くにさくロゴ
2011/08/26 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第36号
姉妹サイト
 
2011/08/26 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 本会議 第36号

#1
第177回国会 本会議 第36号
平成二十三年八月二十六日(金曜日)
   午前十一時二十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三十六号
  平成二十三年八月二十六日
   午前十時開議
 第一 東日本大震災に係る災害復旧及び災害か
  らの復興のための臨時の交付金の交付に関す
  る法律案(礒崎陽輔君外五名発議)
 第二 平成二十三年度における子ども手当の支
  給等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第三 電気事業者による再生可能エネルギー電
  気の調達に関する特別措置法案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第四 電気事業法及びガス事業法の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、地域の自主性及び自立性を高めるための改
  革の推進を図るための関係法律の整備に関す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、日程第二より第四まで
 一、平成二十三年三月十一日に発生した東北地
  方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故に
  より放出された放射性物質による環境の汚染
  への対処に関する特別措置法案(衆議院提出
  )
 一、石綿による健康被害の救済に関する法律の
  一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、平成二十三年度における公債の発行の特例
  に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律案(礒崎陽輔君外五名発議)
並びに本日委員長から報告書が提出されました
 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
を日程に追加し、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長藤末健三君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤末健三君登壇、拍手〕
#5
○藤末健三君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律案は、東日本大震災の被害が甚大であるため、その被害を受けた市町村に対し特別な財政支援が必要であることに鑑み、当分の間の措置として、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための事業又は事務に要する経費に充てるために市町村に交付する交付金について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、本臨時交付金の復興施策全体における位置付け、交付金総額の積算根拠、所管大臣である総務大臣の広範な裁量権と恣意性の排除、防災集団移転促進事業等の国庫補助事業における地方負担の軽減と交付金の活用等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、国会法第五十七条の三の規定に基づき内閣から意見を聴取いたしましたところ、政府としてはにわかに賛成できない旨の意見が述べられました。
 続いて、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して片山さつき理事より賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革を総合的に推進するため、都道府県の権限の市町村への移譲を行うとともに、地方公共団体に対する義務付けを規定している関係法律を改正する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、自治体の国等への寄附に係る関与の廃止への懸念、地方債協議制度見直しの意義、国の出先機関改革の具体的見通し、地方公務員制度に係る自由度拡大の必要性、児童福祉施設の最低基準の在り方等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、東日本大震災に係る災害復旧及び災害からの復興のための臨時の交付金の交付に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百二十七  
  反対              百十  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(西岡武夫君) 次に、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#10
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#11
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            二百三十  
  反対               五  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#12
○議長(西岡武夫君) 日程第二 平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長津田弥太郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔津田弥太郎君登壇、拍手〕
