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2010/10/26 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 財政金融委員会 第3号
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2010/10/26 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 財政金融委員会 第3号

#1
第176回国会 財政金融委員会 第3号
平成二十二年十月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                愛知 治郎君
                佐藤ゆかり君
                荒木 清寛君
    委 員
                尾立 源幸君
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                櫻井  充君
                田中 直紀君
                中谷 智司君
                水戸 将史君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                野上浩太郎君
                林  芳正君
                古川 俊治君
                丸川 珠代君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
   国務大臣
       財務大臣     野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   平野 達男君
       財務副大臣    櫻井  充君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 隆志君
       財務大臣政務官  尾立 源幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       国土交通大臣官
       房審議官     井上 俊之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (G20における今後の通貨政策に関する件)
 (地盤保証会社の監督に関する件)
 (中小企業金融円滑化法の延長に関する件)
 (証券優遇税制に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として国土交通大臣官房審議官井上俊之君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(藤田幸久君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○林芳正君 おはようございます。自民党の林芳正でございます。
 今日は三十分ほど時間をいただいておりますので、G20、御苦労さまでした、大臣。近くですから余り時差はないと思いますけれども、行ってこられたということで、このことについてと、それから、今日、我が党は国会に財政健全化責任法、先国会では参議院に提出させていただきましたが、残念ながらこの財政金融委員会には付託をされませんでした。大変大事な法案でございますので、この国会にもう一度出そうということで、このことについても大臣の所見をお伺いしたいと、こういうふうに思っております。
 まず、G20でございますが、非常に残念だったのは、アメリカが経常収支の目標というのを出された、そして、新聞記事を基に質問をすると官房長官に怒られるそうですが、今日はおられないので少しそれやらせていただきますけれども、韓国が議長国としてこの提案を一緒にされたということですが、通常この種の、まあG20ですからメンバーは増えていますけれども、G7、G8等では日米協調して、私の記憶ですと、例えばチェンマイ・イニシアティブのときなどはむしろ日本側から進んで提案をしていったと。今回は、むしろアメリカが提案する、韓国が一緒になってやる、そのことを日本側は余り企画立案の段階で関与していなかったような報道があるわけですが、野田大臣、アメリカが提案されるというこの案について最初にお聞きになったのはいつごろぐらいだったでしょうか。
#6
○国務大臣(野田佳彦君) 改めて、おはようございます。
 アメリカからの提案というのは、G20加盟国の同志の皆さんへという形でガイトナー長官から書簡が届くという形で、これ前日、金曜、土曜がG20でございましたが、その前日に届くということでございました。
 これちょっと伏線を申し上げますと、ワシントンでのG7で、オズボーン・イギリスの財務大臣から何かの目標を設けて議論した方がいいんではないかということで、議長国であったカナダが何かあるといいねというのを引き取りました。それをそれぞれの国が模索をしていたんですけれども、なかなか名案がない中、長官から書簡が届いたというのがあの事実でございます。
#7
○林芳正君 ということは、木曜日に書簡が届いたと、こういうことでありますので、その前に、今お話のあった、そういう、オズボーンさんが言われて、その書簡が来る前の段階で、日本として特にアメリカと協調してこういうプランを出そうというような検討はされましたでしょうか。
#8
○国務大臣(野田佳彦君) 当局間でいろんな意見交換はずっと続いておりましたけれども、具体的な数字を入れてというところまでの詰まった話はしておりませんでした。
#9
○林芳正君 数字を入れてという詰まったというところまでは行かなかったということは、この経常収支のGDPに対する目標ということ自体の考え方というのは当局同士でやり取りしていたということでしょうか。
#10
○国務大臣(野田佳彦君) 正確に言いますと、GDP比で経常収支一定水準の枠に収めるようなことは考えられないかというのが書簡です。
 数字が出てきたのは、会議の当日、議長国の韓国からそうするならばということで四%という数字が出てきたということでございまして、GDP比で経常収支どうするかという議論は、恐らく日本だけではなくて、ほかのG7加盟国、もちろんG20加盟国、突然の書簡だったというふうに受け止めています。
#11
○林芳正君 ちょっと、私の聞き間違いかもしれませんが、オズボーンさんがおっしゃったというのは、これに先立つ大分前のG7だか8だったか、そこであったということですか。私がお聞きしたいのは、そこから何かみんなで目標のあるものをつくろうじゃないかという話があって、G20に向けて何らかの、対GDP比の経常収支目標も、まあそれでもいいんですが、それ以外のものも含めて、何か日本側からイニシアティブを取って、こういうものでどうだろうかということを日米で少なくともやっておられたかという質問なんですが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(野田佳彦君) いろいろな意見交換がございましたけれども、詰まったところまでは来ていませんでした。
#13
○林芳正君 当局間でそういういろんな何かできないだろうかということはやっておられたということですが、そのときには、そのやり取りを大臣聞かれたりする中で、どうもアメリカはGDP比の経常収支の目標を出しそうだというような話は一切なかったということですか。
#14
○国務大臣(野田佳彦君) そのプロセスについては、詳しいコメントは控えたいというふうに思います。
#15
○林芳正君 なぜ控える必要があるんでしょうか。
#16
○国務大臣(野田佳彦君) 具体的な詰めでいろんな意見交換をしておりますので、その中でいろんな意見があったということでございます。
#17
○林芳正君 通常、やり取りがあったことを控えるというのは、私も防衛省におりましたので、国家公務員法上の機密になるとかいろんなルールがありますが、このこと自体は余りそういうことにならないで、こういうことをやっていて、我々の意見はこうで相手の意見はこうだったんで意見が一致しなかったということは別にここでおっしゃっていただいても構わないと思うんですが、なぜおっしゃれないんですか。
#18
○国務大臣(野田佳彦君) 少なくとも、経常収支をGDP比の枠内でという詰めた議論までは来ていませんでした。
#19
○林芳正君 そういう話は、ですから向こうからはなかったということですね。
 そうしますと、韓国は議長国として同じように書簡で聞いて、そしてそれを、前の日に聞いたものを議長国として一緒に提案を数字まで入れてやったということでしょうか。
#20
○国務大臣(野田佳彦君) 米韓でどういう意見交換、プロセスが、例えば木曜日から金曜日にあったかはちょっと詳細には分かりませんけれども、韓国は例えばという形で四%という数字を提示をされました。
#21
○林芳正君 そうしますと、少なくとも日本側にはその書簡以前にはこういう経常収支を目標とするような話はなかったと。韓国は多分その話を同じように木曜日に聞いて、そしてすぐに共同提案するということは、まあ私の常識ではなかなか考えにくいんで、事前にそういう目標を出そうと思うんで議長として共同提案してくれないだろうかという話が多分あったというふうに私は思います。大臣、御存じなら後でそれはこういうふうに承知をしておったと言ってくださっても結構ですが。
 そういうことであると、今回完全に、韓国は議長国だったということもあるんですが、米韓の方がいろんな意思の疎通ができていて、こういうふうに会議をやっていこうという段取りをやっておられた。一方で、日米の方は、全くほかのG20の国と同じ扱いで、アメリカから見ればですね、前の日にぽんと書簡が来て、そしてそれについてどう思うかというのはもうその会議に出ていってのコメントになってしまったということで、これは、我々、昔のことを余り言うつもりはないんですが、G7、G8でやったころ、チェンマイ・イニシアティブを出したり、その前にAMF構想というのもいろいろやったりしたときから比べると、本当に今昔の感があるなと。ちょっと年寄りくさい言い方になりますが、本当に残念なんです。
 日米でこれだけ同盟関係があって、経済も緊密に連携していく中で、この一番大事な、ある意味では出口戦略をどうやっていくかという非常に大事なところを決めていくためのこのG20、それに向けてのファーストプロポーザルを出すときに、日本とはもう一切事前の話はしないで、G20のほかのメンバーと同じ前の日にぽんと書簡が来るだけと。これでは、日米でいろんな経済の、また通貨外交を一緒にやっていこうということは事実上なくなってきているというふうに見えてしまうんですが、いかがでしょうか、大臣。
#22
○国務大臣(野田佳彦君) 日米だけではなくて、ドイツやイギリス、フランス含めて、EU諸国、G7の加盟国との関係でも同じことだったというふうに思います。アメリカがぎりぎりそういう数字の提案をしようということを踏まえて、議長国である韓国はそれを踏まえて責任ある対応をしようと、そういうことで米韓での連携になったと思いますが、それは日本だけではなくてほかのG7の加盟国も同じようでございました。
#23
○林芳正君 G7の中でも日米というのは特別な関係だというふうに思っておりますし、逆に、ほかのG7の関係も今回そうであったから、それでは日米もこれでいいんだというお考えですか。
#24
○国務大臣(野田佳彦君) 木曜日に書簡が来て、事実上G20自体は金曜日の夕刻からスタートであります。その前の、木曜日の夜に韓国に行かせていただきましたので、金曜日の朝等においては、ガイトナー含めてその数字の問題を踏まえた議論を相当にしておりました。
#25
○林芳正君 一日あればいろんなことができると思いますけれども、大臣は、報道によりますと、当初は数値目標は現実的ではないと、こういうふうにおっしゃっておられるというように報道されておりますが、一日しかなかったのでその日のうちにということですが、参考値としてならということで条件付ながら容認論に変わっているということになっておりますが、この間にそういう検討をされて最初のコメントより少し寄ったというようなふうに受け止めておりますが、いかがでございましょうか。
#26
○国務大臣(野田佳彦君) 書簡を受けて、そして具体的に金曜日に顔を合わせて議論をしている中で、数値目標、厳格な数値目標というのは、今御指摘のとおり、私は本当に現実的かどうかという疑問がございました。
 というのは、経常収支というのは民間の活動も含めて様々な経済活動の結果出てくるものであって、経済活動のおしりだと思うんです。財政収支だったら、これは政府のコントロールだと思います。だけれども、経常収支というのはもっと多面的な要素がございます。それを目標に掲げることが本当にいいのかどうか。
 思い浮かんだのは、やっぱり九〇年代の日米の通商摩擦。あのとき管理貿易的な動きが出てきて、業界に自主規制をするとかいうようなことが思い浮かびました。それが世界中で起こることが本当にいいことかどうかということが率直な疑問でございました。だから、厳格な数値目標には現実的ではないというコメントをしました。
 さはさりながら、何らかの合意をして物事を進めていかなければいけないときに、明確に反対をしている国はそのとき複数ありました、日本と同様に、慎重な立場も含めて。そのときに、何らかの合意形成をするときに、参考値、参考となる数字として頭に入れながら、じゃ、なぜ大幅な赤字が出るんだ、黒字が出るんだということを議論をしていく、そういうようなプロセスの中で参考値として使うならばいいのではないかということを主張した次第であります。
 それは、だから今回のコミュニケの中で、参考となるガイドラインを今後合意形成するという形に現実的に収まったということと、もう一つは、日本の経常収支は、直近で見ると二〇〇九年で対GDP比では二・八%で、出てきた数字よりは本当は収まっているんですね。収まっているんだからいいんじゃないかという議論もあったんです。だけれども、日本の経常収支の場合は二〇〇九年で十三兆円の黒字です。うち、ざくっと言って十二兆円は所得収支なんですね。所得収支だということは、海外からの配当だとか利子だとか、いろんな海外活動の所産が反映されての結果でございまして、各国、黒字とか赤字の原因が一様ではありません。ということも含めて、各国の事情に配慮した対応が必要であると、こういうことも主張しました。それは私はコミュニケに生きたというふうに思っています。
#27
○林芳正君 貿易収支と所得収支、いろいろ経済が成熟していくと配当とかいろんなパテント入ってきますから、それはいいんですが、この中身の問題もさることながら、最初の段階で、現実的ではないとおっしゃった段階で、参考値としてならというふうになぜ同時におっしゃらなかったのかということをちょっとお聞きしたいと思うんですが。
#28
○国務大臣(野田佳彦君) だから、朝からの議論を経て夕方以降までいろんな様々な会合とかバイの会談をやっている中で、最初のあの直感的な印象は現実的ではない、これは間違いなくそのままいろんな人たちに申し上げています。その中で、G20という黒字国、赤字国あるいは先進国、新興国、様々な利害がある国が集まった中で合意を形成するときに、厳格な数値目標は駄目だということだけでは何も進みません。だから、参考値として扱ったらどうかという提言をさせていただきました。
 ちなみに、これ英語では、参考となるガイドラインを、ガイドラインズになっています。ということは、経常収支も含めてこれから様々などういう数字がいいのか、参考とする数字に何がいいのかということをこれから議論をしていこうということでございます。
#29
○林芳正君 先ほどの質問と併せて、やはり一日の短い時間の中で、事前にいろんな戦略的な打合せを、今回なかったということが今のお話でもよく分かるんです。
 もし同じようなことを提案をしていて、日米で今回これをこういうふうに出して、ここまで最終的には、いろんなことをいろんな方がおっしゃるので最後はこういうふうにまとめようということを事前にやっていらっしゃれば、多分こういうふうにはならなかった。まさに大臣今正直におっしゃっていただいたように、最初に見た、直感的には現実的ではないとまさにおっしゃって、いろんな会議をやってみると、しかしまとめるためには参考は仕方がないと、こういうことになったということは、まさに日米が協力して戦略的に、最終的にここに落とそうというようなことではなかったということを図らずも今おっしゃっていただいたわけでございまして、私はそのことがちょっと残念だったなと、こういうふうに思うんです。
 ほかのG7の国もそうだったなということはそうなんですが、我々も参議院選挙のときの公約で、日米欧中、中国が入った場でマクロの政策協調をやれということを、まだこんな円高の問題になる前のときでしたけれども、言っております。このことはもう今回のトピックになるということは随分前から分かっていますし、さっきのオズボーンさんがもうおっしゃっていたということであれば、何か我が国から、この間のチェンマイをやったときのように日本発で、アメリカとそして議長国韓国であれば、日米韓というのは安全保障で一番緊密に連携している三か国ですから、この三か国の中でむしろこういう案を作って出して、このG20で持っていこうではないかという話をしていただく。
 なぜこういうことを申し上げるかというと、そういうことをやっているということが、単独介入ではあるけれども、その向こうにきちっとした目標があるんだと、その目標は日本がきちっと作っているんだということをやった上で介入するのと、行ったらこういうのが出てきて、朝言ったことと、やってみたらこういうふうになりましたと言っている中での単独介入と全く効果は変わってくると思うんですよ。
 ですから、私は今回こういうことになったということが非常に残念でありますし、為替についても監視ということが入ったというふうにおっしゃっておられますけれども、実際には今朝のレート、これは八十円七十六銭、九時三十七分現在ですけれども、全く動いていないというよりも更に円高が進んでいるということでありますけれども、今後これが進行していくときに、この状態でまた単独介入ということになりますでしょうか。
 介入についてはコメントされないということだと思いますが、今回のこの監視ということも含めて、今後どういうふうにこの円高に対応されていこうというおつもりでしょうか。
#30
○国務大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、昨日のマーケットの動きは一つの方向に偏った動きだと思います。今朝からの動きは少しまた違っているとは思いますけれども、いずれにしても、G7の中では為替については、御指摘のとおり、従来は為替の過度な変動や無秩序な動きというのは経済、金融の安定へ悪影響を及ぼすという認識でとどまっていましたけれども、今度、監視するという言葉まで踏み込みました。
 これは、主要通貨を持つ国々が緊密に連携を取っていこうということでございまして、これは一定の前進だというふうに思っております。今の状況も踏まえて、重大な関心を持ちながら為替の動向を見ながら、必要ならば断固たる措置をとるという、介入の件については、それは従来と姿勢は変わりません。
 一方で、やっぱり円高は、これは為替だけで対応できるものではないと思いますので、今日、第二ステップの経済対策含む補正予算の概数を閣議決定をして、金曜日には補正予算を提出をしたいと思いますが、こういう経済対策と併せて、あるいは日銀と連携をしながら金融政策においても日本経済の下支えをしていただきながら、円高、デフレへの対応をしていきたいというふうに思います。
#31
○林芳正君 国内の経済対策、特にデフレ対策、日銀の役割が大事なことは私も理解しますが、私が申し上げているのは、国際的な通貨外交の中で、やっぱり将来的な方向感というのを日本がリーダーシップを取ってつくっていくと。そのこと、日本がリーダーシップを取っているという姿が外に見えるということが、もし万が一また単独介入するということになった場合も重みを持つということを申し上げているんで、ガイドラインズとさっきおっしゃいましたけれども、このガイドラインに例えばこういうことを日本としては盛り込んでいきたいとか、この収支の目標以外にこういうことを平成のプラザ合意としてやるんだとか、そういうお考えはないですか。
#32
○国務大臣(野田佳彦君) 今回のG20の声明文の取りまとめに当たっては、最終的には日本の主張が一番生かされたというふうに思っています。厳格な数値目標ではなくて参考となるようなガイドラインを作るということは、まさに私が言った主張です。加えて、さっき、日本の場合は所得収支が多いというお話はしました。各国によって事情が違います。例えば、いわゆる資源型の輸出をしているような国だとか、いろいろ特徴があります。そういうことを含んだ内容になっているということは、私は今回、最終的には、結論を出すに至った中では積極的に意見を開陳をし、それが生かされたと思います。
 御指摘のとおり、これからガイドラインズのところですよね、経常収支の話も含めてどういうガイドラインがいいかについても積極的にかかわっていきたいというふうに思います。
#33
○林芳正君 是非、今の所得収支と貿易収支を別々にどうするのかといったことも含めてガイドラインズには日本の主張がきちっと盛り込まれる、むしろそのガイドラインは日本が主導して作るんだというぐらいのお気持ちでやっていただきたいと思いますし、この目標以外に、是非やはり平成のプラザ合意のようなものを目指していただきたいということも改めて申し上げておきたいと思います。
 もうビジネスの皆さんは、平均の想定レート八十円だと、七十円でもおれたちやっていくんだと、まあやけくそと言うと言葉は悪いですが、余り政府にはもう頼れないなというようなことが出てきて、それはそれでビジネスとしては心意気やよしと私はしたいと思うんですが、是非、そうはいっても安定した通貨というのは望ましいわけですから、そのことをお願いをしておきたいと。そしてそれは、我々がここであれこれ言う前に為替市場で判断をされているということを申し上げておきたいと思います。
 少し時間が残り少なくなってきましたが、財政健全化責任法、この間同僚の大塚委員から御質問があったときに、自民党の案とそれから今の政府の財政運営戦略、ほぼ中身は一緒だけれども、あえて言えば、国と地方が目標が合わせてなのか別々なのかということ、それからフレームを三年で作るのか五年の中期計画かと、この辺が違うというお答えをいただいておったところでございます。そういった意味で、このPB、プライマリーバランスを五年で半減、十年で達成ということとペイ・アズ・ユー・ゴーという一番大事なところは全く一致をしておりますので、是非、これは今度は衆議院ですが、きちっと審議をして成立させていただきたいと思っておりますが。
 この三年と五年のところ、三年のフレームを一応作っているということになっているんですが、私はこの中期財政フレームというのが運営戦略の中へ入ってきたときにちょっとやっぱりがっかりしまして、七十一兆の歳出の枠と四十四兆の国債の枠と、これを三年間やりますということしか書いてなくて、我々が政権を持っていたときにやった、例えば公共事業はこれぐらい五年間で減らしていきます、教育関係費は、文教関係費はこうしますというような歳出項目別の具体的な目標というのがありません。
 したがって、この七十一と四十四を三年間守って、その後の二年、こういうふうにしたらPBが半減するということがよく分からないんですけれども、これはどういうふうにしたらPBが半減、すなわち今二十二ぐらいですから十兆内外にするということだと思うんですけれども、これどういうふうにしたらこの七十一と四十四を守っていって、あと二年やったらなるんでしょうか。
#34
○国務大臣(野田佳彦君) 自民党が今回も提出されようとしている財政健全化責任法案と我々が六月にまとめた財政運営戦略、委員御指摘のとおり、財政規律を守って財政健全化の道筋をつくってそして内外の信認を得ていこうという問題意識と、今具体的な内容をお話しされましたけれども、かなり共有できる部分がたくさんあると思います。
 法案が出てきた場合にはしっかり対応したいと思いますが、違いというのが御指摘のとおり中期の計画のところ、我々は平成二十三年度から二十五年度、向こう三年間見た中期フレームで四十四兆国債を抑えるとか、歳出の大枠七十一兆円、そういう枠の中で歳入歳出の改革を行っていくということで、自民党の場合には五か年ですよね、五か年計画、国会の承認があるというところがちょっと違うと思いますけれども、これは、具体的に公共事業をどうするかとか、そういう考え方もあると思うんです、個別ごとに目標を掲げてと。
 我々の中期フレームというのは、これ年の半ばに改定をしていくというやつです。だから、今は二十三年度から二十五年度を見込んだ中期フレームですけれども、来年の年の半ばぐらいに、経済や財政の状況を見ながら、今度は平成二十四年度から二十六年度の中期フレームを作っていくと。ということは、五か年計画で赤字を半分にするということと、我々は三年ごとローリングをしながらその目標を達成するという考え方であって、最初から個別の目標を公共事業とかでではなくて、ローリング方式で柔軟に見直しをしていくというのが我々の基本的な考え方になっています。
#35
○林芳正君 ということは、三年分、だから来年はその先の三年分、だから再来年にならないとPBが半減になるかならないかは分からないということですね。
#36
○国務大臣(野田佳彦君) PBの半減はこれはまさに国際約束だと、公約だと思っていますから、その実現をするためにローリングをさせながら、二〇一五年にはぴったりと目標を達成できるようにしたいというふうに思います。
#37
○林芳正君 まさにおっしゃったとおりだと思いますね、ローリングしないと分からないと。
 そうしますと、やっぱり予算というのは国民の生活に直結していますから、いろんな意味で、皆さん、将来の計画を見通していろいろなことを考えられる。例えば、公共事業に携わっていらっしゃる方は、五年間でこれぐらいということであれば、例えば五年間で五%なら一年で一%ずつと、こういう目安を立てられるわけです。ところが、今の大臣のおっしゃり方だと、四年目にすとんと何かあるかもしれない、五年目に更に来るかもしれない、それはあと二年たたないと分からないということなんですね。
 ですから、やはり五年間の計画を我々なぜ作れと言っているかというと、ちゃんと最後に半分になるところまで線が入って、毎年こういうふうになっていくからこうなるんですよということを、海外の方にも含めて、国債を買っていらっしゃる方にきちっと示した上で、じゃ、それをやるためには歳出歳入はこうなるんだということも今のうちにきちっと示すという意味なんであって、ローリングベースですから来年にならないと四年目、再来年にならないと五年目の数字は分かりませんというのは極めて無責任なような気がするんですが、これ五年間のきちっと計画を立てるというふうに変えられないですか。
#38
○国務大臣(野田佳彦君) 基本的に五年先をしっかり見通して、各目標を掲げてというのは、それは望ましい姿かもしれません。だけど、現実にはいろんなことがこれまでも起こってきたわけで、中長期の計画はそのままストレートに生かせなかったということもいっぱいあります。
 だから、今回三年計画をローリングをしながらやっていくということで、もちろんその三年間でどういう方向性が見えてくるかというのはだんだん分かってくる話でございまして、極端にそのローリングの過程でどこかが大きく切られるとか、将来見通せないということのないような配慮をしながらのそういうフレームをずっと作っていきたいと思います。
#39
○林芳正君 まあ言葉は分かるんですが、結局やらないということになると、このPBということは、七十一兆円のじゃ歳出がずっとそのまま行くとすると、税収と税外収入がずっと上がってきて、七十一兆円に近づいて六十一兆円ぐらいにならないとPBは十兆にならないんですよ。だから、七十一兆円をずっとやっていくということは、税収が上がっていかないとできないということなんですね。ですから、この七十一兆円の枠をどうするのかということを示していって、税制の抜本改革も併せて歳入の方もやるということをしないと、これ出ないんです。
 ですから、私は三年というのは本当に意味がよく分からなくて、あと四年と五年でいろんなことを努力すればまだ余地があるという、このふわふわっとしたところを残しておくために、ちょっと今ほほ笑まれたような感じがいたしましたけれども、どうもその辺残しておきたいと。
 ですから、民主党のマニフェストをきちっと見直して、歳出を削減する、消費税を含めた抜本改革やるということを言わないと、この二年がブラックボックスになったらできないということじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#40
○国務大臣(野田佳彦君) 二年間がブラックボックスになって、その二年間が不安になるようなことにしないために、今回の向こう三年間の中期財政フレームの中では、歳出の大枠は七十一兆ですが、その後がずっと七十一兆になるかは、これはまだ分かりません、これはローリングしながら考えるということでありますけれども、その間に歳出改革のみならず歳入改革もしっかりやっていくということで答えを出していくことだと思っています。
#41
○林芳正君 時間が参りましたので、この話は是非この法案の議論のときにいたしたいと思いますが。
 さっき大臣おっしゃったことでちょっと気になるのは、何が起こるか分からないんで余り先の計画立てないんだと。これは逆でして、計画を立ててきちっと財政を運営していくという意思を示すということが大事なんで、その後いろんなことが起こって、これは難しいということになったらそのときに変えればいいわけですから、計画をやはり五年間きちっと最後の半分のところまで直線でつながるようにするという計画が大事であるということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#42
○佐藤ゆかり君 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 先週木曜日にこの財政金融委員会で質疑に立たさせていただきましたが、G20の会議をまたぎましたので、その結果報告も含めて引き続きの質問に立たさせていただきたいと思います。
 まず、先週木曜日の私の質疑で、野田財務大臣は、アジアに対する日本円の通貨高の問題について、ベトナム・ドンの一六%ぐらいの年初来の通貨安から始まりまして、人民元、韓国ウォンも軒並み一〇%前後通貨安になっているというような事実に触れられながら、このG20の財務大臣・中央銀行総裁会議においてしっかりとこの通貨の問題についても話をしていきたいというふうに御答弁をされておられます。
 そしてまた、私の方からも御提案として、今回、日本円がいわゆるファンダメンタルズに基づかない円高に苦しんでいるという現状にありまして、平成のプラザ合意というような形での為替に関する国際協調の枠組みをむしろこの問題のただ中にある日本が当事者として提案をしてくるべきではないか、その用意はないかということを大臣にお伺いをいたしましたが、しっかりとその議論も踏まえて話をしていきたいというふうに答弁をされました。
 大臣にお伺いします。そのお話は提言をされたのでしょうか。
#43
○国務大臣(野田佳彦君) まず、前段のところの年初来、アジアの、今、タイとかベトナムとかお話ありましたけど、様々な通貨に対して円が増価にあるということは先週の委員会で御答弁させていただきました。そのとおりでございます。
 そういうことも念頭に置きながら、今回特に個別の通貨をどうのという議論ではありませんが、そこを相当念頭に入れながら、一つには経済のファンダメンタルズが市場でしっかりと反映をされて為替レートへ反映される、そういう仕組みに移行をすること、特に新興黒字国は、これはアジアとは言いません、ですから新興黒字国はしっかりと為替の柔軟化に努めること、こういう主張はさせていただいておりますし、コミュニケにも反映をしているというふうに思います。
#44
○佐藤ゆかり君 このファンダメンタルズを反映した、より市場で決定される為替システムへの移行ということは、今回のG20の会議の採択文の中にも盛り込まれているわけでございますけれども、これに対して、やはりそれぞれG20のメンバー諸国の中には、政治の体質も異なり、あるいは為替に対するシステムも異なるシステムを抱えた国が多く存在しているわけでありまして、それを一様に各国努力に任せるということでは、今まさに経済界が円高で悲鳴を上げている我が国日本にとって、少し他力本願、無責任とお考えにはなりませんか。
#45
○国務大臣(野田佳彦君) さっき申し上げたように、新興黒字国は為替の柔軟化に努めるとか経済のファンダメンタルズが反映されるようにすることとか、そういう為替レートシステムに移行することとかということは、いろんな立場の国のいわゆる最終的な最大公約数を表現する立場です。加えて、今回は、為替レートの過度な変動や無秩序な動きを監視する、これは主要通貨を持っている国々の合意事項というふうに受け止めていますが、そういうことをいろいろやりながら、最終的には強固で持続可能かつ均衡ある成長の達成に向けて、G20として、通貨の問題については国際通貨秩序を安定強化するためのいわゆる合意ができて、それに向けてこれから連携協力をしていくということは私は一定の前進だというふうに思っていまして、平成のプラザ合意とは表現はできないかもしれませんけれども、やっぱり二十か国以上、G20といいながらももっとたくさんの国が実は参加をしています、そのそれぞれの利害調整をしながら危機感を持って対応しようという意味では、前進があったというふうに思っています。
#46
○佐藤ゆかり君 それでは、もう一度お伺いしたいと思いますが、その一定の前進があったという御答弁の中で、我が国日本として野田財務大臣はどのような主張、提案をされたのでしょうか。
#47
○国務大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、新興黒字国については為替の柔軟化をより進めるということのこれまでも合意したことがございますけれども、改めて再確認をさせるという意味での主張と、それから主要通貨についての、これまでは過度な変動は悪影響を及ぼすというレベルから、より一致協力していこうという意味での監視するというそういう表現に向けての努力であるとか、通貨の問題だけではなくて、通貨も含みますけれども、経常収支の議論、先ほど林委員とさせていただきましたけれども、今回のコミュニケに、まとめに当たっての内容の部分についてはかなり私の主張が反映をされているというふうに思っています。
#48
○佐藤ゆかり君 今回韓国が議長国でありまして、先ほど林委員の方からも質疑がございましたように、前日にアメリカから、例えばこの経常収支の目標についての案件でありますけれども、前日まで日本としても知らされなかったということは御答弁いただいたとおりでございます。
 そういう中でどのようなリーダーシップを取られたのかということが甚だ疑問になるわけでありますが、要は、諸外国から見て、私がやはり一番危惧を感じますのは、昨年以来のこの一年間に、当時鳩山前総理の唐突なCO2二五%削減の表明ですとかそういう発言に始まりまして、沖縄の問題、尖閣諸島の対応の問題、いろいろ外交面でやはり日本の政策というものが民主党政権になってから二転三転している、そういうことが多々あるわけであります。
 ですから、そういう他力本願的なその時々の状況任せの外交を行っていると、これは私、偶発的な外交というふうに申し上げたいんですが、そういう思想で経済外交までされてしまいますと、今のこの円高局面において甚だ国民生活はがたがたにされてしまうということではないかと思うわけでありますが、その辺の国益を守るリーダーシップ、やはりこれからは、今後ますますグローバル化は進展していく時代にありますから、日本としては通貨戦略をどう組み立てていくのか、先行きを読みながら国益を守るような政策というのが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#49
○国務大臣(野田佳彦君) 今回、さっき申し上げた例えば経常収支の問題で参考となるガイドラインという形の収め方をしたというのは、先ほど来申し上げているとおり、これはかなり日本の主張が反映されて収まったということです。
 そういうことも含めて、今回G20、今まで例えば持続的で強固で、そしてバランスの取れた成長を図るということを去年イスタンブールで合意して、そしてフレームワークをつくってきました。そして、六月のトロントにおいては、公的債務を削減をしながら、しかも経済成長に配慮をするという、それぞれのお互いの取組を決めるということもやってきました。何回か、世界経済が抱えている課題をどうやって政策協調するかという意味で大変重要な会議、節目があったと思いますが、今回は国際金融システムの安定強化です。その視点の中でいかに国際協調ができるか。取りまとめられなかったときには、G20とは何ぞやということになります。G20とは何ぞやとなったときに、結果生まれることは多分ドル安だったと思います、一層のドル安。それを食い止めるのが日本の最大の私は国益だったと思っています。
 だから、例えば経常収支の問題でも、厳格な数値目標を掲げろという国と定性的な文章でいいじゃないかという国と、その中を取るというのは妥協かもしれませんけれども、まとめるということに意義があります。そのまとめるという意義の中で私は大きな貢献ができたと思っています。
#50
○佐藤ゆかり君 私は、どうも今回の対応は、やはり経常収支の目標化あるいはガイドラインの策定という方向性についても、日本はやはり蚊帳の外、これだけ円高のミスアライメントに直面をしている国、当事者でありながら事前の相談を受けていないと、蚊帳の外であると。やはりリーダーシップの欠如というものが指摘されてしかるべきであるというふうに思うわけでありますし、また、戦略性を欠く参画、論点整理であれば、やはり一向に日本として長期的に今回の会議の位置付けがどうあるかということが分かりづらいわけであります。
 経常収支の問題についても、やはり日本としてどうであるのかということをしっかりとここで論点整理をし、国家戦略として戦略を組み立てた上でG20に向かうべきでありまして、先ほど大臣は御答弁でおっしゃられましたように、ここでG20の会議が失敗すればG20とは何ぞやと言われかねないという御答弁でありましたが、日本としてG20に向かうときに国家戦略も持たずに向かうのであれば、日本のG20への出席こそ本当に要るんだろうか、そういう議論にもなりかねないわけであります。
 私は、経常収支というのは、日本の少子高齢化が進んでいる今の経済社会において内需は縮小している、これは人口問題に対する対策を立てればまた別の次元になりますが、今の現状では人口減少時代、高齢化時代であります。内需縮小の中で、そういう人口的制約から考えれば、我が国日本はこれからますます外需依存度を増して外需に頼っていく、世界の市場の中で成長の活力を得ていく、そういう経済戦略に転換していかざるを得ないと思うわけでありますが、そういう中でこの経常収支の問題がG20で提示されたということであります。どう大臣お考えですか。
#51
○国務大臣(野田佳彦君) 基本的には、経常収支でいうならばですよ、黒字国はやっぱり内需拡大に努めていくということは基本だと思います。一方で、そうはいいながらも、すぐに内需拡大ができない部分、やっぱり外需とバランスを取った経済対策を行っていく必要があります。そのために、例えば今パッケージ型インフラ輸出とか、政府としても取組を強めておりますけれども、そのバランスを取ることは大事だというふうに思います。
#52
○佐藤ゆかり君 少し、この不均衡の是正あるいは不均衡の問題認識に対する質問は、時間があれば後に、最後に十分させていただきたいと思いますので、先にまたG20の結果報告について戻らさせていただきたいと思いますが、今回、声明文で採択された文言の中に、過度な変動をする為替については、いわゆる準備通貨を持つ国々も含めて先進国が監視をするという文言が含まれたわけであります。
 この監視体制についてなんですが、当然ながら、そうしますと、日本もこれから一方では監視をしていく立場になるということだと思いますけれども、実際にどのような監視体制をこれから日本政府として組まれるのか。そして、監視した結果、過度な変動を示す為替が確認された場合に、具体的に日本政府としてどのようなアクションを起こしていくおつもりか、方針についてお答えください。
#53
○国務大臣(野田佳彦君) 委員御指摘のとおり、為替レートの過度な変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を及ぼすということは、これは従来からずっと共通認識として持ってきたし、声明にも入れてきました。
 今回は、それに加えて監視をするという表現を入れました。主要通貨、ドル、円、ユーロ等がこれを監視をすると。監視をするという意味は、認識よりももうちょっと先に進んで、為替マーケットの動向をよく注視をしながら、必要があれば適切に協力をしていくと、協力をしていくということでございます。そこまでの合意ができました。
 そのメカニズム、それをどういう体制でするかという議論では、まだそこまで詰まっていません。協力をするというところは、具体的に何か起こったときに、その場その場で連絡を取りながら協力をどうするかという議論をする、協議をするということだというふうに思います。
#54
○佐藤ゆかり君 この協力というのは、例えば各国が協調して過度な動きを示している単独通貨に対して為替市場で操作を行うという意味ですか。
#55
○国務大臣(野田佳彦君) 操作を行うかどうかは別として、何か過度な動きがあったときには、その場でしっかり協議をして対応を決めていくということです。
#56
○佐藤ゆかり君 それは実質的な、プラザ合意に類するような実質的な為替監視、監視した結果過度な動きをしている為替レートに対する是正を促す協調体制に向けた話であるというふうに理解をしてよろしいわけですね。
#57
○国務大臣(野田佳彦君) 過度な動きとか無秩序な動きがあったときにはそれぞれが適切に協力をする。協力をするという意味は、いろんな手段があると思いますが、幅広いんですけれども、単に悪影響を及ぼすという認識の段階から行動をする今移行過程にあって、それはその都度その場で協議をしていくということになると思います。
#58
○佐藤ゆかり君 その協力をするという具体的な策が非常に分からないわけで、非常に今回の結果は市場関係者にとっても不透明感、不安感を増す結果ではないかと思いますが、もう一度お伺いしたいんですが、様々な手段の中には、為替介入やあるいは実体経済からの為替に影響を及ぼす中長期的な戦略や、どのようなものが含まれているんでしょうか。大臣がお考えになり得る潜在的な選択肢で結構ですから、おっしゃっていただけますか。
#59
○国務大臣(野田佳彦君) 過度な動きとかいわゆる無秩序な動きって、それ一様ではありません。一様ではありませんから、どういう場面でどういう協力をするかについては、今から予測をもって言うわけではありませんが、物事を解決するためにはあらゆる手段があると思います。
#60
○佐藤ゆかり君 どうも大臣の御答弁伺っていると、何かこう人任せといいますか他力本願のような経済外交を行っている印象を否めないんですね。
 今はお答えできないというふうに、どういうふうになるかこれから話を進めるという御答弁に終始をされているわけでありますが、私はそうではないと思います。これは日本の国益がかなう為替・通貨戦略の問題にかかわる案件でありますから、日本として国益を守るためにどういう手段がより手段として望ましいのか、そういうことを一つ一つ頭の中に入れながらこれからこの協調体制の枠組みづくりに日本が積極的にかかわっていく、そういう姿勢が大事なのではありませんか。
#61
○国務大臣(野田佳彦君) 日本の姿勢はもう従来から申し上げているとおりであって、過度な変動とか無秩序な動きがあったときには、それが看過できない状態、必要なときには断固たる措置をとる、これはもう既に決定済みであります。この日本としての単独の姿勢は変わりません。
 ただ、その協調して何をやるかということは、それは当該国がいろいろあるわけですから、もちろんしっかり我々の主張もしながらでありますけれども、その場その場で適切に協力をして解決をしていくということでございます。
#62
○佐藤ゆかり君 当然ながら、今の大臣の御答弁では、当然それは国益を守るという決意を表していただいたことというふうに思うわけであります。
 そういう意味では、この主権国家の我が国日本でありますから、過度な為替の変動によって円がミスアライメントの問題に直面をしている場合には、断固たる措置でそれを阻止するということでありますね。今、それをおっしゃっていただいたわけでありますから、それとこの協調体制、協力関係が仮に利益相反を起こすようなときには、当然ながら我が国日本の国益を最優先するという御答弁と解釈してよろしいですか。
#63
○国務大臣(野田佳彦君) いろいろその仮定があると思います。ですが、過度な変動、悪影響がまさに看過できない状態のときは、日本の姿勢は必要なときには断固たる措置をとるということです。その上で、多分、円の問題がどうなるか分かりませんけれども、これは円だけを想定しているわけじゃありませんので、その中で適切な協力関係をどう構築していくかということだと思います。
 日本の姿勢はさっき言ったとおり不変であります。その上で、仮に日本にとってのそういう問題が起こったときには、各国に適切な協力を呼びかけながら行動をしていきたいというふうに思います。
#64
○佐藤ゆかり君 実は、これはやや大臣の御答弁に難点を感じるのは、つい最近、欧州議会が、来月、十一月にG20のソウル・サミットが行われるわけでありますけれども、欧州首脳会議で議長が総括原案を出しております。この十一月のG20ソウル・サミットで為替介入の回避の採択を求めるという動きが今EU内で広がっているわけでありますが、それを前提として、ソウル・サミットで欧州首脳会議議長総括原案として為替介入回避の採択を求めるという動きが今出てきているわけであります。
 そうしますと、このように欧州は為替介入に対して否定的な姿勢をかねてから貫いているわけでありますが、これが具体化してソウル・サミットに提案されるわけでありますが、大臣、先ほどおっしゃられましたように、過度な円の急伸については断固たる措置をとられるとおっしゃられました。日本は、そういう提案があるソウル・サミットでもしっかりと為替介入の余地は譲れないということをこの国際会議の場面で表明されるということで間違いありませんね。
#65
○国務大臣(野田佳彦君) G20ソウル・サミットでEUがそういう議長総括案なるものを具体的に提案するかどうかはちょっとまだよく分かりません。分かりませんが、報道で見る限りにおいては、EUの対処方針として、保護主義のすべての形を避けるとともに、短期的な競争上の利益を得る目的で各国が為替変動に関与することを避けるという意味で為替の介入はしない、回避を求めるということを提案しようというふうに聞いています。
 その意味においては、我が国は、先ほど来申し上げたとおり、為替相場の過度な変動を抑制する観点から先般介入いたしました。短期的な競争上の利益を得る目的で実施したものではないので、仮にそういう提案があったとしても該当しないというふうに思います。
#66
○佐藤ゆかり君 それでは、せんだって九月に政府は為替介入をして、いったんは一ドル八十四円、五円台ぐらいまで戻したわけでありますけれども、その後、日本政府の姿勢がやはり海外の圧力に対して弱腰であると、そういう観測が市場で広がった結果、G7の会合の前辺りからまた円が急伸するような展開になったわけであります。
 G7のこの国際会議を前にして日本は介入できないであろうと、そのように海外市場でも取られ、為替市場でも取られ、そして付け込まれて更に円買いが行われたという展開になったわけでありますが、大臣、こういう問題に対して日本は、幾ら大臣が断固たる措置をとるというふうに明言を続けられても、その実際の腹積もり、国際会議の前になるとどうも弱腰になるんじゃないかと、そういう印象が定着しているようでありますが、これはどうやって払拭されますか。
#67
○国務大臣(野田佳彦君) 我が国としては、どんなときでも、例えば民主党代表選挙が行われたときでも、あるいは国際会議が開かれているときでも姿勢は不変であって、為替の過度な変動、これを抑制するためには断固たる措置をとる、必要なときには断固たる措置、これは変わりません。
 九月十五日のころというのは、余り詳細な分析をするのも差し障りがあると思っていますけれども、やっぱり円の独歩高だったと思います。それ以降は、円だけではなくて様々な通貨がドルに対して強含みになっているということでございます。
#68
○佐藤ゆかり君 時間も限られておりますので、次のソウル・サミットの前にはきっちりと断固たる措置をとるという姿勢そのものを信憑性を高める政府対応を是非行っていただきたいというふうに思います。
 さて、私も、大臣がおっしゃられましたとおり、この為替介入に対する観点というのは、いわゆる平時の適正な市場による為替のレートの値付けが行われているときには当然ながら為替介入は必要ないものであると思われるわけでありまして、まさに今は超低金利政策、超低金利を維持する我が国日本でありながらファンダメンタルズを反映せず円高が急伸していると、こういうミスアライメント、言わば市場の失敗であります。市場が為替レートを適正に価格付けすることに失敗しているわけでありますが、こういう市場の失敗のケースでは、当然ながら政府の介入が必要であるということはだれでも認めることでありまして、それは是非これからも国際舞台の場で堂々と正面からおっしゃっていただきたいというふうに思うわけであります。
 さて、そこで関連ですけれども、この経常収支のガイドラインについて、先ほど大臣、ガイドラインズと、複数あるんだという御示唆をされたわけでありますが、このガイドラインがどのような形で決定されるのか、非常に今不透明感が漂っているところでございます。特にこの経常収支というのは、先ほど来大臣もおっしゃられましたように、国々の経済体力あるいは特性によってやはり経常収支の中身も違う、日本の場合には所得収支も近年大変増えてきているのが現状であります。
 そういう中で、この貿易の不均衡の是正として、経常収支にまつわる一つの目標、ガイドラインに入れる場合に、例えばこの日本の観点から申しますと、当然ながらドル・円だけが問題ではありませんから、そして貿易不均衡も、全世界と今や貿易を行っているわけでありますから、当然単独の通貨に対しての是正を将来的に求めるのではなくて、やはり実効為替レートを見て、この貿易の不均衡については、では実効為替レートでどう調整を要求するのかと、そういう観点も織り交ぜながら、日本としてどのような手段が最も日本の国益にかなうかと、そういう議論を是非展開していただきたいと思いますが、ガイドライン策定についての方針を手短に御答弁ください。
#69
○国務大臣(野田佳彦君) 委員御指摘のとおり、経常収支の場合にも、これは結局様々な民間セクターを含めた経済活動の結果であるということ、日本の場合には所得収支に大きく依存しているということ等々、各国によってやっぱり事情が違います。その事情が違う中でどういう数値を一つの参考とするガイドラインにするかはこれから相当詰めた議論が必要だと思いますが、これ、経常収支だけではなくて、今実効為替レートという御指摘もございましたけれども、そのほか、一体日本にとって何がプラスになるかということはしっかり念頭に入れながら、国際合意の形成につなげるべく努力をしていきたいというふうに思います。
#70
○佐藤ゆかり君 私は、経済外交は今やルールの戦争だというふうに考えております。目標は皆さん同じでも、どういうルール、手段を使って目標に至るのかと、そこのルールが一番決め手になるわけでありまして、国益にかなうルール、自国に有利なルールを、各国がしのぎを削って自分たちに有利なルールを制定しようと、そういうわけであります。これは会計基準でも同じです。ですから、そういう観点で是非これからは強く、まず日本の政府として国益にかなう手段というものから早急に検討を始めていただきたいというふうに思うわけであります。
 さて、このガイドラインですが、実は非常に不透明な部分がありまして、時間も限られておりますので、手短に解釈をお答えいただければと思いますが、実は今年四月にワシントンで行われたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議、同じようにガイドラインなるものが既に制定をされているわけであります。当時は、強固で持続可能かつ均衡ある成長のためのG20の枠組みという表現で、それぞれ、強固な成長のためには何が必要、持続可能な成長のためには何が必要、均衡ある成長のためには何が必要というこのガイドラインのようなビュレットポイントが声明文の中で採択をされているわけであります。
 ですから、加えて今回ガイドラインというのは非常に分かりづらいわけでありますけれども、実際、今回のガイドラインというのはそういう意味では実のあるものになるんでしょうか。それとも、ある意味提言をしたアメリカの手前、一回戦そういう言葉を入れておこうと、そういう政治的判断でしょうか、いかがですか。
#71
○国務大臣(野田佳彦君) 今回合意された参考とするガイドラインというのは、いわゆる世界的な不均衡のリバランスをするための、その意味でのガイドラインということです。
 委員の御指摘の強い経済そして安定して均衡の取れた成長を取るためのいわゆる経済政策は、これはフレームワークとして、それぞれの国が、新興黒字国、赤字国、あるいは先進国、新興国、そういう立場でそれぞれが何をやるかということをしっかりと相互監視をしていこうと、そういうフレームワークをつくって、今度のソウル・サミットに向けてその行動計画を作っていく。日本の場合は財政運営戦略であるとか成長戦略であるとか、そういうものを含んで提出をしているということでございます。
#72
○佐藤ゆかり君 時間が終わりに近づいてまいりましたので、そういうガイドラインにも基づきながら、最後に、この日本経済そのものが抱える不均衡、将来的な指摘の対象になり得るこの不均衡について、せっかく国家戦略担当副大臣にお越しいただいていると思いますので、御答弁をいただきたいと思いますが、今年二月に日本はG20の相互評価プロセス、MAPと言われますが、この枠組みで既に評価を一度提出しているということですが、我が国日本が抱える不均衡の分析について手短にお答えをお願いします。
#73
○委員長(藤田幸久君) どなたが答弁されますか。
#74
○佐藤ゆかり君 通告しておりますので、不均衡について何であるかということは既に通告済みでありますが。
#75
○国務大臣(野田佳彦君) 不均衡是正のための、さっき申し上げたとおり、各国の取組を、それぞれフォーマットがあって各国ごとにそれを提出をしています。その分析をして、不均衡是正のために、例えばIMFがこういうかかわりをしておりますが、提言をしたり評価をしたりするということの中でお互いが改善をしていくと。その中の分析は基本的にはIMFが中心にやっています。
#76
○佐藤ゆかり君 時間が参りましたのでここで終了しなければなりませんが、私は昨日きちっと通告をしているんですね。国家戦略担当副大臣も含め、この日本が提出した不均衡について何であるかという質問を提出させていただいております。これは国家戦略にもかかわることなんですね。ですから、国家戦略の担当の副大臣にわざわざお越しをいただいて御答弁いただきたかったわけでありますが、その戦略にかかわる不均衡について、国家戦略担当副大臣が御存じない、御答弁いただけないということは、これは重大な問題であるということを指摘させていただいて、私の質問を終えたいと思います。
#77
○副大臣(平野達男君) 日本が経常収支の黒字を抱えていまして、その一方でアメリカがグローバルインバランスという中での大きな経常収支の赤字を抱え、これが世界的な金融危機を招いたということについての認識は十分共有しているつもりであります。日本が、じゃ、その中でどういう経済政策を取らなければならないかということにつきましては、従来から言われているように、まずは内需を拡大していくということでございまして、その観点から新成長戦略を策定しています。
 御案内のとおり、新成長戦略では、七つの分野を設定して二十一の国家プロジェクトを決めておりまして、その工程表も決めております。その工程表に基づいて、今各分野ごとに学識経験者あるいは実業家の方々の御意見もいただきながら、構想の具体化、制度の設計化、そういったことを今やっているわけでございまして、こういったことの確実に実行する中で、内需、外需、そしてその拡大、それを支える人材の育成、イノベーション、こういったものをセットで実行することで、日本の財政の赤字、財政不均衡というのも大きな問題ですけれども、この財政不均衡の拡大の防止あるいは解消、さらには経常収支の均衡への大きな役割を果たすというふうに理解をしております。
#78
○委員長(藤田幸久君) 佐藤ゆかりさん、時間を過ぎておりますので、おまとめいただきたいと思います。
#79
○佐藤ゆかり君 結局、我が国日本、人口動態を見ますと、外需依存度を上げていかざるを得ない経済であることは明白なんです。それにもかかわらず、国家戦略担当副大臣の御答弁、内需拡大を努める成長戦略だと、引き続き十年前、二十年前のようなことをおっしゃっている。私は、これでは日本経済の活路は見出せないと思います。
 質問を終わります。
#80
○荒木清寛君 財務大臣、G20は大変御苦労さまでした。
 ただ、G20では実効性のある合意、共同声明でも実効性ある合意はなされなかった、あるいはドル安を是正する明確な表現が盛り込まれなかったことから、我が国としては今後単独の為替介入がもう難しいのではないか、こういう観測も出ているわけでございます。
 G20後も円高ドル安傾向はとどまらないといいますか、ますます進んでいるわけでありますけれども、中小企業に大変大きな影響を及ぼすこの円高問題に今後G20を受けてどう取り組むのか、本当に取り組んでいけるのか、大臣の方針をお尋ねします。
#81
○国務大臣(野田佳彦君) G20においては、まさにドルがどうのとか人民元がどうとか円がどうのという個別の通貨あるいは個別国の為替政策をどうのではなくて、通貨安競争に陥っている世界経済というのは危ないと、だったらどうしようかというところで政策協調をさせていただきまして、通貨の問題については、もう先ほど来いろんな御議論の中で明らかにしたように、経済のファンダメンタルズを反映し、より市場で決定される為替レートシステムに移行し、通貨の競争的な切下げを回避することであるとか、準備通貨を持つ国々を含む先進国は為替レートの過度の変動や無秩序な動きを監視することなどが合意をされまして、いろんな立場の国がありますけれども、こういう国際協調をしていくということは、私は一定の前進であり、市場の懸念にこたえるというきっかけになるというふうに思っています。
 さらに、今後、為替の動向をやっぱり注目をしていかなければならないと思っています。重大な関心を持ってマーケットの動向を注視をしながら、先ほど来申し上げているとおり、必要なときには断固たる措置をとるという姿勢は不変でございます。
#82
○荒木清寛君 次に、金融担当副大臣にお尋ねをいたします。
 昨年の民主党のマニフェストでは、政府系金融機関の中小企業に対する融資について個人保証を撤廃する、あるいは自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について廃止を含め在り方を検討するとうたっておりますが、この方針を今でも民主党はあるいは政府は維持している、こういう理解でよろしいですか。
#83
○大臣政務官(和田隆志君) 荒木委員御指摘のように、昨年の民主党マニフェストにおきましても、また追加的に申し上げれば今年の参議院の民主党マニフェストにおきましても、御指摘のような表現を盛り込みまして、民主党としても鋭意その方向で検討されておられます。
 政府といたしましても、その民主党の方向性を共有しながら検討させていただいておりまして、実はいろいろと諸方面から御意見を賜っているところでございますが、おっしゃるように、この連帯保証制度が起因となっていろんなところで、例えば自殺が起きてみたり、そうした社会問題も起きておりますので、そういったところを問題意識を持って取り組んでいるところではありますけれども、両方面からの御意見というのはやっぱり参っておりまして、そういったところから頼まれると断れないというような日本のその情義性の文化の中でこういったものをどう考えるかと、そういった意味ではむしろ過大な保証を求めない方がよいのではないかという御意見もあったり、また一方、中小企業の資金調達の実態を考えますと、実際にはやっぱり経営者の保証を付けずんばなかなか円滑に資金が調達できないということもありまして、その間でバランスを取るべく努力しているところでございます。
#84
○荒木清寛君 私は、この問題はかねてから大変関心がありまして、本年四月二十日の当委員会でも、当時の大塚副大臣に人的担保に過度に依存しない資金調達の在り方を迫ったわけであります。副大臣は、今後の検討課題という答弁でありましたが、今の政務官のお話ですと、まだ検討しているだけだと。
 実際、我々いろいろ金融の相談もありますが、政府系金融機関のこの保証人の取り方についても何か変わってきたという話は聞いておりませんし、ずっと検討してどうするんですか。何にも進んでいませんよ。どうするんでしょうか。
#85
○大臣政務官(和田隆志君) 今委員御指摘なさったところから、我々としては鋭意検討を続けておりまして、実は一歩も踏み出していないわけではございませんで、本年六月十八日に閣議決定いたしました新成長戦略の中でこういった表現を盛り込んでおります。経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とする融資慣行を確立し、また、保証人の資産、収入を踏まえた保証履行時の対応を促進するため、民間及び政府系の金融機関に対し監督上の措置を実施するという表現を盛り込んで、これについて取り組んでまいろうと考えております。
#86
○荒木清寛君 マニフェストをこの政府の戦略に盛り込んだのは一歩前進かもしれませんが、具体的に前進するように取組をお願いいたします。
 次に、金融庁と今日は国土交通省からも参考人に来ていただいておりまして、この住宅瑕疵担保履行法に関連する地盤保証の問題についてお尋ねをいたします。
 昨年の十月一日から住宅瑕疵担保履行法が施行されまして、住宅事業者はこの住宅瑕疵担保責任保険に加入するかあるいは供託を行うことで、住宅事業者、つまり工務店等が仮に倒産をした場合でもこの瑕疵担保責任がきちんと履行できるような、そういう義務付けがなされたわけであります。
 そこで、今日お聞きしたいのは、この保険とは別にというか、これに関連して地盤保証という、保険ではないんですけれども、商品が販売をされております。これは、地盤の不同沈下という現象があるそうでして、地盤が沈下して建物が傾く場合なんですが、これは瑕疵担保責任できちんと担保できる場合はいいんですけど、できない場合もあるということで、その地盤保証で保証しますよということで、もうこれはかなり一般的に販売されています。
 そういうことを調べる中で私は少し問題意識を持っておりまして、地盤保証は、これは保険ではありませんので金融庁の監督でもなければ、国土交通省の監督であるのかないのか、いずれにしましても、しかしやっていることは保険と同じようなことでありますので、この地盤保証会社が、そういう商品を販売しているところが仮に倒産した場合にこの保証ができるのかどうかということについては大変疑問を持ちます。
 そこで、この地盤保証についても私は保険と同様に、あるいは準じて、金融庁なり国土交通省なりがきちんと監督をして、あるいは所管をして健全性を担保しなければいけないと考えておりますが、どういうお考えでしょうか。
#87
○大臣政務官(和田隆志君) 荒木議員御指摘のように、今現在こういった地盤保証ということが行われていて監督官庁がないという状態になっていることは私どもも認識いたしております。
 むしろ、そこから先、政府として一番考えていかなければいけないのは、住宅をお買い求めになる国民の皆様方が安心して安全に住宅を購入し、また幸せに数十年暮らしていただくこと、それを目的として政府は鋭意努力しなければいけないわけですが、そういった観点からは、住宅の安定供給という政策上、国土交通省さんにはしっかりとこういったスキームを検討していただければというふうに思っています。
#88
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 地盤保証と言われているものに二つございまして、工務店などの住宅を建てる事業者が申し込むものと、地盤の調査なり改良を行う事業者が申し込むもの、二つあると思います。
 前者につきましては、委員御指摘のように、瑕疵担保履行確保法の施行に基づきまして保険が普及をいたしまして、不等沈下含めて大部分のケースはこの保険の方で対応できるというふうなことで、必要性はなくなっていくものと思われております。また一方、地盤改良業者等が申し込むタイプ、これにつきましても需要は減るんではないかと思いますけれども、住宅事業者とは保険の申込者が異なりますので、一定の必要性は残るものと考えております。
 この保険につきましては、基本的には業者間の保険ということでございますので、今のところ消費者問題として大きな問題が起こっているというふうには認識をしておりませんけれども、今後とも情報収集をきちっとやってまいり、また、国土交通省から指定しました瑕疵担保責任保険法人がこの保証業務を行うこともあり得ますし、一社は現在やっておりますけれども、これにつきましては保険法人の監督を通じましてきちっと対応してまいりたいというふうに思っております。
#89
○荒木清寛君 これは確かに事業者に対する保証、今保険という言葉、いみじくも使われましたけれども、ただ、最終的には、これは消費者、住宅購入者に対する保証ができるのかどうかというところが最終的な利益ですから、しっかりそこを見て、私は健全性に努めてもらいたいと思うんです。
 そこで、いろいろ見ていますと、この地盤保証を売っている商品のパンフレットの中には、保証期間十年、最大五千万円まで保証しますというふうにうたっている商品も見受けられました。実際、それほどのいわゆる担保能力は地盤保証会社にはありませんので、実際はこの地盤保証会社が保険会社と賠償責任保険契約を締結して担保しているわけなんですね。ところが、その保証会社が結ぶ賠償責任保険は短期一年間の契約を更新しているにすぎないものがあるという指摘が、これは業界の新聞を読みましたらありました。
 そうしますと、十年保証しますよといって販売しているんですけれども、実際それを裏打ちする再保険といいますか、この保険は一年しかないわけでありまして、そうしますと、これは国土交通省と金融庁にお尋ねしますが、保険契約の締結又は保険募集に係る禁止行為を定める保険業法第三百条、不実の告知ということですね、実際は一年のそういう担保しかないのに十年保証しますよといって売っているのはちょっとこの条文に違反をするのではないかという懸念を持ちますが、この点は当局の見解はいかがですか。
#90
○大臣政務官(和田隆志君) 荒木委員御指摘のようなことが実態としてあるということは、今回の御質疑を通じまして調査した結果、分かっておる次第でございます。
 ただ、実際のその形態を見てみますと、地盤保証の保証の内容の住宅購入者に対する告知は保険として説明されているのではございませんので、これがもし保険会社がお買い求めになる国民の皆様方に対して保険契約上こういうふうになっていますというふうに説明する関係に立っているならば保険業法の適用があるのでございますが、あくまで地盤を調査し、大丈夫だと言っている会社は保険会社ではございませんで、その会社がお買い求めになる国民の皆様方に大丈夫ですということを保証するときには保険業法の適用には当たらないというふうに考えています。
 また、仮に保険会社の方がもしこれに関する営業行為をやっていたとしても、営業行為があったとは思っていませんけれども、直接地盤保証を行っている会社が、あたかも国民の皆様方にこれは自分たちが保険会社と保険契約を結んでいるから大丈夫なんですというような説明をしているとすれば、それは先ほどおっしゃっていただいたような保険業法三百条の違反行為に当たるというふうに考えています。
#91
○荒木清寛君 次に、国土交通省にお尋ねいたします。
 私も今回勉強したんですが、建築基準法で地盤の強度についても基準がありまして、それを受けて国交省告示千百十三号というのがあります。これは地盤調査の最も一般的な方式とされておりまして、SS試験というそうですが、スウェーデン式サウンディング試験と、こういうのが告示に定められています。
 これ、私びっくりしたんですが、この告示で調査をすると、普通家を建てますと八〇%以上の地盤は補強しなければいけないというある意味で厳格な基準でありまして、だから実際、その建築物を建てるときには何らかのそういう補強してやっているものだということが分かりました。
 ところが、地盤保証の先ほどの話に戻りますと、ある地盤保証会社のウエブサイトを見ますと、国交省のSS試験によると八〇%の地盤補強が必要なんだけれども、本当はそんなに必要ありませんよと、我が社の独自の基準で判定をすれば本当はもう二〇%しか改良の必要性はないんだと、もしその基準でやって何かあった場合にはちゃんと保証しますよと言って、だから地盤保証を売っているというのもホームページで見ました。
 これはちょっと、何かせっかく建築基準法で定めた基準や告示を潜脱するような、地盤補強をしなくていいよという、そういう推進するような売り方であって、ちょっとこれも問題があるのではないかと思いますけれども、国交省はどういうふうに考えていますか。
#92
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、建築基準法では、基礎につきまして、地盤の許容応力度に応じて布基礎あるいはべた基礎など適切な構造方法を取ることを規定をしております。それから、地盤の許容応力度は、地盤調査を行いましてその結果に基づいて算定すると。さらに、地盤補強を行った場合は補強の効果も踏まえた上で算定すると、こういう手順になってございます。
 御紹介いただきました内容、ちょっと私ども実物まだ確認しておりませんけれども、その情報だけですと、ウエブサイト上の表記に具体的な問題があるのか違反建築物があるのか、直ちにこの場でお答えすることは適切でないと思いますけれども、基本的に建築基準法に違反するような疑いが具体的に御指摘いただきますれば、各特定行政庁へ情報提供を行って、個別の案件であれば特定行政庁で調査をしっかりやっていただき、また共通的な課題であれば私どもでも必要な調査をして対応措置を講じてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#93
○大臣政務官(和田隆志君) 荒木委員の先ほどの御質疑に対する私の御答弁の中で、少しだけ恐らく余分に申し上げた部分があったものでちょっと修正させてください。
 地盤保証の仕組みの中で、地盤の安全性を確認すべき事業者があたかも保険がバックにあるように説明しているときに、私、先ほどは保険業法の三百条違反に当たる可能性があるというふうに申し上げたと思うんですが、三百条の条文そのものに該当するというわけではなくて、保険業者でない者が保険があるように要するに説明するということで、二百七十五条という条文があるんですが、それに明確に違反するかどうかまだ判定いたしておりませんが、保険業法に照らすと問題があるというふうに考えているというところで、少し修正させていただければと思います。
 以上でございます。
#94
○荒木清寛君 最後に、いずれにしても、家を建てる、これは一般消費者にとっても一生のことでありますので、もうずさんなそういう地盤補強工事が行われてはならないと思います。
 そこで、補強工事のやり方は国土交通省認定工法ですとか性能保証というものがありまして、そういう認定を受けている業者もたくさんあるにかかわらず余り利用されていないという声もあるわけです。現に、先ほどのように、いやそんな厳しい基準は必要ないんだよということをうたっているところもあるわけで、せっかく国交省でそういう告示を定めて工法を認定しているんであれば、もっとそういう補強工事が活用されるように取り組むべきであると考えますが、どうでしょうか。
#95
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御紹介ございました国土交通省の認定というのは、恐らく構造計算が必要な規模の大きな建築物、確認を出す際に鋼管ぐいなどを基礎ぐいとして用いる場合のその許容応力度の算出の計算過程の図書を省略できると、一定の型にはまったものなので、これはもう計算書を出さなくていいという認定のことだと思います。
 それから、性能保証とおっしゃったのも、ちょっと必ずしもよく分からないんですが、恐らく民間の評価機関が法律によらずに第三者として任意の技術評価を行っているものだというふうに理解をいたしております。これらの工法がどのように活用されているか、活用が多いのかどうか、ちょっとお答えできるだけのデータがございませんけれども、普及していないことが適切な地盤工事の確保の観点から問題があるというふうには必ずしもならないのではないかなと思っておりまして、むしろ個々のこういった作業に携わる建築士の方々がきっちり一件一件の建築物について責任を持って仕事をしていただくと、それが不備であれば私どもの方から必要な情報提供等を行っていくと、こういうことが必要ではないかというふうに思っております。
#96
○荒木清寛君 終わります。
#97
○中西健治君 みんなの党の中西健治でございます。よろしくお願いいたします。
 G20については、多くの質問、内容の詳細についてはもう出ているようでございますので、私はこのG20の枠組みについて、まず野田財務大臣に質問したいというふうに思っております。
 G20の成り立ち、皆様御承知のとおりロシア危機ですとかアジアの通貨危機を踏まえて、そのたびに参加国が増えてきているということになっておりまして、今や二十か国を超えているというようなお話でございました。テレビで映像を見ていても非常に多くの参加者がいて、先進国もあれば途上国もある、資源国もあれば工業国もあると、こういう中で立場も利害も全然対立してしまうというような場であるわけでございますが、その中で、本当に実質的な有効な議論というのができるのかどうかということについてやはり大きな疑問があるというふうに私自身は思っております。
 野田財務大臣、行って帰ってこられたばかりでございますので、そこら辺、どういうふうにお感じになられたか、お話しいただければ有り難いと思います。
#98
○国務大臣(野田佳彦君) 委員御指摘のとおり、参加国あるいは地域が増えていまして、事実上、20より多いんですよね、IMFであるとか世銀なども入りますので。そうすると、財務大臣・中央銀行総裁会議となると大体参加者が五十人ぐらいいます。一人三分しゃべっても相当長い時間やるという会議でありますから、だからこそ公式会議以外のところで、バイであるとかちっちゃなマルチであるとか相当いろんな会議をやりながら公式の会議をやっているということでございまして、機能はやっぱりしっかりしているというふうに思いますし、今回も経常収支の問題であるとかあるいは通貨の問題、IMF改革、特にIMF改革なんかは相当に利害を超えて最終的には大同団結しました。
 G7というのは、経済状況とか基本的な考え方とか、あるいはお互いに国際的な金融市場を持っているという意味では共通性のある基盤ですが、今はやっぱり国際の金融協力という場面においては一番やっぱりG20が重要な会議に私はなってきているというふうに思います。
#99
○中西健治君 今お話、G7というのもございましたけれども、今回のG20の会議に先立ってもG7が行われたというような報道もありましたけれども、このG7とG20、両方あるわけですけれども、それぞれにどういう意義があるのかということについて簡潔にお話しいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(野田佳彦君) 今少し触れましたけれども、経済状況とか基本的な考え方あるいは国際的な金融市場を有するという意味でのG7というのはやっぱり共通基盤が成り立っています。その意味では、自由闊達な意見をしながら、お互いに問題意識を共有して前へ進むということは何回もこれまで繰り返してきました。今回もG20の前にG7もやりました。それはやっぱり、そういう我々先進国の問題意識を共有しながら、どうやって新興国と向き合って利害調整をしていくというある種相談みたいなこともありますよね、そういう機能を果たしているということでございます。
 G20はさっき申し上げたようにいろんな立場の国が参加をしています。先進国、新興国、途上国、黒字国、赤字国、それぞれの利害は違いますけれども、それを乗り越えて、やっぱりお互いに今回の場合は強固で安定した国際金融システムをつくらなければそれぞれがマイナスだねという認識は持っているわけで、そのために大同団結をする場であったと思いますし、意義はあったというふうに思います。
#101
○中西健治君 今回の共同声明を見ましても、結局のところIMF改革を除くと具体的な方策ということについては合意がされていないということもありますので、なかなかG20は難しい場所なんじゃないかなというふうに私自身は思っています。それで、G7は中国も入っていないということもあるので、為替のことを考えたり、貿易の国際収支の不均衡を考えるに当たっても、もっとほかの協議の場が必要となってくるんではないかと、私自身は考えているということでございます。
 続きまして、自見金融担当大臣に質問の方をさせていただきます。
 自見大臣、衆議院の予算委員会で中小企業金融の円滑化法、これの来年の三月の期限、延長をすると、視野に入れて検討するということを表明されておりました。そして、先週の本委員会におきましても、荒木委員の方から延長の要請というのもあったわけでございますけれども、私自身は、中小企業が厳しい環境の中で競争力を高めてしっかりと自立をしていくための支援をするということ自体、非常に大切なことだというふうに考えておりますけれども、この法律の運用に関しては大きな問題が幾つかあるので、単純延長はすべきではないだろうというふうに考えております。
 まず、一番目に指摘させていただきたいのが、銀行の隠れ不良債権の問題です。
 今回のこの法律が施行されるに当たりまして、金融庁は、昨年の十二月に金融検査マニュアルを変更しております。そして、この中小企業が延長要請をするときには不良債権として一定の要件の下に認識しなくてもいいというように金融検査マニュアルを変えているということでございます。そして、この一定の要件というのが、一年以内に経営再建計画を策定する見込みがあるときという非常に緩い要件となっているということでございます。それがゆえに、本来であれば不良債権として認識されるべきものが隠れ不良債権となっているというのが分かってきているということでございます。
 日本銀行の試算によると、この金額というのが四兆円以上に上っているのではないかということになっているわけでございますが、この措置というのは金融機関のディスクロージャーを大きくゆがめている措置です。そして、財務諸表に対する信頼性を著しく損なう措置でもあるというふうに考えておりますので、私自身は即刻この検査マニュアルは元の基準に戻すべきであるというふうに考えておりますが、自見大臣、どうお考えでしょうか。
#102
○国務大臣(自見庄三郎君) 中西議員にお答えをさせていただきますが、従来より、今も先生御指摘のように、貸出条件の変更を行っても一定の要件の下に該当する経営改善計画等がある場合には不良債権に該当しないという扱いとしておるところで、先生はそのことを今取り上げられたわけでございますけれども、私も二十年前、通産政務次官というのをさせていただきまして、中曽根弘文参議院議員が当時参議院から来た通産政務次官、私が中小企業担当の衆議院から行った通産政務次官をさせていただきまして、一年三か月を、当時通産大臣から特別にこの政務次官に中小企業担当という辞令をいただきまして、大変中小企業の政策のやらせていただいた経験もございますが。
 そのことを踏まえて、中小企業は景気の影響を受けやすく、一時的な収益の悪化によって赤字に陥りやすいという特徴がございますし、また、中小企業はなかなかマンパワーが正直に言いまして不足しがちでございまして、問題等により迅速に経営改善計画なんというものを策定することはなかなか困難なことがございます。また、いろいろな経営コンサルタントをお願いすればいいじゃないかという御意見もございますけれども、なかなかそこまでこの不況の中で経費がないというようなこともございまして、そういったことで昨年十二月の、今先生御指摘のように、監督指針及び検査マニュアルの改定、こうした中小企業の特性等を踏まえまして、経営改善計画の策定が可能と見込まれれば、計画等の策定を最長一年間延長し、その間は不良債権に該当しないという取扱いをさせていただいたものでございまして、必ずしも、この中小企業の実態を踏まえて、今大変厳しい不況の中でございますが、金融機関のディスクロージャーをゆがめるというような御指摘は当たらないんじゃないかというふうに私は考えております。
#103
○中西健治君 自見大臣は先週の所信表明のときにアメリカの金融制度改革について賛意を示しているようにおっしゃられたかと思いますけれども、このディスクロージャーをしない、本来であれば開示しなければならないものを隠すというのは、これはまるっきり逆の方向だと思いますので、私自身はやはりしっかりと開示をすべきであろうというふうに考えております。
 もう一つ、これに関連して質問をさせていただきます。
 この法律では、金融機関は貸付条件の緩和に応じる努力義務だけが課せられているわけですけれども、実際には、これまでのところ銀行は政府や監督官庁の意向を踏まえて貸付条件の緩和要請にほぼすべてこたえてきているということでございます。
 私自身は、単なる延命策というのでは日本の産業の競争力を強化することにもなりませんので、政府は産業の競争力強化という観点も入れて、やはり一定の基準を設けるべきなのではないかというふうに考えております。経営再建計画を厳しくするですとか、成長産業への転換を促すですとか、そういった基準を設けることについてはいかがでしょうか。
#104
○国務大臣(自見庄三郎君) 中西議員にお答えいたしますが、中小企業金融円滑化法は、一時的に返済が困難であるものの将来改善の見込みがある債務者に対して、貸付条件の変更等に金融機関が努める法律でありまして、必ずしも今申し上げました事情等々によりまして、中小企業の延命策との御指摘も当たらないというふうに私は思っておりまして、また、同法の施行によりまして検査マニュアルあるいは監督指針が改定しまして、まさに検査監督を通じて金融機関による借り手企業への経営指導、いわゆるコンサルティングですね、非常に金融機関というのは、もう先生御存じのように、内部にコンサルティング機能といいますか、こういうお得意さんはこの地域にいるとか、こういう企業があるとか、そういうのを非常に、先生が御存じのように、非常にノウハウをたくさん金融機関というのは内部に持っているものですから、そういったコンサルティングの機能を十分に発揮して促してほしいということでございまして、いずれにいたしましても、中小企業円滑化法については、引き続き、金融機関への影響にも配慮しつつ、我が国の経済及び中小企業等の資金繰りの現状や金融機関の円滑化等に向けて、取組の進捗状況をよく見ながら、この延長も視野に入れつつ検討してまいりたいと。
 当然、今先生言われたように、金融規律ということも大事でございますけれども、同時にその中で、やっぱり中小企業がこういった厳しい中でも生き延びると、そして雇用を確保していただくということ、そのまさにバランスの問題でございますけれども、そういったことをきちっと、一応法律を作って、この法律を作りまして、実は今大阪とか、この前大阪、名古屋に私も調査に行かせていただきましたら、中小金融機関から、この法律がなかった場合は、実はメガバンクは全然もう、この協調融資の場合なんか全くもう振り向いてもくれなかったけれども、この法律ができてから、協調融資する場合に、メガバンクが初めて協調融資なんかの相談に応じてくれるようになったというような、現実にそういう声も聞いておりますので、そういったことも御理解をいただければというふうに思っております。
#105
○委員長(藤田幸久君) 中西健治君、時間が過ぎておりますので、おまとめください。
#106
○中西健治君 時間が参りましたので、この隠れ不良債権、更に大きくなってくるということになりますと、金融機関の経営にも大きな影響を与えかねないということでございますので、慎重にということでお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#107
○大門実紀史君 大門でございます。今日は税制について何点か質問をさせていただきますが、その本題に入る前に一点だけ確認をさせていただきます。
 今年三月のこの委員会の質問で、私は国税庁の非常勤職員の問題を質問いたしました。つまり、異常な雇用契約、形態になっていると。ほかの省庁は一年とか半年とかいう契約なんですが、それそのものも問題なんですけれども、特に国税庁の場合は半年どころか一年どころか三か月ごとの雇用契約を繰り返し何年にもわたって繰り返しているという点で、これはもうひどい事態じゃないかということで御指摘をさせていただきました。その後どうなっているか、御報告をお願いしたいと思います。
#108
○副大臣(櫻井充君) 大門委員にお答えさせていただきたいと思います。
 まず、この問題にずっと熱心に取り組んでこられた委員の活動にまず敬意を表したいと、そう思います。
 三月二十五日の当委員会で委員からそのような御指摘がありまして、当時の菅大臣の方からも検討すると御答弁させていただいたかと思っております。
 人事院から、日々雇用に対して、今度は期間業務職員の創設が行われまして、十月の一日からこれが施行されております。これを受けまして、さらには組合の方の方々ともお話をさせていただき、さらには大門委員からこのような御指摘がございましたので、これまで国税庁において非常勤職員の任期について三か月以内としていた取扱いを変更して、業務の必要性に応じて会計年度内最長一年とするなど、所要の改正を行わさせていただきました。
 以上でございます。
#109
○大門実紀史君 大門、大門って言っていただいてありがとうございます。
 これは、現場の運動もございますし、むしろ当時の菅財務大臣が機敏に問題点とらまえていただいてすぐ対処してもらったというのが一番大きいと思っておりますので、この点はさすがは菅さんだなと思っております。是非お礼を申し上げたいと思いますのでお伝えください。
 ただ、そうはいってもやっと一年、他省庁並みになった程度でございまして、民主党の政権公約としては、この非正規雇用の雇用改善というのは掲げられてきたわけでございますので、まず足下の問題といいますか、隗より始めよといいますか、さらにこの国税庁職員の特に非常勤職員、まだまだ大変な状況でございますので雇用改善に取り組んでほしいと思いますが、一言野田大臣からいただければと思います。
#110
○国務大臣(野田佳彦君) 引き続き改善に向けた不断の努力を行っていきたいと思います。
#111
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 じゃ、本題に入ります。
 まず、この間、いろいろちょっと変化といいますか、議論が出てきております証券優遇税制の問題でございます。お手元に資料をお配りをいたしました。私、この証券優遇税制を早くもう廃止するべきだということをもう四年前から、自民党政権のときから申し上げてまいりました。二〇〇七年ぐらいですかね、自民党の尾身大臣のときには、いったんもうこれは延長しないといいますか、やめるんだというような方向まで行ったんですけれども、またずっと延長されてきたという問題でございます。
 配りましたこのグラフも、これ政府税調の専門委員会で配られたということですけれども、この資料そのものがよくまあ政府税調で配られているというのは大変な大きな変化だなと思います。最初このグラフを作ったのは私でございます。なかなか財務省がこういうものを出しませんで、この委員会で配って、三年前、私が書いた本にちょうど同じものが載っております。出典はもう私の方にしてもらいたいぐらいでございますけれども。
 何を表しているかというと、累進税が崩れているということなんですね。通常、累進税というんですから、所得が増えれば負担が増えるというのは当たり前なんですけれども、一億円の所得を超えると負担率が下がるという驚くべき現象になっているというのは、もうこれ三年前にこのグラフ出して指摘しているんですけれども、その理由は何かといいますと、もう一つのグラフにございますが、この所得に占める株式譲渡の割合、つまり、この証券優遇税制によって優遇されているから、株の譲渡のところでがあっと負担が下がって、こういうおかしな現象、高額所得者ほど負担率が下がるという現象になっているわけでございます。それが非常にリアルなのは、百億円以上のところからまた負担率が上がっております。これは、逆に見ますと株式譲渡の占める割合も減っているわけですね。株式譲渡の所得が減ると負担率が上がるわけですから、明らかにこの証券優遇税制がこういうゆがんだ税制をもたらしているというのが明らかでございます。
 野田大臣にお聞きする前に、せっかく櫻井さん来てもらっていますので、櫻井さん、私とずっとこの委員会あるいは予算委員会で小泉・竹中批判の急先鋒ということで一緒に追及した仲だというふうに思っております。そういう点では、この日本の格差拡大について櫻井さんも厳しく批判をされてこられました。まさにこの累進税、税で崩れているというのは格差が拡大している大きな原因でございますけれども、いかがこういうものを見てお考えか、コメントをもらえればと思います。
#112
○副大臣(櫻井充君) 済みません。急な御質問なので何とお答えしてよいのか分かりませんが、委員と私は基本的に考え方が共有している部分は相当あると思っていまして、その所得に応じてある部分負担できる方々に御負担いただくという、そういうところに立ってもう一度考えていかなければいけないんではないのかと思っています。ただし、これは税の問題だけではなくて、社会保障も全部含めて、トータルとしてどうなのかということを全体としてまず考えなければいけないと思っています。
 それからもう一つは、委員が常におっしゃっているその格差の拡大の問題については、これはやはり大きな問題だと思っているので、こういったところもなるべく是正できるような方向で検討していかなければいけないと、そう考えております。
#113
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 それで、具体的にこの証券優遇税制の問題ですけれども、政府税調の専門家委員会の方では、この証券優遇税制は廃止すべきという意見がほとんどということがこの間出てきております。具体的には政治家野田大臣がトップの政府税調でどうされるかということだと思うんですけれども、私はもうこの際、長年の申し上げてきたことですけれども廃止すべきだと。これは二〇一一年末が期限ですかね。ですから、そこで手を打たなければ自動的に二〇一二年から廃止になるわけだと思いますが、野田大臣、どういう方向でお考えか、聞かせてもらいたいと思います。
#114
○国務大臣(野田佳彦君) 現行の金融所得課税というのは、これは分離課税で基本的には二〇%の比例税率が適用されていますが、委員御指摘のとおり、上場株式等の配当、譲渡益に係る税率については現在一〇%に軽減をしているということです。そして、御指摘のとおり、これは時限的な措置であって、現行法上、平成二十四年分から二〇%、本則税率に戻すことになっています。
 これを踏まえて、平成二十二年度の税制改正大綱においては、平成二十四年から実施されるこの本則に戻すということに合わせていわゆる日本版ISAを導入することとされていますけれども、いずれにしても、これ、証券税制の在り方について、今後、私が今会長をしていますけれども、政府の税制調査会においてしっかり議論をしていきたいというふうに思っております。
#115
○大門実紀史君 しっかり議論というのはもちろん当たり前だと思うんですけれども、専門家委員会がもう廃止でほとんど一致というのはかなり強い意見だと思います。神野先生は所得再分配をきちっとやるべきだという方でございますから、正確な正しい方向の議論をされていると思いますけれども。尾身大臣のときはもう少し方向をはっきりこの委員会でもおっしゃっていただきましたけれども、税調で皆さんの意見があるかも分かりませんが、野田大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#116
○国務大臣(野田佳彦君) 専門家委員会からはこれまでの御議論の中間的な整理として御意見はお伺いをしていますが、それぞれの税制についてこれからもっと深掘りをしていただく段階であります。そういう専門家委員会の御意見なども参考にしながら税調でしっかり議論をしていくというのが基本的な私の姿勢であります。
#117
○大門実紀史君 分かりました。今日はもうこれ以上申し上げませんが、是非、廃止のきっかけでございますので、こんなものは何の、大体これが金融の活性化につながるなんて、つながらないですよ、こんな超高額の人たちだけやったって、ほかの理由ですよね、金融を活性化するとしたら。こんなことは、金融庁はいまだ要望しておりますけれども、もうきっぱりと廃止をすべきだということを申し上げておきたいと思います。
 税の問題でもう一点お聞きしますが、所得税法五十六条の問題でございます。
 これもこの委員会で何度も取り上げてきて一定の前進の方向を示していただいているわけですけれども、所得税法五十六条というのは要するに自営業者の家族従業員の給与を経費として日本は認めていない、諸外国では当たり前のことですけれども認めていると。ただし、日本は特例で、青色申告の場合だけ家族従業員の給与を認めてあげようというふうに長い間なってまいりました。
 このことそのものが本来の納税者の権利というところからいくとおかしなことなんですが、仮に青色申告だったらなぜ認めるかというと記帳をしていると、帳面を付けているから家族に給与を払ってもごまかしはないだろうという前提で、記帳をしているから青色申告なら認めてあげようというふうになってきたわけでございます。百歩譲って、国税庁、大蔵時代から財務省が言っている、記帳したら認めると言うならば、そういう理屈は私はそもそもおかしいと思っていますけれども、仮に記帳したらということならば、昭和五十九年に白色申告も記帳義務になっているわけですから、その時点で家族従業員の給与は経費に認めるべきだったと。
 こういう論調でずっと申し上げてきたときに、始まりは去年の三月でございましょうか、自民党政権のときに与謝野大臣が、なるほどということでちょっと研究させてもらいたいと。当時の加藤主税局長も具体的に研究をさせてほしいということになって、そのころ民主党が野党として議員立法を出されておりまして答弁席におられましたので、峰崎さんと尾立さんにお聞きしたら、民主党の中でもきっちり検討していきたいということになって、さらに民主党政権に替わりまして、峰崎副大臣、藤井財務大臣のときにお聞きしたら、今度はきちんと検討していくと、税制の抜本改革の中で検討させてもらいますということになったわけでございますが、その後また大臣が替わって、内閣が替わって、選挙があって、また内閣が替わって、副大臣、担当副大臣が替わってということで、ちょっと落ち着かないんですけれども、もうそろそろ落ち着きそうなんで改めてお聞きしたいと思います。
 まず、経過をよく御存じの尾立政務官に、この流れはよく御存じだと思いますので、今後どういうふうにしていくのか、ちょっとスケジュール的なものを含めてお聞きしたいと思います。
#118
○大臣政務官(尾立源幸君) 大門委員にお答えいたします。
 経緯については、大門委員おっしゃったとおりでございます。この所得税法第五十六条の見直しについては、問題意識を共有し、政府としても前向きに今検討しておるところでございます。
 若干その検討状況を御案内をいたしますと、この五十六条の規定は、もう御説明いただいたとおり、個人事業者の記帳、帳簿保存義務の在り方と非常に密接に関連しております。まさに個人所得課税の在り方そのものだと思っておりますけれども、御指摘をいただきまして、政府税調では、昨年から専門家委員会小委員会の方でこの帳簿、記帳保存義務を含む納税環境整備という分野で議論をし、今論点を整理をしていただいておるところでございます。このテーマにつきましては、この議論、さらに論点整理、そして諸外国の例を参考にしながら、個人所得課税見直しの中で最終的には改革を行ってまいられるべきものと考えております。
 それで、じゃ、いつなのかということなんですけれども、今政府では、経済成長、そして財政再建、社会保障の改革、この一体的な実現を目指して頑張っておるところでございますが、社会保障の全体像については、必要とされるサービスの水準、そして内容、様々な選択肢を国民の皆様方に分かりやすい形で御提示をし、そしてまたその財源をどう確保するか、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたいと考えております。そういう意味で、この税制の抜本改革の時期もこの議論の中で最終的には決定されていくものと考えております。
 総理の所信の中の言葉をちょっと御紹介をさせていただきますと、消費税を含め、税制全体の議論を進めたいと思います、結論を得て実施する際は国民に信を問うと、こういうふうに考えておりますので、最速の場合は三年以内に到来する衆議院選挙のときに時期が決定されると思っております。
#119
○大門実紀史君 今おっしゃったのは、いわゆる消費税も含む大きな税制抜本改革で、それが三年というのもまたいろんな意見が出るかも分かりませんけれども、もっと早くやれと言う方々もいるわけですから、私たちは消費税は異論がありますけれども。この話は、もちろん所得税全体の環境といえば環境なんですけれども、そもそも財務省の無策なんですよ。これからどうしましょうとか、何かを変えましょうじゃなくて、手を打ってこなかった無策が続いているということなんですね。ですから、もちろん税制の全体の話が、来年まとめて考えるならその中に入るのは構わないんですけれども、その三年後、消費税を選挙で問うときに一緒に問うというのはちょっと種類が違うと思うんですよね。
 是非、この問題を切り離して、もう早くやってもらいたいと、これは全然種類が違うので。そのこといかがですかね。そういうふうに検討してもらわないと、三年後、消費税を問う選挙のときに一緒に問いますというのはちょっと全然話が違ってくるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
 じゃ、野田大臣、いかがですか。
#120
○国務大臣(野田佳彦君) 所得税法五十六条の見直しは、さっき政務官から御指摘がありましたとおり、専門家委員会、特に納税環境整備小委員会で議論は進めてきています、検討させていただいております。
 解決の方向性を見出すのは、やっぱり税制の抜本改革、今社会保障とセットでやっていますが、そういう議論で最終的には集約をしていきたいと思っていますけれども、ある意味落ち着いた議論を是非していきたいと思っていますが、税制の抜本改革全体まとめて国民に信を問うと。これはまあ、もうどうなるかというのはまだこれからの議論の話でありますが、打ち出すものとその前から決定したら実施するものと、いろいろと違いは出てくるだろうとは思います。
#121
○大門実紀史君 多分その抜本改革ということとは別に私はこれはなってくると思いますけれども、いずれにせよ、早期に決着、結論を、重ねて申し上げますが、財務省の無策、ほったらかし、放置してきたことの早くきちっとするという話でございますので、これからどうするという抜本改革、税制とはちょっと種類が違うので、その点、御検討をいただいて早く結果を出してほしいと思います。
 もう一点、税の問題で最後にお聞きをいたします。
 円高にしろ、前回御指摘させてもらったように実質金利の問題とか構造的要因とかいろいろあるわけですけれども、同時に、急激な円高、乱高下するとか、そういうもののときには必ず投機マネー、利ざやを稼ぐだけで動き回る巨額の投機マネーの存在が指摘をされております。これは原油高でもサブプライムローンでもいろんなところで指摘されているわけでございます。
 よく、今日も委員会の場で市場、市場と言い方が出てまいります。市場って一体何なのかと。竹中さんはよくマーケットに聞け、マーケットに聞けと言いました。私はよく聞きました、マーケットって何ですかと。マーケットというのは、実体経済が必ずしもマーケットに反映するわけじゃない、市場に反映するわけじゃない、いろんな投機的な、いろんな思いでお金が動くわけでございます。それがこの間、実体経済にも被害を与えてきたという教訓を、やっぱりリーマン・ショックで厳しくみんなとらえなきゃいけないということを思います。
 そういう点で、この投機マネーの動きについて、EUはとうとう金融取引税、つまり、トービン税につながる、こういう金融の投機的な動きを規制していこうというような方向を打ち出して提案をしてきております。私、大変正しいことだと思っておりますけれども、日本はその点、このトービン税構想、金融取引税構想には今までは消極的だったのは分かっておりますけれども、民主党政権になっていかがでしょうか。もうこういう投機マネー規制というのは本当にやらないとみんなが被害を被るという点から必要ではないかと思いますが、野田大臣、いかがお考えでしょうか。
#122
○国務大臣(野田佳彦君) 為替変動の背景には本当に様々な要因があるというふうに思います。それも含めて、先ほど来申し上げているとおり、過度な変動あるいは無秩序な動き、これは経済や金融の安定に悪影響を及ぼす、その意味ではしっかり重大な関心を持って注目をしていくと、その対象となるマーケットであります。投機も私はその変動要因の一つだと思っていますが、いわゆる先物市場の動向もよく注視をしていくという姿勢が必要だろうと思います。
 加えて、トービン税のお話がございました。投機を抑制をするという手段として税が有効かどうかというそもそもの議論もあると思います。そこからまずスタートしなければいけないと思いますし、トービン税の御指摘をいただきましたけれども、じゃ、グローバルにそれを果たして把握できるのかどうかという実効性の問題もあると思います。もっと大事なことは投機の動きと投機じゃない動きをどう区別するのかとか、いろいろと慎重に検討をしなければならない課題だと思いますけれども、金融取引の課税の在り方というのは、公平性、中立性を含めてしっかりとした理念の下にいろいろと具体的な事例も踏まえながら検討をしていくことが大事ではないかと思います。
#123
○大門実紀史君 国際連帯税の一つがトービン税構想でございます。国際連帯税について言えば、超党派で、私も入らせてもらっていますが、議員連盟をつくって、まず航空税の方からというのがありますけれども。
 技術的に何が可能かというのは確かにあります。トービン税がその収益で世界の貧困をなくすというのはありますけれども、本当に規制ができるのかどうかとか、いろいろ研究しなきゃいけない点はありますけれども、やっぱり投機マネーを、好き勝手に利ざや稼いで、稼いで逃げていってもう被害だけもたらすということをどうみんなで規制していかなきゃいけないかというのはもう世界的な課題になっておりますので、その一つとしてそういうトービン税につながる金融取引の投機マネー規制の税制について、日本政府もせっかく政権交代したわけですから積極的に研究をしてもらいたいというふうに思います。
 このことを申し上げて、私の質問を終わります。
#124
○委員長(藤田幸久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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