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2010/10/18 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 決算委員会 第1号
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2010/10/18 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 決算委員会 第1号

#1
第176回国会 決算委員会 第1号
平成二十二年十月十八日(月曜日)
   午前九時四十一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         神本美恵子君
    理 事         風間 直樹君
    理 事         谷  博之君
    理 事         那谷屋正義君
    理 事         丸山 和也君
    理 事         渡辺 孝男君
                相原久美子君
                大久保 勉君
                金子 恵美君
                田城  郁君
                平山  誠君
                広田  一君
                藤田 幸久君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                有村 治子君
                礒崎 陽輔君
                宇都 隆史君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                岸  宏一君
                佐藤 信秋君
                中村 博彦君
                松山 政司君
                山本 順三君
                秋野 公造君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                荒井 広幸君
                又市 征治君
    ─────────────
   委員長の異動
 十月一日神本美恵子君委員長辞任につき、その
 補欠として鶴保庸介君を議院において委員長に
 選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十月一日
    辞任         補欠選任   
     風間 直樹君     前川 清成君
     金子 恵美君     斎藤 嘉隆君
     神本美恵子君     姫井由美子君
     田城  郁君     小西 洋之君
     谷  博之君     松野 信夫君
     那谷屋正義君     藤本 祐司君
     平山  誠君     武内 則男君
     広田  一君     藤末 健三君
     藤田 幸久君     大河原雅子君
     水戸 将史君     江崎  孝君
     有村 治子君     鶴保 庸介君
     礒崎 陽輔君     岡田 直樹君
     宇都 隆史君     野村 哲郎君
     上野 通子君     青木 一彦君
     衛藤 晟一君     熊谷  大君
     岸  宏一君     藤井 基之君
     佐藤 信秋君     藤川 政人君
     中村 博彦君     森 まさこ君
     松山 政司君     若林 健太君
     丸山 和也君     丸川 珠代君
     山本 順三君     野上浩太郎君
 十月八日
    辞任         補欠選任   
     小西 洋之君     金子 恵美君
 十月十二日
    辞任         補欠選任   
     金子 恵美君     小西 洋之君
 十月十三日
    辞任         補欠選任   
     大久保 勉君     榛葉賀津也君
 十月十四日
    辞任         補欠選任   
     斎藤 嘉隆君     大久保 勉君
     武内 則男君     梅村  聡君
 十月十五日
    辞任         補欠選任   
     榛葉賀津也君     斎藤 嘉隆君
     熊谷  大君     佐藤 正久君
     野村 哲郎君     川口 順子君
     藤川 政人君     丸山 和也君
     秋野 公造君     木庭健太郎君
 十月十八日
    辞任         補欠選任   
     藤末 健三君     難波 奨二君
     井上 哲士君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                姫井由美子君
                松浦 大悟君
                松野 信夫君
                岡田 直樹君
                野上浩太郎君
                渡辺 孝男君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                江崎  孝君
                大河原雅子君
                大久保 勉君
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                難波 奨二君
                藤末 健三君
                藤本 祐司君
                前川 清成君
                青木 一彦君
                川口 順子君
                佐藤 正久君
                藤井 基之君
                丸川 珠代君
                丸山 和也君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                木庭健太郎君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                紙  智子君
                荒井 広幸君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣     柳田  稔君
       外務大臣     前原 誠司君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   大畠 章宏君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  馬淵 澄夫君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 仙谷 由人君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  岡崎トミ子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    海江田万里君
   副大臣
       法務副大臣    小川 敏夫君
       外務副大臣    伴野  豊君
       外務副大臣    松本 剛明君
       財務副大臣    櫻井  充君
       環境副大臣    近藤 昭一君
       防衛副大臣    安住  淳君
        ─────
       会計検査院長   西村 正紀君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    江利川 毅君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   植村  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        諸星 輝道君
   政府参考人
       法務省刑事局長  西川 克行君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     河戸 光彦君
       会計検査院事務
       総局第一局長   鵜飼  誠君
       会計検査院事務
       総局第二局長   小武山智安君
       会計検査院事務
       総局第三局長   斉藤 邦俊君
       会計検査院事務
       総局第四局長   金刺  保君
       会計検査院事務
       総局第五局長   真島 審一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十年度一般会計歳入歳出決算、平成二十
 年度特別会計歳入歳出決算、平成二十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成二十年度政府
 関係機関決算書(第百七十三回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 去る一日の本会議におきまして、本委員会の委員長に選任されました鶴保庸介でございます。
 本委員会は、予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかを審査し、国会における財政統制の重要な役割を担う委員会であり、その使命は誠に重大であります。
 委員長といたしましては、皆様の御支援と御協力を賜りまして、公正かつ円滑な委員会運営を心掛けてまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、谷博之君、藤田幸久君、平山誠君、礒崎陽輔君、宇都隆史君、上野通子君、衛藤晟一君、岸宏一君、佐藤信秋君、松山政司君、中村博彦君、神本美恵子君、那谷屋正義君、風間直樹君、広田一君、水戸将史君、金子恵美君、田城郁君、山本順三君、有村治子君及び秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君、大河原雅子君、丸川珠代君、岡田直樹君、青木一彦君、藤井基之君、若林健太君、森まさこ君、姫井由美子君、藤本祐司君、前川清成君、藤末健三君、江崎孝君、斎藤嘉隆君、小西洋之君、野上浩太郎君、梅村聡君、木庭健太郎君、佐藤正久君、川口順子君及び私、鶴保庸介が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) 理事の選任を行います。
 去る八月六日の本委員会におきまして、一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に野上浩太郎君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(鶴保庸介君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が四名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に姫井由美子君、松浦大悟君、松野信夫君及び岡田直樹君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(鶴保庸介君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(鶴保庸介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に法務省刑事局長西川克行君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#11
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#12
○委員長(鶴保庸介君) 平成二十年度決算外二件の審査の本日までの経過につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 平成二十年度決算外二件につきましては、第百七十四回国会におきまして、その概要説明聴取、全般質疑、省庁別審査等を行ってまいりました。従来の慣例に従いますと、通常選挙後の国会におきましても、既に審査の終了いたしました点につきましては再び繰り返さないことになっております。
 本日は、理事会協議のとおり、平成二十年度決算外二件の締めくくり総括質疑を行いたいと存じますので、御了承願います。
    ─────────────
#13
○委員長(鶴保庸介君) 平成二十年度決算外二件を議題とし、本日は締めくくり総括質疑を行います。
 まず、私が決算委員長として若干の質疑をいたしますが、その前に、一言申し上げたいと思います。
 去る十四日、本院予算委員会において、内閣官房長官仙谷由人君は、新聞記事を確認する質問なんというのは私、聞いたことがないですよ等と答弁をされましたが、これは事実に反し、仙谷長官自身、過去累次にわたって報道の真偽を問う質疑を行ったとの指摘がなされております。
 また、十五日の予算委員会においても、委員会で決定された政府参考人の出席に関して、仙谷長官は、こういう場に呼び出す、こういうやり方は甚だ彼の将来を傷つけると思いますと述べましたが、これは委員会運営、ひいては国会を冒涜する答弁であり、かつ、当該政府参考人に圧力を加える発言ではないかとの指摘もあります。
 これらの件については、予算委員会理事会においても協議されることとなっておりますが、当決算委員会においても、閣僚、とりわけ仙谷長官が委員会運営のルールに従っていただくことを旨として、国務大臣としての品位を汚すことなく、真摯かつ適切な答弁に努めることを強く望みたいと思います。
 それでは、質疑に移りたいと思いますが、その前に、冒頭一言申し上げたいと思います。
 私は、今国会から決算委員長の重責を担うことになりました。平成二十年度決算審査の最終盤からかかわることになった次第ですが、参議院は、決算の参議院として決算審査を充実するため、これまで与野党の壁を乗り越えて、長年の努力により、平成十三年度決算以降、通常国会の会期中に審査を終了し、次の年度の予算編成に反映するという仕組みをつくり上げてまいりました。
 しかし、今般、平成二十年度決算も現在もなお審査を終了できずにいることは、参議院の決算委員長として誠に遺憾であります。平成二十年度決算等の審査を早期に終了することはもちろんのことですが、次年度以降の決算等について早期審査が実現するよう政府・与党の責任者である菅総理には格段の協力をお願いをいたしたいと思います。
 それでは、質疑に移らせていただきたいと思いますが、まず、これは通告外のことで大変恐縮でありますが、週末、中国で相次いで反日デモが起きました。日系の店の幾つかには具体的な被害が出ているようにも見えます。当委員会においても対中ODAの是非について何度も議論がなされてきた経緯もございますので、その過程で北京オリンピックまでに対中ODAの新規供与をやめるというような政府答弁がなされておるようにも見受けられました。
 菅総理におかれましては、こうした方針の下ODA政策を進めていかれるおつもりか、現下の日中関係を総覧して所感をお述べをいただきたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、十六日から十七日にかけて中国において発生した日本に対する抗議活動については、中国側関係当局に対して遺憾の意を伝えるとともに、邦人及び日系企業の安全確保を強く要請しているところです。
 今、委員長の方からこの全体の状況についての御質問もいただきました。
 御承知のように、日本と中国はまさに一衣帯水の隣国であり、そういった意味では大変重要な二国間関係であります。と同時に、この間いろいろな課題で幾つかの問題も生じておりますけれども、これはまさに戦略的互恵関係を深めるということで双方が冷静に努力をする必要があるだろうと、このように考えております。
#15
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。冷静に対応をしていただきたいと思います。
 それでは、引き続き質疑をさせていただきたいと思います。
 当委員会で何度も議論をされておりますけれども、不正や無駄遣いが根絶されたとは言い難い事象がたくさん起きております。
 十月三日から五日付けの新聞各紙に、全国の地方自治体で補助金などの不適正経理が相次いで発覚したことなどが大きく報じられてもいました。会計検査院が三年を掛けて四十七都道府県と十八政令指定都市を検査したところ、検査を受けたすべての地方自治体で不適正経理が行われており、その総額は合計で約五十億円に上っているとのことでもあります。
 また、十月七日付けの新聞各紙に、海外にある大使館や領事館など在外公館の無駄遣いが大きく報じられています。会計検査院が検査した五十一の在外公館において、ワイン三万五千本、日本酒などの酒一万八千本の在庫があり、そのうちパリにある経済協力開発機構の日本代表部では、年間消費量の三十倍に当たるワインを保管するなどというような事象、オーストラリア大使館など四公館は、品質が劣化したとして二年間で九百九本を廃棄したというようなずさんな管理形態が明らかになっておるということであります。
 こうした不適正経理、無駄遣いは今に始まったことではありません。当委員会が何度も警告決議を出しておるところでありますが、残念ながらこうしたことが会計検査院の指摘を受けるという事態を受けて、これを我々は看過するわけにはいかないということでありますので、こうした不適正経理や無駄遣いが繰り返されている事態に対する菅総理の御認識をお伺いをしておきたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(菅直人君) 委員長御指摘のとおり、毎年、決算検査報告等において不適正な経理や無駄遣いなど多くの指摘がなされていることは誠に遺憾だと思っております。国や地方公共団体における不適正経理は国民、住民の信頼を損ないかねず、あってはならないことだと考えております。
 また、無駄遣いの根絶は我が党マニフェストにおける国民との約束でもあり、これまでも政権の最重要課題として事業仕分という従来にない手法を導入してそれなりの成果も上げてきているところであります。執行の適正化等、無駄の排除は継続的課題であり、今後とも不正経理や無駄の根絶に取り組んでまいりたい、このように考えております。
#17
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございます。
 参議院決算委員会では、予算の無駄遣い等を是正するため様々な取組を総理今おっしゃったとおり行ってまいりましたけれども、例えば警告決議、また措置要求決議、そしてまた決算審査といったような三点セットでこれまでやってきたわけであります。また、それに加えて、会計検査院に対する検査要請を実施したり、その報告を受けて決算委員会でまた審査を実行するということであります。
 しかし、先ほど総理にはわざわざ御答弁をいただきましたけれども、こういった問題解決が今までのこうした問題解決のサイクルだけでは不十分なのではないかというような指摘すら出ておるようにも思います。こうした不適正経理や無駄遣いへの対応は政府・与党も野党もありません。お互いが共に考え、知恵を出し合っていくべきだと思いますが、総理、もう一度所感をお述べいただけますでしょうか、決意のほどを。
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も決算委員会という席でこういった形の答弁は初めてでありますが、特に参議院におかれては決算を重視して、まさに党派を超えて、国民の立場に立って、政府やあるいは自治体の税金で賄われる予算が適正に執行されているのか、いろいろな形で問題点を指摘をいただいてきたことはよく承知をいたしております。警告決議あるいは措置要求決議などを繰り返し決議をされていることもよく承知をいたしております。
 これまで、ややもすれば行政の方がそういう参議院の決算委員会の決議等に対して十分に対応し切れてきたのか、そういう点では反省の余地があると思っております。そういった意味で、そうした決議をいただいた問題はもちろんでありますけれども、今予算のいろいろな使い方については、先ほど申し上げた事業仕分といった、ある意味で外からの、何といいましょうか、チェックと同時に、各省庁自らが自分たちの、これは予算段階ではありますが、無駄がないのかということを踏まえた予算編成、あるいは過去のことについても自らがチェックをして見直していくという、そういうレビューをやるような方向にも進めております。
 そんなことで、今委員長からもありましたそうした無駄遣いについては、まさに党派を超え、国会を挙げて取り組んでいただいておりますので、政府としてもそれにこたえるべく全力を挙げてこれからも取り組んでまいりたい、改めて決意を申し上げて、答弁とさせていただきます。
#19
○委員長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 時間がございませんので、私から指摘だけとどめておきたいと思いますが、独立行政法人や公益法人についても、その役員報酬等々は、私が予算委員会で質問をさせていただいたときの答弁の記憶によりますと、まだ法人の自ら作った内部規定を根拠にお手盛りの高額な役員報酬が支払われているというような問題もあります。まだまだ改革をする余地があろうと思いますから、総理には自ら力を発揮なさって、適正な業務運営を徹底なさるようお願いを申し上げておきたいと思います。
 以上で私の質疑を終わらせていただきます。
 質疑のある方は順次御発言を願いたいと思います。
#20
○松野信夫君 民主党の松野信夫です。
 先週は衆参予算委員会、本日は決算委員会、閣僚の皆さん、大変連日御苦労さまでございます。
 私の方は、決算委員会でありますので、税金の無駄遣いを徹底してなくしていく、こうした観点に立って議論をさせていただきたいと思います。
 平成二十年度の決算でありますが、平成二十年度ですから、これは自公政権が予算を作り、予算を執行した年度ではあります。会計検査院の検査報告では、不適正な経理あるいは無駄遣いの指摘ということで、件数的には過去二番目に多い七百十七件、そして金額は過去最高の二千三百六十四億円、こういうことであります。この検査報告では、公益法人などに設置されている基金、この問題も指摘しておりますけれども、まだまだ私は氷山の一角だと、この一端は解明し始めてはおりますが、これからまだまだ徹底した解明をしていかなければいけない、こういうふうに考えております。
 民主党はもう今、菅総理の方からお話ありましたように、かねてよりマニフェストで徹底した無駄遣いをチェックしていく、こういうふうに言っておりまして、私も二〇〇三年、菅さんが民主党の代表のとき、民主党が政権取れば川辺川ダムは中止しますよということをおっしゃっていただいて、現実にこの川辺川ダムも中止に向かっていると、感慨深いものがあります。
 税金の無駄遣いを徹底するだけで果たして十分な財源という意味での財源が確保できるかどうか、これはこれでいろいろと議論があろうかと思いますが、私は、やっぱり税金の無駄遣いを厳しくチェックする、財源を確保すると同時に、やっぱり政治が国民の負託を受けてしっかり税金の使い道をチェックしている、正しく税金を使っていく、そういう姿を国民に見せていくということが大変大事だというふうに思います。
 財源という観点からは、確かに消費税を含む税制改正、これはこれで大変重要な課題ではありますが、しかし、まずは税金の無駄遣いを徹底してなくしていく、これこそやはり優先しなければいけないし、よくぞうきん、もう絞るだけ絞ってこれ以上ぞうきんが絞れないんだというような話もありますが、もう徹底してやはりぞうきんを絞っていく、こういう税金の無駄遣いをなくすことについてのまず総理の御認識をお伺いしたいと思います。
#21
○内閣総理大臣(菅直人君) 松野議員がおっしゃるとおり、政府の運営は国民の皆さんが納められた税金で賄われていることを考えますと、その無駄遣いは絶対に許されないことだと考えております。
 無駄遣いの根絶は、我が党マニフェストにおける国民の皆さんとの約束であり、これまでも政権の最重要課題の一つとして事業仕分や国丸ごとの仕分ということで行政事業レビューを実施してきたところです。また、この一環として予算執行監視チームというものを設置するといった新しい手法も導入をいたしております。さらに、今月末から始まります事業仕分第三弾では、すべての特別会計をゼロベースで見直すとともに、これまでの事業仕分の結果を踏まえた見直しの徹底を図ることといたしておりまして、引き続き強力に無駄の削減を徹底してまいりたいと思います。
 なお、財源という意味で、あるいは私のある時期の発言が無駄の削減をあきらめて何か増収を図ろうというふうにもし受け止められたところがあったとすれば、それは大変私の舌足らずで誤解でありまして、何といってもこの政権として、政権交代を得た政権として、まずは徹底した無駄遣いが先行し徹底されなければならないと思っております。
 そういった意味で、今、川辺川ダムの御指摘もありましたが、私も松野議員と長年、熊本にも出かけて、そういった大きな変化がこの政権交代の中から踏み出していると。まだまだ十分とは言えませんが、いよいよ本格的にそれを事件として取り上げるというよりは、もう行政の内部にそういう無駄が発生しない、発生しても自らがそれをチェックして取り除くと、そういうことがビルトインされるような、そういう体制に向かって是非松野議員のいろいろなお力もお借りいただきたいと、このように思っております。
#22
○松野信夫君 ありがとうございます。
 先日、南米のチリ落盤事故がありました。しかし、三十三人の方々が奇跡的に生還された。大変うれしいことであります。地下七百メートルに閉じ込められた皆さん、これがしっかりと統率を保っていたということが救出された大きな要因だと。その中でも中心的に役割を果たしたと言われておりますのが最後に救出をされたルイス・ウルスアさんという現場監督の方で、この方のリーダーシップが救出につながったというふうに私も考えておりまして、是非、菅総理も引き続いて税金の無駄遣いをなくすんだということでのしっかりとしたリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思っております。
 次に、野田財務大臣にお聞きをしたいと思います。
 平成二十年度決算では、要するに不用額、使わないという不用額の総額は一兆八千百七十八億円も発生していると。ただ、これを見ますと、そのうち国債費が七千七百三十六億円で四二・五%、約半分近くは国債の利払いというのが占めていると。つまり、たくさん国債の利払いに使うかもしれないということで予算組んでいるけれども、実際には金利の低下などで余り使わないということでありまして、毎年のように多額の不用額が出ているわけで、これはこれでやはり問題であって、多額の予算計上が本当に必要なのかどうか、ここはここでチェックをしなければいけないと思うんですが、私はもう一つあると思います。
 こういう国債費の計上とは別に、本当に各省庁が無駄をなくす、予算を効率化する、そういうことで、ある意味では予算が余るということは、これはこれで大いに結構なことで、そういう節約ということが努力の成果であれば、私は一定の肯定的な評価というものがなされてしかるべきだと。肯定的な評価がなされるような、努力の成果が報われるような、そういう仕組みづくりを是非財務省としてもお考えいただきたいと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#23
○国務大臣(野田佳彦君) 松野委員にお答えをしたいと思います。
 予算の使い切りなど、無駄な予算執行を排除をし、そして予算の効率的な執行を促すために、昨年、政権交代をした直後に、平成二十一年十月二十三日に予算編成等の在り方の改革という閣議決定をしています。以来取り組んでいることは、今おっしゃったような懸念が生まれないように、各府省ごとに執行状況をホームページ等で公表をするという取組と、それから先ほど総理からも御説明がございましたけれども、各府省ごとに副大臣をトップに官房長を事務局長として予算執行監視チームというのをつくって自律的な取組を今行っています。
 加えて、財務省としても、一定の条件の下、予算の一部を翌年度に繰り越して使用することのできる繰越制度について、手続の簡素化など一層の活用に向けた取組を行っていますけれども、今委員の御指摘の中で、不用額を発生させることを評価する、むしろ節約努力して不用が出た場合には評価するという仕組みの導入についてでございますが、御指摘のように、節約してコスト削減をして不用額が出てきたときには、これは評価をすべきだろうと思うんです。
 一方で、具体例でお話がございましたとおり、国債費でいうと、例えば低金利で推移した場合に偶然生まれたような、そうした努力とは関係ない外部的な要因であるものとか、あるいは過大な予算の要求とか計上によって不用が生じる場合とか、いろいろあると思いますので、その辺についてはこれからどうしたらいいのかという検討をさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、予算の執行の効率化に向けて不断の努力や工夫を続けていきたいと思います。
#24
○松野信夫君 チームをつくってしっかり監視をしていただく、あるいは今大臣お話ありました繰越制度、これを活用する。これはこれで私も、大変結構だし、そういう方向で、努力がちゃんと評価されるという方向を是非進んでいただきたいなと思います。
 私は、そういうのに加えて、例えばということで、節約をちゃんとしたということで、節約努力した人がちゃんと評価される、ある程度の表彰制度という、そういうような評価制度がどうだろうか。あるいは、節約をした場合には予算の一定割合その次の年度にプラス査定をしてあげると、こういうような評価方式もどうだろうか。そして、その繰越制度を超えて、二年、三年というような形の中期的な行政運営、これが認められるような、こういうような予算執行の在り方というのも検討してしかるべきではないかなというふうに思います。
 それに加えて、今現在、政策コンテストというものが行われる。これは来年度予算の概算要求基準で創設された、一兆円を超えるということで、元気な日本復活特別枠ということで、その政策コンテストで各省庁が要望した施策については、国民からパブリックコメントもいただき、最終的には評価会議や総理が判断すると、こういう仕組みでありますが、これと同じような形で、政策コンテストならぬ決算コンテストみたいな形で、各省庁あるいは各部署、これだけ頑張ったと、これだけ効率化、無駄を排してやったというような形で、場合によっては決算についてもそういうコンテスト的なことをお考えになられたらどうだろうかなと思うんですが、もし何かコメントがいただければお願いします。
#25
○国務大臣(野田佳彦君) 税金の無駄遣いを徹底して改めて、委員御指摘のとおり、ぞうきんからもう泥水が出ないほど絞っていくという観点からすると、私は、国会の機能というのは、予算より決算を、立法より廃法をという形で進めていくことが大事ではないかと思うんです。
 今、具体的な御指摘ございましたけれども、自治体でも予算節約奨励制度みたいなところを設けているような自治体もあると承知していますので、そういう事例なども研究しながら、決算でもっと機能が発揮できるような工夫というものを考えてみたいと思います。
#26
○松野信夫君 是非お願いをしたいと思います。昔ですと、年度末になるといつもあちこちで道路をほじくる、道路工事が行われる、ああ、あれは予算消化だなというふうにならないようにお願いをしたいと思います。
 続いて、蓮舫大臣にお聞きをしたいと思います。
 蓮舫大臣といえばもう事業仕分ということであります。私も、事業仕分というのは、まさに民主党政権ならでは、自民党政権では絶対できなかったやり方ではないかなというふうに評価できるものでありまして、第一弾が平成二十二年度予算編成に係る事業仕分、第二弾が独立行政法人や政府の公益法人、これから第三弾ということで特別会計に切り込むと、こういうことで大いに期待をしたいと思いまして、まさに無駄遣いがないかどうか、税金の使い道が国民監視の下でしっかりチェックされる、大変大事なことだと思っております。
 野党の一部の皆さんからは、事業仕分といっても財源の捻出には余り大したことないじゃないかというような声もなくはないんですけれども、その辺、大臣としてはどのようにこの事業仕分を評価しておられるでしょうか。
#27
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 事業仕分は、松野先生もう既に御案内のとおり、その税金を使って事業を行っている、その目的を到達するための手段としてお金が適切に使われているかどうかを確認をする、厳しい目をもって確認をする、あるいはその事業が国が行うべきものなのか地方自治体が行うべきものなのか民間が行うのか、あるいはその事業自体の必要性も含めて仕分をするものであって、歳出削減を第一義的な目的にしているものではないんですね。
 ただ、結果として、その事業の適切性が見直されて財源が出てくるということはあるんですけれども、我々は、お金を出すという目的ではなくて、適切な税金の使われ方、無駄は徹底的に排除をするという思いで仕分を行っているところでございます。
#28
○松野信夫君 ありがとうございます。
 私も全く同感で、金額の大小にかかわらず、やっぱり無駄なものは無駄ということでしっかり仕分をするということが大変大事だというふうに認識をしております。まあ一部には、一時間で一事業、それは乱暴じゃないかという声も一時ないわけではありませんけれども、しかし、こういうことを一回やっぱり通して、国民の皆さんに税金の使われ方をしっかり見ていただきながらチェックをするということは大変大事なことだというふうに思っております。
 ただ、今大臣お話ありましたように、財源を確保するというのが第一義的な目的ではないと、それはそうなんですけれども、しかし、今なかなか財源的には非常に厳しいところもあるわけであります。財源という形でそれこそ隠し財産のようなものでも出てくれば、それは十分に国民のために活用するということは、これはこれでまた私は大事なことだと思っております。
 これは会計検査院の指摘もあるわけですけれども、例えば畜産基金には余剰として四千四十億円、整理回収機構には千八百億円、そして鉄道建設・運輸施設整備支援機構には何と一兆二千億もの余剰があるのではないかと、こういう指摘もあって、この鉄道建設・運輸支援機構の一兆二千億というのは会計検査院の指摘金額としてはもう過去最高だと。こういうのが眠ったままで十分に国民のために活用されないというのではやっぱりよろしくないというふうに思うわけでありまして、こういうようないわゆる特殊法人に置かれている基金にもメスを入れて、眠っているお金、余剰がないかどうか、こういう点も是非チェックをしていただきたい。
 私は、この今私が申し上げたような会計検査院の指摘以外にもまだまだあるのではないかなというふうに考えておりますので、この点是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#29
○国務大臣(蓮舫君) お答えをいたします。
 今、松野委員御質問の中で、事業仕分、一時間ではどうだという御指摘もありました。そういう声はたくさん私どもも受け止めておりますけれども、仕分は一時間で行っているものではなくて、その事業仕分本番に至るまでに相当数、時間を掛けて丁寧な資料の精査、ヒアリングは行っているというのは改めて御理解をいただきたいと思います。
 その上で、松野委員御指摘のように、眠っているお金をそのまま眠らせておくというのは、昨今の経済事情あるいは政府の財務状況を考えたときに、これは有効活用するというのは同じ考えでございます。
 御指摘をいただきました鉄運機構を始め、今年の四月に独立行政法人の仕分を行いまして、内部にたまっている利益剰余金等につきましては、国庫返納とされたもののみならず、横ぐしを刺して、現在、事業仕分の結果に沿って各府省の取組状況を精査しているところでございます。今後、この精査を厳しく行って予算に適切に反映していきたいと考えております。
#30
○松野信夫君 是非、徹底した精査を行っていただきたいなというふうに思います。
 それで、そういうふうに精査をして、余剰金が見付かった、眠っているそういうお金が見付かったという場合はやっぱり適切に基金の中から国庫の方に納付をしていただく、こういう仕組みをしっかりとつくらないといけないと思います。せっかく事業仕分で見付かった、じゃ、国庫の方に返せと、いや、それは返せないんだと、これはこういう理由があって返すか返さないかということでごたごた余りもめていてもいかがかなという気がいたしますので、どの範囲、どういう仕組みで返してもらうか、これについては場合によっては法整備も含めて取り組んでいかなければいけないのではないかなというふうに思います。
 独立行政法人については、間もなく施行される独立行政法人の通則法で一応国庫に納付されるという仕組みはできていて、これは間もなく施行の予定でありますが、そのほかの公益法人についてはどうもまだまだ、きちっとした形で、どの範囲でどういうやり方で国庫に返してもらうのか、その辺の法整備はどうもまだ十分ではないように思いますので、その辺の法整備も含めて是非御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、独立行政法人におきましては、通則法が今年の五月に改正をされまして間もなく施行されます。ただ、一点、私ここ、懸念しているものもありまして、その不要資産というものを国庫に納付していただけるスキームは整ったのでございますが、独立行政法人があくまでもそれがお金が不要と認めた場合に限りという文言になっておりまして、行政刷新の立場からは本当にそのお金が不要と認めていただけるのかどうなのか、この不断のチェックは引き続き行っていきたいと思います。
 また、特例民法法人ですね。これ、従来の公益法人でございますが、こちらは民間法人でありまして財産権が保障されています。国からの支出も含めて法人が合法的に取得をした財産を強制的に国庫納付させる仕組みというのは、これは非常に困難であると私は理解をしております。
 ただ、公益法人には指導監督基準がございまして、特例民法法人の内部留保、これは公益事業の適切かつ継続的な実施に必要な程度とすることになっており、所管する法人に問題があると認めた場合には、各府省は適切に指導を行う必要があるとこれは考えております。
