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2010/10/15 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 予算委員会 第3号
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2010/10/15 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 予算委員会 第3号

#1
第176回国会 予算委員会 第3号
平成二十二年十月十五日(金曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十四日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     武内 則男君
     林  芳正君     塚田 一郎君
     山本 一太君     宇都 隆史君
     草川 昭三君     白浜 一良君
     長沢 広明君     松 あきら君
     大門実紀史君     山下 芳生君
 十月十五日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     榛葉賀津也君
     宇都 隆史君     石井 浩郎君
     片山虎之助君     藤井 孝男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 武志君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                水戸 将史君
                森 ゆうこ君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                有田 芳生君
                一川 保夫君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                榛葉賀津也君
                武内 則男君
                徳永 エリ君
                友近 聡朗君
                中谷 智司君
                西村まさみ君
                安井美沙子君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                石井 浩郎君
                磯崎 仁彦君
                宇都 隆史君
                片山さつき君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                福岡 資麿君
                山崎  力君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                石川 博崇君
                白浜 一良君
                松 あきら君
                桜内 文城君
                山下 芳生君
                藤井 孝男君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣     柳田  稔君
       外務大臣     前原 誠司君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   大畠 章宏君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  馬淵 澄夫君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        松本  龍君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 仙谷 由人君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  岡崎トミ子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    海江田万里君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       外務副大臣    松本 剛明君
       財務副大臣    櫻井  充君
       厚生労働副大臣  小宮山洋子君
       農林水産副大臣  篠原  孝君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  逢坂 誠二君
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       財務大臣政務官  尾立 源幸君
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
       厚生労働大臣政
       務官       小林 正夫君
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
       経済産業大臣政
       務官       中山 義活君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局経理局長   林  道晴君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   植村  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       古澤 ゆり君
       法務省刑事局長  西川 克行君
       経済産業大臣官
       房付       古賀 茂明君
       国土交通省鉄道
       局長       久保 成人君
       観光庁長官    溝畑  宏君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鵜飼  誠君
       会計検査院事務
       総局第三局長   斉藤 邦俊君
   参考人
       日本銀行副総裁  山口 廣秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
    ─────────────
#2
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁山口廣秀君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(前田武志君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。一川保夫君。
#5
○一川保夫君 おはようございます。
 昨日に引き続きまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、朝の一番でございますけれども、環境問題、環境政策について若干総理と環境大臣の所見を伺いたいと思っております。
 地球における生物多様性のこの状態をしっかりと後世につなげていくという意味では大変大事な国際会議が今度、名古屋で十八日から開かれるというふうになっておりますけれども、総理としまして、こういう生物多様性にかかわるような話題というのは、我々あんまりこれまでしっかりとした関心を持って取り組んでこなかった嫌いもありますけれども、ある面では非常に大事な課題でございます。これからの我々の生活においても、またいろんな経済活動においても、こういったことをしっかりと念頭に入れたいろんな活動が必要になってくる時代かなという感じはいたしますけれども、総理としましては、我が国でこういう国際会議が開かれるということについて、そして、この生物多様性の課題について総理自身はどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。
#6
○内閣総理大臣(菅直人君) 一川議員のおっしゃるように、この生物多様性、私も率直に申し上げて、この言葉は最近非常に強く感じるようになりましたが、以前は言葉としてはなかなかまだ頭に入っておりませんでした。しかし、先日もニューヨークに出かけたときに松本環境大臣とも御一緒いたしまして、世界の中では大変大きな関心を持たれている、その会議がまさに名古屋で今度行われるということになっております。
 もちろん言うまでもなく、地球上の生物を守ることは最終的には人間の命を守ることにもつながると思っておりますし、同時に、そうした中で、いろいろな薬の材料になる問題とかいろいろな問題があって、ある種の南北間の利害調整ということも大きな課題になっていると思います。そういった意味で、これは地球を守ると同時に、そうした側面、南北間の利害調整という側面も含めて是非、大変な仕事だと思いますが、環境大臣にしっかりと取り組んでいただきたいと、こう思っております。
#7
○一川保夫君 それでは、環境大臣にお聞きするわけですが、この生物多様性条約国の会合、第十回だというふうに聞いておりますけれども、環境大臣はこのCOP10の議長役を務められるという大変重要な責任があるわけですけれども、今、今回のこの会合でどういうことが課題になって、そしてどういうそれに対する解決の見通しを持っておられるのか、その辺りをお聞きしたいと、そのように思います。
#8
○国務大臣(松本龍君) おはようございます。
 一川委員の質問にお答えをしたいというふうに思います。
 今、生物多様性という言葉が少しずつ浸透して、今総理もおっしゃられたように、非常に大きな意味を持っているというふうに思っております。生物多様性条約第十回の締約国会議がもう三日後に名古屋で開かれるようになりました。議長国として大変な今責任を感じながら、しっかり頑張りたいというふうにまず思っているところであります。
 我々は自然の恵みによって生きています。むしろ、生かされていると言っても過言ではないと思います。そういう意味で、生態系を保全をし、あるいは持続可能な利用をしていくというのが大きな我々の使命だろうと思っています。
 一つの目的としては、二〇一〇年以降空白期間をつくらないように、二〇一〇年以降の大きな目標、世界目標を作っていくという作業をしっかりその成果をとらえていきたいというふうに思っております。
 もう一点大事なことは、ABSといいますけれども、遺伝資源の利用と利益の配分ということであります。これは具体的に言うと、片方では、利用国が医薬品を作ったり食品を作ったりして、まさに人類の福利に貢献をする世界がありますし、また提供国の方では、その生態が壊される、それを止めていかなければならない、生態系を保全をしていくという大きな使命があります。その二つをしっかり組み合わせていきながら、いろいろ相違はありますけれども、ABSの枠組みをつくっていく作業がこれからのもう一つの課題であろうかというふうに思っております。
 いろいろな課題はありますけれども、議長国として議論をしっかり深めていきながら、会議の成功に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 ありがとうございました。
#9
○一川保夫君 大変我々も勉強になる会議だろうというふうに思いますし、この際、我が国の国際社会におけるイメージをアップするためにも、是非しっかりとした議長役を務めていただきたいなというふうに期待しております。
 次に、これもやはり国際化に関連する問題で、総理並びに経産大臣、農水大臣にちょっと御所見を伺いますけれども、例のEPAに関する問題とか、最近出てきたTPPというような言い方の、こういう貿易自由化促進に関するような話題が非常に飛び交ってきております。これは、総理の所信の中でも従来にない相当積極的に対応しようとする姿勢が見受けられるわけでございますけれども、総理としましては、こういう課題について、いつごろをめどにどの程度までこの問題については方向付けをしようとしておられるのか、その辺りいかがでしょうか。
#10
○内閣総理大臣(菅直人君) このEPA、FTAといった課題については、率直に申し上げて日本がやや全体としては立ち遅れているという認識を持っております。特に、お隣の国韓国、先日ASEMで李明博大統領にお会いをしたときにも、EUとの調印が明日あるんだということを言われておりました。そういった意味で、我が国がまさに国を開いて世界の中に貿易の面でも更に積極的に打って出るということにおいて、こういった場面をしっかりととらえていく必要があると思っております。同時に、それに伴う国内の問題に対しても、これも同時にしっかりと対応をできる体制をつくらなければなりません。
 今、日程的なことをお尋ねでありますけれども、一つ、十一月のAPECそのものが、アジア太平洋地域での自由貿易というものの推進というAPECの本来の役割もありますので、そういう中ではAPECという枠の中でもこういった議論がより必要だと思いますし、特に日本については、それにAPECだけの問題を超えて必要だと思っております。
 日程的なことは余り固く言うことは適当でないかと思いますが、国内的な対応も含めて積極的に、そして余り遅れないように取り組むことが必要だという認識を持っております。
#11
○一川保夫君 今総理の方から、国内的な対応、その体制づくりということも一方では非常に大事だというお話もございました。
 じゃ、経産大臣の方から、所管大臣にもなるわけでございますが、その辺りに対する基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
#12
○国務大臣(大畠章宏君) 一川議員の御質問にお答えしたいと思います。
 経済産業省として、今、円高等で国内の企業は大変厳しい情勢にさらされていることは御存じのとおりであります。特に、総理から基本的な認識は答弁されたわけでありますが、十月の六日に韓国がEUとFTAに調印をしたと、こういうことで、韓国は二十七か国とFTAを結ぶという情勢下に入ったわけであります。
 日本はどうするかということでありますが、基本的に、総理が基本的な方針を示されましたけれども、日本としてもFTAあるいは経済連携というものを結んでいくと。そして、日本の企業が国際的に同じような競争条件、環境を整えるということは大変大事だと思います。
 ただ、その情勢は情勢でありますけれども、日本の国内対策、特に農業、林業、漁業との両立というものをどう図るかというのは、私は一番大事でありまして、この問題を考える上で、農業産業、民主党としては今、六次化産業というふうに呼んでいるわけでありますが、この強い農業をどうつくるかと、ここの前提条件を外してFTA、EPA等々に踏み込むことは大変困難だと私は思っています。
 したがいまして、経済産業省としても、この強い農業、いわゆる農業を、林業、漁業という産業をいかに強力なものにするかということについて、全力で経済産業省としてもバックアップしていきたいと、そのように考えております。
#13
○一川保夫君 今の総理の御発言それから経産大臣の発言の中にも、国内対策をいろいろとこれから詰めてまいりたいというお話がございました。
 その中で、第一次産業である農林水産業に対する、あるいは農村地域に対する大変な影響、悪影響が心配されるということだろうと思いますけれども、一方では、我が国は貿易立国でありますし、また、これから経済が低迷しておる中でしっかりと経済の振興を図っていかなければならないという状況の中で、農林水産大臣としまして、国内の対策、この体制づくりという面では、農林水産行政、農林水産大臣のこれからのリーダーシップが非常にある面では期待されるわけでございますが、お考えをひとつよろしくお願いしたいと思います。
#14
○国務大臣(鹿野道彦君) 総理からも今EPAにつきまして考え方が述べられたわけでありますけれども、これから経済連携協定というふうなものは、当然我が国としてもこのEPAは推進をしていかなきゃならない、そのとおりだと思います。
 しかし、どうしてもこのEPA等々を進めていきますと、今、一川委員申されたとおりに、国内の第一次産業に取り組んでおられる人たちに大きな影響が及ぼされるわけであります。
 そのことを考えたときに、具体的にそういう農業なりあるいは農村の振興というものをこれからも当然図っていかなきゃなりませんし、それから二〇二〇年までに自給率を五〇%に引き上げるという、こういう閣議決定もありますから、そういうことを実現していかなきゃならない。言わば、このEPAの推進と今申し上げたような具体的な施策と両立を図っていくというようなことがこれはどうしても重要なことでありますので、そういう認識の中で私どもも取り組んでいきたいと思っております。
 そういう中で、今、大畠大臣の方からも、私どもの考え方につきまして、農業というものの、第一次産業の国内対策の必要性というのも申していただきましたので大変有り難いなと思っておりますけれども、具体的にEPAを進めていく上においてはどうしても国内対策がセットでなければならない、こういうふうな認識に立つところであります。
#15
○一川保夫君 我が国の一次産業、特に農業分野というのは、かねてからこういう話題になると経済界と農業界が対立してみたり、あるいは生産者と消費者が対立する、都会と農村が対立するという図式が非常に見え隠れした中で、国際会議がいろんな面でやりづらいというか、国際会議の場で最終的には日本の考え方がなかなか通らない。要するに、日本の国内の世論が一致していないというところに尽きるんだろうと思いますけれども、そういう面では、この問題についてはしっかりと日本の国内の世論を一つの方向に向けていくということがないと国際会議の中で日本の主張が通らないのではないかというふうに思いますので、是非関係大臣にその辺り頑張っていただきたいなというふうに思っております。
 そこで、今のことにちょっとヒントを得るわけですけれども、今貿易自由化によって海外からいろんな農産物等々が入ってくると大変だという思いは一方であるわけだけれども、逆に、日本の農林水産物等が、あるいは加工品等で海外に積極的に輸出するというようなことをかねてからいろいろと一部の人は言い出しておりますし、私も非常に大事なことだろうと思います。
 特に、隣国である中国は相当の人口を抱えておる地域でもありますし、最近では我が国の食品に対して中国の皆さん方も、大変安全でおいしい、見た目にもきれいだという面の大変そういう嗜好が高まってきておるというふうにも聞いておりますけれども、農水大臣はこういう問題に対してはどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
#16
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、一川委員から申されたとおりに、日本の国内で生産された農林水産物というものが非常に安心感を持たれて、是非そういうものが欲しいという国が増えているわけであります。とりわけ、中国は富裕層の方々が増えている中で、日本からの農林水産物、どうしても要望の声が高まっておる、こういうようなことも承知をいたしておるわけでありまして、そういう中で、六月に定められた新成長戦略の中でも、今農林水産物とそれから加工食品等々で外国に行っておりますのが、輸出されておるのが約四千数百億でありますけれども、二〇一七年までにこれを一兆円くらいに持っていきたいと、こういうような考え方も示しておるところでございますので、この問題はアジア地域を中心として、我が国で生産されたものを積極的に諸外国に、要望も大きくなっているわけでありますから、輸出をしていくということにもこれから取り組んでいきたいと、こう思っております。
#17
○一川保夫君 是非、そういう積極的な姿勢でそういう分野についてまた指導をよろしくお願いを申し上げたいと、そのように思っております。
 それでは次に、昨日来、チリ北部の鉱山の落盤事故でもって三十三人の方が救出をされました。大変すばらしいことであり、喜ばしいことでありますけれども、このことを何か、総理大臣はどういう感想をお持ちですか。
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 非常に三十三名が全員無事に地中から戻ってこられたことは本当にすばらしいことだとうれしく思っております。
 と同時に、チリという国が銅を含めて大変なそうした資源を持っておられる、そういう中での安全性や、またそういう資源というものの重要性というものをいろんな面で考えさせる部分もあるんではないかと、このように思っております。
#19
○一川保夫君 今回のこういった落盤事故ということを思うときにすぐ連想するのは、我が国も大変大きな地震が頻発しているわけでございます。今回の落盤事故の原因はまだはっきりしておりませんけれども、我々はこういうことを見るといろんな教訓を得るわけですが、私が今からちょっと質問させていただいて、関係大臣等の所見を伺いたいわけです。
 総理大臣もこれまで先送りされてきたいろんな政策課題を、重要課題をしっかりと実行したいということを所信表明ではっきりとおっしゃいました。私なりに政策課題と思われるものをここで幾つか取り上げますけれども、まず一つは、非常に災害が割と近年目立つわけですけれども、自然災害ですね。そういう中で、地震というものがどういう状態で発生をし、それに対する対策がどうなっているかということに尽きるわけですけれども、私が、阪神・淡路大震災が発生してから今年で十五年です、この十五年間に、じゃ震度六弱以上ぐらいの、割と人的に被害があるような災害が何回あったかということを調べてみますと、ここにちょっとパネルも用意しましたが、(資料提示)そちらに資料も配付されていると思いますが、全部で十九回あるわけです。十五年間で十九回非常に大きな地震が我が国で発生していると。
 じゃ、この地震がどの辺りで発生しておるかといいますと、この地図にもちょっとプロットしてございますけれども、ほとんど日本列島全域でそういう地震の影響が出てきている。じゃ、片やそれに対する対策めいたものはどうなっているかということを調べてみますと、かつて東海地震、東海地震ということで大変な騒いだ時代もありますけれども、幸いにして東海地域は大きな地震はないわけでございますが、議員立法によって、特定地域をカバーするようなそういう法律というのは我が国に三つぐらいあります。それはほとんど太平洋地域をカバーしております。
 じゃ、片や最近起こった大きな災害はその地域に集中しているかというと、そうでもありません。新潟地震、新潟でも大きな地震が二回ありましたし、能登半島でもありました。鳥取県でもありましたし、九州の北部地域でもございました。
 そういうことを考えますと、議員立法といえども我が国の日本列島の一部しかカバーしていないという法体系というのはおかしいじゃないかと。やはり日本列島はいつ何どきどこで大きな災害が発生するかもしれない時代です。ですから、私は、この際日本列島全体のそういう災害に対する格差を是正するという面でも、しっかりとした法体系を整備すべきじゃないかというふうに私自身はそう思うわけですけれども、総理、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(松本龍君) お答えいたします。
 我が国は世界の〇・二五%の国土でありますけれども、世界のマグニチュード六以上の地震の二割が発生をしております。そういう意味では、今委員御指摘のとおり地震大国でありますし、それに向かってやっぱり災害立国でもあるというふうに思っているところであります。
 この十年間でも、先生の御地元の能登半島地震を始め、平成十六年には新潟県の中越地震がございました。また宮城や岩手の内陸地震等々で、まあ太平洋側ではなく日本海側の地震も大変多いわけですけれども、いわゆる地域立法のことについてお尋ねだと思いますけれども、地震発生に一定の周期性がある、あるいはそのメカニズムの解明が比較的進んでいる海溝型大規模地震対策とした法整備が進んでおります。確かにそうでありますけれども、結果として太平洋側が対象となっているのは御指摘のとおりであります。
 一方、阪神・淡路大震災を教訓として、私のところも五年前に西方沖地震というのがあって、これも私、ちょうど家におりましたけれども、びっくりしました。そういう全国どこでも起こり得る直下型地震を含めた、全国を対象とする地震防災対策特別措置法が制定をされており、必ずしも特定の地域を対象とした対策を講じているわけではありません。
 さらに、近年起こっている、先ほど申しました中越地震でありますとか様々な地震を教訓にしながら、中央防災会議において、地方都市等における地震防災の在り方を審議する専門調査会を設置をして孤立集落対策や被災地の復興対策について検討を進めているところであります。
 防災担当大臣として、全国どこでも起こり得る地震に対して万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#21
○一川保夫君 地震予知をされる学者の方もたくさんいらっしゃいますけれども、今、私がちょっと先ほど説明したような、割と日本海側とかそういったところは余り予知されてない地域に大きな地震が発生してきておるわけです。ですから、今大臣が答弁されましたけれども、私は、やはり防災、地震に対する備えという、日ごろの訓練だとかいろんな公共施設の補助率のかさ上げだとか、そういう面でやはりこれまで法律的にある程度カバーされたところとそうでない地域が相当格差が出てきていると、そして、通常の政策が割と手薄になっておる地域は地震が発生すると大きな被害につながるわけでございますので、是非問題意識を持って取り組んでいただきたいと思うし、また我々も、与野党共通の課題でもありますので、しっかりとそういう問題を取り組んでいきたいなというふうに思っておるところでございます。
 では、次のテーマとして、私は地方自治体に対する出向体制ということについてお伺いしたいと思っております。
 この改造内閣で、片山大臣、大変目玉大臣として投入されてきておるわけでございますから後で御所見をお伺いしますけれども、今現在、中央省庁から各自治体に出向されている数は何人いるかと調べてみますと、驚くなかれ、千六百十七人いると。これ、私が調べた数字ですから必ずしも完全に正確かどうかちょっと分かりませんし、各省庁の調査した時点がちょっとずれておりますので、そのトータルの意味がどこまであるかあれですけれども、千六百人余り中央省庁から各自治体に出向しているということです。その中で、おおむね七割ぐらいは都道府県に出向しております。おおむね二割ぐらいは市町村に出向しておる。おおむね残りの一割弱は政令指定都市に出向しておる。
 これは、私は、政権交代前の戦後ずっと続いてきた自民党政権の時代からこういう体制があるわけですけれども、私自身の印象としては、これは中央集権的な政治の一つの仕組みとしてずっと定着してきておる。片や、地方自治体が、今は地方分権だとか地域主権というようなことまで言い出す時代ですから、当然、地域が自立しなきゃならないわけですし、各地方自治体にも優秀な人材がたくさん育っているわけです。そういう中で、従来の一種の既得権的に中央の役人がそこへ入っていくということに対しては非常に私は問題があると。
 民主党政権として、本当にこれから地域主権、地方分権ということをやるのであれば、このやり方を見直す必要があるんではないかなというふうに思いますけれども、まず、片山大臣、いかがでしょうか。
#22
○国務大臣(片山善博君) 私の経験から申しますと、私、鳥取県で八年間知事をやりまして、各省庁からの出向者を受け入れておりました。そのときに、今議員がおっしゃったように、国からの押し付けとまでは言いませんけれども、慣例として代々同一ポストに送り込んでくるというのがございまして、それは変えました。変えるときに大変大きな抵抗といいますか圧力を感じましたが、毅然として変えました。やればできました。それから、いろんな人が来られたんですけれども、最初のころはちょっと地方ではどうかなと思う人もいまして、それはもう返品をいたしました、ちょっと言葉は悪いですけれども。ですから、自治体の方で自主性、主体性を保とうと思えばできるというのが私の実感と経験であります。
 ただ、すべての自治体がそうかといいますと、決してそうではない。やはり無言の圧力を感じるなどで、実はこれは全部自治体が要望した形になっているんですけれども、無言の圧力で要望をせざるを得ないというようなものもあると思います。
 今後のことでありますが、一つは、省庁の方として絶対に押し付けはしてはいけない。これは、私は総務省でもまず隗より始めよでやろうと思いますし、それから各省にもこれはお願いをしたいと思っております。それからもう一つは、自治体の方の自主性でありまして、自治体の方もしっかりしてもらいたい。今までの慣例とか漫然として受け入れるということではなくて、本当に必要かどうかをよく吟味してもらいたい。その上で要望があれば、それは出したらいいと思うのであります。
 問題は一つありまして、無言の圧力というのを言いましたけれども、それは、例えば今問題になっております各省の補助金、これなどはやはり無言の圧力を感じます、感じました、私も。ですから、補助金の一括交付金化をして各自治体が自由度を持つということが必要だということに一つはなります。
 それから、補助金だけではなくて地方交付税などにもやはりそういう問題はあります。地方債の関与、この問題もあります。これは総務省の問題でありますので、私自身の問題としてこれは改善をしていきたいと思っております。
 以上が今の私の考え方であります。
#23
○一川保夫君 今、知事経験者の片山大臣の発言ですから、そのとおりだと思います。
 私も全く同じ印象を感じますし、この無言の圧力という言葉は非常に重いわけですけれども、各省は、今まで部長で送り込んでいたそのポストを、じゃ課長に切り替えようとすると、いや駄目だと、部長で用意しろというようなことを平気で言っているという話も聞きます。そういうことも含めて、これはまさしく中央集権時代の一方的な思いではないかなという感じはするわけです。
 ですから、各地方自治体に優秀な人材も育ち、それから各自治体の職員の士気にも影響するわけでございますし、私が見ている限りでも、そういった出向してきた人たちは、仕事、職場が変わると、まず霞が関にあいさつに行くと。県内のことよりも霞が関を向いて仕事をする、判断をするというケースが出てきているんではないかという心配をするわけです。
 ですから、総理にちょっとこれからの思いをお伺いをするわけでございますけれども、そういう面では、千六百人余りの中央官庁から地方自治体に出向しておるこの体制、私は、国家公務員は数が多過ぎるからこれを削除しろと言われても仕方ないじゃないかというふうに言われますし、また各自治体には相当の高級なポストでみんな派遣されているわけです。そんなにまだ経験もないけれども、中央官庁では課長クラスの人がどこか自治体に行くと副知事になってみたり、とんでもないことになっておるわけですけれども。
 じゃ、こういうことを総理大臣としてはこれからちゃんと見直しをして、もっと自治体の皆さん方もちゃんと活力が出るようなやり方に切り替えていくというお考えないですか。
#24
○内閣総理大臣(菅直人君) この中央省庁からの自治体への出向、今、一川先生も言われたように、私は、やはり霞が関の支配が自治体にまでしっかり及ぶ大きなツールになっていると。もちろん、お金の面とか補助金とかという制度もありますが、人材もそういう形でそういう一つの中央省庁の中央集権を言わば機能させている大きな力になっていると。また、逆に見れば、今のお話にもありましたが、自治体の側もややそれにおんぶをしてというか、依存しているということも率直なところあると思います。
 そういった点では、やはりこの部分をどちらからも、今、片山大臣から言っていただいたように、どちらからも変えていって、将来は自治体自身が自分たちでもっともっと人材を集めていく、そういうことが進んだときに本当の意味での地方主権というものが実現するだろうと。ある意味、片山大臣に大臣をお願いしたのもそういうことを大きく期待してお願いしたわけでありますので、是非実現を目指して私も頑張りたいと思っています。
#25
○一川保夫君 是非、今地域主権ということを我々も強く訴えながら、できるだけ権限、財源を地方に移譲しようとする時代ですから、そういう面からも今回のこの出向人事というやり方をしっかりと見直すということでは、特に、そこに一覧表ありますから、百人以上送り込んでいる官庁が四つか五つありますけれども、こういう官庁を特にしっかりと見直しを掛けていただきたいなと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、私は一つの課題としていつも地元でも聞くわけですけれども、新幹線の問題というのは政府としてはどういう方向で取り組もうとしておるのかというのは、ちょっとはっきりしていただきたいなというふうに思います。
 これは、新幹線という高速交通というのは大変な魅力のある交通機関でございますし、日本の今日までの発展に大きく寄与してきておるというふうに思っております。昭和三十九年、東京オリンピック、あの時代に東海道新幹線が開通いたしました。あと四年もたつと五十年経過するわけです、東海道新幹線は。そういう中で、今、東北新幹線はこの十二月の四日に新青森まで全線開通するという、そういう予定でおられますけれども、私はこれはまたこれでこの地域にとっては大変すばらしいことだなというふうに思います。
 まず、基本的に総理はこの整備新幹線というものについてはどのような思いを持っておられますか。総理、いかがですか。
#26
○内閣総理大臣(菅直人君) 高速交通ということでいえば、新幹線、それから高速道路、まあある意味では飛行機、この三つが考えられると思いますが、私は基本的なネットワークは全国あまねく必要だと思っております。
 ただ、その場合に、その今三つ申し上げたものがすべてが同じ地域に必要なのか。ある地域は高速鉄道で、ある地域は、まあ島なんかはもちろんですが、飛行機で、またある部分では高速道路がある部分に並行して新幹線が必要なのか、逆に言えば新幹線がある部分に並行して高速道路が必要なのか、こういったこともトータルして考えると。しかし、基本的には全国のネットワークというものは必要だと、このように思っております。
#27
○一川保夫君 この高速交通の最も基幹的な新幹線、前政権時代から一つの予定ルートなり予定の整備する区間というのはもう既に発表されておりますし、いろんな面で皆さん関心を持っているわけですけれども、私は自分自身が石川県であるから言うでもないんですけれども、北陸回りの新幹線というのはある面では非常に期待された新幹線ルートであったというふうに思います。先ほど私は災害を言いましたけれども、東海地震が発生するんじゃないかというような時代に、東海道新幹線なり国道一号線がもしやられた場合には大変なことになるということで、北回りの、北陸回りの新幹線を急ぐべきだという当時のいろんな考え方があってそういう路線が引かれたというふうに聞いてきましたし、我々もそういうふうにいろいろと先輩の議員からも教えられてきました。
 しかし、現実は、今まだ、四年後には金沢まで開業するという格好になっておりまして、その金沢から以西、大阪にかけてどういうルートでいつごろをめどにどうするかということすら決まっていない。先ほど言いましたように、あと四年たつと東海道新幹線が開業してから五十年になる、五十年。五十年もたてばどこかでその施設がもう制度疲労を来して改修工事に入らざるを得ないケースだってあるわけですよ。また、あってはならないけれども、いつ何どき災害があるかもしれない。
 そういうことを考えますと、少なくともこの北回り、北陸回りの新幹線は、政府の責任でどういう整備方針で大阪まで連結させるかということぐらいしっかりと責任持って対応したらいかがかと思いますけれども、国交大臣いかがですか。
#28
○国務大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 先ほど総理からも御答弁がありましたように、あまねくネットワークというものは整備をしていくべきものと。この整備新幹線におきましても、私どもも同様の考え方を持ちながら、建設中の区間については着実に進めて、さらに、今先生御指摘の北陸並びに北海道あるいは九州長崎ルート、こうしたものについては未着工でありますから、今後、この未着工の区間につきましては、整備がなされた後、全体的なネットワークとしての効果の発現というものを確認するということを前提に整備の検討をしてまいりたいと考えております。
 基本的にはその条件がございまして、財源、これはもう当然ながら確保しなければなりません。さらには収支採算性、そして投資効果、またJRの同意というものもございますし、並行在来線、これは経営分離ということが前提になっておりますので、その場合には沿線自治体の同意といった五条件がございます。こうした条件をしっかりと確認させていただきながら前へ進めるということでありまして、御指摘のように、ネットワークを維持しながら、均衡ある発展というのはまさに地域の自立と、このことを前提に考えたいと思っております。
 そして、敦賀以西でありますが、これも大阪までのルートということでありますが、今日においては、敦賀以西につきましても先ほど申し上げた条件の確認をしっかりと行いながら検討をしていくということだというふうに思っております。
#29
○一川保夫君 私は、この民主党政権というのは、ある面では今残されているいろんな課題をもっと国民の皆さん方に分かりやすく、地域の皆さん方にもしっかりと期待にこたえていくという姿勢が一方でないと、まあ何となくいろんなことを条件を付けながらやり過ぎているとなかなか物事が前進していかない。そういう面で是非、国交大臣にもそういう問題意識を持って取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 それから、これ最後になりますけれども、私の持ち時間ちょっともうそろそろでございますから、農水大臣に特にお聞きしたいんです。
 農水大臣、先生は山形県です。私は石川県です。この前、新聞に、二日前に私の家の近くでもクマが出たわけですけれども、もう本当に自分の家の近くにもクマの足跡があるわけですが、そういったように山形県あるいは福井県、富山県、石川県なんというのは最近クマのニュースが非常に多いわけですが、私は過疎地域対策ということについてもっと今政府を挙げて真剣に取り組まないと大変な問題になるというふうに思います。もうだんだんだんだん人間が住みづらい環境になってきておりますから、だんだん平野部に下りてくると。そうすれば、動物も奥山にえさがなくなる、だんだん人里に近づいてくれば割と安易にえさにありつけますから。
 そういう面では今非常に厳しい状況でございますので、私は、この過疎対策というものについて、これまで過疎対策特別措置法というものが十年ごとに更新されてきております。その都度、法律の名前を一部変えながらやってきておりますけれども、全然歯止めが利いておりません。そういう面では、農水大臣、まずその辺り、現状についてどういう認識を持っておられますか。
#30
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、一川委員の申されたような現状認識は共通の認識であります。
 そこで、山村地域をどうやってこれからも活性化を図っていくかということは農林水産省としても大変重要なテーマであると。このような考え方に立ちまして、先ほど言われた鳥獣被害等々も、やはり人間と動物のすみ分けがきちっと行われておったわけでありますけれども、動物だって生きていかなきゃなりませんから、えさがなくなればだんだん下がってくると、こういうようなこともありますし。そういう意味で、やはり森林・林業の再生というものもしっかりとやってこの荒れ果てた森林再生をしていかなきゃなりませんし、また、当然のことながら山村におけるところの第一次産業に対する取組も、高齢化が進んでなかなかそこで働く人たちも不足してきていると。このようなことから具体的にやはり施策を講じていかなきゃならない、こういうことで森林・林業の再生プランの施策を思い切ってやっていくと。
 それからもう一つは、やはり、今も行っておりますけれども、中山間地域に対するところのいわゆる直接支払というふうなものの制度もこれから続けていかなきゃならない。
 こういうようなことで、いかにして山村地域を守るということが大事なことであるかということを国民の人全体に理解をしていただく、その多面的機能というふうなものの重要性を多くの人たちに御理解をいただくためにも啓発、啓蒙にも努めていきたいと、こう思っております。
#31
○一川保夫君 これで最後にいたしますが、総務大臣、この過疎法等を所管していらっしゃいますけれども、過疎地域のこういう今の現状、大臣もよく御存じだと思いますけれども、これをしっかりと、やはり単なる経済効果だとか経済効率という物差しだけで物事を判断していると、私はこの過疎地域といいますか中山間地域の本来果たしている役割というのは果たせなくなると。その一番大きな被害を被るのは、そこに住んでいるよりも、その下流部にいる都会の皆さん方が大きな被害を受けるわけですから、総務大臣、いかがですか、こういう問題に対する決意のほどは。
#32
○国務大臣(片山善博君) 私も過疎の自治体の多い県で知事をやっておりまして、過疎の現状に対する認識、それから過疎対策の必要性を痛感してきた者の一人であります。
 実は、過疎地域の振興というのは、やはり自治体が中心になるべきだと思います、一番地域のこと詳しいわけですから。その自治体に対してこれまでかなり手厚い支援を何十年も続けてきているんです。いるんですが、さっきおっしゃったような現状であります。
 この過疎対策というのは、従来ハード偏重でありまして、いろんな施設を造りなさい、それに対して優遇してあげますよということをやってきたんです。ですから、どこに行っても、道路にしても箱物にしてももう本当にそろっております。ただ、人がいない。例えば、道路は良くなって、その道路でどこにでも行けるんですけれども、実は病院に行ったら医者がいないとか、そういう非常にパラドキシカルなことが起きているわけです。
 そこで、本年の三月に新しい、新しいといいますか過疎法が延長されまして、今度新しくハード事業だけじゃなくてソフトにも使えるということになりました。これは私は非常にいいことだと思います。これがどういうふうに展開するのか、これを自治体の方でどういうふうに活用しながら自分たちのやりたいこと、今までのお仕着せじゃなくてやりたいことができるかということの、これが一つの興味深いところであります。
 先般も自治体の代表の皆さんと協議する場があったんですけれども、是非これを使ってもらいたいということと、さらに、使い勝手が悪いんであればどんどん言ってください。これ見直しの規定もありますので、そういう中で取り込んでいきたい。
