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2011/05/18 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第16号
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2011/05/18 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第16号

#1
第177回国会 本会議 第16号
平成二十三年五月十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  平成二十三年五月十八日
   午前十時開議
 第一 産業活力の再生及び産業活動の革新に関
  する特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、参議院憲法審査会規程案(鈴木政二君外七
  名発議)(委員会審査省略要求)
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長柳澤光美君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳澤光美君登壇、拍手〕
#4
○柳澤光美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における国際経済の構造的な変化に我が国経済が対応するためには、我が国の産業活力の再生及び産業活動の革新が重要であることに鑑み、国際競争力の強化を目指した事業者の迅速かつ機動的な組織再編を促すため、産業再編に係る計画の認定を行う場合における主務大臣と公正取引委員会の連携強化や、組織再編に係る手続を簡素化するための会社法に係る特例措置、事業者の資金の調達を円滑にするための支援措置等を講ずるとともに、中小企業者等の商品の生産の効率化等を促進するため、事業者による事業革新新商品生産設備の導入のための支援措置、中小企業における事業の承継を通じた経営資源の活用のための支援措置等を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、主務大臣は、産業再編に係る計画の認定を行う際に公正取引委員会と行う協議において、事業再構築等関連措置が申請を行う事業者の営む事業の属する事業分野における競争に及ぼす影響に関する事項等について意見を述べること、また、主務大臣及び公正取引委員会は、当該協議に当たっては、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況に鑑み、所要の手続の迅速かつ的確な実施を図るため、相互に緊密に連絡することを追加する内容の修正が行われております。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、今回の改正の背景となった我が国産業の現状、主務大臣と公正取引委員会が協議を行う場合の具体的要件、中小企業事業引継ぎ円滑化支援の実効性を高める方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百二十四  
  反対               十  
 よって、本案は多数をもって可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(西岡武夫君) この際、お諮りいたします。
 鈴木政二君外七名発議に係る参議院憲法審査会規程案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、本規程案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。鈴木政二君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鈴木政二君登壇、拍手〕
#10
○鈴木政二君 ただいま議題となりました参議院憲法審査会規程案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 本案は、参議院の憲法審査会に関する事項を定めるものであり、組織及び運営共に憲法調査会を踏襲しつつ、憲法改正原案及び憲法改正手続に関する法律案の審査、提出等の権限が付与されたことに伴う規定の整備を行うものでございます。
 以下、その主な内容について御説明いたします。
 第一に、憲法審査会は、四十五人の委員で組織し、憲法審査会の会長は委員の互選とする。
 第二に、憲法審査会は、会期中、閉会中を問わず活動することができ、また、その会議は原則として公開する。
