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2011/04/28 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第13号
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2011/04/28 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第13号

#1
第177回国会 本会議 第13号
平成二十三年四月二十八日(木曜日)
   午後七時十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十三号
  平成二十三年四月二十八日
   午後六時三十分開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、株式会社国際協力銀行法案(内閣提出、衆
  議院送付)
 一、地域主権改革の推進を図るための関係法律
  の整備に関する法律案(第百七十四回国会内
  閣提出、第百七十七回国会衆議院送付)
 一、国と地方の協議の場に関する法律案(第百
  七十四回国会内閣提出、第百七十七回国会衆
  議院送付)
 一、地方自治法の一部を改正する法律案(第百
  七十四回国会内閣提出、第百七十七回国会衆
  議院送付)
 一、東日本大震災による被害を受けた公共土木
  施設の災害復旧事業等に係る工事の国等によ
  る代行に関する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、東日本大震災により甚大な被害を受けた市
  街地における建築制限の特例に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件を議題といたします。
 財務大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。財務大臣野田佳彦君。
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(野田佳彦君) 今般、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災に対応し必要な財政措置を講ずるため、平成二十三年度補正予算を提出することといたしました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 三月十一日に発生した東日本大震災は甚大な被害をもたらしました。この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。さらに、救助・救援活動や復旧活動にかかわる官民の関係者やボランティアなど多くの方々の尽力に敬意を表しますとともに、国際社会から寄せられている温かな支援に感謝を申し上げます。
 政府としては、今日に至るまで、人命救助や安全な避難に取り組むほか、被災された方々の生活に必要不可欠な水や食料、燃料等の確保、被災地域の応急復旧などに全力を挙げてまいりました。今後、電気、ガス、水道といったライフラインの復旧を急ぎ、さらに災害廃棄物の撤去や仮設住宅の建設を進めるなど、引き続き被災地域の復旧・復興のため全力を挙げてまいります。
 また、原子力発電所事故は依然として予断を許さない状況が続いております。被害の拡大を防ぎつつ、一日も早く安定した状態を実現すべく、万全の対策を講じていくこととしております。
 今国会に提出をいたしました平成二十三年度補正予算の大要について御説明申し上げます。
 今回の一般会計補正予算につきましては、東日本大震災からの早期復旧に向け、年度内に必要と見込まれる経費を計上しております。また、財源については、追加の公債を発行せず、歳出の見直し等により確保しております。
 まず、歳出面において、東日本大震災関係経費として四兆百五十三億円を計上し、その内訳は、災害救助等関係経費四千八百二十九億円、災害廃棄物処理事業費三千五百十九億円、災害対応公共事業関係費一兆二千十九億円、施設費災害復旧費等四千百六十億円、災害関連融資関係経費六千四百七億円、地方交付税交付金千二百億円、その他八千十八億円となっております。
 これらの東日本大震災関係の歳出を賄うため、三兆七千億円余の歳出の減額を行うこととしており、その内訳は、子ども手当の減額二千八十三億円、高速道路の原則無料化社会実験の一時凍結に伴う道路交通円滑化推進費の減額千億円、基礎年金国庫負担の年金特別会計への繰入れの減額等二兆四千八百九十七億円、周辺地域整備資金の活用に伴うエネルギー対策特別会計への繰入れの減額五百億円、政府開発援助等の減額五百一億円、議員歳費の減額二十二億円、経済危機対応・地域活性化予備費の減額八千百億円となっております。
 なお、平成二十三年度の基礎年金国庫負担割合については、二分の一であることを法律上明記しつつ、二分の一との差額は、税制抜本改革により確保される財源を活用して、年金財政に繰り入れることを併せて法制化することとしております。
 また、歳入面においては、高速道路の料金割引の見直しに伴う独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構からの納付金二千五百億円等、税外収入三千五十一億円を計上しております。
 これらの結果、平成二十三年度の一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対し歳入歳出とも三千五十一億円増加し、九十二兆七千百六十七億円となっております。
 関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、被災事業者の経営安定や災害復旧等のための資金需要に対応するため、この補正予算において四兆三千二百二十億円を追加することとしております。
 以上、平成二十三年度補正予算の大要について御説明いたしました。
 被災地域の一刻も早い復旧のため、何とぞ、関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(西岡武夫君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。塚田一郎君。
   〔塚田一郎君登壇、拍手〕
#6
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。
 私は、ただいま議題となりました政府提出の補正予算案に関し、自由民主党を代表して、菅総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず初めに、今回の東日本大震災によってお亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。また、被災地の救援活動や原発事故の収拾に向けて日夜献身的な努力をされている自衛隊、警察、消防を始め関係の皆様の御尽力に対し、心から敬意を表し、厚く御礼を申し上げます。
 東日本全域では今なお余震が続き、多くの被災地はいまだ復旧・復興の明確な見通しも立っておりません。また、福島第一原発の事故に伴い、原発への不安や風評被害なども広がりを見せています。
 そんな中、昨日、天皇皇后両陛下は宮城県に入られました。南三陸町などを視察され、高台にある校庭に立ち、瓦れきの山と化した市街地跡に向かって深く黙礼される両陛下のお姿に国民は深い感銘を受けました。
 今こそ、この国難に対し、我々国政に携わる者が、被災した町や企業、農林水産業が活力を取り戻し再び人々に笑顔が戻るよう、復興のために総力を結集することが求められています。
 我々自民党は、「復興への道標」と題し、数多くの政策を政府に対し提言してまいりました。今後とも、被災者の支援、被災地の復旧・復興、原発の安定化に向けて全力で取り組むことをお誓いします。
 菅総理、このような国難とも言える状況の中、菅政権の震災への対応はとても評価できるものではありません。原発事故への初期対応などを見ると、事態を更に悪化させているとすら言えます。こうした菅政権の対応について、各種世論調査でも多くの国民が厳しい評価を下しています。また、先般行われた統一地方選挙の結果を見ても、国民は既に、復興のかじ取りを菅政権に委ねることはできない、その意思表示をしていることは明らかです。
 また、海外でも、原発事故への対応に対し、日本への不信や不満が高まっています。特に、放射性物質で汚染された水の海洋への放出を各国への事前連絡もなく突然に行ったことは、周辺諸国から厳しく指弾されています。
 総理は、このような震災や原発事故への対応への国民や海外の厳しい評価をどのように受け止めていますか、御認識を伺います。特に、総理は、原発対応について国民から一定の評価を得ているとおっしゃいましたが、一定の評価とはどのような評価だとお考えなのか、お聞かせください。
