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2010/10/21 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 国土交通委員会 第2号
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2010/10/21 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 国土交通委員会 第2号

#1
第176回国会 国土交通委員会 第2号
平成二十二年十月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                藤本 祐司君
                室井 邦彦君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                長沢 広明君
    委 員
                池口 修次君
                川崎  稔君
                小見山幸治君
                輿石  東君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                藤原 良信君
                安井美沙子君
                米長 晴信君
                岩井 茂樹君
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                中原 八一君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                白浜 一良君
                上野ひろし君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   馬淵 澄夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   東  祥三君
       国土交通副大臣  三井 辨雄君
       国土交通副大臣  池口 修次君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       津川 祥吾君
       国土交通大臣政
       務官       市村浩一郎君
       国土交通大臣政
       務官       小泉 俊明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      大森 雅夫君
       国土交通省自動
       車交通局長    中田  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (社会資本整備及び公共投資の在り方に関する
 件)
 (高速道路網の整備及び料金無料化に関する件
 )
 (海上保安体制の強化に関する件)
 (河川管理の在り方及び八ッ場ダム建設事業に
 関する件)
 (建設産業の経営環境に関する件)
 (社会保障の観点からの住宅施策の充実に関す
 る件)
 (「交通基本法」に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に厚生労働省労働基準局長金子順一君、国土交通大臣官房建設流通政策審議官大森雅夫君、国土交通省自動車交通局長中田徹君、国土交通省港湾局長林田博君及び海上保安庁長官鈴木久泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小泉昭男君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○小見山幸治君 おはようございます。
 この度、この夏の参議院選挙におきまして岐阜県選挙区より初当選いたしました民主党・新緑風会の小見山幸治でございます。何とぞ御指導賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 今回、国土交通委員会への所属を希望いたしましたところ、希望どおり国土交通委員にさせていただき、あわせて、この度、最初の委員会におきましてトップバッターにて質問させていただきますことに、関係者の皆様に御配慮をいただきましたことを心から感謝申し上げます。
 また、馬淵国土交通大臣におかれましては、私の選挙に際しまして、公務御多忙の中、選挙区にまで応援に来ていただきましたことに、この場をお借りいたしまして、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
 さて、我が国が国際経済社会及び国民生活を取り巻く変化に的確に対応していくためには、課題解決型の政策展開が必要となってまいります。当委員会における一昨日の馬淵大臣の御発言をお伺いいたしましたが、大臣の国土交通行政に対する認識、すなわち国土交通行政は国土の背骨であり、国民生活の背骨であり、地域経済を支える産業の背骨であるという三つの観点からの認識については、私も同じ思いであります。
 そこで、改めて社会資本整備についてお伺いをいたします。
 馬淵大臣は、国土交通行政は国土の背骨であり、国土の礎となる社会資本整備のあるべき姿をしっかり示して、これを実現してまいりますと述べられましたが、国土の礎となる社会資本整備のあるべき姿について、具体的にどのようなお考えをお持ちか、お伺いをいたします。
#6
○国務大臣(馬淵澄夫君) 小見山委員、トップバッターとして初質問ということで、私も初答弁ということでしっかりとお答えさせていただきます。
 今御指摘いただきました国土交通行政に対する社会資本整備のあるべき姿についての認識ということでございますが、昨年一年間、私ども、政権交代後、公共事業費の削減、見直しということを行ってまいりました。これはいわゆる公共事業そのものが問題だということではなく、一度膨れ上がってしまった、あるいは無駄とされているようなものはないかということで徹底的に見直しを図るということで昨年一五・三%の削減を行ったわけでありますが、一方で、必要な事業、当然これは今後の維持管理あるいは更新なども含めた検討を十分行いながら必要なものというものを確保していかねばならない、この観点に立って我々は公共事業、社会資本整備を進めるべきであると、一年間そういった取組を行ってきた思いでございます。特に、選択と集中ということを行っていこう、さらには、その選択と集中をするためには事業評価そのものを見直していこうということで取組を行ってまいりました。
 そして、今回、私が皆様方に所信で申し上げたのは、こうした社会資本整備のあるべき姿、かつて高度経済成長におきましては、それこそ開発行為そのものが経済対策であり、あるいは地方の発展、地域への再分配という機能を果たしていた。しかし、今日ある程度概成した中で真に必要なものは何なのかということを抜本的に見直す必要がある、長期的な国土の発展を見据えながら計画を立てる必要がある、これがまさに社会資本整備重点計画であると、このように位置付けました。
 今回、この社会資本整備重点計画の見直しということを社整審並びに交政審の計画部会で御審議をいただいております。私どもとしましては、そこに予断を持って何か方向を付けるのではなく、委員の皆様方に活発な御議論をしていただきたいというふうに思っております。
 その上で、必要な社会資本整備、地域が要望する、あるいは需要を創出するような社会資本整備というものをしっかり計画上定めて、さらには、私、地域経済の柱でもあると申し上げた建設あるいは運輸、観光といった私どもが所管する産業の育成という意味で地域への再分配を果たしていく。また、掘って穴を埋める式の公共事業ではないという意味においては、真に効果のある経済対策という、この三つの観点から進めていくべきであると、このように考えて所信を申し述べたところであります。
#7
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 重要なことは、国土交通行政のこれからの方向性、そして社会資本整備の方向性を国民に分かりやすく示すことだと考えます。そして、大臣も御指摘されましたように、公共事業予算の見直しでは、地域の実態に応じた需要創出、地域活性化が重要であります。
 そこで、社会資本のあるべき姿と連動いたしまして、国土ミッシングリンクの解消に関連して質問させていただきます。
 緊急総合経済対策では国土ミッシングリンクの解消が位置付けられておりますが、馬淵大臣も一昨日の発言において、その施策展開を着実に進めていく旨、言及されておりました。
 改めてお伺いいたします。国土ミッシングリンクの解消に係る施策とは具体的にどのようなものでしょうか。馬淵大臣の御所見をお伺いいたします。
#8
○国務大臣(馬淵澄夫君) このミッシングリンクでございますが、高規格幹線道路、まさに国家の背骨となる主要な私はインフラであるというふうに認識しております。これらのネットワークとして成立しない、欠けている部分、このミッシングリンクと称される部分については、早期の整備が必要であると、このように私、申し上げたわけでありますが、この必要な事業を効率的に進める方法、これをしっかり考えなければならないと思っております。
 現時点においては、総延長一万四千キロに対しまして、供用中の延長は九千七百三十二キロで、残りの約四千二百キロ、これがミッシングリンクとなっております。事業中のものが二千八百キロでございますから、一千四百キロがこれまだ未事業化の延長となります。
 この中で、これをすぐに現行の道路規格に合うもので整備を行うということであればこれまた大変な財源が必要といたしますが、現道の利用など、これ知恵を働かせていく必要があると思います。さらには、事業評価をしっかりと、まあこれは事業評価の中身、方法ですね、そして仕組みそのものも見直して優先順位を定めていくと。かつては、この優先順位がはっきりしないのではないかという御議論もございましたので、私どもとしてもできるだけ国民の目から見て透明性の高い、客観性の高い公平性の取れた事業評価の成果、結果というものをお示しをして、現在、ネットワークとして成立していない高規格幹線道路の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#9
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 国土ミッシングリンクの施策目的には、地域経済の活性化を図るための主要都市間等を連絡する高規格幹線道路等のうち未整備の部分が国土ミッシングリンクの解消施策に位置付けられているということを確認することができました。
 ここで、高規格幹線道路の例として、三大都市の環状道路の一つである東海環状自動車道について触れさせていただきたいと思います。
 現在の高規格幹線道路の整備状況を見ますと、先ほど大臣の御発言にもありましたように、その進捗率は二十二年度末で七〇%であり、特に東海環状自動車道の区分領域である一般国道自動車専用道路の進捗率については四八%という状況になっており、必ずしもネットワークとして形成されているとは言えません。国の根幹的な社会基盤でもある東海環状自動車道西回りの今後の見通しについて馬淵大臣のお考えをお伺いいたします。
#10
○国務大臣(馬淵澄夫君) 東海環状自動車道は、私も度々いろんな各方面から御要望、陳情を受けております。現時点においては、これ東海環状自動車道総延長百六十キロで、名古屋圏環状道路ということで、東回りの七十六キロ区間が開通済みということでございまして、これはもう既に開通部分には様々な製造業を始め事業者が誘致をされているということで、効果が十分に発現しているという状況だと思います。
 この西回り区間についてということだと理解をしておりますが、こちらも早期整備に対しての要望というのは非常に高く私どもの方にも寄せられておりまして、今後、名神高速道路あるいは東海北陸自動車道、新名神高速道路と接続する区間、これらに順次整備を進めていかねばならないというふうには考えております。
 現時点におきまして、私どもとしては、まず、重点的に早期に効果が発現するところということで、供用開始年度の早いものについては徹底的に整備を進めるということを申し上げてまいりましたので、現在、岐阜の大垣西インター、ここと養老ジャンクション、この間をつなぐということで、これ平成二十四年に岐阜国体が予定をされているということでありますから、平成二十四年秋の岐阜国体の開催までに開通すべく現在、橋梁工事などを実施しておりまして、これは何としてでもこういった岐阜の皆様方の要望にこたえるべく進めてまいりたいと、このように目標を定めて頑張っているところであります。
#11
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 地域活性化の観点から、潜在的な需要創出の可能性のある公共事業をターゲットとする戦略こそが真のインフラ整備のための戦略だと考えます。東海環状自動車道は、先ほど大臣からのお話もありました、二〇一二年でございますけれども、ぎふ清流国体を控えているものの、いまだ西回りが開通していない状況でありますので、安定的な予算措置をお願い申し上げます。
 次の質問に移らせていただきます。
 さきの梅雨前線による大雨の被害により、岐阜県、広島県、鹿児島県などを中心に大きな被害が生じました。全国で一連の災害でお亡くなりになられた方々、また御遺族に心からお悔やみを申し上げ、被災された方々へ心からお見舞いを申し上げます。二度とこのような災害において人命を落とすことがないよう、財産を失うことがないよう対策を打っていかなければならないと考えております。
 私の地元岐阜県においても、可児市及び八百津町にて死者四名、行方不明者二名、局地的な豪雨による中小河川の溢水と車両被害等甚大な被害が出ております。当該災害において、農地、農業用施設につきましては激甚災害の指定がなされ、八月二十五日に本激に指定されているものの、公共土木施設災害については、公共土木施設の被害は基準額に達しないため、本激、局激とも指定は行われておりません。一方で、地元からの公共土木施設災害への激甚災害指定に関する要望は日増しに強くなっております。
 このような中、菅総理は、七月十八日に岐阜県の被災現場の視察に行かれました。その際に、岐阜県知事が災害復旧と激甚災害の指定に関する要望を行ったところ、国民にしっかりした対応ができたと言われるように努力すると回答されました。また、中井前防災対策大臣におかれましても、八月五日の予算委員会において、今の激甚指定のやり方では到底適用ができない法と現実との乖離がある、ここを現実的に適用ができるような改正をやるべきだと考えている旨の発言をされております。
 東内閣府副大臣に、現在の激甚指定の要件緩和に向けた具体的な取組状況についてお伺いをいたします。
#12
○副大臣(東祥三君) まず初めに、小見山委員、デビューおめでとうございます。二十五年間お仕えになってきた松田岩夫先生にも私、大変お世話になりまして、そこで鍛えられた、また信念にも書かれておりますけれども、国民の不安を払拭し、そして新しい未来をつくっていく、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
 御質問に答えさせていただきますが、今現在も、三日前から奄美大島におきまして、私たちの想像を絶する豪雨が起こっております。そういう意味で、本年六月十一日から七月十九日までの梅雨期豪雨や、九月四日から九日までの台風第九号などによって全国各地で大きな被害が発生しております。被災地の皆様には心からお見舞い申し上げる次第でございます。
 これらの災害に対して政府としてはこれまでに、一つ、住宅に大きな被害を受けた被災者を支援する被災者生活再建支援制度の拡充、これによって小見山議員の地元であります岐阜県八百津が適用にもなっております。また、二つ、農地等の被害について激甚災害に指定することなどによって被災地の復旧復興を支援してきたところでございます。
 なお、公共土木施設にかかわる激甚災害制度の指定について、局地的豪雨による被害の実態との間で御指摘のとおり乖離があるのではないかとの声も聞かれるところであります。このため、公共土木施設等にかかわる現行の激甚災害指定基準について、局地的豪雨等による被害の実態等を踏まえながら検討し、現在、関係機関との間で調整を行っているところでございます。
 その上で、局地激甚災害指定基準というのは、当該市町村の災害復旧事業等にかかわる査定事業費が標準税収入の五〇%、これを上回ることが要件となっております。局地的豪雨による被害の実態等を踏まえながら、基準について現在検討しているところであります。
 いずれにいたしましても、豪雨災害対策については今後とも関係省庁と連携して万全を期していきたいと思っております。
#13
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 現在検討されているとのことでありますので、より一層スピードを上げて御検討を進めていただきますようお願いをいたします。
 私が聞いております範囲では、国土交通省においても査定作業が進んでいるということでありますが、前原前国土交通大臣も、九月九日に岐阜県知事からの要請が行われた際、早急に取りかかりたいと述べているとともに、九月十一日には岐阜県多治見市において、基本的には遡及した形で見直すべきだ、局地激甚災害指定のルールを緩和して見直す方向だと述べられたと聞いております。
 なお、馬淵大臣も、副大臣でいらっしゃった七月二十八日に岐阜県から要望があった際、要望を直接受けていただいておると聞いておりますが、前大臣の発言も含め、国土交通省としての意気込みはいかがなものか、また、馬淵大臣御本人としての意気込みについてもお伺いをいたします。
#14
○国務大臣(馬淵澄夫君) 大変な被害に見舞われた方々に私も心からお見舞い、お悔やみを申し上げたいと思っておりますが、今御指摘のこの激甚災害の指定の見直しに関しましては、先ほど東副大臣から御答弁ありましたように、内閣府において一義的には検討がなされております。その上で、私どもとしても積極的に必要な資料というものを提供してまいっておりますし、また今後も御協力していきたいというふうに考えております。
 現時点におけるこの災害査定の問題でございますが、災害査定につきましては、九月の十三日から十七日、本省河川局並びに中部地方整備局から災害査定官、これを派遣をしておりまして、全箇所の災害査定、これを行い、現時点において終了しております。
 工事費の決定を受けて自治体においても速やかな復旧が行われるものと考えておりますが、今後も私どもとしましては、一義的には内閣府における議論ということでありますが、必要なこの災害の問題に関しての我々の持つ情報あるいはデータ等につきましては、しっかりと提示をしながら議論をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、今回、可児川の被災箇所におきましては、岐阜県から河川拡幅などの治水安全向上のための災害関連事業などの要望がございまして、これにつきましてもしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、この激甚災害への対応というものは、昨今、ゲリラ豪雨を始め、大変大きな被害が発生しておりますので、政府一体となって取り組むべき課題だというふうに考えております。私も副大臣時代に要望を受けておりますし、前原前大臣の発言も十分承知している中、国土交通省としてサポートできる部分というものをしっかりと提示してまいりたいと、このように考えております。
#15
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 馬淵大臣は中央防災会議のメンバーでもありますので、被災地の復旧を第一に、現場に届く災害対策、復旧支援、防災対策に必要な予算がしっかりと配分されるように激甚指定要件緩和に向けたお力添えをよろしくお願いいたします。また、国土交通省においても、積極的に災害復旧事業を展開されるよう、よろしくお願いをいたします。
 最後に、四車線化事業について要望させていただきます。
 全国各地において、通行量が多く渋滞や事故が多発している道路の四車線化に対する要望は高く、各地域とも地元では一日も早い四車線化が望まれており、期待も高まっております。
 私の地元におきましても、大型トラックの通行量が多く、特に、冬場はスキー客が多く利用いたします東海北陸自動車道の四車線化に対して大きな期待があります。選挙区に戻りますと、私もよく通る道路でありますが、ただでさえ危ない状況の中、中央分離帯がないため、とても大きな不安を感じながら通行しております。片側一車線の暫定二車線区間において、休日や観光シーズンに大渋滞が発生し、大変な不便が生じております。
 特に、日本で三番目に長い全長十キロの飛騨トンネル内を通行する際は、対向車が飛び出してきたらどうなるだろうかという恐怖感をいつも感じながら通っております。ちなみに、長さ日本一の関越トンネル、二番目に長い山手トンネルは既に四車線化、上下分離となっております。
 また、飛騨高山や白川郷等の文化遺産による渋滞対策等交通円滑化の必要性や、日本海と太平洋を結ぶ幹線道路ネットワークの整備の観点からも、地元から四車線化の要望が非常に高い道路であります。全国各地域の四車線化事業の早期実現、また東海北陸自動車道四車線化の早期実現に向けた更なる御努力をお願い申し上げまして、私の質問の時間が終了いたしましたので、質問を終わらさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#16
○安井美沙子君 おはようございます。民主党の安井美沙子です。
 七月の通常選挙で愛知から当選をさせていただきました。これまではコンサルタントや政策シンクタンクの研究員として行政改革や地域の活性化、農政や食の安全について研究、提言活動を行ってまいりました。本日は、議員として初めて質問の場に立たせていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
 本日、早速ですが、馬淵大臣が所信表明で言及されました三つの背骨の各分野から質問をさせていただきたいと存じます。
 まず一点目は、国民の背骨、その中でも国民の安心、安全にかかわる質問です。
 先日の尖閣諸島沖の漁船衝突事故を受けて、私自身も領海警備の重要性を再認識したところでございますが、多くの国民の皆様も同じ思いでいらっしゃることでしょう。ここで改めて、最前線で警備業務に当たっていらっしゃる海上保安官の皆様に敬意を表します。
 さて、本件におきましては、中国人船長の逮捕と釈放のプロセスをめぐる政府の介入の有無に関して、国会の場でエンドレスの追及が続いています。それはそれで重要な確認事項ではありますが、限りある国会審議の時間をそればかりに費やすのはいかがなものでしょうか。
 私は、むしろ今回の事件を受けて、国民の安全を守るための海上保安体制はどうあるべきかを大至急検討するべきだと考えております。尖閣諸島沖の漁船衝突事故はまだ解決したわけではありませんが、現段階で総括するとしたら、海上保安の面でまず取り組むべきことは何でしょうか。
#17
○国務大臣(馬淵澄夫君) シンクタンクでも政策に深くかかわってこられた安井議員が初質問ということで、今回この国家の背骨の中でも住民の安全、安心という課題から、尖閣問題に絡んで海上保安庁の体制ということでの御質問ということで、しっかりまたお答えをさせていただきたいと思います。
 現時点において、この海上保安庁の体制強化というものは、これは私は極めて重要な課題だと思っております。今回、就任をいたしましてから一か月間、尖閣の問題が発生して、この海域に対する国民の皆さん方の関心高まっておる中で、ある意味、海上保安庁のその役割というものが大変高く注目あるいは評価される、そういった局面だというふうに思っております。
 現時点における体制は、大型巡視船の常時配備、また情勢に応じて体制強化ということでございますが、これではまだまだ不十分であると、このように考えておりまして、二十三年度の概算要求においてはこれの大幅な増強というものをこれは要求をいたしております。特に、現時点の配備の中でまだ十分ではないという大型巡視船、あるいは荒天下の中での航行能力を備えた、夜間監視能力を備えたものということでありますが、航続性、高速性を備えたヘリコプターの配備等、非常に重要な艦艇なり、あるいは人員におきましても増員ということも含めて考えなければならないと思っております。
 現時点は海上保安庁の職員が今置ける体制の中で最大限の努力をしてもらっておりますが、我々政府側は、まずはこの増強、拡大展開ということもしっかりと踏まえなければならないというふうに考えております。
#18
○安井美沙子君 今回の事案は領海をめぐる海上保安体制が焦点となりましたが、実は懸念はそれだけにとどまるものではありません。私の主な政策テーマである食料安保にも密接にかかわる問題です。食料の六割を多くの国から輸入していること、またその大部分が海運で持ち込まれる事実を踏まえたとき、海上保安は国民一人一人の生命、生活に直結する問題として再認識されるべきであると考えます。さらに、マラッカ海峡沖で横行する海賊被害は、石油や天然ガスといった日本経済の生命線である資源確保の問題でもあります。
 馬淵大臣は、海洋政策担当大臣でもあられ、海洋政策全体の責任者でもあられることから、海洋政策全般の見直しについてお伺いします。
 海上で起きる治安、安全保障、通商、運輸、海難、漁業、港湾、環境などの問題に個別に対処するのではなく、骨太の方針に基づいた対応が望まれるところですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。特に、様々なレベルでの国際協力、連携がこれまで以上に必要なのではないでしょうか。
#19
○国務大臣(馬淵澄夫君) 多角的な観点からの質問をいただき、ありがとうございます。
 先ほど、海上保安体制に関しましては強化ということを申し上げました。ちょっと人的なところで少し補足させていただければ、現時点においては事案対処能力強化ということで、いわゆるオペレーションルームにおける全体の運用司令というものをしっかりと強化したいということで、ここは人員強化を図りたいと思っておりますし、また巡視艇などのクルー、このチームを二体制ということで複数クルー制の拡充などを考えておりまして、今回も三百四十五名の増員を要求しているところであります。
