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2010/11/22 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 予算委員会 第8号
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2010/11/22 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 予算委員会 第8号

#1
第176回国会 予算委員会 第8号
平成二十二年十一月二十二日(月曜日)
   午前九時十四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     塚田 一郎君     佐藤 正久君
     山崎  力君     宮沢 洋一君
     山谷えり子君     丸川 珠代君
     荒木 清寛君     竹谷とし子君
     山本 香苗君     長沢 広明君
     中西 健治君     松田 公太君
     舛添 要一君     片山虎之助君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     金子 恵美君     石橋 通宏君
     金子 洋一君     榛葉賀津也君
     行田 邦子君     江崎  孝君
     竹谷とし子君     西田 実仁君
     市田 忠義君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 武志君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                水戸 将史君
                森 ゆうこ君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                有田 芳生君
                石橋 通宏君
                一川 保夫君
                梅村  聡君
                江崎  孝君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                榛葉賀津也君
                徳永 エリ君
                友近 聡朗君
                中谷 智司君
                西村まさみ君
                平山  誠君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                片山さつき君
                川口 順子君
                佐藤 正久君
                佐藤ゆかり君
                西田 昌司君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                丸川 珠代君
                丸山 和也君
                宮沢 洋一君
                山田 俊男君
                石川 博崇君
                竹谷とし子君
                長沢 広明君
                西田 実仁君
                松田 公太君
                大門実紀史君
                片山虎之助君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 仙谷 由人君
       外務大臣     前原 誠司君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   大畠 章宏君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  馬淵 澄夫君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        松本  龍君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  岡崎トミ子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    海江田万里君
   副大臣
       外務副大臣    伴野  豊君
       外務副大臣    松本 剛明君
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       農林水産副大臣  篠原  孝君
       農林水産副大臣  筒井 信隆君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  尾立 源幸君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       内閣法制局長官  梶田信一郎君
       法務省刑事局長  西川 克行君
       国税庁次長    田中 一穂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1
 号)(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十二年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、まずは一般質疑を六十分行うこととし、質疑は片道方式で行い、各会派への割当て時間は、自由民主党二十四分、公明党十六分、みんなの党八分、日本共産党四分、たちあがれ日本・新党改革四分、社会民主党・護憲連合四分とすること、また、午後二時から外交防衛・財政等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は百八十分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会三十七分、自由民主党六十分、公明党三十五分、みんなの党十八分、日本共産党十分、たちあがれ日本・新党改革十分、社会民主党・護憲連合十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(前田武志君) 平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。佐藤ゆかり君。
#4
○佐藤ゆかり君 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 本日は、朝方、柳田法務大臣が辞任を表明されたということで、昨日までは辞任しないとおっしゃっていまして、一晩明けると行ったり来たり、右往左往ということで、一体民主党政権さん、どうなっているんだということになるわけでありますが、その中で、本日はまず、仙谷官房長官の先週、御答弁の中に出ました暴力装置の発言についてもう少し深掘りをしてお伺いをしたいと思います。
 現場を守る自衛隊員の方々からすれば、この暴力装置という発言は本当に失礼極まりない発言であったと思います。改めて謝罪を要求したいと思いますが、官房長官、いかがですか。
#5
○国務大臣(仙谷由人君) さきのこの委員会における私の発言は、適切を欠くものとして謝罪をしまして、撤回したことを改めて申し上げたいと思います。現代的には、私が自衛隊は実力組織あるいは実力部隊と言うべきところの言い間違いでございました。
#6
○佐藤ゆかり君 それでは、仙谷官房長官にお伺いしたいと思いますが、暴力装置という言葉は、これは私は使っていません、あくまで官房長官がお使いになったので今表現をしているんですが、暴力装置という言葉は、そもそも社会学者のマックス・ウエーバーが使い出した言葉で、少しやや言葉の意味が、社会主義者の間で使われるようになって、レーニン時代から使われ、世界的に社会主義信奉者の間では言わば歴史的な共通用語としても使われているような意味合いがあるわけでありますが、官房長官はこの辺り大変御存じだと思います。
 この暴力装置という意味は何でしょうか。もう一度お答えください。
#7
○国務大臣(仙谷由人君) まあ世代的にそういう定義付け、学術上あるいは講学上の用語として、我々の時代にはウエーバーが、要するに、ドイツ語を私よく覚えていませんが、英語で言えばオーガナイズドバイオレンスということで、要するに国家だけが組織されたそういう実力を持つことが合法化されると、合法化されたそういう実力を持っているのが国家なんだと。そのことによって国家の外あるいは社会と社会、コミュニティー、コミュニティーの実力による戦いをむしろ合法的に収めることができるんだと、こういう近代国家の本質についての定義付けというふうに私は考えております。
 これを、日本のウエーバーを訳した方々もオーガナイズドバイオレンスを実力というふうに訳さないでその時代は暴力装置というふうに訳して、これを、特に我々世代から、どうでしょう、十年ぐらい下ぐらいまででしょうか、そういう本に慣れ親しんできた、つまり国家の本質というのはそういうものであるという定義付けをしながら、だから、合法的に使い得る実力、これをいかにコントロールするか、このことがより重要なんだ、あるいはこれがある種の一定の政治的な方向で走らないようにすることが重要なんだと、こういう理論になってくるんだろうと思います。
#8
○佐藤ゆかり君 長々と御答弁いただいたんですが、結局は、一言で言えば、社会主義国家というのは世界でソ連が第一の国で、レーニンのころからこの暴力装置という言葉が使われていたわけでありますが、この言葉の意味というのは、当時の時代的な背景からして、地下活動を行っていた革命分子を当時の公安や警察や軍隊が抑え込むために国家権力としてそれらを行使する、そのことを暴力装置、国の暴力装置と呼んだということだと思いますが、このくだりで、仙谷官房長官は学生時代に全共闘で大変極左的な学生運動に参加をされていたということも周知の事実であるわけであります。
 当時は、この全共闘の学生運動の中でお弁当を運ぶ係だったということで、弁当運び屋だということまで官房長官は言われていたぐらい、地に足の付いた確信犯の運動家であったということも言われているわけであります。そういう時代的な背景、官房長官の経歴、そして一九九〇年にはまず社会党議員として衆議院に初当選をされておられるわけであります。
 そういう中で、最近では官房長官は二〇〇五年の十月に早稲田大学で講演をされておられます。その講演の場で、このように官房長官は当時おっしゃっておられるわけであります。自衛隊に関して、私の感覚では、確かに暴力装置としての大変な実力部隊が存在し、法的に言えば自衛隊法や防衛庁設置法でもって定めているのであるならば、これが違憲の法律だと言わないのならば、憲法に自衛隊が存在することの根拠を書かないというのは憲法論としても法律論としてもいかがなものかというふうに講演で述べられているわけであります。
 そこで、仙谷官房長官にお伺いしたいと思います。
 官房長官は、この我が国日本の自衛隊は合憲とお考えですか、違憲とお考えですか。
#9
○国務大臣(仙谷由人君) 今御指摘いただいた大隈塾での私の講演も、文脈全部読んでいただければお分かりいただけると思いますし、あるいは、衆議院憲法調査会で五年間議論をいたしましたけれども、その速記録をすべて御覧いただいても分かると思いますが、私は、当然のことながら、日本の自衛隊は憲法上の存在、つまり合憲の存在であると、これを明言をずっとしてきているところでございます。
#10
○佐藤ゆかり君 合憲であることは、官房長官の立場ですから、それはしっかりと明言をしていただかなければ話が始まらないわけでありますが、少なくともそれはおっしゃっていただいたということであります。
 しかしながら、やはりこの暴力装置という、官房長官がこういうお言葉を大変、使われたわけでありますけれども、いわゆる歴史的に警察、公安、軍隊を持つような一般論ですが国家が、国家権力としてこの実力部隊を合法的に行使することができるような一つの条件、それは何であるとお考えでありますか。
#11
○国務大臣(仙谷由人君) 当然のことながら、合法性を持つというのは、憲法上もあるいは法律上も、法律というのは要するに国会でということでありますが、きちっと決められてコントロールされると、それが文民統制ということだと思います。
 つまり、国民の合意に基づいて存在し行動すると、それが名実共に備わっていなければこの実力装置は、実力部隊は合法化されないと私は思っております。
#12
○佐藤ゆかり君 まさに今官房長官がおっしゃられましたけれども、民主国家においてこのいわゆる実力部隊が国が行使できる権限として合法化されるためにはシビリアンコントロールが必要なわけであります。選挙で選ばれた内閣によってしっかりとこの実力部隊をシビリアンコントロールの下に収めるということが、合法化あるいはその正当化の一つの必要条件であるというふうに言われているわけでありますけれども。
 そこで、このシビリアンコントロールにかかわる自衛隊のいわゆる指揮監督権について確かめてみたいと思います。
 自衛隊法第七条では、内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮監督者であるというふうに定めております。また同時に、自衛隊法第八条では、防衛大臣は自衛隊の隊務を統括する指揮監督者であるというふうに順位付けをしているわけであります。そしてさらに、内閣法第九条では、内閣総理大臣に事故のあるとき、あるいは内閣総理大臣が欠けたときは、あらかじめ指定された国務大臣が臨時に総理大臣の職務を全うするというふうに規定をされているわけであります。
 そこで、仙谷官房長官にお伺いしたいと思いますが、今の菅政権における内閣総理大臣の職務代行者として第一順位の指定を受けている国務大臣はどなたでしょうか。
#13
○国務大臣(仙谷由人君) 私が第一順位の指定をいただいております。つまり、内閣官房長官が第一順位でございます。
#14
○佐藤ゆかり君 まさにそのとおりであります。大変恐ろしいことだと思いますね。官房長官が内閣総理大臣の職務代行者として第一順位の認定を受けているわけでありますが、その方が暴力装置というふうに発言をされたわけであります。
 実際に官房長官はこの菅総理の総理大臣としての職務代行者に既におなりになったことはあるでしょうか。
#15
○国務大臣(仙谷由人君) 総理が海外に出張するたびに総理大臣の臨時代理として、何といいますか、辞令に署名をしたりする事実行為を通じて職務代理としての任を果たしているつもりでございます。
#16
○佐藤ゆかり君 そうなんですね。一般的に官房長官の職責というのは非常に大きなものがあるわけであります。たとえ総理大臣に万が一のことがあってと、そういう事態ばかりではないんですね。官房長官というのは、内閣総理大臣が海外出張に出ていて、例えば飛行機に乗っていて連絡が付かないとか、そういうときには適宜内閣総理大臣の職務代行者として任務に当たっているわけであります。既に官房長官は当たっているんですよ。
 そのことは総理の官邸のホームページにも書かれております。内閣総理大臣の臨時代理としては、内閣総理大臣が海外出張や病気等により職務遂行ができない場合、指定された国務大臣が総理大臣の職務代行者となる。すなわち、仙谷官房長官は内閣総理大臣の職務代行者として日々日常的にこれまでも任務に当たってきたということなわけであります。これは大変な事実だと思いますね。
 大変問題だという思いありますが、このシビリアンコントロールにおいて、先ほどからも私は意味をただしましたが、民主国家においてはこのシビリアンコントロール、いわゆる選挙で選ばれた内閣がしっかりと文民統制を行う、シビリアンコントロールを行うことによって実力部隊の秩序ある権力行使をしていくということだと思います。そのシビリアンコントロールの長に官房長官があると言ってふさわしいわけでありますよ。海外出張のときは仙谷官房長官が自衛隊の最高指揮監督者なわけでありますよ。そして、その最高指揮監督者は、これまでも実は菅総理がおられないときには内々に職務遂行してきたわけでありますよ、堂々と。それを、その立場にありながら、官房長官は自衛隊を暴力装置と発言されたわけであります。これは大変ゆゆしき事態だと思いますね。
 私は、この官房長官の一連の発言、暴力装置によってどれだけ自衛隊の隊員の方々が現場で日本国民の国家財産、国民の生命の維持、そのために尽くされているか。大変自衛隊の方々の士気を失墜させたということもあると思いますし、それと同時に、やはり今まさに中国や北朝鮮との間でのアジアの安保の問題が発展してきているわけでありますよ。そういうときに、この中国や北朝鮮という国は社会主義国家なわけです。
 ですから、なぜ私が冒頭でこの暴力装置という意味を官房長官にお伺いしたかといいますと、官房長官は社会主義活動にかかわってこられた、そういう学生時代からの背景があるわけです。最もこの言葉の意味をよく理解しておられる方ではないでしょうか。そして、社会主義国家である中国や北朝鮮が、官房長官が暴力装置という言葉を発言したのを聞いて、どのように社会主義者らの間で歴史的共通認識として理解されてきたこの言葉を解釈するかということも仙谷官房長官はあらかじめ予測可能であったはずなんですよ。
 それを、じゃ、中国や北朝鮮がこの暴力装置という言葉の背景に、歴史的には弾圧とか侵略という意味合いも含まれるわけであります、連想させるんですよ。そういう意味合いを含む可能性のある暴力装置という言葉を使って、今上がってきているアジアの安全保障の問題についても火に油を注ぐような発言をしているわけです。官房長官がこれまで尖閣諸島の問題についてもどれだけ対応を遅らせてアジアの問題を我が国日本にとって更に悪化させてきているかということは、十分にここはゆゆしき事態としてやはり対応していかなければいけないと思います。
 そしてまた、自衛隊を暴力装置と呼ぶ官房長官、先ほど申しましたけれども、シビリアンコントロールで菅総理が不在の場合にはあなたが自衛隊の最高指揮監督者なわけであります。その最高指揮監督者が暴力装置と自衛隊のことを呼んでいる、自らの部隊のことを呼んでいるわけですよ。これは全くシビリアンコントロールが成り立っていないじゃないですか。
 これは、暴力装置という言葉を使うことによって自衛隊の最高指揮監督者である仙谷官房長官が自らの不適性を表明しているにほかならないんですよ。いかがですか。どのようにお考えか。自ら不適性を表明しているとお考えになりませんか。
#17
○国務大臣(仙谷由人君) 先ほどから、私が自衛隊をどう位置付けているかは申し上げております。徹頭徹尾、戦前のようなことが起こらないような、シビリアンコントロールの、つまりガバナンスの利いた、そういう存在として政治の側からコントロールしなければならないと。それは、政治の側というのは国会であり、法律であり、憲法であり、そして政府と内閣ということでございましょう。
 先ほどから、二十一、二歳でございますから、四十一、二年前の私の活動のことを指されておりますが、私は別に、佐藤議員が言われたような、いわゆる過激派とか極左と言われている組織に属したことはございません。東京大学全学共闘会議のその救援対策を担っていたということでございます。したがって、そのことは隠しも何もいたしませんし、今いろんな、自分ながらの、その当時、若かった時代の考え方に思い至らなかったこともあるし、しかし誇りを持って私がその後の人生を生きてきたということも私は胸を張って言えると思います。私は、あなたが、佐藤さんがおっしゃるような非常に極端な、暴力でいわゆるプロレタリア独裁をつくるんだというふうな理論を持ったことはございません。
 そこで、今おっしゃられたように、自衛隊については、とりわけ政治に身を置くという場合には私が従来から憲法調査会で述べてきたような立場をはっきりさせております。官房長官だからということではありません。国会議員の一議員として私は私の信念に基づいて自衛隊を位置付けて、そして自衛隊の行事にも参加をさせていただいておりますし、自衛隊の皆さん方の大変な御苦労、そして現在の自衛隊のポジションというものについてもいろいろ考えて政策的に反映をさせようと、そういう構えで臨んでおります。
#18
○佐藤ゆかり君 自衛隊をうまくまとめるというようなこと、趣旨をおっしゃっていますが、もう既に仙谷官房長官の最高指揮監督者としての信頼は失墜したんですよ。自衛官の皆様方の中でもう面従腹背を避けられないんですよ、官房長官は。即時、国家国民のためにやはり辞任をなされたらいかがですか。官房長官、もう一度お願いします。
#19
○国務大臣(仙谷由人君) 日本の自衛隊、政権交代が起こった瞬間に、昔、言わば全共闘運動をした者が政府の要職に就いたから面従腹背でこれからいくんだと、そういう考え方や議論で自衛隊が染まるとは思っていません。その時点時点での政権に政治的には中立に、全く、いわゆる実力組織として外敵に対し、あるいはその他の諸紛争に対し上官の命令の下に一糸乱れず行動をしていただけると確信をいたしております。
#20
○佐藤ゆかり君 全く反省がないと思いますね。官房長官は、これは単なる失言じゃなくて、あなたは確信犯で暴力装置と言ったんですよ。確信犯なんですよ。撤回したって心は撤回していないじゃないですか。私は、これは官房長官が辞任しないともう本当に今のこの政治情勢は収まらないと思いますよ。
 もう一度お伺いしますが、官房長官、辞任の御意向はありませんか。
#21
○国務大臣(仙谷由人君) 私は、現在与えられた職責を全うすると、そのことで政治家としての責任を果たしていくぞ、そういうふうに今考えております。
#22
○佐藤ゆかり君 即刻の辞任を私は求めて、そして問責の可能性も含めてこれから私ども野党で検討していかなければいけないぐらい、国家の安全保障にかかわる重要な問題を今我が国日本は抱えていると思います。
 以上、質問を終わらさせていただきます。
#23
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。佐藤正久君。
#24
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 まず、民間人への言論封殺とも取れる十一月十日発出の防衛事務次官通達についてお伺いします。
 防衛大臣、そもそも事の発端は、入間基地での航友会長の発言により、入間の自衛隊が民主党打倒のために航友会に施設を貸したと誤解されるおそれがあるということが問題ということでよろしいですか。
#25
○国務大臣(北澤俊美君) 十分御存じのことでありますが、基本的なことでございますので申し上げておきますが、自衛隊は厳格なシビリアンコントロールの原則の下に置かれた実力集団でありまして、自衛隊法で規定する政治的中立性が確保されることが極めて重要であることは御存じのとおりであります。
 こういった趣旨から、自衛隊員は自衛隊法により特定の政治的行為を禁止されておるわけでありまして、特定の内閣を支持し、又はこれに反対する目的で国の庁舎、施設等を利用させることは禁止されておるわけであります。
 先般、自衛隊施設内で行われた行事において、部外団体の会長が特定の内閣に反対する旨の発言を行ったわけでありまして、自衛隊施設内における発言により、自衛隊側が特定の内閣を支持し、又はこれに反対する目的で国の施設を利用させたとの誤解を招くおそれが生じたとの考えでございます。
#26
○佐藤正久君 誤解を与えかねないということが問題だと。
 それでは防衛大臣、問題とされる航友会長のあいさつ、その概要を防衛省は各所に配付しています。私も防衛省からいただきました。これは録音を起こしたものですか。
#27
○国務大臣(北澤俊美君) 録音はしておりませんで、聞き取りであります。
#28
○佐藤正久君 それでは防衛省が聞き取りで作ったこのペーパー、航友会長に確認されましたか。
#29
○国務大臣(北澤俊美君) 日にちは定かではありませんが、たしか十九日だと思いますが、司令が会長のところにあいさつに行ってこの通達の趣旨をお話を申し上げたときに確認をしたというふうに聞いております。
#30
○佐藤正久君 その前にもうこれみんなに配付しているんですよ。確認もせずにこういうペーパーを作り、それを配付している。これは人権上も問題だと思いますよ。
 私も聞いたけど、確認はしていないと彼は言っていました。その辺りはまた確認していただきたいと思いますけれども、その確認もせずに航友会長の発言の骨子を一方的に聞き取りだけでやっていいのか。そして、それに基づいて議論をなされて通達を十一月十日に発出しているじゃないですか。十一月十日の前に確認していないでしょう。違いますか。
#31
○国務大臣(北澤俊美君) これは、この事案が発生したときに文書課長に報告があり、その配付資料については、祝賀会に出席してあいさつがよく聞こえた隊員、まあ幹部でありますけれども、約二十人の記憶を総合して可能な限り正確に起こしたものに基づき作成したとの報告を受けております。
#32
○佐藤正久君 要は確認してないんですよ。確認をせずに通達をやっている。
 委員長、当委員会に入間航友会長の参考人招致を求めます。
#33
○委員長(前田武志君) 理事会において協議させていただきます。
#34
○佐藤正久君 では、その祝賀会食には約千三百人の民間人が参加していたようですけれども、参加民間人から入間の自衛隊が民主党打倒という政治目的に関与している疑いがあるという抗議があったんでしょうか。
#35
○国務大臣(北澤俊美君) これは、防衛省・自衛隊として事態を重く見たことでありまして、会場の中で直接自衛隊幹部にそういうことを示唆するような発言があったとは聞いておりません。
#36
○佐藤正久君 だから、結果的にこれは誤解を招くようなそういう抗議は民間人からなかったということじゃないですか。ヒアリングもやっていない。参加した民間人に聞きましたか、これは。
#37
○国務大臣(北澤俊美君) これは、あくまでも自衛隊法六十一条に基づく、またそれに付随する政令をしっかり守っていくという趣旨の上での防衛省としての処置であります。
#38
○佐藤正久君 これは、問題認識が全く間違っていますよ。そもそも、この祝賀会食を行うに当たって、自衛隊が特定の政党、政権を打倒するために施設を貸したと誤解を招くおそれがあると。でも、実際にそういう抗議は一件もない。実際、この抗議は民主党の国会議員からしかなかったんじゃないですか。国会議員からしかなかったんじゃないですか。
#39
○国務大臣(北澤俊美君) 今ちょっと聞き取りにくかったんですが、民主党の議員だけがどういうふうということを、大変恐縮ですが、もう一度お願いします。
#40
○佐藤正久君 これ、誤解を招くという問題認識は、民主党の国会議員からしかなかったんではないですか。
#41
○国務大臣(北澤俊美君) 過日も御答弁を申し上げましたが、私を含めて政務三役に、この通達を出す前に議員から抗議はなかったというふうに御答弁申し上げた、そのとおりであります。
#42
○佐藤正久君 大臣、実際に入間航空祭の翌日、十一月四日、松崎議員は入間の基地司令を永田町に呼んで、内局の担当課長の同席の下、抗議をしているんじゃないですか。
#43
○国務大臣(北澤俊美君) その事実は後日報告を受けました。
#44
○佐藤正久君 その中で松崎議員から抗議はなかったですか。
#45
○国務大臣(北澤俊美君) 議員のところには、今おっしゃったように入間基地司令と官房文書課長が伺い、入間基地司令からは、祝賀会における協力団体会長のあいさつについてその内容を、御存じのとおりのことを申し上げ、文書課長からは、政務三役の指示で、再度同じような事案が起こらないよう必要な対策を講じる旨の防衛省としての方針をお話をしたというふうに伺っております。
#46
○佐藤正久君 これは松崎議員が呼び付けたんですか、それとも基地司令自ら行ったんですか、どちらですか。
#47
○国務大臣(北澤俊美君) 松崎議員の方から要請があったようであります。(発言する者あり)
#48
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 佐藤正久委員、もう一度御質疑を願います。
#50
○佐藤正久君 大臣は民主党議員から抗議はなかったと言われましたけれども、実際、松崎議員が基地司令を呼び付けて抗議しているじゃないですか。答弁違うんじゃないですか。
#51
○国務大臣(北澤俊美君) 正確に申し上げますが、今、佐藤委員は我々がこの報告を聞いたときに抗議があったのかと、こういうお尋ねでありましたから、その時点ではなくて、その後、佐藤議員の方から話を聞きたいから来てくれと、こういうふうな連絡があって……(発言する者あり)松崎議員、ごめんなさい、松崎議員からそういう依頼があったんで、先ほど申し上げたようなことになっています。
#52
○佐藤正久君 もう答弁がおかしいですよ。
 実際、聞いてみると、民間人からもだれも抗議も苦情もない。苦情を言っているのは松崎議員だけじゃないですか。しかも、十一月四日、その松崎議員のところでいろいろ抗議があった。でも、抗議のほとんどは、後半部分は夏の納涼祭のクレームだったそうじゃないですか。違いますか。
#53
○国務大臣(北澤俊美君) 松崎議員は、抗議ということではなくて事実関係を知りたいということだろうと思いますが、要するに話を聞かせてくれということで、向こうから呼出しがあったということでございます。
#54
○佐藤正久君 もう全然認識が間違っていますよ。
 前回、丸川委員の要望に従って調査をすると言われました。調査結果はどうなりましたか。
#55
○国務大臣(北澤俊美君) 基地の隊員からはおおよそ聞き取りは終了をしているというふうに聞いていますが、松崎議員については、今副大臣の方から党の方へ調査を依頼してあります。
#56
○佐藤正久君 いつこの委員会に報告しますか。(発言する者あり)
#57
○委員長(前田武志君) 質問の中身は分かりましたですか。(発言する者あり)ちょっと中身を今把握しかねたようでございますので。
#58
○佐藤正久君 その調査結果をいつこの委員会に報告されますか。
#59
○国務大臣(北澤俊美君) これは議会の方で決めていただくことでありますから、私どもは今、聞き取り調査、そしてまた党に調査を依頼しておりますので、まだ完成はしておりませんが、議会でお決めをいただければそれに従います。
#60
○佐藤正久君 委員長、これの、早急に調査結果の当委員会への報告を求めます。そんなに時間が掛かる調査ではないはずです。お願いします。
#61
○委員長(前田武志君) 今の佐藤委員の申し越しについては後刻理事会において協議をさせていただきます。
#62
○佐藤正久君 今までの論議をまとめますと、すなわち防衛省が問題としている政治目的のために自衛隊の施設を提供したという誤解を招くというものは、これは参加者からの抗議もない、実際に参加者にヒアリングもしていない。また、問題とされる航友会長の発言、これも会長にも裏を取っていない。しかも、抗議を受けたのは松崎議員だけ。その松崎議員も、どちらかというと夏の納涼祭の恨み、私怨に基づいて抗議したというおそれすらある。防衛省はそういう状況でこの通達を出した。極めていいかげんだと思いませんか。
#63
○国務大臣(北澤俊美君) この件については自衛隊法に基づいて対応をしておるだけでありまして、我々とすれば、部隊の施設の中で行われた会合において発せられた発言について、私たちは危機感を感じて指示を出したと、そういうことであります。
#64
○佐藤正久君 もう全く客観性を欠いていますよ。先週の答弁では、すごくみんなで議論をした議論をしたと、十分精査をしたと。全然精査してないじゃないですか。非常に客観性を欠いているし、事実関係も確認していない。大問題ですよ。
 これ、ややもすると、大臣、大臣の責任問題にも当然及びますよ。大臣規範、公務員との関係で政治的中立性を大臣は求められています。でも、今回、松崎議員の抗議というものをうまく利用して、民主党批判をするという言論を封殺するために通達を大臣が出させたという誤解を受けかねませんよ、これは。
 撤回すべきだと思います。いかがですか。
#65
○国務大臣(北澤俊美君) 今、佐藤委員も言われましたように、まさに誤解を招きかねないという立場で……(発言する者あり)言われましたが、私どもとすれば、法に基づいたものに抵触する可能性があれば、これは真摯に対応しなきゃいかぬわけでありまして、そういう意味で、私とすれば、この会場を利用していただいた航友会の会長のあいさつというものはこの法そしてまた政令に抵触するということで、自衛隊そのものが誤解を招かないように処置をしたということであります。
#66
○佐藤正久君 大臣、だれも誤解してないんですよ。誤解しているのは一部の議員だけじゃないですか。実際、ヒアリングもしていない。よく言いますよ。全然、今回の会長の発言を聞いて、参加者だれも抗議がない。だれも、私が聞いている限り、誤解を招く、自衛隊が施設を民主党打倒のために貸していると思っていませんよ。逆に民主党が、大臣が、自分の立場を利用して言論封殺のために、民主党の批判を封殺するためにこれを出したという逆の誤解を招くと思いますよ。
 もう一度言います。もう一回撤回をして再考すべきだと思いませんか。
#67
○国務大臣(北澤俊美君) これは是非御理解をいただきたいんでありますが、御案内のように、自衛隊法にきちんと定められておるいわゆる六十一条、施行令八十六条、八十七条、これに手をこまねいていたということになれば、政治的中立をもってシビリアンコントロールをきちんと機能するような組織を常に私たちは心掛けていかなきゃいけない。(発言する者あり)