 また、直近の民意で、統一地方選挙、愛知六区の補選の結果は、菅政権にノーを突き付けたと判断するのが当然です。御本人にはその自覚はあるのでしょうか。選挙結果について御自身がどのように責任を取るおつもりか、民主党内部でも見放されつつある総理に聞くのは酷かもしれませんが、御認識を伺います。
 さらに、昨日、水谷建設の元社長が、民主党の小沢元代表側からの要求により一億円のやみ献金をしたことを公判で証言しました。小沢元代表は国会で説明責任を果たすべきです。民主党代表として菅総理はどのような対応を取られるのですか、お答えください。
 この補正予算は第一次ということであり、現在の被災地の状況に対して十分とは言わないまでも、緊急に必要な予算はおおむね盛り込まれていると言えます。ただし、今回の補正はあくまで緊急かつ即効性のある対策費を計上したものであり、中長期的な復興計画に基づく予算措置ではありません。今後、第二次補正予算、さらに第三次補正予算が必要になる可能性が高いと考えます。
 中長期的な復興の青写真は、現在、復興構想会議の議論なども踏まえ検討されていることと思いますが、政府としては、中長期的な復興のためにどの程度の予算が必要と考え、いつ第二次補正予算を出すのでしょうか。また、その中で今回の第一次補正予算をどのように位置付けているのでしょうか、併せて財務大臣から御説明をお願いします。
 歳出面ではおおむね評価できる予算ではありますが、歳入面では大きな問題を抱えています。特に、主要な財源として、年金臨時財源を転用する形で約二・五兆円が計上されていることは理解できません。我が党は、年金財源には手を付けるべきでないと主張し、復興再生債を二兆円以上発行して、復興に目的を限って、従来の国債とは区別して管理すべきと提案しています。
 ところが、菅政権はかたくなに、第一次補正予算では国債を発行しないことにこだわっております。第二次補正予算以降、国債発行が不可避と考えるのに、第一次補正予算についてだけ国債発行を拒むことは理解できません。
 国債を発行しないことは総理の固い信念と漏れ聞きますが、実際に、国債を発行しないで本補正予算を組むよう財務大臣に指示をされたのか、お教えください。そもそも、補正予算で国債を発行しないことが被災地の復興にどのようにプラスになるのか、御説明ください。
 公的年金の積立金は現在約百十六兆円ありますが、近年は毎年のように取崩しが行われており、平成二十三年度中にも、高齢化の進展による年金給付額の増大に対処するため、約六・四兆円もの取崩しが不可避であると言われています。今回の措置が追加されれば、今年度中に合計で十兆円近い年金積立金が減少する可能性があり、年金財政が不安定になるリスクが高まります。今後、積立金の取崩しがなし崩し的に行われれば、年金の支払の削減や年金保険料の引上げといった措置が必要になるのではないかと強く懸念します。
 総理、あなたは、税と社会保障の一体改革により年金の財源を確保すると言っていますが、これから景気が一段と冷え込むことが予想される中、このようなやり方で本当に財源確保が可能なのですか。年金臨時財源の転用に関して、その目的、理由を分かりやすく御説明ください。
 また、年金積立金の取崩しが進んでも、今後とも公的年金が安定的に運用できるのか、厚生労働大臣からお答えください。
 我々は、子ども手当、高速道路無料化、高校授業料無償化、農業戸別所得補償のいわゆるばらまき四K政策について、再三再四にわたって撤回を求めてきました。にもかかわらず、この補正予算がこれらの政策の継続を前提として編成されていることは重大な問題です。今日のような危機的な状況にあっても、民主党政権が政策の優先順位を考えず、いまだにばらまき政策に執着する理由が私には全く理解できません。
 総理がばらまき四K政策にいつまでもこだわる理由を被災者の方、そして国民全てに納得できるように御説明をお願いします。
 特に、子ども手当については、真に助けを求める人がいる中で、所得制限もなく裕福な家庭にまで現金を配る根拠が分かりません。厚生労働大臣からしっかりと御説明ください。
 また、子ども手当の法的根拠は九月までのつなぎ法案であり、現状のままでは十月以降は従来の児童手当に戻ることとなり、二十三年度で六千億円が捻出されるはずです。ところが、予算上は、十月以降も子ども手当を継続することが前提となっております。これは、法的根拠のない予算を組んでいるということであり、大きな問題です。このように歳入の算出根拠が明確でない予算を組むようでは、政権与党としての資格は全くなく、国民を愚弄するものと言わざるを得ません。
 総理は、十月以降、子ども手当を継続するつもりか否か、明確にお答えください。継続するのであれば、予算と法律のそごを解消するため、直ちに法案を提出すべきと考えますが、しない理由をお答えください。
 また、今回の補正予算の財源の中で極めて問題なのはODA予算の削減です。
 今回の震災に当たり、世界から多くの支援を受けているにもかかわらず、世界の期待に背を向ける形でODA予算を短絡的に削減すべきでないと、我が党はかねてより主張してまいりました。この補正予算では、国際機関向けの拠出金の一時的な減額等により五百一億円の圧縮を行うこととされています。
 ODA予算の削減による財源確保は、国際社会に対し誤ったメッセージを送ることになり、決して行うべきでないと考えますが、なぜ削減を行うのか、その理由について御説明をお願いします。また、一時的な減額と言いますが、一時的とはいつまでか、具体的にお答えください。
 今回の災害に対する政府の取組体制を見ると、法的根拠が曖昧な本部や会議が多数設置されており、指揮命令系統が乱立しています。そのため、情報が錯綜しており、政府・与党は本来の機能を全く果たせていない状況です。政治主導といいながら、多くの本部や会議に責任をなすりつけ、誰も責任を持った決定をしていない。このような混乱状態では、霞が関の官僚も何をしていいか分からず、右往左往し続けています。本来は、法的根拠のある緊急災害対策本部や原子力災害対策本部を中心に簡素で効率的な組織として、指揮命令系統を明確にして対処すべきです。
 そこで、確認させていただきますが、震災発生からこれまで設置された会議や対策本部は一体幾つあるのか、明確にお答えください。
 また、その中でも特に政府が重要なものと位置付けている復興構想会議と復興実施本部、さらに政府が復興基本法の中で盛り込もうとしている復興対策本部の関係、それぞれの役割に関して国民に分かるように明確に御説明をお願いします。
 福島第一原発の二十キロ圏内が警戒区域で立入禁止になり、いきなり家畜の殺処分が発表されました。家畜の救出や補償の話もなく、いきなりの発表でした。原発立地地域の住民は、当初、食べ物もなく、一日一個のおにぎりを家族四人で分け合って食べたといいます。住むところもない、仕事もない、家族や隣人とも離れ離れの生活を強いられてきました。既に一か月半がたっており、避難者の不安はピークに達し、体力的にも精神的にもぎりぎりの状態です。これら原発事故の被災者は、いつまでこのような状況を続けねばいけないのでしょうか。
 これらの状況は、総理、あなた自身のリーダーシップで解決すべき問題です。総理として、東京電力ばかりに責任を押し付けるのではなく、あなた自身の責任で原発事故を収束させ、いつまでに汚染を取り除き、被災者がいつまでに家に帰れるようにするのか、その見通しと決意をお聞かせ願います。
 総理、この震災対応の最終責任は総理御本人にある、その自覚は本当におありでしょうか。国民への説明は官房長官に任せ、原発対応は東京電力に任せ、復興は各種の本部や会議に責任を押し付けているのではありませんか。あなたが本当に被災地のことを考え、必死で日本を救おうとしているとは到底思えません。
 総理は、避難所の視察の際、被災者の必死の訴えを事もあろうに無視して、立ち去ろうとしました。総理のこの態度こそ、被災者に対する政府の対応、心の通っていない対応を象徴しているのではないでしょうか。
 総理、国民はあなたが我が国のリーダーであることに怒りや失望を感じています。総理、国民は既にあなたを見限っているのです。もう帰るんですかという、あのとき被災者があなたに投げかけた言葉が、総理のみならず我々の胸にも突き刺さります。あなたが立ち去るべきは、避難所ではなく総理官邸です。総理、どうぞ官邸から速やかに御自身の家にお帰りください。
 この補正予算成立後、一日も早く潔く退陣されることを求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(菅直人君) 塚田一郎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、御質問に答える前に、この大震災発生直後から、自由民主党を始め各政党には党首会談や実務者会合などに熱心にお取り組みをいただき、建設的な御提案を賜り、さらに国会審議においても御協力をいただいたことについて、心から感謝を申し上げます。
 さて、政府の震災の対応についての御質問です。
