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2010/10/28 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 財政金融委員会 第4号
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2010/10/28 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 財政金融委員会 第4号

#1
第176回国会 財政金融委員会 第4号
平成二十二年十月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     難波 奨二君
     西田 昌司君     山崎 正昭君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     舟山 康江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田 幸久君
    理 事
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                愛知 治郎君
                佐藤ゆかり君
                荒木 清寛君
    委 員
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                田中 直紀君
                中谷 智司君
                難波 奨二君
                舟山 康江君
                水戸 将史君
                鴻池 祥肇君
                塚田 一郎君
                野上浩太郎君
                林  芳正君
                古川 俊治君
                丸川 珠代君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
   国務大臣
       財務大臣     野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   東  祥三君
       財務副大臣    五十嵐文彦君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        阿久津幸彦君
       内閣府大臣政務
       官        和田 隆志君
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       国税庁次長    田中 一穂君
       厚生労働大臣官
       房審議官     金谷 裕弘君
       厚生労働大臣官
       房審議官     今別府敏雄君
   参考人
       日本銀行政策委
       員会室審議役   正願 隆一君
       預金保険機構理
       事長代理     田邉 昌徳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (日本振興銀行に関する件)
 (円高・経済対策に関する件)
 (預金保険機構の財務状況に関する件)
 (総合取引所構想に関する件)
 (税務行政に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(藤田幸久君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、西田昌司君及び尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君及び難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤田幸久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として国税庁次長田中一穂君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(藤田幸久君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行政策委員会室審議役正願隆一君及び預金保険機構理事長代理田邉昌徳君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(藤田幸久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(藤田幸久君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。自見内閣府特命担当大臣。
#8
○国務大臣(自見庄三郎君) おはようございます。
 本年六月十八日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。
 報告の対象期間は、平成二十一年十月一日以降平成二十二年三月三十一日までであります。
 これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、管理を命ずる処分の状況について申し上げます。
 今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入等の残高について申し上げます。
 破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆八千六百六十三億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆四千六百六十二億円となっております。
 これらの資金援助等に係る政府保証付借入等の残高は、平成二十二年三月三十一日現在、各勘定合計で五兆四千八百四十七億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しましては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
#9
○委員長(藤田幸久君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○水戸将史君 民主党の水戸将史でございます。
 大臣、今、概要説明ありがとうございました。
 金融機関の破綻処理といえば、やはり日本振興銀行のことを取り上げざるを得ないということになってまいりますものですから、これも喫緊の課題ということで是非、何点か御質問しますものですから、わずか私も二十分ほどの限られた時間でございますものですから、簡潔な、明快な御答弁をいただければ幸いでございます。
 御案内のとおり、この銀行、日本振興銀行は、二十一世紀に入りまして、当時自民党政権下の中で、金融分野の規制緩和を図っていこうという中で新規参入してきた銀行でございました。規制緩和の申し子的な存在と言っても過言ではありませんけれども、旧態依然とした銀行業界に風穴を空けるんだという触れ込みでスタートしたんですが、当初は中小企業向けに特化をして、そして対象地域は首都圏、支店は持たないというような、そういうような方針でスタートしたんですけれども、いつの間にか方向転換をいたしまして、非常に不透明な大口融資を繰り返しながら不良債権をもろにひっかぶってしまったという形で破綻に自ら追いやってしまったということになっているわけでありますが、そういう中で今回初めてのペイオフがこれ発動されるわけでありますけれども、大臣、このペイオフを発動する理由というのに関して簡潔に御説明いただけませんでしょうか。
#11
○国務大臣(自見庄三郎君) 水戸議員御指摘のように、日本振興銀行におきましては、九月の十日、預金保険法第七十四条第五項に基づきまして、その財産をもって債務を完済することはできない旨の申出がまず日本振興銀行からございました。当庁といたしましては、当該申出及び日本振興銀行の財務状況を踏まえ、預金保険法第七十四条一項に基づき、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行ったところであります。
 なお、預金保険法の原則は定額保護でありますが、一方、預金保険法第百二条において、我が国又は特定の地域の秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認められたときは、金融危機対応会議の議を経て預金の全額保護や一時国有化の措置を講ずることができるものとされています。
 しかしながら、今回の日本振興銀行の場合、預金や貸出金の規模が小さく、特定の地域で高いシェアを有する事業を展開しているわけでもなく、また決済機能も、先生が申されたように、有しておりませんでした。こうした日本振興銀行が置かれている状況を踏まえると、同行の破綻を契機に我が国又は特定の地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあるとは認められないということから、預金保険法の原則でございますが、原則に従って預金の定額保護、いわゆるペイオフをしたものであります。
#12
○水戸将史君 次聞こうとしたことがまた答えていただきましたものですけれども、もう一度整理して私の方から御質問させていただきますものですから、手順よくお答えいただきたいと思っております。
 今大臣がるる御説明いただきました、ペイオフを発動するのか全額預金保護するのかという、こういう判断基準というのも当然あってしかるべきなんですけれども、今回このような形でペイオフを発動するということでございますけれども、このペイオフを発動するという、そういう判断基準となるその条件というのは具体的にどういうことが挙げられるんでしょうか。副大臣、よろしく。
#13
○副大臣(東祥三君) 水戸委員にお答えさせていただきます。
 もう既に自見大臣の説明に含まれているわけですけれども、今後についても預金保険法においては預金の定額保護が原則となると。一般的にはペイオフというふうに言われているわけですが、預金の定額保護が原則となるけれども、我が国又は特定の地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある、いわゆるシステミックリスクと言われる、そういうおそれがあると認められるときは、金融危機対応会議の議を経て預金の全額保護や一時国有化等の措置を講ずることができるとされているわけです。
#14
○水戸将史君 ということになりますと、もう一度振興銀行についてちょっとお話をいただきたいんですけれども、いわゆる信用秩序に影響を及ぼすおそれがある大手行とか地域の経済に甚大なる影響を及ぼす地域金融機関については、預金保険法百二条を使って全額保護されてもこれはしかるべきな措置である。
 しかし、そうじゃない場合、ある意味地域経済への影響が小さいと、大きいか小さいかという判断基準もありますけれども、そういうことに関しましてはペイオフが発動するのが妥当ではないかということになるわけでありますけれども、今回の日本振興銀行にペイオフを発動した、そのいわゆる判断基準の中において、これが地域の経済への影響は小さいという判断をされた根拠というのは何でしょうか。
#15
○副大臣(東祥三君) 具体的に申し上げますと、既にもう自見大臣お答えになっているんですけれども、日本振興銀行の場合というのは、預金や貸出金の規模が小さく、特定の地域で高いシェアを有する事業を展開しているわけではない、また決済機能も有していない。また、こうした日本振興銀行の置かれている状況を踏まえると、同行の破綻を契機に我が国又は特定の地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあるとは認められない。このことから預金保険法の原則に従って定額保護としたものであると。より具体的に言えば、例えば今、日本振興銀行というのは預金残高でいえば百二十九行中百十番目、〇・六兆円、あるいは貸出金残高百二十九行中百八、〇・四兆円、地域シェアでいっても最も高い地域で〇・二%ぐらいしかないと。
 多分水戸委員の頭の中には全額保護をした足利銀行のことが頭にあるんだろうと思いますが、この場合は百十七行中十一番目、預金残高に関しては四・九兆円、貸出金残高というのが四兆円、地域のシェアで考えますと、預金が四八%、貸出金も五二%、こういう状況を踏まえた上で考えているわけであります。
#16
○水戸将史君 御丁重なる説明をありがとうございました。
 今日は預金保険機構の理事長代理の田邉さんがお見えになっていて、もう本当にお忙しいところありがとうございます。せっかくお見えいただいたんで、何点か御質問したいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 この日本振興銀行は、ペイオフというものをある意味うまく利用したというか巧みに利用して、一千万円以下ならリスクなしで高金利を受け取れるということの触れ込みで、いろんな形で預金者を募ったんですね。この在り方についても後ほどお伺いしたいんですけれども、こういう形でいっぱい募った。そして、普通の銀行よりも高い金利を設定して、そして集めたんですけれども、本当にこれがある意味うまく運用できるのかということについていろんな今までも疑問視された向きがございましたけれども、そもそも、こういう形で経営状態を顧みず、一千万円ならいいよと、リスクなしで何かあったときにはペイオフで大丈夫だよというようなことを業務上使って預金者を集めることが、これは本当に業務的にこれ、法的に抵触しないのでしょうか。
#17
○参考人(田邉昌徳君) お答えをいたします。
 預金保険制度がございまして、現に日本振興銀行の場合にも私どもの方に預金保険料を納めていただいております。そういう意味で、制度の参加者という位置付けにもちろん明確になるわけでございます。そうした金融機関が、預金保険制度によって一千万円とその利息まで保護をされているということを預金者にPRといいますか訴えること自体は、それはそのこと自体を問われる筋合いのものではないというふうに思います。
 ただ、問題は、先生御指摘のとおり、それだけきちっとそれに見合った運用ができるかどうかというところにあると。元々無理な形はなかったかどうか、そこに問題点があると考えております。
#18
○水戸将史君 時間がないのではしょっていきますけれども。ありがとうございました。
 経営実態に即したということに関しては、非常に責任が問われてくるかなというようなお話がございました。預金保険機構の方々が法的な責任もあり得るというようなことも示唆されているんですけれども、これからの中においてそれを追及していこうという声もあるように聞いておりますけれども、その可能性と、具体的にどういうことを法的に追及していくということが考えられるんでしょうか。
#19
