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2010/10/07 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第2号
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2010/10/07 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第2号

#1
第176回国会 本会議 第2号
平成二十二年十月七日(木曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  平成二十二年十月七日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る一日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。小坂憲次君。
   〔小坂憲次君登壇、拍手〕
#4
○小坂憲次君 私は、自由民主党を代表し、菅内閣総理大臣の所信表明演説に対し、質問をいたします。
 質問に先立ち、この度二〇一〇年のノーベル化学賞の受賞が決定した北海道大学の鈴木章名誉教授、米パデュー大学の根岸英一教授に対し、心よりお祝いを申し上げます。
 質問に入ります。
 暮らしのための政治を、国民の生活が第一という公約を掲げて民主党が総選挙に勝利し、政権を奪取してから一年余りが過ぎました。もはや、政権交代後間もないからとか、初心者だから見守ってなどという言い訳が通用する時期は完全に終わりました。
 一年前、国民の皆さんが民主党に寄せていた期待は見事に裏切られました。国民は政権に失望し、今夏の参議院選挙では我が自由民主党が改選第一党として勝利いたしました。民主党の皆さんがかつてよく言っていた直近の民意は、自民党に寄せられたのです。
 国民の失望の原因は大きく三つあります。
 第一に、政権交代がバラ色の世の中をもたらすかのように国民を誤解させ、これを行えば、強い経済が実現し、国民の生活が守られるのだと美辞麗句で飾られた政権公約のマニフェストが一向に守られていないことであります。
 天下り根絶といいながら、政権が発足するや、日本郵政の社長に大物と言われる旧大蔵省OBを就任させ、高速道路無料化やガソリン税引下げも約束を裏切り、十七兆円の無駄を見付けるはずの事業仕分も結局は一兆円に届きませんでした。
 子ども手当や高校無償化といった財政に重大なダメージを与えるばらまき政策をめぐっては、さきの民主党代表選挙で、菅、小沢両候補の間で守るか守らないかが大きな争点となりましたが、これこそ実現不可能な公約で国民をだました証左ではありませんか。
 国民が失望した第二の理由は、この政権が常に重要な政策でぶれることであります。
 この夏の参議院選挙に臨み、菅総理は唐突に財源不足を補うための消費税増税を主張されました。ところが、民主党内の反発に遭うや、まだ先の話、年収の低い人には還付しますなどと発言は後退し、ついに還付対象も、年収二百万円と言ったその日の最後には四百万の人まで低所得者にされてしまうほどぶれたのであります。そして、その後の民主党代表選挙では議論を回避されたではないですか。出したり引っ込めたり、菅総理御自身の言葉は大きくぶれております。総理、消費税はどうされるんですか。
 国民がこの政権に失望した第三にして最大深刻な原因は、危機管理能力の欠如です。
 この春、宮崎県で発生した口蹄疫被害が拡大していたさなか、現地で対策の指揮を執るべき農水大臣は外遊予定を変更せず、危機意識の薄さを満天下に示しました。我が国の畜産業が被った大きな打撃の責任は、当時の大臣と総理にあることは疑うべくもありません。
 また、さきの円高危機の発生局面では、総理も関係閣僚も夏休みだとして拱手傍観し、その後、事態の推移を見守ると悠長な対応に終始し、民主党代表選挙に狂奔するばかりで、本務たる政策を顧みず、我が国企業の経営に深刻な打撃を与えました。
 後に述べる中国漁船の領海侵犯・公務執行妨害事件でも、総理の優先項目は代表選での勝利であり、この危機的事態にどう対処するか熟慮された形跡は見て取れません。そして、遺棄化学兵器処理計画で訪中していて拘束された日本人の解放も要求せずに中国人船長を処分保留のまま釈放するに至っては、この政権には危機管理以前の問題として我が国の領土と国民を守る気概のないことが明らかになったのであります。
 第三に、危機に当たっての対処の遅さと誤りによって我が国経済と国民の生活や我が国の領土まで危うくしていることについてどのようにお考えですか。領海侵犯事案に今後どのように対処されるおつもりか、自衛隊の最高指揮官としてどのようにお考えですか。また、命懸けで領海警備に就いている海上保安庁の装備や今後の国内法上の手当てについて、総理としてのお考えを伺います。
 この夏の参議院選挙の結果、自公政権時とは攻守所を変えて、参議院で野党多数のいわゆるねじれ国会となりました。
 さきの百七十四通常国会において、民主党は、会期中の首相交代に際しては衆参両院の予算委員会を開き新内閣の基本姿勢を論議するという院の慣例に従わず、予算委の開会を拒否し、自らが提案した党首討論もこれを撤回し、我が党が提出した首相問責決議案の採決をも拒み、会期末に本会議を開かないまま国会を閉じるという前代未聞の強権的な国会運営をされました。
 これによって、総理のおっしゃるクリーンな政治とは全く相反する事態が招来されました。すなわち、鳩山由紀夫前総理や小沢一郎元代表、さらには当時の現職閣僚をめぐる政治と金の問題にふたをし、国民の率直な疑問に何ら答えることなく、議会での自由な言論を封じ込めたわけであります。政府提出法案の成立率が戦後最低の五五・六%にとどまるという、つまり政策実現能力がここまで低いことを露呈しつつも、参議院選挙に有利か不利かという党利党略、私利私略に基づく選択をされたのであります。
 まず、さきの通常国会における国会運営を率直に謝罪されるべきです。総理の見解を伺います。
 我が国の喫緊の課題は経済、景気の立て直しであり、そのための補正予算は今国会において成立させなければならない最重要案件であります。我が党としても、かつて政権運営をした経験を有する責任ある野党として、国民生活を無視して、反対のための反対で補正予算の成立を阻止するつもりはありませんし、協力すべきは協力します。有言実行内閣としてどのような国家観の下に野党の協力を求め、この状況をどう打開して補正予算や関連法案を成立させるのか、どのように考えているか、改めて伺います。
 菅総理は、所信表明演説において議員定数の削減に言及し、民主党の公約にも衆参定数の削減が盛り込まれております。参議院議員の定数削減に具体的にどのように取り組まれるのか、民主党党首でもある菅総理に伺います。
 参議院の定数是正は、一票の格差や都道府県代表の在り方など、憲法議論に踏み込む必要が出てくる可能性があります。本来であれば、憲法審査会において議題とすべきでありますが、同審査会の設置に必要な規程の制定を長期間にわたって先送りしてきたのは民主党であります。民主党は、改憲派から頑迷固陋な護憲派までが同居する寄せ集め集団であることからこうした決定ができないのではないですか。しかし、憲法審査会が設置できない現状は違法状態であります。憲法改正に反対するグループが党内にいるからといって国会に議論をする場まで設置させないというのは余りにも横暴であります。
 早急に憲法審査会規程を整備するなどして憲法審査会を始動させるべきであると考えますが、民主党代表としてどうリーダーシップを発揮されるのか、お考えを伺います。
 昨年、発足当初の鳩山政権は、自民党政権時代の政権運営体制を否定することを自らの基本方針としていました。事務次官会議を廃止して国家戦略室、行政刷新会議を設け、大臣、副大臣、政務三役が各省における意思決定を政治主導すると宣言したのであります。ところが、菅総理は就任後の記者会見で、官僚を排除して政治家だけで決定すればいいということでは全くないと述べられました。自公政権時代は経済財政諮問会議が司令塔となりましたが、これを廃止してより強力な官邸主導の実現を国民に約束されたのではなかったですか。
 来年度予算の概算要求基準をめぐり、財務省が政策経費の一割程度を各省が一律削減と差配する有様は、民主党が否定してきた財務省主導のシーリングそのものではありませんか。いや、防衛費等、真に必要なものまでシーリング対象とした、そういう点では、あなた方が非難してきた自民党の予算編成よりも硬直的で画一的な手法であると言わざるを得ません。
 菅総理、政治主導の旗を降ろすのですか。政治主導確立法案はあきらめますか。お考えを伺います。
 政権交代すれば何ぼでも財源は出てくる。昨年総選挙で掲げたマニフェストの完全実施を宣言したのは、代表選挙を争った小沢一郎氏の発言です。特別会計を含め、二百七兆円の国家予算を全面的に組み替えれば、マニフェスト実現の裏付けとなる初年度七兆円以上の追加財源が捻出できるというものでありました。
 目玉政策の一つに子ども手当がありますが、今年度予算では、十五歳以下の子供一人当たり月一万三千円の支給が開始されました。さて、来年はどうされますか。今年度の支給は一年限りの時限立法によるものであり、存続するには新たな立法措置が必要であります。また、マニフェストどおりであれば、財源は地方負担をやめ、国が全額負担することになります。
 さらには、手当支給に対応して、昨年末の税制改正で年少扶養控除の段階的な廃止を決定しています。この先行決定で単年度立法という見切り発車の制度設計に矛盾が生じてまいります。実際、三歳未満の子供を抱える世帯では逆に負担が増えるという試算が出ています。このような矛盾を抱えたままマニフェスト実現を主張されるんでしょうか。
 巨額の税金を投入しながら、効果より負の側面が目立つ農家の戸別所得補償や高速道路料金の無料化も問題であります。
 戸別所得補償は、本年度の米に加え、来年度は麦や大豆など畑作が加わって予算は一兆円規模に膨れ上がります。この政策が原因で現在、米価が大幅に下落し、土地改良予算が大幅に削減された結果、農業基盤の荒廃が進み、災害発生すら危惧されていますが、これらをどうするお考えですか、お答えください。
 高速道路の無料化公約は社会実験という名目で批判をかわそうとしておりますが、完全実施の財源をどうするつもりですか、総理の御所見を伺います。
 さて、総理はまた、いわゆる政治主導と全く異なる考え方を所信表明において示しておられます。例えば、その冒頭において、我が国が取り組むべき課題の一つに国民全体で取り組む主体的な外交の展開を挙げ、世界の平和と安定を国民一人一人が自分の問題としてとらえるべきだと主張されました。
 本来、外交こそ専門家の経験と知恵を総動員し、最後は総理が責任を負わなければならない問題であります。これを国民全体でというのは、決して民主主義の本旨に沿ったものではなく、責任を国民に丸投げしたものとしか思われません。沖縄県民の理解が得られないから米軍普天間基地の移設は進まない、検察が判断したから我が国領海で不法操業し公務執行妨害で逮捕した中国漁船の船長を釈放した、あなたはこうおっしゃりたいのでしょうか。