 第三に、憲法審査会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは会長の決するところによる。
 第四に、憲法審査会は、憲法改正原案については公聴会を開かなければならない。
 以上が本案の提案の趣旨及びその主な内容であります。
 何とぞ御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(西岡武夫君) 本規程案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#12
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 私は、日本共産党を代表して、憲法審査会規程案に反対の討論を行います。
 なぜ今、憲法審査会規程なのでしょうか。そもそも憲法審査会は、四年前、改憲手続法の制定に伴う国会法改定で改憲を目的とした憲法の調査を行い、憲法改正原案を審査し提出する機関として規定されたものです。
 当時、安倍政権の下で、自民党などが目指す九条改憲のスケジュールに沿って、慎重審議を求める圧倒的多数の国民の声を無視し、強行成立させました。その横暴な自民党政治に国民はノーの審判を下しました。そうした経過から、今日まで参議院は審査会規程を作らず、審査会を始動させてこなかったのです。
 ところが、今回、菅政権は、ねじれ国会を乗り切る思惑で自民党の要求を受け入れたと言われています。憲法改正にかかわる問題を政権維持の手段にするなど言語道断であり、断じて許されません。
 提案者は、改憲手続法が成立して四年もたつのに憲法審査会規程を作らないのは立法不作為だとしきりに言いますが、この議論は、憲法に改正規定がありながら手続法がないのは立法不作為だと言って手続法を強行した四年前の理屈と同じです。しかし、審査会規程がないことで国民の権利が侵害された事実はどこにもなく、立法不作為論はそもそも成り立ちません。
 大体、国民は憲法改正を求めてはいません。この十数年間、改憲勢力は執拗に改憲の機運を盛り上げようとしてきましたが、国民はそれをきっぱりと拒否してきました。今日に至るまで、改憲勢力が主眼とする九条改憲を求める声はどの世論調査でも一貫して少数であり、多数になったことは一度もありません。したがって、改憲手続を整備する必要は全くないのです。
 審査会規程が未整備であることを問題にするのなら、むしろ改憲手続法そのものを廃止すべきです。しかも、改憲手続法の内容は、国民主権の原理に反し、どんなに投票率が低くても国民投票が成立し、有権者の二割台、一割台の賛成でも改憲案が通る仕組みとなっており、公務員や教育者の国民投票運動を不当に制限していることなど、極めて不公正で反民主的なものです。だから、民主党も手続法に反対し、衆議院の審査会規程に反対したのではありませんか。
 参議院では、手続法の採決に際して、民主党が提案し、最低投票率の問題など手続法の根幹にかかわる十八項目の附帯決議を議決しています。この附帯決議で指摘された問題は、今日まで全く議論をされておりません。にもかかわらず、民主党は、衆議院で反対したものと同じ内容の規程案を自ら提案し、何らの議論もなく決定しようとしています。一体、国民にどのように説明するのでしょうか。その姿勢が厳しく問われています。
 今、未曽有の大震災と原発事故の下で政治がやらなければならないことは、生存権を保障した憲法二十五条を生かし、憲法の立場に立って、何よりも人命と生活を最優先にして、被災者を救済し、原子力災害の危険を除去し、そして生活再建と復興に向けてあらゆる手を尽くし、全力を挙げることです。こうした重要な課題が山積しているときに憲法審査会の規程を制定することは断じて認められません。
 全ての人々が安心して平和に暮らす権利を定めた日本国憲法の精神と原理を全面的に生かしていくことが求められていることを強調し、私の反対討論といたします。(拍手)
#13
○議長(西岡武夫君) 中曽根弘文君。
   〔中曽根弘文君登壇、拍手〕
#14
○中曽根弘文君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました参議院憲法審査会規程案について、賛成の立場から討論を行います。
 現行憲法は、我が国が連合国軍に占領されていた時期である昭和二十一年十一月三日に公布され、翌昭和二十二年五月三日に施行されました。
 制定過程の評価に関しては様々な見解がありますが、いわゆるマッカーサー草案の提示や松本案の拒絶などを典型例として、連合国軍最高司令官総司令部の意向がかなり大きな影響を及ぼしていたことは紛れもない事実であります。
 その後、我が国は、昭和二十六年九月八日にサンフランシスコ平和条約に調印し、翌年四月二十八日の同条約の発効をもって主権を回復しましたが、現行憲法は制定以来一度も改正されることなく今日を迎えております。一刻も早く、我々日本人自らが完全なる主体として、我が国の真にあるべき憲法を作ることが必要だと考えます。
 こうした制定時のプロセス論に加えまして、今や実態的にも時代に合った形の憲法が求められています。
 敗戦後の焼け野原から奇跡の復興を遂げた我が国は、世界でも有数の経済大国となり、責任ある行動が期待されています。しかし、施行から六十年以上たち、内政、外交等において激しい変化に対応できない点が今や露呈をしております。
 こうした実態に鑑み、世界各地域における国際貢献の在り方や、我が国自身の安全保障体制の観点からの憲法の見直しの検討も必要であります。また、国会の在り方や環境に対する新しい概念などについても検討が必要と考えます。時代がたつとともに積み重なる数々の論点について、タブーを設けずに、忌憚のない意見を交わし、建設的な議論を行っていくことが求められております。
 このような状況の下、更に我が国憲法の在り方について真剣に向き合わねばならない出来事が発生をいたしました。三月十一日に発生をした東日本大震災であります。
 甚大なる被害を受けられた被災者の方々の苦しみは筆舌に尽くし難いものであります。厳しい環境の中での助け合いや自己犠牲の精神、自律と献身に満ちた行為には国の内外から多くの感動の声が寄せられていますが、憲法第二十五条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と国民の生存権が明記してあります。被災者は、政府の遅い対応により、まさにこの権利が脅かされていると言えます。
 被災者の方々の生活を一刻も早く安心、安定したものに取り戻すため、国家を挙げて復旧・復興を進めることが焦眉の急となっております。
 しかるに、現行憲法では、非常事態に対応する規定がありません。戦後最悪の災害に襲われた今、非常時、有事の際に、国民の安全を守り速やかな復興を行うための規定、私権の制限をどう考えるかという論点も非常に重要であると思います。
 まさに、今次の大震災は、我が国の憲法の在り方についても大きな一石を投じていると言えます。こうした事項については、政府内だけで議論して見解を示すのではなく、国会の場で広く議論を行うことが不可欠であります。
 我が党は、昭和三十年の立党以来、自主憲法制定を党是とし、幅広く党内外の議論を行ってまいりました。立党五十年に当たる平成十七年には新憲法草案を取りまとめ、現在に至るまで憲法の全条項について真剣な議論をしてきております。
 ただいま議題となっている憲法審査会の設置を定めた憲法改正手続法が成立したのは、我が党が政権与党でありました平成十九年五月十四日の第百六十六回国会であります。本来であれば、この国会が閉会した後に実施された参議院通常選挙後の国会において審査会規程が整備されるべきでありました。実に四年間も放置されてきたことになります。
 衆議院においては、二年近く前の平成二十一年六月に審査会規程が制定されていることを考え合わせれば、参議院における不作為の罪は誠に重いものであると言わざるを得ません。
 憲法改正手続法は昨年五月十八日に施行されており、既に憲法改正原案の発議が可能な状態になっています。にもかかわらず、参議院において審査会規程もなく、実質的に議論が進められない状態にあることは、まさに立法府の怠慢であります。
 このような事態を避けるべく、我が党は、議院運営委員会の場などで、幾度となく審査会規程の制定を強く主張してまいりました。当時の西岡議院運営委員長も、民主党に対し迅速な対応を求められておりました。
 しかしながら、この四年間、第一党である民主党は何ら対応せず、今日まで審査会規程制定が実現できていないことは誠に遺憾であり、しかも、規程の議決に当たり、民主党が党としての自らの考えを示さないことは大変残念であります。民主党の猛省を促したいと思います。
 遅ればせながらではありますが、ようやく憲法審査会が始動しつつあることは誠に重要な第一歩であり、今後の展開に大いに期待するものであります。
 ただし、単に規程を整備するだけでは意味がありません。本規程案には公聴会についても明記されているところですが、国民に開かれた形での憲法についての議論を一刻も早く進めることが必要不可欠であります。
 各種世論調査からも、国民の憲法論議についての関心が高まっていることは明らかであります。
 我が国と我が国国民の将来のため、速やかに本審査会規程を成立させ、そして、我が党はもちろんのこと、直ちに各党が審査会委員を選任して、会長の互選を行うべきであります。
 党派を超えた憲法論議が前進することを切望し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(西岡武夫君) 福島みずほ君。
   〔福島みずほ君登壇、拍手〕
#16
○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、憲法審査会規程を作るべきではないという立場から討論を行います。
 まず、憲法改正に関する重要問題を各政党の合意のない下で強行することは容認できません。
 参議院において、日本国憲法の改正手続に関する法律案については、国民投票の対象、範囲も含め、十八項目もの附帯決議が付されました。そのことについては全く解決をしておりません。
 しかも、今は東日本大震災という大災害の最中、レベル七、しかも早い段階からメルトダウンが起きていたという、深刻な原発事故がますます深刻になっている状況です。各政党の合意がない中で、かつ憲法改正を進める必要性も全くない中で、大災害の中でどさくさに紛れての憲法審査会規程策定に強く抗議をいたします。
 社民党は、福島県、岩手県、宮城県に赴き、現地の社民党と一体となって現地の切実な要望を聞き、被災者の心に寄り添い、救援ができるよう心を砕いてまいりました。そこで痛切に思ったことは、まさに今政治の出番であること、一刻の猶予もなく命を救い、命を助けることをしなければならないということです。
 被災者の皆さんは憲法二十五条の生存権や憲法十三条の幸福追求権が実現できていないのですから、政治が全力を挙げて生存権、幸福追求権を回復し保障をしなければなりません。日本国憲法の基本的人権を保障することこそ必要なときに、なぜ憲法審査会規程作りをしなければならないのでしょうか。
 今必要なことは、人間の復興です。人間の復興とは、生存権、幸福追求権の保障を実効あらしめることです。今必要なことは、憲法の改正ではなく、憲法の実現です。今政治が取り組まなければならないことは、失われた人権の回復です。そのためには、家や車や生産設備を失い、ローンだけが残った人たちが、マイナスからではなくゼロから再出発できるような、債務の免除という二重ローンの解消などの立法措置が必要です。また、原発事故によるかつてない規模の損害に対して、迅速かつ的確な救済をするための紛争解決システムなどの制度の構築が必要です。求められているのはそのような政治です。
 災害のときに非常事態宣言をしなければならず、そのことが日本国憲法に規定がないことから憲法改正の必要性を言う見解があります。では、今回の災害が発生したまさにそのときに、非常事態宣言をし、基本的人権を制限しなければならないことがあったでしょうか。全くありません。世界が称賛をした秩序正しさだったわけです。むしろ、東京電力や政府による重要な情報隠しが横行しました。非常事態宣言などをすれば、そのことにますます拍車を掛けることになります。今憲法改正を言い募る人たちは、被災者の人々の切実な声に耳を傾け、その心に寄り添いながら被災地の復興に尽くす気持ちがおありなのでしょうか。大いに疑問があります。
 大日本帝国憲法は多くの権利を法律の範囲内でしか認めていませんでした。法律で幾らでも権利を制限することができたわけです。ですから、国家総動員法、治安維持法、徴用令など非常事態のための多くの法令を作り、最後は権利は紙切れのようなものとなり、人権は失われました。憲法改正を言う人たちはそのような歴史から何も学んでいません。
 憲法改正のための国民投票のための憲法審査会を動かす必要性などありません。憲法審査会規程を作るべきではなく、人間の復興と憲法の実現をと主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(西岡武夫君) 秋野公造君。
   〔秋野公造君登壇、拍手〕
#18
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました参議院憲法審査会規程案につきまして、賛成の立場から討論を行います。
 憲法改正手続法の成立から四年余り、そして、その完全施行から本日でちょうど一年になります。憲法審査会は、平成十九年八月七日に衆議院とともに参議院に設けられました。憲法審査会の設置から昨年の五月十八日までの約三年間は凍結期間と称されておりました。すなわちこの間は、憲法改正原案の提出及び審査を凍結し、じっくりと憲法論議を行うこと、憲法改正手続法の宿題とも言うべき投票権年齢の引下げや公務員の政治的行為の制限の検討を始めとする、国民が主権者として国民投票を行うに当たっての制度の整備が国会に求められていたのであります。この中には、民主党が我々とともに共同提案者となり、日本国憲法に関する調査特別委員会で可決された十八項目にわたる附帯決議に盛り込まれた検討事項が含まれていることをまず指摘させていただきます。
 衆議院は、平成二十一年六月十一日に衆議院憲法審査会規程を制定しました。その後、衆議院で委員の選任等が行われていないのは、国会における憲法論議の重要性に鑑みて、憲法審査会の始動について参議院と歩調を合わせて進めていくべきとの考えがあったからではないでしょうか。参議院が憲法審査会規程を制定しないことにより、本院のみではなく、国会における憲法論議そのものが行われず、凍結期間の三年間どころか空白期間の四年間が生じてしまったのであります。
 果たして、このような事態を主権者である国民の皆さんにどのように説明すればよいのでしょうか。議論を行うことすら拒否することは、国会の自殺行為と非難されるでしょう。民主党の皆さんはどのようにお答えになりますか。私自身は、昨年本院に議席を得たばかりでありますが、国会に身を置く者として、国民の皆様にどう説明すべきなのか、全く言葉が見付かりません。
 公明党は、四年間にわたり、憲法審査会規程の制定を求めてまいりました。本日、制定の運びとなりました参議院憲法審査会規程の案文は、これまで公明党が主張してきたものとほぼ同一の内容であります。憲法審査会の組織についてもそうでありますし、憲法改正原案の審査に際しては必ず公聴会を開くことを求めており、運営についても憲法改正の重みに十分配意したものとなっております。当然、公明党は本規程案に賛成であります。
 それでは、なぜ民主党は憲法審査会規程の制定をいたずらに先送りしたのでしょうか。その責任は誠に重大であり、真摯な反省に立って、次のステップである憲法審査会の始動を確約していただきたいと思います。
 さて次に、私は憲法についての公明党の考え方について申し上げたいと思います。
 我が国は、現行憲法の下で、敗戦の荒廃の中から立ち上がり、今日の発展を築くことができました。国民主権主義、恒久平和主義、基本的人権の尊重の憲法の三原則を不変の原理として、そして憲法第九条を堅持した上で、環境権やプライバシーの権利を始めとする新しい人権を加えていくという、加憲の立場を取っております。
 そして、公明党は、未曽有の大震災を乗り越えるため、大震災によって国の将来像が根本的に問われる中、憲法の精神を更に定着させることに全力を尽くしてまいる所存でございます。
 二十一世紀に入り、既に十年が経過した現在、我が国は、高齢化、女性の社会進出、世界を取り巻く不況などの目まぐるしい変化の中にあります。国民の生活と価値観は多様化し、男女の役割や家族の在り方など、次世代のライフスタイルの模索も始まっています。憲法制定時と異なった状況が生じていることは明らかであります。
 そして、このような変化に対応できず、困難な状況に直面している多くの国民がおられます。不安定な雇用と格差、うつ病、配偶者からの暴力、児童虐待、不登校等の病んだ心が人生を脅かす深刻な事態、また、増加する孤独死や情報通信の発達による新たな課題など、これまでの社会制度では想定し得なかった課題が増加しています。これらの課題は生きること自体を脅かす新たなリスクであり、これにどのように対応していくかが問われているのです。
 憲法第二十五条は、生存権の保障と国の責務について規定をしています。この規定は、言わば我が国の社会保障制度の根幹を成すものとして極めて重要であり、同条に基づいて従来行われてきた社会保障制度を充実していくことは当然であります。
 しかし、生きること自体を脅かす新たなリスクの全てが憲法第二十五条でカバーされているわけではありません。公明党が二十一世紀型の福祉として、新しい社会問題に対応するヒューマンケア、安定した雇用を保障する新システムなどを盛り込み、従来の福祉政策を刷新する新しい福祉を提唱している理由がここにあります。憲法第二十五条の規定を変えることなく、新たな考え方を更に憲法に盛り込んでいくということにつながってまいります。
 生きること自体を脅かす新たなリスクへの対応は、個々の国民の安全を確保しようという考え方でもあります。
 一九九六年、UNDP(国連開発計画)は人間の安全保障の概念を初めて提示いたしました。我が国はこの考え方を更に深め、今や人間の安全保障の考え方は我が国の外交における大きな柱になっています。
 大震災は、個々の国民の安全を確保していくという当然のことの重要性を我々に再認識させました。我々がこれを認識する代償は余りにも大きかったと言わざるを得ません。人間の安全保障の考え方を憲法上の観点から国内的にも深化させ、国が行うべき責務を明確にしていくことにより、大震災で亡くなられた方々、そして被災された多くの方々に報いていくことが我々の政治の責任であります。そして、新しい福祉という概念も人間の安全保障に通じる考え方であるということは言うまでもありません。
 参議院憲法審査会規程の制定は、国会において真摯な憲法議論を行うための第一歩であります。民主党政権に対する国民の政治不信は今や頂点に達したかの感がございます。最も民主的と言われたワイマール憲法を破壊したのも政治不信でありました。自ら定めた法律を守ることなく、憲法審査会規程の制定を本日まで先送りにし、国民の主権行使に直結する憲法改正手続法の諸課題に対応することを怠っている、これは憲法前文にある国民の厳粛な信託を裏切るものであり、民主党の国会運営が政治不信に一層の拍車を掛けることになっているのではないでしょうか。
 本日、参議院憲法審査会規程が制定されることを受け、空白の四年を埋め、国会が真剣に我が国の国の在り方を議論することが必要であります。国民の代表としての国会が国民の厳粛な信託にこたえていく、余りにも当然のことの重要性を強調させていただくとともに、我々公明党は国の在り方の議論に積極的な役割を果たしていくという決意を新たにして、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#19
○議長(西岡武夫君) 江口克彦君。
   〔江口克彦君登壇、拍手〕
#20
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
 みんなの党を代表して、参議院憲法審査会規程案につきまして、賛成の立場から討論を行います。
 一九九九年夏、国会法の改正に基づき衆参両院に憲法調査会が設置され、二〇〇〇年一月から憲法改正が国会の場で議論されるようになりました。そして、二〇〇七年の改正国会法によって、両議院に憲法審査会を設けると定められました。しかしながら、四年近く経過した今もって規程がないゆえに憲法審査会が活動できないのは、私たち参議院議員の怠慢、立法府の不作為と断ぜざるを得ません。
 国会議員が自分たちで決めたことを実行しない、それでは国民の多くが政治家を信頼しないのも当然ではないでしょうか。信なくば立たず。まさにこうした私たち政治家の有言不実行が国民から軽蔑される要因になっているということを知らなければなりません。
 私は、かねてより憲法問題に相当な関心を持って活動しており、PHP総合研究所の社長として、シンクタンクの活動の中で、二〇〇四年十一月、日本国憲法私案をまとめ、発表しました。その後、二〇〇九年七月、前衆議院議員、元外務大臣の中山太郎先生とともに憲法円卓会議を主宰し、大いに議論をしてまいりました。
 憲法は、国民が国という共同体を営む上での目的や目標、統治システムやルールを表したものであります。社会は絶えず変化しています。その社会の変化に適応できるよう、憲法という国のオペレーションシステムを適宜改正し、自己変革していかなければ、国民が安心して生活を営み得るような共同体として国を維持していくことはできません。
 人間の仕事に完全なものはない、人間の書いた憲法の不完全さが時の流れの中で露呈するのは避けられないことである、また、時の流れは社会に変化をもたらす、憲法が国家にふさわしいものとして存続するためには憲法をその社会の変化に適応させていかなければならないという、アメリカ独立宣言の起草者である第三代大統領トマス・ジェファーソンが残した有名な言葉を私どもは肝に銘じる必要があります。
 しかし、現在の日本は、世界的に見ると、自己変革ができていない国であり、珍しい国であります。現在の日本国憲法は、世界に百八十ほどある中で、私の記憶によれば、古い方から数えて十四番目に当たります。必ずしも頻繁に改正しなければならないものではありませんが、必要な改正は行ってしかるべきです。しかしながら、六十五年もの長きにわたって一か条も改正されたことがないのは日本国憲法だけです。
 ほかの国においては、憲法の中身と社会状況にずれが生じたとき、しばしば改正が行われてきております。例えば、最も古いアメリカの憲法は約二十回、二番目に古いノルウェーの憲法は約百五十回、日本国憲法の翌年にできたイタリアの憲法も十五回、その二年後にできたドイツの憲法は六十回近くにも及ぶ改正がなされています。
 現行憲法については、半世紀以上も前から、全面改正論、一部改正論、弾力的解釈論、政略的改正反対論、改正絶対反対論があることは十分承知しています。しかし、弾力的解釈論は国民に御都合主義と精神的退廃をもたらし、政略的改正反対論も改正絶対反対論も国民に憎悪と偽善の風潮を助長するにすぎないと思うのであります。また、全く改正されなかった、不磨の大典とした大日本帝国憲法の発想と同じであり、まさしく時代錯誤であります。大日本帝国憲法は、その硬直性が結果として軍国主義を生み出してしまったことを私たちは想起すべきであり、二度とその轍を踏まないためにも、憲法改正を避けてはならないと強く感じております。
 また、日本国憲法が、日本国及び日本国民でなく、六十数年前、アメリカの占領軍が日本弱体化という恣意的意図で作成されたことは皆さんもよく御存じのことであり、国民の周知の事実でもあります。日本の憲法の原文が外国語、英文であることがその事実を如実に物語っていると思います。多くの識者が指摘するように、現行憲法は英文の翻訳ゆえに醜悪な日本語の羅列になっているのであります。もし、憲法改正に反対する人たちがいるとするならば、その心には一片の愛国心もない、日本国及び日本国民も存在しないか、あるいは盲目的なアメリカ占領軍の追随者、賛同者と断じてもよろしいのではないかと思います。
 さらに、日本の社会がこの六十年余、まるで鎖国の時代のように、ほとんど大きな変化もなく、人の移動もなく、激動の世界の中でも時計の針が止まっていたのであるならば、憲法改正反対も一理あると言えると思います。しかし、現実はどうでしょうか。二十一世紀に入った現在の日本、そして日本を取り巻く世界の状況は、日本国憲法が施行された一九四七年当時と激変しております。価値観の多様化、グローバル化、高度情報化の時代になっても、一か条の改正にも反対するどころか、議論にも反対するとすれば、このダイナミックに変化する時代の中で、国民を置き去りにし、国民の最大幸福を考えない、国民から最も遠いところで憲法を考えている人たちであるとも言えるのではないでしょうか。
 私は、早急に、中央集権体制の限界、国会の矛盾、オンブズマン制度の導入、自然保護や環境、プライバシーの問題、知的所有権の問題、非常事態、危機管理の問題、そして家族の重視、個人の責任と義務のバランス是正など、現在対応が求められている課題を憲法に盛り込まなければならないと考えておりますが、こうした点を是非とも国会の憲法審査会の場で堂々と議論していきたいと思います。
 少なくとも、現行憲法が現在の国民の最大幸福に直結しているのかどうか検証し、改正について議論する場をつくるべきでしょう。それが私たち政治家の良心と使命であるというものではないでしょうか。
 私どもみんなの党は、昨年の参議院議員選挙において掲げたアジェンダには、憲法は、道州制の導入、衆参統合の一院制導入など、これからの国の在り方に合わせて見直す必要がある、よって憲法審査会を早急に始動して議論を開始すべきと明記しました。速やかに憲法審査会規程を成立させ、憲法審査会を始動させて、少なくとも憲法議論、改憲議論を進めていくこと、これが私たち政治家の国民に対する最大の責務であると再度申し上げたいと思います。
 私どもみんなの党は、憲法審査会規程の成立の上、憲法審査会の早急な始動を求め、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#21
○議長(西岡武夫君) 中山恭子君。
   〔中山恭子君登壇、拍手〕
#22
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 私は、たちあがれ日本・新党改革を代表して、参議院憲法審査会規程案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 日本国憲法の改正手続に関する法律が平成十九年に制定されて以来四年が過ぎました。この間、憲法審査会規程が制定されず、国会法上は設置されている憲法審査会が始動しないという異常な状態が続いてきました。この度、ようやく、参議院憲法審査会規程が制定されますと憲法に関する議論を行う場ができることになります。憲法審査会が動き出すことの重要性に鑑み、本規程案に賛成するものであります。
 現憲法の前文を読むとき、日本の長い歴史の中で日本の人々が培ってきた文化に基づく考え方や思想が見当たらない、自分たちの言葉ではなく、よそから借りてきた文章がつづられていると感じ、大変残念なことだと思い続けてまいりました。
 日本の人々は古来、自然に対し畏怖の念を抱き、自然とともに生きてきました。去る三月十一日に発生した東日本大震災では、大切な人を失い、想像を絶する悲しみ、苦しみに直面しながらも、冷静で秩序正しく、人への思いやりを忘れない人々の姿がそこにありました。このような日本の人々の姿に世界からも感嘆の声が上がっています。
 本来、日本は調和ある社会を重んじてきました。また、異なる文化をも柔軟に受け入れ、自らの文化に溶け込ませてきました。世界の動きをいち早くとらえ、新しい技術や考え方を取り入れて発展してきたのが日本の社会です。
 日本の文化は国際社会においても重要な役割を果たし、貢献できるものであると考えています。こうした日本の精神、文化を盛り込んだ憲法を自ら制定すべきであると考えます。
 国際社会は、文字どおり、国と国が際を接する社会です。自国の国民、領土、領海を守ることのできない国家は国際社会において尊敬も信頼も得ることはできません。日本は、自ら国民、領土、領海を守り、また、国際社会の一員として責任を果たし、信頼される国家でありたいと考えます。そのことが平和の維持につながると確信しています。
 この上は、直ちに委員を選出して、憲法審査会における積極的な議論を開始することが肝要です。
 国権の最高機関である国会、その国会に籍を置く私どもは、いかなるときにあっても国の在り方に関する議論から逃げてはいけないということを申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)
#23
○議長(西岡武夫君) 亀井亜紀子君。
   〔亀井亜紀子君登壇、拍手〕
#24
○亀井亜紀子君 参議院憲法審査会規程案について、国民新党を代表し、賛成の立場から討論いたします。
 国民新党は、日本の伝統、文化に誇りを持ち、独立国家として自主憲法を制定することを公約としています。もちろん、現行憲法が果たしてきた役割、すなわち、日本に民主主義を根付かせ、再び戦争に巻き込まれることなく、経済発展を遂げる土台をつくったことは疑う余地がありません。戦争に突入した反省に基づき、政府の権限を制限して個人の権利を拡大した憲法の下で国民は自由主義を謳歌してきました。
 けれども、東日本大震災、原発事故という国難に見舞われた今、公と私の折り合いをどう付けるべきかが改めて問われています。非常事態を想定していない憲法の欠陥が露呈した以上、自然災害や安全保障上の有事に対応すべく、非常事態規定の創設について議論を始めることは立法府としての責務であると考えます。
 そもそも、日本の土地の私有権が諸外国と比べて強過ぎることはしばしば指摘されてきました。尖閣諸島が私有地であること、離島や水源林が外国資本に買収される問題について地方自治体や住民の危機意識は高まっています。土地の所有権と利用権、居住権について、公の視点に立った議論は平時においても急ぐ必要があります。
 また、国民新党は、二院制の在り方を見直し、両院の機能を憲法上明確に規定することを主張しています。これは結党の経緯にまで遡ります。御存じのとおり、国民新党は郵政解散を機に結成されました。参議院で否決された法案を衆議院に戻さず、両院協議会も開かずに総理が衆議院を解散したことは憲法違反であるという主張を私たちは変えておりません。
 衆議院議長を務めた綿貫民輔先生が政党を結成してまで戦った最大の理由は、議会制民主主義の崩壊に警鐘を鳴らすためでした。あのとき、参議院は存在意義を否定されました。そして、総選挙後、参議院が選挙結果を追認したことで、今度は自ら存在意義を否定してしまったのです。本来、衆議院の解散に脅かされずに見識を示すべき参議院が、毅然として政府に立ち向かえなかったことは、現在の参議院不要論を招く要因になりました。その声は、ねじれ国会と東日本大震災という想定外の政治状況でいよいよ高まりつつあります。想定外が重なること自体、憲法が改正を必要としている表れでしょう。
 また、一票の格差について、最高裁は、衆議院も参議院も違憲状態であるという判決を下しました。これを受けて、衆参とも選挙制度改革の論議が始まっています。けれども、両院の役割分担を規定することなく酷似した選挙制度をつくることは、政治の安定につながりません。選挙制度は、本来、憲法改正の観点から議論されるべきだと思います。
 さて、両院協議会は、単なる形式ではなく調整機能です。政権交代直前に開催された両院協議会に私は出席しましたが、その席で民主党は両院の合意形成に向けた議論を呼びかけました。政権交代が実現しない場合に発生するねじれ国会を念頭に与党・自民党に提案したのですが、まさか与党になった民主党がねじれ国会に苦しむことになろうとは、当時想像も付きませんでした。憲法改正まで時間を要することを考えれば、今からでも議論すべきだと思います。
 国難の今、問題は山積しています。憲法上位置付けられていない自衛隊が連日被災地で奮闘している姿に立法府としての責任を感じます。非常事態に国民の命を守る自衛隊の活動に敬意を表し、原発事故が収束に向かうことを願い、賛成討論を終わります。(拍手)
#25
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
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#26
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本規程案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#27
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#28
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            二百十八  
  反対              十一  
 よって、本規程案は多数をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#29
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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