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2010/10/26 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 国土交通委員会 第3号
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2010/10/26 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 国土交通委員会 第3号

#1
第176回国会 国土交通委員会 第3号
平成二十二年十月二十六日(火曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                藤本 祐司君
                室井 邦彦君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                長沢 広明君
    委 員
                池口 修次君
                川崎  稔君
                小見山幸治君
                平山 幸司君
                藤原 良信君
                安井美沙子君
                米長 晴信君
                岩井 茂樹君
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                中原 八一君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                白浜 一良君
                上野ひろし君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   馬淵 澄夫君
   副大臣
       総務副大臣    鈴木 克昌君
       国土交通副大臣  三井 辨雄君
       国土交通副大臣  池口 修次君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       津川 祥吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       国土交通省河川
       局長       佐藤 直良君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (観光政策及び航空政策に関する件)
 (汚水処理施設の整備の在り方に関する件)
 (八ッ場ダムの検証の在り方に関する件)
 (八ッ場ダム建設に伴う生活再建事業に関する
 件)
 (タクシー及び貸切バス運転手の労働条件改善
 に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に国土交通省河川局長佐藤直良君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小泉昭男君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 一年五か月ぶりなんです、私、質問するのが。昨年の五月二十二日に消費者の特別委員会で質問をして、その後、総選挙があって、政府に入らせていただいて、それで一年五か月ぶりなので、ちょっと感覚が取り戻せないかもしれませんけれども、是非お許しいただきたいと思います。
 今日は観光と、それに、観光に非常に関係が深い航空政策について、二十分のお時間をいただきまして質問をさせていただきます。
 まず、観光なんですが、国交省そして政府の成長戦略の中に観光を一つの柱に据えて今取り組んでいるところなんですが、なぜ観光なのかと。そこのところは、観光というと何となく観光は成長戦略っぽいかなというふうに思う方も結構いるんですが、これにはちゃんとした理由があるわけでして、なぜ今観光なのか。これ、幾つか理由があろうかと思いますが、馬淵大臣がこの中で最も重要な視点だと、こういう理由なんだということを考えている、その点についてお答えいただければと思います。
#6
○国務大臣(馬淵澄夫君) 成長戦略の中で観光をどのように位置付けるのかと、なぜ観光なのかという御質問をいただきました。
 まさに低成長時代の中で、私は物づくりの方にかかわっておりましたが、物づくり依存から改めてソフトパワーへと、このように移行する中で、我が国は大変高いポテンシャルを持つコンテンツがあると。例えば、これは世界にもたぐいまれな歴史遺産であったり、あるいは四季折々の自然、四方を海に囲まれておりますので、この海やあるいは島嶼部としての、島国としての森林資源も含めまして、本当に高いポテンシャルがあると。加えて、芸能、文化あるいはスポーツ等々、これらもコンテンツとして十分に世界的にも発信できる中身があると。これを生かし切れていないというこういう現状認識から、私どもとしては、成長戦略、世界に発信できるコンテンツを持つ主要な産業に育てられるというのではないかということで取組を始めてまいりました。
 この観光というものを、インバウンド、アウトバウンドを含めまして、成長戦略の核となるエンジンとして位置付けてまいりたいというふうに考えております。
#7
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 観光は、私なりに解釈をすると、今我々が直面しているのは急速な少子化であり急速な高齢化、それに伴って人口が減ってきていると。この人口減少に負けない社会をつくるということが大変我々にとっては重要なことなのかなと思います。
 人口減少というのは、基本的にはそれぞれの地域で人口が減るわけですから、そこで消費活動や経済活動が停滞する可能性があると。停滞してしまってはいけないということで、いわゆる定住人口を増やすという政策が人口減少の中ではできないわけですので、いわゆる交流人口、地域の外から、私は静岡県ですが、静岡県の外から静岡県に、日本の外から、海外から日本に観光あるいはビジネスで来ていただいて、そこで消費活動、経済活動をやっていただくというのが観光の一番大きな私は意味なのかなというふうに思っております。
 それと、あと、馬淵大臣からもお話がありましたが、今まで日本を支えてきた物づくり産業からいわゆる産業構造が大きく転換をしてきていると。リーマン・ショックのときにもよく言われましたが、外需、いわゆる輸出型産業に過度に依存していてはいけないのではないかと。内需型の産業をつくっていかなければいけないという、そういうことが一つ観光を後押しするような背景にあるのではないかなというふうに私は思っています。
 今、紅葉が大変美しい時期でありますけれども、我々にとって今の日本の紅葉というのは当たり前に思っているかもしれないんですが、実は赤と黄色と緑と黄土色とか、これが織り成す紅葉というのは多分世界でもたぐいまれなのが日本なんですね。普通、アメリカとかカナダへ行くと、黄色なら黄色一色でどかんとあるんですけれども、本当に目に見える範囲で赤とか黄色とか織り成しているというのは非常に生物が多様な日本であるということが一つの特徴なんです。
 あと、例えばサンゴ。サンゴ礁というのは、いわゆるサンゴ礁の北限は日本、沖縄であります。流氷が流れ着く海の南の端、南限が北海道。ですから、流氷の海とサンゴ礁の海を持つ国というのは世界でも日本とアメリカだけなんです。アメリカはアラスカがありますから、そういう意味で大きな国ですから。これだけ小さな国の中で、これだけ自然が多様な国というのはたぐいまれであると。こういうものは輸出できません。
 馬淵大臣の御地元である奈良、平城京。これも輸出することはできません。米長さんのところも、私は富士山があるところに住んでおりますけれども、富士山も輸出することはできません。まさにこれは外から来ていただいて、日本のその地域に根差した資源を生かしていくという意味で観光が大変重要であると。それがまさに財政出動を必要としないという意味で、新たにつくり出すことができない、富士山、金掛けてもできるわけじゃありませんから。こういうものをやっぱり活用していくという意味で、観光というのがこれからの成長戦略の柱になっていくんだろうということで位置付けているんではないかなというふうに思います。
 その中で、観光の消費額全体を見ますと、八五%は実は国内観光の中から生まれてきている。国際観光は、日本、アウトバウンド、インバウンドを含めても一五%足らずなんですね。
 ところが、予算を見ますと、平成二十一年、平成二十二年度を見ても、かなり国際観光の部分に予算が費やされているということが現実にあると思います。ですから、これ、インパクトとしてはやっぱり国内観光需要を増やすということが本来はインパクトが大きいんだけれども、国際観光をやっぱりやらないといけないというところもやっぱり一つの理由としてあるんだろうと思いますが、予算で考えたときに、今申しました消費額は八五%が国内、一五%が海外、国際なんですが、予算の場合はこれはどういうような配分になっているか、お答えいただけますか。
#8
○副大臣(池口修次君) 平成二十二年度の予算ということで、これは藤本議員は当然お分かりの上で質問をされているんですが、認識を合わせるという意味で質問をされておると思いますので、私の方でお答えしますけれども。
 観光庁全体の予算というのは百二十七億円です。これ自体は前年に比べて約二倍に増やしております。
 その内訳ですけれども、国際観光関連予算が百十四億円ということで、これは実は三倍程度増やしております。なぜかというと、昨年から訪日外国人を三千万人にしたいというプログラムが進んでおりまして、そのための予算を大幅に増やしたということでございます。国内観光予算はほぼ前年並みの七億円ということで、比率的に言えば、国際観光が九〇%、国内観光が五%ということですから、実際の消費額とは逆の関係になっているということです。
#9
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 ただ、恐らく観光庁の予算だけではなくて、各省庁の中でもいろんな観光の予算を入れ込んでいくと、かなり国内観光の予算は七%以上に膨れ上がるのかなというふうには思います。
 でも、ただ、そういう観光庁の予算の中で、先ほど申しましたように消費額が一五%、でもやっぱり国際観光は振興させていかないといけない、そういう思いはあるんですが。何ゆえにこの時代、国際観光をもっともっと増やしていかなければいけないのかという、その辺の意義についてお答えください。
#10
○国務大臣(馬淵澄夫君) まず、市場の規模ということが最も大きいと思います。
 アジア太平洋地域、こちらへ来訪される観光客というのは年率七%を超える勢いで伸びておりまして、現在一億八千万と。これが、二〇二〇年には四億人に拡大ということであります。これだけの市場が拡大する中で誘引していく必要があるということが国際観光に向けるその予算を大きく割いた最大の理由でもあります。
 そして、加えて言えば、こうした訪日外国人が増えることによって観光地の魅力、さらにはコンテンツの、より昇華された中身にコンテンツが変わっていくと、こういうことも考えられまして、国際観光を強化することによって国内観光も更に強化されると、このような戦略的な要因から予算の配分を考えさせていただいたということであります。
#11
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 世界が多分、大交流時代へ突入しているんだろうというふうに思います。全世界で見ると、いわゆる旅行客の数としては一九五〇年代は二千五百万人足らずだったんですね、世界の移動が。それが二〇〇〇年には六億八千八百万まで膨れ上がって、多分昨年、一昨年になるんですかね、今の統計で一番新しいのは、二〇〇八年になると九億を超えている。これは世界観光機関による推計値でありますが、二〇二〇年には十五億を超えるようなところまでいわゆる交流が進んでいくと。そういう大きな中で、やはり日本もその流れというのを取り込んでいかなければいけないというのが、特段、馬淵大臣から今アジアの話をされましたけれども、本当に、アジアの経済成長とともにそこの部分を取り込んでいくことによって様々な交流が、経済面であり草の根交流であり、そういったところも広がっていくということでの意義があるのかなと思います。
 この国際観光といいますと、昔は日本の場合は観光は鉄道省からスタートして、鉄道、いわゆる輸送機関の発達とともに観光が生まれて育ってきたわけなんですが、これからこの大交流時代になると飛行機、いわゆる航空政策、これが大変重要になってくるんだろうというふうにこれ簡単に想像ができると思います。
 昨今の新聞とかテレビ報道を見てもほとんど航空政策の話題が出てこない日はないぐらいの状況でありまして、例えばLCCの就航であるとか、いわゆるローコストキャリアの就航であるとか、あるいは羽田の新ターミナル、新滑走路の供用開始であるとか、昨日、馬淵大臣とルース駐日大使のいわゆるオープンスカイ、初めて羽田と成田を含めた航空自由協定というのが結ばれたという事実があるわけですが、この航空自由化ですね、オープンスカイ、このオープンスカイのいわゆる持ってくる効果、影響、まあプラスの効果が大変大きいんだろうと思いますけれども、この航空自由化の影響、どういう影響を期待されているんでしょうか。
#12
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のようにオープンスカイ、昨日、日米のMOUの署名がなされました。これによって、更に一層、首都圏空港のこの二国間のオープンスカイというものが更に広がっていくと思われます。これも市場の問題として、東アジア、ASEAN、これらをターゲットにすることが極めて重要な要素だというふうに思っております。
 訪日外国人が増えるということにおいては国際コンベンション等の増大、これが期待されると思いますし、まずはビジネス交流というものが促進されるというふうに思っております。さらに、新規参入あるいは増便といった形で、世界のゲートウエーとしてアジア、世界のゲートウエーとしてこの首都圏が機能することによって観光旅客の方々も当然ながら誘引されるということで、オープンスカイそのものが、これはもう観光あるいは外客誘致ということについて直結する政策だというふうに考えております。
#13
