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2010/04/14 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第6号
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2010/04/14 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第6号

#1
第174回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第6号
平成二十二年四月十四日(水曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任   
     松野 信夫君     水戸 将史君
 四月十三日
    辞任         補欠選任   
     津田弥太郎君     加賀谷 健君
     轟木 利治君     横峯 良郎君
     藤末 健三君     梅村  聡君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩永 浩美君
    理 事
                犬塚 直史君
                富岡由紀夫君
                姫井由美子君
                橋本 聖子君
                松山 政司君
    委 員
                梅村  聡君
                小川 敏夫君
                大久保 勉君
                加賀谷 健君
                加藤 敏幸君
                金子 洋一君
                木俣 佳丈君
                行田 邦子君
                武内 則男君
                広中和歌子君
                藤原 良信君
                水戸 将史君
                柳澤 光美君
                横峯 良郎君
                米長 晴信君
                木村  仁君
                佐藤 昭郎君
                西田 昌司君
                山内 俊夫君
                谷合 正明君
   国務大臣
       外務大臣     岡田 克也君
   副大臣
       外務副大臣    福山 哲郎君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       高井 美穂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
       常任委員会専門
       員        諸星 輝道君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        緒方 貞子君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  粗  信仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (新政権の援助政策及びODAの在り方に関す
 る検討状況に関する件)
 (援助人材の育成及び活用の在り方に関する件
 )
 (太平洋島しょ諸国への援助の在り方に関する
 件)
 (気候変動対策に向けた国際協力に関する件)
 (国費留学生の受入れ、支援及び活用に関する
 件)
    ─────────────
#2
○委員長(岩永浩美君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会をいたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、松野信夫君、藤末健三君、轟木利治君及び津田弥太郎君が委員を辞任され、その補欠として水戸将史君、梅村聡君、横峯良郎君及び加賀谷健君が選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(岩永浩美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として独立行政法人国際協力機構理事長緒方貞子君及び同理事粗信仁君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岩永浩美君) 政府開発援助等に関する調査を議題といたします。
 新政権の援助政策及びODAの在り方に関する検討状況について、まず政府から説明を聴取いたします。岡田外務大臣。
#6
○国務大臣(岡田克也君) 政府開発援助等に関する特別委員会の開催に当たり、岩永浩美委員長を始め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げます。
 我が国の平和と豊かさは、世界の平和と繁栄、そしてそれを実現するための国際協調の中でこそ実現が可能です。国際社会の様々な課題の解決に向けて、政府開発援助を戦略的かつ効果的に活用していきます。
 グローバル化が進む国際社会においては、飢餓や病気に苦しみ、人間としての尊厳を保てないような苦しい生活を営んでいる人々が数多く存在しているという厳しい現実があります。同じ人間としての共感を持って、人間の安全保障の実現に向け、途上国の人づくり、国づくりを支援してまいります。九月には、ミレニアム開発目標を主要テーマとする国連首脳会合が開催されます。MDGsの達成に向けて、国際機関や非政府組織とも連携しながら取り組んでまいります。また、官民連携を推進するとともに、貿易・投資環境の整備や資源・エネルギーの確保等に取り組み、我が国自身の豊かさを支える世界の持続的な経済成長を後押ししてまいります。
 また、三月二十三日の本委員会でも申し上げたとおり、私は、現在の開発援助について国民の共感が十分には得られていないとの認識の下、ODAの在り方について本年夏までをめどに基本的見直しを行っています。それによって、国民の理解と支持の下、ODAをより戦略的かつ効果的に実施していく考えです。
 この見直しにおいては、一、国際協力に関する理念、基本方針、二、援助の効果的、効率的な実施、三、多様な関係者との連携、四、国民の理解、支持の促進、及び五、国際協力機構、JICAの各項目について検討を進め、経済界、NGO、有識者等とも意見交換を行っています。先般いただいた参議院ODA調査団の報告、提言等、本委員会からいただいている御意見も踏まえ検討してまいります。
 岩永委員長を始め委員各位の御支援と御協力をお願い申し上げます。
#7
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 次に、独立行政法人国際協力機構から説明を聴取いたします。緒方理事長。
#8
○参考人(緒方貞子君) 政府開発援助等に関する特別委員会の開催に当たり、岩永浩美委員長を始め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げます。
 現代は、グローバル化によってかつてないスピードと規模で人、物、資金、情報が国境を越えて移動しております。従来の国家単位の経済や安全保障の在り方が根本的に変化して、社会や人々が相互依存、相互補完の関係を深めております。テロ、金融危機、感染症、環境問題といった地球規模の問題は、各国が手を携えて協力しなければ解決できません。グローバル化によって、新たな雇用や産業が創出されるなどプラスの面がある一方で、地域、コミュニティーなど様々なレベルで富める者と貧しい者の格差も拡大しております。
 グローバル化の光の部分を伸ばし、同時に影の部分に対する手当ても行うことが開発援助の役割でございます。
 開発援助の目的は、途上国の貧困層の人々の生活水準の向上であり、究極的には各国、各地域の住民が自力でミレニアム開発目標を果たせる力を付けることでございます。教育、保健などの分野での支援に加え、TICADWでアフリカ諸国が東アジアの経済成長の経験を共有化したいと表明したように、貧困削減のためにはインフラ整備や農業開発などを通じた経済成長も不可欠でございます。
 他方、アフガニスタン、スーダン、コンゴ民主共和国などの脆弱国家に対する支援は、人道支援から復興支援へのシームレスな援助が求められております。JICAとしては今後ともこの分野でのチャレンジを行っていきたいと考えております。
 私たちの業務の最終的な裨益者は、途上国の社会と人々であり、ひいては日本でございます。JICAは、相手国政府、地方自治体、コミュニティー、NGO、民間企業の方々と連携し、支援のニーズを的確に把握して、より効果的な援助を提供してまいります。そのための不断の努力を続けております。
 相互依存、グローバル化の時代にあっては、物が国境を越えて生産されております。そのような世界では、一国だけが平和で繁栄することは不可能なのです。開発援助は、慈善ではなく、世界共通のサバイバルのための任務であることを改めて強調して、結びの言葉とさせていただきます。
 岩永委員長を始め委員各位の御支援と御協力をお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○犬塚直史君 まず、岡田外務大臣にお伺いいたします。
 現在、外務省の中でODAの在り方に関する検討状況、方向性について検討がなされているというふうに聞き及んでおるんですけれども、今お話ありましたように、国民の共感がまだ十分には得られていない。これはどういうPRをしてもなかなか難しい問題であるなということを地元を回りますと本当に実感をいたします。
 その中で、大変最近力強いお話を聞いたんですが、これは何かというと、青年海外協力隊のOBの人が地元に帰ってきて、例えば限界集落などで、要するに発展途上国で自分が得た何年かの教訓に基づいて本当にゼロからいろんなビジネスをやろうとしている。そういうことが本当に国内に還元されたときに初めてODAの理解というのが進んでくる。つまり、ODAの資金を使って人間が海外に行くんだと、しかしそれは情けは人のためならず、日本に戻ってきて、本当にどうしようもない田舎にあって、若い人たちが来て、例えばあきらめていた漁業や農業の再生をやるんだというような話がぽこぽこ出てくるようになって初めてODAが本当に定着するのではないかというふうに最近思うんですが。
 大臣、どうでしょうか。いろいろなお話がここにありますが、今の検討状況、方向性についてまずはお聞かせください。
#11
○国務大臣(岡田克也君) ODAの在り方に対する検討につきましては、本年一月に外務省内にタスクフォースを立ち上げて現在議論を行っているところであります。
 項目については先ほど申し上げたところでありますが、国際協力に関する理念、基本方針、援助の効果的、効率的な実施、多様な関係者との連携、国民の理解、支持の促進、そしてJICA、こういった項目に分けて議論を行っております。昨日には、外務省のNGO定期協議会全体会合の臨時会を開催し、私以下政務三役も出席して意見交換を行ったところでございます。今後、NGOに加えて、経済界、有識者等とも意見交換を行うことにしております。こうした各界の意見、あるいは参議院ODA特別委員会での御議論、提言も踏まえつつ、夏までにその提言を取りまとめたいというふうに考えております。
 今委員おっしゃった中で、私も国民の中にODAに対する理解、支援というものが十分でない。私の実感では、地元でミニ集会などを開いて話をしておりますと、七割ぐらいの人が、いや、それが本当に必要なのか、今自分たちも日本も厳しい状況にある中でどうして他国のためにあるいは他国民のためにお金を使うのか、税金を使うのかという声は実はかなり根強いというふうに思います。そういった国民の理解の状況では、これはODA、しっかりと根を張ったものにはならないので、国民の理解と支援が得られるように更なる施策が必要だと思います。
