くにさくロゴ
2011/05/02 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第14号
姉妹サイト
 
2011/05/02 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第14号

#1
第177回国会 本会議 第14号
平成二十三年五月二日(月曜日)
   午後三時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十四号
    ─────────────
  平成二十三年五月二日
   午後三時 本会議
    ─────────────
 第一 平成二十三年度一般会計補正予算(第1
  号)
 第二 平成二十三年度特別会計補正予算(特第
  1号)
 第三 平成二十三年度政府関係機関補正予算(
  機第1号)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、東日本大震災に対処するための特別の財政
  援助及び助成に関する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 一、東日本大震災に対処するために必要な財源
  の確保を図るための特別措置に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、東日本大震災に対処するための土地改良法
  の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及
  び農業委員会の委員の選挙の臨時特例に関す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、平成二十三年度分の地方交付税の総額の特
  例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 日程第三 平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長前田武志君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔前田武志君登壇、拍手〕
#4
○前田武志君 ただいま議題となりました平成二十三年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算三案は、去る四月二十八日、国会に提出され、衆議院からの送付の後、五月一日、財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日及び本日の二日間、菅内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 以下、質疑の若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 「東日本大震災からの復旧・復興に向け、今回の補正予算の位置付け、今後の取組についてどう考えているのか。今回、国債を発行しなかった理由は何か。年金臨時財源の補正予算への転用が年金財政に与える影響はどうか」との質疑があり、これに対し、菅内閣総理大臣及び関係各大臣より、「本補正予算は、震災からの早期復旧を基本に考えたもので、特別措置による補助率のかさ上げを行い、災害復旧事業費を始め、年度内に支出が見込まれるものを計上した。現在、復興構想会議で復興に向けての議論が進められており、六月末をめどに結論を得ることとしている。復旧・復興と財政規律の維持との両立が大切と考えており、今後の復興にはかなりの財政出動が見込まれることから、第二次補正予算の編成に際しては、しっかりとした青写真を作り、財源問題を含め検討してまいりたい。年金臨時財源の補正予算への活用については、税制抜本改革により財源を確保することで、年金財政に不安を生じさせることがないよう、その長期的安定を確保していきたい」旨の答弁がありました。
 質疑は、このほか、補正予算に関する三党合意の内容、仮設住宅の早期整備、復興ビジョン策定への住民参加、義援金の配分状況、被災者の二重債務問題、復興に向けた法整備と組織の在り方、原発事故への対応、原発事故被害への補償問題、食品の出荷及び摂取制限の在り方、学校の年間放射線量基準の見直し、再生可能エネルギー導入の促進など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して礒崎理事が賛成、公明党を代表して石川委員が賛成、みんなの党を代表して小野理事が賛成、日本共産党を代表して大門委員が賛成、たちあがれ日本・新党改革を代表して中山委員が賛成、社会民主党・護憲連合を代表して福島委員が賛成の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成二十三年度補正予算三案は全会一致をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(西岡武夫君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。衛藤晟一君。