 指導監督の徹底という観点では、先般五月に行われました公益法人を対象にした事業仕分の結果を踏まえ、各大臣に対しまして、所管する法人の不要、過大な資産については、特に国に由来するものについて国庫納付を要請することを含めまして精査するようにお願いしております。
 いずれにしましても、内部留保額が適切な水準なのかどうか、国庫納付要請額が妥当かどうかのこの精査は引き続き行っていきたいと考えています。
#32
○松野信夫君 今御答弁いただきましたように、どの範囲が不要なのかどうかと、これ自体一つの論点にもなっているし、それから、民法特例の公益法人、これは確かに民間の法人で、それに対して国家の方が強制的に財産を取り上げるというのはこれは確かになかなか難しいところはあると思います。ただ、そういう民間の公益法人にも国の税金が投入をされているということですので、私はいろんな工夫のしようがあるんではないかと、少なくともこの範囲は、税金投入という形でやった部分については一定の余剰という形で国庫納付もこれは検討の余地はあるということを指摘しておきたいと思います。
 次に、仙谷官房長官にお聞きをしたいと思います。
 尖閣諸島の問題については、もう連日のようにいろいろと質問もあります。もしかしたら今日も野党の方から質問があるかと思いますが、一言だけお聞きをしておきますが、この尖閣諸島をめぐる我が国の政府のとった措置について、海外のメディアあるいは海外の各国からの評価、どのように受け止められているのか、その点について一言だけお聞きをしておきたいと思います。
#33
○国務大臣(仙谷由人君) 今月になってアメリカ、ヨーロッパ、アジア、それぞれ政府の見解や、あるいは有識者といいましょうか、そういう見解、そして各新聞社の見解が出されるようになってきておりますが、つまり、この種の問題、やっぱり冷静に外交交渉で解決を図るというやり方がやっぱり正しくて、今回のようなレアアースの輸出禁止というふうなところまでのやり方はいかがなものかと、そのことによって余り国際社会では中国が評価されないということになっておるのではないかと、そんな論調が多々出てくるようになったと、こういうふうに理解をいたしております。
#34
○松野信夫君 ありがとうございます。
 総理の答弁の中にもありましたように、冷静にしっかりと海外のそういう評価も見ながら対応をしていただきたいなと思います。
 それでは、次に前原外務大臣の方にお伺いをしたいと思います。
 冒頭の委員長の質問の中にもありました在外公館におけるワインの管理の問題でもありますが、この在外公館におけるいろんな無駄があるのではないかということについては、この決算委員会でも再三にわたっていろいろと取り上げられてまいりました。飲食、交際、そういうような費用の使われ方も問題になりました。(資料提示)
 そういう問題、指摘を受けて、会計検査院の方が本年の十月六日に報告をしておるわけであります。「在外公館に係る会計経理に関する会計検査の結果について」ということで報告がありまして、パネルにも用意いたしましたけれども、ワインの管理、不動産の管理、かなりずさんだというふうにこれはもう言わざるを得ないかなと思います。
 会計検査院は、大使館とかあるいは国際機関の政府代表部が世界に全部で二百十一在外公館があるわけですが、そのうち予算規模の大きなところを中心にして五十一公館を調査したわけであります。
 そういたしますと、パリにあるOECD、経済協力開発機構の日本政府代表部は、このパネルにもあるんですが、〇九年度に会食で消費したワインは全部で二百六十八本、しかし〇九年度末のワインの保管量はこの約三十倍、正式には二十九・五倍、七千八百九十六本保管をしていたと。私もワイン、別に嫌いではないんで、好きな方なんですが、何でこんなに保管をする必要があるのかと、これは率直に思うところであります。
 そのほかにも、ワインについての保管のワーストスリーということでパネルを用意させていただきましたが、スイス・ジュネーブにある軍縮会議日本政府代表部は、年間百二十三本の消費に対して年度末千四百三十六本、また、国際機関日本政府代表部、これまた年間八百五十本の消費に対して年度末六千三本保有している。私が調べたところでこれがワーストスリーであります。国民の常識から見て、何でこんなにワインばっかり保管をしているんだろうかと、こういうふうに言わざるを得ないかと思います。
 また、そのほかにも、在オーストラリア大使館、アメリカ・ニューヨーク総領事館などの四公館ではワインとかお酒の保管に失敗をしたと、〇八年、〇九年の二か年で合計千四十四本を廃棄している、こういうことでありました。
 恐らく、もう四、五年ぐらい前に購入したものがどうも多いようでありまして、もちろん自公政権の時代のことではあるんですけれども、外務省としてもどうもそういうような実態も必ずしも十分につかんでいないのではないかなというふうに言わざるを得ない。恐らく、金額的にはそれは何億とか何十億とかいうことではないんですけれども、やっぱりこれはずさんだというふうに指摘をせざるを得ないと思いますが、大臣の御認識はいかがでしょうか。
#35
○国務大臣(前原誠司君) 私もこの会計検査院の報告を見まして大変驚きました。これだけの、相当程度のワインはあるんだろうなとは思っておりましたが、今委員が御指摘のように、ある公館では年間消費量の約三十倍ものワインを保管をしていて、保管しているだけだったらまだいいんですけれども、駄目になったやつで千本近く廃棄をしているという……(発言する者あり)千本以上廃棄をしているということで、大変もったいない話でございます。
 したがいまして、政権交代後、我々としては、この多大に抱えている公館のストックをほかの公館に回すとか、あるいは売却もし始めておりまして、適正在庫というものに心掛けようということで、政権交代後、体制を全く改めたところでございますし、また、先ほど委員から五十一公館しかやっていないと、二百以上の公館があるのに五十一しかやっていないということは、これは内部で監察査察組織というのがあって、それは十五名程度でありまして、これを使うと年間五十一ぐらいしかできないということなんですが、そんなものを使うだけではなくて、そんなものといったら、それも大事なんですが、それを使うだけではなくて、大使に責任を持ってその在庫を上げさせるということで、今はすべての公館においての在庫を上げて適正管理に努めているところでございます。
 しっかりと無駄のないようなワイン等の管理をさせていただきたいと思っております。
#36
○松野信夫君 非常に分かりやすいという意味でワインを取り上げさせていただきました。パネルにもワインがたくさん並んでいるようなパネルも用意させていただいてワインを取り上げたわけですが、問題はワインだけの話ではないわけでありまして、いろんな資産あるわけでございます。
 会計検査院の方での指摘、更に見ますと、例えば在ドイツ大使館などの八公館では、事務所、公邸の跡地などが処分されないまま、そういう土地が全部で約六十六億円相当あると。処分が決まっているけど実際には処分されていない、あるいは三十年以上も使われていないと、こういうような不動産も残されているということであります。しかも、これはもちろん、こういう無駄遣いというのは自公政権時代のずっとある意味では遺物のようなものではないかなと思うんですが、それだけ資産管理がかつてはルーズだったというふうに指摘せざるを得ないだろうと思います。
 しかも、会計検査院も、何も今回が最初じゃないんです。平成十三年、十四年、そのころから、例えば不動産についてはちゃんと管理してください、あるいはもう要らなくなった不動産は処分してくださいということを指摘してあったんですが、いろんな理由で処分がなされないままにずるずるずるずると来ていた。今回の会計検査院の報告によりますと、例えばプールとかテニスコートとか、そういうようなのを完備している在外公館も非常に多いんですけど、実態はほとんど使われていないということでありまして、こういう不動産の管理もいささか今まではルーズだなというふうに指摘せざるを得ないと思います。
 ですから、こういうワインだけでなくいろんな資産含めて、かつまた、今回は二百十一のうち規模の大きい五十一ですけれども、もうこの際、二百十一全部について洗いざらいチェックをしていただくということが本当に必要ではないかと思っておるんですが、その点についての大臣の御認識をお聞きしたいと思います。
#37
○副大臣(伴野豊君) 松野委員にお答えさせていただきたいと思います。
 松野委員の御指摘は、ずっとそういったずさんとなっていた在外の様々な案件について、民主党政権になってどういった具体的な方法できちっとしていくつもりなのかという、そういう観点からの御質問だと思いますので、その方向性に沿ってお答えさせていただきたいと思います。
 先ほど前原大臣からはワインのお話がございましたが、岡田前大臣のときにもう既にその在庫量を年間使用量の三倍以内に抑えようということで、そういった徹底した管理に移らさせていただいております。
 それから、今、松野先生から改めて御指摘のあった様々な他の財産でございますが、御案内のように、海外における不動産売却の特殊性というのもございまして、適正価格イコール鑑定評価額にならないという部分もいろいろ含んでいるんですけれども、そういったところもしっかりと厳密に対処させていただいて、しっかりと具体的な形で今後早期に処理できるよう外務省として対応させていただきたいと思っております。
#38
○松野信夫君 是非しっかりと対応していただきたいと思います。
 最後に、馬淵国土交通大臣の方にお伺いしたいと思います。
 最近明らかになったことで、新聞報道にも載っているんですが、空港の整備、これの需要予測というのがかなり外れていると。これは別に空港だけでなく道路とかでもあるかと思いますけど、とりわけ空港問題について申し上げますと、六十九ある空港、これが需要予測がなされていた空港でありますが、実際に実績が予測を上回ったというのはわずか八空港にとどまる。残り約九割の六十一空港は予測を下回る、極端に下回っているのもあるわけであります。
 こうした点について、最近、国土交通省が所管をしております財団法人の運輸政策研究機構の会長自身が、この機構の予測の多くが過大に過ぎた、あるいは役所の立場をおもんぱかってどうしてもそういう数字を出してしまった、こういうようなことを自ら、会長自らがお述べになっていると。さらに、本当に必要だったのは羽田空港の第四滑走路ぐらいだったということまで言い出しているというふうに報じられております。
 率直にこうした発言を大臣としてどのように受け止められておられるのか、お聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(馬淵澄夫君) 将来交通需要予測ということで、航空需要予測についてのお尋ねであります。
 運輸政策研究機構の理事長の御発言というのは私も報道で目にしました。御発言が事実ということであれば、これは大変遺憾な私は発言だなと、遺憾であるというふうに思っておりますが、そもそも、この将来交通需要推計、問題があるのではないかということは私が野党時代に予算委員会でもこれ再三指摘をしてきたものであります。こうした需要予測については、まず抜本的な見直しが必要だというふうに考えております。
#40
○松野信夫君 是非、抜本的な見直しをしていただいて、やっぱり将来につなげていく、今後ともやはりいろんな道路を造ったり、まあ何か前原大臣の時代にはもう新しい空港は造らないというようなお話もございましたが、いろんな公共事業は今後ともあり得るわけで、是非それに生かして、できるだけ客観的なデータに基づき、できるだけ正確な予測をやっていく。そのためにはどういう点が必要なのか、ちょっとこの点について、大臣、お願いいたします。
#41
○国務大臣(馬淵澄夫君) この需要予測をどういった機関が行うかということよりも、そもそも需要予測のモデルそのものに問題があるのではないかと、私はこのように考えておりまして、昨年の九月に副大臣に就任以来、この需要予測について徹底的にこれを調べて対応を考えました。
 まずは、私が予算委員会で取り上げたときは道路問題だったんですが、これは将来の車の需要推計でありました。今御指摘の部分は航空であります。さらには海事あるいは鉄道といった需要予測があります。これを調べていくと、いわゆる旧建設省で所管をしていた道路を今後計画を決めていくための車の需要推計、また旧運輸省が所管をしていた空港などを整備していくための航空の需要推計、また海事、船の需要推計、鉄道の需要推計、これそれぞれが全く縦割りで別の方法を取っておりました。これは大変驚きまして、これを統合した総合交通の中での需要推計の検討ができないのかと、これを私の方から指示をいたしまして、今年のこれが四月だったと思いますが、改めて「将来交通需要推計の改善について」ということで、この手法の検討会議、これをつくりました。私が座長となって取りまとめを行い、まずは旧建設省、旧運輸省という、こういう縦割りを排除して、政府として一体的な統合のモデルをつくるべきであると。当然、総合交通体系の中で必要な機関、これを考えていって国土整備を行っていくことが必要だと、こういう観点から、この検討会議でまず総合的な分析方法、これを定めております。
 さらに、今後、この統合モデルを、これを構築してまいりまして、来年の八月、平成二十四年度の概算要求までにはすべての機関について再検証が行えるような状態にしていきたい。もちろんこれは今後の検討の進み具合によるんですけれども、今申し上げたような形で、今後、将来需要予測と乖離するような社会資本整備などが行われてはならないと、このように強く考えております。
#42
○松野信夫君 是非、再検証ということでお願いをしたいと思うんですね。
 需要予測出しました、それに基づいて事業をやった、まあ例えば五年、十年、実績が出てきたけど全く外れた、全然当たらなかった、残念だったねと、それで終わってしまったんではどうにもならない。なぜ外れた、どこのデータが悪かったのか、どういう算式が良くなかったのか、そういう点をしっかり検証していただくということが将来につながることだということでありまして、外れたから残念だったねというのでは、これではどうにもならないと思います。その場合、私はやっぱり大事なことは、きちんと情報を公開して、どういう算式を用いて、どういうデータをそれに当てはめてしたのか、これをやっぱり国民にしっかり示していくと、そういうデータ開示をしっかりしていくということが大事だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#43
○国務大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のとおり、情報公開というのは最も重要だと考えておりまして、現在、検討手法をこの検討会議で詰めております。これ、中間取りまとめを報告しておりますが、年内あるいは年明けにでもこれが結論が出れば、また更に第二段階として統合モデルの再検証の仕組みをつくってまいります。
 先ほど御指摘のありました運輸政策研究機構のこの需要予測でありますが、ほかにも実は民間での需要予測も発注をしておりました。結局、それも結局乖離しているんですね。運輸政策研究機構で需要予測をしたものは二件であります。先ほど御指摘の部分のうちの二件、それ以外はもう民間がやっております。これも同様に乖離をしている。その理由は、先ほど申し上げたようにモデルそのものに問題があったと、これを今日まで放置してきたということですから、これをしっかりと見直して、そして当然ながら情報公開をして国民の周知の下の中で不断の監視の下で進めてまいりたいというふうに考えております。
#44
○松野信夫君 是非、今のその需要予測、国民の不断の監視の下でしっかりと公表しながら進めていくということを、航空行政の問題だけではなくて、最近、治水、いわゆるダムの問題でも私は基本的には同様なことが言えるのではないかと思っております。
 国交省の方で今後の治水対策のあり方に関する有識者会議がありまして中間取りまとめがなされたわけでありまして、いよいよ、国のダム三十一、地方の補助ダム五十三、この八十四のダムが対象になって、本当にダムが必要なのかどうか、ダム案あるいはダム以外案、それぞれのコスト、安全度あるいは環境負荷といった要素について一つ一つチェックをしていくということになろうかと思いますが、私は、そのときにやはり大切なことはデータをあるいはこの作業をちゃんと公開をしていくということで、国民監視の下に、それこそ需要予測と同じように、同じような形、同じような仕組みでこの治水の在り方についても、ダムなのかダム以外なのか、これを是非お願いをしたいと思います。
 結局、いろいろと検証作業をしたけれども、いろんなデータを入れたところ治水対策としてはもうダム以外にはない、ダムがベストだというのがぞろぞろぞろぞろと結論として出てくるようであれば、一体何のための検証なのかという気もしないではありませんので、そういう危惧もありますので、この治水の在り方についての検証においても是非データとか算式とかその辺を明らかにしていただくようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(馬淵澄夫君) 今委員御指摘の部分は、ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目というものに定めております。これは、透明性の確保を図る、情報公開を行うということは当然ながらこれは定められておりまして、私の方もしっかりと情報公開をしてまいりたいと考えております。
 また、先般、予算委員会で河野委員から質問ございました流出計算モデルの飽和雨量についても、これ八ツ場ダムで利根川流域、水域ということでありましたが、これも私の方からは、公開されているといいながらも、なかなか分かりにくい情報だったために私の方で整理をしてこちらの委員会でも、予算委員会でもお答えをさせていただきました。今後、流出計算モデルあるいはその計算方法についても明確に御理解いただけるように私は公開すべきだと考えております。
 またさらに、どうしても公開できない情報というのもございます。これは、その流域の中で今後洪水調節施設を必要とするといったことが推定されるような場合、あるいは地理的な状況が特定されるようなデータについては、それも過去にもありましたが、反社会的な人物による土地の買占めあるいは不法行為などが横行するおそれがあるということで、これはそれに限って非開示とさせていただくということを私は考えております。
 いずれにしましても、委員御指摘のように、情報公開、そして検証の途中段階でも常に開示をしていくということは私は河川局にも伝えておりますので、しっかりとお約束を申し上げたいというふうに思います。
#46
○松野信夫君 是非、今、八ツ場ダムのお話がありました。これについても、いわゆる治水の基準点であります八斗島のところで基本高水は二万二千トンだと、これがずっともう一九八〇年からきているわけですが、今大臣も御指摘ありましたように、飽和雨量のデータを明らかにしていただきました。そうすると、かつての量と最近の量では違っている、にもかかわらず基本高水は同じだと、こういうこともありますので、やはり再計算をする必要性というのは私は高いと思いますし、また、基本高水の算出に用いたいろんな算式、データ、それも堂々と国民の皆さんに示して大いに議論して、正しい客観的な基本高水はどうなのか、それを是非議論できるような配慮を大臣にはお願いしたいと思いますし、また、今できるだけ公開というお話もありましたが、幾つか話がありまして、例えば流域分割図辺りはまだまだ公開されていないところもありまして、そういう点も含めて公開の辺はよろしくお願いしたいと思います。どうぞ。
#47
○国務大臣(馬淵澄夫君) これは私、先週の金曜日の会見で申し上げたんですが、この流出のモデルも含めてモデルの妥当性の検討を行うと、このように申し上げております。それによって、最終的には基本高水、ピーク流量の見直しということに結果的につながることも十分にあり得ると、可能性を排除しないと。ただ、見直しを前提にということになれば、それはまさに予断を持って検証することになりますので、私はそれはすべきではないと。モデルをしっかりと妥当性を含めて検討すると、このように申し上げております。
 また、今後、飽和雨量を始めしっかりと開示をしてまいりますが、流域のこのブロック図に関しまして、これについては、先ほど申し上げたように、既存以外の洪水調節施設も計画として示される、あるいは地域を特定できるものでもありますので、これに関しては十分に留意をしながら私どもとしては公開の方法も含めて考えたいと。現時点においては、先ほど申し上げたように、不当な買占めあるいは不法行為が横行する可能性があるというふうに考えておりますので、情報公開という観点からどのような方法が適切かということについては検討してまいりたいと思っております。
#48
○松野信夫君 ありがとうございました。是非、公開を含めて検討を進めていただきたいと思います。
 最近、検察の問題では証拠の改ざんということで検察官が逮捕されるというような大変びっくりするような前代未聞の事件が起きておりますが、そういうことはまさか国交省の中ではないとは思いますけれども、やっぱりきちんとデータを公表するという姿勢がこの改ざん辺りを防止するということにもつながると思いますので、是非取組をお願いしたいと思います。
 時間が参りましたので、私の質問を終わります。
#49
○委員長(鶴保庸介君) 関連質疑を許します。姫井由美子君。
#50
○姫井由美子君 民主党の姫井由美子です。
 この度、決算委員会の理事を拝命いたしまして、初めての総括質問をさせていただきます。先輩方の御配慮に感謝するとともに、地元で応援してくださっている方々に心を込めて質問いたしたいと思います。
 平成二十年度の決算は、自公政権によって編成、執行されたものですので、問題点を現政権にお尋ねするのはいささか奇妙ではありますけれども、税金の使い方をしっかり監視し、国民の皆様にきちんと報告するのが私たち国会議員の何よりの責務と考えております。
 決算とは、税金の使われ方、でも一方で歳入確保のためでもあります。そのためには安易な増税ではなく無駄遣いをなくすことが先決であり、それに向けた意識改革を全府省挙げて取り組む必要があるのは言うまでもありません。税金の使われ方について国民の皆さんにこれまでにない形で注意を喚起したのは、言うまでもなく事業仕分だったわけですが、事業仕分第三弾、これは新人議員も多くメンバーに入っており、菅総理が四百十二人内閣を実現する一環であろうと感じております。
 様々なバックボーンを持つ議員が様々な視点から明らかにしていくことの意義と意気込みをまず菅総理にお伺いいたします。
#51
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、この決算委員会という場において徹底的な税金の無駄遣いをチェックをしていくという、そういう大きな委員会の役割を踏まえて、政府の方も今御指摘のように無駄の排除のために全力を挙げているところです。
 事業仕分は、第一弾、第二弾、そして今度は特別会計に向けての第三弾ということになるわけであります。今御指摘いただいたように、私の内閣、特に改造内閣の段階で、党と内閣がある意味で連携して、場合によっては融合して取り組むという意味で全国会議員四百十二名、四百十二人の内閣という言い方を代表選の折に言わしていただきました。
 特に、無駄の排除という面では、いろいろな分野があるだけに、事業仕分のいわゆる表でテレビなどで見える部分以上に、あれは氷山の一番上の部分で、そのための事前の作業が膨大にあるわけでありまして、そういう点で四百十二人の我が党メンバーがそれぞれ自分の得意な分野について役割を分担していくことがより効果的だと。
 そういうことで、若干具体的なことを申し上げますと、昨年十一月に行われた事業仕分第一弾では四百四十九事業について仕分を行い、その二五%を廃止又は予算計上を見送り、その四〇%を予算要求縮減の評価など、過去のしがらみにとらわれることなく大胆に切り込んだところです。その評価結果として、結果として二十二年度予算における約三・三兆円の新規財源が確保されました。
 また、今年の四月、五月に行われた事業仕分第二弾では、独立法人及び政府系公益法人が行う事業、百十七法人、二百三十三事業を取り上げ、七十六事業を廃止と評価するとともに、制度や指揮監督の在り方の見直しにつなげるなど、大きな成果を上げたところです。
 事業仕分により予算編成の過程や独立行政法人の事業内容が一つ一つ公開の場で確認され、国民によく見えるものとなり、行政の透明性が飛躍的に高まったと、このように考えております。
 今月末から始まる事業仕分第三弾について、今申し上げましたように、全員ということではありませんが、かなりの数の一期生を含めた議員の皆さんに参加をしていただいて大きな成果が上がっていくんではないかと期待をいたしております。
#52
○姫井由美子君 ありがとうございます。私も調査員として参加させていただいております。
 今回は特別会計が対象です。これまで全くと言っていいほどその実態が明らかにされていない、国民に説明されてこなかったものであります。特別会計は各省庁の言わば都合の良いお財布とでもいうべきでしょうか。
 そこで、蓮舫大臣に、これまでの事業仕分の成果、そして特に第三弾に懸ける思いと覚悟をお尋ねしたいと思います。
#53
○国務大臣(蓮舫君) お答えをいたします。
 これまで二回事業仕分を行ってまいりましたが、そのときに特に注意をしたことは、仕分の会場を公開することはもちろん、インターネットの生中継も通じて、そして使った資料もすべて公開をして、このことによりまして、これまでの政権下ではなかなか表に見えることのなかった予算編成のその過程というものを情報公開をしてまいりました。
 その結果、行政側も税金を扱って事業を行っているという意識改革が進んだこと、国民の皆様方の中にも税金の無駄はやっぱり許せないんだという税金の使われ方への関心が高まったというのは、これはこれまでの事業仕分の大きな成果の一つだと思っています。
 姫井委員にも御協力をいただきましたが、四百十二人内閣の一環といたしまして第三弾の事業仕分、特別会計再仕分を対象にしては、玄葉政調会長並びに山口行政刷新プロジェクトチームの座長にも大変な御尽力をいただきまして、政府・与党一体となって徹底的に特別会計の仕分には取り組んでいきたいと思っております。
#54
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 すべて公開ということで国民の政治への関心を引き出したのが事業仕分がきっかけではなかったかと思います。蓮舫大臣には、国会議員という仕事に誇りと自信を持ち、私は、だからこそ国会という現場、国会議事堂という職場を愛着を持つということは大変大事だと思いますので、これからも頑張っていただきたいと思っております。
 続いて、私は岡山で行政書士、司法書士をしてまいりました。先ほど申し上げました、菅総理がおっしゃった四百十二人の様々なバックボーンを持つ一人の人間と自負しております。特に、私の司法書士は今見渡すと衆参合わせて私一人だったものですから、ここで司法書士の暮らしについて少し説明したいと思います。(資料提示)
 司法書士は最も住民に身近なところで司法サービスを行っているわけですけれども、司法書士の役割というのは、このフリップにありますように、本当に多岐にわたっています。登記、供託の手続はもちろんのこと、法務局や裁判所に提出する書類の作成や、最近では成年後見人として被後見人の財産を守ることも大きな役割の一つです。また、認定司法書士に限られますが、一定の訴訟手続も行いますし、何より暮らしの法律家として市民の皆さんの様々な悩みに身近なところで相談を受けるという役割があります。全国の司法書士一人一人が地域に密着した質の高いリーガルサービスを提供していることを、まず御理解いただきたいと思います。
 さて、政権交代後の連立政権において、地域主権の実現に向けて大胆な改革に着手しております。でも、一番重要なことは、国でやるべきこと、地方でやるべきこと、これをしっかりと仕分することではないかと思います。
 さきの尖閣諸島衝突事故で、国家、主権、領土、これが特に深く国民に意識されるようになりました。国の三要素であるこの基本制度に関することは国の責務であり国が担うべき役割と考えますが、総理の御意見を伺いたいと思います。
#55
○内閣総理大臣(菅直人君) 国家というものは、一般に領土と国民と主権というものが三つの要素とされておりまして、そういう意味では、基本的には国が担うべき役割が大きいと思います。
 しかし同時に、実際の行政ということであれば多くは自治体が中心になっていて、特に地域主権の考え方、補完性の考え方という中でいえば、地域にできること、基礎自治体にできることはできるだけ基礎自治体にお願いして、それがどうしてもできないところを広域自治体、更にそれができないところを国が担うと。
 そういう意味で、国が担うべき問題は、今お話しの、姫井議員からもありましたように、領土の問題それから例えば通貨といったような問題、もちろん外交防衛に関する問題、こういったことについては国がしっかり責任を担っていくと、そういう役割分担の中で主権が守られていくと、このように認識をいたしております。
#56
○姫井由美子君 次に、具体的な事項について伺いたいと思います。
 法務局の事務権限の地方移管についてです。
 法務局は、先ほど国の仕事として領土、通貨、外交防衛と言われました。通貨ではないですけれども、大切な財産というものを預かった仕事をしております。登記、供託、国籍、人権擁護等の事務、これらはいずれも国民の自由、財産等の権利関係や身分関係に密接した事務権限です。
 私は、国が担うべきではないかと考えております。例えば登記は、不動産や法人を法的に管理し、取引や経済活動の基盤を形成し、金融や不動産取引の円滑な運営を支えるとともに、税金など国家政策の基盤となっているものであり、資本主義経営の基礎を成す私有財産制度を支える重要なインフラであることから、その管理及び運営は国が自らの責任において行うべきではないかと思いますが、法務大臣の御所見をお伺いいたします。
#57
○委員長(鶴保庸介君) 柳田法務大臣。
#58
○姫井由美子君 法務副大臣。
#59
○委員長(鶴保庸介君) 大臣でいい、大臣ですね。柳田法務大臣。
#60
○姫井由美子君 委員長。
#61
○委員長(鶴保庸介君) 手を挙げていらっしゃるから。
 じゃ、姫井由美子君。
#62
○姫井由美子君 小川法務副大臣にお伺いします。
#63
○委員長(鶴保庸介君) 法務副大臣。
 指名は私がしますから。
#64
○姫井由美子君 はい、済みません。ごめんなさい。
#65
○副大臣(小川敏夫君) 私も姫井委員と同感でございまして、地域主権といいますと、一つの根本的な見方は、地域でできる事務は地域の実情に合わせて地域の特殊性を生かして行うということだと思いますが、例えば、姫井委員御指摘のとおり、国民の財産に関する登記のように、国民の権利に関しますことは地域地域によってばらばらであっては困るわけでございますので、やはりこれは国が統一して行うべきではないかという基本に立ってこれから事務を行ってまいりたいと思います。
#66
○姫井由美子君 ありがとうございました。
 そこで、同じ登記事務を扱う法務局の事務権限の地方への移管のことですけれども、ずばりどうお考えかを今度は担当大臣である片山大臣にお伺いいたします。
 続きまして、今日は同僚の司法書士がたくさん傍聴に来ておりますので、踏まえてよろしくお願いいたします。
#67
○国務大臣(片山善博君) 姫井議員にお答えをいたします。
 司法書士の方が見えられているということでありますけれども、私は鳥取県で知事をしておりましたときに司法書士の皆さんには随分お世話になりました。特に、消費生活センター、これが非常に法律問題で苦慮しておりまして、相談員の皆さんのスーパーバイザー機能を弁護士の皆さんと司法書士の皆さんにお願いをしてきた、それで随分助けられたという、そういう経験もしております。
 それはそれとしまして、出先機関の地方移管の話でありますけれども、先ほど総理から答弁がありましたように、地方でできることは地方でする、それは国の事務であっても地方でできることは地方でするというのが、これが補完性の原理の原点であります。そのような基本的考え方に基づいて法務局もその見直しの対象を免れるものではないと私は思います。
 もちろん、ゼロか、全部国か全部地方かという、そういう議論ではないと思います。法務局の機能をきめ細かく点検をしていくということになると思いますが、例えば御指摘の不動産登記でありますと、これはこれから議論をいたしますけれども、私のこれまでの経験からいたしますと、むしろ自治体の仕事になじむんではないか。もちろん、これは国民の権利、財産の保全に関することでありますから、ばらばらではいけません。国の統一した統括の下に、しかし実務は自治体が行うということはこれはあり得るんだろうと思います。
 例えば、市町村は今固定資産税の課税をやっておりまして、法務局が持っておられる資料というのは自治体にも実はあります。それから、先般、行田議員の御質問に、予算委員会でありましたけれども、地籍調査をもっとやるべしというお話がありまして、総理から太閤検地ならぬ菅検地に努力したいという答弁ありましたけれども、その地籍調査も実は市町村がやっておりまして、これは内容からすれば登記の事前段階の行為のようなものでありまして、これすらも市町村がやっているわけであります。そんなことからしますと市町村になじむんではないか。
 確かに、領土、国民というのは国家の三要素の一つでありまして、国家が重要な役割を果たさなきゃいけないということでありますけれども、例えば国民についても、法務省の統括の下に法定受託事務という形で今は市町村がやっているわけであります。そういう形は不動産登記についても考えられるんではないか、こういう私は考え方を持っておりますけれども、よく皆さんの意見を聞きながらこれから検討してまいりたいと思います。
#68
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 例えば登記事項証明書や法人の印鑑証明書、こういったものは移管しても構わないんではないか、かえって便利になるんではないかと思いますけれども、事登記申請に関しましては、司法書士を含む士業は今までその登記申請を通じましていろんな意味でこの日本の国の基本的な財産あるいは権利というものを守ることを支えた、言わば根幹を支えてきたわけですから、一定の考え方もございますので、是非じっくりと相談をして取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 それでは、こういった住民にとって利用しやすい司法サービスの在り方を実現するということから、この十年間行われてきました一連の司法制度改革を考えてみたいと思います。
 特に、司法制度改革によって導入された法科大学院の設置、裁判員制度、検察審査会の権限強化など、ねらいはもっともとされながら、実情としては十年たった今いろんな問題点が出ております。
 特に、今このフリップを出しました検察審査会の流れです。これは改正検察審査会法に基づくもので、検察審査会での審査で起訴相当の議決がされ、検察官が不起訴処分にした、あるいは法定期間原則三か月内に処分がない場合、再度検察審査会の審査で起訴議決がされると指定弁護士が起訴するというこの一番上の赤い矢印のラインの流れ、これが起訴議決制度のイメージであり、あらましです。
 ごく簡単に申し上げますと、法律のプロである検察庁が不起訴と決めても、アマチュアの検察審査員の方々が二回起訴相当を出せば強制的に起訴しなければならないというものでもあります。これは、憲法に保障されている国民の裁判を受ける権利を守るためというのは十分理解できますし、いわゆる起訴独占主義、起訴便宜主義に言わば風穴を空けて司法への国民参加をより重視し、司法を国民に分かりやすいものにするということに主眼があることは分かりますけれども、実際その運用がどうなっているのかを検証すべきではないかと思っています。
 まずは透明性についてです。裁判員が参加をした裁判が、評議そのものは非公開にせよ、裁判は公開の場で行われます。その後、裁判員の方々が記者会見をされるなど一定の情報公開が担保されているのに比べ、検察審査会の情報公開はやはり不十分ではないかと思われますが、検察審査会の経過等について公開できない理由は何かお伺いしたいと思います。
#69
○副大臣(小川敏夫君) お答え申し上げます。
 まず、裁判の公開という点がございましたが、検察審査会の方は検察から捜査の生資料を検討するという事情がございます。捜査の過程の中で様々な人の秘密、プライバシーというようなことの情報がすべて生で伝わるわけでございますので、そうした点が議論の場で公開されるということに大きな問題があると思っております。
 また、裁判もあるいは裁判員制度も、裁判員の協議そのものはこれは非公開でございます。やはり、裁判員あるいは検察審査会委員が、だれがどういうふうに言ったというようなことが明らかになりますと、やはり自由な議論ができないんではないかと。自由な議論ができないということになりますと、そもそも国民の生の声を反映するという制度の趣旨が生かされないということにもなってまいります。そうした観点から、この協議の公開ということは消極的に考えさせていただいております。
#70
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 何も、プライバシーの部分あるいは生情報ということで取扱いに注意しないといけないということは分かりますけれども、万が一にも冤罪を生まないためには、ある程度限られた条件の中でもプロセスの開示が必要なのではないかとは思います。
 そして、その次に、独立性の意義についてもお伺いしたいと思いますが、この独立性につきましても是非、この検察審査会制度につきましては独立性が担保されているといいながら、こういった情報公開されていないという段階で、いかに独立性が本当に正当に担保されているかということが非常に分かりにくいと思いますが、この点についてもお伺いしたいと思います。
#71
○副大臣(小川敏夫君) まず、検察審査会の協議そのものは、やはりどこからも影響を受けないで独立に協議するということでございます。制度そのものは独立であると思いますが、ただ、あるいは委員は、その検察審査会の協議の中で言わば一方の当事者である検察官側が意見を述べるということを御指摘になっているのかとも思いますが、この制度そのものが、検察官が不起訴にした処分について判断を行うということでございますので、やはり検察官がなぜ不起訴にしたのかというその事情を聴くという意味で検察官から意見を聴くということになっております。ですから、この検察官から意見を聴くことになっているということが検察審査会の独立性を害するということはないと思っております。
 また、検察審査会は、必要があれば一方の被疑者側、弁護人側からも意見を聴くことができるということになっております。あくまでも検察審査会そのものは独立性があると考えております。
#72
○姫井由美子君 もう一度出したいと思いますけれども、三十五条において、先ほど言われましたように、検察官が出て意見を述べることができる、こういった意見を聴く中でやはりいろいろと考え方が変わってくるのではないか、そういったところまで本当に公正が担保されているかというところは、やはりどこまで行っても疑問が残るところではありますので、是非一度御検討いただきたいと思います。