○藤本祐司君 アメリカとの間では羽田、成田を含めてということになっておるわけなんですが、過去をさかのぼって、過去をさかのぼってといってもついこの間、二〇〇七年ぐらいからの話なんですが、韓国から始まってスリランカ、これもいわゆる航空自由化の協定を結んでいると。ただ、ここは羽田と成田を除くということになっているわけなんですが、今後、この航空自由化、オープンスカイをどういう方向で進めていくのかということが大変重要なことになってくるんだろうと思いますし、菅総理も東アジアとか東南アジア諸国連合を含めた自由化へ向けて積極的な発言をされているということで、オープンスカイに見るその効果というのを期待をされるんだろうと思います。
 それと同時に、いわゆるローコストキャリアですね、このLCCの就航があるわけなんですが、オープンスカイにしろそのLCCにしろ、こういうことが進んでいくと相当競争が厳しくなってくると。日本の航空会社も体力を付けていかなければいけないという状況になってくるんだろうと思います。
 ですから、プラスの効果も当然あるんですが、物事をやるにおいては光と影があるわけですから、この影の部分をどうやって克服していくのかということも改めて考えておかなきゃいけないのかなと思いますが、どうぞ御所見をお願いします。
#14
○国務大臣(馬淵澄夫君) 大競争時代に突入ということでありますから、当然ながら航空産業をしっかりと下支えする政策も重要だと思っております。
 その意味で、二十三年度から二十五年度までの三年間を改革集中期間と定めまして、航空機燃料税、これらの空港整備勘定繰入れ分の税額を半減するという要望をこの二十三年度の税制要望で上げさせていただいておりまして、このように航空産業も下支えをするという政策をこれは併せて行っていく戦略が重要だと思っております。
 藤本委員におかれましては、まさにその政策の中心に立たれておられたということでありますので、その推進にはお力をお貸しいただきたいというふうには思っております。
#15
○藤本祐司君 航空機燃料税というのは、御承知でしょうが、いわゆる国内線に関しての航空機燃料を減税するという、そういう措置になると思いますが、これは、当初導入されたときは飛行機が一般的ではなかったというか富裕層に集中していたということもあって、ここのところが燃料税が導入されたという一つの理由としてはあるんだろうと思いますが、ここまで航空の大競争時代、そして一般国民に広く浸透してきたという段階ではやはり見直しの余地は十分あるのかなというふうに私も思っております。
 そしてもう一つは、羽田の二十四時間化、国際化ということで、これは多くの方が大変期待をされていると思うんですが、羽田を二十四時間化、国際化するとなると、ちょっと二問お聞きしたいと思うんですが、その影響としては、やはり成田空港との共存共栄の問題が一つ、それと、羽田が国際化されることによって、むしろ地方空港の活性化ということも見込まれてくるのではないかなというふうに思っております。
 まずは、成田空港とのいわゆる共存共栄が可能なのか。これは、これからの航空需要がどんどんどんどん高まって拡大されていくということであれば、成田と羽田が健全な競争をする中で共存共栄ができるのかなというふうに思っておりますが、この共存共栄の可能性ということを航空需要との関係でお答えいただけますでしょうか。
#16
○国務大臣(馬淵澄夫君) 羽田の二十四時間国際拠点化ということに合わせまして、成田につきましても、これは十月十三日に、発着枠を二十二万回から三十万回、増枠ということで四者の合意がなされました。これによりまして、国際航空ネットワーク強化と、さらに国内フィーダーですね、いったん成田に来て、あるいは羽田に来て、そこから日本国内に移動していただく、こうした路線の拡充も十分に図られると思いますし、LCCやビジネスジェットへの対応ということも、これは成田におかれましては強化をしていただくということで、しっかりとアジアのハブ空港としての地位を確立していただけるというふうに思っております。
 こうした形で、羽田と成田が共存をしながら、さらには、地方空港におきましても、こうした国内の内航フィーダーの路線を拡充していただくことによって日本国における航空産業あるいは路線の活性化というものが図られるということで、羽田、成田の両空港の特徴を生かしたウイン・ウインという形が可能になるというふうに思っております。
#17
○藤本祐司君 時間がありませんので、最後の質問になろうかと思いますが、今、馬淵大臣から話がありましたが、羽田に着いて、あるいは成田に着いてそこから地方空港へ行くような、国際観光も都市部だけに集中しないで、これから地方にも飛んでいっていただくということもやっぱり必要なんだろう、それが地方経済にとってプラスになっていくんだろうというふうに思っておりますが、ただ、地方空港の場合は、いろんな仕組みをずっと考えられて、九十九の地方空港ができてしまったと。まあできてしまったと言った方がいいのかもしれませんが。
 ただ、その中で、確かに赤字の空港が多いんですね。ただ、空港の場合は、空港単体で見るのか、ターミナルを含めて見るのか、あるいは、その空港自体はある意味とんとんであっても、その地方に、その地域に、経済にプラスの効果を与えるのであればそれは是とした方がいいんじゃないかという考え方もあるのかなというふうに思うんですが、地方空港、これは逆に言うと、単体だけの話ではなくて地方経済を含めて巻き込んだ形でいったときに、地方空港が今どういう状況になっているのか、もしお分かりであればお答えいただければと思いますし、どういう基準で今後この空港の成否というものを測っていくのか、もしその辺りお考えであればお答えいただければと思います。
#18
○副大臣(三井辨雄君) 今御質問ございましたように、空港の存在意義につきましては、空港単体の収支のみだけではなくて、地域への今、来訪者の増加だとか、あるいは当該空港が地域に与えるメリット全体を含めて考えるべきだと認識しております。
 また、地方空港の今後の振興策については、地域関係者等に旅客の誘致等あるいは利用促進等を、そういった空港の徹底的な活用が重要であるかと思います。藤本委員の御地元であります静岡空港でも、同空港を拠点とする航空会社の誘致、特にFDAですか、その誘致等も取り組まれておると聞いております。
 国土交通省といたしましては、このような地域関係者の取組を可能な限り応援してまいりたいと思っております。
#19
○藤本祐司君 どうもありがとうございました。
 それでは、お後がよろしいようでございますので、私の質問は終わりにします。ありがとうございました。
#20
○小見山幸治君 民主党・新緑風会の小見山幸治でございます。前回に引き続き再び質問の機会を得ましたことに、関係者の皆様の御配慮、御激励に心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、早速質問に移らせていただきます。
 現在、我が国は人口減少、少子高齢社会に向けたシステム転換期にあり、次世代がいかに豊かな人口減少時代を迎えるかが重要な政策課題であります。我が国の人口は、三十五年後に一億人を割り、二〇五五年には九千万人を切ると言われています。このことは、平均的にどの地域でも人口が減少することではなく、例えば都市部においては逆に増えるところもあるでしょうし、地方によっては三〇%どころか半分、あるいはほとんど人がいなくなってしまうところもあるかと思います。
 私が二十一日の国土交通委員会で社会資本整備について質問させていただきました折、馬淵大臣は、長期的な国土の発展を見据えながら計画を立てる必要がある、これがまさに社会資本整備重点計画であり、現在その見直しを社整審及び交政審の計画部会で御審議をいただいている旨の御答弁をいただきました。
 私の地元、岐阜県においても、地方都市の活力の低下が進み、地方財政の悪化などを背景にきめ細やかなまちづくりがしにくい状況になっております。例えば、私の出身地である岐阜市の今後の地域再生、まちづくりについて考えるとき、岐阜市単独での再生を進めることも一案である一方、岐阜市は名古屋市からJRや私鉄などで二十分ほどの距離にあり、都内であれば住宅一等地であります。住宅系市街地としての地域活性化の潜在性もあり、発想を変えることで様々な地域活性化の方法が見えてきます。地方都市の再生は、我が国の成長を実現する上で極めて重要であります。
 さて、人口減少社会の中で私が具体的に制度設計の変更が必要だと感じる一つとして汚水処理があります。汚水処理については、今年四月、汚水処理に関して国土交通省、農林水産省、環境省により今後の汚水処理のあり方に関する検討会が設置されました。現在までに四回開催されており、今後、有識者等委員会が設置され、平成二十二年度中に取りまとめがなされると聞いております。
 検討会及び有識者等委員会における論点、今後のスケジュールについて、三井副大臣にお伺いいたします。
#21
○副大臣(三井辨雄君) 今、小見山委員がおっしゃいましたように、今年の四月に国土交通省そして農水省、環境省の三政務官をメンバーとして検討会を立ち上げたところでございます。
 この検討会におきまして、六月、全国の知事及び市町村長に対し汚水処理の現状や課題等についてのアンケートを実施したところであります。
 さらに、この九月に開催されました検討会におきまして、アンケートの結果を今検討すべき論点として、我が国が人口減少過程に入ることを今御質問ありましたように踏まえまして、持続可能な汚水処理の在り方、そしてもう一点は、早期整備を目指した計画論とその手法といった項目を整理しているところでございます。
 今御質問にありましたように、有識者等の委員会も設置いたしました。これらの論点について意見を聴きながら、そしてまた地方公共団体からのヒアリングを行いまして、今年度中を目途に検討会の意見を取りまとめていきたいと思っております。
#22
○小見山幸治君 ありがとうございました。省庁の壁を越えた活発な御議論を期待いたしております。
 さて、先日、総務省が平成二十一年度地方公営企業決算の概要を公表しましたが、下水道事業の経営状況について何点かお尋ねをいたします。
 全国の自治体で、汚水処理に係る元利償還金と維持管理費のうち使用料で賄うことができている地方公共団体の割合はどのくらいでしょうか。また反対に、維持管理費すら使用料で賄うことができていない割合はどのくらいでしょうか。鈴木総務副大臣にお尋ねいたします。
#23
○副大臣(鈴木克昌君) 御答弁をさせていただきます。
 小見山議員におかれましては、下水という本当に生活の最も基本になるところに着目をいただき、いろいろと御示唆をいただけるということで本当にありがとうございます。敬意を申し上げたいと思います。
 汚水処理費というと、今お話がありましたように、維持管理費とそれからいわゆる元利償還金等を含めた部分があります。そこで、現状どうなっているのかと、こういうことでございますので御答弁をさせていただきたいと思いますが、下水事業は、御案内のように、中小都市とか山間部に入りますと非常に経費が割高になるということであります。そこで、人口密度に応じた一定の割合を一般会計で負担をしてもいいと、こういうふうな制度設計になっておるわけでありますが、いずれにいたしましても、その部分については地財計画、地方財政計画で見ていくというような仕組みになっております。
 今のどんな状況かということでありますけれども、公費負担の部分を引きまして、経費についてはあとは原則として使用料で賄っていくということでございますけれども、全額を使用料で賄えているところは、千百六十四事業のうち一三・四%、百五十六事業にとどまっているというのが現状でございます。ただ、維持管理費のみを見ていった場合には、その全額が使用料で賄えているということで見ていきますと、賄えていない事業が全体の二〇・四%、二百三十七事業ということで、維持管理費だけで見ていくとまあそんなに大きな赤字ではないんですけれども、いずれにしても、全体的には、見ていくと、一割強ぐらいの黒字であると、こんな状況になっております。
#24
○小見山幸治君 ありがとうございます。
 今お話がありましたように、現在、使用料だけで賄うことができている団体は一割であり、維持管理費すら使用料で賄うことができない団体が二割もあるということは、下水道を管理運営する団体の九割が赤字団体と考えるのが普通だと思います。しかし、地方公営企業年鑑によると大半の団体が黒字になっています。これはどのような理由でしょうか、再び副大臣にお尋ねいたします。
#25
○副大臣(鈴木克昌君) 先ほど御答弁を申し上げましたように、公共下水道事業の平成二十一年度の決算においては、汚水処理経費の全額を使用料で賄うことができている事業は、今申し上げましたように約一割であります。ところが、事業全体の経営状況ということになると、御指摘のように九二・七%の事業が黒字になっていると、こういうことでございます。
 これは、先ほど申し上げましたように、使用料が低い水準にとどまっている地方公共団体において使用料で賄うべき経費の一部を一般会計から繰り入れていると、したがって表面的には黒字になっていると、こういうことでございます。
#26
○小見山幸治君 ただいま御答弁いただきましたように、本来、使用料収入として徴収しなければならない額を一般会計から繰り出すことで黒字団体になるわけですが、元々独立採算、受益者負担の原則で運営されるべき特別会計にこれだけ膨大な税金が恒常的に注ぎ込まれている実態について、再び鈴木総務副大臣のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。
#27
○副大臣(鈴木克昌君) まさに基準外繰入れということになっているわけですね。これは、本来の姿ではないのはまさに御指摘のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、下水道事業などの公営事業、まあ公営企業ですね、につきましては独立採算制を経営の基本としておるわけでございますが、その性質上、一般会計が負担すべき部分を除いて、公営企業の経費は経営に伴う収入をもって充てなければならないとされておるのは先ほど来から御説明したとおりであります。このために、総務省といたしましては、下水道の使用料が低い水準にとどまり、本来、使用料で賄うべき経費を一般会計からの繰入れ等によって賄っている地方公共団体にあっては、早急に使用料の適正化に取り組むよう従来から助言をしてまいったところでございます。
 また、下水道事業は、一般に建設投資規模が非常に大きく、建設期間も長期にわたるということでありまして、地方公共団体の財政運営に与える影響が非常に大きいと、多大であることから、事業の実施に当たっては、いわゆる公共下水道、集落排水施設、浄化槽等の中から地理的、社会的条件に応じて適切なものを選択をして、計画的かつ効果的に整備を行うように助言をしております。また、将来の使用料水準、一般会計に与える影響等に配慮をして、長期的視点に立った効率的な経営に努めること等についても地方公共団体に対し助言をいたしておるところであります。