 いずれにしても、自治体に私は頑張ってもらいたいと考えております。
#33
○一川保夫君 各自治体が頑張れるような環境づくりのために、是非総務大臣に御尽力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#34
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。森ゆうこ君。
#35
○森ゆうこ君 おはようございます。森ゆうこでございます。
 今回は予算の筆頭理事という大変男前な仕事をいただきまして、ありがとうございました。衛藤筆頭理事を始め各会派の皆様の御協力をいただきまして、前田委員長の下、しっかりと頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 早速質問に移らせていただきます。
 まず、総理に確認をさせていただきたいんですが、経済財政政策について、この経済財政政策についての司令塔はどなたでしょうか。
#36
○内閣総理大臣(菅直人君) さきの内閣改造において、私は、海江田大臣に内閣における経済の司令塔の役割を果たしていただける方を任命したと申し上げました。マクロ経済を中心に、海江田大臣に経済財政担当大臣として頑張っていただきたいと、こう思っております。
#37
○森ゆうこ君 ありがとうございます。大変ほっとしておりますというか、大変海江田大臣に期待をさせていただいております。
 それで、海江田大臣に、経済財政政策の司令塔として、我が国の経済財政の基本認識についてまず伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(海江田万里君) おはようございます。
 今、菅総理からも司令塔という言葉で、責任を持ってやれということだろうと思いますので、本当に今厳しい状況でございますので、その責任の重さの前に身の引き締まる思いでございます。
 今、森ゆうこ筆頭理事から、経済財政の現状認識どういうことだということでございます。
 経済につきましては、昨日のこの席でもお話をいたしました。リーマン・ショック以来、去年の春を底に徐々に持ち直しの動きはございます。しかし、その持ち直しがまだ自律的な回復、つまりいろんな形で、これは例えばエコポイント、エコカーの補助などもございました、そうした政策的な後押しもあってその持ち直しは続いているわけでございますが、やはり今ここへ来まして、特にこれから年末を迎えるに当たって、円高の問題、それから雇用が引き続き高い、五%ぐらいのところで失業率が高止まりをしている、あるいはアメリカの経済、ヨーロッパの経済、中国の経済等がありまして、非常に厳しいものがあるという認識を持っております。これが経済でございます。
 あと財政でございますが、この財政につきましても、もう森筆頭は御案内だろうと思いますが、我が国では毎年毎年の予算が税収を上回るこれは借金をしているという状況もございます。それから、長期債務のストックがGDPの、これはいろんな統計がありますけど、一八〇%を超える状況にあるということでございますから、大変財政についても厳しい状況があると。
 ですから、私も、野方図な財政出動をしていいという考え方ではございません。ただ、今私が国の借金がGDPの一八〇%を超える数字があるということを言いましたけれども、これ少し専門的になりますが、債務には実は二通りありまして、総債務あるいは粗債務と、これが大体今お話をしましたGDPの一八〇%を超える状況と。そしてもう一つ、統計の取り方では、この総債務から金融資産を除きました純債務というのがございます。この純債務で見ますと、大体我が国のGDPの一二〇%ぐらいになっています。ほぼイタリアなんかと同じでございます。
 もちろんこの数字も非常に高い数字でありますが、ただ、日本の国のように、今言いました総債務とそれから純債務との間にかなりの差があるということはほかは余りございませんので、これは何なのかというと、やはり日本はその意味では国が金融資産などを持っているわけです。ただ、もちろんその金融資産すべてが活用できるということではありませんが、中にはやはりまだ活用できていないんじゃないだろうかと。あるいは国の不動産などの資産もございます。
 こういうものの資産の活用というのも考えてみてはどうだろうかということを私は代表選などを通じて訴えをしてきたところでございまして、もちろんこれから蓮舫行政刷新の大臣が、もう十月でございます、今月から税金の無駄遣い、特に特別会計にメスを入れますから、そういう全力を尽くしてやはりこの財政の再建、財政の健全化に努めなければいけない、そのように考えております。
#39
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 私、最後の後段の方の活用できる資産、そこに対する認識、ここに果敢にチャレンジするのか、これに私は大いに期待をさせていただきたいと思います。
 今のような状況ですと、もうどうしても増税、財政再建至上主義、こういうふうになりかねませんので、それではますます経済が駄目になる。そういう意味で果敢にチャレンジをしていただきたいと思いますが、円高は十五年半ぶりに一時八十円台ということで大変な状況なんですが、この円高を利用した積極的な投資政策などにつきまして是非御説明をいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(海江田万里君) 具体的には、例えば経済産業大臣などもお考えがございますのでお話があろうかと思いますが、私からは、確かに円高というのは二つの側面がございます。一つは、やはり輸出関連の企業あるいはとりわけその下請の企業などが、本当に悲鳴にも似たような叫びが昨日も私の事務所に幾つかメールが届いておりましたけれども、そういう状況がございます。これに対しては、今回のこのセカンドステップ、総合緊急経済対策で手当てをしなければいけないというふうに思っております。
 これは本当に喫緊の課題でございますが、それと同時に、円高のメリットと申しますか、あるいはもう一つの側面として、やはり円が強くなっているわけですから、今この二〇一〇年の時点でこの強い円を背景に国が何をしなければいけないかという考え方があろうかと思います。
 もちろん、この円高というのは今回が初めてではございませんし、私も八〇年代、九〇年代の円高というのも経験しておりますが、そのころ……
#41
○委員長(前田武志君) 海江田大臣、答弁は簡潔にお願いをいたします。
#42
○国務大臣(海江田万里君) はい、分かりました。
 そこで、私どもは特にやっぱり資源に力を入れて、資源を、それこそ鉱山を買うでありますとかあるいはその権利を手に入れるでありますとか、そういう資源を、日本が今足りていないその資源を購入するために力を尽くすと、そのこともこのセカンドステップの緊急総合経済対策の中に入れてございます。
#43
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 ちょっと具体的なところはまた次回ということでございますけれども、今の特に資源をしっかりと買っていくということについて是非積極的に早く取り組んでいただきたいと思います。
 あわせて、今御言及がなかったんですけれども、国家ファンド、先ほどの新幹線の整備、地域、日本全国のインフラのネットワークを完成させる、そして高度経済成長時代に造ったインフラの更新、ここに国家ファンドあるいは地域インフラの原資として、フローの部分はなかなか難しい部分があるんですけれども、ストックの部分で活用できるものは積極的に活用する、これこそは政治主導でなくては絶対できませんので、その点について御決意をいただきたいと思います。(発言する者あり)
#44
○国務大臣(海江田万里君) じゃ、手短に申し上げます。
 国家ファンドにつきましては、民主党の政策で、特に経済対策で出てきたところでございますが、玄葉政調会長とも御相談をいたしましたけれども、党自体の国家ファンドの設計自体がまだ確定していないというところも、私はそのように理解をしておりまして、これからの検討課題かなということでございます。
#45
○森ゆうこ君 是非積極的にやっていただきたいと思います。
 そこで、個別の政策に移りたいと思いますが、子育て支援について小宮山副大臣に伺いたいと思います。
 子ども手当、少子化対策、これは成功したスウェーデンやフランスなどというのはもっと日本より多くの家族政策経費を投じておりますが、子ども手当の創設に対する小宮山副大臣の思い、また子ども手当の意義について伺います。
#46
○副大臣(小宮山洋子君) 御質問ありがとうございます。
 森筆頭も御承知のように、民主党、ずっと子供政策、力を入れてまいりました。いつもこの国ではどうしても子供のことが実質的に後回しになってきた中で、持ちたい数の子供を産み育てられ、しかも生まれてきた子供が生き生きと生きられる、そのためには総合的な政策が必要だと思っています。
 今の若い方たちも本当は二人は子供が欲しいという方がたくさんあるのにそれが持てない。その理由を聞きますと、最大の理由が必ず経済的な負担ということなので、そこにこたえようというのがこの子ども手当でございます。それで、昨日もちょっと申し上げましたが、控除から手当へということで、控除だとどうしても高額所得の方に厚くなりますので、そういう中で低所得者の方に厚くしてこの経済的な負担にこたえていきたいというふうに思っています。
 日本は子育てへの支援がGDPの中で非常に先進国の中で最も低い国の一つで、〇・八%しかないんですね。少子化対策というより子供を産み育てやすい対策をしっかり取っているフランスとかスウェーデンでは日本の三倍ぐらいの予算をGDP比投じておりまして、それでフランスの場合は出生率が一・九九、スウェーデンは一・九四、日本は一・三七ですので、持ちたい人が安心して産み育てられるようになれば、結果として出生率が上がり少子化でなくなっていくということだと思います。
 日本は世界でもう既に最も少子化の国になっておりますので……(発言する者あり)
#47
○委員長(前田武志君) 質疑の妨げになりますから、質疑者以外の方は御静粛に願います。
#48
○副大臣(小宮山洋子君) この経済的な支援だけではなく、これからつくろうとしております子ども・子育て新システムなど、保育所の充実とか現物給付と言われているもの、また働き方、ワーク・ライフ・バランス、これを保っていくことなど、総合的に、是非これは与野党を超えて皆さんのお力をいただいてしっかり進めてまいりたいと思っております。
#49
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 皆様のお手元にも資料を配らせていただいておりますけれども、今副大臣の方から御説明をいただきました各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較でございます。(資料提示)もう一目瞭然だと思うんですけれども、日本におけるこの支出というのは大変少ない。少子化対策に成功しているフランス、スウェーデンなどの数字をしっかりと見ていただきたいと思います。
 私は、子供政策、家族政策というのはもう二十年は遅れたと思っています。もっとしっかりと早くやっていれば、このような少子化、本当に深刻です、こういう状況にはなっていない、そのように思いますので、是非しっかりとお願いをいたしたいと思います。
 そこで、いろいろ子ども手当については御批判もございましたので、この点について、外国人の子供の問題など、これはどのようにこれまで改善し、また今後どのように改善されるのか。あわせて、子ども手当か保育所かというその議論自体が不毛なんですよ、子育て支援、家族政策にしっかりと予算を積み増していく、このことについて質問させていただきたいと思います。
#50
○副大臣(小宮山洋子君) 今御質問ありましたように、子ども手当については審議の過程でいろいろな問題があったということは認識をしております。
 一つは、海外に居住する子供への対応。これは以前の政権で行われていた児童手当でも同じ問題を含んでいたわけではございますけれども、これについては来年度の制度設計の中で原則として海外に居住している子供は外したいというふうに考えています。ただ、日本に御両親や保護者がいらして留学をした場合にどうするかということがありますので、これについては例外規定を海外でもイギリス、フランス、スウェーデンなどは設けておりますので、そういう工夫ができるかもしっかりと検討をしてまいりたいと思っております。
 それから、この子ども手当を創設する中で私たちも課題として残したと思っているのが、親がいなかったり、あるいはいろいろな事情で施設に入所している子供に行かないということで、今年度は緊急措置として安心こども基金から施設に対して補助をすることによってそこがマイナスにならないようにはしておりますけれども、来年度の制度設計の中については、今、監護養育する者のみとなっているものを、何とかその施設の子供たちにも同じように支給ができるようにしていきたいと思っております。
 また、控除から手当にしたために、子供たちのための控除を既に外しておりますから、このまま一万三千円だとマイナスになってしまうというのはこれは趣旨と反しますので、そこは何とか財源との見合いで補てんをしながら、その後は保育所などの現物給付と併せて、特に今薄いゼロ、一、二歳のところにはしっかりと対応をしていきたい、予算編成の中でそういう対応をしたいと思っております。
#51
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 大変この問題については御関心があるようでいろいろな発言が飛んでおりますけれども、先ほども申し上げましたが、子ども手当か保育所か、そういう議論自体がもう一回言いますけれども不毛なんです。もう本当に何が何でもみんなで子育てを支援していかないとこの少子化は止まりません。そういう意味で、是非、副大臣の活躍を御期待を申し上げたいと思います。
 それでは、次に移りたいと思います。医療、介護につきまして、厚生労働大臣に伺いたいんですが、政権交代によって最大の成果、診療報酬が十年ぶりにネットプラス改正ということで、もう医療再生の方向に大きく政策転換をいたしました。この辺について厚生労働大臣に御所見をいただきたいと思います。
#52
○国務大臣(細川律夫君) それでは、お答えをいたしたいと思います。
 この医療とか介護、年金、子育て、こういうものは、今、少子高齢化大変進んでおりまして、たくさんの方が不安を持っております。そういう不安を取り除くように、安心して暮らせるように、社会保障の充実というのは本当に大事な課題だというふうに思っております。
 そこで、政権交代してまずやりましたことは、今委員からもお話がありましたように、診療報酬改定をしたということであります。それは、十年ぶりにネットプラスということで改定を行いまして、特に問題になっておりました産科、小児科あるいは救急医療の充実に努めたと、そしてまた病院勤務医などの負担軽減にも取り組んでいるところでございます。
 二つ目は、医療に関しては、一体日本の国はお医者さんが過剰なのか不足なのか、そういう問題がありまして、まずはこの実態を調査する必要があるんではないかということで、これまでそういう調査がありませんでしたので初めてこの調査をいたしまして、この調査の結果は二万四千ぐらいの医師が不足していると、そしてまた診療別にもいろいろと過不足があるというような、そういう調査結果が出てまいりました。そういう結果に基づきまして、これから対策をしっかり立てていきたいというふうに思っております。
 そういうことで、社会保障の問題は、今までは社会の一種コストというふうに考えられてきておりましたけれども、しかし、今後高齢化がどんどん進んでまいりますので、医療、介護の需要は更に大きくなってまいります。そうしますと、そこにいろいろな需要がありますので、その需要にこたえるということで、そこでまた雇用を創出をさせて、雇用創出されれば消費が刺激をする、そして経済成長につながっていくという、そういう成長につながるということで期待も大きい分野でございます。
 そこで、今年の六月に閣議決定されました新成長戦略におきましても、高い成長と雇用の創出が見込めます、先ほど申し上げました医療・介護・健康関連産業、これがこれからの日本の経済成長を引っ張っていく、こういう産業だというふうに明確に位置付けまして、ライフイノベーション健康大国戦略というものを打ち出したところでございます。
 こうした中で、菅総理の下、経済成長、財政健全化と並んで社会保障改革を一体的に進めるということで、国民の安心が確保できるように、医療、介護を始めとする社会保障の充実にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)
#53
○森ゆうこ君 いろいろ私の質疑に介添えがあるんですけれども、少し御静粛にしていただければ有り難いかなというふうに思います。
 民主党政権になって、この診療報酬をもう本当にわずかではありますがプラスに改定した。これは非常に大きな政策転換だったと思いますし、今後、国民の今一番望んでいるのは医療、介護の充実等々でございますので、是非今後も頑張っていただきたいと思います。
 そこで、医療にはいろんな問題が今山積しているんですけれども、中でも救急医療、救急の患者さんの搬送を拒否するというような病院がございますが、これはやむなくといういろんな事情がございます。その一つの大きな要因として、人工呼吸器を付けたりしたそういう患者さんのその後のケアをできる、引き受けることができるという病院がなかなかない。そういうところで、今度は救急ベッドが空かないという大きな問題がございますが。
 先日、札幌に参りまして、医療と介護のフォーラムに出席いたしました。そこで出会いました札幌の井上病院、森松静看護部長から、もう私は目からうろこのお話を聞きまして、是非御紹介したいと思いまして資料を配らせていただいております。
 人工呼吸器を付けた患者さん、この方たちが献身的なスタッフのケアによりまして人工呼吸器を外すことができる、さらにはもう自宅に帰って自宅で過ごすことができる、ここまで回復している、そういう事例でございまして、これちょっと見ていただきたいんですけれども、八十二床中七十五人が人工呼吸を付けていらっしゃる患者さん、もうそういう患者さんだけを受け入れて、一生懸命ケアをして、その三〇%、離脱困難と判断された患者の人工呼吸器からの離脱率が約三〇%という、私大変驚きました。
 こういう新しい取組をしっかり支援をしていく、尊厳ある生を全うするための医療、そして介護、この連携ということについて厚生労働省としても努力をするべきであると考えますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(細川律夫君) 森委員、大変いい質問をしていただいたと思っております。これは、医療とか介護、このチーム医療をしっかり充実をさせていかなければいけないということの御指摘であろうと思います。この今指摘のありました病院なども、やはりお医者さん、それから看護師さん、そして介護職員、いろんなたくさんの方たちがチームを組んで医療をされていると、そういう成果だと思いますので、私もこれにはしっかりと取り組んでいかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
 そこで、こういうチーム医療については、来年度の予算でこれはしっかり予算を取りまして、そういうチーム医療をやった場合にどういう効果があるかというようなことを実証的にやっていくと、こういうことを決めておりまして、それをやりまして更に推進をしていくと、こういうことでございます。森先生の今の御提言もしっかり受け止めまして進めていきたいというように思っております。
#55
○森ゆうこ君 もう一度見ていただきたいんですけれども、人工呼吸器、これを外すための呼吸ケアチーム加算というのが本年度から診療報酬で週一回、百五十点加算されました。しかし、この病院にいらっしゃる多くの患者さんの場合は適用されません。なぜかといいますと、この診療報酬が、一か月以内、急性期にしか対応できない。こういうケアというのは一か月以上大体掛かりますので、そういうところに現場に対応できていないということなんですが、今大臣の御答弁でこういう先進的なチーム医療にしっかりと来年度予算配慮をしていただけるという御答弁をいただきましたので、是非御期待をさせていただきたいと思います。
 続きまして、厚生労働大臣ばっかりで申し訳ないんですが、消えた年金記録問題につきまして、今後どのように取り組んでいかれるのか、端的にお答えいただきたいと思います。
#56
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 年金記録問題につきましては、国民の皆さんから大変不信感を強くされた、そういう問題もございまして、これについてはしっかりと国家的なプロジェクトとして取り組んでいかなければというふうに思っております。
 そこで、この年金記録につきましては、これまでまずやっておりますのが年金のコンピューター記録とそれから紙台帳との突合でございます。これは、これまでやってまいりましたねんきん特別便におきまして全員の方に年金記録を発送いたしまして、御自分の記録が間違っているかどうかということを知らせていただくということで送ったのでありますけれども、それに加えて、今度は国の方から、コンピューターとその紙台帳を突合いたしまして、そこで違いがある場合に、国の方からこういう違いがあるけれどもどうでしょうかという確認をしていただいて御連絡をいただくという、そういう今コンピューター記録と紙の突合を始めました。これが実際には十二日から開始をいたしたところでございます。
 それから、もう一つ、年金記録につきましては……(発言する者あり)失礼いたしました。そういうことを進めてまいります。
#57
○森ゆうこ君 今お話がありました紙台帳との突き合わせ作業につきまして、昨日大変な大きな事件が起きました。これは既に逮捕者が出ているものでございますけれども、この件について事実関係をまずお聞かせいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(細川律夫君) これは、昨日逮捕者が出るという不祥事が起こりまして、国民の皆さんにはいろいろな問題で年金記録に対しての不信感があって、何とかそれを回復するようにということで、年金記録の回復をしっかりやっているそのさなかでこういう問題が起こったことを本当に私も残念に思っております。
 今お話がありましたこの事件につきましては、日本年金機構の職員が、コンピューター記録と紙台帳の突合、この事業についての落札の前に、官報に公示前に仕様書などの入札情報を一部の業者に漏えいをしたというもので、この職員は昨夜、官製談合防止法違反容疑で逮捕されたというところでございます。
#59
○森ゆうこ君 この問題は大変やみが深い、実は。自民党政権時代から続くいろいろな問題が絡んでいるというのではないかというふうに思います。
 紙台帳の突き合わせ作業につきましては、費用対効果も含め大変な巨額の税金が投入されるわけですが、このような不正を生む組織的な何か関与があるのではないか、いろんなやみがあるのではないか。これはひとつ、厚生労働省のみならず、内閣全体でこの問題についての危機感を共有していただき、徹底的に調査をしていただきたいと思いますが、内閣官房長官、御答弁をいただきます。
#60
○国務大臣(仙谷由人君) おっしゃるとおりだと思います。社会保険庁のマネジメントといいましょうかガバナンスが、大変長期間にわたって社会保険庁の年金記録の当時の民主党が指摘したような問題を生んだというふうに思いますが、組織を年金機構というものに変えただけでは、結局のところ、この種の問題も含めて、是正するといいましょうか、国民本位のサービス提供ができるというよりも、かえってこういう、何というんですか、癒着の構造が外に拡散する、あるいは外の業者との関係でますます悪くなるというふうな事件だと思います。
 ここは、私どもの方も、この刑事捜査が徹底的に行われることを、さらには、なぜこういうことが、ある種の公共調達の世界でといいましょうか、サービスの公共調達の世界で起こるのか、これは内閣としても、厳に、年金機構といわず他のところでも起こらないように対策を本格的に考えていきたいと考えております。
#61
○森ゆうこ君 実は私、この問題を大分前から調べておりまして、その過程で、実は日本年金機構の年金の記録システム、今レガシーシステムから新しいシステムへの変更が行われているんですが、巨額の税金を投入したにもかかわらず一向に作業が進みません。そもそもこのずさんな年金記録管理に毎年毎年一千四百億円近い税金が十年以上投入されて、既に一兆数千億の巨額の税金がつぎ込まれております。自民党政権時代にこれだけのお金が使われたものでございます。
 今、レガシーシステムから新しいシステムへの変更というのは、日本年金機構だけではなく……(発言する者あり)
#62
○委員長(前田武志君) 質疑の妨げになりますから、御静粛にお願いします。
#63
○森ゆうこ君 すべての省庁でこれが行われておりまして、既に特許庁におきましてこのレガシーシステムから新しいシステムへの移行について大きな問題が生じております。
 これは、やはり、厚生労働省とか何々省というだけではなく、このシステム変更についても大変大きな問題がございますので、これは内閣としてしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、もしできましたら総理、全然通告していないんですけれども、御決意をいただければと思います。
#64
○内閣総理大臣(菅直人君) 旧社保庁が変わったこの年金機構でこうした問題が起きたというのは、本当に二重三重に大変重いことだと考えております。
 また、今特許庁のことも話に出ましたけれども、今霞が関の各部門でいろいろなコンピューターシステムが使われていることは承知をしておりまして、それが果たして例えば民間に比べて適正な価格でしかも効率のいいものが使われているのか、かなり問題があるということを前の総務大臣であった原口大臣なんかもかなり指摘をしておられました。
 そういう点で、この年金機構の問題は、年金機構の問題そのものとしても重いわけですけれども、それ以外のところでのコンピューターシステムの問題についても御指摘をいただきましたので、しっかりと一度、調査といいましょうか、まずは現状把握をしてみたいと、関係部門に指示をしたいと思います。
#65
○森ゆうこ君 特許庁の不正が見付かったその発端は、要するに、基本設計というものをやってそれをオープンにする、そこから詳細設計に入るわけですが、その発表された、納入された成果物、基本設計が実は全然できていない、そういうことが分かりまして大変な問題に発展していったわけですが、実は、年金機構のレガシーシステムの更改、これはもう既に基本設計ができているはずなんですが、これはどうなんだろうという疑問がございますので、是非徹底的に調査をお願いしたいと思います。
 次に、特会、独法改革について質問をさせていただきます。
 まず、今回、雇用・能力開発機構廃止法案が提出をされましたけれども、この法案は政権移行後初めての独法改革法案でございまして、今後の前例となりますのできちんとやっていただきたいと思いますので、まず総理に独法改革の基本方針について伺います。
#66
○内閣総理大臣(菅直人君) 独法改革については、まず独立行政法人に関して、昨年十一月、事業仕分で取り上げたことに続き、本年四月には集中的に事業仕分を行ったところであり、現在その結果に沿って見直しを進めております。
 今後、年内をめどにすべての独立行政法人の業務の全内容を例外なく検証し、その結果に基づき、各独法の事務事業や組織についての見直しの基本方針を策定し、今後の制度改革につなげていきたい、このように考えております。
#67
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 それで、行政刷新担当大臣に伺います。これから事業仕分第三弾ということなんですが、その結果は今後の予算編成においてどのように生かされますでしょうか。
#68
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 これまでの事業仕分の結果は、あるいは各府省が独自に行った国丸ごと仕分の結果も併せまして、横断的な見直しを置いて、平成二十三年度の予算編成の過程に取り組んでいるところでございます。
 特別会計あるいは独立行政法人の予算は、これは、概算要求の段階から、これまでの仕分の結果あるいは行政事業レビューシートに沿った反映を行っていただきまして、各府省が算出した行政事業レビューの反映額を合計しますと約一・三兆、この一・三兆の概算要求削減効果があったところでございます。
 ただ、これから、まだ予算編成が行われているということで、委員御指摘の個別の事業に関しては、果たしてこれまでの仕分の成果が反映されるかどうかも含めまして、もし問題があるとした場合には第三弾の事業仕分の再仕分において取り上げていきたいと考えています。
#69
○森ゆうこ君 必ずしも来年度予算にどの程度反映されるのかちょっと不明確なので、もう少しまたこれは今後テーマとさせていただきたいと思いますが、本日は会計検査院にお越しいただいております。
 まず、鉄建公団、昨日少し質問にも出ましたけれども、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、この剰余金の報告についてどのような指摘をされたのか、金額も含めて端的に御説明をいただきたいと思います。
#70
○説明員(斉藤邦俊君) 報告の概要について御説明申し上げます。
 会計検査院は、今回、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定に国庫納付が可能な余裕資金はないかなどについて検査いたしました。その結果、特例業務勘定の長期収支見込みについて、リスクを相当程度見込むなどして試算したとしても、当面の資金繰りのため、同勘定の資産のうち二千五百億円程度を留保しておけば将来の特例業務の実施に支障を生ずることはなく、平成二十一年度末の利益剰余金一兆四千五百三十四億円はこの額よりも約一兆二千億円多くなっておりまして、余裕資金が生じていると認められました。
 そこで、これまで一般会計が巨額の国鉄長期債務を承継したり、特例業務に対して多額の国庫補助金を交付したりしていることにかんがみまして、余裕資金の有効活用を図るため、会計検査院は、国土交通省に対しまして、国庫納付が可能な資金の額を把握いたしまして、将来においても余裕資金が生じていないか適時に検討することとするとともに、これらの資金が国庫に納付されることとなるように適切な制度を整備するよう意見を表示したものでございます。
#71
○森ゆうこ君 そこで、指摘を受けました国土交通省に伺いたいんですけれども、どのような対応を取られるのか、御答弁をいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 先ほど会計検査院の指摘というものを十分に踏まえながら、しかし、この一兆四千五百億という大変大きなボリュームの資金ということになります。これにつきましては、そもそものこの剰余金の成り立ち、これもかんがみながらということになります。
 私どもとしては、まずはこれは関係省庁としっかりと協議をしながら判断をしてまいりたいと思いますが、先ほど会計検査院からの指摘もありましたように、将来の年金の支払、これをリスクを勘案しながらということに関しましては過大な部分があったかもしれません。そこについてはしっかりと見直すと。さらに、国鉄改革、これはまだ残された部分があるといった指摘もございますので、これについてもしっかりと詳細を把握してまいりたい。また、鉄道に係る支援策、これは一部いろんな方々から御示唆いただいておりますけれども、一川委員の先ほどの質問にもありました、整備新幹線等の財源に充てるべきではないかといった御議論もございます。いずれにしましても、こうした大変大きなボリュームの資金であるということを踏まえながら関係省庁と連携をしてしかるべき対応をしたいと、このように考えております。
 私どもとしては、国交省が抱えているものだといった、そういう考え方は持っておりません。政府全体の中での議論ということで考えてまいりたいと、こう思っております。
#73
○森ゆうこ君 いつまでに国庫に返納させるおつもりでしょうか。明快な御答弁はいただけますか。
#74
○国務大臣(馬淵澄夫君) 先ほども申し上げたように、現行の法規ではこれは国庫に返納ができない状況になっておりますので、新たな法律の改正も必要となります。したがいまして、これは関係省庁と連携しながらということで、法案の策定も含めながら、併せてしっかりと連携を図って進めさせていただきたいと、このように考えております。
#75
○森ゆうこ君 後ほど質疑をさせていただきますが、雇用・能力開発機構廃止法案、この問題について厚生労働省と相当何時間も激論を交わしました。
 総理に伺いたいんですけれども、これからこういう独立行政法人の改革それから特別会計の改革、いろいろな理由を付けてお金を国庫に返納しようといたしません。もっともらしい理由なんですよ、一見。しかし、私から見ますと、民間的な発想というかそういうことからしますと、どうしても受け入れられないような論理で、後でやりますけれども、返そうとしないんです。
 今回の会計検査院の御指摘は私は氷山の一角ではないかというふうに考えているんですが、他の法人等にもいろんなものが積み上がっていると思うんです。今後どのように対応されるおつもりなのか、国庫納付できる剰余金があるのではないかというふうに思いますけれども、総理の御見解をいただきたいと思います。
#76
○内閣総理大臣(菅直人君) 今御指摘の鉄道・運輸機構については、本年四月に、我が党の事業仕分において、利益剰余金は国庫納付、国庫返納というふうに指摘をされたわけであります。その後、会計検査院の方からも、九月ですか、そうしたことが報告されております。
 今、森議員からも、ほかにも似たような例があって、なかなか国庫納付、返納を認めないところもあると。確かに、いろいろな理屈を付けて、言わばすんなりとはいかないところもありますが、基本的には元々の資金が、この場合もそうですが、最初のところで、いわゆる一般会計からの繰入れなどがあった中で生まれたものでありますので、そういう点を考えてしっかりと返納していくべきものは返納させると、そういう方針で臨みたいと思います。
#77
○森ゆうこ君 ありがとうございます。総理はそういう強い方針をお持ちなんでございますけれども、なかなかどんどん下へ行きますとそうはならない結果もございますので、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それで、なぜこのように特別会計あるいは独立行政法人にお金がたまっていくのか。このことについて、一昨日、会計検査院が、三省七特会千六百億円余ると類型を分けまして御報告をいただいておりますが、この点について端的に御報告をいただきたいと思います。
#78
○説明員(鵜飼誠君) お答えいたします。
 会計検査院は、十月十三日、特別会計への一般会計からの繰入れにつきまして、厚生労働省、農林水産省及び国土交通省に対しまして、会計検査院法第三十四条及び第三十六条の規定により意見を表示し、また処置を要求いたしました。
 指摘の内容は特別会計、勘定ごとに異なっておりますが、概括的に申し上げますと、二十年度決算を対象に、効率性等の観点から、特別会計又はその勘定の歳入である一般会計からの繰入れは適切かつ効率的に行われているかなどに着眼して検査いたしましたところ、特別会計又はその勘定において、年度末の二月末に、一般会計からの繰入れの対象になる経費について、不用となる見込額を把握していたにもかかわらず、これを一般会計からの繰入額に反映させていないなどして、一般会計からの繰入れを減額することができたと認められるものが、三省五特別会計の合計で四百八十九億円。また、これとは別に、一般会計からの繰入額が過大となっていたものが二省二特別会計の合計で千百三十三億円見受けられたというものでございます。
#79
○森ゆうこ君 昨日も会計検査院からお聞きしたんですが、要するに、もう取れるものはというか、既得権といいますか、特会にもう繰入れがずっと慣行的に行われてきたものについては、たとえ不用になる可能性が分かっていたとしても、もらっておこう、あるいは過大に請求しようと。ここでどんどん無駄が生まれ、そしてたまりがあって、この財源をつくるために赤字国債を発行しているんですよ。
 財務大臣、こういう状況を何とか早急に改善できないでしょうか。
#80
○国務大臣(野田佳彦君) 森委員のお尋ねにお答えをしたいと思います。
 不用が発生する原因というのはもう多々あるんですが、例えば金利が予定より低位で推移したために国債の利子の支払が予定より少なくなったりとか、あるいは財投特会の貸出しが見込みを下回ったりとか、不用額が生じる原因はいろいろあると思いますが、よくそれをやっぱり精査をして、効率的に予算が執行されて無駄のないように、一般会計、特別会計、総ざらいをしていきたいというふうに思います。
#81
○森ゆうこ君 それで、一般会計及び特別会計に毎年不用額が発生しております、今も少し御言及があったんですが。先ほどの会計検査院の御指摘とはまた別の問題ですが、この一般会計、特別会計の不用額の合計というのは幾らでしょうか。
 もう一度、もう少し踏み込んだ御答弁をいただきたいと思うんですが、この不用額が発生する、あるいは先ほどのようなたまりができていく、こういうことを防ぐ方策というものは本当に今すぐやらなければいけないと思うんですが、併せて御答弁をいただきたいと思います。
#82
○国務大臣(野田佳彦君) まず、正確な数字の方からお答えをしたいと思います。
 平成二十年度における不用額は、一般会計で一・八兆円、特別会計で十一・八兆円と、合計で十三・六兆円となっています。平成二十一年度における不用額は、一般会計で二・二兆円、そして特別会計で十六・六兆円、合計で十八・七兆円という数字になります。
 不用が生じた要因については、さっき申し上げたように多々あるわけでございますけれども、予算編成時から経済情勢の変動等により歳出予算の不用が生じることはある意味万やむを得ないところもあるかと思います。でも、そうでないところがあるかどうか、無駄をやっぱり徹底しなければいけませんので、その仕組みをよく精査をしていきたいと思うと同時に、先ほど来出ている独立行政法人等のたまり金の問題です。
 さっき氷山の一角という御指摘ございましたけれども、先ほどの鉄運機構のたまり金は、本年春の事業仕分第二弾で見付かりました。それを踏まえて、横ぐしを通すべく、本年五月に内閣総理大臣から各省大臣にしっかりとそこを見直しをするようにという指示が出ています。それを予算編成に生かすことになっていますが、今、内閣府の行政刷新事務局で各省の取組状況を集約をしています。その集約した状況をしっかりと平成二十三年度の予算編成に生かしていきたいと思います。
#83
○森ゆうこ君 ありがとうございます。是非やっていただきたいと思うんですが、先ほどの雇用・能力開発機構廃止法案に移ります。
 もう時間が余り余裕がないので端的に伺いますが、実はこの雇用・能力開発機構廃止法案、通常国会に提出の予定でございましたが、私はこの剰余金の扱いにつきまして異議を申し立てました。一体幾ら剰余金があって、その剰余金はどうしようとされているのか、厚生労働大臣あるいは政務官、端的にお答えいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 お尋ねの、雇用促進住宅運営により積み立てられました積立金、剰余金は、平成二十一年度末の時点で四百五十三億円でございます。そして、この雇用促進住宅は、今度の臨時国会に、法案が提案をされることになっておりまして、雇用開発機構のこれは廃止をすると、こういう法案を提出をすることになっております。
 したがって、雇用開発機構から職業開発などの業務については新しく高障機構というところに移転をいたしますから、その段階、今年度の末、三月末におきまして、この余剰金について国庫に返納するかどうか、その額についても決定をすることになります。
#85
○森ゆうこ君 四百五十三億円の剰余金を是非国庫にまず返納をしていただきたいと思います。
 雇用・能力開発機構、これはスパウザ小田原、そして私のしごと館など、無駄遣いの殿堂ということで国民の皆様のお怒りを買ってきた機構でございまして、大事な仕事もしているんですよ、雇用・能力開発、ポリテクセンター、いろんなことをやっているんですけれども、一方でそういう無駄遣いということで、廃止が決定をいたしました。
 雇用促進住宅につきましても、併せて平成三十三年度までの廃止が決定されておりまして、雇用・能力開発機構というか、厚生労働省の言い分は、この雇用促進住宅、三十三年度までに廃止するためのその間の必要経費、あるいは取壊し、移転費用、もろもろのものが相当掛かるので心配だからお金を持っていきたいと言うんですよ。
 なぜそんなことを許すんですか。まず返させてください。そして、運営費交付金、これをきちんと算定して、それを許可することによって初めて独法のガバナンス、きちんとできるんじゃないんですか。まず返させていただきたいと思いますが、大臣の明快な御答弁をお願いいたします。
#86
○国務大臣(細川律夫君) この雇用促進住宅は三十三年までにすべて廃止をすると、こういうことになります。そうしますと、この住宅を処分をしていかなければなりません。うまく処分できればそれはそれでいいわけなんですけれども、しかしなかなかそこに住んでいる方の退去についてお金が掛かる、そういうようなこともいろいろあって、そこで、いったん全部返して、それでその整理をするときにお金が掛かるから、じゃ、今度は国庫の方から交付金を今度はいただくということについては、これは雇用促進住宅がこれまで独立採算制でずっとやってきた、そういうところでありますから、そこへ今度国庫の方から交付金をいただくということになれば、それはなかなか国民の皆さんにも理解がしていただけないんではないかと。
 こういうことでありまして、先ほど申し上げましたように、今年度末に移行いたしますから、そのときまでにしっかり精査をいたしまして、森委員の言われることは本当に徹底して精査をして、そして必要でない剰余金については国庫に返還をするということをこれはしっかりお約束をしたいと思います。
#87
○森ゆうこ君 いろいろな理由と先ほど申し上げたいろいろな理由のその一つなんですね。どんな理由でも付けて、当然必要だ、近い将来必要だ、これからどうなるか分からないと、いろんな理屈を付けて返そうとしません。総理、これが私が末端へ行くとこうなりますよという話なんです。
 これは、例えば財務大臣、今の話からしますと、今後、いったん剰余金を返すと、この後の雇用促進住宅の廃止、そういうものについて必要な経費をもらってこれない、財務省がノーと言うと、そういう心配があるからできないと言っているんですけれども、そんなことありませんよね。当然、これは政策的な問題ですから、必要なお金であって、真っ当な経費の要求であれば、当然運営費補助金ということで、交付金ということで私は交付されるものというふうに思っておりますが、そういうところできちんとやらないと独立行政法人改革なんというのは到底できません、そう思いますが、いかがでしょうか。