 ただ、そのことだけではなくて、やっぱり根っこの部分で本当にODAというものがしっかりと役割を果たしているというその実態の部分と伝わり方の部分といずれも更なる工夫を要すると、そういうふうに考えてこういった見直し作業を今行っているところでございます。
#12
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 その実態の部分、伝わり方の部分、一番効果的なのはやっぱり身近な人間がそういうことに携わっていると、身近といっても町内に一人ぐらいでもいいんですが、そういう形になれば私どもも地元に帰ってODAの話がもう少ししやすいのかなと、そんな気がいたします。
 緒方理事長に伺います。
 いろいろ今回も事業仕分の対象になって、例えば箱物無償ですとかあるいは任意拠出金、そして運営費交付金の中の国内施設の運営費が見直しになったり、あるいは事業協力費その他いろいろ出ているんですが、特に私はちょっとこれで本当にいいのかなと思ったのは、人件費、給与水準の更なる引下げということを事業仕分の中で言われているわけなんですね。聞いているところによりますと、JICAに入ってくる人たち、総合職として入ってくると、大体大学院レベルで入ってくる、しかも競合しているのが総合商社であることも多いと。となると、相当な形で給料等々これは手配しなきゃいけないということもあるんだろうと思うんですね。そういうときに、独立法人としてだけJICAは考えていいのかなという気がいたしまして。
 外務省でいくと、外務省はやっぱり国益を背負っているわけでありまして、つまり日本国民の利益、日本国の利益というものをまず第一義的に考えなくてはいけない。その下に人間の安全保障を考えていくJICAがあっていいのかなと。つまり、将来的には独立行政法人ではなくて独立の援助庁になるということも一つの考えではないかと思うんですね。
 それも含めまして、緒方理事長の、一連の事業仕分、外務省のODAの在り方に関する検討、JICAの在り方についての御所感を伺いたいと思います。
#13
○参考人(緒方貞子君) ただいま犬塚議員から大変問題の核心につながるような御質問をいただきました。
 今、JICAとしては、独立行政法人ということになって私は初めての理事長として参りましたんですが、その過程で、事業の実施というものはかなり大幅に私どものところが責任を持って実施させていただいております。政策、大きな国の事業としての開発協力でございますから、そこの国の事業としての方針、政策等については十分外務省との、外務省の方の指針、そしてまた協力ということを協議等の中で一体となって実施させていただいているというふうに考えております。
 今、効果のことについて御質問があったんですが、確かにJICAの事業の効果というのは実は第一義的には開発途上国で出てくるものでございますし、そこからその効果というものをちゃんと導き出して、そしてそれが次にひいては日本の国にとっても大事なんだ、日本の国民にとっても大事なんだというような議論をきちっと展開していくのはなかなか難しいことであるということは重々承知しております。ただ、今国の方も大変経済的には厳しいときにあるので、そういう中で経費を使いながらやっていくのには経費の削減ということについて努力すべきだということは重々考えまして、今も刷新会議からのいろいろな御指摘に対してはこれに対応するように調べてもおりますし、実施の方に向かっております。
 ただ、意味があるというふうに国民からの理解がそうないんじゃないかという御懸念はあるようではございますが、実はJICAの方、新しく職員として採用されたのは三十二名でございます。その三十二名に対して希望者は四千人からあったんです。ということは、やはり日本の若い方々の中でもかなり国際的な仕事というものの重要性を認識してそういう仕事に就きたいという方があるというのは、私としては大変心強く考えております。
 そして、確かにおっしゃいますように、かなり高学歴、大学院修士課程という方はかなり多いんでございます。そういう中で、給与等についてはそれ相応のものを考えていかなきゃならないとは思っておりますし、外で仕事する、現場で仕事するということのための準備、訓練等は重々心掛けてやっておりますが、先生方にも是非現場の方の事業などもお時間がおありのときは見にいらしていただきたいと思いますし、現場において、開発途上国において効果が上がるという、それをどういう形で国民の皆さんに知らせていくかということについてはまだまだ広報関係でも随分努力が必要だというふうに考えております。
 取りあえず御質問に答えたつもりでおります。ありがとうございました。
#14
○犬塚直史君 なかなか大臣、難しい問題だと思うんです、広報をきちんとするというのは。
 一つありますのは、やっぱりJICAなりあるいは外務省が民間と一緒に、官民が一緒になって連携をして、なかなか民だけでは入りにくいところに官と一緒になって入ることで身近な企業が、例えばですけど、アフガニスタンとかああいうところで、いきなりそこに入らなくても、じゃ周辺の国家で新しいビジネスチャンスが得られたと、民につながっていくという会社が出てくるということが一つはODAの理解にすごくつながるんではないかと思います。
 とはいいましても、なかなか、三兆五千億円毎年出す〇・七%のミレニアム開発目標というのが、やらなければいけない、説明もしなければいけないけれども、二〇一五年までに達成できるかというと、なかなか難しいところがあると思います。あきらめてはおりませんし、我々も説明しなきゃならないと思うんですが、しかしこれとは別に、やっぱり革新的な資金調達のメカニズムということも正面から取り組んでいかなければいけないんではないかと思います。
 パスポートのない問題に対してパスポートのない資金を調達をしていくという、これが外務省でも革新的資金調達メカニズムタスクフォースが立ち上げられて検討が進められるというふうに承知をしております。本年十一月には、日本が国際連帯税のためのリーディンググループの議長として第八回の総会の議論をリードする立場となるわけですが、この革新的資金調達メカニズムについて、大臣の方から現時点の検討状況、方向性を伺わせてください。
#15
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘のように、我が国は、開発のための革新的資金調達に関するリーディンググループ次期総会において議長国を務めることになっております。これは、各メンバーの我が国に対する期待、信頼の表れであるとともに、我が国の革新的資金調達に関する議論に対する真摯な姿勢を示すものだというふうに考えております。
 我が国が議長国を務める次回総会を成果のある実り多きものとするために、そして革新的資金調達に関する国際的議論に貢献できるよう十分な議論を進め、議長国としての務めをしっかり果たしていきたいと考えております。そして、我が国自身の取組につきましても、リーディンググループなど国際的な議論を踏まえつつ、政府関係者、各省の協力を得て、更に真剣に議論を進めてまいりたいというふうに考えております。鳩山内閣の中でもこの問題についての議論というものを更に深めていきたいというふうに考えているところでございます。
#16
○犬塚直史君 三月十六日の参議院の外交防衛委員会の質疑で大臣に質問させていただいたときに、政府の中でもまだ一定の方向性がきちんと出せているわけではありませんので、まず政府の中でしっかりこの問題について議論を行う、そのことが必要だと思っておられるというお答えをいただいたんですけれども、やっぱりまだまだ理解が少ないと思うんですね。
 しかし、一つの枠組みとして、この間も申し上げたと思うんですが、フランス発着の航空券に対して一律で課税をして、年間私が覚えている範囲では五百億円ぐらいの資金が入るものをフランスの国庫には一切入れないで、いきなりユニットエイドという国際機関に入れて、その資金のすべてがアフリカのエイズ、マラリア、結核のためだけに使うという、言わば主権国家を超えた一つの資金のフローができたわけなんですけれども、一番の問題はいかにもこれは足りない。
 MDGsのために本当にこれをやるとしたら、やっぱり金融、為替取引、いわゆるマネー経済のところに少し薄く課税をしていくという考え自体には、各国の、特にEU加盟国の首脳辺りは相当前向きな発言を最近されておるんですけれども、政府の中でしっかりした議論というのはどのぐらい行われておられるんでしょうか。
#17
○副大臣(福山哲郎君) お答え申し上げます。
 昨年の年末来、税調の中でこの議論は始めさせていただいたところですが、まだ大臣が答弁をされたように具体的に煮詰まっている段階ではございません。今年度に入りまして、実はMDGsの達成やODAの資金以外にも、気候変動に対して長期の資金をどういうふうにするかということに対しても多くの課題を持っています。
 鳩山イニシアティブの検討をする副大臣チームというのが立ち上がっておりまして、それは短期の資金、長期の資金共々に検討しなければいけませんし、国連の潘基文事務総長が主導されているハイレベルのパネルの中でもこういった気候変動並びに援助に対する資金についてどういうふうなメカニズムが要るかということも議論をしておりまして、内閣参与の西村参与に出席をこの間いただいたところでございまして、今年度に入りましてようやく議論の緒に就いたというところでございますので、まさに犬塚委員御指摘のように、フランスの仕組みは我々も研究をしておりますが、どう考えても金額的に小さいと。もう少しやはり普遍的かつしっかりとした財源を確保できる方法が一体どういうものなのかについては一層研究を深めていきたいというふうに思っております。
#18
○犬塚直史君 福山副大臣に是非、やっぱりこの環境の議論のテーブルというのは、本当に多国間の、しかも発展途上国も先進国もある議論のテーブルの中でやっぱり問題になる資金の問題から、パスポートのない問題、環境問題に対するパスポートのない資金供与という方向性で是非、福山副大臣に環境の面からリーダーシップを取っていただきたいんですが。
 もう今年は本当にいろんなこの件に関してはスケジュールがめじろ押しでありまして、是非もう一度その辺の御決意を伺わせてください。
#19
○副大臣(福山哲郎君) 私がというよりも、大臣の指示をいただいて私も動きたいというふうに思っておりますが、ODAのMDGsを達成をする、人間の安全保障を達成をしていくための資金、それから気候変動の資金、これは実は異なった資金だとは考えられなくて、これからの地球規模の課題を対応するときには必ずこういった資金源についての議論は避けられないというふうに思っておりますので、できるだけ早く政府内で方向性を固めて、国際的に賛同が得られるような環境をつくっていくために努力をしていきたいというふうに思います。
#20
○犬塚直史君 是非よろしくお願いします。
 当委員会で平成十九年度に、援助量の大国から援助人材大国へと銘打った提言を行いました。
 外務大臣に伺いますが、この援助人材の育成につなげるキャリアパス、この形成に当たって、外務省だけではなくてJICA、大学院、教育機関が連携するNGO強化策の促進をする、あるいは再就職の支援をするという社会制度の整備充実、政府全体で行う必要があると思うんですけれども、外務省における援助人材の育成につながる取組について伺います。
 特に、ちょっとばらばらになっていまして、例えば今度目黒のPKOセンター、今始まろうとしております。あるいは広島の毎年UNVに何名か行かれている取組もある。あるいは紛争予防センターというところもある。そういうところ、あるいは各大学、大学院の連携もしなきゃいけない。何かばらばらになっている感じがするんですけれども、政府全体の取組という視点からいかがでしょうか。
#21
○副大臣(福山哲郎君) 犬塚委員の御指摘はごもっともでございます。
 実は、最初に犬塚委員から御質問のあった国民の理解を得ることと人材を育てることというのは、僕は一緒だと思います。更に申し上げれば、いろんなNGOや機関、大学等との連携も同様で、それは、理解を深めていただくことと人材を育てることと、多分同じことだというふうに思います。