#68
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
#69
○国務大臣(北澤俊美君) かつて自衛隊にも所属された委員でありますからその辺のことは十分御承知だと思いますが、我々は言論を封殺するとかそんなことは全く考えておりません。自衛隊がいかに国民から信頼をされ、そして自律できていくかということに焦点を絞って今回通達を出したわけであります。
#70
○佐藤正久君 大臣、航友会の会長は非常に自衛隊を愛し国を愛している方なんですよ。彼はずっと支援をしてきた。彼が非常にそういう気持ちをいつも代弁をしています。それを聞いて、ああここまで自衛隊を愛する方が民主党に対して批判があるなら、それを甘んじて受けて頑張らないといけないと思うのが普通ですよ。それをいきなり言論封殺、これ絶対おかしいですよ。
 それでは、法制局長官の方にお伺いします。
 この通達自体に私はかなりの問題があると思います。一般論ですけれども、自衛隊の事務次官通達、これは隊員に向けて発するものであって、部外の民間人に向けてあってのものでは絶対ならない。違いますか。
#71
○政府参考人(梶田信一郎君) お答えいたします。
 個別の通達に関するお尋ねにつきましては内閣法制局といたしましてお答えする立場ではございませんので、通達の効力などにつきましての一般論としてお答えを申し上げたいと思います。
 通達といいますのは、国家行政組織法第十四条第二項によりますと、各省大臣などがその機関の所掌事務について命令又は示達するために所掌の諸機関及び職員に対し発するものでありまして、職務運営に関する細目的事項、法令の解釈、運用方針などに関する示達事項をその内容としていると言われております。
 このように、通達はそもそも行政機関の職員に対しまして行政の統一を図るなどのために発するものでありまして、そもそも一般の国民に対する法的拘束力を有するものでないことは当然でありますが、その運用につきましても、このような通達の性質及び趣旨、目的、その範囲内で行われるべきものであるというふうに考えております。
#72
○佐藤正久君 全くそのとおりですよ。
 これは自衛隊に対しての通達であって、通達によって民間人の行動を拘束したりあるいは民間人の表現の自由を奪ってはいけない。違いますか、法制局長官、もう一度お願いします。
#73
○政府参考人(梶田信一郎君) あくまで一般論としてお答えをいたしたいと思いますが、通達といいますのは、先ほど申し上げましたように、所管の諸機関、職員に対しまして各省大臣等が発するものでございまして、一般の行為を規制するという法的な拘束力を有するものではないということは当然でございます。
 また、その運用につきましても、こうした通達の性質、趣旨、目的の範囲内で行われるべきでございまして、その範囲を超えまして国民の権利、自由を制約するようなことがあってはならないというふうに考えております。
#74
○佐藤正久君 長官、もう一度お伺いします。
 この事務次官通達によって当該部外者に参加を控えるよう要請したり、部外の協力諸団体の会合に隊員を参加させないということをもって、それが有形無形の圧力となって結果的に民間人を拘束するということになれば、憲法の十九条、二十一条の関係で問題とはなりませんか。一般論でお願いします。
#75
○政府参考人(梶田信一郎君) 通達の一般的な効力等につきまして今申し上げたとおりでございます。ただ、具体的な通達がどういうふうな性格を持つものか、どういう効力を持つものか、それからそれが今御質問にありましたように権利、自由を制約するものであるかどうか、こういったことにつきましての答弁は私の立場からは差し控えさせていただきたいと思います。
#76
○佐藤正久君 今一般論で聞いているんですよ。その通達によって有形無形の圧力になって、結果的に民間人を拘束することになったら憲法違反じゃないんですかと聞いているんです。(発言する者あり)
#77
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
 質疑者が質疑をされているときに大きな声を出されると答弁者に質疑の意図が届いていない可能性があります。もう一度、質疑者、御質疑をお願いします。
#78
○佐藤正久君 通達によってそれが有形無形の圧力となって、結果的に民間人を拘束することになれば、憲法十九条、二十一条の関係で問題ではありませんかと聞いているんです。
#79
○政府参考人(梶田信一郎君) 先ほどお答えしたことの繰り返しになるかもしれませんけれども、通達というのは、そもそも所管の諸機関、職員に対しまして発するものでございまして、一般の国民を規制するという法的性質を持っているものではないというふうに考えております。
#80
○佐藤正久君 じゃ、資料三を見てください。
 これが自衛隊の方から外に発出されている依頼文書の抜粋です。これは自衛隊内、自衛隊外を問わず、自衛隊が誤解を受けないよう民間人に発言を控えろと明確に書いているじゃないですか。発言を控えろと、これをやっているんですよ。
 法制局長官、この部隊長からの協力団体の長への働きかけ、これは通達の位置付け、問題意識、目的を超えていると思いませんか。
#81
○政府参考人(梶田信一郎君) お答えします。
 通達につきましては、先ほど申し上げましたように、あくまで部内の職員等に対しまして発するものでございまして、外に対する法的な拘束力、部外者に対する法的な拘束力をそもそも持っていないということでございます。
 それで、具体的にある通達がどういうものであるか、それにつきまして私の方からこれがこういう趣旨のものであるとかという点につきましてお答えすることは立場上差し控えたいと思います。(発言する者あり)
#82
○佐藤正久君 大臣、この通達と一緒にこの例文まで出しているんですよ、大臣。(発言する者あり)だから、通達とともにこの例文まで出している、そこに発言を控えていただきますよと明確に書いているんですよ。この結果、どんなことが現場で起きているか、大臣、聞いていますか。
#83
○委員長(前田武志君) ちょっと委員諸君にお願いをいたしますが、質疑者の近傍の方々の、元々地声の大きい方々のやじは、マイクに収録するものですから、非常に答弁者において聞き難くなっているようであります。是非、幾分トーンを下げて御静粛にお願いをいたします。
 それでは、北澤防衛大臣。
#84
○国務大臣(北澤俊美君) 今、佐藤委員が言われた、御発言を控えていただきますよう切にお願いと、ここだけ今取り上げられましたけれども、その前に、防衛省・自衛隊の施設内などにおいて、隊員の政治的中立性に誤解を招くような御発言をと、こういうふうになっておりまして、あくまでもこれは自衛隊員に対する通達でありますから、一般人に対してはやっておるわけではございません。
#85
○佐藤正久君 間違っています。これは部隊長から外に対する依頼文ですよ。実際、これは通達のことを言っているんですよ。実際、現場で、通達と一緒にこの依頼文をもって通達を守ってくださいと言っているんですよ、大臣。これは憲法違反じゃないですか。
#86
○国務大臣(北澤俊美君) 今まさに憲法違反というお話がありました。そういう誤解が生じないように丁寧に説明をしておるわけであります。
#87
○佐藤正久君 全く分かっていませんよ。通達と一緒にこの依頼文を出して、通達を守ってください、発言を控えてください。全く民間人に対する言論統制じゃないですか。違いますか。
#88
○国務大臣(北澤俊美君) 私どもは、自衛隊員がとにかく政治的中立性を担保できるかどうかということに焦点を絞っておるわけでありまして、したがって友好団体の皆さん方にこの通達の趣旨を十分御理解をいただく、そういう趣旨でお話を申し上げておるわけであります。
#89
○佐藤正久君 これは先ほど法制局長官からありましたように、結果的に民間人の発言を抑えているんですよ。しかも、一緒に通達まで渡して守ってくださいと言っているんでしょう。実際、現場で協力団体の長から、自衛隊員がかわいそうに、なぜ自衛官のあなたが民間人の私に言論統制するんですかということまで言われているんですよ。現場を承知していますか、大臣。
#90
○国務大臣(北澤俊美君) これは、過日官房長官も答弁しておられますけれども、自衛隊の政治的中立性の確保は極めて重要なので、自衛隊施設内での発言には一定度の制約はお願いすると。これは、自衛隊員そしてまた自衛隊そのものの国民の信頼を勝ち取っていく上での極めて重要なことだという認識でやっておるわけであります。
#91
○佐藤正久君 じゃ、資料の四を見てくださいよ。この通達を図式化したものですよ。これ、部外における祝賀会とか講演でもそうですよ。この通達によると、内局から出ているものは、部隊長等に、その主催者あるいはそこでしゃべる来賓等に対して事前にその発言内容を確認して、それが要求が受け入れられないときは部隊長はそこに参加しないと言っているんですよ。これは間違いなく民間人に対して拘束力を与えていると、そう思いませんか。
#92
○国務大臣(北澤俊美君) 祝賀会であるとか講演、これは部外ということですね、そこに御招待をいただいて、あいさつ又は紹介を受けると、こういう場合については、その会の趣旨等をしっかり把握しなければなりませんから、先ほど来申し上げておりますように、仮にある強い主張をする、例えば日本の国に自衛隊は必要ないというようなことを趣旨とする団体であれば、それは趣旨をよく承知をした上で御辞退を申し上げると、そういうことであります。
#93
○佐藤正久君 そんなふうにこの通達で読めるわけないじゃないですか。今まで政治的中立性という話と全然違うじゃないですか。これは、部隊長が部外の行事や講演に参加する場合、事前に主催者やその講演者の発言内容を確認しなさいと言っているんですよ。それの中で、民主党批判とか自民党批判、そういうもの、政権批判という発言が確認できない場合は参加しないと明確に書いているじゃないですか。
 ところが、実際に地元の部隊長が参加しないと会議が成り立たない、そういうものいっぱいあるんですよ。私もそうでした。実際これは、主催者あるいは講演者に発言するなということを自衛隊に言わせているんですよ。
 法制局長官、こういうことは、先ほどの答弁からすると間違いなく自衛隊員が憲法違反をやっている、そういうことになりませんか。
#94
○政府参考人(梶田信一郎君) 先ほどもお答えを申し上げましたように、通達といいますのは一般の国民の行為を規制するといった法的な拘束力を有しないというのは、これは当然のことでございます。
 個別の具体的な通達の内容等につきまして、私どもの立場から、これはこういう趣旨である等の具体的な点についての御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#95
○佐藤正久君 全然答えないんですけれども、部内でも問題なんですよ。
 今回、部内の方の行事、施設を貸すに当たっても、事前にその発言内容や来賓の発言内容が確認できない場合は施設を貸さないということにもつながるんですよ。結果的に部外に対しての圧力を掛けている。この通達は、隊員の中立性を保つということを言いながらも実際的には部外に効力を及ぼしている、発言をするなと。実際に民主党の議員からも批判が出ているじゃないですか。だれが考えたってこれはやり過ぎですよ。
 防衛大臣、ここまで議論を聞いてまだ撤回する気になりませんか。現場でどんなことが起きているか。恐らくこれは防衛大臣の意に沿っていない方向にどんどんどんどん今拡大していますよ。防衛大臣、もう一回冷静に今までの議論を聞いて、この通達、撤回するということをここで明言してください。
#96
○国務大臣(北澤俊美君) この事案はお互いに冷静に議論しなければ、自衛隊が我が国を守っていくという上で国民の信頼を勝ち得ないという事態が生ずれば極めて重大なことでありまして、私は先ほど来この議論を聞いておりましても、ただただ撤回しろとか非難をして、まあやじはどうとかということは申し上げませんけれども、しかし議論が冷静にされるような雰囲気の中でこれはすべきことでありまして、今、佐藤委員が御心配しております、自衛隊内で反論が渦巻いているような趣旨のことをおっしゃいました。(発言する者あり)
#97
○委員長(前田武志君) どうぞ続けてください。
#98
○国務大臣(北澤俊美君) まあそういうことで、私はこれは、佐藤委員は特に自衛隊の出身で象徴的な意味で議員活動をしておりますので、この内容については私はしっかり議論をしたいというふうに思っていますが、今ここでこの問題を撤回するなんということは私は毛頭考えておりません。
#99
○佐藤正久君 先ほど議論したように元々問題なんかないんですよ。だれも問題ない、言っていない。言っているのは松崎議員一人じゃないですか。その動機も不純かもしれない。これは調査結果が出れば分かりますけれども、そこから端を発してきて、どんどんどんどんそれが暴走している。現場の方は政策目的も駄目だというみたいな議論にまでなっているんですよ。そこは大臣、もっと現場を見ていただきたい。これについてはまだ議論を進めたいと思います。
 時間の関係で、仙谷官房長官の自衛隊は暴力装置発言の方に移らせていただきます。もう怒りを抑えながら質問させていただきます。
 もう当初この話を聞いたとき、血管がぶち切れそうになりました。官房長官、あなたの自衛隊は暴力装置だという発言によってどれだけ多くの自衛隊員が傷ついたか。今この瞬間も自分の尊い命を盾にして日本の国益や国民の命を守るために、泥水や、あるいは汗を流しながら、そういう中で頑張っている隊員がいるんですよ。どれほどの自衛隊員の方々が傷ついたか、御父兄が傷ついたか、官房長官、分かりますか。
#100
○国務大臣(仙谷由人君) 先般の本委員会における私の発言は適切でなかったということで撤回をし、謝罪をいたしました。改めて、もしこの言葉の響きで自衛隊員の方々が今佐藤先生が御指摘されたようなお気持ちになっているとすると誠に申し訳ないことでございまして、撤回をいたしまして、謝罪いたします。
 本来、実力組織とか実力部隊とか申し上げることが国会では適切だというふうに認識をしております。
#101
○佐藤正久君 全然反省していないですね。実際、官房長官、あなたの発言によって自衛隊の子供たちが学校でいじめられる可能性だってあるんですよ。事の重大さが分かっていない、全然分かっていないですよ。私がイラクに派遣されたときも、私の子供も学校でいじめられないように学校の先生はすごく気遣ってくれましたよ。警察の方々も私の家の周り、警備してくださいましたよ。
 これは単に謝罪とか反省だけで済む問題じゃないんですよ。自分のお立場を考えてください。今の国会の立場だからいい、そういう問題ではないと思いますよ。今の言葉はまた撤回してください。
#102
○国務大臣(仙谷由人君) 私は先ほど佐藤ゆかり議員の御質問にもお答え申し上げましたように、自衛隊は憲法上の存在であって、これを……
#103
○委員長(前田武志君) 仙谷長官、時間が過ぎておりますので、簡潔におまとめ願います。
#104
○国務大臣(仙谷由人君) はい。
 時代的に使うべき言葉でないというふうに思いますので、国会ではという部分は撤回をいたします。
#105
○佐藤正久君 官房長官、あなたは自衛隊に感謝していないんですよ。だから、そういう言葉が出てしまう。官房長官の立場を考えたら、やっぱり責任を取って辞職する、これが真っ当な筋だと思います。
 以上、質問を終わります。
#106
○委員長(前田武志君) 以上で佐藤ゆかり君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#107
○委員長(前田武志君) 次に、石川博崇君の質疑を行います。石川博崇君。
#108
○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。
 本日はこの予算委員会の場で初めて質問をさせていただきます。貴重な機会をいただきまして大変にありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず冒頭、この後、官房長官、記者会見で退席されるということでございますので、まず冒頭、官房長官にお伺いさせていただきたいと思います。
 先ほど、佐藤ゆかり委員そして佐藤正久委員からもございましたが、私もこの暴力装置という発言については全く同じ思いでございます。もう許し難い発言をなされたという怒りの思いでいっぱいでございます。改めて強く抗議させていただきたいと思います。
 私自身、佐藤正久当時自衛隊隊長とともに、イラクのサマーワで自衛隊の方々と一緒になって寝食を共にしながら現地の復興支援活動に取り組んだ経験を有しております。当時、中東地域専門の外交官として自衛隊の方々と汗水流しながらサマーワの地で一年半働かせていただきました。
 自衛隊の方々は、現地の厳しい治安状況また猛暑、砂あらしの中で大変な緊張とストレスを感じながらも、そういう状況にあっても常にサマーワの人たちに対して笑顔を忘れず、そして現地の方々と擦れ違えば手を振り、また有志で音楽隊を結成しては小学校に行って演奏したり、様々な努力を払いながら任務を遂行し、イラクの方々にも本当に親しまれておられました。最高度の緊張感とストレスの中で任務を果たすために励む隊員一人一人の思いがあなたに分かりますでしょうか。
 彼らは、この日本の国益を守るため、国土を守るためであれば、最高指揮官である内閣総理大臣の指揮の下、その任務を果たすために自身の命を懸けて日々の訓練の成果を生かすべく活動しておられるんです。御家族の方々もどれだけ心配されたか計り知れません。しかし、その家族の方々も国民の皆様のためという思いで、笑顔で彼ら隊員をイラクの地に送り出されたのであります。父兄会、協力隊、様々な団体もこうした隊員たちの必死の努力を真心で応援しているんです。
 先ほど、防衛省次官の名前で出された通達についても本当に信じられない話でありますけれども、官房長官、あなたは自衛隊の最高指揮官たる内閣総理大臣を補佐し、そして内閣のかなめではないですか。そのあなたから、口が滑ってうっかり本音が出たのかもしれませんけれども、自衛隊の方々に対する感謝と尊敬の念が全く感じられない発言が飛び出したことに強く抗議させていただきたいと思います。
 そして、これは単にこの場で謝罪と撤回すれば済む問題ではありません。官房長官、是非お願いしたいことが一つございます。市ケ谷の防衛省でもどこでも結構でございます、自衛隊の方々、父兄の方々に直接面と向かって謝罪する機会を設けていただけませんでしょうか。
#109
○国務大臣(仙谷由人君) そういう御提案をいただきましたので、できるだけ早い機会にそういう時間が取れるように努力したいと思います。
#110
○石川博崇君 防衛力というものは、装備品とか人員の数、もちろんこれも大事でございますが、何よりも大事なのは、隊員一人一人の士気、思いでございます。国を守り、そして国土を愛するという隊員の一人一人の思いがなければ、どんなすばらしい装備品を持っていても、どれだけ多くの部隊の隊員がいたとしても、日本の国土を守ることはできません。
 今官房長官からできるだけ早くというお話でございましたが、至急そういう場を設けて直接隊員一人一人に対して謝罪の意を表していただければと思います。
 そして次に、柳田法務大臣の広島での発言についてお伺いさせていただきたいと思います。
 今朝のニュースで法務大臣は辞任を表明されたということでございますが、まず確認したいのは、法務大臣の辞任は確定したんでしょうか。
#111
○国務大臣(仙谷由人君) 菅総理大臣が八時に官邸に柳田大臣を呼ばれて、この補正予算の議決をお願いをしなければならない、そのために柳田大臣とお話しになって、柳田大臣の方から自主的にじゃ辞任をいたしますというお話をいただいた場に私はおりました。その場で辞任届をお書きになりまして、今メモが入ってきたところによりますと、十時十五分から辞任の記者会見を始められたという一報を受けておりましたので、あと免について、任免の免ですね、免について上奏するという手続が残っているというふうに伺っています。
#112
○石川博崇君 そうすると、まだ法務大臣の辞任というのは確定していないということでございますでしょうか、もう一度確認でございます。今この時点。
#113
○国務大臣(仙谷由人君) 上奏し御裁可もいただいたということを今連絡が入りましたので、辞任の手続はすべて完了したということであります。
#114
○石川博崇君 分かりました。
 それでは、今この場では仙谷官房長官が法務大臣の代理としてお座りになられているということで、理解でよろしいでしょうか。
#115
○国務大臣(仙谷由人君) まだ辞令を受け取っておりませんが、法務大臣の兼務をせよという方針を総理から先ほども指示をいただいたところでございます。(発言する者あり)
#116
○委員長(前田武志君) 仙谷官房長官。
#117
○国務大臣(仙谷由人君) 補足いたします。
 補職辞令、つまり兼務せよという、職を補うという補職辞令が先ほど持ち回り閣議が終わったということでございますので、私が法務大臣を兼務をいたします。(発言する者あり)
 ここで……
#118
○委員長(前田武志君) ちょっと、ちょっと私の指名に応じて。石川博崇君。
#119
○石川博崇君 もう一度、じゃ確認させていただきます。
 今法務大臣、その職務に就かれているのは仙谷官房長官ということでよろしいでしょうか。そうすると、先ほどの発言と矛盾することになりますが、撤回されますでしょうか。
#120
○委員長(前田武志君) 委員におかれましては、ただいまちょうど動いている状況のようでございますから、そういうことも含めた上で、仙谷官房長官に、仙谷官房長官……(発言する者あり)ちょっと、ちょっとお待ちください。仙谷官房長官に返答をさせます。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#121
○委員長(前田武志君) それでは、速記を起こしてください。
#122
○石川博崇君 柳田法務大臣の辞職に向けての手続が確定したということでございますが、私、広島での柳田大臣の発言、本当に国民を愚弄しているとしか思えません。大臣が辞職をされた、当然のことだと私は思います。政治家というものは、その説明責任を自らが負う、自らがその政治責任を負って、出処進退はまず自分自身で判断すべきだというふうに思っております。
 先ほどの議論でも出ましたが、昨日の時点で、報道では続投というか続投を考えているという報道が報じられておりますが、今朝になりまして急にこのような展開になった件についてどういうことが理由なんでしょうか、教えてください。
#123
○国務大臣(仙谷由人君) 柳田大臣そして菅直人総理、ただひたすらこの補正審議が議了に至るようにという気持ちを込めてのことだろうと私は推測いたしております。
#124
○石川博崇君 先ほど官房長官の方から法務大臣の手続について矛盾した答弁がございましたが、その点についてもう一度明らかにしてください。
#125
○国務大臣(仙谷由人君) 別に矛盾はしていないと思いますが。要するに、本人の辞任の意思表示があり、それを辞任届をお書きになった、そこまで私も現場で見ておりますので申し上げました。そして、メモが入りましたので、記者会見を十時十五分から始めたと、これも申し上げました。時系列であります。
 御裁可という手続がないと、法律上といいましょうか日本の憲法上は、この辞任、つまり免ずる部分が御裁可がないと効果が発生していませんので、それ確認できていなかったわけですが、私が席に戻ったときに、既に御裁可を得られたようですということでございますので、そういう連絡がありましたので、したがって御裁可も得られたんで辞任の方は効果が出たと、こういうことを申し上げたところです。
 そうすると、おっしゃるように、法務大臣の席が空席になると、それでは審議ができないというのはこれは誠にもっともな話でありますが、法務大臣は、私が申し上げたように、私の生の経験では、総理大臣から、おまえが、官房長官が兼務で、ここは、ここはというか兼務でやるんだという方針を告げられておりますので、これは方針であります、その手続がまだできているのかどうなのか、この委員会に出てきておりますので私の実体験として経験しておりませんので、そこは申し上げませんでした。
 そして、席に戻ったら、いや、持ち回り閣議で補職辞令が要するに承認されたといいましょうか、確認されたといいましょうか、そういう持ち回り閣議が終わったということを聞きましたので、それで手続はすべて終わって、私が法務大臣も兼務してこれから皆さん方に御審議をお願いをすると、こういうことになりましたという、この時間的な経緯で、多少はやっぱりこの形式的手続といいましょうか、これが大事なんでありますけれども、手続をするのに何分かあるいは十何分か、何分かは掛かるということでひとつ御了解をいただきたいと思います。
#126
○石川博崇君 私はこの夏の参議院選挙で初当選させていただきましたけれども、私を支援してくださった方々、庶民の声を国政に届けてほしい、自分たちに代わって各大臣の皆様に思いを届けてほしい、そういう実直な思いで貴重な一票一票を投じてくれたんです。ところが、その大臣である、法治国家をつかさどる大臣が法務行政を全く理解していない、分からずに、答弁を窮するときには二つの言葉だけ述べておけばいいというような発言をされた、これはまさにゆゆしき事態でございます。
 柳田法務大臣は親しい身内の懇親会だったからと、理由にならない理由で弁明されておられましたけれども、支援されてきた親しい方々であればなおさらそのような発言に失望されたんではないでしょうか。
 今回、辞任という結論に至ったわけでございますが、こうした大臣を任命された菅総理大臣、そしてそれを補佐されている仙谷官房長官、こうした柳田大臣を任命された任命責任についていかにお考えでしょうか。
#127
○国務大臣(仙谷由人君) 誠に申し訳ないのでありますが、総理大臣に成り代わってそこまで私がお話を申し上げる立場にはありませんし、(発言する者あり)いや、補佐は補佐でありますけれども、任命責任の話になりますと、これはちょっと私でも御勘弁をいただきたいと思います。
#128
○石川博崇君 内閣のかなめたる官房長官がそのことにしっかりとやっぱり思いを致すべきではないかと思います。
 記者会見に出られるということでございますので、大変残念でございますが、今後しっかりとこのことについても菅総理を始め追及をさせていただきたいと考えております。
 それでは、今大変に問題になっております雇用問題について議論をさせていただければと思います。
 私は公明党の学生局長という大任を拝することになりました。党の最年少の国会議員としても、学生の皆様の声をしっかりと国政に届けてまいりたいと考えております。
 報じられておりますとおり、来春卒業予定の大学生の就職内定状況が非常に厳しい状況にございます。十一月十六日に発表された文部科学省と厚生労働省の両省の発表によりますれば、今、現時点での就職内定率は昨年よりも更に下がって、四・九ポイント低い五七・六%。調査を開始した一九九六年以来最悪の数字が出ているというふうに伺っております。昨今の厳しい経済状況を反映して今年の春の就職留年者、就職ができないために留年をする人が七万九千人、今年の春はおりましたけれども、来春は更に拡大することが想定されます。こうした状況を踏まえて、各大臣にお伺いしていきたいと思います。
 まず厚労大臣、こうした今の学生の方々の最悪の就職難が起きているわけでございますが、この原因についてどう分析なさっていらっしゃるでしょうか。
#129
○国務大臣(細川律夫君) 石川委員にお答えをいたします。
 委員が言われましたように、来年三月卒業の大学生の就職内定率が過去最低ということで、私も大変心配をいたしております。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 なぜこのように悪いのかという原因でありますけれども、その原因についていろいろ報告を受けて聞いてみたところ、一つは、景気が大変悪くて不透明感が強いと、そういうことで企業の方の求人意欲が低下をしているというのが、これが一つですね。それからもう一つは、学生の大企業、大手企業といいますか、あるいはまた有名企業、そういうところを望むという方が多い、そこでなかなか就職が決まらないということ。それからもう一つは、企業が学生を厳選をするといいますか、そういうこともあるようでございます。というのは、企業の方も、求人はしているけれども、しかしそこのところを、学生を物すごく選ぶんで、厳選してそして絞っていくと、こういうことをされているようでありまして、そういうところからなかなか内定が決まらないと、こういうことでございます。
 対策はよろしいでしょうか。
#130
○石川博崇君 はい。
#131
○国務大臣(細川律夫君) じゃ、一応、原因は……
#132
○理事(森ゆうこ君) やり取りしないでください。
#133
○国務大臣(細川律夫君) はい。原因はそのようなところではございます。
#134
○石川博崇君 今就職難の分析を厚労大臣から伺いましたが、こうした就職難の状況を踏まえて学生の方々の就職活動が非常に早期から始まっているという問題が指摘されております。大学三年のまだ夏以前からもう就職活動に掛かりっ切りになってしまうという問題があり、大学三年、四年といいますとゼミが始まり専門的な学業に集中しなければならない時期でございますが、そうした学生の本分たる学業に集中できないという事態がございます。
 こうした状況を踏まえて、私ども公明党、これまで卒業後三年間は新卒採用扱いをすることを考えたらどうかということを提案させていただいておりましたが、今般政府としてこのことを取り入れて、卒業後三年間は新卒扱いにするという方向で動かれていることは評価させていただきたいと思います。
 このことについて今経済界からどのような反応、経団連等民間の反応がどのようにあるか、経産大臣、教えていただければと思います。
#135
○国務大臣(大畠章宏君) 石川議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 卒業後三年間を新卒扱いにするようにと、こういう御提言をいただいて、私どももそういう形の流れをつくるように努力をしているところでございます。
 現在そういうことを経済界にも要請をし、例えば本日、十一月二十二日の夕方六時から七時半まで、就職・採用活動に関する大学側団体と企業団体との意見交換、検討の場というものを開催することにしておりまして、経済界の方でもこの三年間はやはり新卒扱いにしようという動きあるいは意識というものが広まってきていると考えております。また、社団法人日本貿易会は、十一月の十七日に卒業後三年以内の未就職卒業者は新卒枠での採用の対象として受け付けることを産業界が一致して実施できるよう、改めて提言もさせていただいているところであります。
 経済産業省としても、委員の御指摘を十分踏まえながら、更にこの考え方が産業界に広まるように努力してまいりたいと思います。
#136
○石川博崇君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 あと、先ほど厚労大臣もおっしゃられましたが、今就職活動、就職難が非常に起きている一つの理由として、学生の方々が大手企業を望むという傾向、安定志向が強まっているということが指摘をされております。やはり学生の方々が大手だけでなく、中小企業の魅力とかあるいは物づくりの大切さ、そうしたことを大学のカリキュラムの中等でいわゆるキャリア教育をもっと充実させていくべきではないかと思いますが、文部科学大臣、この点についていかがでしょうか。
#137
○国務大臣(高木義明君) 石川委員にお答えをいたします。
 御指摘のとおり、今大学生の就職が非常に厳しい状況にあることを認識をしております。学生の社会的・職業的自立を培う、また能力を付けることは大学の教育として重要なことでございます。私どもとしましては、来年四月から大学の教育課程の内外を通じてこの能力を付けるような制度化をしていきたいと思っております。
 また、本年度から、中小企業との連携による問題解決型の授業あるいはインターンシップなど、自立を意識をさせて実践能力を付ける、そういう意味で取り組まれております大学の就業力育成支援事業、これについてもより充実を図っていきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、社会に出てしっかり仕事ができるあるいは能力を発揮できる、そういうことを我々としては環境整備をこれからもやっていきたいということでございます。
#138
○石川博崇君 よろしくお願いいたします。
 あと安定志向が高まっているという問題を解決する上でもう一つ重要なのは、就職活動をされている学生の方々と中小企業をいかに結び付けるかということが非常に大事なのではないかと思っております。
 学生の方々、普通就職活動をされる場合、インターネット、いろんなナビで求人をしている企業を探したり、あるいは就職セミナーに行ってブースの中から自分に見合う企業を探したりするわけでございますが、そうしたネットに登録されている企業あるいは就職セミナーにブースを出す企業というものは、そのネットに登録するに当たっても、またブースを出すに当たっても、非常に高価な経済的な負担が掛かるために中小企業はこういうところに出せないという問題があり、そしてそういう問題を解決するために、今年から経産省さんの方でいわゆるドリームマッチプロジェクト、中小企業の求人能力の不足を補うための取組をされておられます。