#88
○国務大臣(野田佳彦君) 基本的にはそのとおりだと思います。
#89
○森ゆうこ君 そのようにしていただけるそうですので、厚生労働大臣、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次に、検察の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 検察への信頼が揺らいでおります。(発言する者あり)検察と申し上げました。検察への信頼が揺らいでおります。フロッピーディスク改ざん事件、もうあってはならないことでございますが、これは我が国の国家の基本を揺るがす大きな問題です。
 まず、総理並びに法務大臣にこの事件について基本認識を伺いたいと思います。
#90
○内閣総理大臣(菅直人君) おっしゃるとおり、公益の代表者たる検察官が刑事事件の証拠を改変するというのは、まさに検察官としてあるまじき行為であると思います。このような行為により懲戒免職の処分を受け、公判請求されるという事態に至ったことは誠に遺憾なことだと、国民の皆さんにおわびを申し上げたいと思います。
#91
○国務大臣(柳田稔君) 森委員と同感でございます。言語道断、怒りを持って見ております。
#92
○森ゆうこ君 それで、最高検の検証チームの進捗状況について伺いたいと思います。
 どのような形で検証が進んでいるのか、御答弁を刑事局長、お願いします。
#93
○政府参考人(西川克行君) 元厚生労働省局長村木さんの無罪判決を受けまして、最高検察庁においては検証チームを設立しております。これは、次長検事を筆頭にいたしまして、最高検の部長、それと検事によって構成するということでございます。
 この無罪事件の捜査の問題点等について現在検証を行っております。現在は判決や記録等を基に問題点の洗い出しを行っているという状況でございますが、今後は、年内をめどに、できる限り速やかに検証結果を取りまとめることができるよう検証を進めているものと承知をしております。
#94
○森ゆうこ君 郵便不正、村木さんの事件に関しては、最高検も決裁を出しております。そもそも、無実だと分かっていたのに逮捕、起訴、そして裁判を進め、さらには論告までしたと。最高検自体がこれを検証する資格があるのかどうか、こういうことも言われているということなんですけれども。
 そこで、法務大臣に伺います。法務大臣が一晩寝ずにお考えになって、第三者機関の設置を提言されました、御検討を始めていただきました。どの程度検討が進んでいるのか、人事はどのような形で行われるのか等について御答弁をいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(柳田稔君) 最高検で検証が行われているわけでありますけれども、私としてもゆゆしき事態だという思いに至りまして、私の下に検察の在り方検討会議というのをつくることにいたしました。人選、何をするか等についてはいろんな方面の御意見を賜りながら進めていきたいと思っておりますんで、どうぞ森委員の方からも、こうすべきだという御意見があればおっしゃっていただければと思います。
#96
○森ゆうこ君 私は、人事案について御提案がございます。
 これは、法曹界というのはいろんな何かネットワークがあるようでして、きちんと検察についてしっかりと批判的な目を持って検証できる方、この数年、いろんな検察についての今日の状況を予見した、そういう評論あるいは著書を発行している方がたくさんいらっしゃいます。例えば郷原さんであるとか、それからジャーナリストでも今日のことを本当に予見したかのような様々な評論活動をされている方がいらっしゃいます。
 是非、健全な批判をされてきた方、そういう方、そして実務能力の高い方にこの第三者機関について御就任をいただければと思いますが、大臣の御答弁をいただきます。
#97
○国務大臣(柳田稔君) 御意見として賜ります。ありがとうございます。
#98
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 続きまして、後ほどまた最高検の検証チームの問題についてはもう一回戻りますけれども、検察審査会について質問をさせていただきたいと思います。
 検察審査会でございますけれども、一般国民が検察審査員や補充員に選任されるわけですけれども、どのように選任され、また選任されたことを知るのは、いつ、どのような方法で知るのでしょうか。
#99
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 検察審査員と補充員の選任でございますが、大きく分けまして、候補者の選定段階、それと実際の検察審査員、補充員の選定段階、二段階に分かれております。
 まず、候補者の選定でございますが、毎年十月十五日までに各検察審査会ごとに市町村の選挙管理委員会から、第一群から第四群まで、これは任期が違っているわけでございますが、百人ずつ、くじで選んだ合計四百人の名簿を出していただきます。
 検察審査会の事務局は、この名簿の中から、法律によりまして検察審査員になることができないとされている方、七十歳以上の方で辞退を申し出られた方、あるいは重い病気などの理由で検察審査会により辞退が認められた方、こういった方を除きまして、名簿に残った人の中から事務局長が第一群から各五人、第二群から各六人、第三群から各五人、第四群から各六人の検察審査員と補充員をくじで選定をいたします。なお、このくじには、法律によりまして判事一名と検事一名が立ち会いまして公正を期すということにされております。
 次に、国民の皆さんが候補者に選ばれたことや選定されたことをいつ知るのかということでございますが、四百人の名簿が検察審査会に送られた後に、つまり候補者になった段階で事務局から通知をいたします。これは時期的に申しますと十一月の半ばくらいでございます。その後、実際にくじで検察審査員、補充員、それぞれ一群から四群の補充員に選定されたことを知るのは、任期が始まりまして以降、最初に検察審査会議が開かれるわけでございますが、その招集状がお手元に届いたときということになります。
 以上でございます。
#100
○森ゆうこ君 相当優秀な皆さんがこの検察審査会の事務局をしていらっしゃると思うんです。平成二十一年度からは裁判所の予算の中でこの人件費を見ております。
 小沢一郎議員の審査事件について、この十一人の検察審査員、この平均年齢を、同じ人だと思うんですが三回発表されております。なぜ三回、同じ人たちの平均年齢を発表することになったのでしょうか。
#101
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 三回発表したのは事実でございまして、検察審査会事務官というのは検察審査会長の指揮監督の下に仕事をしているわけでございますが、委員も御承知のとおり、検察審査会事務官というのは裁判所事務官の中から命ぜられておりまして、私どもといたしましても大変遺憾に思っているところでございます。
 東京第五検察審査会の事務局長がこの事件についての広報事務を担当しておりましたところ、当該起訴議決をした検察審査会議の出席者、この年齢をまず足すわけでございますが、これを足し上げたときに、お一人の年齢を忘れてしまいまして、合計の年齢を十一で、要するに人数の十一で割ったことによる誤りというふうに聞いております。他の者がチェックするということにはなっておらなかったということであります。最初の発表の後、この間違いに気が付きまして訂正をしたわけでございました。
 その後、もう一回の発表というのは、これは年齢の基準日の問題でございまして、第五検察審査会では検察審査員や補充員の就任日、これなどを基準としていたようでございますが、改めて議決日の日で計算して最後の発表をしたというふうに聞いております。
#102
○森ゆうこ君 何も言えません。
 それで、二回検察審査会で起訴相当が出ますと強制起訴になるということで、これは指定弁護士というものが選任をされます。どのようにして選任されますか。
#103
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 検察審査会法四十一条の九の第一項というのがございまして、弁護士の指定は裁判所が行うことになっております。ただ、裁判所ではどなたが適任か、こういったことは分かりませんので、弁護士会に推薦をお願いいたしまして、この推薦を受けて裁判所が具体的な方を指定すると、こういうルールになっております。
 ちなみに、東京には三弁護士会がございますので、その場合どうなっているかというのをごく簡単にお話しいたしますと、輪番で窓口となる弁護士会を決めていただいております。裁判所では、窓口となった弁護士会に話を持ち込みまして、窓口となった弁護士会から、どの弁護士会がこの件については指定弁護士さんをお出ししますという情報をもらいまして、正式にその弁護士会に対して推薦依頼をするということになっておると聞いております。
#104
○森ゆうこ君 そのようにして選ばれた指定弁護士、物すごい権限が与えられているんです。
 今お話のございました弁護士会の推薦する指定弁護士の中には、いわゆる辞め検という方もいっぱいいらっしゃいまして、私がお聞きするところによると、今回の事案に関しては、テレビで相当検察の肩を持っていた、この郵便不正事件でもですね、そういう方が推薦されているのではないかというようなお話も伺っておりますが、それはさておき、この指定弁護士というのはどのような権限が付与されているのでしょうか。
#105
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えいたします。
 検察審査会法に定めがございまして、指定弁護士は、起訴議決に係る事件について公訴を提起し、及びその公訴の維持をするため検察官の職務を行うというふうになっております。したがいまして、法令が検察官に認めた権限というのは行使することができるということになります。
#106
○森ゆうこ君 つまり、逮捕状を請求することもできますね。そして逮捕をすることも、そして強制捜査、取調べ、起訴、つまり、今検事さんたちが持っていらっしゃるほとんどの権限を、あるいはすべての権限をこの指定弁護士は持つことになると考えられますが、いかがでしょうか。
#107
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えいたします。
 委員がおっしゃるとおりだと理解しております。
#108
○森ゆうこ君 これが第二検察ができたと言われるゆえんでございます。でも、それを管理しているこの検察審査会事務局が十一人の足し算と割り算ができないということもまた事実でございます。
 検察審査会、この検察審査会の審査はどのような資料で行われるのでしょうか。
#109
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えいたします。
 検察審査会法にいろいろな規定がございますが、かいつまんでお話をさせていただきますが、資料の関係でまず最初に出てくるのは検察官の関係でございまして、検察審査会の要求があるときは審査に必要な資料を提出しなければならないとされております。したがいまして、恐らくでございますが、ほとんどの事件で不起訴段階の資料が検審に出てくるというふうに思います。
 それから、審査申立人の関係でございますが、検察審査会は審査申立人を呼び出して尋問することができるというふうにされております。逆に、審査申立人の方からは検察審査会に資料を提出することができるというような規定もございます。
 それから、証人の関係でございますが、検察審査会は証人を呼び出して尋問することができるというふうにされております。
 それから、あと、検察審査会の審査を助ける人として専門的助言者の制度とか、それから弁護士さんに務めていただく審査補助員の制度がございますことを申し添えたいと思います。
 以上です。
#110
○森ゆうこ君 今ほどございました審査補助員、これはたった一人ですよね。それは後で答弁の中で答えてください。
 今回の郵便不正事件のように、捜査をした検察官が証拠物そのものを改ざんしたり、あるいは大阪地裁で、村木さんの場合には検事が作った供述調書は信用性がないとして四十三通中三十四通が証拠採用されませんでした。却下されました。
 検察審査会は、つまり今の御説明ですと、すべての捜査資料、供述書などを審査の対象とするわけですが、では、どうやってこの審査員たちはこの証拠が本当に信ずること、信ずるに足りる真正の証拠であるとどのように判断できるのでしょうか。
#111
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えいたします。
 具体的な審査の内容を私ども承知はしておりませんので、法律に表れたことから御説明をしたいと思いますが、審査資料をどのように評価するかにつきましては、検察審査会の方で検察審査会議というものを開いて、そこで検察審査員が評議をすることによって決せられることになります。
 そこで、先ほど述べましたように、検察審査員だけではなかなかこの問題の解決は難しいというような事態になりましたら、そこは審査補助員、これは御承知のとおり弁護士さんがなりますが、事実上の問題点の整理でございますとか法律上の問題点の整理、さらには問題点に関する証拠の整理などをすることになっております。
 それから、専門的助言者の制度を先ほど御紹介いたしましたが、この方につきましては、法律その他の事項に関する専門的助言ということになっておりまして、対象は法律に限りません。したがいまして、仮にでございますが、理科系のことが問題になるような場合もあるかなと思いますが、そのような場合には、その辺りの専門家の方に助言を求めることも制度上はできるようになっているということでございます。
#112
○森ゆうこ君 今言ったことは、そういうことだろうということだけで、だれも中身は知ることができません。
 もう一回法務省刑事局長に聞きたいんですが、今回のFD改ざん事件の最高検検証チームにおいて、前田元検事、前検事、これ、検察官は起訴休職の制度がございませんので懲戒免職と先日なりましたが、この方が捜査された案件について今検証は進んでいるんでしょうか。
#113
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。
 前田元検事の取り扱った事件につきましては、今回無罪になった事件だけではなくて、取り扱った事件につきまして、現在最高検察庁において調査を行っているものと承知をしております。
#114
○森ゆうこ君 現物の証拠物まで改ざんするんですから、いろんなことが考えられます。新たな冤罪を生んで、今現在も生んでいるのではないかというふうな不安がございますが。
 前田元検事が小沢一郎元代表の捜査にかかわっていたということは事実ですよね。
#115
○政府参考人(西川克行君) これは弁護人からの御指摘で明らかにされていることにかんがみお答え申し上げますが、確かに前田元検事はお尋ねの事件の捜査にかかわっております。
#116
○森ゆうこ君 つまり、今回審査会の議決に使われた捜査資料あるいは供述書、これは前田元検事がかかわっている証拠物というものはたくさんあるわけですよね。これ本当に真正のものだったのか。あるいはどのような審査補助員の助言を得てどのような議論をされたのか、これは私どもは全くうかがい知ることができません。
 審査補助員が本当に言ったかどうか分からないんですが、読売新聞で先日、審査補助員が今回の議論についていろいろお話しになっていらっしゃいます。暴力団の事件、共同正犯、共謀罪、これを何か議論、判例として挙げたとか、ちょっとあり得ないようなお話が載っておりますが、そもそもこれを本当に審査補助員が外に向かって話したのかどうか、そのことをチェックすることさえもできないと思うんですが、端的に伺います。
 審査補助員がこのような話を外に漏らしたか、それはどうやってチェックされるのでしょうか。そのための仕組みというのはあるんでしょうか。
#117
○政府参考人(西川克行君) まず、審査補助員の発言内容の誤りをチェックする方法はあるかということでございますが、まず、そもそも検察審査会法上、審査補助員、これは、検察審査会が公訴権の実行に関して民意を反映させてその適正を図るために置かれたものであるということを踏まえて、審査会の自主的な判断を妨げる言動はしてはならないと規定をされております。審査補助員、これは、法律に精通した弁護士の中から選ばれるということであって、法律を遵守した活動を期待することができるというものでございます。
 万が一、審査補助員が検察審査会の自主的な判断を妨げるような言動をしたような場合等引き続きその職務を行わせることが適当でないときは、検察審査会はその審査補助員を解嘱することができるものという規定が置かれているということでございます。
#118
○森ゆうこ君 その規定はあるんですけど、だれがチェックするんですか。
#119
○政府参考人(西川克行君) 解嘱は検察審査会がやるということになりますので、検察審査員及びその会が実施をして、過半数の議決によって解嘱ができるということになっております。
#120
○森ゆうこ君 専門家と十一人の審査員ですよ。
 検察審査会の事務局にそのチェックを行う権限がありますか。
#121
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) チェックという意味が必ずしもよく分からないのでございますが、検察審査会の方で今法務省の方からお答えがあったような事態を認識すれば、その解嘱の手続というものに進むものというふうに理解をしております。
#122
○森ゆうこ君 だから、そういうことをやっているかどうか、その事実をつかもうというか、そういうことを調べるというか、そういうことをやる機能はあるかと質問しているんです。
#123
○政府参考人(西川克行君) 法律上は検察審査会の権限で解嘱ができるということでございますが、検察審査会の事務局がそのような事実をもし発見することができたらそれを審査会に伝えるということはできるというふうに思っております。
#124
○森ゆうこ君 もう一回聞きますね。検察審査会事務局にそもそもそのチェックを行う権限はありますか。
#125
○政府参考人(西川克行君) 解嘱する権限自体は検察審査会にございまして、事務局にはございません。
#126
○森ゆうこ君 裁判所や検察庁にその権限はありますか。
#127
○政府参考人(西川克行君) 検察審査会は独立して職務を行うということになっておりますので、裁判所、検察庁にそのような権限はございません。
#128
○森ゆうこ君 審査補助員の発言に疑義がある場合の会議録の当該部分の公開ぐらいはしていただかないと、今のようなお話ですと全く密室で我々はうかがい知ることはできません。どのような補助が行われたかも分かりません。
 こういうふうに外でいろんなことを話していらっしゃる。読売新聞のこの記事はとんでもない内容ですよ。暴力団や政治家という違いは考えずに、私たち暴力団ですか、上下関係で判断してください、このような説明をした。こういうことをきちんとチェックする機能もない、権限もない。そして、強制起訴された場合に、その指定弁護士は検事と全く同じ権限を持つ、逮捕もできる、起訴もできる、尋問もできる。大変な状況です。
 少なくともこの審査補助員の発言の会議録、当該部分の公開、そしてできれば、これは議事録は作るということになっているわけですから、このようなことについてきちんと情報を公開すべきである。これは我々だけの問題ではありません。すべての国民、この人権にかかわる問題でございます。どうぞ御検討をいただきたいと思いますが、大臣の率直な答弁をいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(柳田稔君) 当面は運用状況を見守るべきであると考えますが、森委員、同じような御意見も承っているところでございます。どうぞ国会の中で議論をしていただいて、まとまればそれに従いたいと思います。
#130
○森ゆうこ君 ありがとうございます。
 政治とお金、政治とお金、後ろの方もいろいろやったんですけれども、このことについて私が具体的に、じゃ、その政治とお金の問題を説明できますか、どなたに聞いても説明できないんです。一体何の問題で捜査をされているのか全く分からない。是非公開討論を私とどなたかでやらせていただければなというふうに思います。
 最後に、尖閣問題について伺いたいと思います。現在の……(発言する者あり)
#131
○委員長(前田武志君) 御静粛に願います。
 西田委員、質疑者の後ろの席におられるものですから、余り大きな声を出すと質疑になりません。もう少し静粛に願います。
#132
○森ゆうこ君 最後に尖閣問題について伺いたいと思います。
 私は、この間の経緯についてはあれこれ言いません。しかし、与党であれ野党であれ、絶対譲れない問題がございます。それは、検察に政治的判断を与えた、政治的判断をする権限を与えたのではないか、もしそうだとすれば、我が国統治機構そのものの問題であります。私は、それは決して認めることはできません。
 この間の閣僚の御答弁、私はそれが大変心配でございます。是非答弁の内容を変えていただきたいと思いますし、少なくとも、検察はもう捜査権、逮捕を含む捜査権、そして公訴権、今まで独占していたんですけれども、第二検察ということでできちゃいましたが、とにかく政治的判断の権限を与えたのではないということだけは明言していただきたいと思います。
#133
○国務大臣(柳田稔君) 政治的判断をするようなことはないと承知いたしております。
 ちなみに、釈放理由というところで那覇地検がいろいろと言っております。四つ構成されています。被害の程度、計画性の有無、そして前科、これは証拠に基づいて判断されたものだと思います。今問題になっているのは四番目で、日中関係とかそういうものが問題になっていますが、これにつきましては、もう御存じのように地検が外交判断をしたわけではございません。外務省の職員を呼んでお話を聞いて証拠として判断したものだと、私はそのように理解をさせてもらっております。
 繰り返しますけれども、政治で判断をしたことはございません。
#134
○森ゆうこ君 まだまだたくさん言いたいことはありますが、これで質問を終わります。
 ありがとうございました。
#135
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。米長晴信君。
#136
○米長晴信君 民主党の米長晴信です。
 今の尖閣諸島の問題、それから検察審査会の問題、後ほど触れますけれども、今日は日銀の山口副総裁にもこの時間に来ていただいておりますので、まずは金融経済について触れさせていただきたいというふうに思っております。
 円高が進んでおります。報道によりますと、昨日のロンドンの市場では八十一円をついに切ってしまったと。今日も、日本の為替相場も八十一・五円も切って、八十一・四円台にも入っております。
 まず、この円高の深刻な状況について、総理の御所見をよろしくお願いいたします。
#137
○内閣総理大臣(菅直人君) G20などにおいても、為替の急激な変動は好ましくないということをそれぞれ合意いたしております。
 そういった点で、現在の為替の円の急激な上昇についてもそうした急激な変動に当たるということで為替介入を行ったわけでありますが、さらに現在の状況も大変憂慮される状況であると、このように思っております。
#138
○米長晴信君 ありがとうございます。
 まさに総理がおっしゃいましたように、今相場自体、十五年前、九五年の四月に市場最高値だったんですけれども七十九・九五円、ここに迫る、水準そのものもそうなんですけれども、今総理が御説明あったように、それが急激に進んでいるということも併せて非常に大きな問題だというふうに思っております。
 これについては九月十日に緊急総合経済対策を出され、ちょうど今から一月前の九月十五日に為替の介入も行われたと。しかし、一か月たって今この状況ということですので、これ、手を尽くして駄目だったのか、あるいは今後もっと新たな経済対策を行っていくのかどうか、そういうことを含めて、改めて海江田大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#139
○国務大臣(海江田万里君) 日銀が包括的な金融緩和政策、打ち出しをいたしました。これは、もちろん私どもの期待感は総理も表明をしたところでございますが、中身等につきましては独自に日銀が決めたということで、今その成果を見守っているところでございます。
 そして、じゃ私ども政府として何ができるかということで、まさに今お話のございました十月の八日の、これはセカンドステップ、ステップツーでございますが、ステップワンに引き続きまして、約一か月後でございますが、これを打ち出したところでございます。
 これは、やはり需要とそれから雇用の面でこの円高によって受ける被害を最小限にとどめようということでございますので、具体的には、一つは雇用調整助成金というのがございます。これは十二月で期限が切れるということになっておりましたが、これを引き続き延長する。しかもその要件にこの円高の影響によって生産量が減少したというケースを入れると、これが一点でございます。
 それから二点目は、やはり中小企業はどうしても資金繰りの面で痛みますので、特に年末を控えておりますので、この中小企業に対する資金繰りをしっかりやろう。それから、やはり中小企業は転業あるいは起業ということも考えなければいけないわけでございますから、この転業、起業に対する後押しをやろうということ。
 それから三番目としまして、先ほど森ゆうこ筆頭理事に対するお話でごく短くお話をしましたけれども、円高メリットもこれはやはり考えなければいけないだろうということで、JOGMECと申しますが、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、あるいはJBICと言っておりますが、国際協力銀行、これらの金融機関や機構を活用しまして、海外にございます資源あるいは鉱山等の買取りをやろうということでございます。
#140
○米長晴信君 ありがとうございます。
 今、海江田大臣の方からもありましたけれども、日銀の方でも今月に入ってから政府の期待どおりの包括的な金融緩和政策を打ち出されたと、それがこれから功を奏すか見守るということですけれども、なかなか円高とかに絞って見てみますと、もう一押し何か欲しいんじゃないかというふうにも見えるわけですけれども、打ち出された主な三つの柱の中で、資産買入れ等の基金ということで、総枠三十五兆円、そのうち買い支える部分が五兆円という枠を取っておられますけれども、例えばそういう枠を更に増やす余地があるのか、あるいは株価の低迷というのも一つ問題となっておりますので、そういう分野に重点的に更なる拡大をするのか、そういったことを含めて日銀副総裁の御所感をお願いします。
#141
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 まず、先生の最初の質問でありますが、資産買入れなどの基金についてでありますけれども、御承知のとおり、現在具体的な設計作業を鋭意進めているところであります。したがって、まだ現実の買入れという状態には立ち至っておりません。そういう状況でありますので、基金の規模などに関してこの段階で増やすのかどうかということになりますと、率直に申し上げてやや早いかなという感じはしております。
 ただ、一般論と申しますか、頭の体操ということで申し上げれば、この先更なる金融緩和が必要だということになりました場合には、私どもとしてはこの金融資産等の買入れの枠を使って対応するということは十分あり得ることだというふうに認識しております。
 それから、株式市場への我々の対応ということでありますが、私ども、ETF、指数に連動するタイプのETFというものを買ってはどうかというふうに今検討を進めておるところでありますが、基本的には株式市場全体への影響、波及効果のあるものというようなことを考えておりまして、こうしたものを使いながら株式市場へのインパクトというのを想定してまいりたいと、このように思っております。
#142
○米長晴信君 ありがとうございます。
 あと、金融緩和策のもう一つとして、金利、これ、デフレ脱却のいよいよ本気を入れたなということで実質ゼロ金利、また踏み切ったわけでありますけれども、政府の方としても評価しているというふうに記事で読んでおりますけれども、ただこれ、長い目で見て、借り手側とかはいいんですけれども、例えば十五年間にわたってほとんど、一般の預金者が銀行に預けたような場合に、例えば逆の考えをすると、ほぼ預金しても金利がほとんど付かないと。例えば六十歳で定年して、それまでの貯金と定年退職した退職金、それを合わせて六十五歳ぐらいまでの年金もらえるまでの間いわゆる食いつなぐのに、例えば五%でも金利があれば老後の資産を食いつぶさなくて済むというような状況が、まあ実際それを食いつぶしているという状況がおよそ十五年間続いているわけで、必ずしも未来永劫金利がゼロのままというわけにはいかないと思うんですけれども、その辺の部分を日銀としてはどのようにお考えでしょうか。
#143
○参考人(山口廣秀君) 先生御指摘のとおりであります。金融政策にはプラスの効果とそれからマイナスの面というのは両方あります。したがって、私ども、金融政策を行っていく場合にはこの両面を慎重に見極めながら運営していくということが非常に大事だと思っております。
 先生御承知のとおり、私どもは、日本経済がデフレから脱却し、物価安定の下での持続的な成長経路に復帰していく、これが重要な課題だということを非常に強く認識しております。こうした認識の下で強力な金融緩和を推進しているということであります。
 その金融緩和の推進の効果として企業の資金調達コストの低下ということを頭に置いております。このことは、言い換えますと、実質ゼロ金利政策を含めた強力な金融緩和政策の効果の一つとして、非常に大きな効果の一つとして企業の資金調達コストの低下ということを念頭に置いているということであります。
 ただ一方で、これは先生の御指摘のとおりでありますが、こうした強力な政策には家計等の利子収入の低下といったようなマイナス面があることも事実であります。更に加えて言いますと、金融機関ですとかあるいは投資家の運用利益が減るというような形で金融仲介機能が低下する、こういったマイナス面もあり得ないわけではございません。
 我々としては、常日ごろからということでありますが、金融政策の運営に当たっては、こうしたプラスの面とマイナスの面を両方併せ見ながら対応してきているところでありますが、先生御指摘のとおりでありますので、今後ますますそういった面に対する目線をしっかり据えながらきちっとした政策対応をやっていきたいと、このように思っております。
#144
○米長晴信君 ありがとうございました。
 次、話題を移しますので、委員長の許可を得まして、山口副総裁、御退席いただいて結構なんですけれども。
#145
○委員長(前田武志君) 山口参考人、御退席、結構でございます。
#146
○米長晴信君 引き続きまして、リニア中央新幹線について取り上げさせていただきたいと思っております。
 リニア中央新幹線、これをまず菅総理に伺いたいんですけれども、国家ビジョンとしての新しい夢の超特急というこのリニア中央新幹線について、まず総理のビジョンをお話しいただきたいと思います。
#147
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、何年か前にこの実験線に乗車をいたしました。超電導リニア方式というのは、私が知る限り、日本で、世界の中で唯一液体ヘリウムで超電導を実現しての新幹線であります。毎秒一キロずつ増速をして五百秒で時速五百キロになり、また減速しておりました。私は、この技術は何としてもまずは国内で実用化し、そしてそれを世界に広めていく戦略的な技術だと、このように考えております。
 今回、JR東海が自らの責任でそうした実用化を進めようとされていることについて、私は大変すばらしいことだと。できれば、例えばですが、ワシントンとニューヨークの間をこうしたもので結べるような、そういうこともある意味添付して世界に向かっても売り込むことが私は可能ではないか、あるいは努力すべきではないかと。私も機会があれば、あるいはこれまでも機会が多少あったときにはこの優秀性を外国の方にもお伝えをしている、そういうところであります。
#148
○米長晴信君 ありがとうございます。
 このリニアについては一両日の報道で、これを今審議しております交通政策審議会の方で、費用対効果等の面から直線ルートが望ましいという一定の方向性を出したというような記事が出ておりますけれども、これについて国交省の方から情報をお願いいたします。
#149
○国務大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 今委員御指摘のものは、中央新幹線小委員会、ここでの論点整理のために検討を行ったものが恐らく報道に上がったものだと思います。一部のその検討の中には、費用対効果あるいは環境への影響といったものも論点整理の中に盛り込まれました。この費用対効果で直線ルートまた幾つかのルートということで検討を行ったものでありますが、あくまでこれは検討でありますので、これにて直線ルートに決定したということでもありませんし、今後十分に審議を行っていただくことになっております。
 なお、この小委員会につきましては、論点整理を近々に行って、さらに、これまだ必要となれば、委員の皆様方の御意見を集めるということで今後も行っていく、またパブリックコメントを行っていくということもありますので、現時点においてルート決定ということではないということを御承知いただきたいというふうに思います。
#150
○米長晴信君 一部喜んだ人、落胆した人、この一両日あったと思いますけれども、まだ決まっていないという御答弁を今伺いました。
 順番前後といいますか、ここが私、馬淵大臣に伺いたいところなんですけれども、このリニアについては今年の通常国会で前原前大臣に非常に夢のある前向きな議論をさせていただきまして、それを改めてこの場で感謝も申し上げるんですけれども、大臣替わりまして、改めて同じことを伺うんですけれども、総理がビジョンと、これは海外輸出の堂々たる技術だというお話でしたけれども、このリニア中央新幹線が日本にもたらす国益について、具体的にどのようなお考えをお持ちか伺いたいと思います。
#151
○国務大臣(馬淵澄夫君) 国益にということであります。
 リニア中央新幹線ですね。実は私も、かつて建設会社の研究職でおりましたときには、かつての国鉄総研でこのリニア向けのコンクリートの開発ということについてもかかわったことがございました。その意味で、今ようやく、今後実用化に向けて一歩を踏み出そうとすることに一種の感慨も感じております。
 私は、三つ大きく国益に寄与する部分があると思います。
 一つは、東京―大阪間、この東阪間の人流というものにおいては、現在の新幹線の代替機能、今後、東海地震も大規模地震も含めまして懸念される中、もし地震によって大きく毀損をするようなことがあれば、現行の新幹線に代わる代替機能を果たすものということがあると思います。
 そして二点目は、短時間の輸送ということで、当然これは経済にも大きく効果を発揮すると。
 そして三点目としまして、このリニア超電導というこの技術、ある意味供用を開始するまで行けば技術の完成というところにまで行き着くということになりますので、世界に誇る超電導リニア技術というものを鉄道に関しては私ども日本国が最先端で提供することができる。菅総理あるいは前原前大臣が御指摘のように、海外展開ということも含めて私どもの成長戦略の核となる、エンジンになる、このようにも考えております。
#152
○米長晴信君 ありがとうございます。
 危機管理、新たな代替の輸送手段ということと、超特急、超々特急という部分と、もう一つは技術の輸出の部分ということでございましたけれども、その輸出の部分、総理の方からもそれを是非進めていくという決意を伺ったわけですけれども、今年五月にアメリカのラフード運輸長官も来日された際に、五百キロ以上の超特急を体験されて、これはすばらしいというコメントをしたということでありますけれども、具体的には今どのような形でこの輸出に向けて動いているのか、あるいは見通しを教えていただきたいんですけれども。
#153
○国務大臣(馬淵澄夫君) これは、トップセールスということで、まず今年の一月に、私、あの当時副大臣として高速鉄道セミナーをアメリカ・ワシントンで主催をいたしまして、アメリカにおけるオバマ大統領が打ち出された高速鉄道構想につきまして我々としても全面的にバックアップを果たしました。その後も前原大臣がシカゴに行かれる、また、今後もカリフォルニアにおける高速鉄道のセミナーも含めてまた開催予定であります。
 ラフード長官には来日をいただきまして、実際にリニア超電導も試乗いただきました。現行の整備新幹線のみならず、こうした新たな次世代の高速鉄道に対して大変深い関心を持っていただいておりまして、私どもとしても、今後インフラのパッケージとして海外展開する上で重要な、鉄道という技術を海外展開するという意味では重要な位置付けに置いておりますので、このアメリカにおいては私も来年早々のカリフォルニアにおきましては是非出向いてトップセールスの一部を担いたいというふうに思っております。
#154
○米長晴信君 ありがとうございます。
 ただ、やはり売り込むには、日本で実用化もされていないものを技術が確立しているというだけで売り込むのはなかなか難しいところがあると思いますので、JR東海の今の段階での計画といいますか、出されている情報ですと、今から十七年後の二〇二七年を目指して名古屋まで開通させるということですけれども、十七年というと長い月日でございますので、例えば、その輸出を促進するためにも、もっと短い距離でもいいから早く実用化させるという方向も私は重要な部分だというふうに思うんですけれども、大臣、それについてはいかがでしょうか。
#155
○国務大臣(馬淵澄夫君) 現時点では名古屋までということで、JR東海さんの方で今その検討をされているということです。確かに委員の御指摘のとおり、一部開通ということも方法論の中にあるかもしれませんが、まずは採算性も含めて検討されているということを尊重してまいりたいと思います。
 完成するまで前に進まないではないかという御指摘もありますが、一方、技術仕様を含めまして世界標準、これらを我々としてはしっかりと海外展開していく、こういった活動も必要だと思いますので、今御指摘の部分も含めて、今後はJR東海さんのお進めになる方向性を併せて私どもとしてもバックアップ体制を整えてまいりたいと、このように考えております。
#156
○米長晴信君 ありがとうございます。
 大臣が指摘していただいた三つの国益以外に、もう一つ今年の国交委員会の中で触れた部分がございまして、それは観光、とりわけインバウンド、これの促進ということでありますけれども、観光庁にお伺いしたいんですけれども、例えばそのリニア通過する大阪と東京の間にある富士山、これの観光という部分で何かデータはございますでしょうか。
#157
○政府参考人(溝畑宏君) 富士山、富士五湖に至りますこのエリア、これは今関西圏から首都圏におきます観光におきましてはゴールデンルートと言われておりまして、そのちょうど真ん中に位置しておりますこのエリアといいますのは非常にポテンシャルの高い地域でありまして、昨年の調査結果によりますと、外国人旅行者の訪問率は六・三%という高い数字を示しておりまして、これは東京ディズニーリゾート、これは六・七%、奈良市が六・〇%でございますので、それに肩を並べる人気を集めているということでございます。
 また、このエリアにつきましては、外国人の三分の一以上が中国人の方が訪問されておりまして、中国人の方の旅行者の一六・五%がこのエリアを訪れられているということでございまして、インバウンド上も大変ポテンシャルの高い地域であるというふうに認識しております。
#158
○米長晴信君 ありがとうございます。
 一方で、同じく、大臣もおられる奈良を含めて関西の観光客というのも、ある意味、現実的には富士山よりもメジャーな外国にとっては観光地ということだと思いますけれども、ただ、現実問題として、関西から山梨あるいはその周辺に物理的にアクセスがないということだと思いますけど、今実際にどれぐらい時間が、陸路、例えば鉄道で行った場合、どれぐらい時間が掛かるんでしょうか。
#159
○政府参考人(溝畑宏君) 関西方面からこの富士山・富士五湖エリアにおきますアクセスにつきましては、車、それから高速路線バス、電車の三種類から構成されております。
 車や高速路線バスの場合、大阪市内から名神高速、東名高速を利用いたしまして富士インター、御殿場インターを使いますとおおむね約六時間半ということになっております。それから、電車を使う場合につきましては、新大阪駅から新幹線を利用いたしまして、新富士駅若しくは三島駅からバスを使いますと約四時間半というような時間になっております。
#160
○米長晴信君 とにかく今、現実問題としてアクセスがそのように半日、日中半日掛かるというのが、富士山の観光客、本当はポテンシャルがあるのになかなか人数がある程度制限されている理由かと思うんですけれども、もしこれがリニアによって関西から一時間以内に富士山周辺に来て、それでさらに三十分を切るような時間で東京まで行った場合、海外の日本への観光客という観点から見ますと、限られた日数で日本にお越しいただく際に、行きたいと思っている富士山が現実的には短い旅程の中でコースに入らないものが、そこが入ることで飛躍的に私は、インバウンドの誘致という観点からこのリニアそして富士山観光を結び付ければ、観光客、海外からのお客さんが増える原動力になるというふうに思っているんですけれども、これについて大臣の御所見をお願いいたします。
#161
○国務大臣(馬淵澄夫君) 委員御指摘のように、アクセスの問題というのは極めて重要だと承知しております。観光の高いポテンシャルを持つ観光資源として富士山というのは、これは中国人のみならず世界中の方々が日本といえば富士山と、このように連想されることもよく私も承知しております。
 ただ、御指摘の駅の問題、仮に今後富士山というものを考えたときに、ポテンシャルを高めていくためには、こうした中央リニア新幹線、そのルートの中で判断をしていくべきかということの御指摘かと存じますが、現時点においてはこれはまだ検討中ということでありますので、幅広い意見の中で今後決定をしていくべきものだというふうに考えております。
#162