 これは海上保安体制でありますが、全体の海洋権益ということは極めて重要でありまして、今般、国民的に海というものに対して、我々の領海、領土というだけでなく、資源も含めて大変重要な役割を果たしている海洋国家という位置付けの中で全般的な施策を展開していかなければならないと、私もそのように考えております。
 この一か月間、本当にそういう意味ではこの海洋に関する皆さん方の認識が高まっておりましたので、とりわけこのエネルギーですね、資源に関しましては、原油あるいは鉄鉱石などの工業原料から、あと小麦、大豆、食料の大部分がこれは輸入に頼っているということから、こうしたエネルギーあるいは食料、これらを守るということにおきましては、海洋政策の重要性を改めて認識しなければならないと思っております。
 私、現時点におきましては、まず海上保安あるいは海洋権益といった縦割りではない形で、海洋政策として、私は国土交通大臣でもありますが、海洋政策担当大臣として、まずこの一か月、私自身が見聞きしてきたことから政策を整理をして、縦割りではない全般的な海洋政策としての実行をまた皆様方に御提示をしてまいりたいというふうに思っておりまして、またさらには、国際協力体制という意味では、これも油の除去とか、我々日本側が持つ知見あるいは高い技術を海外に展開をしていく、さらには海事、海運事業に関しましても、IMOの更なる強化ということも含めて全般に、これこそ海洋政策として取組を強化するということを打ち出してまいりたいというふうに思っておりますので、また近々、委員の皆様方にも御提示をさせていただきたいというふうに思っております。委員の問題認識というのは私も共通のものを持っているということを改めて付言をさせていただきます。
#20
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 尖閣の問題を契機に、海上保安及び海洋政策全般に関する建設的な取組についてお伺いできました。国民の安心、安全を確保するために更なる御尽力をお願いいたします。
 次に、国土の背骨、すなわち社会資本整備について質問をさせていただきます。
 社会資本の整備に当たり、これまでの事業別の補助金に代わって、地方の裁量を増やす目的で社会資本整備総合交付金制度が今年度から導入されました。民主党のマニフェストの一丁目一番地である地域主権へのステップとして大変注目しております。制度創設の趣旨、ねらい、予算規模と現段階での交付状況について教えてください。さらに、今後の事業評価と予算配分の方針についてもお聞かせください。
#21
○国務大臣(馬淵澄夫君) この社会資本整備総合交付金制度でございますが、これは前原大臣の下、政権交代後に、一括交付金化の先取りとして、我々国土交通省で所管する事業の中でも、それまでも交付金ございましたが、これをまず一括で地方の皆さん方の使い勝手のいい交付金に変えていこうということでつくったものでございます。
 平成二十二年度におきましては、これは二兆二千億円、これを創設いたしました。この二十二年度二兆二千億円ということで、この中身については、制度創設の段階でいち早いシームレスな執行ということを要望をいただいておりましたので、私どもとしても、それを期待されている側として順次御要望の中でこの交付金の利用について御説明を申し上げたわけでありますが、結果的には継続事業、これについて大半となっております。二兆二千億のうち経過措置の適用を受けた継続事業がある、これは二兆一千六百七十七億でございますので、その意味では新たな計画を策定して御提示いただくというところはまだまだ十分ではなかったと思っておりますが、今後、それこそ使い勝手のいいという交付金ということで繰り返し説明を申し上げてまいりましたし、今後は一括交付金化という流れがございますので、自治体の皆様方に十分御理解をいただいて進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#22
○安井美沙子君 今大臣が御答弁で言及されましたように、地域主権の実現へのメルクマールとして一括交付金の議論が進められています。社会資本整備総合交付金は将来的には府省の枠を超えた一括交付金に発展すると理解してよろしいのでしょうか。また、そうであれば一括交付金はいつごろ導入される見込みでしょうか。現在、一括交付金については政府の地域主権戦略会議と各府省庁で協議が進められていることと思いますが、国土交通省としてどんな要望を伝えているのでしょうか。
#23
○国務大臣(馬淵澄夫君) この一括交付金化につきましては、地域主権戦略大綱を踏まえて府省の枠にとらわれずに使えるように改革するということで、私どもはそこに参画しながら御提示をしております。もう既に府省の枠というのはとらわれないんだということは繰り返し説明をしてまいりましたんですが、先ほど申し上げたように、二十二年度につきましては九九%近くが補助事業の継続という形でありました。
 ただ、もう既に我々が提示をしている計画の中身に、計画のその素案という形では、市街地再開発事業の中でいわゆる福祉施設整備ということで、これデイサービスセンターや病院なども含まれますし、あるいは子育て支援施設、これは保育所なんかも実は含まれるんですね。また、文化交流施設の整備という名目に立ってみればこれは図書館なども含まれるということで、使い勝手は良くし提示をさせていただいているというふうに思っておりますが、いずれにしましても一括交付金化、これを進めるという政府の大きな方針がございますので、我々としてはそれに向けて準備を進めているところであります。
 今後、とにかく政府全体の話でありますので、地域主権戦略大綱の中での会議で議論を進めさせていただきたいというように思います。
 時期につきましては、これは政府全体の中で進めさせていただくことになりますが、我々としても総理からの強い要望ということもありますので、これもいち早く対応できるように準備を進めているということで御理解いただきたいというように思います。
#24
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 地域の裁量拡大と国の政策との整合性、また予算の合理的な運用に関して、まだまだ課題が多いことと思いますが、地域主権の推進は国土交通省の取組姿勢に懸かっていると言っても過言ではありません。まずは、社会資本整備総合交付金の執行状況をしっかり見届け、予算配分の根拠となり得る事業評価の仕組みをしっかり確立していただきたいと思います。
 次に、地域経済を支える産業の背骨についてお伺いします。
 成長戦略の一環として日本国内の観光を活性化しようと様々な取組がなされています。緊急経済対策、ステップ2において、大きな予算を必要としない制度の変更による対策の一つとして休日の分散化が盛り込まれておりますが、これに関する質問です。
 現在までに亀山市始め幾つかの自治体が休暇取得・分散化促進実証事業として社会実験に御参加いただいているようですが、この実証事業の実施状況と成果について教えていただけますでしょうか。
 池口副大臣、是非お願いします。
#25
○副大臣(池口修次君) 安井議員の方から、家族の時間づくりの実証実験について質問をいただきました。私も初答弁でございます。大変ありがとうございます。
 そういう意味で、今、国土交通省の方で家族の時間づくりというプロジェクトをやりまして、ある意味、休日の分散化に至る中で何が目的かということでいいますと、家族が共通に時間をつくっていろいろな観光に出かけるということが私は一番重要なことだというふうに思っておりまして、まず第一番目の実証実験ということで、それをやらさせていただいております。
 これはある意味、地域ぐるみの家庭の時間づくりを目的として、企業の有給休暇取得促進と学校休業日の柔軟な設定をすることによって大人と子供の休みをまず合わせて、その上でいろいろな観光等に出かけていくというのが目的でありまして、今年度から実施をしております。
 具体的なやり方としては、夏休み等の中から何日か平日に学校休業日を移動をしまして、連休をまず設定をします。それに合わせて、両親はそれぞれの地域の事業所で働いているわけですから、そこで地域の事業所の休業日にしてもらうということなり、有給休暇が取れるところには有給休暇をもう取っていただくという勧めをお願いをするところでございます。
 本年度については実証実験ということで、全国で九地域で実施をしております。具体的に今やられているのは四市でございまして、今お話がありました三重県の亀山市、東京都荒川区、山口県の山口市、静岡県の島田市で既に実施をしております。今後、予定としては、福岡市、京都市、福井県勝山市、福井県小浜市というんですかね、新潟県妙高市において順次実施がされております。
 その中で、現段階で結果が出ているところが三重県の亀山市でございます。亀山市においては、四月の三十日を学校の休業日とすることによって七連休をつくりまして、その結果を保護者の方から評価をいただいておりまして、現段階の評価ということでいいますと、若干低いんですが、四割弱が肯定的な評価ということになっております。
 今後も、九地域での実施結果を踏まえて、家族の時間がもたらす教育的、社会的効果なり観光産業への波及の経済的効果について検証をして、課題に対する改善をしていくべきであるというふうに思っております。
#26
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 休暇取得の分散化については、仕事、家庭、学校などの日常生活への影響や経済効果を定量的に把握することが現段階ではそう簡単なことではないでしょう。更に社会実験と議論を重ね、導入の是非を慎重に見極める必要があると考えます。
 馬淵大臣、この試みに関する今後の取組方針と決意を表明していただきたいと存じます。
#27
○国務大臣(馬淵澄夫君) 観光立国政策ということで、成長戦略の柱に据えた中での、ある意味、休暇分散化というのは大変国民の皆様方の大きな関心を集めた施策の一つだというふうに理解をしておりまして、今後も産業界、労働界あるいは教育界、また一般の皆様方の声というものをしっかりと承って進めていきたいとも考えておりますが、問題があるという御指摘も十分踏まえております。
 企業においてはサプライチェーンあるいは資金決済、あるいは家庭内、学校におきましても、その教育の、学校行事への影響、また国民の意識としての祝日への意識の問題等様々な指摘があることも踏まえておりますが、一方で、観光事業、観光産業、潜在的なポテンシャルのあるものを高めていくという上においては極めて重要な施策であるという御理解も私は進んでいるかと思います。
 いずれにしましても、今回、国民会議というものですが、開催させていただきました。六日に開催させていただいたんですが、国民的なコンセンサス、合意を基に進めていくということで、しっかりした議論を行ってまいりたいというふうに思っております。
 また、こちら、国土交通委員会におきましても、委員の皆様方の闊達な御議論を是非ちょうだいいたしたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#28
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、私からの質問は以上にしたいと思います。どうも本当にありがとうございました。
#29
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 昨日から奄美大島の大出水、大変な雨報じられておりまして、本当に治水問題、これは永遠の闘いだなと思うんですが、毎年必ずどこかで災害が起こります。我が国の宿命と言ってもいいわけでありますが、我々の先輩はそのことに対してずっと闘い続けてきた。
 この国土交通委員会でこの治水の問題について腰を据えて議論をしてきたかというと、まあ何度かは出ていると、私もしょっちゅう提起はしていますが、本当にみんなでしっかり考えてみようということは最近なかったんじゃないか。昭和三十九年に現在の河川法が制定されましたけれども、そのときには本当に大変な議論がありました。まさに、与野党という枠組みではなくて、本当に国民のために治水はどうあるべきか、河川はどう管理していくべきか、そういうことを真剣に考えてきたんですね。これは全く政権の争いとか政争とか政治のそういうこととは関係なしに、本来みんなが合意できる、そういう話題なんだろうと私は思っていますし、我々の先輩もずっとそういう思いで大変血の出るような努力をこれまで続けてこられて、その結果として、まあ毎年こうやって洪水は頻発していますが、同じ雨が降っても随分被害が少なくなっていると。その先輩が築き上げてきたそういったことに我々は安住をしている、先輩のつくってきた遺産を食いつぶしていると、そんなような状態ではないかと私は基本的には思っています。
 今日私は、この治水問題、ダム問題、八ツ場ダムについてお話をさせていただこう、質問させていただこうと思っているんですが、そういう意味で、我々は本当に党派を超えてきちんと考えたい。今日だけじゃ足りないと思うんですけれども、実はそういう認識を共有したいということで二冊本を御紹介したいんですが、本の宣伝したいみたいですけど。
 「公共事業が日本を救う」という藤井聡さんという方が書かれた本、これは私も読んでいて非常に勉強になるなと。党派色なんかありません。皆さん方も是非一読いただいて、しっかりとこの方の言っていることの問題点を、批判する立場でも構いません、肯定する立場でも構いません、しっかり読んでいただきたい。
 それからこれは、私の友達の元建設官僚、今大学教授をしていますが、竹林さんという人が書かれた「ダムは本当に不要なのか」という本で、建設官僚が書かれた、元建設官僚ですね、OB書いた本ですから、そういう目で見ていただいていいんですが、私はそんな間違ったことは言っていないと思っていますが、是非これも御一読賜ればと。
 そういう意味で、みんなで真剣にその治水問題を考えてみたい、これから先、本当に日本は大丈夫なのかということを考えてみたいと私は思っています。
 そこで、まず最初に、馬淵大臣は河川法によりまして河川管理者ということになっていますね、一級水系の河川管理者。その河川管理者、国土交通大臣がやるわけですが、馬淵大臣個人として、この河川管理者として、おれは十分知っているぞと思っていられるのか、いや、まだちょっと知らないところがあると思っていらっしゃるのか。御自分の河川管理者としての知識ということについて、まずどのように御自分を認識されているか。ちょっと失礼な質問で恐縮でありますが、お答えいただければと思います。
#30
○国務大臣(馬淵澄夫君) 私自身の知識がどのレベルかということの御質問でありますが、脇先生、国土交通省で河川局でもうお勤めになられたということで、もう一番その従事者としてよく、法律あるいは河川のその技術的なことについてはよく御見識をお持ちだということは承知しております。
 私も、かつて土木屋として建設会社にも勤めておりました。技術職、研究職ということで、いわゆるコンクリート工学あるいは土質力学等々を自分の研究対象としておりましたが、河川について私自身が過去、職歴の中で研究成果を上げたという実績はございませんので、その意味では、また皆様方からの御指導をいただきながら、しっかりと勉強してまいりたいというふうに考えております。
#31
○脇雅史君 どなたがやっても、全部完璧で何でも知っているなんという方はいないのであって、つまり河川管理者というのは、法律では国土交通大臣と書いていますが、それは国土交通省の長という意味なんですね。
 まさに、河川管理というのは、河川局や地方整備局あるいは各課を通じてみんなの知識を総動員して、結果的に、最終的に大臣が責任を取るということで成っているんですね。だから、御自分で何も全部決める必要もないし、いろんなことは全部部下にそういうことを、税金をわざわざ我々は払ってそういう職員を雇っているんですから、そういう人はその責務があるんですね。設置法上、河川局の河川計画課とか、河川についてやる仕事の義務を負っているんです。
 そういう人たちの仕事を全部集めてきて大臣が最終的に判断をし、あるいは、意見をいろいろ聞いて、みんなで決め切れないときは謙虚に判断、判定すると。そんなような仕組みですから、決して全部知っている必要はありませんが、組織として動いているんだということをきちっと認識しないといけないと思うんです。どうでしょう。
#32
○国務大臣(馬淵澄夫君) これは、組織として機能を果たさねばならないという御意見につきましては、国土交通省のみならず、すべからく行政というものは、当然ながら様々な技術的な面だけでなく知見を寄せて、集めて、衆知を結するということが重要だと考えておりますので、御指摘のとおりだと思います。
 ただ、とりわけ国土交通省というこの役所は、国民の安全、安心、これを確保するということが極めて重要な責務でもありますので、その意味においては、技術あるいは様々な法的な観点からより多くの知見を集めて、そして即応できる態勢が必要だということは私なりの認識として持っております。
#33
○脇雅史君 当たり前の話をなぜ聞くかというと、これは後ほどしっかり承りたいと思っているんですが、今後の治水対策、中間報告が出ていましたね。
 この中間報告の中で、国土交通大臣に検証結果を報告させて最後に国土交通大臣が判断をすると。これ、自分たちの部下に作らせているんですね、実は。その部下の作ったものを最後、国土交通大臣が判断して良しとするか悪しとするか知りませんが、そういう書き方になっていまして、若干、今私が申し上げた組織的な意味からするとやや変かなと思っていまして、ここではその指摘だけにとどめておきます。
 ところで、大臣、河川管理の仕事の中で、いろんな仕事がございますが、何が一番大事な仕事だとお思いでしょうか。
#34
○国務大臣(馬淵澄夫君) 治水、利水、これは様々な機能、河川管理機能というのはあるかと思いますが、何が一番というのは難しいかもしれませんが、私なりに考えれば、国民の生命そして財産を守るという意味において治水という観点というのは極めて重要な要素だというふうに考えております。
 ただ、一方で、日々の生活、それこそ営みをしっかりと守るという意味においても利水も同様であるということで、一番というのは難しいかもしれませんが、私なりには今申し上げたような順序で我々の役割があるのではないかというふうに考えております。
#35
○脇雅史君 今のは河川法の目的みたいなもので、私の、このことはなかなかおっしゃるとおり一番がこれですというのは難しいのかもしれませんが、私はこう言ってほしかったんですね。河川整備基本方針の策定ではないかと。つまり、この河川をどのように長期的な目標に向かって管理していくのかと。そこがやっぱり一番大事なことなんで、それに基づいて個々の仕事が行われるんですね。
 河川整備基本方針とそれに基づく基本計画、これが一番大事なんだと私は思っていますが、どうですか。
#36
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘の部分、河川法の第十六条、河川整備基本方針そして河川整備基本計画ということで、これ十六条の二でございますが、先生御指摘のとおり、基本方針並びに河川整備計画というものが極めて重要な位置付けであるということについては十分認識をしております。
#37
○脇雅史君 大臣、この河川砂防技術基準というのは御存じでしょうか。読んだことはありますか。
#38
○国務大臣(馬淵澄夫君) 詳細は承知をしておりません。私としては、その中身をすべて読んだということではございません。
#39
○脇雅史君 お忙しいから全部読めというのはなかなか無理な注文だと思うんですが、実はこれは非常に大事なことなんですね。ここに国交省がやってきた河川に対するこれまでの歴史、考え方が凝縮されているんですね、結晶なんです。これ、調査編、計画編といろいろありますが、ここで河川についてどう考えるんだという技術的なことが全部定まっている。
 実は、今の若い人は、国交省もですね、これがあるから、これに基づいて施設計画を作ればいいんだなと思っていらっしゃるかもしれません。しかし、歴史的に見るとそうじゃないんですね。元々こんなものはないんです。私の若いころ、あるいは私が入るもっと前の先輩たちは何もない中で悪戦苦闘しながら、まさに現場で知恵を出して、失敗もするけれどもいろんな工夫をして、そしてやってきたんですね。そして、失敗したものは消して、うまくいったものはそれを全体的に使えるように基準化していく、そういう不断の努力が重なってきて、ようやく今ではそんなにあちこち変えなくても済むほどの技術基準としてできたんですね。これがまさに、いろんなことの結晶なんです。
 私、これと、これを読んで今回の中間取りまとめを見ると、これ笑っちゃうんですよ。何なんだろうかと。つまり、河川というのは経験工学なのであって、いろんな技術、知恵を出して現場で考えて、現場で失敗をして汗を流して、そしてそれが技術基準へと昇華していくんですね。だから、実際にやったことのない人が作るとこんなものができちゃうんじゃないかなと思うんですよ、失礼だけど。これ、またこのことについてはしっかり聞きたいと思うんですが。
 取りあえず、ここで委員を選定されていますが、この委員の中に本当の意味で河川計画というのを実際にやられた、経験された方はおられるんでしょうか。
#40
○国務大臣(馬淵澄夫君) この有識者会議のメンバーについての経歴のお尋ねでありましたが、いずれも河川整備あるいは治水の対策に対する様々な分野からの知見をお持ちの先生方だというふうに私、承知しておりまして、先生お一人お一人の経歴の中に、計画そのものを、直接携わった方がいらっしゃるかということについては、現時点においては確認ができません。
#41
○脇雅史君 実際に御自分で計画を作られた方はこんなものは多分作られないだろうと、私はそういう印象を持っています。このことはまた後で聞きます。
 今までが議論をするまず基本的な共通認識としてお話をさせてもらいましたが、これから少し具体的にお聞きしたいんですが、民主党政権が誕生して、華々しく八ツ場ダムはやめるんだということでスタートされた。ちょっとこの一年間の経緯を振り返ってみたいんですが、お手元に資料でお配りしておりますが、長浜さんと大河原さんとお二人で出された埼玉県知事への手紙があります。これは、実は単なる手紙ではないんです。
 私は、昨年の十一月でございましたが、予算委員会で当時の大臣、前原さんに、民主党がマニフェストで八ツ場ダムは要らないんだ、中止すべきだと決めたとおっしゃるから、それは大変なことですねと、ダムを中止するならそれなりの相当な報告書があるんでしょう、こんな分厚い報告書、検討書があるんじゃないかとお伺いしましたら、当然ありますと胸を張って答えられた。じゃ、見せてくださいと言ったら、彼は何と言ったか。ホームページ見てくれと言ったんですね。さすがにこれには私も切れまして、ふざけるなと、国会で審議しているのにホームページ見ろとは何だと私は少し声を荒げましたが、いいから後で送ってくれと。送っていただいた、届いたペーパーがこれなんですよ、お手紙。このお手紙が、民主党が八ツ場ダムをやめた検討報告書なんだと、報告書と一緒なんだと、こうおっしゃるんですね。
 こんなことで八ツ場ダムやめていいのかと。この中身はまた今聞きますけれども、あの八ツ場の、水没して何十年と本当に大変な御苦労をされて、今でもこの一年間ダムが進まないので、私の知り合いのその旅館ももうとうとうやめると言ってやめた方もおられます、この一年で。こんなことじゃもうどうしようもないと、本当に大変な目に遭っているんですよ。ある種、人権問題でもあるんですね。日本国の法律に基づいて協力して、ダムができると思ったらやらない。理由がこんなことで何も分からない。これはもう大変な問題ですよ。
 まず、この中でお聞きをいたしますが、最初に、まずその中段の辺ですけれども、結果として八ツ場ダムは中止すべき事業と判断して、マニフェストに八ツ場ダムの中止を掲載しました。したがいまして、利水と治水について御懸念のことは既に検証が終わっておりますので、順次御説明しますと。本当に検証は終わっていたんですか。これが検証なんですか。ほかに何か資料あるんですか。
#42
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、お尋ねのことにお答えする前に、先生の御指摘では、経過の中であたかも八ツ場ダムの中止というのは今御提示をされた政権交代前の手紙で片付けられたかのようにおっしゃっておられますが、私どもとしてはこの一年間、前原前大臣が中止という方向性を示された中で、その後、政策転換へ理解をいただくための努力を進めてきたというふうに承知しております。
 昨年十月には予断を持たずに検証するということを表明をされましたし、又は昨年十二月には今後の治水対策のあり方に関する有識者会議、これ立ち上げました。そして、その手法等について議論をしていただいて、去る九月の二十七日に中間取りまとめをいただきました。また、こうした動きと並行して、できるだけ早く八ツ場ダムの検証の結論を得るとの考えの下で、全国の直轄・水機構ダムのトップを切って検証の検討を行う体制を立ち上げたと。これは十月の一日に第一回の幹事会を実施ということでございます。
 また、生活再建につきましてもスピード感を持って実施していくということで、私どもとしては、一年間の経過の中で地元住民の皆さん方の御理解を踏まえるため、また第三者の意見を踏まえて、それこそ予断なく再検証を行うという仕組みをつくってきたということでございます。
 そういった経過を踏まえて改めて申し上げれば、こうした、これは平成二十一年八月十七日の当時知事あてに出された民主党からの文書でございますが、現時点においては私どもが政権を担うその責任者であります。前大臣が進められたその経過の中で、私自身が今現時点で責任者として今後この再検証を進めていくと、まさに予断なく再検証を行うということが今日における私どもの方針でございまして、過去において、この平成二十一年八月十七日のこの文書の中身を今問われましても、私どもは現在、継続性としてしっかりとこの一年間踏まえた経緯の下に今後の方針を定めさせていただいていると、こういうことでございます。
#43
○脇雅史君 非常にマニフェストというものを軽視していますよね。これをやめるということを前提にして、前原さんも最初に大臣室に行ってみんなを集めて、マニフェストでダム中止することに決めたからみんなおれに従えと、従えない者は出ていけというぐらいのことまで言ったはずですよね。マニフェストができなかったら辞めるとまで言っていたんですよね。
 今言われたことは、八ツ場ダムについては何の検討もしていないじゃないですか。八ツ場ダムについて何を検討したんですか、この一年間。大変地元の人は困っているんですよ。