   〔衛藤晟一君登壇、拍手〕
#6
○衛藤晟一君 自由民主党の衛藤晟一です。
 私は、ただいま議題となりました政府提出の補正予算案に関し、苦渋の決断として、やむを得ざるものこれあり、賛成の討論をいたします。
 我々自由民主党は、あくまでも震災への一刻も早い対応を最優先することが国民の皆様に対する責務であると考えています。
 まず、討論に先立って、東日本巨大地震・津波災害によってお亡くなりになりました方々の御冥福をお祈りいたします。また、地震、津波により被災された皆様、福島第一原子力発電所の事故により被害、避難を余儀なくされています皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 震災後、我々自民党は、「復興への道標」と題した緊急提言や復興再生基本法案骨子など、復興のため数多くの政策を提言してまいりました。また、全国で義援金を募り、自ら救援物資を収集して被災地にお届けしてまいりました。
 今後とも、被災者の支援、被災地の復興、原発事故への対応に全力で取り組むことをお誓いいたします。
 さて、震災発生から二か月近くたった今でも多くの被災者が苦しい避難所生活を強いられています。仮設住宅の建設は遅々として進まず、被災地の行政機能も十分に回復しておらず、また原発付近の住民は無計画、無責任な避難区域に翻弄されています。
 菅政権は一体何をやっているのでしょうか。何もやっていないというならまだしも、むしろ事態を悪化させているではありませんか。我が党はこれまでも繰り返し指摘してきましたが、政府の指揮命令系統の大混乱は目に余ります。本部や会議が乱立し、情報が錯綜する中では、的確な政策対応などできるはずがありません。こんな無能な政府のせいで御苦労されている被災者の方々のことを思うと、断腸の思いであります。
 さらに、菅政権の原発に関する初期対応のずさんさ、情報公開の遅さや不透明さは、どのような理由をもってしても認められるものではありません。総理は、地震、津波の発生直後の原発事故への初動対応が最も重要であった局面で完全に対応を誤ったのです。
 福島第一原発一、二号機は、地震発生から約二時間後、全ての冷却機能が失われた状態となり、原子力災害対策法十五条の通報が行われました。冷却装置がストップすると約一時間で燃料棒が露出すると言われています。
 即刻、原子炉に水を注入し、深刻な事態にしないという決断を総理及び東電社長はする必要がありました。しかし、それを実行しなかったため、原子炉は深刻な状態に陥りました。そればかりでなく、東京に帰ろうとする東電の清水社長を乗せた自衛隊機を名古屋に引き返させ、更に決断を遅らせたのであります。
 しかも、総理が原子力災害対策本部を立ち上げたのは、地震発生後四時間二十分もたったときです。既に燃料棒が露出し、危険な状態が続いていると思われる中で、総理は必要な手を打たず、原発視察に行くという決定をしました。格納容器の圧力が上昇し、ベント作業が必要だった時間帯に、あろうことか総理は原発視察に出かけ、作業を遅らせてしまいました。
 これらは、初動対応への明らかな妨害行為です。原子力災害の最終責任者としての総理の危機認識の甘さ、自覚のなさは明々白々であり、この原発事故は菅総理による人災そのものと言えます。あなたが総理でなければ、ここまで深刻な事態にならなかったのではないかと思われます。
 その後も、菅政権は、放射線に関するデータや予測を適切に公表せず、国民を無用な恐怖と混乱に陥れたばかりか、事前連絡もなく汚染水を海洋に放出するなど、我が国に対する国際的な信頼までも失墜させています。
 我が国の国益をこれほどまでに損なった罪は極めて重く、この責任は総理にしっかりと取っていただかなければなりません。
 国民はしっかり見ています。先月行われました統一地方選挙、衆議院愛知六区の補欠選挙の結果は、既に国民が菅政権を見放していることを明確に示しています。
 さらに、菅政権は、身内からも見放されつつあります。つい先日は、総理が任命した内閣官房参与が、政府の事故対応を、法律を軽視してその場限りの対応を行い、事故収束を遅らせていると厳しく批判して、辞任されました。民主党議員からも総理の退陣論が噴出しています。
 もはや、菅政権は、この国難を乗り切る能力も信頼も欠いています。我が国の復興にとってこれ以上の障害とならぬよう、速やかに退陣すべきであります。
 本補正予算については、こうした菅政権の失態とは別に、一刻も早い被災地の復旧のため必要なものと考えます。
 歳出面では、我が党の主張が盛り込まれたこともあって、現在の震災後の被災地の状況に対して、十分とは言わないまでも、必要な予算はおおむね網羅されていると言えます。特に、我が党が主張した、避難場所となる学校施設の耐震化、中小企業支援の追加、夏の電力不足への対策経費の積み増しなどが含まれていることは評価しています。
 ところが、子ども手当、高速道路無料化、高校授業料無償化、戸別所得補償のいわゆるばらまき四K政策の継続を前提として編成されていることに対しては大いに疑問があります。我々自民党は、これらばらまき四K政策の完全な撤回を再三再四にわたり求めてまいりました。
 先日の自民、公明、民主の三党政調会長の合意では、マニフェスト関連の歳出の見直しについて早急に検討を進めるとされました。この合意を完全に履行することを強く要求いたします。
 この補正予算の歳入面については全く評価できません。特に、財源として、国債を発行せず、約二・五兆円を年金臨時財源の流用で賄うとしていることは極めて問題です。
 野党時代、あれほど年金の流用を批判していた民主党が、これほどまでに堂々と二・五兆円もの年金財源を流用する姿を見ると、怒りを通り越してあきれるしかありません。
 また、国債の発行に関しては、総理は先日、我が党の塚田一郎議員の代表質問への答弁で、国債市場の信認維持の観点を踏まえ、追加的な国債は発行しないよう指示したと発言されました。私は耳を疑いました。まるで、これ以上国債を発行すれば市場の信認を失うと言っているに等しいではありませんか。
 幸いにも、総理のこの言葉に誰も耳を傾けることはなく、市場は反応することはありませんでした。しかし、これがもし仮にもっと発言に重みと信頼のある総理の言葉であったら、国債の暴落を招く事態になっていたでしょう。それほどまでに軽率な発言であり、あなたは国の指導者たる資格はありません。
 この第一次補正予算を当面の復旧のための応急措置と位置付ければ、本補正予算の成立後は、復興のグランドデザインとスケジュールを示し、本格的な取組を開始する段階に入ります。
 その際、特に私は、一、二提言したいのは、中小企業、工場、農業、水産業、生活衛生、医療福祉施設、住宅所有者などを二重債務のくびきから解放することによって経済復興の起爆剤とすることであります。地震、津波によって担保物件を失って債務だけが残っているような方々に対し、債務を免除し、新しく活動再開の勇気を与えるべきです。そのために、政府も一定の救済体制をつくり、さらに、民間金融機関には資本注入、公的金融機関には出資を行って支援すべきであります。
 海洋の汚染は拡大中であり、大変気になります。汚染総量、海流、魚介類の動き等の調査と対策が至急必要です。しかし、海洋の場合、その前に、汚染の拡大を阻止するため、出漁を制限するのではなく、逆に汚染された魚を国が通常の価格よりも高く買い取る仕組みを早急につくることで、積極的に漁に出てもらい、汚染された魚を回収し、汚染の連鎖をできる限り最小限に今のうち抑えなければなりません。
 最後になりますが、今、津波にさらわれて廃墟となった町や、原発の警戒区域内で無人になった町の姿を目の当たりにすると、我々はしばし茫然と立ち尽くすしかありません。しかしながら、被災者の皆さんが共に手を取り合って、力を合わせて懸命に自分たちの町を、ふるさとを再興しようとする強い絆の力を毎日のように私たちは目にしています。我々は、そうした絆の力を一段と強め、あらゆる復興支援策を動員します。そして、新生日本の姿を創造するまでしっかりと責任を果たしていく覚悟であります。
 そして、まさにそのために、当事者能力がなく、責任を果たす気力もない、復興にとってむしろ有害無益とも言える菅総理の退陣を強く求めます。本補正予算の成立後、一刻も早く退場していただきたいと考えています。
 本補正予算の成立と菅総理の退陣が日本復興の第一歩であることを強く申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#8
○議長(西岡武夫君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#9
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#10
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#11
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長ツルネンマルテイ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔ツルネンマルテイ君登壇、拍手〕
#13
○ツルネンマルテイ君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、東日本大震災に対処するため、地方公共団体等に対する特別の財政援助及び社会保険の加入者等についての負担の軽減、農林漁業者、中小企業者等に対する金融上の支援等の特別の助成に関する措置を実施しようとするものであります。
 委員会におきましては、本法での原子力発電所事故被害への対応、瓦れき処理における地方負担及び今後の予算措置、風評被害に対する支援措置の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長藤田幸久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤田幸久君登壇、拍手〕
#19