○米長晴信君 私、この富士山観光とリニアとその結び付きをまず聞いた上で、今答弁いただいた部分を質問しようと思っていたんですけれども、いずれにしましても、これ是非、今役所の方に聞いても、この富士山の観光というものが間口が広がって海外からのインバウンド、今国の方ではその目標の人数というのもあると思いますけれども、そういうのが増える、あるいはそれに対して増えた場合の経済への波及効果、そんなものも試算していただけると、十分それを、駅をどこに造るか、あるいは造った場合、それを富士山の観光に結び付けるということが国益に私はかなうというふうに思いますので、是非、今後間口を広げて検討するということでしたので、まずはそういった試算をしっかりとしていただきまして、このリニアのプロジェクトを進めていただきたいというふうに思います。
 リニアはこれぐらいにいたしまして、先ほど森委員が途中まで触れられた尖閣諸島の問題、これについて触れさせていただきたいというふうに思います。
 その前に、関連なんですけれども、ちょうど今中国の観光客という話をしたものですから、今資料を紙で配った部分ですけれども、一番、これ新聞記事でありますけれども、さっき言ったように、富士山周辺の観光客、中国の方が多いわけですけれども、この尖閣諸島の問題以降ドタキャンが相次いで、一万人を今超えているような状況だと思います。九千五百人だったと、この記事のときにですね。
 この中国との問題は当然のことながら我が国の主権にかかわる、あるいは外交の部分については毅然として対応すべきだという立場でございますけれども、一方で、中国と必ずしも何でもかんでも敵対するというのも我が国にとって良くないことで、こういう弊害も出てきておりますので、そういった意味からも、しっかりと毅然として対応するためにも、これから質問を進めさせていただきたいというふうに思っております。(資料提示)
 まず、この中国の漁船の問題とフジタの社員、この二つの問題がリンクしているわけですけれども、この尖閣諸島の問題、まず尖閣諸島どういう状況かということがなかなか分からない部分もございますので、あくまでもこの尖閣諸島というのは領土問題ではないと、領土問題というのは我が国の主権という部分で一歩も譲れないという部分も示すためにも、ちょっと分かりやすく、まず、五つ島があると思うんですけれども、これは所有権というのはどうなっているんでしょうか、だれが所有しているということですか。
#163
○政府参考人(古澤ゆり君) お答え申し上げます。
 尖閣諸島には五つの島がございます。五つの島のうち大正島につきましては国有地となっております。残りの四つの島、魚釣島、久場島、北小島及び南小島につきましては民間の方が所有する私有地となっておりますが、政府が賃借をしているところでございます。
#164
○米長晴信君 ありがとうございます。
 日本側から見ると、当然私有地であり国有地であり我が国の固有の領土ということは紛れもないわけでありまして、ただ一方で、相手の国があることでありまして、相手側がアピールする、あるいは行動すること自体で、国際的に見るとそうも見えないという錯覚に陥ってしまうと、それがこの今回起きた問題の一端だというふうに思いますけれども。
 まず一つ確認をしたいんですけれども、この尖閣諸島の衝突の事件、これと日本人が中国で拘束されたこの部分、これはいろいろな経緯がありましたけれども、ここでこの二つの事件について、これは事件の捜査との兼ね合いで関連があるのかないのかということで、前原大臣に前に答弁をいただいておりますけれども、この二つの事件の相関関係についてお願いします。
#165
○国務大臣(前原誠司君) 関連があるとは承知をしておりません。
#166
○米長晴信君 改めて答弁をしていただいたということですけれども、当然のことながら二つの事件、これはきっちり仕分をしてきっちりとそれぞれ判断をしなきゃいけないという……(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか。この衝突の事件ですけれども、昨日、衛藤議員の方からも指摘がありましたけれども、この事件、本当に処理されているのかどうなのかという部分が非常に分かりにくい、あるいは処理してないんじゃないかなというふうに取られてもおかしくないわけであります。
 一般的に、国内で事件が起きた場合、例えば警察が絡んだ場合、警察が被疑者を逮捕する、そうすると四十八時間以内に検察に送る、検察は、裁判所の許可を得て十日、あるいは最大更に十日の最大二十日間、これをもって起訴する、それまでは被疑者を拘束する、それが刑事訴訟法でありますけれども、この事件を見てみますと、船長が二勾留目、二期目の勾留で途中で釈放されたと。
 この釈放されたのが、起訴を前提に、あるいは起訴するということがもうほぼ確定して身柄の拘束を必要ないんだということで釈放されたのか、あるいはその逆なのか、事件として立件できないということで釈放されたのか。いずれにせよ、そういう判断がないまま処分保留になって、いまだに処分が出てないということが非常に分かりにくい部分だというふうに、おかしいと取れる部分もあるわけですから、そこについて説明をしていただきたいと思うんですけれども。
#167
○政府参考人(西川克行君) 検察当局におきましては、九月二十四日の段階で、これ以上身柄拘束をする必要はない、あるいはするのは適切でないという判断をいたしまして、処分保留のまま釈放して現在に至っているということでございます。
 その処分内容や、それから今後、いずれは処分するということになりますが、その処分内容や時期の見込みにつきましては、今後検察当局において適切に判断されるということになろうと思います。
#168
○米長晴信君 はっきりと御答弁いただけなかったと。適切に判断されるというのは、例えば先ほど申し上げたように、身柄拘束してやる事件の場合はきっちりとデッドラインが二十日と決まっていて、そこまでに起訴するか否かということを決定すると。そういう意味においては、仮に身柄を保釈しても、常識的にはその起訴の日から二十日あるいは余りそれを超えない範囲で事件の一つの結論を出すという必要があろうかと思うんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#169
○政府参考人(西川克行君) 処分保留で釈放した場合にいつ処分をするかというのは、特に決まったルールがあるということではございません。
 那覇地方検察庁においては、今後の推移を見て処分を決すると表明しておりますので、今後の推移を見ながら適切に対応していくということになろうと思います。
#170
○米長晴信君 起訴あるいはそれ以外の処分の内容を出さないというのにはいろんな要素があって、その理由までは私、今は分かりませんし、そこが問題というよりも、少なくとも常識的な期間よりは今後ろにずれているわけですから、これ何でなかなか処分出さないんだろうという部分は国民の皆様にとっては非常に分かりにくい、説得力がない、これは一つ言えるかというふうに思うんですけれども。
 あと、そうしたことを踏まえた上で伺いたいんですけれども、保釈したか否かという部分は、日本人がまだ拘束されていた時期に、向こうの事件がどういう事件だか分からなかった、いろんな要素があっていろいろ慎重に進めていた、保釈については、それは捜査上はですね。ただ、その判断はどうしたか、政治介入があったのか検察の判断だったのか、そういう問題もありましたけれども、それはおいておいて、(発言する者あり)そこはもう既に議論しておりますから。そうでなくて、今度の、今私が申し上げた部分、すなわち検察がこの事件を決着を付けない、すなわち起訴するか否か、処分保留の保留の部分をどうするのかという判断が今に至って行われていないということ自体、この部分が政治的に関係があるのか否か。私は、政治的に関係があるという場合は、それは言えないという答えでも僕はいいかと思うんですけれども、あるのかないのか、御答弁をいただきたいというふうに思います。
#171
○国務大臣(柳田稔君) ございません。
#172
○米長晴信君 もし、今答弁、ないということでありましたら、その起訴するしないということが、例えば中国側の配慮とかそういうものがないんでしたら、この事件は毅然として早期に判断をしていただきたいということを主張させていただきたいというふうに思っております。
 一方で、我が国にとってはこの事件と中国側の事件、関係ないということでありましたけれども、中国側から見ると分からないと。フジタの皆さんが、勾留したこと、向こうはもしかしたら意図的にそういうものを利用したのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。これをやはりきっちりと評価するには、中国で起きた事件の部分、この部分がどういうものであったのか、どういう本質があったのか、これをきっちりと検証しないと中国の側の思惑というのが分からないまま終わってしまうと、それこそ重大な私は外交上問題があると思いますけれども。
 この今のフジタの事件について、中国側の事件ではありますけれども、日本の政府として分かっている範囲のことでお答えいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど私が答弁をさせていただいたのは、相関関係は承知をしていないということを申し上げたわけであります。
 その上で、このフジタの問題でありますけれども、四人がいわゆる向こうの言い方で言いますと住居監視に置かれた後に、在外公館を通じ、あるいは私も程永華大使を通じて四人の身柄の安全確保、そして領事面会の実施、そして早期の解決というものを求めてきたわけでございますけれども、それと同時に、実はいまだに、なぜいわゆる住居監視に置かれていたのか、また高橋さんが一人だけ長く住居監視に置かれていたのかということについては明確に中国側から知らされておりません。これについては外交ルートで今その説明を求めているところでございます。
#174
○米長晴信君 ありがとうございます。この事件、そこは本当に重要な部分ですので、その事件自体が不当だったのかどうかも含めてまだ……(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか、私の質問ですので。それは分かりません。分からないことが多い。ただし、例えばその四人が捕まるに至った経緯が本当に四人の皆さんの過失だったのか、その過失に誘導されたものなのかとかいろんなことを、分かる限りのことを検証していただきまして、きちんと対応していただきたいというふうに思います。
 私、午後まで時間がまたがっておりまして、午前はこれぐらいにさせていただきまして、午後は検察審査会についてお伺いしたいと思います。
#175
○委員長(前田武志君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#176
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。米長晴信君。
#177
○米長晴信君 午前中に引き続き、質問をさせていただきます。午後は、検察及び検察審査会のことについて触れさせていただきたいと思います。
 冒頭、まず厚生労働大臣に、村木元局長の冤罪事件について御所感をお願いします。
#178
○国務大臣(細川律夫君) 村木さんにつきましては、逮捕それから起訴、そしてまた公判と、長い間勾留をされて、本当にお気の毒なことをしたというふうに思っております。無罪が確定をいたしまして、今職場の方に復帰されましたけれども、村木さんの経験と能力を本当に生かして、これからも活躍をしていただきたいというふうに思っております。
 この無罪判決が出まして、そしてまた最近の検察のあの状況の報道などを見ましても、私は検察の捜査のやり方については大変遺憾に思っておるところでございます。
#179
○米長晴信君 ありがとうございます。
 冤罪事件というのは本当に避けなければいけないことだというふうに思うんですけれども、例えば古くは甲山事件というのがありまして、あれは検察が不起訴にして、検察審査会がそれをひっくり返して、二十一年にわたって裁判が行われて、結局無罪になったと。
 検察審査会は、去年、強制起訴という新たな権限を持つことでよりその判断というのは重いものになったということが言えるかと思うんですけれども、だからこそ、民意を反映させるというその精神自体は非常に必要なものですけれども、だからこそ可能な限りオープンにやるべきだというふうに私は思っております。
 午前中に引き続き、質問をさせていただきます。繰り返しになりますけれども、検察審査員の選任方法についてもう一度お伺いします。
#180
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 検察審査員、補充員の選定の仕方でございましょうか。
 これにつきましては、午前中も御説明いたしましたが、毎年十月十五日までに各検察審査会ごとに市町村の選挙管理委員会から、第一群から第四群に分けまして百人ずつ、くじで選んだ合計四百人の名簿を出していただきます。その名簿から事務局の方で、法律によって検察審査員になることができないとされている人、それから七十歳以上の方で辞退を申し出た人、重い病気などの理由で検察審査会により辞退が認められた人を除きまして、残った名簿の中から事務局長が第一群から各五人、第二群から各六人、第三群から各五人、第四群から各六人の検察審査員と補充員をくじで選ぶということであります。
 なお、このくじには、法律の規定によりまして、判事一人と検事一人が立ち会って公正を期すこととされているということでございます。
#181
○米長晴信君 もう少し詳しく、百人まず選ぶ段階でのその分母は何ですか。
#182
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) これは、御承知のとおり、検察審査員になれる方というのは選挙権を持っている方でございまして、その名簿の中から、この合計四百人というのは、一つの検察審査会ごとに四百人の名簿を作るわけでございますが、事務局の方で管轄区域にございます市町村の選挙管理委員会に人口比で何人お願いしますということを割り振りまして、それで市町村の選挙管理委員会が、これもくじで選んでいただくんですが、その数を選んでいただいて検察審査会の方に出していただくと、こういうことでございます。
#183
○米長晴信君 くじというのは何ですか。
#184
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 市町村の選挙管理委員会でくじで選んでいただくことは法律に書いておりますが、具体的にどういうくじかということになりますと、実は、裁判員制度が入るということで、裁判員の方も市町村の選挙管理委員会の方を煩わせて候補者を出していただいておるんですが、最高裁の方で組みましたシステムですね、その中に裁判員候補者の関係でくじで選ぶソフトを組み込みました。そのソフトを使っていただいて検察審査会の方の候補者の選定もやっていただいていると、こういうことでございます。
#185
○米長晴信君 そのソフトについてもうちょっと具体的にお願いします。
#186
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 私どもとして、今、裁判員法の関係での裁判員候補者のソフトについてはちょっと詳しい情報を手元に持っておりませんが、検察審査会の方が四百人の名簿を出していただいた後、最終的に五人ないし六人の方を第一群から第四群にかけて選ぶわけですが、そのときに使うソフトについてはある程度詳しく御説明できるんですが、そちらというわけにはまいりませんでしょうか。
#187
○米長晴信君 そちらでも結構です。分かる範囲のことをお願いします。
#188
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えいたします。
 最高裁の方でこの検察審査会事務局が用いる、名簿管理に用いるシステムを作りました。検察審査員候補者名簿管理システムと呼んでおりますが、そのシステムの上にくじのシステムを載せております。これは富士ソフト株式会社という開発会社にお願いをいたしまして開発をしてもらいました。
 更に詳しく御説明いたしますと、発注の際にそのくじのシステムの方式の要件といたしまして、恣意的でなく公平であり、一般に説明できる仕組みを採用すること、結果が予測不能であり、無作為かつ公平性を保つことができること、こういったことを定めております。これに基づきまして開発がされまして、その後、本契約について検査職員に任命されました最高裁の職員によって必要な検査を完了し、この要件を満たすということで検査に合格し、納入されたものでございます。したがいまして、無作為抽出機能というのは確保されているというふうに考えております。
#189
○米長晴信君 もう手短に申し上げますけれども、今こちら私用意した資料が、縦軸は違うんですけれども、横軸は三百小選挙区の平均年齢というものなんですけれども、ここに三百個点があるんですけれども、大体五十半ばぐらいに集中しているんですけれども、一番若いところでも四十歳を超えているというのが現状でありますけれども、これと今回の例えば第五検察審査会の平均年齢、これとの相違について何か御意見をお願いします。
#190
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 委員の方からお示しになったものを私も見せていただきましたが、今回、結果的に議決日で申しますと三十五歳ぐらいの方が選ばれていたということになったわけでございまして、確率的に申しますと、程度は私申し上げることはできませんけれども、まあ、そんなによく起こることが起きたとは思っておりませんで、やはり確率的に言うと珍しいことが起きたような気はいたします。
 ただ、先ほど申しましたとおり、私どもといたしましては、先ほど御説明したようなソフトを開発いたしましてそのソフトに基づいてやっておりますので、その結果がそうなったというふうに御理解いただければというふうに思っておる次第でございます。
#191
○米長晴信君 結果がやっぱり統計学と著しく違うということですけれども、今後その例えばソフトを見直すとか、方法を見直すつもりはございますでしょうか。
#192
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 先ほど申し上げましたとおり、仕様書にこのソフトの備えるべき性能を記載いたしまして、その性能を満たすものが納品されたという検収結果が出ておりますので、そういう考えは今持ち合わせておりません。
#193
○米長晴信君 話変えまして、第五検察審査会というのは会議として何回開かれましたでしょうか。
#194
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) それは委員御指摘の政治資金規正法違反の事件の関係でございましょうか。
 何回会議が開かれたかということについて、私どもは承知をしておりません。
#195
○米長晴信君 いや、でも、これどうやったら、じゃ調べられるんですか。
#196
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 検察審査会が公表する限度で私どもとしてはどういう活動が行われたかというのは分かっているわけでございまして、その点については公表がされておりませんので分からないということでございます。
#197
○米長晴信君 検察審査会について本当余りに分からないことが多過ぎるんですけれども、例えば平均年齢みたいなものは今出ていますけれども、逆に公表できるようなものは何なんですか。
#198
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) これはそれぞれの検察審査会がそれぞれの事件を処理されたときに一つ一つ判断しておやりになっているというふうに承知をしております。
#199
○米長晴信君 時間が、私の持分がほとんどなくなりましたので最後に締めたいと思いますけれども、これについてはとにかく冤罪事件に発展し得る問題でございますので、検察審査会のその議論の中身、あるいはどういった資料が出されたのか、そういったことを含めて、今の仕組みだとそれが一切明らかに今後もならないという状況でありますけれども、裁判の前の取調べの段階ではその様子を録画する等の可視化の法案を我が民主党では出しているわけですから、この点についても、検察審査会というものの中身、これについて可能な限り国民の目にも明らかにできるような制度設計をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#200
○国務大臣(柳田稔君) 委員の御指摘のようなことも耳にするわけでありますけれども、その点につきましては国会で御議論をいただき、国会の考え方がまとまるようであればそれに従いたいと思います。
#201
○米長晴信君 では、私の持ち時間終わりましたので、これで終わります。ありがとうございました。
#202
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。行田邦子君。
#203
○行田邦子君 民主党の行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 十月一日の所信表明演説で菅総理はこのように発言されました。消費も投資も力強さを欠く今、経済の歯車を回すのは雇用です、政府が先頭に立って雇用を増やします、このように発言されました。そこで、今日は林業での雇用創出についてまず伺いたいと思っております。
 残念ながら、今の林業、大変元気がありません。(資料提示)木材の自給率なんですけれども、昭和四十年には七一・四%もありました。ところが、今になっては二七・八%と、四三・六%も落ち込んでしまっています。一方、この同じ期間に木材の供給源となる人工林の蓄積、これは何と四・八倍にも増えております。日本には切るべき木がある、そして使うべき木がたくさんあるにもかかわらず、木材の四分の三を輸入材に頼ってしまっているという状況です。
 林業で雇用を創出するにはまずはこの林業の再生が必要かと思いますけれども、菅総理に伺いたいと思います。この道筋について教えていただけますでしょうか。
#204
○内閣総理大臣(菅直人君) 林業による雇用ということで、御承知のように新成長戦略の中でもそのことを取り上げております。
 今御指摘がありましたように、現在の自給率が二八%と。私、実はつい先日まで二〇%程度と思っておりましたら、ずっと下がった後、この一、二年で少し数字が上がっているようであります。しかし、それにしても、これだけ山に覆われた日本がなぜ七割以上の材木を外国に依存しなきゃいけないのだろうかと、まさに林業が業として成り立っていない現状が今あると思っております。
 そういった中で、せんだってもドイツからフォレスターという方を三人ほど招いて、いろいろな地域で、ある種の日本の林業の方に向こうの林業の在り方を伝えるようなこともやっていただきましたけれども、是非とも、今、行田さんが言われるように、日本において今まさに蓄積が大変、戦後の植林のものが五十年、六十年物になっておりますので、それを活用する林業再生の私は好機だと、チャンスだと、このように思っておりまして、そのために路網整備、施業の集約化など林業の再生に向けての努力を総合的に進めていきたいと、このように考えております。
#205
○行田邦子君 今こそ林業再生の好機であるという御答弁いただきました。
 それでは、林業での雇用創出について伺います。
 私たち民主党の〇九年のマニフェストでは、木材関連産業を活性化し、中山間地域を中心に百万人の雇用拡大を実現しますというふうにしております。これをもってして、林業で百万人の雇用創出という言われ方もされるわけですけれども、菅総理に伺いたいと思います。百万人の雇用創出、どのように創出されるのか、お答えいただけますでしょうか。
#206
○国務大臣(鹿野道彦君) 今総理から基本的な考え方が示されたわけでありますけれども、ちょうど私が二十一年前、農林水産省におりましたときに、この森林・林業をどうするかということについて、やっぱり林道と機械化だなと、こういう話だったんです。今日もやっぱり同じなんですね。自給率も全く変わっていないんですよ。そういう意味で、今委員がおっしゃったことは非常に大事な御指摘をいただいたわけでありますけれども。
 そこでまず、総理からも言われた、なぜこの森林がこう荒れ果ててしまっているかということは、やはり人間が入っていかなければ間伐も何もできませんから作業道が一番必要だと。それから路網の整備においては非常に遅れてしまっているんですね。そういう意味で、生産性の向上を図っていかなきゃならない。
 こういうふうなことから、まず間伐をするということの仕事があるわけです。間伐をする。しかし、今までは間伐をしたまま置いておったわけです。これを、間伐したものを搬出すると。これも仕事になります。そのためには作業道が必要だと。作業道を造るということについて仕事の場が出ます。それから、車が入らなきゃなりません。車が入るためにはもう少し車が入れるくらいの林道を造っていかなきゃならない。そこでまた仕事の場が出ます。そして、搬出されたその間伐材をいろんなものに加工して、そして加工したものがいろんな形で各方面に販売されていくと。
 こういうようなことにおいて、それは当然運送の関係なりも含めて新しい一つの雇用の場が創造されるわけでありますから、この森林・林業再生プランというものは百万人の雇用を生み出す、これはまさしく大きな成長戦略の、新しい成長戦略の核にもなっていくんではないかと、こういう認識を持っております。
#207
○行田邦子君 林業で百万人の雇用創出というと、今林業従事者は五万人しかおりませんので、それを百万人にするというと、これは……(発言する者あり)大ぶろしきといった声も聞こえてきますけれども、決してそんなことではありません。林業そのものを再生することによって林業従事者を増やす。それだけではなくて、その関連の産業でも、住宅産業、輸送、六次産業化ということもあります、関連の産業でも雇用を増やしていく、百万人の雇用創出も夢ではないという夢のあるお話をいただきました。
 是非、大臣それから菅総理にもお願いしたいんですけれども、最近大変暗い話が多いです。国会の審議でも暗い話が多いんです。景気は気からといいます。マインドが重要ですので、こうした国民の皆様が夢が持てるような、こういった話を前向きに情報発信、これからもしていただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
 林業についてもう一つ伺いたいと思います。
 今、木材をはるか遠くの国から運んできて、その間CO2をどんどんどんどん排出をして日本にたどり着くというこの環境負荷の問題ということも言われております。そこで、地産地消林業、木材の地産地消化という新しい試みも始まっております。
 例えば、埼玉県では平成十五年に指針を策定しているんですけれども、県の持つ公共施設については、地上二階建て以下、そして延べ床面積三千平米以下のものについては原則木造化と、そのときには埼玉県産材の木材を使うというような指針を策定して取り組んでおります。ほかにもいろんな埼玉県では取組をしているんですけれども、埼玉県というと、何か東京と隣接していますので林業と余り結び付かない、イメージがないと思うんですけれども、実は県土の三分の一が森林なんです。埼玉県というのは木材の供給地でもあり、同時に人口七百二十万人という一大消費地でもあるんです。
 この供給地と消費地、両方を持っている埼玉県で木材の地産地消化が進めば、これは木材の自給率そのもののアップにもつながりますし、また良いモデルケースになると私自身は考えておりますけれども、菅総理に伺いたいと思います。この木材の地産地消ということについてどうお考えでしょうか。
#208
○内閣総理大臣(菅直人君) 多少、林業を私もこの数年間、いろんなところを見てきたので全体を申し上げますと、実は地産地消という考え方は一番最終的に重要なことだと思っております。
 つまりは、ドイツの黒い森を見てきたときに、何とそこから産出された材木を日本に輸出をして日本でかまぼこ板に使っていると。本当にびっくりしました。一万キロ以上離れたところで、しかもあんな重いものを日本まで運んでいると。まさに、二重、三重の意味でCO2を排出することになると。そういう意味では、できるだけ、重いものでありますから、生産された、つまり木が生えているところの近くで消費をするというのが最も重要だと思っております。
 そのときに、幾つかの条件があります。私、以前、木質のプレハブの大手の会社の人に集まってもらって、なぜ国産材を使わないんですかと言ったら、安定的に供給できる山がないんだということが一番大きいと言っていました。つまりは、土地所有も大変日本の場合は国有林を除けば小さいです。せいぜい二十ヘクタールとか五十ヘクタールとか。そうすると、先ほどの路網もその単位では入りません。そこで、団地化という作業が必要になります。
 そういうことを例えば埼玉県でも三分の一の地域の中で、例えば今年はこの百ヘクタールについて路網を入れようと、来年は隣の百ヘクタールに入れようと。そうすると、所有者の了解を得なければいけません。そして、そういうことが計画的にできるようになれば、大規模ないわゆる製材所が可能になります。大規模な製材所であれば、もちろん中心的な材は建築材に使いますけれども、極端に言えば粉のような材もパルプで使えますし、そういう意味ではありとあらゆるものが使える。その中には、バイオマスによるエネルギーを使うことも可能になります。
 そういった意味で、先ほど百万人ということをおっしゃいましたけれども、私は施業そのものに携わる人が百万人になるということはないと思いますけれども、そこから生み出されたもので木質プレハブを造ったり、エネルギーに変えたり、あるいは最近はプレカットという手法があって、そこですべてプレカットしたものを消費地に送るというやり方もやっておりますので、そういうまさに農業でいう六次産業と同じような形を取ればいろんな形で雇用も生まれるし、また相対的に近いところで消費することで地球に優しい林業の再生が可能になると。是非、埼玉県でも頑張っていただきたいと思います。
#209
○行田邦子君 応援をいただいてありがとうございます。
 地域で木材を消費するということは、やはり安定供給が不可欠かと思います。そういった意味では、供給、それからその間にある流通と消費、これが一体化して取組をしていかなければいけないというふうに思っております。木材の地産地消が進めば、それは環境負荷も軽減されます。そして、木材の自給率もアップする。そして、何よりも地域が活性化されて、地域の雇用にもつながるということかと思いますので、引き続き注力をお願いしたいと思っております。
 今、林業についていろいろお話しさせていただきました。けれども、森林の持つ機能というのはもちろん木材生産だけではありません。CO2の吸収源、それからCOP10もありますが、生物の多様性の保全、それから国土の保全、そして緑のダムというような言い方もしていますけれども、水源の涵養と、こういった様々な公益的機能を森林は持っております。
 この貴重な資源である森林が外資に買われているのではないかといったうわさが最近よく聞かれるようになりました。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、状況をお聞かせいただけますでしょうか。
#210
○国務大臣(鹿野道彦君) 本年の四月に都道府県に対しまして通知を出しまして情報収集いたしましたが、現在のところ北海道から九件、こういうことの報告がございました。
#211
○行田邦子君 北海道から九件のみという御答弁だったと思いますけれども、その他の都府県については確認ができているんでしょうか。
#212
○国務大臣(鹿野道彦君) これを受けまして、現地に農林水産省からも人間を派遣しまして、どういう手法でこういう情報を収集したのかというようなことをお聞きいたしまして、非常に詳細にわたって大変な努力をなされたということを参考にしながら、他の各都道府県に対しましても、北海道方式というんでしょうか、そういうことでやってくださいというようなことでお願いをいたしているところであります。
#213
○行田邦子君 外資が購入しているかどうか、土地を取得しているかどうかという確認というのは、これ大変困難です。極めて難しいわけです。確認できない理由というのは、それはつまり、山林売買には規制がございません。法律での規制がありません。だから非常に現状把握が困難であるということ。それから、そもそも、私たちの国、日本におきましては、外国人それから外国資本による土地の取得に対する規制というものがありません。
 関係の法律を調べてみました。まず、森林についてですけれども、これは森林法という法がございます。ここでも特に規制はありませんでした。それから民法、これは土地の取引に関してですね、これもありません。それから不動産登記法、それから国土利用計画法、これらは事後届出になっていますけれども、これについても国籍を問うというものはありません。それから外為法、これも大臣への事後届出ですけれども、対象というのは非居住者であって、そしてまた投機目的のもののみが対象になっています。そもそも事後届出ですので、規制というものではありません。
 唯一見当たったものは外国人土地法という法律です。ところが、この法律は大正十四年に施行されて以来、戦後は一度も政令が出されていませんので、実質機能していない法律というふうになっています。ですから、森林が、大切な資源が外資に買われているのではないかといったその実態がつかめないんですね。なので、いつまでたっても森林が買われているのではないかといったうわさが絶えないという状況かと思います。
 そこで、総理にお聞きしたいと思います。こうした森林に限らずなんですけれども、外国資本、外国人による土地取得に対して状況把握が困難である、また規制がないというこの状況についてどのようにお考えでしょうか。
#214
○国務大臣(馬淵澄夫君) お答えいたします。
 委員が御指摘のように、我が国におきましては、土地取引については基本的に取引の安全性あるいは適正化を図ることを目的としておりまして、特段の法的な規制はございません。したがいまして、こうした今御指摘のような問題が今日取り上げられているということだと思います。
 一方で、ただ、行為規制に関しては、私ども開発行為を規制するなど土地利用規制をしいておりますので、こうした観点から、制度をまず適正に運用することが重要だというふうに考えております。
 また、御指摘のように、森林等、外資からの取得による規制ということに関しましては、林野庁とも連携しながら、今後、私どもとしても実態把握を行って今後の対応を考えたいというふうに考えております。
#215
○行田邦子君 今国交大臣から御答弁いただきましたけれども、この外国人の土地取引ということにつきましては、実は所管の省庁といったものがありません。国交大臣、今御答弁いただきましたけれども、それは国土を担当しているということで御答弁いただいたと思います。けれども、土地の取引ということにおいては、これは法務省、まあ民法、それから不動産登記法は法務省ですので、かと思います。それから、例えば森林の売買ということであれば森林法の林野庁だと思います。それから、外交問題ということであれば外務省です。また、それが安全保障上の問題ということであれば防衛省も関係してきます。外国人の土地取得ということについては所管の省庁といったものがないんですね。
 ですので、この件についてもう一度総理に伺いたいと思います。総理のお考え、お願いします。
#216
○内閣総理大臣(菅直人君) 土地所有の制限について、私も実は土地のことはかなり長く勉強した時期がありますが、今、行田さんが指摘をされた外国人土地法というのが存在するというのは質問通告をいただいて初めて知りました。大正十四年の法律のようでありまして、しかし実際には、これによる規制は政令が必要ということで、それが現在は存在しないということで、事実上この法律も有名無実になっているということであります。
 今、林業の立場からの御指摘もありましたが、よく基地のそばの土地といったような問題での安全保障とかそういう面からの御指摘も従来いただいております。
 土地の所有というのは、日本は利用の面でも必ずしも十分な法律にはなっていないと思いますが、所有についてどう考えればいいのか。そこは、日本もある時期アメリカのマンハッタンの土地を相当買って、逆にいろいろと日本がそういうところを買い占めるんじゃないかとか、また最近でも銀座の土地を他の国が買っていると。そういう種類の土地利用を目的にするものとやや違う性格のものとどう仕分をするのか、こういう問題も含めて、御指摘がありましたので、少し研究を私自身もしてみたい、あるいはだれかにさせてみたいと、こんなふうにも思っておりますし、また、これは法務省が一応担当されているようでありますので、場合によったら法務省にもこの外国人土地法というものがどういうふうに生かすことができる可能性があるのかどうか、少し調査をしてもらいたいなと、こういうふうに思っております。
#217
○行田邦子君 外国人の土地取得について、考えるべきは森林だけではないと思うんですね。先ほど総理がおっしゃられたように、例えばこうしたケースも想定されます。それは、自衛隊の基地の隣接地、これが私有地であった場合は、これは今の制度上では何ら制限なく、規制なく外国人、それから外国資本との取引が可能になってしまうわけなんです。それが分かったときは、それは事後届出ですので契約が成立した後しか分からないという仕組みになっています。
 それから、それは離島も同じことです。例えば尖閣諸島なんですけれども、尖閣諸島の五つの島のうち魚釣島、一番大きい魚釣島を含めた四つの島については、これは埼玉県の方が所有している私有地となっています。尖閣諸島の場合はこの埼玉県の方が島の自然を保護したいという純粋な思いで所有をされていますし、こうした善良な所有者だから問題はないと思います。また、国が借り上げを行っていますので、ある日突然国が全く知らないところで権利が変わっていたといったことはこれは実質的にはあり得ないと、尖閣諸島の場合は、私はそう思っているんですけれども、ただ、今の外国人の土地取得の規制、この法制度上は尖閣諸島だって外国人、外国資本との取引が可能になってしまうという、法制度になってしまっているんです。
 そこで、もう一度総理に伺いたいと思います。安全保障上特段の配慮が必要な土地、地域については、外国人、外国資本の土地の取得について何らかの、事前の許可制とか事後介入方式とか何らかの規制を検討するおつもりはないでしょうか。
#218
○委員長(前田武志君) まず、柳田法務大臣。
#219
○国務大臣(柳田稔君) 御存じのように、ほかの省庁ともいろいろと議論をして詰めなければならない案件でございますけれども、先ほどの総理の答弁もございましたので、検討させていただきたいと思います。
#220
○委員長(前田武志君) 総理に聞かれますか。
#221
○行田邦子君 総理にお願いします。
#222
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど指摘をされた外国人土地法の中で、まず、外国人等が属する外国の法が日本人による土地に関する権利の享有を制限しているときは、政令によって外国人等の日本における土地に関する権利の享有につき同様な制限措置をとることができるという項目に加えて、国防上必要な地区においては政令によって外国人等の土地に関する権利の取得につき禁止をし、又は条件若しくは制限を付すことができると、これは外国人土地法の第四条に規定があります。ただ、先ほど申し上げたように、最初に申し上げたのは一条ですが、一条に関する政令は制定されたことがありませんし、第四条に関する政令は戦前に一度制定されたことがあるようですが、戦後廃止をされたままになっております。
 そういった点で、今の御指摘について、こういった法律が存在を、少なくとも法律としては存在していることも含めて、今法務大臣の方も少し勉強してみるということを言っていただきましたので、是非勉強させて一つの考え方をまとめてみたいと、こう思っております。
#223
○行田邦子君 諸外国を見てみました。韓国はやはり外国人土地法というものがありまして、一部の地域、特別地域については事前許可制になっております。それからアメリカですけれども、これは法律ではありませんけれども、エクソン・フロリオ条項という規制ルールがありまして、国家の安全保障上に問題があると判断した場合には、究極的には大統領がストップを掛けられるといった事後介入方式の仕組みが設けられています。ほかの国を見てみますと、何らかの規制を設けているところというのは結構多いんです。デンマーク、オーストリア、ニュージーランド、オーストラリア、メキシコ、ブラジル等々ですけれども、これは一度是非検討していただきたいと思っております。
 なぜ私がこういったことをしつこく申し上げるかといいますと、菅総理は所信表明演説で、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込みますというふうにおっしゃいました。私はこの演説に大変共鳴をいたしました。日本は経済規模の割には外資の参入というのが余り進んでいません。日本という国が外国人にとっても、それから外国資本にとってももっともっと魅力的な国であり、そして市場であって、そして外からの活力によって日本自体も元気にしていくということは私は大賛成です。
 国を思い切って開くということは様々なメリットがあると思います。けれども、やはりリスクもあります。国を思い切って開く、であればこそ、国家として守るべきものはしっかりと守っていくといったこの両輪が必要だと私は考えておりますので、是非御検討いただきたいと思っております。
 それから、土地に関してもう一点質問させていただきます。
 森林・林業についていろいろと調べていて、土地について問題点を感じました。それは、所有者や境界線が分からない、はっきりしない土地がいかに多いかということなんです。日本は地籍調査が進んでいません。地籍調査というのはその土地の所有者や境界線や面積や用途を調査するものです。これが日本は四九%の実施率なんですね。ちなみに、韓国、フランス、ドイツ、オーストリアというのは一〇〇%完了しています。この地籍調査が進んでいないことによって様々な支障があります。例えば、先ほど菅総理もおっしゃられた、大臣もおっしゃられた林業の再生、これにも大きな支障を来すわけなんです。
 深刻なのは林業だけではありません。むしろ、都市部の方が深刻な問題があると思います。皆さん御存じの六本木ヒルズ、これは都市の大規模再開発事業ですけれども、この事業の中で、土地の境界線を確定するために何と四年間という年月が費やされました。これがもしこの土地が地籍調査が済んでいれば、半年で境界線が確定できただろうと言われています。三年半という年月のロスがあったわけです。これは大きな経済ロスだというふうに思っております。
 今、国の方では、これからの十年間でこの地籍調査を四九%から五七%まで八%上げるという目標を国土交通省の方で立てているかと思いますけれども、この地籍調査をもっとぐっと前倒しをしてはどうかというふうに思っております。集中的に行うことによってその間の新しい雇用というのも創出されるわけです。地籍調査というのは、社会それから経済の基盤整備です。それを行うことによって新しい雇用も創出されると。これは一石二鳥ではないかと私は思うんですが、菅総理、いかがでしょうか。
#224
○国務大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 御指摘のように、この地籍調査の推進は、今年の三月に国土調査法、これを提出させていただきまして、改めて十か年計画を策定したところであります。四九%から五七%までの引上げということであります。
 これはもう、森林のみならず都市部の境界確定も極めて重要な要素であるということで、私どもとしても全面的に進めてまいりたいと考えておりまして、このときに、この国土調査、地籍調査の場合には大変その人件費に掛かる比率というのが高うございます。約八割がその調査の中の人件費になると、実績ベースでこのような数値が出ておりまして、まさに地籍調査を進めるということはすなわち雇用の吸収につながるということ、一石二鳥と言っていただきましたが、さらには、境界の確定によって新たな都市再生あるいは森林開発も含めた経済の活性化につながるということでまさに一石三鳥と、そのような施策であるというふうに考えております。
#225
○行田邦子君 是非、ここは菅総理もいろいろとお詳しいと思いますので、御意見伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#226
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、本籍地が岡山県の山奥なんですが、そこに相続を受けた山がありまして、一度自分でその山の自分の名義になっている土地を調べたことがあります。小さく分かれていて全く境界線が分かりませんでした。地元のかなり詳しい人に一緒に来てもらったんですが、分かりませんでした。
 まさにおっしゃるように、団地化するにしても、その境界線が分からないということは、極端に言えばだれの所有者かも分からないということで進みません。大都市においてもそういう問題があります。そういう点では、この点に着目をされたというのは私は大変な炯眼だと思っております。
 同時に、それを促進させるために、まあこれはその時々の景気とか雇用情勢を考えることが必要だと思いますが、特に今のように失業率がまだ高止まりをしているようなときに、もちろんこれ財源の問題がありますから余りやすやすと申し上げるわけにはいきませんけれども、いつの日にか必ずやった方がいいこと、やらなければならないことを前倒しに実行して、経済効果もあり雇用効果もあるということは大変私はいい問題ではないか。(発言する者あり)
 何か変なやじが飛んでおりますが、先ほどありましたようにほとんどが人件費に必要なわけでありまして、そういう意味では、雇用につながり、そしてそういうものにつながることは大変いい提案だと私も積極的に受け止めて関係省庁に検討を指示をいたしたいと、こう思います。
#227
○行田邦子君 前向きな御答弁ありがとうございます。
#228
○国務大臣(海江田万里君) 今度のこの補正、今準備しておりますが、その前の総合緊急経済対策の中に、これは国民新党さんからも要望もありまして、しっかりとこの地籍調査のための人、雇用を前倒しでやるように入っておりますので、間もなく形が出てくると思います。
#229
○行田邦子君 補正の中にも前倒しで盛り込んでいただいているということですけれども、ちょっと今手元にメモがありませんので確かな金額分かりませんが、もっと集中的に予算を投下してもいいんではないかという印象をその金額を見たときに思いました。
 ちなみに、地籍調査を八%進める、これ十年でやろうとしているんですけれども、このために掛かる総事業費というのは約二千六百億円と言われています。これを皆さんどうお考えになるかなんですけれども、十年間で二千六百億円なんです。この中には、総事業費というわけですから、国が出すお金だけではなくて都道府県、それから市町村が出すお金、それから特別交付税措置、そういったものも全部含まれて総事業費で二千六百億円ということです。国の予算規模からすると、決してとんでもない大きなお金ということではないというふうに私は考えております。
 そしてもう一つ、これは是非前向きに御検討いただきたいための参考の情報なんですけれども、八%の地籍調査を仮に一年間で集中的に実施するとすると四万人程度の雇用が生み出されるという試算も、ざっくりですけれどもさせていただいております。いろいろ、そんなに急に人を増やすことはできないといった問題もあるかもしれませんけれども、是非御検討いただきたいと思います。
 また、この地籍調査については、必ずしも測量とか調査といった専門的な知識や技術がなくてもできる仕事があるんです。補助的な仕事というのも結構あるわけですので、私はこれ非常に現実可能な案だというふうに思っております。
 地籍調査といいますと、古くは豊臣秀吉の太閤検地があります。そして、外国ではかのナポレオン皇帝のナポレオン地籍というものがあります。この二つは後世でも評価をされています。菅内閣のうちに集中的に地籍調査を実施して完了させたとすると、豊臣秀吉それからナポレオンと並んでこれは後世にも残る実績となると私は考えておりますので、菅総理、是非前向きにそして早急に御検討をいただきたいというふうに思っております。
 菅総理、いかがでしょうか。
#230
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、大変夢のある、そして歴史的に見ても、太閤検地によって日本の農業のある意味で基盤ができたと思いますし、ナポレオンはパリをつくったりいろんなことをやっております。そういう意味では、私もこの地籍調査の重要性は御指摘も含めてよく改めて分かりましたので、是非、菅検地と言われるように頑張りたいと思っております。
#231
○行田邦子君 ありがとうございます。
 それでは、最後の質問に移ります。最後の質問なんですけれども、レアアースに関連して伺いたいと思います。
 中国からのレアアース調達がいまだに正常化されていません。今回の一連のこのレアアースの件で私が改めて認識したことというのは、レアアースを使って製造する中間の部品や素材にはいかに日本企業の持つ高性能、高度な技術が不可欠であるということが分かりました。改めて認識をいたしました。
 例えば、自動車用の排ガス触媒に必要な、その素材である触媒、これは自動車にはもう欠かせません。この日本企業のシェアというのは大変高いです。それから、ハイブリッドカーとか電気自動車に使われているレアアース磁石、これは日本企業のシェアがほぼ一〇〇%というふうに言われています。また、パソコンに使われているハードディスク基板、これは日本企業のシェアが一〇〇%です。そのほかにも、高性能の研磨剤とか光学レンズとか、日本企業の持つ高いレベルの技術、そして技術者が必要不可欠なものというのは大変多いわけなんです。
 レアアースが日本に供給されなくなると、こうした中間の部材の製造に影響が出ます。ということは、こうした部材を必要としている自動車とかパソコンとか液晶テレビとかデジタルカメラといった最終商品の製造にも大きな影響が出てくるわけなんです。レアアースが日本に供給されなくて困るのは日本だけではないんですね。むしろ、こうした自動車、パソコン、液晶テレビ、デジカメといった最終商品を作る、最終的に作る、その製造する国であって、そしてまた、さらにはそういった製品を求めている中国を含む世界各国なわけなんです。
 こうしたレアアースとそれから最終商品の中にあるサプライチェーン、この構造というものを日本としてもしっかり国際社会に向けてPRをしていっていただきたいというふうに思っておりますし、そしてさらには、今レアアースの件で、レアアースの権益確保とかあるいは代替素材の開発といったことももちろん取り組んでいただいて重要だと思っていますけれども、それだけではなくて、こうした日本企業の持つ技術、それから技術者をしっかりと守って育てていく、日本の中で守っていくといったことにも国として取り組んでいただきたいというふうに思っておりますので、御意見伺いたいと思います。いかがでしょうか。
#232
○委員長(前田武志君) まず、大畠経産大臣。
#233
○国務大臣(大畠章宏君) 行田議員に御答弁申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたように、このレアアースという素材が大変日本国内の先端商品といいますか、製品に多く使われていることは事実であります。
 二つの点から御答弁申し上げますが、一つは、このレアアースの確保という観点については、既に委員の皆さんにも御承知だと思いますけれども、とにかく日本という国のレアアースの確保先が一か所に集中していた、それを分散化すると。それからもう一つは、日本国内で製品に使われたものがそのまま廃棄されておりましたが、これをリサイクルすると。そして同時に、代替材料も開発しなければなりません。そういう総合的な対策を取るために今回の補正予算で一兆円の予算を計上させていただきまして、今必死に対策を取っているところであります。
 同時に、この材料を使った高度な技術開発というものは大変大事でありまして、この点についても私どもとしては、国内の国際競争力の源、こういう位置付けで極めて重要なものだと考えておりまして、今後とも、御指摘をいただきました点を踏まえて、経済産業省としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 以上です。(発言する者あり)
#234
○行田邦子君 大臣、一兆円ではなくて一千億円ですよね。はい、分かりました。
 それでは、総理にもお聞きしたいと思います。
#235
○内閣総理大臣(菅直人君) 多くは大畠経産大臣が言われたのでダブりは省略いたしますが、まさにこの技術を日本が持っていることの強さというのは大変重要なところだと思っております。
 と同時に、私もいろんな事業所をこの間見て回りましたが、なかなかこの分野は特許が取りにくい分野だということも聞きました。つまり、非常にノウハウ的に、ある材料を一般的な材料の中に少し、まあ鼻薬と言うとちょっと別の意味になるかもしれませんが、ちょっとそれを入れてすると物すごく効果が上がるとか、そういうもので、多くのところはその技術は門外に出さない技術として継承されているということもお話を聞きました。
 そんな意味で、この資源競争の中では日本はどうしても海外に資源を求めなければならない国であるだけに、今、行田さんのおっしゃったように、それらのレアアースを含めて、資源を使ってより製品化するときの技術は日本が多くの分野で先頭を走っていると、そういう状況を維持し、更に拡大していくことに全力を挙げるべきだし、挙げていきたいと、このように改めて感じたところであります。
#236
○行田邦子君 ありがとうございます。
 今、技術者という人材についても話をさせていただきました。
 そこで、もう一つ、人材育成についてお聞きしたいと思っております。
 厚労大臣に伺います。経済対策の中で盛り込まれている新卒者、若年者の就労支援について教えていただけますでしょうか。
#237
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 せっかく大学であるいは高校で勉強されて世の中へ出ていこうと、そういうときに就職ができないという方が今たくさんいまして、これは大変深刻な事態でございます。したがって、私どもとしては、その卒業しても就職ができない方に対しての就職支援を、これを特別にしっかりやっていかなきゃと、こういうことで施策を打っているところでございます。
 そこで、長くなりましたらあれですから簡単に申し上げますが……(発言する者あり)そうですか、それではゆっくり、遠慮なく申し上げます。
 今、卒業しても就職が決まらない学生などは七万五千人おられると。去年から増えまして、三万一千人上回るというような大変厳しい状況でございます。そしてまた一方で、中小企業の方では求人をしているけれども、なかなか就職に来てくれないと、こういうミスマッチもあるわけです。
 そこで、私どもといたしましては、まず九月の予備費の対応で新卒ハローワークというものをつくりまして、そこへ新卒で就職できない人に来てもらって、丁寧にいろいろとお一人お一人お世話する。そのお世話をするジョブサポーター、それを今度倍増をいたしまして、それで丁寧に就職の相談に乗ると。
 もう一つ大きな政策は、既卒三年、三年たってもまだ就職できない人に限って、それが正規に雇用してもらった場合にはお一人百万円の支援金を払うと。あるいは三か月の試用期間、そういうときに一月十万円の手当を払いながら、そこでうまくマッチングすればそこに採ってもらうということで、そこでまた採っていただければそこでお金を払うと、こういうようなことをやりながら新卒の就職の方に力を入れてやっているということでございます。
#238
○行田邦子君 仕事がないというお声も聞こえましたけれども、新卒者に対しては決して仕事がないとも言い切れない状況です。なぜかといいますと、大企業の求人倍率は低いです。けれども、一方、従業員三百人以下の企業ではこれは四・四一倍という求人倍率になっています。決して仕事がないというわけではありません。ですので、大臣おっしゃられたように、このマッチング、ミスマッチの解消ということが重要だと思いますけれども、菅総理、いかがでしょうか。
#239
○内閣総理大臣(菅直人君) もう私が申し上げたいことを逆に質問の中で言っていただきましたが、雇用雇用と私が言ったときに三つの要素があると考えております。
 新たな雇用をつくる、これはもちろん介護の分野とか、あるいはグリーンイノベーションとかあります。それから、海外に出ていく企業に日本でとどまっていてもらうための一部補助金的なものも出すという、いわゆる雇用を守るということもあります。
 そして、それに加えて、まさにつなぐ。私も京都のジョブパークというところに行きまして、そこには、京都は割と小さな物づくりの会社が多いわけですが、そこが数百社会員になってくれているそうでありまして、そこに新卒者が来て、例えばトライアル雇用とか、いろんな形でつないでいくと。そうすると、その企業の方も、去年一人採ったらなかなか良かったと、じゃ、今年は二人採ろう、三人採ろうという形で、結果として相当数がそのジョブパークが始まってからつながったと。特に中小企業にとっては大企業以上に、いい人材が入れば逆に言うとその企業が伸びるというところもありますので、いろいろとやじが飛んでおりましたけれども、つなぐということは新たな実質的には雇用を生み出すのと同じ効果があるという意味で、この三つの面で努力をしていきたいと、こう考えております。
#240
○行田邦子君 若い人たちというのは国にとっても貴重な人的資源でございますので、是非お取り組み、積極的にお願いします。
 日本は資源が大変乏しい国というふうに言われています。けれども、日本には国土の三分の二を占める森林という資源があります。これをしっかりと守って、そして育てていく。さらには、今お話があった人的資源、貴重な人材、技術者、若い人たちがいます。こうした人的資源、人材をしっかりと守って育てていく。そのことによって私たちが未来に明るい光が見出されるように政治が取り組んでいかなければいけない。
 そのために菅直人総理のリーダーシップに期待したいと思っておりますが、御決意のほどをお願いいたします。
#241
○内閣総理大臣(菅直人君) 大変激励をいただきました。頑張ってまいります。
#242
○委員長(前田武志君) 以上で一川保夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#243
○委員長(前田武志君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
#244
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 議題に入る前に、昨日の国会の動きを通しまして、一問だけ農水大臣に確認をいたしたいと思います。
 宮崎県の口蹄疫、終結いたしまして、今畜産業も再建の過程でございますが、もとよりこの問題、我が党はいち早く現地調査をいたしまして、対策特措法を原案作りまして、各党の協力でさきの国会で特措法が成立いたしました。
 残る課題は、国からいわゆる手当金、特にもう断腸の思いで牛や豚を殺処分されたと、そういう農家に対して手当金を出そうということですが、これにもいわゆる所得税も住民税も掛かるわけですから、これを掛からないようにしよう、免税措置をしようということでいろいろ働きかけてまいりましたが、昨日、民主党の方でも最終的にこの案をのまれるということで、早ければ来週中にも議員立法でこの措置をしようということが決まったと。大変喜ばしいことだと思うわけでございますが、この措置をしても再建のためにはこれからも大変努力が要ると思います。
 そういうことも含めて、農水大臣の感想と決意を伺いたいと思います。
#245
○国務大臣(鹿野道彦君) 口蹄疫対策に取り組んでいただいた関係者の皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。
 今、白浜先生からお話がございましたけれども、今後のことにつきましては、税の問題につきましても御検討をしていただいているところでありますけれども、現在、第三者による口蹄疫対策検証委員会におきまして、口蹄疫発生前後の国あるいは県なりの防疫体制というものがどうであったのかということを含めて検証いたしているところでございます。
 先月の十五日でございますけれども、これまでの議論を整理して、言わば中間報告という形で公表させていただきましたけれども、大体十一月中くらいまでには最終報告を出していただきたいと、こんなふうに思っておりますが、それを受けて、家畜伝染病の予防法の改正等、今後の口蹄疫の防疫対応の強化につなげていきたいと、こんなふうに思っております。
#246
○白浜一良君 検証も大事でございますが、再建支援もずっと大事でございまして、しっかり支援をしていただきたいと思うわけでございます。
 総理、度々この委員会で議論をされておりますが、いわゆる尖閣諸島沖の中国漁船衝突問題でございますが、押し問答をやるつもりはございません、私、総理に三点だけ御意見を確認したいと、こう思うわけでございます。
 一つは、今回の問題を通して、結果的に、日本という国はいろいろ圧力を加えられると屈してしまうと、こういう印象を与えてしまったと。そして、尖閣諸島そのものは歴史的にも我が国固有の領土です。間違いございません。しかしながら、中国が余りに固執してこれだけのトラブルを起こしたということは、いかにも、領土問題がないというのが我が国の基本でございますけれども、何か領土問題があるような、そういうイメージを、メッセージを国際社会に与えてしまったと。こういう結果は、この印象を与えたことは間違いないわけです。この事実に関して総理はどのように思っていらっしゃいますか。
#247
○内閣総理大臣(菅直人君) 余り繰り返しになるような形ではない形ということをおっしゃいましたので、私もできるだけ、従来の答弁はもうよくお分かりだと思いますので、そのことを踏まえた上で申し上げますが、私は、この一連の出来事、まだ半ば継続している状況だと思います。もう少し長い目で見たときにどういう判断になるのか。もちろん、元々領土問題がない中で、一九七〇年代から、海底の資源などが存在するということが言われ始めたころからだんだんとそういう問題を強く言う国が現れたわけでありまして、そういう国がまた経済的にも台頭してきて、場合によっては軍事的にも力を増してきていると、そういう大きな背景というものは当然考えなければいけません。
 しかし、今回のことの事件の中でいえば、私は改めて日本の意思は明確になったと、このように思いますし、また、あのASEMのときにもバイの会談を幾つかの国とやりました。あえて詳しい中身は申し上げることはずっと控えておりますけれども、例えばベトナムといったような国あるいは他の国も、ある意味いろいろなところでは共通の、何といいましょうか、そういう圧力を感じている国もあるわけでありまして、そういうところを含めて、私は、今回のことで、まあどちらが勝った負けたということを言うつもりは全くありませんけれども、日本の立場は相当程度国際社会でも認知をされ、より強いそういう一つの共有の考え方を持った国々もより連携が、公然とであるかどうかは別として、深まってきているという、そういう実感を私自身は感じております。
 また、領土問題は、一貫してここの地域においての領土問題はないという姿勢については、もちろんこれからもその努力をしなければいけないという多くの皆さんの御指摘はそのとおりでありますけれども、そういう努力を含めてその姿勢は明確になってきていると、このように考えております。
#248
○白浜一良君 総理はそうおっしゃいますけど、それは、いわゆる外交というのは結果なんで、そういうふうに理解をしてくれた国もあるかも分かりませんが、国際的にはもうそういう日本の弱いイメージを与えてしまったと、それは間違いございません。
 それから二点目に申し上げたいことは、要するに最終的に那覇地検の判断でいわゆるその漁船の船長が釈放されたと、これがもう大半の国民は信じられないわけですよ。先ほどの、今日の本委員会の議論を聞いていまして、要するに、法務大臣おっしゃった、地検は政治判断していない、外務省の意見を聞いたと。どういう意見を聞いたんですか、言ってくださいよ。
#249
○国務大臣(柳田稔君) 繰り返しになるかも分かりませんけれども、二十三日の日に外務省職員に那覇地検においでいただきましてお話を賜ったところでございます。その要点については、那覇地検のコメントに一部載っておりますけれども、それをもう一回申し上げますと、身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係、関係当局による今後の再発防止の努力、こういうことを私は承りました。
 詳細についていろいろコメントするわけにはいきませんけれども、外務省からのいろいろな話を聞いて、それを証拠にして判断したものだと私は考えております。
#250
○白浜一良君 じゃ、外務大臣、その課長は何を言ったんですか、その地検で。
#251
○国務大臣(前原誠司君) 尖閣の歴史的な背景と、そして今起きていること、つまりは中国はどのようなリアクションで来ているのかという事実を述べてきたという報告を受けております。
#252
○白浜一良君 事実を聞いてその那覇地検が判断したんですか。要するに、外務省の課長は事実しか言っていないというんですよね。沖縄諸島の歴史的経緯、今の現況、これを事実を言っただけと言っているんじゃないですか。聞いただけで釈放を決めたんですか。
#253
○国務大臣(柳田稔君) 繰り返しになりますけれども、どういう説明を受けたか詳しいことをお話しすることはできませんけれども、そのお話を聞いた上で那覇地検が判断したことは、国民への影響、今後の日中関係、そして関係当局による今後の再発防止、そういう話を聞いた上でのコメントだと私は承知をいたしております。
#254
○白浜一良君 総理、これ、もう本当にどう考えてもおかしいんですよ。外務省としては事実関係を語ると、これしか言えないんですよ。それで、釈放しようというのは政治判断なんですよ。それが那覇一地検でできるわけないじゃないですか。
 ということで、もうこれ以上押し問答する気ないんですが、私は総理に申し上げたいのは、総理はいつも言うじゃないですか、すぐに、政治主導だと。政治主導だとおっしゃりながら、これだけ大事なこの日中の際どい外交の問題を那覇一地検の責任にするんですか、皆さん。いつも政治主導とおっしゃっているじゃないですか。(発言する者あり)
#255
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
#256
○白浜一良君 私は、そういう総理の政治主導とおっしゃっている視点からいえば、いわゆる今回の那覇地検の判断としたことというのはおかしいんじゃないですかということを言っているんですよ。
#257
○国務大臣(前原誠司君) 何度か委員会等で答弁をさせていただいておりますけれども、一刑事事件から二国間の紛争になったり問題になるということはございます。これは、歴史上も戦争になったようなこともございます。
 この件について、しかし刑事事件については検察当局が判断をし、ほかのいわゆる事案をめぐって様々な外交問題になっていることについては外務省を中心に政府として対応していくと、こういうことでございます。
#258
○白浜一良君 だから、それはいいんですよ、それぞれ分担して。だけれども、最終的にそういう釈放するというのは一つの結論じゃないですか。これをだれがしたんだということを言っているんですよ。
#259
○国務大臣(柳田稔君) 二十四日の日に最高検と相談をして決めた結果でございますので、検察当局の決断でございます。
#260
○白浜一良君 そういう説明はもういいんですわ。
 総理、私は先ほどから言っているんですが、そういう説明をされるにしても、これだけ大事な問題、要するにそういう最高検と相談して那覇地検が決めたというような説明されていること自身が総理のおっしゃっている政治主導ですかということを聞いているんです。
#261
○内閣総理大臣(菅直人君) 政治主導ということと捜査当局が持っている自主的な捜査に関する判断、検察が持っている判断の幅というものと私は、やや何か矛盾するように言われていますが、必ずしも、それぞれ独立したものだと思っています。
 ですから、今回のこの釈放に至る経緯は、今法務大臣からもお話がありました、あるいは私を含め多くの大臣から御説明したように、最終的に検察が法の中で許される範囲、もちろん初犯であるとか、そういうこともありますし、それ以外の社会的な事象も含めて判断できることになっているわけですから、この事案について、そういう全体の総合的なことを判断したということは、私はそれはそれで、検察がまさに法の下で法に沿って粛々とやったということと私は言えます。そのことと、政治主導ということがそれと矛盾するとは私は全く思っておりません。
#262
○白浜一良君 総理はそうおっしゃいますけど、これを聞いている国民の皆さんは、今閣僚のこういう答弁聞いて、私は全く信頼性がないと思いますね。そのことだけを申しておきたいと思います。
 もう一点、三点目に確認したいことは、ASEMでいわゆる温家宝首相と若干懇談されたと。二十五分間ですか、それ自身は私、いいことだと思うんですけれども、中国語の通訳がいなかったと、こういう話でございました。その中国語の通訳がいなかったという問題は違う形でいろいろ取り上げられていますが、一方で、温家宝首相の中国の方は日本語の通訳がいる。日本語担当の副局長も外務省から来ている。私は、一方で仙谷官房長官が、まあここで何とか接点つくれないかという、そういう交渉をされていたという報道もございます。事実かどうか確認はもうしません。
 チャンスがあればやっぱりそういう話し合おうという態勢をつくってそういう国際会議に臨むのが、首脳会談に臨むのが当たり前じゃないですか。中国がそういう態勢で来ているんでしょう。事前の、要するにASEMの会議までには事前交渉はまとまっていないけれども、それだけの態勢で行かれているわけですよ。日本はなぜそういう態勢で行けないんですか。これがおかしい。
#263
○国務大臣(前原誠司君) 日本側は中国語の通訳はおりませんでした。向こうも日本語の通訳はおりませんでした。日本語をしゃべるアジアの副局長がいたということでございます。
#264
○白浜一良君 中国の、別に外務省の担当を聞いているわけじゃないので、ちゃんと日本語を通訳できる人がいたということが事実じゃないですか。だから、総理、これからもいろんな国際会議、首脳会談されるでしょうけれども、それなりの態勢をつくって行くべきだということは当たり前じゃないですか。
#265
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろな出来事についていろいろな面から御批判をいただくのは、もちろん国会の場ですから大いに結構なわけです。
 ただ、ASEMに出かけるときに、あらかじめ私が温家宝総理との会談を何とか実現したいからこうしたいということで指示は出しておりません。つまり、温家宝総理との……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえますか。
#266
○委員長(前田武志君) 総理の答弁をもう少し静粛に聞いてください。
#267
○内閣総理大臣(菅直人君) ASEMというのは、御承知のように、アジアとEUの首脳が二年置きに集まる今回の会議でありましたので、その場でいろいろな国とのバイの会談もやりますし、いろいろな共通の場もありましたけれども、必ずしも、当時から申し上げています、これは後になって申し上げているんじゃありません、行く前から、つまり、そのことの可能性について別に一〇〇%否定して行ったわけではありませんが、少なくとも何かそのことを目的にして出かけたわけではありません。
 ですから、ASEMの中では多く、もちろんいろんな国がありますが、温家宝総理の方も、向こうがどういう態勢で来られたかというのはその後分かるわけですけれども、英語の通訳を連れていかれて、私の方も結果としては英語の通訳がいて、その英語の通訳同士を介して話をいたしたと。ただ、中国語を解する通訳ではない立場の人がいて、一部を中国語から日本語に換えられたことは、そういう経緯はありますけれども、通訳としてはお互いに英語の通訳を連れていっていたというのが現実の状況であります。
#268
○白浜一良君 事前にそういう会談をされることが予定されていたのは私どももよく存じ上げていますが、当初は欠席して国会を開こうという、国会審議をやろうという予定もあったわけで、それを中断して、やめて行かれたわけですから、それなりの構えで行くのが私は当たり前だということだけを申しておきたいと思います。
 それから、もう次に政治と金の話を、これ少しせざるを得ないわけでございまして、これも何回も議論をされているわけでございますが、一般論として言えば、政治家は疑惑を持たれれば、裁判は裁判、それは法に従ってやればいいわけでございますが、政治家は道義的責任があるので、きちっと疑惑を解明する、当事者は説明責任を果たす、これは当然原則なんですね。
 だから、総理も著書でそういうふうに書いていらっしゃる。その政党であれば代表がそれを勧めるべきだというふうに書いていらっしゃる、これはもう当たり前の話なんです。なぜ小沢さんの場合はそれだけちゅうちょされるんですか。
#269
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、これもいろんな機会に申し上げていますが、私が本で書いたこと、そのことを私自身変えたつもりはありません。ただ、総理という立場で物事を言うときに、野党のときに書いたものに比べて取扱いが慎重であるということはあるかもしれませんが、基本的な考え方を何か変更したつもりはありません。
#270
○白浜一良君 だから、基本的なことを、いや、だから、それはもう衆議院で答弁されているんですよ、基本的な考えは変わっているわけじゃないんだと。ただ、今回の問題は大変ちゅうちょされている、そういうふうに感じざるを得ません。
 角度を変えまして、衆議院の議論でいわゆるこういうふうにおっしゃっているんですね。本人を証人喚問するという場合、場合によれば沿わないことでもこれをやらざるを得ないときには党として判断をしていきたいと、このように衆議院の我が党の石井議員の質問に答弁されている。昨日も質疑の中で、最終的な判断を私がやると、こうおっしゃった。そういう意味でのやらざるを得ないときというのはどういうときなんでしょうか。
#271
○内閣総理大臣(菅直人君) 改めて、いろいろとおっしゃるので、少し私も整理して申し上げたいと思いますが、まず、小沢議員御本人が、国会で決めた決定については私はいつでも従うというふうに記者の前で言われていることは御承知だと思います。また、それ以前から、国民の皆さんに場合によっては説明をしたいという趣旨のことも代表選等のときには言われておりました。そういった意味で、私も、代表選の折にも、今も同じですが、国民の皆さんにもう少し説明をされるのが適切ではないかということも言ってまいりました。
 その中でこの臨時国会が始まったわけでありますので、そうしたいろいろな場もあります。政倫審という場もありますし、皆さんが言われている証人喚問という場もありますから、そういうことも含めて、もし正式な提案があった場合には、我が党としても、幹事長、国対等で、本人の意向も確認しながら、どういう場でどういう形で対応するのがいいのか、それについてはしっかりと協議に応じていきたいということを申し上げてきたわけです。
 そして、その議論がいろいろ進んだ中で、民主党として何らかの判断を最終的にしなければならないというときは、もちろん民主党の中での議論もしっかりいたしますけれども、最終的な判断が必要だという段階では、それは私が党の代表として判断をさせていただくことになるということを申し上げました。
#272
○白浜一良君 そういう答弁されているんですが、そのやらざるを得ないときというのはどういうときなんですか。要するに、正式にそういう要請があればって、衆議院の委員会で正式に要請されているじゃないですか。それ以上のタイミングというのは何なんですか、やるべきときというのは。正式にあればという、こうまくら言葉でおっしゃるんですけど、正式に要請されているじゃないですか。
#273
○内閣総理大臣(菅直人君) そういう与野党のいろんな協議がもう既に始まっていると見ていいのかもしれませんけれども、そういう中で、それぞれの担当の、例えば理事の皆さんとか国対の関係者とかあるいは幹事長とかそういうところから、最終的にこういう意見でこうなっているけどどうしましょうかというところまではまだ私のところに来てはおりません。
#274
○白浜一良君 これ、もういわゆる責任のなすり合いなんですよ。党幹事長の下で決めてもらって、そこからの話もないとおっしゃる。ところが、岡田幹事長は、昨日、ある程度方向性を持ってからでないと小沢代表にも当たれないと、こうおっしゃっている。じゃ、いつごろそのいわゆるある程度の方向性というのは党でまとまるのかと。お互いがボールをほうり合って一向に結論が出ないと、こういうことだけを指摘をしておきたいと思います。
 それからもう一点、疑惑解明、説明責任と同時に、いわゆる再発防止ということも我が党も何回も提案、また議論をしておりまして、そして衆議院の代表質問で我が党の井上幹事長が、いわゆる再発防止ということで、企業・団体献金の禁止ということと政治家の監督責任の強化という、この二つを訴えたわけですね。そのときに、総理は、積極的に対応するよう指示をしたいと、こう答弁されている。もうされたんですか、対応するように。
#275
○内閣総理大臣(菅直人君) たしか私が申し上げたのは、御党が用意をされている政治資金規正法の改正については、企業・団体献金の禁止もたしか入っておりますし、それ以外の項目も入っていて、我が党との共通する部分もありますので、そういうものが提案されたときには、それに対しての賛否であったり、あるいは修正であったり、そういうことを含めてしっかりと協議に応じたいと、そういう趣旨で申し上げたわけであります。
#276
○白浜一良君 我が党の責任ですか。我が党が法案をもう一度きちっと出せば指示するということなんですか。
#277
○内閣総理大臣(菅直人君) 御存じのように、今まさに、いわゆるねじれという状況でありますから、我が党の方もいろいろと内閣としても法案を出し、もちろんこういう企業献金とか政治資金規正法は、いずれにしても政府が、内閣が出すべき性格のものではありませんので、我が党の方でもいろいろと用意をしておりますし、過去の国会でも出しております。
 ですから、別に責任を御党になすりつけるとか云々ということではなくて、それぞれの党がそれぞれの考え方を、もちろん法案を出す前の協議ということも、私たち、例えば補正予算では協議をできればしたいということを申し上げましたが、皆さんの方から、いやいや、予算そのものを出してきてからということでありましたので、それはそれとして今準備を進めておりますが、各法案についてもいろんなケースがあり得ると思います。
 いろんなケースがあり得ると思いますから、御党がそういう主張を持っておられることは知っておりますので、法案という形できちっと出していただいた場合にはきちっとこちらも対応するということを申し上げたことであって、別に何か責任をどうこうということで申し上げたつもりはありません。
#278
○白浜一良君 まあ前の国会から出していますからね。そういう考え方かなと思うわけでございます。
 しかし、企業・団体献金に関しましては、所信で総理も年内に方針を取りまとめたいと、こういうふうにおっしゃっているんですね。そういう作業はもうされているということなんですか。
#279
○内閣総理大臣(菅直人君) 年内でそういうことの取りまとめをしてほしいということを、幹事長を含めた党の方に申し上げております。
#280
○白浜一良君 いろんな課題があるのはよく分かりますが、スピード感がないなと、こういうふうに思うわけでございます。
 それから、衆議院の議論の中で、ちょっと総理が錯覚していらっしゃることがございまして、いわゆる監督責任の問題で、連座制と一緒のように思っていらっしゃるんですね。何か秘書が罪を犯したら、即いわゆる監督責任の政治家が罰せられると、こういうふうに思っていらっしゃるかもしれませんが、我が党が出した法案は連座制じゃないんですね。相当の注意を怠ったときという、そのいわゆる内容を付加した形になっているわけでございまして、即連座制でというこういう趣旨じゃないんですが、この点は御理解されていますか。
#281
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が申し上げたのは、御党が出されているその法案が、二つの要件をアンドではなくてオアにしろという中身だということは私なりには承知をしております。
 そのことがもちろん再発防止により効果があるというプラスもあるいはあるのかもしれませんが、場合によってはそれ以外で副作用的なことが生じるかもしれないというその中の例示として、私は選挙法における問題で、私は今でもそう思っておりますが、運動員買収というものが非常に幅広く今適用されていて、多くの場合、全部とは言いませんが、従来はアルバイトの人に電話掛けをさせている、あるいは駅前で声掛けをするというのは一般にやられていたわけですが、今は厳密に解すればすべて運動員買収ということになりかねないということで、その場合はまさに今言われたような連座制が適用されて、現実に何人もの議員が我が党を含めてそれで失格しておりますので、果たして、私は買収行為は当然罰せられるべきだと思いますが、普通国民の皆さんは買収というと、お金をおまえに一万円やるからおれに票を入れろという、そういうことを想定されるわけですが、運動員買収というのは必ずしも有権者でない遠くから来たアルバイトの人であってもそういうことになるわけでありまして、その辺りを含めて、その辺りを含めてですよ、その辺りを含めて十分に検討する必要があるのではないかという例示で申し上げたところであります。
#282
○白浜一良君 公選法の話をしているわけじゃないわけで、我が党が出している政規法の要するに案を言っているわけでございます。確かに、「及び」じゃなしに「又は」になっています。だけれども、いずれか一方について相当の注意を怠ったときと。そういう軽微な、まあ意図的な秘書もいますよね、そういう場合は被害者なんですから、政治家は。それはよく分かっているんですよ。
 だから、こういうことを分かった上でおっしゃっているのかなということ。公選法の話とは全く違うじゃないですか。
#283
○内閣総理大臣(菅直人君) 法律が別だということは分かっています。ただ、議員の身分にかかわるということでの共通性ということで申し上げたんです。
#284
○白浜一良君 いや、違うんですよ。それで、法律の、公選法との違いはそれは当たり前の話であって、そういうことも十分踏まえた上での私どもの政規法の改正案になっているということですよ。それを御存じですかということを言っているんですよ。
#285
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、法律が違うことは分かっていますし、ただ、いや、私は必ずしも皆さんが提案されている法案、反対だと決め付けて言っているわけじゃないんですよ。率直に言って私などは、そういう法律があっても副作用的なことが起こさないで何とかやれるかなと私自身は思っています。
 しかし、率直に申し上げて、国会議員と秘書との関係でいろいろと内部告発的なことがあちらこちらで起きていることもよくありますし、その場合にもちろん議員に責任があることもたくさんあるわけでありますが、場合によってはいろんな事情がある場合もありますので、そういういろんなことを私も多少長くなりましたので見ておりますから、単に私個人としては大丈夫と思うからというだけではなくて、先ほど申し上げましたように、そんなに悪いこととか知らなくて、あるいは知らないのが悪いと言われればそのとおりですが、知らなくて学生さんにアルバイトのお金を払ったのがそうした法律に引っかかったと、そういうこともありますので、ですから、しっかり議論をしましょうと言っているんであって、なぜしっかり議論をしましょうということまでそれはおかしいと言われるのか……(発言する者あり)
#286
○委員長(前田武志君) 傍聴席の方はお静かに願います。
#287
○内閣総理大臣(菅直人君) しっかり議論しましょうということを一貫して申し上げているわけです。
#288
○白浜一良君 余り理解されていないことを私が指摘しているわけでございまして。要するに、秘書と選挙のときに応援するアルバイトと全然意味が違うじゃないですか。まして、私どもは、不注意によるそういう連座制的な罪を政治家に負わされてしまうということもあるんで、それなりの法案になっているということを何回も申して、それを御理解されていますかということを私は言っているだけであって、いずれにいたしましても、議論をすることはいいことだとおっしゃっている。
 そういう面のその議論の中には、いわゆる政治家の監督責任の強化、どういう表現をするかは別にして、そういうことは何らかの形で必要だということぐらいは前向きに言ってくださいよ。
#289
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、監督責任というものが当然雇用主にはあるわけでありますから、これは必ずしも政治家にかかわらず雇用主にはあるわけで、余りまた変な例示を挙げると問題かもしれませんが、雇用主が、やったことが、その上の人が犯罪に問われるというケースもいろんなケースで立法されております。暴力団の問題などでも、ある種、雇用主として責任が及ぶような枠組みにもなっております。ですから、私は一般的に、雇用主の責任を強化するということに一般的に反対をしているものではありませんし、適切な形で責任は当然あると思います。
 ただ、先ほど来言っていますように、ですから、そういういろんなケースについて、今、白浜議員が言われるように、そういうメリットの方が大きくてデメリットはないんだ、ほとんどないんだということを、それは私が一〇〇%まだ理解していないかもしれませんが、まさに国会の場で大いに議論をして、そういう理解を得られれば、もちろん私たちも賛成をいたします。
