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2010/04/22 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
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2010/04/22 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号

#1
第174回国会 総務委員会、厚生労働委員会連合審査会 第1号
平成二十二年四月二十二日(木曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
   総務委員会
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                加賀谷 健君
                武内 則男君
                林 久美子君
                礒崎 陽輔君
                世耕 弘成君
    委 員
                高嶋 良充君
                土田 博和君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                内藤 正光君
                長谷川憲正君
                吉川 沙織君
                末松 信介君
                関口 昌一君
                谷川 秀善君
                二之湯 智君
                溝手 顕正君
                魚住裕一郎君
                澤  雄二君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   厚生労働委員会
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                川崎  稔君
                島田智哉子君
                辻  泰弘君
                姫井由美子君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                丸川 珠代君
                小池  晃君
                近藤 正道君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       総務副大臣    渡辺  周君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        泉  健太君
       内閣府大臣政務
       官        津村 啓介君
       総務大臣政務官  小川 淳也君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地域主権改革の推進を図るための関係法律の整
 備に関する法律案(内閣提出)
    ─────────────
   〔総務委員長佐藤泰介君委員長席に着く〕
#2
○委員長(佐藤泰介君) これより総務委員会、厚生労働委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了解願い、その聴取は省略いたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○森ゆうこ君 民主党の森ゆうこでございます。
 本日は、連合審査会ということで、日ごろは厚生労働委員会に所属をいたしておりますが、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、通告をしておりました質問に入ります前に、長妻厚生労働大臣に一点、本日の日経新聞の一面に出ておりました記事について御所見を伺いたいと思います。
 「保育所の利用 要件撤廃 施設増めざし補助拡大」という大きな記事になっております。これは、これまでは保育所は保育に欠ける子供たちに対する保育サービスの提供ということになっておりますけれども、様々な点においてこの保育所の利用の要件を撤廃するということについてこのような記事が載っておりますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(長妻昭君) 今現在、特に幼稚園と保育所の一体化の議論というのが子ども・子育て新システム検討会議というところで行われておりまして、今おっしゃられた現行制度の保育に欠ける要件という入所要件についても見直すことが課題になっておりまして、ここの場で今検討中でございます。
 これは、短時間就労者や求職者など多様なニーズに柔軟に対応できるように、保育を必要とする子供すべてに例外なく保育サービスを保障することがどういう形でできるのかと、これを今議論している最中でございまして、いずれにしましても、その成果を来年法案として国会に提出をさせていただこうということで、今鋭意検討中でございます。
#5
○森ゆうこ君 言うまでもなく、度々委員会等でも私も質問させていただいたことがありますが、保育に欠ける、この児童福祉法の要件を撤廃するということが、民主党の理念であります子供の育ちを社会全体で応援をしていく、保育を必要とされる子供たちにはいろいろな要件を緩和いたしましてきちんとしたサービスを提供していくということは我々の理念にも合致するものでございますので、是非その方向で検討を進めていただければというふうに思います。
 この地域主権三法でございますけれども、私は、地方議員の出身でございまして、といっても町議会議員を二年間だけやっただけでございますので大したことは言えないわけでございますけれども、地域のことは地域で決める、本当の地域主権改革を進めなければならないということは地方議員をしているときに本当に痛切に感じたところでございまして、なぜ国はこんなにはしの上げ下げまで、私流に言わせていただくと、洗ったはしの滴の落ちる先まで口を出すと。そのようなことが結局は税金の無駄遣いを生む、これを早く直すべきであるという思いで活動をしてまいりました。
 そういう意味では、この地域主権改革の今回の法案はほんの入口にすぎないというふうに思っておりまして、まずはこれをしっかりと成立をさせ、更に本物の地域主権改革を進めていくべきであるというふうに思います。
 今回の法案に関しましては、まず厚生労働大臣に伺いたいんですが、地方自治体の自主性を強化するという法案全体の目的に加えまして、今般の児童福祉法の改正は待機児童の解消を図る内容も含まれておりますが、現在、待機児童の現状はどうなっているのか、お知らせいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(長妻昭君) 今正確に集計できるものが、昨年の十月一日現在でございますけれども、四万六千五十八人の方がいらっしゃる。これは、首都圏や近畿圏の七都府県、指定都市及び中核市で待機児童の八割を占めるということで、都市部に多いということでございます。
#7
○森ゆうこ君 今回の法案でも待機児童解消に向けた対策が盛り込まれているというふうに承知をいたしておりますが、待機児童の解消は待ったなしの課題でございます。新たな保育施設、保育サービスの提供がまた潜在的な需要を喚起するということがございまして、やってもやっても追い付かないという悲鳴も聞こえてくるわけでございますが、この法案が成立をいたしまして地方自治体が条例を制定するのを待っている時間はございません。すぐにでも対応していく必要があると思いますけれども、現在厚生労働省としてどのような対策を講じていられるのか、長妻大臣に御答弁をお願いいたします。
#8
○国務大臣(長妻昭君) 待機児童の解消というのは、これは喫緊の課題だというのはおっしゃるとおりだと思います。
 まず我々は、将来ビジョンということで五年間のビジョンを策定をいたして、数値目標も掲げました。平成二十六年度までに保育サービスの定員を二百四十一万人にしよう、毎年毎年五万人増やしていこうということでございます。これまでは二万人の増加、年間でございましたので、倍のスピードということで、平成二十二年度の予算も確保をさせていただきました。
 そして、保育ママ事業ということで、これは御自宅等でお子さんを預かるということで、今まで保育ママの資格は保育士や看護師に限定されておりましたけれども、今年の四月から、今月から、一定の研修を修了して市町村長の認定を受けた方も保育ママになることができるというようなことをさせていただき、そして空き教室というのが今少子化の影響で小学校等に発生をしております、あるいは空きスペースもございますので、そういうところを認可保育所の分園として使ってもらうということで、今活用を鋭意進めているところでございます。二百億円の積み増しを第二次補正で計上をさせていただいて、鋭意今できることということで進めております。
#9
○森ゆうこ君 今ほどお話のございました学校の余裕教室についてでございますが、その点について少し質問をさせていただきたいと思います。
 本日は文部科学省の鈴木副大臣にもお越しをいただいておりますが、皆様のお手元にパンフレットを配らせていただきました。平成二十二年三月、つい先ごろ出されたものでございまして、「余裕教室の有効活用」ということで、私はこのような形のパンフレットを初めて見たんですが、下に文部科学省、そして厚生労働省、両省で協力をして出されたということで、こういう形のパンフレットというのはなかなかないのではないかなというふうに思います。
 鈴木副大臣にまずは伺いたいんですが、学校の余裕教室等の有効活用として、特に保育所への転用についての取組の状況、またその実績について伺いたいと思います。
#10
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、保育所については施設の確保というのが大変重要でございますが、余裕教室等を保育所に転用し活用するというのは有効な選択肢の一つだというふうに理解をいたしておりまして、民主党のマニフェストでもそのようになっているところでございます。
 この転用をする際に、ほとんど公立学校の場合は国庫補助を受けております。従来は、これを転用いたしますとその国庫補助分をもう一回国庫納付しろと、こういうことになっていたわけでありますが、これでは進みませんので、ほとんどのケースの場合にこのような保育所などの極めて公益性の高い施設に転用をするということでございますので、国庫納付をほとんど不要とするような財産処分手続の大幅な弾力化を行っておりまして、それからもう一つは、転用する際に黒板だとか教壇だとか、こういうものがありますとなかなか使いづらいということがございますので、黒板や教壇の撤去に要する経費についても補助を行うということとしております。
 そうしたこともございまして、現在、余裕教室の活用状況の実態調査、平成二十一年の五月一日現在ということでございますけれども、小中学校の余裕教室を保育所として活用している事例は、教室数にいたしまして四十三教室、それから廃校で申し上げますと九施設というのが現在の状況でございます。
#11
○森ゆうこ君 補助金の返還の要件はほとんど緩和されて、ほぼ返さなくても保育園には転用できるということを今確認させていただいたわけですが、これ周知徹底がなされていないのではないでしょうか。だからこそこのようなパンフレットをお作りになられたのではないかというふうに思います。
 なかなか、やはり縦割り行政といいますか、実は私も議員になる前でしたけれども、保護者の皆さんに頼まれて放課後児童クラブ、この設置に奔走をさせていただいたことがございます。当時は二十人が補助規定、二十人が補助金が出る、その要件がございました。現在はたしか十人だと思いますけれども、その補助基準がまずは一つの大きなネックになった。それから、放課後児童クラブを開設いたしまして、当時は郵便局が空きまして、そこを使ってスタートしたんですが、スタートするとやはり潜在的な需要が掘り起こされてすぐ満杯になってしまった。更に大きな場所を探さなければいけないということで、小学校の空き教室を使わせていただくことになったんですけれども、その際、なかなか教育委員会の方がそんなに迅速には動いてくださらなくて、大変苦慮いたしました。そういう経験を持っております。
 今のお話のように、補助金はもう返還しなくてもいい、そしてこういう形で文科省、厚生労働省協力してパンフレットを出している。ただ、今ほどの実績をお伺いいたしますと本当に少ないのではないかなというふうに思いますので、この学校の余裕教室等の保育所の転用を更に推進するために、文部科学省、厚生労働省としてどのように対策を講じていくつもりなのか、それぞれにお答えをいただきたいと思います。
#12
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げたいと思います。
 先ほどの数字は二十一年の五月一日ということでございまして、転用しても返さなくていいですよというスタンスでありました。新しい政権になりまして、これは是非積極的にやりましょうと、こういうスタンスに変わっております。
 したがいまして、今御紹介もいただきましたこのパンフレットを本年の三月に厚生労働省と連携をいたしまして地方自治体に配付をし、そのことを促しておりますし、それから、三月三十一日には関係省庁と連名で、地域の余裕スペースを活用した保育所分園等の整備の促進を依頼する通知を、我々政府としてはこういうことを是非促進をしてくださいという通知を出しまして、有効事例の紹介や、あるいは児童福祉主管部局と教育委員会の連携協力というものを促したところでございます。
 引き続き、厚生労働省始め関係省庁と連携を密にしながら、こうした省庁の枠を越えて、そして市町村の現場にもそうした枠を越えていただきたいと、こういった思いをお伝えさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#13
○国務大臣(長妻昭君) 今、鈴木副大臣から、地方自治体へ通知を出してお願いをするということ、あるいは、私どもと文部科学省と連携して活用事例集、こういう余裕教室を保育所として活用していますというものも更に作成をして周知をするということに取り組みたいと思います。そしてさらに、厚生労働省として、この認可保育所の分園ということでもございますので、その使い勝手についてどういう問題点があるのか、鋭意情報を収集をして、障害があるとすればそれを一つずつ取り除いていく努力も今後していきたいというふうに考えております。
#14
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
 鈴木副大臣には、委員長の許可をいただいて御退席をいただいて結構でございますが、是非、文部科学省の方からも積極的に、通知は三月末に出されたのは拝見をさせていただきましたが、是非、文部科学省の方からも積極的に働きかけていただくと。なかなか文部科学省、教育委員会というのは敷居が高いという認識がございますので、是非そのように、その通知の効果の結果も見ていただいて、是非更に促進をしていただければというふうに思います。
#15
○委員長(佐藤泰介君) 鈴木副大臣は御退席いただいて結構でございます。
#16
○森ゆうこ君 それで、今ほどいろいろなお話がございました。この待機児童の解消というのは本当に大変でございます。
 先ほども申し上げましたように、潜在的な需要というものに対する対応も大変重要でございまして、様々な点において、例えば自治体独自の保育施設も国の補助金の対象に追加するであるとか、そういうことを、できることをすべて行っていただきたいというふうに思いますが、現下の経済状況も考えると更に需要が伸びてくる可能性もございますので、保育所の整備に当たってこういうことを考慮していらっしゃると思いますけれども、確認をさせていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、この余裕教室だけではなくて、本当に今喫緊の課題であるということで、我々もあらゆる空きスペースが保育所の分園になるような、例えば公民館等の公共施設、あるいは公営住宅の空きスペースなどについてもそれを進めるということで今取り組んでおります。
 そして、もう一つは国有地でございますけれども、これも日本全国、今時点では使われていない国有地というのがあります。私どもも財務省と協議を始めまして、こういう国有地について一定の要件で保育所に使わせてもらえないだろうかと、こういう協議を今始めておりまして、それについても我々結論を出していきたいということと、これも先ほどちょっと申し上げたことですが、幼稚園は空き教室があるわけでございまして、そうであれば保育所と一体化すると。これはこれまでの政権でも議論はありましたけれども、なかなかいろいろなしがらみもあってできなかったということで、我々はそれを断ち切って、きちっとした一体化というのを進めていきたいということで、今鋭意議論をしております。
#18
○森ゆうこ君 是非、そのように更に強力に推進していただきたいと思います。
 子供施策というのは、先ごろ成立をいたしました子ども手当、これは現金支給、最低限のものだろうというふうに思いますけれども、現物支給の部分も車の両輪でしっかりと充実していかなければならないということで、女性の更なる社会進出も含めまして、出産、育休から保育、就学後の放課後対策と切れ目のない取組をしっかりと用意をして、そして本当に安心して子供を産んで育てられるんだ、子供を育てながら仕事が続けられるんだ、これがはっきりいたしませんと、子供を産むということがなかなか増えないわけでございます。
 子供施策全体の今後のビジョンについて、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(長妻昭君) 子育て支援、子供政策ということでありますけれども、やはり三つの支援が適切に組み合わされるということがあるべき姿だと思います。
 一つは、今おっしゃっていただいた子ども手当などの現金支給、そしてもう一つは、今も議論させていただいております保育所サービスなどの現物支給、そしてもう一つはワーク・ライフ・バランスということで、お子さんを育てる時間が御両親になければなかなかお子さんの育ちを応援するというのは、やはりもちろん御両親が育てるというのが基本でございますので、そういう意味ではワーク・ライフ・バランスをきちっと確保していくということであります。
 その意味で、現物支給の方では子育てビジョンを掲げ、先ほどは保育サービスのことを申し上げましたけれども、放課後児童クラブについても五年間で三十万人増を目指すということで、それによって小学校一年から三年生までの全人口の、今は五人に一人、放課後クラブの定員でありますけれども、それを五年後には小学校一年から三年生の全部の人口の三人に一人の定員を確保していこうというようなことで我々推進をしてまいります。
 ワーク・ライフ・バランスにつきましても、今年から育休、育児休暇を取りやすくするような制度も企業に導入していただくと、こういうような取組も進めているところであります。
#20
○森ゆうこ君 次の質問に移りたいと思います。
 皆様のお手元にもう一種類資料を配らせていただきました。今般の地域主権改革一括法におけます職業能力開発促進法の改正でございますけれども、資料を御覧いただきますと、それぞれ県立、道立、府立の訓練校がございます。そして一方、もう既に廃止の方向性は決まっておりますけれども、雇用・能力開発機構の所管いたしますポリテクセンターが各県にございます。それぞれの訓練を受けていらっしゃる受講者の数、またその就職率についてはそこに資料を付けさせていただきました。
 今般の改正につきましては、一つ質問を飛ばさせていただきますけれども、地域における職業訓練について一部規制緩和をしていくという内容だというふうに承知をいたしておりますが、しかし、このポリテクセンターを今後雇用・能力開発機構の廃止に伴ってどうしていくのか。今、ポリテクセンターを希望する都道府県に移管を進めるという方針が示されておりますが、なかなか手を挙げる自治体が少ないということでございまして、その進まない理由の一つには、民主党としてはトランポリン型の社会をつくろうということで、求職者の支援をしっかりとしていく、その中で職業訓練に重点を置いていくということの方針は持っているわけですけれども、じゃ、だれがその職業訓練を行っていくのか。企業の方はなかなか余裕がない。そして、これからどこが責任を持ってこの職業訓練を行っていくのかということで、国と地方の役割分担がまだ明確になっていないのではないかというふうに考えますが、この点についていかがお考えか、長妻大臣の御答弁をお願いいたします。
#21
○国務大臣(長妻昭君) 今重要な御指摘だと思います。職業訓練における国と地方の役割分担、この基本的考え方ということでありますけれども、今おっしゃっていただいたように、このポリテクセンターにつきましては、私どもとしては二年間掛けて地方と交渉をして、地方が受け入れやすい条件で、地方が御了解いただければ地方にやっていただくということを時間を掛けて交渉していこうということであります。
 そして、国と地方の役割分担ということでありますけれども、まず地方については、地方独特の産業というのがそれぞれあるわけでありますので、それに即した職業訓練をやっていただく。あるいはサービス業中心、あるいは製造業以外の職業訓練というのも担っていただく。国については、職業訓練に関しては、特に製造業関係の職業訓練というのは訓練施設にCADとかそういう非常に高価な機械がないとなかなかその訓練ができないということがある。そういう特殊、特定の訓練についてはやはり設備費が非常に掛かるということで、それは一部国が担う必要があるんではないか。
 そしてもう一つは、全国の職業訓練をしていただいているその先生方の再訓練を、国が最高の訓練、そういう方が適切に最高技術を教えられるような再訓練を国が担っていくというような今役割分担を考え、雇用・能力開発機構、これを我々は廃止にしようと思っておりますけれども、その中で適切な役割分担を実現していきたいと思っております。
#22
○森ゆうこ君 この職業訓練につきましては、それぞれ都道府県にも必置義務がございます。そして、国にも必置義務があると。だから、どちらもこの場所を設定しなければいけない、基本的に法律上ですよ。この必置義務があるということが必ずしも二重行政というふうに切って捨てられない部分も、今、長妻大臣の御答弁からも、より高度な機械を使った職業訓練をポリテクセンターがやっている、一方で地場産業の割と軽微な部分は地方が担っているということなんですけれども、そこを一歩乗り越えて、もう一つ役割分担を更に明確にいたしませんと、開発機構、能開の廃止に伴ってこのポリテクセンターをどうするのかというところがなかなか最後答えが出ていかないのではないかなというふうに私は危惧をいたしております。そういう意味で、もう一度更にその役割分担について一考すべきではないかなというふうに思いますので、是非御検討をいただきたいと思います。
 最後に、総務大臣に伺いたいと思います。
 本当にこの地域主権改革、民主党政権の一丁目一番地ということで大変な意気込みを示していらっしゃいますけれども、平成の大合併で私ども新潟県は、合併前の、百十一市町村ございました。長野県に次いで市町村の数が二番目に多いというのが新潟県でございましたけれども、大変優等生で、総務省の御指導に従って百十一市町村が三十四になったところでございます。
 そういう意味で、なぜ平成の大合併を進めたかといえば、それは本当に地域のことは地域で決める、財源も、そして権限もしっかり渡しますよと、税金の無駄遣いをなくして地域に一番合った行政サービスを行ってください、その受皿としては今までの市町村では若干規模が小さいところがありますねと、その地方分権、地域主権の受皿としてしっかりしたものをつくるということが当初の目的であったというふうに思います。しかし現実には、財源、そして権限の移譲は、私は今までのこの十数年の間にしっかりと進んできたというふうには思っておりません。進まない一方、財源だけが切られていく。結局合併して本当によかったのかという不満が地方には渦巻いております。
 そういう意味で、この地域主権改革を推進するのは、一つ一つ見ていくといろんな問題がありまして大変難しいというふうに思います。大変な力業だというふうに思いますので、総務大臣にこの推進についての御決意を伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(原口一博君) おはようございます。森議員にお答えいたします。
 地域主権改革はこの鳩山政権の一丁目一番地です。今合併のお話がありましたけれども、地域のことは自らが決める、地域のまさに主権者が自らの地域をだれかから差配されてつくるのではなくて自らの責任においてつくっていく、これが私たちの地域主権改革でございます。
 森議員とは例えば拉致議連でも御一緒させていただきました。国家が国民の生命、財産を守る、あるいは主権の侵害といったことについて、長い間それさえも認めてこなかった。国家の責任というのは一体どこにあるのか。先ほどおっしゃいましたけれども、はしの下げ下ろしまで地方について手を加えあるいは口を出しているのに対して、国家としての責務についてはどうだったのかと。拉致議連でも私たちは何回も悔しい思いをして森議員と一緒に議論をいたしました。まさに中央政府の役割をあるいは国家主権ということをしっかりとするためにも、地域が自らのことを自ら決める。やはりそこに向かうには並大抵のものではありません。百四十年も中央集権が続いていますから、意識から変えていかなきゃいけない。
 また、義務付け・枠付け、一括交付金、出先機関の原則全廃、そして今、森委員がおっしゃった税源、財源の移譲、これどれ一つ取ってみても、まさに維新といっていいぐらいの大きな変革でございます。ですからこそ、私たちはこの責任の改革をして、そして国民の皆様と一緒に新たな豊かなきずなの地域、緑の分権改革と言っておりますけれども、様々な歴史や文化、伝統があります。その歴史や伝統、文化に基づいたまさに地域の、特色のある地域をつくっていく、地域の創富力をつくっていく、こういう改革を一緒に進めていきたいと思いますので、御指導をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
#24
○森ゆうこ君 ありがとうございました。終わります。
#25
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 本日は、連合審査ということでございまして、私は厚生労働関連の質問をさせていただきたいと思うんですが、厚生労働、特に厚生の関係は生命との関係が非常に重要でございますので、そういう視点から誤りなき地方への移譲というのをなされなきゃいけないというふうに思っております。
 それで、今日は確認の意味で幾つか御質問をさせていただきたいと思うんですが、まず、以前は地方分権という言葉がずっと使われておりました。それが今回は地域主権というふうに言葉が変わって法律もそういうふうになっているんでございますけれども、この地方分権と地域主権との違いということをお教えいただきたいと思います。総務大臣、どうぞ。
#26
○国務大臣(原口一博君) 西島委員にお答えいたします。
 委員は私のお隣の久留米でも久留米大学の講師をされている。まさに様々なオペレーション、手術の現場でも、やはり現場を知った人たちが一番だというふうに思います。私たち地方分権というのを否定しているわけではありません。しかし、その地方分権というものをもっと豊かに、主権者である国民一人一人が自らの地域を自らの責任においてつくっていくんだと。これに対して地方分権というのは、これまで中央にあった様々な行政上の権限、これを地方に分け与えていくんだということで使われる場合もございました。私たちは、もっと積極的に国民主権に基づく主権者たる国民が自らの地域を、先ほど申し上げたように、責任を持ってつくり上げていく、こういう意味で地域主権という言葉を使わせていただいているところでございます。
#27
○西島英利君 今のその趣旨は分かるんですけれども、今日私は前提として厚生労働の関連についてと申し上げました。つまり生命、命との関連があるわけでございますので、そういう形で今ちょっとお話しさせていただいたんですが。
 よく厚生労働省と議論といいますかやり取りをしていく中で、どうしてこの地域はこういうことをきちんとしないんだと、ちゃんと指導したらどうですかと言いますと、必ずそこで出てくる言葉は、今地方分権の時代ですから、地方から上がってこない限り私たちは口出しをしませんということがあるわけですね。ところが、先ほど言いましたように、命というのは、これは地方のそこで完結する問題じゃございませんので、そういう意味で、どこまで中央が関与できるんだろうかということはやはりきちんと議論しなきゃいけない話なんだろうというふうに思うんです。
 そこで、以前これは地方からかなり強く言われて、一般財源化をして財源を渡せ渡せということでありました。そして、その中でがん検診の部分も実は地方へ一般財源化で下ろされたわけですね。じゃ、その結果どうなったのかといいますと、がん検診をやめる市町村が続出したわけですよ。そして、そのがん検診の検診率ががくっと下がってしまったと。つまり、これが一つの実情なんですね。がん検診として一般財源化して下ろしているわけでございますから、そのお金は行っているはずなんですよ。ですけれども、それががん検診に使われていない。
 もう一つの問題は、これはもう大きな話題に、問題になりましたけれども、後期高齢者医療制度。これは老人保健法をやめて後期高齢者医療制度になったわけでございますが、あのときの健康診断ですね、これは後期高齢者医療制度になった途端に、することができるになったんですね。それまでは老人保健法の中で健康診査をしなければならないというところから、することができるになった。ところが、しなくなっちゃったんですよ。一気に健康診査をしなくなりまして、そこで、じゃ、その地域の方々がどういう不満を言ったのかというと、七十五歳になったらもう健康のことを考えなくていいのかと、早く死ねということかと。これ大きな問題になったのは、これは当時民主党がこの辺りをつかれたわけでございますから。ですから、こういうことが起きてくるわけですよ。
 ですから、どこまで国が関与することができるのか。先ほどからはしの下げ上げまで云々という話がございましたけれども、こういう重要な命の問題については、やっぱりしっかりと中央からの指導がない限り、なかなか厳しい問題が起きてくるのじゃないかなというふうに思います。
 それから、もう一つの問題。これは、例えば厚生労働省であれば厚生労働省で実は職員を採用するんですね。そして、厚生労働関係をずっと専門的にやっていく。もちろんほかの省庁に出向することもあります。ですけれども、また厚生労働に帰ってきます。ですから、まさしく専門的な範囲の中でいろんな施策なりができてくるわけでございますが、これが地方に行きますと、今度は、例えば私は福岡でございますけれども、福岡県庁全体で職員を採用します。そして、それを振り分けていくわけですね。そうすると、場合によったらば、昨日まで土木課におられた方が突然保健福祉部に来られるわけです。私も地方で医師会の役員をしていましたときにいろんな行政とやり取りをしました。そうすると、課長や係長が異動した途端にいろんなことがストップするんですね。つまり、そこから勉強をされ始めるわけでございますから、専門じゃない人が来られて、そうすると、なかなかその事業が進まなくなってしまうというのが実は現状でもあるわけです。
 ですから、そういう意味で、この地方分権、地域主権という言葉は非常にきれいだし、またそれぞれの地域の事情によってそれは柔軟性を持たせなきゃいけないだろうというふうに思うんですが、どこまで国が関与できるのかどうかというところはやっぱり一つの大きなポイントだろうというふうに思います。
 そこで、今回、従うべき基準、それから標準、参酌すべき基準の定義、これをちょっとお教えいただきたいと思うんですが。
#28
○国務大臣(原口一博君) 西島委員の御提起は大変大事な御提起だと思います。つまり、中央政府が何をどこまで保障するのか。また、その保障の仕方は法律によるものなのか、あるいは基準によるものなのか、それから財政によるものなのか。先ほどのがん検診についても、私は前政権はいいことをなさったと思います。しかし、それとともに税源や財源ももし移譲されていたらがん検診が落ちることもなかったかも分かりません。
 そういう点から、今の御質問でございますが、従うべき基準とは、これは基準と異なる内容を定めることは許されません。標準基準、これは通常よるべき基準でございますが、合理的な理由がある範囲内で地域の実情に応じ標準と異なる内容を定めることは許容されるという基準でございます。それに対して、参酌すべき基準、これは地方自治体が十分参照した結果としてであれば地域の実情に応じて異なる内容を定めることは許容するというものでございます。例えて言うと、この三番目の参酌すべき基準は認定こども園、こういったものに例がございますので、厚生労働の先生はよく御存じのことだと思います。
 以上でございます。
#29
○西島英利君 そこで、こういうふうに整理されるのは分かるんですけれども、今度は厚生労働関係で、できましたら長妻大臣にお答えいただきたいと思うのですが、先ほどから何回も申し上げていますが、生活とか、それから生命の問題がございます。そういう視点からいきますと、この従うべき基準、標準、参酌すべき基準、これを振り分けておられるわけですね、今回、運営基準等々も。それから広さとか、それから人員基準とか、そういうふうに振り分けておられるわけでございますが、その目安はどういう考え方でそれぞれに振り分けてこられたのか、もしお分かりであればお教えいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(長妻昭君) まず私の立場は、地域主権を進めていくという立場でございまして、もちろん、省益や局益、これを守る立場ではございません。その前提で、今おっしゃられた三つの基準というのがあります。
 その中で、やはりナショナルミニマムと申しましょうか、これを自由に地方によって変えると深刻な悪影響が出てくる、こういうものについては最低限度の基準というのを国家としてそれは保障する必要があるんではないかということでございまして、今回も保育所の一部あるいは老人関係の施設の一部については従うべき基準としてお話を申し上げておりますが、それ以外の、例えば、最低限度のものは前提とした上で、あとはサービスを競い合っていただくと、自治体ごとに。それについては基本的には自由に、地域主権の考え方の下お任せをして、地域の住民が自分たちで決めていくと、こういう考え方の仕分をさせていただいております。
#31
○西島英利君 かなり以前でございますけれども、それぞれの市町村に対して地域福祉計画を立てなさいというのがあったんですね。そして、それが県に上がってきまして、そして国に上がってきまして、それによって、その積み上げられたものによって、例えば老健を幾つ造ればいいのかとか特老を幾つ造ればいいのかとか等々の数字がそこで出てきたわけです。
 しかし、このときに実は、私も地方におりましたので実情を聞いてみますと、ほとんど自分たちではそういうものを、データを分析をしてそして作成する能力がないということで、コンサルタント会社にほとんど丸投げしていたんですよ。ですから、それはもう地域の実情をほとんど反映しない中で、ただ数字的に上がってきたというのが過去にあっているんですね。
 ですから、そういう形で地域に様々なものを下ろすというのは、それは私は間違っていることではないと思っていますから、これを否定するものではありません。しかし、そういう能力が、先ほど申し上げましたように、専門としてずっとやっていないものですから、そういう能力をこれからどういう形でつくっていくのか、この辺りが非常に大きなこれからのポイントになってくるだろうというふうに思うんですね。それについて、どちらでも結構でございますから。
#32
○国務大臣(原口一博君) これも大変大事な御指摘でございます。
 先ほどのがん検診や後期高齢者医療制度の話をされましたが、その中でも本当にその経常経費ってどれぐらいあるんだろう。つまり、自らの基礎自治体を見てみると、様々な事業をする経費よりかはるかに人件費やそういったものが高い。それから、今おっしゃるように、専門性のものは標準化できる事務がございます。私たちは一方で電子政府化をしようとしています。
 例えば、昨日もこれは衆議院の方で出ましたけれども、新しい採用をした人が、今実質値が何人いらっしゃるか、これさえぱっと出てこない。まだまだやっぱり旧態依然たる、普通の、先生は病院も経営をされておられますから、病院で今看護師さんが何人いらっしゃるか分からないなんてありませんよね。あり得ないことをまだ行政の中では一部そういうものがある。
 ですから、標準化をし、そして余計、今先生がおっしゃるように、人の命をあるいは暮らしを支える部門に資源をもっと集中できると思うんです。そして、共通化とICT化を行うことによって、また自ら企画をして自らが責任を持つとなれば、やっぱり本気で考えます。だれかから指示を受けたものはやっぱりそれなりのものになっていると。その責任の改革をやろうと思いますので、是非、お医者様の立場でも御指導をよろしくお願いをしたいと思います。
#33
○西島英利君 今、医療のお話をされましたので、例えば電子カルテの問題とかレセプトのオンラインの問題等々があるわけでございますが、この一番の問題は何なのかといいますと、まさしく標準化なされていないというのが問題なんですよ。ですから、便利だからこれでいけばすべてのことが解決するみたいなバラ色の話だけが実は独り歩きしていますけれども、ほとんど標準化なされていない。
 さらには、何で標準化なされていないかというと、メーカーが囲い込むわけですね。そして、一度例えば某メーカーの機械を入れますと、そうすると次に、今度はデータの互換性がないわけでございますから、ということは、またそのメーカーを買い続けていかなきゃいけないと。結果的に、二回目、三回目、物すごく高い機器を買うということになるんですね。
 ですから、そういう意味でいきますと、これはまさしく国の話なんであって、地方ではどうしようもできない話だというふうに思います。
 この標準化というのは、今せっかくそのお話が出ましたので、この質問をちょっとさせていただきますが、これは早急に急がないと、何か、何でIT化に対して抵抗するのかという話ばかりが出てくるわけでございますが、一番のポイントは実は標準化なされていないということだと思うんですが、何かコメントありましたらどうぞ。
#34
○国務大臣(原口一博君) もうおっしゃるとおりだと思います。
 ICTは、まだ日本の多くの医療現場やあるいは会社にとっては、これはコストだと思われています。しかし、実はこのICTというのは、今先生おっしゃるように、医療データベースを作ったりあるいは重複受診を避けたり、そして医療の技術を更に向上させたり、大変大きな成長の糧なんですね。
 そこで、私たちは次の通常国会に向けて今、国民ID、自らの情報のセキュリティーをしっかりとコントロールできる、そのための管理のためのIDということで、今まではアレルギーが強うございましたけれども、自らの情報もだれかが知らないうちに囲い込んでいるなんというのは今どこにでもあるわけです。
 そういったものを整理をして、命を守るためにも国民IDをつくり、そして自治体行政電子政府標準化法なるものを射程に入れて、今先生おっしゃるような電子カルテや様々な電子データについても標準化できるための法的基盤、これをやはり中央政府がつくらないと、それは、もう他の国ではこれは相当進んできています。アメリカやお隣の韓国もそうであります。そういったところに私たちは技術力じゃ決して負けません。しかし、政治のスピードでまだ私たちは後ろを行っているということも事実でございますので、現場のお声を、御指導いただいて、良いものをつくりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#35
○西島英利君 ちょっと質問が横にそれましたので、また元に戻しますけれども。
 ここも一つのポイントだと思うんですけれども、従うべき基準、でもそれは条例に落とすことができると。そうなったときの責任の問題ですね。つまり、条例で決めるわけですね。ですけれども、その基準は国が決めると。何か起きたときの、じゃ責任はどこが取るのかということについて総務大臣の御見解をお聞きします。
#36
○国務大臣(原口一博君) これも本質的な御質問でございまして、条例、つまり地方議会のこれは今在り方も六団体を中心に御議論いただいていますけれども、まさに地方議会の議員の先生方、その方々が私たち立法府におる者と同じように立法、つまり条例を制定する権限を持つということを御議論いただいています。権限を持つということであれば、それは権限の裏腹の責任も持つということでございまして、まさに、先ほど森委員にもお答えをいたしましたけれども、地域主権改革が責任の改革であるというのはまさにそのゆえんでございまして、国が基準を決めれば、それはやはり一義的に国が責任を持ちます。しかし、条例で、上書き権みたいな話がございますけれども、そこまで踏み込まないにしても、自ら決めればその議会、その地方自治体が責任を持つと、こういう形になると思います。
#37
○西島英利君 もう一度、これ確認でございますけれども、従うべき基準、これについては国が責任持つということでいいんですね。もう一度お伺いします。
#38
○国務大臣(原口一博君) 国が従うべき基準であると決めた場合は国が責任を持たなければならないと考えます。
#39
○西島英利君 それでは、各論に移らせていただきたいと思うんですが、地方からの要望で、今回いろんな考え方が示されているわけでございますけれども、例えば児童福祉法による地方からの要望に対する、地域の実情に応じて実施できるよう保育所や児童数の設備等の基準設定は市町村に移譲することにしてほしいということに対しての国の考え方はいかがでございますでしょうか。一応、私も聞いてはいるんですけれども、確認でございます。
#40
○国務大臣(長妻昭君) 今保育所のお話がございまして、保育所については保育士さん一人当たりお子さんは何人ですと、こういう決めがございます。そして、面積、このお年のお子さんであればお一人当たり最低限この面積を確保してくださいと、こういうものもあります。
 それ以外も数限りない保育所関係もございますけれども、いろいろありますが、今申し上げた点について、保育士さんの配備そして面積基準、これは従うべき基準として最低限のものをお願いをしておりますが、ただ、例外として、今待機児童が多いということで、東京等、待機児童の多い地域について一定の期間は、それについて地方に標準という、先ほど三分類の中の考え方を取っていただくというような形で我々お話を申し上げているということであります。
#41
○西島英利君 その標準というのは、例えば何でもかんでもということではないんだろうと思うんですが、ここの分野についてということだろうと思うんですが、それをお教えいただきたいと思います。
#42
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど原口大臣からも標準の定義という話がございまして、保育士さんの配備というか面積基準ですね、面積基準とその期間については一定の地域においては標準ということでございまして、標準というのは、合理的な範囲内で、そしてそれを定めるときは説明責任が発生をすると、こういう前提で、参酌とは若干もうちょっと強いレベルにある概念であるというふうに考えております。
#43
○西島英利君 実は、これが示されたときに、つまり東京等という言葉が使われていますので、東京だけではないと思うんですけれども、こういうのが示されたときに、結構国民からレベルが下がるのではないかというような、そういう御指摘もあったやに聞いているんでございますけれども、これに対してどういう御配慮を今後なさっていくつもりなのか、もしお考えがあったらお教えいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(長妻昭君) 確かに私ども、こういう回答をさせていただいたとき、そういう御懸念の声もいただきました。
 そのとき私が申し上げましたのは、まず、待機児童を解消するために大前提としては我々、さっき前の方の質問で申し上げましたけれども、保育サービスの定員を五か年計画できちっと増やしていくということ、これが大前提でございますけれども、その過渡期の一定の一時的な措置として、やはり東京等の待機児童の多い地域についてはそういう例外的な措置をさせていただく。ただし、その措置によって地方自治体が標準ということでどういう条例を定められるのか、我々もそれを注視をして、その後どういうような現場が状況になったのか、これも我々は注視をしていくということであります。
#45
○西島英利君 これが、待機児童が多いから、しかし結果的には、土地といいますか、そういうものが確保できないという大きな事情があってなかなか造れないという部分もあってこういうような配慮がなされているんだろうと思うんですが、これは何も東京だけに限らない話だと思うんですね。
 ですから、この等というものをどこぐらいの範囲まで広げられるのか、この辺りはこれからの大きな議論になるんだろうというふうに思うんですけれども、何かお考えがありましたらお教えいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(長妻昭君) これについては、私どもとしては、これは、説明できる、そういう今基準を検討しておりまして、最終的にはこの法律が成立いただいた後省令でその詳細を決定するということでございまして、これについては、そういう御不安がないように、きちっと説明できる基準を提示した上で、待機児童の解消を図るための措置として御理解いただけるような形で提示していきたいと思います。
#47
○西島英利君 これは非常に重要な問題でありまして、地方に行っても土地の高い地域というのがあります、ただ、その周辺であれば造れるけれどもと。ところが、特に今の保育所に対するニーズというのは、やはり母親になっても仕事をしていきたいというところで、仕事をしている時間帯は保育所に預けたいと、それがなかなか確保できないと。
 ですから、そういう意味でいきますと、もう少し柔軟性でこれやっていかないと、この等という言葉が、何でもできるようで実はかなり、地方に行きますとこれが結構縛りになってしまうという部分がございますので、その点はやっぱり柔軟に御配慮をしていく必要性もあるのかなというふうに思っております。
 もう一つ、別の各論でございますけれども、医療法の一部改正の問題でございます。
 病床基準数についてでございますが、これも地方で病床の削減、増加ができるように全国一律の病床基準は廃止をしてほしいというような要望でございますけれども、これは二十三年度までに何とか結論を出しますというふうなことなんですが、二十五年は新たな地域医療計画を変えなきゃいけない時期が来ているわけでございまして、できるだけ早くやっぱり方針を示してほしいというようなそういう御意見も実は地方から聞くわけでございます。
 ですから、そういう意味で、先ほど言いました地方からの要望について、現状で何かお考えといいますか、これは単なる意見でも結構でございますけれども、ありましたらお教えいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(長妻昭君) これは非常にいろいろな要素を勘案して考えなければならない問題だと思っております。
 基準病床数制度ということで、今おっしゃられたように、一定の基準の病床数の目安を示して、それ以上の病床は、一定の例外はありますけれども、基本的にはつくることを抑制をすると。ということは、ある地域で病床数が増え過ぎると、ほかの地域からお医者様がそこに集中をして、さらに、一定の基準の病床数よりも下回る地域は更にそれが下回ってしまうと。よく医師の偏在ということが言われますけれども、それを解消する一つの方策として導入をされているということであります。
 私どもとしては、まず今実態把握をしておりまして、地域の医師の偏在が言われておりますが、具体的にどこに何人不足しているのか、どこにどういう科のお医者様が不足しているのか、これを全国調査を今実施をしておりまして、その結果も見て、今おっしゃられたように二十三年度までに結論を得るということでございますが、我々の目的はその偏在をなくしていくというのが目的でございますので、それに本当に沿った趣旨の手段なのかどうかということに着目をして、見直す必要があれば見直す、あるいは更に強化をする必要があれば強化をするということで、そういうものを議論をして二十三年度までに結論を得るということであります。
#49
○西島英利君 これには実はポイントが二つございまして、一つは、急激に人口が増えてきた場合の、たしか地域医療計画の病床の基準については、これは二次医療圏で決まっているはずですね。そうすると、その二次医療圏の中で大きな工場が来た場合に人口がばっと増えるわけですよね。それに対して、要するに医療機関が少なければなかなか対応できないという状況も起きてくるわけです。そういう意味での柔軟性を一つ考えなきゃいけないということ。
 それから、もう一つは、あれは科とは関係ないんですね。内科とか外科とかの区分けないんですよ。一般病床、それから精神病床、感染症病床等々ということで区分けをされていまして、今おっしゃったように、医師不足云々の問題とはやっぱり別の問題としてこの辺りも検討して見直していかないと、今需要がどこが増えてきているのか。例えば救急をどう対応していくのか。それは、結果的には外科の問題なのかもしれません。しかし、今需要が物すごく増えてきているのは実は内科の問題でもあるんですね。その辺りが整理がされないまま、一般病床という一つの区切りでなされているところにかなりいびつなゆがんだ状況も今起きているのではないかなというふうに思っております。これは一つの御意見として御提案だけさせていただきたいというふうに思うんですが。
 その中で、もう一つの問題、これはずっと私も地方におりまして感じていたことなんですが、地域医療計画で様々な、今回もこれは国に従うべき基準という形になっておるわけでございますけれども、国が定められました四疾病五事業の目標とか医療提供体制とか情報提供の推進等々でございますが、これについては国が定める基準に云々ということは書いてあるわけでございますけれども、これも二次医療圏で実は結構決められているんですね。
 ところが、問題は、一つの市で二次医療圏を形成しておけば責任者はいるんです。そこの市長が責任者になればいいんです。ところが、福岡でいきますと、北九州市とそれから遠賀、中間という別の市が一緒になって二次医療圏を形成している、そうなったときに一体だれが責任を持って推進をしていくのか。それから、その二次医療圏の中で委員会をつくって検討していくことになったんですが、議長がいないんですよ。つまり、責任者がいないという状況が起きているので、計画はあるけれども遅々として進まないというのが二次医療圏の現状ではないかと私自身は思っているんですが、このことについて、今後、これはきちんとやっぱり責任者をしていかなきゃいけないんですね。
 後期高齢者医療制度でもそうでした。あの場合には広域連合という形でやられました。広域連合でやった。最初の話は、あれは都道府県知事、都道府県でやって都道府県知事が責任者ということでしたが、広域連合になった途端に、その広域の中に入っておられる市町村長さんたちがまさしくローテートでしていくというような状況が起きてきて、責任者がいない状況の中であんな大混乱が私は起きたんだろうと思っているんですね。
 ですから、これは非常に重要な問題でございますので、この件について長妻大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#50
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた医療計画、五か年ごとに立てる計画で、今は平成二十年度から二十四年度の五か年の計画が実行中でありますが、責任主体はだれかというのは、これは都道府県が責任主体であるというふうに考えておりまして、その中で都道府県がこの二次医療圏が主体的に動けるようなサポートや指導、これをやはりきちっとしていくというのがまず大前提にあるというふうに思います。
 例えば、私が聞いた例では、千葉県においては、県が音頭を取って二次医療圏ごとの医療関係者等の協議会をつくったり、あるいは県内各地での住民参加のタウンミーティングを開催した上で積み上げ方式で医療計画を、最終的には県が音頭を取って責任となるんですが、作成をすると、こういうようなこともございます。
 基本的にはやはり県が二次医療圏の状況、意見、あるいは責任主体をどこに置くかの指導もしながら計画を練っていくということが望ましいということでございますので、我々としても今年度から始まる診療報酬の改定や予算によってそういう医療体制を支援をしていこうということでありますが、この医療計画については、都道府県主体でやっていただくようなサポートも我々は強化していきたいと思います。
#51
○西島英利君 ですから、この問題は今日の質問の最初の部分にまた返っちゃうんですね。つまり、それはどういうことかといいますと、例えば保健、福祉を中心にずっと仕事をしておられたらいいんですよ。そういうことが例えば市町村にも指導が積極的にできるでしょうが、しかしほかの、例えば、これは象徴的ですけれども、土木関係をされていた方が突然来られてその方が担当になられると、本当にこういうことで動いていくのかなというのを私感じておりますので、今このお話をさせていただいたんです。
 今大臣がおっしゃったのは、これはまさしく理想だと思います。そうなければならないと思います。ですけれども、それに対してのそれぞれの担当する職員の能力開発を今後どうしていくのかというのは非常に重要な問題だろうというふうに思っています。
 では、もう一つの問題でございますが、今回地域医療支援病院、これが義務化から努力義務に変わりました。これは私はそんなに大きな問題ではないと思うんですね。最初はほとんど進まなかったんですね、地域医療支援病院の整備が。それが今一気に進んでいるんですけれども、これはいろんな理由があるでしょうが、診療報酬上もかなり有利な内容になっていますので積極的に皆さん方が取られるようになったんだろうと思うんですが。
 実はこの中で、地域医療支援病院が整備しなければならない委員会というのがあるんですね。その地域の中できちんと連携ができているのかどうか、設置すべき委員会というのがあるんですけれども、この委員会は、地域の医療を確保する上で重要な関係を有する者を中心に構成されるべきものであり、例えば、当該地域の医師会等医療関係団体の代表、当該病院が所在する都道府県、市町村の代表、学識経験者等により構成することが適当であるということで、つまり地域医療支援病院はこの委員会を設置しなきゃいけないということになっているんですよ。
 これが機能しているのかどうかですね。これは直前になって実は質問を出しましたので準備がなされていないのかもしれませんが、もし準備がされているのであれば、これが機能しているのかどうかの検証等々が行われているのかどうかをちょっとお教えいただきたいと思います。準備がなされていないのであれば結構でございます。
#52
○大臣政務官(足立信也君) お答えいたします。
 これは今三百四十八、二次医療圏がありますが、それに一つ地域医療支援病院というのが必要であろうということで進んでいるわけで、今現在二百八十七、これはもう委員がおっしゃるとおり。
 そこで、今の委員会の件ですけれども、これは端的に申し上げて、国が、その機能を果たしているかどうかというのは把握は国としてはしておりません。これは委員も御存じのように、この委員会の設置については地域医療支援病院の申請時に都道府県知事に報告することになっておりまして、それから、実績については毎年都道府県知事に提出することになっておりますから、都道府県としてはしっかり把握をされていると思いますが、国としての把握はどうかと問われれば、国としてはその内容、機能については把握しておりません。
#53
○西島英利君 実は大臣、これ一番のポイントなんです、地域医療支援病院の。どうしてかといいますと、地域医療支援病院をつくるとき私もかなり実は関与をいたしました。そのときに実は病診連携、病病連携というのは前から言われていた。ところが国立病院、公立病院がほとんどほかの医療機関との連携をしていないというのが大きな問題になったんですよ。ですから、これをやっぱりきちんと連携させていかないと国公立病院の役割がないじゃないかという議論になってこの地域医療支援病院という制度が実はできたんです。
 その中で、何でわざわざこういう委員会をつくらせたのかというのは、つまり国公立病院の管理者といいますか、その責任者の方々が本当に積極的に地域医療の連携機能を果たそうとされるのかどうかという検証をきちんとしなきゃいけないと。ですから、委員会をつくって、この委員会でその検証をある期間、期間、期間でしていくことによって、していなければきちんと意見を言ってそうさせるというために実はつくられた委員会なんですよ。
 ですから、これが機能しているかしていないかというのは国としてもやはり実は把握をしておかなきゃいけないことなんですね。細かいことの一件一件を把握する必要はありません。ですけど、国公立病院が機能しているかどうかというのは、特に国立病院の場合は、今独法化されましたけれども、ですけれども国のいろんな関与があるわけでございますから、これが機能しているかどうかというのは、これから先の地域医療を考える上においては非常に重要な部分だというふうに思っております。
 是非大臣にも御認識をいただいて、少なくともこの実情把握といいますか実情の調査だけはやっぱり一度していただいて、調査をすることによってまた認識が変わりますので、それぞれの病院の。どうしてこれだけ増えてきたのかと、遅々として増えなかったのが。実は診療報酬上、かなり優遇されている部分もあるからだということでございますので、それだけで地域医療支援病院を取っておられるということでありますと、これは地域医療支援病院の本来の機能を果たしていないということになりますから。民間病院は必死になってどうもやっているということは私も聞いていますので、問題は国公立病院だというふうに思いますので、その辺りの把握を是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 何かコメントありましたらいただければと。
#54
○国務大臣(長妻昭君) いや、今のこのやり取りというのは大変重要なやり取り、重要な問題提起がなされていると思います。
 委員が先ほどおっしゃられた、例えば県などにおいて土木部の方が移られてきて、医療の専門家、素人であると。ただ、これ地方、地域主権という趣旨からいうと、果たして国会あるいは国というのが、例えば地方自治体の人事についてまで何らかのガイドラインを設けていくとか、それについて意見具申をしていく、こういうことは私は地域主権とは言えなくて、むしろそれは地方の県の議会でそういう問題を大いに議論していただいてやっていく問題ではないか。
 そして、その前には医療計画の話もございまして、それも都道府県が主体でつくるものでありますが、それが不十分なときに、じゃ国が乗り出してちゃんとやれと、こういうふうにやるのが本当に地域主権なのかどうか、これは私もいろいろ、グレーゾーンの話もあるかもしれませんけれども、あるいは、そして今のお話についても、この委員会についても、基本的には、これは設置は都道府県知事に報告をして開催実績についても都道府県知事に提出をするということで、基本的には都道府県が把握をした中でやるという仕組みになっておりまして、それが不十分なときに、果たして国がそれについてどういうふうに乗り出す乗り出さない、これは非常に論点を提起していただいているんだというふうに思います。
 ただ、私自身も、今の委員会については、じゃ全国の状況がどうなっているのかと、これをやはり国が、別に指導するとかしないとかいう次元ではなくて情報として把握をしていくと、こういう必要性は今のお話を聞いて私もそう思いますので、それは一度情報として把握をするということで、その把握が整えば公表していきたいと思います。
#55
○西島英利君 どうぞよろしくお願いいたします。
 もう一つ、今度は老人福祉法の関係でございますけれども、今回の地域主権で、従うべきものについては、例えば一人当たりの平米は幾らかとか等々、そういうのは決められているんですけれども、定員とかそういうものは地方に任せてもいいじゃないかということになっているわけでございますが、実は、ここで私、懸念をしているのは、それぞれの地方によって財力が違います。その財力の中で今、特に特老等々は、これは介護保険の中で運営をされているわけでございますけれども、保険料は払うけれども待機をせざるを得ないと、施設に入所したいけどというのは、これは全国的に実は起きている話でございますね。
 そういうときに、その待機をなくすために、じゃ新設を認めるかどうかといったときに、実は常に財力との関係があるわけですよ。やはり都道府県も負担をしなきゃならない。それから、実際に介護保険の中で組み入れていかれますと、要するに保険料をどんどんどんどん引き上げざるを得ない。地方に行けば行くほど保険料が高いというのは、これは大臣はよく御存じのことだというふうに思います。そういう意味でいきますと、総量規制というのが違った意味で実は掛かっているんですね、財力との関係で。
 ですから、そういう意味で、どこまで実は国が支援をしてこの待機されている方々の不安を解消することができるのかというのは、これは非常に重要なポイントのような気がするんですが、例えば、先ほどから総務大臣もおっしゃっていますけれども、地方へ税源を移譲といいますか財源を移譲というのはそれは分かるんですけれども、地方、地方によって税金がたくさん入ってくる地方となかなか入ってこない地方とあるんですね。ここで財力の格差が出てくるわけでございまして、このことに関してどうお考えになっているのか。
 こういうことをやっていくことによって、この財力の格差が増えることによって受けられるサービスの格差もかなりこれが顕著になってくるのではないかなと心配をしているのでございますけれども、これはどちらでも構いませんが。
#56
○国務大臣(原口一博君) 大切な御視点だと思います。先ほどの地域医療の整備の推進委員会にしても、御議論を伺っておりますと、やはりPDCAのサイクルが自己完結している場合、自己完結しないでだれかが遠くでルールを作ってそしてそれを地域に守らせる場合、やはりそれはおのずと違います。今の地域主権が進むことで、地方自治体の財政力の影響、格差の影響、これは拡大するんじゃないかと。一義的には私はそれはイエスです。つまり、自らの創富力を高めるようなリーダーを選ばなければ、その責任はその地域へ来ます。
 ただ、今先生がおっしゃるように、人間の尊厳であるとか医療であるとか、最低限の中央政府が保障しなきゃいけないサービスがございます。ですから、今回交付税一・一兆円を増やさせていただきましたが、財政力が弱ければ弱いほど厳しい状況になっていますので、そこへ傾斜配分、これがやはり中央政府の再配分機能であるというふうに考えておりまして、今回、国会で過疎法についても新過疎法作ってくださいましたけれども、その新過疎法も今と同じような考えにのっとって、そしてソフト事業、医療であるとか、そういったものに使えるようにしてくださったこともまたこの格差を埋める大きな手だてだと、このように考えております。
#57
○西島英利君 それと関連する話でございますけれども、特養ホームでございますが、ユニットといいますか、そういうことも含め、個室化も含めてでございますけれども、二〇一四年までに七二%まで持っていきたいという国の一つの考え方をどうもお示しになっているようでございますが、これは地域事情によって大分変わるんじゃないかなと思うんですね。
 例えば、個室化となりますと、じゃ俗に言う差額をどういう形で取っていくのか。でないと、これは建築コスト出ませんので、また運営コストも出ません。ところが、地方に行きますと、とてもじゃないけれどもそういうことを取れるような、そういう収入をお持ちじゃない方々がそのほとんどでございますから、ですから、そういう意味でいきますと、こういう考え方そのものが今独り歩きして、それを造らなければいけないのではないかということで、地方の老人福祉施設をお持ちの方々は大変今実は悩んでおられるわけでございます。
 こういうことからいきますと、これは従うべき基準なのかどうか分かりませんけれども、こういうことを数字化するのでなくて、まさしくこの辺りは地方事情をしっかりと勘案した上でやっていくということが私は求められるのではないかなというふうに思うんですが、これについて長妻大臣の御見解があればお教えいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(長妻昭君) 今、特別養護老人ホーム、特養のお話でございますけれども、ユニット型というのは簡単に言えば個室というものでありますが、やはり私はこれから新たに造られるものはユニットケア、ユニット型が望ましいというふうに考えております。
 これも、いろいろ我々も省内で検討し、いろいろな方のお話をお伺いしておりますけれども、やはり特別養護老人ホームというのはある意味ではそこにお住まいになるという施設でございまして、そのときに大部屋でありますと、要介護の方でございますので、夜中も用を足すときにはやはりベッドの近くで用を足す、そういう音やにおいの問題、あるいは御家族がお越しになられるときに、御家族が余りお越しにならない要介護の方もいらっしゃる、頻繁に毎日ぐらい御家族がいらっしゃる方もおられて、その声や音についてのいろいろなお話があるなどなど、やはりそこにお住まいになる、一週間とか十日、一時的にいるというわけではない施設の中で、いろいろなやはりお話をお伺いするとユニット型が望ましいということで。
 ただ、とはいえ、自己負担の問題や面積、土地の問題もございますので、我々は先日、ユニット型であってもその面積の基準というのを、これまでは十三・二平方メートルでありましたのが、部屋一つの大きさが十・六五平方メートルということで、これまでは八畳だったのが六畳まで面積基準を引き下げることを検討するということで、極力自己負担を抑えるものの、やはり居住するということにかんがみて、いったん施設を造ったらそれはもう何十年もそういう施設になるわけでございますので、そういう方針を申し上げているところであります。
#59
○西島英利君 今大臣がそういうふうにおっしゃるのであれば、このユニット型を今後積極的に進めていくということであれば、やはりこれも介護保険の中で何らかの見るようなやり方をしていかないと、例えば東京で利用されている方々の収入と地方の収入は全然違うんですね。そうすると、いただける自己負担の額というのもおのずから差が出てくるわけでございますよ。ですから、その辺りも勘案をして、じゃどこまで保険の中で見ていくのかというのも併せてやっていきませんと、実はこういう考え方が出てきたときに、私もかなりこれは関与したことあるんですけれども、つまり、いかに自己負担をそういう形で増やしていくのかという、そして介護保険料をいかに抑えていくのか、保険の給付額をですね、というところから実はスタートしているんですね、これは。
 ですから、もっと今おっしゃったように利用者のことをお考えになるということであれば、やはり保険でどこまで見なきゃいけないのかという議論も併せてしていかないと、地方とまた都会との格差、それから需要はもう全然違いますからね。地方の需要と要するに都会の需要は違います。だから、そういうことも併せて実は考えていただきたい。これは国の仕事だと私は思っておりますので、是非、そういうことも含めて御検討をいただければというふうに思います。
 それからもう一つ、私は実は認知症専門なんですが、実は認知症の患者さんを個室に入れるというのは非常に危険なんですよ。ですから、それに関連したことでもう一つ、これは質問通告していますけれども、実は身体拘束禁止の問題があります。特に、老人施設等々様々なところで、福祉施設については身体拘束禁止の考え方が実は示されております。
 これは、身体拘束は禁止するということは非常に大事なことなんです。人権の問題では非常に大事なことなんですが、ですけれども、この身体拘束禁止という、これが出てきたときにどういうことが起きたのかといいますと、徘回されるような認知症の患者さんたちはうちでは見れないということでの拒否が物すごく大きくなったんですよ。
 このときの議論は、例えば車いすに乗っておられる、ところが車いすでずり落ちてしまうんでということでベルト等で固定をする、これも身体拘束だというふうに位置付けられたわけです。例えばベッドのさくですね、ベッドさく、これも身体拘束の一部なんだと言われたんです。そして、結果的に国が方針を示されているわけでございますけれども、緊急やむを得ない場合という言葉が使われております。緊急やむを得ない場合というのは物すごく限定されるんですね。
 これをできるようにしなさいと私は言っているわけじゃないんですよ。もう一度原点に返って、従うべき基準としてお示しになるんであれば、身体拘束禁止はどうあるべきかという見直しを今しておきませんと、またこれが独り歩きして、いや、うちはとても見られませんと。私の病院は認知症の治療病棟を持っている病院なんですが、ほかの病院に入院を依頼をされた患者さんが、うちでは身体拘束ゼロを手を挙げていますからうちでは見れませんといって拒否をされて、結果的にうちの病院を紹介されて来られたわけでございますけれども、そういうふうなことでございます。
 また、もう一つ、これも当時、介護保険がスタートすることになって、私はこれに対して怒ったんですが、向精神薬を使うのもこれは身体拘束だと言われたんですよ。そのときに、悪い事例集というのを厚生省が出した。そのゲラ刷りを私は読んで唖然としたんですが、向精神薬を使っている事例はこれは悪いんだと、拘束と同じだという考え方なんですね。ところが、その事例集の中身を読んでいますと、全部うまくいっている事例なんですよ。つまり、向精神薬を少量使うことによって興奮状態を少し抑えることができますと、そうするとその方のQOLが上がるんですね、QOLが。ですから、拘束も何もせずに普通の生活ができるようになる。
 ところが、実際的にはそういう考え方の中であのときの身体拘束禁止というのが示されましたので、それ以降、今大きな問題になっていない。それは何でなっていないかというと、それぞれが、それぞれの実情によってそれぞれの施設が恐らくやっておられるんだろうと思うんですね。ですけれども、その辺りをもう一度見直して、従うべき基準とされるんであれば、やはりそういう形での見直しが是非必要ではないかなと私は思ってこの質問をさせていただきましたが、長妻大臣、いかがでございますでしょうか。
#60
○国務大臣(長妻昭君) 今の話は委員もよく御存じだと思いますけれども、いろいろな経緯があって、やはり安易な身体拘束というのが続いて、人権の問題等の議論もあった上で慎重な対応をするということでございます。当然、身体拘束というのは、それを続けると高齢者の身体機能が低下をしていくということもありましょうし、厚生労働省は身体拘束ゼロ作戦推進会議というのをつくって、そこで議論をして、今おっしゃったような手引というようなものを作らせていただいたわけであります。
 その意味で、身体拘束すべてを廃止ということではございませんで、今御紹介いただいたような緊急やむを得ない場合に該当する三要素というのも三つの要件をお示しをしておりますが、それに該当しない場合については、例えば車いすから落ちないように車いすに体を縛り付けるということについても、これは車いすから落ちないようにする体に合った車いすを、体が大きい方であればきちっとそれに合う車いすを用意していただくと。これももちろん介護保険で一定の支援はするわけでございますし、あるいは、ベッドから落ちても骨折やけがをしないように、ベッドの高さを調節をして低くしたり、あとベッドの下にマットを置いたり、いろいろな対応をしていただくというようなことで、私どもとしては、安易な身体拘束ではなくて、できる限りそういう対応をお願いしたい。ただ、最後、究極的には、緊急やむを得ない場合については、三つの要件として身体拘束ということもやむを得なしということも申し上げているわけでございます。
#61
○西島英利君 身体拘束を緩めなさいということを私は申し上げているわけじゃないんですよ。あのとき様々な議論があって、それが解決しないまま実は出ていってしまったと、その内容がですね。そういうことがありますので、今回、従うべき基準として地方に条例として出されるときには、地方というのは物すごくそこで戸惑うんだろうというふうに思うんですね。ですから、やっぱり中央でもう一度見直しの検討会等々をお開きいただいて、是非その辺りを御検討をしていただきたいなと思います。でないと、結果的に害を受けるのは実は私は利用者だというふうに思うんですね。本当に、先ほど申し上げましたように、うちは身体ゼロの手を挙げているのでうちでは見れないということで拒否された事例というのはたくさんあるんですよ。
 ですから、是非その辺りは見直していただいて、また事例といいますか基準としてお示しいただく、それは今度は国の責任だと思いますね、従うべき基準になっているわけでございますから。是非その辺りをお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#62
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、地域主権法案に関連をしまして、保育制度についてお聞きを申し上げたいと思います。
 この保育制度の改革は就学前の子供たちや子育てをする親たちの社会進出にとりましても大変重要な課題でございますので、本日は、総務大臣また厚労大臣、両大臣の御認識をお伺いを申し上げたいと思います。
 まず初めに、子ども手当に関連をしましてお伺いを申し上げたいと思います。
 今年度の子ども手当は児童手当の仕組みを残すことになっておりまして、地方負担分約五千七百億円が財源の一つとなっております。マニフェストでは全額国費負担と、こうしていた中で、いわゆる昨年の十二月二十三日の四大臣合意によって決まったものでございます。この合意になるまでは、総務大臣は、保育所運営を地方でやり、浮いた国費で子ども手当をと、こうした趣旨の発言をされておられました。今年度の財源につきまして、地方負担分を残したことは間違っていなかったとお考えなのかどうか、総務大臣としての現時点の感想をお伺いをしたいと思います。
#63
○国務大臣(原口一博君) 山本委員に初めて御質問をいただきまして、ありがとうございます。私の家の隣も同級生が公明党の市会議員でございまして、ずっと小さいころから一緒に暮らして、今、党は違うんですけれども、一緒にやらせていただいております。
 そこで、児童手当法を併置したことについての御質問でございますが、私は基本的には、現金給付、これは中央政府、それからサービス給付、先ほど西島先生もおっしゃいましたけれども、先ほどの御質問は非常に具体的です。現場におられるからお分かりのことがやはり、ならではの御質問だと思います。基本は私はこうだというふうに考えます。
 今回、厳しい財政事情もございまして、二十二年度においては、児童手当法を今委員がおっしゃるように現行のまま存続させ、該当児童手当分については現行どおり国、地方、事業主が費用を負担し、要するに二階建てになったわけです。残りの部分については全額国庫が負担をするという暫定的な措置をしたところでございます。したがって、平成二十二年度における地方負担はあくまでこれは児童手当法に基づくものであって、それ以外の手当部分については地方負担は入れないこととしたところでございます。
 来年度については、この四大臣会合でも、お話しのように、国・地方協議の場、法制化の法案を出させていただいていますが、その場も活用して、地域主権戦略会議、それから長妻大臣や菅財務大臣との協議を踏まえて一定の結論を出していきたい、このように考えているところでございます。
#64
○山本博司君 原口大臣、大変ありがとうございます。
 今回は保育制度でございます。また改めて、原口大臣、ICT関係を含めて是非ともお聞きしたいテーマがございます。
 それで、今お話しいただきました子ども手当、今回二万六千円をマニフェストどおり実施をしますと、満額支給ということで約五兆三千億円、この財源をどうするのかということはもう大変いろんな議論になっているわけでございます。来年度以降のこの財源につきまして、全額国庫負担とするのかどうか、それとも地方負担を残した形にするのかどうか、両大臣、このことの認識をお伺いをしたいと思います。
#65
○国務大臣(原口一博君) 政権交代が九月でございましたので、今回の予算編成そのものは前の政権がなさった概算要求、これがもう終わっていた時点のものでした。私たちは予算編成そのものも二十三年度については基本から変えたいと考えています。
 つまり、約九十数兆の予算のまずマニフェスト部分を確保して、そしてそれ以外についてはキャップを掛けるやり方ができるんじゃないか。前回は行政刷新会議やいろんなところで無駄を取り除く形で、その分について、またマニフェストについての補充的な予算という形でやったわけですけれども、国・地方協議を通じて、私たちは、地方が実施するサービス給付等には自主財源、そちらの財源でというような形を考えているところでございますが、いずれにせよ、これはこれからの検討でございますので、また四大臣会合、あるいは閣内での議論を踏まえて財源についての一定の方向をお示しを、来年度予算について、概算まだ要求もしておりませんので、そこでお示しをできればというふうに考えております。
#66
○国務大臣(長妻昭君) 原口総務大臣も申し上げたとおり、四大臣合意というものを交わしまして、この財源については、平成二十三年度の予算編成の中で四大臣よく議論をして決定をしていくということであります。
#67
○山本博司君 今までの議論の中でございますけれども、子ども手当のように全国一律に現金を給付する制度、これは国が行っていく、またそれぞれの地域の状況とかニーズに合わせて対応する現物給付というのは地方で行っていくと、こういう先ほどの考え方もあると思いますけれども、総務大臣としてはこうした考え方を取られるのかどうか。また、保育所の運営は地方でやるという発言もございましたけれども、国の財源的関与をすべて外して地方単独でやるという、そういう考えなのかどうか、この点が一つでございます。
 また、厚労大臣には、そのことと併せまして、この現物給付の在り方についてどう考えているのか、このことを併せて両大臣にお聞きしたいと思います。
#68
○国務大臣(原口一博君) 原則的に私たちは、これは二〇〇二年でございましたが、今行政刷新大臣をしております枝野さんが会長のときに、今の考え方を民主党としてまとめたものでございます。
 つまり、今、山本委員がおっしゃるように、現金給付は国、サービス給付は基本として地方という形でございます。そして、地域の実情に応じて提供できる地方が自由に使える財源を増やして、地方が地域のニーズに適切に応じられるように、先ほどもお話がありましたけれども、地方によって随分所得も違います。それから、働き方も違います。そういったものに応じてやれるようにというのが私たちの基本的な考え方でございます。
#69
○国務大臣(長妻昭君) 現物給付の考え方でございますけれども、これについては我々は、幼保一体化も含めた、それだけではなくて、子育て政策をどうこれから新たなものを構築していくのかという新システム検討会議ということが始まっておりまして、そこにはもちろん文部科学省も入ってまいりましょうし、あるいは国のサポート、財源も含めてどういう仕組みが望ましいのか、そういう非常に大きな問題についてもそこで議論をしていくということにしておりますので、その中でそういうことについても検討をして決定をしていきたいと思います。
#70
○山本博司君 来年度以降の子ども手当、二万六千円満額支給を現金で給付すると。様々この子ども手当法案のときにはいろんな議論になったわけでございますけれども、子育て以外の部分で使われかねないという懸念が十分あるんじゃないかという、それを、たくさんございました。
 ですから、全額現金で給付するのではなくて、一部、地方の裁量によって保育所などのサービス給付に回したりとか、育児や教育などの、用途を限定した形でのバウチャー制度の導入、こういうことも導入すべきではないかという意見も出ているというふうに聞いております。
 こうした意見に関しまして両大臣はどういう認識なのか、このことをまずお聞きしたいと思います。
#71
○国務大臣(原口一博君) 私は、民主党の子ども政策担当大臣もネクスト大臣ですけれどもさせていただきましたけれども、長妻大臣が先ほどからお答えしているように、子供に対する施策そのものをはるかに拡大させたいというふうに考えています。
 そこで、いわゆる子ども手当という現金給付と、それから様々な子供の施策のサービス給付、このサービス給付とのやはりバランスというものも一定以上配慮をしたいと思います。私たちは、この二万六千円ということをお約束をしていますから、そこに向けて、様々な財源手当についても、予算編成全体、これはボンドマーケットについてもやはりしっかり見なければいけません。国債もいつまでも出せるというものではございません。
 そういった制約条件の中でございますが、今委員がおっしゃったような地方の声も併せて地域主権戦略会議の中で十分伺いながら、地方がどこまで主体的にやれるのか、それから中央政府が支えるべき保障というのは一体何なのか、そこもしっかり議論をしながら、ナショナルミニマムという言葉がありますが、これもよく基準を正当化するために使われることがありますが、例えば保育でいうと、無認可の保育所に対してはそれが効いていないというのは、これはどういうふうに、ナショナルミニマムであれば国が保障しなければいけませんね。そこに穴が空いていることについては、もしそれをナショナルミニマムと言うのであればですよ、穴が空いていることについてはどう考えるのかなどという議論を今政府の中でもしているところでございます。
#72
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた論点については、国と地方の子育てについての役割分担や、先ほど申し上げましたこの幼保一体化を含む新システム、子育ての新しいシステムの議論の中で論点として挙がってくると思いますけれども、私としては、マニフェストどおり、あるいは三党連立合意どおりに実行していきたいと思います。
#73
○山本博司君 ありがとうございます。
 後でまたこの議論をしていきたいと思いますけれども、今回の法案について伺いたいと思います。
 この地域主権改革法案の中には、義務付け・枠付けの見直し、これがございまして、そのうち保育所などの児童福祉施設の設備、また運営の最低基準を原則自治体の条例に委任をすると、こういうことになっているわけでございます。
 地域のことは地域で住民で責任を持って決めていくというのは、ある意味では国の権限を地方に移すということで、国の関与が低くなることを意味するわけでございます。その結果として、最低基準の緩和による保育の質の低下を招くんではないかと、こうした懸念も、強い声もあるわけでございます。
 この最低限の水準は基本的に守られた上で地方の自由裁量が認められるべきであると、こう考えるわけですけれども、こうした懸念に関しましてどのように対応をされるおつもりなのか、お示しをいただきたいと思います。
#74
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
 私も思いますのは、地方自治体、より住民の身近なところにおいて権限とサービスが、持っていくことが一番子供にとっていいサービスが提供されるのではないかと考えておりますので、私たちの政権としましても、できるだけこの地域主権、地方分権ということは進めていきたいと思っております。
 しかし、山本委員御指摘のように、やはりそこで万が一質が下がることがあっては、チルドレンファーストという意味でも決してあってはならないことだと思っておりますので、基本的には条例に、保育所の基準は廃止するのではなく条例に委任することとしましたが、ただし、保育の質に大きな影響を与える基準として、具体的には、保育士の配置基準や保育室等の面積基準などについては、遵守すべき基準として全国一律の最低基準を維持することといたしました。
 そのほかの基準に関しては、参考とすべき基準として地方自治体の判断で定められることとしておりますけれども、各自治体においてそれぞれ適切な基準を定めるなど、引き続き保育の質が確保されるよう、適切な施策を講じてまいりたいと考えております。
#75
○山本博司君 次に、保育制度の改革に関しましてお伺いを申し上げたいと思います。
 保育所の入所を希望する待機児童、二十一年の四月時点では二万五千人を超えて、更なる増加が見込まれているわけでございます。潜在的には八十万人の方々がいるんではないかとも言われておるわけでございますけれども、この待機児童の解消につきましては喫緊の課題でございます。
 それとともに、保育の質の向上ということも求められておりまして、民主党の昨年のマニフェストでは、小中学校の余裕教室、廃校を利用している認可保育所分園の増設とか、また保育ママの増員、また認可保育所の増設を進めることがマニフェストには載っていると思います。また、子ども家庭省の設置を検討すると、こういうこともございますけれども、政府として今後の保育サービスの充実をどう図っていくのか、この点を御見解を伺いたいと思います。
#76
○国務大臣(長妻昭君) 保育サービスの充実というのは、これはもう大変働くお母さんにとっても重要な問題でありますし、日本の労働力の問題、ひいては少子化の問題についても、本当に国家が大きな目標を掲げて取り組むべき課題だと思います。
 その意味で、子育てビジョンの五か年計画の中でまずは数値目標を出しました。五年間で毎年保育サービスの定員を五万人ずつ増やしていく、これまでは年間二万人でありましたので、二倍以上のスピードで増やすということで、平成二十二年度、今年度の予算は確保をさせていただいているところであります。病児・病後児保育も増やし、あるいは放課後児童クラブも増やしていくということであります。
 この目標に沿ってあらゆる手段を使って達成をしようということで、今おっしゃっていただいたような保育ママ、これまでかなり保育ママになる要件というのは厳しいものがございましたけれども、その要件を緩和をして、ある程度研修をして、一定の要件があれば保育ママとして自宅などでお子さんを預かる事業ができる、あるいは、空き教室や空きスペースを、公的なスペースを見付け出して、そこで認可保育所の分園をやっていただくなどなど、本当にこれは喫緊の課題だということで、あらゆる手段を使って取り組むということです。
 財務省とも今交渉を始めておりまして、これは国有地、国有財産で今は使われていないものも全国にございますので、それも有効活用できないかという協議を今始め、なるべく早めに結論を出していきたいと思っております。
#77
○山本博司君 今大臣お話をしていただきました子ども・子育てビジョン、それぞれ数値目標を掲げているということで、五年間を掛けて認可の保育所の定員を二十六万人を増やす、延長保育を十七万人を増やす、こうした数値目標もございます。また、追加財源として、育児休業給付に約一千五百億円、また認可保育所などの支援に約三千億円など、合わせて七千億円から一兆九千億円、この財源が必要と試算をしているわけでございます。
 しかし、こうした財源は一体どこにあるのかということがなかなか見当たらないわけでございまして、大臣、こうした財源を今後どのような形で出していくおつもりなのかどうか、この点に関してお聞かせいただきたいと思います。
#78
○国務大臣(長妻昭君) 今、財源の問題でございますけれども、これについては、私どもとしては、まず厚生労働省として事業の優先順位を付けて、必要性の低い事業は基本的には中止をしていく、あるいは省内事業仕分け室という組織を四月一日に立ち上げて、室長を任命をいたしまして、今鋭意、本当に浪費や無駄がないように厳しく取り組んでいるということがまず前提でございます。なぜならば、保険料についても税金についても、まだ無駄があるんではないかというふうに国民の皆様が思っておられる段階で御負担をお願いするということは、これは理解が得られないからであります。
 そして、政府全体では、消費税の議論はするけれども、一期の政権の中では消費税は上げない議論と、ほかの税制あるいは保険料の改革などなどを通じて財源を捻出をすべく取り組んでいるということであります。
#79
○山本博司君 今大臣から様々お話をいただいた中で、大事になってきますのは、この子ども・子育て新システム検討会議、これが大事であるということでございますけれども、ここでは幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的、一元的なシステムの構築について検討を行うということで立ち上げが検討されているということでございます。
 そこで、この幼保一体化というのは一体何を意味をしているのか、一体化でどういった効果をねらっているのか。また、幼保一体化が成長戦略の一つだとも言われておりますけれども、よくこれが分かりません。どんな内容なのか、今後の議論の見通しも含めて、いつごろ法案を提出するのかということも併せてお聞かせをいただきたいと思います。
#80
○大臣政務官(泉健太君) 御質問ありがとうございます。
 今ちょうどその作業グループの主査をさせていただいておりまして、各省の政務官を中心に作業を進めているところでありますが、この幼保一体化というのは、やはり共働き世帯が専業主婦世帯を上回るほど大きくなっておりまして、今ほとんど多くの家庭が両立支援を求める時代になってきているということ。そして、今までは保育所であれば厚生労働省、そして幼稚園であれば文部科学省ということで、行政も縦割りで、それぞれ地方行政の方にも相当な事務的な負担ですとか、横の連携の混雑、そういったものを与えてきたということもございます。
 また、利用者にとりましては、例えば保育所に子供を預けていたけれども、仕事を辞めたことをきっかけにして施設を移らなくてはいけないとか、あるいは幼稚園に預けていたけれどもフルタイムで働きたい、しかし残念ながら午後は見てもらえないと。そういうような様々な不都合が生じてくるということがございまして、そういったものを解消する、子供たちや利用者を主体、本位に考えた改革として、もう一度この日本の保育サービス、就学前を特に全体的に再構成をし直す必要があるんじゃないかということで位置付けをさせていただいております。そういう意味で、利用者、子供たちにとって必要なのがこの幼保一体化だというふうに位置付けて今取り組んでいるところでございます。
 法案につきましては、何とか来年に出させていただいて、実際には二十五年度の実施というものを目指しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
#81
○山本博司君 ありがとうございます。
 このシステム検討会議の親会議はまだ一度も開催をされていないということを聞いておりますけれども、その辺を含めてどうなのかということもございますけれども、この六月までにこのスケジュール、本当に大丈夫なのかということがあるわけでございます。
 そしてもう一つ、このシステム検討会議の中で幼保一体化について検討をするということでございまして、幼稚園の機能と保育園の機能を併せました認定こども園の在り方、このことが問われているわけでございます。今現在、認定こども園が約五百を超したということでございますけれども、地方にとって大変重要な役割を果たしております。この認定こども園に関しまして、どういう位置付けなのか、このことも含めて御説明いただきたいと思います。
#82
○大臣政務官(泉健太君) この幼保一体化というのは、もう数十年前から実は話としては出てきておりまして、しかし、なかなか現場では進めてくることができなかったことの一つでもあります。
 そういったことで、認定こども園制度がようやくスタートをしたわけですが、実際にはこの制度というものは、まだ幼稚園と保育園を取りあえず接着剤でくっつけたような状態でありまして、事務手続、会計基準等々を含めて今までばらばらな状態が続いておりました。ようやく今、そういったことも含めて改善をして一体的運営を図っていこうというところではあるわけですが、一番の先行事例ではありながら、残念ながら国民、利用者側の期待にこたえるというところまでは来ていなかったという位置付けをしております。
 そういった意味では、現在の認定こども園そのものももっと制度を簡素化して、簡便化して、多くの方が手を挙げて、そして実際に運営していただけるような、実はそこには、もう委員も御案内のとおり、補助が非常に少なくて、残念ながら今の保育園や幼稚園から認定こども園に変えようというインセンティブがなかなか働いてこなかったという現状もあろうかなというふうに思いますので、そういったところもしっかりと誘導していけるようなことを今後は考えていきたいと思っています。
#83
○山本博司君 この認定こども園ですけれども、四類型があって、その中の地方裁量型、今二十五園ということでございますけれども、この新システム検討会議では、各団体から意見聴取をされて、具体的な形でどうしていったらいいかという検討をされておりますけれども、この地方裁量型の認定団体の方々が対象に入っておりません。
 この地方裁量型認定こども園といいますのは、無認可の方々がその基準をクリアをして、それでやっとの思いで認定こども園を取られたわけでございますけれども、残念ながら、ほかの三つの類型は様々な支援がございますけれども、一切そういう支援がないということが現状あるわけでございまして、是非ともそうした方々の声を聞いていただきたい。
 泉政務官は、障害者の方の制度委員会でも、私、発達障害の方のお話をさせていただいて、そうした方の声も聞かさせていただく流れになったわけですので、是非もう一度、このことに関してお願いしたいと思います。
#84
○大臣政務官(泉健太君) ありがとうございます。
 障害者の方の発達障害の件でも、本当に今、発達障害の総合福祉部会の方で、障害者の会議の部会の方にお入りいただいたということで、本当に感謝をしております。
 そして、今お話あった連絡協議会、地方裁量型の方ですけれども、大変私も注目をしておりまして、しかしながら、まだ幼保連携型の方の団体からしかお話をお伺いできていない状況でございまして、今鋭意、各、保育ママですとか、あるいは認可外の保育施設、もちろん認可保育、そして幼稚園団体、多くヒアリングをさせていただいておりますので、早々に、場合によっては本体会議ですべての団体をお伺いできることがどうしてもかなわないこともございますので、そういった場合は私自身がお話をお伺いをしてということも考えております。
 先日も、全国保育士会の方から、政務官はまだ保育所で実習をしたことがないんじゃないですかと、一遍、八時間全部保育所の状況を見てくださいという要望がありまして、早速その要望も果たさせていただきましたので、なるべく多くの方々からお話をお伺いをして、この検討に生かしていきたいというふうに考えております。
#85
○山本博司君 是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 この地方裁量型の認定こども園、無認可の方々でございますので、当然、認可と違いまして様々な支援がないわけです。例えば、認可を受けますと、大体零歳児で一人十五万円ぐらいの財政の支援がございます。障害児の加算とか様々な形で一人大体百万円ぐらいそういう支援があるわけですけれども、百人いますと一億円そういう財政的な支援があります。国と県と市が負担をしますので、そういう形の中で、この認可外の方々は、やっと認定こども園の資格を取っても、なかなかそうした助成がないということで御苦労されたわけでございます。
 二〇〇七年、二〇〇八年、様々な要望を受けまして、この認定こども園の地方裁量型連絡会という全国のそうした団体もございまして、陳情を受けながらやってきたわけでございますけれども、やっと二〇〇九年度から新たな財政支援策が制度化され、地方財政措置が対応されました。このことに関して実態を教えていただきたいと思います。
#86
○大臣政務官(小川淳也君) 御説明申し上げます。
 全国二十五施設ということで、委員御指摘のとおりでありますが、これらの地方裁量型施設に対しては、まず施設整備費の部分、こちらには地方債充当率七五%、また元利償還金の三〇%については、交付税の計算上需要額に算入をいたしております。あわせて、運営費に対しては特別交付税措置を行っておりまして、算入率は五〇%でございます。
 ちなみに、二十一年度の実績で申し上げますと、全国十六団体、二十施設に対して三千四百万円の特別交付税措置を行っているということでございます。
#87
○山本博司君 今お話がありましたけれども、四県十二市町ということで、およそ三千万以上の新たなこうした特別交付税が地方裁量型の認定こども園に行ったということは画期的な第一歩ではないかということで喜ばれているわけでございますけれども、まだまだほかの類型、安心こども基金等での支援をされているところと比べますとまだ金額も少ないわけでございます。
 また、実際、私もこの園のある地域に電話をしますと、そのお金の使われ方ということでは、実際行った金額に関しましても、新規というよりも、今まで認可外の事業でやっていたそういう補助に関して各市が、各県が支援をするということで、実質的にはその園に関しては新たな支援にはなっていないわけです。ただ、市の部分を国が負担をするということでございまして、やはりこうした地方裁量型の方々に対する支援ということは必要ではないかと思うわけでございます。
 実際、園庭開放とか、また障害者の加配等でも様々な人を追加しております。例えば、認可外ですと、百四十五名の定員ですと、認定こども園を取ると九十人ということで、人数は減って保育の質は落とさない形でやっているわけでございます。
 そういうことも含めて、大臣の見解を伺いたいと思います。
#88
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、認定こども園、四つの類型がございまして、今の御指摘は地方裁量型認定こども園ということで、幼稚園又は保育所として認可されているかどうか関係なくて、地方の実情で認定こども園の認定を行うことができる類型でございます。
 これについては、先ほど来答弁もありましたけれども、地財措置を講じているというふうに聞いておりますけれども、そもそも、先ほども政務官の方から接着剤というような表現が、接着という表現がございまして、これは、認定こども園は、幼保一体化というよりも、幼稚園であってそれを補助する類型、保育所であってそれを補助する類型、そして地方の類型、そして連携型ということで四類型あるという、これはなかなか本当に一体にすることができないという、いろんな事情、しがらみによって非常に分かりにくい制度になっているということであります。
 そもそも、今システム検討会で議論をしておりますのは、幼保を本当に一体化をしていこうと、こういう議論をしているところでございまして、その中で認定こども園についても、今後更にそういう話の筋の中で位置付けていくのか、目的は、今の待機児童の方をできる限り解消して、幼稚園では空いている教室がある、しかしそこに保育ということで人が入らない、こういう問題を解決するという目的でございますので、そういう議論の中で解決をしていきたいと思います。
#89
○山本博司君 是非ともよろしくお願いいたします。
 終わります。
#90
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 地域主権改革一括法案は児童福祉法の改定も含まれておりまして、これまで厚生労働大臣が定めていた児童福祉施設の最低基準をなくし、都道府県の条例に委任するとされております。
 現行の最低基準には何とあるか。最低基準は、児童福祉施設に入所している者が、明るくて衛生的な環境において、素養があり、かつ適切な訓練を受けた職員の指導により、心身共に健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものであると、こうあります。また、厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとすると、こうあります。
 私は、すばらしい中身だと思います。子供たちが健やかに発達できる環境を国が保障するんだ、その水準は時代とともに引き上げていくんだという、決意と哲学が込められていると思います。
 こうした決意や哲学が込められた児童福祉法の最低基準、私は絶対になくしてはならないと思いますが、長妻厚生労働大臣、なぜなくすんですか。
#91
○国務大臣(長妻昭君) これについては、私ども、今回の法案の前提となる具体的な案件について三つに分類するということで、遵守、標準、参酌ということでございますが、すべてを地方にお任せをするということではございませんで、それぞれ三つの類型に保育所関係も分かれたわけでございますけれども、その中でも遵守すべき基準ということで、面積基準あるいは保育士さんの人員配置基準等々についてはそこに分類させていただいたということであります。
#92
○山下芳生君 私は、国の最低基準をなくしたら子供たちの発達を保障する国の責任もなくなると思います。
 ただ、今大臣おっしゃったように、都道府県が条例を定めるに当たっては厚生労働省令で定める基準に従って定めるものとするという文言も児童福祉法の改定案には入っておりますが、そこで伺いますけれども、この厚生労働省令で定める基準というのは現在の児童福祉法の最低基準として定められている内容と同一なのか。
 資料一に保育所の最低基準の主な内容を配付しております。ここにある各年齢児ごとの保育士の配置基準とか、乳児室、ほふく室、保育室の面積基準、これらはそのまま厚生労働省令で定められる基準になるんですか。
#93
○国務大臣(長妻昭君) まず、今お配りいただいた資料でございますけれども、私どもも子供の健やかな育ちを保障することが最も重要だというふうに考えておりまして、遵守すべき基準として省令で定める基準については現行の基準を基本に考えているということであります。
#94
○山下芳生君 現行の基準を基本に考えていると。基本にという言葉は、私は同一ではないというふうに思うんですね。上がるのか下がるのかそのままなのか、これは分からないと。法律が通ってから検討して省令で決めるというのでは、私は国会の責任を負えないというふうに思います。
 しかも、これは児童福祉施設だけではありません。今回の一括法案では、介護保険法や老人福祉法にかかわる施設もこれまで厚生労働大臣が定めていた施設及び運営に関する基準が都道府県の条例に委任されることになります。ここでも、都道府県が条例を定めるに当たっては、厚生労働省令で定める基準に従って定めるものとするとありますけれども、その基準がどうなるか、国民にも国会にも明らかにされておりません。私は、それでいいのかということが今問われていると思うんですね。
 調べますと、自公政権でさえ、障害者自立支援法案の審議では二百を超える政省令委任事項について、持ってまいりました、二十一ページに及ぶ説明資料を委員会に提出しているんですね。これを見ますと、例えば、自己負担限度額がどうなるのかというところでは、生活保護は、ゼロ円の方はゼロ円、低所得一は二千五百円、低所得二は五千円、所得税課税相当世帯は一万円などなど、非常に具体的な数字まで、これは審議中の委員会に提出されております。
 ですから、今回、子供の発達、それから高齢者の福祉にかかわる基準がどうなるかを審議するわけですから、がかかわるわけですから、これは法案審議中にこういう内容は明らかにすべきだと思います。長妻大臣、これ、国会にそういうことをちゃんと出してください。いかがですか。
#95
○国務大臣(長妻昭君) 今のお話につきまして、今のお話に限定しては、法律が成立した後、私どもとしては現行の基準を基本に省令で定めるということでございますので、そのようにしてまいりたいと思います。
#96
○山下芳生君 面積基準それから人員配置基準は基本にと、今の。しかし、その基本だってどうなるか分からないから具体的に明らかにすべきだと言っているんですよ。それだけじゃないんです。ほかにもいっぱい高齢者の施設にかかわる問題はあるわけですからね。これは前政権出していたんですから。出さないんですか。もしそれだったら無責任ですよね。私は、そういう政権の無責任に国会まで一緒になるわけにいかないと、責任果たさなければならないと思っております。
 そこで、あいまいにできない問題について聞きたいと思います。保育所の子供たちを火災や地震から守る、安全にかかわる基準であります。
 資料二にありますように、現行の保育所最低基準では、保育室を二階や三階に設ける場合には、避難用として屋外傾斜路などの設置が義務付けられております。
 先日、私は、地元大阪府大東市の保育所で実際に見せていただきました。写真パネルにしてまいりましたけれども、これが避難用の屋外傾斜路、滑り台ですね。火災のときには、二階の保育室にいる保育士さんや子供たちはこの滑り台を使って滑り降りて避難するということになります。
 それから、これがその保育所の全景の写真であります。L字型の保育所建物のちょうど真ん中一階部分に調理室がありまして、火を使いますから、そこから火災が発生する可能性が高いということで、そこから一番離れた両端に二か所避難用の滑り台が付いております。主任保育士さんに伺いますと、この滑り台を使って毎月一回避難訓練をされているそうですね。
 実は、私の三人の子供もこの保育園を、二年前までお世話になったところでして、左側の二階部分がゼロ歳児、一歳児の保育室なんです。ですから、ゼロ歳児、一歳児の子供たちは、避難訓練のときには、保育士さんがこの滑り台を滑るときに、ひざの上に二人の乳児をだっこして、そして背中にもう一人おんぶして次々と滑り降りてくるというんですね。これは、手を引いて乳児を、階段を下りるよりもはるかに速い。この滑り台で降りますと、五分以内にすべての子供たちを園庭に避難させることができるというふうに聞きました。
 ところが、今回の児童福祉法改定案では、この避難用屋外傾斜路は、都道府県が厚生労働省で定める基準に従って定めるものに含まれていないんですよ、これは。
 厚生労働大臣、この避難用滑り台、私は子供たちの命の滑り台だと思いますが、その設置義務をなくすんですか。
#97
○国務大臣(長妻昭君) まず、この地域主権ということを議論するときに、今おっしゃられたように、当然、その滑り台が直ちになくなるということではございませんで、その設置も含めて地方にお任せをしていく、お考えをお任せしていくというのが私どもの考え方であるわけで、つまり参酌という基準でございます。
 そういう意味で、地方自治体が適切に判断をして条例を作成していくということでございまして、それを地方にお任せしたら直ちに、あるいはそれ以外の防火防災措置、そういうものも全くとられなくなるというふうには考えておりませんで、そういうことを自治体にお考えをいただいて措置をとっていただく。ただし、それは地方自治体の実情にお任せをすると、こういう趣旨でございます。
#98
○山下芳生君 重大だと思いますよ。この基準まで地方にお任せする、参酌基準にすると。子供の命にかかわる基準じゃないですか、これ。いいんですか、これ、そんなことで。
 子供のための施設の規制というのは建築基準法にはないんですね、これは。保育所の最低基準に、さっき言ったような滑り台ですとか、見ていただいたような二階のベランダを伝って外の階段を伝って逃げるようにしなければならない。これ、建築基準法にはないんですよ。
 これ、地方に任せて、地方の実情、財政的に厳しいところありますよ。今ある保育所の滑り台が取り外されるなんてことは恐らくないでしょう。だけど、これから造られる保育所には滑り台ない保育所が造られることになりかねないわけですよ。命を、これはそんなことをやったら駄目ですよ。国として、これだけは少なくとも付けるべきだという、これは従うべき基準に絶対入れなきゃ駄目だと思いますけど、どうですか、大臣。
#99
○国務大臣(長妻昭君) 今、おっしゃっていただいたお子さんの命、そして安全を守る、国も地方自治体もこれはもう同じ気持ちなわけでございまして、その中で、その屋外傾斜路と法律的には言われるようなそのものについて、地方にそれ以外の、あるいは防火、防災、避難の設備、そういうものが、考えてはいけないということではなくて、それについて、お子さんの安全、命、防災、そういう観点からその部分についてはどういう方策を取るかお任せをするということで、もしお任せをして、一切、防火、防災、避難、何にも対策を取らないと、そういうような地方自治体というのは私は恐らくないんではないかというふうに考えております。
#100
○山下芳生君 何で、じゃ、それを国が責任持って従うべき基準にしないんですか。なくなったら困るんでしょう。
 建築基準法にはないんですよ、この基準は。私、滑り台のことしか言わなかったけれども、滑り台以外にもさっき言ったベランダとか外側の階段とか、これ建築基準法にないんですよ、子供の施設に対する避難の、基準はですね。それを地方に任せたら、建築基準法を守ればいいというふうになったら、こういうのがなくなっていく保育所ができるじゃないですか。何でそれを国として、ちゃんと地方にもやってください、その上に更に地方がもっと対策取りましょうというのはあってもいいけれども、これを最低基準から外しちゃったら、地方としては参酌基準ですから、従わなくたっていいわけですよ。そんな子供の命の安全にかかわる問題を地方に丸投げしていいんですか。これは責任放棄じゃありませんか。長妻大臣、いいんですか、本当にそれで。
#101
○国務大臣(長妻昭君) 私も、地方にお任せをしたら防火、防災、避難の措置がもう一切なくなるということで当然お任せをするわけではございませんで、それ以外の選択肢が合理的にある、そういうふうに考えるところがあるのかどうかも含めて地方に条例委任をしていくと、こういうことを申し上げているところであります。
#102
○山下芳生君 地方に条例委任する、その委任の中身は、滑り台の設置は義務付けられなくなるわけですよ、これは。あるいは、バルコニーだとか外側の階段は造らなくていいという委任になるわけですよ、従うべき基準にしないんだから。それでいいんですかということを問題提起しているんですよ。地方の財政事情大変でしょう。公立保育所だってどんどんどんどんなくなっていっていますよ。財政が大変だからですよ、一般財源化されてね。そのときにこの基準をなくしちゃったら、こういう滑り台などがない保育所ができかねませんよということを問題提起しているんですね。
 私は、地域主権の名で子供の命を危険にさらすようなことは絶対に許せないと思いますよ。このほかにもいっぱいこういう問題ありますから、徹底して国会で審議をしなければならない、そのことを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#103
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。両大臣にお尋ねをしたいというふうに思っています。
 最初に、先ほどもちょっと質問に出ましたけれども、前の政権までは地方分権という概念でした。ところが、現政権では地域主権改革と、こういう概念を掲げております。どのように違うのか、違いのポイントをお聞かせいただきたいということと、その違いを何によって確保、担保されるのか、大臣にお尋ねをいたします。
#104
○国務大臣(原口一博君) 近藤委員には連立与党の一員として大変な御指導をいただいておりますことをまずお礼を申し上げ、私たちは、地域主権改革と言うときに、これは自らの地域を自ら主権者が主体的に責任を持ってつくっていくということでございます。
 過去三回、例えば先ほど合併のお話がございましたけれども、合併をしています、平成の大合併に至るまで。平成の大合併以外の二回の合併は学びがあります。民主主義は、国民に多くの学びと行動、参加を要求するわけでございます。今まで地方分権ということを言う場合には、中央の、官のその権限を地方に分け与えると、こういう意味で使われていることが多うございました。私たちは、地方分権という言葉を否定するわけではございません。より、まさに積極的な意味、主権者の学び、責任の改革ということを私たちがこの中に込めたところでございます。
 じゃ、何によって担保をしていくかということでございますが、先ほども御議論がありましたけれども、中央で決めて何でもかんでも地方に押し付ければ、そこにいる人たちはルールも決め方も分かりません。学びということでございまして、今回、国・地方協議の場という形も法制化させていただいていますが、このような仕組みの中であるいは地域主権戦略会議という中で今の地域主権の理念を徹底していきたい、これまでの分権を更に進化をさせていきたい、このように考えているところでございます。
#105
○近藤正道君 保育のことについてお尋ねしたいと思うんですが、これまで保育に関する国の基準は、認可のみならず無認可にとってもこれが支障となっておりまして、各自治体が最低基準に上乗せする形で保育の充実が図られてまいりました。この基準は、全国どこでも一律に保障されるべき社会保障の最低基準、ナショナルミニマムと考えられてまいりました。
 原口大臣は、郵政問題ではユニバーサルサービス、こういうことを大変重視されております。私はそのことを大変心強く思っている一人でございますが、このユニバーサルサービス、これは日本中どこでもナショナルミニマム、これを保障する、享受できる、こういう私は考え方だろうというふうに思っておりまして、このユニバーサルサービスとナショナルミニマムというのはまさに表裏一体の関係、こういうふうな関係にあるんではないかと、こういうふうに思っております。
 今回の一括法案のように、最低基準を自治体の条例にゆだねる、しかも国が示す物差しを参酌すべき基準、標準と緩和した場合、財政的な制約から保育に対する自治体の取組が後退をして、ひいては子供の命にかかわる、今ほどさんざん議論ありましたけれども、こういう事態が生ずるのではないかという懸念の声が当然出てくるわけでございます。現に、小泉内閣の下で待機児童ゼロ作戦を打ち出して、児童定員オーバーやパート保育士制限の撤廃を認めた結果、保育施設での死亡事故が増えた、こういう指摘もあるわけでございます。
 本来、国が最低基準を保障して、譲ることのできないナショナルミニマム、こういうものをしっかり定める、その上で自治体が地域のニーズに応じて独自性を発揮すべき地方行政、地域主権、この立場からそれぞれについて理由だとか理念だとかあるいは基本的考え方を示して、そして国民的合意が形成される、これが地域主権改革の私は出発点であるべきではないかと、こういうふうに思っているわけでございます。
 原口大臣にお尋ねをいたしますが、ナショナルミニマムについてどのような定義をされているのか、そしてナショナルミニマムと地域主権改革のそれぞれについて、あるいは両者の関係についてどのように考えておられるのか。一括法案はナショナルミニマムを規制緩和するんじゃないかと、こういう議論が繰り返し出てくるわけでございますが、どのようにお考えになっておられるのか、併せてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#106
○国務大臣(原口一博君) 大変本質的な御議論、ありがとうございます。
 私は、今委員がおっしゃるように、広くあまねく、そして簡保法一条あるいは郵貯法一条、もうこれなくなってしまいましたけれども、そこにある理念、ユニバーサルサービスという理念を今回の郵政改革法案においても徹底すべきだと、その上で国民に郵政事業における権利を保障すべきだということで、委員にも大変御指導いただいて法案をまとめさせていただきました。
 また、今のナショナルミニマムということでございますが、国の責任といったときに、これは国民の責任でもあります。主権者が主体的にこれは地域をつくり、国をつくっていく、そこには学びがなければなりません。このナショナルミニマムについても国民も責任を負っておるわけでございます。福祉施設の基準については、これまで中央省庁が全国画一的な基準を制定し、地方自治体がそれを受け入れるという形で実施をして、結果としてPDCAサイクルが機能しない場合もございました。
 ですから、私たちが申し上げているのは、地方、これは先ほどおっしゃるようなことが起きてきたのは、財源や税源、それを担保せずに、そして三位一体改革で減らす中で、ただただあなた方勝手になさいよと言えば、これは委員がおっしゃるようなことになります。ただ、自らの地域について自ら地方議会の方々が責任を持ち、そして今のナショナルミニマムをお互いに補完をし、チェックをし、強化していく、こういう観点から私は地域主権改革ということを提案をさせていただいているということでございます。そのミニマムは、すべての人たちが補強していく、あるいはさらに、お互いが支え合っていく、こういう積極的な意味で御提案をさせていただいているところでございますので、また御指導をよろしくお願いいたします。
#107
○近藤正道君 厚労大臣は、国が最低限の合理的な基準を決める、そして地方は最低基準を超える部分についてサービス向上競争をしていただくのが基本だと、ナショナルミニマム研究会とも連動して検討していきたいと、こういうふうにおっしゃっておられます。
 今回、保育、介護、福祉の質等に深刻な悪影響が生じかねないもの、すなわち人員の配置基準あるいは居室面積基準、さらに人権に直結する運営基準につきましては地域主権改革の例外としてナショナルミニマムとされたわけでありますが、この一線は今後もしっかりと維持されるんでしょうか。あるいは、今回の対応は場当たり的なやり方ではないかと、こういう議論もあるわけでありますが、きちんとそのナショナルミニマムの大きなビジョンを示した上で、個別の事業について国と地方のどちらが担うべきか仕分をする必要があるんでは私はないかというふうに思うんです。
 ナショナルミニマム研究会、これが今機能して仕事をいろいろしているわけでありますが、このナショナルミニマム研究会は本来そういう場ではないのかと、私はそういうふうに思うんですが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#108
○国務大臣(長妻昭君) まさに、国家の役割は何か、地方の役割は何かという、これは哲学にかかわる問題だと思います。国家の役割は国防、外交というのはよく出てまいりますけれども、じゃ厚生労働行政の中で担う最終的な国家の役割ということについて、私は一つのキーワードはナショナルミニマムではないかということで研究会を立ち上げました。
 その意味で、今おっしゃっていただいたような深刻な悪影響というお言葉をいただきましたけれども、まさにそういう観点から見て、ここは最低限あまねく地方も守っていただいて、隣の県ではこうだけどこっちでこうだということがあってはならない。しかし、それは決して余り大きなレベルではなくて、その部分は地方は決めるわけでございまして、最低限のものについては国が基準をお示しをして、それを超える部分はいろいろな創意工夫や財源措置などなどで地方が独自にいろいろな措置をしていただく、基本的にはそういう考え方でありますけれども、時代とともに最低基準の考え方というのは変わりますので、それについては不断の見直しをしていくという姿勢が重要だということだと思います。
#109
○近藤正道君 三次勧告では、保育士の資格、保育士等の配置数あるいは面積基準が権限移譲、規制緩和の対象に挙げられました。
 私は先日、地元の新潟で保育所を何か所か訪れる機会がございまして、そこでは、子供の命のためにも、国基準、とりわけ保育士の配置基準、これは是非守ってもらいたいと、こういう悲痛な訴えをたくさん聞かさせていただきました。
 附則の四条で、ナショナルミニマムの例外として、保育所の居室面積基準については、東京等に限って、待機児童解消までの一時的な措置として、合理的な理由があれば自治体が条例で異なる基準を設定できる。この間、さんざん議論してきたわけでございますが、厚労大臣、その東京等あるいは一時的、これは省令で規定するわけでありますけれども、待機児童がどの程度存在すれば地域指定され、そしてどの程度解消すれば一時的措置は解消されるのか、何をもって判断されようとしているのか、お考えをお尋ねしたいと思います。
#110
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた東京等という措置については、これは一時的に待機児童を解消するという一つの目的があるわけでございます。当然、全体の定員を増やすというのは、これはもう我々として全力で取り組まなければなりませんが、その間の措置として、基本的な考え方は、我々データを取ると大都市部に待機児童というのが多いわけでございますので、保育所を整備するための場所の確保が困難な大都市部ということを想定しておりまして、一つは地価が高いというのも判断基準になると思います。そして、期間については一定の待機児童数が減るということの期間ということでございまして、これについては、法案の御審議、成立をいただいて、省令として国民の皆さんに説明できる基準を提示をしてその指定をしていきたいと思います。
#111
○近藤正道君 原口大臣にお尋ねをいたしますが、附則の四十三条には、施行の状況を勘案して基準の在り方について検討を加え、結果に基づき必要な措置を講ずる、見直しを規定しておりますが、検討するのはだれがいつまでに検討されるんでしょうか。お聞かせください。
#112
○国務大臣(原口一博君) 今、保育所の居室面積基準についてのお尋ねでございますが、一定の地域において一定の期間、保育所の居室面積の基準について標準とすることを規定をしているということでございますが、この義務付け・枠付けの見直しは、国よりも現場に近い地方自治体において住民の代表、議会の審議を経て、そして条例により福祉施設の基準を決定し、自ら定めた条例に基づき実施するように改めるものでございます。
 先ほどのナショナルミニマムの御議論で一つ申し上げておきたいのは、委員にも大変なお力添えをいただいて公共サービス基本法を作らせていただきました。あれは公共サービスにおける国民の権利を明定して、それを国、地方がどのように保障するかという法律の立て付けになっております。
 今委員がおっしゃるようなナショナルミニマムについても、一義的にはこれは国が保障しなきゃいけない。しかし、命を守るとか子供たちのはぐくみを守るというのは、これは地方自治体にも責務が掛かっておるわけでございまして、仕分の議論ではなくて協働の議論で、だれかに責任を押し付けるものではなくてみんなが補完をしながら守っていく、それがナショナルミニマムであるということも併せて御答弁をさせていただきたいと思います。
#113
○近藤正道君 今ほどの原口大臣の御答弁、御指摘、私も基本的に同感できるところがあります。
 その上で最後に申し上げますが、居室の面積基準、今ほども議論がございました。子供の命に直結する問題でありまして、まさにナショナルミニマムの例外、これはもう本当に厳格にやってもらわないと大変なことになるわけでございます。ですから、是非慎重の上にも慎重に判断をしていただいて、そしてなおかつ現場でいろんな問題が出るならば謙虚にそれに学んで見直すと、こういう姿勢は是非堅持をしていただきたいということを、今法案の審議でございますけれども、要望させていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#114
○委員長(佐藤泰介君) 他に御発言もないようですから、本連合審査会は今回をもって終了いたします。
 これにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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