○参考人(田邉昌徳君) 預金保険機構は、破綻した日本振興銀行の金融整理管財人の任にございまして、その任務を現在遂行しているところでございます。
 預金保険法の八十三条におきまして、金融整理管財人は、責任追及、経営責任の追及のために必要な措置をとらなければいけないという定めがございます。そういうことでございますので、預金保険機構といたしましては、金融整理管財人といたしまして、今申しました預金保険法八十三条の規定に基づきまして、破綻までの経営陣の責任を明確にするための措置を講じていきたいと考えております。
 経営陣の在職中の職務の執行状況、それからもちろん、その前提となります破綻に至った経緯、それらを調査をいたしまして、民事上の損害賠償請求、あるいは関係機関への刑事告訴あるいは告発によって民事、刑事上の責任を追及していきたいと考えております。
#20
○水戸将史君 副大臣にちょっとお聞きしたいんですが、この業務内容について先ほど若干お示しもいただいたんですけれども、いろいろな形で経営形態が変わってくるんですね。
 例えば、親密企業群との間で不良債権飛ばしというものが横行したという調査結果が出ているということもありますし、悪名高いと言われております商工ローンの大手のSFCGの債権買取りに関しましては二重譲渡もあったと。振興銀行は、一か月後にはSFCGに債権を再譲渡すると約束した上で約百億円相当の貸出債権を買い取っていたが、その際にSFCGから買取り手数料を得ていたと。同庁は、金融庁は、これが実質金利に当たるとして、利率が出資法で定める上限金利を大きく上回る金利と算定しているという話もありますが、実際こういうことに関してはどういう形でこれから臨んでいかれるおつもりですか。
 どちら、副大臣、もちろん田邉さんでも構いません。
#21
○参考人(田邉昌徳君) 今委員の方から御指摘がございましたことにつきまして、五月であったと思いますけれども、金融庁の方から出されました業務改善命令その他におきまして種々指摘はされているところでございます。
 もちろんその辺を踏まえまして、これから、今もやっているところでございますけれども、破綻に至った経緯、その過程で行われた取引、その正当性、率直に言いまして相当複雑な、かつ多数の取引がございまして、一つ一つ丹念に調べていく必要がございますので時間は掛かりますけれども、今その基礎的なところを鋭意やっている段階でございます。
#22
○水戸将史君 これにおいて被害を被ったと言える預金者の方々、具体的にどの程度いらして、実際、高金利でお金を預金をしているということでございますので、その利息というのは、いわゆる定期預金であるということでございますけれども、これ期間が過ぎるまでその利率というのは担保されるということになるんでしょうか。言ってること分かりますか。もしあれだったら、副大臣。
 結局、ペイオフになりますよね。お金を今預金をしているところが、結局、高い金利で預金をしているということになりますけれども、これペイオフになって、一千万円以下まではこれは保証されますけれども、金利もその分は保証されるんでしょうかという話です。
#23
○副大臣(東祥三君) 日本振興銀行の預金者については、預金者一人当たり元本一千万円までとその利息は保護されるものであって、営業再開後、特段の混乱もなく払戻しが行われておりますと。また、元本一千万円を超える部分と今御指摘の利息については、先ほど説明ありましたが、民事再生手続に従って弁済が行われることとなりますが、預金者の利便性を確保する観点から、預金保険制度の概算払制度によって、預金保険機構が早期に概算払率に基づく払戻しを行う予定であります。
#24
○水戸将史君 具体的に金額的なことをもし分かればお示ししていただきたいんですが、そういうことを含めて、もちろん一千万円以上預金をされている、まあ三%強ぐらいというふうに伺っておりますけれども、総額としてどの程度今回のペイオフで預金保険機構がその金額をしょわなきゃいけない、それを大体どの程度までにある程度決着を付けるのかというめどというのは立っているんですか。
#25
○参考人(田邉昌徳君) お答えをいたします。
 結論から申し上げますと、今そのための調査、具体的に申し上げますと個別の債務者ごとの経営状況、貸出しをしている振興銀行の方の立場から見ますと、その資産の健全性を一つ一つチェックしていると、こういうことでございます。
 私ども、来年の連休前を目標にしておりますけれども、その段階で第二日本承継銀行に事業の譲渡をするというようなことを考えてございます。その事業譲渡へ向けて今資産の内容を一本一本洗い、その過程で概算払につきましてもなるべく早く、できましたら年内にも概算払の、何というんでしょうか、申出を受け付けられるようにしたいと、そういうことで、今資産査定の最中であるということでございます。それによって、今御指摘の預金保険機構がいずれ、来年の、今連休前と申し上げましたけれども、その段階で必要になるいわゆる資金援助の金額が固まってくるということでございます。
#26
○水戸将史君 ありがとうございました。
 もう最後になっちゃいますけれども、いわゆるこの振興銀行を引っ張ってきた張本人は、木村さんという元会長ですね。九八年に日銀を退職後、不良債権判定の検証の目安となる検査マニュアルを策定する際のメンバーの一人でありました。二〇〇二年には竹中金融大臣の下、金融庁の顧問となっております。不良債権処理を加速させる金融再生プログラムの作成を主導した人物でもございます。こういう人が、いわゆるもう非常に金融については御意見番的な存在であった木村氏が今回逮捕されておりますけれども、こういう人がこういうところに深くかかわっていることに関して、金融庁も今までの中では非常に手をこまねいてきたんじゃないか、非常に検査が甘かったんではないかという批判も別な角度からされているわけでございますけれども。
 それはそれとして、やっぱり再発を防止する必要もありますし、またこういうことを任命した竹中大臣について道義的責任あると自見大臣も記者会見で答えられておりますけれども、そういうことをすべてひっくるめて、これからの、これが極力この周辺の預金者や融資先の企業に影響を及ぼさないということも含めて、最後に大臣の今回に至る経緯とそしてこれからの対策についてのコメントをいただきたいと思っております。
#27
○国務大臣(自見庄三郎君) 水戸先生にお答えをいたしますが、今御指摘のとおり、この日本振興銀行の設立にかかわったという木村さんについては、竹中金融大臣のときに顧問をしておられたというのは事実でございまして、そしてお辞めになられて、その日だったと思いますが、銀行設立に対する予備審査のために辞めたということで、竹中大臣のときにこの銀行を、もう先生御存じのように、銀行というのは免許業でございますから免許をいただいております。
 今はそういったことを含めて、今預金保険機構の方からも御答弁ございましたように、過去の会計処理を含めて旧経営陣の責任が、いずれにしても今後、金融整理管財人の下で民事、刑事両面からも厳しく追及されていくものと承知をしておりまして、当方としてはその推移をしっかり見守らせていただきたいと。
 今先生から御紹介がございましたように、竹中金融大臣は国務大臣でもあったわけでございますし、また参議院の当院にも議席を置かれた議員でございますから、やはり私は道義的責任は免れないだろうということを記者会見でも申し上げたわけでございます。
#28
○水戸将史君 ありがとうございました。
 時間が来ました。終わります。
#29
○古川俊治君 続きまして、自由民主党の古川俊治から質問させていただきます。財政金融委員会で初めて質問に立たせていただきます。
 まず、冒頭申し上げたいんですけれども、本当は白川総裁に今日ここに来ていただきまして、白川総裁から直接御答弁をいただきたかったわけですけれども、財政金融委員会より重要なお仕事があられるということで本日はいらっしゃらないようなんですね。もちろんほかのお仕事はあると思いますが、委員会も重要だと思いますので、是非次回機会をいただきたいと、一言申し上げさせていただきます。
 最初に、野田大臣にお聞きしたいんですが、十月八日に決定した補正予算の案、これは円高・デフレ対応のための緊急経済対策、大臣も所信の表明のときにこれを実現していくということを明確に言われておりますが、私も現在の日本経済の最大の問題点は円高とデフレであるという認識は皆さんと同じでございます。
 ただ、このステップ1、ステップ2、今までのところをちょっと拝見しますと、円高、デフレによって起こった影響に対する処置にはなっているけれども、実際、円高とデフレを直接これに対処していくということになっていないんではないか。私は医者でございまして、病気というのはまあ対症療法だけで本質に入らないとまた悪くなっていくんですね。そして、結局は繰り返し対症療法をやってどんどんどんどん悪化していくということですから、結局はその原因を絶っていくという治療をしない限り、あきらめてしまえば別ですけど、それ以外はないわけですね。
 今回の補正予算の、ステップ2で結構ですが、メニュー、ステップ1、ステップ2を通じて、じゃお願いします、どれが円高に対する対応なんでしょうか。円高をこれ是正していくには円売り外貨買いを惹起するような政策じゃなきゃいけないはずなんですが、この点はそれがよく読めないと思うんですけど、御答弁をお願いします。
#30
○国務大臣(野田佳彦君) 古川委員の御指摘にお答えしたいと思いますけれども、総合的に経済対策、これ三段構えで進めていこうということで、ステップ1については九千二百億円、経済予備費を使って緊急的に対応するということで、今はこれ実施中でございまして、御指摘のステップ2、経済対策をまとめて、そして補正予算案として今週の金曜日には国会に提出をしようという今段取りになっていますけれども、じゃ、どれが具体的に円高、デフレに効果があるのかというお尋ねかと思います。
 これ、円高、デフレ、これが長期化することによって日本経済に大変影響が大きいものですから、その負の影響を最小限に食い止めるために、まずは需要、雇用面から下支えを総合的にやっていくという趣旨でつくった対策が主たるものでございます。例えば、円高による生産量の減少を踏まえた雇用助成金の要件緩和であるとか、こういうことで、基本的には、対症療法とおっしゃるかもしれませんが、負のやっぱり問題をいかにとらまえて解決をしていって、景気の腰折れをさせないかという視点から取り組んでいるというような内容が多くであります。
 一方で、六月に新成長戦略をまとめました。その前倒し部分というものも相当に含んでおりますが、いずれにしても、個別の対策は経済財政の担当者も来ていますからお尋ねいただきたいと思いますけれども、需要と雇用を創出をする効果のあるものを厳選をした、そういう内容になっているというふうに思います。
#31
○古川俊治君 対症療法が中心だということをお認めになっているんですけれども、円高、特に円高・デフレ対応のための緊急経済対策ですね。これ即効性があるものを何かやってくれるかと期待するのが国民の普通のイメージだと思うんですが、これ名前とこの政策のメニューのギャップ、これは非常に問題が大きいような気がしております。
 大臣、今の円高の状況、これは一時介入された九月十五日のときよりも更に悪い状況なんですけれども、現在更に介入をするということをお考えでしょうか。
#32
○国務大臣(野田佳彦君) 経済対策の中で、先ほどはちょっと今予算措置の部分も申し上げましたけれども、今御指摘のような為替についての対応も盛り込んでおります。それは即効性のある対策だというふうに思いますけれども、九月十五日、確かに介入をさせていただきました。これは過度な変動を抑制するという観点から実施したものであります。
 当時とちょっと若干状況が変わっているのは、あのころはまだ円の独歩高感がございました。今は、むしろこの約一か月間は、ドルに対して円も含めてすべて増価をしていると、主要通貨はほとんど増価しているという、むしろドル安という表現の方が当たっていると思いますが、状況は変わってきています。ただ、どんな状況によっても、円高が長期化していくこと、安定化するということは、日本経済は今デフレが進行している中でより厳しい状況になると思いますので、必要なときには断固たる措置をとる、対応をするという姿勢は不変でございます。
#33
○古川俊治君 そうですね、円高に対して即効性があるのは、これは介入が一番手っ取り早いわけですから、その点は十分認識をして今後考えていただきたいと思います。
 次にデフレ、今日ちょっと為替については白川総裁にお聞きしたいことたくさんあったんですが、これは次回にさせていただきまして、次にデフレの問題に行きたいと思います。
 最もシンプルに考えれば、物の値段というのは、これは需要と供給から決まってくるわけでありまして、それで物の値段が下がり続けているという状況は、これは需要が供給を下回っているからということになるわけですね。ですから、これは物の値段を上げていく、あるいは一定水準を保つためには、これは今、現状からすれば、需要を上げるか、あるいは供給を下げるか、その二つしかないわけですけれども。
 このちょっと資料を見ていただきたいんですが、これ一枚目が財務省から作っていただいた国債発行の総額の推移ベースです。二枚目が、これはGDPギャップについて内閣府の資料から作成した資料でございますが、二枚目をまず見ていただきたいんですね。ここ二十年間、九〇年から二〇〇九年まででございますけれども、このGDPギャップ、これ平均を取ってありますけれども、ほとんどがマイナスの傾向でございまして、一・七%が平均と。そして、この兆円で見ますと九・一兆円、毎年GDPギャップがあるというわけですね。
 実を言うと、一枚目に戻っていただいて、このGDPギャップが残っている中で、実は新規国債を物すごい勢いで投資されているというのが今までの、まあ我々の政権のときでございましたが、こういう現状なわけですね。そうすると、この二十年間の実は新規財源債というのはトータルで五百二十七・三兆円になります。この部分はほとんどが恐らく政府による需要を起こしているわけですから、正直なところ、これからプライマリーバランスをゼロにしていくということになりますと新規国債は出せないわけですから、そうなってくると、この需給ギャップ、これは実は二十年間で七百九兆のギャップなんですね。平均で一年間三十五・五兆であります。このもう本当に巨大で持続的な需給ギャップ、これをなくしていかないと、今の状況からすればデフレは直っていかないし、経済も成長してこないわけですね。
 大臣の御認識として、この供給サイドも縮小することはできない、我々は、縮小均衡はプランにないわけですから、そうするとどうやってこの需給ギャップを埋めていくか、その計画またお考えを伺いたいと思います。
#34
○国務大臣(野田佳彦君) 計画としては、新成長戦略、六月に閣議決定をさせていただきまして、デフレ清算期間をフェーズT、そして安定的な物価にしていくと、その中で景気回復を図っていくということが、これがフェーズUという位置付けで、おおむね十年間の計画の中で、フェーズTのところは二〇一一年に消費者物価の上昇率をプラスにすると、そういうような中身の計画はあります。問題は、その具体的な内容をどうするかだと思うんですが、その需給ギャップがまさにこれデフレの大きな原因です。需要をいかに掘り起こしていくかということだと思います。