#44
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先ほど申し上げたように、まさにこの八ツ場ダム、そして八ツ場ダムのみならずです。ダムに頼らない治水、そして利水も含めてですけれども、すべからく再検証していこう、しかしそのすべからく再検証すべてではなく、これはある一定の基準を設けて次の段階に入らないところでダム事業というものを一遍見直して再検証を行うという整理をしたわけです。本体工事に入らない、その段階のものについての再検証を行ったわけであります。
 私は、八ツ場ダムについて何一つ進めていないじゃないかという先生の御指摘は、そうではないと。八ツ場ダム含めて、まさに政策転換を今行おうとしているわけですね。政策転換は、私は一定の段階で転換したという、そういったポイントで語るべきではないと思っております。私どもがマニフェスト実行期間として定めている、あるいは国民の皆さん方から負託をいただいたこの四年間、この四年間の中でいち早く方向性を前原大臣は示されて、そして予断なく再検証という今一歩を踏み出そうとしている、さらにこの実施が、今検証の実施が行われようとしているわけです。
 私は、多くの皆さん方の、国民の関心の下、だれが見ても納得できる公平性、透明性を持った検証が行われることが、これはひいては八ツ場ダムの地域の皆様方にも御理解をいただくための最善の方法であると、このように考えて政務三役一年間取り組んできた結果だというふうに思っております。
#45
○脇雅史君 余り意味のないことをぐだぐだ言ってもらう必要はないので。
 一方で、政策転換を図るためにいろんな検討するのは結構ですよ。しかし、八ツ場ダムの事務所の人間もいるんですよ、整備局の人間もいるんです。片っ方で何で、ここに書いてあることなんか治水やってた人は常識ですよ。今更言われる新しいことなんか何一つない。こんなことは百も承知で計画作っているんですよ。見直すなら見直すでいいんですよ。なぜ、ダムの人間を動かし、整備局の人間を動かして現実的にどうしたらいいかという検討をしないんですか。したんですか。現実に、具体的にやったんですか、八ツ場について。
#46
○国務大臣(馬淵澄夫君) 現場の人間あるいは河川局あるいは整備局の様々な方々の御意見ということは、当然ながら委員の先生方の御意見が集められる中で、集約される中で調整という過程で入ります。先ほど先生御指摘のように、まさに組織を動かさなければならないわけです。これだけの大問題を一部のところで決めて何か下ろしてくるというような、そんな過程を私どもとしては踏んできたわけではありません。有識者会議は、昨年立ち上げてから大変密度の濃い議論をいただきました。単に、有識者会議という議論の場だけではなく、事前の意見交換、さらには、そこには河川局、整備局、現場の事務所、様々な方々の知見を寄せて整理をした結果であります。
 先生はよく、河川局の計画課におられて、御自身も承知されているということでありますが、私ども申し上げたいのは、広く一般の国民の皆さん方が、これだけの大事業、政策転換を行うということであれば、だれが見ても納得できるプロセスなり、あるいは結果報告というものが必要ではないかと考えております。
 その意味で、透明性を高めるためにこうした有識者会議を行ってきたわけでありますから、この組織全体で取り組んできたという成果の中で、今、現時点、我々がお示しをしているということを御理解いただきたいというふうに思います。
#47
○脇雅史君 私は、この政策転換自体が間違いだと認識しています、いろいろ読ましていただいて。まず、それを申し上げておくから。あなたがやっている仕事全体が無駄だと思っているの。だから、一刻も早くやめた方がいいと思っているんだけど、それはおいおい説明をしていきますが。
 今やっている仕事はまさに本省レベルでやる話なんです、政策転換ですから。本省でいろんな方の意見を聞いてやればいい。国交省という組織は現場官庁ですから、現場の仕事をするんですね。警察なんかと一緒で、警察署は警察の仕事をするんです。警察庁がやる仕事と現場の事務所、警察署がやる仕事はおのずと違うんです。警察の大方針は警察庁で決めればいいんです。
 だから、これも国交省の河川局で、東京で大方針はいろいろデータをもらうにしてもできるんです。そして、現場に八ツ場ダム工事事務所か何かあるわけですね。そこに人がいるんです。それ、本体工事やろうと思って準備したんだからいっぱいいるわけですよ。その人、ダムやめたというんだから、仕事なくなったんで遊んでいるんじゃないですか。その人に、じゃ、ここにあるような話は初めから分かっているから、具体的に八ツ場ダムについてどんなことがあるのか、具体的な検討を進めりゃいいじゃないですか。現場みんな、ああって怒っているんですよ。命懸けですよ。人権じゅうりんですよ。本省でやっているから現場で作業ができないなんてこと、あり得ないじゃないですか。
#48
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先生、お言葉ですが、現場の職員が、日々精励する中で大変、地元住民の皆さん方に御理解をいただくための仕事もしております。そういった職務に精励する立ち姿、立場を私おもんぱかると、人権じゅうりんというのはちょっといささか言葉が厳し過ぎるのではないかなというふうに思います。本当に一生懸命やっていただいていると思っております。
 その上で、現場の皆さん方の知見も含めてというのは、これは当然です。ただ、繰り返し申し上げているように、これほどこの政策転換については国民の、全国民の皆さん方の注目が集まる中で、だれもが理解でき、納得できる仕組みで、そしてそのプロセスも明示しながら、例示しながらこうした検証を行っていくことが必要だということで、私は、おっしゃるように、もう河川局の、しかも八ツ場工事事務所あるんだからそこでやらせればいいじゃないかという御指摘であるかもしれませんが、それは、今までの中でそれこそブラックボックスでやっているのではないかという御批判さらされてしまう可能性がある、これを私たちは透明性を持って国民の皆さん方にしっかりと示していこうということでこの一年間取り組んできたわけですから、御指摘のように、もう結果が見えているんだという御意見かもしれませんが、そこについては、私どもはプロセスをしっかり重視していくんだという基本的な考え方の違いがあるということを御理解賜りたいというふうに思います。
#49
○脇雅史君 現場の人間は本当に困っていると思うし、一生懸命やっていると思う。毎日、住民見ているんだから、何とかしてやりたいと。もし本当にダムやめるんなら、どんなことができるか言えば一生懸命やりますよ。具体的に計算したりしなくちゃできないんだから、資料集めて。本省でやるんじゃない。現場はやれと言ったらやりますよ。やれと言わないからやらない。つまり、組織を使うというのは、我々はここで大方針を決めているから、八ツ場のダムは急ぐんだから、おまえたちは、どうなるか、いろいろ手戻りがあるかもしれないけれども、一生懸命検証しろと、後で我々が見て直すからと。一年間やったら一年間の仕事ができているはずじゃないですか。何にもないでしょう。それは大きな指揮官としてのミスなんですよ。現場を動かさなくちゃ。現場はやりますよ、地元のために、徹夜したってやるんですよ。そのぐらいの士気はみんな国交省の職員にはあるはずだし。
 現場を助けるためだったら、これまでだってそうです。八ツ場の現場でどれだけの、造るために、どれだけの多くの人間が徹夜もし、祝日も出、毎日毎日何十年間努力してきたんですよ。今、本気で、住民を助けるために政策転換で本当にやらなくちゃいけないんだと、頼むよと言ったら、やりますよ。その方針自体がおかしいから、横を向いているんだよ。この方針のおかしさはこれからいくから、取りあえず、もうぐだぐだくだらない答えは要らないから。
 まず、要求しておきますが、委員長、資料要求ですが、既に検証が終わっておりますとここで書いていますから、その検証結果の中身を提出してください。もう一回、私も勉強します。
#50
○委員長(小泉昭男君) 資料については、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#51
○脇雅史君 ありがとうございます。
 次に行きますが、暫定水利権の話でありますが、暫定水利権は、水利権許可行政が問題なんで、合理的な水利許可行政をすれば要らないんだと書いていますね。これは私の経験、あるいは実態を知る者からすればとんでもない暴論なんですが、大臣も、もう一年たたれたわけですから、これは本当にそう思っていますか、今でも。
#52
○委員長(小泉昭男君) 馬淵国土交通大臣、簡潔にお願いします。
#53
○国務大臣(馬淵澄夫君) はい。
 私、そのような理解を私自身はしておりません。
 暫定水利権に関しましては、当然ながらこれを見直すときには、新たな水源の確保、そして恒久的な利水安全が低下する等の既存の利水者全員に対しての十分な協議、理解を得ることが必要であると、こう理解をしております。
#54
○脇雅史君 法律を変えるといえば別なんだけれども、そんな生易しいものじゃないですね、水利権の行政というのは。
 新しい水利権一つ認めるときは、大臣、勝手にできないんですよ。関係水利使用者の合意を得なければいけない、法律で書いてある。関係水利使用者というのは、これまで使ってきた人たちですよ、沿川で。それは、新しく使わせてくれときたら、おれの水取られるから嫌だとみんな言うんですよ。そこで血みどろの戦争をしてきたずっと長い経緯がある。だから、絶対認めないんです。
 何で暫定水利権が認められるかといえば、役所、国交省が責任を持ってダムを造って、必ず水をその分、あなた方に迷惑を掛けないように、新たに供給するから認めてやってくれといって初めて認めるんです。だから、こんな暫定水利権なんてやめて、水利権で替えりゃいいんだなんて言ったって、もう絵空事で、できるわけがないんです。だから無責任極まりない。明らかな間違いだということを、大臣、今水利権行政の責任者なんだから、ここで謝ってください。
#55
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、一点、先ほどの御指摘のことについてお答えいたしますが、私、指揮官としてということであれば、この九月の十七日に拝命をして一か月ですから、私が指揮官としてしっかりとこれは指示も出してまいりますので、現場職員含め役所全体挙げて、当然ながら新たな方向性、判断というものについては全力を注ぎたいというふうに思っております。
 その上で、訂正をしてくださいということでございますが、もうこれは既に前原前大臣が今年の三月十六日の国土交通委員会でも答弁されておられます。まさに、御指摘のように、暫定水利権については、十分これは協議して、そして暫定水利権者の御理解、協力、これをいただかなければならないということを明言されておられますので、そのことの理解についてはもう既にこの一年間の中で皆様方にお伝えをさせていただいたというふうに思っております。
#56
○脇雅史君 なかなか、謝っているのかどうかよく分かりませんが。
 要するに、八ツ場ダムやめたと言ったら、この暫定水利権はなくなります。そして、水取りたくても取れません。現実にそういう状態が出るんです。それは、河川法を変えれば別ですよ。必ずそうなります。
 新しい水利権を付与するには必ず何らか水をためない限りできないんです。それは、流れて海に行っちゃうんですから、どこかでためなかったら駄目なんです。ダム要らない、要らないって、これもまた後から言いますけれども、ダムに頼らないなんということを安易に言っていますが、本当にダムなしでこの国が生きられるのかと、これを是非真剣に考えていただきたいと思っています。
 それから、その後にカスリン台風の話が出ていまして、八ツ場ダムは大洪水に対して役に立つダムではありませんと、こう言っているんですね。本当かと。ダムは、大雨が降ったら必ずダムは、その洪水の前と後でダムに水がたまります。たまった分だけ下へ流れない。全く降らないことはないと。偶然カスリン台風のときには、ほとんどその本川のピークに影響を与えるようなときに雨が降ってなかったというね。雨というのは地域的にもいろんな降り方がある、時間的にもいろんな降り方があると。いろんなパターンを考えて計画を作っていくわけだから、あの三十一洪水の中で、カスリン台風ともう一つだけ本川には効かないそういう雨の降り方があったというだけなのであって、カスリン台風のときに偶然効かなかったからもうこのダムは要らないんだというのは、まさに早とちりもいいところで大暴論ですよね。これ、子供だって分かるぐらいのくだらない間違いをマニフェストで言っていると指摘しておきます。
 それから最後の、八ツ場ダムを中止した場合の国費支出に関する御懸念ということで、その下から三行目に、「八ッ場ダムを中止した方が公会計内の支出額がはるかに小さくなるのであって、」と、こう言っていますね。
 八ツ場ダムというのは、もう既に三千億円以上使っています。八ツ場ダムは元々、造った方が造らない方よりいいと、BバイCは当然プラスになっているわけだから造った方がいいに決まっていると。つまり、造れば、元々の五千億円近い金を掛けてもそれ以上の便益があるよというダムなんですね。で、今この時点でダムやめる。それは全部パーですね。五千億、何の効用も果たさない。既に幾ら使っているかって、三千億以上使っていますね。しかも、水源地基金とかいろんな金使ったらもっとはるかに金は使っているし、膨大な人間がこれまでやってきたことが全部無駄になるんです。ここまで来て、あと本体だけやれば治水上も利水上も効果があるダムをなぜやめなければいけないのか。そして、この中間報告でも言っていますが、いろんなことを言っているけれども、結局分からないから金で決めようやと、こう言っているんですね、この中間報告、ごく大ざっぱに言うと。
 そうすると、八ツ場ダムをやめるんだと言っている人たちは、少なくともやめた方が、国民の皆さん、お金がもうかるんですよという資料がなければいけない。ここでこう言っているときに当然あるはずだから、委員長、この資料を要求します、コスト計算。
#57
○委員長(小泉昭男君) 資料については、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#58
○脇雅史君 次に、別途お配りしておりますが、私の質問主意書、三回出しています。この一年間を振り返っていく中で、まあ本当にこれ情けない答えだなと思うんですが、これ内閣のね、内閣の閣議を経ての答えですからね、いかに不誠実かと、私は怒りを通り越してあきれてしまいますよ。
 まず最初、二十一年の十一月十日に私は、前原大臣が中止すると言っているんだから、建設を中止するとする具体的な理由を、利根川水系の洪水対策、渇水対策の計画に基づいて、科学的根拠となる資料を添えて、政府は説明されたいと、こう聞いているのに、閣議を経て出てきたのがこの五行ですよ。これが本当に治水に責任を持つ内閣の答弁なんですか。あきれて物が言えない。しかも、何にも答えていない。一般的にと書いている。八ツ場ダムについて聞いているのに一般論なんか書くことはない。書くことがないから、これを無理やり三行を最初作っているんですね。今後、検証を行うこととしているというだけなんです。さっき言ったように、なぜやめるかの理由は全く書いていない。これはまさに内閣の責任なんですが。
 ここで、できるだけダムに頼らない治水と言っていますね。皆さん方は常識のように言っていますが、先ほどの河川砂防技術基準の中に、ダムに頼らないなんて言葉はどこにもありません。ダムに頼らないということこそ、まさに予断なんですよ。予断なく決めなくちゃいけないんです。いろんな雨が降ります。
 これ、河川計画論をもう少し皆さん方に御説明した方が分かっていただけると思うから後でやりますが、まず、計画の手順からいけば、本当に真っ更に考えて、まず、現況の河道で一番たくさん流せるだけ流そうよということになるんですね。ところが、基本高水というのがそれを超えちゃうと、どこかで放水路を造るとかダムにためるとか、何かしない限りは計画が成り立たない。そのときに、初めからダムに頼らないんだと言ったら計画論にならないんですよ。これは明らかにダムは悪いものだと。それは、ダムはいいところと悪いところがある、それは冷静に考えればいい。だけど、ダムを造らない方がよりいいものなんだと、これはコスト計算の前にそう言っているんですね。多分、コスト計算をするとダムの方が安くなると思うんですが、コスト計算の前に、できるだけダムに頼らない治水なんだと。
 これ本当に、だれが言っているのかと。これ、風評みたいなものですよ。今まで長い治水の歴史の中で私は聞いたことがありません。反対派の人たちが、ダム反対派の人たちが何人かいて言っているのは知っています。これが学術的に、あるいは科学的に本当に根拠あることなのか、どこでオーソライズされているのか、それを教えてください。
#59
○国務大臣(馬淵澄夫君) まさに、政策転換ということ、その過程の中で、できるだけダムに頼らないと。これは別に、ダムを造らない、あるいは造るといったことと何か予断を持たせたわけでもありません、できるだけダムに頼らないという中で議論をして、そして今回の取りまとめが行われたということでありますから。私は、その科学的、技術的と先生おっしゃりますけれども、改めての検証をこれから行うということですべて国民の皆様方にも御理解をいただけるプロセスになると、このように考えております。
#60
○脇雅史君 初めから、ここで言っているような話は、全部ここの砂防技術基準に書いてあるの。やっているんですよ。やった上でやっているんです。しかし、また見直したいというのは別に私は否定しません。できるだけ多くの方に納得してもらうために議論は公開すればいいし、やればいいんです。
 だけど、できるだけダムに頼らないと言った途端にこれは予断なんですよ。予断を持つからには、それはこういう理由があるんだと説明しなかったら、何の説得力もないじゃないですか。だったら、ダムに頼らないと言う必要がないんだから。ダムに頼らない治水と言うからには、その方がいいんだという、政策転換というのはただ変えればいいんじゃないんです。そう変えた方が国民にとって良くなるんだと。どうして良くなるんだと聞かれたら、こうですよと答えてもらわないと答えにならないじゃないですか。
#61
○国務大臣(馬淵澄夫君) 表現についての受け止め方だとは思うんですが。
 じゃ、これは……
#62
○脇雅史君 表現じゃないんだ、表現じゃ。
#63
○国務大臣(馬淵澄夫君) ダムによる治水の検討とすればですね、これ逆にダムを前提としたと言う方も中にはいらっしゃるでしょう。
 私は、いずれにせよ、この表題の問題よりも、再検証ということをしっかりと政権交代によって提示をしたと。しかも、それは私どもが、先生は中でやれと、その方が早いじゃないかと。もちろん、そのことも必要かもしれません。我々は、地方整備局を始め工事事務所、本省河川局を含めて、当然これはすべての衆知を結しようと思っています。
 ただ、幅広く第三者的な観点からの委員の先生方の御意見を集約し、さらに今後、検証主体は自治体、関連流域の自治体です。あるいは、そこでの整備局。まさに、その中で第三者的な議論をしっかり行っていただくわけですから、私はこの言葉で何か予断が発生するというふうには考えておりませんし、今後もそのようなことがあってはならないと考えております。
#64
○脇雅史君 これは、コンクリートから人へということと一緒ですよ。あれも理念として間違っているんですよ、最近お使いにならないけど。これも、ダムに頼らないというのは、これも明らかな間違いですよ。そのうち撤回せざるを得なくなると思いますが。詭弁ですよ。ダムに頼らないなんて言わなくたっていいんです。今までのこの河川砂防技術基準に基づいてしっかり検討しろよと言えばそれでいい。これ、読んでいないから分からないと思うけど、しっかり読んでください。よほどいいこと書いていますよ、この中間報告より。
 もう一つ、五行でしか答えない。国民に政策転換を華々しく今言われましたね、ダムについて政策転換するんですと、ダムに頼らない治水やるんですと。私が聞いたことに対して、だったら、もっと適切に答えなさいよ。何か口では、オープンでやる、開かれてやる、何でもやるんだと、みんなでやるんだと言っているけど、私が、国会議員が聞いたら、わずか五行ですか、こんな大事な問題を。八ツ場ダムの人は死にかけていますよ、現地の人は。まあ、死にかけているという言葉は悪いけど。それほどの苦しい思いをしている。
 だったら、本当に国策としてそうだなと納得すれば、それでも納得してくれるかもしれない。丁寧に説明しないで、何で納得するんですか。強権的にやる気ですか。この五行しか答えないということを、政府の対応について馬淵大臣はどう評価しますか。これでいいと思っていますか。
 これは端的に答えて、そこだけ。これでいいのかどうか。
#65
○委員長(小泉昭男君) 馬淵国土交通大臣、簡潔に。
#66
○国務大臣(馬淵澄夫君) 強権的でないからこそまさにこうした検証のプロセスを提示をしたと思っておりますし、先ほども私、申し上げたつもりなんですが、十七日に国土交通大臣を拝命して、指揮官として全省を挙げての取組をしっかりと行っていくと、このように考えておりますので、私どもとしては決して強権的な行動ではないと、こう考えております。
#67
○脇雅史君 答えていないです。ちゃんと答えるように。
 これでいいのかと聞いたんだよ。そんなほかのことを聞いてないよ。
#68
○委員長(小泉昭男君) 再度お願いします。国土交通大臣馬淵澄夫君。
#69
○国務大臣(馬淵澄夫君) はい。
 閣議決定をされたものでございますので、この中身については、閣議以外でこの中身を改定すること、あるいは否定することはできないというふうに承知しております。
#70
○脇雅史君 そうではなくて、国民に、政策転換をするんだというのであれば、誠実にこういうことですよと。分かることは分かる、分からないことは分からない。いろんな資料を添えて、こういうことでやりたいんだと。閣議で発する情報こそ一番大事なんですよ、ほかで言うより、どこよりも。そうでしょう。あなたが一人で言うことよりも閣議で言うことの方が大事なんだよ。まさに、政策転換を閣議でやるというのであれば、きちんと何で説明できないんですか。
#71
○国務大臣(馬淵澄夫君) すべての政策について、決定責任者である大臣以外に閣議で決定しなければならないということではないと承知しております。
 繰り返しになりますが、昨年十一月の十日に先生が出された主意書、これに対しての答弁は閣議で決定されたものでありますが、その後のプロセスについては前原大臣のリーダーシップの下、進めさせていただいた。そして、この九月の十七日からは私のリーダーシップの下で進めさせていただくと、このように申し上げております。
#72
○脇雅史君 もう全く不誠実で、私が冒頭申し上げた国民の治水、河川をどうやっていくのかみんなで考えようと言っているときに、聞かれたときに、この五行でいいんだなんという答えでは話になりませんよ。もっと誠実にやってください。
 次へ行きます。
 八ツ場ダムに関する質問書の二弾目ですね、二十二年一月二十二日。余りにもいいかげんな答えしか返ってこないから再度聞いたんですね、再度聞いた。それからしばらく日にちがあるから、初めは答えられなかったけれども、少しはまじめに答えてくれるかなと思って聞いたんですよ。
 一番目は、まず、その同じことを聞いたんですね。そうしたら、全くこれは答えない。一般論だけれども、水質悪化の話とか土砂の流れの話とか河床低下とか河口部の海浜後退とかいろいろ言っているから、八ツ場には関係あるかないか分からないんで、これ具体的にあるのかと聞いたら、その答えは、その要因は特定することは困難だとかお尋ねについてお答えすることは困難だとか、何も答えていない。結局、何も答えられない。言葉でこういうことは言っているけれども、じゃ具体的に言ってみろと言ったら、それは答えられません、分かりませんと。何なんですか、これ。
 だから、これを見ても明らかなように、結局、政府、今の民主党政権はこの治水について何らの定見も持っていないということですよ。まして、この中身すら知らずに、とにかくみんなでやればいいんだと言って、まあ有識者会議か何か知りませんが、ほとんど知識がないんじゃないかと思える人を集めて、こんなものを作って、もう今日は余り時間がないから、これがいかにばかげているかということはまたいつか機会を見てやりたいんですが、本当にこれでは国が駄目になります。
 それからもう一つ、最後の、今日は主意書ぐらいで終わりそうなんでこの辺にしますが、まず三番目を見てくださいね、三番目の質問主意書。これは国会で、国権の最高機関、国民の代表である国会議員がみんな集まっている国会で予算措置をして八ツ場ダムはやりましょうということで二十一年度やることになっていたわけですね。それを、何の法的根拠もなしに勝手にやめているんですね。その根拠を問うたものなんです。
 そうすると、これもまたはぐらかしで、本当に最後やめるときにやりゃいいんだといういいかげんなことを言っていますが、まあ答弁どうせできないからもう答弁は要らないけれども、それぞれの法律で、三つ法律が関係していて、それぞれ決まっているんです。
 しかし、ここでうそがあるんですね。最後から三行目だけれども、「八ッ場ダムに関する個々の工事の実施時期を具体的に定めているものではなく。」と言っているんですね。
 それで、ほんまかいなと私ちょっと、余り疑り深い性格ではないけれども、まあ私の記憶と違うものだから調べてみた。そうしたら、特ダム法に基づく八ツ場ダムの建設に関する基本計画、二十年九月十二日、これもやっているわけですね、決めているわけ。この中にちゃんと書いてあるんですよ、八ツ場ダムについては二十七年までにやるんだと。これ何でこういう答えになったのか、私よく分からないんですが。
 それからもう一つ、水資源開発基本計画においても、これも、ここでもまた書いてあるんですね。八ツ場ダム建設事業は予定工期、昭和四十二年度から平成二十七年度までと書いてあるんだよね。これ、事務方はこんな間違いを普通しないと思うんだけれど、どういうことなんでしょうか。
#73
○国務大臣(馬淵澄夫君) 法的根拠ということなんですが、私どもが今回判断したものについては、いわゆるこの事業の中で目細間の流用ということに該当するというふうに判断をしておりまして、御案内のように、予算の中で項については国会、さらにこれ目については財務大臣の承認が必要になります。今回は目細ということになりますので、これにつきましてはこういった法的な手続を必要としないということから私どもとしては判断をしたということでありますので、決して御指摘のような法令違反等には該当しないと、このように考えております。
#74
○脇雅史君 工期をどうしたんだって聞いているんだよ。
 答えてないんだよ。ちょっと委員長、注意してよ、ちゃんと答えるように。
#75
○委員長(小泉昭男君) 質問に再度答えるようにしっかりお願いします。
#76
○脇雅史君 また無駄な時間が過ぎるから私が言いますが。
 そもそも、この三つの法律に基づいてこれお金出す人がたくさんいるんですね。水、水道で使う人とか、いろんな人がおられる。で、共同事業なんです。みんなで共同で計画を作るんですよ。それで、みんなでこれ作りましょうねという合意をして、それが法律の規定に基づいて合意がなされていると。それが予算が国会でやると言っていると。これは、国交省は代表してそれを工事をやっていくわけですが、やる権利があると同時に義務も負うんですね、共同事業者に対して。
 それはそうでしょう。みんな一緒にお金出して仕事しましょうねと言ったときに、やる人が、おれやりたくないから勝手にやめたと言ったら困るでしょう。だから、都知事始め埼玉県知事、群馬県知事、みんな怒っているわけですよ。何で勝手にやめるんだと、おれたち金出してやろうと決めたじゃないかと、国も予算通したじゃないかと、何でやめるんだと。やめる理由を聞けば、何だか訳の分からないことで、ちっとも言わないと。だから怒っているんです。何でそんなことをオープンに、簡単に答えられないのかと。ずっと何も答えずに中止をする方向は変わらないんだと言い張っていて、具体的に何の作業もしていないと。もうこれは本当にとんでもない内閣ですね。
 そして、さっきのことに答えてないけど、これだけは答えてもらいましょう。さっきの基本計画でも、工期は昭和四十二年度から二十七年度までの予定と書いてある。予定だからね、予定だけど書いてあるんです。こっちの、水資源基本計画の中でも、さっきも言いましたけれども、四十二年度から平成二十七年度まで、これは予定になってない。今遅れたら、これは変わらなくちゃいけないでしょう。つまり、共同事業者と交わした約束を破るんですよ。後から変えればいいというもんじゃない。変えなくてもいいんだという、目細間の流用だなんということは大うそで、これは、例えば災害が起こって使える金も使えなくなったとか、物理的に使えなくなったときに、それは一々言わなくても責任持って裁量の範囲内で今年はこれができないからねと皆さんに言って回れば、そうですかと、しようがないけど来年みんなでやりましょうねという話で済むんですよ。
 ところが、これは何も言わずに、やるべき話を、国会まで通った話を勝手に変える。その勝手に変える理由なんかあるわけないじゃないですか。まさに、相手の共同事業者に対して裏切りですよ。何にも、それ、自民党の時代にやった話だからわしら知らぬという、政府は継続しているんですよ。水没者や共同事業者にとってみれば、法律に基づいてこの日本の世界は動いているんだから、政治は、そんなものは政権が替わったからわしら知らぬなんと言われたら困るんですよ。そのことに対する認識が全くないと。
 しかも、この工期を変えるという大変なことについて、これ、うそ言っているわけですね。内閣がうそを言っているんです。まあ鳩山さんもここのところ国会でずっとうそがばれていますし、仙谷さんもうそばっかり言っているから、民主党内閣というのはうそつき内閣だからこんなこと平気なのかもしれないけれども、閣議決定でもうそを言っているんです。具体的に定めているものではなくて定めているじゃないですか。どうなっているの、これ。
#77
○国務大臣(馬淵澄夫君) よく御存じの上で質問をされているとは思うんですが、工期の定めと工事の実施時期とこれは別でございます。
 これは、工期について定められても工事の具体的な実施については、これは特段の法的な手続等について定めがあるものではございませんので、そこで法令、定款に違反しないんだということの答弁をさせていただいています。
#78
○委員長(小泉昭男君) 簡潔に。
#79
○国務大臣(馬淵澄夫君) その上で、事業者、当然ながら特ダム法におきましては、関係する都道府県知事の意見を聞くということが必要だということも十分よく承知をしております。そのために再検証を行うということで今進めさせていただいております。
#80
○脇雅史君 これはもう本当に詭弁だよ。こんなもの、二十七年にできなくなるんだよ、去年発注しなかったんだから。
 それで、工期は書いてあるけど、ダム事業について書いていないと。これ詭弁ですよ。工期が決まっているというのは、個別の事業の工事時期が全部あって積み重なって工期が決まるんですよ。勝手に工期、先に決めるわけじゃないんだよ。工期を決めるということは、各事業項目が何年から何年までできると全部計算した上でやることぐらい、あなた知っているでしょう。こんなもの、工期の中でこの事業だけやらなくていいんだなんということは、ましてダムの本体事業ですよ、一番この工事の中で核となる事業をやめておいて、工期が守られるからいいんだって、じゃ、工期守る気ですか。守れっこないでしょう。だから、いずれ変更する時期が来るんだけれども、それはいずれ変更すればいいんだという、とんでもないインチキな考え方をしているということを指摘しておきます。
 今日はもう時間がないので、私、ここでお願いをしておきたいんです、委員長。
 この治水問題、八ツ場の地元の方も大変苦労されていますし、こんなダムに頼らない治水なんていう、私に言わせればインチキな理念で、間違った理念ですよ。これで本気に進めていけば日本は大変なことになるから、しっかり議論をさせてほしい。幸い、国土交通委員会は今まだ法案をやっているわけでもない。来週も定例日あるから、是非このことを審議していただけるようにお願いをして、今日は取りあえずやめます。
 まだもう一言言うと、予告編として申し上げておきますが、この治水対策の在り方の中間取りまとめというのは基本理念において致命的な間違いがある。それは次回指摘します。
 終わります。
#81
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋であります。同僚の脇委員に引き続き、質問させていただきます。新しい大臣、副大臣、政務官には初めての質問になります。よろしくお願いいたします。
 お答えの方はできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。かなり用意したものはたくさんありますが、多分時間内には終わるのは難しいかな、次の機会にまた途中からやらないかぬのかなと、こんなふうに思っていますが、途中で終わったら失礼をいたしたいと思います。
 最初に、国土交通大臣、所信で国土の背骨、生活の背骨、そして産業の背骨、これは大変大事なことだと私も思います。そういう大前提の下で、従来は全国総合開発計画であったり、これは平成二十年から国土形成計画と、こうなりましたよね。国土のグランドデザインといいますけれども、いろんなことをその中で考えていこうと、こういうことであるかと思います。
 その国土形成計画の中では、ブロック計画も作りましたが、去年作られたと思いますが、多様な広域ブロックが自立的に発展する国土を構築していくんだ、こういう目標を掲げていると。
 具体的にどんな手段でこうしたことを実行していくのかな。幾つかあると思うんですが、たくさん挙げれば切りがない。ごく簡単に、三項目、四項目ぐらいの範囲でお答えいただければ有り難いです。
#82
○国務大臣(馬淵澄夫君) じゃ、情報として御提示をさせていただきます。
 広域地方計画、これ、具体的なプロジェクトとして、東アジア連携ということで、官民連携のポートセールスあるいは物流効率化の研究ということで具体的には進めております。また、成長戦略におきましても、地域主体ということで様々な形の官民連携というものを、仕組みをつくってまいりますので、そこでまた更に地方、地域の方々、広域の連携の中での御提言をいただけるというふうに思っております。
#83
○佐藤信秋君 私自身は、例えば予算であるとか、あるいは組織、体制の整備であるとか、あるいは知恵比べというのでブロック、いろいろ知恵も出してもちろんいただいて、それをどういうふうに国の立場、政策的にはどんなふうに応援していくかとか、それはインフラと限らずに、ハードと限らずに、ソフトも含めて、いろんな支援というものを国の政策として、規制緩和なんかもあるかもしれませんが、そういうことを考えていくんだということで幅広く地方とタイアップしながらやっていかないとうたっている多様な広域ブロックが自立的にというのは難しいだろう、そんなふうに思いながら質問しているわけであります。
 そこで、ちょっと気になるのが、実は北海道の経済界は随分といろんなことを私どもにもおっしゃってきたりしているんですが、国土や領土、領海のお守りと、こういうことになると、沖縄なり北海道というのは非常に大きな役割を持っているな。そういう中で、二十三年度の組織改正に向けて、北海道局がもしかして改廃といいますか、されかねないような状況だということを北海道の人たちが大変心配しています。国際局をおつくりになりたいとか、サンセット方式で、じゃそれに代わるものは何だと、こんな御議論があるというかのように聞いていますが、仮にそんなことをするとすると、今の国際情勢の中で大変間違ったメッセージを世界中に発信することに多分なるだろう。北方四島を返せ返せ、ずっと頑張り続けているわけですね。尖閣では中国漁船の問題が出たりしている。こういう状況の中で、特にロシアや中国、日本という国は北海道の振興であるとか国としての助成、自立の支援であるとかいうことをだんだん手引いていっているなと、組織の面からいってもそうだなと、こんなメッセージと受け取られかねない。
 元々、北海道開発庁だったわけですから、大臣も置いて。しかしながら、北海道局、省庁再編で北海道局になったと。これで頑張っているんだと。沖縄だってそうですよね、総合事務局。世界に対するメッセージとしては、やはりそうした領土、領海も考えた上で国の体制、組織というものは考えてやっているんですよ、ちゃんと頑張るという姿勢なんですよと言ってきたのが、北海道局なくすみたいな議論になったら、これは誤ったメッセージをそういう面でも出してしまう。
 もちろん、北海道の振興自体は、北海道局を置きながら、一方でインフラ整備をしっかりとやるべきものはやる。整備新幹線だって、札幌までの延伸というのは、これは三井先生もやらなきゃいかぬと、こう思っておられると思いますが、まさか北海道局というのをこの今の時期になくすというようなことはお考えではないだろうなと思いながら、特に国際的に沖縄や北海道が注目されていると、この状況の中で、ひとつ是非決意をお聞かせいただきたい。
#84
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御懸念の部分、私もよく承知をしております。一方で、国土交通大臣以外にも沖縄北方対策担当大臣拝命しております。
 まず一点、事実として御確認をさせていただきたいんですが、私どもの今年の平成二十三年度の組織要求におきましては、北海道局の廃止というものは含まれておりません。これはまず事実でございます。その上で、前原前大臣が新たな機能強化ということでの組織要求をさせていただきました。現時点においては当局との、関係部局との調整のさなかであります。まさに、一局段階というところでありますが、私どもとしては、まず事実としてこのように北海道局の廃止ということを組織要求に入れていないということで御理解をいただきたいというふうに思います。
#85
○佐藤信秋君 大臣がそういう御決意をなさっておられる。結果として私も大丈夫だろうと期待しています。三井副大臣もお隣におられることでありますし。
 次に、国土形成計画とはもちろん限らぬわけですが、そのインフラをどうやっていくか、大変大事な問題であろうかと、国土の背骨をつくるんだ。
 一時期、随分と世界の標準といいますか、世界中の公共投資、まあ政府固定資本形成と、こういう、固い言葉で言えばそういうことですが、公共投資、地方から国含めてですね、日本が国際的に非常に大きいんじゃないかと、こういう議論がありました。私自身は大きくても当たり前だと、こう思っていますが、遅れているこの日本という国が、我が国が、国際競争力も考え、そして地方でしっかりとそれぞれが地域が元気を出して頑張る、そのためにははるかにまだまだ、災害対策も含めて、あるいはいろんなネットワークづくり含めてやっていかなきゃいけない、こういう問題だと思っています。
 しかし、残念ながら、この十年、公共投資、随分削減されてきたのも確かであります。
 資料一ということで配らせていただいたんですが、いつもこれを引き合いに出されるんですね。十年前、日本はIGがGDPに占める割合が六%だと、他の国は二・五%から三%だと、高過ぎるではないかと、こういうキャンペーンを随分張られました。元々、災害に備えたり地震に備えたり、建設費もそういう意味では構造物が多いし高くなりがち、こういう中で、一%や二%ほかの国より高い、これはもう当然のことなんで、更に遅れている数字を取り戻そうとすると六%ぐらいというのは私は続けるべきだったと、そう思います。思いますが、残念ながら、政府全体の予算の中で、厳しい予算の中で三%ぐらいに落ちてきた。ほかの国はこの間に、グラフの……(発言する者あり)まあ自民党も責任があるんですね。徐々にですけれど、落としてきた。
 グラフの左の方は、ほかの国がどうしているか。先進国と言われる国、それぞれ二・五%から三%ぐらいはGDPに対して投資しています。そうでなければ国民の生活、暮らしというのがちゃんとできないということであります。この十年、ほかの国は、左のグラフを御覧いただくと、公共投資増やしてきているんですね。日本だけこんなに半分以下にしてしまった。
 残念なのは、二十二年度には、実はこれ二十年度で大体三%ですから、二十二年度公共投資二割削減といえば、単純に言えば二・四%。三%が二・四%と、そのぐらいになる、こんな水準なんですね。これ以上は減らすわけにはいかないといいますか、二十二年度以上はと、こういう意味ではなくて、三%ぐらいというのは、これは国際的に見ても遅れている日本がちゃんとこれから競争力、子供や孫に国際的な競争もやらせると、安全な国にもしていくと、こういう面からいけば私は、もちろん多々ますます弁ずるというわけではなくて、三%ぐらいにお戻しいただくというのは、これはまあ常識的にといいますか、そのぐらいで運営していくというのが国土の運営の在り方の一つかと、そんなふうに思っていますが、大臣、いかがでしょう。
#86
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先生御指摘の、先進国並みであると、しかしながらまだまだ必要であるという御意見につきましては、私も土木屋として社会人になりましたので、地震国あるいは島国という中で、いわゆるこうした国土の安全あるいは安心、しっかりとした均衡ある発展を取ろうとすると高コスト構造になるということもよく承知をしております。ただ、一方で、ほぼ概成しつつあるにもかかわらず、無駄な公共事業と呼ばれるものが散見したのも事実だったと思います。
 その中で、昨年、私どもとしても公共事業の見直しということを徹底的に行いましたが、今般、新たに概算要求をさせていただいた段階では、もうこれは減らすものではないと。今後も更新時期到来の公共施設、インフラ、多々ございますので、維持管理だけでも大変な予算が必要となる中で、今後は私どもは一定程度、まさにだから、当初、所信で申し上げたように、あるべき社会資本整備の姿はどういうものなのかと、これをまず国交省、あるいは委員の皆様方も御議論の上で定めていく必要があるんだと。ただただ右肩上がりで公共投資も増やしていけという時代ではない。その上で必要なものというものを明確に示す必要があると、このように私、考えておりまして、御指摘のこのIGにつきましては二十年度時点三%ということで、二十一年度の数値に関しまして現在、内閣府で集計中ということで、これ十二月ごろの公表予定だと聞いております。ですから、直近の数字はこの三%ということなんですが、私も御指摘の、水準としてはこれらを守っていかねばならないなと、このように私も考えております。
#87
○佐藤信秋君 そういう意味で、おおむね三%と、こうなりますと、国費ベースでいうと、民主党マニフェストで四年間で一・三兆を削ると、こうおっしゃっていたのが一年で削ってしまった。これから実は大変なことになっていくというふうに私は思います。それは地方の雇用や暮らしをどうやっていくかという面からいっても、そこはおいおいちょっと時間の範囲でいろいろ伺わせていただこうと思いますが。
 したがいまして、今急ぐのは、まずきちっとした補正を公共事業についてもやるんだよと。一・三兆切ったんですから、少なくとも一・三兆以上は国費ベースでいけばやらないと、これはきちっとした穴を埋めるといいますか、作業にならないな。要望としては、自民党は多分要請を、一・五兆円以上やってください、全体五兆円の中でと、こんな要請を党としては官邸の方に御要請したんじゃないかと思いますが。いずれにしても、オーダーとしてはそれ以上のものが国費ベースでは必要なんじゃないかと、私自身はそう思っています。
 そんなことを考えながら、少し教えていただきたいといいますか、平成二十二年度あるいは二十一年度建設投資、これは見込みなんですね、民間投資も含めて、建設投資なるものが、多少適当にこんな感じかなというので、資料の二枚目にいろいろお話伺っている範囲でこんな見込みかなというのを出してみました。資料の二ですね。この辺は民間と公共を含めてどのぐらい、こんな感じでしょうかねということを池口副大臣、どうでしょう。
#88
○副大臣(池口修次君) 簡単にお答えしますけれども、その前に一言だけ。
 私も最近、国土交通省に入省をさせていただきました。佐藤議員におきましては大先輩でございまして、大先輩の特段の御指導をいただけるということで感謝を申し上げたいというふうに思います。
 今の件ですが、端的に言いまして、平成二十一年度の建設投資額は四十二兆一千七百億円でございます。これは政府と民間を合わせた数字です。必要であれば個別にお話をします。平成二十二年度の投資額は四十兆七千億円という見通しであります。
#89
○佐藤信秋君 ということで、このグラフにさせていただいている大体オーダーと、こういうことで理解していいんだと思いますが、そういう意味では、公共の方は実は二十一年度見込みが十七兆で、二十二年度見込みが十四兆、三兆も落ちている。民間が多少救ってくれて、だけれど、過去、昭和五十二年ぐらいの名目値で、五十二年に近いような数字になってきている。これ実は大変なことなんですね。結局、民間投資もある程度公共投資が、インフラ整備がきちっとするというような前提で立地したりしているところはたくさんありますから、これ相互作用みたいなところがあるんですね。公共投資進まない、インフラ整備進まない、危なっかしいところが危なっかしいままだ、それじゃちょっと立地できないわねというようなところがありますから、まあ住宅にしろですね。だから、公共投資が先導して民間投資を削っているかのようなところがあるんですね。これデフレスパイラルだと、こういうことになっていくわけです。
 そこでなんです、いろいろな手当を出されるということで、子ども手当一・三兆円ですかね。あるいは戸別所得補償と、こういうことでありますが、経済を回していこうとすると、やっぱり内需を拡大する、そういう意味でも公共投資が果たす役割というのは、実は今までとそんなに変わってないだろうと。
 以前よく公共事業の投資効果が薄れたよというような議論がありました。ありましたが、実際の数字で、これは内閣府のデータですが、乗数効果なんかを追っかけていって見ると、減税との比較を資料の六に入れていますけど、結局、公共投資の方が乗数効果は高いと、これはもう当たり前のことでありますね。投資に回して一だと、その投資を結局、経済回していくわけですから、片っ方、減税の場合には貯蓄に回る。こんなことを考えると、この乗数効果というのは、内閣府もいろいろ計算してみてもそんな変わりませんわいと、十年前とですね。
 そういう意味では、そんな効果も含めて、今景気も下振れしてきているという認識がこの前の月例報告でも出ましたけど、こうしたことを踏まえながら補正なんかもお考えをいただきたいという追加資料でありますが、池口副大臣、いかがでしょう。
#90
○副大臣(池口修次君) まず、乗数効果につきましては佐藤議員の提示している資料のとおりでございますので、やっぱり公共投資が後の経済に、GDPを押し上げる効果というのは、これは大きいというのはやっぱり事実だろうというふうに思っております。
 これ以上は大臣がお答えになる範疇かと思いますが、それは我々も補正でもそういう認識の下に補正予算を作り上げたものだというふうに私は認識をしております。
#91
○佐藤信秋君 こうした状況の中で、ほか全体にも通じていることではあるんですが、デフレスパイラル。特に建設関係は自らの分も含めて、自らというのは政府の投資も含めて、言ってみれば地方政府も含めてですが、地方公共団体も、デフレを促進しているようなところがあるんですね。デフレを招いているというか、政策としてそうやりたいわけじゃないけどそうなってしまっている、公共調達の世界なんかはですね。安ければいいという考え方の首長さんさえもおられたりして、これは大変な状況ではあるんですね。
 そこでなんですね、この状況というのを、このデフレスパイラル、建設産業関係におけるデフレスパイラル。これをどんなふうに止めるか。妙案がありましたら、なかなかないかもしれませんが、でも工夫はせないかぬですよね、工夫していかなきゃいけないんです。大臣、いかがでしょう。
#92
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、全体的なボリュームが減る中で更に圧迫をすると、経営を、民間の建設業を圧迫するという中では、私どもとしてもいわゆる低入札の問題につきましては、これは基準価格を引き上げていくことが重要だと思っておりますし、あと、自治体においても予定価格の事前公表というのが、これが結構行われているんですが、これも私は、取りやめについての要請などもありますので、これは実効あるダンピング防止対策を引き続き行っていくべきであるというふうに考えております。さらには、下請の企業に対しての連鎖倒産防止という観点から推進月間、これは建設業取引適正化推進月間ということで新設をいたしまして、法令遵守意識の向上あるいは下請代金債権の保全、元請資金繰り等の金融支援策の強化などを行っているんですが、今申し上げたことは今日における対処策です。
 ただ私は、今回拝命いたしまして三つの背骨の中にも書きましたが、そして今後の方針の中にも書きましたが、まさにその地域の再分配機能というものを再度見直すべきではないのかと。地域主権ということを民主党は訴えているわけです。地域の再生が図られなければならない。その核となるプレーヤーとして、実は建設業あるいは我々所管する産業の中の方々というのは非常に重要な役割を担うと思っておりまして、現行でも、先生御指摘のように、公共投資の比率がどんどん下がってきた。しかし、それでも他の様々な政策的経費から見ればこれは大変ボリュームのあるものです。これが、実態としては地方に隅々まで十分に行き渡っていないと。むしろ、そこに問題があるのではないかと私自身は問題意識を持っておりまして、改めて、大臣拝命いただいてから、地域におけるゼネコンあるいは建設産業に対するきめ細やかな再分配機能の構築というのはどのようにすべきかということ、これは現在、政策審議室を挙げて施策を考えよということで指示を出しております。
 是非また皆様方のお知恵もお借りしたいというふうに思っておりますが、私自身もそういった問題意識を持って、このデフレスパイラル、食い止めるということの施策を率先して行わねばならないというふうに申し上げたいと思います。
#93
○佐藤信秋君 ということで、実はこの建設産業、特に地方の建設産業、非常に厳しい状況であって、まあ当たり前のことではあるんですが。
 資料の三に利益率なんかも載せました。左の上の方のグラフですが、全産業の平均に比べて一%低いんですね。これは全体でですが、実はデータによっては、県単位で建設業の利益率、平均してみるとマイナスになっていますと、赤字の会社が半分以上なんですよという県が半分以上あるんですね。たしか三十三ぐらいの県は平均すると赤字なんですね。赤字の経営者、企業の数が六割とか七割とかというところが、ひどいところが出てきています。
 実は、建設産業というのは非常にウエットな産業といいますか、ワークシェアリングしながら従業員をリストラせずにというところがあるんですね。ですから、本当は、今五百万人ぐらいが就業しているということでありますが、一兆円当たり十万人以上の年間雇用になるわけですよね。これが、この二、三年で総売上げでいえば十兆近く落ちてきているんで、だから単純にリストラしていこうとすると百万人ぐらい減っても仕方がないという産業ではあるんですが、ウエットなものですから、地方の雇用と暮らし支えると、こういう使命感持っている企業がたくさんいます。それで、にわかにリストラしませんと、その代わりワークシェアリングですねというような人たちがたくさんいます。経営者が何とか頑張っている。これは本当に、いや、もうしようがないよと、こうなったときには、数字からいけば百万人ぐらい失業者がすぐ出ると、こういう状態なんですね。
 そこで、池口副大臣にお調べいただいていると思いますが、公共工事の設計労務単価、これ平均でいいますと、十年前といいますか平成九年ぐらいに比べて、全平均でいけば、大体みんな職種別にそんな感じですよね、三割ぐらい下がっていると思うんですね。その辺の実態はいかがでしょう。
#94
○副大臣(池口修次君) まず、単価のデータからいいますと、平成九年には二万三千二百九十五円でございましたものが、平成二十二年では一万六千四百七十九円ということですから、まさしく三割下がっております。この三割下がった原因は何かということですが、ある意味、佐藤議員の言われたことに尽きるわけですが、資料二で書きましたように、公共投資額が公共、民間を通じて減少をしておると。
 一方で、佐藤先生はワークシェアリングと言いまして、多分そういうことだろうというふうに思いますが、人が減っていないということになると、おのずから、賃金実態を反映するのがこの労務単価ですから触らざるを得ないということが大きな要因ですし、さらに、輪を掛けて仕事が少ない中でダンピングの分も一部あるわけですから、それも必然的に単価の低下要因になるというのは、議員が言っているのはそのとおりだろうというふうに私も認識をしております。
#95
○佐藤信秋君 実は、多分そうしたダンピングの影響、それからワークシェアリングしている分。実は、私はもう一つあるんだと思っているんです。
 それは何かといいますと、労務単価の調べ方がちょっとおかしいんじゃないかな。実はこれ、ずっと私、問題意識として実は担当の人たちには言い続けていまして、もう十年も十五年もですけれどもね。実は、平成九年から三割下がったと。一万六千円でって、実は実働時間でいきますと、実稼働、屋外労働ですから、その時々の状況にももちろんよりますけれども、平均的には多分二百二十日ぐらいしか実稼働できないんじゃないかと思うんですね。だから、で、働いているときに幾らと、こう調べるわけですね。働いていないときどうなっているんだろう。一家四人を腕のいい大工さんや鉄筋を組み立てる人たちが養っていこうとして、三百万ちょっとでやれるわけないですよね。現実問題として、非常に安過ぎるからなかなか若い人が入らなくはなってきているんです。
 ただし、この調べの中に、実は年間何日働いていますかねと、そして年俸ベースでいうとどのぐらいでしょうかねという部分を反映していないものですから、これが実は以前、十年ほど前の平成九年のころの単価と、設計労務単価と、当時は労働省だったでしょうかね、調べている屋外労務賃金調査とギャップがあるというんで、一時問題になったことがあるんですね。
 実は、私は、そっち、その設計労務単価の方が正しかったんじゃないかと。経営者の皆さんに聞いてみていただくといいんですが、常雇用の人を雇っているときにやっぱり実働働いているのは二百二、三十日、雪国はもっと働けませんけれどもね。そして、それ以外の分として保障的に経費が二割とか三割とか実は掛かっていますと。その分はこの設計労務単価見ていないものですから、元々が、一年間働けるような前提でやっていますから、実はそういう経営者が本当に雇用している分というのの実額というものが年間ベースで本当は把握せにゃいかぬわけですが、これが把握されていないんですね。
 調査に問題があるんじゃないかなと思うんで、これは是非改善してくださいとお願い申し上げているんですが、池口副大臣、いかがでしょう。
#96
○副大臣(池口修次君) 確かに、何日働くかというのは個人にとっての収入という面では非常に大きく影響するわけですので、そこら辺はもう少し勉強させていただきまして、今日の時点では、大変申し訳ないんですが、調べさせていただきたいというふうに思っております。
#97
○佐藤信秋君 ということで、随分と建設産業厳しい状況になってきていて、それは資料三に出させていただきました。倒産の中で大体、全倒産の中で二割から三割が建設業、こういうデータも出ています。
 大臣、この倒産状況、多分、年末、年度末、このままだったら一層厳しくなっていくと思われるんですね。昨年、二十一年度の補正予算で実額ベースでいうと三兆から四兆ぐらい積めるかなと、こう思いましたが、政権交代で一部凍結されて、多分二兆円ぐらいでしょうか、積めたのが。だけど、それは繰越しも含めて、年度の、二十二年度の前半はある程度、手持ちの工事量もあったんですね。これからぺたっとなくなるんで、この建設産業、全然、県挙げて平均して赤字という県が三十三もあるような、そんな状況が改善されるどころか、この倒産の姿も実はどどっと増えてくるんじゃないかなと大変心配しています。
 大臣、その辺いかがでしょう。
#98
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のように、平成二十一年度補正予算の効果、これがそろそろ切れてくる状況ということで、大変先行き不透明感、これ増大しているというふうに私どもも認識しております。したがいまして、今般取りまとめた経済対策、これ極めて重要だと思っております。
 昨年、私どもでも補正予算を組みましたが、その段階においては、ある意味、社会資本整備ということについては含まれなかった。もちろん、様々な形で我々も取組をしましたが、これは文言として明定されることはなかったんですね。今回、はっきりと社会資本整備と地域活性化ということで公共事業が示されました。これは、まさにそういった問題意識、危機意識から掲げたものでございまして、この経済対策というのも一つの柱として、あと下請の債権保全と資金繰り支援の強化ということで、これら危機をしっかりと乗り切る体制を構築してまいらねばならないと思っております。
 そして、繰り返しになりますが、地域への再分配機能を果たすということをまずは役所全体の方針の中でしっかりと示したいというふうに思っております。
#99
○佐藤信秋君 補正やるにしても規模が問題だとさっきは申し上げましたが、できるだけしっかりした大型の補正になるようにお願いしておきます。
 問題は、実は地方の建設産業、大変厳しい状況にあるというのは、入札契約もちょっときついですね。落札率と、こういう言葉は余り、私も余り使いたくはないんですが、八五%とか八〇%とか、で、一体全体と、こうなるんですが、基本的に、予定価格といいますかね、は一体全体どういうものだろうと。
 実は、百円、まあ百円と計算したときですよ、百円以上は掛からないという価格なのか、標準的には百円でしょうと、いろんな段取りやいろいろやってみて、結果として最終的には平均的に、標準的に百円掛かるんですね、だから九十円で収まるときもあれば百十円で掛かるときもあるんですよ。どっちの価格でしょうか、池口副大臣。
#100
○副大臣(池口修次君) 今の質問は、予定価格というのがどういう金額なのかということで、この後いろいろな観点で議論がされると思いますが、まずはお答えするのは、予定価格というのは過去の取引の実例価格等に基づきということですから、過去の取引はいろいろなケースがあるわけですから、そういう意味でいえば、高いものも低いものがあり、平均値の価格というふうにとらえるべきだろうというふうに思っております。その中には、労務費、資材費、機械経費等、諸経費等の積み上げた上で、工事の標準的な価格として発注者が算出するというのが予定価格だというふうにとらえております。
#101
○佐藤信秋君 ということなんですね。標準価格、標準的な価格。それよりも実際掛かる場合も掛からない場合もある、平均がこのぐらい、こういうことだと思います。
 資料五に、低入札調査基準価格の考え方の推移をちょっと並べさせていただいたんですが、これ御覧いただいても、国の工事の場合には、現状でいうと、二年間にわたってちょっとずつ上げて、八四、五%、低入札調査基準価格が。最低制限価格もそうすればいいわけですけど、県によっては九〇%ぐらいにしているところが十一、この段階では十一ぐらいでしょうかね、あると、こういうことなんですが、御覧いただくと、現場管理費〇・七、上げた後も限界が、一般管理費〇・三ですから、それで八五%ですと。この数字というのは安全性大丈夫かという数字なんですね、本来。しかも、一般管理費って本社経費ですから、本社経費、本当は大概の事業は諸経費として一〇%とか二〇%とかどうしても必要ですよね。〇・三と言っていることは、三%でやっていきましょうと、こういうことなんですね。それが八五%。元々これ自体無理なんですね。だから、いろんなところにしわ寄せが行くので、少なくともここのところは九〇%ぐらいに上げていかなきゃ安全な施工なんかできるようなオーダーでなくなりますよ、なくなっていますよということを次に申し上げたいんですね。是非この調査基準価格の引上げを御検討いただきたいと、これ要望しておきます。
 それで、安全性にいろいろしわが寄っているじゃないかということを、労働災害の最近の実態を、わざわざ労働基準局長に来てもらって済みません、そこだけちょっとお答えください。
#102
○政府参考人(金子順一君) 労働災害によります死亡者数でございますけれども、昨年は実は千七十五人、全産業で、過去最少になりました。しかし、大変残念なことでございますが、今年に入りましてから増加に転じておりまして、今いろいろ御議論になっております建設業では、一月から八月までの速報値で見てみますと、十二人の増、五・七%、二百二十四人の方がお亡くなりになっていると、こういう現状にございます。
#103
○佐藤信秋君 ということでいろいろ、もちろん現場では施工に気を付けながらやっているとは思うんですが、この調査基準価格からいっても、現場管理費〇・七ですと、そういう考え方で八五%でもいいですと、こうなったら、どうしても競争の厳しい中で入札してどこかに、どこかに手抜かりが出ると、こういうのが今のような労働災害なんかにも現れ始めているんじゃないかなということが大変気になるものですから、是非、災害防止と安全な施工と、こういうような観点からもこの入札調査価格を上げてほしいと、こういうことであります。
 そして同時に、予定価格というのは、さっき御説明いただいたように、しかしながら上限拘束なんですね。これ以下じゃ契約してあげませんと、こうなっているんですね。多分これ日本の、日本独特のものじゃないかと思うんですけれどもね。ほかの国は、アメリカなんかもそうですが、参考価格にしておいて、いや、どうしても掛かるというなら百五円でもしようがないですよ、こういうことなんですけど。だから、さっきのデフレにもなるんですね、高いのは認めないと。みんながこれより掛かると言っていても認めずに、それより安くなきゃ駄目と、こういうものですから、そういう意味では会計法の問題ではあるし、時間の掛かる議論かもしれませんが、予定価格の上限拘束というのは外さなきゃいけないかな、そう思うんですが、副大臣、どうでしょう。
#104
○副大臣(池口修次君) 予定価格の上限拘束性をなくすべきではないかという御意見なり御指摘ですが、現実、じゃ上限拘束性というのは何に基づいて決められているかというと、財務省が管轄しております会計法の中で、予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とするという、法に基づいてこの上限拘束性というのが付いているというようなことでございます。
 なぜそれを付けるかということでいいますと、ある意味、これは財務省の説明ですけれども、国の支出というのは国会の議決を受けた歳出予算でございますので、その範囲内で締結されないとある意味、予算をオーバーするわけですから、この上限拘束性は必要だというのが、国交省の整理ではなくて会計法上の整理だろうというふうに思っております。
 じゃ、ほかの国も全部それでやっているかというと、確かに委員の説明がされたように、我々が調査したところによりますと、日本と韓国ぐらいかなというデータもあるというふうに思っております。
 一挙にこの上限拘束性をなくすんだというのも一つの議論だと思いますけれども、現在の国交省の議論としては、やっぱり予定価格というのをもう少し適正な価格ということで改善をできないのかということを主に今考えているということでございます。
#105
○佐藤信秋君 是非そういう方向で、予定価格、上限拘束やめましょうよという方向で今後の検討をしていただきたいと思いますし、それから基準価格を上げていく、低入札調査のですね。この辺上げていかないと、さっき大臣おっしゃった、デフレに対してどうするかというようなことが、実は公共工事からデフレにしていると、労務単価も下がっている。だから、労務単価も上げてくださいよね、これ、ちゃんと調査して。これ、そういう調査のちょっと間違いがあるからと私自身は思っていまして、その辺、見直していただいてと思います。
 それとあと、ごく簡単に一言だけ。総合評価をやっていただいているんですが、技術提案等をしっかりやっていかないと、さっきの労働災害、どうしても起こりがちになっているという面があるんじゃないかと思いますので、入札のときに総合評価、技術提案なんかをしっかりやっていくんだということを、副大臣、ちょっとどうでしょう、御決意。
#106
○副大臣(池口修次君) 安全を確保するための取組ということだと思いますが、総合評価落札方式ということで、技術評価も十分加えた中で、今落札を決めております。
 特に、工事といってもいろいろ非常に安全上のリスクが伴う工事とそうでない工事というのも多分あるだろうというふうに思っておりまして、安全上に特に厳しいところについては、現場施工管理者の安全管理だとか作業員の安全対策ということに関する提案を出していただいて、それのウエートを高めるというような評価はしていくというふうに考えております。
#107
○佐藤信秋君 施工の安全の確保というのは、十分にひとつ更に意を用いていただいて、そして技術提案をしっかり生かしていくということを是非お願いしたいと思います。
 金子局長、済みません、これで結構でございます。ありがとうございます。
 次に、地方支分部局の話をちょっと伺いたいんですが、でも時間なくなってきましたので、ごく簡単に。
 地方支分部局を廃止してくれと、こういうような議論があるのも確かですが、確かですがですね、知事会、市長会いろいろおっしゃっていますが、各論でいくと実は反対だという人の方がはるかに多いんですね、実は。本音はそうだと思うんですよ。特に市町村長の人たちあるいは議会の人たちは、そんな乱暴なことはとんでもないと。
 そこでなんですね、そんなことをやっちゃいけないと私は思いますけど、ただ、各論として、短いトリップを担う国道であるとかあるいは同一県内で完結している河川であるとかは移管する、その一部を移管しましょうかという協議をしているはずですよね。まだなかなかまとまっていないと。まとまらないんですよね、これ、きっと。もう市町村長や議会、大反対ですから。知事も、自分が引き受けたいって本気でおっしゃる方は私、余りお会い、私に対してそうかもしれませんが、お会いしていません。
 ただ、検討を始めた、その移管の検討状況なんか、進んでいるか進んでいないかだけ、ちょっと一言お答えください。
#108
○副大臣(池口修次君) 私の方で事実関係だけちょっと御報告をさせてもらいますが、国直轄の河川と道路の地方移管について、平成二十年の十月から都道府県や指定都市と個別協議を行っております。現時点の協議結果ですが、河川については、六水系に移管する方向でなっておりますし、さらに二十水系について、移管に向けて協議をしておるということでございます。
 道路につきましては、二千五百二十一キロについては移管する方向で調整がされておりまして、今後、四千三百八十五キロについて引き続き協議をしていくということで、これはあらかた合意はされているんですが、じゃ現実、どう移管をするかということになりますと、ある意味、財源だとか人をどうするのかという取扱いがありまして、現実問題は、ある程度合意はできたけど、実際にどうするのかというところについてはまだ至っていないというのが実態でございます。
#109
○佐藤信秋君 余り大ざっぱな議論をせずに、そうやって個別にどのぐらい本当にできるかというようなことを着実に積み上げていって、それで、もちろん運輸局もそうですけどね、どういう業務なら移しても大丈夫そうかと。慎重にやっていかないと後戻りができないものですから、大変なことになる。これは、北海道局のお話も申し上げましたが。
 結局のところ、ある程度、道州制みたいなものをにらみながら、国、地方政府、中央政府、地方政府、それから基礎的自治体とでも言えばいいんでしょうかね、そんなことをにらみながら考えていかないと、単純に移管するとか廃止するというような議論は多分、市町村長、県民、みんなが、いや、とんでもないという結果になろうかと思いますので、是非是非そこのところは現実を着実に見ながらやっていただきたいと思います。進めるという意味ではなくて、道州制みたいな議論をベースにして考えないとちょっと無理ですよ。
 それと同じように、補助金の一括交付金化というのも、これは多分……
#110
○委員長(小泉昭男君) 佐藤君、ちょっと時間が経過していますので手短に。
#111
○佐藤信秋君 ああ、そうでした。ああ、そうでした。済みません。
 時間になってしまいました。補助金の一括交付金化というのも、そういう意味では道州制等を前提にしながら中身を考えていかないと、いきなりというのは難しいと思いますので、これは、時間が来ましたので、要望になります。ちょっと考え違いしていました。済みません。
 以上で質問を終わります。
#112
○委員長(小泉昭男君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#113
○委員長(小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#114
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 午前に引き続きまして、午後から質問をさせていただきます。
 新たに政務三役に就任をされました皆さん、この国会、内閣の方針としても熟議の国会と、このように伺っております。私どもも真摯な議論をしたいと思いますし、是非誠実な御答弁で、この議論が実りある議論になっていくように是非お力をいただきたいと、このように思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、公共事業の在り方について、基本的な認識をお伺いしたいと思います。
 馬淵大臣は就任後の記者会見で、こういうお話をされています。前原前大臣のリーダーシップの下に私ども政務三役が一丸となって取り組んだ成果が公共事業の削減と、このようにおっしゃっております。
 公共事業、確かに民主党政権になりまして、特に二十二年度の予算では公共事業が一八・三%削減をされました。これにはもちろん、政権の側としても様々な理由があると思います。私どもも効率的な公共事業への質の転換ということはこれまでも常に念頭にずっと置いてやってきたことでございますし、公明党も与党に入った十余年間の間に公共事業の中身の精査ということをやり、無駄を排除するということについては一生懸命取り組んできたつもりでございます。
 ただし、今回の民主党政権のやり方は、やはりコンクリートから人へというこのスローガンに、私たちから申し上げれば、余りに執着する余り、この一八・三%の削減の仕方ということについても言わば単純な削減であったのではないかというふうに見えて仕方ありません。
 特に、このコンクリートから人へという言葉は、特に建設、土木を始めとした、そういうコンクリートに従事する人たちにとっては大変厳しい言葉でありました。そして、冷たく聞こえる言葉でもございました。そういう方々の声を聞くこともなく、同時にそういう、公共事業を削減すればそれは地方経済、地域経済にも影響が出るということは当然考えは及ぶわけでございまして、同時にこの産業構造の転換をもって地方・地域経済を支えるという手を同時に打ちながら進めていくというのが私は本当のやるべき姿ではなかったのではないかというふうに思います。
 そういう意味では、単純な削減を行って、地方及び地域の経済の冷え込み、この大幅な縮小、もちろんこの一年間の間には急激な円高の進行等が、様々なほかの要因がいっぱいあったとしても、特にこの公共投資の削減ということによって起きた地方経済、地域経済の冷え込みということについては、これを見ますと、申し訳ありませんが、成果などという言葉で認めることは私はできないのではないかというふうに思っております。
 一方で、この国会には補正予算が提出をされる予定になっております。まだ当然提出されていないので、その詳細な中身、予算額等も含めて細かいところは当然分からないわけですけれども、十月八日に閣議決定された政府の緊急経済対策がその裏打ちになるわけでございまして、そういうことからのこのメニュー、あらあら聞こえてくる様々な補正予算のメニューを見ますと、一方で今回の補正予算は当然景気対策ですから、公共事業予算というものが、メニューだけ見ても多くのものが盛り込まれるようになっているわけでございます。当然、国土交通省関連に限るものではありませんけれども、今回の補正予算には公共事業が盛り込まれると。
 これはもう、単純に言えば、本予算では削っておいて、景気が厳しくなったから補正予算では増やすという、そういう面から見ますと、政策の一貫性とか、当然公共事業をこれだけ削れば地方・地域経済に景気の影響が出るということは予見されたわけでございまして、その政策の予見性という意味でも、私はこれは言わば民主党政権の失政の一つではないかと、こういうふうに思っております。
 予算で削り、あるいは凍結をし、ストップして、補正予算で、あるいは来年度の本予算の概算要求で復活するということが民主党政権の今回の一連の動きの中では幾つも実は散見されております。
 例えば、これは国土交通省は関係ありませんが、地域医療再生基金についてはやっぱり復活して盛り込んでくるのではないかと、こういうことがあります。そうなれば、やはり政策の一貫性、整合性、政策としての予見性、こういうものが欠落していると言わざるを得ません。この点について、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(馬淵澄夫君) 今、私どもが取り組んできた、私は副大臣時代にも政務三役として取り組んできた公共事業の削減について、成果ではないのではないかといった御指摘もいただきましたが、私どもは、まず今日までこの公共事業に対して徹底的な見直しというものを前政権において図られてきたかどうかについても検証が必要であるということから、マニフェストにも掲げた公共事業削減というものにまずこれは率先して取り組ませていただいた。四年間で一・三兆円というその規模に対して一年目で達成をしたということにおいて成果とは申し上げました。ただ一方で、御指摘のように、地方、地域における大変厳しい経済状況というものも、これも承知しておりました。その上で、今回、私も大臣を拝命いたしまして、改めて地域への再分配機能をしっかりとこれは果たしていかねばならないということを申し上げた次第であります。
 そして今回、この改めての補正予算、これに関しましてはまだ提出をされておりませんが、大枠で申し上げれば、公共事業に関しては国土交通省関係、まず国土交通省関係の事業四千八百億円程度の中で公共関係が四千五百億、こういった規模で今現時点においてこれ今取り組んでおるわけでありますが、この転換そのものは、いったん削ったものを足したということではなくて、むしろ選択と集中、あるいは成長戦略への転換、さらには菅総理がおっしゃっている雇用、まさにこの一に雇用、二に雇用、三に雇用といった雇用への展開といった政策的側面を踏まえた上での私は新たな経済対策、補正予算だというふうに考えておりまして、その意味では、予見性も持った上で改めて今般の経済対策を御提示することになるというふうに思っております。公共事業が悪で、そして社会保障、福祉が善だというようなことを私どもが申し上げてきたわけでありませんし、いずれの予算についても聖域化しないで見直すべきだと思っております。
 ただその上で、私が繰り返し申し上げているように、公共事業、社会資本整備というものについては、これはなくなっていってはいけないものであると、必ずこれは一定程度の確保が必要だということをかんがみれば、今回御提示をさせていただくこの社会資本整備という項目で上げさせていただく補正予算については、皆様方の御議論を踏まえてではありますが、御賛同いただけるものというふうに確信をしております。
#116
○長沢広明君 そういうふうにおっしゃるとは思いますけれども、やはり二十二年度予算で公共事業が二割近く削減をされたことによって、地方の、特に中小事業者にとってはかなり立ち上がることのできない打撃を受けたところも側面としてはあるわけです、現実に。それに対して、それを選択と集中という言葉で今大臣は整理をされ、そして補正予算で集中ということなんでしょうけれども、であったら、この補正予算ももっと早く出すべきだった。やっぱり、この国会の冒頭に出てくるということであらかじめ準備がされているのであれば、そこに政策的予見性があったということにも私は多少の納得はいくかもしれません。しかし、今に至ってまだ対処をされていない。もう国会も半分です。そういう意味では、政策的予見性はやはり足りなかったと。切れ目のない経済対策、景気対策ということが今非常に大事だという認識は多分お持ちだと思います。そういう中でありながら市場にはマイナスのメッセージを出し続けてきたということについては、私は民主党政権の責任は大きいということを指摘をさせていただきたいと思いますし、この景気対策ということはいわゆる、まず民主党さんは今回、公共投資を削ったことについては、まずマニフェストを達成するということが先にあって、その後それを補うという点に、こういう段階になったわけですね。その間に置き去りにされた地方の中小業者、地域の経済というものにもっときちんと目を向けなければいけないということを訴えさせていただきたいと思います。
 同時に、この公共事業の在り方ということを言いますと、社会資本の整備、特に社会資本ストックをどう今後整備するかということに大変大きな、あるいは非常に多くの影を投げかけていると言っていいと思います。道路とか橋梁、河川、海岸とか港ですね。この港の方、地方の小さな港とか行きますと、もう港が壊れていると、波が来ると揺れちゃうような堤防があるんだと。そこをもう直す予定でいたけれども、この間、県の方から連絡があって、予算がなくなったのでできなくなりましたみたいな、そんな話というのが次から次へと出ております。
 そういう意味では、下水道も含めまして、社会資本ストックの老朽化ということはこれから大変大きな課題になります。この維持管理、更新という観点でも、公共事業関係の予算削減が中長期的には私は大きな課題になっていると思いますが、この点についてはどう考えるか、明らかにしてもらいたいと思います。
#117
○国務大臣(馬淵澄夫君) 全く私も委員の御指摘のとおりの問題意識を持っております。
 平成二十一年度の国土交通白書におきましても、三、四十年後の維持管理・更新費が、これが投資可能額を上回る可能性があるということを示しております。従来どおりの維持管理、更新をした場合には、これは年度でいいますと西暦の二〇三七年、八年ぐらいにはもう投資可能額を上回ってしまうと。一方で、予防保全、いわゆる長寿命化等をこれを行えば、若干、幾分かはこれはその年限が先に延びますが、それでも二〇四六年、七年ぐらいには上回る可能性があるということで、大変私自身も危機感を持っております。
 その意味で、効率的なこの長寿命化、維持管理ということをしっかり議論をして定めていくためには、社会資本整備重点計画の見直しが必要だと思っております。ここは社会資本整備審議会と交通政策審議会、いずれの計画部会の先生方に、両方の先生方に集まっていただいて徹底的な審議、議論を行っていただくと、このように今進めておりまして、私自身も先生の問題意識と同様に、この維持管理、更新を含めた社会資本整備のある意味パイ、そして今後の方向性というものをしっかりと定めなければならないと、このように思っております。
#118