 もう一度このフリップの、皆様からいいますと右下に、この法律ができまして新たに起訴議決にされた事案が三つあります。平成二十二年一月二十七日の明石歩道橋事故事件、そしてJR福知山線脱線事故事件、そして新しいところでは沖縄で起こりました未公開株式取引詐欺事件とあります。これらはすべて公訴手続には入っておりますけれども、まだいまだに裁判には入っていません。
 実は、こういったことで一度起訴議決がされますと、やはり裁判が終わるまで被告というレッテルを張られる状態に置かれるということで、非常にこの裁判も長期化する傾向があるとなれば、この事件の被告というレッテルを張られた方々の心痛も長引くのではないかと思います。この制度に対する様々な問題点について、柳田法務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(柳田稔君) 当面は運用状況を見守るべきだと考えますが、姫井議員を始めいろいろな方の御指摘もございました。国会の議論がまとまるようであれば、それに従いたいと思います。
#74
○姫井由美子君 先般の大阪地検の証拠改ざん事件で柳田法務大臣は、寝ずに一晩考えて、検察の在り方検討会議を設置するとおっしゃいました。各議員やいろいろな方面からの提言を参考にしながら詰めていきたいとおっしゃっておられました。私も是非応援したいと思います。
 そこで、柳田大臣にもう一晩寝ずに考えていただきまして、是非検察審査会の在り方についてもお考えいただきたい。これは独立した機関ですから、検討すればどのような検討が可能なのかも含めて柳田大臣にお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(柳田稔君) 今、先ほど申し上げたとおりでございまして、今は運用を見守りたいと、国会、与党の中の議論をいろいろと参考にさせていただきたいと申し上げまして、今の段階でこの検察審査会の在り方について省内で議論を始めるというところまでは至っておりません。
#76
○姫井由美子君 是非、私たちも司法制度全般の見直しというものも含めましてこの検察審査会の在り方についても議論を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、今、この大阪地検の証拠改ざん事件の中で、冤罪を生まないためには、も含めまして、一部取組も始まっている捜査段階での取調べの可視化を一層推進しなければならないと思っております。これは国会議員の中でも大変議論も深まっております。
 そこで、可視化の取組、そしてその状況と課題について岡崎国家公安委員長にお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(岡崎トミ子君) 姫井委員にお答えいたします。
 警察におきましては、平成二十一年四月から、全国警察におきまして取調べの録音、録画、これを試行実施しているところでございます。具体的には、裁判員裁判の自白の任意性の立証のために取調べ状況の一部を録音、録画していると認識しております。
 さらに、被疑者の取調べの可視化、これを推進していくためには治安水準を落とすことなく実現することが重要と考えておりまして、既に国家公安委員会委員長主催で研究会をつくりまして、ここで多角的に、そして幅広い観点から皆さんに議論をしていただいているところでございます。
 この研究会につきましては、今年の二月から開催されておりまして、取調べの可視化、高度化、捜査手法の高度化等につきまして部外の有識者の皆さんに検討をお願いしていただいておりますけれども、引き続きこの研究会で十分に議論して検討していくことが必要と考えております。
 以上でございます。
#78
○姫井由美子君 是非、一部ではなく、全面可視化に向けてなお一層の努力をお願いしたいと思います。
 今、前田元検事のフロッピーディスク改ざん事件を受け、特に特捜部の捜査の在り方そのものが問われているのが現状ではないでしょうか。逮捕された佐賀前副部長が取調べの可視化を要求したという報道がなされておりました。少なくとも特捜部の取調べは速やかに可視化すべきと思いますけれども、柳田法務大臣の御所見を伺いたいと思います。
#79
○国務大臣(柳田稔君) 一般の捜査とか裁判員制度の内容とか、これはもう少し時間が掛かることとは思いますけれども、今の御指摘の特捜の可視化につきましては、近々私の下に置きます検察の在り方検討会議の中でテーマになります。その際の議論を期待していただければと思います。
#80
○姫井由美子君 今まで取調べを行っていたその本人が可視化をしてほしいと訴えているんですから、これはいかに可視化が必要かということがもうそれはそのまま証拠ではないでしょうか。是非この在り方検討会で一日も早くこの可視化をこの特捜部の取調べから行っていただきたいと思っております。
 最後に、総理に伺いたいと思います。
 これまで検察は国民の高い信頼を得てきました。検察で綿密な捜査が行われた上起訴されたとなると、すなわちそれは限りなく有罪に近いとの印象を一般の方々が持っていました。そのような起訴が長年行われてきた我が国で、いったん起訴され被告となる負担の重さは並大抵ではありません。
 総理、私は三年前に国会議員になりました。全く身に覚えのないことで告訴を受けました。告訴というのは起訴ではありません。もちろんこれは不起訴になりました。しかし、この告訴を受けて、私は県連で役職を降ろされました。そして、今三年たちましたけれども、いまだにこの役職は復活されていません。
 こういったことがありますように、総理はずっとだれも排除しない政治を訴えられてまいりました。一度排除された者は、状況が解決をしても、排除感というものは私だけでなく周りにも長く続きます。是非、今回の検察審査会の見直しを含め、司法制度改革の見直し、これは排除のない社会の実現に向けて具体的で大きな第一歩であると思います。この司法制度改革見直しに向ける総理の御所見、意気込みを伺いたいと思います。
#81
○内閣総理大臣(菅直人君) この司法制度改革というのは、姫井議員も御存じのようにかなりの歴史がありまして、私の意識で言えば、中坊先生などが非常に積極的に取り組まれて、そして幾つかの面で、もちろん裁判制度そのものもですけれども、ある意味まさに姫井さん御自身がその資格を持っておられる司法書士含めたいろいろな法律にかかわる人たちの数も増やしていこう、充実していこうと。国民が司法的な救済をもっともっと受けやすくしていこうと。もっと大きく言えば、従来のように事前に、役所で何か事前にチェックするというよりも、ある意味ではできるだけ入口は自由にして後できちっとチェックをすると、そういうことで進められた大きな改革の流れがあったと思っております。そういう中に、裁判員制度、あるいは今御指摘のあった検察審査会の新たな制度の設計があったのだと思います。
 今、そういった意味で、この司法制度改革というものがかなり進んだ中でいろんな新たな問題も明らかになってまいりましたので、そういったことについていろいろ議論が出ているし、またこれからしっかりした議論をして、この改革の流れが、どの部分は推し進めなきゃいけないのか、場合によったらどの部分かは多少やってはみたけれども見直しが必要なのか、まさにこの司法の大学の制度なども含めて、そういった見直しも併せて必要な時期に入っていると思います。
 そういったことで、当面は法務大臣のところで検察のこの問題については議論をいただくというように私も承知しておりますけれども、司法制度全般については幅広い形でいろいろな議論を進めていく必要があるだろうと、このように思っております。
#82
○姫井由美子君 ありがとうございました。是非御理解の上、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、元気な日本を目指して動き出した菅内閣ですけれども、この元気な日本にするためには数々の予算も必要ですが、仕組みを変えるだけで地方経済を元気にして予算を生み出す方法を最後に一つ提案したいと思います。
 今、我が国にこのフランチャイズ、新しいビジネスによるフランチャイズの総店舗数は二十三万八百二十二店舗あります。そして、売上高は、これ二〇〇八年ですけれども、約二十一兆円にも及びます。そして、コンビニを始めとするこのフランチャイズは、言わば地域においては社会インフラの一つとなっており、セーフティーステーション、あるいは行政の公共料金を支払もそこでできるなど、いろんな意味で私たちの生活に欠かせない状況になっています。
 この元気な日本ですけれども、このフランチャイズ、これは見て分かりますように、それぞれの契約、自由契約によってなされております。しかし、この契約、この契約が今適正に行われてないために、本部偏重の利益の配分になります。
 これは、例えば三年前、一番このフランチャイズ業界が勢い良かったころ、七百億にも及ぶ一つの会社では税金を払っておりました。この本部が払う税金、この税収の偏りを少し加盟店の、下ろしてあげることで、私は地域の地方税の増加につながると思います。法人税、そして県民税、住民税といったものが上がると思いますし、あるいはこの余力で、今まで社会保険に入ってあげられなかった社員について、正社員として雇用することに当たり、一店舗当たり二名の雇用で、二十三万八百店舗以上ありますから、約五十万の私は地域に雇用が創出できるのではないかと思っております。
 是非、こういったこの適正な契約を進めるという、少し偏重を是正することを是非考えていただきたいと思っております。何しろ菅総理は、雇用、雇用、雇用という、一にも二にも雇用ですので、是非この雇用が増大するような改革を推し進めていただきたいと思いますが、一方で、この十一月一日から最低賃金、これが上昇いたしまして、全国的に新しい最低賃金がスタートします。もちろん、これは将来的には最低賃金の平均を八百円を確保、そして民主党マニフェストにありました一時間千円を目指していくところです。
 もちろんこれは必要なことだと私は思いますけれども、実はこのコンビニ業界ですと、先月の売上げの人件費は八・五%内、これを超えた人件費はオーナーが月次引当金と言われる、つまりオーナーのお給料から全部出されなくてはいけないということになっております。一つのコンビニでは前月売上げの八・五%、ほかは約六%を超えると、それがオーナーの月次引当金、いわゆるオーナーでありながらお給料というのはおかしなことですけれども、お給料から払わなければならないということになっております。
 このフリップで一つ指摘しておきますけれども、加盟店と本部のロイヤリティーによる利益配分、加盟店は利益の四〇から七〇%をチャージ率として本部に納めるとありますが、これ、事実を確かめましたら、最高で七六%というところまでありますので、このままでいくと、今最低賃金の引上げということは、雇用の拡大ができる、仕組みを変えれば雇用の拡大ができるというのでありながらも、一方で、雇用拡大できなくてバイト生を切っていかないといけないというふうな状況になりかねませんので、是非こういった仕組みを変えるということで元気な雇用を生み出す企業あるいはビジネスというものを応援していただきたいと思っております。
 これは、菅総理に、今の話の元気な日本に対する、今ある適正化によって雇用を生み出すということに対する意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。その前に、じゃ大臣にお願いいたします。
#83
○国務大臣(大畠章宏君) 姫井委員の御質問にお答えしますが、総理というお話でありますが、担当大臣としてまずお話を、御答弁を申し上げます。
 ただいま姫井委員から、契約を適正化して雇用を増やせと、こういう御提言をいただきました。
 これまで姫井委員は、このフランチャイズビジネスについていろいろと実態を解明し、本店と加盟店との間の様々な課題について取り組んでこられたことは承知しております。私も姫井委員の勉強会に出席をさせていただき、加盟店の皆さんから様々な現状についてお話をいただいたこともございます。
 このフランチャイズ契約は、本部にとっては多店舗展開が可能となり、加盟店にとっても本部から優れた商品や経営ノウハウの提供が受けられるなど、双方にメリットを有していることも事実であります。一方で、契約を締結する際には、事前に加盟店に対して適切な情報が提供され、その内容を加盟者が十分に理解した上で本部と契約することができる環境を確保することが必要であります。姫井委員から様々な形でこれまでも課題について御指摘をいただきました。
 そういうことで、我が国としては、関係法令による契約前の事前情報開示の義務付けというものを行い、また、契約自由とはいっても、フランチャイズ契約に基づく取引関係の中で、本部が加盟店に対して優越的地位を濫用することがないようにと、これは独禁法等でありますが、これで規制を行っているところでございます。関係省庁と連携して、法令の厳正な執行や業界の自主的な取組を促進し、本部と加盟店との両者にとって良い関係が構築されるよう図るとともに、地方経済を支えるフランチャイズビジネスの健全な発展、ひいては地方の活性化につなげてまいりたいと思います。
 なお、姫井委員等々から様々な形で課題について御提言をいただいておりましたので、二〇〇九年から、フランチャイズチェーン協会についての相談窓口の設置を業界の自主的な取組として促しつつ、関係法令を徹底させることでトラブルの防止、解決にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 いずれにしても、契約をしっかりと行って雇用を増やせという提案については、私もそう思いますので、その方向で一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。
#84
○姫井由美子君 ありがとうございます。是非、もう本当に悲痛な叫びですので、よろしくお願いをいたします。
 そして、最後に、地方一括金、これは自治体が大変望んでおりますので、是非三位一体の改革のように骨抜きにならないようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#85
○委員長(鶴保庸介君) 関連質疑を許します。松浦大悟君。
#86
○松浦大悟君 民主党の松浦大悟です。
 私は、前の仕事はローカル放送局のアナウンサーだったんですが、大変上がり性でございまして、今日も緊張しております。蓮舫大臣や岡崎大臣のように弁舌さわやかにとはまいりませんが、一生懸命頑張ります。よろしくお願いいたします。
 まず、今日は自殺対策について質問をさせていただきたいと思います。
 我が国の自殺者の数は十二年連続三万人を超えている。この三万人という数は、ちょうど東京マラソンに参加される方の数と同じ数なんです。東京マラソンに参加される同じ数の方が毎年この地球上から消えている、お亡くなりになっているわけです。
 私の地元秋田県は、十五年連続自殺率が全国第一位です。
 私には忘れられない記憶があります。情報番組で秋田県の滝を取材に行ったときのことです。その滝のそばに休憩場所、あずまやがございました。そのあずまやの長いすの上に男性が寝ていました。私たちは何か二日酔いで寝ているのかなと思い、そのまま取材を続けていました。そうしたところ、後ろから兄さん、兄さんという声が聞こえてくる。振り返ると、中年の男性が山道を駆け上り、そのあずまやに飛び込んでいきました。実は、長いすに寝ていたと思っていたのは、二日酔いなどではなく、自殺でお亡くなりになった中小企業の社長さん、そして飛び込んでいったのはその社長さんの弟さんでした。
 弟さんは一生懸命携帯電話を取り出して救急車呼ぼうとするんです。だけど、指が震えてボタンが押せない。その震える手を私たちに突き出して、頼むす、救急車呼んでけれ、頼むすと何度も何度も頭を下げました。こうした状況が日本各地で繰り広げられているんだと思います。
 じゃ、具体的に自殺対策をどうするんだ、私は次のステージに進む時期に来ているのではないかと思います。
 私は、超党派の議員連盟、自殺対策を推進する議員有志の会に所属をしておりまして、NPOライフリンクの清水康之さんたちと活動をしております。この清水さんは再び内閣府参与に就任をされました。この清水さんも加わってタスクフォース、菅内閣の新しい自殺対策の体制が九月からいよいよ始まりました。是非このタスクフォースを機能させていただきたいんです。これを機能させることができるかどうかが今後五年先、十年先の自殺対策を決めることになるだろうと私は思います。
 是非、菅総理、このタスクフォースを動かしていただきたい。そのことを冒頭申し上げまして、質問に入らせていただきます。
 自殺担当の岡崎国務大臣に伺います。
 私は、自殺対策関連予算というのは少な過ぎると思っているんですが、実はその予算さえ使い切っていないという状況がございます。内閣府で取りまとめた自殺対策関連の平成二十年度当初予算を見ますと、およそ百九十三億円確保してあるんですが、同じ年の決算を見ますと、およそ百七十三億円しか使っていないんです。二十億円も余らせているんです。それで、あら、おかしいなと思いまして、前の年を見てみますと、平成十九年度予算でもおよそ二百四十七億円が組まれているのに対し、決算を見ると二百十一億円しか使っていない。
 限られた予算ですから、しっかりと活用して、少しでも自殺者を減らすべく努力すべきだと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
#87
○国務大臣(岡崎トミ子君) 松浦議員にお答えいたします。
 上がっているようには見えませんね。
 今の御質問でございますけれども、自殺対策の推進に必要な予算は、自殺総合対策大綱に基づく総合的な取組が図られるように、関係各省において所要の予算を確保して自殺対策の推進に努めているところでございます。
 今御指摘をくださいました平成二十年度におきましては、政府の自殺対策関係予算額、およそ百九十三億円に対しまして、決算額が約百七十二億円となっておりまして、約二十億円の不用額が生じております。この不用額が生じている理由でありますけれども、これ各府省の事業等への地方自治体からの申請、これで事業が行われているわけなんですが、予定よりも下回ってしまったということによるものでございます。
 自殺者の数が十二年連続三万人、今のお話、東京マラソン三万人ということでしたけれども、上からヘリコプターで見ますと、ずうっと二十分間それが続く、そのぐらいの人数だというようなことを清水さんも本にお書きになっておりますけれども、この三万人を超える状況を踏まえまして、関係各省とも密接な連携を取りまして、より効果的な予算執行ができるように自殺対策担当大臣としてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 以上です。
#88
○松浦大悟君 今回質問するに当たりまして、秋田県で自殺対策に取り組んでいるNPO蜘蛛の糸の佐藤久男会長にお話を聞いてきたんですが、自殺対策に当たっている団体というのはどこも持ち出しで、ほぼボランティアと同じような形でなさっているところが多いと。それで、もしこれが一つの県で一千万円ぐらい予算があれば相当のことができるんだというふうにおっしゃっていました。この現場の方々が二十億円も余らせているという状況を知ったら、私は怒ると思うんです。是非これは有効に活用していただきたいというふうに思います。
 さて、こちらのフリップを御覧ください。(資料提示)NPOライフリンクの働きかけで警察庁から様々なデータが出てくるようになりました。
 お手持ちの資料の二枚目を御覧いただけますでしょうか。これは職業によって自殺する曜日に偏りがあるというデータです。何曜日にどんな職業の方が自殺する確率が高いかというものでございます。左上のブルーが無職の方、そして黄色が仕事を持っている方です。
 無職の方は曜日には偏りはないんですが、仕事を持っている方は月曜に自殺をされる方が多いということが分かります。その仕事の中でも、黄色のところを御覧ください。事務職、販売職、保安職の方が月曜に自殺をされることが多いということが分かっています。そして、農林漁業に従事される方は金曜に自殺をされる方が多いと。
 自殺対策を打たなければならないタイミングというのが異なるということがこれで確認されたわけですけれども、岡崎大臣、今年の九月から警察庁のデータがすべて内閣府の方に提供されるようになりました。こうしたデータを今後どのように活用していくおつもりか、聞かせてください。
#89
○国務大臣(岡崎トミ子君) お答えいたします。
 今年の二月に自殺総合対策会議におきまして策定いたしました、いのちを守る自殺対策緊急プランにおきまして、警察庁から内閣府に対して毎月、都道府県別及び市区町村別の自殺統計データが提供されまして、内閣府において集計、公表することといたしております。
 これに基づいて、内閣府では今年四月から、このデータを市区町村別、発見地別、居住地別、住居別ですね、住んでいるところ別という、そういうところを地域における自殺の実態把握、さらには実態に即した施策の立案に役立てていくように公表をしているわけでございます。
 さらに、先日、九月七日に設置いたしました自殺対策タスクフォースにおきましては、内閣府経済社会総合研究所に分析班を置きまして、既に分析が始まっております。自殺関連統計データを活用いたしまして必要な分析に取り組んでいくことにしたわけですけれども、今後はこの成果を施策のきめ細かで効果的な立案に生かしていきたいと思っておりますので、松浦委員におきましても、もし御提案がございましたら是非お知らせいただきたいと思います。
#90
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 さて、もう一枚、こちらのフリップを御覧ください。
 これまでに分かっていること、こちらは一人の自殺には平均四つの要素が連鎖し合っているということが分かりました。括弧の中の数字は心に掛かる負荷を表しています。下に行くほど心に掛かる負荷が大きくなります。例えば自営業者ならば、事業不振に陥り、失業し、そして負債を抱えて、うつ病に至り、自殺をしてしまう。あるいは会社勤めであれば、配置転換などの職場環境の変化があり、そして職場の人間関係がうまくいかなくなって、家族ともうまくいかなくなり、うつ病を患い、自殺してしまう。
 これを見て分かるように、問題解決には医師や弁護士、ハローワーク、企業などが連携して対策に当たることが必要であると言えると思います。地域の中にワンストップで相談できるセンターをつくってほしいという要望が地域の中から出ているんですが、その点についてはいかがお考えでしょうか。
#91
○国務大臣(岡崎トミ子君) お答えいたします。
 松浦委員御指摘のとおり、多くの自殺は個人の自由意思や選択の結果ではなくて、社会的な要因を含む様々な原因が複雑に関連しまして、そして心理的に追い込まれた末の死であるというふうに認識をいたしております。このために、自殺の要因となり得る問題につきましては、やはり相談窓口の体制がしっかりすることが大事だというふうに認識しておりまして、政府といたしましても相談体制の充実に努めているところでございます。
 内閣府におきましては、地域の自殺対策緊急強化基金、これを活用することによりまして、各地域の実情に合った相談体制が整備されて効果的に相談支援事業が実施されるように取り組んでいるところでございますが、引き続き各地方団体におきましては民間団体、これまではいのちの電話など活躍をされてきましたけれども、こうした民間団体とも連携した相談体制の一層の充実、これが実現されるように私も取り組んでまいりたいと思っております。
 御指摘くださいましたワンストップのセンターも含めまして、各地方公共団体におきまして地域の実情に合った相談体制を整備していくことが必要だと考えております。
#92
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 さて、続きまして片山大臣に伺いたいと思います。
 私は、この自殺対策こそ地域主権で取り組むべき課題だと思っております。自治体の首長にやる気があるかどうかで大きく結果が分かれているのがこの自殺対策です。
 例えば、岡崎大臣の御地元、宮城県の栗原市、ここは人口七万人の市でございますけれども、四年間で自殺者の数を半分に減らすことに成功しております。秋田県のNPO、先ほど申し上げました蜘蛛の糸の佐藤会長の講演会を栗原市長が聞きに来たんだそうです。最初は何をやればいいか分からなかった、何やればいいということで聞きに来たところ、佐藤会長は、市長、これは自殺対策というのは市民を守る運動だというふうに言いました。ああ、そうか、市民を守る運動ならこれは市長の役割である、そういうことで取り組み始めたということなんです。それで、何をやったかというと、一億円の基金をつくりました。この基金で、多重債務を抱えている人に一人一千万円を限度に低金利で貸し出すという政策を行いました。そして、相談員を置いて過払いを取り戻すということをやりました。
 私は、人口規模が大体同じような自治体であれば、こうした成功事例を共有していくことはできるんじゃないか、横のつながりを持つことできるんじゃないかと思います。
 片山大臣は、DVの問題ですとか取り組まれてこられた経緯があります。弱者に寄り添う政治を実践してこられた、その片山大臣からこの自殺対策というのはどのように見えているか、お聞かせください。
#93
○国務大臣(片山善博君) 私は八年間鳥取県の知事をやりまして、やはり鳥取県でも自殺対策というのは大変重要な仕事の一つでありました。そのときの経験から申しますと、私は、これまで以上に自治体がもっとこの分野で力を発揮すべきだと思います。先ほど岡崎大臣からるるお話がありましたように、国としての重要な政策分野でありますけれども、実際に住民の皆さんと直接触れ合う最前線は自治体でありますので、これまで以上に自治体が力を発揮していただきたいと思っております。
 私の経験で言いますと、縦割り行政にはなじまない、それから自治体だけがやるという分野でもないと思います。さっき秋田のNPOのお話なんかありましたけれども、むしろNPOの皆さんとかそういう志を持った皆さん方の活動の方がより有効な面も多いのではないか。しかし、その方々には資金とかそういうものが不足しておりますので、それを自治体がもっと積極的に支援をしてさしあげる、これが必要だろうと思います。
 鳥取県では鳥取いのちの電話相談というのが社会福祉法人でありまして、ここに県としては支援をしておりました。あと、医療機関との連携。うつ病などは医療機関で出てまいりますので。もちろん行政機関も必要な仕事はしなければいけませんので、必要な施策をやっておりました。その際に、例えば自殺対策課というようなものを設けて自殺したい人はここにいらっしゃいというのは、これは全くなじまない仕事であります。むしろ、いろんな、多方面の分野でその端緒が見付かる、それを鋭敏に見付けるという姿勢が必要だろうと思います。
 例えば一例を申し上げますと、鳥取県でやりましたのは、図書館というものを一つの拠点にいたしました。病気で悩んでいる人、その方々に闘病記文庫というのを設けまして、同じような病気に苦しんで、それで生還した人の手記でありますとか、生還はできなかったけれども心の平安を取り戻した人の手記でありますとか、そういうものを読んで自身も心を落ち着けることができる、そういうことは高く関係者から評価をされました。ですから、図書館というものも自治体の業務でありますので、大きな力を発揮するだろうと思います。ちなみに、アメリカでは自殺したくなったら図書館に行こうという、そういうスローガンを掲げた図書館もあるほどであります。
 あと、相談業務というのをおっしゃいましたけれども、これも非常に重要であります。
 鳥取県でも消費生活センターに、例えば多重債務でありますとか、それから過払いの方でありますとかクレ・サラ事件とか、そういう方々がいらっしゃいますので、そういうところも、これは自殺専門ではありませんけれども、端緒が出るところということで相談業務を重視しました。
 国としてもこれから、私は、その相談業務というものを自治体と連携しながらもっともっとこういう時代でありますので強化すべきだと思います。実は今日から行政相談週間が始まりまして、国を挙げて声の小さい方々でありますとか弱い立場の皆さん方の相談に力を入れるようにということで、先般の閣議でも各関係の閣僚に、それぞれの持っておられる相談業務についていま一度督励をしていただきたいということをお願いをした次第であります。
 菅総理の所信表明の中に、強者の論理ではなく弱者に寄り添う、これからはそういう政治をしていかなきゃいけないということがありまして、私はまさにそのとおりだと思うのであります。その最前線の一つが行政相談でありますので、ちょうどいい機会でありますから、各関係機関、連携しながら自殺予防につながるような施策の実を上げていきたいと考えております。
#94
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 さて、地域自殺対策緊急強化基金を昨年度より設けているんですが、それを活用して自殺対策をより充実させている自治体もある一方で、役所にパンフレットを置くだけなど、うまく活用できていない自治体もございます。現在、三年間の事業のちょうど中間点になるんですが、これまでについてフォローはできているのかどうか、岡崎大臣に伺わせていただきたいと思います。テレビCMですとかいろんなシンポジウムはたくさん企画されているんですが、どうもイベント会社にお金が流れるだけなのではないかと、本質的なところにお金が流れていないのではないかという懸念がございます。
#95
○国務大臣(岡崎トミ子君) お答えいたします。
 この基金につきましては三か年百億ということで行われておりますけれども、厳しい財政事情ではありましたけれども、現下の自殺をめぐる厳しい情勢を踏まえまして、様々な要因で追い込まれた人々に対してセーフティーネットとしてつくられたものでございます。
 基金が効果的、効率的に活用されるように各地域において自殺対策強化のためにこのことが使われていくことが重要であるというふうに思いますけれども、ちょうど平成二十一年度、これ九月議会で条例でつくって十月から年末にかけてやっていったというようなことで時期的なものもあるようなんですけれども、この事業別の執行割合を見ますと、平成二十一年度の実績では普及啓発事業が全体の半分近くを占めておりますが、平成二十二年度の計画ではボランティアによる交流サロン、皆が集えるところが必要だということでこれを行うこと、また、地方自治体の創意工夫によって強化モデル事業が、市町村に対してそれぞれ補助事業の割合が大幅に増加をしているということについて御理解をいただきたいと思いますし、各自治体におきましては効果的な対策の立案、実施が進んできているものと考えております。
 政府といたしましては、自殺対策推進会議等におきまして基金の活用状況を評価して、効率性、有効性を実施、検証しているところでございます。
 また、都道府県別の自殺対策主管課長会議におきまして、優れた取組については、きめ細かい情報提供を行うことを通して各地域における自殺対策のより一層の強化に努めていきたいと考えているところでございます。
#96
○松浦大悟君 総理、これまでは自殺対策というのは、厚労省と内閣府、あるいはそれぞれの省庁で縦割りでございました。昨年、民主党に政権交代をしまして、自殺対策緊急戦略チームが設置されて、ライフリンクの清水代表や秋田大学医学部の本橋教授などが参加するようになったと。しかし、清水代表は、仕事をする中で非常に大きな官僚の壁を感じたと言います。官僚がすぐに動いてくれない、様々な理屈をこねて、これはできませんと言う。政務三役に相談しても、一人が二十も三十も政策を抱えていて、自殺に集中してもらえない。これは、同じく内閣府参与だった湯浅誠さんも同じ悩みを抱えていたと思います。NHKを始め様々なドキュメントでこの湯浅さんの葛藤が描かれていました。
 こうした鳩山政権の教訓をどう生かして、政治主導をどう確立していくのか。まさに、これから始まるタスクフォースをどう動かしていくかということにつながると思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#97
○内閣総理大臣(菅直人君) この自殺の問題、三万人を超えてもう十数年、鳩山内閣で大変力を入れて、私も副総理として一緒にやっておりました。ある時期、前年よりも大分減りそうな傾向だったんですが、七月ごろになって残念ながらまた元の水準に戻って、何とかしなければということで、また私の内閣に引き継いだ中で努力を始めているところです。
 今おっしゃったライフリンクの清水さんにも再度内内閣府参与になってもらいましたが、縦割りと政務三役が忙しいということの御指摘がありました。縦割りの問題、あらゆる問題でいつも一つの障害になりますが、これは何としても越えれるように私もしっかり目配りをして、特に岡崎担当大臣がおられますので、その下で努力をしていただきたいと思っています。
 また、政務三役が忙しいというのは、余りこういう席で言うのが適当かどうか分かりませんが、今内閣府というところが、大臣の数も副大臣、政務官の数も非常に現在の法律では制約をされておりまして、これは野党の皆さんにも是非、政治主導法案の中にそれを増やすものも入っておりますので、是非御協力もいただきたいと思いますが、その分、逆に言えば、松浦さんのように党の中で活動をされている皆さんにもまさに一体になってやっていただきたいと。
 今日はこういう、まさに公の場でいただきましたので、私も改めて岡崎大臣と相談をして、タスクフォースがしっかり機能するようにフォローできるところはフォローしていきたいと、こう思っております。
 加えて、せっかくの機会ですから、テレビを見られている皆さんにも、私もこの間、自殺予防週間キャンペーンの九月十日のスタートのときに私も一緒に激励に訪れて、そういう活動をすると、やはり自殺をちょっと考えていた人も、そういう報道を見るとやっぱり少し頑張ってみようかなとか思って、少しその率が下がったりしております。
 そういう意味では、私の恩師であった大学の教授も長い間いのちの電話という活動をやっておられましたし、今でも多くのところでそういう活動がされている。あるいは、保健所やそういう場所でも相談窓口がありますので、そういう何か悩みを持っている方は、いろんなところにそういう窓口があるので是非そういうところに足を運んでいただきたいということを、このテレビの報道がされているところで私からも申し上げておきたいと思います。
 そんなことで、松浦議員にも是非党としても努力をしていただいて、こういう場以外でもまた必要であれば御指摘をいただければ私も全力を挙げてフォローしていきたいと、こう思っております。
#98
○松浦大悟君 ありがとうございます。本当にテレビを御覧の皆さん励まされたと思います。
 自殺をされる方の七二%が自殺の前にどこかの相談機関に行っているというデータがあります。本当は生きたかったんだと思います。つながりの持てる温かい社会を私もつくっていきたい、そう考えています。
 さて、自殺のハイリスク層としましては、性的マイノリティーの方々の問題があります。例えば、性的マイノリティーの自殺未遂率は異性愛者の六倍という調査結果も出ています。社会の中で自分は承認されていないという不安が自殺に向かわせているのではないかと言われています。
 こうした性的マイノリティーの子供たちにつきましては、自らの性的指向を自覚し始める思春期の教育が特に重要だと考えますが、岡崎大臣、こうした子供たちへの支援はどう考えていらっしゃるでしょうか。
#99
○国務大臣(岡崎トミ子君) お答えいたします。
 自殺対策につきましては、相談支援体制の充実、これが大変重要だというふうに考えておりますが、社会における自殺に対する偏見ですとか、あるいは精神疾患に対する偏見、こうしたものを除去していくことが大変重要だというふうに思っておりますのと、メンタルな面で精神科医療体制、この充実というのは大変に私たちも重要だと考えておりまして、こうした取組を総合的に行っていくことが大切だというふうに思います。
 また、自殺の危険性の高い、いわゆるハイリスクの方々のその要因につきましては、きめ細かな対応が求められているというふうに思います。こうした取組、アルコールに依存をしている、あるいは農業・林業関係でうまくいっていない、あるいは主婦の方とか、いろいろな方々の悩みがあると思いますけれども、一体的にこうした取組を進めることによって、今おっしゃった性同一性障害ですとかハイリスクの皆さんたちに対して、様々な困難を抱えているそういう方々に対する支援、しっかり手が届くようにしていきたいというふうに考えております。
 以上です。
#100
○松浦大悟君 今年の七月二十三日に菅総理が本部長の子ども・若者育成支援本部が発表した子ども・若者ビジョンの中には、性同一性障害や性的指向の問題についても書き込まれております。
 私のところにも、こうした問題に悩み苦しみ、時に自殺すら考えてしまう子供や若者の声が届いております。このビジョンはそうした声を酌み取ったものだと理解しております。
 ところで、最近、性的マイノリティーに対する理解がまだまだ進んでいないなと感じる出来事がございました。
 国勢調査について性的マイノリティーの方々から回答しにくいという御意見をいただきまして、総務省の担当課長にお尋ねしたところ、先生も御地元抱えていらっしゃるんでしょう、こんな問題に興味を示すより地元活動をされたらどうですかと言われました。大変残念な思いがいたしました。
 国勢調査では同性カップルをどう扱うのかという質問をしたんですけれども、母国で正式に同性結婚をしている外国人で現在日本に住んでいる方でも別世帯として扱うんだそうです。たとえ配偶者の欄に記入しても、それは誤記、誤って記されたものと処理をされるということでした。
 統計調査として同性カップルを項目に入れている国も多いわけですから、現実をしっかり把握するためには私は必要ではないかと思っているんですが、総理はどうお考えになっているでしょうか。
#101
○国務大臣(片山善博君) 国勢調査の記入内容につきましては、今委員のおっしゃったようなことであります。これは、言わば記入の正確さを追求するなどの観点から、統計委員会に諮った上で決定して今回の実施に至ったものであります。
 今後のことにつきましては、これは委員が今おっしゃったようなことも含めて、性的マイノリティーの問題も含めて、今後の国勢調査の在り方をどうするかは、有識者の意見、それから統計委員会にまた諮ったりしながら今後検討していきたいと思っております。
#102
○松浦大悟君 性的マイノリティーであってもひとしく国民であることに違いはないわけで、あなたは想定外だと言われればだれだって悲しむわけでございます。来年、次は五年後ですけれども、次の国勢調査の在り方についての審議会も立ち上がるということでございますので、こうした声があることをしっかりと踏まえた対応がなされるものと期待をしたいと思います。
 さて、私の質問は、この後お昼を挟みまして一時からでございます。この後は農政について質問をさせていただきたいと思います。今日は、自殺対策について前半質問させていただきました。ありがとうございました。