 今後とも、下水道事業の経営健全化について機会をとらえて助言をしてまいりたいと、かように考えております。
 以上であります。
#28
○小見山幸治君 次に、国土交通省にお伺いをいたします。
 国土交通省は、平成十六年十二月十六日付け、下水道経営に関する留意事項等についての通知をもって全国の下水道担当部局長に、「事業の管理・運営費用のすべてを回収できる水準に下水道使用料を設定し、これを確実に徴収するように努めなければなりません。」と助言しています。使用料収入一兆四千六百三十五億円で汚水処理経費が回収されていない状況についてどのようにお考えでしょうか、馬淵大臣にお伺いいたします。
#29
○国務大臣(馬淵澄夫君) 使用料収入、これが、汚水処理経費の回収率が供用年数に応じて上昇する傾向にあるということ、これは承知をしております。
 国交省としましても、各自治体が安定的に長期的に経営ができるよう回収率の向上に努めることが重要な課題だと認識しておりまして、そのために、総務省とも連携をしながら、建設計画の見直し、これを行ってまいらなければならないと思っております。
 また、経営健全化方策を記載した中長期経営計画の策定、これにつきましても各自治体に対して助言を行っているところでございまして、今後とも、この使用料の水準の適正化、また包括的民間委託の導入、公営企業会計の適用の推進など、経営健全化に資する取組の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
#30
○小見山幸治君 汚水処理施設については、いまだ汚水処理施設未整備区域の人口が約一千八百万人だと言われています。なお、平成二十一年度末の浄化槽の普及状況から私が分析したデータでは、下水道等集合処理について何らかの整備が計画されている区域内の浄化槽使用人口は約六百万人であります。したがって、私は、下水道と合併浄化槽の接続の在り方について検討すべきと考えます。
 そこで、今後の合併浄化槽普及に向けた取組について環境省にお伺いをいたします。
#31
○政府参考人(伊藤哲夫君) 合併浄化槽につきましては、特に人口分散地域において比較的安価に設置できること、ほぼ一週間という短期の工期で設置できること、また水環境保全上十分な処理水質が得られる等、こういった優れた特徴を有しているものでございます。今後、汚水処理施設の整備の中心は市街地から離れた人口分散地となることを踏まえますと、浄化槽の果たすべき役割はますます大きくなってくると、こういうふうに考えております。
 このため、環境省といたしましても、合併浄化槽の普及が促進されるよう助成制度の充実を図るよう努力するとともに、市町村等に対し合併浄化槽の特徴の周知に努め、地域の特性に応じた効率的な汚水処理を推進してまいりたいというふうに考えております。
#32
○小見山幸治君 これまで汚水処理行政は下水道を中心に行われてきました。多くの自治体が財政危機に直面する中で、今後の汚水処理のあり方に関する検討会の主要な論点として、下水道を中心に行われてきた施策、制度の見直しについて、また合併浄化槽の下水道への接続を免除する制度について取り上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。馬淵大臣のお考えをお伺いいたします。
#33
○国務大臣(馬淵澄夫君) 国交省といたしましては、従来から農水省と環境省と連携いたしまして、下水道、農業集落排水、合併処理浄化槽等の汚水処理施設の整備に関しまして、水質保全効果、経済性、緊急性等を総合的に勘案して、地域の実情に応じた効率的な整備手法の選定を行うことにつきまして自治体に対して助言をしてきたところであります。
 この今後の汚水処理のあり方検討会におきましては、今後、有識者等委員会の御意見を伺いながら、これ今後設置をしてまいりたいと思いますが、この御指摘の下水道供用開始区域内における浄化槽の接続義務、これは免除するか否かということでありますが、これら併せまして、未普及の地域においての汚水処理施設の整備を早期に整備するための仕組み、また経営健全化などについて幅広く検討することを予定をしております。
#34
○小見山幸治君 ありがとうございました。
 地方公共団体の財政運営の健全化は今待ったなしの状況であり、経営状況の早急な改善に向け、私は下水道使用料の適正化が必要と考えます。政権交代後スタートした今後の汚水処理のあり方に関する検討会の中で下水道使用料の適正化等、下水道に偏った現行制度の在り方について議論すべきだと考えます。また、合併浄化槽を設置している家庭においては、下水道との接続をする際、再度費用負担をしなければならないという地域住民の負担の問題もあります。このことは下水道法第十条にも関連する問題と考えます。
 下水道は現時点で地方公共団体の財政危機の原因になっておりますので、既存の合併浄化槽を活用し、地方にとってより有効な今後の下水道事業の制度設計が必要ではないかと考えます。今後の更なる御検討をお願いし、時間が参りましたので、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#35
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 前回に引き続きまして質問に立たせていただきます。機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 前回、幾つか大臣にお伺いをいたしましたが、改めて議事録を読んでみますと、誠に失礼な言い方で恐縮なんですが、たくさん答弁をいただいているんですが、肝心のことにはお答えいただいていないといったようなところがございまして、できるだけ簡明にお答えをいただければ幸いだと思っています。
 前回、始まるときに二冊御本を紹介させていただきまして、是非読んでいただきたいと申し上げたんですが、読んでいただけましたでしょうか。
#36
○国務大臣(馬淵澄夫君) 恐れ入ります。まだ読めておりません。
#37
○脇雅史君 お忙しいのは分かるんですが、土日もございますし、一時間や二時間で読める本でございますし、河川砂防技術基準もひっくるめまして全部読むことはありません。最初の部分だけでもいいんですが、これまでの治水の歴史を振り返る、あるいは理解をする、十分な御理解が既におありかもしれませんが、是非参考までにお読みいただきたいと思います。今後の治水行政、河川行政を進めるに当たってきっと役に立つはずだと私は読んで確信をいたしております。
 まだ読まれてないのにまた宿題を出して恐縮なんですが、今日、今お手元にお配りいたしました数枚のペーパー、十ページですね。これは、元国土庁水資源局長をされておられました北野章さんという方、この方は関東地方建設局に長く勤めておられまして、年配からしますともう八十二、三におなりだと思いますが、ずっと言わば一生を河川行政にささげられたような方でございますが、その方がお手紙を私にいただきまして、これがその中身なんですが。私信を勝手に公開したら怒られるかもしれませんが、私も読ませていただいて参考になったものですから、是非皆さん方もお読みいただいて、一人、河川技術者、土木屋さんが一生懸命やってきてこんな感想をお持ちだという意味で、これもまた参考にしていただければと思っています。
 そこで、まず今日は、この間お聞きした中でやや答弁が不明確な部分について簡単におさらいだけしていきたいと思うんですが。
 最初、前回は埼玉県知事あてに民主党から手紙が送られていましたが、実はこれが単なる手紙ではなくて、前原大臣はその後衆議院の委員会でも参議院で脇委員から言われたからその資料を出したとまで言われていますから、それが明らかに民主党の時代のマニフェストを作る際の資料であったという位置付けになっていると思うんですが。そこでいろんな検証、治水、利水の検証が終わっているんだという記述があったんで、本当にあったんですかというお尋ねをいたしました。そして、あったんなら出してくださいということを申し上げたんですが、いまだ届いていません。作れというんじゃないんですから、あるものをコピーして渡すだけならすぐできるはずですが、届いていないんで、多分ないんだろうと思うんですね。
 率直に検証が終わっていて資料があったと言っているけれども、本当なのかどうなのかということを簡単にお答えいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(馬淵澄夫君) まだ出されていないということでございますが、党の方で調べてお出しいただくことになるのかというふうに思います。
#39
○脇雅史君 去年からずっと私も資料要求していて出てこないんで、何か水利権の資料集みたいなのがありましたけれども、これはとても検討資料とは言えないので、多分ないんだろうと私は推測いたします。
 それから、この一年間、これはその手紙から離れるんですが、八ツ場ダムについて現実にいろんな本省で中間報告を作るための作業はしておられたことは分かるんですが、現場で八ツ場ダムは一体これからどうするんだという具体的な検討をしたのかと聞いたんですが、これもされてないんですよね、具体的には。ダムを仮にやめるとしてどんな対策があるのかということを具体的に検討されたんですか。
#40
○国務大臣(馬淵澄夫君) 現場といいますか、国土交通省としてだということでありますが、先般申し上げたように、できるだけダムに頼らない治水の在り方有識者会議を立ち上げて、再検証の枠組み等々、今日まで詰めてまいったということであります。
#41
○脇雅史君 つまり、枠組みはお考えになっておられたのは確かなんですが、現場で本当に困っていらっしゃる方がいるわけだから、同時並行的に、どうせ中間報告で出ていることは中身は分かっている話ですから、やればいいんですね。詰めていて、そしてそれをいろんな場面で公開して、これでどうでしょうかということはできるんですから、現場事務所で作業することが即、隠れた仕事、隠された仕事というわけではないですよね。作業はだれかしなくちゃいけないんですから、それなりのまとまりがあったところで皆さんに問えばいいのであって、それはやっぱり私はやっておくべきだったと思うんです。現実には、八ツ場ダムの事務所が何されていたか私は分かりませんが、作業は進んでいないというふうに理解をいたしました。
 そして、この間のこれ、速記録の十五ページといっても皆さんお持ちでないんで分からないんでしょうけれども、私、人権じゅうりんという言葉を使ったところがあるんです。この人権じゅうりんという言葉の意味は、大臣は八ツ場ダムの事務所の職員に対して言われたように取られて、私の言い方も悪かったんですが、これは八ツ場の水没地の方のことを申し上げたつもりなんです。一生懸命、初め嫌だったものを国に協力して、やっと再建ができて、あと何年かして本当に苦労が、実ってといいましょうか、苦労が終わって新しい生活に入る、そういう希望がやっと出てきた最後の段階ではしごを外されたような格好になっているので、この方々の人権を私は無視しているというふうに感じるんです。
 ですから、そういうことがあるんだから、一日も早く検討してくださいよと申し上げたんで、これはちょっと議事録読むと私の意図が足りませんので、ここでちょっと補足をさせていただきました。
 それから、八ツ場ダムを中止した方が公会計内の支出がはるかに小さくなるのであってということが、これお手紙の中、民主党の資料の中で言われているんですが、これも実際にダムをやめたら幾ら、ダムをこのまま造ったら幾ら、だからこっちが得ですよという資料があるはずですねと申し上げて、これも資料要求をしたんですが、いまだ出てまいりません。これは、やっぱりないんですよね。
#42
○国務大臣(馬淵澄夫君) 八ツ場ダムの総事業費について今回の検証を進める中で改めて精査すると、このように考えております。
#43
○脇雅史君 それから、できるだけダムに頼らないと言った途端にこれは予断なんですよと、予断を持つからには、こういう理由があるんだと説明しなかったら説得力がありませんよと、こう言ったら、私はこの言葉で何か予断が発生するというふうには考えておりませんというふうにおっしゃったんですが、この中間報告を見ても、明らかにやめるダムの一覧表、やめるというか検証対象のダムを一覧表にしていますし、ダムに頼らない治水と大きく理念として言っているわけですから、これはだれが見たって、検討するときにまずダムじゃないやり方でやってみようじゃないかということを進めているように見えるんですよ。
 大臣は、説明の中では予断は持ってないと。確かに、こう名前は言っているけれども、中身の検証を見れば必ずしも初めからダムやめろとは書いてないし、普通の手順の中でダム以外に何があるかということを検証しているふうですから、必ずしも全部ダムをやめるんだというふうには言ってないことは理解できますが、初めから、そういうことであれば何もダムに頼らないという言葉、言う必要ないんですね。わざわざ予断を持っています、誤解をさせますよと言わんばかりの言葉なんで、これは私はやめた方がいいんじゃないかなと思っています。
 それから、私が三回出しました質問主意書につきまして、非常にある種不誠実、何も答えていない。それは、今申し上げたように中身が検討していなかったり間違っていたりということだから答えられない中身だったんだと思うんです。だったら正直に、これは検討していませんとか、これから検証しますとか言えばいいんですよ。馬淵大臣言われているように、開かれた議論をしたいとおっしゃるんですから、何も、ないものをあると言い張ることもないし、きちんと議論をすればよろしい。これは、今後の本当に百年、二百年という我が国の治水を左右する話ですから、ここで、その場で答弁をしのぐとか、そんなことでは許されないんですよ。本当に胸襟を開いて、みんなで治水という非常に難しい仕事をどういう対応をしていったらいいんだろうかと、まさに真摯に議論すべき中身なのであって、その意味で、この答弁書の書き方というのは私は非常に問題があるように思うと。大臣どうですかと聞いたら、それは閣議で決まったんだから私は何とも言えませんと言うんですが、考えてみたら、閣議に出す文書というのは国交省でお作りになっているんですよ。ですから、前原大臣のときかもしれませんが、中で検討してこれでいいよというのを閣議に提出して、それで閣議で決定されているはずですから、そもそも、閣議で決めるんだから私は知りませんというのは、国交省の大臣のおっしゃる言葉ではないと思うんですよね。