#290
○白浜一良君 これだけ大きな問題抱えているんで、きちっと国会で議論をして前進していくことを望みたいと思います。
 次に、円高の問題で、これも何回も議論をされておりますが、総理の発言をずっと系譜を見ましたら、九月十五日に介入したときには、このまま放置できない段階に来たと、一定の効果が出ているということで、それまで八十二、三円やったやつが八十五円ぐらいまで円安になったんですね。それで、翌十六日には、円の急激な変動は決して許さない覚悟だと、こういう話をされている。それから、昨日の委員会で、委員会じゃないですか、夜のぶら下がりのインタビューですか、大きな変化の中でどうしてもという場合には断固たる措置をとると、こういうふうに言われていると。今八十一円まで来ているわけですね。これはなかなか判断するの難しい。
 しかし、この第一回目の介入を通して分かったことは、一つは日本単独の介入というのは効果が薄いと。いっときはちょっと戻すけれども、またじりじりじりとこの円高の流れ、大きな。為替というのは市場で決まるという、当然投機的な動きもあるでしょうけど、それでもやっぱり市場で決まるというのは間違いないわけでございます。だから、単独介入では効果が薄いんじゃないかという、これは当たり前の話。
 もう一つは、先日G7がございましたですね。いわゆる単独介入に対する懸念がやっぱりあるわけでございますが、そういう中で断固として措置をとるというふうにおっしゃっても、何かこのいわゆる円高というものに対して為替的にできることが何かあるんですか。
#291
○国務大臣(野田佳彦君) 委員のお尋ねは、為替の問題を中心に今御指摘いただきましたけれども、過日G7に行って我が国の姿勢を説明してきました。その姿勢は今に至ってもこれは当然のことながら不変でございまして、デフレが進行している中で経済が依然として厳しい中、過度な為替の変動というのは経済や金融の安定に悪影響を及ぼし、看過できないという状況にあって、特にファンダメンタルズがレートに反映をされているとは言えないという状況もあるわけでありますので、特に日本の場合は、この円高というのは非常に日本経済全体に深刻な影響を与えていることをよく訴えてまいりました。そうした観点から、過度な変動を抑制する観点から、過日、六年半ぶりに為替の介入を行わさせていただきました。
 水準の話は、ちょっと申し上げることはこれはコメントを控えたいと思いますけれども、必要なときには、引き続き重大な関心を持ってマーケットを注視しながら、必要なときには断固たる措置をとるということを、これを繰り返し申し上げていきたいというふうに思います。
#292
○白浜一良君 どのレベルと言うわけにもいかないし、そういう原則繰り返す以外にないんでしょうけど。
 私が申し上げたいことは、単独介入をやっても効果は薄いということと、なかなかそういういわゆる国際社会の理解も乏しいと。その見方の中でやらざるを得ないという現状にあるわけで、私は何を言いたいかといいますと、円高対策というのは、こういう為替にどう介入するかいうだけじゃなしに、総合的な手を打つべきだということを私は申し上げたいわけです。
 それで、その一つにいわゆる空洞化という問題があるんですね。いろんな対策を打つ必要があります、円高に対しましては。しかし、一つは産業の空洞化という問題がございまして、これは経産省が八月にヒアリングをやりまして、データをいただきましたが、この一ドル八十五円の円高が継続した場合どういうふうになるかと。海外移転を考えるという企業が三九%、それから海外生産を、日本よりも海外の生産を拡大すると、これが六一%なんです。こういうヒアリングの結果になっているんですね。それから、中小企業でいいますと、約七割の会社が減益すると、特に大手の下請の中小企業は八割強減益すると。これがヒアリングの結果なんですね。
 じゃ、こういうヒアリングをされて、これに対する適切な対策は打たれたのかということをまず聞きたいんです。
#293
○国務大臣(大畠章宏君) 白浜委員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘をいただきましたように、調査の結果はそのとおりでございまして、これも一ドル八十五円の円高が継続した場合という条件付でありますけれども、それでもなおかつ製造業の四割が海外移転、六割が海外での生産比率を拡大という回答がございます。現在の水準ですと、もっともっと深刻な状況に入っていると思います。
 私も物づくりの世界で仕事をしてまいりましたが、この為替というものは、本当に物をつくっている、毎日の物づくりでは、やっていることは同じなんですが、その製品の価値というのが大きく変動して、まさに議員が御指摘のような状況にあるわけであります。
 経済産業省として、じゃ何をやるんだと、こういう御指摘でございますが、九月十日に閣議決定をした予備費を活用した経済対策、その中でも、低炭素型雇用創出産業立地支援の推進ということで一千百億円の予備費を充てる。それからステップツーとして、イノベーション、拠点立地支援あるいはアジア拠点化の推進などといった施策を盛り込み、国内立地を強力に推進しているところでございます。
 なお、さらに現在の状況を考えますと、先ほど財務大臣からお話がありましたものに加えて、法人税の引下げ、さらには、特に韓国等が強力に経済力を展開しておりますから、日本国内の企業も同じ国際競争をできるような環境にしていくこと、これが大変大事だと思っております。
 以上です。
#294
○白浜一良君 今おっしゃったことは、やられているのでしょうけど余り効果がないわけで、今補正予算を組まれているということですが、まだ形が見えないということで、これだけの経産省がヒアリングしながら、対策が余りに遅過ぎるんじゃないかと。本当にそういう日本の産業構造の危機というか、感じていらっしゃるのかなということを申し上げて、少し具体的な提案を二つほど申し上げたいんですが。
 一つは、雇用という問題を考えましても、やっぱり意欲のある企業、創業する、新事業をやる、そういうことを助成するのは大変大事なんですね。それは、民間の金融機関から融資を受けてわっとできるのはいいんですが、なかなかそういうふうなわけにもいかないということで政府系の金融機関がいろいろ支援するという、そういうことも考えられる、日本政策金融公庫もその役割を果たしているのは事実なんですけれども。
 ただ、実態を見ますと、新しい会社を創業するとか新事業を考えた場合に大きな問題二つございまして、一つは、そういう融資を受けても据置期間が短いんですね、すぐ返済していかなあかんと。だから、すぐ新しい事業を起こしてもうかるわけじゃないんです。だから、一つは据置期間を、最高今二年ぐらい言うています、それを五年とか七年に思い切って長いやつをやらないと実効性がないということが一つ。
 もう一つは、政策金融公庫に統合した場合、統合しましたから、中小公庫とか国金とか、そのときに、経営の合理化という面でいわゆる信用リスクの補助がなくなったんですよ、民間の金融機関との利差補給するだけで。だから、なかなかリスクのある事業に手を出しにくいという、そういう今日本政策金融公庫の実情があるわけで、今の景気考えたら、ある一時期でいいですから、信用リスクを含めたようなそういう融資ができるような体制にしてはどうかと。
 この二つが問題だと思うんですが、経産大臣、どうですか。
#295
○国務大臣(大畠章宏君) 白浜議員の御質問にお答え申し上げたいと思います。
 特に、現在中小企業活性化対策本部長をされているというお話も伺っておりまして、そういうことからも大変この問題についていろいろと精通されているという話を伺っております。
 特に、今御指摘の創業支援というものは大変大事であります。私も、いろいろとアメリカの事情等も勉強させていただきましたが、次々と新しい企業が誕生している。それが一つの経済のあるいは産業の活性化の源泉だと思っております。
 日本ではどうかということでありますけれども、いろいろと御指摘をいただきました新創業融資制度、これも昨年度三万六千件、それから二千三百億円の実績を上げております。さらには、信用保証協会等においても創業関連保証などを実施しており、昨年度においても一万五千件、八百億円の保証実績を上げております。
 それで、これらのものが少し短いんじゃないかという御指摘でございますが、これについても御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思いますが、いずれにしても、創業、新しい業を起こそうという、若者がよしやろうという、そういう環境をつくることは大変大事でありまして、引き続き経済産業省としても一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
 なお、新創業融資制度あるいは新事業育成貸付けというものがありますが、今後ともこれらの制度をしっかりとやっていきたいと思っております。
 以上でございます。
#296
○白浜一良君 総理、私、ちょっと個人的なプランがあるんです。例えば、三年間で一万社起こそうということで、いわゆる日本政策金融公庫の融資を活用して、昔の国金ですね、国民生活事業は、これは小さなところですからこれを九千社ぐらい育てよう、融資限度額は一千万と。で、中小公庫の方ですね、中小企業事業は、限度額は一億でこれを一千社育てようと。これで一万社になるわけでございますが、七年ぐらいの据置きにして、一括返還ありよと、その代わりに。こういう制度にして、その代わり、二〇%程度の信用リスクをこれを政府から出資するということをやれば、四百億円ぐらいあればこれだけの事業ができるんですね。
 これは、こういう考え方もあるということで、総理、もう一度本当に、新しいそういう事業を起こす、仕事をつくるような、そういう研究しろよというのを経産大臣に御指示されませんかね。
#297
○内閣総理大臣(菅直人君) 大変日本で新規の起業が減ってきていると。そして、アメリカに比べてはもちろんですが、そうした新しく生まれた企業が占めるウエートが一向に増えてこないと。大変ある意味では日本が全体としてシュリンクしている象徴的な一つの現象だと思います。
 そういう意味で、今、白浜議員の方から、三年間で一万社の起業をというのは大変夢のある魅力的な提案でありまして、是非大畠経産大臣に検討していただきたい、この場で指示を出しておきたいと思います。
#298
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 ただ、ちょっと嫌なことを言いますが、それだけいわゆる政府系の金融機関の制度をつくりましても、実際適切な運用がされているかどうかということもこれもまた現実問題大事でございまして、我が党はいろんな、調査なくして政策なしということで現場を歩いております。そういう意味で、私も長野県の伊那支店の、個人名は避けますけれども、ある中小企業の方から直接陳情を受けております。
 というのは、リーマン・ショック以後、やっぱり金回りが悪いので、地元の信金と地銀が、政府が作られたいわゆるモラトリアム法案、猶予法案で繰延べしましょうと、そう民間の金融会社がおっしゃっているのに、この支店へ行ったら、政策金融公庫の、要するに、もう査定するだけで一月ぐらい掛かるでと、こういうことを冷たく言われている。民間の銀行の方が何とか応援しようと言うているのに政府系の金融機関がこういうことを言うているわけでございまして。
 これは経産省と財務省が所管だと思いますが、制度の趣旨に沿って中小企業をきちっと面倒を見ろと、こういう指示を出してほしいんですよ。
#299
○国務大臣(野田佳彦君) 制度を民間が遵守をして頑張っているときに政府系の機関がそういうことがあってはいけないと思いますので、改めて指示を徹底したいと思います。
#300
○国務大臣(大畠章宏君) お答え申し上げます。
 私も長年この中小企業政策にも取り組んでまいりましたが、リスケジュール、要するに繰延べというのは決して返さないことではないんですから、そういうことをしっかりと認識をして、今財務大臣がおっしゃったような形で進めるように努力をしたいと思います。
#301
○白浜一良君 もう一つ提案がありますのは、先ほども議論されていました雇用のミスマッチの問題で、これは千人以上の企業は有効求人倍率が〇・五七なんですが、千人未満のところが二・一六あるんですね。どうしてもやっぱり名のある会社に行きたいというのは、それはもう就職する場合は無理ないと思うんですが、だけれども優良な中小企業はいっぱいあるわけです。だが、出会えるチャンスがない。
 そういうことで、今年、ドリームマッチプロジェクトというのをされておるんですよ。全国の七つの主要都市で中小企業集まってもらって、就職求める人も来てもらって、直接のこういう触れ合う場をつくって、これが随分役立っている。私、これはこれからも、来年以降もやられるべきだということを一つ提案したいんですが、いかがですか。
#302
○国務大臣(大畠章宏君) お答え申し上げたいと思います。
 今御指摘のドリームマッチプロジェクトでございますけれども、委員御指摘のように、現在のところ、今年、二〇一一年の三月の大卒についての求人倍率でございますけれども、千人以上の企業では〇・五七倍ということでありますが、中小企業でいいますと、三百人未満の中小企業でいいますと四・四一倍ということで、中小企業の方では求めているわけなんですね。
 しかし、なかなか委員が御指摘のように学生と企業とが出会うことが少ないということで、今御指摘のドリームマッチプロジェクトというものを実施いたしまして、インターネットサイトで登録した学生が三万七千人、そして企業の方は約二千社が登録をいたしまして、合同説明会等では九千百人、そして二百四十社が参加を得たと。そして、結果としては、四百六十二名の、この十月十二日時点でございますが、四百六十二名の内定者を得たということでございます。
 そういうことを考えますと、更にこれを強化していくということが必要なんですが、同時に民間のインターネット関係の事業も立ち上がりまして、インターネットを通して求人側と求職側との出会いの場というものが大変多く広がり始めております。ジョブカフェ等もその求人の事業の一つでありますけれども、委員の御指摘をいただきまして、実態をよく調べながら今後どうすべきかということをしっかりと検討してまいりたいと思います。
#303
○白浜一良君 最後に地デジの話をやりたいと思いますが、これ、もうあと九か月余りですよね、地デジ化するのに。ところが、いろいろ聞きますと、難視地区も課題が残っておると。ビル陰対策も五割前後しか進んでいない。集合住宅対策も、UHFのところは九〇%以上あるみたいですけど、VHFの既存のテレビの地域は大変、特に南関東では四割以上が未対応と、こういうふうな事実がございまして、これ、九か月余りでできますか、総務大臣。
#304
○国務大臣(片山善博君) これは十年前からもう取り組んでまいりまして、今ちょうど追い込みの時期になっております。一応私どもの調査によりますと、計画は順調に進んでおります。
 ただ、いろいろ今議員がおっしゃったようなこととかは私どもの方にも耳に入っておりますので、これを残った期間最大限の努力をして、できる限りのその解消を図っていきたいと思っております。
#305
○白浜一良君 大臣、もう答えは要りませんけれども、これは珠洲市で七千五百世帯、全世帯に受信機を配付されたと。それでやっても、今のアナログ電波を切ったら二%見れないところがあったと。実はそういう現実なんですよ、全部支給したって。そんな簡単なことじゃないんですよ、これ。だから、もっと真剣に取り組まないとということだけを申し上げておきたいと思います。
 それから、厚労大臣、福祉施設のデジタル化はどれぐらい進んでいますか。
#306
○国務大臣(細川律夫君) 端的に申し上げます。
 本年十月一日現在におきまして、社会福祉施設の施設全体の約七〇%が地デジに進行している状況でございます。
#307
○白浜一良君 だから、総務省の所管でございますが、特にテレビというのは災害時にいわゆる通報システムとしては一番有力なものなんで、その電波が流れないということであれば、一番そういう弱い立場にある方が被害を被るわけで、これは厚労大臣、細川大臣、ここは真剣にやらなあきませんよ。七割はとおっしゃっているけれども、本当にそうかなという気もあるし、一〇〇%やるんだというぐらいの決意でやっていただかないと。
#308
○国務大臣(細川律夫君) はい、しっかりやります。
#309
○白浜一良君 関連です。
#310
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。松あきら君。
#311
○松あきら君 引き続きまして、公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 相変わらずの円高、株安、また変化が激しい国際情勢の影響等で我が国経済はますます先行きが不透明化をしております。こうした中で、何に予算を使ってくれるのか、あるいは国は何をやってくれるのか、これは国民にとって重大な大きな関心事であると私は思っております。
 私どもは、政府に対して、補正予算、早く提示をしていただきたいと、こう申し上げておりましたけれども、なかなかお示しいただけない。八日に閣議決定されました緊急総合経済対策、これは御説明をいただきましたけれども、やはり詳細なもちろん中身はお示しいただけないし、もちろん予算額も示されないと。これは多分補正予算になっていくんだと思うんですね。そうした中で今日こうして御質問させていただくというのは甚だ残念だというふうに思っておりますけれども、私からは、今日は女性と子供の命を守る政治、施策について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、総理、お伺いをしたいと思います。
 総理は、先月、アメリカを訪問されました。世界の貧困問題の解消に向けた取組を話し合う国連のミレニアム開発サミット、これで演説をされたわけでございます。その中で総理は、母子保健、三大感染症、これはエイズ、結核、マラリア、新型インフルエンザを始めとする国際的脅威への対応、これらを三つの柱として、二〇一一年から五年間で五十億ドル、約四千二百億円の支援を表明されました。これは、六十八万人の母親と千百三十万人の子供の命を救うための貢献であり、国際機関が一体となって理想的な母子保健支援に取り組もうと世界に総理が呼びかけられたわけであります。大変立派な演説で、私もこれはすばらしいなと感銘をいたしました。日本の国際支援は評価されただろうというふうに思います。
 しかし、翻って、我が国の母子保健は十分とお考えなのか、この点を総理にお伺いしたいと思います。
 国際的にこうした貢献をすることはすばらしいこと、本当にうれしいことですけれども、我が国は少子社会であるにもかかわらず、いまだに産婦人科医の減少あるいは飛び込み出産、お産難民、あるいはまた、はしかが流行するなどワクチン後進国と、こう言われているんですね。二十年遅れていると、こう言われております。国際貢献と同時に、日本の母と子の命を、また健康な暮らしを守るための総理の御決意をまずお伺いしたいと思います。
#312
○内閣総理大臣(菅直人君) 国連においてミレニアム開発目標、これが二〇一五年を目標に幾つかのテーマがあったわけでありますが、中でも遅れていると指摘をされているのが母子保健支援モデルでありまして、これに対して私も、今、松議員の方から御紹介をいただきましたけれども、この国連の場で一層の支援を表明し、特に日本は妊産婦死亡率や乳児死亡率が低い国であり、そういった意味で、このような経験を生かして、財政的な支援ばかりではなく、そういったいろいろなノウハウの支援も含めてやっていくと、そういうことを申し上げたところであります。
 そういう中で、今、松議員の方からそれは大変いいことだとお褒めをいただいた一方で、日本国内におけるそうした妊産婦に対する支援あるいは状況、あるいは子供に対する状況について御指摘をいただきました。確かに、この何年間かそうした分野のお医者さんの数が相対的に非常に減ってきている、そういう中で、子供が生まれそうになった方が救急車等でたらい回しにされて悲劇を生んでいたり、いろいろな状況が生まれていることを私も知っております。そういう意味で、もう一度この周産期・小児救急医療体制について改めて立て直していくという、そういう姿勢が必要であろうと、このように思っております。
 加えて、女性特有のがん検診などを含めたそういった課題にもしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#313
○松あきら君 周産期医療等のこと、そして図らずも女性特有がん検診のことを言っていただきました。これはちょっと本日は質問から外したんですけど、時間の関係で。これ是非、私どもがまずやりました、各々にこの検診のお知らせが行くということで検診率アップということは非常に大事でございますので、これ是非きちんと続けていただきたい。ちょっと予算、三分の一ぐらいに減らされましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
 細菌性髄膜炎の原因となるHib、これはインフルエンザ菌のb型といいます。肺炎球菌などの細菌によって、国内では毎年約千人の子供たちが自然感染で発症して五%が死亡しております。また、二五%に知的障害や聴覚障害などの重い後遺症が残って、発症してしまうと治療困難である厄介な病気であります。
 これも我が党が、ワクチンで予防できる病気から国民の命を守るために、Hib、小児用肺炎球菌ワクチンの公費助成拡大を求めて定期接種に組み入れるようにずっと訴えてまいりましたが、なかなか道筋が付かなかったわけでございます。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 これらのワクチンは、WHOがすべての地域において接種を行うように勧告を行っております。アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、先進七か国中六か国は任意接種でなく、完全無料のまさに定期接種を実施済みでございますが、残念ながら我が国は未実施であるというわけであります。
 十月六日の厚労省の予防接種部会、意見書を出しました。Hib、小児用肺炎球菌、HPV、これはヒトパピローマウイルス、子宮頸がんのウイルス、この三つのワクチンを定期接種にすべきだというのが内容です。定期接種にするということは公費で行うということであります。
 まず、厚労大臣、初めて御質問をさせていただきます。是非、細川厚労大臣、これら三種のワクチンを定期接種化にしていただきたい。昨日、何かデモもあったそうでございます。お母さん方が求める、子供たちにワクチンしてほしい、公費でしてほしい、こういう訴えが昨日あったそうでございますが、この定期接種化に向けてどういう取組をされるのか、お伺いしたいと思います。
#314
○国務大臣(細川律夫君) 松委員あるいは御党がこのワクチンについて大変熱心に取り組まれてこられたことに本当に敬意を表したいと思います。
 そこで、厚生科学審議会での検討結果でありますけれども、六日でありますけれども、この予防接種部会におきまして、Hibワクチン、それから小児用肺炎球菌ワクチン、それから子宮頸がん予防ワクチンについては定期接種への位置付けと、この方向で急ぎ検討をするようにと、こういう意見が取りまとめられました。
 そこで、私どもとしましては、今後、この部会に設置をされましたワクチン評価に関する小委員会におきまして、定期接種に向けまして医学的、科学的観点から専門的な検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 そこで、定期接種になりますと公費でと、こういう御意見でございますけれども、この公費でということにつきましては、これは今後、予防接種全体の見直しということも進めておりまして、その中でそういうこともしっかり検討していきたいというふうに思っております。
#315
○松あきら君 医学的、科学的見地から検討を進めたいとおっしゃっておられましたけれども、これはもう医学的、科学的見地から進められて、諸外国はきちんとまさに定期接種化をしているんであります。これ、今ごろからやるんでは甚だ遅いというふうに言わざるを得ないと。
 ただ、多分、今のお答え明確ではありませんでしたけれども、定期接種化に向けて始めると、一歩を進めるというふうにとらえますけれども、いいんですか、それで。
#316
○国務大臣(細川律夫君) はい、そのようにとらえていただいて結構でございます。
#317
○松あきら君 大変心強い。そのように進めます、定期接種化、成ります、もうじき、皆さん。期待をしております、是非。
 今回、Hibや肺炎球菌のワクチン、子宮頸がんワクチンの三種のワクチンを今年度補正予算で、これは報道ベースですけれども、千百億円あるいは二千億円、新聞によっていろいろな数字が躍っているわけでございますけれども、これ、助成することが報道されました。実現すれば、私はこれはすばらしいというふうに思ってはおります。
 そこで、長年この分野に取り組んでこられて、医師でもある櫻井財務副大臣にお伺いをしたいと思います。是非お伺いしたい。今回の補正予算でどうなっているのか。櫻井副大臣は率直な方でいらっしゃるので、多分言えませんなんておっしゃらない。
 これ、報道分野でありますけれども、報道によりますと、財源の負担の在り方について国と地方で半々、これも発言をしていらっしゃる。まあこれ、報道されています。分かりません、事実かどうか。報道されている。二分の一が地財措置であるならば、不交付団体は、じゃどうするんでしょうか。不交付団体には来ない。また、所得制限を設けて八百万円以上の所得がある場合は除く、こういうふうに、これも報道されておりますけれども、私はこれ甚だ疑問であります。子ども手当は所得制限がないのに、なぜ命にかかわるワクチン接種では命に線引きをするのか。まさに所得制限が命の境目になってはならないと私は思うところでございます。
 以上の点につきまして、明確な御答弁、よろしくお願いいたします。
#318
○副大臣(櫻井充君) 日ごろからこの問題について一緒に活動をさせていただいております松あきら先生からこんなに厳しい質問をいただくとは思ってもおりませんでした。
 今委員からお話がありましたが、今回は特例措置ということで、昨年の新型インフルエンザの対策のスキームを用いまして、国とそれから地方が折半で公費助成を行っていくと、そういう形にさせていただきたいと思っています。なるべく多くの子供さんたち、それから女性の皆さんを救済できるような対策を取っていきたいと、そういうことでして、詳細についてはこれからまた詰めさせていただきたいと思っています。
 いずれにしても、財務省に入ったから人間が変わったんじゃないかと、そう言われないように頑張っていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございます。
#319
○松あきら君 副大臣、是非、財務副大臣だからという本当に思いではなくて、そもそもの信念を貫いていただきたい。もう役所とけんかをしてでも子供のために頑張るぞという思いを貫いていただきたい。
 この所得制限、いかがですか。
#320
○副大臣(櫻井充君) 非常に厳しい御質問でございます。
 ただ、改めてこの点についてもう一度持ち帰って検討をさせていただきたいと、そう思います。よろしくお願いいたします。
#321
○松あきら君 多分、今が精いっぱいのお答えかなと思いますけれど、非常に心強く、是非、命に線引きをしない施策をよろしくお願い申し上げます。
 総理、将来の日本を担う子供たちの命を救うワクチン接種は恒久的な制度にすべきだと私はかねがね思っております。補正予算では単年度だけの措置なのであります。また、定期接種化をするとなると、実は定期接種化、申し上げるまでもありませんけれど、これ公費負担ですけれど、三対七で、三が交付税、七が地方自治体の負担なんですね。ですから、定期接種、あれもこれも入れてくださいと全部思っていますけれど、例えば地方にすると負担が重くなるという、一方ではこれもあるんですね。
 ですから、この定期接種化の在り方、つまり財源の負担の在り方を変えていかなければ、今後もっともっとほかのワクチンも予防接種をしてほしいという御要望がたくさんありますし、必要だと思っておりますけれど、これを変えていかなければ私はいけないと思っております。しかし、これを見直すには省庁をまたがるんですね。ですから、やはり関係各省の了解の下の法改正が必要なわけでございます。
 チリの落盤事故で最後に生還されたルイス・ウルスアさんのように強いリーダーシップを発揮していただいて、是非実現をしていただきたいと思いますけれども、総理の御決断、御決意をお伺いしたいと思います。
#322
○内閣総理大臣(菅直人君) 松議員からすべてそのとおりといったような御質問をいただいております。
 もちろんそのとおりというふうに私も申し上げたいと思いますが、先ほどの所得制限とかいろんな問題ありますけれども、まず一つは、子供にかかわる問題あるいは母親にかかわる問題、まさにこれは大きい意味では両方とも子供を産み育てるという意味で、そうした施策を重視したいというのは御存じのように我が党もそういう考え方でありまして、そういう視点からもできるだけ手厚い形の対応が必要だと思っております。
 その上で、いろいろなこの分野は課題がありますので、全体を引き上げると同時に、財源的な問題も、これは社会保障全般の在り方について、私、財源問題も含めてできれば超党派で議論をさせてもらいたいということも所信表明で申し上げましたが、ある程度の負担をそれぞれがしても安心できる社会にしていくという、そういう大きな問題においても、できればいろいろと御協力をいただければこういった問題も一層進むのではないかと、このように思っているところであります。
#323
○松あきら君 子供と母親に関する問題は重要である、重視をしているという総理のお言葉であったと思います。これを信じて、大変、もちろん簡単にはいかないと思いますが、心の片隅とは言いません、どうぞ中心に置いていただきたいまさに大事な問題でありますので、よろしくお願い申し上げます。
 厚生労働省の来年度予算の概算要求に私どもがかねがね主張してまいりました子宮頸がん予防ワクチンの助成事業に百五十億円が盛り込まれました。これ、盛り込まれたということは評価をしたいと思います。しかし、一兆円の特別枠の政策コンテストに提案されて、今何かパブリックコメントを受け付けているということを伺っていますけど、これ、もしそうだとしたら私はもう変だなと、命にかかわる問題にコンテストというのはなじむのかなと思っておりまして、これ、もし引っ込められたとしたらとてもうれしいんですけれど、これは大変な問題だと思っています。
 その百五十億円のワクチン助成事業は、していただくことは有り難い、けれどもその考え方に問題があるというふうに思っております。この助成事業は、手を挙げた自治体に三分の一措置をする。もう二百四十八市町村が全額公費負担でこれをやってくれているんですよ。手を挙げたそこに三分の一ですか、手を挙げてないところにこそ本来やっていただきたいというふうに思うわけでございまして、これではちょっと違うんじゃないかと私どもは思っております。
 さきの百七十四国会で私どもは、この予防検診とワクチン両建てによる、まさに国の全額補助で実施をする子宮頸がん予防法案を提出をさせていただきました。これはなぜ予防法が必要かといいますと、恒久的に根拠法として必要だ。これはまさに二百四十八市町村首長さんたちからも、毎年やってくれるのかな、どうなるのかなというはらはらした気持ちじゃなくて、きちんと恒久的に命を守るためにこれを法律として定めてほしいという多くの御要望も寄せられている。これも申し上げておきます。
 総理にさきの予算委員会でこれを質問させていただきましたら、ワクチンとがん検診などを併せて進めることによりがんの予防効果が期待できることから、そうした予防措置の普及は大変重要だと認識している、私はできるだけ前向きな形で取り組むべきだと考えていると、こうおっしゃっていただいたわけでございます。
 予防ワクチンの接種率を高めるためには、全額の公費助成とともに集団接種、これが必要だ、特定年齢に行うということが実はとても大事なんですね。仮に五十八・七万人の中学一年生八〇%に一斉接種する場合、全額補助を行っても総事業は百六十九・五億円なんですね。ですから、この今回の百五十億でできないことはない、もうちょっと安くしてもらって、ワクチンを。これ同レベルの金額なんですよ。ですから、考え方をちょっと変えていただきたい。
 この子宮頸がんの発症を防ぐワクチン接種とHPV検査を含む予防検診、この二つを両輪とした子宮頸がんはほぼ一〇〇%予防できると、こういう私ども提案の法案を根拠にして永続的に行っていただきたい。取り組む御決意、厚労大臣にお伺いします。
#324
○国務大臣(細川律夫君) まず、子宮頸がんにつきましては特別枠の方で要求をしておりましたけれども、今回の総合経済対策の中でこの子宮頸がんにつきましても進めていくと、こういうことが織り込まれましたので、これからこの補正予算の編成過程でしっかり検討していきたいというふうに思っております。
#325
○松あきら君 随分さっぱりした御答弁でいらっしゃいますけれど。しかし、百五十億と千百億プラス、二千億ですか、それちょっと、千百億かちょっとそこの辺ははっきりしませんけれど、残念ながら。これ、連携をしてきっとやっていただけるということで、別々ではないというふうに今お答えいただいたんだと。ここでしっかりと前向きに、長妻大臣ではない細川大臣、しっかりと前向きに取り組んでいただけるということを認識をさせていただきました。
 時間の関係で次に参ります。
 先日、HTLV―1、これはヒト型細胞白血病ウイルス1型の政府特命チーム、これからこのウイルスの抗体検査を妊婦健診の項目に追加することを決めてくださいました。
 このチームには、我が党の江田康幸衆議院議員も、ウイルス研究の専門家でありますし、長年患者団体の皆様とともに苦楽を共にしながら、要望を伺いながら、まさにHTLV―1の第一人者として活躍してきた、こういうことでオブザーバー要請をされた。私どもも人道的観点から参加をさせていただいているというところであります。
 これはまさに六割以上の確率でこの抗体を持っているかどうか分かるということでありますけれども、しかし、お医者様でも十分にこの病気のことを認識されていない。ですから、要望したいと思います。医療従事者、地域保健担当者を対象とした研修会、これを実施していただきたい。相談支援センターを設置して、感染者の相談体制の充実、これしっかりと、抗体があるお母さん方に不安がないようにお話をしていただきたい、サポートしていただきたい。そして、国民に対する正しい知識の普及と理解の促進を図る。これについて、大臣、いかがでしょうか。
#326
○国務大臣(細川律夫君) 今、この点につきましては菅総理の方から、官邸の中に特命チームができております、HTLV―1の、できておりまして、そこでいろいろと検討されておりまして、今、松委員が言われたようなことに対してはしっかり取り組んでいくということで対応していくものと思われます。
#327
○松あきら君 ありがとうございました。終わります。
#328
○理事(森ゆうこ君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#329
○理事(森ゆうこ君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
#330
○小野次郎君 覚悟を持った政治家の政党でありますみんなの党から、今日は小野次郎が質問させていただきます。
 先日亡くなられた大沢監督、大沢親分ありせば、仙谷官房長官、あなたは喝ですよ。私はそう思います。
 おとといの官房長官記者会見、そして昨日の予算委員会のやり取り、自分を小村寿太郎外務大臣になぞらえていますね。私はおこがましいと思いますよ。命を懸けて国益を守った小村寿太郎氏とあなたは似ても似つかないじゃないですか。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 民主党代表選挙に──まだ早いですよ。民主党代表選挙に皆うつつを抜かして中国に付け込むすきを与えてしまった、それは民主党政権ではございませんか。あなたは内閣全体を考えなければいけない重責にありながら、あたふたと対応してしまった。違いますか。中国に対する柳腰外交、今後も忍従、弱腰の対応を続けるおつもりですか。
 もし御感想があればお伺いいたします。
#331
○国務大臣(仙谷由人君) 今日も某新聞が先生が今おっしゃられた論理をお書きになっておったわけでありますが、私は、日本の大政治家小村寿太郎に私をなぞらえたり決していたしておりません。それほどうぬぼれているわけではありません。
 ただ、外交への評価というのは、松岡洋右が国際連盟を脱退して帰ってきたときに日本国民のほとんどが歓呼の声をもって迎えた、小村寿太郎がポーツマス条約を締結して帰ってきたときには焼き討ちに遭ったという、この二つの日本の歴史は、これを教訓として、とりわけ政治家は、この二つのことは拳々服膺して自らの言動を相対的にいつも客観的に点検しながら、そのときの国民が大いに喜んでいただける、大いに歓呼の声を上げてくれる、そういうときほど自戒をして行わなければならないということを思っているわけであります。
 そこで、今回のことについては、世論調査の結果もそうでありますし、皆さん方もかなり多くの方が弱腰だ何だ、もっと中国と強く闘えという、ある種のナショナリスティックな雰囲気が多いわけでありますけれども、政治家はそのことをじっくり考えて自ら判断しなければいけない。そういう例として、私は、先般から記者会見のときに何度となくポーツマス条約のときのことと、満州事変後、満州国建国をして国際連盟を脱退した、この二つのことを記者の皆さん方に掲げてお話をしているだけの話であります。
#332
○小野次郎君 あなたに歴史の話を改めて授業を受ける必要はないんですよ。自戒の言葉だって御自分でおっしゃったじゃないですか。自戒の言葉は自分でのみ込んで、自分の戒めにするんじゃないんですか。それを記者会見で、そしてまたこの予算委員会で繰り返し小村寿太郎と自分を対比して言っているじゃないですか。どこが似ているんですか、あなたと。
 取りあえず別の質問に移りますが、また戻りますよ。
 今日お配りした資料の中に、天下り根絶、これは民主党政権のスローガンでもありますけれども、骨抜きにした、こうした民主党政権の政策を批判したために退職を要求されたり、あるいは二週間の国内出張を命じられた経済産業省の改革派の官僚がいるという報道がございます。古賀茂明さん、今日おられていますか。
#333
○委員長(前田武志君) 経済産業省大臣……
#334
○小野次郎君 いや、まだです。来られていますかと。はい。
 この報道事実、一部でも真実なのか、お伺いしたいと思います。これ、一部でも真実だとすれば、大人の世界の陰湿ないじめではありませんか。大臣、お答えください。
#335
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げたいと思います。
 この新聞報道でございますが、私も読ませていただきました。私としては、事務方から経済産業省内での業務としてこのような形にするというお話はお伺いしましたが、このような趣旨のものではないと。私も経済産業大臣としてこのような形のものが行われていいとは思っておりませんので、御指摘をいただきまして、また実態というものをしっかりと私自身も受け止めて、そして御本人のお話等も承りながら、御本人の経験やあるいはそして能力、そういうものが十分発揮できるような形で対処してまいりたいと思います。
 以上でございます。
#336
○小野次郎君 大畠大臣は剣道の達人でもおられるし、人格家だと聞いていますので、そういった対応をされると思いますけれども、私は、その省内の話、まあ夫婦げんかは犬も食わないという言葉がありますけれども、そんな省内の人事のことでこの問題を提起しているんじゃないんです。
 この古賀さんという方がこうした、言葉によっては江戸所払いみたいに二週間も国内出張、今私たちは出張といったら日帰りですよ。一泊する、それもありますけれども、二週間も国内出張を続けるなんて、そんな出張聞いたことはないです、国内で。そういうことをされている理由が、前公務員改革審議官であって、特に民主党政権のこの天下り根絶という、表向きはスローガンになっているけれども実は骨抜きにしてしまった、それを批判したということがもし理由だとしたら、これは大変大きな問題だと私は思います。
 古賀さん、せっかくお見えですからお伺いしますけれども、今民主党内閣は現役出向は天下りではないという説明していますけれども、これは、内閣が掲げている天下り根絶という、マニフェスト以来掲げているスローガンと反するように私たちは思いますが、どうしてこういう解釈に政府の中で変わってしまったのか。前公務員改革審議官としての知見を是非お話しいただきたいと思います。
#337
○政府参考人(古賀茂明君) お答え申し上げます。
 現役出向、一言で現役出向とよく言われていますけれども、現役出向という形もありますし、それから官民交流法に基づく民間企業への派遣というものもございますが、いずれにしても役人が公務員の身分を保持しながら外の組織、企業に派遣されるというものでございます。
 それで、今回、一連のこの夏休みにずっと行われていた措置を見ていますと、実は私が公務員事務局、済みません、それでちょっと今申し上げるのは全く個人的な見解でございますので、経産省の意見とかそういうことではありませんので、その点はお許しいただければと思います。
 それで、天下りがいけないという理由の、理由は二つぐらいあると思いますけれども、一つは、天下りによってそのポストを維持する、それによって大きな無駄が生まれる、無駄な予算がどんどんつくられる、あるいは維持されるというところに問題があるというのが一つ。それから、民間企業など含めてそういうところと癒着が生じる。そして、例えばその企業あるいは業界を守るための規制は変えられないとか、そういったことが起こる。あるいは、ひどい場合は官製談合のような法律に違反するような問題が出てくる。これが天下りの大きな問題点だと思います。
 一部に退職金を二回取るとか、そういう話もありますけれども、それはもう本質的な問題ではなくて、むしろ重要なのは、無駄な予算が山のようにでき上がる、あるいは癒着がどんどんできると、これが問題だというふうに考えております。
 この点は民主党も、私が公務員事務局のときにはそういうところを非常に強く批判されておりましたので、我々として、公務員事務局の中ではいろんなグループがありまして、守旧派と言ったらおかしいですけれども、むしろこういうことを進めたいというようなところもありましたけれども、民主党が批判をしているのでそれはできないということでずっと止まっていたものだというふうに理解をしております。
 それが今回、堰を切ったように実施されていくということになって、その経緯について私は今そこにおりませんので分かりませんけれども、現役で出ていけば問題ないというのは非常に不思議なロジックだなと思っておりまして、先ほど申し上げた二つの大きな問題点、無駄が生まれる、あるいは維持される、それから不透明な癒着ができるということは、公務員の身分を維持して出ていっても全く同じことが起きる可能性があるので、その点が非常に問題だというふうに私はとらえております。
 これは全く私の個人的な見解でございます。
#338
○小野次郎君 今日は、委員長を始め理事の皆様から政府参考人として呼ぶことを実現していただいたことにまず感謝を申し上げると。また同時に、大畠大臣には、別に僕はえこひいきするつもりはありませんけれども、適材適所、能力を最大限まで発揮していただくということが大臣として官僚を使っていく大事な要諦だと思いますから是非お守りいただきたいし、また内閣の方には、骨抜き、私たちはそう思っていますけれども、是非、マニフェストに掲げて以来、政府のスローガンでもありますこの天下り根絶実施を実現を強く指摘しておきます。
 それでは、中国船衝突事件について伺いますが、九月七日、事件発生の現地第一報に対して官邸で行われた対策会議、だれが主宰してどんなメンバーが出て、どのような論点が議論されたのか、お伺いします。
 刑事事件としての処理が日中間の外交、安全保障、経済取引などに及ぼす影響というものも当然当日も議論になったのではありませんか。
#339
○委員長(前田武志君) どなたに。
#340
○小野次郎君 官房長官。こういうときは手を挙げないんですか。
#341
○国務大臣(仙谷由人君) 私に質問をいただいていませんけれども、さっきの古賀さんの上司として一言、先ほどのお話に私から話をさせていただきます。簡単に言います。
#342
○小野次郎君 簡単にお願いします。
#343
○国務大臣(仙谷由人君) 私は、小野議員の今回の、今回の、古賀さんをこういうところに、現時点での彼の職務、彼の行っている行政と関係のないこういう場に呼び出す、こういうやり方は甚だ彼の将来を傷つけると思います……
#344
○小野次郎君 委員長、止めてくださいよ。
#345
○国務大臣(仙谷由人君) 優秀な人であるだけに大変残念に思います。(発言する者あり)
#346
○委員長(前田武志君) お静かに。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#347
○委員長(前田武志君) それでは、速記を起こしてください。(発言する者あり)
 御静粛にお願いいたします。
 ただいまの官房長官の発言については、議事を精査の上、理事会においてしかるべく御議論をいただき、処置をいたします。
 続いて発言をしてください。
#348
○小野次郎君 先ほどの質問に、官房長官、答えてください。
#349
○国務大臣(仙谷由人君) 九月七日中には二回にわたって関係省庁からの……
#350
○委員長(前田武志君) 官房長官、ひとまずこちらへ。
#351
○国務大臣(仙谷由人君) はい。
#352
○委員長(前田武志君) 小野次郎君。
#353
○小野次郎君 先ほどの私の質問に、官房長官、答えてください。
#354
○国務大臣(仙谷由人君) 九月七日でございますが、二回にわたって関係省庁から説明を受けました。
 この打合せにおきましては、今回の事件の経過、それから船長を逮捕するとの方針、その後の法的手続、中国側の反応や外交ルートを通じたやり取り等について報告を受けたということでございます。
 ただし、部内での打合せでもございますので、詳細につき言及をすることはこの程度にさせていただきたいということでございます。
 なお、具体的な捜査については全く何の指示もしておりません。
#355
○小野次郎君 私は、官房長官が主宰したと、今の答弁の趣旨はそうだと思います。そしてまた、外交上の問題についても話題になったということも確認させていただきました。
 その上で次の問いに移りますが、官邸における協議の結果、関係省庁間で了承された対応方針はどのような内容なのか、官房長官及び総理大臣はどのような形でこの対応方針の協議に関与したのか、お伺いいたします。
#356
○国務大臣(仙谷由人君) 九月七日でございますが、十八時十五分過ぎだったと思いますが、十六時四十分から十八時十五分ごろまで打合せをしまして、海上保安庁の方から公務執行妨害罪で逮捕をするという方針が表明をされまして、その報告を受けたわけであります。
#357
○小野次郎君 ごんべんに京都の京と書いて諒としたというのは若い人には分からないんですけれども、一言で言えばオーケーしたということじゃないんですか。
#358
○国務大臣(仙谷由人君) この時点で私が諒としたというふうに今まで言ったことがあったとすれば、それは私の言い間違いでございますので撤回をいたしますが、私の記憶では、その諒としたという話は二十四日の話のところで出てくる話で、この九月七日の段階で私が諒としたというふうに言ったという記憶はないんですが、そこは御確認ください。
#359
○小野次郎君 今の官房長官の御答弁では、この日には関係省庁間で了承された対応方針というものはなかったということですね。
#360
○国務大臣(仙谷由人君) 海上保安庁から逮捕の方針が表明されて、そういうことかと、それでいこうということになったということであります。
#361
○小野次郎君 やっぱりいこうということになったと言っているじゃないですか。それが方針じゃないんですか。
#362
○国務大臣(仙谷由人君) 別に政治レベルで同意したとか合意したとかという話じゃなくて、捜査が、捜査当局がそういう方針だと、そういう行動を取ると、逮捕許可状の請求を行うということを別に止めなかったということであります。
#363
○小野次郎君 私は、衆議院の議論も、また昨日の予算委員会の議論も見ていまして感じるのは、捜査ということに対してすごく官房長官は、何かこう、私、触っていません、ノータッチですと言いたがるんですけれども、一つ確認しておきたいのは、検察を含めて、法務行政の最終責任というのは内閣が負っているんじゃないんですか。
#364
○国務大臣(仙谷由人君) ただ、私は、段階においてちょっとずつ、程度問題で違うとは思っていますが、政治、行政の側が検察あるいは警察、あるいは本件の場合は海保でありますが、この捜査がやはり相対的に刑事司法内部で独立しておって、余り政治、行政の側から口出しをすべきでないと。謙抑的で、(発言する者あり)いや、行政の一部であろうとも、他の部署が口出しをすることについては謙抑的であるべきだと思っています。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、警察の持ち時間の範囲内、あるいは検察庁に一時的に送致された二十四時間の範囲内、それから裁判所が勾留決定をして以降、検察庁が主要には、勾留決定しようがしまいが、検察がその後主導的に捜査するわけでありますけれども、その段階によっても、行政や、あるいは行政の方からの、つまり行政の一部としてのそういう捜査当局に対する対応は少しずつ違ってしかるべきだし、そういう違う影響力の行使の仕方といいましょうか、あるいは謙抑的でなければならないというのは少々は違うとは実務的に感じておりますけれども、基本的には謙抑的でなければならないと考えております。
#365
○小野次郎君 聞いていることと違う答えをいただいているんですが、司法というのと法務行政というのは、官房長官、違うんですよ。分かりますか。国家の危機のときに最終責任を負うのは行政なんですよ、内閣なんですよ、内閣総理大臣なんですよ。そうじゃないんですかと私は聞いているんです。もう一度回答をお願いします。
#366
○国務大臣(仙谷由人君) 原則としてはそのとおりでありますけれども、抽象的なレベルでは。具体的には、やはりそうはいっても司法の重要な一角を担う刑事司法、これを担う検察官のこの権限や検察官の捜査は相対的には独立をしていなければ成り立たないと。行政の内部だけれども、そういう相対的に独立をしなければならないと。したがって、他の行政部門からの働きかけ等々は謙抑的でなければならないと、そういうふうに私は考えております。
#367
○小野次郎君 それでは、官房長官は中国人船長を早めに釈放するしかないと考え、事件直後から大林検事総長に接触して、指揮権発動にも言及して善処を促したという趣旨の報道、これは全く事実無根なんですか。少なくとも、事件直後から大林検事総長に接触してという事実はあったんですか、なかったんですか、お伺いします。
#368
○国務大臣(仙谷由人君) どこでそのようなことが主張されたり喧伝されたりしているのか知りませんけれども、事実はありません。
#369
○小野次郎君 ビデオの問題を伺いますが、本件について刑事手続が打ち切られた今、裁判に影響を及ぼすおそれもなくなっております。もはや衝突時のビデオを国会へ提供することを拒む理由はないのではありませんか。法務大臣、法務大臣。
#370
○国務大臣(柳田稔君) 昨日、衆議院議長から那覇地検に対し、国会法第百四条に基づく記録提出要求が行われたことは承知いたしております。
 検察当局が適切に対応するものと承知いたしております。
#371
○小野次郎君 全然聞いている趣旨と違うのですけれども。
 じゃ、犯罪捜査に従事していない官房長官や霞が関の官僚までが事件起きてからビデオを見て対応を協議しているわけです。これ、どういう理由で許されているんですか、法務大臣。
#372
○国務大臣(柳田稔君) 職務上の必要性から閲覧したものと考えております。
#373
○小野次郎君 委員長、私は、今日、国会と内閣の信頼にもかかわる重大な疑問を指摘させていただきます。
 このいろんなところで報告されている、あるいは私たちがレクチャーを受けている各省庁の説明から私が考える合理的な疑いですけれども、ビデオのコピーがあるんじゃないですか、官邸に、あるいは国土交通省に。この刑事訴訟法の適用を受けるのは、私、現物見ていませんけれども、那覇地方検察庁にある原本であって、そのコピーがもし東京にあるなら、中央省庁や霞が関、永田町にあるなら、それは行政府の手にあるものですから、もはやこの那覇地方検察庁に要請しなきゃいけないという法務大臣の説明自体が、行政府が全体に、国会に対して事実と違うことを説明しているということになりますよ。コピーがあるんじゃないですか。
#374
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 官邸にはもちろんございません。ありません。
#375
○小野次郎君 国土交通省はどうなんですか。
#376
○国務大臣(馬淵澄夫君) マスターテープは、石垣島、石垣本部にございまして、そのコピーしたものにつきましては海上保安庁にございます。
#377
○小野次郎君 そうなんですよ。結局、今の映像システム、僕も官邸に何年かいて知っていますけれども、何回も大事なビデオ、あの音は何だ、あの画像は何だって確認するためには、そんな毎回現地から映像システムに送ることはできないんですよ。必ずコピーがあって、そのコピーを見ているんです。私、もう一遍官邸調べるべきだと思いますよ。もしあったら、これうそですよ、本当に。
#378
○内閣官房副長官(福山哲郎君) ないものはありません。
#379
○小野次郎君 私は合理的疑いがあるということを指摘しておきます。もしこれが事実だとしたら、これだけ一か月もの間、行政府が国会に対して事実と異なる説明を前提にして私たち動いてきたということになりますから、これは重大な問題だということを私は指摘させていただきたいと思います。
 ビデオの提供拒否というのは何か内容が都合が悪い部分があるんですかね、我が国の立場や主張を弱めるような、あるいは反対に我が国民が憤るような屈辱的な部分でも含まれているためなのか、その理由をお伺いしたいと思います。国交大臣、御覧になっているんだったら国交大臣にお伺いしたいと思います。
#380
○国務大臣(馬淵澄夫君) ビデオの公開に関しましては、繰り返し申し上げておりますように、捜査当局において判断されるべきものと考えております。内容の問題ではないと承知しております。
#381
○小野次郎君 いや、おかしいですよ。大臣が自分でコピーを持っていると言ったじゃないですか。そのコピーの方は刑事訴訟法の適用じゃないですよ、それは。行政府の判断ですよ。もう一遍聞きますよ。
#382
○国務大臣(馬淵澄夫君) 私どもは、マスターテープ、先ほど申し上げたように石垣保安部にございまして、また本庁においても保管をしております。これに関しましては、当然ながら、本事案に関係するもの、これは個別の必要なビデオということで見ておりますが、これについては私どもは公開するという立場にないと、私どもが判断するという立場にないと、このように考えております。
#383
○小野次郎君 だって、おかしいですよ。事件が起きたときは前原さんが国土交通大臣であって、今、馬淵大臣、自分も見たと言っているじゃないですか。どういうことなんですか。その後も見ているということじゃないですか、だから。
#384
○委員長(前田武志君) もう一度質問を。
#385
○小野次郎君 事件直後に当時の国交大臣が見たんじゃなくて御自分も見たという趣旨で言っているんだったら、行政府の中ではみんな見ているじゃないですか、だから。おかしいんじゃないですかと聞いているんですよ。
#386
○国務大臣(馬淵澄夫君) 質問の御趣旨は私に見たかというお尋ねであれば、私は大臣に就任をして見ております。そして、これは関係閣僚として、当然ながら関係する立場として見たということでありまして、公にしてはならないということには当たらないということで私ども関係者が見たということでございます。
#387
○小野次郎君 私も予期せぬ事実を聞きましたけれども。
 委員長に理事会で諮っていただきたいのは、これ、行政府の方にある方のコピーについてすぐ見せていただきたい。これ、要求したいと思います。
#388
○委員長(前田武志君) 後刻理事会において諮ります。
#389
○小野次郎君 時間が限られているので続けますけれども、九月二十三日、これは釈放決定の前日ですけれども、外務省の中国・モンゴル課長が現地検察庁を訪ねていますが、いかなる用務で訪問したのか、お伺いします。外務大臣。
#390
○国務大臣(前原誠司君) 法務省から要請があって、そして事実関係の分かる者を沖縄に送ったということでございます。
#391
○小野次郎君 裏があるんですよね、これに。外務省自身が認めていますけれども、二十三日に沖縄へ行く前に、前日にこの中国・モンゴル課長、官邸と事前に調整していると言っているんですよ。何を一体、現地の検察庁に説明に行く前にだれとだれの間で、官邸で詰めたってどういうことなんですか。もう一遍、外務大臣、お願いします。
#392
○国務大臣(前原誠司君) これは衆議院だったと思いますけれど、もうこの議論は何度かされておりますので、また議事録を御覧になれば結構かと思いますけれども、総合調整、外務やあるいは法務にかかわることで官邸が調整するのは当たり前のことでございまして、法務省からそういう申出があったということについては官邸に対しても報告をしたということだと私は認識をしております。
#393
○小野次郎君 これは国民が御判断いただけることだと思いますけど、だれが考えたって、検察庁に呼ばれて現地へ赴く前日に官邸で行く課長が詰めたというのは、何を詰めたかといったら答えは一つしかないですよ。沖縄に赴いた外務省の課長が、船長を早く釈放してもらいたいという官邸と外務省の意向を現地の検察庁に伝えてきたんじゃないんですか。
#394
○国務大臣(前原誠司君) そのような事実は全くありません。要は、尖閣の歴史的な背景と、今どういう対応を中国が取っているのかということ、それについて話をしてきたというふうに聞いております。
#395
○小野次郎君 確かに外務省の発表は、このときの内容について、日中関係の状況等について説明と書いてある。ところが、法務省の方は、今回の事案発生後の日中関係の状況等についてと書いてある。それはだって、行ったときに、事件発生後、中国が何と言ってきているんですかということを伝えたとしか考えられないと思いますよ。
 もう一遍、外務大臣、お願いします。
#396
○国務大臣(前原誠司君) いや、御趣旨の意味が分かりませんが、事実は一つであって、尖閣の歴史的な背景と、そして中国がどういう反応をしてきているかということについて説明をしてきたと報告を受けております。
#397
○小野次郎君 もう一度聞きますけれども、法務大臣だって昨日、釈放の理由の一つとして、外務省が伝えてきた内容を踏まえてと答弁されていますよ。これどういう意味なんですか、法務大臣。
#398
○国務大臣(柳田稔君) 二十三日に外務省職員に那覇地検に来ていただきまして説明をいただきました。説明を受けた結果として、日中関係等の理由で釈放の理由にしたというふうに報告を聞いております。
#399
○小野次郎君 続けます。
 安保条約の適用範囲に尖閣諸島が含まれるという米国政府の発言が中国側に対する言わば援護射撃になったのは事実でございます。普天間問題という難しい協議を抱える中で、漁船の衝突という問題で駐留米軍の抑止力に助けられている現実というのは、アメリカとの関係で我が国の立場を一層弱いものにしてしまったという心配はないですか。外務大臣にお伺いします。
#400
○国務大臣(前原誠司君) 全くないと思います。
#401
○小野次郎君 私どもの立場は、どちらかといえばそういう答えを期待している面もあるんですが、しかし、余り、防衛大臣だったか、ありがとうございましたみたいなことをアメリカに言うのは、私は、これから難しい協議をしようというときに、民主党さんの内閣の立場としても微妙な問題じゃないかなと私は思いますから、一応御指摘させていただきます。
 今回、ASEMの会場で両国首脳が接触していますが、どうして日本側は中国語の通訳を手配できなかったのか、両首脳の発言を確認する中国語の分かる記録係は総理のそばに配置されていなかったのか、お伺いします。
#402
○国務大臣(前原誠司君) 総理がASEMに立たれる前には日中首脳会談をセットするという前提ではございませんでしたので、そういう構えになっていなかったということでございます。(発言する者あり)
#403
○小野次郎君 聞いていないですよ。
 外務省が準備できなかったのは、この接触のアレンジが裏ルートを使った二元外交だったからじゃないんですか。(発言する者あり)
#404
○委員長(前田武志君) 大臣席からの……(発言する者あり)
 ただいまの小野次郎君の質問の中に防衛大臣の見識にかかわる事項があったがゆえに、答弁権のある大臣が手を挙げたということです。
 改めて小野次郎君に質問を求めます。質疑を。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#405
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 それでは質疑を続けてください。
#406
○小野次郎君 総理、あなたはどうして温首相に会ったときにフジタの社員の即時解放を直接求めていないんですか。また、我が国の正当な立場を理解してもらうために、国会を実質的に二日遅らせてまで行ったASEMの会場で、各国首脳に会談していながら中国船衝突事件に関する我が国の立場を明示的に訴えていないのはなぜですか、お伺いします。
#407
○内閣総理大臣(菅直人君) 国会から野党の皆さんの理解も得てASEMに出席したことは事実ですが、私は、こういう国際的な会議はもっと与野党を超えて総理や関係大臣が出席できることが国益にかなうことでありますので、何か私の個人的な利益、利害で行ったわけじゃありませんので、そのことはきちっと申し上げておきたいと思います。
 その上で、私が温家宝総理とワーキングディナーの後に廊下のいすに座って懇談をしたわけであります。その中身についてはもう何度も申し上げておりますが、まず私の方から、尖閣諸島は我が国固有の領土であって、領土問題は存在しないということを申し上げ、向こうも原則的なことを言われ、そして三つの点で一つの合意をいたしました。
 一つは、そのときといいましょうか、現状が必ずしも好ましくないと、そこで、六月、私が就任をしたときの胡錦濤総書記との戦略的互恵関係という、その六月に確認した原点に立ち戻って考えよう、そしてハイレベルの政治的交流と民間交流を行おうと、そういうことで合意いたしました。
 フジタの社員の問題については、最初に四人の方が拘束された時点からその解放を求めてやってきた一連の経緯があります。私がその場でどういうことを言った言わないというそういうことについては、小野さんも危機管理監をやっておられたぐらいですから、どこまで細かいことをオープンにしなければいけないのか、それはオープンにしなくてもいいのか、私はそれ以上の細かいことをこの場で申し上げることは差し控えたいと思います。
#408
○小野次郎君 ほかの国の首脳は。各国首脳。
 総理は、各国首脳にお会いしたときも、その理解を求めるために行くという名目だったにもかかわらず、この尖閣での事件について我が国の正当な立場を一人一人の各国首脳にしっかりと訴えたという報告が外務省からもないんですけれども、どうしてなんですか。
#409
○内閣総理大臣(菅直人君) これも、小野さんのような危機管理をやっておられた方が聞かれることにしてはちょっと私は多少驚いておりますけれども、国によっては、その場でこう言ったああ言ったということを言えばその国にとって場合によっては必ずしも好ましくないこともあるわけでありまして、そういう話合いのときに何を言ったかということを申し上げることを控えるのは、国際的なそういうバイの会談では当然あり得ることだということではありませんか。
#410
○小野次郎君 私は、何も一言一句全部言ったとおり説明してくれと言っているんじゃなくて、大事な用務は果たしたんですかということに対して、何回聞いても総理は言ったとは言えない、それじゃ国民としてお仕事されてきたかどうか確認しようないじゃないですか。
#411
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、何度も、まあほかの委員会ではあるかもしれませんが、きちんと、バイの会談で我が国の立場についてはきちんといろいろと申し上げて理解をいただいてきたと、このことは何度も答弁を申し上げております。
#412
○小野次郎君 とてもお答えになっていると思いませんが、幾つもあるんですよ、国民が信じられないこと。
 一つは、政治介入は一切していないという政府の弁明を信じている国民はほとんどいないということ。もう一つは、あなたが、あるいは内閣全体がこの事件に関して言うべき相手に言うべきときにきっちり言ったのか、お願いしたのか、要求したのかということについて、何回、どの角度から与野党ともお聞きしても確たる答えがない。これも、国民から見てとても信頼できる内容じゃないんですよ、はっきり言って。政府の説明が国民に信頼できない状態で、どうしてあなたが訴えているような国民全体で考える主体的で能動的な外交など実現できるんですか、総理。
 総理に聞いているんですよ。総理自身の所信なんだから。総理の所信なんですから。
#413
○国務大臣(前原誠司君) 今御指名いただきましたんでお答えをさせていただきますけど……(発言する者あり)
#414
○委員長(前田武志君) 委員長の指示に従ってください。
#415
○国務大臣(前原誠司君) 例えば、小野議員、ニューヨークには私は先に行きまして、そして、例えば日米の首脳会談の前に外相会談をやると。小泉さんの秘書官をやられていたからお分かりだと思いますけれども、外相会談ではかなり細かいことを詰めるんです。そして、私からは、それこそ尖閣の歴史から、そしてどういう対応を中国がしてきたのかということと、あとは、私も国土交通大臣やらせていただいておりましたので、どういう形でぶつかってきたのかというところまで詳しく私は話をいたしました。ほかの外相にも、あるいはG8の外相会談でも私はそういう話をいたしました。
 しかし、そういうものを受けて、例えば日米の首脳会談においてはもう少し大きな形で日米同盟関係をどうこれからマネジメントしていくかという話を、具体的なものは我々外相会談でやって、そういう首脳会談ではもっと大きな話をしていただくということの言わば露払いをして、そのときにはしっかりとどの国に対しても我々は我々の立場を申し上げておりますし、また、在外公館に対しても外務省が手分けをして、尖閣の歴史的な背景、今回のどういう事案だったのかということと中国がどのようなことをやってきたのかということについては、在外公館の大使の方にもかなりそれはお伝えをしています。そういう意味においては、総理がやられることと我々レベルがやることと事務レベルがやること、全体としてちゃんと日本の立場は伝えていると御理解をいただきたいと思います。
#416
○小野次郎君 何か、前原大臣の話は分からないわけじゃないんですけれども、総理の話は分かりません、全然、言っている意味が。
 事件当初、刑事事件としての処理の方針を選択していながら、中国側の圧力の前に途中で方針覆して船長を釈放した。これが国民が見ている事の実態ですよ。この展開を振り返って、民主党内閣の掲げる政治主導、どこでどうやって貫かれたというふうに断言されるんですか。総理、お答えください。
#417
○内閣総理大臣(菅直人君) どうも、私は小野さんと政治主導というものの考え方が違うのか、なぜ政治主導でないというふうに言われるのかよく分からないのは、私は一般的には政治主導に相対する言葉は官僚主導だと思っております。
 そういった意味で、もちろんいつも最近申し上げているように、官僚の皆さんの知見とか経験とか、あるいはその役割ごとでいろんな情報が入ってきますから、そういうことはしっかり聞くべきことは聞かなければいけません。しかし、最終的な判断を総理やあるいは各大臣あるいは政務三役できちっとすると、そういうことが政治主導でありまして、この間の一連の経緯の中でも基本的にそういう姿勢で臨んできました。何か官僚に言われてそのとおりやったから官僚主導じゃないか、政治主導じゃないかと言われることがあるなら言っていただければ結構ですが、少なくとも今の質問の中では、私は、小野さんがなぜ政治主導でないと言われるのか、その理由が分かりません。
#418
○小野次郎君 私は、私個人が、二〇〇一年五月の金正男と見られる人物の不法入国事件、そして同年十二月の奄美沖不審船の事件、さらに二〇〇四年三月の魚釣島への中国人不法上陸事件の処理を間近で見てきました。外交や国家の危機管理においては、役所任せにするのもいけないけど、同時に役人のせいにしたりするのも駄目ですよ。国家と国民の利益を守るために指導者が全責任を負って政治決断をするというのが本来の政治主導ではありませんか。改めて国家の危機管理に対する菅総理御自身の責任について自覚をお伺いしたいと思います。
#419
○内閣総理大臣(菅直人君) 全くおっしゃるとおりの自覚を持っております。
 プラスして言えば、小野さんは今二つの重要な例を挙げられました。そのときにおいても、ある意味では、例えば入管法の問題とか、あるいは何といいますか、国土の中に不法侵入した問題とか、いろんな問題があったわけでありまして、多分そのときも、私も報道でしか知りませんけれども、それほど事細かにその時点あるいはそのすぐ後の時点で、こうだったああだったということは報道は私は知っておりません。なぜああいう形でその金正男とされる人が必ずしも確認も、されたのかもしれませんが、どういう形で日本から出されたかもよく、少なくとも報道では分かりませんでした。
 まさにそういうことを経験した方であるからこそ、そのどこまでをその近い段階で公にし、どこまでが公にできないかということについては、だれ以上にお分かりのはずでありまして、そういう意味では、しかるべき段階になって、例えば五年先か十年先か分かりませんが、そういう中で今回のことを是非評価をまたその時点で改めてしていただきたいと、このように希望いたしておきます。
#420
○小野次郎君 私が申し上げているのはそんなことじゃ全然ないんですよ。内閣の責任で、自分の最終責任で事が処理されましたと言わないじゃないですか、皆さん方。あたかも、この鈴木次席検事というんですか、那覇地方検察、この方が責任しょっているみたいになっているじゃないですか。それがいけないと私は言っているんですよ。まあ指摘だけしておきますけどね。
 総理の政治姿勢について伺います。
 在任四か月で内閣支持率は既に二回目の急降下を続けています。これまでの支持率の上昇というのは実は二度とも同じ理由なんですよ。脱小沢という一点で国民の消極的な支持が集まっただけなんです。小沢氏の起訴がそういう方向で決まった今、総理にとって支持率回復のラストチャンスかもしれない。民主党の岡田幹事長は、脱小沢の一環として政治資金の流れを透明にしましょう、こういう努力をしておられる。こういうところは私も評価しますけれども、総理は代表なんだから、民主党の、民主党の代表として、この際、脱小沢を断行して政治と金の問題で失われてしまった国民の信頼を回復させる決意があるんですか、お伺いします。
#421
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろと支持率のことを言われました。もちろん政治家は、私を含めて支持率に無関心ということはありません。しかし、支持率を高くするために重要な判断をするのか、それと関係なく、あるべき政治のためにするのか。私は、政治家としては多少支持率が上がることも下がることもあってもやらなければいけないことをやるのが本来の仕事だと、このように思っております。
 そういう意味で、今、最後に言われたことも、何か私が政治と金について小沢議員に対して何かすることが最後の支持率回復のチャンスだと今言われましたよね。私は、そういう指摘は余り的確な指摘ではない。やるべきことをやれと言うんなら、それは大いに主張してください。支持率の上がる最後のチャンスだからやられたらどうですかと、そういう質問だとしたら、それによって私が左右されることはありません。
 私はこの間、いつも申し上げているように、小沢議員について代表の選挙の折にも国民の皆さんに理解をされるように説明をされることが望ましいということを申し上げ、また今の段階で小沢議員御本人が国会で決められたことには従いますということを言われていますから、国会でのいろいろな議論の中で、我が党にも、その議論に応じてどういう場でどういう形を取るのが適切か、きちんと協議に乗っていくということを申し上げているわけでありまして、支持率を上げるためとか下げるためとか、そういう判断で物事を決めるつもりはありません。
#422
○小野次郎君 支持率に一喜一憂せずと言って長く続いた内閣はないんで、私は御助言申し上げたつもりで言っているんですが、まあ決意が強いんであればそれで結構だと思います。
 かつて予算委員会、小泉総理の公約違反を厳しく責め立てる菅議員の姿、私もそこへ座ってずっと四年半見ていまして、正直勇ましくて格好いいなと思いました。しかし、特にこの民主党代表選後の菅総理のお姿、往年の面影もはやないじゃないですか。大事な部分はあいまいな答弁する。大事な部分は官僚の作った答弁を一生懸命眼鏡掛けたり外したり、これは経年的な変化ですからしようがないですけど、しかし一生懸命読み間違いしないように読んでいる。もう往年のその勇ましい突っ込みをする菅議員の姿ではないなと残念に思ってきたところでございます。
 まあ権力志向、人間が長年夢見てきた総理のいすに着いた途端に、守るだけが精いっぱいで、やりたいことが実はなくなってしまったんじゃないか、そう思うんですが、総理、感想おありですか。
#423
○内閣総理大臣(菅直人君) 全く違います、全く違います。私が今いる立場は、(発言する者あり)いいですか、少し聞いてください。六月に総理に就任しました。その後、参議院選挙で大きく敗北をいたしました。私の責任が大変大きかったです。そして、代表選挙を終えて改めて代表に選任をいただきました。そして、党と内閣を新しい体制に変えました。私は、これからが本格的な内閣の本格稼働だということを申し上げました。そしてその中で、所信表明で申し上げたように、この間二十年間先送りされてきた重要課題、具体的に五項目を本会議で参議院においても申し上げました。それを次の世代に先送りしないでしっかり取り組んでいきましょう、そのことは決して私個人がとか民主党だけでできることではないから、野党の皆さんにもそのことを呼びかけました。
 その意味では、まさに今、私の中では本格的な政権運営が始まったところであります。もちろん、過去においてもいろいろなこともありますし、この尖閣の問題もあります。決して私は、何かやることがなくなったなんてとんでもない。今からその五項目の、二十年間先送りになってきた、かつての自民、公明内閣でも先送りになってきたことをやるのが私の使命であって、やることがなくなったなんてことは全くないことだけははっきり申し上げておきます。
#424
○小野次郎君 「手に取るなやはり野に置け蓮華草」という川柳がございます。言いたいことが言えない総理のいすに固執するよりも、野党サイドに立ち返って政府の姿勢を追及する方が菅さんらしくて地力を発揮できるんじゃありませんか。(発言する者あり)
#425
○委員長(前田武志君) 御静粛に願います。
#426
○小野次郎君 今回はこの川柳をお贈りさせていただいて、指摘にとどめて、答弁は不要でございます。
 まだ二分ありますけれども、お譲りして私の質問を終わります。ありがとうございました。
#427
○委員長(前田武志君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#428
○委員長(前田武志君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#429
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 雇用問題について質問をいたします。厚生労働省のまとめでは、今年に入って四万二千人非正規労働者が雇い止めをされております。その内訳はどうなっていますか。
#430
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 今年、平成二十二年一月から九月までに全国の労働局及びハローワークから報告を受けております非正規労働者の雇い止めの就業形態別の内訳は、派遣労働者が六千二百六十四人、期間工などの契約社員が一万三千五百九十三人、請負労働者が二千四百七十人、その他としてパート、アルバイトや就業形態不明の方が一万九千七百五十七人となっております。
#431
○山下芳生君 期間工の雇い止めが比率が高まっているということであります。期間工切りの実態がいかにひどいか。
 大阪市に本社のある世界第二位の空調機メーカー、ダイキン工業堺製作所で八月末、二百人の有期間社員、期間のある社員が雇い止めされました。しかし、ダイキン工業ではエアコンなどの売上高がこの四年連続一兆円を超えるなど生産は拡大しております。だから、ダイキンは二百人の有期間社員を雇い止めする一方で、新たに二百人余りの有期間社員を雇い入れました。だったら初めから二百人雇い止めしなければいいじゃないかと、全く合理性のないやり方です。
 総理、仕事はずうっとあるのに労働者は短期の雇用契約で入れ替える、こんなやり方はおかしいと思いませんか。
#432
○内閣総理大臣(菅直人君) 今説明されたこと、それ自体のことについては理解できますが、個別的な事案について、私が今言われたことについての、何といいましょうか、そういうことであったのか、それとも、山下議員が言われているということだけで何か判断をするのはちょっとできかねるというのが率直なところであります。
#433
○山下芳生君 世の中のことはすべて個別で起こっているんですよ。だから、個別に目を向けなけりゃならないと私は思っています。個別企業のことは言えないというんだったら、ダイキンのようなやり方、方式がおかしくないか、それを聞かせていただきたいと思っているんですね。
 八月末で雇い止めされた三十六歳の方から手紙をいただきました。ミスのないよう、ダイキンに迷惑を掛けないよう努力してきました。しかし、失業する現実を迎えた瞬間、すごく落ち込みました。仕事が継続しているにもかかわらず、多くの方々がなぜ離職に追いやられ、路頭に迷わなければいけないのか、そして、これから私たちから仕事の引継ぎを受ける若者たちもまた犠牲者だと強く感じました。世の中の仕事がすべて期間の定められた仕事しかなくなってしまうのではとの不安があります。
 胸が痛みました。仕事は継続しているのに、労働者を最長二年六か月などの細切れ雇用で入れ替える。しかし、労働者の人生は二年六か月では終わりません。三十年、四十年、定年後も考えたら五十年、六十年あるんです。これでは労働者としての人生設計ができない。
 総理、そういうやり方が日本で許されていいのか。個別企業じゃないです、こういう方式は良くないと思いませんか。
#434
○内閣総理大臣(菅直人君) 最初に言われたように、期間工の方を何百人か辞めさせて雇い止めをして、同じ人数を同じような仕事に雇うという、それが実際にあるとすれば、それはよほどの理由がない限りは、一般的に言えば大変不合理であるだけでなくて、働いている皆さんにとって大変負担を掛けるというか不合理な扱いだと、そういうことを、言われた限定の中でいえばそのとおりだと思います。
#435
○山下芳生君 私が言ったのは事実なんです。しかも、よほどの理由というふうに首相おっしゃいましたけれども、ダイキン工業はもうかっているんですね。ダイキン工業の利益剰余金は、この五年間で千六百二億円積み増しをされております。増加分の〇・五%を取り崩すだけで年収四百万円の正社員を二百人雇えるんですね。そういう企業が、仕事は続いているのに労働者は細切れ雇用する、これは不合理だと、総理もそうおっしゃったと思います。
 私はやっぱり、一人一人生きた人間ですから、切ったら血の出る人間を、また家族もあり生活もある人間をまるで物のように扱って雇用の調整弁にする、そんな企業や社会ではいけないと、そう思いますけれども、総理、いかがですか。
#436
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、まさに小泉・竹中路線と言われたある時期に、労働の自由化ということの中でそういう非正規雇用が大変爆発的に増え、正規雇用が減ってきたと、そういう中にいろいろな弊害が出てきたということを認識して、この間、この政権交代以降、幾つかのことを手当てをしているわけであります。皆さんから見ては不十分かもしれませんが、いわゆる労働者派遣法の改正案も、そういう行き過ぎた規制緩和がもたらした問題に対する是正として提案をさせていただいております。
 そういう意味で、今言われた認識については共通するところもあると、こう思っております。
#437
○山下芳生君 というならば、確認しますけれども、有期の契約、有期雇用というのは、合理的な理由、一時的、臨時的な業務などの理由がない限りは、人間をそんなふうに細切れでやるというのは、これはやっぱり良くないということでいいですね。
#438
○内閣総理大臣(菅直人君) 労働法制については、いろいろな国がいろいろな法制を取っております。私もテレビ程度でしか知りませんが、デンマークなどでは、逆にいつでもレイオフ的なことができる代わりに、しっかりしたその間での再教育とかあるいはしっかりした失業手当とか、そういうものを、企業の大きな負担の中でそういう制度を構築している、そういう国もあります。
 ですから、個々に言われれば、先ほど山下議員が言われたことは私も望ましい姿とは思いませんけれども、そういうものが全体の中でどう位置付けられているのか。言わば、ほかの手当てもないまま、そういう一部言われた規制緩和という形で期間工がどんどん増えて正社員がどんどん減ってフォローが何もないという、そういう形は好ましい状況ではない、このように考えております。
#439
○山下芳生君 総理も望ましい姿ではないとおっしゃいました。
 じゃ、なぜダイキンがこんなひどい働かせ方をするようになったのか、その背景には政府の責任もあるんですね。(資料提示)
 大阪労働局は二〇〇七年十二月、ダイキンの偽装請負、実態は派遣であるにもかかわらず請負を偽装した違法行為を摘発をし、是正指導を行いました。そこまでは良かったと思います。それを受けてダイキンは、二〇〇八年三月一日、偽装請負で働かせていた労働者をダイキンの直接雇用にしました。しかし、直接雇用といっても、正社員ではなくて最長二年六か月という期限付の有期間社員にしたわけであります。そして、今年の八月末、その期限が来て、二百人もの労働者が雇い止めされることになってしまったんですね。
 総理、せっかく指導に入っても、こんなふうにしかならない是正指導には問題があると思いませんか。総理。
#440
○国務大臣(細川律夫君) このダイキン工業の件については、個別の事件でございますから、それに対しての答弁は控えさせていただきたいと思いますが、一般論といたしまして、偽装請負の是正に当たっては、その違法状態を是正させるだけではなくて、その是正に伴って労働者が解雇されることのないようにすることが重要だということになっております。そこで、その是正指導の際に、違法派遣の対象となっていた労働者が雇用の安定を図るための措置も講じるように今指導をいたしております。
 そこで、二年六か月という期間でそこで雇い止めされたということについては、それが正当なものかどうかであるということについては、それを雇い止めすることが解雇権の濫用法理を類推されることによってこれは雇い止めそのものが無効であると、こういうような判例の例もあるわけでございまして、そこは個々具体的に判断をせざるを得ないんではないかというふうに思っております。
#441
○山下芳生君 これ、具体的事実なんですけれども、是正指導の結果こうなったわけですね。
 私、八月末で雇い止めされた当事者の皆さんから話を聞きました。このAさんは有期間社員になる前に十八年間もダイキンで働いてきた方です。溶接機械の操作、機械加工用ドリルの交換、フォークリフトの運転など、生産現場になくてはならない仕事を担ってきた方です。それから、Bさんも十六年、Cさんも七年、Dさんも六年、ダイキンで働いてきたんですね。それが偽装請負だった、違法状態であったということは、Aさんたち労働者には何の責任もないことですね。責任を負わなければならないのは、こういう働かせ方をしていたダイキン、派遣先の問題ですよ。だったら、是正するというんだったら、これは期間の定めのない、もうだって十八年働いている人たちですから、期間の定めのない正社員にすべきだったんです。それなのに、結果として雇い止めになって失業させることになってしまった。労働者の雇用の安定どころか、逆行する結果となった。
 総理、総理、こういう是正指導には問題があると思いませんか。問題ないと思いますか。総理、総理です。いや、もうさっき聞きましたから、大臣は。
#442
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたが、このグラフといいますか、こういう形が決して望ましいものでもありませんし、本来、今説明のあったことだけでいえば、こういう形がいい形だとは思いません。
 ただ、決してこれは逃げるわけじゃないんですが、お分かりのように、雇用というのは全体の中でどのような形がいいのか。例えば労働者派遣についても、逆にそれがなくなると余計仕事がなくなるという主張をされる方もあります。ですから、そういうこともすべて併せて考えていく中で、じゃどういう形があるのか。じゃ全部の人を、何といいましょうか、終身雇用を義務付けるなんというのは今の時代に不可能でしょうから、そうするとどういう形があり得るのか。もし、逆に言えば、提案があれば、期限がないということは分かりますけれども、期限がないということだけで済むのか。そういう全体のことも考えて今我々も派遣法改正案を出していると、このことも申し添えておきたいと思います。
#443
○山下芳生君 全体の中で考えるのは大事だと思いますよ。しかし私が問うているのは、利益剰余金、内部留保が五年間で一千六百億円積み増した、もうかっている企業でこんなことをやっていいのかということを問うているわけですね。
 そして、こういう結果を招いたのはダイキンだけじゃないんです。パナソニック、キヤノン、いすゞ、日産、労働者が偽装請負や違法行為を告発あるいは申告し、労働局が是正指導に入った結果、直接雇用にはなったものの、最長二年十一か月とか二年六か月の短期で雇い止めされるケースが今全国各地で広がっているんです。
 総理は、二年前のリーマン・ショックの後、派遣切りのあらしが吹き荒れたときに日比谷公園でつくられた年越し派遣村に足を運んで、集会でこう言われました。今回の問題は天災ではなくてまさに人災、大きな責任は政治にあると改めて痛感している、生きようとしている人たちを支えられないような社会、政治であっては、政治家、政党の存在意義はないと。
 皆さん、総理、今短期で雇い止めされている労働者は、その派遣切りのあらしのさなかに勇気を持って違法行為を告発した人たちなんですよ。その結果、是正指導の結果、今いっぱい職を失っているんです。総理が派遣村で、集会で呼びかけた人たちがそうなっているんですよ。こういう事態、放置していいんですか。何かせなあかんとちゃいますか。
#444
○国務大臣(細川律夫君) リーマン・ショックの影響で派遣労働者が雇い止めあるいは派遣切りに遭って大変苦しい立場に追い込まれたということは、これはもう皆さん承知のとおりでありまして、そこを何とかしなければいけないということで、そこで労働者派遣法の改正案も作りまして国会の方に提案をさせていただいているところでございます。
 そしてまた、有期の契約の問題についても、これもいろいろと私どもも問題もあることも分かっておりますので、今、有期契約問題について、これをどのような形にしていくかということをこれから労働政策審議会のところで検討させるようにしております。したがって、有期についてもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
#445
○山下芳生君 今、派遣法の改定案を提案しているとおっしゃいましたけれども、では、その政府の派遣法改定案で今紹介したこの人たちですね、是正指導を受けたけれども雇い止めされた、この人たちを救うことはできますか。
#446
○国務大臣(細川律夫君) この労働者派遣法には、違法派遣の場合には、これを派遣先と直接契約ができるようになっております。違法派遣の場合には、派遣先とその労働者で、ここで派遣先が直接雇用する、こういうことを労働者に申込みをしなければいけないと、こういう内容になっておりまして、それに労働者が応じてオーケーならばそこで社員になると、こういう規定も入れておりまして、そこは大分労働者の保護のためにもなっていると思います。
#447
○山下芳生君 もう一度パネルを出しましょう。
 今、答えの中に直接申込みをするということがありましたけれども、では、聞きますけれども、派遣先が直接雇用を申し込んだとみなす制度なんですけれども、その場合、期間の定めのない直接雇用を申し込むこととなりますか。正社員になれますか。これ、止まりますか。
#448
○国務大臣(細川律夫君) どういう形の労働契約がその派遣先と派遣労働者の間で成立をするかと。この点につきましては、派遣元との契約、これと同じようにみなされて、直接雇用のみなし規定で契約が成立するようになっております。同じ条件ということであります。
#449
○山下芳生君 今、非常に重大な中身が紹介されました。派遣元と同じ労働条件だと。ということは、派遣元ということは賃金は元の低いままです。それから、派遣元との契約というのは元々半年とか一年という短期ですから、ですから、派遣先に直接雇用されたとしても半年や一年で雇い止めされる危険が大きいということですよ。ですから、この中身を知った労働者、派遣切りされた人たちは、これでは違法行為を告発できなくなると、そんな声まで出ているんですね。
 総理、政府の改定案では、この派遣村で総理が約束したようなことはできないという事態が進んでおります。これ、変えなけりゃならない。
 大臣、何かあるんですか。変わるんですか。
#450
○国務大臣(細川律夫君) これは、そもそもが短期で派遣元と契約をしている労働者が、みなし規定でこれが期間の定めのない契約になる。これはもう雲泥も違うわけなんですよ。そういうところまでみなし規定で強制ということはなかなか法理論的にも難しい。こういうことで私どもは正規の方に、期限のない定めにはしていないところでございます。
#451
○山下芳生君 今確認しても、派遣元の労働条件と同一ですからね。元がそういうことになっていたら、雇い止めされる危険がやっぱり高いということですよ、それは申告なかなかできないという声が出ているんですから。
 私は、ここまで派遣、非正規労働者の細切れ雇用、雇い止めについてただしてきましたけれども、何で企業がこういうことをやるのかということが大事だと思います。
 次のパネルを出したいと思います。
 これは、労働者派遣法の相次ぐ規制緩和に伴って派遣労働者がいかに増えたか、青い棒で示しています。それと同時に、大企業の内部留保がどれだけ増えたかを赤い線で示しております。派遣法が緩和されるたびに、九九年、自由化、〇三年、製造業への解禁、そのたびに大企業の内部留保の増加率が上昇しているんですね。そして、二百四十四兆円にも膨れ上がったわけであります。
 私は、労働者を安上がりで使い捨てながら一握りの大企業が富を独り占めにする、ここにこそ日本経済のゆがみがあると思います。労働者派遣法を抜本改正して人間らしい雇用を保障することは、この二百四十四兆円もの巨額な資金を生きたお金として日本経済に還流させて経済危機を打開する大きな力になる、総理も言っていた富が広く循環する経済構造を築くことになると思います。
 日本共産党は、製造業派遣の全面禁止、専門業務の抜本見直しなど、派遣労働者から正社員への道を開く修正提案をしておりますけれども、その実現目指して奮闘することを表明して、質問を終わります。
#452
○委員長(前田武志君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#453
○委員長(前田武志君) 次に、藤井孝男君の質疑を行います。藤井孝男君。
#454
○藤井孝男君 たちあがれ日本の藤井孝男でございます。
 今日は、たちあがれ日本そして新党改革を代表いたしまして、菅内閣総理大臣始め関係閣僚に質問をさせていただきたいと思います。持ち時間十分でございますので、私の方も率直に、簡潔に質問いたしますので、各大臣、どうぞ率直に御答弁いただきたいと思っております。
 そしてまた、今回、法律論争とかそういったことはもうお聞きいたしません。要するに、国家の主権とは何ぞや、あるいは外交姿勢の基本とは何ぞや、そして安全保障、国益とは何ぞやという、そういった観点で質問をさせていただきたいので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 まず初めに内閣総理大臣にお伺いいたしますが、日本は独立国家であることはもう言うまでもございませんが、独立国家日本としてその主権というものが今脅かされている、そういった問題が大きな今度の尖閣諸島問題で惹起されていると。
 もう一度、何度も答弁されたと思いますが、菅内閣総理大臣御自身が国家の基本、主権とは一体何ぞやということを簡潔にまた御答弁いただければと思っています。
#455
○内閣総理大臣(菅直人君) 一般に主権とは、国家が自国の領域において有する他の権力に従属することのない最高の統治権のことをいうと、国家の基本的な地位を表す権利であると承知しております。
#456
○藤井孝男君 つまり、分かりやすくもっと言えば、国民の生命、財産を守る、そのためには領土、領海を守ることだと思いますが、そういう意味におきまして、今総理がおっしゃったことはまさにそのとおりだと思いますけれども、どうも今回の一連の事態への対応を見ておりますと、そこのところが非常にあいまいもこになっているというのが、この二日間の参議院の予算委員会での総理の答弁があいまいさを表しているんじゃないか、それが国民から見てどうも対応が生ぬるいんじゃないか、あるいは中国の圧力に屈しているんじゃないかということが今言われているんではなかろうかなと思っております。
 そこで、総理はよく本会議の答弁でも言っておられますが、いろいろなことがあるけれども、国家の主権を守るのは当然のことであるけれども、最後は国民が決めることだというふうによく答弁をされておりますが、国民が決めることだということの意味は、主権在民ということを意識しておっしゃっているのかどうか、ちょっと確認いたしたいと思います。
#457
○内閣総理大臣(菅直人君) 最終的には、国民主権、つまりは国の主権者は国民であると、そういうことに基づいて、一般に外交はややもすれば政府の仕事あるいは外交専門家の仕事という側面、確かにそういう面もありますけれども、私は、最終的に国の方向、大きな外交方針を決めるのは、当然ながら国民がまさに主体的に、自分たちのこと、自分のこと、また自分の国のこととして国民が主体的に判断する、それが逆に言えば外交のある意味でのバックボーンにもなってくる、外交交渉に当たる政治家なり官僚のバックボーンにもなってくると、そういう意味で申し上げております。
#458
○藤井孝男君 それも模範解答だと思っております。
 しかし、今回の尖閣諸島の問題というのは、主権在民というのは当然のことで、我々よく、私自身も言いますけれども、それは大変大事な基本でありますけれども、その前に、国家の主権が脅かされる、国家の主権が脅かされた国が主権在民と幾ら言っても、国家そのものの存在が信頼がない、あるいは存在感がないということになったら、これはまさに存亡の危機になってきます。その点についてもう一度総理の答弁をお願いいたしたいと思います。
#459
○内閣総理大臣(菅直人君) 通常、国家というのは領土と国民と、まさにそこにおける主権の存在ということだというふうに言われますが、今、藤井先生が言われたように、国家と私で言う国民主権というのはある意味一体のものだと、このように認識しております。
#460
○藤井孝男君 戦後六十五年、我が国は、戦争に巻き込まれることもなく、侵略されることもなく、また侵略することもない、直接的に海外に。大変すばらしいことだと思っております。そういう意味では、今の憲法がどうあるべきかというのはこれから今後議論していかなきゃならないと思っておりますけれども。
 さてそこで、今主権の話が出ましたけれども、じゃ、それを背景としまして、じゃ、外交の基本とは一体何ぞやと、こういうことになってくるんだと思いますが、前原外務大臣、外交の基本姿勢とは一体何ですか、お答えいただきたいと思います。
#461
○国務大臣(前原誠司君) 私の好きな言葉に、ゴルバチョフが総書記のころだったと思いますけれども、外交には敵も味方もいない、あるのは国家利益だけだというのが私は非常に好きな言葉でございまして、私が外交を行っていく原点は国益を増進することだと思っております。
#462
○藤井孝男君 今の言葉は非常に大事な言葉だと思います。
 また、かつて、ちょっと名前は忘れましたけれども、英国の議員であり、また総理になられた政治家も同じようなことをおっしゃっている。大英帝国という大変な帝国をつくったわけですけれども、そのときに、世界には永遠の敵対国もない、永遠の同盟国もないんだと、まさに自分たちの国益は何ぞやということが大事であるということを言われました。まさにそれと通じるものがあるんだろうと、その点も大事だと思います。
 さてそこで、もう一つ外務大臣に聞きますが、じゃ、その背景として、外交力ということに置き換えますと、それの要諦とは一体何であるか。よく防衛とか軍事力とかありますが、前原大臣はこの日本の外交力というものの背景には何があると思いますか。
#463
○国務大臣(前原誠司君) 藤井先生とお話をしていると、大学のときの授業を思い出すような御質問を受けているような気がいたしますけれども、基本的な、今の御質問にお答えをするとすると、基本的なという意味は、トリッキーな国ってありますよね。つまりは、一点豪華主義で、それのみに頼って外交をしている。例えば北朝鮮の核なんというのはまさにそのとおりだと思いますけれども、そういうトリッキーな国でなければ、基本的にはやはり今先生のおっしゃった防衛力、そして経済力。で、もう一つ大事なのは、やはり価値ですね。その国がどういうイデオロギー、価値なのかということが大事であって、我々は、民主主義、自由、基本的人権、法治、こういったものの価値というものが極めて大事なのではないかと思います。
#464
○藤井孝男君 よく分かりました。ありがとうございます。
 そこで、官房長官、お久しぶりでございます。ここのところ官房長官の発言が非常に話題になっておりますが、柳腰外交というような、おっしゃっていますね。昨日、何か自民党の山本一太議員と取り消す取り消さないで論争になっていますが、私はそれをぶり返すつもりはありません。しかし、私が聞いておりまして、柳腰外交という言葉は決してふさわしいとは思いません。
 そして、もう一つ、官房長官はこういうふうにも答えていましたね、しなやかにしたたかな外交。これは私正しいと思うんです。今外務大臣が言いましたように、防衛力、軍事力というのも大事だし、経済力も必要である、価値観というものもある。三民主義と申しますか、自由と民主、また人権等々、これも大事なことだと思います。
 もう一つ、そういうことからいうと、柳腰外交という今回の問題について言いますと、私、率直な気持ち、これは私は腰が抜けていると言っても過言じゃないと思うんですよ。腰が抜けていると。柳に風という言葉が昔からありますよね。何かそのように軸足のないような、どういうふうに向いているのか、そこに国民は、今回のあの九月二十四日の判断を、瞬時にしてこの菅政権というのは日本の国土を守るとかそういう気概が持てない政権だというのを私は判断したんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#465
○国務大臣(仙谷由人君) 藤井先生の御評価が、現時点での御評価がそうであるとしても、多分一か月後には、いや、やっぱりあれで良かったんだという評価にお変わりいただけるんではないかと私は思っております。
 といいますのは、諸外国の評価は必ずしもそうではありませんし、アメリカの評価もちゃんと、ある意味で、領海内に入ってきて違法操業をしている漁船に対して、これは日本のまさに国家主権に基づいて主権の行使として逮捕という毅然たる行為を取ったと。その後は、状況を判断をしながら、ある種結果としてあの時点で釈放をしたと。こういう事実の下で、これ全体として考えれば大変しなやかでしたたかな、したたかでしなやかな結果になっているのではないかと、こういう御評価を受けているのではないかと私は思っております。(発言する者あり)
#466
○委員長(前田武志君) 御静粛に。
#467
○藤井孝男君 ここでもう私の時間がありませんから論争するつもりありませんが、確かにそういう意味でのしなやか、したたかな外交だとおっしゃるのは、それはそれで結構です。ところが、我が国は、まさにさっき申し上げました独立国家として主権を守っていかなきゃならない。法治国家ですよ。法治国家としてどう対処するかということが大事。
 ですから、今度の処分保留のまま釈放というのは、四つ言われたと、法務大臣も言われましたけれども、三つまでは法に基づいてどうのと。四つ目が問題だと、いわゆる日中関係の今後とか。そこがあいまいとしているから、法治国家である我が国が、もしそういうことであるならば、むしろ率直に菅内閣総理大臣が、いわゆる私ども政治判断でやりましたと、指揮権を発動しましたと言った方が率直に分かりやすいんですよ。そこをあいまいにして、ある部分だけはとにかく官僚の、検察の、そういう言い方をする、ある部分だけは検察の法と証拠に基づいて、そういう発言をするからこの内閣は一体どっちの方向に向いているかというのが不安感ある。
 領土問題というのは何も尖閣だけじゃありません。ちょっと防衛大臣にお聞きしますけれども、今後のいろんな問題がありますけれども、やっぱりこれ実効支配という問題が非常に我が国の、今回の問題というのは、我が国の領土、領海をどうやって守っていくか、こういうことであるんですけれども、自衛隊ありますけれども、航空自衛隊、海上、陸上、スクランブルというのを発動できるのは私の認識だと航空自衛隊だけだと思いますが、そういう認識で間違いございませんか。
#468
○国務大臣(北澤俊美君) 領空を侵犯する危険性が高まったときに航空自衛隊がスクランブルをやります。一方、海上では領海に近づいてくる不審船あるいは外国船に対して監視活動をいたしております。
#469
○藤井孝男君 これ、監視活動とスクランブルと全然意味が違います、実態も違います。
 ですから、そうなると、今後この尖閣諸島の問題、中国がどういうふうに出てくるか。今日、某日刊紙で大きく尖閣の危機ということを取り上げていますが、そのことを私言うつもりはありません。しかし、実効支配をされてしまったというのは、北方四島もそうでありますし、李承晩ラインというものを一方的に押し付けて竹島も実効支配というのも韓国があると。
 今度、この尖閣諸島、これも実効支配を受けた場合はこれどう対応するかというのは、法的整備が私は十分とは言えないと思うんですよ。要するに、領海警備法というものが必要になってくるんだろうと思いますが、その点について率直に防衛大臣の意見をお聞きしたいと思います。
#470
○国務大臣(北澤俊美君) まず、領土、領海、これについては、特に領海の場合は海上保安庁が一義的にこれを排除すると、こういうことでありますが、仮定の問題に立ち入って私が答弁するのは穏当ではございませんけれども、海上自衛隊とすれば、次の段階で海上警備行動に出ると、そういうまず第一義的な法整備が行われております。
#471
○藤井孝男君 これは、JR東海の車内で発売しているウェッジという月刊誌がありますが、ここで京都大学の中西輝政教授が書いてありますが、我々はもう与党も野党もなく、立法府に主権者たる国民の代表として我々は存在しているわけですね。その我が国が戦後六十五年間平和であったということは、我々は大変これは感謝しなきゃいけないし、その点については今後も続けなきゃいけないと。
 しかし、主権が今脅かされているというこの現実については与党も野党もない。ですから、これは自民党、私も長い間自民党におりましたけれども、こういった不作為と申しましょうか、先送りとした大きな我々責任を感じている。私も、政治家としてそういう責任を感じている。
 今回、この問題が契機となって日本国の、我が党のたちあがれ日本は、いわゆる自主憲法制定ということも考えています。それから、防衛大臣も、いわゆる武器輸出三原則を見直すといいますか、それから防衛大綱も年内中に変えると言いますけれども、そういう問題について、そして、菅内閣は、補正予算等々についても与党、野党を超えて協力したいということでありますけれども、そういう意味におきまして、この防衛とか安全保障についてどういうお考えを持っていらっしゃるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
#472
○国務大臣(北澤俊美君) 藤井先生の方から与野党を超えてという御発言をいただいて私は力強く思っておるわけですが、現在、武器輸出三原則については、これは閣内で議論をして方向性を出したということではなくて、防衛大綱の見直しに当たって防衛を担当する大臣として問題提起をさせていただいていると。しかも、それには、現在の装備の生産がほとんどもう国際共同研究とかそういう方向へ向かっておるということと、それからもう一つは、もう藤井先生よく御存じですが、自民党政権時代にたしか十六回にわたって官房長官談話で処置をしてきたと。例えば、ACSA一つ取ってもそういうことなんです。
 是非ひとつ御議論に参画をいただきたいと思います。
#473
○藤井孝男君 そこで、菅総理、お聞きいたしますけれども、今防衛大臣もいろいろおっしゃいました。この防衛大綱の問題についてまたいろいろ野党とも協力を得たいということですが、こういった防衛大綱について野党の皆さん方に率直に呼びかけるという、そういうお考えをお持ちでしょうか。
#474
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年秋に政権交代があって、一年間延長して防衛大綱を今年中にまとめることになっております。また、安防懇からの提言もいただいております。そういう意味で、今内閣として本格的な議論に入っているところです。
 この問題、一般的にはいろいろな御意見をいただきたいというふうに思っておりますが、今の段階、すぐにこういう場でというところまでまだ考えているわけではありません。ただ、この問題は本当に日本のまさに主権にかかわる問題でありますので、いろいろな機会に御意見をいただければ、まさに一党一派の防衛大綱というよりも我が国の防衛大綱という位置付けで作らせていただきたい、作りたいと、このように考えております。
#475
○藤井孝男君 今度の問題は、本当に国民に対しても、そしてその代表者たる我々立法府に存在する者に対しても、大変私はいい機会だと思っているんですよ。
 そういう意味では、総理、菅内閣、いわゆる日本という国の国土が脅かされている。それは、主権が脅かされるかもしれない。そしてまた、もっと大事なことは、いろいろ与野党で議論がありますけれども、日米の安保条約も深化させなきゃいけないということもありますけれども、もう一つ大事なことは、自分の国は自分たちで守るんだというそういう気概をまず持たなきゃいけない。どうもそれが菅内閣の今回の対応につきましては、その辺の気概、そういったものの国益、国家とは何ぞや、そして国民の生命、財産をどうやって守っていくかという、そういう気概を持って是非取り組んでもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#476
○委員長(前田武志君) 以上で藤井孝男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#477
○委員長(前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#478
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 大阪地検改ざん事件についてお聞きいたします。
 前田元検察官が問題であることは確かです。しかし、地検、高検、最高検がこの暴走を食い止めることができなかったということが極めて問題です。
 お聞きいたします。逮捕そして起訴に最高検は協議に加わっていますね。
#479
○政府参考人(西川克行君) 逮捕、起訴とも、大阪地検は大阪高検、最高検とも協議をいたしまして、了承を得たものと承知しております。
#480
○福島みずほ君 この事件は変な事件です。国会議員の関与が問題となっている。しかし、村木さんが起訴されて二か月後にその国会議員は聴取を受けています。ポイント、事件のあんこの部分、肝の部分に関して裏付け捜査も一切せずに起訴をしているという変な事件です。
 最高検、どうして一番重要な点の裏付けをやらないまま、証拠も何もないまま、これは起訴にゴーサインを出したんでしょうか。
#481
○政府参考人(西川克行君) 重要な参考人である国会議員の取調べをしないまま起訴に至ったという批判がなされていることは承知しております。
 現在、最高検は、今回の事態を招いた原因を明らかにするため検証しているというところであり、御指摘の点につきましても問題点として当然検討されるということになると思いますし、そのときには最高検に対する報告関係等も含めて検討がなされるものと承知をしております。
#482
○福島みずほ君 法務大臣、変だと思いませんか。
#483
○国務大臣(柳田稔君) 今、局長が答弁したとおりでございますけれども、同じような感じは持ちました。
#484
○福島みずほ君 村木さんの事件で四十三通のうち三十四通が証拠を却下される、五月末に。その時点、その数日後に最高検は大阪地検にメールで質問状を出していますね。この証明書の最終更新日についてなど、事件の見立てをどうやっているか。
 最高検は大阪地検にメールで質問状を出した、これ、正しいですね。
#485
○政府参考人(西川克行君) 最高検は、御指摘の事件につきまして、客観的証拠と供述調書の不整合等を理由に供述調書の取調べ請求が却下されたということから、却下決定で指摘された事項について報告を求めております。そのように承知をしております。
 なお、現在、最高検は、今回の事態を招いた原因を明らかにするため、御指摘の点も含めて検証の対象として検討している最中と承知しております。
#486
○福島みずほ君 最高検は関与しているんですよ。五月の時点でもう分かっているんです。でも、村木さんは一年三か月被告人となって、そして九月にようやく無罪判決を得る。分かっているんですよ。
 最高検、何を質問をして、どういう回答があったか、教えてください。
#487
○政府参考人(西川克行君) 最高検が問い合わせた内容についての詳細については現段階では差し控えさせていただきますけれども、概要を申し上げますと、却下決定で指摘された客観的証拠と供述調書の不整合につきまして、大阪地検としてどのように考えるかという認識等についての報告を求めたものと承知をしております。
 何回も申し上げますが、この件について最高検は検証を実施しておりますので、検証終了後、必要に応じて御指摘の点について公表するというふうに考えております。
#488
○福島みずほ君 証明書の最終更新日についての質問、どのように事件の筋を組み立てたかということも聞いていますね。
#489
○政府参考人(西川克行君) 客観的証拠と供述調書の不整合という中の一つに、フロッピーディスクの日付の問題も入っているというふうに承知しております。
#490
○福島みずほ君 大阪地検はどう回答していますか。
#491
○政府参考人(西川克行君) 検証が終わるまで、その点については、一応捜査の中身の話ということでございますので、現段階では答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#492
○福島みずほ君 最高検が検証チームやっているから聞いています。
 最高検は、大阪地検のその回答に納得したんでしょうか。
#493
○政府参考人(西川克行君) その点につきましても、捜査機関の中の協議の内容でございますので、現段階では答弁をすることはできませんので。
#494
○福島みずほ君 最高検が検証チームやっていて、最高検の責任を明らかにしないのはおかしくないですか。
#495
○国務大臣(柳田稔君) 福島委員も御存じのとおりにまだ二人捜査中でありますので、局長が答弁したとおりでございます。
#496
○福島みずほ君 じゃ、質問変えます。
 なぜ問い合わせをしたんですか。
#497
○政府参考人(西川克行君) 先ほども申し上げましたとおり、また委員御指摘のとおり、客観的証拠と供述証拠の不整合等の理由で供述調書の多くの部分が却下されるという極めて異例な事態が生じたということで、その理由及び認識等について大阪地検の方に問い合わせをしたと、こういうことでございます。
#498
○福島みずほ君 最高検、分かっているんですよ。分かっているんです。分かっていてだまされたんだったら調査が甘かったことになるし、それを是としたんであれば、やっぱりそれはぐるではないけれども甘かったんですよ。どっちにしろ最高検は問題なんです。逮捕と起訴に関してそのときにゴーサインを出している、国会議員の事情聴取も一切やっていない、そのことも了解しているんです。すべて分かっていて最高検はゴーサインを出し、しかも調査をやっているわけです。
 法務大臣、最高検も責任があると思われませんか。
#499
○国務大臣(柳田稔君) ただいま最高検が検証していますので、その結果に必ずそのことは表現されると私は信じております。
#500
○福島みずほ君 最高検の責任を問うているときに最高検の検証チームでそれが出てくるんですか。
 法務大臣、最高検に責任あると思いませんか。
#501
○国務大臣(柳田稔君) 御存じのように、今の最高検の検事総長は当時の検事総長ではございません。あの事件が起きたときは自民党政権のときですよね。今の検事総長はこの四月からの任期だったと思うんですが、五月か、何月……(発言する者あり)五月からの任期だったと思いますので、今の検事総長はしっかりとやっていただけるものと私は思っております。
#502
○福島みずほ君 組織の問題を問うているのですから、個人的な問題ではなく組織としてきちっと明らかにできるか、法務大臣、最高検に私は何らかの責任、この間、関与しているわけです。だとしたら、法務大臣の下の諮問機関に、これは検察の在り方だけではなく、これらの事件の検証、これも含めてしっかりやるべきだと思いますが、いかがですか。
#503
○国務大臣(柳田稔君) そのとおりでございます。しっかりとやらしていただきます。
#504
○福島みずほ君 検証もお願いします。江川紹子さんやあるいは日弁連やきっちり入れて、第三者委員会つくってやる、法務大臣が首を懸けて検証する、よろしいですね。
#505
○国務大臣(柳田稔君) だれをメンバーにするか、いろいろ今考えていますけれども、福島委員の意見も参考にさせていただきたいと思います。
#506
○福島みずほ君 前田元検事が担当をした緒方事件、福島県の佐藤栄佐久知事の事件、「知事抹殺」という本もありますが、佐藤栄佐久さんの事件、それから大久保さんの事件など、前田元検事が担当をした事件について同じような不正があったかどうか、自白の強要などがあったかどうか、検証チームで、少なくとも最高検の検証チームでもしっかり検証をされるということでよろしいですね。
#507
○政府参考人(西川克行君) 前田元検事がかかわっているほかの事件につきましても、問題があるかどうか検証をするという予定で現に進めております。
#508
○福島みずほ君 捜査の可視化、証拠開示についてお聞きをします。
 捜査の可視化は、民主党も野党時代から取り組んでこられたことです。全面的証拠開示についての各、法務省としての決意、国家公安委員長としての決意を教えてください。
#509
○国務大臣(岡崎トミ子君) 被疑者の取調べということに関しましては、これを実現する方向で現在、国家公安委員会委員長の下に研究会を開催しておりまして、幅広い観点から多角的な検討をしているところでございます。
 この研究会は二月にスタートをしたばかりでございますけれども、まだまだその検討の必要あるというふうに思っておりますのは、外部の有識者の皆さんたちに検討をお願いをしておりますので、これからも十分に議論をして、そして検討を進めていこうというふうに考えているところでございます。
#510
○国務大臣(柳田稔君) 福島委員の可視化に懸ける意欲というのはよく分かっております。
 ただ、今法務省内で行われている勉強会の経過も御存じのとおりでありまして、実現に向けて鋭意勉強を進めながら来年の六月、遅いと言われるかもしれませんが、のできるだけ早い段階に結論を出していきたいと、そういう思いで頑張っておるところであります。
#511
○福島みずほ君 法案もさることながら運用面で、例えば特捜のケース、それから裁判員対象事件、否認事件、これに例えば限ってまず捜査の可視化を始める、これについては是非前向きにお願いします。どうですか。
#512
○国務大臣(柳田稔君) 私の検討委員会の中で議論になると思っております。
#513
○福島みずほ君 運用面で捜査の可視化をすることはできるわけですから、それは大至急お願いします。
 証拠開示についてお聞きをします。
 今回、村木さんの事件でも明らかになりました、不利な証拠は出さない、有利な証拠しか出さない。税金掛けて証拠集めをして、なぜ証拠が出てこないのか。証拠の全面開示、これは日本はやっていない、諸外国はやっています。いかがですか。
#514
○政府参考人(西川克行君) 先ほど検事総長の交代時期ということでございまして、五月という答弁でございましたが、記憶違いでございまして六月の十七日ということでございますので、訂正をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、証拠開示ということでございますが、この点につきましては、平成十六年の刑事訴訟法の改正、これは平成十七年の十一月から施行されているわけですけれども、例えば類型証拠の開示あるいは主張に関連する証拠の開示ということで大幅に拡充され、さらに、争いがあるときには裁判所が裁定するという制度が設けられて、相当程度拡充がされたということでございます。
 今後、その運用状況も踏まえまして、更に何らかの措置が必要かどうか検討をしていくという必要があるというふうに考えております。
#515
○福島みずほ君 政治主導で証拠開示、もう少し進めてください。
 法務大臣、いかがですか。
#516
○国務大臣(柳田稔君) 委員の意欲もよく分かります。
#517
○福島みずほ君 私も再審事件で、ごく最近証拠開示をしてもらうなど経験しています。これが本当に再審の、本当に大事なことなんですね、無罪立証する。
 証拠開示について、意欲が分かってもらったら決意を示してください。
#518
○国務大臣(柳田稔君) 福島先生の顔を見ておりますので、それでお酌みおきくだされば有り難いと思います。
#519
○福島みずほ君 じゃ、検討するでもいいですので、今よりも進める旨、是非お願いします。
#520
○国務大臣(柳田稔君) 先ほど局長も答弁したように、大分広げたということもございます。更にやれという御意思だと思いますので、いろいろと内部で考えてみたいと思います。
 よろしいですか、これで。
#521
○福島みずほ君 はい。
 かつて名古屋刑務所事件があったとき、森山法務大臣が首懸けて監獄法の改正、行刑改革会議をやって、百年ぶりでやりました。
 私は今回、捜査を本当に透明化していく、可視化していく、冤罪をなくす、冤罪をなくす本当に重要なポイントだと思います。
 柳田法務大臣、首懸けてやってくださいよ。お願いします。
#522
○国務大臣(柳田稔君) 精いっぱいやらしていただきます。御理解をください。よろしくお願いします。
#523
○福島みずほ君 分かりました。有言実行内閣で……(発言する者あり)違う違う違う。有言実行内閣で、必ず捜査の可視化と証拠開示が進むと顔を見合わせて確信しましたので、必ず結果が出るようにまたフォローさせていただきます。
 菅総理、小沢一郎さんの事件について社民党は一貫して政倫審でやるべきだと言ってきました。刑事事件は刑事事件です。でも、国会の中で国民に対して説明する、これは国会の機能としてやっぱり必要だと思っています。残念なのは、今日に至るまでそれがなされていないということなんです。
 政倫審での発言が全くいつまでもいつまでもなされないんであれば、社民党も証人喚問に賛成せざるを得なくなります。国会で、政倫審であれ証人喚問であれ、国会の機能できちっとそのことを説明をしていただく、これに民主党も踏み込むべきだと思いますが、いかがですか。
#524
○内閣総理大臣(菅直人君) この間、いろんな方に繰り返し申し上げておりますように、御本人も国会の決定には従うと言われていますし、私も、代表選挙の折から国民の皆さんにもっと説明をされることが望ましいというふうにも申し上げております。
 今、衆参でいろいろな、党からいろいろな提案をいただいております。そういう提案をきちんと受け止めて協議に応じていきたいと。そういう中で、御本人の意向も確かめながら、どういう場で、今お話のありました政倫審を含めて、どういう場で、どういう形でそうしたことが行われることがいいのか、そのことについてしっかりと受け止め、協議に乗って対応させていただきたいと、このように考えております。
#525
○福島みずほ君 国会で何もしない、これが一番良くないと思うんですね。これについては進むように、さっきの捜査の可視化、証拠開示もそうなんですが、有言実行になるようにきちっと言ってまいります。
 次に、十八日から生物多様性会議が名古屋で開かれます。生物多様性は本当に大事です。それで二つお聞きします。
 山口県の上関原子力発電所で、海を埋め立てて原子力発電所を建設するということが今まさに進められようとしております。これは、日本にしかすまない様々な生物、カンムリウミスズメ、スギモク、ナメクジウオなどいまして、またスナメリもすんでいます。内海、瀬戸内海の本当にきれいな内海の、本当に奇跡の海と言われる、生物多様性にとって大事なところです。まだ原子力発電所の許可が出ないにもかかわらず埋立てがどんどん進められようとしている。海、埋め立てたらもう終わりなんですよ。
 同じように辺野古も、サンゴ礁がある、そしてジュゴンがすんでいる、自然保護協会の最近の調査でも、海草類がいっぱいある、三百六種類の生物、サンゴなどいっぱいある、これも辺野古の海です。共通項は、海を埋め立てて希少動物、生物多様性を破壊するということです。
 総理、日本が生物多様性会議をやるわけですが、海を埋め立ててこれを破壊するようなことであれば生物多様性会議を主催する日本は資格がないと思いますが、いかがですか。
#526
○国務大臣(大畠章宏君) まず、上関の原子力発電所について御答弁申し上げたいと思います。
 この御指摘の上関原子力発電所については電力需給対策上重要な電源であると認識しておりまして、重要電源開発地点にも指定しておりまして、その意味で政府としては建設を期待しておるところでありますが、同時に、福島議員から御指摘のように環境の問題をどうするんだと、こういう御指摘でありますが、環境の適合性、それから供給の安定性、経済の効率性を同時に満たすことが必要であると考えております。
 そういうことから、私どもとしては、この建設による環境影響の配慮は重要でありますし、上関においても同様でございます。したがいまして、工事中においても新たに希少な動植物が確認された場合は、専門家の意見を聞きつつ、これらの種の生息・生育環境に対する影響が最小限となるよう適切な保全対策等を講ずることを勧告いたしました。事業者はこの勧告を踏まえた評価を提出しており、適切な環境影響評価がなされているものと考えております。
 経済産業省といたしましては、これまでのところ、中国電力は環境影響評価書に従い環境影響に配慮した形で計画を進めているものと考えております。引き続き、中国電力が環境保全に万全を期して計画を進めることを期待しております。
#527
○福島みずほ君 その環境影響評価の割合が非常に狭いんですね。しかも、原子力発電所の設置許可が出ていない前の段階で埋め立ててしまうと、もうそれは取り返しが付かないと。
 今、ここは内海、瀬戸内海は国立公園ですから貴重な様々な生物がいる、埋め立ててしまったらもう終わりだと。私は、これは今埋立てを強行しないでほしいということを強く要望したいと思いますが、いかがですか。
#528
○国務大臣(松本龍君) お答えします。
 福島委員が生物多様性の問題について高い見識を持っておられてCOP10について触れていただいたこと、心から敬意を表したいと思います。
 今、大畠大臣が言われたとおりでありますけれども、普天間につきましては、まさに公有水面埋立てと飛行場建設という環境アセス法の中での枠組みがありますけれども、実は今回の件につきましては、沖縄県知事が免許等権者であって環境大臣が権限がないということになりますんで、しっかり今の生物の多様性の保全に向けて注視をしていきながら、期待をしていきながらちゃんと見ていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
#529
○福島みずほ君 海を埋め立てたら、サンゴもジュゴンもそれから上関のいろんな、カンムリウミスズメやスギモク、スナメリ、ナメクジウオやいろんなものが破壊されるということなんです。生物多様性ということはそういう大事な環境を守るということじゃないですか。埋め立てたらもう終わりだというふうに思うんです。
 環境大臣、経産大臣にもっと言ってくださいよ。あるいは菅総理、故郷の山口県、瀬戸内海の海って分かるでしょう。どうかこのことについて、ちょっとまだ設立許可がないときに埋立てを強行するな、そう是非言ってくださいよ。どうですか。
#530
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ私はかなり古い時期ですが、石垣島の白保というところに飛行場が、サンゴ礁の上に造るというのを一年生議員のときに反対で出かけて、四十年、いや三十年たちまして、陸上部に変わったこともあります。そういった意味で、海を埋め立てることが多くの生物を殺してしまうという可能性が大きいことはよく承知をいたしております。
 この個別の上関について、今経産大臣からもお話がありましたが、一定のルールの下で進められているわけでありまして、そのルールの下で行われることの中で、しっかりとこの生物多様性の維持にも十分な配慮をして判断がされることを望んでいきたいと思います。
#531
○福島みずほ君 いや、非常にがっかりです。日本は生物多様性会議の議長国で、やっぱり成果を出さなくちゃいけない。これ、でもサンゴ礁をつぶす、ジュゴンがすんでいる海をつぶす、瀬戸内海の海に原子力発電所を建てて、希少動物がいるのにつぶしていく、これを聞いたら本当にみんながっかりしますよ。こういう強行をさせないのが政権が替わったという意味だというふうに私は思っています。今のままの状況では、日本政府が生物多様性会議の議長国をやるのにふさわしくないと、資格はないということを申し上げます。
 総理、最後に一言。前回の予算委員会で武器輸出三原則について堅持するということを答弁していただきました。今回の予算委員会でそれを見直すかのような関係大臣からの発言に私はショックを受けています。
 菅総理、この武器輸出三原則は堅持する、その心意気と、ここで平和で頑張らなかったらどうなるんですか。菅さん、決意をしっかり示してください。
#532
○内閣総理大臣(菅直人君) 武器輸出三原則のこの基本的な理念は守っていくと、このことを申し上げておきます。
#533
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございます。
#534
○委員長(前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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