 以上です。
#103
○委員長(鶴保庸介君) 質疑の途中ではございますが、松浦君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#104
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上哲士君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。
    ─────────────
#105
○委員長(鶴保庸介君) 休憩前に引き続き、平成二十年度決算外二件を議題とし、質疑を行います。
#106
○松浦大悟君 民主党の松浦大悟です。
 午後は農業について伺います。
 先ほどお配りした資料で、一番最後のページをおめくりください。これは、先日、秋田県の二〇一〇年産米の減収が前年比で百六十億七千万円という新聞記事が出されました。その新聞記事の基となった資料でございます。これは、秋田県が秋田県議会に提出した資料を私が入手したものであります。
 率直に言って、皆さん、この計算を見てどう思われるでしょうか。百六十・七億円の中には、戸別所得補償のモデル事業の定額部分と変動部分が含まれておりません。もらえる部分が含まれていないんです。これを差し引くと、実際の減収はおよそ十一億円ということになります。地元の新聞秋田魁はこれを正確に報道したんですが、一面の見出しに「一〇年産米、百六十一億円の減収」と出たものですから、この数字だけが独り歩きをしてしまったということなんです。正確には、今年のモデル事業の定額部分や変動部分が交付されるので、それを差し引くとおよそ十一億円の減収、これが正しい数字なんです。私は、今年、秋田県は作況指数九四の不良という中で、戸別所得補償があったからこそここまでの減収で済んだのではないかと思います。
 この県の試算自体について私は粗っぽいように思うんですが、鹿野大臣はどうお考えになるでしょうか。
#107
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、松浦委員から御指摘の件につきましては、まあいろいろこういう試算は前提とする数字の置き方によって変わってくる場合もありますけれども、この資料で一つだけ私どもの考え方を申し上げますと、平成二十一年度におけるいわゆる米の米価については、最初に全農が新米の出回り当初に設定した基準価格を置いているんですね、一万二千八百円というのは。ところが、当然、年を通してどれだけの金額でどれだけの価格で販売されたかと、いわゆる定価ですね、その定価となってくると一万一千七百六十九円ということじゃないでしょうかと、こういうことなんです。
 ですから、一万一千七百六十九円、そうしますと、平成二十二年度の今の米価はここに書いてあるとおりに一万一千四百円です。すると、一万一千七百六十九円から一万一千四百円を引いたところのこの減収については、当然、この下にも書いてありますとおりに、定額の部分の交付もされますし、変動についても来年の一月に相対取引の価格が決まれば当然支給されるということになりますから、これは今、松浦委員がおっしゃるとおりに、こういう戸別所得補償制度というものが生きてくるんですよというようなことは申し上げることができるのではないかと思っております。
#108
○松浦大悟君 もう一つおかしいと思うのは、参考というところに作付面積の減少による減収ということが載っているんですが、三十九・八億円、これは、しかし去年の生産調整をしていない面積と比べてこれだけ減るということなわけですよ。今年は生産調整でしっかりそれをやっているんだと、しかもそこの生産調整をやったところは転作作物として飼料米だとか新規需要米だとかということで八万円もらえることになっている。その分が計算に入っていないんですね。ここも私はおかしいと指摘をさせていただきたいと思います。
 それから、戸別所得補償のモデル事業、本年度からスタートしましたが、交付金を得るための書類が非常に複雑な上に交付に時間が掛かり、年内は無理といった根も葉もないうわさが流れております。実際には、書類は確認の署名のみで、定額部分の交付も年内、十二月二十四日までにと、先日、秋田県知事と伺った際に筒井農水副大臣もはっきりとおっしゃっていただきました。不安を持っている農家の方もまだまだいると思います。大臣、制度の変わり目ですから、もう一度しっかりとしたメッセージを大臣からも発信していただきたいと思います。
#109
○国務大臣(鹿野道彦君) この定額部分に対する支払というものは、年度内に支給ができるようにということで私からも指示を出しておるところでございまして、その線に沿って今準備をいたしているところでございます。
 そういう意味で、これからもできるだけ年度内に、年度内というよりも年内に支払われるように引き続いて努力をしていきますが、農家の方々におきましても申請書を速やかに出していただきたいと、このことだけは申させていただきたいと思います。
#110
○松浦大悟君 ありがとうございました。しっかりと私たちも説明に回りたいと思います。
 さて、今月二十七日から特別会計の事業仕分が始まります。利権の温床とも言われる特別会計の改革に対する国民の期待も大きいと思いますが、蓮舫行政刷新担当大臣の御決意を伺いたいと思います。
#111
○国務大臣(蓮舫君) 弁舌さわやかな御質問をいただき、ありがとうございます。
 特別会計の仕分は、まさにゼロベースですべての会計をしっかりと見直しをしていきたいと思っております。特に、埋蔵金の有無ですとか、あるいは隠れ借金、あるいは隠れ資産、あるいは事業そのもの、そして最終的には制度そのものの仕分につなげたい。何よりも特別会計の情報を公開して、皆様方のこれまでの御懸念にこたえていくような仕分にできればと思っております。
#112
○松浦大悟君 私も、前通常国会で民主党内に設置された特別会計検証チームにおきまして、食料安定供給特別会計担当の主査として取り組ませていただきました。四月には当決算委員会でも質問させていただきましたが、米麦勘定のように、透明性の観点からむしろ一般会計化は難しいと感じる部分もある一方で、これは平成二十年度会計検査でも指摘されていますが、国有農地が無断転用されて飲食店に替わっているのに十年以上放置されていたり、あるいは組織の効率化で使わなくなった土地がそのままにされて、その土地の草刈りのために何千万円もの税金が使われていたりと、もっとうまく運用できるのではないかと思うような部分もかなりありました。
 そこで、前回指摘した部分は省きまして、MA米、ミニマムアクセス米について鹿野大臣にお伺いしたいと思います。
 我が国は外交上の義務でMA米を輸入しておりますが、売れ残りなどの問題でカビが発生しまして、廃棄処分する量が相当数出ております。MA米の保管費用にどの程度掛かって、廃棄処分はどの程度の量で、額はどのくらいか、お聞かせください。
#113
○国務大臣(鹿野道彦君) 平成二十一年度におけるMA米の廃棄数量は八百七十八トンであります。そして、MA米に係るいわゆる赤字費用というものは三百三十八億円で、廃棄処分に係るところの経費は一億二千百万円、こういうことであります。
#114
○松浦大悟君 保管に税金を使って、さらに廃棄処分のために税金を使うぐらいなら、課題も多いと聞きますけれども、これを食糧援助として使えないものかというふうにも思います。
 これからも、しっかりとこの問題にも取り組んでまいりたいと思います。
 私の質問は以上です。ありがとうございました。
#115
○川口順子君 自民党の川口順子でございます。
 総理を始め閣僚の皆様には、連日、朝から夕方まで大変にお疲れさまに存じます。
 時間、限られておりますので、是非答弁は短めにしていただきたい、それから委員長の指名した方のみ御答弁をいただきたいと、お願いを申し上げます。
 まず、若干おさらいをさせていただきたいと思います。
 九月の二十三日に外務省の職員が那覇地検に呼ばれて話をしました。それで、外務大臣の御説明ですと、これは一貫していますが、尖閣諸島をめぐる歴史的な背景、中国がどのような対抗措置をとっているかという事実を説明したということでございます。間違いありませんね。
#116
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりでございます。
#117
○川口順子君 今後の日中関係については触れていらっしゃいませんね。
#118
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりでございます。
#119
○川口順子君 本件につきまして、柳田法務大臣にお伺いをいたしますが、先週の予算委員会での質問についての答弁の中で、柳田大臣はこれとは違ったことをおっしゃっていらっしゃいます。読ませていただきますと、身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係、今後の日中関係と言っていらっしゃいます、関係当局による今後の再発防止の努力、こういうことを私は承りました。両方の閣僚、おっしゃっていること違うんですね。どちらが正しいんでしょうか、柳田大臣、御説明ください。
#120
○国務大臣(柳田稔君) 昨日も答弁したとおり、二十四日の日の報告ではそういう内容を聞かせていただきました。
#121
○川口順子君 前原大臣のおっしゃったことと全く同じであるかどうかということを伺っておりまして、この白浜委員に対する答弁、これはもう議事録になっておりますけれども、これの答えはそうではない。どちらが正しいんでしょうか。今おっしゃったことはどういうことですか。もう一回きちんとおっしゃってください。
#122
○国務大臣(柳田稔君) 那覇地検が処分保留という決定をした際に、どういう内容だというときに報告を受けた内容でございます。
#123
○川口順子君 答弁になっていません。
 どういう話を外務省の職員から聞いたのかということを伺っております。前原大臣の答弁と同じなのか違うのか、明確にお答えください。
#124
○国務大臣(柳田稔君) 参考人としてお呼びをしました。その供述内容について詳細までお話しするのは控えさせていただきます。
#125
○川口順子君 いや、それは答弁になっていません。
 白浜先生、白浜委員に対して言ったことは、我が国の国民への影響や今後の日中関係とおっしゃっています。きちんとお話しください。そうしないと、もう答弁これ以上、あるいは審議これ以上続けられません。
 時間止めてください。
#126
○国務大臣(柳田稔君) お話を聞いた側から詳細にわたって報告をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#127
○委員長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#128
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#129
○川口順子君 二十三日に外務省職員から那覇地検が聞いた話の内容をお答えください。特に、議事録に今後の日中関係ということで載っている御答弁を白浜委員に対して法務大臣はなさっています。ですから、これとの関係で何を聞かれたか、お聞きをしています。
#130
○国務大臣(柳田稔君) 二十四日、那覇地検の方でコメントを発表いたしました。その内容をここで報告したとおりでございます。それ以上の詳細にわたっては、個別の案件でございますので答弁を控えさせていただきます。
#131
○川口順子君 全く答弁になっていません。
 法務大臣は、このことをもう何回も今まで答弁なさっていらっしゃるわけですから、しかも議事録に載っていることを言っていらっしゃる。この議事録は間違っているとおっしゃっていらっしゃるんですか。
#132
○国務大臣(柳田稔君) 何回も同じ答弁をさせていただいておりますし、それ以上のことにつきましては、検察当局として個別の案件に言及することは控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
#133
○委員長(鶴保庸介君) 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#134
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#135
○川口順子君 法務大臣は予算委員会において白浜委員に対しまして、外務省の職員から二十三日に今後の日中関係について、ほかのこともありますが、今後の日中関係について報告を受けたと答弁をしていらっしゃいます。これは事実ですか、どうですか。イエスかノーでお答えください。
#136
○国務大臣(柳田稔君) 那覇地検が二十四日に出したコメントの中に書いてございます。我が国の国民への影響や今後の日中関係を考慮いたしますと。そのことをここで申し述べただけでございます。
#137
○川口順子君 予算委員会で内容に踏み込んでおっしゃられたことを決算委員会では言えないというのは、これは決算委員会軽視であります。大臣は決算委員会を軽視している。
 イエスかノーでお答えください。今後の日中関係について外務省職員から聞いたかどうか。
#138
○国務大臣(柳田稔君) 刑事局長から今後の日中関係ということもお聞きをいたしました。詳細にわたってここで御報告するのは控えたいと思います。
#139
○川口順子君 今のはちょっと主語がはっきりしていませんが、大臣が、刑事局長から、今後の日中関係について外務省の職員が那覇地検に対して述べたとおっしゃったわけですね。確認です。イエスかノーでお答えください。
#140
○国務大臣(柳田稔君) 那覇地検が処分保留のままという内容の際に、どういうことかとお聞きしましたら、地検のコメントが、おっしゃったように、今後の日中関係、このことも含まれますという報告を私は受けました。
#141
○川口順子君 まだ質問に答えていませんね、大臣は。
 私が聞いたのは、那覇地検が外務省職員から、大臣がここでおっしゃったように、おっしゃっているんですから、自分で、今後の日中関係について聞いているということを言っているわけです。前原大臣は、今後の日中関係については外務省職員は一言も言っていないと言っているんですよ。
#142
○国務大臣(前原誠司君) 担当者でございますので、尖閣の歴史的な経緯、そして今どういう状況が起きているのかということを伝えてきたということでございます。
#143
○川口順子君 柳田大臣が自分の所管であるにもかかわらず答弁らしい答弁ができない。よく、申し訳ありませんが、それで大臣が務まっていらっしゃると思います。
 予算委員会の答弁を訂正なさいますか。
#144
○国務大臣(柳田稔君) じゃ、言い方を変えさせていただきます。
 那覇地方検察庁は九月二十三日、同地検において、外務省職員から、今回の事案発生後の日中関係の状況等について説明を受けたものと承知いたしております。
#145
○川口順子君 決算委員会軽視としか言いようがありません。予算委員会ではもっと詳しく述べていらっしゃいます。私は予算委員会の委員でもございます。
 ちょっと質問を変えさせていただきますが……(発言する者あり)
#146
○委員長(鶴保庸介君) 御静粛に願います。御静粛に願います。
#147
○川口順子君 柳田大臣は、前原大臣が明確に答えられたことを肯定なさいますか。
 時間を使わせないでください。
 前原大臣は、外務省職員が述べたことは尖閣諸島をめぐる歴史的な背景、中国がどのような対抗措置をとっているのかという事実を説明したと言われました。これは正しいですか、それとも事実と違いますか。お答えください。
#148
○国務大臣(柳田稔君) 先ほども申し上げましたように、九月二十三日、今回の事案発生後の日中関係の状況等について外務省職員から説明を受けたものと承知いたしております。
#149
○川口順子君 時間がもったいないので。いや、これは本当に遺憾だと思います、今の答弁の在り方は。
 これは文書、那覇地検が外務省の職員の言ったことを文書にしていると思います。どういう形の文書にしていますか。調書ですか。
#150
○国務大臣(柳田稔君) 個別の案件についてお答えは控えさせていただきたいと思います。
#151
○川口順子君 これがその陳述調書という形なのか、あるいはほかの形の文書なのか、いずれにしても文書が当然にあるわけですから、これは委員長にお願いをいたしますが、その文書を委員会に提出をして、国会に提出をしていただきたいと思います。お願いします。
#152
○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をいたしたいと思います。
#153
○川口順子君 なお、そのときに、これは外務省のだれが言ったかということは重要なことではありませんので、名前は伏せていただいて結構でございますし、これは前原大臣のお話では事実関係について述べたということでございますので、何ら国家機密にかかわるところはないと私は理解をしますので、文書を出していただきたいというふうに思います。
 いずれにしても、今のその法務大臣がはっきり答えられないというのは、これは事実をごまかそうとしている発想が背後にあるわけでして、前原大臣の言うとおりであれば、真っすぐにイエスと答えればそれで済む話であります。それが言えないということは問題でありますし、先取りして、先のことを言いますと、もしも前原大臣の言うことが正しい、これも柳田大臣は正しいともお認めになって今の時点ではいらっしゃいませんけれども、ということであれば、事実から、それが今後の日中関係に問題があるということを地検が推測をしたということでありまして、地検がどのような知見を持ってそのようなことを言ったかということは非常に分からない、それができるわけはないわけでございます。本来、政治がリーダーシップを取って解決すべきことを地検に丸投げをしたということでそういうことが起こる、今のことはそういうことであるということでございます。
 そこで、官房長官にお伺いをいたします。済みません。その前に前原大臣にもう一度、もう一つお伺いします。
 事件が発生をしたときに、官邸で外務省の職員も集まって会議があったようでございますけれども、前原大臣は、一つの刑事事件が歴史的に今まで外交案件や大きな政治問題になるということはあるということをおっしゃっていらっしゃいます。何をその事件の第一報をお聞きになったときに考えられましたか。
#154
○国務大臣(前原誠司君) 御質問の趣旨は、私が国土交通大臣のときにということでございましょうか。
#155
○川口順子君 そういうことでございます。
#156
○国務大臣(前原誠司君) 初めての事例であると。今までは、小泉政権のときは入管法違反で強制送還をしているということでございましたけれども、今回の事案については公務執行妨害、しかも漁船が海保の巡視艇に体当たりをしてくると、こういう事案でございましたので、極めて悪質な事案であるということを踏まえて海保が判断をしたわけでございますけれども、もちろんこの話を聞いたときには、今までと違う対応をすることによって中国がどのようなリアクションをしてくるのかということは、そのときは国土交通大臣でありましたけれども、国務大臣でございますので、当然ながら考えました。
#157
○川口順子君 それでは、官房長官にお伺いをいたします。
 事件発生の夜、官房長官御出席の下で会合が開かれた、そこでその逮捕の方針が説明されたとお聞きしましたけれども、官房長官はそのときにこの先をどのように見通していらっしゃいましたか。
#158
○国務大臣(仙谷由人君) 先を見通していたかと言われても、刑事事件でもありますので、刑事事件の処理として検察庁に送致をされるのかどうなのか、あるいは検察庁が勾留請求をするのかどうなのか、それにしては情況証拠がまだまだ必要だなというふうに私自身は考えておりました。で、十八時十五分過ぎだったと思いますが、逮捕状の請求の手続に入るということを聞いたわけであります。
#159
○川口順子君 もう少し広がりのある御答弁をいただけるものかと思っておりましたが、刑事事件でもありますけれども、同時に、先ほど前原大臣がおっしゃったように、先に大きな影響を及ぼし得る問題である。
 官房長官は、その危機管理あるいは日中関係の今後についていろいろお考えになりながら判断をなさるお立場の方、あるいは調整をなさる方でいらっしゃいますから、この刑事事件が日中関係にどのような形で影響を及ぼすことになるかということについて、何かお考えになられましたでしょうか。まさか何も考えなかったとはおっしゃらないと思います。
#160
○国務大臣(仙谷由人君) 当然、外務省の職員もいらっしゃいましたので、外務省の方から中国側とのやり取り及び中国政府の公式発表等、こういうものも聞いておりましたし、それから今後、中国側がどう出てくるかということについても逐次報告は受けておりました。しかしながら、今回は我が国領海内における公務執行妨害罪という犯罪行為でありますので、自分としては、国内法に基づいて粛々と対応するという捜査当局の方針を、それでいいということにしたわけであります。
#161
○川口順子君 粛々と対応をしていくというふうにおっしゃられていますけれども、同時に、官房長官は検察でおありにならないので、官房長官としてそれが日中関係にどのような影響を及ぼし得るかということを同時に考えなければいけないお立場である。検察に任せておいていい案件なのか、あるいは政治的な判断が必要な案件なのか、その比較考量をなさったと思いますが、どのようなその比較考量をなさったでしょうか。
#162
○国務大臣(仙谷由人君) 当然、中国の方からは相当程度の抗議等々があるだろうというふうに考えておりました。
#163
○川口順子君 その程度というのは、現実に起こったことと比較していかがでしたでしょうか。それを上回ることが起こり得ると思われたのか、あるいはそこまでは行かないと思われたのか、どちらでしょうか。
#164
○国務大臣(仙谷由人君) 後から振り返ってみますと、十九日までは私の予想の想定内であったというふうに思います。
#165
○川口順子君 十九日というのは、船長の勾留を延長したときであるわけでございます。
 それで、そういうことが起こり得るということを知りながら、ある程度考えながら、それでも検察に任せるのが場面である、政治が出る場面ではないともしお考えでいらしたとしたら、長官は過去の歴史あるいは日中関係の重要さについて官房長官にふさわしい見識を持っていらっしゃらなかったのではないかという危惧を私は持ちます。
 それで、本件は、世論調査をしても、検察に丸投げする話ではないというのが国民一般の感じ方であるというふうに私は思っております。ある判断を下して、これは政治が前に出て責任を全部自分でしょって、そして采配をする話であるのに検察に丸投げをした、しかも、ある問題が起こり得ると分かっていてそうなさったということは非常に私は問題である判断であったというふうに思います。
 自民党の中では、これはもう本当に百対ゼロで中国に負けたという判断がございますけれども、という意見が、判断ではなくて意見がございますけれども、そういったことを招いてしまったということは私は非常に問題で、官房長官はここはやはり政治が前に出るべきであったというふうに反省をなさっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#166
○国務大臣(仙谷由人君) 川口先生にもう言葉を返すようで失礼なんでありますが、逮捕したことが、逮捕手続に海上保安庁が入ることが間違っていたのか。あるいは、勾留請求をすることをむしろ政治の立場からやめろと、従前の自民党政権下のように、勾留請求をしないで釈放せよという政治的な判断を政治の側から……(発言する者あり)いいですか、政治の側からそういう政治的な判断を、言わば指揮権発動に似た行為をすべきだったと、こうおっしゃるのか。
 さらに、勾留請求後、政治の立場で判断をして指揮権を発動して釈放せよということをやらなかったからあなたは政治的に見識がないとおっしゃっているのか。あるいは、勾留延長をさせたことがまずいと言っているのか。あるいは、釈放を検察当局がしたことについて、検察当局ではなくて政治の立場から指揮権を発動して、検察が何を言おうと釈放させなかったということが政治が責任を取ってないとおっしゃっているのか。
 私は、やっぱり自民党の、川口先生も、自分のポジションを決めてから私を批判していただかなければ分からないということであります。
#167
○川口順子君 今のは官房長官流の質問のすり替え、分かっていてそういう御答弁をなさっていらっしゃるんだろうと思います。
 私は、中身について今までのところ何も言及しておりません。態度の問題、姿勢の問題として、そもそも最初から問題が起こり得るのを分かっているわけですから、政治が前面に出て責任を取るべきであるということを申し上げているのであって、それを全部検察に任せ、検察の言っていることを了とした、実際は、実のところは陰で糸を引きながらということだろうと思いますけれども、といううそを国民に対してついていらっしゃるという態度がおかしいということを申し上げているのであります。ですから、それはもう本当に政治あるいは政治家、官房長官として取るべき態度ではないということを申し上げているんです。
 もう一度、コメントを短くお願いをしますし、その後で総理の感想を伺います。
#168
○国務大臣(仙谷由人君) 刑事事件処理ということは、刑事司法の手続の中でこれを処理するというのが最もいいというふうに判断しているわけであります。
#169
○川口順子君 政治家として、官房長官として比較考量をなさった上に、政治が前面に出ることをしなかった。これだけで官房長官あるいは政治家としてまさに失格であります。それで、失格の上、更にその内容についてうそをついたということは更に二重の失格であるということを申し上げているわけで、そこについて御感想をと申し上げたんですが、時間もったいないですので。
 総理、今の菅内閣のこの問題についてのリーダーシップ、政治としてのリーダーシップの取り方、日中関係を律するに当たっての政治としてのリーダーシップの在り方について問題があると私は考えておりますが、いかがでしょうか。お考えではありませんでしょうか。
#170
○内閣総理大臣(菅直人君) 川口議員も二〇〇二年から第一次、第二次の小泉内閣で外務大臣を務められたわけですから、そういう外交におけるいろいろな場面にも多分遭遇されて、いろいろ苦労されたことだと思います。
 私、今回の問題、まだある意味では終わったという状況にはなっておりません。基本的にはこういう問題、最終的には後の中でどういう評価を受けるか、もっと長く言えば歴史の評価がどう受けるか、ありますけれども、私はこの間の我が内閣の対応は適切であったと、こう考えております。
#171
○川口順子君 総理のお考えは国民のみんなが考えている、国民が考えていることとは大幅にずれているということを申し上げているわけです。
 政治は責任を取るべし、こういうことについては政治は前に出るべし、政治はすべてこの問題について、結果がどうであるということを今申し上げているのではなくて、政治の責任の取り方、菅内閣の取り方、責任の取り方についてこれは国民を愚弄している、あるいは国民とは意見が違うということを申し上げているわけです。
#172
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、今も申し上げたように、川口議員も二〇〇二年当時に外務大臣をやられたわけです。それから八年が経過しております。今の状況を、例えば今の世論調査とかでいえばいろんな批判があることは重々承知をしております。しかし、同時に、いろいろな立場の人は別の評価をされている方がいることも私はいろんな方から聞いております。
 そういう意味で、今の私が申し上げたのは、今の評価がどうだということを申し上げたのではなくて、歴史は必ずこのときの菅内閣の対応は適切であったと、そういうふうに評価すると私は確信して申し上げているわけです。
#173
○川口順子君 私も確信をして申し上げております。
 先般、ノーベル平和賞に、劉暁波氏がそれを受賞したときに、それをめぐって今、中国政府はノルウェー政府に圧力を掛けています。閣僚の交流を停止するということも言っています。
 もし、日本が政治の主導できっちりした態度を示して途中で勾留延長後よなよなと方針を変えるようなことをしなかったらば、中国政府は恐らく今そういう態度を取れていたかどうか、取っていたかもしれませんけれども、日本はノルウェー政府にとっていいお手本になったはずでございます。そうならなかったということが非常に残念であるということを申し上げて、時間大分取ってしまいましたので、少し質問を飛ばして先に行かせていただきます。
 今回の措置、今回の状況でかなり中国は矢継ぎ早にたくさんの対抗措置をとりました。それで、私、これを表にして配らせていただきましたけれども、これについて十分ではないと思います。
 ということですので、もしこれについてどういう分析ができるか、あるいは、これでももっと外務省として知っていらっしゃることおありかと思いますけれども、前原大臣はこの中国のとった措置をどのように評価をするか、分析をするか、おっしゃっていただきたいと思います。
#174
○国務大臣(前原誠司君) 川口委員からこの対日措置について表を作っていただいておりますけれども、私、累次、記者会見等でも申し上げておりますけれども、中国がとってきた対抗措置というのは極めてヒステリックなものではないかと、このように思っておりますし、また、レアアースの問題については、商務省は、中国の商務省はそういうような措置はとっていないというふうには言っておりますけれども、現時点においてもまだ正常に戻っているとは言い難い状況でございまして、そういうものを含めると、結果としてWTOの考え方にそぐわないような状況も生まれてきているのではないかと、こういう思いを持っております。
 いずれにしても、冷静に対応してもらいたいという思いを累次伝えているところでございます。
#175
○川口順子君 私も同じ思いを持っておりまして、この間、山梨県がやった調査を見ましたらば、一万人ぐらいの観光客がキャンセルをしたというデータがございました。山梨県一県でそういうことですから、もっと大きな影響があったというふうに思います。
 先ほど総理におっしゃっていただいたように、私、小泉内閣で外務大臣を務めさせていただきましたけれども、そのときは政冷経熱という言葉がありましたが、総理自身も、二国間で往来は一時途絶えましたけれども、マルチの場で、いろんな場で会っていらっしゃいました。それから、私自身は外務大臣としてその間、中国にも何回も行きましたし、いろんな場で中国の外務大臣とは交流をいたしました。全く何も、総理と向こうの首脳とが会わなかった、相互にバイの訪問をしなかった、そしてその結果として会わなかったということを除けば、もう日中の交流は全く途絶えていない状況にあったわけです。それに比べて今回のその今の状況というのははるかにひどいということでございまして、先ほど正しいステップを踏んでいらっしゃるというふうにおっしゃいましたけど、全くそういうことではないということと私は思います。
 それで、質問を先に続けたいと思いますけれども、総理、大事なのは、今後、日中関係をどのように修復をしていくかということであります。総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#176
○内閣総理大臣(菅直人君) 小泉内閣の当時、外務大臣を務められた川口さんの口から政冷経熱という言葉が出ました。私は、政冷経熱ではなかったと、政冷経冷だったと思います。
 中国に私もこの間いろいろな形で出かけてまいりまして、この十年間の中国に対するいろいろな経済の日本の関与の遅れ、多くの場合、ヨーロッパが日本に代わって当時からどんどん入ってきて、そして今やヨーロッパの企業の下請を日本が中国の仕事で多くをしております。なぜこんなことになったのかなと思ったら、ODAがちょうど終わるころに、まさに政冷経熱といいながら実際にはそれを切り替えることが、あの国ですから、そんなに政治と経済を完全に分離するような国でないことは今回だって明らかじゃないですか。そういう意味で、政冷が経冷にもつながってきたことが日本の大きな失敗につながっている。これが十年、あの小泉内閣の大失敗だということをまず申し上げた上でお答えしましょうか。
 ですから、現在の状況は、先ほど来申し上げて……
#177
○川口順子君 済みません、今後。
#178
○内閣総理大臣(菅直人君) ええ、現在から今後の状況については、先ほども申し上げましたけれども、まだ九月の七日にこの事案が出て一か月少々で、まだある意味で継続しております。
 しかし、一般的に言えば、次第次第に元の形、私は六月の時点で、総理になった時点で胡錦濤総書記との間で戦略的互恵関係ということを確認いたしましたが、その六月の時点に戻ろうということを私、温家宝総理と話をして合意をいたしました。そういう方向に今次第に戻りつつあると、そういう認識を持っていて、経済的にもそうなっていくであろうと、そういうふうに見ております。
#179
○川口順子君 総理はよくデータを見てからおっしゃっていただきたいですね。日中関係の貿易あるいは日本の投資の大きさ、ヨーロッパとは比較になりませんということを申し上げたいと思います。
 それで、今後の話ですが、戦略的互恵関係と総理はよくおっしゃいます。総理はよもやそれを知らないということではないと思いますけれども、戦略的互恵関係という言葉はそもそも二〇〇六年に安倍総理が訪中をしたときに、先方、中国側と合意をしてつくった言葉であると。これ、御存じですね。
#180
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ、言葉の出典がどの時点でどうだったかということは私もそれほど詳しくは存じ上げません。
 ただ、現在の戦略的互恵関係というのがどういうことを意味しているかということは十分承知しています。つまり、日中両国が将来にわたり、二国間、地域、国際社会等々様々なレベルで互恵協力を全面的に発展させ、両国、アジア及び世界のために共に貢献する中で共通利益を拡大し、それによって両国の関係を新たな高みへ発展させていくという、そういう関係をこの戦略的互恵関係という言葉が表していると、こういう認識をしております。
#181
○川口順子君 いや、もう少し過去を勉強していただきたいと思いますが。
 戦略的互恵関係の包括的推進に関する日中共同声明、これは安倍総理が行ったときの共同、プレス、共同声明、共同発表を踏まえて胡錦濤中華人民共和国主席と福田総理との間で第四の文書と言われる文書ができた。日中関係の中で重要な文書幾つかありますが、これはその四番目の文書と言われる重要なものなんです。そこで戦略的な互恵関係という言葉ができたということを踏まえていただきたいと思いますが。
 その戦略的互恵関係、中身もう少し説明してください。
#182
○国務大臣(前原誠司君) 川口委員に申し上げますが、政権交代があっても私は外交や安全保障の大事な部分というのは当然継承すべきだと、そういうふうに思っております。
 また、例えば、私がよく使う言葉でアジア太平洋地域の公共財として日米同盟関係は極めて重要であるというのは、これは橋本内閣のときに安保の再定義がなされて、安保の再定義のときに橋本総理が、あのときはクリントン大統領との間で交わされたものだと思いますけれども、それは私は今も大変重要であり、また、より重要になっているというふうに思っておりますので、別に前の政権で使われたことについて我々が全否定をするということではなくて、大事なことについてはしっかりと継承していくという前提で申し上げれば、この戦略的互恵関係というものについても、将来にわたって二国間、地域、国際社会等様々なレベルにおける互恵協力を全面的に発展をさせ、両国、アジア及び世界のために共に貢献をして、その中で互いに利益を得て共通利益を拡大する、そのことにより両国関係を新たな高みへと発展をさせていくと、そういう意味だと認識をしております。
#183
○川口順子君 それでは、総理にお伺いをいたしますが、中国との間の戦略的互恵関係の背景にある要素というのは何でしょうか。もう少し分かりやすく質問をしますと、インドに対しては、これは時間がもったいないので申し上げますけれども、戦略的パートナーシップという言葉を使っております。インドに対して考えていることと中国に対して考えることと何が違うので二つ違っているんでしょうか、あるいはインドと中国に対する付き合い方は何が違いますか。
#184
○国務大臣(前原誠司君) 歴史的にも中国と日本の関係というのは非常に結び付きの強いものがございますし、また地理的にも、あるいは現時点における経済的な貿易量、これは日本にとって最大の輸出国は中国でございますし、最大の輸入国も中国であると。中国からしても、最大の輸入国は日本であり、そして最大の輸出国はアメリカでありますけれども、二位は日本であると。こういうような経済的なつながり、歴史的なつながり、人的な交流、そういうものを比べると、極めて日中間というのは密接な関係があるというところからの違いだと認識をしております。
#185
○川口順子君 総理に今後の中国との政策をやっていただくのに際して是非認識をしていただきたいということは、総理は、今までのお話を伺っていますと、中国に対する今後の戦略あるいは政策というふうに伺いますと、戦略的互恵関係の話しかなさらないんですね。要するに、日中のバイのことしか考えていらっしゃらない、二国間関係のことしか考えていらっしゃらない。そういうことでは中国に対峙、中国に対処することはできないということを申し上げたいのでインドということを申し上げたわけです。ヒントを差し上げたつもりでおります。
 自民党のときの、安倍総理のときのこの戦略的互恵関係と今、民主党が使っていらっしゃることとの違いが何かということを申し上げますと、安倍総理は日米同盟をしっかりした。それから、インドとの間で戦略的なパートナーシップということをきちんと組み立てられました。その後、NATOとも話をしてこれもきちんとした。それから、豪州、オーストラリアとの間とも会って関係をきちんとした。そういう周りを固めた上で中国との間で戦略的な互恵関係というのをつくられたわけです。
 民主党政権の外交政策、中国に対するのを見ていますと、もう中国しか頭がない、日米関係そっちのけですよね。普天間、そしてもう一つ、インド洋沖の自衛艦からの補給をとっくにやめてしまった。そういう全体的な政策の構築をなさらないで、単に戦略的な互恵関係としかおっしゃらないということが問題であるというのを本当は討論をしたかったんですが、時間がなくなりましたのでこちらから申し上げさせていただきまして、次の質問に移りたいと思いますので……
#186
○内閣総理大臣(菅直人君) 委員長、委員長。
#187
○川口順子君 じゃ、短めにおっしゃってください。
#188
○委員長(鶴保庸介君) 菅総理。
#189
○内閣総理大臣(菅直人君) 私の所信表明あるいはこの間の行動をよく見ていただければ、今の川口さんの言われることが全く逆だということはよくお分かりだと思うんです。
