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1947/06/24 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第39号
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1947/06/24 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第39号

#1
第002回国会 予算委員会 第39号
昭和二十三年六月二十四日(木曜日)
    午後三時九分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 庄司 一郎君 理事 苫米地英俊君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 押川 定秋君 理事 小坂善太郎君
   理事 今井  耕君 理事 大原 博夫君
      東  舜英君    植原悦二郎君
      磯崎 貞序君    上林山榮吉君
      古賀喜太郎君    島村 一郎君
      鈴木 正文君    鈴木 明良君
      西村 久之君    本間 俊一君
      海野 三朗君    岡田 春夫君
      加藤シヅエ君    田中 松月君
      中崎  敏君    中原 健次君
      矢尾喜三郎君    梅林 時雄君
      押川 定秋君    川崎 秀二君
      小島 徹三君    鈴木彌五郎君
      田中源三郎君    圖司 安正君
     長野重右ヱ門君    笹森 順造君
      中村 寅太君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 北村徳太郎君
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
 委員外の出席者
        大藏事務官   金子 一平君
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十三年度一般会計予算
 昭和二十三年度特別会計予算
    ―――――――――――――
#2
○稻村委員長代理 会議を開きます。
 昨日に引続き、國務大臣に対する質疑を続けます。中村寅太君。
#3
○中村(寅)委員 私は大藏大臣に質問いたしたいのでありますが、二、三日前の大原議員の質問と、大体同じような点が多いのでありますから、重複を避けて、ごく簡單に要点だけをお尋ねしたいと思います。
 第一点といたしましては、農家課税の基礎計算についてであります。農家課税の基礎計算については、マル公價格を採用して、やみ價格による査定はせぬようにしなければならぬと考えるのでありますが、今回の所得税決定にあたりましては、ことごとく農家がやみをやつておるものとして決定されたのであります。そのために今まで正しに農民生活、すなわち農産物を正規のルートに乘せて供出、販賣することが、いわゆる再建途上の日本の現状においては、きわめて大切なことであるということを認識して、非常に良心的な農民生活を続けてきた正しい農民に、重大な過重負担がかけられたのであります。彼らとしては、いろいろ訂正をしてもらうように申告の手続をとつておつたのでありますが、何ほど主張しても税務員の容れるところとならず、はなはだしきは、やみをしてでも税を拂えというような暴言をあえてする税務員すらあるというような実情を訴えておるのであります。こういうことの結果でありますか、今度の所得税の決定以來、これまで正しい農民生活を続けてきたまじめな農民、やみをせずにまじめな農業を営んできた人たちの間に、物を動かすというようなことが非常に多く見えてまいつたのであります。しかもその物の動きは、ことごとくやみによつて処分されてきておるというような、見逃し得ない重大な結果が生れておることは、これは全國的な一つの傾向であります。私は現在当局がとつております課税の方針としては、やみ所得をとらえるというようなことに、相当くふうを凝らされておる、その氣持も行き過ぎだと思うのでありますが、やみ所得をとらえることもちろん必要であります。けれどもそのために正しい生活をしておる者、正しい営業をしておる者に大きな犠牲を強い、遂にはやみ生活に追い込むようなことになる。こういう処置は、断じて避けなければならぬと存ずるのであります。私はこの看過し得ない重大な状態に対して、大藏大臣はいかようなるお考えをもつておられるか。さらにいかような処置を考えておられるか。その点についてまずお尋ねいたしたいのであります。
#4
○北村國務大臣 お答え申し上げます。ただいま中村委員の御質疑は、私も非常にごもつともだと思います。申の上げるまでもなく、税は実態をとらえることが非常に大切であります。すなわち所得を正しく仰えるということでなければならぬと思うのであります。從つて所得のあるところに税が及ぶ、こういう考え方を基礎にいたしまして、これが無理のいかないように、正しく所得を把握していくことが、税の最も適正なる行き方であると思うのであります。さような考え方から、その所得がどういう原因によるかということはしばらくおいて、いやしくも所得のあるところに税がついていく、こういう考え方はやむを得ないと思うのであります。また一面においては、國会の御要求として、御要求がなくても、われわれがやらなければならぬことの一つは、いわゆるやみ利得をどうするか、非常に莫大なやみ利得をこのまま放任しておいて、勤労者の所得のみを追究することはけしからぬということは、しばしば出ておるのであります。私どもは勤労者の税も徴收しなければならぬが、同時にきわめて把握することの困難なやみ利得を追究して租税倫理を確立しなければならぬという点については、今までたびたび申し上げた通りであります。そこで問題は、その考え方そのものに誤りがあるとはわれわれ思つておりませんが、この際これを行いまする場合に、ひよつとすると玉石混淆になる。ただいま御指摘になりましたように、良心的な非常に正しい農家に対して、やみをやつている人と、やらない人とごつちやにするおそれがあるのではないか、こういう御質問であつたと思うのであります。そういう点があれば、まことに申訳ないことでありまして、やみ利得を追究することはいいが、やみをやつていないまで同じ目で見て追かけまわすことはいかぬことでありますから、この点はよほど注意しなければならぬと思うのであります。それで一層具体的な実例として、何かこういうことがあるではないかというようなことがございましたならば、ただいま徴税の点については、鋭意努力いたしておりますから、そういう資料としていただけば、調査をさせることには決してやぶさかでありませんので、後ほどでも私までにさような具体的例がありましたならば、十分調査いたさせますから、御遠慮なくおつしやつていただきたいと思います。ただ一應確定的に外側からわかるものだけで、その他の所得はそのままにしておくというようなことがございますと、これは実際所得を抑えることになりませんので、税の観念の上からは、名目のいかんを問わず、その方法のいかんを問わず、いやしくも所得のあるところ税は追随する。この考え方はやむを得ませんので、前に申しますように、玉石混淆しないように、今後努力いたしますし、また努力することが当然のことでありますから、その点につきましては、つまり正確を期するという点において、一層努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。
#5
○中村(寅)委員 大藏大臣の答弁の趣旨はよくわかつたのでありますが、それを具体的に実行していくには、算定の基礎はどこまでもマル公を基準とする。しかもやみとマル公の性格の判別しにくいものであればいろいろむずかしさはあると思いますが、農業の單純性から考えましても、その点が私は非常にはつきりすると思うのであります。そういう点は特に今後留意していただきたいと思うのであります。
 その次に今大藏大臣は実際の所得をとらえることが大切だ、こういうお答えであつたと思うのでありますが、実際所得をとらえることが大切であるということは納得できるのであります。しかし税をかける場合は、所得と支出の面を考慮することになつておるのでありますが、所得の場合に実際所得をとらえることが大切であると同時に、支出の面においても、実際支出をとらえることが大切である。これは並行した考え方でなければならぬと思うのでありますが、その点に対して大藏大臣はいかようにお考えでありますか。お尋ねいたしたいのであります。
#6
○北村國務大臣 これは大体マル公で処理することがほんとうではないかというな御意見、御趣旨のように伺つたのでありますが、マル公で一貫しておるところもあるのです。それからこれは全國一般について申しますと、大消費地の都市周辺の農村の中には、むろん例外が非常に多いのでありますが、そういう所では、相当高い値段で賣りながら、相当はけておるというような事実もあるようであります。さような場合に、そういうものもマル公でやるということになると、これこそ惡い意味の玉石混淆になる。また支出の面についても、正確を期して、ほんとうの実收に所得が集まるようにしなければならぬのでありますから、お話のように、支出の正しいものを求めていくことは当然の原則であります。ただ原則のごとくもし実行していないとすれば、これは先ほど申しますように、こういうことについては、遠慮なく御指摘を願つて、改善すべきところは改善したいと思います。人手の不足とかいろいろな点において、行き過ぎもあつたであろうと思いますから、かような点は資料を與えていただけば、調査等をするに決してやぶさかでない。この点はひとつ御了承を願いたい。
#7
○中村(寅)委員 ただいまのお答えの中にもう少しはつきりさしていただきたいのは、実際支出というものを認めるかどうか、今日までの状態では、支出という面においては、実際支出というものを全然認めておらぬのであります。ほとんどマル公以外には認めておらない、これが私は実情だと思います。これは一、二例でなくて全面的にそうだと思うのであります。その点について大藏大臣は、今までと同じような方法で、今後もやつていくという建前であるか、それとも支出の面においても実際支出というものを認める、收入の面において、実際收入をとらえていくその氣持、その手段と相並行して、支出の面においても実際支出というものを認めていくということを認められるかどうか、この点重ねて御答え願いたいと思います。
#8
○北村國務大臣 ただいまの問題は、抽象的にちよつとお答えが困難でありまして、支出についてそれじややみを認めるかどうか、やみでなければ入手できないものはあるいはやみを支出として考慮するかどうか、こういうことになりますと、当然これはやみの支出を公認するというわけにはまいりかねます。御承知の通り、肥料のごときも、それぞれの機関を通じて、合理的に配給の組織になつておりますから、さようなものはそれでいく。それ以外のものについては、非常に高いやみの支出がありますが、これも事実支出したのだから認めるということになると、原則として非常に困る。そこで若干の矛盾が生ずるわけであつて、收入はマル公一点張りではないじやないか、いやしくも收入があればこれを押えるじやないか、この点に矛盾があるのでございますけれども、この点は具体的にはなかなか困難な問題でございまして、やみの支出をどこまで認めるかということを、ここで論議することは、抽象的な問題になりまして、非常に困難でありますから、何か具体的な例がございましたら、これは税務当局から具体的にお答え申し上げることができると思います。たとえば肥料なら肥料について、こういう事実がある、こういうことはどうするのだという事実をあげて御質問がございますれば、お答え申し上げます。ここで抽象的にそういうことについてお答え申し上げますと、非常に誤解を生じやすい点がございますが、その点については、十分了解したつもりでおります。なお調査すべき点は調査させますけれども、その点はさように御了承願いたい。
#9
○東委員 議事進行について。出席者が非常に少いようですが、私どもは定足数が何とかいうことはやかましく言いませんけれども、こう少いのでは審議にならぬと思うのです。相当数集まるまで、暫時休憩されるように希望します。
#10
○稻村委員長代理 それではこのままで待つことにいたします。
#11
○稻村委員長代理 それでは中村君。
#12
○中村(寅)委員 ただいま大藏大臣は具体的な例があれば考えるということを言われましたが、一例を申し上げますと、配給資材の入手が遅延するために、いろいろ資材をやみで買わなければならないというようなことがある。それから肥料の配給不十分、あるいは配給が遅れるというようなことのために、いきおいやみの肥料を使つておる、こういう例に対しましては、私はやみ價格全額を必ずしも認めるということを要求することは、多少無理があるかと思いまするけれども、ある一定の額の支出として認めていくというようなことは、当然必要なことではないかと思うのでありまするが、そういう点とか、あるいは農具などの償却というようなものも、かつて認めてないではないか、こういう面を認める。具体的にあげれば相当あると思いますが、そういう支出の面をある程度緩和していただかなければ、收入の面は実際收入ということで一つの想定した價格で押えていく。支出の面はできるだけ嚴正な形で殺してしまつております。ことしの所得税で農民全体が悩んでおります理由も、一つはそこにあると思うのであります。課税の基準をきめた價格の大きいということも一つだが、一方には支出の面を殺しすぎているという面が相当あると思いますが、そういう点について、今私申し上げました一、二の点は例でありますが、その他相当あると思います。そういう点である程度考えをゆるやかにしていただければ、支出の面によつて幾分負担が軽くなる。しかもそれは正当な形で軽くなつていくというようなことが考えられるのでありますが、そういう点につきましては、どういうお考えをもつておりますか。
#13
○北村國務大臣 お答え申し上げます。農業経営の直接経費として当然認めるべきだと思うものは、必ずしもマル公ダけに限るわけでなくて、それ以外のものも直接経営上の必要経費であると認めたものについては、やはりマル公主義をどると言いながら、しからざるものを認めておるのでありまして、この点ははたして直接経費であるかどうかというような点に、農家自身と徴税の取扱者との間に、考え方の違い等が往々あるようでありまするけれども、ただいま申しましたような意味で処理しておりますので、中村委員のおつしやいますことは、大体そういう線に沿つてやつておる。これはいくらやみで仕入れてもいいというわけにはまいりませんので、これは農業経営上直接経費として認めるべきものである。しかも的確な支拂つたという事実があるものについては、必ずしも原則はマル公でありますけれども、マル公のみにとらわれておるのでないという点において、今おつしやつたことを、私ども考えておりますこととは、食い違いないように思うのであります。しかしながら、今回は税率が高かつたとか、押し迫つてから徴税が非常に行われた、更正決定に手間どつたとか、いろいろな原因がござまして、それがために若干の問題を起した所もあるようでございますから、それらの点については、たびたびかような機会に申し上げましたように、今後も十分人手も加え、機構も拡大いたしまして、無理のいかないようにするという点においては、十分今後努力いたしたい、かように考えておる次第であります。
#14
○中村(寅)委員 もう一つ税の点についてお尋ねいたしたいのは、所得の申告をしました者に対して、更正決定をほとんど大部分なされたのでありますが、私は更正決定をするにあたつて採用したところの決定の方法とか、あるいはその算定の基準というようなものは、当然これは公表すべき筋合のものだと考えるのでありますが、これにつきましては、大藏大臣はいかにお考えになつておるかをお尋ねしたいのであります。
#15
○北村國務大臣 先ほどから申し上げましたように、ここでただいまお話いたしますことは、原則論でありまして、ごく具体的な実際問題になりますと、更正決定の場合にこういうものを除外したのはいけないのではないかというような、きわめて具体的な問題が起つた場合には、それに対してもし直接の税務当局が判断を誤つておるというような点があれば是正するようにいたします。その点について具体的な例をお示ししていただけるならば、善処するということには決して、やぶさかでないという点は、先ほど申し上げておる通りでありまするが、原則として私の申し上げておるような、そういう線に沿つて処理をいたしておるという点を御了解願いたいと思います。
#16
○中村(寅)委員 私は更正決定に際してとつた個々のそういう基準というものを言つておるのではないのであります。税務署に行きますと、大体農業の所得はこういう基準であるという基準が示されておるはずであります。私もそれは見たのであります。その基準を大体公表しないのであります。なぜ公表せぬかということを私は質したのでありますが、大藏省のそういう指令があるから公表しないのだということで一般に公表しなかつたのでありますが、私はそれはぜひ公表すべきだと思うのであります。この点どういうお考えであるか。
#17
○北村國務大臣 基準というような正確なものをつくつておるわけではないのであります。税務当局に対して政府の一應の方針は示しておりますけれども、これはもう法律のような基準的なものがあるわけではございません。要は実態を正確に把握する、適正にやるということなのでございまして、そういうように御了承を願いたいと思います。
#18
○中村(寅)委員 大藏大臣は基準を示しておらぬということでありますが、私が見た範囲においては、あれはりつぱな基準であると思います。その基準によつてすべてを律しておると思いますので、たとえどんな粗雜なものであろうとも、それが一つの基準となつておる以上、國民に示すべきであると私は考えるのであります。その点たとえどんなものであろうとも、それによつて一つの算定をしておる以上、私はそれが基準であると思います。正確なものであろうと、不正確なものであろうと、私はどうしてもこれは見せなければならない、公表しなければならぬと思うのでありますが、あるいはこれが公表しないで査定をするから、なお一般の者の目から見れば何かそこに無理があるというふうにも考えやすいと思うのであります。そういう点から考えましても、でうしてもこれは公表すべきだと思うのであります。公表するという方針をとつていただきたいと思いますが、どうでありましようか。
#19
○北村國務大臣 このよるべき基礎は税法にあるわけでありますから、税法に基いてやる。その内部の取扱いに関する私どもの心得として、税務官吏にはおよその方針というものは授けておりますけれども、これは外に向つて公表する基準というものがあるわけではございませんで、大体内部的な意味である水準というものはむろんつくつておりますけれども、外部を拘束すべきと言うと語弊がありますが、外部へこれを公表してこういうふうな基準で、こういうそろばんをはじくのだということには、今のところの扱い方としていたしておりません。これにつきまして、なおいろいろ御意見がありますれば、その御意見は十分参酌することはいたしますが、いま扱い方としては、以上申し上げたような扱い方をしておるというわけであります。
#20
○中村(寅)委員 大体基準というものが内部的なものであるということでありますが、しかしこれが内部的なものであつても、國民の所得のうちから税をとる場合に、大きな影響を與える基礎になるものでありますから、私は当然これは公表すべきである。國民から税をとる場合には、どういう理由によつてどういう筋合でこれだけの税をとるのだ、納めてもらうのだという明確な、納得のいくようなことによつて、税というものは納むべきものであり、とるべきものであると考えるのであります。その観点から、そういう内部的なものといえども、國民の税を納める税額の決定に非常に大きな影響力をもつようなものは、当然これは公表すべきだと思うのであります。これは私の意見でございますから、大藏大臣の考え方と違えば別でありますけれども、そういう方針をひとつとつていただきたいと思うのであります。
 それから積極的に公表ができないならば見せてくれと言われた場合には見せる。そういうことが必要ではないかと、私は思います。見せてくれといつて見せないのでありますから、そこにだんだん何かあるのではないかというようなことが考えられてくると思います。その点ひとつ見せるという建前をとつていただきたいと思います。
#21
○北村國務大臣 ごもつともな御意見と思うのでありますが、これは御意見として十分承りまして、現在の扱い方等について改善すべき点がありますならば、今の御意見を一分参照することにいたしたいと思います。もつとも無基準でやつておるわけではございませんので、税法そのものの中の一つの基準がございまして、これに基いておつて、事務的なものを内部で申し合わせておる。こういう程度なのでありますが、それにしても今の御意見の中に、私どもも傾聽すべきものを認めますので、十分研究をすることにいたしたい。かように思います。
#22
○中村(寅)委員 それからもう一つ税に関連して伺いますが、納税未納額の発表を、ときとぎ大藏省ではやつておると思いますが、これは私は政府の発表に大きな誤謬があると考えるのであります。私は今月の初めに、福岡の税務署でこれは取調べてみたのであります。福岡の税務署の中で、税務署の帳簿面で納税されておるということになつている数字と、それから実際は郵便局なり、銀行で納められておる税金が、税務署の帳簿の上に載つておらないという数字に、非常に大きな開きがあるということを見出したのであります。私の縣で福岡の税務署でありますが、五月の初めにたくさん督促状が参つたのであります。國税徴收法施行細則の第四條による督促状でありますが、その督促状が、一村に何百通と出てまいつたのであります。非常に農民は驚いて、私の所にも、たくさんその督促状を持つて來たのでありますが、自分はとうに納めておるのに、納めておらぬという催促が來た、しかも農繁期の最中でありましたから、六月の初めに五、六日ごろ各家庭に届いておるのであるのでありますが、その文面によりますと、六月の十日限りにこの金額を納めない場合には差押をするという例の注意書があるのであります。淳朴な農民は非常にうろたえてまた納めたというのもありますし、農繁期でありますし、納めるのにたくさんの金高だから納めようがないというので、非常に混乱しておつたのであります。私はふしぎなことと思つて、税務署に出かけて、そうして驚いたのでありますが、税務署の中に各町村の吏員が全部押しかけて來ておつたのであります。これを見たときに、税務署の面では納まつておることになつておらぬけれども、実際は納税者の面からは完全に納めた形になつておる。そういう面の金額の中には大きな開きがある。その実際は納まつておるものを納まつておらないということで政府が発表しますから、最近は非常に納税成績が惡いとういことになつてくる。そうするとまじめに納めておる者は、税金を納める氣分というものが、だんだんに鈍つてくると思うのであります。そういう点から考えましても、これは非常に考えなれればならぬ点だと思います。一例を申しますと、これは福岡の税務署でございますが、二月の九日の日に郵便局に納めたものが、六月の初めにまだ税務署に台帳に載つておらぬのであります。銀行に納めたものがやはり台帳に載つておらぬというようなものが福岡の税務署管内だけでも、おそらく何千何万通だつたと思うので、あります。そういう状態であるのにかかわらず、実際はみな納めておるのに納めておらぬという形で発表されておるという弊害それから督促状を出す場合には、何とかもつとその面にくふうを要するのではないか。そういうことを痛切に考えたのでありまするが、この点ま特に大藏当局において、ひとつ善処していただきたいと思うのであります。
 それから第三番目でありますが、これは昨年度分の價格差益金の最近までの納入状況を、ひとつ知らせていただきたいのであります。それと同時に、本年度の百八十九億の價格差益金の内訳をひとつお聽きしたいのであります。
#23
○北村國務大臣 ただいまの御質問の第一点は、これは明らかに事務の怠慢等によるものは、もちろん嚴重に調査戒飭しなければなりませんが、お話の件はいかなる取引においても起るいわゆる未達勘定でございまして、銀行の為替勘定においても起りますし、その他商店と商店との取引関係においても起るところのいわゆる未達勘定でありまして、場所的な距離が当然時間的な間隔をもつ。これはどうしてもしようがない。電信為替で非常に急いでやりましても、電信という方法によりますと、時間を非常に節約することになりますが、それでもなお若干の未達勘定を生ずることは、やむを得ないのでありまして、ある土地の郵便局に現実に拂い込まれた。しかしながら、その拂い込まれた。しかしながら、その拂い込んだということが、郵便局から税務署に到達するには、場所の距離だけ時間がかかる。その時間の間をどうするかという未達勘定が発生することは、およそ一切の取引行為においてのやむを得ざる現象であると思うのであります。問題はそれがどうもはなはだしくだらしないが、どうか、最近これは――そういうことを言つちやどうかと思いますが、郵便の能率も惡い。今までと違つて、近い距離でありながら、一箇月経つて葉書が到着したというような例がございますので、從つて未達勘定が多くなるという事実はございますが、これは一應郵便局等にも大いに注意してもらつて、急いで出すようにさせなければならぬと思うのであります。それから銀行等で受け付けたものでも、やはり郵便によるのでございますので、郵便が非常に延着することもある。そうすると税務署では何月何日何時の現在の納入額はこれだけで、未納がいくらいくらある。そういう場合に、郵便局あるいは銀行に拂い込んだ額があるわけだけれども、到達するまでわからない。その未達勘定がいくらあるかということは、これを処理した税務署では、その場合にはわからぬわけであります。かようなものを少くするということは、政策的にも必要でありまするし、また國家の財政を時間的にずれなくして、なるべく早く國家に吸收するという点から申しましても、時間をできるだけ短縮させるということには努力しなければならぬと思いますけれども、未達勘定が起るということは、どうしてもやむを得ない点であります。但しその未達勘定が特に取扱い者の怠慢による、特に郵便局の過誤によるというようなことがあつた場合には、その点は嚴重に是正させるようにいたしたい。またそういうことのために起るいろいろな混乱については、税務署があくまでこれを親切に処理しなければなりませんので、そういう場合には、何々の郵便局に拂い込んだというスタンプがあれば、これが証拠でありますから、これは納入済みである。あるいは何々に銀行に納めたという銀行の領收印があれば、その日附の判が証拠になるというようなことで処理されるわけでございますが、それらの間に起る不親切とか、あるいはいかにもつつけんどんなやり方をしたというようなことがあつてはなりませんので、さような点は今後も十分注意したいと存じておる次第であります。それから第二点につきましては、私不用意ですけれども、ただいま数字を持ちませんので、政府委員より御答弁いたさせたいと思います。
#24
○福田政府委員 お答えいたします。價格差益は昭和二十二年度におきましては、予算が七十一億でありまして、これに対しまして、ただいまのところでは、六十億円を收納いたしたということになつております。
#25
○中村(寅)委員 ただいまの大藏大臣の御答弁は、一應事務的には御無理のない答弁だと思いますが、私は未達勘定の起ることももちろんわかつておるのでありまするが、これは一例でありますけれども、可也の郵便局から福岡の税務署までわずかに四里ばかりしかない距離のところで、二月九日の納めたものが、六月十日に至つても税務署にはいつておらぬ。これはあまりに未達勘定として看過しておくには悠長すぎるではないかと思うのであります。そういう点を事務的に促進させるということが必要だということを申し上げておるのであります。もう一点は督促状を出す場合に、もしも郵便局とか、銀行に納めてある場合は、その金が届かずにおるのだから、この督促状は氣にかけなくてもよいというような一筆を書き添えるべきだと思うのであります。督促状というものは、政府が出すから、皆黙つておりますけれども、もしも個人取引であつた場合には、こういう督促状を出した場合は、私は受け取つた方がやかましくいうだろうと思うのであります。それは無理がないと思うのであります。私は何も督促状を出すなというのではありませんが、出す場合に、こういう間違いがあるから、納めた人はもうこの督促状は無効であることを考えてくれというような親切があつてしかるべきだと考えるのであります。それと事務的にも、もう少し檢討する必要がある。この督促状ははがきが來ておりますが、金に見積つてもたくさんな金額である。さらにこれを書く人手を考えても、税務吏員が、今少い少いといつておるのでありますが、その税務吏員の中から、これを書くためにどれだけの人が使われておるか、しかもそれはまつたく無意味なことに使われておる。こういうことを考えるときに、私は税務機構の中にも、何か考えるべき必要があるということを、特に御注意申し上げたいと思うのであります。
 それから昨年の價格差益金が、七十一億の予算に対して六十億の納入済みだといつておられますが、これは私の四月上旬の調査でありますけれども、内需用の綿製品に対する綿織物加工協同組合の昨年の八月新物價改訂によつて生じました價格差益金のうち、三分の一は業者の利得として認められておる。三分の二は國家に納むべきことに決定したのでありますが、その三分の二が四月十日ごろまでは、まだはいつておらなかつたとみておるのでありますが、これは四月二十日までに半額を納めるということが、きめられておつたと思うのであります。残りの半額は納入時期も当時はまだ決定しておらなかつたのでありますが、これは現在ではどういうふうになつておるのでありますか。その点をひとつお示し願いたいと思います。
#26
○福田政府委員 ただいまの御質問でありまするが、價格差益と申しましても、非常に廣汎なものでありまして、ただいまのごとき具体的な案件につきましては、調べてみないと、どういうふうになつておるかわかりませんが、必要がありますれば調べてお答え申し上げます。
#27
○中村(寅)委員 後刻でもよろしゆうございますから、ついでのときにひとつ調べて知らせていただきたいと思います。それからこの價格差益金の三分の一は、業者の利得として認められておつたのでありますが、その三分の一を業者の利得として認めるということは、商工大臣が認めるのでございましようか。だれが認めるのでございましようか。それからどんな法的根拠によつてそういうことが認められるのか、お知らせ願いたいのであります。
#28
○福田政府委員 法的根拠につきましては、物價統制令第十九條であります。それからその法令によつて物價廳できめているのでありまして、商工大臣の方は直接の関係はないのであります。
#29
○中村(寅)委員 もう一つお尋ねしたいのでありますが、現在内需用の綿製品の織布工場における滯貨数量等が大藏省の方ではわからぬのですか。
#30
○福田政府委員 大体現在滯貨として想定されるものは、現在のマル公で計算して、石炭が五億五千万円、コークスが九千万円、石油が九億八千五百万円、鉄鋼が四億八千九百万円、肥料が七億五千三百万円、主食が十億円、非鉄金属が五億三千七百万円、生糸が四十一億三千九百万円、纖維品が百四十二億二千四百万円、その他雜品二十七億三千八百万円、合計いたしまして二百五十五億余万円、大体ただいまのところの在庫推定額は、さようになつております。
#31
○中村(寅)委員 百四十二億の纖維製品は、ヤールで言つたらどのくらいになるのですか。
#32
○北村國務大臣 ただいまの御質問は、大藏省では金額であげておりますから、後にそれぞれの関係先と交渉いたしまして、御必要がございましたら、あとから調査して申し上げます。
#33
○中村(寅)委員 ただいまのはそういうことにしていただくとしまして、もう一つ大藏大臣に先ほどの課税の点で漏しておつたのでありますが、一昨々日であつたかと思いますが、大原議員の質問に対して、大藏大臣は下から盛り上つてきた納税組合とは交渉をもつていつてよいと思つているというふうのお答えがあつたと思うのであります。その時に今までつくられておつた納税組合は、上から天降り的につくられたものであつて、ありま交渉相手としては取り上げられないというお言葉があつたように記憶いたしているのでありますが、私は上からつくられておろうと、下からつくられておろうと、今までの納税組合というようなものでも、これは決して交渉相手として相手にとれないというような欠点は、そう全面的にはないのではないか。もちろん下から盛り上つた納税組合の方がよいということは考えられると思いますけれども、何も上から來たからといつて、そう相手にならぬということはなかろうと思いますか、私は現在のような税務吏員の少いときで、しかも非常に納税基準の査定等にも手間も要するし、めんどうさを伴つている時代には、こういう民間の一つの組織をつくらせて、その組織の中の正しい意向というものを政治の面に取入れていくということが、最も必要ではないかと考えるのでありますが、そういう点から考えますときに、早急に納税組合というようなものをつくらせて、それと折衝していく。もしもそれが大藏大臣の言葉の中にありましたように、好ましからざる状態のときには、これは当然そのときに交渉を断るということができると考えますので、全面的に私はそういう対策をお立てになることが、税をとる方のためにも、とられる方のためにも、至つて便利な方法ではないかと考えるのでありますが、その点明確なお答えを願いたいと思うのであります。大藏大臣がそういう方法をとろうということであれば、われわれは地方にそういうふうの指導をして、速やかに正しい良心的な納税組合というものをつくらせなければならぬと思うのでありますが、その点ひとつお答え願いたいのであります。
#34
○北村國務大臣 中村委員のただいまの御説は、私とまつたく同感でありまして、同じような意味のことを申し上げたいと思うのでありますが、多少行き違つておると思います。と申しますのは、民主的な自発的な、下から盛り上る納税組合ができたらばと申しましたのは、戰時中國のために納税組合が相当大きな貢献をして、優秀な成積をあげられた事実はおおうべからざるものでありますが、しかし当時はやはり上の方から天降つたものが多かつたので、少くともそういう印象を與えておりますので、関係方面等において――私は納税組合はもう一度やりたいという希望をもつておるのでありますけれども、どうもそれがうまくいかない。さような点がございますので、自発的に下の方からほんとうにある團体、ある会社、銀行その他町等で起るのは非常に結構だと思います。けれども政府なり税務署なりが指導的な立場に立つたりして、納税組合の成積次第では國から補助金を出したというような、前にやつておりましたようなことが、ちよつとやれないのであります。さような意味のことを含めて、自発的にほんとうにだれが言い出すともなしに、自然発生的に納税組合ができてくれば非常に結構なので、そういう方向に行くように、民間運動を通じてやつていただきたいものと、かように考えておるわけであります。その点においては、中村委員のお考えとちよつとも変つていない。ただ大政翼賛会のような印象を少くしも過去のものは與えておる。この点において相当難点があるのでございまして、それを相当心配しておるのであります。
 もう一つのことは、ただいま申し上げましたような意味の納税組合なら非常にありがたいのでありますが、かりに農村で農民の供出を阻むような農民運動が起れば、たいへんなことであります。從つて多少そういう事実があつと場合に、供出に関しては断固たる法律の制裁もできております。今そういうことが現実にあるというわけではありませんけれども、たとえば納税問題を中心として非常に矯激なある一派の人たちが、それをもつて何か運動を起すというようなことがあつて、円満な租税の進行をかえつて結果としては阻害するというような事実が起れば、非常に困ることでございまして、かような意味において、團体交渉をやらせという話がときどき出るのでありますが、今申し上げた意味の純良な納税組合が自発的にできて、そういう方々が手を取合つていくことは、非常にいいが、少し行き過ぎたと申しますが、きわめて矯激な思想的背景をもつ一團の人々が、納税運動を通じて團体交渉をやらせ、こういう点は若干私どもとしては考えなれればならないということを申し上げたのでありまして、全体としては中村委員のおつしやることと、私の申し上げることとは、まつたく一致しておると思うのであります。
#35
○中村(寅)委員 もう一つ大藏大臣にお尋ねしたいのは、最近農村の代表が出かけてまいりまして、二十二年産米の米價の追加支拂を要求しておりますが、それに対して農村大臣も、芦田首相も、大体において二十二年産米を月割にして、今度の物價改訂後の月に相当する分は、新價格によつて追加拂いするということを、再々言つておるようであります。しかしその財源について、大藏大臣としては、どういう見透しをもつておられるか、お聽きしたいのであります。
#36
○北村國務大臣 お答え申し上げます。その点はバツク・ペーメントは許されぬことになりましたので、これは農林大臣から、数回ある機会にはつきり申し上げられたと思うのであります。しからばどうするかということにつきましては、農業省で今立案されておるのでありまして、さような点について、私どもも一緒になつて檢討を続けておるのでありますが、今ここで申し上げる段階には至つておりません。そのことにつきましては、非常に事の重大性に鑑みまして、愼重にただいま檢討しております。
#37
○中村(寅)委員 最後にもう一つ今の問題に関連してお尋ねいたしたいのであります。私どもの計算に上りますと、七月から物價が改訂されたとして、農家に拂うべき金額が百四十数億になりますが、きのう農林大臣は、三千七百円ベースを壞さない範囲内で、消費者負担としてある程度の財源としての見透しがあるというようなことを言われましたが、われわれはそれでは少し不足するのではないかと思うのであります。そういう点については、今のところ財源としてのあてはないということでございますが……。
#38
○北村國務大臣 ただいま確定した案にまで達しておりませんので、ここではつきり申し上げることは、ちよつと今困難でございます。さよう御了承願います。
#39
○稻村委員長代理 島村一郎君。
#40
○島村委員 私は終戰処理費の内容について、少し伺つてみたいと思うのであります。この間御配付いただきました資料を拜見いたしましても、さつぱり見当がつきませんので、この内容について、御説明を承りたいと思うのであります。
 まず第一に、ただいままで終戰処理費は一本で取扱われたというふうに考えておるのでありますが、今年度のこの表を拜見いたしますと、各省所管に計上された終戰処理事務費があります。これらの点については、どういうふうにお考えになつて、こういうふうに各省にわけられたのか、まずもつて御説明をいただきたいと思います。
#41
○北村國務大臣 終戰処理費は、きわめてデリケートな関係でございますので、ただいま表現している程度に表現することになつております。それでもう少し具体的に申し上げますと、從來は設営費が多くて、維持管理費が割合少かつたのですが、漸次設営費が減つて、維持管理費の割合が多くなつております。將來は一層そういう傾向が多くなつていくというふうに考えておりますので、その程度にお聽きおきを願いたいと思います。
#42
○島村委員 この内容についてお伺いする前に、維持管理費なり設営費なり、あるいは建設費なりというものの大体の内訳について伺いたいのであります。
#43
○福田政府委員 先日お手もとに配付いたしました資料に、大体の内訳が書いてあります。昨年度と変つた点は、各省に終戰処理事務費という項を起しまして、建設院、特別調達廳、商工省、逓信省、運輸省、大藏省、この六省におきまして、終戰処理費というものが出ておるのであります。この各省に出ている終戰処理費は、建設院につきましては、建設院で司令部の指導のもとに地図の作成をやつております。また三角点の調査をやつておりますが、そのための経費が終戰処理費に密接な関係があると同時に、國内の事情であるというような関係で、建設院において計上することにいたしたわけであります。それから特別調達廳におきましては、これは進駐軍関係の物資調達をいたす官廳でありますから、この役所の全部の経費を終戰処理費の方にまわしているというふうに御了承願いたいのであります。それから商工省は、商工省に進駐軍の物資を世話する特別資材部がありまして、この特別資材部の経費は、商工省の仕事であると同時に、終戰処理費の仕事であるというので、商工省に計上しております。それから逓信省所管の分は、航空保安施設関係の経費が、終戰処理費として計上されておるのであります。それから運輸省は上層氣象でありますとか、あるいは海上の固定氣象、観測、また海図の作成であるとか、さような関係が進駐軍及び國内の関係にまたがりますので、これを運輸省に計上してあるのであります。それから大藏省では、大藏省管理局並びにその下部機構である財務局のうち一部の人員が、この終戰処理費の経理に当つておるのであります。この関係は終戰処理費的また大藏省的事務でもあるので、大藏省所管の終戰処理費と御承知願いたいのであります。すなわち終戰処理費本來の経費といたとしましては、先般御説明いたした通りでありまして、ただいま大臣からもお話がありましたが、本年はこの表で見られる通り、兵舎工事費、住宅、宿舎新築費で、昨年に比べると非常に減つております、昨年度は住宅、宿舎、新築費は百十二億円かかつておつたのでありますが、今年は物價が騰貴しておるにもかかわらず、四十九億円である。それから兵舎のごときは、昨年は八十三億であるが、本年は物價の騰貴にかかわらず、三十八億円である。さように建設的な経費が非常に減つております。宿舎のごときは、大体昨年の事業量の二割程度に減つておるのであります。全体といたしまして、建設費と維持費の割合が、昨年におきましては大体半々であつたのでありますが、今年度は、建設費は二三%に減り、維持費が七二%に該当し、その他のいずれにも属せざる経費が五%というふうに、非常にウエイトが変つてきております。
#44
○島村委員 なおこの建設費はどんなふうに扱われておりますか。これにつきましても、お伺いしたいと存じます。
#45
○福田政府委員 お答えいたします。建設費といたしましては、住宅及び宿舎が從來とも一番多いのでありますが、これはただいま申し上げました通り、昨年度に比べますと、大体事業量が二割程度に減つておるのであります。しかも本年度新たに着手するというようなものは、これは前年の一割程度に減つてきておるのであります。これが何戸分というようなことは、ここで申し上げかねるのでありますが、新たに着手するものは前年の一割、それから前年からのずれを入れましても、前年度の事業量の二割程度である、かように御了承願います。
 それから兵舎の工事費は、三十八億七千万円本年度予算にははいつておるわけでありますが、これはほとんど昨年度の事業の継続であります。すなわち昨年度の未完成の分を、今年度に完成するという経費でありまして、本年度に新たに着手するというものは四億円、非常にわずかの金額に減つております。今後は、これは大体なくなるというふうに御了承願いたいのであります。その他は大した建設もありません。建設というよりは、むしろ維持、管理の関係でありまして、大体建設的なものは、その両者というふうに御了承願います。
#46
○島村委員 これに伴います物資の問題につきましても、相当考えなければならないと思いますが、物資の面からいたしまして、はたしてこの需給がうまくいつておるかどうか、こういうようなことも承つておきたいと思います。
#47
○北村國務大臣 物資の点は、予算と資材と必ずマツチするようにいたしておりますので、不都合は生じないと考えます。
#48
○島村委員 現在までの支出の状況及びこの支出に対する監査の方法、そういうふうなことについて、この際承つておきたいと思います。
#49
○北村國務大臣 御承知の通り、特別調達廳が大体一切のものの最初の窓口として、これを受け付けるのでありますが、ここで十分審査するということはもちろんであります。それから技術的な面においては、建設院の技術官がやはりタツチしまして、相当にこれは技術的な監査をする。それから大藏省は大藏省の立場で、経理的な十分の監査をするというような三段構えになつておりますので、審査、監査等には遺漏なきを期しております。
#50
○島村委員 大体終戰処理費の方はその程度にいたしまして、昨日発表されました新物價と本年度の予算、この予算に対する影響いかんということにつきまして――もう少しわかりよく申せば、物價は上つたが、あの予算でまともに、計画通り執行できるのかどうかという点であります。
#51
○北村國務大臣 実は予算を編成いたしますときはに、物價の改訂は今よりも、少し早い機会にやり得るというような考えをもつておりましたのが、少し遅れましたのであります。それで、遅れたということは、それだけ後に物價が上るという結果になりますので、予算においては大体あの予算でやれる、かように考えておる次第であります。
#52
○島村委員 それから質問の第三点といたしましては、昨日所管大臣である野溝國務大臣にも伺つたのでありますが、地方財政の問題であります。この問題につきましては、なるほど國はいろいろの金繰りができる方法がありますけれども、地方においては、いよいよ赤字が出る場合は、起債にまつ以外に何も方法がないというふうに考えられる。しかも、現在の地方財政を見ますと、非常なきゆうくつどころでなく、苦しみをもつておる。これに対しましては、もちろん所管大臣としては、もちろん所管大臣としては、深く考えておられることと存じます。殊に、先般委員が五人中三人も、連袂辞職のような、ほとんど時を同じくして辞職しておられる。これは意地惡く解釈すれば、たれかの政治的ないたずらではないのかというようなことも言われております。しかし私は、決してそういうふうには考えておりません。これは結局、地方分権主義を唱える自治体の直接関係者であるかの御三名と、政府当局の考え方が中央集権的であるという、そこの二つにわかれ目があるということを、昨日もちよつと申したのでありますが、これはもうそれに違いないと私は存じております。しかしこの問題は、今論ずる問題ではありませんから、大藏大臣にお尋ねいたします点は、地方長官、あるいは自治体直接関係者であるところの三名の委員の御意見などを伺つておりますと、大体地方債は今年度百五十億円程度に止めてもらいたい、あるいは住民税を八百円に止めてくれというような、いろいろなことが要請されておりますので、これに対しまして、政府は、何というか、すこぶる抽象的に御回答になつておるようであります。その内容は、こまかく申しませんけれども、たとえば、本年度の地方債などで言いますと、その所要額が二百七十億である。しかしその二百七十億の中の三十億くらいは、何とか、節約によつて賄え、あとの二百四十億に対しては融資の斡旋をする。ただ、ここにやや安心の行くような文字のありますのは、責任をもつて融資の斡旋をするという字句が使つてあるようであります。これは幾分、心強さを感じますけれども、ただ、あとの問題を考えますと、税制の改革にまつて、どうこうよく考えてから、というようなことよりほかには、政府の御回答を拜見すると考えられません。しかしこれは、どうしても大藏大臣に、もう少し深刻に実態を見ていただきたいということを、私どもといたしましても、痛切に感ずるのでありますが、大藏大臣から何かもう少しはつきりしたお話が伺えれば結構だと思うのであります。
#53
○北村國務大臣 ごもつともな御質問と思います。これは現在地方が非常に歳出の相当額を要する事業が多いにかかわらず、財源が乏しい。それで、中央も非常に財政的に困つておるのでありますが、地方もこれに讓らない、相当深刻な財政的な困難をお感じになつておることは、これは私どもも、つぶさに承知いたしておるのであります。それで問題は、いわゆる地方の自治というようなことと、それから財政との関係でございますが、地方の完全な独立、地方の自治ということと、財政的な独立ということとが相まつて、ここに地方自治のうるわしい成果をあげるということに相なると思うのであります。ところが現段階においては、そのことが随分困難である。それで私どもの立場といたしましては、中央だけがいわゆる健全財政を保持し得たいといたしましても、地方においてはきわめて不健全な財政であるということは、これはいわゆる健全財政に相なりませんので、申すまでもなく中央、地方を通じて、健全財政の一貫性を貫かなければならぬ。かような観点から、地方もまた健全財政でうまくやつていけるようにということで、いろいろ苦心をいたしておるつもりであります。ところが最近地方には、御承知の通り六・三・三制の問題があり、あるいは自治警察の問題があり、あるいは消防の新しい組織があり等々で、その上に各地方に綜合大学をつくるとか、非常に新しい経費を要する重大な問題が山積しておりまして、そのことのために、地方の財政に当る方々が、非常な苦労をしておるということも、私はよくわかるのであります。私どもといたしましては、つまり地方の財政の困難に対して、中央がどれだけお手傳いできるか。地方財政と國の財政との調節をはかるということは、きわめて重大であつて、國は國としてできるだけのことを搾り出すが、地方は地方として、また独立の精神に基いて、できるだけのがまんをして、やれるようにしていただきたい。地方と中央との調整という問題が、ここに出てくるわけであります。かような観点から、これはたまたま急ぎましたために、税法では國の税として入場税の御審議を願つておりますが、これは補正手続をいたしまして、地方に早速讓渡する、こういうことにいたしておりまして、入場税のごときものも、とりやすく、財源として確実でありますから、これを地方に讓るというようなこともいたしたのであります。これは最近審議を願うことになつておりますが、さようにいたしております。それから、その他中央として背負うことのできる限度のものは、できるだけやりたいということで、いろいろくふうを凝らしておりまするし、殊にただいま御指摘になりました金融の面等も、これは本來は御承知の通り各縣にそれぞれ縣金庫というものがあり、各市には市金庫というものがあつて、それぞれ金融的なつながりをもつておるので、それで縣が一時借入金をしなければならぬというような場合には、他面縣金庫として縣の庇護を受けておりますから、そういうところで縣が金融を得ていく。これは金融機関を地方に分散して、地方財政と金融機関を調節してもらうということをやつてもらいたいと思うのでありますが、最近うまくいかないようでありますから、御承知の通り、預金部の金のごときは、ほとんど地方に還元しておる。最近預金部が少し成績がまずくて、赤字を出しておりますけれども、これはほとんど全部地方に還元しておるというような状態である。今回は金融の措置は必ず講ずるというようなことで、いろいろ苦心をしてやつておるわけであります。御指摘になりましたようなことは、ごもつともでございまして、どこで調節を講ずるかということは、非常に重大な問題であります。ただいまのところでは、殊に関係方面の方から非常に指摘をされておるのでございますが、中央政府が地方の自治を完成しなければならぬと言いながら、今もつて依然として中央の負担に属するものが非常に多いじやないか。それから財源というものは、地方と中央ともう少し協議をしてやらないと、重なり合うために非常な負担になる場合がある。これを調整することを一体どうするかという問題であります。歳入欠陷が起ると、これは中央が当然処置すべきだという考え方が相当強く、それぞれの代表から相当強い御発言等もあるのであります。ところが歳出面等については、大藏省は何にも言うことができないというような状態でありまして、その点に地方財政と中央財政とを調節する上にも、現在の組織の上に多少再檢討を要するものがあるのではないかというふうに考えるのであります。私ども何も中央で自分の方さえよければよいという考えは毛頭もつておりません。でありますけれども、歳入の欠陷はどうしても中央でめんどうを見なければならぬようになつておる。歳出の方は、これはどうも何も発言の機会がない。これは中央の節約の点が足りませんから、あまりりつぱなお手本とは言えませんけれども、地方は地方として、節約すべきところは節約し、改善すべきところは改善するという方向にいかなければならぬ。何しろ地方の自治体というものは、ほんとうの意味においての自治が新しく出発したばかりでありまして、これらの点が十分にまいつておるかどうかということになると、なお檢討を要する点がございますので、これは地方財政委員会の方とわれわれの方と、もつと協調懇談を遂げて、どうすればよいかということを檢討したい、かように考えておる次第であります。さしあたりの問題としては、御指摘がありましたような金融方法を講じて、これは何とかして責任を負うてやりたい。殊に新しい貯蓄目標の三千億のうち五%は優先的の地方の財政の資金に充ててもらいたいというようなことで、それぞれ金融機関に対してもお願いをしておる次第でありまして、大体御了解を得ておるわけであります。さような点を御了承願いたいと思います。苦心をしておるのでありますけれども、なかなかうまくいかない点があるのであります。その点は御了承を願いたいと思います。
#54
○島村委員 これは多分まだそう前の案でなかつたろうと思うのですが、当時の委員である神戸正雄氏と安井誠一郎氏から、地方財政委員会に提出されました要求書であると思うのでありますが、たとえばこの内容を見ておりますと、一つ、二つ申し上げますと、住民税は八百円で押える、地租は八〇%、家屋税は八〇%というふうに、地方財政委員会どは立案しておりますのに対しまして、大藏省は、住民税千円、地租においては三〇〇%、家屋税は四〇〇%というような調子で、安本の案を見ますと、大体大藏省の案に似たものでございます。結局中央官廳の見方は、大藏省も安本も大体同じような数字を示しておる。こういう点を考えてみますと、どうも大藏省、あるいは安体の基準とする材料、これは大体同じような観点、あるいは基準に立つておる。しかるに地方財政委員会の方で基本としましたところは、何かそこに違いがある。だからこういうふうに数字が違つてくるのであろうと、私は見ておるのであります。こういうような点からいたしましても、これは大藏大臣に申し上げることは、あるいは筋が違うかとも思われるのでありますが、しかし財政の関係からいたしまして、一應申し上げるのでありますが、まだ要するに地方代表と、あるいは地方財政委員会と、大藏省なり安本なり、いわゆる政府筋との話合いが、どうもうまくいつていないのではないか。あるいはもう少し深くお話合いを願つたら、こういうふうな数字の差が出てこないのではないかというふうに考えられるのであります。こういう点につきましては、將來もう少し深い折衝をしていただいたらどうかというような素人考えがいたします。この点につきましては、御一考を煩わしたいと存じます。
 なお地方財政の状況は、大臣もちろん大体のことは御承知であろうと存じますが、これは私がここで申し上げるほど簡單ではないようであります。実は私、どうしてそんな方面を探つてみたかと申しますと、時折り通貨安定運動のために日本銀行へ参ります。そういたしますと、日本銀行で、東京都へは金は貸せないというようなじようだん話が出まして、いや、これはただごとではないと思つたものですから、しばらくしてから東京都長官にちよつと会いましたときに、どうも日本銀行ではこんなじようだん話をしていたが、苦しいことは事実だろう、一体どんなふうに苦しいのだろうかというので探つたことがあります。その研究の結果、ちようど関東地方及び甲信越と、その方面の府縣にわたつて、この財政状況を檢討してみますると、これは話のほかほど苦しいと申した方が当つておると思います。こういう点などにつきましても、当局におかれては、十分なる御檢討のもとに、將來の立案に当つていただきたいと、切にお願い申し上げたいのであります。先ほどちよつと申しました地方長官側からの政府に対する要求に対して、政府が御回答になりましたこの案の中に、地方團体中中金庫の設立などについても、よく考えた上で、早急に実現をはかりたいというような御意見が出ております。もしこういうことになりますと、かりに赤字が出てまいりましても、大藏省証券と同じような結果をもたらすような取扱いがなされるのではないかと存ずるのでありますが、できることでありましたら、こういう問題につきましては、それこそできるだけ早くひとつ実現方を御努力いただきたいというふうに、私は希望いたしまして、質問を終ります。お答えがいただければなお結構であります。
#55
○北村國務大臣 きわめてごもつともな御意見でありまして、私もその点は同感なのであります。地方財政を確立するということは、きわめて必要でありまして、また地方が自治の本質に鑑みて、地方の財政を独立するために、地方自身においても努力してもらう。われわれもまたその独立のために及ぶ限りの努力を加えることは当然でございます。今後地方財政の健全化のためには、十分力を入れていきたいと、かように考えておる次第でありますから、御発言はきわめてごもつともであります。さような線に沿つて檢討いたしたいと考えております。
#56
○島村委員 次に問題をかえまして、前年度の所得税の年度内收入額につきましてお伺いいたしたいと思います。またそれと同時に、前年度の税收のお見込みとの対比についても、御説明いただきたいと思います。
#57
○金子説明員 お答えいたします。昨年度の所得税の予算額は六百八十五億で、四月末の見込み、ただいまお手許に届いておりますところでは、七百七十九億はいつております。これはなおあとで精査いたしました場合に、数字に若干異動が生ずるかもしれません。
#58
○島村委員 所得税を除きましたほかの税金の年度内收入、これとただいまのような予算との関係、歳入との関係についてお伺いします。――今の質問は、予算との関係については、各税目をずつとそろばんを入れなければ、あるいはわからないと思います。それであるとすれば、後刻にでもお答えいただければ結構でございます。でありますから、その所得税を除いた税收の総額で結構でございます。
#59
○金子説明員 総額で申し上げますと、印紙收入のうちの收入用紙の分を除いてございますが、千三百三十九億の予算に対して、実際の收入は千四百四十二億の見込みでございます。
#60
○島村委員 年度締切り後の二十二年度分のずれについてお伺いします。
#61
○金子説明員 大体の数字を申し上げますと、所得税で二百億ずれております。その他特別税になつております戰時補償特別税であるとか、財産税であるとか、そういつたようなものを合わせますと、所得税額において約百億のずれがあるかと思つております。
#62
○島村委員 これで私の質問は終ります。
#63
○稻村委員長代理 明日午前十時から開くことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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