 私どももこうした中小企業とのミスマッチを解消するための提案を幾つかさせていただいた中の一つでございまして、大変にうれしく思っておりますが、今年十月二十三日に大阪、私の地元でございますが、大阪で行われたこのドリームマッチの企業説明会に行かせていただきました。そして、京セラドームという非常に広い会場で行われていたんですが、非常に多くの学生さんが参加されておられました。活気もありまして大変にすばらしい取組だと思ったんですが、一つ残念だったのは、参加されている企業があれだけの会場をお借りしながら大変に少なかった、七十社程度しか参加していないということで大変に残念に思いました。
 もっともっと人を採用したいと思っている中小企業がたくさんある中で、そうした取組をやっていることについて中小企業に周知徹底が行われていないのではないかという気がいたします。また、ハローワークで持っている求人情報、求人されているその企業の情報なんかとの連携がうまくいっていないんだというお声もございました。
 これから年度末に向けてもう一巡このドリームマッチプロジェクトをやられるということでございますが、是非ハローワークとの連携あるいは中小企業への周知徹底をしっかりと徹底していただきたいと思いますが、経産大臣そして厚労大臣、それぞれいかがでございましょうか。
#139
○国務大臣(大畠章宏君) ドリームマッチプロジェクトについての周知徹底をどう図るかと、こういう御指摘を賜りました。後ほど厚労大臣からも御答弁があると思いますが、経済産業省としてせっかくいい活動を展開しているけれども、今御指摘のように中小企業の参加が少ないのではないかと、こういう御指摘でございます。
 現在、十一月十五日時点で登録学生数が三万八千八百七十六人、登録企業数は二千五百九十三社でございまして、私も、御指摘のとおりまだまだ少ないと、こういう感じを持っているところであります。内定者数は七百二十三人ということであります。
 今朝もこのことについて経済産業省の担当者と話をしましたが、このリーフレットというものをきちっと作って、商工会議所あるいは自治体、大学、あらゆるところを使ってこの認知度を、そしてPRといいますか、このドリームマッチプロジェクトというものを理解していただけるような活動をこの年末かけて更に力を入れてやっていこうと、こういうことも話をしましたし、さらには、中小企業団体あるいは商工会議所等にも集まりがあるときにこのような話をして協力を求めているところでございます。
#140
○国務大臣(細川律夫君) ハローワークの方でも、この経産省が実施をしておりますドリームマッチプロジェクト、これを積極的に宣伝をして、中小企業の皆さんやあるいは学生、新卒者の皆さんにこれを知ってもらうということが大事だということで、実は厚生労働省と経産省一緒になってパンフレットも作っておりまして、これは、事業主の皆さんへ、お仕事をお探しの新卒者の皆さんへというようなことで書いておりまして、あるいは裏の方は、中小企業の人材確保、育成を支援しますと、こういうパンフレットも作りまして、これをハローワークの方でジョブサポーターの皆さんが各大学などへ配ってこういうことをお知らせするとかいうこともいたしておりまして、私どもとしては、経産省と一緒になって、あるいは文科も一緒になりまして、これを宣伝をしてまいりたいというふうに思っております。
#141
○石川博崇君 このドリームマッチプロジェクト、今年一年やってきたわけでございますが、ようやくネットのホームページも整備され、また今お話もありましたが、まだまだ努力不足のところもありますが、中小企業にも少しずつ認知されているという中でございます。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 是非、今年一年で終わるのではなく来年度以降も継続していただきたいと思いますが、経産大臣、いかがでしょうか。
#142
○国務大臣(大畠章宏君) このドリームマッチプロジェクトを来年度以降も継続すべきではないかという御質問でございます。
 このドリームマッチプロジェクトは御指摘のように五月から始まりましたが、この五月からのドリームマッチプロジェクトを展開したことによって一般の民間のサイトが立ち上がり始めまして、非常にそのサイトも複数でき始めました。
 そういうことから、来年度をどうするか。民間の業種の求人サイトの動向を見ながら、私どもも来年度以降をどうするかということを検討したいと考えておりますが、いずれにしても、現在非常に厳しい雇用情勢でありますから、私としては、民間の事業者の動向は動向としながらも、できるだけ、学生さんにとっては大変貴重な機会でありますから、そういう機会を継続するということで検討すべきじゃないかということで、今事務方と来年度以降についてもこの雇用動向を注視しながら検討している最中であります。
#143
○石川博崇君 大変有り難い答弁をいただきました。
 民業圧迫という声がありますが、やはり中小企業の方々の雇用を考えれば、民間でこういった事業をやるというのはやっぱり限界があるんだと思います。是非行政の方でしっかりと進めていただくよう、よろしくお願いいたします。
 時間がなくなってまいりましたので少し飛ばさせていただきますが、ジョブ・カードについてお伺いしたいと思います。
 先般の第三弾の事業仕分でジョブ・カードを廃止するという結論が出て、先週もこの予算委員会の場で様々御議論がなされてまいりました。厚労大臣の方からは、このジョブ・カード、目的の重要性等は理解いただいていると思うので、しっかりとその目的を遂行できるよう頑張るということでございましたが、これは継続するということでよろしいんでしょうか、厚労大臣。
#144
○国務大臣(細川律夫君) このジョブ・カードにつきましては、非正規の労働者の皆さんが正規の労働者に転換をしていくという、そのためのツールとして大変大事な制度だというふうに思っておりまして、これはこれから進めていくということで御理解いただきたいと思います。
 仕分の方では、この制度そのものの重要性、これは理解をしていただいているんですけれども、それに伴う事業の方で、啓発事業などとかそういうところで少し効率が良くないとかいうような、そういう強い御指摘がございましたので、そういう効率性の問題などにはきちっと取り組みながら、このジョブ・カードについては今後とも進めていきたいというふうに思っております。
#145
○石川博崇君 蓮舫大臣、今厚労大臣から進めていくという話がありました。事業仕分で廃止するという結論は撤回するという内閣としての御判断という結論でよろしいでしょうか。
#146
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 今回のジョブ・カード関連の事業仕分におきましても、取りまとめコメントとしましては、このジョブ・カードの政策目的自体は極めて重要であると認識をした上で、ほかに同種の目的の予算と整理統合し、本来の目的である求職者のためという目的を実現し得る新たな別の枠組みを求めたものでございます。
 今厚労大臣からも答弁ございましたが、所管省において、この評価結果を踏まえましてジョブ・カード制度を求職者のためという本来の目的をしっかりと実現できる、より効率的、効果的な枠組みに発展させていただくように御検討を願っているところでございます。是非、この検討結果も踏まえて行政刷新担当大臣としても引き続き検証はしてまいりたいと考えています。
#147
○石川博崇君 別の枠組みでということでございますが、最近、その事業仕分の結果を受けて別の枠組みで出てきたものを再仕分して、また再々仕分としてというようなことが出てきているようでございますが、これは要するに、このジョブ・カードが効率等をしっかり検討した上で出てきても、事業仕分ではその目的は引き続ききちんと重要性は理解しているということでよろしいですね。
#148
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 再々仕分を念頭にとは今全く考えておりません。まずは、この政策目的の大切さは認めた上で、その手段としてより有効的な、効果的なものを考えていただきたいと、厚生労働省内でいま一度御検討をいただいています。
#149
○石川博崇君 時間がなくなってまいりましたので、今日ずっと雇用の問題取り上げさせていただいたわけでございますが、やはり雇用を拡大していく上で大事なことは、しっかりと仕事をつくる、働く場所をつくる、産業を興していく、これが非常に大事なんだというふうに思っております。
 これから伸びていく産業として私自身注目している分野として、やはり環境分野、環境技術に優れた日本の様々な技術を生かして新しい産業を興していくということが大変に重要だというふうに思っております。その点で少し御質問させていただきたいのは、今注目されているLEDの照明についてでございます。
 これは、今各地方自治体なんかでは、防犯灯などにこのLEDの照明に転換するために補助金を出したりとか、信号機を随時LEDに取り替えたりといった取組を進めているところでございますが、民間企業が省エネを考えてこうしたLEDの照明に転換するに当たって、政府系金融機関の融資が非常に積極的ではないという話を聞いております。日本政策金融公庫などはその環境産業分野に入れているという話でございますが、現場では認めてもらえないという話がございます。
 時間もなくなってまいりましたのでこれを最後にさせていただきますが、財務大臣、是非こうしたLEDの照明の取付けなど、金融融資を積極的に進めていただくようお願いできませんでしょうか。
#150
○委員長(前田武志君) 野田財務大臣、簡潔にお答えください。
#151
○国務大臣(野田佳彦君) 簡潔にお答えいたします。
 LEDですが、現実に日本政策金融公庫の国民生活事業部で環境・エネルギー対策に係る融資制度として、これ融資の対象になっております。委員の御指摘のとおり大変重要だと思っていますので、その推進に努めていきたいと思います。
#152
○石川博崇君 ありがとうございました。
#153
○委員長(前田武志君) 以上で石川博崇君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#154
○委員長(前田武志君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
#155
○松田公太君 おはようございます。みんなの党の松田公太でございます。
 今回、初めてこの予算委員会で質疑に立たせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 私は政治家になってまだ間もないですが、やはり政治家になってからは、国の理念であったり、国がどういう方向で進むべきか、これを本当に何回も何回も考える機会が民間にいたときの何十倍にも何百倍にも増えたと、このように思っております。
 国を考える上でまず考えなくてはいけないのは、人権についてだと私は思っております。人権がないがしろにされるような国であれば、国家の意味がないと思っておりますし、逆に、国は基本的人権を守ってこそ初めてその存在意義が出てくるものだと私は思っております。
 そこで、前原大臣にまずお聞きしたいんですが、前原大臣は人権についてどのように思われますでしょうか。憲法に書いてあるような文章をただ読むという感じじゃなく、是非気持ちを込めて、前原大臣御自身の心も込めてお話をいただければと思います。
#156
○国務大臣(前原誠司君) 松田委員にお答えいたします。
 初めに、憲法にということではなくというお話でしたが、ただ、やっぱり憲法というのは非常に大事でございまして、憲法の中の大きな柱の一つが、三つの柱、国民主権、平和主義と併せて大事なことが基本的人権の尊重でございまして、これはまさに国家の背骨であると思っております。どのような人も、あるいはどのような国で生まれようが、基本的自由、そして人権、こういったものは守られるべきだと思いますし、普遍的な価値として、日本はまだまだそれは改善されなきゃいけない面もあるとはいえ、かなりのレベルに私はあると思いますけれども、世界各国がひとしく、そういった人間が享受すべき基本的な考え方というものが普遍的に広まるように我々も努力をしていくべきだと、このように考えております。
#157
○松田公太君 ありがとうございます。
 世界各国にというお話までしていただきましたので、ちょっと実は私、次の質問で各国のことはとお聞きしようと思ったんですが、それは飛ばさせていただきまして次の質問に移りたいと思うんですが、その次の質問に移る前に、是非、私が実は前回提出しました質問主意書について一言言わせていただきたいと思っております。
 これは実は、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の問題に対して質問をしたものです。私も新人議員なりに一生懸命考えて一生懸命書いて、若干長文だったかもしれませんが、提出させていただきました。それに対して、十一月九日、答弁書が戻ってまいりました。こちらでございます。もちろん、答弁者は内閣総理大臣菅直人となっております。私は正直言って、この答弁書が手元に届いたときにわくわくしながら開いていました。実際、中を読んでみて、がくっと本当にしてしまいました。私はこれを読んで、本当に私が新人議員だからばかにしているのかなと、このようにさえ思ってしまいました。
 中を読ませていただきます。私は、一から三について、実は三つの質問をさせていただいたんですが、それが全部一つになってしまって、一から三までについて、政府としては、劉暁波氏のこれまでの活動がノルウェーのノーベル賞委員会で評価をされたものと受け止めている、また、中国において国際社会における普遍的価値である人権及び基本的自由が保障されることが重要と考えていると、このような答弁だったんです。
 本当、これは何なんですかと。もう、ばかにしてないとしたら、これが本気の答弁だったのか、こんな答弁のやり取りで日本の国会は成り立っているのかなと、非常に私は民間にいた常識からも考えられないと思ってしまいました。全く誠意が感じられないこの答弁書、私は本当に怒りで震えてしまいました。ですから、是非、前原大臣には真摯な答弁をお願いしたいと思いつつ、次の質問に入らせていただきます。
 質問主意書と基本的に同じ質問になるんですけれども、今年、ノーベル平和賞を取りながらも、逮捕され十一年の投獄を余儀なくされている劉暁波さんに対する中国の対応についてどう思われますか。そして、同氏が書いて提唱し、逮捕の理由になった零八憲章というものがございますが、これについてはどのように思われるでしょうか。
#158
○国務大臣(前原誠司君) 私も野党のときにはかなり質問主意書は出した方でありますし、松田委員と同じように返ってくるたびにがっかりしたと。ただ、これは議員の権利ですから、政府としてこれは閣議決定をしてお出ししているわけですから、しっかり精査していることは間違いありませんけれども、私のやり方としては、別に松田委員にお教えするのも変な話ですけれども、納得できなかったら何度も出すということを私はやりました。そして、徹底的に政府の考え方を聞くということをやりましたので、納得されなかったら私は出されたらいいのではないかと、このように思います。今まで本当に民間の部門で成功を収められて、それはポリシーを持ってやってこられたから私は成功されたと思っていますので、是非政治の場面でも納得されるまでやられたらいいのではないかと思います。でも、同じお答えになるかもしれませんが、出されても。それだけは申し上げておきたいというふうに思いますけれども。
 その上で、ノーベル平和賞の受賞をされた劉暁波氏にかかわることでありますけれども、これは総理も何度も答弁をされているわけでありますけれども、先ほど、私は、日本のみならずどの国もということを申し上げました。中国においても例外ではなくて、国際社会における普遍的価値である人権及び基本的自由というものが保障されることが我々は重要だと考えておりますし、松田委員も御承知のとおり、人権対話というのを日中間でかなり重ねてきております、これは少数民族問題とか含めて重ねてきておりまして、そういった機会をとらえて、今までも日本側の立場あるいは考え方というものは伝えているところでございます。
 劉暁波氏についても、そうした人権及び基本的自由というものが認められるべきであると思っておりますし、釈放されることが望ましいという旨を総理からも申し上げているところでございます。
#159
○松田公太君 今、総理から何度も言及されているという話がありましたが、しかしその言及内容が非常に弱々しい、本当に弱腰外交を象徴するようなメッセージしか発信していないんじゃないかなと私は感じてしまっております。総理大臣は、もしかしたら中国のことに余りにも気を遣い過ぎてそのような弱いメッセージしか発せられていないのかなというふうに私は感じております。内政干渉というものが良くないというようにも思っているのかなと思ってもおります。
 ただ、前原大臣、外務省の実はホームページを私、この前見ていましたら、そのど真ん中に人権外交という項目があったんですね。この人権外交という項目を読ませていただきます。
 大分割愛しなくてはいけないんですが、一部だけを抜粋して読みますけれども、人権外交、「国際社会の人権問題に対処するにあたっては、我が国は以下の諸点が重要であると考えています。」。そして、その諸点というのは一から四までございますが、一が一番大切だと思いますので一だけを読ませていただきますが、「すべての人権及び基本的自由は普遍的価値である。また、各国の人権状況は国際社会の正当な関心事項であって、かかる関心は内政干渉と捉えるべきではない」というふうに書いてあるんですね。つまり、内政干渉ではないということですので、もっとはっきりしたメッセージを是非私は菅総理にも官邸にも発信していただきたいと、このように思っております。
 今の、外務省の人権外交は大切な柱であって、しかも、それに関しては内政干渉ととらえるべきではないということを踏まえまして、是非、前原大臣にもう一度お聞きしたいんですけれども、菅首相はどのような劉暁波さんに関するメッセージを国内にも国際的にも発信するべきだと思われますか。
#160
○国務大臣(前原誠司君) 幾つかの点でお話をしたいわけでございますが、松田委員がおっしゃったように、人権にかかわることについて物を言うことは内政干渉ではないと我々も考えております。したがって、今回の劉暁波さんの件につきましても、釈放されることが望ましいということを申し上げているわけであります。
 同時に、私は、まず劉暁波さんのことで申し上げると、中国との絡みでいろいろおっしゃいますけれども、例えば今度のノーベル平和賞の授賞式においては、これは私は衆議院の予算委員会で答弁をいたしましたけれども、中国側からは出席をしないでもらいたいという要請は来ておりますけれども、適切に判断をするということを繰り返し申し上げてまいりました。適切に判断するというのは、それは人権あるいは平和という普遍的な価値を評価されるような式典には、日本として適切に判断するということは当然ながら出席をすると、こういうことでございまして、このノーベル賞の授賞式には日本の在ノルウェー大使が出席をさせていただくことになっております。
 したがって、先ほど配慮し過ぎではないかということも言及されましたけれども、我々としてはこの基本的な姿勢というものは貫いていきたいと、このように思っております。
 あと、欧米と日本のアプローチの仕方というところで私は若干、これは是非、松田委員にも今後お考えいただきたいのは、例えば私が外務大臣になって二か月余りになりますけれども、ミャンマーでこの間総選挙がありました。あるいはフィジーの問題というのもあります。
 このミャンマーの問題についても、あの選挙は全然駄目だということをかなり欧米は批判をしておりますけれども、もちろんあれは日本のレベルからすると全然駄目です、あの総選挙は。しかし、二十年ぶりに行われたものであるし、その後に、まあ後というのもちょっといかがかというものはありますけれども、アウン・サン・スー・チーさんが自宅軟禁を解放されたというようなことで、どのようにそれをうまく進めていくのかと。単に批判をするだけではなくて、その後押しをしてやることも、両面が必要なんではないかと。
 フィジーも、軍事政権の中で二〇一四年までには総選挙をやるということを言っているわけですから、二〇一四年なんか先で駄目だと、今すぐやれというような主張もあれば、じゃ、そういうふうに本当にやるんだねということで後押しをするということも大事なことではないかと思います。
 したがって、いわゆる民主化、基本的人権が完全に尊重されるような山に登っていくためにどのような日本として後押しをしていくのか、考え方をサジェスチョンしていくのかということも両面考えていく必要があるのではないかと私は思っております。
#161
○松田公太君 先ほどコメントの中で適切な判断をすると前原大臣がおっしゃっていたと。それは私も何回も何回も聞きました。
 実は、その点で一点だけ私はちょっと感じたんですけれども、何日もあの話題が世の中に出てから適切な判断をしますということで引っ張られてしまった。私、ちょっとそこが日本のまた弱腰外交を露呈してしまったのではないかなというふうに感じているんですよね。ほかのしかも国、EUの国々が自分たちは出席しますよと言った後に日本としてやはり出席しますと。たしか十六日だったと思うんですけれども、発表されたと思います、十一月の十六日に。ですから、そういった部分が私は、日本は弱腰だなと国際的に見ても思われてしまうような理由になっているんではないかなと私自身は感じております。
 そこで、ちょっと時間がもうありませんので、最後にもう一つお聞きしたいんですけれども、実はみんなの党で、御存じかもしれませんが、劉暁波氏を釈放してくださいと、これを中国政府に言いましょうという国会決議案を提出させていただいております。これはやはり国会の強いメッセージとして是非とも決議したいと私は思っております。この決議案について前原大臣はどのように思われますでしょうか。
#162
○国務大臣(前原誠司君) 改めて申し上げますけれども、基本的人権、そして自由、これが認められるということは、普遍的な価値であり大事なことだというふうに思います。ただ、個別の決議案についてはその院、院で、各院、会派が御議論されてお決めになることでございますので、参議院でどのような御議論をされるかということが大事なことだと思っております。
#163
○松田公太君 私、前原大臣のことを以前からよく存じ上げておりまして、一方的にですけれども、すごく注視してきた政治家のお一人だったんですけれども、是非以前のように心からメッセージを私は発していただけないかなというふうに思っております。
 もう一度お聞きしますが、この国会決議、これが、じゃ採択されることについて、それは確かに御自分とはちょっと違うと、国会決議ですからと思われるかもしれませんが、どのように思われるか、これはそうするべきかどうか、是非これを最後に教えていただけませんでしょうか。
#164
○委員長(前田武志君) 前原外務大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
#165
○国務大臣(前原誠司君) 今外務大臣をやらせていただいております。その意味では、自分の個人の意見というものを今までと同じように自由に言える立場ではないということも御理解いただきたいと思いますし、ただ、適切に判断するという先ほどのお話で、適切に判断すると私が言う前から在ノルウェー大使館には出席するようにということは申し上げてまいりましたので、どういう言い方をするかによって、何かダイレクトじゃないなという思いを持たれたのかもしれませんが、その点は御理解をいただきたいと思いますし、また先ほどの決議については、基本的な考え方については先ほど申し上げたとおり。ただ、決議というものについては、特に参議院の決議については参議院の各党各会派でお決めになることだというふうに思っております。
#166
○松田公太君 ありがとうございました。
#167
○委員長(前田武志君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#168
○委員長(前田武志君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
#169
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、午前午後に分けて税の問題を質問させていただきます。
 一言申し上げますと、この間、閣僚の失言が相次いでおります。まさに稚拙の極みだというふうに思いますけれども、人格の形成が間に合わなかった大臣が多い中で野田大臣はそれなりに品格を保っておられますけれども、委員会の質問お聞きしていますと、ちょっと発言が慎重過ぎて、政治家らしく前向きな答弁をしてもらいたいと、特に今日はそういうふうにお願いして質問に入りたいと思いますけれども。
 政府・与党は先月二十八日に社会保障改革検討本部を設けられました。税と社会保障の一体改革を検討するということでございますが、これは年内に中間取りまとめということですけれども、消費税の増税が前提となっているんでしょうか。
#170
○国務大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、先月、税と社会保障の問題を一体となって議論する政府・与党社会保障改革検討本部を設置させていただきました。最大の目的は、国民の間に一番不安があるというのは社会保障の将来だと思うんです、医療や介護等々ですね。その不安を払拭することが個人消費を喚起し、経済の停滞、これを打開をしていく一つの方法だろうと思います。
 その社会保障の全体像を、サービスの内容であるとか、内容も含めて議論をし、それを裏付ける財源をこれを一体で議論をすると。財源は、これ抜本的に税制全体を見直す中ででありまして、殊更消費税を、増税を前提にではありませんが、消費税もその見直しの当然対象にはなってくるというふうに思います。
#171
○大門実紀史君 今後の社会保障財源を考えると税収を増やさなきゃいけないというのは確かでございますが、どうも消費税ありきの議論がされていると。そもそも社会保障の財源として消費税が財源としてふさわしいのかどうかよく考えるべきだというふうに私は思っております。
 本来、税、社会保障には所得の再分配効果があるわけですけれども、つまりお金持ちからたくさん税金を取って所得の低い人に社会保障給付を行うと、所得の移転ということがあるわけですけれども、消費税は御存じのとおり、税調でも指摘されているように、逆進性がございます。所得の少ない人から重く税金を取って社会保障に充てるというのは、この再分配に逆行するやり方だというふうに思います。
 私、社会保障の財源は、やはりお金持ちほど負担してもらうという応能負担で考えるべきだと思いますが、野田大臣はいかがお考えですか。
#172
○国務大臣(野田佳彦君) 社会保障、これを推進すること自体が再分配機能を強化するということになると思います。
 これは委員の御指摘のとおりだと思うんですが、問題はその財源なんですよね。御案内のとおり、毎年一兆円を超える自然増ということでございますので、それに対する対応をしないと、この社会保障制度の持続可能性を担保することはできないというふうに思います。
 その中で、やっぱりこれ社会保障の財政需要は大きいものですから、やっぱりそれを賄えるというものでなくてはいけないということと、あるいは経済の動向とかあるいは人口構成の変化に左右されにくい、そういう税が必要だろうという意味では、消費税は私はその一つの選択肢にはなり得るというふうに思っておりますし、勤労世代とか特定の人への負担に集中しないこと、貯蓄や投資を含む経済活動に与えるゆがみが小さいこと等々の特徴を有してはいるというふうに思いますが、いずれにしても、その本格的な議論の際には逆進性対策も含めた議論をしていくことになるだろうと思います。
#173
○大門実紀史君 社会保障財源は応能負担でやるべきではないかという、そもそも論を伺ったんですけれども。
#174
○国務大臣(野田佳彦君) 社会保障自体がこの格差是正につながる再分配機能を持っているということでございます。その上で、税としては何がふさわしいかはまさにこれからの議論だと思います。
#175
○大門実紀史君 資料一をお配りいたしました。これは政府の年次経済報告書から抜粋して作ったグラフでございます。
 海江田大臣、ちょっと内容を説明していただけますか。
#176
○国務大臣(海江田万里君) 大門委員にお答えをいたします。
 私ども内閣府が作りました平成二十一年度の経済財政白書から引用をいただきました。これ、OECDの加盟国二十一か国を実はデータとして取っておりまして、先生のお作りになりました表はそのうちの幾つかの国でございますが、公的移転の再分配効果、これは括弧書きしてございますとおり、主に社会保障の現金給付、これは御覧いただければお分かりになるかと思いますが、このOECD二十一か国の中で極めて低いところにございます。ただ、日本がこれは一番低いということではございませんで、この下にアメリカと韓国がございます。
 それから、税の再分配効果でございますが、この税の再分配効果につきましては、これはもう日本が一番低くなっております。これがこの私どもの白書に作りました表でございます。
#177
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 日本は税の再分配効果がこんなに低くなっているということを前提に考えるべきだというふうに思います。
 資料二枚目に用意いたしましたけれども、再分配効果がOECD最低というのは、要するにお金持ちから税金を余り取っていないということでございます。資料二枚目にお配りいたしましたが、これは政府税調で議論された資料でございます。
 野田大臣、どういう資料か、何が議論されたのか、説明してください。
#178
○国務大臣(野田佳彦君) 御指摘の資料は、もうむしろ大門議員が一番よく御存じだというふうに思いますけれども、この資料をベースに政府税調で議論させていただきました。
 これは、申告納税者について、所得階級に応じた所得税の負担率と所得金額に占める株式譲渡の割合を表したものでございます。
 所得税は、これ累進性を基本としていますけれども、本来はだから所得が上がるにつれて負担率も上昇すると考えられるんですが、実際はこのグラフのように、一定の所得水準から下降して累進性を失っているというのが現状でございます。所得税の負担率が下降するにつれて、所得金額に占める、これ青い線出てきますが、株式譲渡の割合が高くなるという傾向がこのグラフからは読み取ることができると思います。
 こうしたことを踏まえまして、一定の所得水準から所得税が累進性を失っている原因の一つとして、分離課税としている金融所得に対して低い税率が適用されていることが考えられるということをこの資料は示しているということでございます。
#179
○大門実紀史君 これは税調の資料ですけれども、私の本に載せた資料でございまして、それを税調で議論してもらっているというのは大変光栄でございますけれども、税調でもこれは見直すべきだという議論がかなりされております。見直すというか、もう廃止をすべきだという議論がされておりますが、もうそろそろ、私この問題、もう四、五年前から廃止すべきだということをこの委員会でも何度も主張してまいりましたが、そろそろもう廃止を御決断されるべきだと思いますが、いかがですか。
#180
○国務大臣(野田佳彦君) 現行の金融所得課税、これは基本的には二〇%、比例税率適用されていますけれども、上場株式等の配当、譲渡益に係る税率については現在一〇%に軽減をしていると。これは時限的な措置であって、平成二十四年に本則に戻すということになっています。
 これを踏まえて、今二十二年度の税制改正大綱などを踏まえて議論をさせていただいておりますけれども、本則税率化に合わせて、少額上場株式等に係る配当所得等の非課税措置、いわゆる日本版ISAを導入するということなども含めて今議論をしていて、もう早く結論を出すべきだというお話ですが、大詰めを迎えているという段階でございます。
#181
○大門実紀史君 先ほど、冒頭申し上げたように、慎重な言い回しも結構なんですけど、やっぱりこれは政治的なメッセージもありますので、廃止に向けて、延長しないことに向けて大詰めの議論がされているというふうに理解してよろしいでしょうか。
#182
○国務大臣(野田佳彦君) 冒頭、委員から前向きな発言をという御要請ございましたけれども、私、一応政府税調会長という立場でございますので、その一言で結論を導き出しては、せっかく今議論をしていますので、その方向性出すことなので、そういう意味で慎重な答弁をさせていただいています。
#183
○大門実紀史君 今日申し上げたかったのは、社会保障の午後は企業負担を取り上げますけれども、社会保障の財源というのは、社会保障、税と一体で再分配効果がございますから、取る方も応分の負担、あるいはきちっと企業責任を果たしてもらうと。午後取り上げますが、ヨーロッパはそういうことをきちっと守りながら社会保障の水準を確保しているということでございます。応能負担と企業に責任を求めるという点できちっとした社会保障財源論の議論をしてもらいたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#184
○委員長(前田武志君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#185
○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#186
○片山虎之助君 今日は十一月二十二日でございまして、これから十一月下旬、十二月というと大変政府・与党には忙しい時期なんですね。来年度の予算編成や税制改正の取りまとめに当たると、こういうことでございますが、その政府のと申しますか、政権の目玉のような政策について何点かお伺いしたいと思います。
