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2010/02/17 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
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2010/02/17 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号

#1
第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
平成二十二年二月十七日(水曜日)
   午前十時十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任   
     金子 洋一君     松浦 大悟君
     西田 昌司君     若林 正俊君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩永 浩美君
    理 事
                犬塚 直史君
                富岡由紀夫君
                姫井由美子君
                松山 政司君
                浜田 昌良君
    委 員
                小川 敏夫君
                大久保 勉君
                加藤 敏幸君
                木俣 佳丈君
                行田 邦子君
                武内 則男君
                津田弥太郎君
                轟木 利治君
                広中和歌子君
                藤末 健三君
                藤原 良信君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                柳澤 光美君
                米長 晴信君
                岡田 直樹君
                木村  仁君
                佐藤 昭郎君
                山内 俊夫君
                山本 順三君
                若林 正俊君
                谷合 正明君
   副大臣
       外務副大臣    福山 哲郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
       常任委員会専門
       員        諸星 輝道君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       佐渡島志郎君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        緒方 貞子君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  橋本 栄治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岩永浩美君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨十六日、西田昌司君及び金子洋一君が委員を辞任され、その補欠として若林正俊君及び松浦大悟君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩永浩美君) 政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務省国際協力局長佐渡島志郎君の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として独立行政法人国際協力機構理事長緒方貞子君及び同理事橋本栄治君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩永浩美君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。
 本日は、平成二十一年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 御意見を表明していただくのは、第一班のフィリピン、シンガポール、インドネシアについては若林正俊君、第二班の米国、カナダについては藤末健三君、第三班のフランス、ケニア、ウガンダ、南アフリカについては木俣佳丈君、第四班のブラジル、パナマ、ペルーについては藤原良信君です。
 なお、御意見を表明される際は御着席のままで結構です。
 それでは、まず、第一班の若林正俊君からお願いをいたします。若林正俊君。
#6
○若林正俊君 ODA調査第一班について御報告いたします。
 第一班は、昨年十月十一日から十九日までの九日間、フィリピン、シンガポール及びインドネシアに派遣されました。
 派遣議員は、松浦大悟議員、石井準一議員、そして私、若林正俊の三名でございます。
 以下、調査を通じて得るに至った所見を中心に御報告いたします。
 まず、フィリピンでは、直面する食料問題を中心に、国連世界食糧計画(WFP)フィリピン事務所、フィリピン稲研究所、同国政府に勤務する日本人農業専門家から意見を聴取しました。また、ODAの取りまとめの役割を担う国家経済開発庁から、我が国ODAの活用状況及び開発計画の現状等について意見を聴取しました。
 今般の派遣を通じて、フィリピンの食料問題、貧困問題が深刻な状況にあることを強く認識しました。農業支援は、対フィリピンODAにおいて、インフラ整備や地方開発と並ぶ主要分野の一つとなっています。
 しかし、現地では、飢餓が深刻であり、特に、紛争が激化しているミンダナオ島や台風被害を受けたルソン島中部地域において深刻な状況となっていること、フィリピンは世界一の米の輸入国であり、稲作技術の向上が大変重要な課題となっていることなどの説明がありました。フィリピンの人口増加率の高さを考えると、今後食料問題が一層深刻化していくことが懸念されます。
 我が国としては、引き続き農業分野の支援に努める必要があります。さらに、紛争や自然災害などの緊急時のための食料備蓄を実現する方策として、例えば我が国に輸入が義務付けられているミニマムアクセス米を人道的、緊急的な観点から何らかの形でアジア地域に一定量備蓄するような方策の検討を進めるべきではないかと考えます。
 次に、インドネシアでは、ODAの取りまとめの役割を担っている国家開発企画庁を訪問し、円借款による気候変動対策プログラム・ローンの活用状況等を中心に意見を聴取したほか、具体的なODA事業を視察しました。
 気候変動対策プログラム・ローンは、二〇〇八年八月、クールアース・パートナーシップに基づく円借款の第一弾として、インドネシア政府に対し総額約三百八億円の供与を行ったものです。その円借款は、気候変動対策を支援するためのODAによる初めての試みであり、この取組の成否は今後のODAの在り方にも大きな影響を及ぼすものと考えられます。
 一方、この円借款は、個別プロジェクトに対応した融資ではなく、資金が結果的にインドネシアの財政赤字の補てんに使われるという側面もあります。本件が所期の成果を上げるためにも、気候変動対策の取組状況に対する監視と評価の役割が一層重要となります。
 しかし、我が国外務省がホームページに掲載している本件の監視と評価に関する情報量はわずかなものにとどまっておりました。これではいけないと考え、議員団所見において改めるよう指摘したところ、先日、外務省から、国民が詳細に知ることができるように指摘に沿って見直すとの報告がありました。
 素早い対応に感謝するとともに、引き続きODAに関する国民への説明の充実に努めていただきたいと思います。
 このほか、視察を行った障害児童向け学校修復計画は、老朽化した校舎の修復工事を支援したものであり、障害者に対する受皿が不十分な現地の切実なニーズに即した有益な援助でありました。
 また、警察改革支援では、科学的な捜査方法の指導や交番制度の導入が進められており、治安の改善に寄与することが期待されておりました。
 さらに、国立史跡公園建設事業は、世界文化遺産に登録された寺院の保全や史跡公園の整備を進める事業で、観光資源としての価値が一層高まることが期待されておりました。
 これらの事業は、ODAとしての規模は小さいものの、現地のニーズをよく踏まえた良質な案件であり、改めて、ODAは援助額の大きさもさることながら、援助の質が重要であることを実感しました。
 次に、シンガポールでは、外務省を訪問し、援助実施国としての援助政策や援助動向について意見を聴取しました。また、アジア海賊対策地域協力協定に基づく情報共有センターも訪問しました。
 現在、シンガポールは被援助国から卒業し、援助を行う側となっております。その援助のほとんどは研修生受入れなどによる技術協力であり、我が国は、二十一世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラムという二国間協定に基づき、一部の研修等に係る費用を日本、シンガポールで折半して負担しております。
 しかし、本件支援は、シンガポール政府からは感謝されているものの、世界中から来る研修生にとってはシンガポール政府による研修と受け取られかねず、我が国が資金協力していることが見えにくいという側面も否めません。厳しい財政下の下で実施されるODAを日本の国益にかなうものとするためには、より顔の見える援助とするような工夫について政府の一層の検討を求めたいと考えます。
 また、アジア海賊対策地域協力協定に基づく情報共有センターでは、海賊事案は最近減少傾向にあるものの、貧困層となった者が新たに海賊行為を働く懸念があるなどの説明がありました。
 次に、フィリピンでは、マニラに本部があるアジア開発銀行、ADBですが、そこを訪問し、開発援助政策等について意見交換を行いました。ADBは日本が米国と並ぶ最大の出資国で、歴代総裁には日本人が就任しております。
 最近では、世界金融危機に対応するため、二〇〇九年から二〇一〇年、二年間で百億ドル、約九千億円の追加支援を決定しています。
 また、長期的な展望として、アジア地域には一日一・二五ドル、約百十円程度ですが、未満の収入しかない貧困層が依然として約九億人おり、こうした貧困の削減のために、ADBでは、民間セクターの育成、公的セクターのガバナンスの改善、女性の地位向上などに力を入れ、他の援助国やNGOとの連携も強化していくとの方針が示されました。