 今回の大震災は、我が国にとって戦後六十五年間経過した中で最も厳しい危機だと、このように考えております。今回の大震災は、地震及び津波への対応ということと、同時に発生した原発事故への対応という二つの正面、二正面作戦を取らざるを得ない形となりました。政府としては、この危機を乗り越えていくために、初動段階からできる限りの迅速性を持って対応してきたところであります。
 御指摘の低レベル汚染水の海洋放出は、より深刻な高レベル放射性物質による海洋汚染の防止のための緊急のやむを得ない措置でありましたが、こうした措置について、近隣諸国を含む関係者により丁寧な説明を行うことが必要であったと思っております。
 今後も、原子力発電所事故の収束に全力を尽くすとともに、被災者支援、復旧・復興に努めてまいる所存であります。
 次に、原発対応への評価に関する質問であります。
 私が一定の評価を得ていると申し上げたのはたしか四月十八日の参議院の予算委員会だったと思いますけれども、それは、例えば自衛隊の活動など、大震災に対する政府全体の対応について国民の皆さんから一定程度の支持をいただいているということを申し上げたところであります。
 いずれにいたしましても、二正面作戦で、もちろん一〇〇%とは申し上げませんけれども、全力を挙げて内閣一丸となって取り組んできたところであります。
 次に、統一地方選挙の選挙結果についての御質問であります。
 統一地方選挙で全体として民主党にとって大変厳しい結果であったことは真摯に受け止めなければならないと考えております。その分析と総括はこれから党の各機関で進めていくことになっておりますが、私自身に対する、あるいは民主党に対する国民の叱咤だと受け止めており、改めて身を引き締めて東日本大震災の復興を始めとする政策遂行に責任を果たしてまいりたいと考えます。
 次に、陸山会に関する訴訟についての御質問がありました。
 陸山会に係る訴訟における証人尋問に関しての御質問をいただきましたが、国会に関することについては国会での御議論としていただきたいと思います。
 なお、国会において御本人から説明があることが望ましいという私自身の考えについては何も変更はしておりませんけれども、既に公判が進行していることには留意をする必要があると考えております。
 次に、補正予算の財源についての御質問にお答えします。
 本日提出をした補正予算の編成に当たっては、国債市場の信認維持の観点を踏まえ、私からも、追加的な国債を発行せず、歳出の見直し等により財源を確保する方向で検討するように指示をいたしました。復旧・復興を強力に進め、日本の再生を図っていくには、我が国の経済財政への内外の信認を確保することが必要であり、復旧・復興と財政健全化を両立させていくことが重要であると考えております。
 年金臨時財源の活用についての質問です。
 今回の補正予算における臨時財源約二・五兆円の活用については、税制抜本改革により確保される財源を活用することにより、長期的な年金財政の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないことが可能であることを踏まえたものであります。基礎年金国庫負担の安定財源の確保を含め、社会保障と税の一体改革については、六月をめどに成案を得るべく精力的に議論を行ってまいります。
 次に、マニフェスト政策の見直しについての御質問をいただきました。
 大震災が発生してから、復旧・復興が今や我が国の最優先課題であることは言うまでもありません。このため、今般の補正予算の編成に当たっては、マニフェスト関連予算も含め、歳出歳入について、子ども手当など様々な努力、工夫を行って捻出をいたしたところであります。
 次に、子ども手当についての御質問をいただきました。
 子ども手当は、社会全体で子供の育ちを支えるために創設しており、必要な施策と考えております。十月以降の制度の在り方については、各党から様々な御意見を、御提案をいただいており、それらを踏まえながら検討した上で必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 ODA予算についての御質問です。
 東日本大震災の当面の復旧のための第一次補正予算の財源捻出に当たり、政府全体の予算を精査した結果、今年度限りの一時的措置としてやむを得ずODA予算を一部削減することといたしました。今般のODA予算削減にかかわらず、我が国の積極的な国際貢献の姿勢は不変であり、既に表明済みのコミットメントは誠実に実現していく決意であります。
 次に、災震対応に関する本部や会議についての御質問です。
 先ほども申し上げましたように、今回の大震災は地震、津波への対応と原発事故への対応という二正面作戦での対応にならざるを得なかったわけでありまして、地震、津波については、法律によって緊急災害対策本部を設け、また原子力事故については、十条、十五条の発動により原子力災害対策本部を設置し、それぞれについて法律に基づいて私が本部長を務め、指揮系統の一元化を図っているところであります。
 それぞれの下に、それぞれの性格に合わせて幾つかのチームをつくっておりますけれども、震災後政府に新たに置かれた閣僚を長とする本部、会議等は合計で八つでありますが、今後も事態の推移に応じて柔軟に体制の在り方について検討してまいりたいと考えております。
 復興構想会議、復興対策本部等についての御質問をいただきました。
 今般の東日本大震災からの復興に当たっては、被災地主体の復興を基本としつつ、単なる復旧ではなく未来に向けた創造的復興を目指していくことが重要であります。このような観点から、我が国の英知を結集し、震災から復興構想について幅広く御議論をいただくため、有識者や被災地の知事の方々から成る東日本大震災復興構想会議を設置いたしました。この会議で六月末をめどに復興の青写真を提言いただき、それを踏まえて被災地域の復興に向けた指針を策定してまいりたいと考えております。
 また、御指摘の復興対策本部といったものについては、現在、復興構想会議の提言を受け止めて、東日本大震災からの復興を具体的に推進する体制の構築に向け鋭意検討を進める、努めているところであり、各方面の御意見も踏まえつつ検討を行い、できるだけ早期に具体的な姿を提案をしてまいりたいと考えております。
 原発事故の被災者の避難や帰宅に関する質問をいただきました。
 四月十七日に東京電力が示した事故の収束に向けた道筋が着実に実現されるよう、政府としても協力して、できるところは一緒になってやってまいっていくところであります。この道筋が着実に実施されれば、六か月から九か月後、原子炉は冷温停止状況となり、放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられることになります。政府としては、それまでの間、モニタリングを継続し、可能な限り広範な除染を進め、避難されている皆様にどの時点で御帰宅が可能か否かをお知らせすることができるように、このステップツーの終わった時点でそういう状況に持っていきたい、このように考えております。
 震災対応の最終責任についての御質問であります。
 先ほど申し上げましたように、法律によってこの大震災に対しては緊急災害対策本部、原発事故に対しては原子力災害対策本部を設け、法律によって私がいずれも本部長となっており、もちろん内閣総理大臣という立場も含め、震災対応の最終責任者は私自身であることは十分に自覚をいたしております。
 今回の未曽有の大震災において、内閣、政府を挙げて懸命に全力で取り組んできておりますけれども、被災者の皆様が今日においても厳しい生活を余儀なくされていることを考えれば、反省すべき点も含めてまだまだ足らない、至らないところは多々あり、仮設住宅や生活支援の推進などを含め、被災者本位、被災地尊重の視点で対策に拍車を掛けねばならないと考え、邁進してまいりたいと思っているところであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(野田佳彦君) 塚田一郎議員から、復興のために必要な予算規模等についての御質問をいただきました。
 復興のための予算については、議員自ら御指摘がございましたとおり、復興構想会議におきまして、現在、中長期的な復興の青写真作りを行っております。未来に向けた創造的復興の事業内容や方向性などを踏まえた上で、今後しっかりと検討していきたいと思います。すなわち、現段階で、どの程度の規模になるのか、あるいはいつ出せるのか、いつ出せるのかは、なるべく早く出したいと思いますが、確定的に今申し上げられる段階ではございません。
 続いて、今回の補正予算の位置付けについての御質問をいただきました。
 復旧・復興に向けて複数回の補正予算を編成することになると考えておりますが、本日提出した補正予算は、震災からの早期復旧に向け、年度内に必要と見込まれる経費を計上したものでございます。被災地域、東北地方、日本再生のための初めの一歩となるように是非したいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(細川律夫君) 塚田議員にお答えをいたします。
 公的年金の財政運営についてお尋ねがありました。