 まず、法人税の引下げなんですが、菅首相は何度も五%ぐらい引き下げると。日本の法人税はヨーロッパに比べると大体一〇%ぐらい高いと、アジアに比べると、国によって違いますよ、二〇%ぐらい高いと。こんなことをやっていると企業は海外に行っちゃうし、あるいは雇用の確保もできないと、こういう議論は前からありますよね、これはいろんな議論があるんだけれども。そこで、五%を引き下げるのはいいんだけれども、どうも財務大臣の方は下げたら上げないかぬと。下げたものを上げたら何の意味があるかということになる。課税ベースを拡大して、減税したぐらいの財源を確保したいというお考えのようですが、そうですか。
#187
○国務大臣(野田佳彦君) 財務大臣の考えというよりも、例えば我々がまとめた財政運営戦略で、やっぱり税制についてもペイ・アズ・ユー・ゴー原則、これ閣議決定しています。それから、新成長戦略でも三段構えの経済対策でも、法人税の実効税率を下げる場合は、課税ベースを広げて財源を確保するということを政府としてずっと決定をしてきていると。その枠組みの中で議論をしているということなんですが、それじゃ効果がないんじゃないかというのが委員の御指摘だと思いますけれども、要は、これ課税ベース広げて財源を確保するほかに、簡素で分かりやすい税制になるだとか、あるいは産業間、企業間で実質的な税負担の不公平感がなくなるという税の中立性を維持する、いろんな意味の効果があって無意味ではないというふうに思いますが、それはもちろん、やるからには経済が効果があるようによく知恵を出していきたいというふうに思います。
#188
○片山虎之助君 だから、程なんですよ。経団連会長に課税ベースをこんなに拡大するんならもう要りませんよと、こう言われるようなことじゃ私は困ると思うので、課税ベースの拡大、いいですよ、これは別の議論として是非やってください。そこのところは効果が上がるようにしてもらわないと、パチンコ屋だけもうかって、ちゃんとしたところが損をするようなことじゃ困ると思います。
 それからもう一つは、これは国が言い出したことなんですよ。法人住民税は仕方がありませんよ、しかし、それも補てんしてもらわなきゃ、法人事業税にこれを波及させるということは大変困るので、地方の、特に都道府県が大変心配しています。どうですか。
#189
○国務大臣(野田佳彦君) 法人住民税の御心配ということなんですけれども、法人住民税は、国税である法人税の税額が課税標準というふうになります。だから仮に法人税額が減少すればそれと同様に法人住民税もこれ減収になるということになると思いますが、さっき申し上げたとおり、これ課税ベースを拡大をして財源確保しながらという措置を出そうかどうかという議論をしているところで、その結論が出ていない段階で、法人住民税が下がるんだと、減るんだと、その補てんの話までは、だから今の段階ではする段階ではないというふうに思います。
#190
○片山虎之助君 法人住民税で、まあ試算だよね、二千四百億から三千六百億と、こういうことなんで、これは地財そのものの全体の折衝とも絡みますから大いに議論していただきたいと、こういうふうに思います。
 それからもう一つは、何でやるかというと、雇用の確保なんですよ、一つはね。あるいはこれからの競争力維持による税収の増収なんですよ。経済界にちゃんと協力させにゃいけませんよ。下げっ放しというのはおかしい。どうですか。
#191
○国務大臣(野田佳彦君) 今政府税調では、今御指摘のあった効果ですね、本当に雇用につながるのか、設備投資につながるのか、企業が海外に出る歯止めになるのか、あるいは海外から日本に立地することを促進するのか、そういう本当に効果があるかどうかの検討を併せてやっている中で、経団連ともという話でございました。今日、ちょうど朝、財務省と日本経団連との意見交換をさせていただきまして、さっきの法人税の問題も含めまして様々な御意見をちょうだいをしました。
 これからも各界各層の意見をよく参考にしながら対応していきたいと思います。
#192
○片山虎之助君 それから、時間がないから次に行きますが、子ども手当なんですよ。これも大目玉でしょう、この政権の。ところが、これは羊頭を掲げて狗肉を売ると言いましたけれども、とにかく、二万六千円が一万三千円ですよね。それで、来年度からは三歳児未満は二万円にすると。こういうことですが、そうですか、厚労大臣。
#193
○国務大臣(細川律夫君) 子ども手当についてはまだ検討中でありまして、今言われたような二万円にするとかいうのはまだ決まったわけではございません。これ今検討中でございまして、玄葉大臣を先頭にして、五大臣会合の中で決めていくと、こういうことでございます。
#194
○片山虎之助君 大体、子ども手当と言っているのは、何度も言いますが、児童手当の上に乗っているんですよ。本当の子ども手当じゃない。マニフェストを変えてもらわにゃいかぬ。だから、今地方が六千億ぐらい負担しているんですよ、児童手当分を。それも来年は続けるらしい、どうも。大体、こういう変則は一年限りという約束じゃないんですか。
 あなたに答えてもらうのがいいかどうか分かりませんが、どうぞ。
#195
○国務大臣(細川律夫君) 地方に負担をしていただくかどうか、これも踏まえてこれから決めていくわけでありますけれども、それにはやっぱり地方の人たちの意見も十分聞かなければいけないということで、せんだっても地方六団体の皆さんからいろいろと御意見も聞いたりいたしました。
 これからもまた地方の皆さんともいろいろとお話合いもしながらというふうに思っておりますが、今検討中でございまして、今ここで明確に答えるわけにはまいりません。
#196
○片山虎之助君 今度の税制改正で扶養控除をやめたり、配偶者控除をどうするかということがあるんで、地方も増収があるから取ればいいじゃないかと、こういう思想かもしれませんけれども、大体、国が言い出した国の制度で、こんな現金の一律給付みたいなものは国がやるべきなんですよ。だから皆さんのマニフェストでは全額国費と書いているじゃないですか。それを何千億も地方に負担させるというのは、私筋も通らないと思う。もしやるんなら仕組みを変えてくださいよ。子ども手当じゃない、こういう手当だと、別のものをつくってくださいよ。どうですか。
#197
○国務大臣(細川律夫君) 子ども手当につきましては、将来的には、二十五年から始まります子ども・子育てビジョン、その中でしっかりどういうふうな形でやるかを検討いたしておりますけれども、子ども手当そのものは今年もやっておりますし、是非来年も、来年度もやらなければいけないので、今それをどのような形で一万三千円に上乗せをするのか、そしてその財源をどうするのか、これ今検討中ということでございます。
#198
○片山虎之助君 地方の納得がいくようにしてくださいよ。何か妙なしわ寄せを地方に押し付けるようなことじゃ私いかぬと思います。
 時間がありませんので次に行きますが、総合特区制度の担当大臣、おられたら説明してください。
#199
○国務大臣(片山善博君) 総合特区といいますのは、従前、構造改革特区、これ小泉内閣のときにできましたけれども、これが言わば単品の規制緩和であったと思いますが、総合特区というのは、幾つかの規制緩和、それと、さらには規制緩和だけじゃなくて税制とか金融とか、さらにはできれば財政についても何らかの措置をするということで、その地域が総合的に自らのその資源を生かして創意工夫をして経済の振興とか雇用の拡大なんかに努めるという、こういう構想であります。
#200
○片山虎之助君 今までの特区は規制緩和なんですよね。今度は一種の財政援助をやるというから、そこは進歩と言えば言えるんでしょうね。ただ、中身をちゃんと当たってみなきゃいかぬと思いますが。
 その中で、農業関係者が大変心配しているのは、その特区の中で農業生産法人の要件を直したりあるいは農業委員会制度を見直すと言っているんですよ。これはもう大議論をしてやっと去年、農地法の大改正をやったんですよ。戦後初めてというぐらい大改正なんで、そういうことの慎重な私は配慮が要ると思いますよ。
 農水大臣、いかがですか。
#201
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生が申されたとおりに、昨年農地法の改正した際に、農業生産法人制度もあるいは農業委員会の役割も見直したところでございまして、そういう中で、これからこの内容を見守りながら運用の状況や効果をフォローアップしていくことが必要だと、こういうことから、現段階で更なる見直しを行うということは困難なことではないかなと、こんな認識を持っているところであります。
#202
○片山虎之助君 しっかりやってもらいたいと思います。
 そこで、国交大臣、海洋担当ということで……
#203
○委員長(前田武志君) 片山委員、時間が過ぎておりますので、おまとめください。
#204
○片山虎之助君 是非、尖閣諸島のいろんな状況を国民に啓蒙してください。国民の皆さん大分分かってきたけれども、もう一つというところがある。それを海洋担当国交大臣としてあなたにお願いいたします。
 終わります。
#205
○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#206
○委員長(前田武志君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
#207
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 十九日に続きまして雇用の問題、それから公務員給与について質問をさせていただきます。
 前回、十九日に答弁を御用意していただいておりまして、大変失礼しました。厚生労働大臣、労働者派遣法の改正に向けての御決意を伺います。
#208
○国務大臣(細川律夫君) 労働者派遣法の改正案につきましては、通常国会に既に提案をいたしているところでございます。
 この内容につきましては、御承知のように、あのリーマン・ショックの後で、派遣切りが大変多くて困窮者もいっぱい生じたというようなことから規制をいたしているところでございます。製造業に対しての原則禁止、それから登録型派遣の原則禁止などについて規制をいたしまして、労働者が安定して働けるようなそういう内容のものでございますけれども、私どもとしては、働く人たちが安定して働けるようにという改正案でございますから、是非この国会の中で議論をしていただいて、そして是非成立をさせていただきたいと、これはもう心から願っているものでございます。
#209
○吉田忠智君 これは昨年の連立政権樹立のときの三党合意でもございますし、経営側の皆さんも御理解いただいた法案の内容でございます。是非、厚生労働大臣としても早期成立に向けて御尽力をいただきたいと思います。
 次に、私は、政権交代が実現をして、雇用対策あるいは生活困窮者対策、随分充実してきたと、そのように評価をしております。それを更に進めるものとして、生活困窮者対策の目玉として、現在パーソナル・サポート・サービスという制度が検討されていると聞いております。私も大変注目をしておりますが、どのような内容か、お聞かせください。
#210
○国務大臣(細川律夫君) パーソナル・サポート・サービスというのは、これは生活上の問題を抱えている人に対して必要な支援、どういう支援をしたらいいのかということを探し出して、福祉、それから保健、就労、様々な支援施設、そういうところに同行して、そして問題の解決に取り組むと、こういうものでございます。
 パーソナル・サポート・サービスの、じゃ担い手はどうなのかといいますと、これは福祉、就労支援分野に関して知識や経験が豊かなそういう人たちにやっていただこうと、こういうことを考えております。これらの担い手を確保するためには十分な予算も要るわけでありますから、予備費でこれを措置したところでございます。
 このパーソナル・サポートというのは、一人一人困窮者、困難な方に寄り添って、そして支援をして、きちっと職が、生活あるいは就職ができていくような、そういう制度でございます。
#211
○吉田忠智君 しっかり効果が上がるように充実した制度にしてもらいたいと思いますし、それに従事をされる方々の給与や勤務労働条件についてもしっかり配慮していただきますように要請をします。
 次に、公務員の人件費削減問題について伺います。
 民主党はマニフェストで国家公務員の人件費を二割削減というのを盛り込みました。これまで国会でも随分議論になってきましたけれども、どうも私の印象では数字が独り歩きしているのではないか、バナナのたたき売りみたいな議論になっているのではないか、そのような気がしております。
 お手元の資料の、最初の資料の人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較、これでもお分かりのとおり、これは国、地方の公務員、そして自衛隊員の皆さんもこれもちろん含まれておりますけれども、この比較をしますと、日本の公務員数は大変少ない、最低レベルでございます。次の資料、公務員給与の推移でもお分かりのとおり、この十二年間で二〇%近く減少しております。
 申すまでもなく、公務員給与は民間企業の給与の実態調査を人事院が行いまして、そして勧告をして今日まで公務員の給与制度が確立をしてまいりました。公務員の給与制度はなかなか難しいと思います、率直に申し上げて。もちろん、もらい過ぎというのはいけませんけれども、必要以上に公務員の給与を下げますと、また国家公務員の給与、地方公務員も影響を受けますし、また公的団体の職員あるいは民間企業、病院なども随分医療職の給料表を参考にしております。運用の仕方は随分違いますけどね。そういう様々な影響が出まして、働く者の中でもやっぱり負のデフレスパイラルという状況が出てくるのではないか、そのような懸念もしているところでございます。
 最近の様々な議論を踏まえて、公務員の給与制度は一体どうあるべきなのか、片山総務大臣に伺います。
#212
○国務大臣(片山善博君) お答えをします。
 公務員の給与はどうあるべきかというのは非常に難しい問題だと思いますが、現行制度を申しますと、公務員の給与その他の処遇については情勢適応の原則ということで、その情勢適応というのは社会一般ですから、民間の給与その他の処遇との間でバランスを失しないようにということが基本だろうと思います。それが、恐らくはそれが実現しますと、恐らく国民、住民の皆さんの理解が得られる、住民の皆さんから支えられる、国民から支えられるということだろうと思います。
 じゃ、それをどうやって実現するのかといいますと、これは、公務員には労働基本権が制約されていますから、その代償として人事院の制度がある、それを基本的には尊重するということだろうと思います。ただ、現下のこういう財政事情で、でもそれ以外のことはできないのかということはやはり考えなきゃいけない、こういう今状況にあるんだろうと思います。
 そこで、先般の十一月一日の閣議では、人勧は基本的に尊重する、完全実施をするといたしましたけれども、今後、来年の通常国会に向けて、そのいわゆる深掘りというのが妥当な言葉かどうか分かりませんけれども、そこについて関係方面と話をしながらできる限りのことをしていきたいということが今の政府の基本的な方針であります。
#213
○吉田忠智君 公務員の労働基本権の議論もこの間行われてまいりました。これは本来、国際的に公務員の労働基本権が日本は遅れていると、確立が遅れているということで、まず第一弾として協約締結権をこれを付与しようという議論がこの間なされていたわけでありますが、どうも最近は、公務員の給与を引き下げるために、国家公務員の給与を下げるために、そのために交渉しなければならない、その前提として協約締結権を付与しようというような逆さまの議論になっているような気がするんですが、そのことについて、総務大臣、どのようにお考えですか。
#214
○国務大臣(片山善博君) それはそうではないと思います。公務員の労働基本権の回復の問題については、別途これは重要な問題として議論をしましょうということであります。
 それから、それとはもちろん関係は大いにありますけれども、公務員給与の問題というのは、先ほど申し上げたような経緯と考え方の下に現在検討を進めているということで、何か下げるために労働基本権を付与しましょうということではないと私は思います。
#215
○吉田忠智君 本来の公務員制度がどうあるべきなのか、そうしたところからしっかりした議論をして慎重に検討されるように要請して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#216
○委員長(前田武志君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十三分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#217
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度補正予算三案を一括して議題とし、これより外交防衛・財政等に関する集中審議を行います。梅村聡君。
#218
○梅村聡君 閣僚の皆様、そして委員の皆様、お疲れさまでございます。民主党・新緑風会の梅村聡です。
 本日は、外交防衛とそして財政等の集中審議ということで、社会保障のいわゆる財源問題について、菅総理を始め閣僚の皆様方に質問をさせていただきたいと思います。
 本年の六月に菅総理が首相に就任をされて、これまで様々な財源問題あるいは社会保障に関するメッセージを発信してこられました。社会保障はこれまでは経済の足を引っ張るという考え方が主流であったけれども、しかし、今は社会保障というのは雇用の受皿で経済のエンジンになるということをおっしゃってこられましたし、また財政が弱ければ思い切った政策を打つことができない、さらには、消費税の議論は避けずに税制の抜本改革を行っていきたいと、こういったメッセージを発してこられました。
 今、国民が恐らく知りたいと思われていることは、これ一つ一つのメッセージは私は確かにそうだと思いますけれども、菅総理が日本のリーダーとして頭の中でどのようなグランドデザインを描いておられるのか、これを菅総理の口から説明をいただきたいというのが、これが恐らく多くの国民の思いだと思います。
 そこで、一枚目のスライドを見ていただきたいと思います。(資料提示)このパネルは、主要国、二〇〇七年度の対国民所得比の国民負担率を示しております。国民負担率とは、租税の負担率とあるいは保険料等の社会保障の負担率の合計の数字でありまして、一般的にこの数字が大きければそれは大きな政府、これが小さくなればこれは小さな政府、これは当然社会保障の給付にも比例するわけでありますが、菅総理のグランドデザインの中ではこの数字がどれぐらいの規模の国を目指していくのか、あるいはそれは具体的な数字でなくても、今よりも大きいのか小さいのか、その辺りのお考えを是非お聞かせいただければと思います。
#219
○内閣総理大臣(菅直人君) 梅村委員は元々医師でありまして、こういった分野ではまさに最も経験豊かな議員の一人だと私も拝見をいたしております。
 現在ただいま、社会保障を含めた国民負担の表を出していただきましたけれども、まさにそこにいろいろな国の性格が表れていると思います。私はよくこの席で申し上げるのは、大きく言って二つの選択があるだろうと。ある程度の負担をしても、年を取ってもあるいは子供の時代も安心できる社会を築いていくのか、それとも、できるだけ負担は、公的負担は軽くしてあとは自己責任の下でやるという選択を取るのか、この二つの大きな選択があるであろうと。私は、やはりどちらかといえば、ある程度の負担をしても安心できる社会を築くことが日本の国民にとって多くの人が望んでいることであってプラスになると、こう思っております。
 そういう中で、今出していただいたこのグラフを見ますと、スウェーデンのようないわゆる北欧の福祉のレベルの高い国は大変日本に比べても負担率が高いわけであります。日本はここに三九・五と書いて、アメリカの三四・九、ここに並べられた中ではそれに続いて低い国になっております。
 ただ、あえて申し上げますと、これには借金が入っておりません。私が、借金を含めた負担率を見ますと、現在、潜在的国民負担率ということで四三パーぐらいになろうかと思います。そういう点では、我が国も決して現在の負担が借金まで含めれば低いわけではなくて、その中で何とか質を落とさない社会保障を維持し、あるいはそれを拡大していけるかという、そこに今私たちが置かれている状況があるだろうと思っております。
 そういう意味で、今の御質問に大ざっぱに答えるとすれば、現在借金で賄っているものも含めて、何とかその範囲の中で今の水準を落とさないような、そういう社会保障をどう築くか、その場合には、維持するためにはどういう財政負担を国民の皆さんにお願いをすることがいいのか、まさに社会保障といろいろな税制を一体的に議論をしていこうということで、今検討会を党と政府の方につくっていただきましたけれども、その議論が今こそ必要なときだと、こう考えております。
#220
○梅村聡君 トータルでいえば今よりも小さな政府に向かうのはなかなか難しいのかなと、私はそのように感じております。
 それでは逆に、その負担が仮に今のままなのか、多少大きくなろうとも、この社会保障の分野は雇用の受皿になるというふうにも言われております。今年の六月に閣議決定をされました新成長戦略におきましても、この社会保障の分野、特に医療と介護の分野というのは大きな雇用を生むんだということが書かれております。具体的には、医療と介護の市場規模の拡大で二〇二〇年には二百一万人新たな新規雇用が生まれる、健康関連サービス産業では新規雇用が八十万人、そして革新的新薬・医療機器、再生医療等で三万人の新規雇用が生まれると、合計で二百八十四万人という数字がここに、新成長戦略の中には書かれております。
 一方で、平成二十年十一月四日、これは民主党が野党のときでありましたけれども、自民党政権下では社会保障国民会議最終報告書というものがまとめられております。この社会保障国民会議の答申というのは、二〇二五年度時点の医療と介護の提供体制のシミュレーション、あるいはそれに対する財源ということがシミュレーションが出されておるわけなんですが、そもそも民主党は、この二百八十四万人を始めとする新成長戦略を立てられたときに、この自民党政権でまとめられた社会保障国民会議の報告書を参考にされたのかどうかということを細川厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
#221
○国務大臣(細川律夫君) 六月に策定をいたしました新成長戦略におきます医療、介護の市場規模また新規雇用の目標につきましては、委員が御指摘になりました社会保障国民会議での医療・介護費用のシミュレーションというのがありまして、そこを参考に算出をさせていただいております。
#222
○梅村聡君 社会保障国民会議の最終報告書を参考にして作られたということになると思いますが、そうしますと、菅総理にお聞きをいたしますが、現在の民主党政権での社会保障政策はこの自民党政権のときの社会保障国民会議が生きていると、それを前提に現在政策作りを行っているということになるかと思うんですが、その辺りいかがでしょうか。
#223
○内閣総理大臣(菅直人君) もちろん、自民党政権下のこの社会保障国民会議それ自体は当時の閣議決定でつくられたものですので、法律的にそのまま引き継いでいるということではありません。
 ただ、今細川厚生労働大臣からもありましたように、我が党も、この中で議論されたことは適切な中身も多いということで、内容的には大いに参考にさせていただいているという意味では、そういう内容的には引き継いだといいましょうか、そういうふうに参考にさせていただいているということは申し上げることができると思います。
#224
○梅村聡君 内容を参考にしながら政策を進めているというお答えでありましたけれども、そうしますと、これ、なかなか難しいのは、社会保障国民会議という一つの考え方の流れがあると。でも、我々民主党はマニフェストで一つの考え方を示したと。突き詰めて言えば、ある場面においてはダブルスタンダードが起きてくるということも現実には起こってくるわけであります。
 例えば一つ例を挙げてみたいと思うんですが、今、社会保障国民会議の中では介護療養病床、これは病床には一般病床と療養病床というのがございます。療養病床というのは、長期にわたって療養を続ける方が入院されるベッドです。この療養病床の中には、さらに医療保険を使うものと介護保険を使うものがあると。この介護保険を使う用の療養病床が、今の法律事項では平成二十四年の三月三十一日をもって廃止をされるということになっておりますが、民主党の医療政策詳細版でいきますと、療養病床の数は維持するんだというふうに書かれております。
 そうしますと今現状は、じゃ、介護療養病床は、法改正をして平成二十四年三月三十一日を越えても残すという方向に向かっているのか、あるいは予定どおり、三月三十一日でこれは法改正をしなければなくなるわけですから、これ、どちらの今方向を取られようとしているのか、細川厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
#225
○国務大臣(細川律夫君) 介護療養病床、この今後の取扱いの問題でありますけれども、これが二十三年度末で廃止という方針でございますから、そういう意味ではこれ、一体どういうふうになっているかということで実態調査をいたしました。
 今年の一月から七月まで実態調査をいたしましたけれども、そうしますと、六割ぐらいがまだ未定というようなことで、介護療養病床からの転換というのが全然進んでいないということで、これを二十三年度末でこの転換をするというのはなかなか困難ではないかと。こういうことで、前の厚労大臣の方では、そういう転換困難じゃないかと、こういうことを判断をされたということでございます。
 そういう判断も踏まえて、介護療養病床の今後の扱いにつきましては、今介護保険部会でいろいろ検討をいたしておりまして、いずれにいたしましても来年の通常国会には法改正案を出さなければなりませんので、そういう意味ではこの議論を踏まえて、猶予も含めて今検討をいたしておるところでございます。
#226
○梅村聡君 今検討中と。そして、場合によっては法改正を行っていくというお答えをいただきましたが、次のパネルをお願いしたいと思います。
 この二枚目のパネルが、今申し上げている社会保障国民会議の二〇二五年度の時点でのシミュレーションの図になります。これ、大きく現状と、それから改革シナリオが三つ書かれております、B1、B2、B3と。B3というのは最も改革が進んだ形だと言われておりますが。しかし、このグラフを見ていただいて、介護施設、黄色の部分を見ていただきたいと思います。現状では介護施設の下に括弧して介護療養を含むと書かれております。ところが二〇二五年の社会保障国民会議のこの記述を見てみますと、括弧して私、はてなと書いておりますが、ここの介護療養を含むという文字が消えております。消えているということはどういうことかというと、この国民会議の下では介護療養病床は廃止ということが前提で進んでいます。
 そして、今民主党の政策集は三十八万床、これは医療療養病床、一つ上のところですけど、これを残すということになりますから、この二つのそごの中でどっちを優先していくのかというところで今検討をしなければいけない。猶予なのか恒久措置なのかということまでも今現状検討しなければならないということが起こっているわけであります。
 そこで、菅総理にお伺いをしたいと思うんですが、一つ一つの政策が一つ一つそういう議論を何回も検討していかないといけないというのは、これは私、非常に不幸なことだと思っております。これは与党、野党かかわらず、政権交代が起ころうが何しようがやはり骨太の一本の筋が必要なのではないかと。その筋を基にして医療提供体制、財源の問題、あるいは保険制度ということを考えていかないといけない。そういう考えからすれば、私は民主党版の社会保障国民会議、あるいは民主党版のグランドデザインということを真剣に時間を掛けて、これ非常にエネルギーが要るんですけれども、やるその必要があるんではないかと思いますが、菅総理の御意見をお伺いいたします。
#227
○内閣総理大臣(菅直人君) おっしゃることはそのとおりだと思っております。
 先月の二十八日にまず政府・与党社会保障改革検討本部を立ち上げました。この中で、今おっしゃったことも含めた医療、介護、年金の在り方と、そしてそれに必要な財政の在り方について等々、政府で一緒に検討しようと。こういう検討の中から、これも今お話がありましたように、こういった問題は、特に財政も含めて考えますと、一つの党だけでやり切れることを超えた問題もありますので、できれば与野党超えて共通の場で議論をしたいということを私も常々申し上げておりますし、野党の皆さんの中でもそれに近いことを提案していただいているところもありますので、できればそういう場をつくれるように努力したいと思います。
#228
○梅村聡君 基本思想に関して言えば、私、そんなに与野党で大きな差があるとは思っておりません。だから、それをきっちりつくるという努力をこれやっぱり立法府の責任、あるいは有識者の方も含めて、私はそういうことを是非提案したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、ここで、今給付のお話をしました、社会保障について。今度は社会保障の成長分野に対する投資という観点から質問をさせていただきたいと思います。これは科学技術予算に関して蓮舫大臣にひとつお伺いをしたいと思います。
 先週、再仕分ということが行われました。再仕分というのは、これは過去に行った仕分の結果がきっちり予算や政策に反映をされているのかどうか、これをチェックすることが目的であったと思います。私が今日提案したいのは、じゃ、実際にきちっと反映をされた、予算でも政策でも、その反映された政策が中長期的に効果的なものであるかどうか、このチェックも私は必要だと思っております。
 私は、今日、一つの例として私の地元大阪の茨木市にあります独立行政法人医薬基盤研究所に対する事業仕分、これを少し取り上げたいと思います。
 最初に申し上げておきますが、私はこの独法を擁護するというつもりはありません。それから、四月に出された仕分判定に従うということ、これも当然のことだと思っています。しかし、今日の質問は、研究開発独法、公的研究機関の競争的資金に対する扱いが本当にこれから国益を考えたときにどうあるべきかということを議論したいと思います。
 この独法は、仕分された中に二つの事業があります。一つは基礎研究推進事業といいまして、これは国民の健康に関する保持増進にかかわる医薬品であるとか医療機器の開発につながる基礎研究を応援する、そしてそれが実用化までつながっていくと、こういうことを応援する事業があります。これ、具体的には研究資金を配分すると。あるいは、希少疾病用医薬品開発振興事業といいまして、これは数が少ない疾患の医薬品です。これはなかなか医薬品メーカーからすると開発するインセンティブがないと。ですから、こういうものに対してきっちり助成金を交付したり、あるいは研究開発の助言をしたり指導したり、こういう事業をやっているということがありました。
 この二つの事業に対する仕分結果が、独法から国等へファンディング機能を移管する、研究交付金のファンディング機能を移管する、事業規模は現状維持ということになったわけです。
 私は、この研究配分というのは単にお金を配るだけではないと思っています。つまり、目利きの役の方がおられて、その方が審査をしてあるいは助言をして、場合によっては現地調査に行く、こういうきめ細かなことを繰り返していくことで初めて効果的な研究配分予算ができるんだと、私はそのように考えております。
 そしてまた、平成二十年六月には、我々野党のときに、与野党の枠を超えて研究開発力強化法という法律を議員立法でこれは提出をして成立しました。この二十七条にも、公募型研究開発に係る業務の全部又は一部を独立行政法人に移管することが公募型研究開発の効率的推進に資すると認めるときは、可能な限り、これを独立行政法人に移管するというふうな記述があります、これはもちろん条件付でありますけれども。
 そういうことから考えると、私は、これから五年、十年、あるいは次の世代にかかわる研究開発費のファンディング機能、これが国がやるべきなのかどうなのか。独法じゃなくてもいいです、新たな機能でも構いません。そういうことを是非議論していただきたいと思うんですが、蓮舫大臣のお考えをお聞かせください。
#229
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 基本的に、その中長期的な改革という視点においては梅村委員と私は全く同じ認識を持っています。一般的に、ファンディング事業につきましては、単に資金を配るだけではなくて、付随する調査、指導、助言、進捗状況などの検証といった、この機能自体に大変大きな意義があるんだと私は思っています。
 本来、独立行政法人に対してこうした機能を果たすことが期待されていることは本来の目的だったんですが、実際御指摘いただいた独立行政法人、医薬基盤研究所のファンディング二事業についての事業仕分の評価においては、今御指摘いただいた基礎研究推進事業については、厚労省からの出向者がファンディング対象の評価者の選定に関与をしておりまして、法人の独立性が疑われるおそれがあること。あるいは希少疾病用医薬品等開発振興事業については、厚労省が指定した企業等が自動的に助成金の対象となり、法人の裁量、金額を決定することにとどまっているんですね。こういった指摘がありまして、引き続き同法人が事業を行うべきとの意見はもちろんございましたが、独立行政法人としての特性を生かした役割を果たしていないと考えられることなどがございまして、むしろ国等が実施するべきものではないかと仕分評価がまとめられたものでございます。
 ただ、事業仕分は単に予算の削減を目的としているものではなくて、その目標に向かってより効率的、より効果的、ファンディング事業においても例外はなくその不断の見直しが行われる必要性があると思っておりますので、これは厚労省の中においてでも、他法人のファンディング事業と併せて、どうやったらより効果的な事業の手段があり得るのかを是非改革を進めていただきたいと期待をしているものでございます。
#230
○梅村聡君 きっちり仕分をして議論をして、そして実行した後に検証と修正ということを常にやれる、そういうサイクルを私はやっぱりつくることが大事で、それをやらなければ、いろんな批判であるとか、この間もいろんな思いを政務三役の方がおっしゃっていましたけれども、やっぱりそういうことになってきてしまいますから、是非そのサイクルをつくっていただきたいと思っております。
 それでは、その次に、今回の補正予算に関しても細川厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
 今回、昨年の補正予算にも組み込まれていましたけれども、地域医療再生基金、これは具体的には全国の二次医療圏ごとに二十五億円ずつ九十四か所の基金を各都道府県に積むと。それによって各地域でそれぞれの地域での医療課題に取り組む、そういう計画が立てられるわけでありますけれども、これは各都道府県が策定する地域医療再生計画に基づく事業を支援することが目的ということで、医療対策協議会や医療審議会、ここで計画が練られて上がってくるということになっております。
 ところが、実際これ、いろんな地域からどんなお声が聞こえてくるかというと、ある日突然中核病院にどんとお金が入ったと、あるいはそこの移転や建て替えということに突然だれが決めたか分からないけれども決まってしまったというような声も、すべてではございませんけれども、いろんなところから聞こえてくるわけです。
 今年の十一月四日に菅総理も衆議院の本会議で、この事業については各地域のニーズに応じためり張りのある柔軟性の高い仕組みとしているというふうに答弁をされておりますので、だれが決めたか分からないじゃなくて、是非、その地域の住民の方や患者さんや病院長さんや、医師会さんなんかも含めてもいいと思いますが、いろんな方の会議体の中でそれを決めれると、それを交付要件にしていただきたいと考えますが、厚労大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#231
○国務大臣(細川律夫君) 梅村委員の御意見はもっともなことだというふうに思っております。
 そこで、この地域医療再生基金の交付につきましては各都道府県で地域医療再生計画を作っていただくわけなんですけれども、問題はその策定をするときにどういうような方から意見を聞きながら作るかということで、今、梅村委員が言われましたように、ここは官民を問わず幅広く地域の医療関係者から意見を聴取をすると、こういうこと、これはもう最も大事なことだというふうに思っております。
 今回の補正予算におきます地域医療再生計画の作成に当たっても、当然、民間病院も含めて幅広く地域医療関係者の意見を聴取をいたしまして、その意見の内容がより一層その計画に反映されるようにこの仕組みをつくっていくということが大事でありまして、そのことについては、私ども、都道府県にきちっと要請もしてまいりたいというふうに考えております。
 今回、加算のあれもありますから、したがって、加算のときには、そういういろいろな方面の方からの御意見がきちっと入っているというようなことならばそこに更に加算をしていくとかということで、いろいろな工夫をしてみたいというふうに思っております。
#232
○梅村聡君 一点確認をさせていただきたいんですが、今、交付の要件というお話をしましたが、今年の十月八日に閣議決定をされました、これは円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策、この中の記述に、この地域医療再生基金については、都道府県に設置されている地域医療再生基金を拡充して高度・専門医療や救命救急センターなど都道府県の広域的な医療提供体制を整備拡充すると、このように書かれておるんですが、確認したいのは、これは高度・専門医療や救命救急センターに限定しているわけではないですよね。つまり、箱物に限定じゃなくて、これは例えば人材養成とか柔軟に使える仕組みですよねということを一点、確認をさせていただきたいと思います。
#233
○国務大臣(細川律夫君) これは、今回の補正予算につきまして、地域医療再生基金は広域をカバーするということで、これは第三次医療圏を対象とするものでありますけれども、高度・専門医療機関や救急救命センターの整備拡充のみならず、これらの医療機関と連携する地域の医療機関の機能を強化すると、こういうことで地域医療の底上げを支援するものでございます。
 したがって、例えば急性期を脱した患者を受け入れるための後方病床を持つ医療機関や二次救急機関の整備拡充を行うというような、そういうことも想定もいたしておりまして、委員が御指摘のような高度・専門医療や救急救命センターの整備拡充だけに限定をするというようなものではございません。
#234
○梅村聡君 地域医療の崩壊というのは、三次救急ですとか高度医療だけで起こっているわけじゃありません。これはもう地域の連携もそうですし、いろんなところで起こっているわけですから、やはりそこは柔軟に使える仕組みを考えないといけないと。地域のことを地域で決めるというのは、これは民主党の政策の一丁目一番地ですから、そこのところも是非考慮の上、交付要件を決めていただきたいと思っております。
 それでは最後に、生活保護制度について質問をしたいと思っております。
 この生活保護というのは、憲法二十五条に保障されている生存権、これを保障する重要な制度の一つなんでありますけれども、しかし一方で、現在国民の間では、例えば貧困ビジネスであるとかあるいは不正受給の問題、これはごくごく一部の問題かもしれませんが、しかし、こういうものが出てくることによって、報道されることによって国民の間での制度に対する不信感ということがやはり高まってくると、これは納税者の側からも、あるいは適切に受給されている側の方からしても非常に問題があることだと思っております。
 この中で、本年十月二十日に、これは全国の指定都市市長会の方から、社会保障制度全般のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革の提案というものが出されてまいりました。これは具体的には、今増えつつあるモラルハザードの問題、あるいは適切な受給ということをしっかり保障する仕組みを国でも議論をして、必要であれば法改正まで踏み込んでほしいという内容であります。
 このすべてに私は賛同をするわけではありませんが、しかし、この中で二点取り上げてみたいと思います。
 一つは、これは生活保護を受給される方というのは、資産、収入というものが実際には足りないということを証明すること、これが受給の要件になるわけでありますが、現実的に、今これを福祉事務所の方あるいはケースワーカーさんが金融機関やあるいは扶養義務者の雇用主にそれを聞いても、同意書がなければ答えられないと、あるいは生活保護法二十九条はそういうものを調査することができるというできる規定であって、必ずしも答えるという義務が現在の法律の中には課せられておりません。これをきっちり答える義務があるんだということをこの法律改正の中に入れ込んでほしいということが、これが市長会からの提案であります。
 私もこのことは一理あると思っておりまして、つまり今、個人情報保護法という壁がありまして、その壁があるがために正確な資産調査、収入調査というのがこれできないわけであります。そういうことを続けていきますと、これは最終的には制度の信頼にもかかわる問題になってくる、そう考えておりますから、この市長会が今提案されている二十九条の法改正、回答義務を入れようということについての見解を厚労大臣にお願いしたいと思います。
#235
○国務大臣(細川律夫君) 生活保護の件でありますけれども、指定都市市長会の方から御提案をいただいております。その御提案は、生活保護法の二十九条、これの一部を改正をしてほしいと、こういうことでございますが、その一つは、自治体が調査をするのに、申請者や金融機関などに対して正当な理由がある場合を除き回答義務、これを課すということ。二つ目は、調査対象を資産、収入に関するだけではなくて、それを広く拡大をすると、こういうことが要請として来ております。
 それで、これを、じゃどういうふうに御要望にこたえるかという前に、この御提案については、こういうことをやろうとするならば、金融機関などのまず理解を求めていかなきゃいかぬということ。それから、回答するのが義務ということになりますと、銀行なんかの手数料をどうするかというようなそういう費用の問題もあるとか、あるいは自治体によっては、義務を広げますと果たしてその義務をきちっとやれるかどうかとか、そういうようないろいろな実務上の問題もございます。
 したがって、私どもとしたら、今御提案のありましたような、それらについて運用改善でできることをまずやってみようと、こういうことで、例えば銀行などの調査については、支店だけではなくて本店でもできるとか、そういうような、まずは運用面からの改善をしていこうと。それでもなかなかまだというようなことについては、それはもうきちっと検討をいたしまして、前向きに検討もさせていただきたいというふうに思っております。
#236
○梅村聡君 この提案をまとめられたのは、私の地元の大阪の平松市長、大阪市長なんですけれども、私は、運用面ではもはや限界があるからこういう法改正というものが上がってきたんだと思っています。
 あるいは、今日はもう質問するつもりでしたけれども、私の考えですが、医療費、医療扶助についても、私は、もちろんそれを生活扶助の上にきっちりコストをオンした上できっちりお渡しした上で、生活保護を受けておられる方が窓口で一定の負担をしていただくと。これは百円一枚でもいいんですよね。それはきっちり生活扶助の上に乗せた上で、負担がないようにしながら、そういう形で医療も受けてもらうようにするというのが私は本来だと思っています。
 これは何かといいますと、社会保障というのは、皆が好きなだけ使っては、これは医療資源も介護の資源もやっぱりなくなるわけですね。ある一定のモラルの中で、国民皆保険を守る上でこの生活保護制度を運用するにはどうしたらいいのかと。あるいは有限な資源を皆が好き放題使ってはいけない、モラルをきちっと守らないといけないということも、社会保障の中には私すごく大切な観点だと思いますので、是非そのことを与野党の皆さん、枠超えて議論をこれからしていただきたいと思います。
 今日は、菅総理始め閣僚の皆さんに申し上げたいのは、やはり大きなグランドデザインをかいて、それを国民に説明する、それは与野党の枠を超えたっていいんだと。そして、社会保障であっても予算執行に関する、予算の使い方を考えないといけませんし、そしてやはり社会保障にもモラルが必要だと。今いろんな論戦活発でありますけれども、是非皆さんが力を合わせて社会保障の財源に取り組んでいただきたいと思っております。そのことを私は主張して、今日の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#237
○委員長(前田武志君) 以上で梅村聡君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#238
○委員長(前田武志君) 次に、宮沢洋一君の質疑を行います。宮沢洋一君。
#239
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。先週の木曜日に引き続いてまた質疑をさせていただきます。
 本来でありますと、先週木曜日、随分時間を費やしました柳田大臣に対するいろいろ法令上のことについてもう少し質問をしたかったわけでございますが、急遽、今朝辞任されるということでございます。
 質問をする立場からいいましても、法律的な知識は余りあるようにはお見受けしなかったし、また、テレビ等で拝見する地元の会合の発言も相当問題が多いという中で、当然辞任されてしかるべきだと思いますが、一つ非常に分かりにくかったのが、私も今日質問するというので、どうなっちゃうんだろうなと実は心配していたものですから、昨日テレビいろいろ見ていましたけれども、強い続投表明といいますか、意思を表明されていた。ところが、今朝になると、がらっと変わってお辞めになる。官邸にお入りになるような映像もございました。
 恐らく総理が引導を渡されたんだろうと思いますけれども、どんな理由で因果を含められたのか、総理、答えてください。
#240
○内閣総理大臣(菅直人君) 今日、朝八時ごろ、官邸の私の部屋においでになったというか、お招きをいたしまして話をする中で、御本人の方から、自分の不用意な発言等もあって予算の審議に影響を及ぼすのは自分としても、それは自分の思うところではないので、そういう意味で、予算審議に障害にならないためということを考えて辞任をしたいという、そういう申出をいただきまして、その場で辞表をお書きになり、それを受領したと、そういう経緯であります。
#241
○宮沢洋一君 要するに、自分は辞めろとは何も言っていないけれども、勝手に辞めると柳田さんが言ったと。
 昨日までいろんなことをおっしゃっていたけれども、あれは外向きの話で、自分としては悩まれていたんだろうと、想像するとそういう御答弁をされたような気がしますけれども、本当に続けてほしいと思われていたんですか。
#242
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、何度もこの場で申し上げましたけれども、柳田さんとはかなり古くからいろいろな委員会でも御一緒をいたしておりました。そういう中で、やはり大臣という職種は、もちろんその分野に詳しいということがあればそれがプラスになることは確かですが、必ずしもその道の専門家でなければならないというよりも、やはり全体の中で、副大臣、政務官、もちろん官僚の皆さんもおられるわけですから、そういう中で、トータルの判断ができる、そういう方が望ましいというふうに思っておりましたので、私はそういう観点から柳田議員に法務大臣をお願いをしました。
 今回の経緯は、もう皆さんも御承知のように、地元に帰って、その地元の祝賀会というんでしょうか、そういう席で話をされたことが、確かに決して本来言うべきでないことを言われたとは思います。ただ、これは与野党を超えて、これは私も身を慎まなきゃいけませんけれども、古くからの仲間が集まった席だと、ややもすればそうしたことを、そういうことを言うことが、いろんなことを言うことがありまして、私はそういった意味では、そのことが法務大臣として不適切であるなしというよりも、発言そのものは決して適切ではありませんでしたが、御本人がそれを真摯に謝罪をし、撤回をし、今後しっかりやっていこうということを言われておりましたので、私はそれがそういう形で推移すればいいのになとは思っておりました。
 ただ……(発言する者あり)ちょっとうるさいですね。
#243
○委員長(前田武志君) 続けてください。
#244
○内閣総理大臣(菅直人君) ただ、率直に申し上げて、予算の審議などに対していろいろと影響が出る傾向になりましたので、そういう中でいろいろなことを関係者とお話をしたことも事実であります。最終的には柳田さん本人が、先ほど申し上げましたように、そういったことに悪い影響を与えないようにということで自ら辞任を申し出られたというのが経緯であります。(発言する者あり)
#245
○委員長(前田武志君) お静かに願います。質疑者の近傍の方々は、質疑者の質疑が届かなくなりますので、もう少しお静かに願います。
#246
○宮沢洋一君 まだ総理には何か柳田大臣に未練があるような、こんな答弁でございますけれども、それは質疑を通じて、立った立場の私とか、また自民党の議員、野党の議員からすれば、なかなか任に堪えられる方ではないなというのが率直な気持ちですし、また、恐らくそれが国民の世論でございます。
 恐らく、法務大臣にお願いをしたという、お願いをした、大臣になった時点ではそうお考えだったかもしれませんが、その後、状況を見て、恐らく間違えたんだなと総理自身もお考えだったんだろうなというふうに推察をいたします。
 しかし、いずれにしても、任命をされたのは菅総理、あなたであります。ところで、柳田大臣はお辞めになりましたが、仙谷長官また馬淵国土交通大臣また北澤防衛大臣、それぞれにいろいろ問題を抱えられている、不信任案が出た大臣もいらっしゃる。そういう中で、総理の任命責任というのは大変重い。一国をまさに責任者としてどう切り盛りしていくか、その中心にいらっしゃるのが菅総理、あなたなんです。もう少し自覚を持ってしっかりとした内閣運営をしていただきたい。これを、これからまた同僚議員がいろいろ追及すると思いますけれども、しっかり心に留めていただきたいと思っております。
 続いて、私は政治と金の問題を少しやらせていただきたいと思っております。
 菅総理、菅総理になられたときは、まさに前総理が、また前民主党幹事長が、政治と金の問題ということもかなり大きな理由で辞められた後総理になられたわけで、菅政権のやはりかなり大事なところに政治と金をきれいにするという問題があるんだろうと思っております。
 一方で、前幹事長の方はいろんな意味でお金の問題、まだまだ脚光を浴びておりますけれども、少し前総理、前党首の方のお金の問題というのが余り今注目されていない。総理も、総理大臣を辞任するという大変大きな代償を払われているんだからというようなことをおっしゃっているようですが、鳩山前総理についての政治とお金の問題、もう片付いたと思われていますか。総理。
#247
○内閣総理大臣(菅直人君) 鳩山前総理についてもいろいろとこの間、国会でも取り上げられました。私は、鳩山前総理に関しては、私の知る限り、いろいろな裁判手続も終了しておりますし、捜査手続も終了しておりますし、そういう点では、そういう意味での公的な形での法的な問題はすべて終了しているというふうに認識をしております。
 それに加えて、今、宮沢議員からもお話がありましたように、六月の二日に、この問題だけではありませんが、普天間の問題等も含めて自ら責任を取る形で、総理を自ら辞められるという形で政治的な一つの大きなけじめも付けられたと、このように認識をいたしております。
#248
○宮沢洋一君 それでは、野田財務大臣に少し質問させていただきます。
 少し税の細かい手続にまで入らせていただきますが、恐らく国税庁の次長なりの答弁の方がいいのかなと思いましたけれども、菅内閣においては執行職と政務職というのが分かれているというようなこと、私自身、この政府の世界というのは結構知っているつもりでございましたけれども、執行職と政務職が分かれているというのは生まれて初めて聞いたわけでございます。是非とも政務職の方にしっかり指揮を執っていただきたい、そういう思いで答弁をお願いいたします。
 まず、一般論で質問をいたします。贈与税を申告していなかった、無申告だった、そして修正申告をした、修正申告をした後の国税、税務署であり国税局でありの手続というのはどういうふうになってまいりますか。
#249
○国務大臣(野田佳彦君) 委員におかれましては税務署長も経験をされているので、はるかに実務をお詳しいと思うんですが、あえてお尋ねでございますのでお答えをいたしますが、贈与税の期限後に申告書が提出をされた場合ですが、国税当局においては、期限後申告書の提出後、早期に申告内容の確認を行い、調査の要否などを判断するということになっています。税務調査を行うことによって非違事項があると認められる場合には、修正申告の慫慂や更正処分などを行っているものと承知をしています。申告内容の確認や調査などを行った結果、非違事項が認められなかった場合には申告是認ということになります。
 なお、贈与税の期限後申告書が提出された場合には、原則として延滞税を納付することとなるとともに、加算税が課されることになります。
#250
○宮沢洋一君 今ちょっと分かりにくかったんですけれども、延滞税は当然掛かりますけれども、加算税も自動的に掛かるんですか。(発言する者あり)
#251
○国務大臣(野田佳彦君) 原則として課税されるということであります。加算税、まあ、それは質問者が違いますので、そこまでにします。
#252
○宮沢洋一君 加算税若しくは、また悪質だった場合は重加算というものがあるはずでございますけれども、加算税とはどういう性格の税、また重加算税とはどういう性格の税でありますか。
#253
○国務大臣(野田佳彦君) 贈与税に対する加算税は三種類ございまして、過少申告加算税、それから無申告加算税、そして重加算税でございます。
 過少申告加算税は、申告期限内に申告書が提出され、その申告に係る国税の調査があった場合において一定の条件の下で課されるものと。無申告加算税は、申告期限内に申告書が提出されなかった場合において一定の条件の下で課されると。さらに、重加算税は、その課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した場合において、一定の条件の下で過少申告加算税又は無申告加算税に代えて課せられるという種類のものでございます。
#254
○宮沢洋一君 今、加算税、重加算税、それぞれの性格、御説明いただいたわけですけれども、本当に最も悪質だった場合は、その修正申告をしても告発、要するに検察に告発するということも可能性としてはゼロではないわけですね。一般論でございます。
#255
○国務大臣(野田佳彦君) 一般論として申し上げれば、脱税事件として検察官に告発し、刑事訴追を求める場合には、国税犯則取締法に基づき査察調査を行う必要があるということでございまして、査察事案は、脱税手段の悪質性の程度、それから脱税の規模、刑事立証のための証拠の収集の程度、こういうものを総合勘案をして、個別の事案ごとに検察庁と十分協議し、告発の要否を決定をしていると承知しています。
#256
○宮沢洋一君 今、一般論で贈与税の無申告の場合の修正申告をした場合にどうなるかということを伺ったわけであります。
 修正申告をして、調査をする必要があるかどうかということを確認し、しないということであればそれで是認ということになる。調査をして、そしていろいろ問題があれば加算税というものが課されるかもしれない。更に悪質な場合には重加算税が課される。更に悪質な場合はこれは告発という手続に移る。これが一般的な話でございます。
 そして、今回、鳩山総理の問題が起こったわけでありますけれども、鳩山総理は昨年の十二月に修正申告をされたと事務所が発表されております。七年間、十一億七千万円の贈与があり、そして五億七千五百万円納付したというのが昨年十二月末時点で事務所が発表したことでありますが、これは事実でありますか。
#257
○国務大臣(野田佳彦君) そういう報道があったということは承知をしておりますけれども、そういうことです。
#258
○宮沢洋一君 個別具体的な事件には、柳田大臣の得意なフレーズですけれども、答弁されない、こういうことでありますね。
#259
○国務大臣(野田佳彦君) いや、これは、でも、納税者の信頼と協力を前提とする税務行政の性格上、個別の納税者の課税状況については答弁を差し控えるということでございます。
#260
○宮沢洋一君 それでは、先ほど一般論で伺った修正申告を受けた後の調査というものは行われているんでしょうか。
#261
○国務大臣(野田佳彦君) これも、だから、納税者の課税状況について答弁をすることは差し控えるということでございます。
#262
○宮沢洋一君 ほとんど時を同じゅうして中内正さんという方が贈与税のまさに脱税ということで起訴され、そして判決まで至っています。たしか金額的に言いますと五億五千万の贈与ですから、まあ半分、脱税額も、修正申告か脱税かは別にしても、税額も二億七千万と、こういうことであります。
 お二人とも田園調布に御縁があって、お金持ちの親がいらしたと、こういうことだと思いますけれども、この中内さんの事件について、今日、刑事局長、来ていますね、どういう事件だったか概要だけ話してください。
#263
○政府参考人(西川克行君) お答えを申し上げます。
 まず、御指摘の事件に係る公訴事実の概要でございますが、被告人は、被告人が実父に対して負っていた約五億五千六百三十五万円の債務の免除による利益を受けたことによって実父から同額の贈与により取得したものであるが、自己の贈与税を免れようと企て、その債務の免除がなされておらず返済を行っているかのように仮装する方法で贈与の事実を隠匿した上、贈与税の納期限までに贈与税申告書を提出しないで期限を徒過させ、贈与税額約二億七千五百三十八万円を免れたというものであると承知をしております。
 御指摘の事件につきましては、本年十一月十一日、さいたま地方裁判所において、被告人に対し懲役一年六か月、三年間執行猶予及び罰金五千万円の有罪判決がなされているものと承知をしております。
#264
○宮沢洋一君 もちろん、個別の事案ですから事情はいろいろ違うんだろうと思います。しかし、一方が十一億を超えて、一方は五億五千万、脱税額といいますか税を逃れた額も倍近くあるというときに、その鳩山前総理について何にも行われていない、何にも発表できないということについて、大変有権者、国民はある意味では不公平感を持っているわけであります。
 具体的調査については中身は言えないとおっしゃっていましたけれども、少なくとも調査を早くやらせたらどうですか。普通は一年ぐらいで調査の結果が出てくるというふうに私は聞いておりますが、ともかく、法務大臣の場合は指揮権といったもの、ある程度制限するということで法律にも書いてあります。しかし、財務大臣は政務職、国税庁は執行職かもしれないけれども、指揮権については一切ないわけであります。中身についていろいろ言うべきでないということはよく分かります。しかし、総理という立場、まさに菅総理がおっしゃったように、政治的に大変重い決断をされた方につきまして調査がまだ途中だというわけにはいかなくて、調査を少し早めて早くすっきりさせてやるというぐらい、財務大臣、考えられませんか。
#265
○国務大臣(野田佳彦君) 先ほどの脱税事件との比較でありますが、金額のお話とかございました。ただ、これは検察当局が公表したわけであって、国税当局は、やっぱりいかなる状況の中でもこれは個人の課税状況については公表するべきではないというふうに思っています。加えて、個人が公表した場合でも我々は同じ立場でございまして、加えて、国税庁長官と私の関係でありますが、個別の案件について相談を受けたことは一度もこれまでありません。個別の事案について私が指導するということも、これも厳に慎まなければいけないと思いますし、これまでの政権もそれはずっと踏襲してきたというふうに思います。
#266
○宮沢洋一君 私は個別の事案をここでお話しになれと言っているわけではないんです。調査を早く終わらせたらどうだと、指示されたらどうだと言っているんです。
#267
○国務大臣(野田佳彦君) 個別案件についての具体的な指示というのは厳に戒めなければいけないというふうに思います。
#268
○宮沢洋一君 今、野田大臣、いろいろおっしゃいました。個別の案件、話ができない。しかし、この鳩山前総理の問題というのは、もうある意味では政権が替わるぐらい大きな問題であります。国民注視の問題であります。そして、税務側、財務省側からは一切答弁できないということになりますと、これはやはりもう一度、鳩山前総理にこの場に来ていただいて、しっかりとどういう調査を受けているのかということを話していただかなければ我々は納得できない、御本人にお話しいただく以外は納得できないと思っております。菅総理、いかが思われますか。
#269
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたけれども、鳩山前総理は関連する裁判手続、あるいは検察でしょうか、その調査手続等すべてが終わったというふうに理解しております。その上で御本人がこの問題も含めて政治的には総理を辞めるという形でけじめを付けられたわけでありますので、私は、それは大きなけじめということで、そういう責任を取ってけじめを付けられたものと認識をいたしております。
#270
○宮沢洋一君 今までの一般論としてのやり取りを聞いていただいたと思います。鳩山前総理の場合には修正申告をされたというところまでなんです。重加算税が課されるのか、そして告発まで行くのか、可能性としてはあるわけであります。財務大臣も否定されなかった。そういう中で、すべてが終わったというのは認識として間違いであります。その認識だけ変えていただきたい。総理、いかがですか。
#271
○内閣総理大臣(菅直人君) 税の問題に関して言いますと、個人のお金のやり取りがあったというふうにお聞きしておりますけれども、もちろんそれは税務行政という意味では公にかかわる問題かもしれませんが、お金のやり取りそのものは母上から贈与を受けたということでありますので、そのことそれ自体はやはり個人に属することではないでしょうか。税務行政という意味でいえば、もちろんそれはすべて公の問題になりますけれども。
#272
○宮沢洋一君 なかなか御理解いただけないようでありますけれども、ともかく……(発言する者あり)
#273
○委員長(前田武志君) 委員の皆様にお願いします。
 宮沢委員はソフトな語り口でございますので、余り大きな声を出されると質疑が聞こえなくなります。どうかお静かに願います。
#274
○宮沢洋一君 ともかくその認識を改めていただかなければなりません。
 それは、税に詳しい地元の人からこの間聞かれました。鳩山さん、議員辞職やめられたようだけど、やはり調査が残っている間は議員辞められないんじゃないでしょうかねというようなことまで実は思っている人がいるんです。そして、まさに今までやってきたように、告発という刑事処分の可能性もゼロではない、そういう状況で今調査が行われているという、決して終わってないんです。そこのところはしっかり認識を持っていただきたいと思います。
 そして、委員長にお願いがございます。
 今申し上げたように、具体的な話、大変総理が辞職をしたような大きな問題にもかかわらず、個別具体的な事案は一切説明できないというのが財務当局、国税当局の立場。そうなると、やはりしっかりとした、国民の知る権利からいいましても、この場において、予算委員会に鳩山前総理を招致していただいて、しっかりした質疑をさせていただきたいと思います。
#275
○委員長(前田武志君) 理事会において協議をさせていただきます。
#276
○宮沢洋一君 それでは、少し政策的な話もやりますけれども、まず為替について少し財務大臣に伺いたいと思います。
 円高という状況になってもう随分たっています。そして、日本の輸出企業を中心に相当な悲鳴が上がってきている。一方で、為替の状況全般を見ますと、しばらく前とはかなり状況が違ってきていると。
 かつては、例えばドルは強いドルというものを目指している、そういう中で国際協調をどういう形で日本は円安を望んでいくかというようなことでいろいろ協議がされたり、ターゲットゾーンというようなことまであった時代があるわけですが、残念なことに、リーマン・ショック以来この二年間、ある意味では自国通貨安政策を各国が取るようになってきてしまった。アメリカといえども明らかにドルを安くするという政策が主流になっているとしか思われない、そういう中で国際協調の在り方というものも随分変わってくるんだろうと思います。そして、今まで経験していなかったようないろんな協調のやり方というものを、我々、我々といいますか政府が中心になってしっかりと各国と協調していっていただかなければいけない。
 そういう中で、私自身は、まだまだルールはできていないものの、まさに通貨の、まさにハードカレンシーの通貨の各国の財務大臣、通貨当局が緊密な連絡を取る、そして、ある意味では個人的な関係まで深めてしっかりとしたこの通貨に対する考え方を共有するということが今最も大事になってきていると考えておりますけれども、財務大臣、いかがでございますか。
#277
○国務大臣(野田佳彦君) 委員の御指摘はまさにそのとおりだというふうに思います。
 ずっとG7、G20あるいはAPEC、財務大臣の会議もございます、中央銀行の総裁と合わせての会議が多いんですが、その中では、主要議題が今国際通貨体制の安定強化になってまいりました。それぞれちょっと利害が錯綜していますんで、一挙に物事を解決するという形にはなっていませんが、少しずつ合意されつつあるということは、やはりそのファンダメンタルズをしっかりと反映したものじゃなければいけないということと、新興黒字国を含めてやっぱり為替の柔軟化をしてもらわなければいけないということ。特に準備通貨を持つような主要先進国については、これは為替の過度な変動等をしっかりと注意深くチェックし監視をするということ等々の幾つかの合意事項はだんだん生まれつつありますが、特に来年はフランスが議長国になってG20行うことになります。
 その際には、まさにこの通貨が主要議題になると思いますし、私どもも緊密に、それ以外の、国際会議以外にももちろん通貨当局同士でコミュニケーションを図っておりますけれども、きっちり連携しながらこの問題解決に当たっていきたいというふうに思います。
#278
○宮沢洋一君 総論としてはそれでいいし、御同意いただいたわけでありますが、実は私は、野田大臣、ある意味で大変民主党政権の中で期待をしておりまして、最も真っ当な大臣ではないかなと、こう陰ながら期待をしておりますのですが、しかし一つ残念なことがあります。