 日本の影響力が最も大きい国際機関の一つとして、我が国はADBへの支援と連携を強化していく必要があります。
 最後に、全般的な所見について申し述べたいと思います。
 第一に、人類が直面している課題への対応であります。
 今回の派遣を通じ、気候変動問題への対応と食料安全保障の重要性を再認識いたしました。特に、気候変動問題に関して、我が国政府は九〇年基準で二五%の温室効果ガスの削減を打ち出していますが、この点について、ODAの分野でも途上国に対する資金協力が必要になるだけでなく、例えば森林投資に我が国が資金協力した場合に、それが当該国のCO2削減になるとともに、我が国に対しても何らかの形でカウントされるような仕組みを考える必要があると思います。具体的には、クリーン開発メカニズム、CDMを更に進めて我が国のCO2削減に直接つながるような仕組みづくりを、困難な課題ではありますが、被援助国の理解を得つつ目指す必要があると考えます。
 第二に、東アジア、東南アジアを重点地域として再認識する必要性であります。
 近年、アジアに対するODAのシェアが低下傾向にあります。特に、二国間ODAに占めるアジアのシェアは、一九八〇年の七〇・五%から二〇〇七年には二八・〇%に低下し、二九・一%を占めるアフリカと逆転しています。ODAの絶対額が減少する傾向にある中でのシェアの低下は見過ごすべきではないと考えます。円借款の純支出額を見ても、フィリピンでは二〇〇七年以降マイナスとなり、インドネシアでも二〇〇六年以降マイナスが続くなど、今や毎年の貸付額よりも回収額が大きい状況となっております。
 一方、さきに述べたとおり、アジアの貧困層は九億人に達しており、援助の需要は依然として大きい状況にあります。二十一世紀のグローバル社会を展望したとき、我が国が立脚していく中心地域が東アジア、東南アジアであり続けるとすれば、さらに、同地域における中国の影響力が高まりつつある中で我が国のプレゼンスを維持していく考えであれば、同地域におけるODAは単に一人当たりGNP等を物差しとして対応するというのではなく、戦略的な重点地域として再認識して対応を行う必要があると考えます。
 第三に、日本企業が円借款を受注しにくい現状であります。
 現地において、円借款の受注に際し外国企業が多く落札し、日本企業が入り込む余地が少ないとの指摘が一度ならずありました。アンタイドである以上、日本が受注できなくてもやむを得ない面もありますが、ODAに対する国民の理解を得る観点からは、大使館などと現地日系企業側との情報交換をこれまで以上に密にするとともに、例えば環境技術を活用したステップローンを一層活用するなど、日本が受注できるような何らかの工夫の必要性について改めて議論の余地があるのではないかと思います。
 第四は、青年海外協力隊とNGOについてであります。
 我々が意見交換を行った青年海外協力隊の方々は、いずれも極めて優秀であるとの印象を持ちました。援助人材の育成については、キャリアパスの確立など、これまでも参議院ODA特別委員会の提言などで再三その必要性が言及されているものの、顕著な改善が見られない状況にあります。政府は青年海外協力隊員などのキャリアパス確立に向け一層の取組を行うべきと考えております。
 また、NGOの方々からも貧困者支援や公衆衛生の向上などの取組状況を伺いましたが、限られた予算の中で頭の下がるようなすばらしい活動をされているとの印象を持ちました。ODAの効果的、効率的活用を図るためにも、政府はNGOの一層の活用を検討すべきだと考えます。
 以上が第一班の調査の概要と所見であります。
 調査に御協力をいただいたフィリピン、シンガポール及びインドネシアの訪問先の方々並びに内外の関係各機関の方々に対し、心からの感謝を申し上げる次第であります。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 次に、第二班の藤末健三君にお願いいたします。藤末健三君。
#8
○藤末健三君 第二班の団長をさせていただきました藤末健三でございます。
 我々第二班は、アメリカ合衆国そしてカナダと視察をさせていただきました。団員は泉信也委員と草川昭三委員ということで、私は一番若輩でございまして、各委員、お二人にはこの十日間、いろんな過去の政治家としての外交の経験などを伺わさせていただきまして、非常に私個人として勉強になりました。ここに感謝を申し上げたいと思います。
 皆様のお手元に参考資料を配付させていただいておりますが、その資料に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。
 二十一ページを御覧になっていただいてよろしいでしょうか。訪問先等一覧というのがございます。
 我々はアメリカとそしてカナダと伺わさせていただきましたが、目的は大きく二つございます。一つが、アメリカ及びカナダのODA、どのような仕組みで動いているかということを参考にさせていただくこと、そしてもう一つございますのは、国際機関に伺いまして、我々のODA及び外交と国際機関との関係がいかにあるべきかということを教えていただくということでございます。
 ニューヨークでは、UNDP、国連開発計画に伺わさせていただき、また大学の関係者と会わさせていただきました。そして、アメリカ・ワシントンでは、連邦議員、ダン・イノウエ上院議員、あと国務省、国務省ではQDDRという外交、開発に関する四年ごとの見直しの担当者に会ってきております。あと世界銀行、米国の開発庁、USAID、あと大学のシンクタンクの研究者等に会わさせていただきました。
 カナダにおきましては、ウィルファート下院議員、これはカナダ日本の国会議員連盟の共同議長であられますし、またODAの透明化法という法案を議員立法で作られた方でございます。あと、カナダ国際開発庁、外務国際貿易省、ピアソン平和維持センターなどの方々、あとNGOの方々といろいろな議論をさせていただいたという状況でございます。
 二十四ページをちょっと御覧になっていただきますと、ポイントというのがございます。我々の議論を十個のポイントにまとめさせていただきましたが、総括して申し上げますと、三つのポイントがございます。
 まず一つは、この一番目に書いてございますように、ODAというものをとらえた場合に、アメリカ及びカナダ、やはり外交のツールとして総合的に見ている、途上国の支援だけを独立して考えていないというのが非常に大きな印象でございます。例えば、米国の国務省、QDDRという四年ごとの外交、開発援助の見直しを行っているわけでございますが、その中にはフリー・トレード・アグリーメント、自由貿易協定なども含めて総合的に議論するということが明確になっているということ、そして、大事なことは、各省庁のものを統括したものにする、NSCも含め、国務省も含め、USAIDも含めたすべての政府の行いを統合化するというのがございますので、それがまず一つございます。
 そして、二番目にございますのが、二十四ページで七つ目の項目にございますが、平和構築分野の取組を強化するということでございまして、やはりカナダとアメリカに伺って印象深かったのは、平和構築、ピースビルディングの活動に対するフォーカスがどんどん強まっているというのが感じられました。その点につきましても、我が国がどのような対応を行うかというのが非常に必要となります。
 そして、三つ目にございますのが、二十四ページの十番目に書いてございますが、ODA基本法の制定というのがございまして、これはカナダのウィルファート議員から直接説明をいただいたものでございますけれど、やはりカナダは非常に外交手段としてODAに力を入れている。そのODAがどのように行われているかということをきちんと納税者に示すということを法律に基づき行っていると。これは非常に参考になりました。我々、今までODA委員会でいろんなODAの問題点を指摘させていただいておりますが、その中でやはりございますのは、ODAの委託先の決定のプロセスの問題、あと、いろんな不正問題が起きておりますけれど、そのような問題をいかに克服するかという意味で、やはり立法化というものが必要ではないかというのが私はこのカナダで一番大きく受けた印象でございます。いかにODAを広報し透明化し、そして納税者の方々に理解していただくかということが我々国会議員がイニシアチブを取るべきところではないかということに考えております。
 個別のものを御紹介いたしますと、二十五ページ、御覧になっていただけますでしょうか、アメリカでございます。
 アメリカで最も印象的だったことは何かと申しますと、二十五ページの四ポツの(1)に国務省とございますが、四年ごとの外交・開発政策の見直し、QDDRということをちょうど今議論をしている状況です。このQDDR、国務省で議論をされているわけでございますが、何とメンバーは十人程度しかいない。ある限られたメンバーがずっとこの戦略にフォーカスをし、そして作っていくという作業をしているということでございまして、やはり彼らと議論をしていますと、どのような方向に外交そして開発援助を進めるべきかというあるビジョンみたいなものを感じさせていただきました。やはり各省庁が持ち寄ったものをホチキスで留めるということは僕はもうやめなきゃいけない時期に来ているんではないかというのが一つの印象でございます。
 次に、二十六ページがカナダでございまして、カナダも非常に多くの印象を抱いたわけでございますけれども、やはりカナダも非常にこのODAを外交の重要なツールとしているわけでございまして、この基本的方針という、一ポツにございますが、二十六ページの、ハーパー保守党政権の選択と集中ということで三つの目的を作っていると、基本方針を作っておりまして、効率を最大化する、マキシマイズするということ、あと、地理的に集中していく、分散させないということ、そして三つ目がございまして、一層の説明責任、アカウンタビリティーを確保していくということがございます。
 この三つ目につきましては、二十六ページの一番下にございますように、議会の関与ということでございまして、ODA説明責任法という法律を作り、そして何をしているかと申しますと、ODAの活動について報告書を作り、そして議会に報告してもらうということを徹底的にやっていると。その報告書は当然のことながら国民の皆様に公開されていくということでございまして、明確なメッセージを議会に報告するというのが非常に大きなポイントではないかと思っております。
 二十七ページにございますのは、これは私たち、ちょっとアフガニスタンの復興支援に非常にフォーカスをしていろいろ話をさせていただきましたけれども、その中で感じましたのは、やはりカナダではNGOが非常に、非政府組織がもう成熟しているなという印象がございます。例えば、ピアソン平和維持センター、こちらは世界的に平和活動に従事する方々を外国の方であろうとも育てていく、育成していくということを行っておりますし、また二十七ページの三ポツにございますのはCANADEMという、これは平和構築などの人材バンク、ここに連絡をすれば人を紹介してくれるというような人材バンクもNGOが行っているという状況でございまして、政府とNGOの連携というものは非常にいろんな壁があるということは実際にNGOの方々から教えていただいていますけれども、我が国から見ればまだ進んだ面がございますので非常に参考になるんではないかと思います。