#13
○津田弥太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、現下の子ども及び子育て家庭をめぐる状況に鑑み、平成二十四年度からの恒久的な子どものための金銭の給付の制度に円滑に移行できるよう、三歳未満の子ども及び三歳以上小学校修了前の第三子以降の子どもについては月額一万五千円、それ以外の中学校修了前の子どもについては月額一万円を支給する等、平成二十三年度における子ども手当の支給等について必要な事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、子どもに対する手当の基本理念、平成二十四年度以降の手当の在り方、所得制限導入に当たっての対応策、総合的な子育て支援施策の必要性等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局しましたところ、みんなの党を代表して川田龍平委員より、児童手当法を廃止すること、政府が市町村又は都道府県に対し、児童を養育する者に対する金銭の給付その他の子育て支援のための交付金を交付すること等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して田村智子委員より原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十一  
  反対               六  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(西岡武夫君) 日程第三 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案
 日程第四 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長柳澤光美君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔柳澤光美君登壇、拍手〕
#18
○柳澤光美君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案は、電気事業者に対し、再生可能エネルギー電気の買取りを義務付ける等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、調達価格等算定委員会を設置すること、電気を大量に使用する事業者に対する賦課金について軽減措置を講じること等を内容とする修正が行われております。
 次に、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案は、買取り制度による賦課金等、外生的、固定的コストの変動に起因する料金等の改定について事前届出により行うことを可能とする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、調達価格等の決定の在り方、調達価格等算定委員会の役割、電力多消費産業に対する負担軽減措置の具体的内容、賦課金以外で事前届出により電気料金改定が可能となる例等について質疑が行われたほか、農林水産委員会及び環境委員会との連合審査会を開会いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、再生可能エネルギー特別措置法案に対し、みんなの党を代表して松田委員より、再生可能エネルギー発電設備設置者に対する税制の措置や環境大臣の関与強化等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、順次採決の結果、再生可能エネルギー特別措置法案の修正案は賛成少数をもって否決され、同法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、電気事業法等改正案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、再生可能エネルギー特別措置法案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#22
○議長(西岡武夫君) 次に、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            二百三十  
  反対               六  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#25
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法案
 石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長北川イッセイ君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔北川イッセイ君登壇、拍手〕
#27
○北川イッセイ君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法案は、原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染が生じていることに鑑み、環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するため、国、地方公共団体、関係原子力事業者等が講ずべき措置等について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者の小沢鋭仁衆議院環境委員長から趣旨説明を聴取した後、本法律案を閣法で提出しなかった理由、放射性廃棄物の処理等における国の責任と自治体の役割、除染対象地域の土地利用、原子力事業者の費用負担等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党の市田委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案は、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対する救済の充実を図るため、特別遺族給付金の支給対象の拡大並びに特別遺族弔慰金等及び特別遺族給付金の請求期限の延長を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、提出者の小沢鋭仁衆議院環境委員長から趣旨説明を聴取した後、労災保険制度の補償水準との格差、救済制度全体の見直しの必要性、災害廃棄物処理に際しての石綿の暴露・飛散防止対策、本法律案の見直し規定等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            二百三十  