 というのも、実はこういう質問をしようと思って確認をいたしましたが、大臣、外国にどの程度いらしているのかなと思ったらば、六月の終わりにいろいろ一連の国際会議がありました。そこで出張をされている。そして、その後、何と十月のワシントンまで外国に行かれていない。
 私は、財務大臣が率先してアメリカに行く、またヨーロッパに行く、そして各国の重立った財務大臣としっかりとした打合せをする。日本という国がどう考えているのか、どういう状況になるのか、そういうことを話し、また向こうには向こうの事情があるでしょう、個人的にいろいろ悩みを打ち明ける場というものが恐らくこれからの通貨の新しい姿をつくると思っていたにもかかわらず、残念ながら、大臣、六月の末にサミットで、あと北京に八月に一回行かれていますが、それ以外は十月まで行かれていない。
 私は、これ正直言いまして、今のような円高の傾向が続く、そして各国が通貨安戦争をしているという中で、財務大臣という立場は、例えば民主党の代表選挙にかまけるような、そういうふうな暇はなかったんじゃないのかな、しっかりと各国に行っていろんな打合せをしてくるべきだったと思っておりますが、いかがでございますか。
#279
○国務大臣(野田佳彦君) 六月の大臣就任後は、おっしゃるとおり、六月トロントに行ったのと八月に日中ハイレベル経済対話に出たことと、その後は、もう最近の国際会議でG20あるいはAPEC財務大臣会議等でございます。その前の副大臣のころはまたセントアンドリュースへ行ったりはしていますが、もちろん国際会議で直接お話をするという、場合によってはバイも含めて議論するということも大事ですが、フェース・ツー・フェースじゃなくてもコミュニケーションを取る手段はいろいろございますので、その意味で、連絡をおろそかにしている、意見交換をしていないということはあり得ません。これは当然のことながら意見交換はいろいろやってまいりました。今代表選のお話がありましたけれども、代表選中ももちろんこれは公務優先でそういう仕事は一生懸命やっているということでございます。
#280
○宮沢洋一君 いろんな通信手段、発達していますから、そんな御答弁かと思いますけれども、こういう時代になっても、まさにフェース・ツー・フェースということ、個人的な関係というのは大変大事なんです。電話を通じて、しかも通訳が入ってということでは、正直何のコミュニケーションも取れません。その辺はしっかりこれからやっていただかなければならないと考えております。
 時間も少なくなってしまいまして、仕分の話を一問させていただこうと思っております。
 大畠大臣に来ていただいています。
 貿易再保険特会、これはまさに貿易に保険を掛ける、リスクの高い大型案件またそういう地域の輸出等々、日本にとっては大変大事な再保険特会でありますけれども、仕分に遭いました。しかも、国から独法の方に移せと、こういう指摘を受けましたけれども、大臣としてどう考えられていますか。
#281
○国務大臣(大畠章宏君) 宮沢議員の御指摘のようにこの貿易再保険というのは大変大事なものでありまして、経済産業省としても、既に御存じのとおり、様々な形で日本のこれまでの技術あるいは経験というものを踏まえて、社会インフラの海外展開を図ろうと考えております。そのときに大事なのがこの貿易再保険でございまして、今回、事業仕分の中で御議論をいただきましたが、この貿易保険の役割というものは重要であると、こういうことはよく理解していただいたと思います。
 結果として、特別会計を廃止して、独立行政法人日本貿易保険、NEXIに移管するという事業仕分の結果をいただいたわけでありますが、私たちは、実態的にこの日本貿易保険、NEXIというものを組織体として継続するということで、実質的には御指摘のような貿易保険制度をしっかりと維持することができたと、そう考えておりまして、ただし、附帯といいますかコメントが付されておりますが、利用者に迷惑が掛かることのないようにと、こういうコメントもいただいておりますので、利用者に迷惑が掛かることのないように貿易保険制度の見直しを現在進めているところであります。
#282
○宮沢洋一君 いやいや、もっと私はもう猛烈に怒っていられるのかと思ったんですけれども、何か何となく認めてしまって、本当にそれでいいんですか。
 というのは、民主党の昨年の衆議院選挙のマニフェスト、先生はそれを掲げて当選されたわけですよね、私は落選しましたけれども。そこにはこう書いてあるわけです。独立行政法人の実施する事業について、不要な事業や民間で可能な事業は廃止し、国が責任を負うべき事業は国が直接実施することとし、法人の在り方は全廃を含めて抜本的な見直しを進める。独法なんて基本的になくせと書いてあって、全部独法持っていくなんてものを担当大臣が受けちゃいけないんですよ。
 玄葉大臣、たしか政策担当ですよね、マニフェスト。あの昨年のマニフェスト、こう書いてあるんだけど、こんないいかげんな仕分やらせていていいんですか。
#283
○国務大臣(大畠章宏君) 御指摘の件でございますが、私たちも宮沢議員の視点と同じで、基本的には、この社会インフラを海外展開するためにはこの組織というのは大変大事であります。
 独立行政法人というものの扱い方については、今、玄葉さんのところでも含めてどういう形に今後するかということですが、当面、私は、このNEXIという組織を残すことができたので、これを今後どういう形で見直していくかについては、委員の御指摘等も踏まえてやっていきたいと思います。
#284
○宮沢洋一君 何をおっしゃっているか一つ分からないんですけれども、ともかく独法をこれを基本的になくせと。民にするか、必要なものは国に吸い上げろというマニフェストであなたは戦ってきたわけです。玄葉政審会長、このマニフェストが生きているはずですけれども、そういうマニフェストがありながら逆行する、まさに独法に移すというようなことを平気でやるような仕分に徹底的に大臣は抵抗しなきゃいけない。
 そして、蓮舫大臣、もう時間がなくなったんで申し上げておきますが、やはり仕分の第一弾、第二弾、今年の春まではそれなりの私は成果があったと思う。決算を対象にしていろいろ見てくる、必要なこともありました。しかし、この秋に行われている第三弾、前半が特別会計、そして後半が再仕分。自分たちが作った予算、自分たちが認めた予算をともかく仕分をするという本当に妙なことが行われている。よくちまたでは、もう仕分の作業というのは蓮舫大臣のペットであり蓮舫大臣のおもちゃになっちゃったと、こう言われている。情けない話であります。それだけ指摘をしまして、質問を終わらせていただきます。
#285
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。丸川珠代君。
#286
○丸川珠代君 宮沢委員に続いて関連質問をさせていただきます自由民主党の丸川珠代でございます。
 先週木曜日、十一月十八日、この予算委員会の質問に立たせていただきました。次々と閣僚から謝罪が飛び出すという異常事態になりました。法務大臣が労組のパーティーで自らの仕事をなめ切った発言をし、官房長官が自衛隊を暴力装置と言って総理大臣までもが謝罪をすることになった。蓮舫大臣が立場の弱い事務方に責任をなすりつけるうその答弁を認め、岡崎国家公安委員長が答弁の内容がぶれて、合わせて五人もの閣僚が謝罪をするという事態になりました。
 大臣がうそをついたり自分の仕事をなめて掛かったり、あるいは国家を否定する本性をさらけ出したり、この政権は申し訳ないがもう中身としては終わっていると思います。何人も罷免に値する閣僚を同時に抱えている内閣、ここまでひどい内閣は見たことがありません。国民も愛想を尽かし始めているんだと思います。毎日新聞の世論調査、内閣支持率は一か月前に比べて半減です。鳩山政権の末期に近い水準ということです。
 ようやく、ようやくです、柳田大臣が辞任をしました。しかし、この辞任の経緯は極めて不思議です。昨日の夜までやらなきゃいけないことがあると言って続投宣言をしていた、カメラの前で堂々としていたのが、今朝になったらころっと辞めると申し上げている。ころころと言うことが簡単に変わるのは民主党のDNAなんでしょうか。鳩山前総理大臣は、辞めると言ったけど辞めるのやめた。菅総理大臣は、消費税一〇%と言って抱き付いたかと思ったら、突然過ぎた。古くは、前原さんが代表だったときの永田メール事件。民主党政権は平気でうそをつくDNAがあるんじゃないかと思いますが。
 正直申し上げて、菅総理、あなたは、この法務大臣、辞めて良かったと思いますか、それとも続けてほしかったと思っていますか。
#287
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど経緯は申し上げましたが、最終的には御本人の判断で辞表を提出されました。
 私は、この席でも申し上げましたように、柳田さんには十分法務大臣を務める能力があるというふうに思って任命をいたしましたが、今回は、御本人が補正予算に対して迷惑を掛けることは自分の思うところでないということで……(発言する者あり)
#288
○委員長(前田武志君) お静かに、お静かに願います。
#289
○内閣総理大臣(菅直人君) 自らの判断として辞表を出されましたので、私もそれを受け取りました。
#290
○丸川珠代君 もう一度伺いますが、柳田さんに法務大臣を続けてほしかったと思っているのか、それとも辞めてもらいたかったと思っているのか、どちらですか。
#291
○内閣総理大臣(菅直人君) この間、私は、柳田法務大臣、前法務大臣に、これからも頑張りたいと言われておりましたし、頑張ってほしいということをこの席でも申し上げました。その中で野党の皆さんからの激しいいろんな議論やいろんな主張もありまして、予算案についていろいろ影響が出てきそうだという状況の中で、御本人が最終的に判断をされて辞表を出されましたので、それを受け止めたということであります。
#292
○丸川珠代君 じゃ、何のために今朝、柳田法務大臣を官邸にお呼びになったんですか。(発言する者あり)
#293
○内閣総理大臣(菅直人君) ちょっと静かにしてもらえませんか。ちょっと静かに、ちょっと静かにしてもらえませんか。
#294
○委員長(前田武志君) 続けてください。
#295
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨日来あるいはもっと前から、この場でも野党の皆さんからもいろいろ厳しい意見もいただいておりました。しかし、それに対しては、私は先ほど来申し上げていますように、御本人が反省して、これからも頑張るという姿勢で臨まれ、私もそうしてもらいたいということを申し上げてきました。しかし、いろいろ状況はなかなか厳しさが増している中で、今日朝、私の方から柳田大臣に一度官邸にお出ましをいただきたいということでおいでをいただいて話をする中で、最終的に御本人がそうした形で辞表を提出されたということであります。
#296
○丸川珠代君 昨日の夜、柳田大臣は続投宣言を堂々とテレビカメラの前でやっていらっしゃったんですよ。続けてほしいと思うのであれば、別に今朝、官邸にわざわざ呼ぶ必要はないんじゃないですか。
#297
○委員長(前田武志君) どなたに。
#298
○丸川珠代君 菅総理大臣。
#299
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ、総理がいろんな状況が動いている中で関係する閣僚と話し合うということはほかの問題でもたくさんあるわけでありまして、そういう中で必要な閣僚を官邸においでいただきたいということは比較的私はしばしばやっております。今回も、今回もそういう一環としておいでいただきたいということで意見交換をいたしたということであります。
#300
○丸川珠代君 もし辞めてほしくなければ慰留をすればよかったんだと思うんですが。柳田大臣は会見で、総理から補正予算を通すことに柳田大臣の不用意な発言が障害となっていると言われて、自分でも不用意な発言が障害となっていると思ったので素直に辞めると申し上げたと、こうおっしゃっているわけですから、あなたが辞めなければならない環境にあるよという示唆をした結果、辞任をするという決意をしたと、こういうふうに柳田大臣は言っているわけですね。
 もし続けてほしいと思えば、あなた、慰留すればよかったんじゃないですか。どうして慰留しなかったんでしょうか。
#301
○内閣総理大臣(菅直人君) 野党の皆さんが言われることも、私、必ずしもよく分からないんですけど、示唆というのはどういう意味でしょうか。示唆というのが大分いろいろ議論になりましたけど、示唆というのはどういう意味でしょうか。
 私は、先ほど申し上げたように、いろいろな問題が起きたときに、あるいは問題が起きなくても課題があるときには、関連大臣に来ていただいて意見交換をするというのはしばしばやっていることでありますから、そういうお話をいろいろとしたということはもちろんであります。
#302
○丸川珠代君 今のは全くのすり替えです。補正予算を通すことに柳田大臣の不用意な発言が障害となっているということを柳田大臣をわざわざ官邸に呼んで面と向かっておっしゃって、言葉の外で、言外で、あなたがいるから補正予算が通せない、辞めてくれませんかということを伝えたに等しいわけですよ。あなたは、続けていただきたいということをここで言いながら、実は続けてもらいたくないということを言葉の外で柳田さんに言っていると、この食い違いがおかしいということを私は申し上げているんです。辞めてもらいたいと思っているのであれば、どうして罷免しないんですか。
#303
○内閣総理大臣(菅直人君) これはテレビで皆さんも聞いておられると思うんですけれども、じゃ結局、丸川さんは、ここで私に対して辞めさせろということを何度も言われましたけれども、そのことを言われたことと今の御質問との関連がよく分からないんですよ。国民の皆さんに説明をしてみてください。(発言する者あり)
#304
○丸川珠代君 質問に答えてない。何で罷免しなかった。
#305
○委員長(前田武志君) 答弁者におかれましては、質疑者に的確にお答えください。
#306
○丸川珠代君 なぜ柳田大臣を罷免しなかったんですか、菅総理大臣。
#307
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げたように、八時ごろにおいでをいただいていろいろ意見交換をする中で、御本人がこういう状態の中では自ら辞任をするということの申出がありましたので、それを、その辞意を受け止めたということであります。
#308
○丸川珠代君 結局、罷免させるという、あなた自身が責任を持って、この人には資格がないといって首を切る責任が取れなくて部下に詰め腹を切らせた、そういうことじゃないですか。辞表を持ってきたんですか、朝、官邸来るとき。彼自身、辞める気なかったんでしょう。それを官邸に呼び付けて、あなたが辞めないと補正予算が通りませんよ、さあどうするんですかと言って部下に詰め腹を切らせた。あなたは総理として取るべき責任を取らなかったんです。違いますか。
 もう一度聞きます。どうして罷免しなかったんですか、総理大臣。
#309
○内閣総理大臣(菅直人君) どうも私は、丸川さんの論理が私にはよく分からないんです。
 つまり、丸川さんはこの席でも何度も、丸川委員は何度も、柳田大臣のいろいろな発言について、それが不適切だとかいろいろ言われてきたわけです。ですから、私が……(発言する者あり)
#310
○委員長(前田武志君) お静かに願います。質疑の妨げになります。静粛に願います。
#311
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が、何か私に掛かっている問題を柳田さんに何か持っていったということとは、私はそういうふうな話とは違うと思っています。
 つまり、皆さんも言われたのは、柳田さんの地元での発言が不適切であったというか、それが国会に対して問題があったと、それは私もそう思いました。それを御本人も認めた上で謝罪をされたので、私は今後しっかりやっていただければいいのではないかということで、この間そういう姿勢で申し上げてきました。ですから、今日の朝お話をしましたけれども、私が何か私の責任を押し付けたかのように言われるのは、私には理解できません。
#312
○丸川珠代君 逃げ菅の本領発揮ですね。あなたには任命責任というものがあります。資質の欠けた人を任命した責任は総理大臣にあります。専門用語を解説してもらわないと分からない、任命されてびっくりするような、自分自身がなぜ任命されるかも分からないような、そういう法務に対してほとんど知識がない人を大臣に任命して、あなた、恥ずかしくないんですか。すべてその任命責任というものは総理大臣にあるのですから、責任をお感じになっていれば当然罷免をするはずであります。だから、私は何度も、あなたはなぜ罷免をしないのですかと聞いているんです。総理大臣、お答えください。
#313
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も歴代のいろんな大臣、法務大臣も含めて見ておりますが、私は総合的に見て柳田さんにはそうした職責を担うに足りる能力があると、そう判断をして任命をいたしました。
#314
○丸川珠代君 先週、十一月十八日の予算委員会で柳田さんは、指揮権を発動すべき外交問題において発動すべき立場にあることを理解しておられなかったわけです。それゆえ、重要な外交案件であるこの尖閣事件において、この問題を一地検が処理することにブレーキを掛けられなかったわけですよ。柳田前大臣の無知が私たちの国の国益を損ねたという認識が総理大臣にはおありにならないのでしょうか。
#315
○内閣総理大臣(菅直人君) 今のお話はちょっと私には、今どういうふうにおっしゃったんでしょう。丸川さんとしては、柳田大臣が指揮権を発動すべきだったという意味で言われたんですか。そういう意味ですか、今の御質問は。そういう意味でおっしゃったんですか。今そういう話をされたものですから。ですから、ちょっと質問の趣旨がよく分からなくなったので、もう一度お願いします。(発言する者あり)
#316
○委員長(前田武志君) 質問の趣旨が分からなかったと言っているんだから、もう一度質問をしていただいて、それで答えさせましょう。(発言する者あり)質疑の趣旨が分からなかったと言っているわけですから、答弁者にも分からないときにはそういう……。
 それでは、丸川珠代さん、もう一度御質疑願います。
#317
○丸川珠代君 柳田さんは、指揮権を発動すべき外交問題において発動すべき立場にあることを理解していないということが先週木曜日の予算委員会ではっきりいたしました。理解していなかったがゆえに、指揮権を発動すべき重要な外交案件、つまりこの前の尖閣事件について一地検が処理をする、この事件を処理するということにブレーキを掛けられなかったわけです。つまり、柳田前大臣の無知が私たち日本国の国益を損ねたという御認識がおありになるかどうか、認識があるかないかを総理大臣に伺います。
#318
○内閣総理大臣(菅直人君) かなり、二度言っていただいたのではっきりしました。つまり、丸川議員は指揮権を発動すべきだという立場でおっしゃっているということがよく分かりました。
 しかし、私は何度もこの場で申し上げてきましたけれども、捜査にかかわったときにその問題をどう取り扱うかということで、一義的には捜査機関が対応すべきだということでありますから、もちろん法律上指揮権という規定があることは知っておりますけれども、この指揮権を発動すべきであったというふうな結論を私自身も必ずしも持っておりませんし、自由民主党におかれてもそういう議論があることは知っておりますけれども、それを発動しなかったからおかしいという言い方は、私は、少し話が違うんじゃないでしょうか。
#319
○丸川珠代君 もはや詭弁を弄しているというよりも、総理大臣御自身が指揮権ということを理解されていないじゃないかということがよく分かりました。申し訳ないけれども、菅総理大臣自身が総理大臣の職責に値しないんだろうと思います。こんなど素人を任命して国民と国会を愚弄した総理大臣の任命責任は極めて重いと思っておりますので、私どもはこれからもこの件については追及をさせていただきたいと思います。
 そして、後任を仙谷官房長官にしたというこの感覚も恐ろしいものがあります。まず、仙谷法務大臣はこれまでも柳田前法務大臣は辞める必要がないということをおっしゃっていたわけですね。擁護をしていたわけです。今回の前大臣の辞任に際しても柳田大臣のお考えがあって辞めたと思うという趣旨の答弁をして、問題があるとは認めていないわけです。すなわち、柳田前大臣の暴言は問題ないという立場を引き継いで法務大臣になっているということは、まじめに答弁しなくていいということを言っているのと同じでありまして、柳田前大臣と同罪であります。
 このことだけで問責に値すると私たちは思っておりますので、総理は即刻仙谷法務大臣を罷免すべきだと思いますが、菅総理大臣、いかがでしょうか。
#320
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、私には、丸川さんが言われている論理が何かいやに飛躍をしているような気がするんですね。なぜ任命したばかりの仙谷さんを私が罷免しなきゃいけないのかというのは、私には理解できません。
#321
○丸川珠代君 任命したばかりかどうかは関係ないんですよ。任命に値する人かどうかということが問題なんです。値しない人だから、一度任命してしまったのですぐ首になさったらどうですか、総理大臣の責任においてと聞いているんですよ。答えてください、菅総理大臣。
#322
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ一言で言えば見解の相違ですね。
#323
○丸川珠代君 柳田さんが問題がないと言ったのと同じことでありまして、やっぱり問題はないけれども予算を通したいから辞めさせた、しかも本来であれば罷免すべきところを詰め腹切らせて辞任させたという、本当になすりつけた汚いやり方だなと思えて仕方がありません。
 しかし、この柳田大臣が辞めざるを得ない環境を元々つくったのは仙谷官房長官であると私たちは思っております。我が国の国益を大きく損なったこの尖閣漁船事件に際して、内閣が判断すべき重要な外交案件を那覇地検に押し付けた張本人、私どもは官房長官だと思っております。そして、ビデオの流出に関しても、これは中国に配慮をしてビデオの公開にストップを掛け続けたことがその下地をつくったと私どもは思っておりますが、その中心にいたのは官房長官であったと私どもは思っております。情報流出や危機管理の問題というのは、もちろんそれは馬淵大臣にも責任はありますけれども、一番責任が大きいのは官房長官、私は官房長官には非常に大きな責任がこの一連の尖閣事件ではおありになると思っております。
 しかも、最も許し難いのは、そうした責任を官僚になすりつけるところです。ビデオの流出を執行職と政治職という法律用語にもない奇妙な言葉を使って海保の長官ただ一人に押し付けようとしているんです。官房長官お決まりの非常に汚いやり口だと思いますけれども、こういう人、こういう人柄の人を法務大臣として検察権力の指揮官まで手中に収めさせるというのは危険極まりないことだと思います。
 しかも、午前中の予算委員会では、自身が持ち回り閣議で既に法務大臣に就任していることも認識しないで答弁をしていたわけです。
 非常に重大な事態だと思いますが、それでも総理大臣、この法務大臣を罷免するおつもりはありませんか。総理大臣に。
#324
○内閣総理大臣(菅直人君) ありません。
#325
○丸川珠代君 全く仙谷長官がこれまで引き起こした問題について自覚がないようですね。菅総理大臣は、仙谷官房長官の発言について謝らざるを得ない立場にあったわけですよ。そういう人をまた今度は法務大臣、検察の上に立たせるというわけです。
 この方は、午前中、佐藤正久委員の暴力装置発言に関する質問に対する答弁で、実力組織とか実力部隊と発言することが国会では適切だと、国会ではとわざわざ断るんですよ。あえてそういうことを強調する。つまり、国会の外では暴力装置と呼び続ける意思を示したものとしか思えないわけです。これは自衛隊の最高指揮官を代行する総理の職務代行者として全くもって不適格と言わざるを得ません。これでもまだ罷免をしませんか、総理大臣。
#326
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は午前中の質疑は同席しておりませんでしたので、その質疑の中身は聞いておりませんけれども、今、私が仙谷官房長官に法務大臣を兼任していただいたという判断について、特にそれを撤回をするつもりも改めて罷免するつもりも全くありません。
#327
○丸川珠代君 国民は今朝の議論を見ておりましたし、正直申し上げてこれからも私どもはあなたの任命責任を問うていかざるを得ない状況にあります。是非、この後よくお考えになって、本当にこれが適切な人事であったのかどうか、この任命は正しかったのかどうかを御検討いただきたいと思います。
 一問だけ補正予算についてお伺いしますが、十月二十一日の内閣委員会において蓮舫大臣は、仕分の対象になったものが補正予算に必ず出てこないようにチェックしていきたいと思っていますと御答弁なさいました。第三弾のエネルギー特会で住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金が対象になっておりますが、同じ項目が補正予算に入っております。
 蓮舫大臣、これはチェックが不十分だったということでしょうか。
#328
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 第一弾の仕分の成果は二十二年度の予算案に的確に反映をされています。そして、第三弾の仕分において私が取り上げたのは二十三年度の予算案の内容についてでございます。そして、今回の補正予算案の内容については、経産大臣にお伺いをいただきたいんですが、二十二年度予算案の中身だと承知しています。
#329
○丸川珠代君 仕分の対象になったものが必ず補正予算に出てこないようにと言ったので、この予算に対する承認は撤回をしていただきたいと思います。(発言する者あり)
#330
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
 どなたに。
#331
○丸川珠代君 蓮舫大臣。
#332
○委員長(前田武志君) 時間が過ぎておりますので。
 ちょっと質疑が聞こえなかったようでございます。もう時間が……(発言する者あり)
 蓮舫大臣、質疑、お分かりですか。
#333
○国務大臣(蓮舫君) ごめんなさい。もう一度言っていただけますか。聞こえませんでした。
#334
○委員長(前田武志君) もう一度、簡単に。
#335
○丸川珠代君 補正予算の中身にかつて仕分の対象になったものあるいは今回仕分の対象になったものが必ず出てこないようにチェックをすると言ったのに、実際には補正予算の中に仕分の対象になったものが入っている。これではイタチごっこあるいはマッチポンプですから、この予算に対する承認を取り消すべきではないですかと申し上げております。
#336
○委員長(前田武志君) 時間が相当過ぎておりますので、簡単にお答えください。
#337
○国務大臣(蓮舫君) お答えいたします。
 そのような指摘は当たらないものと考えております。
#338
○丸川珠代君 次の機会にまた聞かさせていただきます。
#339
○委員長(前田武志君) 以上で宮沢洋一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#340
○委員長(前田武志君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
#341
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 この補正予算というのはまさに円高・デフレ対策ということで組まれているものでございますので、まず、この円高ということにつきまして私は取り上げさせていただきたいと思います。(資料提示)
 このパネルにもございますように、今じりじりと円が上がっておりまして、このところやや一服感はございますけれども、じりじりと上がっている状況でございます。
 素朴な疑問をまず総理にお聞きしたいと思います。
 総理も御指摘されておられますように、日本経済はいわゆる失われた二十年とも言われている状況でございまして、長きにわたってデフレに悩まされている、そんな脆弱な日本経済でありながらなぜ円高なのか、なぜ今分不相応な円高になっていると認識されているのか、お聞きしたいと思います。総理にお聞きしたいと思います。総理にお聞きしたいと思います。
#342
○委員長(前田武志君) まず、野田財務大臣。
#343
○国務大臣(野田佳彦君) 通貨の方を私担当しますので、先にお答えをさせていただきたいというふうに思いますが、円高の背景いろいろあると思いますが、特に春以降の円高については、当初は欧州経済における通貨危機あるいはアメリカ経済の減速化、こういうことが相まってリスク回避として円が強くなってきたというふうに思いますが、昨今は、米国の追加金融緩和等を背景にドルに対して円だけではなくて各国通貨が増価をしている、強くなっているというふうに認識をしています。
 いずれにせよ、為替については引き続きその動向を注視して、必要なときには断固たる措置をとっていきたいと考えます。
#344
○内閣総理大臣(菅直人君) 野田大臣からもお答えありましたが、当初ギリシャの危機などがあったときはどちらかというとユーロ安円高という傾向でありましたが、この間はドルが安くなって新興国の通貨が上がっていると。日本は新興国のような成長はないわけですけれども、やはり金利差あるいはリスクが比較的少ないと見られていることから、結果として円高傾向に進んでいると、このように認識をしております。
#345
○西田実仁君 いろいろな説はございますけれども、外の環境ということ以上に、私自身は、やはりこの円がそもそも通貨投機の対象となりやすい、経済の実態から離れているにもかかわらず分不相応な円高となっていると、このように思うわけでございます。
 そこで、なぜ円がこの通貨投機の対象になりやすいのかということでありますけれども、官房長官、お聞きしたいと思います。
 官房長官のホームページには、「「強い円」をつくって国際関係力を強化、同時に家計の購買力を高める。」と書かれております。これは円高によって輸入コストを下げて家計の購買力を高めるという意味なのかどうか、円高を容認しているのでしょうか。
#346
○国務大臣(仙谷由人君) 御指摘いただいたのは、多分、〇九年選挙の前に私が地元で配るために作ったマニフェストに書かれていることを御指摘いただいているんだろうと思います。「仙谷由人五つの約束」というところの「一、徳島起点で「政権交代」わが国をつくる」と、その中の四項目の一つに「「強い円」をつくって国際関係力を強化、同時に家計の購買力を高める。」と書いてございます。
 これは、円高とか円安とかそういう話ではございませんで、やっぱり自国通貨はしかるべく強いといいましょうか、強いという字も、何というのかな、勁という字でも書いた方がいいと思うんでありますが、要するに、売り浴びせられるような腰の弱い通貨であってはならないというのが私はもうかねがね思っておるところでございます。
 自国通貨が強い弱いということは、その時々のレートに極度に左右されないというファンダメンタルズを持っていることが一番でございますし、さらには財政規律との関係で通貨として信認を確固として受けるかどうか、こういうことが基準になるんだろうと私は思っておりまして、そういう一般論をここで書いてあるわけで、その時点その時点のレートのことを書いたつもりではございません。
#347
○西田実仁君 いや、これは二〇〇九年の衆議院選挙とおっしゃいますけれども、今もホームページの中にそのまま書いてあるわけですよ。それで、政権交代が起きてから最初の財務大臣も、円が安ければ安いほどいいというものではないと、こういう発言もされているわけです。強い円を背景にして輸入コストを下げて購買力を上げることによって内需を拡大していくというのは、民主党の経済政策だったんじゃないんですか。
#348
○国務大臣(仙谷由人君) 今安ければ安いほどいいというお話をされましたが、民主党の経済政策が自国通貨が安ければ安いほどいいというふうに決められているというふうには私は承知しておりません。
 とりわけ日本は資源がない国でありますから、資源を買わなければならないと。これだけの資源獲得競争になって、例えば原油がいっとき百七十ドルまで上がりました。そういう場合には、資源に対する購買力が、安ければ安いほどいい円では、これでは全部、稼いでも稼いでも資源購入分に持っていかれるということになるんじゃないんでしょうか。
 私は、したがって、適切な価格それから短期間で極度にぶれない、そういう通貨であってほしいなというのが、一般論でありますが、いつも考えていることでございます。
#349
○西田実仁君 総理は、財務大臣に就任されたときに、経済界でも一ドル九十円台半ばが適切という見方が多い、もう少し円安に進めばいいと思っていると、こういう発言を記者会見でされていますね。総理は、強い円という政策は取らないということでしょうか。
#350
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、財務大臣あるいは現在に至っても、あるいはそれ以前からも、為替というものが持ついろいろな意味を私なりに考え、まあ結論までは出ておりませんが、やはり基本的にはマーケットで決まるという、またそれに、基本的にはそういうまさに変動相場制というものに日本がある段階で踏み込んでいるわけです。ですから、その中で、言葉として円高政策とか円安政策ということはありますけれども、基本は、そういうこの変動制に、言わばそういうものとして考えるのか、それとも一部の国のようにあくまで、例えばドルに対してペッグさせるようなそういう在り方を取るのかという、その二つが基本的な差だと、構造的な差だと思います。
