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2010/04/21 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第6号
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2010/04/21 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第6号

#1
第174回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第6号
平成二十二年四月二十一日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     尾立 源幸君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     梅村  聡君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         田名部匡省君
    理 事
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                友近 聡朗君
                南野知惠子君
                丸川 珠代君
                鰐淵 洋子君
    委 員
                家西  悟君
                梅村  聡君
                岡崎トミ子君
                工藤堅太郎君
                藤谷 光信君
                牧山ひろえ君
                松岡  徹君
                水岡 俊一君
                石井みどり君
                荻原 健司君
                岸  信夫君
                中山 恭子君
                義家 弘介君
                紙  智子君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        工藤 政行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○少子高齢化・共生社会に関する調査
 (「コミュニティの再生」のうち少子高齢化と
 コミュニティの役割)
    ─────────────
#2
○会長(田名部匡省君) ただいまから少子高齢化・共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、植松恵美子君が委員を辞任され、その補欠として梅村聡君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(田名部匡省君) 少子高齢化・共生社会に関する調査を議題といたします。
 本日は、「コミュニティの再生」のうち、「少子高齢化とコミュニティの役割」について委員各位の御意見を伺いたいと存じます。
 議事の進め方でございますが、まず各会派からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただいた後、委員相互間で自由に意見交換を行っていただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、御意見のある方は順次御発言願います。
#4
○下田敦子君 では、高いところから御無礼いたします。
 委員の下田敦子でございます。よろしくお願いいたします。
 それじゃ、掛けさせていただきます。
 昨年の十一月来、少子高齢化・共生社会に関するコミュニティーの再生について多くの参考人の意見陳述を受けました。また、大変貴重な意見を賜ったことに対して改めて感謝を申し上げたいと思います。
 さて、我が国において、今後避けることのできない問題に少子高齢化ということがございます。これについての対応につきまして、国や地方自治体の施策といった政策的対応と住民レベル、草の根レベルでの地道な活動の融合が不可欠であります。その際、施設や拠点の運営という点でも、また人的な資源やサービスの提供という点においても、中心的な担い手になるのが地域のコミュニティーだと思います。
 調査会、本年で三年目において、少子化が経済社会にどのような影響を及ぼすのか、育児や介護に地域社会がどのような関与をしていくべきか、子供や高齢社会が地域で安心、安全で生き生き暮らすためにはコミュニティーはどうあるべきか、今後顕在化が予想されます高齢者、特に高齢女性の貧困と格差にどう対応すべきかなど、少子高齢化とコミュニティの役割について調査を行ってまいりました。
 少子高齢化とコミュニティーの在り方に関しまして、幾つかの論点について意見を述べさせていただきます。
 まず第一でございますが、新たなコミュニティーづくりについて。
 先日、土堤内参考人の陳述にありましたように、我が国において少子高齢化に伴う人口減少、単身世帯比率の上昇、非結婚化によるひとり社会化が進んでいます。これまでは家族が担っていた介護、育児等の機能がひとり社会において果たせなくなることから、これらをバックアップするために、介護、子育ての社会化、これは介護保険制度、既にスタートしております。また、子ども手当等の創設を一層進めることが不可欠であります。コミュニティーの役割がますます重要になってまいります。いわゆるお一人様と呼ばれている現象が社会的孤立に陥らないため、コミュニティーの諸活動への積極的参加、住宅等の共同利用など、新たなコミュニティーづくりの努力が必要とされます。
 高齢者とコミュニティーについて。
 高齢者に対し、清潔な生活環境と適切に栄養管理がされた食事サービスを提供することは最も重要なことでございます。コミュニティーがそのようなサービスの提供主体として機能するとともに、高齢者に対する見守り、ごみ出し、緊急時の対応など介護周辺人材育成、介護施設や高齢者住宅等の位置付け、孤立化した方の一人での死亡、無縁死を防ぐ共同住宅の設置、また保証人、成年後見制度の活用など、高齢者への支援の仕組みが求められてきているものと考えられます。
 また、中村参考人の陳述にありましたように、要介護の高齢者福祉サービスの利用者の元に出向いて相談、話し相手となって不平不満等の解決・改善を図る八王子の介護サービス訪問ふれあい員というような対策、地域住民が互助互恵の精神で行う奉仕活動を促進する方向について前向きに検討すべきではないかと考えます。
 次に、三つ目でございますが、コミュニティーにおける子育て支援について申し上げたいと思います。
 先般、西郷参考人が展開しておられますホームスタート活動は、子育てに関して、従来の待ち受けることではなく届ける支援へと支援形態を変えたボランティアによる家庭訪問型の支援形態です。既存の子育て支援サービスを利用できずに孤立している親や家庭に対する有効な支援策となり得るために、ホームスタートのような支援活動と国、地方公共団体との連携を図るとともに、その普及を促進するため、周知、啓発等の支援措置について検討すべきだと思います。
 安心、安全な子供の居場所について、学童の放課後の居場所を確保する施設として放課後児童クラブなどがございます。閉館後、様々な制約があるために親のニーズに十分こたえたものとはなっておりません。利用者が帰宅した後のデイサービスの施設を放課後児童クラブなどのための施設として活用し、当該施設の送迎車両も子供の送迎のための施設として活用し、働くお母さん方を支援するのに十分な施設で有効利用にもつながると考えられるような施設が更に必要と考えます。中村参考人からの提案もありました。また、両者のということは、放課後児童クラブとデイサービス施設の併用の可否について検討されるべきであると考えます。
 また、今調査会で何回か申し上げておりますが、フランスにおきましては、まず国際的に見ても手厚いと言われているのが家族政策。いわゆる人口減少の下、子供政策というものではなく、家族政策を展開しているということ。また、報酬の五・四%に相当する企業からの拠出金、あとは相当規模の財源が確保されていることから、第二子以降、二番目以降の子供さん、二十歳未満までの児童を対象にした家族手当制度の給付、あるいは集団託児所や認定保育ママ、これは先般お話しになりました、昨今非常にアピールされております認定保育ママの充実した保育サービスなどなどあります。
 女性にとって選択肢が多くあるということを海外から学ばねばならないと思います。例えば、我が国のエンゼルプラン、一・五七ショックを受けたものとは大違いで、大変大きな成果を上げている状況にあると思います。
 次に、非常に重要なのは税制についてであります。日本とは格差があります。相続税など、やはりこれも変えていかなくてはならないと考えます。
 申し上げたいのは、我が国の少子化対策は一貫性がない、若しくは継続性がないということがよく指摘されます。フランスでは人口は力なりということをうたっておりますが、そのための総合的な対策が功を奏しているものと考えられますのは皆様御案内のとおりでございます。
 最後に、この度の主たるテーマであります少子高齢化とコミュニティの役割についてですが、平均寿命が延びリタイア後の時間も長くなることから、子供が昔のように地域で見守られて育てられていることが求められるようになります。この度の主たるテーマ、コミュニティーはそのような人々の活動の場となり、人間関係のきずなを再び結び付ける媒体になり得るのではないでしょうか。
 今後、コミュニティーがそのような与えられた使命を果たせるようになることを祈念いたしまして、私の意見表明とさせていただきます。
 以上でございます。大変ありがとうございました。
    ─────────────
#5
○会長(田名部匡省君) この際、御紹介いたします。
 ただいまタイ王国上院第二副議長一行が本調査会の傍聴にお見えになりました。
 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと思います。
   〔総員起立、拍手〕
    ─────────────
#6
○南野知惠子君 座ったまま失礼いたします。
 自民党の南野知惠子でございます。
 少子高齢化・共生社会に関する調査会は、平成十九年十一月の設置以来、鋭意調査を進めてまいりました。今期は「少子高齢化とコミュニティの役割」をテーマにして一年間調査を行いましたが、本日は、三年間の調査を通じて感じた点も交えて意見を述べたいと思います。
 三年間の調査を通じ最も印象的だったことの一つに、一年目の外国人との共生の調査の一環として浜松、豊橋を訪れたことがございます。ブラジル・ペルー人学校のムンド・デ・アレグリアの倉庫を改造した寒風の吹き込む講堂で校長先生は、外国人学校等に対する寄附金に関する税制上の優遇措置が短期滞在者を中心とする一部の学校のみを対象とし、ブラジル人学校には適用されていないことについて、対象拡大が是非必要であると力説しておられたことは忘れられません。
 私たちが現地を訪問したのは平成二十年の二月でしたが、その後、世界的にリーマン・ショックに端を発する景気後退に見舞われ、ブラジル人学校においては通学している子供の四割が減少し、うち二五%が自宅にいるか不就学状態にあるとのことです。景気後退による自動車の販売数の低下によって多くの日系人労働者が職を失い、また収入が減少したとのことですが、それでも彼らの日本滞在期間は長期化する傾向にあります。
 日系人の子女は、日本語が不十分である等の理由で公立学校への転入をためらう傾向がありますが、一方で母国語の十分な教育も受けておりません。外国人の地域社会での孤立化を避けるためにも、日本に長期間滞在する外国人子女に対する的確な日本語能力取得への支援は極めて優先度の高い課題であると考えております。また、親の来日目的により短期の場合や長期の場合があり、子供の教育の目標が異なってきます。子供の立場に立った教育環境も考慮すべきだと思います。
 さて、少子高齢化とコミュニティの役割に関して三点ほど考えを述べさせていただきます。
 まず一点目は、高齢者が地域で安心して住むことのできる社会をつくることです。
 沖藤、赤石両参考人の陳述にもありましたように、高齢女性は単身世帯となりやすく、また、彼女たちが若かった時代は性別役割分担の意識が強かったこともあり、老後の収入や蓄積が十分ではありません。このような高齢女性の貧困問題を解消し、地域で安心、安全に暮らせるような社会をつくることが必要であります。
 そのために、コミュニティーにおいて高齢者の生活の質を左右する見守り、災害弱者である高齢者への対応、安心して医療を受けられる体制づくり等、高齢者の生活全般に対する支援を行う新たな仕組みづくりが求められます。
 二点目は、子供を大切にする社会の構築です。
 近年、少子化や遊びの変化により、地域から子供の遊ぶ姿が消えつつあります。汐見参考人は、地域の交流が希薄になったことなどの影響で、子供が忌避される社会になってきているという現状を実例を基に報告されました。我が国の将来を担う子供は、何よりも社会から温かく見守られなくてはなりません。子供に優しい社会、安心して、かつ充実感を持って子育てができる社会をつくっていくことが必要です。
 そのためには、国やNPOの支援活動の拡充も必要ですが、何より子育てをしている人を全国民的に応援していくような環境をつくることが必要です。子供を見かけたときに、かわいいねと一声掛け、また、子育て中の親に自分たちの経験を伝授していくような国民的な運動を始めることを提唱したいと思います。
 三点目は、子育て支援におけるコミュニティーとの連携です。
 かつては外で遊ぶことを見守る高齢者の姿が見られましたが、いつのころからか姿が見えなくなりました。現在、放課後の子供の居場所づくりのための施策が行われておりますが、居場所だけでなく、コミュニティーの再生という視点からも、地域において高齢者、親の世代、子供が交流する場をつくっていく必要があります。今、省庁の壁を越えて実施されている放課後子どもプランについても地域全体の参画を得て運営されることが必要不可欠であり、学校に地域と学校の橋渡しをする教師を置くことも検討すべき課題であると思います。
 コミュニティーとのかかわりが大事になってくるのは、子供の遊びばかりではなく、子供が病気になったときも同様です。欧米諸国では、子供が病気となると、母親等は仕事を休んで看護をすることが社会的常識として浸透しています。そのための制度も完備しており、働く母親は子供が病気のときも安心して休むことができます。しかしながら、我が国では、子供が病気になってもなかなか仕事を休むことができず、また周囲の理解も十分とは言えません。
 もちろん、母子の健康面からいえば、有給の病児看護休暇制度を拡充させ、子供が病気のときに親が休むのは当然として、会社や社会に受け入れられる雰囲気をつくっていくことが求められます。しかし、仕事の都合などでどうしても休めない場合や、軽症ではあっても急に発症したような場合の病児保育の体制整備についても進められる必要があります。コミュニティーにおいては、病気になった子供を一時的に預かって面倒を見ていくようなシステムがあれば、どれほど多くの働く親の助けになるかは言うまでもないと思います。
 かつて、私たちは多くのコミュニティーを失ってきました。そのような方向は、経済の成長という大きな流れの中にあっては、ある意味やむを得ない部分もあったと思います。しかし、今や我が国の成長を担ってきた人は高齢化し、社会の第一線を次々に離れています。彼らの居場所となり、そして今後の我が国を託すべき子供たちをはぐくむ場となるのはコミュニティー以外にはありません。
 今後、外国人も今まで以上にコミュニティーに参加してくるでしょうし、ひとり社会の到来により地域の片隅で一人で過ごす人も増えてくると思われます。そういった様々な人々に元気を与え、安心、安全に生活していく場を提供するため、コミュニティーは再生されなければならないと思います。
 コミュニティーの再生のために、地域に新しい人材を取り込んだり、地域の人材や資源を生かす効果的な取組が調査会において数々示されました。調査会での三年間の議論が、このような方向に少しでも貢献できることを祈念して、意見表明を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#7
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本調査会におきまして、少子高齢化とコミュニティの役割につきまして、様々な分野で御活躍の参考人の皆様から貴重な御意見等を伺い、調査することができました。
 この場をお借りいたしまして、田名部会長を始め関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。
 人口減少社会が到来した我が国にとりまして、一人一人の果たす役割が今後ますます大きくなり、個人の能力や意欲を十分に引き出し、それぞれの場で活躍できる社会を目指さなければなりません。そして、一人一人が生活していく上で、人と人とのつながり、人と地域のつながりを大切にする共生社会の実現も求められてきます。また、子供から高齢者まで世代を超えて一人一人の生活の質が維持向上され、だれでも、どこにいても自分らしく安心して暮らせる環境をつくるためには、その基盤となる地域コミュニティーの役割は大きいものがあると思います。
 本日は、これまで参考人から多岐にわたる御意見や取組を伺うことができましたが、その中でも、子育て支援と高齢者対策の二つの課題、そして、それに対しまして地域コミュニティーの果たす役割について意見を述べさせていただきます。
 まず、子育て支援でございます。
 NPO法人ホームスタート・ジャパン代表理事の西郷参考人から、ホームスタートについて伺いました。
 これは、子育て経験者が週に一回二時間程度定期的に乳幼児がいる家庭を訪問し、話を聞いたり相談に乗るボランティア活動です。従来の待つ支援ではなく届ける支援という新たな地域における活動を紹介していただきました。訪問者は無償のボランティアで、活動をコーディネートするオーガナイザーは支援の質を担保するために有償で専門家を採用しているとのことでした。
 この活動のすばらしい点は、現行制度の手の届かない家庭、すなわち地域子育て支援拠点に来ない、来ることができない親、子育て困難家庭だけでなく、養育支援訪問事業の対象にならないけれども、ストレス等が高く虐待が起こる可能性が高いグレーゾーンの家庭に対する有効な支援策になり得るということでございます。
 ここ数年児童虐待が大きな社会問題になっていますが、その背景には、親が悩みや問題を抱えていても、それをどこにも、だれにも相談できず、そのストレスを子供にぶつけてしまうというケースも少なくありません。そういった親や家庭に対して、児童虐待を防ぐということからも地域の子育て経験者が子育てにかかわっていくという、このような地域活動は大変に有効的で重要になってくると思いました。
 次に、働きながら子育てしやすい環境を整備するためには保育施設の質、量の確保が急務でございます。あわせて、病児保育も大きな課題となっております。
 この点につきましては、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎参考人から御意見をいただきました。
 NPO法人フローレンスでは、風邪や発熱などの一時的な病気にかかった乳幼児を預かってケアする病児保育サービスを提供しています。通常の保育園では熱のある子供を預からないため、仕事をしながら子供を育てる親にとって病児保育サービスのニーズは大変高いものがあります。しかし、そのニーズにこたえ切れていないのが現状です。
 駒崎さんの御指摘によりますと、その理由として、病児保育施設に対する国の補助金が少額で、他方、補助金交付を受けた場合には利用料金が低額に設定されるなど制約が多く、病児保育は単独の事業としては経済的にほとんど成り立たないということでした。
 そこで、フローレンスでは、補助金を受けずに病児保育を行うための仕組みとして、非施設型のこどもレスキューネットモデルを考案されていました。料金は月々掛け捨ての共済型を基本とし、ベビーシッターよりも安くサービスを提供できるそうです。
 今国会におきまして、子ども手当の対応をめぐり様々議論がございましたが、私は、子育て支援として経済的支援も大変に重要であると思いますが、西郷参考人、駒崎参考人らが地域で取り組まれているような子育てを支援する環境整備の充実を図らなければならないと思います。経済的支援と、子育てしやすい、子育てが楽しくなる環境整備をバランス良く拡充していく必要があると思います。その点を改めて政府の方にも要望したいと思います。
 次に、高齢社会の対策の重要課題として介護の問題などが挙げられます。
 本調査会におきましても、介護情報館・有料老人ホーム・シニア住宅情報館館長の中村参考人、NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長の沖藤参考人から御意見をいただきました。
 中村参考人からは、介護への取組という点で、地域コミュニティーが果たし得る役割の好事例として、福祉資金貸付サービスの利用者から市に所有権が移転した住宅を利用したミニデイサービス等を提供する武蔵野市のテンミリオンハウスと、要介護の高齢者福祉サービスの利用者の下に出向いて相談、話し相手となって課題等の解決・改善を図る八王子市の介護サービス訪問ふれあい員の紹介がございました。そのほか、高齢者の介護施設を含めた住宅問題についても現状をお伺いいたしました。
 沖藤参考人からは、介護問題からコミュニティーを考えると、清潔な生活環境と適切な栄養を提供する生活支援の充実、コミュニティー資源として見守り、緊急事態発生時の対応など介護周辺人材の育成、都市計画の中核としての介護施設や高齢者住宅等の位置付け、孤独死・無縁死を防ぐ共生型住宅の設置、保証人制度や成人後見人制度の活用などの問題が挙げられました。
 高齢社会が進む中でこの介護の問題はますます重要になってまいりますので、我が党といたしましても、昨年末に全国の地方議員の皆さんとともに独自に介護の総点検を実施し、介護を受けていらっしゃる方、介護をしている家族、介護施設で働いている方、地方自治体などから十万件を超える御意見や要望をいただいてまいりました。
 その調査結果につきましては政府にもお届けをしておりますが、主に介護施設の不足、在宅支援体制の不足、介護労働者の不足、この三つの不足に対する数多くの不安の声が寄せられました。
 これらの課題につきましてはこれまでも取り組んできたことではございますが、まだまだ支援が不足しているとの現状でございますので、政府におかれましても、高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らせる、生活ができる環境整備に引き続き取り組んでいただきたいと要望するものでございます。
 また、株式会社ニッセイ基礎研究所主任研究員の土堤内参考人からは、今後あらゆる世代がひとり社会になっていき、その課題として、これまで家族が担ってきた介護や子育てといった機能の消滅と代替する社会制度の構築、職場を含む社会とのつながりの喪失・希薄化による社会的な孤立の拡大・深刻化などが挙げられました。
 今後ますます単身世帯が増えることが予想される中で、子育てや介護の家族機能を代替する制度や施設の整備が必要であり、さらに、こういった課題を地域の課題として自ら取り組んでいく、解決していくという地域力も求められてくると思います。
 今後の高齢者対策として、ひとり社会が増加することを前提に、介護問題を始め、そのほか、高齢者の雇用、住宅の問題、低所得者対策、子育てや見守りなど、地域活動へのかかわりなど、こういった課題に国、地方自治体そして地域で力を合わせて取り組んでいく重要性を改めて実感をいたしました。
 いずれにいたしましても、少子高齢化において地域コミュニティーの果たす役割はますます大きくなることは間違いありません。本日申し上げましたほかにも数多くの重要な課題、論点がございますので、コミュニティーの再生、活性化へ我が党としましても引き続き調査を続け、取り組んでまいりたいと思います。
 本日は大変にありがとうございました。
#8
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 本調査会のテーマは「コミュニティの再生」ですけれども、貧困と格差あるいはドメスティック・バイオレンスの議論もいたしましたので、それらについても意見を述べたいと思います。
 「コミュニティの再生」のうち、少子高齢社会への対応、また育児・介護社会化によるコミュニティーの維持、子供と高齢者の安心、安全な町づくり、貧困と格差などについて、参考人からの意見聴取や議論が行われました。それらを踏まえまして、地域社会みんなが支え合っていかなければならない現実があると、そのために自主的に協力し合っていくコミュニティーというのは非常に大切だというふうに思います。
 地域社会には、地域を代表して地域の共同管理に取り組んでいる自治会や町内会があります。また、ここ近年、関心に沿った専門的力量を備えたNPOが自立性あるいは自主性を前提にしながら、地域の課題にかかわっている現状があります。こうした多様な地域主体が連携協力することの大切さと同時に、こうした組織が行政とどうかかわりを持っていくのかということはコミュニティーを発展させる上でも重要になってくると考えます。
 行政とのかかわり方については、西郷泰之特定非営利活動法人ホームスタート・ジャパン代表理事ですけれども、NPOは行政の委託、補助の関係でしかない、いろいろ意見は言うけれども聞き入れられないこともよくあるという意見や、あるいは、行政と民間の共同のテーブルづくりというのを工夫していただくとNPOもやりがいがあると述べられました。
 また、駒崎弘樹特定非営利活動法人フローレンスの代表理事は、イギリスやアメリカの事例を紹介しながら、日本においてNPOが行政の下請になるのは、足かせ、手かせがはめられた状況で活動しているためだということも述べられました。
 私は、やはりコミュニティーを発展させる上で、NPOの社会的役割を認め、行政と対等・平等の立場で多面的な協力関係を築くことが大事だと考えます。
 加えて、コミュニティーを発展させる上で地方自治の発展ということも重要だと思います。その点では、自治体の首長さんから貴重な御意見を伺いました。分権改革の名で、三位一体改革による地方交付税など地方財源の大幅な削減と市町村合併が押し付けられることがありました。
 山内道雄島根県海士町長は、平成の大合併について、合併すると役場の職員が中心部へ家を移してしまう、行政もそのように流れる、災害が起きたときは役場の職員が先頭に立たなければならないが、その点が一番心配だと述べられました。
 また、武田丈夫和歌山県古座川町長は、山村ですから奥地の地域の住民は取り残される、地域のためには役場を核としてそれぞれの地域に人を配置しながら緊急時の対応を取り組む必要があると述べられました。また、町の経済のために地域資源を生かした地域づくりが重要だと指摘もありました。
 地方の財源確保は地方自治発展の上でも土台となるものです。地方交付税の復元や増額で本来の財政保障、財政調整機能を回復・強化するとともに、企業誘致や公共事業に依存する地域づくりから地域資源を生かした地域づくりへの転換が模索されている中で、こうした地域の努力を後押しする国の政策が必要だと考えます。
 次に、貧困と格差について意見を述べます。
 安心して子育てできる社会をつくることが政治の喫緊の課題です。特に、子供の貧困問題を解決することが急がれています。厚生労働省の国民生活基礎調査では、十八歳未満の子供がいる世帯の平均年収は、一九九六年七百八十二万円が二〇〇七年には六百九十一万円へと九十万円近く減り、特に、平均年収三百万未満の世帯の比率は八・八%から一四・〇%に増え、三十歳代の世帯主で増加しています。若い親、子育て世代にも貧困が及んでいると考えられます。
 また、文部科学省の子どもの学習費調査で年収に占める学習費用は、年収四百万以下世帯で小学校だと六・三%、中学校で九・二%、公立高校で一〇・九%です。さらに、物価が下がっているのに学習費の総額が増えています。
 加えて、地方自治体が財政難になる中、学校のテスト印刷費の一部を保護者に求める事例も生まれています。小中学校は義務教育でありながら、自治体の財政力によって義務教育無償の対象範囲が変わってくる実態があります。
 私は、政府のデータでこうした傾向になっているのでその原因を聞きましたけれども、厚生労働省は経済動向以外に理由があるかまでは分析ができていないというふうに言い、文部科学省は要因の分析はできていないという答えでした。
 私は、構造改革路線が不安定な雇用と低賃金、長時間労働を広げ、社会保障費の削減と相まって、親の貧困と格差がそのまま子供の貧困と格差につながっている、あるいは、地方交付税の削減によって地方自治体が財政難に陥ったことが原因していると考えております。
 四月十四日の調査会で福島みずほ少子化担当大臣は、子供の貧困は今の日本社会の重要課題の一つである、その対策や労働法制の規制強化等をしっかり取り組んでいくというふうに答弁されましたので、今後の政府の取組を注視していきたいと思います。
 その際、私が特に重要だと思うのは、仕事と子育ての両立を図るということ、働くルールを確立すること、待機児ゼロにするために保育所を整備すること、親の経済的困難を軽減すること、子供の貧困を解決するなど、子育てしにくいという日本社会の在り方を変える総合的な取組が必要だと考えます。
 次に、仕事と子育ての両立を支援する上で保育所を整備することが必要ですが、その際、保育の質が課題になります。
 汐見稔幸白梅学園学長は、アメリカ政府が保育の質について調査したけれども、結果として、レベルの高い保育所で育った子供たちが一番よく育っている、保育の質が子供の育ちに影響を与えることが非常にはっきり出てきていると述べ、保育所の数を増やすだけでなくて、その質をきちっと担保しなければいけない、ヨーロッパは初めからそのことについてかなりうるさくやってきたと述べられました。
 また、待機児を解消するため、戦後直後に作られた保育所の最低面積基準を緩和する動きについて、汐見参考人は、ヨーロッパでは分権化した場合にこのレベル以下ではやっていけないという最低基準をはっきり作ろうとしている、ところが日本は最低基準まで分権化してしまって自治体任せにする動きが出てきている、最低基準がばらばらになると子供たちの平等ということを考えてもまずいと述べられました。
 終戦直後に作られて六十年間放置された保育所の最低基準は引き上げてこそ、国民の願いにこたえるものだと思います。
 次に、高齢者の安心、安全の確保についてです。
 いろいろな課題がありますが、とりわけ最近相次いで起きている高齢者施設の火災事故について取り上げました。昨年三月は群馬県の有料老人ホームたまゆらで十人が犠牲になり、今年三月には札幌市のグループホームみらいとんでんで七名が犠牲になりました。
 沖藤典子NPO法人高齢社会をよくする女性の会副理事長は、防火安全対策についてはきめ細かくチェックした安全基準を設けるべきだと述べ、高齢者施設の国の人員配置基準は介護保険が始まって以来変わっていない、グループホームで十数人に一人、特別養護老人ホームは二十五人に一人、ショートステイでも二十五人に一人ぐらい、根本的に見直す必要があると指摘されました。
 私は、介護報酬の引上げや、介護報酬とは別枠に公費を投入し、介護労働者の賃金を月四万円以上引き上げること、夜間は二人体制にすることなどが必要だと考えています。
 同時に、自力で避難が困難な入居者ですから、周りの支援が必要であり、命を大切にするためにも防火安全対策の設置基準を強化すること、そのための財政支援を直ちに具体化すべきだと考えます。
 時間となりましたので、残りはまた後ほど追加させていただきます。
#9
○会長(田名部匡省君) 以上で各会派からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより委員相互間の意見交換を行います。
 本日御発言いただいた御意見は論点を整理して最終報告書に取りまとめますので、できるだけ多くの御発言をいただきたいと存じます。
 それでは、御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 家西悟君。
#10
○家西悟君 民主党の家西悟です。
 当調査会ではこれまで、いわゆる少子高齢化時代におけるコミュニティーの役割について、各分野で御活躍されている参考人の方々を多く招き、貴重な御意見や提言をお聞きしながら議論を深めてまいりました。人と社会のつながりを大切にする共生社会の実現、私の意見も一つ加えるならば、命と健康を大切にする社会の実現が求められることを強く感じているところでございます。
 今の世の中は生きづらい、特に若い人たちや高齢者の方々にそんな思いをさせていいんでしょうか。
 日本経済の景気後退は、顕著になった二〇〇七年十月ごろから始まり、二〇〇八年九月のリーマン・ショックで急降下しました。戦後最悪の不況に陥った日本経済を立て直さなければならないとみんなが考えているのではないでしょうか。
 なかなか良くならない経済状況の中で、リストラや生活不安など雇用状況の不安定な中で、人と社会のつながりを大切にする共生社会の実現といっても国民からは相手にされません。人と社会のつながりを大切にする共生社会の実現が、情緒的にならず、そのことを希望や夢だけに終わらせるのではなく、是非実現させるんだという強い思いでいっぱいです。
 私の尊敬する田名部会長の下で、しっかりと当調査会の御提言をまとめていただきたいと思います。
 私の実体験を一つ述べさせていただきます。
 私のコミュニティーは病院の待合室から生まれました。生まれながらの病である血友病の治療のために、幼いころより病院通いを通し、二時間、三時間、待合室のソファーで治療の順番をひたすら待つという生活でした。専門病院に通っていると、内出血ではれ上がった関節を見て、痛そうやなという話が始まります。お互い言われて、大変痛い、そうやろうな、それだけはれていたら痛いやろうななどと子供らしい邪気のない会話が始まり、何度か通ううちに仲間ができてきました。
 こうした交流は、子供たちだけではなく、親同士にもありました。病気のこと、家庭のことの苦労話、経済的に大変なことなど、我々子供は痛さにこらえてひたすら待っているのですが、親同士は話が尽きません。
 治療は病院に朝早く出かけていくのですが、治療が終わるころには午後を回り、場合によっては夕方近くになる。そして、時には長い入院生活をしなければなりませんでした。そうした中で、病院の医師などを巻き込んだネットワークが広がり、病院を超えた地域、自治体、国への働きかけなど、患者のネットワークが生まれていきました。
 四十年以上前になりますが、血友病友の会はそんなふうにして生まれてきました。そして、私たちは医療費の問題やいろんなことを言いながら、そして経済的な苦しい立場をお互いに共有するということで共有をしていったというのが当時の状況であったということを一つお話を申し上げておきたいと思います。
 少し話が長くなりましたが、そんな中でコミュニティーは私は生まれてくるんだというふうに思うわけです。
 そんな体験を通じて、総論といいますと、東京三鷹市の清原市長が参考人として述べられた、地縁を基礎とした村社会が崩壊する中で、新旧の住民の融和を図りつつ、地域性と共同性を持つ地域社会をつくることがコミュニティーという言葉の意味に込められていました。
 現在は、少子高齢化の急速な進展の中、村社会を知らない世代も包含した新しいコミュニティーの創生、すなわち、地域で共に生き、共に支え合う、新たな共助の仕組みづくりが求められているという認識から、新しいコミュニティーづくりの実践を深く見ていきたいと思います。
 自治体を始め個人、NPOなど先進的な取組を進めているところにどのような国の支援があればいいのか、政治や国の果たすべき役割は何なのかを考えるべきです。
 一方で、せっかくの政策や補助金に代表される支援が活動の手かせ足かせになり、身動きが取れないこともあります。各地域で頑張って地域の再生や、また子育てや高齢者の支援などに取り組んでいる団体の方や個人の方々が燃え尽き症候群にならないようにすべきではないでしょうか。また、子育てや高齢者の支援は、何か上からこうだというような画一的な仕組みや哲学を押し付けるようなことがないように望みます。
 そのことを踏まえて国や政治が下支えをする、そんな仕組みをつくり上げることだと考えます。全国各地で先進的、献身的に取り組んでいる個人や団体の方から余計なおせっかいだと言われることのないような取組が私は必要ではないかと考えているところでございます。
 私の意見としては以上であります。ありがとうございました。
#11
○会長(田名部匡省君) 藤谷光信君。
#12
○藤谷光信君 民主党の藤谷でございます。
 今日は自由討議ということですので、一言意見を申し述べさせていただきます。
 先ほど御紹介がありましたように、今日はタイ国の上院の副議長さんも傍聴に来ていらっしゃいますが、初めに、たまたま先般私はIPUの国際会議へ公務で出張させていただきましたときに、タイ国の国会議員さんとお話をする場面がありました。
 そのときに、この少子高齢化・共生調査会というのを日本ではやっておって、私も入ってこの話をしておるという話をしましたら、タイ国の議員さんが、高齢社会にタイ国もだんだんなっていると。それで、日本の寿命は男性も女性も長くなっております、高くなっていますが、それとほぼ匹敵するぐらいになっているんだと。そして、従前は大家族制度であった、それが若い人は若い人でもう世帯を持つようになったのでいろんな問題点があるということをおっしゃいまして、日本も同じだなと思って感じたようなことでございます。
 今日は、尊敬する田名部会長さんが、先日来、いろんな参考人を招聘していただいたり、それからいろんなところを見せていただいたりしまして、いろんな内容のあるこの調査会は、先ほど来の先生方の御意見もありましたが、盛り上がっておると思うのでございますが、私なりにちょっとだけ意見を述べさせてもらいます。
 地域コミュニティーとは、地域の人同士がいろいろな幾重もの縁で結ばれて同じ地域に住んでいるというお互いの連帯感があってこそ、例えば子育てや家庭生活、福祉や老後などの個々が抱えている不安などを打ち明けたり、自分たちの住んでいる空間、環境についても考えたり、あるいは、地域のボランティアなどでお互いが支え合うという公共の場づくりに発展していくのだと思います。
 つまり、行政が主導するのではなくて、地域の皆さんの気持ちを仕向けて、自主的に地域のために共に支え合うという意識を持っていただくことが大切なんじゃないかと思っております。
 ところが、これまでの地域コミュニティーに対する施策というのは、地域の公民館やコミュニティーセンターを建設して、又は、センター活用のためにそこでいろいろな催物や相談所を開くという、ともすればお役所的な発想が強くて、一部に興味ある人たちの参加だけの世界になっていた感じがします。私もよく参加しておりますし、企画をしておりますので、よく知っておるわけでございます。
 また、行政のあからさまな主導というのは、真に支え合うことが必要な不安を抱え孤立感を深めている人たちには届きにくい上に、いわゆる行政サービスの一環としてとらえられたり、手を差し伸べられているという状態が、支えてあげているというようなことが中心になるような感じがしてならないわけでございます。
 それで、有益なコミュニティーの拠点づくりを考えますと、私は、やはりそこには昔からの歴史のありますお寺とか、あるいは古い幼稚園とか保育所とか、案外そういうところの拠点をもう一回見直すのも大事じゃないかと思っておるわけでございます。現在の行政の取組にはそういうことが行政の計画に入っている、地域によりましたらそういうものが入っている、あるいは、お宮やらそういうところでやっているというのもありますが、なかなかそれが従前のようではないんではないかと思っております。
 そして、いろいろと、時間の関係もありましてすべては申し上げられませんが、子育てについて、ドメスティック・バイオレンスのこともちょっとこの前話がありましたが、小さな幼児をうまく育てられない、そういうお母さんたちへのアドバイスを、若いお母さん同士、若い夫婦だけでなくて年寄りも含めて地域ですると、いわゆるコミュニティーの再生というのはそこで孤独感の解消につながるんではないかと思います。
 お寺といいますのは宗教的な場所でございますので、ある部分では、信者とか檀家とか、それが中心になりがちなんでございますが、しかし、地域によってはそれを乗り越えて、その地域みんなが利用しているところもたくさんあります。ある宗派によりましたら、お寺を子供の居場所にするとか、あるいはキッズサンガという名前で集まりをしたりしております。
 それから、広島県尾道市では、古い民家を古民家の再生ということで、そこを、空き家になっておる、みんなが集まって、そして古くからおる人たちも入って若い人たちの交流の場にしておると。非常に成功している例もありますので、やはりそういう従前からあるものをもう一回見直すということが必要じゃないかと思っております。
 それで、文部科学省の平成二十年度社会教育調査によりますと、現在の公民館やコミュニティーセンターなどの公民館類似施設、これは全国で一万六千五百六十六か所あります。日本全国からいいましたら非常に私は少ないと思うんでございますが、幼稚園は、私立が八千二百六十一、公立が五千二百五十五。それから、保育施設のような保育園、保育園類似のものもありますが、それは一万一千九百六十三。これは私立です。公立は一万九百三十五です。宗教施設、先ほど言いましたお寺、いろんな宗派がありますが、全部含めましたら七万五千八百八十五か所あるんです、七万五千八百八十五か寺。
 幼稚園とかそういうお寺を全部足しますと、十一万二千二百九十九か所の拠点があるわけですから、そういうものを見直す。神社とか教会とか、あるいは地方の小規模の小学校などをもっと生かす。それを加えましたら二十一万九千七百四十五か所。
 まあ数字だけではどうとも言えませんけれども、そういうところにコミュニティーの再生のノウハウのネットワークが案外眠っているんではないかなと思ったりしております。
 地域おこしとかあるいは町おこしとか、非常に今地方のみんなも、意欲のある人、意識の高い人がたくさんいるわけでございますので、そういう方たちとも提携しながら、地域コミュニティーの活性化というか、そこに目を向けることができるのではないかと思っております。
 他の先生方となるべく重複しないようにちょっと別の観点から申させていただきましたが、私の意見とさせていただきます。
 皆さん、ありがとうございました。
#13
○会長(田名部匡省君) 丸川珠代君。
#14
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。
 まず冒頭、三年間、愛する、そんなことを言うとだんなさんに、済みません、怒られますけれども、すばらしい田名部会長の下で充実した議論をさせていただくことができまして、大変感謝を申し上げたいと思います。
 私たちはコミュニティーの再生が喫緊の課題であるということを、この三年間、身をもって実感をいたしました。やはり、お金では得られない支えこそがコミュニティーである。そして、つくってくださいと言ってもつくってもらえるわけではないというところは、藤谷先生と意見を同じにするところであります。
 やはり、自生的に起きるコミュニティーというものがより活動しやすくするような、あるいは、皆がコミュニティーに参加をしたいと思うような仕掛けをどのようにつくっていくかということが、これからの我々に問われる取組ではないかと思っております。
 あわせまして、外国人児童の不就学問題やあるいは児童虐待の防止など、やはり地域が家庭へ入っていくというような仕組み、意識の改革も必要であろうと思います。
 高齢化の進展あるいは格差の拡大によって地域に出てこられない困難を抱えた家庭に対処していくには、やはり行政の方からアウトリーチを伸ばしていくという姿勢が必要であろうかと思います。既にある乳幼児家庭、乳幼児を育てている家庭への訪問、ホームスタートもありましたけれども、今、国の制度としては、こんにちは赤ちゃん事業がございます。
 こうしたものの徹底であるとか、あるいは就学前健診のフォローとして家庭への訪問健診を行うなど、より家庭へ入っていくためのきっかけ、仕掛けづくりというものについても意識を高めて政策として取り組んでいくべきではないかと思います。
 以上です。
#15
○会長(田名部匡省君) 松岡徹君。
#16
○松岡徹君 民主党の松岡徹でございます。
 尊敬する田名部会長の下で、私は一年間でございましたけれども、充実した議論に参加することができまして、感謝申し上げたいと思います。
 今日のテーマになっています「コミュニティの再生」というのが、極めて重要な少子高齢化のポイントではないかというふうに私も実感をいたしております。
 この間の議論の中で少子高齢化の問題が叫ばれて久しいわけでありますが、その原因は、今までの委員がたくさん述べられたとおりの共通意識を私も持っているところでございます。家族構成の変化が、核家族化、ひとり社会という言葉に代表されますように、変化しております。子育てに対する不安は、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんが教えていくというか代々つないでいくというような、そういう家族関係の変化がまさにもう今定着してしまっているということがあると思います。
 同時に、働く環境の変化がこの間生まれて、女性の社会参加は、しっかりと私たちは受け止めなかったら、女性の権利というものをまた間違った方向に理解してしまう危険性を持つのではないかと思っています。
 そういう意味では、女性の社会参加を積極的に図りながらどのように環境を整えていくのかということが大事。そのことは、父親の育児の役割とかあるいは家庭内における役割というものが重要になってきます。
 しかし、今日の貧困が招く変化というのは、子供の養育費あるいは教育費等々の不安が少子化を招く原因にもなっているというふうに言われております。同時に、婚姻率の低下あるいは親の育児に対する考え方の変化というものがございまして、複合的に少子化の原因が存在しているというふうに思っています。
 しかし、その中でコミュニティーというものをどう再生するのかというのは、元に戻るということではなくて、一つの参考事例が二月に行われた島根、和歌山、三鷹のそれぞれの首長が発した言葉でもありますし、同時に、そのときに参考人で来られた関西学院大学の牧里教授の話にもありました。
 従来の男性優位の世帯単位を基礎とした地域社会を構想するのではなく、個々人の関心や個性を尊重する穏やかな連帯と協働を基本とする老若男女がひとしく参加、参画できる地域社会へと切り替える、こういったことが大事だというふうに私も思っておりまして、そのための政治とすれば、あるいは国とすれば、専門的な支援策をどう今築いていくのかということが大事だと思っています。
 同時に、悲観することばかりではなくて、島根あるいは和歌山、三鷹のそれぞれの首長がおっしゃっていましたように、自らのふるさとを誇りに思って地域再生の努力をしているという実例も話していただきました。
 こういったことを支援するような基本となるような政策といいますか法整備が必要ではないか、すなわち、このような町づくりのための支援策、支援となるような基本法が法制化できないかということをつくづく思っているところでございます。こういった変化をしっかりと私たちは見ていく必要があるだろうと。
 貧困が大きな社会問題になっていますし、少子化の原因にもなっています。高齢化が叫ばれていますけれども、高齢者といいますか、長生きすることは悪いことではなくて、むしろ子供たちの出生が減ったから高齢化が目立っているのではないかというふうに私は思っているわけです。
 同時に、昔は、貧乏であっても貧乏人の子だくさんと言われて、それでも元気に育つという地域の支えがあったわけですから、こういったことがなぜ壊れてきたのかということを見ると、元に戻るんではなくて、それに代わる今日の支援策というものをつくっていくということが大事な視点だというふうに思っておりまして、そこに新たな価値観、すなわち女性の社会参加とか男性の育児に対する参加だとか、そういった新しい価値観も来ておりますので、そういったことも考慮した町づくりの支援のための法整備が今こそ求められているのではないかということを申し上げて、私の意見とさせていただきたいと思います。
#17
○会長(田名部匡省君) 荻原健司君。
#18
○荻原健司君 自民党の荻原健司です。
 かつて東京オリンピックの選手団を率いた田名部調査会長に、心から敬意を申し上げたいと思います。
 今日は、私も、日ごろスポーツ振興を軸に活動している者として一言御意見を申し述べたいと思います。
 スポーツ振興に造詣の深い田名部会長の前で申し上げるのもなんなんですが、私の考え方をひとつ御紹介したいと思いますが、今回特に地域コミュニティーづくりあるいは再生ということで御議論をされてきた中で、私はやはりスポーツというのもこれから特に地域づくり、再生に向けては一役買うだろうと、また、その重要性は増してきているのではないかというふうに思っております。
 これまで地域でスポーツといいますと、小学生でいえば少年団活動あるいは学校の部活動、またその上へ行きますと例えばママさんバレーのような活動がある、更にその上へ行くとゲートボールというような活動があったかと思いますが、これは、よく考えてみると、なかなか横の交流がなくて、ほとんど世代で割れているような状況があると。
 これではやはり、地域のスポーツといっても、世代別に皆さんそれぞれ一生懸命されていますけれども、なかなか交流がないという上で、じゃ、これが果たしてスポーツを通じたコミュニティー、交流かなといえば、なかなかそうではないということだというふうに思います。
 一方で、やはりスポーツの現場もいろんな様々なニーズが出てまいりました。
 今、世代で縦で割れていたものを、ちょっと横ぐしでつながっていこうということももちろんそうですし、あるいは今、南野先生からも御報告がありましたが、放課後子供居場所づくりでしょうかね、こういったことも含めて、子供たちの居場所づくりということでもやはりスポーツというのは重要な役割を果たせるというようなことも、いろいろ申し上げる時間はありませんけれども、特にそういう地域の様々なニーズを受けて、政府といいましょうか文部科学省が今、総合型地域スポーツクラブの育成事業をスポーツ振興計画に基づいて実施をしておりまして、今全国の各自治体にスポーツクラブが大変できてきているのは御承知のとおりかというふうに思います。
 要は、そういったスポーツクラブがもう多種目、多世代といううたい文句でクラブが立ち上がっておりまして、これまでのような世代で縦に割れていない新しい地域のスポーツクラブというものが出てまいりました。
 私はこういうことがやはり世代を超えたコミュニティー、地域づくりに必ずつながっていくというふうに思っておりますので、是非とも、現在文部科学省が取り組んでおります総合型地域スポーツクラブの育成事業というのは大いに賛成し、力強く応援していきたいというふうに思っておりまして、是非とも会長にも、更にこういったスポーツを通じた地域のコミュニティーづくりにお力添えいただければというふうにお願いを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。
 ありがとうございます。
#19
○会長(田名部匡省君) 紙智子君。
#20
○紙智子君 ちょっと先ほど言い切れなかった部分もあるので、併せて発言をさせていただきたいと思います。
 この少子高齢化・共生社会調査会ということで私も参加をして、やっぱりこの問題はどう考えたらいいんだろうというようなことをいろんな角度からやっぱりフリーに、よく視察もしたりしながら深めていくというところでは、すごく自分自身も認識も深めることができて、そういう意味で非常に意味のある調査会ではないかというふうに思っています。
 それで、先ほどもう一つ言いたくて時間がなくて言えなかったんですけれども、ドメスティック・バイオレンスという問題についてはこの調査会で、元は共生調査会というふうに言っていたと思うんですけれども、調査会で手掛けて、そして法を作ったと、議員立法という形で作った経過があったというふうに思うんです。
 それで、私は最初DVというのはよく知らなくて、初めてその調査に行って話を聞いたときに、本当にびっくりしたんですね。夫婦でありながら暴力に遭って、本当にあごの形も変わってしまうぐらい殴られたり死の恐怖を感じたりという中で、ところが、全然、訴えても夫婦のけんかには、まあ犬も食わないということで全然関心を持たれないというようなことで、暴力を振るわれている方が逃げなきゃいけないという状況があって、どう考えてもおかしいし、何でこういうことが通るのかというふうに最初は非常にショックを持って受け止めたわけですけど。
 でも、その問題をドメスティック・バイオレンスという形でやっぱり理論的にも整理をして、考え方もはっきりさせて、そしてやっぱり必要な法律を作ろうということで、南野先生なんかはその出発からやられてきたと思うんですけれども。
 そういう形でやっぱり議論し、超党派の取組でこういうものを一つ作り上げてきたのはすごく大事だと思いますし、それが一回、二回と法改正ということで進んできている中で、今回、三次改正に向けての要望もまた出されているということで、更なるやっぱり改正を行えるようにということを一つ願っているわけです。
 それで、とりわけ財政難の中で活動を事実上休止するような民間のシェルターなんかもあったりして、ここがずっと最初から寄り添ってやってきているということがあるわけですけど、財政難でやめざるを得ないようなところもあるという中で、先日、質問の中で福島大臣が、この民間団体の財政支援ということでは運営費のことも含めてもう本当に優先してやらなきゃいけない課題であるという認識を述べられていて、こういう内容を始めとして、今例えば予防教育の問題についてどうするかということが出されているし、予防教育というのは、要するにそういうことに発展する前にちゃんと教育を受けて、これがドメスティック・バイオレンス、いけないことだということが分かるようなことをやっていくということですけれども。
 こういう教育の問題ですとか、市町村の基本計画にきちっとセンターの設置の問題とかも入れていく問題はどうかとか、あるいは、その対象について、夫婦間ということで来ているんだけど若い人たちの中でも同じようなことが発生しているということで、そういう問題はどうか、それから、緊急の、釈放時の保護命令という問題ですとか、いろいろテーマというのは出されていて、こうした一つ一つの問題を、是非また一定の時間を取って検討をして三次改正に向けられればということを願っておりますので、そのことを申し添えて意見ということにしたいと思います。
 以上です。
#21
○会長(田名部匡省君) 水岡俊一君。
#22
○水岡俊一君 この調査会では「コミュニティの再生」ということで論議がずっと続けられてきたわけでございますが、この共生社会にコミュニティーの再生が必要不可欠なものであるということはもちろんもう言うまでもないことであります。
 私にとって、では、そのコミュニティーの再生がどう必要なのかということについて少し意見を述べたいというふうに思っております。
 向こう三軒両隣という言葉がございますが、私自身を振り返ってみますと、地元でお世話になっている近所の方々十軒を挙げて正確に名前と顔を判断できるという自信があっても、これが二十軒、三十軒になると、どこまで正確に言えるのか、自信がなかなか持てません。
 そういう意味では、地域でのコミュニティー、共生という観点において、私自身、なかなか縁遠いのかなと、そういうふうに反省をするところであります。私は兵庫県出身で、かれこれ三十年ほど神戸市民として暮らしてきました。今の住所地には二十五年以上おるわけでありますが、そういった人間でこんな状態ですので、お恥ずかしい次第でございます。
 今から振り返ってみますと、神戸では十五年前に阪神・淡路大震災がございました。そのときには、兵庫県内の犠牲者は六千四百人を超えておりましたし、負傷者は四万人を超えました。京都府、それから大阪府を加えますと、死傷者は六千四百三十四人に上ったという大惨事、大災害がございました。
 今、人と未来防災センターで活躍をされておられる河田京都大学名誉教授が人命救助ということに絞ってデータ分析をされたところによると、そのときに家屋に閉じ込められた被災者の人たちというのが十六万四千人程度いらっしゃったと、こういう情報がございます。
 その中で自力で脱出した人は八割近い十二万九千人、救出してもらった人々が約三万五千人いらっしゃった。この救出された三万五千人のうち、消防団を含めた消防、警察、自衛隊といった、そういう公的な機関によって救出された方々というのは七千九百人。助け出された方の約二二%、四人に一人。ところが、それに比べて、家族あるいは隣人、それから地域の人たち、ボランティア、そういった方々、民間人によって救出された人は、総数で約二万七千百人、率で七七%。四人のうち三人は近所の方々に助け出されたと、こういうことであります。
 いろんな災害のときに、今、紙委員からも災害時におけるコミュニティーの問題も御指摘があったところですが、災害時における命を守るということについてコミュニティーほど大切なものはないんじゃないかなと、こんなふうに私は感じているところです。
 私たち民主党は、新しい公共というテーマを掲げているところでありますが、人を支えていくという役割を官の人たちだけに押し付けるんではなくて、新しい公共という言葉で示されるように、教育や子育て、町づくり、防犯、防災、医療や福祉というものを地域でそういった役目を担ってお一人お一人が参加をしていく、そういう社会を築いていかなきゃいけないんじゃないかと、そんなふうに思うわけです。
 今、団塊の人たちが定年をお迎えになって、そういった社会に、高齢化の社会の中でお暮らしになる、そういった人数が増えてきているわけですが、職業生活というのが中心であって、全く地域との関係が薄かった人たちがこれからどんどんとそういう社会でお暮らしになる、そういう状況がございます。
 地域力を向上させるためには、この団塊の世代の方々にも地域に目を向けていただいて地域活動に参加をしていただける、あるいは参加をしていくんだという、そういう環境をつくる必要が私たちにはあるんだということを考えているわけであります。
 まさに様々な人たちがそれぞれの持っている力を合わせて共助の社会をつくっていく、そういった共助によって支えられるコミュニティーを私たちはつくっていくことが大事ではないのかと、そんなふうに思っております。
 私の意見でございました。ありがとうございました。
#23
○会長(田名部匡省君) 義家弘介君。
#24
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 この調査会に三年間属しながら、様々な角度からこの少子高齢化・共生社会に関して、コミュニティーに関してのこと、議論が行われてきたわけですけれども、私自身思うのは、まず、ならばこの国がどういう方向性に向かっていくのかというしっかりとした旗がないと、各論を議論していてもその方向に進んでいかないような気がします。
 例えば、少子化の問題、私も幼い子供を持つ一人の親ですけれども、じゃ、少子化対策って具体的にはどうすればいいのかという中で、子供の保護者たちとも話しますけれども、例えば、これも一つの意見で、そうじゃない意見ももちろんありますけれども、子ども手当が配られたからといって少子化対策にはならないよねという話も当然出てくるわけです。
 つまり、月々一万円、二万円渡されたから、じゃ、もう一人子供をつくろうと考えても、大学に行ったら大体、首都圏の子は自分の自宅から通えるという者もいるかもしれませんが、田舎の方から東京の大学に出ていくとなると、一人頭どのぐらい掛かっていくのと。そういうふうに二十年後、三十年後のことを考えるとなかなかつくろうと踏ん切れないと。一方で、さあ余裕ができてつくろうと思ったら前の子との年齢差が物すごく空き過ぎちゃって、このまま子育てしたら定年後になってしまうからやっぱりやめておこうかというような状態にもなっている。
 例えば、少子化対策で出生率を上げるというならば、じゃ、具体的には第二子に対してどのぐらいの手当てをするのか、あるいは第三子に対してどのぐらいの手当てをするのか。そういう目標、目的そして具体的ビジョン、効果を持って政策というのは進めていかなければならないだろうなと私自身は感じております。
 そしてまた、高齢化の問題もそうですけれども、先ほど水岡先生が団塊の世代のお話をしましたが、間もなく団塊の世代が年金受給年齢になるわけです。そして、それをお支えする現役世代の数が、ある意味では二人の現役世代で一人の高齢者をお支えするという社会がもう目前にやってきているわけですね。
 そうすると、私は大学でも今教鞭を執っていますが、学生はこう言うわけです。一人の高齢者が安心して暮らすためにはやっぱり二十万円ぐらいは必要だと思いますと。つまり、二人で一人の高齢者をお支えするには、僕らは十万円負担しなければなりませんよねと。しかし、僕らの初任給は二十万弱ですと。そこから十万円出ていったら僕ら自身が生活ができないし、結婚もできないしというような状態になるわけですね。
 つまり、高齢化、高齢者の方々と会えば会うほど思うんですが、本当に見識のあるばりばりの六十代、七十代という人がたくさんあふれているわけですね。つまり、高齢化、高齢者と言わずに、この人がどういう役割を担えるのか、そしてこの人たちを、あるいは助けを必要としている人をどういうふうに支えられるのか、このすみ分けの議論もしっかりした上で、その頑張れる人、自助の上で生きていける人が尊敬されるような地域づくり、これは一番必要であろうと思います。
 いずれにしても、子供が減って団塊の世代等が年金受給年齢、高齢化していく中で、この社会を抜本的に未来、二十年先、三十年先のビジョンを持って変えていかなければならない過渡期にあると思いますので、一つ一つの議論は非常に重要であったなと思います。
 その上で、共生社会、これも同様でして、どういう日本という国をつくっていくのか、どういうふうにきずなを再生していくのか。
 私はよく、日本は得意なんですけれども、何でも横文字でコミュニティーなんて言うわけですけれども、じゃ、コミュニティーとは何ぞやという話なんですね。私自身は、これをやっぱり突き詰めたら、きずなだろうと。一人と一人、近所と近所のきずなというものを大切にする。じゃ、きずなって何だろうといったら、突き詰めたら、私は最後は感謝だと思うんですね。
 そういう感覚でいくと、ありがとうが言えない子供が多いですね、子供ともよく接していますけれども。ありがとうという言葉が日常的に出てくる教育現場をしっかりとつくっていくこと、これも非常に重要なことであろうなというふうに考えます。
 さらには、都市なのか郡部なのか。それぞれの地域地域でやっぱりこれは各論として結論を出していかなければならない重要なものだということを新たにしました。
 そして、最後に私自身の信念を言わせていただけば、私はある意味では自助というものに非常に失敗した少年時代を過ごしてきたわけですけれども、その上で学んだのは、自分がしっかりしていなかったらだれかを支えることなんかできないということをすごく学んだような気がしました。だれかに何かを頼る前にまず己がしっかりとしなければ、だれも大切なものを守れないということを人生を通して学んだような気がします。
 つまり、やはり自助は尊いことであり、誇らしいことである。自助、まずこれをしっかりと進めていく。すると、必ずそれが尊敬されれば助け合いの精神、共助の精神というものが生まれ、そしてそれでも足りないという部分が明確に地域や社会の中でなって、そこには集中的に温かい公助の手を差し伸べていくと。この前提に立った上でもう一回社会全体で考え直すべきなのではないかなと思います。
 ちなみに、私は子ども手当は受け取りません。
 以上です。
#25
○会長(田名部匡省君) 岡崎トミ子君。
#26
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 今のお話を伺ったのではこちらも発言をしないわけにはいかないなというふうに思いまして、時々新幹線でも大学の教鞭を執りにいらっしゃるのにお目に掛かって、忙しい人だなというふうに思っておりましたが。
 私どもも、子ども手当というのは、子供をこれからどんどん、合計特殊出生率を上げていこう、産むような気持ちになってもらおうということは、だれもそうだというふうになかなか思えていないんですね。そうではなくて、今生まれている子供たち、その子育てと子育ちを社会全体で支えていくというそういう社会をつくっていきたい、そのためには子供はみんな平等に子ども手当をという、そういうふうにして議論が進められているなというふうに思っております。受け取らないということについてはとても残念なことだなというふうに思っておりますけれども。
 そうして子供たちに着目をしていくということがこれまでは余りなかったんですね。場当たり的にこれに対処、これに対処、これに対処というふうに言ってきたけれども、今まではどちらかというと社会保障の方に、お年寄りの方に予算が十分投入されておりましたけれども、子供たちに対しては予算が投入されていなかったということも含めて、そこの転換をしていきたいという発想がございました。
 それで、今日のテーマなんですけれども、私は大前提として男の人も女の人も地域で時間を使えるようにしていかなきゃいけないというふうに思うんですね。地域力のアップのためにはやはり長時間労働では駄目でありますので、仕事と家庭の両立支援ですとか、多様な働き方の支援が必要だというふうに思っています。
 それから、地域での活動を支える制度として、皆さんのお話の中にも先ほどあったと思いますけれども、NPOの支援税制、これをしっかりとつくっていかなければいけないというふうに思います。また、現場の声が施策に反映されるということが大変重要でありますので、一歩進んで、特に自治体ではやはり住民が主役のそれこそ自治が実現する必要があるだろうと思いますし、これが民主党の目指しているものでもございます。
 それから、政策の策定過程とか制度をつくる過程にはNPOや住民が実質的に参加できる制度が必要で、私もここで質問をいたしましたときに、審議会の在り方について変えていかなければいけない、これはまた、すぐにやろうと思えばできることなのかなという提案もさせていただきました。
 自ら新しい公共を担おうという動きとうまく連動していかなければならないというふうに思っておりますが、そのためには、国も自治体も政治家も想像力を働かさなくてはいけないと思いますし、田名部会長は、スポーツ、アイスホッケーで全日本を優勝に導くということですと、一人一人の、そのチームの持っている力というものをどうつなぎ合わせて、そしてそれを一つのものにより高めていくという、そういう仕事をされてきたというふうに思っておりますけれども。
 私もついこの間お話を伺ったところでは、例えば地域再生とか地域活性化というときに、農村地帯で農協が中心になってやっただけでは駄目、漁村地帯で漁連の人たちが頑張るだけでも駄目、町づくりのために商工会議所が頑張るだけでも駄目、再生のあるいは活性化のというふうに言うときには、自治体も頑張る、行政が頑張る、それから農協も頑張る、農民も頑張る、漁民も頑張る、商工会議所も頑張る、そしてNPOも頑張る。そういう人たちが一堂に会して何が必要なのかという話合いを、その提案された方は五十回もやっているという、そういう話を伺ったわけなんですけれども。
 本当に、新しい公共を担ったり、何か新しいものをつくっていくときに、無い物ねだりではなくて、誇りを取り戻していく、その地域の中にあるものを、もう一回、ある物探しをしていくんだということ。いろんな制度が今ありますし、またいろんな地域資源があるんだということを、情報としてもしっかりと必要なところに伝えていく。そのことも重要で、制度、人、ノウハウ、その情報が有効につながることの必要性というのをまたこの委員会を通して認識をいたしました。
 国が上からやるような仕事ではないということをいろんな方がおっしゃっておりましたけれども、地域の連帯感、あるいは下支えをするという提案がございましたけれども、まさにつなぐ仕事、このことが私は手だてを考えるときに一番重要なことではないかというふうに皆さんからも教えていただきました。
 ありがとうございました。
#27
○会長(田名部匡省君) 中山恭子君。
#28
○中山恭子君 御指名くださいまして、ありがとうございます。
 私自身、この調査会にはごく最近参加するということで、ある意味では新米でございます。それから、今お話ししようとしていることも、特に自民党の中で意見が一致しているという、そういうことではありませんので、極めて個人的な考え方かもしれませんが、いろいろお話を伺っていて、それぞれにとてもいいアイデアがたくさん出されていますので、つい私もお話しさせていただきたいと思います。
 今の話のついでで、義家先生のついでになるかもしれませんが、私自身、中央アジアの国ウズベキスタンの特命全権大使を三年間しておりました。この地域には、シベリアから抑留者の方々が強制移送されて、仕事、重労働に従事しておりました。ところが、今でもこの中央アジアの国の人々は、日本人ですと言っただけで何の疑いもなく信頼を寄せてくれます。
 もう六十年以上も前のことですけれども、ここで重労働に携わっていた日本の若者たちほとんどが二十代、三十歳前後くらいの人、若者たちですが、収容所から出るときにはあいさつをし、隊列を組んで工事現場に行き、そこで仕事をして、また隊列を組んで戻ってくる。こういった動きをその町の人々は見ておりました。その見ていた年配の人が子供や孫に語り継いでくれておりまして、日本の人々は非常に規律正しい人たちだった、それからうそを言わない人たちだった、そして弱い者いじめをしない人たち。
 何かウズベクの人も日本人と非常によく心が似ているアジアの人々でして、自分の家にできた果物とか親が焼いてくれたパン、パンといってもこんな大きな三十センチくらいのパンなんですが、そのパンを、ラーゲリ、収容所には何もなかったので差し入れをした。垣根の破れたところから差し入れをしたら、そこに何日か後に手作りの木のおもちゃが置かれていたということで、自分たちは親たちから、日本の人々は規律正しく、うそをつかない、物を作るのが上手で、非常に礼儀正しい人で、何か物をもらえば必ず自分のできることでお返しをしてくる、そういう人たちなんだ、あなたも日本の人たちを見習って大きくなってほしいと、そういうふうに言われて育てられたんですというような話がもう至るところにあります。
 日本人墓地がウズベキスタンだけで十三か所あるんですけれども、そのどこででも働かされていたというような状況でございました。この若者たちが特に何かしゃべるとか演説するとかするわけではなくて、もう日常の生活をしているという中でそこの国の人々に感銘を与えて、六十年たった今でも日本人というのはすばらしい人だと。
 昨年ロシアのモスコーで行われた日本語弁論大会で、キルギスの人が、日本人というのはそういう人たちだと聞かされていた、非常にすばらしい人だと思って尊敬していたけど、何かロシア語を教えてもちっとも上手にならないという弁論が、そのくらい日本人というのが尊敬されております。
 この人たち、千九百二十何年生まれの方々ですけれども、日本で何か特殊な教育を受けた人ではなくて、まさに家庭で日本的なしつけをしっかり受けた若者たちだったんだろうと考えておりまして、やはり日本の社会が持っているそういう非常に貴重なものというのは国際社会の中でも通用するものであり、尊敬されるものであるということをこの三年間ひしひしと感じて過ごしておりました。
 そういった意味で、もちろん社会という一つの中で個人というのが大切だということはよく分かっておりますが、やはり家族、家庭での生活というんでしょうか、しつけといったそういったものが非常に大切であろうというように考えております。
 先ほど、お寺さんとか神社のお話も出ておりました。そのコミュニティーの、コミュニティーと言っていいのかどうか、片仮名ですけど、その地域の社会でそういったところが自然にその地域の人たちのつながりをつくっていく場にもう一度なったらいいなというようにも思っておりますし、高齢者が増えていくというか、六十歳でもみんな元気であれば、その人たちが、定年制をどうするかというのはいろいろ問題があるかもしれませんが、しっかりした形で働く場をずっと持てるというような社会をつくることも必要であろうと思っております。
 それからもう一つ、核家族ということについてもう一度考えていただけないものだろうかと。母親と子供で一日中過ごしていたら、やっぱり両方とももうやり場のないような思いになってしまう。やはり、例えば住宅を造るについて、三世代が住めるような住宅を、すべてというわけにいかないんでしょうが、アパートならアパートの中の幾つかは三世代が住めるというか、ドアを仕切ってでも隣り合わせに住めるような、そういう住宅政策を取るとか、義務付けるとか、そして三世代が一緒に住む。
 年寄りから子供が学ぶことも多いでしょうし、子供がそこへ逃げ場所というのもあってもいいでしょうし、それから、年寄りも子供の面倒を見ながら学ぶこともたくさんあるだろう、元気をもらうこともあるだろうというようなことで、やはり戦後、核家族にならざるを得なかったとは思いますが、もう一度、核家族ではない大きな家族が一緒に又は近くでもいいと思うんですが、住んでつながりを持てるような、そういうことをちょっと復活できないものかななどと、個人的にはそんなふうに思っております。
 これは一つの行政だけではできない話かもしれませんし、また、行政も一つの省庁ではなくて幾つかの省庁で非常に強いつながりをつくった上で、日本の将来というものを明るくて落ち着いた調和の取れた社会づくりというものが、行政もそれから行政ではない人たちも意見交換しながら一緒につくっていきたい、できる、日本の社会であればできると、そんなふうに考えております。
 済みません、きちんとしたプロの話ではなくなってしまったかもしれませんが、発言の場をいただきまして、ありがとうございました。
#29
○会長(田名部匡省君) 友近聡朗君。
#30
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 中山先生のすごいいいお話を聞かせていただきまして、ありがとうございました。
 民主党、多分私が最後になると思いますが、私も一児を育てる父親として、私は子ども手当をもう早速申請してまいりましたので子ども手当はもらえると思いますけれども、子育てに、これから第二子もつくってまいりたいなというふうに思っております。(発言する者あり)三子も頑張れということなので、三子も頑張れればいいなというふうに思っています。
 少子高齢化とコミュニティの役割ということで、いろんな皆さんのお考えを聞かせていただいて大変参考になりました。
 私自身、コミュニティーというのはいわゆる人と人のつながりだというふうに思っています。先ほど義家先生からきずなということも言われましたけれども、きずなという字は糸に半分の半と書きます。糸はどっちかが力強く引っ張ってしまうと切れてしまうと思います。その意味では、お互いに相手の力加減を考えながらきずなをつくっていかなければいけないのかなと。それは国と地方でも一緒ですし、人と人との関係も同じではないのかなと思っています。
 そして、尊敬する田名部先生そして荻原先生、オリンピアン二人を交えまして、私も、スポーツを通してコミュニティーのお話、今日はちゃんとした、ちゃんとしたというか、堅い文章を持ってきたんですけれども、スポーツのお話を体験談を交えてお話しさせていただければなというふうに思います。
 先ほど荻原先生から総合型スポーツクラブのお話がありました。皆さんにも少し考えてもらえたらと思うんですが、総合型スポーツチームというのは余り聞いたことないんだと思います。
 何でクラブかということなんですが、ここに明確な答えはないと思うんですが、スポーツジャーナリストの二宮清純さん、私と同じ愛媛の、ふるさとが同じでよく話するんですが、チームというのは目的を達成すると解散してしまう、いわゆる何かの大会に向けて、終わると解散してしまう。日本のオリンピックチームもそうかもしれませんけれども。
 クラブというのは家族で、家庭であり、これは解散しないと。たまに解散する家庭もありますけれども、基本的にはまず解散しないのがクラブだということで、私も所属していましたJリーグというのはクラブという名前を使います。当初、発足したとき十クラブでしたけれども、今は三十七クラブまで増えました。
 分かりやすく言えば、総合型スポーツクラブというのはデパートと同じだと思います。私も幼少のころ、出かけるときに親に手を引かれて連れられて、わくわくしながらデパートに行ったのを覚えています。そして、それぞれの身の丈に合ったお店があって、それぞれが楽しめると。そして、また手を引いて帰っていくという意味で、チームとはまた少し違うのかなと思います。
 そして、私は二十五歳くらいのときにドイツに留学していました。ある友人が遊びに来まして、友近、ブンデスリーガを見に行こう、日本でいうとJリーグですが、見に行こうと言うので、僕はまだ見に行ったことありませんでしたが、アウトバーンで車を運転しながらスタジアムに、カイザースラウテルンという人口十万人の町に向かって車を飛ばして行きました。
 そうすると、だんだん町に近づくにつれて、アウエーのチームとホームのチームの車が並走しながら、マフラーを車に挟んで走っているのでどっちのサポーターかというのがすぐに分かります。そういう人たちが中指を立てたり雄たけびを上げながら、だんだんスタジアムに近づいていくんですけれども。
 今は日本でも大分浸透してきましたけれども、パーク・アンド・ライドと言って少し遠くに車を止めて、バスに乗って、そこはもうホームもアウエーも入り乱れて、前節の試合などがテレビで放映されながら、フリッツ・バルタースタジアムは小高い丘の上にありましたので、ナイターの試合でしたので、そこだけがスポットライトを浴びて宙に浮いたようにスタジアムが見えていました。
 そこをぐうっと上がっていって、みんなが歌を歌いながら、一人、二人だったのがだんだん集団になっていって、だんだんわくわくしながらスタジアムに行きました。
 マッチ箱のような切り立ったスタジアムで、日本のスタジアムは陸上競技場があるところが多いので少し見づらいところもありますが、身を乗り出すと転げ落ちそうなスタジアムでした。サポーターの皆さん全体が手拍子と足の踏む音とあと声、太鼓とかそういうものは鳴り物は一切なしで、わあわあわあという声がスタジアム全体にこだまするんですけれども、その振動がスタジアムいっぱいに鼓動がわあっと下から込み上げてきて、僕が全身で受け止めたときに両腕を見たら、鳥肌がぶわっと立っていました。
 僕がそのとき思った感情は、このクラブを、このチームを応援していけば、僕は一生幸せに生きていけるだろうと思いました。自分がプレーヤーとして点を取って鳥肌を立てたことはありましたけれども、スポーツを観戦して鳥肌を立てたというのは初めての経験でありました。
 翻って、日本にはそういうのがあるのかなと考えたときに、例えば私はナイターの世代で育った世代ですけれども、祖父や父は、阪神とか巨人の試合を見て、今日ごひいきのチームが勝ったといえば美酒を飲んで、負けたといってもやけ酒を飲んで、勝っても負けてもお酒は飲むんですけれども、そういったごひいきのチームがあることによってその家庭や地域の生きがいになるというような、そういうものが野球にはあったなと。
 じゃ、自分は何ができるだろうというので、まずプレーヤーとして、まだその当時地元に、ふるさとにJリーグのクラブをつくってみようというのが私の夢に、トライになりました。
 そのスタジアムを見に行った後、僕は四部のチームと七部のチームに所属したんですが、ドイツで、七部のチームというと町対町の、永田町対霞が関ぐらいの対決になるんですけれども、それでも芝生のグラウンドがきちんとあって、クラブハウスがきちんとあって、毎週木曜日には市の芝生の手入れをする人たちが周りに来て、金曜日にはブンデスリーガのごひいきのチームの試合をテレビやスタジアムで見て、日曜日には午前中ミサに行って、午後にはおらが町のチームを応援に行くというライフサイクルがあったんですが、そこで、スーパーもデパートも休みで、子供たちが親に手を引かれて、みんなの憩いの場になっていました、そのクラブが。
 そして、そこでパラソルを広げてデッキを広げて、ソーセージを焼いてビールを飲んで、試合はとっくに終わってもその輪は解けずにみんながいろんな話をして、夕刻になるとだんだんその輪が少しずつ解け始めて、またみんな自分の家庭に戻っていっていました。ああ、彼らは人として豊かに生きているなということをヨーロッパですごく感じました。
 そして、地元に帰って、一つのキャッチフレーズを掲げました。愛媛にJリーグができればそこがディズニーランドになるという長いキャッチフレーズなんですけれども、掲げまして、友近さん、それどういう意味ですかとよく聞かれました。
 田舎の愛媛に本当にディズニーランドができるわけないんですけれども、皆さんもディズニーランドに行ったことあると思いますが、いわゆる非日常的な空間で、子供たちからお年寄りの皆さんまであの非日常な空間を楽しめると。外の世界が一切見えなくなっている。
 いろんな要素がありますけれども、僕にとってのディズニーランドというのは、愛媛の人がディズニーランドに行くとき、半年ぐらい前から計画立てます。お父さんの休みをいつ取るか、お母さんは家計のやりくりをして、子供たちはガイドブックを広げて日めくりカレンダーを作って、ああ、お母さん、お父さん、夏休みが来るのがわくわくするねと。
 家族がそういった一つの幸せ、そういったディズニーランドへ行けるというのを目標に家族の会話が広がって、またつながっていくというようなことで、そのキャッチフレーズを掲げさせていただきました。
 今では有り難いことに、本当に御年配の方、お孫さんとの会話がそのごひいきのクラブで話題が広がるとか、そのごひいきのクラブのユニホームを着て、孫とおじいちゃんとおばあちゃんが手を引いてそのクラブの試合を見に行くというような光景が私のふるさとでも見受けられるようになりました。
 その意味で、すごく、先ほどアイデンティティーの話もありましたけれども、戦争を知らない僕たちの世代、僕が初めて日本というのを意識したのは二〇〇二年のワールドカップのときでした。その意味では、本当にスポーツというのにはすごい力が秘められているなというふうに思います。
 そして、中山先生が先ほども言われたように、やはり家族というのが僕は一番の核、基になると思っています。この街に生まれて良かったと思えるようなふるさとづくりをしたいという意味でスポーツの方から政治の舞台にピッチを私は移したわけなんですけれども、お父さん、お母さんの子供に生まれて良かったと言ってもらえるのが家族の幸せじゃないかなというふうに思っております。
 地元の歌に、この街で生まれてという歌があるんですけれども、この街で生まれて、学校に行って、恋をして、結婚して、子供ができて、おばあちゃんになりたいというような歌ですけれども、そういったことをまたスポーツを通して皆さんと一緒につくっていければいいなというふうに思っております。
 まとまらない意見になりましたけれども、以上で私の意見の表明を終わらせていただきます。
#31
○会長(田名部匡省君) 御意見も尽きないようでございますが、本日の意見交換はこの程度で終了いたします。
 委員各位からは貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理し、各理事とも相談の上、最終報告書を作成してまいりたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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