 その中で特に私どもが重点を置いているのは、潜在的な需要は間違いなくあると思われる、例えば介護の分野であるとかという、こういう社会保障の分野あるいは環境の分野、ある意味日本にとって、世界にとってボトルネックと言われるような課題でありますけれども、その課題解決の分野にこそ需要はたくさんあると。そこに政府が光を当てて、そしてお金を使っていくことによって、そこから好循環を生み出していけるかどうか、これがまさに需給ギャップを埋めていく一つの道筋ではないかと、そういう意識の下に予算編成もこれからしていきたいというふうに思っています。
#35
○古川俊治君 需給ギャップの問題、大臣の認識、よく分かりましたけれども、今回の緊急対策においても、これ、デフレに対してやはり対応していかなきゃいけないという御認識だと思うんですけれども、同様に即効性を持つような、緊急対策と呼べるようなデフレ対策、そのメニューとして挙げられるものは何かありますか。これは、要するに需給ギャップを解消していくという方向に働かなきゃいけないわけなんですけれども、それについても伺いたいと思います。
#36
○大臣政務官(和田隆志君) 今回の三段階の政策の推進については、先ほど財務大臣の方から御説明あったとおりでございますが、特に今委員御指摘のように、すぐに需要、雇用を生み出すような施策も今回のステップ2の中でも盛り込んでおるつもりでございます。
 例えば、具体的に言えば、雇用面を促進することとして、新卒者や若年者への緊急支援を入れ込んでおります。さらには、実際に今、中小企業で働いておられる方々の実情を見ますと、これ以上円高やデフレが進みますと資金繰り等苦しくなり、経営環境の悪化の中から雇用からはみ出る方々が出かねないという危惧から、そういった方々の雇用の下支えとして雇用調整助成金を更に積み増しているところでございます。
 もっと言えば、今現状その企業で働いておられる方々の中でも、もう少し更に生産性の高い労働にシフトしていただけるよう、将来を見込んで訓練給付を支援するということもやっておるつもりでございまして、こんなところが内容でございます。
#37
○古川俊治君 ありがとうございます。
 今雇用あるいは人材育成についてお話しいただきました。確かに、ステップ1では千七百五十億円、そしてステップ2では三千億が雇用、人材育成に充てられております。
 ところが、現状を考えますと、幾ら職業訓練をしても求人ができなきゃこれ雇用が起こらないわけですね。現在のデフレ状況下で、非常に失業率が高い、この状況で人材育成をやってもそれが本当に雇用に結び付くかというのは別の話だと思います。
 財政運営戦略で、我が国経済は、現在、大きな需給ギャップを抱え、全体として供給力が成長の制約になっているわけではない、しかし、今後需給ギャップが解消すれば、供給面による成長制約性、若者等が起業や就業をしやすい環境の整備、人的資本の整備などが言われているわけですよ。ですから、これはあくまでも需給ギャップが解消されてからが、まさにその人材育成の効果が出てくるという御認識はあるわけですね、基本的に。
 ところが、現在のこの新成長戦略を見ると、現在の失業率の下でありながら雇用、人材育成を一生懸命やると、それですぐにこの需給ギャップは解消できるんだという御意見ですけれども、この点いかがでしょうか。
#38
○大臣政務官(和田隆志君) 今御説明したところは、今議員の御指摘のような趣旨で盛り込んでいるわけでございますが、今回の緊急総合経済対策全体は、やはり需要を喚起するような政策を盛り込んでおるつもりでございまして、そうしたところが功を奏して需給ギャップが縮小していくものと期待しているわけでございます。
#39
○古川俊治君 何ですか、それは。思うと今おっしゃいましたけれども、需要を喚起するような政策、具体的にお願いします。
#40
○大臣政務官(和田隆志君) 例えば、今現在、中小企業の資金繰り、苦しくなっておるわけでございますが、そうしたところのその資金繰りを助けるために円滑化法を適用してやっているわけでございます。そうしたところの支援を拡充していくと、そういったところも入っているかと思いますが。
#41
○古川俊治君 人材育成とか、それから例えば子育て、これもやらなきゃいけないですよ、子育て対策やらなきゃいけないし、あるいは医療の助成、こういうこともお願いしなきゃいけない。そういうのがメニューに出てくるんですけれども、実際の子育て対策を今現にやっても、それ以上の投資は生まれてこないですね。そこで確かに需要は政府がつくり出しますから起こってきますけれども、赤ちゃんを幾らかあれしたところで新しい需要はなかなか生まれてこない。働きやすくなるかもしれませんが、その分は、今こういう失業率ですから、なかなか需要がそこで直接喚起されてくることにはならないです。
 それから、医療についてですけれども、これも非常に医療、介護の基盤を整備していただくことは物すごく重要だと思っております。
 ただ、経済効果から考えますと、これは今医療、介護を整備して、皆さんが将来に不安なく潜在需要を掘り起こすというのが政府のお考えで、もうそう書いてありますからそうだろうと思うんですけれども。
 実際今皆さんが将来を不安がってお金を出してこないというのは、一体、医療が整備されていない、あるいは介護が不満だからですか。医療事故が起こるから怖いんでしょうか、将来が。あるいは、介護サービスに満足していないからなんでしょうか。私はそういう問題ではないと思います。やっぱり、将来疾病が起こったときの自己負担額と、それから年金制度ですよね。それがはっきりしないからどうなるか分からないということなんですね。ですから、それを取り違えないでいただきたい。まさに医療機関を整備することは、ある意味ではほかの面で必要ですけれども、それが直属な需要を喚起する政策かというと、ちょっと筋が違うんではないかというふうに考えております。この点はちょっと考えていただきたい。
 それから、私も医者でございますのでちょっと医療について申し上げますけれども、先ほども大臣が、財政運営戦略に、社会保障は財政の最大支出項目であるとともに重要な成長分野であるというふうに書いてあるんですね。社会保障が成長分野であるというのはなかなか勇敢な書き方だと私も思ったんですけれども。それで、また新成長戦略には、高い成長と雇用創出が見込まれる医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付けるとされているんですね。特にこれから高齢化で増えていくのは医療、介護の費用、これはもう明らかに試算に出ていますので。そうすると、この場合に医療、恐らく福祉は成長産業というふうにお考えなんだと思うんですね、社会保障の中でも特にですね。
 この点について、ちょっと意味を伺いたいと思っているんですけれども、確かに医療や介護というのはいまだに満たされない需要があるわけですね。求人もあると。ですから、ここに職業訓練をしていけば確かに求人が出てくると、それはよく分かります、ですから雇用は確保されますけれども。
 実は、医療も介護も公的保険制度の中でやっているわけですね。医療は八六%が公費です。これは、税とそれから保険料という意味ですけれども。それから、介護の方は九一%が公費ですよ。それは、じゃ何でかというと、国民の負担なんですよ、結局ね。税金取られて保険料取られて、これは外国では両方ともタックスという表現にしますから、国に召し上げられるというイメージでいるわけですね。可処分所得、ほかの分野で使えるお金は確実に減ってしまうんです、それで。
 ですから、介護のもちろん人材育てる、これで介護の基盤を上げていく、これは非常に重要ですけれども、彼らの報酬というのはまさに国民の負担から出てきて、その分はほかが消費できなくなってくるんですよ。そういう構造になっているんで、これが一体、成長産業と言えるんでしょうか。どんどんどんどん公費を使って、公費を投資すればそれはそこで需要がされますけれども、それ以上の投資効果は出てこない。これは本当に成長産業なのか。この意味についてどうお考えなのか、意見をお聞きしたい。
#42
○大臣政務官(阿久津幸彦君) ポイントは雇用なんだというふうに思います。雇用が医療等を通じて確保されれば、その雇用によって新たな需要が生まれてくるということだというふうに考えております。
#43
○古川俊治君 医療の場合は、おっしゃるように人件費の割合がすごい高いんですよね。ですから、ほとんどが人件費になって消費されていくと。これはまだ、公共投資やったって同じことですよね、それって。公務員に給料を配ったって同じことですよ、逆に言えば。だって、彼らは消費しますから。
 何で成長するのかって伺っている。まだ公共事業だったら、インフラが残りますよ。だから、次の生産性向上につながる。ただ、医療はサービスをしても、介護もそうですけど、これは非常に言い方悪いです、もちろん整備しなきゃいけないんですが、私はもうずっと終末期医療をやっていて、そこに、例えばもう明日亡くなりそうという患者さんに一千万掛ける医療だってできるんですよ。それをやって本当に生産性が上がっていくんでしょうか。そういう問題なんですよ。
 だから、医療、介護にお金を掛ければそれは成長していくといったら、次に何が残るんでしょうか。もちろん、お年寄りを大事にしなきゃいけないんですよ。だけど、次は我が国の未来に何ができていくか。これは、公共事業だったらインフラが整備されますよ。そういう意味からして、今おっしゃいましたけど、雇用が増えてどういう成長効果があるんでしょうか。
#44
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 私は、需要がやっぱりその下にあるんだと思うんですね。
 医療関係のすそ野はかなり広い産業があると思っております。そして、その下には需要を国民が望んでいるといういろんなニーズが先生御承知のとおりあると思うんですけれども、そこに雇用をまず生み出すことによって、需要があるところに雇用を生み出すことによってその循環が生まれるというふうに私は考えております。
#45
○古川俊治君 それ、何をおっしゃっておられるか。それは公務員を増やすこととどう違うんですか。そこに雇用がまさに生まれて、給料払いますから、彼ら使いますよ。どう違うんですか。
#46
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 私たちが社会保障は重要な成長分野だというふうに言っておりまして、そして医療・介護・健康関連産業というのが成長の牽引役だというふうに言っているのは、様々な分野が、そこに高い成長と雇用創出が見込まれる分野があるというふうに考えております。それを強い経済、強い財政、強い社会保障一体となって医療、介護などの需要の見込める分野で雇用を創造し、消費を増やし、内需を増やす契機とするということでございます。
 そのような観点から、財政運営戦略や新成長戦略においては社会保障や医療、介護を重要な成長分野として位置付けているということでございます。
#47
○古川俊治君 単なるイメージとしか思えないですね。それは本当に絵にかいたもちですよ。これ、医療の分野で、これはもちろん基盤つくっていくのは非常に大事です。ただ、これを本当に成長させようと思うと、それこそ株式会社、医療の株式会社化ですね、今本当に本質的に非営利ですから。それから、まさに民主党が推進している医療ツーリズム、それから混合診療の拡大ですよ。これは現場に与える影響が非常に大きい。ですから、よっぽど注意してシミュレーションして始めないと、また医療現場がすごい混乱するんですよ。医療本体についてはそれをやるしかないですから、成長させるには。
 それよりも、可能なのは、医療の関連ですね、関連の分野、これは医薬品や医療機器、新しい革新的なものを作っていく。それから、もっと、今保険の対象になっていない、公費の対象になっていない予防ですよ。今サプリメントって皆さん買っているでしょう。あっちにだったら成長の可能性があるわけですよ。これはもう内需、少し増やしますから、ニーズを。
 例えば、医薬品からいえば、こっちの方がずっと固いですけれども、医薬品や医療機器は国内でやっている限りは保険が付きますから、また公費が必要なんですね。ですから、海外に売っていけるようないわゆるブロックバスター、よく売れる薬を作っていかなきゃいけないんですよ。ところが、今日本の現状を見ると、まさに日本の企業というのはもうやっと十何位に出てくるぐらいで、ほとんどがグローバル企業ですから、これだけそういう革新的なものを作るというのは非常に難しい、国際的に売れるような。ですから、これはもう我々は研究開発投資を一生懸命やらなきゃいけないんですよ。だから、これはまだ理解できる政策になって、成長分野と見込めるわけですね。それから、健康分野もそうで、サプリメントだって今法制度が全く整っていない。
 こういう状況で、じゃ本当に医療を成長産業にしていこう、介護を成長産業にしていこうと思ったら、もっと細かい練った政策が必要なんで、その点だけちょっとよく御認識して、もう一度考えていただきたいと思います。
 それから一点、財政運営戦略と新成長戦略の御関係について、これもちょっと伺いたいんですけれども、内閣府の経済財政の中期試算、これは閣議決定と同時に出てきたやつですね。これは財政運営戦略の補足するようなものというように理解しておりますが。
 その中で、実を言うと、慎重シナリオと成長戦略シナリオというのが示されているんですよ。慎重シナリオというのは、正直言うと、新成長戦略は全然無視してやっているんですね、過去のトレンドなのかよく分かりませんが。そして、財政運営戦略にも慎重な経済見通しを前提にすると書いてあるんですね。そうすると、これは新成長戦略とはそごがあるように読めるんですね、その中で。そして一方で、新成長戦略には、今日、三枚目のちょっと資料を見ていただくと分かるんですけど、ここに、一番下の方、右下ですけれども、財政運営戦略との整合性を保ちつつ、新成長戦略を着実に推進と書いてあるんですよ。
 一体、それじゃ新成長戦略をやるつもりがあるのか、慎重シナリオなのか。そうするべきであると財政運営戦略に書いてあるんですね。これどうなんでしょうか。
#48
○大臣政務官(阿久津幸彦君) 確かに、新成長戦略においては、二〇二〇年までの平均で名目三%、実質二%を上回る成長を目指すこととしておりまして、これを達成するために全力を尽くしたいというふうに考えております。
 一方で、財政運営戦略に基づく財政健全化については、慎重な経済見通しを前提とすることを基本としており、内閣府による参考試算、経済財政の中長期試算においても、慎重シナリオと成長戦略シナリオの二つの試算を行っています。慎重シナリオを前提としても財政健全化目標を達成できるような取組を行って、なおかつ新成長戦略の目標を達成し高い経済成長を実現すれば、財政収支の更なる改善という大きな果実を国民は手にすることができるというふうに考えております。
 こうした考え方の下、新成長戦略実現会議や中期財政フレームに基づく予算編成といった仕組みを活用して、政治主導で新成長戦略と財政運営戦略を一体的に推進することとしております。