 直接的にもですね、直接的にも、この六月に私が就任してからオバマ大統領と直接に二度電話を含めて三度会談をし、特にこのニューヨークにおける会談では、直前に前原外務大臣がクリントン国務長官とも話をされた中で、まさにこの中国の問題も起きているときに日米関係の同盟関係をより深めていこうと、そういうことで合意をいたしました。
 また、ASEMに出かけたときには、ベトナム、オーストラリア、韓国、そしてこれはフランスやドイツの首脳ともお話合いをいたしました。中身を事細かに申すことは控えた方がいいですけれども、当然、ASEAN諸国はこの中国の状況に対して大変関心を持っておりまして、日本の立場については相当の理解が得られたと思っております。もちろん、インドのシン首相ともその前のカナダにおけるサミットでもお会いをいたしましたし、今月末にはシン首相も来られることになっております。
 中国が地政学的にもどういう状況にあるのか、私は私なりに理解をいたしております。インドとの関係、ベトナムとの関係、ロシアとの関係、そういういろいろなものがあり、また日本もアメリカとの関係を基軸にしながら、そういう国々とより連携をしながらの関係を持ちながら、同時に中国との関係は、一衣帯水の関係の中で経済的な関係は積極的な形で対応し、そして、所信表明でも申し上げたように、今の台頭する中国は経済面だけではなくて、軍事面では不透明なところがあるということも所信表明で申し上げましたし、インド洋から東シナ海にわたる海洋活動の活発化についても懸念を持っているということは申し上げました。
 そういうことを含めて申し上げているんであって、日中でしか物を考えないというそういう見方は、見方そのものが根本から間違っています。
#190
○川口順子君 そういう答弁を初めからしていただければよかったというふうに思います。
 ASEAN、十月の終わりにASEANとの会議がありますし、日中韓の首脳会談というのもありますが、今後の第一の、大事なステップとして当然に総理はそこでお会いになられる、日中のバイの会談をするということを考えていらっしゃるんだと思いますし、前回、立ち話あるいは懇談であって、今回も廊下での立ち話、懇談ということではないと思いますが、見通しをお聞かせください。
#191
○国務大臣(前原誠司君) 先般、ASEMの会議で菅総理と温家宝首相の間で話合いをして、そして日中関係を正常化に戻していこうという合意をしていただきましたので、今、外交ルートを通じて二国間で話合いを進めているところでございます。
#192
○川口順子君 時間がないので質問にはしませんけれども、そこで何をやってくるかということも、いらっしゃる前に国民に明快にメッセージを発していただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りますけれども、防衛大臣に在日米軍駐留経費負担についてお伺いをいたします。
 今、特別協定の交渉中であるというふうに思います。それで、防衛省は、いわゆる思いやり予算、これを元気な日本復活特別枠で要求をしていらっしゃるというふうに聞きましたけれども、この特別枠というのは政策コンテストのプロセスを経て予算付けがなされるということになっているようでございまして、そういう過程自体がそもそも適切なのかどうか、私は大いに疑念を持ちます。
 毎年やっていることなので、今更別に元気な特別枠でやるものではない、及びそのコンテストの過程でこれは一般的に皆さんの御意見をいただいて決められるということになるわけですけれども、他方で、沖縄は全国で最大、最大というか最悪の、最低の、最悪の失業率を持っております。そういうことが、雇用がこれによって影響を受けるということになると非常に大きな問題であるというふうに思います。沖縄の事情をきちんと把握を踏まえた上でこのコンテストをやってくださるのかどうか私は非常に心配でございまして、防衛大臣にはその雇用の維持ということを十分にきちんと把握をしていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
#193
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 御心配をいただいて大変有り難いわけでありますが、今回のこの予算の作り方については、もう既に御存じだと思いますが、防衛省の予算というのは非常に硬直化しておりまして、こういうコンテストとかになじむ体制でないということは御案内のとおりです。しかし、内閣として一律にやると、こういうことであれば、この方法しかなかったということでやったということをまず御承知おきをいただきたいと思います。
 そこで、この駐留経費負担については、現行の特別協定期間、二十年から二十二年でありますが、包括的な見直しをする、こういう時期に来ているというのも一つ理由があったわけでありまして、今のところ日米の間で精力的に協議を進めておるわけでありまして、私も先日、十月十一日にハノイでゲーツ長官と会談をいたしまして、このコンテストの趣旨、そしてまた現在交渉が継続している内容についても十分お話を申し上げました。そして、日米両政府間でできるだけ早く合意をすべきであるということの重要性については認識を一致をいたしました。
 御案内と思いますが、駐留軍の労働者の数は現在二万六千人、そのうち日本は二万三千五十五人を上限として給与等を負担しておるわけでありまして、いずれにしても、この在日米軍駐留経費の負担については国民の理解が得られるような内容として解決をするということで、内容の細部にわたってはお話し申し上げるわけにはいきませんが、ゲーツ長官との間で理解を共有いたしました。したがって、駐留軍労働者の数が極端に減るとかそういうことのないようにしっかり努めてまいりたいと思っています。
#194
○川口順子君 是非、雇用を御配慮いただきたいというふうに思います。
 次に行きます。
 総理には、今回は環境大臣いらっしゃらないので、環境大臣としての御答弁もいただけるというふうに伺っています。大変にありがとうございます。総理のお答えですので、肝のところだけ伺わせていただきます。
 まず、コペンハーゲン合意というのがございまして、今年の一月ですけれども、それに従って日本は我が国の排出目標を出しました。これは先に私の方から言わせていただきますと、二〇二〇年に一九九〇年比で二五%削減ということです。そして、ただし書が付いておりまして、すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を前提とするというふうにただし書がございます。これについて、もうこれは今や大変に、特に現下の雇用情勢あるいは経済情勢考えますと大変に厳しい目標だと言わざるを得ないわけでございますけれども、総理はこれを修正するおつもりは、これはCOPの事務局に出した紙でございますけれども、修正するおつもりはありませんか。
#195
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、COP10が名古屋で行われていて、環境大臣がそちらに参っております。その出席を認めていただいて、野党の皆さんにもお礼を申し上げます。
 その中で私に、答えることになったわけですが、コペンハーゲン合意についてその修正を考えているのかということでありますが、修正は考えておりません。
#196
○川口順子君 もう一つ肝の質問をさせていただきます。
 メキシコ・カンクンでのCOP16の見通しですけれども、これは余り残念ながら明るくないということでして、つい週末、先週の終わりにEUの環境大臣会合もありましたけれども、今、合意ができないときには京都議定書の単純延長をしようという動きがございまして、このEUの環境大臣会合でも、合意ができなければ、これは京都議定書の延長については検討する用意があるというふうにEUも言っているわけでございますし、途上国は京都議定書の延長だと叫んでおりますし、アメリカは京都議定書に元々入っていない。こういうことになると、残念ながら日本は非常に孤立をすることになります。
 私も経験ございますけれども、そういった国際会議で孤立をするということは非常に厳しい状況ですし、まとまらなかったことの原因を日本がしょう、責任を日本がしょうということになりかねないということでございますけれども、京都議定書の延長を合意をするということは、先ほど総理が修正をしないとおっしゃった削減について、コペンハーゲン合意に基づく日本の提出した削減目標と相入れないということになります。なぜならば、主要な国の参加というのは京都議定書にはないからです。中国、アメリカが入っていない。
 したがって、日本としては、もしこのままいけば京都議定書の延長というのは合意ができないということになりますが、この延長を合意するということはありませんね。お答えいただきたいと思います。
#197
○内閣総理大臣(菅直人君) EUがこの問題で微妙な発言をしているというのは聞いておりますが、京都議定書の期間の延長を言っているというふうには必ずしも理解をいたしておりません。つまりは、すべての主要経済国が参加するグローバルで包括的な枠組みということを完全に放棄したとは思っておりません。
 そういうことを含めて、我が国としては、コペンハーゲン合意を踏まえて、すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みを構築する新しい一つの包括的、法的文書を速やかに採択すべきであるという方針には変わりがありません。つまりは、単純に京都議定書を延長することには反対であります。
#198
○川口順子君 京都議定書の延長には日本は反対の立場を取る、総理の口から明快におっしゃっていただきましたので、そういうことで、その枠組みをつくっていくことに、新たな枠組みをつくることに懸命に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、事業仕分に時間がありませんが入らせていただきたいというふうに思います。
 事業仕分、そもそも自民党が始めたことでございまして、行政の無駄減らしというのを不断に行うということは非常に必要であるというふうに思います。ただ、したがって事業仕分については非常に大事な仕事であるとは思いますけれども、やはり日本国のいろいろな法的な関係あるいは今までの破ってはいけない枠組み、これを壊すようなやり方というのは問題であると私は思っておりまして、特に立法府の権限との関係で私は問題があるんじゃないかと思います。今の民主党政権のやり方では問題があるのではないかというのが私の問題意識です。
 なぜかといいますと、これは特に春の事業仕分、事業仕分第二弾のことを考えていただければいいんですが、特別会計を対象になさったわけですけれども……(発言する者あり)特殊法人とそれから公益法人ですね、ごめんなさい、背景に、それを対象になさったわけですが、これ、それぞれ国の予算が入っている部分があるわけでして、国の予算全体は三月の時点で立法府が、国権の最高機関である立法府が通した、議決をした予算でございます。それを、ある民間の人を交えたグループの人がこれは要らないというようなことを言っていくのは非常におかしいのではないかということで、それを御説明いただきたいと思います。
#199
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 事業仕分は、私の理解では自民党が最初に始めたものではなくて、構想日本が各地方自治体で、とにかく住民も参加をして、皆さん方が政治に参加をして、その公金の在り方、事業の在り方を見直していこう、その上で国会においては、政党においては自民党さんがいち早くこの手法を取り入れたと理解をしております。
 今、川口委員がおっしゃった問題意識でございますけれども、私どもは国会でお決めになられた予算そのものの是非を議論したわけではございませんで、税金で行われている事業の、その手段として使われ方が果たして適切なんだろうか、費用対効果あるいは無駄遣いはどうなんだろうかという部分は外部の視点も入れて事業仕分という手法を行わせていただいておりますが、いずれにせよ、国会においても、こうした参議院の決算委員会においても、衆参の予算委員会においても、会計検査院等においても、また行政そのものも、とにかく国民の皆様方に納めていただいた税金の無駄遣いは許さない、様々な手法を使って税金の浪費を根絶するという部分で、その中の一手段として事業仕分があると私は理解しています。
#200
○川口順子君 国会が議決をした予算、これがその対象になっているということは否定できないと思います。特殊法人のことを一つ例に挙げますと、特殊法人でも国のお金が出ているというのは随分あるわけでして、ですから、それは国会として予算を通したわけですから、その通した予算がおかしいとおっしゃっていらっしゃるわけですよね。そういうやり方というのが、事業仕分について、それが単に、事業仕分というのがそれは議決した予算をおかしいじゃないかということでその腑分けをしてということで、それで削減をその結果するということでなければいいんですけれども、そういう形で例えば春の第二弾やられているわけですし、ついでに申し上げると、秋の第一弾というのは、これは政務三役がちゃんと省庁で機能していれば、政務三役がこの予算、財務省に要求するのはおかしいじゃないかと言うべき話であったわけです。
 ですから、精神において否定をしているわけじゃないんですけれども、枠組みとしておかしいと申し上げているだけです。
#201
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 委員の問題意識、よく分かりました。これは議論をさせていただきたいと思うんですが。国会でお決めになられた予算がもしこれが万全であれば、そうであれば参議院の決算委員会というのもなかなかその存在意義というのはどうなんだろうか。それは国会において決められた予算が執行されて、どのように使われたかというのは議論をするのはあると思います。ただ、事業仕分は、国会で決められた予算を全部否定をするものではなくて、実際に使われた段階で税金の浪費がないだろうかというのは、外部の目から行政そのものがチェックをするというのは、私は決して矛盾するものではないと思っています。
#202
○川口順子君 この決算委員会が対象にしているのは平成二十年度の決算でございます。したがって、議決をしたばかりのその予算を対象におかしいというのとは違うということを申し上げます。
#203
○国務大臣(蓮舫君) 前政権下におきましても、この参議院においては決算重視という部分で与野党共にとにかく決算と予算が連動するように急いで、そしてそこにおいては予算の健全性が担保されるために御努力をして今ようやく二十年までやってきたわけでございますが、実際に予算の執行というのはされていて、その予算が執行されている中で無駄遣いがあってはいけない、そこで行政が率先することで最速の決算の速報ベースを中心に仕分を行うことによって、ダブルチェックではないですけれども、税金の浪費を徹底的に改めるというのは、これは私はおかしいことではないと思っています。
#204
○川口順子君 続けたいんですが、時間が来てしまいましたのでやめざるを得なくなりましたが、おっしゃっていることは私の質問に対する答えではないと思います。
 私が言っているのは、平成二十年度の決算はこれはもう参議院としてやっていきます。それはいいんですけれども、事業仕分でやっていこうとしているのは、三月に国会が議決したばかりの予算、これをおかしいと言ってチェックをしようということですから、やはり、精神において事業仕分はいいところがあると思いますけれども、そういう枠組みで法令あるいは憲法違反があるんじゃないか、そのおそれがあるという危惧を持っている、枠組みの問題でおかしいと申しています。
 玄葉大臣には質問申し上げると申し上げて、ちょっと時間がなくなってしまいまして、申し訳ございません。次回に譲らせていただきます。
 ありがとうございました。
#205
○委員長(鶴保庸介君) 関連質疑を許します。丸山和也君。
#206
○丸山和也君 自由民主党の丸山和也でございます。よろしくお願いします。
 まず、質問を全般を通じて少し、全部ではないですけど、このパネルを上げさせていただきます。(資料提示)
 これは南洲翁遺訓ということで、西郷隆盛が言ったことを旧庄内藩の藩士がこれはいいということを書き残したと言われております。今回の質問にも関連しますので、しばらくここに置かせていただきます。
 決算委員会は平成二十年度の審査も終了していなくて、前国会において決算委員会を開いてくれということを再三我が党の方からも要求したんですけれども、民主党さんがいろんな事情を説明されて、大臣の出席が難しいという一点張りで、結局開かれないで終わってしまったということで、非常に決算重視の参議院にしては歴史に汚点を残したという思いがあります。それで、ようやく今日、決算委員会開いたわけですけれども、やはり月日が過ぎてしまうとそのとき聞きたいことも変わってしまいますので、これからは決算重視ということを、総理大臣あるいは官房長官、それからすべて、肝に銘じてやっていただきたいということを一言お願いしておいてですね。
 それで、いわゆる菅内閣が発足しまして多くの国民、まあ多くでもないかもしれないけど、かなりの国民がやっぱり期待をしていると思うんですけれども、この菅内閣というのは私も、官房長官に仙谷さん、仙谷官房長官が選ばれたということが僕、唯一の、これ本人目の前にしてあれですけれども、別に褒め殺しするつもりじゃないんですけれども、すべての閣僚を見ただけで官房長官だけは実力があるなと。人物、見識、まあ見識にもいろいろありますけど、人間的総合力としてですね。これはだから仙谷内閣だなというふうに私はそのとき思ったの。
 それで、ちょっと私の買いかぶりかなと思ったら、やっぱり菅総理大臣が官房長官に仙谷氏を指名した理由として、仙谷さんは実力のある方ですからと。ほかの大臣と比較されたのかどうか分かりませんけれども、そういうふうにおっしゃって、そういう意味では総理大臣も人を見る目があるんだなということで、まあ仙谷内閣のようなつもりで私もずっと見させていただいているんですけど。
 そこで、今回早速にというか、官房長官の力量が発揮されるべき事件が中国人船長の逮捕ということで起こりました。それで、いや、私もすばらしいと思ったの、すばらしいと思った。なぜすばらしいと思ったか。法に従って粛々とやりますと、国内法に従って粛々とやります。私も弁護士でやっていましたから、当たり前のことを粛々とやるということがどれだけ大事か、また時によってはどれだけ難しいかということをよく分かった上でおっしゃっていると、さすが仙谷内閣というぐらいに思いました。そして、当時国交省の大臣でありましたけれども、前原さんもやはり法に従って粛々とやりますと、こうおっしゃった。そのほかの大臣も、求められたときには皆その言葉に倣うようにして、法に従って粛々とやりますと。
 この言葉を聞いたとき、私はもう全く一%の疑いもなく、ああ、これは刑事訴追されるなと、恐らく、確信犯ですから、実刑か執行猶予かは別にして有罪判決が下りるなと、その後強制送還になるんだなと、私の弁護士経験から踏まえましても何の疑いもなく素直にそう思いました。恐らく日本国民すべてが、良識のある人はそう思ったと思うんです。法に従って粛々とやるということは、難しいことを言うまでもなく、単純にそういうことなんですよ。私は疑わなかった。しかも、逮捕の決定は私が下しましたと天下の前原さんがこうおっしゃったわけですから、それはもう間違いないなと二重、三重の確信をしましたところ、どうですか結果は。私はこれもまたびっくりしたんですがね。これは本当にびっくりした。二十五日に釈放されたと。すぐ、午前一時三十六分、釈放された。二時十三分、チャーター機で帰ったと。これを私、まさかと思ったの、誤報かと思って。それで、びっくりして、実は仙谷長官に連絡取らせてもらった。
 ここから先は、仙谷長官、多少しゃべってもよろしいでしょうかね。もし、どうしてもしゃべらないでくれと言われるんなら私は伏せておきますけれども。──特にあれがないようですから、しゃべらせていただきますけれども。
 これは、私は別に政治的に特別な意図があるとか、与野党対立して、こういうことじゃなくて、私が余りにもびっくりしたもんだから。法に従って粛々とやると言ったのが無条件釈放というのはどういうことかなと。私のだから法律の理解を超えていましたから、是非官房長官の意見をお聞きしたいということでお電話をさせていただいた。
 気さくな官房長官ですからすぐ電話に出ていただいて、これはちょっと問題あるんじゃないでしょうかねというふうに私はお聞きしました。すると官房長官は、どこが問題があるん、どう思うんやというようなことがありまして、君ならどう思うんだということがありましたんで、私は、先ほど言いましたように、訴追をされて、それから判決を得て、それで送還するなりというのが法に従って粛々とやることじゃないんでしょうかというふうに私の見解を申し上げさせていただいた。すると官房長官は、これはそんなことをしたらAPECが吹っ飛んでしまうでというふうに、来月ありますね、そこまでやっていいというなら別だけどねと、吹っ飛んでしまうでと、中国関係、国際関係の問題を考慮されたんでしょう。
 それで、私は、生意気でしたけれども、いいじゃないですかと、一度ぐらい、日本の国益が初めて日中関係で大々的に試されている時期なんだから、法に従って粛々とやることを一回やってみましょうよということをたしか申し上げたんですけれども。そこからは、今はその時期でないという御意見だったと思うんですけれども。
 詳しいことは分かりませんけれども、そういうことで意見は一致しませんでしたけれども、私は、いまだに法に従って粛々とやるということが阻害された重大事件だと思っている。
 それで、これが仮に、いろんな質問ありましたけれども、一種の政治判断からそうしたということなら、是非はあるでしょうけど一つの筋は通ると思うんですよ。でもこれは、これほど重大な事件でありながら、一那覇地検がしたからそれを了としたというだけでは、ちょっと結末の付け方が余りにも小さ過ぎる。大官房長官の発言にしては結末が小さ過ぎるという感じがしていまして、それで、私がここからは質問なんですけれども、総理大臣より官房長官に先にお聞きしてもよろしいでしょうか。
 じゃ聞かせていただきますけれども、官房長官は、官房長官の言によりますと、これは那覇地検の独自の判断であって一切政治的な意見は言っていないと、こういうことをおっしゃっているんですが、仮に百歩、万歩譲ってそのとおりだったとして、そういう決定を下して那覇地検が釈放してくれたということで有り難いなと思われているのか、勝手にそんなことしておれの出る幕がなくなったじゃないか、政治判断をしてやろうと思ったのにと、そこまで思われないでしょうけれども、重大な国益を、一地検がそういう釈放してしまって、結果は事なかれに終わったけれども大きな問題を残したなと、そういうふうに思われているのか、結果的に那覇地検の行為をよかったなと、やれやれと思われているのかどうか。この点についてひとつお聞きしたいと思います。
#207
○国務大臣(仙谷由人君) 丸山議員は、生まれた年、生まれた月が同じでございまして、私よりも多分八日お下でいらっしゃると思います。で、同業者でございますので大変好意的な御評価をいただいておりまして、誠に恐縮この上ございません。
 それから、さっき、この二十四日の後に先生からお電話をいただいたということでありますが、最近健忘症にかかっているのか何か分かりませんが、そういう電話で今、丸山議員がこの場で暴露されたような会話をした記憶は全くないことをまず申し上げておきたいと存じます。
 そこで、事件全体の評価、とりわけ九月二十四日の那覇地検の処分を聞いてどう思われたかと、どう思ったかと、こういうお話でありますが、私は、もうずっとお答えしているように、那覇地検が刑事訴訟法二百四十八条に従って、収集した証拠、捜査を遂げた上で、事件全体、総合判断をしてこういう処分をされたんだなと、そういうふうに受け止めたと、こういう次第でございます。
#208
○丸山和也君 昔から、記憶にございません、覚えていませんというのは政治家のよく使う言葉で、だんだん政治家も偉くなるとこういう言葉をよく使ってくるんですね。我々のようなぺいぺいだとなかなか使えないんですけど、官房長官ぐらいになると平然と覚えていませんと、記憶にございませんとおっしゃるものですから、記憶がないという人は今すぐに思い浮かべるのは無理でしょうからこれ以上は言いませんけれども。
 それに続いて、私は、ここにありますけれども、(発言する者あり)見えないですね。じゃ、私が読ませていただきますけど。
 正道を踏み国を以って斃るるの精神無くば、外国交際は全かるべからず。強大に畏縮し円滑を主として、曲げて彼の意に従順する時は、軽蔑を招き、好親(親しい交わりをするつもりが)却って破れ、終に彼の制圧を受くるに至らんと。
 まあ、これはずっと昔に語られた言葉ですけれども、こういう外交交渉で、あるいは武力衝突とまでは言いませんけれども実力が接触するような場面になると、いつもこういう言葉が思い浮かばれるときが来ると思うんですね。そういうときのやっぱり国を背負って立つ人の、要するに一種の気概ですよね。国を背負って相手と戦うんだと、戦ってでも国益を守るんだという気概がないと戦う前に敗れると。人間は腹さえ張れば生きていける、国は経済的に豊かにさえなれば強くなるというものでは決してないんだと。その気概こそが国を背負う人の一番大事なんだということを言っていると思うんですね。
 それで、ここからが私の官房長官との会話の一番いいところなんですよ。それで、私は官房長官に、まあほとんどお記憶ないですから気楽に聞いておいて結構なんですけれども。
 こういう無条件釈放するようなことで、粛々と法に従ってやりますという、天下の大閣僚がすべて述べられて、はっと気が付けば釈放してましたと。これでは国内的に収まらないのはもちろん、やっぱり、何といいますか、国家の気概、国民の気概として大きな損失じゃないか。いわゆる、いずれ、近くなくとも遠い将来に日本は中国の属国化、属国になっていくんじゃないでしょうかということを私はまあ生意気ですけど申し上げた。すると、官房長官、驚いたことに、いや、属国化は今に始まったことじゃないよと、こうおっしゃったんで、非常に冷徹な見方なんですね、これね。恐ろしいというか、現状認識が正しいというか。まあ属国化もしようがないと思われているのか、そういうことはないと思うんだけれども、そうおっしゃった。
 そこで私は、非常にやっぱりこれは予算とか決算の枠を超えて、国会で一回、国家の精神ということについて大官房長官と総理大臣に是非お聞きしたいと思っておるんですけれども、官房長官、思い出されたら思い出した範囲で、思い出されないとしたら、私の所見についてどのような、現時点でお考えになっておるのか、一言。
#209
○国務大臣(仙谷由人君) ちょっと南洲翁の遺訓を見せてください。西郷南洲翁遺訓で、以前私も読んだことがございます。
 丸山議員がおっしゃる気概というのは、私は、政治家であろうと庶民であろうと気概がなければ人生を全うできないとも思っておりますし、特に政治の道に進んだ者としては、まさに国民の生命、財産を守り抜く、そしてこの国の主権を進展させると、その気概を持たなければならないと私も常々言い聞かせているところでございます。
 ただ、ただ、気概が気負いになり、さらに勢い余った場合にどうなるかということも絶えず自戒しなければならない。西郷南洲翁がなぜ征韓論を唱えてついには参議を辞して鹿児島に帰られて、西南戦争を本意ならずとしてもその総大将に祭り上げられて倒れていくという過程が、その遺訓とどう、何というんですか、遺訓に沿っておるのか、遺訓と擦れ違ったところがあるのか、これまた私どもは拳々服膺しなければならないと思います。
 それで、属国論の話を先生と、丸山さんと電話で話した記憶は全くございません。ただ、属国、属領についてもし私が何らかの機会に丸山議員とお話ししたことがあるとすれば、ブレジンスキーが日本はアメリカの属領であるということを書いていることがありましたよねと、そういう言い方をした可能性はございます。
#210
○丸山和也君 ブレジンスキーの「ひよわな花」でしたかね、ああいう本も出していますけれども、ああいうことに関して官房長官と属国論についてお話をした記憶は私は一切ございません。
 それから、官房長官は非常に、要するに気概はあるんだけれども気負いになってやり過ぎて失敗してはいかぬというようなことを最近よくおっしゃっている。これが仙谷官房長官、いわゆる柳腰外交の真髄を言われんとしているんじゃないかと思うんですよね。ですから、柳腰外交という言葉自身は私は頭からけしからぬとかそういうふうには思っていないんですよ。どういうふうに使おうとそれは勝手で、中身だと思うんですよね。しなやかで、しかもしたたかでという、これは本当にそのとおりであればすばらしいと思うんですよね。
 ただ、私は、今回の経緯を見ても、法に従って粛々とやることが、起訴をして判決を取ることが、どうして気負いになって、やり過ぎで、調子に乗った行為になるのかと思うんですね。当たり前の、最低限度のことであるんじゃないかと。だから、少なくとも那覇地検がやったことについては残念であると、介入はしなかったけれども、そういう形で釈放したということは、私も弁護士だとおっしゃっているんですから、法に従って粛々とやると言った一人の人間としては誠に残念だと後から感想として述べられるくらいのことがあっても、決してこれは調子に乗った官房長官でも、気負いに乗った、気負い過ぎた官房長官でもないと思うんですが、ここら辺はどのように思われるんでしょうか。
#211
○国務大臣(仙谷由人君) 先ほどから申し上げておるとおり、今回の、九月七日から二十四日まで、そしてその後の、現在の日本を取り巻く、中国を含め、国際社会のこの雰囲気あるいは評価というものを御覧いただければ、私はここまではまずまず歴史の評価にも堪え得るだろうというふうに思っているところでございます。
 それから、先ほどおっしゃった、やっぱり気概の問題は大いに結構なんでありますが、名分といいましょうか、今の時代の外交とか国際政治における我々の行動というか所作というかビヘイビアは、やはり国際社会の、明治維新であれば万国公法ということでありましょうが、今の時代は、やはり国際法及びそれに基づくコモンセンスというものに対応できるというふうなものでなければ、あるいは広く国際社会から受け入れられるというビヘイビアでなければこれはもたないといいましょうか、適応性が、適切さがないという評価を受けるんじゃないかと私は思っております。
#212
○丸山和也君 この事件を耳にして私が思い浮かべたのが、ずっと古いですけれども、大津事件というのがありましたね。ロシア皇太子が津田三蔵でしたか、刀で切り付けられたと。それで、当時の伊藤博文含め権力者といいますか、これはやっぱり旧刑法に従って大逆罪というか、皇室等に、皇族に対する罪として、要するに死刑に処すべきだという非常に圧力を掛けたんですけれども、児島惟謙大審院判事が、いや、これは、法律はそういうことを、外国の皇族であろうが皇太子であろうが、日本の皇族というのには想定していないということで、あくまで法に従って粛々とやりますということで、はねつけたんですよ。それで、いろんな圧力があったけれども、結局無期懲役という形で国内法に従って粛々とやった。これが世界から随分評価されて、また日本の先進国としての評価が、先進国の仲間入りした、しようとしていた時期でしたけど、非常に国際的評価を高め、日本の権威、気概というものを世界に知らしめたといまだに語り継がれている。
 これと比べて、今回の事件が官房長官おっしゃるように国際的評価を得たとか高めたとかいうこととは、どちらかというと、現実的処理を事なかれ的に収めることには手早く成功したけれども、歴史的評価という意味では真逆であったんじゃないかなと。これはほとんどの人が、法律を余り知らない人でも、良心のある人ならそのように思うんじゃないかと思うんです。
 これ以上言いませんけれども、やはりこういうことが積み重なっていくと、日本国内で、経済だけじゃなく精神的な閉塞感、諸外国に対する卑屈さ、いろんな意味で、のぼせ上がりではなくても健全な覇気というものがやっぱり僕は損なわれるんじゃないかと。ここは肝に銘じて、官房長官も、その後私との会話も思い出されるでしょうから、是非、今後の外交方針に、アドバイスに当たって配慮していただきたいと思っています。
 そこで、続いて聞きますけれども、いわゆる尖閣諸島は実効支配していますと防衛大臣もおっしゃっていますし、恐らく政府の公式見解だと。これは辛うじてと、あえて仮に賛成するにしても、辛うじてということじゃないでしょうか。
 そして、歴史的にも法律的にもこれは日本の領土である、間違いないと日本国政府は言っています。しかし一方、中国では中国固有の領土だと言っている。しかも、これ衆議院の予算委員会でも戦略的国境ということが石破委員から出ましたけれども、中国の文書、ある文書では、これ私直接見ていないんですが、それが正しいとすれば、中国の公の文書においても、国境は、国と国の国境は国力に応じて定まるんだという文書があると。これはまさに、国力を増大して他国の領土で周辺でも実効支配していけば、それはやがて国境になるんだというフィロソフィー、考え方なんですよね。だから、こういうことを公然とやっぱり公の文書で述べている国と対峙していくということの難しさがここにあると思うんですよ。
 そうなると、尖閣諸島は日本が実効支配していると言っていますけれども、もっと、理屈の上だけじゃなくて、本当の意味での実効支配をするために政府はどのようなことをお考えになっているのか。例えば、基地を建設するとか、あるいは常駐部隊を駐留させるとか、あるいは民間でもいいですけれども日本人の居住を認めるとか、こういうことについて何らかの対策を取る必要があると思うんですけれども、前原大臣、そもそも今回の件は、尖閣諸島の今回の逮捕の事件の発端は、大問題にした張本人はあなたなんですよ、私が逮捕を決定しましたと。だから、見ようによれば、前原大臣が火を付けて、仙谷長官が火消し役に回ったというような感じなんですよ、私から見れば。
 そういう意味で、張本人としてこれからの尖閣諸島の実効支配に向けてどのようなお考えがあるか、政府統一見解じゃなくてもいいですけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
#213
○国務大臣(前原誠司君) 逆質問をできないのがつらいんですが、まず一つは、衆議院でもそういう新聞の記事を引用して、それを決め付けて質問をされた方がおられました。それについては違いますということを答えましたので、別に張本人と言われることについてやぶさかではありませんが、事実ではないということは申し上げておきたいと思います、その記事はですね。
 しかし、じゃ今までの、かなり威勢のいい質問をされておりましたけど、逮捕をすべきではなかったという前提に立っておられるのかどうなのかということを私は今の御質問を伺っていて逆に不思議に思いました。あれほど、まあビデオを見ておられないのでお分かりでないかもしれませんけれども、言ってみれば公務執行妨害、そして体当たりをしてくるということについてどう判断をするかということで、海上保安庁が、今までではない事例でありましたけれども、実際問題逮捕したわけですね。その後の経緯については先ほど議論がありましたけれども、そういう意味においては、私は海保が逮捕をしたということについては間違いではなかったというふうに思います。
 それで、御質問ですけれども、実効支配はできているわけですよ。実効支配はしているし、そしてこれは前政権からずっと同じような形で来ているわけですね。
 もちろん今後、今年で日本のGDPというのが中国に抜かれます。あと、このまま行くと八年間で日本のGDPの約倍になるでしょう。そして、この二十年間で中国は国防費を約十九倍にしているわけですね。毎年毎年前年度比一〇%増で来ているという中で、我々はこれから実効支配をしていかなきゃいけないということになれば、委員がおっしゃるように相当程度の我々はやはり覚悟を持たなくてはいけないというふうに思うわけでありますが、しかしこれも、先ほど来から委員がおっしゃるように歴史的に見てもこの尖閣というのは日本固有の領土でありますし、中国は一九七一年になってこの海域に、海底に天然ガスや石油があるということが分かり始めてから手を挙げ始めて、いわゆる後出しじゃんけんのようなものでありまして、そういう意味においては、これからも我々はこの尖閣諸島を今までのように実効支配をしていくと、それに私は尽きるんじゃないかと思うんですけれども。
#214
○丸山和也君 私は、逮捕したのをどう思われるかと言われると、私はもう当然のことだったと思っていますし、最初から言っていますように、逮捕、起訴、判決、それからそれに基づく送還なら送還と、ここまでをやって粛々とやると。
 これは、中国がどんなにがんがん言っても、いや、これは国内法の手続で当たり前のことなんですと、腰を低く、まさに柳のような感じでやり合えばいいじゃないですか。申し訳ございません、これは国内法で当たり前のことでやっているんですからどうか御勘弁をと、そこでこそ柳のように折れて、それで判決取って強制送還すれば、やっぱりやるなと。これが本当の柳腰外交じゃないですか。いきなり折れてしまっては、柳のこのしなやかさがないんじゃないでしょうか。
 と思うんですが、前原大臣は、こういう釈放になったことについて、まあ介入はしなかったという前提で結構ですけれども、残念だと思われているのか、いや、早く地検が釈放してくれてよかったなと思っておられるのか、そこを簡単にでいいですけれども。
#215
○国務大臣(前原誠司君) 累次答弁があるように、検察が決めたことでありますので、私それをそのとおりに政府の一員として思っております。
 ただ、問題は終わってないんですよ、この問題は。何度も私は国会で答弁をしておりますように、先ほど大津事件の話をされました。一刑事事件が外交問題になったり、あるいは戦争になったりしたことというのは、古今東西ごまんとあると思いますよ。やくざの抗争だってきっかけは一刑事事件なわけですよ、結果的には。しかし、それが大きな抗争になっていき、あるいは戦争になって外交問題になるなんというのがあるわけで、今この日中問題というのはまさに外交問題として横たわっているわけですよ。だから、折れる折れないとか、何の、柳の定義がよく分かりませんけれども、これをしっかりと日本の立場を守りながら日中外交をこれからやっていくということじゃないですか。エールを送ってください。
#216
○丸山和也君 前原大臣は、私ずっと見ていると、出足は勇ましい、最後はいつも割かし動かないという感じで、応援はしているんですけれども、本当に柳腰外交ならしたたかに、しなやかにやっていただきたいと。
 もう時間がありませんので次の問題に行きますけれども。次の問題、この問題に関する次の問題ですけど。
 ところで、中国は謝罪と損害賠償を求めるという、声高に言っていたんですけれども、菅総理大臣は謝罪するつもりもなければ損害賠償にも応じませんと、こうおっしゃった。僕はこれ、当たり前のことじゃないかと。日本が謝罪を求め、損害賠償をすべきなんですよ。この点について、日本政府として謝罪なり損害賠償を、金額も含めて、損害賠償をするつもりがあるのかどうか、これについて、総理大臣、お聞きしたいと思います。(発言する者あり)損害賠償請求です。
#217