  反対               六  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#31
○議長(西岡武夫君) 次に、石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#32
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#33
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#34
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長藤田幸久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔藤田幸久君登壇、拍手〕
#36
○藤田幸久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、平成二十三年度における公債の発行の特例に関する措置を定めようとするものであります。
 なお、本法律案につきましては、題名を改めるとともに、基礎年金の国庫負担の追加に伴い見込まれる歳出の増加に充てるために必要な財源の確保に係る規定を削除するほか、施行期日を公布の日に改める内閣修正が行われております。
 また、衆議院において、政府は、子ども手当の支給等の見直しによる歳出の削減について、平成二十三年度の補正予算において必要な措置を講ずる旨の規定を加える修正が行われております。
 委員会におきましては、内閣総理大臣に対する質疑を行うとともに、子ども手当等の歳出に関する今後の見直しの在り方、震災復興へ向けた今後の取組、今般の円高への対応策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、みんなの党を代表して中西健治委員、日本共産党を代表して大門実紀史委員よりそれぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(西岡武夫君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。中西健治君。
   〔中西健治君登壇、拍手〕
#38
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 私は、みんなの党を代表して、平成二十三年度特例公債法案に対し、反対の立場から討論を行います。
 みんなの党は、本年度予算の策定に当たって、本年二月二十八日の衆議院予算委員会において、大胆な組替えにより特例公債の発行を大幅に抑えることを内容とした修正動議を提出いたしましたが、残念ながら否決され、その後、参議院での審議を経て、本年度予算は三月二十九日に成立いたしました。それから五か月、未曽有の大震災、津波、それに伴う原子力発電所事故という国難の中、円高も最高水準で推移しているという、かかる状況下、政府は赤字国債発行額を減らすための当初予算の大幅な組替え等を行うこともせずに、こうして当初予算のほぼそのままで本法案を成立させようとするその政治姿勢に対して、まずは強く抗議したいと思います。
 歳入面では、復興を確実なものにし、また経済成長を促し、長らく続くデフレからの脱却を図るための施策を積極的に行うことによって、税収の改善を図ることがまず何よりも大切であります。税と社会保障一体改革の名を借りた消費税増税、復興財源を賄うための基幹税の増税など、菅内閣では経済成長よりも増税のことばかりに力点が置かれてきました。復興需要のために来年度は成長率が三%程度期待できるから増税可能などという思惑が一部に出ているようですが、とんでもありません。二〇一〇年度の名目GDPは四百七十五・八兆円まで落ち込みました。リーマン・ショック以前の二〇〇七年度は五百十五・八兆円で、現在の一〇八・四%の規模です。少なくとも日本経済がそうした従来の水準に戻るまでは、政府は増税ではなく景気に最大限配慮した施策を行うべきであります。レームダック内閣により、外交は不在、経済外交も停滞、経済連携協定も進んでいません。円高に対する対応も全くと言っていいほど切迫感がありません。
 歳入面で不確実なのであれば、地方の自主性に任せるべきことは任せるという発想で、小さな政府を推進することによる思い切った歳出削減が求められているのではないでしょうか。そういう中央から地方へという意識がないから、初代復興担当大臣が上から目線で地方に対して非礼極まりない態度を取ったのではないでしょうか。
 歳出面では、赤字国債発行額を抑制するための歳出削減の努力が不十分と言わざるを得ません。三党合意も内容が曖昧、歳出削減の観点からは全く不十分な内容です。一体何を目的に三党は調整を行ってきたのでしょうか。歳出削減という大事な目的が置き去りにされているのではないでしょうか。子ども手当の見直しでは、これまでの年間支出との対比でも僅か四千から五千億円程度、今年度に至っては一千億円程度と、歳出削減効果は極めて限定的です。高校無償化、農家戸別所得補償については、あたかも制度存続が前提となっているかのような表現となっています。同床異夢ということなのでしょうか。
