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2010/11/26 第176回国会 参議院 参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第10号
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2010/11/26 第176回国会 参議院

参議院会議録情報 第176回国会 本会議 第10号

#1
第176回国会 本会議 第10号
平成二十二年十一月二十六日(金曜日)
   午後五時五十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十号
  平成二十二年十一月二十六日
   午後三時三十分開議
 第一 農林漁業者等による農林漁業の六次産業
  化の促進に関する法律案(第百七十四回国会
  内閣提出、第百七十六回国会衆議院送付)
 第二 一般職の職員の給与に関する法律等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第三 特別職の職員の給与に関する法律等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第四 国家公務員の育児休業等に関する法律等
  の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第五 防衛省の職員の給与等に関する法律等の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第六 裁判官の報酬等に関する法律等の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 検察官の俸給等に関する法律等の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 裁判所法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、北朝鮮の韓国・大延坪島砲撃に関する決議
  案(鈴木政二君外十名発議)(委員会審査省
  略要求事件)
 一、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号
  )
 一、平成二十二年度特別会計補正予算(特第1
  号)
 一、平成二十二年度政府関係機関補正予算(機
  第1号)
 一、日程第一より第四まで
 一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 一、放送法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措
  置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 一、日程第五より第八まで
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、国会議員の秘書の給与等に関する法律等の
  一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、国会職員の育児休業等に関する法律の一部
  を改正する法律案(衆議院提出)
 一、国会職員法の一部を改正する法律案(衆議
  院提出)
 一、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号
  )外二件両院協議会の協議委員の選挙
 一、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号
  )外二件両院協議会参議院協議委員議長報告
 一、国務大臣仙谷由人君問責決議案(森まさこ
  君外九名発議)(委員会審査省略要求事件)
 一、国土交通大臣馬淵澄夫君問責決議案(牧野
  たかお君外七名発議)(委員会審査省略要求
  事件)
     ─────・─────
#3
○議長(西岡武夫君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 鈴木政二君外十名発議に係る北朝鮮の韓国・大延坪島砲撃に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。鈴木政二君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔鈴木政二君登壇、拍手〕
#5
○鈴木政二君 ただいま議題となりました民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派の共同提案に係る決議案につきまして、発議者を代表し、提案を申し上げます。
 案文を朗読いたします。
    北朝鮮の韓国・大延坪島砲撃に関する決議案
  北朝鮮は十一月二十三日、突如として韓国の島・大延坪島及びその周辺海域に向け、約百七十発もの砲撃を行った。その被害は、韓国軍の基地及び兵士のみならず、一般住民や市街地にも及んでいる。このような、まさに無差別とも呼べる砲撃は言語道断の暴挙である。北朝鮮がたとえどのような言い訳をしようとも、一般住民を巻き込む武力による挑発は、決して許されない行為である。
  本院は、今回の砲撃により犠牲者が出たことにつき、韓国政府及び国民に対し衷心から弔意を表し、被害者の早期回復を祈念する。
  朝鮮戦争の休戦協定は遵守されなければならず、今般の北朝鮮による韓国に対する砲撃は、国際社会としても看過できない挑発行為である。
  本院は、今般の北朝鮮の砲撃を強く非難するとともに、北朝鮮が核兵器の開発も含め、あらゆる軍事的な挑発行為を放棄し、拉致問題を早期に全面解決することも強く求める。
  政府は、今般の北朝鮮の軍事的暴挙に対し断固として非難を行い、韓国政府の立場を支持し、国際社会と緊密に協調しつつ、北朝鮮に対する新たな制裁措置等を検討するとともに、北朝鮮に対する国際的な圧力を高めるため、韓国及び米国を始めとする関係各国との連携強化に一層の努力を尽くすべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆さんの御賛同を賜りますようよろしくお願いをいたします。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(西岡武夫君) ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣菅直人君。
   〔内閣総理大臣菅直人君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(菅直人君) ただいまの御決議に対し、所信を申し述べます。
 今回の北朝鮮による砲撃は許し難い暴挙であり、我が国は北朝鮮の行為を強く非難する旨表明いたしました。
 また、私は、一昨日、李明博大統領と電話会談を行い、韓国政府の立場への強い支持を伝えました。
 政府といたしましては、ただいまの御決議の趣旨を十分に体しまして、引き続き情報収集に努めるとともに、国連安保理での対応を含め、韓国及び米国を始めとする関係国と連携しながらしっかり対応していくとともに、拉致被害者の全員の解放のため、全力を挙げて、この趣旨に沿って行動することをお誓いを申し上げます。
 以上です。(拍手)
     ─────・─────
#11
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)
 平成二十二年度特別会計補正予算(特第1号)
 平成二十二年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長前田武志君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔前田武志君登壇、拍手〕
#13
○前田武志君 ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算三案は、去る十月二十九日、国会に提出され、衆議院からの送付の後、十一月十八日、財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日から本日まで、菅内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行ってまいりました。
 なお、この間、二十二日には外交防衛・財政等に関する集中審議を、二十五日には北朝鮮問題等に関する集中審議を、二十六日には懸案事項に関する集中審議を行いました。
 以下、質疑の若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
 まず、「今回、横浜で開催されたAPECの成果は何か」との質疑があり、これに対し、菅内閣総理大臣より、「今後の経済連携の方向性を示す横浜ビジョンをまとめることができた。これにより世界の成長センターであるアジア太平洋地域の更なる成長持続の道筋を打ち出すとともに、我が国も、貿易の自由化と農業再生を両立させ、アジア太平洋自由貿易圏の実現を目指していくことを内外に示すこととなり、大きな成果があったと考えている」旨の答弁がありました。
 次に、経済問題について、「日本経済の現状と今後の見通しはどうか」との質疑があり、これに対し、菅内閣総理大臣及び関係各大臣並びに日本銀行総裁より、「リーマン・ショック以降、昨年春ごろより景気は持ち直しの動きを続けてきたが、今年十月から足踏み状態が続いている。円高、海外経済の鈍化、依然として厳しい雇用情勢など懸念材料があり、こうしたリスクが顕在化しないよう、今回の補正予算を含む三段構えの経済対策を一体として講じるとともに、デフレ脱却に向け、政府と日銀が連絡を密にして最大限努力してまいりたい」旨の答弁がありました。
 次に、財政税制問題について、「マニフェスト関連の施策を見直し、財源を捻出すべきではないか。法人税の引下げにどう取り組むのか」との質疑があり、これに対し、菅内閣総理大臣及び関係各大臣より、「今年の参議院選挙の際、既にマニフェストの一部見直しを行った。今後については、例えば、子ども手当、高校無償化、農業の戸別所得補償等については基本的な部分を変更することは想定しにくいものの、高速道路の無料化は、現在、社会実験を行っている最中であり、その結果を見極めながら最終的な判断をしていきたい。法人税の引下げについては、成長戦略との整合性、企業の国際競争力の維持向上、財源問題等を踏まえて検討を進めている。国内外で日本は法人税が高いので企業立地が難しいと言われており、こういった指摘も含め、勘案していきたい」旨の答弁がありました。
 質疑は、このほか、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件、北朝鮮による砲撃事件、日米・日中関係、閣僚の発言をめぐる諸問題、防衛省の通達問題、政治と金の問題、検察の改革、事業仕分の在り方、宇宙政策への取組、新卒者等の雇用対策、社会保障の財源問題、障害者支援の在り方、アスベスト対策、貿易の自由化、中小企業対策、郵政民営化など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して礒崎理事が反対、民主党・新緑風会を代表して植松理事が賛成、公明党を代表して長沢委員が反対、みんなの党を代表して桜内委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、平成二十二年度補正予算三案は賛成少数をもっていずれも否決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(西岡武夫君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。川上義博君。
   〔川上義博君登壇、拍手〕
#15
○川上義博君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。
 今、日本にとって最も必要なものは、一刻も早い景気対策の実行です。それは、与野党を超えて、国民生活を真剣に見詰める議会人ならば共通認識になり得るのではないかと考えます。
 しかし、国会はねじれの状況にあります。与野党が突っ張ったままでは何も生まれず、国民の生活に影響が出るおそれがあります。それは絶対に避けなければなりません。
 そもそも、議会とは何を基盤に成り立っているのでしょうか。各党各会派間の信頼に基づいた徹底した対話ではないでしょうか。ただ、昨今の与野党対立は、お互いが相手の存在を全面的に否定することから始まっているような気さえします。