 年金積立金につきましては、近年取崩しが進んでいるところは議員御指摘のとおりでありますが、これは年金法に基づいて平成二十一年に作成いたしました長期的な年金財政の見通しに沿ったものであります。また、今回の震災への対応は大きな財源を必要とするため、国を挙げて取り組んでいくべき課題であります。このため、今回の補正予算において震災対応の財源として基礎年金国庫負担分の二・五兆円を充てることといたしましたが、これについては、税制抜本改革により確保される財源を活用して、できるだけ早く年金財政に繰り入れることといたしております。したがって、年金財政の長期的な安定を確保することは十分可能であると考えております。
 次に、子ども手当について所得制限を設けない理由についてお尋ねがありました。
 子ども手当は、社会全体で一人一人の子供の育ちを支援するという観点から、家計の収入の状況にかかわらず支給をすることとしたところでございます。また、子ども手当の創設と併せて、十五歳以下の扶養親族に適用される年少扶養控除を廃止をいたしましたが、これは高所得者にとっては有利な所得控除、そして低所得者に有利な手当に切り替えるという、控除から手当への考え方に沿って実施をするものでございます。このため、仮に所得制限を設けた場合は、高所得者は子ども手当が支給されないにもかかわらず、扶養控除の廃止により増税となることも留意をすることがあります。
 なお、子ども手当の今後の在り方につきましては、各党から様々な意見、御提案が出されており、早急に与野党間で今後の子ども手当をめぐる制度の枠組みについて議論をし、合意をする必要があると考えております。今後の制度の在り方につきましては、それらも踏まえて検討をしてまいります。
 以上です。(拍手)
#10
○議長(西岡武夫君) しばらくお待ちください。──ただいま議院運営委員会の理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
    ─────────────
#11
○議長(西岡武夫君) 荒木清寛君。
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
#12
○荒木清寛君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました野田財務大臣の財政演説に対する質疑を行います。
 まず、東日本大震災の犠牲者の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 行方不明者とその御家族、約十三万人の避難所生活を余儀なくされている方々、これから故郷を離れ計画避難をしなければならない方々などの心情を思うに、政府の対応は余りに遅い。あらゆる対策が後手の連続で、総理が陣頭指揮をして国民の生命と財産を守っているとは到底言えません。
 国民は、そのような総理に、統一地方選挙で事実上の不信任を突き付けました。国民の声を真摯に受け止めるべきではないですか。論語に、過ちて改めざる、これを過ちというとあります。国民からの不信任を真摯に受け止めよと冒頭に申し上げ、具体的な質疑に入ります。
 第一に指摘するのは、震災から四十九日に当たる本日、補正予算をようやく提出したのは遅過ぎるということです。補正予算の成立が一日遅れれば、被災者の生活再建、復旧・復興はそれだけ遅れます。被災者の苦しみ、痛みを、菅総理、分かっておられますか。
 そして、いまだに避難所生活や当座の生活資金などについてたださなければならないのは情けない限りです。仮設住宅の入居について総理は、お盆までにはという見通しを示されていますが、あと四か月、梅雨の時期、猛暑の時期を体育館で過ごせというのですか。民有地の活用などを含め、あらゆる方策を駆使してスピードを上げるべきです。菅総理の見解を求めます。
 その見通しを示した上で、目下の課題である避難所での医療や教育、就労等の支援、相談体制の強化を図らねばなりません。授乳室や更衣室、換気施設の整備、プライバシーの保護、インターネット環境の整備など、被災者の視点に立った対策を実施していただきたい。生活再建に向けた相談窓口を避難所ごとに設置してください。要介護者及び障害者、高齢者の立場から、トイレの改造や段差の解消などの配慮も急務です。避難所の機能強化について、被災した方々に希望をもたらす総理の答弁を求めます。
 また、大多数の被災者は着のみ着のままで避難されております。当座の生活資金は死活問題であります。しかしながら、被災者の手元には義援金すら届いていない。なぜ届いていないのか、総理はどう手を打ったのか、答弁を求めます。
 被災者生活再建支援金の支給も迅速化すべきです。現行制度では、申請から支給まで一か月近く掛かります。また、帰郷後に生活再建に取り組めるような継続的な生活資金支援や、避難先の自治体での生活保護の弾力的運用など、あらゆる支援を行うべきです。総理の見解を求めます。
 被災者支援を支える自治体の行政力の強化も重要です。今回の大震災では、被災地の行政機能が壊滅的打撃を受けています。既に対口支援を行っている自治体も多くあるところ、更なる支援が必要です。総理の答弁を求めます。
 次に、被災者受入れに係る費用求償の仕組みの改善も必要です。災害救助法においては、被災者を受け入れた都道府県は被災都道府県に対し救助費用を求償することができます。
 しかし、被災自治体は目下、災害対応に追われ、余裕がありません。国庫負担が最大で九割に上り、さらに地方財政措置が講じられることを考えれば、従来の求償の仕組みを改め、救助費用については、被災者を受け入れた自治体が国に直接請求できる仕組みに法改正すべきです。このことがスムーズな被災者支援・受入れにつながります。厚生労働大臣の見解をお尋ねします。
 一方、大地震と大津波が中小企業に与えた打撃は計り知れません。特に、壊滅的な被害を受けた中小企業の再建には、これまでの枠組みを延長した支援策では力不足です。
 金融支援の抜本的な拡充とともに、運転資金に対する援助や復旧事業による需要の創出など、あらゆる支援を実施すべきです。復興事業では、地元企業が再建の担い手となれるよう特段の配慮をしてください。我が国を支える中小企業の支援策について、総理の明確な答弁を求めます。
 観光業の被害も甚大です。町から外国人観光客がいなくなったという声も聞かれるほど、日本ブランドの低下は著しい。国益に直結する大問題であります。日本ブランドの信頼回復の対策について、総理の見解を求めます。
 今回の震災は農林水産業に大きな被害をもたらしました。一つは津波による農林漁業の経営基盤の破壊、二つには高濃度の放射性物質による作付け制限地域の拡大、そして三つには風評被害による経営悪化です。
 共通して求められているのは経営再開の見通しを開く支援です。津波被害等により当面の営農再開が困難な農業者に対しては所得補償を行うべきです。
 あわせて、塩害がないにもかかわらず排水施設の関係から作付けを自粛せざるを得ない農地に対しても相応の補償を行っていただきたい。農林水産大臣の答弁を求めます。
 東日本の電力不足対策についてお尋ねします。まずは、無駄な電力需要を省き、あらゆる分野で節電を進めていくことは喫緊の課題です。その一つとして、家庭における省エネ家電やLEDの普及などを進めるため、家電エコポイントや住宅エコポイントを活用、拡充してはいかがですか。さらには、自然エネルギーの拡大に一層積極的に取り組むことを提案をいたします。総理の答弁を求めます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、国際評価尺度でレベル七という深刻な事故となりました。
 現場では、事故の収束に向け命懸けの作業が続けられています。作業員、そして住民の健康に万全を期すことを求めます。特に、内部被曝による健康被害については十分解明されていないのが実態であり、安全の視点に立った対処が必要です。内部被曝による健康被害とその防止策について、総理の見解をお尋ねします。
 被曝による健康被害については、放射線に対して感受性が高いとされる子供の場合、より慎重に対処すべきと考えます。文部科学省は、十九日、福島県内の学校等の校舎や校庭を利用できるかどうか判断する目安として、年間被曝量が二十ミリシーベルトを超えないようにすること等を通知しました。しかし、原子力安全委員会が一旦は大人の半分の十ミリ程度に抑えるべきだとの見解を示したこともあり、文部科学省の示した基準に疑念が生じています。基準の決定プロセスやその具体的根拠について総理が明確にお示しください。
 一方、事故の収束に当たる現場作業員については、放射線管理手帳への未記載など、被曝放射線量の管理が曖昧になっております。また、周辺住民が受ける放射線についても、内部被曝を含め、国が責任を持って対処するべきです。改めて総理に、作業員、住民の被曝線量を把握し、生涯にわたって健康を管理していくシステムを構築すべきと訴え、答弁を求めます。
 原発事故をめぐっては、風評被害を含め、損害賠償を確実に行うべきです。仮払い補償金の支払われない自主避難者や周辺住民も、当座の生活資金、事業資金に困窮しております。避難区域や周辺住民の雇用を含めた生活基盤の確保に国が責任を持つことは当然です。この重要な問題について、東京電力による賠償の方針が示されないまま事態が進展すれば、不安といら立ちを助長するだけであります。総理、確かな賠償が行われるよう国が責任を持つと明言してください。