 外交に関するある政治家の発言を御紹介しましょう。日本外交はよく戦略がないと批判されますが、私の見るところ、今の外交はかわし外交と呼ぶべきです。かわし外交とは、この国をいかに導くか、相手国といかに付き合うかという外交戦略を欠き、相手国の圧力をかわすことにエネルギーの大半を費やす外交のことです。しかし、外交戦略を欠くゆえに、かわし外交はその場しのぎ外交となり、結局相手にずるずる押されて終わる宿命にあります。これは、一九九八年の第百四十四国会において、ほかならぬあなたが当時の小渕恵三総理に対して行った質問であります。
 日本外交がまさに八方ふさがりの様相を呈している今日、まさにこのことを菅総理にただしたいと思います。
 今回の尖閣諸島にかかわる中国漁船の我が国領海侵犯と逮捕、釈放に至る一連の経緯は、まさに総理の言うかわし外交であり、その場しのぎ外交にほかならないと思うのですが、総理は領土問題に関していかなる戦略を持ち、対中外交においてどんな戦略をお持ちなのか、お答えください。
 この問題で、菅総理に代わり主導的な役割を果たしたと言われる仙谷官房長官にもお聞きいたします。
 あなたはこの事件で、十四人と船がお帰りになれば違った状況が開かれるのではないかと思っていた、司法過程についての理解が異なるということをもっと我々は習熟すべきだったと率直に御自身の判断違いを認めておられます。
 しかし、我が国の領海を侵犯し、海上保安庁の正当な公務の執行を妨害しながら、なお自らの非は認めず、さらに我が国の譲歩を迫る中国に対し日本政府の見込み違いを告白するのは、誤ったメッセージを与えることになるのではないですか。今後、彼我の制度の違いを習熟すれば、尖閣諸島でいかなる違法行為があっても、逮捕とか、我が国の法の執行はないと相手側が判断してしまう危険はないでしょうか。
 中国漁船の船長の釈放に際し那覇地検の次席検事は、我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を続けることは相当ではないと判断したとその理由を説明しました。
 法と証拠にのみ基づいて事案を判断すべき検察が日中関係を考慮するのは、検察の独善かあるいは政府による事実上の指揮権発動だと思いますが、総理、法務大臣及び官房長官の見解をお尋ねします。
 この問題に関し、菅総理は、我が国海上保安庁の巡視船に体当たりする模様をとらえたビデオは見ていないと衆議院予算委員会で答弁されておられます。危機対応の責任者としては無責任極まりない発言であり、杞憂とは存じますが、よもや、まだ見ていないとおっしゃることはないことを確認させていただきたいと思います。
 政府・与党は今次国会の開会を十月一日に決め、所信表明演説と対する代表質問の日程を与野党で合意したにもかかわらず、総理のアジア欧州会議、ASEM首脳会議への出席を理由に代表質問の日程を先送りしました。
 この会議への出席は、菅総理が中国漁船衝突事件について中国首脳と協議すること、また、日本の立場を各国首脳に説明することと理解し、我々野党も納得して日程変更を受け入れたのであります。
 立ち話であったようですが、成果はありましたか。温首相とは会場廊下のいすに座って会談したと伝えられています。突如の立ち話に、日本側の中国語通訳がいなかったため、英語を介しての通訳だったと聞きます。それで二十五分の立ち話ということは、実質的には十分以下の短時間の会談ということになります。それで十分な日本の国益の主張ができたんでしょうか。また、立ち話の際に温家宝首相に対し、いまだに拘束されたままのフジタの社員一名の解放を直接要求されたでしょうか。昨日の我が党総裁、同僚の質問にははぐらかし答弁に終始されましたが、直接要求したのか、イエスかノーかで明確にお答えください。御本人の不安や御家族の御心配を考えるとき、国民の生命を守るべき首相としての役割をどのように認識されているのか、率直にお答えください。
 領土問題の存在しない中国とでさえ今回のような事件が起こるのです。我が国にとって長年の懸案であるロシアとの間に横たわる北方領土問題が一段と困難になっているのは、まさに民主党政権の不作為の罪だと考えます。
 メドベージェフ・ロシア大統領は、今年十一月、横浜でのAPEC首脳会議が終了した後、日本から北方領土を訪問する意向を公にしています。我が国を舞台にした多国間外交の場から、初めて北方領土に立とうとするメドベージェフ大統領を、総理はなすすべもなく粛々とお見送りされるつもりでしょうか。それとも何らかのアクションを取られるおつもりでしょうか。お尋ねいたします。
 私は、今日、外交が八方ふさがりとなっている主因は、何といっても日米安保体制の揺らぎからきていると考えます。総理は所信において、日米同盟は我が国の外交の基軸だと淡々と述べられました。しかし、民主党政権によるこの一年間の対米アプローチは、米側の不信を招くに十分な迷走の連続でありました。沖縄の普天間基地移設問題に象徴される度重なる方針転換。何人もの政治家や有識者が腹案と称するものを持ち込み、その実、どれも荒唐無稽で破綻してしまったのがこの一年の経緯です。
 沖縄の地元では早くも辺野古受入れ拒否が大勢になっています。この中で、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むことが本当にできるとお考えでしょうか。
 普天間基地が一ミリも動かない中で、移転先となるべきグアムの米軍基地建設への資金供与だけは着々と進んでいます。総額一兆円のプロジェクトの六割を日本側が負担するとされていますが、それが終了するとき本当に普天間基地の移設も完了する見込みはあるのでしょうか。最近、米軍施設以外のインフラ充実のため、追加資金が求められているとも聞きます。詳細を御説明ください。
 吉田茂首相は、後世に起こるであろう問題の責任はすべて自分一人で取るとして、他の代表の出席を認めず、単身で日米安全保障条約に署名をされました。
 そこで、前原外務大臣にお尋ねします。
 吉田外交がそうであったがごとく、あなたは一身を国にささげ、歴史に対して責任を取る覚悟はありますか。イエスと言うのであれば、話は前後いたしますが、さきの尖閣沖の衝突で、事件後、速やかに現地を視察し、中国漁船が悪質な妨害をした十分な証拠があるとまでおっしゃっておりながら、その後、船長の釈放を是とするなど、なぜ当初の勇ましい言動と逆の姿勢を取っているのですか、その理由をお聞かせください。
 今、国民の検察への信頼は大きく揺らいでいます。厚生労働省局長であった村木厚子さん逮捕まで発展した郵政不正事件裁判において、検察の驚くべき姿が暴かれる事態となりました。
 主任検事による証拠品改ざん、さらにはその上司であった特捜部長、副部長も報告を受けていた上で黙認、隠ぺいの指示をしたとの報道がなされています。これが事実であれば、もはや組織ぐるみの犯罪と言われても仕方ありません。まさに、検察史上、歴史に残る汚点であります。特捜部の存在意義をも問われるものであります。厳正なる捜査による一刻も早い真実の究明を願ってやみません。
 ただ、この度の不祥事によって、すべてを検察の暴走で乗り切ろうという声には注意を喚起するものであります。一連の検察批判がある今、法治国家として国民に信頼される検察再建が急がれますが、具体的方策について菅総理の所見をお伺いします。
 十月四日、民主党小沢元代表の政治資金をめぐる事件で、検察が再び不起訴にした小沢氏本人について、東京第五検察審査会は二回目の審査でも起訴すべきと改めて議決しました。これにより、小沢氏は政治資金規正法違反の罪で強制的に起訴されることになりました。
 ここで改めて言うまでもなく、小沢氏はさきの民主党代表選で、菅総理と首相の座を争い、民主党所属議員の半分近い票を得た実力者であります。検察審が起訴相当や否やを議論しているさなか、民主党議員の半数近くが、菅総理ではなく、問題の渦中にある人物を総理大臣にふさわしいと判断したということであります。今、このひな壇に座っておられる閣僚の中にも明確に小沢氏の支持を表明されていた方がおられますが、どのようにお考えか、機会があればお聞きしたいと思います。
 菅総理は、お金にまみれた政治を変えるのが自らの政治の原点であると言い、クリーンでオープンな民主党をつくり上げていくと宣言されております。では総理、小沢氏の民主党における処遇はどうされますか。起訴という事実を受けて、けじめを付けるべきではないですか。
 我が党は、小沢氏の説明を求め、国会における証人喚問を再三要求しております。我が党の例を挙げれば、過去、起訴となった議員は、離党や議員辞職で国民におわびをして、その責任を果たしてきました。昨日、総理は、小沢元代表に対する党としての対応について記者団に問われ、議員について検察審の強制起訴は初めてのケースだ、岡田幹事長の方で検討していると聞いていると述べ、岡田幹事長に判断をゆだねる考えを示した報道がされております。
 総理、あなたはいつもだれかに判断を丸投げし、自らの判断を示すことなく、検討していると聞いているなどと逃げてばかりです。こうしたあなたの姿勢が巷間、逃げ菅と呼ばれるようになっているのです。
 小沢氏の処分について与党党首としてどのようにお考えか、今日は逃げることなく明確にお答えください。
 蓮舫大臣は、代表選のテレビ討論で、小沢氏の証人としての国会出席を主張されておられました。その考えに変わりないことを確認させていただきたいと思います。
 コンクリートから人へのスローガンの下、民主党政権は公共事業を大幅に削減されました。また、菅内閣が六月に策定した新成長戦略でも、公共事業中心の経済政策、第一の道は失敗だったと結論付けています。
 しかしながら、予算の削減で民間投資も冷え込み、今年度の建設投資はピークだった平成十年の半分近くになる見通しであります。建設業界では倒産が続き、自公政権時の緊急経済対策で公共事業を前倒し発注した前年度からの継続事業によって、ようやく今年上期まで持ちこたえているのが実情であります。これによって地域経済は破綻の危機に瀕していると言っても過言ではありません。
 他方、近年急増している集中豪雨による災害対策、これから予想される冬の豪雪対策においても、公共事業はなくてはならない存在です。
 総理は一に雇用、二に雇用、三にも雇用と政権の重要施策を表明されておりますが、雇用の上でも、地域経済のためにも、コンクリートは本当に悪なのでありましょうか。この点、公共事業に対する総理の基本的な認識と、今後の補正予算ではいかなる対応をされるか、その所存をお聞きしたいと思います。
 農産物の自由化問題は我が国にとって農業の衰退につながる大問題でありますが、一方で我が国国土の保全に重要な課題でもあります。
 我が国食料自給率は二十年前に比べ一〇%近く下がって約四〇%、農業所得も半分になっております。そして、耕作放棄地が四十万ヘクタールとも言われております。これらは、農村の疲弊によって、農業を取り巻く様々な問題の解決に取り組めなくなっていることが原因ではないでしょうか。