 これを是非もう一回お聞きしたいんですが、こういう答弁で本当にいいんだろうかと。これで、まあ私に対してというよりも、私は国民の声を代弁してお聞きしたわけですから、今の政府はこう考えていますと、私がこの間紹介した資料として配ったあの質問主意書に対する答弁ではどうにも納得ができないし、不誠実だと思うんです。だから、今までのことは素直にお認めになられて、これからきっちりするんだと。馬淵大臣、極めてまじめな方ですから決してごまかす気なんかないと思いますが、過去を評価をしてみれば明らかな間違いだったということは、お認めになった方がいいんじゃないでしょうか。どうでしょう。
#44
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先日の委員会での私の答弁は、閣議で決定したものについては閣議以外で中身を変えることはできないという、このことを申し上げたわけでありまして、先生御指摘の、政府の対応について五行しか答えないということについてということであれば、改めて申し上げますが、当時この質問主意書に対して私どもこの政府としての、皆さん方に御理解をいただけないということでありますが、私どもとして答えられる誠意ある対応をしたというふうに認識しております。
 ただ、繰り返しになりますが、今後もダムに関しましては改めて再検証ということで、まさにこれ予断を持たずに再検証するわけですから、その場で一つ一つ明らかにしていく。しかも、これはできるだけ早く示していかねばならないということも十分認識をしておりますので、このことが最も重要ではないかというふうに私どもは考えております。
#45
○脇雅史君 気持ちは分からぬでもないですが、要は答えられないようなことを言っているんです。私も、こんなことを言ったって多分できないんじゃないかなというようなことが書いてあるから、更に再質問しても、やっぱり具体的には分かりませんと言っているんですよ。そう答えるしかないんですが、つまり初めの設定が悪過ぎるんですね。幾ら誠実に対応しようとしても答えられないような中身なんですよ。
 だから、まさに、まあ過去のことばかり言ってもしようがないんですが、民主党が政権を取るに当たって、ダムが悪いんだと言わんばかりの言い方をして、コンクリートから人へと言って、ダムは全部見直しますと大車輪でそういうことをやって、見せしめに八ツ場ダムをやめるんだというようなことを言われたわけですが、それは冷静にきちんと検証してみれば、本当にそんなことが言えるんだろうかということになるんですね。
 だから、まさにこれから検証しますと言われているので、過去のことは必ずしも、あのときこう言ったからといつまでも言っていても仕方がないので、これから本当に良くなればいいんです。そして、八ツ場ダムの人が本当にきちっと、地元の方々が安心して暮らせるように、そして一番大事なことは、首都圏、利根川の治水、利水がしっかりいくことですよ。そのことを知恵を出してやると。
 そのことについては全く異存がないと思うんですが、どうでしょう。
#46
○国務大臣(馬淵澄夫君) 私自身は、もう所信でも述べたように、社会資本整備のあるべき姿はあるんだということを申し上げてまいりました。
 したがいまして、ダムが駄目だあるいは道路が駄目だ、長大橋が駄目だなどということを申し上げていくつもりは毛頭ございません。しっかりと検証して、真に必要な社会資本整備、決して私が土木屋だから言うわけではありません、これを国民の前に示していかねばならない、それも開かれた議論でです。
 私は、かねてより問題視してきたのは、予算委員会等でも指摘をしてきたのは、それこそ技術の世界だから分からないだろうということで、ある意味、役所の中で検討が行われて、それがそのままアウトプットとして出された、必要だと提示されてきた。でも、本当にそうなのかというところを改めて、高度経済成長が終わり、低成長時代に問われているわけですから、国民に分かりやすく示すことが最も重要である。
 私は、是非、脇先生にそうした議論をしましょうと言っていただける、もう本当に有り難く思っておりまして、むしろ大先輩として知見をお持ちですから、しっかりと我々にも御見解を示していただきたいと思います。
 とにかく開かれた議論で、しかも迅速にです、これは時間を先延ばしにするわけにいかないと思っておりますので、再検証というものをとにかく迅速に行いたいと、このように考えております。
#47
○脇雅史君 私もこの道をずっとやってきましたので、いろいろ言いたいことはありますので、委員会その他を通じて、それは国民のために言わせていただきたいと思っています。
 それからもう一つ、最後、この間の復習なんですが、八ツ場ダムを本体工事を取りやめたことによって、特ダム法の基本計画とか水資源開発促進法上の水資源開発基本計画の中に明示されています、その仕事が八ツ場ダム平成二十七年までですよということは、事実上、私はできなくなっていると思うんですね、本体工事を繰り延べたことによって。ですから、大臣は工期と工事それぞれのものは違うんだとおっしゃっていますが、まさに本体工事はその全体の工期を最後左右する部分ですから、これはもう無理があるのであって、多分二十七を二十八とか二十九とか繰り延べないとできないと思うんです。つまり、本体ダムを取りやめるという決断をすることは、基本計画の工期を変えることに即つながる話なんですね。
 ですから、それは違うんだという馬淵大臣の言い方は若干正確ではないのであって、やはり変えるべきだと、しかし今の段階では見直しの最中なので取りあえず変えていませんということが私は正しい言い方だと思うんですが、どうでしょうか。
#48
○国務大臣(馬淵澄夫君) 表現の仕方あるいは答弁について御指導いただいて本当に有り難く思っておりますが。
 ただ、私が申し上げたのは、工期の遅れということでの可能性を断片的にとらえて、形式的にあるいは部分的に基本計画を変更するということは必ずしも適切ではないのではないかという意味でお伝えをしたわけでございまして、とにかく予断を持たずに検証するということでありますから、検証結果を得ていない現時点においてはこの基本計画の変更というのはふさわしくないと、このように思っております。
 いずれにしても、検証結果を踏まえて、必要に応じて、御指摘のように、河川法あるいは特ダム法、水資源開発促進法に基づく手続を行うべきだというふうに思っております。
#49
○脇雅史君 そこまで言うのなら原点に返って申し上げるしかないんですが、本当の意味で今まで作ってこられたダム計画、治水計画が最善かどうか分からない、もう一回検討してみましょうと。検討する、検証するということをやめろということを私は申し上げる気はありません。もっといい知恵があるかもしれない、そういう謙虚な気持ちがあっていいと思う。
 しかし、そうであるとするならば、手段を尽くさなければなりませんね。そうすると、新しい政権として、取りあえずダムの工事をやめさせていただきます、これは大変なことなんですね。いろんな方に迷惑が掛かる。だから、それでいいですねと、共同事業者がいるわけですから。例えば、各水利権者とか知事さんとか、全国のあらゆる組織に対して、民主党政権になったんですからちょっと計画を見直したいと思うと、ついては、この一年間凍結しますが、よろしゅうございましょうかと。共同事業者ですから、そう問い掛けるべきなんです。分かったと、そんなに言うのなら少し待ちましょうと。水没者の方々も、あなた方、大変だけれども待ってくださいますかと。断られても何されても、きちっと筋を通すのが道理なんですよ。
 これは、衆議院でも見ていても、あたかも初めからだんびら振り回しておまえらどけと、間違ったことをやったんだから、おれが正してやると。法律の規則も無視してやることがおかしい。
 ですから、基本計画であれ何であれ、これがみんな変更の対象になるんです、いずれ変更するかもしれません。だから、それぞれの共同事業者に対して申し訳ないが待ってくれと。
 あのとき、皆さん方は政権交代で浮かれ過ぎたのかもしれません。だから、そういう手続もなしに、おれたちが正義だと、そう言わんばかりに、全部制圧をしたようなことをやっていました。ひどいじゃないかということを言ったら、某議員はテレビの前で、あなた方、法律違反ですよと言われたら、法律はおれたちが変えればいいんだと、そうおっしゃった方もおられたんです。まあ、一年前の熱気の中で、めったに起こらない政権交代が起こった中でそういうことがあったんだということで、今更あれなんですが。
 とにかく、やはり国ですから、権力を持った国が周りを相手にして仕事していくんです。強権的であってはいけないんです。納得させなくちゃいけないんです。静かにきちんと意を尽くして説明するのが道理なのであって、当然これも変わるかもしれないと、今言われたような、さっきの馬淵大臣の答弁は、本来、私がそうすべきだと思う点からすると懸け離れているように思えますよね。どうですか。
#50
○国務大臣(馬淵澄夫君) プロセスを重視すべきだということについては私もまさにそのとおりだと思っております。したがいまして、一年間たって私どもとしては再検証のプロセスを御提示したわけでありまして、今課せられた使命としては、これを迅速に、早急に詰めていく、もうこのことに尽きるというふうに思っております。
#51
○脇雅史君 そこで、私、この一年間の、民主党のときのマニフェストから始まって、政権を取られてからこの中間報告をお作りになるまで、この一年余りのことを振り返って、このダム事業について言われていたことが、皆さん方言われたことがどう変わってきたのか、どう考えてきたのか、そのことをきちんと検証なさるべきだと思うんです、いい点、悪い点ね。ダム事業の検証をしましょうと言うんですが、自らやってきたことも相当私は疑問があるんです。皆さん方も、是非これは真摯に検証してほしいんです、この一年間。
 例えば、マニフェストで、去年の選挙で皆さん方勝たれて、マニフェストは国民との契約だとおっしゃられましたね。今年の参議院選挙で負けたんですよ。我々、八ツ場ダムはやるんだといってマニフェストを作って戦って勝ったんだから、やるのが民意だというのが我々の意見なんですね。そうすると、衆議院のマニフェストと参議院で出された皆さん方のマニフェスト、それは参議院のマニフェストは否定されたことになっているんですね。今どんなマニフェストがあって、何が国民との契約なのかは極めて分かりにくいんです。
 これは、元々マニフェスト選挙というのがそういう矛盾を持ったものなんです、みんな、マニフェスト選挙はいいんだ、いいんだとやっていますけれども。ずっと勝っていればそれでいいんだけれども、勝ったり負けたりしたら訳の分からないことになるんですよ。
 そういうこともひっくるめて、八ツ場ダムそのものをどうするかということ、元々言われていた皆さん方の検討結果のお手紙の中身が、暫定水利権であれコストの話であれ、検討も何にも出てこないんだから、何もない。前提が崩れたんですよ。あの報告書にあるように、明らかにダムに頼らない治水がいいんだと、そして八ツ場ダムはやめるのがいいんだと、そういう結論が出ているんだといった前提が崩れたんだから、私は、相当考え方が変わるし、利根川の治水に対する考え方もうんと変化があっていいと思う。いいんですよ、変わって、間違いだったと言えばいいんだから。だれだって間違う。そのことをきちんとこの一年余りを振り返って検証もできなくて何でダム工事の検証ができるんでしょうか。検証してみてください、簡単でいいから。
#52
○国務大臣(馬淵澄夫君) 一年間の検証をせよということでありますが、私どもとしてもこの一年間、この八ツ場ダムの問題については、地元の住民の皆さん方が大変長きにわたって御苦労されていると。そしてさらに、政策転換によって新たな不安を覚えておられるということについては、結果的には生活再建についてこの一年間見通しが付かない状況に置かれてしまったということについて大変申し訳ないと、そのように思っております。
 その上で私どもは、しかしながら先生から、いや何をやっているんだというおしかりをいただきますが、一方で、とにかくどなたが御覧になっても納得いただけるようなプロセスを提示していこうということで、第三者の有識者の方々にこの検討会をつくっていただいて、さらには検証のプロセスを提示をさせていただいたと。私どもはまさにここからが最も重要な取組だと思っております。
 私は、国土交通大臣拝命して真っ先に思ったのは、とにかく時間を掛けずにできる限り早い時間で、タイミングでこの検証を進めていきたいと、この一点であります。それを行うことによって地元住民の皆さん方の御労苦、これにしっかりと解を出して御提示をすることができるというふうに思っておりますので、検証せよと申されれば、今申し上げたように、まずは地元住民の皆さん方に、関係者の方々に御迷惑を掛けたということをおわびを申し上げたいというふうに思っておりますし、また一都五県の皆さん方にも合意形成をしっかりとしていかねばならないと。一都五県の皆さんとの合意形成をしていかねばならないということも強くこれは感じておるところであります。
 いずれにしてもできる限り早く検証を行うこと、これが私どもの使命であるということに尽きると思っております。
#53
○脇雅史君 迷惑を掛けたという話がありましたが、例えば前原大臣が現場に行って、中止の方向は変わりませんなんということを言いながら話をしようとされましたね。これも検証させてもらいますでいいんですよね。中止の方向が変わらないというんだったら中止の方向の理由を示せということになるんですが、その理由が示せないことがもう現在明らかになったんですから、これは明らかに前原さんもわびるべきなんです。
 人間のやることというのは初め大事なんですね。初めにボタン掛け違えますと、地元の用地交渉、私も何度か行っていますけれども、初め間違うと修復に大変な時間掛かるんです。皆さん方も間違えたんですよ、実は。今言われたように謙虚な態度できちんと相手に対して、相手がいるんですから、納得させる努力が必要だったんですよ。
 だから、検証しようというときは、ああいう言い方は悪かったと、先に共同事業者のところに行くべきだったと、そういうことがきちんとあるんですよ。皆さん方が今政権をお取りになって仕事を進めるんですから、ああいう乱暴なやり方はもちませんよ。だから、きちんと謙虚に、だから反省、反省というか総括しろと言っているんです。これ大事なことなんです。それを本当にきちんとできなかったら皆さんが思っていることも進みませんよ。実は大変なことなんです、治水関係の利害関係を調整して地元を納得させるという話は。皆さん方は実質的に用地交渉なんか余りされていないから分からないと思うんだけれども、大変なんです、本当に。そこに謙虚な態度がなかったらできないから、だからきちんと検証しろと言っているんです。あだやおろそかに言っているのではないということを御理解いただいて、何が悪かったのかということは素直に反省をされた方がいい、それだけ申し上げておきます。
