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2010/10/21 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 環境委員会 第2号
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2010/10/21 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 環境委員会 第2号

#1
第176回国会 環境委員会 第2号
平成二十二年十月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     小川 勝也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                轟木 利治君
                山根 隆治君
                有村 治子君
                川口 順子君
    委 員
                小川 勝也君
                大石 尚子君
            ツルネン マルテイ君
                白  眞勲君
                平田 健二君
                福山 哲郎君
                松野 信夫君
                小坂 憲次君
                鈴木 政二君
                谷川 秀善君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                亀井亜紀子君
   国務大臣
       環境大臣     松本  龍君
   副大臣
       内閣府副大臣   平野 達男君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        阿久津幸彦君
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
       農林水産大臣政
       務官      松木けんこう君
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
       環境大臣政務官  樋高  剛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       宗永 健作君
       国土交通省土地
       ・水資源局長   内田  要君
       国土交通省河川
       局次長      山本 徳治君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       佐藤 敏信君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (水俣病被害者救済に関する件)
 (ABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)
 への我が国の取組方針に関する件)
 (フロンの回収破壊対策に関する件)
 (大気汚染と環境基準に関する件)
 (生物多様性の危機と我が国の取組に関する件
 )
 (SATOYAMAイニシアティブに関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官宗永健作君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北川イッセイ君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松野信夫君 おはようございます。
 民主党の松野信夫です。質問する機会を与えていただき、ありがとうございます。
 環境大臣の先日の所信、これについて、主に水俣病の問題、そして水銀の取扱いについて御質問をさせていただきます。
 まず、大臣は、大臣に就任して初めて十月九日に水俣を御訪問されたと聞いております。各種施設を訪問されたりあるいは患者団体の皆さんとも意見交換をされたと聞いておりますが、大臣としてどのような印象をまずお持ちになったのか、この点についてお聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(松本龍君) 十月九日に行ってまいりました。私は、熊本県の北側の福岡県出身で、小さいころから水俣の報道がたくさん行われて、特に胎児性の患者の、ユージン・スミスさんの写真とかいろんなものを見て、幼いころから私の弟ぐらいの年なんだ、この子はと思って心を痛めてまいりました。そういう意味では、虚心坦懐に水俣を訪問しようと、熊本県に行こうという思いで参りました。
 初めて訪問して慰霊碑にお参りをささげた後、認定患者やあるいは被害者団体の方々とお話をし、さらに明水園の訪問や熊本県知事、水俣市長と意見交換をさせていただきました。直接、現地を肌で感じ、いろんな話を聞いて、この水俣病の問題、本当に大きな問題だなと改めて大きな決意を新たにしたところであります。
 お尋ねの特措法の救済措置につきましては、申請者に対する公的検診や判定の手続も順次実施されております。本年五月から申請受付を開始しており、救済措置申請者は九月末現在で三万五千人というふうに聞いております。また、十月一日には一時金の支給も開始されたところであります。
 このことにつきましては、ここにおられます川口先生あるいは熊本の園田先生あるいは松野先生等々、様々長い時間を掛けてやってこられた結果だというふうに思っておりますし、私はたまたま支給のときに大臣であったというだけの話で何の貢献もいたしておりませんけれども、改めて関係者の皆様に敬意を表したいというふうに思っております。
 十月一日から一時金の支給も開始されたところでありますけれども、今後も、救済措置の円滑な実施に努め、あとう限りすべての水俣病被害者の救済がなされるよう努力してまいりたいというふうに思っております。
#8
○松野信夫君 私も長いことこの水俣病の問題については取り組んでまいりました。最近でもよく水俣をお伺いをして、いろんな被害者の皆さんとも意見交換しているんですが、今いろいろお聞きしますと、患者さんたちは、恐らく今回の特措法に基づく救済措置、これが最後の補償、行政としての最後の補償になるだろう。ですから、今大臣も言われましたように、あとう限りすべての被害者がきっちり救済される、漏らさずに救済をしてほしい、これが非常に強い声として上がっているだろうと思います。
 また、特措法の七条で、救済措置の開始後三年以内をめどに救済措置の対象者を確定し、速やかに支給を行う、こういう規定があるわけですけれども、私は、この三年をめどというのは、やっぱり政府やあるいはチッソに対して早く救済をしなさいと、こういう趣旨であって、三年過ぎたらもう窓口を閉じてしまうと、そういうようなものにしてはならないと。やっぱり本来の趣旨はしっかり救済をする、早く救済をする、そして一人残らず漏れがないように実行していくと、こういうことだろうと思っております。
 全体としては、今大臣も言われたように、まあまずまず順調に進んでいるのかなというふうに思いますが、重ねてお願いしたいのは、やっぱり丁寧に、漏れのないように救済措置を進めてもらいたいということでありますが、もし何かありましたらお願いします。
#9
○国務大臣(松本龍君) 今のお話につきましては、現地を訪れたときにたくさんの皆さんからその話をいただきました。私どもとしては、救済措置があるということ、特措法があるということを周知徹底をして、おれは聞いていなかった、あるいは手を挙げることができなかったという人が一人もいないように早急に進めてまいりたいというふうに思っておりますし、締切りは三年目途というふうに書いておりますけれども、ある意味では、そういうふうに書かないといつまでもいつまでもということがありますから、そういう意味では、締切りというのは決めておりませんけれども、あとう限り精力的に、救済漏れがないように努力を重ねていきたいというふうに思っております。
#10
○松野信夫君 是非お願いをしたいと思います。
 そして、特措法の中では、単に被害者救済ということだけではなくて、例えば三十五条のところでは地域振興という条項があります。また、三十六条は、地域の皆さんの健康増進事業というようなことで、医療だとか福祉だとか、こういうような施策もしっかり取り組んでいく、このように規定をしているわけであります。
 私も現地に行ってみますと、全体としてやっぱり、何といっても患者さんたちが非常に高齢化をしている、胎児性、小児性の患者さんたちも相当高齢化をしている。こういうような状況を見て、やはりそういう高齢化にも対応するような施策を是非取ってもらいたいと思っておりますが、この点はいかがでしょうか。
#11
○国務大臣(松本龍君) この問題につきましても、救済措置を円滑に進めると同時に、将来にわたり水俣病被害者の方々が安心して暮らせていける社会を実現するために、地域における医療・福祉対策や地域の再生振興を推進することが重要だと改めて認識をしております。
 地域の再生振興につきましては、水俣市が開催をするみなまた環境まちづくり研究会を支援し、専門家にも具体的な検討を進めていただいているほかに、環境省としても直接に市民の皆さんの声を聞く機会を設けてきているところであり、今後とも関係者の意見を聞きながら進めてまいりたいと思います。十月四日には東京で水俣市のエコツーリズム宣言というのがありまして、そういうものも参加をして様々意見を聞いてまいりました。
 大変重要な御指摘の、胎児性水俣病患者やその介護者の高齢化あるいはその福祉といった問題もこれから進めていかなければなりませんけれども、胎児性患者の方とお会いをしましたけれども、何か力が逆に言うとわいてくるというか、つらい思いをされているのに何か夢を持つ力というのをしっかり持っておられて、こちらが逆に励まされたようなところもありました。
 これまでも関係県市と協力をして御意見をいただきながら、胎児性水俣病患者の通所及び待機・滞在施設、ショートステイの整備とか、通院等のために外出する際の支援など取組を実施してきているところです。引き続き、今後更なる高齢化など見込んで、ニーズを踏まえた施策の充実を図っていきたいと考えております。
#12
○松野信夫君 是非その方向でお願いしたいと思いますが。
 大臣も入られているし、また先日、小林事務次官も行かれて現地の皆さんの声をいろいろとお聞きになっていらっしゃる。これは率直に申し上げると、自民党時代は大臣が水俣に行くというのはもう五月一日だけ、犠牲者慰霊式にしか行かないというようなことがあったんです。政権交代をして、田島副大臣は何回も何回も入られた、大臣も入られるということで、やっぱり直接現地の皆さんの声を聞いていただく、これは今後とも是非大事なことだと思いますので、折を見て大臣自ら水俣に入っていただく、直接地元の皆さんの声を聞いていただくと。副大臣も折を見て是非お願いをしたいと思いますが、そうした点はいかがでしょうか。
#13
○国務大臣(松本龍君) 先ほど申し上げましたけれども、たまたま時間があって私は前の日に水俣に泊まって、九日にずっと視察をしてまいりました。民主党の力はもとよりですけれども、やっぱり半世紀にわたっていろんな方々が努力をされてきて、川口元大臣もおられますし、園田先生もおられますし、松野先生、様々な方々が患者の皆さんとお会いをして今日があると。一時金が支給されたときに私はたまたま大臣であったというだけで、ほとんど貢献はしておりません。
 そういう意味では、これからもいろんな方々、さらに胎児性患者の皆さんを介護する方の高齢化等々も見ていきながら、しっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#14
○松野信夫君 それで、いよいよこの特措法に基づいてチッソの分社化というものが進められようとしているわけでありまして、ちょうど昨日、二十日の日にチッソ自らがこのチッソ分社化に向けた事業再編計画の概要というものをホームページ上に公表しているわけであります。
 今後は、正式に政府に対してこの事業再編計画の認可の申請がなされる、環境大臣が認可するかしないか御判断をいただくと、こういう手続になるわけですけれども、やっぱり現地の皆さんの方は、こういう分社化というのがどんどんと進んでしまうと、原因企業のチッソがなくなってしまうんじゃないか、水俣からいなくなってしまうのではないか、こういうような心配もあるわけでございます。そういうような不安に政府としてもしっかりこたえていただきたいなと、こう思っているところであります。
 その際大事なことは、市民の皆さん、県民の皆さんにしっかりとその情報公開をする、意見を聞くということが大事なことかと思っております。チッソも、ホームページ上にこの事業再編計画の概要を公表して、意見を十一月二日までに出してくださいと、そのようにやっているようですけれども、いずれ環境大臣あてにこの再編計画の認可申請がなされたとき、私もできるだけそういう公表、情報の公開をしていくということを是非御検討をお願いしたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#15
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のとおりだと思います。
 経過を申し上げますけれども、七月六日に水俣病特措法第八条に基づいてチッソ株式会社を特定事業者に指定したところであります。また、十月八日には水俣病特措法第九条第一項第二号のその他環境大臣の債務を指定したところであります。関係金融機関に対して支援の要請をしてきた民間金融機関債務四百八億円を、チッソ株式会社からの申請に基づき、会社が引き続き負うべき債務として指定をしてまいりました。
 お話しのとおり、九日に患者の皆さん、団体の皆さん、お話をしましたけれども、そのことが一番大きな懸念材料、不安材料だということをお聞きしましたので、昨日、チッソ株式会社において、おとといの夕刻にチッソにある程度概況を公表できないかということの旨を通達をして、昨日、事業再編計画(案)の概要を公表されたということであります。恐らく十一月の今おっしゃったように二日ぐらいまでに御意見を受ける、パブリックコメントといいますか、そういう予定になっているというふうに思います。
 今後については、昨日公表された事業再編計画(案)の概要をチッソ株式会社において更にまたパブリックコメントの後に検討を加えるものと承知をしております。なお、事業再編計画の公表後の、つまりパブリックコメントの後の公表後の具体的な段取りについてはチッソ株式会社において検討されるものであり、現時点では、環境省としてその中身を承知したり想定している予定ではありません。
 いずれにしても、認可承認をするのは私ですから、しっかり取り組んで万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#16
○松野信夫君 私もホームページ上に明らかになったこのチッソの事業再編計画の案の概要を拝見しましたけど、これはまさにもう概要の概要ぐらいしか出ておりませんで、詳しいことはほとんど記載がありません。これでは、なかなかこれに基づいてコメントをしてほしいと言われてもコメントしようがないと、率直に言うとそういう印象を持ちました。
 特に、私は、チッソが持っているいろんな企業秘密、特殊な技術を持ってはおります。ですから、そういう譲渡される特殊な企業秘密まで明らかにしろというふうには考えておりませんけれども、やっぱり患者さんを始め地元の水俣市、熊本県が不安を覚えないような程度はやはりこれは公開をしていかなければいけないものだと思っております。
 この概要を見たところ、例えば、特措法では事業再編計画の中に記載をしなければいけないとして法律で義務付けられている、例えば事業譲渡の時期だとか、あるいは保有する新会社の株式評価額などはまだこの概要の中には掲載がされておりません。
 ですから、この概要を見ただけでも、ああ、これでは特措法に基づく法律の要求しているものに十分こたえてはいないということになりますので、せめて法律が記載をしなさいというふうに義務付けているものについては、いずれはやっぱりこれはちゃんと公表してもらわないといけないと、こう思っているんですが、この点は、大臣はどういうお考えでしょうか。
#17
○国務大臣(松本龍君) 概要の概要だという御指摘もあろうかと思いますけれども、少なくとも概要を発表していただきました。まだ足りないという部分はあろうかと思いますけれども、事業再編計画ができて、それからそれを承認するかしないかという段取りがあって、株式譲渡あるいは持ち株会社等々様々ありますけれども、そこに至るまで私もちゃんとチェックをしてまいりたいというふうに思っております。
 チッソ株式会社においても、関係者の意見を踏まえて事業再編計画の策定を進めていると思います。事業再編計画の認可に当たっては、こうしたチッソ株式会社との関係者から意見のやり取り状況も踏まえて、認可者である私が責任を持ってしっかり判断をしていきたいと思いますし、ある意味では、会社の守秘義務という、競合する会社との関係があって詳細にできない部分もあろうかと思いますけれども、その辺のところもしっかり私ども勘案をしていきながら努力をしていきたいというふうに思っております。
#18
○松野信夫君 それで、先日の大臣所信の中で水俣条約のことも触れられておりまして、これはとてもよかったと思います。所信の中ではこう述べておられます。水俣病経験国として、国際的な水銀汚染の防止のため、水俣条約の実現を目指して国際的な議論をリードしますと、こういうふうに述べておられて、これはとてもよかったというふうに私も見ておりまして、是非、この水銀に関する様々な規制、これを日本がリードをしていく、そして何とか条約の締結にまでこぎ着けて、その条約の名称としては水俣というのを入れていただく。
 私は、単に条約の名前に水俣というのが入ればいいというものではなくて、やっぱりその中身をしっかりと日本のこの経験踏まえたものにしていかなければいけないと。水銀の採掘から、使用から、排出から、また保管とか、こういうようないろんな段階においてやっぱりきちんと規制をしていくというようなこと、そして日本のこの水俣病の経験を世界にしっかり発信していくというような中身を、是非、条約の中身を大臣としてもお考えいただければなというふうに思うんですが。
 これは二〇一三年に予定ということでありますので、まだまだちょっと時間があるので余り中身のことまで詰めるのはちょっと早過ぎるというふうに言われるかもしれませんが、是非やっぱり、名前が水俣という名称が入るだけではなくて、中身が大事だというふうに思いますが、その点は、大臣、いかがお考えでしょうか。
#19
○国務大臣(松本龍君) おっしゃるとおり、水俣というのはやっぱり片仮名でノーモア・ミナマタと言われるくらい、日本の公害問題の原点でありますし、恐らく世界でも水俣という名前は知られている。そのことをやっぱり発信をしていくということは日本にとっても大きな意味があるだろうというふうに思っております。
 水銀条約に向けた国際交渉は、今年六月にスウェーデンのストックホルムで開催された政府間交渉委員会で議論が開始されました。今年の五月も犠牲者の慰霊式で鳩山総理が表明したとおり、我が国は水俣病経験国として条約づくりに積極的に貢献する方針であり、二〇一三年に予定されている外交会議を我が国に招致するなど、水俣条約の実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 これに先立つ来年一月には、第二回政府間交渉委員会を我が国がホストする予定になっております。これにより国際交渉に弾みを付けるとともに、水俣病の経験を踏まえて水銀の排出規制や使用削減を進めてきた我が国として、その技術や制度に関する知見を世界各国と共有することで条約づくりに貢献をしてまいりたいというふうに思っております。
#20
○松野信夫君 これは二〇一三年に予定をしているので、まあ大分先といえば先なんですが、是非精力的な取組をしていただいて、日本のこの経験、この水俣病をめぐる日本の経験、良かった点もあれば悪かった点、もうこれは洗いざらい是非明らかにして世界に発信をしていただきたいし、また、将来的には日本のこの水銀をコントロールする技術、水銀の使用とか排出を減らすような環境技術、これは日本としても優秀な技術持っていますので、こういう技術も世界に向けて生かしていく、こういうことも是非取組をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#21
○川口順子君 自民党の川口順子でございます。よろしくお願いをいたします。
 大臣には、COP10の議長役の御大役、大変にお疲れさまでございます。それから、ここに大勢の、お忙しい中を政務官にいらしていただきましたけれども、それぞれCOP10、御関係おありと思います。お疲れさまでございます。
 私は、環境委員会にかかわり合いを持つようになってから約十年ぐらいになりますけれども、環境委員会は多分ほかの委員会と多少違いがございまして、環境の重要性ということについては、党は異なってもみんなその認識を一にしているということだと思います。ただ、その時々、方法論あるいはアプローチについては意見が違うということがございまして、そういうことにつきましてはしっかりと厳しく議論をさせていただきたいと存じております。
 環境委員会としては二十六日にCOP10の視察をすることになっておりますので、それを大変に楽しみにいたしております。ホスト国でございますので、この会議をまとめるという役割を大臣はお持ちでいらっしゃいます。大変に御苦労、御心労が多いことと思いますけれども、しかも環境大臣になられて時間が余りない段階でそういうことにおなりになりましたので大変でいらっしゃると思いますが、まず一問目の質問は、大臣としてこの会議をまとめていくために御努力なさっていることというのは何でございましょうか。
 特に質問通告はしませんでしたけれども、いろいろお考えでいらっしゃると思いますので、そのお考えの一端をお聞かせいただければ幸いでございます。
#22
○国務大臣(松本龍君) まず冒頭、十八日の参議院の決算委員会におきましては、COP10の開幕ということで欠席をいたしましたことを皆様におわびを申し上げたいというふうに思っております。
 今先生から言われました与野党を問わずしっかりやらなければならない、しかしその手法あるいはアプローチに関しては様々提言をしていただく、あるいは様々苦言を呈していただくという話だと思いますけれども、私もしっかり任を全うしていきたいというふうに思っているところであります。
 生物多様性条約第十回締約国会議、COP10が十八日から実質開催をされました。ポスト二〇一〇年目標やABS、遺伝資源へのアクセスや利益配分ということでありますけれども、また保護地域や海洋など個別議題がずっと議論が行われております。ポスト二〇一〇年目標については、EUが意欲的な目標を掲げる一方、その他の国からは達成可能な目標にする必要性などが言及されてまいりました。また、途上国を中心にポスト二〇一〇年目標とABS、あるいは採択や資金支援と併せてパッケージでやろうという意見もあります。
 そういうもので大変難しい作業でありますけれども、ABSにつきましては非公式グループ、ICGといって、二つ作業部会がありますけれども、そのほかにICGをつくって、今週の金曜日まで議論を重ねていくということが連日未明まで行われているというふうに聞いております。
 そういう意味では、ABSに関しては依然として幾つかの意見の相違があり、まだ予断を許さない状況でありますけれども、その他の議題としても保護地域や海洋沿岸の生物多様性等々もあります。この議題では、コンタクトグループ、解決できないところをしっかり小さなグループで解決しようということも今作業をされているところでありますから、そこをしっかり見守っていきたいというふうに思います。
 幾つかの論点で各国の相違がありますけれども、人類の存立、あるいは地球に依存する人類の存立と言った方がいいかと思いますけれども、生物多様性のおかげで我々は生き、生かされているということをしっかり考えていけば、共通認識がそれぞれの国にあるんだということをベースに議長国としてまとめる作業を行っていきたいというふうに思っているところです。
 付け加えて言いますならば、大臣に就任して三日目にCOP10の準備のためにニューヨークの国連総会ハイレベル協議で、会議でごあいさつをしました。
 そういう意味では、何をそのときに私は感じたかというと、二〇〇二年から二〇一〇年目標、二〇一〇年までに生物多様性の損失速度を著しく減少させるということが達成できなかったという落胆といいますか、それぞれの国の皆さんがそういう、今度はポスト二〇一〇年しっかりやらなければならない、二〇二〇年に向かってしっかりやらなければならないという思いがニューヨークでも伝わってまいりましたし、開会式の日にもそれぞれ各国の皆さんもその思いを共有しておられました。絶対このことを腹に入れながら、COP10議長としての責務を全うしてまいりたいというふうに思っております。
#23
○川口順子君 その先の質問のお答えも入れていただいたようでございますけれども、私がお伺いをしたかったのは、その会議の内容というよりは、むしろ大臣がまとめるために何を心掛けていらっしゃるか、お心構えの方でございましたが、次に行かせていただきます。
 私が気にしていますのは、これは日本でやる会議でございますから結果良ければいいんですけれども、まだ始まったばかりなので、決してネガティブに考えているわけではありません。しかし、まとめるために、日本全体の姿が見えなければいけないところを、大臣が一生懸命やっていらっしゃることはよく分かるんですが、日本国政府全体として、特に総理のところも含めて一丸となって日本がこれに取り組んでいるという形が国内においてもあるいは外国においても見えていないんじゃないだろうかという気がいたしております。
 COP15、温暖化の、昨年の十二月ですけれども、あの前にデンマークの総理大臣、環境大臣はもちろんですが、あちこち回られて、いろいろ仕掛けなどもなさって、いろいろ動いていらしたというのを、結果は良くありませんでしたが、それは全世界に一生懸命やったんだということは見えていたと思うんですね。
 ですから、この問題、日本国内では生物多様性は地球温暖化ほどは余り皆さんの関心を引いていないんですけれども、大臣も触れていただいたように非常に重要なテーマでございますので、まだこれからその終局に向けて政府全体一丸となって、総理を中心としてと申し上げてもいいんですが、やっていただきたいというふうに思っております。
#24
○国務大臣(松本龍君) 大変重要な御指摘をいただいたというふうに思っております。
 政府一体となってというのは十分理解をしておりますし、もう私は就任してから事あるごとに外国に行かれる閣僚には必ずCOP10の重要性をそれぞれの国に訴えていただきたい、あるいは総理にも報告をしましたし、また今日か明日も時間を取っていただいて経過を報告するということもいたしております。また、在外公館の方々もCOP10を知らないんじゃもう話にならないというふうに思って、それぞれ各国の在外公館の皆様にもちゃんとCOP10の重要性を伝えていただくようにということも閣僚懇談会で発言をいたしました。
 時間が短かったという御指摘が本当に私としてもつらいわけでありますけれども、少なくとも、九月の二十日、ニューヨークに参りまして五回、様々なところでスピーチをさせていただき、十数回バイ会談といいますか二国間協議、あるいはEUとの協議等々も行ってまいりました。G77のイエメンの大使からもしっかり頑張ってくださいという励ましも受けましたし、この間の開会式でも同様の御発言をいただきました。できる限り様々努力をして成功に導いてまいりたいというふうに思っております。
 議長としての心構えは、まあ予断を持たずにとにかく対立というか相違点をしっかりすり合わせてまとめていただきたいなという思いを各国に伝えていきながら、何としてもポスト二〇一〇年目標を、世界目標をつくり上げていくということが第一の目標としてこれからも取り組んでいきたい。
 そのために様々、先ほど、コペンハーゲンのヘデゴーさんでしたかね、ヘデゴーさんともお会いをしました。自分は一生懸命COP15で頑張ってきたけれども、議長を辞められたわけですけれども、一生懸命努力された話も私も聞きましたし、そういう意味でヘデゴーさんからも同じように、川口先生から言われましたように、しっかりやってくださいという励ましも受けました。
 そのことをしっかり私自身も肝に銘じて、二十九日までですけれども、恐らく最後の三日間はかなり厳しい状況になると思いますけれども、心して取り組んでまいります。
#25
○川口順子君 大臣にはしっかりと御奮闘をいただきたいと、エールを送らせていただきます。
 だんだんに与党の質問みたいになってきましたので、野党といたしましては、これは成果が出たときに日本政府としてどう取り組んだか、これはむしろ野党というよりは国際社会が判断をすると思いますので、またそれを見させていただきたいというふうに思っています。
 具体的な問題に少し入りたいと思います。
 ABS、遺伝資源へのアクセスと利益配分、先ほど大臣もお触れになられました。これは、我が国は遺伝資源の利用国で主としてございます。利用産業は、医薬品もございますし、化粧品もありますし、食品あるいはエネルギー、あるいは材料というのもございますし、多方面にわたっているわけでございます。
 昨日、ネットで私は見たんですけれども、ABSのうちのチェックポイントについておおむねの合意が成立をほぼしたという報道がございましたけれども、これは大臣でも樋高政務官でもどちらでも結構でございますが、その事実についてどうかということと、それから、ABSについての主たる対立点が何かということをお話しいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のとおり、生物多様性条約の三つの目的の一つがABSであります。
 生物多様性の保全、また持続可能な利用、そして遺伝資源へのアクセス、それと利益配分という中で、このABSの問題につきましては、私は、相違はありますけれども、一つ、片方の利用する国は、言ってみれば利用することによって医薬品あるいは食品、種、あるいは様々なものができますから、人類の福利に貢献できる世界があって、もう一つ、提供する国には森林の伐採とか様々な問題があって、生物多様性を保全をしていかなければならない。
 ですから、利益を配分することによってそちらもしっかりやっていこうという、この二つが重要なテーマでありますから、日本国は利用することが多いと思いますけれども、いずれの国も利用国になり提供国になり得るということを考えれば、ある程度の共通認識はできるというふうに思います。
 先ほどのチェックポイントの話は、速報ではちょっと聞いておりませんので、しかも議長でありますから、まとまったとかまとまっていないとかいうことをまずこの場ではちょっとコメントができないというふうに思っております。
 もう一方、遡及の問題とか、遡及適用、あるいはそれも発効してから一九九二年の条約の締結までさかのぼるのか、あるいはその前の植民地時代にさかのぼるのかという議論もありますし、また派生物、この派生物、例えばタミフルは八角からできておりますけれども、タミフルができてその派生物があって、そこまで利益の配分するのかという議題もありますし、今言われた特許とか開発のこととか様々あります。
 また、伝統的知識、先住民が持っている伝統的な知識をどうしていくのかという途上国と先進国の対立があって、様々な対立点はあるというふうに思いますけれども、そこのところ、議長国としてはなかなかそれをまとめ、とにかく今作業部会がやっておりますので、まとめてくださいということを言い続けております。国際的な枠組みをつくるべく、議長として最大限様々な方法を取って努力をしていきたいというふうに思っております。
 以上です。
#27
○川口順子君 もう少しまた細かくいきたいんですが、田嶋政務官に伺わせていただきます。
 このチェックポイントとの関係で、出所の開示の問題ですけれども、私が理解しているところでは、途上国は例えば特許の出願の際にこの情報を原産国の出所開示等を義務付けるということを要求をしているという話を聞いております。
 これはいろんな問題点があると思うんですね。例えば、提供国の国内法を日本国に義務付ける、その適用を日本国に義務付けるという大きな問題がありますし、また、特許庁がそういった情報が仮に開示されたときに判断をする権限あるいは能力があるかどうかということもございますし、仮に後で間違った情報を出所開示し、それで特許権が与えられたときに情報が間違っていたら、じゃ、特許権はどうなるのかという、その不安定性の問題もあるというふうに思うんですけれども。
 したがって、私はこの出所開示、あるいは途上国が言っている自分の国の国内法がそれを使う国においてきちんと守られているかどうかということを日本国、一例として日本国でそれをチェックするというチェックポイントをつくるということについては極めて慎重であるべきだと私は思っております。
 ということで、特許は経産省の御所管でございますけれども、特許庁、経産省として、この点についてはどういうお考えを持っているか教えていただきたいと思います。
#28
○大臣政務官(田嶋要君) 経済産業大臣政務官の田嶋要でございます。
 総論といたしまして、今おっしゃっていただきましたが、日本は主に利用者、利用国側ということでございますが、食品や医薬品や化学とか様々な分野でこういった生物資源あるいは遺伝資源ということが大変重要であるということはもう言うまでもございません。そして、今いろんなところで資源外交の重要性が言われておるわけでございますが、今回のこのABS、遺伝資源に関してもその一つであろうというふうに思っております。
 そういう中で、この遺伝資源に関しましてはABSが、先ほど環境大臣からも予断許さない状況というふうに御答弁ございましたけれども、遺伝資源の適切な利用が促進をされることによって、結果として我が国の国益を守りながらも利用国と提供国の双方の利益につながるような実効性ある合意がなされるように頑張っていかなきゃいけないと。特に、政府一体という話、先ほどございましたので、一体としての交渉に経済産業省としてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
 そして、論点になってございますABSのチェックポイントでございますけれども、御指摘のとおり、途上国は過去に入手した遺伝資源を利益配分の対象とすることや、遺伝資源が合法的に入手されたかの確認を利用国政府の義務とすることなどを主張してございます。日本の場合には利用国という面が中心でございますので、企業への影響等を踏まえると、EUなど先進国と同様に、この件に関しましては、我が国としては容易に妥協できない論点があるということを私どもは考えてございます。
 以上です。
#29
○川口順子君 まとめなければいけない立場に日本があるとしても、この点については私は譲るべきではないと思っておりますので、しっかりとその点を踏まえて交渉を進めていただきたいと思います。
 昨日の新聞に、二十日の読売新聞ですけれども、この生物遺伝資源による利益配分の問題について、企業が非常に苦労しているという記事が出ておりました。利益配分に関する明確な基準もないし、生物遺伝資源の定義自体もはっきりしていない、あるいは提供国の国内法というのがこの点についてどうなっているかよく分からないということが出ておりました。
 松木政務官に来ていただいておりますが、農業あるいは食品加工業というのもこれに非常に大きな影響を受けることになります。ということで、この点についてどのように農水省としてはお考えか、御意見を伺いたいと思います。
#30
○大臣政務官(松木けんこう君) 私の方にいただいていたのとちょっと違うことを、もちろんしっかり農水省としましても研究をして、いい結果を出せるように頑張っていきたいというふうに思います。
#31
○川口順子君 しっかりとしてそこを把握していただいて対応していただきたいと思います。今、もう交渉が進んでいる、オンゴーイングのことですから、広い農水省、どなたかがきちんと把握をしているんだろうと思いますけれども、政務三役としてしっかりやっていただきたいと思います。
#32
○国務大臣(松本龍君) 今、大切な御指摘をいただいたというふうに思います。企業が悩んでいるというふうな話、いずれの企業も恐らく悩まれていると思います。
 しかし、ABSの問題がどう決着をしようと、やっぱり企業は先取りをしていくことが大事だろうというふうに思っています。先進国との関係あるいは途上国との関係、いろいろありますけれども、やっぱり生物多様性を保全するという意味においては、乗り込んでいった企業が生物多様性を損なうことがあって、これが賠償とか訴訟とかということになっては困りますから、そういう意味で先取りをして企業がやっていかなければならない。
 むしろ、先ほどコストが掛かるというふうに言われましたけれども、これは生物多様性という全人類、地球的な規模での願いですから、ある意味では、コストではありますけれども、生物多様性に対する投資だというふうにも考えられるというふうに思っております。
 いろんな話をこの間聞いてまいりましたけれども、例えばある会社では、マレーシアで蛍光物質をつくるのに遺伝資源を利用したわけですけれども、そこは企業がその国の企業としっかり話をして、その企業がその国で技術開発をして特許を取るとかというケースもありますし、ある意味では、企業が国に行って、その国の許可を得て植物を輸入するとかそういうことも、いろんなケースを今まで見てまいりました。あるところでは、もうプロジェクトがNPOから言われて、この森林を荒らすのは駄目だと言われて、開発の途中で資源を提供してもらう前に断念したケースもあります。
 したがって、私は今大変重要な御指摘だと思うのは、やっぱり企業そのものがこの生物多様性というものをしっかり守っていかなければ、これから先はなかなか難しいだろうというふうに思っています。
 アメリカはハイテクの関係で条約には入っておりませんけれども、WIPO、知的財産の関係のWIPOの話に移すべきだとかいろいろ言っていますけれども、アメリカですら恐らくこのことはしっかり中身を精査をしていきながらこれからやっていくんだろうというふうに思います。片方ではそういうことを言っていますけれども、やっぱりそういうことをやっているんだろうと思いますし、中国でも生物多様性の国家戦略というのも提出をしたというふうに聞いております。
 そういう意味では、枠組みがどういう決着になろうとも、やっぱり企業というのは社会的な責任においてこの問題をしっかりとらえていく必要があるだろうというふうに思いますので、ちょっと余計なことを言いましたけれども、御報告をいたします。
#33
○川口順子君 大臣御指摘の、企業が先取りをして取り組んでいくことが必要だというのは全くおっしゃるとおりだと私も思います。
 そのときに、私は、ほかの国の、しかも特に発展途上国が多いわけですから、その国内法、ないところもあるでしょうし、あるところもあるでしょうが、その詳細を企業が一つ一つ、一企業一企業出ていってそれを把握するということは非常に難しいことだと思うんですね。
 これは、国あるいは何らかの公益法人のようなものがデータベースを持ち、またその国際的な議論もなされていると聞いておりますけれども、きちんと図書館といいますかデータベースといいますか、そういうものを持たなければ対応できないというふうに思います。ほかの、これは環境省だけの問題じゃなくて、全部の省が、まさに政府が一丸となって取り組む問題であるというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 これは今、ABSも含め、ほかの点も含め、交渉中のことですから、これ以上細かくは伺いませんけれども、これがうまくいったときにどのような国内法の法令の改正が必要かとか、どのような枠組みが必要か、どのような予算が必要か、そういうことを我々としては、それが今回合意に達する、そもそも二〇一〇年に合意をするということになっているわけですから、達するということを前提に、政府としても先取り的にこの点については手を打っておいていただきたい、もしやってないんでしたらいただきたかったというふうに思いますので、よろしく取り組んでいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(松本龍君) 今おっしゃるとおり、企業がなかなか国との交渉ができない、そのためのバックアップシステムが要るんだろうという話は、私もそのとおりだと思います。
 多くの民間企業や大学の研究機関、独立行政法人などが遺伝資源提供国との独自のネットワークを有して、ABSの先進的な取組を実践しています。経済産業省も、NITEというところの仕組みも利用しながら、企業が一緒に政府機関と相手国に話をしていく場をつくったりしておりますし、これ、今おっしゃったように、環境省だけではなくて、農林水産省、経済産業省、様々な分野に多岐にわたる課題だと思いますので、先進的な取組を実践しているところを学んでいきながら、私たちも、逆に言うと環境立国というふうに言われておりますので、先取りをしてやっていきたいなというふうに思います。
 いろいろ民間の方々ともお話ししておりますけれども、私は大臣になってまだ間もないんですけれども、当時の私よりは企業の皆さんはしっかり先取りをしておられるなと。しかし、やっぱり今言われたように、企業と国ということであればかなり厳しい部分もありますので、私たちも、途上国の国内制度の構築や途上国における遺伝資源の保全活動など、途上国に対しても適切な支援もしていきたいというふうに思っております。
 国内法の整備等が必要か否かという話がありました。必要だというふうなお話、御指摘でありましたけれども、各国で義務がどのように、この議定書になるかどうか分かりませんけれども、枠組みが決まったときにどのようになるかということをしっかり見ていきながら、内容を受けて鋭意検討していきたいというふうに思っております。
#35
○川口順子君 よろしくお願いをいたします。
 もう一つだけこのABSの問題について、別な点についてお伺いをしたいと思うんですが、今までは形のある、目に見えなくてもいずれにしても形のある遺伝資源について話をしてきたんですけれども、もう一つこの条約の十五条だと思いますが、伝統的な知識というのが対象になっています。この伝統的知識、読んでも一体これは何を指しているのかさっぱり分からないところがございまして、これが何かということを御説明いただければ幸いです。
#36
○国務大臣(松本龍君) 私なりの知識で申し上げますけれども、あるトラディショナルノーリッジというんですけれども、ある国のある先住民がそこで、お医者さんではありませんけれども、お年寄りがおなかが痛くなったらこの葉っぱを食べなさいと言ってせんじて作っているとしましたら、それがずうっと広まって、その地域の人たちはその先住民の高齢者によっていろんな治療が施されている。その施されていることを聞き付けてかどうか知りませんけれども、これはいいんだなということで、そこに行って伝統的な知識を譲り受けるということになろうかと思います。あるところでは猿が何か物を食べていて、何かこれはダイエットにいいんだなということでダイエット食品になるような物質もあります。
 ですから、その動植物、微生物ではなく、そういう知識といいますか、その知識をどう扱うのかというのが伝統的な知識という意味だというふうに私は理解しておりますけれども、詳しいことはちょっと勉強不足で分かりません。
#37
○川口順子君 なぜこれを伺ったかといいますと、これは厚労省の岡本政務官にお伺いをしたいと思いますけれども、日本でも漢方薬、漢方医療あるいは鍼灸というのがあるわけでございまして、これは別に中国から伝わってきたものだけではなくて日本古来の長い歴史を持った診療なり治療方法であるわけです。この伝統的な知識という部分で、日本の漢方医療あるいは鍼灸というのは入るかどうか、どう厚労省としてはお考えでいらっしゃいますか。
#38
○大臣政務官(岡本充功君) 今、川口委員から御指摘がありましたように、ABSにおいての議論は、大きな論点といたしまして、遺伝資源の利用国における監視措置の問題、それから遺伝資源の範囲、そして遡及適用の有無についてが主な論点に今なってきています。その中でも、いわゆる遺伝資源の範囲をどこまでとするのかというのが、まさに先ほど大臣からもお話がありました伝統的知識の分野が入るのかどうかという話になってくるわけであります。
 御指摘いただきました漢方薬につきましては、中国からは、漢方薬は伝統的知識に含まれるとしてABSの枠組みの対象になると主張をされております。日本といたしましてはこれを認めておりません。その理由としては、日本の漢方は独自の発展を遂げていること、そしてまた中国の中薬とは配合する薬物、そして種類や配合量が異なると、別の異なった医学体系になっているというふうな理解をしておるところであります。
 また、鍼灸については、このABSの中での議論の対象となっていないと承知をしておりまして、いずれにいたしましても、日本を含む先進国が伝統的知識は範囲、定義が明確でなくほかの動植物や微生物と同様の扱いにするべきではないと主張をしているところでありまして、今後の議論の推移を厚生労働省としても注意深く見守っていく必要があるというふうに考えております。
#39
○川口順子君 中国がそういう伝統的な知識だというふうに言っているというお話を伺いましたけれども、政務官おっしゃいましたように、私も日本の漢方というのは中国の伝統的な医療とは違った発展を遂げてきたものであるというふうに思っております。
 それで、いろんな考え方があると思いますが、中国がそれを中国の伝統的知識と言うならば、日本も日本のその医療、漢方ですね、それを伝統的な知識と言ってもいいじゃないかという、中国に乗っかっちゃうという考え方もあるわけで、いずれにしても日本の漢方、これはこの前一番最初の仕分でしたでしょうか、そこに引っかかって漢方の処方が認められないということに危うくなりかけまして、私も一生懸命に署名活動をいたしましたけれども、そういうことがないように、民主党の政務の方としても漢方の重要性には十分認識を持っていただきたい、守っていただきたいと思っております。
 それで、もう一つ今の漢方との関連で出てくるのは、日本も提供国であるという観点でございます。それで、漢方だけではなくて、例えば沖縄の新聞には沖縄本島の北部に自生の二植物から抗がん成分を抽出をしたという報道もございまして、沖縄あるいは今雨で大変なことになっています奄美等々にいろいろあります。ほかにもあると思います。
 そういったものを我が国は守る体制ができていないんではないだろうかというふうに思っております。これはどの省でも結構ですから、どのように守るという観点からこの会議をとらえ、そして国内的にいかに担保しようとしているかということについて御意見をいただきたいと思います。
#40
○大臣政務官(岡本充功君) このABSの会議においては、先ほど松本大臣でしたか、お答えいただきましたけれども、利用国になる可能性も、また提供国になる可能性もあり得ると。それは将来においても、現時点で既に知られている化合物だけではなくて、将来においても様々な知見が得られる可能性があるわけでありまして、そういう意味では、EUであれカナダであれ、それぞれ先進国の立場と今は称しておりますけれども、今委員からお話がありましたような提供国の立場となり得ることは十分想定をされるわけでありまして、先生の御指摘ごもっともだというふうに思っております。
#41
○国務大臣(松本龍君) 今、いずれの国も利用国になる、提供国になるという話がありました。まさに提供国になる場合は、しっかりとその生物多様性を守っていかなければならない。例えば、今、奄美や沖縄で様々な遺伝資源があるというふうなお話もありました。メシマコブとか、これはキノコの一種らしいですけれども、アシタバとかセンダンとか、様々提供できるようなものが日本にはあるというふうに思っています。
 生物多様性の関係でいうと、ホットスポットという言葉があるんですけれども、保全をされていないけれども生物多様性がたくさんあるという地域に、あるところでは日本は全体がそういうことだというふうな話もあります。
 そういう意味では、提供するときにはしっかりやらなければならないと思いますし、いずれにしても、先ほど指摘をいただきました伝統的な知識の話ですけれども、あるテレビを見ていましたら、そこの先住民のおばあちゃんが言っていたのは、もうここは欧米からいろんな人たちが来て森林が伐採されて、まあ森林は伐採して間伐をまた行うわけですけれども、そういう保全をしていかなければならない。
 ですから、ある意味では、提供国はやっぱり保全をしていかなければ、それが枯渇してしまうと人類の健康、命、福利に貢献しないわけですから、やっぱりそこで提供国の資源をしっかり守っていくということは、根本にそれぞれの国があるんだろう。生物多様性によって我々は生き、生かされている、だから保全をきっちりしなければならない。刈ったら、森林を伐採したら必ず保全をする。
 ある意味では、今オフセットと言いますけれども、日本では余り使われていませんけれども、開発したらその分元に戻すんだと、オフセットするんだという考え方が日本では余り、国土が狭いですからオフセットする土地がありませんけれども、ある意味では開発した分森林の保全をどこかでしていくというやっぱり考え方は尊重されるべきだろうというふうに思っております。
#42
○川口順子君 この条約の関連では議論がまだ国際的に行われている段階ですので、いずれにしてもまとまる前から国内の体制、きちんと、先ほど考える必要があると環境大臣おっしゃっていただきましたので、是非それをやっていただきたいというふうに御要望をいたしておきます。
 それで、今そのためにはデータベース、データベースというのはどういうものが国内にあるかということを知らなければいけない、情報が必要なんだろうと思うんですが、これもある新聞記事を読んでおりましたら、富士山の南面の凍土が消滅をしたという記事が出ておりまして、これは温暖化の結果こういうことが起こったということであるかと思います。
 それで、これは極地研とどこかの調査なんですけれども、今度の生物多様性の中で、この富士山の話は温暖化の話ですけれども、生物多様性の中で、IPBES、IPCCの生物多様性版を作ろうということも出ているということで聞きましたけれども、いずれにしても情報をきっちり押さえてそれを分析をするという枠組みが温暖化についてもそれから生物多様性についても必要なんだということだと思います。
 この面でも私は、日本が必ずしも、個々の研究者の方はやっていらっしゃるかもしれませんが、それを統合して情報を把握し分析をしようというところがない、あるいは非常に足りないのではないかというふうに思っておりまして、実はちょっと時間が大分迫ってきてしまいましたので、次にもう一つ大きな問題を議論したいと思っておりますので、農水、厚労、あるいは経産、それぞれのところで、それについて特に何かこれをやっているということがありましたら手短にお聞かせいただければ幸いでございます。
#43
○国務大臣(松本龍君) 先ほど凍土の話がありました。私も新聞を見てびっくりしたんですけれども、凍土が消失し富士山の植生が大きく変化するという可能性があると報道されて私もちょっとショックを受けたんですけれども、富士山の永久凍土の下限の標高が上昇していることは環境省の研究会報告、おととしの研究会報告ですけれども、地球温暖化の影響かどうかは現時点として断定はできないものの、その可能性が高い事例として挙げています。
 また、今お話がありましたIPCCの第四次評価報告書によると、温暖化の進行によりほとんどの永久凍土帯において広い範囲で融解が進むと予測されています。今後、世界全体で温暖化の進行を食い止めなければ富士山に見られるような凍土消失も進むものと考えています。
 私どももしっかり、文部科学省と気象庁では二〇〇九年に日本の気候変動とその影響の中で評価を行っています。その中では、温暖化の影響により既に高山植物の減少やサンゴの白化が起きていること、更に温暖化が進めばこれまで観測されている影響が進行すると予測されております。
 先ほど、IPCCに代わるIPBESの話をされましたけれども、これも私は各国の、とりわけEUの皆さんとお話をする中でIPBESは必要なんだ、科学的な知見とかそれを政策にどう反映するとか、IPCCのやってきた、気候変動のIPCCの生物多様性版がIPBESですけれども、イギリスの環境大臣とお会いしたときも、様々EUの環境大臣とお会いしたときも、これはしっかりみんなでやりましょうねと。
 そういう意味ではアジアにおけるIPBESというか、そのこともしっかり、多様性があるところですから、日本も責任を持ってこのことに大きく取り組んでいかなければならないと改めて思いました。
#44
○大臣政務官(岡本充功君) 今の委員の御質問は、いわゆる日本における遺伝資源のデータベースをどのように作っているかと、そういう御質問の趣旨ということでよろしいんでしょうか。それとも、済みません、ちょっと……
#45
○川口順子君 それも含みです。
#46
○大臣政務官(岡本充功君) それを含み……
#47
○川口順子君 もっと広い。
#48
○大臣政務官(岡本充功君) 厚生労働省としては、もちろん医薬品と既になって上市されているものにつきましては、薬価収載されているものについては当然データベースになっておりますけれども、まだ開発もされていないというような、要するに伝統的知識をどうするかというような議論ですけれども、先ほど来先生が御指摘をされておりますようなまだ口述の段階のような薬効成分等についてはデータベースにしているものはないというふうに承知をしております。
#49
○委員長(北川イッセイ君) ほかはよろしいですか。経済産業省よろしいですか。
#50
○大臣政務官(松木けんこう君) 農林水産省の方は、水産物だとかそういうものの主要魚種の漁獲の状況だとか、そういうのを、周辺水域の主要な漁業資源の調査、海洋環境が資源に与える影響等の予測を発表したりはしているんですけれども、いろんな多分研究しているんですけれども、先生の言うとおり全部まとめてちゃんとしているのかというと、何かそうでもないような答弁がここに書いてありますので、多分、これ以上言ってもしようがないのかなと思うんですけど。
 これは先生、もう一度、私、ちゃんと役所にも言って、どういうふうにしてちゃんとやっているのかというのをちゃんと聞きますので、後で。
 ただ、書いてあることはいろいろと書いてあるんですよね。平成十八年から地球温暖化に伴う海洋環境の変化が主要水産生物の生理、生態に及ぼす影響について研究を進めているとかって書いてあるんですけれども、これはどういうことかというと、温暖化によってサンマが小型化するとか……
#51
○委員長(北川イッセイ君) 松木政務官、書いてあるということで、自分の思いじゃなかったらもう答弁いいんじゃないですか。
#52
○大臣政務官(松木けんこう君) 済みません、一部です、書いてあるのは。あとは私の今日は言葉で言ってます。
 何でサンマが小型化するかというと、それはえさである動物プランクトンが高温になると抑制されるとか、そういうこともあるようでございますので、これをしっかりまとめるようにさせていただきたいというふうに思います。
 そして、農作物の方に関しては、一つは地球温暖化の影響調査レポートというのを毎年出しているということはやっているんですけれども、しっかりデータベース化しているのかどうかというのも含めて、もう一度先生の事務所にしっかり私お答えしますので、申し訳ございません。
#53
○大臣政務官(樋高剛君) 今、川口順子先生から大変重要な御指摘をいただいたと環境省としても受け止めさせていただきたいというふうに思っております。
 内閣一丸となって、先生が今おっしゃったことは物すごい私は重たい御指摘であろうというふうに思っておりますので、それぞれの府省、私の方で政務官として横の連携をしっかり取らさせていただいて、改めて情報収集、データベース化、そしてそれをいかに日本国政府として生かしていくかということも私なりにまた精査をさせていただきたいというふうに思う次第であります。
 ありがとうございます。
#54
○大臣政務官(田嶋要君) 若干重複でございますけれども、現時点で経済産業省といたしましても今そういうような取組はできていないという状況でございますので、大変重要だと私も認識いたしております。今後、環境省等と連携取りながら研究をさせていただきたいというふうに思います。
#55
○川口順子君 是非しっかり、おっしゃっていただいたように取り組んでいただきたいと思います。
 私は、日本の環境における強み、もちろんその省エネルギー技術等がございますけれども、サイエンスあるいはその知見、その分析といった分野でも私は世界をリードできると思っておりまして、是非頑張っていただきたいと思います。
 それで、ちょっと時間がなくなってきてしまいましたけれども、一連のいろんな問題を伺ってきて改めて思いますのは、今の民主党政権において地球環境問題の司令塔は一体だれなんだろうかということでございます。
 かつて地球環境問題担当という補職の辞令がございまして、私も環境大臣をやっていたときにはいただいておりましたけれども、どうもそれがなくなってしまったようでございまして、資料をというふうに言いましたら、いただきましたのは、地球温暖化問題に関する閣僚委員会というのがあって、それの御説明を細かくいただきましたので、それがあるということは承知していますけれども、地球環境問題というのは温暖化問題だけではない、まさにその生物多様性というのはもう一つの重要なことでございまして、そういった重要な地球環境問題について、幅広い、すべてが幅広い省庁にまたがり、調整が必要であるわけですけれども、それを調整する司令塔をつくっていないというのは、今の民主党政権の私は一つの問題点であるというふうに思っております。
 是非、それについて、だれが司令塔なのかということを教えていただきたいと思います。
#56
○国務大臣(松本龍君) 司令塔はだれが担っているかという御質問ですけれども、私は環境大臣就任の際に、菅総理大臣から地球温暖化対策等について政策を主導するよう指示を受けており、国内対策、国際交渉を問わず、具体的な政策の企画、立案、そして推進においてリーダーシップを発揮してまいりたいというふうに思っております。
 御承知のとおり、今言われましたように地球温暖化問題は社会経済のあらゆる側面にかかわる重要課題でありますし、政府一丸となって取り組む必要がある。御指摘の点はいろいろありますけれども、関係大臣といずれにしても密接に連絡を取りながら、連携しつつ政策を進めることは無論でありますけれども、内閣官房、具体的には国家戦略担当大臣や官房長官とも緊密に連絡を取りながら進めていくというふうに考えております。
#57
○川口順子君 国家戦略担当大臣でございますけれども、ちょっと時間的に余り詳しく御答弁をいただく時間がないので、もしあれでしたらまた次回にしたいと思いますけれども、よく分からないのは、国家戦略担当大臣がいかなる法的な権限を持って各省の所管のところに口を挟めるのかということでございます。
 内閣府、まあ内閣府といいますか、官房長官は、内閣法上の調整権限をちゃんとお持ちでいらっしゃいます。戦略担当大臣は、調整権限は内閣法上ないということでございまして、そこをどう説明なさっているのかということを、内閣府から来ていただいています阿久津政務官にお願いをいたします。
#58
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 地球温暖化対策ということで申し上げれば、内閣の重要政策ということで、国家戦略担当大臣は総理から命を受けて、これに係る総合調整を担うこととなっております。環境政策全般を主導的に担う環境大臣、内閣のかなめである官房長官とよく連携協力して地球温暖化対策を推進してまいりたいと考えております。
#59
○川口順子君 それは、私が御質問したことの答えではないんですね。私が御質問しましたのは、内閣法、これを読んでみますと、調整権限は官房長官にあるんです。戦略担当大臣にはないんです。
 ですから、法的にあるのは官房長官、これはもうずっと古い内閣法は法律ですから、今はそれしかないわけですけれども、それなのに、官房長官がこの問題について調整をするというのは分かりますけれども、戦略担当大臣の調整権限は法的にはどこにあるのか。それがなければよその省がやっていることに口を挟めないということでございます。事実上は幾らでもやっていらっしゃると思いますけれども、その権限がなければ、最終的にはやっていることには法的には意味がないわけですね。
 ということで、国家戦略担当大臣が内閣法上与えられていない権限を行使をしているということは、一体、法的にどういうことですかというのが私の質問でございますが、持ち時間があと一分しかございませんので、恐縮ですが、一分で答えられることを答えていただいて、あとは次回にしたいと思います。
#60
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 国家戦略担当大臣に対する指示書という意味では、内閣官房長官と十分に相談、調整を行うということが総理の方からは指示されております。
 今の点も、ただ御質問は法律上の話だというふうに御指摘をいただいておりますので、ちょっと法律上は、今、済みません、手元の資料にはちょっとございませんので、次回にしっかりと答えさせていただきたいと思います。
#61
○委員長(北川イッセイ君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#62
○委員長(北川イッセイ君) それでは、速記を起こしてください。
#63
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 官房長官には、「内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」ということで明記されております。その内閣官房長官を助けるという意味で指示書が出ておりまして、国家戦略担当大臣が総合調整、地球温暖化対策等にかかわる重要政策については総合調整を担わせていただくということになっております。
 また、たしか内閣法の中にも、内閣の方で内閣官房の助けをするという条項があったというふうに思っております。
 以上です。
#64
○川口順子君 内閣法の十二条にいろいろ内閣官房長官の任務が書いてあるわけでございまして、そこには調整というふうに書いてある。いかなる指示をもってしても、法的権限は国家戦略相にはない、調整の権限は与えられていないというのが私の理解でございます。
 ということで、これはお答えとしては私は十分ではない、というか、そこはしっかり詰めていただきたいというふうに思っていまして、十分な答えというふうには私は認識をいたしておりません。
 これは本来、お答えがないので今日はこれまでというふうに申し上げてもいいんですが、ほかの質問者の方もいらっしゃいますので、これは次回あるいは別な機会にきっちりと議論をさせていただきたいと思いますので、きっちりと勉強をしておいていただきたいと私は思っております。
#65
○委員長(北川イッセイ君) よろしいでしょうか。
#66
○川口順子君 この件の処理については、後刻理事会で議論をしていただきたいというふうに思います。
#67
○委員長(北川イッセイ君) はい、分かりました。後刻理事会で処理をしたいというふうに思います。
 よろしいですか。
#68
○川口順子君 以上で質問は終わります。ありがとうございました。
#69
○加藤修一君 おはようございます。
 松本環境大臣、御就任、誠におめでとうございます。
 COP10が今開催されているわけでありますけれども、世界の自然の恩恵、それは年間三百三十兆円、そのうち森林からは年間三百兆円と。あるいは、生態系の損失は年に三百七十兆円、無策ならば貧困層に相当の打撃を与えると。
 日本について考えてまいりますと、先ほどからの議論の中にありましたけれども、世界のホットスポットが三十四か所ありますけれども、そのうちの一つが日本であると。日本は生物資源においても遺伝資源においても、これは利用国でありますけれども、かつまた供給国であるなというふうに思っておりまして、その点でも誇るべき日本でないかなと。
 また、生物多様性の重要性を今回のCOP10を機会にして改めて確認しているところでありますけれども、日本近海の排他的経済水域においても、海洋生物種については世界の一五%ぐらいあるということでありますので、非常に豊かな生物多様性を持つ国だなというふうに思っております。
 ともかく、締約国会議が成功裏に終わるように祈念をしているところでございます。
 そこで、次に質問でございますけれども、子供の環境保健、これは極めて重要なテーマになっていると思います。環境省におきましても、エコチルということで、今実態調査含めてやっているところであると思いますけれども、一九九七年のマイアミ環境関係大臣のサミットにおいて提言された内容の一つとしては、子供環境基準を何とかつくる方向で検討をしていくべきではなかろうかという、そういう話がありました。
 それはやはり、子供の環境が極めて大変な状態になってきているということでありますけれども、やはり子供がいわゆる環境弱者であるということでありますので、お母さんの体の中にいるとき、胎内にいる間、あるいは出生後の最初の二週間、子供たちは脳の神経細胞から免疫細胞まで、体のあらゆる部分で驚くべき細胞増殖を経験すると。
 ですから、有害な化学物質にとっては、これは非常に破壊の機会がより多くなるということになりますし、小児期には様々な組織や器官が様々な早さで様々な段階を経て成長すると。成長中の細胞組織も、いわゆるほかの組織に比べて有害物質への暴露にはずっと弱いと。
 こういうことが十代になるまでずっと続くわけでありますので、環境弱者としての子供に対するいわゆる環境保健の政策については、あるいは実態調査についても、これは本当に真正面から積極的にやっていかなきゃいけない極めて重要なテーマであると、このように考えております。
 大臣はこの辺についてどのような御見解と決意を持っていらっしゃるか、その辺についてお尋ねをいたしたいと思います。
#70
○国務大臣(松本龍君) 先生は以前から子供の健康に関する深い造詣があられて、GLOBEのことも一生懸命やられておるというふうに聞いております。私も子供が二人おりますけれども、やっぱり子供たちに、生まれていない子供たちにもしっかりとした地球を残していかなければならないというふうに考えております。
 今の環境がどれだけ子供たちに影響を与えているかということを私ちょっと自分で調べたんですけれども、一八八〇年というのは日本の産業革命と言ってもいいと思いますけれども、八〇年から一九五〇年までの七十年間のCO2の排出量を調べてみろとちょっと秘書官に言いまして、調べて、そして一九五〇年、つまり私が生まれたのは一九五一年ですから、五〇年から二〇〇〇年までの五十年のCO2排出量を調べてみろと言ったら、一八八〇年から一九五〇年、七十年間の排出量、CO2の排出量を今わずか三年で排出しているということを見たときに、ショックを受けました。
 このままで日本というか地球がいいのかなということが問題意識の底にありましたので、やっぱり我々は営み方を変える、生活様式を変える、そして様々いろんなできることをしっかり目の前にあることをやっていかなければならないという基本認識があります。
 今御指摘のように、一九九七年、先進八か国環境大臣会合において、子供の環境保健に関するマイアミ宣言が採択されましたが、その中で環境リスク評価やあるいは基準設定において子供の特性を考慮すべきだとされています。我が国では、例えば水質汚濁に係る鉛及び土壌汚染に係るダイオキシン等の環境基準設定の際には、子供の特性を考慮するなど子供に配慮したリスク評価、基準設定等を行ってきています。
 さらに、本年度から子どもの健康と環境に関する全国調査、エコチル調査に着手をいたしました。
 これは、胎児期から小児期にかけての化学物質への暴露などの環境要因が子供の心と体の健康に与える影響を解明をすることを目的とした長期大規模の疫学調査であります。妊婦そして子供、十万組といいますか、そういうところの調査をして長期的にやっていこう、そして父親もかかわっていただこうということでありますけれども、今後、エコチル調査の実施に取り組んでいくとともに、同調査から得られる知見を環境基準への反映や事業者の自主的な取組の促進につなげるなど、マイアミ宣言の趣旨に沿った子供の環境保健対策の推進に努めてまいりたいと思います。
 ただ、十万組というのは本当に画期的な調査でありますから、環境に対する評価等々もありますけれども、様々いろんなものを調べていく大きな私は、外部的な要因もありましょうし、そういったものも調べていく大きなきっかけになろうかというふうに思いますので、大いにこのことに対しては、手前みそでありますけれども、期待をしているところであります。
#71
○加藤修一君 十万組ということが大変な組数だと思いますし、それから、これを遅滞なく十年、十五年というふうにトレースしていくわけでありますので大変な調査だと思います。ただ、遅滞なく、中間報告を含めてしっかりとやっていただきたいなと、このことを要請しておきたいと思います。
 それで、大臣が話した中で、七十年間のCO2の排出量が今の三年間に相当するという、そういうことでございます。CO2の排出量というのは、非常に気候変動を含めて大きな影響を及ぼしている段階でありますので、これをどう削減をさせるかということが極めて大きなテーマであると思います。
 それと同時に、温室効果ガスの関係で、これはフロンも当然それに対応する話だと思うんですね。これはNPOのストップ・フロン全国連絡会が調査した中身でありますけれども、冷媒フロンの漏えい、漏れる、それと未回収分、これを合わせると年間二万トンになるというんですね。これ、CO2換算でいきますと四千万トンです、年間。もう大変な量であるわけでありまして、これはもう最大限こういうフロンが排出されないと、大気中に逃げ出さないようにしなければいけない。
 政府の昨年の使用時の排出量の調査によりますと、予想をはるかに超えた大量の冷媒フロンの放出が確認されていると。例えば、ルームエアコンを含む冷凍空調機器の稼働台数、約一億二千万台をHFCの冷媒に置き換えて使用時排出量を計算すると冷媒ストック量の約二十五万六千トン、そのうち約一万二千三百トンが放出されていると。これもCO2換算でやってまいりますと二千七百五十万トンの放出ということになるわけで、これは本当に大変なことで、こういうことについてもっともっと施策の展開を含めてやっていかなきゃいけないと私は考えております。
 どうもこの辺についてはもう少しきつめにやっていかないと、規制を含めてやるとかあるいは脱フロンの関係の税をという話もございますが、ただ、実態の方を考えてまいりますと様々な改善をしていく必要があるだろうと。
 例えば、設置時の技能不良によって一部が放出されてしまうと。あるいは、冷凍機からフロンを回収する、そのときに気体で回収することが非常に多いと。これは液体の状況のときもあるわけでありますから、それじゃやっぱり下部の方からその排出を促すようにすると、下部の方から採集するという、そういう方式は一番これ手っ取り早い、一番放出が避けられるという話なわけでありますので、そういうフロン液回収口を取り付ける場所を変えると、こういうことも非常に大事な点だと思うんですね。
 それから、冷凍機のいわゆる未登録がだんだん増えてきていると。適用除外という話になっていて、そういうところが出てきておりますので、それがまた逆に適正な回収につながっていないということも言えるわけであります。
 それから、回収をする機械ですね。これがJIS規格とは言いつつも、規格の中身を考えると、これなかなかまだまだ不良というふうに言ってもいいぐらいの規格の段階じゃないかなと。ですから、JISの規格も含めて是非変えていかなければいけないなと、このように考えております。
 今、三点か四点ほど申し上げました。この点について、環境大臣としては今後どのように取り組んでいかれるか、是非見解を示していただきたいと思います。
#72
○国務大臣(松本龍君) ありがとうございます。
 フロンに係る対策は、オゾン層の保護そして地球温暖化の防止の両方の観点から大変重要だと思います。フロンは二酸化炭素と比べて数百倍から一万倍超の温室効果があるというふうに言われております。したがって、フロンの問題は大変大きな問題だというふうに思っております。
 フロン回収・破壊法に基づく業務用の冷凍空調機器等の冷媒フロン類の回収率は約三割と、近年横ばいで推移している状況であります。加えて、今おっしゃいましたように、使用中の冷凍空調機器からの冷媒フロン類の漏えいがかなり大きいことが判明をして新たな課題となって、私たちも問題視しております。
 こうした課題に処するためには、環境省では、本年の七月から中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会を開催し、今後のフロン類等の排出抑制対策の拡充強化に向けて御議論をいただいているところであります。その審議内容を踏まえて、関係省庁とも協力しつつフロン類等の対策の充実強化に努めてまいりたいというふうに思います。
 かなり詳しい御指摘がありましたんで、私、そこまで知識がないところはお許しを願いたいというふうに思います。
#73
○加藤修一君 JIS規格の方については、JIS規格というとそのまま一〇〇%よしというふうに受け取りがちなんですけれども、これ自体もやはり検討の対象に是非大臣考えていただきたいんですけれども、どうでしょうか、細かい要求ですけれども。
#74
○国務大臣(松本龍君) そのことについてはちょっと質問通告がありませんでしたので、関係の者からお答えをさせていただきます。お許しください。
#75
○加藤修一君 通告の段階で、私はJIS規格の話もしていると思いますけれども。
#76
○政府参考人(寺田達志君) 御説明申し上げます。
 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、現在、中央環境審議会の小委員会での審議が七月から始まったところでございます。まだ審議の状況の方は関係者のヒアリング等で、具体的な方向性はまだ定めるに至っておりませんけれども、その中で本日御指摘いただいた課題なども御検討をいただけるものと考えております。
#77
○加藤修一君 それでは、河川流域の水質浄化の関係がございます。あるいは、健全な水循環、これにかかわる汚水処理機能、処理の関係ですね、とりわけ環境省は浄化槽の役割を重要視していると思っておりますし、私自身も実はそうでございます。
 実は、この関連で地域再生基盤強化交付金というのがあります。これは地方公共団体が自主的かつ自立的に行う地域再生の取組を総合的かつ効果的に推進する制度、そういう制度として平成十七年に創設されたわけでありますけれども、この制度には汚水処理施設も対象に入っている。つまり、浄化槽も入っているということなんですね。
 しかし、先日発表されました平成二十三年度予算の概算要求において同制度の事業予算が計上されていない。私が説明を受けている範囲では、これは総合特区制度の創設と絡んでいるという話なんですね。
 従来は地域再生、この関係の枠組みの中は財源はございませんが、もう一つ、今申し上げております地域再生基盤強化交付金、これは平成二十二年度では一千三十四億円、それからもう一つ、構造改革特区、これがプラスのいわゆる三億円でありますけれども、この今言った三つの枠組みが移行して総合特区制度の創設につながるという話なんですけれども、これはほかの二十七億円を加えまして、総合特区制度の創設としては八百二十三プラス二十七億円、八百五十億円ということを考えてまいりますと、さきの一千三十四億円の話プラス三から比べるとかなり少なくなっていると。
 それと同時に、総合特区制度の創設ですから、地域再生基盤強化交付金をこれを廃止してそれをつくるという話ですよね。その中身が規制の特例措置、税制、財政、金融による総合支援という話になっているんですよ。規制の特例措置という話になってきたりすると、浄化槽は規制云々の話ではないですから、それは、水質汚濁を解消するという意味では別の規制は当然ありますけれども、この総合支援の中の対象にならないような可能性もあるんですね。
 そうすると、今まで一生懸命進めてきていた部分の財源がその部分なくなってしまうというふうに私は懸念しているんですね、今。非常にそこは心配なんですよ。内閣府の平野副大臣、この辺についてどうお考えですか。
#78
○副大臣(平野達男君) 内閣府の平野達男でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 加藤委員から今御指摘がございましたけれども、地域再生基盤交付金、これは、御案内のとおり、平成十七年からスタートした事業でありまして、道路、これは道路法に言う道路と農道、林道等々も入っていますけれども、道路を一体として整備するような交付金、それから今御指摘の中にあった汚水処理施設、下水道法に基づく下水道、それから合併処理浄化槽、浄化槽ですね、集排も入っておりますけれども、こういった汚水処理施設を一体的に整備する交付金等々、三つの交付金から成り立っておりますが、これは五年間を一つのタームとして実施しまして、平成十七年から取りあえず一期目の五年間は終わりました。
 平成二十二年度から二期目に入りまして、この交付金を平成二十二年度も交付したんでありますけれども、これは内閣府の本府行政事業レビュー公開プロセスにおきまして廃止を含め抜本的な見直しを行うこととしました。
 この背景には幾つか理由がございますけれども、一番の大きな理由は不用額が多いということです。大体、年によって二割から三割ぐらい不用額が多かったということでございまして、これについては、多分制度設計がまずかったのか、裏負担の、要するに財政の、自治体の裏負担の問題でできなかったのか、あるいはニーズがなかったのか、ちょっとこれから、これからというか今調べておるところでございますけれども、多分、加藤委員の御指摘は、一回五年間認定したものについてはどうするんだという御指摘であったと思います。
 今、加藤委員の御指摘の中で、総合特区の中で新しい交付金ができるんでこれは使われないんじゃないかという御懸念を表明されましたけれども、今、総合特区を対象とした交付金についてはどうするかということについては検討中であります。ただ、今の段階では地域再生基盤強化交付金の後を受けるような交付金にはなりにくいんではないかというふうに今思っています。
 では、この五年間で認定した残りの残事業についてはどうするかということにつきましては、これをこのまま放置するわけにはまいりませんので、来年度の予算編成の中で関係各省とも連携を取りながら今検討をしているところでございます。
#79
○加藤修一君 なりにくいと言ったのは駄目ですというふうに私は聞こえましたけれども、要は、その辺の部分については十分検討してほしいんですよ。
 不用額の話ありましたけれども、これも浄化槽だけがなぜか下水道とか集落排水とは別に補助金が三分の一なんですよ。三つの中からどれに決めるかといったら、やっぱりそれは三分の一より二分の一の方にどうしても流れがちになる。だからその部分についての不用額が出るということもありますし、いろいろ要因はあります。
 時間がありませんからそこまで話しませんが、その五年分の関係についてはこれはもうしっかりと対応するということですよね。改めて確認します。
#80
○副大臣(平野達男君) そのことも含めて、十分検討をしていきたいと思います。
 特に今、来年度、平成二十三年度は投資的経費の一括交付金化というものを検討しておりまして、その検討の中でこの地域再生基盤強化交付金の扱いということも検討していきたいというふうに思っております。
#81
○加藤修一君 これ五年計画でやりますよね、事業を。その場合に、一年目に入ったばかりのところもたくさんあると思うんですよ、恐らく。それは、それは検討はしますけれどもという程度じゃ、私は、これは良くないと思うんですよね。それは、そこはしっかり担保を取るということでないと、納得できない答弁だと私は思っております。
 群馬県を考えると、太田市とか沼田市とか榛東村なんかもそうなんですよ。今年度からやって、いよいよ頑張ってやらなくちゃいけない、その途端にはしごを外されるような状態なわけですから、是非、これは単なる検討でなくて、前向きの答弁をいただきたいと思っておりますけれども、副大臣の権力でよろしくお願いします。
#82
○副大臣(平野達男君) 多分この交付金が廃止されたことによって様々な要望とかが加藤委員のところにも来ていると思いますし、環境省にも農水省にも国土交通省にも来ているんじゃないかと思います。
 今の加藤委員の質問の御趣旨も踏まえまして、この問題についてはしっかりと検討してまいりたいというふうに思っています。
#83
○加藤修一君 是非よろしくお願いいたします。
 それで、単独浄化槽というのがありますけれども、単独浄化槽から合併浄化槽に環境省が懸命にやっている最中でありますけれども、特に合併浄化槽の関係で、先ほど話をいたしましたように、三分の一ですよね、補助が。モデル事業は確かに二分の一になっておりますけれども、これも二十三年度中に終わるという話を聞いておりますので、これ三分の一から是非二分の一にするべきだと思っておりまして、この辺については大臣はどのようにお考えでしょうか。
#84
○国務大臣(松本龍君) 浄化槽につきましては加藤先生もしっかり取り組まれていますし、私も、辞められた弘友先生あるいは木庭先生、同じ福岡ですので、頼むぜというふうな話をずっと聞いておりました。
 そういう意味では、今言われました二分の一、三分の一という話がありますけれども、二分の一につきましては以前より地方公共団体からの要望も強く、本年度予算では、地球温暖化対策に寄与するため省エネ型の浄化槽整備事業を行う市町村に対して、一定の要件を満たす場合には、今おっしゃったとおりでありますけれども、助成率を二分の一としています。
 なお、来年度要求では、汚水処理人口普及率の低い市町村、まあ中山間地域といいますか、において浄化槽の集中的整備を行う場合に助成率二分の一とすることを要求しております。
 今後とも、今おっしゃられたことを意に受けて、地方の実情や要望を踏まえた形で浄化槽整備を推進するための助成制度の充実に努めたいと思います。
#85
○加藤修一君 最後の質問になりますけれども、国交省にお願いしたいと思います。
 集中豪雨、昨日の奄美の関係も大変な話でありますけれども、その関係でやはり雨水の貯留あるいは雨水の浸透施設、こういうことが非常にこれまた大きなテーマであると思っております。この普及については積極的に国交省に取り組んでいただきたいことをまず申し上げたいと思います。
 二点目は、特定都市河川浸水被害対策法がありますけれども、この対象になっている河川はたかだか四河川ぐらいだと思います。この対象河川を是非増やしていただきたいんですよ。
 この辺について御答弁をお願いいたします、二点について。
#86
○政府参考人(山本徳治君) お答えいたします。
 まず、雨水貯留・浸透事業の普及の件でございますけれども、私ども、今先生おっしゃいましたようなゲリラ豪雨と申しましょうか、局所的に短時間にたくさん降る雨に対しましては、従来からの流域全体に河川でありますとか下水道施設を整備するという施策と併せまして、地域の皆様方、地方公共団体で分担しながら流域の雨水の貯留浸透施設の整備を進めていくことが大事だと思っております。
 私ども、この施設の整備につきましては、本年度から創設いたしました社会資本整備総合交付金の対象としておりまして、地方公共団体の御意向を踏まえましてこのような地域の取組を支援していきたいと考えております。
 それから、もう一点の特定都市河川でございます。
 この特定都市河川につきましては、平成十五年に制定されました特定都市河川浸水被害対策法に基づいて指定しております。昨年二月に指定いたしました静岡県の巴川を含めまして、現在、四河川が指定済みでございますが、現在、東京都や神奈川県などの三河川において新たな指定に向けた取組が進められているというふうに承知しております。
 今後とも、私ども、流域内の関係公共団体の調整といった合意形成を図るために協議の場を設置するなど必要な支援を行いまして、指定拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#87
○加藤修一君 終わります。ありがとうございます。
#88
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一でございます。
 環境問題というときにどこに焦点が当たるのかというのは当然時代によって変わってくるというふうに思いますし、今はやはり地球温暖化の問題が最大の環境問題でもありましょうし、今現在、直近のことを言えば、COP10が開かれているということもあって生物多様性が最大の焦点になっていますけれども、やはり、しかし環境問題の原点というのはある意味では公害問題、例えば大気の汚染とか水の汚染というのは環境問題の原点でもありますでしょうし、環境省の前身である環境庁が昭和四十六年に発足したのも公害問題の高まりというのを受けて発足したということがありますので、今日は、私は大気汚染の問題を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 大気汚染物質、いろいろありますけれども、伝統五物質というのがよく言われますけれども、これは今、環境基準などはどのぐらい満たしているのか。局長で結構です。
#89
○政府参考人(鷺坂長美君) お答えいたします。
 環境基準の達成の状況ということでございます。平成二十年度の大気汚染状況の測定によりますと、まず二酸化窒素につきましては、すべての一般大気環境測定局において環境基準を達成しております。ただ、自動車排出ガス測定局における達成率は九五・五%ということでございます。ただ、この状況は近年緩やかな改善傾向にございます。
 それから、SPM、浮遊粒子状物質でございます。平成十九年度に比べましてかなり環境基準の達成率が改善しております。一般局で九九・六%、それから自動車排出ガス測定局で九九・三%でございます。
 それから、光化学オキシダントでございます。これは環境基準の達成率が若干低いという状況でございまして、一般局、自排局合わせまして〇・一%という状況になっております。
 それから、SO2、二酸化硫黄でございます。一般局で九九・八%、自動車排出ガス測定局で一〇〇%ということで、おおむねほとんどの測定局で環境基準を達成しているということでございます。
 それから最後、五番目の一酸化炭素につきましては、一般局、自排局共にすべての測定局で環境基準を達成しております。
 以上でございます。
#90
○水野賢一君 今聞くと、伝統五物質の中で四物質は九九%とか一〇〇%という環境基準の達成率があるのに対して、光化学オキシダントだけが、若干低いとおっしゃいましたけど、若干低いんじゃなくて、〇・一%というのは極めて低いと。ほかが九九、一〇〇%達成で一個だけは〇%に近いというようなことというのは、この辺の理由というのはどう分析していらっしゃいますか。
#91
○政府参考人(鷺坂長美君) 光化学オキシダントにつきましては、窒素酸化物とかあるいは揮発性有機化合物、VOCですけれども、こういった物質が光化学反応を起こして生成する物質でございまして、これらの原因物質の濃度でありますとかあるいは気象条件等に非常に大きく影響されるものと認識しております。
 私どもの研究でございますけれども、平成十九年度に取りまとめた光化学オキシダント・対流圏オゾン検討会、こういったところで中間報告が出されておりまして、近年、光化学オキシダントの濃度が若干長期的に上昇トレンドにありますが、その原因の一つといたしまして、近年、北半球におけるバックグラウンドオゾン濃度自体が上昇傾向にあること、それとあと、アジア地域から排出される原因物質ですね、NOxとかVOC、こういったものが増加しているのではないか、こういったことが要因の一つとして推定されております。
 いずれにいたしましても、光化学オキシダントの原因物質の排出量の変化を今後よく見ていく、あるいは、これ大気中で変化いたしますので、紫外線量の増加の問題、それから成層圏にあるオゾン層が降下しているんではないか、こういったようなことも指摘されておるところでございまして、今後とも濃度レベルの上昇のメカニズムを解明するため、それぞれの寄与割合、どういった形でできるか、定量的な評価など、調査研究を推進してまいりたいと考えております。
#92
○水野賢一君 この辺の問題はよく、特に最近、光化学スモッグの注意報が西日本の方で、特にそれが大工業地帯があるとか自動車走行量が多いとかというところじゃないところでも注意報が発令されるようになってきたというようなことで、要するに、今も答弁の中にちょっとありますけれども、中国大陸から越境汚染、つまり黄砂や酸性雨に続いてこの光化学スモッグも越境汚染してきているんじゃないかというような指摘もありますけど、この辺どういうふうに分析されますか。
#93
○政府参考人(鷺坂長美君) 御指摘のように、近年、光化学オキシダントで、また注意報というのが一応あるわけでございますが、その発令地域が広域化する傾向にございます。例えば、平成二十年度は長野県、佐賀県、それから平成二十一年度は山形県、鹿児島県ということで、観測史上初めて、一日ではございますけれども、注意報の発令があったということで、こうしたことから越境汚染の問題を指摘する、こういった意見につきましては十分承知しております。
 こういったことにつきましては、なかなか、我が国の大気中濃度の上昇等に係る越境汚染の例えば正確な寄与度とか、そういったものはなかなか難しいところはあるわけでございますけれども、国立環境研究所で研究をしている成果を御紹介申し上げますと、二〇〇二年の春季、春でございますが、本州付近の月平均オゾン濃度に対しておおむね十数%から二十数%程度が東アジア起源ではないかと、このように推計されているところでございます。
#94
○水野賢一君 大体それは中国大陸の経済発展とかなり連動していることはほぼ間違いないと思うんですけれども、これは国内だけで対応できる問題ではありませんから、こういうような問題は、例えば一方で日中、尖閣の問題なんかもありますけど、尖閣はこれは領土問題じゃないですから協議をする話合いのテーマではないわけですけれども、しかし、こういうような大気汚染の問題なんかはしっかりと協議すべきことは協議していただきたいというふうにも思っております。
 一方で、今は光化学オキシダントがずっと非常に、環境基準の達成率がほぼゼロという話をしてまいりましたけれども、かなり改善が見られるのはSPM、浮遊粒子状物質ですよね。
 これ数年前に、十年ぐらい前ですかね、石原都知事なんかがディーゼル車NO作戦というのでかなり話題を呼びましたけれども、そのころいろんな政策、国の方は自動車NOx法をNOx・PM法に改正するという形の対応をして、一方で東京都などは、千葉県なんかもそうですけれども、ディーゼル条例を作るという形で対応してきましたけど、私の記憶では、そのころ国の、環境省の姿勢というのは、ディーゼル条例に対しては、反対はしないけれどもより効果的なのはNOx・PM法だという、そういうスタンスがあったような感じもするんですけれども、今現在、ディーゼル条例に対してどう大臣、評価されますでしょうか。
#95
○国務大臣(松本龍君) 先ほど中国大陸の話等々お話がありました。私も九州の北の方、福岡に住んでおりますので、かなりそういう問題は深刻に受け止めておりますし、ある意味では大臣就任早々そのことをいろんな意味でちゃんと検討するようにと申し上げました。
 今御指摘の浮遊粒子状物質、SPMの環境基準達成率は、平成十五年度から十六年度にかけて劇的に改善した。ディーゼル条例もその改善の一因であったと聞いております。平成十四年十月から自動車NOx・PM法にPMの規制が追加をされ、PMに係る車種規制等の総量削減対策が開始されました。
 また、首都圏の一都三県内におけるディーゼルトラック・バスの走行規制を行ういわゆるディーゼル条例が一年後の平成十五年十月に施行されました。両者が相まってSPMの環境基準の達成に一定の効果を果たしたものと考えております。
 以上であります。
#96
○水野賢一君 一問通告から飛ばしてちょっと恐縮なんですが、その自動車NOx・PM法なんですけれども、NOx・PM法は三年前に平成十九年改正が行われたんですが、そのとき改正の中で重点対策地区というのを設けるようになったんですよね。
 これは要するに、全体としての環境基準は非常に改善しているけれども、地域的には非常にひどいようなのがある。例えば、板橋区の大和町だとか大田区の松原橋なんか有名ですけれども、そういうような形で、ここは重点対策地区だというのを設ける制度を設けたんですけれども、これ法律が施行されてもう二年以上たっているんですけれども、全国どこでも重点対策地区は指定されていないというような、つまり制度はあるんだけれども空振りに終わっているというふうに思いますけれども、大臣、このままでよろしいんでしょうか。
#97
○国務大臣(松本龍君) 改正法は、平成二十年、今御指摘のとおり一月に施行されて、関係都府県の知事が重点対策地区を指定し計画を定めて局地汚染対策を進める制度となっていますが、これまでのところ、御指摘のとおり指定はされていない状況であります。局地汚染対策を推進することは重要と認識しておりますが、環境省としても、都府県における重点対策地区の指定が進むよう積極的に協力してまいりたいと思います。
 さらに、自動車NOx・PM法につきましては、本年七月に中央環境審議会に対して今後の対策の在り方について諮問を行ったところであります。重点対策地区の指定に係る考え方を始め、基本方針の見直しなど、広範な観点から具体的な対策について総合的な検討を行ってまいりたいと思います。
#98
○水野賢一君 ところで、この環境基準の話でいうと、昭和五十三年に二酸化窒素の環境基準が緩和されたというのが大きい一つの問題になっているんですけれども、二酸化窒素は環境基準が緩和された結果、今〇・〇四ppmから〇・〇六ppmというふうに幅のある形になっていますよね。
 局長にお伺いしますけれども、これ幅のある環境基準はほかに例があるんでしょうか。
#99
○政府参考人(鷺坂長美君) 大気汚染物質に係る環境基準についてでございますけれども、一般的には一つの値以下というような形で定められておりまして、二酸化窒素、今御指摘ありましたように〇・〇四ppmから〇・〇六ppmまでのゾーン内又はそれ以下というふうに定められておりますが、このように基準値に幅を設けて定められているものは大気汚染に係る環境基準としては二酸化窒素以外ありません。
#100
○水野賢一君 ですから、これだけちょっと例外になっているんですが、じゃ、環境基準の達成率というとき、〇・〇四を下回ったものを言っているのか、〇・〇六を下回ったものを言っているのか、お答えいただきたいと思います。
#101
○政府参考人(鷺坂長美君) 二酸化窒素の環境基準につきましては、それが達成しているかどうかという評価は一年間見て評価するわけでございますけれども、一日平均値の値のその年間の九八%値、つまり三百六十五日のうち八番目に高い値、こういった値が〇・〇六ppm以下になっている場合は環境基準が達成しているものと、このように評価をしております。
#102
○水野賢一君 そうすると、その〇・〇四を定めている意味というのがちょっと形だけ定まっているだけで余り意味を果たしていないような気がするんですが。
 まあそれはともかく、ところで、環境基準、これ昭和五十三年に緩和された。環境基準の緩和の例というのはほかにあるんですか。
#103
○政府参考人(鷺坂長美君) 大気汚染に係る環境基準におきまして、ほかのもので緩和したものというものはございません。
#104
○水野賢一君 そういう意味ではかなり異例のことが行われたわけですよね。だからこそ当時大問題になったわけでしょうけれども、民主党政権になって、大臣にお伺いしますが、この二酸化窒素の環境基準というのは見直す予定とかというのはあるわけでしょうか。
#105
○国務大臣(松本龍君) 昭和五十三年に改定された二酸化窒素に係る環境基準は、その当時における最新の科学的知見を踏まえ、国民の健康を保護する上で維持されることが望ましい水準として設定されたものであると聞いております。
 環境基本法においては、十六条三項でありますが、「常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。」と規定されておりますことから、健康影響に関する科学的知見の収集、評価を行ってきておりますが、これまでのところ、さらに環境基準を改定する必要があるような知見は得られていないということで、今後とも引き続き知見の収集、把握に努めてまいりたいと思います。
#106
○水野賢一君 まあ十六条三項に書いてあるのは当たり前のことですから、要するに見直しするつもりはないというふうな発言だというふうに理解をしましたが。
 さて、大気汚染の話というのは、発生源は大ざっぱな分け方をすれば工場と自動車と両方あり得るわけですよね。その中で、自動車排ガスが大きい争点になった訴訟として、いろいろありますけど、最後まで残ったのが東京大気汚染訴訟というのがありましたが、これも和解いたしましたけれども、そのときに、和解のときに国が六十億円出したわけですよね。ところが、六十億円別に国費から出したんじゃなくて、独立行政法人環境再生保全機構からのお金を出したんですよね。そういう形で和解したと。
 ところで、国が和解するときに独法のお金を使ってよろしいんでしょうか。
#107
○政府参考人(白石順一君) 法的な手続においては次のようなことがなされる必要がございます。つまり、独立行政法人でございますので、そこの中期目標を変えていただく必要があります。そのためには、環境大臣の方から独立行政法人環境再生保全機構に対してその中期目標を変更するようにという指示をし、これを受けて法人の方で中期計画を変更という、こういう手続を経る必要がございます。お尋ねのケースの場合はこの手続をなしているものでございます。
#108
○水野賢一君 いや、これは自民党政権の下で行われた決定だということは私も知っています。というのは、私はそのとき法務副大臣を務めていたので、その和解のことにも携わっていますから。
 その意味では、結局、和解はしなきゃいけないということでぎりぎりの判断だというふうには思っていますが、思っていますが、独立行政法人は、今、白石さんがおっしゃったように、中期計画があったり年次計画があったりするわけですから、それは結局後付け的にそれを直したわけであって、国の方が先にそういうようなことを、和解でここから金を出すということを決めて独法に指示をするというんだったら独法の意味がなくなっちゃうわけであって、独法は独立してしっかりと独自の形で中期計画をつくったりするから独法なんであって、国の方が和解を先に決めて、それで独法に後から指示するというのは順序として逆だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(松本龍君) 大変お詳しいのでちょっと恐れ入りますが、独立行政法人環境再生保全機構の公害健康被害予防基金は、従前から地方自治体が実施する予防事業に対して助成する役割を担っていたために、事業を実施する東京都に対して拠出することになったと理解をしています。
#110
○水野賢一君 私も、ぎりぎりの判断の中でそういうことが行われた、特に自民党政権時に行われたことですから、今の大臣に、それがけしからぬとかなんとかと言うつもりは別にないんですけれども、ちょっとそういうような形というのはイレギュラーだというようなふうに思っているということを指摘させていただきたいと思いますが、ちょっとこの話でいうと、この訴訟の結果、和解の結果、東京都は五年間の気管支ぜんそくの患者に対する医療費の助成制度をつくったんですが、これ五年間のことは決まっているわけなんですよね。国の方、これ継続していくとなると、国の方も更にお金出すのかどうかという話が出てくると思うんですが。
 さて、この六十億円、国というか独立行政法人からですけれども、お金出しましたけれども、五年の期限が切れた後、追加的に国が資金を拠出するとかという、そういう考え方はあるのでしょうか。
#111
○国務大臣(松本龍君) 今お話しの、和解においては被告である国、東京都、自動車メーカー、首都高速道路などがそれぞれ取組を行うこととされており、国としては予防事業の実施に充てるため、お話がありました六十億円を拠出したところであります。
 東京都の医療費助成制度については、国は創設時においても資金拠出をしておらず、今後も同様の考えでありますけれども、情報交換は適宜行ってまいりたいというふうに思っております。
#112
○水野賢一君 国が費用負担をしたのは予防事業分だから、つまり医療制度の助成じゃないんだから、医療制度が今後続いたとしてもそこにはお金は出せないというニュアンスの答弁だったというふうに思いますけれども、ここは今後議論していきたいと思います。
 さて、大気汚染というのはもちろん、今自動車の排ガスからの話をしましたけれども、自動車以外に工場からの排ガスありますよね。発生源となっている工場というのは、これは公害健康被害補償法に基づいて汚染負荷量賦課金というのを支払うことに今の制度ではなっているんですけれども、総額で、これはもう局長でいいですけれども、年間どのぐらい工場からの汚染負荷量賦課金は払われていますか。
#113
○政府参考人(佐藤敏信君) お答えいたします。
 平成二十二年の申告事業者数は約八千三百となっておりますが、御質問のありましたその申告額は約三百八十七億円となっております。
#114
○水野賢一君 部長に続いてお伺いしますが、この三百八十七億円、八千三百社が払っているということですけれども、これは個別企業が、はっきり言って、たくさん払っているのというのは、それは大気汚染物質をたくさん出している会社なんですよね。まあ、ありていに言えば東京電力とか新日鉄とかJFEが上位ですよ、のはずなんですよ。
 さて、個別企業が幾らこのお金を出しているかということは今まで公表していませんね。していない理由は何だったんでしょうか。
#115
○政府参考人(佐藤敏信君) ただいま御質問のありました汚染負荷量賦課金の給付手続を定めております公健法におきましては、それらの情報の公開について定めがございません。
 そうした中で、個人や法人に関する様々な情報が含まれているということにかんがみまして、これまでは非公開としてきたところでございます。よろしくお願いします。
#116
○水野賢一君 そんな理屈が通用するわけないのであって、というのは公健法に定めがなくたって、政府が持っている情報は基本的に情報公開法に基づいて公開するのが当然なんですから、これは公表すべきだと思いますし、部長に続いて伺いますけれども、汚染負荷量賦課金を払っている会社の上位五社、それぞれ幾らの金額を払っているのか、それを聞きたいと思います。
#117
○政府参考人(佐藤敏信君) ただいまもお話をいたしましたように、情報の公開についてこれまで定めがありませんでしたので、個人や法人に関する様々な情報ということでこれまで非公開としてきたところではございます。
 ただし、ただいまもありましたように、公開すべきという御意見があるのであれば、関係者の御意見も伺いながら情報開示の可能性について検討してまいりたいと考えております。
#118
○水野賢一君 今ここで公開するのが当然でしょう、国会で質問しているんですから。
 法律に定めがない、公健法に定めがなくたってそんなものは当然であって、政府が持っている情報は情報公開法で公開するのが当然なんですよ。これは何ぴとが請求したって公表すべきデータでしょう。国会質問で質問をして答弁できないってどういうことですか。
#119
○大臣政務官(樋高剛君) 水野先生におかれましては、こうした問題に取り組んでいただいていることに対しまして心から敬意を申し上げさせていただきたいと思います。
 今御指摘ありました点でありますけれども、どのような形で情報を公開することができるのかということに、可能なのかどうかということに関しまして、関係者ともしっかりとお話をさせていただいて、御指摘を踏まえさせていただいてしっかりと検討させていただきたいと思います。
#120
○水野賢一君 いや、関係者と協議というのは、要するに新日鉄とか東京電力とか、大手排出、大手、つまり大気汚染物質をたくさん出している事業者の了解を得ないと駄目だということでしょう。何で了解を得なきゃいけないんですか。
#121
○政府参考人(佐藤敏信君) 先ほどもお話をいたしましたけれども、個人や法人に関する様々な情報が含まれているということもありますし、また繰り返しになりますが、法律において定めがありませんので、企業も含めました関係者の御意見を伺いながら検討をするということになろうかと思います。御理解を賜りたいと思います。
#122
○水野賢一君 いやいや、そんな答弁じゃ質問続けられませんよ。速記止めてください。
#123
○委員長(北川イッセイ君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#124
○委員長(北川イッセイ君) 速記起こしてください。
#125
○水野賢一君 じゃ、そのデータを持っているかどうかだけ答弁してください、まず。
#126
○政府参考人(佐藤敏信君) それぞれの汚染原因者から汚染負荷量賦課金をいただいておりますので、その金額を確定する際に当然承知をしていることになると思います。
#127
○水野賢一君 じゃ、出すのが当然でしょう。じゃ、出すのが当然ということで、それを出せない理由が納得できないというふうに思います。
 速記止めていただきたい。
#128
○委員長(北川イッセイ君) 答弁できますか。
#129
○政府参考人(佐藤敏信君) 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、今日この時点では回答ができないということだろうと思いますけれども、ただいまいただきました御意見をもとに関係者の御意見も伺いながら、また松本大臣ほかの御指示もいただきながら可能性について検討してまいりたいと存じます。
#130
○水野賢一君 何で当該企業にお伺いを立てなきゃいけないんですか。
 早く答えてくださいよ。答えてくださいよ。時間過ぎちゃうから、速記止めてください。
#131
○委員長(北川イッセイ君) 答えられますか。
#132
○政府参考人(佐藤敏信君) 条文で申しますと、個人情報の保護に関する法律の二十三条の中に、「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」とありまして、こうしたことも勘案すると関係者に御意見を……
#133
○水野賢一君 個人情報じゃないじゃない。
 とんちんかんな答弁で、個人情報を聞いているんじゃないんであって、企業の、それで国の持っているあれだから、強いて言うなら情報公開法のどこに該当するのかを答えなきゃとんちんかんな答弁だと思います。
 いや、情報公開法よりも、国会で質問しているんだからそれよりもレベル高く答弁するのが当然でしょう。
#134
○政府参考人(佐藤敏信君) 今もありましたように、もう一つは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の中にも、行政文書の開示義務というところがございまして、個人に関する情報が識別できる場合、あるいは法人その他の団体の場合には事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、例えば、公にすることにより、当該法人あるいは当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものという条項がございまして、こういうことを勘案しましてこの場ではということで御理解をいただきたいと思います。
#135
○水野賢一君 権利、競争上の利益はどのように侵されるんですか、これが発表されると。そこを答えてくださいよ。
 委員長、続けていいですか。
#136
○委員長(北川イッセイ君) はい。水野賢一君。
#137
○水野賢一君 その権利がそもそも侵されないんだけれども、仮にそういう情報でも情報公開法上は公益性があれば大臣の判断で出せるんじゃないですか。大臣、どうですか。
#138
○国務大臣(松本龍君) 情報公開法の話になりましたけれども、十分な検討が必要だと今お話をお伺いをして思いました。よくこれから検討したいと思います。
#139
○委員長(北川イッセイ君) 水野賢一君には、時間が参っておりますのでよろしくお願いします。
#140
○水野賢一君 いや、ただちょっと、ちょっと質疑を止めないで、つまりあなたが、部長が答えてないのは、権利のどこが侵されるのかということをまず答えてないし、情報公開法の請求よりも国会答弁の方が更にあれでしょう、レベル高く情報出すのは当たり前でしょう。その点の二点を答えてくださいよ。
 答弁になってないよ、あなた。
#141
○政府参考人(佐藤敏信君) 御質問でございますけれども、確かに今日この時点でこのデータを公表したことで直ちに当該法人の競争上の地位や正当な利益が害されるか、それが具体的に何かということをお示しすることはできませんけれども、そうしたことも含めて、これまでは非公開としてきておりましたので、今日の御質問を受けまして、関係機関と話をした上で、相談をした上で今後情報開示の可能性について検討してまいりたいと考えます。
#142
○水野賢一君 それでは、この点理事会などで協議をしていただかさせていただいて、時間でございますので終了させていただきます。
#143
○委員長(北川イッセイ君) ただいまの件はまた後日理事会で検討をさせていただきます。
#144
○市田忠義君 今日は、現在行われているCOP10についてお聞きします。
 できるだけ端的、簡潔に御答弁、大臣の認識をお聞きするだけですから。
 まず、条約事務局の報告書によりますと、二〇一〇年までの世界目標はすべてが達成できず失敗だったと、こう結論付けています。こういう事態にジョグラフ条約事務局長は、世界は危険水域に入りつつあると危機感を示しました。大臣も所信で、深刻な危機に直面しているということをお述べになりましたが、改めて生物多様性の損失の危機的な状況について、大臣の基本的な認識を簡潔にお述べください。
#145
○国務大臣(松本龍君) COP10、生物多様性条約第十回の締約国会議ですけれども、今ジョグラフ事務局長のお話が出ましたけれども、先ほども申しましたけれども、今おっしゃった二〇一〇年までのいわゆる生物多様性の損失速度を著しく減少させるという目標が達成できなかったことに対する失望感というか、そういうものが、この間いろんな意味で、開会式もそうですが、その前に九月に様々な国々の人と会いましたけれども、そういう失望感をしっかりくみ上げていきながらポスト一〇年目標を作り上げていくのがまず第一の目標だというふうに思っております。
 もう一点、ジョグラフ事務局長の話がありましたが、ABSの問題でありますけれども、今ティモシー・ホッジスとフェルナンド・カサスという二人が、それぞれ両議長が作業部会の中で必死になって今取り組んでおります。その取組を見守っていきながら、もう十八年たつわけですから、各国の意見に隔たりがある状況は分かりますけれども、COP10において合意を目指していきたいというふうに思います。
 以上です。
#146
○市田忠義君 簡潔に質問したので簡潔によろしくお願いします。
 国連環境計画研究グループの自然資産の損失を経済的に分析した報告を読みますと、過去十年間で毎年二兆ドルから最大四兆五千億ドルですから、日本円で三百七十兆円の自然資産が失われていると、こう結論付けられています。
 これは、リーマン・ショックによる経済危機よりも被害が深刻だと、もし何の対策も取らなかったら五十年以内に漁業は崩壊するだろうと言われていますし、地球上の自然は二〇五〇年までにオーストラリア大陸と同じ大きさの七百五十万平方キロが消失するだろうと。この研究のリーダーであるスクデフ氏は、生物多様性損失で被害を受けるのは貧困層だと、そう指摘して、政府と企業が対応する必要があると、こう訴えられました。
 これも大臣の決意をお聞きしたいんですが、COP10では実効性のある名古屋ターゲットと、法的拘束力のある名古屋議定書が採択できるかどうか、これが大きな焦点になっているわけですけれども、この二つの議定書を採択していく上での大臣の決意、どういう構えで臨むか、もちろん交渉とか様々あるわけですから断定的なことは言えないにしても、どういう決意で臨まれるか、端的に。
#147
○国務大臣(松本龍君) 決意でいえば、就任当時からCOP10というものを成功させなければならないというか、それはずっと思っておりますし、そのために国連に出かけていってスピーチも行いました。十数回バイ会談も行いましたし、そういう意味では日本もABS、先ほど言われた基金が足りないと、お金が足りないというか、七月、九月に作業部会をモントリオールでやったんですけれども、そのときにもなかなかまとまらないということで日本が資金提供して会議の再開をしたりしながら、もうどんどんどんどんやってきました。その思いをやっぱり成就をさせていきたいというふうに思います。
 二〇五〇年までの長期目標ビジョンといいますけれども、おおむね合意をされています。二〇二〇年までの短期目標、ミッションについて、ターゲットと申しますか、についてはEUが意欲的な目標を掲げる一方、そのほかの国からは達成可能な目標というふうに言われておりまして、依然隔たりがありますけれども、片方でやっぱり遺伝資源を守っていかなければならない、片方でそれを利用して医薬品や人類の福祉に貢献をしなければいけない、そういう、そこの共通の利益をしっかり腹に入れながら、議長国としてこれから取り組んでいきたいと思います。
#148
○市田忠義君 遺伝資源へのアクセスと利益配分、ABSについて、作業部会の原案では、生物多様性の保全と持続可能な利用を目的に遺伝資源の利用から生じる利益を公平分配すると、こう規定しています。また、遺伝資源を取得する際、提供国の法制度に従い事前同意を取り利用料などの契約を結ぶと、こういうことになっています。
 今最大の焦点になっているのは、派生物を利益配分の対象に含めるかどうか、これが大きな焦点だと思うんですが、今度の会議の議長である大臣としては、派生物をどのように議定書に盛り込もうと考えているのか。この点について、今言える範囲で結構ですから。
#149
○国務大臣(松本龍君) 大変難しい質問であります。
 議長国の議長として、それぞれABSが抱えている今重要な御指摘の派生物の問題、先ほどお話がありました伝統的な知識の問題、さらに遡及の問題、チェックポイントの問題、それぞれたくさんありますけれども、議長としては、今作業部会で一生懸命二人の議長がこのことについて議論を交わしているところでありますので、そのことの成り行きをしっかり見守りたいし、合意にこぎ着けていただきたいというばかりであります。
 個々の派生物に対する思いをと聞かれても、議長としてお答えするわけにはいかないということだけ御了解をいただきたいと思います。
#150
○市田忠義君 もう少し議長国として積極的な姿勢が私は必要だと思うんですが。
 ワシントン条約ですね、たしか三十年前に定められたと思うんですけれども、個体の部分若しくは派生物を取引の対象というふうにしていますし、国内法である種の保存法でも、希少野生動植物の個体や器官だけではなくて、加工品の取引も禁止の対象にしているという事例もあります。私は、遺伝資源の加工品などの派生物を一概に否定すべきではないというふうに思っています。
 具体的にお考えをお聞きしますが、日本経団連がこの問題について今年の三月に生物多様性条約についての見解を発表しています。遺伝資源へのアクセスと利益配分に対する基本的な考え方と。この中で、イノベーションが阻害され、経済発展に重大な影響を及ぼしかねないという牽制をしています。日本経団連が、合意すべきではないと、今度の会議で、として挙げている事項として、ABSの対象物の範囲を遺伝資源より拡大すると、これ以上拡大するなと。言い換えれば、派生物は対象にしないということを、日本経団連はそういう意見を発表しています。
 大臣は、この主張に対してはどう考えておられるのか。
#151
○国務大臣(松本龍君) 経団連の皆さんともお話をいたしました。イノベーションを阻害をするという話は私はその場では聞いておりませんけれども、先ほど川口先生のときでも発言しましたけれども、ある意味では経団連の皆様にもこの生物多様性にしっかり取り組んでいただきたいという話をいたしました。
 なぜなら、今言われましたように、ルールが決まる決まらないは別として、企業の社会的な責任がある、そして相手国に行って森林を伐採して、動植物、微生物を取っていくというときに、生態系を保存しなければならない。
 生物多様性の一番重要な問題がそこにあるわけですから、そういう意味で、しっかり企業もこれに取り組まなければ、先ほど言いましたコストが掛かるんじゃなくて、私はむしろこれからの時代にあっては投資だというふうに考えていただいて、ビジネスもそこから始まっていく。先ほど言いましたけれども、個々の企業が、企業とやるのか、国とやるのか、国と国がやるのかというルールもまだ、個別の事案ではありますけれども、決まっておりません。
 しかも、派生物というのが、私も正直言って、どこまでが派生物なのかというのも、どこまでがプロダクツなのかというのも、ちょっと私にはそこのところ、いろんな議論を聞いていますけれども、分かりません。だから、タミフルが製品なのか派生物なのか。その後、例えばアメリカが分子構造を組み立てて、もうそこの植物を取らなくても分子構造だけで製品ができるということをやっているという報道を聞きましたけれども、その分子構造も派生物なのかということまで言われると、私にはちょっと理解できません。
 議長国としては、それ以上のコメントは避けたいと思います。
#152
○市田忠義君 日本経団連、さらにCOP10を前にして、国民負担の増大、産業の縮小につながると、そういうことを言い募って、途上国側の法的拘束力のある議定書を牽制していると。先ほど、経団連と話したときにイノベーションの話は出なかったとおっしゃいましたけれども、文書では、イノベーションを阻害するということを明確に言っています。
 それで、別のことでお聞きしたいんですが、さらに日本経団連が、今度の会議で合意すべきでない事項として、特許出願明細書への遺伝資源の出所開示を義務化する、これは合意すべきでないと。遺伝資源の出所開示を特許の成立性、有効性の要件とする、これも合意すべきでないと。一方で、自由な契約締結を促進する仕組みづくりを提言すると。これは、いわゆるボン・ガイドラインに基づいて自由な契約で利益配分を進める仕組みを求めているものですが、これで果たして途上国の理解が得られるのかと。
 議長としてどうお考えですか。
#153
○国務大臣(松本龍君) 難しい質問ばかりできつうございますが、一つは、私はもう経団連とお話をしたときに、そういう、何というか、これは非公式というか、非公式の場でも公式の場でも申し上げたんですけれども、私は民間参画イニシアティブとか、ある意味では経団連とか市民団体とか様々な人たちが入って、そういう文書にはそうなっていると思いますけれども、私は口を酸っぱくして、これからの企業の社会的な責任、まかり間違えばその提供された国と損害賠償があったり、あるいはそこの地域と損害賠償があったり、あるいは訴訟があったりするということがあってはいけないので、どんどんどんどんこの問題には積極的にかかわってくださいよということで、今特許の出願開示とかいろいろ言われましたけれども、そのことについてまさに作業部会、ABSのICGで今議論をされているというふうに承知をしております。
#154
○市田忠義君 私は、大企業なんかがやっぱり企業である限り利潤を追求するのは当然のことだというふうに思っています。しかし、そこには一定のルールがあってしかるべきだと。短期的な目先の利益を優先したら取り返しが付かなくなるじゃないかというのがやっぱり環境問題の基本だし、生物多様性を考える場合にもそれが私は基本だと思うんですね。
 それで、条約十五条には遺伝資源への主権的権利ということも明記されているわけですから、それを踏まえて、やっぱり資源利用国は提供国に適正に利益配分すると、そういう法的拘束力のある議定書の採択、私は、そのことがひいては世界の生物資源及び生物多様性の保全に資することになるし、企業のまともな発展にもそれはプラスになると、こういう立場が大事だと思うんです。そのことだけ述べておきたい。
 ところで、アメリカが生物資源での企業活動が制約されるのを嫌ってこれに参加しないわけですけれども、大臣、COP10の議長として、この条約に加盟していないアメリカに加盟を強く呼びかけるということが私は大変重要だと思うんですが、これまでまだ大臣に就任されて時間がたっていないからそういう気はなかったかもしれませんが、アメリカにそういう働きかけはやられたんでしょうか、これからやられる予定はありますか。
#155
○国務大臣(松本龍君) 先ほどお話をしましたように、大臣になって三日後にニューヨークに行きまして、生物多様性の国連ハイレベル協議でスピーチをさせていただきました。
 はっきり言いますけれども、アメリカと接触することは今日までありませんでした。しかし、これからは必要とあればお会いしなければならないかなというふうに思っておりますけれども、いずれにしましても、アメリカという国はいろんな国々といろんな話はしていると思いますし、生物多様性の条約に入っていないというのはやっぱりハイテクの問題があっただろうと。
 先ほど委員御指摘でしたけれども、企業が目先の利益にこだわっちゃいけない、もっと先の方の、我々の子供や孫たちのために生物多様性を守るんだという大きな志を持って企業も臨まなければいけないという御趣旨だろうと思いますけれども、そこのところを考えてみれば、やっぱりアメリカもこの条約に加わっていただきたいし、いろんな、私は十数か国しか当時は会えませんでしたし、この間COP10の開会式ではG77のイエメンの方がわざわざ一番に手を挙げて、COP10の成功を祈りますという、提供国、言ってみれば貧困の問題や飢餓の問題が一番厳しいG77の方々の代表が、頑張ってほしいという祈りを込めた決意をいただいたときに胸がじいんときましたし、それにこたえてCOP10成功させなければと思いました。
#156
○市田忠義君 日経新聞の十八日付けの社説でも、もうお読みになっていると思いますが、自国産業の利益優先から条約に加盟していない米国には、大国にふさわしい責任を果たすことを強く求めると、こういう社説まで載っているわけですから、やっぱり是非そういう働きかけをやっていただきたい。
 今度のCOP10でもう一つ大事なのは、生態系保全のための新目標、名古屋ターゲット、これが採択できるかどうかですが、この目標案での焦点は、効果的かつ緊急な行動を実施することにより、二〇二〇年までに生物多様性の損失を止めるかどうか。途上国は、二〇二〇年までに生物多様性の損失を止めることを採択するならば、少なくとももう百倍程度の資金の増大が必要と、こう主張をしています。
 まあ百倍に増大するかどうかは別にしても、生物資源が集中している途上国での保護区の設定に対して、恩恵を受けている先進国側の資金、技術などの支援を強化すると。この必要性については、大臣、どんなふうに認識されているでしょうか、額はともかくとしてですね。
#157
○国務大臣(松本龍君) 今委員お話しのように、ポスト二〇一〇年目標とABSの問題、あるいは資金の問題等々、パッケージでやりなさいという意見もあることは承知をしております。
 私は分けて考えて、ポスト二〇一〇年目標については、何としても、先ほど言いました共通の利益というのがそこにありますから、生態系を守る、人類の福祉に貢献をするという、そこのところをくみ上げていきながら、EUが二〇二〇年までにという年限を区切っているのに対して、途上国は年限を二〇二〇年までに、何ですかね、とにかく積極的にやるということがありましたけれども、そこは何とか折り合いを付けていただきたいなと。
 議長国としては、どっちに肩を持つということはなかなかこの場では言えませんけれども、そういう立場でしっかり見守っていきたいな。ミッションの方もポスト二〇一〇年目標もしっかり仕上げていきながら、ABSも作業部会を見守りながら、約二週間ありますので、私は、もう二十九日までの日程の中で、二十六日までに様々いろいろ議論はあるけれどもまとめていただきたいという、最初の全体会合の中で指示をいたしました。
 そのことについてはどこの国からも異論がありませんでしたので、二十六日まで様子を見ていきながら、そして二十七、二十八、二十九と最後の三日間、閣僚級の会議がずっと続くわけですけれども、周りからは三連続徹夜かも分かりませんよということも聞いておりますから、体力を温存していきながら頑張っていきたいと思います。
#158
○市田忠義君 さきに挙げた国連環境計画の報告書を見ますと、地球上の自然資産の消失を避けるために、世界のGDPの〇・一%に当たる四百五十億ドルを自然保護地域の保全に投資し、生態系の回復を目指すと、この重要性を強調している。よくこの指摘を受け止めて考えていただきたいと。
 ところで、OECDの作業部会が五月に日本の環境政策に対する評価と勧告の報告書を公表しました。それを見ますと、生物多様性の損失率を著しく減少させるとした〇二年のCBD締約国会議での合意目標には及んでいないと日本の環境政策の問題点を指摘しています。特に、日本の領土のわずか三・三%が保護地域本来の機能を発揮しているにすぎず、OECDの基準に照らすと大変低いという、こういう指摘があります。
 先ごろ環境省は、COP10に向けて新たに指定拡大すべき国立・国定公園の候補地を十八地域選定されました。この新たな指定拡大でOECDの基準に照らして十分な割合になるのか、また、COP10で先進国側が示している一五%の保護区の設定にどれぐらい接近するのか、分かる範囲でお答えください。
#159
○国務大臣(松本龍君) いろいろ御指摘をいただいているのはお伺いをしております。
 そういう意味では、先ほど国立公園の拡大とか、様々いろんな対応をこれから早急にやっていかなければならないと思いますし、いろんな意味で議長国としてやっぱりしっかり対応を急いでいかなければという思いでありますので、御理解をいただきたいと思います。
#160
○市田忠義君 ちょっと抽象的な答えで極めて不満ですが。
 東京大学の研究チームが領海と排他的経済水域に占める海洋保護区の割合を調査されました。国立公園などの海域公園地区、鳥獣保護区の特別保護地区、禁漁区、これ全部合わせても一%に満たないというふうに言っているんです。日本はCOP10で一五%の目標案を支持して途上国に要請しているわけですけれども、肝心の足下の日本国内の実態とは大きく懸け離れているわけですから、例えば海洋保護区の設定など、まず自らが足下をしっかり固めないと、幾ら一五%を支持するといっても自分の国ではさっぱりじゃないかということではこれ説得力持たないわけで、この点での国内対策をもっと強化すると。
 この点については、大臣、認識いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(松本龍君) 我が国の海洋保護区については、関係府省の協力の下、どのような区域が海洋保護区に該当するかについては検討をしておりますけれども、そのための、今おっしゃられる面積は確定はしておりませんけれども、今後取組を強めていきたいというふうに思います。
#162
○市田忠義君 じゃ、もう時間がありませんが、具体的な問題について聞きます。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、種の保存法と言われていますが、九三年に施行されましたが、国内希少野生動植物種の指定や生息地等保護区の指定が極めて少ないのが実態であります。
 その背景には、生息地等保護区の指定は関係者の同意が必要だと、その同意があった場合にのみ限られると、利害関係者の言わば意向でなかなか指定が進まないという背景があるのは明らかだと思うんですけれども、新しい生物多様性国家戦略でも、種の保存法に基づく新たな指定種の目標は五種、五つですね、程度なんですけれども、やっぱり既存の開発計画を見直して、種及び生息地保護区をせめて国際的な水準に拡大すべきだと思うんですけれども、この種の保存法というのは施行以来十七年間一度も改正されていないんですよ。
 抜本的な改正に踏み出すべき時期に来ているんじゃないかと。いかがでしょう。
#163
○国務大臣(松本龍君) 種の保存法を改正すべきではないかという御意見ですけれども、この法律につきましては、国内希少野生動植物種の指定数が少ないと今御指摘がありました、生息地等保護区が少ない等の課題が指摘をされております。
 そういう点も踏まえて、来年度から今後の希少野生動植物の保全制度の在り方を調査検討することとしており、平成二十三年度予算に必要な経費を要求しているところであります。この中で、種の保存法の改正の必要性も含め、あらゆる施策を総合的に検討していきたいと思います。
#164
○委員長(北川イッセイ君) 市田忠義君、時間が来ておりますので、よろしく。
#165
○市田忠義君 大臣所信で大臣が、大量生産、大量消費、大量廃棄を基本とする社会からの脱却が必要と。私これ全く同感であるわけで、この言葉どおり、やっぱり企業の目先の利益優先じゃなくて、こういう立場で頑張っていただきたいと。
 終わります。
#166
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。
 COP10の開催中でありますから、まずCOP10に関する質問から始めさせていただきます。
 昨年の事業仕分におきまして、私はたまたま環境省の事業の一部を担当いたしました。そのときに初めてCOP10が開催されるということを意識いたしましたし、随分関連の予算がございました。
 その中で、事業仕分の対象となったもので、国際SATOYAMAイニシアティブ構想、これを推進するための国連大学への拠出金についての議論がございました。環境省そのものの予算が小さいので、その中でCOP10を開催しなければいけないということで、私たちもほとんど環境省の事業については予算要求どおりで付けております。
 この事業についても要求どおりといたしましたけれども、その中で出た議論として、SATOYAMAイニシアティブの内容説明が不十分である、目的、効果に対しての説得力が乏しいという指摘がございました。また、事前のヒアリングの段階でも、日本モデルを海外に押し付けるのはやめるべき、あるいは目的はCOP10で発信するためだけにあり説得性がないという指摘もされておりました。
 このSATOYAMAイニシアティブ構想が生まれた経緯、どなたが提唱された概念なのか、学術的な背景ですとか里山の定義、また、この概念を海外諸国に対してどのように説明をされているのか、今回の成果と併せて、まず大臣に御説明いただきたいと思います。
#167
○国務大臣(松本龍君) 里山里地という言葉は私も二十年ほど前から耳にするようになりまして、とりわけ愛知万博が二〇〇五年のときに環境万博として取り上げられて、その私は六年前に実は里地里山に行ってまいりましたけれども、やっぱり二次的な自然という意味では里山をしっかり育てていかなければならないな、外国人になかなか分かりにくいということがありますけれども、いろんなところで話をしていますと、アフリカの皆さんあるいは韓国の大臣とも会いましたけれども、同じようなところがあるよというふうな話をされます。持続可能な自然資源の利用、伝統を生かして自然と共生した社会づくりを発信するために、二十一世紀環境立国戦略において、平成十九年ですから三年前ですね、SATOYAMAイニシアティブを提唱しました。
 このイニシアティブは、農林業等の人間活動を通じて維持形成されている二次的自然環境を広く対象としております。諸外国に対しても、我が国の里地里山の社会経済的な状況も説明しながら、各国各地域においてこの里山に類似するような伝統的な土地利用システムが多くあることを示していきながら、自然共生社会の実現に資することを説明をしてまいりました。
#168
○亀井亜紀子君 次に、生物多様性日本基金についてお伺いをいたします。
 これも事業仕分の際議論になりましたけれども、少ない予算の中でどうしても五十億円は確保したいのだということで要求どおりといたしました。
 この背景にあったことは、COP9のときに議長国のドイツが、二〇一二年までの間に途上国での具体的事業に五億ユーロ、約七百億円の追加的支出を行うと表明をしたと。ですので、議長国日本としても、何か途上国支援でこれに類似する、とても七百億円までは行かないけれども宣言をしたいのだということがあのときの環境省の説明でありました。
 五年間で毎年十億円の追加拠出ということでしたけれども、あのときに私が申し上げたのは、ドイツを意識して五十億円という枠を取りたいのであれば、宣言をするときに、毎年十億円ずつという言い方ではなくて、五十億円五年間で出しますというような言い方の方がインパクトがあるのではないかということを申し上げました。
 そんなことを指摘したのですけれども、その後議論の中でどのようになりましたでしょうか。
#169
○国務大臣(松本龍君) 五年間十億円というのは日本の顔が見えにくいという御指摘だろうというふうに思います。
 仕分のときに亀井先生、委員でやられたことも承知をしておりますけれども、COP10では、にかかわらず、ある意味では地球環境ファシリティー、GEFには拠出を今度日本が一番伸び率が高かったり、あるいは先ほど言いましたように、ABSの資金が、会議の資金が足りないときにはその資金の提供をしたり、いろんなところでやってきております。
 ABSのジョグラフ事務局長もそのことを感謝して、周りの人たちも、ビューローの皆さんも、私はほとんど、新しい大臣ですから面識はなかったんですけれども、本当にみんな感謝をしていただいているということもちょっと頭に入れていただきたいというふうに思います。
 昨年の事業仕分で御指摘を受けて、具体的な拠出の内容や方法等についてはCOP10での成果を踏まえつつ生物多様性事務局とともに検討してまいりたいというふうに思います。日本基金の執行に当たっては、日本の顔が見えるアピールが行えるよう、生物多様性条約事務局に職員を派遣し、その執行管理に当たらせるなど、しっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
 ポスト二〇一〇年目標が採択されることをしっかり私自身も肝に銘じながら取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。
#170
○亀井亜紀子君 是非、日本の顔が見える支援をよろしくお願いいたします。
 次に、コベネフィットアプローチについてお伺いをいたします。
 昨年、コベネフィット型都市開発情報整備費が新規要求されておりました。また、大臣所信の中でもコベネフィットアプローチの途上国での推進という言葉がございますけれども、これが片仮名で私は概念がよく分かりませんので、御説明いただけますでしょうか。
#171
○政府参考人(鷺坂長美君) コベネフィット型都市開発情報整備費ということでございます。
 コベネフィットアプローチといいますものは、大気汚染対策とか水質汚濁対策などの環境汚染対策を推進しながら、またそれが同時に、例えば温室効果ガスの削減を実現すると、こういう二つのベネフィットがあるというような、一つの事業で二つのベネフィットがあると、こういうアプローチをしていこうということで、例えば排水処理のところにいろいろな工夫をすることによって、そこから出るであろうメタンガスを回収してそれを発電に使うということになれば、排水の方もきれいになるし、それからメタンガスを回収するということで温室効果ガスも回収するということで、一つの事業をやることによって二つのベネフィットをやろうと、こういうことでございます。
 こういった単体のコベネフィットアプローチも我々としては進めていきたいと考えておりますけれども、都市化が進む途上国、それを都市政策あるいは都市再開発にも応用していこうという、こういった予算でございまして、特に今、東アジアの途上国においては非常に都市化が進んでおりまして、こういったところに低公害であり、また低炭素に配慮した都市政策という、そういった知見がなかなか十分ではないのではないか、こういうことがございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、低炭素な都市といいますか、例えば交通システムなんかもバスレーンとそれからライトレールトレーンを組み合わせるとか、そういった都市におけるコベネフィット型の都市開発、そういったようなことを調査研究いたしまして、いろいろな事例集を作成する、あるいはその効果を定量的に評価をするという、そういったようなことを整理、検討いたしまして、それらを途上国と情報共有することにより、途上国において環境に配慮した都市開発が行われ、温暖化にも役に立つ、それから途上国の環境汚染にも役に立つ、そういったことを同時に解決していきたいと、こういうような予算でございます。
#172
○亀井亜紀子君 今説明を伺って大体分かりましたけれども、海外で生まれた概念でそれが片仮名になったのか、私は背景は分かりませんが、例えば低炭素都市と言われると分かりやすいんですよね。ですので、なるべくこの片仮名の表現は避けていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 昨今、連日のようにクマの出没が報道されております。その原因として、ナラ枯れの被害が拡大し、山にえさがなくなった、また人間を怖がらなくなったとも言われておりますけれども、どのように現状認識されていらっしゃいますか。
 また、針広混交林の拡大に向けた施策や里山の復元に向けた道筋について環境省に伺いたいと思います。
#173
○国務大臣(松本龍君) クマの問題、昨今、テレビや新聞等で報道されております。私もこのことを深刻に受けております。
 四月から九月末まで、クマの出没目撃件数は七千件と。人身事故は、被害人数は八十四人、うち四人が亡くなられております。昨年より大幅に上回っている状況であることは私も知って、本当に憂慮しております。生息分布については、ここに書いてありますけれども、ツキノワグマが二十五年間ぐらいで一・二倍に拡大していることが明らかになっています。
 専門家によれば、クマ類の生息域が拡大をしている主な原因は、中山間地での人口減少等により、手入れの行き届かない、先ほど言われた里地里山がクマ類にとって生息しやすい環境になっていること、また、「熊撃ち」という本を去年読みましたけれども、狩猟者の減少や高齢化によって狩猟の頻度が減っていること等、いろいろ考えられますけれども、特に今御指摘のように、本年については主要なえさであるドングリ、ブナとか、ナラ枯れとかいう言葉がありますけれども、そういう全国的に不作のためにえさを求めて人里まで出没していると考えられています。
 ナラ枯れにつきましては原因の一つというふうに考えられますけれども、今回の突発的な大量出没と直接関係があるかどうかは、私にはちょっと分かりません。各地における注意喚起や捕獲など個別具体的な対応について、地域において実情を踏まえつつ創意工夫を凝らしながら実施していくことが重要だと思っています。
#174
○亀井亜紀子君 答弁を伺いながら一つ地元のエピソードを思い出しましたけれども、農家なんですが、クマを捕まえて麻酔銃で撃って山に戻すわけなんですけれども、一日、二日で戻ってくるそうです。ですので、殺してほしいというようなことを言われたこともございます。地元で、そうですね、現場でヒアリングをしながら対策を進めていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次は、森林・林業再生プランについてお伺いをいたします。
 私、これは農水省に対する質問かと思いましたら、担当が国交省だということで驚きました。もしかすると日本の森林・林業の計画というのは林道と密接に関係をしていて国交省の担当なのかしらと思ってしまったんですけれども、いずれにしても今森林の再生は急務だと思います。
 その中で、再生のベースとなる地籍調査、これを進めることが私は先決だと思います。聞くところによりますと、まだ全体の四割程度しか調査が終わっていないので、だれがどこの森林を保有しているのか全く境界線が分からない。しかも、その調査をする人員が足りないということです。そこで今回補正予算でも、国民新党はこの地籍調査を推進するようにということを強く申し入れました。
 実際に、どのような進捗状況なのか、そしてどの程度人員が不足しているのか。そして、もしこれを進めるのであれば、例えば土建屋さんが建設工事をする代わりに、若者が地籍調査で山に入るということも可能だと思いますので、人員の不足状況等を御質問いたします。
#175
○政府参考人(内田要君) 国土の保全でございますとか活用というものの基本的情報という観点で、恐らく国土交通省が担当させていただいているのだろうと思います。
 御質問のございました地籍調査、進捗状況でございますけれども、平成の二十一年度の時点におきまして、全国で四九%でございます。ただ、林地の場合は全国平均より進捗率が低うございまして、四二%というふうになってございます。
 亀井先生御指摘のように、森林・林業の再生プランの推進を図る上では、やはり森林施業の集約化を効率的に実施することが必要でございますが、そのためには境界の明確化ということが不可欠であると考えております。という観点から、地籍調査の推進が大変重要であると私どもも考えております。
 また、人手というところございますが、特に森林は境界確定をなされる方が高齢化されておったり、いろんな問題がございますが、雇用面では事業費の相当部分、我々の試算では八割ぐらいですが、人件費であるということですから、この調査を実施して相当の雇用効果が見込まれると、やはり御指摘のように考えております。また、今月の八日に閣議決定されました円高・デフレ対応のための緊急総合対策におきましても、地籍整備の加速ということで盛り込んでいただいたところでございます。
 ただ、地籍調査は市町村が実施主体となっておりますが、市町村等でございますが、国としては市町村の負担を軽減いたしますため、本年度より、境界情報整備のニーズが非常に高かったり、御要望も非常に多いものでございますから、国が山村の境界の基本調査をまず実施いたしまして、円滑に地籍調査が実際動いていくというようにやっていきたいということでございます。
 林野庁とも引き続き連携しまして、一生懸命取り組んでいく所存でございます。
#176
○亀井亜紀子君 是非、推進をよろしくお願いいたします。
 次に、森林の売買についてお伺いをいたします。
 森林というのは水源地でありますので、森林を国が管理することは非常に重要だと考えております。現在、森林が売買されても地方自治体が把握できない状況にあり、また、一部投資目的で外国人が取得した森林もあると聞いております。この現状について、今どのように認識をされていらっしゃいますか。
 また、森林の取得の届出を義務付ける法律が今はないということを伺ったんですけれども、そうであるならば、その法律の整備は急務であろうと思いますが、その点も含めて農水省の政務官にお答えいただきたく思います。
#177
○大臣政務官(松木けんこう君) 三年ぐらい前から、何かどこかの国の人がいっぱい買っているんじゃないかというような話が随分来ていたそうでございまして、今年の四月に都道府県に対して通知を発出しまして、関連情報を入手した場合は速やかに林野庁に報告することを徹底したわけでございます。
 そして、これを受けて、五月の二十八日に一件、そして九月の七日に八件、北海道からですけれども、外国資本等による森林取得事例について報告がありました。そして、これをまた受けまして、全国で今調査中でございまして、来週の火曜日ぐらいだと思うんですけれども、ある程度の結果が分かるということになってございます。北海道の調査手法等、情報提供を行ってしっかりやっていきたいなというふうに思っております。
 うちの省の課長も、この八か所というのは現地調査をずっとしたそうでございます。そして、これ、やっぱり平成十八年から二十一年、このぐらいのところをしっかり調べたいというふうに思っております。
 そして、あとは、投資だとか、水を盗むんじゃないかとか、木をどうのこうのとかっていろんな話は実はあるんですけれども、これはいろんなことで規制されていますんで、そう簡単に勝手なことが実はできないようになっていまして、保安林制度や林地開発許可制度なんかもありますんで、勝手に持ち主が何でもできるということではないというふうに思います。
 そして、これを規制する法というものを早急に作るべきじゃないかということでございますけれども、それに関してはしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。
#178
○亀井亜紀子君 規制があるということですけれども、いずれにしても国がその売買をすぐに把握できる状態を整えていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 フードマイレージという言葉があります。食べ物が食卓に届けられるまでにどれだけCO2を排出したかという概念でして、遠ければ遠いほどその輸送の段階でCO2が排出されるわけですから、地球環境にはよろしくないということで、これは日本でいう地産地消の考え方だろうと思います。少しずつ、特にイギリスなどで広まってきておりますけれども、このフードマイレージに関連付けて、日本では地産地消という概念がありますということを環境省は世界に対して発信をしていらっしゃいますか。
 また、私はこの考え方というのは、今後、EPAですとか、いつも農業分野のことが問題になるわけですけれども、そのときに、単純に日本の農業が壊滅するからということだけではなくて、CO2排出、その温暖化対策であるという視点で、日本側から外交的に戦略をつくっていく、理論をつくっていくことが可能じゃないかと思っています。
 そういう視点もございますので、今回のCOP10などでも地産地消という言葉、たしかどこかに出てまいりましたけれども、今まで発信をされたことがあるかどうか、お答え願います。
#179
○国務大臣(松本龍君) 今、私の二十年来の実は思いでありまして、地産地消というのは食べ物だけではない、製品あるいは様々なものを地産地消、地域の循環型社会をつくらなければならないと思っています。
 市田先生がおっしゃいましたけど、大量生産、大量消費、大量廃棄とありますけど、私、その下に付け加えて大量流通も改めるべきだと書き加えました。大量流通というのは、今おっしゃったように、やっぱりイギリスでもういろいろやられている、問題意識があったように、昔、「スモール イズ ビューティフル」というシューマッハーが書いた本にもそのことが書いてあって、もう地域で何でも完結するべきだろうと。
 ですから、先ほど言った森林も、例えばドイツの森で取った木を日本に運んでかまぼこ板にするとかいう話、菅総理がこの間言っていますけれども、やっぱり地域で様々な製品とか食べ物も完結していく、そのことが大事だろうというふうに思っています。
#180
○亀井亜紀子君 私も同感でございますので、是非よろしくお願いいたします。
 それでは、最後の質問ですけれども、地熱発電の可能性についてお伺いをいたします。
 先日、地熱発電所で大変痛ましい事故がございました。残念なことでありますけれども、初めて地熱発電所というものがメディアに載ったのではないかなという気がいたします。日本は資源のない国ですけれども、地震大国、温泉大国、火山はたくさんありますから、地熱エネルギーというのは再生可能エネルギーとして日本では有望だろうと私は思います。
 これは経済産業省が担当だということですけれども、この地熱発電の可能性について、また今後の調査ですとか推進についてどのようにお考えでしょうか。
#181
○大臣政務官(田嶋要君) 余り知られていないということでございますけれども、実際には全国で今十八か所行われてございます。大体、温泉地域と大体一緒でございまして、リストを見ると東北と九州に集中しておるわけでございますけれども。
 この六月にエネルギー基本計画、閣議決定されましたけれども、その中でも地熱発電に関しての導入拡大を目指すということではっきり明記をしておるところでございます。もちろん、CO2を排出しない再生可能エネルギーであるということで、安定的な電力供給可能な純国産のエネルギーの一つであるというふうに認識をいたしております。
 そしてまた、現在、再生可能エネルギーの全量買取り制度、検討中でございまして、今、余剰電力の買取りは既に始まってございますけれども、この地熱発電も全量買取り制度の買取り対象とする方向で現在検討中でございまして、地味ではあってもしっかりと応援をしていくというふうに経済産業省は考えてございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#182
○亀井亜紀子君 風力は騒音問題があってなかなか進んでいかないところもございますので、地熱というのはかなり私は可能性があるのではないかと思っております。その点、是非、推進、検討をよろしくお願いいたします。
 それでは、時間でございますので、質問を終わらせていただきます。
#183
○委員長(北川イッセイ君) 本日の調査はこの程度にとどめて、これにて散会をいたします。
   午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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