○長沢広明君 まさにそのとおりでありまして、ただ、そういう認識をお持ちでありながら、やっぱりこの段階で中長期的な取組の基本の方針というものがまだできていないということが非常に残念なわけなんです。そういう意味では、ここをしっかり急がなきゃいけないし、今大臣御指摘のあったとおり、維持管理、更新という、今あるものをどうするかということだけでも大変長い時間と大変な予算が掛かる。そうすると、やはり次の、新しい時代に向けた社会資本を新たに整備するということは逆に難しくなっていくということが同時に生じちゃうわけですよね。そこをどう整理するかということは、もうこれは真剣にやらなければいけない課題だというふうに思います。
 じゃ、一言だけ。
#119
○国務大臣(馬淵澄夫君) まさに、その部分で民間の知恵と資金を導入すると、PPP、PFIといった新たな社会資本整備の在り方というものも我々検討を始めております。維持、更新、管理、国費で賄える部分というのは限定的になる、その上で民間資金を引き寄せてくる、こういった仕組みをまさに皆さん方の御議論の中で、知恵としてしっかりと出していかねばならないと、このように考えております。
#120
○長沢広明君 今PPPという話がありましたけれども、それも本当に社会資本ストックの膨大な量に対してどれだけ対応できるかといったら非常に疑問な点が多いわけで、これはもう真剣に今取り組まなきゃいけない問題だということを指摘しておきます。
 次に、高速道路の無料化の方針ですが、これは衆議院の予算委員会では我が党の石井政調会長が菅総理とも議論しておりましたので、大臣も御承知だと思います。
 ここで、改めて私、大臣に伺いたいんですが、二〇〇九年の衆院選における民主党のマニフェストでは、高速道路の無料化、そして一・三兆円と、こう明記されておりました。それが今年の参院選のマニフェストでは、無料化した際の効果や他の公共交通機関の状況に留意しつつ段階的に無料化と、こう変化をし、来年度の概算要求には、段階的に原則無料化するという方針の下、対象区間を見直し、拡大して社会実験を実施として一千五百億円ということになっております、要求されております。
 高速道路の無料化という方針は、この馬淵大臣の下でもこれは変わっていないのかということの確認と、一・三兆円と最初言っていたのが今、今回、概算要求で一千五百億円とかなりレベルが違いますが、マニフェストでいわゆる衆院任期四年と、こう自ら規定をされているわけで、あと三年しか残りません。そういう中で、高速道路の無料化とおっしゃったマニフェストの公約は本当に実現できると考えているのか、お答えいただきたいと思います。
#121
○国務大臣(馬淵澄夫君) この高速道路原則無料化ということは段階的実施ということで、これについては菅総理も予算委員会で述べられているように、これ全力を挙げて取り組んでいくべき課題だというふうに思っております。
 その上で、予算規模のお話を今されたんですが、私どもがマニフェストで掲げた一・三兆円というものにつきましては、これは元々は、現行の機構が持つ債務、これを償還した場合に、国債等に置き換えて、これが一般会計上引き受けた場合の元利払いのトータルの数字でございます。
 この数字そのものよりも、むしろ私どもとしては、段階的実施、実際にどの路線から、どの区間から、さらにはその社会実験の効果を見ながら進めていく中で、この金額というものは、予算額というものは決まっていくというふうに考えておりまして、初年度に関しましては九か月で一千億と、今回二年目に関しましては一千五百億を概算要求で上げさせていただいたわけでありますが、今後もこれは影響を十分に評価しながら進めていくということで、四年間掛けて全力で取り組んでいくという、そのことは総理の言葉どおりのものだと、このように御理解いただきたいというふうに思います。
#122
○長沢広明君 大分何かちょっと怪しくなってきた感じがしますけれども、一・三兆円という数字、債務償還にかかわる数字というふうに言い方が、これも大分、当初マニフェストを出されていたときとちょっと変わっているんじゃないかなという気がします。
 全国の経営者に聞いたあるアンケート、新聞に載っておりましたけれども、民主党のマニフェストのうち見直すべき政策として最も多かった意見が、高速道路の無料化という政策は見直した方がいいと。五八・二%の方が、全国経営者、答えられています。六割近い方が無料化という政策には疑問を抱いているということが表れています。
 もちろん、無料化するということは、これまで料金収入等で得ていた二兆円、それを税金で賄うということになるのか、いわゆる国営化ということに戻るのか、これまで民営化へ向けてしてきた努力がそれによって無に帰してしまうのか、こういうようなことに対して様々な疑問の声が上がっておりまして、国営化の方向に進むということは、これまで民営化を一生懸命進めてきたという流れから見ても納得のいくものではございません。
 改めて伺いますけれども、今一・三兆円という話もされましたが、高速道路を無料化するためにはどれだけの財源、どれだけのお金が必要と考えているのか。財源と、本当にこの三年間でやるということを考えたら、ある程度、工程をはっきり示しておかないと、皆さんだれだって、社会実験、社会実験とおっしゃいますが、どこまでやるのかやらないのかということが見えないままでは国民に対してそれは不誠実だと思いますので、明らかにしてもらいたいと思います。
#123
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先ほどの一・三兆円のちょっと補足で申し上げれば、元々の案としましては、民主党の高速道路政策大綱というところで昨年の二月に取りまとめたものであります。そこには、今申し上げたような方向、財源、財政上の状況を明記しております。
 その上で、今回、社会実験を行いながら進めていくわけでありますが、この財源と、そして工程という御質問でありますが、まずは効果、そして影響を評価してということでありますから、社会実験、これは来年の三月まで、この一年目の事業として社会実験を行うわけですから、その評価を踏まえながら進めていくということになりますので、現時点において工程というものも改めてお示しすることはできませんが、御指摘のように、先行きが見えないものに対して不安を感じていらっしゃるというのが、私は、先ほど御指摘いただいた世論の調査結果ではないかというふうに思っております。
 本来ならば、その意味では、私どもが社会実験の効果あるいは影響等をいち早く整理をしてお示しすべきではありますが、残念ながら、これは様々な要因があります。一年間、一定程度の期間を通じてでないと、効果等あるいは影響というものを正確に把握することができません。今も逐次公表はさせていただいていますが、正式にきちっと評価をした上で改めて提示をしていくということが必要だと思いますので、引き続き、これは段階的に進めていくためにも進捗状況を見ながら検討を進めていくということを考えております。
#124
○長沢広明君 整理すると、やっぱり財源も工程も全くめどが立っていないということでございます。
 それでは、やっぱりマニフェストの検討というのは一体どういうことだったのかということになってしまうわけでございまして、これでは、政権担当をしてもう一年経過をされているわけですから、そういう意味でもう少しこれに対してしっかり明確にすることが私は政権担当している政党、また政府・与党としての責任ではないかと本当は思いますけれども、それが全くめどが立っていないと、こういう点でも民主党政権の政策に政策的予見性がない、冒頭から私、申し上げておりますが、そういうことが浮き彫りになっているのではないかと思います。
 次に、社会実験のお話ですのでちょっと社会実験について伺いますが、平成二十二年度予算で一千億投入とされていますが、この間、衆議院の予算委員会では菅総理はちょっと勘違いされて、三〇%ぐらいの区間で無料になってとおっしゃっていましたが、これは議事録にそう書いてありました。これは事実は、実際は全体の距離でいっても一八%、一千億円投入されています二兆円のいわゆる料金収入の規模からいくとわずか五%と、こういうことになります。そういう区間で行われている実験、非常に小さな実験というふうに言うしかありませんが、実際、その区間も非常に利用台数の少ない区間でありまして、本当、実験としてどれだけ効果、正確なデータということを把握できるだけのいわゆる実験としての正当性があるのかどうかということに多少の疑問があるということも今まで幾つも、何度も指摘をされてきたことだと思います。
 更に今後、社会実験を行うということであれば、交通量の多いところで実施をするのか、そういうことも含めましてより多角的な検証を本当はすべきだと私は思いますが、今回、一千五百億円、概算要求でこの社会実験の見直し・拡大と、こういうふうにおっしゃっていますけれども、一体どういう見直しの方針でこの一千五百億を概算要求されているのか、示してもらいたいと思います。
#125
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、総延長の二割、約二割に対しての初年度の社会実験、この効果がなかなか測定できないのではないかという御指摘に対してですが、これは、一般道からの転換というものがこれは詳細に把握をされて、今蓄積をされております。高速道路の無料化というのは、現在整備されている道路、その資源の有効活用というものが最大のポイントでもありますので、その意味では、高速道路を今現状、料金抵抗があるがゆえに走らない状況にある、しかしこれが無料になれば料金による抵抗値がなくなって、一般道からこれは流入していくと。ここのデータというものが非常に重要であります。
 今回、二割でありますが、約二割でありますが、実際に想定していたものとは違った結果、机上のシミュレーションとは違った様相というものも十分に把握をしながら、これもまた解除していくということを進めておりますので、私どもとしてはこの実験の仕方というのは、まずは影響を考慮しながら、公共交通機関、渋滞等を考えながら進めてきたという意味においては、初年度においての方法としては、財政的な制約もございましたが、まず一歩踏み出した方向ではないかというふうに思っております。
 その上で、今回、この千五百億に拡大をしていくということでありますが、当然ながら、より無料化の効果が現れやすいというところを選定をして進めていくという作業になります。現時点におきましては、この予算編成過程でありますから、当然この予算が最終的にどのような形になるかというのはこの年末をもって決まるわけですけれども、その予算編成過程の中で金額をしっかりと確保しながら、再度この区間の見直しというものを当然行います。現時点でやっている社会実験について見直しが掛かる部分も出てくるかもしれませんし、改めて先生御指摘のような形で交通量の多いところという議論も中には出てくるかもしれません。
 ただ、私どもとしましては、影響が、それこそ経済社会活動にマイナスの影響が起きるようなところというのを即座に行うべきではないのではないかと。今回もある程度、影響を考慮しつつ進めていくのが本来の進め方ではないかというふうに考えております。
#126
○長沢広明君 ですから、今年一千億、来年度の概算要求では一千五百億ということで実験を進められているわけですけれども、この実験そのものが私は場合によってはそれこそ無駄金になってしまう危険性が高いというふうに思っているわけです。この社会実験をして、まあ評価をしながらという今お話がありましたけれども、例えば今、国土交通省もホームページで公開したりしているのは承知しておりますが、この実験の結果をどう検証するかということが課題なわけですね。
 例えば、公共交通機関への影響、並行する公共交通機関へどう影響が出るかということ、これは非常に大きな問題です。鉄道やバス、並行しているところに対して影響が起きる、場合によっては無料化することによってここの交通、公共の交通機関が存廃の危機ということを迎える可能性もある。そうなった場合、この公共交通機関がなくなったらまた元に戻すということはできなくなってしまうという、社会基盤という、交通体系そのものに実は大きな影響を与えることになるわけですね。
 そういう意味では、この公共交通の利用者が減少して、場合によってはそっちの事業継続ができなくなってしまう危険性もある。こういう場合の検証としては、私は無料化実験の検証そのものを慎重に検証しなきゃいけない、あるいは無料化という考え方そのものを慎重に検討しなきゃいけない、そういうふうに思うわけで、この検証の在り方についてはどう考えているか、答えてください。
#127
○国務大臣(馬淵澄夫君) そのことを申し上げてきたつもりなんです。だからこそ、この社会実験というものについては慎重に進めていかねばならないというふうに申し上げてまいりました。
 最初に二割です、そして今回、一千五百億規模ということでありますが、これが、一部ではあるにせよ、全体の無料化のそのシミュレーションをより確度を高めていく実験データとなってまいります。
 私どもとしては、この公共交通機関への影響や一般道の渋滞の緩和、あるいは逆に渋滞をしてしまう部分というものも交通量の変化を的確にとらえて想定していこうと、そして今後の方向性というものを御指摘のような形でいち早く出すこと、できるだけ早く出すことが必要だと思っております。
 さらに、元々この施策のポイントは、先ほど申し上げたように、現存する高速道路、この有効活用だということであります。これによって、人流、物流あるいはお金の流れもより促進させていくという意味におきましては、観光等における施設の顧客の入れ込み数、これらなんかも一定程度時間を区切ってこれも把握をしていかねばならない。また、輸送の変化ですね、さらには地域における経済の活性化、これらも様々な要因を踏まえながらしっかりと把握をしていかねばならないということでありまして、今回の社会実験の在り方は、先生御指摘のように、私ども細心の注意を払いながら、かつ効果が発現できるという結果を御提示できるように一歩一歩慎重に進めていっているということで御理解をいただきたいというふうに思います。
#128
○長沢広明君 ですから、結果として無料化しない方がいいという検証結果が出たら、無料化しないということを考えてもらいたいと思うんですよ。要するに、もう一つは、今検証の話。できれば、やっぱりこれは影響を受けるのはその地域です。ですから、地域とか地方の声をちゃんと聞くということを実は念頭に置いてもらいたいという……
 じゃ、一言だけ。
#129
○国務大臣(馬淵澄夫君) 各都道府県からの意見も現在聴取をしているところでございます。
#130
○長沢広明君 そういう地域の影響とか地域の声をしっかり受けて進めてもらいたい、進めてもらいたいというか、私はちゃんと検証してもらいたい、正確にしてもらいたいと思います。
 次に、住宅政策について伺います。
 私たちは、住宅政策に関しては、今後やはり新しい社会保障としての住宅政策という観点で考えることが必要だと思います。衣食住のうち住をどう確保するかということが、今後の政策としては非常に大事であります。
 我が国の戦後の住宅政策は、そういう意味では量としては既に満ち足りてきていると言っていいかもしれません。ただ、その一方で、少子高齢化が進み、人口減少社会へと変化していく中で、量ということは満ち足りたとしても、家族形態の変化、世代構成の変化、こういうことを受けて、いわゆる質の転換ということが求められております。
 さらに、ここ数年はこれに経済情勢ということが加わってきました。年金生活、子育て世帯、障害者というようないわゆる社会的弱者の住宅確保というのは、この様々な要因が新しく加わって非常に住宅を確保することが困難になるということは容易に想定できるわけですね。二〇二五年には今の団塊の世代が後期高齢者になるということを考えますと、超高齢社会において住宅をどう確保できるかということは、これは社会保障という観点で非常に重要な角度だというふうに私たちは思っております。
 残念ながら、民主党のマニフェストにはこういう視点がちょっと見えませんで、二〇〇九年の政策集では、かろうじて、高齢者、障害者、子育て世帯も住みやすい優良で多様な賃貸住宅を整備しますと、こう書き込まれてありますけれども、具体的な目標とか、具体性とか、それへ向けてのビジョンというものがなく、やや国民の不安を払拭できない内容であるというふうに私は見ざるを得ないと思います。
 社会保障という観点で、将来の住の確保、ちゃんと様々な社会状況、経済状況の変化を見越したそういう政策ビジョンが必要だというふうに考えますが、大臣の見解を問います。
#131
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘の、まさに高齢者あるいは低所得者、さらには子育て世帯といった方々の住宅の質の確保というものについては、これは重要な課題だと思っております。
 高齢者の方々につきましては、単身あるいは夫婦世帯、今後、介護といった問題が当然ながら目前に迫ってくるという状況の中では、このセーフティーネット確保のために、今年度内を一応目途としまして、住生活基本計画の見直し作業、これを今、現時点で行っております。これによりまして、低所得者の方々、高齢者、そして子育て世帯の方々に住宅セーフティーネットの確保を行っていくということでございまして、これはさらに、こうした施策を進めながら、一方、厚生労働省とも連携をしましてサービス付き高齢者住宅制度の創設ということも現在検討しております。
 こうした中で、御指摘の住宅こそ社会保障という観点から施策が必要だという御指摘のビジョンにつきましては私ども御提示をさせていただいていると、このように考えております。
#132
○長沢広明君 いわゆる社会保障としての住の政策ビジョンという観点は、様々な手をこれから打っておかないといけないということがあります。既存の住宅のストックを活用する、あるいは家賃補助制度というものをどう見直すかということもある、あるいは既存の公営住宅というものをどう今後更新しながら生かしていくかということもある。いろいろ多角的に組み合わせながら、将来の世代構成とか社会経済状況の変化というものに合わせたメニューというものを今から準備しておかないと間に合わないということがありますので、住生活基本計画は五年の見直しのちょうどそのときに差しかかっていますから、こういう社会保障の観点から住を確保するということをしっかりと念頭に置いて進めなければいけないということを指摘をさせていただきたいと思います。
 それで、今ちょっと申し上げました既存の住宅のストックの活用というものは今やろうと思えばすぐできる施策であります。これまで住宅のセーフティーネットという意味では公営住宅がありましたけれども、公営住宅は依然として倍率が高いですね、八・六倍、応募に対してですね。この八・六倍というかなり狭き門であります。しかも、公営住宅はもう新設が難しい、地方にとっては逆に大きな負担になっているという問題がある。
 となると、民間の賃貸住宅をどう活用するかということになる。ところが、民間の賃貸住宅は空き家が年々続いておりまして、平成二十年度でいいますと、何と一八・七%、空き家、空き家率が二割近くになっておるわけですね。公営住宅には応募が殺到するけれども民間の賃貸住宅では二割空き家になっているということで、より家賃の安い優良な住宅を求めているということと市場のミスマッチということが続いているわけです。逆にここをきちっと生かしていくと、そこに新たな住宅市場の活性化ということにもつながりますし、既存の住宅ストックの有効活用ということは大臣は所信の発言の中でも言われていましたけれども、触れられておりました。具体的にどういうことができるのかと。
 私たちは、民間ストックということをいえば、平成十九年に住宅セーフティーネット法を作りまして、それを今一生懸命進めてこられているというふうに思います。同時に、衆院選のマニフェスト、参院選のマニフェストでも公営住宅の空き家のリフォーム、こういうことで低家賃で提供すると。特に非正規労働の若者とかそういうところにも提供するというセーフティーネット住宅を提案しましたし、九月二日に公明党が独自で提案をした緊急経済対策、円高・デフレに対する緊急経済対策の中でもセーフティーネット住宅を今すぐできる活性化という意味も含めて提案をさせていただきましたけれども、具体的に大臣が所信の中で触れられた民間住宅ストックの活用ということはどういうふうに進められるつもりか、お考えを伺いたいと思います。
#133
○国務大臣(馬淵澄夫君) 民間賃貸住宅の空き家率は、先生御指摘のように、昭和六十三年からずっとこれは上がってきて、もう今は一八・七%という状況にあるということで、こうした民間賃貸住宅への入居の円滑化というものを進めなければならないとして、公明党さんが中心となられて住宅セーフティーネット法、議員立法にて制定されたこともよく承知をしております。
 居住支援協議会等による民間賃貸住宅への入居の円滑化といったことを取り組んでこられたということで、こうした取組に重ねて、私どもとしてもより既存住宅ストックをより活性化させていこうということで、十月八日に発表しました経済対策では、耐震化、バリアフリー化の改修費用を支援する、子育て世帯、高齢者、障害者などの方々の安心、安全な賃貸住宅の供給促進ということで位置付けさせていただきました。そして、これらを受けまして、住宅確保要配慮者に賃貸することなどを条件にして、既存住宅の空き家ストックについて耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修などのリフォーム費用の一部を国が直接支援するということを現在検討しているところでございます。
 いずれにしましても、公営住宅などを補完しながら既存ストックの活用ということをしっかりと図り、そして住宅セーフティーネットを構築してまいりたいと、このように考えております。
#134
○長沢広明君 ちょっと簡単に確認ですが、今の話は補正予算でいいですか。
#135
○国務大臣(馬淵澄夫君) 経済対策に掲げたものですから、補正予算として現在検討しているところでございます。
#136
○長沢広明君 そういう角度をしっかり進めることは、先ほど来申し上げた社会保障としての住の確保という大きなスパンに対する入口のところで、そういうことを一つ一つ実現しながらやっていくことが長い目で非常に大事なことだということをひとつつながりとして認識をいただきたいというふうに思います。
 また時間がちょっとなくなっちゃいましたが、私も八ツ場ダムの問題、今日も本当はもう少し深掘りしてやりたいというふうに思っておりました。
 八ツ場ダムについては、九月七日の閉会中審査の場でも前任の前原大臣と議論させていただきましたけれども、ちょっと前段の話はもう省略をいたします。
 改めて馬淵大臣に伺いますけれども、特にこの八ツ場の問題をこれだけどうして私、前回に続けて言うかというと、関係の一都五県というものの治水、利水の問題とか財政上の問題とか、大変な混乱を生じているわけです。八ツ場ダムができることを前提に、例えば下流の地域で、埼玉県なんかは利根川のスーパー堤防とかやったり、計算をしてそれに合わせてやったりしていることがあるわけです。そういうことが崩れるといろんな影響が出るということも、細かいところもいろいろ出ます。
 しかも、この首都圏には人口と資産が集中している。非常にある意味では、国土の形成という意味では大きな意味を持つ地域でありまして、しかもダム行政そのもの全体を洗い直しするという考え方、治水、利水の在り方を見直すという考え方そのものに私は反対するわけじゃありませんけれども、八ツ場についてはマイナスの影響が余りに大きい。だから、私はこうやって何度も取り上げさせていただきますが。
 改めて検証がスタートしましたけれども、地域の意向も十分に反映しながら予断を持たずに検証を進めてまいりますと大臣は所信の中で述べられました。この、じゃ、検証というものは、スケジュール、いつまでに結論を出すのか、それをはっきりしてもらいたいという地元の自治体の声は大変強うございますので、めどを示してもらいたいと思います。
#137
○国務大臣(馬淵澄夫君) 一都五県のみならず、その地域の方々、地元の住民の方々の不安を早期に解消することは、これはもう大変重要だということは私も認識しております。その意味で、一都五県の皆さん方とも共通認識の持てるその目標時期をできるだけ早い段階にお示しをしたいというふうに考えております。
#138
○長沢広明君 予断なく検証するということは、確認ですけれども、八ツ場ダムについても中止ありきの検証じゃないということですか、中止の方針はどうなんですか。
#139
○国務大臣(馬淵澄夫君) 一切の予断を持たないということでございます。
#140
○長沢広明君 前原大臣のときには、予断を持たずに検証する、八ツ場ダムについては中止の方針は変わらないと。ということは、すなわち予断を持って中止するということじゃないかと私はずっと思っておりましたが、それは今、大臣があくまでも中止ありきではないというつもりで考えていらっしゃるのではないかと心の底で推測をしていきたいというふうに思いますが、よろしいですか。
#141
○国務大臣(馬淵澄夫君) 予断を持たずに再検証を進めます。
#142
○長沢広明君 予断を持たずに私は検証していただきたいというふうに思います。そして、スピードアップしなければならないというふうに思います。
 特に、この有識者会議の治水対策の在り方も見ましたけれども、その中には、評価するに当たっては、現状における施設の整備状況や事業の進捗状況を原点として検討を行うと書いてあります。八ツ場ダムの場合は、ダム建設全体の進捗率はおよそもう七五%いっているんですよ。ここを原点として検証するということになるはずです。ですので、特に地権者との用地補償基準は平成十三年から十七年の間で既に妥結。この用地取得はもう八四・九%。家屋移転は九〇・四%終わっている。
 つまり、ダムを今まであちこちで造ってきた人たちの話を聞くと、用地補償の基準が妥結をし、用地問題がある程度めどが立ったら、ダムというのはもう八割、九割できたも同然だと、こういうことになるわけですね。これが常識だというふうになります。
 そういうことを前提に、ダム本体だって、昨年七月、政権交代の中止宣言の前に既に仮排水トンネルが完成しております。そういうことを考えれば、このダム工事としては本当に大きく進んでいると考えれば、これを原点として検討を行っていただきたいというふうに思います。
 特に、今年この一年間、生活再建事業の問題がなかなか進まないということを現場の皆さんからも声を聞きました。これまで三百戸以上がダム建設を前提に立ち退いていきました。そういう方々の生活再建の方向を本当はきちんと明らかにしながら進めなければならないわけですけれども、残念ながら、特に今年度は生活再建事業がなかなか進んでいないと。