    ─────────────
#49
○委員長(藤田幸久君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として舟山康江君が選任されました。
    ─────────────
#50
○古川俊治君 答弁、ちょっと時間もなくなっていますので、短くお願いします。
 それで、今お答えありましたけど、結局そうすると、新成長戦略というのはただの目標だからやる気はないというふうに考えられるんですけれども、どうなんでしょうか、この点は。大臣、お願いします。
#51
○国務大臣(野田佳彦君) やる気がないんじゃなくて、六月に閣議決定し、国際社会でもこれ公表しているわけでございますから、やり遂げるという意思の下でこれから予算付けもしていきたいというふうに思います。
 せっかく御指名でございますので。この新成長戦略と財政運営戦略はこれ両立を図る。加えて、これは相補う関係だということで、新成長戦略が実現をし経済成長を果たすならば、それは税収として財政健全化にこれは貢献をする。財政運営戦略をきちっとやることもこれはこの国の信頼性につながることであって、経済を支えると。そういう意味で、相互の互換関係があるというふうに思います。
#52
○古川俊治君 それじゃ、慎重な成長見通しなんて書かないでくださいよ。成長戦略に基づいて整合性を取って成長させるというふうに書けばいいじゃないですか。その点ですね。
 本当にこれ、もう一点、じゃ最後答弁お願いしたいんですが、こちらの方にも、新成長戦略で市場の予見性の拡大、投資の実現と書いてあるんですね。この新成長戦略の三枚目のところのこの四角の中です。大きく書いてあります。いいですか。この市場の予見可能性を拡大して投資を実現するには、まさに計画が実現するという前提じゃなきゃ、そんなの投資する気にならないですよ。この財政運営戦略も一年ごとにまた見直していくという話ですよね。そうしたら、そんなの先々十年ぐらいもう見通していなければ投資なんかできないんです、市場では。
 これどういうことなんでしょうか。だれも信じない。言ったはいいけどやっぱりやらないと、お得意の手なんでしょうか。
#53
○国務大臣(野田佳彦君) 財政運営戦略の正当性、信頼性というのは、やっぱり基本的には慎重な見通しに立った上でも実現をするんだというところに意味があると、そこはまず御理解いただきたいと思うんです。これまでもいろんな財政の計画ありましたけれども、これ甘い見通しでやった場合には、これはやっぱりむしろ信頼性損なうわけです。
 そうじゃないように、逆に中期フレームはこれ一年ごとにローリングやっていきますが、現実的に目標を達成するために随時見直しをしていく、そういう意義でございます。
#54
○古川俊治君 では、時間が来ましたので、これで終わりにいたします。
#55
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。
 財政金融委員会では初めて質問をさせていただきますが、私はこの前には厚生労働委員会に所属をしておりました。そのときから取り組んでいる課題について、引き続き財政金融委員会でも質問をさせていただきたいと思います。いわゆるB型肝炎訴訟の問題についてです。
 集団予防接種の注射器の針の使い回しでB型肝炎に感染した患者さんたちが、国への損害賠償を求めて全国で十の地裁で裁判を行っています。今、札幌と福岡で和解協議が進んでおりますけれども、十月の十二日に、北海道訴訟の和解協議で、国は原告に第一次の和解金額を提示いたしました。これについて野田大臣は、十月の十五日に閣議後の会見で、この和解のための財源確保に向けた増税の可能性を示唆する発言をなさっていらっしゃいます。
 私は、これまで患者さんたち、原告の方たちが最高裁の判決で感染は国の責任だということを認定されていながら国にどのように扱われてきたかということを考えますと、まず、菅総理が政府として一切謝罪がないうちから、また実際の対象者数も正確に把握をしないうちから補償の総額を国民負担と結び付けたこと、そして、ここにおられる野田大臣がその賠償ということを増税に結び付けたことに私は強い憤りを覚えております。余りにも心ない行為だと思うんですが、それが思慮に欠けているということに対して、野田大臣に自覚があるのかないのかということをお伺いしたいと思います。
 まず、野田大臣は、閣議後の会見でなぜ増税ということにまで踏み込んでお触れになったのでしょうか。
#56
○国務大臣(野田佳彦君) B型肝炎訴訟、まさに今、和解協議がどうなるかという状況でございますけれども、国の主張でいけば総額御指摘のとおり二兆円、原告の主張に従えば最大八兆円のこういうコストが掛かるということになります。それを国民がどうやって理解しどうやって分かち合うかという議論が、その財源の問題も含めて、あるいはその救済の対象の規模も含めてこれからの議論だというふうに思いますけれども、いずれにしても、兆単位ということになると、特に発症された方がすぐに対応するときには毎年一千億円以上の予算措置が伴うことになってくるだろうと想像されますので、だとすると国民負担という形での観点からお答えをしたわけで、私から増税という言葉は使っていません。記者さんからの問い掛けで云々となりましたが、国民負担はやっぱり必要だと、そういうことをお答えをしています。
#57
○丸川珠代君 もちろん野田大臣からおっしゃったかおっしゃってないかではなくて、質問に答えたという形であれ、増税という形で何らかがという質問に対して、あり得ると思います、国民負担というのはそういうことだと思いますとおっしゃって、国民負担イコール増税であるというふうに結び付けておっしゃっています。
 そして、今の御発言の中でコストという言葉がありましたが、このコストという言葉は、患者さんたち、原告の人たちの立場からすると非常になじまない言葉であるということを一言申し上げさせていただきます。
 野田大臣がこの負担という言葉と増税ということを結び付けたことで、この原告の方たちがどういう状況にさらされているかということについては御承知でしょうか。
#58
○国務大臣(野田佳彦君) いろんな御意見が出てきているということは承知しておりますけれども、いずれにしても、これは国会の中でも議論し、そして国民各層にもいかに御理解をいただいた中で対応するかと。コストという言葉は撤回いたしますけれども、いかにそういう形でそれぞれが負担をし合うのかという議論になるわけでございますので、可能性についてはいろいろやっぱり選択肢というのはこれから考えていく必要があるというふうに思います。
#59
○丸川珠代君 国会での議論というふうにおっしゃいますけれども、国会の議論は、総額があるいはどういう補償がなされるかということは裁判で決まってからの話でございまして、まずこれは裁判のプロセスの中で国とそれから原告の皆さんがどういう納得を進めていくかということの後に来るものでございます。それもまだできていないうちから国民の負担の議論を国会でというのは、非常に順序がおかしい話であるというふうに私は思います。
 増税ということと今の国民負担の話を結び付けたことによって、患者さんたちは、例えば、今街頭で理解や支援を求める活動というのを行っておられますけれども、道行く人たちに、どうして私が負担をしなければいけないんですか、あるいは、これは私たちの負担に見合うことなんですかと、こういう言葉を掛けられているんです。この患者さんたち、原告の人たちが、自分たちの落ち度は何もなくて、これは国の政策の失敗によって病と付き合わなければいけなくなった、一生背負わなければいけなくなったということは、実は国の方からきちっと国民に説明がされているわけではありません。謝罪もない。長妻大臣は一切謝罪はなさいませんでした。もちろん個別に面会されているときに何か言われているかどうか私は知りませんけれども、少なくとも公の場で、和解に応じますという時点で何らかの謝罪があったかというと、これは全くない。
 なぜこういうことになるかというと、それは、国がそのことをきちんと国民にまず説明をしていないからだと思うんですね。何も説明をしないうちから国民の負担ということに入っていっていると。
 国は、これは御承知で野田大臣おっしゃっているのかどうか分かりませんけれども、この注射器の針の使い回しについては、昭和二十年代にもうこれは問題であるということを認識していたんです、国は。けれども四十年放置していたんです。昭和六十三年になってようやく使い回しの危険性を認識して禁止をしたと。四十年間放置をしておいたものです。これに対して国は全然説明していない。最高裁でもいったん国の責任を認めていますけれども、この賠償についての裁判においては何も言っていないわけなんです。
 国が背負うことに関しては、どういう党が担おうと背負っていかなければならないことです。この点はよく御認識をいただきたい。いつまでも野党気分でいるのはやめていただきたい。まず国が、自分たちのせいで皆さんの負担が増えるかもしれません、これは国の責任においてこういう失敗があったからです、済みませんということを少なくとも原告の皆さんに申し上げ、それから国民に説明をするのがまず先にあるべきではないかと私は思います。
 そして、さらに、今日ここにはおられませんけれども、私は御本人に申し上げたかったんですが、櫻井財務副大臣、十月の七日に、つまりこれは国が和解協議で原告の皆さんに補償金額を示す五日も前に記者会見で、原告の皆さんの言うとおりにすれば五兆円以上掛かる、増税もしなければならなくなるということをおっしゃっているんですね。
 さらに、これ、やっぱり原告に責任をなすりつけるような発言だと私は思うんですね。しかも、裁判のプロセスの前に会見で発言するというのは極めて誠意を欠いた行動だと思いますけれども、野田大臣はこの件について櫻井財務副大臣にちゃんと注意をされたんでしょうか。
#60
○国務大臣(野田佳彦君) 本人には注意をさせていただきました。
#61
○丸川珠代君 では、野田大臣御自身は細川厚生労働大臣から何かこの件についてお話聞かれていますか。
#62
○国務大臣(野田佳彦君) 和解協議をめぐっては、政府の中で細川大臣含めて意見交換はしてきております。
#63
○丸川珠代君 先週金曜日の厚生労働委員会で我が党の田村議員が、野田大臣や櫻井副大臣のこういう問題発言について細川大臣から反省するように言っていただきたいと申し上げましたところ、細川厚生労働大臣は、田村委員の言うことはもっともだと、原告の皆さんも税という話が出てくると本当に気分を悪くしているのではないかと思う、指摘があったことは大臣などにお伝えしたいという御答弁をいただいておりますが、野田大臣は聞いておられないですか。
#64
○国務大臣(野田佳彦君) 承知しております。
#65
○丸川珠代君 聞こえません。
#66
○国務大臣(野田佳彦君) 承知しております。
#67
○丸川珠代君 では、その細川大臣の指摘を聞いて、ちゃんと反省をしておられますでしょうか。
#68
○国務大臣(野田佳彦君) 言葉遣いはきちっと丁寧にやらなければいけないことと、発言のタイミング含めてよく注意しなければいけないというふうに思っています。
#69
○丸川珠代君 言葉遣いはということは、御自身がその会見において、増税とこの負担を結び付けたことについては別に反省はしていないと、こういうことですか。
#70
○国務大臣(野田佳彦君) 国民に御負担をお願いをするケース、当然やっぱり予算措置を伴うわけですから、そのときにはいろんな選択肢があります。ただ、それをストレートに今この段階で言っていいかどうか、まだ金額も決まっていない、救済方法も決まっていないという段階では早いというふうに思います。
#71
○丸川珠代君 まさにその金額も決まっていないうちからそのお話をされていて、しかもこの試算の数字がどのくらい確実なものかを野田大臣はお分かりにならないでこういうことをおっしゃっているんじゃないかと思うんですね。
 少なくとも、まず裁判の和解金額の協議をしている最中に、国民の皆さん、こんなに負担になりますよということをして、これを表に出して言っていくというのは、政府がそれをすることによってこの和解金額を引き下げようという牽制をしているというふうに患者さんたちは受け止めているわけですよ。そのことを言っているんです。そういうことを理解して発言しておられるんですか。
#72
○国務大臣(野田佳彦君) 一方で、やっぱりそれ相応の額が必要になってくるということはこれ事実でございますから、そのことに向けて国民の理解も得られるような努力もしていかなければなりません、こういう国会での議論もそうですが。その中で国民の理解を得られるためには、ある程度の数字が出てきた中で、じゃそれはどうするんだという議論は当然避けて通れないというふうに思います。
#73
○丸川珠代君 ある程度の数字にもなっていない試算だということを今これから御説明いただきますけれども、まず、和解協議が調ってから国民に理解を求めるならまだしも、あなた方が謝罪をしていない、つまり政府が謝罪をしていないうちから、国民に説明をしていない、なぜこういうことになったのか説明もしていないうちから金額の理解を得ようと先走るのは、やっぱり私はおかしいと思います。
 その試算について、野田大臣はこれがいかにあいまいな数字であるかということについては自覚はございますか。
#74
○国務大臣(野田佳彦君) 積み上げは厚労省を中心にやられたと思いますが、別にいいかげんではないというふうに思います。
#75
○丸川珠代君 それでは、岡本大臣政務官、いいかげんな数字ではないと思いますという野田大臣の御答弁でしたが、この国が原告に示した試算について、その補償や助成ごとの対象者数あるいは患者数についての実数のデータというのはございますでしょうか。
#76
○大臣政務官(岡本充功君) 御質問をいただきましたB型肝炎についてでありますが、冒頭、一言だけちょっと御説明を申し上げなきゃいけないと思いますが、確かに昭和二十年代、注射針の話が、国は危険性を認識しておきながら六十三年まで放置をしていたという話ではありましたけれども、この点は若干事実関係は違うと思っておりまして、昭和三十三年の段階で少なくとも注射針については使用しないことを通知しておるわけですね。ただ、シリンジ、筒の方についての使用について、予防接種というのは採血と違いますから、接種する、少量ずつ接種するわけですから、基本的にシリンジの中に血液が入るということを想定をしておらなかったということも是非御理解をいただきたい。ただ、今は禁止を、シリンジ含めて使い回しをしないようにしておりますけれども、そういった針についての措置を三十三年にとっていたということは御理解をいただきたいと思います。
 その上で、推計の数の話ですけれども、患者さんの数については、平成二十年の患者調査というのを基に、肝がん、肝硬変、そして慢性肝炎、こういった患者さんの数を推計しています。確かに悉皆調査というものができればいいのですけれども、なかなか全部の病院に聞くというわけにはいかないし、また病院に受診されていない方もおられるでしょうし、我々として取り得る範囲の推計をしていると。