 それから、今の時点で、過去の話はもういいですから、今の話、八ツ場ダムを一体どうされようとしているのか、もう一回今の時点で八ツ場ダムに対するお考えをお聞かせください。
#54
○国務大臣(馬淵澄夫君) もうはっきりとというお言葉もいただいておりますが、予断を持たずに再検証いたします。
#55
○脇雅史君 まさにこれから検証される、いろんな意味できちんと検証されたらいいと思います。
 それでは、いよいよ中間報告について入ってまいります。私、中間報告をざっと読ませていただきまして、昨日の晩に改めて読んで、一度読んでちょっと何となく腑に落ちないところを赤線しておいたんですが、問いただしてみたいなということをずっと番号を付けていったら五十を超えまして、六、七十聞きたいことがあるんです。
 いろいろ時間があれば聞きたいんですが、まず一番基本になる部分、基本的な理念ということを聞きたいんですね。「はじめに」というところで、「「できるだけダムにたよらない治水」への政策転換を進める」と書いていますが、これはこの間も随分議論をいたしました。ダムに頼らない治水という、そういう理念がきちんとオーソライズされているわけではありません。今大臣が言われたように、河川ごとにそれぞれ検証をして、結果としてダムを造らないことがあったりダムを造ったりすることがあるはずなんですね。だから、始めからダムは造らないんだという前提に立つことは必ずしもいいとは思いませんので、この言葉は不適切だというふうに私は思うんですが。
 「税金の使い道を大きく変えていかなければならない」、これ一ページなんですけれども、そういうことを書いていますが、私、税金をお金がないとき効率的に使うというのは理解できるんですが、治水計画みたいな大きな計画が、今財政事情がいいから大ぶろしきを広げて、大ぶろしきというのは菅さんの使う大ぶろしきとはちょっと違うかもしれません、でかい計画を作ればいいということでもないし、お金がないときに立てている計画だから小さい計画でもいいということじゃないと思うんです。
 財政事情が全く影響をしないとは言いませんが、我が国というこの歴史のある国土の中でどうやって暮らしていくのかということを考えて、やはり自然現象である治水、利水、そういったことでどういう対応が一番いいんだろうか、そういう目で計画というのは作るんですね。そのときに、もちろん無駄なことをする必要はありません。一番合理的ないい計画は何だろうかということで作るのであって、その作る時点の財政事情によって私は左右されるものではないと思うんです。だから、税金の使い道が大きく変わったと言うけれども、変わるのは、作った計画の進度が変わるんですよ。お金があるときはたくさんできるけれども、なけりゃ我慢して少し先へ延ばそうかと、こういうことなんですね。
 だから、お金、財政事情によって計画が変わるというのは基本的にはおかしいんじゃないかと思う。一切変わらないとは言いませんが、将来の財政事情も考えるわけですから、とても実現できないような計画を作るのがいいことだとは思いませんが、しょせん百年ぐらい掛けても終わらないような計画なんですね、治水というのは。
 だから、余り目先の財政事情にとらわれずに、本来、この治水に対してどういう備えをすべきなのかという原点に立脚して、なおかつ将来の実現性を考えるんですが、財政上の。そういうことがあるのであって、今財政事情が厳しいから、お金の使い道変わったからダムはやめるんだと、こういうのは少し短絡的過ぎるように思うので、この点は少し考えた方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょう。
#56
○国務大臣(馬淵澄夫君) この中間とりまとめの「はじめに」のところに御指摘の部分ございます。
 ここは、まさにこれも前原前大臣がお話しされていました三つの制約要因、人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字と、こういう制約要因に直面している中で、我が国の現状を踏まえれば税金の使い道を大きく変えていかなければならないという、これは一般論の認識の下に、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を進めるということを示したものであるというふうに私は理解をしております。
 先生御指摘のように、ダム屋さんというのは、それこそ二つ三つ、私の同期でもたしか二つ三つの現場を渡り歩いてもう終わるぐらい長期間の工期の中で大プロジェクトとして取り組んでいるということを承知しております。いっときの景気の動向などに左右されるものではないということは、私もそのように思います。
 ただ、繰り返しになりますが、税金の使い道を見直すんだということは、民主党が政権を獲得するまでの我々の訴えでもありましたので、その基本的な姿勢、理念を示す言葉としてこのとりまとめの冒頭に記されたものだというふうに御理解いただきたいというふうに思います。
#57
○脇雅史君 これは、私は、前原さんがずっとこういうことを言われていますが、この部分は若干間違いじゃないかなと思うんです。うんとお金がないから、もう老人福祉、医療、そっちが大事だからそっちをやるしかないと。だから、もう公共事業は少し遠慮するんだよと。当座はいいんですよ。お金がないときにどこかは我慢しなくちゃいけないんだから、そういう考えもあるかもしれない。しかし、計画論にそれを持ち込んではいけないというのが私の趣旨で、これを言うと、もうまさに公共事業の計画論そのものを変えた方がいいよというふうに見えるので若干誤解を受けるなと、それだけ申し上げておきましょう。
 それから、いろいろ細かいことに入る前に、大きな問題として、理念の中で、これ十三ページでしょうか、「治水対策案は、河川整備計画において想定している目標と同程度の目標を達成することを基本として立案する。」と。河川整備計画とリンクしているように書かれている。その次のページでも、評価に当たっては、現状における施設の整備状況や事業の進捗状況を原点として検討を行うと、河川整備計画策定時点と書いていますね。これが基本的に違うんじゃないかなと。
 そこで、ちょっと議論をお聞きになっていて分かりにくいかもしれない、まあ国民の皆さんもこれを読んで分かりにくいといけないので、そもそも、河川の計画論を立案するときに、河川計画と言っていいんでしょうけれども、どんな手順でそれは進めているのかということを非常に簡単に、口では分かりにくいと思うんですが、言っていただけますか。
#58
○大臣政務官(津川祥吾君) 簡単にということでございますので、簡単に御説明させていただく範囲で御説明させていただくならば、河川法に基づきます治水計画についてでございますが、治水計画としては、河川整備基本方針と河川整備計画というものがございます。先生御質問の部分であろうかと思いますが、例えば基本高水のピーク流量ですとか計画高水流量はどっちに書いているんだと、こういう話であろうかと思いますが、これは基本方針の方で定めさせていただくものでございます。
#59
○脇雅史君 私が聞きたいというか、皆さんに聞いていただきたかったのはそういうことではないんですが。つまり河川で、それぞれの川で計画を作るって、一体どういう手順で何を決めるんだろうか。まず、この川は何年確率、これは日雨量なり三日雨量なり、雨量確率で安全度の度合いを決めますね。一番安全にしなくちゃいけない川は二百年確率、低い川は五十年とか三十年と。まず、この川の重要度からして、どれだけの対象の規模にしましょうかと、安全度をどれぐらいにしましょうかと。そして、それは雨量で確率計算をするんですね、雨量、全体、面積の雨量、そこに降る雨の量を確率処理しまして、二百年確率、二百年に一回降るぐらいの量の雨を降らせましょうと。ところが、降らせるときに降り方が違うんですね。朝降ったけれども夜降らなかったとか、ピークにうんとどかっと降ったり、だらだらと降ったり、いろんな降り方があります。これは降雨時間パターンと言いますね。
 それから、同じ流域の中でも、例えば利根川でいえば、東京には降ったけれども群馬県には降らないとか、やたら群馬県に降ったとか、それぞれ降り方が違いますね。それがまた地域パターンと言うんですね。その様々な降雨パターン、時間雨量、地域雨量、そういう時間分布、地域分布というものをそれぞれ変えながら、同じ量の雨でも高水は倍半分違ってくるんですね。本当に様々な雨を想定して、そして計算をして、そしてどんな高水が出てくるかという検討をするんですね。それが出てくるのが基本高水なんです。こういう波形、基本高水というのは時間と流量をずっとグラフにしますとこういう絵になるんですね。上に凸の、何時間ごとにどんな量が、流量が流れるかというようなことが出てきて、その基本的な基本高水という流量をどうやって処理しましょうかというのが治水計画なんですね。
 そうすると、そのとき考えるのが、一番大事なことは今ある河川、この間、カドウと言ったら稼働状況の稼働というふうに速記で書いてありましたが、これは河の道ですね。今ある河川、現況の河川で最大限流しましょうというのがこれ原点なんですね、今あるんだから、最大限流すと。そのときに何が大事かというと、ハイウオーター、計画高水位と言っていますが、我が国はまさに川があふれてできた平野に人が住んでいるものですから、みんな河川の高水位より低いところに住んでいるんですね。これがヨーロッパなんかと基本的に全く違うところであって、大多数の国は一番低いところに川が流れているものだから、流量が増えてもずっとじわっと水位が上がっていくだけで、破堤はんらんということはないわけですよ。ところが、我が国はある規模を超えると破堤はんらんがあるものですから、この計画高水位というものは、これまでのものは高くしないと、ずっとこれは基本的な哲学と。これは河川砂防技術基準にも書いてありますが、そこで抑えているんですね。それを高くしちゃうと、もう破れたときのエネルギーが倍加してきますので、怖いんです。だから、できるだけ水位は上げない。川を掘ることもあるんですが、掘ってもこれはなかなか、すぐ埋まったり、維持が難しいものだから、現況の川の状況を見ながら、広げたり、いろんなことはしますが、それで最大限流れる流量を取るんですね。
 そうすると、大体計画二百年なんかやると、川で流れません。川を倍ぐらい広くしようかといったって、それはもうみんな人が住んでいるからできない。そこでダム計画というのが出てくるんです。ダムや遊水地、どこかにためるしかないぞということでダムが出てくるから、ダム要らないといったらその計画論ができないし、また、例えば一度こうやって計画しても、とんでもない雨が降ったりするんです。この間、奄美大島で降りましたね。あれ多分、今までの川を倍ぐらい広げたって流れません。それぐらいの雨が降るんです。そうすると、雨が降るたびにどけどけと、これまでそういうことをやってきたわけですが、今更またどけと言われても、田んぼも家もなくなっちゃうよなというわけで、できないということがよくあるんですね。
 そこで、総合的に考えて、どこにどうためて、どういう放水路を造るとか遊水地を造るとか、様々なことを総合的に流域全体で検討する、つまり、流域全体の総合性というのが要るんですね。総合的な計画なんです。それがまさにあの基本方針で決めるべきこと。その基本高水を処理して、河道でどれだけやりますかというのが計画高水流量であって、様々な施設でそういう計画高水流量になるように施設配置計画を作っていくと。簡単に言うと、これが河川計画で、ちょっと分かりにくいかもしれませんが。それを決めるのが実は河川整備基本方針、今申し上げたのが、それが基本方針の段階なんですよ。だから、ダム一つ取って、このダムやめますよと言われても困るんです。総合的に決めると。
 今日、ちょっともう一つお配りした一枚紙があったと思うんですが、これがまさにその基本方針で、これに続くいろんなものがあるんですが、まさに総合的に決めなさいよとか、いろんなことを考えて決めなさいよというようなことが書いてある。これはもう、河川砂防技術基準というのはそんなことは百も承知でよく書いているんですが、そういうことで決める。それを、ダム一つ、これ、このダム見直ししましょうといってやめたらどうなる。このダムの代替施設はどうしますかなんて個別にはできないんです。まさにもう一回原点に戻って、このダムをやめるとしたらどういう施設計画にしたらいいんだと、元からやり直さなくちゃ駄目なんです。
 つまり、ダムの見直しというのはまさに河川整備基本方針の変更なんです。そうでしょう。だって、ダム一つやめたら、その下流の計画高水流量って変わるんですよ。計画高水流量を決めるのは、これは河川整備計画では決めないですよね。河川整備計画というのは、それは方針で決めた全体の施設に対してどうやって、当面、お金がない中で取りあえずやるべき仕事はどこでしょうかということを考えながらやるのが基本計画だから。その基本計画に合わせてダム見直し決めましょうと言われたら、私は途方に暮れちゃうんです。基本方針にまで戻らなかったらできないんです。特に直轄のダムはね。そういうダムなんだから。本当に地域的に効かすダムだったらそういうことはあり得るわけですが、補助ダムの中で、中にはそういうのもあるでしょう。しかし、直轄でやっているダムは全部基準点に効く、基準点に効くという言い方もよく分かりにくいかもしれませんが、要するに、流量をカットして、基本高水から計画高水流量まで下がる、そういう効果を持つというダムにしていますから、そのダムをやめたらその量だけ増えるんですね。だから、それはもう、もう一回総合的に基本方針をやり変えねばならぬ。つまり、ダムの見直しというのは基本方針をやり変えると言わないといけないんです。基本計画に合わせてやると言ったのでは見直しにならない。これ、どうでしょうか。
#60
○国務大臣(馬淵澄夫君) ありがとうございます。大変分かりやすく教えていただいたというふうに思っております。
 先生御指摘のように、まさに基本方針の見直しということも必要なのだということを御指摘いただきましたが、一方で、第三者による、有識者によるダムに頼らない治水のあり方検討会の中では、再検証、これを時間を掛けるわけにもいかないということで、再検証の方法を河川整備計画というところに基づいて行うとされたというふうに私は理解をしておりまして、ただ別途、私自身も先生御指摘の問題点というのは認識を持っておりまして、果たしてこの基本方針、いわゆる基本高水の検証というものをしっかり行わなければならないのではないかと、これについては私なりの問題意識でもございました。今般、この再検証を行う上において、モデルの妥当性ということもまた一方の議論として上がっておりますので、私はこの再検証を行いながらモデルの妥当性を行い、必要であればこの基本方針に係る基本高水の見直しも行わねばならないと、このように考えております。
 ただ、これもまずは予断を持たずの再検証でありますから、現行、提示されたプロセスをしっかりと進めること、そして一方で出てまいりましたモデルの検証が必要ではないかということについては、これも徹底的に調査を進めるということで今、私自身指示をしたところでございます。
 先生の御指摘の問題意識というのは私自身も共有させていただいているということを改めてお伝えをしておきます。
#61
○脇雅史君 基本的に駄目なんですよ。十三ページの(4)ね。これ皆さんお持ちでなくて恐縮ですけれども、「治水対策案は、河川整備計画において想定している目標と同程度の目標を達成することを基本として立案する。」って、これはもう駄目なんです。
 今申し上げたように、基本方針までさかのぼらねばなりませんし、整備計画なんというものは二十年とか三十年とかしか考えていないんでしょうからね。今ある実際の施設をその二十年、三十年ぐらいの間にどういう順序でやっていきますかという計画の中で、ダム計画そのものなんか入らないんですよ、ダムは百年確率とか二百年確率でやっているんですから。だから、このことを併せるような検証というのはあり得ない。
 だから、この間もちょっと私失礼な言い方をしたかもしれませんが、有識者会議って本当に有識者なのと、本当に河川計画やったことがある人なんですかってお聞きしたのは、そういう意味なんです。これを読んだらとてもそう見えないんです。だからこれ、駄目なんです。これできない。もう原点に戻って見直すしかないんです。
 それから、今モデルの話をされましたが、また聞いている方は分からないかもしれないけれども、モデルというのは、これだけの雨が降りますよといったときに、その雨が河道にどうやって出てきますかという、その雨をコンピューターに入れると河道の流量になって出てくる。そのシミュレーションモデルなんですね。
 そのモデルは、結構いろいろ分からないんです、難しいんです。だから、そういうことをしながら決めていくんです。いろんな検証をして、何十種類と雨を流して、その雨と実際に流れたであろう量と合わなくちゃいけませんね。降った以上には出てきませんが、いろいろ降っても出てこない量もあって、これは地下に流れたり、蒸発したり、いろいろ難しいんです。そういうことを一生懸命検証して、何十種類も検証してモデルというのはできているんです。しかし、このモデルにも必ずしもそんなにぴったり合うものではないと。
 そこで、河川の流量、どこで何トンなんて言っていますけれども、毎秒何トンと、あれどうやって測るか知っていますか。
#62
○国務大臣(馬淵澄夫君) 具体的には存じ上げておりません。
#63
○脇雅史君 だから、まあ大臣には失礼だけれども、体温の測り方は分からないけれども、病気診てやると言われても困るんでね。
 それは、まあ大臣にそんなことを言っちゃ申し訳ないんだけれども、何が言いたいかというと、実際に流量を測ったことのある人は、それがどの程度の精度があるかというのが分かるわけです。
 通常は、橋なら橋がありますよ。そこへ流速計というのを入れるんですね。二割水深と八割水深というところへ流速計を下ろす。流速計というのはプロペラが回って、水が流れてくると、そのプロペラの回転速度で分かるんですね。一・三メーターとか一・二メーターとか分かる。二割水深と八割水深を測って、それをずっと河川を横断する方向で断面を決めて測っていく。そのそれぞれの流速、平均流速、二割と八割を測ると、ここの平均流速はこんなもんだという想定、実験値、経験値があって、それを全部足し合わせて今現在、この河川の断面を流れる平均流速は何ぼだということが分かるから流量が分かるという仕組みなんですね。
 それは、水が少ないときなんですよ。洪水のときそんなものを下ろしたら流されちゃって測れないと、とんでもない方の流速を測るようになる。そこの水深を図ることすら、これはおもりを付けて、何ぼ水深があるぞと。非常に原始的なんですよ。
 この流量、やっぱり流量を測っていますと面白いんですよ。入れると下流へ流れていくんですよ。三メーターぐらい後ろ。おれたちここの断面で測っているんだけれども、あんなところの流速測っているなと、まあ大して違わないからいいかというぐらいのことで測っているわけ。
 洪水のときどうするかって、できないから、そうすると、洪水のときは発光浮子という発煙筒みたいな火を噴くやつを投げる。それは、上から、橋から投げると、その下流にその見通し、くいを立てまして、この断面を通過したときと、その五十メートルか百メートルか下流に、次の断面を通過するところまで時間を計って、ここからここまで何ぼ流れたと。よく子供が橋の上から何か投げて遊んでいるのと一緒ですね。そうやって測る。それがどのぐらい精度があるかと。だから、いろいろ言って、一万一千何百トンなんて言っていますけどね、何百何十何トンなんて言っているけど、あんなの大うそと言ってはいけませんが、そんなものない。
 それから、そもそも河川計画の原点になるマニングの公式という、これがもうすべての原点なんですが、そういう式がある。その式にnというのがあって、粗度係数というのがあるんです。つまり、つるつるのところはすっと流れるからnはうんとちっちゃいけれども、木なんか生えているとnは相当大きくなるよと。そのn値というのがあって、これが二けたなんですね、〇・三〇とか〇・三五とか〇・二五とか。そんなようなことで決まるんです。つまり、有効数字は二けたの世界なんですよ、はっきり言うと。
 そういうことを理解した上で、しかも元々の流量そのものがその程度の精度しかない。それから、雨が降るときに、さっき流域に降る雨と言いましたが、これ流域に百や二百あったって、降雨観測点が、それで二百でその一万平方キロメートルなんていうところを代表しようとするんだから、大変なんですね、精度というのは。それが、だって百平方キロに一個雨量観測があって、そこの時間雨量を一生懸命計算したところでですよ、観測したところで、それが百平方キロを代表しちゃうというふうに見るわけだから。これ流域分割をずっと雨量観測所に従って作っていくわけだけれども、そこでも随分誤差があるんです。本当に誤差と誤差と誤差と、いろいろ誤差がある中で、まさに経験工学の中でこんなもんだろうというのをやってきて、それが当たらずとも遠からずというのが今の日本の現状で、しかしこの日本の現状は外国に比べればはるかに精度が高いんですね。それが今の状況。
 だから、流量一つ、何も私は子供の、子供のころじゃない、若いころからそういうことをやっていたから偶然知っているのかもしれないから、別にひけらかすわけじゃないんだけれども、そういうことを今の国交省の若い人も知らないかもしれない。ただコンピューターをいじって数字が出てくる。モデルがいいんだ悪いんだなんて平気で言っていますけど、そのモデルをつくるにはどんな苦労があるか。
 特に、古い洪水のモデルをつくるときなんか、これはどうしようもないんですよ。時間雨量観測した雨量観測所はうんと少なかったりするわけだから。いろんな想定の中で一生懸命誠実に想定して、できる限り技術的な良心を持って推測しているんですよ。だから、モデルの検証といったってそう簡単じゃない。それも何十という雨を降らして一生懸命計算してどれがいいかということをやるんです。だから、そういうことを全然知らずにやったんでは駄目なんですね。
 つまり、私が今言いたかったのは、この河川整備計画では駄目だということが一つで、もう時間がなくなっちゃって、またやらねばなりませんが、何ぼやっても終わらないんですが。もう一つ申し上げておくと、この整備基本方針でやらなくちゃいけないんだけれども、整備基本方針というのは、これは二級河川については知事さんの権限なんです。馬淵大臣がおまえこうしろと言う権限は河川法上ないんですね。だから、おれに報告しろなんていう権利もなければ何もない。二級水系の整備方針は知事さんにお任せしますということになっているんだから。だから、二級水系でダム造るのおれのところに報告しろと言うのは、これは河川法違反なんです。
 まして、まして今皆さん方は地方分権といって地方で決めたことは尊重しようなんて言っている中で、何で河川法に限ってそんなことが許されるのか。
#64
○委員長(小泉昭男君) 脇委員、時間が迫っております。
#65
○脇雅史君 いや、迫ってない、過ぎている。申し訳ありません、やめます。
 それで、そういう地方分権というようなことからも今回の措置は問題があるので、私はこの基本方針というのは非常に大きな問題がある。まだ五十数点聞かなくちゃいけないことがあるから、また次聞きますが、大きな問題点は二つ、そういうことを今指摘しておきます。
 終わります。
#66
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。私も、前回に引き続きまして八ツ場ダムの問題について見解をただしていきたいというふうに思います。
 今、大変、脇先生の専門的な質疑が展開をされまして、私は専門家ではありませんが、新聞記者出身でございますので、現場の声ということを大事にしながら進めていきたいというふうに思います。
 その前に、前回の質疑のときに、私が現地での生活再建について今年の予算がなかなか執行されていないその理由について、執行についての決意を伺ったところ、大臣から一都五県の負担金の支払が滞っているというようなことについて触れられた部分がございました。このことについて、私はそういう言い方はしない方がよろしいですよというふうに最後に申し上げさせていただきましたけれども、それは一都五県の知事からもやはり怒りの声が上がっております。
 この八ツ場ダムの問題は、これは私はもう再三再四申し上げておりますが、予断なく検証すると、ダム事業というか、そういうものについて見直すということについて真っ向から反対するわけではございません。ただ、この八ツ場ダムの問題については、余りにも一方的で、この政策変更が現地に与えた影響、マイナス面が余りに大き過ぎる。そういう意味では、方針を私はそのまま続けることに対しては賛成はできないというふうに思っております。
 そういう意味では、予断を持たずに検証を進めるというふうにおっしゃっておりますが、同時に、この一年間、なかなか現地に対して生活再建も進まなかったということは先ほど大臣も答弁の中で自ら認めていらっしゃいますが、こういうことに関して地元の不安というものをやっぱり一つ一つ取り除いて、今現地で暮らしている皆さんのその暮らしというものにきちんと重きを置いて、やるべきことはきちんとやるということは同時にやらなければいけない、これは国の責任であるということで認識を持っていただきたいというふうに思います。
 まず一つは、これはちょっと前の話ですけれども、去年の二月二十五日付けで八ツ場ダム建設事業施行に伴う代替地の安全性の報告についてということで、これは、既に建設されている、造成されている代替地の耐震性に疑問があるのではないかという声が上がり、これは中越地震も含めてこの造成地に対する耐震性の基準というものが変わりましたから、新しい基準で計算し直すとどうなるのかという、こういうことについての不安の声が上がりました。
 群馬県の方から国土交通省に対して、代替地は耐震性の面で新たな基準に対して適切なのかどうか改めて確認したいと、こういう依頼があったはずでございます。これに対して、国土交通省が安定計算の結果を調査をして、これは県に対しても報告を既に今年の八月三十日付けでされているはずでございまして、その結果を端的に示していただきたいと思います。
 移転代替地は耐震性に問題はないという結論だということでよろしいかどうか、お願いします。
#67
○大臣政務官(津川祥吾君) お答えをいたします。
 今委員から御指摘をいただきましたとおり、県の方から問い合わせがございまして、八月末に八ツ場ダム工事事務所が提出をした計算結果によりまして、造成宅地防災区域の指定基準には該当しないという判断を群馬県が行ったという事実関係について承知をしているところでございます。
#68
○長沢広明君 これは地元紙でも報道されておりますけれども、簡単に言って耐震性に問題はない、こういうことでよろしいですか、改めて確認。
#69
○大臣政務官(津川祥吾君) そのように承知をしております。
#70
○長沢広明君 その上で万が一というようなことを考えておられる方もいらっしゃいまして、平成四年の七月十四日、この八ツ場ダム建設事業に係る基本協定書というのが長野原町、群馬県、そして国と、この三者で結ばれておりますが、この中には、国は、協定の文章では丙はと、甲、乙、丙になっていますが、国は地元関係者の生活の再建及び関係地域の再建について甲及び乙の協力の下に責任を持って対処するものとすると、こういうふうに協定に結ばれております。生活再建、関係地域の再建は国が責任を持って対処するということがこれで決まっているわけですけれども、そういう意味でいえば、この代替地の安全性に関する説明責任も国にあるということでこういうことになっていると思います。
 万が一、代替地の安全性に仮に疑われるような事案が生じた場合には、これは国の責任で対処すべき問題であるというふうに思いますが、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
#71
○国務大臣(馬淵澄夫君) 八ツ場ダムの代替地の件での御質問だと思いますが、万一何らかの問題が生じた場合という仮定の御質問というのはなかなかお答え難しいんですが、一般論として言えば、当然、事故等に対してはその原因を調査した結果を踏まえ対応すべきものというふうに思っております。そして、国土交通省としては、地元住民の方々に対して法令等にのっとった安全な代替地を提供していくということが基本的な考えでございます。
#72
○長沢広明君 かつて、これは奈良県だったと思いますが、大滝ダムというところで、白屋地区で、やっぱり水を入れ始めた後、ひびがちょっと入ったところ、そこの住んでいるところが、いらっしゃって、それでその方々の移転については、これは土地の補償も含めて国が責任持って対応したということが過去にもございます。
 ということですので、これは万が一の話でございまして、今政務官からも答弁ありましたとおり、既に造成されている代替地については耐震性に問題はない、新しい基準に照らして問題はないということを確認をされておりますので、万が一の問題でありますけれども、やはりそういうことについても国がきちんと責任を持って大丈夫だよと、こう言ってあげていくことが地元の皆さんの不安を一つ一つ取り除くということになると思います。こういうことをまずやらないといけないというふうに思います。
 もう一つ、今、地元の皆さんも非常に心配されているのは、温泉地も疲弊をして将来像が見えない、政策転換されたことによって私たちは踏み付けになっていると。じゃ、将来どういうふうにこの町はなっていくのか、自分たちが住んでいる町はどうなるのかという、そういう不安の中にいるわけです。
 県道、国道を付け替えて、新しく鉄道も付け替える、それによって駅が造られて、代替地にも駅ができると、こういう計画に元々なっているわけですよね。ところが、県道と国道の付け替えが進まないと鉄道の付け替えができないという、構造的なそういう構造になっちゃっているわけです。しかし、この県道、国道の付け替えがなかなか工事が進まないと。で、鉄道どころの話じゃないと。そうすれば、代替地に駅もできないと。温泉街の復興どころか、駅もできないんじゃどうにもならないじゃないか、いつできるんだと、こういう不安の声。まあ前原前大臣も、中止の方針というふうにおっしゃいながら、生活再建事業についてはしっかり進めると、こういうふうに言われていたにもかかわらず、なかなか進まない。
 この国道の付け替え、それから鉄道の付け替え工事についてはちゃんとめどが立つのかどうか、示していただきたいと思います。
#73
○大臣政務官(津川祥吾君) 国道の百四十五号線の付け替え工事と鉄道の付け替え工事についてでございますが、百四十五号線など主要な付け替え道路につきましては既に段階的に供用をさせていただいているところでございますが、今年度末にほぼ全線で供用できるように工事を現在進めているところでございます。ただ、鉄道の付け替え工事につきましては、一部の用地取得の難航しているところがございまして、工程が遅延をしているというところでございます。
 今御指摘いただきましたとおり、まさに代替地に多くの方々移っていただいて生活再建をさせていただきたいという形、考え方の中で、この鉄道の付け替え工事につきましても、一刻も早い完成に向けて、地権者の方々の御理解いただけるように引き続き努力をさせていただきたいと思っているところでございます。
#74
○長沢広明君 今おっしゃったとおり、やっぱり鉄道については事実なかなかめど立たないわけですね。鉄道の駅ができないと温泉街の復興というのはなかなかそれはもう全く見えないわけですね。そういう意味では、用地取得が進まない、さらに、鉄道の敷設については、まあちょっとこれ国土交通省もお話ししましたけれども、相談しましたけれどもこれは鉄道事業法に基づいてJRが鉄道を引くということになるので、めどを国の方でこうですと言うことはなかなかできないみたいな話もある。これは法律に基づいたらそうでしょう。だけど、それは地元の住民から見たら関係ありません。地域住民から見たら、それは国と鉄道会社のお互いの言い訳にすぎなくて、地元に住んでいる皆さんから見たら、ここまで一生懸命私たちは我慢してやってきたんだから、ちゃんとやるべきことはやってもらいたいというのがこれは本音だというふうに思いますので、そういう声をしっかり受け止めていただきたいというふうに思います。
 もう一点、八ツ場ダム事業に伴いまして多くの方々が移転をしました。その方々から来る様々な、大きな落胆と失望の声ですね。私はこの八ツ場ダム問題の一つの特徴というものがここにあるような気がするんです。五十何年間確かに工事は進まなかった。方針転換、民主党政権が政権交代して方針転換するときに、政策転換するときに、五十何年間進まなかったものだから思い切ってここで中止するというような言い方をまくら言葉にされたことがある。
 ただ、五十何年間、地元の皆さんは苦渋の選択をして、最終的に大変な重い決断をしたわけです。その重い決断をかなり軽いひっくり返し方をしたということに対する地元の皆さんの落胆と失望の大きさ、こういう目に見えない落差というのが私はこの八ツ場ダム問題の一つの大きな柱じゃないかというふうに思っているんですね、失望の大きさ。そこをつかまないと、様々な、まあそれは理屈はおありでしょう、いろんな理屈はおありだと思いますが、私は本当に人の心に届く政治にはならないと思うんですよ。そういう痛みをきちんとつかんだ上での政治に変えなきゃいけないと私は思うんですね。
 例えば、この長野原町から移転した方々がたくさんいらっしゃる。大変な苦渋の決断です。もう長い間住んでいたこの町から出なければならないということについて、それはお国のためでもあり地元の振興のためでもあり、地域がこれから明るい未来を持っていくためにはという様々なことを考えた上で最終的に決断をされて長野原から出た。例えば群馬県内のほかの渋川市とかいろんなところに移転された方がたくさんいらっしゃるんですね。
 で、代替地に行った方とその出た方がいらっしゃる、外へ出た方がいらっしゃる。この外へ出た方々は、今度は新しい町で暮らしをすることによってなかなかその地域に溶け込めないという問題が生じているわけです。それも覚悟の上で当初は出たんです。それはもうしようがないと、もうこれは腹決めたんだと、お国のためであり地元の将来のためでありと思って腹を決めて出た。
 ところが、ダム中止方針という政策転換によってこの人たちは二重のショックを受けた。私たちが今この新しい土地で溶け込めなくて苦労しているのは一体何のためだったのか。私たちが出てきたのは何のためなのか。中止になるのなら元の家に住み続けられていたのにという声、私は、これは現地の様々な関係者から取材をして受けてきたこれは声です。そういう声がたくさん出ています。私たち政治家というのは、こういう現場の声というのを無視してはならないと思うんですね。
 私が一つここで申し上げたいのは、例えば今年三月の群馬の県議会で、この移転された方々が大変に傷ついているということがやっぱり取り上げられたんですね。群馬県議会ではこういう質問があったんです。移転された方々を含めたメンタル面の対応は進んでいるのかと。調査したわけじゃないので数字的に、データ的に言えるわけではありませんけれども、しかし、この長野原から外に出ていったという人たちの中には、やっぱりうつになったりあるいは引きこもりになったりというようなことで、そういう精神面の影響を受けている人があると。そういうことに対するフォローは進んでいるかという質問がありまして、この県議会での県当局の答弁は、国土交通省と協議はしているが現実的な方法はまだ見えていないと、こういう答弁だったんです。
 これは三月の段階。もう半年たっていますからどういうふうに変化しているか分かりませんが、私は、建設中止という方針を出した後の地元の再建についてさえ全く見通しが立たないという中で、精神的な疲労も非常に大きい、想像以上のものになっている。そういうことにかんがみれば、移転者の生活状況や心身の健康状況の調査を行って、そういう方々に対するアフターケアを行うということも、私、こういうことも、この問題についてはこれは私は政府側責任がある、だからそういうソフト面からの対策を示す必要があるのではないかというふうに思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#75
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のような思いをいたされている方々が多数いらっしゃるということも、お話を伺っていると、まさに取材をされたということでありますので、本当に頭の中に思い浮かんでまいります。そうした方々の御苦労というものに対しては我々も真摯に受け止めなければならないと思っております。
 ただ、現時点におきまして、地区外移転者の方々というものを具体的に我々が把握をしているわけではございませんで、これは公共事業の施行に伴う、一般論としてですが、移転を余儀なくされた地権者の方々については、どのような移転形態を取られるかということについてはまさにその地権者の方々の判断を尊重してきたものでありますので、そこについてはフォローができているのかと問われれば、それは十分ではございませんという答弁になるんですが、ただ、こうした状況の中で、地区外移転者の方から御要望あれば、八ツ場ダムの工事事務所を通じてメンタル面のフォロー、特段、具体的にというものを今我々として持ち合わせているわけではありませんが、どなたがどこにいらっしゃるかというのをつかんでおりませんので、移転者からの御要望あれば、八ツ場ダム工事事務所を通じて対応をしてまいりたいというふうには思っております。
#76
○長沢広明君 済みません、これは通告というか今の質問に関連してですけれども、要するに、県からはそういう相談というのは実際受けているかというのは分かりますか。
#77
○国務大臣(馬淵澄夫君) 済みません、御通告いただかなかったので、今確認をさせていただきます。
#78
○長沢広明君 群馬県議会では、国と相談をしているけれども、なかなか答えが出ないということでございました。確かに、外に出ている方の人数は分かっても、実際どこでどう生活をしているかというフォローは、これはなかなかされていないんですね、ちょっと聞いてみたところ県の方でも。ですので、これはきちんとフォローをしていただいて。
 なぜかというと、その方々にとっては本当に、この先祖伝来の土地を離れて外に出たにもかかわらずダムはできないという、そういう大変な二重のショックを受けられているということがあるので、その生活状況に対するこのフォローということは、これは私はするべきだというふうに思っておりますので、今大臣がどうやるかということも検討するというお考えであるというふうに私伺いましたので、そこはしっかり、苦しんでいる方の側の立場に立っていただきたいというふうに思います。
 ほかのドクターヘリに関連することとか高速道路に関連することちょっとやりたかったんですが、ちょっと時間半端になっちゃいましたので、次回にちょっと残したいと思います。
 ただ一点だけ。済みません、これも通告していなくて申し訳ないんですが、今大臣のお話聞いていて、私は大臣にもっともっとこの現場の声を聞いてもらいたいと思うんですよ。現地というものを、まあ御覧になったことがあるのかどうか分かりませんけれども行っていただいて、やはりこの現地の生の声、本当にこの皆さんがどういうことを感じていらっしゃるか、国に対してどう思っていらっしゃるかということについて、私は大臣はしっかりそれを受け止めてもらいたいというふうに、今大臣の答弁を聞いて、そういう思いを更に強くいたしました。
 是非、大臣となってまだ八ツ場へ行かれていないと思うんですが、現地へ行って、本当に現場の人たちがどういう思いでいられるか、そのお声を聞いてもらいたいというふうに思いますが、行かれるお考えはございますか。
#79
○国務大臣(馬淵澄夫君) 昨日二十五日、一都五県の皆さん方がお集まりになられる、まさにそのときに伺いたいという思いで調整をしておりましたが、予算委員会がございまして伺うことできませんでした。一刻も早くという思いでおりますので、現在調整を進めさせていただいております。
 地元の皆さん方、私は二回、副大臣時代に訪ねておりますが、改めて大臣としての私の考え方、あるいは皆さんの思いを受け止めさせていただきたいというふうに思っております。御示唆、有り難く受け止めさせていただきます。
#80
○長沢広明君 私は、要するにマニフェストに基づいて政権を取って、そのマニフェストの一つ、特にその柱になるところを前原大臣が中止方針という形で実行してみせた、ここまでは民主党の事情であると。だけれども、それによって現場には違う事情が生まれている。そのことを分からないと、政治というのはもう全然現場から離れた政治になっちゃう。
 だから、現地で一体何が起きているか。政治家は常に、私たち政治家は歴史の法廷に立たされていると常に言われますけれども、しかし、この政治家というのは、歴史の法廷という長い法廷に立たされると同時に、今暮らしている国民の生活に対して責任を持っているわけですから、その現場で一体何が起きているのか、どういう人がどう苦しんでいるのか、それを受け止めながら、いざとなったときには、自分が言ったことでもそれは撤回するぐらいの勇気を持つこともこれは政治家ですというふうに私は思いますので、現地をしっかり見て、本当に現場で何が起きているのかということをもう一度、私は大臣の立場でしっかり見ていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。
#81
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。どうぞよろしくお願いします。
 まず、奄美大島における豪雨被害について質問をします。
 今回の痛ましい豪雨災害でお亡くなりになりました三名の方の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
 先日調査した我が党の阿部知子政策審議会長からは、水かさが天井まで来るような急激な降雨であったこと、山が海に迫る地形で今後とも河道の整備が必要であること、その中にあっても海上保安庁による海からの救難活動が効果的であったことなどの報告を私も受けております。
 現地では、地元住民、自治体を中心に現在も懸命の対応が続けられておりますが、被災者救援やインフラを中心とする復旧復興など、国による支援も期待されております。社民党としても、是非万全を期していただくよう、強くまず要望させていただきます。
 そこで、奄美大島豪雨災害に対する国交省のこの間の対応、そして今後の取組について御紹介ください。また併せて、大臣の被災者救援、復旧復興への思いをお聞かせください。
#82
○国務大臣(馬淵澄夫君) 過去に例のない記録的な大雨によりまして三名の方が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表すとともに、浸水や土砂災害など被害を受けられた方々に対してお見舞いを申し上げます。
 国交省では、発生直後から、海上保安庁におきまして巡視船艇、航空機等、これを派遣いたしました。被害状況調査、負傷者の搬送、これを行うとともに、九州地方整備局において鹿児島県庁へリエゾン、情報連絡担当官二名を派遣しております。さらに、鹿児島県の要請を受けましてテックフォース、緊急災害対策派遣隊でございますが、この情報通信班及び情報収集車、さらには衛星小型画像伝送装置、これKu―SATと申しますが、更にヘリコプター画像受信装置など、必要な機材を派遣いたしました。現場監視や情報通信に関する支援、これをこの機材によって行っております。また、被災状況調査班、これを派遣いたしまして、九州地方整備局、四国地方整備局の災害対策用ヘリコプター二機による上空からの現地調査を県と連携しながら行っております。
 また、昨日には市村大臣政務官、奄美大島に派遣をいたしまして、道路災害、土砂災害など状況調査、また地元の要望の聴取をしております。
 本日は、本省職員等から成ります高度技術指導班、派遣いたしまして、鹿児島県に対し災害復旧に関する指導、助言を実施しております。
 今後、鹿児島県、関連市町村から要請があれば、テックフォースを追加派遣、また災害復旧のための現地調査、調書作成等の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、国土交通省としては、鹿児島県と連携をしながら、被災状況の把握に全力を挙げるとともに、被災地の早期の復旧復興に向け、関係連携機関との協議の下、地方公共団体への支援に全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
#83
○吉田忠智君 この間の迅速な対応に敬意を表します。また、今後万全な対策を講じていただきますように要請をさせていただきます。
 次に、タクシー適正化・活性化措置法施行後一年の状況と対策について質問します。
 この問題は、勇退された我が党の先輩である渕上貞雄議員が本年四月に当時の前原大臣にもお聞きをしております。タクシー業界については、自公政権下の〇二年、改正道路運送法により事業者数、車両数とも大幅に増加し、タクシー運転手の平均年収は全産業平均の約半分の二百七十九万円、年間労働時間は全産業平均の約一割増しの二千四百二十四時間となっており、低賃金、長時間労働がまさに安全、安心を脅かしております。
 このような行き過ぎた規制緩和を是正し、極限まで悪化した労働者の賃金、労働条件を改善すべく、昨年、タクシー適正化・活性化措置法が施行されました。この十月で一年が経過をしました。国土交通省として特措法施行後一年の現状をどう認識されておられるのか、またどのような課題があると考えられるのか、お伺いをします。
#84
○副大臣(池口修次君) タクシーの適正化・活性化特措法の状況ということでございますが、このタクシーの適正化・活性化法に基づいて、全国で百五十六の特定地域を指定をしまして、供給過剰の解消とか、過度な運賃競争の是正をしておりまして、国交省としては一定の効果は上がっているというふうに思っております。
 具体的に言いますと、まず供給過剰の問題ですが、特定地域百五十六のうち百四十七地域においては地域計画を作成済みでございます。さらに、そのうち百三十二の地域で計画が提出されておりまして、事業再構築、減休車は着実に進んでいるというふうに全国としてはとらえております。
 次に運賃ですけれども、運賃についても下限割れ運賃に対して適正に審査するなど適正化を図っております。自動認可運賃の幅を一〇%から六%に縮小をするということ等をやりながら、今下限割れ運賃を適用する事業者のうち三分の二、八百社程度は自動認可運賃の範囲内へ移行したということです。逆に言えば、残り四百はまだ下限割れ運賃の対象になっているということでございます。
 引き続き、この活性化、適正化に、図っていくということが必要であるというふうには思っております。
#85
○吉田忠智君 特措法の効果は徐々に出ていると、そのように私も思いますけれども、去る九月九日には大阪高裁が、初乗り四百八十円とするタクシー運賃の値下げ申請を運輸局が却下したことを違法とした一審判決を取り消し、請求を退ける画期的な判決を言い渡しました。まさに、採算を度外視した運賃は安全確保を損なうと、司法の場でこうした指摘が行われているわけでございます。
 特措法の特定地域における台数規制の復活により、新規参入と増車が止まり、地域協議会の合意を踏まえた減車の実施段階に入っている、そのようには思います。また、地域同一運賃への傾向も見られ、下限割れ運賃排除の努力も続けられているなど、答弁がありましたように一定の改善も見られているとは思います。
 しかし、依然として、これもお話がございましたが、減車規模は適正車両数には程遠い水準でありまして、供給過剰の解消には至っておりません。また、特措法の規制に強制力がないことから、現状でも減車や適正運賃への是正を拒絶する事業者も見受けられます。当面、タクシー運転手の労働条件、とりわけ低賃金、長時間労働の改善にどのように取り組まれるのか、伺います。
#86
○副大臣(池口修次君) 元々このタクシーの適正化・活性化法というのは、大きな目標の一つが労働条件の改善、向上ということですので、これについては引き続き努力をするということでございます。
 まず一点目の下限割れ運賃の審査でございますが、今どうやっているかというと、人件費の査定等をやるわけですけれども、地域の標準的な人件費を使用するということで、人件費水準の確保を下限割れ運賃の対象でも確保をしたいということでやっております。それともう一つは、運転者の乗務距離を抑制するということを目的にしまして、乗務距離の最高限度の指定地域というのを拡大をしております。
 さらに、昨年の十月一日に、最低賃金法違反とか社会保険等未加入事業者に対して処分の強化をするということで局長の通達を出しておりまして、これも労働局と合同でこれからも実施をしていきたいということで、今後とも改善に向けて適切に対処していくというつもりでございます。
#87
○吉田忠智君 審議当初から特措法には減車等に対する強制力がないということは議論としてございました。この特措法というのはもうあくまでも暫定措置でありまして、特措法で改善効果が小さいということになりますと、当然、道路運送法の抜本改正に行き着かざるを得ないわけであります。
 特措法の附則にも、タクシー事業に係る道路運送法に基づく制度の在り方について早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると規定をされております。
 この検討の現状について、そして道路運送法抜本改正についての見解をお示しをいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(馬淵澄夫君) この特措法、二十一年十月一日より施行ということでありまして、この同法の附則には、施行の状況等を勘案して道路運送法に基づく制度の在り方を検討する旨の規定ということで、いわゆる見直し規定でございますが、こうしたことが記されている中で、一方、地域の関係者で現在組織される協議会がタクシー事業の適正化、活性化推進に向けて地域計画を作成されております。また、タクシー運転手の方々の労働条件の改善、この目標の達成に向けた取組をまさに今進めている、現在進行形の状況だということでありますので、まずはその成果を期待するところであるというふうに考えておりまして、当面はこの法律が実際に効果があるかということをしっかりと見定めて取り組むことが必要だと思っております。
 御指摘の点、見直しということでありますが、減車には国の強制力をといった御指摘でもありますが、今後の取組については、今申し上げた地域協議会の取組、そしてまたさらに現状というものをしっかり把握しながら適切に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#89
○吉田忠智君 道路運送法の抜本改正も視野に入れながら、現状の特措法が効果を生むように是非取組をいただきたいと思います。
 次に、貸切りバスの安全対策等についてでございます。
 貸切りバスについても、タクシー・ハイヤー事業同様、これは二〇〇〇年の改正道路運送法によって需給調整規制が廃止をされまして、事業参入については免許制を許可制に緩和をしたため競争が激化をしております。特に、新規参入の約八割を占める車両数十両以下の小規模事業者の安全管理については、もう長時間の乗務による過労や賃金の低下など、労働条件の悪化が指摘をされています。ワンマン長距離運行で、トイレ休憩時の利用者人数の確認やカラオケ機器の操作までさせられている実態があるということでございます。
 小規模事業者が増えている背景には、大手バス会社の十年から二十年落ちしたような安価な車両を購入している例も見受けられます。これは安全性に問題があるばかりではなくて、燃費も悪く、また排気ガス基準も満たしていないなど、環境対策からも問題があると言わざるを得ません。
 本年九月には総務大臣から国交大臣あてに、貸切りバス事業者に対する監査の不徹底を批判する、貸切りバスの安全確保に関する行政評価・監査結果に基づく勧告も出されております。御覧になったと思いますが、本当に劣悪な状況が指摘をされておりまして、それに十分な対応が国交省としてもできていない、そのことがまさに総務省からも指摘をされているわけでございます。
 こうした貸切りバスに対する行き過ぎた規制緩和の見直し、特に運転者の労働条件の改善と車両の安全性の確保について大臣に御所見を伺います。
#90
○副大臣(池口修次君) 貸切りバスについても、現状としては、一方で貸切りバスで多様なサービスが生まれておりまして利用者数が増えているという現実はあるわけですけれども、運転者の方の賃金は減少傾向にあるということでございまして、これについても引き続き注意をしながら対応はしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 まず、労働時間等の労働条件につきましては、今の法律でも労働基準法等もありますし、社会保険についても一応入るということになっておりますので、これについては今の法律をまず守らせるということをやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますし、車両の安全というのは特に重要なわけですけれども、これもちゃんと車検制度がありますので、こういう中で安全性を確保していきたいというふうに思っております。
 ただ、委員が言われたようにいろいろな問題が起きておりますので、今後とも適切に対処していくつもりではございます。
#91
○吉田忠智君 今日はもう時間がありませんので、このバスの問題、それからタクシーの問題については、今後、改善の状況も見ながら掘り下げた質問をさせていただきます。
 次に、建設産業の業種転換対策について質問します。
 さきの委員会でも種々議論がございましたが、公共事業が減少して建設投資額がピーク時の約半分になっている、また一方、建設業者数、就業者数共に減少はしているものの減少幅は二割前後と比較的小さく、供給過剰状態と言ってもいいと思いますが、国交省としては、建設産業全体の適正な業界規模、事業者数と就業者数について具体的にはどのぐらいと認識をされておられますか。
#92
○国務大臣(馬淵澄夫君) 建設業を取り巻く環境についての現状認識というのは私も同様でございますが、適正な規模というのは、これはなかなか難しいなというのがもう私の偽らざる気持ちでありまして、むしろ、だからこそ私、所信で申し述べたように、地域経済の担い手あるいは地域のコミュニティーの担い手となる建設産業従事者の方々、こういった方々に対する経済の再分配機能を公共事業は果たしていくべきではないかと、こういうふうに考えております。
 市場にゆだねる、それこそ神の見えざる手ではありませんが、そのような形で仮に、言葉はちょっと過ぎるかもしれませんが、淘汰されるようなことがあっては絶対ならぬと思っておりまして、しっかりと守らねばならない。
 しかし一方で、じゃ、供給バランスを考えたときにどの程度が適正か、これは果たして国が一義的に決めていくべきものなのかというのは非常に悩ましい問題です。私は、国土交通省という立場は、むしろ必要な社会資本整備というものをしっかりと定めた上でそれを地域に分配できるということの仕組みをつくることがその使命ではないかというふうに考えておりまして、先生が何かその意味での特別な知見をお持ちであれば是非また御教授を願いたいというふうに思っております。
#93
○吉田忠智君 適正な規模、なかなか難しいというのは私も分かりますけれども、いずれにしても、やっぱり現下の公共投資が減少する中で事業者数、就業者数の、業種の転換を図っていかなければならないと思いますし、私は、やっぱり地域の実情を見まして、建設業者の皆さんというのは地域において信用力もありますし人的ネットワークもありますから、これらを生かす方向で業種の転換を図れば地域の再生にもつながります、若者の雇用の場も生まれますから。大変難しい課題でありますけれども、建設産業の業種転換に向けてはやっぱりしっかり取り組んでいく必要がある、そのように考えています。
 時間がなくなりましたので、ちょっとまとめて二点質問をします。
 一つは、離退職者、これは一般的な離退職者については、不十分とはいえ厚労省を中心に教育支援事業が整備されております。一方で、建設会社で働きながら介護、福祉や省エネ、リサイクル、自然エネルギー、農林水産業など他業種のノウハウを身に付ける在職者向けの職業訓練は著しく不十分であります。
 厚労省において建設業新分野教育訓練助成金という支援制度がやっと今年度から始まったばかり、そういう状況でありまして、是非こうした在職者に対する職業訓練や人材育成の事業についても、しっかり国交省としても関係省庁や自治体と連携をしながら取り組んでいくべきだ、そのように考えておりますし、そのことについてお考えをお願いします。
 それともう一つ、業種転換を図る事業者に対する支援もわずかな金融面の支援に偏って、なおかつ極めて小規模な状況であります。国交省の中小・中堅建設業者の新分野進出モデル事業における事業者からは新分野進出の課題として、販路・顧客開拓、人材の確保・育成、資金調達などが挙げられております。こうした課題については各事業者に寄り添ったきめ細かい、まさにコンサルタント的な支援が必要ではないか、そのように考えますが、この点について質問して、私の質問を終わらせていただきます。
#94
○委員長(小泉昭男君) 時間参りましたので簡潔にお願いします。
#95
○副大臣(池口修次君) はい。それぞれ端的に今やっていることだけちょっとお話ししますと、まず個人に対しては、お話がありましたように厚生労働省が二月から助成金を創設しておりますので、国交省としてもこれをPRをしながら、できるだけ多くの人に有効に使ってもらいたいというふうに思っております。
 あと、企業につきましては、平成二十三年度の概算要求では三・五億円の今言われました専門家がきめ細やかに対応する体制を構築するための予算を確保しておりますし、あと補正予算におきましては、十一億円ほどで地域の建設業のエコ、耐震等の成長分野への事業展開支援をできるようにというのを補正予算に盛り込もうということが正しいと思いますが、盛り込もうとしています。
#96
○委員長(小泉昭男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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