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2010/08/05 第175回国会 参議院 参議院会議録情報 第175回国会 予算委員会 第2号
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2010/08/05 第175回国会 参議院

参議院会議録情報 第175回国会 予算委員会 第2号

#1
第175回国会 予算委員会 第2号
平成二十二年八月五日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     松下 新平君     橋本 聖子君
     石川 博崇君     山本 博司君
     長沢 広明君     山本 香苗君
     小野 次郎君     水野 賢一君
     桜内 文城君     川田 龍平君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 八月五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     米長 晴信君
     草川 昭三君     山口那津男君
     山本 香苗君     松 あきら君
     山本 博司君     石川 博崇君
     川田 龍平君     桜内 文城君
     水野 賢一君     小野 次郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         平野 達男君
    理 事
                大島九州男君
                辻  泰弘君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                川口 順子君
                世耕 弘成君
                西田 昌司君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                尾立 源幸君
                大野 元裕君
                小西 洋之君
                小林 正夫君
                小見山幸治君
                今野  東君
                斎藤 嘉隆君
                櫻井  充君
                芝  博一君
                谷岡 郁子君
                友近 聡朗君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                青木 一彦君
                赤石 清美君
                石井 浩郎君
                磯崎 仁彦君
                猪口 邦子君
                岩井 茂樹君
                小泉 昭男君
                佐藤 正久君
                二之湯 智君
                林  芳正君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                石川 博崇君
                草川 昭三君
                松 あきら君
                山口那津男君
                山本 香苗君
                山本 博司君
                川田 龍平君
                桜内 文城君
                水野 賢一君
                井上 哲士君
                片山虎之助君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       法務大臣     千葉 景子君
       外務大臣     岡田 克也君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    川端 達夫君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       農林水産大臣   山田 正彦君
       経済産業大臣   直嶋 正行君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
       環境大臣     小沢 鋭仁君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 仙谷 由人君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        中井  洽君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       経済財政政策)
       )        荒井  聰君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、少子
       化対策、男女共
       同参画))    玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   平岡 秀夫君
       外務副大臣    藤村  修君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       農林水産副大臣  郡司  彰君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  吉良 州司君
       外務大臣政務官  徳永 久志君
       財務大臣政務官  大串 博志君
       財務大臣政務官  古本伸一郎君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     平山 佳伸君
       資源エネルギー
       庁長官      石田  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○予算の執行状況に関する調査
○理事補欠選任の件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(平野達男君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。
 関連質疑を許します。辻泰弘君。
#3
○辻泰弘君 皆様、おはようございます。民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。昨日の櫻井議員の質疑に関連いたしまして、質問をさせていただきます。
 言うまでもございませんけれども、内政、外交の諸課題、山積しているところでございますけれども、総理もおっしゃっておられますけれども、だれがやっても難しい問題ばかりと、このように思います。また、新たに民主党として公約をした実現すべき公約もまたあるわけでございまして、総理以下、各閣僚の皆さん方におかれましては本当に御努力、御奮闘いただいておりますことを、心から敬意を表し、エールを送る思いで御質問をさせていただきたいと、このように思う次第でございます。
 昨日までの国会審議におきまして、菅総理のことについて、野党のころは好きだったというふうな話もございましたけれども、今日は野党時代に戻っていただいて、奥様の名前にちなんで、伸子さんという名前にちなんだように伸び伸びと御答弁を賜ればと、このように思う次第でございます。
 さて、それでは、冒頭、今後の政策運営、国会対応等につきまして御所見を賜りたいと思います。
 さきの参議院選挙で私ども民主党、残念ながら敗北を喫したわけでございますけれども、その中でねじれ国会と言われる状況ができたわけでございます。これにつきまして総理は、ねじれ国会をマイナスととらえずに与野党合意の政策実行が可能になると前向きに受け止めたいと、このような御意向も示されているわけですが、今後のいわゆるねじれ国会における政策運営について御見解をまず賜りたいと思います。
#4
○内閣総理大臣(菅直人君) 冒頭、伸び伸びと発言をしろということでありまして、元気で御質問に答えてまいりたいと思っております。
 今回の参議院選挙で、民主党、大変厳しい結果になったこと、特に民主党の皆さんには、私の発言もあってそうなったことについては両院総会でもおわびを申し上げたところであります。そして生まれたこの参議院における与野党逆転、いわゆるねじれ国会ということになりました。これまでにも何度かねじれ国会というものを、立場はそれぞれ違う中で経験をいたしております。
 私は、ねじれ国会というのは、マイナスばかり強調されるところがありますけれども、逆説的に言えば、与野党が合意をしなければ法案が通らない、逆に言えば与野党が合意したものが国会で決まっていくということで、それまで、たとえ与党が多少多数であってもなかなか越えていけないような大きな課題を与野党合意の中で越えていくことができるという意味では、そうした大きな可能性も持っていると思っております。
 私の経験で一つだけ申し上げますと、一九九八年、小渕内閣が誕生したときに、当時の民主党を中心とした野党が参議院で過半数を占めました。そして、ちょうど長銀、日債銀が破綻寸前という金融危機の真っただ中にありました。そのとき、民主党を中心に野党で一時国有化という内容を含んだ金融再生法を提出をいたしまして、最終的には小渕総理、時の自民党がそれを全面的に受け入れられ、法案が成立をして、日本発の金融恐慌が防ぐことができた、こういう経緯がありました。
 当時、私、民主党の代表で、いろんな議論があった中で、特に金融危機という大変緊迫した状況でもありまして、まさに国民の生活が第一だと、政局的な判断、全くなかったわけではありませんが、それよりも国民生活を大事にしたいということで、そうした形の国会での運営について進めたところであります。
 そういった意味で、今日置かれている今の我が国の状況は金融危機といった形とは若干違いますけれども、ある意味ではそれに勝るとも劣らない大きな課題を幾つも抱えているところであります。
 そういった意味で、この参議院、衆議院での与野党の議論あるいは野党の皆さんの議論が、国民の生活、国民のためにという共通の目標を持っていれば私は合意形成は決してできないことではない。もちろん、与党として、政府として真摯に野党の皆さんの声にも耳を傾けるという姿勢を前提としてそのように思っておりまして、是非これからの国会運営の中でそうした実りある国会になっていくことを私の方からも心からお願いを申し上げたい、このように思っております。
#5
○辻泰弘君 それで、今後、来年度予算編成というのがやはり大きな政策課題になってくるわけでございますけれども、これにつきまして、総理はさきに、場合によっては野党の意見も入れて実現したいと、こういった御意向の表明もあったわけですが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
#6
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的には、予算案というのは政府の責任でそれを予算案としてまとめることになっているわけでありますが、そういう中で、国会の議論で、この三日間の議論の中でもこういうことについては特に重視すべきだという御意見などをいただいております。そういったものを真摯に受け止めさせていただいて、予算編成の中には、野党の皆さんのそういった国会などでの意見も十分耳を傾けながら予算編成の一つの参考にさせていただきたい、そういう趣旨で申し上げたところであります。
#7
○辻泰弘君 玄葉大臣は党の政調会長と公務員制度改革担当大臣の任にあられるわけですけれども、玄葉大臣は、来年度予算についてベストだと思ったものを提案するが、修正の可能性を排除してはいけないと発言をされておりました。
 総理として、今の話の延長になるわけですけれども、先のことではありますけれども、ある面、予算修正も排除せずと、こういったお気持ちはおありでしょうか。
#8
○内閣総理大臣(菅直人君) 予算そのものは衆議院での決定が参議院で否決されたとしても優先される仕組みにはなっておりますけれども、関連する法案については衆参で賛同をいただかなければ成立がしないわけでありまして、そういう意味で、予算を執行することを考えた上でも、やはり重要な課題においては与野党の少なくとも多数の方の賛同がなければ予算執行も困難になることが予想されますので、そういった意味で、玄葉大臣の言われたのは、そういうことも見通した中では、予算そのものを、作る段階でもいろいろ耳を傾けたいと思っておりますが、その質疑の中で柔軟に対応しようという御意見だと思います。
 今の段階から、まだ予算が編成される前から修正ということを私の立場で申し上げるのはまだややその段階ではないかと思いますが、そういう姿勢で臨むということは私も共通であります。
#9
○辻泰弘君 お気持ちを受け止めさせていただきたいと思います。
 それで、もう一つ、当面の対応として追加的な景気対策、補正予算を求める提案などもあるわけですけれども、この点をどのように総理はお考えか、また、そのことについて野党の意見も聞きながら作っていくという、そういったことは視野に入っているか、そこをお伺いしたいと思います。
#10
○内閣総理大臣(菅直人君) 景気全般の状況は、一般的に言えば着実に持ち直してきているという見方が一般的でありますが、しかし失業率はまだまだ高水準にある、あるいは諸外国の状況も決して楽観できない、そういうふうに見ております。そういった意味で、何らかの対応の必要があるかどうか、景気に、常にその動向を注目しながら見ていかなければならない。この今年度の予算には、経済・景気対策のための予備費も大きく積んでありますので、そういうことも含めてそうした場合に備えた措置もとられておりますので、この景気の動向を常に注視して対応に誤りなきようしていきたいと、こう考えております。
#11
○辻泰弘君 そこで、基本的なことをお伺いしたいと思うんですけれども、何々主義というのはなかなかはやらなくなった時世でもございますけれども、しかし、やはり私は政治には政策理念、哲学あるいは座標軸といいますか、確たる視座といいますか、そういったものが根本にやはりあるべきだと思っております。
 総理はかねがね最小不幸社会ということをおっしゃってきて、財務大臣のときに私はこの場でもお聞きしたことがございますけれども、改めて拝見しますと、平成十五年に、民主党代表の菅直人代表の時代に、政治権力は人の生死をも左右する強制力を伴うものだけに、その行使は人々の不幸の原因を最小化することを目的とすべきであると、こういったことをおっしゃっておられまして、私は非常に格調高いものがあると、このように思っているわけですけれども、昨日や先般の御議論でも、最小不幸という言葉自体が何か後ろ向きで否定的で暗いんじゃないかというふうな指摘もあったわけでございますけれども、しかし、私は大事なことをおっしゃっていると思っております。
 いずれにいたしましても、やはり今後の社会像といいますか、将来ビジョンといいますか、政策理念といいますか、そういった基本的な言葉に表されるものはあって私はしかるべきだと思っているんですけれども、改めて総理のその点についての御見解をお伺いしたいと思います。
#12
○内閣総理大臣(菅直人君) 私の従来から申し上げている最小不幸社会ということについてお触れをいただきました。
 いろいろな機会に申し上げているので、すべて同じ表現にはなっていないかもしれませんけれども、実は私がそのことを考えたのは、学生時代にいろいろ将来の理想を議論する、あるいはイデオロギーを議論するような場面がありました。そのときに、これこそが正しいんだと、こういう社会こそが人間の幸せなんだと、そういうことを強く主張される方もありましたけれども、往々にしてそのことが、後の歴史で見てみると決してそうではないこともあるわけであります。
 そういった意味で、私は、政治というのは、個人個人の幸福についてはそれぞれのある意味での価値観、例えば音楽を聴いているのが一番大好きだとか、山登りが一番大好きだとかいろいろな価値観がある中で、これがあなたの幸せですということを強制的に押し付けるのは本来の政治のあるべき姿ではないだろうと。逆に言えば、幸福実現のためにいろんなことを個人個人が努力をすることにその妨げになること、あるいはその本人の責任では越えられない問題、そういった問題、つまりは不幸になる要素を最小化することが私は政治の責任、政治の役割ではないか、そういう意味で申し上げたところであります。
 やや消極的に聞こえるかもしれませんが、私はそうではない。例えば、戦争という問題は多くの人を個人個人の立場を超えて不幸にする最大の出来事というか事柄でありますが、これも政治の力で止めていくことももちろんあるわけでありまして、そういった意味で私が考える一つの考え方であります。
 加えて申し上げますと、近年そういった中で個人個人が非常に孤立化している、家庭から地域から。場合によっては、かつては職場でも仲間意識が非常に強かったわけですが、孤立化していて、非常に痛ましい事件、いろんなことが起きております。そういう意味では、この孤立化というのもなかなか一人ではそれを解決することはできないわけでありまして、そうした意味で、鳩山前総理も重要視されておりましたけれども、だれもが居場所や出番がある、そういう社会を目指していきたい、このことも併せて申し上げておきたいと思います。
#13
○辻泰弘君 実は、この最小不幸社会につきましては当時から、さして話題にならずに終わったがこのままではもったいないと、このように言われておりまして、大事な部分をおっしゃっていただいていると思いますので、ネーミングのことはあるかもしれませんが、そのような思いを今後とも積極的に発信していただきたいと思っております。
 ちなみに、新成長戦略では「人間のための経済社会」という言葉を使っておるんですけど、私はそれが気に入っておりまして、「「人間のための経済社会」を世界に発信する。」というふうに新成長戦略で、いささか大仰ではありますけど言っておられまして、そういったことも大事だと思っております。
 そこで、具体的にお伺いいたしますけれども、重点政策課題は何かとかねてより議論がございますけれども、国民の要望ということでいいますと、いろいろ世論調査を見ますと、大体、景気、雇用が五〇%強、年金、医療、介護が五〇%近くと、こんなことも出ているわけでございますけれども、菅内閣における重点政策課題、もちろん予算編成というのはもちろんそういうことがあるわけですが、ジャンル、政策の分野という意味合いにおいて御見解をお伺いしたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、国民の生活が第一という昨年の政権交代のときのマニフェスト、さらに今回の参議院選挙で掲げました元気な日本を復活させる、この二つの基本的な方向性をいかにすれば実現ができるか、このことを政策課題として考えてまいりたいと思っております。
 その中で、選挙のときには強い経済、強い財政、強い社会保障と申し上げましたが、それを少し言い換えまして、経済成長改革、そして財政健全化改革、そして社会保障改革のこの三大改革を一体的に進めることが必要だと、このように思っております。
 その中で、具体的な政策手段としては、まず予算編成においてこの三つの課題が前進するような予算を作っていきたい。特にその中では、まず雇用の拡大というものを重視し、それによってデフレの脱却、さらには経済の成長、そういうものにつなげていく、こういうことに重点を一つ置きたいと考えております。
 また、社会保障の充実については、これはまた議論がほかの場面でもあるかもしれませんけれども、この十年余り社会保障に関する費用は増大をしているわけですけれども、残念ながらそれを賄えるだけの税収の増大がないために、いわゆる赤字国債がどんどんと出すことが恒常化してしまっております。そういう意味では、この社会保障の問題は財源と一体で議論をしていくことが必要であろうと思っております。
 そして、何よりもその前提となるのは無駄の削減であります。これは、まさに我が党にとっては一丁目一番地とも言える問題でありまして、これから事業仕分も特別会計を含んでより積極的にやっていかなければならないと思っております。
 そういった意味で、経済成長と財政健全化とこの社会保障改革というのをどのようないい循環にしていくことができるのか、これについてこういった予算委員会の場の議論も含めて進めていきたい。私は、やはり雇用というものをまず重視することがそれにつながるのではないかと、このような考え方を基本的に持っております。
#15
○辻泰弘君 今の総理の御答弁にも出ていたわけですけれども、私は、やはり大きく言えば福祉国家は今後とも推進していきたいという思いを持ちますけれども、社会保障の充実強化を考える、そして今の日本の財政を考える、こういったことを考えつつ、また、国際的な社会保障負担等々を考えますときに、やはり政治の場ではなかなか厳しいといいますか、つらいことでありますけれども、国民の皆さん方にいわゆる税・社会保障負担、一般的に言う国民負担をある程度引き上げていかざるを得ないということはやはりメッセージとして説明をし、御理解を求めていくということが大事だと思っております。個別に何税をどうするとか、社会保険料をどうするとかという個別のことは、もちろんそのこともあるわけですが、大きくそのことは大事だと思っています。
 そういった意味で、お持ちでしたら、国際的な比較もある程度付言していただきながら、やはりそのことについての総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、福祉国家というか、そういう言葉を使われましたけれども、私の表現で言えば、負担はある程度必要だけれども、だれもが安心できる活力ある社会を目指すのか、それとも、負担は小さいけれども、格差が大きくて多くの人にとって不安な社会を甘受するのか、私はそういう一つの区分けを私なりにしてみました。私としては、やはりある程度の負担は必要だけれども、だれもが安心でき活力のある社会、私もかつて福祉国家とか福祉社会という言葉を使ったこともありますけれども、こういう社会を目指すべきだと、このように思っております。
 その中で、国民負担という言葉、これは今税調の専門家会議の座長をお願いしている神野先生は、負担というよりも分かち合い、分担ではないかということをよく言われます。私も、この社会保障の場合は、もちろん無駄は削らなきゃいけませんけれども、負担と給付、それを分担と給付と言ってもいいと思いますが、その関係性がかなり直接的な関係にありまして、やはり国民が安心できる水準の社会保障を実現するためにはそれなりの分担を国民の皆さんに御理解をいただかなければならない。
 そのことの段取りなどが必ずしもさきの参議院選挙では十分でなかったという反省はありますけれども、しかし、その本質的なところは、そうした形で、特に社会保障の分野については、国民の御理解をいただく中で国民の皆さんが安心できる社会を構築していく、その考えには私もいささかも変わりはありません。
#17
○辻泰弘君 それで、マニフェストの推進、民主党の政策公約についてのことをお伺いしたいと思うんですけれども、去年のあるマスコミの調査によりますと、いわゆる民主党の掲げた公約、政策方針、マニフェストについてですが、必ず守るべきだ、九%、状況に応じて柔軟に実行すべきだ、五〇・六%、最大限努力すべきだが守れないものが出ても仕方がない、三八・八%という結果が出ておりました。
 私、これは私見になりますけれども、やはりこういった国民の意向も踏まえつつ、今後のマニフェストの推進に当たっては、その具体的政策に対する国民的な意向、また財政状況等も勘案してやっぱり進めていくべきだし、進めていくしかないと、このように私個人は思っておりますけれども、このことについて総理はいかがお考えでしょうか。
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年の衆議院選挙におけるマニフェストで多くの課題を掲げました。私は、やはり基本はこのマニフェストを誠実に実行していくことに最大限の努力を続けるべきだと、こう考えております。四年間という一応衆議院の任期の中での実現ということを考えてお約束をしたわけです。
 しかし同時に、確かにおっしゃるように、じゃ、すべてが一〇〇%実行ができるかどうかということについて、例えば、子ども手当の今年度から来年度に向けての議論も進んでおりまして、そういう中では、まだ結論は出ておりませんけれども、現金給付がいいのか、保育所の増設など現物給付がいいのかといったような問題を含めて、これは国民の皆さんの声も改めて聞きながら、どうしても変更せざるを得ないときには丁寧に国民の皆さんに御理解をいただけるよう説明をしていく、こういう姿勢で誠実に実現を目指していくという原則は守っていくべきだと、こう考えております。
#19
○辻泰弘君 もとよりマニフェストは大事でございますので、その実現の方向性で取り組むということだと私は思っております。
 さて、政権交代十一か月が経過したわけでございますけれども、これまで総理もおっしゃったように生活第一ということで方針を掲げて今日に至っているわけですが、この十一か月間の成果といいますか、それについて簡単で結構ですので総理からちょっと総括的にお話をいただきたいと思います。
#20
○内閣総理大臣(菅直人君) 多少具体的に申し上げますと、マニフェストの中では多くの課題を掲げておりますけれども、一つは、今年度の予算編成の中で公共事業関係の費用が一八%削減し、一方で社会保障関係は一〇%増、教育関係も五%増という、こういう予算を今年度編成をいたしました。こうした大きな財政配分、予算配分の転換ができたのは、私はやはり政権交代があったからだと言って決して間違いではないと思います。
 そういった中で、子ども手当については初年度月一万三千円というものを実施をし、また高校の実質無償化を既に実現をいたしております。さらに、少し細かいところでありますが、生活保護の母子加算の復活、あるいは父子家庭への児童扶養手当の支給、奨学金制度の拡充、医師不足の解消など、さらに保育サービスの拡充といった国民生活のためのきめ細かい政策も実施してまいりました。また、農業についても戸別的所得補償をスタートし、高速道路の無料化も実験的取組が開始をされております。
 何割とかという数字はなかなか難しいかもしれませんが、全体としては七割程度のことは取り組み、前進をしていると言っても決して私は言い過ぎではないと、このように思っております。
#21
○辻泰弘君 そこで、具体的に最近政府として講じられた対策、直面された諸問題についてお伺いしていきたいと思います。若干時間の関係で足早に行かせていただきたいと思いますけれども。
 まず、昨日も議論がございました口蹄疫の問題でございます。
 農水大臣にお伺いしたいと思いますけれども、まず今回の口蹄疫問題に対する国、地方のこれまでの取組について、それぞれの反省すべき点も含めて総括的に御所見をお伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(山田正彦君) 辻委員にお答えします。
 今回の口蹄疫は、昨日も少し話しましたが、三月の中旬にはもうウイルスが入ってきておって、農水省が報告を受けた四月二十日以前には十農場でもう発生しておった。そんな中で、非常にあれだけの感染拡大を見たのは、埋却地がなかった、いわゆる畜産形態が密飼いになってしまっておったということも大きな原因じゃなかったかと、そう思っております。
 そんな中で、七万頭からのいわゆるウイルスを発散する患畜、疑似患畜をそのまま放置してしまって、これまで前例にないワクチン接種という政治決断して封じ込め、国としても図った。そのために最終的に二十九万頭という牛豚を皆さんが殺処分せざるを得なかった重い結果になったわけですが、でも当時の勢いからしますと、都城、鹿児島、九州の畜産まで危うくなりそうでしたが、まさに農家の皆さんとか県とか市とか、あるいは機動隊あるいは警察、自衛隊、自衛隊の皆さん方が大変頑張ってくれて、全国から獣医師さんも毎日百人から百二十人集まっていただきまして、そうして本当に封じ込めることができた。皆さんも本当に一致結束してやれたと。本当に大変これで大きな犠牲を払ったけど大きにいろんなことを我々教訓として受けることができたと、そう思っているところです。
#23
○辻泰弘君 私、山田大臣が、五頭でしたか、最後に殺処分するというときに涙をこらえて記者会見をされていたのが本当に印象的で、本当に思いを込めて、熱意を込めて取り組んでおられたなというのを実感しておるわけでございますけれども、御努力に敬意を表する次第でございます。
 そして同時に、地域経済再建のための基金を創設する、また家畜伝染病予防法の改正をすべきだと、こういった御見解も示されているわけですけれども、その具体化について御見解をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(山田正彦君) 畜産農家の皆さん方には今、仮払い、概算払、進んでおるんですけれども、その周りの商店街の皆さん方が八割も売上げが減少したとか、非常な打撃というか、いろんなトラック業界とかいろんな関連産業が、観光産業も含めて打撃を受けています。
 今朝も、先ほど直嶋経済産業大臣ともお話ししたんですが、そういった人たちに対する経済産業省からも一種のファンドとかクーポン券をお盆前にやりたいというお話でしたが、そういったものを、今日総務省の原口大臣もいらっしゃいますが、官邸の菅総理の指示の下、一つの基金を創設してその運用益でそういったきめ細かい対策ができるように図っていければと思っております。
 もう一つ目のいわゆる家伝法の改正に伴う等々の件ですが、今回特措法を急遽作っていただきました。しかし、特措法でも最終的にはなかなか殺処分が代執行しなければできないとかいろんな問題も呈しましたので、やはりこれから本当に今度は家伝法を抜本的に改正して、そしてこのような口蹄疫、例えば韓国ではA型が一月に発生して三月にO型が発生する。もう中国も、東アジアは全部猛威振るっていますから、またいつどこで発生するか分からない。そのときに迎えて、国が責任を持って危機管理をやる。もう自治体じゃなく国が前面に出てやるという形での対応、指針、そういったものを、今第三者委員会の検証を待って、来年、通常国会にて家伝法の抜本改正に是非与野党一緒になって検討させていただき、国家的危機管理に備えたいと、そう考えているところです。
 どうかよろしくお願いいたします。
#25
○辻泰弘君 今大臣おっしゃいましたように、人と物の交流がますます活発化する中で、いつまた発生があってもおかしくないという状況でございますので、予防対策に万全を期すように改めてお願いをしておきたいと思います。
 次に、豪雨の問題について防災大臣にお伺いしたいと思っております。
 今年は非常にゲリラ的豪雨が頻発して被害が拡大したということがございました。このような状況の中で、中井大臣がこの三日、被災者生活再建支援制度について救済対象が二倍になる要件の緩和を発表されたわけでございます。大変大きな政策の前進ということで高く評価させていただきたいと思いますが、今回の支給要件の緩和について、その内容と実施時期等御説明をいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(中井洽君) 今回のいわゆる局地的ゲリラ豪雨で各地区でお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りし、また被害に遭われた方々や地域の皆さんに心からお見舞いを申し上げ、政府といたしましてもできる限りのお手伝いをしたいと考えているところでございます。岐阜県を視察をいただきました総理からも、官邸におきまして、できる限りお手伝いできる道を考えてくれと、こういう強い御要請がございました。
 しかし、各地に転々と被害が広がっている中で、例えば被災者生活再建支援制度を適用しようとしましても、広島県の庄原だけと、こういう状況でございます。したがいまして、少し工夫をいたしまして、災害救助法が適用されているところは庄原と、また山口県の山陽小野田市、小野田市は床上浸水が多かったものですから適用されました。これが、二つ以上の県があるということを条件に、全壊のお家が二つ以上あるところはお救いする、ただ人口制限は付けると、こういう形で話合いが政府内で終わりまして、この結果、従来の庄原だけじゃなしに、各地域の全壊、半壊のお家、少しお手伝いができる、激励ができると考えております。都道府県知事会等と早急に話合いをいたしまして、できる限り早く政令改正をして適用をしていきたい、そしてお家をなくされた方々に激励をしたい、このように考えております。
#27
○辻泰弘君 同時に、激甚災害の指定という課題があるわけでございますけれども、これにつきましては、農地等の被害は激甚災指定が見込まれているわけですけれども、河川、道路などの復旧事業については、要件が自治体の税収入との見合いで決められるということになっている関係上、なかなか指定されない、されにくいという現状があるということでございます。
 そういった意味で、今後、激甚災害の指定要件について見直しを行って、財政状況が厳しい自治体に対しての迅速な支援ができるようにしていくべきじゃないかと思うんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#28
○国務大臣(中井洽君) これも辻議員のお話のとおりだと私も考えています。
 今、被害額、被害状況等、各地方自治体から上がっている最中でございます。この数値を少し見させていただきますと、お話ありましたように、農地関係におきましては激甚指定というのが数字的には積み重なってくると考えておりますが、公共事業各方面の額が激甚指定の数字に達するか、あるいはまた税収入との関係等を見るとなかなか厳しい状況かなと心配をいたしております。
 地方自治体も大変財政厳しい環境と。また、今回のように、本当に局地的に全国被害が出るというのは珍しいケースではございますが、今後こういうケースも出てくる。そうすると、今の激甚指定のやり方では到底適用ができない法と現実との乖離がある、ここを現実的に適用ができるような改正をやるべきではないかと考えておりまして、先ほど申し上げました再建支援法の政令改定等の問題が片を付きましたら、挙げて取り組んでいきたいと考えております。
 民主党、与党におかれましても、また各党派、会派におかれましても、是非御協力のほどをお願いいたします。
#29
○辻泰弘君 超党派的な取組が必要な問題でございますので、今後とも大臣にもお取り組みをお願い申し上げますとともに、私どももお手伝いをさせていただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。
 さて次に、学校校舎の耐震化のことでお伺いしておきたいと思います。
 この問題は、一月、三月の予算委員会で私もお伺いをいたしまして、当時の財務大臣であられた総理にも御答弁をいただき、精いっぱい頑張りますという御答弁をいただいていた流れがあったわけですが、その後、総理、財務大臣、文科大臣も取り組んでいただきまして、経済危機対応・地域活性化予備費の取崩しといいますか、充当によって夏休みに間に合うような対応をしていただいたわけでございますけれども、この予備費充当の経緯について財務大臣から、簡潔で結構でございますので御説明をいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(野田佳彦君) 御答弁申し上げます。
 辻議員の熱心な委員会での御質疑、あるいは各党の御理解もございまして、公立学校施設の耐震化及び老朽化対策に要する経費につきまして、夏休みを利用して工事ができるよう経済危機対応・地域活性化予備費を活用し、本年六月十八日に八百十八億円を措置したところでございます。
#31
○辻泰弘君 そのことにつきましては、総理にも財務大臣にも文科大臣にも大変御尽力いただきましたことを改めてお礼を申し上げておきたいと思いますが、そのような御対応をいただきつつも、まだ耐震化が遅れているところもあろうかと思いますが、現時点での耐震化の状況と、この予備費を執行した後の耐震化の見通し、このことについて文科大臣から御説明をお願いします。
#32
○国務大臣(川端達夫君) この予算委員会での辻委員の御指摘、あるいは各党のそれぞれの代表者の皆さんからも、衆参の委員会等々でも耐震化に対しての御質疑がございました。
 そういう状況の中で、今財務大臣申しましたように手当てをいたしましたが、平成二十二年度当初予算のみならず経済危機対応・地域活性化予算枠を活用して、公立小中学校の耐震化に関しましては、地方公共団体が本年度に計画しているすべて、約四千三百棟について予算措置をいたしました。つきましては、今夏休み中でありますので、それもほとんど夏休みに可能な、授業に支障を与えるような工事は今やっているという状況で対応しております。
 このうち、今、経済危機対応・地域活性化予備費は八百十八億円ということで、小中学校分として約二千百棟分を充当しました。その結果、この予算がすべて執行された本年度を終わりますと、小中学校の耐震化率は約八一%となる見込みであります。
 来年度予算の概算要求、これからでございますけれども、いわゆる子供の時間のほとんどを過ごす学校での安全はもう基本中の基本でもありますし、同時に、安全、安心の確保という観点を含めましてしっかりと対応するように最大の努力をしてまいりたいと思っております。
#33
○辻泰弘君 そこで、今概算要求に向けてのお取組が進んでいるわけですけれども、元気な日本復活特別枠と、こういうのがあるわけですけれども、この特別枠には国民生活の安定、安全ということと経済成長の実現などに資する経費が対象とされると、こういうことになっているわけでございます。この学校の耐震化は、もちろん安全ということもありますけれども、同時に、そういった事業は疲弊した地域経済の活性化にも効果的であるという面も併せ持っていることも事実でございまして、そういった意味で、この特別枠にまさに当てはまるものではないかと私は考えるところでございます。
 そういった意味で、これからのことでありますけれども、来年度の概算要求における概算要求組替え基準、その中の元気な日本復活特別枠にこの文教施設整備の耐震化、老朽化対策事業、この予算の確保を位置付けるべきだと私は思いますけれども、文科大臣の今後の御決意をお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(川端達夫君) ありがとうございます。
 小中学校の耐震化の必要性はもうここで改めて申すまでもないというふうに思っております。同時に、先ほども申し上げ、今委員もお触れいただきましたけれども、概算要求基準の中でも、安全、安心の確保、それから教育水準の向上等々が元気な日本をつくる柱の一つであるというふうに認識しております。
 特別枠という整理と全体の一般の要求枠とありますが、どういう形にするかというのはそれぞれこれからの検討事項でございますけれども、間違いなく耐震化が更に進んでいって、一日も早く安全確保が向上するようにということをしっかりわきまえて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#35
○辻泰弘君 文科省のお取組を強くお願いを申し上げておきたいと思いますが、総理もこの耐震化については財務大臣のころから行きがかりがあるんでございますので、是非、最終決定者ということになっているようでございますけれども、このことについても思いを持って御対処いただくように改めて御要請を申し上げておきたいと思います。
 それで、次に新型インフルエンザのことでお伺いをしておきたいと思います。
 新型インフルエンザは昨年五月十六日に私の地元の神戸で初めての感染者が出たということがございまして、当時、私は民主党の兵庫県連代表をしておりまして、また総理は当時の民主党本部の新型インフルエンザ対策本部長というお立場にあって、あの折、御要請を申し上げたり、御報告をしたりしたことがあったわけでございますけれども。以来、発熱外来とかワクチン接種などの取組が全国的になされまして、もちろん被害はあったわけではございますけれども、結果としてそういった被害も最小化できたのではないかというふうに私は思っておりますけれども、この新型インフルエンザ対策に対して総括的に長妻厚生労働大臣から御所見をお伺いしたいと思います。
#36
○国務大臣(長妻昭君) まずは、この新型インフルエンザでございますけれども、まだその第二波が来ないという確証はございませんので、これは怠りなく今後とも対応しなければいけませんけれども、ピークは過ぎたというふうには認識をしております。
 この間、本当に国民の皆さん始め医療関係各位の大変な御支援、御協力に改めてこの場を借りて感謝を申し上げる次第であります。
 そして、いろいろその後の観点、論点がございまして、このワクチンについて、これが在庫となっているということも指摘をされておりまして、医療機関にあるワクチンの在庫が二百五十七万回分、約三十八億円が医療機関がお買いになったんですが、今余っているということで、これについて製造販売業者、販売会社、卸売販売業者それぞれ御理解をいただいて、これを買い戻していただくというような合意もできましたので、これについてもお知らせをしていきたいというふうに考えております。
 そして、次なる備えは、強毒性の鳥インフルエンザということについて、今後その兆候が出たときには、これは被害、死者、これは今回の弱毒性の新型インフルエンザに比べ物にならないぐらいの被害の可能性もございますので、この強毒性の鳥インフルエンザにつきましては万全の備えを今準備をしているところでございますので、今後とも御指導を賜ればと思います。
#37
○辻泰弘君 今、長妻厚労大臣からのお話にもあったわけですけれども、二百数十万回分のワクチンが医療機関の在庫として残っていると、こういう状況が現実にあるわけでございます。
 これについて、厚生労働委員会でも御質問をさせていただいたことがございますけれども、接種の実施主体が国である、そしてその委託を受けて医療機関が接種をしたものである限り、最終的に残った分はやはり買い上げるといいますか、買い戻すということを認めるべきだと、こういったことを申し上げて今御付言いただいたことにつながっているわけですけれども、そのことについての具体的な手法、手続、時期、総額、こういったことを、近々に行われるやに聞いているものですから、そのことを御説明をいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(長妻昭君) この医療機関に在庫となっている新型インフルエンザワクチンでありますが、これは今おっしゃっていただいたように、辻委員からも、これについての何とか医療機関の負担を減らすような努力ができないのかということで、その時点で御質問いただいたときは検討中とお答えいたしましたけれども、関係各業者といろいろお話をして、本当に有り難いことにその業者の御負担で買い取っていただくということで基本的な調整が付きました。そして、この調整の最終的な詳細がもう近々決まりますので、遅くとも九月末までには、具体的にどういうやり方でどういう形で買い取るのか、速やかに関係者にお示しをしていきたいというふうに考えております。
#39
○辻泰弘君 御対応いただいたことに心から感謝を申し上げ、今後とも御対応いただきますように、そして周知徹底を図っていただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。
 それでは次に、臓器移植法改正のことについてお伺いしておきたいと思います。
 これは、昨年、私が参議院の厚生労働委員長をさせていただいているときに参議院で審議をし、本会議に中間報告という形で報告をさせていただいて、その結果、共産党の方以外は党議拘束がない形で議決をしたということだったわけでございます。
 過般、朝日新聞に私は投稿をさせていただいたこともございますけれども、大事なポイントですので厚労大臣にちょっとお伺いしておきたいと思うんですが、改正臓器移植法は、臓器移植の場合に限り脳死は人の死とする、そして同時に、そのことの裏返しですけど、脳死は一律に人の死とするものではないということに尽きるわけですけれども、そのことについて改めて厚労大臣、御確認をさせていただきたいと思います。
#40
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいた点は、辻委員におかれましては新聞紙上などでもそういうことを周知をしていただいております。まあ医療機関等はそのことについては御存じだと思いますが、一般国民の皆様方に誤解がこれはあってはならないというふうに考えておりまして、再度申し上げますけれども、この改正臓器移植法が施行後も、基本的には施行前と同じように、脳死がこれは一律に人の死とするものではないということであります。
 脳死が人の死であるのは、臓器移植に関する場合だけそういう考え方を取らせていただくということで、一般の医療現場で一律に脳死を人の死とするものではないということを我々も繰り返し申し上げて、周知に努めていきたいと考えております。
#41
○辻泰弘君 そして、昨年の改正法は附則において、虐待を受けた児童が死亡した場合に当該児童から臓器が提供されることのないよう必要な措置を講ずるということを定めていたわけですが、このことについてどのように対応されたか、お伺いしたいと思います。
#42
○国務大臣(長妻昭君) これについても、今、昨今虐待の問題、本当に痛ましい事件が起こっておりまして、それについて我々も怠りなき対応を取っておりますけれども、今おっしゃっていただいた臓器移植に際しての虐待問題ということでございます。
 虐待を受けた児童から臓器が提供されることのないように必要な措置を講ずるということで改正法で規定をされておりまして、三つございますけれども、一つは、虐待防止委員会等を設置を病院の中にしていただく体制を整備をしていただくと。そして、そういう体制の下で虐待の疑いの有無をきちっと二重にも三重にも確認をしていただくと。そして三番目としては、虐待の疑いのある児童からは臓器の摘出は行わないと。こういうようなことで、詳細なガイドラインを定めて今周知を図っているところであります。
#43
○辻泰弘君 同時に、大事なポイントなんですけれども、脳死下における臓器移植が適正に行われていたかを調べる検証会議というのがあるわけですが、これが一年以上休眠状態で、二〇〇七年五月以降、検証が滞っているという状況がございます。早急に会議を再開し検証を継続すべきと考えますが、これについて厚労大臣、いかがお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(長妻昭君) これについても、臓器移植の事例に係る検証会議というのできちっと臓器移植が行われた案件一つ一つを、それが適正かどうかを検証するという会議でございますが、これが改正法案の作業等で開かれていなかったということで、これについて、九月上旬をめどに開いてその間の検証を行っていきたいというふうに思っております。
 そして、今後数が増えてくるということにかんがみまして、十五歳以上の提供事例と十五歳未満の提供事例についてその確認の手法を若干変えて、かなり多い方々の事例を速やかに検証できるような、そういう改善の体制も今考えているところであります。
#45
○辻泰弘君 そのことと関連することで、日本の乳幼児死亡率についてお伺いしていきたいと思うんですけれども、日本の場合、生後二十八日未満の新生児死亡率は世界で一番低い、第一位ということでございます。また、ゼロから十一か月の乳児死亡率は世界第三位の低さと、こういうことなんですが、しかるに、一歳から四歳の幼児死亡率は世界、OECDの中かもしれませんが、二十一位と、こういうことになっているわけでございます。
 そういった意味で、そこだけすごく悪いという状況があって、なぜかということがあるわけですが、これについての理由とこれに対する対策について、厚労大臣、御所見をお伺いしたいと思います。
#46
○国務大臣(長妻昭君) これについても、今御指摘いただきましたように、これだけ日本は医療が進んでいると言われておりますけれども、我が国は、一歳から四歳の幼児の死亡率はOECD三十か国で平均より死亡率が高いという事態となっております。
 これについてはやはり小児科の体制というのを、これまで医療崩壊というようなことも言われておりましたけれども、これを立て直さなきゃいけないということで、今年の四月一日、診療報酬を十年ぶりに上げるということをさせていただいて、特に小児科に、あるいは産婦人科もそうなんですが、特に小児科に着目をして診療報酬で手厚くそこにお金を付けていく、設備も更新していただくということを考えたわけであります。
 一つは、救急の入院料について小児加算ということでお子さんの救急外来を充実をさせるというのを新たに設け、あるいは重篤なお子さんの救急患者を二十四時間体制で受け入れる小児救命救急センターの運営費の財政支援、これについても強化をする。あるいは、小児集中治療室、PICUというんですが、私もこの前見に行ってまいりましたけれども、そういう治療室の財政支援も強化をしていくなどなど、私はこれから小児科についても、一定程度医療崩壊と言われる状態が止まって、更に我々改善措置を講じてこの死亡率を下げるべく取り組んでいきたいと考えております。
#47
○辻泰弘君 今後とも、救命救急医療の体制充実に向けて、また臓器移植の国民に対する理解、普及に向けてお力添えいただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。
 それに関連しますけれども、児童虐待防止法に関連して、最近、大阪市において母親が二人の幼児を自宅に放置したまま家に戻らず幼児が死亡に至った事件というのが発生をいたしました。これに関連する児童虐待防止法なんですけれども、これは平成二十年から法改正をされて、解錠、扉をつぶしてでも入るという意味ですけれども、解錠を可能とする新たな立入り制度が創設されておるわけですが、これについては、強制立入りが裁判所の許可を得るまで要件が厳しい、人手不足の中で実際には行使しづらいと、こういった指摘もあるわけですが、この児童虐待防止法についての法改正を含めた制度的見直しについて、厚生労働大臣、いかがお考えでしょうか。
#48
○国務大臣(長妻昭君) まず、先日の大阪の大変痛ましい事件を受けまして、八月の二日に事務方を招集をして自治体にお願いの通知を出しました。
 といいますのは、今おっしゃっていただいた平成二十年の四月から改正児童虐待防止法が施行されまして、強制的にある意味ではかぎを、合いかぎ等で開けて中に強制的に立ち入ると、これが一定の要件でできるようになりましたものの、平成二十年四月以降、強制立入りは三件しかないということで、この数自体いろいろ評価はあると思うんですが、やはり立ち入るべき案件がもっとあるんではないかということで、そのお願いを八月二日に全自治体にもう一回、その法律の趣旨を考えて立ち入るべきはそういう手続を進めていただきたい、すべての案件をもう一回見直していただきたいということを申し上げたわけであります。
 それと同時に、現状把握しなければいけないということで、確かに今おっしゃっていただきましたように、強制立入りの場合は裁判所の許可が要るということで、その親御さんの名前も分からなければならないということで、その手続が果たしてハードルが高過ぎるんではないかという声もいただいておりますが、ただ、その前の段階の取組自体、御近所にもよくお話を聞いていただいたり、あるいはお母様が働いている職場はどこなのか、それも、例えば大家さんあるいはその建物の所有者等によくよくお伺いするというようなそのステップ自体にもこれは抜けている点があるケースも多々あるというふうに考えておりますので、その事前の対応をきちっと確保する。
 そして、法的にその手続のハードルが高ければそれを改善をするということで今考えておりまして、今月、全国の児童相談所の所長さんを東京にお集まりいただいて、そしてその場で意見交換をして、具体的にどういう方策を取るのかという対策を、速やかに抜本対策を打ち出していきたいというふうに考えております。
#49
○辻泰弘君 是非その線でお進めいただきたいと思います。
 そしてもう一つ、少子高齢化社会における苦悩ということになろうかと思いますけれども、逆に高齢者の方々の問題で、今全国で百歳以上の高齢者の所在不明の方々が相次いでいるという問題があるわけですが、これについて厚生労働省としてはどのように対処していかれるか、お伺いしたいと思います。
#50
○国務大臣(長妻昭君) これについては、長寿社会、世界一の長寿国の日本だと、こういうふうに言われていながら、その実態、百歳以上の方が行方が分からないということは、大変これ行政の責任も大きいというふうに考えております。まずは、実態を把握をして対策を打っていこうということで、三つ今調査をしております。
 一つは、百十歳以上で年金を受給されておられる方が全国で百人以下の方でありますので、これについては、もう今から年金事務所の職員等がそこにお邪魔をして、そこに、住所におられなければどこにおられるのか、ずっと最後まで追跡調査をしていくと。全体像として何%ぐらいの方がどういう状態になっているのかというのを今月中にこれは発表をいたします。
 もう一点といたしましては、厚生労働省の補助金で百歳になった方々に記念品をお贈りする、そういう事業を今全国で実施をしております。九月が敬老の日でございますので、ちょうど九月に合わせて、全国の自治体の職員の方がそういう百歳の誕生を迎えた方に九月、それをお渡しをするということでありますが、今まで郵送でお渡ししていた自治体もあるやに聞いておりますので、これについては必ず御本人に確認をして、その記念品をお渡しをしてほしいということについてお願いをし、本日正式に通知を出す予定にしております。
 そして、三つ目といたしましては、これはサンプル調査をこれまでもしておりまして、現況届といって、年金を受給している方が本当に御存命なのかどうか、その方にはがきを出して、返信用のはがきでそれをお答えをいただくということをしておりますけれども、それが本当にそうなのかということで、サンプル調査、八百人の方を抽出をいたしまして、全戸の戸別訪問を日本年金機構の職員がもう終了いたしました。そして、何%ぐらいが御存命でないのに年金を受給されておられるのかということについては、これは八月のお盆明けぐらいにはそのサンプル調査の結果も出ますので、この三つの調査というか、現状把握の手法で今後行政の抜本対策を検討していきたいと考えております。
#51
○辻泰弘君 総理、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今の児童虐待のことと百歳以上の方々の所在不明ということがございました。これは家族のきずな、地域のきずな、人のきずなというか、そういったものが今の社会の中で崩壊しているといいますか、そういった状況になっている結果でもあろうかと思うんですが、このことについて総理はどのようにお考えでしょうか、見ておられるか、御所見をお伺いしたいと思います。
#52
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほどの答弁の中でも申し上げましたように、今、人々の孤立化というのがいろんな形で進んでいて、特に高齢者の方の場合は家族との関係が当然ある方が普通なわけでありますが、そういう、今どこにおられるか分からない、また子供といえば普通は親が自分の場合によっては命に代えても守るという、本来そういうものだという認識もあったわけですけれども、そういうものも大変崩れていると。
 それは個々の関係者のこともあると思いますが、社会全体が何かそういう人間の関係性をずたずたにする要素がやはり強かったんではないかと思っております。その原因を私が専門家的に分析することはできませんけれども、やはり貧困ということもありますけれども、単に貧困が原因というよりも、いろいろな人間と人間のつながりそのものが希薄になってしまっている。
 ちょっと、余り長い答弁もあれですが、私の母親は今八十八歳なんですが、おやじがもう亡くなって十年以上になりますが、米寿になったときに、おやじがかつて勤めていた会社の後輩というか、その人たちももう八十近いんですが、十人ほど集まってくださって、米寿をお祝いをいただきました。そういう、会社の中でもかつては一つの共同体のような感じで人間関係が、場合によったら親類と同じようにつながっていることもあったんですけれども、とにかくいろんなところがずたずたになってしまったのがこの十年、二十年の傾向ではないかと思います。
 そういった意味で、何とかそういうものの、人間のつながりをもう一回つなぎ合わせていくと。これは鳩山前総理が新しい公共という形でNPOの活動などいろいろな活動に力を入れておられましたけれども、そういうことも含めてやっていく必要がある。
 また、この間、強い人は、ある意味でお金がある人は自由がある、あるいはいろんな力がある人は自分のやりたいことができるけれども、逆に弱い立場の人がますます孤立化していくような、そういう制度的な問題もあるいはあろうかと思います。例えば派遣労働なども、職場の中ではなかなか友達ができにくいわけでありますから、そういった労働の在り方も含めてもう一度考え直す時期に来ているのではないかと、こんなふうに受け止めております。
#53
○辻泰弘君 では、時間の関係で次に進めさせていただきますけれども、新成長戦略について関連してお伺いしたいと思います。
 まず一つは医療のことで、いわゆる医療の産業化、医療ツーリズムと言われるような取組の一面もあるわけでございます。過般の六月の「「新成長戦略」について」という中にも、外国人医師等による国内診療を可能とするなどの規制緩和を行う、円滑な外国人患者の受入れを図る、海外プロモーションなどの受入れ推進体制を整備すると、こういったこともあるわけですけれども、こういった、医療の産業化という言い方がいいのかどうか分かりません、医療ツーリズムというのは厚生労働省としては使わないということが答弁でもございますけれども、いずれにいたしましても医療の周辺の産業化というものは私はあるだろうし、医療にかかわる雇用の増大というものはある、そのことは十分理解するんですが、医療の中身自体に競争原理を導入したり経済産業の一つの分野と位置付けるのは少し私は違うんじゃないかと、このように思っております。
 そこで、厚労大臣と経産大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、今でも大変な状況の中で、やはり国内医療の余裕があくまでも前提でなければならないと、このように思うことが一つ。それから、医療の分野に利潤追求の論理や風潮を持ち込んではならないと、このことが一つ。そしてもう一つは、医の倫理にもとることがあってはならないと、こういうふうに私は思っております。こういったことを踏まえつつ、医療の関連する周辺部分の産業化的なものはあり得ると思うんですが、そのことについて厚労大臣、経産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(長妻昭君) まず、今御指摘いただいた点は、成長戦略の中にも我々も合意をして盛り込んでいただいたものでございます。
 例えば、海外の富裕層の方が日本に来られて、日本は世界一の長寿国でありますんで、日本の医療のブランド力というのは世界に冠たるものがございます。その意味で、日本に来られて健診を、最高水準の健康診断を受けられる、あるいは海外では非常にまだレベルの低い、日本ではレベルの高い治療を受ける、こういうようなニーズがあると思います。そのときに、やはり国内のメリットといたしましては、病院でも赤字の病院があるとすれば、そういうところに富裕層の方が来られて、それはもう全額自己負担でありますので、全額自分でお金を払っていただくわけでありますので、そういう意味では、その収入に基づいて設備投資をしていただく、医療の質を上げていただく、こういうようなことは考えられます。
 ただ、辻委員が言われましたように注意しなければいけないのは、もちろん言うまでもありませんが、日本国民の医療がそれで横に置かれるようなことがあってはこれは絶対ならないわけでありますので、一定の余裕の中でそういうような対応をしていただくということで、余りにもその富裕層の方が日本にかなり来て、日本の医療、日本人、日本国民に対する医療が非常におろそかになるような事態になれば一定の歯止めをするということは当然であるというふうに考えております。
#55
○国務大臣(直嶋正行君) 今、厚生労働大臣の方から医療制度との関係をお答えいただきましたが、基本的にその立場は変わっておりません。医療・介護関連サービスは高い成長と雇用の創出が見込まれている分野でございまして、我々としても、同分野における産業の育成は国民皆保険に代表される日本の医療制度を維持、充実させるものとなるということを前提に行うべきものというふうに認識をしております。
 こういう視点に立って、従来から医療の進歩を支える医療機器、あるいは医療分野における研究開発支援や開発環境の整備等を行ってまいっておりますが、今お話に出ました国際医療交流の推進にも今後取り組んでまいりたいというふうに思っています。
 そして、国際医療交流により外国の方が日本の高度な医療を受けやすくなる環境を整備することは、併せまして医療技術の進歩に不可欠な資本や技術の蓄積を可能にし、日本の医療発展の基盤の強化に資することになるというふうに思っておりまして、私、時々例を挙げて言うんですが、例えば千葉県、ここを例に挙げて言いますと、医療分野というのは本当に雇用の吸収力の広いところでして、千葉には世界で有名な鉄鋼会社始めあまたの企業がございます。一流企業がございますが、今、千葉県で一番雇用をたくさんされているところはそういった有名会社ではなくて、千葉の南の方にあります亀田病院という病院でありまして、ここ数年すごく雇用者数を拡大されています。
 したがって、辻委員が御指摘あったように、日本の医療制度というのはきちっと維持をしながら新しい分野としてこういった分野を開拓していこうと、こういう考え方でございます。そのことが先ほど総理から答弁ありました雇用の拡大にもつながってくると、このように思っております。
#56
○辻泰弘君 今の国際医療交流というのは医療ビザというのも発給するというようなことも考えられているわけですけれども、結果として、例えば生体間移植を国際的に進めるといいますか、家族といっても一夫多妻制の国もあるわけでございまして、そういった意味で、生体間移植が本当にそういった意味で医の倫理にもとることなく、臓器売買的な側面を持たずに済むのかという懸念もなきにしもあらずでございまして、そういったことも含めて慎重に進めていただくように御要請を申し上げておきたいと思います。
 時間が参りましたので終わりますけれども、今後とも人間のための経済社会、そのことを目指して菅総理以下閣僚の皆様方御奮闘いただきますように心からエールを送らせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#57
○委員長(平野達男君) 関連質疑を許します。谷岡郁子君。
#58
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党・新緑風会の谷岡郁子でございます。
 今日は私は、高等教育がいかに強い経済をつくるための最も大事な基盤であり、また社会保障費を増やしながらできる典型的な例であるかということについて、論拠を挙げながら議論をしたいというふうに思っております。
 すべての人に家庭環境の差なく夢とチャンスがある社会というものを保障するという意味での社会保障、そして一方では、人的資源の価値の増加という意味での強い経済のための最大効果のある投資というふうに私は高等教育を考えているわけでございます。しかるに、現在これが崩壊の危機に立っていると、そのように思っております。とりわけ、今政府から挙げられております概算要求どおりにこの基盤的な整備の予算というようなものを削るようなことがありますと、日本の大学は崩壊してしまいかねない、そして、それは日本の知的基盤であると同時に経済成長基盤を大きく損なうものであると、その危機意識に立ちまして、今日は、なぜその予算が必要なのかという点について総理を中心に是非御議論をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 まず、最初のパネルを見ていただきたいと思うんです。(資料提示)今日御用意いたしましたこのパネル、高等教育への公的財政支出についてということで、皆様のお手元には資料として出してあります。
 これは、上から、左側を見ていただきますと、韓国、イギリス、アメリカ、フランス、そして日本という順序でカーブが流れているわけですけど、何を意味しているのかといいますと、高等教育機関への公的財政支出の変化の指数なんです。これは量ではありません。この間どのくらい成長してきたのか、どのくらい各国が高等教育への支出を上げてきたのかということを示しております。
 そして、この右側、同じように韓国、イギリス、アメリカ、フランス、日本の順で並んでおります。このカーブを見てみてください。韓国は、各国GDPの二〇〇〇年度からの変化で、一四七に二〇〇〇年から二〇〇六年までの間に推移をしている。これだけの経済成長をしている。約一・五倍の経済規模になったということであります。イギリスが一三七、アメリカが一三四、そしてフランスが一二六。ところが、日本は九九と。横ばい、また全然成長していないということなんですね。
 これは、その他の例えばオランダですとかドイツ、そういうヨーロッパの国々に範囲を広げましても、また過去二十年にさかのぼりましても、高等教育に対して国がしっかり支出をする、そしてその基盤をつくってきたところが実は経済は成長していて、そしてそれを怠ってきたところが経済が成長していないということがはっきりしております。
 一九九〇年、日本の競争力は一位でした。二〇一〇年、二十七位になっております。そして、一人当たりのGDPの世界ランキング、二〇〇〇年には三位でありました。二〇〇八年には二十三位になっております。これは、こればかりではないけれども、しかしながら、高等教育に対する支出というものを国家としてちゃんとやってこなかったということが今この状態を生んでいるのではないか。
 したがいまして、高等教育にやはり公共的な国家の財政というものをつぎ込んで、人材育成のための、そして科学基盤、知的基盤のための投資、経済成長戦略のための投資として行っていくことが重要ではないかと思うのですが、総理、いかが考えられますでしょうか。
#59
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、谷岡議員の方からこの表を見せていただいて、確かにGDPの伸びと高等教育への財政支出の伸びというのがそれぞれの国で非常に相関関係が高いというのか、少なくともこの表の中ではそういう結果が表れていることは改めて認識をいたしました。
 一般的に言って、やはり高等教育は、多くの国では国がというか、社会がその負担を分かち合っているわけですが、日本の場合はどうしても家庭というか、親がその相当部分を賄っていると。そうすると、せっかく優秀な子供であってもそういったものの制約で高い教育が受けられない、このことが日本のある意味での発展を阻害している、そういうことは十分に言えるかと思います。
 特に、日本の社会構造が変わってきている中で、必ずしもかつてのように年齢が上がれば給料が上がるという年功序列体系が崩れた中では、能力賃金というのは一方では必要なことだと思うんですけれども、しかし一方では、子供の年齢が高等教育の段階に従っても給料が上がらない人が一方で出るわけでありますので、そういった点では、社会構造全体の問題としても高等教育について、個人の負担、両親の負担ということから基本的に社会の負担に変えていくということも私は視野に入れなければならない。
 もちろん、このことには相当の財政的な問題もかかわりますので、やはり国民的にそういったものを、福祉の問題と共通ですが、やはり分担し合おう、負担し合おうという国民的な合意も併せて必要になるのではないかと、このように思っております。
#60
○谷岡郁子君 皆様にお配りしました資料は、後ろから六ページ目、七ページ目のところに、それでは各国がどのようにそういう問題に対して対応しているかということを少し資料をお付けいたしました。
 国公立の平均授業料と奨学金を受けている学生の割合というこの紙でございますけれども、授業料はアメリカやオーストラリアも結構高い。しかし、その分何らかの形での、例えば公益財団法人であったりするところ、そして国、またNGOであるところ、そういうところからの支援が大変大きくなっている。例えばその次のカリフォルニア大学のケースを見ていただきますと、親の年収によって、親の年収二百万の子には百四十九万円の奨学金が出る、親の年収八百万円の子には三十四万円しか出ない。そして、カリフォルニア大学の学生のコストというようなものが、奨学金が、二万ドル、四万ドル、六万ドル、八万ドルというようなところで、年収によって分けられているよというような形で大学からの給付もなされているというようなことで、だれにでもチャンスがある社会というものがつくられているわけですね。こういうことに対しては日本もやはりどんどん参考にしていく必要があると思います。
 次に、じゃ、その社会、だれもがチャンスを与えられる、意欲と能力のある子がしっかりとした教育を受けられる社会であるということ、そしてその子がひいては日本の経済力を担う原動力になり、税金をしっかり払って、老高齢者を支えてもらう、その構造をつくる。その一方で、既に、もしもこの高等教育、大学というものを産業として見た場合に、この産業というものは一体どのような経済的な効果をつくっているのかということを今お示しをしたいと思います。
 これは、今パネルとして作りましたのは私立大学を中心とした部分でございます。これ、日本地図がかいてございます。そして、北海道三千七百三十二億円、東北四千五百九十六億円とか、南関東に至っては東京を中心として七兆四千四百六十九億円、全体として十五・四兆円、経済効果が人的資本形成として出ているということが、これは私立大学関係者の調べで分かっております。
 その式の根拠になりますのは、大卒者の生涯賃金から高卒者の生涯賃金を引いて、そして毎年の大学卒業者というものを掛ける、そうすると大体大学の教育を受けたことによってどのくらいの言わば賃金を余分に取っているか。それはもちろんその賃金に合わせて税収を、国の税収にもなるわけですから、こういう経済効果という人的の蓄積というものを、人間というものは価値に置き換えられないにしましても、価値に置き換えた場合にあえてそうすればどうなるか。毎年十五・四兆円が出ているんですね。大学全体では二十一・五兆円、つまり約六兆円が国立大学からは出ていると。
 それに対しまして、国立大学に対する、じゃ、国立大学大したことないじゃないかと言われるかもしれませんが、国立大学、実は一・五兆円ほどのお金がすべて含めて今出されております。それでも四倍、毎年実は返ってきているということが申し上げたいのであります。そして、私立大学に至っては、十五・四兆円出てくるものに対して実は三千二百億円しか国は投資をしていないんです。そのうちの二千百億円が基盤経費でありまして、そして約千百億円が、これは特別補助というふうに言われるものなんですけれども、これほどわずかな国の投資によってこれほど大きなリターンが返ってきている。
 これ自身が大き過ぎるという問題もあるわけですし、またこのことについては後で討論をさせていただきますけれども、しかし、このようなリターンがあるもの、その装置を、この産業体を今概算要求によって国はつぶそうとしているのではないかという危惧があるということを申し上げたい。
 そして、こういう経済、これは総理にお聞きをしたいわけですけれども、強い社会保障をつくりながら強い経済をつくりたいんだと総理はいつもおっしゃっています。まさに、これは医療だとか厚生労働省がおやりになっているような福祉だとかそういう部分だけではなくて、実は教育という、自分自身に人間がだれしもなっていく、それを追求することができるという、人間の人権の最も大きな部分を保障するところであります社会保障というものを達成しながら、しかしそれ自身が大きな経済の、産業としての成長になっていく可能性があるということにおいて高等教育というのは私はとても大事なものではないかと思うんですが、この点について総理はいかがお考えになっておりますでしょうか。
#61
○内閣総理大臣(菅直人君) こういう形の分析というのは私も初めて拝見をしたわけですけれども、まさにアジアの国々の中でも、例えばシンガポールといったような国は非常に教育水準が高くて、国としては決して大きな国ではないけれども非常に高い生産性を持っている。そういう国々の例を見ていると、やはりその国の教育水準、日本もかつては世界の中で、特に初等中等教育を含めて非常に高い水準にあったと言われておりますが、高等教育においては必ずしも、かなり以前から十分ではないということが指摘をされてきたわけですが、こういう新しい経済構造にどんどん変化する中で、そういったことの立ち遅れが逆に日本の経済成長に少し影を落としている、そのように私も受け止めております。
#62
○谷岡郁子君 さて、今の大学、そしてその大学へ通う若者たちが今どのような状況に置かれているか、それを今皆様方に御理解をいただきたいと思いまして、少し私は総理に失礼ながら個人的な質問をさせていただきたいと思います。
 総理は昭和四十年に東京工業大学に御入学、国立大学ですけれども、なさったというふうに伺っておりますけれども、そのときに入学金を幾ら払われて、授業料を幾ら払われたか覚えておいでになりますでしょうか。
#63
○内閣総理大臣(菅直人君) そういう御質問をいただくということが少し聞こえてきましたので、思い出したり調べたりをいたしました。
 たしか入学金が千五百円でありまして、授業料は一年間で一万二千円であったと。受験料もたしか千五百円で済んで、私は余り親孝行はしていないんですが、一つしか学校を受けなかったものですから比較的入学時には親に大きな負担を掛けないで済んだのかなと、そんなことを思い出しておりました。
#64
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 パネルにしてまいりました。総理、昭和四十年度に入学されました。そのときの入学金が千五百円でございます。授業料一万二千円でございます。マルを差し上げたいと思います。
 平成二十二年度の今入学する学生たちが、じゃ、どうなっているか。二十八万二千円の入学金を払っております。これ、当時から考えますと百八十八倍になっているんです。そして、授業料は五十三万五千八百円、これ年間ですが、四十五倍になっております。そして、当時は総理は多分年金をお払いになっていなかったと思います。途中で、過去十数年にわたりまして二十歳になったら学生は年金を払うと。収入がないけれども、年金を払うと。そして、二年間は猶予されるけれども、二年間以上遅れたら延滞金のようなものまで付いてしまうと。今、学生たちはそのシビアな状況、つまり、ここは私はあえて無限倍と書かせていただいたわけですけれども、そういう形で払っている。そういう状況があるわけでございます。
 そして、じゃ、ちなみに、そのときからの物価だとか初任給だとかはどうなっているかということを御参考までに申し上げますと、白米十キロが千百二十五円でしたから、これは二・五倍から三倍ぐらいに今なっております。公務員の初任給は二万一千六百円。今、約十倍になっています。大体二十三歳から二十七歳の人が年収四十から七十万円の時代であったというふうに言われておりますので、これも七、八倍から十倍かなと。そして、週刊誌は一冊五十円でございました。大体、物価から考えると七、八倍であったものが、今、国立大学はこれほど高くなってしまっているんですね。
 総理、そしてもう一つ、ちょっと申し訳ないんですが、五年行かれましたよね、四年間ではなくて。いや、卒業の年度を見せていただいたら、七〇年度になっているんです。一年余分に実は行ってらっしゃるんですね。この一年、道草なのか余分なのかよく分からないんですが、総理はどういう背景、状況があって五年行かれたということでありましょうか。
#65
○内閣総理大臣(菅直人君) こういう場で申し上げていいのかどうか分かりませんが、せっかくの御質問ですから答えさせていただきますと、実は四年で卒業する予定でもうほとんど単位は取って、最後は卒業研究に取りかかろうとしておりました。当時、日本中の大学がいろんな意味で大学紛争でもめておりまして、ちょうど私が卒業する予定の年には東大のあの安田講堂の攻防戦がありました。
 私の大学は余り学生運動が盛んなところではなかったんですけれども、やはりその時代の背景で東工大においてもストライキが発生し、バリケード封鎖というようなことになりまして、私、もう卒業する予定だったので余り深入りはして元々はいなかったんですが、いろんな会合に顔を出している間に、自分で一年生のころからサークルをつくったりしていた関係もあって、つい発言をしたものですから、だんだん逃げ切れなくなって、しばらくしたら一年下の別のグループのリーダーから、あなたはまさかこれで四月になったら卒業するんじゃないだろうなと言われてはたと困ったんですけれども、結果的には卒業研究を出さないことで留年をいたしました。
 そんなことで五年間大学にいることになりましたけれども、考えてみますと、その最後の一年があったことがあるいは政治家という形に、まだその時点では全く考えてはいませんでしたけれども、そういう社会の大きな波の中でいろいろ経験したことが今日の私の政治活動のスタートだったのかなと、今思ってみるとそんなふうに思えております。
#66
○谷岡郁子君 まさに私が言っていただきたかったことを言っていただいて、本当にありがとうございます。
 大学時代というものは、単に授業に出てメモリーチップをどんどん増やすように、ただたくさんの知識を詰め込めばいいんではない。むしろ、人間として人生を生きていく、社会人として生きていくためのOSをそこで人間としてつくっている。人間の幅ができる。自分自身を発見し、自分の価値観というものを組み立てていき、そして社会というものに目覚め、場合によっては政治的な主権者としての在り方というものを考えて、それを培っていく。そういう経験というものと大学で学ぶ知識というものが相まって人間としての能力ある総体というものをつくっていくものだと私も考えます。
 そういう余裕が、じゃ今、十八歳、十九歳の将来の総理は、将来の菅直人は今どんな境遇にあるんだろうかということを私は今日ここでお考えをいただきたいと思ったわけです。
 私の教え子にも伊調千春というオリンピックで銀メダルを取った子がおりますが、この子は大学二年、東京へ行きました。でも、オリンピック種目に決まって、どうしてもオリンピックに出たいということで、私の大学に一年生から入り直しをしました。そこでダブり二年です。そして、大学三年生のときにアテネ・オリンピックで銀メダルを取りました。彼女にとって本当に悔しい事実であり、受け入れられなかった。もう一度おやりと言ったことに対して、私は御両親を説得して、彼女ももう一度再チャレンジをするんだということで、またそれから四年間レスリングに明け暮れました。
 銀メダルは結果として同じものが北京オリンピックで手に入りました。しかし、この四年間の彼女の道草、彼女の旅、これが人間として、頑張り屋ではあるけれども少し狭かった、そして不器用であった一人の若者を本当に大きな人間にした。銀メダルを受け入れられなかった子は、四年後に私に銀メダルを見せながら、見てください、学長、とってもきれいです、私はこの色が好きです、そう言ってくれるようになりました。
 そういうその人間の成長、若者の旅、この道草。効率的ではないかもしれない、あるいはそこからいえば道草や余分なことに見えるかもしれない、結果同じだったかもしれない。でも、私は、人間として彼女はそこで絶対的に変わっていて、そして今、青森できっとすばらしい高校教師をやってくれているというふうに信じます。
 今の若者たち、本当に困窮しております。皆様のところに付けました新聞記事を是非御覧いただきたいと思うんです。一日の平均、これは携帯代や光熱費、そういうものも入れて、食費も含めて千百二十円、これが今の大学生一人の平均です。仕送りは十年前の十万円から今七万円に減ってます。そして、仕送りがゼロの大学生たちが十人に一人であります。そして、親の給料は増えていませんから、どんどん過酷になっていて、かつて払わなくてもいい、その年金を払わされているという、そういうような状況があります。
 その中で、先ほど総理がおっしゃいましたように、あの時代だから五年行けた。人生でとっても今の基盤をおつくりになるための重要な、言わば基盤づくりをその時代になさった。今そのことが若者たちに許されてないんですね。ベルトコンベヤーに載せられた促成栽培の言わば野菜かあるいは一つ一つの機械であるかのように人間づくりが行われてしまっている。この若者たちがもっと自分になっていくために、育っていくために、そして日本に資する人材になっていくためにしっかりとした支援をする。そのために必要であれば給付を含めての奨学金を考えること、必要じゃないでしょうか。総理、いかがお考えになりますでしょうか。
#67
○内閣総理大臣(菅直人君) 改めてそういうふうに言っていただきますと、私もその最後の一年間で読んだ本は今でも頭によく残っております。例えば、「東大紛争の記録」なんという本も読んだことがありますし、何かガルブレイスの本を読んだりしていろいろ考えさせられた一年だったという感じがいたしております。
 そういう中で、今の学生の皆さんのそういう余裕のなさというか、経済的にも余裕のなさというものがあるということを聞いて、確かに、私にも二人の男の子が、もう卒業しましたけれども、そんなにも私のときとは違った状況なんだということを改めて感じさせていただきました。
 一つ、別個の思い出申しますと、アメリカの学生さん、私はあるとき、モルモン教徒のあそこの町に行きましたけれども、十九歳ぐらいになると世界に、特に日本なんかにも来られて、しばらく学校を休んで来られて、そしてまた戻っていく。アメリカの学生の場合に話を聞いてみると、結構、四年間でさっと終わるんではなくて、途中で別のことをやったり、あるいは一遍社会に出てまた大学に戻ったり、そういうことを割と自然にやっているという話を聞きまして、確かにそういう経験を積むことが、単に四年間とか六年間とか学生生活を送る以上に何か複合的な力を身に付けることになるのかなと、そういった話もアメリカの若者から聞いて感じたことを今思い出しておりました。
#68
○谷岡郁子君 そこで、菅総理、是非これからもっと学生たちを支援できることを今の厳しい財政状況の中ででもお考えいただけないでしょうか。その辺についていかがでございましょうか。
#69
○内閣総理大臣(菅直人君) 谷岡議員のお話の流れの持っていき方が大変、優れた政治家であられるので、そういう意味では、お話を聞いている中で、いかに高等教育の現状が学生の皆さん、若者にとって厳しいものか、これを何とかしなければならないという気持ちに私もより強くなっております。
 もちろん、財政的ないろんな問題がありますが、先ほども申し上げましたように、やはり福祉と教育というのは、谷岡議員も言われたように、ある意味では共通性を持っている中で、そういう若者こそが日本の将来を支えるんだと、それにはある程度負担をし合うという、そういうことも併せて、是非若者が将来の日本を背負って、逆に言えば、私たちがもう高齢化の域にだんだん差しかかる団塊の世代も含めて、将来の日本を支えてくれるような若者を生み出すために財政的な問題もしっかり考えなければならないと改めて感じたところであります。
#70
○谷岡郁子君 ありがとうございます。とても心強い、もう感謝申し上げます。
 それで、文科大臣にお聞きをしたいんですけれども、今現在出ております、各省庁、概算要求一〇%シーリングと、こういうものが掛かりました場合に、日本の大学というものがどうなるというふうにお考えになっているのか、文科大臣の方の御所見を是非お願い申し上げます。
#71
○国務大臣(川端達夫君) 非常に本質的な視点からの御議論をいただいて大変ありがとうございます。
 高等教育が大変大事であるということはもう言をまたないというふうに思います。そういう中で概算要求の組替え基準が先般決定をいたしました。これを機械的に国立大学の運営費交付金あるいは私学助成費等々を一割カットするということになりますと、約千五百億円、一兆五千億ですので千五百億円減額をすると。これは今まで、過去いわゆる骨太方針でずっと減らされてきました。それが五年間で行われた額を倍ぐらい上回る額を一年でやるということになりますと、現実的には機械的に当てはめる額でやれば、大学が行う研究と教育に深刻な影響を与えることは事実だというふうに思っております。ただ、これは、概算要求基準の部分は文科省のトータルの一定の基準での枠の一割を削減努力しなさい、そしてそれぞれに再配分をしなさいということが趣旨でございますので、必ずしも一律に全部減らさなければならないということではありません。
 そういう意味で、先ほど来の御議論にありますように、大学、高等教育が日本にとって経済的な活力、そして将来の人材育成にとって極めて大きな役割を果たしているという意味で、私はこの機能がより充実強化されるように、しっかりと概算要求が組めるよう努力を最大やってまいる所存でございます。
#72
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 今、概算要求がはめられたらという話がありました。そこで、野田財務大臣にお聞きをしたいわけですけれども、例えば独立法人の方へ一定の出向をさせて付け替えるとか、そういうことをやったりというようなことの手法も含めて、例えば特別会計を持っている、あるいは複数持っている省庁と持っていない省庁、そして、先ほど来出ていますように、例えば耐震化の問題、教員、例えば三十五人学級にしたらというようなことで、義務経費が物すごく多い文科省のような省庁と、それは政策官庁的なところで政策経費が多いところと、その割合から考えても、今文科大臣は努力するというふうにおっしゃいましたけれども、同じ一律に一〇%、これはないんじゃないんですかと私は思ってしまうんですけど、その辺いかがなんですか、もう少し柔軟にできないんでしょうか。
#73
○国務大臣(野田佳彦君) お答えをいたします。
 もう委員御案内のとおりだと思いますけれども、歳出の大枠を七十一兆というふうにこれは中期財政フレームで決めました。その中で、地方交付税あるいは年金、医療等の社会保障関係、これを除いたところの約二十四兆円を御指摘のとおり九割要求という形で要求をしていただき、その分、ちょっと誤解があると困るんですが、一割削減ではなくて、その削減した分は要望もできるという形になっています。その要望を全部まとめた中で特別枠をつくるという形になります。
 各省いろんな特徴があることは事実なんです。人件費の多い役所、義務的経費が多い役所、政策的経費といってもいろいろ特徴があります。それ一つ一つというよりも、もう各省にそれぞれの査定大臣としてお取り組みをいただきながら優先順位を付けていただき、そこは人件費も義務的経費も、あらゆる経費を聖域なく大胆に、細かい経費区分じゃなくて、大胆にあらゆるものを見直していただきながら要求をしていただき、その後出てきた要望を踏まえて特別枠できちっと政治的な判断で配分をしていくと、そういう仕組みになっているということでございます。
#74
○谷岡郁子君 それがいわゆるコンテストという部分であったり、特別というふうに言われる部分だと思うんですけどね。
 例えばビルに例えますと、私は、ビルのコンペだとかコンテスト、その上物の外観のデザインとかそういうものに関してはよく見るわけです。ところが、基礎工事、土台工事に関するコンペだとかそういう展覧会などというものは見たことがありません。
 何を申し上げたいかといいますと、その基盤的なものというものはしばしばコンテストにはなじまないんではないか。大学を、今もちろん、先ほど来申し上げていますように、その教育研究というものをしっかりやるための基盤経費というのは、言ってみれば、今問題になっておりますお年寄りたちの住民台帳であり、さんざん何年前からずっと今も問題になっております年金台帳、このような地味で土台であるものというのは、なかなかそのコンテスト的なもの、そういうプロジェクト的なものにはなじまなくて、やはり土台、基礎工事であるような基盤的な費用というものをしっかりつくらなきゃいけないということであるならば、その今のプラスアルファというところはなじまないんじゃないか。だから、大学、高等教育の基盤経費はここのいわゆる一〇%という部分からは外すべきじゃないかということを私は申し上げているんですが、もう一度、いかがでございますか。
#75
○国務大臣(野田佳彦君) 特別枠、一応今回の組替え基準の中では一兆円を相当程度超える額という表現でありますが、これはこれからの努力によってこのかさがどれぐらいになるかということはありますが、その配分についての観点は、一つはマニフェスト施策に関する、二つ目はデフレを脱却し、成長分野に資する事業、三つ目が雇用拡大に資する事業、四つ目ありまして、これは人材育成、そして国民生活の安定、安全、安心、こういう項目が入っていますので、おっしゃるとおり、だから、人材育成の観点からもこの特別枠の配分というのはあり得るということです。
 必ずしも、これは誤解のないようにお願いしたいんですが、政策コンテストだけで配分決めるわけではありません。予算編成の透明化という中でコンテストという試みもやりますが、これまでの各省の御努力を踏まえた努力評価制度というのもあります。そういうことを勘案しながら、最終的には総理主導でまさに政治の判断をしていくということでございます。
#76
○谷岡郁子君 少し安心をいたしました。ありがとうございます。
 先ほど文科大臣からも御説明がありましたけれども、(発言する者あり)安心しちゃ駄目ですか。
 ちょっと今、表、次のものを見ていただきたいんですけれども、これが家計負担なんですね。日本は下から四番目のところに置いておりますけれども、国の支出が物すごく小さい。国の支出が小さいがために家計負担がすごく重くなってしまっている。それが先ほど総理がおっしゃいましたように、家庭によっては行けない子が増えていると。今、私が申し上げたいのは、そのシーリングで絶対大変な問題になっているんだよというんだけれども、実は増やすことが必要なわけです。これも可能なんでしょうか。野田大臣、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(野田佳彦君) 一律削減というのは、あくまで府省横断的に大胆な組替えをするためのまさに土台づくりなんですよね。だから、場合によっては、特別枠の中での評価で増査定になるような事業だってもちろん出てくるというふうに思います。
#78
○谷岡郁子君 先ほど来の議論を聞いておられまして、高等教育についてはそうなり得るというふうにお考えでしょうか。なる可能性が高いとお考えでしょうか。
#79
○国務大臣(野田佳彦君) だんだん谷岡ワールドにいざなわれてまいりましたけれども、事の重要性については理解をしているつもりでございます。
#80
○谷岡郁子君 もう少し、では、どのくらいこれが深刻な問題であるかを御説明、私の方から申し上げたいと思います。次のまたパネルをお願いします。
 東大から始まりまして最後が小樽商科大まで、八十の国立大学を並べました。そして、平成二十二年度国立大学法人運営費交付金予算額における概算要求組替え基準の影響額の例示ということで出させていただいているんですが、この赤のところ、三分の一ぐらいの大学、これが、この交付金がゼロになるぐらい、一〇%カットすると減るんです。そして、今言われているようにそれが三年間続きますと、この黄色い部分まで全部なくなってしまうぐらいのカットが行われます。地方の大学がなくなるかもしれない。
 この地方の大学がなくなった場合にどうなるかといえば、そこの産業がどうなるか、一度東京へ行った学生たち、若者たちは地方へ帰って就職してくれるだろうか、過疎、産業の衰退、高齢化、ますます進み、ますます東京一極化が集中するかもしれないぐらいの状況になります。
 もう一枚見てください。これは国立大学です。私立大学の場合はどうなるか。私学助成が一〇%減ったら、今ある大学のうちの半分ぐらいの大学、短大は全く補助金がゼロになるぐらいの額が全体として減るんです。もちろんそれが一挙にそこだけがなくなるわけじゃないですけれども、現在でも大変な思いをしている地方の大学というものが本当に大きな困難に見舞われ、これは国立ではありませんからどんどんつぶれていくだろうというふうに思われます。そして、それが三年続けば六百八十七大学分の補助金がゼロになるぐらいのそういう金額の話になってしまっているわけなんですね。
 とりわけ打撃を受ける、今、私立大学について、文科大臣、ほかの方でもよろしいんですけれども、どういう内訳で国の予算は出されておりますでしょうか。
#81
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 一般補助と特別補助という、そういう意味でよろしいですか。
 私立大学等の経常費補助ということで、教員、学生の人数等に単価を乗じて補助金の基準となる額を算出するというのを一般補助としてやっております。さらに、めり張りを付ける、それぞれの大学の特徴、努力があるということで、教育条件、財務状況等に基づいて傾斜を掛けて各大学の補助金額を算出するということで、一般補助と特別補助を、それぞれ算定基準、数式がありまして、それに基づいて計算をして補助をするということでありますが、それで決まった額と手当てする予算額に乖離がございまして、その総額の部分での係数を出しまして、その予算額に合うように圧縮をして交付をしているというのが現状でございます。
#82
○谷岡郁子君 特別補助というのはめり張りが付いてという、聞こえがいいと思うんです。でも、多分これは原口総務大臣などは賛成していただけるんじゃないかと私は思うんですけれども、実は地方交付金というふうに言われる地方にとって自由に使えるお金は使い勝手がいいんだけれども、各省庁からそれぞれ特別プロジェクトと言われるもので補助率が幾らでと条件がいっぱい付くものというのは実は非常に使い勝手が悪いんですね。
 こういうものが実は小泉政権下、自民党政権の中ですごくつくられてきたんですけど、その結果何が起きているかというと、実は、配分の問題としてどうなりましたか。地方の中小大学と例えば東京の大大学でいくと、それはより地方へ行っているんでしょうか、大大学へ行っているんでしょうか。その点、いかがですか。
#83
○国務大臣(川端達夫君) 今ちょっと詳細な数字を持っておりませんが、御指摘のようにメニューが非常に細かく分かれておりまして、このメニューをやるとということで、結果としては必ずしも地方の特色のあるところに手厚く配分されているということの傾向ではないと承知をしております。
#84
○谷岡郁子君 多くの場合、小泉政権下で行政改革だとか改革と言われたものが結局は大企業を利して、そして地方や中小企業に対しては本当に厳しいものであったように、このいわゆる特別補助というのは、実は大きなそもそもの基盤のあるところにとっては本当に有利なものであったんですけれども、地方で苦労をしてその地方の経済を担っていくような弱小大学、そのためにわざわざ東京へまたみんな出てこなきゃいけないという形で親の負担も増えるわけですけれども、この悪循環をつくってきたわけなんですね。
 これをやはり経常費補助ということで基盤的な一括したものにする方がはるかに効率がいいというふうに思うんですが、そこはいかがでしょうか。
#85
○国務大臣(川端達夫君) 極めて重要な観点からの御指摘だというふうに思っていまして、我々もこの私立大学の要するに補助が先ほど申し上げましたように非常に厳しい財政状況の中でしっかりと質が確保できる、効果的にできるためには、一番ベースから議論をし、見直して再構築をしていくことは極めて大事だと認識をしております。
#86
○谷岡郁子君 そして、先ほどちょっとちらっと川端大臣の方から圧縮率なるものが出ましたけれども、この圧縮率というのは過去何十年か行われてきて、平均何%ぐらいで現在どのくらいになっておりますか。その変化はどこで大きく変化したのか、ちょっと教えていただけますか。
#87
○国務大臣(川端達夫君) これは、四十七年度、昭和四十七年ですから随分昔です、スタートいたしましたときは圧縮率は〇・九六八二三五、それ以降はずっと、いわゆる九六%、九八%、九九%等々、ほぼ九五%以上ぐらいで推移をいたしまして、平成十五年に初めて九五%を切りました。九二、〇・九二七、十六年度が〇・九一六、そして、十七年度に〇・八七ということで九割を切りました。以降、急激に下がりまして、平成二十一年、昨年度では〇・七一八ということであります。ここ五年間で急激に圧縮率が小さくなって、現在は昨年で〇・七一八でございます。
#88
○谷岡郁子君 総理、今何のことかと多分お考えになっているんじゃないかと思って、これテクニカルな問題ですのでちょっと御説明を申し上げます。
 私立大学の助成には、何に対して、人件費に対して、学生の人数に対して等々、どういうものに対して補助をするか、それは何割補助をするかという計算式がございます。その計算式を基準に支払われるわけなんです。そして、かつてはこの交付額が予算額に収まるように圧縮をするというのは、二、三%、四、五%の言わば誤差の範囲に近いところでこれを計算、圧縮率なるものを作っていたわけなんです。
 ところが、それを予算削減のために使っている。これは、例えば医療でいえば、お医者さんに払うお金が予算に収まるように今年圧縮率を掛けますといいながら、実は本来行くべきものの七割しか払っていないみたいなことが現実に今、どんどんそういう状況になって起きてきているんです。何のための計算根拠かすら分からない。もし農水や厚生労働でこういう問題が起きたら、恐らく暴動が起きるような問題なんですね。
 やはり、こういう訳の分からないずるみたいなことを是非今回見直していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。これは財務大臣にお聞きすべきなのか、文科大臣にお聞きすべきなのか。
#89
○国務大臣(川端達夫君) 仕組みの在り方としてこういうやり方がいいのかどうかという御指摘だというふうに思います。そういう意味で、今回の概算要求をする際には、あらゆる制度含めての総見直しを今手掛けております。その中の重要な課題だと思って、今日の御指摘もしっかり重く受け止めて対応してまいりたいと思います。
#90
○谷岡郁子君 よく言われますのは、科学技術立国、科学技術経費というものが本当にどれほど大事なものかということは、この間、私は数か月にわたって党内、皆様からも、また日本中からも選挙の間もお聞きをしてまいりました。
 しかし、じゃ、その科学技術は大事なんですけど、科学技術を担う中心はどこなのかといった場合、これは、政府のエージェンシー、独立法人のようなものもありましょう、また企業もありましょう。でも、世界中、各国は大学を中心にそれを行っている。なぜか。大学の、ユニバーシティーのユニバーサルという普遍性というのが大学でつくられ、ストックされ、また学生に継承されている知識はユニバーサルなものである。つまり、未来の世代を含めたすべての人類に開かれた共通の財産であると、これがユニバーシティーの意味だからであります。
 各省庁でありましても、また企業でありましても、単純にもうけのためとか、できたら独占をしたい、そういう構造の中では知が開かれない、みんなの財産になっていかない、人類の幸福の基盤になっていかないということで、大学にできるだけ科学技術の基盤というものを集めるということを世界各国やってまいりましたし、また、そのための基盤というものを整備してきたわけです。
 今、国立大学の学長たちが私の元に来て言うのは何かと。幾ら科学技術予算を増やしてもらっても、大学が大学として機能するための基本的な研究、そして教育基盤である基盤経費、先ほど来申し上げております国立大学交付金を減らされてしまったのでは、これはひどくやわな土台、そして劣化した土台の上にビルを積むようなものであって、必ず倒れるんだということなんですね。
 ここの配分の問題としても私は実はその基盤経費が重要だと思うんですけど、その点は、川端文科大臣、どうお考えになりますか。
#91
○国務大臣(川端達夫君) 科学技術の重要性は御指摘のとおりでありまして、その中でそれぞれが担う役割もあります。
 しかし、いわゆる研究開発、科学技術を担う、そういう部分のときに、すべてに共通しているのはベーシックな人材が育っていかなければ成り立たないと。それの研究開発のフィールドは、それぞれに企業もあれば独立の研究法人もあればいろんな大学もあればということでありますが、その一番根幹には大学、高等教育による人材育成が基本中の基本であるということは御指摘のとおりだというふうに思っております。
#92
○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 ただいまの議論をお聞きになりまして、総理、この辺についてどうお考えになりますでしょうか。科学技術ということは盛んに言われまして、その費用なども予算の中で取られていこうとするんですが、やはりその中心を担う、それは私立、国立、公立を問わず、大学というものをやはりその重点に、中心に置かねばならないというふうに私は考えるんですが、いかがでございましょうか。
#93
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほどお聞きになった私の学生時代を考えてみて、学問というのは何かということを当時考えたことがありました。私の結論は、ちょっととっぴかもしれませんが、学問というのは遊びであるというのが私の結論で、つまりは何かを目的を持たないという意味で、つまりお金もうけのためとか何かのためという目的を持たない、つまり学問それ自体が目的というか、そういうものが本来の学問というものであるというふうに私なりに定義を勝手にいたしたことがあります。
 そういう意味で、先ほど谷岡委員の方からユニバーサルという言葉がありましたけれども、つまりは、たしかスーパーカミオカンデのノーベル賞を受け取られた方が、自分の研究は、もしかしたら日本の何か経済に何も資することはないかもしれないけれども、宇宙の在り方というものをやっぱり知るという人間の営みの中で、それをやはり認めてもらえるかどうかなんだということをおっしゃっていたのが大変印象的でありました。そういう意味で、大学というものがそうしたまさに普遍的な学問研究の第一の場であるということは、私はそのとおりであろうと、こう思っております。
 また、私も川端文科大臣の前にしばらく科学技術担当をやっておりまして、そのときにも確かに、どういう配分をするかのときに、大きなお金を有名な学者にお渡しするのがいいのか、将来、それが十年先か三十年先か分かりませんが、ノーベル賞でももらうような可能性のあるかなり数の多い若手の研究者にそういう配分をするのがいいのかという、そういう議論がありまして、ある案分で配分をしたことがありました。
 そういうことも含めて、やはり若手の学者がどんどん育っていく、それには、今、谷岡さんが言われたように、大学というものの一つのベースがあって、そこにいろいろな研究資金が配分されることでそれがより大きな成果につながってくる。そういう意味では、大学そのものが基盤を失ってしまうと、たとえ研究費が出たとしてもそれは必ずしもそれが生きてこないという御指摘は、私なりにはよく理解できました。
#94
○谷岡郁子君 学問は遊びであるという菅総理の今のお言葉は私は全面的に賛成なんです。
 今話題になっているものにiPadがございます。iPadは、もっと小さくできるという、要は、携帯でワールドカップを見れるんだけれども人間の視力としては見られない、それを人間化したものなんです。人間のサイズに戻したと。メールは携帯でできるけれども、本を読む、資料を読むという人間の機能に対してはそれは適さない。つまり、技術の人間化というものをiPadは行って、そしてあれほど売れました。ただ物をつくろうとせずに、遊ぶこと、読むこと、音楽を聴くこと、映画を見ることという、この遊びという人間の営み、文化を大事にすることによってiPadは生まれました。
 それを、ただ物づくりという観点で、狭いところで見ていく限りはできない。だから、今、菅総理がおっしゃったように、遊びというもの、人間というものをよく見る大学というものが、ただ利潤を追う、効率を追うというところではなくて、技術だけの問題でなくて、重要だというふうに私も感じるんですね。ただ、それを大学に今集めていこうとすると財政が大変でございます。それは分かっております。
 その中で、蓮舫大臣にお聞きをしたいんですけれども、やはり公益法人ですとか、それから独立行政法人、大学校、これは今まで仕分もしていらっしゃったと思うんですけれども、まだまだ、本来、各国であれば言わば大学に一元化していくような、例えば教育でありますとか人材養成であるというような分野、そういうものが日本では各省庁ばらばらに行われていたり、またそこにぶら下がる独立法人や公益法人あるいは大学校などに随分分散していく場面があると。これをやはり統合していくような形で、できるだけ、もちろん特殊なものはいっぱいありますけれども、一元化していくことが私は必要だと思うんですが、大臣として、今後そういう方向性をにらみながら事業仕分などをやっていただけるんでしょうか。
#95
○国務大臣(蓮舫君) 恐らく谷岡委員の御指摘は、まだまだすみ分けができていない、あるいは独立行政法人、公益法人、大学、それぞれにおいて似たような、類似の例えば事業であるとかあるいは公益の分野におけるような内容の事業がまだ重なって行われているんではないか、それは大学に特化をした方がいい、あるいは公益法人が行った方がいい、あるいは独立行政法人並びに国が行った方がいい、そういう御指摘だと思うんですが、まさに今年の四月、五月に独立行政法人と公益法人の事業仕分を行って、御指摘のようなすみ分けをしなければいけないという部分も幾つか私たちは提示をしました。まさに今、行政刷新会議事務局において、そのすみ分けをどのような形で行っていけば、より効率的で、より税金の使われ方としても国民の皆様方に納得いただけるのかを整理しているところでございます。
#96
○谷岡郁子君 大変有意義な今日は議論をさせていただけたというふうに思っております。
 大変、財政困難な中だということは、それは私も分かっております。しかし、今、大学一つとして、ITをバージョンアップしようと思っている大学というのは多分ないだろうと思うんですね。赤字経営にもかかわらず、各省庁の毎年のIT関係のそのバージョンアップ費用というものは物すごいものがある。例えばこれを三年間止めていただいたら、多分大学から削るぐらいの費用というのは出てくるんだろうなと、そういうことも思いますし、また、今、蓮舫大臣が言われたように、一元化していったり、ちゃんとすみ分けができていくようにすれば、もっと効率的な高等教育であり、科学技術ということが日本に可能だと思うんです。
 最後に総理の御決意をお聞きして、私の今日の質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
#97
○内閣総理大臣(菅直人君) 私もかつて厚生大臣をやっていたときに、厚生省にもいろいろな研究所がありますけれども、必ずしもその知見が厚生省本体にもつながっていないようなケースが数多くありました。そういう意味で、一方で自由な研究ということもあると同時に、そうした同じ費用を出すんであれば、より広い意味で効果的な研究体制というものを考えなければならないと。
 今、ITのことを言われましたけれども、これは原口大臣が非常に役所のITに関しては無駄が多いということもよく指摘をされておりますけれども、そういったまさに削るべきところ、あるいはまさに無駄と言えるようなところを思い切って削りながら、本当に必要なところに予算を配分していく、そのことに私も責任者として最大限の努力をしたいと、このように思っております。
#98
○谷岡郁子君 ありがとうございました。終わります。
#99
○委員長(平野達男君) 関連質疑を許します。植松恵美子君。
#100
○植松恵美子君 民主党・新緑風会の植松恵美子でございます。
 本日は、民主党政権が掲げております新成長戦略について伺ってまいりたいと思います。
 私は、地元が四国の香川県でございます。菅総理も四国にはお遍路さんとして何度か足を運んでいただいていたかと思いますので、まだ香川までは届いていないんですけれども、是非香川にも来ていただきたいと思いますけれども、そのせいで四国のことについてはよく分かってくださっていると思いますが、私も週末になりますと地元に帰ります。大変地元は傷んでおります。不景気でございます。会う方、会う方から、この景気を何とか回復してほしい、元気にしてほしい、そういう声をたくさん預かっております。
 私はこの声に絶対にこたえたいという強い思いがあるんですけれども、今、この経済の問題、非常に根が深いと思っているんです。人口減少が始まりました。そして高齢化社会がどんどんと突き進んでいく中、これまでの経済政策を打っていたのではなかなか立ち直ることができない。根本から変えていかなければならない。
 そんな時代に菅総理が、強い経済、強い財政、強い社会保障を一体化させてそして実現することによってこの日本を、そして地方を元気にするんだとおっしゃいました。しかしながら、私の地元でも、民主党政権になったら公共事業が減ってしまって仕事がないじゃないか、あるいは、子ども手当もらっても貯金しとかなきゃ不安なんです、そういう声を預かっております。これは、我々の思いが、菅総理の思いが国民の皆さんにまだきちっと届いていないからだと思うんです。
 菅総理はこの国を、(発言する者あり)静かにしてください、西田さん。この国を将来どんなふうに持っていきたいか、どんなふうな道筋を切り開いていただきたいか、そういうことを国民の皆さんにはっきりと明確に、そして分かりやすく説明をしていただきたいと思います。
#101
○内閣総理大臣(菅直人君) お遍路について触れていただきましたが、今、愛媛の五十三番札所まででありまして、今の立場では御迷惑を掛けると思いますので、今の立場でない中で寿命がある限り、必ず八十八番札所、香川県まで足を運びたいと思っております。
 その中で、今の御質問というか問題提起ですが、本当に私もいろいろ考えてみました。過去の政権でも経済成長を図るためにいろいろな提案がされている。私は、そのねらいは現在私たちが出している新成長戦略とも共通なものがたくさんあったと思うんです。ただ、結果として、結果として、この十年、二十年を見ておりますと、それが必ずしも経済成長につながってこなかったのはなぜなのかということを私や戦略室を中心に分析をさせていただきました。
 その中で、まず、景気対策、経済対策としてかつて言われた公共事業が、一時的な効果はありますけれども、大きな将来に対する経済効果がだんだん一九八〇年代ぐらいから少なくなってきていた、その部分があります。
 それからもう一つは、いわゆる小泉・竹中時代の、簡単に言えばどんどんリストラすることで効率のいい企業をつくればそれが日本の経済にプラスになるんだという考え方、これはどちらかというとデフレの中でデフレを促進する経済政策ではなかったかと。
 こういうことを私は第一の道、第二の道という言い方をして、第三の道ということで、まさに経済と財政と社会保障というものを好循環でうまく前に進んでいく道はないだろうかと。そういう中から、特に雇用を拡大することが経済を結果として大きくすることにもなり、デフレ脱却の道にもつながり、その中身が例えば介護や医療の分野であれば社会保障にもつながってきて、また、そういうところでたくさんの人が仕事に就けば何がしかの税金を払っていただくわけですから財政の健全化にもつながっていく。何とかこの三つのものを一体的に前に向かって進めるような、そういう政策を実現したいということでこのような三つの改革の同時的推進ということを申し上げているわけであります。
#102
○植松恵美子君 やはり菅総理がおっしゃるように、中長期的なビジョンをしっかりと掲げる、そして一方では今日の現実に向かっていく、そして国民の皆さんの生活を安定させていく、そういった二つの試みがやはり政治では大切だと思っております。
 そんな中で、前鳩山政権におきましては、科学技術の分野でこの日本のトップレベルの技術で世界に進出していくことによって日本を元気にしようという試みがあったと思います。鳩山前総理も大変熱心にトップセールスを行っていたと思いますけれども、菅総理も同じく理科系の総理でございますから、大変この科学技術の分野で世界進出をしていこうということは同じ思いをお持ちだと思いますけれども、どのような分野で、具体的な分野で世界に向けて発信していこうと思っていらっしゃいますでしょうか。
#103
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、現在世界の中で最も成長している地域を挙げればまさにアジアでありまして、この地域にはまだまだインフラの整備が未熟なところがたくさんあるわけでありまして、先ほど日本におけるインフラについてはある時期までは効果があったけれどもある時期から効果が薄くなったと申し上げましたが、逆に言えば、今こそインフラ整備が効果のあるところ、それは中国であったり、あるいはインドであったり、あるいはベトナムであったりいたします。そういう、我が国にとって、水の問題、下水道の問題も含めて、そういったインフラを、場合によったら日本からODAあるいはお金を貸すことによってでもその日本の技術をどんどんそこに適用して、そして共に発展するということがあると思います。また、環境の分野では元々日本は省エネ技術の高い水準を持っておりますので、そういった技術を広げていくこともできると思います。
 特に私は、個人的にと言ったらあれですが、興味を持っているのは実はリニアモーターの仕組みでありまして、私も山梨の実験線に乗りましたけれども、あのリニアモーターカーは他の国のリニアモーターとは全く違いまして、いわゆる超電導を使ったリニアモーターになっております。私は、これなどはアジアと言わず、例えばワシントンとニューヨークの間を結べば多分、時速五百キロ出ますから一時間前後、もうちょっと掛かりますか、その程度でできると。そういった日本がまさに誇るべき技術をアジアだけではなくそういう先進国にも提供していく。
 そのためには、トップセールスといいましょうか、総理だけではありません、今積極的に、地デジでは原口大臣がやっていただいていますし、鉄道では特に前原大臣が熱心にやっていただいていますし、あるいは直嶋大臣がやっていただいていますし、まさに内閣こぞって、ある意味でそういったセールスマンになるつもりで世界の各国にそういうものを提供していくべきだと、このように考えております。
#104
○植松恵美子君 それでは、私は、まずは科学技術分野において一つの例として原子力発電所の世界進出、海外進出について伺ってまいりたいと思います。
 昨年の十二月、アラブ首長国連邦、UAEの発注しました発電所の受注をお隣の国、韓国がしました。これは大変衝撃的なことでございました。なぜかといいますと、UAEは初めて自国に原子力発電所を建設することになった、そしてそれを受注した韓国は初めて海外で建設をする、それを受注にこぎ着けることができたわけでございます。
 ふたを開けてみますと、この韓国の受注額は日本の入札した、出した金額よりも約三割安く出していた。四基で一兆七千三百億円、それが入札の落札価格でございました。そして、もう一つの条件、それは、UAEは初めて建設する原子力発電所ですから、建設して終わりですよでは困る、あと六十年間運転をしてその面倒も見てくれと、そういった条件をどうしても日本はのむことができなかった。しかし、韓国は政府の判断でそれのリスクを取った。そういったことによって韓国がUAEに初めて進出をする足掛かりをつくってしまったわけでございます。
 では、じゃ韓国一国でこの原子力発電所を最初から最後まで建設できるか。それは違います。日本の技術が必要なんです。
 私は先日、北海道に飛びました。北海道には日本製鋼所という、いわゆるプラントの核の部分、大変大切な部分を作っている工場があるわけです。そこに行きますと私は大変感動しました。ああ、この日本には物づくり日本が息づいている、地方の工場がこうやってすばらしい技術を蓄えていて、そしてこれが世界のシェアの八割を占める部品を作っている会社なんだと、非常に誇らしくメード・イン・ジャパンを見て帰ったわけでございます。
 そして、その工場の中で質問をしました。六百トンもの塊を作るこの技術は世界でこの一社しかありません。そして、そこから部品を作り出していくんですけれども、この部品一つ幾らで売っているんですかと聞きましたら、これ一つ三億から四億ですと、こう答えが返ってきました。私は愕然としました。なぜならば、原子力発電所一基を受注しますと、約一つ四千億円の事業と言われております。そして、日本はこの部品を持っていなければ作ることができないというトップレベルの技術を持っていながら、八割のシェアを持っていながら、日本の企業に落ちるお金というのは、一つが三億円ですから、例えば一つ、ワンセットで数十億円、多くても数百億円、これ、けたが全然違うんですね。
 ですから、やはり私は、今後日本は、いろいろな問題を抱えておりますけれども、例えば官民一体になるとか、あるいはトップセールスを行っていくとか、そういったことを乗り越えていってこの受注の枠を広げていかなければ、強い経済を牽引していくそういった先進事業にならないと思っておりますけれども、皆様方、菅総理を始め、この官民一体となった取組ですとか、今後どうやってこの受注に取り付けていくか、あるいは世界のどのぐらいの割合のシェアを日本が取ってやるんだという目標があるかどうか、そういったことを菅総理始め経産大臣に聞きたいと思います。
#105
○委員長(平野達男君) まず、それでは直嶋経済産業大臣。
#106
○国務大臣(直嶋正行君) お答えいたしますが、今の植松議員のお話の中に今のこれまでの日本のやってきたことの問題点が明確に語られていたというふうに思っています。
 日本は確かにすばらしい一つ一つの部品を作る能力はあるんですが、全体を一つのパッケージとしてとらえて一つのシステム全体を売り込んでいく、こういう意味でのビジネスモデルをきちっとつくって活動をすることができませんでした。そのことが、例えば原子力発電所の分野でいいますと、今お話にあったように、UAEに、敗北をした一つの大きな要因だというふうに思っています。
 値段の問題は為替の問題とか含めてたくさんありまして、これも私、今の円高、本当に危惧しています。当面の経済がどうかという問題だけではなくて、今の日本の企業の競争相手はこれまでの欧米企業からさらに中国や韓国の企業に変わってきておりまして、中国や韓国の通貨はドルとリンクしています。したがって、そういう意味では為替リスクが全くないわけですね。ところが、言ってみれば日本だけが、日本の企業だけが非常に、ちょっと極端な言い方ですが、大きな為替リスクに直面しながらビジネスをしている、アメリカの企業はドルですから関係ない、こういう今構図になっていまして、この点もやはり何らかの対応が将来必要になるのではないかと思っていますが、今日はこの問題はおいておいて。
 今のお話で申し上げますと、例えば原子力発電でいいますと、これまでのようにプラントメーカーでありますとかそういうところだけではなくて、やはり運営をする電力会社も一体になった組織をつくって、おっしゃったようにシステム全体で相手側のニーズにこたえていくと。新しく原発を造る国は、単にプラントを造ってお渡しをすればいいと、これまでの欧米を中心にしたビジネスとは全く違ってきていまして、プラントを造ると同時にオペレーションのノウハウの伝達も含めてきちっと伝えなければいけないし、原発の安全性を維持する面でもそのことは非常に重要でございます。
 したがって、現在、電力会社とプラントメーカーで新しい会社の立ち上げを行っておりまして、既に七月に準備室をつくりまして、今年の秋には立ち上げたいと思っています。当面は、さっきお話には出なかったかな、ベトナムの原子力発電事業への対応を念頭に置きながら活動をしていきたいというふうに思っています。
#107
○植松恵美子君 ベトナムの一期目の工事は他国に取られてしまいました。日本はまた負けたわけでございますけれども、近々ベトナムに二期目の発注があるといいますので、これは絶対に負けられない、取っていかなければならないと思っております。
 そのためにも、経産大臣がおっしゃったように官民一体となって、例えば運転もお願いするよ、あるいは周辺のインフラ整備も一緒にやってください、これ、大変有り難いことだと思うんですよ。長期間お金が落ちますし、大変事業規模がどんどん膨らんでいって大きな金額になっていく。これをごそっと日本に持ち帰って、そして経済を発展していかなければならない。技術がいいんだいいんだとそこにあぐらをかいていたのでは駄目なんです。やはり営業力を持った政府になっていただきたいと思っております。
 そこで、私は、この競争力、非常に厳しい競争力の中に、日本にはやはり強みがあると思っております。それは人材教育なんですね。例えば、今もうアフリカ諸国においても、これから原子力発電所の研究を始めようか、あるいは導入を考えていこうか、そういう国々がいるんです。この早期の段階で人材を受け入れて、そして日本の技術を学んでもらう、そして日本の技術をしっかりと身に付けて帰ってもらう。私は、日本は被爆国でございますから、日本でこの原子力の平和利用、そして軍事転用は決してしてはいけないというこの精神を一緒に学んで帰っていただけることで、私は大変世界貢献ができると思っているんです。
 そのために、こういった早期の段階からの海外からの研修生を受け入れる機関の整備は整っているかどうか、伺いたいと思います。
#108
○国務大臣(直嶋正行君) 御指摘のように、これまで原子力発電を持たなかった途上国の多くが原子力発電所の導入を考えておられまして、その基盤となるのがやはり御指摘の人材でございます。また、この面に関しては、五十年間にわたり原発を安全に運転してきた日本に対する期待も非常に大きいということでございまして、現在、ベトナムを始めとしまして八か国と原子力協力文書を結びまして、専門家の派遣や研修生の受入れを行っております。
 そして、これを更に効率的にやっていこうということで、昨年の三月に原子力国際協力センターというのが設立をされまして、そこでそのセンターを活用しながらこれらの国のニーズにこたえる形で人材の研修等をやらせていただいていまして、更にこの面は強化をしていきたいというふうに思っています。
 やはり日本は、こうした人材づくりの面でしっかり協力していくことによってそれぞれの国で必要な人材を供給するという面から、原子力発電所そのものだけではなくて事業全体を応援できる、そういう位置にあると思っていまして、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。
#109
○植松恵美子君 そうですね、今大変力強いお言葉をいただきました。
 人材教育をする研究機関というのは非常に整備が整っているとおっしゃられましたけれども、確かに今まで、平成四年から平成十三年の間、十年間の間に約千人の研修生を受け入れて、そして日本の技術を学んで帰ってもらっているんですけれども、私は一つここに問題点があると思っております。それは、せっかく日本に来て日本に住んで、そして日本人から日本の技術を学んで自国に帰った、じゃ、今その千人の方たちがどういったポジションで、どんな仕事に就いて、今どういう状況にいるかというフォローが本当にできているかどうかということでございます。
 もちろん、人材教育をするということ、これは世界貢献をする上で大変重要な役割でありますけれども、せっかく早い段階から日本に親しんでいただいた技術者を、今度実際に研究が始まりました、そして導入をしようと検討しております、こういったときに早くアクセスを取って、そして、やはり日本のこの人脈をもって早くから獲得へ向けて私たちも営業を掛けていけるわけでございますけれども、こういった人材の方たち、交流後はどういったフォローアップの仕方をしているか、もしできていないとするならば、今後どうやってフォローアップをしていく体制をつくっていくか、お考えをお聞かせください。
#110
○国務大臣(直嶋正行君) 大変いい指摘をしていただいたと思っております。
 それで、日本で教育を受けた人たちに対するフォローは、正直言って今きちっと確実にやれているかといいますと、私はまだ十分ではないと思っております。
 それで、基本的に研修等の受入れは、例えばベトナムならベトナムの関係の省庁あるいは電力会社等と相談をしまして、まあ大体そういうところの人材を受け入れて教育をしておりますので、おおむねは、その分野でこれからビジネスの折衝が始まりますと当然そういった相手側の窓口になったり、あるいは実際に立ち上げるときには現地で先頭に立ってやっていただく人たちだというふうに理解しております。
 今御指摘のようなことも踏まえて、更にしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
#111
○植松恵美子君 人脈は一朝一夕にでき上がることではございませんが、これがやはり日本の今後の財産になってくると思いますので、是非フォローアップをしていただきたいと思っております。
 それでは外務大臣にお伺いします。
 六月二十八日、日本とインドとの間で原子力協定の締結に向けての交渉が開始したと伺っております。
 インドは確かに今後新興国として非常に発展を遂げていく国で、またその市場規模は大変魅力的なものでもありますけれども、一方で、核拡散防止条約に未加盟のまま核開発を続けていた国でもありますのでその交渉は大変慎重を要するものであると考えておりますが、決して核軍縮・不拡散に逆行するようなことになってはいけないと思います。
 どういった点に留意しながら交渉を始めているか、お聞かせください。
#112
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、日本とインドで原子力協定の交渉を開始をいたしました。
 これは簡単な判断ではありませんでした。私も、委員御存じのように、核の軍縮や不拡散については最も熱心に取り組んできた議員の一人でありますので、この判断をするに当たってはいろいろ考えるところがございました。しかし、交渉を開始するということを決断したところであります。
 そもそも、この問題に先立って、原子力供給国グループ、NSGにおける、例外的にインドを認めようと、つまりNPT上問題はあるけれども認めようという決断が、これは政権交代前になされたわけであります。御存じのようにNSGは全員一致でありますので、言わば各国が拒否権を持っている、そういう中で、しかし日本は最終的にこのインドの例外扱いということを容認をしたということであります。
 そこで容認をされますと、各国がそれぞれ原子力協定の締結をし、あるいはインドとの原子力協力ということをアメリカを始めフランスその他が進めるという状況になりました。そういう状況の中で、日本だけが、やはりインドはNPTに加盟していないということをもって、言わば筋を通して原子力協定も結ばないということになりますと、実質的にはそれは日本以外の国はどんどん協力を進めていくわけですから、そういう意味では、日本だけが頑張ったとしてもそれで物事が変わるわけでは必ずしもないという状況であります。そういう中で、日本としても、これはむしろこういう協定を結ぶ中で多少でも歯止めが掛けられないかと、そういう思いの中で協定の交渉を開始したところであります。
 インドは御案内のようにNPTに加盟をしておりませんので、そういう例外を認めたということは大変残念なことではありますが、なるべくその影響は少ないようにしていきたいというふうに思っております。
#113
○植松恵美子君 そうなんですね。菅総理も所信表明の中で、核のない世界の実現に向かってリーダーシップを発揮するとおっしゃられました。決してインドとの原子力協定が経済だけを優先することないように、世界に貢献できるように、平和利用できるようなということを限定しているんだということを、国民の皆様にこの決意を発信していただきたいと思います。
#114
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、岡田外務大臣の方からも、そうしたNPTに加盟していないインドに対しての例外的な取扱いを国際的に認める中で、日本も認めていこうということの経緯のお話がありました。
 私は、日本は二重の意味で、この核について大変ある意味では重い、場合によっては大変意味のある立場にあると思っております。
 それは、一つは、もちろん言うまでもなく、唯一の被爆国としてのそういう立場であります。もう一つは、日本が原子力に関してある意味で世界で最も平和利用というかそういうものに専念して、そして、そこから生まれた例えばプルトニウムの存在などについてもIAEAに対してきちんと報告をして、最も兵器への転換のおそれのない国であることが国際的にも認められている、そういうある意味で経験を積んでいるわけであります。
 そういった意味では、私は、このインドとの新たな関係の中で、是非、そういう日本で原子力発電所があり、いろいろなプルトニウムを含めたものが生まれてくるけれどもそれは絶対に軍事転用しないんだという、この日本が行っているいろいろな公開手続、報告手続を同じような形でインドの方にも採用してもらうような、そういうことがあるんではないだろうか。
 そういう意味で、これはインドに限りませんけれども、必ずしもインドに限りませんが、そうした意味で、二重の意味で私は、日本が核兵器の廃絶と同時に平和利用からの軍事転用の阻止という意味で、ある意味で世界的な意味でのリーダーシップを発揮する私は非常に重要な位置にあると。この点について、私も他の大臣と一緒に、皆さんと一緒に頑張りたいと思っております。
#115
○植松恵美子君 私も、菅総理がおっしゃるように、日本は大変重要な位置を占めているということには大変共感をいたしますし、同じ考えでございます。決して譲れないものもあると、ここだけは譲れないというところだけはきちっと守り抜いていただきたいと思っております。
 続きまして、国土交通関連の新成長戦略について伺ってまいります。
 まずは、鉄道産業において、世界各地において環境に配慮した輸送手段として今鉄道産業は非常に大きく伸びております。二〇二〇年には全世界で約二十兆円の産業に膨らんでいくと言われておりますけれども、高速鉄道については、まず日本は新幹線がございますけれども、大変この四十五年間の運転期間、運行期間の中で一度も事故がない、そして、時間の正確性は本当に世界で最も一番であると言われておりますけれども、前原大臣は大変鉄道にお詳しい大臣であると言われておりまして、また世界中にトップセールスで駆け巡っていらっしゃいますけれども、これまでこの日本の新幹線始め高速鉄道をトップセールスでいろんなところと交渉されたと思うんですけれども、どんな国に行って、どういうトップセールスをなされて、また手ごたえはあったかどうか、伺いたいと思います。
#116
○国務大臣(前原誠司君) 今、政務三役で具体的にその国に行きましてセールスを行っている国は、アメリカ、ブラジル、それからベトナムでございます。ほかにもこれからアプローチをしていかなくてはいけないところがございまして、マーケットリサーチをしているわけでありますけれども、正直申し上げて周回遅れ、二周回遅れぐらいの状況だと思っています。
 ブラジルにおいては、競争相手がかなり多いですし、そしてブラジル政府が出してきている条件というのは、将来需要予測を下回った場合、それをいわゆる落札をした国が、企業体が負担をしてほしいというかなり厳しい条件を付けてきておりまして、そういう意味においては、やはり国と国の交渉の中でそういった相手側の言い分をうまくやはり変えていくという努力をしていかなくてはいけません。
 アメリカについては、オバマ大統領になってから、環境配慮と同時に雇用対策なんですね。雇用対策で高速鉄道をやっていくということで、私も、同盟国であるし、先ほど植松委員がおっしゃったように新幹線の実績があるので、どこか取れるだろうなんという甘い考え方で初めはいたんですけれども、これも非常に激しい競争でありますし、各州に任されている部分があって、各州がどれだけ雇用が増えるのか、どれだけ技術移転がなされるのかという点と、あとは、資金がありませんと。その資金をどれだけ用意してくれるのかというところも求められておりまして、したがって、仙谷官房長官のところで、国家戦略担当大臣のときにJBICの政令改正をしていただきまして、高速鉄道にもJBICの資金が使えるようにしてもらいました。
 それと同時に、競争が激しい中で、ヨーロッパは日本に取らせたくないわけですね。そうすると、衝突基準でグローバルスタンダードを確立をして日本の排除に掛かるということをせめぎ合いの中でやっています。
 つまりは、日本は専用軌道で走る新幹線でありまして、そういう意味では軽量であります。ヨーロッパはいわゆる通常路線を走っておりますので、衝突が起こるという前提で車体を重く、そして頑丈にしているわけであります。それを逆手に取って、日本の車両の衝突基準というものは非常に弱いと、カタツムリの殻みたいなものだということで、その衝突基準の、日本をまずそれでもう排除して掛かるというようなこともありますので、ラフード長官のところにゴールデンウイークに行って、日本の衝突基準を排除しないような日米でのいわゆる鉄道当局間での協議を開始をするということで、まずは日本が排除されない仕組みというものを今鉄道局との間で検討をしているところであります。
 ベトナムについて申し上げれば、これはベトナム政府は日本式を採用するということを閣議決定をしてくれていますけれども、国会の同意がまだ得られておりません。これはODAでやるということで外務大臣、財務大臣にも御協力をいただいて決定をしているところでありますけれども、フィージビリティースタディーをやるとなかなか今のベトナムの経済発展の状況と向こうの要望というものが合わないんですね。ですから、そこはベトナムと日本の間で交渉する中で何とかスタートするということでしっかりやっていかなくてはいけないというふうに思っております。
 今、そういう状況でございます。
#117
○植松恵美子君 そうなんですよね。この日本の高技術というんですか、正確性だとか非常に速く走れるスピード感、これがなかなかいわゆる売り物になっていない。そんなのなくていいから、もう少し性能が悪くてもいいから価格を落としてほしいとか、そういうふうに技術のいわゆるダウンを、低下を求められたりすると聞いておりまして、大変鉄道の海外進出は、先ほど大臣のお話も伺ってもいろいろな問題を抱えているし、乗り越えていかなければいけないものもあるなと思っておりますけれども、それでもやはりヨーロッパ勢強いです。そして韓国や中国も参入してきておりますけれども、これは国をやっぱり挙げて、原子力発電所と一緒ですけれども、国を挙げて獲得に走ってきている。
 そういった中で、先ほどから大臣もトップセールスの話をしていただきましたけれども、官民一体となった体制づくりも日本も急いでいかなければならないと思います。また、先ほどJBICの融資のいわゆる枠組みを広げていただいたということで大変現実的な政策も打たれていると思いますけれども、今後、国土交通省内での体制づくり、あるいは、この鉄道というのは各省庁にまたがった仕事でもございますので、各省庁の横断的な体制づくりについてはどのように進めていらっしゃるか、聞かせていただきたいと思います。
#118
○国務大臣(前原誠司君) 私、この国際展開を成長戦略の一つに位置付けたときに、まず足下の組織で若干驚いたのは、植松委員も御承知のとおり、国土交通省というのは四つの役所が一つになった役所でございまして、旧建設省、運輸省、国土庁、それから沖縄、北海道開発庁と、こういう四つの役所が一緒になっていたんですが、国際部門も実はばらばらでございまして、部屋も違う。何階にあるかということも違うということで、まずこれを統一をして、国土交通省の中に統一をした国際部門というものを、部屋もタコ部屋をつくって、そこにそれぞればらばらになっていたものを、今タコ部屋なんですよ、つくって、そこで各国のいわゆるインフラ需要の動向と、そして、どういう企業がこれについて関心を持っているかというような情報を集約をすると同時に、これは外務省にも御協力をいただいて、各国大使にいわゆるセールスと同時に情報集約の拠点に公館を使わせていただくと。国土交通省の人間もアタッシェで出ているところもありますし、外務省にも協力をいただいてそういった情報収集を行うと、こういうことを今やっているところであります。
 新幹線ではありませんけれども、例えば水ビジネス。下水とか上水とかそういうものについては、経産省あるいは厚労省などと協力をいただいて水ビジネスPPP協議会というのをつくって、これは企業が百三十社以上、そして自治体も九の自治体に集まってもらい、そしてまた下水道事業団等のいわゆる公的組織も入れて約百七十ぐらいの団体が入って、そして日本の下水道、上水道の技術を海外へ展開するために、もちろん企業同士は競争相手になるかもしれないけれども、官民一体でそれを進めていくための仕組みをつくって、そして、何とかほかの国に、先ほどの原子力発電所の、ほかの国に取られたということのないようにしっかりと受注をするための体制整備をして、それが日本の経済成長にもつなげていくということを努力をしてまいりたいと考えております。
#119
○植松恵美子君 是非とも鉄道事業も、海外で日本製の鉄道が走るのを私も乗ってみたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、建設業界や中小企業の海外進出について伺ってまいりたいと思います。
 建設業の国際展開支援について、二十二年度の予算は八千七百万円でございました。特に地方の中小企業の海外進出の支援事業は一千八百万円。先ほどから何千億円という話をしていて、今度は一千八百万円の予算の話をしております。これ、けた間違っておりません。
 実際に今、公共事業費が減少していく中で海外に向けて進出しようと思っている中小企業、これアンケートの結果、今まで行ったことないけど関心があるという企業が約一〇%あると言われておりますけれども、実際、私も地元に帰って若手の建設業の、本当に小さな建設業の社長さんたち集まっていただいて意見交換会をしました。大変経営に苦しんでおります。そして、民主党政権はこの海外進出を考えているんだということを申し上げますと、大変高い関心を持っていただいているんです。ところが、この一千八百万円では何もできるわけない。
 そういった中で、前回、予算委員会で私は大臣に御提案をさせていただきましたけれども、とにかく、一つからでもいい、全国各地の地域の小さな企業さんに、実際に海外に行って、そしてそこで仕事をして帰ってくるという実績をつくってもらうべきである。そのためにはコンサルティングをし、そして契約のアドバイスをし、また資金の支援もする、こういったパッケージで応援することによって実際の実績をつくってきてもらう。そのいわゆる一つ目の企業が地域のモデル事業者となって周りにアドバイスをするアドバイザー的な役割を担ってもらう。一つの企業が二つ、二つが三つと地域地域に増えていくことによって実際に行ったことのある企業というのが増えていくんじゃないか。こういう現実味のある政策と予算を付けていただきたいということを私は前回申し上げましたけれども、そのとき大臣、大変高い関心を持っていただきましたけれども、その後、こういった御提案を少しは含みおいていただいて、また参考にしていただいた政策ができたかどうか伺いたいと思います。
#120
○国務大臣(前原誠司君) 植松委員から予算委員会で御提案をいただきまして、それについては具体的に平成二十二年度に御提案を踏まえた事業を実施していこうということで、今取組を始めているところであります。
 具体的に申し上げますと、各地域において、海外に進出をしている中小建設企業を代表的な事例としてまずセミナーを開催をさせていただくと。そして、海外進出の課題と具体的な手順とを紹介をするとともに、ゼネコンのOBなどに御協力をいただいて海外事情に詳しいアドバイスを受けられるようにするなど、そういった地方の中小の建設企業の国際展開というものを、まず初めの一歩からではございますけれども、しっかりとバックアップをするようなことを少し各地域の拠点でやらせていただきたいというふうに思っています。
 あと、先ほど申し上げた、例えば水ビジネスPPPなんかで、例えばどこの自治体が入っていただいたかというと、東京都、埼玉県、滋賀県、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、北九州市、こういったところに、先ほど、約百七十団体の水PPP協議会というのに入ってもらいました。それで、例えば今ベトナムなんかに下水道事業あるいは中東なんかで具体的なセールスを掛けているわけでありますけれども、仮にそういうものが取れたときには、下水道のノウハウを持っているのは自治体なんですね。自治体がそういうノウハウを持っていて、例えば地場の企業にも一緒に、例えば横浜市が出ていかれる場合は横浜のいわゆる地場の企業も一緒になってそういったところに出ていただく中で具体的なノウハウを身に付けていただくというようなことも、多方面から委員の御提案もいただきましたので、ちょっと財政上は千八百万円で申し訳ないんですが、その中でしっかりやっていくと同時に、先ほど申し上げたような大きな絵をかいていく中で、地方の建設会社も何かかめるような仕組みをしっかりとつくってまいりたいと考えております。
#121
○植松恵美子君 ありがとうございました。
 残りはまた午後よりお願いいたします。
#122
○委員長(平野達男君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#123
○委員長(平野達男君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。植松恵美子君。
#124
○植松恵美子君 午前中に引き続きまして、午後からも成長戦略について質問を続けさせていただきたいと思いますが、まずは港湾整備について伺います。
 一昨日、八月三日に、港湾整備の選択と集中を図るため、全国各地にあります百三の港湾のうち四十三選択をされて重点港湾と位置付けられました。おかげさまで私の地元の香川も、高松港と坂出港、この二つの港湾が重点港湾として指定されたわけでございまして、大変地元では喜んでいる次第でございますけれども、この二港には今後どのような役割を期待されていて、整備の方針はどのように考えていらっしゃいますか、お答えください。
#125
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど植松議員が一番初めに申されたように、人口減少の社会になっていきますし、また高齢化が進んでいきますので、医療、介護、年金などの社会保障の費用が当然ながら大きくなっていくと。と同時に、GDPの一・八倍もの長期債務がある中で、今までのような総花的な公共事業はできないし、総花的な公共事業をやっていけばすべてが沈んでいくと、こういうことになりますので、百三の重点港湾を約半分に絞らせていただきまして、基本的には一県一港ということで四十三港に絞らせていただきました。
 これから、その選ばれなかったところにつきましては、継続事業は国の直轄事業として行ってまいりますが、新規は選ばれた港だけということになります。高松と坂出についても、御要望を承って、どのようにその絞られた港として伸びていかれるかということについて地域としっかりと相談をしながら国としても支援をしてまいりたいと、このように考えております。
#126
○植松恵美子君 香川県は瀬戸内に面しております。港湾は大変重要な整備事業の一つでございますので、この二港、本当に二港も選定されましたので、頑張らせていただきたいと思います。
 引き続きまして、成長戦略の観光事業について伺いたいと思いますけれども、実は今、今日、私もバッジを付けているんですけれども、香川県には今、瀬戸内国際芸術祭が開催されております。七月十九日の海の日から始まりまして、百五日間にわたって十月三十一日まで芸術祭が開催されているんですけれども、先ほど、重点港湾を指定されました高松港を中心に、七つの島々にわたってアートが繰り広げられている、そういった芸術祭が今行われている次第でございます。
 七つの島々、どういった島があるかと申しますと、直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島があります。菅総理も直島とか豊島とか小豆島には来てくださったことがございますが、本当に残念なことに、この豊島というのは産業廃棄物のことで全国に有名になってしまいましたし、また大島は、これは長妻大臣にも一度来ていただきたいと思うんですけれども、ハンセン病の療養所がある島で、ハンセン病患者はこの島に長い間隔離をされていた、そういった状況の島々でございます。
 このように、島にはそれぞれ歴史があります、島の暮らしがあります。こういった島の歴史を見てもらい、暮らしを見てもらう。そして、その島に渡っていって、そこでアートも楽しんでもらう。こういった観光事業を今手掛けているわけでございますけれども、私は、これは瀬戸内海だからできる、地方だからできる観光事業だと思っております。
 今、観光事業が成長戦略として一つの柱になると大臣はおっしゃっていらっしゃいますけれども、やはりこれ、ハブ空港化して首都圏だとか関西圏だけが海外からたくさんのお客さんが来ていただいても、そこからもう一つ地方へと足を伸ばしていただくことによって滞在期間も長くなるし、また、地方を楽しむことによって、今度はじゃどこの方に行こうかとリピーターにもなるわけでございますけれども、こういった地方の観光事業の取組に対しての支援、国としてはどのように今後なさっていくつもりか、お聞かせください。
#127
○国務大臣(前原誠司君) まず一つは、観光圏というものを決めておりまして、今、植松委員がおっしゃった直島地域も含めて香川せとうちアート観光圏というものを指定をさせていただいておりまして、そういった点からの支援も香川県やあるいは当該自治体と御相談をしながらやらせていただきたいと思っております。
 あと、これは是非植松委員にも地元選出の議員として認識をいただいてお取り組みをいただきたいことがありますが、今、我々、観光で三つの柱で頑張っていこうと思っていまして、一つはインバウンドを増やす、海外からのお客さんを増やす、二つ目は平準化をするということと、三つ目はエコツーリズムとかアグリツーリズムとかメディカルツーリズムとか多様な観光というものを広げていくということなんですが、インバウンドが今物すごく増えています。特に、中国の方のビザの発給要件の緩和などによりまして七月から登録がかなり増えていまして、八月、九月からは相当ぐっと増えてくるんではないかというふうに思っておりますが、この一月から六月までもう前年度比で三五%海外からの方が増えております。
 その中にあって、ちょっとこれ、四国の方には残念なあれなんです。今の実績なんですが、外国人の地方別訪問率というのがありまして、四国は全体から来られる方の一・一%しか来ていないと。つまりは、海外の方が四国というところの認識が余りにも低いんですね。ちなみに、関東が六四・五%、それから九州が一〇・一%、関西が三三・一%、中部が二〇・八%ということで、四国が一・一%なんです。
 それで、先ほどハブということをおっしゃいましたけれども、ハブも大事です。それは、羽田のハブ化、あるいは成田、首都圏の一体ということと、あと関空をこれから生かしていくということなんですが、高松空港のような地方空港からダイレクトで例えば中国とか韓国にチャーター便というものを飛ばすということをしっかりやっていただいて、ダイレクトに受け入れていただくプロモートを例えば香川県や香川県選出の国会議員の皆さん方で是非やっていただきたい。
 この間できた茨城空港というのは、橋本知事始め非常によくプロモーションをやっておられまして、かなり多くの海外からのチャーター便が飛ぶようになっております、もちろん首都圏に近いというのもありますけれども。是非我々は、観光圏に指定をさせていただいているということと同時に、インバウンドが四国に一・一%しか来ないと、どう四国に呼び寄せるかということは観光庁を含めて我々も知恵を出しますので、地域とまさにコラボをしていかに、パイは大きくしていきますけれども、その大きくなったパイが、関東や関西ばかりでなくて、多島美の美しさを持つ四国にも来ていただけるように我々も知恵を絞りますので、また植松委員にも御協力をいただければと思います。
#128
○植松恵美子君 そうなんですね。本当に直行便、中国からの直行便、高松空港にもございません。やはり、そういったいろいろな整備を進めていくことによって外国のお客さんも増えて見に来てもらうように努力をこちらもしてまいらなければなりません。知恵を今貸してくださるともおっしゃいましたけれども、是非資金の方も御支援していただいて、本当に力強い支援をしていただければと思っております。
 さて、七つの島々と言いましたけれども、実は私の香川県の瀬戸内海には、香川県が持つ瀬戸内海の島々が有人島として二十二あるんですね。そこは本当に、それぞれ島の広さも違いますし、地形も違いますし、発達していた産業が違いますから、それぞれ違った姿を見せております。しかしながら、一方で、一つ共通点がございまして、それは本当に人口減少が進んでいる、そして高齢化率が平均の二倍である、高いんですね。
 そういった状況の中、昔ながらの暮らしとか人情なんかも息づいておりますので、是非ともこの機会に、菅総理始め閣僚の皆様方も、大変お忙しいと思うんですけれども、その島の暮らしにも目を向けていただき、そしてアートにも親しんでいただき、また島が持つそれぞれの歴史も目を向けていただければと思っておりますので、是非瀬戸内国際芸術祭にも足を運んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#129
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、数年前に直島に出かけ、地下美術館や幾つかのところを見せていただきました。また、豊島から産業廃棄物を直島で処理している現場も見させていただきました。
 私も、生まれが山口県の宇部という瀬戸内海に面した地域でありまして、私は、この瀬戸内海の風景というのは、多分国際的な観光客の皆さんにも本当に島がどんどんたくさんあって大変いい眺めだと。例えば、関空からクルージングで瀬戸内海ツアーなんというのが、もうあるのかもしれませんが、そういうこともあったら面白いなと、そんな感じもいたしております。
 本来なら必ず行くと言いたいんですけれども、なかなか予定をまだ見通せませんので、機会があれば是非、十月末とたしか今言われましたので、伺わせていただきたいと、最大限努力をしたいと思っております。
#130
○植松恵美子君 お待ちしておりますので、是非来ていただきたいと思います。
 今日は、全般にわたって民主党政権が掲げる新成長戦略について伺ってまいりました。私は、今本当に日本が元気を失っている、そして希望を失っている中で、民主党政権が立てましたこの柱、成長戦略によって世界に進出をしていき、そして日本の科学技術の分野で誇りを取り戻してまいりたい、そのために一緒になって私も頑張らせていただきたいと思いますので、是非、閣僚の皆様、日本はナンバーワンを目指して頑張っていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#131
○委員長(平野達男君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#132
○委員長(平野達男君) 次に、山口那津男君の質疑を行います。山口那津男君。
#133
○山口那津男君 公明党代表の山口那津男でございます。
 これから質問させていただきますが、この予算委員会は本来はこの臨時国会では行われなくてもいいものでありました。参議院の通常選挙の後の臨時国会というのは、院の構成をやって終わるというのがこれまでの通例であったわけであります。今なぜこの予算委員会をやっているかといえば、これは本来であれば、菅総理大臣、菅政権が発足した直後、所信表明演説をやり、そして、我々、代表質問を行い、それに続いて予算委員会を開くというのが過去の通例でもあったわけであります。我々野党は、その予算委員会を開くべしと強く要求をいたしました。しかし、与党側の都合でこれを断ち切って、選挙になだれ込んだわけであります。結果は御覧のとおりであります。ですから、本来やるべきであった予算委員会を今この場で代わって行うと、こういう位置付けであります。
 我々は、この予算委員会で、菅総理大臣の所信表明演説の内容、そして我々が質問した代表質問に対する答弁、さらにはその後の選挙の際における菅総理大臣の発言、これらに対して今日は質問させていただきたいと思います。これからどうするかということについては、今ある種のモラトリアム状態にありますので、民主党の代表選の後どうなるか、これを見極めて論戦を挑ませていただきたいと思います。
 それでは、まず伺いますが、今回の参議院選挙で示された民意というものをどのように受け止めていらっしゃるか、これを率直にお尋ねしたいと思うんですね。
 総理は、同僚の質問に対して、比較第一党を確保したと、昨年の政権交代のその国民の希望を引き続き担っていきたいと、こういう趣旨の答弁をされていらっしゃいました。しかし、今回の選挙の結果は、これは民主党、そしてあえて言えば自民党、二大政党と言われる政党の比例得票、これが大きく減ったんですね。また加えて、既成政党と言われるところ、公明党もそうであります、若干減りました。共産党、社民党も大きく減らしたわけであります。代わって、みんなの党を始めとする新しい政党が大きく票を伸ばしました。
 そのみんなの党、たちあがれ日本、新党改革、また日本創新党、この四つの政党の得票、これを全部足し合わせますと一千万票を超えます。我々も言わば歴史ある第三極の一つと、こう思っておりますので、この公明党の票を加えますと、一千八百四十八万票余りなんですね。民主党の票をしのいで、それを上回っているわけであります。
 ですから、今回の選挙の特徴というものは、この民主党や自民党といういわゆる二大政党に飽き足らない民意というものがこの第三極によって受け止められたと、こういう特徴があると思うんですね。
 私は、こういう新しい傾向というものを率直に受け止める、謙虚に受け止める、そういう必要があると、それを踏まえてこれからの政権運営、あるいは政策の実現、どう取り組んでいくかという与野党の取組が問われるところだろうと思うわけであります。この点について、総理の御認識を承りたいと思います。
#134
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も政権を担当することになって初めての予算委員会ということで、しっかりと議論させていただきたいと思っております。
 今、山口委員の方からモラトリアムという言葉が出ましたが、私は現在、我が政権がモラトリアム状態にあるとは全く思っておりません。既に閣議で決めた新成長戦略とそして財政運営戦略に基づいていよいよ本格的な予算編成の作業に入っておりまして、まさにこれからの日本の、元気な日本を取り戻し、国民の生活が第一という方向に向けて全力で走り始めているということを国民の皆さんには是非御理解をいただきたい、そういう議論をしていきたいと、こう思っております。
 今、今回の参議院の選挙をどのように認識するかというお話でありました。私は、この票の分析というものをどのように考えていいのか、それはいろいろ専門家の方が言われます。議席ということでいえば、大変残念なことに私たち民主党、大幅に議席を減らしまして、それには私のやや唐突に受け止められた消費税の発言もあったと思っております。
 第三極の位置付けについてどのように考えるのか。確かに、イギリスなどでも二大政党の長い歴史の中で第三極が今回連立政権を組まれました。日本においてもそうした連立政権がかなり継続的に今日まで続いて、いろんな形で続いているわけであります。
 そういった意味で、必ずしも第一党、第二党だけではない政党の皆さんともしっかりと話し合って、共有できる政策については共に実現するように私たちも努力したいと思いますし、是非、公明党にあっても、国民のためになる政策については共に実現するという方向で御協力といいましょうか、共にやっていければ有り難いと、このように考えております。
#135
○山口那津男君 私は、第三極に属するそれぞれの政党のトータルなこの民意の表れというものを問いかけたわけですね。別に公明党をどうこうということを聞いたわけではありません。そういう流れというものを謙虚に受け止める必要がある。
 総理も今イギリスの例をお出しになりましたけれども、イギリスでも長年の二大政党による政権交代ということが、今年の五月の選挙で流れが変わったように思われます。第三極と言われる第三の党が得票率を大きく伸ばしたわけですね。イギリスは一院制の国であります、事実上。というのは、選挙をやって議員を選ぶというのは下院だけなんですね。ですから、そこでの選挙の結果というのは即政権を選ぶということになります。しかし、日本は二院制なんですね。ですから、直ちにそういうことにはなりません。
 そんなことを考えますと、やはりこの衆参を通じて国民の民意というものをどれだけ議会に反映させるか、それをしっかりと制度としても絶えず検討していくということが重要であり、またその民意に基づいた政策判断、政治判断というのを行っていくということが重要だと思います。私は、この二大政党中心の今の小選挙区比例代表制度、この現行制度にも大きな疑問が投げかけられている、そういう問いかけだとこの民意を受け止めたいと思います。
 まあそれはそれとして、もう一つ、民意の関係で伺います。
 千葉法務大臣、私は弁護士の同僚として、かねてからその手腕については敬服をいたしてまいりました。しかし、残念ながら今回の選挙で議席を失われたわけですね。この民意というものをどう受け止めるかということは重要なことであります。
 総理は千葉法務大臣の続投を命じられましたけれども、千葉大臣は、その議席を失った当初は辞意を表明されたんですね。これは、民意に素直な私は対応だったと思います。といいますのも、現職の法務大臣が選挙に臨んで、そしてその適格性があるかどうかということは、適格性があると有権者が判断するならば議席を与えてくださるはずなんですよ。それが第一条件なんです。しかし、その前提たる議席がなかったということは、この現職法務大臣としての適格性についても民意を得られなかったということになるはずなんです。それを続投を命ずるということは、この民意に逆行した対応だということを言わざるを得ません。その点で菅総理大臣の任命責任が問われると思います。
 この千葉法務大臣の選挙区で示された民意に対して、菅総理は改めてどうお考えになるんですか。
#136
○内閣総理大臣(菅直人君) 山口委員御本人がおっしゃったように弁護士であられるわけで、もちろん私以上に憲法の規定はよく御承知だと思っております。
 つまり、閣僚のうちの過半数は国会議員でなければならない、逆に言えば、過半数未満であれば民間の方を登用することもできるわけです。私は、法務大臣として千葉大臣が、確かに選挙では惜しくも落選をされましたけれども、その職にふさわしいかどうかということを考えたときに、山口委員からもお褒めといいましょうか、評価をいただきましたけれども、こういった分野に大変精通をされ、しっかりした大臣としての職務を遂行されてきた方だと、そういう認識の下でそのまま継続をして法務大臣をお願いした次第でありまして、決して私はそのことが、この憲法上の規定からしても問題はありませんし、選挙の結果というものは選挙の結果として、議席という意味ではもちろん意味を持ちますけれども、大臣という立場については、その職責にふさわしいというその判断で私がそのまま留任をお願いしたことは私は問題ないと、このように考えております。
#137
○山口那津男君 全く答えになっていないんですよ。民間人から登用できるかどうかということはこの問いには関係ないんです。そして、適格性があるかどうかということについてどう民意が示されたかと私が先ほど申し上げたその民意、これに逆らって、いや、適任だと、私は適任だと思うと、こう総理はおっしゃっているだけの話ですよ。しかし、選挙で示された民意というものを本当はもっと謙虚に受け止める必要がある、このことを強く申し上げておきたいと思います。
 さて、今回の選挙で私は、民主党の政権交代後の政権運営あるいは菅総理大臣になってからの総理の発言等々、これらに対して三つの迷走があるということでレッドカードを突き付けました。有権者にそう訴えました。
 簡単に言えば、三つの迷走というのは、一つはマニフェスト、衆議院の選挙で掲げたマニフェストが一年もたたないうちにあっちもこっちも修正されたり断念されたり、どうなっていくのか分からない。そして、参議院のこの選挙で示されたマニフェストとは明らかに違う点があるわけであります。こういうマニフェストの変遷、これに対して有権者の方々は、約束したらこれは実行すべき、実行できないんだったら約束をするな、これが国民の皆さんの素直な気持ちですよ。それに合わないマニフェストの迷走ということを我々は指摘したわけであります。
 もう一つ、政治と金、そして普天間の問題、これについては明確な争点を隠そうとして後ろへ追いやったと、そういうふうに受け止められても仕方ありません。本質的な解決にはなっていない。その点でもこの論点が迷走していると言わざるを得ないんです。
 それと、消費税をめぐる菅直人総理大臣の唐突な発言。しかも、これについて何に使うのか、その使途についてはいろいろと総理が迷われる。党首討論というかメディアの番組で問われても、明確にどこに使うということをなかなかはっきりとお答えになられなかった。あるいは、消費税の全額還付等について、収入を基準にしてその収入額を示された、これも二転三転であります。こういう消費税をめぐる迷走ぶり。この三つのことを私たちは指摘をしてレッドカードを突き付けた、それがこの選挙の結果になったわけですね。
 もう少し砕いて一つ一つ質問させていただきたいと思います。
 まず、消費税についてでありますが、突如として消費税一〇%、これは自民党の主張を参考にしてこの論を推し進めるべきだと、こういうことをおっしゃったわけですね。しかし、この一〇%、消費税を一〇%に上げるなんということは、発言の前に民主党の中で議論してしっかり決めたことなんですか。政党と政権が議論をし合って、そしてこの政権の下で閣議決定をして政策を一元化する、これが総理の持論ですね、方針ですね。そういう手続を行って、その党と政権がコンセンサスを持ってこの消費税一〇%発言というのをしたんですか。やっていないじゃないですか。
 連立政権を組んでいらっしゃるわけですね、国民新党の自見大臣いらっしゃるわけですね。連立与党として議論をしてこういう合意をしたんですか。はっきりしませんね。そして、その総理の発言の後、民主党の幹部やあるいは国民新党の幹部から反対の声が上がりました。そして、現職閣僚の中でもそんな議論をして決めた覚えはないと、こういう趣旨の発言をした人もいました。この民主党や連立政権の合意をなくして消費税一〇%の発言を切り出した、こういうことで間違いないんじゃないですか。
#138
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、三つの迷走というふうにおっしゃいましたけれども、これは後ほどの議論になるかもしれませんが、昨年の政権交代に当たってのマニフェストについては、子ども手当あるいは高校の無償化、さらには農業の所得補償、一部とはいえ高速道路の実験的取組など、私はそのマニフェストに沿っての政策の実行を、全部とは言いませんけれども、七割程度は前進をしていると、このことを申し上げておきたいと思います。
 また、普天間の問題も挙げられましたけれども、私たちが政権に、担当することになったときに、日米の合意をしっかりと踏まえると、同時に沖縄の負担の軽減に全力を尽くすと、そういう原則をきちっと申し上げたわけでありまして、決してこの問題で迷走しているとは思いません。
 そこで、消費税の私の発言についてでありますけれども、確かに私が消費税について発言したことがやや唐突に受け止められた、この点は党内の議論でも申し上げました。
 しかし、あえて申し上げますと、私が直前まで財務大臣を務めていた中でも国会でも議論をさせていただきました。日本の現在の財政の状況がどんな状況にあるのか。あるいはヨーロッパにおけるギリシャを含めたEUの混乱、これは単にヨーロッパの問題だけではありません。それに当たって七千五百億ユーロの支援の枠組み、その中にはIMFに日本から枠組みとして一千億ドルを提供いたしているわけでありまして、そういう意味では、そういった問題を当面した中で、この財政の健全化は他山の石ということを超えて我が国にとっても重大な問題であると。どなたが総理であろうとも、どなたが、どの政党が政権を担当しようともこの問題は避けて通ることができない、この思いは現在も変わっておりません。
 その中で、消費税をめぐっていろいろ発言をした中で、確かに、例えば政府税調で御議論いただいたり、また政調が復活した中で党として御議論をいただくべき問題を、例示とはいえ私が幾つか軽減措置などを申し上げて、それがやや混乱を招いたという点は申し訳なく思っております。
 しかし、いずれにいたしましても、消費税について、御党も社会保障に関連してそのことを指摘をされているようなわけでありまして、今後は、我が党においては政府税調の議論とそして党の政調会を通しての議論を含め、この内容についてどういう形で財政再建をしていくのか、基本方針は既に閣議決定をしておりますけれども、具体的な問題については御議論をいただき、その中から超党派での議論というものが可能かどうか、それも検討いただくように指示をいたしているところであります。
#139
○山口那津男君 総理、全然答弁になっていませんよ。
 私が伺っているのは、消費税一〇%をいきなり言い出したその前に民主党の合意があったんですか、連立与党で合意をした上で発言したんですか、そのことを聞いているんですよ。総理大臣の心の中の思いを聞いているんじゃありませんよ。総理大臣は所信表明のとき、消費税の消の字も発言していないじゃないですか。参議院のこの民主党のマニフェストに一〇%なんてどこにも書いていないじゃないですか。書いていないですよ。
 だから、合意をしたのかどうか、発言の前に民主党として合意したか、連立与党として合意があったかどうか、端的にお答えください。
#140
○内閣総理大臣(菅直人君) 六月のたしか十七日だったと思いますけれども、我が党も参議院に当たってのマニフェストを発表いたしました。
 そのときに、できるだけ早い段階で消費税を含む税制抜本改革について超党派で議論をしたいということをマニフェストに盛り込んでおりましたので、そのことも含めて発表する中で、私が添えた言葉が確かにいろいろと唐突に受け止められました。その添えた言葉というのは、同じ日に自由民主党の方で消費税を一〇%を引き上げるというそういう案を出されていたものですから、そういう超党派の議論をする場合には、自民党が提起されている消費税一〇%に引き上げるということも参考にさせていただきたいということを申し上げたことは、記者会見のテレビでも見ていただければはっきりいたします。
 先ほど申し上げたのは、その私の発言が何かすぐにでも消費税を上げるかのごとく受け止められたという意味で申し訳ないと思っておりますけれども、あくまで申し上げた言葉は参考にさせていただきたいということでありまして、私は、超党派で議論をするときに、それに参加をいただける可能性のある党の主張を参考にするというのはある意味ではごく普通のことであろうと、このように思っております。
#141
○山口那津男君 総理大臣、私の質問に、二回聞きましたけれども、端的に正面から答えていないんですよ。委員長からきちんとお答えいただくように促していただきたい。そうでなければ、総理、民主党の何か合意があったか、連立与党の合意をした上で発言したのか、そのことを伺っているんですよ。あったか、なかったか、これだけでいいんですよ。あったんですか。
#142
○内閣総理大臣(菅直人君) 私はちゃんと答えているつもりですよ。つまり、私が申し上げたのは、民主党が、あるいは我が政権が、消費税一〇%を引き上げろともし私がその場で言っていたとすれば、一体どこで決めたのかということを聞かれるのは当然だと思います。
 私が申し上げたのは、超党派での議論をするときに、自由民主党が出されたその一〇%引上げという案についても参考にさせていただくということでありましたので、結果として、そのことが大変唐突感を与えて御迷惑を掛けましたけれども、そういう参考にさせていただくという、その発言は私自身の判断でさせていただきました。
#143
○山口那津男君 民主党や連立与党の合意があったか、なかったか、端的に答えられないんだということがはっきりいたしました。国民の皆さん、お聞きになったとおりであります。是非、これを基にこれからの議論を進めなければならないと思います。
 さて、もう一点。その収入に応じて全額還付するかどうか、この金額が随分ぶれましたね。二百万と言ってみたり、二百五十万、三百万、三百五十万、四百万、いろいろありましたよ。しかし、平成二十一年の国民生活調査の数字によりますと、所得金額二百万以下の世帯というのは一九・四%しかないんです。ところが、所得金額四百万以下の世帯ですと四六・六%に上るんですね。これを、対象を幾らにするかによって税収も、そしてまた、対象となる方々の人数もまるっきり違ってくるんですよ、影響が。ですから、もう制度設計そのものが大きく違うんです。
 ですから、この点について単なる例示、低所得者に対する負担軽減の例示、そういうレベルの話じゃないんですよ。この税制全体が、そして消費税をどこに使うかということも含めたこの構想全体が大きく違ってくるんですよ。もちろん税率だって、同じ税収を目指すんだったらこの還付の収入の選択によって大きく違っちゃうんですよ。そういうことをしっかりと踏まえないでこういう発言をしていたんじゃないんですか。単なる例示なんていうどころの話じゃないですよ。この点の認識をどうお考えになりますか。
#144
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年の暮れに、政府税調の下でこの所得税、法人税、そして消費税も含む議論をするということは大綱の中に盛り込んであります。また、私が財務大臣になった中で政府税調の中に専門家会議をつくっていただきまして、その中でも同じように所得税、法人税、消費税などの議論をお願いをいたしております。
 まさに制度設計という言葉を今山口代表使われましたけれども、そういう議論の中で、あるいは消費税を変更させるときに、どういう軽減措置等が必要になるのか議論を多分いただくことになると思いますが、その議論を待たないで私が例示とはいえいろいろ言ったことは、私のやや不用意な発言であったと、このことは認めさせていただきます。
 しかし、今申し上げましたように、あくまでこの議論は、私が申し上げた元々の真意は、あるいは言葉は、超党派で議論をしようじゃありませんかということを申し上げたわけでありまして、それに対しての内容については、まさに議論の中で、まさに超党派の議論の中でそうした議論をしていきたいと、こう思っているわけでありました。
 是非、公明党あるいは山口代表におかれても、消費税についていろいろ、皆さんの方も社会保障に関しては引き上げることもあり得るということを言われているわけですから、もし御意見があるならば、自分たちはこう考えるけれどもどうなんだと、そういう形で御意見をいただければ有り難いと思っております。
#145
○山口那津男君 与党の議論もまとまってない、連立与党の合意もない、そして制度設計の中身もぐらぐらしている、そんな状況で他の皆さんに議論をしよう、具体案を出せなんて、責任の在り方を取り違えていますよ。不用意などということで片付けられる問題じゃない。基礎が全然できていない中で上っ面だけ言うから、かえって誤解を招くようなことになるんですよ。もっとしっかりと言葉に責任を持ってこれから発言をしていただきたいと、こう思います。
 さて、次の質問に移りますが、政治と金の問題であります。
 この点は、総理は、鳩山前総理、それと小沢前幹事長、辞任をしたことによって大きなけじめが付いたと、こうやって答弁されていますね。しかし、けじめと総理はおっしゃるけれども、問題はこれだけじゃないんですね。パネルをお示しいたします。(資料提示)
 私が代表質問のときに問うたことに対する総理の答弁です。六月十五日、この参議院本会議で、けじめの問題と課題の解決の問題を全くイコールとは考えておりません、別な問題ですと、こう総理はお答えしているんですよ。だから、辞任でけじめが付いたといっても、課題の解決、これは何にも解決されていないんですよ。課題の解決の問題は別だとおっしゃっているんです、総理は。
 この間の三日の衆議院の予算委員会では、一つの大きなけじめが付けられた、まあ、けじめは付いたと思われるならそれはそれでいいですよ。しかし、課題の解決、これは別だ、解決されていませんと私は思いますよ。私なりに言えば、課題の解決というのは、この辞任では含まれないいろいろな問題ですよ。例えば、この当事者が説明責任をしっかり果たすということ、これは重要な課題の一つです。それと、政治と金の問題が度々政治の大きな障害物になって、国民の皆さんにとって重要な生活や仕事の問題、こういう議論の妨げになってきた。だからこそ、この政治と金の問題は二度と起こさないと、こういう再発防止策を作り上げることが大事な責務だと思いますよ。
 そういうこの課題について、総理は御自身でこの課題の解決の問題、どういうことが課題だと思われますか。
#146
○内閣総理大臣(菅直人君) 政治と金の問題の中で長年議論をし、我が党からも提案をしている企業・団体献金の問題、こういった問題はまさに課題の大きな課題でありまして、まだこれについては最終的な結論には達していない、このように認識をしております。
#147
○山口那津男君 それしか課題は認識されていないんですか。それしか認識されていないんですか。企業・団体献金の禁止、確かにそれも課題の一つだと思いますよ、再発防止策の一つだと思いますよ。それだけですか。どうなんですか。
 私は、例として説明責任の問題やその他の再発防止策も含めて言ったつもりですよ。
#148
○内閣総理大臣(菅直人君) この質疑の中でどういう質問に対して私答弁したのか、必ずしも議事録をきちっとまだ精査をしておりませんが、今申し上げたように、課題というものにはいろいろあると思います。今、山口代表が言われたように、例えば、中には司法手続というのか、そういうものに関連している問題もあります。
 ですから、幾つかの問題はあると思いますが、その中で一番国会としても大きな課題に長年なっている問題がまさに企業献金、団体献金の問題でありまして、それ以外にないとは申しませんが、それについてはまたこの場で議論をさせていただきたいと、こう思っております。
#149
○山口那津男君 鳩山前総理は、この国会で私と党首討論を行ったときに、その前の予算委員会で御自身が、資料を基にして説明しろ、母親からもらった資金の使い道について説明しろと、こう問われて、今その資料は秘書の刑事裁判に出しているから、裁判が終わったらそれを取り戻して、そして見せて説明をしますと、こうやって答弁されたんですよ。西田委員の質問に対して答弁されたんですよ、鳩山さんは。私がそれを党首討論のときに確認をして、裁判が終わったら出していただけますねと。最初はそうしますと、こう言っていた。
 ところが、次の党首討論の際にもう一度、もうすぐ裁判が終わるけれどもやりますねと再び問いただしたら、出す必要はないと、こうやって前言を翻すようなことをしたんですよ。一度この予算委員会で資料を出して説明しますと、こう答弁しているんですから、そんなうそをほったらかしておいていいんですか。総理を辞めた、辞任で片付けられる問題じゃありませんよ。これがけじめが付いてない課題の残っている一つですよ。
 小沢幹事長についても、刑事事件で問われた、これで片が付いていると、そういう趣旨の答弁を総理はされましたけれども、この刑事事件を通じて問われていないこともいろいろと課題になっているんです。献金を受けたお金、どこに使ったんですか。何で不動産、あんなにたくさん使う必要があるんですか。国民の皆さんの素朴な疑問ですよ。そして、西松建設やあるいは水谷建設から献金を受けた、その献金した側は処罰されてるじゃないですか。その問題は一体どうなっているんだと。これは小沢幹事長に向けられた容疑とは別の課題ですよ。そういうことに対して、まさに説明責任を尽くさなければ解決できないじゃないですか。そういう説明責任の課題というのが残っているんじゃないんですか。
#150
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、鳩山前総理と小沢前幹事長がこの政治と金の問題を含む問題で、一つのけじめとして、私は、その役職を辞任されたということは、政治家としては最大級のけじめの付け方であると、このように思っております。その中で、今御指摘のありましたいろんな課題については改めて御議論をいただくことは、国会の場でありますから、それは御議論いただければいいと思いますが、少なくとも私は、そうした、総理大臣という職を辞され、あるいは幹事長という立場を辞されたということが政治のけじめとして極めて大きいという認識は今も変わっておりません。
#151
○山口那津男君 今問いかけていることは課題の解決なんですよ。けじめがどうのこうの話じゃないんです。説明責任を尽くすという課題、これに対して解決されてないんじゃないんですか、そのことを問うているんですよ。民主党の代表なんですから、党の枢要な立場にあった方々に対するこの課題をどう解決するか、責任ある判断をこれから示していただきたいと思います。
 もう一つ、検察審査会。小沢さんや鳩山さんに対して検察審査会で審議がなされました。次のパネルをお示しいたします。
 ここでは、この検察審査会というのはたくさんありまして、東京で、まず鳩山前総理のは第四検察審査会、小沢前幹事長の四月二十七日の判断はこれは第五検察審査会、そして同じく小沢さんに対する七月八日は第一検察審査会、全部、審議している対象も違うし議論している構成員も違うんですね。一つの検察審査会は十一名、ですから三十三人の別々の人が審査をして、過半数の人がこういう判断に至り着いたという、共通して指摘されていることがあるんですよ。
 まず、鳩山さんのところです。監督責任だけで会社の上司等が責任を取らされている世間一般の常識に合致していないので、本条項、つまり政治資金規正法の二十五条二項ですね、これは改正されるべきだと、監督責任を強化すべきだと、こういう結論ですよ。もう一つ、小沢さんの第五検察審査会。秘書に任せていたと言えば政治家本人の責任は問われなくてよいのかと、この言い訳がまかり通っている、これは許すべきではないという、こういう判断ですよ。そして、七月八日、第一検察審査会。政治家自身が公開された内容を知らなかったなどと言って責任を免れることを許さない制度を構築すべきだと。
 この三つの指摘というのは共通しているんですよ。秘書がやった、自分は知らないという政治家の言い訳をもう許さない、そういう制度をつくるべきと、こういう国民の民意を反映させる、その検察審査会の共通した結論なんですよ。
 私たちは、これに応じて、監督責任の強化が重要だということで法案の提出もさせていただきました。次のパネルをお示しします。
 これはもう昨年の国会でも、また前国会でも提案をし、この国会では継続審議になって、法案はこの国会に残っているんですね。政治資金規正法、先ほどの二十五条二項というところですよ。現行法は、選任、つまり会計責任者の選任及び監督の両方について過失が必要だ、こうなっているものですから、鳩山さんの検察審査会のところでは、選任のところに過失がないから、監督の責任があったかどうかは問うまでもなくこの条文は適用にならない、こういう判断をしているんですよ。しかし、それに加えて、だけれども監督責任の方も重要だと、だから、監督責任を怠ったということできちんとその責任を問えるような、そういう法改正をすべきだ、そういうことを指摘しているんですよ。
 その指摘に素直に我々がもう以前に出しているものが公明党の改正案で、選任又は監督いずれかについて過失があればやっぱり責めを負うべきだと、こういう改正案であります。そんな難しい改正案じゃないんですよ。及びを又はに換えて、両方をいずれかに換えて、小学生だって分かる言葉ですよ。そして、政治家に罰金が科され、その結果として政治家の公民権停止、失職に至る場合があると、こういう法改正であります。換えるところはあの赤い文字で書いた部分だけです。
 この改正案について、私は代表質問のときに、この再発防止策のもう一つの重要な案としてこれを提案しているので、総理、丸のみされたらどうですかと、こういうふうに申し上げました。そうしたら総理はどうお答えになったかといいますと、最初から丸のみと言われなくても、採決をすれば成案はおのずと得られたのではないかと思っておりますと。法案出したんだから採決すれば成案得られる、つまり賛成多数になると、こういう認識を示したんですよ。
 そしてその後に、この下の六月十五日ですが、臨時国会では自民党の反対を押し切ってでも規正法を改正すると表明をしていただければ有り難いと、公明党に規正法を改正すると明言、表明していただければ有り難いと、こうお答えになっているんですよ。もちろん、我々は改正しましょうと言いますよ。有り難いでしょう、総理。
 そして、自民党の反対を押し切ってでもとおっしゃっているんですよ。自民党が反対かというと、そうじゃありません。この参議院のマニフェスト、この参議院のマニフェストでは、「政治家が違法行為を秘書に責任転嫁し逃れることのないよう、政治家の監督責任を強化します。」と、はっきりおっしゃっているんですよ。これは我々の改正案と趣旨は同じです。そして、まあ既に去年の衆議院選挙のときも同趣旨のことを自民党さんも提案したんですね。ですから、残るは民主党ですよ。民主党の皆さんが規正法を改正すると表明していただければ、今国会だって成立するんですよ。臨時国会で表明していただければ有り難いとわざわざ総理おっしゃっているんですから、この改正案に総理、賛成していただけますね。
#152
○内閣総理大臣(菅直人君) 政治資金規正法の改正についてはいろいろな条項があるわけでありまして、私どもが先ほど申し上げた企業・団体献金の禁止も重要な課題だと思っております。
 それから、今検察審査会の意見についていろいろ触れられましたが、確かにそういう意見が出されていて、それは一つの意見としては傾聴に値するところもあると思いますけれども、つまり、この検察審査会そのものの、何といいましょうか、判断について余り私の総理という立場でこれは正しいとかこれは正しくないとか、そう言うべきではないと思っております。
 どうか政治資金規正法については、例えば参議院では野党の皆さんも多数を持っておられるわけですから、私どもも企業献金の禁止を含めて用意をいたしますので、野党の皆さんも是非出していただいて、まさにその委員会の場で議論を交わして合意形成を図っていっていただきたいと、このように思っております。
#153
○山口那津男君 またはぐらかしの答弁ですね。この答弁は総理自身の答弁ですよ。臨時国会でこの我が党が提案した政治資金規正法の改正案、規正法改正をすると表明していただければ有り難いとおっしゃっているんだから、改正しますと、改正賛成しますと、こうおっしゃるべきが筋じゃないですか。端的にお答えいただきたいと思います。
#154
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほどからお答えしているわけなんです。つまり、政治資金規正法の中には企業・団体献金の禁止も入っているわけでありまして、私は企業・団体献金の禁止に、たしか公明党も禁止に賛成されていると思いますけれども、そこについて賛成をしていただけるのか、そういうことも含めてその答弁をした、このように認識をしております。
#155
○山口那津男君 企業・団体献金のことを聞いているんじゃないんですよ。監督責任を強化するために、先ほど示したその選任又は監督と、そしてそのいずれかに過失があると、こういう改正案に、総理が規正法改正すると表明していただければ有り難いと、こうおっしゃっているんです。この対象は企業・団体献金の禁止のことじゃありませんよ。我が党の提案した政治資金規正法の改正ですよ。これについてどう考えるんですか。
#156
○内閣総理大臣(菅直人君) 我が党で、この今、先ほどおっしゃった選任と監督について、現行法と公明党の改正案についてまだ議論としていろいろな問題点があるのかないのか、これは少なくとも専門家の中ではいろいろと議論があるというのは私も多少知っております。そういう意味で、まさに国会の審議を通して私たちも判断をさせていただきたいと、こう思っています。
#157
○山口那津男君 同じ党に対して私は鳩山さんに聞いた。そのときは、二月三日、政治資金規正法改正については、国民の皆様の声に謙虚に耳を傾ける、これは大事であって、不断に見直す姿勢が必要だ、前向きに検討すべきだと、こうおっしゃっているんですよ。あの鳩山さんでさえこうおっしゃっているんですよ。それよりも後退するような発言をするんですか。そんなこと言っているようじゃクリーンな民主党なんて名のる資格はありませんよ。はっきりと答弁してください。──原口大臣に聞いているんじゃありません。菅直人さんのこの答弁に対してはっきりした答弁をしてください、こう聞いているんです。どうぞ。
#158
○委員長(平野達男君) 原口総務大臣。
#159
○山口那津男君 聞いてないですよ。
#160
○委員長(平野達男君) 原口総務大臣。
#161
○山口那津男君 聞いてない。戻りなさい。
#162
○委員長(平野達男君) 委員長の采配です。座ってください、座ってください、座ってください。(発言する者あり)
#163
○山口那津男君 この答弁に対して質問しているんです。
#164
○委員長(平野達男君) 原口総務大臣に答えさせてから聞いてください。
#165
○山口那津男君 じゃ、時間をカウントしないでください。
#166
○委員長(平野達男君) 時間は片道ですから大丈夫です。どうぞ。どうぞ答弁ください。
#167
○国務大臣(原口一博君) よろしいですか、答弁させていただいて。(発言する者あり)委員長の御指示です。委員長の御指示に従います。
#168
○委員長(平野達男君) どうぞ答弁してください。
#169
○国務大臣(原口一博君) 政治資金規正法は、各党各会派で御議論をいただくべきものと考えています。その上で、政治家の責任というのは極めて重いというふうに考えています。しかし、選任及び監督と選任又は監督では、これはえらい違いです。
 政治資金規正法は議員立法であるために、その法の趣旨、あるいはそれを守る側からする予見可能性、これにもいろんな議論があります。その中で、やはり各党各会派で慎重な御議論をいただく、これが大事だというふうに考えております。
#170
○委員長(平野達男君) 菅内閣総理大臣、御答弁お願いします。
#171
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど、消費税に対する発言について、党内手続は終わったのかと、あるいは連立の中の手続は終わったのかと、こういう厳しい指摘をいただきました。
 現在、民主党は、さきの代表選の折に私が公約をして政調を復活させて、今本格的に政調が動き始めました。そういう意味で、従来の段階では党の意見を聞くという正式な手続がありませんで、そういう意味では内閣の中での判断ということになりますけれども、これからは党の意見、特にこういう議員立法の場合は党の議論が特に重要でありまして、そういう意味では、党内の議論をしっかりするというのは、先ほどの山口さんのアドバイスもしっかり踏まえてそうさせていただきたいと思っております。
#172
○山口那津男君 全く、私の質問にもっときちんと答えていただきたいんですよ。結局答えがないから、テレビの司会者にも答えがありませんねと、こうやって指摘されて次の問いに行かれちゃうんですよ。
 私は、もう一つの迷走、普天間基地の問題について伺います。
 菅総理は、私が代表質問をしたときに、以前はこの普天間の基地は国外、県外に移設することが望ましいとおっしゃっていた。しかし、今は日米合意を踏まえてと、こうおっしゃっている。じゃ、いつ考えが変わったんですかと、こうお尋ねしたときに答えがなかった。
 しかし、菅総理は以前、例えば二〇〇三年の十一月、那覇市内の記者会見の席で、アメリカ海兵隊の基地と人員が沖縄にいなくても極東の安全は維持できる、日本から移転を考えている、こうお述べになったと報道されております。もう一つ、二〇〇五年、超党派の勉強会の会長に就任されたときの発言として、普天間の辺野古移転について、不可能だ、県外、国外へ移転すべきだ、こう発言したと、こう報道されております。
 こうした発言は否定されませんでしたね。だけれども、現在は総理としてこの辺野古へ移転するという日米合意を踏まえてと、こうおっしゃっているわけですね。いつ考えが変わられたんですか、お答えください。
#173
○内閣総理大臣(菅直人君) 沖縄の海兵隊に関する、私いろんな時期に発言をいたしております。
 例えば、全部を、日程と日時と発言の細かい内容を覚えているわけではありませんが、例えば、ソ連が崩壊した中で世界が平和の配当といったことを考えた時代もありました。そういう時代と、この数年間、特に北朝鮮の核開発あるいはミサイル開発などを含めて、大変緊張が従来以上に高まった中でと、そういった変化があったことは、これはだれもが認められることだと思います。
 そういった意味で、私が総理大臣に就任する折にいろいろもちろん聞かれましたし、また、その前の閣議決定にも参加をいたしておりましたので、そういった意味では、現在の沖縄における海兵隊の存在は、我が国の安全にとっても、またこのアジアのこの地域の安定にとっても必要であると、そういう認識を持って閣議決定にも賛成をいたしましたし、そういう姿勢で臨むと。しかし、併せて沖縄の負担の軽減に同時に全力を果たしていく、このことも申し上げたところであります。
#174
○山口那津男君 総理、総理の過去の発言と今の発言は全然矛盾しているんですよ。辺野古の基地は国外、県外が望ましいと言っていたのが、今は辺野古が日米合意だからそれを踏まえて推進すると、こういうお話でしょう。いつ変わったんですかということをお尋ねしているんです。答えがないんですよ。答えますか。答えられないですか。
#175
○内閣総理大臣(菅直人君) 言いました。(発言する者あり)
#176
○山口那津男君 答えられない。いつ変わったか言えるんだったら、お答えください。(発言する者あり)
#177
○委員長(平野達男君) 着席ください。
#178
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げたと思うんですけれども、私が、鳩山内閣の下で最終的に日米の合意があり、それを前提とした閣議決定があったときに、それに署名をいたしました。その上で、私が総理大臣になったときにも、そのことを踏まえて、日米合意を踏まえていくということを申し上げました。
 何月何日に、いつ変わったという、スイッチではありませんので、私が総理大臣に就任するとき、そしてその前、副総理として閣議決定をした時点で先ほど申し上げたような判断に立ってそういう署名をし、また就任の折の意見表明をさせていただいたということです。
#179
○山口那津男君 はっきりしませんね。なぜ変わったかということも問いたいところですが、時間も限りがありますから、次のことをお聞きします。
 民主党の参議院議員であられて、先般議席を失われた喜納昌吉さん、今現在は民主党の沖縄の県代表と言われております。この方が本を出しまして、「沖縄の自己決定権」という本なんですね、自己決定権。この本は今年の五月三十一日の発行であります。そして、この本の百九十四ページ、皆さんに資料を配付してあります。この百九十四ページにこういう記述があるんですね。去年ですよ。「政権をとった時期に菅直人と会ったんですよ。沖縄問題よろしくねって言ったら、彼は「沖縄問題は重くてどうしようもない。基地問題はどうにもならない。もうタッチしたくない」と言うんです。」と、こう書いてあるんですね。かぎ括弧が付いてですよ。さらに次に、「もう沖縄は独立したほうがいいよ」って言ったと、こう書いてあるんですね。
 このかぎ括弧付きの菅直人さんの発言と言われる部分は事実ですか。
#180
○内閣総理大臣(菅直人君) 全く事実に反しております。私自身、そういう発言をした覚えはありません。
#181
○山口那津男君 事実に反している、そういう発言はないと否定されるんであれば、これは喜納さんが本でうそを書いたということになりますね。しかも、これは公刊されている本ですから、同党の沖縄県代表が明らかなうそを書いたというんであれば、喜納昌吉さんを名誉毀損で訴えるとか何かしなくていいんですか。このまま放置するんですか。どうするんですか。喜納さんがうそついているということなんですか。
#182
○内閣総理大臣(菅直人君) 喜納昌吉前参議院議員とは、その後、電話ではお話をして、こういう話をした覚えはないということを御本人にお伝えをいたしました。
#183
○山口那津男君 喜納さん、何て言っていましたか。
#184
○内閣総理大臣(菅直人君) 喜納さんとは、私もいろんな機会に御一緒したり、いろんな話をいたしております。私がそう言ったことに対して、そんなはずはないと言って私の発言を否定されるような発言はありませんでした。
#185
○山口那津男君 言ったか言わなかったか、どういうやり取りがあったかに関心があるんじゃないんです。この発言の内容が極めて重大だから私は問うているんですね。
 沖縄問題は重くてしようがない、基地はどうにもならない、タッチしたくない、これが本音だとしたら、総理を今、日米合意を踏まえてやる資格はないということになるんですよ。また、もう沖縄は独立した方がいいよと本当に言ったとしたら、この日本の大事な国土や国民を分断するようなお考えを持っていたとしたら、これは日本の総理大臣を務める資格はないんですよ。極めて重大なことなんです。(発言する者あり)
#186
○委員長(平野達男君) 御静粛に。
#187
○山口那津男君 言ったか言わないかは別にして、この問題について……(発言する者あり)
#188
○委員長(平野達男君) 御静粛に。
#189
○山口那津男君 総理はこういうお考えはないんですか。いまだにこういうお考えはどこかにあるんですか。どうなんですか。
#190
○内閣総理大臣(菅直人君) 言ってはいないと言っているわけですから、自分が言っていないことを、それがそう思っているのかと。もちろん思っていないから言ってもいないんです。
#191
○山口那津男君 じゃ、そういうふうに受け止めておきましょう。あとは喜納さんとやってください。
 それで、今回の普天間の問題について日米合意をした。これは当初、鳩山総理は、沖縄との合意も必要だと、三つの合意が必要だと、こういうことをおっしゃっていたんですね。政権にいる連立与党、そして日米、そして沖縄。ところが、沖縄の合意はもう得られなくなっちゃったじゃないですか。今皆さん反対していますよ、大部分の方が。沖縄の頭越しでこういうこと、重大なことは決定すべきではない、私も沖縄の知事さんやその他の関係者から言われました。そう鳩山前総理にも申し上げました。鳩山総理もそれはやらないと言っていたにもかかわらず、沖縄抜きにして合意しちゃったんですよ。沖縄の皆さんの御理解をいただかなければこの問題は進展させることはできないし、解決できないんです。
 今後、この沖縄の皆さんの理解を得るために、私は沖縄の皆さんのお声を聞く場、協議する場というのをちゃんとつくる必要があると思います。しかし、民主党の方から沖縄の皆さんの頭越しに決めておいて、さあ協議しましょう、日米合意を踏まえて実現しましょう、そういう協議をしようといったって、沖縄の皆さん、とてもじゃないですけど、応じられませんよ。沖縄の皆さんからすれば、もっといろんなことも含めて、特にこの問題の出発点は普天間基地の危険性をいかに取り除くか、負担を軽くするか、ここが出発点なんですから、それについていろんな言い分が、お気持ちがあると思いますよ。あるいは沖縄県の振興策についてもいろんな意見があると思いますよ。そういう、この日米合意を実現、推進するための協議じゃなくて、そういう条件を置かない、沖縄の皆さんの本当の気持ちを率直に政府として受け止める、そういう協議の場をつくるべきなんじゃないんですか。
#192
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が総理大臣に就任して二週間後でありましたか、沖縄でいわゆる戦没者慰霊の式典がありまして、その場に出席をさせていただきました。大変厳しい雰囲気の中ではありましたけれども、ごあいさつをし、その後、仲井眞知事とも意見交換をさせていただきました。もちろん、日米合意そのものが沖縄の皆さんにとって御理解をいただいているというふうに思っているわけではありません。大変厳しい批判があることもよく承知をいたしております。
 そういう中ではありますけれども、日米合意をやはり踏まえた中で、沖縄の皆さんの負担の軽減のために全力を尽くすということは、これは並行的に努力をすべきことであろうと。今、山口代表が言われた沖縄の他の分野のことについても、もちろん沖縄からのお話あるいはこちらからの話を含めて取り組んでまいりたいと思っておりまして、そういう場の設定をこちらから申し上げることが今適当かどうかは別として、沖縄の皆さんの声は他の部分も含めてしっかり聞いていくと、この姿勢はこれからも全力を挙げてそういう姿勢で取り組んでいきたいと、こう思っております。
#193
○山口那津男君 沖縄の皆さんは現実の危険に直面しているんです。非常につらい思いだと思います。そして、日米合意の中にもう一つ、徳之島への訓練移転ということも触れられているんですね。徳之島には今現実の危険があるわけではありませんけれども、新たな危険を持ち込むということについては島の人たち大部分は反対ですから、もうこの徳之島に危険を移転するということは断念すべきだと私は思います。
 それともう一つ、全く別なことで御指摘申し上げたいんですが、今、児童虐待の事件が多発しております。また、独居老人がいるはずのところにいらっしゃらない、こういう問題も起こっております。我々は、新しいこういう様々なリスクに対応する福祉の政策が必要だと、新しい福祉の提案というのもさせていただきました。うつ病で悩んでいる方々は推定で二百五十万人とも言われております。しかし、これらの課題については政策が全く追い付いていない、遅れているんです。課題はいろいろあるんです。しかし遅れている。この点についてはもっと、今まではプライバシーやいろんなことに配慮し過ぎてなかなか手が届かなかったところがあると思います。これらについてもっと真剣に政府としても取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 最後に一点だけ質問します。
 総理は衆参の議員定数の削減をこの間提案されました。しかし、参議院では、既に最高裁の判決を受けて、定数是正、つまり投票価値の平等を実現する、そのためには現行制度の選挙区ごとの増減では限りがある、だから選挙制度の改正が必要だと、そこまで最高裁に指摘をされて、そして参議院としてそういう制度改正の議論もやろうと、この選挙が終わったからこれからやろうと、そういう段階だったんですね。そこへ定数削減ということをぽつんとそこだけ持ってこられても、今までの参議院の議論とは直接かみ合いません。そして、総理の立場でこれを指示する、この定数是正を年内に実現するようにと指示するなんてことは越権行為だと、西岡議長、就任早々の西岡議長がそうやって批判をされているんですよ。
 この総理の発言、そしてこれまでの参議院の議論の経過、また西岡議長の批判、これらについて総理はどうお受け止めになるか、これを伺います。
#194
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、今、無駄遣いの根絶というところにいろいろな形で取り組んでいる中で、国会議員自身も身を切るような改革がやはりすべきではないかと、こういう基本的な考え方に立ちました。また、民主党は参議院のマニフェストで、参議院の定数を四十程度、衆議院は八十の削減をマニフェストでうたったところであります。
 私が指示をしたという言い方をされましたが、それはあくまで党の幹事長、そして参議院の議員会長に、このマニフェストに沿って党の議論を八月中に取りまとめ、十二月までに野党の皆さんを含めた合意形成に是非努力してほしい、そういうことを指示をいたしました。そういった意味で、総理大臣と党の代表というのは常に両面があることは承知をしておりますが、直接参議院の院に対して申し上げたんではなくて、党のそれぞれの役員に対してそうした取りまとめの指示を行ったということであります。
#195
○山口那津男君 これまでの質疑を伺っておりまして、結局、民主党の代表選があるから何も本質的なことにお答えできないんですね。参議院の選挙の責任を問われて辞めろと、こういう追及もされている幹事長や、それから、今代表選でどうなるか分からない総理大臣がそんな重大なことについて指示しただの、決めようだの言っても迫力がないんです、説得力がないんです。まして、他の党やこの国会の院についてそういう発言をちゃんと取り上げる、そういう機運にはなっていないと思います。
 言葉の問題に是非これから責任を持って、重要な職務、是非政治空白をつくらないで、外交や何かの重大な課題あるいは災害等の緊急な課題、これにしっかり対応できるように、党内事情にかまけているときではないと思います。国民を向いて、世界を向いて総理の職務を果たしていただきたいことを申し上げまして、終わります。
#196
○委員長(平野達男君) 関連質疑を許します。松あきら君。
#197
○松あきら君 引き続きまして、公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 菅内閣が誕生いたしまして初めての予算委員会でございます。今、山口代表もおっしゃいましたが、総理は今回の予算委員会、衆参通じてなるべく答弁には踏み込まずというような方針でいらっしゃるのかなと。これは、ひとえに九月の民主党の代表選をにらんでのことだなどと報じられているわけでございますが、是非、私は今日は踏み込んだ御答弁がいただけるものと御期待しておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 さて、昨年、私どもの提案によりまして、女性特有のがん検診無料クーポンを実現させていただきました。しかし、残念なことに、鳩山政権はこの二百十六億円から三分の一の七十六億円にカットしてしまって、おまけに交付金にしてしまったんです。これでは不交付団体にはもちろん行かない。その上に地方が、地方自治体が半分出さなきゃならない。もう泣く泣くこの検診を断念するというところが出てまいりました。
 今日本は、この特に女性特有のがん検診、乳がんあるいは子宮頸がんの検診率はOECD三十か国中最下位であります。欧米はもう七〇から八〇、九〇というところもあります。日本は、この今回の無料クーポン、お手元へ行って初めて検診したという方も多くいらっしゃいますけれども、少し上がって、それでも二四・五%です。非常に低い状況。しかも、これは前、代表質問でも申し上げましたが、この子宮頸がんというのはウイルス感染、粘膜感染でございます。しかし、予防ができる唯一のがんがこの子宮頸がんなのであります。
 私は、この認識を広く国民の皆様に理解していただいて、そして子宮頸がんを制圧する、もう皆様とともに党派を超えてこれはやるべきだというふうに思っておりまして、私どもはさきの国会で子宮頸がん予防法案提出させていただきましたが、残念ながら審議未了で廃案となったわけでございます。
 是非、市民運動出身の市民派とおっしゃる菅総理、リーダーシップを発揮していただいて、国民の命を守る政治というのを私は行っていただきたい。
 まず、私どものこの法案に対する御見解を伺いたいと思います。
#198
○内閣総理大臣(菅直人君) 松議員あるいは公明党の皆さんがこうしたがん、特に女性特有の子宮頸がんなどについて熱心に取組を進められていることについて敬意を表したいと思っております。
 子宮頸がんについては、ワクチンとがん検診などを併せて進めることによりがんの予防効果が期待できることから、そうした予防措置の普及は大変重要だと認識をいたしております。
 御指摘の法案については、現在各党において議論が進められてきていると聞いております。今後、国会で議論が進められることを見守りたいと思いますし、私はできるだけ前向きな形で取り組むべきだと、このように考えております。
#199
○松あきら君 前向きに取り組むという御答弁はすごく私は勇気付けられております。何しろ、予防検診とそして予防ワクチン、車の両輪、これは両方がないと実は一〇〇%近い予防ができないわけでございます。
 昨日、当委員会でこの子宮頸がんが取り上げられましたけれども、長妻大臣の御発言にもう私はがっかりいたしました。余りにも御見識がないのかな、まさかこの方が厚労大臣なんて疑ってしまいました。
 なぜならば、子宮頸がんワクチンの効果が一種類しかない、一つにしか効かないとおっしゃったんですよ。一つにしか効かないってどういうことですか。これは、例えば今出ておりますサーバリックスも二価型でありまして、今一番多い十六型、十八型。ところが、最新ですね、カナダ・モントリオールで開かれました国際パピローマウイルス学会、臨床試験の結果、十六、十八、三十一、三十三、四十五、しかも四十五というのは一番悪性な腺がんなんです。これに有効だというのが出ているんですよ。一つにしか効かないなんて、全くこれは違います。
 そして、しかも、一定程度副作用があるということについてもきちんとお伝えと、何でもワクチンは一〇〇%安全性のあるものは残念ながらないです。けれども、今回のこの予防ワクチンは、言ってみれば、細菌培養をして作るワクチンではありません。細菌にそっくりな、つまり核抜きのワクチンでございますので、このワクチンを投与したということで万が一にも子宮頸がんになることはない。じゃ、一体何を指してこの一定程度の副作用があるとおっしゃっているのか、重篤なあれがあるとおっしゃっているのか、私は非常にこれでは国民の皆様が不安を抱くのもむべなるかなというふうに思います。
 そしてまた、今一部には悪質なうわさ、これを投与すると不妊になるというようなうわさが流れております。私は、是非、ここでワクチンを承認した厚生労働省にきちんとこの際お答えいただきたいと思います。
#200
○委員長(平野達男君) 長妻厚生労働大臣。
#201
○松あきら君 駄目駄目、いいです。もう専門家にお答えいただきたいんですよ。大臣になんて聞いてません。
#202
○国務大臣(長妻昭君) 今、誤解があるようですので、私からも答弁をいたします。
 私も、この委員会で子宮頸がんワクチン、これについては予算要求をさせていただく、これは非常に重要課題の一つだと、そういうふうに答弁をいたしましたときに、ただ国民の皆様にこれは広く御理解いただかなきゃいけないのは、一定程度副作用があるということについてもきちっとお伝えしなければならないと、これを今私、申し上げたんです。
 これは実際の製品の注意書き等にも副作用書いてありますけれども、疲労とか筋肉痛、頭痛、あるいは嘔吐、あるいは下痢、あるいは関節痛などなどの副作用があるということをこの説明書きにも一定程度書いてあるところでありまして、こういうマイナス情報もきちっとお伝えした上で、それでも効果が高いということで私は推進をしていきたいと。こういう情報も隠さずに伝えるというのは私は重要だと思っております。
#203
○松あきら君 専門家。
#204
○委員長(平野達男君) 政府参考人から補足ありますか。
#205
○政府参考人(平山佳伸君) それでは、不妊の部分につきましてお答え申し上げます。
 子宮頸がん予防ワクチンにつきましては、グラクソ・スミスクライン株式会社より承認申請されたサーバリックスが昨年十月に承認されたところでございます。
 このサーバリックスの承認申請におきまして提出されました動物試験が種々ございますけれども、その中で妊娠機能に影響を及ぼす結果というのは示されておりません。また、承認審査の段階で、海外の市販後の状況を含めまして国内外の臨床試験データを評価しておりますけれども、サーバリックスについて不妊を疑われるようなデータは認められておりません。
 さらに、我が国の、承認後でございますけれども、市販後におきましても、適宜国内外から副作用情報を集めるという体制がありますけれども、その報告制度の中でも不妊の副作用報告というものは確認しておりません。
 したがいまして、動物のデータ、それから臨床からのデータ、その両方で不妊を疑わせるようなデータはないということでございます。
 以上です。
#206
○松あきら君 これで国民の皆様は御安心していただけるのではないかと思います。異物を投入するのですから、赤くなったりはれたり、そういうことはあります。ビタミン剤を飲んだって、いろんな状況が起きます。けれども、今お答えになったことが非常に重要なことで、ここを誤解されては困るので、私は今の御答弁で安心、国民の皆様はされるというふうに思っております。
 総理、私もう時間がないのでお伺いいたしますけれど、私どもはまさに車の両輪、今回の予防検診とワクチンによって本当にもう多くの方が救われる。これ、両方がないといけない。命を救う、あるいは生活の質の向上等々がございます。しかし、例えば十二歳の対象者全員に公的助成をして投与すれば二倍の経済効果が上がる、費用対効果が上がると証明をされております。是非、私どもの今回の法案、頸がんの予防検診、ワクチン、双方を公的助成でやっていただきたい。これについてどうお考えかお伺いして、私の質問を終わります。
#207
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど厚労大臣の方からも、この問題では厚労省としても予算要求を、どの範囲か、細かくは別として、含めて対応したいという意見を表明されました。
 私も、冒頭申し上げましたように、がん、特に女性特有のがんについて、検診と同時にこうしたワクチン投与について大変重要だと思っておりますので、政府全体としても公費助成の在り方も含めて検討させていただきたいと、こう思っております。
#208
○松あきら君 終わります。
#209
○委員長(平野達男君) 以上で山口那津男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#210
○委員長(平野達男君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
#211
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 消費税が非常に話題になっておりますけれども、私たちみんなの党は、安易な増税の前にまずやるべきことがたくさんあるというのが私たちの一貫した主張ですし、ですから私たちは、特に国会議員、国会議員自身がまず身を切るべきだということを主張しておりますし、これはまず隗より始めよということで、もう当然のことだというふうに考えております。
 ですから、菅総理が先日、衆議院議員八十人、参議院四十人削減すると言ったその方向性については一定の評価をしておりますけれども、まだまだ生ぬるいというふうには思っておりますが、一定の評価はしておりますが、ただ、こうした問題、口で言うのは実は簡単なんですよね。現実に、民主党も去年の総選挙のときのマニフェストにも衆議院は八十削減するということを書いていた。しかし、政権を取って一年たっても、八十人はおろか、ただの一人も削減をされていないのが実態であります。
 まずお伺いしたいのは、この一年間、全くこの問題に手が付いていなかった。怠慢だったんではないかというふうに思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
#212
○内閣総理大臣(菅直人君) この問題について、民主党としての考え方は、今、水野議員もお話しのように、明確になっております。
 ただ、この定数の問題は、政府が提案するという、そういう趣旨のもの、あるいはそういう性格のものではなくて国会自身で決めていく趣旨のものでありまして、そういう点では、与野党の協議の中で是非、みんなの党も大変私たち以上にドラスチックな案を提示をされておりますので、そういう意見も含めてしっかり議論をして、そして成案を得て実現を図っていただきたい。
 そういう意味では、私たちも党の中をまとめていくことを、先ほども他の議員に申し上げましたが、指示をいたしておりますので、そういう方向でそれぞれ努力をしていただきたいと思っております。
#213
○水野賢一君 今ねじれ国会ですけれども、これまで一年間は民主党を始めとする連立与党は衆議院も参議院も多数派を形成していたわけですね。その間、この多数派を形成している民主党などの連立与党、この一年間、こうしたことにまともな提案をしてこなかった。怠慢じゃなかったんですか。
#214
○内閣総理大臣(菅直人君) 時折、与党であったのにこれこれができなかったのは怠慢ではないかという御指摘を、これは衆議院でもみんなの党の皆さんからいただくんですが、特にこの問題に関しては、例えば我が党は成立をしたときには三党の連立政権、その後社民党が結果として離脱をされましたけれども、そういう中でもいろいろな意見がこの問題に関しては存在をいたしておりました。
 そういう意味で、それぞれの党にまさにかかわる問題でありますから、これは与野党のしっかりした政党間の協議の中で成案を得るようにそれぞれの立場で努力すると。もちろん、多数を取っている党がより大きな責任があることはよく分かっておりますが、ただ定数という問題、先ほども公明党の代表からもお話がありましたが、いろいろなその削減の方法などについても議論があるところでありますので、そういったことも含めて御議論をいただきたいと、こう申し上げているところです。
#215
○水野賢一君 総理は、この国会の召集日、つまり七月の三十日に記者会見で国会議員の定数削減をおっしゃられましたよね。ただ、減らすということ自体は去年のマニフェストから言っているようにそんなに目新しい話ではない。そういう意味でいうと、何が目新しかったかというと、十二月までに合意を得るというような、この期限を切ったという点に今回目新しさがあったというふうに思います。期限を切ると、とかくどこかの総理が五月末普天間というふうに言っていたように、できなかったときの責任ということが当然問題になるわけですけれども。
 さて、今回、この定数の問題、十二月までに合意を得ることができなかったときに総理は一定の政治責任を取る、けじめを付けるという、そういうことについてお考えはございますか。覚悟があるかどうかを問うています。(発言する者あり)
#216
○委員長(平野達男君) 御静粛に。
#217
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来申し上げていますように、私が指示をしたのは、民主党の幹事長また民主党の参議院議員会長に八月までの党内の意見の取りまとめと、そして野党との間で合意形成を十二月を一つの目標としてといいますか、めどとして努力をしてもらいたいと、こういうことを指示をいたしました。
 この問題、何度も申し上げますけれども、議員そのものの身分に関することであり、各党各会派それぞれ意見をお持ちでありますので、この問題で政府として何かいついつまでにこうしなければ責任がどうこうという性格のものとはやや違うと思っております。そういった意味で、党に対して、党の役員に対して指示をするというのが私の今の立場で積極的な姿勢として取り得る一つの形ではないかと、こう思っております。
#218
○水野賢一君 どうもできなかったときの予防線を何か張っているような気がいたしますし、つまり、どうも覚悟に欠けているんじゃないかというような気がしますが。
 定数削減問題というのは、確かにいろいろな声が出てくるでしょう。与野党の中からも声があるし、多分与党の中を、民主党の中をまとめるだけでも大変じゃないかというふうに思います。現実に民主党出身の西岡参議院議長が、先日、わざわざ緊急記者会見まで開いて、総理の発言について極めて不見識というような発言をされたそうでありますけれども、そのように党内からもいろんな反対があるというふうに思いますけれども、そうした反対を乗り越えることができますか。こうした西岡発言などに対して反論とかがあればお聞かせいただきたいというふうに思います。
#219
○内閣総理大臣(菅直人君) 西岡議員は、現在、参議院の議長という立場にあられます。私がその後お話もいたしましたけれども、もしかしたら私の発言が参議院はこうすべきだというふうに理解されたのかもしれないということで、その点については、決してそうではなくて、党の役員に対して努力を指示をしたんだと、内閣としてあるいは内閣総理大臣として参議院そのものにこうすべきだというようなことを言うのは、これは、もしそういうことをやったとすれば不見識と言われても致し方がない。そういう意味で、そういう意味ではないんだということを申し上げ、西岡議長からも御理解をいただいたところであります。
#220
○水野賢一君 私たちみんなの党は、民主党の言う衆議院八十、参議院四十というのは生ぬるいというふうに考えていますし、私たちみんなの党のアジェンダには衆議院は百八十人削減、参議院は百四十二人削減ということを明記しておりますけれども、ただ、削減議論のときに安直に比例区だけを削減をするとか、若しくは一票の格差を放置したまま数だけ減らせばいいというものではないということは、私たちの意見についてもまず留意をしていただきたいというふうに思います。
 さて、歳費の問題、歳費の日割り問題が今問題になっておりますけれども、確かに一月のうち六日間だけ国会議員を務めていて一か月分の給与約百三十万円をもらうのはおかしいというのは、これは至極当然なことですね。だからこそ、私たちみんなの党はこの歳費の日割り法案を既に国会に提出をしていますけれども。
 ところで、今議論になっているのは、今回の選挙で初当選をした、若しくは返り咲いた議員のことが注目されておりますけど。総理にちょっとお伺いいたしますけれども、これは衆議院議員も結局同じような問題というのはあり得て、特に去年の衆議院選挙、八月に行われた衆議院選挙がありましたけれども、総理も衆議院議員でいらっしゃいますけれども、昨年八月、総理、衆議院議員の在職期間は何日間だったでしょうか。投票日は八月三十日です。
#221
○内閣総理大臣(菅直人君) 突然の、事前の質問通告がなかったので、当選が確定してからのその月の末までがもちろんその月の在任期間だと、こう思います。
#222
○水野賢一君 まさに二日間、八月三十日でしたから投票日が、二日間で百三十万円満額もらったわけですね。これは別に総理個人の責任じゃないのは当然です。制度の問題、制度が悪いというふうに思っておりますけれども。
 ちょっとこれ衆議院議員だけに聞くのもなんですから、じゃ、蓮舫大臣にお伺いしますけれども、今回は蓮舫大臣は再選されましたから、七月丸々参議院議員だったわけですね。ただ、六年前は、じゃ、六年前の七月は何日間在職していたか覚えていらっしゃいますか。
#223
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 六年前の投票日も今回と同じく七月十一日でございました。ただ、その後国会がいつ召集されたのか、申し訳ございません、今覚えておりませんが、分かっていたら教えていただけますか。
#224
○水野賢一君 答えは、今回と、これはたまたまなんですけれども同じ六日間なんですね。六日間で満額支給を受けているわけですね。こうしたところこそ仕分けていただきたいというふうに思いますが、これは確かに、今、制度の問題、法律の問題ですから、この辺を改正する余地があるというふうに思っていますけれども。
 総理にお伺いいたします。今国会では取りあえずこうした新人、返り咲き議員の歳費自主返納というところに落ち着きそうですけれども、それだと、応急措置として私たちもそれで今回のところは仕方ないというふうに思っていますし、法案には賛成をいたしますが、ただ、そうなると、対象になるのは、衆参両院の国会議員合わせて七百二十二名のうち返納する可能性があるのは五十九名にとどまっている。つまり、全体の一割に満たないんですね。
 ですから、まず身を切る覚悟が必要だと民主党もおっしゃるのであれば、例えば過去にさかのぼってでも自主返納、こういうようなこと、これは自主返納じゃなくて強制的に取り立てるというんだったら、これは財産権の、憲法の保障する財産権の侵害とかいろんな問題出てきますよ。自主返納可能なように法制度を変えるということは過去にさかのぼっても考えていいんじゃないかと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
#225
○内閣総理大臣(菅直人君) この問題は、この間、もちろんみんなの党の積極的な動きもおありになったことが一つのきっかけをつくられたことは事実だと思いますが、我が党だけではなくて、他の与野党も含めて議論をされて、一定の方向性というか合意が既に形成されたと私は理解をいたしております。
 今月の三日、みんなの党を含む各党国対委員長が協議をされて、この国会では、当面の措置としては自主返納すると。翌四日には、その合意内容を盛り込んだ国会議員の歳費法案が衆議院の本会議で全会一致で可決され、現在は参議院に送付されているわけであります。さらに、三日の各党合意では、歳費の日割り化に関する抜本的な制度改正については、野党提出法案の内容も踏まえて次期臨時国会までに各会派が協議して結論を得ることが合意されたと、このようにお聞きし、承知をいたしております。
 民主党は、参議院のマニフェストで国会議員の歳費の日割り化と国会議員の経費の二割削減を掲げておりまして、それらの実現に向けて党内の議論を進め、国会における協議に積極的に臨んでいくと考えております。
 今、さかのぼってというお話がありましたけれども、今回の自主返納も、ある意味では今回の選挙の、ちょうど前の任期が切れた後のところの日割りと同じようになるようにという形での実質的なさかのぼっての対応だと思います。それ以上さかのぼることについて、もちろん与野党間で合意がなされるのであればそれも一つの道でありますけれども、それではいつまでさかのぼるのかということもあります。
 そういった意味で、現時点における与野党合意は、まずは自主返納で今回の参議院の結果で日割りと同じ形を取り、今後、すぐに衆議院選挙、参議院選挙が目の前に迫っているわけではありませんので、そういう意味では、次期衆参の選挙のときに間に合うように日割り法案が成立する、これが今各党間の合意であろうと思いますし、私は、まずはそこまで実現することが今の私たちの責務ではないかと思っております。
#226
○水野賢一君 私たちも、自主返納、今回の法案でお茶を濁すのではなく、次期臨時国会などでしっかりとこの問題を議論していきたいと思いますし、だからこそ、私たちの出した法案というのは、自主返納だけでなく、日割りもあれば、歳費三割カット、ボーナス五割カットなどを含んだ、私たちの提案を一〇〇%のめというふうには言いませんけれども、私たちの議論なども踏まえながら、大いに国会で議論をしていきたいというふうに思いますが。
 千葉大臣にちょっとお伺いをさせていただければと思うんですが、失礼ながら、大臣、今回の選挙で落選をされてしまったという中で、そうすると、大臣の任期というのは、大臣というか国会議員、参議院議員としての任期は二十五日までだったわけですよね。ですから、今とかく新人議員の話ばかりが話題になっていますけれども、二十五日以降の六日間は国会議員じゃなかった。それで、今衆議院を通過して、あした恐らく参議院本会議で可決をされるであろう法案は、千葉大臣のような方の場合でも自主返納して構わないんですけれどもという法律が成立をあした恐らくするでしょう。千葉大臣も六日分の歳費は自主返納して構わないわけなんですが、そうしたら自主返納されますでしょうか。
#227
○国務大臣(千葉景子君) 今、突然のお話でございますので、私も余り頭にはございませんでしたけれども、そのような御指示あるいは国会での御要請ということになれば、それは当然検討すべきことだというふうに思います。
#228
○水野賢一君 まあ、私もそういうお金のことばかり議論するんじゃなくて、本来であれば外交、防衛とか地球環境とか、若しくはマクロ経済政策とか大きい話をしたいわけなんですけれども、ところが現実には、国会議員自身が身を切る覚悟もないままに、だからこそ国民の信頼を失っているという面があるわけですよね。ですから、この問題などについてもしっかりと追及、詰めていきたいというふうに思いますけれども。
 では、ちょっとお伺いをしたいんですけれども、国会議員が身を切るというときに、以前、議員年金、正確には国会議員互助年金ですよね、これが極めて特権的なものだという批判がありましたね。それで、この議員年金は、ですから四年前、平成十八年に廃止をされました。もちろん年金ですから、議員はみんな掛金を掛けていましたよね。十万三千円、毎月取られていたわけですけど、これは自分が納付したものだから、これは返却を、年金がもらえなくなった以上、満額ではないけど返却してもらうというふうになったわけですが、ここまでならば分かるんです。
 ここまでならば分かるんですが、しかし、そこから先に制度的な抜け穴があって、議員年金が廃止をされた平成十八年の時点で既に十年在職をしていた人は、自分が申請すれば議員年金もらえるようになっているんですよね。これはとんでもない抜け穴だというふうに当時民主党が強く批判していたんです。
 菅首相は、議員年金が廃止された時点、平成十八年の時点でもう既に在職二十五年を迎えていましたから、年金をもらおうと思えばもらえる立場だったわけですね。まさかあれだけ議員年金制度を批判していながら年金もらう方の選択をしたことはないと思いますけれども、この辺、いかがでしょうか。
#229
○内閣総理大臣(菅直人君) たしか、私が理解しておりますのは、議員を辞める段階である年齢に達していたときの、辞める段階での選択だというふうに理解をたしかしております。
 もちろん現在まだ議員を継続しておりますので、そういう意味で、まだ何らの手続といいましょうか、何らの対応はいたしておりません。
#230
○水野賢一君 正確に言うと、議員を辞めるときという理解は正しいんですが、それは衆議院議員の場合は解散をした時点でいったん議員を辞めているわけですから、そのときに選択をするというような形になっていましたけれども。
#231
○内閣総理大臣(菅直人君) その制度を、私は、いずれにしても、解散した時点でそういう手続、いずれの手続も取ってはいないし、また取れというふうな指示もいただいておりません。
#232
○水野賢一君 菅総理は年金未納問題では非常に御苦労をされた。まあこれは多分、社保庁とか当時の武蔵野市役所なんかでも、いろいろの対応なんかにも言い分はあるんでしょうが、いろいろ御苦労をされて、代表を辞めてお遍路さんにもなられたわけですから、この年金問題についてはちょっと正確な理解をしていただきたいというふうに思いますが。
 じゃ、ちょっとこの点、今覚えていないというので、まあしようがないです。後ほど質問主意書などで質問をきちっとしますから、調べて答えていただけますでしょうか。
#233
○内閣総理大臣(菅直人君) もちろん、質問主意書に対しては国会法に規定のあるルールでありますから、きちっとした質問があれば内閣としてお答えをいたします。
#234
○水野賢一君 閣内にもこういうふうに、じゃ、年金を選択をした人というのも結構いるんじゃないかというふうに思いますが、例えば在職の長かった人などでは、中井大臣が一番在職が長いですが、どういう選択されましたか。
#235
○国務大臣(中井洽君) 小泉総理のときに各党合意の下に年金制度を廃止する、積み立てた方は積立金の八割か九割だったか戻されると、それから現職の者は解散をして引退したときに選択できる、こう聞いております。ただし、その金額は予定金額を三割カットされています。
 だから、私みたいに貯蓄もなけりゃ余り大した財産もないのは老後の計算が違って、実は泣きの涙でおりますが、おっしゃるように率先すべきだ、こう思っておりまして、あなたのお父さんなんかのころには随分議員特権があったと、僕は父親もそうでしたから。あの掛かっている衆議院の二十五年の表彰でも、僕もらったときは額縁だけでございました。だけど、昔はあれに百万円付いたんです、絵のかき賃。それから、夫婦でJRパス一等、終身だったんです。それから、議員している間は交通費二十万円出たんです。これはその当時、本当にみんなあこがれたもんです。でも、僕らのときにはもう全然何にもなしで、額縁一つと。
 だけど、それは当然だと思っています。だから、みんなで少しずつ少しずつやっぱり身を切って特権をはがしてきていると僕は思っています。だから、これからも御提案を基にみんなで協議すべきだと、こう考えています。
#236
○水野賢一君 それだけ大見えを切られたわけですから、閣僚の中にはよもや、この年金をもらわないと言いながら、どうも中井大臣はもらう選択をしてないようですが、これを、既にそういう選択をしている人がいた場合のことが明らかになったときには大きい問題だというふうに思っていますが、しっかりとこれは質問主意書などで答弁をしていただきたいというふうに思います。
 要は、これは自主返納と言いながら、自主返納を今後しない人というのも結構出てくるかもしれないわけですね。だからこそ、きちんと、民主党の場合、自主返納、新人議員。
 じゃ、党の代表にお伺いをしますが、民主党議員がきちんと自主返納したかどうかオープンにするように代表として指示をされるかどうか。どうでしょうか。
#237
○内閣総理大臣(菅直人君) まあ、これは各党間できちんと合意して対応するわけでありますから、幹事長の方になると思いますが、あるいは国対委員長かもしれませんが、しかるべき形で、それぞれがその合意の趣旨に沿って行動されるよう要請することになると、このように思っております。
#238
○水野賢一君 要は、口できれい事を言っていても実際の実行というのが伴っていないということが今までの民主党の大きい問題点だったわけですから、この辺は党の代表としてもしっかりと目を光らせていただきたいというふうに思います。
 それでは、残り時間もあれですので、川田議員の方に質問を譲りたいというふうに思います。
#239
○委員長(平野達男君) 関連質疑を許します。川田龍平君。
#240
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。今日、この予算委員会で質問させていただくことを大変感謝しております。
 私は、無所属の議員として薬害を防止するための法律案を準備してきましたが、昨年の政権交代以降、内閣が提出する閣法を優先するということで議員立法がしにくくなってきた、そのために残りの三年の任期で何としてもこの薬害の問題や医療をより良くしていくための法律案を提出していきたい、その思いで昨年の十二月にみんなの党に入党いたしました。この度の参議院選挙では皆様のおかげで躍進させていただきまして、こうして質問する機会を得ましたことを心から感謝いたします。この度の参議院選挙、本当にありがとうございました。
 しかし、国と製薬企業を訴えた薬害エイズの裁判の原告としてかかわり、一緒に闘ってきた仲間が亡くなってきたこの薬害エイズの事件、私も、生まれながらの血友病という病気の治療のために血液製剤を使ってきて、そのためにHIVに感染をさせられました。そうした感染を知ったのは、十歳のときに感染を知ってから自分はもうそんなに長く生きられないと思っていました。
 でも、本当にその裁判で、自分自身、この薬害エイズの裁判、国と製薬企業を相手に訴えた裁判の中でこの裁判を闘い、多くの仲間たちが五日に一人の割合で亡くなっていく中で何としてもこの裁判に勝ちたいという思いで実名を公表し、十九歳のときに実名を公表して裁判を闘っていたそのときに、一九九六年、ちょうど菅さんが厚生大臣に就任をされ、そして菅さんが厚生省の官僚に直接指示を出されて薬害エイズの調査プロジェクトチームを発足させ、それまではないと言われていた資料を発掘して国民に対して一部を公開するということをしてくださいました。そして、政治判断によって菅さんは厚生大臣として謝罪もしてくださり、裁判が和解をしました。
 そういった裁判の和解があって、そして治療薬が開発されてきたこともあって、今こうしてここに生きて、今三十四歳になってこの場に立たせていただいております。本当に、その意味におきましては、菅さんには大変感謝もしておりますし、そして国民の皆さんにも、本当に多くの皆さんに感謝をして、今こうしてここで質問をさせていただいております。本当にありがとうございます。(拍手)ありがとうございます。
 そして、この厚生大臣の菅さんの指示でつくられたまた外部機関による調査、これも指摘されているのは、薬害エイズとそれにまつわる情報隠ぺいというこの構造は厚生官僚の製薬メーカーへの天下りに原因があるということが報告されています。そういう天下り社会の仕組みを変えるために、脱官僚を掲げている、このアジェンダの第一番目に掲げているみんなの党の一員として質問いたしますが、薬害エイズ以降もこの薬害がなくならない、今も薬害の被害が続いています。この薬害、今も続いている原因、そして薬害が起こさないような社会にしていくためには政治がすべきことは何なのかということについて、まず菅さんにお聞きしたいと思います。
#241
○内閣総理大臣(菅直人君) 私にとっても、川田龍平議員とこういう形で議論ができるというのは、大変いろいろな思いをいたしております。
 今、御自身からお話がいただけましたけれども、たしか一九九五年になると思いますが、川田龍平さんとお母さんが、たしか小平である会合があって、その席に私の妻が出席をしていて、帰ってまいりまして私に非常に詰め寄ったわけであります。つまりは、薬害でエイズに感染された方があるのに、あなたは国会議員として何もやっていないではないかと大変詰め寄られまして、私も気になっておりましたので、そこから本格的に取組を始めました。当時、枝野幸男議員など仲間も協力をしてくれまして、それが期せずしてその翌年私が厚生大臣に就任をすることになりました。
 そういう意味で、私が今こういう立場になったのも、ある意味では川田龍平さんが勇気を持ってそうしたカミングアウトをされてこの問題を提起され、そのことが私にとっても大きなきっかけとなってそれに取り組み、一定の成果を上げたことの御評価をいただいたことがその後の私の政治家としての大きな、何といいましょうか、力になってきたと。私の方からもお礼を申し上げたい、そうした勇気を持っての行動にお礼を申し上げたいと、このように改めて思うところであります。
 その上で、今、その後の薬害もなかなか根絶ができない。私は薬害エイズの折にも、ある研究所に、どういう原因が、なぜこんなことが起きたのかということを調査をお願いをいたしました。その中で、今指摘のあった、やはり当時の以前の薬務局長が、これに最も大きく関与していた当時のミドリ十字に天下りといいましょうか、をし、社長にまでなられたことが、いろいろな対応の遅れ、あるいは危険性を知りながらも企業の利益のために汚染された薬品を売り続けたと、これが大変大きな被害の拡大につながったと、このように思っております。そういう意味で、一つにはそうした情報の公開性といいましょうか、そういう利害関係のところに天下ることをやめさせると、私が厚生大臣を辞める直前にそのことを指示をいたしました。
 また、この薬害の問題、本当にいろいろな側面があります。新しい薬にはある程度のリスクが伴うということもありまして、一方ではそうした新しい薬を早く使いたいという方、一方ではその安全性をしっかり確認しなければならない、このある種の折り合いといいましょうか、そういうことも大変重要な判断だと思っております。
 そういう意味で、薬害については、まずそうした、何といいましょうか、透明性を持って、本当に安全だという判断をするときに利害関係の立場からそういう判断をするのではなくて、まさにその病気のリスクとその薬のリスクと勘案をして、例えばがんの薬などでは多少髪の毛が抜けるといった副作用があっても使わなければならないこともありますので、そういう一つの国民周知の下で、国民が注目している下できちんとした判断がなされ、万が一そうした中でも薬害のような形が発生したときには、きちんとそれを、会社の責任もありますけれども、場合によっては社会の責任できちんとフォローしていく必要があろうと、このように感じているところです。
#242
○川田龍平君 ありがとうございます。
 薬害についてはやはりしっかりと天下りを根絶をしていただきたい。そのためには、みんなの党が、先ほど、衆議院の予算委員会でも江田幹事長からも質問がありました。天下りを今認めてしまっているというこの今の菅政権のやり方には私は大変がっかりしています。菅さんに対しては期待もしていましたし、大変期待もしていただけに本当にがっかりしているのが正直なところであります。
 天下り根絶をしっかりやっていただくと、そのことを一言是非よろしくお願いします、菅さん。
#243
○内閣総理大臣(菅直人君) 天下りに関してはこの間も議論をずっといたしておりますけれども、我が政権として天下り根絶ということはこれは一切変わっていない方針でありまして、天下りのあっせん等はしない、させない、そういう姿勢はこれまで主張していたことを変えてはおりません。
#244
○川田龍平君 菅さんは、厚生大臣だったときの菅さんと総理大臣になってからの菅さんでは違ってしまったと思うんですが、違っていないとすればどこが違っていないのか、どこが違ったのか、そのことを言っていただきたいと思います。
#245
○内閣総理大臣(菅直人君) 自分でどこが違った違っていないということを判断するのは難しいんですけれども、あえて少しだけ申し上げますと、野党の時代が長かったものですから、どちらかといえばイシューについて、例えば薬害とかあるいは場合によっては土地問題とかそういうことに、ある範囲は狭いけれども深く追求していくという活動が長かったわけでありますけれども、やはり総理大臣という立場になればすべてを自分で判断し実行するわけではありません。やはり全体の内閣としての総合的な力をもって物事を進めなければいけない。
 そういう意味で、もしかしたら野党時代あるいは厚生大臣のときはまだそういうものが、このワンイシューといったものが強く残っていたところもありますけれども、そういう取組に比べればややエッジが立たなくなったというふうに見られるところがあるかもしれません。しかし、私自身は、立場は変われ、基本的な政治に対する考え方、物事の進め方を変えたつもりは一切ありません。
#246
○委員長(平野達男君) 総務大臣と厚労大臣が補足答弁を求めておりますが、いいですか、よろしいですか。
#247
○国務大臣(長妻昭君) 今、川田委員から厚生労働行政、薬害についても質問がありました。
 天下りという問題は、今おっしゃっていただいたような弊害あるいは無駄遣い等々を生みます。例えばこれ、どの省庁もそうですけれども、あっせんは今全く省庁でやっておりませんし、厚生労働省でも、独立行政法人に対しては天下りのポストはもう公募をするということで、政権交代後、公募するという方針に変わって、例えば厚生労働省では今年の四月に、独立行政法人で十二の天下りポストありましたけれども、それについて、ポストの削減も含めて、あるいは公募も含めて、基本的には天下りは十二のポストでは四月でゼロになって、民間人の方に就いていただくと。これ公募すると、一ポスト当たり二十人、三十人の優秀な民間の方が来ていただくということ。
 あるいは公益法人にしても、天下りの方については一定の要件でもう今いらっしゃる方も退任をしていただくと、こういう通知も出させていただいて、かなりこれは天下り根絶ということで取り組んでいるつもりでございます。
#248
○委員長(平野達男君) 原口総務大臣。答弁、簡潔にお願い申し上げます。
#249
○国務大臣(原口一博君) 川田委員にお答えします。
 天下りはないんですよ。むしろ逆に、今まであっせんをしていた天下り以外のもの……(発言する者あり)よく聞いてください。三代連続の天下りポスト、これはやめさせました。これは実質あっせんはなかったんです。
 それから、さっきの薬害エイズのようなものは何かというと、人質型の天下りといって、あっせんはなくても、検査を受ける側に検査をする側が天下っているものを今調査して、それを全部やめようとやっていますので、菅さんも全く変わっていませんし、私たちも変わっていません。
#250
○川田龍平君 いや、天下りはありますし、裏下りもありますし、やっぱりそういった今のわたりで異動した人が今も居座り続けていて困っているという話もあるんです。本当にこの天下りの問題というのはしっかりと取り組んでいかなければ困りますので、是非ともやっていただきたい。そして、みんなの党の意見も採用していただきたいと思います。
 そして、総理大臣になって菅さんがやっぱり是非やっていただきたいのは、政治主導なんです。
 菅さんが総理大臣になってみんなの意見を聞かなければいけないからできないというのは、これが今の首相官邸、官邸がやっぱり機能していないんですよ。首相官邸による政治的なリーダーシップ、首相によるリーダーシップをしっかり発揮していただくということが本当に必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#251
○内閣総理大臣(菅直人君) 首相のリーダーシップあるいは官邸のリーダーシップというものについて、これは制度的、組織的に保障されていることと、ある意味で政治家として、あるいはチームとしてどれだけそうしたリーダーシップが取れるかということと両面あると思います。
 私、まだこの総理大臣という立場に就いて二か月余りですか、でありますけれども、そういった点でまだ不十分なところがあるかもしれません。しかし、私は、閣僚を中心に政務の三役の皆さんが、かつての私が厚生大臣をやったときとは全く違った形で閣議の決定、各省庁の物事の決定に当たっているわけでありまして、そういう意味で政治主導というものは、少なくとも私の経験した厚生大臣時代に比べてそれは格段に政治主導になっていると。これが私の持っている実感ですし、そのことをこれからも、政治主導というものをしっかりと確立しながら、しかし問題は、政治主導であればすべてが正しいということではありませんので、きちっと党の皆さんの意見も聞かなければならない。
 今回、党の政調が再スタートいたしましたので、四百人を超える、あるいは与野党を含めれば七百人を超える国会議員の皆さんの声もそうした中でしっかり受け止めながら、やるべきことは政治主導でやっていきたい、この覚悟は全く変わっておりません。
#252
○川田龍平君 みんなの党には元首相補佐官が二人いますので、いつでも官邸に入ってやっていけますので、是非とも渡辺代表を首相にしていただいて、しっかりと政治主導をさせていただきたいと、そういうふうに思います。そのためには総選挙をしっかりやっていただきたい、まずやっていただきたいと思います。
 それでは、国民の生活にかかわる質問をさせていただきます。
 B型肝炎訴訟について、B型肝炎訴訟がいまだに和解に動いていませんが、五か月が既に和解勧告から経過しています。B型肝炎についてどうなっているか、教えてください。
#253
○国務大臣(長妻昭君) このB型肝炎訴訟につきましては、これは本当に重大問題で、速やかに解決しなければいけない問題だということで、今閣僚間でも協議を続け、内閣挙げて取り組む重要課題だと、こういうふうに認識をしております。
 その中で、今裁判所と和解の協議をしておりまして、まず、七月六日に札幌地裁で国から原告の皆様方に証明方法についての提起をして、これまではB型肝炎の被害の認定というのは母子手帳を持っていなきゃ駄目だというふうに国はその母子手帳にこだわっていたわけでありますけれども、もうそれは国はこだわらないということを申し上げて、代替証拠でも可能とするという姿勢を示す。
 そしてもう一つは、母子感染の場合はこれは認めないという国のこれまで姿勢で、かつそのお母様の血液検査が必要だと、こういうことを国は主張して、じゃ、お母様がもうお亡くなりになった場合はどうするんだと、こういう問題ありましたけれども、これについても、お母様が亡くなっている場合は年長の兄弟の血液検査結果による立証を可能とするというような、これまでの国の主張を変えてそれをお示しをしたわけであります。
 そして、原告の皆様から七月二十八日にそれについて御意見をいただき、それを踏まえて九月一日に我々として更に一つの回答を申し上げると、こういうスケジュールで、この原告の方のみならず、裁判に訴えられていない多くの同じような患者さんも全国におられますので、我々はそういう方々も見据えて、九月一日に誠意を持った回答をしていこうということで今取り組んでおります。
#254
○川田龍平君 是非とも和解案のその全体像を一刻も早く出していただきたいと思います。原告らの病状は悪化していて、一刻もやっぱり猶予がなりません。是非とも早く解決するように御尽力いただきたいと思います。
 菅総理、いかがでしょうか。政治主導で、どうか患者目線、国民目線で解決していただきたいと思います。
#255
○委員長(平野達男君) 先に、それじゃ仙谷官房長官。
#256
○国務大臣(仙谷由人君) 病を持たれている方が生活の面でも精神的な面でも大変困難な局面にあるということは、私自身も言わばまだ、余り人には言いませんけれども、少々の手術の後遺症というものもございますので、そして、そういう面でのいろんな将来への不安というのは、B型肝炎で発症されている方やあるいはそれ以上に進まれている方がどういう状態で生活されているのか、そのことについては私も、まあ何というんですか、ある種の感慨を持ちながらこの問題に取り組んでいるところでございます。
 そして、早く早くとおっしゃられるお気持ちも分からないではないわけでありますが、この案件の場合、他の案件で今まで和解手続に入るというのは、一審判決が出たとか控訴審判決が出たとかということがまず前提にある場合が今までの歴史の中では多かったのではないかと思います。そんな中で、今、長妻大臣の方から申し上げましたように、現時点でも裁判をされるという、今から訴訟をされるという方々も相当いらっしゃいます。C型、B型、ちょっとした形が違うだけという印象が世の中にあるかも分かりませんが、これはもう全くその原因については明らかに違う型の、原因による罹患ということでもありますので、裁判の進行度合いからすれば、私は大変、国に誠意を持って和解手続に臨めと。
 そして、裁判所がせっかく仲介してくれるんであるから、その裁判所の仲介を信じて、それが一つの国民の理解を得る手続であるということで、私どもの方も、多くの方々がある種この和解によって救済される方々、あるいはこれからの治療に遺漏なきを期せられるような、そういう状態をつくるためにこの和解はあるということで、大変多くの原告の方々もいらっしゃいますし、裁判でなければならないという事情から裁判をされていらっしゃるわけでありますが、その中での特有の煩瑣な手続もございますので、そのことはどうぞひとつ御理解をいただきたいと思います。
#257
○内閣総理大臣(菅直人君) B型肝炎について、できるだけ早いいろいろな形での救済なり、そうした政策的な対応が必要だということは私たちも十分に理解をいたしております。
 裁判の関係については、今、仙谷官房長官からもお話がありましたが、それぞれいろいろな形があって、例えば先ほどのお話の薬害エイズの場合は、もちろん御承知のように、東京地裁と大阪地裁が和解案そのものを決めてくれて、それを国があるいは薬メーカーが応じるかどうかという、そこまで中身が詰まっておりました。
 これももちろん御承知のとおりですが、その中には、例えば普通の裁判手続であれば非常に早い段階の事件は過失性が薄いとか、遅い段階の事件はもう既に危険性が相当分かっていたので過失性が高いとか、一件一件対応すれば非常に差が出るものをある意味では一体として解決を図るべきと、こういう両地裁の、そうしたある意味では政治的とも言えるそういう判断も含めて和解を求められて、それを最終的に決定をさしていただいたわけです。
 B型肝炎についても、私が伺っているところでは、そういう裁判の中ではまだ裁判所自身が何か判断をするという前に、まずは当事者で和解手続に入れということでありまして、そういう中では、官房長官を中心に、是非その場合には裁判所もひとつ裁判所という立場で関与して、その中で現在裁判にかかっている人、あるいは裁判にはかかっていないけれども同じような条件の人々に対してどういう手だてがあるのか、そういうことを真摯に話し合うという姿勢で現在臨んでいると、このように理解しておりまして、若干の時間が掛かってはおりますけれども、できるだけ全体的な解決ができるように努力をしていきたいと、こう考えております。
#258
○川田龍平君 B型肝炎訴訟については最高裁判決も出ています。ですから、是非ともいち早くこの問題解決に動いていただきたいというふうに思います。
 それじゃ、次に移ります。
 子宮頸がんワクチンについて質問をいたします。
 この子宮頸がんワクチンの使用促進キャンペーンが実施されていますが、このワクチンの効用ばかりに重点が置かれていることを大変憂慮しています。この子宮頸がんワクチンについていかに厚生省は考えているか、お聞きしたいと思います。
#259
○国務大臣(長妻昭君) これも、子宮頸がんワクチンにつきましては、昨年の末に実際に販売、使用が許可をされまして、今、これは実費でありますけれども、打っていただいている方もいらっしゃる。そして、自治体によっては公費助成をしていると。国も公費助成すべきだという議論があります。で、私は、それは予算要求はしていくという考えを表明をいたしました。
 ただ、そのときも私申し上げたんですけれども、その副作用という問題もきちっと国民の皆さんに隠さずにお示しをすると、こういう姿勢が非常に重要であるというふうに考えているところでございまして、それについても、我々としては実際に公費助成をするとき、あるいは昨年の認可の際にも十分周知をするように努めているところでありまして、今後とも、副作用の場合の救済の制度、今もございます、そういう制度、あるいは副作用の情報収集、こういうことにも力を入れていきたいというふうに思います。
 そして、新たな取組といたしましては、今後一千万人規模のデータベースを作ろうということで、これも来年度以降その作業に入る予定にしておりまして、一千万人程度の方の情報を常にウオッチをして、そして副作用情報等を追跡調査すると、こういうような大規模プロジェクトも今考えているところであります。
#260
○川田龍平君 私、ワクチンも必要なところでは有効なものだと思っています。しかし、ワクチンだけではなくて検診が必要だと、その検診とさらにはそれを普及させるためには教育が必要だと思っています。
 その意味で、是非厚生省にやっていただきたいのはこの検診の普及なんですが、その方策はどのように考えていますでしょうか。
#261
○国務大臣(長妻昭君) この検診が重要だというのは、これはもう全くそのとおりでございます。
 ただ、これもいろいろ御指摘をいただいておりますが、子宮頸がんの検診は先進国でも検診率は最低の部類に入っておりまして二十数%ということでございます。これについては、がん検診五〇%集中キャンペーンあるいはがん検診五〇%の全国大会等を繰り返し開いて、せめてまずは五〇%まで検診の率を上げていこうと。そして議員各位の御議論、御支援によって子宮頸がんの検診及び乳がん検診等無料クーポン券あるいは検診手帳を配付する事業を実施ということも今継続をしておりますけれども、これはもうあらゆる機会を通じて、この国会中継も全国に流れているわけでありますので、子宮頸がんあるいは乳がん等の、あるいはそれを含むがん検診、是非それを受けていただきたいということを我々申し上げ、より一層の受診率向上に取り組んでいきたいと考えております。
#262
○川田龍平君 ワクチンだけ打てば大丈夫ということを考えないように、是非とも検診とセットでなければこの子宮頸がんの予防にはならない、検診を是非とも受けるということが大事だということを皆さんに知っていただきたいと思います。
 そして、性感染症であるということ、そのHIVも含めて、私も、性感染症としてのHIVの問題というのも今この国、日本で広がり続けています。そのことについて厚生省からもお願いします。
#263
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃっていただいたように、この子宮頸がんにいたしましても、ワクチンを接種するだけでは、その後、ワクチンの効果というのもありますので、接種後もこれは検診を受けていただくということが必要だと考えております。
 そして、性教育でありますけれども、これについても、やはり日本の医療的見地からの性教育というのも私はまだまだ不十分であるというふうに考えておりますので、これも併せて実施していくことで、ワクチンが、これは効果は高いんですが、万能ではないということもよくよく我々も説明しなきゃいけないと考えております。
#264
○川田龍平君 性教育について文科省からも、併せて保護者への教育についてもお答えいただきたいと思います。
#265
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 性感染症の予防の上で学校教育というのは極めて重要であることはもう御承知のとおりであります。
 具体的には、エイズ、性感染症を含めた感染症について、中学校においては学習指導要領及び解説で、その疾病概念、感染経路及び予防方法について理解できるようにすることというふうにしております。高等学校の学習指導要領及び解説においては、予防には個人的及び社会的な対策を行う必要があることについて理解できるようにすること、これが学習指導要領でありますが、それに基づいて総合的に解説した啓発材料、これをいわゆる冊子を作りまして、全国の中学一年生、高校一年生に全員配付するということで活用をしていただいているところでありまして、その他いろんな工夫を凝らして進めていきたいと思いますが、そのときに並行的に大事なことが今御指摘の保護者の理解ということでございます。
 学校が教育に関する情報を児童生徒に提供すると同時に、学校と家庭、地域間の共通の認識と対応というのはどうしても必要だということで、特に性に関する指導を行うに当たっては、発達の段階それぞれに、どんどん発達している発達の段階をいつも踏まえること、それから学校全体で共通の理解を深めることと同時に、保護者の理解を得ること、この三点にしっかりと目配りをしながら進めることとしております。学校公開、保護者説明会等の対策と、地域の医療機関と連携して、産婦人科や助産師の先生等が学校に出向いて生徒児童に、教職員だけではなく保護者も対象とした講演、講話を行うというふうな対応もしております。
 今後、様々な機会を利用して、また、いろんなお知恵がありましたら御示唆をいただく中で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#266
○川田龍平君 是非とも、委員会などでしっかり取り上げてやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そして、国際保健についても、やっぱり是非ともこの日本が誇れる日本の医療や、そして日本のそうした保健の体制というものをしっかり国際的なところでも活躍していただきたいと思いますが、岡田大臣、いかがでしょうか。
#267
○国務大臣(岡田克也君) ミレニアム開発目標、MDGsの進捗の中でも、この保健の分野というのは特に遅れた部分でございます。したがって、外務省としても、先般のODA改革の中でも、この保健と教育に重点的に取り組むということを確認したところでございます。
 様々な国際機関がございます。世界基金、三大感染症に取り組む世界基金、それからWHO、ユニセフ、それから国連人口基金、そういった様々な国際機関に対する支援を日本政府としてもしっかり取り組んでいきたいと思っています。
#268
○川田龍平君 ありがとうございます。
 国連ミレニアム開発目標の期限が二〇一五年と迫っています。その意味で、今年の九月の二十日、二十一のこの国連のミレニアム開発目標についての会議、それから十月の初頭に行われますエイズについての会議、そういった国際会議でのこの日本の役割というのが大変重要になってきています。
 そうした意味で、外交の面で総理大臣がしっかりそういった場で発言をしていただくことが大事だと思います。菅さんに是非頑張っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#269
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、岡田外務大臣からありましたエイズ、結核、マラリアなどに対するこの世界基金第三次増資会合についての新規拠出を、昨日、国連事務総長の潘基文総長から要請をいただき、検討をお約束をいたしました。
 九月にはそのミレニアムなどの会議が行われるということで是非出席をしてほしいという要請もいただきまして、私としては、いろいろな国内的な仕事もありますけれども、できれば国連に出かけて、このミレニアムの中ではもう一つ、いわゆる生まれたばかりの子供、母子問題というのがまだ十分な進展を見れていない問題でありますので、日本の場合は母子のことについてはかなり先進的な経験を持っておりますので、そういった経験も含めて世界の皆さんにお伝えする機会、出席できれば是非出席したいと、このように考えております。
#270
○川田龍平君 ありがとうございました。
 みんなの党は、地域主権もしっかりとやっていく、その中で、小さな政府であっても医療や福祉やそういった教育についてもしっかりとみんなの党はやっていける政党です。それから、国際的にも外交でもしっかり頑張れる、そういう政党であるということを一言訴えさせていただきまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#271
○委員長(平野達男君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#272
○委員長(平野達男君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上哲士君。
#273
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 総理は、普天間基地と政治と金の問題について、就任直後の会見では、二つの重荷を総理自らが辞めることで取り除いていただいたと述べられました。選挙中は、この二つの問題をクリアしたとも言われました。
 今日は普天間問題について聞きますが、普天間の問題で一体何が重荷で、何がクリアをされたと総理はおっしゃるんですか。
#274
○内閣総理大臣(菅直人君) クリアという言葉が適切であったかどうかは別として、私が申し上げたかったことは、政治と金の問題もありますけれども、普天間の問題でいろいろな展開の中で物事が、何といいましょうか、迷走をしている中で、最終的に日米合意というものが鳩山政権の下で五月二十八日に合意がなされ、同時に沖縄の負担軽減について全力を挙げるということを盛り込んだ閣議決定もなされました。
 もちろん、この日米合意が沖縄の皆さんに認められているということではなくて、かなり批判も強いわけでありますけれども、一つのこの問題でのある段階を踏むことがこの五月の二十八日にできて、そのところから再スタートをしてこの問題に取り組むと、そういうことになったと認識いたしております。鳩山前総理は、この問題の対応も含めて責任を取る形で辞任をされたと、そういったことで一つの段階が踏まれたという意味を含めてクリアという言葉を使わせていただきましたが、言葉としての的確性は別として、私が申し上げたかったことは、そういった状況を申し上げたかったことであります。
#275
○井上哲士君 政権の都合の見方なんですね。沖縄県民にとっては何も問題は解決をされておりません。
 先月の二十九日に普天間基地の騒音訴訟の福岡高裁の那覇支部の判決が出ました。この中では、普天間基地を世界一危険な飛行場だと認め、そして騒音防止協定は形骸化していると認め、これまでの二倍の慰謝料の三億六千九百万円の支払を命じました。
 市民がこうやって毎日直面をしているこの苦しみというものに、総理はどういう認識をお持ちでしょうか。
#276
○内閣総理大臣(菅直人君) この問題、まさに普天間の基地の危険性、こういったものを、たしかクリントン大統領のときでしたか、橋本総理との間で認識をされ、普天間の移設ということを合意をされたわけであります。そういう意味で、私も、今の普天間の状況が沖縄の県民の皆さんにとって大変、危険性を含めて大きな問題を抱えている、そういうことも含めて、一日も早い普天間の移設によってそういう危険性を除去しなければならない、このように考えております。
#277
○井上哲士君 移設で解決をしたいとおっしゃいました。市民はそれで解決するなんて思っていないんです。
 これは五月末の日米合意の直後に地元紙などが行った世論調査でありますが、実に県民の八四%が辺野古への移設反対です。(資料提示)そして、基地を抱える宜野湾の市民だけでいいますと、辺野古移設反対は実に九六・五%なんですね。そして、そのうち七五・六%の人は無条件撤去すべきだと言っているんです。つまり、毎日この基地の苦しみを身をもって体験をしていると、この苦しみは移すことはできない、撤去しかないというのがまさに基地を抱える皆さんの声なんです。
 総理、この数字をどのように御覧になりますか。総理、総理。
#278
○国務大臣(岡田克也君) 宜野湾市民の皆さんのその思いというものはしっかりと受け止めなければならないというふうに考えております。
 ただ、一方で、我々は米軍のその抑止力というものが日本にとって必要であるという前提で物事を考えております。無条件撤去ということで、移設することなく撤去させることでその抑止力が維持できるというふうには考えておりませんので、これは日本全体として見たときに、どうしても早期に移転をさせる、そのことを急がなければいけない、改めてそう感じているところであります。
#279
○井上哲士君 そうやって、抑止力という名前で県民にずっと押し付けてきました。しかし、もうこれ通用しなくなっているんですね。
 この世論調査の中で、海兵隊の駐留は必要ないというのは沖縄県民では七一%ですよ。そして、この米軍の駐留を定めた安保条約は維持すべきだというのは沖縄でいいますとわずか七%。一方、破棄すべきが一三・六、平和友好条約に改めるべきだというのは五四・七ですね。合わせますと六八・三%なんですよ。
 前提が違うと言われましたけれども、まさに沖縄の皆さんのその前提、毎日、この基地がどういうことになっているのか、海兵隊がいかに戦争に使われているのか、これを見た上での結論と皆さんの前提が違ってきているんです。そのことを申し上げておきたい。
 総理、県民の皆さんがこういう声を上げるのには、沖縄の基地の成り立ちというものがあります。これについては、総理はどういうこの歴史について認識をお持ちでしょうか。
#280
○内閣総理大臣(菅直人君) 沖縄は戦後長く米軍の施政権の下にあって、そういった中で、戦争の末期にまさに地上戦が戦われ、その中で米軍によって新たな基地が沖縄の中に建設をされたと。
 そして、日本に復帰をした後において、沖縄以外の地域の米軍基地の返還に比べて沖縄の中での基地の縮小がある意味余り進むことができない中で、多くの基地が今日も沖縄にあり、それがある意味での過大な沖縄の皆さんへの負担となっていると、そのように認識をいたしております。
#281
○井上哲士君 単に返還が遅れている問題じゃないんですね。大半が国有地にある本土の米軍基地とは成り立ちが違うんです。
 沖縄の米軍基地というのは大半が民有地の上にあります。沖縄戦で米軍が上陸をして、住民が収容所に入れられて、その占領下に無理やり奪われて基地が造られたと、これ国際法違反ですよ。ですから、無法で奪われた土地は無条件で返してくれと、これ当然のことなんですね。これを理解してもらわなくちゃ困るんです。
 総理、六月の二十三日に沖縄で行われた全戦没者の追悼集会に行かれました。沖縄県民にお礼を表したいと言われましたけれども、どういうお気持ちで言われましたでしょうか。
#282
○内閣総理大臣(菅直人君) たしか私はおわびとともにお礼をという表現をいたしたと思います。
 それは、今申し上げたように、沖縄に今なお過大な基地の負担をお願いをしている、そのことをおわびを申し上げると同時に、ある意味で日本の安全保障、あるいはこの地域の、アジア、東アジアの安全保障にとってそのことが大きな役割を果たしていると、そういう役割を果たす基地を現在沖縄に置かせていただいていることにお礼という言葉で申し上げたところです。
#283
○井上哲士君 同じころにアメリカの議会も沖縄への感謝決議を出しました。そのアメリカの感謝決議と同じように感謝を述べた総理の言葉に県民から憤りの声が上がりました。このことは御存じですか。
#284
○内閣総理大臣(菅直人君) 報道で承知をいたしております。
#285
○井上哲士君 何で感謝されて怒るのかと。
 沖縄の地元紙はこういうふうに書きました。銃剣とブルドーザーで土地を奪って造られ治外法権の犯罪を生み出してきた米軍基地、戦後六十五年が経た今なお根本的な解決策を示さない日米両国から発せられた感謝の言葉は空虚で詭弁にしか聞こえない、現存する基地負担を一顧だにせず将来にわたって押し付けようとするかつての占領者たちとダブって見えると、こう書きました。これは一紙だけじゃありません。多くの県民の声でもありました。県議会の意見書にも批判の声が上がりました。
 総理、感謝という言葉で結局将来も基地を押し付けようとしている、アメリカと同じ立場じゃないか、こういう県民の皆さんの怒りにどう答えますか。総理。総理の言葉ですから、総理の言葉ですから。いいです。
#286
○委員長(平野達男君) 岡田外務大臣。その後、総理に答えていただきます。
#287
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘もよく理解するところですが、だからこそ、普天間基地の早期移設、そしてそれに伴って八千人の海兵隊の沖縄からグアムへの移転、そしてその結果としての嘉手納以南の基地の返還、そういったことをパッケージとしてやっていく、それに加えて、日米合意の中で定められた様々な負担軽減策、そういったことをしっかりと進めていかなければいけないと、そういうふうに感じているところであります。
#288
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的には今の岡田外務大臣の言われたことと同じでありますが、やはり沖縄にとっての負担の軽減、それが本当に目に見える形で進行するよう全力を挙げたいと、このように考えております。
#289
○井上哲士君 結局、なぜ沖縄県民がお礼という言葉に怒りを持ったのか。全く受け止める言葉ではありませんでした。結局、その言葉によってアメリカと同じ立場でずっとこれからも基地を押し付けようとしていると、このことに対して怒っているんですよ。そのことが分からなければ、幾ら県民に理解を求めようができるはずがないんです。
 総理、今総理に求められているのは、アメリカの立場に立って県民を説得したり理解を求めることじゃありません。沖縄県民の皆さんのその総意を理解をして自らのものにするということが求められているんです。
 これ、七月の九日に沖縄の県議会が上げた全会一致の決議です。日米合意、この共同発表は、県内移設反対という沖縄県民の総意を全く無視するもので、しかも県民の意思を全く聞かずに頭越しに行われたものであり、民主主義を踏みにじる暴挙として、沖縄県民を愚弄するものとして到底許されるものではないと。こうやって見直しを求めているわけですね。
 総理、全会一致、県民の総意と示されたこの県議会の決議、どう受け止められますか。総理、総理ですよ、総理。
#290
○国務大臣(岡田克也君) 県議会一致ということですから、これは非常に重いものだというふうに受け止めております。
 ただ、一方で日本全体で見たときに、日本にはやっぱり米軍の存在というものが日本の安全のために、あるいは地域の平和と安定のために必要であります。
 そういった県民の皆さんの気持ちと日本全体としての必要性というものの間に大きなギャップがあるということは事実でありますので、我々は、もっと沖縄の皆さんの理解を求めるとともに、国民の皆さんに対して、なぜ米軍の存在が日本自身の安全にとって必要なのかということをもっとしっかりと説明していかなければいけない、このギャップを埋める努力をしっかり行っていかなければいけないと、そういうふうに感じているところであります。
#291
○井上哲士君 さんざんそういう説明を聞いてきた沖縄の皆さんがもう海兵隊は要らないということを言っていることは、私先ほど申し上げたとおりなんであります。そして、総理自身がつい二〇〇六年まで、海兵隊というのは攻める部隊であって抑止力とは関係ないということを言われていたわけですね。
 私は、まさに今、沖縄の県民の総意に反するような日米合意はもう白紙に戻して、まさに沖縄県民の総意の立場、無条件撤去を求める、こういう本腰を入れた交渉に、そこしか解決の道はないと思います。総理、いかがですか。
#292
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が政権を担当することになって、五月の二十八日の日米合意を踏まえる、それを守っていくと、こういう姿勢を明らかにし、また同時に、同じ日に閣議決定された、沖縄の皆さんへの負担の軽減に全力を挙げると、こういうことを申し上げました。
 私も今の御指摘、そのこと自体重いことだということはよく承知をいたしております。そういう中で、これも外務大臣からもお話がありましたけれども、日本の安全あるいは極東の情勢、そういうことを考えたときに、何とかこの合意の中で、移設を実現する一方で、沖縄の皆さんに目に見える形で軽減措置が実行される、そのことに全力を挙げることが今私に課せられた使命だと、このように感じております。
#293
○井上哲士君 政府は十一月の知事選挙後まで工法などについては最終決定を先延ばしするという動きでありますが、しかし、今の沖縄の県知事も、移設先の名護市長の反対を押し切るにはブルドーザーと銃剣と言われた方法しかないけれども、今の日本ではゆめできないだろうと、こう言われています。
 沖縄の県民の総意に反するようなやり方は全く解決につながらないと、まさに県民の総意に基づいて、まさにアメリカと無条件撤去で交渉する、これしか解決の道がないということを重ねて私申し上げておきたいと思います。
 もう一点、この問題とセット、一体とされているのが沖縄海兵隊のグアムへの移転ということで日米政府やっているわけですが、日本は費用負担をすることになっています。このグアムの沖縄海兵隊移転の日本の費用負担というのはどういうことになっているでしょうか。
#294
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 在沖米海兵隊のグアム移転に関する経費の総額は、御存じだと思いますが、百二・七億ドル、日本側の分担は六十・九億ドルでありまして、このうち財政支出、いわゆる真水と、こう言われておりますのは二十八億ドルでございまして、なおまた、家族住宅の整備については民活事業の導入によって四・二億ドルの効率化が見込まれてはおりますが、実質的には、これ合計していただきたいんですが、二十一・三億ドルでありまして、そのうち出資が十五億ドル、融資などで六・三億ドル、さらにインフラ整備については七・四億ドルと、これを措置しております。
#295
○井上哲士君 グアム基地建設というのは、そもそも沖縄の負担軽減のためでも何でもありません。アメリカの世界戦略の中で基地の増強計画の一環でありまして、そもそもアメリカの領土にあるアメリカの基地に日本が費用負担するなど全くの前代未聞なわけですね。
 民主党も、当時、この経費には反対をいたしました。当時の反対討論では、日本が巨額の経費負担を行う理由が明確でなく、内訳すら明らかにされていないと、こういうふうに言われております。
 ところが、最近これを増額せよという要求が出ております。アメリカのゲーツ国防長官から六月に、グアムでの電力などの不足が見込まれるということで増額を求める書簡が届けられ、北澤大臣が協議に応じるという書簡を送り返したと報道されていますけれども、書簡、来ているんでしょうか。
#296
○国務大臣(北澤俊美君) そういう報道は十分承知をいたしておりますが、同盟関係にある両国の協議について、そのような機微にわたるものについては従来これを申し上げないということになっておりますので、御理解いただきたいと。
#297
○井上哲士君 書簡そのものは来ているんですか、来ていないんですか。
#298
○国務大臣(北澤俊美君) それも含めて御遠慮いただきたいと思います。
#299
○井上哲士君 ところが、官房長官は記者会見で、アメリカの要求に前向きに行うという前提で詰めた話合いをしていくというふうに発言をされておりますけれども、ちょうどいらっしゃいますが、どうなんですか、増額にこたえるんですか。
#300
○国務大臣(仙谷由人君) お答えいたします。
 井上議員、私の会見要旨でも御覧いただいておりますか。新聞記事だけでございますか。
#301
○井上哲士君 報道です。
#302
○国務大臣(仙谷由人君) 新聞記事はそう書いてありますけれども、私はアメリカから増額要求が来ているということは肯定もしておりません。知りません。そして、そういうことに前向きではなくて、グアムをちゃんと海兵隊が移転できるような、その工事について企画立案を含めて日本が協力をすると。それは、グアムを海兵隊が移転できるような状態に工事をしてもらわなければいけません。あるいは、日本がそれにどのように関与するかということもこれから詰める話であります。金額の話などは私は全く関知しておりません。
#303
○井上哲士君 そうすると、日本側の負担は上限だということはこれまで繰り返し答弁がされてきたわけでありますが、負担要求があっても応じないと、こういうことで明言できますか。これは総理、いかがですか。総理。
#304
○国務大臣(北澤俊美君) いろいろな報道はなされておりますが、二〇一四年までに終了をするということは、日米の間でまだそれを変更するという協議とか、そういう申入れはありません。したがって、このロードマップに基づいて資金の提供をしていくわけでありますから、今のところといいますか、現時点で増額を要求されるとか、そういうことは一切ございません。
#305
○井上哲士君 仮にあっても応じないということを明言されますかということをお聞きしているんです。
#306
○国務大臣(北澤俊美君) 増額を要求されたわけでもないのに、増額を要求されたらどうするかということについて私が述べるのはいかがかと思いますが、日米の間で両国で合意をした厳然たる事実がありますので、それ以上のものに踏み込んで私がとやかく言うのは適切でないというふうに思います。
#307
○井上哲士君 では、グアム移転費用で日本がこれまで予算に計上しアメリカに送金した金額、そのうちアメリカで支払に充てられたのは幾らでしょうか。
#308
○国務大臣(北澤俊美君) 二十一年度予算においては三百四十六億円を移転しております。さらに、使ったお金ですか、これにつきましては二百四十万ドルであります。
#309
○井上哲士君 日本が三百四十六億計上しましたけれども、実際にはその一部しかアメリカで執行されていない。なぜこういうことになっているんですか。
#310
○国務大臣(北澤俊美君) これは、環境整備のための今設計を請け負った金額でありまして、この後執行していくわけでありますが、一部これ誤解があるんですが、日本は年度ごとに会計をしていますから出したお金は年度末には使うと、こういう習慣になっていますが、米側の場合は、二〇一四年までの間で、しかも所要の資金については五年間を一つの、何といいますか、期間にしてこれを使っておると。
 なお、それでは日本側にとっては、税金から出したお金の使い方がおかしいと、はっきりしないということでありますので、毎月所要の費用についてはこれを報告をしてもらっておりまして、なおまた、日米の間では、最終的にお金が余った場合はこれを返還させる、しかもそれについては利子も付けて返還させると、こういうことになっています。
#311
○井上哲士君 精査して予算計上したはずなのに、送金をしてもごく一部しか使われてないと。
 アメリカの上院の歳出委員会の報告書は、こういうインフラ整備の問題や環境整備のことでも懸念も挙げ、しかも計上されたお金が充当されてない下で新たな資金提供は早計だということで、関連予算の七五%削減することを決めました。日本は来年度予算どうするんですか。
#312
○国務大臣(北澤俊美君) 御案内だと思いますが、環境影響評価の最終案が出まして、その最終案の中にグアムのキャパシティーの問題がありまして、建設労働者その他が入ってくる場合、十八万人の島民のところへ八万人に近い人たちが一気に来るということではインフラがこれに間に合わないというような意見が米海軍の中にあって、その最終案の中にそれが盛り込まれております。
 しかし、そこにはただし書があって、これは国防省の意見ではなくて、これが唯一の、最後の案でもないというふうに明記されておりますが、しかし米側とすれば、米軍の中の一部分からそういう意見が出ているということになれば、議会の中で所要の意見が出てきてそれに対応したと。上院と下院でそれぞれ権限法と歳出法の中で違った議決がされておるという事実はございます。
#313
○井上哲士君 日本は来年度予算どうするんですかということを聞いているんです。
#314
○国務大臣(北澤俊美君) これ、米議会はその後、両院協議会の中で修正をされますから、それが出てこないと我々としては対応のしようがないということと、もう一つには、米側から公式に、先ほども申し上げておりますが、金額の変更を要求してきているという事実は全くありません。
#315
○井上哲士君 実際には、先ほどあったアセスの最終報告書で移転、移設の期限も一七年に延ばすという提案もされておりますし、そもそも資金の、送っても使われていないという問題がある。アメリカは予算を削減するということを議決をする。
 結局、アメリカ国内のアメリカの基地の建設に日本がお金を出すという前代未聞のことをやっているからこういう矛盾が起きるわけで、我々は、グアム基地建設の事業の内容も予算の規模も、そして移転の完了期日も実際はアメリカが決めていく、これに従うようなこういう異例なやり方はやめるべきでありますし、そもそもこういうことに日本の税金を投入することそのものが間違いだと、やめるべきだということを改めて申し上げまして、質問を終わります。
#316
○委員長(平野達男君) 以上で井上哲士君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#317
○委員長(平野達男君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#318
○片山虎之助君 たちあがれ日本・新党改革の片山虎之助でございます。
 三年前まではこの参議院予算委員会、大変私の古巣のようなところでございまして、よく質問させていただきましたけれども、今回は三年ぶりで、大変風景も変わっておりましていささかの感慨がありますが、もう時間がありませんので早速入らせていただきます。
 私は、質問、答弁共にいつも、特に閣僚の皆さんにお願いしているのは、率直で簡潔で分かりやすい答弁を是非よろしくお願いいたしたいと。そっちに座っておりますと、答弁するのもくたびれますけれども、じっと座っているのもくたびれますね。皆さんもうちょっとですから御辛抱賜りたいと、こういうふうに思います。
 まず、ねじれ国会の話からさせていただきたいと、こう思います。
 せんだっての参議院選挙で我が国会は、衆参は完全なねじれ現象となりました。これまでは、特に前回は自民党、公明党の与党が衆議院で三分の二持っておりましたから本格的なねじれやなかったんですね、再議決できるから。しかし、今回はそれがありませんので、現状では完全なねじれ現象。
 午前中の質問にもありましたが、私は、ねじれというのは決してマイナスイメージだけではないと思います。あるべき二院制からいうと、ねじれた方がいいんですよ。衆参が同じようなことを言って同じように決めるんなら二院制の意味がない。いいねじれは私は国政のために必要だと、こういうふうに思っております。
 特に、私は平成元年に参議院議員にしていただきまして、後、政権与党が参議院で単独過半数を持ったことはないんですよ。二回続けて勝つということもなかなか難しい。今は大変国民の皆さんの考え方も流動化していますから、同じところばかりいつまでも支持するというわけにいきませんよ。何かへまをやったり、おかしくなったら変わるんです、ぽろぽろ。だから、これからはねじれが常態化するんです。そういうことの中で、どうやって二院制をしっかりしたものにし、議会制民主主義を成熟させていくかは与野党の姿勢なんですよ。私はそう思いますが、首相、どうですか。
#319
○内閣総理大臣(菅直人君) 片山先生、岡山は私も本籍地でありまして、昔から片山虎之助先生についていろいろ大変大きな存在として受け止めておりました。特に参議院では、片山先生の多くの経験、場合によっては本当にいろいろ教えていただかなければというふうにも思っております。
 今、ねじれ国会について、必ずしもねじれというのが悪いことではないんだということを言っていただきまして、私もマイナスにばかり考える必要はなくて、この形からより良いものが生まれる可能性はあると思っております。
 一九九八年の、当時は自民党政権の下で野党が参議院で過半数を超えましたあの金融国会の中で、私どももある意味で政局というもの以上に国民の生活を考えて金融再生法を提案し、当時の小渕総理が丸のみをされて金融危機を越えていくことができたと。その行動についていろいろ、私が政局にしないと言ったことについていろいろ一部から批判もありましたけれども、私はあの金融危機を越えることに役に立てたのであればそれで良かったと思っておりますし、そういう意味で野党の皆さんにも、この日本のまさに長期にわたる危機を越えていく道筋を是非共に考えていく、そういうねじれ国会にしていただければと、私たちもそうなるように誠心誠意努力したいと、このように考えております。
#320
○片山虎之助君 ねじれ国会になりますと与野党の力量というか器量が問われるんですよ。私、そう思いますよ。
 それで、総理は小渕内閣のときの金融国会の話ばっかりされますが、一番最近、この間までねじれですよ。平成十九年から、あの参議院選挙で私も不覚を取りましたが、去年までは、安倍内閣はちょっとでありましたけれども、後の福田、麻生内閣では完全なねじれだったんです。
 そのときの野党ですよね、皆さんは。どういう態度だったんでしょうか。人事案件は全部否決、日切れ法案も否決でしょう、そうでしょう。テロ特措法も新しい法律も全部否決。三分の二で全部返したわけですよね。税なんか日切れが切れてまた元に返す。国民の皆さん、どれだけ迷惑したか。国民経済にはどういう影響があったか。国際的な支援はどうだったか、インド洋の給油の問題。これについての反省がないと、幾ら野党に協力を求めたって、己を省みず人に求めるなんていうことは、それはいけませんよ。どうですか、総理。
#321
○内閣総理大臣(菅直人君) この三年間、あるいはもう少し長い期間かもしれませんが、我が党が野党として、参議院で過半数を野党が得ていたときの行動について御指摘をいただきました。
 確かに、今振り返ってみますと、いろんな場面がありましたけれども、かなり政権を追い込むという、そういうことをかなり念頭に置いた行動がなかったかと言われれば、そういう観点も幾つかあったと思っております。一つ一つの問題ではそれなりに私たちも政策的な観点から反対をしてきたつもりでありますけれども、その行動全体が今御指摘をいただいたようなところもあったということで、反省すべきところはきちっと反省をしていきたいと、こう思っております。
#322
○片山虎之助君 野党ですから、私はある程度仕方がないと思う、少しは。しかし、あのときはすべて党利党略ですよ。小沢さんの指揮の下に一致結束して妨害したんですよ、国政を。私は、その反省がないと、これからのねじれ国会の収束は、この運営は大変難しくなると思う。
 もう一度お願いします。
#323
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど三分の二ということも言われましたけれども、当時、三分の二を与党が持っておられて、そういう意味では、多くの課題では我が党が反対をしても三分の二の規定で成立をさせられました。人事案件等では、三分の二の規定がないものについて幾つか止まる、あるいは期限切れになる、いろいろありました。
 いろいろな御指摘、十分に受け止めて反省すべきことは反省をしていきたいと、このように思っております。
#324
○片山虎之助君 反省をはっきり言われましたので、この問題は時間もありません、次に参りますが。
 次に、マニフェストですね。私は、去年の衆議院の総選挙は、皆さんのマニフェストに対する、民主党のマニフェストに対する国民の期待、過剰なまでの期待が皆さんを勝たせたんですよ、政権交代できたんですよ。今回の参議院選挙は、そのマニフェストのやり方に対する国民の幻滅が、失望が今度は負けさせたんですよ。そういう意味で、ちょっとこれは極論ですけれども、私見ですから、私はそういうふうに思っている。
 今、民主党の皆さんのマニフェストというのは、国民の間にそんなに評判よろしくありませんよ。(資料提示)これはうそばっかり書いている、偽りの書だと言われている。あるいは人によっては、マニフェストというのは、民主党のマニフェストは詐欺のにおいがするから言葉を使いたくない、イメージが悪いと、アジェンダがいいという、まあアジェンダがいいかどうか私も分かりませんが、こういう人もあるんですよ。
 そういう意味では、マニフェストに対して、民主党の皆さん、ある意味でのイメージダウンをさせたということに私はなると思うんですが、このマニフェストにあれだけのことを書いて、それが必ずしも皆さんが言われるような実行はされていないし、あるいはしてないものもたくさんある。
 総理、どうですか。まず総括的に、民主党のマニフェストに対するお考え、総理は七割はできている、七割はできていると言いますが、それは七割の根拠は何ですか。
#325
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年の選挙でマニフェストで幾つかの課題を、あるいは約束をいたしました。数を何割と数えるのは正確かどうかは別として、例えば子ども手当については、初年度、月一万三千円を実行いたしました。また、農家の戸別的所得補償についても水田事業を中心に実行いたしました。高校の無償化についても実行いたしました。また、高速道路の無料化については実験的取組を始めております。暫定税率の問題では、結果として税率を同じ水準にとどめたということで、これはマニフェストをたがえたというように言われても致し方がありませんが、その点については幾つかの理由も含めて、鳩山総理の段階でおわびを申し上げ、国民の皆さんの御理解を賜ろうと、そういう努力をしたところであります。
 そういった意味で、すべてができたわけではありませんが、まず初年度として七割程度は前進ができたと、このように考えております。
#326
○片山虎之助君 去年の衆議院から今年の参議院の選挙の間にマニフェスト変えられているんですよ、かなり現実的なものに。見方によっては改善したのか、あるいは後退という見方もありますよ。
 そこで、その皆さんの評価ですよ。民主党さんの評価で、こういうあれなんですね。着手した、少し着手というのが、それと未着手を合わせると、一部着手と未着手で八十五件というんですよ。そのマニフェスト、皆さんのマニフェスト集に載っているのは百七十九なんです。それから、ある主要新聞によると、百七十八件のうち、着手したばかりが六十五件、未着手が二十五件なんです。八十九なんです。
 ということは、ほぼ五割、ここにありますように、マニフェストの未着手、未実施、今始めたばかりというのは五割ある。これで七割というのは、私は、これは羊頭を掲げて狗肉を売るというのがありますよね、古い言葉ですが。羊の肉だって犬の肉を売っていると。こういうことだと思いますよ。
 それから、今も言われましたが、子ども手当や高速道路の無料化や農家の戸別所得補償は、これは完全にやっているわけじゃない。高速道路の無料化なんか一千億しか入れてないんですよ。六千億掛かるんですよ。農家だって米だけでしょう。あるいは、子ども手当は半額じゃないですか。しかも、半額の中にこれは児童手当の上に乗っているんですから、児童手当、あれは国はわずかですよ、出しているのは。その上に金を乗せているだけなんですよ。まさに羊頭を掲げて狗肉を売るなんですよ。国民をだましている。何が子ども手当ですか。あれは児童手当なんですよ。来年変わりますよ。(発言する者あり)いやいや、本当に。それが二番目なんです、実現、本当かという。
 それから、三番目には、可能性がないものまで載せているんです。例えば、国家公務員の人件費二割カットというんですよ。よく見ますと、あれは地方移管するんですよ、いろんな事務や権限を。地方にツケを回すということなんですよ。それをマニフェストに載せている。あるいは、温室効果ガスの排出量を二五%カットでしょう。できますか。産業界わあわあ言っている。こんな同意も得てない、合意も得てない、見通しもないものを載せているんですよ。
 それから、だれがこれを評価するんですか、総理は七割、七割と言いましたけれども。そして、最後に、変更や断念や後退したときにだれが責任取るんですか。だれが責任取るんですか、総理。
#327
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、基本的な考え方としては、衆議院の任期四年間の中で実行するという考え方でお約束をいたしました。そういう意味で、初年度にできたことについては先ほど幾つか事例を申し上げたわけですが、今回の参議院のマニフェストでも自ら、今、着手、未着手、いろいろ分類をいただきましたが、そういう形で自己評価をいたしております。
 これから、衆議院の任期でいえば、あと任期満了まででいえば三年あるわけですが、その間の中でできるだけこのマニフェストについて誠実に実現を図っていきたいと思います。
 ただ、どうしてもできないものについては、その理由を国民の皆さんに説明をして理解をいただきたいと、このように思っております。
#328
○片山虎之助君 来年度の予算編成がこれから本格化するわけですね、シーリングもこの前示されましたし。あの中にはマニフェストをできるだけ生かすわけですね。それが一点。
 それから、予算編成後はマニフェストを直すんですか。あと三年衆議院の任期まであるから、三年で完全なものにすると。ずっと直していくわけですか。予算との整合性はどうなりますか、マニフェストの。総理。
#329
○国務大臣(野田佳彦君) 片山委員にお答えいたします。
 まず、マニフェストの主要事項の子ども手当であるとか、今実施している分ですね、加えて農家の戸別所得補償、高校授業料の無償化、高速道路の無料化については、二十二年度の当初予算分は要求できるという形になっています。その他あるいは新しい事項については、安定した財源を確保しながら着実に実施をしていくべく、予算編成過程でこれは実現をすべく努力をするということであります。
#330
○片山虎之助君 優先して予算化するんですね。
#331
○国務大臣(野田佳彦君) マニフェストを念頭に入れながら予算編成をしていくということです。
#332
○片山虎之助君 いやいや、念頭に入れるなんというような、そういう難しい言葉を使っちゃいけませんよ。分かりやすくというのはそういうことなんですよ。国民に分かるように言ってください。できるだけ優先して予算化するのかしないのか。
#333
○国務大臣(野田佳彦君) 一律削減の枠から除いている部分はさっき申し上げたとおりです。今度、特別枠をつくる中でもマニフェスト施策を実現をするためという観点も入れます。ということで、マニフェストはできるだけ実現をするように頑張るということです。
#334
○片山虎之助君 総理、マニフェスト直しますか、予算の後。
#335
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的には、今財務大臣が言われたとおりでありますが、見方を少し変えますと、今年度のマニフェストについても、まあ予定どおりではないにしても、無駄の削減あるいはいわゆる一部埋蔵金も含めて、そういう新規のそうした削減などから生まれた三兆三千億の中で三兆一千億のマニフェストの実現に充てたところであります。
 そういう意味では、今後も無駄の削減などを徹底してやることを含めて、その中でマニフェストの項目について、先ほど申し上げたように、財源のことも考えながらできるだけ実現を図っていくという、そういう姿勢を含めて予算編成に当たりたいと思っております。
#336
○片山虎之助君 時間がありませんので、やっぱり小政党というのは大変だね、十分間でやるなんて、あといろいろ用意してきたんですが。
 消費税について、総理は一ミリたりともぶれてない、一ミリたりとも、まあ一ミリというのはどうかね、後退していないと言われましたけれども、総理の六月十七日から今日までの発言はぶれと後退ですよ、すべて、消費税について。言い分あるかもしれませんが、まあ逃げ道もあっちこっちにつくってますから、言い訳はある程度できるけれども。しかし、財政再建では一歩も引かないとあなたは言われる。言われる以上、消費税の問題は避けて通れませんよ、それは。
 だから、その内容についてやタイミングを含めて、例えば政府の税調や、まあ政府の税調ってみんなあれですけどね、皆さん方の仲間だけれども、あるいは政調で、党の、中身は議論させるにしても、消費税引上げやるんですね。やらないと財政再建なんかできませんよ。どうですか。
#337
○内閣総理大臣(菅直人君) 昨年の政府税調が発表した、決めた大綱の中でも、消費税も含めて税制について議論するということにもう既になっていると同時に、私が財務大臣になった中で、税調の中に専門家の会議をつくらせていただきました。神野先生に座長になっていただいて、そこでもう消費税を含む他の税制も含めた議論を、既に二月、三月段階から議論を進めていただいております。
 当初は、確かに今年度末までに取りまとめるといったことも私、選挙の折に発言をいたしましたが、その後、この選挙の結果も踏まえて、また党に政策調査会を復活させましたので、そうした政策調査会も含めて、消費税も含めた税制全般に議論をしていただくということで、私から期限を切るということは改めました。
 しかし、今、片山議員がおっしゃるように、財政の状況は大変厳しい状況であります。特に私が感じているのは、社会保障との関係で、この十年間、社会保障に係る費用が増える中で、結果として赤字国債でそれを賄ってきたというふうに見るのが比較的正確ではないか、そういう意味では、社会保障とその財源となるべき税制について一体的な議論が必要であると、このように考えております。
 そういった意味では、できれば超党派での議論ということをお願いをいたしたいという気持ちは変わってはおりませんけれども、まずは党内での議論をしっかりと進めていきたいと、こう考えております。
#338
○片山虎之助君 強い経済、強い財政、強い社会保障は私も賛成ですよ。我々たちあがれ日本は、強い経済、強い財政、強い政治、強い教育、強いふるさとと言っているんですよ。私どもの方が早いんですよ、総理の方が後から来られたんで。ただ、考え方はあれです。
 国民は消費税引上げはやむを得ないと思っているんです。やむを得ないんだけれども、安易な、腰だめな、無責任な消費税引上げは反対なんです。政治家が毅然としていろんなことを示さないと、この日本をどうする、社会保障の全体像はこうだと、制度設計はここだと、ここではこういうようにやるという、それを毅然として示すことが国民の賛成を得るんですよ。
 私は、今の景気を見るとすぐ上げるわけにはいかないと思います。今、地方は元気がありません。今年まだ地方がもっているのは、地方団体の単独事業が六パーから七パーあるからなんですよ。公共事業が一八・三削ったじゃないですか。これで地方が元気になるわけがない。中小企業も危ないです。もっと雇用が危ない。有効求人倍率だって失業率だって、失業率なんか下がらない、五%。
 こういう景気対策もしっかりやってもらわにゃいけませんが、同時にその中で、財政再建と少子高齢化のためには、社会保障財源のためには断固として消費税をやるという姿勢が要るんですよ。それが歴史に残りたければ、菅総理、あなたがはっきりしなきゃ。
 もう一度答弁してください。
#339
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、政治家としてしっかり信念を持って当たれという激励をいただいたと思っております。
 私も、総理大臣という、こういう役職といいましょうか、立場にならせていただいた以上は、今先生からもお話がありましたように、最終的には評価をするのは歴史が評価をすると、そういう覚悟でしっかりと信念を持って臨みたい、このように考えております。
#340
○片山虎之助君 終わります。
#341
○委員長(平野達男君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#342
○委員長(平野達男君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#343
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 総理、二〇〇五年、沖縄の基地問題に関する超党派勉強会の会長就任の際に、普天間基地移設に関して、不可能だ、県外、国外に移転すべきだと発言をしています。政治家は言葉に責任を持つべきです。このことに向かって実現すべきではないですか。
#344
○内閣総理大臣(菅直人君) 多くの方からこの普天間に関して、私の過去の発言なども含めて御指摘をいただいております。
 私は、総理に就任する時点あるいはその少し前に五月二十八日の日米合意に基づく閣議決定がありまして、そのときに、福島党首はそれに反対をするという形で政権から離脱をされたわけでありますが、私はその日米合意を踏まえた閣議決定に署名をし、また総理大臣に就任してから、この日米合意をしっかりと踏まえる、その上で沖縄の負担軽減を全力を挙げて図っていくと、こういう姿勢を明確にいたしました。
 過去の発言についていろいろ申し上げることは控えたいと思いますが、私なりの現在の日本の情勢あるいはアジアをめぐる情勢、そういったことを含めての判断であります。
#345
○福島みずほ君 沖縄でも沖縄の人に対して、国民に対して、菅総理は当時、代表という立場でいろんな形で約束をされてきたわけです。人々はそれを信頼し、信じました。それがなぜ変わるんですか。
 総理、二〇〇五年、二〇〇六年に国外、県外と言っているんです。何が変わったんですか。
#346
○委員長(平野達男君) 岡田外務大臣。
#347
○福島みずほ君 いや、総理。いや、違う、総理の発言。
#348
○委員長(平野達男君) 後で総理に答弁させます。
#349
○国務大臣(岡田克也君) 我々、さきの選挙の前にマニフェストを出しました。その中では県外、国外という表現はあえて使わなかったことは委員も御存じのとおりであります。その後、三党で連立の協議をいたしました。私と福島委員との間でも直接意見も交わしましたが、あのときにも県外、国外という社民党の御主張ありましたが、我々は、それはできない、そのことのお約束までは三党合意の中に盛り込めないということを主張して、それは盛り込まれないままになったというその経緯、よく御記憶だと思います。
#350
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろ国際情勢も変わります。少し長い目で見れば、例えば米ソの対立構造がソ連の崩壊でなくなり、世界がある意味で平和の報酬といいましょうか配当を得るといった時代もありました。しかし、この数年、北朝鮮を含む情勢は大変厳しいものがあります。そういった中で、今日の状況を踏まえて判断をした中で、先ほど申し上げたように、この米海兵隊の沖縄の基地というものについてはその存在が必要であると、そのように判断をして、そうした立場で日米合意を踏まえて負担の軽減を図っていくと、このように申し上げたところであります。
#351
○福島みずほ君 総理は、米ソの関係、冷戦構造の崩壊というふうにおっしゃっていますが、二〇〇五年、二〇〇六年に菅さんは国外、県外って言っているんです。北朝鮮の状況は確かにより厳しくなっているかもしれませんが、基本的には二〇〇五年、六年と変わっていないというふうに思っております。ましてや、鳩山総理は一貫して国外、県外と長いことおっしゃっていて、辺野古の海を埋め立てるのは自然への冒涜だとごく最近までおっしゃっていました。
 菅さん、なぜその言葉どおり国外、県外ではないんですか。状況は変わってないですよ。
#352
○委員長(平野達男君) 菅内閣総理大臣。菅さんに対する、総理に対する発言ですから。
#353
○内閣総理大臣(菅直人君) 福島さんも同じような発言たくさんされておりますが、鳩山総理もいろいろ、そうした方向での努力などもいろいろ皆さんとも協議をする中でいろいろ考えられ、あるいはいろいろな過程があったわけであります。その上で、最終的に五月二十八日の日米合意、閣議決定ということになった経緯はもう一番よく御存じのとおりであります。
 その判断についてということでいえば、先ほど来申し上げているように、そうした国際情勢などを判断した上で日米合意を、まずそれに踏まえた行動が必要だと、行動といいましょうか、それを踏まえていくということを表明をいたしました。
#354
○福島みずほ君 国際情勢の変化というのがよく分かりません。つい最近までおっしゃっていたわけですから。
 海兵隊は沖縄にいなければならないという必然性があるんですか。菅さん。
#355
○国務大臣(岡田克也君) 委員が国際情勢の変化ということがよく分からないとおっしゃるわけですが、例えば朝鮮半島情勢一つを取っても、哨戒艇が沈められ四十六名の人命が失われたと、これは現実につい最近起こった出来事であります。そういった非常に緊迫した状況の中で、もちろんこれは話合いによって問題を解決していかなくてはならないことではありますけれども、状況は数年前と比べても更に厳しくなっているというふうに考えるのが私は普通だと思います。
 また、中国の東シナ海、南シナ海における活動についても様々なことが問題になっているわけで、中国の海軍力の増強というのは、これはここ数年非常に目立っているわけであります。そういったことも状況の変化として当然とらえていかなければならないというふうに考えております。
#356
○福島みずほ君 総理、いや、総理、さっき質問、海兵隊は沖縄にいなければならないという必然性があるんですかという質問をしていますので、答えてください。
#357
○委員長(平野達男君) 菅総理、補足ございますか。どうぞ。
#358
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来基本的には同趣旨の御質問をいただいて、私も同趣旨の答弁をさせていただいているわけですけれども、確かにそれぞれ、第七艦隊あるいは第五空軍、第三海兵隊、それぞれある意味での機能や役割は異なるところはありますけれども、総合的に考えて現在の沖縄に米海兵隊の基地が移転をしても存在する必要があるという、そういう認識の下に日米合意についてそれを踏まえてやっていきたいということを申し上げているわけであります。
#359
○福島みずほ君 沖縄海兵隊はアフガンやイラクに多くいることがあり、留守であったことも多いことは御存じのとおりです。また、基本的にグアムに沖縄海兵隊は行くことになっております。また、必ずしも沖縄にいなければならないという、そんな別に必然性はないと考えますが、いかがですか。総理。
#360
○国務大臣(岡田克也君) 確かに、グアムへの移転、八千名の移転ということは決定をされております。しかし、残った約一万名、この機能はなかなか分割できない。もちろん、一部は沖縄に、そして残った者は日本のその他の地域にということができればいいわけですけれども、これを分割することはできない。例えば、訓練地というものと、そして実動部隊というものを別にすることはできない。そういう中で沖縄以外の選択肢がないというのが現実であります。
#361
○福島みずほ君 結局、沖縄以外になかなか場所が見付からなかったから沖縄に押し付けるということではないですか。沖縄の意思は明確ですよ。
 先ほどお手元に配付資料をしておりますが、これは七月九日、沖縄県議会が全会一致で日米共同発表の見直しを求める決議を出しています。頭越しで行われたことに、民主主義を踏みにじる暴挙として、また沖縄県民を愚弄するものとして到底許されないとはっきり言っているんです。沖縄に理解を求めるということではなく、沖縄は、「国策」の下に沖縄にだけ負担が、新たな基地が造られることに全会一致で反対しているんです。
 総理、これをどう受け止めますか。いや、総理に聞いています。
#362
○内閣総理大臣(菅直人君) 沖縄の皆さんの声として県議会が一致したこの決議は大変重いものだと思っております。と同時に、先ほど岡田外務大臣からもありましたように、我が国の安全にとって、またアジアの、この極東地域といいますか東北アジアの状況を考えた中で、その存在の必要性について、これを、存在の必要性を私は必要だと考えているということで日米合意をきちっと踏まえた形で対応したいと。
 沖縄の皆さんの声は大変重いものがあると思います。これからどういう形で話合いといいましょうか、ができるか、一度は仲井眞知事ともお話をいたしましたが、今後もできる限り沖縄の負担の軽減ができるだけ目に見える形で進むような、そういう努力をしていきたいと、このように考えております。
#363
○福島みずほ君 菅さんは市民派と言っています。私も市民運動出身だと思います。建設を強行するのではなく、民主的なプロセスを尊重することが必要ではないですか。反対、はっきり全会一致で出ているんですよ。理解を求めるのではなくて、嫌だと言っているんですよ。その沖縄をどうして踏みにじるんですか。どうして切り捨てるんですか。自民党の手法と変わらないですよ。
#364
○国務大臣(岡田克也君) ですから、沖縄の皆さんの理解が必要であるというふうに申し上げているわけであります。もちろん、それを踏みにじるとか、そういったことを考えているわけではありません。
 福島委員のお話を聞いておりますと、確かに沖縄の県民の皆さんの気持ち、おっしゃるとおりだと思います。しかし、それじゃ日本全体としての安全保障の問題はどうなるんでしょうか。一体どうやってこの国を守っていくんでしょうか。国民の生命と財産をどう守るんでしょうか。そのことに対する答えがやはりなければ、私は余りにも一方的なお話ではないかと、そういうふうに思っております。
 福島委員とは一時期政権を共にしましたが、政権を担っていくということはやはり重荷を背負っていくことでもあります。私は、その重荷を共に背負えなかったことは非常に残念に思っています。
#365
○福島みずほ君 安全保障をどうするべきかというのは大事なんです。でも、沖縄の人たちが、あるいはどうしてこれに納得しないかといえば、安全保障の名の下に新たな負担を、新たな基地を造ることは納得できないと言っているわけです。そこを安全保障という名の下にやっぱり言うことを聞けという形になっているわけじゃないですか。だって、現に強く抗議するというのが出ているんですよ。踏みにじったって言われているんですよ。私たちの意見を聞かないでなぜ勝手に決めるんだって言っているんですよ。それは政治手法として明確に間違っていますよ。
 菅さん、国外、県外って菅さんがかつて言ってきたんだったら、国外、県外、どこまで努力されたんですか。
#366
○国務大臣(岡田克也君) 今の御議論、私は若干納得できないものがあるんですね。
 つまり、新たな基地を造ること、確かにそれは負担であります。しかし、その結果として普天間の基地がなくなるんです。それは非常に大きな負担の軽減ではないでしょうか。そして、そのことと関連して、八千名の海兵隊員が沖縄からグアムに移転するんです。これは負担の軽減ではないんでしょうか。そして、普天間基地の移転に伴って、嘉手納以南の基地が多くが返ってくるんです。そのことは負担の軽減ではないんでしょうか。
 そういったこと全体で考えていかないと、一部だけを取り出して議論をするというのは私は余りフェアなやり方ではないと、そういうふうに思います。(発言する者あり)
#367
○委員長(平野達男君) 御静粛に。
#368
○福島みずほ君 沖縄の人たちが、これは沖縄の県民負担ではないと思っているんですよ。新たな基地を造るということにほとんどの人が反対しているじゃないですか。理解は得られていないんですよ。明示的に民意ははっきりされているんです。にもかかわらず、勝手に日米共同声明で宣言を出すから問題なんですよ。連立政権の合意、沖縄県民の合意、そして、決めるって言っていたのに勝手に決めるからこうなるんじゃないですか。
 民主主義にのっとってきちっと、日米共同声明の辺野古に基地を造るということの撤回を強く求めてまいります。
 非核三原則についてお聞きします。
 あしたは広島に原爆が投下されて六十五年目です。非核三原則、核を持たず、作らせず、持ち込ませず。非核三原則は堅持するということで、総理、よろしいですね。
#369
○内閣総理大臣(菅直人君) 菅内閣として非核三原則を堅持するという、する方針に変わりはありません。
#370
○福島みずほ君 アメリカの核弾道ミサイル原潜の日本寄港は認めないということでよろしいですね。いや、総理。
#371
○国務大臣(岡田克也君) 委員もよく御存じのように、アメリカの核搭載艦船というのは、まず戦術核と戦略核に分かれます。
 戦術核については、これは艦船に搭載しないということが九〇年に決定されておりまして、そういうことがありません。したがって、そういう事実は起こり得ません。戦略核については、確かに潜水艦で戦略核を積んだものがありますが、これが日本に来るということは考えられません。したがって、こちらも事実としてあり得ないということであります。
#372
○福島みずほ君 総理、今の答弁でよろしいですね。非核三原則の堅持、そして、いかなる形であってもアメリカの原潜の日本寄港は認めない。つまり、いわゆる密約とされた核密約についても、これは廃棄をするということでよろしいですね。いや、総理。
#373
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと核密約の廃棄というところの関連がよく分からなかったんですけれども。
 それから、委員は原潜とおっしゃいましたが、原潜の中には核を積んでいないものがたくさんあります。というか、むしろそれが通常でありますので、原潜そのものを認めないということではございません。
#374
○福島みずほ君 それはもう当たり前のことで、私が確認をしたいことは、非核三原則の堅持と総理がおっしゃるので、今までは、例えば自民党政権下では核密約というものはないという、確認できないということになっていました。しかし、政権が替わって様々な密約が出てきました。今その密約は存在をするわけです。
 ですから、この非核三原則の堅持、日本寄港は、とにかく核のミサイル、何らかの形で積んでいるということであれば認めないということを、総理、言ってください。お願いします。
#375
○国務大臣(岡田克也君) そのことは国会でも何度も私答弁しておりますけれども、先ほど申し上げましたように、核を積んだ艦船というものは、戦術核を積んだものはアメリカの政策によってありませんので、そういうことは起こり得ないということであります。
#376
○福島みずほ君 総理の諮問機関である新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会が提出を予定している報告書の内容が明らかになりました。集団的自衛権の行使を禁ずる政府の憲法解釈の見直しは行わないということで、総理、よろしいですね。
#377
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会のことを言われたと思いますが、まだ御報告はいただいておりません。
#378
○福島みずほ君 集団的自衛権の行使を禁ずる政府の憲法解釈の見直しは行わないということでよろしいですね。
#379
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、ですから、福島さんがこの懇談会を基本として御質問になられましたので、この懇談会の報告書はいただいておりませんとお答えいたしました。
#380
○福島みずほ君 もらっていないということで結構なんですが、まだこれは新聞報道だけですから。
 私がお聞きしているのは、総理、集団的自衛権の行使を禁ずる政府の憲法解釈の見直しは行わないということを明言してください。いや、総理。
#381
○国務大臣(岡田克也君) これは鳩山政権の時代にも同じ答弁をしていると記憶しておりますけれども、現時点でそれを変える予定はございません。
#382
○委員長(平野達男君) 菅総理、補足ないですね。どうぞ。
#383
○内閣総理大臣(菅直人君) 変える予定はございません。
#384
○福島みずほ君 武器輸出三原則についてもお聞きをいたします。
 これはまだ報告書を見ていないということなんですが、武器輸出三原則は変えないということでよろしいですね、総理。
#385
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、まず、何度も申し上げますが、この懇談会からの報告書はいただいてはおりません。
 武器輸出三原則というのは国際紛争等の助長を回避するとの平和国家の基本的理念に基づくものでありまして、かかる考え方は引き続き堅持していく所存です。
#386
○福島みずほ君 日米共同開発中のSM3ブロックUAは売却、輸出しないということでよろしいですね。
#387
○国務大臣(北澤俊美君) これはまだ製品化はされておりませんが、御案内だと思いますけれども、平成十六年の十二月の官房長官談話において、共同で開発・生産を行うことになった場合は、厳格な管理を行う前提で武器輸出三原則等にはよらないこととするという官房長官談話が出ております。
#388
○福島みずほ君 ということは、SM3ブロックUAを売却、輸出しても武器輸出三原則に抵触しないということでしょうか。
#389
○国務大臣(北澤俊美君) ただいま申し上げたことは、共同開発をするということについての官房長官の談話であります。まだ製品化されていないものについて、今の段階で私から踏み込んだ御答弁をすることは控えさせていただきます。
#390
○福島みずほ君 総理は、武器輸出三原則は変えないというふうにおっしゃいました。戦後、日本は武器輸出をしなかったということが私は誇るべきものだと思っています。クラスター爆弾、国産品ありますが、日本は輸出をしていません。世界の子供たちを傷つけなかったということは、日本のやっぱり財産だと思います。こういうことも、SM3ブロックUA含め、今後、売却、輸出をしない、武器輸出三原則は堅持すると、今日総理がおっしゃったことを強く受け止めておりますので、よろしくお願いします。
 イラク戦争の検証についてお聞きします。
 オランダやイギリスでは、イラク戦争に加担した政策プロセスについて、当時の首相も含めた政策責任者に答弁させ、徹底した検証を行っております。外交も検証されるべきです。政権交代が実現したのだから、小泉政権時代に明らかにならなかったイラク戦争に加担した政治プロセスについて、きちっと検証委員会を設けて検証すべきだと考えますが、いかがですか。
#391
○国務大臣(岡田克也君) イラク戦争に関しては、当時の政府は、イラクが十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったという認識の下で、米国を始めとする国々による武力行使を支持したということであります。
 ただ、委員もよく御承知のように、我々はそのイラク戦争の開始に関して国際法上問題があるということを野党として申し上げたわけであります。私は当時幹事長として、イラク戦争開戦の日に本会議場の壇上に立ってそのことを申し上げたことをよく覚えております。したがって、政権も替わったのだからそういったことについて再検証すべきじゃないかと、そういう御意見をよくいただきます。私は、国会の中でも今までも、イラクへ自衛隊を派遣した当時の政府の判断には異なる解釈もあり得たのではないかと、異なる判断もあり得たのではないかということで、当該武力行使を支持し自衛隊を派遣した当時の政府の判断について検証するということは、これは将来の課題であるというふうに従来から述べているところであります。
 それが今がそのタイミングなのか、あるいはもう少し時間を置くべきかということについては慎重に考える必要があるというふうに考えております。
#392
○福島みずほ君 これは重大なことなので、是非、総理、今外務大臣が時期は別にしてやはり何らかの検証をすべきだという旨の答弁だったと思いますが、総理、いかがですか、検証すべきではないですか。
#393
○内閣総理大臣(菅直人君) まさに岡田外務大臣が言われたように、この問題、大変な当時から議論があった課題でありまして、そうした当時の政府の判断についての検証、これは将来どの時点かで行われることが望ましいと思っております。
#394
○福島みずほ君 将来というのが、できるだけ早く検証していただくようお願いいたします。
 次に、インクルーシブ教育、障害者の問題についてお聞きをします。
 障害者制度改革の推進のための基本的な方向についてという閣議決定、六月二十九日に行っております。この内容を財政的な措置を含めてきちんと実施すべきと考えます。首相の決意をお聞かせください。
#395
○国務大臣(川端達夫君) 教育にかかわりますので私の方から先にお答えさせていただきます。
 文部科学省としまして、先日、御指摘の閣議決定を踏まえて、中央教育審議会に特別支援教育の在り方に関する特別委員会を設置をいたしました。この委員会で、一つはインクルーシブ教育システムの構築という障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた就学相談、就学先決定の在り方及び必要な制度改革、二つ目がその制度改革の実施に伴う体制、環境の整備等について、平成二十二年内に中間的な取りまとめをいただくべく調査審議をしていただいているところでございます。
 インクルーシブ教育に関しては、国連の障害者の権利に関する条約の第二十四条に、障害者を包容する教育制度、インクルーシブ・エデュケーション・システムについて規定されておりまして、明文上の定義は示されていないんですけれども、一般的には障害のない児童に通常提供される教育の場に障害のある児童を組み入れることと考えております。ただし、この条約の中での理念として、特別支援学校制度を今文部省がやっておりますが、これを、そのものを否定するものではないという認識であることも付言をしておきたいというふうに思います。
 従来よりインクルーシブ教育システムの確保に資する方向で制度改善を行ってきましたけれども、今回の閣議決定を踏まえ、この委員会における調査審議等を踏まえて、特別支援教育の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
#396
○委員長(平野達男君) 荒井国務大臣、補足があればどうぞ。
#397
○国務大臣(荒井聰君) 障害者制度全般の推進についての担当は私でございますので、実質的には先生が私の前任者ということでございまして、私、まだ先生から引継ぎを受けていないんですけれども、先生は大臣のときから障害者制度の、行政制度のシステムをつくられました。障がい者制度改革推進本部をつくられて、そしてその下に障がい者制度改革推進会議というものをつくられました。この会議、約二十回ぐらいにわたりまして様々な障害者の制度設計をされておりまして、その結果が六月の二十九日に閣議決定をいたしました。
 その方向は、先生が現職時代に決められたと思うんですけれども、障害者の地域における生活の実現、障害者があらゆる分野において社会から分け隔てられることのないインクルーシブな社会の実現といったことを目指していると。この基本的な方向に沿って、労働、雇用、教育、福祉などの各個別分野において改革の工程表を作成をいたしました。今後は、これに基づき、一人一人を包摂する社会の実現を掲げる内閣として着実な改革の実施を図ることといたしております。
 また、障害者基本法の改正や障害者制度改革の推進体制について必要な法整備を来年度の通常国会などに提出を目指すこととしてございます。
#398
○福島みずほ君 障害者政策が本当に変わるようにと思っています。
 川端大臣にお願いしたいんですが、分離は差別であると、もう障害者を普通学級へとありました。基本はインクルーシブ教育であって、障害のない子も障害のある子と生きることでやっぱり変わるんですよね。ですから、そのインクルーシブ教育が根本だと、やはり地域の学校へ行きたいということを全力で文科省は応援する、それを是非おっしゃってください。お願いします。
#399
○国務大臣(川端達夫君) 先ほども申し上げましたけれども、基本的には、通常、障害のない児童に提供される教育の場に、教育で限定しますと、障害のある子を包含していくというのがインクルーシブの基本的な理念であるということは重々承知をしておりますし、そのことが人間成長にとってお互いに非常に大きな効果がある、本来あるべき姿であるという理念は十分承知をしております。
 現実的に、そういう中で、我々が今やっている特別支援学校制度というものの効果もまた別に、そういう必要がある場合もある。そちらがいいという意味ではなくて、それとどちらの道を選択するかという保護者、当事者等々の意思をどういうふうに判断していくのが妥当であるのか等を含めて先ほど申し上げた委員会で審議をしていただくことになっておりますので、御指摘のことは基本的には十分に理解をしているつもりでございます。
#400
○福島みずほ君 千葉大臣にお聞きします。
 なぜ死刑を執行されたんでしょうか。アムネスティ議員連盟や、それから死刑廃止議員連盟で国民の皆さんにお約束していたことに反しているのではないでしょうか。
#401
○国務大臣(千葉景子君) 私は、法務大臣に就任をいたしまして、法務大臣の職務に死刑の執行について最終的な責任を負うという職務があることも承知をいたしておりましたし、そしてこの間、その職務をどのように務めていくのかということを慎重に考えながら、様々な執行に向けての要件、再審事由がないのか、あるいは死刑執行を停止すべき要件はないのか、こういうことを十分に考え、そして職務の執行をさせていただいたということでございます。
#402
○福島みずほ君 私は、死刑についていろんな議論があること、いろんな判断があることはもうよくよく存じております。ただ、大先輩である千葉さんは死刑廃止の立場だったんではないんですか。
#403
○国務大臣(千葉景子君) これは、日本の社会の中でこれから将来死刑の存廃について議論をしていく時期が来ているというふうに私も思いますし、そして国際的に見ても日本がずっと死刑を存置をしているのかどうか、私はこれから議論をしなければいけないときだというふうには思っております。
#404
○福島みずほ君 辺野古に基地を造るということにも共通しているんですが、政治家は思想、信条、そして国民の皆さんに約束してきたことをやっぱり守るべきだと私は思っています。そうでなかったら、国民は政治家のどんな言葉を信頼して生きていけるでしょうか。
 千葉大臣、これから勉強会をつくるとおっしゃっているんですが、なぜ大臣になったとき死刑存廃に関する勉強会をつくらなかったんですか。
#405
○国務大臣(千葉景子君) いろいろこれも検討させていただいた結果、まずは自らの下で勉強会をさせていただき、そして多くの皆さんの議論の契機にしていただければというふうに考えた結果でございます。
#406
○福島みずほ君 大臣になって、死刑の存廃についての勉強会をやり、大いに議論すべきではなかったでしょうか。死刑制度の勉強会を発足するなら、存続、廃止それぞれの考え方の専門家を半分ずつ入れる勉強会をつくるべきだと考えますが、よろしいですか。
#407
○国務大臣(千葉景子君) これはまず、私の下で私的な省内の勉強会でございます。いろいろな立場の皆さんから御意見を聞かせていただくということを考えております。そして、それを踏まえてまた多くの皆さんが参加をされる、そういう議論の場がまたつくられていくと、こういうことも当然これから考えていかなければいけないことだろうというふうには思っております。
#408
○福島みずほ君 是非半分ずつにしてください。諸外国は、死刑を執行しないでいろんな議論をして死刑廃止をやっていく。そこで執行があるということは、やっぱりそこで議論が全然違うものになると。本当に残念です。
 今年は日韓併合百年という節目の年です。この機に、歴史的な事実を踏まえ、また未来のアジアとの関係の礎とするために首相談話などの形で談話を発表をしてはどうかと考えますが、総理、いかがですか。
#409
○内閣総理大臣(菅直人君) 日韓併合百年に当たって、どのような形を取るかについて慎重に検討をいたしております。
#410
○委員長(平野達男君) 福島みずほ君、時間ですのでまとめてください。
#411
○福島みずほ君 はい。
 是非よろしくお願いします。
 雇用についても質問をしたかったんですが、派遣法の改正も臨時国会で是非よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。
#412
○委員長(平野達男君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
    ─────────────
#413
○委員長(平野達男君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#414
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小野次郎君を指名いたします。
    ─────────────
#415
○委員長(平野達男君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#416
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#417
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#418
○委員長(平野達男君) 委員派遣に関する件についてお諮りします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#419
○委員長(平野達男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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