 また、無症候性キャリアにつきましては、日本赤十字社が献血事業をやっております。この献血でいただく血液、初回献血者の方のB型肝炎の検査をさせていただいて、こちらの方で出てきたパーセンテージを平成十七年の国勢調査を基に掛け合わせて推計をしていると、もちろんこれも推計であります。
 推計はあくまで政府として様々なところで使っておりますが、委員が推計をいいかげんだというふうに言われるかどうかは別として、我々としてはでき得る限りの調査、でき得る限りの誠実な把握をしていきたいという姿勢は続けていきたいというふうに思っておりますので、是非御理解をいただきたいと思います。
#77
○丸川珠代君 是非、その補償金額全体を考えるときには、実態の調査をきっちりやってからやっていただきたいというふうに強くお願いを申し上げたいと思います。
 今聞いていただきましたように、まず、患者調査と言っていますけど、別に全数調査しているわけではありませんと。
 これ、例えば今おっしゃった無症候キャリアの話でも、これ現在の患者数が百万から百三十万人程度というふうに書いておられるんですが、一方で、厚生労働省が外部に委託調査した論文等によりますと、二〇〇九年の論文で、二〇〇五年の値が大体九十万人程度であるというふうにもしておりますが、こちらの数字は採用しておられません。
 まず、この患者数、ベースになっている患者数が既に推計値であるということに加えて、例えばそこからどうやって実際のそれぞれの、例えば肝硬変であるとかあるいは慢性肝炎であるとかというものを導き出しているかというと、例えば慢性肝炎の五・三万人という数字は、三年に一度の厚労省の調査から、今言ったやつですね、B型ウイルス肝炎のうち慢性肝炎の全数プラス慢性肝炎のうち一三%がB型肝炎であると仮定と。仮定がこれ以外にもいっぱい入っているわけですよ。例えば、これ重症と軽症を肝硬変で分けるんですけど、これも一割が重症、九割が軽症と仮定なんですよ。これまだ何かの調査に基づいてやっているとしても、これ母数が非常に小さいところの割合を全体の数に掛け合わせているというわけで、非常に試算としてはとても大まかでざっくりしたものであるということは少なくとも言えるのではないかと思います。
 かつ、これ極大値なんですね。極大値というのはどういう意味かというと、対象者が一〇〇%申請するということ、マックスで申請するということをこれは前提にしているんですけれども、実はこれは一〇〇%申請するかどうかについては非常に現実的でないというふうに思われます。しかも、もっと言うと、これ八兆円だとか五兆円だとかいう言葉が独り歩きしていますけれども、これ三十年間で掛かるお金なんですということをきっちりもっと野田大臣はおっしゃるべきじゃないでしょうか。数字だけが独り歩きしている、これは間違いないことだと思います。
 しかも、こうやって体制を整えていくことによって、当然、医療が整えば患者さんたちの病気の進行がある程度食い止められると。これ三十年間にわたってのことですから、当然医療の進展ということもあるでしょうから、治療方法の進展ということもあるでしょうから、そういうことも考え合わせるとこれはもっと数字は変動するものでありますし、実際に和解協議が整って申請を受け付けてみないと、一体どの程度の方が申請してくるのかというのは本当に分からないことなんですよ。少なくとも、患者さんの実数調査もしないうちから、しかも和解協議整わないうちから、まず国民に議論をというのは私はやっぱり順序がおかしいのではないかと思います。
 野田大臣、今日、野田大臣はその認識を是非改めていただきたいと思うんですけれども、御自身がまずいかにあいまいなことでこの数字に基づいて言っているかということは認識はいただけましたでしょうか。
#78
○国務大臣(野田佳彦君) あいまいというよりも、実際に和解協議がこれから進もうという中で、具体的に個別にどういう積み上げで、数字を挙げながらという議論を司法の段階で始まろうとしているときです。
 その中で、そこで最終的には落ち着くことはどの額か分かりませんが、その過程の中で既に可能性のあることについては、お互い国会の中でもあるいはもっと様々な面でも言及があって私はおかしくはないと思います。和解協議が整ってからではなくて、今進行中の中でもそれは議論は私はあっていいだろうというふうに思います。
#79
○丸川珠代君 議論をするのであれば、少なくとも、きっちりとその議論の前提に何があるのかということを国が説明をなさるべきだと思いますし、その説明は全く十分ではないと思います。
 少なくともこの段階で、つまり、こういうまだ推計に推計を掛け合わせたような試算の段階で、その総額を国民に投げかけて、しかも、国の責任においてこういう事態が発生してしまいました、国民の皆さん、どうか御理解をくださいという言葉もなしに増税と話が結び付いていくというのは極めて問題が大きいと思います。
 しかも、大臣がそれをやったということはどういうことかというと、国の責任において、つまりこういう病と付き合わなければいけない人生を過ごす羽目になったと。これ、持続性のキャリアから慢性の肝炎になると、その後二十年間、三十年間と治療をずっと続けていかなければいけない人もいる。中には、いつ肝硬変になるか、肝がんになるか、実際肝がんになって何回も手術をしながら、なお、何としても国の責任というものに対して国からのちゃんとした形が欲しいという思いで闘われる原告の方もおられるんですけれども、そういう人たちを大臣は名指しして、いいですか、国民の皆さん、あの人たちのせいで税金が上がるかもしれませんよと、そう言ったも同然なんですよ。これは極めて非人間的な行為だと思いますけれども、患者さんたち、原告の人たちに謝罪をする気持ちはありませんか。
#80
○国務大臣(野田佳彦君) 余り個人的なことを申し上げることは控えたいと思っていましたけれども、私の母も、注射針契機に肝炎となって、肝硬変となってがんで亡くなりました。相当早く亡くなっています。だから、患者さんの立場はよく分かります、よく分かります。だけれども、これは、それぞれの国民が最終的には支え合う中でどこに合理的な解を見出すかということが第一なんです。そのことを私は意識しています。
#81
○丸川珠代君 国民の理解をいただくのは当然ですが、国民の理解をいただく順番、前提が違うということを私は申し上げております。
 患者さんおいでになっておりますけれども、野田大臣がそういうお立場であるならば、なおのこと御理解をいただきたいと強く思っておられると思いますので、そのことを胸に置いて今後御発言には十分注意をして、この財源論をもし進めるのであれば丁寧に作業を進めていただきたいと、それを心からお願いを申し上げます。
 続いて、政府の円高対策についてお伺いをしたいと思います。
 火曜日の閣議後の会見で野田大臣は、G20の週末明けの円相場が八十円台に進んだことにつきまして、ドル、ユーロ、円の主要通貨を持つ国々がマーケットの動向を注視し適切に協力していくと述べて、為替の過度の変動には日米欧が協調して対応していく姿勢を強調しておられます。
 G20に行かれる前の段階で八十円台まで円高が進んだときには、主要二十か国・地域、つまりG20の財務相・中央銀行総裁会議などに関係なく、必要なときには円売り介入を判断するというふうに語っておられて、これは当然単独での介入を再びやるというようなことを想定したものだと思いますが、この発言を見ておりますと、大臣は、G20を挟んで、協調介入が可能になりましたよというようなニュアンスを含んで発言をするようになったと、発言を変えておられるように思うんですが、これは、G20の議論の結果、今後一層の円高に対しては協調介入が実現可能なものになったというふうにお考えだということなんでしょうか。
#82
○国務大臣(野田佳彦君) 従来から、為替の過度な変動及び無秩序な動きというのは経済や金融の安定に悪影響を及ぼすと、それを看過できない状態、そして必要なときには、それは断固たる対応を取ると、これは政府の経済対策の中にも盛り込んでおることでございますので、我が国としてはこの対応は不変でございます。
 加えて、G20においては、為替の過度な変動については、これは準備通貨を持った主要国が、これは監視をするということまで含みました。ただ、悪影響を及ぼすじゃなくて監視をするという表現は、その時々に起こったことに対して適切に協力をしながら対応すると、そういう意味であって、別に介入どうの、協調介入どうのということを決めたわけではないんですが、必要な協力を行うという中ではいろんな選択肢が状況によってはあるということだと思います。
#83
○丸川珠代君 今、監視をするということは必ずしも行動に結び付くものではないと、それは状況の判断によるんでしょうけれども。
 例えば、この声明の中の、今の話というのは、準備通貨を持つ国々を含む先進国は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きを監視するというこの声明の中の一文のことを指しておっしゃっているんだと思いますけれども、例えばなんですけれども、その協調する、そして監視をするということの中に、アメリカが今全面的な、ごめんなさい、アメリカがというのはドルですね、ドルが全面的なドル安になっているという状況に対して、アメリカ以外の国が協調して監視をする、あるいは協調して何か行動するというようなことを含んでおっしゃっているんでしょうか。
#84
○国務大臣(野田佳彦君) これはどの国のどういうことに対してということをあらかじめ想定しているわけじゃありません。ただ、いろんなことが起こったときにその都度必要な適切な協力関係を持つということで、私、今ちょっとアメリカだけを出されましたが、仮定の話にはちょっと今コメントできるということではございません。
#85
○丸川珠代君 お答えはできないとしても、ドルがどんどんこの後ドル安が続いていくだろうという想定を恐らくしておられると思うので、何らかのお考えはあってしかるべきかなというふうに思っております。
 いろいろな選択肢もある中に介入も含まれるというようなニュアンスでおっしゃったんですけれども、どうもこのG20の議論を見ておりますと、G20全体で通貨競争の回避はできましたということを金看板に掲げている一方で、その本音の部分というのは同床異夢なのではないかということが思えてなりません。かつ、通貨安競争の回避に賛同したことで日本が単独の為替介入をしにくくなった、手足を縛られたということは一つ言えるのではないかなと思っております。
 日本がそういう手足を縛られた中で今後円高に対してどういう対応ができるのかというのは非常に国民の関心の高いところであると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(野田佳彦君) 通貨安競争を避けるということは、先進国も新興国も、いわゆる黒字国も赤字国もこれ合意しました。これはやっぱりお互いに通貨安競争をやって近隣窮乏化政策みたいなのをやっていれば、これは、世界経済全体にマイナスだということはこれは歴史の教訓だからであります。そのことに日本が賛同したから為替介入が縛られるという、それはちょっと私、飛躍があると思います。どういう意味か分かりません。何でそういう理屈になるんでしょうか。我々がこの間介入したのは、過度な変動に対しての対応です。我々が通貨安競争をやってきたという意識はございません。
#87
○丸川珠代君 今まさにお伺いしようと思っていたのはそこなんですけれども、つまり、通貨安競争に日本は参戦していないんだということですよね。つまり、そういうことに私たちは少なくとも、攻撃は受けたかもしれないけれども、とにかくそれを自分たちから積極的に攻撃を掛けていったようなスタンスではありませんと、そういうことはやっていませんということをおっしゃったんだと思うんですが、そのことは先進国の中でちゃんと認識をされておられるのでしょうか。
 つまり、認識されるだけのことをやってこられたのかどうかということになるんですが、つまり、それが認識されていないと、日本がまたこの過度な変動に対して介入をしたとしても、それは通貨安競争にまた引き戻そうとしているんじゃないかという批判を受けることになると思うんですね。その点、日本は意識しているけれども、それは理解を得てきたことだと言い切っていいんでしょうか。
#88
○国務大臣(野田佳彦君) 過度な変動や無秩序な動きが経済や金融の安定に悪影響を及ぼすということは、何度もG20、G7で確認をしてきていることです。確認をしてきていることは、国際的に共通認識として定まっていると御理解いただきたいと思います。
#89
○丸川珠代君 日本は、今アメリカがデフレのリスクがということを言っていますけれども、それは、デフレのリスクが無視できない大きさになっているがまだデフレではないというふうにアメリカは言っていて、先進国の中で日本だけがもう十年近くデフレの状況が続いているという、これは非常に特異な立場にあるんだと思うんですね。この点をやっぱり世界の国々に理解をしてもらうと。かつ、たとえ通貨に対する何かの動きがあったとしても、それは私たちの特異な立場によるものなんですという理解を言い続けるということは非常に重要なことだと思いますので、是非いろいろな場面で大臣にはそれをお願い申し上げたいと思います。
 大臣は、二十六日のこの財政金融委員会でも、断固たる措置をとる日本の姿勢は不変だということをおっしゃっているんですけれども、この断固たる措置というのは一体何でしょうか。
#90
○国務大臣(野田佳彦君) 日本がずっと長い間デフレに苦しんでいる状況、今もそのデフレが進行している中でこういう円高が長期化、安定化するということは、日本の経済にとっては皆さんが想像する以上に厳しいんだということは、あらゆる局面においてこれまでも御説明をしてまいりました。これからも委員の御指摘のとおり、こういう日本の事情については引き続き熱心に積極的に説明をしていきたいというふうに思っております。
 断固たる措置の内容は、まさにその都度、断固たる措置の具体的な内容を決めながら対応していきたいと思います。もちろん、そこには介入も含みます。
#91
○丸川珠代君 断固たる措置は何のためにやるんでしょうか。
#92
○国務大臣(野田佳彦君) 過度な変動を抑制するためです。
#93
○丸川珠代君 過度な変動を抑制するのは、どういう目的のためですか。
#94
○国務大臣(野田佳彦君) 為替の不安定な動きによって、しかもそのファンダメンタルズを反映しないで動きがあったときには、これは断固たる措置をとらざるを得ないというふうに思います。
#95
○丸川珠代君 ということは、今円高に振れていますけれども、これはファンダメンタルズに沿っている動きと見ているか、見ていないと思っておられるのか、それはどうなんでしょうか。
#96
○国務大臣(野田佳彦君) 今の水準とか等々、具体的な数字は申し上げませんけれども、九月十五日までは少なくともヨーロッパの先行き不安、特に金融について、ギリシャの危機等があって、アメリカの減速感含めて、リスク回避として、日本のファンダメンタルズとは少し乖離をした形で円高が進んだというふうに思います。
 直近のここ一か月は、委員御指摘のとおり、ドルに対して各国の通貨が強く今なっているという状況だと理解しています。
#97
○委員長(藤田幸久君) 丸川さん、時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#98
○丸川珠代君 その九月十五日までの件について、お手元の資料でずっと時系列で並べさせていただいたんですけれども、これを見る限り、八月の二十七日に八十五円を割って、ようやく断固たる措置をとるといいながら、現実にとったのは九月の半ばであったと。この間の動きを見ていると、どんどんどんどん下げてきているということに関してメッセージが伝わってこなかったと思うんですね。もしファンダメンタルズに沿った動きでないというのであれば、これに対してもっと強いメッセージがあってしかるべきだったと思うんですが、これ、ちょうど民主党の代表選挙が忙しくなっている時期に重なっているんですね、このどんどんどんどん下がってきているところが。
 これ、よもや野田大臣が御自身のグループを率いて代表選をやっていて忙しかったから意識が行ってなかったからではないと思うんですが、なぜここで強いメッセージが、断固たる措置をとると言っておきながら、ここでちゃんと発信がされなかったのかと。結局、措置がここの八十三円までとられなかったのかということについて、仙谷大臣が八十三円をぽろりと防衛ラインだと言ってしまったことも含めて、お答えください。
#99
○委員長(藤田幸久君) じゃ、野田大臣、時間ですので、簡潔に御答弁お願いいたします。
#100
○国務大臣(野田佳彦君) 簡潔に。必要なときには断固たる措置をとるということはずっと不変であって、代表選があるかどうかとか国際会議の前後か、全く関係ございません。
 加えて、仙谷大臣は防衛ライン、数字を言及しているわけじゃございません。防衛ラインの記者さんからの質問が、額が出ました。それについて財務大臣が為替を見ながら判断したんでしょうと言っているだけで、防衛ラインを認めている、そういう発言ではございません。
#101
○委員長(藤田幸久君) 丸川珠代さん、時間ですので。
#102
○丸川珠代君 御自身の口から出てなくても、記者から聞かれて何か返事をしていれば、それは言ったことにほかなりませんので……
#103
○委員長(藤田幸久君) 時間でございますので、質問終わってください。
#104
○丸川珠代君 よろしくお願いいたします。
 以上、ありがとうございました。
#105
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 先ほど破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する御報告を自見大臣の方からいただきました。ありがとうございます。本日は、この破綻金融機関の処理のスキームの中で大きな役割を担っている預金保険機構の財務、その中で保有する有価証券の評価損益についてお伺いしたいと思います。
 平成二十一年度の預金保険機構が保有する有価証券の帳簿価額と時価総額はそれぞれ幾らでしょうか。
#106
○参考人(田邉昌徳君) お答えいたします。
 預金保険機構が保有をしております有価証券の二十一年度末におきます帳簿価額は約六兆三千七百九十五億円でありまして、これに対応する時価評価ということになりますけれども、行政コスト計算書において算出した時価評価額は約五兆八千八百八十九億円となっております。
 以上でございます。
#107
○竹谷とし子君 帳簿価額と時価総額比較して評価損が生じている状況ということでしょうか。
#108
○参考人(田邉昌徳君) 御指摘のとおり、先ほどの二つの計数の差額は評価損ということを示しておりまして、その金額は約四千九百六億円でございます。
 以上でございます。
#109
○竹谷とし子君 そのうちの主なものというのは何になりますでしょうか。
#110
○参考人(田邉昌徳君) お答えをいたします。
 一つ非常に大きな要因がございまして、これは、旧日本長期信用銀行、それと旧日本債券信用銀行、この二行でございますが、平成十二年のときに、当時の特別公的管理という制度がございまして一時国有化しておったわけでございますが、それを終了すると、エグジットをするということでございますが、そのときに両行が取引先との間でいわゆる持ち合い、株式の持ち合いをやっておりまして、円滑な処理のためにそれを預金保険機構が引き取るということが契約の内容でうたわれておりまして、それによって引き取りました株式の評価損が現在で六千六百七十五億円に達しておりまして、それが非常に大きな要因になっているということでございます。
#111
○竹谷とし子君 私、りそなホールディングの方で益が生じている部分について本当はお伺いしたかったんですけれども、今損失のお話が出てきまして、六千六百億強の損失について、これいつ実現を、今評価損の段階だと思いますけれども、損失として実現するのはいつの見込みになりますでしょうか。
#112
○参考人(田邉昌徳君) 旧日本長期信用銀行それから旧日本債券信用銀行につきましては、金融再生法という法律に従いまして、再生勘定という独立な勘定で経理をしております。その中でとっております措置の中には、今申し上げました持ち合い株式の引取りのほかに、例えばいわゆる瑕疵担保条項に基づく貸付債権を引き取って、それから大きく減価した場合には預金保険機構が引き取って最終的にその処理をするというようなことも含まれておりまして、全体的にそういうところが処理が進んだところで勘定の閉鎖に向けて全体的な措置の終了を図ると、その過程で処分をしていくということでございまして、そういう意味では未定ということでございます。
#113
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
 この件に関しまして、また引き続き御質問させていただくことになるかと思いますけれども、今日は預金保険機構さんに関してはこれで終わりたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、次に、国民の皆様から非常に関心が高い公的年金の財政、特に運用の在り方について伺いたいというふうに思います。
 まず、日本の公的年金の運用のパフォーマンスについて直近五年間の状況を伺いたいと思います。また、運用を委託した相手先に支払った手数料額も併せて御答弁いただきたいと思います。
#114
○政府参考人(今別府敏雄君) 私ども、平成十三年度から自主運用という形で運用させていただいておりまして、基本的にはプラスで運用してまいりましたが、直近五年間で申しますと、十九年度にはサブプライムがありましたし、それから二十年にはリーマン・ショックがありましたので、この二年間はマイナスでございます。
 直近五年というお尋ねでありますが、直近五年間では、平均収益率で一・二五%のプラス、額にいたしまして五年間累積で九・一兆円でございます。それから、ちなみに十三年度からの累積で申しますと、収益率がプラスで平均一・七七%、額にいたしますと二十二兆九千億円の収益を上げております。
 それから、手数料でありますが、手数料は、これは率で申しますと、資産比率で〇・〇二%、これはスケールメリット等もございますので、海外の年金基金に比べれば非常に低い水準となっております。
#115
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 次に、海外の規模の大きい公的年金、カナダ、スウェーデン、カルパース等の運用パフォーマンスについて直近五年間の状況を伺えればと思います。
#116
○委員長(藤田幸久君) 田邉理事長代理、よろしければ、どうぞ御退席。
#117
○政府参考人(今別府敏雄君) 今御指摘のありましたところで直近五年間の平均収益率を申し上げますと、カナダがプラスで四・〇%、それからアメリカのカルパースが三・七%、それからスウェーデンの国民年金基金が五・〇%でございます。これは、それぞれの国内の株式市場あるいは債券市場等の環境を反映をした数字だというふうに認識をしております。
#118
○竹谷とし子君 やはり日本は海外に比較すると低い運用パフォーマンスであるということが分かると思いますけれども、日本の公的年金の運用のポートフォリオと海外の公的年金の運用のポートフォリオの違い、またその背景にある日本の年金運用の考え方について、比較して御答弁をお願いいたします。
#119
○政府参考人(今別府敏雄君) 日本の運用実績が海外に比べて低いのではないかというお話でありますが、まず日本の場合は、これは法律に安全かつ効率的に確実に運用するようにというふうに決まっておりますので、債券中心の運用でございます。約八割が債券、二割が株式というのが日本のポートフォリオ。これに比べまして、外国はむしろ逆に株式の方が多うございます。
 そういう違いが一つと、それから、先ほどの答弁にもかかわりますが、それぞれの市場環境、日本の場合は株式も債券もこの五年間で申しますと低い金利水準でございましたので、そういうものが反映をされておるというふうに考えております。
 日本の資金運用は、今申しましたように安全かつ効率的に、確実にということでございますが、片や、もうちょっと積極的に運用した方がいいのではないかという意見もございます。昨年の十一月から審議会を設けまして、そこで議論をしていただいておりますが、積極運用を進めたらどうかという委員の方がおられる一方では全額国債で運用すべきではないかという委員もおられまして、そこは委員の先生の御意見もいろいろでございます。
 引き続き、その審議会等で議論は続けていこうと考えております。
#120
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 我が国の年金の積立金は百二十七兆円と、規模は世界最大、運用資産が市場に与える影響は非常に大きく、運用の結果が国民の福祉に大きく影響を与えると思います。
 安全、確実ということは当然あると思いますけれども、海外の例として、スウェーデンの公的年金の運用というのが、効率性を上げるために六つのファンドに分けられている、そしてそのうち四つについては運用を競わせる形となっているということがありますが、我が国でも、効率的な運用のために、巨額の資産運用を単独の独立行政法人で行うのではなくて、複数のファンドに分けてそれぞれ競争させるという方式を検討する余地があるのではないかという声も聞かれますけれども、これについてはいかがでしょうか。
#121
○政府参考人(今別府敏雄君) スウェーデンのお話でございますが、スウェーデンは、今御紹介ありましたように四つの基金を競わせて、いい成果が出るのではないかということで、これは二〇〇一年からそういう運用方式を取ったと聞いておりますが、結果的には四つ数字がほとんど変わりませんでしたので、去年の暮れにスウェーデンのこれ基金を所管する財務省がこれまでの成果について総括的な評価を行って、そこでは、運用主体を分けることによってリスク分散やそれから収益向上の効果が十分には見られなかったということで、逆に四つの基金を一つに統合すべきではないかという結論が出たというふうに伺っております。
 先ほど御紹介しましたように、運用の在り方を今審議会で議論をしておりますので、引き続きこういうことも踏まえて検討はさせていただこうと思いますが、スウェーデンの例はそういう意味で余り成功事例にはなっておらないようだということを申し上げておきます。
#122
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今後も、国民の皆様の安心のために、年金資産の運用の効率化、高度化について改善また検討をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、介護給付費の増加予測と対策について伺いたいと思います。
 厚生労働省の資料によりますと、今年度の介護保険給付費は七・三兆円、そして四年後には八・九兆円に増加と予測されています。毎年約平均すると四千億の増加ということになると思いますが、一方で、国勢調査の時系列データによりますと、少し古いんですけれども、二〇〇五年時点の未婚者の割合というのが、三十代の男性で三九%、三人に一人以上、同じく三十代の女性で約二六%、四人に一人となっておりまして、二十年前と比較すると約二割増加をしています。そして、現在の人口に占める単身世帯の割合というのが約一二%。将来の人口推計を踏まえますと、これが二十年後には約一六%に増加して、六人に一人が単身世帯になると予測をされています。六十五歳以上の単身者数というのが、女性が一・六倍、男性が二・六倍と、特に男性の単身世帯の増加が深刻であると予測されています。
 現在、特別養護老人ホームへの入居待機は四十二万人、そのうち要介護四以上の在宅介護を受けられている方が六・七万人ということでありますけれども、在宅介護の場合、御夫婦のみの世帯でどなたが介護をされているかというと、八割が配偶者あるいは子供、そして、単独世帯では四割が子供さんあるいは子供さんの配偶者が介護の担い手になっています。しかし、今後、高齢者の単身世帯の増加とともに家庭の中に介護の担い手がいなくなって、施設型の介護あるいは事業者による介護需要が急激に増加するということが予測されると思います。
 このような将来予測についての見解、そして対応の方向性について厚生労働省の見解を伺いたいと思います。
#123
○政府参考人(金谷裕弘君) 今お話のございましたように、我が国、急速な高齢化が進んでおりますとともに、お話のございましたような単身高齢者という方が増加していくという傾向にございます。
 今、単身高齢者比率というふうなことで申し上げますと、約三分の二の方が単身あるいは夫婦のみの世帯というふうなことになっております。片や、そういった介護で支える側の方が非常に少なくなっている、あるいは家族の介護に依拠していると。そういった状況の中から、今後も施設あるいは介護事業者による介護というふうなものは非常に重要な要素になっているというふうに思います。一方、高齢者の皆様方にとりましては、自ら生まれ育った、あるいは安心して暮らせる、そういった地域における住まいが必要である、あるいはそこに引き続き居住したいという、そういう御希望も非常に強い要素にございます。
 そういった中で、私ども、次の介護保険計画、これは平成二十四年からということになるわけでございますけれども、地域で支え合うような、地域全体でお年寄りを支えていくようなそういったシステム、地域包括ケアというふうに言っておりますけれども、そういったシステムをつくっていければというふうなことで考えております。
 具体的には、今お話のございましたような介護度が重い方々につきましても、そしてまた、今お話のありましたような単身あるいは高齢世帯というふうなところがありますけれども、そういった方々にあっても、ある程度在宅で対応できるような、そういった二十四時間のケアを進めるような、そういった仕組みを導入できればというようなことで、今介護保険部会の方でもって議論をいただいております。
 また、その住まいの確保という観点につきましては、国土交通省と連携いたしまして、サービス付きの高専賃、高齢者の専用賃貸住宅、そういったものの整備と、それからそれに合わせた在宅の仕組みというふうなものもできないかということで、今検討をしておるわけでございます。
