれを使われるつもりなのか、その点についてお伺いします。
#105
○副大臣(大塚耕平君) この暫定規制値は、三月十一日の発災時においては我が国には放射性物質に関する食品の規制が全くございませんでしたので、三月の十七日に国際放射線防護委員会等の参考値を基に決めさせていただきました。しかし、その後、所定の手続を踏む必要がございますので、三月の二十九日に食品安全委員会、そして四月の一日には原子力安全委員会の助言に基づいた原子力災害対策本部、そして四月の四日には厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会でそれぞれ、当面この暫定規制値で問題がないという所見をいただきました。
 現状そういう状態にあるわけでありますが、今後は、その三月二十九日の食品安全委員会の決定事項の中に、今後の課題として、諮問を受けた内容範囲について継続して食品健康影響評価を行う必要があるというふうに明記をされておりますので、その課題の明記を受けまして、四月の十四日に食品安全委員会の下にこの放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループが設置され、二十一日、二十八日と既に会合が実施され、五月もこの後、今週そして月末と、もう一回、あと二回用意されておりますが、しかるべく健康影響評価を終えた後に、その評価に基づいて見直す必要が出てくる場合にはこの暫定規制値を次のステップに進めさせていただくと、そういう段取りになっております。
#106
○福岡資麿君 ありがとうございます。
 今おっしゃったように、これ元々、その暫定規制値という名前がまあどうなのかというのもありますけれども、緊急事態のものであって通常の状況を想定したものではないということはこの食品安全委員会のレポートの中にも書かれている。そういう意味では、通常の状態じゃない、極めて異常事態の中で何とかその安全を守るための基準なんだという意味では、本当にそういう意味では、通常よりもかなりそういう意味ではハードルが高くなっている、そういう基準だということを前提に、風評についてもやっぱり通常の基準じゃないところに置かれているんじゃないかという皆さん方の不安があるんだということを是非とも受け止めていただきたいと思うんです。
 そして、これ全都道府県知事に通達を出されているわけでありますが、これ、そういう意味でいうと、東北だけではなくて全国同じ基準を当てはめた。今海外に対して、いろいろ輸入に規制を掛けられているというようなこともありますが、通常時であれば考えられないような数値を全国に当てはめて全都道府県に通知している、そういったことが海外から見ると、そういった全く影響がない地域の農産品についても受け入れ難いというような、そういう推測をされても仕方がないような状況になってしまっているんではないかという類推もできるわけでありますから、そういった点についても是非とも今後検討を進めていただきたい、そのように思っています。
 それに関連してお伺いしたいんですが、インターネットとかを見るとこういういろいろな論点というのが出ているんです。例えば、水の安全基準については、WHOは飲料水のガイドラインの値を十ベクレルというふうにしているわけでありますが、今回の暫定規制値では沃素131で三百ベクレルというのを基準にされていらっしゃるわけであります。ですから、そのWHOの十というのを一つの基準とすると、三十倍に緩められている、そういう規制値を日本で当てはめているんだと、だから本当にそういう意味では安全が担保されるんだろうかというような議論がインターネット上等を通じてされて、それが不安を拡大させている、そういうこともあるわけであります。
 これは、WHOのその通常の指標と今回のこの暫定規制値がこれだけ数字が乖離している、こういったところについての理由等についてお示しをいただきたいと思います。
#107
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 飲料水の安全値についてのお尋ねでございます。
 WHOがガイドラインで示しております飲料水の放射性物質についての値でございますけれども、こちらにつきましては平常時における飲用への適用を念頭に置いて設定したものというふうにされておるわけでございます。このガイドラインの中でも原子力発電所の事故等の緊急時に適用されるものではないということを明記されているということを申し添えさせていただきたいと存じます。
 それから、今回厚生労働省の定めました値に関してでございますけれども、こちらにつきましては、原子力安全委員会の方で定めました飲食物摂食制限に関する指標というのがございますけれども、こちらを踏まえて定めさせていただいたものでございます。今回のような事態に適用されるものというふうに考えております。
 この値でございますけれども、原子力安全委員会におきまして、長期的な健康への影響でございますとか、あるいはその物理面の半減期等の影響といったものを考慮した上で、摂取をしても問題がないと、十分に安全なレベルということで設定をされたものというふうに承知をいたしております。
 また、もう一言付け加えさせていただきますと、WHOにおきましても、関係地域の住民は日本の当局のアドバイスに従うことをWHOは勧めるというコメントが掲載をされているということでございます。
#108
○福岡資麿君 そういう専門家の方々のそういう論点というのはあるんでしょうが、一般的に見れば、非常時と通常時が全くその基準が違うというのも極めてこれ分かりづらい話なんです。
 ほかの論点としては、例えば原子炉等規制法が定める原発区域外に排水として流していい海水の濃度基準は一リットル当たり四十ベクレルということでありますから、原発施設から排水していい濃度の四十ベクレルの七倍を超える値の規制値で水を飲んでもいいというような数値を定めているというのは、素人考えですると極めてこれっておかしいんじゃないかという疑問を持たれても仕方がない部分というのはあるわけなんです。
 ですから、そういった部分では、いろいろ説明は尽くしてこられているんでしょうが、しっかりとこれ説明をして、もっと説明をしていただかなければ風評被害というのは払拭できないというふうに思っておりまして、そういった点、今後もしっかり御努力をいただきたいと思います。
 それはひいては、やはり農産品であったり海産物にも影響が及ぼすわけです。というのは、その水の基準と併せて今回、農林水産品の基準も併せて発表されているわけですから、水についてそれだけ海外とかと比べても基準が緩いのであれば、農産品等についてもかなり緩やかな基準が設けられているに違いないというようなそういう憶測を持たれても仕方がない、そういう部分があるわけですから、そういった部分についてもしっかり説明をしていただきたいと思います。
 今日お配りをさせていただいた参考資料の二枚目を御覧をいただきたいと思いますが、ICRPとかのデータを基に各国が設けている基準についての表というのが、これ農林水産省さんが作られた表というのがあるわけであります。
 これ見た中で私が一つ、少し思ったのは、放射性セシウム等については海外に比べても日本はかなり厳しい数値を用いているわけでありますが、放射性沃素の131については、水はまだほかの国とも水準としては似たり寄ったりということはあるにしても、野菜類、魚介類が二千ベクレルということで、これほかの各国の数値、今の規制値を見ても、極めてこれ高いような数値を設定してあるというふうにこの表だけを見れば受け取ってしまわれる方たくさんいらっしゃるのではなかろうかというふうに思います。
 そういった部分について、本当にそれで大丈夫なんだろうかというようなことを思っていらっしゃる方がいらっしゃるんだとすれば、そうではないというメッセージをしっかり発していただくことが必要だというふうに思っていまして、その点について御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
#109
○副大臣(大塚耕平君) 委員が御提示いただきましたこの資料でございますが、出典は農水省というふうになっておりますが、EUのところを御覧いただきますと、野菜類の沃素131については日本と同じでございます。EUと同じだからいいということではないとは思いますけれども、必ずしも日本が突出して他国に例のない水準を設定しているということではございません。
 また、EUもそうでございますし、日本も、この二千ベクレルの前提となっているのが先ほど申し上げましたICRPの基準でございますので、そういうことをより正確に、日本国内だけではなくて海外の皆さんにもお伝えをしていく努力を続けさせていただきたいと思っております。
#110
○福岡資麿君 おっしゃったことはよく分かりますが、これまでどちらかというと日本は食の安全とかには極めて安全を見てやってきているという中で、EUも唯一例外のように高いところがあるから日本だけ例外じゃないんだみたいな言い方というのはちょっといかがなものかなというふうに思うんです。
 やっぱりほかの地域で見ても、これ百ベクレルとかで制定している国がたくさんある。コーデックスもそうですけれども、そういった中で、やはりそれに二十倍もの高さがあるものを基準値として設けているからには、その根拠とか、それでも十分大丈夫なんだということをきちっとお示しをしていかなければ、EUとやっているとかICRPのデータでは大丈夫なはずだということだけでは、なかなかこれでは安心感が示せないと。それがひいては風評等にもつながっていく原因になるんだということを是非受け止めていただきたいと思うんですが、その点についていかが思われますか。
#111
○副大臣(大塚耕平君) 若干誤解を与えたとすればおわびを申し上げますが、決して二千まで入っていていいということではないと思います。
 本来、放射性物質は自然界に微量にあるものを除けば存在しないものでありますが、一九五〇年代以降の原水爆の実験等で徐々に世界の大気中に拡散をする中で自然界に元々存在する量以上に存在をするようになり、徐々にこういう基準が設けられていったということでありますので、本来は、限りなくゼロに近い、そういう状態を目指すべきでありますし、誤解を与えないように、かつ御安心いただけるように農水省と御相談しつつしっかり対応させていただきます。
#112
○福岡資麿君 農水省さんが発表している諸外国・地域の規制措置、これ五月二日時点によると、二十九の国・地域で何らかの形で輸入停止とか証明書を要求されて、八か国で輸入検査の強化が講じられているというふうにされております。
 原発の風評も含めた部分のこうした措置によって、輸出額の減少とか日本の農業等に与える影響とか、それをどの程度だというふうに見積もっておられるのかについてお伺いをさせていただきます。
#113
○大臣政務官(田名部匡代君) 食品の輸出については近年回復傾向にありまして、例えば平成二十二年ですと、前年に比べて一〇・五%増、約五千億円の輸出になっています。あわせて、鹿野大臣が、攻めの農林水産業ということで農林水産省一体となってこの輸出ということにも取り組んでまいりました。しかしながら、そういった中で原発の事故が起こったわけで、先生が御指摘のように、各国では様々な輸出規制であるとか検査の強化というものが行われているところであります。
 どのぐらいの減少額かという具体的な数字をお示しすることは大変困難なわけでございますけれども、相当な影響が出てくるだろうということを私どもも懸念をいたしているところでございまして、今後も輸出は伸びるであろうと、特に日本の食品というものは大変安全で安心でおいしいという、そしてさらには健康食であるというようなことが世界中に広まりつつあって、日本の食というものが世界に認められている中で、こういったことが原因で減少傾向になるのではないかということは、大変私たちも心配しているところであります。
#114
○福岡資麿君 しっかりと取り組んでいただきたいんです。というのは、農産物を輸出している、そういった方に二、三日前にお会いしてお話をしたら、完全に、海外における日本の食品が安心だ、安全だという神話がもうこの一件で崩れてしまったんだと。それを信頼を取り戻すというのは簡単な話ではないんです。ですから、それは、各地域に対して適切な説明を行って、風評被害を回避しながら、再び農産物等を買っていただける環境を整える、このためにどういう御努力をされるか、大臣にお伺いをさせていただきます。
#115
○国務大臣(鹿野道彦君) 福岡委員おっしゃるとおりに、我が国の食料、食品の安全神話がまさしく崩れた、まさにそのとおりだと思います。そういう意味では、輸出戦略というふうなものも見直していかなきゃならない、そういうふうな認識に立っておりまして、地道な努力をこれから続けていく必要があると思っております。
 そういう意味で、一面、そういう中でも、今日の農業新聞にもちょっと出ておったんですけれども、福島の米が香港に輸出されるようになったというような本当に明るいニュースも今伝えられておるところでございますので、私どもといたしましては、今日までも、内閣全体として関係閣僚が閣僚間の折衝、話合いの中でも理解を求める努力もしてまいりましたし、また、農林水産省からそれぞれの関係国に、事務方でございますけれども、派遣をいたしまして理解を得るべく努力もしてまいりました。これからも続けていくことも考えております。
 そして、同時に、やはりしっかりとした情報というものを提示するというふうなことも委員御指摘のとおりでございますので、いわゆる今までは分析器なり機器というふうなものの能力にも限界があったわけでございますので、これを補正の中にその充実のために予算も計上しておるわけでございますので、これからも多岐にわたるそういう情報、検査の結果、調査の結果というものを提示してまいって、そして日本の国の新たなる安全、安心について理解をしてもらうべく最善の努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#116
○福岡資麿君 力強い決意を承りましたので、是非実行に移していただきたいというふうに思います。
 今日配付させていただいた資料の一番最初の方に東京都の中央卸売市場の青果物の週間市況より抜粋した農産物の価格の推移というのをグラフを作らせていただいて載せさせていただいています。連休前ぐらいから若干の持ち直しの兆しは見せておりますが、相当これ例年に比べると低い水準のままであるということはこの数字を見ていただけると分かるかというふうに思います。これは出荷規制が掛かっていない地域のものでありますから、そういった部分では風評の程度が相当部分この中に含まれているというふうに考えてもよろしいんではないかというふうに思っています。
 そこでお伺いをしたいんですが、この風評被害による価格下落の線引きというのが、どこからどこまでが風評によるものか非常に難しいというふうに言われています。ただ、今までのようなお役所答弁というか、相当の因果関係があるものに適切な補償を行うというそういった決まり文句だけでは、現地で動かれている方々には幾ら、じゃ戻ってくるのかというのが全く分からない、そういった状況でありますから、そういった部分でいうと、今後の補償をどのような形でやっていくのが適切だというふうに農水省としては考えていらっしゃるのか、この点についてお伺いをさせていただきます。
#117
○委員長(主濱了君) 簡潔な御答弁をお願いいたします。
#118
○副大臣(筒井信隆君) 風評被害、それも価格下落についての質問だというふうに理解をして答弁をさせていただきたいと思います。
 直前まで、あるいは通常であればあった価格から下がった部分、これは原則損害賠償の対象になるというふうに思いますが、さらにそれを具体的な基準として示すのが、私としては紛争審査会で示していただけるものというふうに期待をしております。
 時期的に、来週の月曜日にももう一回開かれるようでございますし、そのときにそこまで、今申し上げたようなところまではあるいはまだかもしれませんが、先ほど文部科学省の方でお答えになられた期間内にはそれらについての指針も示されるものと期待をしているところでございます。
#119
○福岡資麿君 審査会に任せるのではなくて、やっぱり農水省としても農家の気持ちをしっかり伝えていただくということが必要でありますし、今つなぎ融資等、そういったことをやられていますけれども、求めているのは融資ではなくてきちっとした補償であるということを申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#120
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 本日も東日本大震災に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。
 今回の東日本大震災では、三陸沿岸のみならず、内陸部でも大きな被害が起こっております。まず最初に、これらについて質問をさせていただきたいと思います。
 福島県の内陸部にある須賀川市の農業貯水用の藤沼湖が今回の地震により決壊をしまして、死者六名、行方不明二人、そして家屋流失が九軒などの大被害をもたらしました。亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げるわけでございます。
 四月二十二日に私も地元議員とともに現地視察をさせていただきましたけれども、貯水量百五十万トンの大きなアースダムが見るも無残に決壊をしてしまいまして、大変その現場を見て驚いた次第でございます。また、この藤沼湖のかんがい面積は八百ヘクタール以上で、地域の水田農家にも大きな影響をもたらしているわけであります。そのほかにも、天栄村の羽鳥湖から須賀川市や白河市など七市町村に農業用水を送るパイプラインも今回の地震で十か所以上損壊をしまして、こちらの方は約三千二百ヘクタールの水田の水不足が大きな問題となっておるわけでございます。
 そこで、これらの地震災害による農業生産への影響について、また、これらの復旧事業の計画がどの程度策定されているのか、その状況について農林水産省にお伺いをしたいと思います。
#121
○大臣政務官(田名部匡代君) まず、藤沼湖についてでありますけれども、もう先生、現地を御視察されておりますのでよく状況は御存じなんだろうと思いますけれども、現在、決壊によって貯水が流出いたしまして、その受益地への用水量が不足している状況であります。それで、地域内の河川水を活用することによって、決して十分ではないんですけれども、一部農地では営農を行うことができていると、そのように聞いています。ただ、藤沼湖のその復旧には大変時間が掛かるということでございまして、被災した農地の土砂の除去などについて、来春から営農が可能となるように復旧に向けて現在取り組んでいきたいと検討を進めているところでございます。