 たとえ政治的に対立する相手の言論からでも、必死で学ぶ姿勢が求められるはずです。対話を通じた合意こそ政治なんです。与野党という枠組みで相手を排除せず、真摯に議論を尽くし、国民のために何とか手を結べないかを真剣に考えなければならないはずです。対話なくして合意なしなんです。
 リーマン・ショック以降、我が国経済は本格的な回復に至っていません。デフレと急激な円高の進行で景気の先行き懸念は強まっています。
 先日、内閣府が公表したGDP速報は、二〇一〇年第三・四半期の実質GDPが年率三・九%増となりましたけれども、円高による輸出減少、民間企業の投資活動も低調であることなど、今後の下振れリスクも多く、今こそ迅速な景気対策の実行が強く求められております。
 本補正予算では、新卒、若年者の就職支援など切迫した重要な課題である雇用対策が盛り込まれ、環境・医療・科学技術分野での技術革新の推進など将来を見据える新成長戦略の加速を目指しております。また、安心こども基金などの子育て支援や地域医療の充実といった国民の安心、地域活性化交付金の新設やインフラ整備など地域の活性化が図られており、本補正予算の一日でも早い早期成立が大変重要なのは間違いありません。
 以上、賛成の理由を申し上げましたけれども、景気回復の道筋と国民生活の安心をより確実にするために、更に以下の点を指摘します。
 景気対策は、財政政策と金融政策の二頭立てが極めて重要です。有効需要を創出して景気の回復を図る一方、デフレから脱却しながらインフレを防止するリフレ政策を取らなければなりません。
 高橋是清が昭和初期に断行したリフレ政策は、日本経済をどん底から救いました。政府が財政出動により公共投資を積極的に行うとともに、日銀は株価などの資産価値を上げるために長期国債の買入れオペを実行して、ベースマネーを潤沢に供給することであります。
 地方経済はまだまだ疲弊化しております。地方振興の基盤となる各種のインフラ整備が遅れています。政府は、地方の高速道路や港湾の整備を進め、地方の公共投資に予算を配分し、経済振興と地域格差の解消を図るべきです。
 社会資本整備の財源は建設国債で賄います。債務返済の裏付けとなる国の信用力が高いので、国債発行残高の累増を気にする必要はありません。国債保有者の大半が国内投資家で、国債利回りが低いため、利払い費は抑制されております。したがって、景気刺激のための国債増発はちゅうちょしてはなりません。景気回復による増収で国債償還は必ず果たせます。デフレ下では財政再建など不可能なことであります。
 経済成長なくして財政再建なしなのです。景気回復でGDPが増加すれば、公的債務残高の対GDP比率は低下します。ギリシャのような国家債務不履行やハイパーインフレが起こるのではという懸念は当たりません。長期国債の買いオペなど金融政策を組み合わせることで解消することができます。その結果、国債市場の安定と安定的な経済成長を維持することができるのであります。
 加えて、財政政策では円高進行のおそれがありますが、金融政策を同時に行うことが肝心なんです。
 そこで、日銀の役割が重要になります。デフレの原因である需給ギャップを解消するためには、より多くの貨幣を中央銀行は供給すべきであります。お金の価値が上がることをデフレ、下がることをインフレと言います。インフレになれば為替相場も円安につながります。しかし、リーマン・ショック以降、日銀の金融政策ではベースマネーが増えていないこともあり、デフレが一層深刻化し、生産の低下や雇用情勢の悪化を招いています。
 ここから重要なことでありますけれども、是非皆さん、聞いてください。
 需給ギャップの原因は、需要不足ではなくて貨幣供給の不足なんです。アメリカ、イギリス、ユーロ圏は金融緩和を積極的に行い、ベースマネーを増大させております。リーマン・ショックの震源地でない日本が震源地以上の被害を受けたのは、こうした金融政策による影響もあるのではないでしょうか。
 日銀法では、日銀は物価の安定を図り、政府の経済政策の基本方針と整合性を図らなければならないと規定をしております。政府は、国家戦略室にデフレ対策の権限を与え、イニシアティブを取り、政策の目標を日銀と協議し、政府の責任で日銀を動かすべきだと考えています。もちろん、日銀の独立性とは手段の独立性であることは言うまでもありません。
 さらに、日銀に消費者物価指数、いわゆるコアCPI上昇率、GDP成長率、失業率などの目標値を定め、その達成期限を課すことなども検討していく必要があると思います。
 菅総理は、第三の道を提唱されております。私は、日本が財政出動と金融緩和から成るリフレ政策の実行こそが王道だと考えています。最大の責務である我が国の景気回復を図るため、この王道による景気対策の必要性を訴えて、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#16
○議長(西岡武夫君) 猪口邦子君。
   〔猪口邦子君登壇、拍手〕
#17
○猪口邦子君 自由民主党の猪口邦子でございます。
 私は、自民党を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 まず、先日の北朝鮮による韓国・大延坪島への砲撃は決して許されない武力挑発であることを述べ、亡くなられた方々に哀悼の意を表します。
 さて、民主党政権の時代になって一年二か月がたち、菅内閣の発足から半年近くが経過いたしましたが、この間、国民生活や経済の不安は増すばかりであり、また外交・安全保障では混乱が続き、危機管理の基本姿勢も整わず、世界における日本の存在感は薄れていくばかりであります。この補正予算は日本再浮上を可能にする内容になっているのでしょうか。国民生活に希望を、経済に展望をもたらす内容になっているのでしょうか。
 我が国は、デフレ経済を退治できず、円高の長期化にも対応できず、雇用は低迷したままであり、景気も足踏み状態であり、そのような厳しさを考えれば、この補正予算は規模も内容も貧弱に過ぎます。そもそも、この臨時会は十月一日に召集されたにもかかわらず、補正予算の国会提出はようやく十月末になってからであります。国民生活が厳しさを増す中、民主党の党内事情などで政府・与党としての対応が遅れたとするなら、その責任は重大であることをまず指摘しておきます。
 以下、この補正予算に反対する主な理由を述べます。
 第一に、本補正予算における経済対策の財政支出は四・九兆円と言いますが、この中には、税収増があれば自動的に増額される地方交付税交付金の一・三兆円が含まれており、これを対策費に含めるのは明らかに水増し表現であり、実質的な財政支出が三・五兆円程度では約十五兆円の需給ギャップを埋めるには程遠く、十分な需要拡大効果は期待できません。さらに、本年度中に地方に渡る地方交付税交付金は三千億円にすぎないのです。
 さらに、具体的な項目を見れば、自公政権が二十一年度第一次補正予算に計上したにもかかわらず、鳩山前政権によって理不尽にも執行が停止された事業と同様のものが実に四千六百億円も計上されています。例えば、緊急人材育成支援事業や地域医療再生基金の拡充など、国民生活に不可欠な予算の執行がかなりの規模で停止され、無用の混乱を招いたのであります。
 また、高齢者医療制度の負担軽減措置など、本来は補正ではなく二十三年度の当初予算で計上すべき経費が盛り込まれている点も大きな問題です。円高対策、デフレ退治、雇用拡大という補正予算の本来の趣旨を逸脱し、本予算で対応すべきことと緊急経済対策としての効果が求められる補正予算との整理ができていないのであります。
 反対の第二の理由は、景気が一時的に停滞する踊り場状態が続いているにもかかわらず、税収増を見込んで本補正予算の財源に充てていることです。
 我が国経済は、リーマン・ショックで落ち込んだ後、穏やかな回復の動きを続けてきましたが、ここに来て、例えばエコカー補助金打切りなど政策効果の高い対策が失われ、経済に不透明性が増しているんです。そのような中で、所得税、法人税、消費税で合計二兆二千億円の税収増を見込んでいるのは根拠のない楽観主義であり、確保される保証のない税収の増分を想定して補正予算を編成するとは、政府として無責任にほかなりません。
 民主党はそもそも、我が国の財政状態も顧みずに、将来世代に多大な負債を背負わせるばらまき政策をマニフェストに掲げてきました。補正予算の財源が不確かであることが明らかになった今、ばらまき四Kとも称される子ども手当、高速道路無料化、戸別所得補償制度、高校無償化などは見直して補正予算の財源に充て、経済国家日本の根本である雇用と成長をまずは回復させるべきなのです。
 反対の第三の理由は、地方経済の活性化が余りにも貧弱である点です。
 平成二十二年度の予算において公共事業関係費が前年度比で一八・三%大幅に削減されたことにより、地方経済は明白に疲弊しています。自民党は地域経済・雇用対策として地方自治体の自由度が高い交付金を一・五兆円程度に上積みすることを強く求めてきましたが、既に指摘したとおり、地方活性化交付金はわずか三千五百億円にすぎず、公共事業の前倒し契約も二千三百億円にとどまっています。独立行政法人の資産の売却などで一時的財源を確保するなど、あらゆる工夫が求められているこの局面において、この補正予算は、場当たり的であり、混乱しており、経済立て直しという目的への覚悟が欠落されたものとなっているんです。
 最後に、私は、経済国家日本の根本は盤石な安全保障にこそあることを指摘しておきます。平和があっての経済です。平和があっての暮らしです。今国会、予算委員会では、外交、防衛、安全保障の面においても、現内閣の危うさが様々な質疑を通じて明白となりました。
 皆様、本補正予算の審議は、まず尖閣諸島沖での我が国巡視船に対する中国漁船衝突事件の処理について政府の責任を認めようとしない内閣の間違いと勘違いから始まりまして、北朝鮮による韓国・大延坪島への砲撃に関して内閣の初動の遅れと安全保障会議が開かれないという重大問題のさなかに終局したのであります。その間に、衝突事件の映像記録の国会提出や海上保安庁からの流出問題があり、ロシア大統領の戦後初めての北方領土訪問があり、自衛隊との関連で民間人の言論封殺につながる防衛省事務次官通達問題があり、また政治と金の未解決の問題も残り、さらに官房長官による自衛隊暴力装置発言まであり、そして問責決議が予定されていた大臣の辞任もありました。
 この内閣は外交・安全保障問題に不慣れであり、その不手際は我が国の権益を損ね、対外関係を後退させ、東アジア国際関係の不安定化につながり、国民を不安感と非力感に陥れています。私たちは今、何としても、外交的にも経済的にも日本の地盤沈下を食い止めなければなりません。日本は、いかに困難な地政学的な環境にあっても持続的平和を国民にもたらすことができることを、また、いかに資源が乏しくても持続的成長を次世代につなぐことができることを示し続けなければなりません。それこそが、この国への世界の期待、国民の希望です。
 この一年間、その期待も希望もかなりしぼんでしまい、今まさに消えようとしていますが、私たち自民党は必ず日本再浮上のために全力を尽くすことを申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
#18
○議長(西岡武夫君) 中西健治君。
   〔中西健治君登壇、拍手〕
#19
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 私は、みんなの党を代表して、平成二十二年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。
 まず、冒頭に申し上げます。
 私は、民間の金融機関で日々スピード感のある市場を相手に二十一年間仕事をしてまいりました。そうした経験からすると、本補正予算が当初提出予定としていた時期よりも大幅に遅れた十月末になってようやく提出されたという、そのスピード感の欠如、また、そこに象徴される現下の経済状況に対する危機感の欠落に大きな違和感を覚えたことをまず指摘しておきたいと思います。
 菅内閣は、残念ながらもはや政権の体を成していません。尖閣漁船問題、その後のビデオ流出、ロシアとの北方領土事案、TPP交渉への対応、国際テロ情報の流出、相次ぐ閣僚の失言、どれを取っても何の定見も戦略もなく、その場しのぎの対応、答弁をしては大失態を犯すことの繰り返しです。
 数々の弱腰外交で国益を損ね、また、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏の釈放を世界が声を上げているにもかかわらず、釈放することが望ましいなどと、まるで人ごとのように、そのような態度に終始し、政府自身の見解を一切示していません。みんなの党では劉暁波氏の釈放を求める決議案を提出しておりますが、菅総理はこれについてもイニシアティブを一切発揮することなく、各党の議論に任せるとの態度に固執しています。