 また一方、その施設に関しましては、これも現在、介護保険計画の第四期という状況でございますけれども、そこでその各自治体、二十一年から二十三年まで、十二万床の、これは特養とかあるいはグループホームとか、そういったものを含めましてですが、十二万床の整備を見込んでおったところでございますけれども、この基盤の整備というふうなことで、現在、四万床分を前倒しをして、この計画期間において十六万床を整備していこうということで鋭意取り組んでいただいているところでございます。
 現在の状況でございますけれども、平成二十一年度の実績が二・七万人分、平成二十二年度の、まあこれは計画ベースでございますけれども、六・一万人分ということでございます。
 私どもといたしましては、この十六万床という、その整備の目標に向けまして積極的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#124
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 平成二十四年度から新しい介護の制度の中で地域に居住される高齢者の方々のケアができるように地域包括ケアを考えていかれるということでありましたけれども、厚労省さんからいただいている介護保険の給付費の伸びの見込みということで、四年後には八・九兆円というふうになっていますけれども、地域包括ケアをこれからやっていく場合に、この給付費というのはどれぐらいの増加というふうになっていくというふうに予測されていますでしょうか。
#125
○政府参考人(金谷裕弘君) 給付費の増につきましては、先ほどお話のございましたように、平年ベースで大体四%ぐらいずつ、四千億ぐらいずつ伸びておるという状況でございまして、現在が七・三兆円ということでございますけれども、今後、平成二十三、二十四と七・七あるいは八兆円、あるいは八・四兆円、八・七兆円と伸びていくと。
 さらに、現在、介護従事者の方々の処遇改善ということで、一万五千円一人当たり月に報酬をアップするという、それを基金で行っておりますけれども、そういったものを仮にその介護給付費の方で取り込むというふうにいたしますと、それぞれ二千億ないし一千億円増えていくと。二十六年度の見込みで申しますと、八・九兆円というふうな見通しを持っておるところでございます。
#126
○竹谷とし子君 では、その地域包括ケアを含めて八・九兆円というふうに見込んでいるということだと理解をいたしました。
 今後、単身の高齢世帯が増加するという深刻な変化を踏まえて、家族のいらっしゃらない今後の単身世帯の高齢者の方々の介護政策もよくお含みおきいただきまして政策推進されることをお願いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#127
○中西健治君 みんなの党の中西健治でございます。よろしくお願いいたします。
 今週月曜日に、皆様御承知だと思いますけれども、シンガポールの取引所がオーストラリアの証券取引所を買収するということに向けて公開買い付けを行うということを発表いたしました。それも踏まえまして、政府の総合取引所構想につきまして質問をさせていただきたいというふうに考えております。
 御案内のとおり、六月に発表された新成長戦略の中では、金融も自ら成長する分野ということで、金融そして証券、商品の垣根を取り払った総合取引所を二〇一三年までになるべく速やかに創設をしていこうということが決められているわけでございます。
 前回、先週の大塚理事も質問にこの総合取引所を取り上げたわけですけれども、それに対して内閣府、そして経産省、農水省の方から説明があったわけでございますが、こちらの委員の方々で、あの説明を聞いて、これで取引が活況化するというふうに思われた方というのは多分いらっしゃらないんじゃないかなというふうに思います。というのは、答弁の中でやはり取引高そのものが激減してしまっているという話でございましたので、統合したとしてもそれだけでは取引の活性化というのは難しいだろうというふうに考えているわけです。何よりもやはり景気の回復ということが大きな薬になってくるわけですけれども、金融そのものを成長させていくということであれば、この取引所についてもやはりきっちりした戦略というのが必要になってくるんじゃないかというふうに考えております。
 そんな中で、総合取引所をどういうふうにつくっていくのかということについて質問したいと思います。
 御承知のとおり、日本国内には証券取引所だけでも東京や大阪、幾つも大きな証券取引所があるわけです。さらには、工業品ですとか商品ですとか穀物ですとか地域に複数の取引所が存在しているという中で、このまま法整備だけを進めて総合取引所というのをつくろうということになってきますと、複数の総合取引所ができる可能性すらあるということになるわけです。そうなってきますと、やはり巨大な総合取引所ということではなくなって、またまた小さいものが幾つかできてしまうということになってしまうかなと思いますが、私は、同種の取引所はまずは統合をしていくということが総合取引所の前提として考えられるべきなんではないかというふうに思っておりますが、ここら辺、自見大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃるかということについてお聞きしたいと思います。
#128
○国務大臣(自見庄三郎君) 中西議員、金融界で働いておられた貴重な経験もお持ちでございまして、御専門家でもございますが、今お話がございましたように、新成長戦略においては、総合的な取引所の取組にかかわる二〇二〇年の成果目標はアジアのメーンマーケットのプレーヤーとしての地位の確立であるということを新成長戦略において掲げさせていただいたわけでございまして、取引間の、組織間の再編は、もう先生御存じのように、これは営利企業あるいは株式会社でございますから、取引所の経営判断そのものでありますから、取引所の経営判断がいかなるものであっても、政府としては目標の実現に向けて必要な、政府がさせていただけることは制度整備でございまして、規制緩和でございまして、そういった施策を実施に移していく所存でございまして、なお、各取引所においては、政府の目的でございますアジアのメーン・マーケット・プレーヤーとしての地位の確立に沿った経営判断を、それぞれのマーケットは、今申し上げましたように、まさに営利企業あるいは株式会社でございますが、いただけるようにお願いしてまいりたいというふうに思っております。
#129
○中西健治君 大臣おっしゃられるとおり、取引所は民間会社ではありますけれども、公共性が非常に高いということもあるというふうに思っておりますし、自見大臣は十月十五日の記者会見におきましても、この件に関しては政治主導できちっとやらなければならないというふうにおっしゃっておられましたので、民間会社だからそれにすべて任せるということではなくて、やはり大きな大事な戦略が必要になってくるというふうに思っていますので、やはり戦略、そしてリーダーシップを発揮していただきたいと私自身は思っております。
 次に、これの進捗状況についてお聞きをしたいわけですけれども、今月中に金融庁、農水省、そして経産省がプロジェクトチームをつくって年内に中間報告をするということが決められているわけでございますが、今月中というともうあと数日ということですが、そのプロジェクトチームはどうなっているのかということについてお聞きしたいのと、また、このアクションプランが制定された後、このプロジェクトを実際だれが最終責任を持ってゴールまで引っ張っていくのかということについてお聞きをしたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。
#130
○国務大臣(自見庄三郎君) 中西議員の御質問のとおり、金融庁、農林水産省、経済産業省の政務による、具体的には副大臣、大臣政務官ですね、これ、私も先般、農林水産大臣又は経済産業大臣ともお話をしまして、これはもう政治主導でやるということが私は必要だと思っておりまして、なかなか下から積み上げてきてできる話でも、ある意味で、先生御存じのように、いろいろなそれぞれの業界、あるいは経済産業省であれば従来の産業政策、農林水産省であれば従来の農業政策等々と絡みがございますから、そういった意味で、きちっと政治主導でこの三庁の副大臣、政務官でやりたいと。
 余りもう日にちがないじゃないだろうかということでございますが、実は今日、最初の会合を、検討チームをやらせていただく予定にいたしております。
#131
○中西健治君 三省庁にまたがることですので、三省庁の方々がというのも分かるんですけれども、やはりだれか一人がしっかりと進めていかなければスピード感というのはこういうものについては出てこないだろうというふうに思いますので、できれば、私は自見大臣が自分でやりますというようなことを言っていただければ有り難いなというふうに思ったわけでございますが、是非とも前に早急に進めていただきたいというふうに思っております。
 そして、先ほど申し上げましたとおり、今週月曜日にシンガポールの取引所がオーストラリアの証券取引所を買収するという方向が発表をされました。そして、このシンガポールの取引所というのも、元々はシンガポールの証券取引所とシンガポールの国際金融取引所が合併してできた総合取引所ということでございます。
 世界はどんどんどんどん動いているという中で、日本は今どうなっているかといいますと、二〇〇一年に、御案内のとおり、東証が、東京証券取引所が株式会社化されました。そして、二〇〇七年にシンガポールの取引所の株を四・九%取得をしました。しかし、それ以来何も、経営面、事業面でシンガポールの取引所と何かやったということがないということだと思います。このままだと、これも世界に取り残されていってしまうのではないか、日本がリーダーシップがない、戦略がないというままに取り残されてしまうのではないかということについて私自身は大きな危惧を持っているということでございます。
 自見大臣、先ほどアジアのメーンマーケットという言葉をお使いになられましたけれども、やはり成長していくためには国内での統合だけでは駄目なんだろうと思うんです。アジアのお金をどうやって取り込んでいくのかということについてしっかり考えていかなければ、シンガポールにも上海にも香港にも勝てないということになるのではないかなというふうに思います。私自身は、やはり政府がそれなりに連携、合従、こういったことを促していくことも必要になるんじゃないかなというふうに思っておりますが、そこら辺、大臣のお考えをお聞かせください。
#132
○国務大臣(自見庄三郎君) 金融大臣にしっかりやれという激励のお言葉もいただいたわけでございますけれども、もう先生、今申されたとおり、金融庁は証券・金融取引所、農林水産省、経済産業省は商品取引所をそれぞれ所管しておりますけれども、こういった所管に応じてそれぞれ責任を負うものでございますけれども、総合的な取引所の創設推進は金融分野における国家戦略プロジェクトでございますので、我が国の金融資本市場の活性化等に責任を持つ立場として、実は、さっき経済産業大臣、農林水産大臣ということを言わせていただきましたが、私から積極的に呼びかけさせていただいた事情もございまして、それぞれの所管はございますけれども、お互いに皆、国務大臣でございますし、それからやはりこれ閣議決定した話でございますから、今先生言いましたような国際的ないろんな環境があるわけでございますから、この活性化に向けて責任を持つ立場として精力的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#133
○中西健治君 力強いお言葉をいただいたわけでございますけれども、これはしっかり実行に移していただかなければ何の意味もないということになります。そして、今後のアジアでの日本の市場ということを考えるに当たっても、この総合取引所というのは大変重要だろうと私自身は思っておりますので、是非とも早急に取り組んでいただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
#134
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は税務行政の現場の問題を取り上げたいと思います。この不況で中小業者の税の滞納が増加をしております。それに対する税務署の取立て、差押えの問題でございます。
 最初申し上げておきますけれども、もちろん悪質な滞納、故意の滞納、こういうものに厳正に対処するのはもう当たり前のことでございます。それは前提の上で質問いたしますけれども、しかしこの不況の中で税を払いたくても払えなくて滞納者がもう相当増えているのは事実でございまして、そこに税務署が容赦なく差押えに入る、あるいは特に取引先からの入金予定の売掛金を差し押さえる、こういうことがいまだ続いております。
 従業員の給与が払えなくなったりあるいは下請に代金が払えないということが、売掛金を差し押さえるとそういうことになりますので、これは国税庁の通達の中でも、取扱要領の中でも慎重にするようにと、国税徴収法の中にもこういう場合は慎重にするようにとなっているわけですが、もう平気で行われているわけでございます。同時に、売掛金をばんばん差し押さえますと、その取引先から、もうおまえのところは、何か税務署が来るようじゃ、おまえのところとはもう取引しないというようなことで、その後の仕事がもらえないというようなことも起きております。
 実は、この問題は一年半前にこの委員会で取り上げまして、当時の与謝野大臣あるいは国税庁の次長から、そういうことに配慮してやっていきますというふうなことで御答弁をいただいて一定の改善は少しは進んだんですけれども、しかしまたいろいろ私のところにも相談が来ております。個々の問題は国税庁に投げたらそれなりに改善をしてもらっているのもございますけれども、全体としてこういう売掛金の差押えとか強引な差押えというのが現場で起きているということでございます。
 そして、とうとう今月の四日、十月の四日、千葉県松戸市で、この税の滞納が原因で自殺に追い込まれるという痛ましい事態が起きてしまいました。これは仮名でAさんとしておきますけど、塗装業の方ですが、松戸税務署に預金を差し押さえられて、御夫婦で松戸税務署に相談に行かれたその日の夜に御主人のAさんは自ら命を絶たれたわけでございます、五十七歳でございましたが。なぜこんなことが起きたのか、国税庁、説明してくれますか。
#135
○政府参考人(田中一穂君) 今、先生の方から御指摘をいただきましたように、差押えをどういう場合に行うかということにつきまして、特に売掛金について御質問があり、お答えをさせていただきました。
 それで、基本的には、この売掛金の差押えにつきましても、今先生から御指摘がいただいたように、納税者の、滞納者の生活の維持ですとか、あるいは事業の継続に与える影響を配慮して、納税者の個々の実情に即して法令等に基づいて対処をする必要があるということでございまして、今後とも現場をよく指導していきたいと思っております。
 それから、今個々の事例についてのお話がございました。議員の御指摘のような事例があった場合には、これはもう税務執行の事実関係をこれ十分調査、確認した上で対応する必要があると考えておりまして、滞納整理に当たって、先ほど申し上げましたような個々の実情に即して滞納者の方々にも親切に丁寧な対応を行うというのが私どもの方針の基本でございますので、それを徹底してまいりたいと考えております。
#136
○大門実紀史君 対応はもちろんそれで結構ですけど、この松戸の例は、要するに市民税も滞納されていたというすごいプレッシャーがあったんですけれども、市民税の方は分納を認めてもらって何とか。この松戸税務署に国税の方の滞納に行ったら、十月四日の時点で一括で払えと、せいぜい二、三回に分けて年内に払えと言われてもう窮まってしまったということで、ここに遺書のコピーがございますけれども、もういろんなことがあって身も心も限界に至りましたと、皆さんに迷惑掛けて済みませんと、支払税金額は県民共済死亡保険金で支払うことができると思いますと、いろいろ書いてございますが、皆さんありがとうございましたというふうな遺書を残して、つまり税のことが直接の原因で、この税務署に相談に行ったときの対応が強烈なインパクトで、もう県民共済、自分の死亡保険金で払うということをこの夜に思われて命を絶たれたわけでございます。
 こんなことが起きているわけでございまして、今次長さん言われたように、これは明らかに納税の猶予等の取扱要領に反しております、こういうやり方は。まして人の命まで奪っているわけですから、こんなことがほかにも起きている可能性がありますので、たまたま話が来たのでこういう事例でございますけれども、厳格に対応をしてもらわなければ困ると思いますし、御遺族の方々に、この松戸税務署の対応についてきちんと本庁から、本庁が調べて御遺族の方々に報告をしていただきたいというふうに思います。そんなことは当たり前のことだと思いますが、次長さん、いかがですか。
#137
○政府参考人(田中一穂君) 今委員の御指摘にあったような事例があった場合には、先ほども申し上げましたけれども、その事例に係る税務執行の事実関係をこれ十分調査、確認して、滞納者の御遺族の方からそのような御要望があった場合に、これを誠実に対応する必要があるというふうに考えております。
#138
○大門実紀史君 野田大臣にお聞きしたいんですけれども、もちろん、さっき言ったように悪質な税の滞納も中にはありますから、そのときに厳しく対応することは何も否定しておりませんが、ほとんどもう今払いたくてもどうしても滞ってしまう人が相当、数字の上からもそうですよね、かなり増えている中で、税の滞納を苦にして自殺するというようなことは私は税務署の現場であってはならないと思いますけれども、いかがお考えですか。
#139
○国務大臣(野田佳彦君) 今次長も誠実に対応というお話をされておられましたけれども、国税の滞納整理に当たっては、法令を一律に形式的に適用するんではなくて、滞納者個々の実情に即して判断する必要があると思います。引き続き、滞納者に対しては、個々の実情を十分把握した上で、法令の規定に基づき適切に滞納整理を行う必要があると考えます。
#140
○大門実紀史君 田中次長さんはなかなかいい姿勢のようですので、お願いしておきたいんですけれども。
 資料をお配りいたしましたけれども、これは札幌管内で差押えの予告書として実際にある税務署で配られたものでございます。差押予告書というのは、これはもう最後通牒みたいなものでございまして、もう差押えするよというような最後のものでございます。ところが、この札幌のある税務署は、書いてあるように、線を引いてありますが、これは税務署が線を引いて本人に渡したという文書で出したものでございます。これは、この文書というのはなかなかよくできておりまして、前段の方に、再三にわたって催告をしてきたと、いろいろ努力したと。で、もう差押えですよと。しかし、最後の、最後のチャンスとしてもう一度相談に来て、納付できない事情がある場合は相談に来なさいという非常に配慮が入っているわけですね。いろんなこの通達なり要領がここに、この中にきちんと入っているわけです。したがって、その一番大事な最後のチャンス、最後に相談に来なさいというのをわざわざ消して、納めなきゃ差押えだぞというようなことを勝手に線を引いてやっているケースなんですね。
 これは、場合によっては、よほど悪質な場合はもう差押えだよという場合はあり得るかも分かりませんが、この個別事例は、もうよく国税庁の方御存じでございますけれども、そんな悪質な事例でも何でもございません。
 私が申し上げたいのは、個々の現場の判断というのはもちろんあるかも分かりませんが、こういうせっかく配慮した文書を札幌国税局管内ではきちっと作っているのを、現場で線を引いて勝手に濫用が始まりますと、国税徴収法の趣旨とかいろんなことが損なわれる可能性がありますので、こういうことはよほど気を付けてもらいたいというふうに思います。
 それと同時に、もう一度通達あるいは納税猶予の取扱要領、納税者に対する配慮というのはきちっとされているわけですから、こういうものは再度この機会に現場に徹底してほしいと思いますが、次長さん、いかがですか。
#141
○政府参考人(田中一穂君) 今御指摘のありました差押えの予告の文書でございますけれども、これ法律上の規定のある手続ではないので事実上の手続なんですが、相手方の滞納者の方々のそれまでの納付状況ですとか税務署との間のやり取りの状況、言わば約束をしていただいたやつが守られているかどうかとか、そういう過去の状況に応じて催告といいますか予告の仕方を変えております。
 その意味で、相手の状況に応じて現場で対応するということはお許しをいただきたいと思いますが、ただ、その場合でも、通知の在り方などについて、御指摘をいただいたような点を含めて再度現場に指導してまいりたいと思っております。
#142
○大門実紀史君 終わります。
#143
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 今日、自見金融担当大臣から御報告がありましたFRC報告は、一九九八年に成立した金融再生法に基づくものでございます。バブル崩壊以降、一九九七年には北海道拓殖銀行が経営破綻し、山一証券も経営破綻いたしました。翌九八年には日本長期信用銀行、日本債券銀行の破綻があり、銀行への公的資金注入と大規模な再編につながる政策が取られておりました。当時、貸し渋り、貸しはがしといったことが盛んに言われていたものでございます。
 そのころと比較しまして現在の金融機関の財務体質、経営状況は格段に健全化している、良くなっていると言えると考えていますが、この点、大臣の御認識はいかがでしょうか。
#144
○国務大臣(自見庄三郎君) 中山恭子議員にお答えをいたします。
 先生も財務省、旧大蔵省の御出身でございますから、もうよく自分としても御経験をしておられると思いますが、私も、私事で大変恐縮でございますが、一九九七年、今、中山先生が御指摘になられました北海道拓殖銀行の崩壊、山一証券が崩壊したとき、第二次橋本改造内閣の閣僚でございまして、もう本当に私も、で、その後、今先生が言われた九八年にいわゆる金融国会というのが開かれまして、金融の安定化、いろいろな法案が成立したわけでございまして、今思い出しても非常に身の引き締まる思いでございまして、よく日本はあの危機を乗り越えたなというような気も、私も一面、政治家としてするわけでございますが、先生も同じようなお気持ちをお持ちでないかと思うわけでございますけれども。
 過去の金融機関の経済状況、まさに先生が言われたように金融機関を取り巻く経営環境が大きく異なること、その時点での特殊要因が影響すること等により、過去と現在の状況を単純に、もう先生御存じのように、比較することは必ずしも適切ではございませんけれども、もう先生が御指摘のとおり、一九九八年と二〇〇九年を比較してみますと、具体的な数字はもう申し上げませんけれども、当期純利益、それから不良債権比率についても、銀行全体の状況を比較すると、いずれも数値はおかげさまである程度の改善をしているという状況にございます。
#145
○中山恭子君 今大臣おっしゃられましたように、一九九八年の金融再生法の目的を達成するために同じ年に金融早期健全化法が成立し、当時、ほとんどの大手行が優先株や劣後債、劣後ローンという形態で公的資金の注入を受けました。また、二〇〇四年には金融機能強化法が施行され、地域の金融機関に対しても予防的な公的資金が注入されました。
 これらを通じて、日本の金融機関は都銀も地銀も含めて経営改善、再生の道を歩んできたわけでございますが、今、日本銀行が出している二〇〇九年度銀行決算の概要にもありますように、二〇〇九年度決算は大手行、地域銀行共に四年ぶりに黒字に転じています。ただ、問題なのは、銀行の基礎的な収益力が引き続き低下しているということでございます。
 金融庁の資料では、預金取扱金融機関の貸出残高は、一九九七年度の六百二十三・四兆円に対して、二〇〇九年度は五百二十二・七兆円、百兆円強の減少となっています。預貸率で見てみましても、一九九七年度八五・一%、二〇〇九年度が七三・二%に低下しているという状況でございます。
 この資料から、貸出しが増加していない、減少していると言えると思いますが、この点はよろしいでしょうか。
#146
○国務大臣(自見庄三郎君) 中山議員の御指摘のとおりの数字でございまして、この金融機関の貸出しについては先生もお分かりのとおりでございますが、景気動向、金利水準などのマクロ経済状況やそれに基づく企業、家計部門の資金需要のほか、社債、直接金融でございますね、社債の直接金融市場の動向等により左右されるため、その増減要因としては一概には申し上げられませんけれども、しかし、今そういう状況にあるというのは事実でございまして、今政府としてもデフレ脱却ということを言っておりますので、これがそういった中で新総合戦略等々を強力にいろいろな御理解をいただきながらやっていくことが必要であるというふうに思っております。
#147
○中山恭子君 今大臣お答えいただきましたが、金融危機の時代と違って財務体質が強化されているにもかかわらず貸出しが伸びない、その理由を今大臣お答えいただいたかと思いますが、その関係者からの話を聞いてみますと、今金融機関は貸しはがしはもちろん貸し渋りをしているわけではありません、仕事がないんですという答えが返ってまいります。そして、金融機関が保有している巨額の資金、借入需要がない状況下で有効に使われることなく国債や地方債を買い入れ、その保有残高が急増しているという状況でございます。
 特に、地方の銀行などは、日経の記事にもありますが、その土地から逃れられないという条件の下、少子高齢化の加速、公共事業の縮小、企業の流出といった地域経済の影響を直接受けて、仕事がないという状況に陥っていると見ています。これらの資金を働かせるための政府の施策が強く望まれます。
 大臣はこれまでにも積極的なお考えをお持ちでいらっしゃいますので、その点高く評価していますが、改めて金融情勢を踏まえてお考えを簡単にお示しいただきたいと思います。
#148
○国務大臣(自見庄三郎君) お答えをさせていただきます。
 今先生の御指摘のとおり、この貸出しが全体的に十年前に比べて減っていると、あるいはいろいろな委員会でも今いろいろなところで取り上げられていますけれども、大企業の内部留保は膨らんでいるけれども、これが社員の人件費あるいは投資に回らないと、そういったことをもうどの委員会でも強く御指摘されるわけでございまして、それは御存じのように事実でございまして、そういった中から、やはり今内閣としては第一ステップ、第二ステップ、第三ステップということで、そういったことで今は第二ステップ、補正予算、この前五兆一千億規模の補正予算を閣議決定させていただいたわけでございます。
 私は同時に国民新党の副代表でもございますから、最終的には今は与党でございますので、小さな政党でございますけれども与党でございますので、菅民主党の代表、総理大臣と亀井静香代表と最終的にこの規模を決めさせていただくときに、強く我々はもう少し規模を大きくするべきだと主張をさせていただきまして、御理解をいただきまして二千五百億円ほど規模を膨らませていただいたと、そういったこともございまして、これは本当に国難でもございますから、先生も大変いろいろな経験とお知恵をお持ちでございますから、そういった意味でしっかり経済を活性化するためにやっていきたいというふうに思っておりますので、是非、いろんなお知恵あるいは経験を是非お貸しいただきたいというか、是非御教示いただきたいということを私からもお願いをさせていただきたいと思っております。
#149
○中山恭子君 時間が来ているかと思いますが、今日、古川委員の御質問への政府の回答などを見ておりましても、その需要、デフレギャップを埋める今の政権の政策は、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップを取りましても、その考え方の基本に雇用を増大、雇用を増やせば新たな需要が生まれるというような、今日、内閣府政務官ですか、からのお答えがありまして、この点は非常に大きな問題を含んでいると考えておりまして、現政権のお考え、極端に言えば失業者全員を国が雇用すればそれで需要が増えていくという、そのような考え方がベースにあるとすれば、これはステップを三つ踏んだにしてもこのデフレからの脱却は決してできないということになるかと考えております。
 そういった意味で、今後この財政金融委員会で更に議論を進めていただいて、長期間にわたって雇用が増加をする、長期の雇用をもたらす、乗数効果のある将来の日本にとって有益な仕事が何か、政府が責任を持ってそういったことを実施していくことが必要であると考えておりますので、更なる議論を進めていただきたいと考えております。自見大臣も、そういった意味では更に御期待申し上げております。
#150
○委員長(藤田幸久君) 自見大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いをいたします。
#151
○国務大臣(自見庄三郎君) では、簡単に申し上げますけれども、今の先生の御意見もしっかり参考にさせていただきながら、成長可能性を重視した取組をしていきたいと。
 もう是非先生御理解いただきたいのは、中小企業金融円滑化法でも、特に中小企業でございますが、コンサルタント機能というのを、民間の金融機関というのは非常に、もう先生御存じのように、どういうふうに会社を運営すればいいかということを非常に大変膨大なノウハウといいますか知識を持っていますので、是非このコンサルタント機能を金融機関が発揮するようにと、それから、そういったきめ細かな実は検査監督上の監督方針を策定しまして、そういうことを入れたわけでございまして、一方、そういった先生の御意見もございますが、同時にそれに耐えていくためのやはり本当に総力を挙げての知恵が必要だと、こう思って、今後とも更に一層の御指導をいただきたいと思っております。
#152
○中山恭子君 ありがとうございました。
#153
○委員長(藤田幸久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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