 今や国土の荒廃は農村から始まっていると言っても過言ではありません。高齢化の波は農村集落にも押し寄せ、田んぼはもちろん、森も守っていくことが難しい状況であります。最近の大水害などは、山野の荒れようにも原因があります。
 民主党の看板政策である戸別所得補償制度は来年度予算で一兆円規模の要求であります。これすら、その確保は困難な情勢ではないですか。この財源は環境税の導入で充てるという鹿野農水大臣の発言がありましたが、国土の保全を前提にしなければ、補償を受け取る農家の存立も危うくなってしまいます。
 この問題をどうとらえ、どんな解決策を出すのか、本当に環境税の導入で取り組むのか、総理のお考えを伺います。
 次に、中小企業対策について伺います。
 我が国の企業のうち九九・七%は中小企業であり、全労働者の七割以上が中小企業で働いています。雇用の確保を図るためには、中小企業の振興が必要不可欠であります。
 現在の中小企業を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。経済産業省が八月に行った円高の影響調査では、円高により五割の企業が減益、さらに対ドル八十五円程度の円高が続けば七割の中小企業が減益になると答えています。
 政府として、経済の現状をどのようにとらえ、円高にどう対応しようとしているのか、まずお答えください。
 昨年十二月に菅総理が経済財政政策担当大臣として当時取りまとめた新成長戦略(基本方針)は、公共事業中心の第一の道と規制緩和など構造改革による第二の道は失敗した、新たな需要の創造によって経済成長を達成するため第三の道を取るとされていました。こうした方針により、民主党内閣は産業振興を軽視し、むしろアンチビジネスと思われる政策を取ってきたのです。
 ところが、本年九月に菅内閣が決定した新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策を見ると、まずは日本を元気にする規制改革一〇〇を強力に推進するとあり、これでは内閣が否定した第二の道を採用するとしか読めません。政府として第三の道を修正する考えか、お伺いしたいと思います。
 いずれにしても、さきに申し上げたとおり、現在、中小企業は非常に厳しい経営状況に追い込まれています。補正予算を含め、強力な対策を講じる必要があります。
 米国においては、本年九月、中小企業支援法が成立し、中小企業への融資の促進や設備投資減税が行われることになりました。我が国においても補正予算で中小企業に対し強力な支援策を講じるべきと考えますが、所見を伺います。
 中小企業金融円滑化法は、来年三月末で期限が到来します。金融庁は、昨年十二月施行後、六月までの間に四十万件以上の利用があったと公表しています。中小企業の経営状況は以前にも増して厳しい環境に置かれており、公的金融機関から融資を受けている企業についても民間金融機関融資分を適用するなど、法律を拡充強化して延長する必要があると考えますが、お考えを伺います。
 去る六月、国民の心を弾ませるすばらしい快挙がありました。
 平成十五年、二〇〇三年五月九日に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還であります。小惑星イトカワから物質のサンプルを持ち帰るため、七年間にわたって宇宙を旅してきた「はやぶさ」は、世界に誇り得る我が国科学技術の輝ける結晶であります。そして、「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルは日本各地で展示、公開され、国民の間に大反響を巻き起こしているのです。
 使われたイオンエンジンという新しい技術は、効率が非常に良いことから、世界の宇宙工学部門で将来の惑星探査でも重要な技術として期待されるところであります。また、自動制御技術、センサー技術、使用された新素材などは日本の最先端技術であり、これらの更なる開発は、我が国の中小企業の発展の原動力として、今後、産業や雇用の拡大も見込まれるものであります。
 我が国がこれまで科学技術の振興に取り組んできた成果でありますが、民主党政権は全く科学技術に理解がない、信じ難い政策を打ち出しました。
 さて、民主党政権による事業仕分では、その「はやぶさ」の後継機の開発について、麻生政権で計上した十七億円が無駄と断定され、三千万円まで削られそうになりました。蓮舫大臣が二位じゃ駄目なんですかと聞かれた次世代スーパーコンピューターの開発は、仕分による予算減額で完成時期が七か月遅れ、米国に世界一位の座を脅かされております。科学技術に無知、無理解であることは、科学技術立国たる日本の地位を危うくしています。
 八月には日本学術会議が、産業化に結び付かないような基礎研究にも十分な研究費を求める勧告をまとめ、菅総理に手渡しました。科学技術に取り組む方々の危機感の表れであります。今年度科学技術振興費は四十五億円削減されました。言うまでもなく、資源の乏しい我が国が経済成長を図っていくためには技術革新が大きな要素です。
 京都大学の山中伸弥博士のiPS細胞研究など、我が国には将来の科学技術や産業構造を根本から変えてしまうような研究基盤を持ちながら、人材の育成も資金の投入も余りにもおざなりで、可能性を阻害している面があります。
 将来の成長の芽をその場しのぎで摘んでしまうことなく、国家百年の大計の観点から、政策のめり張りを付けて開発の加速化を図るため、今まで以上に予算投入が必要だと思いますが、科学技術振興にどう取り組むのか、補正と来年度予算をどうするのか、総理の決意をお伺いします。
 総理は所信表明演説の中で、景気回復の処方せんとして、まず政府が先頭に立って雇用を増やす、そうすれば国民全体の雇用不安もデフレ圧力も軽減される、消費が刺激され所得も増える、その結果、需要が回復し経済が活性化すれば更に雇用が創造される。つまり、政府が直接資金を投入するのか、強力な規制改革を進めるのか、詳細は判然とはしませんが、ある種の強硬措置によって雇用を創出すればすべてはうまくいくという手品まがいの夢物語であります。確かに、膨大な財政支出を実施すれば一時的には失業率が改善するかもしれません。しかし、それがそのまま自律的な雇用の拡大につながるかどうか、総理は後世に対して責任が取れるのでしょうか。国民の皆さんにも分かりやすくお答えいただきたいと思います。
 最後に、喫緊の課題であります補正予算について一言申し添えます。
 現段階でその全容を明らかにせよとは申しません。ただ、今回の補正内容のあいまいさについてその理由を率直に言わせていただければ、総理御自身に、何をしたいのか、何のための政権か、我が国をどういう方向に向けたいのかという具体論が何もないからではないでしょうか。さきの所信表明演説を聞き、これほど印象に残らない、情熱も使命感も感じられない演説はめったにないというのが私の偽らざる感想であります。それは、総理が所信を述べたのではなく、政治のテーマをカタログのように並べただけであるからであります。
 総理が過去一年間の民主党政権が試行錯誤の過程であったと認めたのは、率直さの表れと評価します。しかし、現内閣は有言実行内閣とは言えません。実行の前に有言がない、つまり国民に約束したことを実行せず、何も約束しないものを実行しようとするのは不正義と言うほかありません。私は、総理と民主党が政権交代という大目標の達成によって事成せりとし、このまま惰性のように無為無策のまま政権をもてあそぶことを危惧いたします。その無為無策への国民の危惧こそが、今夏の参議院選における民意であります。
 我が国が抱える内政、外交の危機はもはや一刻の猶予も許されません。総理には直ちに解散・総選挙を求めますが、見解を伺います。
 自由民主党は、長く政権にあった時代の正すべきものは正し、いつでも民主党に取って代わって再び国民への義務を果たす準備ができていることをお伝えをいたしまして、私の質問とさせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#5
○内閣総理大臣(菅直人君) 小坂憲次議員にお答えを申し上げます。
 まず、マニフェストについての御質問をいただきました。
 〇九年の衆議院マニフェストについては、これからも実現に向けて全力を尽くしてまいりたいと思います。その中で財源などによってどうしてもできないものについては、その理由を国民の皆さんにしっかりとお伝えし、国民の皆さんの理解を得てまいりたい、このように考えております。
 次に、消費税についてどうするのかという御質問をいただきました。
 消費税を含む税制改革について超党派での国民的な議論が必要であるという私の考え方は、参議院の選挙の前から今日に至るまで一切ぶれておりません。一貫いたしております。
 参議院選挙では超党派の議論を呼びかけましたが、そのことがすぐに消費税を引き上げるのではないかという誤解を招いたことは私は反省をいたしております。
 消費税については、所信表明でも述べましたように、社会保障改革の全体像について議論をする中で消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたい、その中で野党の皆さんとも機会があれば共通の場で行ってまいりたいと、このように考えております。
 次に、領海侵犯事案の対応についての御質問をいただきました。
 危機管理に当たっては、国民の安全、安心を確保するため、内閣総理大臣の下で政府一体となって迅速かつ的確な対応をしなければならない、その姿勢で臨んでおりますし、今後も対応していく所存であります。他国の船舶が法令に違反して領海に進入した場合は、これを厳正に取り締まることは当然であります。海上における治安の維持は第一義的には海上保安庁の任務でありますが、自衛隊も警戒監視活動などにより海上保安庁と有機的な連携を図ることなどにより、これに対処をいたしております。
 いずれにせよ、領海警備に万全を期し、我が国の領土を保全することは国の最重要な役割の一つであると、このように認識をいたしております。
 次に、通常国会の運営について御質問をいただきました。
 さきの通常国会の運営については、八月の臨時国会においても既に反省すべきところは反省してまいらなければならないということを私から表明をさせていただきました。至らざるところは率直に認め、今後、国会における丁寧な議論を追求し、野党の皆さんの御意見を誠実な姿勢で伺ってまいりたい、このように考えております。
 補正予算や関連法案について御質問をいただきました。
 経済の低迷が二十年余り続き、失業率が増加し、自殺や孤独死が増え、少子高齢化対策が遅れるなど、社会の閉塞感が深まっております。所信で述べたとおり、問題を先送りせず、経済成長を含む五つの課題に取り組み、次の世代にこうした問題を先送りしないで、残さないで解決していく、これが私の内閣の使命だと考えております。
 現在検討している補正予算は、日本経済を本格的な回復軌道に乗せていくための第二段階の措置であり、国民生活に直結する課題であります。与野党間で意見交換を進め、合意を目指したいと考えており、与野党間での建設的な協議を期待をいたしております。
 参議院議員定数削減について御質問をいただきました。
 御指摘のとおり、民主党としては、衆議院比例定数八十議席削減とともに参議院議員定数の四十議席程度の削減を提案をいたしております。民主党としては、党として提案すべき具体的な内容の検討を行うこととしておりますが、もとより各党各会派それぞれの御意見、御提案があることは承知をいたしております。
 参議院におきましては、この議員定数削減を含め一票の格差問題など、参議院選挙制度に関して議長の下で各党各会派での御協議が行われていることも承知をいたしております。参議院選挙制度に関しては、議長のリーダーシップの下で参議院議員各位の合意が得られる成案がまとまることを期待をいたしております。
 憲法審査会等についての御質問をいただきました。
 憲法の在り方については、まず我が党の中でしっかり議論をし、その上で、与野党間でしっかりと協議をして決めていくべきものと考えております。また、憲法審査会の始動の問題も同様な形で進めていくべきものと考えているところです。
 政治主導の実現について御質問をいただきました。
 政治主導は、昨年の政権交代のときに国民の皆様にお約束をした民主党政権の基本となる政策であり、菅内閣においても引き続きこれを推進していくことといたしております。政治主導による政府の政策決定を強力に推進するため、国家戦略局や行政刷新会議を法律上明確に位置付けるとともに、国家戦略局長など国会議員が就く政府内部のポストを新設することなどを内容とする政治主導確立法案をさきの通常国会に提出し、現在、継続審議の扱いとされているところであります。
 政治主導確立法案については、今臨時国会において御審議の上、速やかに成立させていただけるよう政府として努力をしてまいりたいと、このように考えております。
 来年度の子ども手当についての御質問をいただきました。
 平成二十三年度以降の子ども手当については、財源を確保しつつ現行の一万三千円からの上積みを目指すことといたしており、今後、上乗せ部分について、現物サービスも含め、財源の在り方とともに平成二十三年度予算編成過程においてよく検討してまいりたいと思います。
 米価の下落と土地改良事業についての御質問をいただきました。
 二十二年産米の取引が昨年の当初価格よりも低い価格で開始されたことは承知をしております。米価の下落に対しては、米戸別所得補償モデル事業に参加されている方については農家の所得が補償されることとなると承知をいたしております。
 一方、戸別所得補償制度の下支えとして不可欠な土地改良事業については、農業水利施設の全面的な改築、更新から、部分的な補修、補強による長寿命化対策に転換を図ることといたしております。このことにより、農業水利施設の老朽化等による災害・事故リスクの回避に加え、農地の排水対策や地すべり対策などに重点化して事業を着実に推進することを現在検討しているところであります。
 高速道路無料化の財源についての御質問をいただきました。
 高速道路の原則無料化は、マニフェストで述べているとおり、社会実験を通じて地域経済への効果、渋滞や環境への影響、他の交通機関への影響なども含め、無料化のメリット、デメリットを総合的に検証した上で段階的に進めていくことといたしております。従来からマニフェストの実現については無駄の削減や予算の見直しにより財源を捻出していくこととしており、高速道路無料化の財源につきましても、その進捗状況も見ながら引き続き検討してまいりたいと思います。
 領土問題に関する戦略と対中外交に関する御質問をいただきました。
 私が国民全体で取り組む主体的な外交を展開すべきと所信表明で述べたことについて、何かそのこと自体が無責任だというような趣旨の質問をいただきましたけれども、私は、外交も含めて国民主権の下では国民が全体として取り組むということは全く間違っていないと思います。そういった意味で、その外交を進めていく上で、もちろん専門家の皆さんの力を借りることは当然でありますけれども、何か国民全体で取り組む主体的な外交の展開そのものがおかしいという、私は小坂議員の意見には残念ながら同意はできません。
 尖閣諸島について申し上げますと、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在をいたしておりません。今回の事件は国内法に基づいて適切に対応、処理したものであります。政府としては、尖閣諸島に関する我が国の一貫した立場に基づき、従来から尖閣諸島付近海域において厳正かつ適切な警備を実施しており、引き続き万全の体制で警備に当たる考えであります。また、このような我が国の立場に対する正しい理解が国内外で得られるよう、引き続き適切に取り組んでいく考えであります。
 いずれにせよ、日中関係全般については、アジア太平洋地域の平和と繁栄、経済分野での協力関係の進展を含め、大局的観点から戦略的互恵関係を深める日中双方の努力が不可欠と考えております。先日のASEMの際の温家宝総理との懇談でも、戦略的互恵関係を推進していくということで意見が一致しました。かわし外交とかその場しのぎ外交という指摘は全く当たらないと考えております。
 被疑者釈放の方針決定の適否についての御質問をいただきました。
 本件の被疑者の釈放については、検察当局が、被害が軽微であること、犯行の計画性がないこと、初犯であることなどの事件の性質に加え、我が国国民への影響、今後の日中関係などその他の諸般の事情等を総合的に考慮した上で、国内法に基づいて粛々と判断を行われた結果だと承知をいたしております。
 衝突時のビデオを見なかったことについての御質問をいただきました。
 衝突事件については、海上保安庁からビデオ等により説明を受けた官房長官及び国土交通大臣から随時報告を受けており、必要なことについては把握しておりまして、衆議院でも申し上げましたように、私自身はビデオは見ておりません。
 温家宝総理との懇談と邦人拘束事案についての質問をいただきました。
 温家宝総理との懇談においては、まず第一に尖閣諸島は我が国固有の領土であって領土問題は存在していないという原則的な立場を述べた上で、日中関係の現状は望ましいものではなく、また六月に私が総理に就任した後、胡錦濤国家主席との会談で一致した戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻ること、そしてハイレベル交流及び民間交流を行っていくこと、こういったことをお話をいたしまして、この戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻ることやハイレベルの交流及び民間交流を行っていくことについて意見が一致したところであります。外交上のやり取りの細かい部分については、これは外交という面で差し控えたいと思っております。
 いずれにせよ、引き続き中国側に対し、いまだ釈放されていない一名の方の身柄の安全確保とともに人道的観点からの迅速な処理を求めているところであります。
 所信表明で述べたとおり、私の内閣では重要政策課題の一つとして主体的な外交の展開を掲げております。このような考え方の下、国民の生命を守るべく、主体的な外交を進めていく考えであります。
 北方領土について御質問をいただきました。
 メドベージェフ大統領の北方領土訪問については、現時点で具体的な計画は明らかにされていないと承知をいたしております。また、我が国の立場はしかるべくロシア側に伝えているところであります。いずれにせよ、北方領土問題については、引き続き強い意思を持って首脳レベルで粘り強く交渉し、前進を図っていくことが重要だと考えております。
 普天間飛行場移設問題及びグアム移転に関する質問についてお答えします。
 私の内閣が発足して以来、二度にわたる首脳会談を経て、オバマ大統領との間の信頼関係は深まってきていると認識しております。日米安保体制が揺らいでいるとの御指摘は全く当たりません。
 普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中した基地負担の軽減にも全力を挙げて取り組んでまいっております。
 グアム移転については、二〇〇六年五月のロードマップに基づき進められており、その経費の負担については、インフラ整備のための我が国の分担は七・四億ドルの融資等であるということについて変更はありません。
 検察の再建についての質問をいただきました。
 今回の検察をめぐる証拠改ざんなどの一連の事態については極めて遺憾であると考えております。これについては、最高検察庁が既に捜査、検証を開始しており、法務大臣の下でも、第三者による会議を設けて検察の在り方等に関する検討を行うことになっていると承知をいたしております。検察に対する信頼回復のため、幅広い観点から検討が行われ、それを踏まえた適切な対応がなされるべきと考えております。
 小沢氏の起訴への民主党の対応に関する御質問にお答えします。
 まず、小沢議員の国会における説明の件につきましては、国会に関することですので、国会で御議論、御決定いただくべきものと考えております。なお、小沢議員御本人も説明責任を果たしていくと表明されていますので、司法手続に入っていること等を踏まえつつ、説明の場、方法を含めて御本人が自ら判断し、対応されることが望ましいと考えております。
 また、民主党としての対応についてお尋ねがありましたが、議員が検察審査議決で強制起訴されるケースは今回初めてであることも踏まえながら、幹事長が検討を行っているところであります。
 公共事業について御質問をいただきました。
 公共事業については、国民にとって本当に必要なものかどうかを見極め、真に必要なインフラ整備については戦略的に進めることが必要だと考えております。私が九月の二十七日に指示をした経済対策ステップツーでは、地域活性化、社会資本整備、中小企業対策を五つの柱の一つとして位置付けており、補正予算においては、地域経済の活性化や国民生活の安定、安心に真に役立つ社会資本整備を行っていくことを決めているところであります。
 戸別所得補償制度の財源に関する質問にお答えします。
 二十三年度概算要求を行っている戸別所得補償制度など、農林漁業者への直接支払に必要な予算として計上している約一兆円の財源については、農林水産省において行政事業レビュー等による百七十七事業の廃止等を行うことにより捻出したものと承知をいたしております。新たな財源を必要とするものではないと理解をいたしております。
 鹿野農水大臣の発言については、国内農業・農村の振興が必要であるという観点からなされているものと理解をいたしております。
 経済の現状認識と円高への対応、また、九月の経済対策は第三の道を修正したものかという御質問についてお答えをいたします。
 我が国の景気については、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあると認識をしております。為替相場の過度の変動は、経済、金融の安定への悪影響から看過できない問題であります。引き続き、為替の動向については注視していくとともに、必要なときには断固たる処置をとってまいりたいと思っております。