 もう一点、国営の隈戸川地区についてでありますけれども、これは、国営事業が平成二十二年度に完了予定であったものが今回の地震によって大きな被害を受けたということであります。それで、これも平成二十三年度の用水供給というものは困難な状況にありまして、地区内の河川やため池等の水源がある地域を除いて今年度は営農が困難でありますので、これから様々検討していきたいと思っておりますが、この地域においては先般、鹿野大臣が現地に視察をいたしまして、被災者の皆様と意見交換を行ってきたところであります。現場には災害査定官も派遣させるなど、今復旧計画を立てているところでございますので、現地の皆さんの意見もしっかりと受け入れながらこれから作業を進めてまいりたいと考えています。
#122
○渡辺孝男君 鹿野大臣も現地でいろいろ現場を見て懇談をされたということでありますが、大変広い地域の水田が影響を受けると。しかも、今、細い川はあるんですが、そこからの取水ではとても地元の農家の皆さんはそれではもう不十分なことは分かっておると。ただ、藤沼湖、本当に大きな貯水湖でありまして、これは本当にこれを直すとなれば大変な時間が掛かると。しかし、もう来年はどうしても農家の皆さんは水田を作付けしたいという切なる願いがあるものですから、これに対してどういう復旧事業を早めにやっていくのか。本格的なものは時間が掛かるとしても、応急的に何か復旧事業をやればある程度水田がつくれるようになるものなのかどうか。
 第一次補正予算も通りまして、また今度、第二次補正予算ということの検討が進められていくわけでありますけれども、大臣としてはどのような予算を確保しながら復旧事業を進めていくのか、その点をお伺いをしたいと思います。
#123
○国務大臣(鹿野道彦君) 渡辺先生と同じように私も視察をさせていただきました。一刻も早く復旧に向けて手だてをしていかなきゃならないと、こんな思いをいたしたところでございます。
 今回の補正予算におきまして、被災した農地、農業用施設の早急な復旧に必要な予算も計上させていただきました。藤沼湖の周辺地域については被災した農地のまず堆積した土砂の除去等を支援すると、そして、隈戸川地区については来年春の作付けに間に合うように損壊したパイプライン等の復旧にまず万全を期してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#124
○渡辺孝男君 来年、頑張ってどこまで作付けができるようになるか、その間、農業者の方々はやはり予定していた収入が得られないというようなことになりますので、そういう収入減をどう補っていくのか、また生活をどう支援をしていくのか、この点に関しまして農林水産省にお伺いをしたいと思います。
#125
○副大臣(筒井信隆君) 作付けができない水田等に関しまして、まず、稲作はできないけれどもほかの転作作物等ができる、麦、大豆等はできるという場所もあるようでございまして、そこでは所得補償制度に基づいて転作作物についての交付金を支給するという形になるかと思います。そして、麦、大豆等一切それらのものも作付けができない、そういう水田も多々あるわけでございまして、そこでは復興組合をつくっていただいて復旧事業を共同で取り組んでいただけると十アール当たり三万五千円の支給をするというのが今度の一次補正で入った支援策でございます。
#126
○渡辺孝男君 予定と違った作物を作っていくというのはなかなか実際上は大変かなと思いますので、いろんな雇用対策等々やっていただいて、少しでも収入が得られるような方向でやっていただきたいと思います。
 それで、その藤沼湖の決壊なんですけれども、地元の方に聞くと、何か地震で大分水面が揺れて、堤防を越えて流れていってそのうちに崩れてしまったみたいな目撃者のお話もあるということなんですが、ああいう湖が、貯水湖が、人工湖でありますけれども、今回の地震で壊れてしまうというのは本当に予想外だというふうに思っておるんですが、こういうメカニズムをしっかり原因の究明をしていただいて、今後またいろんな規模の地震は起こるわけですが、同じような用水をためるための貯水湖がまた決壊をしてしまうようなことがないように、その原因究明とこれからのそういう類似のものに対する対策というものを進めていかなければならないというふうに感じたわけですが、この点に関しまして農水省の対応をお伺いをしたいと思います。
#127
○副大臣(筒井信隆君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、藤沼湖に関しましては大震災後ほとんどの決壊になったわけでございますが、その直接の原因はまだ未解明でございます。まさに、早急にやっている調査を取りまとめて、その原因を究明をして今後の教訓としていきたいというふうに農水省としても強く考えております。
#128
○渡辺孝男君 次の質問に入らせていただきますけれども、東日本大震災で米の作付けができなくなっている農家に対する米生産の復旧に向けての支援策等について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の大震災、そしてまた津波もあります、そういうことで海水が入ってしまって作付けができないと。あるいは、先ほどのお話、質問させていただきましたが、いろんな農業の施設が壊れて作付けができない、そういうこともあるわけです。そのほかにも、まさに福島では原発事故による作付け制限というものがありまして、これも現場の農家の方々は大変な怒りを持って対策を求めているわけでありますけれども、作付け制限のために米の生産ができなくなってしまったということでありまして、その分、米の生産数量目標の県間調整がなされてきていると。
 前にもちょっと質問をさせていただいたわけですが、その調整の現状についてお伺いをしたいということと、それから、次年度以降、被災された稲作農家が米の作付けが可能となった場合の今度は生産数量目標の決定に際しては、震災前の生産数量が確保できるようなやはり特別な配慮というものが必要なんではないかと。やっぱり一時生産ができないわけですから、当然普通の計算をしていくと、場合によってはもう全然少なくなってしまうということがあり得るので、そこはやはり特別な配慮というものが必要になるだろうと。先の話でありますけれども、少しでもそういう被災者の農家の方々が、米農家の方々が希望を持てるように、その点を大臣の見解をお伺いをしたいと思っております。
#129
○国務大臣(鹿野道彦君) お米の作付けにつきましては、今先生からのお話のとおりに、宮城県及び福島県におきまして県内の調整だけではなかなか目標を満たすことができない、このようなことから国に対して県間の調整というふうなものの要請がございました。それを受けまして、国におきまして、数量の引受けを希望する県の情報を宮城、福島両県に提供させていただきまして、その結果、宮城、福島両県と引受希望県との間で二万七千トンの県間調整が行われました。これに伴いまして、数量の引受希望県から宮城、福島県に対しまして合計八億七千万円の対価が提供されるということになったところでございます。なお、このような行政ルートを通じた県間調整とは別に、JA独自で生産数量目標の調整も現在行われているということも聞いておるところでございます。
 そういう中で、今先生が今後のことについても配慮をしなきゃならぬじゃないかと、こういうふうなことでございました。今後の生産数量目標の配分に当たっては、災害によるところの県間調整の結果生ずる生産量の減少の影響を受けることのないように対応してまいりたいと思っております。
#130
○渡辺孝男君 しっかりそのようにしていただければと思います。
 それからまた別な観点からの質問になりますけれども、五月八日、つい先日ですけれども、東京電力の福島第一原子力発電所事故により計画的避難区域に急遽指定されまして避難準備に追われる福島県の川俣町の山木屋地区というところを訪れて、地域の農家の皆さんを含めまして少し懇談をさせていただいたんですが、酪農家の方もいらっしゃいます、家畜を本当に今後どうしていったらいいのかと大変お悩みでありました。また、避難後、万が一家畜を処分しなきゃならない、あるいはまたどこかに移転をして見てもらうというようなこともあり得るとは思うんですけれども、本当にその補償というものがきちんとなされるのかどうか、やはり今もって多くの不安を抱えているわけであります。
 そのほか、稲作農家の方々も、避難で、避難場所というか、住居等を探しておるわけですが、一時住居を移さなければいけない。しかし、やはりその後避難が解除されれば、当然ながら農業を、水田農業をやる人はその準備をするために避難している間もやはり農地、水田の管理等はしていかなければいけないと、そういうように思っておられているわけでありますけれども、本当にそういう方々が、先ほどの質問にありましたけれども、計画的避難区域から出た場合にどれくらい元のところに戻って農作業等できるのかどうか。定かでないということもありますけれども、できるだけ元々の水田のところに戻って水田の維持管理だけはさせてもらいたいと。
 その場合に問題になるのは、その費用等をどうしたらいいか、どう補償してもらえるのか、そしてまたどういう形でその水田の管理をしていったらいいのか、今までどおり水田の管理をしていっていいのかどうかという、放射線の、セシウムの問題がありますので、そういうところでどうしたらいいのかと。
 やはり農水省としてある程度の、水田の、そういう計画的避難区域での適切な水田の維持管理のための指針というものを策定して、それを農家の皆さんにお示しをする必要があるんじゃないかと。そしてまた、費用負担についても、維持管理の費用負担についてもやはりしっかり補償してあげなければいけないんではないか。これは東京電力との交渉ということも入ってくるかもしれませんが、農水省としてもそのことを責任を持って対応してもらいたいと。
 そういうことで、その件に関しましての農水省のお考えを示していただきたいと思います。
#131
○副大臣(筒井信隆君) 計画的避難地域において、一か月をめどに避難するということになっておりますので、一か月が過ぎた段階では特に外での農作業はできないものと考えておりまして、一旦避難した後に戻って維持管理のための作業をすることも適切ではないというふうに言うべきかと思っております。
 ただ、先生がおっしゃった、そのことによる損害、これはもちろん、耕作ができないことによる損害もそうですし、今の維持管理ができないことによる損害の拡大部分も含めまして全て損害賠償の対象になる、こういうふうに言えると思います。
#132
○渡辺孝男君 その農家の皆さんとお話合いをしたときに、本年度の予算である農地・水保全管理支払交付金、これが本来ならば出てきたわけなんですが、これをそのまま利用してその維持管理を何とかさせてもらえないかというお話が出たわけなんですが、これはどのような扱いになるのか、お答えをいただきたいと思います。
#133
○副大臣(筒井信隆君) 先ほど申し上げましたように、警戒地域と同じように一か月過ぎてからは立入り原則禁止の地域になるわけでございますから、農地の管理、水の管理等はできないところとなりますので、その対象外になるかと思います。しかし、それらによる損害は、先ほども強調しましたように、全て損害賠償の対象として補償されるものと考えております。
#134
○渡辺孝男君 これから放射線の値がどういうふうになってくるか分からないわけでありますけれども、それが少しでも減ってきて、土壌等の値が少なくなってきて、これならば本当に大事なときに水田の管理、一日ないし半日ないし、間を置いて行けるというようなことが科学的に明らかになってくれば、そういう水田の維持管理等について農作業が一時的に入ってできるというようなことも是非とも、もう駄目だと言うんじゃなくて、そこはよくデータを基に考慮していただいて、農家の皆さんの思い、やはり自分の、長年掛けて水田を作って、米を作ってきたと、これが手を掛けられないというのは大変つらい思いがあるわけで、そこはきちんと検討していただきたいと思いますが、もし御返事あれば。
#135
○副大臣(筒井信隆君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。出荷停止指示が解除されたのと同じように、そういうことを強く望んでおります。ただ、そのためには地域指定自体の変更が前提になるかと思います。
#136
○渡辺孝男君 もう一つ、今度は漁業関係、漁港関係の復旧に関して質問をさせていただきたいと思います。
 去る五月六日、七日と岩手県の三陸沿岸の被災地を訪れまして、沿岸の漁業者がこの大震災を乗り越えて、徐々にではありますけれども漁業再開に向けて立ち上がっている姿というものも見させていただきました。そのような中で、小型の漁船をこれから、台風が来たり、しけが起こることもあるわけですが、そういう小型の漁船を購入したり、また残っているものを使うというようなこともあるわけですが、この小型の漁船をしけから守るための防波堤の復旧を急いでほしいと、そういう要望をいただいたわけでありますが、この点に関してどのような予算あるいは事業の展開をしていくのか、大臣、もしお答えいただければこの点をお聞きしたいと思います。
#137
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の大震災によりまして、北海道から千葉までということでございますけれども、太平洋側の沿岸部の三百十九の漁港が被害を受けたと、こういうことでございます。このような被害を受けた漁港の防波堤等の復旧については災害復旧事業によるところの対応が可能でございますので、漁業の再開等を図る上で特に緊急対応を要する場合に、災害復旧事業の査定前に着工できる応急工事をフルに活用してまいりました。
 そして、今回のこの補正予算におきましては、漁港関係の災害復旧事業として約二百五十億計上いたしたところでございまして、今後とも、漁港の復旧ということにつきましては農林水産省挙げて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
#138
○渡辺孝男君 また、やはり漁港周辺の地盤沈下もひどいということで、これから魚市場等々、施設を復旧する、あるいは養殖の作業の作業所等を造っていくという場合にも、大変地盤沈下で海水をかぶってしまうということであればなかなか次のステップに移れないということもありますので、この地盤沈下対策というものをどう進めていって漁業の復興につなげていくのかと、この点をお伺いをしたいと思います。
#139
○副大臣(筒井信隆君) 地域によっては七十センチ、六十センチ、結構多くの広い範囲で地盤沈下がされております。今度の一次補正でも、中核的な漁港の施設に関しましてその地盤のかさ上げ等々を図るための予算、五十五億円だったと思いますが、それを付けております。そして、その中核的な漁港等における施設以外のものについても、今後更に漁業者の皆さん等々と協議をしながらそのかさ上げ等について検討していきたいというふうに考えております。
#140
○渡辺孝男君 次のテーマの方に入っていきたいと思いますけれども、子ども農山漁村交流プロジェクトでありますけれども、これが震災前には東北あるいは北海道あるいは全国で行われる予定になっております。また、グリーンツーリズム等も当然ながら行われていく予定になっていたわけでありますけれども、これまでの東北六県あるいは北海道、今回被災を受けた地域があるわけでありますが、その子ども農山漁村交流プロジェクトの昨年の実績について農林水産省にお伺いをしたいと思います。
#141
○大臣政務官(田名部匡代君) この事業は農水、総務、文科の三省で行っている事業でありますけれども、平成二十年度から二十二年までの二年間、全国で百十五地域の受入れモデル地域を整備してきたところでありまして、そのうち東北六県では二十八地域、北海道では五地域となっています。
#142
○渡辺孝男君 本来ならば、本年度の申請を受け付けて、また本年度もその事業を展開するわけですが、三月十日に締切りであったはずなんですが、この大震災が起こりましたので、一度締切りを延長して見直しをしたということでありますが、平成二十三年度の本事業の採択がなされたというようなお話もありますので、その結果、全国ではどのような数のプロジェクトが進められるのか。
 東北六県、北海道では風評被害等で少なくなってしまうんではないかという心配がありまして、逆にこういうときだからこそ受入れがオーケーというところはしっかり受け入れていただいて、東北、北海道を見ていただいて、安全、安心の食料の提供、また食料基地として東北、北海道が本当に全国に貢献をしているという姿も見ていただいて復興にエールを送っていただきたいという思いもありまして、この本年度の事業がどのように進められるのか、農水省にお伺いをしたいと思います。
#143
○大臣政務官(田名部匡代君) 済みません、まず初めに、先ほどの実施状況、私二年間と言ったんですが、三年間でありますので、訂正をさせていただきたいと思います。
 先生が御指摘のとおり、やはり東北にエールを送る意味でも、またたくさんの人が訪れてくださることによって地域の活力になっていくだろうということも考えれば、是非ともしっかりと私たちも支援をしていきたいと考えておりますが、今年この応募について二十一の地域が選定をされました。うち東北六県では三地域、また北海道では一地域が選定されたところであります。
 ただ、選定された方々でありますけれども、これは震災前の状況で応募したということもありまして、被害を受けなかった地域もまた受けた地域もありますので、被害を受けられた方々、その地域に関しては、これからしっかりと地域の状況ということも把握をしながら、その要望をよくお聞きした上で、今後どういう計画がいいのか、こういったこともしっかりきめ細やかに検討してまいりたいと思っておりますし、先生がお話しされましたように、できるだけそういう意欲のある地域に対して受け入れていただけるその体制をつくるために私たちも全力で取り組んでいきたいと考えています。
#144
○渡辺孝男君 この事業は、文部科学省そしてまた総務省もかかわっておるわけでありますけれども、また農林水産省も予算を付けてやっているわけでありますけれども、やはり食育という面でも非常に大事な事業だと思っております。そういう意味で、農水省、そしてまた文部科学省、総務省の本年度の予算等につきまして、またこういうときだからこそ一生懸命推進をするんだという決意をお伺いをしたいと思います。
#145
○国務大臣(鹿野道彦君) 渡辺先生おっしゃるとおりに、子ども農山漁村交流プロジェクトという事業は大変重要な有意義なものだと、こういうふうに認識をいたしておりまして、平成二十三年度におきましては、このプロジェクトを始めとするところの都市農村交流事業というものを大くくりした形で食と地域の交流促進対策交付金というものを創設いたしまして、十七億円予算を計上いたしておるところでございます。子ども交流プロジェクトにつきましても、この交付金を活用していただいて、受入れ地域の体制整備を引き続き支援をしてまいりたいと、こんなふうに思っております。
 なお、今回の東日本の大震災後の各地域の事情等もお聞きをしながら、地域の応援にもつながる取組でもございますので、これをどういう形で後押しをしていったらいいかも含めて、努めてまいりたいと思っております。
#146
○政府参考人(徳久治彦君) 文部科学省は、このプロジェクトにつきましては、三泊四日以上の宿泊を伴う自然体験活動等を行う小学校の施設利用に関しまする経費等に対する補助を行っているところでございまして、平成二十三年度予算におきましても、全国で二百十二校分の支援経費を盛り込んでいるところでございます。
 現在、文部科学省ではこの事業、プロジェクトの支援対象となる取組を選定をしている、そういう真っ最中でございます。今後、特に被災地域を含む農山漁村におきましてこの事業が今年度も適切に実施をされますよう、風評に基づくというふうなことのなきように適切な情報提供を行うとともに、体験活動の教育効果の一層の周知を図るなどいたしまして、引き続き当該事業の円滑な実施に努めてまいりたいと考えてございます。
#147
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 子ども農山漁村交流プロジェクトにつきましては、農山漁村での様々な体験を通じまして、子供さんたちの生きる力の育成ということとともに、都市と農山漁村の交流、これを創出することによりまして、農山漁村地域の再生、活性化、こういうことに大きく寄与する事業だというふうに考えております。
 このプロジェクトは三省庁で連携して推進しているものでございますけれども、総務省といたしましては、このうち地方単独事業として実施いたします地方自治体の事業に対しまして特別交付税による支援というのを行っているところでございます。したがいまして、特別交付税が中心でございますので、二十三年度の国費予算としては三百六十万円余りでございますけれども、内容といたしましては、プロジェクトの普及推進のための関係者への説明、意見交換、先進事例の紹介等の経費でございます。それに加えまして、プロジェクトで中心的な役割を担います学校の先生あるいは受入れ団体を対象にいたしました研修なども関係機関と連携しながら予定しているところでございます。
 今回の東日本大震災後におきましても、もちろん受入先との十分な調整が必要だとは考えておりますが、両省庁とも十分連携しながら、できる限り事業が実施されるように引き続き支援してまいりたいと考えております。
#148
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
 風評被害等で事業の予定が失われるというようなことがないように、しっかり連携を取って進めていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#149
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
 今日は厚労省からも来ていただいておりますので、ちょっと通告の順番を変えまして、先ほども質問ありましたが、焼き肉チェーン店の集団食中毒事件の問題を取り上げさせていただきたいと思います。
 御案内のように、今のところ、現時点で亡くなった方が四名、あるいは軽症の方も含めて百人近い方が食中毒になるという、近年まれに見る事件が起きたわけでございます。
 そのうち一番患者さんが、食中毒になられた方が多いのは私の地元の富山で、その大方、九割方がそうなんですが、あの事件が起きたお店は実は私の自宅からもう車で十分ぐらいのところで、私もこれまであのお店でユッケを食べてきた者の一人なんです。安くてそこそこの味のお店でございました。
 実は、あれは四月二十二日に出された肉、ユッケだったと思いますが、あの日は私はこっちにいたので行きませんでしたが、家内と息子が、あのお店にしようか、隣におすし屋さんがあるんですが、迷った末におすし屋さんに入ったのでそういう巻き込まれることはなかったんですが、近所の方、比較的近くにお住まいの方もお二人亡くなられて、また入院されている方もあるということなどで、本当に私、個人的にとっても人ごとではないといいますか、大変な事件が起きたものだと思っているわけであります。
 今、警察の捜査が進められておりますので、原因の究明しっかりやっていただかなきゃならぬと思いますし、病原菌の感染ルートの解明や、あるいはその管理や流通経路に問題がなかったか徹底的な解明が必要だと思っております。
 とにもかくにも、二度と起きてはならない事件、事案だと感じるわけでありますが、そういう意味でも、農水省としても再発防止に最大限な努力をしてもらわなきゃならぬと思っております。
 既に大臣の方から、全国焼肉協会でありますとか食肉流通業団体に、あるいは外食産業などに衛生管理を徹底する注意喚起を呼びかける通知が出されているとはお聞きをしておりますが、このような事件の再発の防止に向けて農水省としてどのように取り組まれるか、大臣にお尋ねをしたいと思います。
#150
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回のこの食中毒事件を、この発生した状況というものを考えたときに、このような事態になったということは誠に遺憾だなというふうな感じでありまして、同時に農林水産省としても、国民生活の食の安全というものを守っていくために万全を期していく、そういう努力をしていかなきゃならないと、こんな思いをいたしているところでございまして、今委員からのお話のとおりに、五月二日の日に関係団体に対しましても衛生管理の徹底を促す通知も出させていただきました。
 今後、厚生労働省でも更なるいろんな具体的な施策というふうなものも検討中であるということもお聞きしておりますけれども、このような状況を受けまして、農林水産省といたしましては、外食事業者や食肉流通業者等の団体に対しまして改めて衛生管理の徹底を促すとともに、店舗において消費者に対しての食肉を食べる場合のことについて、生食でする場合の安全性の問題を含めた正確なる情報というものを提供することを促す、このようなことも含めて昨日この通知を出したところでございます。
 これからも関係団体と連携を密にしながら、食の安全というふうなものをいかにして守っていくことができるかということについてあらゆる努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#151
○柴田巧君 是非、最大限の努力をしていただきたいと思います。
 今回の事件を受けて、私だけではなくて多くの皆さんがそうだと思いますが、今までのいろんな食品衛生の、生食用の食肉の衛生基準のことについて、こうだったのかと驚いた方が圧倒的に多いと思うんですね。
 御案内のように、この生食用食肉の衛生基準というのは、一種のガイドライン、目標として定められて示されてきたにすぎず、法的拘束力がなかったと、ないものだということですね。厚労省によれば、馬肉以外の食肉で衛生基準を満たすものが流通していないということですが、そういった事実でありますとか、衛生基準を満たさない食肉を生で食べた場合には今回みたいなようなことが起き得るというようなことが、実はほとんど知られていないか周知されていなかったということがあると思うんですね。
 しかも、近年、食の嗜好の多様化、あるいは韓流ブームもあったかもしれませんが、生肉を日常的に食べるような今状況になっていて、あるいはグルメブームと言ってもいいかもしれませんが、そういう状況が、実態があったにもかかわらず、厚労省としては、そういったことを、こういうおそれが、危険性がある、あるいは厳格な態度で業界等々に対してこなかったということは大変責任が私は重いのではないかと思っているんですけれども、そこら辺はまず厚労省としてはどのように御認識をされているのか、お尋ねをしたいと思います。
#152
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員から御指摘がありましたように、生食で肉を食べるということについて確かに様々なリスクがあるということは事実であり、実際に関係団体においても生食で肉を食べることについての注意喚起をこれまでもしていたというふうには承知をしていますし、現実的に保健所等でそういった周知のための文書を作っている実態も、私、この事件があってから説明は事務方から受けました。
 ただ、今委員から御指摘のとおり、私自身もそういった注意喚起をしているということを知ったというのはこの事件があって知ったというところもあり、周知がされていなかったのではないかという御意見は、誠にその点について我々も課題として持たなきゃいけないんだろうというふうに思っています。
 ただ、その一方で、厚生労働省としては、これまでも毎年夏には、いわゆる食肉を処理又は販売する施設並びに屠畜場及び食鳥処理場に関する注意喚起、監視、指導を徹底するような夏期一斉取締りというのをやってきているのも事実でありまして、確かに法的に直罰ですぐ取り締まるというような形の生食の基準ではないと言われればそうではありますけれども、しかし、様々な形で注意喚起を行ってきたという事実もまたこれあるということも御理解をいただきたいと思います。
#153
○柴田巧君 今回のこういう事件を受けて、またこれまでの在り方の反省も踏まえて、しっかりこの後どう対応していくかということがより大事だと思っておりますが、大塚副大臣も先ほど答弁をされてはおりましたが、確認の意味も含めてお聞きをしたいと思いますけれども。
 とにもかくにも、この生食用の食肉の基準を満たさない肉がユッケなどで今後提供されないように、あるいはまた馬肉や鳥肉など生食されている他の肉での基準が守られているかどうか、しっかり監視、指導をこれから強化する必要があると思いますし、何よりも、先ほど十月一日云々というようなお話もありましたが、迅速にこの法改正をしっかりやると、生食用の衛生基準を食品衛生法に規定をして、違反した場合の罰則をしっかり定めるということが大事だと思いますけれども、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをしたいと思います。
#154
○大臣政務官(岡本充功君) 今御指摘がありましたように、今回の生食用牛肉を取り扱う食肉処理場及び飲食店における生食用食肉の衛生基準の遵守状況をどう徹底をしていくかということでありますが、緊急監視を今依頼をしているところでありまして、こちらにつきまして、この六月五日までの間にこういった実態を把握をし、そして今後、先ほど御指摘がありました食品衛生法に基づく規格基準を設けていく方向で作業を進めていきたいというふうには考えています。
 現時点においては、少なくとも本日付けで、生食用の食肉を提供する飲食店における生食用の加工を行った施設名の掲示や食肉取引の際の生食用の加工の有無の文書の確認についての指導を依頼しておりますし、また、先ほどお話をしました生食用食肉の衛生基準については、法律の中で、これは食品安全基本法の第二十四条の第一項に基づいて食品安全委員会の意見を聴く必要もあります。これにも一定程度の時間が掛かるということもあり、これにつきましては既に何とか早く行うべきだという声がありますが、大臣の方からも作業を秋ごろまでにはというようなことで御発言もいただいておると承知をしております。
 なお、ほかの肉についてはどうするのかということでありますが、牛肉と並んで馬肉についても今回のこの作業の対象としていくところでありますし、そのほか、鳥肉、豚肉等の生食というのも含め、また、他の肉も生食をしている方もいるのかもしれませんし、そういったところのどこまでというのはなかなか今ここではにわかにお話はできませんが、鳥肉については生食の機会が増えてきており、引き続き、ホームページ等を通じて危険性の周知を行っていくということ、それから規制の在り方についても検討していかないといけないという段階にはあるんだろうと思ってはおりますが、現実的になかなか難しい。また、豚肉については、生食はもうやめていただくということをお願いをするしかないんだろうというふうに思っております。
#155
○柴田巧君 いずれにしても大変な事態が起きたわけで、迅速にその法整備等々も進めていただきたいと思いますし、関係省庁、消費者庁とか、あるいはいろんな、農水省はもちろんですが、関係機関とも連携をしてしっかりやっていただきたいと思います。
 また、よく役所で、団体に通知したから仕事が、しっかりやりましたというようなことがよくありますが、例えば、今度のえびすもこれは焼肉協会に入っていないわけですね。それから、大和屋何とかも食肉卸団体から脱退をしている人たちなわけで、そういった本当に隅々まで、関係業界のところまでしっかりとどう通知を浸透させるかというのもこれからしっかりやっていただかなきゃならぬ問題ではないかと思っておりますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 政務官にはこれで結構でございますので、ありがとうございました。
#156
○委員長(主濱了君) 政務官、どうぞ御退室いただいて結構でございます。
#157
○柴田巧君 それでは、次に移らせていただきたいと思いますが。
 先週の委員会でもちょっと若干質問させていただきましたが、これから放射能汚染された土壌の浄化あるいは改良というものは大きなテーマになってくると思っております。そういう中で、既に報道にも一部ありましたが、ヒマワリや菜種などでまず、放射性物質に汚染されたそういった土壌の浄化をしていきたい、いくんだということでありまして、その作業が近々始まるやにお聞きをしております。
 汚染農地再生に向けての事実上の作業の第一歩に、あるいは営農再開に向けた第一歩になっていくものを願うものでありますけれども、これは具体的にどういうふうにこの試験栽培やっていこうと今のところ考えておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
#158
○副大臣(筒井信隆君) 放射性物質を含んだ土壌を処理するためには、表土を剥ぎ取る物理的手法と、それから何らかの物質に吸着させる化学的な手法と、今先生がおっしゃった、一般に言われるヒマワリ、菜種等を植えてそこで吸収させる生物学的手法といいますか、これら三つが考えられるわけでございますが、いずれも今、それらの実験、研究に取り組むということを検討をしているところでございます。そして、このヒマワリ等あるいは菜種等を植えてその吸収性を、吸収の程度、移転の程度を見る、これは今度の福島のいずれかの地域において実験の農地でやっていきたいというふうに考えて、それを今検討しているところでございます。
#159
○柴田巧君 これから作業が、試験栽培が本格化するということかと思いますが、そのためにも、先般もちょっと若干言及、質問はしませんでしたが言及しましたけれども、放射性物質の汚染も地形によって、風向きによってまだら状態になっていくわけで、いろんな本格的な作業をしていく場合にもそういう土壌汚染のマップというものを作っていくということが極めて重要なことだと思いますが、これは農水省としてもお作りになる予定でしょうか。
#160
○副大臣(筒井信隆君) 今先生がおっしゃった濃度が分かる分布地図あるいはハザードマップ、これは作る、そういう方向で今取り組んでいるところでございます。
#161
○柴田巧君 是非そのマップを基に、より効果的な方法でこの土壌の改良、浄化を進めていただきたいと思います。
 後々問題になってきますのは、その放射性物質を吸収した例えばヒマワリや菜種、じゃ、こういったものを最終的にどう処分するのか、あるいはその土壌も含めてどういったところに汚染されたものを保管するのか。場合によってはコンクリートで密閉したようなものも用意しなきゃならぬのかとは思いますが、そういった保管場所、処理方法というものもしっかり今から詰めたり準備をしておかなきゃならぬのではないかと思いますが、その点はどのようにお考えになっておられるでしょうか。
#162
○副大臣(筒井信隆君) これも先生のおっしゃるとおりでございまして、ただ、それは今既に出荷制限を受けた野菜等々でもそれらの問題が、同じ問題が起こっているわけでございまして、原子力安全委員会等の意見、助言を聞きながら各大学等とも連携をして、農水省の技術会議を含めて、その検討を始めているところでございます。
 そして、その処理する大前提としては、分量を、体積を少なくさせることがどうしても必要でございますから、その体積を少なくするために、焼却をして少なくするのかも含めて、今その検討も開始しているところでございます。
#163
○柴田巧君 是非そういったことも頭に入れていただいて作業を進めていただきたいと思います。
 あと残り少なくなってしまいましたが、小水力発電の問題についてちょっと最後にお聞きをしたいと思います。
 原発事故を受けてこれから再生可能エネルギーに対する期待、関心が高まっていく中、この小水力発電、農業水利施設、農業用水などを活用して非常にこれから期待されるものではないかと思います。
 流量と落差があれば発電できる、設置時にもあるいは発電時にもCO2をほとんど発生しないと、また既存の社会資本ストックを十分活用できるということなどから、しっかりこれは取り組んでいくべきものだと思いますが、いろいろ課題、難関もあるのも事実で、まず一つは、今日は幾つかあったんですが、ちょっとまず一つだけこれをお聞きをしたいと思いますが、今はいわゆる一連の土地改良区のところしか要するに売電できないということになるわけですけれども、推進をしていくためには、当該の土地改良区が管理する農業水利施設の維持管理費の負担軽減、全体的な負担軽減になるような、そういう売電の充当範囲を広げるということがまず大事なのではないかと思いますが、この点はどのようにお考えになっているでしょうか。
#164