○藤田幸久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成二十三年度において東日本大震災に対処するために必要な財源を確保するため、財政投融資特別会計からの一般会計への繰入れの特例措置及び外国為替資金特別会計からの一般会計への繰入れの特別措置並びに独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構の国庫納付金の納付の特例措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、厚生労働委員会及び国土交通委員会と連合審査会を行うとともに、東日本大震災に対処するための財源を確保する方策の妥当性、第二次補正予算を早期に提出する必要性、今回の年金財源の転用と今後の年金財政の見通し等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して愛知治郎理事、公明党を代表して荒木清寛理事、みんなの党を代表して中西健治委員、日本共産党を代表して大門実紀史委員よりそれぞれ賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(西岡武夫君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。佐藤ゆかり君。
   〔佐藤ゆかり君登壇、拍手〕
#21
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりです。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案に対して、その内容に大いに反対しつつも、第一次補正予算の早期執行のため、やむなく賛成に回る立場で討論を行います。
 討論に先立ちまして、改めて、東日本大震災・津波被害によって犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、かけがえのない御家族を亡くされた皆様、また被災された皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 さらに、被災地での救援活動や原発事故の収束に向けて日夜献身的な努力を続けていただいている自衛隊、警察、消防、そしてボランティアを始め多くの関係の皆様の御尽力に心から感謝と敬意を表するものであります。
 自民党も、震災以降この二か月弱、多くの募金活動や救援物資の搬送、政府に対する緊急対応の申入れ等、様々な次元での協力を行ってまいりました。今後も自民党は、何よりも被災者の方々の生活の安定と被災地の復旧・復興を最優先すべきとの考えを貫いてまいります。
 しかしながら、震災を機に、筋の通らない誤った施策までどさくさ紛れに通そうとする菅政権の動きについては、国民の前にそれを明らかにし、毅然たる姿勢で反対の意を示すことも大切であると考えます。
 第一次補正予算の財源確保法案が抱える多くの問題点は、その根本的性質から、当然、とても看過できるものではありません。しかし、被災者の多くの方々の窮状に照らして、被災地の瓦れきの撤去、仮設住宅の建設、被災中小企業、漁師や農家等への緊急支援などは一刻を争うものであります。
 発災後二か月近く経過し、ようやく策定した政府の第一次補正予算案に対する財源確保法案には、策定の大幅な遅れゆえに、自民党としてもやむなく参議院での熟議を返上し、早期成立と一日でも早い執行を最優先に、本法案に賛成することにいたします。
 しかしながら、新規国債発行を拒み、ばらまき四Kにも固執する余り、代替の必要財源として財源確保法案で示した年金臨時財源の流用や、外為特会の剰余金など手元にない紙面上の財源の捻出という、菅政権のむちゃくちゃな財源確保のやり方には徹底的に糾弾をいたします。
 まず第一に、我が党が政府の予算編成に際し一貫して撤回を主張してまいりました子ども手当、高速道路無料化、農業の戸別所得補償、高校授業料無償化のいわゆるばらまき四K政策について、第一次補正予算で根本的な見直しが行われておりません。
 既に、高校授業料無償化は新年度に入っており、一次補正の財源としては外さざるを得ず、また、子ども手当の上乗せ分と高速道路無料化社会実験のそれぞれ一時凍結をただ財源に計上しただけであり、極めて中途半端な見直しとなっております。大震災の発災を受けてもいまだにばらまき四K政策の続行を前提としている本法案については、自公民の三党政調会長合意に基づき、今後、二次補正予算の策定までにばらまき四Kの根本的見直しを行うことを前提とした我が党自民党の賛成であることを明言いたします。
 第二に、政府案は、基礎年金国庫負担を二分の一にするための年金臨時財源二・五兆円を財源に流用するという重要な問題をはらんでおります。公的年金の積立金は昨年十二月末で約百十六兆円ですが、高齢化による給付額の増大によって今年度中にも六・四兆円の取崩しが見込まれているのです。二十三年度本予算において、法改正までして無理やり捻出した年金臨時財源をなぜ補正で流用するのですか。国民は到底納得できません。
 国債発行はかたくなに拒み、年金財源の食い潰しはよしとする菅総理の方針。二次補正では国債発行による財源化を菅総理自身が認めておられるにもかかわらず、ばらまき四Kを撤回せず、一次補正で国債発行さえかたくなに固辞するという、総理の無意味な主張のメンツ維持のために国民財産である年金財源に無理やり手を突っ込むやり方は余りに無責任で危険であります。