 また、放射線汚染による作付け制限農地についてはもちろんのこと、因果関係がある程度明らかな風評被害については、原子力損害賠償紛争審査会で決まる方針を待たずに、東京電力とともに政府が賠償の仮払いを行うべきです。あわせて、今後出荷される農畜産物に対しても、政府が責任を持って安全宣言を行うべきであります。総理の見解をお尋ねいたします。
 最後に申し上げたい。
 東日本大震災からの復興は、与野党挙げて、また国の総力を挙げて取り組まねばなりません。そのためには、被災者の苦難を自らの痛みと感じ、矢継ぎ早に手を打つことが必要です。どうかスピード感を持って具体的な提案をしていただきたい。被災者の生活支援と復旧・復興の取組に公明党は全力を尽くすことをお誓いし、私の質疑を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#13
○内閣総理大臣(菅直人君) 荒木清寛議員にお答えをいたします。
 まず、答弁の前に、公明党におかれましても、党首会談や実務者会合など、大震災後に大変熱心にお取り組みいただき、建設的な御意見を賜り、さらに国会審議においても御協力をいただいたことに心から感謝を申し上げます。
 仮設住宅についての御質問をまずいただきました。
 応急仮設住宅については、約七万二千戸の建設が必要とされているところでありますが、五月末までに約三万戸が完成する見込みであります。お盆のころまでには希望者全員が仮設住宅に入っていただけるよう全力を挙げているところであります。いずれにせよ、あらゆる方策を駆使して県を支援し、一刻も早く仮設住宅の完成に向けて全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
 避難所における生活支援についての御質問です。
 震災発生から一か月半以上たった現在においても、全国で十三万人にも上る方々が避難所における不自由な生活を強いられており、多大な御苦労をされていることに大変申し訳なく思っております。
 避難所における被災者の方々の生活環境の改善、相談窓口の設置などについては各市町村が懸命に取り組んでおり、政府としても被災者生活支援特別対策本部を中心に支援を行っております。例えば、予備費を使用してパーテーションを調達し、各県の要望に応じて配付するといったこと、壁新聞を作成し、各避難所に張り出して相談窓口などの情報を提供するといった取組を行っております。
 今後とも、政府としてやれることは何でもやるとの覚悟の下、被災者の方々の立場に立って、県、市町村の取組を全力的に支援し、生活環境の改善に向け努力をしてまいりたいと考えます。
 被災者の当座の生活資金についての御質問です。
 当座の生活費を必要とする被災者に対しては、まず生活福祉資金として十万円以内の無利子貸付けを実施しました。これまで約三万件、約四十二億円の貸付けを行ったところであります。
 次に、義援金については、日本赤十字社等による義援金配分割当決定委員会の決定を踏まえ、日赤から十二道県に対して計約六百五十一億円が送金されております。本日二十八日、岩手県の自治体の野田村において二百五十九件、一億四千二万円の義援金が被災された方のお手元に届くと伺っており、他の自治体においても順次お手元に届くものと思われます。
 国民の皆様から寄せられた善意ができる限り速やかに被災された方々のお手元に届くよう、国としても支援してまいりたいと考えます。
 被災者の支援についての質問をいただきました。
 被災者生活再建支援金については、申請があれば速やかに支給できるよう事務処理方法の改善に努めてきました。本日から支援金の支給が開始されるものと承知しております。
 また、被災者が帰郷後も生活再建に取り組めるよう、生活支援に関する制度や雇用に関する制度を活用するとともに、避難先での生活保護が円滑に行われるよう通知を発出するなどしており、今後も被災者の支援に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 地方自治体の行政機能の支援についての御質問にお答えします。
 人的支援としては、被災自治体の要望に基づき、四月十八日現在において九百八十八名、延べ約二万三千人の国家公務員を派遣しております。
 物的支援としては、予備費約三百二億円を使用して、特に被害が大きかった岩手県、宮城県、福島県に対し、国において食料品、飲料水、防寒用品、医薬品等の物資を調達をいたしました。
 財政支援としては、国費による財政措置を拡充した上で、なお生じる地方負担については地方交付税と地方債による財政措置を講じることとし、今回の補正においても特別交付税を千二百億円増額することといたしております。
 また、自治体間においても知事会等の仲介によって人、物、金の支援がなされているものと承知しており、こうした支援の在り方は今後も続くものと認識しております。
 政府としては、今後とも被災自治体のニーズにかなった支援を迅速に講じてまいりたいと考えております。
 中小企業の再建支援についての御質問にお答えします。
 被災された中小企業の再建を支援するため、今回の補正予算では、資金繰り支援を抜本的に拡充するとともに、中小企業の工場施設等の復旧支援を行うことといたしております。また、災害復旧等の公共事業を実施するとともに、地域の建設企業等の受注機会の確保に配慮していくことといたしております。
 観光の回復についての質問をいただきました。
 東日本大震災による直接的な被害の影響に加え、自粛や風評被害等により全国的に各観光地で旅行者が減少し、深刻な状況にあるものと認識をいたしております。このため、国民が旅行に出かける雰囲気づくりを進めているほか、海外からの旅行者に向けて日本に関する正確な情報発信を強化するなどの取組を行っているところであります。
 観光は被災地域が立ち直っていく上でも重要な役割を担うことから、観光で日本を元気にするという気持ちでしっかりと取り組んでまいります。
 次に、東日本の電力不足対策についての御質問です。
 この夏における電力不足対策のためにも、省エネ製品の普及が引き続き重要であります。御指摘のエコポイントは相当の効果を上げてきたと認識しておりますが、今後どのような政策が効果的か検討してまいりたいと考えます。
 再生可能エネルギーの導入拡大については、固定価格買取り制度の導入や研究開発支援等に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、内部被曝による健康被害についての御質問をいただきました。
 周辺住民の内部被曝については、三月下旬に、川俣町、飯舘村、いわき市で放射性沃素の影響を受けやすいとされる子供を対象とした甲状腺被曝調査を行ったところによりますと、スクリーニングレベルを超える者は一人もいなかったところであります。
 今後、福島原発周辺住民への長期的な健康支援の在り方について、専門家の御意見に加え、福島県等の地元自治体の御意向を十分に踏まえて検討してまいりたいと思います。
 次に、学校施設の利用判断の基準に関する質問にお答えします。
 国際放射線防護委員会では、非常事態が収束した後に一般公衆が受ける放射線量として留意すべき範囲は年間一から二十ミリシーベルトを暫定的な目安として勧告しております。これは大人にも子供にも適用できるものであります。
 御指摘の学校施設の利用判断の基準は、この国際放射線防護委員会の勧告を踏まえ、原子力安全委員会の助言を得て取りまとめられたものであります。政府としては、この基準に基づき、屋外活動を制限しつつ、モニタリングを継続的に実施することにより、子供の安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、福島原発事故の作業員や地域住民の放射線量の把握や健康管理に関する質問をいただきました。
 原子力発電所や消防、警察、自衛隊等の放射線業務事業者に係る放射線被曝データは、関連法令に基づき、事業者や各機関が記録及び保存を行うこととされております。今回被災された地域住民の方々については、環境モニタリングの結果の活用等により、これまでに受けた放射線量の推定、評価を実施することといたしております。政府としては、放射線業務従事者や被災された地域住民の方々の将来の健康管理に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、原子力損害賠償に対する国の責任についての御質問をいただきました。
 今回の原子力発電所の事故により生じる損害については、事故との相当因果関係が認められるものは原子力損害賠償法に基づき適切な賠償が行われることとなっており、風評被害についてもこの考え方に照らして適切な賠償が行われることとなっております。
 今回の原子力発電所の事故における賠償については、一義的には原子力事業者である東京電力がその責任を負うべきものと考えておりますが、政府としても、被害者の方々が適切な補償を受けられるよう責任を持って万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、原子力損害賠償及び農畜産物の安全宣言について御質問をいただきました。
 今回の原子力発電所の事故により生じる損害については、事故との相当因果関係が認められるものは、風評被害も含め、原子力損害賠償法に基づき適切な賠償が行われることになっております。政府としては、被害者救済の観点から、東電から可及的速やかに賠償金の支払が行われるようしっかり対応していきたいと考えております。
 また、今回の事故を踏まえ、国及び地方公共団体は農作物等の安全確認の調査を行い、規制値を超えた一部の農作物等については出荷制限を行っているところであり、現在流通している農作物は安全であると認識をいたしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(細川律夫君) 荒木議員にお答えをいたします。
 災害救助法による求償の仕組みを改めるべきではないかというお尋ねがありました。
 被災地でない都道府県が行う避難所設置等の救助について、その費用は被災県に全額求償することができるため、受入れ都道府県の負担は生じないことが現行法上担保されているところでございます。
 同時に、今回の震災が未曽有の災害であることから、地方自治体の負担の軽減のため、事務手続を簡素化するとともに、被災県への求償事務を国が代行するということにしてまいります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣鹿野道彦君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(鹿野道彦君) 荒木議員の御質問にお答えいたします。
 営農再開が困難な農家に対する所得補償、米の作付けを自粛せざるを得ない農地への補償についてのお尋ねでございますが、地震・津波被害によりまして瓦れきの除去や除塩などが必要な農地に対しましては災害復旧事業を実施することといたしております。
 その際、被災農家が災害復旧事業の作業員として雇用されることによりまして工事期間中の所得が確保されるようにすることが重要であると考えておりまして、工事の発注に当たりましては被災農家の雇用に配慮するよう指導していくことといたしております。
 今回の補正予算では、農作物の作付けが困難な地域におきまして、地域の取組といたしまして復興組合を組織をいたし、営農再開に向けた復旧作業を共同で行う農業者に対して支援する被災農家経営再開支援事業を措置することといたしております。
 また、排水施設の関係で米の作付けを自粛せざるを得ない農地につきましては、農業者戸別所得補償制度により大豆やソバなどの畑作物の作付けを支援する考えであります。
 今後、このような地域におきまして更にどのような支援ができるかにつきましては、現地の状況を詳しく聞かせていただきまして、それを踏まえて対応を検討してまいりたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(西岡武夫君) 小熊慎司君。
   〔小熊慎司君登壇、拍手〕
#17
○小熊慎司君 福島県のみんなの党の小熊慎司です。
 まず初めに、今回の震災におかれまして亡くなられた皆様方に御冥福をお祈りするとともに、被災に見舞われた方々にお見舞いを申し上げ、また復興に際して数多くの御支援をいただいていることに感謝を申し上げる次第であります。
 質問に先立って、過日の予算委員会で、福島県のイメージを損なうからと原発から福島という名前を外せと、そういう提案を公明党の浜田議員そして私からも総理に要請をして、総理は善処すると言っていたのにもかかわらず、今も福島原発という言葉を使ったということは大変な憤りを覚えております。
 大きな憤りの中で、以下、質問に移らさせていただきます。
 統一地方選挙の後半戦が去る二十四日に行われましたが、民主党におかれましては予想どおりの惨敗を喫しました。目の前の現実から逃げてはいけません。総理を取り巻く状況を無視し、否定し、理屈をねじ曲げても、残念ながら事実は変わりません。
 そこで、直近の民意である統一地方選挙での民主党の凋落ぶりは、震災・原発事故の菅内閣の対応に対する国民の真摯な批判的評価の表れであると思いますが、総理の見解をお伺いいたします。
 最終的に復興のための費用がどこまで膨れ上がるのか、現時点では分からない状況にあります。国民の皆さんの多くが復興のために痛みを分かち合う覚悟があることには、大変有り難く思います。しかしながら、被災者や被災地への負担回避を明確にする前に、景気後退を考えない増税ありきの一方的な押し付けはあり得ません。そもそも、震災・原発事故対策は常に後手後手に回っているのに、何で増税論だけはこんなに手回しがいいのか。危機に乗じて、人の不幸に乗じて、どさくさ紛れに権益の確保をたくらんでいる勢力があると言わざるを得ません。
 今後の財政の在り方として、場当たり的な増税には反対です。今回の復興のための公共事業は経済波及効果も高いので、復興国債を充てれば、いずれ波及して税収が確保されるので増税を見込むことはないと考えますが、財務大臣の見解をお伺いいたします。
 さらに、今回の補正予算は基礎年金財源からの流用が大きな柱となっています。震災対応のためとはいえ、一時的にせよ流用することは、基礎年金の安定的運営を崩すことになり、国民の年金に対する不安が増幅してしまいます。また、その埋め合わせを消費税増税の錦の御旗にしようとしているのではないかと疑われても仕方ありません。
 そこで、そもそも基礎年金の全額国庫負担は民主党の基本政策に据えてきたはずです。ばらまきの廃止など、やるべきことはもっとあるはずなのに、年金財源を復興財源に安易に流用することには大きな問題があると思いますが、基本政策をねじ曲げるだけの意義を総理にお伺いいたします。
 また、基本政策を変えるほどの決断ができるのであれば、数々のばらまき政策を抜本的に見直すことはたやすいはずです。マニフェストを抜本的に見直し、安易なばらまきをやめるべきだと考えますが、総理に見解をお伺いいたします。
 さらに、震災後の日本の対応に国際的な関心が高まる中、日本の国際社会での存在意義を高めるために対外支援は減らさないという姿勢が必要であったと思います。国内の危機に際して、対外支援を減らすことは一理あるように一見思えます。しかし、国内か国外かという近視眼的な判断でODA予算を狙い撃ちしたような削減は、国民をミスリードすることとなりました。対外支援が日本の国益に利するという視点を広く理解していただく努力が本来的であったと思います。
 そこで、聖域なく予算の見直しをすることは必要なことではありますが、なぜODA予算の削減だったのか、明確な理由を財務大臣にお伺いいたします。
 さらに、これまで我が党で提案し、同僚議員から議会の場でも度々議論がなされてきましたが、当面、危機対応として、一回限りの措置として、一般会計から国債整理基金特別会計に対する定率繰入れの停止によって十兆円、労働保険特別会計の余剰金の取崩しと一般会計への繰入れで五兆円を捻出して財源とすべきと考えますが、財務大臣の見解を伺います。
 あわせて、経済再生、そして更なる経済成長が創造的復興のためにも必須であります。増税をして財政再建をした例はありません。経済を成長させて財政再建をすることが国家経営の王道です。経済を成長させて税収を確保し、復興財源とする議論を第一義にすべきだと思いますが、財務大臣のお考えをお伺いいたします。
 今回の震災は、被災地が広くわたっていて、復興は広域的な視点が必要であり、各県の事情や要望を十分に踏まえた上で、東北地方全体を一つとしてとらえた取組が求められております。
 もちろん、国の支援は必要不可欠で、果たすべき役割があることは言うまでもありません。しかしながら、国の縦割り行政の中では迅速な意思決定がしにくいという弊害は払拭し切れません。東北地方の人々のニーズに応じた復興策が東北地方自らの手によって実現できるようにすべきであります。
 そこで、復興のためには、国は主導的役割を担うのではなく、あくまでも支援に徹し、復興に必要な最大限の権限、財源を移譲した、地域が主役となる復興特区を創設すべきであると考えますが、地域活性化担当大臣の見解をお伺いいたします。
 また、震災対応の混乱は、国の縦割り行政の弊害だけでなく、対策本部の乱立に原因があります。本来的に国家経営の道筋を示すべき国家戦略局を機能させず、組織の乱立を看過したことの責任は重大です。
 そこで、震災・原発事故対応の混乱は対策会議等の乱立にあり、整理させるには国家戦略局の活用をすることも一つの手段であると考えます。国家戦略局こそが創造的復興の中心的役割を担うとなぜ言えなかったのか、責任を果たせず、組織乱立を看過したことへのじくじたる思いと今後の国家戦略局の活用について、福島県の出身でもある国家戦略担当大臣にお伺いをいたします。