○副大臣(筒井信隆君) 小水力発電、農業用水を活用、利用した小水力発電、まさに農村の地域の資源を活用して再生可能エネルギーをつくり上げるわけでございますから、農村の発展のためにも、また地球温暖化対策のためにも極めて重要な重点的な課題だと位置付けるべきだと私も考えております。しかも今、固定価格買取り制度が、経産省の方からでございますが、国会に法案が提出されている段階でございますから、それが実施に移された段階では更にまた広範に広がっていく根拠もできるところでございます。
 そして、今先生の言われました点でございますが、今までは土地改良区が設置した発電施設の維持管理のために使うならばいいというふうに以前はなっていたわけでございますが、今は水路の管理とか頭首工の管理とか、それらも含めての費用等に使ってもいいというふうに広がっているわけでございまして、ただ、先生の今おっしゃる趣旨が土地改良事業のいろんなものに使うならば全てそれは認めるべきではないかという趣旨であるならば私も賛成でございまして、その方向で検討をしていくべきだというふうに考えております。
#165
○委員長(主濱了君) 時間が来ているので、おまとめください。
#166
○柴田巧君 はい。
 最後に、今の答弁もありましたが、是非これ農水省としても、この機会に大きく推進をしていただきたいと思います。
 最後に、大臣の決意を聞かせていただいて終わりにしたいと思います。
#167
○委員長(主濱了君) 簡潔にお願いいたします。
#168
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、柴田先生御指摘をいただきましたことは本当に重要なことでございまして、何としても今後の低炭素社会を実現する、あるいはまた農業、農村の六次産業化というものを定着させると、こういうふうな意味におきまして、この小水力の発電の導入というものを積極的に推進していくために、農林水産省としてもいろいろな面から各関係省庁とも連携を取りながら努力をしてまいりたいと思っております。
#169
○柴田巧君 どうもありがとうございました。
#170
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、東日本大震災での漁業被害の問題で質問をしたいと思います。
 それで、先日、当委員会で調査に入りました宮城県の女川町で、帰り際に、漁業というのは裾野が広いんだと、そのことを非常に強くお話をされていました。そのことをやっぱり認識してほしいと。魚が揚がったとしてもどうやって冷やすのか、製氷の施設や冷蔵、加工業がなきゃいけない、それから魚市場、加工業者、輸送の業者などが、そういう流れがつくられてこそ復興なんだということが何度も話をされて、これはこの委員会でも皆さん共通の認識になっているというふうに思うんですけれども、それで本当にそのとおりだというふうに思ったわけですが、そこでやっぱり急がれるところからちょっと質問をしたいと思うんですが、海の瓦れきの撤去、それから船の確保というのはやっぱりもう最優先というか急がれるわけですけど、まずその瓦れきの撤去についてです。
 女川町では、私たち行ったのは四月二十六日だったと思いますけれども、そのときに町長さんが、浜の瓦れきの方はまとめつつあるけれども、漁場の方は全く手が付いていなくて、復興の一番のネックになっているというお話でした。今はもうちょっと進んでいるのかもしれませんけれども。
 環境省は、東日本大震災で、家屋の瓦れきなどの廃棄物の量というのが大体二千万トンを超えるというふうに推計しているわけですね。瓦れき撤去は、撤去してその後焼却をするということなんですけれども、瓦れきの処理が最終的にこれ終わるのにどれぐらいを見込んでいるのかということをお聞きします。
#171
○政府参考人(伊藤哲夫君) 瓦れきの処理、どれくらい掛かるかということでございます。
 阪神・淡路大震災では、災害廃棄物の処理におおむね三年を要したところでございます。今回の震災においては、非常に阪神・淡路以上の瓦れきが生じているわけでございますが、例えば宮城県の災害廃棄物処理基本方針においては、おおむね三年以内に処理を終了することという目標を立てております。また、岩手県におきましては、岩手県における震災により発生した災害廃棄物処理の基本的考え方において、処理完了に要する期間についておおむね三年から五年を目標としているところでございます。
 このような処理が実現できるよう、環境省としても最大限の努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#172
○紙智子君 漁港内、それから漁場というのは、津波の引き波でもう相当の陸上からの瓦れきが流れ込んでいるわけですが、その上、大量の砂もたまっているということです。海の中の瓦れきの処理というのは、これはどれぐらい掛かるのかということについて、環境省と水産庁にお聞きしたいと思います。
#173
○政府参考人(伊藤哲夫君) 海の中の瓦れきの撤去も非常に重要な課題であるわけでございます。
 この海の瓦れきにつきましては、処理に関係する者がそれぞれ積極的に取り組んでいくということが重要であるというふうに考えております。環境省では、海域の瓦れきの処理について市町村が自ら行う必要があると認めた場合、市町村の災害廃棄物処理事業として実施できることとしているところでございます。海域の瓦れきにつきましては、被災地域によってその存在状況が大きく異なっており、処理の見通しについても異なっているものと考えられますが、環境省といたしましては、海域の瓦れき処理が円滑かつ迅速に進むよう、関係省庁と連携して最大限取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#174
○大臣政務官(田名部匡代君) この瓦れきの撤去についても、できるだけ見通しをお示しすることができれば漁業者の皆さんのまた新たな希望につながっていくのかなと思っているところなんですが、なかなか現段階で見通しを示すことは難しい状況にあります。
 例えば漁港であれば、査定前の工事の着工をしながら、できるだけ早く瓦れきの撤去をする、また瓦れきの撤去をすることに対する支援をしていく、こういうことを現段階でしているわけですけれども、海の中の瓦れきということになりますと、まさにこれは早くその瓦れき撤去をしなければ、船が出たときに、例えば底引き網であれば海底のものに引っかかって二次災害が起こり得る可能性もあるわけですので、何とか早くしたいと思いながらも、現在はダイバーであるとかソナーを使った海底の調査を含め、少しずつその瓦れきの除去をしているところであります。
 早急に進めたいというその作業の急がれる部分と、また様々な理由から慎重に行っていかなければならないという部分と両者あるわけですけれども、今先生、(発言する者あり)いや、それは今日の新聞にも載っておりましたが、多くの御遺体がまだ海底の中に残っていると、車ごと津波の被害に遭われたわけですので。そういう意味では慎重に行っていかなきゃいけない部分というものは現実にあるわけですので、そういうことも御理解いただきながら、少しでも早く漁業が再開できるようにまた全力で取り組んでまいりたいと、そのように考えています。
#175
○紙智子君 環境省にお聞きしますけれども、地方自治体に対して四月三十日に、災害廃棄物の処理の促進についてということでの依頼文書を出しているわけです。生活環境に支障が生じる災害廃棄物については、今年の八月末を目途に生活環境に支障のない場所に移動すべく格段の御配慮をという文書ですよね。これは、漁業などの生産活動も含まれるんでしょうか。
#176
○政府参考人(伊藤哲夫君) ほとんどの市町村で瓦れきの仮置場への搬入が進んでおり、今後それを加速化していく必要があるわけでございますけれども、環境省といたしましては、とりわけ避難所や住宅地の近くにある瓦れきの撤去をし、生活環境上支障が生じないと、こういうふうなことにしていくことが重要だと考えており、今先生御指摘のように、このような撤去が急がれる瓦れきについては、八月末を目途に仮置場や中間処理施設に移動するよう関係地方公共団体に依頼をしたところでございます。
 このため、生産活動に影響する瓦れき全てを対象ということにしているわけではないということでございます。
#177
○紙智子君 それで、大臣にお聞きしますけれども、漁港や漁場の海の中の瓦れきもこれ生産活動に支障がない場所に移動させるという見通しですね、これについて示すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#178
○国務大臣(鹿野道彦君) 漁船の航行なり、あるいは係留なり、漁業活動に重大な支障を及ぼす漁港なり漁場の瓦れき処理というものは、当然のことながら急がなければならないと思っております。
 このために、査定前に着工できる応急工事も活用して航路等の対策も実施をいたしておるところでございまして、この度の補正におきましても漁場復旧対策支援事業というふうなものを計上させていただきまして、いろいろ瓦れき等を漁業者やあるいは専門業者の方が回収、処理する取組も支援をいたしておるところでございます。
 このような事業というものを最大限活用して、早急に漁港なり漁場の瓦れき等の回収、処理というものを進めていかなければならないと思っているところでございます。
#179
○紙智子君 漁業者の皆さんは、養殖の収穫は一年から四年ぐらいだって言っていますよね。だから、ワカメは八月にやると来年収穫できると。それから、ウニなんかは六月に間に合わせたいということもあるわけですよね。ですから、そういう本当にやりたいという思いがある中で、やっぱりそれを勇気付けるメッセージを出していくべきだというふうに思います。
 それから、漁船の確保の問題について質問したいんですけれども、今回の漁船の被害というのは二万隻を超えているということですよね。私、以前、五トン未満の共同利用小型漁船の建造事業等、これの枠を超えた支援、再建を求めたわけですけれども、今回新たに共同利用漁船等復旧支援対策事業ということがやられることになったと。これは歓迎します。
 この事業のまず補助率、それから要件、例えば漁船数ですとか、あるいは地域などの中身について説明をできるだけ簡潔にお願いします。
#180
○副大臣(筒井信隆君) 県が三分の一以上、国が三分の一の支援をする、そして五トン以上のものについても対象にするという事業を今度設定をしたわけでございます。
#181
○紙智子君 これは、中古船を確保するということでも可能になるんでしょうか。
#182
○副大臣(筒井信隆君) 中古船の場合も対象にいたします。
#183
○紙智子君 この被災した船ですね、これ修理、修繕するためには、被害状況を調査をして、それで使えるならば引き揚げるというようなことがやらなきゃいけないんですけれども、このときに現況調査したり、あるいはその引揚げ費用の支援はないというふうに聞いているんですけれども、今後支援すべきではないでしょうか。
#184
○副大臣(筒井信隆君) それらを含めて、今の制度の対象になっていないものについては今後検討をさせていただきたいと思います。
#185
○紙智子君 この事業は、漁協の負担が三分の一なんですよね。それで、漁協は債務超過で経営大変という、非常に、存続できないというような事態のところもあるわけで、踏み込んでやっぱり支援してほしいと。今、検討されると言いましたんで、是非そのことをお願いをしたいと思います。その点、もう一言いかがですか。
#186
○副大臣(筒井信隆君) 今、漁業公社といいますか、漁業の国有化的な意見さえも復興会議で出ているところでございまして、漁業を復興させることが最大の課題で、そのために必要なことは全て検討対象として取り組んでいきたいというふうに考えております。
#187
○紙智子君 次に、養殖の施設についてなんですけれども、今回の被害で財産をなくして、借金を抱えて、まさにマイナスからのスタートになるということで、漁業を続けるかどうかということを非常に迷っている漁師の方も多いわけですよね。やっぱり出てくる声というのは、せめてゼロからのスタートをと。だから、マイナスからじゃなくて、せめてゼロからのスタートをという要望が寄せられているわけです。
 そこで、養殖施設の災害復旧の事業についてなんですけれども、災害復旧事業の基準が、残存価値でいいますと、今の施設の借金を返しながら更にその借金を抱えるということになるので、もっと、新たな借金をしなくてもいいようなことを考えるべきじゃないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#188
○国務大臣(鹿野道彦君) 先生からは本当に難しい問題提起をいただきました。
 今回も、この養殖の施設の復旧事業について、できるだけ漁業者の方の負担を軽減しなきゃならないと、こういうようなことで取り組んだところでございまして、魚類の養殖施設あるいは貝類の養殖施設、あるいはその他のいろんな養殖施設についても幅広くこの対象にして、そして、災害復旧事業の補助率も、今回はもう経費の九割まで負担をすると、こういうようなこともいたしたところでございます。
 この今般の養殖施設の復旧事業に当たって、残存価格の明確に判明しない施設については、これを購入価格の二分の一とみなして、特に壊滅的な被害を受けた岩手県、宮城県及び福島県の三県については四分の三とみなすと、ここまで思い切ったかさ上げもさせていただいたところでございます。そういう意味で、このようなことでひとつ取り組んでいただければなと、こんなふうに考えておるところでございます。
#189
○紙智子君 難しいことに対してという話があったんですけど、ただやっぱり、今十分の九まではということですよね。実際に三陸の漁業者の皆さんの状況を聞きますと、去年チリ地震があったわけで、その津波の影響もあったわけですよね。それで、そのときには養殖の被害額が、養殖関係だけでいうと二十五億円の被害額なんですよ。これに対して実際に交付されたのはどれだけかというと、大体五億円に満たないぐらいなんですよね。だから大体二十億ぐらいのところは漁業者やあるいは漁協や、こういうところが負担をしてきたということでもあるわけです。
 ですから、非常にそういう状態の中で何とかしたいという気持ちがあるわけですから、そこはやっぱり本当に国が全額見るぐらいのそういう気持ちで、腹構えでやっていただきたいなと思うんですけれども、大臣、もう一度いかがでしょうか。
#190
○国務大臣(鹿野道彦君) 先生からの御指摘のことにつきましては、思いはここに並んでおる我々も同じでございますけれども、今回のとらせていただいた措置というのは相当思い切った措置のかさ上げだと、こういうこともございますので、まずこの今回の予算措置等々も含めてのこういう対応について生かして、活用していただきながら、今後、地域におけるところの方々がこれからの復興構想に向けてどういう御要請、御要望というふうなものがあるかということも全体的な取組の中で考えていかなきゃならないということもあり得ることでございますので、そういう中で私どもも取り組んでいきたいと思っております。
#191
○紙智子君 この間、私たちの党も何班にも分かれて現地に入って、聞く声というのはやっぱり共通して、ここの思いというのは本当に何度も何度も出されていることなんですね。ですから、是非引き続きそういうことで検討、努力していただきたいというように思います。
 それから、加えてなんですけれども、水の環境の問題、海の環境の問題ですけれども、養殖施設の環境が、やっぱりいろんなものが入っていますから相当悪化しているんじゃないかと。養殖を再開するに当たっても環境の調査というのはこれは必要だと思うわけですけれども、これは第一次補正の中に環境調査は含まれているでしょうか。
#192
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の津波によりまして養殖漁業への被害が本当に甚大な中におきまして、その再建については浮遊物や水質等の、今先生からお話のありました養殖漁場環境の悪化というものについては懸念をいたしているところでございまして、被災県が養殖漁場環境の調査を行うに当たりましては、国といたしましても県の試験研究機関と独立行政法人の水産総合研究センターの協力が円滑に行われるように連携強化を図ってまいりたいと、こんなふうに考えておるところでございます。
#193
○紙智子君 今、被災県とそれから独立行政法人という連携というお話あったんですけれども、やっぱり是非国の責任でやっていただきたいと、やるべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#194
○国務大臣(鹿野道彦君) 関係県との調整というものを図りながら、独立行政法人の水産総合研究センターの北光丸によりまして、水温や塩分あるいは油分等々の漁場環境調査を実施したのが四月の十四日から二十六日までであります。そして、このような中で、国といたしましても五月の十三日に関係県及び水産総合研究センターとの意見交換会の機会を、実施を予定しておるところでございまして、このような中で自主的な調査というふうなものについてしっかりとした実施をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#195
○紙智子君 海の中の瓦れきを撤去した後、養殖を始めるに当たって施設の環境を、その基準というんですかね、そういう基準というのはどういうふうになっているでしょうか。ありますでしょうか。
#196
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生が申された持続的な養殖生産の確保を図るための基本方針ということにおきましても、養殖漁場におけるところの漁場環境改善のための目標というものを定めているところでございまして、また、水産庁からの要請によりまして、日本水産資源保護協会が、水産資源保護の観点から水域が保つべき水産用水基準を策定しておりまして、基本方針で定めていない項目については、この基準を参考にいたしているところでございます。
#197
○紙智子君 是非、安心して養殖を再開できるように、安全な水産物を供給するためにも、関係者や専門家の意見をよく聞いてというか、よく意思疎通をしながらそうした環境基準を作るということも是非御検討いただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#198
○委員長(主濱了君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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