 現在の経済状況を考えたとき、世の中にお金をいかに回すかということが求められています。政府が主導して貴重な予算を配分するという従来型の発想を大きく転換しなければ、長らく続くデフレを脱却することはできません。民間の活力をいかに引き出すかが問われているにもかかわらず、菅内閣はむしろ国家主導の、政府主導の経済政策ばかり考えています。財源が厳しいにもかかわらず、国民の多くが反対している子ども手当、高校無償化、高速道路無料化といった社会主義政策を推し進め、費用のばらまきを国家主導で行い続ける結果、補正予算規模は地方交付税増額分を含めても四兆八千億円にとどまってしまっております。
 総理は、TPP参加への意思を表明しながらも、関係国との協議を開始する、その程度の結論しか出せなかった。そんな菅総理にリーダーシップは不在です。来年六月までに基本方針を策定するなどという悠長なことで、本当に平成の農地改革を推し進めていくつもりはあるのでしょうか。一方では農家への戸別所得補償制度をそのままにしておく現政権に平成の開国の覚悟があるとは到底思えません。
 国会議員歳費削減、国会議員定数削減、公務員制度改革にしても掛け声ばかりです。代表選で菅総理が国家公務員人件費は人事院勧告以上の深掘りを目指すと公約したのにもかかわらず、舌の根も乾かないうちに撤回し、来年の通常国会でなどと言い出す始末です。国会議員定数削減も、年内に案を取りまとめると言っていたのが先送りとなっています。国家財政が厳しいのであれば、それをつかさどる政治家自らが身を切るという当たり前のことすらできていない現政権に国家財政を論ずる資格はありません。
 みんなの党は、国会議員の歳費を三割カット、期末手当を五割カット、日割計算への変更、今期末手当の自主返納が公選法で定める寄附には当たらないと、そういうことの内容の歳費削減・日割り法案を提出しておりますが、現政権の動きは大変鈍いものになっています。
 天下りの根絶に関しても、現役出向という従来以上に官の影響力を増してしまう、そのような制度に変更し、また、無駄遣いの典型とも言える雇用・能力開発機構も、形を変えて温存させる看板の掛け直しのみを行おうとしています。法律に定められている再就職等監視委員会の委員についての選定も、再三の指摘にもかかわらず行わないなど、行政改革についての進展も全くありません。
 政府は、前国会で廃案となった郵政改革法案をまたしても今国会に提出しています。ユニバーサルサービスを実施する上でも、将来的なリスクを有するゆうちょ銀行、かんぽ生命をグループ会社として存続させる必要はありません。みんなの党は、郵政民営化推進法案を対案として提出しました。民間にできることは民間で、これが我が国を活力ある日本に再生させ、経済成長戦略を実現していくための必要最低条件です。
 民間の活力を引き出すこと、そのために整備基盤づくりとして規制緩和を進めることも大変重要です。政府は日本を元気にする規制改革一〇〇を策定しておりますが、中身を見てみると、既に決定している規制緩和を周知徹底するといったものが含まれており、各省庁が数合わせで出したものを列挙したとしか思えず、真剣に改革を行おうという気概が全く感じられません。
 今回の政府提出の補正予算も、定見と戦略なき政権運営の一端を示しています。菅総理はこれまで、増税で景気回復、雇用を起点に景気回復といったキャッチフレーズを唱えました。最近まで民間で仕事をしてきた私から見れば、増税で景気が良くなるとか景気回復の前にまず雇用が増えるとか、こういったことはおよそあり得ない荒唐無稽な話だとしか思えません。案の定、補正予算の内容を見てみますと、そんなプランは消し飛んでしまったようです。その代わり、一度は自らが凍結をしたかつての麻生政権での補正予算の内容を復活し、旧来型の団体を介した助成に重きを置くなど、自公政権の延長上の施策ばかりが並んでいます。
 菅総理は有言実行内閣と口にされましたが、もはや国民はだれも菅総理の言葉など信用していません。自らの信念で国を良くしていこうという気概、そのための具体的な戦略、それをやり抜く覚悟、こうしたものが今の菅総理からは全く感じられません。もしないならば、即刻、政権の座を明け渡していただきたい。それが国家と国民のためだと考えます。
 みんなの党は、有効なデフレ対策、経済活性化策を大至急講ずべきだと考えます。そのため、まず財政措置と併せて本格的な金融措置を講ずる必要があります。みんなの党は、今臨時国会に日銀法改正案を提出しましたが、政府はまるで聞く耳を持ちません。また、日銀の創設した基金についても、現下の経済状況を見れば更なる規模の拡大が必要であり、財政政策の色彩の強い本施策の実施に当たっては、国による保証を制度として行っていくことが必要であるにもかかわらず、政府は受け身の態度に終始し、積極的に行動しようとはしません。
 経済活動の主役は民間です。どのような分野に投資をすればより多くの富が得られるのか、政府の官僚が知っているわけではありません。投資先の選定は民間にゆだね、新たなチャレンジを後押しすることこそ政府は注力すべきです。
 このため、みんなの党は、政府案の緊急経済対策に代えて、民間投資を促進するための減税措置、具体的には自由償却制度を盛り込むべきだと考えています。この措置を講ずれば、約四兆円の減税措置に対して、少なくとも十三兆円程度の設備投資増加が見込まれ、さらに波及効果により現在のGDPギャップのかなりの部分を埋めることが可能であります。
 地方経済の活性化のためにも、財源を地方に抜本的に移譲する道筋も示さずに地方交付税をわずかながら増額し、地域活性化交付金を創設する一時しのぎのやり方では地方は将来に不安を感じるだけです。
#20
○議長(西岡武夫君) 中西君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#21
○中西健治君(続) みんなの党は、財源を大胆に地方に移譲するための道州制を主張しております。
 こうした真に有効な対策から目を背け、定見と戦略なき政権運営を続ける菅内閣に対し、強く抗議の意を表します。
 以上、反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#22
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#23
○議長(西岡武夫君) これより三案を一括して採決いたします。
 愛知治郎君外八十二名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#24
○議長(西岡武夫君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#25
○議長(西岡武夫君) これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#26
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十九票  
  白色票           百十四票  
  青色票          百二十五票  
 よって、三案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#27
○議長(西岡武夫君) ただいまの結果、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案について、本院は衆議院から両院協議会を求められることになります。
     ─────・─────
#28
○議長(西岡武夫君) 日程第一 農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(第百七十四回国会内閣提出、第百七十六回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長主濱了君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔主濱了君登壇、拍手〕
#29
○主濱了君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、農林漁業等の振興、農山漁村その他の地域の活性化及び消費者の利益の増進を図るため、地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等に関する施策及び地域の農林水産物の利用の促進に関する施策を総合的に推進するための措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、法律の題名を地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律と変更するほか、前文の追加、目的の見直し、六次産業化に係る定義規定の見直し、地域の農林水産物の利用の促進に関する規定の追加等を主な内容とする修正が行われました。
 委員会におきましては、政府及び衆議院の修正案提出者に対し、六次産業化による農山漁村の将来像、本法律案と農商工連携促進法等の関連法令との関係及び相違、衆議院における本法律案の修正の趣旨、六次産業化による農林漁業者の所得向上への効果、六次産業化を進めるに当たって、普及指導員の活用など充実した相談、支援体制の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#30
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#31
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#32
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十六  
  反対               一  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#33
○議長(西岡武夫君) 日程第二 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第三 特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第四 国家公務員の育児休業等に関する法律等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
並びに本日委員長から報告書が提出されました
 地方交付税法等の一部を改正する法律案
 放送法等の一部を改正する法律案及び
 高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
を日程に追加し、六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長那谷屋正義君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔那谷屋正義君登壇、拍手〕
#35
○那谷屋正義君 ただいま議題となりました六法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の給与改定に関する勧告にかんがみ、一般職の国家公務員の俸給月額及び期末・勤勉手当の額を引き下げるとともに、当分の間、五十五歳を超える職員への俸給月額の支給を一・五%減額する等の措置を講じようとするものであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員に準じ、特別職の職員の給与の額を引き下げるものであります。
 次に、国家公務員の育児休業等に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の意見の申出にかんがみ、一定の国家公務員及び地方公務員の非常勤職員について、仕事と生活の両立を図る観点から、育児休業等をすることができるようにするものであります。
 委員会におきましては、以上三法律案を一括して議題とし、公務員に対する労働基本権付与の検討状況、人事院勧告を超える給与削減の具体的方策とスケジュール、公務員の定員純減及び国の出先機関改革の必要性等について質疑が行われました。
 質疑を終局した後、みんなの党を代表して寺田典城委員より、一般職給与法改正案に対し、当分の間、指定職を除く職員の俸給月額の五%減額、指定職の職員の俸給月額の一〇%減額等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して松下新平理事より、一般職給与法改正案の原案及び修正案並びに特別職給与法改正案に反対、公務員育児休業法改正案に賛成、日本共産党を代表して山下芳生委員より、一般職給与法改正案の原案及び修正案に反対、特別職給与法改正案及び公務員育児休業法改正案に賛成する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、まず、一般職給与法改正案につきましては、修正案は賛成少数により否決され、同法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、特別職給与法改正案は多数をもって、公務員育児休業法改正案は全会一致をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、公務員育児休業法改正案に対し、附帯決議が付されております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、平成二十二年度一般会計補正予算により増額された同年度分の地方交付税一兆三千百二十六億円のうち、一兆百二十六億円を平成二十三年度分の地方交付税の総額に加算して交付することができることとするとともに、三千億円を平成二十二年度において交付することとし、これに対応して平成二十二年度分の普通交付税の額の算定に用いる雇用対策・地域資源活用臨時特例費の単位費用の改定等を行うこととするものであります。
 委員会におきましては、片山総務大臣から趣旨説明を聴取した後、自由民主党を代表して礒崎陽輔委員及び中西祐介委員より、平成二十二年度分の地方交付税に係る平成二十一年度の決算剰余金に伴う精算増五千七百五十八億円について、その全額を平成二十二年度に交付するための措置等を講じようとする修正案が提出され、その趣旨説明を聴取いたしました。
 続いて、原案及び修正案について、地方交付税一兆円の翌年度への繰越しと緊急経済対策との関係、地方交付税三千億円の増額の意味とその経済効果、経済対策の地方財政に対する影響、ひも付き補助金の一括交付金化に関する懸念等の質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して片山さつき理事より修正案に賛成、原案に反対、みんなの党を代表して寺田典城委員より原案に反対、日本共産党を代表して山下芳生委員より原案及び修正案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、修正案は賛成少数により否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、放送法等の一部を改正する法律案は、通信・放送分野におけるデジタル化の進展に対応した制度の整理合理化を図るため、放送法、電波法及び電気通信事業法について、各種の放送形態に係る制度を統合するとともに、無線局の免許及び放送業務の認定制度の弾力化等を行おうとするものであります。
 なお、衆議院において日本放送協会の経営委員会の構成員に会長を加える改正を行わないものとすること等の修正が行われております。
 次に、高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の一部を改正する法律案は、デジタルテレビジョン放送の送信設備等の整備を引き続き促進するため、平成二十二年十二月三十一日とされている法律の廃止期限を平成二十七年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、大相撲取材関連不祥事へのNHKの対応、放送事業者に対する業務停止命令規定の運用の在り方、地上放送デジタル化に向けた取組の強化、放送行政の独立性の確保等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下芳生委員より放送法等改正案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、放送法等改正案は多数をもって、高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法改正案は全会一致をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#36
○議長(西岡武夫君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。上野ひろし君。
   〔上野ひろし君登壇、拍手〕
#37
○上野ひろし君 上野ひろしでございます。
 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。
 反対理由の第一は、この法案が、菅総理が民主党代表選挙において公約した、人事院勧告を超えた削減を目指すという内容に違反するからであります。
 菅総理は、現職の総理大臣としてこの代表選挙に臨んでおり、再選されれば当然に総理大臣としてその公約を実行すべき立場でありました。既に本年八月に平均給与で一・五%の削減という人事院勧告が行われており、国民は、再選された菅総理の下、この人事院勧告を超えた削減を内容とする給与法の改正案が提出されるものと期待をしておりました。しかし、本法律案は、人事院勧告から一歩も踏み出さない、全く国民の思いを裏切るものであります。
 人事院勧告を超えた給与の削減に労働基本権の問題がかかわってくるということは、当然ながら代表選の時点で分かっていたことであります。
 また、多くの地方自治体においては、国家公務員と同様に労働基本権の制約がある中で、財政状況等を考慮して人事委員会の勧告水準を超えた給与の削減を実施しております。地方公務員についてできることが国家公務員についてできない理由はありません。
 こういう様々な事情を踏まえた上で、菅総理は民主党代表選挙の時点において、人事院勧告を超える削減を目指すと発言をされたはずであり、あとはその公約を誠実に実行する意思があるかどうか、リーダーシップを発揮して公約を実現する実行力があるかどうかの問題でありました。しかしながら、提出されたこの給与法の改正案は、菅総理の決意が全く感じられない、公約に違反したものであります。
 第二の理由は、公務員の給与の削減水準についてであります。
 現在の我が国の厳しい経済情勢の下、民間では給料が大幅に減る、そして職を失う人もたくさんいるという状況であり、その中で公務員の給料がわずか一・五%、月給で見ると七百五十七円しか減らないというのは、国民にとって決して納得がいくものではありません。
 国税庁の調査によれば、民間の平均給料は対前年比で五・五%の減少であり、それに比べると、この給与法の改正案、マイナス一・五%というのは余りにも減少幅が少ない、妥当性を欠いたものであると言わざるを得ません。菅総理はこの数字が本当に民間の厳しい経済の実態を反映したものと考えているのでしょうか。仮に今後、更なる削減を行うのだとしても、今この時点で一・五%しか減少させないという本法案の内容は明らかに国民の感覚と乖離をしているものであります。
 第三の理由は、民主党がマニフェストで国民に約束した公務員人件費総額二割削減への道筋が全く不明確であるということであります。
 十一月一日の閣議決定において、次期通常国会に自律的労使関係制度を措置するための法案を提出し、交渉を通じた給与改定の実現を図る、その実現までの間においても、人件費を削減するための措置について検討し、必要な法案を次期通常国会から提出するとされましたが、その具体的な検討状況については明らかにされておりません。
 まず、労働基本権を付与することによって本当に給与を削減することができるのかどうかは全く不透明であります。まさに、さきの通常国会において当時の仙谷公務員制度改革担当大臣が、引き下げられるかどうかはやってみないと分からないと御答弁をされているとおりであります。
 また、更なる人件費削減のための措置について、次期通常国会に法案を提出するとされておりますが、民主党政権になってから一年以上掛けても人事院勧告を超える給与の削減ができなかった、それにもかかわらず、なぜ、わずか二か月後に開会される通常国会において実現できるのか、逆に、数か月後にできるのであればなぜこの臨時国会で実現させなかったのか、全く不可解であります。
 民主党は、マニフェストにおいて、四年間で公務員総人件費を二割、約一兆一千億円削減するとしております。しかし、この給与法改正案を実施をしても、これまでの人件費の削減額は約二千億円にとどまり、公約の実現までは程遠い状況であります。今後の具体的な道筋が明らかにされないまま、この給与法の改正案が成立すれば、また課題が先送りされるだけであり、これまで様々な局面で見られてきた民主党政権の先送り体質を認めることになります。
 菅内閣は、昨年のマニフェストを始め、国民に約束したことを全く実行できていない、まさに有言不実行内閣と言われているとおりであります。
#38
○議長(西岡武夫君) 上野君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#39
○上野ひろし君(続) 民主党の言葉を信用して投票した、政権をいったん民主党に預けた国民に対しては、おわびの言葉では済まされません。国民に対して約束したことを誠実に実行していただく必要があり、その意味で、国民に対する約束違反、公約違反の象徴とも言えるこの法律案は決して認めることができません。
 以上で私の反対討論を終わります。(拍手)
#40
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#41
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#42
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#43
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百三十五  
  反対              百二  
 よって、両案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#44
○議長(西岡武夫君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#45
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#46
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百四十一  
  反対             九十七  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#47
○議長(西岡武夫君) 次に、国家公務員の育児休業等に関する法律等の一部を改正する法律案及び高度テレビジョン放送施設整備促進臨時措置法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#48
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#49
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#50
○議長(西岡武夫君) 次に、放送法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#51
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#52
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十二  
  反対               六  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#53
○議長(西岡武夫君) 日程第五 防衛省の職員の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長佐藤公治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤公治君登壇、拍手〕
#54
○佐藤公治君 ただいま議題となりました防衛省職員給与法等の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、一般職の国家公務員の例に準じて防衛省職員の俸給月額等を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、今回の給与改定に伴う歳出削減効果、国家公務員総人件費の二割削減と自衛官給与との関係、自衛隊員の政治的中立性の確保等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#55
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#56
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#57
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百三十四  
  反対              百三  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#58
○議長(西岡武夫君) 日程第六 裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第七 検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 日程第八 裁判所法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長浜田昌良君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔浜田昌良君登壇、拍手〕
#59
○浜田昌良君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、これに準じて裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額の引下げ等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、人事院勧告を超える給与改定を行わなかった理由、裁判官の報酬の減額を禁じた憲法及び裁判所法との関係、労働基本権の代償措置である人事院勧告と政府の裁量権との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して井上委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、裁判所法の一部を改正する法律案は、衆議院法務委員長提出によるものでありまして、平成二十三年十月三十一日までの間、暫定的に、司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金を国が貸与する制度を停止し、司法修習生に対し給与を支給する制度とするものであります。
 委員会におきましては、衆議院法務委員長奥田建君より趣旨説明を聴取した後、貸与制導入の経緯と給費制を一年延長する理由、法曹志願者への経済的支援の在り方及び法曹養成制度の見直しの必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、みんなの党を代表して桜内理事より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#60
○議長(西岡武夫君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、裁判所法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。桜内文城君。
   〔桜内文城君登壇、拍手〕
#61
○桜内文城君 私は、みんなの党を代表して、裁判所法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、今、司法修習生に対して国が資金を貸与する制度を停止し、国から給与を支給する制度に戻す実質的かつ合理的な理由がないことにあります。
 発議者である衆議院法務委員長は、本法律改正案の実現のために執拗な政治的介入を続けた日弁連の主張を引用し、経済的理由により法曹を志すことを断念せざるを得ないという状況をなくすため、給費制への復活を主張しています。しかし、法曹志望者の減少の原因は、むしろロースクールにおける教育の在り方、その修学期間中の経済的負担、そして三回不合格になると司法試験の受験資格そのものを失うという、いわゆる三振制度等にあると考えます。
 法務委員会の理事を務めている私の元には、厳しい経済環境の下で一生懸命法律の勉強をしている若い方々からのメールが舞い込みます。彼らは若い時間の二年又は三年間、言わば人生を懸けて法曹への夢を実現しようともがいています。しかし、今のロースクールに係る経済的負担、そしていわゆる三振制度によって夢を絶たれるリスクの大きさに押しつぶされてしまう者も多いのが現状であります。仮に給費制を復活したとしても、決して法曹志望者が増加するような現状ではないということを我々国会議員は知るべきであります。
 確かに、給費制から貸与制への移行によって司法修習生の経済的負担が幾らか増加することは否めません。しかし、先ほども述べたとおり、現実には法曹志望者の経済的負担の大半はロースクールの修学期間中に生じています。給費制維持のために約百億円の税金投入を行うことは、ロースクールで学びながらも残念ながら司法修習生となれず、多額の負債だけを抱えた者からも、税金という形で勝ち組とも言える司法修習生に対して経済的支援を強要することにもなります。これを正当化し、無理やりにでも給費制を復活させる合理的な理由は見当たりません。
 反対の第二の理由は、仮に同じ百億円の税金投入を行うとすれば、給費制の復活だけを求めるのではなく、国会において他の選択肢をしっかりと議論すべきだったということ、すなわち議論が尽くされていないということであります。
 そもそも、戦後長く続いた司法修習生の給費制を貸与制に改めるという現行法への移行には、当時は野党であった民主党も賛成しております。その後、本年十一月一日から既に施行されている本法律について、ここに至って突然、衆議院の委員長提案により、衆議院では一切の質疑もないまま改正案が参議院に送付されてまいりました。事ここに至るまで民主、自民両党でも異論が多かった本案について、ほとんど何の議論もなく、突然数の力で本案を成立させようとするのは、国会対策上の政治的配慮、国民不在の党利党略に基づくものと非難せざるを得ません。
 本来であれば、貸与制を補完するための他の選択肢として、例えば弁護士過疎地域での勤務や国選弁護活動に従事する弁護士について貸与金の返還免除を認める、あるいはこれほどまでに理屈のないものをごり押しする日弁連自身が優秀な後進育成のために返還不要な奨学金を支給する、あるいは司法修習生の修習専念義務を緩和し、法律事務所でのアルバイトを兼ねた研修等を認めるなど、いろいろなやり方があるはずです。しかし、そのような他の選択肢も、比較考量も国会での議論も何もなされていないのが現状であります。
 以上にかんがみれば、少なくとも国会において将来の法曹養成制度の在り方について徹底的に議論すべきであったと考えております。したがいまして、我々みんなの党としては、裁判所法の一部を改正する法律案にあえて反対いたします。
 以上を申し上げ、反対の討論を終わります。(拍手)
#62
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#63
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律等の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#64
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#65
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百三十五  
  反対              百三  
 よって、両案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#66
○議長(西岡武夫君) 次に、裁判所法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#67
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#68
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十四  
  反対              十一  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#69
○議長(西岡武夫君) この際、日程に追加して、
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
 国会議員の秘書の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案
 国会職員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案
 国会職員法の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長鈴木政二君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔鈴木政二君登壇、拍手〕
#71
○鈴木政二君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、議長、副議長及び議員の歳費の額を、人事院勧告に伴う内閣総理大臣等の給与改定に準じて引き下げる等の措置を講じようとするものであります。
 次に、国会議員の秘書の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院勧告に伴う政府職員の給与改定に準じて、議員秘書の給料月額及び勤勉手当の支給割合を引き下げる等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案及び松田公太君発議による国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、衆議院提出の両法律案を順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 次に、国会職員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案は、政府職員の育児休業制度の拡充に準じて、非常勤の国会職員について、育児休業をすることができるようにする等の措置を講じようとするものであります。
 次に、国会職員法の一部を改正する法律案は、国会職員について、政府職員と同様の新たな人事評価制度の導入等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、順次採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#72
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 まず、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#73
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#74
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成             百四十  
  反対             九十七 
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#75
○議長(西岡武夫君) 次に、国会議員の秘書の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#76
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#77
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百三十五  
  反対              百二  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#78
○議長(西岡武夫君) 次に、国会職員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#79
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#80
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#81
○議長(西岡武夫君) 次に、国会職員法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#82
○議長(西岡武夫君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#83
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十一  
  反対               六  
 よって、本案は多数をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#84
○議長(西岡武夫君) しばらくお待ちください。
 これにて休憩いたします。
   午後七時三十四分休憩
     ─────・─────
   午後八時六分開議
#85
○議長(西岡武夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先ほど衆議院から、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案について、国会法第八十五条第一項の規定により、両院協議会を求められました。
 これより、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案に関する両院協議会の協議委員十名の選挙を行います。
 つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案に関する両院協議会の協議委員に礒崎陽輔君、岩城光英君、衛藤晟一君、世耕弘成君、林芳正君、丸川珠代君、山本順三君、加藤修一君、長沢広明君、水野賢一君を指名いたします。
 これより直ちに両院協議会協議委員の正副議長を選挙されることを望みます。
 両院協議会の結果の報告を待つため、暫時休憩いたします。
   午後八時八分休憩
     ─────・─────
   午後十時十一分開議
#87
○議長(西岡武夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会参議院協議委員議長から報告書が提出されました。
 この際、報告を求めます。協議委員議長林芳正君。
    ─────────────
   〔報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔林芳正君登壇、拍手〕
#88
○林芳正君 平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本院協議委員は、先ほどの本会議におきまして、議長より指名されました後、直ちに協議委員議長及び副議長の互選を行い、その結果、協議委員議長に私、林芳正が、副議長に岩城光英君がそれぞれ選任されました。
 なお、衆議院におきましては、中井洽君が協議委員議長に、中川正春君が副議長に選任されました。
 両院協議会の初会の議長はくじにより決することとなっておりますので、開会に先立ち抽せんを行いました結果、衆議院側協議委員議長の中井洽君が議長に当選されました。
 協議会におきましては、衆議院側から、厳しい雇用情勢を踏まえた対策がなされていること、新成長戦略を加速させ、経済成長の実現を図っていること、子育て、医療・介護・福祉等を強化していること等の理由で原案どおり可決した旨の説明がありました。
 次に、本院側から、本補正予算の規模と内容では現下の厳しい経済情勢を改善させる効果が期待できないこと、疲弊する地方への配慮が極めて不十分なこと、財源の多くを実現が不透明な税収の増加に依存していること等の理由により、否決した旨の説明がありました。
 次に、協議に移りましたところ、各協議委員から種々の意見が述べられました。
 その後、懇談に入りましたが、平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会は、意見の一致を見るに至らず、成案が得られませんでした。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#89
○議長(西岡武夫君) 平成二十二年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきましては、両議院の意見が一致いたしませんので、憲法第六十条第二項の規定により、衆議院の議決が国会の議決となります。
     ─────・─────
#90
○議長(西岡武夫君) この際、お諮りいたします。
 森まさこ君外九名発議に係る国務大臣仙谷由人君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。森まさこ君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔森まさこ君登壇、拍手〕
#92
○森まさこ君 私は、自由民主党、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました国務大臣仙谷由人君問責決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。
  本院は、国務大臣仙谷由人君を問責する。
   右決議する。
 以下、本院が仙谷君を問責する理由を御説明します。
 菅内閣発足以来、まさに国難ともいうべき事態が頻発しております。仙谷官房長官は、総理の倍の秘書官を従え、実質的に内閣を取り仕切って陰の総理の名をほしいままにし、北朝鮮への非難声明も総理より先に行い、尖閣諸島事件など、重要事件の決定を主導しています。また、柳田大臣の辞任を受けて、指揮権を持つ法務大臣及び拉致担当を兼務し、仙谷大臣の下に異常な権力の集中を生んでいます。
 しかし、山積する国内外の問題は一向に解決されないばかりか、むしろ仙谷長官こそがあらゆる問題を混乱に陥れ、事態を悪化させており、仙谷長官の存在そのものが国益を損なっているのです。
 以下、具体的に列挙します。
 第一に、北朝鮮による韓国砲撃事件における危機管理能力の欠如です。
 菅総理が砲撃を報道で知ったことや、官邸にすぐ入らなかったことはゆゆしき事態ですが、官房長官はどうであったか。何と、仙谷官房長官が第一報を受けたのは砲撃開始から約五十分後、官邸に入ったのは砲撃開始から約二時間十一分後で、遅い遅いと非難される総理よりも遅いのです。一番大事な初動の百十六分間、国民がテレビをかたずをのんで見ていた時間に官邸は空っぽだった。基地を抱える地域、原子力発電所を抱える地域、こういった地域の住民を含む国民全体が不安を感じる中、総理も官房長官も防衛大臣も国家公安委員長もだれもいなかった。話になりません。
 これについて、内閣を取り仕切るべき仙谷官房長官は、電話、メールで十分だ、平然と答弁するなど、危機管理についての認識に欠ける、そして事の重大性を論ぜずに開き直り答弁に終始する態度は断じて許されません。
 そもそも官房長官の最も重要な職務は、国家の危機に対して即時に対応できる体制を常時しいておくことです。官邸内にも官房長官の公邸があるではないですか。歴代では、後藤田正晴官房長官などが公邸に住んで危機に備えました。現在、これほど外交関係が緊迫した状況下で、官房長官は、官邸内の公邸に二十四時間、いつでも危機に対応できる体制でいるべきです。第一報が約五十分後、官邸に入ったのが二時間以上後ではお話になりません。海外に対しても恥さらしです。昨日からの予算委員会においてもこの件について真摯に説明する姿勢が全くなく、仙谷官房長官にはあらゆる私事を捨てて国民のために尽くす気概が見えません。官房長官の資質に欠けると言わざるを得ません。
 第二に、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件における極めて不適切な対応です。
 中国人船長の釈放について、このような重大な外交上の判断が一地方検察庁でなされたと信じる者はおりません。辞任した柳田前法務大臣は、指揮権を発動する知見も真剣さも欠いていたと見られますから、総理や外務大臣が不在の間に仙谷官房長官主導で釈放の政治判断が行われたと考えざるを得ません。さらに、捜査はほぼ終了したと那覇地検が言っているにもかかわらず、なぜ中国人船長の処分がいまだになされないのか、不可解です。
 仙谷官房長官は那覇地検の判断であると強弁していますが、仮にそうであったとしても、史上例を見ない越権行為が民主党政権下で行われたことは間違いないことになります。いずれにしても、この件を主導してきた仙谷長官は責任を免れません。
 仙谷長官は、釈放は刑事訴訟法二百四十八条によると繰り返してきましたが、昨日の答弁で二百四十八条の準用と言った自分の答弁が間違いであったことを認めました。そもそも、二百四十八条の起訴便宜主義の裁量権に外交問題を含め、かつ処分前に釈放するなどという法解釈は無理です。だれもがおかしいと思っていることを、弁護士であることをかさに着て法理論を振り回し、煙に巻くというやり方は政治家として正しい道ではないと思います。
 また、我が党の調査によれば、衝突時、領海のすぐ外側に百隻、領海内に三十隻の中国漁船がいました。仙谷長官は、昨日初めて百隻以上の中国漁船の存在を知っていたと認めました。なぜ、この事実を今まで明らかにしなかったのか。釈放について国民の批判が強まり、内閣の支持率が低下することを恐れていたとしか考えようがありません。党利党略のために真実を隠ぺいしたのです。
 衝突時のビデオも、官房長官の主導により長期間非公開にされてきました。仙谷長官は捜査中だからビデオを公開できないと強弁しましたが、那覇地検は釈放時にはほぼ捜査は終わったと言っているのですから、公の必要があればビデオを公開しても法的に問題はないのです。それなのに、法理論を振りかざし、真実を覆い隠した仙谷長官の誤った対処により、我が国は諸外国に対して我が国の正当性を訴える貴重な機会を逃してしまったのです。
 海上保安官によるビデオ流出事件においても、仙谷官房長官が国会に対してはビデオの慎重な取扱いを要請しながら、政府内では厳重な管理を指示していなかったことが露呈しました。加えて、事態発覚後は、政治職と執行職という詭弁を弄して、自分たちの責任を海上保安庁長官一人になすりつけようとした、このことも糾弾されるべきです。
 仙谷官房長官の厳秘書類によれば、公開しないデメリットは、流出者の量刑を軽くすることとあります。量刑を勘案して政治判断をするなど言語道断。法と証拠に基づいてのみ刑事処分をするのではなかったのですか。
 そもそも、国会軽視の失言で辞任した柳田前法務大臣の後任が、なぜ同様に国会軽視の失言を連発している仙谷長官なのか、理解できません。
 第三に、国権の最高機関たる国会を愚弄する、暴言、失言、数々が繰り返されていることです。
 菅総理自らが今国会冒頭の所信表明演説で熟議の国会を呼びかけているにもかかわらず、指名されてもいない仙谷官房長官が勝手に答弁し、話をすり替え、時間稼ぎをし、恫喝し、又は答弁席からやじを飛ばすなど、国会をばかにした態度を取り続けてきました。
 第四の理由は、日本国憲法に抵触するおそれのある発言を繰り返し、憲法遵守の義務に違反しているのではないかということです。
 仙谷官房長官は、中国漁船衝突問題のビデオ公開関連の厳秘書類を予算委員会で撮影されると、自らの危機管理の甘さを恥じることもなく、盗撮呼ばわりし、取材規制の強化を振りかざし、報道の自由を侵害しようとしました。また、自衛隊の施設内での民間人の発言を規制することを認めるなど、憲法の表現の自由を侵害する言論統制ではないですか。
 極め付けは、自衛隊を暴力装置と発言したことです。学生時代、社会主義学生運動組織で活動していた仙谷長官にとっては日常用語なのでしょうが、平和憲法に基づき国家の根幹である国防を担い、国際貢献や災害救助に汗をかく自衛隊を暴力装置と侮辱したことは許されることではありません。自衛隊を暴力装置と発言し、海上保安官を守らない、内閣のナンバーツー、いや、ナンバーワンの官房長官の下で、自衛官と海上保安官に命を懸けて国家と国土を守れと指示ができるとお思いですか。
 第五に、国会同意案件に対する怠慢です。
 民主党政権は、国会召集からかなり日時を経た十月半ばにようやく五機関十一名について内示しました。これらを長く放置していたことは国会軽視、政府の怠慢以外の何物でもありません。同意人事を担当する官房長官の責任は重大です。
 以上、列挙したとおり、普天間無策、口蹄疫の問題など、外交問題と危機管理の甘さを指摘されて失脚した鳩山政権を引き継いだ菅内閣は、全くその反省の上に立っておらず、尖閣諸島問題、北方領土問題と立て続けに外交上の失策を演じたばかりか、北朝鮮砲撃事件でも危機管理の甘さを露呈しました。その中心で権力を行使してきた仙谷官房長官の国民への責任は見逃すことはできません。
 仙谷長官のその傲慢な発言、失言、失策の数々には与野党を問わず批判が集中しています。仙谷官房長官がそのいすに座り続けることそれ自体が国益を損なっています。私は、一刻も早く菅総理が官房長官を罷免する、若しくは官房長官が自ら職を辞すことが日本の国益を守る道であると確信しております。
 以上が、国務大臣仙谷由人君を問責する理由です。
 民主党の中にも良心をお持ちの方がいらっしゃると思います。恐るべき傲慢な権力者が外交問題を始めとした国政を仕切ることによって国益が失われ、国が沈んでいく危機であります。国のために、子孫のために勇気を持って行動を起こすときです。是非、仙谷由人君問責決議に御賛成ください。
 この問責決議案が満場一致で採択されることを確信いたしまして、趣旨説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#93
○議長(西岡武夫君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。平山誠君。
   〔平山誠君登壇、拍手〕
#94
○平山誠君 私は、民主党・新緑風会、平山誠です。
 ただいま議題になりました内閣官房長官仙谷由人君に対する問責決議案について、断固反対する立場から討論を行います。
 本日、私が討論を行うことに運命というか、きずなと申しますか、深いえにしを感じております。私と仙谷由人さんが初めてお会いしたのは、私が創るテレビ番組の打合せで、十数年前でした。まさかこの議場に立つとは夢にも考えておりませんでした。その後も親しくお付き合いをいただき、機会あるごとに人生の御指導を賜りました。心優しいまじめな人間、仙谷由人を知る一人の人間としてもこの決議に反対をいたします。
 そこで、野党の皆様に心から御理解をいただきたいことがあります。私たち国会議員は、国民の皆様から託され、本院において議員活動を行っていること、そしてその使命の重さについてであります。
 議会制民主主義を取る我が国は二院制を採用しており、衆議院に比べ、参議院は再考の府、熟議の府、まさに言論の府として位置付けられております。言論の府である本院において、私たちは与党、野党に分かれ、日本国の繁栄とその未来継承のため、日々、誠心誠意政策を論じ合っております。ふだん、いかに激しい議論を交わしていても、お互い国会議員として尊敬し合い、時には譲り合い、寛容と誠意を持って接しているものと考えております。
 寛容とは、英語でトレランスであります。それは、自分と異なる意見を持っていたり、異なる民族の人々に対して一定の理解を示し、許容する誠意ある態度を意味しています。たとえ意見が異なっていても、その意見主張を認め、保障することが言論の自由を守ることであるとされています。本日、本院におきまして不要の問責決議が決せられれば、言論の府である本院の機能は麻痺に陥ることを避けられません。
 さて、今回、内閣官房長官仙谷由人君に対する問責決議の理由として挙げられました尖閣諸島沖における中国漁船衝突事案の一連の対応が失態であるというのは、明らかに事実誤認であると言わなければなりません。そのほかの理由にあっても多くの誤解があります。
 仙谷長官は、内閣のスポークスマンとして、また各省の事務方の取りまとめ役としても重要な役割を果たしています。さらに、本院を始め委員会審議におきましても、総理大臣を補佐しながら、真っ正面から誠意を持って対応していることも皆様御存じのとおりであります。
 仙谷長官は、政界に入る前より人権派の弁護士と知られ、弱者に対する熱い思いは今も何ら変わっておりません。数年前に御自身もがんを克服され、強い心と体の持ち主であることを知っております。
 有能な法律家であり、雄弁であるだけに、時には言い過ぎたり、勇み足との誤解を受けるような発言をすることがありますのは、私も決して否定しません。しかし、これはあくまでも人間仙谷由人のあり余る誠意の発露の結果であり、問責に値する行為でないことを御理解していただきたいと思います。
 今、内閣のかなめである仙谷長官は、これからも私たちの政権において欠かせない存在であります。理不尽な問責決議には断じてこたえられません。速やかに撤回されるよう願います。この問責決議により、日本が凋落の一途をたどることにならないよう願う次第であります。
 先ごろの北朝鮮による韓国への砲撃事件は、我が国を取り巻く東アジアの情勢が極めて流動的であることを強く印象付けられました。中国やロシアとの間には領土をめぐる意見の違いがあり、なお確執が続いております。
 一方、外交の基軸である日米関係においても、沖縄普天間基地移転問題が未解決のまま大きな懸案として残っております。さらに、気候変動の脅威や経済危機など問題が山積しております。
 私たち日本の行く末を預かる国会議員、与党、野党の垣根を越えて一つに結束し、日本の国益を第一にこれらの難局に向かい、みんなが楽しい日本創造のため、野党の皆様におかれましては、どうか寛容と誠意の気持ちを持って御協力をしていただき、この機会を通じて問責決議案の撤回をお願いしまして、私の反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#95
○議長(西岡武夫君) 西田昌司君。
   〔西田昌司君登壇、拍手〕
#96
○西田昌司君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国務大臣仙谷由人君問責決議案について、賛成討論をいたします。
 仙谷官房長官、あなたは今どのような気持ちでそのいすに座っておられるのでしょうか。参議院の問責決議など何の法的拘束力もない、だから時間だけ座っていればいい、今だけやり過ごせばいい、そう思っておいでではありませんか。
 確かに、参議院の問責決議に法的拘束力はありません。可決されても延々と官房長官の座に居座ることも可能です。しかし、内閣のかなめである官房長官が国会に信任されない、まさにその内閣は死に体です。これからどのような法案を政府が提出しようとも、どのような提案をしようとも、その中核である官房長官が信頼されないのでは全く議論が進みません。
 信なくば立たず。仙谷官房長官、参議院で官房長官と認めないと烙印を押されたあなたの言葉にだれが耳を傾けるのでしょうか。
 仙谷官房長官は、六月の菅内閣発足以来、陰の総理として、いや、実質、総理として菅内閣を運営してこられました。中でも、最も力を発揮されたのは、尖閣沖漁船衝突問題での対応です。釈放時の会見で那覇地検は、我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、身柄拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断したと述べました。こんな会見があり得るでしょうか。私は耳を疑いました。一地検が外交判断をするとは全くあり得ない話です。だれもが官房長官若しくは政府のだれかから指示があったのではないかと疑いました。
 しかし、仙谷官房長官は、釈放は那覇地検独自の判断との認識を表明されたのです。一地検が国益にかかわる外交判断をするのを是認する、こんな内閣がかつてあったでしょうか。もし、そうではなく、官房長官若しくはその他の政府のだれかが那覇地検に釈放を強要し、その責任を押し付けたとすれば、菅内閣は国民にうそをついたことになります。どちらにしろ、そのような疑念を国民に抱かせただけでも、菅内閣の取りまとめ役でありスポークスマンである官房長官を辞めるべき失態なのです。
 さらに、事態を悪化させたのは、衝突時のビデオをかたくななまでに隠し続けたことです。それが一海上保安官によってネットに流出してしまった責任をどうお考えでしょうか。菅内閣の危機管理は一体どうなっているのでしょうか。
 何よりも問題なのは、日本の取締りの正当性を国際社会に示し領土問題を主張するためビデオを戦略的に使う機会をみすみす逃してしまったことです。これが第一の問責の事由です。
 ユーチューブに流出したビデオは四十四分、実際には二時間にわたって中国漁船との逃走劇が繰り広げられていたのです。波の荒い海域で相手の漁船に、向こうが何の武器を持っているかも分からない状況の下、転落を避けるために軽装で飛び移る。まさに命懸けで領海を守ってくれている海上保安庁の方々を守る御発言を、仙谷官房長官、あなたは一言でも口にされたことがあったでしょうか。これでは現場の士気は下がるばかりです。
 仙谷官房長官には、国を守るという気概も、また現実に守っている海上自衛隊や海上保安庁への敬意は全くありません。それが端的に表れているのが自衛隊は暴力装置との言葉です。この言葉には、日本ではかつて自衛隊を違憲と批判してきた左翼の方々が好きこのんで使用されてきたという歴史があります。
 自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣を補佐する内閣官房長官がこのようなことをおっしゃるのでは、全国の約二十四万人の自衛隊員がどんなに憤り落胆したか。仙谷官房長官、あなたに想像できますか。
 また、このような官房長官が補佐する菅総理は、自衛隊の最高司令官としての責務を果たせるのでしょうか。全国の自衛隊に自分の部下である官房長官の認識の誤りと非礼をわび、即時罷免されるのが当然ではないでしょうか。これが第二の問責事由です。
 また、仙谷官房長官は恫喝、言論統制もお得意とされています。菅総理の発言がぶれまくる中、仙谷官房長官はそれをかばうつもりか、自らが前面にしゃしゃり出て恫喝を始めたわけです。
 参議院予算委員会において、我が党の山本政審会長の質問に対し、新聞記事が事実かどうかを聞くのは最も拙劣な質問だと侮辱され、さも自分はやったことがないような御発言でしたが、御自分も野党時代、同様の質問を何度も繰り返しておられました。自分のことは棚に上げ、人のことは批判する、菅内閣は棚上げ内閣でもあります。
 また、丸山議員が決算委員会で、中国人船長を釈放した直後、仙谷官房長官の、もし起訴したらAPECが吹っ飛んでしまう、属国化は今に始まったことではないなど、噴飯物の発言を明らかにいたしました。それに対し、官房長官は国会では反論をせず、最近は健忘症なのでと自ら健忘長官を名のり、皆を失笑させ、丸山議員が直接反論できない記者会見で、いいかげんな人のいいかげんな発言については関与するつもりはないと言い放たれたのです。
 仙谷官房長官はまた、憲法遵守の義務に違反しているとしか思われない発言を繰り返ししておられます。
 中国漁船衝突問題の厳秘書類を予算委員会でマスコミに報道された際には、自らの危機管理の甘さを反省するどころか、盗撮だとして取材規制強化を振りかざし、報道の自由を侵害しようとしました。
 こんな官房長官がかつていたでしょうか。そもそも、民主党には自由がありません。民主党には自民党の出身者の方もおられますが、まさに自由民主党から自由を取ったのが民主党なのです。
 菅政権は、自らの政権に対する批判にも容赦がありません。入間基地航空祭で民間団体の会長が、領土問題がこじれたのは民主党の責任、自民党政権の方がまともだ、一日も早く菅政権をつぶして昔の自民党政権に戻しましょう、民主政権では国がもたないと発言されました。これの何が問題なんですか。本当のことじゃありませんか。現に、各種の最近の世論調査の結果がそのことを如実に物語っています。
 驚くべきことに防衛省は、今後、防衛省や自衛隊主催の行事や施設内での民間人の政治的発言を制限し検閲する通達を出し、官房長官はこれを認めたのです。こんな独裁政権は見たことがありません。これが言論封殺でなくて何でありましょうか。官房長官は、権力を守るためには何をしてもよい、批判する者の表現の自由など必要ないとお考えなのですか。
#97
○議長(西岡武夫君) 西田君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
#98
○西田昌司君(続) この通達は、憲法十九条に定める思想、信条の自由の精神に反するのではないですか。これでは、菅内閣は言論弾圧政権だと言わざるを得ません。暴言、恫喝、憲法無視、これが第三の問責事由です。
 この件には大きな疑惑があります。民主党の松崎哲久衆議院議員が、七月にやはり入間航空基地の納涼祭に出席した際、自分の車を呼び寄せろと現場の自衛官とトラブルになったというのです。
#99
○議長(西岡武夫君) 西田君、西田君、簡単に願います。
#100
○西田昌司君(続) そのとき、片側通行の道路の逆走になるため、自衛官が駐車場まで歩くように求めると、おれをだれだと思っているのか、おまえでは話にならないと恫喝したのです。このときのことを恨みに思っていた松崎議員が政務三役に働きかけ、この通達につながったと言われています。あくまで報道でありますが、恫喝を得意とする菅政権にふさわしい話ではありませんか。
 第四に、国会の同意人事に対する怠慢についてです。
 民主党政権は、十月半ばになってやっと五機関十一名について提示しました。これらはすべて任期満了か既に辞任した空席を補充するための人事です。
#101
○議長(西岡武夫君) 西田君、まとめてください。
#102
○西田昌司君(続) これだけ長く放置するとは、国会軽視、政府の怠慢以外の何物でもありません。国会同意人事を担当する官房長官の責任は重大です。
 第五に、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃事件における管理能力欠如であります。
 こうした問題始め、仙谷長官のその傲岸不遜な発言、失策の数々には与野党問わず批判が集中しております。一刻も早く官房長官が職を辞することが日本の国益になることを確信をいたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#103
○議長(西岡武夫君) 水野賢一君。
   〔水野賢一君登壇、拍手〕
#104
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 みんなの党を代表して、我が党などが提出をした仙谷官房長官問責決議案への賛成討論をいたします。
