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2010/10/21 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 文教科学委員会 第2号
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2010/10/21 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 文教科学委員会 第2号

#1
第176回国会 文教科学委員会 第2号
平成二十二年十月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     熊谷  大君     溝手 顕正君
 十月二十一日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     熊谷  大君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                神本美恵子君
                藤谷 光信君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
    委 員
                大島九州男君
                斎藤 嘉隆君
                鈴木  寛君
                谷  亮子君
                林 久美子君
                水岡 俊一君
                横峯 良郎君
                石井 浩郎君
                上野 通子君
                熊谷  大君
                義家 弘介君
                草川 昭三君
                西田 実仁君
                江口 克彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   高木 義明君
   副大臣
       内閣府副大臣   東  祥三君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       文部科学副大臣  笹木 竜三君
       厚生労働副大臣  藤村  修君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       笠  浩史君
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        古賀 保之君
   政府参考人
       内閣府子ども若
       者・子育て施策
       総合推進室長   岡田 太造君
       法務省入国管理
       局長       田内 正宏君
       公安調査庁次長  寺脇 一峰君
       厚生労働大臣官
       房審議官     唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (幼保一体化に向けての検討状況に関する件)
 (新・教職員定数改善計画案に関する件)
 (教育費の負担軽減策に関する件)
 (道徳教育の必要性と心のノート活用に関する
 件)
 (高校授業料無償化における朝鮮学校の指定に
 関する件)
 (高校生修学支援基金の支出状況に関する件)
 (子ども手当のバウチャー化に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(二之湯智君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室長岡田太造君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(二之湯智君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○藤谷光信君 おはようございます。民主党の藤谷光信でございます。よろしくお願いいたします。
 菅内閣になって初めてのこの文教科学委員会のトップバッターとして質問をさせていただくわけでございますが、民主党政権になりましてから一年、先日の高木文部科学大臣の所信表明にもありましたが、この間、未来への先行投資という文部科学行政への改革として、高等学校の実質無償化の実現を果たし、そして教員の質と数の充実、幼保一体化も挙げられておられます。
 成長の原動力である強い人材の育成のための大学の機能強化や研究機関の教育力、研究力、それからスポーツ、文化の振興、そういう重要課題に取り組んで一定の成果を出すことができましたのは、皆さん御承知のとおりでございます。
 しかし、まだまだ解決すべき問題は山積しておりまして、少し例を挙げますだけでも、先日も触れておられましたが、命の教育の問題、あるいは若者の就業機会の確保、教育費負担の軽減、大学の授業料減免や経済支援、学校の教育力の向上、それから、いじめや不登校、暴力行為の対策などなどでございますが、学びのイノベーションへの取組、幼保一体化あるいは共助による新しい公共型のモデル構築、学校施設の安全性の確保とエコスクール化、それからリーディング大学院などの構想、そして優れた医療人や獣医師の育成強化、科学技術分野での若手研究人材の積極的な育成ともろもろのサポート体制の整備、それから国立研究開発機構制度の早期創設、ライフイノベーション、グリーンイノベーションやハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ整備、宇宙、海洋などのフロンティア分野の研究開発、地震、防災、原子力などの研究など大変広い分野で、そして幅広く、この間の所信表明でもお話になったとおりでございますが、スポーツ立国戦略を踏まえた体育の充実促進とトップアスリートの育成強化、スポーツ基本法の早期制定、ワールドカップの招致支援など、スポーツ分野でも多くの国民が期待しておることがたくさんあるわけでございまして、そして、さらに、前にも私触れましたが、文化財の保護や文化芸術立国の実現などなど、私たちも共に、よりすばらしい政策実現のために汗をお互いに流さなければならないと思っている次第でございます。
 今日はその中でも特に、熟議の取組などを通じて、専門家の方々が元々より現場の方々の意見を十分酌み取りながら政策展開を行わなきゃならない、政策の大きな課題でありますところの幼保一体化について質問をしたいと思います。
 幼保一体化につきましては、本年三月の当委員会の幼児教育の在り方や幼保一体化に関する質問をさせていただきましたが、その時点ではまだ内閣府の子ども・子育て新システム検討会議が動き出したばかりということでございまして、十分な明確な答弁はなかったわけでございます。
 しかし、今回、新システム検討会議が基本制度案要綱をまとめてから四か月以上たち、九月末から制度設計に向けたワーキングチームも本格的に開始されていることから、是非より具体的なお話を伺いたいと思っておりますので、まず最初に根本的なそういったことの確認をお伺いしたいと思っております。
#7
○国務大臣(高木義明君) 人の一生において幼児期というのは、心情や意欲、態度、基本的な生活習慣など、生涯にわたりまして人間形成の基礎が培われる重要な時期だと認識をいたしております。私も自らの経験の中で幼稚園に通わせていただきまして、私の人生の中でも非常に大きな成果であったというふうに感謝をいたしております。
 したがいまして、幼児教育の重要性は特に私も認識をしておりますので、これから幼保一体化についてそういう立場で検討の中に積極的に参加をしていきたいと、このように思っております。
#8
○藤谷光信君 文部大臣から幼児教育の重要性、そしてその意気込みというものを今お伺いしたわけでございますが、今こども園構想というのが出ておりまして、外国では、いろいろと私も伝え聞いているんでございますが、英国、スウェーデン、ノルウェー、オランダ、ニュージーランドなどの国々も、やはり日本と同じような悩みの中から一つの道を進んでいるようでございます。そういう保育制度、教育制度体系に組み込む、義務教育を所管する官庁が幼児教育とかあるいは保育制度も所管する傾向が、諸外国では一体化してやろうという傾向にあるわけでございますが、その点につきましてお尋ねをいたします。
#9
○国務大臣(高木義明君) 諸外国における就学前教育、保育の所管官庁についてのお尋ねがございました。
 国際的に見ていまして、おおむね三歳から五歳児の幼児教育、保育サービスは教育担当省が一元的に所管する国が多いとなっております。近年、幼児期の重要性にかんがみまして、幼児に対する教育の質を高める観点から、保育サービスを教育担当省に移管した国もございます。幼児教育、保育サービスを福祉担当省で一元的に所管している国は少ないと、このように承知をいたしております。
#10
○藤谷光信君 今外国の例も出されましたけれども、そういう意味で幼保一体化というのは、今までも長い日本の幼稚園、保育園などの歴史がありますので、一体化というのは大変大事なことでございますけれども、外国の例などもしっかり見て取り組まねばならないと私は思っておりますが。
 本年の一月に閣議決定されました子ども・子育てビジョンでは、「子どもが主人公(チルドレン・ファースト)」という言葉が使って、挙げられておりました。私も三月の質問しましたときにも当時の川端大臣から、チルドレンファーストの理念で事に当たると答弁をいただきました。
 残念ながら今回の新システム検討会議のまとめられた基本制度案要綱にはチルドレンファーストという言葉が使ってありません。この新しい制度設計に当たりましてチルドレンファーストということは、それは言葉があるなしにかかわらずやっぱり一番重要な視点だと思うんでございますが、その点いかがでございましょうか。
#11
○国務大臣(高木義明君) 私が言うまでもなく、子供は社会の希望であり、そして未来の力である、また言い方を変えますと国の宝であると、このように私は認識をいたしております。
 子供の最善の利益を第一義に考えて、子供や子育て、家庭の視点に立った制度改革を進めていくことが重要であろうと思っております。
 子ども・子育て新システムについては、子供が主人公、いわゆるチルドレンファーストの考え方に立って検討を進めてまいりたいと、このように思います。
#12
○藤谷光信君 大臣のお考え、よく分かりました。
 それで、この基本制度案要綱では、幼保一体化を含め、切れ目のないサービスを提供すると。今は盛んに保育サービスという言葉を使うんでございますが、サービスという言葉の元々の英語の意味はこれで当たっているんですが、どうもちょっと違和感があるところがあるんでございますけれども、しっかり子供の福祉を支えていく、教育を支えていくという意味のサービスだと思いますが、そういったときに、産前・産後・育児休業給付、幼保一体給付、そこでこども園というのが列挙されています。
 これを見ますと、産前産後とか育児休業給付という言葉からくるイメージは、サービスの受け手というのは親だけであるような感じがするわけですね。先ほどはチルドレンファーストということでこの問題は取り組まれるということだったんでございますが、そういう点をちょっと私も、細かいことでございますけれども、ちょっと思うところがあるわけでございます。
 一方では、二〇〇六年の教育基本法改正、二〇〇七年の学校教育法改正、教育政策における幼児期の重要性を踏まえた改革というのが進められました。文部科学省での今後の幼児教育の振興方策に関する研究会の設置、あるいは二〇〇九年五月の政府の教育再生懇談会では、幼児期における教育機能を強化することが取り上げられたわけでございます。
 今回の基本制度案要綱には、こうした一連の幼児教育政策からの観点というのがちょっと乏しくて、厚生労働社会保障審議会少子化対策特別部会における保育の在り方についての論議内容の方が色濃く反映されている感じがしているわけでございます。結果としては、基本制度案要綱は、教育より保育、子供の観点より親の都合の観点の方が強い気がしています。
 そういう意味で、もちろん今待機児童の解消というのは大きな社会的な命題ですから、その趣旨はよく私は理解できるんでございますが、その待機児童対策ということでこども園というのが待機児童対策のために、それを中心に考えられたという方に傾斜するのか、あるいは、幼保一体化という大改革の中で、国家戦略としての幼児教育、幼児教育をどういうふうに大臣がお考えになっているのかお伺いしたいのでございます。
 それで、基本制度案要綱のイメージ図に書かれているとおりに、こども園構想というのはすべての子供への良質な成育環境を保障するものであり、待機児童対策を主眼とするものではないという私の取り方をしているわけでございますが、あくまでも質の高い幼児教育と保育の保障をすることが最重要であるという理解と併せて一元的にとらえると、昔は、以前は幼保一元化という言葉を使った時期もありましたが、幼保一体化という感じからその辺のところをしっかり文部科学省では押さえていただきたいと私は思っておるんですが、ちょっと確認をさせていただきます。
#13
○国務大臣(高木義明君) 幼児期の教育というのは生涯にわたって人間形成の基礎をつくるものでありまして、私は、そういう認識の下で、御指摘がございましたこども園についても、すべての子供に質の高い幼児教育、保育を保障すると、そういう観点から検討を進めてまいりたいと、このように思います。
#14
○藤谷光信君 御答弁いただきまして、このこども園構想というのはチルドレンファーストの理念の下に質の高い幼児教育、保育を保障していく施設であるということが、文部大臣の言葉の中から明確に私は理解しました。
 現在、政府や党においてもこども園構想の具体化に向けた本格的な議論が行われておるところでございますが、検討中の今だからこそ、国家において十分な論議が必要であると私は思っております。子供の最善の利益を追い求めた最善、最良のこども園となるよう、私からの先ほど来の自分の考えも、提案も含めて、具体的なこれからちょっと質問をします。
 先ほどもちょっと大臣がお触れになりましたが、保育所では今ゼロ歳から五歳までの保育、幼稚園では三歳から五歳までの教育を行っておりますが、このゼロ歳から五歳までが対象となるこども園構想、保育と教育をどのように整理しながらいくかということがこれ大きな課題でございまして、いろいろと想像はするんでございますが、その辺りについて、ちょっともう深くなりますけれども、御答弁をよろしくお願いします。
#15
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 保育と教育、この議論というのは非常に深い議論でございまして、今日も大変に大事な議論をしていただいておることを大変感謝を申し上げます。
 既に御承知のように、子ども・子育て新システム検討会議におきましてもまさにこの保育と教育の位置付けということを議論しておりまして、特にこども指針ワーキンググループでその検討を行っております。
 それで、保育といいますのも、教育方法の独自性を表す用語の一つの形態として保育という言葉を使っておりまして、例えば学校教育法におきましても、第二十二条で、「幼稚園は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、」ということがございます。ここで言っておりますのは、まさにその教育方法のある種の形態を保育と言っておりますので、まさに育てるということにおいては保育もそういう概念を含んだ言葉だというふうに思っております。
 その中で、先ほども大臣御答弁申し上げましたように、ゼロ歳児から五歳児を、イギリスとかニュージーランドとかノルウェーとかスウェーデンではこれ丸ごと教育担当省が所管をしているわけでありますが、いずれにしても、少なくとも言葉をしゃべり始めるようになる三歳児以降は、人間というのはまさに言葉を使ってコミュニケーションをするというところに人間の人間たる非常に重要な要素がございます。そういう意味で申し上げますと、言語習得をいたします、そのことによって、非常に子供同士のコミュニケーションというものも含めて、コミュニケーションが物すごく多様になります。それまでは、言語を習得する以前というのはどうしてもその親、あるいはその保育をする者、そうした保育士さんとか親とかあるいは教員との子供の一対一のかかわりでございますけれども、言語習得後は、あるいはそのプロセスにおいてはまさに子供同士がかかわり合うという、そこで集団的なかかわり合い、あるいはそこにおいて初めて集団教育の意義と意味というものが非常に重要になってくるわけでございまして、これまでは三歳から五歳、そういうステージに対応して幼児教育というものをやって、そしてそれを推進をし深めてきたと、こういうことがございます。
 そうした重要性というのは、これはもう極めて大事なことでございますので、そのことを真ん中に置きながら、しかしそれを広くあまねく、先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、すべての三歳児から五歳児、就学前の子供たちにはそうした言語を含む総合的な集団性のかかわり合いという能力あるいはそういう経験というものは絶対培わなければいけませんから、そのことを大事にしながら、トータルの設計としては、今日の御議論も踏まえながら、より子供にとって、子供の未来にとって最善なものを今検討をさせていただいているところだということで御理解をいただきたいと思います。
#16
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 義務教育前ということで我々は簡単に五歳以下の子供を考えますけれども、先ほどもお触れになりましたように、年齢でただ一まとめではなくて、小学校も一年生から六年生、中学校は中学校の一年から三年生までというくくり方をしながら今、日本の教育は進んでいるわけですが、学校前を単純に一つにまとめるという、英語ではプレスクールとか、言い方もしておりますけれども、ゼロ歳から二歳までと三歳から五歳、今いみじくも言われましたが、言葉を使うときによって初めてまた変わった、展開があるんだということで、そうなりますと、以前、今までは三歳―五歳でやっていたんですが、特区という制度がありまして、幼稚園でも、待機児童の解消とかいう含めて、もっと小さい子供を引き受けたらどうかということで、しかし、それは法律では三歳以下は幼稚園で受けられませんので、特区という特別に法で許して預かると。
 預かってみたときに、ただ預かるだけではいけないから、今のデータを取ってみようということで研究したことがあります。そのときも、やはり今おっしゃるように、二歳が、幼稚園ではいわゆる教育という面、保育という面が非常に強くなるわけですね。そういうことがありましたが、単純に考えまして、学校教育法にありますように幼稚園から始まるんですが、三歳からということになっていますけれども、今それを大きく見直そうということも一つの議論の中にあると思うんでございますが、文部大臣としましたら、学校教育の開始というのは、そういう教育、学校でなくても幼稚園も学校も含めてですが、子供を教育する開始の年齢というのは何歳からが妥当かと思われますかね。その点、お伺いします。
#17
○国務大臣(高木義明君) 幼稚園は子供が初めて出会う学校であります。
 先ほどから、委員の方からこれまでの、例えば平成十五年四月より構造改革特区においての事例もございました。学校教育の始まりである幼稚園の入園年齢につきましては、子供同士が集団的なかかわりという中で社会性をはぐくむことができるということであれば、これまでのいろんな専門家の議論、知見によってみても、私は満三歳が適当であろうと、このように考えております。
#18
○藤谷光信君 具体的なこういうお話を、この文教科学委員会で私も何遍か質問をしましたが、今回初めて腹を割ったといいますか、詳しい具体的な御答弁をいただいたような気がするんですよ。この幼児教育、保育のこと、あるいはこれからのこども園という構想も、今のお話で基本的なことが大体見えてきたような気がしております。
 今日は、政府参考人としても、政務官の方も来ていただいておりますので、林政務官は子育ても自分で経験がありますし、そして特にこの問題については御熱心だと聞いております。
 それから、女性の立場もありますので、今日のこの幼保一体化の私の質問に林政務官のお考えなどがありましたらお尋ねしたいと思ってちょっとお伺いいたしますが、教育基本法の中には、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものが幼児教育であると書いてあります。そして、幼児教育というのは幼稚園のみならず、保育所や家庭教育、それから地域における教育も含めた幅広いものが幼児教育だと私は思っておるわけでございますが、学校教育法の体系には保育所というのは含まれておりません。三歳から五歳を対象とする幼稚園のみが第一条校として学校教育法の中にうたってあります。それは、大変これは大事なことで、学校教育法というこの法律は世界に冠たる教育のことをうたった私は法律だと思って、みんながこれ大事にしなきゃいかぬと思うんでございますが。
 そういう意味で、今度の新しいゼロ歳から五歳までを対象とするこども園というのが学校教育法体系に入るかも分かりません。先ほど来、文部大臣もおっしゃいましたが、三歳ぐらいからがいいんじゃないか、が妥当ではないかとおっしゃったんでございますが、こども園という大きなくくり方をしていこうとしますと、このゼロ歳から三歳、それからゼロ歳から二歳、三歳から五歳も含めてこども園となりますので、幼児期のいろんな経験を通じて、林政務官の子育ての体験を生かして、その辺のところがどういうふうなことが大切なのか、あるいは、保育所では家庭的な雰囲気というのを非常に大事にしております。それでは、例えば調理施設なんか、こども園となりましたら保育所と幼稚園一体化になりますから、調理施設とかそれから食育とか、いろんなことが、どんどんとやらなければいけないことが出てくると思うんですよ。そういうことによるメリット、デメリット、自分の子供を預けるということになりますと、その辺のこともいろいろとお考えがあるんじゃないかと思いますが。
 そして、もう一つは、幼稚園の場合は一日が四時間というのが大きなくくりです、教育の、教育時間。それから、児童福祉施設では、最低基準で保育所は一日に八時間、最低が八時間です。それが原則です。こども園ということになりますと、具体的に、大きな四時間、幼稚園は四時間と、子供は四時間でいいんじゃないかと、片方では、いや、八時間以上預かってくれにゃいかぬということになりますので、その辺のところをどういう、一律に十把一からげでいいのか、あるいは、もっと多様なことが必要なのかというのも含めてお考えを聞かせていただきたいと思っております。
#19
○大臣政務官(林久美子君) お答え申し上げさせていただきたいと思います。
 藤谷委員には日ごろから幼児教育の専門家として非常にいろんな面でお話を聞かせていただきまして、また御指導いただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。
 委員からお話がございましたように、私も子供を育てておりまして、もう小学校二年生になってしまったんですけれども、私自身も子供を働きながらやっぱり育ててきましたものですから、保育所にもお世話になりました。保育所の一時預かりも利用をいたしました。さらには、幼稚園にも通わせました。そういった意味では、割といろんな施設でお世話になりながら子育てをしてきたわけでございますけれども、やはり子供の成長過程において、非常に保育というものが重要な年齢、発達段階と、委員御指摘のような教育的な要素が非常に重要になってくる発達段階というのがやっぱりあるなというのは、正直これは母親の一人としても感じているところでもございます。
 そうした上で今の御質問にお答えをさせていただきたいと思いますけれども、現在、本日御質問いただいているこども園の在り方につきましては、先ほど来お話がございますように、子ども・子育て新システムの検討会議の作業グループの下に設けられました幼保一体化ワーキングチームにおいて今まさに検討をされているところでございまして、その主要論点の一つとしても、このこども園というものが学教法上にどのように位置付けられるのかというのは当然位置付けられているところでもございます。
 このこども園の学教法の体系における位置付けにつきましては、今後まさにこのワーキングチームにおいても検討されることになりますし、こうした国会での議論も踏まえて検討していくことになるわけでございますけれども、検討に当たりましては、先ほど来御答弁もございましたけれども、子供同士の集団的なかかわりということを通じて社会性をはぐくんでいくんだということを目標とする幼児教育の視点を十分に踏まえて検討していくことが大切であるというふうに思っております。
 また、現在、幼稚園については幼稚園の設置基準がありまして、施設の基準ですね、教諭の配置とか運動場とかあるいは時間のこととかいろいろな基準がありまして、それはすなわち幼児教育の質を担保するための基準であるわけでございますけれども、このこども園の基準を検討するに当たりましても、こうしたしっかりと幼児教育の質を担保していくという観点を大切にしていきたいというふうに思っております。
#20
○藤谷光信君 自分の経験に照らして御答弁いただきまして、私もそのとおりだと思っておるわけでございますが。
 待機児童の解消というちょっと話に戻りますと、そのために認定こども園という制度ができまして、それが保護者のニーズに合わせて認定こども園ということも一つの政策としては大変いい政策だったんでございますが、しかし、これがなかなか普及していないのが実態でございます。
 それで、今も林先生からお話しになりましたように、幼稚園にも通わせたと、保育園にも通わせたと、それから働く自分の経験あったということもお話しされたんでございますが、また保護者も、林先生みたいな場合もありますし、あるいは普通のパートに出るようなお母さんもありますし、ちょっと手が足らないという方があって預かってほしいという割と素直な簡単な気持ちで預ける方もあります。ですから、親の教育観とかあるいは人生観とかいうのがありまして、こども園、幼稚園、保育園でも皆そうですが、多様ないろんな形のものがあって不思議じゃないと思うんです。
 待機児童対策のこともちょっと申し上げますと、今待機児童の問題は非常に地域差が大きくて、地方に行きましたら、待機児童というのは何の話ですかということで、幼稚園、保育園に行きましても施設ががらがらに空いているということで、待機児童、幼稚園、保育園へいらっしゃい、いらっしゃいというような状況です。それは地方の中でも差がありますが、特に今の東京とか横浜、川崎などの都市部は待機児童が集中しておるというふうに私は聞いています。
 そして、全国を見ますと、ある地域には幼稚園しかない、保育園しかないと、幼稚園があって保育園があって、どっちか選択できるというんじゃなくて、というのがありますので、こども園という、例えば待機児童のこともありますし、あるいは幼児教育の質の向上をさせるために、こども園というのは非常に、その見方を変えて、視点を変えて、子供のために、チルドレンファーストだということでは非常に意味があるんではないかと思うんです。
 一つのこども園自体、いろんな機能の多様化というものがやはりそこでは必要になるんじゃないかと思うんですね。それで、地域のニーズあるいは住民のニーズあるいは親のニーズなどを考えますと、ある程度自由度を尊重した柔軟な、こども園はこうだといってもうかちかちでいくんじゃなくて、こども園でも柔軟な制度設計をする必要があるんではないかと私は思っています。
 また、幼稚園も保育所も皆そうですけれども、公立も幼稚園がありますね。私立の幼稚園を見ますと、学校数では私立の学校数が全国でも六割、園児数が八割。全国の幼稚園に通っておる子供の六割は私立の幼稚園へ通っている。園児にまで至ってはもう八割が私学に通っておるんですね。ですから、私立幼稚園の果たしている役割というのは非常に大きいのが今の現状です。
 それで、幼稚園では、いわゆる私立学校では、建学の精神、創立者の精神といいますか、例えば早稲田大学は早稲田大学の創立者の心が今もずっと流れて、慶応は慶応大学に流れていますね。同志社は同志社大学の創立者の立派な方の精神というのが流れたのがずっとあるわけですが、幼稚園も保育所でも、やはり初めのときつくった、建学という言葉を使いますが、建学の精神というものが尊重されてくるからこそ良い教育ができていると私は思うんですよ。
 それで、そういう場合に、そういった個性豊かな各園のそういうものがどういうふうにしてする、まず、建学の精神というのは尊重されるべきではないかということと、どういうふうなそのときには取組を考えていらっしゃるか、お尋ねいたします。
#21
○大臣政務官(林久美子君) 多様なニーズにしっかりとこたえていくべきではないかということと、建学の精神をしっかりと守っていくべきではないかという御指摘だったかと思います。
 まず前段の、多様なニーズということに関して申し上げますと、委員御指摘のとおり、保護者の就労形態も多様でございまして、子供が幼稚園あるいは保育所に求める時間というのもこれ、変わってくるのだと思います。そうした中で、やはり先ほどからお話しいただいているように、基本は、すべての子供たちにとって質の良い教育、保育を発達段階に応じてすべての子供が受けられるようにするんだという、まさにチルドレンファーストの視点であるということは、本当にまさに同じ思いを抱いていただいているなということを感じながら伺わせていただいておりました。その上で、現在この多様なニーズにいかにこたえるべきかということに関しましても幼保一体化のワーキングチームにおいて検討が進められているところでございますけれども、三歳以上の幼児の短時間利用のみの施設もあっていいのではないかとか、多様な形態、しっかりと確保をすべきではないかとか、こうした在り方につきましても、これも主要論点の一つに挙げられているところでございます。
 そして、二点目の建学の精神ということでございますけれども、やはりその地域の実情や保護者の多様なニーズ等にこたえるという視点、あるいは幼稚園を造ってきてくださった、長年にわたって子供たちをはぐくんできてくださった皆様方の精神を尊重した、まさにその建学の精神という部分も十分に踏まえることが必要であると考えております。
#22
○藤谷光信君 多様なニーズにこたえるということで、私もそのとおりだと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それから、今この多様なニーズといいますと特別支援学校という制度がありまして、これは、この制度ができますときに、盲学校、聾学校、養護学校などを特別支援学校にするというときに、この参議院の文教科学委員会では、当時の文部科学大臣政務官の方が、「学校の名称に関しては、大変に愛着もあり、また学校の保護者あるいは児童生徒の関心も高い」、ですから、「呼称として盲学校、聾学校、養護学校を引き続き使用することは可能」と明言されまして、現在そのように運用されています。ですから、特別支援学校だと、しかし、あるいは盲学校の名前を使って、内容はこうだと聞いただけでそれが分かる。
 幼稚園でも、幼稚園と保育所を一つにしようと今する大構想でございますので、こども園というのができた。あれは何なんだろうかと。あれは、いや、幼稚園のこども園よと、あれは保育所のこども園よという、そういうくくり方をしますと、ちょっとより分かりやすいような気が私はしているわけです。
 新しい制度をつくるんですから、今までの部分はさようならというんじゃなくて、今まで学校教育法に基づく幼稚園あるいは児童福祉法による保育所、それは長い間培ってきた大変なノウハウを持っているわけでございますので、そういう、ちょっと今の、これは一緒に、特別支援学校とは比較するのがどうかとも思いますが、やっぱり呼称、呼び方はちょっと同じような感じがするんですが、その点はどうでしょうかね。
#23
○大臣政務官(林久美子君) ありがとうございます。
 特別支援学校の呼称については委員御指摘のとおりでございまして、この幼保一体化についても、これまでの施設よさようならということでは当然なくて、長年の歴史の中で培われました幼児教育のすばらしさ、あるいは保育所の歴史も踏まえて、いいところはしっかりと残していきたいというのが基本的な考えであるということを是非御理解をいただきたいと思います。
 さらに、御指摘のとおり、この特別支援学校制度の創設の際には、設置者の判断によって、特別支援学校ではなくて盲学校などの従来の呼称を用いることが可能だというふうにされておりまして、文科省も通知を出したりもしているんですけれども、このこども園につきましても、これはもう各設置者の御判断によって呼称の柔軟な使用を認めることが必要ではないかなというふうに考えております。
#24
○藤谷光信君 新しい制度を、まあいいじゃないかと、こども園で、幼稚園と一緒になってこども園、いいじゃないかという単純なものではないということを一つよく分かっていただいた上でこれは進めておられると思うんでございますが、一方では、待機児童問題解消するということから来たことも視点に入れなければいけないわけです。
 それで、質の高い幼児教育あるいは保育を保障するという意味からもこども園の構想もあると思うわけでございますので、今までの幼稚園、今までの保育所ではなくて、新規参入をする、そういうこども園構想ができたら私もこども園を開いてみようと、うちもやってみようかというので株式会社とかNPOとかいうのも手を挙げてくると思うんでございますが、そういうとき、新規参入するのはそれは大歓迎であると思うんですよ、社会全体からは、チルドレンファーストの観点からいろんな施設ができる。そのときに、先ほどちょっと設置基準のこともお触れになりましたが、その設置基準なども含めて質が、レベルが下がってはちょっと問題があると思うんですね。ですから、質の高いものを求めていくためにはどういうふうにしたらいいかと思われますか、お尋ねいたします。
#25
○大臣政務官(林久美子君) 基本的に、先ほど大臣も冒頭おっしゃっていましたけれども、その就学前の時期というのは人間形成の本当に基礎を培う重要な時期であるというふうに思っております。片や待機児童の問題というのが当然あるわけでございますが、だからといって、このこども園がスタートするに当たってもですけれども、質を基本的に下げることがあってはならないんだと。子供たちが育っていくその基盤を支える重要な時期だからこそ、本当に最高の基準で教育と保育が私は提供されるべきであるというふうに思っておりますので、その基準をやみくもに下げるようなことがあってはならないと考えております。
#26
○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 一つは、この幼保の一体化のモデルケースみたいな形で認定こども園制度、先ほど触れましたが、できております。これもちゃんと法の下に、幼稚園型とかあるいは保育園型とかありまして認定こども園というのができておりますが、これが平成十八年の十月に制定されました。二千件ぐらいは、二千か所ぐらいはすぐにもできるであろうということで進んだんでございますけれども、平成二十二年四月一日、今年の四月一日現在、認定こども園数、全国で五百三十二件。ですから、なかなか進まないわけです。
 こども園構想と、こども園のあれとちょっとこれよく似ているんですよね。ですから、今度こども園というのを、幼稚園あるいは保育所もこども園をやるということになったときに、現状の、今のこども園として参入してくるのが少ないということの現状、どこに問題があるのか。なぜ認定こども園では、まあ駄目だったということはありませんが、認定こども園、増えないのか。そして、今度の新しいこども園構想と、ということがどういうふうな取組方をするお考えなのか、お尋ねをいたします。
#27
○副大臣(鈴木寛君) 二千件程度見込まれていた認定件数が五百三十二件にとどまっている理由はどういうことかという御質問だと思いますけれども、この理由の一つは、財政支援がやはり不十分であったということ。それから、そもそもこの財政支援の中心が安心こども基金でありますけれども、これは平成二十二年度までの暫定的な枠組みでございまして、恒久的な財政支援の枠組みがございませんでした。そうすると、平成二十二年度以降どうなるんだろうかという不安があったと。これについては、十月八日に取りまとめました緊急総合経済対策で二十三年末までの延長は行いましたけれども、それにしても時限的措置であるということには変わりございません。
 それからもう一つは、もう委員よく御承知のように、まず県レベルでも知事部局と教育委員会がございます。それから、市町村レベルでも首長部局と教育委員会部局がありまして、この四者が全部かかわってくるわけであります。そしてもちろん設置者、幼稚園の場合、私立幼稚園の場合は学校法人と、こういうことになるわけでありますが、行政だけ見てもこの四者が、二重行政というか四重行政というか多重行政で、この間の調整がやはり不十分であったということがあり得る、あると思います。その結果、例えば会計基準なんかも異なっていたわけであります。
 もちろん、それについては相互乗り入れが可能なような簡素化等々を行いましたけれども、構想どおり進まなかった原因としてはそういうところにあるんじゃないかなというふうに考えております。
 したがいまして、今行っておりますこの子ども・子育て新システムの検討におきましては、やはりこの財政支援措置をどうするのかということは非常に重要な観点だと思っております。
 そういう意味では、やはり幼保一体給付というものをきちっと確立をして、その地域の教育の必要性、そして地域の実情とあるべき姿、これをきちっとにらんで、そしてかつ多様な内容の教育が多様な主体によって、しかし全体としては地域実情に応じた整合性ある体制がどう整えられるのかということをきちっと全員が認識しながら、そしてそこに統一的、一体的に幼保一体給付がやっぱり行われるということが大きな私はかぎだというふうに思っております。そして、全体のそうした計画といいますか、同じ現状認識と同じビジョンを関係者が共有すると、こういったところに一歩踏み込んでいくことが今回の子ども・子育て新システム検討のかぎではないかなというふうに思っているところでございます。
#28
○藤谷光信君 ですから、認定こども園の失敗だとは言えませんけれども、認定こども園でうまく、待機児童解消の政策としてこれはいいと思ってやったことができなかったということは、この経験を踏まえて新しいシステムについても、よく熟議というのを盛んに使われますが、その辺をしていただきたいのでございます。
 それで、そういうこと、幼保一体化ということも文部大臣も所信表明のときもおっしゃいましたし、総理大臣の所信のときにもありました。ですからこれは、保育所も幼稚園も一緒になって、その担当の役所も両方の部署が、さっきはたまたま知事部局の話もなさいましたが、そういうふうにいろんな頭があるようではなかなか難しいところあるわけです。
 それで、今後のこども園の具体的な制度設計にどういうふうに踏み込んでいくか。来年提出の法案というのは基本的なこれは第一段階であって、一遍に何もかもは難しい、あるいは教員の免許状のこともありますので、そういうことで第二段階、第三段階の法案を出していきながら整備していくのか、それは案ですよ、私の考えですが、そういうふうになっているのか、どんともう完成したものでやっていくのか。どういうふうな今後のスケジュールをお持ちか、お尋ねいたします。
#29
○政府参考人(岡田太造君) 子ども・子育て新システムの取りまとめをしている内閣府として、ちょっと今の法案の取扱いについて状況を御説明させていただきたいというふうに思います。
 今まで御議論のありましたように、本年六月にまとめました制度案要綱に基づきまして、現在更にその制度の具体化について検討しているところでございます。この検討に当たりましては、有識者の方、それから幼稚園関係者の方、保育所関係者の方を含めて三つのワーキングチームを設けまして、そこで具体的な御検討をいただいているところでございます。
 幼保一体化につきましては、その中でこども園、仮称でございますが、を創設するということにしておりまして、こども園の学校教育法における学校としての位置付けの在り方とか、児童福祉法におきます児童福祉施設としての位置付けなど、今後いろんな観点で具体的な検討を行っていくということにしているところでございます。
 こうした御議論を踏まえまして、平成二十三年の通常国会への法案の提出、それから平成二十五年度の本格的な施行を目指しているという状況でございます。
#30
○藤谷光信君 先ほど多様なニーズというのもありましたように、この問題につきましては、母親も、いろんな要望といいますか、あるいは業界の人も、業界、いわゆる保育所を経営しておる人、幼稚園の運営をしておる人たちもいろんな考えがあるように、いろんな多様なものがたくさんあると思うんでございます。
 それで、やはりまだまだ幼児の教育ということは大事なことがたくさん抱えておりますので、これからもしっかり議論を深めて、そして、子宝ということがあります。子宝というのは、子供がたくさんおって子宝といいますが、これは日本独特の言葉で、子供こそ我々の、人間の一番の宝であるということでございますので、幼児教育ということからの難しい問題、面倒なことたくさんありますが、目を離さずにしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ちょっと意見を言いまして、時間が来ましたので、私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#31
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。
 私は、七月の参議院選挙で当選をさせていただいて、愛知選挙区で当選をさせていただいて、今日このように質問をさせていただく、そのような機会をいただきました。私の選挙スローガンは人への投資でございます。人の知恵だとか人の技、あるいは人の未来に投資をしていく、このことで経済も含めて日本全体を底上げをしていきたいと、そんな思いをお訴えをし、多くの県民の皆さんの御支持をいただきました。そんな観点で、高木大臣が所信でおっしゃいましたソフトパワーの充実あるいは未来への先行投資としての文部科学行政、こういった考えに私自身も深く共感をするところであります。私も大臣のこうした理念を実現をすべく精いっぱい努力をしてまいりたい、そのように思っています。
 今日は、まず冒頭、昨日、鹿児島の奄美地方を集中豪雨が襲いました。高齢者の施設では亡くなった方もいらっしゃる、またあるいは行方不明の方もいらっしゃるということで、大変悲惨な状況になっているのではないかなというふうに、大変心配な状況でございます。この中でも特に、これは新聞報道でございますけれども、当地区の住用地区、住用地区の小中学校、六校あるというふうに聞いておりますけれども、この学校で校内に今現在も、あるいはひょっとしたら助け出されているのかもしれませんけれども、多くの子供たちが取り残されているという情報がございます。このことについて、今現在知り得る範囲で結構でございますので、文科省としてつかんでいる情報ありましたらお知らせをいただきたいと思います。
#32
○国務大臣(高木義明君) 御指摘ありましたように、奄美地方ではこれまでにない記録的な大雨が続いておる、そして奄美市内の小中学校十一校で床下浸水などの被害が出ていると聞き及んでおります。心からお見舞いを申し上げたいと思います。失礼いたしました。床上浸水などが被害が出ておるということでございます。
 鹿児島県教育委員会を通じて奄美市教育委員会から聴取した情報によりますと、まず午前八時現在、豪雨の被害のあった住用地区の三小学校、三中学校の固定電話及び校長室等の携帯電話共に不通であるため連絡が取れずに情報が確認できていない状況であるということ。また、児童生徒や教職員が下校できず校内に取り残される状況となっており、現在でも同地区の三小学校、三中学校で合計児童生徒百三十八人が学校又は避難所に残っていると思われるとのことでございました。
 文部科学省といたしましては、引き続き関係教育委員会とも十分に連携を密にいたしまして、的確な被害状況を把握することはもちろんでございますが、何せスピード感を持って災害復旧を含め必要な支援をしていきたいと考えております。
#33
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 子供たちが昨日から百四十人近くも、想定だと思いますけれども、校内に残されている。恐らく小さな子、小学校一年生の子とかそういった子もいるんだろうというふうに思いますけれども、食事もしているのかどうかも今現在多分分からない、そのような状況だというふうに思います。一刻も早く、今の時点ででき得る限りの手は尽くしているというふうには認識をしておりますけれども、一刻も早く救援をされたいというふうに思いますし、私も自分地元は愛知でございますので、二〇〇〇年に東海集中豪雨がありました。もう学校の多くが今大臣御答弁されましたように床上浸水になって、これは水が引いた後もとても教育活動が再開できるような状況ではなかったんです、ずっと。私も含めて多くのボランティアの手が入って、何とか少しでも早く通常の学校が再開できるようにということで手を尽くしてきたんですけれども、是非、こういった点も含めて、設置者だけのことではありませんので、是非文部科学省としてもしかるべき対応をお願いをしたいと思います。
 さて、質問の中身に移りたいというふうに思いますけれども、所信の、大臣の冒頭で若者の就業機会の確保について言及があったかというふうに思います。就職が決まらないままに卒業する、あるいは就職が決まらないので留年をする、このような若者の数が増大をしているということはもう極めて深刻な状況だというふうに思っていますし、これはもう社会的な課題です。
 あわせて、この就職活動が今大変早期化をしている、あるいは長期化をしているという現状がございます。学生たちの多くは今も大学で勉強ができるのは一年生、二年生のうちだけだと。三年生にもなって夏ほどにもなるともう就職活動がスタートをしてくる。長い学生になりますと一年半近くも就職活動をする。大学の教員に話を聞くと、例えば理系の大学で必要な実験などの実習ももうこの時期できないというような話も聞きます。もうとても正常な状況とは言えないんではないかなというふうに私自身思っていますけれども、一刻も早く正常な適正な状況に戻していくべきだというふうに思います。
 かつては就職協定があって会社訪問はたしか七月、あるいは内定の解禁については十月という取決めがあったかというふうに思いますけれども、これも九七年に既に廃止をされています。
 先日、大臣は主要経済団体に出向かれて積極的に事態の改善に向けて動いてみえるというふうにお聞きをしました。この就職活動の早期化、長期化の改善に向けての大臣御自身のお考えと、具体的に動かれた際の手ごたえについて、何かございましたらお願いをしたいと思います。
#34
○国務大臣(高木義明君) 斎藤委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、せっかく有為な人材、若い方々が学業に励んでおって、そして卒業したときに仕事がない、職場がない、これは極めて国家としても、また国民としても重要な問題であると認識をしております。
 したがいまして、私たちは、今新卒者の就職・採用活動は早くなって、そしてまたそれが長くなっておる、いわゆる早期化、長期化という問題について何とかしなきゃならぬと、このような決意を持っておりまして、今御指摘もございましたように、私自身、就任早々でございましたが、経済団体等に出向きまして、まず一つは、厳しい雇用環境の中にあってもできるだけ採用枠を拡大をしていただくと。二つ目には、卒業三年の方々についても新卒者扱いとして採用をしていただきたいこと。そしてまた、言われるとおり、就職活動、採用活動がかなり早まっておりまして本来の学業が十分できていない、これはいかがなことかと、この問題についても改善を求めることにしております。当然、厚生労働省あるいは経済産業省、それぞれの大臣と連名で新規学卒者の採用にかかわる要請書を出しております。
 主要団体に出向いた際には、それぞれ今のこういう経済環境であります、円高、デフレ、それぞれに検討されておりますが、企業にとっても早くいい人材を採りたいという思いがあることが率直に述べられたところでございますが、おおむね早期化や長期化の問題については御理解をいただいたものだと私は感じております。
 また、このことが効果があったかどうかは定かじゃありませんけれども、商社業界においては二〇一三年度入社の新卒者、現在の二年生でございますが、これらの方々を対象の採用スケジュールを遅らせると具体的な検討を始めておりまして、経済界にも様々な動きが出ておると私は認識をしております。今後、その改善を期待しているところでございます。
 また同時に、この問題について、就職・採用活動に関する議題は、できれば経済諸団体と大学関係者が討議の場を、議論する場を関係省庁とも連携をして設定をすることにいたしております。
 したがいまして、引き続き、委員御指摘のとおり、この問題については力を尽くしてまいりたいと思っております。
#35
○斎藤嘉隆君 熱い御決意をお聞かせをいただきました。
 高等教育を正常に戻していくという観点からもやはり必要だと思いますし、今お話ありましたけれども、新卒一括採用の見直しも含めて、是非、実効性のある対応を今後ともお願いをしたいというふうに思います。学びと労働をジョイントをしていく、このことは本当に今社会的な課題だというふうに私自身も認識をしておりますので、是非お願いをしたいと思います。
 さて、私、時間がありますと、よく地元の学校を訪問をさせていただきます。先生方の話を聞いたり、あるいは子供たちの様子を見てきます。突然行くことが多いものですから、どちらかというと地元の本当ごく普通の公立の学校を訪問する。ちょっと元気な学校の方がいろいろあって本当に面白いんです。
 大臣、これまでいわゆる学校の現場を、生の現場を御覧になられたということはございますでしょうか、もちろん自分が学んでいたときは別にしてでございますけれども。
#36
○国務大臣(高木義明君) 随分前のことになりますが、私も小学校のPTA会長もさせていただいた経験もございまして、あれからかなりたちますが、時代も変わりました。しかし、時折々の例えば運動会、学校行事にも参加をさせていただいております。
 実は、昨日、コミュニティ・スクールとして特色ある学校づくりや、学校を核とした地域づくりに取り組んでおります、もう皆さん方も既に御承知と思っておりますが、三鷹市立第四小学校を訪問いたしました。学校での活動の視察と、校長先生始め関係者との意見交換も行いました。まずは子供たちの元気な姿に私もパワーをいただいた感じでございます。
 この学校の特色は、特に学校と地域が強い信頼関係で結ばれておるということです。したがって、教員と保護者、地域社会が一体となって学習活動が行われておることを知りましたし、感銘を受けました。特に、どちらかというと閉鎖的と言われがちな学校ではありますけれども、しかしオープンな雰囲気も感じましたし、地域のそれぞれの代表の方々も先生共々に協力をして教育、学習をする姿を見て、一つの参考になりました。
 今後とも、私どもは、できるだけ学校現場の皆様方の御意見を聞きながら教育政策に生かしていくことが何よりも大事であろうと、このように私も考えております。
#37
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 本当に今学校が地域コミュニティーの拠点、中心としての位置付けというのは、これからますます役割が強くなってくるんではないかなというふうに思っています。
 そんな中で、私も先日ある中学校に行ってまいりました。さっき申し上げたみたいに、非常に元気な学校なんですけれども、職員室にお邪魔しても先生方はほとんど見えません。授業が空いているという言い方がいいかどうか分かりませんが、授業のない先生方もいるはずですけれども、ほとんどいないんです。教頭先生と校長先生と、あとは事務の方ぐらいしか見えない。一体どこにいるのかなというふうに聞きますと、ある先生は廊下に立っている。なぜ立っているかは考えていただければ分かると思います。ある先生は、別室登校の、いわゆる不登校の子供の対応で別の部屋にいる。ある先生は、職員室から外を見ると、校庭の片隅で一人、二人のちょっと元気の良さそうな子供たちと話をしていると。
 そんなことで、本当に今学校の現場というのは、もちろん学校によって様々ではありますけれども、今一番必要なのは私は人だというふうに思っています。これまでもいろいろな政策が、言ってみるとトップダウンで現場の方に下りてきた。でも、そのことに伴ってほとんどの場合は、学習条件の整備というのはほとんどされてこなかったというふうに私自身は思っています。しかも、現場で働く者が教育的理念を感じることができない。もうこれは、本当に虚無感ばかりが広がって最悪の状況だというふうに思いますけれども。
 そんな中、現政権の下で教職員定数改善計画案が策定をされました。十年ぶりのことでございます。この計画案策定に当たっての政府としての理念と、理念をお聞きしたいんです、理念と、実現に向けた御決意、省としての御決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(高木義明君) まさに学校教育の機能を発揮するためには、何よりも教員の皆様方が第一だと、このように考えておりまして、教育現場で求められておるのは資質、能力のある教員の必要な確保、このように私は考えております。
 とにかく今、学校現場では大変な仕事も増えておりまして、私としては、新しい学習指導要領の本格的な実施や、いじめなど生徒指導上の問題など、学校現場が抱える諸課題に対処をしなければなりません。したがって、そういう意味で、世界でトップレベルの教育を目指すという私も所信を述べておりますが、教員が子供たちと向き合う時間を確保する、また子供たち一人一人にきめ細かい教育ができる、こういうことが何よりもまず急がなきゃならぬことだと思っております。
#39
○斎藤嘉隆君 極めて明確な理念だというふうに思います。理念のある政策だというふうに思っておりますので、是非私たちも実現に向けて努力をしていきたい、そのように思います。
 その後押しをするという意味で、幾つかちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 この少人数学級、もう既に多くの県で独自に実施をされているという状況にあるんではないかなと思っていますけれども、もしデータがあったらお知らせをいただきたい。今、県が単独で小中学校において少人数学級をしている、そのような状況にある県は何県ぐらい、何都道府県あるんでしょうか。
#40
○副大臣(鈴木寛君) 少人数学級の実施状況でございますけれども、一部の学年あるいは一部の学校ということで申し上げると、すべての都道府県におきましてそれぞれ独自の少人数学級が実施をされているところでございます。このうち、山形県を始めといたします七県におきましては、小学校一年生から中学校三年生までのすべての学年で少人数学級が実施をされているというのが現状でございます。
#41
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 すべての県で行われているということ、それから、山形などではすべての学年で、義務制のですね、学年で三十五人学級を実現をしているということでございます。これは、言い換えると、それだけ県民、住民の僕はニーズが高いんだというふうに思っています。更に言い換えると、このことが国民の私はニーズであるというふうにも思っています。
 先ほど来申し上げておりますけれども、現場に人が増える、それも正規採用の人が増えるわけです。教員一人当たりの子供の数も当然減っていく、先ほど大臣もおっしゃられたようにきめ細かな教育ができる。まさにこれは教育条件というよりも子供たちの学びの条件の劇的な私は向上だというふうに思っております。
 この少人数学級の実施に当たって、もう一点だけ最後に大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
 さっきも申し上げました、学校や子供たちの状況というのは様々でございますし、必要な学習条件も様々でございます。是非学校現場の実情に合わせた弾力的な配置が可能になるようにしていただきたい、そのように思います。すなわち、ある学校で三十六人の学年があって、これを無理無理十八人ずつに分けるよりも、例えばクラスサイズは三十六人のままで、あるいはそのままで複数担任で行いたいというような状況も場合によってはあるかもしれません。あるいは、中学校一年生は三十人で、あるいは中二、中三は四十人でというようなことだってあり得るのではないかと。配置をされる教員の教科などによっても効果的な学級編制の在り方というのはいろいろ模索ができるというふうに思っています。創意工夫ができると思うんですね、学校現場で。
 三十五人ですとかあるいは三十人といったクラスサイズをベースに人が配置をされて、後は現場なり地域なりも含めてみんなで、何というか、オーガナイズしていくというか、そんなような形の方がより私は効果的だというふうに思いますけれども、このことについてのお考えはいかがでしょうか。
#42
○副大臣(鈴木寛君) 今御指摘の点はもうそのとおりだと思っております。市町村が地域や学校の実情に応じて主体的に学級編制を行えるような仕組みが重要だというふうに考えております。
 現在、これが、委員御承知のように、都道府県の教育委員会の定めた基準に従って市町村教委が都道府県教委と協議をして同意を得た上で行うということになっておりますが、今回の制度改正に当たりましては、中教審の初等中等教育分科会の御提言等々も踏まえまして、この都道府県教委の関与も見直して、さらに市町村教委の権限を拡大する方向で検討をしているところでございます。
 したがいまして、今お話のございました地域の創意工夫というものが更に発揮できるような方向で進めてまいりたいと。しかし、数はきちっと国が関与して配置をしていくと、こういうことでございます。
#43
○斎藤嘉隆君 私も全くその必要があるというふうに思います。もちろん、弾力的に運用していくためには明確な理由が必要だというふうに思います。学校としてもこれまで以上に、当然管理職も含めてマネジメントの力も必要になると思いますし、説明責任という観点ももう欠かせないというふうに思います。私、このことは、ひいては学校現場が大きく変わっていく、変わっていくきっかけにもなっていくのではないか。地域との話合いも、先ほどコミュニティ・スクールのことも言われましたけれども、地域との話合いも当然必要になってくるだろうというふうに思います。
 ちょっと知り合いの校長なんかにこういったことを聞きますと、それは大変だというようなこともおっしゃいます。弾力的な運用というのはやはりどうしても学校現場に説明責任を求められて、そのことについての危惧というのは、現場のこれは生の声なんですけれど、私、そのことをやっぱり恐れていてはもう学校が変わっていかない、そのようにも思っておりますので、是非お願いをしたいと思います。
 いずれにしても、十年ぶりの定数改善計画の案でございます。学級規模の縮小となるとたしか三十年ぶりだというふうに思いますけれども、これはまさに高木大臣、実施がされれば教育史に名を残すという、それほどの大事業だというふうに思っておりますので、心より御期待を申し上げたいというふうに思っています。
 二点目、三点目ですかね、別の観点からちょっと御質問をさせていただきたい。これは教員の質の向上という観点からでございます。
 教員免許更新制、導入をされて今年で二年目でございます。私自身、地方の教育委員会におりまして、私、名古屋なんですけど、数少ない、自治体が実施をする教員免許更新講習のまさに担当をしておりました。企画運営、随分苦労しました、前例がないものですから。大変苦労をした講習の講師でもございます。それから、随分担当の文科省の教員免許企画室の方とも、いじめられながらもいろいろ連絡を何度もさせていただきました。
 今年度受講者、いわゆる第一グループの方ですね、去年対象になった方、第一グループの方の未受講者、まだ昨年受けていなくて今年受ける必要があるという方と、第二グループの対象者、すなわち今年受講することができる対象者とでも申しますか、そのような対象の方の人数というのは今何名ぐらいでございますでしょうか。
#44
○大臣政務官(笠浩史君) 今、御質問ありましたように、今年でいよいよ今年度二年目に入るわけでございますけれども、来年三月三十一日に修了確認期限を迎えるいわゆる第一グループの現職の教員は今推計では約八万五千人ということでございます。そして、このうち昨年度末までに既に七万四千人の方が受講を済まされておりますので、今年度受講が必要な人数は約一万一千人ということになります。そのように見積もっております。
 ただ、この講習を実際に受講されるのはやはり夏休みの夏季休業期間中にかなり集中しているということから、この一万一千人の方についても多くの方が今年度に入って受講をしているというふうに考えているところでございます。
 そして、第二グループ、いわゆる今年度と来年度で、この二年間で受講をされる方々については約八万四千人ということでございます。
#45
○斎藤嘉隆君 となりますと、昨年の残った方が一万一千人いて、今年八万四千人の方が対象ですから九万五千人ということになるのかなと思います。
 今年開設をされているいわゆる講習のキャパシティーというのはどれぐらいでしょうか。
#46
○大臣政務官(笠浩史君) 今年度開設をされておりますこの免許状の更新講習は、現段階で対面方式の講習、そして通信教育等の講習を併せて必修領域の受入れ定員が約九万人、そして選択領域の受入れ定員が約十四万人というふうになっております。
#47
○斎藤嘉隆君 それからもう一つだけ、じゃ、今年、これは見込みで結構ですけれども、もちろん第二グループの方で今年受講を手控えるという方もいらっしゃるかというふうに思いますけれども、今年、では何人ほどの方が受講をするという見込みをされてみえるのでしょうか。
#48
○大臣政務官(笠浩史君) 今年度についてはこの一万、先ほど申し上げたように、第一グループの一つは一万一千人の方が今年度中に受講をされると。そして、あとこの第二グループの方でどれくらいかというと、昨年は八万五千人の方のうち七万四千人ぐらいの方が一年目に受験をされておりますので、この九万人の受入れの範囲の中での受験で枠が収まるのではないかというふうに考えております。
#49
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 今年いよいよ第一グループの受講が修了するわけです。受講したのに認定をされなかったと、この方、こういう方はもう別にしてですけれども、例えば制度の周知が十分でなくて、あるいは失念をして心ならずも免許の更新ができなかった、こういうような教員が私自身は一人も、一人もです、一人もあってはならないというふうに考えております。
 といいますのも、これはもう教員の立場で言っているんではなくて、ある日突然、来年度になったら現場にいた先生が突然子供たちの前から、このことを理由に姿を消すわけです。教壇にも立てませんので、このようなことはあってはならないというふうに考えておりますけれども、このことについて、文部科学省として、現状こういった方はいないというふうに認識をされてみえるのか、現状どのような把握をしてみえるのか、少しお聞かせをいただきたいと思います。
#50
○大臣政務官(笠浩史君) 今、斎藤委員から御指摘があったように、どういう理由であれ、これもし期限までに更新講習を受講されなかった場合、修了しなかった場合には免許状が失効すると、教壇に立てなくなると、こういう方は絶対に一人も出してはならないというふうに思っております。そのために、これまでも教育委員会等への通知あるいは説明会の開催や、パンフレット、ポスター等々での、ホームページも併せて様々な方法でこの周知を行ってきておるところでございます。
 ただ、本当にこれはあっては、一人もそういう人を出してはなりませんので、今後ともしっかりと各教育委員会を通じて、やはり学校の現場で一層の徹底をしていただき、また把握をしていただくということも私は大事だと思っておりますので、文科省としても、そういう方が、そういう免許を失効してしまうという方が一人も出ないようにしっかりと、この制度のことはもう十分現場の先生方はお分かりだとは思いますけれども、なお徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
#51
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 実は私、個人的には大変懸念をしております。今言われたような形で、現場の方でもちろん認識はしておるんですけれども、恐らくほとんど校長先生通じて対象者に話が行くというようなルートなんだと思いますけれども、滞っているようなところも実はあるんではないかというふうにも思っておりますし、人間のすることですので、これについて、万が一失効した場合に助ける手だてがないものですから、このことについて是非、先ほどもおっしゃられましたけれども、万全の対策、引き続いてお願いをしたい。
 あわせて、研修の意義は全く否定をしません。僕自身が講師でしたし、否定はしませんけれども、ただ、免許の更新を目的とするということについては私は意義がないなというふうに思っています。要するに、免許の保持の要件となるほどの研修内容とも実は思えないんです。講師が言うんですからそれはもう間違いないというふうに思います。
 免許の失効につながるようなこういうシステムの見直し、あるいは従前の研修との一体化などについて具体的な対策を私は考えていくべきだというふうに考えております。このことについて何かお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#52
○大臣政務官(笠浩史君) 本当に今、斎藤委員がもう私どもよりも本当に現場の立場でこの免許の更新制については様々取り組んでこられたということで、十分また参考にさせていただきながらしっかりとやっていかなければならないというふうに思っております。
 そして、本当に今、この更新制についてやはり今後どうしていくべきなのかということが現場の先生方の間でも非常に不安を持っておられるということ、十分私どもも承っております。
 現在、中教審の方においても、これからどういうふうにしていくのかということ、この制度についてしっかりとこれを検討していくということと併せて、そして今お話ありましたように、現場でしっかりと先生方が教育実習だけでなく様々な経験を積んでいただくような取組というものを、学校現場における実習の抜本的な拡充も含めて、教員の皆様方の資質、能力の向上についても今、中教審の方でも諮問を行って審議を行っているということで、是非また今後ともいろんな御意見を寄せていただき、そういうことも大いに参考にさせていただきながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#53
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをします。
 最後に、時間も余りございませんので、あと一点だけお話をさせていただきたいというふうに思います。
 これも先日、ある若い先生と話をしました。非常に頑張ってやってみえる小学校の先生であります。彼女は学生時代に、なぜ私がその方と知り合いかというと、学生時代に私が勤務をしておりました学校に学生ボランティアとして約一年半、授業の合間合間に学校に来ては、もちろん教室にも入りましたし、場合によっては行事の手伝いや、子供たちの指導だけではない、教員と親御さんが、保護者がいろいろ話合いをしているような場面も身近で見てきたような方です。その方と話をしていると、学生時代にボランティアをしていたときの経験というのが教員として今仕事をするようになって非常に生きているというようなことを言われていました。
 私、この学生教育ボランティアといいますか、こういったシステムについて、自治体ではもう既にこういったことを取り入れているということもございます。ただ、自治体の場合は少し、本当の意味での教員の養成というよりも、優秀な人材を少しでも早く囲いたいというような思いがあるのも現実なんです。現実ではありますけれども、非常に効果を私は上げているというふうに思っています。
 従来の教育実習、四週間なり二週間なり現場に来て、現場の方も受入れに当たって大変なんです。大変な労力が必要になるんですけれど、今申し上げたように、ある意味アバウトに、アバウトにというか、ボランティアで学校に学生さんが来て子供たちと触れ合う状況をつくっていくというのは非常に効果的ではないかというふうに考えていますし、これからこのことについて文部科学省としても具体的に考えていってもいいんではないかなというふうに思っていますが、このことについて最後に、どのようにお考えか、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#54
○大臣政務官(笠浩史君) 今ありましたように、私も本当に、そういう経験を積む、教育実習に加えて様々現場を体験をし、あるいはそこで様々な状況をしっかりと教員養成の過程においてやっぱり行っていくということは充実させていかなければなりません。
 今自治体のお話ありましたけれども、自治体もそうなんですけれども、既に様々、例えば島根大学などでは教育学部で千時間の体験活動への参加をしておったり、あるいはある大学においては、授業の実際に補助をするというような体験を大学生のときにやっているというように、今現場でも大学のそれぞれの学部においてもそういった体験というものの様々な取組も行われております。
 こうしたことを文部科学省としてもしっかりと今後推進していくことができるようにまた取り組んでいきたいというふうに思っております。
#55
○斎藤嘉隆君 本当にありがとうございました。
 自治体や大学やあるいはNPOやいろんなところが実はもう先行していろんなことをやっているんですよ。このことについて、文部科学省としてもこういった状況をきちんと把握をして、国の施策として必要なものはやっていくといった姿勢で是非お願いをしたいと思います。
 以上で質問を終わります。今日はありがとうございました。
#56
○大島九州男君 まず冒頭、奄美大島におきましての豪雨で被害に遭われた方に心からお見舞いを申し上げ、そしてまた現地で今災害の対応に当たられている現場の皆さんに心から敬意を表し、そしてまた安全には留意をされて活動されることを望んでおります。
 今回の内閣改造におきまして大臣に御就任をされました高木文部科学大臣、そして、今いらっしゃいませんが、笹木副大臣、そして笠政務官、林政務官、本当におめでとうございます。これから頑張っていただきたいと思います。そして、鈴木副大臣におかれましては、引き続き御指導をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速大臣所見に対する質問をさせていただきますが、まず、大臣が、自己主張できる人間形成、あるいは自然との共生、他人への思いやりや協調の精神の醸成が必要であるにもかかわらず、最近の日本人は内向きだと指摘されている、こういうことを御指摘をされていらっしゃいますけれども、その日本人を高い国際感覚を備え、国際社会をリードする人材に変えていくためには、一に教育、二に教育、三、四がなくて五に教育というふうに私自身は思っておりますけれども、大臣はどのような教育方針でそれを実現されていかれようとするのか、教えていただきたいと思います。
#57
○国務大臣(高木義明君) 大島委員にお答えをいたします。
 菅総理は、一に雇用、二に雇用、三に雇用と言っておられますが、委員は、一に教育、二に教育、三、四がなくて五に教育と、こういう非常に私どもにとっては心強い御指摘がございました。
 若者が内向き志向になっているというのは各方面から聞かされておりますし、私も数少ない海外での経験でもそのように実感をいたしておる一人です。
 今の世の中、まさに高度情報化社会あるいはグローバル化の社会と、こういうことを言われておりますので、私としては、高い国際感覚を備えて国際社会をリードできる人材を日本の未来のためには是非求められておると、そういう意味で育成は極めて重要だと思っております。
 また、先日のノーベル化学賞を受賞されました根岸教授も、若者たちは海外に出て日本を外側から見ることの重要性を指摘されております。したがって、私どもとしましては、教育基本法の主体的に社会や国際社会の発展形成に寄与する態度を養うと、こういうこともございますので、そういう教育目標を達成するために、例えば小学校での外国語活動など外国語教育の充実をしなきゃなりません。また、高校生や大学生の海外派遣の促進についても取り組まなければなりません。世界で優秀な研究者、留学生を受け入れるとともに、世界で活躍できる人材を養成するための大学、大学院教育の充実も必要であります。
 様々なことについて、私どもとしましては、元気のある、そして自らの主張を堂々と、もちろん地域社会でもそうですけれども、海外に対しても主張できる人材を育てていきたい、このように思っています。
#58
○大島九州男君 大臣の強いリーダーシップで我々国民を引っ張っていただくことを心から願うわけでありますが、その内向きな日本人がなかなか就職に就けないという、そういう状況になる中で、先日も大臣が、自ら経済界、労働界、教育界が一体となって取り組まなければならないというそういった理念の下に、主要経済団体に出向かれて採用枠の拡大や卒業三年以内の卒業生に対して新卒者同様に取り扱うように要望をなされるなど、積極的に活動されていることに心から敬意を表します。
 大企業の就職については、私どもそれは一つ良しとするんですけれども、やはり地方で雇用を支えている地域の中小企業、そういった中小企業の就職、その支援というものについて、国の方針というか政策があればお聞かせいただきたいのが一つ。
 それともう一つ、大学でのキャリアカウンセラーの配置等、こういう、大学生にいろんな就職のレクチャーをしたりコミュニケーション能力を高めたりというようなことの教育をするということも非常に重要なことであると思っておりますけれども、やはり社会人、職業人として必要なその能力、勤労観、職業観を確立した人材を育てなければならないという大臣の所信に沿っていけば、その人材育成は高等教育の段階で十分なのかということを、併せて二つお聞かせをいただきたいと思います。
#59
○大臣政務官(笠浩史君) 今、大島委員から御指摘ありましたように、大変今新卒者の雇用、厳しい状況でございます。先般、高木大臣も所信でも述べられているように、政府としてもしっかりとこの雇用支援というものに、これはもう喫緊の最重要課題として取り組んでおるところでございます。
 こうした状況を踏まえて、大臣が、今ありましたように、中小企業団体を含めた経済団体への要請も行い、また厚生労働大臣あるいは経産大臣ということで、これは本当に政府一体となって、どの省がどうだということではなくて、しっかり連携をしながらこの就職支援の協力要請あるいは対策に全力を挙げているところでございます。
 一つは、そうした中で、今先生の方から、委員の方から御指摘があったように、都市部と地方とでは随分置かれている状況が異なっております。地方においては、中小企業がやはりどうしても多くなりますので、そことこの学生等とのマッチングをどのように図っていくのか、その辺のしっかりとした丁寧な対応が必要であるというふうに考えております。
 九月十日に閣議決定をさせていただいております新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策の中でも、採用意欲の高い中小企業と新卒者のマッチングの促進策として、ハローワークにおけるジョブサポーターの増員、あるいは中小企業の採用活動支援等々を行うことにしております。これもそれぞれに、文科省そして厚生労働省、経済産業省とこの連携をしていかなければ、なかなかこの対策というものもうまく進めていくことができませんので、その辺留意しながら取り組んでまいります。
 また、今ありましたように、大学等におけるキャリアカウンセラーの増員についても、学校においての就職支援、充実をさせるためにしっかりとこれも取り組んでいきたいというふうに考えております。
 そして、今本当に大事なもう一つの御指摘は、高等教育だけでなく、もっとやはり早い段階から、やはりそういう職業教育やあるいはキャリア教育といったものの充実を図っていくということは、今委員が御指摘のとおり、私も実は本当に大事なことだと、もう初等中等教育から高等教育までを通じた体系的な取組が重要だというふうに考えております。
 委員多分御存じのとおり、例えば新規の高等学校の就職状況などをこれ見てみますと、普通高校に比べて、工業高校あるいは情報あるいは福祉、農業といった専門の学校の、高等学校の子供たちの就職内定率の方が高いという状況もございますので、ある意味では義務教育段階でもこうした職業教育というもの、働くことということがどういうことなのか、あるいは技術を身に付け、あるいは物づくり、そういったものの尊さを含めてしっかり充実をさせていくということをやっていく必要があるというふうに考えております。
#60
○大島九州男君 ありがとうございます。
 やはり教育という部分で、額に汗して働くことの尊さをしっかりと子供たちの間に学んでいただくということが非常に大切だと。すべてを否定するわけじゃありませんけれども、小学校で株でどうやってもうけるかなんという、そういう教育が前面に、マスコミに報道されるようなことでは駄目だと。
 二宮尊徳の伝記を読んで、じゃ二宮尊徳のように山をまきをしょって歩きながら本を読むことがどれだけ大変なのかというようなことを体験する方が、よっぽど私から言わせればいい勉強になるんじゃないかというふうに思っておりますし、そういう意味で、やはり幼児期からずっとしっかりと働くことに対する尊さと、そういった意識を植え付ける教育を率先していただきたいという思いと、それから所信でありました、働きながらでもやはりキャリアアップしていく、そしてまた自分の本当に合った仕事に転職をしていく、そういった部分がやりやすいような形の新しい取組を検討されているということでございますので、やはりこれは一生涯にかかわる問題でございます。一生我々は働いて生きていくわけでありますから、そういった意味でそこをしっかりと充実をさせていただくことを要望をさせていただきまして、次に行きますが、まずやはり教育ということでいえば学びの確保であります。
 我々民主党政権は、子供たちの教育の機会均等を念頭に置いて、教育は社会全体の発展と活性化を実現するものであるという、そういう考え方から、その経済的負担は家庭のみならず社会全体として支え合うことの重要性から、高等学校の授業料実質無償化を進めてまいりました。授業料以外の教育費や大学の授業料、専門学校の授業料、又は予備校、学習塾等、様々な教育費負担がありますけれども、この様々な教育費負担の軽減について更なる経済的支援が必要と考えますけれども、どのような視点で今後どのような支援をされようとしていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#61
○副大臣(鈴木寛君) 委員おっしゃいますように、学ぶ機会の確保、とりわけ教育費負担の軽減というものは我が政権における最重要課題の一つで、そのフェーズ1として高校の授業料実質無償化を開始をいたしたところでございますけれども、さらに高校につきましては、授業料以外にも保護者の教育費の負担というのは引き続き非常に高いわけでございまして、さらにこの次の高等教育段階については依然として経済的負担が大きい状況にございます。
 したがいまして、平成二十三年度の概算要求、要望におきましては、高校生に対する給付型の奨学金の創設、それから大学、大学院段階におきましては、各大学等が実施する授業料減免の拡大への支援と。実は我が国は、昭和五十七年のときの例えば国立大学の授業料減免というのは一二・五%でございましたが、それからずっとこの授業減免について下がってきております、率が。したがいまして、私どもといたしましては、平成二十三年度から三年間ぐらい掛けまして過去最高水準レベルまで授業料減免比率を引き上げていきたいと、その初年度としてこの二十三年度要求を位置付けているところでございます。
 まさにこの二十八年間にわたる高等教育の負担をずっと引き上げてきたということが、様々な影響を大きく与えている、あるいは親の経済格差が若者のいわゆる就学の格差ということに直結をしているということ。そして、我が国は、残念ながら大学進学率もアジア諸国の中でもタイ、韓国に大きく引き離されていると、こういう状況にもございます。そういうことにもつながっているというふうに思っておりますので、ここは非常に重要な課題だと思っております。
 それから、奨学金につきましても、平成二十二年度、貸与額の総額が一兆円を超えました。これも、私この世界に入りましたときに六十九万人ではございましたが、この間、百三十万人に増やしてきたわけでございますが、これを更に加速をさせていきたいというふうに考えております。
 それから、大学院生におきましては、博士課程においてはこの授業料減免の比率を二五%まで引き上げていきたいということにも取り組んでまいりたいと思いますし、あわせまして、ティーチングアシスタントあるいはリサーチアシスタントとして、そうした学びあるいは研究にもプラスになる、そういったことを支援しながら収入の確保にもつながると、こういったことの経費も来年度の概算要求、要望で盛り込んでいるところでございます。
 今後とも、親の所得や家庭の経済状況によって就学の機会が奪われることのないように、最大限の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#62
○大島九州男君 ありがとうございます。
 やはり我々が目指すところは、大学においても経済的な負担によって大学進学をあきらめなくてはならないことにならないように、結局、高等教育段階においても無償化を図っていくという部分を念頭に置いていかなければならない。
 そこで一つ、私が、十八歳からの学び、当然そこには専門学校という選択肢もあるわけですよね。ここで私は、就学支援金という我々が、民主党が新しく制度として入れた高校生の私立学校に対する就学支援金という、その支給の仕方は、その子供さんそして保護者の経済的負担を軽くするために支給をする。それは学校ではないわけですね。結局、大学は運営費交付金というようなものをもらいますが、専門学校はそういうことはないわけですね。大学においては、公立高校のようにじゃ実質無償化するのかというと、やっぱりこれは独法だったり私学だったりするので、やはり十八歳以上はすべて就学支援金という、そういう考え方になるんだろうなと、将来。
 そうすると、専門学校においても私はそういう就学支援金というような一つの概念で十八から多様な学びを確保する必要があるんではないかという思いを持っているんですが、その件について見解があれば、副大臣、お聞かせいただきたいと思います。
#63
○副大臣(鈴木寛君) 委員御案内のように、民主党は、従来より高等教育における専門学校の役割というのを大変重視をいたしております。
 教育基本法改正議論の中でも改正教育基本法は大学という項目になっているわけでありますが、私どもが当時、野党時代提案をいたしました日本国教育基本法案では、大学ではなくて、大学と専門学校両方含む概念としての高等教育という項目を立てるべきだということを、私自身が国会でも提案をさせていただき、発言もさせていただいたところでございます。そうしたことを受けまして、例えば民主党のマニフェストにおきましても、大学生と専門学校生など、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設するということも我が党の奨学金政策の極めて重要な柱として位置付けております。
 それから、委員御指摘のように、高卒の約二割が今専門学校に通っているわけでございます。専門学校は、専修学校高等課程についてはもう既に高校並みの就学支援金対象ということで、これも是非やりたいということで国会にお願いをし、皆様方の御賛同を得て実現をしているわけでありますが、専修学校の専門課程についても、今申し上げましたような重要な役割を引き続き担っていただきたいというふうに思っておりますし、この就業力の向上という観点でも大変大事なポイントだというふうに思っておりまして、既に今年度もこの専修学校の専門課程の皆様方に対しまして、十五万人、一千三百五十億円の奨学金を貸与をさせていただいていると、こういう実態にございます。
 いずれにしましても、これから高等教育というのは非常に多様になります。そして、多様な場で、専門学校を含む多様な場で多様な学びということが高等教育支援の重要なポイントだと思いますが、その制度設計、そしてその支援政策のデザインというようなことをやってまいりますけれども、その中で、引き続きこの専門学校生を含めた就学支援、特に教育費負担の軽減ということに最大限努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#64
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさに、専門学校に通う学生に、それから未来の専門学校生に光が当たる答弁をいただいたというふうに思っておりますので、ここで一つ要望させていただきますが、この就学支援金の制度というのは、やはりみんな平等に学べる機会をという、そういう強い理念であるとするならば、今話題になっておりますけれども、朝鮮学校に通学する生徒に対するこの就学支援金の支給問題において様々な議論がされておられますけれども、やはり我々民主党がしっかりこの理念を確実に実行していこうとするなら、例えば東京都が昭和三十年から、また運営費、その補助金を出していたりとか、十県にわたる、福岡県も含めて朝鮮学校があるそれぞれの県は何らかの形でそういった補助をしている、こういう現状を踏まえ、そしてなおかつ、そこに通う生徒の国籍の割合は、北朝鮮籍、朝鮮籍が四三%、そして韓国籍が五五%、日本籍は二%と、まさにそういう部分をしっかりと我々が押さえたときには、文部科学大臣には速やかなる決定をしていただいて、この日本で学ぶ子供たちに差が出ないようにしていただきたいということを一つ要望したいと思います。
 予算の関係でいきますと、もう一つ要望しておきますが、学校安全、地域、要は学校の安全、地域の安全、この観点からいうと、民主党はこの学校耐震化を加速をさせましたけれども、これは大変地域経済にも寄与する非常にすばらしい政策です。しかし、これは今後、耐震化のニーズがピークを迎えて、普通でいけば予算が削減されていくという形になるんですが、これは当然、改修事業、要は老朽化に対する改修、そしてエコスクール化、こういったことも並行して進めていかなくてはなりませんので、今耐震化でキープしている予算というのは最低キープをしていただいて、そして早急な老朽化とエコスクール化に向けた予算に振り向けていただくように、これはもう財務省としっかり議論して、もうずっとキープをしていただくように、これちょっと要望しておきます。
 それで、簡単な質問を二点させていただきますが、まず、今回、外部人材の積極的な活用と学校と関係機関、団体等のネットワークの構築というのを掲げられておりますけれども、この公立学校に今、塾の講師が授業に行くなど、そういう現実を踏まえた中で、その団体の中に学習塾というものが入るというふうに理解していいのかが一点。
 それから、今回、医師不足解消や新成長戦略の実現のために、医学部の入学定員や増員、社会の要請にこたえられる優れた医療人の育成、地域医療の充実ということを掲げられておりますけれども、現実の社会でいきますと、お医者さん以外に、未病とか予防という分野で国家資格を有する鍼灸、あんま、マッサージ、柔道整復師等の皆さんの活躍もされておられますけれども、そういった医療とまたちょっと区別されている部分の国家資格をお持ちの人たちの活動について、それは大変重要なことだと思っておりますけれども、政府の見解はいかがでしょうか。二点お願いします。
#65
○国務大臣(高木義明君) 御要望ありました朝鮮人学校の件につきましては、民主党の方でも早々に議論が収れんされると思っておりますし、既に出されております検討会議の報告書、そして国会での御議論等々を踏まえまして、速やかに私の方で審査基準について決定させていただく、そしてその後審査をしていくと、そして採用するかどうかということを決めていくと、こういうことになろうかと思っております。
 塾の件でございますが、私の方から実は所信の中でも、議員お尋ねのように、外部人材の積極的な活用や、学校と関係機関、団体とのネットワーク構築を進めますと、こういう中で、この関係機関、団体には学習塾は含まれるかと、こういうことでございますが、私としては当然、子供たちを守り育てるあらゆる主体、当然学習塾も含まれると、このように考えております。
#66
○政府参考人(唐澤剛君) お尋ねのございました地域医療の充実に関しまして、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の方々、こうした方々は我が国に三十万人以上の方が従事をされていただいているわけでございますけれども、地域社会におきまして国民の健康の保持、増進に貢献をしていただいているということは十分認識をしております。
 今後、我が国の高齢化も急速に進んでまいりますので、それぞれの職種としての知識や技術を生かしつつ、地域社会の要請にこたえながらその役割を発揮していただくことを期待しております。
#67
○大島九州男君 大臣、大変、今まで学習塾というのは経済産業省の所管で、サービス産業だということで文科省からはもう余り相手にされなくて、学習塾の先生はふくふくとした思いがあったんですけれども、今日は文科省の方、よく大臣の御答弁をお聞きになっていただいて、今後は学習塾の皆さんとしっかりいろいろな意味で連携を深めていただくことを要望しておきます。
 それから、実質三十万人も国家資格を持たれて、社会に入ってそういったことをやられている方々に対するそういったいろんな施策もこれから充実をさせていかなければならないことだというふうに思っておりますので、そこの件についてもよろしくどうぞと。
 それから、次に移りますが、文化芸術が人々の心を引き付ける魅力や社会に与える影響力、文化力が国の力であるというふうに認識をされて、観光振興等の経済活動においても新たな需要や付加価値を生み出す源泉であるというふうに言われております。
 私自身、今回、こういった部分と、あと国交省が外国人観光客を誘致をするということにおいて、じゃ具体的にどういうことをやるのかと。いろいろ調べたら、今、奈良に、千三百年遷都ということでいろんな取組をされている。東大寺の方が中心となって、また神社庁の、神社の方とも連携をし、近鉄もそれに協力をしながら地域でいろんなパスを使って商店街やお買物ができるようなネットワークを組もうというような話を聞いたんで、私は、ああそれに、要は伝統文化、そしてなおかつ外国人誘致という部分を足していこうとするとどういう発想があるかといったら、やはり日本はお茶とかお花とかいうそういう文化がある、それを海外に発信をして、そこでそれを習う人たちを増やすとどうなるかというと、一度奈良や京都でお茶やお花をやってみたい、そして西陣織を着てみたいと。一度来ても、次はどんどんどんどん習い事は進化していきますから、当然、観光は四季折々で同じところを四回見たらもう終わりですが、お茶やお花、そういうものをずっと深めていけばどんどんどんどん広がっていく、そしてリピートしていくんだと。奈良においては、千三百年が終わったらどうやって観光客を呼ぼうかなんていう話をされていらっしゃるような声も聞いております。
 そういった意味で、国交省と連携をしながら日本の伝統文化を発信をし、なおかつそこで外国からそういう人たちを、京都や奈良の日本伝統文化にしっかり触れていただくような、そういう戦略的ソフトパワーを外に発信しながら、そしてこちらの日本に来ていただくという、そういった具体的な戦略が必要だというふうに思うんですが、それに対する所感を簡単によろしくお願いします。
#68
○大臣政務官(林久美子君) 委員御指摘のとおり、文化、芸術が人々を引き付ける魅力や社会に与える影響力、すなわち文化力というのは、観光振興などの経済活動においての新たな需要や高い付加価値を生み出す非常に重要な源泉であるというふうに考えております。
 文化庁では、これまでもこうした文化力の積極的な活用をしていこうということで、史跡などの復元をしたりとか、あるいはこうした公開活用を支援したり、歴史的な町並みや伝統芸能などを活用した地域活性化への支援、さらには文化、芸術の持つ創造性を生かした地域振興策への支援なども推進をしてきたところでございます。
 今委員から奈良のお取組についてのお話ございましたが、例えばこのほかにも、熊本城の復元整備、これも国交省と一緒にやったものなんですが、これ地元の試算によると、熊本城への入場者数が平成十七年の七十七万人から二十年には二百四万人に増えたと、さらに関連イベントも合わせた経済波及効果は百四十五億円にも達したという試算もあるほどでございまして、いかにそうした波及効果が大きいのかというのは本当に認識の一致しているところでございます。
 そうした中で、この二十三年度の概算要求において、これまでの従来の史跡などに加えまして、新たに重要文化財などの公開活用のための施設整備などへの支援のほかにも、地域の伝統芸能を魅力的に公開するための取組を応援をしていこうということなど、まさにソフトとハードの両面からしっかりと支援をしていきたいということでの施策も盛り込んでいるところでございます。
 また、こうしたことと相通ずるものでございますけれども、外国の方にもしっかりと日本のその良さを知っていただくためにも、外務省や観光庁などとも連携をしながら更に取組を強化をしてまいりたいと思っております。
#69
○大島九州男君 ありがとうございます。積極的に進めていただきたいと思います。
 それでは次に移りますが、閉会中審査の委員会で私が取り上げましたBJT、漢検の外国人のビジネス検定の件について、その進捗状況とか経過を教えてください。
#70
○副大臣(鈴木寛君) 先般の閉中審査でも御答弁申し上げましたように、今回の経緯あるいは今後の対応方針について報告書を提出するように指導をいたしているところでございます。その際に、法人経営上の観点も必要ではありますけれども、日本語を学ぶ外国人への影響等にも十分配慮していただいて今後の対応については検討してほしいと、このようにお伝えをいたしてきたところでございます。
 これを受けまして、今協会においては、今後のBJTの実施方針等について検討し、それを踏まえての報告書の作成作業を進めていただいているというふうに聞いております。再開に向けての可能性について今努力、可能性を探るべく努力をしていただいているというふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、この協会が公益法人でありますので、その責務を果たせるように引き続き適切に指導をしてまいりたいというふうに考えているところでございますが、今の理事会におけるそうした御議論を見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#71
○大島九州男君 理事会からまだ文書で報告がないというのは私もお聞きをしたんですけれども、理事会で議論をされているその内容というのが、じゃ、もうこの間はやめるという話だったんですね。でも、それは再開するというような方向で話をされているということで理解してよろしいんでしょうか。
#72
○副大臣(鈴木寛君) まだ検討の途上ではございますけれども、先般の国会での議論も踏まえていただいて、このBJTの意義というものを踏まえて理事会でも御審議をいただきたいと、こういうことを申し上げ、理事会でも今御審議をいただいていると、こういうことでございます。
#73
○大島九州男君 私もこの間取り上げさせていただいた経緯がございますので、いろいろ聞き及ぶところによりますと、これは事実かどうかは確認しなければなりませんが、今の理事長さんの前の理事長さん、一年間ぐらいやられたそうですが、何か二十七億ぐらいの訴訟をどんどんやって、弁護士費用を何か五千万ぐらいその顧問弁護士に払って、それで何か一年で辞めちゃったと。その後を引き受けて今の理事長さんがやられていると。
 いろんな方がよく御存じの文化とか伝統に大変造詣の深い理事長さんがやられているわけですから、前回の、その前の理事長さんというのは何か弁護士さんだそうですから、そういう訴訟だとかそういうのはお得意なんでしょうからそういうことをやられて、漢検から何千万もの弁護士料を持っていったと。そして、そこでやめようと決めたかどうかは私は分かりませんよ。
 しかし、漢検が公益法人でありながら、文科省は、その私的に流用したとかいうようなことで徹底的な厳しい指導をしたんでしょう。私はあのときに、何であんな厳しくするのかと、いつも言っているように。そうしたら、今回はそういう、公益法人でありながら、いや、しかしそれはまた一つの別の企業的な発想でみたいな、そういう話は、やっぱり僕は、おかしいんですよ。
 だから、今やられている理事長さんは、一生懸命この部分はやっぱりやるべきだというようなことをおっしゃっているのは私も聞きましたから。じゃ、理事会でそれに対して、もうからないからやめようとか、いや、これは再開すべきではないよとかいうようなことが仮に言っている人がいるとしたら、そういう人はここへ出てきて釈明してもらいたい、私は。
 国際社会における日本の信用と、そしてその日本語を学んで日本でビジネスしたいと、日本と一緒にビジネスをしていこうとする、そういう人たちが不安になるようなことをすること自体がどれだけ日本の国益を損なうのかということを考えたときに、一日も早く再開をすべきでしょう。実際、そこをやめること自体がおかしいんですから。
 だから、早急にそういった結論を出して、再開することを強く文科省は指導するべきだというふうなのが私の前回の流れを引き継いだ今回の対応だと思うんですけれども、それについて御意見があれば、一言お願いしたい。
#74
○副大臣(鈴木寛君) 御趣旨はしっかり受け止めて対応をしているところでございますが、そもそもこれは、独立行政法人の日本貿易振興機構、ジェトロですね、ここがやっていた仕事であります。独立行政法人がやるということは、国の業務であるから独法がやっていたわけでありまして、それぐらい公益性の高い仕事であります。それを、いろいろな経緯等々もございましていわゆる民間に引き継いだということでございまして、そもそもはそこの判断といいますか、ことも含めてこのような事態に至っているということも、委員は御承知だと思いますけれども、申し上げたいと思います。
 したがいまして、民間団体でありますから、独立行政法人とは違いますので、国と独法、国と民間団体の関係は当然違います。基本的にはその民間団体の自治において検討されるべき、いったん業務移譲をしてしまった以上そういう性格のものにならざるを得ないということは御承知をいただきたいというふうに思います。
 これは平成十九年のことですけれども、しかしながら公益法人ではありますということは先ほど来ずっと申し上げているとおりでございますので、公益法人の法人格を有しながらこうした事業を続けていく以上、このBJTの意義というものはそのそもそもの経緯からしても極めて公益性の高いものであるということは十分御理解いただいた上で対応いただきたいということを引き続き要請をしてまいりたいというふうに考えております。
#75
○大島九州男君 今副大臣からおっしゃっていただきました、元々国がやっていた部分を引き継いでいるということを漢検の関係者はしっかりと理解して取り組んでいただくことを、厳しく御指導いただくことを要望して、終わります。
 以上です。
#76
○委員長(二之湯智君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#77
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#78
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
 一昨日もごあいさつをさせていただきましたけれども、一年間、本委員会の委員長を務めさせていただきました。おかげさまで、委員各位の御協力をいただき、公正中立に委員会を運営をさせていただきました。そして、先生方のすばらしい質問をお聞きして、常々感心をいたしておりました。一年間ということでございますから、一年ぶりの質問でございまして、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、私事を申し上げて恐縮ですけれども、私は二歳半のときに父親を戦争で亡くしています。縁あって戦後処理の問題や戦没者の御遺族の援護にかかわる団体に長年勤務をいたしました。そうした中で、父を亡くした戦没者の遺児たちの多くが経済的な理由から進学をあきらめて家業を手伝ったり、また就職も片親ということだけで就職できなかった、そうした現実を知ることができました。戦没者の遺児たちはまさに歯を食いしばって耐えて、そして努力をして立派な社会人になっておられます。そうした人たちは一様に、教育が大事だということから、通信制や定時制の高校や大学の二部に学んで努力をして立派な社会人として各方面で活躍をしておられます。私もそうした環境の下に長くおりましたから、国家百年の大計である教育の大切さ、教育が人をつくり、国をつくる、こうした教育について強い関心を持っておりました。
 さて、さきの大戦から六十五年になりますけれども、振り返って我が国の教育というものを考えたときに、残念に思いますのは、一つは長年にわたる占領政策の後遺症と、もう一つは一部の偏向した教育によって日本人としての誇り、アイデンティティーがなくなってしまったのではないかという点であります。
 特に、一九八〇年代からの教育は個人が最も大切という教えが全面的に出された教育だと思っています。つまり、個人の自由、個人の権利、平等というものが強調され、その反面、個人の責任、義務、公などは余り教えてこなかったと思っています。ましてや、日本の文化や伝統、家族や家庭の大切さ、こうしたものはほとんど教えてこなかったわけであります。その結果、自分さえ良ければいいという履き違えた個人主義、ゆがんだ自己中心主義といいますか、思想といいますか、そうした考えがはびこってしまいました。
 そして、そのツケが今来ているのだと思っています。子供が親を殺す、若い夫婦が子供が邪魔になって殺してしまう、全く知らない人を走ってくる新幹線に突き落として殺した十八歳の少年が、一度人というものを殺してみたかったと動機を語っています。まさに、自分の欲望を晴らす、自分の満足さえすればいいという短絡的な考えから起きていると思います。
 そうした中で、平成十八年、約六十年ぶりに教育基本法を改正をいたしました。内容は、先生方十分承知しておられますので詳しくは申し上げませんが、規範意識、公共の精神、生命及び自然の尊重、伝統と文化の尊重、我が国の郷土と国を愛する態度を養う、こうしたことが盛り込まれております。私は、こうした項目が盛り込まれて、これをしっかりと子供たちに教えていけば、履き違えた自己中心の考えが改まって、真の日本人としてのアイデンティティーというものを取り戻すことができる、こう思っています。
 そこで、大臣にお聞きしますが、大臣が目指す教育はどのようなものか、基本的な考えについてお伺いをいたします。
#79
○国務大臣(高木義明君) 水落議員にお答えをいたします。
 まず、一年間の本委員会の委員長をお務めいただき、誠に御苦労さまでございました。
 その上で、今お話をしっかり聞かせていただきまして、戦後の荒廃の中で頑張ってきた多くの国民の皆さん方のこと、あるいは、昨今、新聞、テレビをにぎわす社会問題、そしてまた教育基本法の話もございました。私としては、まさに人づくりは国づくりである、そして何よりも、正直者がばかを見ない世の中、そして頑張れば報われる社会、まさにこれが教育の基本であろうと、このように思っております。同時に、子供のころから、見たり聞いたりしゃべったり、友達の中で、あるときには協調し合い、あるときには競い合った中で自らをしっかり見詰め、そしてさらに目標を決めるという、そういう場が教育、学習の場ではないかと、このように思っております。
 既に我が国の経済環境もかなり厳しいものがございまして、そういう中でありますが、将来をしっかり見据えた日本の人づくりは極めて重要であろうと思っております。過日からも所信で申し上げましたとおり、高度情報化社会、あるいはグローバル化社会の中で知識基盤社会への移行が進んでおります。そういう中で、我が国が引き続き世界の皆さん方をリードするためには、いわゆる人と知恵の力、ソフトパワー、これの強化していくことが必要であろうと、このように考えております。
 このため、私たちは、教育は社会の基盤であるという考え方に基づいて、幼児教育から初等中等教育、そして高等教育などを通じて、まず自らが自立をし、そして自己主張できる人間の形成、あるいは自然と触れ合い、そして共生をし、他人への思いやりのある精神の醸成、こういったものが教育の成果としてきっちり表れることが重要であろうと思っております。
 私といたしましても、微力を尽くして、皆さん方の御協力をいただきながら、すばらしい日本の教育を進めてまいりたい。もちろん、科学技術の振興についても努力をしていきたいと思っております。
#80
○水落敏栄君 ありがとうございました。大臣の教育に取り組むお考え、お聞きして安心をいたしました。
 そこで、教育基本法、六十年ぶりに平成十八年に改正したわけですけれども、これに基づきまして教育振興基本計画が策定されて、それには子供たちの豊かな情操や規範意識、あるいは公共の精神をはぐくむ、こうした点から道徳教育の充実とその促進がうたわれているわけであります。やはり、道徳教育は履き違えた個人主義を正していく上で最も重要な教育内容だと私は思っています。
 道徳教育の必要性について、大臣の御見解を是非お願いしたいと思います。
#81
○国務大臣(高木義明君) 学校教育においては、社会性や思いやり、豊かな人間性をはぐくむ道徳教育を充実していくことは私は大変重要であろうと、このように思っております。
 平成二十年の三月に改訂をされました小中学校の新学習指導要領では、道徳教育については御承知のとおり一層の充実が図られ、学校現場では平成二十一年四月より先行実施されております。
 今後とも、引き続き新学習要領のねらいが子供たちの心をしっかりと響くように、そして生活習慣の中でこのことが養われていくように取り組まなきゃならぬと思っております。
#82
○水落敏栄君 ありがとうございました。
 やはり、私は道徳教育、言い換えれば社会規範を取り戻すことが大事だなと思っています。私たちは、子供のころ、いや二十年ぐらい前までは、いたずらをする子供には他人でも注意をしたものですけれども、そうしたことが今なくなってしまいました。社会常識をしっかりと教えていかなければならないと思っています。
 そこで私、気になるのが、北海道における道徳教育がきちんと行われているかどうかということであります。
 本年二月に札幌地検が政治資金規正法違反容疑で北教組を家宅捜索し、千六百万円もの金を小林千代美議員側に提供したとして、その後、北教組委員長代理が逮捕されて有罪が確定をして、六月に小林議員が辞職して、現在、補欠選挙が行われています。これらの違法献金、その資金の出所等々、度々、おりませんけれども、義家議員を始め同僚議員が質問していますので、その点は私は余り申し上げませんけれども。びっくりしたのが、重ねて申し上げますけれども、北教組は小林千代美議員に対する違法献金で委員長代理が逮捕されて、小林議員が失職したのに全く反省もなく、さきの参議院選挙では教え子にも投票依頼をするようにと文書を出すなど違法な選挙活動を行っています。
 そして、びっくりしたのが八月十三日、十四日に開催された北教組の定期大会のスローガン、このスローガンには、改悪教育基本法を元に戻す。つまり、現在の教育基本法を悪だと位置付けております。そして、教育関連法を許さず、日の丸・君が代、愛国心、規範意識は強制反対、文科省の心の教育反対等々、今の教育基本法、関連三法を否定することばかりが掲げられておりました。
 そこで、冒頭申し上げましたように、北海道における道徳教育がきちんと行われているのかどうか、これを大臣にお伺いをしたいと思います。
 そして、国旗・国歌について仄聞するところによりますと、卒業式、入学式等において、教師が、僕は座っているから君たちも座っても立ってもどっちでもよい、あるいは歌っても歌わなくてもよい、とんでもないことを言っている、こういうことが聞こえてくるわけです。北海道で国歌を授業で教えているのかどうか、また国旗・国歌の指導についてどうしているのか、お伺いをしたいと思います。
#83
○国務大臣(高木義明君) ただいまのお尋ねにお答えをいたします。
 北海道の教育委員会からの報告によりますと、まず道徳教育については、各小中学校において道徳の授業時間が確保されているとともに、道徳の全体計画及び年間指導計画は整備されておると。また、国旗・国歌の指導については、今春の卒業式、入学式における国旗掲揚、国歌斉唱の実施状況はいずれも一〇〇%。音楽の授業でも国歌を指導した小学校は一〇〇%であって、いずれも学習指導要領に基づく指導がなされておるということを承知をいたしております。
 今後とも北海道教育委員会と密接な連携を図りながら、道徳教育や国旗・国歌の指導が適切に行われますように取り組んでまいりたいと思います。
#84
○水落敏栄君 大臣は、北海道教育委員会から一〇〇%指導していると、国旗・国歌もきちっとやっていると、こういう御答弁でございましたけれども。国旗・日の丸、国歌・君が代はまさに我が国を象徴するものであります。子供たちに国歌を教えるように、また卒業式や入学式などに国旗・国歌を掲げるように、これからもしっかりと指導を徹底していただきたい、このように強く要望しておきたいと思います。
 そこで、我が国の未来を担う子供たちの教育では、やはり申し上げたように社会規範というものを身に付けてもらいたい。道徳心というものが具体的にはどうしたことを言うのか等々、子供たちに知ってもらいたい。こうした考えから、私たちは平成十四年に道徳教育の副読本として、心のノートを作り、心のノートは全都道府県に配付されているわけであります。これは小学生の部が一、二年生用と三、四年生用、五年、六年生用で、中学生の部は一冊にまとめて、全部で四部発行されております。その数、約五百万部ですけれども。
 大変失礼ですが、大臣は、こうした心のノート配付した経緯については承知しておられますでしょうか。また、大臣は心のノートを読んだことがございますでしょうか。そして、心のノートをどのように評価されておられますか。以上三点についてお伺いしたいと思います。また、心のノートを読んだことがあるかどうかは、副大臣にもお尋ねをいたしますが、お答えは簡潔に、読んだことがある、読んでないだけでも結構であります。どうぞお願いをいたします。
#85
○国務大臣(高木義明君) 心のノートでございます。御紹介がありましたように、ここにも持ってまいりましたが、読んだことはございます。この中には書き込みの欄もございまして、道徳について子供自身が感じたこと、あるいは考えたこと、書けるようになっておりまして、大変工夫された教材ではないかと、このように思っております。
 心のノートにつきましては、青少年の凶悪犯罪が頻発をするといった平成十二年当時に、社会情勢などを踏まえられ、平成十三年度に文部科学省において作成、配付し、平成十四年度より全国の小中学校で採用されておるものであります。
 このノートの道徳的価値につきましては、児童生徒が自ら考え、実践するきっかけになるように、学習指導要領に示す道徳の内容、これを分かりやすく記述したものであろうと思っておりますので、私としては、このノート、それぞれ発達段階別に書かれておりますが、読んでおりますので、お答えといたします。
#86
○副大臣(鈴木寛君) 私も読んでおります。
#87
○副大臣(笹木竜三君) 私も、そのころまだ小さい子供がいたこともありまして、今は大きくなっておりますが、そのときに子供と一緒に読んだ覚えがあります。
#88
○水落敏栄君 大臣、副大臣ともこの心のノートをお読みいただいているということでございまして、私も安心をいたしました。
 しかしながら、民主党政権になって道徳教育の副読本であるこの心のノートが二十二年の予算、つまり今年で中止をされてしまいました。仄聞するところによりますと、中止はしたけれども、内容はインターネットのサイトで見られる、今年十二月には実施すると、こういうことであります。
 私は、るる申し上げてまいりましたように、道徳心を養うということは人間形成にとって不可欠なものである、こう思っています。ところが、北教組を始め日教組の方針では反対だ、こういうことであります。心のノートの配付をやめたのは、どうしてやめたのか、日教組が反対しているからではないかと、こんなことも思います。日教組に対して配慮があったんではないかなと考えます。このこともお伺いしたいと思います。また、配付をやめたことについて学校現場は混乱していないんでしょうか。また、学習指導要領には反することではないのか、こう思っていますけれども、併せてお伺いをいたします。
#89
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 まず、日教組の影響は全くないということを申し上げたいと思います。
 それから、心のノートの配付でございますけれども、私どもはそれを中止したわけではございませんで、そもそも、先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたように、私どもも道徳教育は大変大事だというふうに思っております。
 それで、ただ、現在の道徳の時間の指導の実態を見ますと、指導が形式化しているであるとか、学年の段階が上がるにつれて子供たちの受け止めが良くないでありますとか、例えば高学年になりますとやっぱり六〇%とか、中学校二年生になると四〇%ぐらいしかこの道徳の時間というものを評価していないと、こういう実態がございます。
 ここは水落先生も全く同じ思いだと思いますが、道徳というのは教材が教えるものではなくて、人間が教材をも使って教えるものだというふうな考え方に立ちまして、そうした人間による人間の道徳教育というものを応援をしたいという観点で、予算の使い勝手を見直させていただきまして、いわゆる総合メニュー方式というふうに言っておりますけれども、そこで、例えば外部講師を派遣をするでありますとか、あるいは保護者や地域の皆さんと一緒にそうしたことを考えていくことを支援をするでありますとか、それからやはり道徳教育については、それを教える教員の研修といったことが大変重要だというふうに思っております。
 それから、地域の実態に応じてそれぞれの現場でそうした教材を作っていただくということも大事だということ、そしてもちろん、心のノートのこのバージョンを印刷、配付をしていただくということも応援をすると。
 それから、今日、五年生の東京書籍の道徳の教科書を持ってまいりました。これは道徳の場合、教科書というのが、検定教科書というのはございませんが、東京書籍が作っている学年ごとの教材でございます。これは九種類ございます。これは四種類です。しかも、これよりも分厚いと。
 というように様々なところが大変いい教材をお作りをいただいておりまして、ただ、これは今まで国の支援はございませんでしたけれども、こういうものを使う場合にも国の支援、授業で使っていただけるようにというような、より本当に心の入った道徳教育が行えるような実態をつくっていきたいということで予算の見直しを行ったということで御理解をいただきたいというふうに思いますし、今申し上げましたように、学習指導要領上も様々な教材を有効に使っていくことは望ましいわけでありますが、どの教材を使わなければならないという、いわゆる教科書といったものが存在するわけではございませんので、このような特色ある、そして地域の実情に応じた、地域の創意工夫に基づいた、人による教育ということは学習指導要領にのっとったものでございます。
#90
○水落敏栄君 平成十四年から七年間もの間続けてきた経緯もございまして、既に学校現場において定着しているものだと思っています。
 私は、我が国の未来を担う子供たちの教育には、申し上げてきたように、豊かな情操教育や規範意識、公共の精神をはぐくむ、こうした点からもう本当に道徳教育の充実と促進が絶対に必要なんだという信念を持っています。しっかりやっていかなくちゃならないと強く思っている一人であります。そのためにも心のノートは必要でありまして、即刻配付を再開すべきだと思っていますが、その点はいかがでしょうか。副大臣、お願いします。
#91
○副大臣(鈴木寛君) 繰り返しになりますけれども、私どもは、一律の印刷、配付については、必ずしもそれを強制はしないということにはいたしましたけれども、現在におきましても、心のノートの全国版を印刷、活用することに対する助成も行っておりますし、それから心のノートをベースに地域版をそれぞれの地域に応じて作る。例えば、地域となじみのあるいろいろな人物だとか出来事とかの方がなじみやすいというようなこともあります。
 そうしたことをトータルとして応援をしてより道徳教育の実を上げていきたいと、こういうことで思ってやっておりまして、現に今年度多くの自治体から、私どものフレームワークを使って様々な、非常になるほどなと思う提案が出てきておりまして、このことによって道徳教育の質は着実に充実しつつあるというふうに思っておりますので、こうした取組を更に全面的に精力的に応援をしていきたいというふうに思っております。
#92
○水落敏栄君 私としては是非配付を再開してもらいたいと思っておりますけれども、さっき副大臣がお話しのように、別のものが、あるいは地域に密着したものとか、これも心のノートとは違うけれども、別にしっかりとした道徳の教育の副読本があるんだということであれば、是非その心のノートに代わるものを教材として採用するように要望をしておきたい、このように思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、いわゆる高校無償化についてお伺いいたします。
 高校無償化法案につきましては、私が当委員会の委員長在任中に審議をされて可決成立した法案でありますので実は余り触れたくないんでありますけれども、委員長は公正中立を原則として委員会を運営する立場にありますから申し上げられませんでしたが、私自身は、この法案は所得制限を付けないのはおかしいんではないか、このように思っておりましたし、今でも思っております。
 中でも、朝鮮学校を無償化の対象とすることについては反対でありました。理由は、一言で言えば、朝鮮学校の人事が朝鮮総連が行っていること、その朝鮮総連は拉致事件など日本の主権を侵し、反日思想教育を行っている北朝鮮に直結した組織だからであって、無償化などはとんでもないことだと今でも思っています。
 政府は専門家会議をつくって、この専門家会議が八月三十一日に報告書を出しましたけれども、朝鮮学校を高校の無償化の対象とするかどうかについてはまだ結論が出ておりません。政府はいつごろ結論を出すのか、お伺いをいたします。
#93
○国務大臣(高木義明君) 朝鮮学校の高校無償化の件でございますが、結論はいつ出すのかということも含めてお尋ねがございました。
 この朝鮮学校の指定に関しましては、審査の基準について検討を行っております。これについては、民主党の意見も聞いた上で検討することが適当ではないかという総理の御指示もございまして、現在、民主党内で議論が行われております。
 昨日、民主党の文部科学・内閣部門合同会議において高等学校等就学支援金の支給に関する検討会議の報告に対する見解案が取りまとめられております。これを受けて、最終的には党の政調会長を中心とした議論がこれからも進んでいくわけでございます。今後は、私としては、これまでの検討会議の報告、そして先ほど述べました民主党内の議論、そしてこれまで度々、今委員会におきましてもそれぞれの議論もございます。こういったものを踏まえながら、文部科学大臣の責任と権限において審査の基準を定めていきたいと思っております。
 その上で、具体的な審査を行って、個々の朝鮮学校について指定するかどうか判断することになります。できるだけ早く結論を出したいと考えております。
#94
○水落敏栄君 この朝鮮学校の支援金につきましては、反日教育だけではなくて、支援金が生徒の授業料に充てられずに、形を変えて北朝鮮に送金されるおそれもあるわけであります。ほかにもいろいろと問題点があります。政府は慎重に検討をして、そして早期に結論付けるのはやめていただきたい、慎重に検討していただきたい、このことを要望をいたしておきます。
 そして、高校無償化の対象とするかどうかの判断においては、文科省は、数学や理科、国語といった日本の高校と同じカリキュラムが朝鮮学校にも外形的にそろっているかが主な検討材料となっておりまして、教科書の内容などについては判断材料となっていないと、こうしていますね。本当これはおかしいと私は思っています。
 例えば、朝鮮学校では、歴史教育で、金賢姫元北朝鮮工作員による大韓航空機爆破事件を韓国当局のでっち上げであると、こう教えていますけれども、こうした点は文科省としては問題にしていないということになるわけであります。反日教育を行って北朝鮮の意向を反映させて運営をしている朝鮮学校を日本国民の税金を使って無償化の対象とすることは国民の理解が得られない、こう思っておりますけれども、大臣はどのようにお考えか、お伺いいたします。
#95
○国務大臣(高木義明君) この就学支援金につきましては、あくまでも生徒に対して支給するものであるという考え方であります。
 朝鮮学校につきましても、韓国籍、日本国籍を含め、在校する生徒に対して支給かどうかを判断するため、御指摘ありましたとおりに、高等学校の課程に類する課程を置くものとして指定できるかどうかの審査基準を今検討しておるところであります。検討会議からは、教材の記述など教育の具体的な内容は指定の際の基準としないという報告をいただいておりますが、審査基準につきましては、党内の意見なども聞いた上で検討を行うことが適当だと、こういうことでございまして、今慎重に検討をしておる最中でございます。
 いずれにいたしましても、この基準については文部科学大臣として決定をしていきたいと思っております。その上で、先ほども申し上げましたように、個々の朝鮮学校について指定するかどうかの判断をしたいと考えております。
 また、検討会議の報告につきましては、教育課程及び教育水準などの教育内容については、中学校卒業程度を基礎として、高等学校の教育に類する教育を施すにふさわしい授業科目の開設を求めることが適当との指摘がなされております。
 以上です。
#96
○水落敏栄君 大臣は民主党の意見も聞くんだとおっしゃっておりました。そして、民主党が文科省の基準をおおむね了承するという、そのことが今朝の新聞でも報道されております。
 私、余計なことを言いますけれども、菅内閣の支持率が下がっていますね。多くの国民の皆さんの理解をいただけないこの朝鮮学校に対する無償化を決定すれば、ますます私は支持率が下がるんじゃないかなと思っておりまして、余計なことですけれども、申し上げます。政府は是非慎重に検討していただきたい、再度要望いたします。
 そして、朝鮮学校を無償化するかどうかを検討してきた、お話しの専門家会議でございますけれども、八月三十一日に報告書が出ました。専門家会議のメンバーは六人と伺っていますが、委員の方々はどのように議論をされたのか。文科省から示されたのは、教育の内容は問わないという限定的な判断基準であります。教育の内容を触れずに結論を出すなら、何のための専門家会議なのかと私は思いますけれども、国民の皆様に対して専門家会議の皆さんが議論した内容を公開したらどうかと私は思っています。
 公開した場合、六人の方々に迷惑掛かるということもありますので氏名の公開はこの際求めませんけれども、氏名さえ公開しなければ検討会議の内容はむしろ公開した方がいいんじゃないかと思っていますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか、お伺いします。
#97
○国務大臣(高木義明君) 検討会議におきましては基準等に関する報告は取りまとめいただいておりますが、引き続きこの会議において文部科学大臣が定める基準に基づく審査を行っていただく可能性もありますので、同会議の仕事が終了したわけではまだありませんので、現時点では議事録の公開は行わないものとしたものであります。議事要旨及び会議資料につきましては、基準に基づく審査を終了し、指定について決定が行われた段階で公開することを予定をいたしております。
 このような取扱いをいたしましたのは、検討会議におきまして、委員の自由闊達な御議論、また静かな外部の働きかけのないそういう環境で議論をした方がより濃密な充実したものになると、こういうことを確保するために、第一回の会合において、会議の検討が取りまとまった後に議事録、要旨を公開すると、こういうことになっておりました経過がございます。
 もちろん氏名の公表につきましても、御指摘もございましたけれども、会議終了後、その公表時期について検討したい、このように考えております。
#98
○水落敏栄君 多くの国民の皆さんは、日本人を拉致した北朝鮮の思想を教えている朝鮮学校に国民の血税を使うのは反対だという声の方が圧倒的に私は多い、こう思っています。大臣、是非そうした考え方で、方向で御決定するように、結論を出すように要望しておきたい、このように思います。
 次に、変わりまして、科学技術分野について伺いたいと思います。
 今年は二人の日本人研究者がノーベル化学賞を受賞しました。根岸英一パデュー大学特待教授と鈴木章北海道大学名誉教授でありますけれども、この受賞は、まさに我が国の研究水準の高さを改めて世界に示すとともに、国民に誇りと励みを与えたと思っています。
 こうしたことを踏まえて、文部科学省として科学技術の振興については今後どのように取り組んでいかれるのか、大臣にお伺いします。
#99
○国務大臣(高木義明君) 御指摘もありましたように、先日の根岸氏、鈴木氏のノーベル化学賞受賞は、日本人の研究者が高い研究水準、これが認められておりまして、本当に我が国としても誇りに思っておるところであります。このことは同時に、国民に大きな勇気と自信を与えてくれたものと私も喜んでおります。
 今回の受賞については、それぞれの先生が述べられておりますように、若いときから挑んできた研究開発がようやっと実って花が咲いた、まさに二十年、三十年、そういった月日の積み重ねの中で努力が実を結んだと、このように言われております。まさに、科学技術の取組というのはそういうことであろうと、このように考えております。
 したがって、私どもも長期的視点に立って、また国の成長戦略、こういったこととも相歩調を合わせながら、科学技術の振興についてはしっかりサポートし、そして予算面においても取組を進めておるところでございます。
 具体的には、文部科学省として、ライフ及びグリーンイノベーションの推進、また成長を牽引する科学技術人材の育成、支援、また成長の源泉となる基礎研究や研究インフラの充実強化などの取組を一体的に戦略的に推進することで科学技術振興に全力を挙げて取り組む所存でございます。
#100
○水落敏栄君 科学技術力を強化する上で大事なことは、優れた人材の育成、確保だと大臣も所信でおっしゃいました。根岸教授や鈴木教授のような優秀な科学者を次世代にも輩出するために、やはり今から育てるために国を挙げて応援しなければならない、こう思っています。
 資源のない我が国でありますから、国際社会の中で競争して先進国と肩を並べていく、いや、国際社会をリードしていくためにも科学技術の振興は大事なことだと思います。研究者のポテンシャルを最大限活用することができる環境づくりが重要だと。また、そうした意味で、文科省は若手研究者の人材育成、確保についてどのように取り組んでいくのかお聞かせをいただきたい、このように思います。
#101
○副大臣(笹木竜三君) 今、水落委員からお話がありましたように、若手人材の育成、確保、これは本当に大事なんだろうと思います。
 お話がありました鈴木、根岸両先生、これもいわゆる若手の時代に成果を上げられてそれが認められたと、何十年たってということだと思います。
 先般、鈴木先生にお話を伺った折にも、パデュー大学のブラウン先生の本を国内で若いころに読んで、それで手紙を書いてそちらの方で学ぶようになった、そんなお話をしてられました。若手に対するバックアップ、これが本当に必要なんだろうと思います。
 菅総理もいわゆる若手研究者に対する支援をということを言っています。しかし一方で、最近内向きになりつつあるとかそういう問題もございます。そんなことも含めてどうやって支援をしていくかということが課題だと思いますが、概算要求でいいますと、我が国最大の競争的な資金である科学研究費補助金、この中で若手向きの部分をかなり厚くする、増やしていくこと、あるいは、優れた若手研究者に研究奨励金を給付する特別研究員事業、これもかなり充実をしている。さらに、産業界との連携の下で優れた大学院教育を行うリーディング大学院、これは新規で、これも概算要求をしております。さらに、すそ野を増やすということで、高校生とかそういう方々に対するスーパーサイエンスハイスクール、あるいは国際科学オリンピック、数学オリンピック、こういうものに対してもいろんな支援を更に深くしていきたい、そういう姿勢で臨んでおります。
#102
○水落敏栄君 是非、申し上げたように科学技術の振興、大変必要でありますし、特に若手研究者の人材育成が大事だと、こう思っておりますので、積極的なお取組をお願い申し上げたい、このように思います。
 そこで、我が国の科学技術力を強化する上で、私たちは平成二十年、研究開発力強化法を作りました。しかし、更なる世界トップレベルの競争力と機動力で弾力的な運営を可能にする国立研究開発機関、仮称でございますけれども、制度を創設しなければならない、こう思っております。したがって、研究開発法人の改革が不可欠だと思いますし、また、研究開発力強化法の附則や附帯決議においても、二十三年、来年の十月までにはこの研究結果を踏まえてその検討を進めることが求められております。
 おかげさまと申しますか、この件は大臣も所信でお触れになっておられますので、文科省としてはどのような今後の取組をされるのか、大臣にお伺いしたいと、このように思います。
#103
○国務大臣(高木義明君) おっしゃられましたように、科学技術に対する国立研究開発機関、仮称でございますが、この制度の創設についてでございます。
 まさに我々は、国際競争が激化しておる中で、資源の少ない我が国が今後とも世界の中で大きくリーダー役を発揮するためには、研究開発法人の一刻も早い制度改革が必要であると、こういう認識を持っております。その上で、研究開発力強化法の附則あるいは両院の附帯決議及び民主党のマニフェストの中でも研究開発を担う法人の機能強化検討チームを今の政府の中で設置をいたしまして検討を進めておるところでございます。本年四月に中間報告をまとめまして、世界トップレベルの国際競争力と世界でも最も機動的で弾力的な運営を目指す国立研究開発機関の制度の創設を提言したところでございます。今後私たちは、この研究開発力強化法附則第六条に定められました検討措置期限、平成二十三年の十月までとございます。これを踏まえて、具体的な法案化に向けて鋭意諸準備を進めてまいりたいと思います。
#104
○水落敏栄君 ありがとうございました。大臣も積極的な御答弁いただきましてありがとうございました。
 申し上げましたように、附帯決議にも平成二十三年十月までということに今なっておりますし、そういたしますと今国会では無理かも分かりませんが、来年一月から始まる通常国会で、是非この機関の設立についてしっかりと議論していただきたい、こう思っておりますので、お取組をよろしくお願いしたい、こう思います。
 話は変わりますけれども、「はやぶさ」が二〇〇三年に打ち上げられて、二年後の二〇〇五年にイトカワという小惑星に着陸をして、このイトカワまでは総飛行距離が六十億キロ、月までが三十八万キロですから気が遠くなるような距離ですけれども、この無人の探査機がイトカワに到着して、今年六月にサンプルを持って無事に帰ってまいりました。これは世界初の快挙であります。
 また、若田光一さん、山崎直子さん、野口聡一さんといった宇宙飛行士の活躍、準天頂衛星の打ち上げ等々、宇宙分野においてすばらしい成果が上がっております。宇宙は夢のある分野でありますから、この分野の開発を更に進めることが国民の科学技術振興の理解を得る一助になると私は考えています。
 文部科学省として今後どのように宇宙開発に取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
#105
○国務大臣(高木義明君) 宇宙の開発利用につきましては、既に情報衛星あるいは気象衛星など、国民の生活にとって安全、安心に貢献しておる事例もたくさんございます。これからも国民の夢と希望は大きく広がっておる分野でございます。
 そういうことで、文部科学省としましては、先端的な科学研究や宇宙開発利用に不可欠なロケットの開発、人工衛星に関する強固な技術基盤の構築に取り組んでおります。最近では、おっしゃられましたように、小惑星探査機の「はやぶさ」の地球に帰還された件、あるいは日本人宇宙飛行士の活躍、あるいはまた最高水準に達したロケットの成功率、こういったものはこれまでの努力の結果としてすばらしい成果を上げておるものと認識をいたしております。
 今後とも、我が国の成長につながる研究開発、人材育成の面で国としても役割を果たしていきたいと思っております。小型衛星や小型ロケットの開発など、更なる成長への実現、また、国際宇宙ステーション計画への参画など宇宙外交の推進、そして、「はやぶさ」後継機開発などの宇宙分野における先端的科学技術の振興に取り組んでまいりたいと、このように思います。
#106
○水落敏栄君 宇宙開発といいますと思い出すのが国際宇宙ステーションであります。国際宇宙ステーション、別名ISSでございますけれども、ここに日本の家と言ってもよい「きぼう」が完成をいたしました。宇宙飛行士の皆さんの技術の高さ、そしてその労苦にまずは心より敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 この「きぼう」は無重力ですからいろいろな実験ができるわけでありますけれども、一例を挙げますと、化学は違う物質を組み合わせて新しいものを作る。しかし、それぞれの比重が違いますから、地上だと重い物は下に、軽い物は上に来て均等に混ざらない。それが無重力だと均等に混ざる。したがって、薬を開発するにしても、いろんな作用を持ったものを組み合わせて均一に混ぜると純度が高くなって効果が出やすいものが作れるそうであります。
 ところが、今年、二〇一〇年にはアメリカのスペースシャトルが引退をいたします。そうすると物資の輸送にはロシアのソユーズに頼るしかありませんけれども、スペースシャトルは貨物室がありましてマイクロバス程度の大きなものまで運べるんですね。ところが、ソユーズは小型の冷蔵庫ぐらいのものしか運べない。そうすると、実験に必要なものが最小限に限られてしまう。そうした中で我が国は、宇宙ステーション補給機、HTVといいますけれども、このISSまで物資を運ぶ貨物船ですけれども、これを開発してきました。これ、六トンぐらいの積載量があるというふうに承知していますけれども、このHTVがようやく昨年の九月に完成したというふうにお聞きしております。
 このHTVの今後の利用について具体的にどのように考えているのかお伺いしたい、このように思います。
#107
○副大臣(笹木竜三君) お話がありましたように、スペースシャトルの退役後には、我が国の宇宙ステーション補給機、HTVが宇宙ステーションに大型装置を輸送できる唯一の手段になると。そんな中で、その技術の一部はアメリカの次期輸送機への採用も決まっているということもあります。
 今後もHTVを確実に打ち上げること、それで国際的な責任を果たしたいということがありますが、さらに将来的には、有人宇宙活動の技術の基盤にもなる、また帰ってくる、帰還ですね、それも可能とするHTV―R、その活用にもつなげていきたいと、そういうふうに考えております。
#108
○水落敏栄君 宇宙貨物船、HTVが完成して今副大臣がおっしゃるような利用ができれば、本当にすばらしいことだと思います。そして、子供たちが夢中になって読んだ漫画で、間もなく映画にもなりますけれども、「宇宙戦艦ヤマト」がまさに実現するわけでありまして、更に子供たちに夢と希望を与えることになると思います。
 したがいまして、厳しい国家予算の中でありますけれども、申し上げましたように資源に乏しい我が国が世界の先進国と肩を並べるためにも、ISSへの補給機の開発、あるいはJAXAの経費、別にJAXAから言えと言われたわけじゃありませんが、JAXAの経費を含めた宇宙開発にかかわる予算の増加が必要であると、こう思っています。
 決して事業仕分の対象にしないようにしていただきたい、こう思いますし、宇宙開発に対する大臣の思いをいま一度お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#109
○国務大臣(高木義明君) 我が国の宇宙開発利用につきましては、欧米と比べて相対的に少ない資源を効果的に活用して技術開発を着実に行うことによって、まずは世界最高水準のロケット技術や衛星技術を確立するとともに、お話もありましたアポロ計画以来の本格的な月探査を行った「かぐや」や、本年六月に地球に帰還した「はやぶさ」などの、国民に夢と希望を与えました。さらに、衛星通信・放送においても宇宙関連産業の開拓や衛星を使った天気予報などのように、国民の安全と安心に大きく寄与したところでございます。
 委員御指摘のとおり、厳しい財政状況下ではありますが、元気な日本復活特別枠という、積極的に努力をしまして、これは対前年度比でございますが、対前年度九十一億円増の要求をしておるところでございます。研究開発、人材の育成両面を併せてこれからも積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#110
○水落敏栄君 質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#111
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君が選任されました。
    ─────────────
#112
○委員長(二之湯智君) 質疑を続けます。
#113
○義家弘介君 自由民主党、義家弘介です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、冒頭にお聞きしたいことは、文部科学大臣が替わりまして高木大臣体制で新たなる出発をしたわけですけれども、実はこの間多くの積み残しを文部科学行政は残しておると我々は認識しています。この件については検討しますと宙に浮いている様々な懸案について、どんなことが今後議論していくものだと引き継いでおられるか、大臣、お答えください。
#114
○国務大臣(高木義明君) 私が就任いたしましてまず感じたことは、昨年の政権交代以来、様々な改革の歩みをスタートさせております。例えば、子供たち、親の所得や経済状況にかかわらず教育をする権利を確保する、そういう意味での負担軽減の課題、あるいはまたその中での朝鮮学校の対応をどうしていくのかという課題、あるいはまた科学技術振興に対するテーマ、また子供たちの支援のための幼保一体化の問題等々、様々な課題がございます。
 もちろん、来年度からいわゆる教員の質と数の拡充という計画も実行段階にございますが、その多くは、検討課題やあるいは中央教育審議会等、専門家の皆さん方に議論をしていただくテーマがたくさんございます。
 菅内閣総理大臣は実行内閣だと言っておりますが、まさにその言葉どおり、これまで各分野で検討をされ、そして調査をされたことについて、私が一つ一つ実を結ぶようなそういう、もちろん予算の確保を含めて、このことが私のまずは使命の一つではないかと、このように思っております。
#115
○義家弘介君 非常に大ざっぱな抽象的な質問をしましたが、実は一つ一つ本日それを確認させていただきたいという思いで冒頭そういう発言をさせていただきました。
 実は、この文部科学問題だけではなくて、もろもろの問題が昨年の政権交代から次々に起こっているわけですが、私は、その問題を見るにつけ、戦後間もなくの日本共産党の衆議院議員だった志賀義雄氏の一九五二年、昭和二十七年の発言、これを思い出してしまいます。
 何も武装闘争などする必要はない。共産党が作った教科書で社会主義革命を信奉する日教組の教師がみっちりと反日教育を施せば、三、四十年後にはその青少年が日本の支配者となり、指導者になる。教育で共産主義革命は達成できる。
 実はこれ初めて読んだときちょっと、日教組の実態もよく知っていましたから、何だかぞっとしたわけですけれども、いやいや、しかし国会はそんな簡単にはいかないだろうと思って、政権交代しましたら、まさにこの方向に進んでおるなという、すごくぞっとしたことを感じているわけですが。
 今日、鈴木寛文部科学副大臣も出ていますが、例えば、今年の二月十四日に友愛公共フォーラムなんというシンポジウムが行われた。そのときの発言なんかも私はぞっとしたわけですけど、鈴木副大臣は出席なさっておりましたが。
 平田オリザ氏。ずっと十月以来政権にかかわってきて、鳩山さんともお話をしているのは、やはり二十一世紀というのは近代国家をどういうふうに解体していくかという百年になる。しかし、政治家は国家を扱っているわけですから国家を解体するなんてなかなか言えないわけで、選挙に負けない範囲でそれをどういうふうに表現していくかということが僕の立場だと。
 当時の松井内閣官房副長官。要は、今、平田さんがおっしゃったように、主権国家が国際社会とか地域の政府連合に自分たちの権限を委託するという流れ、流れとしてはそういう姿になっているし、そうしないと問題は解決しない問題がたくさん広がっていると。
 一体、この民主党内閣は何を目指しているのかということで、私、このフォーラムの模様を撮ったものも何度も何度も見直していますが、そのたびに自民党が今しっかりしなければ大変な方向にこの国が行ってしまうという思いを強くしていますが、このとき鈴木寛文部科学副大臣、発言していますよね。そのときの発言覚えていらっしゃいますか。
#116
○副大臣(鈴木寛君) そんなに記憶力のいい方ではありませんので覚えておりませんけれども、今のお話は特段、何というんでしょうか、義家委員のような受け止められ方でびっくりされる話じゃなくて、例えばEUというのができております。それから、民主党は日本国教育基本法案をつくるときに、物質至上主義の文明から物以外の心や情報や文化、こうしたことを大事にする、そうした知識文明をつくっていく、こうした方向を目指すということは国会の法案提出理由のところでも申し上げさせていただきまして、そのような歴史的な状況に入っているというふうに思っております。
 まさに、一九八九年にベルリンの壁が崩壊をしたし、それまでの右だ左だというイデオロギー論争からどう脱却していくのか、そして本当に自由な市民、国民によって構成される民主主義というものを構築していくと、それが世界の今の流れでございまして、そうしたことの流れの中にあるというふうに考えております、というようなことを議論したフォーラムだったというふうには記憶をいたしておりますが、私の個別の発言については覚えておりません。
#117
○義家弘介君 このときは、はっきりというか間接的にというか、こういう国家解体というものを言ってしまうということはすごいことなんだというような発言があったわけですけれども、まず国という土台があって、領土、主権、そして国民の生命と財産を守るという土台があり、その土台を守るためにどのような教育をし、という前提がなければ、あらゆることが瓦れきのように私は崩壊していってしまうと思っています。だからこそ、一つ一つの、先ほどイデオロギーの問題を超えてと言いましたが、民主党なんかは一部の議員は完全にイデオロギーの部分に縛られてしまっていると。我々は逆に、イデオロギー的に不自由な立場にいらっしゃる先生方が様々な発言をしておられるなと思いながら見ていますけれども。
 今日はまず冒頭に、高校無償化法案における朝鮮学校の取扱い、朝鮮高校の取扱いについて、先ほど水落先生の方から質問がありましたが、私はあのような答弁では納得できませんので、丁寧に一個ずつ確認してまいりますけれども、まず検討会議の議事録、つまり検討会議で一体何を議論したのかということ、それについてであります。
 高等学校就学支援金の支給に関する検討会議、これは実質的にはこの会議の内容は、対象となっているのはもう一つしかありませんからね、朝鮮学校を高校授業料の無償化の対象とするかどうかというために設置されて議論してきた会議だったわけですが、一切、現在までどのような具体的案件がどのように語られたかということも含めて非公開であります。そして、一般的、抽象的な判断基準を示すにとどまりました。
 九月七日、九月八日、衆参の両院で閉会中審査行いましたが、もしもあのままの流れで行ったら、国会の中でさえその基準がどうだったのか、どのような経緯でそのような決断に至ったのかということが全く明らかにされないまま流れていったことであろうと思っていますが、一方で取り上げながらその議事を提出を求めましたが、後刻理事会でのまま、そのままストップしているわけです。
 そこで、まず結論、判断基準が公正妥当でなければその後の手続を踏むべきではないと我々は考えています。検討会議の基準の結論は出たというわけですから、少なくとも議事録は現時点では公開できるのではないかと我々は考えておりますが、大臣、お答えください。
#118
○国務大臣(高木義明君) これは御承知のとおり、検討会議におきましては、基準等に関する報告は取りまとめていただいておりますが、引き続き同会議で文部科学大臣が定める基準に基づく審査を行っていただく可能性もございます。したがって、同会議の仕事がすべて終了したわけではありませんので、現時点では議事要旨及び会議資料の公開は行えないものにしたものであります。この議事要旨や会議資料については、基準に基づく審査を終了し、指定についての決定が行われた段階で公開することを予定をしております。
 なお、このような取扱いをいたしましたのは、検討会議において委員の自由闊達な議論、また専門的な議論、これが確保されるように、外部からの働きかけがない静かな環境で議論をした方がいいと、こういうことでございまして、会議の検討が取りまとまった後に要旨を公開するということが、これは第一回の会合で決められております。
 なお、氏名の公表についても御指摘が先ほどからもございましたけれども、これについても同趣旨によって、最終的には検討が取りまとまって、そして指定が行われた段階で公にするということでございます。
#119
○義家弘介君 判断基準は出したわけです。その判断基準を出した流れの議事、中身を公開しなければ、本来議論にはならないと私は思います。どうしてそういう判断基準が出たのかというその中身がないで、こういう判断基準です、あとは公開しません、あとは我々、文部科学大臣が最終的には決めます、民主党の部門会議ではおおむね了承されました。これは国民への冒涜だと私は思いますよ。
 大臣は、この議事録、読まれましたか。
#120
○国務大臣(高木義明君) 議事録は読んでおりますが、まだ民主党の方でも、合同部門会議では取りまとめをいたしております、しかし政調会議の中で最終的にはまだ、今の時点では決まっていないものと思っておりますので、そういうことで、私もすべてが終了した後に公開をするということにしております。
#121
○義家弘介君 大臣は、その検討会議、判断基準を出すに至った根拠となるその議論を見て、納得していますか、納得していませんか。
#122
○国務大臣(高木義明君) 今私がその判断をする段階ではないと思います。
#123
○義家弘介君 その判断をする段階ではないと言いますが、判断基準はもう既に出されているんですね。教育の内容は問わないなどの判断基準は内容が出ているわけです。その判断基準の内容については大臣は納得した上で民主党の政調にかけておられるのかという質問です。
#124
○国務大臣(高木義明君) 先ほども申し上げましたように、まだ正式に党としても取りまとめが終わりませんので、今私の立場では、そのことについて言及するのは時期も適切ではないと、このように思っております。
#125
○義家弘介君 しかし、決定してから、こういう形になりました。それこそ時期が適切ではないと我々は思います。
 国権の最高機関であるこの国会で、重要な国費を投入する以上、あるいは教育内容の問題が指摘されていて、拉致問題も抱えながら、国民的関心がある事項である以上、国会の場に明らかにそれぞれの意見を開示した上で、議論をした上で結論を出していく、これが本来の筋であろうと考えておりますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#126
○国務大臣(高木義明君) この問題は様々な意見があることは十分承知をしております。だからこそ、慎重な検討が必要であろうと思っております。
 最終的には、教育の見地から私の立場で決めさせていただきますが、今はまだその時期ではないと、このように考えております。
#127
○義家弘介君 私は、今まさにその時期で、その責任を果たさなかったら、これは歴史的にも大変なことにつながるであろうと思っているわけです。
 先ほど静ひつな環境で云々という話でしたが、後で様々な項目について質問の中で明らかにしていきますが、私なんかの立場と反対側からの様々な介入や働きかけというのも文部科学省の中にたくさんある、あるいはあったのかどうかも確認も含めて後ほど説明しますが、そういう中で、ただ我々の立場は今は言えない今は言えないと言って手続だけが進められていくことに我々は重要な懸念を感じております。
 また、八月四日の参議院の予算委員会で、当時の川端大臣、最終的に結論が出れば、その結論は当然公開をいたしますと。そしてそれは判断基準と判断方法、この二つについては公開いたしますと。その判断方法に基づいて審査をするということをやる段階では当然公開をし、その審査結果を踏まえて私の名前で告示したいと思っておりますと。これ、民主党の部門会議にかかって、おおむね了承ということは、これは川端大臣が言ったその判断についての審査の段階に入っていると我々は考えますが、いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(高木義明君) まだその段階ではありません。まだ正式な取りまとめではございません。
#129
○義家弘介君 ちなみに、地方自治体では大阪府が独自に朝鮮学校の教育活動の確認に関する有識者会議を設置し、九月の二十二日に、大阪朝鮮高級学校に対して、現代朝鮮史を教科ではなく特別活動と位置付けることや、特定の政治的指導者に対する敬称について考慮することなどを求める提言を取りまとめております。なお、大阪府は、朝鮮学校や児童生徒に対して平成二十一年度に計二億円の補助金を支給してきましたが、平成二十二年度は補助金の執行を保留しています。
 この大阪府の有識者会議の委員は既に公開されています。なぜ文部科学省の検討会議の委員は公開できないのか。もう一度お答えください。
#130
○国務大臣(高木義明君) あくまでも、この結論は多くの皆様方の関心事でございます。それだけに、私どもとしてもなお慎重に御意見を聴くという今段階にあるからです。
#131
○義家弘介君 国費を投入していく、そして拉致問題等にかかわる問題あるいは反日教育、様々な問題が絡んでいるからこそ国民的議論が起こらなければならない。
 そのためには、責任を持って議論し、その結論に責任を持って文部科学大臣が対応していかなければならないであろうと思っておりますが、高木大臣は、就任会見、九月の十七日、国会の議論などを総合的に考えて判断基準や判断手続を文部科学大臣が決定するものと考えているとおっしゃっていますけれども、つまり今出ている検討会議の判断基準が国会の議論の中で判断基準じゃなくなるということとも受け取れる発言ですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
#132
○国務大臣(高木義明君) この点についても、更にそれぞれの各分野の意見を踏まえて、最終的に私が判断することになります。
#133
○義家弘介君 繰り返します。今のは答弁になっていません。
 国会議論などを総合的に考えて審査基準や審査手続を文部科学大臣が決定していく。つまり、今もう判断基準が出ているわけですね。検討会議の判断基準で、内容等は問わない等々の判断基準、これ読むと長くなりますからあれですけれども、こういう形で進めていくという基準が出ているわけです。しかし、大臣は就任会見で、この判断基準それから判断するためのプロセス、手続も含めて、国会などの議論を総合的に考えて決定していくと言っているわけですから、今、民主党の部門会議でおおむね了とされたと、昨日ですか、今日の新聞に出ていますよね。民主党の内閣府との合同の部門会議でこの判断基準をおおむね了承するという答えが出ましたが、これは文部科学省にとって確定した判断基準ではないというふうに考えてよろしいでしょうか。
#134
○国務大臣(高木義明君) 判断基準については、検討会議からの判断基準は示されておりますが、それを踏まえて、これでいいのかどうなのかということを今部内で検討中であり、最終的には、これはまだ民主党として決定したわけではございません。
#135
○義家弘介君 これ党の問題ではありませんよね。国費を投入する、高校無償化法、いわゆる高校無償化法という法律を、あれも物すごく乱暴で信じられない手続でしたが、三月三十一日に強引に通して四月の一日からスタートすると。その結果、様々な問題点も浮き彫りになっている。例えば、所得制限を設けなかった。結果的に、保護世帯なんかは授業料免除、元々免除されていたのに、逆に特定扶養控除の上乗せ分がなくなることによって負担が増になっていくとか、様々な問題が次々に起こってきた。
 それに関連して、じゃ、この対象に朝鮮高校が含まれるのか含まれないかということを政令で定めるための議論を行っているわけで、党の方でもんでいくという議論ではなくて、これは本来、国会マターでしっかりと判断基準も含めて議論し、そして責任ある結論として出していくものだと思っていますが、その辺、高木大臣、いかがでしょうか。
#136
○国務大臣(高木義明君) 私たちは責任持った決定をしたいと思いますがゆえに、今御指摘のありましたおおむね決まったという報道でありますが、これはおおむねでございまして、御党におかれても、いろいろな議論の中で、最終的に決まったということではないということだけは御承知いただきたいと思います。
#137
○義家弘介君 つまり、党の手続でおおむね決まったということで、まだ決定していることではない。だからこそこの臨時国会の場で、こういうプロセスの、こういう議論の中で、こういう判断基準が出て、民主党ではおおむねこういう結果になりましたが、さて、国費を投入する以上、このことでいいのでしょうかという形で、野党も与党も含めた、しっかりとした国民に見える議論の中で決定していく性質のものであると私は思いますが、そういう方向でいいのでしょうか。
#138
○国務大臣(高木義明君) 当然、民主党の議論と、そしてこれまでも度々国会で示された議論、そして今日現在、今日もそうですけれども、そういう議論、こういったことも重要であろうと思っております。
#139
○義家弘介君 こういうことが重要なのは、これは当たり前なんですけれども、国会の議論の中で、しっかりとそのプロセスも明らかにした上で、この問題に対しては議論して判断していくというふうに受け止めてよろしいのでしょうか。
#140
○国務大臣(高木義明君) この国会の議論も踏まえて、私が責任において判断を決めたいと。
#141
○義家弘介君 国会の議論を踏まえて、つまり判断基準は変わる可能性があるというふうに受け止めてよろしいでしょうか。
#142
○国務大臣(高木義明君) それは今何とも申し上げません。私の判断で慎重に検討をしていきたいということです。
#143
○義家弘介君 何度も繰り返して申し訳ありませんが、確かに文部科学省令で示すということは、最終的には文部科学大臣の判断になるわけですが、この法律は元々、無償化法案の中でその対象とするかしないか、つまり関連している重要な一つなわけですから、明確にやっぱり国会で開かれた形で議論することなしに、私、だから民主党のおおむね了とするという判断もちょっと私にしてみたら信じられないんですが、その判断がいい悪いといっても、なぜその判断が作られたのかというプロセスは民主党さんにも公開していないんですよね。いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(高木義明君) 静かな環境の中で外部からの働きかけをなくして自由闊達な議論、最大限それを私たちは確保したいと、こういう意味において慎重な検討は今続けられておる、また続いておると、こういうふうに受け止めていただければと思います。
#145
○義家弘介君 いや、そうではなくて、民主党の皆さんが党内で議論したときも、この判断基準がどのような話合いによって出された判断基準で、どのような点を議論し、教科書のどのようなところを考慮し等々の、議論の前提になる報告を受けて党の部門会議にかかったのかどうかというところで、これ、我が党のことを言ったら変ですが、我が党なら多分会議が紛糾して収拾が付かなくなると思うわけですけれども。
 つまり民主党にも、文部科学省以外この議論の中身はだれも知らないまま進んでいるという理解でよろしいでしょうか。
#146
○大臣政務官(笠浩史君) 義家委員の質問に対して、私、当時のこの取りまとめ、党の意見集約を行っていったときの当初の党の部門の座長という立場でございましたので、ちょっと私の方からその点についてはお答えをさせていただきたいと思います。
 八月の三十日に、私どもも、委員と同じようにこの検討会議での結果の報告、基準というものを知りました。そして、それを受けて、総理からの玄葉政調会長に対する指示で、党内の意見をしっかりと、様々この問題についてそれぞれ党内でも意見があるだろうから、そのことをしっかり政調で取りまとめをして文部科学大臣に対して党の見解を申し上げるようにという指示の下、二回にわたって、まず九月の七日、八日にわたって私どもの全議員を対象に議論をさせていただきました。
 その前提として、今委員が御指摘の、例えば検討会議のこの議事要旨等々については私どもは拝見をしておりません。ただ、鈴木副大臣の方から、その概要、概要というのは、議事の要旨についての具体的なことではなく、こういった形で検討が進められたということを御説明をいただき、この報告に対しての様々な意見を賜ったわけでございます。
 おおむね了とするというような結論に昨日なったということでございますけれども、本当に様々、この委員会で義家委員等々が御指摘をいただいているような意見もございましたし、党がこの判断基準を決めるということではなく、これは最終的に文部科学大臣がいろんな国民の皆様方の意見や、あるいはこの委員会の意見、党の意見も踏まえて決定をするということでございますので、私ども、私はその最終的な党の見解案の取りまとめについては、現座長に対して、やはり慎重論あるいは様々な懸念についてもしっかりと付記をして党の見解とすべきではないかということで引継ぎをさせていただいたところでございます。
#147
○義家弘介君 笠政務官には後で改めて質問したいと思うので質問は取っておきますが、私自身は笠政務官に対しては非常に期待を持って、エールを心の中で送りながら頑張っていただきたいと思っています。後でそれは質問させていただきますが。
 この検討会議の、つまり判断基準を今国民の皆さんにという話も出ましたが、議論としてかみ合って国民の前でオープンにするためには、この国会でやらなかったらおかしいじゃないかというのが我々の主張なわけです。それを、今後じゃ具体的にその議論の経過も含めて国会でしっかりと提出して当委員会で議論をさせてくれるのかくれないのか、大臣、もう一度確認です、お願いします。
#148
○国務大臣(高木義明君) 私どもとしましては、今その過程にございますから、今この段階で私が申し上げるわけにいきません。
#149
○義家弘介君 国の根幹にかかわる問題なんです、これ。この国の根幹にかかわる教育の問題、まして、その財源は国費から出ていく問題、様々な意見が分かれている重大な問題であるのに、ここまで議論が進んでいて、まだ今の段階で私からは、つまり、国会の場できちんとこの判断基準について、適用方法について議論する責任があると我々は言っているわけです。それを、現時点ではまだ答えられません。これは物すごく不安になるし、そして、だからこそ、こうなんじゃないか、ああなんじゃないかという様々な先行報道なんですか、まだきちんと決まっていないのに、どうやら決まる方向でそろそろ決まったという判断が出されるような報道が連日出ているのは、まさに今そういう状況だからなんですね。
 これは重要な問題ですから、きちんと国会でその判断基準はどのような根拠の下で出されて、判断方法としてどうして、フォローアップとしてはこういう考えだということを国会の場で議論するということを約束していただきたい。
#150
○国務大臣(高木義明君) 今委員の御意見も意見の一つです。またこれからも後の質問者も発言があるかも分かりません。そういうものも私は十分お聞きをした上で判断をする立場だと思っております。
#151
○義家弘介君 何度も繰り返しになりますが、判断をするのは、最後は文部科学大臣なんです。しかし、その判断の基準となる、我々一人一人は、国民から票を託されて、自分たちの代わりに自分たちの思いをしっかりと届けてほしいという形で今ここにいるわけですね。国民の代表としてここにいるわけです。そして、その国民が重要な懸念を持っている問題に対して、密室会議の中で、静ひつな環境で云々。しかし、それが話し合われて判断基準が出された今も、なぜ、その判断基準の根拠になったものは何なのかという、そのものさえいまだ伏せられている状況の中で、それも一つの意見として議論していきます。これは民主党といいながら物すごく非民主的なプロセスを歩んでいるわけですよ。
 どうしてこういう問題に対してもうちょっときちんと明らかにした上で国民的議論を醸成するという手続が取れないのかどうか、ちょっと教えてください。
#152
○国務大臣(高木義明君) 先ほどからお答えをしておりますように、私どもとしては、慎重な議論の過程でございますから、この段階において多くのことは申し上げない方が適切だと思っております。
#153
○義家弘介君 いや、だから、結果が出てからじゃ遅いじゃないですか。もう決まったことだって大臣が、出てから、さあじゃ審議しましょう。その時点では既に国費は投入されてしまう、繰り上がりで投入されてしまうわけですし、結果が出てからでは議論は遅いんですよ。つまり、その結果に至るまでにしっかりと国会の場で、委員会の場で、どういう懸案があるのか、そしてこの判断基準はなぜそういう判断基準になったのかということをせめて議論するという当たり前の手続を私は取るべきだと思うし、リーダーとしてそれはしっかりと約束すると。しっかり議論して、その上で文部科学省令の中で方針を出していく、そのぐらいの明言、現段階でできないんだったら、やはりこれはリーダーとしては非常に怖いですよ。
 今までのプロセスも全部現時点では答えられない。しかし、手続だけは一個一個進み、判断基準もでき、フォローアップのマニュアルまで出て、与党の政調にかけられて、そしておおむね了解されて、そして今日のこの委員会の時点でまだそれについては明言できません、判断の基準が出てから。いや、我々が言っているのは、出てからじゃ遅いんですよ。出る前にきちんと国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会の場で、どういう根拠で、どういう流れの中で、どうしてそういう方向に行っているのかと議論した上で最終的に判断すればいいわけですよね。
 大臣はもちろん与党・民主党ですけれども、日本中の子供たちを管轄している文部科学大臣ですから、これは一部の政党の思いとか一部の政党の意見ではなくて、日本全国の思いや意見をしっかりと議論した上で判断していくという立場にある。これ、法律ならば、多数決の中で最後は多数を持っている政党が賛成したらその法律通っちゃうかもしれませんよ。しかし、今回の無償化の対象に朝鮮高校するかしないかというのは、法律ではなくて中身、つまりそれを含めるか含めないかは文部科学省令で定めるという形で決まっている問題なわけですから、これはしっかりとその中身についてはやはり国会の場で議論をした上で、多くの子供たち、学校を管轄している文部科学大臣として判断を下していくべきものであって、自分の周り、自分の政党だけで議論をして決断をしていくという性質のものではないと考えますが、国会の場で改めてしっかりとこのプロセス、この判断基準が出されるに至ったのかというプロセスも含めて議論するおつもりありますでしょうか。
#154
○国務大臣(高木義明君) 何度もお答えいたしますけれども、まだ検討の進行中でございますから、今の段階で私がここで述べることは適切ではないと、このように思っています。
#155
○義家弘介君 繰り返しますが、判断基準が出されて、今判断のプロセスに入り、そしてこれからその判断がなされるというもう最終段階に来ているわけです。決まってから国会の場で話し合うというのは、これは国民に対しての冒涜ですよ。やはりそういう判断が出される前に、しっかりとその法律を通した国会の場で、プロセスも含めてきちっと議論した上で判断を出していく、そうでなければやはり私は無責任だと思っております。
 だからこそ、もう強く強く求めたいと思いますが、結論を出す前にしっかりと国会の場でも明確な議論をする、そしてその判断基準となった背景、議論の背景や話合いの結果も含めて公開した上で議論をするということを是非約束していただきたい。
#156
○国務大臣(高木義明君) 今御議論あっておることも議論の一つでございます。
 なお、これらを踏まえて、最終的には私が判断をしたいと思います。
#157
○義家弘介君 いいですか。この判断基準が出されて、そして今その判断をどうするかといって与党の政調の中でおおむね了解されて、もうこれから待つのは大臣の決定だけじゃないですか、次に待つのは。
 だから、その決定出す前に、しっかりと今までの議論はどうだったのかということも含めて委員会の場で明らかにし、これは与党とか野党とか、右とか左とかイデオロギーとか関係なしに、それぞれがそれぞれの思いや憂慮点、これはしっかりと開示した上で判断進めていく。これ私変なことを言っているつもりないんですけれども、どうしてこんなかみ合わないんでしょうね。そのプロセスを経なかったら、これ大変な判断になりますよというふうに言っているわけです。どうですか。
#158
○国務大臣(高木義明君) おおむね決まったと言われますけれども、決まったわけではありません。
#159
○義家弘介君 ならば、何のためにこういう委員会ってあるんですかね。これあいまいな答弁だけを延々と繰り返して、はい、じゃ時間が来たのでそれで終わります。こんなの国民の期待にこたえるということになりませんよ。
 いいですか。この法律は国会において通ったわけです、民主党の賛成多数で。三月三十一日に成立して四月の一日から始まるなんという、非常に乱暴な手続の中で通ったわけですよ。本来、一年間掛けて、この問題だってもうそのときに潜んでいたわけですから、しっかりとどういう問題が起こってくるかということも我々再三指摘し続けましたけれども、それは無視して、まあマニフェストで約束したからということで参院選の前にやりたかったんでしょう。それで通しちゃったわけですよね。
 しかし、民主的プロセスの中で通ってしまったことについては通ってしまったこととして受け止めなければなりませんが、その対象に朝鮮高校が入るか入らないか、これはきちんとこの国会の中で議論した上で判断してもらわねば困るというふうに言っているわけで、それも意見の一つとしてじゃなくて、それは委員会の責任として、これはそうしていただかなければ困るという思いで何度も言っているわけですが、現時点では言えない、それも意見の一つです。これでは余りにも国民に対して私、無責任だと思いますよ、大臣。いかがですか。
#160
○国務大臣(高木義明君) 事の性格上、慎重を期すことは無責任と私は考えておりません。あくまでも本日の議論も踏まえて私は判断をしたいと思っております。
#161
○義家弘介君 民主党さんが主張してきた密室政治の権化がこの部分に出ているなというふうに感じてなりませんが、ならばちょっと視点を変えましょう。
 検討会議の判断基準では、三年ごとにフォローアップ、財務表は毎年文部科学省に提出するということを行って、その際は留意事項の実施状況についても確認を行うなんというふうになっていますね。この留意事項、一番、財務状況や教育課程を始めとする学校情報を積極的に提供すること、二番、教員の質の確保に引き続き取り組むこと、三番、就学支援金を授業料に確実に充当するとともに経理を透明化する、四、我が国の社会や国際社会の担い手として活躍できる人材の育成に努める等の四つの留意事項出ていますけれども、例えば一つの問題として、ここだってしっかり議論して答え出さなきゃいけないわけですけれども、どのようにこれを朝鮮学校に対して確認するのかということなんですね。
 これまでのずっとしてきた審議の中でも、現行制度上は文部科学省ではその内容について正確に確認することはできないと答弁してきたわけですよ。できないんですよね、現行制度上、これら一つのことを確認すべしといったって。具体的に、じゃ、どうやって確認するのかと言ったら、できないと皆さんは答弁し続けてきたわけですよ。できないのに対象に入るなんといったら、これは初めからないという形になるわけですけれども、これいかがですか、大臣。
#162
○副大臣(鈴木寛君) これまでは、学校教育法上、各種学校である朝鮮学校の所管は都道府県知事になっておりますので、私ども文部科学省が直接にコンタクトすることはできません。
 しかしながら、新たな基準を作り、そして支援金の対象にするか否かについて判断するその根拠規定を作りましたならば、そこで初めて文部科学省に権限が生じることになります。その上で、その新たにできる基準に基づいてオフィシャル、正式に関係が構築されて、そしてその基準に基づいて個別の指定手続に入ると、こういうふうなプロセスになろうかというふうに思われます。
#163
○義家弘介君 ということは信頼する関係が構築されない限り朝鮮高校がこの無償化の対象になることはないということですね。
#164
○副大臣(鈴木寛君) 信頼する関係ではございません。法律を根拠とした明確な権限が文部科学省に付与されるということでございます。その法律というのは、今回の就学支援金給付に基づく諸規定と、こういうものが権限を文部科学省に、その法目的とそれを実現するための手続及びそのための基準ということについての今ルール作り、省令等作りを行っておりまして、それができた場合には文部科学省は正式な権限を有すると、こういう法的な状況に入ります。
#165
○義家弘介君 確認ですが、それは省令ですか、それとも法として新たに考えているか、それとも省令として考えているんですか。
#166
○副大臣(鈴木寛君) 省令等といいますのは法律に授権された省令等でございます。
#167
○義家弘介君 ならば、その省令の議論は当然今後の国会の中でしっかりと行っていくべきでありましょう。つまり、その省令が作られる前段階の問題に対してもやはりこの委員会で、国会の場でしっかりとやっていかなきゃいけない。このところを同じふうにぐるぐるぐるぐる回っているわけです。是非ともこれは国民のためにもしっかりとしたプロセスを開示していただきたい、これは何度も何度も申し入れていきたいと思っております。
 さらに、中身について踏み込んでいきますが、個々の具体的な教育内容については基準としない、先ほど大臣は専門的議論も含めてと。教育において専門的議論をしていて教育の中身を問わないって、これ一体どんな専門家なのかと、私なんかはちょっと信じられないわけですけれども、本来、教育にとって最も重要なのは中身です。どんな中身を提供していくのか、どんな教育をするのかという中身が重要であって、箱や形じゃないんですよ。その中身をどうしていくかというのは教育において非常に重要なこと。つまり、この判断基準から考えて、教育における最も重要な点を判断基準から除外する、これ教育行政の矛盾だと大臣お考えになりませんか。
#168
○国務大臣(高木義明君) 検討会議の報告につきましては、教育課程及び教育水準などの教育内容については、中学校卒業程度を基礎として、高等学校の教育に類する教育を施すにふさわしい授業科目の開設を求めることが適当との指摘がなされております。
#169
○義家弘介君 そういう形骸的なものじゃなくて、教育の内容については問わない。つまり、どんな教育をしていても国費から支援金を出すという理解でよろしいんですか。
#170
○国務大臣(高木義明君) そのことも含めて私として慎重に判断をさせていただくと。
#171
○義家弘介君 本当に恐ろしい答弁ですよ。これずっとやっているんですよ、この議論。そして、慎重に判断、慎重に判断って、もう法律は始まっちゃっているんですよ。そして今、十月の終わりですよ。これで、その件も含めて慎重に判断します。ということは全く進んでないということじゃないですか。一方で、手続だけはどんどんどんどん進んでいる。基準が出され、与党の部門会議では話し合われ、そしてこれから私が出すと。でも今の段階では何も言えない。これは、やはり大臣、余りにも無責任だと思いますよ。
 九月七日、この参院の文教科学委員会で私が質問したとき、川端大臣、検討会議は朝鮮学校についてカリキュラムや教科書も資料として入手したというふうに答弁もしていますが、カリキュラムや資料を具体的に入手して議論した結果が教育内容を問わないという判断につながったということで高木大臣もよろしいでしょうか。
#172
○国務大臣(高木義明君) 川端大臣の御意見と一緒でございます。
#173
○義家弘介君 だからこそ、これ多分、それはやっぱりおかしいと思うのは私だけではないはずです。是非、それを国民にしっかり分かる形で早急に出していただきたい。そして、本当は柳田拉致担当大臣の見解等も聞きたいわけですけれども、例えば、拉致担当部局はいらっしゃっていますね。
 外形的、形式的に判断基準を満たすことのみをもって朝鮮学校を無償化するということが妥当な結論たり得るかどうか、どうお感じになっているか、是非お答えください。
#174
○副大臣(東祥三君) まず、答弁させていただく前に義家議員に一言申し上げたいと。
 平成十九年に国会議員になられ、そして今までの個人的な経験、体験を踏まえた上で教育問題に瞠目すべき御尽力されていることに心から敬意を表します。是非頑張っていただきたい。初めてお会いさせていただきますので、その上で答弁させていただきたいというふうに思っています。
 拉致問題担当として、また一政治家としても思っているわけでありますが、先日、飯塚代表を始めとする拉致被害者御家族等とお会いした際に、高校無償化に関して様々な御意見を伺いました。その際、教科書の記述に関する御懸念もありました。ただし、誤解していただきたくないことは、その趣旨は、誤った教育の中で子供が育っていくことへの御懸念であり、朝鮮学校の子供たちを差別しようとするような意図からではない、この点については是非御理解しておいていただきたいというふうに思います。
 私も朝鮮学校の教科書について読まさせていただき、その記述に問題があるのではないかとの懸念を持っております。昨日開催されました民主党の文部科学・内閣合同部門会議においては、文部科学省の専門家会議が示した基準についておおむね了とするとの結論が出されたものの、朝鮮学校で用いられている教科書の記述や経理の透明性等についての強い懸念も示されたと聞いております。
 今後、政府といたしまして、民主党としての意見が示された段階で、必要ならば拉致問題担当大臣から文部科学大臣に意見を言ってもらいたいと私は考えております。
 いずれにいたしましても、最終的には文部科学大臣が適切に判断するものと、先ほど来、文部大臣言われているわけでありますから、適切に判断してくださると、このように思っております。
 以上です。
#175
○義家弘介君 引き続き、東副大臣にお尋ねしたいと思いますが、この問題について高木文部科学大臣と部局がきちっと向き合って議論を今までしてきたのかどうか、それから、これからしていく予定があるのならば、どのぐらいのタイムスケジュールで行うつもりがあるのか、そして、その話合いは判断基準を文部科学省が決定する前にしっかりと行えるのかどうなのか、その辺について教えてください。
#176
○副大臣(東祥三君) いや、物事の道理というのは、よく存じ上げている方が話せばいいだとかそういうことじゃないはずです。私たちは拉致問題担当として、まずこの問題についてどういうふうにとらえるのか、そしてその上で我々としてどういう意見なのか、そういうことをしかるべき人々とお話をしていくわけです。
 だから、先ほど来申し上げさせていただいているとおり、政府にちゃんとした見解が示され、そして、その上で必要とあらば、先ほど来申し上げさせていただいているとおり、拉致問題担当大臣から文部大臣にちゃんとした意見を申し述べると。しかし、最終的な決断は文部大臣がされるということになっているわけですから、皆さん方の御意見も含めた上で、我々の意見も踏まえた上で、そして判断をされる、それがルールなんじゃないでしょうか。
#177
○義家弘介君 内閣府の拉致担当としては、この高校無償化の中に朝鮮高校を含めるか否かという議論は、現在、新しい組閣が行われましたが、具体的にされているんでしょうか。
#178
○副大臣(東祥三君) もちろん、今僕がお話ししたことを聞いてくださっているのかどうか分かりませんが、この問題も一つの問題であり、拉致被害者の皆さん方から強い懸念も示されているわけです。それに基づいて当然、先ほど申し上げさせていただいたとおり、記述に問題があると、このように僕はとらえておりますし、大臣もそのようにとらえております。
#179
○義家弘介君 是非、その思いや意見、そして記述の内容についてしっかりと文部科学省と向き合っていただきたいと心から思っております。
 続きまして、関連して笠文部科学政務官にお尋ねいたします。
 笠政務官、国会では北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会に所属するなど、この拉致問題には非常に長くかかわってきた笠政務官に是非ともお聞きしたいわけですが、率直に、現時点での議論の中で、笠政務官は一人の政治家としてこれからどう進めていくべきであると考えているのか、是非お聞かせください。
#180
○大臣政務官(笠浩史君) 私は九月の二十一日に文部科学大臣政務官を拝命しましたけれども、一人の政治家として、やはりこの問題について、先ほど申し上げた座長という立場で取りまとめに当たってきた、また北朝鮮の拉致問題についてまさに党派を超えてこの問題に向き合ってきた立場として、やはりそういう今懸念をされているような一つ一つの今いただいているような国会での御意見、あるいは党内でもこれからまとめられる、正式に決まってくる懸念をされる点、例えば教科書というか、これは教材なんでしょうけれども、私も拝見をいたしました。拉致問題に対する記述について、例えば、日本当局は拉致問題を極大化し、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることによって、日本社会には極端な民族排他主義的な雰囲気がつくり出されていったというような記述については、私は政治家としてこれはおかしいというふうに思っております。
 そうしたことも含めて、しっかりこれからまた大臣と一緒にこうした声にもどういうふうな形で我々がこたえていくことができるのか、これは慎重に検討していかなければならないというふうに思っております。
#181
○義家弘介君 その上で、じゃ具体的に質問いたします。
 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会というところの機関誌「光射せ」の第五号の中には、同会が入手した朝鮮総連の昨年十一月の内部文書が掲載されております。そこにはこう書かれている。
 民主党を始め、与野党の有力人士と国会議員との人脈を再構築することに主力を置きながら、彼らを親朝勢力に組み込むこと、高等学校授業料無償化の施策が在日同胞たちにも必ず適用されるようにその上で運動していけ、衆参文部科学委員会所属の委員と日教組出身の国会議員を対象化(二十名以上)して、十月に集中的に要請運動を遂行する、高校無償化の施策適用のいかんを把握することに基づいて、十一月に文部科学省と与党の国会議員に対する要請運動を展開する、各地方につくられた朝鮮学校を支援する会のメンバーがかかわりある国会議員たちや日教組の幹部たちとの活動を十一月までにうまくやるようにするなどの活動計画が記載されています。
 だからこそ私はこの時期にしっかりとオープンにしていただきたいと再三申し上げている中の理由の一つでもありますが、笠政務官、最近まで衆議院の文部科学委員会の理事でもあられました。まさにこの工作をしていく、あるいはこちらに取り込んでいくということをされている一番中心的な人の中の一人にこの文面から見れば思うわけですが、朝鮮総連関係者から高校授業料無償化に対しての働きかけを受けたことがあるかないか、是非お聞かせください。
#182
○大臣政務官(笠浩史君) 私は、直接的にはございません。というのは、例えば何かファクス等々で事務所に送られてきた、要請が何か送られてきているのかとか、そういうところまではちょっと私も調べておりませんけれども、私自身がそういう要請を直接受けたことは一切ございません。
#183
○義家弘介君 さて、文部科学大臣、今の北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会のこの要請のマニュアル、これ大臣のところには要請というのは、大臣になる前も後も含めて、来られましたか。
#184
○国務大臣(高木義明君) 一切関知しておりません。
#185
○義家弘介君 しかし、これ非常に具体的なんですね。衆参の文部科学委員会所属の委員と日教組出身の国会議員を対象化、二十名以上を対象として十月に集中的に要請運動を進めていく等々の記述があるわけです。先ほど、静ひつな環境で云々かんぬんという話がありましたけれども、一方で、こういうような働きかけが具体的に行われている旨がそのまま示されているわけです。
 だからこそ、この問題を一部のそういうつながりのある人々が判断したり判断しなかったりではなくて、国民的議論の下できちんとした判断を下す。今、中立的には、私は絶対に反対なんですから、反対なんです。でも、反対、賛成、いろんな意見を具体的に明らかにした上でしていかないと、こういう問題がそのまま表に出ることもないまま、何となく決まりましたと。しかし、決まった後に表に出てみたら、これ日教組の国会議員を対象に二十名以上組織されて、これやったのは日教組かとか、様々なこういう問題出てくるわけです。
 じゃ、私、つい最近まで委員長の下で私が理事をしていましたけれども、私のところには当然来ませんでしたけれども、じゃ、だれのところに来たのか。来たとしたらどのような内容だったのか等々も含めて、単純にこれ国民に流れたら、やっぱり、えっ、て疑心暗鬼になるような問題なんですね。こういうことが周りの、密室議論をしている周辺で様々起こっているからこそしっかりと出していただきたいと思っています。
 そして、先ほど、政府の方針というものが云々と言いましたけれども、我々はこの朝鮮高校に対しては政府の方針は出ていると実は考えていて、先回の閉会中審査のときにもそれを言わせていただきましたが、公安調査庁の見解が政府の見解である。つまり、公安調査庁は政府の一つの部局ですけれども、そこがきちっとこの朝鮮高校に対しては見解を出しているはずであると私は思っています。
 これまで、文部科学省は朝鮮学校の教育内容の実態などを確認する制度的手段がないとずっと答弁してきましたが、政府に朝鮮学校の実態についての資料がないわけではないわけですね。実はあったわけです。それが、公安調査庁が「内外情勢の回顧と展望」、平成二十二年一月に、朝鮮人学校の思想教育について記述している。
 そして、公安調査庁に改めて聞きたいですが、朝鮮総連の役割は何なのか、朝鮮人学校とどんな影響、つながりがあるかについて、公安調査庁、是非もう一度、この内外の情勢の回顧と展望も含めて答弁願いたいと思います。
#186
○政府参考人(寺脇一峰君) お答え申し上げます。
 朝鮮総連の我が国における役割でございますけれども、総連は、同胞の権益擁護と北朝鮮の富強発展に貢献することを目的とし、北朝鮮に対する支援活動や我が国に対する働きかけ及び在日朝鮮人の権利擁護など、様々な活動を行っているものと承知しております。
 また、朝鮮人学校との関係でございますが、朝鮮総連は、朝鮮人学校の管理運営につきまして、朝鮮総連の指導の下に進められていると説明しているなど、総連の影響は朝鮮人学校の教育内容、人事、財政に及んでいるものと承知しております。
 以上でございます。
#187
○義家弘介君 大臣、今の朝鮮学校の把握、今まで文部科学省は朝鮮学校の実態についての、確認する制度的な手段がないと答弁し続けてきましたが、つまり政府の正式な機関である公安調査庁の見解が元々政府の朝鮮学校に対する公式見解であったはずだと考えますが、高木文部科学大臣、いかがでしょうか。
#188
○国務大臣(高木義明君) そのような指摘があることは今も述べられたとおりでございます。
 私たちとしては今結論を出しておるわけではございませんので、この席では私の口からはどうのこうのと言うことは適切ではないと、このように思っております。
 仮に、仮にですよ、仮に支給されて、なったとしても、就学支援金というのはもう受給者である生徒個人に対して支給するものでありまして、北朝鮮政府の対応と生徒の支援は別の観点から考えられるもの、べきであると思っております。
 なお、就学支援金に関して指定された学校については、法律の規定に従って就学支援金を確実に生徒の授業料に充てるとともに、経理の透明化を図ることを求めるのはこれは当然なことでございます。
#189
○義家弘介君 最後には、これは生徒に出すもので学校に出すものではないという形にすり替えられていくわけですが。
 手元に実は北朝鮮の労働新聞がありますが、この中で一体どんな内容がこの就学支援金等について書かれているかということ、これも恐らく東副大臣は多分目を通していることと思いますけれども、これ、完全に一体であって、子供たちは自分たちの活動の一つのファクターでしかないというような形。
 これを翻訳してもらいましたが、一部読みますけれども、金正日将軍様にあられましては、つとに総連の民族教育事業は愛国偉業の頼もしい継承者たちを育てる重要な産業であり、在日朝鮮人運動の生命線だと懇切に教えになられたと。そして、例えば総連埼玉県本部と埼玉朝鮮初中級学校では、本部委員長と校長らが陣頭に立って粘り強く密着し、学生引き入れで大きな前進を成し遂げてきた。この学生引き入れというのは何かと専門家に問い合わせたところ、朝鮮学校の関係者が同胞の家庭を訪問して、うちの学校にとにかく入りなさいと、入りなさいという形で引き入れる事業を行っていくと。子弟たちと後輩を立派な民族の息子、娘に育ててくれる我らの学校のため物心両面の支援を惜しまない、だからこの就学支援金運動は何としてでも対象になるように活動していかなければならない旨の記事。
 あるいは、これは九月の二十八日の記事、労働新聞では、今日本の各地では総連の民族教育に対する日本の反動たちの差別的不当性を明らかにする街頭活動と日本当局を対象とする抗議闘争が引き続き繰り広げられている、だからこそ朝鮮学校の関係者たちと子供たちが立ち上がって云々みたいな形で、まさに総連と子供たちとかかわる先生方とが一体になった民族運動をしていると一方で北朝鮮では報道しているわけですよ。
 でも日本は、いやいや、もちろん私自身もその子供たちに罪などないと思っていますよ。しかし、その子供たちに本当に大切なことを、あるいは環境を保障してあげるというならば、様々なありようがある。ここの記事だけでいったら、とにかく朝鮮学校へ入学する、別の学校に行っていても朝鮮学校に入学させるというような動きもある中でこの無償化の問題が話し合われている。ここまであらゆることを考えた上で判断を出していかなければならない非常に重いもので、日本人というのは非常に道義を重んじる優しい民族であると思いますよ。しかし、一方で、それが世界の常識かといったら、いろんなしたたかさも、歴史的背景も違いますから様々な問題が出てくるわけですね。
 こういうところもしっかりとこういう場所で議論した上で判断基準を出していただかないと、単純に、ただ子供たち、この子供たちをしっかりと育てていくというだけの議論になっていかない。例えば、彼らに善かれと思って朝鮮学校に一人当たり十一万八千八百円を支給した。しかし、その十一万八千八百円が本当に彼らの環境に対して今までより大きなプラスになるか、なっているかどうかということを本当に根拠を持って保証することってやはり現段階ではできないと思うわけです。だからこそ、じゃ彼らに、どういう子供たちに支援の方法があるのかということをみんなで知恵を出し合って考えていくために、国会であったりこういう委員会であったりというものがあるような私は気がします。
 この朝鮮労働新聞なんかの記述を見て、高木大臣、どのような感想をお持ちか、率直にお聞きしたいと思います。
#190
○国務大臣(高木義明君) お話しの件については関知をしておりません。委員はこれまでも度々国会でもこの件について大変熱心に御議論をされておりました。その議事録も見せていただいておりますし、今日また改めていろんな分野からの御意見がございました。私としては、そういう意見も十分踏まえて決定をさせていただきたいと思っております。
#191
○義家弘介君 だからこそ、決定をする前にこういうところで、プロセスも含めてしっかりとした議論をした上で判断していただきたいというのを、私一時間以上ずっと同じことを繰り返してきているわけです。
 もちろん、例えば一人の人間がその問題に問題意識を持って調べられる範囲というのは少ないのかもしれません。でも、それぞれがそれぞれに役割にのっとって、こういう問題もあるんじゃないのか、こういう問題もあるんじゃないか、こういういいことができるんじゃないのか、あんないいこともできるんじゃないのかといって議論した上で、じゃ本当にいい方法をみんなで決めていきましょうと進めていくのが私は民主国家であると思いますし、そして例えばこの文教科学委員会の、良識の府の中に設置されている文教科学委員会の役割である。
 まさに政局にせずに、しっかりとプロセスも正直に明らかにした上で、良識あるみんなが様々な情報を持ち寄りながら議論して、そして国民の皆さんに示していくということの手続を、やはり私は今からでも遅くないと思うんです。今からでも遅くないので、しっかりとそういう国民に見える形でこの議論というものをしていっていただきたいと。これは要求もありますけれども、本当に切なるお願いでもあるんです。
 国民はこの問題に対しては非常に疑心暗鬼になっています。さあ本当にどうなっちゃうの、また密室で決まったまま、そのまま流れちゃうのかと、我々の意見はどうなんだ、様々な疑心暗鬼が今巻き起こっているから、ここできちんと議論していただきたい。本当に義家はしつこいやろうだなと思うかもしれませんが、これは私の意地ではなくて、本当に国民が一番知りたいことなわけです。
 是非こういう、この委員会できちんとした、なぜその判断基準が出されて、そしてこれからどういうプロセスの中でどういうことも考慮に入れながら進めていくのか、改めて、高木大臣、答弁願いたいと思います。
#192
○国務大臣(高木義明君) 委員の御意見をしっかりお聞きいたしました。これからそういうものを含めて検討をしてまいりたいと思います。
#193
○義家弘介君 是非よろしくお願いします。
 そして、これは拉致担当の内閣府ともしっかりと連携しなければならない問題ですし、そしていろんな意見もしっかりと吸収した上で、一部の専門家に丸投げして密室みたいな形で決めるのではなくて、本当にしっかりとした英知を出し合って、国民が納得する判断ができるような議論をしていかなければならないと思っています。
 そして、私の持ち時間、あと七分間ですけれども、どうしてもこれは触れておかねばならないことなので、新たに大臣になられた高木大臣に指摘しておきたいところであります。
 現在、北海道五区で補欠選挙が行われていますが、この原因となった事件は何だったのか、教えてください。
#194
○国務大臣(高木義明君) 小林前衆議院議員が辞職したことによって補欠選挙だと認識しております。
#195
○義家弘介君 北教組、日教組系の北教組の組合が違法な選挙活動、そして出どころがいまだ説明責任を果たしていないお金がやみからやみに渡されて、その中で政治資金規正法違反で教組自体に捜査の手が入るという大問題をきっかけとして現在補選が行われているわけですけれども、我々自由民主党は度重なる現地調査をこれまでもしてまいりました。とにかく足を運んで実態を、事実を拾ってきた上でしっかりと対策を出していかなければならないという信念の下で何度も何度も現地調査行ってまいりました。たくさんの先生方にも会ってまいりました。校長先生、教頭先生、そして授業も見てきました。
 その中で、国会において、勤務時間中の組合ファクスの証拠資料だとか、あるいは日の丸・君が代反対闘争のマニュアルだとか、新指導要領を乗り越えるために、新指導要領と対峙するために、まさに文科省が定めた指導要領の中身はやりませんと、我々はこういう教育をやりますという偏向教育の中身について、あるいは強制カンパの実態や、ポスティングや選挙活動に半ば公然と駆り出される教員の実態、組合の意向に従わない場合の冷遇等々、様々な聞き取り調査を行い、国会の場で明らかにしてまいりました。
 結果として、北海道教育委員会及び札幌市の教育委員会で、すべての教職員を対象に勤務時間中の組合活動や政治活動に対する実態調査を実施するという前例のない大規模な調査が行われました。この結果は、八月に結果が公表されまして、改めて勤務時間中の組合活動、政治カンパ、教員による違法な選挙活動の実態が明らかになったところであります。
 しかし、一方で、北教組の組織的な非協力で、無回答者も、勤務時間中の組合活動では一三%が無回答、政治行為では一七%が答えられません、無回答という形で、まさに氷山の一角であると。だからこそ、教育を正常な状態にするために具体的な方策を立てて、しっかりと今改革を進めようとしている道教委をバックアップしていく体制を取っていかなければならないだろうと我々は思っていますけれども。
 しかしながら、政治主導と標榜し民主党の議員であった議員が、教組丸抱えの違法選挙ですね、違法な選挙を戦って、辞職したにもかかわらず、政治主導といいながら、果たして、じゃ、文部科学大臣及び政務官、副大臣はこの北海道の現地調査に赴き実態をしっかりと聞き取りを行ってきたのかというと、私たち甚だ疑問なんですが、これまでそういう現地に直接赴きながら聞き取り調査、教育委員会等に行った事実があるかどうかお聞かせください。
 特に、ずっと内閣にいたのは鈴木文部科学副大臣だと思いますので、鈴木副大臣、今までの流れの中で現地の聞き取り調査等行った事実があるかどうか、お答えください。
#196
○副大臣(鈴木寛君) 私どもは、北海道教育委員会、札幌市教育委員会から適宜報告は受けておりますけれども、私ども文部科学省が現地に行って正式な調査を行ったということはございません。事実としてはまだございません。
#197
○義家弘介君 文部科学省が正式な調査を行う、これは権限、法律の問題もあるので、できることとできないことあるわけですけれども、しかし一方で、現地に政治主導というなら赴いて報告してください。ああそうですかではなくて、あるいは指導します、やってくださいではなくて、しっかりと現地に赴いて実態がどうなっているのかということをせめてしっかりと把握するのが私は政治主導の責任であろうと思いますが。
 ある意味で今氷山の一角が出てきた。しかし、正直に答えた先生を処分して、答えなかった先生は処分しないなんということをやっていいわけがないわけですね。つまり、じゃ、どう正常化させていくのか。それが現在、道教委が抱えている最も重要なテーマであろうと考えていますが、どのような体制でバックアップしようと考えているのか。
 率直に言えば、バックアップをせずに、具体的な方法論さえ示せずに、最終的には、閉会中審査で私が質問したときに答弁があった。国庫から三分の一負担している、しかし勤務時間中に組合活動をしている、これはおかしいではないかということで会計検査院が会計検査に入るという、これから入るという状況になった。これは私は文部科学省の責任という意味では非常に大きいものである。
 だからこそ、じゃ、これからどうしていくのか、是非、高木大臣、お聞かせ願いたいと思います。
#198
○副大臣(鈴木寛君) 私どもがバックアップをさせておりますのでこの度のような調査が行えたんだと、先ほども御指摘をいただいたとおりでございます。
 しかしながら、これも委員から御指摘をいただきましたように、無回答というものが多かったと。これは、調査の公平性を確保するという観点から更に両教育委員会が可能な限り事実関係を明らかにしていかなければならないというふうに私どもとらまえておりまして、そのことを北海道教育委員会と札幌市教育委員会にお伝えをし、そして更なる実態調査、事実関係の把握に努めていただきたいということを引き続き私どもとしてもお願いをし、そのことを支えていくという今現状であります。
 そして、両委員会、北海道教育委員会と札幌市教育委員会において、その方向で今も大変な御努力をしていただいているというふうに理解をいたしております。
#199
○義家弘介君 事実関係の把握は我々がやったんですよ。我々が現地に足を運んで、一つ一つ物事を出して、初めてその事後として動き出してきた。それは、まさに民主党最大の支持母体である日教組、これがいるからこそ子供たちがそういうものの渦中にいるにもかかわらず具体的な対策を出してこれなかったというところをしっかりと自覚していただきたい。
 これは北海道だけの問題ではなく、私がこの委員会でこの数年間で指摘してきただけで、大分の偏向教育の問題、それから兵庫の偏向教育あるいは西宮教組の教頭人事の介入の問題、あるいはストライキ画策の問題、あるいは山梨の今も続いている選挙活動の問題、三重県の偏向教育の問題、横浜市の委員会で採択された教科書を別の教科書で教えましょうと言っている今の教科書の問題、さらには広島県の問題、埼玉県で起こっている日の丸・君が代闘争のマニュアルの問題、様々なことを一つ一つ指摘してきた。
 それに対して、大きな事件になったらピンポイントで対策というのではなくて、やはりこの日教組問題に対して明確な、つまり教育行政として、ならぬものはならぬという明確な線を引かなければ、本当に子供たちのことを考えているとは私は言えないと思っています。
 例えば、これは神奈川県の高校の教職員たちが作った資料ですが、この高校の教職員たちの作った資料の竹島の記述は独島になっているわけですよ。つまり、北海道だけの話じゃないわけですね。
 こういうおかしな偏向教育の犠牲に子供たちをするわけにはいかない、その思いでこれからもしっかりと指摘してまいりますので、私の質問は以上で終わらせていただきます。
#200
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。この委員会、私初めてでございまして、いろいろと的外れなこともあるかもしれませんが、頑張りたいと思います。
 まず初めに、私は今日は高校生の卒業クライシスの問題についてお聞きしたいと思っております。
 今の日本におきましては、義務教育だけで就業することがより困難になっている。そういう意味では、高校生が家計の困窮により修学を断念せざるを得ないということは大変な大きな問題であるというふうに私自身は思っております。
 しかも、以前とは異なりまして、現在では高校中退となりますと正規労働に就くことが非常に難しく、貧困の連鎖につながりやすいという問題があります。労働政策研究・研修機構の調査によりますと、東京に暮らしておられる男性の中卒、高校中退の正社員比率という数字が出ておりますけれども、二〇〇一年時にはその数値が六七%でありましたが、二〇〇六年時には三六%へと半減している。女性も同様の傾向がございまして、高校中退者の正社員への道というのは近年一段と狭くなっていると言わざるを得ないわけであります。
 また、国連におきましては、児童の権利委員会の第三回目の最終見解、総括所見、六月に公表になりましたけれども、新たに我が国における子供の貧困ということにつきまして焦点が当てられております。
 こうした背景を基に、平成二十一年度補正予算では、経済的理由にかかわらず高校生が学業を継続できるよう授業料減免補助、私立について、また奨学金事業を行う都道府県に対しまして新たな交付金による緊急支援のための高校生修学支援基金という基金ができました。今年度よりこの基金には入学料減免補助事業も追加をされているということであります。
 しかし、今日皆様にもお手元にお配りさせていただきましたが、この基金がどのように使われているのかということにつきましては、県によってかなりばらつきがあるという現状であります。
 多いところでは六割とか七割とか行っているところもある一方で、少ないところでは数%と。いろんな事情がありますので一概にこれを見て云々はできないかもしれませんが、現状はこうなっているということでもございます。
 昨年に比べ、あるいは一昨年に比べまして困っている生徒が減っているというふうには思えない、こういう状況におきまして、この交付金によって造成されました基金が余り使われていないという現状も、もちろん三か年ありますので、これからといえばこれからですけれども、現状としてはそのような状況、また県によってばらつきがあるという現状につきまして、大臣としてはどのように認識されているのか、またお聞きしたいと思います。
#201
○国務大臣(高木義明君) 西田委員にお答えをいたします。
 高校生修学支援基金については、厳しい経済環境の下で、高校奨学金事業や私立高校生に対する授業料の減免補助について、平成二十一年から二十三年度までの三か年の緊急支援を行うため、平成二十一年補正予算によって各都道府県に設置されたものであります。本基金は、授業料減免補助制度の拡充、授業料と同等とみなせる施設整備費等の減免補助にも活用できるものとなっております。さらに、平成二十二年度からは入学料減免補助も対象に加えたところでございます。
 御指摘のように、各都道府県における本基金の平成二十一年度取崩し額は五十億円にとどまっています。今後とも、私どもは、各都道府県において本基金が活用され、私立高校への経済的支援が充実されますように取組を進めてまいりたいと、このように思っております。
#202
○西田実仁君 この基金の取崩しが進んでいない理由というのは各県によっていろいろだと思いますが、例えば、私の地元は埼玉県であります。埼玉では、授業料減免補助に対しまして、なぜ基金が余り取崩しが進んでいないのかといいますと、元々県の単費で一生懸命やっていたということもありますが、同時にその補助単価に上限があるということを挙げておられます。既に埼玉県では年収五百万円以下の世帯に年間二十七万円の補助を実施しておりまして、生活保護や家計急変、非課税世帯等以外については、補助単価が全国標準の十三・六万円と、ここまでしか基金が取り崩せないと。こうした補助単価の上限を取り払ってもらえばもっと基金を使うことができると、こういう意見があります。一方、私学助成の対象が生活保護だけに限定をされているような県におきましてもこの基金の活用は進んでいないという現状があるわけです。
 なぜにかくも都道府県で大きなばらつきがあるのかと。現場からは、都道府県が支援制度を拡充した場合に二分の一を、都道府県の負担になってしまうと、基金がそのために使われないと、こんな声も上がっているわけであります。
 いずれにいたしましても、今大臣がおっしゃっていただいたように、この基金、なぜできたのかという背景があるし、その背景はより厳しくなっているというのが私自身の認識で、恐らくこれは変わらないと思います。
 そういう意味で、この基金を取り崩して高校生の修学支援に活用しているところと余りそうでないところのこの落差の原因についてきちんと文部科学省としても調べるべきではないか、また、どうしたらこの基金が活用されていくのかということについてもっと緊急に検討していかなければならないのではないか、このように思いますけれども、そうした調査をするおつもり、あるいはその基金を使うためのインセンティブをどう付けていくのかという検討、これをするお考えはありますでしょうか。
#203
○国務大臣(高木義明君) 御指摘のように、都道府県によって本基金の取崩し額の状況に大きな差があることが事実でございます。本基金の対象事業となっている奨学金及び授業料減免補助等は、各都道府県が地域の実情に応じて取り組んでおるところでありまして、対象人員が増えた都道府県、あるいは制度拡充によって所要額が増えた府県など、様々な要因によって取崩し額が多様な状況になっております。
 御指摘のとおり、今後、私たちは、まず都道府県においても本基金が活用されることが重要と考えておりまして、今の今年度の状況についてもしっかり把握をするように努めてまいりたいと思います。
#204
○西田実仁君 是非その把握をしていただいて、どうしたらこの基金が使われていくのかと。やはり都道府県の意見もよく聞いた上で、変えるべきところはしっかり変えていただきたいというふうに思います。
 同時に、今日は厚生労働副大臣の藤村副大臣にもお見えいただきました。ありがとうございます。
 私は、次に、生活福祉資金、教育支援資金につきましてお聞きしたいと思います。
 まず、この四月から授業料の実質無料化というのが始まりましたけれども、入学金や制服代、体操服代や教材費等の学校納付金、これは自己負担でありますが、これが払えない生徒が増えているということが聞こえてまいります。四月から授業料は無料化になったんですけれども、学校納付金を払えない生徒が増えていると、こういう現状につきまして高木大臣はどのように掌握されておられますでしょうか。
#205
○国務大臣(高木義明君) 学校納付金の滞納の実態については把握をしておりませんが、公立高校の授業料の無償化及び私立高等学校の就学支援金制度の下において、授業料以外に、この制度があったほかに保護者の教育費の負担というのは増えておると、このように承知をしております。
 来年度の概算要求においては、新たにこのような実情にかんがみて低所得世帯の高校生に対する給付型の奨学金事業として九十二億円を要望しておるところでありまして、議員御指摘のとおり、親の経済状況にかかわらず、高校生が安心して学校に行ける環境を更に努めてまいりたいと思っております。
#206
○西田実仁君 この給付型の奨学金というのは概算に入っておられるということで、額としては九十二億円、一人当たりではたしか一万数千円だったと思いますが、教材費等のカバーできるものであるというふうに把握しておりますが。給付型奨学金は我々も随分前から主張させていただいておったことでもございますが、この額がそれで足りるのかどうかということはまたいろんな議論があると思いますが。
 高校の現場で、今申し上げた学費の滞納、授業料のみならず学校納付金も含めてでありますけれども、これを理由に卒業式に出られないとか、あるいは就職の推薦も得られないという、こういう問題がいわゆるクライシス問題と言われる問題でありますが、これもう既にいろんなところで指摘もされておりますけれども、こうした実態について、高校現場でそういうことがどのぐらい起きているのか、あるいは起きていないのかという実態については、文部科学省としては把握をされておられるんでしょうか、あるいは今後把握をするおつもりがおありになるんでしょうか。
#207
○副大臣(鈴木寛君) 今御指摘のありました一つ一つの状況について十分に把握はできておりませんし、なかなか把握も難しいたぐいの事柄だというふうに思っておりますが。
 平成二十一年の四月に文部科学省が私立高校を対象に行った調査で申し上げますと、約七二%、九百五十三校に相当しますが、の学校が、何らかのそうした状況を踏まえて経済的支援策を実施をしている。検討もしなければいけない、それは問題意識を持っているということだと思いますが、そういうところで申し上げると、八三%がそのような問題意識の下に対応策といいますか、支援策を検討をしているというふうに把握をいたしております。それから、それに対しましては授業料の減免であるとか授業料の納付猶予だとか学校独自の奨学金給付などの取組が行われております。
 それから、今年の四月一日に、高等学校等の生徒や保護者に対する各種支援施策の十分な周知を行う際に、生徒と親、家庭の事情を十分把握した上で、各学校において更にきめ細かな柔軟な対応をいただくように要請はいたしておるところでございますが、今日の御議論も踏まえて更に検討してまいりたいと思います。
#208
○西田実仁君 なかなか実態といっても掌握は難しいとは思いますけれども、中には学校の内規とかで、こうした学費を納めなかった人はこう処置というか対処をしなきゃいけないというようなことを定めているようなところもあるやに聞いておりますので、そうしたことも含めて把握をお願いしたいと思います。
 私立高校を取り上げると、お金持ちが行くんだからいいんじゃないかみたいな議論が一部ありますけれども、実際には、それぞれの地域におきまして公立高校の入学定員が中学卒業生全員の枠がないわけでありますので、お金持ちだけが私立行くというわけではないという前提があります。
 そういうことから今質問させていただいたわけでありますけれども、こうしたことを背景に、厚生労働省では、今年の二月から三月にかけてのいわゆる卒業クライシス対応として、社会福祉協議会が貸し付ける生活福祉資金、教育支援資金、これを活用しまして高校の授業料が滞納したときに遡及して滞納額を貸し付ける一年限りの特例措置を講じておられます。これは大臣の判断だったと思いますが、この利用実態がどのようなものだったのか、またこの特例措置、どう現時点で評価をしているのかについてお聞きしたいと思います。
#209
○副大臣(藤村修君) 西田委員に厚生労働省の立場からお答え申し上げます。
 二月、三月の今年の卒業クライシスということで、私たちも何とかしないと、そんな思いでございました。高校生の授業料について、生活福祉資金貸付事業において、実はこの貸付けは過去の滞納分を貸し付けるというスキームはなかったんですが、本年二月、特例的に対象とするように運用を改め、いわゆる卒業クライシス問題に対応したところでございます。
 貸付状況につきましては、本年二月から三月にかけて新たに貸付対象とした滞納分全体では、件数は一千三十三件、金額二億五千五百七十六万円であり、うち高校三年生に係るものは件数三百五十一件、金額九千七百四十七万円でありました。なお高一、二年生に係るものがその残りですが、六百八十二件、一億五千八百二十九万円であります。これらによって生活困窮世帯の子供の卒業と修学を支援できたものと考えております。
#210
○西田実仁君 今お話は、私立高校で生活が困窮している御家庭についての中退率の減少に効果があった、こういう話であります。
 この教育支援資金の利用者につきましては、利用世帯の親が無職である場合が多いという報告もいただいておりますし、また持家比率も低いということもありまして、国の教育ローンの利用が難しい、成績につきましても五段階評価で三に届かない場合が多い場合はどうしても成績要件のある学生支援機構の利用もできない、こういうことで今回の特例措置ということが効果があったと評価がされているんだと思います。
 現時点で景気の状況も去年のこのクライシスのときに比べるとより一層厳しくなっているというのは大方一致しているところでもあろうかと思います。この一年限りとされました特例措置につきまして、今年度も同様の措置をおとりになる予定はあるのかどうか、あるいはそうした検討をなさるおつもりがあるのかどうかお聞きしたいと思います。
#211
○副大臣(藤村修君) 昨年度、つまり今年の二月、三月において、高校生が経済的な理由により卒業できないという事態に対して、子供の貧困問題への対応という観点からこの資金を貸付け、特例を組みました。
 今年度につきましては、一つは公立高等学校授業料無償化、あるいは国立、私立高等学校の授業料に充てる高校就学支援金の創設があります。それからもう一つは、昨年度、すなわちこの二月、三月、授業料を滞納している先ほど申しました高校一、二年生についても特例措置の対象として既に生活福祉資金の貸付けを実施したところであります。このことから、この二月、三月、すなわち昨年度のような問題は生じにくいとは考えております。
 ただし、この問題は生活困窮状態にある世帯の子供の問題であることから、教育行政、文科省と連携を図って、実情を踏まえつつ必要な対応を検討してまいりたいと存じます。
#212
○西田実仁君 こうした特例措置、そういった事情を見ながら是非判断いただきたいんですが、一方、経済的に困窮している高校生に対しまして、現在は義務教育のみを対象としております就学援助の拡充をすることによって、生活保護受給よりも緩やかな所得要件での高校版の就学援助というようなことも考えていいのではないかと、こう思うわけでありますけれども、文部科学省としてはこうした検討、お考えはどのようになっておられるのか、お聞きしたいと思います。
#213
○副大臣(鈴木寛君) 昨年度、公明党の御指導、御支援も得ながらこの就学支援金の制度をつくらせていただいた問題意識の背景には、今おっしゃったことがあるわけであります。
 私どもも、もう高校への進学率が限りなく一〇〇%に近いという状況の中で、今おっしゃった小中学生にございます就学援助という制度のいわゆる高校版、それをどう言うかというのは別問題としまして、同様の問題意識と必要性を痛感をいたしております。
 したがいまして、こうした授業料以外にも、昨年は授業料の手当てをいたしましたけれども、授業料以外にも保護者の教育費の負担が大きいということ、このことに対して支援をするために、来年度の概算要求におきまして低所得者世帯の高校生に対する給付型奨学金事業の創設を要望し、まずこれを実現をしてまいりたいというふうに思っております。今、九十二億円を計上させていただいている、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、これをまず実現をしていきたいと思っております。
 高校無償化法案の採決に当たりましても、奨学金の給付に係る制度の創設その他低所得者世帯の負担軽減を図る旨の附帯決議をなされておりまして、文部科学省としては高校生の皆さんが安心して学べる環境をつくるために最大限努力をしてまいりたいと、御支援をお願いを申し上げたいと思います。
#214
○西田実仁君 是非とも御検討の方をお願いしたいと思います。
 次に、大臣所信で示されました強い人材ということについてお聞きしたいと思っております。
 大臣は、強い人材は成長の原動力であると、こういうふうに位置付けられて所信表明なされました。そこでまず大臣にお聞きしたいと思いますが、日本のこれまでの学校教育におけます人材育成ということについて、この大臣がイメージされている強い人材という、その育成にかなうものだったでしょうか、あるいはそうではなかったでしょうか。
#215
○国務大臣(高木義明君) まさに強い人材を育成するというのが私どもの大きな目標の一つであります。グローバル化が進んでおりまして、資源の少ない我が国がこれから新たな価値を生み出すためには、まさにイノベーションに挑戦をしていくと、そういう意味で強い人材をつくるということは必要不可欠なことであろうかと思っております。
 これまでの学校教育は、国民全体の知識と能力の向上を図ることには成功したと私は認識をしておりますが、今後はいわゆる発想力あるいは創造力、こういったものが最大限伸ばされるような、そういう教育が重要と考えております。
 このため、例えば知、徳、体、まさに学力であり、あるいは人間性であり、そしてまた健康や体力である、こういったバランスの取れた生きる力をはぐくむためにも新しい学習指導要領の実施が重要になってくると思っております。また、情報通信技術の持つ可能性を教育の場でも活用しなきゃなりません。国際社会をリードする人材の育成のためには、大学や大学院の機能強化も必要となっております。新しい視点や柔軟な発想を持った若手研究人材の育成についてしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。
#216
○西田実仁君 この強い人材というイメージ、今大臣からお聞きしましたけれども、私自身がこの強い人材ということに感じますことは、そうした社会におけるリードしていく人たちをどう強くしていくのかという問題ももちろんありますけれども、全般的に日本のこれからということを考えたときには、菅総理は雇用、雇用、雇用と連呼されていましたけれども、その前にやはりしっかりとした強い人材を育てる教育をやって、そしてそこから新しい起業家が生まれ、そしてそこに新しい雇用ができていく、そのことによって経済が発展していくというのが世界における教育政策の位置付けではないかというふうに思うわけでありまして、そうしたことをお考えになっておられるんではないかというふうに思ってお聞きしたわけでありますが、一方で、この所信表明において大臣は、最近の日本人は内向きとの指摘があるという、この内向き志向ということについて触れられておられます。
 確かに、その一例として、アメリカで学ぶ留学生の出身国を見ますと、インド、中国、また韓国が増えているということはよく指摘されているところであります。日本は、一方で二〇〇〇年代に入りまして減り続けていると言われております。韓国につきましては、二十代の人口が二割も実は減っている、九〇年代半ばから。にもかかわらず、アメリカへの留学が増え続けているというのは大変衝撃的であると私は思っているわけであります。
 そしてまた、今若者の就職難ということが言われておりまして、第二の氷河期などとも言われておりますが、一部企業の新卒採用枠には、日本人に限定せずと、こういう流れも実際出てきております。就職を支援する会社の調査等によりますと、例えば全国主要企業一万社余り対象に、回答企業は九百社強でありますけれども、二〇一〇年度に外国人留学生を採用した企業は一二%ぐらいある。ところが、二〇一一年度採用見込みでは、その倍、二二%というふうに言われておりまして、つまり競争するのは日本人だけではないという事態にもうどんどんなっているということであります。
 そこで、今大臣も生きる力ということを言われました。九六年七月の中教審でこの生きる力ということが言われましたけれども、大臣が言われる強い人材には、生きる力がやはり備わっていなければとても強くはなれないというふうに思うわけでありますが、これまでの中教審でこの生きる力ということが言われてから約十年余りでありますけれども、日本における生きる力は大きくなっているのか、またあるいは低下してしまっているのか、どのようにお考えでしょうか。
#217
○国務大臣(高木義明君) 生きる力は、御指摘のとおり、平成十四年から実施された小中学校の現行の学習指導要領の中で示されたものでございます。ただ、子供たちの生きる力の現状について見てみますと、平成二十三年度から本格実施とされる新しい学習指導要領の方向性を示した、いわゆる平成二十年一月の中教審の答申において、依然として課題があると指摘をされております。
 例えば、思考力、判断力、表現力などを問う読解力、記述式の問題に課題がある。また、算数や数学、理科に対する意識など、学校外での時間の過ごし方について国際平均を下回る状況がある。また、自分に自信があると答えた児童生徒の割合が低下をしておる。あるいは、体力、運動能力は、ピークである昭和六十年度と比較すると依然と低い水準にある。もちろん、近年においてはこれが回復傾向が見られますけれども、そういったことが指摘もされております。
 したがって、私どもとしましては、先ほども申し上げましたように、学力あるいは人間性、体力、健康、こういった、知育、徳育、体育とよく言われますけれども、このバランスの取れた教育の必要性、ますます感じておりますから、引き続き努力をしてまいりたいと思います。
#218
○西田実仁君 この生きる力ということをはぐくむことには課題があるというお話でございました。
 生きる力とは何かと、いろんな議論があるんでしょうけれども、今大臣から思考力とか判断力とか、あるいは知育、徳育、体育ですか、そういうような話もありましたが、生きる力、言ってみれば、一つの教科書あるいは教科ということではなくて、やっぱり教科を横断していく学力ということが含まれているのではないかと思うんですけれども、私の印象ですと、この生きる力というのがいつの間にか総合学習という何か一つの教科みたいなことになってしまいまして、極端に、私の友人で教師をなさっている方も随分いらっしゃいますが、総合学習といっても総合学習の教科書を早く作ってくれというようなことも聞いたことがありまして、大変に何か何が本質なのか分からなくなってしまっているなという気が正直いたします。
 私は世界における教育政策ということの位置付けを先ほど申し上げましたが、今主要先進国の首脳の間では教育政策として度々登場するキーワードとしては二十一世紀型スキルということが言われております。昨年の三月のオバマ大統領の演説にも登場しておりますし、二〇一二年のPISAにも導入される方向であるというふうにも聞いております。既にオーストラリア、ポルトガル、フィンランド、シンガポール、イギリスがパイロットカントリーとしてこの検証研究事業にも参加をしているというふうにも聞き及んでおります。
 このICT教育の中核となる学力観として世界の教育界で研究が進んでおりますこの二十一世紀型スキルということについて、大臣はどのように認識されておられるのか、お聞きしたいと思います。
#219
○国務大臣(高木義明君) 二十一世紀型スキルということが御指摘いただきました。
 様々なとらえ方があるかと思いますが、それぞれの識者によっては定義もかなり異なる部分がございます。おおむね二十一世紀の知識基盤社会において必要となる課題発見、解決能力、あるいは論理的思考力、コミュニケーション能力、情報通信技術に対応できる力、こういったものを指すものと理解をしております。まさにこれは生きる力と共通する考えでありまして、文部科学省といたしましても、新しい学習指導要領の改訂とその普及定着を図っていって、コミュニケーション能力を高める教育、学びのイノベーションに取り組んでいきたいと思っております。
 私も子供の教育においては、やはり集団生活の中で、活動の中で、見たり聞いたりしゃべったり、そして時には協調し時には競い合う、そういう中に自らの位置を確かめ、そして新たな目標を選ぶ、こういうことが豊かな教育の大きな源泉じゃないかと思っております。そういう意味で、人づくりは国づくり、こういう精神に立ってしっかり取り組んでいきたいと思っております。
#220
○西田実仁君 今大臣は、今世界が注目する二十一世紀型スキルということについて生きる力そのものではないかというようなお話がございました。私もそう思うわけでありまして、その意味では、生きる力ということに早くから着目したことは正しかったというふうに思います。
 しかし、その生きる力が先ほどちらっと申し上げた総合学習という一教科に押し込めがちになってしまったということが、逆に従来の科目に割く時間を圧迫してしまって、いわゆる学力低下という論争にもなっていったのではないかと。生きる力を育て切れなかったという、先ほど課題があるというお話がありましたが、それは教師、先生方の教授法、あるいはその授業のスタイル、先生の指導そのものに深化ということが十分ではなかったということではないかというふうに思いますけれども、大臣がどのように思われているのか分かりませんが、この生きる力にまだまだ課題があるということであれば、私が今申し上げた問題意識、その原因、どこにおありになるとお考えでしょうか。
#221
○国務大臣(高木義明君) 教育の大きな中心はやはり子供でありますが、その子供を教える教育者、いわゆる教員の使命感をより高く、そしてまた情熱を熱く、このことが何よりかと思っております。
 また、時代が変わりまして、子供たちを取り巻く環境というのは大きく変わってまいります。そういう意味で、まずは家庭の中でしっかりとしたしつけをし、そして知恵を付けること、これから始まるわけでありますが、家庭環境あるいは核家族化などの社会の進展によりまして子供たちにとっては厳しい状況がございます。だからこそ、今こそ地域と学校と家庭、連携を取って、コミュニティー社会の中で総合的な、子供たちを育てていく、地域ぐるみで、総ぐるみで育てていくという、そういう努力を我々としてもしっかりやっていきたいと思っております。
#222
○西田実仁君 それはそのとおりなんでしょうけど、私が申し上げたいのは、この二十一世紀型スキル、生きる力そのものでありますけれども、これをどうはぐくんでいくのかというときに、やはり地域や家庭や学校というのが当然連携して子供を支援していくわけでありますが、教員の教え方とか、今までの教師像から例えばファシリテーターというような位置付けにして変えていくとか、こういう教え方そのものを深化させないと、世界の中で競争せざるを得ない子供たちという環境からしますと、変えなきゃいけないんじゃないかと私は思っているわけでありますが、そこを自治体に任せているだけでは、日本の子供たちがこれから迎えるであろう様々な環境の中で、生きる力をはぐくむことは大変難しくなってきているんではないかというふうに思っているわけであります。
 ICT教育あるいは情報の利活用ということについても、教員の指導法そのものに国がもっと関与していかなければならないんではないかと。デジタル教科書とかのツールは増やしても、宝の持ち腐れになりかねないと。教員に、そういう意味では指導法等を深化してもらうための国としてのサポート、これをもっと充実させるべきではないかと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#223
○国務大臣(高木義明君) 御指摘のとおりに、資質能力を教員が適切に身に付けていただくということが重要であろうかと思っております。その意味でも、中央教育審議会などでは大学における教員養成や現職教員に対する研修の在り方含めて、今教員の資質能力向上方策について御論議をいただいております。
 私どもとしましても、この検討を踏まえて能力を備えた教員の養成に努めてまいりたいと思います。
#224
○西田実仁君 そういう中央で今いろいろ検討されているということですけれども、これまでそうした教員の研修とかになりますと、国というよりも地方で研修を行っていくというスタイル、それはそれで結構なんですが、しかし、それが十分になされてきていないというのも実態ではないかと思います。
 先ほど韓国の例も挙げましたけれども、どの国でも、教育はよほどの国じゃなきゃ中央集権でもうがちがちに国が全部決めているということはないわけでありまして、韓国でも当然、地方というのが分権化して教員養成も担っているという面が多いわけであります。しかし、その韓国においても、国と地方の仲介機関というのが韓国では教育学術情報院という名前になって、KERISというものでありますけれども、これをつくって国と地方を媒介する政策執行機関ということがあるわけでありまして、今までは国はそれは地方に任せているといって、地方はもう手いっぱいでできませんという中で、なかなか生きる力がはぐくまれない、あるいは二十一世紀型スキルというものが身に付けられないと、こういう実態があると私自身は問題意識としては持っておるわけであります。
 こうした国と地方を媒介する政策執行機関ということがこの教育政策の中で必要になってくるのではないかと思いますけれども、大臣、どうでしょう。
#225
○国務大臣(高木義明君) 地域における教育行政は、御承知のとおり、地方自治の本旨にのっとって地方公共団体が主体的に取り組むものであります。
 国は、全国的な教育制度の枠組みを設定をしたり、あるいは全国的な基準の設定をしたり、教育条件の整備、地方に対する適切な指導、援助を行う役割と責任を担っておると思っております。これからも、実は国と地方がしっかりその役割分担を持ちながら、よく連絡を取りながら、相談をできる体制を築くことが何よりも必要であろうと思っております。
 私たちとしましても、地域の自主的な判断、これを尊重しながら、各自治体が質の高い教育が実現されるような、必要な支援を今後とも強力に行っていきたい、このように考えます。
#226
○西田実仁君 この問題、最後ですけれども、教育の情報化ビジョンというのを骨子として八月末にまとめられております。鈴木副大臣も熱心にお取り組みなさっていたと聞いておりますけれども、この教育の情報化ということが教育イノベーションということに直結するというのであれば、是非、文部科学省、メーンストリームできちんと腹を据えてやっていただきたいというふうに思いますので、期待を申し上げておきたいと思います。
 最後のテーマでありますけれども、外国語指導助手、ALT配置に関する民間事業につきましてお聞きしたいと思います。
 来年度から小学校五、六年生の英語の授業が必修化されます。既に全国の公立小学校では英語授業を始めておりますけれども、文科省の調査によりますと、そうした英語授業の現場では七割近くが外国語の指導助手いわゆるALTを活用しているということであります。やはりネイティブスピーカーというのはその活用は欠かせないというふうに思います。実際に英語教科の教員免許を持った先生方の配置は極めて少ないのが現状でありますので、こうした活用はこれからももっと進んでいくんだろうというように思います。
 国もこのALTを紹介するJETプログラムというのを行っていると聞いております。しかし、このJETプログラムは、現場の自治体から上がってくる声としては、ALTを紹介はされますけれども、その生活面でのサポート、簡単に言うと、アパートを探したり、買物を支援したりというようなことはすべて自治体が担わなければならないということもあり、また紹介されるALTもばらつきがあるというような声も上がってきているということであります。実際にこのJETプログラムを使ってALTを活用している小中学校は二五%ほど、残りは民間業者への委託によって行われているというのが現状であります。
 そこで、民間企業がALTを配置する場合の契約上の問題を挙げたいと思います。業務請負契約の場合、指揮命令権は教師にはありません。したがって、学校現場では非常にやりにくいとの声が上がっております。例えば、先生方とALTとの打合せやお願いなどができない、偽装請負ということで指摘をされかねないと。また、業務が独立していなければならないという規定から、文部科学省が進めております日本人教師とのチームティーチングということも行えないと。
 こういう現場での問題点が指摘されておりますが、こうしたALT配置に関する民間事業についての、委託に特に関してですが、問題点をどのように認識をされておられるのか、お聞きしたいと思います。
#227
○副大臣(鈴木寛君) 実は私どもも同じ問題意識を持っております。直接雇用ができれば、自治体が、これは何ら問題がないわけであります。直接雇用したALTと教員がチームティーチングを行う、これが最も望ましいわけでありますけれども、しかし財政上の観点からこれがなかなか難しい。
 そうしますと、次に、派遣でありますれば、派遣をされてまいりましたALTと教師がチームティーチングできるということになるわけでありますが、派遣の場合は、委員御案内のように、最長三年以上の派遣期限の制限というものが付いてしまいます。その観点から、そのALTに三年を超えて、しかも財政状況厳しい中でやってもらおうということになりますと、御指摘の請負契約と、こういうことにならざるを得ないと、こういうことになってしまいます。そうしますと、これを厳密に解しますと、この担当教員とALTとのコミュニケーションに今のような課題があるということになります。
 したがいまして、私どもは、なるべくこの請負契約を見直して、今お話がございましたJETプログラムの活用でありますとか自治体による直接雇用だとか、あるいは派遣というふうにしてほしいというふうに思っておりますけれども、ただ、その際に、これはやや所掌を超えた話になりますけれども、御案内のように、今厚労副大臣いらっしゃいますけれども、派遣業法の政令の二十六業務にALTが仮に加えられることになれば、これを加えるか加えないかは我々が発言すべき立場にございません、これはひとえに労働政策審議会において御議論がなされるものでありますけれども、そういうことになりますると、教員とALTとの円滑なコミュニケーションが可能になるということでございますので、そうした議論がなされることを期待はいたしているということでございます。
 と同時に、今三十五人学級等々の要求等々しておりますが、この反射効としましては、結果として直接雇用をする余裕等々も出てくるといったようなこともありますので、いずれにしても、そうした今の御懸念あるいは問題意識、私どもも共有させていただいておりますので、関係当局ともいろいろ御相談をしながらこの改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
#228
○西田実仁君 ということは、文科省としては、派遣の二十六業種、政令で定めるところに入れてもらうということを要請をするというか、期待をしているということの話があったと思いますが、厚生労働副大臣にお聞きしたいと思いますが、これもきちんとした手続を踏まえての決定ということになりますが、今のような問題点というのは、これ各省の何というか縦割りとかではなくて、先ほど来から強い人材の話もさせていただいた御議論も聞いていただいたと思いますが、日本に必要不可欠な国際理解教育という、日本全体のことを考えてこのALTをどうしていくのかということを、これは文科省は文科省の立場で、また厚労省は厚労省としてやっぱりきちんと考えていかなきゃいけないと。今問題が起きているということはしっかり認識いただきたいというふうに思いますが、この政令改定についてどう考えるのか。
 また、派遣契約の場合も、三年以上は駄目ですが、例えば三か月と一日のクーリング期間を設けて再びこの派遣ということが可能なのかどうか。これについてもはっきりしないという現場からも随分お声をいただいておりますので、この二つ、お聞きしたいと思います。
#229
○副大臣(藤村修君) 西田委員にお答えいたします。
 まず最初は、専門業務二十六業種ということであります。
 ちょうど今、御承知のように労働者派遣法改正案が国会にかかっているという中で、この時点で今二十六業務を見直すということはちょっと不可能に近いことであります。ですから、この法改正が成立した場合ということで、その施行に係る政省令の整備が終了後、速やかに労働政策審議会に検討をお願いすることとしているわけであります。
 見直しの検討過程においてこの外国語指導助手の業務を専門業務に追加が可能かということを是非私どもも御議論いただくということで、それは十分に議論して、その方向というのは可能性としてそれなりに私はあるような気がいたします。二十六業務、中に入れるという意味ですね。それでないと今の状態では偽装請負になります。違法状態になると、こういうことであります。
 もう一つ今お尋ねの件は、いわゆる派遣可能期間というのが三年を超えないということであります。クーリングという、いったん少しその間に三か月以上空白があったらその後また同じ業務できるのかと。これ、民間で少し誤解がありまして、派遣はあくまでトータルで三年でありますので、そのクーリング期間を利用して更に同じ業務を行うというのはこれは違法状態になると、こういうことでございます。
#230
○西田実仁君 来年からとにかく英語が授業として必修化されるという、国として決めてスタートを切るわけで、子供たちにこの国際理解教育ということにいい環境をつくっていくということが何よりも大事でありますので、これはやはり政府を挙げてそこに向けて取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#231
○江口克彦君 みんなの党の江口でございます。
 先ほど鈴木副大臣が、人間による人間の教育ということを言われました。正確に言えば、人間の人間による人間のための教育と、こういうことになるんでしょうけれども、非常に適切なお話というかコメントをされたと思うんですけれども、そこで、大臣にお聞きしたいんですね。
 教育というのは、やっぱり人間の教育ということが、今、文科省ということ、あるいはまた文教委員会の我々、意識しているわけですよね。ということは、大臣にこういうことをお聞きするのは大変失礼かもしれませんけれども、人間というものをどういうふうに大臣はとらえておられるのか、教育というものをどういうふうにとらえておられるのか、国家というものをどういうふうにとらえられておられるのか、いわゆる人間観、あるいはまた教育観、国家観というものについて、私の時間がありませんので、余り、簡単に簡潔に、ポイントで、一言でそれぞれお答えいただければ有り難いです。
#232
○国務大臣(高木義明君) 教育観について問われました。
 私は、過日のごあいさつでも申し上げましたとおりに、今の世の中、グローバル化が進んで情報化社会になっておる、その中で、我が国の人材育成は、まさに人づくりは国づくりだということを大事にしながら、一人一人の能力を最大限に発揮できるように、小さいころから、ある意味では集団の中で見たり聞いたり、そしてしゃべったり、そして自らを自分で見詰め、そして他人を見詰める中で目標を作り、そして経験を通じて自らが豊かになると、このように思っております。
 同時に、社会生活、共に生かされるという共生社会の中でありますから、自らの自立はもとより、他人を思いやる心、そして、何よりも日本の国というのはやっぱり勤勉さというのがこれからも重要な価値になろうと思っております。そういうものをまさに、家庭はもとよりでございますが、学校教育においても、また地域の社会教育においても、共に子供たちを育てる、そういうことを私たちは最大限にリードし、支援をしていくことが大事ではないかと。
 また、国家におきましては、国民一人の生命、財産を大事にする、支える、その担保としての国という位置付けであろうかと思っております。
#233
○江口克彦君 私が質問したのは、人間というものをどう基本的にとらえるか、人間観と教育観と国家観というものであって、教育に対するその取組をどうこうしている、あるいはまた国家についてどういうふうに考えているという、そういうことではなくて、もっと本質的、哲学的なことをやはり文科省の大臣ということであるとするならばお述べになるべきではないだろうかというふうに思うということで、時間がありませんので、これについてはまた、私は私の人間観、教育観、国家観というものを持っておりますけれども、それを言って議論する時間もありませんので、次に移らせてもらいますが。
 私のところにインターネットで随分とたくさんの人たちから、やっぱり朝鮮学校の無償化の問題というか、無償化については反対だというのは百件を超えるぐらいわっと送られてきているわけですよ。
 そこで、大臣にお尋ねしたいというふうに思うんですけど、大臣、北朝鮮の教科書、歴史教科書、お読みになりましたか。
#234
○国務大臣(高木義明君) 少し目を通しました、日本語版ですけれども。
#235
○江口克彦君 少しということで、少しでは足らないと思うんですけど、十分読んでもらわないと、十分読んで判断してもらわないといけないと思うんですけど、何を読まれましたか。
#236
○国務大臣(高木義明君) 現代朝鮮歴史であります。
#237
○江口克彦君 それは、現代朝鮮歴史というのは、朝鮮高校への税金投入に反対する専門家の会が翻訳した本でございましょうか、大臣。
#238
○国務大臣(高木義明君) そうでございます。
#239
○江口克彦君 それに対して、大臣はお読みになったとするならば、それをお読みになった感想はいかがでございましょうか。率直にどう思われたでしょうか。
#240
○国務大臣(高木義明君) 例えば大韓航空機爆破事件、あるいはミサイル発射の件、あるいは拉致問題について、我が国の政府の見解と違うものがございます。
#241
○江口克彦君 違うものがあるということでは、それはやはり人間の答えるというか、人間の答えになっていないんですよ。やっぱり違うものがあるというのは、それはAとBが違うというだけで、要は私が求めておるのは、AとBが違う、そのAとBが違うなら、それについて、違うことについてどういうふうな感想をお持ちになったのかということを聞いておるわけですよ。
 だから、今の答えではなくて、どうお感じになったかということをお尋ねしているわけであります。
#242
○国務大臣(高木義明君) 私はもちろん政府の一員でありますし、これまでも政府の見解とは同じ意見を持っております。
#243
○江口克彦君 大臣は日本人でしょうか。
#244
○国務大臣(高木義明君) 当然そうです。
#245
○江口克彦君 日本人としてこれを読んで何もお感じにならずに、政府の見解どおりであるというような、そういう全く言ってみればもう無色透明というか……(発言する者あり)ちょっと静かにしなさいよ。二人でやっているんだから。
#246
○国務大臣(高木義明君) 江口先生の……
#247
○委員長(二之湯智君) ちょっと静かにしてください。
#248
○国務大臣(高木義明君) 江口先生の御見識はこれまでもよく承知をしております。私は、私の信念と、また政治活動における心構え、このものをしっかり持って行動をしております。
#249
○江口克彦君 大臣は選挙区が長崎ですよね。長崎では、離島に住む高校生の置かれている状況というのは非常に厳しいんですよ。よくそれを御存じだというふうに思うんですね。昨年十月の概算要求では文科省は、離島を離れて内地の高校に通わざるを得ないそういう高校生に対して居住費補助として六億円を計上していたわけですよ。ところが、本予算ではその六億円というわずかな額が削られているわけですよ、削られているわけですよ。一方、朝鮮学校の無償化でこれはやっぱり税金が使われるわけですよ、税金が使われるわけですよ。
 これは要するに、もちろん私は差別するつもりはありませんけど、大臣、日本の国の大臣ですよ、日本の国の大臣ですよね。その大臣が北朝鮮の国の学校の子供たちと日本人の子供たちとどっちに重きを置いて公務をされておられるんですか。
#250
○国務大臣(高木義明君) ただいま御指摘のありました、例えば離島の高校生が進学するときに寄宿舎に居住するための居住費の補助、これを平成二十二年度の概算要求において要求をしております。約六億円です。しかし、高校生の修学に対する国による支援の必要性を全体的な見地から検討する中で、平成二十二年度の予算においては見送ることとしたと承知をいたしております。
 私どもとしましては、高校授業料の無償化の導入をしてきたところでございますが、今後とも高校生活における教育の負担軽減というのはこれからも重要なことでありますから、離島を始め、そういったことについては、私としては貴重な検討の課題とさせていただきたいと思っております。
#251
○江口克彦君 本当に、私はどっちを大事にするのかと、しているのかと、どっちなんですかということをお尋ねしているわけですよ。
 民主党の皆さん方に申し上げますけど、私は皆さん方が質問しているときに一言もやじりませんでしたよ。それぐらいの品格は持ってくださいね。
 ですから、そういうことを……(発言する者あり)ちゃんと人の話を聞きなさい。
 そういうようなことを私はまじめに質問しているんですから、いいかげんに中途半端に答えるんじゃなくて、まじめにやっぱり、この離島の、離島で、どうしても本土で勉強しなければいけない、どうしても移らざるを得ない、その子供たちは大変困っているわけですよ、六億円削られてしまって。
 片っ方、これ北朝鮮の人たちですよね。この人たちに税金を使う、私だったら、ぐらいだったら、この日本の、日本人の子供たち、離島から本土に移り、一人で住まなきゃいけない。それは大分費用が掛かるわけですよ。大分費用が掛かるわけですよ。その費用をどうして削ったんですか。
#252
○国務大臣(高木義明君) この費用につきましては、先ほども申し上げましたとおり、高校の修学に対する国の支援の必要性を全体的に検討する中で見送ることとしたと承知をしております。
 もちろん私は日本人でございますが、この就学支援金という制度はあくまでも生徒に対する支給であります。朝鮮学校についても、韓国籍の子供たちあるいは日本国籍の子供たちを含めて、在校する生徒に対して支給するかどうかを判断するために、今、これまでも議論があっておりますが、検討委員会を設けてその基準について決めておるところでございます。
 私としましては、これらの検討状況、そして国会の議論、ただいま江口委員も御指摘ございましたこの意見も踏まえて、全体的な立場に立って判断を持って決めていきたいと、このように考えております。
#253
○江口克彦君 義家議員からとかあるいはまた水落議員からの質問に対しても、考えます、考えますということは考えないことなんですよね。本当に考えてこの六億円の、六億円ですよ、これ、離島からの。
 大臣も選挙区にお帰りになったら、やっぱり離島の人たちから要望されるでしょう。子供たち困っているんですよ、離島から本島で、それゼロになっちゃうんですもの。恐らく大臣のところにも離島の御家庭からあるいはまた子供たちから切なる要望が来ていると思いますよ。そんな、朝鮮学校、それをサポートするぐらいの余裕があるんですか、今。日本の子供たちが困っているんですよ。日本の子供たちを救うということが先ではないですか。
 それを、また勘案してまた検討させてもらいますと、こればっかりじゃないですか、先ほどから、大臣。先生のおっしゃること、義家先生のおっしゃること、水落先生のおっしゃること、江口先生のおっしゃること、それを勘案して考えます、それを勘案して考えますと。それは私は責任あるお立場の方がおっしゃる答弁ではないというふうに思いますが、時間がありませんので次に移ります。
 子ども手当ですけれども、これ、いろんな調査で民間もやっていますけれども、この子ども手当が必ずしも子供の教育費に使われていないというのは御存じですよね。大臣、御存じですよね。いやいや、必ずしも使われてないんですよね、民間及びそれぞれの調査によると。そういうことからすると、本当は、むしろそうではなくて、調べてみると、データがありますからお見せしてもいいですけれども、貯蓄やそれから生活費に回っているんですよ。生活費に回っているんですよ。関西社会経済研究所とかいろんなところのデータがありますけれども。
 厚労省自身、副大臣おいでになっていますけれども、厚労省自身、子ども手当の使途について調査しているかということなんですよ、私が聞きたいのは。調査してないんですよ、調査してないんですよ。要するに、その施行前、子ども手当の前には一応やっているんですね。当然のことながら、子供に使う、使う、使うというアンケート結果が出ているんですけれども、子ども手当を配ってからはアンケートを取っていないんですよ。
 それで、民間の機関がアンケートを取ったところ、子ども手当にほとんど使われてないんですね。将来に備えた貯蓄が最も多かったというようなことになっているわけで。そういうことからすると、やっぱり子ども手当が行われた、それは今必ずしもマニフェストどおりやっておられませんけれども、だけど、それが何に使われたかという調査を、厚生労働省として調査を、追跡調査というか、おやりになるというおつもりはありますか。
#254
○副大臣(藤村修君) 江口委員に厚生労働省の立場からお答えいたします。
 この二月に、子ども手当、様々議論された中で、当時の長妻厚生労働大臣からは、一年間だけではなかなか分かりづらい部分もありますが、でもきちっと検証していこうということを答弁しておりまして、実は、今調査してないとおっしゃいましたが、子ども手当の使途につきまして、受給者等に対しこの九月に全国調査を実施したところであり、現在、今、回答内容の集計、精査をしているところでございます。
 平成二十三年度以降の子ども手当については、この調査結果も踏まえて、平成二十三年度予算編成過程において検討してまいりたいと考えております。
#255
○江口克彦君 調査をしておられるというんだったら、調査の結果を、それはいつごろ出るんですか。
#256
○副大臣(藤村修君) 速やかに調査結果を分析、検証の上、公表できるようにさせていただきます。
#257
○江口克彦君 経営において、企業において、速やかにとか当分とかという言葉は、やらないということと、結果を出さないことと、いやいやいや、同じなんですよ。だから、速やかというのはいつまでですか。
#258
○副大臣(藤村修君) 先ほど申しましたように、来年度の予算編成過程において、この結果を踏まえて考えていくということでございますので、大体想定されると思います。
#259
○江口克彦君 大体いつごろになるんですか。
#260
○副大臣(藤村修君) 来年度の予算、最終的には年内に政府がそれなりにきちっと編成するということでございますので、その辺でお分かりになるかと思います。
#261
○江口克彦君 そんなこと言われたって分からないですよ。それは具体的に答えられないんですか、それぐらいのことを。今アンケートやっているわけでしょう。調査やっているわけでしょう。締切りがあるわけでしょう。
#262
○副大臣(藤村修君) 十二月中の公表をさせていただきたいと思います。
#263
○江口克彦君 十二月中に出るんですね。十二月中に結果が出るんですね。はい、分かりました。是非しっかりと出していただきたいというふうに思うんですけど。
 鈴木副大臣、この間お会いしたときに、今度バウチャーについて質問しますよというふうに申し上げました。これは、数週間前ですけど、鈴木副大臣の師と言っていいんですかね、加藤寛先生、慶応大学名誉教授と、加藤寛先生と話していたら、子ども手当なんというのはばらまきだよと、ばらまきだよと、あれ何に使われるか分からないと、分からないものでやったって学校も子供たちにも何の役にも立ってないんだと。また、子ども手当が子供のために使われるとは限られないという、要するに現金給付では限られないんだというようなことを言って、そういうことで非常に子ども手当についてばらまきだというふうなことを強調されておられましたけれども。
 そういうばらまきだというような認識は、加藤寛先生の前で言えますか。
#264
○副大臣(鈴木寛君) 「新しい公共」円卓会議というのがございまして、そこでも子ども手当の在り方について、例えばバウチャーであるとか使用期限を切るとか、いろんな議論は行われております。そして、引き続き今も、例えば子ども・子育て新システムの会議の中で、現物といいますか、現サービス給付ですけれども、厳密に申し上げますと。そういうふうなありようとか、まさに今議論中でございまして、その議論の中でいろいろな、よりその使途目的に限定した使われ方といいますか、その趣旨にかなった使われ方の制度設計というのは進化の余地はあると思います。
 ちなみに、高等学校就学支援金についてはそういう御議論もある中で代理受領と、こういう方式を取ったということでございますので、いろいろな議論をしていけばいいのではないかなと思います。
#265
○江口克彦君 今バウチャーという言葉が出てきましたけど、副大臣から。全く私も賛成というよりも、加藤寛先生と大いにその点は話をし合って、バウチャー制度について議論を深めてきたんですけど。
 そういう子ども手当で現金給付すると、何に使われるか分からないわけですよ。配る前は、副大臣、それは、子供のために使います、教育のために使いますと言いますよ、親は。だけど、しかし実際には、実際には、お金もらったら何か親が、貯蓄したり生活ならいいですけど、遊興費にも使っているんですよね、現実問題として。
 ということからすると、現金給付というものが、これが果たしていいのかどうかということは、やっぱり大臣、一遍お考えいただいて、今、鈴木副大臣がおっしゃったように、バウチャー制にして教育にしか、子供の教育にしか、子供にしか使えないような、そういう仕組みというものをお考えになった方がいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#266
○国務大臣(高木義明君) 子ども手当の件がございました。これは全体的に、子供は我が国の宝物である、これからの社会を担う大きな人材でありますから、社会全体として支え合うということでこの子ども手当の導入をしたと私も認識をしております。
 確かに、先生御指摘のように、いろいろな識者やあるいはまた報道によっても、子ども手当が貯蓄に回る、あるいは本当にそのために使われないという、そういう御指摘、御議論もあるのは私も承知をしておりますが、一方で、このことによって、少子化対策の一つの柱としてこのことは良かったという国民の声も私は承知をしております。
#267
○江口克彦君 もう終わりにしますが、決して大臣が答えられたその意見は、考え方は、国民の間では極めて少数であるということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#268
○委員長(二之湯智君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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