 短絡的な考えで国民の年金資産を取り崩す行為は、国民の将来の生活設計への不安を増幅させる危険な手だてとして断固反対するものであります。三党合意に基づいて、二次補正予算までに基礎年金の国庫負担の維持財源を確保するための見直しを行うよう強く要望するものであります。
 第三の問題点は、外国為替資金特別会計からの二十三年度剰余金見込額の流用であります。本年度末の決算でしか確定しない財源を組み入れることは、本来健全に行われるべき国家財政の資金繰りの観点からも禁じ手であり、将来に禍根を残すものであります。
 また、一次補正の早急な執行を裏付けるための緊急性の高い財源としては、直ちに収入が見込めない剰余金見込み金は不適切とも言える紙面上の計上であり、結果として、この財源部分の予算執行は短期政府証券の発行による借金でつなぐことにほかなりません。菅政権は、国債発行を固辞しておきながら、一方で平然とこのような隠れ借金に依存する財源を組み入れるという、まさに国民を愚弄する施策ではありませんか。
 そもそも、民主党の議会運営には補正予算以前から問題があります。民主党は、今年度当初予算の財源確保において、与党が過半数を持たない参議院での可決が難しい特例公債法案を切り離して予算案だけを審議し、歳入の裏付けがないまま予算成立させるという異常な議事運営を行い、国政を混乱させました。
 いまだ参議院では当初予算の財源の裏付けとなる特例公債法案の審議をしていない状況です。にもかかわらず、第一次補正予算の財源確保法案が本予算の財源に先行して審議に付され、なおかつ、第二次補正予算の編成の際にはその中身を見直すという三党合意すら一次補正の可決前に行うという、余りの場当たり的な混乱ぶりであります。
 実際、今回の第一次補正予算の財源で当初予算の財源として特例公債法案に入れておりました基礎年金の臨時財源である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構特例業務勘定の剰余金一・二兆円、財政投融資特別会計財政融資資金勘定の積立金、剰余金一・一兆円及び外国為替資金特別会計の剰余金の進行年度分〇・二兆円を全て先食いしてしまう結果、衆議院を既に通過して参議院でまだ審議の始まっていない二十三年度当初予算の特例公債法案自体が遡って書換えを余儀なくされることになります。既に成立した二十三年度当初予算さえも、今後縮小される財源に合わせて歳出縮小若しくは特例公債の発行増額など、予算内容の組替えさえ余儀なくされるのであります。
 予算審議を財源審議と切り離し、手続をむちゃくちゃにする、こういう菅政権の理念に欠け、ルールに欠ける、場当たり的な議会運営の姿勢こそが結果として国家国民を大きな混乱に陥れているということを菅総理は肝に銘じて強く認識すべきであります。混乱を極める原発や震災対応の政府の失態ぶりにおいても、その根っこにある原因はこの補正の財源法案の混乱ぶりと全く共通したものであります。
 菅総理、あなたの統治能力の欠落こそが全ての混乱の根源にあるということをもうあなたは十分に認識しているはずであります。
 三月十一日の震災以来、この未曽有の国難に際しての菅政権のていたらくは実に目を覆うばかりです。対応の遅さ、拙速さ、不透明さ、一貫性のなさは天災を更に悪化させ、まさに官製の人災へと拡大させています。
 そもそも、震災から二か月たつ今になっても、震災対応のための政府部内の体制が定まっておらず、多くの本部や会議が乱立し、設置の法的根拠や各々の責任と権限、相互連携の方法などが不明確なままであり、行政の現場は大混乱し、情報の錯綜、指示系統の迷走を生んでおります。
 法的に根拠のある緊急災害対策本部や原子力災害対策本部に加え、東日本震災復興構想会議、被災者生活支援特別対策本部、原子力発電所事故による経済被害対策本部など、本部と名の付く組織だけでも二十近くも設置し、中でも原子力災害現地本部ではこの間、現地本部長が六人も交代した始末であります。
 思い付きで組織をつくり、駄目なら人事を替え、また新しい組織をつくる。結局この間、組織や人事の入替え、設置の連続でやり過ごしてきた菅政権ですが、総理として、あなたの統治能力の欠落ゆえに全体が機能していないという、問題の根源があなたにあるということをもはや覆い隠せるものではありません。
#22
○議長(西岡武夫君) 佐藤君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#23
○佐藤ゆかり君(続) それを組織のせいにする、部下のせいにする、そして新しい組織を幾つも幾つもつくって周りのせいにして、あなた自身はいつまでも総理として居座ろうとしている。そのことが今の日本の問題なのです。
 総理は、昨日の予算委員会で、震災対応について全力でやっているとおっしゃいました。しかし、世論調査では七割以上の人が総理の対応を評価していません。総理が全力でやられて、それでも七割以上の国民が駄目だと烙印を押すのであれば、これ以上、菅総理には御無理であります。
#24
○議長(西岡武夫君) 佐藤ゆかり君、簡単に願います。
#25
○佐藤ゆかり君(続) 総理は、日本のために、第一次補正予算と財源の成立とともに、どうぞ一刻も早く退陣してください。
