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2011/07/15 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第26号
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2011/07/15 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第26号

#1
第177回国会 本会議 第26号
平成二十三年七月十五日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十六号
  平成二十三年七月十五日
   午前十時開議
 第一 平成二十三年原子力事故による被害に係
  る緊急措置に関する法律案(佐藤正久君外九
  名発議)
 第二 鉱業法の一部を改正する等の法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三 予防接種法及び新型インフルエンザ予防
  接種による健康被害の救済等に関する特別措
  置法の一部を改正する法律案(第百七十四回
  国会内閣提出、第百七十七回国会衆議院送付
  )
 第四 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律案(佐藤正久君外九名発議)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長柳田稔君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#4
○柳田稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、自由民主党、公明党、みんなの党及びたちあがれ日本・新党改革を代表する佐藤正久君外九名の発議に係るものであります。
 その内容は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電施設の事故による災害が大規模かつ長期間にわたる未曽有のものであり、これによる被害を受けた者を早期に救済する必要があること、これらの者に対する特定原子力損害の賠償の支払に時間を要すること等の特別の事情があることに鑑み、当該被害に係る対策に関し国が果たすべき役割を踏まえ、当該被害に係る応急の対策に関する緊急の措置として、当該事故による損害を迅速に填補するための国による仮払金の支払及び原子力被害応急対策基金を設ける地方公共団体に対する補助に関し必要な事項を定めるものであります。
 委員会におきましては、発議者から趣旨説明を聴取するとともに、被害者の早期救済の必要性、東京電力による仮払い補償金の支払状況、本法律案における国と東京電力の役割分担、原子力被害応急対策基金設立の理由、本法律案に関する修正協議の論点及びその経過の概要等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、次いで、本法律案は予算を伴うものであることから、国会法第五十七条の三の規定に基づいて内閣から意見を聴取いたしましたところ、高木文部科学大臣より政府としては反対である旨の発言がありました。
 続いて、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して相原久美子委員より反対、自由民主党、公明党、みんなの党及びたちあがれ日本・新党改革を代表して佐藤信秋理事より賛成、日本共産党を代表して山下芳生委員より反対、社会民主党・護憲連合を代表して吉田忠智委員より賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 愛知治郎君外七十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#6
○議長(西岡武夫君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#7
○議長(西岡武夫君) これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#8
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十三票  
  白色票          百二十三票  
  青色票            百十票  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#9
○議長(西岡武夫君) 日程第二 鉱業法の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長柳澤光美君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳澤光美君登壇、拍手〕
#10
○柳澤光美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近年、国際的な資源獲得競争が激化していること等に鑑み、鉱物資源の安定的な供給確保を図るため、国内での資源開発がより適切に行われるよう、鉱業権の設定に係る許可基準の見直し、国民経済上特に重要な鉱物に係る鉱業権を最適な開発者へ付与する手続制度の創設、鉱物資源の探査に係る許可制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、海洋資源の開発における国と民間との連携、メタンハイドレート、海底熱水鉱床の商業化に向けた見通し、鉱物の探査の許可と違反行為に対する措置等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#12
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#13
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#14
○議長(西岡武夫君) 日程第三 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会内閣提出、第百七十七回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長津田弥太郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔津田弥太郎君登壇、拍手〕
#15
○津田弥太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、第百七十四回国会において参議院に提出されたものであり、本院で政府原案どおり可決し、衆議院に送付いたしましたが、継続審査となり、今国会において修正議決され、本院に送付されてきたものであります。
 本法律案は、先般の我が国における新型インフルエンザの発生等に鑑み、今後同様の、感染力は強いが病状の程度はそれほど重くないインフルエンザが発生した場合の対応に万全を期するため、新たな臨時の予防接種の実施方法を定めるなど、所要の規定を整備しようとするものであります。
 なお、衆議院において、本法律の法律番号及び略称中「平成二十二年」を「平成二十三年」に改める修正が行われております。
 委員会におきましては、予防接種法の抜本改正に向けた取組、国内におけるワクチンの生産体制の強化、新型インフルエンザワクチンの優先接種の在り方、予防接種による健康被害の防止対策等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#19
○議長(西岡武夫君) これにて休憩いたします。
   午前十時二十五分休憩
     ─────・─────
   午後三時二十一分開議
#20
○議長(西岡武夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第四 国務大臣の演説に関する件を議題といたします。
 財務大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。財務大臣野田佳彦君。
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(野田佳彦君) 今般、東日本大震災の当面の復旧対策に万全を期すため、必要な財政措置を盛り込んだ平成二十三年度第二次補正予算を提出することといたしました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要を御説明申し上げます。
 甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から四か月が経過しました。全会一致で御賛同いただいた平成二十三年度第一次補正予算に盛り込まれた事業を迅速かつ着実に実施し、被災地域の早期復旧に引き続き全力を挙げていきます。被災された多くの方々の生活は今なお厳しい状況にあり、喫緊の課題として、その再建を力強く支援してまいります。さらに、先般、東日本大震災復興対策本部を立ち上げ、東日本大震災復興構想会議からいただいた提言を基に、本格復興に向けた施策の具体化について検討を進めております。政府としては、引き続き、間断なく迅速に復旧から復興へと取り組んでまいります。
 また、原子力災害は今なお継続しており、多くの方々が避難を続けられております。一刻も早く事態を収束させるべく、国の総力を挙げて対応していくこととしております。
 今国会に提出をいたしました平成二十三年度第二次補正予算の大要について御説明申し上げます。
 まず、歳出面において、一兆九千九百八十八億円を計上し、その内訳は、原子力損害賠償法等関係経費二千七百五十四億円、被災者支援関係経費三千七百七十四億円、東日本大震災復興対策本部運営経費五億円、東日本大震災復旧・復興予備費八千億円、地方交付税交付金五千四百五十五億円となっております。
 また、歳入面においては、追加の国債を発行せず、前年度剰余金受入れ一兆九千九百八十八億円を計上しております。
 これらの結果、平成二十三年度一般会計第二次補正後予算の総額は、一般会計第一次補正後予算に対し歳入歳出とも一兆九千九百八十八億円増加し、九十四兆七千百五十五億円となっております。
 関連して、特別会計予算についても所要の補正を行うこととしております。
 以上、平成二十三年度第二次補正予算の大要について御説明いたしました。
 被災地域の一刻も早い復旧のため、何とぞ、関連法案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(西岡武夫君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松村龍二君。
   〔松村龍二君登壇、拍手〕
#23
○松村龍二君 自由民主党の松村龍二であります。
 私は、ただいま御提出のありました平成二十三年度第二次補正予算につきまして、自由民主党を代表して、菅総理に質問いたします。
 私は福井県出身で、小学生のときには、死者、不明者三千七百人余りを出した昭和二十三年の福井地震を経験いたしております。そのため、震災の恐ろしさについては、子供のころより強い思いを持っておりました。
 そして、平成七年、阪神・淡路大震災の年に国会議員になったのでありますが、その一月、大震災のときはまだ議員になる前でございましたが、現地を見なければならないという思いで神戸を訪れまして、地震で潰れた家やビル、破壊された港湾や道路等の様子を目の当たりにし、大きなショックを受けたのであります。
 そのとき、震災からの復興のためには、まず被災者に対する素早い対応が何よりも大事であること、そして、インフラなどの復旧・復興と人的、物的な被害に対する対策を、政府、地方、国民が心を一つにして、力の出し惜しみをすることなくとことん行うことが必要であるということを痛感したのであります。
 ところが、今回の東日本大震災に対する菅政権の対応は、何度も言われたことではありますが、余りにもツーレート・ツーリトルであります。ツーリトル・ツーレート、もうどっちを先にしてもいいんですけれども、まさにもうツーリトル・ツーレートの言葉に尽きるわけでございます。
 まず、震災の発生から一次補正まで四十九日、今回の二次補正に至っては四か月以上というタイミングは、阪神・淡路大震災に比べても余りにも遅過ぎます。菅政権の意思決定は決定に逡巡があり、また混乱があるということで、復旧・復興を妨げていると言っても過言ではありません。
 義援金の配分、仮設住宅への入居、被災自治体の支援、瓦れきの撤去、ヘドロの除去、病院や学校の復旧、被災事業者の再建、原発被害者に対する仮払い等の補償など、緊急に求められる対策がどれ一つ取っても十分に進んではおりません。総理には被災地の現状や人の命の大切さが見えているとは思えないのであります。
 このような状況で、この二兆円に満たない二次補正ではとても足りるものではありません。自由民主党では、本格的な復旧・復興のため、十七兆円の二次補正案を提言いたしております。被災者の生活再建に三・八兆円、被災自治体等の支援に二・三兆円、災害に強い国土づくりに三兆円といった内容であります。その観点からは、今回の二次補正は全く不十分と言わざるを得ません。
 そこで、御質問させていただきますが、まず総理に、二重ローン対策を含む中小企業支援について伺います。
 二次補正の七百七十四億円という金額は十分だとお考えでしょうか。この予算額の算定根拠とともにお答えください。また、内容的にも、実際に既存のローンが消えるような内容ではありませんが、これで事業者が本当に二重ローンから解放されるとなぜ言えるのか、お教えいただきたいと思います。
 二つ目に、被災自治体に対する交付金について伺います。
 まず、五千四百五十五億円という金額は、これで十分だとお考えでしょうか。これも算定根拠とともにお答えください。また、これは全額を地方が自由に使えると理解してよいのでしょうか、お答えください。
 三つ目に、被災者の生活再建支援金は国の負担を八割に引き上げるとしておりますが、これは全て国が責任を持つべきだというふうに自民党は主張いたしております。中途半端に国の負担を八割とする理由をお答えください。また、この制度は、最大三百万円、家を失っても三百万円しか補助できないわけでありまして、この程度の支援金の上乗せをするお考えはないのか、お答えください。
 この二次補正にも表れていますが、菅政権の震災対応には地方を大切にするという姿勢が見えません。地方主権を声高に叫ぶ政党を与党とする政党であるにかかわらず、地方を大切にするという姿勢が見えないのであります。さきの全国知事会でも、国の姿勢に対する強い批判の声が上がりました。復興担当大臣の九日余りの交代劇、現地対策本部を国の出先とし副大臣や政務官を派遣するといった在り方も、結果的には同じ地方無視の形になっております。菅総理には、地方の自主的な力を利用するという視点が抜け落ちているのではないでしょうか。
 そこで、総理に伺いますが、これらの予算を作成するに当たり、被災者、被災企業や被災自治体の意見をどのように聞き、どのように反映したのでしょうか、お答えください。
 また、今回の二次補正は、そもそも一次補正の延長であり、単なる応急措置にすぎません。本格的な復興ビジョンに基づいた予算は全く含まれていないのです。住民の高台移転といった災害に強いまちづくりや交通インフラの整備、防災研究の強化といった災害に強い国土づくりを実現するため、本格的な復興予算はいまだに青写真すらありません。これは政府の怠慢であります。
 政府の復興構想会議は六月に提言をまとめていますが、その提言は今回の予算には反映されていません。その理由は何か、総理の見解を伺います。
 復興のビジョンとしては、今回の被災地の復興はもちろんのこと、将来の災害に備えた国土全体のビジョンも描いておく必要があります。例えば今回の震災でも、震災発生当初、石油がないという悲鳴が聞こえたわけでありますが、太平洋側の物流がストップしましたが、日本海側の物流ルートが機能したおかげで、早い段階で被災地への物資の輸送が可能になりました。
 このように、災害に強い国土づくりという観点からは、日本全体で、太平洋側のみならず、日本海側の道路や鉄道、中でも建設途上ではありますが、新幹線、私の立場からすれば北陸新幹線と言いたいところでありますが、交通網を強化し、複数の国土軸を形成して災害時の代替ルートを確保するという視点が必要ではないでしょうか。この点について、総理の見解をお伺いします。
 政府の怠慢という点では、いまだ収束が見えない原発事故への対応も目に余るものがあります。
 福島第一原発事故への対応のみならず、再稼働をめぐる安全宣言やその後のストレステストの指示など、政府の方針が二転三転したことで、菅政権は原発立地地域からの信頼を完全に失っております。私の地元であります福井県も、十四基という多くの原発を抱えており、他人事ではありません。
 先日示された統一見解も、何を検査するのか、どのような判断基準になるのか、中身が全く見えません。政府の考えが曖昧だと地元は不安になるのです。総理、これ以上立地地域を振り回すのはやめてください。地元の理解を得ようと思うなら、もっと真摯な姿勢で臨むべきであります。
 総理に伺いますが、これまでの政府の原発立地地域に対する姿勢をどのようにお考えですか。また、今後どのような姿勢で立地地域と向き合うおつもりか、所見をお聞かせください。
 また、政府がこれまで示している対策は、電源車の確保などの短期対策と津波対策だけに偏っておりまして、地震対策や高経年化プラントの対策はいまだ不十分であります。古くなった原発が良いのか悪いのか、なぜ悪いのかといったことについて政府は何ら指摘をしていないわけであります。
 総理は五月の会見で、浜岡原発について文部科学省の機関が、今後三十年以内にマグニチュード八程度の地震が起こる確率が八七%であり、事故が発生した場合には日本社会全体に甚大な影響を与えると評価していることを停止の理由に掲げました。
 しかし、同じ文部科学省が、三十年以内に震度六以上の地震が起きる確率について福島第一原発はゼロ%と評価していたのであります。実際にはこの評価は全く当たらず、巨大地震と津波の被害が起こりました。このような信憑性のない評価に基づいて他の原発は大丈夫と言われても、全く信用できないのであります。
 今回のような巨大地震が起きたことで日本列島全体の地殻が不安定になっており、以前よりも地震が起きやすくなっているということを指摘する学者等もございます。これまでの評価方法ではなく、より詳細な調査分析を行う必要があります。
 そこで、総理に伺います。まず、今回の大震災の影響もあり、日本列島の地震活動が不安定期に入っているとお考えか否か。私自身も、あのような大津波が起きるということは想像もしなかったところでございます。総理大臣自身の、地震活動が不安定期に入っているかどうか、お聞かせいただきたいと思います。これまでの地震に関する確率評価を全面的に見直す必要があるとお考えか否か、お聞かせください。
 また、今後、原発立地地域における地震、津波の調査分析を重点的に行う予定があるのか、また、行う場合、具体的にどのような内容、スケジュールで行うことになるのか、お答えください。
 原発事故に関しては、福島のみならず、茨城、千葉、静岡など幅広い地域で放射性物質による汚染被害や風評被害が発生しております。これらの地域の農業者、漁業者の方々の苦しみは毎日のテレビ等で国民に知らされているところでありますが、まさに塗炭の苦しみを味わっているわけであります。
 最近も、牛肉から基準値を超える放射性セシウムが検出され、大きな問題となっています。政府は全頭検査も検討しているようですが、検査機器や検査体制が間に合うのかどうか明確ではありません。
 総理に伺いますが、肉用牛の全頭検査は可能なのでしょうか。可能な場合、そのコストは誰が負担するのでしょうか。まさか地元が負担するわけではないと思いますが、国が負担することとはっきりお答えください。さらに、肉用牛以外についても全頭検査を行うことを検討しているか、お答えください。
 原発事故への対応は、今後の我が国のエネルギー政策自体にも大きくかかわります。総理は先日の記者会見で、原発に依存しない社会を目指すとおっしゃいました。また、自ら決定したエネルギー基本計画で掲げた、原子力発電の比率を五三%にするという目標を白紙に戻して考えるという国会答弁もされました。
 そこで、総理に伺います。脱原発依存は総理個人のお考えなのか、思い付きなのか、政府の統一見解なのか、どちらでしょうか。また、脱原発依存とは原子力発電について将来的にゼロにするということなのか、あるいはゼロではなく、縮小しつつも存続させるということなのか、明確な方針をお示しください。
 さらに、原子力発電を減らした分を自然エネルギーだけで賄えるというお考えですか。そうだとすれば、その根拠をお示しください。そうでないとすれば、どのような手段でそれを達成するのか、お考えをお聞かせください。
 エネルギー政策については、将来の姿を議論することと並んで、現在の深刻な電力不足をどう脱していくかも重要な課題であります。
 そこで、総理に伺います。現在、電力使用制限令の発動を始め、様々な節電に対する措置が行われていますが、こうした努力によって今年の夏は計画停電を行わずに乗り切れるとお考えか否か、見解を伺います。
 また、現在のように、民間企業に節電を強いるような状態が続けば、企業が海外に流出するおそれも強まります。この点についてどのような対策を講じるおつもりか。景気回復の問題が我々の第一関心でありますように、この点についてお答えいただきたいと思います。
 最後に、原子力の規制体制についてもお伺いします。
 仮に、脱原発依存という総理のお考え方に沿った政策を進めるにしても、少なくとも当分の間は原子力が存続することになります。
 政府は、原子力安全・保安院を経済産業省から分離する考えを示しております。私も、現在の原子力安全・保安院の体制は十分ではないと考えます。アメリカの原子力規制委員会、NRCは三千人以上の人員を擁し、独立した権限を持っています。一方、我が国の場合、原子力安全委員会と原子力安全・保安院を合わせても定員数百名で、十分な権限もありません。
 そこで、総理にお伺いします。我が国の原子力安全規制体制はどうあるべきか、特にアメリカのNRCのような体制をつくるべきか、お聞かせください。
 総理は、先日、第三次補正予算の準備に入るよう指示したとされます。なぜ、もう辞めると表明している総理が予算編成を指示するのでしょうか。総理の延命策以外の何物でもないというふうに思えてなりません。
 思い付きで物事を進める菅総理の下で、意思統一もできない内閣が第三次補正予算を編成したところで、被災地の実態には沿わない、そしてまたツーリトル・ツーレートなものになることは火を見るよりも明らかです。
 もうこれ以上、被災地や原発立地地域を無用に混乱させ、疲弊させるだけの菅政権に我慢はできません。原発の存続については、立地地域にも様々な意見があります。しかし、菅政権の存続については、存続するべきではないという意見で一致していると確信いたしております。
 私は、第三次補正予算は新たな総理の下で編成、実施すべきであり、それが復興にとって最善の策であることを強く主張いたします。そのためにも、菅総理の一刻も早い退陣を求めるものであります。
 今日の世論調査で、菅内閣は一二・五%まで落ちておるということでございます。一桁に落ちないうちに是非見事な出処進退を見せていただくことを申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#24
○内閣総理大臣(菅直人君) 松村龍二議員にお答えを申し上げます。
 まず、二重債務の問題についての御質問です。
 二重債務問題については、六月十七日に決定した政府の対応方針に基づき、現在具体的な支援策について準備を進めており、第二次補正予算案においても七百七十四億円の予算措置を盛り込んだところであります。
 具体的には、まず第一として、事業再生等の相談に幅広く対応できるワンストップ窓口として機能するよう中小企業再生支援協議会の体制を抜本的に拡充する。第二に、債権買取り等を行う新たな機構の設立のための経費を補助する。第三に、旧債務の利子負担が再建を妨げることがないよう再生企業に対する利子補給を行う。第四に、二重債務をできる限り負わず再出発可能な事業環境を整備すべく、施設復旧や仮設店舗等の整備を支援するなどの措置を講じることといたしております。
 本予算額については、被災企業の債務残高、事業や被災の状況等を基に算定しております。これらの予算に基づく対策を総合的に講じることによって、被災地における二重債務問題にしっかりと取り組むことができると、このように考えております。
 次に、地方交付税増額の算定根拠及びその使途についての御質問をいただきました。
 今回の補正予算における地方交付税五千四百五十五億円は、平成二十二年度の国税五税の決算に伴う剰余金を基に、地方交付税法に定めるルールに従って算出したものであります。今回の交付税の増五千四百五十五億円については、地方交付税法に基づき約九百億円を普通交付税として配分し、残余の約四千六百億円については特別交付税として一次補正において増額した一千二百億円と合わせて被災自治体等の財政需要に適切に対処してまいる所存であります。いずれにせよ、地方交付税は使途の制限がなく、その全額を地方が自由に使えるものであります。
 次に、被災者生活再建支援金について御質問いただきました。
 被災者生活再建支援制度は全国の都道府県が相互扶助の観点から基金を拠出して運営している制度で、基金から支給される支援金の二分の一を国が補助するものであります。東日本大震災については、都道府県の相互扶助に基づき支援金が支給されるというこの制度の趣旨を踏まえつつ、同時に住宅被害の甚大さに鑑み、東日本大震災に限った特例措置として、国の補助率を二分の一から八割に引き上げることといたしたものであります。
 今後とも、今般の被害の甚大さを踏まえ、震災により住居を失った方に対して十分支援が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、被災地域の意見反映に関する御質問をいただきました。
 二重債務問題については、中小企業庁が中心となって、被災県、地域金融機関から成る準備委員会を設けるなどして制度の詳細設計について議論をし、中小企業再生支援協議会の体制強化や新たな機構の設立支援などに必要な予算を二次補正予算に計上いたしました。また、仮設工場、仮設店舗等の整備や中小企業等のグループの施設復旧整備の事業についても、被災自治体と連携しつつ、被災地域の中小企業のニーズを踏まえて予算を作成いたしました。
 今回の補正予算における地方交付税五千四百五十五億円については、平成二十二年度の国税五税の決算に伴う剰余金を基に、地方交付税法に定めるルールに従って算出したものであります。被災者生活再建支援金の補助率については、五月二十六日付けの全国知事会からの要望を受けて全国知事会と協議を行い、六月二十九日に今般の東日本大震災に限った特例措置として、既に支給をした支援金を含め、補助率を現行五〇%から八〇%に引き上げることで全国知事会との調整を終えたところであります。
 以上のとおり、被災地支援のため必要な予算については、現地の声をしっかり聞いた上で措置しているところであります。
 次に、補正予算と復興構想会議の提言の関係についての御質問をいただきました。
 二次補正予算案は、東日本大震災の当面の復旧対策に万全を期すため、本格的な復興予算に先立つものとして六月十四日に編成の指示を出し、本日提出に至ったものであります。
 一方、編成指示後の六月二十五日に取りまとめられた復興構想会議の提言については、それを七月中に具体化すべく、現在、基本方針策定に向けて政府として作業中であり、予算に反映されるのは三次補正以降になるものと考えております。
 次に、今後の立地地域との向かい合い方に関する御質問をいただきました。
 原子力の安全規制については、今回の原発事故発生に伴い六月七日に行ったIAEAへの報告書においても指摘したとおり、原子力安全・保安院を原発推進を担う経済産業省から独立させ、原子力安全委員会も含めて安全規制行政の見直しを進めていく必要があると考えております。
 こうした観点から、原子力発電所の再稼働に関しても、現行法令に基づく原子力安全・保安院による安全性の確認だけでは国民、住民の方々の十分な理解が得られているとは言い難いことから、原子力安全委員会が関与する形で新たな安全性確認のルール作りを進める必要があると考え、関係閣僚に指示を行ったものであります。
 こうした状況を踏まえ、政府においては、欧州諸国で行われることとなったストレステストを参考に、原子力安全委員会も関与する中で、新たな手続、ルールに基づく総合的な安全評価を実施する方針を取りまとめたところであります。
 そうした中で、私からのいろいろな指示が遅れるなどにより関係方面に大変御迷惑を掛けたことは申し訳なく、関係者の方におわびを申し上げます。今後、立地地域の自治体等の皆さんに新たな安全評価の趣旨や内容について丁寧に説明し、理解と信頼を得てまいりたいと考えております。
 次に、地震活動と地震確率及び原発立地地域における地震、津波調査について御質問をいただきました。
 文部科学省の地震調査研究推進本部が本年五月に公表した地震活動の評価によれば、余震域では活発な地震活動が見られる、東北地方から関東・中部地方の内陸においては、依然としてまとまった地震活動が見られている地域があると評価しております。
 また、同本部では、今回のような多くの領域が連動して発生する巨大地震については、過去のデータに基づいて予測する従来の方法では評価ができなかったことを受けて、領域間の連動を考慮するなどの新たな評価方法の検討を行うこととしており、政府としては、今後、より精度の高い地震予測に努めてまいりたいと考えております。
 次に、肉用牛の全頭検査と費用負担についての御質問をいただきました。
 福島県の肉用牛の全頭検査については、現在、農林水産省、厚生労働省及び福島県において、その費用負担も含めて協議中であり、適切に対応してまいりたいと思います。
 なお、乳用牛については、原乳段階で検査するとともに、肉用として出荷される際には肉用牛と同じ扱いになるものと考えております。
 次に、脱原発依存に関する御質問をいただきました。
 一昨日の記者会見においては、原発事故の発生を踏まえ、エネルギー基本計画の見直しや再生可能エネルギー導入の抜本拡大などのエネルギー政策に関する検討が順次進んでいる中で、私自身の考え方として、私としては、これからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った、つまり、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していくと申し上げたものであります。
 政府としては、更なる安全性の確保を大前提に、原発への依存度を段階的に下げていくことといたしております。これを進めるに当たり、再生可能エネルギーの割合を大幅に高めるとともに、省エネルギーを推進し、我が国のエネルギー需要の構造改革を進める必要があります。あわせて、化石燃料の効率的利用も行う必要があります。
 再生可能エネルギーについては、二〇二〇年代でのできるだけ早い時期に発電電力量の二〇%とする目標の実現に向けて、固定価格買取り制度、革新的技術の開発及び普及、規制緩和などの政策を総動員して、政府全体で連携して目標達成に全力を挙げてまいります。
 現在、国会に提出している固定価格買取り制度を創設するための電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、再生可能エネルギー特措法案について、是非とも早期に国会において御審議をいただき、成立をお願いいたしたいと思います。
 電力需給に関する質問をいただきました。
 必要な電力供給については、国民や企業の理解、協力を得て、政府として責任を持って対応してまいります。この夏については、基本的に発電所の復旧、自家発等の活用と需要家の節電への協力を得て、計画停電を行うことなく対応可能と考えております。
 国内の電力コストの上昇等による国内企業の産業競争力の低下や海外移転を招かないよう、産業競争力の観点からのエネルギー政策の推進や国内立地支援など、我が国の競争力強化に向けた施策を幅広く検討してまいります。
 最後に、我が国の原子力安全規制体制に関する御質問をいただきました。
 今回の原発事故を受けて、これまでの原子力安全行政が不十分であったことを痛感をいたしております。先般、IAEAに提出した報告書に記述したとおり、原子力安全・保安院の経済産業省からの独立を含めた責任体制の明確化等を図ることが重要だと考えております。この点については、細野大臣に検討を指示しているところであります。米国のNRCなども参考にしながら、推進と分離された規制機関の在り方を検討しているところであります。
 今後、事故調査・検証委員会による事故原因の徹底的な検証結果と提言も踏まえつつ、安全確保の在り方について抜本的な見直しを行い、他国に比べても遜色のない高度な安全性を担保する制度を目指してまいりたいと思います。
 以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(西岡武夫君) 松あきら君。
   〔松あきら君登壇、拍手〕
#26
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第二次補正予算案について質問をいたします。
 私は今、じくじたる思いでこの場に立っております。なぜならば、本来、第二次補正予算は、本格的な復興のために与野党が協力をして、十兆円を超える大胆な復旧・復興のための予算を編成するのではなかったのですか。
 それを総理、ひとえにあなたの延命のために、こんなに少額な中途半端な予算案を審議する。これで政治が責任を果たしていると言えるのでしょうか。第一次補正予算の執行状況は予算額の四割です。このまま行けば本格的な三次補正の成立は秋となり、その執行は早くて年末、雪の降るころになるのは間違いありません。
 被災地の苦しみ、被災者の悲しみを踏みにじる菅総理のやり方です。あなたは人間としてやってはいけないことをやってしまった。あなたの退陣なくして日本の復旧・復興はあり得ない。
 さて、民主党政権は、政治主導による官僚主義の打破を強調してまいりました。しかし、問題は、その中身なのです。
 官僚主義の弊害は、省益を優先し、不透明な形で政策を決定、実行する裁量行政であります。もし総理が、政治主導で全て自分が決めるとおっしゃるのであれば、それは大きな間違いです。日本は民主国家、法治国家です。したがって、国会で議論を行い、法律を制定する。官僚は、そうした法律に従って政策を実行する。これが正しい政治主導なのであります。
 しかし、あなた方のやり方は全く正反対でありました、総理。まずは、震災後、法律に基づかない対策本部を多数乱立させ、震災への対応を迷走させた。中部電力に対しては、法律に基づくことなく、何ら議論せずに、突然浜岡原発の停止を要請した。金融機関に対しても、何ら法律に基づかずに、東京電力への債権放棄を要求した。さらに、東京電力の賠償問題では、十分な議論を行わずに、国の責任を明確にしないまま、一方的に原賠法の免責規定の不適用を宣言した。さらには、法律に規定がない特定避難勧奨地点なるものを一方的に指定し、被災地の皆様にいたずらに不安と混乱に陥れた。
 総理、こうした一連の対応に確固たる法的根拠があるのなら、是非お示しをいただきたい。
 さて、公明党は先月、政府に対して二十一項目にわたる第二次補正予算案に関する提言を行いました。その中で、例えば、校庭の除染対策や校舎の防暑対策、フィルムバッジの配布による子供の線量検査と健康調査、福島県外での林間学校など、子供の健康を守る対策が我が党の提案どおりに第二次補正予算に盛り込まれたことは率直に評価をいたします。
 是非、夏休み中の実施と完了を強く求めます。加えて、公園や通学路、ホットスポットなどの除染作業も急いでいただきたい。
 また、福島市内の子供の尿検査を行ったフランスの研究機関が、検査した全ての子供の尿から放射性セシウムが検出されたと発表しました。私どもはこれまで、希望する県民や子供などに対して内部被曝調査を実施すべきであると訴えてまいりましたが、図らずも海外の研究機関による検査結果に、政府に対する不信感は増すばかりであります。
 総理、内部被曝医療対策の強化に速やかに取り組むべきではありませんか。御見解をお伺いいたします。
 ところで、総理、特定避難勧奨地点とは一体何ですか。何度説明を聞いてもよく分からない。結局、安全だけれど念のためというただし書が付き、すなわち、避難地点は指定した、しかし責任はありませんという総理の無責任な政治姿勢の象徴のような取組ではないですか。避難指示をするならば、同時に国の支援策を示すのが筋でしょう。
 このような無責任な指定を受けた地域では、不安と不満が噴出している。関係自治体は、独自に市内全域にわたり学校、道路、山林、住宅地などの除染作業の実施を決めております。こうした取組に対し、国が全額負担をして責任も取ることは当然だと思いますが、いかがでしょうか。
 避難所での熱中症対策はどうなっているのか。いまだに二万人の方が生活をしております。少なくとも梅雨明け前までには万全を期すべきでしょう。
 仮設住宅もひどい。雨漏りはする、虫は湧く、立て付けは悪い、挙げ句の果てに床と壁の間に大きなすき間まである。単に建てればいいわけじゃない。欠陥住宅などもってのほかです。
 総理、この状況をどうお考えか、お聞かせください。
 大震災によるいわゆる二重ローン問題に対し、政府案では、事業者向け債権については、中小企業基盤整備機構などの出資による機構を設立し、債権買取り等を行うようですが、その規模は千五百から二千億程度と聞いております。まず、この程度の金額で対策として十分であるとお考えになった具体的根拠をデータを示してお聞かせください。
 また、被災された個人の住宅ローンの支援については、個人向けの私的整理ガイドラインの策定の推進等を考えているようです。ガイドラインの策定の推進自体に異論はありませんが、対応策としてそれだけで十分ということなのか、ほかにどのような対応を取るおつもりか、総理、具体的に示していただきたい。
 電力不足に備えるため、政府は、東京電力、東北電力管内の大口需要家に対し、三十七年ぶりとなる電力使用制限令を発動いたしました。
 このような中、先日、塩竈でかまぼこ製造の組合から節電に対する切実な訴えをお聞きしました。地震や津波の影響で、ただでさえ困難な状況の中で、何とか踏ん張っているにもかかわらず、今度は節電にまで努めなければならない。このままでは事業の継続そのものができなくなる。こうした状況が、かまぼこ製造に限らず各地で発生しているのです。
 被災地は、日本のサプライチェーンに係る主要企業の工場が多数立地をしている地域でもあります。こうした企業や地域に対しては、電力削減の緩和や何らかの支援を講ずるべきではないでしょうか。海江田大臣、心のある政治主導の答弁を求めます。
 私たち公明党は、再生可能エネルギーの推進には大賛成です。しかし総理、あなたは、三か月以上もたなざらしにしておきながら、辞任要求の声が強くなった途端、固定価格買取り制度に意欲を示した。どうしても政治的意図を感じてしまう。まさか、まさか延命のためではないですよね。
 その上、一昨日発表した脱原発。閣内や党内からは、首相の遠い将来の希望、党に全く相談がなかった、実現する手段がないのに願望を語っては駄目だなど、批判が相次いでおります。
 エネルギー政策は国の根幹であります。それが、閣内すらまとまらないで、どうやって国民の納得を得ながら制度を運用するというのですか。パフォーマンスと言われてもこれは仕方がない。総理、どのようにお考えなのでしょうか。
 電力の買取り価格や期間など、言わば制度の根幹ともいうべき重要事項を経済産業大臣が全て決定できることになっている、これこそ裁量行政ではないですか。
 その買取り費用は、電気料金による国民負担であり、太陽光パネルを設置できない家庭にしわ寄せが行くおそれがある。その上、原発事故の賠償や火力発電の増加により、電気料金上乗せも想像できます。震災により疲弊した経済界への影響も考えなければならない。総理は、被災者を始め全国民に対し、三重の、二重、三重の三重です、三重の電気料金値上げを受け入れろと言うのですか。
 こうした多くの課題を克服し、国民に納得していただけるよう、修正も含めて徹底的に議論すべきであります。
 総理の真摯な答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#27
○内閣総理大臣(菅直人君) 松あきら議員にお答えを申し上げます。
 原発対応の法的根拠に関する御質問をいただきました。
 今般の震災対応としては、震災当日に災害対策本部と原子力災害対策本部を設置いたしましたが、これらは災害対策基本法と原子力災害対策特別措置法によって本部の設立を義務付けられているものであります。また、先月には、復興基本法に基づいて復興対策本部を設置したところであり、これもこの法律によって義務付けられているものであります。
 このように、震災対応のための本部は法律に基づくものであり、それ以外の組織は、これらの法律に基づく本部の下に置かれた実施のためのチームであります。
 中部電力に対する浜岡原発停止の要請については、三十年以内にマグニチュード八程度の想定東海地震が発生する可能性が八七%と評価されており、地震発生に伴う大規模な津波襲来の切迫性等を踏まえ、国民の安心、安全のため要請を行ったものであります。
 金融機関への東京電力の債権放棄要求については、東京電力及び様々なステークホルダーがそれぞれ民間の立場で判断されることと考えており、政府として債権放棄を求めていることではありません。
 原子力損害賠償法の免責規定においての御質問もありましたが、昭和三十六年の国会審議において、人類の予想していないような大きなもの、全く想像を絶するような事態に適用するものと説明されており、こうした法律の成立過程や経緯に沿って、東京電力が免責の対象とは今回の事故ではならないと判断したものであります。
 特定避難勧奨地点は、一方的な指示ではなく、県や市町村との十分な協議の上で設定しており、安全よりも安心の観点から、生活の仕方等に関する注意喚起や、避難を希望する方々への支援表明など、原子力災害対策特別措置法に基づく行政的な対応として行っているものであります。
 次に、放射線から子供の健康を守る対策についての御質問をいただきました。
 御指摘のとおり、校庭、公園、通学路等の除染は一刻も早く進める必要があると考えております。また、御指摘のフランスの研究所による福島の子供の尿検査の結果など、福島県民の皆様には、現在及び将来の健康について大きな不安を抱かれており、短期的な健康管理のみならず、中長期的な健康管理を行うことが重要であると考えております。
 そのため、今般の第二次補正予算案において、除染や学校の空調設備の整備、尿やホール・ボディー・カウンターによる内部被曝に関する検査も含め、子供を始め住民の健康を確保するために必要な事業を中長期的に実施するための基金を計上し、全面的に福島県を支援することといたしております。
 政府としては、このような対策を一日も早く実行に移し、地元自治体における取組が早急に進むよう支援する必要があると考えており、本補正予算案を是非とも早期に成立させていただきたいと思います。
 次に、関係自治体の除染作業の取組に対する国の支援について御質問をいただきました。
 避難区域の外で地域的な広がりは見られないものの、事故発生後一年間の積算線量が二十ミリシーベルトを超えると推定される地点が相当数存在しております。こうした地点を県や市町村と十分に協議した上で特定避難勧奨地点に設定をし、居住する住民に対して注意を喚起するとともに避難を支援しているところであります。
 平成二十三年度第二次補正予算案では、福島県からの要望も踏まえ、県内全域の市町村等が実施する公園や通学路等の線量低減事業に対して財政支援を行うことといたしております。政府としては、地元のニーズも踏まえながら、関係府省が一丸となって除染の取組に関して真正面から取り組んでまいりたいと考えております。
 避難所の熱中症対策、仮設住宅についての御質問をいただきました。
 避難所での熱中症予防については、空調設備の設置や小まめな水分補給などの具体的な対策例をお示しするとともに、保健師等が避難所を巡回して助言を実施をしていただいております。また、空調設備の設置が難しい場合にはホテルや旅館を一時的に活用するなど、更なる対策が講じられるよう全力で支援してまいっております。
 応急仮設住宅において生じた不具合については施工した業者により速やかに補修を実施するとともに、今後生ずる不具合についても連絡窓口を設置し、迅速かつ適切に対応することといたしております。
 引き続き、被災者の方々が健やかに生活できる環境づくりに万全を期したいと考えております。
 次に、二重債務問題に関する質問をいただきました。
 二重債務問題に対する政府方針を踏まえ、現在、設立に向けて準備を進めている新たな機構が行う支援は、債権買取りのほか、出融資等の手段を被災事業者の実情に合わせて用いていくことになります。このため、この機構において買い取るべき債権がどの程度の規模になるかについては、被災県ごとの状況にも左右されるものと考えております。その中で、債権買取りの資金については、民間金融機関の被災中小企業に対する債権残高は最大で一兆四千億円に上るものとの試算や、約定返済停止を実施している債権額が二千五百億円との試算等を勘案しつつ想定していくことが適正であると考えております。
 次に、被災者個人の住宅ローンの支援については、個人向け私的整理ガイドラインの策定の推進以外に、平成二十三年度第一次補正予算において、自力で住宅を確保することが困難な方に対しては災害公営住宅の供給を支援する、自力で住宅を再建しようとする方に対しては住宅金融支援機構の災害復興住宅融資についての金利引下げ、当初五年間はゼロ%などを措置しているところであります。
 次に、エネルギー政策の見解に関する御質問をいただきました。
 一昨日の記者会見においては、原発事故の発生を踏まえてエネルギー基本計画の見直しや再生可能エネルギー導入の抜本拡大などのエネルギー政策に関する検討が順次進んでいる中で、私自身の考え方として、私としては、これからの日本の原子力政策として原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った、つまり、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会の実現を目指していくことを申し上げたものであります。政府としては、更なる安全性の確保を大前提に原発への依存度を段階的に下げていくことといたしております。
 最後に、再生可能エネルギー特措法案について御質問をいただきました。
 再生可能エネルギー特措法案に基づく買取り価格や買取り期間については、条文の規定内容に沿って決定する上、審議会の意見やパブリックコメント等も経ることなどから、不透明な裁量行政には当たらないと考えております。再生可能エネルギーの更なる導入拡大を図るため固定価格買取り制度を導入する必要があると考え、同法案を提出いたしました。
 公明党におかれましても、二〇一〇年マニフェストにおいてこの固定価格買取り制度の創設を公約されているものと認識をいたしております。
 同法案による国民負担が過重になり、日本経済に影響を及ぼすことがないように、制度全体の負担総額を軽減、限定するような工夫を講じることといたしております。
 残余の質問は関係大臣にお答えをさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣海江田万里君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(海江田万里君) 松あきら議員にお答えをいたします。
 まず、松議員には、いつも経済産業委員会などで貴重な御提言をいただきまして、ありがとうございます。感謝を申し上げます。その上で、被災地の企業等に対する電力削減の緩和や支援に関する御質問をちょうだいいたしました。
 電気事業法第二十七条に基づく電力使用制限については、東北電力、東京電力管内の大口需要家の方々を対象に、原則として昨年夏の使用最大電力の一五%削減をお願いをしております。その際、被災地域の一刻も早い復旧・復興を図る観点から、まず被災地の地方公共団体の庁舎や鉄道設備、それから災害廃棄物の処理施設、次に被災者を五名以上雇用する被災地に立地する企業等に対して大幅な制限緩和措置を講じております。これは、もう松議員はつとに御案内のことだと思います。
 また、東京電力福島第一原子力発電所に係る警戒区域等に所在する事業者や避難所への適用も除外をしております。さらに、複数の事業所で共同して一五%の削減に取り組む共同使用制限スキームを講じております。
 そして、心のこもった答弁をということでございますが、私は、真理は細部に宿ると思っています。具体的な事例が大変大切でございます。松議員は現地を回って具体的な事例をしっかりと聞かれてきたということでございますから、これはそうした具体的な事例があれば、今お話をしたような柔軟措置の活用などについてもアドバイスができようかと思います。御相談をいただければ幸いでございます。(拍手)
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#29
○議長(西岡武夫君) 柴田巧君。
   〔柴田巧君登壇、拍手〕
#30
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 私は、みんなの党を代表して、平成二十三年度第二次補正予算案について質問をいたします。
 東日本大震災の発生から早いもので既に四か月余りが経過をいたしましたが、いまだ十万人近い人たちが不自由な避難生活を余儀なくされるなど、大きな困難に直面したままです。
 私たちみんなの党は、かねてから早期に三十兆円規模の本格的な補正予算を編成すべきであると主張してきたところであります。
 しかし、第一次補正予算の規模は四兆円にとどまり、第二次補正予算案についても、その提出は極めて遅く、しかも財政規模二兆円にも満たないという非常に小規模なものであります。
 というのも、先月、総理が唐突に小規模予算の編成を指示したからにほかならず、したがって、この二次補正は全体的に急ごしらえで付け焼き刃的な印象が拭えません。加えて、予算の大半は、必要な事業費の積み上げではなくて、被災地の皆さんが期待している金額、中身とは程遠いものと言わざるを得ません。
 そこで、まず、今回の補正予算案がなぜこのタイミングで、しかも二兆円弱という小規模なものになったのか、菅総理にお伺いをいたします。
 さらに、この予算案の中身にも幾つもの問題点、疑問点があります。
 約二兆円の歳出額のうち、最も大きな割合を占めているのが使途を限定しない復旧・復興予備費の創設に充てる経費で、およそ八千億円です。
 しかし、言うまでもなく、この予備費は現段階では具体的な使い道が決まっていない経費であり、なぜ八千億円もの金額を政府内で留保するような予算を編成したんでしょうか。
 やはり菅総理の延命という目標がまずあって、拙速に予算編成を行った結果、被災者が真に必要としている歳出項目を整理できなかったというのが実態ではありませんか。
 そこで、支出項目が決まっている震災対策費がかくも少額にとどまった理由は何か、また、このような補正予算により実際どの程度の政策効果が期待できるのか、総理にお伺いをいたします。
 そもそも予備費というものは、その使途について国会の事前の議決を必要とせず、事後承諾で足りるという点で、財政処理の国会事前議決原則の例外となっているものであります。
 なぜこのような例外が予備費に認められているかといえば、当初予期しなかった事態の発生等に対処するためです。
 その点、震災発生から既に四か月以上がたち、被害額や対応策がある程度定まった現時点においては、震災対策費は決して予期せぬ事態の発生とは言えず、したがって、八千億円もの予備費を計上することは、国会の事前議決の原則を軽視するものと言わざるを得ません。
 そこで、政府にフリーハンドを与えるような巨額の予備費の計上は、財政民主主義の観点から不適切であり、震災の復旧・復興経費はしっかり歳出予算に計上し、国会の審議を経るのが本来の姿と考えますが、野田財務大臣の見解をお伺いをいたします。
 次に、増税なき復興とその財源に関してお尋ねをいたします。
 この二次補正後できるだけ早急に大規模でかつ本格的な復興予算が必要なのは言うまでもありません。しかし、その際、最大のテーマになるのは財源です。増税で財源を賄おうという案もありますが、これではこれまで十年以上もデフレが続いている我が国経済へのダメージは計り知れません。経済を破壊してしまっては、震災復興も財政再建もあり得ませんし、何より被災者の皆さんにとってもその負担は過重なものになります。
 したがって、みんなの党は、御存じのように、かねてから復興財源には政府・民主党のばらまき四Kの撤回、国会議員、国家公務員の人件費の削減、いわゆる埋蔵金のフル活用、そして日銀引受けの国債発行などを提案をしてきましたが、改めて増税なき復興が必要であることを強調したいと存じます。
 そこで、本格的な復興予算となる第三次補正予算の編成に当たって、また被災地の本格的な復興に当たって、増税によらない復興を目指すべきであります。総理はどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをしたいと存じます。
 さらに、今後の復興財源として検討すべきは外貨準備の活用です。
 現在、我が国の外貨準備は百十兆円を超えており、日本のような先進国が保有する外貨準備としては大き過ぎるとの指摘があります。しかも、外貨準備の大半は米国債等で運用されており、巨額の外貨準備を保有すれば、それだけ為替変動のリスクを負うことになり、実際既に為替評価損は三十四兆円に上っています。したがって、外貨準備については、中長期的には運用資産の分散とともに、その規模を徐々に縮小していくべきであります。
 一方、一年で約十五兆円にも上ると言われている米国債の満期償還分については、その一部だけでも、日本政府又は政府機関に復興ドル債を発行させ、それを外為特会が引き受けることによって、国内で調達した資金を被災地の復旧・復興のために使用できるようにすべきです。他国の財政支援なども大切ですが、日本は現在、国難のただ中にあります。今こそ、そうした資金の一部を自国の復旧・復興にこそ使うべきではないでしょうか。
 そこで、復興財源への外貨準備の活用をこの際検討すべきでありますが、中長期的な外貨準備の縮小の必要性と併せ、総理の所見をお伺いをいたします。
 続いて、エネルギー政策についてお尋ねします。
 夏本番を迎え、政府は今月一日、電力使用制限令を発出いたしました。通常、こういう統制命令を出すのならば、事前に企業の自家発電の余剰電力、いわゆる埋蔵電力をフル活用することを検討するのが当然です。総理は先般、原発に依存しない社会を目指すことを明確にされましたが、だとすれば埋蔵電力の活用なども真剣に考えるべきです。
 そういう中、我が党の山内康一代議士が埋蔵電力に関する質問主意書を提出しましたが、政府はその質問主意書に対し、いわゆる埋蔵電力の規模は把握していないと今月五日に答弁しています。しかし、報道によると、経済産業省の松永次官は四日、総理に対し、使えるのは百八十万キロワットと数字を示して説明したものの、総理から再調査を命じられたとのことであります。これが事実だとすれば、一体あの答弁書は何だったんでしょうか。まさしく国会をばかにした答弁書であり、全く内閣の体を成していません。
 そこで、埋蔵電力の問題を早急に、しかも徹底的に調査するとともに、埋蔵電力をフル活用すべく、自家用電気工作物の系統への連系を促進するなど、あらゆる支援策を講じるべきでありますが、総理の答弁を求めます。
 さて、突然のストレステスト実施表明が大きな混乱を引き起こしました。またまた閣内不一致、政策決定のいいかげんさが指摘されたところです。
 今回の原発事故は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会のチェックがこれまで不十分だったことが明らかになりました。このため、私どもみんなの党は、国会でもきちんと点検し、必要なら政府から運転停止を命じられる原発緊急点検法案を提唱し、先週、参議院に提出をいたしました。つまり、この法案は、原発の安全性点検をより客観性、信頼性を持ったものにするために、実質的に国会が原発を評価し、場合によれば原発を止めることができるようにするものであります。
 そこで、我が党の原発緊急点検法案のように、国会が原発を評価し、止めることができるような制度的裏付けを持ってストレステストを実施すべきではないかと考えますが、総理の所見をお伺いをしたいと思います。
 最後に、申し上げます。
 この一年余り総理の言動を見聞きしてきましたが、消費税にしても、尖閣問題にしても、そして脱原発依存にしても、常に思い付き、場当たり的な発想、対応の感が否めません。政治家としてどれだけの信念を持って、戦略と覚悟を持って事に当たろうとしているのか、私にはさっぱり分かりません。ただただ、自らの延命ありきだけなのではありませんか。
 私の地元は富山県ですが、越中富山といえば薬です。風邪に効く薬、腹痛に効く薬、精力を増強させる薬などいろいろありますが、残念ながら、延命病に取りつかれた人を治す特効薬はありません。したがって、自らの延命病が政治空白を生じさせ、国益を損ない、復興の足を大きく引っ張っていることにお気付きになり、即刻お辞めになるか、それとも、主権者である国民に信を問い、病から解き放ってもらうしかありません。
 被災地のために、日本のために、早急にどちらかを決断されることを強く望んで、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#31
○内閣総理大臣(菅直人君) 柴田巧議員にお答えを申し上げます。
 まず、補正予算の時期と規模についての御質問をいただきました。
 本日提出した第二次補正予算案は、第一次補正予算では復旧に向けて足りないものがあるという各党や国会での御議論を踏まえ、大震災の復旧の直近の状況に鑑み、当面の復旧対策に万全を期するために編成したものであります。本格的な復興対策予算については、七月中にも復興対策本部で復興の基本方針をまとめ、それに基づき編成していく予定であります。
 二兆円という規模については、平成二十二年度決算剰余金を財源としつつ、原子力損害賠償法等関係経費や二重債務問題対策などの被災者支援経費など、当面、復旧対策に万全を期するために必要な経費を計上した結果であります。当面、緊急に対応すべき経費を盛り込んだ予算であり、早期の成立を是非お願いいたしたいと思います。
 次に、支出項目が決定している震災対策費が少ないこと及び補正予算の政策効果についての御質問をいただきました。
 東日本大震災復旧・復興予備費については、東日本大震災に係る復旧及び復興に関する経費以外には使用しないとの限定を掛けた上で、事態の進展により被災地の現場の実情に応じて発生する予見し難い予算の不足に充てるために計上したものであります。また、今般の補正予算の歳出項目については、政府補償契約に基づく補償金支払、原子力被災者・子ども健康基金など原子力損害賠償法関係経費、二重債務問題対策、被災者生活再建支援金補助金などの被災者支援経費など、当面、復旧対策に万全を期するために必要なものを精査の上、措置したところであります。
 この補正予算により、当面の原発事故の被害や二重債務問題への対応が可能となることに加え、実質GDPを〇・三%程度押し上げ、雇用を八万人程度創出する効果があると見込まれております。
 次に、復興財源の在り方について御質問をいただきました。
 復興財源の在り方については、第三次補正予算の前提ともなる復興の基本方針を七月中にも策定することとしており、この方針を策定する過程で検討していくことになると考えております。復興のための資金については、復興基本法でまず復興債を発行することとしておりますが、これは他の公債と区分して管理するとともに、あらかじめその償還の道筋を明らかにすることとされており、この法律の規定に基づいて対応していくことが必要だと考えております。
 次に、外貨準備の復興予算への活用について御質問をいただきました。
 外為特会の外貨資産を復興予算に用いることは、同特会が抱えている百十兆円を超える借金の返済に充てるべき財源を使うこととなりまして、実質的には新たな借金を行うのと同じことであると考えております。また、外貨準備の縮小という御指摘については、外為特会の保有する外貨資産の額は過去の為替介入を行ってきた結果であり、特定の規模を念頭に置いて保有額を決定しているものではありません。また、一般論として、外貨準備の適正規模について、確かに日本も比較的大きい方ではありますけれども、国際的にも様々な見方があるところでありまして、この歳出に充てるということとは若干別のことだと考えております。
 次に、埋蔵電力に関する質問をいただきました。
 自家発の余剰電力については経済産業省より報告を受けましたが、これはあくまで中間的な段階の推計値であったことから、政府として確定したものをお示しできるよう、現在徹底的に調査をさせているところであります。
 議員御指摘のとおり、少しでも電力供給力を高めるため、自家発の余剰電力を活用することが重要であり、既に第一次補正予算で百億円を措置しているところでありますが、更なる支援策について検討してまいりたい、このように考えております。
 次に、ストレステストについて御質問をいただきました。
 原子力の安全確保については、現行法令に基づく原子力安全・保安院による安全性の確認だけでは国民、住民の方々の十分な理解を得られているとは言い難いと認識いたしております。
 こうした状況を踏まえ、関係閣僚に指示をして、欧州諸国で行われることとなったストレステストを参考に、原子力安全委員会も関与する中、新たな手続、ルールに基づく総合的な安全評価を実施する方針を政府として取りまとめたところであります。
 今後、安全評価の評価項目や評価実施計画を策定した上で、自治体や住民の皆さんに対してしっかりと説明し、理解を得てまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(野田佳彦君) 柴田巧議員からは、私には予備費と財政民主主義についての御質問がございました。
 今般の補正予算については、議員御指摘のとおり、東日本大震災復旧・復興予備費として八千億円を計上させていただいております。この補正予算の趣旨に鑑みまして、当該予備費の使途については、先ほど総理からも御答弁がございましたとおり、東日本大震災に係る復旧及び復興に関連する経費以外には使用しないとの限定を掛けることとさせていただいております。
 また、このように過去にも使途を限定した予備費は度々計上させていただいた経緯はございます。例えば、平成十一年から十三年度には、公共事業等の経費に使途を限定した公共事業等予備費を計上させていただいたこともございました。
 なお、全て予備費については、その支出については、憲法八十七条に基づき、内閣は事後に国会の承諾を得なければならないこととされており、国会の統制が及ぶこととなっております。(拍手)
#33
○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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