 また、第二の道についての御指摘がありましたが、私が所信でも述べたのは、需要が不足している中で供給側が幾らコスト削減に努める取組をしても、ますますデフレが進み景気が回復をしないという趣旨を申し上げ、必要な規制改革は当然のことですが進めるべきだと考えております。
 そして、私が主張している第三の道は、潜在需要が存在する分野での需要と雇用の創出や、生産性向上に寄与する規制・制度改革等により、需要サイドと供給サイドの両面の好循環を目指す政策でありまして、新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策はまさにそうした観点から取りまとめたものであります。
 そういった点で、第二の道というのが、小泉政権時代にデフレ下にあるにもかかわらず、デフレを促進するようなデフレ政策を進めたことについては間違いであったという認識は今も変わっておりませんし、この議場におられる多くの皆さんもそう認識をされているのではないでしょうか。
 中小企業への支援策についての御質問をいただきました。
 中小企業は、急激な円高やデフレ状況の下で厳しい環境に置かれているものと認識しています。このため、第二段階の経済対策において、地域活性化、社会資本整備と中小企業対策を柱の一つに据えて中小企業に対する支援策をしっかりと検討するよう指示をいたしております。
 中小企業金融円滑化法を延長するかどうかについては、経済情勢や中小企業等の資金繰り、金融機関の取組状況等を勘案し、総合的に検討してまいります。なお、同法は、中小企業の民間金融機関からの借入れについて、公的金融機関を利用している場合であっても対象といたしております。
 科学技術振興についての御質問をいただきました。
 科学技術について小坂議員からもお触れをいただきましたが、昨日、鈴木章先生、根岸英一先生のお二人が日本人としてこのノーベル化学賞を受賞されたという大変うれしいニュースがあり、私から鈴木章先生には電話が通じましたので、そのお祝いを申し上げたことも触れておきたいと思います。
 科学技術振興は大切な政策分野であります。私の内閣で六月に取りまとめた新成長戦略では、科学技術を成長を支えるプラットフォームとして位置付け、二〇二〇年度までに官民合わせた研究開発投資をGDP比の四%以上にするとするなど、科学技術を成長のかぎとして必要な投資を行うことといたしております。
 さらに、従来の科学技術予算における各省縦割りの打破の試み、科学・技術重要施策アクション・プランの作成など、科学技術関係の予算の編成プロセスの改革にも併せて取り組んでいるところであります。
 補正と来年度予算の編成に当たっては、新成長戦略を踏まえ、中長期的な視野に立ち、質の高い科学技術予算の充実に努めてまいりたいと考えております。
 雇用対策と財政支出についての御質問をいただきました。
 所信でも申し上げましたように、単なる失業対策ではなくて、医療・介護・子育てサービス、環境分野といった潜在的な需要のある分野をターゲットに雇用を増すことが重要であるということを申し上げております。そのため、新成長戦略の実行により、成長分野における自律的雇用機会の創出に取り組んでいるところであります。
 そのためには、規制・制度改革といったお金の掛からない政策のほか、一定の財政支出を伴う政策も必要であります。財政健全化も重要な課題であり、無駄削減や予算の組替えにより財源を確保しつつ、雇用・需要創出効果の高い事業に財源を振り向けてまいりたい、このように考えているところであります。
 最後に、解散・総選挙を行うべきとの御質問をいただきました。
 解散・総選挙に関する件については、衆議院の任期はあと三年あり、国民の政権交代に対する期待にこたえるために、また、現下の景気・経済・雇用情勢に迅速、的確に対応してまいるために、この間、全力を挙げてやっていく決意であります。したがいまして、解散・総選挙については全く考えておりません。
 内外の課題を解決していくため、小坂議員を先頭とされる参議院自民党、そしてここにおられる全参議院議員の各位の皆さんに御協力を切に求めるものであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(仙谷由人君) 小坂憲次議員の質問にお答えをいたしたいと存じます。
 尖閣諸島周辺領海内での衝突事件についての御質問でございました。
 今回の決定は、検察が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づき、粛々と捜査をし、判断をしたものと承知をいたしております。
 また、今後、仮に今回と同様の事件が発生した場合には、その具体的な状況を踏まえた上で、国内法に基づいて適切に対応していく考えでございます。
 今回、中国側が一方的に事態をエスカレートをさせたわけでありますが、このことは誠に残念だったというふうに考えております。こうした我が国の対応が国際社会に、あるいは中国に対して誤ったメッセージを与えるとの御指摘は全く当たらないと考えております。
 失礼しました。もう一点、被疑者釈放の方針決定の適否についての御質問をいただきました。
 本件につきましては、検察当局が事件の性質等を総合的に考慮した上で、国内法に基づいて粛々と判断を行った結果と、先ほど申し上げたとおり、そういうふうに承知しております。検察当局の判断は適切であると認識をしております。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣柳田稔君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(柳田稔君) 那覇地方検察庁の判断についてお尋ねがありました。
 那覇地方検察庁は、被疑者が操船していた漁船を巡視船に向けて左に急転舵して故意に同漁船を巡視船に衝突させたことは、収集した証拠によっても明白であります。外務省職員からの説明の聴取を含め、捜査の結果、被害の程度、犯行の計画性の有無、我が国における前科の有無に加えて、引き続き被疑者の身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係などの事情を考慮し、これ以上被疑者の身柄を拘束して継続して捜査を続けることは相当でないと判断して、被疑者の釈放を決定したものと承知いたしております。
 したがって、検察当局においては、法と証拠に基づき適切に対処したものと承知いたしております。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(前原誠司君) 尖閣諸島周辺の領海内での衝突事件に関する立場についての御質問がございました。
 今般の事件につきましては、中国漁船による公務執行妨害事件として、我が国法令に基づき厳正かつ粛々と対応するのは当然でございます。
 そもそも尖閣諸島は我が国固有の領土でありまして、解決すべき領有権の問題は存在しておりません。今般、国内法に基づき中国漁船船長を逮捕し、司法手続にのっとって処理をされました。
 こうした立場は当初から一貫しておりまして、よって、今般の事件に関する言動が変わったとの御指摘は当たりません。(拍手)
   〔国務大臣蓮舫君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(蓮舫君) 小坂憲次議員から一問質問ございました。
 小沢民主党元幹事長の証人としての国会出席に関してでございますけれども、まずは、一義的には国会で御議論をされ、国会で決定をされることでございます。その上で、御本人が出席をするかどうかは、判断は自らがするものだとの考えは今も変わっておりません。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(西岡武夫君) 郡司彰君。
   〔郡司彰君登壇、拍手〕
#11
○郡司彰君 私は、民主党の郡司彰であります。ただいま議題となりました菅直人総理大臣の所信表明演説に対し、民主党・新緑風会を代表して質問をいたします。
 質問に先立ちまして、昨日ノーベル化学賞を受賞されました鈴木章教授、根岸英一教授、お二人の日本人受賞者に対しましてお祝いを申し述べたいと思います。二名の受賞は、私たち日本人に勇気と元気と希望を与えてくださいました。本当におめでとうございました。
 さて、昨年八月の総選挙で発足をした民主党を中心とする政権が一年を経過しました。また、六月に鳩山政権を引き継いだ菅内閣は四か月が過ぎ、その間に実施された第二十二回参議院選挙では、残念ながら私たちの仲間の多くが議席を失いました。その結果、本院における与党の議席は野党各党を合わせた議席より少ない勢力となり、衆議院と参議院が多数派が異なる、いわゆるねじれ国会となってしまいました。
 その後の九月に行われた民主党の代表選挙からほぼ一か月が経過をしました。菅総理は政見演説の最後の部分で、次の世代に引き継いでいきたい、次の世代にしっかりとバトンを渡していきたいと二度も強調されました。そのときは、これから総理の重責を担う決意としてはいかがかとの思いもありましたが、今は別な感慨を持っております。
 菅総理は私どもと同じ世代に属します。その世代は、戦後のにおいが色濃く残る、しかし戦争を知らない子供たちとして生まれました。その後、復興から高度成長期にかけ、時には激しく時代にあらがい、時には猛烈に経済を牽引し、今、自ら立ち止まる時期を迎えています。言い換えれば、この国の歩みとともに、あるものを壊し、あるものをつくってきたとも言えます。この世代の大きな塊のパワーを今後どう生かすかは、これからの高齢社会を見通す中では大事な要素と思えますが、総理の感想をお聞かせください。
 また、今回の所信表明演説では、最小不幸社会という言葉は見当たりませんでした。その思いは所信のどの部分が表しているのですか。お尋ねをいたします。
 菅総理、あなたはブリュッセルで開催されたアジア欧州会議に出席をされ、首脳外交を展開してまいりました。臨時国会の開会直後であり、野党の皆さんの御理解に心から感謝を申し上げます。
 そこでお尋ねをいたしますが、欧州会議では既に現地時間四日夜に、中国の温家宝首相と会談したと報じられています。どのような会話をなされたのですか。そのことによって、好ましくない今の日中関係の改善を図ることができましたか。また、主張すべき領土問題は存在をしないことを先方に認識をさせることができましたでしょうか。また、それ以外の各国との関係において、総理は今回の首脳会談の成果を御自身でどう評価をされていますか。
 きしみが生じている日中関係とは別に、日本の外交・安全保障の基軸である日米同盟も大きな問題点を抱えています。言うまでもなく、沖縄米軍普天間基地の移設問題であります。
 自民党政権時代から先送りを続けてきている移設問題ですが、問題の解決が遅れている最大の理由は、地元の沖縄県民が代替基地の受入れに強く反対をしているからであります。私は、自民党から民主党への政権交代を機会に、新しい視点から見直し、県外や海外への移設を含めて再検討する必要があるのではないかと考えておりました。鳩山前総理も当初、同じような立場で努力をいたしましたが、結局、最後は旧来の案である辺野古地区への移設を決断をし、共同声明に盛り込みました。後を継いだ菅総理も、日米合意を踏まえて取り組むことを強調し、あわせて沖縄に集中した負担の軽減に言及をされました。