 今年度の用地補償、生活再建工事の予算に対する執行状況、これをちょっと聞きましたけれども、八月までの段階でまだ四割いっていないという数字でございます。この今年自体の、今年一年間の予算の執行状況がわずかまだ四割、方向性も進まないまま、しかも生活再建の事業もほとんど進んでいないということになるわけでございまして、これでは余りに地元に対して無責任であります。遅滞なく予算を執行していくよう全力を上げるべきだということで、見解を伺いたいと思います。
#143
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のように、八ツ場ダムの事業、二十二年の八月時点で全体の三九・八%、そのうち用地及び補償費では一一・一%ということでありますが、理由といたしましては、一都五県からの直轄事業負担金及び利水者負担金の支払を留保されているということでございまして、その中で工事や用地買収等に係る支払額と支払時期の関係を考慮しながら予算を執行してまいりました。結果的にそのような執行率になったということでございます。
 今後も負担金の支払については御理解をいただけるよう調整を続けながら、生活再建事業、早く進めるべきだという御指摘でもあります。地元の方々の御要望に添えるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#144
○長沢広明君 もう時間が来ましたので終わりにしますが、今ちょっと大臣、一都五県の支払が留保されているからみたいなことを理由にするような言い方はやめた方がいいと思います。一都五県が支払を留保するのは、それは国の方が今後の再建の方向性とか検証のスケジュールとかその中身について明らかにしてこなかったから留保してきたわけであって、それは一都五県に責任があり原因があるんじゃないということだけは言わせていただいて、これで質問を終わります。
#145
○上野ひろし君 みんなの党の上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。
 時間が限られておりますので早速質問に入らせていただきます。まず、国土交通省の所管をする産業の状況ということでお伺いをしたいと思います。
 現在、我が国の経済、非常に厳しい状況にあるということでありますけれども、国土交通省所管の産業についても同様でございます。特に建設業についていいますと、私も地元を歩かせていただきまして、非常に受注が減っている、厳しい状況の中で、なかなか立ち行かない、また実際に事業を閉じられている、そういう企業もたくさんあるという状況であります。
 まず、国土交通省の方から、建設業の現状についてどう認識をされているのか、お伺いをしたいと思います。
#146
○政府参考人(大森雅夫君) お答えいたします。
 平成二十二年度の建設投資額は約四十一兆円となる見込みで、ピーク時である平成四年度の八十四兆円と比べて半分以下に落ち込んでいる状況でございます。これに対しまして、許可業者数はピーク時の六十一万業者から平成二十一年度末には五十一万業者となり、一五%の減少、また、就業者数についてもピーク時の六百八十五万人から二十一年度には五百十七万ということになりまして、二五%の減少にとどまっているところでございます。
 このようなこともあり、建設業界全体の売上高営業利益率は、二十一年度で全産業が二・〇%ということに対しまして建設業は一・一%と低迷をしております。また、倒産の状況でございますが、建設業の倒産は全体の四分の一強を占め、平成二十一年度には三千三百二十五件、二十二年度上半期は千五百八十四件と高止まりしております。
 このように、建設業の経営環境は他産業と比較しても極めて厳しい状況にあるものと認識しておるところでございます。
#147
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 今御説明いただきましたように、非常に建設業、厳しい状況にあるということかと思います。景気の悪化する中で民需が減っている、これも政府の経済対策の遅れや不備といった要因があるかと思います。また、それに加えまして、公共投資、先ほどから話がありますけれども、平成二十二年度予算でいうと、前年比で一・三兆円の減、一八・三%の削減ということであります。
 こういう公共事業の額の見直しについてはいろいろな方針、考え方があると思いますけれども、建設業の経営という観点からは明らかにマイナスの施策であると思います。その一方で、建設業の経営の改善のための施策が不十分であったのではないかという思いがございます。それは、例えば倒産件数、今お話ありましたけれども、三千三百二十五件、非常に高い件数で高止まりをしている、そういうことにつながっているのではないかと思います。
 国土交通省、国土交通大臣と言ってもいいと思いますけれども、建設業の発達を所管をする、建設業の振興を所管をするという立場かと思います。一昨日の大臣の発言でも、地域経済を支える産業、観光、建設・運輸等内需の中心となる産業の育成を進めるというお話がありました。その国土交通大臣が、実際には建設業という所管産業を逆に苦しめているというのが現状ではないかと思います。実効的な対策を打たないまま公共事業を減少するということが経営の悪化を招く、それが今の現状ではないかと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
#148
○副大臣(池口修次君) ただいまの質問に対して私の方から答弁させていただきますが、建設業の厳しさというのは午前中もいろいろ議論をさせていただきまして、今役所の方からも報告がありましたように、大変厳しいという認識はしております。
 その厳しさの要因ということでは、一つには建設投資額が公共、民間で減少しておると。それに輪を掛けて、それらが減少しているから起きるんですけれども、ダンピング競争で、それが利益率の低迷なり、立場の弱い企業や労働者へしわ寄せが発生しておるというのが基本的な認識でございます。
 じゃ、国交省は何をやっているのかということですけれども、これまでの中でやってきたのは、一つには、公共工事における低入札価格調査の基準価格の引上げ等の実効あるダンピング防止対策の徹底と、これは午前中説明をさせていただきました。二点目には、法令遵守の徹底等の元請、下請関係の適正化というのも進めております。三点目に、建設企業の資金繰り支援や下請債権保全などの金融支援もやってきております。また、四点目には、地域建設業の異業種等の連携等による新事業展開支援等に取り組んできております。
 さらに、今回、経済対策を議論をして、多分これが補正予算に結び付くはずなんですが、その中で社会資本整備を対策の一つの柱というふうに位置付けて、今予算の配分等を検討をしております。
 さらに、この経済対策で何を、ほかにもやっていることがありまして、下請債権保全や元請資金繰りに係る支援の強化、地域の建設業のエコ、耐震等成長が見込まれる分野での市場開拓の取組への支援、海外プロジェクトに係る案件の発掘調査等による海外展開の支援というのを経済対策で同時に盛り込んでおります。
 これからも、地方で頑張っておって技術と経営に優れて地方に貢献する企業の生き残り、成長に向けて環境整備をするのが国土交通省の役割だという認識をしております。
#149
○上野ひろし君 建設業の中の配分の話、非常に重要で、改善というのは必要だと思いますけれども、まず総額として投資の額が減っているというのが非常に大きな要因ではないかと思っています。これから補正予算、それから平成二十三年度の予算を御議論をさせていただくことになると思いますけれども、是非、地域の経済それから発展を支える産業の育成には力を注いでいただきたいと思います。
 関連して、個別の制度についてちょっとお伺いをしたいと思います。
 国土交通省の直轄工事における競争参加資格審査、どれくらいの規模の事業に競争入札参加できるのかということを規定をするものであるかと思いますけれども、これについては二年ごとに制度の変更それから等級の審査が行われているということでございます。
 その二年ごとの等級の見直しに伴って、例えばこれまでであれば入札できた規模の工事に手を挙げることができなくなる、そういったことがある。建設業は非常に厳しい経営環境にある中で、この等級の見直しによって更に事業が制約をされる、そういう懸念が業界の中にあると聞いてございます。
 企業の側にとってどれくらいの規模の工事に参加できるのかというのは、これは実態として見れば、例えば県の中で事業をやっていくのか、それとも県境を越えて広域で事業をするのか、又は場合によってはゼネコンのような、そういうふうな大きな企業を志向していくのか、そういう経営判断にもかかわるものであるかと思います。
 単に機械的に数字を当てはめて企業の位置付けを行うということではなくて、企業が自らの判断で経営判断をできる、経営判断を行えるような余地を残す、そういう経過措置のようなものを置くことが必要ではないかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
#150
○副大臣(池口修次君) この競争参加資格審査につきましては、委員は既に承知の上での質問をしていると思いますが、若干説明をさせていただきますと、競争に参加する企業の技術力、経営力を適正的に評価するとともに、適正な参加可能企業数があり、十分な競争原理を確保するという観点から、競争参加資格審査を二年ごとに実施をしております。
 実は、平成二十一年に現在の審査基準を決めました。決めるときに実は大きな変化をしまして、企業規模、工事規模について大変大きな変化をさせましたので、これをいきなりやりますと、相当参加資格要件が変わってしまうという背景がありまして、そのときの経過措置ということで従来の等級にとどまることもできるという経過措置を講じたというのが今までの経過でございます。
 これから平成二十三年、二十四年の参加資格を検討するんですけれども、これについて国土交通省の有識者会議ではありますけれども、基本的にはもうこれはマスコミも全くフルオープンのオープンな有識者会議の中で意見を聞きまして、経過措置の適否も含めて今参加資格の協議をしておるということでございますので、是非その結果を見ていただきたいなというように思っています。
#151
○上野ひろし君 是非、企業の側が事業活動を制約されることがないように御配慮をいただきたいというふうに思います。
 次に、事業評価制度の見直しということでお伺いをしたいと思います。
 予算が限られている、そういう中で効果的に公共事業を行っていくためには、それぞれの事業を適切に評価をしてできるだけ効果的に実施をしていくということが必要ではないかと思います。
 前回の委員会でも前原前国土交通大臣に対して、例えばBバイCの取扱いということで、命の道と言われるような、地域の方々が生きていくために必要な社会資本についてきちんと評価をすべきであるという話をさせていただきました。馬淵大臣は副大臣のときから非常に精力的にこの問題、取り組んでこられていると思います。
 今年の四月の、これは衆議院でありますけれども、国土交通委員会の場におきまして、当時副大臣であった馬淵大臣が、平成二十三年度の予算に向けてBバイCも含めた評価方法の見直しを行っていきたい、また、概算要求までにできる限り早い段階、六月末までに定めることを考えているというような発言もされているところでございます。これまでの検討状況、それから今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
#152
○国務大臣(馬淵澄夫君) 限られた予算の中で真に必要な公共事業を実現していくためには、この事業評価というものは極めて重要だという認識を私は野党時代からずっと持っておりました。この一年間、副大臣として取り組んできたことであります。
 事業評価の見直しということで、これは二十一年十二月、昨年十二月に国会審議に資するために評価結果の公表時期の前倒しというのを行いました。また、新規事業採択時評価における第三者の事前審査の導入なども行いました。さらに、今年の四月でありますが、負担金の負担者である都道府県、政令市等への意見聴取導入、直轄事業等の評価サイクル、これは新規の場合五年間たってから再評価だったんですが、これも短縮しました、三年間ということで、よりきめ細やかな評価が行えるようにしました。
 このように事業評価制度の改善を取り組んでおりまして、さらに今後その内容も含めて、検証可能となるような評価手法の改善ということで、この事業評価の仕組みの中に計画段階評価というものも設けました。今までは事業評価はある意味、事業が決まっていたんですね。道路でいえばバイパス、こういう事業が決まっていた、そこにおいてBバイCを設定する、計算をすると。しかし、果たしてその事業そのものが妥当性あるのかどうか、つまり計画段階で評価すべきだということで、これを新たに設けました。バイパスではなくて交差点改良で済むかもしれない、政策目標としてアウトカムはあくまで渋滞の緩和なんだと、もうこういった観点から計画段階評価というものを今回設けまして試行を行っております。
 いずれにしましても、こうした一連の改革を現在も進めておりまして、来年の夏までに、概算要求をするまでにはこうした改革を進めて事業の再検証をしっかりと行ってまいりたいと、このように考えております。
#153
○上野ひろし君 見直しについて拙速にやっていただきたいという思いは全くなくて、六月末、それから二十三年度の要求までにという話とは関係なく是非きちんと中身を詰めていただきたいということであると思います。
 関連をいたしまして、私の地元でもある八ツ場の話についてお伺いをしたいと思います。
 九月の二十七日に関係地方公共団体からなる検討の場というのが設けられました。これから検証作業が進められていくということになると思いますけれども、現在、八ツ場については想定をされている事業費四千六百億円のうち三千四百二十六億円が平成二十一年度までに支出をされているということかと思います。事業費ベースで見ても進捗率は七四%、その他の指標で見ても七割、八割、進捗をしているということかと思います。
 八ツ場についていいますと、これから新しくダムを造ろうという話ではなくて、既にかなりのところまで進捗をしているという事実がありまして、検証に当たっては、是非その事実を十分尊重すべきではないかと考えます。
 例えば、他の代替的手段と比較をする、堤防を造るという話もありますけれども、それであれば、ダムを一から造った場合のコストではなくて、これから追加的にどれぐらいコストが掛かるのかという追加的な支出について八ツ場については比較をすべきでありますし、便益と費用を比較するというのであれば、いわゆる残事業BバイCを用いるというのが適切であるかと思いますけれども、大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
#154
○国務大臣(馬淵澄夫君) 今般取りまとめをいただいた今後の治水対策の在り方についての中間取りまとめ、この中には、代替案との検討比較については、これは残事業費を基本とすると記されております。したがいまして、この八ツ場の検証におきましても、残事業費約一千五百六十億、これがそのまさにCバイCですね、コストの比較ですから、を基本として検討を行うことになっておりまして、これも再評価実施要領細目というもの、これ、事業評価の細目実施要領、これは河川局の方でこれを変更いたしまして、残事業費を基本にして検討を行うこととしておりますが、ただ一方、BバイCというダムを造った場合の費用対効果の検証に関しては、これは当然ながら累積されたコストで見るべきでありますから、これに関しては総事業費を用いるということにしております。
#155
○上野ひろし君 是非、八ツ場のダムの中止、それから継続という判断に当たっては、これまで進捗をしてきたという事実を尊重していただきたい、そして予断を持たずに是非検証をいただきたいというふうに思います。
 続いて、八ツ場に関しまして、今後のスケジュールについてお伺いをしたいと思います。
 これまで、前原大臣、前国土交通大臣が、検証の結論を得る目標時期については、一都五県と共通認識の持てる時期をできるだけ早くにお示しをしたいという旨の発言をされておりますけれども、現時点まで、具体的なスケジュールについては明確になっていないということかと思います。
 八ツ場ダムの地元におきましては、いつになったら結論が得られるのかよく分からない、判断材料がない、どう対応していいのか分からないということで途方に暮れている住民の方々、事業者の方々がたくさんいらっしゃいます。先ほど脇委員から旅館を畳んだという話もありましたけれども、方向性が見えない中で新たな投資もできないと、旅館でいえば改修もできないという中でお客さんが減っていく、そういう中で、まさに貯金を取り崩して生活をしていくんだという方々もたくさんいらっしゃるというふうに聞いております。生活再建を進めると言われても、検証結果が得られる時期の見通しがない、今後の展望が示されないということ自体が、関係者の方々の生活再建を困難にしている、そういう実態があるのではないかと思います。
 また、先ほどもちょっと話がありましたけれども、工事の完成予定時期というのは、今、現時点では二〇一五年度ということになっているのかと思います。
 例えば、いつまでに検討を終了するのか、逆に、どれぐらい、少なくともこれくらい掛かるという見通しがあるのか、目安、それが数か月なのか一年なのか又は数年掛かるのか地域の住民の方々にお示しをするべきではないかと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#156
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先ほども質問いただきましたし、御指摘の点は十分踏まえております。もう既に十月一日に、八ツ場ダムの検証は、これ、検討体制を早期に立ち上げるという方針の下に検討の場の第一回幹事会が行われております。
 こうした中で、私どもとしても、地元の皆様方の不安を早期に解消すべく、できるだけ早い段階で、この一都五県の皆さん方との共通認識を持てる目標時期をお示しをしたいと、これは、そのように私も、新たに大臣を拝命しました私自身からもそのように申し上げたいと思っております。
#157
○上野ひろし君 先ほども申し上げましたけれども、見通しが示されていないということ自体が地域の方々の生活再建を厳しくしている、難しくしているという現状を是非御認識をいただきたいと思います。
 前原大臣、いろいろな場で、地元の方々に政策変更で御迷惑をお掛けをしたことをおわびをしたいという発言をされておりますけれども、それだけではなくて、今まさにほうっておかれている、見通しが示されていない、いつまで待てばいいのかよく分からないということが地域の方々に非常に御迷惑をお掛けをしているということを是非認識をしていただきたいと思います。
 スケジュールについて再度確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど来、完成予定時期二〇一五年という話を申し上げております。これも報道でありますけれども、関係都県が八ツ場ダムの完成期限について、二〇一五年という当初の予定どおりの完成を求めるという話、報道がございます。もちろん、正式に要請があってからの判断、コメントということかと思いますけれども、現時点で大臣のお考えとして、検証の結果、事業継続という結論になった場合に、二〇一五年度までに事業を完了するという考えでよろしいかどうかお伺いします。
#158
○国務大臣(馬淵澄夫君) すべては予断を持たずの再検証、その結果を踏まえてだというふうに考えております。
#159
○上野ひろし君 是非地域の実情を踏まえましてできるだけ早期に結論を得る、そしてその結論を得る時期をできるだけ早くに明確化をするということを求めたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#160
○藤井孝男君 たちあがれ日本の藤井でございます。
 馬淵大臣始め質問をさせていただきますが、私も限られた時間でありますので、端的に御質問いたしますから分かりやすく御答弁を率直にいただければと思っております。
 まず最初に、揮発油税、自動車諸関税について基本的なことを大臣にまずお伺いいたしたいと思います。
 今日午前中から、また先ほど来、いろいろ各党質問がありまして、公明党さんの長沢委員からも無料化の話が、高速道路の無料化、社会的実験についてやり取りがありました。それに関連いたしまして、民主党さんが政権を取られてからマニフェストを実行していない、約束違反であるということは様々言われていますが、その中の一つに、この自動車関税と申しましょうか諸関税と申しましょうか、関係諸税があるんだろうと思います。
 と申しますのは、いわゆる自民党政権、最終的に道路特定財源という目的税はもうやめて、一般財源化しようという方向は決まっておりました。しかし、民主党さんの場合は更にそれからもっと一歩大きく踏み込んで、一般財源化はもう当然のことであるけれども更に暫定税率も廃止するというお約束されましたね。そして、スタートしたわけですが、結果においてはこの暫定税率残っているわけですね。一般財源化したけれども、暫定税率は残っている。そして、租税特別措置法案を改正いたしましたよね。そこにいろいろなことが書いているんですけれども、結果的には暫定税率という言葉はなくなったけれども、上乗せ課税と申しましょうか、もう自民党政権と同じように二重に課税していますから上乗せしているわけですね。ということは、一般財源化したけれども暫定税率は約束を守っていない。
 さらに、租税特別措置法を見ますと、自民党政権のときはこれ結局、時限立法みたいな形で十年とか、かつては五年という形の中で国会の審議の議決を得て、これを継続するか、あるいはこれをやめるかということを議論してずっときたんですよ。ところが、新しい租税特別措置法というのは、当分の間というふうにしているんですよね、これ。当分の間というのはこれ、大臣、一体いつまでの間を当分の間という認識でいらっしゃいますか。
#161
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のように、昨年この暫定税率の廃止に対しては様々な議論がありまして、税制改正大綱の中で当分の間、現在の税率水準を維持するとされたものであります。
 これにつきましては、今後、地球温暖化税等の温暖化対策のための税、そしてこれは当分の間措置される税率の見直しを含めて、二十三年度実施に向けた成案を得るべく検討としておりますので、現時点におきましてはこうした税率の取扱い、簡素化、クリーン化といった観点から検討をして決めてまいると、このように申し上げたいと思います。
#162
○藤井孝男君 今の答弁に反論するつもりはありませんけれども、ちょっとおかしいなと思っている。
 先ほど私が申し上げたように、暫定税率の約束は守れなかった、同時に租税特別措置法を変えたけれども、これ当分の間というのは我々国会の審議の議決を、審議を全くこれ黙っていますと毎年ずっと自動的に継続していくんですよ、この暫定税率は。かつての自民党政権のときは、ちゃんとこれ十年あるいは五年という中で区切りを付けて審議をして、そして継続してきたと。これはある面では二つの約束というか、いや一つの約束と同時にかえって改悪になったんではないですか。もう一度その点、御答弁をお願いいたします。
#163
○国務大臣(馬淵澄夫君) 昨年の末に様々な状況を勘案しながら、最終的には税制改正大綱の中で取りまとめたものでございまして、これにつきましては二十三年度実施に向けた成案を得るべく現在も検討をしているということでございますので、私どもとしては国民の皆様方に約束をさせていただいたマニフェストの実行については、昨年の末での判断ではございましたが、しっかりと前へ向けて検討してまいると、このように申し上げることに尽きると思っております。
#164
○藤井孝男君 じゃ、そういう答弁でしたら更にもう一つ突っ込んで質問させていただきます。
 今大臣が言われたのは、私の最初に質問したのは揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例ということで、これは租特法の八十八条の八というところで規定されて、当分の間、これが結局、暫定税率と同じようにプラスアルファしているわけですね。
 それで、今大臣が答えられたこの地球温暖化対策のための税について、これはたしか百四十八条に関連するわけです。確かにそのように書いた、云々と書いてあります。ここで一々読みません、大臣御承知ですから。これにも当分の間、この地球温暖化対策の税について、租税特別措置法第八十八条の八第一項云々、地方税等について、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るよう、検討を行うものとする、そこに関連して今答弁されたと思うんですけれども。
 しかし、この解釈というのは、二十三年度は税制を改正すると、成案を得るということを言っているのではなくて、私の理解するところ、これは努力義務だと思うんです、検討する。これは単に努力義務ですよ。改正するという、いかにもそのような雰囲気で大臣は答えられましたけれども、私の解釈が間違っていないならば、これは単なる努力義務であると、何のこれは担保したものではないと。もう一度、この答弁いただきます。
#165
○国務大臣(馬淵澄夫君) これらは税調におきまして、まさに税制改正大綱として取りまとめていく、政府一体とまたなって議論をしていくべき課題だというふうに思っておりますので、御指摘のように、これは努力義務であるという規定もございません。私どもとしては、政府全体一体となって税調の中での議論として、これは成案に向けた検討を行うということでございます。
#166
○藤井孝男君 幾ら大臣そういうふうに答弁されましても、法律を読めば検討することを約束するというだけの話ですよ。いかにも何か税制改正を二十三年度までにやるというのは、私はそれは詭弁だと逆に思いますね。まあいずれにしても、そこで論争をするつもりはありませんが。
 じゃ、この特別措置法の中にこの当分の間というのは一体どのぐらいあるのかなと思って私も調べてみましたんですけれども、幾つかあります。ところが、納税をする立場からいいますと、要するにこの当分の間というのは、今言った揮発油税、軽油引取税ともう一つ、自動車重量税もそうなんですね。これも当分の間なんです。これは、言ってみれば自動車のユーザー、我々もユーザーの一人でありますし、また自動車関係業界にとってもこれは早く何とかしてほしいというのが偽らざるところだと思うんですね。
 というのは、道路特定財源というのは目的税でありましたから、要するに、なぜ負担するか、自動車重量税も揮発油税も。それは道路を補修する、そして車を使用する者がそれを負担するということでずっと来た。それがもう一般財源化してこういう形になっている。しかし、今の状況で行くと、当分の間ということになってきますと、これ国民やユーザーの皆さん、業界の方、知らないうちに黙ってもずっと継続していくというのは、これは重大な問題だということを改めて私、指摘しておきます。
 同時に、先ほどいろんな意見がありましたけれども、高速道路無料化もありますが、大臣、ちょっと角度を変えて基本的なことを質問いたしますが、高速道路、これは無駄な高速道路を造らない、あるいは無料化をするために社会的実験をやっている、これはこれで結構だと思うんですが、大臣の基本的考え方として、日本の高速道路というのはどういう基本的な考え方で形成すべきものだと。いわゆる損得であるとか無駄であるとかということはもちろんいろいろありますけれども、まず大臣のいわゆる高速ネットワークといいますか、それに対する基本的な考え方をちょっとお教えいただければと思います。
#167
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、ネットワークである以上、このミッシングリンクの一刻も早い整備というものについては、解消というものについては私は最も重要な施策の方向性だと思っております。
 その上で、このまさに料金を含め、交通の需要をいかにコントロールしていくかということが実はその次の段階で問われるのではないかと思っておりまして、高速道路無料化施策というものもそもそもは高速道路政策大綱で、私は野党時代に取りまとめたものの中では交通需要管理といった観点が基本にあるものでございます。
 今後は、無料化を含め、ネットワークの整備の在り方につきましてもしっかりと議論をし、また皆様方に御提示をしてまいりたいというふうに考えております。
#168
○藤井孝男君 いや、それは確かにそのとおりだと思います。
 私は先日、予算委員会でも菅総理にお伺いしましたけれども、尖閣諸島の問題で、菅総理はよく本会議等々の答弁で、主権在民ということを意味する、最後は国民が決めるものだと、いわゆる主権在民であると、これは当然のことだと、民主主義国家において。ところが今、国家の何が問われているか、尖閣諸島の問題で。国家の主権が問われている。主権が脅かされている。主権が脅かされ、国家の存在というものが国際社会の中でも我が国が認知されないといった場合は、その生命、財産、領土というのを守れないということになると、これは主権在民も何もすっ飛んでしまうという話じゃないかということを私は質問したわけですけれども、この国の基幹道路である高速道路、これ、ネットワーク、今大臣が答弁でおっしゃったのはそのとおりだと思うんですが、私はこれも国の国家基本戦略と同じだと。
 まず、無駄な道路は造らにゃいいですよ、無料道路もあった方がいいでしょう。しかし、その前に、国際社会の中で災害あるいは競争、あるいは介護、急な病人を運ぶ、様々な角度の中から、少なくとも、まず例えば馬淵大臣としては、これだけの最低の高速道路は、これは損得とかいろいろあるけれども、国家基本戦略としてこれだけは是非造るんだという、それがまずないと、その上でそれが無駄であるかどうであるかということは、結果的に起きてきますよ。しかし、そういう基本戦略がないと、何か先に無駄があって、この道路は無駄じゃないかだとか、これは無料化すべきだとかって、そういう、極端に言うとそちらの方の枝葉の方で左右されていくというのは、私はかえって損失だと思うんですよ。
 やっぱり、これからの時代の競争力を強化するためには、そういった基本戦略を是非、馬淵大臣は持った上で、さあ与野党含めてどう思いますか、どう我々は考えるがどうだというような議論をしていかないと、何かこちょこちょこちょこちょ、つつき合ってやっていくと、結局は後ろ向きな、いつまでたっても日本の高速道路って一体いつになったら本当にネットワークができるのかと。結果的にそれが国際競争力を損なうような話になるんです。そういうことのないように是非頑張っていただきたいと思っております。
 それでは、大体、自動車関連につきましては、先ほども指摘したとおり、私はむしろ、この当分の間というのは、これ法案を修正するような気持ちでやってもらった方がいいと思いますよ。ずうっと、これ、全くこのまま行きますと、暫定税率がそのまま継続するということですから、ここだけは指摘をしておきたいと思っています。
 さて、尖閣諸島の問題についてちょっと質問をさせていただきます。
 先ほど午前中にもこの件についていろいろ質問がありましたけれども、私もかつて運輸大臣やりましたので、今、大臣が海上保安庁の責任者として大変苦労されている、これはそうでありますし、現場の海上保安庁の皆さん方も本当に使命感を持って体を張って頑張っている、これは本当に敬意を表する次第でございます。
 しかし、現実は非常に厳しい状況ですね。第十一管区ですか、そこの巡視艇、巡視船を合わせても十八隻ぐらいでありましょうし、また沖縄の漁民、あるいは宮古島、石垣島の漁民からすると尖閣諸島というのは大変な優良な漁場なんですけれども、しかし最大限の中国の漁船は多いときは二百七十隻ぐらい入ってきたときもあると、八月に。そして、その中の七十隻ぐらいが領海を侵犯して、それが先般、領海を侵犯したために海上保安庁が逮捕した、しかしそれを体当たりしてきたという、そういう傍若無人な状況が続いているわけですね。また、何か、中国の漁船、監視船が出たとか出ないとかと言っていますけれども、いわゆる実効支配をしようとする。
 それで、まず領海を守るためにはやっぱりそれだけの法整備も必要でありますし、また警備の強化、先ほど大臣はそのことについて触れられましたけど、この尖閣諸島、我が国の領土であることは間違いないんですけれども、その領海警備のための海上保安庁の増強についてどういうふうに考えているか、もう一度お答え願います。
#169
○国務大臣(馬淵澄夫君) こうして議論をさせていただいている現時点におきましても、常時監視艇を配備しまして、また情勢に応じては体制強化できるように、十一管区のみならず、各管区から応援態勢ができるようにということも含めて適切な対処を行っておりますが、それにおいても、先生御指摘のように、極めて厳しい体制の中で行っているというのも現実であります。
 そこで、私どもとしては是非強化をしてまいりたいと。今回も概算要求でも要求をさせていただきましたが、補正においてその前倒し執行ということでこれは改めて出させていただきたいというふうに考えておりまして、海洋国家というこの国の位置付けを今まさに国民の皆さん方に認識していただく大きなチャンスだとも思います。まさに、主権をしっかりと守るということにおいても、私ども国土交通省、海上保安庁ができる体制というものをしっかり提示をしていく、そのことについては、私は是非与野党を超えて皆様方の御議論の上でまた御協力いただきたいというふうに思っております。
#170
○藤井孝男君 そこで、私からお願いといいますか、そうすべきじゃないかという一つ提案がありますが、今巡視船の、強化すると、警備体制を強化する、そのとおりだ。しかし、実態は今沖縄本島から出ているんですよね、大型巡視船は。ということは、石垣島には大型のバースがないんですよ、巡視船を泊める。ということは、そうすると、いわゆる領海警備といっても、沖縄本島から警備に行くのと石垣島から行くのとはこれ全然距離が違いますし、そういう意味からすると、やっぱり私は大型巡視船用のバースを石垣港に整備する、造るということが必要だと思いますが、いかがですか。
#171
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のようなこの石垣保安部、現時点において保安部となっておりますが、ここでの港湾の増強ということも含めて極めて重要な検討課題だというふうに私も承知をしております。
 ただ、現時点において、この船艇の増強というものがやはり第一義的に求められるであろうということで、今回は、私どもとしては、御指摘の部分というのは十分踏まえておりますが、大型巡視船とあとヘリコプター、さらには人員の要望、こういったものをしっかりとお願いをしてまいりたいと、要求してまいりたいと、ここが一番一義的には重要かと思います。
 先生御指摘のバースの設置も含めまして、これらに関しましては、海上保安庁のみならず、海洋政策としての位置付けの中で必要性を十分に検討しながら前に進めてまいりたいというふうに思っております。
#172
○藤井孝男君 なかなか予算的な、急激な、そういうふうに増強はできないということで、まず第一義的にという話は分かります。しかし、実効支配をされてしまったら、これはもうそこで増強しようがバースを石垣に造ろうが、もう後の祭りと言ったらおかしいんですが、まさに日本の主権が、日本の領土である尖閣諸島、実効支配を中国にされてしまったら、これはもう何とも抵抗できないような話になったのでは、これはまさに国土を放棄するような形になる。こんなことは絶対にあってはならないためにも、私は、あえてもうそのぐらいのことを踏み込んで、第一義的にはそのまず強化ということはそうでありますが、すぐにもそういう石垣島に大型巡視船用のバースが整備できるようにしていくというぐらいの決意を私は示してもらいたいと思っています。
#173
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘をしっかりと踏まえて検討させていただきたいと思っております。
#174
○藤井孝男君 それからもう一つ、これは漁民、深刻な、そこで、先ほどずっと触れましたように大変優良なカツオあるいはマグロが捕れる。あそこが、例えば実は沖縄本島から行っても、燃料代が三十万とか四十万掛かっても、その三倍、四倍ぐらいの売上げが得られるという大変な漁場なんですね。
 ところが、船舶安全法で、五トン未満は二十海里以降出られないということで、なかなか、そういう行く漁船が行きたいんだけれどもなかなか行けないということと、もう一つは、先ほどから申し上げているように、中国の漁船がもう圧倒的多数で、あちらの漁船というのは、聞きましたらほとんど鉄製なんですよね、漁船の船体が。日本は大体グラスファイバーって軽く非常に軽量で非常にいい船を使っている。しかし、それが行った途端に、向こうの漁船が、こちらに日本の国旗が立っていると、そこに向かってぶつけてこられたらもうひとたまりもないというような状況なんですよ。だから、怖くて操業したくても、いい漁場であるけれども、怖くて漁業従事者がそこでできないという、漁を。そういう状況もあります。
 そしてまた、最近は、宮古島の方の漁民からの情報を聞きましたら、今、台湾の漁船が、この間釈放しちゃったものですから、中国の船を、船長も。今度は、台湾の漁船もどんどんどんどん今、尖閣諸島に増えているという話ですから、いずれにしましても、この問題というのは、日本の領土を日本は自分の国は自分たちの手で守るんだという、もちろん気合と同時に、実質的にやっぱりそういった基本的な、あるいは防衛体制、それから領域警備法というのをしっかりと作っていかなきゃいけませんし、また第一義的な話をされましたけれども、漁港の整備、大型巡視船用のバースを造る、そういったことを是非積極的に進めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#175
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。どうぞよろしくお願いします。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず、交通基本法について伺います。
 社民党は、これまでも民主党とともに交通基本法の制定を求めてまいりました。交通基本法、仮称でありますが、あらゆる人の移動する権利を保障するとともに、自動車中心の交通政策、まちづくりを見直し、高齢化と地球環境問題に対応した公共交通を中心に地域に適した交通体系の確立を目指す、言わば交通政策の憲法というべきものであります。
 馬淵大臣は所信で、基本法と関連施策の充実を図ると表明されました。次期通常国会で法案成立を目指すという大臣の御決意を改めて伺いたいと思います。
 あわせて、基本法の関連施策として、来年度予算において総合的な地域公共交通の支援施策の見直しを図る地域公共交通確保維持改善事業、四百五十三億円を要求されておられますが、この確保に向けての意気込みを伺います。
#176
○国務大臣(馬淵澄夫君) この交通基本法の制定に関しましては、政権交代後、私ども政務三役でもしっかりと議論をしてまいりました。まさに、この新たな総合交通体系の構築のためには不可欠な制度であると考えております。
 その上で、この基本法と、そしてもう一つは今御指摘いただいた地域公共交通確保維持改善事業、生活交通サバイバル戦略と私ども呼んでおりますが、この四百五十三億円の要求というものにつきましても、これは法律と予算ということで、車の両輪という形でしっかりと前に進めなければならないというふうに考えております。
 民主党のマニフェスト二〇一〇にも位置付けられておりますし、また総理からの御指示もございました。しっかりと進めてまいりたいと考えております。
#177
○吉田忠智君 しっかり進めていただきたいと思います。
 次に、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金について伺います。
 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が、利益剰余金一兆四千五百億円を有していることが明らかになりました。財務省も期待をしているようでありますけれども、これについては、返納額は機構が国から補助金として受け取った約五千五百億円にとどめるべきではないのか、残りは鉄道を中心とする交通体系や社会資本整備に使うのが筋ではないかと考えますが、大臣の御所見を伺います。
#178
○国務大臣(馬淵澄夫君) この利益剰余金、いわゆる特例業務勘定につきましては、事業仕分の結果、あるいは会計検査院の指摘等もございますが、私どもとしても、この活用方策についてはしっかりと議論をしてまいりたいというふうに考えております。
 もうこれは度々委員会でも説明をしてまいりましたが、そもそもこの特例業務勘定の剰余金につきましては将来の年金支払などの原資であり、また国鉄改革の課題の対応、さらにはJR三島を始めとする各社のその経営の安定といったことも踏まえて、鉄道に係るその施策のための財源ということも十分に踏まえながら検討していかねばならないということは国土交通省内部でも常に議題として上がっておりますが、ただ行政刷新あるいは財務省等々、関係省庁との連携が必要ではございますので、私どもとしてもその取扱いを含めて協議を進めてまいりたいと、このように考えております。
#179
○吉田忠智君 しっかり検討をお願いします。
 次に、午前中、ミッシングリンクの質問もございましたが、全国的にその中でも最も遅れていると言われる東九州道について質問します。
 九州東部を南北に走る東九州自動車道は、福岡、大分、宮崎、鹿児島の四県から成る東九州地域の生活の道でありますし、災害時の命をつなぐ道、また経済産業を支える活力の道でもあります。しかし、現在、延長四百三十六キロのうち四二%しか開通しておらず、いわゆるお話のございましたミッシングリンクとなっております。財政の制約のある中でも、まさに選択と集中の最優先課題ではないかと思っています。
 大臣も所信で、そして午前中の答弁においても国土ミッシングリンクの解消を表明されておられるわけでありますが、東九州自動車道の全線開通について大臣の御所見を伺います。
#180
○国務大臣(馬淵澄夫君) この東九州自動車道、私も、何度もこれ、現地にも参って見ておりますが、極めて重要な九州における交流発展のための、に資する形の道路だというふうに認識しております。
 現時点におきましても、今先生御指摘のように、供用部がまだまだ十分ではないということでございますが、今後も、もうとにかく私どもとしても引き続き、これは西日本高速道路会社がやっておられます、また国直轄の部分もございますが、完成に向けては整備を進めてまいりたいというふうに、努めてまいりたいというふうに考えております。
 ミッシングリンクの結合あって初めてネットワークとしての機能が発現できるわけですから、ここは所信にも申し述べたようにしっかりと前に進めてまいりたいと、このように考えております。
#181
○吉田忠智君 大臣、特に東九州は西九州との違いが際立っておりまして、高速道路に加えて鉄道についても片や新幹線も通る状況の中で、その辺のところも是非しんしゃくをしていただきたいと思います。
 次に、直轄国道の維持管理予算の削減に伴う問題について質問します。
 厳しい財政事情の中で直轄国道の維持管理費を縮減をして、従来年間一ないし三回実施されていた除草作業についても原則年一回に減らされております。私の地元の大分県の皆さんから強い要望がありまして、私も現地を見させていただきました。
 お手元に写真資料を配っておりますが、直轄二百十号では、資料にありますように、雑草が茂って歩道が狭くなったりガードレールや交通標識が隠れたりしまして、歩行者や自動車の安全、安心が脅かされている箇所もございます。全国でも同様のケースが報告をされておりますし、多分、国土交通省にもいろんな話が入っているのではないかと、そのように思います。
 無駄を省くということはもちろん必要でありますけれども、道路や雑草の状況など現場によって様々でありますし、予算の一律削減あるいは全国統一基準で果たして命や安全、安心を確保できるのか疑問であります。
 今後どのように対処されるのか、伺います。
#182
○副大臣(池口修次君) 今の直轄国道の維持管理基準についてお答えをしたいと思います。
 実は、議員の質問の中にもありましたけれども、経費削減の観点で直轄国道の維持管理基準を見直ししまして、費用としては約、二十二年度の管理費を一割程度削減をさせていただきました。その中でどういう問題が、どういうことをやったのかというと、委員の質問の中にありました問題についていえば、清掃とか除草の各作業を全国の統一基準を設定をして、基本的には原則年一回というふうにしたのは事実でございます。
 ただ、国交省の方にも、これについてのいろいろ問題があるんではないかという話も来ております。そういう中で、ある意味、地域に応じた管理水準を維持しなきゃいけないというふうに思っております。ただ、一律また年一回を増やすということではなくて、場合によっては部分的な除草で、全部はちょっと無理だけれども、車に影響のない範囲で部分的に除草をするということなり、あとは地域の方に通報をいただいて、通報をいただいたところでやるとかいうようなことで、多少経費の面でも工夫をしながらやっていきたいというふうに思っております。
 是非、これからも地域の実情に合う維持管理基準の見直しなり安全な道路管理に努めていくということですので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
#183
○吉田忠智君 是非、現場の状況をいま一度しっかり把握をされて、安全、安心が脅かされないように対応していただきたいと思います。
 次に、JAL再建に伴う雇用問題について伺います。
 JALの再建につきましては、国土交通省の重点施策として今取り組まれているわけであります。私も、使うときにはできるだけJALを使うように心掛けております。
 JAL本社からの九月二十七日付け人員調整に関する施策についてという文書において、整理解雇を検討する意向が明らかにされ、社内にまさに動揺が広がっております。整理解雇では四十五歳以上のパイロットや整備員などがターゲットになっており、これらのベテランがいなくなった場合に交通機関として最優先されるべき安全、安心が確保できるのか、危ぶまれております。また、先ほど言いましたように、大変皆さん不安に思っておりますから、そういう意味でも安全、安心に、脅かす要因も出てきているわけであります。
 また、コスト削減の効果も皆さん挙げて努力をされておられまして、最近のJALの収支状況も好転しております。また、来年一月からの新人事賃金制度により年齢による人件費差は縮小しており、ベテラン社員の高い給与が経営を圧迫しているというのはイメージに過ぎず、解雇者の人選には妥当性がありません。したがって、いわゆる整理解雇四要件が認められる状況ではないと考えます。
 国民の安全、安心の観点から、国交大臣としてJALに対して不当な解雇がなされないように指導すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#184
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、現地におきましてはJALが自らこの再生に向けての途上の中で努力をしているというところでございますので、この人員削減については一万六千人規模という大変大規模の目標を掲げて取り組んでおられます。私の方としましては、更生計画案の確実な実施ということがこれはもう不可欠でございますので、現地においてはまずこの全力で取り組んでおられるところを見守るということだというふうに思っております。
 そして、今御指摘の部分におきまして、人員削減の最終的な結果というところに関しましては、十月二十二日までを募集期間という形で特別早期退職の募集を行っておられるということでありますので、まずはこれに向けての努力というものを推移を見守ってまいりたいと、私はこのように考えております。
#185
○吉田忠智君 ちょっと拙速な印象があるんですね。もう御存じだと思いますが、整理解雇の四要件というのは過去の判例においても極めて微妙な問題があるわけであります。一方で、菅首相は雇用雇用雇用と言われる中で、そういう政策的に不整合があってはなりませんし、是非そういうところも、ただ見守るというんではなくて、そういう面も留意をすべきだと、そのように大臣から言っていただきたいと思いますが、その点について見解を求めます。
#186
○国務大臣(馬淵澄夫君) 今申し上げたように、十月の二十二日までがこの募集の期限となっておりまして、現時点においてJALは経営再建に向けて全力で取り組んでいるという、そういう状況です。そこで私が立場として何か物を申すべきではないと。見守るというのは全力で取り組んでいることに対して私どもが責任を持ってその推移を見ているということでありますので、現時点においての私どものポジションとしてはこの取組をしっかりと見ているということで御理解をいただきたいというふうに思います。
#187
○吉田忠智君 先ほど私が申し上げたような状況が出てくれば是非大臣としても適切な指導、助言をしていただきたい、そのことを要望しておきます。
 次に、独立行政法人都市再生機構、いわゆるURについてでございます。
 去る十月五日に発表されたURのあり方に関する検討会報告を踏まえた大臣のコメントの中でも、社内分社化による新しい公的法人とするのか、全額政府出資の特殊会社にするのか、結論が出ていない不安定な状況であります。
 一方で、URの賃貸住宅には現在約百六十万人の方が居住をされています。大臣はコメントで、居住者の居住の安定には十分配慮させたいと述べておられますが、改めて居住者の継続的な居住を保障していただきたいと考えておりますし、また、現に働いているURの職員の皆さんの雇用の確保についても万全を期していただきたいと考えていますが、今後どのように対処されるか、伺います。
#188
○国務大臣(馬淵澄夫君) 十月一日にあり方検討会の取りまとめが行われて私も報告を受けたところでございまして、これも繰り返し申し上げておりますが、十四兆円に上るもう多額な債務ということで、この圧縮を含めまして透明性の高い経営組織への形態変更ということが問われます。
 ただ、そこにおいて、御指摘のように、当然ながらお住まいされている方々がいらっしゃるわけですから、この居住の安定については、とりわけ低所得、高齢者の方々の居住の安定については十分に配慮しなければならないと思っております。
 この改革の工程に関しましては、年度内に策定をする予定でございますので、またこれもしっかりと私ども、所管する立場として見てまいりたいというふうに思っております。
 また、そこでの職員の雇用の安定ということもございますが、これも十分に留意をしてまいりたいというふうに思います。
 いずれにしても、長年にわたってその政策目的、目標が次々と変更される中、債務が膨大に膨らんでいった。そして、ファミリー企業と呼ばれるその幾つかの、このURを中心とする関連する企業、こうした法人の整理も含めて、抜本的な見直しはここでしかできないとの覚悟で取り組んでまいりたいと思います。御指摘の点は十分に考慮させていただきたいというふうに思っております。
#189
○吉田忠智君 十分に考慮して検討を進めていただきたいと思います。
 最後に、港湾の民営化に伴う労働者の労働条件等について伺います。
 現在、港湾法において、港湾管理者になり得るのは、御案内のとおり地方自治体等でございます。しかし、今般、港湾の国際競争力を高めるとして、港湾経営を民間に開放する港湾法改正の動きがあると聞いております。
 港湾で働く労働者の皆さんからは、国際戦略港湾では民間開放に伴い荷役料の引下げや二十四時間運用など過重な労働により労働条件の悪化が危惧される一方で、その他の港湾では雇用が失われるのではないかとの懸念の声が出されております。このような懸念にどのようにおこたえになるおつもりか、伺います。
#190
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、こうした港湾についても戦略的に取り組まなければならないとして、この一年間、私どもが改革を進めてきた一つでありますが、荷役料の引下げに関しては、それによって、選択と集中という中でそこにより荷物が集まるということで、荷役作業がより増えていくということで、私は逆に労働者の雇用の拡大にもつながると考えております。
 さらに、その二十四時間化ということも、これも国際社会の中ではもう当然ながら示していかなければならない必要なサービスだと思います。ここも労使間の協議を通じて、その労働条件等につきましては、維持あるいは改善という取組がなされるように私どもとしても指導してまいらなければならないとは思っております。
#191
○吉田忠智君 現場の労働者の皆さんのことも、声も聞いていただきながら、是非検討を進めていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#192
○委員長(小泉昭男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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