 原発事故においては、誰しもが一日も早い収束を願っています。しかし、収束せずとも、避難者への対応には待ったなしの状況です。そのような中、東電及び国の責任の在り方、東電の今後の在り方が議論されております。原発事故に対する責任を明確にした納得のいく補償、また今後の安定的な電力供給体制の構築のためにも、東京電力を国有化し、万全の損害賠償制度を構築すると同時に、電力の地域独占を廃止し、送配電の分離、自由化を進めることが必要と考えますが、総理の見解をお聞かせください。
 国破れて山河あり、どんなに疲弊しても、そこに生活を営む人々がいれば必ず復興は果たせます。復興のために必要なことは多々ありますが、何よりも重要なことは人を育てること、教育です。
 未来を先取りする創造的復興策の一つとして環境先進都市の建設等が各方面から提案されていますが、震災被害、原発事故、そしてそれに伴う地域の複合的な損失、疲弊から立ち直るには、何よりも必要なのは人材の育成です。被災地を先進的な教育地域に創造することが、復興後の永続的な発展になると思います。
 そこで、被災地の教育の立て直しについて伺うとともに、創造的復興策の重要な柱に教育を据え、教育・人材育成の先進地とすることへの取組を文部科学大臣にお伺いをいたします。
 総理、福島の海の幸が再び食卓に並ぶのはいつの日か。安く買いたたかれる農産物が、同情からではなく、正しい評価で買ってもらえる日はいつの日か。避難地域が元に戻り、我が家に帰れるのはいつの日か。福島県外に転入学している八千百九名もの小中高生が故郷に戻ってくるのはいつの日か。今この瞬間にもいじめに遭っている子供たちがいるかもしれません。将来我が子が結婚するときに差別を受けないか、心配する親たちもいます。福島県イコール原発事故というイメージではなく、あの美しく豊かだった県土を思い起こすのはいつの日か。智恵子抄にうたわれた本当の空が取り戻せるのはいつの日か。
 数年後、創造的復興のその後に、もはや震災後ではないと言えるその瞬間を迎えたとき、その勝利の一番の立て役者は菅総理ではありません。それは、真面目に、政府の対応の不手際にもめげず、腐らず、辛抱強く努力を積み重ねた被災地の人々とそれを支えた全ての人々の勝利です。
 私たちの課題は政権の維持や党利党略ではありません。震災・原発事故を克服し、新しい未来を築くことです。それが我々の任務です。そのために時間を掛けている暇はありません。自己の良心と的確な判断、覚悟に基づいて、被災地の人々の、国民の皆さんの要請にこたえようではありませんか。決断、行動をするときです。今こそ決起をするときです。
 この補正予算が成立すれば、菅総理としての復興への道筋が付き、総理の政治家としての本望も達成されたと考えてよろしいかと思います。補正予算成立後の総理の最大の震災対応への貢献である辞任の決断を御期待申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 小熊議員にお答えをします。
 まず、統一地方選の選挙結果についての御質問であります。
 この統一地方選挙は、全体としては大変民主党に厳しい結果であったことを真摯に受け止めているところであります。その分析と総括はこれから党の各級機関で進めることにいたしておりますが、いずれにしても国民の皆さんからの私自身に対する、あるいは民主党に対する叱咤であったと受け止めて、身を引き締めて東日本大震災の復興を始めとする政策遂行に責任を果たしてまいりたいと考えております。
 補正予算の財源についての御質問にお答えします。
 今回の補正予算の財源は、追加的な国債発行をしないとの考え方で検討し、子ども手当など歳出予算の見直しにより捻出したところであります。
 なお、臨時財源約二・五兆円の活用については、税制抜本改革により確保される財源を活用することにより、長期的な年金財政の安定を確保し、保険料や年金額への影響を生じさせないことが可能であることを踏まえたものであり、安易な流用との御指摘は当たらないと考えております。
 次に、マニフェストの見直しに関する御質問をいただきました。
 大震災からの復旧・復興は何にも増して最優先の課題であり、今後、本格的復興に向けた第一次補正予算に加え、第二次補正予算の編成に向けて議論を進めなければなりません。
 第一次補正予算においては、そういう考え方からマニフェストに関連する予算も含め、歳出歳入全体について各政党からの御意見もいただきながら政府としてできる限りの努力を行ったところであります。今後、第二次の補正予算の編成においても、そうした形でマニフェストを含め歳出歳入の更なる見直し、検討を進めてまいりたい、このように考えております。
 次に、東京電力による原子力事故賠償についての御質問をいただきました。
 東京電力は、賠償責任を果たしながら、引き続き民間事業者として電力供給義務を果たす必要があると考えております。政府としても、被害者の方々が適切な補償を受けられるよう責任を持って万全を期してまいりたいと考えております。
 また、御指摘の送配電の分離の是非など、電気事業制度を含む今後のエネルギー政策については、今回の事故原因について徹底的な検証を行い、その検証結果を踏まえて、国民各層の御意見を伺いつつ検討してまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(野田佳彦君) 小熊議員から、ODA予算の削減についてお尋ねがございました。
 今回の補正予算の編成に当たっては、追加の公債を発行せず、歳出の見直し等により財源を確保するとしたところでございます。こうした方針を踏まえて、ODA関連予算については、二国間援助が各国との関係に与える影響に最大限配慮し、国際機関向けの拠出の一時的な減額等を行うこととしたところでございます。
 続いて、補正予算の財源についてのお尋ねがございました。
 特別会計の剰余金、積立金については、一般会計の財政状況が極めて厳しい中、これまでも個々の制度の趣旨を踏まえ、可能な限り財源として活用してきたところでございますが、御指摘のあった国債整理基金特別会計に対する定率繰入れの停止は、国債償還負担の将来への先送りにすぎず、政府の財政規律の放棄につながると受け止められ、市場からの信認が損なわれるおそれがあること、労働保険特別会計の積立金は労使に納めていただいた保険料を積み立てたものであることから、財源として活用することは不適当であると考えております。
 続いて、復興の財源の在り方についてのお尋ねがございました。
 復興財源の在り方は、復興の青写真や今後の対策の規模、さらには市場の信認確保の観点などを踏まえて、今後、歳入歳出にわたり幅広く検討をしていかなければならないと思います。その際、復興を強力に進めていくためにも、我が国の経済財政への内外の信認を確保し、復旧・復興と財政健全化を両立させていくことが日本再生のための不可欠である条件だと考えます。
 なお、平成二十三年度予算において、税収が公債発行額を下回る厳しい財政状況の中で、経済成長による税収の増加のみに頼った財政運営は困難であると考えております。(拍手)
   〔国務大臣片山善博君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(片山善博君) 復興特区、地域が主役となる復興特区の創設についてお尋ねがありました。
 地域を限定して規制や制度の広範な特例あるいは税制、財政、金融上の思い切った特例措置等を総合的かつ集中的に行う手法につきましては、被災地の復興に向けて大きな力になり得ると考えております。
 今後、現在国会において御審議をいただいております総合特区制度も参考としつつ、また復興構想会議の議論も踏まえながら、どのような枠組みで支援を行うのが適当であるか、政府全体で検討すべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣玄葉光一郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(玄葉光一郎君) 小熊議員から大震災に対応する組織と国家戦略室についてお尋ねがございました。
 この度の東日本大震災につきましては、地震・津波被害に対応する緊急災害対策本部、原発事故による被害、影響に対処する原子力災害対策本部の二つの本部が基本となり、これに加えて個別の重要課題に係る対策の実施組織を設けています。
 これら実施組織にも本部という名称を用いているために、組織が複雑に見えている面があると私も思います。震災対策についての指揮命令は二つの本部が中核となってきたものというふうに考えております。現在は状況も変化していることから、復興に向けた段階も視野に入れつつ、枝野官房長官が組織の整理について調整を行っているというふうに承知をしています。
 今回の大震災、大地震、大津波、原発事故は、日本人の人生観、価値観を大きく変える問いかけを発しているものと思います。この大きな事態から何を学んでどう生かすのかということを考えながら、これまでの政策の質的転換を含めて、不屈の日本に向けて再出発をする必要があります。