 若干、実は昨日の例を申し上げますと、大臣から御紹介がありましたように、昨日ODAの在り方に関する検討のNGOとの臨時会議をさせていただきました。これには、実は八十五名を超えるNGOのメンバーの方々が参加をいただいて、二時間に及んで大臣や我々も一緒に議論をいただきました。私、その後に、この会合の後に実は国際開発ジャーナルのセミナーにも出席をさせていただいて、このときには民間の企業、それから国際機関、そしてコンサルタント等々の方々が参加する中で、これも七十名ぐらいの専門家の方々とともに実はいろんな議論を交わしてまいりました。
 私は、こういったことのコミュニケーションを深めていくということが理解を深めていくときのまず一番、そして二つ目としては、今犬塚委員がおっしゃられたように、いろんな仕組みをつくっていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 そのためには、具体的なことでいえば、先ほどばらばらではないかという御批判いただきましたけれども、国際開発高等教育機構、FASIDにおける援助に携わる人材を対象とした研修事業や研究者などの海外派遣事業、調査研究事業を今実施しておりますし、平和構築の分野では、外務省の委託事業として平和構築人材育成事業を実施しております。また、NGOへの支援、連携強化といった観点からは、NGO経験者を外務省の職員として採用したり、NGO職員に対する国際機関や欧米のNGOなどでの実務研修などを実施してきています。
 また、今年度からですが、NGOにおける若手人材育成を支援するNGOインターン・プログラムというのを立ち上げました。また、国際的な機関、国際NGO等で働かれるためのキャリア形成支援としては、日本の若者に対して給与等の経費を我が国が負担して、原則二年間、国際機関に職員として派遣をする制度、JPOの派遣制度を実施をしているところでございます。そしてさらに、このJPOの制度で派遣が終わった方々に対しまして、再度国際機関で就職をしたいという場合の各種の情報の提供、在外公館を通じた国際機関への働きかけなども行わさせていただいています。
 それから、これはJICAの関係も含めてですが、国際協力人材登録制度、JICAパートナーを設け、NGO経験者も含めた国際協力に知見のある人、人材と国際機関、企業、公益法人、NGOとをマッチングをしていくという取組をJICAの方でも行っていただいているというふうに承っております。
#22
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 今の人材の登録制度について、緒方理事長に伺います。
 今ちょうどその話が出たんですけれども、前回の二月二十四日のこの委員会で、日本紛争予防センター事務局長の瀬谷参考人に来ていただきまして人材登録制度の今後の在り方についていろいろお話を伺ったところなんですが、そこでお話が出ましたのが、やっぱりエントリーレベルの人が多いと。これがシニアレベルになっていくと、シニアレベルの人はこういうところに登録しているというメリットをなかなか感じることができないということがあるんですね。
 つまり、初級者レベルというか、現場にそのまま派遣できないという人が一番多くて、逆に自分一人でかなりの専門性を持っている人というのがなかなかそういうところに登録をするメリットがないと。逆に言うと、上級研修というかブラッシュアップ研修というか、何かもう一つ、登録するだけではなくて登録した後に何かのメリットが見出せるような、そういう方向性が今必要かと思うんですけれども、理事長の御所見を伺いたいと思います。
#23
○参考人(緒方貞子君) ただいまのお話、私どもも、いろいろ登録された方々の中からやはり現場に行くような方たちを選んでいく、その間の研修制度等々についてはいろいろ工夫はいたしておりますが、現場の仕事そのものも非常に多様でございまして、それに必要な人材もかなり多様なものがあるものですから、人材センターというものがございまして、そこからいろいろな方に、専門家等々についてお願いしておりますが、一応いろんな研修をした上で現場には行っていただくというのが実態なんだろうと思います。
 何かその点について、人材センター等について粗理事から少し補足していただきたいと思いますので、お願いいたします。
#24
○参考人(粗信仁君) 今のエントリーレベルの方のブラッシュアップですけれども、JICAは、その時代時代で課題は変えてございますけれども、専門家の養成研修ということを行っております。いろいろなツールで人材を育てる、それからやはりそういうやる気のある人を実際の現場に行って経験を積んでいただくと。このためには、ニーズとの先ほど福山副大臣からお話がございましたマッチングということが非常に重要になってくるわけでして、JICAは、第二次のODA改革懇談会の最終報告でそういう事柄が提言されましたので、それを受けて二〇〇三年から国際キャリア総合情報サイト、これは通称JICAパートナーと呼ばれていますけれども、これを通じて日本全体、オールジャパンとしての国際協力人材の育成と活用のための情報や機会の提供に努めてきております。この中には先ほどの養成研修等の情報もございます。
 それから、こういうことを通じて、外務省、それから国際機関、それから民間のいろいろな団体との連携、ネットワークというのは年々深まってきていると実感しております。今このパートナー、JICAパートナーにはNGO等の民間を始め約五百団体、この中には国際機関も入っております、登録しておりまして、採用情報や研修、セミナーの開催案内ということで利用いただいております。外務省国際機関人事センターやNGO等の団体が運営しているサイトとのリンクも張っておりますし、国際協力人材セミナー等の共同開催によって連携というのが着実に進んでいると考えております。
 現在、このパートナーへの国際協力をやりたいという登録者、八千三百五十九名となっておりまして、団体と個人の双方に役立つ情報窓口としてこれからもJICAパートナーの一層の機能強化に努めていきたいと考えております。
#25
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 私も実は有料職業紹介事業、登録制度を自分でやったことがありまして、相当のデータベースがあって、しかもそのデータベースの中には援助関係だけではなくて、この場合でいえば、例えば総合商社に入っている人や、もう既に国連関係機関や何か、あるいは国際NGOで働いている人たち、今の職場に満足している人たちも登録をしていただいて、緊急にいついつまでに何をしなきゃいけないで非常にいいポジションが空いたときに情報を流してそこから一人でも出てくるとまた登録者が増えるという、正の連関になっていくようなんですけれども、お話伺うとまだまだ少ないようですので、是非そこのところは頑張っていただいて、登録者数を増やしていただきたいと思います。
 そこで、外務大臣に、大変基本に戻る質問なんですけれども、ODAの予算、やっぱりこれはもうそろそろ増額に反転をすべきではないかと。この委員会でも何度もこれは話題になっているんですが、やっぱり日本は食料の六割、原材料のほとんどすべて海外に依存しているわけでありまして、人材育成という視点から見ても大変大事な予算だと思います。
 最近のODA予算の削減によってMDGs達成の貢献も相対的に弱まっておりますし、そろそろ特に一般会計予算の増額に反転させるべきではないかと思うんですけれども、大臣の御所見を伺います。
#26
○副大臣(福山哲郎君) 一般会計予算のレベルで見ると、ODAの当初予算は、犬塚委員御指摘のとおり、厳しい経済財政状況を反映をしまして、過去十三年間でほぼ半減をしております。ODAの事業量も、平成十九年に下げ止まり平成二十年は増額しましたが、平成七年以降、趨勢的には減少傾向です。しかし、実は本当に必要な案件、それから重点案件については補正予算にも計上をいただいております。
 例えば、平成二十二年度でいえば、一般会計の当初予算は七・九%減とした上で、実は二十一年度の第二次補正予算に千四百五十八億円を計上しておりますので、結果として円借款を含めた事業予算は支出純額で対前年度プラス五%増の一兆三千百億円程度になるというふうに承っております。
 ただ、政権交代をし、岡田大臣とともに外務省に行かせていただいて概算要求や予算編成をしている中で、このODAの予算を一般会計予算が見かけ上減ずる中で補正予算の中で何とか確保しているという体制自身は少し修正をした方がいいのではないかという認識を持っております。
 つまり、ODA予算をやはり当初予算からしっかりと計上することによって、より必要な事業に対して迅速かつ効果的に対応できるようにするべきではないかと。組まれるか組まれないか分からない補正予算を前提にODAの予算の全体像を議論するということは、少しODA予算の考え方からすると良くないのではないかということを我々としては認識としては持っております。ただし、急にその分、補正に回っている分を一般会計で見ようということになると、予算上は非常に大きく当初予算では膨れますし、今の経済財政状況の中でそのことをどうバランスを取っていくかということを徐々に徐々に修正をしながら、我々としては、犬塚委員のおっしゃいます一般会計当初予算の方で増額に向かっていくという方向を検討していきたいと思っております。
 ただ、留保ばかり付けて申し訳ありませんが、そのことにおいても国民の理解と共感を得られない限りは予算増というのはなかなか理解をしていただけませんので、今検討しておりますODAの見直しも含めて対応していきたいというふうに思っております。
#27
○犬塚直史君 前向きな御答弁──あっ、どうぞ大臣。
#28
○国務大臣(岡田克也君) 今の話に付け加えまして、これは今日の五時に発表予定でございますので、まだ詳細はここでは申し上げられないんですが、OECDの開発援助委員会、DACの事務局が二〇〇九暦年の各国のODAの実績を公表いたしました。数字の詳細はちょっと御勘弁いただきたいと思いますが、日本は第五位だということと、それから二〇〇五年のグレンイーグルズ・サミットで当時の小泉総理が表明した、二〇〇九年までにODA事業量を百億ドル積み増すという国際公約、これが未達成に終わったということでございます。大変残念なことだというふうに思います。
 いろいろな工夫をしながら、別に予算の規模だけではないんですが、予算もきちんと確保できる、そういう状況をつくり出していきたいというふうに考えておりますので、是非御協力をお願い申し上げたいと思います。
#29
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 これは質問通告しておりませんので感想だけ聞かせていただければ結構なんですけれども、私は以前、ダルフールの難民キャンプに行ってWFPの人たちが食料を配布しているところを見たことがあります。大変な作業をされているわけですけれども、片や、日本に帰ってみますと、私の地元、例えば長崎県の魚、定置網で捕ってくる、あるいは巻き網で捕ってきます。売れる魚は三百グラム以上のものばかりでありますので、それはトロ箱に入れてきちんと市場に出すけれども、それ以外のいわゆる雑魚ですね、この部分についてはトン当たり幾らで飼料として冷凍で売る、あるいはそこまでいかないものは廃棄をしてしまう、捨ててしまう。あるいは、例えば島原半島なんかへ行きますと、物すごく農作物が工業製品並みの規格を要求されますので、ブロッコリーであれば何センチ何ミリのものを毎日何千個というふうに規格がありますので、切らなきゃいけない。あるいは、余り取れ過ぎるとこれが暴落しますので、農作物がですね、これを廃棄してしまう、そういう非常にもったいない話があります。
 そこで、今いろいろな方から言われているんですが、そういうものを捨てずに加工をして、一番簡単なのは缶詰なんですけれども、缶詰は配布大変ですから、もっといろいろ工夫をしまして、これをODAの資金で買い取って、これを食料援助で回していくということはどうだろうかということをWFPの方ともお話を間接的に伺ったんですけれども、ODAの予算が全体として減らないんであれば十分可能性はあると、どういう形がいいかについては各地域と相談をしながらやっていったらどうかという話も伺っております。