 住民の生活に直接かかわる沖縄の基地問題は、理念ではなく現実であります。地元の理解と協力がなければ、到底前に進みません。十一月には沖縄県知事選挙が行われます。既に名護の市議選では移設反対の市議が多数を制するなど、地元の態度が軟化をしている兆しは見えていません。誠心誠意説明することだけで、果たして地元の理解を得られることができるのでしょうか。あくまで移設は辺野古案でいくのですか。だとすれば、移設のどんな段取りを考えているのか、総理にお尋ねをします。
 アメリカの防衛戦略は、二つの世界的な危機に同時に対処する二正面作戦の変更に着手をするなど、決して固定的なものではありません。グアムへの基地移転など、極東アジア情勢の今後の変化を見据えて、新たな角度から海兵隊基地の在り方を考えてもいいのではないかと思います。この点について、外務大臣の見解をお伺いします。
 菅総理、あなたは所信表明の中で、今国会の最大の課題は第二段階である経済対策のための補正予算の成立であるとし、最近の急激な円高やデフレ対策として、二〇一〇年度補正予算案の編成を指示しました。
 規模は五兆円程度になる見込みのようですが、これによって、雇用・人材育成、新成長戦略の推進、子育て、医療・介護・福祉、地域活性化、社会資本整備、中小企業対策、さらに制度・規制改革を五本の柱とする政策課題を達成しようとするものであります。財源には、国債の新規発行ではなく、決算剰余金や低金利で浮いた国債利払い費、法人税収回復分などを充てることにしています。
 既に四日には、玄葉国家戦略相が野党五党の政策責任者と会談し、説明をしたと報じられています。いずれも国民生活に直結をする課題であり、与野党間で意見交換を進め、合意を目指したいとした総理の意思の表れと受け止めています。
 ねじれ国会で、かつ限られた会期でもありますので、可決、成立をするためには丁重な説明は必要と思います。他方で、民主党の政権公約についての修正を求めるなど、国民との約束をほごにしかねない要求には慎重な上にも慎重な対応を願いたいものであります。
 また、民主党政権において自前の補正予算編成は初めてのことでありますが、これまでの政権の下では、まず補正ありきの慣行の中で、本予算と結局は一体運用の実が盛り込まれ、また手法として独法等の基金造成による不透明な部分が指摘をされてきました。新政権では、これまでの轍を踏まえ、本来あるべき補正に対する大方針が検討、議論されてきたと思いますけれども、総理の見解をお伺いをいたします。
 次に、今月に入り検察をめぐり国民の注目が集まっています。一日には郵便不正事件に絡み、前特捜部長と前副部長が逮捕されました。犯罪の容疑者を調べる側の、言わば責任ある立場の者の逮捕は、検察の組織の在り方や捜査体制の信頼を根底から覆すものであり、相当な覚悟を持って見直しを行う必要があると多くの国民が考えています。
 容疑者を自ら逮捕もでき、起訴する権限は検察のみが有するもので、その権限は強大と言えます。今回の事件で、たまったうみはすべて出し切る努力をすることはもちろんですが、冤罪を防止するためにも取調べの全面可視化が必要と考えます。総理の考えをお伺いします。
 また四日には、誠に残念なことでありますが、私たち民主党の小沢元代表が、土地購入をめぐる政治資金規正法事件で東京第五検察審査会によって二度目の起訴相当の議決を受けました。この結果、小沢元代表は強制起訴されることになり、刑事被告人として法廷の場に立たされることになります。
 小沢元代表に対しては、既に東京地検特捜部が嫌疑不十分で不起訴処分を決めており、法律のプロの世界では一定の結論が下されております。一方、市民団体の告発を受けて、昨年五月から始まった検察審査会制度によって、法律は素人の審査員が検察庁の処分が妥当かどうかを決めることになり、今回のような結論が導き出されました。
 起訴相当の理由として、議決では、有罪か無罪かを公正な裁判所に決めてもらう権利があると主張しています。国民感情としては分かります。一方で、このままでは刑事裁判の本質が変わってしまうおそれがある、仮に無罪になった場合、だれがどう責任を取るのかと真剣に心配をする専門家の声もあります。
 そこで、菅総理にお尋ねをします。
 今回の小沢元代表の強制起訴をどのように受け止めていますか。
 次に、仙谷官房長官にお聞きをします。
 長官は弁護士でもあり、法曹界に太いパイプをお持ちですが、今のような検察審査会の在り方は、将来の検察と裁判所の関係に重大な変化を招くおそれがあるとは思いませんでしょうか。今回の議決に至る経過を事前に把握をされていましたか。
 次に、消費税について伺います。
 菅総理、あなたは、参議院選の途中から消費税引上げについての発言を封印をしておりました。最近は、消費税を含む税制抜本改革という表現で再び意欲を見せるようになりました。この際、はっきりと消費税に関する基本方針を示していただきたいと思います。
 持続可能な社会保障制度をつくるために不可欠の財源になると言われているのが消費税引上げですが、私たち民主党内では税制改正プロジェクトチームが発足をして検討を開始をしました。しかし、民主党内には、徹底した無駄の削減をこそ優先すべきであり、消費税増税に慎重な意見もなお根強くあります。
 総理にお尋ねをします。
 消費税についてどのような見取図をお持ちでしょうか。二〇一一年度税制改正の中で一定の方向性を打ち出すお考えですか。実現を図るためには野党の協力が欠かせませんが、与野党協議をスタートさせるめどは付いているのですか。税率については一〇%が一つの目安になるのですか。
 総理、あなたは所信表明の中で、消費税を含め税制全体の議論を進めたい、結論を得て実施をする際は国民に信を問うと明言されました。一方で三年間は解散しないとも発言をしております。それらを勘案すると、消費税の議論は三年を掛けると考えてよろしいのですか、お伺いをいたします。
 菅総理は民主党代表選の折、一に雇用、二に雇用、三に雇用と雇用の必要性を声高に強調されました。二十年に及ぶ経済の低迷により失業率が増加し、若者たちの雇用をめぐる環境は一向に改善をしておりません。
 所信表明演説では、消費も投資も力強さを欠く今、経済の歯車を回すのは雇用と指摘をされ、具体的に医療・介護・子育てサービス、環境分野をターゲットに雇用を増やすと強調されました。そして、新成長戦略実現会議で成長と雇用に重点を置いた国づくりを強力に推進することをアピールしました。その言やよしであります。
 そこで、総理、即効性のある雇用対策に重点を置いて予備費約九千二百億円を使い、新卒者の就職などに力を入れるなど、幾つかのプランを提示されています。早急に実現をすべきでありますけれども、そのためにどのような有効な手だてを考えておられるのか、総理にお伺いをいたします。
 総理は、成長と雇用に重点を置いた国づくりを唱えておられます。今から三段構えで経済対策を切れ目なく推進をするとしています。その第三段階の来年度予算編成と税制改革を進める上で、これまでの府省縦割りを改めるなどの作業はまさに政治主導が問われることになると思われます。
 そうした観点から、総理が就任後に、戦略室を政策提言機能に特化するとした発言にはいささか違和感を覚えました。それも、今にして国家戦略室という組織を常設置した時点で、固定化された定員により国家戦略の策定そのものが自己目的化してしまうことを憂えたとも言えます。しかし、現在は再び国家戦略室の強化に取り組んでいるとも聞かされています。まず、そのねらいと役割について、総理のお考えをお示しいただきたいと存じます。
 さらに、さきの通常国会で継続審議となっている政府の政策決定における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案の成立と、国家戦略局の設置時期の見通し及びそれまでの間の組織体制の在り方、特に来年度予算編成における役割等について、仙谷官房長官の見解をお伺いをします。
 次に、地域主権改革の推進についてお伺いします。
 私たち民主党は、結党以来、地域主権改革に力を注いできました。菅総理も所信表明演説の中で、地域が主役となって特色のある産業振興や住民の要望に応ずる社会サービスの提供ができるよう、我々の世代で確たる道筋を付けますと力強く宣言をされました。
 地域主権を実現する上で欠かせないものが幾つかあります。財源もその重要なもので、一括交付金化の指針を年内を目標に検討することには賛成であります。その上で、一年間副大臣として携わった者として、今後の改革について危惧する点を率直に申し述べます。
 この一年間に、各府省に数度の事務・権限移譲についての検討要請がありました。そのほとんどは前政権時の経済財政諮問会議か全国知事会からの要望項目に対するものでありました。実感とすればメニューのないレストランのようなもので、客から注文があって、それからできるかどうかの判断をし、可能な限り提供するが、客も料理人も満足できないフラストレーションが生ずるというものでした。つまり、その前提たる国家の方向性、それを実現するための十分な共通認識があったのかとの疑念であります。
 過去にさかのぼり一つ具体的な話をすれば、水産資源の回復、管理に資する栽培関連予算は、十八年度から都道府県に税源移譲されました。この間、各県財政は逼迫しており、それに伴い各県の栽培関係の予算も減少を続けています。特に、県域を越えて移動するマダイ、ヒラメなどの広域種では種苗放流の予算減が表れています。資源管理は休業のみではいかんともし難く、栽培等によって我が国の魚食文化が保たれていますが、この一例は、発言力の小さい分野は見捨てられる可能性があることを示しています。
 私は、一度立ち止まって現政権において国と地域の役割分担を議論すべきと考えています。例えば、国が負うべき分野の議論、あるいは移譲すべきは現行の都道府県か基礎自治体か、さらに以前は道州制の議論もなされてきたはずであります。将来のこの国の形も見据えた総理のお考えをお伺いをいたします。
 次に、TPPについてお伺いをいたします。
 今回の所信表明で総理は、EPA、FTAを重視し、環太平洋パートナーシップ協定、TPP交渉などへの参加の検討を表明されました。確かに、アジア諸国が著しく成長し、米国や豪州も参加を表明する中、日本企業が活躍しやすい環境をつくっていくことは我が国の国民生活を豊かにする観点からも重要なことと考えます。
 しかし、EPA・FTA交渉を推進するに当たっては、先般閣議決定された食料・農業・農村基本計画や新成長戦略で示された食料自給率五〇%という目標達成、あるいは地域経済の中核を担う農林水産業の発展との両立を図ることが基本であります。
 特に、今回総理が参加の検討をされたTPPは、ほぼ例外品目なく自由化を実現する質の高いFTAであり、原則一〇〇%の関税撤廃を約束するものであります。我が国がこれに参加をする場合、国内の農林水産業に対してこれまでのEPA、FTAとは比較にならないほどの大きな打撃を与えることは間違いありません。食料自給率五〇%の達成が難しくなることはもとより、農山漁村の雇用や所得が失われ、地域経済だけでなく、地域社会そのものが崩壊しかねません。
 私は、さきの参院選の自らの政策の第一に、食と農と地域の再生を掲げました。これは、日本の農業が転換期を迎えているとの問題意識からであり、農林漁業の再生は地域の再生に密接につながっていると思っています。そして今、座して崩壊を見過ごすならば、その復元は後代に大きな負担となって覆いかぶさってくると思えてならないのです。
 WTO・EPA交渉については、昨年の民主党マニフェストにおいても、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興を損なうことなど行わないとされてきました。
 経済産業大臣と農林水産大臣にそれぞれ見解をお尋ねします。TPPへの参加検討はいつからどこで議論をされてきたのでしょうか。私は唐突に思えてなりません。また、及ぼす各分野への影響はどのように試算をされていますか。総じて、食料自給率の向上や農林水産業の発展との調和をどのように図っていかれるのかをお伺いいたします。
 新幹線のトップセールスに、当時の前原国交大臣自らが外国に出かけたことが話題になりました。また、米国カリフォルニア州シュワルツネッカー知事が視察に来日したのもホットな話題でした。この国の持てる力を国際競争力として発揮をするために、国が率先をして対処するのは有効なことであり、成長戦略として大事であると考えます。
 そこで、一つ具体的な提案をさせていただきます。
 戦後、我が国が復興を果たす過程で、世銀から資金協力を得て新幹線や東名高速道路などのインフラ整備を進め、その返済が平成に入ってから完済されたのは周知のことです。
 アジアなどの開発途上国は、我が国からも無償資金協力が行われ、現在では世銀、アジア開発銀行、JBIC等から融資を受け、我が国の高度な技術を用いた大規模な農地・農業水利の整備を実施をしてきましたし、乾燥・半乾燥地域のアフリカにも適用することが可能であり、これらの技術移転によって世界の飢餓・貧困撲滅に寄与することが国際社会の一員として我が国が果たすべき責務であると考えます。
 また、これらの技術をハード、ソフト一体で開発途上国へ移転をしていくことで、農業水利のための用排水ポンプや小水力発電施設、労働生産性を高める農作業用機械、水の循環利用のための汚水処理システム、さらには生産、流通の多様化に対応するための集出荷・貯蔵・加工施設など様々な機械、施設の需要が拡大することが見込まれ、我が国の農業関連機械産業の成長や、それによる雇用確保にもつながる可能性があります。
 このような観点から、農地・農業水利に関する開発途上国への技術移転を今後より強化し、国を挙げて推進するべきであり、国際社会においても、この分野において我が国がリーダーシップを発揮すべきと考えます。政府開発援助を所管をする外務大臣及び農業分野を所管する農林水産大臣のお考えをお聞かせください。
 私は今年七月に改選を迎え、三期目の当選を果たすことができました。そして、初当選の当時から現在まで継続して参議院議員であり続けている方は、全会派を合わせて三十三名という数であります。任期六年の選挙を勝ち抜くのは容易ではないのかもしれません。反面で、思いのほか新陳代謝が進む制度なのかもしれません。
 ならば、国会改革も進んだかといえば、国民の目からは旧態依然としたものに映っているのではないかと思えます。これもこの国に政権交代がなかった弊害の一つと言えるのではないかと考えています。つまり、移行に伴う、あるいは伯仲した勢力によるねじれ現象すら存在しない中で運営がなされてきたからです。
 しかし、三年前には、今と攻守を変えたねじれが現出し、メディアは盛んに国会改革を唱え、識者も論じました。その後、昨年の政権交代により、そうした議論は影を潜め、再びのねじれの下では、連立や政策ごとの連合、そして引き抜きまで、ねじれ解消策のみが声高に論じられ、ねじれの下で国会が機能をする道を模索することを真剣に取り組んでいるとは思えません。
 私は、中長期的にはねじれは常態化することを現実のものとしてとらえ、与野党が真剣に議論すべきと考えますが、総理の考えをお聞かせください。
 最後に一言申し添えます。
 現在の状況は、各般にわたり大変厳しいものと認識をしています。しかし、世論は民主党を中心とする政権に期待を失ってはいません。クリーンな政治実現のために、企業・団体献金の禁止など、これから取り組もうではありませんか。
 私どもは、参議院において、民主党・新緑風会は輿石会長の下で一致結束をしてまいります。そして、連立を組む国民新党との連携もしっかりと手を携えて菅内閣を支えていく覚悟であります。総理には持ち前の快活さを取り戻していただき、強力なリーダーシップを発揮して元気な日本を復活させていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(菅直人君) 郡司議員から快活に答えろという御指摘をいただきましたので、元気よく答えさせていただきます。
 まず、団塊世代のパワーについてであります。
 郡司議員からもお話がありましたように、私も昭和二十一年生まれということで、戦争直後に生まれ、物のない時代から本当に高度成長の期間を駆け抜けてまいりました。そういった意味では、ある意味大変幸せな時期であったのかともう一方で思っております。しかし、この世代がほぼ定年を迎える時期あるいは年金を受け取る時期になりまして、この高齢化が進む日本社会における大きなある意味での新しい問題を引き起こしているとも言えるわけであります。
 そういった意味で、何としても、私が考えたのは、この世代が元気なうちに大きな課題を解決して次の世代に引き継ぐ、それが世代としての責任ではないかということで申し上げ、郡司さんからも共通の認識をいただいたところであります。この世代が会社をリタイアした後、地域の中あるいは社会の中で何かしらの貢献や役割を果たすことを通じて各人が出番や居場所を持てる社会をつくりたいと、このように思っております。
 そして、先ほど申し上げましたように、私としては、有言実行内閣の先頭に立って、もちろん若い皆さんとも共に力を出し合って、この世代が重要課題を次の世代に残さないで解決していく、そうした内閣でありたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、最小不幸社会という言葉が表れていないけれどもという御指摘もいただきました。
 私が主張している最小不幸社会とは、政治の役割としては、国民あるいは世界の人々が不幸になる要素をいかに少なくしていくかというのが政治の役割であると、こういう認識で申し上げてきたところであります。
 今回の所信表明で私は先送りしてきた重要政策課題を次の世代に残さないで解決するということを申し上げましたのも、つまり次の世代に不幸を大きくしていくことがないようにという趣旨からの取組でありまして、ある意味では最小不幸社会そのものの取組の一環というふうに考えていただければ有り難いと、こう思っております。
 ASEMでの温家宝総理との懇談を含む首脳外交の成果について御質問をいただきました。
 温家宝総理との懇談においては、まず第一に、尖閣諸島は我が国固有の領土であるというこちらからの原則的立場あるいは温家宝総理からの原則的立場を述べ合った後に、日中関係の現状は望ましいものではないという点、さらには六月の私と胡錦濤国家主席との会談で一致した戦略的互恵関係を進展させるという原点に戻るということ、そしてハイレベルの交流及び民間交流を行っていくというこの三点において確認をし、見解が一致をいたしました。
 その他の二国間会談では、日中関係はアジア太平洋地域、ひいては世界にとって非常に重要な関係であると、我が国としては大局的な観点から冷静に対処している旨を申し上げ、各国から理解をいただきました。
 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、領有権をめぐる問題はそもそも存在はしておりません。我が国のかかる立場は一貫しており、国内外で正しい理解が得られるよう今後とも努力をする考えであります。
 普天間飛行場移設問題について御質問をいただきました。
 普天間飛行場の移設問題については、本年五月の日米合意を踏まえて取り組むと同時に、沖縄に集中した基地負担の軽減にも全力を挙げて取り組むということを申し上げております。
 具体的には、在沖縄海兵隊の要員約八千名及びその家族九千名の沖縄からグアムへの移転の着実な実施、嘉手納以南の施設・区域の返還の着実な実施、北部訓練場の過半の返還の促進など、目に見える負担の軽減について米国の協力を求めつつ最善を尽くしてまいりたいと思います。沖縄の方々の御理解を求め、誠心誠意話し合っていくつもりであります。
 補正予算の方針についてお答えを申し上げます。
 政府としては、新成長戦略の実現に向け、三段構えで経済対策を切れ目なく推進することといたしており、補正予算の編成はその二段階に当たります。
 このように、今回まとめようとしている補正予算は、単なる目先の景気刺激策ではなく、新成長戦略の実現による自律的な回復という大方針の下に、その一環として策定するものであります。その内容も、御指摘のように、雇用・人材育成など国民生活に直結する課題への対応であり、今後、与野党間での合意を目指し、建設的な協議を期待をいたしております。
 取調べの可視化等を含めての検察についての御質問をいただきました。
 今回の検察をめぐる証拠改ざんなどの一連の事態については、法務大臣の下で、第三者による会議を設け、検察の在り方等に関する検証を行うものと承知をいたしております。
 被疑者取調べを録音、録画の方法により可視化することについてはその実現に向けて取り組むことにし、法務省などの関係省庁において調査、検討を進めているところであります。今後も引き続き幅広い観点から着実に検討を進めていくことといたしております。
 小沢元代表の強制起訴に関しての御質問をいただきました。
 制度に関して申し上げれば、我が国において初めて導入された制度であり、様々な御意見があることは承知しておりますが、制度趣旨に基づいて粛々と運用されてきているものと理解をいたしております。個別の事案におけるこの検察審査会の議決について所感を述べることは差し控えるべきと考えます。
 消費税について御質問をいただきました。
 政府としては、無駄の削減を徹底して行うのは当然でありますが、社会保障改革の全体像について必要とされるサービスの水準、内容を含め、国民の皆さんに分かりやすい選択肢を提示した上で、その財源をどう確保するか、消費税を含む税制全体の議論を一体的に行ってまいりたいと考えております。それに向け、政府・与党で社会保障改革の全体像を検討する場を設け、野党の皆さんとも意見交換をしていきたいと、このように考えております。
 お尋ねの消費税に関する今後の見取図については、そうした税制全体の議論を進める中で検討してまいりたいと思います。
 もちろん、いつまでにという期間を限定するわけではありませんけれども、大きな税制改革の結論を得て実施する際には国民の皆さんに信を問う、この方針には変わりはありません。
 予備費を活用した雇用対策の実施についての御質問をいただきました。
 九月二十四日の閣議決定に基づき、予備費を活用して緊急の雇用対策を迅速に講じているところであります。
 具体的には、新卒者対策については、三年以内既卒者を対象とした奨励金を既に創設し、新卒者専門の新卒応援ハローワークを四十七都道府県に設置済みであります。加えて、採用意欲の高い中小企業を発表する等、中小企業と新卒者等のミスマッチ解消に向けた取組を強化しているところです。また、介護、医療、農林等の成長分野における地域の雇用機会の創出においても、既に交付額を県に内示し、早期の事業展開に向けて取り組んでおります。
 予備費を活用したこれらの緊急対策を機動的に実施し、雇用失業情勢の改善に全力で取り組む所存であります。
 国家戦略室強化のねらいと役割についての御質問をいただきました。
 国家戦略室は、国の重要政策の司令塔として、税財政の骨格、経済運営の基本方針その他総理が特に命じた内閣の重要政策に関する基本的な方針の企画立案及び総合調整機能をまず国家戦略担当大臣に担っていただくことになっております。それとともに、総理直属のスタッフとして、重要政策に関する調査や分析など、総理への情報提供・提言機能をも担っていただくことになります。この二つの機能を十全に発揮させるため、国家戦略室の体制強化に取り組んでいるところであります。
 地域主権改革についてお答えします。
 地域主権改革は、明治以来の中央集権体質からの脱却をし、この国の在り方を大きく転換する改革であると認識をいたしております。住民に身近な行政はできる限り基礎自治体にゆだね、基礎自治体が担えない事務は広域自治体が担い、国は広域自治体が担えない事務を担うという補完性の原理に基づいて、国と地方が協働しながら国の形をつくっていくという考えが基本であります。所信で述べたとおり、地域が主役となる社会の構築に向けた確たる道筋を付けることが我々世代の使命であります。様々な壁を打ち破るため、政治主導で改革を実現するべく取り組んでまいりたい、このように考えております。
 私への質問の最後に、衆参ねじれの下での国会改革についてお尋ねがありました。
 国会の現状においては、与野党が合意しなければ法案は通過いたしません。逆に言えば、与野党が合意する政策はかなり困難を伴う政策であってもその実行が可能になると、このように考えております。国会がそのような合意に至る熟議のプロセスとして、この臨時国会を一つのモデルケースとして与野党で大いに議論をし、知恵を出し合って国会改革を進めていただければ有り難いと期待し、また努力もいたしたいと、このように考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣前原誠司君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(前原誠司君) 郡司議員に二つ御質問をいただきました。
 まず、極東アジア情勢を見据えた海兵隊施設の在り方についての御質問でございますが、我が国をめぐる安全保障環境は依然として不安定であり、不確実性が増しております。このような中、東アジアの各地域に近い沖縄に高い機動力、即応性に基づいて一定の初動対処能力を有するアメリカの海兵隊が維持されることは、我が国及び地域の平和と安定にとって不可欠な抑止力と考えております。
 次に、二番目の質問でございますけれども、農地・農業水利に関する開発途上国への技術移転について成長戦略も踏まえた御質問がございました。
 世界の飢餓人口が約九億二千万人と依然高水準が見込まれております中、我が国としても、農地・農業水利を含む農業分野において専門家の派遣や途上国からの研修員受入れ、施設整備への協力など、途上国への技術移転に今まで取り組んでまいりました。日本の優れた技術の海外展開を通じて、アジアそして世界の成長を支えて、これを我が国の成長にもつなげていくことは新成長戦略の重要な施策の一つでございます。
 今後とも、郡司議員の御指摘も踏まえつつ、我が国は責任あるドナー国として途上国における持続可能な農業開発に取り組んでまいりますので、御指導をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣仙谷由人君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(仙谷由人君) 郡司彰議員から私も二つ質問をいただきました。
 まず、検察審査会制度の在り方と今回の議決結果の把握時期についての御質問でありました。
 この個別の事件について、検察審査会の判断にかかわる事柄につきまして官房長官としてお答えすべきではないと考えておりまして、そのことは差し控えたいと存じます。
 検察審査会制度は、検察官の公訴権の実行に関し、民意を反映させて、その適正を図るものと伺っております。改めて現行の検察審査会法を見てみましたんでございますが、これは独立の言わば機関で、事務当局は最高裁判所を始め各地の裁判所がある種の管理をすると。つまり、裁判所の内側に入っている制度だなというふうに感じたところでございます。この現行の検察審査会制度は昨年の五月に導入されたばかりでございます。当面は、司法参加というコンセプトの下に導入されたこの検察審査会の制度、改正法の運用状況を見守るべきものであると考えております。
 また、御指摘の小沢議員に対する起訴議決があったことについては、議決書の要旨が掲示された後に、秘書官からその旨報告を受けて私はその事実を知りました。御指摘の、議決に至るまでの東京第五検察審査会の審査の経過を私が何らかの格好で把握していたということは全くありません。
 それから、政治主導確立法案の成立及び国家戦略局の設置時期の見通し等についての御質問もいただいております。
 政治主導確立法案は、国家戦略局や行政刷新会議という政治主導、官邸主導を実現するためのかなめとなる組織を法律上明確に位置付けること、さらには、国家戦略局長や国家戦略官の政府部内の国会議員の就くポストの新設を行うことなど、内閣機能強化のための重要な内容を含んでいると考えております。
 本法案につきましては、この臨時国会におきまして御審議をいただいて、速やかに成立をさせていただきたい。できるだけ早く国家戦略局が発足できるよう、政府として努力をしてまいりたいと思っております。
 国家戦略室の組織体制の在り方については、先ほど総理が答弁されたとおりでございます。
 予算編成につきましては、総理から国家戦略担当大臣に対しまして、財政運営戦略に基づく財政健全化を推進し、毎年度の予算編成の基本方針の策定、中期財政フレームの改定など、税財政の骨格や経済運営の基本方針について企画立案及び総合調整を行う旨の指示がなされているところでございます。これに沿って、国家戦略室が政治主導による予算編成の実現に必要な役割を果たしていくことになると、そういうふうに考えておるところでございます。
 御質問に対する答弁は以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣大畠章宏君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(大畠章宏君) 郡司彰議員からTPPに関する御質問をいただきましたので、お答えを申し上げます。
 昨日、皆様方も御存じのとおり、韓国とそしてEUがFTAに署名をいたしました。EUの二十七か国と韓国がFTAを結ぶということになったわけであります。大変厳しい国際競争下において韓国は優位に立ったということになります。
 このような状況下において、太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境整備に向けて、その架け橋としてEPA、FTAは重要でございます。その一環として、御指摘がありました環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP交渉への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指したいと考えております。七月の二十七日のEPA関係閣僚打合せ以降、EPAの基本方針を秋までに策定すべく、関係閣僚間で議論しているところでございます。また、その中で、TPP参加の経済効果や産業への影響も含め、今後のEPA戦略を議論しているところでございます。
 EPAの推進に当たっては、御指摘のとおり、食の安全・安定供給など日本の農林水産業との両立は重要な課題と考えており、農林水産大臣とよく連携して検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣鹿野道彦君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(鹿野道彦君) 郡司議員の御質問にお答えいたします。
 まず、環太平洋パートナーシップ協定についてのお尋ねでございますが、アジア太平洋諸国と成長、繁栄を共有するということにつきましては、その環境整備に向けて、その架け橋としてEPAやあるいは、このEPAというのは経済連携協定でございますけれども、大変重要なことであります。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP交渉などへの参加を検討して、そしてアジア太平洋自由貿易圏、いわゆるFTAAPの構築を目指すことといたしております。
 このことにつきましてはEPA関係閣僚打合せ等において議論をいたしてきたところでございますが、農林水産業への影響や交渉の状況等を踏まえ、国益に照らして検討することが必要でございます。
 これまでもEPAについては農林水産省としても積極的に対応いたしてきておりまして、十一の国・地域との間でEPAを締結したほか、九月には日本とインドのEPAについて大筋合意したところでございます。
 今後ともEPAに積極的に取り組んでいく方針でございますが、この場合、我が国の農業を再生、振興し、食料自給率を向上させていくという課題と両立させなければならないというふうに考えておるところでございます。
 次に、農地・農業水利に関する開発途上国への技術移転についてのお尋ねでございますが、これまで、国内のかんがい施設等の整備を通じまして蓄積してまいりました技術を持った専門家の派遣や開発途上国の砂漠化防止、かんがい排水施設の整備及び維持管理への支援などを通じて、開発途上国の農業発展や農村の飢餓、貧困の削減に貢献してきたところでございます。
 今年度から小水力発電や集落排水など我が国が強みを持つ技術をパッケージで海外に展開する取組を開始したところでありまして、外務省と連携しつつ、官民挙げて農地・農業水利に関する海外展開を一層強化してまいります。
 以上でございます。(拍手)
#17
○議長(西岡武夫君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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