 仙谷由人官房長官は、官房長官という内閣のかなめの地位にありながら、就任以来、閣内における自分の権力をほしいままにして、内閣総理大臣を適切に補佐するどころか、外交における日本国の立場を危うくし、国家の危機管理を怠り、しかも政治家が負うべき責任を行政各部に転嫁をしてきました。その上、主権者である国民への説明責任を果たさず、また、国権の最高機関である国会の権威を無視し、度々にわたって国会議員、行政職職員並びに報道機関に対して威圧的、恫喝的言動を繰り返し、不都合な情報は隠ぺい、不都合な言論は封殺という民主主義の根幹に反する国家経営を公然と続けています。まさに、官房長官として果たすべき職責を果たさず、国家の危機と威信失墜の最大の要因となっています。
 このように国務大臣としての能力も責任感も品性もすべてが欠けている人物が、もはや一日たりとも官房長官の地位に居座ることは、国家と国民の利益を損なうものであります。
 個別の問題についても触れます。
 尖閣諸島沖中国船衝突事件では、政府の対応を実質的に主導した官房長官は、衝突事件発生から体当たり船長の釈放まで、関係省庁から刻々報告を受けていたにもかかわらず処理方針が一貫せず、無定見で場当たり的な事件処理を招きました。
 弱腰の対応に対して沸き上がる国内外の批判に対しては、官房長官は開き直り、柳腰外交などと称して逆にこれを正当化しました。また、体当たり船長を釈放するという那覇地検の決定を了とするという自身の発言を追及されると、今度は、終了の了ではなくごんべんに京都の京と書く諒だとの意味不明の答弁をするなど、ごまかし、はぐらかしも看過できません。
 国家の危機管理、安全保障に対して内閣は最終的な責任があるにもかかわらず、自らの責任を認めずに、事件を処理した海上保安庁や検察庁に責任を転嫁しています。我が国の立場の正当性を内外に明らかにできる衝突の際のビデオ映像の公表もかたくなに拒み、また、国会の一致した提出要請に対しても、へ理屈を並べて抵抗し、国政調査権の行使に不当な制約を加えてもいます。その一方で、ビデオ流出事案に対しては、捜査機関の判断に予断を与えかねない発言を繰り返しています。
 このような仙谷官房長官は、国政を預かる者としての説明責任に対する自覚が欠如し、知らしむべからずの前近代的な政治思想をまき散らしていると言わざるを得ません。
 国務大臣としての自覚と品性に欠ける言動に対しては、両院において度々注意を受け、自ら発言の撤回と謝罪を行いながら、今日に至るまで反省の情はいささかもうかがわれません。例えば、国家と国民のために危険を顧みず、日夜国防の任に当たる我が国自衛隊を暴力装置と呼ぶ、この暴言を吐いたことを始め、国会における報道機関の正当な活動を盗撮呼ばわりし、国会の求めで予算委員会に出席をした政府参考人に対して、威圧的、恫喝的発言を吐き、同僚国会議員の質問に対しても、その人格を傷つける言葉を発するなど、すべてを列挙することがはばかられるほど枚挙にいとまがありません。
 さらに、中国船体当たり事件で渦中にある検察を所掌する法務大臣を官房長官が兼務することは、官房長官に対する追及をはぐらかし、臭い物にふたをする失当な人事と断じざるを得ません。
 このまま仙谷由人君をして官房長官の任に当たらせるならば、正常な国政運営を期待することは困難であります。
 ならず者国家ともいうべき北朝鮮の韓国砲撃により緊張が高まる中、このような官房長官が危機管理に当たることは日本の国益を害すると言わざるを得ません。
 だからこそ、私たちみんなの党は、先日、単独で仙谷官房長官問責決議案を提出しました。一方、自民党の態度は、こうした仙谷官房長官に対して一見厳しく対峙しているような言辞を繰り返していますが、実際の行動を見ると、補正予算成立まで問責決議案を提出しないなど腰砕けそのものです。しかし、問責すべきだという点は共通するので、今回共同で問責決議案を提出するに至りました。
 以上、決議案に賛成する理由を申し上げながら、野党第一党自民党の覚悟のなさに幻滅感を抱いていること、それだけに私たちみんなの党がしっかりしなければならないというその決意を固めていることを申し添えながら、討論を終了をいたします。(拍手)
#105
○議長(西岡武夫君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#106
○議長(西岡武夫君) これより採決をいたします。
 愛知治郎君外八十二名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#107
○議長(西岡武夫君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#108
○議長(西岡武夫君) これより開票いたします。投票を参事に計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#109
○議長(西岡武夫君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十八票  
  白色票          百二十七票  
  青色票           百十一票  
 よって、本決議案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#110
○議長(西岡武夫君) この際、お諮りいたします。
 牧野たかお君外七名発議に係る国土交通大臣馬淵澄夫君問責決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○議長(西岡武夫君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。牧野たかお君。
    ─────────────
   〔議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔牧野たかお君登壇、拍手〕
#112
○牧野たかお君 私は、自由民主党を代表して、国土交通大臣馬淵澄夫君に対する問責決議の趣旨を説明いたします。
 去る九月、尖閣諸島沖で領海を侵犯した中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりをした事件をめぐり、馬淵国土交通大臣の事件処理に関する対応は多くの国民に不安を与えました。
 この事件のビデオについて、私たちは、中国漁船の領海侵犯と違法行為を明らかにさせ、いかに不当な事件だったかを国民や諸外国に伝えるため、全面公開を要求してまいりました。しかしながら、政府は、船長の釈放など一連の弱腰外交を隠しおおすため、刑事訴訟法四十七条の規定をもって全面公開の要求を拒否してきました。
 しかし、ようやく今週、事実上、公開を認めました。これは、このやり取りの途中、一人の海上保安官がこの事件の映像をインターネット上に流出させ、多くの国民が事件の概要を目の当たりにしたことから隠し通すことができなかったからであります。まさに政府の大失態であります。このビデオ映像は公開すべきものでありますが、海上保安庁の情報管理は余りにもずさんで、その監督者の馬淵大臣の責任は免れません。
 事件の映像は、政府が裁判前の証拠物件の取扱いには慎重でなければならないとして公開を拒否する国会答弁をする一方で、長い期間、広島県の海上保安大学校のパソコンに保管され、海上保安官ならだれでもアクセスができる状態でした。
 今回の映像の流出は、撮影をした海上保安庁から出たものであり、同庁の情報管理体制の不備は明らかであります。馬淵大臣は、先月十八日、情報の厳重管理を指示したと述べておられますが、現場では全くそれが行き届いていなかったわけであります。また、映像流出を行った海上保安官がそのことを上司に告白したとの情報を海上保安庁長官から受けながら、委員会ではその時刻について虚偽の答弁をしております。
 また、映像を流出させた海上保安官の行為は公務員として許されない面はありますが、常に身を挺して海上警備を担当する保安官が情報流出を行ったのは、彼らの上に立つ国土交通大臣の事件に対する誠意のない対応に憤りを感じて、抗議の姿勢を示したものと受け取れます。情報管理のずさんな監督責任はもちろんのこと、現場の職員に流出行為をさせるまでに至らせた馬淵大臣の責任は極めて大きいものであります。
 一方、八ツ場ダムについては、一貫した政策を進めることなく今日まで迷走を続けた挙げ句、建設するのかしないのかはっきりさせない発言を行い、関係者に混乱を与えている責任は重いのであります。
 馬淵大臣は、今月六日、八ツ場ダムの建設現場を視察して、今後、中止の方向性には一切言及しない、予断を持たずに検証すると発言しました。これは、これまでの建設中止の方針を棚上げするものであります。それでは、ダムの建設に理解を示し、工事に協力して先祖伝来の土地から離れざるを得なかった現地の住民の皆さんに、前原前大臣の中止宣言から続いているこの一年余りの迷走を何と説明しますか。また、八ツ場ダムは関東地方に水道水や工業用水を供給する役割を持っていることから、工事費の一部を負担してきた関東六都県にも納得いく説明をすべきであります。
 馬淵大臣の検証発言は、民主党マニフェストの強引な建設中止の事実上の撤回であります。すなわち、政権を担って一年余り、民主党の選挙公約にいかに無理があるのかようやく理解し、自らの非を認めた結果であります。
 しかし、問題は、公約の策定過程で、八ツ場ダムの必要性や現地の住民の皆さんの思いを徹底的に検証したのかということであります。中止宣言から一年余り、馬淵大臣はこの間、副大臣として前原大臣の補佐をしていながら、建設中止に何ら言及をしてきませんでした。地位が変わって簡単に政策転換をすることは住民無視の民主党の無責任体制による政治にほかならず、現地の住民の皆さんの生活や将来の人生設計を翻弄させた責任は極めて重大と言わざるを得ません。
 以上の点から、国土交通大臣としての重責を任せることができない馬淵澄夫君の問責決議に議員各位の御賛同をいただきますことを要請し、私の趣旨説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#113
○議長(西岡武夫君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
#114
○室井邦彦君 民主党・新緑風会の室井でございます。
 まず、会派を代表して、ただいま議題となりました国土交通大臣馬淵澄夫君問責決議案に対して、断固反対の立場から討論をさせていただきます。
 野党側は、尖閣諸島沖漁船衝突事件の映像流出に関して、この映像は中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕、送検しながら沖縄地方検察庁が処分保留のまま釈放されたことの真相を知る上で極めて重要な資料である、それにかかわらず、一海上保安官によってインターネット上に流された、世界中の人が見ることになったことに対して監督責任を有する馬淵大臣は大きな責任を免れ得ないと主張しています。
 しかし、この映像流出事案については、捜査当局による事実関係の解明が急務であり、現在捜査に全面的に協力しながら事実の究明を行っている馬淵大臣の政治的責任を取り上げ、追及することは、百害あって一益なしと言わざるを得ません。馬淵大臣の最大の責務とは、御自身も言われているとおり、二度とこうしたことが起きないよう再発防止策を講じることではないでしょうか。
 また、馬淵大臣は、国土交通省の副大臣に就任し、大臣に昇格してからこれまで、国土の根幹としての社会資本整備、国民生活の根幹としての住宅、地域交通などの確保、地域経済を支える産業の根幹としての成長戦略の実現などに粉骨砕身取り組んでまいりました。余人をもって代え難いというのはまさにこのことであります。
 沖縄及び北方対策担当の内閣府特命大臣としての仕事にもますます力を入れていただきたい大切な時期であります。したがって、先ほどの決議案の提出者が述べた提案理由は全くの的外れ、まさしく党利党略によって提出された決議案としか言いようのないことはだれの目にも明らかであります。誠に理不尽極まりないものであります。
 そもそも、馬淵君の人格が清廉にして高潔であることは衆目の一致するところであります。我が党が野党時代、耐震強度偽装問題で問題の解明に鋭く迫り、今も強い正義感を持って事に挑み、誠心誠意職務を全うしようとしている馬淵大臣に対して問責決議案を提出するという暴挙に強く抗議し、こぞって反対されることを求めて、反対討論といたします。(拍手)
#115
○議長(西岡武夫君) 本日はこれにて延会することとし、次会は明二十七日午前零時十分より開会いたします。
 これにて延会いたします。
   午後十一時二十七分延会
ソース: 国立国会図書館
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