 その上で何が望ましいかというのは、G20の席の一つの合意は急激な変動は望ましくないということでありまして、私が若干申し上げた時期にやや急激に円が上がりつつあった、あるいは上がってきていましたので、若干その民間の企業の方の意見を紹介をする形で申し上げたので、余りそういう立場にある人間が為替について直接的なことを言うことはその後は控えたところであります。
#351
○西田実仁君 いや、総理、それ経済界の人が言ったけど、自分もそう円安に進んだ方がいいと思うと、こういうふうに発言されているんですよ。
 それで、それと同じようなことですけれども、官房長官にお聞きしたいと思います。
 九月十五日ですね、財務省が為替介入した際の会見におきまして、一ドル八十二円台は一つの防衛ラインかと、こう記者に問われたときに官房長官はどのように答えられたでしょうか。
#352
○国務大臣(仙谷由人君) その前に、野田大臣が官邸に来られたのは要するに介入を実施するということの報告、相談だったんでしょうかという質問がありました。そこで、総理にどういうふうにおっしゃられたか分かりませんが、その後、私のところへも、つまり私の部屋にもいらっしゃいましたので、まさに発表を行うその前提で野田大臣からやりますという報告がございましたというやり取りがまず記者さんとの間でありました。
 記者は、単独の介入だったということで、欧米は協調しないという情勢の中で単独の介入だったということでよろしいんですかという問いでございましたので、そこは確認できておりませんけれども、欧米には説得というか理解を求める行動は取っているというふうに理解していますというふうにお答えしました。
 その次の質問が、今回八十二円台になったところで介入実施に踏み切られたわけですけれども、その八十二円というのが一つの防衛ラインというか線になっているという認識でよろしいでしょうかと。私は、いやまあ、財務大臣のところでそういうふうにお考えになったんだろうと思いますねというんで、私は、野田大臣が従来からマーケットを注視し適時適切に断固たる措置をとると、だから、この時点で断固たる措置をとるということで私のところへ報告に来たと、そういう趣旨で答えたわけでありますが、おっしゃるとおり、新聞、プレスでは私がそういうラインを示したという報道をされました。
 私は、必ずしもそういうラインとして、レートのラインとして申し上げたつもりじゃなくて、野田大臣がマーケットを注視しながら断固たる措置をとったと、まさにとったんだなということをお答えをしたわけであります。
#353
○西田実仁君 違うんですよ。これは、八十二円台、一つの防衛ラインかと聞かれていて、財務相のところでそういうふうにお考えになったんだろうと思う。そういうふうにというのは、八十二円台防衛ラインかと聞かれたことに対して、そういうふうにお考えになったと聞いたら、だれもがこれは防衛ラインだというふうに思うじゃないですか。
 これは明らかに利敵行為じゃないですか。投機筋に対する利敵行為ですよ、官房長官。是非謝罪をしてください。
#354
○委員長(前田武志君) まず、野田財務大臣。
#355
○国務大臣(野田佳彦君) この記者会見の記録見ていただいても、長官のお答えのとおりで、いやまあ、財務大臣のところでお決めになったんでしょうという、まさにその決断をしたこと、その……(発言する者あり)じゃなくて、その後まだ聞いてください。
 というやり取りもそうですが、そういう報道が出ました。速報が流れたので私は官房長官にお尋ねに行きました。八十二円とか防衛ラインとかとお話しされたんですかと。全く記憶されていませんでした。だから、まさに意識としては、さっきの長官の御説明のとおりであるということでございます。
#356
○西田実仁君 全く記憶されていないっておかしいでしょう、だって。八十二円台は一つの防衛ラインかと聞かれて、それに対する答えとして、そういうふうにお考えになったんだろうと思うと。そういうふうにというのは、聞かれたことに対して答えたんじゃないんですか。これは明らかに防衛ラインを語っていることになりませんか、官房長官。
#357
○国務大臣(仙谷由人君) まあ、この為替のレートでこういう誘導質問なのか何かが出たときにはこれからは答えないようにしたいと思っております。
#358
○西田実仁君 これは、日本経済全体に対する、円高、先ほど申し上げたように分不相応な円高になっているのは、投機筋がここをねらっているんですよ。
 そういうときに注意深く、そもそも仙谷国家戦略担当相のときに菅財務大臣に対してあなた何と言ったんですか。先ほどの九十円台半ばに行けばいいと思うという発言に対して、為替水準言及は望ましくないと当時の菅財務大臣を批判しているのは、官房長官、あなたですよ。その本人が、うかつにだか何だか分かりませんけれども、そういうふうに思いますよということを言えば、そういうふうに受け取られるんですよ。それは世界中に流れるんですよ。投機筋、全部それが入ってくるんですよ。
 これは明らかに日本国に対する利敵行為に当たります。是非謝罪をしてください。
#359
○国務大臣(仙谷由人君) 利敵行為とまでは私、考えておりません。私は、この日の野田大臣の断固たる介入が、私どもが協議をしていた、そのときが来たということで、断固たる措置をとったと、そういうことなんですということを記者さんに申し上げたつもりでございます。
#360
○西田実仁君 つもりじゃないんですよ。こういうのは世界中に一気に流れるわけですから、どういうつもりかということなんてしんしゃくしてくれる投機筋はいません。明らかに、官房長官が、政府高官が、八十二円台防衛ラインかと聞かれて、そういうふうに財務相で考えたんだと思いますよと言ったら、だれもが、ああ官房長官、政府高官はこのラインを防衛ラインと置いているんだなと、こう全世界中に流れるじゃないですか。是非謝罪をしてください。官房長官。
#361
○国務大臣(野田佳彦君) その記者の御質問のところの、八十二円とか防衛ラインとか表現がありますが、介入実施に踏み切られたわけですけどという言葉が多分強く残って財務大臣はそう判断されたんでしょうと長官は私はおっしゃったと思いますし、私はこの件でいろいろな会見を含めて相当御質問をいただいています。国会でも御質問をいただいています。明確にそれを否定していますので、利敵行為という御指摘は当たらないと思います。
#362
○西田実仁君 どう解釈するかということを言っているんじゃないんですよ。この事実を私は言っているわけでありまして、八十二円台が防衛ラインかと聞かれたことに対して官房長官がそういうふうに答えるというのは余りにうかつではないかということを言っているわけなんですよ。それがどのような意味なのかなんということは聞いていません、官房長官。
#363
○国務大臣(仙谷由人君) ずっと、マーケットを注視しながら断固たる措置をとるということをずっとその以前から言明をされてきた大臣がまさにこの日に断固たる措置をとった、介入実施をしたと、この事実だけを私は言わば追認をしたといいましょうか、私もこれでいいというつもりでお話をしたわけでございます。
#364
○西田実仁君 全くうそだらけですよ。そんなこと、だって記者は聞いていないんですから。八十二円は防衛ラインかという質問に対してそういうふうにと答えているわけですから、これは余りにもおかしいでしょう。
 今急激なこの円高で、とにかく今大変な状況なんです、中小企業も含めて。こういう先ほどの為替通貨政策もはっきりしないこの民主党政権において、分不相応な円高というのが今現実に中小企業を痛め付けていると。
 その一つの大きな事例として私が挙げたいのが、次のパネルに移らせていただきますけれども、ある中小企業の方々が涙ながらに訴えてこられた。年商二十億、従業員が百人、この会社は無借金経営の地域の優良企業なんです。ところが、ある日、二〇〇七年のことでありますけれども、取引先銀行から、取引先である大手金融機関から執拗に勧誘をされまして人民元と円の通貨オプション取引契約を締結、今、明日にも倒産しかねない状況に追い込まれているということであります。急激な円高を受けて被害が拡大して、解約清算金も含めると二億円以上の損失と、こういうことになっているとの訴えでありました。
 通貨オプション取引というのは、いろいろ難しいですけれども、ある一定の期間、ある一定の価格で外貨ないしは円を買うことのできる権利、売ることのできる権利を売買する取引で、銀行との相対取引で行われるわけですね。銀行を相手にして中小企業が為替をめぐって取引をするということであります。
 この図の例で申し上げますと、一元十六・〇六七〇一円よりも元高円安になれば中小企業はもうかると。反対に、円高に向かいますと差額を支払わなければならない。言わば、金融のプロである銀行と為替をめぐって相対のばくちを打つようなものであります。
 この問題、単に欲かいた中小企業が急激な円高になって困っているというのであればこれは自己責任にほかなりません。しかし、こうした為替デリバティブのように専門性の高い金融商品におきましては、大事なことは二つ。一つは、適合性の原則に合っているかどうか、本当に売っていい人に売っているかどうかという、これが判断されなければならない。そしてもう一つは、万が一の場合に大きな損失が起きるかもしれないという説明義務をどこまで果たしているのか。このことが問われなければならないわけであります。
 今回、こうした通貨オプション取引によって大きな損失に見舞われている中小企業、大変実は多い。だけれども、相手先が取引先の銀行であったりしてなかなか言い出せない、そういう声がたくさん私の方にも寄せられているわけであります。
 今申し上げました適合性の原則ということで申し上げますと、そもそもこの企業の場合でいえば、為替リスク、これをいかに回避するか、ヘッジするかということでこの商品が売り込まれているわけであります。しかし、この企業でいっても、小さな中小企業が直接為替リスクを冒して輸入しているわけではなくて、あくまでも商社を経由してほとんど為替リスクがない中での原材料の輸入というのが実態であります。したがって、実需ではないということであります。にもかかわらず、またそういう中小企業に、ニーズのないところに売り込んでいいのかという問題が一つあります。
 そしてもう一つは、何といっても、急激に円高が進んだときに中小企業が負わなければならない損失がどのぐらいになるのかという説明義務を果たして本当に果たしていたのかと、こういう問題であります。
 そこでまず、昨年来のこの円高の影響を受けて、中小企業がこうした通貨オプション取引の被害に遭っているケースがどれほどあるのか、私は早急に政府として調査をすべきであるというふうに思います。通貨オプション取引のうち中小企業向けの販売本数がどのぐらいあったのか、そして現在も残っている取引がどれほどあるのか、またその取引の実態は今どのようになっているのか、こういうことについて金融庁として、政府としてしっかりと実態調査をすべきであると思いますけれども、大臣、いかがでありましょうか。
#365
○国務大臣(自見庄三郎君) 西田議員にお答えをさせていただきます。
 リーマン・ショック後の、今先生御指摘のございましたように、市場環境の急激な変化を受けまして、結果として、ヘッジ目的で契約したデリバティブ、金融派生商品でございますが、中には、大きな差損を発生して、今先生御指摘のように、中小企業で差損が発生して大きな問題となっている事例というのは承知をしております。
 金融庁といたしましても、デリバティブ契約をめぐるトラブルに関する情報は逐次確認し、必要があれば金融機関にその販売経緯等を確認しているところでございますが、金融庁といたしましては、こういった事例を踏まえ、特にデリバティブの締結後の金融機関における適切なフォローアップが重要と考えておりまして、本年四月、御存じのように、もう先生は議員になられる前は経済誌の編集の方にも携わっておられたということで大変御専門でございますが、本年四月においても、監督指針においても、顧客からの問い合わせに対して分かりやすく的確に対応するなど適切なフォローアップを取り組むための体制を整備しているかどうか、それから二番目でございますが、顧客が決算処理の解約の判断等を行うために必要とする情報を適時適切に提供しているかなどの監督上の着眼点として明記し公表したところでございまして、先生御存じのように、いわゆる監督指針をそういうふうに変更させていただいたわけでございます。
 先生、今さっき、どれくらい苦情があるのかという話でございましたが、一応金融庁に寄せられた主要行デリバティブ関連苦情件数でございますが、平成二十年度には七十四件、それから平成二十一年には七十三件、二十二年度、これ十月末まででございますけれども五十二件、今のところ来ております。
 いずれにいたしましても、当庁に寄せられる相談、苦情等を踏まえて、利用者保護の観点から、必要と認められれば個別金融機関にヒアリング等を実施して、引き続き適切に対処してまいりたいと思っておりますが、一番先生の大事な質問点でございました特に中小企業、これは特に銀行から借りれば、当然ある意味で借りた方が、どちらかというとそれは優越的地位が向こうにあるというようなところも実際、現実でございますから、先生が特に中小企業のみの契約額あるいは件数、取引残高のみを調べよという、先生大変そういう強い今御質問であったと思いますが、これは全体のことしか今実は分かっておりませんけれども、そういったことで、意思があれば、しばらく時間は掛かりますけれども、責任持って事務方に調べさせるということを最大限に努力をさせていただくということをお約束をさせていただきたいと思っております。
#366
○西田実仁君 実態調査をきちっとしていただくということでございます。その実態調査を踏まえた上で、現実に本業はしっかりとしているにもかかわらず、こうした先ほどの適合性の原則に反していたり、あるいはきちんと説明義務を受けていないでこの通貨オプション取引にかかわっている。それによって、せっかく本業が黒字でももう倒産しかけているという中小企業が全国に実はかなりあると。そうした苦情とか来るところというのはもうかなり少ないわけで、ごくごく氷山の一角しか来ないわけなんです。ですから、そこをきちんと実態調査していただくと。
 同時に、その実態調査に基づいて是非とも行っていただきたいのは、こうした中小企業、もう既に金融庁の監督指針が変わっていることも存じ上げております、問題があるから監督指針を変えているわけですから。ですから、問題があった取引については、その中小企業の本体に、本業に差し障りないようにきちんとその損失を減額処理していくスキームを、仕組みをつくらなきゃならない。当然、金融機関側にも、株主代表訴訟に堪えられるものにしなければなりませんし、また中小企業の方においても、当然そうした負担を減らしていく様々な策というものを取らなければならないと思います。
 こうした実態調査を地道に、といってもそんなに、私の手元にも、ある銀行のこうした通貨オプション取引の中小企業向けが何本今あるのか、今千四百十一本あるという資料がありますよ、そんなに難しい調査じゃないです、そんなのは。金融庁がきちんとやればできるんです、すぐに。ですから、実態調査をきちんと行って、それに応じて中小企業のこうした不正な取引による損失を減額していくそのシステム、仕組みを検討すべきだと思いますが、簡潔にお答えください。
#367
○国務大臣(自見庄三郎君) 西田先生にお答えいたしますけれども、これはデリバティブ、金融派生商品というなかなか分かりにくい金融商品でもございますので、金融庁といたしましては、本年四月に、デリバティブ販売に関しまして監督指針を今申し上げましたように改正しまして、最悪なシナリオを想定した説明が行われているかどうか、それから二番目に、顧客のヘッジニーズに対する有効性を確認して実は説明しているかどうか、そして、契約後も顧客の業況変化に応じてヘッジニーズに対する有効性を確認するなどのフォローアップしているかどうか、それから、相談、苦情が多い商品の販売について検討しているかどうか等の監督上の着眼点を明記して公表したところでございます。
#368
○西田実仁君 是非、減額処理をするための仕組みづくりを検討いただきたいと思います。
 最後の質問でありますが、今大変に売れている本は「デフレの正体」という本で、私も拝見をいたしました。デフレはなぜ起きるのかということについて、生産年齢人口が縮小していく、内需が縮小していく中でこれに対応しなければならないと、こういう趣旨であります。そこで取られる施策は、例えば、生産年齢人口を増やしていく、そのためには女性の活用、活用というとあれですけれども、女性が社会進出してより働きやすくする環境をつくっていく、こういうことが大事であるということも、これまた恐らくほとんどの人は同意することではないかというふうに思われます。
 ところで、先日の行政刷新会議における事業仕分第三におきまして、女性と仕事の未来館の閉鎖、そして男女ワークライフ支援事業の廃止が決まりました。同館は、キャリアカウンセリングや心の相談、また企業セミナーなど、働く女性を直接支援する厚生労働省で唯一の施設と認識をしております。取りまとめコメントを見ますと、箱物の時代ではないというのが最初に来ておりまして、だから閉鎖をした、ほかにも理由がありますけれども、何度も何度も箱物の時代ではないということが書かれております。
 しかし、この未来館につきましては、本年五月の事業仕分におきまして、これをなくしていいという話ではなく、直ちに事業の目的等を再検討していただくための契機として、まず廃止、また、女性と仕事の未来館をどのように活用すればいいのかについて、真剣に厚労省に検討していただきたいという取りまとめが五月に行われたわけであります。
 つまり、この未来館という箱物をどのように活用するのかということがテーマになっていたはずにもかかわらず、いきなり閉鎖、廃止というのは余りにも乱暴ではないでしょうか、蓮舫大臣。
#369
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 この事業仕分におきましては、いきなり箱物廃止という議論があったわけではなくて、様々な評価者の御議論がございました。中でも、皆様の中で否定はしていないのは、この事業の目的そのもの、女性の社会進出を後押しするのが政府として大切だというのは、これは御党がこれまで何度も主張してこられて、私もその意見には全く賛同しております。
 女性と仕事の総合支援事業の政策目的あるいは男女共同参画、男女ワーク・ライフ・バランスの重要性は否定はされてはいませんが、この建物を使ってどのように支援をしていくのか、その中身についてより適切な手段をお考えをいただきたいという思いで仕分評価がまとまったものと承知しております。
 この評価に沿って厚生労働省にいま一度再検討をお願いしているところでございます。
#370
○西田実仁君 ということは、この未来館は閉鎖をしない、どのように活用するのかということで今厚労省として検討しているということですか、大臣。
#371
○国務大臣(細川律夫君) この女性と仕事の未来館というのは、これは女性が健康でかつその能力を十分発揮できるようにするための各種事業を実施して、働く女性、働きたい女性を支援してきたところでございます。
 ただ、今回この閉鎖というような仕分があったところでございますけれども、厚生労働省といたしましては、この仕分の評価結果というのを真摯に受け止めなければいけないというふうに思っておりますが、この政策目的、これは大変重要だというふうに取りまとめのコメントでもされておりますので、私どもとしたら、女性の就業支援の意義等も勘案いたしまして、改めてゼロベースで見直しを行って早急に抜本的な改革案を策定をしていきたいというふうに考えております。
#372
○西田実仁君 今年七月の二十三日に、「第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」というのが男女共同参画会議議長の仙谷官房長官から菅総理に提出をされております。ちなみに、この男女共同参画会議は大変重要な政策に関する会議の一つとして挙げられておるものでございまして、この答申の中には未来館ということが二度ほど出てきておりまして、固有名詞で出てきているわけであります。つまり、この答申におきましては未来館の存続が前提の答申となっているわけであります。
 この答申を出した男女共同参画会議は男女共同参画推進本部の下に置かれております。推進本部長はだれでしょうか。
#373
○委員長(前田武志君) どなた。総理ですか。
#374
○西田実仁君 総理。
#375
○内閣総理大臣(菅直人君) たしか私自身だと思います。
#376
○西田実仁君 菅総理が本部長を務めておられるこの推進本部の下に置かれた男女共同参画会議においては、この未来館においては存続することを前提にしてその活用ということが検討されるということでありまして、そういうこの未来館を、ただ箱物だからとか、乱暴にも閉鎖せよとか、挙げ句の果てには、このコメントを見ると、迷惑施設とかあるいは障害だなんという評価コメントが出ているんですよ。もう考えられないですよ、こういうのは。
 どういうことなのかと本当に思いますが、そこまで言うのであれば、当然、評価する人、特に国会議員はこの施設すべて見ているんでしょうか。
#377
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 一言一言の言葉ではなくて、是非、この一時間、またここに至るまでのヒアリングも含めて相当な準備をしてきたものでございますので、一言でこの仕分を代弁できるものではないと考えております。また、この仕分を行った国会議員のメンバーは実際ここに現地調査にも行っておりますし、私自身もかつてここで講演をしたこともございます。現場を知っております。
 これは議論の中でも大きく意見をいただいたところですが、まず建物があって、この建物があるからセミナーを開いていくのか、それとも、そうじゃなくて、地方に対して、このセミナー、この建物、これまでの過去のいろいろなスキルがたまっているものを発信をしていく方がいいのか、どういう在り方が女性のあるいは男性のワーク・ライフ・バランスをより確実なものにするための支援となるのか、そういう議論をしたものと承知しております。
#378
○西田実仁君 今回のこの仕分に当たりまして、この閉鎖、閉館、廃止ということの断を下した国会議員は全員、すべて今回の仕分に当たって施設を見ているんですね。もう一度確認します。
#379
○国務大臣(蓮舫君) 現地調査に行く日程が限られていましたので全員ではございませんが、でも中では見に行っております。
#380
○西田実仁君 閉館をするという、こういうときに、現地にも行かないで利用者の声も聞かないで断を下すんですか。はい、やめということを断を下すんですか。そんないいかげんなことなんですか。
#381
○国務大臣(蓮舫君) 現地を見に行った方もこの評価者の中には国会議員として入っておりますし、現地に行かなくても、知見を持った方々が第三者的な客観的な立場から、本当にこの建物で女性の、男性のワーク・ライフ・バランスを支援していくことにつながるのかという議論をさせていただきました。
#382
○西田実仁君 もうあれですけれども、現地にも行かない。民間人の方はまだ分かりますよ。国会議員で現地に行っていないというようなことがあってもしこの断を下したというのであれば、これは大問題ですよ。現地にも行かないで、施設も見ないで、利用者の声も聞かないでと……
#383
○委員長(前田武志君) 西田委員におかれましては、時間が過ぎておりますのでおまとめください。
#384
○西田実仁君 こういうことは本当になかったかどうか、後できちんと委員会の方に報告してください。
#385
○委員長(前田武志君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#386
○委員長(前田武志君) 次に、松田公太君の質疑を行います。松田公太君。
#387
○松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。
 さきの参議院選挙で初当選させていただきました新人でございますが、今日は、初めてこちらで菅首相に質問をさせていただきたいと思います。なお、仙谷官房長官、今日は記者会見の予定をずらしてこちらに来ていただいていると聞いております。誠にありがとうございます。
 菅総理、私は元々起業家、経営者でした。私は、国の経営と会社の経営、非常に似ている部分があるなと感じております。議員会館にも入っておりますが、某コーヒーショップチェーン、これを立ち上げるときに私はまず何をしたか。何日も何日も掛けてまずは経営理念を考えました。そして、じっくり練り込んで考えた経営理念、これを明確に紙に書き記すところから始めたんです。それはなぜかといいますと、トップはやはり明確なビジョンを示すこと、理念を示すこと、そして、皆さんが乗っている船がどの方向に向かっているのか、それをしっかりと伝えることが最も重要な仕事の一つではないかなと私は思っているからです。
 私は、国会議員になってからこの四か月、菅総理の国家経営理念を是非知りたい、聞きたいと思って、耳をダンボのようにして菅総理の言葉を待っていましたが、残念ながらまだ私の耳にも心にも届いてないんです。国会議員の私にも伝わってないということであれば、国民の皆さんにもそれは私は届いてないんじゃないかなと、このように思っております。
 やはり、船長がどの方向にその船を向かわせようとしているのか、これが分からなかったら、そんな船怖くて乗れません。もしこれが会社でしたら、菅総理、会社でしたら、トップの言っていることが自分と合わないとか若しくは方向性が見えないということで会社を変えることも可能だと思いますが、国民はそう簡単に国を変えることはできませんよね。是非、菅総理、国家経営理念をこの場でもう一度説明していただけないでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
#388
○内閣総理大臣(菅直人君) 松田さんが若くして起業をされていろいろ活躍をされてきたということは、直接お目にかかることはありませんでしたけれども、いろんな機会に聞いておりました。
 私も実は、ある意味では起業家なんです。何を起業したかと。幾つかの政党を起業いたしました。私は、最初に立候補したときは無所属でした。そしてその後、江田五月さんたちと一緒に社民連という政党をつくりました。そしてその後、民主党、あるいはその前にさきがけという政党に、結成に参加をし、その後、民主党の、旧民主党の創立に携わりました。
 私の理念は、政治的な理念は、幾つかの柱がありますが、国民主権というものが私の基本的な柱になっております。つまりは、今までの政治が本当の意味で国民主権として動いてこなかったんではないか。それは官僚の力、あるいはいろいろな力がありますが、そういう国民主権、そのベースになったのは自治体の市民参加の政治という、そういう活動の中から、やはり国政においても国民が参加をする政治が必要だと、それが一つの柱になっております。
 もう一つは、内容的には、これもいろいろと議論がありますけれども、政治の一つの役割は、幸福になるということはいろいろな要素がある、人によって違うけれども、不幸になる要素をなくすることが政治の仕事ではないかということで、そういう考え方を最小不幸社会という形で自分の中では持ち続けております。やや抽象的かもしれませんが、そういうものを持ちながら今日まで政治活動を続けてまいりました。
 そこで一言だけ申し上げますと、なかなか伝わらないというのは残念ですが、この臨時国会の冒頭に私、所信表明をいたしました。そこでは、私なりに現在の総理大臣としての物事の考え方を、私なりには明確に伝えたつもりであります。つまりは、二十年間のこの日本の閉塞状態、低迷した状態をいかにして打ち破るか。それには五つの基本的な重要な政策課題があって、それを次の世代に先送りをしないで、それに取り組んで、それを解決していくこと。これは申し上げてもいいですが、成長と社会保障と財政再建と、そして地域主権と、そして国民が主体的にかかわる外交、これらについて、この二十年間、まさにおっしゃるとおり、若者もどんどんどんどんシュリンクしています。そういうことでない社会をつくるために、次の世代にそういう課題を先送りしない。そこで、あえて私が有言実行ということを申し上げたのは、ある意味では声を大きく出すことによっていわゆる退路を断とうという、そういう意識で申し上げたところです。
#389
○松田公太君 菅総理、今の経営理念、国家経営理念、私は、残念ながら非常に長過ぎて、分かりづらくて、申し訳ないんですけれども、国民の皆さん、見ていらっしゃると思いますが、伝わってないと本当に思います。国家経営理念、ビジョンの大切なところは、簡潔明瞭に伝えることが一つ重要だと思っているんですね。是非、私、これをお勧めしますが、もう一度御自分の経営理念、国家経営理念を考えていただいて、ビジョンを考えていただいて、それを明確に書き記して、国民の皆さんに、また我々議員にも発表していただけないかと、このように思っております。
 ちょっと時間がありませんので、次に進めたいと思いますが。
 だれしもこれも分かっていることですが、今、国は本当に厳しい状況にあります。経済指標、先週辺り出てきたものを見ますと、一瞬良くなってきているのかなとちょっと勘違いしてしまうところもあるかもしれませんが、例えば〇・九%GDPで前四半期上がっていますよと。ただ、これはやはり最悪期と比較しての〇・九%アップですから、まだまだ道半ばといいますか、全然まだスタートラインも切れてない状況だと私は思っております。そして、円も八十三円台になっておりますが、これも去年、おととしと比較しますと、百円、百十円台があったわけですから、非常にまだまだ円高だと言わざるを得ません。
 また、バブルがはじけた後ずっと続いてしまっているこのデフレ、これは本当に厳しいですよ、菅総理。このデフレが長年続いてしまっていて、私は国民の肌感覚として、私もつい最近まで民間にいましたから、肌感覚としてもう十数年、場合によっては二十年ぐらい景気がずっと悪化を続けていると言っても過言ではないと私は思います。
 それを一つ表している指標がこちらの指標だと思いますけれども、(資料提示)これは民間の平均給与を表したものです。ここにありますが、去年四百六万円となっております、四百六万円。いきなり、四百三十万円、前年の、から落ちて四百六万円。これは、一九四九年に国税庁が調査を開始して以来、最も大きな下げ幅になっております。一年で二十三万七千円下がってしまったんです。これはもう本当に大変なことだと思っています。
 菅総理、これを御覧になってどのように思われますか。一言で是非お願いできればと思います。
#390
○内閣総理大臣(菅直人君) やはりデフレというものの怖さを私も感じておりますが、今、企業の内部留保が多い中でこれだけ平均給与が下がっているということは、やはり経済全体のことと同時に、その中における配分構造がかなりゆがむというか、従来に比べてこの配分構造が、そういう働いている人に対する配分の割合が下がってきている、それが二重に利いていると、こう見ております。
#391
○松田公太君 菅総理もこれ御存じだと思いますが、日本の企業数の約九九%が中小企業なんです。中小企業というのは、本当にもうずっと長年ボーナスが出せてないという状況が続いております。
 そして、中小企業だけではなくて、実は大企業も業績の悪いところは役員が自ら自分の賞与をカットしているところもたくさんあるんですね。例えば、一例だけ申し上げますと、トヨタ自動車。トヨタ自動車は、既に役員報酬、つまり給与ですね、これを既に何%もカットしておりますし、役員賞与、つまりこれがボーナスに当たりますが、役員賞与を二年連続ゼロにしております。
 しかし、私は先日、我々国会議員や総理大臣のように特別職に就かれる皆様の期末手当、ボーナスの金額を見て、私は心底驚いてしまいました。ちょっと次のパネルを是非上げてください。これだけ厳しい国の情勢の中でこれだけの金額がもらえてしまう、これは民間の感覚では私は信じられないことだと思います。
 是非国を会社に置き換えて考えてみてください。業績がどんどん悪化している、赤字幅がどんどん膨らんでいる、その赤字を埋めるために毎年膨大な借金を繰り返している、その膨大な借金は減る見込みはない、業績だって全然良くなっていない。そんな状況なのに、その会社の社長と役員は、まあ口では大変だ大変だと大騒ぎしますけれども、ボーナスに関してはほぼ同じ金額を何食わぬ顔してもらっている。そんな会社の社長や役員には、私は普通社員は付いていかないと思います。国も一緒だと思います。やはり、国は大変ですと大騒ぎしている我々が、当の本人が今までと余り変わらない多額の期末手当、ボーナスを受け取ってしまっていたら、やはり国民の皆さんは付いてこれなくなってしまうと思います。
 菅総理、御存じかもしれませんが、みんなの党では、これだけ今国が大変だから、国が大変なんだから、この冬のボーナスぐらいは返したいと思っている議員たちだけにでも国に返させてくださいという法案を通そうとしております。御存じでしょうか。是非、是非この法案、菅総理の指導力と政権与党の皆さんのお力、ちょっとした本気度があればこれは絶対に簡単に通せる法案だと思っておりますので、お力添えいただけないでしょうか。是非よろしくお願い申し上げます。残念ながら、国会議員には、自分たちがもらう給与とかボーナスを勝手に返せないという変な法律があるんですね。ですから、我々は返したくてもこの法案を通さなければ返せないんです。