 そして、能力のある新政権の下で福島原発の事態収拾など現下の国難を克服し、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿へと先取りする復興計画を立案し、被災者のみならず全国民が一致結束して、我が国日本の復興ビジョンに向けて立ち上がる、復興政策を強力に推進することが必要です。
#26
○議長(西岡武夫君) 佐藤君、簡単に願います。おまとめください。
#27
○佐藤ゆかり君(続) 我々は、圧倒的な自然の力の前に人間の力のはかなさと英知のおごりを思い知らされると同時に、苦境から立ち上がろうとする日本人の力強さと助け合いの精神、そして手を差し伸べる世界の人々の優しさを目にしています。この絆こそが力強い復興を成し遂げるものであり、復興後の我が国日本が更に力強くすばらしい国として再スタートできるよう、しっかりとした復興ビジョンを策定し、有言実行することこそが我々の後世世代と国際社会への責務です。そのために我が党自民党は全力を尽くすという決意を新たにここに表明し、私の討論を終わります。(拍手)
#28
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#29
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百三十四  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 東日本大震災に対処するための土地改良法の特例に関する法律案
 東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会の委員の選挙の臨時特例に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長主濱了君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔主濱了君登壇、拍手〕
#34
○主濱了君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、東日本大震災に対処するための土地改良法の特例に関する法律案は、東日本大震災に係る津波による災害に対処し、早期営農再開を図るため、国等が緊急に行う災害復旧及び除塩並びにこれと併せて行う区画整理等の事業を円滑に実施できることとする特例措置を講じようとするものであります。
 次に、東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会及び農業委員会の委員の選挙の臨時特例に関する法律案は、東日本大震災により著しい被害を受けた地域について、海区漁業調整委員会及び農業委員会の委員の選挙の期日、選挙人名簿の調製等に関する特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、被災地域における農林水産業の復旧・復興の在り方、農地・農業用施設の除塩・災害復旧事業等の進め方、農林漁業者への生活・経営支援の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、東日本大震災に対処するための土地改良法の特例に関する法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(西岡武夫君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百三十六  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#38
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長那谷屋正義君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
#40
○那谷屋正義君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、東日本大震災に係る特別の財政需要に対応するため、平成二十三年度分の地方交付税の総額に千二百億円を加算するとともに、同加算額の全額を特別交付税とする特例を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、特別交付税増額の位置付けと交付対象経費、被災自治体の行政機能回復と人的支援、特別交付税算定における透明性確保等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#41
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#42
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#43
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#44
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト