くにさくロゴ
2011/06/13 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第21号
姉妹サイト
 
2011/06/13 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第21号

#1
第177回国会 本会議 第21号
平成二十三年六月十三日(月曜日)
   午後三時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十一号
  平成二十三年六月十三日
   午後三時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特別委員会設置の件
 一、日程第一
 一、東日本大震災復興基本法案(趣旨説明)
 一、国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関
  する調査の中間報告
 一、国民生活・経済・社会保障に関する調査の
  中間報告
 一、共生社会・地域活性化に関する調査の中間
  報告
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 東日本大震災からの復興に当たり、その総合的な対策樹立に資するため、委員四十名から成る東日本大震災復興特別委員会を設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、本特別委員会を設置することに決しました。
 本院規則第三十条の規定により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。
    ─────────────
   議長の指名した委員は左のとおり
○東日本大震災復興特別委員
      岩本  司君    江崎  孝君
      岡崎トミ子君    加賀谷 健君
      金子 恵美君    神本美恵子君
      郡司  彰君    小西 洋之君
      今野  東君    主濱  了君
      平山 幸司君    藤田 幸久君
      藤原 良信君    舟山 康江君
      増子 輝彦君    柳田  稔君
      山根 隆治君    愛知 治郎君
      赤石 清美君    岩城 光英君
      上野 通子君    岡田  広君
      川口 順子君    熊谷  大君
      佐藤 信秋君    佐藤 正久君
      高階恵美子君    長谷川 岳君
      牧野たかお君    森 まさこ君
      山田 俊男君    竹谷とし子君
      長沢 広明君    横山 信一君
      小熊 慎司君    松田 公太君
      山下 芳生君    藤井 孝男君
      吉田 忠智君    亀井亜紀子君
     ─────・─────
#5
○議長(西岡武夫君) 日程第一 国家公務員等の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、情報公開・個人情報保護審査会委員、預金保険機構理事、公害等調整委員会委員、中央更生保護審査会委員長、日本銀行政策委員会審議委員、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会委員、土地鑑定委員会委員及び運輸安全委員会委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、情報公開・個人情報保護審査会委員に森田明君、市川玲子君及び大橋洋一君を、預金保険機構理事に小幡浩之君を、公害等調整委員会委員に柴山秀雄君を、中央更生保護審査会委員長に安倍嘉人君を、日本銀行政策委員会審議委員に石田浩二君を、労働保険審査会委員に神尾真知子君を、中央社会保険医療協議会委員に森田朗君及び石津寿惠君を、土地鑑定委員会委員に鎌田薫君、石橋勲君、井出多加子君、緒方瑞穂君、白田佳子君、都築武保君及び光多長温君を、運輸安全委員会委員に庄司邦昭君、横山鐵男君及び根本美奈君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十八  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#8
○議長(西岡武夫君) 次に、預金保険機構理事に井上美昭君を、公害等調整委員会委員に高橋滋君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#9
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#10
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十四  
  反対               四  
 よって、多数をもって同意することに決しました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#11
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 東日本大震災復興基本法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。衆議院東日本大震災復興特別委員長黄川田徹君。
   〔衆議院議員黄川田徹君登壇、拍手〕
#13
○衆議院議員(黄川田徹君) ただいま議題となりました東日本大震災復興基本法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、今回の東日本大震災の被害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたり、極めて大規模なものであり、地震及び津波並びにこれらに伴う原子力発電施設の事故による複合的なものであることに鑑み、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ろうとするものであります。
 本案は、衆議院に設置された東日本大震災復興特別委員会におきまして、去る六月九日、委員会提出の法律案とすることと決し、翌十日の衆議院本会議で可決されたものであります。
 次に、その主な内容を申し上げます。
 第一に、東日本大震災からの復興の基本理念として、新たな地域社会の構築とともに、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきこと、被災地域の住民の意向を尊重し、あわせて女性、子供、障害者等を含めた多様な国民の意見が反映されるべきこと、原発事故による被災地域の復興については、復旧状況等を勘案しつつ、これらの事項を行うべきこと等を定めております。
 第二に、国及び地方公共団体は、この基本理念にのっとり、復興に必要な措置を講ずる責務を有することとしております。
 第三に、東日本大震災からの復興に関する基本的施策として、資金の確保に関して、徹底的な歳出削減、財政投融資に係る資金や民間資金を活用するとともに、復興債を発行すること等を定めているほか、政府は、復興の推進を図るため、復興特別区域制度について、速やかに法制上の措置を講ずることとしております。
 第四に、内閣に、内閣総理大臣を長とする東日本大震災復興対策本部を置き、地方機関として、関係府省の副大臣等を長とする現地対策本部を置くとともに、本部に東日本大震災復興構想会議を置くこととしております。また、内閣に、復興施策の企画立案、総合調整、実施等を行う復興庁を期間を限って置くこととし、政府は、その設置について可能な限り早い時期に法制上の措置を講ずることとしております。なお、復興対策本部は復興庁の設置の際に廃止することとし、本部の組織の機能は復興庁の組織に引き継がれるものとしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(西岡武夫君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。金子恵美君。
   〔金子恵美君登壇、拍手〕
#15
○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。
 会派を代表して、ただいま議題となりました東日本大震災復興基本法案について質問をいたします。
 東日本大震災の発生から三か月が経過いたしました。改めて、この度の震災により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、いまだに厳しい状況に置かれている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 また、全国の皆様から被災地に温かい御支援をいただいておりますことに、被災地福島県選出の国会議員として、心から御礼申し上げます。
 東日本大震災及び東京電力福島第一原発の事故による被災者の皆様の支援や被災地域の応急復旧を引き続きしっかりと進めていくことが必要ですが、復興に向けて歩み始めることも必要な時期に来ております。
 東日本大震災からの復興に当たっての基本理念や復興を進めるための組織を定める法律が必要だということは、政府、与野党とも共通の認識であったと思います。また、こうした法律の制定を急ぐことが、被災された皆様に今後への希望をもたらすことになると考えます。
 衆議院においては、こうした共通認識を踏まえ、民主党、自由民主党、公明党を中心として協議を重ね、委員長提出の形で新たに東日本大震災復興基本法案を提出されました。関係者の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。
 本法案の質問に入る前に、被災地域の切実な要望におこたえいただきたく、一点お伺いいたします。
 それは、全国の皆様から寄せられた多額の義援金が被災者の方々の手元になかなか届かないという現状についてです。被災地の自治体の多くは壊滅的な被害を受けており、人手も足りず、義援金の配分が難しくなっております。政府として、早急に打開策を講じるべきだと考えますが、菅総理の御答弁をお願いいたします。
 それでは、以下、東日本大震災復興基本法案につきまして何点かお伺いしたいと存じます。
 まず、菅総理にお伺いします。
 基本法案の第一条の目的において、活力ある日本の再生がうたわれております。菅総理は、この活力ある日本の再生について具体的にどのようなイメージを思い描いておられますか。政治家個人としてお持ちのビジョンでも構いませんので、御披露いただきたいと思います。
 東日本大震災からの復興には国と地方が総力を挙げて取り組むことが必要ですが、そのための資金の確保も重要な課題です。
 そこで、復興債の発行についてお伺いします。
 基本法案第八条では、別に法律で定めるところにより復興債を発行することとしておりますが、基本法が成立した後、復興債発行のための法整備をどのようなスケジュールで行うことが必要とお考えでしょうか。また、将来世代に過度な負担を負わせることを避けるために、償還についてどのような道筋を考えておられるでしょうか。野田財務大臣にお伺いいたします。
 続いて、復興特区制度の整備についてお伺いします。
 基本法案第十条に盛り込まれた復興特区制度については、速やかに必要な法制上の措置を講ずるものとされておりますが、どのようなスケジュールで検討を進め、いつごろ法案を提出することが必要とお考えでしょうか。また、仮にこの復興特区制度が早期に実現したとしても、福島第一原発事故の収束が長期化している中、福島県の地方公共団体では制度を活用したくてもできない状況に置かれている可能性も考えられます。復興特区制度の検討に当たっては、こうした点に御配慮いただき、なるべく長いスパンで制度が存続されるようにすべきではないでしょうか。菅総理にお伺いいたします。
 最後に、復興庁の設置の検討についてお伺いします。
 基本法案第二十四条では、復興庁をできるだけ早期に設置することとし、可能な限り早い時期に法制上の措置を講ずるとしております。復興庁の設置法案の提出時期、復興庁が実際に設置される時期について、いつごろが望ましいとお考えでしょうか。また、復興庁にはどのような権限を持たせることが必要とお考えでしょうか。菅総理の御所見をお伺いいたします。
 さらに、復興庁の設置についての検討は誰がどこで行うことになるのでしょうか。私は、被災地域の自治体の長を始め、当事者の意見を反映させながら復興庁の在り方を検討すべきと考えますが、この点についても菅総理に併せてお伺いいたします。
 東日本大震災からの復興には長い道のりを要すると思います。長い道のりであっても、被災地域の皆様に寄り添い、国を挙げて復興に取り組まなければなりません。私が避難所で出会った子供たちは、困難な状況の中にあっても美しい目の輝きを失わないでいてくれています。この子供たちが明るい未来に続く道のりをしっかりと歩んでいくことができるよう、希望の光を当てなくてはならないのです。
 そのために、私自身も被災地選出の国会議員として引き続き全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#16
○内閣総理大臣(菅直人君) 金子恵美議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、義援金の早期配分についてであります。
 私も義援金の配付はもっと急げないかということで、いろいろ私なりに関係者の状況を把握をしてまいりました。義援金を被災した方々のお手元に一日でも早くお届けするために、まず日赤等から都道府県に対する義援金の送金を早めること、そして、配付事務を担う市町村のマンパワーを増強することなどが必要であると承知をいたしております。
 そこで、本日、厚生労働大臣が日赤本社を訪れまして、都道府県に対する早期配分を要請し、対応を協議をしたところであります。また、被災した市町村に対しては、他の自治体からの応援職員を増強するなど、必要な支援を更に行ってまいりたいと思います。
 こういうことで、一日も早く手元に届くように一層の努力をいたしたいと思います。
 次に、基本法案に規定された活力ある日本の再生の内容についての御質問をいただきました。
 復興基本法案では、東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることが目的とされております。私は、被災地域の復興なくして日本経済の再生はなく、また、日本経済の再生なくして被災地域の真の復興はないと考えております。
 復興は、単に元に戻すのではなく、未来への創造的復興とする必要があると思っております。例えば、現在、瓦れきの中には木質の瓦れきがたくさん入っております。東北地方にいろいろな木質のものを使って合板を作るような工場がありますけれども、そういう工場の中には、バイオマス発電、つまり木質のものを材料とした発電所を持っておられるところもあります。先日もお会いいたしまして、例えば、まずは瓦れきの中の木質のものを使うそういうプラントをもっと増やす、そして、将来は林業の間伐材などを使っていくといった将来の林業の再生にもつなげていく、さらに、再生可能エネルギーの太陽光や風力などを利用したそういうプラントを造っていく。また、農業や水産業においても、加工、流通など共同化、集約化をして六次産業化を図っていく。そういうことによって、結果としてこの被災地域が日本の先進的なモデルを示すような、そういう復興にしていきたい。これが私の目指す活力ある日本の再生のイメージであることを申し上げさせていただきます。
 次に、復興特区についての御質問をいただきました。
 復興特区制度については各方面で活発に議論されており、今回提案された基本法案でも、復興特別区域制度を活用し、地域における創意工夫を生かして行われる東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図るとされたところであります。その法案の提出については、今月末をめどに取りまとめられる復興構想会議の提言を踏まえ、被災地域の地方公共団体や経済界、住民の声を十分伺った上で、可能な限り速やかに法案を策定し、国会に提出してまいりたいと考えております。
 また、原子力発電施設の事故における災害を受けた地域については、御指摘のように、その災害の特殊性に応じた復興特区制度を工夫するとともに、長いスパンで対応することが必要であると、このように考えております。
 次に、復興庁についての質問をいただきました。
 復興庁の設置時期については、その設置法案について国会の御審議が必要となることから、今の段階で具体的に申し上げることは差し控えますけれども、いずれにせよ、この基本法案が成立した際には、年内に復興庁の業務の全体像について成案を得て、その後速やかに設置法案を国会に提出すべく最大限の努力をしてまいります。
 復興庁の権限については、既存省庁の枠を超えて実質的な決定機能を発揮し、地方公共団体のニーズにワンストップで対応できるようにするため、復興庁が主体的かつ一体的に行うべき国の復興施策を対象とするというのが基本法案の考え方であります。
 復興庁の在り方の検討については、本法案により新設される復興対策本部を中心に行うこととなると考えますが、その際には、地方公共団体のニーズもしっかり受け止めた上で検討を進めてまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(野田佳彦君) 金子議員からは、復興債及びその償還に関する御質問をいただきました。
 今後、復興構想会議の青写真も出てくるのを見ながら、復興の具体案の検討を行いつつ、復興債発行のための法整備の検討を行っていくものと考えています。
 また、復興債の償還に当たりましては、市場の信認確保の観点や将来世代へ過度な負担を負わせることのないよう、今後、歳入歳出の両面にわたり、あらゆる方策をしっかり検討していきたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#18
○議長(西岡武夫君) 佐藤信秋君。
   〔佐藤信秋君登壇、拍手〕
#19
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました衆議院東日本大震災復興特別委員会委員長提案の東日本大震災復興基本法案について、この法案の成立を花道に菅総理に御退陣いただくことを切望しながら、以下、質問申し上げます。
 まず、今回の大震災でお亡くなりになられた皆様と被害を受けられている全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 今回、この基本法案について御尽力された黄川田徹委員長始め、関係の皆様に敬意と感謝を申し上げます。我が党の提案も大部分取り入れられました。この基本法により大震災からの復興の推進と、日本の再生を図る糸口が見出せるようになると信じますが、まず最初に総理の御認識を伺います。
 大震災発生後、既に三か月、復旧・復興は余りにも進んでいません。自民党は大震災発生以来、政府に対して多くの提言をいたしてきました。特に緊急対策として、被災者が安心し、自治体等が迅速に事業を実施できるよう、予算措置を始め国が最後まで責任を持つべきであると一貫して申し上げてまいりました。私は、総理御自身が責任も費用も国が持つと明確にすべきだったと思います。地方公共団体も困り切っているのです。第一次補正予算でも、災害救助や復旧事業等において地方の負担が約〇・七兆円とされています。後で交付税等で措置されるといっても、当面、公共団体は借金をしなければいけません。そのほかにもたくさんの費用が必要です。
 なぜ、三月十一日以降、直ちに国が責任を持って大震災からの復旧も原発事故の収束も行うという緊急事態法をまとめて立法化を図らなかったのか、総理の御見解を伺います。
 また、総理というお立場ですから、何事にも単なる思い付きではなく、実行する裏付けが必要です。
 例えば、総理が提唱された高台への移転、エコタウンづくりにも地方財政上の問題があります。事業を行うべき市町村は、当面、相当の程度の借金をしなければいけません。市町村長の多くは、自らの財政が大丈夫かとためらっています。一方、自力で家を新築できる住民は少ない。住民は高齢化し、自らローンを組めない人が多く、公営住宅に頼らざるを得ません。総理の思い付きを生かすには、様々な特別の配慮、特に公営住宅建設に対する地方負担への財政措置等が必要と考えますが、総理の御見解を伺います。
 次に、瓦れき、ヘドロの処理対策についてお尋ねします。
 瓦れきは二千五百万トンもあり、ヘドロはこの数倍に達するであろうと言われています。ヘドロは感染症や肺炎の原因になり、被災地ではこれらの処理には数年、数兆円掛かると心配されています。
 また、この対策は、災害廃棄物処理としては市町村の事業であり、住宅周辺の障害物除去としては県の災害救助事業です。国が補助しますが、市町村、県それぞれにも財政負担が生じます。ところが、事業としては一緒にまとめて実施せざるを得ないんです。国が費用を全額持つから、誰でも実行できる公共団体がやってくださいという強いメッセージが必要なのです。総理の御見解を伺います。
 自衛隊、警察、消防等多くの皆様が危険を顧みず、また苦労をいとわず、大変な御活動をいただいております。御苦労に心から感謝しております。ここでは、高い職業倫理と、責任は国が持つということが生きていると感じております。国の出先機関もまた同様であります。一例として、大震災発生後すぐに国土交通大臣がお出しになった指示がマスコミ等で良かったと取り上げられています。
 そこで、国土交通大臣にその指示の内容について伺いたいと思います。
 被災地が復興していくためには産業が立ち直らなければなりません。特に、水産業は基幹産業であり、漁業者も関連産業も大きな打撃を受けました。また、農業においては、塩害や放射性物質に汚染された土壌をどうするかが大きな問題です。さらに、自らも被災しながら、地震発生後直ちに緊急復旧作業に身を粉にして従事されている建設産業の再生も急がれます。
 地方自治体自体が被災者であり、また復旧には時間が掛かる現状では、国の大幅な関与が欠かせません。どのように東日本の被災地の産業、暮らしを再建していくか、国としての基本的方向を簡潔に、一言で結構ですから、一言で結構です、お聞かせください。
 被災地の復興を進めるために、この基本法案では復興庁を設置することとしていますが、提出者にその設置時期の方針についてお尋ねします。
 復旧・復興に向けて、地域の力を引き出すために最前線の地方公共団体の職員の増員も不可欠です。本格的な人的支援に向けて、言葉だけではなくて、総理の対応方針を伺います。
 次に、東電の原子力発電事故の損害賠償について伺います。
 二次にわたって指針が策定されておりますが、まだまだ広範な損害が残っています。また、政府は個別の交渉は被害者と東電がするとしていますが、被災者が東電と直接交渉するのは困難であります。
 補償については国が責任を持たなければいけません。一刻も早く具体的な補償対象を決定していくこと、また、賠償を含めた被災者の問合せに一括して答える行政のワンストップ化も必要です。総理の御回答をお願いいたします。
 最後に、質問ではなくて要請であります。
 私どもは、本法案の成立に尽力いたします。また、国、地方共に必要となる財源対策や日本全体の雇用の確保、経済の底上げも必要不可欠です。まずは、第二次補正予算を早期に編成する必要があります。
 困難は山積みし、時間と必死の努力が必要です。軽々しく、いつまでに一定のめどを付けるなどとは言える状況ではないでしょう。そもそも一定のめどなるものは、どうとでも言えるものだから、混乱のもとになっているだけです。何よりも、国が責任も費用も持つから安心して一丸となって復旧・復興に向かいましょうと国民にメッセージを届けなければなりません。国会議員は党派を超えて、この大震災と原発事故が子供たちの未来に影を落とすことのないように、また、日本を再建するために皆で身命を賭して取り組み続けなければなりません。
 そのためには、菅総理、ペテン師とまで呼ばれて、鳩山前総理にまで、不信任案に賛成しておくべきだったとまで言われている菅総理のあなたの存在が障害となります。一刻も早く退陣されることが日本の復興への最大の寄与だと断言して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔衆議院議員後藤祐一君登壇、拍手〕
#20
○衆議院議員(後藤祐一君) 復興庁の設置時期についてのお尋ねでございますが、政府から提出された閣法においては、復興基本法の施行後一年以内を目途として必要な法制上の措置を講ずると附則に規定されておりました。
 ただ、これでは余りに遅過ぎるという御提案を自民党、公明党の皆様からいただきました。そして、我が党の中でも、これでは遅い、復興庁をしっかりつくると明記すべきだという御意見が多かったんです。そこで、与野党協議の場においてこの政府案を修正いたしまして、この法案の附則ではなくて本文の中で、二十四条五項という形で、できるだけ早期に設置することとし、政府は可能な限り早い時期に法制上の措置を講ずるものとすると規定させていただいたところでございます。
 その具体的な意味としましては、先ほど総理からも答弁あったところでございますが、政府において遅くとも年内にこの復興庁の業務の全体像について成案を得ていただいて、速やかに復興庁設置法案を国会に提出いただきます。そして、法律が成立次第できるだけ早く、二十三年度中にも設置できるよう努力いただくという意味でございます。
 ただし……(発言する者あり)そうなんです、遅いんです。復興庁が設置されるまで、復興施策が滞ることがあってはいけません。政府においては、この復興基本法の公布、施行後、直ちに東日本大震災復興対策本部を設置していただいて、本部の下で必要な復興施策をスピード感持って進めていただくものと考えております。
 このほかにも、たくさんの野党の御提案を踏まえさせていただきました。とにかく早く、いい内容の復興基本法になるようにまとめさせていただいたつもりでございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#21
○内閣総理大臣(菅直人君) 佐藤信秋議員にお答えを申し上げます。
 まず、復興基本法に基づく復興の推進についての御質問をいただきました。
 まず、与野党間で大局的な見地から復興基本法の在り方について精力的に御議論をいただき、東日本大震災復興基本法案を取りまとめていただいたことに改めて感謝を申し上げます。
 同法案については、政府・与党案、自民党案、公明党案の良いところを取り入れることにより、東日本大震災からの復興のための基本方針として、より充実したものとなったと考えております。法案成立後は、速やかに復興対策本部及び現地対策本部を立ち上げ、切れ目なく復旧・復興事業を継続していくとともに、本格的復興に向けて全力で取り組みたいと考えております。
 御指摘のように、基本法による復興の推進が日本再生の糸口となると考えており、各党各会派におかれましても、是非とも御協力をお願い申し上げます。
 次に、緊急事態法についての御質問をいただきました。
 まず、今回の震災対応については、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて改正された現在の災害対策基本法に基づき、内閣総理大臣を本部長とする緊急災害対策本部を直ちに設置をいたしました。また同時に、原子力災害対策については、ジェー・シー・オー事故、この平成十一年九月の教訓を踏まえて制定された原子力災害対策特別措置法、これが平成十一年十二月に制定されておりますが、これに基づいて原子力災害対策本部を直ちに設置いたして、こうした対応によって政府一丸となって全力で取り組んできているところであります。
 御指摘の緊急事態法制については、私も必要性を感じております。しかし、当面の震災対応、原発対応が落ち着いた段階で、今回の教訓を踏まえてしっかりと緊急事態法制については議論をすることが適切だと考えます。
 また、地方公共団体の財政負担については、第一次補正予算において国費による手厚い財政援助を行った上で、なお生じる地方負担については、地方債や交付税による財政措置を拡充し、地方公共団体の取組を支援してまいっておりますし、これからも支援してまいりたい、このように考えております。
 次に、復興のための地方負担への配慮についての御質問をいただきました。
 被災した自治体への支援については、復興構想会議で先般決定された復興構想七原則において、地域・コミュニティー主体の復興を基本とし、国は復興の全体方針と制度設計によってそれを支えることとされているところであります。同会議では、御指摘の高台移転やエコタウンづくりなどを含め様々な議論が行われているところでありますが、いずれにしても、迅速、着実な復興には自治体への支援が不可欠であり、地方への必要な財政措置はしっかりと行ってまいりたいと考えております。
 次に、瓦れき、ヘドロ対策の全額国庫負担に関する御質問をいただきました。
 瓦れきやヘドロの処理対策に要する費用については、全額国が負担するための措置がとられております。今回の震災における瓦れきやヘドロの処理については、住宅周辺にあるものを含め、市町村が災害廃棄物処理事業として実施しているけれども、市町村の実態によっては必要に応じて市町村から事務委託を受けた県が実施する場合もあります。一次補正予算においては、市町村であれ、事務委託を受けた県であれ、実質的に負担が生じないよう、財政面からの支援を措置したところであります。被災地の瓦れきやヘドロの処理が迅速に進むよう、国としても最大限の対応を行ってまいります。
 次に、被災地の産業、暮らしの再建についての御質問をいただきました。
 被災地の復旧・復興については、御指摘のように、自治体の意見を尊重しつつ、国が積極的に関与していくことが必要であり、瓦れき処理や仮設住宅についても国が先頭に立って取り組んでいるところであります。被災地の産業、暮らしの再建については、現在、復興構想会議において、農林水産業を始め各種産業の復興について様々な御意見が出ているところであります。また、一昨日、釜石に出かけましたら、氷さえ手に入れば漁業が再開できるということで、そういったことに対しても二次補正等で措置をすることが必要だという議論が出たところであります。
 間もなくこうした復興構想会議の提言もまとめられることになりますが、必要な対策は一刻も早く取り組むという方針の下、被災地の産業再生や暮らしの再建に向けて、国が先頭に立ってできるものから実行していくという、こういう覚悟で取り組んでいるところであります。
 次に、被災地方公共団体への人的支援についての御質問をいただきました。
 政府においては、被災自治体の体制を強化するため、国家公務員については六月六日現在で五百四十二名、延べにすると約四万二千名を、そしてまた、地方公務員については各自治体が独自に職員を派遣しているほか、全国市長会、全国町村会の協力を得て、五月三十一日現在で千十七人の市町村職員の派遣を決定いたしているところであります。
 今後は短期から中長期の職員派遣の要請が増えてくるものと考えられておりますが、これらの仕組みを十分に活用し、被災自治体のニーズを踏まえ、被災自治体において必要な体制が構築できるよう全力を挙げて支援してまいります。
 次に、東京電力福島原子力発電所事故による原子力損害賠償についての御質問をいただきました。
 原子力損害紛争審査会の第一次指針では政府による避難等の指示に係る損害等が、第二次指針では風評被害のうち差し当たって相当因果関係が認められる損害等が賠償の対象となるとされたところであります。今後、更に詳細に調査検討を行い、七月ごろをめどに精神的損害などを含め全分野をカバーする中間指針を取りまとめていただきたいと考えております。
 今回の原子力損害賠償については東京電力が一義的な責任を負うべきものでありますが、国として被害者の方々が適切な賠償を受けられるよう万全を期してまいります。被災者と東電との交渉についても、被災者の置かれた立場を踏まえ、所要の支援や東電に対する指導を行ってまいります。
 また、行政のワンストップ化については、原子力災害対策本部の下、現地対策本部等が設置されており、賠償を含めた被災者の方々向けの支援が一元化、円滑化されるよう体制の充実や国民への周知を行ってまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣大畠章宏君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(大畠章宏君) 佐藤議員の御質問にお答えを申し上げます。
 東日本大震災発生後の私の指示内容について御質問をいただきました。
 地震発生後、直ちに国土交通省緊急災害対策本部会議を開催し、仙台市内にある東北地方整備局及び東北運輸局とテレビ会議を通して現地の状況について報告を受けました。現地からの切実な報告を受けて、予想をはるかに超える大規模災害であることを強く感じ、緊張感を覚えました。
 そこで、全てに優先して人命救助を第一義として、被災者の救援活動、それから被災状況の早期把握と緊急対応に全力を挙げることを要請いたしました。特に、東北地方整備局の徳山局長には、局長の判断が私の判断として、国土交通省の所掌にとらわれず、また、予算を気にせず、被災地と被災者の救済のためにやれることは全部やり切っていただきたいと伝えました。また、全国の地方整備局等に対して緊急災害対策派遣隊、テックフォースを出動し、被災地の支援を行うよう要請をいたしました。
 今回の災害では、地方整備局の庁舎が被災をし、さらに職員やその家族も被災する中で、職員が一丸となって災害対応に取り組んでいただきました。心から感謝をしております。
 今後も、被災者救済と地域の復旧・復興に向けて全力で取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(西岡武夫君) 竹谷とし子君。
   〔竹谷とし子君登壇、拍手〕
#24
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 ただいま議題となりました東日本大震災復興基本法案に関し、公明党を代表して、質問させていただきます。
 震災で親を亡くした子供たちは俺が育てるとの立谷相馬市長の覚悟、また、壊滅した市を震災前より良い市にするのが亡くなられた多くの方にこたえることになるとの思いで陣頭指揮に当たる戸羽陸前高田市長など、被災地の復興・復旧に全力を尽くしておられる多くの首長さん等と同じ覚悟、同じ思いを共有しつつ、復興基本法案について質問をさせていただきます。
 今回の大震災、大津波で家族を亡くし、家を流され、仕事を失った被災者の皆様にとって、義援金、災害弔慰金、生活再建支援金の三つは今の、そして今後の生活のよりどころです。
 震災直後から日本のみならず世界中から寄せられた義援金は約二千五百億円、かつてない額が集まっています。しかし、被災された方に届いたのは僅か一五%。これでは、義援金は被災地に届かない、役に立たないという誤ったメッセージを国が発しているのも同じです。義援金が被災者のお役に立っているというメッセージを一日も早く発信しなくてはなりません。
 義援金だけでなく、災害弔慰金も生活再建支援金も同様に大変遅れています。
 これまで本会議や委員会で繰り返し繰り返し義援金等の分配、支給が遅れていることが指摘され、同時に、その原因の一つが市町村のマンパワー不足だと指摘され続けてきました。にもかかわらず、なぜ今まで解決できなかったのか、今後、国はどう解決するのか、いつまでに被災者のお手元に義援金等が届くようにするのか、明確な答弁を総理に求めます。
 さて、復興・復旧の理念や体制を定める復興基本法案が、震災から二か月以上も過ぎた五月十三日、ようやく国会に提出されました。阪神・淡路大震災復興基本法は発災後一か月余りで成立しており、この一点を見ても政府の対応にスピード感がないことは明らかです。その上、政府案では、復興施策を一元的に実施する復興庁創設は附則の中に検討する旨の規定があるだけ、復興特区の言及もない、さらに復興財源の規定もないなど、復興のための組織も財源も手法も不明瞭な、現状追認だらけの形式的なものでした。
 公明党は、発災以来、山口代表、井上幹事長を先頭に、いち早く現地に急行し、被災された皆様や地元の首長さんの声を受け止めてきました。三月十五日には、未曽有の震災を乗り越える司令塔として、復興の企画、立案、実施を一元的に担う復興庁の設置を提案し、政府に要望しました。三党で提出した本基本法案に復興庁の早期創設が盛り込まれたことは高く評価しています。
 改めて、復興庁創設の意義、権限及び創設の時期の見通しについて提出者より答弁を求めます。
 次に、公明党の提案で本基本法案に盛り込まれた復興特別区域制度について伺います。
 地域の特性や被災状況などに即して、また、そこでの生活を尊重しつつ地域主導の復旧・復興を迅速に行うための手法の一つが復興特区です。
 津波で市街地が壊滅した岩手県の陸前高田市の戸羽太市長は、復興特区に大きな期待を寄せつつ、次のように要望されています。それは、従来の一律的な特区では困る、壊滅的な被害を受けた自治体が国と直接意見を交換し合える特区であってほしい、被災自治体がどういった規制緩和を求めているか相談に乗ってもらいたい、時間の経過とともに次から次に出てくる課題に対し、その場その場で交渉できる特区制度がなければ復興は厳しいと。
 税制や金融面での優遇措置を始め、土地利用や医療、介護、雇用など様々な分野での大幅な規制緩和が求められています。
 復興特区についてどのように取り組むべきと考えておられるのか、提出者の答弁を求めます。
 さらにもう一つ、私が大事にしている視点があります。
 大規模な災害のときに、国が責任を持って国民の皆様の命を守り、生活再建や地域の復興を支援するのは当然です。しかし、だからといって、そのコストや資金の流れの検証が不十分でいいというわけではありません。復興には莫大な費用が必要です。瓦れきの処理やインフラの復旧など一つ一つの事業のコストを明確にし、無駄を省き、資金の流れの透明化を図ることが不可欠です。
 本基本法案では、復興に係る国の資金の流れの透明化が定められております。残念ながら、過去の災害において、復興事業の内容や費用の明細について国と自治体で横断的にまとめた記録がありません。本当に必要とする方々、本当に必要な事業にお金が使われていることを確認するためにも、また、将来災害が起きたときに迅速に予算計画を策定するためにも、会計を透明化しておくことは不可欠です。私は、そのために、従来の官庁会計よりも透明性の高い、他の先進国も行っている発生主義・複式簿記会計を復興のための会計に適用することを提案したいと思います。
 政府として、資金の流れの透明化を確保するために具体的にどのような方法で取り組むのか、財務大臣の答弁を求めます。
 本基本法案を一日も早く成立させて本格的な復旧・復興を進めていくことは、我が国にとって最大の課題です。しかし、今もなお約九万人の方が避難所におられます。また、いわゆる自宅避難の方は、その数すら不明です。この方々が復旧・復興の陰に隠れ、片隅に追いやられることがないよう、最大に配慮すべきです。
 被災地の仮設住宅が総理が約束されたお盆までに全て完成したとしても、二か月も先の話です。被災地も間もなく梅雨入りし、その後は暑い夏がやってきます。これまでの疲れが蓄積し、さらに高温多湿となると避難所の環境はますます厳しくなっていきます。
 避難所の環境整備は命に直結する問題です。暑さ対策、感染症対策、食事や入浴などの改善にどのように取り組まれるのか、厚生労働大臣に答弁を求めます。
 さて、天災という非常事態が生じたときこそ政治の真価が問われる、対応を誤れば天災は人災となって不幸を増幅させてしまうとの言葉があります。菅総理、あなたのことを言い表していると思うのは私一人ではないはずです。最小不幸社会を目指すとした総理が、この未曽有の大震災、大津波、原発の対応を誤り、最大不幸を生み出したのは余りに皮肉です。
 辞任を表明した後も総理の椅子にしがみつき、震災対策より政権延命を優先させるかのような菅総理の姿に、国民はあきれています。長い道のりとなる今後の復旧・復興のせめて足かせとならないよう、一刻も早く潔く退陣されることが菅総理に残された最大の仕事であると申し上げて、質問を終わります。(拍手)
   〔衆議院議員加藤勝信君登壇、拍手〕
#25
○衆議院議員(加藤勝信君) 竹谷とし子議員から二項目にわたる御質問をいただきました。
 復興庁創設の意義、権限及び設置時期の見通しについてお答えを申し上げます。
 まず、復興基本法案に定める復興庁については、被災者一人一人に光を当てる人間の復興を基本理念に公明党が提唱された復興庁及び私ども自民党が提唱した復興再生院を踏まえ、復興施策の各省庁の縦割りの弊害を打破し、政府として被災者の方々や地方公共団体のニーズをワンストップで一元的に引き受け、迅速に対応することを狙いとするスーパー官庁として創設するものであります。
 当初設けられる復興対策本部と復興庁の権限を比較しますと、復興対策本部は、復興基本方針に関する企画立案、総合調整事務や関係行政機関が講ずる復興施策の実施の推進、総合調整事務にとどまっており、実施権限は与えられておりません。他方、復興庁は、それらに加え、復興に係る施策の企画立案、総合調整から施策の実施に関する事務、いわゆる分担管理事務をも行う権限を有する組織としております。
 また、復興庁の行政組織上の位置付けについては、普通の省庁と同じように横並びの組織ではなく、内閣府と同様に、内閣に置かれ、内閣総理大臣が主任の大臣となり、その命を受けて一切の事務を統括する復興担当大臣の指揮監督の下に事務を執行する機関を考えております。
 この復興庁の設置時期につきましては、先ほど与党の法案提案者から御答弁申し上げましたように、政府において復興庁設置法案の立案、各府省との調整を急ぎ、遅くとも年内に成案を得て速やかに設置法案を国会に提出すべきものと考えております。政府には一日も早い復興庁の設置に努めていただくとともに、私どもとしても、そのためにできる限りの対応を図ってまいりたいと考えております。
 残余の御質問には、他の法案提出者より答弁をさせていただきます。(拍手)
   〔衆議院議員石田祝稔君登壇、拍手〕
#26
○衆議院議員(石田祝稔君) 復興特区についてどのように取り組むべきかとの御質問がありました。
 竹谷議員御指摘のように、本基本法案に盛り込まれた復興特区制度は公明党が提唱したものであります。公明党が取りまとめた復興基本法の原案では、被災地域の迅速かつ創造的な復興を推進するため復興特区を設けると明記するとともに、復興特区において講ずることができる特例措置については、国は被災した都道府県又は市町村と協議した上で速やかに定めるものとしておりました。
 本基本法案では、被災地域の地方公共団体の申出により、区域を限って、復興特区制度を活用し、地域における創意工夫を生かして行われる東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図ることが定められ、このために必要な復興特区制度について総合的に検討を加え、速やかに必要な法制上の措置を講ずるものとされました。これは、私どもの主張が民主、自民の両党の御理解を得て本法律案に取り入れられたものと考えております。
 地域主導の復興を迅速かつ創造的に行う上で、行政の壁、制度の壁が問題解決を阻むケースが少なくないと予想されます。このため、復興特区においては大胆な特別措置が必要ですが、その際には、議員から御紹介いただきました陸前高田の戸羽市長の御意見のように、国と被災市町村が特別措置について直接協議することができる機会を確保するべく全力で取り組んでまいりたいと思います。
 以上であります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#27
○内閣総理大臣(菅直人君) 竹谷とし子議員にお答えを申し上げます。
 義援金等の支給が遅れていることへの対応策についてであります。
 義援金や弔慰金、被災者生活再建支援金を被災された方々のお手元に一日でも早くお届けすることの重要性は私もひしひしと感じております。
 配付事務を担う市町村のマンパワーを増強すること、また、義援金については日赤等から都道府県に対する義援金の送金を早めることなどが必要であると承知をいたしております。そこで、被災した市町村に対しては、他の自治体からの応援職員を増強するなど、必要な支援を行っているところであります。
 また、この義援金については、政府が直接支払うという形にはなっておりませんので、そこで、先日委員会でもいろいろ御指摘がありまして、担当している厚生労働大臣が本日日赤本社を訪れまして、そして日赤本社の方で都道府県に対する早期の配分を要請をいたしたところであります。私の指示で要請を厚生労働大臣がいたしたところであります。
 是非、この義援金の趣旨が国の予算というものとはやや違った扱いになっているので、そういった対応をしたということも御理解をいただきたいと思います。
 これらの方策を通じ、義援金等を被災した方々のお手元に一日でも早くお届けするよう更なる努力をいたしたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(野田佳彦君) 竹谷議員から復興に係る資金の流れの透明化に関する御質問をいただきました。
 議題の東日本大震災復興基本法案においては、その第九条に、「国は、被災者を含めた国民一人一人が東日本大震災からの復興の担い手であることを踏まえて、その復興に係る国の資金の流れについては、国の財政と地方公共団体の財政との関係を含めてその透明化を図るものとする。」と規定をされております。
 もとより復興に係る費用は、復興債を発行するにせよ、国民が担うことに変わりはございません。その資金の流れを国民に明らかにする必要がありますが、今後どのような方法で透明化するかについては、竹谷議員からの御指摘も踏まえ、様々な御議論をいただきながら、しっかり検討していきたいというふうに思います。(拍手)
   〔国務大臣細川律夫君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(細川律夫君) 竹谷議員にお答えをいたします。
 避難所の暑さ対策、感染症対策などについてお尋ねがありました。
 避難所生活が長期化し、これから夏場を迎えるに当たり、熱中症や感染症の予防、食事や栄養、入浴などの生活環境の改善が重要な課題でございます。このため、これらに必要な対応策について、具体例も含めガイドラインとして取りまとめ、避難所の管理者等に周知をいたしたところでございます。特に、高齢者などの弱者の方々に対して、栄養面も含めたきめ細かな保健指導が徹底されることが重要であります。引き続き、保健師や管理栄養士などの人材確保に積極的に取り組んでまいります。
 こうした取組により、全ての被災者の避難所生活が終了するまで、被災者の方々の健康管理に万全を尽くしてまいります。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(西岡武夫君) 小野次郎君。
   〔小野次郎君登壇、拍手〕
#31
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 私は、みんなの党を代表して、ただいま趣旨説明のございました衆議院提出東日本大震災復興基本法案について質問を行います。
 まず、今回の大震災で亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
 こうした被災地域の迅速な復興は、地域住民と行政ばかりでなく、与野党一致で実現に努めるべき国政上の最大課題です。最近、主要政党が与野党の垣根を越えて一つの政権を構成するいわゆる大連立政権を模索する動きがございますが、国会の場では国政全般の基本政策が異なる政党間での徹底審議を確保する見地から、我が党はこの大連立の考えには反対です。しかし、大連立の問題とは切り離して、被災地域の迅速な復興を実現する見地から、震災復興対策本部及び今後設置される復興庁における復興事業の運営、推進に当たっては、与野党の代表が参画し責任を分担する枠組みが是非とも必要だと考えます。この点に関する総理の認識をお尋ねいたします。
 次に、復興に必要な財源の確保について伺います。
 日本経済及び国民生活は震災によって甚大なる被害を被っており、復興に要する財源については国民に課す新たな経済的負担を極小化することが求められます。国など公的分野の不要資産の売却益のほか、国債整理基金や労働保険特別会計の資金など、いわゆる埋蔵金を最大限に活用する方針をお持ちか、財務大臣の認識をお伺いいたします。
 また、提出法律案には、元々自民党案に含まれていた、あらかじめ復興再生債の償還に係る道筋を明らかにする旨が加えられています。震災復興構想会議の提言においても増税による財源確保が明記されることとなっていることからも、この条項が将来の増税を意味するものと受け取られています。
 そこで、復興債の財源については最初から増税ありきというお考えなのか、財務大臣の認識をお伺いいたします。
 次に、本法案では、被災地復興の中心となる復興庁について、別の法律でできるだけ早期に設置するとだけ定めていますが、その姿がさっぱり見えてきません。設置の場所も具体的な組織、権限も定められていません。復興庁については、被災地の住民や地元地方公共団体の直近で、かつ、真っただ中において復興事業の司令塔の機能を果たすべきだと考えます。その意味で、復興庁は、霞が関を出て、仙台など被災地域の中心に置くという発想をお持ちであるか、官房長官の認識をお伺いいたします。
 また、本法案の対策本部のままでは、単なる各省庁の寄り合い世帯であり、復興庁についても、各省庁が縦割りで持つ権限、予算を集約し、あるいは委譲させる方針が示されておりません。さらに、被災地域における国と地方自治体との今後のあるべき関係についても方向性が何ら示されておりません。復興庁は期間を限って設置するとされていますが、被災地における復興庁の機能を引き継ぐ後継組織についてはどのような展望をお持ちでしょうか。特に、復興庁の期限が到来した際に、その機能を無に帰してしまうのではなくて、逆に、全国に先駆けた広域行政連合、さらには地域主権型道州制の東北州に発展させていく構想を持っておられるのか、内閣総理大臣の認識をお伺いいたします。
 最後に、被災地域の速やかな復興の方向について伺います。
 これまでどおりの利用に支障が残る地域では、太陽光、小水力、風力、地熱、バイオマスなどのクリーンエネルギーの生産拠点として新たな利用方法を検討すべきだと考えますが、被災地域の今後の発展についてどのようなビジョンをお持ちか、総理に伺います。
 この関係で、被災地のうち、特に放射能汚染によって今後とも利用又は立入りを制限する必要がある場所については、請求を待って金銭で支払う賠償とは別に、所有権又は利用権を買い上げ又は借り上げる公用収用に類する法的仕組みを整備する必要があると考えます。
 官房長官の御認識をお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#32
○内閣総理大臣(菅直人君) 小野次郎議員にお答えを申し上げます。
 まず、本部及び復興庁の枠組みについての御質問をいただきました。
 東日本大震災からの復興は、各党各会派の間の対立を超えて、広く英知を結集して取り組むべき課題であると考えております。今般の基本法の中では、復興対策本部は総理大臣を本部長とし、官房長官及び復興対策担当大臣を副本部長とし、閣僚等を本部員とする規定がされております。そのため、野党の代表が直接本部員として入るという法律的な枠組みにはなっておりません。
 しかしながら、御指摘のような、復興の推進に当たっては各党各会派の協議を行うという御提案については、是非この法律の枠組みを超えて何らかの仕組みが設けられることが望ましいと考えておりまして、是非とも、みんなの党も含めて御協議をいたしたいと思っております。
 次に、復興庁を広域行政連合や東北州に発展させることについての御質問をいただきました。
 東日本大震災からの復興に当たって、国はその責任を十分に果たす必要がありますが、同時に、地域主権改革の考え方に基づき、事務権限の委譲、出先機関改革などを進めていく必要があると考えております。その上で、今回の基本法案は、御指摘の道州制のような仕組みの導入を必ずしも前提としているものではないと考えております。
 いずれにせよ、まずは復興対策本部を設置して復旧・復興に全力を挙げることが重要であり、復興庁廃止後における在り方については、その時点での状況や地方公共団体の意見を踏まえて検討すべき事柄であると考えております。
 次に、被災地域の今後の発展のビジョンについての御質問をいただきました。
 今回の大震災では土地の状況が一変してしまった地域もあり、復興に当たっては大きな土地利用の転換も必要となります。例えば、高台など安全な地域に居住を移転した上で、そこでの電力は、瓦れきの木質を利用したバイオマスなど、自然エネルギーによる発電で賄うとか、あるいは空き地に太陽光パネルを敷き詰めた発電区域をつくるなど、大胆に土地利用を転換し、先駆的なモデル地域をつくるといった議論が復興構想会議においても行われており、また一部の自治体からも提案が出されております。間もなくまとめられる復興構想会議の提言も踏まえ、被災者の皆さんの未来について明るい希望が与えられるような、そうした地域づくりのビジョンをつくってまいりたい、このように考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(野田佳彦君) 小野議員から、まずは税外収入に関する御質問をいただきました。
 一般会計の財政状況が極めて厳しい中、これまでも、個々の制度の趣旨を踏まえて、特別会計の剰余金、積立金、あるいは独立行政法人からの国庫納付金など、可能な限り様々な財源を活用してきたところであります。また、二十三年度当初予算においても、限りある財源を有効に活用する観点から、総額七・二兆円の税外収入の確保に関して最大限の努力を行ってまいりました。
 いずれにせよ、復興のための財源については、復興構想会議の青写真が出てくるのを見ながら、今後、歳入歳出の両面にわたり、あらゆる方策を検討していきたいと考えております。
 次に、償還財源についてのお尋ねがございました。
 東日本大震災復興基本法案では、国は、復興債について、別に法律で定める措置その他の措置を講ずることにより、その償還の道筋を明らかにするものとする旨を規定をしております。
 ここで言う措置については、復興債の償還の道筋を明らかにするための措置が幅広く含まれるものであり、その具体的な内容は今後の与野党における検討課題であると思いますが、そうした御議論も踏まえてしっかり適切に対応していきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(枝野幸男君) 小野議員に御答弁を申し上げます。
 まず、復興庁の設置場所についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、復興庁については、被災地の住民や地元地方公共団体のできるだけ近いところで復興事業の司令塔の役割を果たすべきというふうに考えております。ただ、一方で、この設置される復興庁については、内閣の機関として各省に対する司令塔となるとともに、自ら予算の確保等を行う中央省庁としての機能もございます。また、担当大臣には、国会との関係、その他東京においてでないとできない仕事もあろうかというふうに考えております。
 いずれにしろ、基本法案成立後には、岩手、宮城、福島の三県に置かれる現地対策本部が設置されますが、これらの機能は復興庁発足後もその地方機関に引き継がれるものと考えております。そして、できるだけこの復興庁の地方機関において多くの権限、役割を行使できるような形で御提起の趣旨におこたえをしてまいりたいと考えております。
 次に、被災地に関する新たな法的仕組みについての御質問がございました。
 今回の原子力災害の被災者の方々に対する生活支援については、政府として最後まで責任を持って対応していく考えでございます。
 まず、今回の事故と相当因果関係が認められる損害については、原子力損害賠償法に基づき、被災者の方々が迅速かつ適切な賠償を受けられるよう万全を期してまいります。また、賠償だけでなく、原子力被災者への対応に関する当面の取組方針を策定し、被災者の避難から帰還までしっかり支援をすることといたしております。
 さらに、御指摘いただきましたとおり、当面の取組方針に加え、今後、原子力事故により被災した地域の再生、復興に至る様々な課題に対して国としても正面から取り組んでまいります。その中で、仮に御指摘のようなケースが出てきた場合にはしっかりと議論をしてまいりたいと考えております。(拍手)
#35
○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#36
○議長(西岡武夫君) この際、国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長から、国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長藤原正司君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤原正司君登壇、拍手〕
#38
○藤原正司君 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会の中間報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 本調査会は、一年目においては「水問題」を切り口に調査を進め、この度、中間報告を取りまとめ、議長に提出いたしました。
 水は人間の生命と健康の維持はもとより、生態系の保全、社会経済活動などに欠かせない貴重な資源であります。
 しかしながら、世界では多くの人々が劣悪な水環境の下に置かれ、感染症の蔓延、さらには水災害や水資源をめぐる紛争も生じております。
 また、食料生産には大量の水を必要とするため、水不足は食料不足、ひいては飢餓や貧困といった重大な問題を招きます。
 特に、食料や資源を海外に頼っている我が国におきましては、世界の水問題は、直接我が国の食料、経済活動に影響を及ぼす重要な課題であります。
 このため、国際社会においては、水問題は「人間の安全保障」にかかわる重要な問題として、様々な取組が進められております。
 また、我が国は、ODAを中心に積極的に取り組むとともに、官民連携による水インフラの海外展開を通じた取組を進めようとしております。
 調査会におきましては、ODAや水ビジネスの海外展開と、その際の官民連携の手法の活用などを通じて、我が国の優位性を最大限に生かす工夫が必要であること、また、取組に当たっては、途上国の実情に合った適正技術の活用や、水事業が持つ公益性が損なわれることがないようリスク管理にも留意する必要があることなどの論議が行われました。
 また、水の安全性、水問題にかかわる省庁体制の在り方や国内の上下水道の老朽化対策、雨水利用の法制化、水問題と関連しての我が国食料自給率の向上など様々な課題も論議されました。
 以上が中間報告の主な内容ですが、水問題に関し、我が国がその解決に寄与することは、国際社会におけるリーダーシップ発揮の上で極めて意義があるだけでなく、我が国の繁栄にとりましても重要な課題であります。
 本調査会は二年目以降、引き続き、水問題を始め国際社会が直面する諸問題の解決に向け、我が国として何をなし得るかなどについて調査を進める所存であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#39
○議長(西岡武夫君) この際、国民生活・経済・社会保障に関する調査会長から、国民生活・経済・社会保障に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。国民生活・経済・社会保障に関する調査会長山崎力君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山崎力君登壇、拍手〕
#41
○山崎力君 国民生活・経済・社会保障に関する調査会の中間報告について、御報告申し上げます。
 本調査会は、国民生活・経済・社会保障に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、平成二十二年十一月、第百七十六回国会中に設置され、三年間にわたる調査を開始いたしました。
 我が国を取り巻く環境の急激な変化は、国民生活に重大かつ深刻な影響を及ぼしつつあります。例えば、少子高齢化の急進と人口減少社会の到来、経済のグローバル化、長期にわたるデフレ、家族形態や雇用形態の多様化などであります。これに伴い、これまでの家族モデルや正社員モデルに依拠した社会保障制度が期待された役割を果たせなくなってきております。これまで所与とされた前提が大きく揺らいでいます。
 このような現状を踏まえ、鋭意協議を重ねた結果、本調査会では、調査項目を「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」と決定し、初年度は社会保障を中心に調査を行うことといたしました。
 第百七十七回国会においては、まず、調査項目について、理事から調査項目の趣旨等について説明を行った後、委員間の共通理解を深めるべく意見交換を行いました。
 次いで、「社会保障の現状と課題」をテーマとして、まず、厚生労働省、文部科学省及び経済産業省から、続いて、内閣官房、内閣府、財務省及び総務省から、それぞれ説明を聴取し、質疑を行いました。
 さらに、四回にわたって学識経験者を中心とする参考人からの意見聴取と質疑を行いました。第一回は「ライフサイクルからみた課題」、第二回は「セーフティネットと生活・就労支援の課題」、第三回は「地域からみた社会保障と雇用の課題」、第四回は「持続可能な社会保障(給付と負担の在り方)」をテーマとし、延べ十二名の参考人から有益な意見をいただきました。
 その後、中間報告を取りまとめるに当たって委員間の意見交換を行い、それらの調査内容を踏まえ、今般、十八項目の提言を含む報告書を取りまとめましたので、去る六月八日、これを議長に提出いたしました。
 以下、報告書の主な内容について、提言部分を中心に御報告申し上げます。
 提言においては、冒頭、我々は、世界的に見ても近代国家が大きな転換期に来ているとの認識に立つ旨を述べております。また、これからの持続可能な社会の在り方を考えるとき、今日の我が国の社会構造が、例えば、正規雇用と非正規雇用、高齢世代と若年世代、都市と地方といった様々な要因で分断されており、その在り方を問う必要があるとしております。さらに、社会保障制度においても、一人一人が給付と負担の両面にわたる当事者であるとの意識を国民として共有すること、そのことが持続可能な社会保障制度の礎となるといたしました。
 給付と負担の在り方については、急激な少子高齢化、経済の長期低迷と厳しい財政状況の下、多くの参考人から「負担なくして給付の維持・充実なし」といった傾聴に値する見解が述べられました。このことを踏まえ、今後は、どの程度の負担増でどの程度の給付を求めるのかという国民の政策選択に資する論議を総合的に行っていかなければならないと考えております。
 その上で、政府に対し、十八項目にわたる提言を行っております。以下、主なものを三項目、御説明いたします。
 第一は、社会保障の給付と負担の在り方についてであります。まず、給付と負担の関係が国民に見えるよう分かりやすい制度にすること、加えて、給付と負担のバランスについては、多様な国民の意識を踏まえた検討を行った後、国民にどのような水準で均衡を図るのかという選択肢を示し、国会との協議を経て、早期に成案を提示すべきことを提言しております。
 第二は、給付の在り方についてであります。若年世代に対する給付の充実、年金偏重の見直しと医療・介護等を含めた給付体系全般にわたる再構築、その際の社会的弱者や低所得者への対策の充実を求めております。
 第三は、負担の在り方についてであります。若年世代のワーキングプアの増加、税制や社会保障制度による所得再分配効果が逆行していること、子供のいる家庭とりわけ母子家庭の相対的貧困率が高いことを踏まえ、負担が現役世代や低所得者に過剰なものとならないようにすること、あわせて、税制や社会保障制度が本来の再分配効果をもたらすよう合理的な制度設計を行うことを提言しております。
 以上が中間報告に盛り込まれた提言の基本的な考え方であります。
 本調査会といたしましては、これらの提言の実施状況等を踏まえつつ、今後も「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」について更に議論を深めていきたいと考えております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
     ─────・─────
#42
○議長(西岡武夫君) この際、共生社会・地域活性化に関する調査会長から、共生社会・地域活性化に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。共生社会・地域活性化に関する調査会長直嶋正行君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔直嶋正行君登壇、拍手〕
#44
○直嶋正行君 共生社会・地域活性化に関する調査会における中間報告の概要につきまして、御報告申し上げます。
 本調査会は、第百七十六回国会の平成二十二年十一月十二日に設置されました。
 調査テーマにつきましては、「地域活力の向上と共生社会の実現」と定めるとともに、「元気で活力ある地域の構築」を一年目の調査事項として取り上げ、調査を行ってまいりました。
 その結果、元気で活力ある地域の構築についての提言を含めた中間報告書を取りまとめ、去る六月八日、議長に提出いたしました。
 以下、その主な内容につきまして、御報告申し上げます。
 第百七十七回国会におきましては、元気で活力ある地域の構築について、三回にわたり参考人に出席を求め、意見を聴取し、質疑を行うとともに、政府に対し質疑を行いました。
 参考人からは、移住・交流の促進による地方の活性化、観光立国の実現、住民参加による地域づくり、世代間を超えた協働、農業の産業力強化、居住者の増加による商店街の活性化、文化の地域間格差の是正、歴史や文化を踏まえた地域のアイデンティティーの確立等について意見が述べられました。
 また、五月十八日、東日本大震災による被害への対応について、政府に対し質疑を行いました。
 なお、二月二十一日及び二十二日、兵庫県及び岡山県に委員派遣を行いました。
 五月十八日に、これまでの調査を踏まえ、中間報告書の取りまとめに向けて、委員間の意見交換を行いました。
 委員からは、地域再生と住民、移住・交流の促進、農業の活性化、文化による地域活性化、地域固有の産業の振興、弱者に優しいまちづくり、再生可能エネルギー産業による地域活性化等について意見が述べられました。
 これらの点を踏まえ、本調査会としての意見を集約し、元気で活力ある地域の構築について、五本の柱から成る十三項目の提言を取りまとめました。
 提言の主な内容は、第一に、地域活性化と住民として、住民の参加・協力、地域のアイデンティティーの確立、人材の育成・活用であります。
 第二に、移住・交流・観光として、地方への移住、交流人口の増加、観光立国であります。
 第三に、産業による地域活性化として、地域資源を生かした産業創造、農業の産業力強化、商店街の活性化であります。
 第四に、文化による地域活性化として、文化の経済的側面、文化の地域間格差の是正、社会包摂による地域社会の再生であります。
 第五に、東日本大震災による被災地域の再生であります。
 以上が本調査会の調査の経過及び結果でありますが、元気で活力ある地域の構築は、我が国における最重要課題の一つであります。
 政府はもとより、地方自治体等におかれましても、本提言の趣旨を御理解いただき、これらの実現に努められることを要請するものであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#45
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト