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1947/06/28 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第42号
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1947/06/28 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 予算委員会 第42号

#1
第002回国会 予算委員会 第42号
昭和二十三年六月二十八日(月曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 庄司 一郎君 理事 苫米地英俊君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 押川 定秋君 理事 小坂善太郎君
   理事 今井  耕君 理事 大原 博夫君
   理事 東井三代次君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      東  舜英君    植原悦二郎君
      磯崎 貞序君    角田 幸吉君
      上林山榮吉君    古賀喜太郎君
      島村 一郎君    鈴木 正文君
      鈴木 明良君    西村 久之君
      原 健三郎君    本多 市郎君
      本間 俊一君    海野 三朗君
      岡田 春夫君    猪俣 浩三君
      黒田 寿男君    田中 松月君
      田中 稔男君    中崎  敏君
      中原 健次君    矢尾喜三郎君
      成田 知巳君    川崎 秀二君
      成島 憲子君    小島 徹三君
     生悦住貞太郎君    田中源三郎君
      圖司 安正君   長野重右ヱ門君
      笹森 順造君    松本 瀧藏君
      中村 寅太君
 出席國務大臣
        内閣総理大臣  芦田  均君
        大 藏 大 臣 北村徳太郎君
 出席政府委員
        大藏政務次官  荒木萬壽夫君
        大藏事務官   福田 赳夫君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
六月二十八日
 委員米窪滿亮君及び綱島正興君辞任につき、そ
 の補欠として成田知巳君及び東舜英君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 昭和二十三年度一般会計予算
 昭和二十三年度特別会計予算
    ―――――――――――――
#2
○稻村委員長代理 会議を開きます。
 一昨日、大藏大臣の中座したことに関して、庄司委員からの質問があり、委員長はこの点遺憾の意を表するとともに、大藏大臣に釈明を求めるということを述べたのでありまするけれども、その委員長の発言に從いまして、大藏大臣よりまず第一に釈明をしていただきます。北村大藏大臣。
#3
○北村國務大臣 一昨日非常に重要な予算委員会を中座いたしまして、外出いたしましたことについて、まことに恐縮に存じます。この点ははなはだ遺憾であつたと存ずる次第であります。実は非常に早くから計画されたことでありまして、一、二應も断つたのでありまするけれども、この企画が全体としてその関係方面の協議決定に基くもので、二年の記念をやるというようなことで、放送局で非常に早くから計画されたことでありまして、早くから出ておつた者が全部顔をそろえるということに決定したからということで、やむを得ず一應引受けたものですから、委員長には相当事前に御了解を得て、当日この時間はしばらく抜けることを御了解願いたいということで、委員長までは早くから御了解を願つておつたのであります。しかも当日一時間以内で帰つてくるはずでありましたのを、三分の一ほど進んだところで、録音機械に故障があつて、やり直ししたようなわけでありまして、さようなことで時間もお約束申し上げたよりも遅くなりまして、この点まことに恐縮に思つております。以上のような事情でございますので、あしからず御了承願いたいと思います。
#4
○上林山委員 この問題については、私は特に発言を求めたわけでありますが、政府はこの予算を一日も早く通さなければならない、そういう見地から、あらゆる手段を講じ、あらゆる宣傳をいたしておりますが、この委員会に限らず、政府委員の出席、大臣の出席は非常に悪いのであります。われわれは國会として審議に忠実でなければならぬのでありますけれども、政府の方が、多分にわれわれにその機会を與えない傾向が強い。その結果予算の審議その他の審議が遅れておることも事実であるのでありますが、政府が一方に予算を早く通さなければならぬと宣傳するにもかかわらず、大藏大臣は前からの放送局との約束であつたから、その約束を守るために、しかもわが党の苫米地委員の発言中に了解を求めて、そうしてその放送討論会に出席をした、こういうことでありまするが、私はまことに遺憾なことであると考えるのであります。そこで單に遺憾の意を表する程度でいいのかどうか。私は大藏大臣の政治的責任観念についてお伺いしたい。一体予算審議が重要であるのか、放送討論が重要であるのか、私はこの点について、大藏大臣の見解を明らかにせられんことを望むのであります。そうして私は單なる釈明の程度で、はたしていいのか、あなた方はかねてどういうことを言つておられるか、その言つておられることと、おやりになつていることと根本的に矛盾しないのか、この点を私はひとつ答弁を求めたいのであります。
#5
○北村國務大臣 さきに釈明いたしました通りでありまして、もちろん私どもは財政当局として、予算案を一日も早く御審議していただきたいという願いを切にもつておりまして、そのことに変りはございませんし、また放送局の依頼があつたからといつて、予算が大事でありますから、ずつと前からの約束でありましたし、かねて委員長から御了解を得ておりましたけれども、なお当日断ることを電話さしたのでありますが、これは今断わられてはどうしても困るというようなことで、押問答をしてかけつけていつたようなわけでありまして、その点はさきに申し上げました通り、はなはだ遺憾に存じておる次第であります。なお出席等のことにつきましては、私としては自分の肉体の許す限り、参議院、衆議院、それぞれの財政金融委員会、それから予算委員会並びに運輸交通委員会等をかけまわつて勉強して――これは当然のことでありますけれども、かけまわつておるつもりでありますが、ほんの二十分ほどでいいから來いと言われて行つてみると、御質問が長くなつてしまい、その反面こちらでは出てこないのは不都合ではないかということで、どうも今の状態ではこれは自分としては当然のことであつて、予算の御審議を一日も早く進めて御決定を願いたいということでありますし、また務めとして当然でありますから、やれる限りはやつておるつもりでありますけれども、どうも思うように――ちようど來いと言われるときに行くことができなかつたというようなことが、今日までしばしばございまして、自分でも遺憾に存じますけれども、この点はやむを得なかつた。それから今回放送局のために外出をしたということは、さきに申し上げました通り、これはまことに遺憾の至りでございまして、御了承を願いたいと思います。
#6
○上林山委員 委員長にお伺いたいしますが、前もつて大藏大臣が放送討論会に出なければならぬから、予算の委員会には出席できない、その了解を求めた事実があるのであるかどうかも、もしその事実があるとするならば、あなたは委員長として、理事会なりにお諮りになつて、了解を求めていただいたのであるかどうか。あなたのいわゆる独裁的な考えによつて、了解を與えていたのであるかどうか。この点をお伺いしたい。
#7
○稻村委員長代理 委員長から申し上げますが、鈴木委員長がときどきG・H・Qその他の折衝のためにいなくなつて、実は委員長代理をする人が代る代るやつておつたので、私の立場から申しますと、私はそのことは全然当日まで知らずにおつたわけであります。
#8
○上林山委員 当日まではその連絡は知らなかつたということになつておるとすれば、あなたは大藏大臣が約束したところがあるから行かなければならぬという申出に対して、わが党の苫米地君が発言中にこれを中止せしめたというあなたの認識は、一体どこにあつたのでありますか。
#9
○稻村委員長代理 私はそのときにははつきりしたことはわからないが、大藏大臣はしばしば重要な要件をもつて、他の委員会その他いろいろなところに出なければならぬということを考えて、それに対して私は最初のうちは質問に対しては御承知の通りずつと読けておつたわけでありますが、秘書官から再三再四その点についての要求がありましたので、それで私は苫米地委員に一應御相談申し上げた次第であります。
#10
○上林山委員 あなたは現在ただ遺憾にたえない。委員長としてこの重大な予算の審議と関連して、ただ遺憾であつたという程度の釈明でいいと思つておるのか。あるいは大藏大臣が單なる釈明をしたいという程度で、軽く当面を糊塗していこうというような審議に対する御本針であるのか。認識であるのか。この点をお伺いしたい。
#11
○稻村委員長代理 予算審議が特に重要なことに鑑みまして、その点はなお別の問題として、予算の審議はこの際進めていただきたいと考えております。
#12
○本間委員 ただいま一昨日のことにつきまして、北村大藏大臣から一應の釈明を私どもは聽取いたしたのであります。これは單なる釈明であります。單なる弁解であります。しかもその釈明のお話を承つておりますと、一昨日のラジオ計画は、某方面の企画に基いたものであるという意味合のことを申されたのでありますが、ただいまの釈明を聽きまして、実は私ははなはだ遺憾に感じた一人であります。最近、これは何も北村國務大臣に限つたことではありませんが私も委員長をやりました経驗があるのでありますが、新しい國会に相なりましてから、どうも各大臣の議会の委員会に対するその責任感について、私どもは多少疑いをもたざるを得ないような場合が非常に多いのであります。殊に北村大藏大臣は、政党出身の大藏大臣であります。その政党出身の大藏大臣が――北村大藏大臣もこれは御存じであろうと思うのでありますが、議員の質問に対しましては、答弁する義務を國務大臣は國会に対してもつておるのであります。これは各大臣が議員の質問に対して答弁をしなければならない責任をもつておる。これは國務大臣として議会に負つております最も貴い義務であります。しかも北村國務大臣は、御承知のように、予算案の主管大臣であります。一昨日はその一般質問を打切ろうという最終の日であります。なるほど北村大藏大臣のただいまの釈明を伺いますと、前からお約束されておつたようでありますから、その約束を果されたいという御希望であられたことは、よく私は了承いたすのでありますけれども、一昨日は一般の質問を打切つて、そして月曜からはひとつ何とかして分科会にはいつて、早く予算案をあげようじやないかという話合ができました最終の日に当つておつたのであります。しかも北村大藏大臣が、ほかの大臣と委員の間に質疑應答が重ねられておりまして、相当にひまがあるとか、あるいは多少この委員会を中座いたされても、さほど質疑に影響がないというような事態でありますならば、また私どもはその事情を諒とするのであります。あるいはその事情を諒としなければならぬと、私は思うのでありますが、苫米地委員の質疑の最中であります。一問一答をやつておりまするその最中であります。私は予算案審議を一刻も早く成就せしめたいという熱意をもつておられる大藏大臣が、一昨日苫米地委員の質疑の途中で、やむを得ざる用事があつて出かけられるのですから、おそらく進駐軍とのお約束があつて行かれるものと承知いたしておつたのであります。ところがあにはからんや、ラジオの放送討論会に御出席だということがすぐわかつたのであります。これを聞まして、私どもは憤慨するのは当然であろうと思います。國務大臣が議会に対して議員の質問に答えるということは、当然な義務である。しかも北村大藏大臣は、政党出身の大臣である。その政党出身の大藏大臣が、いやしくも議会を尊重しないというようなことをおやりになるというところでありましては、國会の権威というものは確立することができないと思う。殊に新しい國会法になりましてから、どういうふうにして、実質的に國会の権威を維持するかということが、私ども議会人にとりまして、重大な問題であります。殊に私は思うのでありますが、近年私どもが痛感をいたしておりまする病根の一つは、責任感のきわめて薄らいでおるということであります。昔、薩摩の武士が河川工事をやつたことがあるのでありますが、その河川工事に際しまして、やむを得ざる理由によりまして殿様に申し上げておりました予算よりも、多少よけい費用がかかつたのでありますが、その工事が完了いたしますと、その責任を負うて家老以下が割腹自殺をいたしましたことは、歴史の証明するところであります。この責任を重んずる精神こそ、私はわが日本の古い最も尊い精神でなければならぬと考えるのであります。しかるにここ近年私どもははなはだ遺憾でありまするけれども、わが國を通じまして、この責任に対する考え、責任感が薄らいでおるということが、日本の病根の一番基礎的な大きな問題であります。そういうとき、しかも大藏大臣が、今日の官界の綱紀を粛正して、みずから範を垂れていかなければならぬというきわめて重要なる責任の地位に立つておられる北村さんが、委員の質問の最中に、しかも最終のいよいよきよう最後の質問打切りというときに、なるほどお約束があられたかもしれんけれども、自分の当然盡すべきと義務を放擲されて、ほかのところへ出席せられる。こういうことでありましては、なるほど事件はきわめて軽いことのようにお考えであろうかと思うのでありますが、私はさようでないと思うのであります。しかもきよう私は、北村大藏大臣がここに出られて、おそらくほんとうに陳謝せられるであろうということを期待いたしておつたのであります。ところが、今お伺いいたしますと、いろいろ理由を並べて一應の釈明をせられたにすぎない。一体今後の日本は、ただいま私が申し上げた責任を少しでも重んじていく、また責任を少しでも重んずるような風潮を、私どもは助長していかなければならぬというのでありますが、この重大な責任の地位に立つておられる人が、そういうようなことをやつて、どうして一体今後官紀の粛正がされ得るでありましようか。あるいは綱紀の粛正がされ得るでありましようか。私は北村大藏大臣の釈明を聽きまして、はなはだ不満足に思うのであります。私は北村大藏大臣が、ここで何もおつしやらないならば、むりに北村大藏大臣の答弁を求めようというような考えはありません。どうか私が申し上げました点を十分によくお考えくだすつて、ともにひとつ議会の権威を助長し、議会の権威をあくまでも確立していく。こういう点に対しては私はさらに一層御努力もあつてしかるべきと思うのであります。單に一應の釈明だけでは、どうしても私どもは納得がいかないのでありますが、この点につきまして、北村大藏大臣の卒直な御見解を承りたいと思うのであります。
#13
○北村國務大臣 ただいま本間君のお述べになりました意見は、全然私と同感でありまして、その通りに考えております。國会の重んずべきこと、また私自身財政の責任者として御審議を願つておる予算の問題でございますから、そのことに関しては、お述べになつた通りに考えておるのであります。ただ釈明がましくなりますけれども、当日になつて、約束は約束だつたが、当日の状況からぜひ断ろうというので、数回電話をかけさせたのでありますが、これは誤解があつて困りますが、向うの言つた言葉であります。これはメンバーについても、話題についても、多少向うの方の指図があり、アップルーバルが出ておることでもあるし、今断わられてはどうにもならぬというので、押問答の後に、とうとうどうにもならなくなつて、それでは三十分といつて出かけたのでありますけれども、録音機の故障などで遅れて、ああいうことになつたのであります。この点は返す返すも、はなはだ遺憾でありますが、本間君のお述べになつた諸点は、わたしはまつたくその通りに考えてやつておるつもりであります。どうぞさようにご了承願いたいと存ずる次第であります。
#14
○小島委員 議事進行について申し上げたい。北村大藏大臣の中座問題につきましては、委員の方々の言われることもごもつともな点もあると思います。同時に大藏大臣としましても、氣にはかかりながらも、やむを得ず中座をしたという点もあつたのだと思いますから、この点につきましては、今われわれが審議せんとする予算は、きわめて重大でありますので、この問題は一應ここで解決をいたしたものといたしまして、審議を進めていただきたいと思います。
#15
○上林山委員 ただいまの小島君の提案は、実際の上においても、理屈の上においても、きわめて不明朗なる行動だと、私は思うのであります。われわれはこの予算案が重大であればこそ、政府がまた予算案が重大であるということを宣傳をして、しかも一切の政府に不利な政局も、うまくこの予算案との符合によつて責任を逃れようとしている悪質な政府の意図、しかもそういうふうなときに、政府みづからそれをば放棄する。大臣みづからが予算の審議を放棄する。これは私は國会に対するところの一つの重大な侮辱であると思う。この責任は單なる釈明程度でことを運んだらどうだ。予算案が大事であるから釈明程度でどうだというような見解を披瀝するにいたつては言語道断と考える。だからこの際私は、大藏大臣としては、單なる釈明にとどまらず、予算の審議を考えながらも、結果において蹂躙した。いわゆる放送局の約束を果たすために、予算の審議が遅れたということは、まことに申しわけないという意味の陳謝を私はすべきであると思う。單なる釈明ではわれわれは満足しない。この点をさらに私は要求いたします。だからただいまの小島君の御意見には全然反対であります。
#16
○磯崎委員 ただいまのいろいろな問題になつております事項でございますが、由來私どもは、このきわめて重大なる予算案に対しましては、心魂を注いで健鬪を惜しまず、今日まで進行してきた。一体この二十三年度の予算が、六月のどたんばまでまいりまして、これからまだ相当な日数を要するであろうということに相なりましたこの根底は、少なくとも現内閣の重大なる責任問題でなければならぬと考えております。最初から三派連立によつて確定した根本方針によつて、その国民的要請に対して、一日も早くこの予算案を提案なされれば、もつと早くすでに現実の問題として予算は施行せられていたであろうと思う。その予算を今日ようやく手にして、ここ数日間やつとこの論議を進行しつつあるような現段階でございます。しかもきわめて重大な予算に対して、分科会に移して、さらに詳細なるところの論議檢討を加えんとするこの際にあたつて、われわれはできる限りひとつ政府の意のあるところ、また國民の要望に対しまして、愼重審議をとつたにかかわらず、ただいま申しますような、主管大臣の途方もない國会無視の御行動を拜聽するに至つて、まことに違憾至極でございます。ただいまの釈明の程度で、この國会を侮辱するがごとき行動に対しては、どうしてもわれわれは納得することができない。もしも大藏大臣が、この重大なる予算案を、一日でも早く通過を希うならば、卒直に陳謝せられて、会議の進行をはかられたらどうであろう。こういうふうに考えております。どうぞこの場合卒直に國民のために陳謝せられることを要請いたします。
#17
○苫米地(英)委員 私はせんだつて委員長の御相談がございましたときに受けた印象は、万やむを得ない、至上命令である、こういう印象を受けたのであります。それでなければ、私どもとしては、引き下るべきではなかつた。むしろ引き下らない方がこういう問題を起さないでよかつただろうと考えておるのであります。今大藏大臣の釈明を伺いますると、これははるか以前に約束がしてあつたということが一つの理由。いま一つの理由は、委員長の承諾を得ておつたということが他の理由であるのであります。そこで最後のどたんばになつて、大藏大臣が幾度か断つたけれども、企画が関係筋の方のアツプルーバルを受けておるのであるから、ぜひ出て來いということで、逐にまげた。こういうような理由になつておるようであります。私考えますのに、いやしくも責任のある人が、自分の職務を離れて他の方に向つて約束をするときには、本務に差支えない限りという條件なしに、みだりに約束をされたということは、私は大きな過ちを犯しておるものと考えるのであります。そこに責任の出発点がある。本務に支障が起るかもしれない。また大いに起り得るという見透しがあるときに、こういう條件なしで無條件に約束をせられたということが間違つておる。本務が大切であるか、放送二十周年記念が大切であるか。議会に重きをおくべきであるか、放送討論会に重きをおくべきであるかということは、これは議論の余地がないと思うのです。しかるにこの重大さの判定を誤られたということは、これは他の政策面にも、私はたくさん現われておると認められる節々があるのであります。先だつて私が質問をいたしましたそのときにも、これ以上は追究してくれるなというお話でありましたから、私はそれ以上追究いたさなかつたのでありますけれども、軍公利拂問題に対しても、私は至誠國家を思つておる。神に向つて俯迎天地に恥じないという政策を立てておるのでなくして、便宜主義の政策をやつておるのだ。政権維持の政策を立てておるのだという國民一般の印象を裏づけるような行動であると、私どもには感ぜられるのであります。こういう意味において、私は軽々しい約束をされたということは、その行き方が國政の他の部面にも反映してくるものであつて、これは軽く約束があつたから、約束は重んずべきものだという一般原則をもつて、これをそのまま受取ることは、私にはこの際できないと感ずるのであります。
 次に委員長との了解があつたと言われますが、これは三党協定があつたから、やむを得ず軍公の利拂いをしたという弁明とひとしく自分らの與党関係の人々との了解さえつけば、それで事柄を運んでよいのだというような考え方と揆を一にするものであつて、委員長と御相談になるならば、委員長に委員会と相談をしてきめるように御相談になるべきが当然であつて、委員長との私的な対談によつて、一切が解決するという考え方は、國家の政策をきめるときに、國家の利害休戚を考えずに協定をつくつたからそれに從うのだという考え方とまつたく同一であつて、この委員長とどういう話があつたかということは、われわれ委員としては、これを認める必要がないと思うのであります。しかも当日まで委員長はこのことを知らなかつたと言われるので、これは二様に解釈ができますが、当日は知つておつたとも考えられる。少くとも委員長がこの質疑を打切られるためには、実際の事態をつきとめて、委員長がたとい代理であつても、それは万やむを得ないというところまでつきとめて、しかる後にこちらに御相談になるべきものであつたと考えるのであります。そこで当日までは知らなかつたが、そのときには知つておつたというならば、なにゆえその眞実を明らかにして、御相談にならなかつたか。これは委員長に対して、私はお伺いするのであります。もし委員長が知らなかつたと言われるならば、これは別問題であります。それから企画がアプルーバルのごときものがあつたというのでありますけれども、これは企画する人と関係筋との問題であつて、これは議会との直接のつながりはないと思うのであります。從つて企画をする人がどういう径路をもつて企画をしたかということは、議会の運営とは直接にも間接にも私はつながりがないと思うのであります。これは見方によれば、軽くも見られるかもしれませんけれども、今後議会の重要性ということ、またそういう考え方の根本がいかに他の方面に響くかということを考えるときに、私はこれは必ずしも軽く見るべきものではないと信じておるのであります。
#18
○稻村委員長代理 今、大藏大臣から陳謝の申し出があります。
#19
○角田委員 大藏大臣の陳謝の前に議事進行について発言したい。昨年の追加予算の場合でありましたが、その際に米窪労働大臣が放送のためと称して途中で中座したことがあつた。そのために委員会が遂にやれなかつた。私はその後その問題がはつきりいたした後、米窪労働大臣に対して警告を発したおきました。今回承りますると、委員長の方で了承したというようなお話でありますが、その委員長はどなたでありますか。そのことを承つておきます。
#20
○稻村委員長代理 そのときおつたのは私であります。
#21
○角田委員 今後委員長におきましても、そのことについて十分お確かめあらんことをこの際委員長に対して警告を発しておきます。
#22
○北村國務大臣 ただいまの件について、先ほどから事情は申し上げた通りであります。この件に関しましては、はなはだ相すまぬことと考えますので、ここに陳謝の意を表します。
#23
○稻村委員長代理 それでは大藏大臣に対する質疑を続行いたします。苫米地英俊君。
苫米地(英)委員 去る二十二日に発表いたされました補正價格中の炭價の一般消費者價格が三千三百四十四円八十六銭ということになつておりまして、過去の値段に比べてみますと、二倍77%の値上りであります。大藏大臣も御承知の通り、昨年の暮に三千円の石炭代を北海道の官公吏に支給いたしたのでありますが、本年度はこれに対して予算的処置はどういうふうになつておりますか。これをお伺いしたいと思います。
#24
○北村國務大臣 本件は数字の件でございますから、政府委員より御答弁いたします。
#25
○福田政府委員 これは今回の給與を三千七百九十一円ということになつておりますが、その三千七百九十一円の中において、石炭手当をいかように扱うかということは、ただいま組合方面とも話合いもできておりませんし、まだ政府といたしましては、細目決定に至つておらぬ、かような状況でありますから、さよう御了承願います。
#26
○苫米地(英)委員 今主計局長のお話によると、これは三千七百円ベースの中からやり繰りをするのだというようなお話でありますが、それははたしてできるだろうかどうか、私は多大の疑いをもつのであります。すでに官公廳の方から五千二百円というような要求が出ておる。これは全國的のものである。これには職階制とか、その他のものが織りこんであるかどうか。まだこの給與の問題について、ある地方における特別の手当がこの中に織りこんであるということは、だれも了承しておらないのでありますが、これはいかがでありましよう。官公廳その他の組合方面も、この基準の中に織りこんであるということだけは、少くとも承知いたしておるのでありましようか。
#27
○福田政府委員 お答えいたします。三千七百九十一円のほかに、予算といたしましては、石炭手当というものを見ておりません。
 それから石炭手当というものを実際出すのか、出さぬのかというお話でありますが、今後におきましては、政府といたしましては、職階制という制度によります。職階制の上に、さらに地域的に、たとえば寒冷地に対しては地域的に給與の差別を設けるかどうかという問題があるのでありまして、この地域給によりまして、この石炭手当の問題を措置してまいるという考えをもつておるのであります。しかしながら、これは組合側ともよく相談する必要がある問題でありまして、ただいまいかなる体系にするかということにつきましては、先ほど申し上げました通り、まだ全然最終的な決定に至つておらぬ、かようなわけであります。
#28
○苫米地(英)委員 御説明はわかりますが、この寒冷地手当というものは、なかなかなまやさしく出てくるものではなく、これは必ず要求が起つてくるし、ここにこの政府の企図しておられるところの賃金ベースというものがこわれるよほど大きな原因も起りはしないかと思うのであります。北海道廰の調べによりますと、二十二年度の札幌市における燃料費は、月平均一千一百五十四円八十九銭ということになつております。これは月平均であります。これを総支出に比較してみると、十七・○七%ということに相当いたしておるのであります。しかし三千七百円ベースで、この月平均燃料費は一千百五十七円八十九銭、この厖大なる燃料費を負担することができない。これは生活の破綻であるということは明らかであります。從つてこの寒冷地における薪炭料というものは、予算編成の当初から考慮せらるべきものであると、私は考えるのであります。殊に昨年度までは、北海道におきまして、米の負担と炭價の負担を比較してみますと、いくらか米價の方が上まわつておつたのであります。二十二年度においては、これが逆轉いたしまして、米價よりも炭價の方が約二倍上まわつておるのであります。こういうような実情をみますときに、石炭手当の問題は、これは必然的にまた強くもち上つてくるものと考えるのであります。この点につきましては、私はこの賃金ベースの維持ができるかどうか、從つてこの予算というものは大藏大臣のしばしば御説明の通り、これを基礎とした財政が維持できて、補正予算を出さないで済ませることができるかどうかということに大きな疑問をもつておる次第であります。大藏大臣はこういう石炭の大幅の値上げが、寒冷地の住民の生活を破綻に陥らしめるということについて、いかに御考虜になつておるか、また今決定しておらないと仰せられるのでありますが、これははたして賃金ベースを、こういう事情があつても維持することができるとお考えになりますか、この点をお伺いしたいのであります。
#29
○北村國務大臣 先ほど主計局長より大体申し上げた通りでありますが、今年度は労働必需物資等の増配が相当計画されまして、これはかなり確実に実行できると考えせれますのと、その他の生活必需物資についても、若干の増配は確実であると考えておるのであります。それから從來地域差によつて甲地、乙地の別があつたのでありますが、これもだんだんいろいろの事情を訴えられて、次第にクラスが上つてきたという例もございまして、これだけではどうしてもいけないというので、根本的に職階制並びに地域のことを加えて、全体を調整する必要があるというので、ただいまわれわれの方で整理してやつておりますが、一面これは相手方のあることでありまして、一方においては、今折衝しておる。こういうような関係に相なつておるので、ただいまのところはつきりしたことは申し上げかねるのでありますけれども、一面労働必需物資を確保するということと、その他の生活消費財の供給量を増すというふうなことについては、今までよりもよくなるということは申し上げることができます。さような点を、全体を調節するという点において、大体やつていける、こういうふうに考えておるのでありますが、なおただいま、一面職組等と折衝を続けておるところがございますので、ここではつきりしたことは申し上げる段階に至らないのであります。
#30
○苫米地(英)委員 私は政府の御努力になつておる生活必需物資の補給等によつて、実質賃金を上げて維持していかれようとする御努力には、敬意を表するものでありますが、同時に月平均千百五十四円八十銭という厖大な薪炭料が、三千七百円のベースの中から、多少のやりくりをやつてもらつたので片がつくということは、私どもとして考えられないのであります。しかしさらに大きな問題は、北海道の住民、その中には開拓民もありますし、海外引揚の人々もあります。今年の石炭の配給は、二トン二分ということになつておりますが、このトラツクの運賃の値上りその他を考慮しますと、二トン二分の石炭の配給を受けるのには、少くとも一万円以上の経費を要するわけであります。そこでこれは單に官公吏だけの問題でなくて、北海道におきましては、燃料は主食と同等以上の重要さをもつておるのであります。そこで北海道の住民全体が、石炭値上げの大きな波動を受けて、生活破綻のふちにあり、北海道においては、炭價値上げ反対運動が、澎湃として起つておるような様子であります。そこでもしこのままで推移いたしますならば、北海道の開拓民、海外から引揚げてきた人々、これらは北海道に留まることができないというようなことになりまして、國家の開拓計画も、齟齬を來すのでないかと考える次第でありますが、この際政府はこの北海道民に対して、家庭用炭について、特定價格を設けるというようなお考えはございませんかどうか、大藏大臣にお伺いいたしたいのであります。
北村國務大臣 北海道の重要性並びに特殊性については、お話の通りでありまして、これは先ほどから申し上げるように、非配給物資が生活の中から少くなる。配給のもので賄えるようにもつていきたい。特に北海道においてその点には力を入れたい。かように考えておるのでありますが、なお配給炭について、北海道のために特に値段の上で考慮するかどうかというお話でありますが、これは研究いたしたいと思います。お話の点はきわめてごもつともでありますから、ただいまきまつた案はございませんけれども、北海道における生活と石炭との関係は、ただいまうかがいます通り、きわめて重大な関係がございますから、これについては十分檢討いたしたい、かように存じます。
#31
○苫米地(英)委員 大藏大臣の御説明を伺がいまして、北海道民は非常に喜び、また大藏大臣の御努力に一方ならぬ期待をもつておるものと存ずる次第であります。いろいろ負担が多く、北海道一般住民は、非常に悩んでおります。欠配がないはずでありますけれども、北海道においては、欠配も起つております。実質的に生活費が軽くなるという時期も來るでありましようが、現在のところでは、交通事情その他の関係もあるかもしれませんが、大分生活方面では困つておるように考えます。從つてこの重い薪炭料を負担したのでは、納税の方面にも非常に影響してくるのではないか、殊に今年は漁なども非常に悪かつたようでありますから、この北海道の納税をよくするという立場からも、また北海道における預金の分担も、從來通り好成績を上げ得るためにも、この薪炭問題については十分の御考慮をお願い申し上げておく次第でございます。
 次に今度の予算に交付公債が三百二十四億計上されております。金融機関の再建整備法の第三十三條に、大藏省預金部損失特別処理法による補償金の額と合計して百億円を限度とするという規定が最後のところに上げておるのでありますが、それとこれとの関係は、どういうふうになつておるのでありましようか。
    〔稻村委員長代理退席、委員長着席〕
#32
○北村國務大臣 お尋ねの交付公債の発行内訳を申し上げます。金融機関等の預金補償百七十二億、戰争保險損失補償四十七億、國民更生金庫百三十六億、帝國鉱発二億二千百万円、産業設備営團の損失補償額が六億三千三百万円、大体以上のようになつております。
#33
○苫米地(英)委員 それはいただきました書類で、その数字ははつきりいたしたのであります。ただこの第三十三條第二項に、金融機関再建補償は百億を限度とする。こういう規定がはつきり出ておるのであります。しかるにここには百七十二億が計上されている。この百億円と百七十二億円との関係はどうなつているか。こういうことをお尋ねしているのであります。
#34
○北村國務大臣 当初百億でございまして、これを百七十二億にする。こういう案が出ておるのでありますが、すでに御提案できておるか、あるいはまだそこへいつていないか、ちよつとはつきりわからないのでありますけれども、これを変更する法律案は提出することになつております。まだできていないかもしれませんが、さように御了承願います。
#35
○苫米地(英)委員 私の知つている限りは、この法律案が出ておらないように考えるのであります。そうすれば、この予算を審議する前に、その法律案が当然出てくるべきものであつてこの法律案が出ない前にこれを審議することはできないと考えますが、いかがでありますか。
#36
○北村國務大臣 これは当然御承知の通りで、予算と並行して御審議願うものでありまして、多少前後しているものがあるように思います。從つて百億の補償に対して百七十二億になる法律案は、もしまだ未提出でございましたら、大急ぎで出したいと考えておりますから、さよう御了承願います。
#37
○苫米地(英)委員 了承いたしました。ただその法律案が出てきて、これが通過するまでは、これを取上げることも通過させることもできないと私どもは考える。さように進行いたしたいと思います。二十二年度の当初予算には、この三十三條に從つて百億円が予算に計上せられておるのであります。しかるに今度はこれを予算のわく外に出して、これを交付公債にした理由を伺いたいのであります。もちろん第三十三條の第二項には國債証券の交付により行うことができるという規定もあるのでありますが、私のお伺いいたしたいのは、二十二年度の当初予算において百億計上せられた。しかるに昨年はこの整備がまだできないから不要になつたということで、これが抹消せられ、四十何億かの公債についても、これをなくしてしまつてよいことを、当時の大藏大臣は予算説明において非常に強調し、誇つておられたのでありますが、昨年は予算のわく内に盛つたものを本年は予算のわく外に出したいという理由について御説明を願いたいのであります。
#38
○北村國務大臣 交付公債は御承知の通り、代償発行でありまして、現金の収支を伴いませんので、予算のわく外で処理いたしたいのであります。それから昨年の場合は、公債の一部を市場から買入れまして、これをもつて交付にあてたというので、現金の収支を伴いますので、予算の中に入れた。私どもの建前では、かように考えまして、代償発行としての、いわゆる交付公債の場合は、予算のわく外で処理する。それに現金収支が伴う場合は、これは單なる交付公債ではないから、代償発行とは申されませんから、予算の中で処理する。大体かようなところに観点をおいて処理しております。
#39
○苫米地(英)委員 昨年は公債を買上げて渡したという事実はないと思うのであります。この予算は削つてしまつたのであります。整備ができておらないからという理由で、削つてしまつたので、拂つておらないのであります。そこでもし拂うとおつしやるならば、どういう公債をどれだけ買上げて、どれだけお拂いになつたか、それを承りたいのであります。
#40
○北村國務大臣 昨年度の計画では、半額ぐらいなものを市場から買入れて、そうしてこれをもつて交付するという当初の計画でございましたので、予算の編成は、先に申し上げましたような方針に基いて編成をいたしたのでありますが、実際は買入れをやらなかつたらしい。それで結果としてはどうも買入れる結画がその通りいかなかつたということに相なります。今年の分は初めからいわゆる代償発行でありまして、年々交付公債のみで処理いたしました。從つて予算のわく外で処理する。今後こういう方針でまいりたいと考えております。
#41
○苫米地(英)委員 大蔵大臣がかつて関西に行かれるときに、車中談でいわゆる形式的均衝予算であるという非難は受けるかもしれないが、形式的でもつじつまが合つている方がよいのだというお話があつたのでありますが、このわく外に出して交付公債で拂うのだ、そういう方針だから予算にきまらなかつたということは、まさに形式的つじつまを合わせる予算編成の技術から見たならば、非常に功妙な方法であるということは承認いたすのでありますけれども、同時につじつまを合わせるために國家の債務を交付公債というものによつて、予算のわく外に出してしまう。そうしてこれを公正に負担させるのみならず、それの金利も拂わなければならない。言いかえれば、このつじつまを合わせるために、國民の負担を重くしたのだというように考えられるのでありますが、この点はいかがでございましようか。
#42
○北村國務大臣 実はさようには考えておられないのでありまして、方針としては交付公債の場合には予算のわく外で処理する。こういうことを方針として立てておるのでありまして、それは現金の收支を伴いませんからであります。たとえば一般の商事会社の現金出納簿に載せないというのと同じでありまして、さような考え方から、代償発行はすでに発行すベき原因があるのでありまして、これに対して交付すベきことによつて決済する。こういう関係でありますから、こういう分については、予算のわく外において処理するということを、方針として立てておる次第であります。
#43
○苫米地(英)委員 その御方針ははつきりわかるのであります。ただ私の申します点は、そこにあるのではなくて、昨年は予算に盛りこんでおつたが、今度方針をかえてこれをわく外に出して、今度こういう方針だ、こういうことで健全予算だ、つじつまが合つているのだ、均衡がとれているのだ、こういわれておるところに、納得のいかないところがあるのであります。殊に先ほど申しますように、三十三條の二項に國債証劵の交付によつて行うことができるということがありますので、交付は一向差支えないものと考えますけれども、受取る方から言えば、きゆうくつな交付公債というものを、特に選んでつじつまを合わせるだけの方法を講ぜられたということに、私どもは納得のできない点があるのであります。
 いま一つ車中談についてお伺いしたいのでありますが、外資導入法というようなものを制定するというお言葉がその中にあつたのでありますが、これはその後どういうふうになつておりますか、これをお伺いいたしたいのであります。
#44
○北村國務大臣 ただいまの交付公債の点は、昨年も今年も大体方針は変つておらないのでありまして、昨年は先に申しますように、計画としては半額ぐらいを市場から買入れて交付する。從つて現金の出納を伴いますから、予算に計上した。全然現金の收支を伴わざる場合は、予算外の処理をして別途に扱う。こういう方針を立てておりまして、そのことの是非について御議論があるかもしれませんけれども、私どもは現金の收支を伴わざるものはこれは別途に取扱う。何となれば交付公債は、代償発行であるという考え方をいたしておることを申し上げたのであります。
 それから外資導入のことでありますが、これはいろいろなオツフアーもあるようでありますし、また今後もいろいろな方向において、適当な機会に適当な申出があつて、受入れるものについては、せいぜい努力して受入れの態度にいたしたい、かように存じておる次第であります。
#45
○苫米地(英)委員 お話はわかりましたけれども、承服はできないのであります。現金の出納を伴わないがゆえに、予算に入れなかつたというのでありますが、特に伴わないような方法によつて、つじつまを合わせて健全財政だと言われるところに、承服のできないところがあるのであります。しかしこれはこれ以上申し上げません。外資導入につきましては、導入の受入態度いかんということをお伺いしたのでなくて、外資導入の法律をつくるということをお述ベになつておりますが、その外資導入方というものがどうなつたかということを、お伺いしておるのであります。
#46
○北村國務大臣 外資導入法とでもいうような法をつくつたらどうかと思うという私見を述ベたことはあるのでありますが、これは、なかなか大きな問題でございまして、たとえば導入された資金の利潤を本國へ送る場合に、どの程度の條件を置くとか、その他各般の問題がございますので、今急にこれをきめるという段階にはいつていないということは、為替レートもちよつと急にきまりそうな情勢でございませんので、さような点もあるのでございます。為替管理法は今もなお法はあるのでありますが、この為替管理法をどの程度さらにゆるめるかというようなことも、問題になり得ると思うのでありますが、今のところでは、まだこれについて研究を続けておりまして、外資導入法といつたようなもので、注入された資本をある点保護するといつたようなことと、それからある点制限を加えるといつたようなことを一本にまとめた單行法で出すがいいかどうかということも、研究中でござまして、ここで具体的に申し上げる段階には、ちよつとはいりかねておる次第であります。
#47
○苫米地(英)委員 金融機関再建補償に必要な金額は百六十五億のはずでありますが、この予算には百七十二億計上してあります。この七億の差はどういうところから起つてきたのか、この御説明を願いたいのであります。
#48
○北村國務大臣 これは実は御承知の郵便貯金の問題がございまして、われわれとしては特殊の立場にありますので郵便貯金にそういう補償を與えて、第二封鎖を救い出したいという氣持をもつておるのであります。このことに関しては、関係法面とも少し折衝を要する点がございまして、未だこれが終つておらないのであります。しかしながら、そういうことを予想いたしまして、ただいま御指摘の金額を計上しておる次第であります。
#49
○苫米地(英)委員 そういうことでありますならば、ここのところは明瞭にそういうふうにしておかれるべきものであつて、この金融機関再建補償という中に、得体のわからない七億というものを織りこんでおかれた点が、何か予算全体においてごまかしがあるのだというような氣持がいたすのでありまして、こういうやり方については、私は賛成いたしかねるのであります。そこでこの差額の七億は、郵便貯金の第二封鎖貯金六万口に充当するつもりであるということでありますが、これに対しては、先般社会党の同僚から、小口の零細な預金であるからして、これを保護しなくてはいかんという質問も出ておつたと思うのであります。私はこの第二封鎖の拂戻しに対して、必ずしも反対するものではありませんが、貯蓄銀行だとかの五万口、普通銀行の二十万口の封鎖等に対して、はたして公平であるかどうかという点を関係筋とかの関係なく、政府ではどういうように考えておられるか、この点を伺つておきたいのであります。
#50
○北村國務大臣 ちよつとお話の筋がはつきり会得できなかつたのでありますが、一般金融機関と郵便局との間において、公平であるかどうかというような御質問であると思います。私どもといたしましては、郵便局は政府直接の窓口でやつたのだから、第二封鎖が全部なくなるというようなことから、どうしても救い出したいという考えをもつておるのであります。ただいままでの折衝の経過から申しますと、その窓口郵便局なり、普通銀行なり、貯蓄銀行なり、ことごとく戰時中は一應の國家的に從つて天降り的な指図によつて吸收されたものは國家資金として戰爭目的に使つた。この点において同じであるから、これは普通の金融機関、普通の貯蓄銀行と同じ方途において補償すべきだという見解が強いようでありまして、郵便局は勅令だから特別にということには、非常に難点があるのでありまして、その点まだ折衝の途中でございまして、はつきりいたしておりませんけれども、郵便局は何と申しましても國自身である。その点が違う。それから一般の金融機関でございますと、まず株主の犠牲においてやつていくという点がありますけれども、郵便貯金の今までの経過から申しますと、そういう方針になつていないというような点もございますので、それらの点を考え合わせまして、はたしてどうすることが最も公正であるかということは、簡單に結論が出ないと思うのでありますけれども、しかし零細な数多い郵便貯金の貯金者に対しては、全額でなくとも、ある補償はぜひいたしたいという希望をもつて、折衝を続けておる次第であります。
#51
○苫米地(英)委員 私は大藏大臣のそのお考えは、間違つておると卒直に申し上げたいのであります。なるほど國民は貯蓄いたします場合に、郵便貯蓄が國家の保証があるから、一番安全だという考えをもつておつたことは事実であります。そうして政府が直接の窓口で取扱つたものであるから、返してやりたいというお考えは、もちろんございましよう。ただそのお考えは、軍公利拂停止のあの行き方と、基本観念が矛盾しております。もしこれを政府が直接扱つたのだから、政府の信用によつてというのであるならば、軍公利拂問題は、当然停止すべきではないのであります。この矛盾については、大藏大臣はどうお考えになるでしようか。
#52
○北村國務大臣 ごもつともな御指摘でありますが、これは直接と間接の関係がある。軍公の背景には、多数の零細預金があるけれども、一應これは銀行の所有になつておる。それから貯蓄は、何のなにがしという一々の個人の名をもつて呼ばれる数多いものの直接のものでございますから、その点には直接と間接の差があるという点は、多少その間に考え方の相違があつてもしかるべきである。かような考えをもつておる次第であります。
#53
○苫米地(英)委員 私はその御説には承服できません。軍事公債の方は、政府がこれを発行するときに必ず拂戻すということを約束せられておるのであります。なるほど軍事公債は戰爭目的に使つたのだというのでありますけれども、使つたのは政府が使つたのであります。ほとんど強制的に募集せられたので、應募した方には責任はないはずであります。それはちようど徴兵を強制せられて、兵隊に行つて戰場で戰をしたことが國民の罪でないと同じように、公債に應募した人間に、戰爭の責任はないのであります。殊に軍事公債の場合は、その発行にあたつて、政府が利子を拂うことを確約しておるのみならず、金融機関の再建整備にあたつて、これを第一封鎖にまわしていいのだと再確認をしておるわけであります。從つて二重の保証があるにもかかわらず、これを蹂躙しておるところに、大きな問題が存在しておると思うのでありますが、この点はいかがでありましよう。
#54
○北村國務大臣 ただいま御答弁申し上げましたように、これは多数の零細な預金が集積して、結局それが公債になつておるという点は、戰時中の現象でありますから、ごもつともでありますが、軍事公債の利子の支拂を延ばすことから、直接預金者に影響を與えることはない。またなからしめる方途を講じておるのであります。それから郵便貯金の方については、先ほど申しましたように、郵便局との直接の関係であり、貯金がすぐ出せるか出せないかということは、生きるか死ぬかという関係でありますから、私どもは軍事公債とは別に考えてしかるべきである、かような考え方をもつて、郵便貯金の第二封鎖は救われるだけ救いたいと考えておる次第であります。
#55
○苫米地(英)委員 大藏大臣は零細の預金ということを、しばしば繰返されますが、これはどうも大藏大臣として、はなはだ認識を誤つておられると考えます。それは金融機関の再建整備をするとき、一口三千円までは問題にはならなかつた。三千円以上の場合が問題になつた。一世帶については一万五千円までは問題にならなかつた。それ以上が問題になつたのであります。さらに八人の家族においては三万二千円までが問題にならない、それ以上が問題になつた。こういう事情でありますが、現在の第二封鎖にまわつておるものは、零細なものは救済されて、名寄せの結果こういう第二封鎖が出てきたものであると考えます。この点はいかがでありましよう。
#56
○北村國務大臣 その点は仰せの通りでありまして、その通り違いないのでありますが、しかしいずれにしても、これは生活資金の中から抽出されたものであるという意味で、相当長い間にわたる集積が大をなしている國民蓄積でありますから、生活の中から出た余力を積み重ねたものである、かような意味で申し上げたのでありまして、その比較的小さいものは、すでに処理されているという点においては、一般金融機関と同樣である。從つて先ほど申し上げましたように、一方においてはもうこのままでよろしいような意見もあるわけであります。その点先ほどから繰返して申している通りであります。今の零細という意味は、現在残つている残高が零細のものでないということは、苫米地さんのおつしやる通りであります。
#57
○苫米地(英)委員 殊にその点につきましては、郵便貯金は法律で一人五千円と限定されたのであります。郵便年金は一箇年三千六百円と限定されている。そして郵便貯金の口数は二億口で、第二封鎖の口数が七万五千口ある。そこでこれを平均して見ますと、現在第二封鎖になつているものは六千七百件であると考えます。そこでこれは当時の法定の五千円を上まわつているのでありますから、一般貯蓄銀行などに比ベて見て非常な差がある、むしろ貯蓄銀行あたりは口数が四百七十五万口であつて、その一口平均が第一、第二封鎖をまぜて九百四十円である、こういうような数字から見て大藏大臣も承認しておられす通り、大藏大臣が零細な資金であるからと言われることは理由にならない、かように考えている次第であります。從つて理論的に申しまして、この問題は政府として関係方面に熱心にお働きかけになるというところに、理論的矛盾があり、軍事公債との関係において、なおこの問題はお考えになつて、軍事公債もこの際利拂停止をおやめになるがいいということを、一昨日も申し上げましたが、この問題については、もう少し慎重にお考えになることを希望いたす次第であります。
 私の質問はこれで打切ります。
#58
○鈴木委員長 それでは十二時半でありますから、一度休憩いたします。
    午後零時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五分開議
#59
○鈴木委員長 開会いたします。
 休憩前に引続いて質問を続行いたしますが、委員長の手もとに通告されました質問は全部終了いたしましたが、ただいま総理大臣に最後の緊急質問の申出が、川島君と苫米地君よりございましたので、川島君から質疑を続行いたします。川島君。
#60
○川島委員 総括的な質問が一應終了いたしましたと見ますので、この機会に総理大臣に一点緊急質問を申し上げまして、総理の明確なお答えを得たいと存ずるものであります。
 その事柄は総理も御存じのごとく、わが日本社会党といたしましては、今次上程になつておりまする昭和二十三年度の本予算案に繰込まれておりまする賃金問題であります。政府は一般の物價を大体において七〇%の値上げを実施し、基本産業に対する企業の赤字はこれを價格差補給金に求める。しかして企業の赤字を解消するということに一應の努力を拂つておりますことは、了承するものであります。しかしながら、政府が本予算に設定いたしました賃金水準三千七百円については、わが党といたしましては、過日來これに対する愼重なる檢討を続けてまいつてきたのであります。その結果といたしまして、言うまでもなく、今次の政府の物價に対する構想は、戰前のおおむね百十倍にすえおいて値上げをして、予算と物價体系との均衡を保つということがねらいであるようでありますが一方ただいま申し上げました賃金水準の三千七百円では、政府の今次訂正いたしまする物價体系並びに今後やみ物價のある程度の上昇をもわれわれは具体的に想像をいたしております。その推定から考えてみまする場合に、三千七百円の賃金ベースでは、勤労者大衆の家計の赤字は断じて解消できない。かような考え方のもとにわれわれは立ちまして、過日党の機関を通じまして、天下にその旨を声明いたしましたことは、総理もとくと御存じの事柄と思うのであります。わが党といたしましては、もとより三党連立内閣の成立を目途といたしまして、三党の政策協定を行いました際にも、これまた総理の御存じのごとく、賃金はできるだけ実質的賃金の確保ということを目標といたしまして、從つてその賃金は実効價格において生活の水準に、スライドさせるということが、きわめて望ましい事柄であり、それによつてこそ、勤労大衆の家計が維持せられ、同時に勤労大衆の経済再建に寄與するところの生産意欲を高揚せしめる唯一の途である、かような考え方にわれわれは立つておるのであります。從つて政府の今度の三千七百円ベースに対しては、根本的にわれわれはその意見を異にするという建前からいたしまして、本來でございますれば、この三千七百円ベースに対する別な観点に立つた修正案をわれわれは出したい。かような考えに立つたものでありますけれども、この三千七百円のベースを修正いたしますることは、今次提案されました二十三年度総予算に対する組替をも要求するという結果になることはもちろん、それから生ずる経済的な混乱をも、われわれは多少危惧いたしまするがために、この三千七百円ベースというもは、予算的、暫定的なやむを得ざる措置として一應了承する、こういう考え方に立つて過日声明を発したものである次第であります。そこで政府にお尋ねをいたすのでありますが、この三千七百円ベースは、必ずや近き將來において崩れ去るであろうという不安をも、われわれは大いにもつております。この考え方からいたしまするならば、政府におきましては、この三千七百円ベースと経済の今後の推移、あるいはまた具体的に申しますならば、マル公の物價改訂に伴いまするところの一般やみ物資價格の高昇率、こういつた点をにらみ合わせまして、三千七百円ベースというものは、近き將來において必ず補正されなければ、家計の赤字は解消されず、從つて勤労大衆の最低生活は保障されず、さらにそれがやがて日本経済再建の上に重大なる支障ありとの考えをわれわれはもつておりまするために、当然來るべきことといたしまして、政府は速やかにこの一点だけでも臨時議会を召集いたしまして、この賃金水準の改訂を議会に要求するということが、当然の措置であろうかと、われわれは考えておるのであります。これと同時に、かりに現在われわれが審議いたしておりまするところの二十三年度の本予算が、無修正で成立をするといたしましても、そもそもこの予算案を実施いたしまする目途の時期は、殊に鉄道、逓信あるいはタバコ、あるいは税金の面では酒税、これらの問題を大体において六月十五日実施できるものという前提のもとに立つて、本予算を編成されたものであると、われわれは確信をいたしております。しかるところ、もうすでに六月十五日はとうに過ぎ去りまして、目下の情勢では、鉄道並びに通信料金等の改訂が、現実に実施されるのは、大体において七月十五日ごろであろうとさえ予想されるに至つたのであります。この面からいたしまして、かりに原案が無修正で通るにいたしましても、すでに一箇月の実施時期のずれを生じておるという関係上、そこに当然伴いまする歳入の欠陷が生じてまいつてくることも当然であるのであります。こういう面からいたしましても、すでにこの予算は実施きわめて不可能なる予算になりまするということも、想像にかたくないのであります。從つて政府は速やかに臨時議会を召集して、補正予算について議会の審議を求めなければならぬというような状態になることは、必然であろうと考えられるのであります。そこで総理大臣に重ねてお伺いいたしますが、以上申し上げました二点に対して総理はいかなる御所見をもつておるか、同時にまた至急に臨時議会を召集いたします方針でありますならば、その臨時議会の召集の時期は、いつごろであるかという点について、総理大臣の明確な方針を、この機会に承つておきたいのであります。
#61
○芦田國務大臣 川島君のお尋ねの二つの点について、便宜上第二点からお答えいたします。六月十五日ごろに特別会計の鉄道運賃並びに通信料金等の値上げを実行いたしたいという目標をもつて予算を編成したことは、御指摘の通りであります。その実行期日が一箇月あるいは三週間遅れる結果、そこに歳入欠陷が起る、これをどうして補填するかという問題でありますが、ただいまそのずれに基く歳入欠陷を補填する案を作成中であります。本予算の審議より多少遅れますけれども、引続きこの補正予算を提出する計画でおります。
 第一点は三千七百円九十何円の賃金水準は、今後諸般の情勢から維持できないと思うから、必然的にその補正のために臨時國会を召集しなければならない、それはいつごろに召集するのかというお尋ねであります。この問題は、予算委員会においても、またその他の関係委員会においても、しばしば論議された問題であります。政府の立場は繰返して申し述べる必要のないくらいに、すでに論じ盡されたと思いますが、御承知の通りに、本年の一月、二月の実質賃金を低下させないという点に眼目をおいて、價格改訂あるいは物價騰貴とにらみ合わせて、三千七百九十何円という数字を出したのであります。從つて現在の情勢から見て、この賃金が、ただちに崩れるものとは考えていないのであります。しかしながら、どうしても三千七百円ベースを変更しなければならないという情勢が今後新たに生れた場合においては、むろんこれに必要なる措置をとらなければならぬということが考えられるのは当然であります。さような事情が起つた場合においては、臨時國会を召集する必要が起る可能性は、今日からでも理論としては考えられる。かように政府も大体の方針をきめておるわけであります。
#62
○川島委員 総理大臣の答弁に、いささか納得のできない点がありますので、重ねてお尋ねしておきたいと思います。総理大臣は、ただいま私が申し上げました三千七百円賃金ベースは、このベース設定の当時における経済の諸事情に鑑みて、おそらく堅持できるであろう、こういうことを意味する御答弁のように承つたのでありますが、この問題につきましては、先に同僚の稲村議員並びに本間議員からも、相当つつこんだ質問が政府との間に交されたのであります。從つて私はこの機会に重ねてその問題について、こまかく御質疑申し上げるという氣持は、毛頭ないのでありますが、問題となります点は、政府がるる説明をいたしておるうちにも、この三千七百円ベースの中には、実質的な生計費といたしまして、すでに一〇%の赤字がある。しかしその一〇%の赤字というのは、マル公價格において七割の値上げの計算の上では八〇%とし、やみ物資と生計費との関係においては、大体三・六%の上昇率を織りこんで、この三千七百円ベースというものが設定されたのであります。しかもそのベースが設定されました時期というのは、三月、四月を中心として行われておるように、私は記憶しておるのであります。しかるに政府がやみ物資の上昇率三・六%と見こんでおるにかかわらず、すでに今日の日銀調査のやみ物資價格統計によりますると、東京都においては五月から六月にかけて、やみ物資の價格というものは四・六%騰貴しておるのであります。これはあえて日銀調査にまつまでもなく、勤労者大衆が身をもつて四月以來今日まで体驗をいたしておる深刻にしてしかも具体的な事柄であるのであります。このような事柄を考えてみますれば、政府が意図いたしますところの三千七百円ペースを堅持するとすれば、それは言うまでもなく、実質賃金の充実のために、あらゆる総合的な施策が具体的に、積極的に実施されなければ、この三千七百円ベースというものが崩れ去るであろうということだけは、われわれは想像にかたくないと考える次第であります。從つてこの三千七百円ベースが、われわれの考え方といたしましては、もうすでに崩壞しつつある。こういう具体的な事実をわれわれはもつておりますし、同時に勤労大衆は、重ねて申し上げますが、身をもつてこの体驗をしつつある、具体的な深刻な事実であるのであります。そのような事柄からいたしますれば、政府がどのようにお考えになるといたしましても、実質賃金の充実という点に対する総合的な施策が、具体的に、積極的に行われない限りにおいては、この三千七百円ベースの堅持は、きわめて困難であるということだけは、言えるであろうとわれわれは思うのであります。そこでこの三千七百円ベースの改訂に対する――やがてそういうことが起つた場合にはというお話でありますが、そういうことが必ず起るであろうということをわれわれは懸念いたしますので、あえてこの際総理大臣の御所見を具体的に重ねてお尋ねいたしたいのであります。なお政府はただいまの御説明によりますと、逓信、鉄道両会計にわたるところの実施の時期が、三週間ないし四週間にわたつてずれるために、その歳入減に関するところの補正予算を近く本予算の審議と並行して御提出になるといつておるのでありますが、一体政府は議会の会期を幾日と見ておられるのでありますか。本來から申しますならば、大体において今月いつぱい、すなわちきようと明日と明後日三日間しかありません。実質的には二日間であります。この二日間のうちに、はたして政府はそのような補正予算を議会に上程されて、その補正予算が議会の了承を得るという考え方でおられますか、政府は補正予算の必要上、さらに会期を延長するという考え方で臨んでおるのでありますか、この問題をも併せてこの機会にお尋ねしておきたいと思います。
#63
○芦田國務大臣 ただいまの川島君の初めの方の御意見は、先般來承つたところでありまして、三千七百円ベースは、このままではとうてい維持できまいだろうという具体的な事実をあげての御意見であります。もし川島君のお説のごとき事態が起るといたしますならばその機会には、これに対して適当な補正を加えまければならぬのであります。さような事態が起りました場合には、臨時議会を召集する必要があるということは、われわれにも理解されることであります。なお特別会計の運賃並びに通信料の値上げ期日が遅れた結果生ずる補正予算につきましては、できれば明日でも提出する考えであります。会期の延長につきましては、殘るところわずかに二、三日にすぎまいのであります。國会に対してはまことにお働きを強要するような結果になることを恐れますけれども、御承知の通り、この予算は今月中に國会を通過することの予想のもとに編成いたしたのであります。政府の希望するところでは、どうかその期日中に、場合によつては徹宵してでも、もし御審議を願えればまことに仕合せだと、かように考えおる次第であります。
#64
○川島委員 前段の問題につきましては、これ以合御質問をいたしたいとは思いませんが、後段の、殊に補正予算が遅くとも明日出るというお話、同時にまたこの全体的な一般、特別両会計を通じての予算に対しましては、目下議会内、殊に與党三派の間においても、相当な修正をいたしたいとの方針をもつて折衡中であるということは、総理もよく御存じの通りであります。
 この折衡が本日夕刻までにまとまれば別問題でありますが、夕刻までに不幸にまとまりをみないという段階になりますと、この與党三派間におけるところの協定が、さらに長引くことになるのは言うまでもありません。同時にまた一方ここにおける予算総会におきましても、本日この程度で大体質問は終了されることであろうと想像いたしておるのでありますが、予算委員会の実質的な形式、方針といたしましても、明日または明後日にわたつて分科会が開かれることになつておることは、総理も御存じの通りであります。明日、明後日にわたつて分科会が開催せられるということになりますと、それだけでも、もうすでに会期は滿了するという形に相なるのであります。しかもその分科会が終つて、その分科会の主査からそれぞれの報告があり、その後に各党が実際的には党の態度の最後的な決定をして、そうして後、この本予算に対する予算総会の討論、採択が行われるという順序になるということも、言うまでもない事柄であります。これら諸般の事情を考えてみますときに政府は今月中にという御方針ではありますが、目下の情勢、実際上の審議の事情からして、会期を延長しなければ、議会がこの問題に対して最後の慎重討議を逐げる時間的余裕が実際においてはないという事柄に相なるのではないかと、私は考えるのでございます。かりに三十日に分科会一切が終了いたしましても、さらに本予算が参議院の方に回付をされ、参議院が翌日にまわせば、これでさえもうすでに七月一日に相なるのではないかという懸念が十分にございます。そういうような諸般の具体的な実際的な事情を考えてみまするときに、政府の好まざるとにかかわず、会期を延長しなければならないような段階に差迫つておると、私は考えるのであります。從つて政府におかれましては、この議会の実際的な議事の進行の状況、あるいはその他におけるところの諸般の情勢を総合的に勘案されて、当然にこの議会は何日か延長しなければ、議会の慎重討議が討議せられないという情勢であることを考えになつて、議会をさらに何日か延長するということが、当然の措置になつてくるのではないかと思うのでありまして、その点につきまして、重ねて総理にお伺い申し上げておく次第であります。
#65
○芦田國務大臣 ただいまお話の次第ま、時間的に見てごもつともな点のあることは、政府においてもよく了承いたします。しかしたとえ数日間にもしろ、実際予算の空白が起るということは、諸般の影響がきわめて大なるものがあると考えます結果、差当り運営委員会等と相談を願いまして、今週一ぱい程度に予算の審議を終了することができる程度の遅滯であれば、何とか予算の実施において、不都合なく行われるのではないかと考えおる次第であります。
#66
○川島委員 まことにくどいようですが、ただいま総理のお話では、最初は会期通りにという強いお話でありましたが、ただいまのお話では今週一ぱい、そういう形で予算が通過いたしますれば、実際的な予算の実施の上においても、あまり重大な支障がないというような意味のお話であります。そうすると結局私どもは、総理に重ねて最後にお伺いいたすのでありますが、今週一ぱいすなわち來月三日なり四日まで会期を延長して、この予算が成立いたしますならば、かりに大修正があるにせよないにせよ、今週一ぱいに成立いたしますならば、実際上政治の上においても、國民経済の上においても、重大な支障がないという考え方のもとに出ているようであります。そうすると実際面においては、すでに会期は事情によつては今週一ぱい、すなわち來月三日ないし四日まで延長されても――という含みが、総理大臣の氣持の中には明らかにあると、われわれは解釈してよろしいかどうか、その点についても、重ねて最後にお伺いしておく次第であります。
#67
○北村國務大臣 きわめてごもつともなお話であります。御承知の通り、ただいま、先に問題になりました鉄道運賃、通信料金のずれについて、これをどう処理するかということと、併せて若干の修正等について社会党を初め、與党三派で協議されておるのであります。これがまとまりますと、さらにどういう形で願うことに相なるかわかりませんが、これをなるべく早くまとめて、その方の審議を進めたい、こういうような願いをもつております。御承知の通り、ただいまいろいろ金融上の関係等が、政府の予算が決定しないということによつて、その撒布されるものが遅れるのであろうという不安もございますし、私どもといたしましては、どうしても当初予定通りに予算の審議を願いたいということで、もつぱらそれがためにその実現を期して努力をしておるつもりでございますが、先ほど総理から申し述べました通り、万やむを得ない場合にはいたし方がないというようなことでありまして、願わくはそういたさないように済ましていただきたいと思いますけれども、一面においてこのずれの処置等についても、併せて今與党三派でいろいろ研究をされております。從つてこれを今國会中に早く提出して御審議を願えれば、まことに結構と思いますが、どうしてもやむを得なかつたときにははこれはいたし方がない、かような考え方をもつておるのでありまして、延びてもよいというような考えは毛頭ないのであります。腹はいわばそういうところにあるのであります。かように考えておるのであります。
#68
○苫米地(英)委員 私が総理大臣にお伺いしようと思つたことは、すでに川島委員からお尋ねがあつたのですが、まつたく同一の見透しをもつておるわけであります。そこで問題となりますのは、ただいま総理大臣はこの予算のずれに対して、あすにでも補正予算を出すというような御答弁であつたのでありますが、ただいまの大藏大臣の御答弁によりますと、何かそれがむずかしいのではないかというような印象を受れるのであります。そこでそれだけでもう近い將來に臨時國会を御召集になつて、補正予算をやらなければならない、川島議員が、述べられたような要素も含めて、そういうことの必要が起つてくるのではないかというのが、政府のお考えにもかかわらずわれわれには考えられておるのであります。総理の御答弁を伺いますと、今月中に終らないならば、今週中には終りたいというようなお考えでありますが、この予算の基礎となるべき法案がまだ通過しておらないものが、たくさんあるのであります。これは予算委員会の問題ではなくして、他の委員会の関連において、予算の質問を打切つて分科会を開いてみたところで、最終段階にはもつていけない事情がそこにあるのであります。きよう午前中に明らかになつたところによりましても、まだこの予算の基礎となるべき法案が議会に出ておらないというものもあるようであります。こういう事情を考えてみますと、どうしても今月中にはこれが妥結に至らないというのが至当ではないかと思うのであります。そこで七月の暫定予算も出ておりませんので、政府は來月に予算なしに飛びこむという形になるのであります。たとい三日にせよ、四日にせよ、予算なしで七月の経理を始めることができる法的の根拠があるのでございましようか。この点をまずお伺いいたしたいと思うのであります。
#69
○北村國務大臣 苫米地委員のおつしやることは、きわめてごもつともであります。從つて今月中に予算の御審議を終了するように願いたいということを、初めから非常に願つておるわけなんです。それでただいまのずれ等のことを考慮して研究されております案というものが、きようのうちにでも出れば、大急ぎで出したい、出すような手続に移したい、かように存じておりますが、これが万一遅れると、実際さつき申し上げましたような結果になることを恐れるのであります。それで問題は、二、三日ならいい、こう言われると、それはどうも困るのでありますが、まあ三日くらいの間ならばこれはどうにかなる。暫定予算の残部もいくらかあると思いますし、さようなことで処理はできると思うのでありますけれども、成立は何としても今月中に至急にやつていただきたい。但し先ほどお話がございましたように、ずれ等の修正の点でございますが、それが一体いつ出るかということが先決問題になると思いますが、これは鋭意進行を願つておりますので、あまり遠くないうちに御審議願えるだろう、かように思つておるのであります。それで私どもといたしましては、できれば若干のずれ等に基く補正があるといたしましても、一應分科に移つていただいて、さらに御審議を重ねていただくことが望ましいと思つておるのであります。
#70
○苫米地(英)委員 私のお伺いいたしておりますことは、現実の問題として暫定予算もなし、本予算もなし、予算なしで七月の経理が始まることになるのでありますが、これは政府の今までの暫定予算を拜見しましても、その使われておるのは一五%か、それより少し上のところだと思いますので、現実にお困りのことはないのであろうと思いますけれども、現実を離れて法的にそういう取計らいをすることができるのか、またそういうことをしていいのか、こういう点について伺つておるのであります。
#71
○福田政府委員 お答えいたします。暫定予算は御承知の通り四月、五月、六月分のものでありまして、期限の定めがあるのでありますから、これに対しましては、政府といたしましては、この予算の使用残額を翌月以降に繰越し使用することができる。かようなことを予算の総則におきまして、御審議いただきまして、さように御決定を願つておるのであります。法的根拠といたしましては、今までの六月までの予算を繰越し使用する。かようなことになると思います。
#72
○苫米地(英)委員 私が申し上げました通り、政府の放出された経費は、きわめて少いのでありますから、残金が翌月に繰越して使われる。また使うことが法的にもできるということは、はつきりいたしておるのでありますが、もしそれを主張するならば、三日、五日の問題でなく、十日でも十五日でも、その暫定予算の金額が余つておる限りは、暫定予算も本予算もなしで進んでいける。こういう御議論になると思うのであります。私はそうでなしに、実際の金のやりくりはどうであるとしても、法的に暫定予算も本予算もなしで、次の期間に移つていくことかどうか、その法的の根拠を伺つておるのであります。暫定予算の使い方について伺つておるのでなくして、この予算のない空白をそうやつていいのか、もしそれでいいというならば、確固たる法的の基礎をお示し願いたい、こういうのでございます。
#73
○芦田國務大臣 予算のないことは非常に政府としては困ることに相違ありません。しかし四、五、六月の暫定予算で相当余つておる金は、順次これを使つて賄いをつけていくというだけのことでありまして、それは別に禁ぜられていないのであります。残つておる金は使つていいから、使うだけのことでありまして、金のない部分は非常に困る。從つて政府としては暫定予算の繰越しを使うだけの権限をもつて、それ以外にはむろん新規な支出をすることはできないわけであります。
#74
○苫米地(英)委員 そういう解釈によれば、大藏省証券を限度まで出して使つていくならば、相当長い期間予算なしでいけると思うのであります。暫定予算だけでなしに、そういうやり方をやつて金のくふうが法的にできるから、それで予算がなくても、困ることは困るが、やつていけるというのであれば、これは予算というものの重要さというものを、非常に軽んじたことであります。予算によつて支出すべきものを、金があるからそれでやりくりをつけていけばいいということでは、予算を立てて國家の経営をやるという根本方針に反すると思うのであります。なおこれに関連いたしまして暫定予算の金額がどのくらい今残つておるか、これを一つお示し願いたいと思います。
#75
○北村國務大臣 暫定予算の残でやれるから、それでいいという意味のことを申し上げておるわけではなく、予算の成立がないと非常に困る。また当然これは法律の問題というよりも、財政的の現実の問題として非常に困るということを申し上げておるのでありまして、万やむを得ないときに、一両日あるいは、二、三日というようなことは、これはどうも仕方がないという結果になるという窮余の場合を申しておるのであります。申すまでもなく、本來成立をみなければ非常に困るのであります。なかんずく終戰処理費のごときは、四月一日から実は支拂いを要するもの等がございまして、非常に困つておるのであります。それでなるベく早く御審議を願いたい、こういうことを繰返し申しておるだけでありまして、万やむを得ざるときに使い残りのもので二、三日くらいをつなぐことは可能でございますという意味のことを申しておるのであります。その意味で御了承願いたいと思います。
#76
○苫米地(英)委員 私はつなぎができることが可能であるか可能でないか。こういうことを伺つておるのでなくして、そういうことをする法的の根拠はどこにあるか。こういうことを伺つておるのであります、
#77
○芦田國務大臣 法的の根拠と言われますけれども、予算がなければ何もしないということであります。ただ暫定予算の、残りは使えるのであるから、これを使うだけで、それ以上のことは何もしないのですから、別に法的根拠を必要としません。
#78
○苫米地(英)委員 この問題は私としては附に落ちませんが、次にこの予算の決定が延びたずれの補正予算が、政府の御希望の通り、あすにも出して今月中に收まるということは、どうも不可能だと思うのであります不可能だと思うのであります。不可能であるばかりでなく、今繰返してむし返すことはやめますけれども、賃金ベースの問題、また物價の現実の動きをみての賃金と物價の基礎というものについて疑いをもつておりますので、私はこの予算をお急ぎになるならば、むしろこの補正予算、またそういうものを檢討するために、近い將來において臨時國会召集する、こういう態度を一方で明らかにされて、現在の予算と切り離して、早急におきめになるということが賢明ではなかろうかと考えられるのでありますが、この点の御見解はいかがでございましようか。
#79
○芦田國務大臣 予算なるべく一本で本予算決定することが、方針としては望ましいことと考えております。從つて特別会計の値上げ遅延に基く補正は、本予算と同時に審議を願いたい。かように考えているわけであります。臨時國会召集の問題につきましては、先ほど川島君に答えた通りであります。
#80
○西村(久)委員 川島委員並びに苫米地委員からの質疑に対して総理大臣並びに大藏大臣の御答弁を承つたのでありますがその中で私わからないのは、先ほど苫米地君からお尋ねがありました七月の予算がないのに、二日や三日は何とかやりくりができるというような事柄が、私はわからないのであります。七月の予算がなければ、七月一日以後の七月にかかる予算の支出は、全然繰延ベのもののほかはいけない、かように私は解釈するのであります。從いまして、政府は七月以後の支拂いに支障のない暫定予算あるいは法的措置を臨時的にとつて、本予算成立までの間、議会の承認を得るという手続が穏当でなかろうかと考えるのであります。それは差支えないということに解釈してよろしゆうございますか、その点をお尋ねいたします。
#81
○芦田國務大臣 もし西村君の御意見のようにするならば、暫定予算を七月分として出す以外に途はないと思うのでありますが、何か法律だけで七月分の金が出せるということは、ちよつとむずかしいように私は思う。從つて暫定予算の残りを七月に使うということは許されているのですから、それだけは使う。それ以外には金がありませんから、非常にやつかいなことになる。從つてそういう期間が一日でも短いことを、極力期待いたしておるわけであります。
#82
○西村(久)委員 今の総理のお言葉の通りだとすれば、きようでも並行して七月の暫定予算をお出しになつて、空白を生じないようにすることがいいのではないか。本予算がさいわいに今日中に成立すれば、暫定予算は無効になるわけでありますが、空白を封ずるためには、大事を踏んで暫定予算をお出しになることが妥当ではないかと思いますが、この点に対するお考えを伺いたいと思います。
#83
○芦田國務大臣 数字を計算するまでの作業は、そう長くはかからないと思いますが、これを現実に國会に提出するまでには、印刷、その他の時間的問題がありまして、來月分の暫定予算を明日、明後日に國会に提出することは、非常に困難でと考えおります。
#84
○西村(久)委員 そういたしますと、七月一日以後の関係に伴つて起りまする政府の支拂い関係から起る諸問題についての変動は、政府の方で責任を負われるという御決心があられるのでございますか
#85
○芦田國務大臣 歳入歳出に関する問題は、全部政府が責任を負うベきことだと考えます。
#86
○西村(久)委員 かりに六月の余りの金を七月に使われて一日、二日の苦しい当座はしのげるといたしましても、そういう事柄をしでかすということについては、相当総理大臣は政治上の責任をお感じになるかどうか、この点もお尋ね申し上げます。
#87
○芦田國務大臣 西村君の御意見の通りであります。
#88
○西村(久)委員 本予算を審議いたしまして、私ども一日も早く議了いたして、さようなことのないようにというので、進んでまいつておりますることは、総理大臣、大藏大臣も御了承のことだと思うのであります。すこぶるまじめに予算の審議を進めてまいつております。ところが予算に関係する法律案が出てこないのであります。きよう苫米地君からの御質問に対しましても、出すようになつている。今明日中に早く出すようにすると大藏大臣は言われているのであります。また先日非公式ではありますが、総理大臣に私がお尋ねいたしました國民金融公團に関する法律案も出ていないのであります。閣議は決定しているから、もう出ているはずだと軽く受け流しになつている。ところが出ていないのであります。法律案の伴わない予算というものは、本当の予算ではない。この法立案が通る通らぬは別問題であります。通らなければ、予算の執行ができないだけでありますけれども、数字を予算に計上する以上は、法律案の骨子はなければならぬものだと、私どもは考えておる。この点に対しまして、総理大臣はいかように御解釈なされておりますか。
#89
○北村國務大臣 法立案が出ないということの中には、交付公債の問題があるのでありますが、これは交付公債の法律が遅れますと、交付公債の交付をやらぬということになるのであります。ところがこれが遅れております理由は、実はその中に、今朝苫米地君から御質問がございました郵便貯金関係のものがはいつておりまして、これが折衝上うまくまいつておりません。これは午前中申し上げた通りであります。それで苫米地君の御意見のような御意見も、相当有力にあるのでありますけれども、それに基いて打切つてしまうということになれば、これはただちに停止することができる状態になつているのでありますけれど、また一面においては、それを打切られては困るという点等がありますために、まだ決定したものとしてこちらに返つてこない案件になつているのであります。これをなるべく急いで決定をしてもらうようにいたしまして出したい。かように考えておる次第であります。
#90
○西村(久)委員 私は骨子となる法律案がきまらないのに、予算だけを先に上程されるというのは、扱い方が違法だと考えているものでございます。骨子法立案であります。予算は法立案に基いての計数上の問題になるのであります。それならば、その法律案ができましてからまだ私がさきにお尋ね申し上げました國民貯蓄公團、これは仮称でありますが、そういうようなものも、法律案がオー・ケーがとれてから、予算にお組替えになつていいのではないか、かように私は考えますために、法律案の伴わない予算としてはほんとうのものでない。私ども委員会において、法律案の伴わないものは、根拠がないのでありますから、これを修正した際に、修正に應ずる用意があられるのでございますか。この点をひとつお尋ねいたします。
#91
○北村國務大臣 これは今朝來たびたび申し上げたことでございまして、ごく卒直に申し上げますと、法立案と予算案は並行しなければならぬことは当然であります。ところが予算案中に容易に了解がつかなかつた分もあるし、またこれに伴う法律案の中で、ひつかかつているものがあるというような事情で、相前後いたしまして、それがために全体としての中に狂いがある。こういう現実は、私どもの努力だけでは、いかんともしがたい点がありまして、これが並行するように今日まで相当に盡してきたつもりでおりますけれども、中には非常に早く済むものもありますが、ひつかかるものがあつて、多少の食い違いを來している。かような現実になつておりますので、今後もなお残つている分につきましては、速やかに御審議を願うように努力は続けている次第であります。從つてただいまの御質問の点は、さようなことで多少の食い違いができている。この点を御了解願いたいと思います。
#92
○西村(久)委員 そういたしますと、そういうふうな法律案は、この國会の会期中にお出しができるのでございましようか。その見透しはおつきになつていらつしやいますか、それを伺います。
#93
○北村國務大臣 お尋ねの件は、今期中に出したいと存じております。
#94
○西村(久)委員 予算に計上になる際において、この予算の計数等につきましては、その筋の御承認を受けておられると思いまするが、もしそれを受けておつて法律案がいろいろな支障を來しておるといたしますならば、私はまた特に疑義をはさむのでありますが、どういう関係になつておりますか。
#95
○北村國務大臣 これは西村君御承知の通り、いろいろなセクシヨンがございまして、一本にまとまりかねる点があるところに、非常に今までも時間がかかり、苦労しておるわけでありまして、全部が一本ですぐにきまるわけにまいりかねるところに、ちぐはぐができておる現状なのでございまして、この点は悪しからず御了承願いたいと思うのであります。
#96
○西村(久)委員 今申しました法律案の上程が今日まで遅れておりまするその内容の行き違いは、政府との間にどういうところに行き違いがあるのでございますか、この点お伺いいたします。
#97
○北村國務大臣 これは卒直に申し上げますが、先に述べました通り、交付公債の中で、郵便貯金関係がありまして、この点が少し向うの方でいろいろ論議されておるというように聞いておるのであります。
#98
○西村(久)委員 これは相手のあることでありまして、努めて努力するという程度に言われて、きちんとした御回答を得るのは、今困難なような感じがいたします。私どもは法律案の骨子くらいは見て、そうして予算に現われている計数が、はたして妥当であるかどうかということを審議いたしまして、予算は認めるべきみのは認め、認むべからざるものは修正をもまたあえていたさなければならないものではなかろうかと思いまするので、この会期中に間に合いまするように、こういう予算に関連のある法律案は、努めて早く出していただくことを、私は非公式ながら、政府に御相談申し上げておつたのであります。今日まで出てまいりませず、ここで一両日の中を残して予算の終了を見なければならない時期は当面しても、その顔が見えないのは、はなはだ遺憾だという言葉を上げまして、私の質疑は終りたいと思います。
#99
○庄司(一)委員 議事進行について、きのうかきようの新聞の報道を散見すると、本予算委員会がぼやぼやしておつて、予定よりたいへん遅れておるのじやないかという意味の口吻を、現内閣の苫米地官房長官が、予算委員長に申し述べられたか、あるいはそういううわさを聞いて新聞が報道されたか、さような意味の新聞の報道を、本員は読みまして、はなはだ遺憾の意を表するものであります。御承知のごとく、本予算委員会に、ただいま議題と相なつておる昭和二十三年度一般会計並びに特別会計の政府の提案は、去る九日でございました。十日より質問が始まつたのです。その間に日曜が三日ございました。一方政府は、われわれ委員の質問に対する答弁として、当然その職責を果すべきにかかわらず、この委員会には、そのお顔が見えない。現に、委員長が去る十七日、松岡議長あてに本委員会のスムースな運営の上において、かような状態では困るという意味の文書を提出されておるといううわさも、耳にいたしております。しかるに何かこの委員会が特に滑らかなる運営をしないかのような口吻を、官房長官が申し述べられておるようなニユースの片鱗を拝見して、私はまことに不愉快にたえないのでありますから、この際このときにおいて、本予算委員会の名誉のためにも、またわれわれがきわめて忠実にその職務を遂行しておる点から考えましても、委員長としての御所見を、この際御発表をお願い申し上げて、わが委員会に対して、いささかでも誤解等がありましたならば、それを拂拭したいただきたい。かような意味において、委員長の御発言をお願い申し上げたいと思うのであります。
#100
○鈴木委員長 庄司君からお尋ねがございましたが、新聞にどういうように傳わつておつたか、私は新聞を読んでおりませんが、事実は苫米地官房長官から、予算の審議をできるだけ促進してもらいたいというお話がございましたので、その際私は、予定より審議が二、三日遅れておりまするが、この二、三日遅れておるのは、予算委員会の責任ではなくて、政府委員側が――何しろ参議院と衆議院の両方に財政金融委員会なり、あるいは予算の事前審査などが行われまして、政府委員のそういう御都合と、また速記などの都合によつて遅れておるという事情を申し上げまして、予算委員会といたしましては、特に非常に勉強しておる旨をお答えいたしたのは事実そのままでございますが、しかし私は多少予算委員会の運びについて、関係方面にも誤解があるのではないかと考えられまするので、他の用件で、一昨日関係方面と会見いたしました際に、いかにも予算の審議が遅々としておるようにお話がございまして、四月の予算が今日まだきまつておらぬのは、いかにも國会における予算の審議が怠慢ではないかというような意味のお話がございましたので、議はやや憤然として事実を明確にいたしまして、國会が予算案を受け取つたのは六月九日である。それ以來ただいま庄司君のお尋ねのように、予算委員会においては、日程の通りに從つて審議を進めておるという事情を申し上げまして、國会または予算委員会には、予算案の遅延などに関する何らの責任のないことを明確にいたしてまいりました。それで御了承を願います。
#101
○苫米地(英)委員 それでは、私の質問の結論を申し上げます。現実の問題として、庄司君が今週中と言われたくらいのところは、どうしても延びると思うのであります。今期の延長は、一日でも二日でもうやむやの間に延長することはできませんので、さつそくこの点を運営委員会に諮られて、何とかしていただきたいと思います。
#102
○稻村委員 総会における質疑は、大体終つたと存じますので、この程度に打切り、各分科の審査に移されんことを望みます。
#103
○鈴木委員長 稲村郡の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○鈴木委員長 それではこの予算を分科の審査に移すことにいたしますが、各分科会は明二十九日午前十時半から開会することにいたし、その大体の予定は、第一分科は、午前十時半から皇室費、國会、裁判所、会計檢査院、総理府及び法務府所管並びに他の分科の所管以外の事項、午後一時からは大藏省所管、部屋は第十三委員室。第二分科は、午前十時半から外務省及び文部省所管、午後一時から厚生省及び労働省所管、部屋は第十二委員室。第三分科は、午前十時半から商工省所管、午後一時から農林省所管、部屋は第一委員室。第四分科は、午前十時半から逓信省所管、午後一時から運輸省所管、部屋は第十一委員室ということになつております。相なるべくは委員長といたしましては、二十九日中に分科会を結了するように、御審議を進めていただきたいと存じますが、詳細なことにつきましては、本日理事並びに主査、副主査と御協議をいたしまして、詳細のことは決定を公報によつて御報告いたします。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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