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2010/11/04 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第7号
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2010/11/04 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第7号

#1
第176回国会 本会議 第7号
平成二十二年十一月四日(木曜日)
   午後三時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
  平成二十二年十一月四日
   午後三時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 去る二日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。野上浩太郎君。
   〔野上浩太郎君登壇、拍手〕
#4
○野上浩太郎君 自由民主党の野上浩太郎です。私は、自民党を代表して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず冒頭、大切な補正予算の審議の入口において、熟議の国会といいながら、委員長職権で強行に本会議をセットするという横暴な国会運営がなされました。参議院選前の強権的な国会運営と同じであり、全く反省がない。有言実行内閣とは聞いてあきれます。
 また、我々自民党は、審議入りの条件として小沢一郎元幹事長の証人喚問を求めていましたが、民主党から環境整備に努めるという回答があり、我々も審議入りを了としたわけであります。
 改めて、菅総理、あなたが先頭に立って小沢元幹事長の証人喚問を実現することを表明してください。岡田幹事長では小沢元幹事長に会うことすらできない。まさに菅総理のリーダーシップが試されています。よもや、党任せ、幹事長任せ、国会任せのような答弁はないと思いますが、有言実行内閣として菅総理の明確な答弁を求め、以下質問に入ります。
 政権交代から約一年二か月、この間、民主党政権は一体何をしてきたのでしょうか。我が国はどうしてこんなことになってしまったのか、これが国民の偽らざる思いではないでしょうか。国民生活に直結する経済は冷え込み、財政は悪化の一途をたどり、外交・安保問題でも国益が損なわれ続けています。
 今、大変な国難であります。そして、この国難を招いたのは、民主党政権、あなた方であります。
 一年二か月前、民主党政権は、一抹の不安がありながら期待を持って国民に迎えられました。しかし、今やその期待と不安は大きな怒りと失望に変わりました。
 そういう民主党政権に対し、先日、直近の民意が示されました。北海道教職員組合の選挙に絡む不正行為による北海道五区の補欠選挙で、我が党の町村候補が大差で勝利を収めたわけであります。比較的民主党が強いと言われる北海道さえ、菅政権にノーを突き付けました。
 民主党がかつて野党のときに主張していたように、直近の民意は極めて重いものであり、今後、菅内閣は、その民意を受けた政権運営になるのは当然です。総理は、今回の北海道で示された民意をどのように受け止め、それを今後どのように政権運営に反映させていくお考えなのか、野党時代の民主党の主張も踏まえて、認識をお聞かせください。
 民意は、菅政権の弱腰外交にも強い怒りを感じています。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオが予算委員会の理事会で公開されました。しかし、そのビデオは、約二時間のものが約七分間に編集されたものです。これでは全く全貌が分からず、恣意的な編集の可能性も残ります。一方で、中国外務省は、日本の巡視船が中国漁船の進行を妨げたという談話を発表しました。とんでもないことです。政府は、一刻も早くビデオを全面公開して、国民と国際社会に真実を伝えるべきです。総理に見解を伺います。
 また、今般の補正予算にレアアース対策が計上されていますが、問われるべきは、中国のレアアース輸出制限の問題であります。菅総理は、ハノイでの温家宝首相との会談の中で、日本経済にとって極めて重要なレアアースについても話し合ったのですか。中国が今後世界貿易ルールを守らないのであればWTOに提訴すると通告したのか、また、していないのであれば、その意思はあるのか、明確な答弁を求めます。
 一昨日、ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問しました。ロシアの大統領として歴史上初めての訪問であり、日ロ間で長年にわたって積み重ねてきた領土返還交渉の経緯を根底から覆す、許し難い暴挙であります。しかも、九月二十九日には、大統領が近いうちに必ず行くと宣言をしていました。
 その後、十一月一日の訪問まで、菅政権は、この訪問を阻止すべくどう具体的に真剣に動いたのか。よもや、表向きの懸念を数度伝えるのみという対応だったんでしょうか。先般のハノイでの首脳会議の場で、メドベージェフ大統領もいましたが、会談を設定しようとすらしなかった。訪問阻止に向けてどう具体的に行動したのか、なぜ訪問を阻止できなかったのか、その理由をお聞かせください。
 今回の事態は、普天間基地移設問題で日米関係が揺らぎ、尖閣諸島問題で日本が毅然とした対応をしなかった中で、完全に足下を見透かされたのです。これも、菅政権がそれぞれの外交問題に対し場当たり的な対応を積み重ねてきた結果です。菅政権からは、日本外交の戦略性も、そして何より領土を何としても守るんだという気迫が全く感じられません。
 今回の北方領土へのロシア大統領の訪問について、日米関係、日中関係との関連も含めて菅総理はどう認識しているのか。さらに、今後メドベージェフ大統領は歯舞、色丹にも訪問する予定とありますが、どう対応していくつもりなのか。そして、改めて我が国の領土を守る決意について伺います。
 十月二十七日から事業仕分第三弾が始まりました。民主党は、昨年の衆院選のマニフェストで、二百七兆円の総予算の組替えや無駄削減で四年間で十六・八兆円を生み出すとしていました。しかし、事業仕分による二十二年度予算概算要求への反映額は、純粋な事業仕分ではわずか七千億円弱であり、全く目標額に達していません。
 そもそも事業仕分の本来の目的は、無駄排除により予算を節約し、財源を捻出することにあったのではないですか。そうであれば、仕分では国民の皆さんにお約束した財源を捻出することはできませんでしたと、まず謝罪するのが筋ではありませんか。事業仕分の本来の目的は何だったのかをマニフェストの主張に照らして御説明ください。また、事業仕分で無駄を省き財源を捻出しないのであれば、約束した財源はどこで捻出するか、お答えください。
 また、今回第三弾の仕分では、例えばジョブ・カードという政策が事業仕分の対象になりました。この政策は六月に新成長戦略の中で、雇用創出のための菅内閣肝いりの国家プロジェクトとして閣議決定されたものです。つまり、自分たちが閣議決定した肝いりの政策を自分たちが仕分けるという事態であり、訳が分かりません。人は、これをマッチポンプと呼びます。少なくとも、看板政策は閣議決定前に政策立案段階でしっかり議論していただきたい。それこそ運営経費の無駄であります。
 また、これまでの事業仕分では、廃止判定された事業が看板を掛け替えて復活をしてきています。ゾンビ事業とも言われていますが、これまでどれだけの事業が復活しているんでしょうか、お示しください。また、復活をした事業の所管官庁の政務三役の責任はどう考えていますか、お答えください。また、このような復活が許されるのは、事業仕分に何の法的根拠もないからです。仕分結果をすべて予算に反映させる覚悟であれば、行政刷新会議の議長が菅総理ですから、その仕分結果をすべて閣議決定すべきではないですか。そうでなければ、まさにパフォーマンスということになります。総理、お答えください。
 さらに、民主党の特定の議員が行政刷新会議に参加していることは、国会議員と公務員の兼職を禁じた国会法第三十九条違反の疑いが非常に濃いと言わざるを得ません。行政刷新会議の法的位置付けと、仕分人はどのように選ばれ、どのような法的根拠と資格で参加しているのか。この国会法抵触の疑いに関して、行政の長かつ民主党の代表として総理はどのように認識しているのでしょうか、お答えください。
 この事業仕分で財源が生み出せないことは明白になりました。一方で、子ども手当、高速無料化、戸別所得補償、高校無料化といった、いわゆる四K政策を始めとしたばらまき政策が進められています。当然の結果として、二十二年度予算の国債が増発され、実に、税収が四十兆円に届かない中で九十二兆円の予算が組まれるという異様な姿になっています。また、今般の緊急総合経済対策の財源として、想定外の税収増や利率低減による国債費返還の差額等を活用するようですが、ばらまき政策を続けながら、一方でなけなしの貴重な財源を使うというのは論外です。このマニフェストにしがみついている限り明確な経済対策は実施できず、財政再建は困難です。今ここで、ばらまきマニフェストを撤回するつもりはないのか、総理、明確にお答えください。
 また、ばらまき政策の象徴でもある子ども手当についてお聞きします。
 子ども手当を満額支給するにはあと二・七兆円が必要ですが、国会での答弁では、平成二十三年度予算編成の中で検討するというだけで、具体的にどうするのか全く不明です。現金での支給を若干上乗せするとか、残り一万三千円は保育所の整備などサービスの充実、すなわち現物支給で対応するとか、ばらばらの意見は出ているようです。しかし、現物給付は元々自民党が主張していたことで、子ども手当ではありません。おかしなことを言われます。
 また、そもそもこれだけの予算を計上するのであれば、例えば公立小中学校の耐震化を来年一年ですべて仕上げ、子供たちの命を守ることの方がよほど優先されるべきものではないでしょうか。自公政権の二十一年度補正予算が執行停止され、大幅に遅れておりますが、あと一兆数千億あれば耐震化は一〇〇%達成されます。
 また、日本在住の外国人が母国に残してきた子供にも支給されるという制度設計上の欠陥も解決されていません。地方負担があるという点もマニフェスト違反であります。
 子ども手当法は今年度だけの時限立法なので、延長するには新たな法律が必要になります。来年度以降どうするのか、総理の認識を伺います。
 我が党は十月二十七日、衆議院に財政健全化責任法案を提出しました。いわゆるばらまき阻止法案です。
 国債などの借金は今年六月末で九百四兆円、来年三月末には九百七十三兆円と、千兆円を目前にする見通しです。先進国では最悪の水準で、特に政権交代以降、国債の増発に歯止めが掛からず、財政の悪化を加速しました。我々は野党でありますが、財政再建への責任を強く認識しており、日本を第二のギリシャにしてはならないとの切実な思いから法案を提出したのであります。しかし、菅政権には財政への危機意識が全くうかがえません。
 そこで、菅総理に、現在の日本の財政に関してどのような状況に置かれていると考えるのか、財政状況に対する危機意識、健全化へ向けての決意はあるのか、伺います。
 また、菅政権では、今年六月に財政運営戦略を閣議決定しています。内容を見ると、プライマリーバランスを五年で対GDP比半減、十年で黒字化するなど、我が党の財政健全化責任法案をそのまままねたものになっています。総理は、我が党の財政健全化責任法案をどのように評価しているのか、そして我が党の求めに応じて法案の審議入りとこの臨時国会での成立を約束いただけるのか、明確に答弁してください。
 一方で、政府の財政運営戦略には問題があります。この戦略の中期財政フレームは、平成二十三年度からの三か年のみを対象にして、国債を四十四兆円に抑え、歳出の大枠を前年度を上回らない規模とするということだけしかありません。かつて自民党は、公共事業費、教育関係費等、歳出項目ごとの具体的な目標を示しました。具体的な未来予想図がなければ民間の投資を促進することはできませんし、財政健全化目標の達成も困難だからです。中期財政フレームには歳出項目ごとの具体的な数値目標と道筋を示すべきです。財務大臣に見解をお伺いします。
 かつて麻生内閣では、経済状況に関して、百年に一度の厳しい状況にあるとして、あらゆる政策を動員しました。エコポイントやエコカー補助金に代表される大規模かつ有効な経済対策を進め、景気は回復基調を続けてきました。政権交代後の経済を何とか支えてきたのが自公政権の経済政策だったんです。
 ところが、鳩山政権以降、意味のない予算の凍結、経済効果のない子ども手当などのばらまき政策、円高進行の放置、エコカー補助金の停止など、方向性が全くちぐはぐな政策が打ち出されました。しかも、産業界に大打撃を与えるCO2二五%削減、派遣の規制強化、最低賃金引上げなど、雇用空洞化政策、アンチビジネス政策をのうてんきに打ち出していることが景気に大きくブレーキを掛け、景気の後退は加速し始めたのであります。まさに政策不況であります。
 政府の十月の月例経済報告によると、景気はこのところ足踏み状態となっているとし、基調判断を二十か月ぶりに下方修正しています。このような景気の中で、政府はようやく緊急経済対策を提出し、補正予算を編成しました。しかし、この提出は全く遅きに失したものであります。本当に遅い。だらだらと何をやっていたんですか。自民党は九月八日に緊急経済対策を策定し、申入れを行いましたが、補正予算が出てきたのは実に十月二十九日です。参院選が終わってからこのような状況になるまで約四か月弱、代表選にかまけ、円高を放置し、ここまで補正予算の提出が遅れた危機感のなさには、怒りを通り越して、むなしささえ覚えます。
 政府は、今の景気とその先行きをどう判断しているのでありましょうか。経済財政担当大臣に伺います。
 あわせて、財務大臣に、今後、円高に対してどのように対応していこうとしているのか、お聞きをいたします。
 さらに、補正予算の規模は四・八兆円ということですが、その歳出項目の中に一・三兆円の地方交付税交付金の増額分が含まれています。これは本来、補正予算実施の有無にかかわらず計上されるものであり、補正予算に勘定することは規模の水増しです。つまり、今回の補正予算の中の経済対策は実質的には約三・五兆円しかありません。現在、政府の試算でもGDPギャップは二十五兆円もあり、実質的に三・五兆円程度しかない対策では全くそのギャップを埋めることはできません。
 現在の経済状況の中で今回の補正予算の規模をどのように位置付けているのか、そして、この補正予算が景気を押し上げるのにどれだけの効果があると考えているのか、財務大臣に認識を伺います。
 今回の補正予算の大きな問題は、その財源であります。政府は、今年度の税収見積りを景気の回復を前提に二・二兆円上方修正し、その分を補正予算財源に計上しています。年度の前半が過ぎたばかりの現時点でこのような楽観的見積りで補正を組むことは間違いのもとであります。実際、過去十五年の税収において、当初予算より決算の方が兆単位で増えた年度は四度あるにすぎません。しかも、これらは景気が順調に回復している期間であります。
 現在の景気は、政府も月例報告で判断しているように足踏み状態に入っており、先行きは危ういのであります。だから、この補正予算が必要なわけですが、景気対策が必要な経済情勢の中で税収が二・二兆円も上振れするといった期待はどのような理由によるのか、全く不可解であります。財務大臣に納得のいく御説明をしていただきたいと思います。
 また、補正予算の中では、緊急人材育成事業の延長等として約一千億円が計上されています。そもそもこの支援事業は、自公政権の下、二十一年度第一次補正予算で七千億円が計上されていたものが、鳩山内閣の下ではその半分の三千五百億円の執行停止となりました。ところが、今回の補正で大幅な増額が行われております。同じことは地域医療再生基金に関しても言えます。二十一年度補正予算の執行停止は、自公政権での予算を否定する単なるパフォーマンスにすぎなかったのではないでしょうか。
 こうした予算の復活劇は、更に精査していけば多くの項目で多額に上る可能性があります。財務大臣に、自公政権での執行停止が復活した予算項目と金額、そして復活した理由を明快に説明していただきたいと思います。
 以上述べてきたように、今回政府が提出された補正予算は、現在の経済状況に照らして、とても適切、十分なものとは言えません。したがって、自民党は補正予算の修正を求め、いずれは組替え動議として衆議院に提出したいと考えていますが、ここでは地方への配慮が全く足りないという観点から具体的に三点お聞きします。
 一点目は、地域活性化交付金についてであります。地域経済の疲弊は極めて深刻です。しかし、補正予算で三千五百億円しか計上されていません。深刻化する地域経済への認識が著しく欠如しており、地方自治体が活用できる交付金を一・五兆円にまで大幅に積み増すことを求めます。
 二点目は、現在大きな問題となっている米価下落への対応についてです。これは、戸別所得補償制度の影響によるものです。この制度自体、抜本的に見直すことが必要ですが、まずは緊急的に米の需給調整対策、過剰米対策を実施し、米価下落に歯止めを掛けなければならない、まさに今回の補正で取り組むべき課題でありますが、見解をお聞きします。
 三点目は、公共事業についてです。民主党政権は、コンクリートから人へのスローガンの下、公共事業費を大幅に削減してきました。この削減が地方経済、雇用に与える影響は甚大です。また、昨今、異常気象による災害も多発していますが、災害対策にも公共事業はなくてはならない存在であり、人を守るためのコンクリートは必要なのです。そして、地に着いた政策の実施のためには、来年のばらまき政策の執行停止を事実上の担保として、建設国債で対応すべきであります。
 一方の政府は、公共事業の契約の前倒し、いわゆる国庫債務負担行為で二千三百八十八億円を確保したにすぎません。公共事業に対しては、依然として消極的スタンスになっています。今後どのように公共事業を推進するお考えなのか、総理に基本的な認識を伺います。
 また、こうした我々の補正予算の組替え動議、要求をどのように認識され、対応されるか、総理のお考えをお聞きします。
 最後に、政治の信頼について申し上げます。
 日本が今直面している国難を乗り切るには、政治のリーダーシップが必要です。そして、その前提は政治に対する信頼です。信なくば立たずです。しかし、その政治の信頼が地に落ちているんです。直近の世論調査でも軒並み内閣支持率は一〇%以上下落し、三〇%台になっている。これが国民の声であります。
 この要因の一つは、言葉の軽さとぶれにあります。先般の鳩山前総理の発言にも唖然といたしました。普天間基地移設問題での発言のぶれは記憶に新しいところですが、この度、自身の出処進退について、私は次の選挙には出馬いたしませんと宣言しておきながら、党の状況が思わしくないから、やっぱり辞めるのはやめて、いましばらく頑張ると言われた。前総理が政治家としての出処進退という大変重い決断を表明されながら、それを突然変節される。何という言葉の軽さでしょうか。このことについての菅総理の所感を伺います。
 また、言葉のぶれという点では菅総理の言葉も、参議院選における消費税論議をめぐる発言のぶれ、この度のTPPへの突然の参加表明の迷走等、ぶれにぶれています。まさに有言不実行内閣であります。これでは、国民は菅総理の言葉を信じることはできない。
 加えて、これまで申し上げてきたとおり、実現できないマニフェストにしがみつく姿、政治と金の問題にふたをする姿、円高になすすべがなく、経済対策も全く遅い、危機感のない姿、尖閣諸島問題等を通し、我が国の領土、国民、主権を守る気概がないということが明らかになった姿、そして、その底流にある、日本をどういう国にしたいのか、何をしたいのか、その信念が全く感じられない姿、このような姿に対し、国民が信頼を持つことは到底できないのであります。
 この信頼を失った内閣で今の国難を乗り切ることはできません。国家国民のため、一刻も早く解散・総選挙を実施し、国民の信を問うことを求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#5
○内閣総理大臣(菅直人君) 野上浩太郎議員にお答えを申し上げます。
 まず第一に、小沢氏の国会での説明に関する質問であります。
 小沢議員自身が、国会で決めた決定に私はいつでも従うと表明をされております。いずれにしても、政治家の説明責任については、まずは本人の意思が大事であり、現在、幹事長を中心として本人の意向確認を含む環境整備について努力を行っている最中であります。幹事長がこうした努力を行っているのを見守ってまいりたいと、このように思っております。
 衆議院の補欠選挙の結果についての御質問をいただきました。
 北海道五区補欠選挙の結果は民意の表れとして真摯に受け止め、今後の政権運営、民主党の活動の糧とさせていただきたいと思います。
 所信で述べましたように、我が内閣としては、日本が現在抱えている重要政策課題を解決し、次の世代に先送りしない責任を果たす決意であります。そのために、野党の皆さんに対して国会で真摯に説明を尽くし、誠実に議論を行い、合意形成に全力を尽くすことが国民の利益にかなうものと理解をいたしております。熟議の国会において結論を出す国会となることを期待し、身を引き締めて真摯に努力してまいります。
 中国漁船衝突事件の映像記録の提出、公開についての質問です。
 映像記録の提出については、正式な衆議院からの提出要求を受けたことから、十月二十七日、那覇地方検察庁から衆議院に提出がなされたものと承知をいたしております。また、当該映像記録を提出するに際し、那覇地方検察庁及び官房長官から、視聴される方々の範囲、方法等を含め極めて慎重な取扱いを求める旨の要望が付されているものと承知をいたしております。
 なお、捜査当局が証拠として保管している映像記録の公開については、刑事訴訟法四十七条の規定に基づき、捜査当局において適切な判断がなされるものと考えております。
 次に、中国のレアアース輸出制限に関する中国との話合い及びWTO提訴についての御質問をいただきました。
 中国のレアアース輸出制限については、政府として、これまであらゆる機会をとらえ中国側に改善を求めてきております。先日二十九日、ベトナム・ハノイでの日中韓首脳会議の場において、私の方から、レアアース等の資源の安定供給や貿易に関するWTOルールの遵守などを通じ、強固な信頼関係を醸成することが重要である旨の提起をいたしました。温家宝総理からは、中国としては引き続き世界に対し、レアアースを提供していきたいが、持続可能な発展のため、生産、輸出においてWTOに反しない管理政策を取るつもりである旨の回答がありました。
 WTO紛争解決手段の利用については、レアアースの対日輸出の実態の把握や中国に対する申入れを今後とも継続し、その結果を見極めた上で今後適切に対応していく考えであります。同時に、レアアースの安定供給を確保するため、先日、この機会にベトナムを公式訪問をいたしまして、ベトナムとの間でレアアースの採掘権を確保するという合意をいただきました。こうした努力によって、中国にだけ頼るのではなくて、供給源を多様化することが日本のいろいろな面での安全保障を含めて役に立つと、このように考えているところであります。
 次に、ロシア大統領の国後島訪問阻止についての御質問をいただきました。
 九月二十九日、前原外務大臣からベールイ駐日大使に対し、ロシアの最高指導者が北方四島を訪問すれば日ロ関係を損ねるとの大きな懸念を有している旨伝達するなど、何度も懸念を表明してきました。しかしながら、それにもかかわらず、メドベージェフ大統領が国後島を訪問をしたことは極めて遺憾であります。同時に、今回の訪問により我が国の北方領土問題に対する立場が揺らぐものでも、その主張が変わるものでもありません。
 近年、ロシアがアジア太平洋地域に対する関心を高めていることが看取されます。また、我が国の対ロ外交について言えば、歴代内閣は北方領土交渉について目に見える進展を図ることがこの間必ずしもできていなかったことは認めざるを得ません。今回の訪問を受け、現地の事情等について説明を受けるため、河野ロシア大使を一時帰国させました。ロシアの国内的要因が強いという説明もありましたが、引き続きしっかりした情報収集を行うよう指示をいたしました。
 いずれにせよ、私の内閣では強い意思を持ってロシアとの間で領土問題の解決に向けて交渉を進めてまいりたいと、このように考えているところであります。
 次に、ロシア大統領の国後訪問と各国との関係及び我が国の領土を守る決意についての御質問をいただきました。
 今回のメドベージェフ大統領による国後訪問について、直接に日米関係と関係はないと思っておりますが、しかし、日本の主張を米国が支持していることは、明確に改めて支持を表明されたことは皆さんも承知のとおりであります。中国との関係では、中国とロシアとの連携についていろいろな見方がありますけれども、これは中ロの問題でありますので、こうした場でのコメントは控えたいと、このように思っております。
 ロシアの最高指導者による北方四島訪問計画については、我が国は日ロ二国間の問題として様々なレベルで何度も懸念を表明してきております。それにもかかわらず、こうしたことがあったことは遺憾であり、更なる四島訪問の可能性についての報道がありますが、ロシア側がこれまで伝えている日本の立場を十分に踏まえて行動されることを期待をいたしております。
 今回の訪問によって、先ほど申し上げたように北方領土に関する立場が揺らぐものではありません。
 次に、事業仕分の本来の目的についての御質問をいただきました。
 無駄遣いの根絶はマニフェストにおける国民との約束であり、これまで政権の最重要課題の一つとして事業仕分に取り組んできたところであります。事業仕分により、予算編成の過程、独立行政法人等の事業内容、特別会計の実態が一つ一つ公開の場で確認され、国民によく見えるものとなり、行政の透明性が飛躍的に高まったことは大きな成果であったと認識をいたしております。
 事業仕分による歳出削減額は仕分を行った結果として出てくるものであり、あらかじめ歳出見直しの目標額を設定して実施するものではないと承知をいたしております。しかし、昨年十一月に行われた事業仕分第一弾においては四百四十九事業について仕分を行い、過去のしがらみにとらわれることなく大胆に切り込んだ結果、平成二十二年度予算における約三兆円の新規財源を確保するという成果に大きく寄与したものだと認識しております。
 また、今年四月から五月に行われた事業仕分第二弾では独立行政法人及び政府系公益法人が行う事業、百十七法人二百三十三事業を、先日行われた事業仕分第三弾前半では特別会計、十八会計五十一勘定四十八事業を取り上げ、これらの評価結果のうち予算措置に係るものについては二十三年度政府予算案へ適切に反映してまいりたいと考えております。今月中旬には事業仕分第三弾の後半として再仕分を実施することとしており、引き続き、強力に無駄の削減を徹底し、マニフェストの実現に向けて誠実に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、事業仕分で廃止判定がされた事業の復活など、事業仕分の在り方について御質問をいただきました。
 事業仕分は政府の最終結論を得るためのものではなく、これにより予算編成の過程などが一つ一つの公開の場で確認され、行政の透明性が飛躍的に高まることこそが最も重要なことであると、私はそのように認識をしております。
 御指摘のように、廃止とされた事業が別事業として復活しているといった可能性があるものについては、今月予定されている事業仕分の第三弾後半の再仕分によって検証をすることになっております。また、各府省の政務三役には、国丸ごと仕分、いわゆる行政事業レビューの取組などにより、概算要求を提出する前に自らの府省の事業の見直しに取り組んでいただいているが、概算要求提出後も再仕分のプロセスを通じた検証作業等に加わり、自府省の予算要求の更なる精査を行っていただけるものと考えております。
 次に、国会議員の事業仕分への参加と国会法第三十九条との関係についての御質問をいただきました。
 行政刷新会議は、法律に基づく行政の意思決定機関である閣議において決定され、設置されているものであります。また、行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分の評価者については、行政刷新会議で了承し、行政刷新会議の議長である私が指名したものであります。行政刷新会議は内閣府設置法に基づく行政組織ではなく、評価者は官職に当たるものではないことから、国会議員を評価者に指名し、参集を求めることは国会法第三十九条との関係で問題が生じるものではないと、このように考えております。以上のことから、国会議員が評価者として事業仕分に参加することについては何ら問題がないものと考えております。
 次に、マニフェストについての御質問をいただきました。
 今回の経済対策では、昨年の決算剰余金、今年度の予算で不用が見込まれる額及び税収見込みの増などを財源としており、新規国債発行は行わず、補正予算によって財政状況が悪化するものとは考えておりません。
 一方で、今回の経済対策は、事前に、与党はもちろんのこと、自民党を始めとする野党の御意見もいただき、これを十分に勘案したものであり、厳しい国民生活に対応するためにも一刻も早い成立が重要であると考えております。
 財政健全化に向けては、本年六月に財政運営戦略を決定し、現在、これに基づく平成二十三年度予算編成の作業を行っているところであり、財政運営戦略を確実に実行することで財政健全化、持続可能な財政運営に結び付けていく決意であります。
 マニフェストについては、引き続き実現に向けて最大限の努力を続けてまいります。同時に、財源等の理由により実現が困難となった場合には、国民の皆さんに対して丁寧に説明を行い、理解を求めていきたいと考えております。
 来年度の子ども手当についての御質問をいただきました。
 子ども手当については、先般、玄葉大臣を議長とし、総務、財務、厚労、少子化担当大臣をメンバーとする五大臣会合を開催し、できるだけ早く基本的な方向性を定めるよう指示をいたしました。平成二十三年度以降の子ども手当については、様々な御意見を踏まえ、財源の在り方とともに平成二十三年度予算編成過程においてよく検討してまいりたいと考えております。
 なお、学校施設の耐震化については、今般の補正予算において耐震化等の推進の予算を上積みするとともに、来年度においても、地方公共団体からのニーズ等を踏まえ必要な予算を確保し、積極的に推進してまいる所存であります。
 次に、財政健全化に向けた決意と自民党提出の財政健全化責任法案について質問をいただきました。
 財政健全化は、どの内閣であっても避けることができない課題であります。そのため、政府は、六月に財政健全化の道筋を示した財政運営戦略をまとめたところであります。二〇一五年度までに基礎的財政収支の赤字を対GDP比、今年度の半分にし、二〇二〇年度までに黒字化を達成することといたしております。
 自民党が本国会に提出された財政健全化責任法案と財政運営戦略とは、財政健全化を進め、財政に対する内外の信認を確保するという問題意識は共有しているものと認識しております。主な内容においても、財政健全化目標の内容、ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則の導入、税制の抜本改革の実施など、共通しているところが多くあります。
 今回提出された法案については、これをしっかり受け止め、議論をしていきたいと、このように考えております。
 補正予算の組替え動議についての御質問をいただきました。
 補正予算案には、地方公共団体が地域の実情に応じた幅広い事業に活用できる地域活性化交付金三千五百億円を計上したところであります。自民党から一・五兆円の地域経済・雇用対策緊急交付金の創設の提案がなされていることについては承知をいたしており、また、各党からも様々な提案がなされているところであります。地域活性化交付金のように地方の自由度の高い交付金を一定規模設けつつも、経済対策であることにかんがみ、財源の相当部分を政府として新成長戦略に沿って効果的と判断する施策に充てることも併せて重要なことと考えております。
 こうしたことにより、デフレ脱却と成長分野における雇用創出を目指していきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 米価下落の対応についての御質問をいただきました。
 米の戸別的所得補償モデル事業は、米価の下落にも農家が対応できるよう加入農家の所得を補償するものであります。十アール当たり一万五千円の定額部分に加え、米価の下落分に対して補てんも行うこととなっております。
 このように、米モデル事業によって今回の米価下落に対しても加入農家の所得は補償されることになっております。
 これに加えて、さらに、過剰米対策として政府が米価の下支えのために備蓄運営上必要のない米の買入れを行うことは、消費者の理解を得られないこと、米モデル事業の非参加者が米価上昇の最大のメリットを受けること等の問題があると考えております。
 なお、米価の下落については、米モデル事業により需給引締め効果があるものの、依然として残る需給ギャップ等による影響が大きいものと考えております。
 次に、公共事業についての御質問をいただきました。
 公共事業については、国民にとって本当に必要なものかどうかを見極め、真に必要な社会資本整備を戦略的に進めることが重要と認識いたしております。今回の補正予算案においては、御指摘の公共事業の契約の前倒し分二千三百八十八億円以外にも、災害復旧等事業費を含め公共事業関係費として約五千九百億円を計上しており、地域経済の活性化や国民生活の安定、安心に真に役立つ社会資本整備を行ってまいります。
 次に、補正予算の組替え動議、要求について御質問をいただきました。
 補正予算を含む経済対策については、自民党を含む各党からの提言も相当程度取り入れて策定したものであり、現下の厳しい経済情勢に対し、景気回復を確実にするために、一刻も早い成立が必要であると考えております。国会における建設的な御審議の上、速やかに御賛同いただけるようお願い申し上げます。
 次に、政治家の言葉、発言に関する質問をいただきました。
 鳩山前総理のお話は直接伺ってはおりませんで、この発言についての論評は差し控えますが、一般論として、選挙への立候補を含む出処進退は政治家自らが判断すべき問題であり、最終的な評価、判断は国民、有権者が行うべきものだと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(野田佳彦君) 野上議員から五問御質問をいただきました。順次お答えをしたいと思います。
 まず、中期財政フレームについての御質問についてでございます。
 六月に閣議決定しました財政運営戦略においては、財政健全化目標の達成に資するため、平成二十五年度まで、向こう三年間を対象とする中期財政フレームを策定し、議員御指摘のように、歳出の大枠が七十一兆円以内、そして新規国債発行額は四十四兆円を上回らないようにすると、そういうことを定めているわけでございます。
 財政健全化目標の達成に向けた方策については、議員御指摘のように、歳出項目の具体的な数値目標を示すべきなど様々な御意見があるということは承知しておりますけれども、現在、中期財政フレームを踏まえまして概算要求組替え基準を設けて、年末の予算編成に向けて今まさに作業をやっているところでございます。ですから、現在は、今のこの現在の仕組みの中で予算の大胆な組替えを実現をしていきたいと考えております。
 二つ目のお尋ねは、円高対策に対する御質問でございました。
 政府は、円高の進行等の厳しい経済情勢に対応する観点から、三段構えの経済対策を決定し、ステップワンとしては、経済予備費約九千二百億円を活用して、即効性を重視した緊急的な対策を既に実施しているところでございます。ステップツーとして緊急総合経済対策を決定し、本対策を踏まえて補正予算を今般提出をしたところでございます。
 両対策に盛り込まれた需要、雇用面からの下支え等を総合的に推進することにより、円高が実体経済にもたらす負の影響を最小限に食い止めていくことが重要であると考えています。
 なお、為替については、為替相場の過度な変動は経済、金融の安定に悪影響を与え看過できないと考えています。こういう観点から、引き続き必要なときには為替介入を含め断固たる措置をとることとしている次第であります。
 三つ目のお尋ねは、補正予算の位置付け及び効果についてでございました。
 政府は、円高の進行等の厳しい経済情勢に対応するため、先ほど申し上げた三段構えの経済対策を九月十日に決定し、緊急的な対応としてステップワンを実施するとともに、スピードを重視して需要、雇用を切れ目なく創出するため、第一に今後の需要減少懸念への備え、マインド安定への働きかけ、第二に来年度予算実行への橋渡し、第三に新成長戦略の前倒し、こうした三つの視点に立ったステップツーを十月八日に決定したところでございます。本補正予算はこのステップツーの対策を実現するための経費等を計上したものでございます。
 効果については、内閣府の試算によりますと、今回の対策、補正予算に盛り込まれた施策を実施することにより、実質GDPを〇・六%程度押し上げるとともに、雇用創出・下支え効果として四十五万人から五十万人程度を見込んでいるところであり、切れ目のない迅速な政策対応によってデフレ脱却と経済の好循環を実現をしてまいりたいと思います。
 次に、税収補正についての御質問がございました。
 二十二年度税収については、その基礎となる二十一年度税収の決算額が二十一年度下半期の企業収益が好調であったことなどから、補正後予算額を約二兆円上回ったことにより、いわゆる土台増が生じています。また、二十二年度税収をめぐる足下の現況は、四月から六月期においても、昨年度下半期からの企業収益の改善が続いていること、企業業績の通期見通しが良好なことなど、比較的堅調となっております。こうしたことから、今般、税収の土台増分を基本として足下の課税実績を織り込んでプラス二・二兆円の税収補正を行うこととさせていただきました。
 最後に、補正予算と執行停止との関係についての御質問がございました。
 今般の補正予算に計上した事業のうち、昨年執行停止等を行った事業と同様の事業を合計すると四千六百億円程度となります。その内訳について主なものを申し上げますと、御指摘の地域医療再生基金の拡充二千百億円や緊急人材育成支援事業の延長一千億円のほか、学校施設の整備千百九十億円、住宅用太陽光発電導入支援対策百四十五億円、森林整備事業百十九億円等があります。いずれも現時点で実施する緊要性の認められる事業について予算措置を行ったものでございます。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣海江田万里君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(海江田万里君) 野上議員にお答えをいたします。
 野上議員の御質問は、景気の現状認識及び先行きについての質問だったと承っております。
 まず、景気の現状認識でございますが、野上議員御指摘のとおり、月例経済報告で九月までの基調判断を、十月は、景気はこのところ足踏み状態となっている、また失業率が高水準にあるなど厳しい状況にあると、このように直したところでございます。この十月の基調判断が私どもの現状認識でございます。
 そして、それと同時に、この現状認識には大きく分けて三つの下振れのリスクがございます。
 一つはやはり失業率の問題で、この失業率が高止まりしないだろうか、特に働き盛りの男性が大変失業率が少し高くなっております。全般的には改善をしておりますが、ここが問題でございます。
 それから二番目は、やはり円高が長引くんではないだろうかというリスクでございます。今日は円高が一服感がございまして、株価も、前場を見てきたところでございますが、二百円を超えて上がりましたが、やはりこの円高と株安の関係、関連性がございますので、この円高が長引くおそれ。
 それから三番目が、海外経済活動が減速をしているんではないだろうか。特に、アメリカ、それから今成長の原動力になっております中国などを始めとしたアジアの経済がどうなるんだろうかと。
 まさにこの三つの下振れリスクがあるわけでございますから、その下振れリスクが顕在化しないように、私どもは今度の補正予算では特に需要面からこの下振れリスクを顕在化させないように努力をしたところでございます。
 どうぞ一日も早いこの補正予算の議論、そして成立を心からお願いをする次第でございます。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(西岡武夫君) 舟山康江君。
   〔舟山康江君登壇、拍手〕
#9
○舟山康江君 民主党の舟山康江です。ただいま議題となりましたさきの財政演説に関して、菅総理大臣に対し、民主党・新緑風会を代表して質問いたします。
 十月二十九日、COP10、生物多様性条約第十回締約国会議が閉幕しました。今回の会議においては、先進国と途上国との対立が顕在化する中、最終盤までぎりぎりの調整が続いていたようですが、議長である松本環境大臣自らが各国との調整を行い、名古屋議定書と来年以降の新戦略計画、愛知目標が採択されました。松本大臣を始め、前段に行われたMOP5、カルタヘナ議定書第五回締約国会議を成功に導いた鹿野農林水産大臣ほか関係各位の御努力に心から敬意を表します。
 COP10の成果について、冒頭、菅総理から感想をお伺いするとともに、今後の生物多様性の保全と持続可能な利用の推進に向けた取組への決意をお伺いします。
 さて、今回の補正予算では、新成長戦略実現に向けた円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策を踏まえ、年末から年明け以降の景気、雇用の悪化リスクに対し、需要面から先手を打つこととされております。したがって、我が国経済を安定的に運営するためには本補正予算の速やかな成立と執行が求められており、こうした点につきましては与野党を問わず認識を共有しているのではないかと思っております。
 まずは、予算審議に臨む総理の基本姿勢をお伺いします。
 今回の補正予算の効果については、実質GDPをおおむね〇・六%押し上げるとともに、雇用創出、下支えの効果が四十五から五十万人程度あるものと見込まれております。予算については、本来、ある政策目標を立てて、そのためにはどのくらいの財政出動が必要なのかという観点から組まれるべきものとも思いますが、この点、今回の約五兆円という規模は現在の経済の状況に的確にこたえることができるのか、現在のデフレギャップを埋めるのに十分とお考えか、総理の御所見をお聞きします。
 私たち民主党は、国民の生活が第一との基本姿勢の下、外需中心の成長から内需を重視した政策への転換を掲げ、国民から政権を負託されました。菅総理も、昨年の副総理の時期においては、家計の支援による個人消費の拡大と新分野での雇用を生み出すことにより、内需を重視した経済成長を実現するという姿勢が強かったように理解していますが、総理に就任されてからは、そのスタンスがやや変化してきたとの印象もないわけではありません。
 こうした点を踏まえ、需要創出に関する菅総理の基本理念を改めてお伺いするとともに、今回の経済対策の実施により、どのようにして内需が喚起され、〇・六%の経済効果をもたらすかなど、経済対策の効果の波及メカニズムについて説明をお願いいたします。
 来週末に迫ったAPEC首脳会議に向け、環太平洋連携協定、TPPへの参加に関する議論が高まりつつありますが、まず自由貿易、経済連携の取組に関する総理の基本姿勢をお伺いいたします。
 TPPは、加盟国間において物品貿易については原則として全品目の即時又は段階的関税撤廃が求められ、それに加えて、政府調達、競争、知的財産、電気通信、金融サービス、人の移動等についても包括的協定を結ぶもので、基本的にはあらゆる分野での市場開放を迫られるものです。すなわち、国の形そのものが大きく変わるおそれがあります。農業を取るか、輸出産業を取るかという問題にすり替えてはいけない話です。既に加盟国間での十月会合においては二十四の作業部会が立ち上げられ、市場アクセス、すなわち関税撤廃の議論に加え、国の産業政策や制度そのものにまで踏み込んだ議論が進められていると聞いております。参加に当たっては、このような非関税障壁を含めたあらゆる分野への影響を十分検討しなければなりません。
 先日、参加によってどのような影響が生じるか、関係各省がその経済効果について試算を公表しました。しかし、各省の試算は整合性がなく、妥当な結論を得ることは極めて困難と言わざるを得ませんし、そもそも、単に数字の問題で結論が出るわけではありません。農林水産業にマイナスが出ても工業でプラスが出るからいいではないか、そういう議論ではないはずです。
 前原外務大臣は、先日の講演において、日本のGDPにおける第一次産業の割合は一・五%だ、一・五%を守るために九八・五%のかなりの部分が犠牲になっているのではないかと発言されたと伝えられています。確かに、直接的なGDPへの貢献は一・五%にすぎないかもしれません。しかし、農業は国土保全や水源涵養、景観保持、農村社会の維持などの多面的機能を果たしており、こうした外部経済効果にも目を向ける必要があります。
 農業は、自然の生態系を利用した産業であるため、気候条件などの違いにより各国各地域ごとに極めて多様に営まれております。特に、私たちが住むアジアは、温暖多湿なモンスーン気候であり、水田を中心に自然と共生しながら、それぞれの歴史、文化等を背景にした価値観を互いに認め合い共存してまいりました。今回、我が国で開催するAPECの理念は、まさに多様性に配慮しながら各国の経済成長を持続させることであります。議長国である我が国は、今こそこの理念の実現に向けて、米国やEUとは異なるアジア型ともいうべきモデルを積極的に世界に提唱していくことが必要ではないでしょうか。
 私は、今の議論の流れを見る中で、数年前に国内の様々な分野に大きな影響を与えた郵政や金融、保険、労働者派遣、司法制度改革などの一連の動きを思い出さずにはいられません。当時の急激な構造改革、規制緩和が日本社会に一体何をもたらしたのか、その教訓をしっかりと生かさなければならないと思います。
 加えて、早急に議論に参加してルール作りに参加すべしとの意見もありますが、既に二十四もの作業部会が設置されるなど枠組みは成立している上、TPPに参加を表明している九か国の過半がコモンウェルス、すなわち旧英国植民地であり、日本の固有の制度、慣行、風土に対する理解は容易ではありません。
 TPPは、国民の日々の生活に極めて大きな影響を与えるものです。単なる試算の数字の話を超えて、締結によって国民にどんな良いことがあるのか、どんな悪いことがあるのか、事前にどんな準備が必要なのか、まずはしっかりとした国民的議論を行い、その上で判断すべきと考えます。
 総理は、こうした点も踏まえた上でTPP参加の検討をされているのでしょうか。これによる影響についてどのように見ているのか、御所見をお伺いいたします。
 総理は、代表選の折、消費税増税の是非については選挙で国民に信を問うとおっしゃっていました。私は、TPP参加の是非については、消費税の問題と同等か、それ以上に重要な問題だと思いますが、この点、菅総理はいかがお考えですか。
 また、現在の経済運営の最も大きな課題はデフレ対策となっておりますが、TPPに参加することによる物価、雇用、賃金等への波及など、デフレへの影響をどのように考えているのかについても併せてお伺いいたします。
 現在の景気への対応のためには、この補正予算の早期成立が不可欠であると同時に、翌平成二十三年度当初予算についても景気への十分な配慮が求められております。
 一方、来年度予算については、先般決定された中期財政フレームに沿ったものとする必要があり、極めて狭い道を行く困難な編成作業が予想されますが、元気な日本復活特別枠なども活用しつつ、めり張りのある予算となることが期待されているところです。
 かかる観点から、平成二十三年度予算編成に取り組む菅総理の決意とともに、編成作業の進捗状況を伺いたいと思います。
 平成二十三年度当初予算の編成に当たっては、これに先立ち、特別会計を中心とする事業仕分を行うとともに、元気な日本復活特別枠の配分に関して政策コンテストを実施することとされています。
 そこで、今回の事業仕分について改めてお尋ねします。今回は、特別会計の在り方、必要性の有無などについて幅広い視点からの公の議論が行われましたが、一部、二十三年度予算の中身や制度にまで踏み込んだ議論があったと聞いております。二十三年度予算については、政府及び与党内での議論を経て八月末に各省庁から概算要求が出され、今後、この国会の場で議論が行われるべきものと考えていますが、事業仕分に期待するものは何か、二十三年度予算への反映はどのような形で行われるべきと考えているのか、事業仕分の位置付けについて菅総理にお聞きします。
 また、これから本格化する政策コンテストですが、国民の監視の下で予算編成過程の透明化を図るものとして期待されているところであり、予算や事業の在り方が大きく見直されつつある現在、有意義な取組だと思いますが、一方で、政府は議院内閣制で成り立っており、あくまでも予算編成は政治家の責任において政治家が決定すべきものであるということを留意しなければならないと考えます。この点について、総理のお考えをお伺いします。
 私は、本来、予算委員会や決算委員会を始めとした国会での議論こそが予算や事業の在り方に大いに反映されるべきものと考えています。
 とりわけ、参議院においては、かねてから決算重視の参議院として、与野党を超えて参議院改革協議会などで議論を重ね、予算編成に決算結果を反映させるべく、チェック機能の強化を図ってまいりました。任期六年という長期的スパンだからこそじっくりと議論ができる参議院ならではの役割だと思いますが、こうした点も含め、国会論議を通じた政策の実現について総理の御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(菅直人君) 舟山議員から大変中身の濃い御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、COP10の成果についてでありますけれども、私も閣僚の会議が始まるときに出かけまして、やはりこの地球上で生物が生まれたのがちょうど四十億年前、そして今日のような多様な生物が存在する中で急激にそうしたものが、種が減っている、その最大の原因が人間自身の活動にあるということでありまして、そういった意味で、それをいかにしてストップさせていくかという大変大きな役割のある会議であったと思っております。
 その中で、松本大臣始め関係者の皆さんが本当に大きな苦労をされた中で、名古屋議定書、さらには愛知目標などが決定されたのは大変大きな成果であったと、本当に心から喜んでいるところであります。こうした方向に向けて更なる努力をしていきたいと、このように思っております。
 次に、補正予算審議に臨む基本姿勢について御質問をいただきました。
 今般、国会に提出いたしました補正予算は、各党の経済対策に係る提言を相当程度取り入れたものであり、現下の厳しい経済情勢に対応し、景気回復を確実にするために一刻も早い成立が必要であると考えております。国会における建設的な御審議の上、速やかに御賛同いただけるようお願いをいたしております。
 次に、デフレギャップの縮小に向けた取組について御質問がありました。
 日本経済は約二十五兆円程度のGDPギャップを抱えており、供給力が成長の制約になっているわけではなくて、需要が足らない状況にあります。デフレを脱却するには、まず需要の面からの政策対応が必要であるということは従来から変わっておりません。そこで、三段構えの経済対策を策定し、雇用を起点として経済を大きくしていくという政策を実行することが重要だと思っております。
 具体的には、医療、介護、子育て、環境など、需要の見込める分野での雇用を創出することが必要だと思っております。林業もそうですし、私は農業も若い人が参入できるという形によって新たな雇用を生み出す必要があると、このように思っております。雇用が広がれば結果として失業率が下がって、結果として賃金の引上げの圧力になりますし、そのことはデフレ脱却の道にもなります。さらに、所得が増え、消費が刺激し、経済が活性化する、こういう好循環をいかにして実現するかという、そういう中でこの景気をデフレ脱却から成長路線への軌道へ乗せていくことを進めていきたいと考えております。
 環太平洋パートナーシップ、TPPについていろいろ専門的な立場も含めて提起をいただきました。
 私は、日本の農業について、舟山さんはもちろん専門家でありますが、同時に今、農業従業者の平均年齢が六十五・八歳という状況になっておりまして、何としてもこの農業の再生のため新たな改革を農業分野でも行わなければならないと思っております。このことと内閣が掲げている国を開くということとの両立の道筋を取っていかなければならないと思っております。
 この農業の再生については、まさにこの間、戸別的所得補償などを含めて従来の農業政策とは違う政策を取ってきたわけでありますけれども、私もある程度いろんな皆さんの声を聞きながら、先ほども申し上げましたが、やはり若い人が、意欲のある若い人が農業に参入できるようなことが一番大きな要素ではないかと一つは考えております。もちろん、それに加えて、いわゆる六次産業化など付加価値を高めて、農業が地域の産業として成り立っていく道筋を考えていかなければならないと思っております。
 なお、十一月、横浜で開かれますAPECまでに包括的経済連携に関する基本方針を取りまとめるという方向で今議論を進めていただいております。
 この問題、余りこの場でどの程度申し上げていいか分かりませんが、APECの前に先日ありましたASEANなどの会議でいろんな議論を私も聞いてまいりました。いろんな国の指導者からも話を聞いてまいりました。韓国やシンガポールやいろんなところから聞いてまいりました。そういう中で、特に韓国において、大変農業の再生に向けた大きな努力と、この農業に関する大きな改革の努力と自由化というものを両立させるための大きな努力をされているということも十分拝聴してまいりました。
 そういった議論を踏まえてこの基本方針をまとめていただきたい。今、党の方でも十分な議論をお願いをいたしているところであります。
 次に、TPPに参加することによってデフレへの影響についての御質問をいただきました。
 このTPPに参加することによるデフレへの影響というのは、率直に申し上げて、明確に申し上げることはなかなか困難だと思っております。しかし、WTOの関係機関で広く使用されているモデルの分析によりますと、これはデフレではありませんが、成長率を押し上げる効果が、こうした自由化を進めることで成長率を押し上げる効果があるという分析が一般的になされているところであります。
 次に、平成二十三年度予算編成についての御質問をいただきました。
 デフレ脱却と景気の自律的回復に向けた道筋を確かなものとするため、予備費、補正予算、当初予算と、平成二十三年度までの政策展開を定めた三段構えの経済対策を切れ目なく実施することが重要であります。
 来年度予算については、新成長戦略を着実に実施し、企業が安心して投資と雇用に乗り出せる環境づくりを目指したいと考えております。年内編成に向けて、鋭意作業を進めてまいりたいと考えております。
 特別会計仕分の二十三年度予算への反映について御質問をいただきました。
 昨日行われた特別会計仕分では、十八会計五十一勘定すべての特別会計の実態を聖域なく洗い出すことを目的とし、特別会計で行われている事業について事業の無駄を洗い出すとともに、特別会計の制度そのものについても検証を行いました。これにより、特別会計の実態が公開の場で一つ一つ確認され、国民によく見えるものとなってまいりました。行政の透明性が高まったことが最も重要であると考えております。
 今後、行政刷新会議、この全体の親会議でありますけれども、これにおいても仕分の評価結果を審議し、事業の無駄については、評価結果を踏まえ、平成二十三年度予算に適切に反映してまいりたいと考えます。
 また、評価結果を踏まえた特別会計制度の刷新については、今後、法案化に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、政策コンテストについて質問をいただきました。
 平成二十三年度予算においては、元気な日本復活特別枠を設け、政策の優先順位付けを通じて、特別枠の予算編成、予算配分を行うことにいたしております。
 この政策コンテストは、予算編成過程の透明化を進める新機軸でありまして、これまで役所の内部で行われてきた予算編成を国民の皆さんからも見えるようにしていく試みであります。しかしながら、御指摘のとおり、予算は最終的には政治の責任で決定することには変わりはありません。玄葉大臣を議長とし、政治家をメンバーとする評価会議において、政治主導で議論を進め、十二月初めをめどに特別枠要望に関する政策の優先順位付けを行い、それを踏まえて、めり張りの付いた予算をつくっていくつもりであります。
 最後に、参議院改革と国会論戦についての御質問をいただきました。
 参議院においては、昭和五十二年に参議院改革協議会が設置されて以来、歴代議長の下で多くの改革が実施されてきたと承知をいたしております。その中で、御指摘の決算審査及び行政監視・政策評価機能の充実や長期的、基本的な政策課題への取組など、参議院の特性を生かして、衆議院とは異なる役割を果たすべく、着実に検討が積み重ねられてきたと承知をいたしております。
 議長のリーダーシップの下で、そして各党各会派で大いに御議論をいただき、知恵を出し合い、参議院の在り方も含め、立法府の機能充実を進めていただければと期待をいたしているところであります。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(西岡武夫君) 長沢広明君。
   〔長沢広明君登壇、拍手〕
#12
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました財政演説に対して総理に質問いたします。
 その前に、今月一日、ロシア大統領が我が国の了解なしに国後島を訪問しました。言うまでもなく北方領土は我が国固有の領土であり、今回の訪問で旧島民の方々を始め多くの関係者が深く傷つけられました。日本政府として厳重に抗議すべきであります。
 この問題が、尖閣諸島をめぐる問題にも表れたように、民主党政権の外交に対する無責任さに起因していることは間違いありません。APECでの対応などを含めて、今後この問題に内閣としてどう対処する考えか、総理の見解を求めます。
 さて、総理、あなたは所信表明演説で、今国会の最大の課題は補正予算であると言明されました。しかし、補正予算が提出されるまで開会から既に一か月が経過してしまいました。待ったなしの厳しい経済情勢を本当に認識されているのでしょうか。米国やEU諸国など各国の政治指導者は、一日も早い経済不況からの脱却に向けて、血眼になって対策を議論し、実現へ向けて奔走しているのとは裏腹に、危機感が欠如し、余りにものんきと言わざるを得ない菅内閣の姿勢には驚きを禁じ得ません。
 参院選後の政治空白の間にも、円高、株安が進行、地方経済は縮小。収入が減り職を求める若者、国民や、明日の仕事がなく資金繰りに苦しむ中小企業の悲鳴のような声があなたの耳には届かないのでしょうか。
 日々刻々と危機にさらされている国民の苦しみの声を、総理は真剣に受け止めなければなりません。本当に責任あるリーダーほど、小さな声に耳を澄まし、容易には気付かないような暮らしの細部にまで真剣に心を砕くべきなのであります。
 ようやく今になって補正予算を提出するのであれば、そもそも何のために臨時国会を十月一日に開いたのか。一体この間、菅内閣は国民の生活を守るために何を行ったというのでしょうか。置き去りにされたのは国民生活であります。
 せめて、政治と金をめぐる問題など、国会審議の障害となり得る課題を丁寧に取り除いておこうという考えなのかと思いきや、政府・民主党は何一つ課題を乗り越える決断もせず、ただただ先送りを決め込んでいるだけであります。
 総理の政治姿勢そのものが問われています。総理の有言実行、クリーンな党を目指すという言葉は、やはり空言だったのかと思わざるを得ません。だとしたら、総理はこの言葉を撤回すべきであります。お答えください。
 重ねて言えば、総理は所信で、誠実に議論を尽くす熟議の国会にしていくとも言われました。そう言いながら、一方で、衆議院での補正予算案の審議入りに際しては強権的な国会運営が行われようとしたことには、猛省を促しておきたいと思います。
 一方で、民主党内ですら議論されていなかったTPP、環太平洋経済連携協定への参加について、あなたは所信でいきなり表明し、先ほどの民主党議員の質問にも見えるように、民主党内が紛糾しているではありませんか。重要な基本方針を打ち出すときは、まず自らの党内で熟議しておくことが先決なのではありませんか。参院選での消費税増税論議の失敗をあなたはもうお忘れですか。
 いずれにせよ、今、言葉だけで中身のない、総理の安易、安直な政治姿勢が日本国全体を混乱と失望に陥れている。このことをまず厳しく指摘しておきたいと思います。
 さて、今般提出された平成二十二年度補正予算案には三つの疑問があります。
 第一は、補正予算の中身が本当にデフレ脱却、景気を回復軌道に乗せるためのものになっているのかという疑問であります。
 この度提出された予算案は、各省庁の政策の寄せ集めに見えます。更に言えば、各党のアイデアの一部を項目だけでも盛り込めば賛成するだろうという、たかをくくったような内容とも言えます。
 そもそも、民主党政権からは、当面のデフレ脱却に向けた道筋がいまだ示されていません。明確な中長期の財政健全化、成長戦略の実行プロセスの具体的な形も見えないままであり、今回の補正予算の位置付けもあいまいであると指摘せざるを得ないのであります。総理の認識を伺います。
 第二は、予算規模のごまかしがなされているという疑問です。
 国費ベースで五・一兆円の対策と豪語されていますが、実際には程遠いものです。具体的には、地方交付税の一・三兆円、今年度活用分はあくまでも三千億円であり、残り一兆円は来年度予算に回されています。結局は来年度の地方財政計画の中に組み込まれるだけで、補正で緊急に実施される経済対策とは言えません。さらには、来年度予算の公共事業の契約の前倒し二千四百億円、すなわちゼロ国債であります。結局は来年度当初予算の枠内で行う公共事業にすぎません。新たに追加的な需要を生み出すものではない。
 つまり、真正の補正予算の規模は五・一兆円ではなく、四兆円にもはるか満たないことが明白になります。総理、いかが釈明されますか。
 第三は、政策の一貫性についての疑問です。
 具体的に指摘しますと、私たちが政権与党だった平成二十一年度第一次補正予算に地域医療再生基金を盛り込みました。しかし、民主党政権は、この予算を事もあろうに事業仕分で七百五十億円分も執行停止してしまいました。その結果、産科・小児科医の確保や地域医療の再生を計画していた自治体が大打撃を受け、多くの自治体で計画の変更を余儀なくされるなど大混乱を招きました。
 ところが、今般の補正予算では、いったん自ら減らした基金を今度は大幅に拡充しているではありませんか。昨年は執行停止、今回は拡充。地方の苦労は一体何だったのか。まさに民主党政権の場当たり的な対応が引き起こした混乱そのものであります。これは明らかな政策選択の失敗を示しています。
 言い訳や弁解はもう必要ありません。政府として、計画変更を余儀なくされた自治体に対し謝罪をすべきであります。地域の医療サービスに支障を来し、地域医療の充実を阻害した責任を取るべきであります。総理、見解を求めます。
 次に、補正予算の中身について具体的な問題に言及します。
 まずは、総理が一番重要視されているはずの雇用対策です。
 現今の厳しい経済状況の中で、国民生活に直接影響を与えているのが雇用問題であることは言うまでもありません。今回の補正予算案にある新卒者支援や雇用調整助成金などセーフティーネットの強化は、今、目の前の不安に対しての対症療法が中心です。もう一方の雇用を生み出す支援策がなくては、根本的な対策とはなり得ません。
 公明党の緊急経済対策では、雇用創出を柱とした雇用対策に三千百億円、需要創出のための地域活性化臨時交付金の創設に一兆二千億円を提案しました。
 一方、政府は、重点分野雇用創造事業で一千億円、地域活性化交付金の創設で三千五百億円。余りにも規模が小さ過ぎます。本気で雇用をつくり出そうとする決意、熱意が全く感じられません。
 また、本年六月に政府が発表した新成長戦略で十年間に三百万人との目標を掲げたジョブ・カードを事業仕分で廃止としました。政権で推進すべく掲げた政策を同じ政権が廃止するという前代未聞のちぐはぐぶりにはまさに驚きです。あきれます。困難を抱える若者の雇用に本気で取り組むのであれば、今回の補正予算案にもジョブ・カードの推進による雇用対策を打つことがあってもいいところを、事もあろうに事業廃止とは、余りにも政策の一貫性がない。
 本予算案の雇用対策は、戦略もなければ方向性もない場当たりの対策と指摘せざるを得ません。本格的な雇用創出へ向けて予算と中身はこれで十分であると本当にお考えなのか、総理、御答弁いただきたい。
 次に、中小企業支援です。
 円高、株安に伴う景気の不透明感は、年末、年度末の資金繰りにも不安を与えています。本来、緊急保証制度の延長や保証枠の拡充、中小企業金融円滑化法の延長など、金融支援を大胆かつ切れ目なく実施すべきです。また、法人税率の引下げなど、我が国企業の競争力を高めるための施策とともに、成長分野に取り組もうとする中小企業を支援するため、官民ファンド、産業革新機構もフル活用してリスクマネーの提供を積極的に行うべきです。
 しかし、今回の予算案には、中小企業支援への戦略、方向性が見えません。これでは民間からの投資を呼び込むことも困難です。どこに政策を集中させ、需要をつくろうとしているのか、政策の予見性が欠如しています。この予算案で、総理は、本当に景気を回復軌道に乗せ、中小企業を元気にできると思われているのでしょうか。中小企業支援こそが日本経済を支える重要な柱であります。全力を傾注すべきです。総理の見解を求めます。
 急激な価格下落に見舞われている二十二年産米の対応について伺います。
 今年度産の米価格が、統計開始以来、最安値を記録しました。米価下落の要因には持ち越し在庫による需給の不均衡もありますが、JAからの概算金や市場価格の傾向を見れば、民主党の戸別所得補償制度による補てん分がそのまま価格の下げ圧力になっていることは間違いありません。
 米価の下落幅が二十二年度予算で想定されている所得補償の補てん分を上回る地域もあり、収入減少は免れない状況です。しかし、政府は今回の補正予算案にも米価対策を盛り込んでいない。これでは農家の不安は払拭できません。米三十万トン程度の緊急買入れなど出口対策を早急に講ずるべきと考えます。総理の見解を求めます。
 今年は、夏の記録的な猛暑、酷暑により、農家の方々は難しい営農を迫られました。気候変動による異常気象は今後も予想されることから、経営安定対策の強化は急務と言えます。
 具体的には、共済制度への加入促進に加え、畑作物共済の対象作物の拡大、補償単価の見直しなどです。稲作と麦を対象としている農作物共済制度についても、支払基準の見直しや、ニーズが高まっている品質方式への加入促進など、地域の実情に合った総合的な経営安定対策の強化を図るべきです。総理の見解を求めます。
 あわせて、農家の戸別所得補償制度について伺います。
 民主党は、その目的を農業の多面的機能の維持としていますが、その手法である生産コストの補てんは、現在WTO農業交渉において削減対象となっているゆがんだ補助金として識別される可能性が極めて高い政策です。
 このまま所得補償の予算だけを増大させれば、貿易交渉においては国際的に孤立し、国内では、米のモデル事業で明らかになったように、急激な価格の下落と財政負担の増大を助長するだけです。農家の生産意欲は低下し、結果として多面的機能は維持されず、まじめな農家の努力は報われません。
 目的と手法に矛盾を来している所得補償制度は見直し、国際ルールにも通用する直接支払制度へ転換すべきと思いますが、総理の見解を求めます。
 今回の補正予算に、公明党が主張してきた子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの接種を促進するため、特例交付金として一千八十五億円が盛り込まれましたが、その内容はまだ不十分です。
 各都道府県に基金を設置して国が二分の一を負担し、残り二分の一を市町村が負担する、この市町村の負担分も国が交付税で措置するとしていますが、現実的には、財政の厳しい自治体が多いため、予防接種の実施自体が危ぶまれてしまいます。所得制限も地方の判断に任せるという。果たして、命にかかわるワクチン接種が自治体任せでよいのでしょうか。命に境界線があっては断じてなりません。医療の地域格差が生まれないよう、国が本腰を入れてこの事業を後押しすべきです。今回のような二年間だけという特例措置ではなく、将来的にはワクチン接種は恒久的な制度にすべきであります。
 総理は、十月十五日の参院予算委員会で我が党の松あきら副代表の質問に対し、ワクチンによる予防接種を重視したいという考え方は同じだ、できるだけ手厚い形の対応が必要だと思っていると答弁されました。総理、有言実行と言うのなら、今こそ強いリーダーシップを発揮して、この予算で女性と子供の命を守るという覚悟を示すべきではありませんか。答弁を求めます。
 最後に、政治と金に対する総理の政治姿勢について確認します。
 公明党は、小沢氏の証人喚問も含めて、国会での説明責任を果たすよう求めてきました。総理は今国会の答弁で、場合によれば御本人の意向に沿わないでもやらざるを得ないというときには党として判断をしていきたいと明らかにされました。国会も半ばに差しかかりました。この答弁を誠実に有言実行されるときは今しかないと私は確信します。
 もう一度確認します。総理自ら言われたとおり、民主党代表として小沢氏の証人喚問を行うことを決断し、説明責任を果たすよう強く指示すべきであります。自浄能力を発揮すると明快に決意を示していただきたい。
 民主党の企業・団体献金の解禁についても指摘をしておきます。
 総理自身、所信表明演説で、金の掛からないクリーンな政治の実現、国民の強い要望です、私自身の政治活動の原点ですと高らかに宣言されています。にもかかわらず、これまで民主党が政官業の癒着の温床だと指摘してきた企業・団体献金を再開するとはどういうことですか。個人献金にシフトしていく具体策も示さずに企業・団体献金の受領を復活させるというのは、だれが見ても政治資金の改革に後ろ向きだと言うほかないではありませんか。総理の認識を改めて伺いたい。
 総理、残念ながら、この予算案からは、急激な円高やデフレを克服するための強靱な意志と国民生活を立て直そうとの気迫が私には伝わってきませんでした。
 そして、総理、国民の信頼なしにはどのような政策も改革も本当の成果を上げることはできません。民主主義の土壌とも言える国民の政治に対する信頼を取り戻すことが何より重要であり、そのためには、政治家自らが自らを厳しい立場に置き、清潔な政治を実現していくべきであります。それが直近の民意であるさきの参院選などで示された国民の率直な声であったのではないでしょうか。
 公明党は、国民の声を真摯に受け止め、国会における真剣な議論を通して国民生活を守り、国益を守るために、清潔な政治を実現するために全力で闘うことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#13
○内閣総理大臣(菅直人君) 長沢議員にお答えをいたします。
 まず、ロシア大統領の国後島訪問についてであります。
 十一月の一日、メドベージェフ大統領が国後島を訪問したことを受け、同日、前原外務大臣がベールイ駐日ロシア大使を招致し抗議を行いました。また、現地の事情等について説明を受けるため、河野駐ロシア大使を一時帰国させ、私も話を聞きました。政府としては、今後のロシア側の対応等を踏まえ、適切な対応を取っていく考えであります。
 次に、有言実行、クリーンな党ということを含めた政治姿勢について御質問いただきました。
 政権発足から五か月、元気な日本を復活させるための来年度予算の概算要求の取りまとめ、急激な円高・デフレへの緊急対応策を始めとする経済対策の策定と補正予算の提案など、やるべきことはしっかりやってきたつもりであります。
 また、外交面でも、ベトナムの原子力施設の受注やレアアースの採掘権の確保、インドとの間のEPA交渉の大筋合意、韓国李明博大統領との二度の会談を通じた日韓の連携強化、さらにはアメリカ大統領との首脳会談など、国益を促進させる戦略的観点から、そうした海外諸国との連携を深め、信頼関係を積み上げてまいりました。
 さらに、長きにわたって先送りされてきた、この二十年にも及ぶ閉塞感の原因となってきた五つの政策課題を所信表明でも提起し、次代に積み残さないという決意で取り組むことを申し上げてきたところであります。
 クリーンな政党を目指すという方針については、岡田幹事長の下で一つ一つ実施に移しているところであります。
 いずれにしましても、野党の皆さんにも真摯に説明を尽くし、誠実に議論を行い、合意形成に全力を尽くす決意であり、有言実行内閣として国民の期待に不退転の心構えを持って対応していきたいと、このように考えております。
 補正予算の中身と位置付けについてお尋ねがありました。
 政府は、新成長戦略において、デフレの終結をマクロ経済運営上の最重要課題と位置付けております。二〇一一年度中には消費者物価上昇率をプラスにするとともに、速やかに安定的な物価上昇の実現を目指すことといたしております。このような道筋を確実にするため、雇用を創造し、それによって失業率の低下と賃金の上昇につなげる、また、雇用が増えれば、所得が増え、消費が増え、デフレ脱却にもつながる、このような好循環を目指してまいりたいと考えております。
 このため、来年度に向けて、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を策定し、切れ目なく政策対応を実行しているところであります。今般の補正予算はその第二弾に当たるものでありまして、単なる目先の景気刺激策ではなく、新成長戦略の実現による自律的な景気回復という大方針の下に策定されたものであり、内容も、雇用・人材育成など、国民生活に直結する課題への対応であることから、早期の成立をお願いをいたしたいと思います。
 なお、財政健全化については、本年六月に財政運営戦略を策定し、遅くとも二〇一五年度までにプライマリーバランスの赤字を対GDP比で半減、二〇二〇年度までに黒字化との財政健全化目標を掲げ、今後三年間の歳出の大枠を定めたところであります。
 補正予算の規模についての御質問をいただきました。
 今般の補正予算を含む経済対策は、年末から年明け以降の景気、雇用の悪化のリスクに切れ目なく対応するためのものであります。このような観点からすれば、御指摘の地方交付税交付金一・三兆円は、二十二年度に地方自治体に交付される分三千億円を含め、自治体によって今後活用されることになります。公共事業の前倒しについては、お金の支払は二十三年度でも今年度中に契約ができることになり、経済的な効果が切れ目なく出てくると期待されます。このような考え方に立てば、今回の経済対策の規模は、合わせれば五・一兆円となります。
 更に申し上げれば、今回の経済対策は三段構えでありまして、第一弾の予備費〇・九兆円、続いて今回の第二段階の補正予算、そして第三段階の来年度の当初予算と、一連の対策を切れ目なく講じているのでありまして、規模についても全体を見ていただければと考えております。
 地域医療再生基金の拡充についての御質問にお答えします。
 今回の地域医療再生基金の拡充は、昨年執行停止されたものとは発想と仕組みが根本的に異なると考えております。今回は、都道府県からの要望も踏まえ、対象とする医療圏を市町村よりやや大きい二次医療圏から都道府県単位の三次医療圏に拡大し、広域的な事業を対象としております。また、各地域のニーズに応じためり張りのある柔軟性の高い仕組みとすることといたしているなど、地域における医療課題の解決や医療機関の機能強化を図るものであります。
 次に、補正予算による雇用創出についての御質問をいただきました。
 政府としては、環境・健康・観光分野といった潜在的に需要が大きい分野をターゲットに雇用創出に取り組むことといたしており、三段構えで成長と雇用に重点を置いた経済対策を切れ目なく推進しているところであります。
 まず、この三段構えのステップツーに当たる本補正予算においては、まず雇用をつなぐという視点から、卒業後三年以内の者を採用する企業への支援の拡充、中小企業と学生のミスマッチ、特に中小企業では求人倍率がまだ四程度と高いわけですので、そのミスマッチの解消の強化、雇用情勢が厳しい新卒者や若年者の支援強化などをもって第一の視点としております。
 次に、雇用を守るという観点から、雇用調整助成金の要件緩和や国内工場立地の促進などの措置をとりました。
 次に、雇用を新たにつくるという観点から、医療、介護、環境など成長分野における人材育成の強化などの施策を盛り込んでおり、十分な対応を行っているつもりであります。
 地方への配慮については、地域活性化交付金三千五百億円のほか、地方交付税三千億円を今年度中に交付することとしており、適切な措置を講じているところであります。
 また、今回ジョブ・カード関連事業の仕分の結果は、ジョブ・カード制度の政策目的自体は極めて重要であることは認めた上で、現行のジョブ・カード関連事業の問題点を指摘されたものと理解しており、そうした問題を含めて今後の在り方を検討してまいりたいと考えております。
 今後とも、新たな成長分野を支える質の高い雇用の創出に向けて全力を尽くし、失業率を引き下げてまいりたいと、そして消費が増え、経済が活性化するという好循環を生み出していきたいと考えております。
 次に、中小企業支援についての質問をいただきました。
 中小企業者の資金繰りについては、不安が生じないよう、今回の補正予算で十五兆円の融資、信用保証枠を用意しました。さらに、積極的に成長分野に取り組む中小企業を支援するべく、技術開発支援、新事業展開や海外展開支援なども今回の補正予算に幅広く盛り込んでいるところであります。中小企業金融円滑化法を延長するかどうかについては、中小企業の資金繰りや金融機関の取組状況を総合的に勘案して検討していきたいと考えます。
 法人実効税率の引下げについては、課税ベースの拡大等による財源確保と併せ、年末の予算編成・税制改正作業の中で検討し、結論を得ることとしております。また、リスクマネーの提供については、産業革新機構等を活用して積極的に行ってまいりたいと考えます。
 中小企業は日本経済を支える屋台骨であり、その支援に全力を傾けてまいります。
 次に、米価下落への対応について御質問をいただきました。
 二十二年産の米の価格が下落し、農家に心配をする声があることは承知をいたしております。米の戸別所得補償モデル事業は、まさにこのような事態に農家が対応できるよう加入農家の所得を補償するものであります。十アール当たり一万五千円の定額部分に加え、米価の下落分に対しても補てん、つまり変動部分の支払を行うことができる仕組みとなっております。
 このように、米モデル事業によって、今回の米価下落に対しても加入農家の所得は補償されることになっております。これに加えて、さらに、政府が米価の下支えのために備蓄運営上必要のない米の買入れを行うことは、消費者の理解が得られないこと、米モデル事業の非参加者が米価上昇の最大のメリットを受ける等の問題があると考えております。
 次に、総合的な経営安定対策における農業共済制度への加入促進等についての質問をいただきました。
 農作物共済及び畑作物共済は、引受けの方式や補償の水準について、地域の実情や農業者の経営実態に即して選択できるように措置しているところであります。今後とも、農業者の要望等を踏まえ、その経営安定に資するよう制度の普及や加入促進等に努め、農業共済の適切な運営に努力をしてまいりたいと思います。
 戸別所得補償制度に関する質問をいただきました。
 戸別所得補償制度は、農業が食料の安定供給や多面的機能の維持という重要な役割を担っていることを評価し、意欲ある農業者が農業を継続できる環境を整え、食と地域の再生と食料自給率の向上を図るものであります。
 米戸別所得補償モデル事業は標準的な生産費を補償するものであり、定額部分と変動部分を合わせれば、モデル事業に加入した稲作農家の経営は守られると考えております。
 これからの農業政策について、WTOなど国際ルールに適合したものとしていく必要があることは御指摘のとおりであります。戸別的所得補償制度についても、WTOルールに適合した形で実施できる制度となるよう制度内容の詰めを更に行っていく考えであります。
 次に、予防接種施策の推進についてお尋ねをいただきました。
 ワクチンにより防ぐことのできる病気を予防し、女性と子供の健康を守っていくことは非常に大事なことであると考えております。このため、今般、補正予算において、お尋ねのワクチン接種を緊急に促進する事業を盛り込んだところです。
 これらのワクチンの予防接種の在り方については、費用負担の在り方を含め、現在、厚生労働省の審議会において審議を進められており、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、小沢氏の国会における説明に関する質問をいただきました。
 小沢議員自身が、国会で決めた決定に私はいつでも従うと記者会見等で表明されております。いずれにしても、政治家の説明責任についてはまず本人の意思が大事であり、現在、幹事長を中心として本人の意向確認を含む環境整備について努力を行っている最中であります。幹事長のこうした努力を見守ってまいりたいと考えております。
 次に、企業・団体献金の受領についての御質問をいただきました。
 民主党としては、企業・団体献金によって政策が左右される、若しくはそのような疑いを招くことがあれば問題であり、そのようなことがないよう、企業・団体献金を減らし、個人献金の促進策を講ずることによってできるだけ個人献金にシフトしていくべきだと、このように考えております。
 その考え方に沿って、総選挙マニフェストにおいては、三年の経過措置を経て企業・団体献金を全面的に禁止することを掲げ、あわせて、それまでの間の暫定措置として、国や自治体と一件一億円以上の契約関係にある企業等の献金を禁止するという制度改正を提案をいたしているところであります。
 この度の党の方針は制度改正以前における暫定措置であり、企業・団体献金の禁止を制度化するその基本的な方針に何ら変更はありません。また、内容においてもマニフェストと矛盾するものではありません。
 以上、答弁といたします。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(西岡武夫君) 江口克彦君。
   〔江口克彦君登壇、拍手〕
#15
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。補正予算に関する財政演説に対して質問をさせていただきます。
 まず冒頭に、私も、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオの全面公開を強く要望するとともに、ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土・国後島への訪問についても、来るAPEC首脳会議で厳重に抗議されることを強く要望します。
 さて、私は、菅総理をもう十数年前から直接存じ上げており、この人こそ政治屋ではなく政治家だと大いに感銘したものであります。しかしながら、このところの菅総理の姿を見て、迫力もなく、話す内容も感動がなく、一体この数年間で菅総理に何事が起こったのか、いぶかしく感じております。
 そもそも政治家、特に総理大臣は、国民を感動させる政策、思いを自らの信念に基づいて語るべきであります。
 例えば、一九四〇年のダンケルクの戦いでドイツ軍に追い詰められ、イギリス軍と国民が戦う勇気を、自信を失ったとき、時の首相チャーチルは、議会の壇上に立って声高らかに、諸君が戦う気力を失っても私は一人でも戦う、私一人で十分だ、アローン・ベリー・ウエルと奮い立たせました。その一言に感動したイギリス軍と国民が、ついにナチス・ドイツ軍を撃退した話は余りにも有名であります。一国の最高指導者は、かくのごとくに国民を感動させなければなりません。
 菅総理、もう魂も心もない原稿を官僚に作成させ、口先だけでお読みになるのはおやめになりませんか。この国難とも言える状況の折、是非、菅総理には、元気に御自分の個性を発揮され、力強く国民を引っ張ってくださることを心から期待しています。
 私は、昨年一年間で、全国津々浦々百七十回ほどの講演をいたしました。そして、東京と地方の格差は天と地ほどあることを目の当たりにし、地方の惨状、窮状を何とかしなければならないということを切実に感じてまいりました。地方の人たちは、やる気も元気も失い、将来に全く希望を持てない状況であります。
 どうしてこのような東京との格差が生じているのかというと、国の形が中央集権だからであります。すべてのことを霞が関と永田町で決める永田町・霞が関基準で全国を一律に管理統制することが、地方にやる気を失わせ、衰退させ、窮状に追い込んでいると思います。特に霞が関の地方への押し付けが大きな原因であると考えます。
 この現状から脱するためには、一刻も早く道州制を導入し、地域住民が主体となり地域の在り方を決定していく分権国家、国民主導の国の形に転換しなければならないと思います。
 確かに、民主党マニフェストは地域主権を柱の一つに据えておりますが、掛け声だけで一向に地域主権改革が進んでいるように見えません。今般の経済対策も、相も変わらず従来型の国主導、官僚主導の経済対策ではないでしょうか。
 例えば、補正予算の配分を見ると、五兆円のうち三兆円が地域活性化対策とされ、そのうち既定どおり一・三兆円が地方交付税交付金に充てられており、地方の中央依存を助長しております。一方で、年度内に交付されるのは三千億円であります。このような見せかけだけの政策では、地方は混乱し、ますます疲弊するばかりであります。マニフェストで地域主権を唱えておられるなら、抜本的に中央と地方の関係にメスを入れ、速やかに道州制への移行を行い、交付金の増額ではなく、地方への税源移譲を行うべきだと思います。
 道州制につきましては、後ろにお座りの西岡議長も深い御理解を示されていると承知しております。行政の長である菅総理も当然道州制について同じ志を持っているものと確信しておりますが、この点について総理のお考えを伺います。
 ところで、政権交代以降、政府は家計を豊かにしさえすれば経済が上向くとばかりに、民間企業を軽視し、数々のばらまきを行ってきました。しかしながら、経済の現状を見れば、こうした家計が善、企業は悪とのアンチビジネス施策がことごとく破綻していることは明らかであります。
 さらに、菅総理の唱える第三の道は、増税で調達した財源を政府が成長分野に振り向け経済を成長させるというものですが、なぜ政府に成長分野が分かるのでしょうか。これまで官僚主導の経済政策はことごとく失敗しております。他方で、大正時代に小さな町工場を始めた松下幸之助は、政府の支援を受けることなく世界に冠たる大企業に成長させました。
 成長分野を見極め、効率的な投資を行えるのは日々市場で切磋琢磨を繰り返している企業だけであります。そして、雇用を生み、家計を支えているのもほかならぬ企業であります。企業活動の自由度を高め、競争を促す政策への大転換を総理は宣言すべきであり、これにより期待成長率が高まり、株価も上向くことになります。こうした政策の大転換を行う覚悟が菅総理におありになるのかどうか、お伺いしたいと思います。
 まず、民間企業の参入と創意工夫を引き出すには規制改革の断行であります。政府は、円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策の中で例示をされておられるようですが、霞が関主導で小手先の規制緩和にとどまっている内容であります。規制による既成権益を守ろうとする霞が関から出された政策をホッチキス留めしても、日本を元気にする抜本的な規制改革ができるわけがありません。
 例えば、医療再生、農山漁村の活性化のためには、株式会社による病院経営や農地取得を認めるなど、規制改革の具体策こそが必要であります。菅総理は抜本的な規制改革を断行する考え方があるのかどうか、お伺いいたします。
 一方、労働政策について、政府は規制強化を進めようとしております。雇用対策と称しつつ、労働者派遣法改正案は、多様な働き方を制約し、結果的に労働市場を縮小させ、失業者を増加させる危険をはらんでおります。さらに、最低賃金の全国一律八百円、平均一千円への引上げなどは、中小企業の経営を悪化させ、地方経済をますます疲弊させるだけであります。
 雇用対策は、安易な規制強化だけではなく、多様な働き方を認めた上で、正規・非正規労働者間の均衡・均等待遇を目指すべきであります。雇用における過度な規制強化が経済に与える影響について、総理の見解を伺います。
 現在の企業をめぐる環境は極めて厳しいと言わざるを得ません。我が国の法人税率はとりわけアジア諸国と比較しても高い水準にあり、さらに、円高により競争力も損なわれております。また、柳腰外交の結果は、中国における日本企業の安全な活動を阻害する結果しかもたらしておりません。
 私は、国内における安定的な生産体制を早急に整える必要があると考えます。そのため、法人税の実効税率を抜本的に見直し、現行の約半分の二〇%程度にまで引き下げ、また、投資減税の促進など、国内投資を活性化させることが必要であると考えますが、総理の見解を伺います。
 環太平洋パートナーシップ協定、TPPは、太平洋地域の貿易自由化を目指すものであり、中国の参加も想定されております。そもそも、総理は所信表明演説でTPPへの参加を検討する旨述べていますが、現段階で、政府内、党内での混乱が生じております。TPPへの参加は、我が国企業の利益のみならず、企業活動のグローバル化により国民にとっても利益となることは明らかであります。総理が明確なメッセージを内外に発しないと、外交による失点を拡大させ、国益を損ない、国民に不幸をもたらすだけであります。最小不幸社会を唱える菅総理、TPPの参加について国会の場において公式見解をお聞かせください。
 最後に、今、総理が国民に語るべきリーダーとしての国家像であります。日本という国をどのような国に変えたいのか、どこに導こうとしているのかという明確な理念であり、具体策であり、方向であることを申し上げておきます。
#16
○議長(西岡武夫君) 江口君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#17
○江口克彦君(続) はい。
 遠きおもんぱかりなければ必ず近き憂いありという言葉を考え、どうぞ日本丸、漂流し続けることのないように、どの方向で進んでいったらいいのか、総理の御答弁をお願い申し上げ、終わります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 長くお付き合いをいただいている江口議員から温かさのこもった御質問をいただきまして、ありがとうございました。
 最初に、江口さんがおっしゃった、原稿を官僚に作成させ口先だけでお読みになるのはおやめになりませんかということなんですが、私も本当にやめたいんです。ただ、現実には、質問がやってきて、私のところに、目に通るまでに、ほとんどこの国会を開くまでの時間がありません。それから、答弁漏れというのが非常に国会では問題にされますので、そういう意味で、各役所が全部チェックしなければ答弁漏れになるという実情があります。是非、これは与野党の皆さんにも聞いていただきたいんです。そうした現実があるということは今野党の皆さんも与党のときに経験されているはずでありまして、中身のある、本当に自分の手で答弁を書けるような時間を是非、質問の提出から答弁までの間に時間を確保できるよう、御協力を心からお願いを申し上げます。
 次に、今般の経済対策、道州制及び地方への税源移譲について御質問いただきました。
 十月八日に閣議決定した円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策においては、地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等を五つの柱の一つとして位置付けており、地域活性化交付金の創設など地域の視点に立った重点的な支援を行うことといたしております。
 地域主権改革においては、住民に身近な行政は基礎自治体が広く担うということを原則とし、広域自治体については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本とするという考えにあります。ただし、地域主権改革を推進していく中で、地域の自主的判断を尊重しつつ、現行制度を前提とする広域連合や合併の実施、将来的な道州の導入についても検討していくことはあり得ると考えております。
 また、地域主権を確立するためには、国と地方の役割分担の大幅な見直しと併せて、それぞれが担う役割に見合った形へと国、地方間の税財源の配分の在り方を見直す必要があると考えております。
 地域主権改革は政権の最重要政策課題の一つであります。引き続き、地域主権戦略会議を中心に政治主導で地域主権改革の実現に取り組んでまいる所存であります。
 次に、企業活動の自由度を高め、競争を促す経済政策へ転換すべきではないかということをいただきました。
 確かに、江口議員が言われるように、じゃ、官僚に成長分野が分かるのかという御指摘は、それはそれとして重い指摘だと思います。
 しかし同時に、今の日本の状況は、マクロ的には総需要が不足してデフレギャップが存在する状況であります。つまりは、個々の企業はお金を持っておられるけれども、残念ながら投資をしない。個人も、必ずしもお金を持っている人であっても余り消費をしない。そこで、国債でお金を預かるか、あるいは税収でいただいたお金をより効率的な、効果的なところに財政出動をする。これはケインズ流という言い方もありますけれども、つまりは民間が自発的にやってくだされば大いに結構なんですけれども、それが不十分な中でやらざるを得ないのが、現在の政策を取らざるを得ないことだということを是非御理解をいただきたいと思います。
 そういった意味で、我が国は、マクロ的には総需要が不足するデフレギャップが存在する状況が継続しておりまして、このような状況下では、個々の企業のミクロレベルで正しいこと、例えばお金は使わないことが必ずしも国のマクロレベルで正しいとは限らないことは自明であります。現に多くの企業に現預金が積み上がっており、このところ、企業経営者の消極的姿勢から、その資金が現実の投資や新たな雇用に回らず、お金が経済を循環しないという状況がまさにデフレ状況であります。
 このように、企業による消費も投資も力強さを欠く中で経済を活性化していくためには、国としての大きな方向性、ビジョンを示し、財政支出を集中化して、民間セクターを大枠でリードしていくことが必要であります。新成長戦略は、医療、介護、子育て、環境などの需要の見込める分野で雇用を創造し、雇用を起点とした成長を図ることで消費を増やし、内需を増やす契機として、富が広く循環する経済構造を築こうとする国家戦略であります。こうした認識の下で新成長戦略を策定し、現在その実施段階に入っているところでありまして、是非御理解をいただきたいと思います。
 規制改革についての御質問をいただきました。
 需要、雇用を生み出し、経済を活性化するためには、従来の発想に縛られない大胆な規制・制度改革を迅速に進める必要があると考えております。これまでも政府においては、行政刷新会議の下に設置した規制・制度改革に関する分科会の第一期活動を踏まえて、六月に規制・制度の改革に係る対処方針を決定したものです。その後も、九月、十月と経済対策において、既定の改革項目の実施時期の前倒しや新たな改革項目を決定をいたしたところです。例えば、中国から日本に来られる観光客についてのビザなどの条件緩和、こういったものはかなり迅速に効果を上げていることは皆さんも御承知のとおりであります。
 現在、同分科会の第二期活動として、平成二十二年度末をめどに政府の方針を取りまとめるべく、ライフイノベーションの分野、農林・地域活性化分野など、新成長戦略の重点分野を中心に規制・制度改革の検討を行っているところであります。指摘のありました農山村、漁村の活性化等のため、私は、若い人が農業に参入できるような、そういう農地の在り方についても従来の規制の在り方がいいのかどうか、それを検討してまいる必要があると、このように考えております。
 次に、雇用における規制強化についての御質問をいただきました。
 現在提案をしている労働者派遣法改正案は、行き過ぎた規制緩和を適正化し、派遣労働者を保護するためのものであります。常時雇用する労働者の派遣は禁止の例外として、その施行日も公布後三年以内とするなど、企業や経済に与える影響も勘案しており、過度な規制強化とは考えておりません。また、賃金の引上げは、労働者の生活不安を払拭し、内需主導型の経済成長につながる重要な施策と考えております。最低賃金の引上げについては、雇用、経済への影響にも配慮し、労使関係者との調整を丁寧に行いながら取り組んでいくつもりであります。均衡・均等待遇を目指すという考え方は、私も大賛成であります。
 次に、法人実効税率の引下げと投資減税についての御質問をいただきました。
 法人実効税率の引下げについては、日本から企業が海外へ流出して雇用が失われることを防ぐといった観点も含め、課税ベースの拡大等による財源確保と併せ、二十三年度予算編成・税制改正作業の中で検討して結論を得ることといたしております。また、国内投資の促進の観点から、先般の経済対策において企業の環境関連の投資や技術開発等を推進するための税制上の措置を講ずることといたしております。これらについては、現在、税制調査会で鋭意検討をしているところであります。
 環太平洋パートナーシップ、TPP協定についての御質問をいただきました。
 この問題ではいろいろな議論が今日もいろんな方から出ておりますけれども、私は、日本の農業の活性化及び再生と貿易の自由化というのをいかに両立させるかということが重要だと考えております。そういう観点に立って、農業の活性化と同時に国を開くという、その両立する道筋を付けていかなければならないと、大いに議論をして方向性を打ち出していきたいと思っております。
 新成長戦略で決定しておりますように、十一月、横浜で私が議長を務めるAPECまでに包括的経済連携に関する基本方針を策定することにいたしております。その関連で、関係閣僚間で日本を取り巻く国際経済情勢や国内産業の現状及び見通しなどを踏まえ、しっかり議論をしていただいているところであります。
 次に、将来を見据えた国家像についての御質問がありました。
 私は、最小不幸社会という表現をいたしてまいりましたが、つまりは政治が持っている役割というのは、一人一人の人が幸福になるというチャンスをつくることであって、幸福そのものは人それぞれによって違いますので、逆に言えば不幸になる要件をいかに少なくするかということが一つの政治の考え方であろうと、私自身はそのように考えております。
 社会像という言い方でいえば、今まさに日本は地球的変化の分水嶺に立っておりまして、やはり国を開くという基本的な考え方に立って世界に打って出る、そういう日本にしていきたいと、このように考えております。
 以上です。(拍手)
#19
○議長(西岡武夫君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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