 是非この法案を通すために指導力を発揮していただきたいと、これがまず私のお願いと、一つ菅総理にお聞きしたいのですが、もし総理大臣が返せるという状況になったとしたら、この冬の期末手当、自主返納できるということになったとしたら、菅総理はいかがなさいますか。期末手当を、このボーナスを返されますでしょうか。是非お聞かせいただければと思います。
#392
○内閣総理大臣(菅直人君) どこまで議論を広げていいか分かりませんが、まず、私はデフレの怖さということを先ほど申し上げましたが、お金がないからデフレになるんではないんですね。個人も企業もかなりお金は持っているけれども、物を使って、例えば車を買ってだれかと一緒に乗っていくよりもお金そのものを持っている方がいいと。企業でいえば、かなり装置は古くなっているにもかかわらず、それを更新するよりもそのままでお金を持っている方がいいという、いわゆるお金に対する選好性が非常に強くなっているということが問題で、それをいかにすればお金を使わせるかということで、そこで、国債でお金を預かるか、あるいは税でいただいたお金をいかに有効に使うか、有効に使うという意味は、そこで新しい需要を生み出し、新しい雇用を生み出す。
 まさに、先ほど賃金が下がってきていることを言われましたが、賃金が下がっていることを私なりに調べました。特に第三次産業で、アメリカなどは景気が悪くても賃金が上がるのに、日本は下がります。あるとき私は、今の海江田大臣と同じ立場にありましたので、なぜこんなに第三次産業が給料が下がるんだと聞いたら、生産性が低いからだと非常に分かりやすい答えが出てきましたから、私は実はおかしいと思ったんです。給料を上げたら生産性はどうなるんだと言ったら、ちょっと計算してきますと。つまり、第三次産業というのは、例えばマッサージをやった人が一時間で千円もらうか二千円もらうか、二千円もらった方が付加価値が高いから、逆に言うと、高くした方が付加価値が大きくなって生産性が高くなるという、そういう側面があります。
 そういった意味を含めて、何が申し上げたいかって、まあ余り長い時間を取っても恐縮ですからまた何かのゆっくりしたときにあれしますけれども、つまりは、問題はこの雇用を、今まで働いていない人に雇用を提供することによって、そこで逆に言うと賃金に対するプッシュ効果がありますから、それによって賃金が上昇する、つまりデフレを解消していくということにもなっていきます。
 ちょっと本題から外れたかもしれませんが、今言われましたこの期末手当等については、確かにそういう比較があります。私は、民間に比べて余りにも高い給与というのは、それは国会議員であろうがあるいは公務員であろうが、それは良くないと。つまり、それは民間との比較においてある意味でのリーズナブルな線で考えるべきだろうと、こう思っております。
 実際の、今言われたみんなの党からのいろんな提案は各党間で議論をしていただいているはずですので、その中で議論をいただきたいと。そういう中で決まれば、私も一割はちゃんと返納します。
#393
○松田公太君 済みません。私、全額をお返しになるかどうかというふうにお聞きしたんですが。
#394
○内閣総理大臣(菅直人君) 済みません。我が党の中で給与一割という議論がこの数日来あったということで、ちょっと一割ということを申し上げましたが、そういうものが決まりましたら、そのとおりに私も行います。
#395
○松田公太君 ちょっと時間がありませんので、先ほどの菅総理のお話の中で一つだけちょっと私も反論したいんですけれども、このデフレの原因をしっかりとお話しされましたが、私はデフレの一番大きな原因というのは不安だと思っているんですね。その不安をつくってしまっているのは、残念ながら今の菅政権だと私は思っております。方向性が全く見えない。国民の皆さんは、全くビジョンが伝わらない、どのような政策ができているか分かっていない。ですから、どんどんどんどん不安心理で景気は悪化していると、それも一つの私は原因だと思っているんです。
 ちょっと時間がありませんので、それで是非、菅総理、もう一度お願いなんですけれども、御自分でもしそういう法案が通れば返すと言われましたので、これには是非是非指導力を発揮していただければと思います。
 私は先ほど、トップとして重要なのはビジョンを示すことだというお話をしましたが、それと同じぐらいに重要なのが覚悟と行動力だと思っているんですね。是非、国民の皆さんに菅総理の覚悟を示してください。是非、国民の皆さんに、国は今大変な状況なんですよ、でも、先ほども言いましたが、自分のビジョンはこれです、ですからこれに付いてきてください、そして、これに付いてきていただければ、我々国の経営者も自分たちの身を削る準備がしっかりあるんですということを伝えていただければと思います。
#396
○委員長(前田武志君) 松田委員、時間が過ぎましたので、おまとめください。
#397
○松田公太君 是非よろしくお願い申し上げます。
 もしこれができないのであれば、私はトップとしての資質に欠けるんじゃないかなと思ってしまいますので……
#398
○委員長(前田武志君) 五時までのテレビ入りでございます。少数会派の時間が食い込みますので、おまとめください。
#399
○松田公太君 それができないということであれば、是非自ら身を引いていただけないかと、このように考えております。
 以上で私の質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
#400
○委員長(前田武志君) 以上で松田公太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#401
○委員長(前田武志君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
#402
○大門実紀史君 大門でございます。
 先月の予算委員会で総理に、最低賃金の引上げを中小企業支援策と併せて内需拡大策の経済対策としてとらえるべきだという質問を申し上げました。総理はそれに対して、大変魅力的な提案だと、また経済効果について調べてほしいという御要請もいただきました。せっかくの御要請ですので、先週幾つかの資料を総理にお渡しをしたところでございます。
 時間の関係でその資料の紹介は省きますけれども、とにかく前回申し上げたように、アメリカやフランスでやったように、最低賃金引上げと中小企業支援策をセットで内需拡大策として行えば、総理が言われたようないい経済の循環をつくることができるというふうに思いますので、提出した資料などを参考に、是非とも最低賃金引上げについて積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#403
○内閣総理大臣(菅直人君) 大変いい資料をいただきまして、全部は読めていませんが、概略は読ませていただきました。
 実は今、前の松田議員の議論とこの問題、非常にかかわっていると思います。つまりは、自民党の皆さんは、最低賃金を上げるとこれはアンチビジネスだと言い、あるいは労働の非正規雇用が減ってくるとそれもアンチビジネスだという言い方をするんですが、私は必ずしもそうは思っていないという点では大門さんと共通ではないかと思います。
 つまりは、確かに異常に高い給与を決めてしまえばその会社はもちませんけれども、トータルとして給与が、例えば介護のところに少しお金が回ってきて、そこでこれまで働かなかった人が働くようになって、そしてサービスを生み出して、そしてそれなりの税金を払っていけば、そこには好循環が生まれるわけでありまして、そしてデフレに対しても、先ほど来申し上げていますように、失業率が下がれば賃金に対する上昇圧力が掛かりますから、そういう面でもデフレが解消していく。
 ですから、私も、機械的に最低賃金を高く、水準上げたらそれですべてがうまくいくとは思いませんが、少なくとも失業率を下げるといったようなことも含めて積極的にやることによって、最低賃金が上がり得る状況をつくるということによって経済が立て直ってくるというそういう御指摘、たくさん参考例をいただきましたが、大変私は示唆に富んだものだと、こう受け止めました。
#404
○大門実紀史君 総理と意見が合いそうなのはここまででございまして、今日は財政の集中審議でございますので、社会保障財源について議論をしたいというふうに思います。
 政府・与党は検討本部というのを設けて、今後の社会保障の財源をどうするかという議論を開始されております。年内に中間の取りまとめを行うということですので、その点について議論をしたいと思いますが、この点で私はヨーロッパの社会保障財源の在り方から正確に学ぶべきだというふうに考えております。(資料提示)
 パネルをちょっと用意いたしましたけれども、これは財務省が絶対作りたがらない資料でございます。私の方で作りました。ヨーロッパ各国の社会保障の財源が何によって賄われているかということを、その内訳を示したものでございます。
 消費税の増税を進めたい日本の大新聞とかあるいは学者の方々は、ヨーロッパの社会保障が充実しているのは消費税の税率が高いからだという宣伝をまことしやかにやっております。だから日本も引き上げようというような論法でございますが、そういう世論誘導もあってか、社会保障のためなら消費税の増税も仕方がないかなと思わされておられる国民の方々も多いんではないかというふうに思います。しかし、それが本当なのかどうかというのがこの資料でございます。本当ではございません。
 赤い部分が各国の社会保障財源に占める消費税、付加価値税の割合でございます。日本が八・八%、ほかの国はほとんど一〇パー、一割、一〇%前後でございます。イタリアはちなみに日本よりも消費税率はかなり高いわけでございますけれども、社会保障財源に占める割合は日本よりも低いという状況です。
 つまり、各国とも社会保障財源は消費税で賄っているわけではないということでございます。社会保険料負担やその他の税で賄われていると。したがって、宣伝されているような、ヨーロッパの社会保障が充実しているのは消費税の税率が高いからではないということをはっきり知っていただきたいなというふうに思います。
 また、パネルを御覧になって分かるとおり、じゃ何で賄っているのかというと、ヨーロッパの国々はほとんどは、社会保障財源の一番を占めるのは企業の社会保険料負担でございます。消費税が高いからではなくて、企業、特に大企業はきちんと負担しておりますから、そういう大企業の負担も含めて企業負担がしっかりしているからヨーロッパの社会保障は充実した水準にあるということを示しております。また、その他の税というところもほとんど個人、家計の負担でございますから、消費税で賄っているというよりも、社会保障財源は企業がきちっと負担をしているからということでございます。
 もしも、この上、法人税を今言われているように五%下げて、自民党や民主党の皆さんが言っているように消費税を一〇%に上げたらどうなるかというのが一番左側のグラフでございます。社会保障財源に占める消費税の割合は現在の倍近くになってしまいますし、一方、税と社会保険料負担合わせて企業の負担は更に減る、国民負担が増えるということになってしまうわけでございます。
 この法人税五%の引下げというのは、中小企業というよりも、ほとんど恩恵を受けるのは大企業。ですから、経団連、財界は法人税を下げて消費税を上げろと。つまり、社会保険料負担、社会保障に対する負担も低くなるからという意味も含めて要求をしているところでございます。
 私、社会保障の財源というのは国民、企業、みんなで負担をすべきだと、当たり前のことだというふうに思います。その際、やはり応能負担、今日の午前中も取り上げましたが、応能負担とか、あるいは企業の社会的責任、ヨーロッパは特に雇用者に対する責任はきちっと果たすというのが当たり前になっております。そういうものが重要だと思いますけれども、この消費税増税で社会保障を賄うという考え方は、結局企業、特に大企業の負担の社会保障に対する責任を免除して、国民の負担だけを増やすことになってしまうんではないかと、今の日本ではそういうことになってしまうんではないかと思いますが、総理、いかがですか。
#405
○内閣総理大臣(菅直人君) このグラフをこのまま見ると、今おっしゃるような立論が成り立つのかなと思います。
 ただ、一つは全体のボリュームが、例えばスウェーデンとかフランスなどは、多分GDPに占める社会保障費そのものの割合がかなり……(発言する者あり)いや、財源にしても大きいわけでしょうから。
 それと、これ、ちょっとどう読んでいいか分かりませんが、国債などで賄われているそういったものも、どの部分にこれで読めるのか、ちょっとここでは分かりません。今日、ほかの方の議論の中でも、現在の負担率も三十数%になっておりますけれども、国債などを潜在的負担率として計算すれば四〇をかなり超えております。
 そういったことで、もう少し私も勉強させていただきますけれども、この議論をするときに、そういったことを含めて議論をさせていただきたいと。ですから、これだけ見てそのとおりだということもちょっと現段階では申し上げられませんし、ここが違うというのも、率直に言ってもう少し検討させていただきたいと、こう思います。
#406
○大門実紀史君 自民党政権のとき、よくこういう資料にけちを付けるというやり方をやったわけですが、これは言っておきますけれども、欧州委員会の統計局の資料をそのままグラフにしたわけですよ。その一々細かいややこしい話を時間のないときにやらないで、正面から答えてくださいよ、正面から。間違いないんだから、この資料は。
 だから、いいんですかと、国民負担を増やして企業負担を減らす方向で議論されていますけれども、それでいいんですかという核心の問題を、総理だから聞いているわけですよ。いかがですか。細かいことを言っちゃ駄目ですよ、総理が。
#407
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、この間、法人税の議論が盛んに行われていますが、私たちが言うのは、法人税が他の国に比べて高いと雇用が失われるということを心配しております。そういった意味で、その面はやはり考えなければならないと思っております。
#408
○大門実紀史君 とにかく社会保障財源は、余裕のある、総理も認められた余裕のある企業、特に大企業にきちっと負担させるべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
#409
○委員長(前田武志君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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#410
○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#411
○片山虎之助君 それでは、早速始めます。
 尖閣諸島事件について申し上げたいんですが、この事件の処理は、国の内外に大変評判が悪いことは御承知のとおりであります。
 ところが、総理はこの国会を通じまして、いやいや、それはそういう意見もあるけれども、この処理しかなかったんだと、五年たち十年たてば歴史の評価に堪え得るんだと、こういうことを言われている。私は大変疑問に思っているんですよ。
 今回の尖閣諸島事件を私なりに整理しますと、一つは、我が国は法治国家でありながら、法治国家としての筋を通さずに有形無形の中国の圧力に屈したんですよ。それが一つ。それから二つ目は、本来この種のものは指揮権発動云々ではなくて、政治が決めて政治が責任を持つべきであるにかかわらず、検察に丸投げして、法と証拠の検察を振り回したんです。その結果、政治も検察も共に権威を失墜してイメージダウンしたんです。それから三つ目は、尖閣ビデオを早めに一般公開すりゃいいんですよ。それを隠しまくって、結果としては身内から流出して、これは世界中に恥をかいたようなことになっているんです。
 中国と事を構えない、中国と穏便にすることをもって、五年、十年の歴史の評価に堪え得るとお思いですか、総理。
#412
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ五年、十年の歴史というのは、まさに五年、十年たった段階で検証されると思います。
 私は私の意識の中で、中国に対して何か中国の圧力を感じて何かやったという意識はありません、私には少なくとも。つまりは、この中国との関係は元々、まさにGDPが世界第二位の座を場合によったら今年にも明け渡すという、この事件のあるなしにかかわらず、この十年、二十年の中での経済の中国の上昇と、それに対して、日本が残念ながらこの二十年間、経済成長が低迷し続けてきたというこの状況の……(発言する者あり)そういう背景の中で、まさに国際的……
#413
○委員長(前田武志君) 質疑の妨げになります。お静かにお願いします。
#414
○内閣総理大臣(菅直人君) いろんなことの力学がだんだんと変化する中で、その中で、日本が外交的にもあるいは日本の国内の経済の立て直しも含めてどうしていくかという中に起きたわけであります。
 ですから、私は、この五年なりの中で当然検証する時期が来ると思いますが、少なくとも私の中で言えば、別に中国に何かおもねって何かをしたという意識は全くありませんし、そういった歴史的なそういう評価を受けるとは思っておりません。
#415
○片山虎之助君 まあ中国は長い友人ですし、ある意味では日本のいろんな文化は中国を経由して我々は得たわけですから、それは仲よくせないけません。
 個人でも隣同士というのは仲悪いんですよ、割に。ところが、国の場合は引っ越しできない。しかも、大変いろんなものが似たところもある。
 私は、中国と仲よくせないかぬと思いますよ。経済的にはもう運命共同体ですよ。部品の動きを見ていると、最終製品の部品は両方から行っているんです。こんなもの、今、二五%でしょう、中国との貿易が。アメリカは一六%ですから。
 それは、私は、仲よくしなきゃいかぬと思うけれども、しかし、今回のこういう処理が仲よくすることやないんですよ。法治国家として筋を通すんですよ。きっちりとその手続に従って日本の判断を示すんですよ。それが日本の法治国家なんですよ。中国は法治国家かどうかちょっと分からぬところがある、まだ。是非、そこは毅然とすべきであるにかかわらず、結果としては、総理、逃げたことになっている。
 もう一度答えてください、簡潔に。
#416
○内閣総理大臣(菅直人君) 歴史が将来それをどう判断するかだと、こう思っています。
#417
○片山虎之助君 いや、そこで、危機管理の議論ですよ。危機管理というのは、私は、最悪の場合を想定して、その最悪に備えて、その最悪を避けるということも大きな一つだと思うんですよ。
 そこで、今回のようなことがもう一度起こったらどうしますか。もう一度領海侵犯やる、公務執行妨害やる。あの頑丈な漁船でそう頑丈でもない日本の海上保安庁の監視船に突き当たってくる。どうしますか。同じことをやりますか。処分保留で釈放しますか。向こうから賠償やあれを請求されますか。総理、どうですか。(発言する者あり)仮定だからやるんですよ、危機管理は。
#418
○内閣総理大臣(菅直人君) こういう危機管理に関して言えば、あらゆるいろいろな事態をある意味で事前に想定しながらいろいろなシミュレーションをつくっておくということの必要性は私はあると思っております。そういう意味では、もっとしっかりとこれからの問題として、あるいは日本のそうした例えば海保の装備とかいろんなことも含めて、きちっと対応していかなければいけないと思っております。
 ただ、同じような問題が起きたときに、今この時点でどうするかという、そういうことそのものをこういう場で申し上げること自体も、そこは慎重にしなければならない課題だと思っております。
#419
○片山虎之助君 慎重にすることと、ちゃんと研究して内に持っていることは違うんですよ。恐らく、それやっていないんじゃないですか。
 あるいはもっと、一隻や二隻じゃなくて大挙して漁船が領海内に押し寄せてきてそこを占拠したらどうしますか。あるいは何十人かが、跳びはねた連中が上陸したらどうしますか。今の海上保安庁やあるいは防衛省のいろんな出動の形態がありますけれども、対応できますか。総理、どうですか。
#420
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げたように、いろいろな事態を想定していろいろな、日本の場合であれば普通の警察あるいは海保、もちろん自衛隊、いろんなものがあります。そういうものがどういうふうにどういう対応をするか、あるいはそれ前に、どういう形で、今防衛大綱の議論もいたしておりますが、どうあるべきかという議論は大いにすべきだと思っています。
 確かにおっしゃるとおり、そういうものに対する対応が十分であったかと言われますと、私は私の内閣からというよりももっと前の段階から必ずしもこういった問題に対してきっちりとした対応が準備されていたとは思いませんので、情報収集も含めてしっかりと対応できる体制をつくりたいと、こう思っております。
#421
○片山虎之助君 今、法的には前の政権のときもいろいろ手当てをしてきたんですよ。防衛出動、治安出動、海上警備行動、いろいろなことができてきたけれども、その前の段階の法的な手当てが要るかどうかという議論が一つある。
 それからもう一つは、実効支配の強化ですよ。手をこまねいておったらしようがないんですよ。是非その警戒監視体制を整備してくださいよ。どこかに置いてくださいよ、陸上自衛隊でも海上自衛隊でもいいですけど。みんな国民は不安でしようがない。手をこまねいているじゃないですか。
 それから、場合によったらあの島の、二人が所有者らしいから、二人が所有者ですから、国が全部買い上げるなり借り上げてください。今借り上げているのか。買い上げてくださいよ。そういうことを本気でやったり、あるいは石垣市が固定資産税の実地調査をしたいと言っている。やらせばいいじゃないですか。何でぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ、やらせないんですか。どうですか、総理。
#422
○国務大臣(仙谷由人君) 石垣市の調査の要請でございますが、多分、先生が総務大臣されていたころもこの種の話はあったんではないかと思いますが、いずれにしても、国の機関を除いて上陸を認めないという所有者の御意向を踏まえて、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のため、政府の賃借目的に照らして、政府としては、ここまでは原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めていないところでございます。
 御指摘の地方税法四百八条に基づく実地調査を行いたいと石垣市の要請はあるんでありますが……
#423
○片山虎之助君 いや、よろしい、もう。これは質問妨害だ。
#424
○国務大臣(仙谷由人君) 尖閣諸島の平穏かつ……
#425
○委員長(前田武志君) 時間が迫っておりますので、おまとめください。
#426
○国務大臣(仙谷由人君) 安定的な維持及び管理のためという政府の賃借の目的を踏まえて、現在、政府部内で検討を行っているところであります。
#427
○片山虎之助君 総理、本当にこれから中国と友好提携で本当に友人になりたいんなら、私は、中国の悪いところは内政干渉ぎりぎりで率直に私は忠告すべきだと思いますよ。ただ、普遍的な今価値である例えば人権だとか自由だとか民主主義を国内で尊重しろと、あるいは今いろんな議論がある愛国反日教育を自粛しろと、こういうことを言う勇気はありますか。
#428
○内閣総理大臣(菅直人君) 片山先生のおっしゃることは私もよく理解できますし、言うべきとき、言うべき場所、言うべき時期においてそういう趣旨のことは申し上げなければならない、こう思っております。
#429
○片山虎之助君 もう一言だけ。
 この間、APECの後の記者会見で、総理が日本の農業についていろいろ言われた。今の農地制度が例えば若い人が農業に入る、一般企業が入ることの制約になっていると。農業をやらなければ農地が買えないんだ、これは間違いですから、よく閣内で聞いてください。
 そこで、今農業者や農業関係者の理解を得なければ、TPP交渉なんかできませんよ、総理。
#430
○委員長(前田武志君) 片山委員、残りの会派のテレビが映りません。
#431
○片山虎之助君 日本の農業しっかり守らないと。その上でTPP交渉なんですよ。是非そのことを分かってください。
 終わります。
#432
○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#433
○委員長(前田武志君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田忠智君。
#434
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。今日もまた総合テレビは五時で切れますので、是非BS2に切り替えて御覧をいただきたいと思います。
 普天間基地の問題、時間がありましたらTPPの問題、質問をさせていただきたいと思います。
 これまで、昨年の衆議院選挙、名護市長選、沖縄県議会における全会一致の決議、名護市議選と、普天間基地の国外・県外移設を求める民意が示されていますが、こうした民意をどのように受け止められますか、総理。
#435
○国務大臣(前原誠司君) 前回の総選挙のときに民主党は少なくとも県外、できれば国外ということを言いながら、結果として辺野古に戻るということで、大変、沖縄の皆さん方に私は心からおわびを申し上げなくてはならないと思います。また、一九七二年の返還以来、七五%の施設・区域が集中をしてきたということについても併せておわびをすると同時に、いかに抑止力を維持しながら負担軽減をしていくのかといったことを車の両輪として考えていくことが大事だろうと。
 この辺野古というところについては新たな負担をお願いすることになりますが、全体として、特に嘉手納以南、全体としては負担軽減につながるということでございますので、五月二十八日の日米合意に基づいて我々は取り組んでまいりたいと思いますので、その気持ちを真摯に沖縄の皆さん方に、今の二つのおわびも含めてお話をさせていただきたいと思っております。
#436
○内閣総理大臣(菅直人君) 五月二十八日の日米合意について、沖縄の皆さんの中で大変厳しい意見が今なお強いということは承知をしております。幾つかの選挙の結果も、そういったものもある意味で表明された中には入っているのかなということを感じております。
#437
○吉田忠智君 私は、民意の受け止め方が大分違うのではないかと思いますが、日米関係の友好関係を損なうことなく、私は普天間の海外移設は可能だと考えています。アメリカ政府や連邦議会の関係者からもそのような意見が出されています。
 例えば、米国の安全保障研究者マイケル・オハンロン氏とマイク・モチヅキ氏は、日米同盟を壊すことなく普天間飛行場の撤去は可能、現在、普天間飛行場は宜野湾の真ん中に位置し、騒音、墜落の危険などの問題を派生させ、地元経済発展の戦略上の障害となっていると論文で指摘しています。また、民主党のバーニー・フランク議員と共和党のロン・ポール議員は、海外駐留経費の大幅削減、特に普天間の閉鎖を訴えています。中でも、ベテランで下院歳出委員長として大きな影響力を持つフランク議員は米海兵隊の沖縄撤退を主張しています。
 総理、こうした事実をどのようにお考えですか。
#438
○国務大臣(前原誠司君) アメリカの中でもいろんな意見があるということは我々も承知をしておりますけれども、様々な検証の結果、結果として五月二十八日に日米で合意をしたということでございまして、それについて沖縄の皆さん方にしっかりと御説明をしながら進めてまいりたいと考えております。
#439
○内閣総理大臣(菅直人君) 同じような答弁になりますが、確かにアメリカの中でもいろんな議論があることは承知をしております。
 しかし、鳩山内閣の下でそういう可能性も含めていろいろと検討をされた中で、結果としてやはり辺野古地域への移転という形に、結果としてそれ以外の選択はなかなか日米間においても合意に至らないという中でそういう日米合意になったわけでありまして、そういう意味では、いろいろな意見はもちろんしっかり聞かなければなりませんが、まずは日米合意を踏まえての、そしてそれに加えて沖縄の皆さんの負担の軽減のために全力を尽くしていくという、そこからスタートをして、理解を求めていくことにしなければならないと思っています。
#440
○吉田忠智君 いつまでも実現が不可能な辺野古への移設に固執すべきではないと考えますし、さりとて世界一危険な普天間基地を放置できません。
 前原大臣は政権交代前から外交問題に熱心に取り組まれ、アメリカ政府、軍関係者にも多くのネットワークをお持ちであると聞いております。そういう意味で、前原大臣には大変期待をしております。是非、アメリカとの太いパイプを生かして、辺野古案は実現可能性がないという事実を友人として率直に伝えて、日米合意の見直しを行うべきと考えますが、どうですか。
#441
○国務大臣(前原誠司君) 自社さのときに、私、さきがけのこのSACOの問題の担当をしておりまして、今、吉田委員がおっしゃったように、沖縄の御要望も、一番大きかったのは、最上位に来ていたのは普天間飛行場の返還でありました。十三事案というもののトップに来ていたのが普天間飛行場の返還でございまして、その自社さの中で、橋本当時の総理大臣が返還というのを決意をされたと、こういうことでございます。したがいまして、我々も一刻も早く最も危険な普天間飛行場の危険除去、返還というものをしっかり行いたいという思いは、これは委員と共有しているわけでございます。
 その中で、いろいろと紆余曲折はございました。沖縄の皆さん方にも御迷惑をお掛けをいたしましたが、五月の二十八日にこれは日米間で正式に合意をしたものでございますので、この中身を真摯に沖縄の皆さん方に御説明をしながら、御理解をいただけるように努力をしてまいりたいと考えております。
#442
○吉田忠智君 民主党の議員の皆さんの中にも、百七十名以上の方がやっぱり国外・県外移設すべきだという意見をお持ちなんですよね。そして、アメリカの政府の関係者にも、議会の関係者にもそうした方々がおられるわけですよ。だから、私は決してできないことではない、そのように考えています。困難であることは承知をしておりますけれども、現実を見据えて、まさに民意を受け止めて、日米合意見直しのアメリカとの協議に着手すべきであるということを要請をしまして、TPPの質問に移らせていただきます。
 TPPにつきましては、十月の所信表明演説で唐突に言及され、今月九日、関係国との協議を開始するとの閣議決定がされました。私には、慎重な検討もなく拙速に派手な政策に飛び付いたように思えてなりません。政府・与党内で所信に盛り込む前に調整、検討を行ったのでしょうか。具体的に明らかにしてください。
#443
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、鳩山内閣で副総理を務めていたその段階でも、外務省を中心にいろいろな国のFTA、EPA交渉、それについての議論をいたしておりまして、なかなか我が国、進んでいない現状を認識をいたしておりました。そういう中にあって、このTPPについて、確かにまだその言葉そのものがそれほど広く行き渡っておりませんでしたけれども、所信表明の議論の中で、この言葉について私がその関係者と入れることを調整をいたしました。
 大体、所信表明演説というのは、関係閣僚との間ですべて調整をしますし、この場合、我が党の場合は党の政調会長を兼ねている玄葉大臣とも調整をいたしましたので、また閣内には国民新党の自見大臣も入っておられますので、そういった中で閣議決定の手続を経て所信表明に盛り込んだところで、そうした調整は行われた上で表明をさせていただきました。
#444
○吉田忠智君 激烈なグローバル競争の中で、その影響を少しでもやっぱり和らげねばならない。それが私は行政の最大の役割だと思うんですよ。だから、関税などの国境措置もやっぱりしっかりやらないと、それぞれ国情が違うわけですから。余り十分な検討なしに前のめりに行くというのは極めて危険ですよ。菅総理、どう思いますか。
#445
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今おっしゃったように、実は基本方針の中には、高いレベルの経済連携を目指すと書いてありますが、同時に、センシティブ品目に配慮しつつということがあるわけであります。
 したがって、実際に高いレベルの二国間の経済連携、米韓の経済連携であっても、実は米は例外品目になっています。米豪のこの経済連携、高いレベルでありますけれども、これも例外品目あるいは除外品目というのはございます。
 ですから、二国間の、バイラテラルの高い経済連携と包括的な経済連携と適切に組み合わせていきたいと、そう思っております。
#446
○吉田忠智君 いずれにしても、しっかり協議をするということですから、慎重な上にも慎重に検討していただくことを要請して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#447
○委員長(前田武志君) 以上で吉田忠智君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて外交防衛・財政等に関する集中審議は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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