 二十八ページ目に移っていただいてよろしいでしょうか。
 カナダのODA説明責任法ということでございまして、実際に条文もいただいてきました。ただ、条文を見ますとすごくシンプルでございまして、ポイントを三つということで書いてございます。一つは、貧困削減への重点化ということで、ODAの目的を明確に設定する。二番目にございますのが、政府、国際機関、そして市民社会組織の協議を義務付ける。これは非常に重要なことでございまして、政府と国際機関とそしてNGOや市民、それが協議をしなきゃいけないということを明確にしております。そして、三番目にございますのが政府の説明責任の強化ということで、報告書を年に二回、議会に報告すると。それもすごく、済みません、サンプルを今日持ってこなくて申し訳ございません、非常にシンプルに分かりやすい報告書を作り、それを報告すると。それをネットで公開し、かつ国民の皆様にも配布させていただくというふうな形を取っておりますので、私はこのODA説明責任法というものは非常に我々の参考になるんではないかと思っておりますし、まさしくこのODA委員会でも議論すべきものではないかというふうに考えます。
 あと、二十九ページ目、見ていただいてよろしいでしょうか。
 UNDPと国連、国際機関に伺ったわけでございますが、そして、あとまたワールドバンクなどにもお伺いさせていただきまして、一つ気になることだけを申し上げますと、やはり国際機関に余りにも日本人職員が少ないというのが印象でございます。
 実際に日本人職員の方々にお会いしてお話をお聞きしましたが、やはり、例えば国連、そしてワールドバンクも同じですが、日本は大体二位の出資国、支援国になっている。しかしながら、例えば二十九ページの下の表を見ていただきたいんですが、本来であれば望ましい国連事務局の職員数は我が国は二百九十三人が望ましいとされているものの、実際は百十三人しかいないという状況になっております。
 やはり国際機関に人を送るということは、我が国の意思をその国際機関において実施するという意味では非常に重要でございまして、私はこの国際機関に人を送り込むことを戦略的に行う必要があるんではないかというふうに考えます。例えばUNDPのトップは元ニュージーランドの首相でございまして、あと、ほかにも政治家を経験をした人間が国連、国際機関の幹部になっているという事例がございます。ですから、我が国も、一つの提案でございますが、やはり我々のような国政を経験した人間が国際機関で仕事をし、日本の国のため、そして国際のために働くというやっぱりキャリアのパスがあり得るんではないかというのがまず一つ。
 そして、もう一つございますのは、中堅の幹部を育てることが必要でございまして、各国の、他国のキャリアパス、どうやって育成をするかということを伺いますと、我が国はやはり弱いです。人材を育てる、送り込むための人材を育てるまだ仕組みが弱いというふうに感じていますので、それも今後議論をすべきではないかというふうに考えております。
 そういう形でございまして、いろいろなところにお伺いさせていただきまして本当に勉強になりました。
 総括させていただきますと、三つございます。
 一つは、やはり全体的な戦略をつくること。ODAの戦略のみならず外交まで含めた戦略をつくり、それは各省庁横断的なものをやっぱりつくる必要があるんではないかというのがまず一つございます。そして、二つ目にございますのが国際機関をより有効に利用すること。そのためにも、先ほどの戦略と重なりますが、国際機関、我が国政府と国際機関と、またNGOなどの連携を強化するべきではないかということ。そして、三つ目にございますのがODAの透明化、そして評価をきちんと行う、それも議会が行うというカナダのような仕組みを我々も議論をすべきではないかと。
 この以上三点を申し上げまして、御報告に代えさせていただきます。
 本当に、最後に、様々な方々に支えていただき今回の視察をさせていただきました、感謝を申し上げます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 次に、第三班の木俣佳丈君にお願いをいたします。木俣佳丈君。
#10
○木俣佳丈君 第三班、フランス、ケニア、ウガンダ、南アに参りました、団長を務めさせていただきました木俣と申します。
 ODA第三班は、十月十一日から二十三日にかけまして十三日間、こちらにお越しの姫井先生、山本先生及び私の三名で参りました。
 まず初めに申し上げたいのは、我々の目的が、一つは援助のPDCAサイクルをつくりたいという思い、もう一つはやはり現地を励ましたいという思い、この二点であります。
 特にかかわっていただきました各国の大使、またJICAの所長を始めとした方々、また協力隊の方々は、非常に日本のために、我が国のプレゼンスを上げるために精いっぱいの努力をされていることを御報告申し上げたいと思っております。
 また、先になりますけれども、事務局で頑張っていただいた倉田さん、矢嶋さんにも、実は病気で一人行けなくなるはずだったのを押して、矢嶋さんには特に行っていただいたのを本当にここで感謝を申し上げたいと思っております。
 かいつまんで、もう三人目でございますので余り冗長にならないように御報告申し上げますけれども、私も援助は私のライフワークという思いがございまして、さらには、TICADという名前の前に、私が前職経団連におりましたときに、アフリカ三極会議というのをつくり、ムベキ前大統領を日本に初めて呼んだというところから私の援助の旅が始まっております。
 以下、フランス、ケニア、ウガンダ、南ア、資料を見ながら御報告を申し上げたいと思います。
 資料でいうと四十五ページからの四枚が、帰国後、鳩山総理に御報告しながら、先ほど申し上げましたようにプラン・ドゥー・チェック・アクション、どのようにこれから我が国がこの国々に携わっていったらいいかということを御報告しまして、随時、今、福山副大臣とも相談しながら改善をしているところの要旨であります。
 フランスから申しますと、フランスは、まず、やはり先ほどのカナダと同じように、援助の効率性を高め、透明性を高め、そして選択と集中で予算の六〇%をサブサハラに向けております。また、分野も五分野に、保健など五分野に集中しているということ。それから、途上国の経済発展の視点からフランス企業の活動支援を重視していると。いわゆるタイド援助が多いということ。それから三番目は、援助は当たり前という考え方であり、聖域化しております。GNIの〇・七%を援助に当てるという、これOECD、DACの目標がありますけれども、二〇一五年までに達成を首相が宣言すると、このような形になっており、国民の理解も十分にあります。この辺が日本との大きな差になり、どんどん予算は削減されながらも援助は上がっているというような形になっております。また、外相もNGOにかかわっていたということもあり、必ず援助のみならず外交戦略を練る場合にはNGOと十分に連携を取っているというのが特徴的でございました。
 次に、フランスで主目的であるOECD、DAC(開発援助委員会)へ日本の国会議員としては初めて訪問させていただき、三時間半、四時間程度の会談をさせていただきました。ポイントは三つであります。
 一つ目は、DACとしては鳩山新政権の援助政策に大変な関心があり、特に一昨年行われたTICADWを踏襲してアフリカに更に濃密なコミットをしているかどうかというところを向こうから聞かれ、イエスと答えたということ。
 二番目は、私どもも中国大陸との、中国の援助について、これはどのように考えるかということを申しましたが、なかなかDACからは真っすぐな答えが返ってきませんでした。押し問答の末、最終的には中国はルールにのっとった援助をしてないとDACで初めて認めたという感じでございます。
 三点目は、援助が世界の潮流に取り残されているという印象を持ちました。それは、例えばODAによって原子力の協力はこれはできません。しかし、これは温暖化対策等々もあり、各国は大きくなくても一万キロワット程度の原子力等々については非常な関心がある。しかし、こういったものには一切論議をしないというようなことであったり、それから、実はOECD、DACの中にも職員は実はドナーの国、つまりは与える国しか入っておりません。レシピエント、つまり受け取る側の国が入った、協調によった援助政策というのは話されてないということを言ってまいりました。
 次に、ケニアでありますけれども、ケニアのポイントは二つありまして、我々が見たのは、一つは人材育成が非常にうまくいっているというポイント、二つ目は不良案件があるのでこれについてのいろいろ改善策について考えるということでした。
 まず一番目のポイントでありますけれども、これはアフリカ全体に対して提案をしてまいったことでありますが、アジアでは既に二千人を超える実は無償資金を使った大学留学生を招く制度、人材育成支援無償というものが導入されておりますが、アフリカではゼロでありました。これをケニアのみならずウガンダ、アフリカでも提案し、是非これを広げたいということを提案し、各国から賛同を得ました。
 そして、メーンのプロジェクトでありますが、アフリカ全体を通しまして理数科が非常に遅れているということで、理数科教育強化計画プロジェクトというものを日本人の先生方が中心になってここ十五年頑張っていただいております。これは、日本人の教員が現地の教員を養成し、その教員たちが更にアフリカ全土の教員たちを養成するというもので、今約二万人の理数科教員の技能が強化されたSMASSEというプロジェクトでありますけれども、これはいわゆる南南協力、南南協力の成功例だと私ども思っておりますので、こういったものを更に強化をすべきだと思いました。
 来月に皇太子殿下がケニアの方に行かれるということもありますので、是非こういったものを見ていただければと思っておる次第でございます。まあ、政治介入ではございませんが。
 次に、南南協力の一環でかつて日本が森林研究所というものをこしらえまして、森林の育成等々に研究をしたものを二十五年掛けて援助をしてきまして、そして今や日本人の手を離れて現地の大学等々、研究者等が自立してこれを運営しているという現場を見てまいりました。大変な成功例だと思います。