 今後、日本再生に向けた国家戦略の再設計、再強化を行い、日本を再生することによって東日本の復興を支えるとともに、東日本の復興を日本の再生の先駆例にしていくことに国家戦略室としても関係府省と連携を取りながら取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣高木義明君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(高木義明君) 小熊議員から創造的復興策の重要な柱に教育を据える取組についてお尋ねがありました。
 復興後の永続的な発展のためには、教育は最も重要な基盤であります。東北地方の豊かな文化や人々の強い絆を生かして、自らが意見を持ち、他人を思いやり、様々な課題に立ち向かい、新たな価値を創造する力を養うような教育が求められています。
 このため、子供たちが一刻も早く充実した教育を受けられるように、被災地のニーズを踏まえながら学校の早期復旧を確実に図ってまいります。
 さらに、東日本大震災復興構想会議の議論を踏まえつつ、地域と協働する新たな学校づくり、教育の情報化、環境教育、新産業の担い手づくりなど、我が国の未来をリードする新たなモデルとなるような創造的な教育が実現するように努めてまいります。(拍手)
#23
○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#24
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 株式会社国際協力銀行法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長藤田幸久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤田幸久君登壇、拍手〕
#26
○藤田幸久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国産業の国際競争力の維持又は向上を図るために重要な海外の案件に対する民間企業の取組をより有効に支援するため、株式会社日本政策金融公庫の部門である国際協力銀行について、その機能を強化し、同公庫から独立した政策金融機関として株式会社国際協力銀行を設立するための措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、株式会社国際協力銀行の組織の在り方、原子力発電所等我が国のインフラ輸出に対する取組方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、みんなの党を代表して中西健治委員、日本共産党を代表して大門実紀史委員よりそれぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四
  賛成            二百十三
  反対             二十一
 よって、本案は多数をもって可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案
 国と地方の協議の場に関する法律案
 地方自治法の一部を改正する法律案
  (いずれも第百七十四回国会内閣提出、第百七十七回国会衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長那谷屋正義君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
#32
○那谷屋正義君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 三法律案は、第百七十四回国会において本院で政府原案どおり可決し、衆議院で継続審査中でありましたが、今国会において修正議決の上、本院へ送付されてきたものであります。
 まず、地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案は、地方公共団体に対する事務の処理又はその方法の義務付けを規定している関係法律の改正等を行おうとするものであります。
 なお、衆議院において、題名を改めること、地域主権改革の用語及び地域主権戦略会議に係る規定を削除すること、地方分権改革推進委員会の勧告に即した措置の実施に関する規定を追加すること等の修正が行われております。
 次に、国と地方の協議の場に関する法律案は、国と地方の協議の場に関し、その構成及び運営、協議の対象等を定めようとするものであります。
 なお、衆議院において、地域主権改革推進一括法案の修正に伴い、所要の修正が行われております。
 次に、地方自治法の一部を改正する法律案は、地方議会の議員定数設定の自由化、共同設置が可能な機関の範囲の拡大等の措置を講ずるとともに、直接請求の制度の適正な実施を確保するために必要な改正等を行おうとするものであります。
 なお、衆議院において、所要の規定を整理するための修正が行われております。
 委員会におきましては、三法律案を一括して議題とし、地域医療提供体制と地域主権改革、法律案修正の理由及び経緯、国と地方の協議の場の協議対象、運営事項等の在り方、児童福祉施設の最低基準を条例委任する問題点等について質疑が行われました。
 質疑を終局した後、みんなの党を代表して寺田典城委員より、地域主権改革推進一括法案及び国と地方の協議の場に関する法律案に対し、地域主権改革の用語を用いること等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員より三法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、まず、地域主権改革推進一括法案及び国と地方の協議の場に関する法律案につきましては、両修正案は賛成少数により否決され、両法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方自治法一部改正案につきましては、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、地域主権改革推進一括法案及び国と地方の協議の場に関する法律案に対し七項目から成る附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(西岡武夫君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百二十八  
  反対               六  
 よって、三案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#36
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案
 東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長小泉昭男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小泉昭男君登壇、拍手〕
#38
○小泉昭男君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、東日本大震災による被害を受けた公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行に関する法律案は、東日本大震災による被害を受けた地方公共団体における公共土木施設の災害復旧事業に係る工事の実施体制その他の地域の実情に鑑み、国又は県が被害を受けた地方公共団体に代わって公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事を施行するための措置を講じようとするものであります。
 次に、東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地における建築制限の特例に関する法律案は、東日本大震災により甚大な被害を受けた市街地の健全な復興を図るため、特定の行政庁が建築物の建築を制限し、又は禁止することを可能とする特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、公共土木施設の災害復旧事業等に係る工事の国等による代行の進め方、地域住民の意向を反映した被災市街地の復興の必要性、被災市街地の建築制限期間延長の理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(西岡武夫君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#40
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#41
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#42
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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