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、丸山議員御本人が言われましたように、その話が届いてきたときの最初の私の発言が、中国からですよ、中国から謝罪と賠償を求められてきたという話を聞いたときの私の発言が、今おっしゃったとおり、謝罪する必要もなければ、もちろん損害賠償なんかに応じるつもりは全くない、そのことを明確に申し上げ、現在もその考え方は当然ながら全く変わっておりません。
#218
○丸山和也君 私が聞いているのは、それは当たり前のことであって、日本国として謝罪の要求、損害賠償請求を、これ損害が発生しているわけですから、それをする気持ちがあるのかどうかということをお聞きしておるんです。これはもう簡単にお答え、総理大臣として、どうですか。(発言する者あり)
#219
○内閣総理大臣(菅直人君) 聞かれたから答えているんでしてね。
 今、丸山議員が言われたのは、今度はこちらからの損害賠償ということですが、現在そういった、まだある意味での係争中だと私は理解しておりまして、処分保留という形の中にあるので、それについては、これから検察が最終的な対応をどうされ、またそういう中で海保としてどうされるのか、そういうことをしっかりと踏まえて検討することになろうと、このように思っております。
#220
○丸山和也君 法に従って粛々とやることが、刑事事件では完全に放棄、民事的な損害賠償請求すら何かもごもごして、事件は終わっていないとか、これから何とかなるのかが分からないような答弁では、これは、柳腰であって、しなやかだけどしたたかだという、したたかのシタもないんじゃないでしょうか。ちょっと情けないね。僕は、ですから、もう損害額が出て、少なくともこれは金銭的請求ですから、これくらいのことはきちっと請求をしないと、どこに法に従って粛々とやるという気概があるんでしょうか。全く情けない回答だと思います。
 次に、政治と金の問題について入らせていただきます。
 いわゆるこれは、ちょうど去年の三月十九日に、三月十九日、平成二十一年三月十九日に、私は、これ、当時もう既に当時の小沢代表をめぐる政治と金の問題が随分大きくなってまいっていました。私は、その後、石川議員とか大久保秘書ですか、逮捕されるに至ったんですけれども、ちょうど三月に、私は、これ民主党の議員さんがどのように考え、民主党の中の火種だと思うんですけれども、小沢一郎大先輩、私にとっては議員として大先輩ですけれども、訪ねていきました。用件はただ一つ、民主党代表を辞任するだけじゃなく議員辞職をされることだと、それが小沢一郎議員にとって最高の身の処し方であるということを申し上げに行きました。残念ながら小沢さんはお会いすることできませんでしたけれども、その趣旨の文書をお渡しし帰ってきたわけでありますけれども。
 その後、代表は鳩山さんに替わり、選挙があり、政権交代をされ、そしてまた菅内閣になっているわけでありますけれども、依然としてこの問題が内政上の政治的なアキレス腱として常に日本の政治の中でやみの部分になっている。要するに、がん細胞のようにずっと引きずっている。日本政治全体でもあるし、民主党にとっても大変な問題であるんですね。
 これについての、今回、やっぱり検察審の二度にわたる起訴決議があった関係で、再びこの問題がクローズアップを浴びています、帯びています。そこで、衆議院並びに参議院でも、この問題について国会の証人喚問、政倫審への出席等々、あるいは民主党による処分を含め、どのように検討されるかということをずっと議論をしてまいっているんですけれども、残念ながら、政治と金についてクリーンを標榜する民主党から一度もこの問題について方向性すら含めて明確な答えが出ていないんです。
 こういうことはもういいかげんに決着を付けていただきたいと思うんですけれども、菅内閣総理大臣、代表選争われた間柄でありますけれども、もう本当の腹の中といいますか、方向性をそろそろ示していただきたいと思うんですけれども、どのように思われるのか、御意見をお聞きしたいと思います。
#221
○内閣総理大臣(菅直人君) 丸山議員、いろいろな立場で御質問をいただきまして。私は、今の政治と金のことについて申し上げれば、率直に申し上げて大変だったです、この代表選挙というのは。それはいろんな意味で大変だったです。しかし、少なくとも私は、クリーンでオープンな政治ということを、国民の皆さんにももちろん分かる形で、もちろん党内の皆さんにもはっきりと申し上げて、そして多くの仲間が本当に頑張っていただいて再選をされました。それによって、民主党が改めてクリーンでオープンな政治を目指そうと、そういう党の体制をつくることを私、努力をいたしました。そのことは私は、国民の皆さんもそれを見ておられて、それなりの評価をいただいたと思います。
 それに加えて、日本の政治にとってこの問題が大きな問題であることは、私もこの政治の道に入るときからずっと見てまいりました。ロッキード事件のときのロッキード選挙が私の最初の無所属の立候補のときでありますし、それ以来、落選も含めていろいろな選挙を戦いましたが、常にこの問題はそのときそのときに大変大きな課題でありました。ですから、私も、この政治と金の問題で、国民の皆さんにしっかりと信頼がしていただけるような政治の在り方にしていかなければならないという思いは全く当時から変わっておりません。
 その中で、今私たちがまず、今、丸山議員の言われた小沢議員のことについて言えば、小沢議員御本人が何らかの形で、国民の皆さんに分かる形で説明したいということも代表選のときに言われましたし、そして国会で物事を決められればそれに従うということも言われておりますので、私たちもそうした国会の中でのいろいろな、どういう場で、どういう形があり得るのか、皆さん方の提案も既にいろんな機会にいただいておりますので、それについてはしっかりと協議に応じていきたいということを申し上げているところです。
#222
○丸山和也君 いつもこういう形で答弁が終わるんですけれども、まあこれだけ、人の党のことはほっておいてくれと言われるかも分かりませんけれども、やっぱり国全体の問題でありますし。
 それから特に、菅さんというのは、やっぱり市民運動から出発されて内閣総理大臣になられて、クリーンな政治をずっと標榜された方、そこにまたこのらつ腕の官房長官が備わっているわけですから、これは思い切ってやっぱり、積年の弊と言ったら失礼かもしれないけれども、抱えている内在的問題として、やっぱり小沢議員に対するきちっとした党としてのけじめをされるべきだと、これが国民に対する責務だと。
 だって、小沢さん、今まで国会で一度も説明していないじゃないですか。プライベートな記者会見であっても、紋切り型の回答はあっても説明は一切ないですよ、一切。これは異常なことじゃないですか。やっぱりこれは国民の七割、八割の人がおかしいと感じているわけですよ。これについて、総理大臣としてのやっぱり見識を示すことがリーダーシップの一つじゃないかと私は思う。
 どういうわけか、私が見ていますと、小沢さんも哀れな人だと思いますよ。さんざん小沢さんを利用し、持ち上げ、時には利用し、時には持ち上げ、だんだんだんだん小沢一郎という人物が見るからに小さな人物になりつつあるということが分かりませんか。せっかくこれだけの貢献もいろいろした、功罪いろいろあるでしょうけど、それなりのある人を、だんだんだんだん、もう疑惑まみれの人物にして最後は葬り去るというような、時を待つんじゃなくて、きちっとしたリーダーシップを示し、本当の一人の盟友であるならば、やっぱりそういう出処進退の道を開いてあげるべくアドバイスをするのが本当の総理大臣じゃないんでしょうか。そこら辺についての、やはり国民は気概がないなというふうに思っているんじゃないかと思います。
 官房長官も、腹の中では確かにそうだというふうに私の発言を今うなずいておられたような気がしますけれども、どうか具体的にそれを実行していただきたいということを申し上げて、最後の質問に移ります。
 地方分権を進めるということを民主党政権も標榜されているんですけれども、例えば、平成二十年度に地方法人特別税、地方法人譲与税というのを創設されたんですけれども、これは地方に本来入るべき税金を国が取り上げて再配分しているわけなんですけれども、これはやっぱり、東京、大阪、名古屋、愛知ですか、いろいろなところから、神奈川も含めて、これはやっぱり地方分権に反するんじゃないか。
 それから、やはりそれぞれの地方が自分の税収で自分の県民なりに対して受益の負担の関係から使うのが正しいんだということで、常にこれを見直すというか、元に戻せという要望が出ていると思うんですけれども、これは私、やっぱり核となるべき強い地方公共団体をつぶしていくことになると思うので、この点については国の政策は考え直すべきではないかと思っているんですが、この点について、片山総務大臣はどのようにお考えでしょうか。
#223
○国務大臣(片山善博君) 地方分権と申しますか、地域主権改革という考え方の中では、現在の地方法人特別課税というのは理想的ではないと私も思います。これは自民党政権の時代に行われた改正でありまして、私もいささか問題意識を持っております。
 ただ、法人課税の場合には各自治体において税率をばらばらにするというわけにいかないものですから、やはり全国一律で課税をする。そうなると余ったところと足らないところと出てくるわけで、それをうまく均てん化するという言わば苦肉の策だったんだろうと思います。当面はその策を続けざるを得ないと思いますが、これから何らかの税制の抜本改革がある場合には当然見直しの対象にすべきものだと思います。
#224
○丸山和也君 じゃ、税制の抜本改革ということが叫ばれておりますので、その中でできるだけ早急にこの点にも見直しを含めた方向で検討していただきたいと思います。
 質問を終わります。
#225
○委員長(鶴保庸介君) 委員長からちょっと一言申し上げたいと思います。
 平成二十年度決算でありますから、平成二十年度決算に関連をして質疑をするように努力をしていただきたいと思います。
 関連質疑を許します。佐藤正久君。
#226
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 総理にまずお伺いします。
 あなたは日本の領土、領海、領空を守る責任を有しています。まず、資料一を見てください。
 日本は地政学的に北、西北、そして南西正面があり、それぞれに北方領土、竹島、そして尖閣が位置しています。それらを踏まえて防衛警備の体制を取らないといけません。平成二十年度の防衛省の決算、これについて、この体制を踏まえてどう考えておられるか、所見をお伺いします。
 総理に聞いている、総理に。
#227
○国務大臣(北澤俊美君) 総理指名でありますが、この予算を策定したのは自民党政権であり、執行したのも自民党政権でありますから、その所掌にある防衛大臣からまず答弁をさせていただきます。
 二十年度決算につきましては、もう御案内のとおりでありますが、歳出予算額は五兆二百十二億円、支出は四兆八千億ということでありまして、防衛計画の大綱に示された新たな防衛力の水準への移行を旨として中期防衛力整備計画、これは十七年から二十一年度でありますが、その四年度目として安全保障環境を踏まえた防衛力の近代化を図る一方、装備品調達に当たっては一層の効率化等を行ったということで、詳細については時間がなさそうでありますから省略させていただきます。
#228
○佐藤正久君 総理、現場ではやっぱり増える任務に対して少ない予算の中でいろいろやりくりをしている。もう現場の方は、やっぱりやりくりとか創意工夫、もうどんどんどんどん限界に近づいているという感じがします。そういう中で、総理のこの国を守り抜くと、守り切るという覚悟あるいは気概、意思が結果として予算というものに跳ね返ってくるものだというふうに私は考えます。
 そこで一番大事なのは、やっぱり総理の意思です。総理は今回の尖閣問題に際して、ASEM等で尖閣諸島は我が国の固有の領土だということを説明されたと答弁されておりますが、総理が歴史的に尖閣諸島が我が国固有の領土だと思われる証拠は何ですか。いや、総理、総理です、総理。総理です。総理です。
#229
○委員長(鶴保庸介君) 総理答弁を求められております。総理答弁を求められておりますが。
#230
○佐藤正久君 総理です。総理です。総理に聞いているんです。総理に聞いているんです。総理です。総理です。総理の、説明したのは総理です。何でですか。
#231
○委員長(鶴保庸介君) 前原外務大臣。
#232
○国務大臣(前原誠司君) 委員長の御指名をいただきましたので、私から答弁をさせていただきます。
 一八九五年の一月の十四日に閣議決定で編入をしたわけでありますが、その前に約十年間、他の国が実効支配をしていないのか、あるいは住んだ形跡がないのかということを調べた上で閣議決定をしたわけでございます。これは国際法で言うと先占という言葉でございますし、また、中国は、日清戦争の後、日本にいわゆる取られたという言い方をしておりますけれども、これは台湾と澎湖列島は譲り受けましたけれども、尖閣列島は沖縄の一部でございまして、これはサンフランシスコ講和条約を見てもその事実は妥当ではないかというふうに思っております。もう終わりますから。
 それで、中国も、一九五三年の人民日報には沖縄の尖閣という言い方をしておりますし、一九六〇年に発行した中国の地図にも尖閣は自らのものとして入れておりません。中国が領有権を主張し始めたのは、あの海域に海底の油田、ガスがあるというふうに言われてきた一九七一年になって初めてでございます。
#233
○佐藤正久君 私は総理に答えていただきたかった。総理がASEMで説明したときに、歴史的な背景を十分押さえないまま言っていたら迫力ないんですよ。時間が限られているから総理に聞きたかった。総理の意思が一番大事なんですよ。歴史的な経過を踏まえてこうなんだと。
 これを、外務省の今ホームページの方で、今回、外務省の基本的な立場というものを中国文でも説明をされている。でも、やっぱり総理の強い意思が十分閣僚の中で共有できているか疑問ですよ。今回外務省がやったのは基本的な見解だけを中国文にしただけであって、一番肝心なQアンドAはまだなっていないんですよ。あのQアンドA見たら本当説得力あると思いますよ。それが今まだ中国文になっていない。
 前原大臣、そこまでやらないと画竜点睛に欠くと思いますけれども、所見をお伺いします。
#234
○国務大臣(前原誠司君) すぐ精査をして、必要であればそのようにさせていただきます。
#235
○佐藤正久君 必要なんですよ。
 さらに、資料のこれは三を見てください。
 総理にお伺いします。
 これは、防衛省のホームページで、沖縄の射爆場の表があるから、一部を抜粋したものです。ここに書いてあります黄尾嶼、赤尾嶼、これは中国名です。日本名だと、これが久場島であり大正島です。領土を守るべき防衛省が中国名を使っている。これはグーグルに文句を言う以前の問題だと思います。変えるべきだと思います。
 総理大臣にお伺いします。どういう所見をお持ちでしょうか。総理に聞いているんです。
#236
○委員長(鶴保庸介君) 菅内閣総理大臣、御指名ですから一言お答えをいただけますか。所感でございますので、総理からお答えをいただきたいと思います。
 総理、所感ですから。詳しい技術的な話じゃございませんので、所感を求められておりますので総理からお答えいただきたいと思います。
 菅内閣総理大臣。(発言する者あり)
 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#237
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
 事実関係に関することを手短に御答弁をいただいた後、総理に御所見をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#238
○副大臣(安住淳君) 御指摘の久場島、大正島の両射爆撃場ですね。委員御指摘のように、黄尾嶼それから赤尾嶼という名前が使われていると。これは、歴史をひもときますと、明治四十三年の旧帝国海軍の水路部の資料の時代からこの名前が使われているということで今日まで来ているというのが事実関係でございます。
#239
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、佐藤議員からの質問があるということを聞いて事実関係を確認したところ、今、安住さんの方から答弁のあったとおりでありますので、そういう経緯だと理解しております。
#240
○佐藤正久君 これは合同委員会で措置すれば変えれるはずですよ。
 総理、もう一回聞きます。変える意思はありませんか。
#241
○内閣総理大臣(菅直人君) これまでの経緯は今説明があったとおりで、今後についてどうするかということは、それはそういう中で議論していくことについて、私はあえて議論を一切する必要がないとは申し上げません。
 なかなかこれ、どの時点にどうなったかというのは、今かなり古い話がありましたけれども、多少のいろいろな変化があったようですから、私も逆に聞きたいぐらいです。なぜこんな名前が自民党時代からずっと続いていたのか、逆にお聞きしたいぐらいですけれども、検討することについては……(発言する者あり)
#242
○委員長(鶴保庸介君) 御静粛にお願いします。
#243
○内閣総理大臣(菅直人君) 別に否定するものではありません。
#244
○佐藤正久君 私、さっきから総理の意思、リーダーシップが大事だと言っているんですよ。やっぱりそういう、変えればいいじゃないですか、変えることは。全然迫力ないですよ。何で我々が守るべき領土が中国名のままなんですか。変えればいいんですよ。
 次の資料二を御覧ください。
 これが今回のミン晋漁衝突事件と四年前の吉進丸との事件の差です。今回の菅内閣がとった措置は、船長は処分保留のまま釈放。ロシアが四年前にとった措置は、領海内に入ってきたという彼らの言い分から一名射殺。しかも、裁判になって、船は返ってこない、罰金まで取られている。これが領土を守るというロシアの態度です。
 今回、菅内閣としても、事実に基づいて、領海に入ってきた、違法に漁をした、違法操業、こういう部分をもっと声高に言うべきではありませんか。総理の見解をお伺いします。総理です。
#245
○委員長(鶴保庸介君) 所見を求められておりますので、総理。
#246
○内閣総理大臣(菅直人君) もうこの間、経緯は、それぞれの担当を含めて、私も必要なときには答弁に立ちましたけれども、今まさにおっしゃったように、中国の漁船が領海内に入って、それを、海保がそれに対していろいろな形で出ていくようにというときに故意にぶつかってきたと、そこで公務執行妨害で結果として逮捕したと、そういう経緯であります。
#247
○佐藤正久君 全然問いに答えていないじゃないですか。公務執行妨害だけではなくて、今回、違法操業の可能性もある。実際それは取調べしているじゃないですか。違法操業がやっぱり大事なんですよ。
 菅総理の命令で、海上保安官とか自衛官とか、あるいは消防、警察の方がこの国の領土を守るためにやっている。それは、我々政治家が、今回は領海侵犯をして違法に操業したと、主権にかかわることをやっぱり言わなければ、公務執行妨害は、それはそんな領土問題というものに関係なくても起きる犯罪なんですよ。そこをしっかりしなければ、なかなか現場はつらいですよ。二十一年度も二十年度も現場は限られた予算の中で必死になってやっているんですよ。今、今回、尖閣諸島あるいは南西諸島の問題がありますけれども、この防衛、警備、本当ぎりぎりの中でやっている。
 沖縄、百六十の島があって、有人島が五十、無人島が百十ある。でも、それも守るべき対象なんですよ。国家公安委員長、今の体制で南西諸島の警備、大丈夫ですか。(発言する者あり)海保じゃない、領土問題、島の防衛。大丈夫ですかと聞いている。
#248
○国務大臣(岡崎トミ子君) 佐藤議員にお答えいたします。
 南西諸島の上陸事案を想定していらっしゃるわけですね。仮に、警察力では対応できないで治安出動が発令されるような場合におきましては、警察と自衛隊の連携に関して相互の連携要領あるいは任務分担についてあらかじめ協定を締結しているわけでございまして、マニュアルを整備しているところでございます。
 こうした協定等に基づきまして、実際に警察と自衛隊が円滑かつ緊密に連携して対処できるよう、共同訓練を繰り返すことによって対処能力を向上させていきたいというふうに万全を期しているところでございます。
#249
○佐藤正久君 それは一般的な話であって、南西諸島の防衛、これは非常に課題なんですよ。
 今、治安出動と言われましたけれども、そんな簡単に治安出動が掛かる、想定しにくいですよ。与那国島、駐在所が幾つあるか分かりますか。二つですよ。警察官二名で、ピストル二丁で国境の島を警備しているんです。ライフルを持った不審者が上陸したときに本当に住民を守れますか。我々はそういうことを今問われているんですよ。だから、防衛省も来年度の概算要求で南西諸島の防衛のための調査費、これも計上している。
 これは与党、野党関係なく、やっぱりこの国を守るという菅総理のリーダーシップの下に何とかしないといけない課題なんですよ。今、自衛隊ですら沖縄本島より西側、地上部隊の配備はないんです。だから、そのために何とかしないといけない。私は当然増員すべきだと思っています。ただ、一部の人は、予算が厳しいからほかの地域、例えば北海道の部隊を削減をして南西諸島に配備すべきだという意見を言う人もいます。
 菅総理、自衛隊の最高指揮官として、この南西諸島防衛のために増員すべきだと思われませんか。総理です、総理。
#250
○内閣総理大臣(菅直人君) 今日は平成二十年の決算ということで、当時から逐次、予算というのは毎年毎年もちろん連続しているわけでありまして、そういう今のこの全体の防衛予算のある意味での配分の仕方が今後どうあるべきか、これは防衛大綱も今年中に決めますので、そういう中でまさに議論に入っているところです。
 まあ佐藤議員専門家ですからお分かりのように、いろいろな考え方が従来からあります。それをそのまま踏襲すべきと考えるのか、いやいや、変えるべきと、基盤力をどう考えるかとか、そういうことがあります。そういうことも含めて私も、一般的に言えば、このいろいろな問題が、どちらかといえば日本の西から南にかけていろいろな問題がより重要性を増していると。そういう中では、全体のこの防衛力の在り方を検討する中では、そうした今回の事案も含めて、一つの検討をする上での大きな材料にはなるだろうと、こう認識をいたしております。
#251
○佐藤正久君 総理、元々足らないんですよ。よく量から質へと机上の空論を言う人がいますけれども、元々足らないんですよ。足らないものを更に小さくして振り回してどうするんだという思いがあります。
 当然、南西諸島も大事ですけれども、北海道も大事なんですよ、北正面も。この半年の動きを見てもそうでしょう。今までになかった大規模演習を極東でやって、しかも北方領土の択捉島でも七月上旬にやる。わざわざビザなし交流の日本人の方が択捉島に入ったときに大規模演習を択捉島でやる。参加された方は本当つらかったと言いますよ。あと、九月二日の対日戦勝記念日、実質的にはそういうものを祝日としたり、いろんな動きがある。
 資料の四を見てください。これがここ数年の北方における領空侵犯、どんどん増えているんです。二十年でも二百件近く行っている。
 資料の五を御覧ください。これを見て分かるように、この数年の予算の伸びは中国よりもロシアの方が多いんですよ。だから、南だけというわけじゃなくて、北も大事なんですよ。だから、そういうことを考えながらやらないといけない。
 北海道を減らして南の方に持っていく、それは私は無理があって、元々足らない。守るべき日本を、それをしっかりやってもらうためには基盤を与えるのがやっぱり政治だと。
 北海道防衛の重要性について、最高指揮官としての総理の御見解をお伺いします。総理です、時間がない、時間がない、総理です。
#252
○委員長(鶴保庸介君) 手短に、北澤防衛大臣。
#253
○国務大臣(北澤俊美君) 今、南と北の重要性を指摘していただきました。まさにそのとおりで、私も認識は一緒であります。
 しかし、今日、本日の委員会の議題となっているのは二十年の決算であります。二十年の決算である以上、先ほども申し上げましたが、一六大綱の中で、今御指摘になったようなことは全部大綱の中に入っているんです。それを、十三年にわたって防衛費を削ってきた、定員を減らしてきた、定数を減らしてきた、それは自民党政権であります。そういう中で今度政権交代が起きた。
 私が申し上げたいのは、そういう、財政事情でも何でもいいです、我々がやってきた政権の中でこういう事情で減ってきたと、しかし今また更なる脅威があるから、どうだもう一回考え直そうじゃないかということであれば議論はかみ合いますよ。一方的に総理の見識を問うようなことで、今までやってきたものが、これもしテレビで見ていれば、我々の政権の中でこういうことを怠ってきたというふうに錯覚されますよ。そこのところはしっかり検証をしていただきたい。
#254
○佐藤正久君 何言っているんですか、防衛大臣。そんなこと一言も言っていないじゃないですか。私は必要だという必要性を言っているだけであって、今の菅内閣が不十分なんか一言も言っていないじゃないですか、私は。増やすべきじゃないですかということを聞いたんですよ。
 総理、北海道防衛の重要性についての認識を問います。
#255
○内閣総理大臣(菅直人君) かつてソ連と呼ばれた時代に、北方は核戦略の大きなソ連の重要拠点でもあったし、また、航空機も相当数日本の領空をも含めてやってきて、それが、ソ連が崩壊からロシアに変わる中で、相当程度、ある時期のソ連よりも変わった、ロシアの極東における軍事力は低下をした時期もあったということは客観的に認められていることであります。
 しかし、近年において、ロシアがいろんな意味で極東地域に対して経済的な問題も含めて力を入れるようになり、またここに資料も出されたように、スクランブル、ロシア機によるスクランブルの出動も増えてきている。そういう意味では、佐藤議員が言われる、従来、いったん非常に水準が低くなったところがまた強化されてきていると、ロシアの軍事力が、そういうことはきちっと注目しておかなければならないと思っております。
#256
○佐藤正久君 ありがとうございます。
 北海道の道民の方も関心があって総理の答弁を聞かれています。特に千歳、恵庭の方々は、今まで非常に予算の制約を受けている関係から非常に今の北海道の防衛の重要性、軍の体制の充実、これを言っていただいた、非常に有り難いと思います。
 北海道といえば、今補欠選挙が行われています。この補欠選挙というのは、民主党の小林千代美議員に対する民主党の支持母体である北教組の違法献金事件です。にもかかわらず、その支持母体の労組がまだまだ反省が足らない。この前の十三日の衆議院の予算委員会で我が党の下村委員からの指摘があったように、まだまだ自治労が課業時間中に民主党の候補の決起大会に向けて参加をしているというものが指摘されました。それに対して、菅総理は、菅総理は党内で調べると言われました。
 それでは、岡田幹事長にいつどのような調査指示をされたのか、明確に答弁をお願いします。(発言する者あり)
#257
○委員長(鶴保庸介君) 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#258
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#259
○佐藤正久君 この事件は、やっぱり不正な献金、これに基づく今回の補欠選挙なんですよ。それについてまた労組が動いている。だから、菅総理は、予算委員会で党で調べると言ったじゃないですか。いつどのような形で幹事長に調査指示をしたのか、明確に答弁をお願いします。(発言する者あり)
#260
○委員長(鶴保庸介君) 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#261
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
 官房長官ですか。
 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#262
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
 選挙のことについてはもう余り触れないように。菅内閣……(発言する者あり)もう一度、じゃ、佐藤正久君。
#263
○佐藤正久君 総理、民主党の幹事長に、自治労の課業中における不正行為というものについて調べると予算委員会で言われました。
 どのような指示を、調査指示を岡田幹事長になされたのか、明確に答弁をお願いします。
#264
○内閣総理大臣(菅直人君) せんだっての衆議院の予算委員会の中での議論を踏まえて、幹事長の方に党として調べるようにと私から指示をいたしました。
#265
○佐藤正久君 いつ、いつ指示されたんですか。お願いします。
#266
○委員長(鶴保庸介君) 時間です。簡潔に答弁をください。
#267
○内閣総理大臣(菅直人君) その質疑が終わってそう間を置かないで、官房副長官に伝えるようにということで指示をいたしました。
#268
○佐藤正久君 委員長、最後に。
#269
○委員長(鶴保庸介君) 佐藤正久君。
#270
○佐藤正久君 今回の問題は正々堂々とやりたいだけなんですよ。正々堂々と結果を求めたい、それだけです。
 以上、質問を終わります。
#271
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。総理に今日はお聞きをしたいと思っております。
 決算の問題をお伺いする前に、政治と金の問題、簡潔に三点だけお伺いをしたいと思っています。
 それは何より、政治家と金の問題というのは政治のすべてのもう根本であり、少なくとも金の問題について毛筋ほどおかしなことがあってはならない。これは政治の基本中の基本だと思っているからです。
 総理も先ほどクリーンでオープンな政治ということをおっしゃった。それならば、この間長く掛かりながら、先ほども御指摘があっておりましたが、様々なことを言われた小沢元民主党代表の国会での説明がいまだ一回もなされていない。これは私はおかしいと思う。何らかの形でやるべき問題だと思う。総理は、適切な時期に適切に判断すると、一言で言えばそういった言い方をされている。
 じゃ、その適切な時期はいつなのか、どう判断を下すのかということについては今も不透明なままなんです。申し上げたいことは、今がその判断の時期ではないかと私は思っている。
 総理は、小沢元代表が御自身で国会がお決めいただければそれに従うとおっしゃった、そう説明されましたね。衆議院の予算委員会はそれを受けて、私たち公明党も含めて野党六党が証人喚問を正式に要請をいたしております。さらに、総理もお聞きになったとおり、ここの場だったですよ、慎重だった社民党の方も、このままの状態なら証人喚問を求めざるを得ないというところまで言わざるを得ない状況に今なっている。
 何が障害になってこの問題が解決できてないのか。それは唯一、民主党がどう決断するか、もっと言うならば、総理がどう決断するか、もう今まさにその一点になっているんですよ。私は今だと思いますが、改めて、総理がこの問題、いつ、どう判断されるのか、改めて問いたいと思います。
#272
○内閣総理大臣(菅直人君) 余り同じことの繰り返しは控えたいと思いますが、今、木庭議員も言われたように、小沢議員御本人が国会で決められた決定には私はいつでも従うということを記者の前で言われておりますし、そうした形で、国会でどういう形でどういう場でやるべきなのか、いろいろ議論が少しずつ進んでいることも承知をいたしております。幹事長、さらに国対で、場合によっては御本人の話もお聞きして、どういう形があるのか、野党の皆さんとも協議をいたしたいと思っております。
 そういう意味で、いつどのようにということを今この場では申し上げられませんが、我が党、先週、たしか役員会があって、そのときには状況をもう少し見ようということになっております。党内にも多少の議論がある状況にありますので、この週が明けましたので、また党内の中でもどのように扱うか、幹事長を含めて、私も含めて少し相談をしなければいけないと、こう思っております。
#273
○木庭健太郎君 菅総理もこういったいろんな国会を乗り越えながら様々な経験をされた方ですし、私自身もそれなりの国会の経験をさせていただきました。そうなると、やはりこういう問題というのはある一定の一つのめどというのがどうしても出てきます。私は、今感じているのは、少なくともこの問題については政府が国会に補正予算を提出する前には一つの方向性を出しておくべき課題だろうと、こう思いますが、それまでにほぼ方向性が出ていると認識しておきたいんですが、いかがですか。
#274
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、余り党と内閣とを区分してお答えするのもどうかと思いますが、私は両方にもちろんまたがった立場でありますけれども、主にこういった問題は国会の中で与野党の協議でそういった在り方を議論してきたのがこれまででもありますので、今、木庭議員が言われたことも十分念頭に置きながら、党の中でどういう形で対応していくのか少し話を進めなければいけない時期が来ているのかなと、そのようにも感じております。
#275
○木庭健太郎君 もう一つ、鳩山前総理の関係書類の公表の問題ですよ。これ、参議院の側がもう毎回しつこく言っています。なぜ参議院の側が言うかというと、ここだったんですよ、この席でですよ、鳩山前総理大臣は何とおっしゃったか。裁判で決着が付けば、そういう関係書類をきちんと精査した上で皆さんに公表するのは、これは当たり前のことだとまでおっしゃったんですよ。ところが、総理をお辞めになった後、雲散霧消です。本当にクリーンでオープンなとおっしゃるならば、やはりいったん国会できちんとお述べになったことをやるのが私は筋だと思う。
 菅総理がおっしゃった、鳩山さんは総理をお辞めになられて一定の責任を取っているから、それはそれで一つのけじめじゃないかとおっしゃった。しかし、私は、最初鳩山前総理がおっしゃったときは、総理を辞めた後、その後政治活動も自粛するようなことを最初おっしゃったんですよ。それだったら一つの在り方かなと思うんですが、この一連、代表選挙その他をずっと見させていただくと、鳩山前総理というのはまだまだ政治活動においては民主党の中でも中心的役割をやっていく、つまり国会議員として政治活動を続けていこうという意欲に燃えられている。
 国会議員としてやろうとするならば、国会議員がまず果たさなければならない責務って、自分が言ったことに、国会で発言したことに責任を持つ、これ当たり前じゃないですかと私なんかは思うんですが、党代表というより、鳩山前総理の盟友は菅総理でございますから、盟友として国会でいったん約束したことについてはきちんとやった方がいいよ、こういったことを助言するおつもりは菅総理にはおありですか。
#276
○内閣総理大臣(菅直人君) 六月の二日に鳩山総理が、自らの政治と金の問題と普天間の問題を自ら責任を取るという形で総理大臣の辞任を表明をされました。そういう意味では、先ほど御紹介もいただきましたけれども、政治家が、特に現職総理大臣が総理大臣を辞して責任を取るというのは政治家の責任の取り方としては極めて重い形だというふうに、今でもそのことはそのように思っております。
 木庭議員が、その後いろいろな活動をしておられるからにはやはりそうした説明が更に必要になるのではないかと言われること、そのことは私も理解できないわけではありません。しかし、私としては、総理辞任という形で非常に政治的なけじめを付けられていると思いますので、それ以上のことが本当に必要と考えなければならないのかどうか、率直に申し上げて、私もそこまで、何といいましょうか、けじめを付けられた方に更なることをお願いなり要請するのは、この間は少しちゅうちょがあるというのが率直なところであります。
 御指摘もいただきましたので、私なりに考えさせていただきたいと、こう思います。
#277
○木庭健太郎君 もう一点は、政治資金規正法の改正について、予算委員会で我が方の白浜議員会長とやり取りをしていただきました。そのときに少し認識の誤差というか、あったと思ったのは何かというと、実は、公明党が今提出しておる政治資金法及び政党助成法の改正というのは、これ、いわゆる企業・団体献金の問題は含んでおらないんです。提出させていただいている法案は、唯一この政治家の監督責任の問題、これの強化の法案を実は百七十三回国会に出させていただいて、今衆議院で継続審議中になっておるんです。
 したがって、我々としてみれば、もう様々なこの政治資金の課題あるんだけれども、私たち公明党としては、もう一連のいろんな問題があった中で、まずはこの監督責任の問題について一つの一定の方向を是非年内には決着を付けたい、そういう強い思いで今出させていただいておるのは、この政治家の監督責任を強化するというこれに絞った法案を出させていただいて、実は衆議院でつるされた状態でございます。
 是非、民主党の御協力がいただければこの審議もできるわけですから、総理、是非ともこういった一つの、いろんな問題があった、それに対する説明責任をきちんと果たしていただく、それとともに、二度とこういう問題が起きないような、再発防止に対して一定の前進をしたという結論を是非年内に遂げたいと私ども公明党思っております。
 是非、この監督責任強化についてどうお考えか、更にお尋ねをしておきたいと思います。
#278
○内閣総理大臣(菅直人君) この法案について白浜議員からの質問に対するお答えの中でも申し上げましたように、私は全面的に反対ということを申し上げているわけではありません。
 ただ、内容的に、そのことが及ぼす再発防止という面での効果と、場合によっては副作用的な要素があり得るかどうか、そういうことについてやはりしっかりした議論が必要ではないかと。まあ、公選法のことを例に引いてそれは違うんだと言われましたけれども、これはお互い選挙でこの場にいる皆さんですから、必ずしもあの法律も、たしか与野党の議員立法でなされたわけですが、その法律解釈が立法の時点で議論されたことよりも、ある意味では解釈権を持って捜査に当たる警察なりが、見ようによっては、えっ、そんなところまで広がるのというようなところも、率直なところ私は多くの議員が、多くの関係者がそういう感じを持ったことも、あるいは現に持っていることも事実だと思っております。
 そういうことを含めて、今せっかくお話がありましたので、国会の正式な委員会の場ということがすぐにということで難しいとすれば、少なくとも政調会長、ここに政調会長、国家戦略担当大臣として玄葉大臣がおられますが、例えば政党間協議といったようなものの中でも提案されている中身について民主党としてどういう対応ができ得るのか議論をさせていただくことを検討したい、政調会長にそのことを指示したいと、こう思います。
#279
○木庭健太郎君 さて、委員長も指摘をされておりましたが、不正経理の問題です。