 他方、不良案件の例でありますけれども、会計検査院からも利用率が低迷しているという園芸作物の処理の施設でございます。これも見学に行きました。我々国会議員が見学に行くということが分かっていながらも全く用意がなかったという、初めは大変に残念な思いでその現場を後にしました。ただ、二日後までに改善計画等のレポートが出ない場合にはこの施設は廃止をするということを申しましたところ、二日後にはきちっとJICAの所長が指導しながら改善計画等々が出ましてようやくほっとしたところでありますが、まだまだこういった不十分な案件もあるかなということを拝見してまいりました。
 それから、突然でありましたけれども、ケニアの北部、エチオピアとの国境沿いでありますが、干ばつが二年間続いておりまして、家畜の八割も死んでいると、この現場を是非見てくれと現場の副大臣から言われまして、急遽二時間半の道のりをヘリで移動し、そこを見てまいりまして、その後はケニアの現在の大使にここの支援をするようにということで申し付けてまいりました。
 ウガンダに参ります。
 ウガンダのテーマは、NGO、特に教会が中心になって支援をしている現場を見るというところでございます。
 要人の会見に加えて、教会がコミュニティーベースでエイズの孤児や元少年兵等の支援を行うワトト、ワトトというのは子供たちという意味でありますけれども、ワトト村を訪問しました。
 二千名のエイズの孤児たちがそこに住んでおります。母親は当然おりませんでして、別の母親が母親代わりになり、八人の子供たちと共同生活をしているという状況です。このワトトのキャッチフレーズは、いつかリーダーになって国を支えるというテーマでやっておりまして、今年は千八百名のうち五十三名が大学に進学をするという大成功をしております。世界的な規模のNGOと同様に国際機関以上のインパクトで寄与しているということを感じました。
 また、日本でも有名なお米のネリカ米という開発普及の重点国に指定されており、JICAの専門家二名が派遣されておりますけれども、この二名によって、あと協力隊が十六名プラスされまして、全米作地域の四〇%を実は彼らが耕しているというような大変な成功例でございます。
 ウガンダでは、是非、このJICAの長期専門家を更に五名に増やせば全耕作地をすべてJICAのかかわる耕作地にできるということで、これも総理通じて福山副大臣にもお願いをしている次第でございます。
 次に、南ア、最終のところでありますが、ここでのテーマは官民協力というところであります。
 フェロクロムという、いわゆるステンレススチールの全世界の五%を作って、全世界四位のフェロクロムを作っているハーニック・フェロクロム社を訪問いたしました。ここは、三菱商事が世界で初めて五一%を出資する鉱山でございます。ここで、エイズ対策又は学校教育等、CSRも含めて、民の投資と官の下支えというのを見てまいりました。全く同じプロジェクトを中国が隣でやっておりますが、日本のプロジェクトは黒字に対して中国は赤字、つまりは日本のマネジメントが非常に勝っているのをここで見ました。
 また、最終日に、日立の大型石炭炉、これは約一千万キロワットという南アの総エネルギー量の五分の一を創出するプロジェクトを今稼働を掛けておりまして、ここもJICAと日立の共同の人材育成をしている姿を見てまいりました。
 また、いろいろありますが、南アにおいては、これは円借款が実は止まっております。実は、南アも資金需要が非常に高く、特に先ほど述べたような原子力、エネルギー関係の需要が高いわけでございます。ただ、日本からは円借款は止まっているということで、再開を是非してくれという要請がございまして、本年一月からJICAの専門スタッフが行く予定を繰り上げて十一月から既に南アに向かっていただいており、大活躍をされております。
 南アはアフリカ全体のエンジンという位置付けでありますので、これからも頑張ってもらいたいと思いますし、今年はワールドカップサッカーが二〇一〇年六月から南アでございます。また、本年は南アと我が国の交流百周年に当たり、また十一月にはズマ大統領も訪日を予定しておりますので、この二〇一〇年がアフリカにとって大きな飛躍の年となればいいなと思った次第でございます。
 全体通しまして、重ねてではございますが、在外の皆さんも含めて協力隊の皆さんも本当に我が国のために頑張っておりますので、事業仕分でいろいろ言われましたけれども、コストダウンしながらも、絶対に削減してはならない予算であるということを付け加えまして、報告にしたいと思います。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 次に、第四班の藤原良信君にお願いをいたします。藤原良信君。
#12
○藤原良信君 御報告をいたします。第四班でございます。
 資料では六十一ページからでございますので、御参照をお願いいたします。
 椎名一保議員、井上哲士議員と私、藤原良信の三名で訪問をいたしました。訪問先は、ブラジル、パナマ、ペルーでございます。
 まず、ブラジルから申し上げます。
 最初に訪れたのがアマゾンのベレンでございます。ここでは、アマゾン地域の農業研究を行っているブラジル農牧研究公社東部アマゾン農林研究センター、それからベレン市の日系の福祉団体が運営をいたしております老人ホーム、それから河川の水銀汚染対策に取り組む国立エバンドロ・シャーガス研究所などを訪問、視察をいたしまして、意見交換を行いました。また、ベレン近郊でございますが、トメアスにおいて日系団体が運営いたしておりますトメアス日本語学校及びトメアス・ニッケイ学校、日系人を中心に運営をしておりますトメアス総合農業協同組合ジュース工場を訪問をいたしまして、視察をいたしました。また、意見交換も行いました。
 次に、同国の首都ブラジリアを訪れまして、日本の衛星画像を使いましてアマゾン地域の違法伐採の監視を行っております環境再生可能天然資源院などを訪問、視察をいたしまして、意見交換を行いました。また、リベイロ・ブラジル日本友好議員連盟の副会長さん、ファラーニ国際協力庁長官等との意見交換も行いました。さらに、ブラジリア近郊のイパミリでは、パイネイラス入植団地を訪れ、かつて農作不適地とされましたセラードの農業開発協力事業の現状を視察をいたしました。
 御案内のようにブラジルは、人口一億八千万人、GDP世界第十位、豊富な鉱物資源や森林資源、世界最大の食料生産能力などを有し、二十一世紀の超大国となる可能性を秘めている国でございます。また、百五十万人の日系人やその周辺の膨大な親日層が存在をいたしておりまして、日本に対する高い信頼感や広範な親日感情は貴重な外交資産であることなどからも、同国と安定した協力関係を維持していくことは大変重要であることであります。
 その中で、日系人がこれまでブラジル社会や日本・ブラジル関係に貢献をしてきた功績は大きいものがございます。引き続き日系人社会の支援を通じましてブラジルを支援していくことも大変重要なことと考えたわけであります。
 トメアス総合農業協同組合は日系人を中心に運営をされておりまして、アマゾン産の熱帯果実を原料といたしましたジュース製造事業は同組合の中心事業でございます。これまで工場設備等の整備に係る支援を行いまして、同事業は軌道に乗りつつございます。同組合は、JICAが行う国際協力事業に長年にわたって貢献、協力し、途上国の人材育成や社会発展に尽力した個人、団体の功績をたたえますJICA理事長表彰の今年度の受賞団体になりました。これは昨年訪問したものですから、そのときの、当年度の受賞団体になりました。同団体のような日系団体を支援することは、同団体関係者だけではなく、間接的には日系社会や周辺住民の生活向上にもつながるものであると考えます。
 また、セラード農業開発協力事業は、ブラジルの食料増産と地域開発の推進、世界の食料供給の増大への貢献を行い、加えて、日本、ブラジル両国の経済交流を促進をいたしまして、友好関係を一層強固にすることを目的に、一九七九年から約二十年間、技術協力と資金協力を組み合わせ実施をされました。現在では外延的拡大と生産性の向上に大きく貢献をし、牧草地を含む農地面積は四千五百万ヘクタールを超え、これは日本の農地面積の約九・七倍に相当いたします。
 この事業は日本のODAの成功事例であります。しかしながら、大豆について見ますと、ブラジルは米国と並ぶ輸出大国となりましたが、ブラジル産の日本への輸入量は輸入全体の一割前後です。当初の目的の一つでございます両国の経済交流を促進することにはそれほど貢献をしていないようです。その原因には、米国等の穀物メジャーが流通を押さえたことと日本の農林水産省の国内農家保護政策が挙げられます。日本の食料安全保障の観点からも進められた事業がその点においては十分な成果を上げていないことは残念であります。事業実施に際しましては、我が国への裨益ということも考慮すべき重要な観点であると考えます。
 また、環境面では、アマゾンの熱帯雨林を保全するため、森林再生と農業生産を両立する森林農法とも呼ばれますアグロフォレストリーの研究協力や、違法伐採を早期に発見するために日本の人工衛星画像を利用するプロジェクト、水俣病の知見を生かしました河川の水銀汚染対策など、日本の技術が役立っていることを目の当たりにいたしました。地球環境問題がますます深刻になることが予想される中で、日本の高い技術を今後ともODAを通じて生かすべきであると感じた次第でございます。
 パナマについて申し上げます。
 調査団は、パナマ市水産市場、孤児の扶養、教育、職業訓練等を実施しておりますシウダ・デル・ニーニョ養護施設及び同国唯一の商船乗組員の養成機関であります国際海事大学校を訪問、現地を視察いたしまして、関係者との意見交換を行いました。また、パナマ政府の要人では、パレーラ国会議長等との意見交換を行いました。
 国際海事大学校への支援は、一九九三年から七年間にわたり技術支援及び機材供与を行ったものでございます。プロジェクト終了の後も専門家やシニアボランティアの派遣を継続してございます。現在もシニアボランティアの方が機材の保守点検指導等を行ってございます。このような教育機関への支援は、ここで学ぶすべての学生に日本の支援を継続的に知らしめる効果的なものがあると言えるものでございます。
 また、今回は事業の進捗状況の関係で視察をいたしませんでしたけれども、同国の喫緊の課題はパナマ市及びパナマ湾浄化事業でございます。同事業は、平成十九年六月に契約に調印をいたしました限度額百九十四億円の円借款でございます。パナマ首都圏におきましては、下水施設が整備されておらず、一日当たり三十三万立方メートルの下水が未処理のまま市街地の河川及びパナマ湾に流入し、深刻な環境汚染をもたらしております。パナマ首都圏において、初めての本格的な下水処理システムを整備することにより、汚染が著しいパナマ市及びパナマ湾の環境を改善し、首都圏住民の生活・衛生環境の改善を図ることを目的としております。同事業が成功しますれば、パナマ湾沿岸域は新たな商業地域や観光地域として生まれ変わる可能性もございます。衛生分野への支援は、国連が掲げておりますミレニアム開発目標の一つでございます安全な飲料水及び基本的な衛生施設を継続的に利用できない人の割合を二〇一五年までに半減するに合致をいたしまして、ミレニアム開発目標の達成にも貢献することにもなります。
 また、首都パナマ市の交通渋滞も深刻な問題となっております。マルティネリ政権の重要公約の一つでございますパナマ市での新都市交通システム導入について、近々にも決定がなされると報道されており、我が国がどのような協力ができるのか、今後の課題となってございます。
 ペルーについて申し上げます。
 調査団は、日系団体が運営をいたしております日本ペルー文化会館、孤児に対する衣食住サービスや教育を提供しておりますエマヌエル孤児院、周辺の貧困者に対し良質な医療を提供しております診療所、地震、津波の防災、減災の研究を行っている国立工科大学日本・ペルー地震防災センター及びリマ首都圏の上下水道整備事業などを訪問をし、視察をいたしました。関係者との意見交換も行いました。
 また、ペルー政府の要人でございますアルバ・カストロ国会議長、ヤマシロ会長ほかペルー日本友好議連のメンバー、サルミエント住宅建設上下水道大臣、スエマツ同副大臣、パンド国際協力庁長官等との意見交換も行いました。
 リマ首都圏の上下水道整備事業のうち、リマ首都圏周辺居住域の衛生改善事業は、雨の少ない乾季の水不足や急速な低所得者層の流入による居住域の生活環境の悪化、住民の健康及び衛生状態の改善のため、浄水場及び上下水道網の整備を行うもので、二〇〇〇年の九月から十一年にわたりまして総額二百四十九億円の円借款でございます。しかし、契約の後に資機材の価格の上昇や価格変動、工事量の増加等によりまして、事業費が当初見込みより大幅に増加をいたしまして、事業実施のために追加的な資金手当てが必要となり、ペルー側から工事費の増加分についての追加借款の要請が出ています。
 昨年の十一月に日本で行われました日本・ペルー首脳会談におきまして、鳩山総理から同浄水場について円借款により協力していく旨の表明がございましたが、日本・ペルー間の友好関係、経済関係等を考えれば早急に対応すべきものであると言えます。
 また、パンド国際協力庁長官との意見交換におきましては、今後日本の支援を期待する分野といたしまして水分野、環境、防災等を挙げられました。今回の調査におきまして、地震防災や生活環境改善などの更なる支援が必要であると感じました。
 ペルーも鉱物資源や農水産物資源に富む国でございます。日系人の活躍等により親日的な国でもございます。同国の安定的な発展は伝統的に友好関係にある我が国にとって重要な意義がございます。同国に対し引き続き支援を行うことは、我が国の国益にもかなうものであると考えます。
 今回訪問をいたしました三か国に限らず、中南米は鉱物資源や農水産物資源に富む国が多く、他方で、依然として地域間格差や所得格差の問題を抱えている国も少なくございません。また、親日的な国が多いことでも知られております。
 これまでの我が国がこの地域で行ったODAは成果を上げてございますが、これらの国々との経済関係を更に強化することは日本の国益にとっても大変重要であると考えます。
 ODAの供与先として、地理的に遠く、またアフリカのように喫緊の開発課題として注目されているわけでもない中南米でございますが、格差、貧困や環境・気候変動といった開発課題を多く抱えてございます。さらに、資源、日系社会の存在など、我が国にとってこれからも重要な地域であり続けると言えると思います。
 特に、先月、東京で開催されましたアジア中南米協力フォーラムでは、岡田グリーン・イニシアティブとして、調査団が訪問、視察をいたしました我が国の衛星画像を活用した熱帯雨林の違法伐採監視プロジェクトやアグロフォレストリーの普及支援について、地球の肺であります森林を守る環境協力として今後一層取組を強化するほか、中南米諸国における貧困、格差などの社会問題に対処するため、保健・医療、地方開発、インフラ等に関する支援を実施していくことが表明をされました。貧困対策や日本の得意分野であります環境・気候変動分野における支援を積極的に行うことで、日本とこの地域の新たな協力関係を築くことが期待をされていると思います。
 この場をお借りいたしまして、今回の調査におきまして御協力いただきました視察先、在外公館、JICA事務所等の関係者に心から感謝申し上げたいと思います。
 それから、委員長に最後にお願いを申し上げたいと思いますが、ただいま各班の代表から、それぞれODAの政策に対する貴重な御意見、御提言がございましたが、参議院の公式な派遣で私どもは視察をさせていただきました、調査をさせていただきました。今後のODAの政策にどうぞ反映をさせていただきたいと思います。
 よって、外務大臣並びに関係大臣に対しまして、大いに、ただいま申し上げました御報告事項、その必要性について、委員長からどうぞ御対応をお願いを申し上げたいと思います。御見解をいただければ有り難いと思います。
 以上で報告といたします。
#13
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 ただいま藤原議員からお申出の件については、後刻理事会でも協議をいたしますが、皆さん方の御報告が来年度以降のODAの在り方として反映されるように、私からも申し入れることをお約束をさせていただきたいと思います。
#14
○藤原良信君 ありがとうございました。
#15
○委員長(岩永浩美君) 以上で意見の聴取は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 発言を希望される方は、委員長から順次指名をいたしますので、お手元の氏名標を立ててお知らせください。
 また、発言が終わりましたら、氏名標をお戻しくださるようお願いをいたします。
 本日は、外務省から福山外務副大臣及び佐渡島国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から緒方理事長及び橋本理事に御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構です。
 また、回答をされる場合は挙手をお願いをいたします。
 なお、発言はすべて起立してお願いをいたします。
 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
 加藤敏幸君。
#16
○加藤敏幸君 委員長、ありがとうございます。民主党会派加藤敏幸でございます。
 三名の先生方の御報告をお伺いいたしまして、あっ、四名の、失礼いたしました、ありがとうございます。なかなか大変な視察ではなかったかなと思いますし、いろいろと成果のある御報告をいただいたというふうに思います。時間の関係もございますので、非常にこの委員会の中でも長年折に触れて議論になってまいりましたし、まだ結論は出ていませんけれども、一つのポイントについて御質問をし、御意見、御見解をいただきたいと思います。
 それは、藤末委員の御報告の中にございました。三点に絞って半ば御提案ともいうべき御報告があったわけでありますけれども、特にこの開発援助の展開に当たって、戦略外交といいますか、外交の総合的な方針との連動性といいましょうか、それとの兼ね合いを更に強化すべきではないかという、これは藤末議員、従来からそういう趣旨をされておったように記憶しておりますけれども、またそれが今回、米国、カナダというODA実施国における視察を経られて更にその意見を強化されたのではないかと、このように思っております。
   〔委員長退席、理事松山政司君着席〕
 さて、そこで私が最もお伺いをしたいということは、外交政策と連携をするという形の考え方の中に、私どもがかねてこの開発援助を長年にわたって展開してきたときの物のとらえ方、考え方という流れと、新たに我が国の外交に合致をした、あるいは外交に役に立つ開発援助の在り方論という、そういう趣旨が強くにじみ出てきているように思うわけであります。
 特に、米国の事例に挙げられた内容等につきましては、この報告書の中にも書かれていますように、開発援助を対外政策の重要な柱の一つと位置付け、これは我が国も一兆円を超えた時代を含めて長らくそういうふうなポジションを取ったわけでありますけれども、外交政策と連携する形で戦略的に活用していこうと。言葉を読めばそれなりに理解はできるんですけれども、これは選択をしていく、大胆な集中と選択をしていくときの判断基準において我が国の外交戦略をその基準に用いると。すなわち、彼は良くて彼は駄目である。そのときのその判断をも開発援助の実施、展開に活用をしていくということの意味を持つのか。
 また、米国の場合を考えてみると、これはまさに世界の安全保障体制の一角を大きく支える立場の国と、日米安保条約の下で我が国の安全保障を基本的に支えている我が国とのポジションの差ということもあり、まさに安全保障政策が外交の中の大きな部分を占めている国における外交戦略の在り方における開発援助の位置付けということと、長らく平和外交ということを基本に置いてきて、どちらかというと人道援助であり、開発であり、貧困撲滅という、そういうソシアルな面における価値観を高めた我が国の開発援助の流れの中が、言わば藤末先生のお考えの中で、ある種の転換を意図すべきなのか、まさにそれとは違った意味で、今までの開発援助の食い足りない部分を先生が言われるような形で更にもう少し味付けを濃くして分かりやすくしたらどうなのかという意味での論点の摘出をされているのか。
 与党内であって別に論争するということではないんですけれども、先生が言われている、特にODA基本法の成立とかいういろんなアイデアもありますけれども、そもそもこの開発援助に関する特別委員会を設立したことの始まりは以下のようなやはり問題意識も我らあってここまでこぎ着けてきたという流れの中においても含めまして、是非とも藤末先生の今回の視察においてそういう思いに至った背景で更なる事例とかことがあればお述べいただきたいということと、簡単ですけれども、福山副大臣にも総括的な御見解をいただきたいと思います。
 以上、二つでございます。
#17
○藤末健三君 本当に加藤委員には御質問ありがとうございます。
 私は、やはりアメリカ及びカナダの政府の人間かつ議員とお会いして感じましたのは、途上国の支援、人道的な支援、そして貧困撲滅ということを看板にはありますけれど、やはり一番重要なことは、カナダの国益、アメリカの国益というのがすべてに優先しているんではないかというのが印象でございます。
 例えばカナダにおきましては、選択と集中ということで国の数をどんどんどんどん絞って二十か国にしているんですね。その中のたしか基準の中の一つに明確に国益と書いてあるんですよ。それはもうすごく印象的でした。我が国の利益を基準とすると書いてあったんですね。それが非常に印象的だったことはまずカナダでありますし、あともう一つございますのは、アメリカにおきましても、QDDR、外交と開発に関する四年ごとの見直しの議論をやっている中心の人間と話をしますと、彼もやはりアメリカの国益とは何ぞやという話。彼らの議論を見て感じたのは、やはり安全保障と途上国支援というのは一体化しているんですね、議論の中で。これは加藤議員の御指摘のとおりだと思います。
 そういう中で、私たちの国が、我々日本が考えなきゃいけないことは何かというと、やはり国益とは何ぞやということがまず一にありますし、あと、やはり私たちはアメリカとは違うのは、例えばアメリカのODAは、DODは割と大きなシェアを握っているんですよ。ですから、やっぱり安全保障と途上国支援というのは一体化しているというのは何となく感じさせていただきました、議論の中で。
 ただ、私たちは、安全保障というよりもやはり貧困の撲滅であり、そして、僕は日本国憲法のことをよく申し上げますけど、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ平和に生存する権利を有すると書いてあるわけでございますが、やはり戦争、紛争というようなものの恐怖から免れ、そして欠乏、貧困から免れるということを第一に挙げつつも、我が国の利益とは何ぞやということを考えなきゃいけないと思っています。
 私が考えます、我が国の利益ということを考えた場合に大きくは二つありまして、一つは地域的な選択と集中の必要性も検討しなきゃいけないと思います。それはまず、アジアという非常に地理的に近く、かつ今成長している国がある中、それをどうとらえるか。彼らの成長を助けていくということをまず考えなきゃいけないんではないかというのがまず一つ。
 そしてもう一つ、どういう分野で支援をさせていただくかという話がございまして、一つの大きなやっぱりカテゴリーは私は環境じゃないかと思っています。安全保障というよりも、我々が得意なものは何か、やはり環境といったものを中心とした国際的な貢献を目指していくことが日本にとっては必要だと思っておりまして、その点を是非議論をしていただきたいなという、我々が議論していくべきじゃないかと思います。
 せっかくにまた基本法の話、ODA基本法の話をいただいたのでここでちょっと申し上げたいのは、実はODA委員会で、この我が国のODA委員会でもODAの基本法的な議論はもうなされているんですね。実は骨子まで提案されています。たしか一九九八年のことです、これは。
 ですから、一度先人の方々が議論を始めたということもありますので、より深く議論をし、そして一番重要なことは何かと申しますと、やはり納税者の方々が、今私が感じますのは、ほかの国を救うかといったらおれたちを助けてくれよということをおっしゃる方が多いんですよね。ではなく、やはりこの皆様が納められた税金が途上国で使われ、それが国のためにどれだけ役立っているか、皆様にどれだけ役立っているかということをきちんと御理解いただくような仕組みを私は早急につくる必要があると思っています。
 どうもありがとうございました。
   〔理事松山政司君退席、委員長着席〕
#18
○副大臣(福山哲郎君) 加藤委員におかれましては、質問をいただきましてありがとうございます。
 まず冒頭、ODA特別委員会の委員の先生方におかれましては、日ごろからODAの在り方について真摯な御議論をいただいていることを心から御礼を申し上げる次第でございます。
 また、この度の視察におきましては、若林委員、藤末委員、そして、あっ、木俣委員はいらっしゃらない、姫井委員、それから藤原委員を始め、御視察に出向いていただき、今日のような建設的かつ非常に具体的な御提言、御報告をいただいていることに関しましても心から御礼を申し上げたいというふうに思います。
 率直に申し上げますが、今日、先生方が御指摘をいただいた問題意識は、政権与党となって岡田大臣の下、外務省に入らせていただいた我々も、ほとんど問題意識としては共通だというふうに承らせていただきました。
 若林先生の御指摘でありましたアジアに対する再評価、それから企業の受注のしにくい今の現状、それから青年海外協力隊そしてNGOとの連携。また、藤末先生の言われた全体戦略の問題、外交は、どう外交戦略の中にこのODAを位置付けるか、国際機関との連携、それから評価の問題。また、木俣先生はアフリカは大変御尽力を長年いただいたことは私も長年のお付き合いで承知をしておりますけれども、その中でやはりJICA等に非常に評価をいただいたこと、それから不良案件の問題については遺憾ではございますが、こういったことの問題。藤原先生からは、地域的に遠いけれども中南米は重要ではないかという御指摘、また、岡田外務大臣にしっかりと報告を、申入れをするべきではないかという御指摘は、私も今日、真摯にこの場で受け止めさせていただきまして、心から御礼を申し上げたいと思います。
 実は、岡田大臣の御下命の下、ODAの在り方に対するタスクフォースを外務省内で立ち上げました。一月に立ち上げまして、今鋭意もう検討しておりますが、その中の柱を今日御紹介をさせていただきたいと思います。
 一つは、国際協力に関する理念、基本方針をもう一度明示しようではないかということでございます。その中の問題意識としては、我々のODAは一体どういう旗を掲げるべきか、また先ほどの話と同じことになりますが、どのような特徴やめり張りを付けて実施をしていくべきか、また外交の中でどういう戦略をしていくかということについて、まず第一の目的として国際協力に関する理念、基本方針について検討をいたしております。
 第二の点は、国民の理解、支持の促進でございます。昨年、私も行政刷新会議に今の立場で出席をさせていただいて、非常に残念な思いもいたしましたし、反省するべき点も多々あることを認識をさせていただきました。そういった面で、今日御指摘のありました国民に理解をいただくことというのは僕は最大に必要なことだと思いますし、その透明性の確保ということも重要だということに思っていますし、これまでのようにODAの予算が年々削られていくことが日本の国益や日本のプレゼンス、そして現実の問題として、海外への信頼も考えて、いいのかどうかも含めて、第二点として国民の理解、支持の促進等ということを今検討をしています。
 第三の点は、多様な関係者との連携でございまして、まさに国会の先生方はもちろんでございますが、産業界、学界、言論界、そしてNGO、そして民間企業の皆様との連携とそして理解をどう深めていくのか、それから国際機関をどう連携をし活用していくのか、まさに今日の問題提起と同じことを三番目の視点として今検討しております。
 四番目の視点は、援助の効果的そして効率的な実施の問題でございまして、いかに援助の実施の手段として選択をしていくか、それから案件形成、実施、選定等、期間も含めて、先ほどの企業との関係も含めてどうしていくのかについて検討していきたい。それから、評価の問題についても、PDCAサイクルの更なる徹底も含めて我々としては見直しをしていきたいと思います。
 そして、五番目の視点は、今日御臨席をいただいております緒方理事長には日ごろ御尽力をいただいておりますが、JICAの在り方等についても我々としては検討していきたいというふうに思っておりますし、今省内でタスクフォースを立ち上げまして本当に精力的に検討しております。
 もちろん私や政務官も参加をさせていただいておりまして、このことをある程度中間的に、できれば春初頭ぐらいまでにまとめた後、また先生方にも、また有識者等々にもお諮りをさせていただきながら、何とか早い時期に我々としてはODAの在り方に対しての方向性をもう一度まとめていきたいと。もちろん、今日いただいた御提言につきましては真摯に受け止めさせていただいて対応していきたいというふうに思います。
 以上でございます。
#19
○委員長(岩永浩美君) 武内則男君。
#20
○武内則男君 ありがとうございます。武内則男です。
 済みません、私は第三班の派遣についてちょっと若干お伺いをしたいんですが、報告書の資料の方にもありますように、本当に坪井さん、ネリカ米の普及に長年ウガンダで御努力、御尽力をされ多くの方々に歓迎をされた、そうした活動をされていることに私も本当に頭が下がる思いでございます。
 そのことを申し上げた上で、少し勉強不足かも分かりませんので教えていただきたいんですが、四十五ページの方に、二〇〇八年、TICADWで、我々は最大四十億ドルの円借款を積極的に活用するということでアフリカの支援を打ち出しました。ここに記載されているように、それはナイル架橋建設計画というものが大きな一つの柱にしていいんだというふうに思っております、私も。
 そこで、我が国円借款とアフリカ開発銀行のシステムの相違が実施についての懸案材料というふうに御記載を、所見をいただいておるんですが、少しそのシステムの違いについて教えていただきたいというのと、是非、その上で具体的に柔軟な対応ができるよう、しっかりとこの委員会において議論を深めながら取り組んでいきたいなというふうに思っておりますので、お願いをします。
 二つ目が、白い資料集の百八十四ページになります。同じウガンダなんですが、フランスとの意見交換の中で出されたんだというふうに理解をしたんですが、いわゆるセカンディ議長との会談の中で中国の援助についての御議論が最後に掲載をされております。OECD諸国におけるフランスの中国援助に対する現在の認識と、実際、議長との会話の中で、議長の談においては中国の援助を歓迎するという趣旨が述べられておりますが、そこについて、もし議員団、派遣団の皆さんで率直に感じたことがあればお聞かせ願いたいというふうに思います。
 以上です。
#21
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 木俣団長が少し体調不良のため、私に代わりました。そこで、十分なお答えができないかと思いますけれども、もし補足できる方が……
#22
○委員長(岩永浩美君) 起立をしてやった方がいいですよ。
#23
○姫井由美子君 済みません。
 十分なお答えができない部分につきましては、また補足、後日したいというふうに思います。
 まず最初のウガンダでのネリカ米のことにつきまして、私たちはウガンダでは坪井さんに会うことはできませんでしたけれども、帰ってきましてちょうど帰国されていました坪井さんともお会いしまして、ネリカ米に対する普及の成果、そして更なる、先ほど発表されましたように、更に五名の追加があればもっと普及できるということを伺いました。
 そして、このナイル架橋建設計画につきましては、ウガンダの大使との中で、実は今これに対して、我が国の円借款と、ここに書いているようにアフリカ開発銀行のシステムの相違ということで、多少時期的な問題と、そして債務免除を受けた国に対する円借款の供与が単独ではできない、世界銀行、アフリカ開発銀行との協調融資といういろんな条件の下で非常にこの部分について順調に行うことができるかどうかということが大変不安である。この部分につきましては、ここでは書いておりませんけれども、木俣団長の方が、これがスムーズに行えるように提案を後日、帰国をしましてされているかと思います。
 その提案されたことについた結果については、今日までに報告を受けていませんので、また報告ができ次第どういった形か理事会で相談させていただきまして御報告したいと思っております。
 それから、さらにウガンダで、セカンディ国会議長との間でなされた中国援助につきましての率直な意見ですけれども、たしかフランスにおきましても中国の援助の在り方というものをどういうふうにとらえているかということを私たちは伺いました。しかし、当初はそれに対する率直な意見は聞かされませんでした。
 中国に関しましては、OECDのルールにのっとって一緒に協調的に、加入していただいて一緒にやるということをするための前段階としての勉強会を設けることが今年予定されているということの中で、最終的には我々のルールとは違うという意見をやっと引き出した次第です。
 しかし、現実には、ここの現地では中国の支援というものを非常に歓迎されておりますし、私たちは、実は今回派遣する前に、アフリカの日本にある大使館、五十四か国中二十九か国でしたっけ、その大使館の大使たちが毎月一回勉強会をされております。その勉強会に事前に私たちも参加させていただきまして、いろいろ意見交換する中で、中国の援助が非常に早くて望ましいという大使の意見も出されました。現実に、このウガンダはもちろんのこと、私たちが訪れたケニア、南アフリカでも中国の方々との非常に活発な活動というのが評価を受けておりました。
 しかし、私たちが感じたことは、今までアフリカというものは、EUを中心とした言わば植民地政策の延長線上にあるODAに比べて、私たち日本人がやるODAというものは、南アで報告されましたようなフェロクロム社、ここは親子二代にわたってフェロクロム社で働いています。そしてさらに、そのフェロクロム社の炉が止まっているときに心配で心配で工場長が泊まり込むという、かつての日本であった職人気質というものが非常に日本人がその経営をすることによって受け継がれているわけですね。
 片やその中で、ただ資金的に、あるいは動員人数的に中国を頼りにするという、ここで中国の位置というものをどう考えるかということは大きな課題ではないかと思います。アフリカは歓迎はしていますけれども、しかし、将来的に見て、その国民の人づくり、あるいはそれが自立につながっていくのはどういった援助であるかということは、私はやっぱり日本の行う援助の人づくり的な在り方というものはこれから必ず必要になるというふうに思っています。
 以上です。
#24
○委員長(岩永浩美君) 谷合正明君。
#25
○谷合正明君 公明党の谷合です。四班のそれぞれの各委員の皆様からの御報告も踏まえつつ質問させていただきたいんですが。
 実は私、ハイチに行ってまいりまして、昨日帰ってきたところであります。ハイチは、PKOの安定化ミッションがずっと入っておりまして、ようやく治安も回復しつつあり、いよいよハイチもこれから将来が見えかけてきたところに今回の地震がありました。
 今回の地震の特徴は、一つは、ハイチという政府が、地震の以前からもそうですけれども、統治能力が残念ながらあるとは言えません。そしてまた、国連のPKO本部もかなり、代表も亡くなるという事態に発展する、大変国連も打撃を受けたということ、そしてかつ、今死者が二十三万人とも言われておりますけれども、最大規模の死者数であると。
 もう一つ、我が国にとりましてハイチというのが、地理的な距離もありますけれども、言語も、中米諸国の中では公用語がフランス語、しかし現地に入ってみると、九割の方はフランス語をしゃべれずにクレオール語をしゃべるという状況の中でありまして、中南米にはあるんですけれどもなかなか中南米の中では、言うとスペイン語も通じませんし、なかなか置かれている環境というのが我が国にとりましても、日系人もおりませんから、大分かかわりが難しいなと思ったのが率直な印象です。
 その中で、今後のハイチとのかかわりについてです。緊急ステージでは各国がこぞって入りました。これはもう人道支援という目的で、各国もいろんな国が入りました。我が国も当然入っていますし、それは意義は見出せるんですけれども、今後のハイチのかかわり方について、今四千五百万ドルの復興支援、我が国が今後していくということで、具体的な計画を、三月、四月にニューヨーク、ドミニカで国際会議を開いて、我が国としても具体化を今後していくということであります。
 そこで、今日はせっかく緒方理事長にもお越しいただいております。この四千五百万ドルについては、今JICAの代表団も視察に入って現地で何ができるかということを見ていらっしゃるんだと思いますが、まず、我が国がハイチにかかわっていこうというこの意義についてまず明確にしていかなきゃいけないんだと思っております。なぜハイチに私たちはかかわっていくのかという点と、ハイチに何が不足しているかという、現地で聞けばもう何もないという状況でございますので、あらゆる分野が不足している状況の中で、しかし我が国としては限られた予算の中で何かに集中していかなきゃいけないんだと思います。
 私は、やはり統治能力ということを考えていくと、現地政府の機能強化であるとか人材育成とか、あるいは防災、地震、あるいは山林の育成、保護といったものが必要なのではないかなというふうに思った次第でありますが、いろいろなこれまでの御経験、御知見を踏まえながら、ハイチの復興について我が国としての在り方、かかわり方について理事長の御所見を賜ればというふうに思います。現在のところの印象で結構でございますので、よろしくお願いします。
#26
○参考人(緒方貞子君) ただいまの御質問で簡単にお答えさせていただきます。
 ハイチにはただいま、JICAの最初に緊急援助隊が参りまして帰国した後には、今、調査団、復興のための技術的な調査団が出かけていっております。
 おっしゃるように、ハイチとのかかわりというのは決して深いものではございませんでしたし、今後どういうふうにハイチとのかかわりをするかということについては大きな外交問題としてお考えいただくと思いますが、私どもとしては、やはり緊急援助については、地震の後、例えばこれはイランでもそうですし、パキスタン、イラン、スリランカ等々で地震の後の復興についてはかなり今までもいろいろやってきておりましたので、取りあえずは、恐らく地震の後のインフラ、例えば水であるとかそういうようなところからやっていくようになるんじゃないかと思いまして、あくまでも緊急な自然災害に対応する私ども日本が持っております能力というものを生かせる限りの復興援助というものが今取りあえず考えられているということだと思います。
 おっしゃるように、ハイチは言葉の問題、いろんな歴史的な問題もございまして、決して深い関係にあった国ではないし、今すぐ非常にハイチにおける人道的な困難というものに対応できる力は私どもとしても限られているとしてもございますから、その限りでの復興の支援をするということかと思っております。
 どうもありがとうございます。
#27
○委員長(岩永浩美君) 富岡由紀夫君。
#28
○富岡由紀夫君 各班の報告をお伺いしまして、本当に大変皆さん熱心に視察されたということを改めて認識させていただきました。
 その上でちょっと幾つかお伺いしたいんですが、毎年このODA委員会を中心にいろんなODAの実施状況について視察を各班派遣してさせていただいておりますけれども、それがやはり生かされないといけないというふうに思っております。それには、先ほど木俣さんもおっしゃっていましたけれども、PDCAですね。行ったら、それがどのように報告をされて、それが次のODAにどのように生かされたのかということをやっぱり確認しないといけないと。また、この委員会自体も、議論したことが言いっ放しじゃなくてどのように具体的にODAの政策に反映されたのか、そういったことをやっぱり実感できるような委員会でないといけないというふうに思っております。
 先ほど、その中で、若林団長からお話ありました、ODA委員会で再三にいろいろ言っていたキャリアパスですね。海外青年協力隊のその後のフォローというか、あと、それとNGOの支援の、もっと強化した方がいいんじゃないかと。こういうことはもうずっとこのODA委員会の中でも議論されてきたんですけれども、なかなかそれが実感として我々は具体的には感じられないというのが率直なところなのかなというふうに思っております。
 そういった意味で、福山外務大臣に、是非、今までのODA委員会でいろんな提言、中間報告させていただきましたけれども、それがどのように外務省の中で議論されてきたのか、どのように受け止められて具体的に政策に反映させていただいたのか、もしお分かりになればお伺いしたいと思います。
 そして、二つ目は、今日の視察の報告もそうですし、これまでの提言、中間報告等々を是非、今タスクフォースで新しいODAの在り方を見直しされているというお話でしたから、その中に是非そういった今までの積み上げ、積み重ねの成果というものをよく受け入れていただいて、中身をよく御理解していただいて、それを反映していただけるようにお願いしたいと思っております。そして、我々の提言がこういう形で反映できたというふうになると、次からのこのODA委員会の取組に非常に大きな励みになりますから、是非そういったことを御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 あと、それと、先ほど藤末委員がアメリカとカナダに行かれて、ODAの在り方が少し、先ほど加藤委員からも御指摘ありましたけれども、国益に非常に重きを置いたODAだというようなお話もありました。その中で、日本のODAは、じゃどういう在り方を目指すのかということで今議論されておるわけですけれども、私は別にアメリカとカナダと同じODAを目指す必要はないというふうに思っておりますので、日本独自のいろんな国際協力、海外支援、在り方があると思っております。
 そういった意味で、具体的に一番現場によく御精通されていらっしゃる緒方理事長に、改めて日本のODAの在り方、こういった今の諸外国とのODAとの違いというか、そういったものを日本は私は打ち出していくべきだと思っているんですけれども、そういう中で、新しい今後の日本のODAの在り方について、もし簡単なビジョン、そういったものが、目指すべきものがおありであれば是非御意見をちょうだいしたいというふうに思っております。
 それと、あと一つ、このODA委員会の提言なんですけれども、メンバーも我々もころころ替わるケースが多いものですから、視察も今までどこへ行ってきたのかという、同じようなところに行っているようなケースもあるんじゃないかなというふうに感じております。そういった意味で、委員部の皆さんに是非その辺はよくしっかりとフォローしていただいて、同じところにまた行ったというようなことがないように、是非効率的な、同じ視察をするんであっても効率的な視察ができるように、それは継続して、参議院として行くわけですから、院として、事務方の方でも是非その辺はしっかりとフォローしていただきたいなというふうに思っております。
 ちょっと提言も述べさせていただきまして、ちょっと質問をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
#29
○副大臣(福山哲郎君) お答えさせていただきます。
 ODAの特別委員会の議論がどの程度反映されているのか。正直に申し上げまして、定量的にどの程度反映されているのかということは、私はまあまだ五か月だということもありますので余りつまびらかにはしませんが、実は定性的に申し上げると、外務省は、私も中に入って非常に感じたんですけど、国会の議論に対して非常に神経質です。非常に注意をしている。逆に言うと、それは真摯に国会の先生方の議論に対して受け止めなければいけないという意識があるということは、私は内部に入って非常に感じております。
 ですから、これまでの先生方のこの委員会での議論というのは当然省内でも議論というか意識をさせていただいていますし、今回のこの視察における提言に関しては先ほど私が申し上げたとおりの姿勢で臨みたいと思っておりますし、繰り返しになりますが、今タスクフォースをつくっているODAの在り方検討会の我々のテーマ設定とほぼ私は軌を一にするものだというふうに思っておりますので、是非そこはこの委員会での議論を建設的に受け止めながら具体的に行動を起こしていきたいと思っております。
#30
○参考人(緒方貞子君) 一言、この委員会の皆様の御報告、大変私としては参考にさせていただきたいことも多うございますし、非常に有り難く伺っているということだけ、まず申し上げたいと思います。
 御質問の、先進国のアメリカやカナダの開発援助機関との関係が大事かどうか、あるいは日本は独自の方法でいったらどうかというお考えについては、その辺は私どもも、かなりいろんな計画を立て、そして実施していくわけで、迷うことはもちろんあるわけなんでございますが、一点だけ、今国際的に非常に交流が密になってきたと。一国が独自に存在することはできなくて、やはり国際的な、考え方の上でも経済の上でも安全保障の上でも、国際化という時代になってきますと、私どもがやっている、やろうとしている開発援助は、開発援助被援助国だけの問題ではなくて、ほかの世銀を始め地域銀行それからいろんな先進国がやっているものといろんな形で関係が出てきているわけで、それを協力する形で進めれば効果は一層上がるという可能性もあるものですから、各国の援助機関からの私どもへの働きかけも以前よりはだんだん増えてきております。
 それは、実態として、国際化の時代ということを反映して、すべての動きというものが、一つの国が自分のやり方だけで進めばそれを受ける方にとってもやる方にとってもそれで済むという時代から変わってきているんじゃないかと。そういう印象を持ちながら、目下のところ、日本のいろんな効果と効率の上がる形での援助という事業の実施に邁進しておりますが、確かに国際的ないろんな情報の交換から始まって、協力をしようじゃないかというお申し越しが増えているのは現実でございます。私どもとしては、それに一生懸命対応していくということを考えております。
 ありがとうございました。改めて皆様のいろんな御提案にお礼申し上げたいと思いまして、今日伺いました。ありがとうございました。
#31
○委員長(岩永浩美君) 松山政司君。
#32
○松山政司君 四班の派遣団の先生方、大変お疲れさまでございました。大変ハードなスケジュールとお聞きいたしておりますので、お疲れのことだと存じます。また、貴重なる御報告をいただきましてありがとうございました。
 私からは一点、ODAの予算の在り方について、重複するかも分かりませんが、福山副大臣、また緒方理事長にお伺いしたいと思いますが。
 鳩山政権が発足後に、まずはアフガニスタンへの五十億ドルの支援と、そしてアフリカの支援の継続強化ということ、また新規にメコン地域へは五千億円の支援、そしてまた気候変動問題に関しては官民百五十億ドルという支援、矢継ぎ早に途上国支援の公約を打ち出されたわけでありますが、私もこの途上国の支援については、個人的にも、政治家になる前から大変長い間、NGOの責任者として今日まで活動しておりますので、高く評価をしたいと思うわけでありますが。一方、平成二十二年度のこのODA予算を見ますと、事業仕分等々あって、JICAのまず運営費の交付金、あるいは箱物無償にも大なたが振るわれたわけでございまして、結局、前年度比を見ますと八%減ということで、六千百八十七億円ですか、六千百八十七億円が計上されておりまして、過去を見ますと三番目に大きな減少幅でもございます。
 先ほど、中南米に行かれた藤原先生からも積極的な今後の支援の必要性あるいは我が国の国益にもかなうというような御報告もございまして、理解するわけでございますけれども、率直に言って、対外的な公約をこのODA予算の中でどのような形で達成をしていくのかというふうに疑問にも感じたりします。アフガニスタン、アフリカに最優先に予算を付けていくとすれば、そのほかの地域に十分な支援ができなくなるのではないかと単純に考えるわけでございます。
 この辺も踏まえて今後のODA予算の在り方ということで、福山大臣、緒方理事長に御所見をいただきたいと存じます。
#33
○副大臣(福山哲郎君) お答え申し上げます。
 大変重要な御指摘、ありがとうございます。
 御指摘のように、来年度のODA予算は一般会計予算で七・九%減としているところでございます。しかしながら、何とかということで、主要課題がアフガニスタン、アフリカ等がございますから、そのことも含めて、平成二十一年度の第二次補正予算においてもこれらの課題に取り組むために千四百五十八億円を計上させていただきました。
 結果として、円借款等を含めた事業予算は支出純額で対前年比プラス五%程度を計上することに結果としてはなりましたが、現実には、今先生御指摘のように、ODA当初予算としては過去十三年間で約半減をしております。そして、国際比較の対象となるODAの事業量、DACの実績ベースもようやく二〇〇七年に下げ止まり、二〇〇八年に若干の増額になりましたが、一九九五年比、十五年前と比べると、事業量でいうと三四%減と、非常に趨勢としては減少の一途をたどっていると申し上げても差し支えないと思います。
 これはやはり厳しい世論の状況、それは多少、言葉を選ばなければいけませんが、これまでの外務省としてのODAを国民にいかに理解をしていただくかということについて、若干私はやはり足らなかったことがあるのではないかという気がいたします。それから、バブルがはじけ日本の経済状況が停滞をする中で、本当にODA予算を増やしていいのかという世論が、強い世論があったということもあると思います。
 ですから、私は、今日の御提言もそうですし、岡田大臣の下、ODAを見直していこうという議論を始めたこともそうなんですが、やはり外交戦略の中でODAをどうしていくのかということをもう一度、これは与野党の先生共に建設的に御議論をいただきたいというふうに思います。
 そして、その中でもちろん無駄だと思われる点、それから効率的ではないというふうに思われる点については、これは厳しく対処しなければいけないと思いますが、私の個人的な私見としては、そろそろODA予算を削減をしていくというトレンドはもう反転していきたいという気持ちでございます。
 逆に申し上げれば、与野党の先生方共に、また、あえて申し上げれば、国民の理解をいただいてODAの予算はやはりしっかりと日本として増額をし、日本の外交戦略として非常に重要なツールだ、重要な手段だというふうに認識をいただけるように努力をしていきたいと思いますし、その第一弾としてのタスクフォースだというふうに御理解いただきたいと思いますし、だからこそ何とかこの五月程度ぐらいまでには報告をまとめることによって、来年度の予算編成にどう反映をさせていくかということは課題として認識をしているというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#34
○参考人(緒方貞子君) ただいま福山大臣から、実態についての御説明と、そして何とかODAというものを復活させていきたいという力強いお言葉をいただきまして、私も大変励まされた思いをいたしております。
 ただ、財政の厳しい中で、非常に私どもとしてはあらゆることをして経費の削減ということには尽力したいと思っておりますし、事実そういう努力を始めておりますが、ただ成果ということは、やはり幾らお金を出しているかということで測るよりも、どういう結果が開発途上国等々で起こったかということを見なきゃならないと。それは、かなり効果というものを測るのはなかなか難しいということを認識しておりますし、今度の派遣団の方々も世銀それからブルッキングスに行かれてその専門家の方々とお会いになったという記録も拝見いたしましたが、私どもとしても、効果というものはやっぱり相手国、被援助国の中での変化、経済成長、貧困の削減の中で本当に見られるものだという認識は強く持っております。
 アジアのことについてでございますが、アジアの国々は、日本のODAがやはり一つの役割を果たしたと思っておりますが、かなり中進国化してきた国々が多いわけでございます、中国、韓国、マレーシア等々。さっき御報告の中にシンガポールでの研修の話が出ておりましたが、私は、もう少し日本の方からシンガポールに対して、ODAの予算を付けるというのではなくて、引き続き行われる研修においてもっと日本の先生方が研修の講師などに出ていっていただくことこそが顔の見える援助につながっていくというふうに感じましたので、そういう形で日本の方々に世界で活躍していただける、そういう場をきちっとつくっていきたいというふうに考えております。
 国会でも、外務省でもこういうタスクフォースをおつくりになって、国会でもそれに応じた形でODAの議論をしていただけたら、私どもとしてはあらゆることをして努力は続けていきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#35
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#36
○委員長(岩永浩美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、来る二十四日午後一時に、参考人として独立行政法人国際協力機構企画部審議役木邨洗一君及び特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長瀬谷ルミ子君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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