 民主党が政権交代のときに、あるいは昨年の参議院選挙で国民に約束した国会議員定数百二十名削減、歳費二割削減、国家公務員人件費二割カット、天下り廃止はどこに行ってしまったのでしょうか。どれも中途半端な提案にとどまり、しかもスピード感が全くありません。歳出削減についての政府としての覚悟、真面目さが全く感じられません。
 企業の厚生年金未払解消のために、みんなの党が今国会で主張してきました、日本年金機構が法務省の保有する法人の登記簿情報を受け取り、厚生年金未加入の法人に加入を求めていくという提言については、厚生労働省は来年中にはシステムが稼働し、加入の呼びかけを開始するとして一定の前進は見られたものの、我々の試算では最大約十二兆円にも上る徴収漏れとなっており、財源確保のためにも来年中などという悠長なことは言っていないで一刻も早く始めるべきであり、全く危機意識を持っているとは思えません。
 国債整理基金特会、労働保険特会の活用、外国為替特別会計の復興財源への活用等、みんなの党が真摯に提案してきました数々の案については、この五か月間一顧だにせず、自民党、公明党とのみ水面下で調整を行い、三党合意として国会に押し付け、国会ではほとんど審議をしないというやり方は、もはや議会制民主主義の危機としか言わざるを得ません。この特例公債法案も、二月十五日に衆議院に付託された後、約六か月間衆議院にあり、参議院では八月二十二日に審議入り、財政金融委員会での審議も僅か一日、たった六時間でした。国会での審議軽視、参議院軽視と言わず、何と言うのでしょうか。
 民主党の次期代表選挙に名のりを上げている方々が、ただ選挙の票集めだけのために、これまで信念を持って主張してきたはずの政策については、あえて曖昧な表現に終始し、本格的な政策論争を行っていない姿を、あるいは時間を元に戻してしまうかのような行動を、国民、特に被災者の方たちはどういう思いで見ていると考えているのでしょうか。
 内閣府が八月十二日に発表した経済財政の中長期試算では、経済成長が名目で三%続いても債務残高のGDP比が増加し続けるとなっていたり、消費税を一〇%に上げても二〇二〇年度には基礎的財政収支は目標である均衡を達成するどころか、十八兆円の赤字となるとしていますが、その計算の前提となる税収見積りを示してほしいと内閣府に要請したところ、数字の精査が必要であり、数字をお出しするのには時間が掛かるとの回答でした。いまだに精査が必要なものに基づいた試算を国民に対して公表し、あたかも増税しか解決策がないというようなミスリードを行っていることに対して、現政権は公表する数字の検証も行わないばかりか、その試算をうのみにしている始末です。どこに政治主導の姿勢があるのでしょうか。こんなことで正しい経済財政の処方箋をこの政権に立案できるのでしょうか。
 ブレーンたる司令塔が不在の民主党では、誰が総理になっても行き当たりばったりの政権運営は変わることはありません。
 みんなの党は、以上の点から本法案に反対することとし、以上、反対討論とさせていただきます。(拍手)
#39
○議長(西岡武夫君) 佐藤ゆかり君。
   〔佐藤ゆかり君登壇、拍手〕
#40
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 ただいま議題になりました平成二十三年度における公債の発行の特例に関する法律案に対し、賛成の立場から討論をいたします。
 まず、この公債特例法案は、平成二十三年度予算の主要財源の一つとなる赤字国債の発行の根拠法であり、この法律の成立なしには平成二十三年度の予算の執行に滞りが生じてしまうことは、火を見るよりも明らかなことです。通常であれば、本予算が成立するとほぼ同時に、こうした予算関連法案も国会審議にかけ、遅延なく成立させなければなりませんが、菅内閣においては、参議院可決のめどが立たないということを恐れて、第一次補正及び第二次補正予算が成立した後も審議を延々と遅らせたものであります。
 初めにはっきり申し上げておきますが、私たち自民党は、財政支出が税収を大幅に超過している我が国の財政事情においては、国民の生活の安心を確保し、日本経済を円滑に機能させていくためにも、税収不足の財源を赤字国債の発行で補いながら必要な財政支出を維持する綱渡りの状態にあることは十分に承知いたしております。この意味で、自民党は公債特例法案そのものに反対してきたわけではありません。
 しかし、鳩山・菅内閣の民主党政権では、ばらまき政策のための財源捻出ができるとマニフェストで国民に約束をしておきながら、実際は十分な財源が捻出できず、赤字国債で負担を増大させようとしている問題に自民党は反対をしてきたのであります。
 子ども手当を始めとするばらまき四K政策は、経済対策ととらえるならば、財政乗数効果に余りに乏しく、社会福祉政策ととらえるならば、赤字国債の発行ではなく恒久財源をもって実施すべきものであり、まさにどっち付かずであります。これは、ばらまき四Kが二〇〇九年の衆議院選挙での票の買収策以外の何物でもなかったことを示しているのであります。マニフェスト〇九のばらまき政策との決別をいたずらに遅らせるような二十三年度予算の財源法案としての公債特例法案をそのまま認めることは、もはや国民利益に反する次第です。
 実際、民主党の政権公約であったマニフェスト〇九においては、事業仕分等による歳出削減、埋蔵金の発掘、租税特別措置の見直しの三つの方法で財源捻出を公約、その捻出額は、平成二十二年度で七・一兆円、二十三年度で十二・六兆円、そして二十五年度には十六・八兆円にも上るという金額でした。これをマニフェストの主要政策の財源とすることを国民に約束をしたのです。
 この民主党マニフェストに対して、私たち自民党は、高齢化に伴い毎年一兆円余りの自然増が見込まれる社会保障関係費を賄い、累積した財政赤字を解消するためには徹底した無駄な歳出の削減を必要とする一方で、民主党のマニフェストに記載されたばらまき政策に回せるような財源は、現下の我が国の財政事情では発掘し得ないことを一貫して主張してまいりました。
 しかし、振り返れば、当時の鳩山代表率いる民主党は、国の総予算二百七兆円の全面組替えを行って財源捻出はできると主張し、総選挙で政権交代をしたのです。しかし、実際には、民主党がマニフェストで公約した財源捻出は、当初の二十二年度予算編成の段階から早くも破綻を来し始めました。この二十二年度に財源捻出ができたのは、財務省が公表している三・三兆円にすぎず、マニフェストで公約した七・一兆円とは程遠い金額でした。