 会計検査院の検査によりまして、何か底なしの国、地方公務員の不正経理の実態がもう本当に浮き彫りになってきている。会計検査院が十九年度及び二十年度決算で検査したとき、検査対象となったのは三十八都道府県、二政令都市です。すべてに不正経理があって、約四十億円です。さらに、これにとどまらず、今月初めに会計検査院が新たに検査すると、九都府県、十六政令都市でも十二億円の不正経理が判明をしたと。つまり、会計検査院の調査によると、三年間で四十七都道府県すべて、さらに十八政令都市で計五十二億円に上る不正経理が行われたことが明らかになった。この不正経理とは何かといえば、経理をごまかして、結局自分たちの裏金をつくってみたり、本来は適用できないような経費や旅費にお金を充てる。とんでもない話ですよ。
 これがいつまでたっても直っていないということが先ほど委員長も指摘していただきましたが、改めて総理に、この実態をどう認識をされ、私は総理にちょっとお聞きしたいのは、何でこんなに続くのかという理由を総理自身はどんなふうに認識されているかな、さらにこれに対する防止策について総理のお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#280
○委員長(鶴保庸介君) 菅内閣総理大臣。事前通告。じゃ、先に野田財務大臣。
#281
○国務大臣(野田佳彦君) 木庭委員にお答えをしたいと思います。
 不正経理問題については、これは国であろうと地方であろうと、国民、住民の信頼を損なうということでありますので、あってはならないことであります。
 総理の答弁の前に立たせていただきましたのは、会計検査院の指摘を受けまして、昨年の十一月に当時の鳩山総理大臣、当時の藤井財務大臣からそれぞれ各閣僚に要請をさせていただきました。ということで、まずは財務大臣から御報告をさせていただきたいと思いますけれども、その検査報告を受けまして各閣僚に対して、改めて予算の厳正かつ効率な執行と経理の適正な処理に努めていただくとともに、検査報告や国会審議の内容、財務省による予算執行調査結果などを平成二十二年度予算編成等に的確に反映するように要請をさせていただきました。
 これを踏まえまして平成二十二年度予算編成においては、個別の事務事業ごとに必要性や効率性を洗い直し、その結果を予算に的確に反映するよう政府一丸で取り組みまして、反映額としては一千六百八十八億円、予算に反映をさせていただいた次第であります。
#282
○委員長(鶴保庸介君) 片山総務大臣。手短にお願いします。
#283
○国務大臣(片山善博君) この不正経理につきましては自治体の問題でもあります。自治体はやはり、私も経験があるんですけれども、この問題に心を砕きましたが、例えば透明化を徹底する、監査委員や議会のチェックを厳しく行うというような自治体独自の問題があります。
 もう一つは、国と自治体との関係でいいますと、例えば補助金が使い切り制度になっていて返すことが事実上なかなか難しいということで、それじゃ、まあ預けという変な言葉がありますけれども、そんなことをやって、変な創意工夫をやっている面もあったようであります。そういうことをなくす。したがって、これは補助金改革にもつながってくる問題だと思います。
#284
○内閣総理大臣(菅直人君) 両大臣から具体的な事例も含めてありましたように、私も、あるべきことではないし、今の両大臣の指摘も踏まえて、しっかりと再発をしない制度的な変更が必要であれば、そのことも踏み込んで検討させたいと思います。
#285
○木庭健太郎君 今防止策も含めて少し言っていただいたんですが、私どもは、この問題について従前から、自治体の取組、国としての取組、もちろんやっていただきたい、でもどうしても、どこでもやっているような話だというふうな公務員の甘えというものに対しては、それだけで本当にできるのかという強い危惧を持っている。したがって、不正経理防止法という法案を出させていただいて取り組んできた。
 つまり、不正経理防止法って何かというと、不正経理をするような公務員が出た場合、それを処罰できるというようなことを含んだ法律になっている。これを是非やりたいということで、何回も提案し、何回も廃案になっているわけですが。特に、私がもうこれ是非ともやらなくちゃと思ったのは、今月ですよ、調査してみると、結局全部、四十七全部になってしまったじゃないですか、いろいろやったとしても。
 やっぱり一つのむちとしてこういう法律が要るんだなということを私は強く実感しているんですが、総理、不正経理防止法についてどうお考えですか。
#286
○委員長(鶴保庸介君) 先に野田財務大臣。手短にお願いします。
#287
○国務大臣(野田佳彦君) 不正経理を防止しなければいけないという問題意識は全く共有をさせていただいております。
 その上でですが、例えば、今例えで申された裏金づくり等々こういう故意にされた不正経理の場合と、それから単純な過失による誤った不正経理というか、そういう場合もあると思うんですね。そのペナルティーの科し方をどうやってバランスを取るかということが重要な観点だというふうに思います。
 公明党さんが御提案を今回もされると思いますけれども、不正経理防止法というのは不正経理を防止するための一つの方法をお示しいただいていると思いますが、さっきのその罰則の在り方も含めまして、関係機関とともによく検討させていただきたいというふうに思います。
#288
○木庭健太郎君 総理も今財務大臣が答弁したと同じようなお答えを実は何回かいただいていて、五月十九日の、これは財務大臣当時です、このときのお答えは、「不正経理に対する罰則の在り方など、関係機関において十分かつ慎重に検討する必要があると、」、極めて慎重な姿勢でお答えをいただいて、つい最近、十月七日でございます、本会議、これは我が党の井上幹事長に対して答弁をしていただいたんですが、この際は、不正経理に関する罰則の在り方について関係機関においてよく検討を行う必要があると。
 十分かつ慎重からよく検討と、前進は一歩しているように見えるんですが、今の財務大臣の答弁に関しても、一番心配なのは、何を私、関係機関においてよく検討と。関係機関ってどこになるんですか。結局、処罰対象になるような公務員のことになっちゃうんじゃないですか。関係機関に相談したら、それは自分の首絞められるの嫌ですよ、公務員は。それよりは、こういう問題こそまさに、総理、政党主導というか政治家主導でやらなければこんな法律はなかなかできないんですよ。その点、ある意味では、関係機関においてよく検討ということとともに、政調会長いらっしゃるわけですね、党においても是非検討してもらいたいと思うんですが、総理、いかがですか。
#289
○内閣総理大臣(菅直人君) 今の話をお聞きしながら改めて考えたのは、法律によってこういうものを罰則を強くして再発を防止するということと、場合によっては並行してもいいんですが、いわゆる大臣、副大臣を含めて、そういうことに対して行政的に不適切なことを繰り返す者に対しては行政的な何らかのペナルティーを科すと、こういうことも、内容によってはその方が適切な場合もあろうかと思います。
 いずれにしても、今わざわざ党、党の間でということの御指摘もいただきましたので、玄葉政調会長、担当大臣にこの問題についても党と党で検討するように指示をいたしたいと、このように思います。
#290
○木庭健太郎君 あわせて、総理に更なるお願いをするわけですが、やっぱり不正経理とか無駄遣いをなくすときもう一つ大変な、まあ処罰という問題も大事なんですが、もう一つ大事なのは、やっぱり会計検査院の機能というのをどこまで考えていくかという問題だと思うんです。
 今、会計検査院というのはどこまでやるかというと、無駄とか不正を検査してチェックをする、ここまでで終わりですよね。これで本当にいいのか、再発防止のために。もう少し会計検査院にその権限を与える。
 例えば、そのチェックした結果、おかしなことが起きている。じゃ、改善をされているのかどうか、また、不正に経理されたお金が本当に国庫に戻っているかどうかという事後チェックのような問題。また、おかしなことをしているという公務員に対して、処罰するわけじゃありません、処罰を促すような行為、ここぐらいまで会計検査院の力を与える必要もあるんではないかと私どもは考えております。つまり、会計検査院法の改正を併せてやるべきだと考えておりまして、この点につきまして、これ実は、私たちというより、前は野党時代は民主党さんが出されていた中身でございます。是非これの実現を図りたいと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
#291
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、かつてGAOという、ジェネラル・アカウンティング・オフィスというアメリカの制度を参考に、国会の中にそういう会計検査院的機能あるいはかつての総務庁の行政監察機能を持たせて、そこで出たものがきちんと、おかしいということになれば、その役所に対して国会が是正を言わば指示して、言うこと聞かなきゃ予算を止めてしまえばいいわけですから、国会にそういう機能を持たせたらどうかという法案を出したことがあります。三権分立がどうのこうのという大議論になりましたけれども、そういったこともあり、私は、今のこの参議院の決算行政委員会がより強力なものに変わった一つのきっかけにもなったと思っております。
 今、会計検査院そのものの更なる機能強化ということ、この制度は憲法で規定された制度でありますので、どこまで法律で動かせるか検討しなければなりませんが、私も、より不正経理などをなくする上では会計検査院の皆さんも以前よりは積極的な活動をされていると思いますので、その活動がより有効になるように、今提案されたことも含めて検討させていただきたいと、このように思います。
#292
○木庭健太郎君 次に、今一番の課題といえば雇用の問題、菅内閣もこれが最大の課題だとおっしゃっている。対策もいろいろ打っていただいて、例えば重点分野雇用創造事業を拡充されて、介護とか医療とかいう成長分野にもどんどんやろうとされている。そのことは評価するんです。
 ただ、今のこの厳しい雇用という直下の雇用に対してこれが有効に機能するかなというと、ちょっと先になるんじゃないかなという気がしてならない。今のこの雇用に対してもっと打つ手はないのか、そういう視点で二十年度を見ていくと、二十年度の第二次補正予算案で創設された仕組みが二つあります。
 一つは、地域における創意工夫を凝らした雇用の創出をする、ふるさと雇用再生特別基金事業というのが一つ。二つ目が、職を失った非正規労働者や中高年の方々を臨時的に雇用するという緊急雇用創出事業という二つの制度ができました。これについては、二十一年度末までに合わせて二十一万五千人の雇用を具体的に創出をしてきたところでございます。地域にとっては非常に役立った制度だったんです。
 ところが、この制度、実際は二十三年度、来年まであるんですよ。ところが、この制度を使って新たに地方に対して、自治体、地方ですから、やってくれと言おうとしても、地方なかなか動かない。これはお分かりですよね。二十三年度で終わっちゃうということが見えているわけだから、そこに踏み込もうというところがなかなか気持ちとしてなりにくいという現状になっている。
 私たち公明党は、是非この二つの事業、ふるさと再生のこの特別事業、緊急雇用の創出事業、是非ともこの年度を例えば少し延ばすとか拡充する、そういって、今の現下の特に地域における雇用の問題について、この二つの事業、第二弾として拡充すべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
#293
○国務大臣(細川律夫君) 今御指摘のありました二つの事業があり、それに加えまして今度、重点分野雇用創造事業というのを九月のまず予備費で積み増しました。そして、更にそれに加えて、今月初めに出しました経済対策、これで更にそれに対してまた資金を基金の方に積み増して、期間も延長するというようなことで対応してまいりたいと思っています。
#294
○木庭健太郎君 もう一問質問できそうですが、雇用の問題、最後に総理に。
 やっぱり一番今深刻なのは、若年雇用というか、大卒者の問題だと思うんですよ。今年がやっぱり結局九一・八%、過去二番目の低さということになってしまったと。結局、就職できなかった人が三万一千人ということに終わると。
 でも、この数字よりもっと深刻な問題は何かというと、これ私も数字見てびっくりしたんですけど、読売新聞が独自の調査でいわゆる就職留年というやつを調べると、何と七万九千人だというんです。大学生の七人に卒業する一人ぐらいがもうこれ留年したというような結果で終わっていると。正直にびっくりしました。もちろん、これ日本の仕組みが新卒を一括してという、一年に限っているというところが制度の大きな問題なんですよね。したがって、私ども公明党は、この新卒という要件を卒業後三年間ぐらいまで緩和すべきだということを提案をさせていただいて、これについては菅総理も前向きにやろうということで取組を始められたと承知しています。
 ただ、ちょっと、もうちょっと頑張ってもらいたいというか真剣にと思ったのは、十月四日に経団連とか日商など経済団体への要請を政府が行っています。もちろん、企業の意識変革が一番大事ですから、企業に対してどう働きかけていくかということが大事なんです。それを十月四日、まず先陣を切ってやられたんだと思います。文部科学大臣、これは先陣ですよね。
 内閣を挙げて取り組む仕事だと私は思っているんです、これは。だったら、経団連とか日商とか、企業に対して一番先頭に立って要請していくのは私は総理ではないかと思うんですが。総理自ら働きかけになるおつもりがあるかないかをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#295
○内閣総理大臣(菅直人君) 文科大臣がいち早く、いち早く取り組んでいただいたということも御指摘をいただきました。
 今、経済界との間で雇用円卓会議等々開いておりまして、今おっしゃったように、これまでも全体としての雇用、さらには特に新卒者としての雇用を経済界にも強く要請してきたことでありますが、今お話もいただきまして、改めて私自身、先頭に立ってこの問題で取り組んでいきたいと、このことをお約束を申し上げたいと思います。
#296
○木庭健太郎君 終わります。
#297
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 この七月に当選したばっかりであります。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、中国漁船衝突事件を受けて、これまでの外交やあるいは安全保障政策、どう見直していくかという観点からお尋ねをしたいと思いますが、改めて言うまでもありませんが、今般のこの船長釈放をめぐる事件は、まさに民主党外交の稚拙さや未熟さが露呈したものだと言わざるを得ないと思っておりますし、中国の圧力に屈してしまった外交的敗北であったと断じざるを得ないというふうに思います。
 このことは、日本に圧力を加えればいとも簡単に腰砕けになってしまう、あるいは屈してしまうという誤ったメッセージを中国やそして全世界に送ってしまった、メッセージを送ってしまったということは取り返しの付かないことであります。と同時に、国民の多くが、本当に今の政権、内閣でいざというときにこの主権や領土や国民を守ってくれるのかどうか、大変疑念を持っていると言わざるを得ないと思います。
 その表れが最近の世論調査に如実に表れていると思うわけでありますけれども、特に、この中国漁船衝突事件での船長の釈放は不適切である、あるいは検察の釈放判断への政治介入を否定する政府説明に納得できないとの世論が圧倒的です。七割、八割の皆さんがそう答えて、内閣支持率は物によっては四〇%を切るというところまで来ているのが現状ではないかと思います。
 総理は、この国会でも度々、答弁などにおいて、国民一人一人が自分の問題としてとらえ、国民全体で考えることにより、より強い外交を展開できると確信をしているとお述べになりましたが、国民は自覚をしているわけです。国民は今回のこの事件、大変なことになっているという危機感を持っているわけで、総理の方こそ、また政府の方こそしっかり対処してほしいというのが国民世論ではないかと、そう私は思うわけです。
 したがって、総理が言うように、力強い外交を展開をしていくためにも国民の協力や理解、支持というのは不可欠だと思うわけでありますが、この尖閣の今の漁船の衝突事件を受けて急落しているこの内閣の支持率、どのように受け止めておられるか、また、我が国の外交の信頼を回復していくためにどのようにこれから対応していかれるおつもりか、併せてお聞きをしたいと思います。
#298
○内閣総理大臣(菅直人君) 柴田議員から、内閣支持率が下落をしていると、国民のこの問題での支持がないのではないかという御指摘です。
 これは、柴田議員お分かりだと思うんですけれども、確かに私たち政治家、そのときそのとき、最近はほぼ毎週のように世論調査がありますから、それにある程度自分たちがどう見られているかということが反映していることも確かです。しかし一方では、余りそのことを念頭に置き過ぎて行動することが、結果として、長い目で見て必ずしも歴史によって評価を受けたときにそれに堪え得るものであるかどうかというのは、私はまた別だと思っております。
 そういった意味で、今回の問題、確かに一つ一つの事柄の中ではかなりの批判があることはよくよく承知をしておりますが、一方、日本と中国というのは、これは今から千年たとうが二千年たとうが隣国であることは変わらないわけでありますし、千年前も二千年前も隣国であったわけでありますから、そういう一衣帯水の関係の中でこういった問題を双方が冷静に対応して、そして、よく言われる戦略的互恵関係、簡単に言えばお互いが経済的にも平和の面でもお互いにプラスになる関係として両国の関係を発展させると。私は、今回の事件、事件そのものは決して望ましいことではなかったと思いますが、今の状況はそういう状況に戻りつつある状況だと、このような認識を持っております。
#299
○柴田巧君 いずれにしても国民の幅広い支持というものがなければ本当の意味で外交は展開できないだろうと思うわけで、しっかりとその信頼回復にどう努めていくかということは、具体的なことを今特におっしゃらなかったと思いますが、私は、まずはやっぱり、この委員会でも先ほどからいろいろ議論がありますように、トップリーダーたる総理がやっぱり気概を持って、また毅然たる態度で物を申していくというのが私は何よりも信頼回復に、あるいは国民世論の支持の、外交に対する支持の回復につながるのではないかと、そう思うわけであります。
 政府においては、中国に対してこの再発防止策を求めていく、あるいはその枠組みづくりを目指していくということをおっしゃっているわけでありますが、そのためにも、まずはしっかりと日本の立場を明確にいろんな場面でこれから言っていくということが大事だと思います。
 今この支持率が大変下がってきているのも、あのASEMのときも、フジタの方は解放されましたけれども、本当に総理が国を代表してフジタの社員の解放を求めたかどうか、総理は外交上のあれがあるのでとはっきりおっしゃらなかったわけですが、そこにもどかしさを国民は感じていると、そう思います。
 したがって、これから、このフジタの社員が何で三週間も拘束されたか納得いく説明を得てないと思いますが、これもしっかり求めていくべきでありましょうし、先ほど破損した巡視船の問題も出ましたが、これも官房長官も記者会見で求めるとおっしゃっていたわけです。それはいつにするかは別にして、このことも当然のこととして、損害を受けたもの、破損したものはやっぱり求めていかなきゃならぬと思いますが、その上で中国に対して再発防止策をどうこれからつくっていくか、このことをしっかり要求をしていかなきゃならぬと思うのですが、総理、どういうふうにこれから枠組みづくり、再発防止づくりに中国と交渉、協議されるのか、お尋ねをしたいと思います。
#300
○国務大臣(前原誠司君) 先般、ASEMで菅総理とそして温家宝首相が会談をされて、そして二国間関係の正常化というものを合意をされました。今委員がおっしゃったこともすべて含めて外交ルートで話合いをしているところでございまして、日本の立場をしっかり守りながら交渉に臨んでいきたいと、このように考えております。
#301
○柴田巧君 是非、しっかり国民も分かる、分かりやすく明確に、しっかり主張するべきは主張して再発防止の枠組みづくりをやっていただきたいと、そう思います。
 また、今回のもろもろの事件は、これまでの我々の国の外交や安全保障政策の見直しを余儀なくされるというか、いろんな教訓を与えてくれたのも事実だろうと思います。そのうち、しっかりとこれは日本として対処せねばならぬのは、いわゆる資源戦略の、あるいは資源外交の問題ではないかと思うわけです。
 中国の対日レアアースの輸出規制に端を発して、いかに我が国の資源戦略の見通しの甘さや不十分さがあったかということが明らかになったと思いますが、このことについては実はもう数年も前から、いや、もっと前から実は指摘をされてきたところであって、その準備、対応をしてなかったというのはまさに怠慢だと言わざるを得ないだろうと思うわけです。
 例えば、そういう中で去年、レアメタル総合戦略も作られました。その中において、これまで日本は鉱物資源の備蓄対象というのはずっと変わらなかったわけですね。ようやく昨年にインジウムやガリウムなどの二鉱種が追加をされましたが、レアアースは昨年までの段階では要注視ということで備蓄対象にはしていなかった。それが今回の事件でいかに見通しが甘かったかということが明らかになったわけです。
 この点については大畠大臣も、リスク分散が十分にしてなかった、抜かりがあったということはお認めになっておるわけで、レアアース総合対策というものも今度できたわけではありますけれども、やっぱりこの成長産業の競争力を左右する資源確保での対応の遅れというのは我が国にとって命取りになる、まさに死活問題だと思うわけでありまして、このレアアースのみならず資源戦略の見直しが急務であろうと思いますけれども、官民一体の総合的な資源戦略、これからまさにこの国にとって必要ですが、どのように取り組んでいかれるのか、経済産業大臣、そして外務大臣にお尋ねをしたいと思います。
#302
○国務大臣(大畠章宏君) 柴田委員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 確かに御指摘のように、これまでの資源確保戦略というものは甘さがあったということは率直に私も認めたいと思います。お金を出せば資源が入ってくる、そういうことを念頭に置いておりましたが、こういう情勢に入ったということで、改めてこのレアアースあるいはレアメタルというものがどういう国から日本に輸入され、どのような形であったのかということを全体的に総見直しをしまして、リスクの分散という意味で、特に一か国に集中しているところについては分散すると、こういう方針の下に現在大至急で今いろいろと調査をし、対策をしているところであります。
 三点ほど今の御質問にお答えを申し上げたいと思いますが、一つは、御指摘のように、十月一日にレアアース総合対策の骨格をまとめまして、これをベースに補正予算の中に一千億円のレアアースの確保のための対策の予算を組ませていただきました。
 それから二点目には、今年六月に閣議決定したエネルギー基本計画において、二〇三〇年までに銅などのベースメタルの自給率を八〇%以上、それからレアメタルの自給率を五〇%以上とすることを目標に掲げさせていただいております。
 三点目には、この目標達成のため、JOGMECが得意とする衛星画像解析技術、これは衛星を使った地上の情報を分析をして資源探査支援やリスクマネー供給機能を活用した権益確保支援を促進するとともに、資源国の鉱山周辺のインフラ開発や産業振興など、ODAによる資源国協力拡大を通じ官民一体となった資源確保の取組を積極的に進めているところであります。
 なお、アメリカ、カナダ、オーストラリア、モンゴル、ベトナム、カザフスタン、それらの国々に対してもいろいろとアプローチをしておりまして、必死に今資源の確保先の分散化に努めているという状況でございます。
#303
○国務大臣(前原誠司君) 今経産大臣がお答えをされたとおりでありますが、それに加えて少しだけ申し上げますと、要人往来とか、あるいはそういう資源を持つ国のニーズを踏まえた経済協力、あるいは投資協定、こういうものを結んでいくことも大変重要だと思いますし、あるいはその当該資源保有国が日本の経済協力の対象国であれば、ODAやあるいは技術協力、こういったものを含めてしっかりとサポートしていきたいと、このように考えております。
#304
○柴田巧君 今いろいろリスク分散等々のお話もありましたが、もちろんそれも重要なことです。
 より目を向けなきゃならぬと思いますのは、実はこの国には鉱山やレアメタルの専門家が極めて少ないという、これが極めて大事なところだと思います。二十年度でも、総合安定供給の予算に、レアメタルの、八十億ほどしかありません。そのうちの人材育成となると、本当に使われていないのが現実であって、長い目で見て、しっかりとそういったそのレアメタルの、鉱物資源の専門家を育てるという視点が大事だろうと、これは質問というか、要望に代えさせていただきたいと思いますが、しっかり留意をしていただきたいと思います。
 さて、加えて、何といいましても、防衛の問題についてもいろいろ私たちに教訓を与えたというか、注意を喚起したと思います。先ほどもお話も出ておりましたが、日本には約七千の島がある。特に南西諸島には二千五百の島々があって、この島嶼防衛にこれから力を入れていこうということでもあります。来年度は与那国島、先島、与那国島ですか、自衛隊を配備という話もありますが、本来ならば、七千も島があるのならば、その島々がいつ何どき侵攻されても、されるということを想定をして準備をしておくというのもやっぱり大事なことだろうと思います。
 今回、自衛隊が配備されるということに加えて、もし侵攻されればそれを奪還するという任務を遂行する、言わばアメリカの海兵隊に準じたような水陸両用部隊の養成というか、この配備される自衛隊にそういう機能を持たせるということが必要なのではないかと思いますが、防衛大臣のお考えをお尋ねをしたいと思います。
#305
○国務大臣(北澤俊美君) お答えを申し上げます。
 島嶼部の防衛というのは極めて重要であるということは、ここ数年の議論の中で定着をしてきておるわけでありまして、今お話のありましたように、防衛省としましても、与那国ということを特定しているわけではありませんが、先島にどういう展開をすればいいかというようなことを含めて、二十三年度予算に三千万の調査費の要求をいたしております。
 それから、島嶼部につきましては、三沢にある通称空飛ぶレーダーというような機材もございまして、そういうものを定期的に展開させて、全国二十八か所あるレーダー網のすき間を埋めて情報収集をするとか、そういう万全の体制は現在取っておるところであります。
#306
○柴田巧君 時間がないので次に移りたいと思いますが、いずれにしても、これを機会に島嶼防衛、ちょっと今日はもう時間がないので領域警備の問題あるいは領土の教育の問題について触れることはできませんが、しっかりとそこら辺の備えをやっていっていただきたい、また、やらなきゃならぬだろうと思います。
 さて、総理に最後にお聞きをするということになろうかと思いますが、この議会でもいろいろと各党、うちの渡辺代表を始めいろいろ質問をして、一番根本のところは、やっぱり対中戦略を根本的に見直す時期に来たのではないか、その認識がおありなのかどうか、そして、もし変えるとしたらどういうふうな戦略をこれから練り直さなきゃならぬのかと、このことが非常に不明確だろうと思っております。
 私は、今回の、先ほどからもあるように、漁船が衝突してくるということに象徴されるように、中国の対日戦略というのは明らかに新たな次元に入ってきていると、そういう認識を持つ必要があるのだと思っております。この海洋主権の拡大をめぐっていよいよ日本にもひしひしと迫ってきているというのが現実であろうかと思うわけであって、そういう意味でも日本としていろいろな対応策を講じていかなきゃなりませんが、懸念を共有するアジアの国々あるいはアメリカやヨーロッパの国々と、特にアメリカとの日米同盟を基軸として多角的な力の均衡を図っていくということがこれからは大事なんではないかと、そう思うわけです。
 したがって、今戦略的互恵関係とおっしゃいますが、互恵の方に目が移っていって戦略が見えてこないというのが今の菅総理のこれまでのところのお話ではないかと思いますが、いずれにしても、他の国々との連携の下にそういう力の均衡をつくり出していくということが大事だと思いますが、総理の御見解をお聞きをしたいと思います。
#307
○委員長(鶴保庸介君) 菅内閣総理大臣、時間が来ておりますので、手短にお願いします。
#308
○内閣総理大臣(菅直人君) それはまさにおっしゃるとおりで、やはり今、歴史の分水嶺とも言える新しい状況が生まれ、中でも中国の台頭というのが、経済的な面ばかりではなく軍事的な面でも、ある意味で懸念も含めて注目をされております。今回の問題でも、ニューヨークでオバマ大統領との二度目の会談、さらにはASEMではベトナムや韓国、あるいはオーストラリアの首脳ともお会いをいたしました。
 そういう意味で、おっしゃるように日中関係は、もちろん経済的な面、いろいろな面でより友好関係を深めなければならないと同時に、そうしたインド洋から東シナ海に至る活発な活動に対しては、日米同盟を一つの基軸とした中で、ある意味でそういったものがきちんとこの国際ルールの中で収まるような、そういう体制を取っていかなければならないと、このように考えております。
#309
○柴田巧君 終わります。
#310
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 二〇〇八年度の決算の農業分野にかかわって質問をさせていただきます。
 まず、この食料自給率を抜本的に高めようと思うと、米を始め農産物の価格保障、所得補償が必要だと、不可欠だということで、我が党はそれに踏み込む点で不足しているということを当時から指摘をしてまいりました。これについて、今まさにその問題点があらわになっているというふうに思うんです。
 今、農村地域では、総理、米を作って飯食えないと、こういう声が広がっているんです。米を作って飯食えない。そして、百七十を超える地方議会で今のこの米価暴落に対して米の買上げを含めた緊急対策、これを求める意見書が採択をされております。そして、JA中央会も要望書を届けてきているというふうに思います。
 まず、総理に対してこのことに対する御認識を伺いたいと思います。総理ですよ、総理、総理の認識を聞いているんです。
#311
○委員長(鶴保庸介君) 事前通告ありましたか。
 鹿野農林水産大臣。
#312
○国務大臣(鹿野道彦君) 私の答弁を前に申し上げますが、今委員から言われましたとおりに、お米の価格の下落というふうなことにつきましては非常に重大な関心を私ども持っておるわけであります。とりわけ、今年のことにつきましては、概算金の設定に当たりまして農協等々堅めの設定をしたと、こういうふうなこともありまして、価格が昨年に比べて下がっておると、こういうようなことであります。
 このことにつきましてはいろいろなことが言われておりますけれども、やはりデフレというようなことの基調の中で、まさしく余るような状況だけはしたくないというようなことから堅めの設定がされたと、このようなことではないかというふうな認識に立っておるわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、このことにつきましては戸別所得補償というような制度の中で定額部分、そして変動部分と対応するということになっておるわけでありますから、これで対処していきたいと思っております。
#313
○内閣総理大臣(菅直人君) 今農水大臣から具体的な話はありましたが、二十二年度米の取引が、昨年の当初価格よりも低い価格で二十二年度米取引が開始され、米の主産県などで米価の動向について心配の声があることは承知をいたしております。米価の下落に対して、米戸別所得補償モデル事業に参加している農家についてはその所得が補償されることとなります。
 なお、政府が米価の下支えのため備蓄運営上必要のない米の買入れを行うこと、これについては消費者の理解あるいは今回の米モデル事業の非参加者が米価上昇の最大のメリットを受けるといったような問題がありまして、ここは十分な慎重な検討が必要だと考えております。
#314
○紙智子君 消費者にとってはやっぱり暮らしのことを考えると安い米の方が有り難いと、これはそう思うと思うんですよ。しかしながら、安過ぎれば生産者が成り立たないですよ。生産者が成り立たないということは、やっぱりお米を作る人や農産物を作る人がいなくなってしまうと。そうしたら結局、国産米で食べたいとか、国産のものを、安全なものを食べたいというそういうことがかなわなくなってしまう。結局は回り回って国民にそのツケが回ってくる問題なんですよ。
 それで、今日、どれだけ、じゃ米が安いのかということで、できるだけ分かりやすくと思って持ってきたのがこれなんですね。これ、五百ミリリットルのペットボトルの水です。百二十円で買ってくるわけですよね。この同じ五百ミリのペットボトルに米を入れたら幾らになるのかと、こっちに米を入れてきました。このお米は、ちなみに八月の相対取引の全銘柄の平均価格で六十キロ当たり一万四千百六円の米ですよ。一番直近のやつですね。これを入れた場合幾らかというと、百十七円五十五銭なんですよ。だから、水よりも米の方が安いということなんですよね。
 しかも、労働者の賃金、報酬と比較した場合に、最低賃金が今労働者は時給で七百三十円ですよね、最低賃金、ちょっと上がって七百三十円ですよ。じゃ、米価の場合は、この労働報酬に換算したら時給幾らかと調べると、これ、〇八年度産ですよ、それで三百二十五円ですよ。だから、労働者の最低賃金もこれでもまだ不足だと言っているのに、半分にも行かないんですよ。
 こういう状態、総理、異常だと思われませんか。総理。
#315
○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に、米の価格について今、水の価格とを比較しておっしゃられたわけでありますけれども、稲作農家の人たちは丹精を込めてお米を作ってもらっておると。昔から、米という字は八十八回の手入れが必要だと、こういうふうなことで大変努力をされておる。それに対してきちっとした評価がなされるというようなことでございますが、まさしくそういう中で生産者の方々の苦労というふうなものも、やはり業者の方々も理解をされ、そして消費者の人たちも理解をしていただく中で、全体としてやはりお米というふうなものは大変重要な日本の国の主食なんだなというようなことを、この共通の認識を持ってもらうというようなことも非常に大事なことではないかと。自分さえ良ければいいというようなことではなしに、お互いが日本のこの連綿と続いてきた稲作について改めて理解をしていただくということが大事なことではないかなと、こんなふうに思っております。
#316
○紙智子君 総理、総理の感想を求めたいと思います、その安さについて。
#317
○内閣総理大臣(菅直人君) 水を五百ミリに比べて、米五百ミリリットルというのかtというのか、それの方が、ほとんど値段が変わらない、あるいは安い。あるいは、賃金水準に比較すると、最低賃金よりも半分以下と。
 私自身がその数字を確認したわけではありませんが、そういう点では非常に低い水準にあると。ただ、そのことがもちろん大規模に生産する人あるいはもっと効率よく生産する人にとって成り立つ、成り立たないということは、ちょっとその百ミリリットルだけではなかなか判断できませんけれども、感覚としてはそういう感覚を説明を聞いて受け止めました。
#318
○紙智子君 ある農家の方が、もっと価格が下がればいいと言うわけですよ。で、びっくりして、なぜですかって聞いたら、もっと下がったらもうやめる踏ん切りが付くというふうに言ったんですよ。これは、私はもう言葉を失います。そういう思いにさせているというのはやっぱり政治の責任だと思うんですよ。
 更に事態はひどくて、ちょっと見てほしいんですけれども。(資料提示)これは、農協から農家に払われる米の仮渡金、概算金ですよね。六十キロ当たりで、これ見ると七千円台が出てきているんですよ。これ、去年とおととし辺りはもう一万円とか一万一千円とかだったんですが、一万円を割って、八千円どころか七千五百円ですね、こういう値段が出てきているわけですよ。
 それから、二〇〇九年産米です。この二〇〇九年産米の米価は、とにかく見て分かるように、下落の一途をたどっているということです。ですから、去年の九月の時点では一万五千百六十九円、これ、六十キロの値段ですね。それが今年の八月は一万四千百六円ですから、もう千円下がってきているということです。
 これに加えて、今年の新米、今年の新米は更に下がっているわけですよ。だから、農業者も農協も地方自治体も過剰米については買い上げてほしいと一貫して求めているわけです。ところが、菅内閣は、これ、拒否してきているわけですね。総理、なぜ買取りをされないんでしょうか。総理、総理に聞いているんですよ。
#319
○国務大臣(鹿野道彦君) 米の買上げにつきましてお触れいただきましたけれども、先生御承知のとおりに、食糧法によりまして、いわゆる米穀の備蓄というのは、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する事態に備え、必要な数量の米穀を在庫として保存すると、こういうふうな取決めがあることを先生も一番御存じなことだと思います。
#320
○紙智子君 総理。
#321
○内閣総理大臣(菅直人君) 今農水大臣の説明もありましたし、先ほど私も申し上げましたが、この備蓄運営上必要のない米の買上げということについて消費者の理解を得られることが難しいということ、また、米モデル事業の非参加者が米価上昇の最大のメリットを受けるといったようなこと等で問題があるということで、慎重な姿勢で現在臨んでいるということであります。
#322
○紙智子君 書いたものを読まないでいただきたいんですね。本当に現場は大変な思いで、どういう思いでこれまで何度も何度も繰り返し要請しているかということを受け止めていただきたいと思うんですよ。
 それで、今農水大臣がおっしゃったけれども、必要のない米を下支えのために買うということをやると、要するにお金を使うことに対しては国民の理解得られないという、そういう答弁ですよね。
 それであればお聞きしますけれども、いいですか、来年度からは内閣として備蓄を変えましたよね。棚上げに変えたわけですよね、備蓄を。これを、大臣にお聞きしますよ、四十万トンを今年前倒しで買い上げた場合の予算額は幾らになるのか、これ一つ。それからもう一つは、米価下落で当年産の米の販売価格が六十キロ当たり千円下がった場合、戸別所得補償モデルの事業で新たな持ち出し予算は幾らになるのか、これ数字だけでいいです。端的にお答え願います。
#323
○国務大臣(鹿野道彦君) 二十二年度産米四十万トンを政府が買入れした場合の当該年度の財政支出額は、買入れ費及び保管費用で合計一千百四十五億円であります。それから、仮に米価が千円下がった場合の所要額は一千百六十六億円であります。二千円下がった場合の所要額は約二千三百三十二億円であります。
#324
○紙智子君 ちょっとおかしいですね。これ事前に聞いたら、四十万トン買上げに九百七十億円って聞いていますよ。今の数字間違いじゃないですか。
#325
○国務大臣(鹿野道彦君) 四十万トンの買上げにおきましては、合計、いわゆる保管費用なりあるいは買入れ費で両方、両方で、私どもとすれば両方で千百四十五億円と、この数字を申し上げます。
#326
○紙智子君 ごまかしていますよね。実際に買い上げたら幾ら掛かるかと聞いたのに、プラスして保管料まで入れて数を大きくしてやろうとしているんですけれども。
 つまり、言いたいのは、今四十万トンを買い上げてほしいという要求があるわけです。それを買い上げれば、結局、国が戸別所得補償で千円下がった場合に出す分よりも二百億円、国の支出が増えるということになるわけですよね。今お話があったように、さらに、もし、米価が千円で止まるとは限らないと、二千円下がった場合には、今度、支出分は二千三百三十二億円となるから、四十万トン今買い上げるよりも二倍以上も国費を投入しなきゃいけないということなんですよ。
 だから、国民の理解を得られるということであれば、むしろやっぱり買い上げて価格下がるのを止めた方が支出が少なくて済むわけですよ。そうじゃありませんか。
#327
○国務大臣(鹿野道彦君) 今のことについて触れさせていただきますと、かつて、平成十九年でございますけれども、三十四万トンの買上げが行われたんです。その際どうであったかといえば、いわゆる相対価格はほぼ横ばいで推移して、下げ止まり程度の効果で終わってしまったというふうなことだけはどうぞ御承知おきしていただきたいと思います。
 ゆえに、私が申し上げるのは、そういうような、今先生が言ったようなことで、とにかく買上げをするというようなことでありますならば、それは価格も上がるんじゃないかというふうなことでありますけれども、現実、平成十九年度の場合はこれは上がらなかったと、ほぼ横ばいにて推移したということであります。
 そういう意味で、私どもは、今回の戸別所得補償制度におきましては、いわゆる今までの一番米が下落したときというものにきちっと対処できるような、そういう設定をさせていただいておりますということを申し上げたいと思います。
#328
○紙智子君 いいかげんなことを言ってもらったら困るんですね。実際に過去に買い上げたときに変わらなかったって言うけど、そんなことないですよ。下げが止まったんですよ、あのときに。止まったし、実際に農家の人たちは助かったと言って喜んだんですよ。だから、効果はあったんですよ。もちろん、それがずっと続くわけじゃないですよ。
 ただ、言いたいのは、結局そういう事態が、ずっと備蓄の仕組みが変わらなければそういうことが続きますけれども、今回、備蓄の方式、変えたわけじゃないですか。棚上げ方式に変えたわけだから、より一層できるわけですよ。いかがですか。
#329
○国務大臣(鹿野道彦君) 確かに、一時的には回復があったんです。しかし、その相対価格がほぼ横ばいでその後推移したということでございまして、重ねて申し上げますけれども、その下げ止まりの程度で終わってしまったということです。
 それから、備蓄につきましては、今概算要求で、棚上げ備蓄にいたしたいという方向で概算要求をいたしておると、こういうことであります。
#330
○紙智子君 前政権の鳩山内閣のときにはっきりと棚上げ備蓄やりますというふうにおっしゃったわけで、それはやるわけですよね。やる以上は、これは今までと同じようなことを理由としては言えないと思いますよ。
 実際に買い上げたものを使わないものは五年間保管して、五年たったらそれを市場と違うところに回すというやり方ですから、だから市場に影響しないわけですから。今も、それ、前倒しでやるということが価格の下落を止めるし、この後の対策にもつながっていく話なんですから、それを大体やれないという、そういう理由は成り立たないですよ。
#331
○国務大臣(鹿野道彦君) もう先生、そういうことをおっしゃりますけれども、無理なんですよ、もう回転備蓄でもう既に平成二十二年度の予算は執行されておるわけでありますから。そして、あくまでも棚上げ備蓄にするというのは来年度から予算要求をしているということでありますから、それを前倒しにやれと言っても、それは無理なことでありますということを申させていただきたいと思います。
#332
○紙智子君 農家の人たちが困っているときに、できませんって最初から言うわけですか。そして、これからのことだからと言うんだけれども、それがやっぱり政治の責任じゃないんですか。政治の果たす役割として、来年から決まっているものを動かさないということじゃなくて、だから前倒してやったらいいということを提案しているわけじゃないですか。
#333
○委員長(鶴保庸介君) 鹿野農林水産大臣、時間が来ております。
#334
○国務大臣(鹿野道彦君) だから、この戸別所得補償制度については、価格が下落をした場合のことに備えて変動部分というものの設定をさせていただいておるということを申し上げさせていただきたいと思います。
#335
○紙智子君 この問題は、本当に聞いている皆さんにとっても納得いかないと思いますよ。本当に苦しんでいる、必死の思いで、言わば本当に心の底からの叫びを上げている、そういう農家の皆さんの立場に立ってやっぱりこの問題、取り扱っていただきたいと。何でもかんでも市場に任せばいいわけじゃないわけで、やっぱりきちんと価格保障、所得補償をして、そして農業を守るという立場を改めて申し上げまして、時間になりましたので、私の質問を終わります。
    ─────────────
#336
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
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#337
○荒井広幸君 たちあがれ日本・新党改革の荒井でございます。
 内閣総理大臣、菅直人総理大臣、普天間の問題、尖閣の問題、そして政治と金の問題、今日お聞きしていますと、残念ながら傍観、だれかにやらせて傍観していると、そういう印象を否めません。
 さて、十八分しかありませんから、ウルトラマンは三分で問題を解決し、我々は十八分で解決しろということですので、的確に総理、お願いいたします。
 これは、公明党さんと私と総理の、言ってみれば宿題です。美術品の国家補償制度の創設についてお伺いをいたします。
 平成二十一年一月二十一日、麻生内閣、中川昭一当時財務大臣、前向きに検討する、二十二年三月十七日、鳩山内閣、当時財務大臣菅直人、総理であります、検討するとおっしゃっています。我が国の官と民の美術館、たくさんありますけれども、国内外の美術品を日本に展示、公開する場合に非常に損害等の保険料が高くなっています。このままでは展覧会開催が困難になる、入場料がアップする、ますます見れなくなる、こういう悪循環が考えられますが、この宿題に対して、総理、そろそろ法案を提出するべきではありませんか。いかがですか。
 総理、簡潔にお願いいたします。
#338
○委員長(鶴保庸介君) 総理大臣に御指名があります。お答えください。
#339
○内閣総理大臣(菅直人君) 詳しい中身は文科大臣が説明あると思いますが、制度の内容が固まり次第、法律案を国会に提出していきたいと。詳しいことはちょっと文科大臣に答弁させます。
#340
○荒井広幸君 詳しくは結構です。
 やるということで、総理、よろしいですね。はい。
 これは非常に結構なことなんです。今日の私のテーマは何かといえば、公共のサービスを充実して提供していく。それと同時に、財源がありませんから、財源を大切に使うための政治の知恵、あるいは政治技術と言ってもいいと思います。その意味で、この国家補償制度というのは非常に暗示的なものがあるんです、明示的なものがある。何か。今の保険料、実は九九・九%、例えば壊れた、燃えたということでなくなるということはあり得ないんです。予備費を積んでおいて、予備費で万が一があったらお支払いするというふうにしますから、実は言ってみれば見せ金で済んでいるんですよ。しかも、与信が付きますから海外からどんどん、ああ、日本政府が補償するんだから持ってこようということになる。こういうお金の使い方というのを我々は提案している。ですから、総理との宿題でこれができ上がるということは大変に歓迎をいたします。
 続きまして、ますます、総理、分からなくなったんです、今日の質問を聞いておりまして、答弁を。この事業仕分というのは、一、財源捻出なんですか。二、無駄、不正や天下り、こういったものをチェックし事業を見直すことなんですか。三、その両方なんですか。これをちょっとお尋ねしますが、総理、どういうことなんですか、目的は。
#341
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 事業仕分は、第一義的には、財源を捻出するものではなくて、税金の使われ方が適正かどうか、あるいは国が行うのか、地方が行うのか、民間が行うのがいいのか、その事業の是非も含めて全体的に見直していくものでございます。
#342
○荒井広幸君 私はここに、二〇〇九年、政権交代前の八月六日に民主党国会レポートというのが出ているんです。インターネットでも御覧ください。これでは明確に「「事業仕分け」で財源捻出」と書いてあるんです。明確に書いてある。ところが、財源が出てこないことが分かったから今度はチェックだと、こういうふうに力点変えているんです。選挙によって言うこととやることが全く違う。民主党の皆さんは違うと言っているんですが、私が作った資料じゃありませんよ。民主党の選挙前の資料ですよ、国会レポートですよ。このように、言っていることとやっていることが違う。全くこれを改めて申し上げておきます。
 その上で、PFIというお金、行政サービスを提供しながらお金を有効に使う。まして、高齢化がしてきています、少子化はあってはなりませんが、そういう傾向もある、国民負担がだんだん重くなる可能性もある、負担する人が少なくなるということです。同時に、例えば、皆さんのお手元に配付をいたしましたけれども、ごみ焼却場、こういったものの耐用年数に来ているものが何と二割近くあるんです。さあ、自治体も国も支援するお金がない、しかしごみは燃やさなけりゃならない。どうするか。
 その知恵がPPPあるいはPFIと言われる官民連携なんです。いいサービスを提供しながら、お金がないから民からお金を借りてくる。そして、民の知恵やノウハウ、そういったものを借りていいサービスを提供しながら、行政の方は大体十五年から二十五年が多いんですが、毎年毎年借り受けて、まあ言ってみれば間借りをしていくようなものなんです。こうやって経費削減をしていく。これについて、本当に一生懸命やっていかなくちゃならないわけですけれども、会計検査院から指摘があります。
 平成二十年度予算におけるこのPFI事業に関しての会計検査院の指摘、これについて、公務員の赤羽住宅、そして赤坂の議員宿舎、これについての指摘がありましたが、どういう指摘で改善されたかを会計検査院長、簡潔にお願いします。
#343
○会計検査院長(西村正紀君) お答えいたします。
 検査報告は平成十九年度の検査報告でございますが、衆議院と財務省がPFI事業で宿舎の建設、維持管理を行わせる契約を行いまして、契約の相手方に対しまして、施設購入費などを長期間にわたって……
#344
○荒井広幸君 簡単にね、消費税の部分でいいですから。
#345
○会計検査院長(西村正紀君) はい。利子相当額も分割して払うわけでございますが、これにつきましては、契約書に明確に定めておりますと消費税が払わなくてもいいということで、今後の契約においてはそれを明確にするようにということを指摘いたしまして、衆議院と財務省で改善されたものでございます。
#346
○荒井広幸君 つまり、非常に手続が面倒で、これは故意ではないんです。消費税を二つで約四億二千万円ぐらい払い過ぎたというだけなんです。それを戻しました。こういうふうに会計検査院、非常に会計経理というオーソドックスなことをこれはきちんとやっているんです。
 では、蓮舫大臣がおっしゃいましたね、不正や無駄、事業の見直しなんだと。だったら、総理、これも総理に対して私は宿題事項です。政府がやるのは結構でしょう、蓮舫さんの下で、事業仕分を。国民に参加させてください。国民監査請求制度を提案いたします。これは何遍もやっています。総理とはこれは去年、今年もやっていますね。総理とやっておりますが、この国民監査請求制度というものについて、総理、どのようにお考えになるか、御見解を聞かせていただきたいと思うんです。
 これは説明しないといけないだろうと思いますので、国民監査請求制度というのは、簡単に言えば国民皆さんが仕分人になります。これはおかしいな、これは不正に使われているんじゃないかと、これは私の税金だよ、天下りに使われているんじゃないか、会計検査院に一定の書類をもってこれを申請します。会計検査院はそれを調査して、ああ、それはいいことですね、お手元に渡しています。そして、そういうことをやるならば会計検査院が代わってチェックしていくんです。これは国民固有の権利です。そして、不服です、直していない、役所が、あるいはいわゆるお金の返納が足りない、こんなことになったら、税金の無駄遣いしてとんでもないんだから返済してくれという裁判を起こせる、この二本です。おかしいという捜査をしてくれ、二つ目は結果が悪ければ裁判できる、これが国民監査請求制度です。
 どうですか、政府がやるよりも国民に固有の権利としてこの国民監査請求制度をお認めになれませんか。いかがでしょうか、菅総理。
#347
○内閣総理大臣(菅直人君) お尋ねの国民監査請求制度、今、荒井さん御自身が説明もありましたが、国民は国の違法な公金の支出等について会計検査院に対して検査を請求することができ、会計検査院又は国等の措置に不満がある場合、訴訟を提起することができる制度というものの提案だと承知しております。
 現在は、国民が会計検査院に直接検査を求める仕組みについては、まず国の財政行為に関して憲法が予算についての国会決議、決算の国会による審査を定めて国会による財政統制を徹底させる立場を採用していること、第二に、会計検査院は憲法上の独立の機関であり、検査活動に関する自律性が確保されるべきことなどから、個々に国民が直接こういう請求をできるようにするということについてはかなり検討が必要だと考えております。
 しかしながら、国民が税金の使い道について行政に意見が言える機会を増やすということは、行政の透明化や国民本位の政治という観点から重要であると考えており、いろいろな課題はありますけれども、一つの御提案として受け止め、研究をしていきたいと。以前から行政監視院とか、私もGAOという制度を以前提案したことがありますけれども、そういう意味で、税金について納税者がより監視をしていくということについて、積極的な提案であるので、受け止めて研究をさせていきたいと、こう思っております。
#348
○荒井広幸君 全般の総理の説明は、これはずっと自民党内閣から同じです。鳩山内閣も同じ。検討しますで全然検討していない。傍観者でいないでください、菅総理。国民目線はどこに行ったんですか。二十二年の、今年ですね、菅総理就任直後の所信表明演説、政治は国民の力で変えられるとの信念を持っている、国民が積極的に参加し、国民の統治による国政を実現することを目標とする。高らかに、総理、あなたがうたっているんです。
 憲法上ももうほとんど問題がない。委員の皆さんにお手元に、閣僚にもお渡ししましたけれども、この法案骨子、法制局と作っております。日弁連とも協議をしております。今、政治や行政に不信でしょう。消費税を上げるかどうかは別として、無駄を根絶すると言うなら、国民がとことん無駄がないんだというまで自分が申し出て検査をさせられる、それでこそ、もう一歩日本の政治を進める段階に、こまが進められるのではありませんか、総理。傍観者でいないでください。総理、具体的に検討していただきたい。いかがですか。
#349
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほどから傍観者、傍観者と何度も言われますからあえて申し上げますが、私は一つの内閣というチームを率いているんです。何でもかんでも私一人が物事を決めるわけではもちろんありません。ですから、それぞれの大臣がそれぞれの分野についてはまず一義的に責任を持って新たな施策を進めているわけでありまして、それをトータルして、言わばチームプレーとして、岡田ジャパンであれば岡田監督の役目、時には自分自らチームの中に入っていくこともありますけれども、そういう行動を取っているわけで、監督は傍観者ではありません、全体を指揮している立場でありますので。荒井議員が傍観者、傍観者と言うことについては、私としてはその言葉はお返しをしておきたいと思います。
 その上で、先ほども申し上げましたが、私も国民が自分が払った税金をしっかりとチェックするということはいろんな形でやるべきだと。かつてGAOという法案を出したときには、会計検査院が、今は多少積極的になりましたがやや消極的でしたし、そういうことを含めて国会に調査権を持ったそういう強力な機関を設けたらどうかと。そして、そこで出したものを国会に報告をして、それに基づいて国会が必要のないものには予算を付けないと、そういう形を提案したことがあります。
 いずれにしましても、先ほど来の積極的な提案でありますので、別にその何とか内閣と同じだということではなくて、この国民監査請求制度について会計検査院で検討する、あるいは党で検討する、そういうことを含めて研究、検討をさせていただきたいと思っております。
#350
○荒井広幸君 総理の全般が長いので時間がありませんが、五月十四日、一年前に民主党が会計検査院法の三十七条の二項を付け加えまして、何ぴとも申請するように、法改正しているんですよ、皆さんは。ところが、それはやったかどうか、調べたかどうかというものはない、訴訟もない。だから不十分だということを言っているんですから、どうぞ、枝野大臣、平野官房長官も検討する、副総裁であった菅総理、これからまたやる、全く言っていることとやっていること全然違う。あのときも検討すると言った。だから傍観者と申し上げたんです。
 時間がありません。蓮舫大臣にお尋ねいたします。
 蓮舫大臣、こうしたPFI、PPPというものは、今までの事業仕分にこの観点からの検証をされましたか。それから、PPP、PFIというのは有効であるよ、公共サービスを提供して皆さんが喜ぶようになる、そして同時に財政負担も少なくなる、つまり税金掛からなくなる。そして、そういうノウハウが、需要がどんどんでかくなっている特にアジアに対して、ワンセットで日本が持っていける、お金も技術も考え方も導入できる、こんないい貢献はないんです。結果は成長戦略につながります。
 どうでしょうか、今度の独法の仕分において、PPP、PFI、これを推進する立場で検討すべきではないでしょうか。
#351
○国務大臣(蓮舫君) お答えします。
 国も地方も財政事情が非常に厳しい中、荒井委員御指摘のとおり、必要な社会資本整備並びに既存施設の維持管理等をより少ないコストで実施するためにPFI、PPPを積極的に活用していくのは、私も全く同感でございます。
 これまで行った事業仕分でも同じ視点を生かしておりまして、例えば独法、国が行っている事業は民間事業者を含めてだれが実施主体として適当なのか、あるいは民間等においてより少ないコストで同様の効果が得られていないかといった視点も含めて検証は行ってきています。その結果、仕分をして適正な事業を見直すことによって歳出削減が可能になって、無駄がなくなって、財源が捻出してきているという成果も得ています。その部分で、先ほど国会リポートで書かれたことと矛盾はないと私は思っています。
#352
○荒井広幸君 ところが、報告にはPPP、PFIというのは事業仕分に出てきていません。どうぞこういう観点を入れてください。
 そして最後に、総理にこれをお尋ねいたしますが、議員立法で実は前々国会で廃案になっております。資本市場が危機に陥ったときには、ETF株、これを、これTOPIX、それから日経平均があるんですが、大量の銘柄を政府が買い上げて市場を安定化させよう、国民生活をこれを安定させようという緊急対策です。
 これが私に念頭にありますけれども、いろいろ円高株安、そしてデフレ退治というのは重要なんですが、どうでしょう、こうした緊急のときのETFの政府、日銀による株買い制度というものを用意しておきませんか、万が一に備えて。いかがでしょうか。
#353
○委員長(鶴保庸介君) 最後の質問ですね。
#354
○内閣総理大臣(菅直人君) 公的資金によるETF等の買取りについては、昨年の通常国会において与野党で協議が行われる中、当時の与党側議員により法案が提出されたものと承知をしております。
 当時は、極めて急激に株価が下落する状況を受け、臨時異例の措置としてETF等の買取り制度の検討が行われたわけですが、現時点はそのような状況、もちろん株価がかなり上下しておりますが、現在それが必要な特別な状況にはまだ達していないと、こういう認識をしております。
#355
○委員長(鶴保庸介君) 荒井広幸君、時間が来ています。
#356
○荒井広幸君 用意しておくべきだろうと考えております。
 関連する質問については、またいろいろな委員会でさせていただきます。
 ありがとうございました。
#357
○又市征治君 社民党の又市です。
 平成二十年度決算の総括質疑、いつも私が一番、本当に名実共に締めくくりでございまして、しばらくお付き合いいただきたいと思います。
 この総括質疑に入る前に、二、三、時事課題についてお伺いしておきたいと思います。
 まず、日韓併合百周年に当たって総理談話が出されました。総理は、九五年の村山談話を踏まえて、八月十日に日本の植民地支配についての反省とおわびを含む談話を発表されております。この中で、「政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。」、こう述べられておるわけですが、総理、これは、一九一〇年の韓国併合は、朝鮮半島を占領した日本軍によってかの地の人々の意思に反して強制されたものであった、こういう認識だというふうに理解してよろしいですね。また、この認識は当然、朝鮮半島全体ですから北朝鮮に対しても同様の認識だろうかと思いますが、その点も伺います。
 あわせて、この北朝鮮との関係ですけれども、拉致問題という一日も早く解決が望まれる課題が横たわっています。解決のための方策の一つとして私は、日朝平壌宣言というのがあると思いますけれども、この宣言を生かして二国間交渉を主体的に進めるべきであると思いますが、総理の見解を求めたいと思います。
#358
○内閣総理大臣(菅直人君) 今年は日韓関係にとっては大変な節目の年でありまして、八月十日、総理談話を発表させていただきました。この談話で述べたように、我が国による植民地支配が当時の韓国の方々の意に反して行われたとの点を認識し、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられた韓国の人々の痛みを忘れてはならないと考えております。当時の韓国という意味は、まさに当時はまだ一つの国でありましたので、そういう意味を含めてだと御理解をいただきたいと思います。
 北朝鮮との関係では、日朝平壌宣言において、日本側は過去の植民地支配によって朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明をいたしております。
 日朝関係について言えば、日朝平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針には変わりはありません。北朝鮮による前向きかつ誠意ある行動があれば、日本としても同様に対応する用意があります。
 日韓併合条約については、先ほど申し上げたように、日本から、この一九六五年の日韓基本条約でも確認されているとおりでありまして、従来の立場、もはや無効であることが確認されるという従来の立場を変更はいたしておりません。
 拉致問題に関しては、二〇〇八年八月の日朝協議の合意に従い、北朝鮮による調査の早急なやり直しが重要だと、北朝鮮にボールがあるものと認識をいたしております。
 我が国としては、北朝鮮による調査のやり直しが早期に開始されて、生存者の帰国につながるような成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めていく考えであります。すべての拉致被害者の生還を実現すべく、考え得るあらゆる方策を使い、一日も早い解決を目指してまいりたいと思います。
#359
○又市征治君 ボールはどっちにあるとかではなくて、主体的に、平壌宣言両国で結んだんですから、そのことを踏まえて主体的にやっていただくようにお願いしておきたいと思います。
 二つ目に、政権交代の下で、高校教育の無償化、実質無償化法案が成立をいたしました。しかし、朝鮮高校の適用はいまだたなざらしという、こういう状況です。
 お配りをいたしました資料、これ、実はこういうパンフレットが出ていまして、その中の一つを、一文をそこに抜粋して資料にお配りしました。京都の朝鮮高校生の心境をここで言っているわけですが、ちょっと読み上げますと、
 私たちにあるもの
 私たちにあるものは 悲しくつらい過去である
 私たちにないものは 楽しく明るい過去である
 私たちにあるものは ないはずの差別である
 私たちにないものは あるはずの権利である
 私たちにあるものは 明るく眩しい未来である
 私たちにないものは 暗く進めない未来である
 私は、これ非常にすばらしい詩を書かれたものだと、こう思うんですが、高校三年生ですけれども。
 ここにあるように、せっかくいいものをつくったのに、この半年余りの政府の対応によってこの無償化法が新たな差別を生んでいる、そういうふうに受け止めている、こういう子供たちがたくさんいる。こういうことを考えますと、総理、早急にこの適用というものについて努力をなさるべきじゃありませんか。
#360
○国務大臣(高木義明君) 又市委員にお答えいたします。
 朝鮮学校の指定、いわゆる生徒への就学支援に関しましては、ただいま審査の基準について検討をしておるところでございます。総理からの指示もいただきまして、民主党の党内の議論もすべきだということもございまして、今私どもは、この検討委員会の報告あるいは民主党内の議論、そして、これまでも度々国会でも議論が出ております。また、この国会でもあっております。そういうものを踏まえて、審査の基準については文部科学大臣の権限と責任において決めたいと思っております。これからもその上に立って、指定するかどうかと、このことの審査もございます。できるだけ速やかに対応していきたいと思います。
#361
○又市征治君 民主党さんも終わられたようでありますから、早急にそれはもう適用すべきですよ。少なくとも出口で差別のないようによろしくお願いしておきたいと思います。
 三つ目に、人事院勧告の扱いの問題についてです。先般来、この人事院勧告を超える給与の引下げが政府内部から言及されておりますが、これ自体は長い自民党政権時代にもなかった中身ですね。政府は人勧尊重の義務を負っていることを忘れられたんじゃないのかと、私なんかそんな思いをいたします。
 そこでまず、公務員の給与決定方式がどのような経緯と論拠で形作られてきたのか、今日は人事院総裁来ていただいていますが、簡潔にこれ御説明いただきたいと思います。
#362
○政府特別補佐人(江利川毅君) 国家公務員は、国家公務員法によりまして労働基本権の一部が制限されております。その制約の代償措置として、人事院が国会及び内閣に対しまして給与勧告を行うということになっております。
 人事院が勧告を行うに当たりましては、国家公務員法に定めます情勢適応の原則に基づきまして、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本としておりまして、職種、役職段階、勤務地域、学歴、年齢等を同じくする者同士を精密に比較して勧告を行っております。この勧告は六十年以上にわたって行われておりまして、人材確保や労使関係の安定などを通じまして定着してきていると認識しております。
#363
○又市征治君 総理、お聞きのとおりでありますし、十分御承知なんでしょうけれども。とすると、この人勧を超えて切り下げようとすれば、今人事院総裁おっしゃっていただいた給与決定方式、これ全く新たな何か中身を出してもらわないかぬ。それを少なくとも労使双方と国民の理解を得てやらなきゃ話にならぬのだろうと思うんですが、どういう方式をお持ちなのか。お持ちが今のところないんなら、これ補正予算の財源にも絡んでくるわけでしょう、当然のこととして。ですから、今年は人勧どおりやりますということをむしろこの場で表明されたらどうですか。総理、総理、これは総理が答えなきゃ。
#364
○国務大臣(片山善博君) 公務員について、労働基本権が制約されていることの代償措置として人事院勧告方式があるということは、これはもう先ほど総裁のおっしゃったとおりであります。
 ただ、現下の社会経済情勢でありますとか、それから財政事情とか、そういうことがありますし、また民主党の方針もありますので、これらをどういうふうに兼ね合いを持たせるかというのをこれまで検討してきているところであります。現在はそういう状態であります。
#365
○又市征治君 財源状況というのは今までもずっとあるんですよ。去年も、おととしも、さきおととしもあったんですよ。そういう問題じゃないんだ、この制度というのは。そういう話をされるからおかしくなっていくんでね。
 そこで、総理、菅内閣は、デフレ脱却、雇用創出、個人所得増など、これ重要課題だと、こうされている。他方で、これに逆行する公務員の総人件費二割削減というものもまた一方で主張されている。これは全く矛盾ですよ、これ。
 民間賃金準拠である公務員の給与は、その資料でお示しをいたしました、この十二年間で既に平均約二割、百二十万円も年収減になっているわけですね。こうした官民労働者の所得減、全体が下がっているわけですが、これがこの間の消費減退とデフレを招いて経済成長を停滞をさせてきたと。これは、根拠薄弱な総人件費二割削減なんというのは、これは更にこれを加速することになるんじゃありませんか。これこそ総理の見解をしっかりお聞きしたいと思います。
#366
○内閣総理大臣(菅直人君) 国家公務員の総人件費の二割削減は、民主党のマニフェスト二〇〇九において、子育て・教育、年金・医療、地域主権、雇用・経済に税金を集中的に使うという、そのための財源措置として提起をしたものであります。
 このデフレとの関係、確かに一般的には私も、民間を含め、特に非正規雇用などで給与水準が全体として低い、一方で企業はかなりの内部留保を持っている。そういう点で、いつも申し上げているように、雇用を中心とした対策をすることによって全体として給与が引き上げる結果になることが望ましいと、このように思っております。
 ただ、そのこととこの国家公務員の総人件費の問題は、もちろんその水準の民間準拠というものがどの民間と準拠するのかという議論があることはもう御承知のとおりであると同時に、やはり効率のいい国家公務員の制度、これは出先機関の廃止といったようなものを今取り組んでおりますが、そういうことなどを含め、あるいは今も議論のありました人勧制度の趣旨そのものはしっかり認識をいたしておりますが、そういうことの決定方式の、あるいはそうした争議権等の付与等も含めた議論もありますので、そういうことを併せて、国家公務員の総人件費二割削減ということについては、必ずしもデフレの脱却とか雇用創造と矛盾するもの、逆行するものとしてとらえているわけではなくて、これはこれとして検討する必要があると、こういう認識でおります。
#367
○又市征治君 相当認識が違うようですから、これはしっかりと議論をこれからもさせていただきたいと思います。
 そこで、二十年度決算検査報告、先ほども指摘がございましたが、指摘事項は七百八件、総額二千三百六十四億五千万円、平成十九年度決算と比較をしますと、指摘件数は減ったけれども、金額は約一千億円増えている。指摘事項のうち、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認められた事項というのは五百九十三件、百二十三億円もある。一方で、蓮舫さんなどを含めて税金の無駄遣い一掃と、こういって一生懸命叫んでおられるんだけれども、毎年数百件のこうした巨額に上る指摘がなされるようでは、政府が検査院報告、真剣に受け止めていないというふうに国民は私は受け取ると思うんですね。
 そこで、総理、この二十年度決算報告をどのように受け止めて、また、こうした指摘が繰り返されないようにどういう方策を取られているのか、決意も含めてお聞かせください。
#368
○国務大臣(野田佳彦君) 又市委員にお答えしたいと思います。
 委員御指摘のように、平成二十年度決算報告というのは、指摘の金額も、そして件数も極めて多かったということです。前政権時代とはいいながら、しっかりとこれ政府で受け止めていきたいと思いまして、昨年の十一月、当時の鳩山総理、そして藤井財務大臣から、各閣僚に対して指示がございました。
 その中身は、改めて予算の厳正かつ効率的な執行と経理の適正な処理に努めていただくとともに、検査報告や国会審議の内容、財務省による予算執行調査結果などを平成二十二年度予算編成に的確に反映するようにと、そういう内容でございまして、それを受けまして、旧政権下では見過ごされていた公益法人等の過剰な基金の積立ての国庫への返納などを行い、総額約千六百九十億円を平成二十二年度予算に反映をさせたところでございます。
#369
○又市征治君 これは本当にしっかりやって、私、もう九年間この決算委員会でこのことを申し上げているんだけど、本当になくならないんだ。毎年毎年こういうことが起こっている。
 そこで、この後、特別会計の改革の理念であるとか、あるいは来年度予算編成に向けて剰余金や積立金をどう扱うんだということを野田大臣やあるいは蓮舫大臣に聞くつもりだったんですが、時間がなくなっておりますので、これは飛ばさせていただきます。今後またやらせていただきます。
 そこで、委員長、私は、これいずれにしましても特別会計について国民の不信感は非常に強い、こういう状況に今日あると思うんです。そこで、私は、この際、国会法第百五条に基づいて、特別会計改革の実施状況等について検査院に検査要請をすることをこの委員会として決定いただくようにお願いしたいと思います、お諮りいただきたいと思います。
#370
○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をさせていただきたいと思います。
#371
○又市征治君 次に、私は、この四月の決算委員会において、独法や公益法人の事業見直しによって雇用への影響が予想されるので、平成七年の特殊法人の整理合理化時の前例に倣って、総理を長とした雇用対策本部の設置を提案をいたしました。当時の枝野さんは、独立行政法人等の改革に当たってもそこで働いている皆さんの雇用対策について万全を期すと、こう答弁をされているわけですが、総理は一にも二にも三にも雇用と力説をされている総理大臣ですから、改めて雇用対策本部の設置など、万全を期していただきたいと思いますが、この点の見解を求めます。
#372
○内閣総理大臣(菅直人君) 独立行政法人については、年内をめどにすべての法人の業務の全内容を例外なく検証し、その結果に基づき各独法の事務事業や組織についての見直しの基本方針を策定し、今後の制度改革につなげたいと考えております。
 その見直しに当たっては、昨年十二月の閣議決定において独立行政法人の雇用問題に配慮する旨を述べているところであり、委員御指摘の点も含めて適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
#373
○又市征治君 それでは次に、以前私や公明党の山下議員が取り上げました会計検査院から防衛省への局長二名の懲戒処分要求について伺います。
 この件については、北澤防衛大臣はその当時、御指摘でもありますので、しっかり対応していきたいと答えられましたが、報道によりますと、防衛省は六月三日付けで検査院に、改めて検討した結果、処分は妥当であり、これを取り消して懲戒処分は行わないこととしたと通知されたと報じられています。
 私たち質問者に何の連絡もありませんが、北澤大臣、これ、報道に間違いないとしたら、処分が注意処分で妥当だというこの理由をもう一度改めてお聞かせいただきたい、これが一つ。
 併せて検査院に伺いますが、この問題は、会計法令に違背をして二十一億八千万円も余分に国庫から支出をされたことが懲戒処分でなくて注意等で済まされたから検査院も指摘したわけでしょう。このことがまた、注意で結構なんですということになったら検査院の使命が果たせるのかどうか。なぜ異例の懲戒処分要求までなされたのか、そのことも併せて後でお答えいただきたいと思います。
#374
○国務大臣(北澤俊美君) この件については又市委員が大変関心を深くして追及をされてこられまして、委員会で私が答弁して、改めて調査をすると、こういうふうに申し上げて、結論が出たときに又市委員にちょっと連絡をしなきゃいけなかったなと、私は今しみじみそう思っておるわけでありまして、その点については御容赦願いたいと思います。
 この件については、昨年の十二月二十四日の会計検査院長からの懲戒処分要求を受けて、私も改めて慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、先ほどお話しになったように、原処分を妥当として懲戒処分は行わないという処置を決定して、本年六月三日、私から会計検査院長に対してその旨を文書で通知をいたしました。
 もう経緯については十分御存じだというふうに思いますが、当時、シュワブの先で大変な混乱があってその対応に追われておったということでありまして、私も現地のことも十分承知をいたしておりますので、改めてこの処分を決定をさせていただいた次第であります。
#375
○会計検査院長(西村正紀君) 会計検査院といたしましては、本件事態につきましては、正規の手続を取ることなく、法令、予算に違反して契約で定めていない業務を受託会社に行わせ、結果的に和解金として多額の国費を支払うことになったこと、予算執行を言わば予算執行の責任者である支出負担行為担当本官という高い職責にある者がこの事態を容認していたというような点から懲戒処分の要求を行ったものでございます。
#376
○又市征治君 時間が過ぎておりますのでここで終わりますが、先ほど荒井委員がおっしゃった、こういう問題についてはやはり、国家支出の問題についての、これは制度検討というのは私は非常に大事だと思います。その点だけ御指摘申し上げ、この後のまた委員会で追及してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
#377
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#378
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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