 答えられる範囲で結構ですので、このアイデアに対する大臣の御所見をお願いします。
#30
○国務大臣(岡田克也君) 今委員のお話聞きまして、最近は農業の現場も大分変わってきておりまして、先進的な取組をしているところでは、そういう曲がった野菜や少し傷付いた果物も加工して総菜用に使うとか、なるべく無駄の出ないように工夫をしているというところもかなり増えてきているというふうには思います。
 そして、委員の御指摘の点ですが、それぞれ食習慣とか難しい問題はあると思いますので簡単ではないというふうに思いますけれども、一つのアイデアとして何か現場で生かせることがないか、外務省の中でも議論してみたいというふうに思います。
#31
○犬塚直史君 さてそこで、外務大臣にもう一度伺いますが、例えばODAの理解を深めるという意味でODAの民間モニター、本年度廃止になりましたけれども、これの復活、それから訪日した途上国の元首に地方を訪問していただいて交流をする、これはTICADWのときに実施をいたしましたけれども、このようなODA広報に特別な工夫をやっぱりしていくべきではないか。
 例えば、これは内閣府の行った世論調査なんですけれども、外交、国際協力というのはやっぱり物すごく下の方に来ているわけですよね。こういうことに加えて、今度は企業のODA離れというのも非常に今進んでおりまして、やっぱりこの辺は官が主体になってPR、特にこの民間モニターの廃止なんというのはちょっと時代に、ニーズには逆行しているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#32
○副大臣(福山哲郎君) 犬塚委員御指摘の民間モニターの廃止でございますが、これは自民党さん時代に自民党の無駄撲滅PTによって取り上げられまして、広報効果が小さいということで不要と判定されたため廃止をされたものでございます。
 このことに対する私は是非は申し上げませんが、この民間モニターに参加をされた方というのは、これまで平成十一年度から二十年度までの間に七百七十名の方の民間モニターが三十か国、五百二十一案件を視察をし、日本のODAについて報告をいただいているところでございます。
 我々としては、今回のODAの在り方を見直す際に、やっぱりODAの評価をどうしていくのかというのが大きな課題だと思っております。三日ほど前にODAの評価の問題について、外務省の中にある評価に対する有識者会議の問題について若干報道等で疑念を持たれて、そのことに対する調査をした結果を発表させていただきましたが、逆に、この評価等の中に、有識者、学者だけではなく、こういった民間モニター、民間の方々に例えば有志で入っていただく若しくは公募で入っていく等工夫をすることによって、評価の在り方自身を、多様化というか、いろんな形で仕組みとしてつくっていくというのは、この民間モニターをそのまま復活するという形ではないにせよ、工夫の仕方は私どもは幾らでもあるというふうに思っておりまして、この在り方の検討のプロセスの中で、この民間モニターの良かった点をいかに取り入れていくかも含めて考えていきたいというふうに思っております。
#33
○国務大臣(岡田克也君) 途上国の元首に地方訪問というお話がありました。
 先般、タンザニアの首相が日本に来られまして、つくばの方に視察に行かれたその後、私と会談する機会がございました。農業技術についてのつくばでの日本の研究成果に触れられ、そして農業の現場も御覧になって、非常に触発された、学ぶところが多かったというふうに言っておられました。そういう形で、何といいますか、地方に行って現場を見ていただくということは、私は非常に有用なことではないかというふうに思っております。日本がお招きをしたような場合に、そういう機会も是非、特に途上国のリーダーの皆さんには見ていただきたいというふうに考えております。
 それから、経済界の話が今出ましたが、私は一つ楽しみにしておりますのは、アフリカで蚊帳を作っていた会社のトップが経団連のトップに今度なることになりました、住友化学であります。ですから、そういったアフリカとかあるいは援助というものに対して理解のある方だというふうに私は思っておりますが、そういうことを一つのきっかけに、経済界もより援助というものに対して積極的に、前向きに取り組んでもらうよう働きかけをしっかりしていきたいというふうに考えているところでございます。
#34
○犬塚直史君 ありがとうございます。
 緒方理事長に伺います。
 今、JICAで官民連携ということを大変一生懸命おやりになって、外務大臣も今そのお話をされましたけれども、しかし、まだまだ援助の現場では、ODA規模の縮小ですとかあるいは案件決定の遅さによって、官民連携を進めるどころかむしろ企業離れが起こっているというふうに聞いております。
 この案件発掘、迅速な意思決定、企業進出を促す支援策、それからCSRとの連携、日本企業とNGOのパートナーシップ、そしてもう一つはやっぱり日本の大学、いろいろな大学でいろいろな今取組が行われておりますので、その辺に対する今後の展開の仕方について御所見を伺います。
#35
○参考人(緒方貞子君) ありがとうございます。
 今、犬塚議員から御指摘のありましたように、JICAとしましても、今、まずPPPですか、企業、経済界の方たちとの連携に、そういう部屋も設けまして、積極的に対応しようとしております。
 例えば、第四回目のTICADのときに、やはりたくさんのアフリカの国々の方がおられたときに、企業側との交流ということも考えまして、準備に当たっても、アフリカのある国において出てはいきたいけどどういう形で出ていっていいか分からないというようなことから、その土地におりますJICAの職員から協力隊の者等々も動員いたしまして、やはり企業が出ていらっしゃれるような、道路であるとか港湾であるとか、そういうことについて、公的な援助の方がまず最初に出ていくべきじゃなかろうかというようなことから、いろいろな御相談を進める機会が出てまいりました。
 それから、先ほどもお話にありましたような、蚊帳の話なんですが、蚊帳を持っていくだけじゃなくて、蚊帳を作る事業を向こうへ持っていこうとお考えになりまして、そしてそういう形で現場における事業化ということもお心掛けになっているというようなときにはかなり手伝いをさせていただいております。
 それから、企業側のCSRをしたいという御希望にも沿った形で、例えば学校を造ってその地域における社会的な発達を通して、企業がいよいよ出ていらっしゃるときには人材の育成というような方面でもいろいろお手伝いをするように心掛けておりまして、決して今大変な成果が上がったということまでは申し上げられないんですが、そちらに向かっての努力ということはかなり着実に進め始めております。
 今、大学とのお話が出たんですが、実はやはり、今特にアフリカの方々は、アジアにおいてこれだけ開発が進み、あるいは経済が進んだ裏には、かなり科学技術というものが現地における生産等にもなっているというようなことから、アフリカの方が、アジアにおいて発達したようにアフリカもしたいから、そのためにJICAにもっと手伝ってほしいという強い御要望がございまして、特に科学技術大学であるとか科学技術を教えるためのセンターであるとか、そういうものの御依頼が非常に今増えておりますんです。
 ただ、これはそう簡単にできるものではなかったのですが、ちょうどいい成果の一つを御紹介できるのは、この六月の三日にエジプトにおいてE―JUST、エジプト・ジャパン・ユニバーシティー・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジーという大きな大学、特に研究棟を含めて大学が成立することになりましたんです。これは大変、国内において公的な大学もそれから私立大学含めて十二の大学が一つのグループをつくっていただきまして、そしてその今度できますエジプトの大学においていろんな先生方をずっと出してくださる、そういう取決めも行われたんです。このエジプトにおいて日本の名前の付いた科学技術大学ができるというのは大変大きなことで、これはエジプトだけではなくて北アフリカ、イスラムのあの地域と北アフリカと両方を網羅した大きな大学を通しての人材育成が進められると思っております。
 こういうこともなかなかそうすぐにできることではないんですが、大学側からのかなりの御関心と協力の申出というものがございまして、十二の日本中の、九州から東北までカバーしておりますが、そういう成果も出ましたので、今先生のおっしゃいましたように、こういうことを通しての日本の着実な開発協力というものが、また若い方々、そしてアフリカ、アジアのいろんな技術向上、そしてひいては経済の発展につながるということを期待して、今一生懸命そちらの方における支援ということをやっております。恐れ入ります。
#36
○犬塚直史君 ありがとうございました。
 最後に、外務大臣に伺います。
 今度のハイチの大規模自然災害に際して、一つには、軍とそれから民、人道支援、開発、そして、ああいうまさに緒方理事長が一番よく知っておられる一日で百万単位の難民が出るような事態に際してはやっぱり軍の力が非常に大きいと。
 今回もハイチについては、米軍が病院船を出したり、いろいろな形で初動があったわけですけれども、今後、こういうアジア太平洋地域で大規模自然災害があったときに、日米合同あるいは多国間でどのような共同展開の可能性があるのか。特に、大規模自然災害に対してはパシフィック・パートナーシップという米国主導の多国間の共同キャンペーンの枠組みがあって、我が国も本年の五月からこれに参加するべくNGOなどの民間参加を呼びかけているという話があります。
 私は、一つの沖縄の出口といいますか、日米の合同、そこに韓国、中国も将来的には巻き込んでいって、こういう人道支援、開発、大規模自然災害対応の多国間の枠組みをつくっていくのは大変重要だと思うんですけれども、外務大臣の御所見を伺います。
#37
○国務大臣(岡田克也君) そういった今委員御指摘の大規模災害、特にアジアにおける大規模災害に当たって、各国の援助隊は被災国政府あるいは国連による調整にのっとって活動するというふうに理解をしております。我が国の国際緊急援助隊がそういった調整に沿って可能な限りアメリカ、米国等と連携協力するということは十分考えられることだというふうに思っております。
 それから、沖縄の海兵隊というのはよく別の局面で議論になりますが、日本にいる海兵隊もこういったアジアにおける様々な災害の現場で、かなり早い段階で現場に行き活動しているということも、余り日本人には知られておりませんが、この場を借りて私からも御紹介しておきたいというふうに思います。
#38
○犬塚直史君 終わります。
#39
○橋本聖子君 自民党の橋本聖子でございます。
 岡田外務大臣そして福山副大臣におかれましては、就任以来、大変連日御苦労さまでございます。また、緒方理事長そして粗理事にも、本日のこの委員会に御出席をいただきましたことに改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。
 一昨年の九月から昨年の九月まで、私自身、一年間外務副大臣としてODAを担当させていただいた者の一人として、改めてその期間、世界各国、特に東南アジア、ODAを必要とする国々を回らせていただく経験を得ました。これは本当に貴重な経験をさせていただいたというふうに思っておりますし、また、これから我が国が本当に顔の見える海外援助というものをどういうふうに確立していくべきかというようなことも考えさせられました。
 ただ、悲しいことにといいますか、これは自民党時代からもそうなんですけれども、このODAの予算が年々減ってきているということの中で、今後、金額の多寡ではなく、これからしっかりとした、援助を求めているところにどのようにしていくかということの大切さというものも知りました。本当に有り難いことにといいますか、岡田外務大臣におかれましては、このODAが削減をされてきたことに対しての危機感を示しておられましたので、大変心強く感じているところであります。顔の見える外交というものをどう実現していくかということの戦略というのが今まさに求められていくものだというふうに思いまして、これからこの見直しについても是非ともそのことをしっかりと打ち出していくべく努力をしていただきたいというふうに思っております。
 その顔の見える外交ということにおいて、私が一年間の中で経験をしてきて、これは本当に良かったことであるなというふうに思ったのが太平洋・島サミットであります。これは、海洋国家である日本にとってこの太平洋島嶼国地域との関係というのは極めて重要でありますし、第一回のサミットというのは一九九七年、これは橋本龍太郎首相の主導の下に行われまして、第一回が東京、そして以後三年ごとに、宮崎、沖縄では二回、そして北海道というふうに続いてまいりました。
 この第五回目の島サミットというのが昨年北海道のトマムで開催をされたわけでありますけれども、当時の麻生太郎首相が提唱いたしました太平洋環境共同体の創設構想が首脳宣言に盛り込まれまして、これを中軸として三年間で五百億円規模の支援を行うことを宣言をいたしました。この意義というのは、これからの地域の連携強化を図る上にとってはとても大きく、そしてまた意義のあることでなかったのかなというふうに思っております。
 日本のほかにも、メラネシア、ポリネシア、ミクロネシアの各国・地域から十四の国と地域に加えて、オーストラリア、ニュージーランドを含む参加国・地域が協力関係を構築してきずなを深めるために実施をしてきているわけでありますけれども、第四回の島サミットでは三年間で四百五十億円を支援するというふうにしましたが、経済協力と安全確保と人的交流などが主でありました。どれを取ってもすべて重要なことではあるんですけれども、環境対策というのはこの五つの重要な課題の一つの中の項目にこの四回目はすぎなかったわけなんですけれども、五回目の島サミットにおきましては地球環境問題というものを真正面から取り上げました。この点についても、日本が積極的にイニシアチブを取ったということに関してはとても評価をされているのではないかなというふうに思っております。
 国際社会におきまして、今後、日本の国際貢献が大きく期待されているのは、何といっても環境の先端技術の分野ではないかなというふうに思います。
 温室効果ガスの削減の技術協力というのはもちろん積極的に行っていくべきですけれども、加えて、太陽光発電のパネル技術の協力、あるいは慢性的な電力不足に悩むことからの地域の人々にとって強く必要とされているものだというふうに思います。水不足の解消のための海水の浄化装置、私自身もキリバス等の国々に行かせていただきましたけれども、地下水から取る水にももう既に海水が混じっておりまして、とても飲み水にはならないというような状況であります。これを開発援助によっての海水を水に変えるという装置というものも大変喜ばれている姿を見たときに、こういった技術協力というもの、そしてまた、先ほど緒方理事長からも人材育成というものは本当に大事だというお話がありましたけれども、環境技術者の育成ということに関してもこれはとても期待が大きいんではないかなというふうに思っているところであります。
 このことについて、まず大臣にお伺いしたいと思いますけれども、こういう環境の支援というもの、そしてまた技術開発、人材育成ということに関してどのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
#40
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘のように、昨年五月の第五回太平洋・島サミット、三年間で五百億円の規模での支援、そしてその中で環境・気候変動問題というのを第一に挙げたということで、私は非常に先見の明ある、何といいますか、そういった中身のある決定であったというふうに思っております。
 委員御指摘のように、こういった太平洋のそれぞれの島国といいますか国家は、地球温暖化、気候変動の影響を最も受けやすい国々でもありますので、そういった国々に対してしっかりと支援していくということは非常に重要なことだというふうに思っております。
 恐らく一、二か月のうちには政務三役の中でこういった、委員も行かれた太平洋の国々に政務三役のだれかを派遣いたしましてよく現状も見るようにと、そういうことも考えておりますし、非常に日本にとって外交的にも重要な国々でありますので、しっかりとした協力関係をつくっていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
#41
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 大臣おっしゃるように、先ほど犬塚先生の答弁にもありましたけれども、実際に現地に赴いて、そして見るということがいかに大切かということも話がありました。是非、こういった国々に政務三役が赴いていただきまして、現状というものをしっかりと見る中でのやはり顔の見える外交を是非やっていっていただきたいというふうに思っております。
 これらの太平洋の国と地域というのは、やはり友好と信頼関係というもの、そして我が国にとっての国益にも直結をしているということでもあります。日本は、国土の広さにおいては世界で六十番目でありますけれども、排他的経済水域は世界第六位でもあります。EEZにある海水量というのは世界四位となりますので、海流エネルギーですとか海水温度差のエネルギーあるいは海洋バイオなどの海洋資源の開発というものにはとても大きな可能性があると思いますし、日本の企業というものは大変なすばらしい努力によって開発が進んでおりますので、こういうところも官民の連携を発揮して、是非協力体制をしいていっていただきたいというふうに思いますけれども。
 我が国というのは国土が狭くて、食料自給率も低くて、また地下資源なども豊富に持っているわけでもありませんので、確固たる理念と戦略に裏打ちをされた対外援助というのは我が国の重要な外交のツールの一つでもあるというふうに考えますが、大変行って感じたところでもあるんですけれども、この太平洋の島嶼国に対してというのは、中国とまた台湾が外交関係を争ってといいますか、大変な援助合戦をしているのがとても目に付きました。この地域に台湾と外交関係を持つ国が少なくないためでもありますけれども、中国の海洋進出戦略の一環でもあるんではないかなというふうにも感じております。
 我が国の太平洋の島嶼国における存在感が低下するのではないかという懸念もあるように感じますけれども、この点についてどのようにお考えかというのを一つと、そしてまた、こういった援助合戦というものを見ながら、日本のスタンス、島嶼国に対して、また中国や台湾に対してのスタンスというものをどうお考えか、大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#42
○国務大臣(岡田克也君) 確かに、この島嶼国におきましては、台湾とそして中国、十二か国のうち中国と台湾はそれぞれ六か国と外交関係を樹立しているということですが、ある意味では熾烈なそういった援助合戦が行われているという面はあるかと思います。
 ただ、伝統的に日本に対して大変いい関係を築いてきた国々でありますし、やはり私は、援助の根っこにあるのは人間としての、あるいは国と国との信頼関係というふうに思います。そういった国々の日本に対する信頼を裏切らないように、しっかりと日本もその期待にこたえていかなければいけないと、そういうふうに考えているところでございます。
#43
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 この島嶼国というのは、太平洋の島サミットで特に日本に来られた十四か国・地域、キリバスですとかあるいはそういった小さな国々というのは日本に大変ゆかりのある地域でもありまして、大臣おっしゃるように、人間、またきずな、そういうふうな信頼関係の下に築かれているなということを実感をしております。中国や台湾の援助のやり方ということと、またこれまでの我が国の援助の方向性というのはやはり全く違っておりますし、異なっておりますし、またそうでなければ日本の本当の良さが発揮できないんではないかなというふうにも感じます。この高い技術力というものを生かして太平洋地域の島民の生活に直結した援助を行っていけば、相手国も誠意を理解してくれるものというふうにも思いますし、また、決して金額の多寡ばかりでなくて、本当に必要とされる援助を行うことによって相互理解も深まっていくんではないのかなというふうにも思います。
 大変私自身感心をしたところの一つには、先ほどのきずなの話がありますけれども、日本の場合においては、一つ道路を造っていただくにしても、多くの方たちに技術というものをしっかりと伝授していただけるということがありました。だからこそ、日本の名前の付いている道路が多かったりですとか、あるいは学校についても、一つ一つこれは援助をしていただいた国の感謝の気持ちが込められているなというふうに思うわけですけれども、学校にも日本の名前が付いていたりですとか、そういうふうに援助に対して誠意を持って向かっていくことによって、その国の子供たちが日本という国をどのようにこれから考え、そしてまたパートナーシップを築いていくべきかということがありますので、人づくりというもの、ただ協力するだけではなくてやはり人づくりというものの観点からも、これからしっかりとODAとしてやっていかなければいけないんではないかなというふうに思っております。
 水産資源の管理と保全についてお伺いを次にしたいというふうに思っております。
 我が国が太平洋の島嶼国に援助をするということは、もう相手から感謝をされればよいということだけではなくて、我が国の利益にもつながるように努力をしなければなりません。そのために、抽象的な目標だけではなくて、具体的な戦略目標というものをしっかりと持つことが第一に必要だというふうに考えておりますけれども、この地域というのは経済的に、特に水産資源を安定的に確保する上で非常に重要な地域でもありまして、島嶼国とそしてまた地域の排他的経済水域というのは約二千万平方キロメートルということで、我が国の例えばカツオの約三割がこの海域で漁獲されているということで、大変な重要な地域であるということがこの数字からも分かるんですけれども。
 先日、ドーハで開催をされましたワシントン条約の締約国会議におきまして、大西洋、地中海のクロマグロの国際取引全面禁止案が一つの焦点となっておりました。結果的に禁止案というのは否決をされて、我が国の漁業関係者あるいは飲食関係、あるいは消費者である国民、これはだれもが胸をなで下ろしたところだったわけですけれども、今回はクロマグロの国際取引全面禁止という極端な状況に追い込まれずに事なきを得ましたが、我が国にとっては大事なことはこれからだというふうに思っております。全面禁止に賛成した国の問題意識というものをしっかりと把握していくと同時に、我が国が資源管理に努力と貢献をする姿勢を国内外に示す必要があるというふうに思います。国際社会におきまして、我が国が水産資源の保全と管理について責任ある態度を示していくことで、こういった極端な方向に進むことが少しでも防げることができるんではないかなというふうにも思っております。
 全面禁止案の否決というものを受けまして、この背景の中には、例えばワシントン条約締約国会議においてマグロの国際取引というのは、全面禁止案が否決されるかどうかというのは当初五分五分だったわけですよね。その中で、特にこの否決において主役は中国だったという話があります。これは当然だということもこの背景にあるんですけれども、これに対してアフリカなどの途上国が同調したわけですけれども、これは特に、否決されたサメの保護強化案というのがフカヒレ採取の盛んな中国を刺激してアフリカなど途上国が同調したというふうにも報道されておりましたけれども。
 経済的な打撃を大きく被るのではないかというような危機感というものを強く感じたと思いますが、支援や投資というのも通じてアフリカが、やはり何といっても途上国への影響力というんですか、中国がアフリカへのODAというのは目覚ましいものがあるというふうに思うんですけれども、そういったことの援助をアフリカに強めている中国の存在があったからこそというような結果が出たというふうにも言われているわけですけれども、こういったことに対して赤松大臣が日本の姿勢が理解をされたというふうに述べられました。これはこういった背景も、様々な問題があってそのような発言をされているというふうに思うんですけれども、一部では、日本の姿勢が理解をされたんだということに対して、それはちょっとあらゆることから考えると日本は楽観的に考え過ぎているんではないかなというような指摘もあったというふうにありましたけれども、このことについて外務大臣は、日本の姿勢が理解をされたという赤松大臣の発言の中で、どのような姿勢が理解をされたという、この姿勢というものをどう受け止めているかということをお聞きしたいのと、もう一つは、これからについてどのようなお考えがあるかということをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○副大臣(福山哲郎君) 橋本委員にお答えいたします。
 橋本委員におかれましては、私の前任の副大臣でいらっしゃいますので、恐らくいろんな思いを共通する点があると思いますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 今のクロマグロの件については、幾つかのポイントで御指摘をいただいたと思います。
 一つは、赤松大臣の日本の姿勢ということに対して楽観的過ぎるのではないかということに対するお答えを申し上げますが、客観的に申し上げますと、要は今回の争点は、クロマグロの問題について、ワシントン条約附属書Tに掲載をして国際商取引を禁止すべきという側と、そうではなくて、クロマグロについては大西洋まぐろ類保存国際委員会、いわゆるICCATによってしっかりと資源管理をしていくべきではないかということの争点の中での議論だったというふうに思います。
 御案内のように、ICCATの資源管理は昨年合意をしたところで、昨年資源管理をしていこうというふうに合意をしたときに、すぐさまこのような形で取引を禁止するというのはいかがなものかということの日本の主張が各国に我々としては受け入れられたというふうに思っております。しかしながら、それは、橋本委員がおっしゃるように、資源管理をしっかりと徹底していかなければいけないということとは全く同義の話、同じ意味の話だと思いますので、そのことは我々としてもこれからもしっかりと対応していきたいと思います。
 一方で、委員の御指摘にありました中国のおかげでこの問題は否決に至ったのではないかという議論があります。
 私は、実は外務副大臣にならしていただいて非常に残念なのは、我が国の報道は、ともすれば日本の外交努力を過小評価をして、他国のおかげだとか日本は存在感がないというようなことの報道が非常に強くあると思います。今回のこのクロマグロの問題に関しましては、在外公館に、とにかく岡田大臣の訓令として、それぞれハイレベルに日本の立場を主張するように訓令を出させていただきました。また、在京の大使館にも外務省の職員が自ら出向いて日本の立場を理解をしていただくように説得を試みました。我々としては、この議論のときには、もうかなり前からこの採決について危機意識を持って、岡田大臣を筆頭にとにかくしっかりとやっていこうという外交努力を積み重ねた結果だというふうに思っておりまして、いろんな国際的な要素はありますが、それがイコール中国のおかげだというような短絡的なことでこういった結果は得られないというふうに思っておりますので、我々としてはもう少し客観的に日本の外交努力も評価をしていただきたいというふうに思っております。
#45
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 資源管理をしていこうという、そういったことの姿勢、日本ならではの、資源をしっかりと管理していくということの技術というのはやはり国際的に評価が高いわけですので、そういうようなものを見ていただいたということを示していただいたというのは理解ができます。また、日本の立場というものをしっかりと話をし、理解を求めて説得に各国に回ったという御努力にも感謝を申し上げたいというふうに思いますが。
 ただ、やはり昨今、特にアフリカへのODAというものは中国が大変な力を入れているところでもありまして、そのことを考えたときに、一つ一つこういったことに対しても、より強い理解を得るためには、やはり日ごろからのこういう対外援助というものがその国をより早く理解をし、そしてより強力な協力を得るというような状況に持っていくものであるというふうに思いますので、その点についても、是非今後視野に入れながら見直しというものの中にしっかりとこのことを取り込んでいただければというふうに思っております。
 三月の二十五日付けのインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙に掲載をされた記事なんですけれども、これはワシントン条約締約国会議の際に、日本が外交の枠を超えて会議の精神に反する戦略を使ったというふうに書かれました、こう非難をする各国代表もいるということであったんですけれども。ケニア代表については、日本が各国代表に対して日本の立場を支持するよう圧力を掛けて、アフリカ諸国の漁業担当の政府職員が会議に出席できるよう費用を支払ったと非難すると。これについて日本政府は繰り返し否定をしていたというようなものでありました。
 記事の中には、日本政府は繰り返し否定していたというふうにありますけれども、こういうふうな事実というものは本当にあったのかどうか、いま一度お聞かせいただきたいと思います。
#46
○副大臣(福山哲郎君) まず、とにかく我々としては、先ほど申し上げたような外交努力をさせていただいたということは繰り返し申し上げさせていただきます。
 また、外務省としては、外交交渉をする際の支出としては、御指摘のようなアフリカ諸国の会議参加費用については、これらの支出をしていることはございません。
 ただ一方で、実は、この国際会議に限らずでございますが、国際機関の中で国際的な漁業関連への協議の参加ということで、途上国がそれぞれの途上国の資金が足りないということで民間ベースの資金を適正に使って国際会議の参加費用を出すというスキームがそもそも継続的にございます。つまり、今回このことの交渉に当たって特別に参加費用を出すから我々に協力をしろということではなくて、漁業の国際交渉の際になかなか途上国が出にくい場合には参加費用を出すという民間ベースの資金があるというふうに我々も把握しておりまして、今回もそのことについて適正に活用されたというふうには聞いておりますが、それは政府の資金としては聞いておりませんし、詳細についてはお答えする立場にはないと思います。
#47
○橋本聖子君 やはりこうした報道というのがすべて正しいというわけでもありませんし、悪意的な解釈というものもあるかと思います。また、そういうことが、気持ちが含まれているかというふうに思いますので、今後、我が国が大西洋のクロマグロについて、また大西洋に限らず太平洋・島サミットに参加したこういった島嶼国や地域の排他的経済水域においても、水産資源の保全あるいは管理というものの協力というもの、副大臣おっしゃったように、資源の管理をしていくということの姿勢というものが示されてきた結果がこの状況であるというふうにもお話がありましたけれども。
 やはり日本のこれからというのは水産資源の保全と管理の協力というものが最大に関心があり、そして諸外国が求めているものだというふうに思いますけれども、これからどのような形で協力をしていくことが必要かということと、今後の見通しといいますか、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#48
○副大臣(福山哲郎君) 大変な重要な御指摘をいただいていると思っておりますが。
 委員が先ほどから御関心のいわゆる太平洋並びに島嶼国に関しては、漁業の管理に関しましては、マグロ類についてはWCPFC締約国、いわゆる中西部太平洋まぐろ類委員会の下で行われておりまして、その下で行われている漁業の管理、保存について我々としては更に積極的に関与をしていきたいというふうに思っておりますし、ODAの支援ということで申し上げますと、水産資源の保存、管理については、対ソロモンに対して国内カツオ・マグロ類の漁業基盤修復計画等を供与したり、対フィジーに対しては南太平洋大学海洋研究施設整備計画で我々としては供与させていただいたり、対トンガに対してもマグロ漁業調査訓練船の建造計画について供与させていただいたりと、各国の要請に基づいて必要に応じてODAを拠出をさせていただいておりまして、全体といたしましては、今申し上げましたWCPFCの締約国と協力をしながら資源の保存、管理に努めていきたいというふうに思っております。
#49
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 やはり我が国の養殖技術あるいは冷凍技術ですとか、そういったものというのはどの国よりも大変な先端を行っているわけでありまして、特にキリバスでは、民間の企業の力を借りながら、経産省あるいは農水省そして外務省と連携を取って、ミルクフィッシュという魚の養殖場を見させていただいたんですけれども、今まではそういう国というのは捕るだけで育てるということは当然しなくてもいい国だったわけでありますけれども、それがいろいろな環境の問題、そしてまた国際社会に置かれている状況をかんがみたときに、それだけではもう生活ができない状況になっているのは確かでありますから、そういう技術というものを習得しながら、その今置かれている環境問題にどう対応していくかということが早急の問題であるということで、努力している姿を見させていただきました。保存食というものがなかなかない中で冷凍技術を用いて、また日本の薫製技術ですか、桜の木はないものですからバナナの皮で薫製の技術というものを習得し、そして多くの、その島だけではなくて諸外国に喜ばれているというような状況を見まして、大変なやはり、適切な水産資源の管理というものが、我が国が持っている技術、それを求めている国がこれだけあるんだということを実感をしてきました。
 水産資源の保全ということと、そしてまた管理についての取組というのは、新しいやはり養殖技術の開発というものにも我が国自身が援助をすることによって更に開発をされるという話も聞いておりますので、我が国のそういった養殖技術やあるいは保全また管理というものの技術を高めるためにもこういう国への援助というもの、エネルギーが少ない国に対してどのような最小のエネルギーで資源というものを守っていくかということの技術開発というのが日本においても大変な効果があるという話がありましたので、是非こういうのは省庁の枠を超えて取組を積極的にやっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、温暖化対策、これは島嶼国にとっても温暖化対策というのはもうとにかく早急にやっていただかなければいけないという問題の一つでありますけれども、昨年秋の国連気候変動サミットにおきまして、温室効果ガス、二〇二〇年までに九〇年比二五%削減するというふうに鳩山総理が発表をされました。これは、九〇年比二五%というのは〇五年比に直すと三〇%減の削減率に当たりまして、アメリカの一四%減、EUの一三%減より大幅に高いわけであります。この目標を高く持って取り組んでいくという姿勢は大変いいことではあるんですけれども、果たしてこの数字が妥当なのかというような意見も多数ありました。
 アメリカと中国の二大排出国などの排出主要国というものの削減努力があって初めて二五%減に取り組むとしたのは当然のことと言えますけれども、このやはり数値目標を課すために、拒む中国に対してもほかの国と協力をし合って、また連携をして説得をしていくことをしなければこの数値目標というのは当然達成できないんだというふうに思うんですけれども、現在、政府としてはアメリカあるいは中国に対してどのような働きかけを行っているのか、お聞かせください。
#50
○副大臣(福山哲郎君) 橋本委員御案内のように、アメリカは二〇〇五年比ですが一七%の削減だというふうに承っております。実は、この二五%の妥当性の議論はいろいろあって、これは言い出すと切りがないんですが、少なくともIPCCの中では、先進国は最低二五から四〇%の削減をするということがIPCCに出ておりまして、日本としてはバリ行動計画の中でこのことについてコミットしているということは元々あったということだけは御紹介をさせていただきます。
 また、中国、アメリカに対しては、本当に継続的にハイレベルの会談の場それから気候変動の担当者同士の場、それぞれにおいてこのことに対しては強く要請をさせていただいておりますし、更に申し上げれば、日米さらに日中含めて、この気候変動については日本の高い技術も含めて協力関係ができるのではないかということも含めて対応させていただいておりますし、御案内のように、日米の間では昨年オバマ大統領が訪日をされた際に日米の気候変動の協力の文書も出させていただいているというところでございます。
#51
○橋本聖子君 アメリカそしてまた中国、共に協力をし合いながら、また削減努力というものの技術というのは、環境技術というのはやはり日本が最高峰を行っておりますので、是非この連携強化というものを高めていっていただきたいというふうに思っております。
 やはり今直面している国、地球温暖化にですね、こういう島があるわけですけれども、温室効果ガスの削減問題ということにおいてはかなり厳しい姿勢を示しているのが島々の国ではないかなというふうに思っております。これは当然、自分の国がもういつなくなってしまうのかというぐらいな危機感の中で毎日生活をしているわけですから当然のことだというふうに思いますけれども、これは島嶼国によっては先進国にも新興国にも同じように削減努力を求めているわけであります。
 この島嶼国のグループと連携をして、またさらに排出削減に協力的でないと言われるような新興国や途上国の削減義務も訴えかけていくことが必要だというふうに思いますけれども、こういった島嶼国の、今もう既に大変な危機感の中で住んでおられる国々の方たちとのグループとどのように連携を取っていくかということをお聞かせください。
#52
○副大臣(福山哲郎君) 済みません、島嶼国グループとの連携については後でお答えしますが。
 私、先ほどちょっと言い忘れましたが、先週の日曜日に私は中国で行われたボアオ・フォーラムというのに参加をしてまいりました。これは各国の主要なアジアの国々を中心とした首脳レベル、外務大臣レベル、環境担当者レベルの方々が来られたフォーラムだったんですけれども、その場においてのテーマがグリーンリカバリーと持続的経済成長というテーマでございました。そして、その場で習近平国家副主席が気候変動に対する中国の立場を基調演説をされました。非常に精力的に対応していきたいということですし、各国との技術協力も進めていきたいというような基調演説をされました。
 まさに、日本の高い技術力を中国とどう連携を取っていくか、橋本委員御指摘のとおりのことでございますし、これから先どのような形の協力が組めるのかについては建設的に議論を深めていきたいというふうに思っております。
 一方、島嶼国グループとの連携でございますが、今このグループの中にはコペンハーゲン合意に賛同している国と、賛同をまだせずにまだ検討中の国々があります。先ほど岡田大臣が答弁をされましたように、近いうちに政務三役がこの島嶼国の国々を訪問をさせていただいて、気候変動を中心とした日本の立場を御説明をし、そしてさらには日本の技術協力も含めての連携を模索をしていきたいというふうに思っておりますし、まさに気候変動に対して、脆弱な国々に対して日本はいち早くメッセージを出すんだというつもりで岡田大臣を筆頭に今対応しているところでございます。
#53
○橋本聖子君 もう最後の質問にしたいと思います。ちょっと時間がなくなりましたので、ODAの理念と原則ということで最後に一言だけ大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですけれども。
 政権交代後、鳩山総理はODAによる巨額の対外支援というものを約束をしてくださいました。一方では、岡田大臣も就任当時からODA削減に危機感を示されていたわけですけれども、事業仕分によって本年度の予算におけるODAというのは七・九%減になってしまったということを見ますと、岡田大臣の考えと事業仕分と、また鳩山総理の約束した巨額な対外支援というのを並べてみると、少しぶれが、何か同じ政権の中で一貫性がないような感じも受け取れないわけではないんですけれども、量より質ということの強化を鳩山総理がおっしゃっていましたように、こういったことを明確な理念と原則を持って示していき、そして具体化していくべきではないかというふうに思いますが、大臣の改めてこれからのODAに対する意気込みというものをお聞かせください。
#54
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘の中で、鳩山総理の気候変動にまつわる鳩山イニシアティブ、これはODAの範囲に必ずしもとどまるものではないわけでございます。それから、私もというか鳩山内閣として、アフガニスタンに対して五年間で最大五十億ドルという、そういった約束もしております。
 私は、今回予算が減ったことは、それは行政刷新会議といいますか仕分の結果でもありますけれども、いろんな意味で見直しを必要とするところがあるというふうには認識しております。しかし、そういった見直しをしっかりした上で、質を高めた上で、量的にもやはり今のように減っている状態というのは早く歯止めを掛けて増やしていかなきゃいけない、そういうふうに認識をしております。中身を見直した上で、そして増やしていく、ODAの予算を増やしていく、質、量共に充実させていく、そういう考え方で今後とも臨んでいきたいというふうに思っております。
#55
○橋本聖子君 ありがとうございました。
 早急にODA施策の全体像というものを示して、顔の見える外交というもの、そして日本ならではの外交というもので国力というものを示していただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#56
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 私の方からは、まず我が国の今後のことを考えますと、留学生に対する支援ということも是非大いに議論しておかなきゃならないと思っております。
 先ほど緒方理事長の方からも開発援助というのは世界共通のサバイバルのための任務であるという旨の御発言はありましたけれども、まさに我が国がサバイバルとして世界の競争から生き残っていくためには、日本から海外に行く留学生もさることながら、海外から日本に受け入れる留学生ということも大事な視点だと思っております。アジアの活力、世界の若い活力を取り込む、優秀な留学生を大いに日本に来ていただくと、そういう観点なのであります。また、日本で留学をして母国に戻ったときに、特に途上国の出身の留学生なんかは母国の復興、再建のために汗を流すということも大いにあるわけであります。
 そこで、平成二十二年度の予算を見ておりますと、文部科学省関係のODA予算も減額をされておりますし、外務省関係の留学生の関係予算も減額をされております。本年度予算を見ておりますと、どういう考えを持ってこの新政権は留学生政策を取ろうとしているのかがよく分かりません。
 そこで、よく言われるとおり、コンクリートから人へを標榜して箱物無償資金協力から人にかかわる支援にシフトすると言われているのであれば、もう少し私は留学生に対する支援というものを積極的に評価をして強化をしていくべきじゃないかと思っておりますが、この点、前政権では留学生受入れ三十万人計画というものもありました。新しい政権においては、留学生を受け入れることについての考え方、またODAの在り方検討会ではこれどういうふうに議論していこうと思っていらっしゃるのか、まず御所見を伺いたいと思います。
#57
○副大臣(福山哲郎君) お答えをさせていただきます。
 私どもも、留学生に対する思いというのはかなり強く持ちたいというふうに思っておりますし、留学生の交流や留学生を支援することというのは諸外国との友好促進に貢献する人材を育成するという点からも大変重要だというふうに思っておりますし、在外公館を通じた留学生の募集、選考及び帰国留学生会との連携等により留学生の受入れ促進にこれからも貢献していきたいというふうに思っております。
 そして、このODAの見直しの中でも留学生ということについては位置付けをしっかりしていきたいというふうに思いますし、谷合先生御案内のように、我が国で学んでいる留学生の総数は今十三万二千七百二十名でございます。二〇二〇年に三十万人の受入れを目指すということを前の政権から議論をいただいておりますけれども、二十一年五月現在での国費の留学生数は一万百六十八人で過去最高でございます。
 是非この方向性でやりたいと思っておりますが、限られた財源でもございますし、今回については事業仕分それから厳しい財政状況の中で減額をさせていただいておりますが、ODAの見直し、留学生の重要性等もかんがみながら、総合的に今後検討していきたいというふうに思っております。
#58
○谷合正明君 重要性を御認識をしていただいているわけでありますが、現実として、予算が減額されているというのもまたこれも大きな事実であります。その点について、私もこの新しい検討会、新しいODAの在り方についての検討会をされるわけでありますが、やはりそこは矛盾しない政策が私は必要だと思っております。
 次に、この留学生の受入れでありますが、先ほども副大臣から、現在十三万人、国費は一万人を超えたという話がありました。出身国を見ておりますと、中国が七万九千人、韓国が一万九千人、以下台湾、ベトナム、マレーシアと続きまして、特にベトナムそれから中国からの留学生が前年比で一割増というところもあります。
 私は、当然アジアは大事だと思います。ただ一方で、例えば今日もありましたアフガンとかスーダンとかコンゴ民主共和国、こういう話題になっているような国々からも多く、まあ多くなくてもいいと思います、留学生を積極的に受け入れていく。また、私は先般ハイチに行きましたけれども、中南米でもとりわけ日本との外交関係がなかなか希薄だと言われているような国でも、そういうところからの留学生を受け入れるということは私は非常に後々に意味があることだと思っております。
 そこで、特に国費留学生等、まだ中南米で、例えば中南米でいいますと、バルバドスとかドミニカ国とかセントルシアという小さい島国は平成二十たしか一年か二年現在でゼロ人ということでありますので、いかに人材を発掘していくかということをしなければならないと思いますが、この点についてどういうふうに取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。
#59
○副大臣(福山哲郎君) 現状の数字の構成は谷合先生御指摘のとおりだというふうに思っておりまして、やはりアジアが相対的には大きいというのが実態でございます。ただ、今在外公館を通じて募集する大使館推薦枠については、とにかく幅広くということで、世界の百六十以上の国と地域から募集や選考を行わせていただいているところでございます。
 例えば、意識的なものでいえば、アフリカについて言えば、平成二十年から五年間で五百名、年間約百名受け入れることとしておりまして、これはこれまでとは違う取組になっておりますし、太平洋・島サミットにおいては従来の枠の倍増を図っていきたいと、これはまさに橋本委員が副大臣のときにやられたことだというふうに思いますが、やっておりまして、こういったことの組合せを更に多用していきたいと思いますし、先ほどからお話がありましたように、ODAの見直し、留学生の見直し等々の中で、どういった手法で各地域に分散をして留学生を増やしていくのがいいのかについても検討してまいりたいというふうに思います。
#60
○谷合正明君 今日は文部科学大臣政務官にもお越しいただいております。
 先日、私、ニュースを見ておりましたら、そこはベトナムの舞台だったんですが、ベトナムの高校生を各国がこぞって留学を受け入れようということで競争している。その中で、東大の先生がベトナムに行きましたけれども、なぜ東大なのかという問いかけに対していろいろプレゼンテーションしたわけですが、いや、もう韓国とかシンガポールとかそっちの方が魅力ありますよというのがベトナムの高校側の答えだったと、大変ショックを受けたというような報道の内容でありました。かつてであれば、中国の留学生が、まず第一志望でアメリカとかよく出ていて、次の次ぐらいに日本だと言われていましたけれども、今や韓国とかシンガポールにじゃ抜かれているのかという思いがしたわけですね。
 私は、一つ、日本を留学先として第一希望と、第一希望で留学しようと思えば何が障害になるのかなと。一つは、私は、大学での授業ですが、やはり英語で授業をするというような、そういったこともしなきゃいけないと思います、日本語でばかり授業しているだけじゃなくて。もう一つは、卒業後に、例えば日本企業に魅力ある、自分の力を発揮できる企業があるのかどうかという点。三点目に、保証人問題というのがよく言われておりまして、かつてであれば三つの保証人問題があったと。
 それは、入国の際に身元保証人を求めると。二つ目に、入学時における授業料等の債務保証人を求めたこともあると。三つ目には、例えば民間のアパートだとか下宿とかに入る際にこれは連帯保証人を求めるということでありまして、これ商習慣もあるかもしれませんが、なかなかこれはハードルが高いですね。私たちが海外に行ったときにこの保証人を探そうと思うとなかなかできない話でありまして、そこで、私は、この保証人の問題についてもいろいろ現場からも声を伺っておりますが、文部科学省としてどういう対応を取られておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#61
○大臣政務官(高井美穂君) まさに谷合委員御指摘のとおり、いろんな包括的な政策とともに、この債務保証書の、身元保証人の債務保証書を提出をするということに関して、文部科学省としても、専門家による検討を経て、既に平成九年の十月の留学生交流の推進に関する通知というものの中で、各大学等に対して、入学などの際の債務保証書の提出が困難と認められる外国人留学生からはこれを徴収しないことということで、可能な限りの検討及び改善を行うように求めているところではございます。
 しかしながら、現状といたしましては、御指摘あったとおり、入学後の国内における緊急連絡先の確保などの観点から、留学生の大学等への入学手続に際して日本在住の身元保証人を求める大学等もあるということは事実でございまして、御指摘あったとおり、今後とも、優秀な留学生の円滑な受入れを進めていく観点から可能な限り身元保証人の確保を義務付けるということをしないようにということで、引き続き大学に改善を促してまいりたいと思います。
 文科省として、実は実態について詳細なまだ把握というか調査がございません。民間の東京YMCAの留学相談室というところが調べたものによりますと、現在でも五四・三%の大学では保証人を求めていないというデータがございまして、まだまだいろいろと検討したり改善を促していかなくてはなりませんけれども、委員御指摘のとおり、いろいろと踏まえた上で我が省としても努力をしたいと思っております。
#62
○谷合正明君 これ、留学生に聞けば必ずこの問題は何とかしてほしいという声は上がります。当然、就労目的で何となく留学するというのとはまた違う話でありまして、優秀な留学生を受け入れようとしている中で、母国であれば全然問題ないような方が日本に来て何かまるで犯罪人扱いのように保証人を求められているという実態であると、それこそ韓国とかシンガポールとかそういう国々に後れを取っていくのではないかと私は思っております。
 少なくとも、日本に留学して、日本を選択してよかったなと思って留学を終えてもらうということが大事でありまして、私はこういったところにも、細かいところかもしれませんが、ODAという観点からも大事な話だと思いますので、是非とも、調査をしていないということであればしっかりと、どこまでできるか知りませんが、民間とも連携しながら私はしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 その上で、もう一つ、国費留学生の活用についてということで提案をさせていただきたいのですが、実はハイチの地震で私は現地に調査へ行きましたけれども、その際に現地のガイドとして献身的に動いてくれたのが日本にハイチから留学した第一号の国費留学生だったんですね。名古屋大学でマスターと博士号を取って、日本語もできるし、当然フランス、英語できて現地のクレオール語も分かると、こういう留学生だった。実は、昨年にもスマトラ地震がありましたけれども、スマトラは私、現地に行ったときにたまたま空港で居合わせた横にいた人は、日本の岐阜大学で博士号を取ったというインドネシア人の、現在大学で先生として教えているパダンに在住している元国費留学生だと。
 私は、そういう話を聞いたときに、日本人が日本から世界に出ていって活躍するということは大事ですけれども、むしろ現地の人材ということをもっともっと知らなきゃいけないなと思いました。特に大使館がそういった国費留学生を、その後、日本の留学を終えてからのフォローができているのかどうか、母国に帰ったときに何をされているかとかいうことを私はちゃんとできているのかなということをちょっと不安に思いました。
 一部の大使館なんか、例えばメキシコなんかでは、既にこういう留学生を、例えば企業のマッチングイベントであるとか文化学術交流イベントで大いに一緒になってパートナーでやっている例もあるそうですが、私はこれは世界全体に広がっているとは思えません。
 そこで、まず国費、少なくともODAで国費留学生として受け入れているわけですから、その後のフォローをしっかりしておくべきじゃないかというふうに思っております。それが更に次のステップとして、例えば災害時であるとかそういったときに、日本の例えば支援、日本のNGOに対して協力してもいいよという、そういう人材もいると思うんですね。そういう何か人材のネットワーク化というものも併せて構築すべきじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#63
○副大臣(福山哲郎君) 大変重要な御指摘でございまして、元日本に留学をされている方々は知日派や親日家として我が国との懸け橋となっていただける重要な人材であり、先ほどのハイチの谷合先生の例などはまさに懸け橋となっていただいた実例だというふうに思います。
 我々としても、支援としては重要だというふうに思っておりまして、在外の帰国留学生会の組織化を支援するとともに、留学生の帰国報告会、会報の作成、留学説明会の実施等に関する活動支援を外務省としては実施しておりまして、現在、全世界で七十七か国に百七十九の帰国留学生会組織が設立をされています。
 外務省としては、今申し上げた帰国留学生会や在外公館を通じて元留学生のフォローアップや支援活動を行い、ネットワーク化を進めていきたいというふうに思っておりまして、二十二年度の予算としては約二千七百万を計上しているところでございます。
 私、実はこのことの報告を外務省から聞きました。聞いて、あとは問題は実態としてどの程度機能しているかが重要だということを申し上げまして、そのことについてもしっかりと報告をしてほしいと。恐らく、その場所場所によって、しっかりとこの留学生会がコミュニティーをつくっていろんな情報をやり取りしているところと中にはなかなか動きにくいところと、多分、恐らくそれはまだら模様のような気がします。ただ、そのことの実態も含めてしっかりと把握するようにということは外務省にも伝え、我々にも報告するように申したところでございます。
#64
○谷合正明君 国づくりは人づくりということから始まりますので、その人とはだれかといったときに、やはりその国の当事者だと思うんですね、最終的には。私は、今回のハイチのことも含めて、ハイチの復興をするのはだれかといえば、最終的にはハイチ人であるわけでありまして、そのハイチ、じゃどうやって日本はかかわるかといえば、留学生とかそういうかかわり方って大いにあるんじゃないかなと私は思いました。
 そこでちょっと、もう時間がないんですけれども、話題を青年海外協力隊に変えます。
 昨年の行政刷新会議の事業仕分で青年海外協力隊が取り上げられました。協力隊の使命は終わったという声も幾つかありました。幾つかというか、そういう声がありました。戦略のない支援をやめるべき、そんな声もありました。当然、戦略のない支援はやめるべきなんですが、そもそも協力隊の使命は終わったのではないかという、そういう声もあるわけですが、私はそうは思っておりません。
 今回、緒方理事長にもお越しいただいております。まず、青年海外協力隊の事業の意義と今後の在り方、事業仕分でこんないろんな指摘が、高く評価する声もありますけれども、一方で見直すとかやめろとかいう声もあるわけでありまして、いま一度今後の在り方について伺いたいと思います。
#65
○参考人(緒方貞子君) 海外協力隊につきましては、私は、あの刷新会議のときに協力隊の募集の費用についてもう少ししっかり見直したらどうかという御指摘いただいたとは聞いておりますが、協力隊そのものの事業が意義がないというような御批判があったというふうには承知しておりません。
 と申しますのは、今大体二千三百人ぐらいの青年海外協力隊が、派遣先は七十九か国、そのうち二十か国では協力隊事業が開発協力の核になっているというようなところもあるわけでございます。そういうところで、協力隊の人々は非常に人々に近いところで、それこそ農業から教育からいろんなことをしておりまして、私も事業の現場を見に行きますと、ほとんどポジティブな効果というものを聞いております。
 もちろん、それに加えて、今は年配の方々が非常にお元気でシニア海外協力隊というのが増えておりますんです。これは日本の人口構造からいくとそちらの方に進むということもあり得ると思っておりますが、協力隊の方々が現場においてそれはすべてが百点満点というわけではないけれども、非常に日本の、先ほどからお話の顔ということでは、協力隊が一番現場で広く動いていて日本の顔になっておられるということが実は実態に近いんじゃないかと思っております。
 それからもう一つは、そもそもこの協力隊の事業というものが、四十五年前ですか、始まったときには、日本の青年に元気を付けたいという発想から始まったので、そういうことを考えますと、今やはり相当必要も高いんじゃないかというような、老婆心かも分かりませんが、そういう印象は持っておりまして、協力隊の人々、もちろん訓練の必要なこともあるかも分かりませんが、いろんなことございます。協力隊をより効果的にやる方法がある、そしてその青年にとってもいいというような御指摘が、いい提案がございましたら、もうどんどん聞いていきたいと思いますが。
 一つお願いしておりますのは、都道府県の教員の方々の中から出ていっていただきたいと。教員の方は日本の子供たちに教育の現場にあっていろいろ教えていらっしゃるから、海外におけるいろんな途上国の話、子供たちの話もしてくださる。そして、向こうへ行きますと、日本の子供たちの話をしてくださることもできるし、二重の役割を果たしておられるから、是非協力隊の中には教員の方を増やしていただきたいということはいろんな地方に行って知事の方たちにもお願いしておりまして、少しは増えておりますんですが、教員不足のこともあるものですからなかなか思ったほどは増えておりませんが、何とかこれは維持していきたいと考えております。
 どうもありがとうございました。
#66
○谷合正明君 時間もありますので、終わります。
#67
○委員長(岩永浩美君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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