 しかも、三・三兆円は事業仕分などの国の総予算の全面組替えで生み出したといううたい文句とは裏腹であり、この三・三兆円の元手は公益法人等の基金等の返納金の一兆円と歳出削減の二・三兆円ですが、このうちの歳出削減額は実績づくりのため無理やりつくり出したものであり、二・三兆円の歳出削減額の何と六割を二十二年度補正予算でちゃっかりと予算復活させているではありませんか。
 つまり、年度当初予算の一部の要求をまずはマニフェストのばらまき政策の財源へと組替えを行い、その上で、同年度の補正予算において、前年度からの剰余金や自民党政権時代からの税収増加分を使って、一度削減した歳出を再び復活させるという民主党政権の手口なのです。
 しかし、これは鳴り物入りで実施した民主党の事業仕分の欺瞞を示すと同時に、財政運営上も大きな問題をはらみます。本来ならば、二十二年度予算一般会計において公債金発行に依存した歳入額が四十四兆三千億円と、前年度の三十三兆三千億円から大幅に増加されている事実に鑑み、前年度の剰余金と税収増加による歳入増加は、赤字国債の発行抑制か国債の繰上償還財源として累積債務の圧縮に使うべきものなのであります。
 また、公益法人等の基金などの返納金の一兆円についても、公益法人や独立行政法人の資産売却収入や内部留保の返納という、大半が一時的な埋蔵金発掘のため、マニフェストの恒久財源ではありません。しかしながら、翌年度の二十三年度マニフェスト予算でも、これら二十二年度の恒久財源ではないマニフェスト財源が加えられています。
 このように、二十二年度や二十三年度の当初予算で計上されたマニフェスト財源の多くが恒久財源ではないため、結局、予算全体の財源不足を国債発行に依存せざるを得ず、民主党マニフェストのばらまき政策の続行が、事実上、二十三年度の国債発行額を更に増大させる無責任財政となっているのです。
 このように、財源の大半を国債発行で確保するようなマニフェストのばらまき政策にゴーサインを出すような民主党政権の公債特例法案を、そのまま認めるわけにはいかなかったのであります。
 今回、三党合意によって、子ども手当の減額と児童手当への政策転換が明記され、その他のマニフェストのばらまき政策についても来年度予算での見直しが明記され、さらには民主党岡田幹事長と菅総理も二〇〇九年のマニフェストの破綻を認め、国民へ謝罪を表明されました。こうした展開を踏まえ、私たち自民党が従来から主張していた責任財政の道理はおおむね正されたとして、ここに三党合意に基づく修正の下で公債特例法案に賛成をいたします。
 しかし、民主党内には、まだまだマニフェストのばらまき政策に固執し、今回の内閣及び民主党執行部の政策転換に反対する勢力があるのも事実です。実際、子ども手当の廃止に関する三党合意をほごにするような内容のビラや機関紙が民主党からいまだ大量配布されている事態を考えると、今月末にも民主党の代表選で選出される新代表が菅総理の後継総理になっても、マニフェストのばらまき政策に対してどのような立場を取られるかは全く信頼の置きどころがありません。
 また、私たち自民党は、今年二月に財政健全化責任法案を参議院に提出いたしました。しかし、誠に遺憾ながら、審議されないまま今国会で廃案となる見込みです。民主党はなぜこの法案の審議に応じないのでしょうか。財政健全化責任法案では新たな歳出に対して一つ一つ裏付け財源を付けるとしています。民主党政権が自他共にマニフェスト〇九の財源破綻を認めている今、この財政健全化責任法案の審議がマニフェスト破綻の真相をより一層明るみに出すものであることを認めているからにほかなりません。
 実際、現政権のごまかし財政は今後の我が国の財政運営の国際的な信認にも重要な問題を呈します。去る二十四日に、ムーディーズが九年ぶりに日本国債の一段階格下げを実施したのも、日本の財政改革の実行力に疑問を呈したのが原因であります。結果として、国内のメガバンクも一斉に格下げが行われ、この格下げのため上昇する調達金利は最終的に国民負担になるものです。
 さらには、今週二十二日の参議院本会議で、民主党がマニフェスト〇九で公約した十六・八兆円の財源捻出に対し実際は幾ら捻出できたのかとの我が党議員の質問に対して、野田財務大臣は、平成二十二年度及び二十三年度の二年間で約十三兆円捻出したと答弁されました。しかし、この金額の中には、復興国債の発行で補填することが既に合意されている二・五兆円の年金臨時財源の流用など、とても財源捻出とは呼べない一切合財まで計算に入れており、答弁内容に誠意と信用のかけらも見られません。
 民主党のこうした詭弁、ごまかし体質は、代表選で新しい代表に誰がなっても、結局、党は変わらないというのが私たちの認識です。
 民主党は、子ども手当撤回などの今回の三党合意による政策転換が新代表の下でも揺るぎないものとして堅持されることをまずは明記すべきです。
 私たち自由民主党としては、責任野党として新政権の政策を慎重に見極め、正すものは正し、国民の将来に望ましい政策が実行されるように、今後とも不断の努力を続ける決意を表明して、私の討論を終えます。(拍手)
#41
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#42
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#43
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#44
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            二百十八  
  反対              十九  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#45
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト