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2010/04/13 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 環境委員会 第6号
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2010/04/13 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 環境委員会 第6号

#1
第174回国会 環境委員会 第6号
平成二十二年四月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                相原久美子君
            ツルネン マルテイ君
                有村 治子君
                加藤 修一君
    委 員
                池口 修次君
                岡崎トミ子君
                谷  博之君
                轟木 利治君
                広中和歌子君
                牧山ひろえ君
                松野 信夫君
                荒井 広幸君
                神取  忍君
                中山 恭子君
                矢野 哲朗君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     小沢 鋭仁君
   副大臣
       環境副大臣    田島 一成君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村 謙治君
       経済産業大臣政
       務官       近藤 洋介君
       国土交通大臣政
       務官       三日月大造君
       環境大臣政務官  大谷 信盛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       宮島 守男君
       外務大臣官房地
       球規模課題審議
       官        杉山 晋輔君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院次長    平岡 英治君
       国土交通大臣官
       房審議官     幾度  明君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境影響評価法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
    ─────────────
#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境影響評価法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官宮島守男さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山谷えり子君) 環境影響評価法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○中山恭子君 自由民主党、中山恭子でございます。
 今回、環境影響評価法の一部を改正する問題につきまして、小沢環境大臣から直接お話をお伺いできますことを大変有り難いことと思っております。また、小沢大臣始め環境省の皆様がこれまで地道に努力を続けておられることについても敬意を表しております。
 また、日本の人々は、古くから山や海、森や川、木々や水といったものを大変大切にしてきておりました。今年の桜の盛りは過ぎましたが、日本全国で花をめでる習慣というのを大変うれしい習慣だと思っておりますし、また、川の水も皆が使うものだから自分勝手に汚してはいけないよといった形で、これまで自分のことだけではなく他の人々を思いやり、また子供や孫のことまで考えて生活してきた、そういう日本の社会でございますので、本来、環境を大切にすることについては日本の人々が大変強い関心を持ち、またそのテーマについて協力を得られる、そういう日本の社会であると信じております。また、それであるからこそ、私たちも、立法府も、それから政府も、この問題についてしっかりと対応していく必要があると考えております。
 今回、環境影響評価法が改正され、日本の環境を守るための作業が更に一歩進むということは大変有意義なことであると考えています。このような観点から、環境影響評価法につきまして、小沢環境大臣に幾つかお尋ねいたします。
 まず、環境影響評価法は長い歴史と経緯を経て法律が作られ、施行後十年たちました。その節目の今回の改正ということでございます。改正案の中身に入る前に、環境大臣から、施行後十年の総括と今回の改正案の意義についてどのようにお考えかお話しいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(小沢鋭仁君) おはようございます。よろしくお願いしたいと思います。
 まず、中山委員の方から、この施行十年をどう総括するかと、こういう御質問でございました。
 完全施行から十年を経たわけでありますが、この間大変大きな役割を果たしてきたと、こう認識をしているところでございます。今委員も御指摘のように、我が国の国民の国民性は本当にそういった環境を大事にするという基本的な姿勢がある、それに対して法的根拠をしっかりと与え得たと、そういう評価をさせていただいております。
 同時にまた、しかし、十年施行、運営を、運用を行ってまいりまして、新たにいわゆる計画段階での配慮の必要性というような話も実際に運営、運用をしてきた中で出てきておりますし、また、生物多様性の保全でありますとか地球温暖化対策の観点、そういった新たなテーマも出てきておるところから今回の改正をお願いしていると、こういうことだと思います。
#7
○中山恭子君 ありがとうございます。環境大臣がしっかりした決意をお持ちであると。これからの動きについても期待しております。
 今環境大臣からお話がありましたように、今回の改正の一つの大きな柱は、事業実施段階前の手続として計画段階配慮事項についての検討が導入されるということであろうと思います。地球環境を守る動きは世界の大きな趨勢でありますし、これは止められない動きでございます。
 主要国では既に戦略的環境アセスメント、SEAが実施されている国が多いと聞いております。まず、国際社会で使われている戦略的環境アセスメントとはどのようなものか、その一般的な定義についてお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(小沢鋭仁君) 海外のSEAと、こういうことでございますけれども、今回、我々、日本版SEAの改正案を出させていただいたわけでありますが、それより更にいわゆる早い段階、上位の段階、政策段階及びより上位の計画段階でのSEAという話が行われているものと、こういうふうに承知をしております。
#9
○中山恭子君 上位の段階での環境アセスということが行われているということでございますが、国によって差があるにしましても、環境審議会の答申の中にもありますように、本来、個別の事業に先立つ、個別の事業の実施に枠組みを与えるような計画や政策を対象とする環境影響評価というものがあるべきものだと考えております。国が基本的計画を立て、その基本計画についてしっかりした環境評価、戦略的環境アセスを行うものであると。いわゆる、国際社会で言われている環境アセスメントというのは、戦略的環境アセスメントはそのようなもので考えておりますが、それでよろしいでしょうか。
#10
○国務大臣(小沢鋭仁君) EUを始めとする諸外国では基本的に公がいわゆる政策段階でアセスを考えると、こういう話があるものというふうに理解しておりまして、それは委員のお考えと、御認識と同じでございます。
#11
○中山恭子君 残念ながらと言っていいんでしょうか、現在、日本にはこの本来の意味の戦略的環境アセスメントはまだないと言えるかと思います。今回の法改正でもその意味のSEAというのはまだ想定されていないと言えると考えております。
 いずれ日本でも環境政策の中で本来の意味のSEAを目指して、つまり国の責任で基本的な国土の計画を打ち立て戦略的環境影響評価を取り入れていくという方向で進んでいかなければならないと考えておりますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員の御指摘は大変私どもとしても認識としては極めて近いところがございます。本会議でも答弁をさせていただきましたように、更により上位の計画段階におけるSEAの導入については今後の検討課題とさせていただきたいと、こういうふうに申し上げております。
 ただ、今回の改正でそれが導入しなかった理由は、主に今までのいわゆるガイドラインでの実績、そういったものを踏まえて今回はこの改正を行ったということと、もう一つは、我が国のこの環境影響評価法の基本はいわゆる事業者によるアセスメントと、これが基本だというふうに思っておりまして、それとのいわゆる統一性をどうするかという話がございまして、その二点が今後の検討課題と、こういうふうに承知をしているところでございます。
#13
○中山恭子君 大臣おっしゃるとおり、環境影響評価法の今回の改正の部分の計画段階配慮事項についての検討というのは、まさにおっしゃるとおりガイドラインに沿ったものであり事業者を対象にしたものであるということでございます。その意味では、ある意味で戦略アセスへの過渡的な措置ととらえることができるであろうと考えております。
 その意味で、今回、独立行政法人や民間事業主が第一種事業を実施しようとする際、計画の立案の段階で行うこととなる計画段階配慮事項の検討ではどうしても立地等については一案しか出せないということも理解できるわけでございまして、複数案を提示して、立地等についてですね、環境影響評価を行うというのは、本来は国がその国の基本的な事柄を定めておかなければいけない、日本ではそれがないということでございますので、どうしても一案しか出せないというような状況が出てくると考えております。この点について大臣はいかがお考えでいらっしゃいますか。
#14
○国務大臣(小沢鋭仁君) 御指摘のとおり、本来国が計画すべきより上位の段階は今回は対象としてございません。
 政策段階等のより上位の段階における環境配慮の重要性については、環境基本法にも国が行うことと規定をされているところでございまして、委員も御指摘のように、中央環境審議会の答申にもそういった指摘もございました。
 今後の検討課題として、是非前向きに検討させていただきたいと、こう思っております。
#15
○中山恭子君 国が日本全体についての基本的な国の在り方というものを決めていくということは、政府全体でやらなければいけないことでしょうし、まだ難しい、なかなか手が届かないところかもしれませんが、政府の中では環境大臣が御指導いただいて、そういったことについても政策を立案していただけると、その方向に向かってもらえると有り難いと、そんなふうに考えておりますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
 立地だけではなくて、例えば、電力会社の民間企業が行う、民間だけが行うのは電力事業だけでございましょうが、今回の場合ですね、燃料種や出力、発電方式などについてもエネルギー基本計画のようなものがあれば、国が関与していれば配慮書段階における複数案提示の範疇に、それができるんでしょうが、今回の場合にはそういった事柄もなかなか含めづらいのであろうと考えているところですが、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(小沢鋭仁君) 確かに、電力の例を委員おっしゃいましたですが、そういったまさに国のエネルギーの基本計画と、さらにそれを実現していくためのいわゆる計画、そしてそれを実際に事業として行っていく民間事業者、そういったそれぞれの立場を考えますと、より上位の計画段階、まさに国のエネルギー計画、その段階から国が関与したアセスの在り方というのは、委員の御指摘のように十分私はあり得る話だと、こう思っておりまして、そういった具体的な御提案を踏まえて、今後しっかり政府の中でも各省庁連絡調整を行いながら、私としてはリーダーシップを発揮して推進をしてまいりたいと、こう思います。
#17
○中山恭子君 今回導入される計画段階配慮事項の検討の中で一つ確認しておきたいことがございます。それは、その計画段階配慮事項の検討の段階で調査というものが既存の資料に基づいたものでよいというような話が出てきておりました。今回の改正案ではこの点について明文化されていないように見えるんですが、通常で考えまして、何かもし自分が事業を行おうとした場合、最初の提示の段階でいいかげんなというとまずいかな、不十分な形の資料や情報をもってその計画を提示するということは、私でしたらちょっとちゅうちょするところがございますし、一般論で言っても、逆に不信感を招いたり混乱の元になることが考えられます。
 配慮書の段階で住民、知事等、それから主務大臣や環境大臣の意見が出されるということでもありますので、事業実施者が既存の資料だけに基づいた配慮書を出すのではなくて、もし必要な場合、あるいは事業者が希望する場合には当然配慮書の段階で現地調査がなされてよいと考えますが、この点はいかがでございましょうか。
#18
○国務大臣(小沢鋭仁君) 計画段階配慮事項の調査については、中央環境審議会の答申も踏まえまして、原則既存資料を元に実施することというふうに考えておりますけれども、情報の蓄積が不十分な場合等には必要に応じて現地調査を実施することも想定をしておりまして、環境省告示、基本的事項においてその旨を規定する予定でございます。
#19
○中山恭子君 今、告示でということですが、可能であれば法律にもう書き込んでおいてもよいのではないかと思っております。又は、その次の政令等に書き込んでもいいのかなと、そんなふうに考えております。ここでその現地調査が許され、行ってもよいということであれば、この流れが少し、改正後の流れというのも少し変わってくる可能性もあるのではないかと考えております。
 前回の参考人質疑のときに、希少生物などがその調査によって破壊されたりするというおそれがありますというような御意見が聞かれました。もしそうであれば、その計画段階配慮事項の検討段階での調査についても専門家の指導を得て行ってしまうということも考えてよいと思いますし、また、配慮書の段階で調査をしなくても方法書のときにはこれは必ず事業アセス段階で調査が必要になりますので、できればもう早い段階から、この配慮書の段階から現地調査を行って事業を進めていくという方が多くの人々の理解も得やすいのではないかというふうに考えております。現地調査をしてもよいということが法律や政令で明示されてくれば、この流れも変わってこようと考えております。
 お答えもいただきたいと思うんですが、何が違ってくるかといいますと、早い段階から学識経験者の意見を活用するということは非常に有益なことだと考えておりますが、こういった今回の改正法の中では、環境大臣が学識経験者を活用するというのが評価書が出た段階でなされるという、この表を見ますとそのような説明がありますが、環境省の中にも専門の方がたくさんいらっしゃいますから、環境省としての意見というのも、環境大臣の御意見というのも出せるんでしょうが、一般の方々の協力を得るには、この配慮書の段階で環境大臣は学識経験者を活用してその意見を酌み取っていくということもお考えになっていいのではないかと思いますが、その点いかがでございましょうか。
#20
○政府参考人(白石順一君) 今の御質問にお答えする前に、先ほどの現地調査に関してちょっと補足をさせていただこうと思います。
 議員御案内のように、今回の中央環境審議会の答申の中においては次のようにされております。調査及び予測の手法については、国内外の事例を踏まえ、原則既存資料を元に実施することとし、情報の蓄積が不十分な場合等には必要に応じて現地調査等を実施することとすべきであると。
 これは、審議会の議論の中でありましたのは、複数案を初期の段階で提示した場合に、余りに選択肢が広くなり過ぎて、調査自体が非常に、かえって初期の段階にもかかわらず複雑になり過ぎるおそれがあるということと、それから、今御指摘になりましたように、過去の事例の中で余り早い段階から現地調査をすることが環境を損なうような事例もあり得るというふうなことがあったものですから、審議会の方では、原則既存資料、必要に応じ現地調査という原則になったものだと理解しております。
 また、これを定める法形式でございますけれども、各事業ごとに主務省令で定めるという現在の法律の建前を基にしまして、それを全体を統括するような共通概念は環境省の告示、基本的事項といいますが、それで定めるというふうな法形式になっておりますので、今御指摘のありましたようなどういう場合に現地調査をやったらよいのかというふうなことにつきましては、各省と協議の上ではございますけれども、環境省のその基本的事項という中でお示しをするということになろうかと思います。
 以上でございます。
#21
○副大臣(田島一成君) 後段にお尋ねをいただきました学識経験者の意見の活用についてお答え申し上げたいと思います。
 委員が御指摘いただきましたとおり、この環境大臣の意見をつくっていくに当たりましては、透明性の確保でありますとか社会的な理解を高めていくという点からも、有識者の意見を踏まえていくように具体的に検討していきたいというふうに考えてもおります。
 配慮書の段階におきましても、この基本的な方針に沿いまして、必要に応じて専門家の意見を活用してまいりたいと考えているところでございます。
#22
○中山恭子君 ありがとうございます。
 初めの、初期の段階で専門家の意見を取り入れるということが、その事業の、事業推進に当たって非常に良い効果をもたらすであろうと考えておりますので、早い段階で専門家の意見を取り入れていただくということも是非やっていただきたいと思っております。
 それから、先ほどの現地調査に絡んで、基本的事項を環境省の告示で定めるというお話でございますが、この点については、基本的事項であれば、本来、法律の中に置いておくものであって、せめて政令等で定めておくものであろうと思っていますが、その環境省告示で関係省庁を説得するための、又は他省庁と意見調整をする、又は他省庁の評価の考え、評価の基になる事項を環境省告示で定めていくというのはちょっと、何というか、法体系上、もう少し上位のところに決めておく必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#23
○副大臣(田島一成君) 先ほども御答弁いたしましたけれども、答申におきまして事業の種類でありますとか特性に応じた柔軟な制度としていくことが適当であるというふうにされたわけでございまして、この意見を踏まえまして、この配慮書の手続の段階におきまして、事業者による適切な検討、また意見聴取等々がなされていくように対応していきたいというふうに考えているところでございます。
#24
○中山恭子君 ありがとうございます。
 例えば、一例としてですね、愛知万博で行われた環境アセスについて、その資料を見ますと、国際博覧会の愛知開催、場所が決まったのはアセス法施行以前のことでございました。アセス法施行以前に特殊な状況ということで愛知万博開催に当たってアセスを行ったということは評価できるかと思っていますが、その評価書が出た後でオオタカの営巣が確認されたということで会場場所の変更を行うことになったと聞いておりまして、早い段階から専門の分野の方々の情報をもらい、多くの人々、地域の人々と情報を共有していくということが、その事業遂行に当たって、事業の成功に向けて動く上で非常に重要であると考えております。
 そんなこともありまして、今回、配慮書の段階で現地調査を行い、専門家の意見を聴き、環境大臣からの意見の中にも識者グループの意見を取り入れていくというように進めていけるものであれば、できるだけその形を取った方が、ちょっと時間が、かえって時間が掛かるということがあるかもしれませんが、成功に導く上で、そういった配慮書の段階から動いてもらえたらかえっていいのではないかと考えているところでございます。
 そのような形で動いていくのであればですが、是非そうやってもらいたいと思っているんですが、配慮書を作成して、今回環境、いわゆる戦略的アセスとは少し違う今回の法改正だと思いますので、一歩そこに向けて近づいた法改正であろうとは思いますが、国の基本計画がない段階であれば、この配慮書というものを作成する段階でこれまでの事業アセスの方法書とある意味では近い作業が必要になってくるという状況が出てくるかと思います。
 そうであれば方法書の段階で、評価結果を事業アセスで活用するというティアリングをすることができると思っておりまして、そのことについて何らかの手当てをしておいた方がよいのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。
#25
○国務大臣(小沢鋭仁君) SEAの結果をその後の環境影響評価手続に活用するそういったティアリングの仕組みは、事業者による早期段階での環境影響評価を促進する上で重要だと、こういうふうに思っております。
 今後、基本的事項においてティアリングによる手続の効率化に関する手法を含め、計画段階配慮事項における手続の詳細を検討してまいる予定でございます。
#26
○中山恭子君 是非その辺りまで御配慮いただけたら、屋上屋を重ねるという批判にも耐えられることになると考えております。
 先ほど、環境省告示で基本事項を決めていくというお話がございました。これは、この法改正の中で、又はその元の環境影響評価法そのものの中で全般的に言えることだと思いますが、非常に重要な事項が法律ではなくほぼ、ほとんどが省令マターになっているという様子を見ることができまして、例えば、複数案の導入というのがございます、一又は二以上のと。この複数案の導入につきましても、これは非常に新しい制度で重要なポイントであると思いますが、一又は二以上の当該事業の実施が想定される区域ということが出てくるだけで、それ以上の詳細というのが見えてこない。先日の参考人質疑でもこの問題について、複数案については多くの時間が割かれておりましたが、その議論の中で、今回の環境影響評価、配慮書などを行うに当たって、区域だけではなくていろんなテーマ、重要なテーマが必要になってくると思いますが、それがなかなか見えてこない。
 つまり先日、有村議員から原子力発電所に係る質問に対して、環境大臣は、事業の立地箇所だけではなく施設の配置等に関する複数案の検討は十分可能だというふうにお答えになっていらっしゃいますし、赤松大臣も、立地地点や規模の複数案を検討することは、事業者が検討することは困難と認識している、他方、施設の配置や構造などは複数案を検討することが可能だというふうにお答えになっていらっしゃいます。
 ここでおっしゃっている施設の配置や規模や構造について、この法案を見た限りでは全く見えてこない、どこにもそういった言葉が出てこないということでございますので、その区域、施設の配置、規模、構造といった基本的な事項については、省令に任せるというよりはこの法案の中に書き込んでおく必要があるのではないかと考えておりますが、その点についていかがでございましょうか。
#27
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたように、原則的に複数案を対象といたしまして評価を行うべきだというふうには考えるところでありますけれども、委員も御承知のように、地域の自然的な状況でありますとか社会的な状況等々かんがみますと、複数案の設定が現実的ではないケースもやはり考えられるかと思います。こうした場合につきましては単一案、一つの案だけをもって検討することも許容されるという考えに基づきまして、法律の三条の二におきまして「一又は二以上の」というように規定をさせていただいているところでございます。仮にこの複数案の設定が現実的でない場合におきましても、やはりその理由につきましては明らかにすべきであるというふうに考えております。
 この複数案の設定の考え方につきましても、先ほど来申し上げております、今後この基本的事項を定める際に十分に検討していきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#28
○中山恭子君 法律に書くというよりは省令で書いておく方が改正するのも楽ということもあるでしょうし、いろんな、何というんでしょう、やり方、手段として省令でいくという考え方も確かにあるとは思いますが、今おっしゃられたこの法案の第三条の二では、例えば、ちょっと読んでみますと、主務省令は、「計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針につき主務大臣が環境大臣に協議して定める」とされておりまして、今後どのようなことが規定されてくるのかというのが見えないというか見当が付かないという、そういう今回法律になっております。
 事業者やそれから住民の方々にとっても、法律を読んだだけでは制度がよく見えてこない、そういう状況になっているのではないかと考えておりまして、事業者や住民の方々の協力を得るためには、よく見える制度をつくっていくこと、基本的事項はできる限り法律で定めていくということが肝要であると考えております。
 環境省を疑っているわけではなくて、環境省のこれまでの働きなどを見て、とんでもないことが省令で定められるとは考えておりませんが、法体系という観点から見て、基本事項は法律で定め、その細部については政令又は省令で定めていくというのがやはり基本だと思いますので、その辺りのことを今後手当てをしていただけたらと思っております。
#29
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境省を信頼をいただいております点は本当に感謝を申し上げたいと思います。
 今副大臣からも答弁をさせていただきましたけれども、やはりこれを法律事項にするか、あるいはまた今回のような基本的事項に基づいた内容で定めていくかということに関しては、中山委員のように、法律事項でしっかりとかちっとして見えるような形をしっかり取った方がいいと、こういう御意見も一理あろうかというふうには思います。
 ただ、今申し上げましたように、事業の種類、特性等様々でございますし、また、中央環境審議会の答申においても、いわゆるそういった特性に応じた柔軟な制度とすることが望ましいと、こういう意見もありまして、両説あるということの中で今回は柔軟な形でやらせていただいて、そして更に状況を見ながら是非また検討を加えていく、こんな方法論でやらせていただきたいと、こういうふうに思います。
#30
○中山恭子君 環境省として是非今後そういった意味で多くの人々に見えるような形で事を進めていってもらいたいと考えております。柔軟性というのも、ある意味では使いやすいという意味で省令の方がやっていきやすいということはよく分かっておりますけれども、それはやはり立法府というものがあって、そこがかかわってくるのが法律ということでございますので、ある意味では立法府を軽視するというようなものともとらえられますから、基本的事項は法律で定めていくという原則を進めていただきたいと考えております。
 ちょっとくどいようですけれども、これは今回のものだけではなくて、法律の中に、今回は配慮書の作成について規定しています第三条の三の第五号にも、氏名とか何かの項目の一、二、三、四の後に第五号で、環境省令で定める事項というのが出てまいります。ここではどのようなことが規定されると考えられているのでしょうか。
#31
○政府参考人(白石順一君) まだ完全に全部そろえているわけではございませんけれども、例えばということで私どもが想定をしておりますのは、この配慮書に意見をちょうだいしたときのそれの扱い方、外へどうやって発表していくかとか、どういうふうに意見を返したらいいかという、手続の中でそういうふうなことをイメージしております。
#32
○中山恭子君 それはこれまでの改正前の方法書にも同じ条文がございますが、それも同じものでございますか。
#33
○政府参考人(白石順一君) 今御指摘のとおりでございまして、基本的には今あるやつも参考にし、さらに今回の改正の趣旨を踏まえて何か付け加えるなり見直すべき点があればそれを付けるという、あるいは削るということがあると思いますが、基本的には今の方法書、準備書のイメージでおります。
#34
○中山恭子君 多くの人々が関心を持つ問題でございますので、国会でもしっかり審議できるような体制で進めていただきたいと考えております。
 ちょっと具体的な問題として、風力発電施設のことをお伺いしたいと思います。
 今、温暖化や自然破壊など、深刻な環境問題に世界は直面しているわけでございます。日本でも世界の温暖化、自然破壊について、国際社会、また地球を、美しい地球を保つという意味で大いに協力していかなければいけない事柄と考えて、今日は二五%の話をするつもりではございませんで、ただ、今の地球環境問題は、ある意味ではまたチャンスであるとも考えております。それは、世界の人々が気が付き、地球の環境破壊を止めるという意味で非常に今重要な時期に差しかかっておりますが、その環境破壊を止める中で、日本は止めるためにいろいろな技術革新を行い、これをチャンスととらえて世界に協力し、また日本が発展する、そういうことも可能になってくるだろうと考えています。
 そういった意味で、今大きな技術革新のうねりが出てきている。イギリスで起きた産業革命の後、近代化が進み、日本も明治以降、近代化を遂げ、さらに戦後、廃墟の中から日本の人々は必死で努力をして経済復興を遂げてまいりました。今回の技術革新のうねりはある意味ではイギリスの産業革命に匹敵するくらい大きなうねりの一つであると考えておりまして、日本もその技術革新をしっかりとらえなければ、又はとらえることによって日本が経済的な発展を進めていくということができると思いますし、その場合に、環境問題を環境省を中心にして、日本のすべての人々が関心を持ち、環境の面からも押さえながら技術革新を進めていくということが必要だろうと考えております。
 そういった中で、再生可能エネルギーの風力発電について今回政令改正で風力発電所をその対象事業に追加するというお話がございますので、政令改正で風力発電所を対象事業に追加した場合、環境問題とそれから技術革新の問題を調和していかなければいけないと思いますが、この点についてどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#35
○副大臣(田島一成君) 今委員御指摘をいただきました風力発電施設の導入につきましては、温暖化対策の推進によって今後大幅な増加が予想されるというふうに私どもも認識をしておりますが、その一方で、現在でも騒音でありますとかバードストライク、いわゆる鳥が羽に、また本体等にぶつかる、ぶつかって死ぬというような被害も報告されているところでございます。
 現在では、一部の条例とそれからNEDO、独立行政法人のNEDOが作成をいたしましたマニュアルに沿って自主的な環境影響評価が実施をされているところでありますけれども、住民の意見聴取手続の瑕疵であるとか、またマニュアルが適正に運用されていないなどの問題点も指摘されているところでもございます。
 こうした中で、中環審の答申の中でも、「風力発電施設の設置を法の対象事業として追加することを検討すべきである。」と明記をいただきまして、これを尊重した形で今回政令の改正を行いまして、風力発電施設についても環境影響評価法の対象事業に追加をしていきたいと考えているところでございます。
 なお、この風力発電施設の法対象事業への追加に際しましては、対象規模の決定でありますとか評価項目の選定については、委員も御指摘いただきました温暖化対策における自然エネルギーの活用推進の観点も十分に踏まえながら、関係者からの意見もしっかりと聴取をさせていただき、十分に検討して行ってまいりたいと考えているところでございます。
#36
○中山恭子君 この風力発電を始めとした技術革新、ベンチャー企業も入ってくる、事業主として、事業者として入ってくる可能性もあろうかと思われます。そのときに、日本としてこういった新しい技術革新をもう世界に先駆けて取り入れていかなければいけない、また環境の面から注意深く行っていかなければいけないという二つのジレンマというものがあろうかと思います。そういったことについて、今お答えいただきましたが、調和のある方針で進めていただけたらと考えております。
 もう一点、普天間の移設問題についてお伺いしたいと考えます。
 先日の本会議で有村委員からも指摘したところでございますが、現在の辺野古周辺の環境アセスの状況というのはどのようになっているか、お知らせいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(白石順一君) 現行の辺野古沿岸案の環境アセスメントの状況についてのお尋ねでございます。
 平成十九年八月に現行の環境影響評価法に基づくアセス手続が開始されまして、昨年の十月十三日に準備書、つまり調査、予測、評価の結果を取りまとめた報告書に対しまして沖縄県知事意見が提出されたという段階でございます。
 つまり、準備書の最後の段階まで今行っているということでございますが、事業者であります沖縄防衛局はこの県知事意見を勘案して最終的な報告書となります評価書の作成中であるというふうに聞いておりますが、その評価書の提出時期については決まっていないというふうに私どもは承知しております。
#38
○中山恭子君 今、この評価書の提出はまだ決まっていないということで、中断した状況になっていると考えられますが、それでよろしゅうございますか。
#39
○政府参考人(白石順一君) 法の手続上は、意見書の提出を受けた後、評価書の送付に至る間に、今申し上げましたように、十月十三日以降、次のステップには移行していないということでございますが、これを中断ととらえるかどうかはちょっと私どもとしては評価しかねます。
#40
○中山恭子君 この辺野古の環境アセス、今まで四年以上の歳月を掛けて進めてきたものであると聞いております。今回、新たな移転先というものが決定した場合、決定しますと、そこの移転先について新たに環境アセスメントのやり直しが必要になってくると考えられますが、その点についてはどうお考えでいらっしゃいますか。
#41
○国務大臣(小沢鋭仁君) 現在、御案内のとおり、ゼロベースでの検討ということがなされているわけでありまして、どのような事業が行われるか現時点においてはまだ定まっていないことから、私どもの環境影響評価のコメントというのはできない状態にあると、こういうふうに思っております。
 しかし、今回の法改正により導入される配慮書手続については、これは法改正公布より二年後の施行を予定しておりまして、そういった意味におきまして、仮に確定した移設先について、それ以前に現行法のアセス手続を開始する場合には、配慮書手続は適用にならないものというふうに思っております。
#42
○中山恭子君 施行がまだ二年先ということでございますので、当然、今回の改正法は適用にならないものであろうと考えますが。
 いずれにしましても、これまで行ってきた四年以上の評価の問題、辺野古に基地が移転しなくてもこういった評価を行っておくということは決してすべてが無駄であるとは思っておりませんけれども、これまでの評価作業というものが表の面で無駄になってしまうということは言えると思いますし、新たに評価を、新たな移転先の評価を行うという場合にも、配慮書を作らないにしても、更に相当の時間が掛かるものと考えていますが、どのくらいの期間が必要になる、新たな基地を設定する場合、仮定の問題ではございますけれども、移転させていくということが国外とは決まってないわけでございますので、国内に移転する場合、どのくらいの時間を考えていらっしゃるでしょうか。
#43
○政府参考人(白石順一君) 何か十三業種の事業をやるときに、いろいろ例えば用地買収であるとか、いろいろな農地転用の許可とか、いろいろな諸手続のほかに更に付け加える時間があるというわけじゃなくて、そのいろいろな手続の中の一つとしてアセスメントというのがどれぐらい時間が掛かるかということで御説明申し上げますと、通常であれば二年半から三年ぐらい、アセスメントの現行法の手続でございますが、掛かります。例えば、春夏秋冬いろいろな自然環境を調べるとか、あるいは何十日以内に返事をしなきゃいけないとかというのを足していきますと、大体二年半から三年ぐらいアセスメントの手続には掛かります。
 繰り返しになりますが、それが単純に増えるというんじゃなくて、ほかのいろいろな手続をやりながらの中でございますけれども、アセスメントとしてはそれぐらい掛かります。
 今回、これに配慮書が加わりますと更にそれに半年弱ぐらいのやっぱり手続のための公告期間とかいろいろなことでは掛かるのではないかなというふうに、一般論でございますが、アセスメントというのはそういう時間軸の中でやる手続でございます。
#44
○中山恭子君 配慮書なしで二年半から三年という月日、又はその間、時だけではなくて、コストとかそれから人の労力とか、そういったものも大きなものが必要になってくるということでございますので、この基地の移転の問題というのは非常に難しい問題ではございますが、基地を移転させるときにはそういったことも必要なんだということを十分周知しておいてもらうということが、日本の人々が知っているということも大変重要なことであろうと考えております。
 また、先ほど現行法で行うことになるというお話でございましたけれども、今ここで新たな法律を作って、法改正をして進めていこうという方向でみんな議論しているわけでございますので、これが成立した場合には、施行されていなくてもできる限りこの考え方に合った形で配慮書の段階から進めていくということが大切であろうと、また多くの人々の理解を得られるのではないかと考えますが、その点いかがでございますか。
#45
○国務大臣(小沢鋭仁君) 精神としてはまさにそういうことだろうと思っております。しかし、そのときの法令に合わせて適正に処理をしていくことが大事だと、こう思っております。
#46
○中山恭子君 今回の改正案でもう一点お伺いしたいことがございます。それは五十二条三項、適用除外のところでございますが、三項が追加されております。この三項を設ける必要性といいましょうか、その意味についてお話しいただければと思います。
#47
○国務大臣(小沢鋭仁君) この規定は、大規模な災害が発生した後の対応等、社会的要請から事業に速やかに着手することが求められる場合があることから配慮書手続の適用除外の規定を設けたものでございまして、これまでの第二項がいわゆる復旧事業を対象とするものに対し、この第三項は新たないわゆる事業を行うものと、こう思っております。
#48
○中山恭子君 ありがとうございます。
 ただ、災害の問題、復旧の問題が入るということで、例えば大災害発生の問題であれば第二項の規定ですべてカバーできているのではないかと思いますが、第二項との違いをお願いいたします。
#49
○政府参考人(白石順一君) 現行の五十二条第二項、これは災害時における復旧事業を対象にしておるものでございます。これは、制定当初の趣旨は、人命に直接かかわるということ、また災害復旧でございますからすぐに家を建て直さなければならない等々のこと、それから元々存在していた施設の復旧ということなので環境保全に重大な影響は想定しにくいということで、環境影響評価手続そのものを根っこから実施しないというふうな条文が今の二項でございます。
 三項というものは、一定の緊急性はあるんだけれども、新たな土地の改変、つまり復旧ではなくて新たな土地の改変、工作物の設置等を行う事業ということを念頭に置いております。今回設置する第三項の対象となる事業は、繰り返しになりますが、一定の緊急性を要するものの、事業自体は、元来存在していた施設の復旧ということではなくて、新たな土地の改変、工作物の設置ということになりますので、アセスメント自体は可能な限り迅速に実施する必要がある一方、一定の環境保全の配慮ということも必要だというものというイメージでございますので、方法書以降の手続は原則どおりやると、全部やらないというものではないと、こういう違いがございます。
#50
○中山恭子君 今回の、事業実施段階前の手続として今回定められたものについては、それはなくてよろしいという、そういう意味ととらえてよろしいんですか。
#51
○政府参考人(白石順一君) 条文上、第二章の規定はこれこれ適用しないとありまして、第二章の規定というのは、この配慮書段階のことでございますので、配慮書段階のことは適用しないと、それ以降のことは適用すると、こういう条文でございます。
#52
○中山恭子君 ありがとうございます。
 いろいろ確認することも幾つかできました。ただ、まだまだ日本として、これは環境省だけではなく、他の省庁と連携して行っていく事柄がたくさん残されているかと思っております。また、他の省庁と連携する場合にも、省令で行うよりは何か法律がある方が連携しやすいであろうとも考えられます。
 そういった意味で、更にこの環境評価問題、御尽力いただきたいと考えておりますし、環境省が中心になって、この環境評価について他省庁をリードしていくということが大変重要であろうかと思いますので、是非これからも御尽力いただきたいと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。
#53
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 先日、四人の参考人の皆さんに来ていただきまして御意見をいただきまして、非常に有益なお話を伺うことができたなと。そういう意味で、委員長、調査室等の皆さんに感謝申し上げたいと思います。
 その参考人の一人の方の資料によりますと、従来の環境アセスメントの問題点、日本の環境アセスメントは、従来ほとんどが事業実施の直前に行われていたと。で、問題点として、十分な環境配慮対策ができないと、直前であるがゆえにそういうことであると思いますが、事業の中止はほとんど不可能な段階に入っていると、あるいは開発行為の累積的な影響を回避できないと、ですから事業段階では遅過ぎると、やはり計画、政策という戦略的な段階での配慮が必要であると、そういうふうに書いてございました。
 これは、原科参考人からも指摘があった点でありますけれども、前政権下で改正の検討を進めてきて、それを引き継いだ形になると。私は、民主党のマニフェスト、あのインデックス二〇〇九でしょうか、その関係の中身を見てまいりますと、非常に意欲的に書かれているんですね、この部分については。
 今回の改正というのは、大臣といたしまして、抜本的な改正というふうに考えているのか、あるいは部分的な改良、補完なのか、自らの党のそういうことも含めて、是非御見解を示していただきたいと思います。
#54
○国務大臣(小沢鋭仁君) 加藤委員始め皆さん方がお進めいただいていた、まさに検討作業を引き継いだわけでございますが、しかし同時に、今回の改正は抜本的か否かと、こういう御指摘、御質問でございますが、私としては、戦略的アセスメント、これを導入したという点において、通常のいわゆる法律の微調整というものとは決定的に違う、そういう意味ではかなり抜本的な改革になっていると、こう思っているところでございます。
 マニフェストとの関連についてでございますけれども、具体的な案件は、マニフェストというよりも、いわゆるインデックスと我々が示しております、その中で示しているものでございますけれども、かなり私どもとしては盛り込ませていただいたと、こう思っております。
 主要なポイントとしまして、対象事業の範囲の拡大として交付金の交付を受けて実施される事業を追加いたしました。情報公開と市民参加の機会の拡充としてインターネットを活用した環境影響評価図書の縦覧や方法書段階における説明会の開催、そういったものを挙げさせていただいております。
 また、いわゆるアセスメントの導入ということに関しては、それをしっかりと入れさせていただいたという点においては、民主党のいわゆるインデックス、マニフェスト、それを十分考慮しながらやらせていただいたものでございます。
#55
○加藤修一君 インデックス二〇〇九、それによりますと、環境アセスメント制度の拡充ということで、市民参加の機会が限られているのでこういった面については拡大しなければいけない、あるいは環境アセスメント法を改正し、対象事業の範囲の拡大あるいは評価項目の追加とか情報公開と市民参加の機会の拡充などを実現します、全事業に対する国レベルでの戦略的環境アセスメント制度の導入を目指しますというふうに書かれております。あるいは、生物多様性の保全のところについては、まさに今申し上げた点にかかわってくる話でありますけれども、戦略的環境アセスメントの義務化というふうに書かれておりまして、私は、個人的には非常にこの内容については評価しております。
 ただ、今回の改正の中身と、先ほど大臣がおっしゃいましたが、かなり差があるのではないかなと、こんなふうに考えておりまして、この点については、今後どうこれ見直しをするかという、まだ成立もしていない段階から言う話ではないかもしれませんが、どういうふうにこのインデックス二〇〇九との関係性をお考えかと、この辺について改めてまたお尋ねしたいと思います。
#56
○副大臣(田島一成君) 御指摘をいただきましたとおりではございますが、大臣からの答弁にもありましたとおり、私どもも主要なポイントについては、この政策インデックスに書かせていただいているものについては盛り込ませていただいたというふうに思っております。
 ただ、多分委員が御指摘をいただいておりますこの評価項目の追加等々につきましては、事業における環境配慮を確保していけるように、今後、先ほどから申し上げております環境省の告示の基本的事項及びそれに基づいた主務省令を必要に応じて見直してまいりたいと思いますし、それを通じまして適切に対応していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#57
○加藤修一君 主務省令の改正とか見直しという話がありましたが、あえて私は申し上げたいんですけど、これ、本当に抜本的な改正という話になってくるとこれ目的条項までかかわってくる話だと私は考えておりまして、目的条項を変えるとか、あるいはこれ、後々の質問に関係してくる話でありますけれども、環境基本法の第二十条、ここにかかわってくる話だと思うんですね。
 私は、環境基本法の第十九条を考えると、これは、これに基づいて当然戦略的環境アセスメントがなされていなければいけないというふうに判断しているわけでありまして、その主務省令でやれる話じゃ私はないと思っておりますので、どういうふうに変えれるかというそこの部分ですよね、もう少し説明できる材料をお持ちならば説明していただきたいと思っておりますが、よろしくお願いいたします。
#58
○副大臣(田島一成君) 仰せのとおり、政権交代以降半年というまだ状況にもありまして、私どももこの今回の改正につきましては、施行後十年という時間が経過していること、それと私どももこのインデックスの中である程度明確にうたってきたところ等々をやはり勘案した中で今回改正法案として皆様にお示しをし、御審議をいただいている段階でございます。
 御指摘いただきましたように、この主務省令で必要に応じて見直すということについて十分ではない、もっとこの段階で明確に法律の中にうたうべきではないかという御意見もあろうかというふうに思いましたが、やはりできる限り中環審等々の答申であるとか、また事業の形態や背景等々をしっかりと勘案した中で柔軟に対応していく必要があるというような御意見も一方で尊重させていただいて、総合的な勘案の中からこのような形でまとめさせていただいたところでございます。
 したがいまして、今後はこの基本的事項、それから主務省令を見直す段階で適切にしっかりと対応していくという方向で検討してまいりたいと思っておりますので、御理解をいただけたらと思います。
#59
○加藤修一君 主務省令で改正できるような内容ではないと思うんですね、抜本的な改正をするということを考えた場合。ですから、私はそこはもっと深く御理解をいただきたいなと、こんなふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 いずれにしても、参考人が様々な形で言っていた中には、目的条項、これを変えないとやはり極めて厳しいという話も、いろいろな指摘ございますので、是非そういった点を考えて見直しという方向性を考えるべきだと私は思っておりますので、あえてこれ以上は申し上げません。
 次に、環境大臣にお願いでありますけれども、環境アセスメント、これ規制法の一つでありますけれども、これを厳しくしていくというか環境保全をしっかり進めていく、あるいは健康、命を守るという観点から考えていくという内容も当然意味としては含まれているわけでありますので、ただこれを規制強化するという意味ではいろいろな意見が当然ありまして、温暖化対策、この推進に足かせになるのではないかと。いろいろな事業の展開を考えていく場合には、立地の中には立地せざるを得ない事業としていろいろなことがありますので、そういう温暖化対策の足かせになると、そういう意見を言う方もいらっしゃいますけれども、どこから出てきているか分かると思いますけれども、あえてそこは言いませんが、大臣のお考えをどうぞお願いいたします。
#60
○国務大臣(小沢鋭仁君) そういった御意見があることは私も十分承知をしておるわけであります。先ほどの中山委員の御質問にもありましたが、風力発電といった具体的な例はまさにそれを示しているものと、こういうふうに思います。
 ただ、ここはやはり温暖化対策の推進と、それからいわゆる環境保全のバランスといったところが大変重要だろうと、こう思っておりまして、アセスメントに関して言いますと、アセスメントを実施することが足かせとなるという指摘があるのと同時に、後になってから時間が掛かるよりも、いわゆる早い段階で意見を聴いてそれをしんしゃくしていく方が結局は早く事業ができると、そういう意見もあるわけでありまして、私どもは後者の立場を取ると、こういうことでございます。むしろ事業の円滑な実施に資するものでありまして、温暖化対策を推進する上でもそれは重要なことと、こういうふうに思っております。
 また、必要以上のことはやらないということも加藤委員御指摘のとおり重要なことと、こう思っております。
#61
○加藤修一君 今は対象事業の中に入っておりませんが、地球温暖化対策の一つの方法としてCCS、これなんかはやはり規制が厳しくなってくるとCCSそれ自体ができないという、そういう指摘もあったりしますけれども。私は、CCSは余り日本に向いていないんではないかなという個人的な考え方を持っておりますけれども。
 そういうことを含めて、やはり温暖化対策というのは、これは経済対策というふうに考えることができる、そういう投資需要が拡大していくという中身も持っているわけでありますので、あるいは私はそういう言い方というのはやはり慎重に考えるべき内容ではないかなと、そのように思います。
 それから、改正案の中の第五十二条、これは除外規定の関係ですけれども、新たに第三項が増えておりまして、その中では、第二章の、第二章というのは配慮書の関係でありますけれども、その規定は、国の利害に重大な関係があり、かつ、災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要すると認められる事業として政令で定めるものについては、適用しないと、これが新たに加わった項ですけれども、これは何でこういう除外規定を設けたかというのは理由が全く私は分からないんですよね。なぜ付け加えたか。
 これは閣議決定の前にこの条文が加わったのではないかという指摘もございますし、どのような検討、指示の下で入ったのかというのが、この辺どうでしょうか。私、政策会議資料なんかを一応ぱっと目を通しましたが、こういう議論についてなかったようにとらえておりますけれども。
#62
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほども申し上げましたとおり、当該規定は、大規模な災害が発生した後の対応等、社会的要請から事業に速やかに着手することが求められる場合があることから、配慮書手続の適用除外の規定を設けたものでございまして、具体的な内容としては、例えば大震災等によって大量の廃棄物が発生し、新たな区域での最終処分場の整備が緊急に必要となる場合等々を想定をして作らせていただいたものでございます。
 第二項が既存のものの復旧、第三項が新たなものの創設と、こういういわゆるすみ分けになっております。
#63
○加藤修一君 これ、何を想定しているんでしょうね。どのように解釈していいかよく分からないんです。これ、参考人の方も、ここはもう第二項にあるんであるから、第三項ということだったと思いますけれども、削除すべきであると。私もこれ何回か読んでみましたけれども、やはり第三項の意味がよく分からない。何を想定しているのかと。
#64
○政府参考人(白石順一君) ただいま大臣から答弁申し上げましたように、これは五十二条三項、二つの要件が書いてあるわけでございますけれども、具体的に何かということであれば、余り想定はしたくないのですけれども、例えば大震災等によりまして大量の廃棄物が発生する、瓦れきのたぐいでございますが、新たな区域での最終処分場の整備が緊急に必要となるような場合も想定されますので、そういったことを必要があれば政令で定めるというための条文でございます。
#65
○加藤修一君 大震災はだから国の利害に重大な関係があるという、そういう意味合いですか。国の利害に、何かちょっと別の観点のことを考えているんじゃないかなという感じがするんですけどね。
#66
○政府参考人(白石順一君) 国の利害に重大な関係があるということであれば、災害後の都市機能の維持といったことも国の利害に重大な関係があるというふうに読み得るというふうに私どもは考えております。
 これは、例えば独立行政法人都市再生機構法にもある規定の仕方でございますが、独立行政法人都市再生機構法の十三条では、ここに書いてあるような、国の利害に重大な関係があり、かつ、災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要すると認めるときは、国土交通大臣が、URですね、都市再生機構に一定のことを求めることができるという条文がございますが、その条文の書き方をそのまま使わせていただいております。
#67
○加藤修一君 一定のことを求めることができるというのは、それは国土交通大臣の関係ですよね。この場合は、環境アセスの関係についてはどういう指示内容になるというふうに理解したらいいですか。
#68
○政府参考人(白石順一君) 指示の内容ではございませんが、そういう事業がある場合には政令で、第二章を使わずにやるという事業を政令で指定するという内容でございます。指示の条文の同じ表現を使わせていただいておりますが、これは、これというのは、今回の五十二条三項は、事業を政令で定めるときの政令の要件で同じ表現を使わせていただいております。
#69
○加藤修一君 いや、もう一度重ねて尋ねますけれども、政令の要件というか政令の内容というのは具体的にどういう話になるんですか、この部分は。
#70
○政府参考人(白石順一君) 例えばで例示させていただいているものとして申し上げておりますように、大震災等によって大量の廃棄物が発生をし、その新たな区域で最終処分場を造らなきゃならない、埋立処分地というのはアセスの対象事業でございますが、その整備が緊急に必要となる場合があれば、そういうものを政令で指定することがあり得ると、こういうことだと思っております。
#71
○加藤修一君 それが環境アセスをやる段においてどういうふうに具体的に波及するかということについてはどうですか。
#72
○政府参考人(白石順一君) 先ほども御答弁申し上げたとおりでございますけれども、災害復旧そのものは、もう原状に復帰しなきゃならない、それから既に建物のあったところに建物を建てる、そういうものなので根っこからアセスメントの適用にはならない。こういうものは、そういう災害復旧そのものではなくて、その災害に対して、例えば今私どもが例示で申し上げていますように、大量の瓦れきその他が出たときの最終処分地を造るというふうな事業でございますが、それ自体は別に新たな、災害復旧に伴いますけれども災害復旧そのものではございませんので、そういうものを造るときに、既存の方法書以降の手続まではしょるわけにいかないけれども、どこにつくったらいいかというふうなことを考えているいとまという点ではいささかほかのものと様相が違う、それがこの要件に合致するようなものであるならば、政令で抜くことがあり得ると、こういうふうな形でございます。
#73
○加藤修一君 もう少し別のときに重ねてやりたいと思います。
 次に、オーフス条約に対する見解について大臣にお聞きしたいわけですけれども、これは環境と開発に関するリオ宣言の中で、たしか第十原則ですね、それが発展してオーフス条約、環境に関する情報へのアクセス、意思決定における市民参加、司法へのアクセスに関する条約ということになって、いわゆる市民参加条項にかかわる話なんですけれども、大臣としての御見解についてお示しをいただきたいと思います。
#74
○副大臣(田島一成君) 今回お示しさせていただきましたこの環境影響評価の手続において、各段階で住民を含めた様々な主体からの意見提出など、手続に参加をしていただくことは大変重要なことだという認識を持っております。
 したがいまして、今回のこの改正法案におきましても、より積極的な意見提出が行われるように、方法書の段階で説明会を実施するでありますとか、電子縦覧の義務化等を盛り込んでまいりました。したがいまして、今御指摘いただきますように、住民参加はしっかりと担保をさせていただいているというふうに認識をしているところでございます。
#75
○加藤修一君 外務省、来ておりますか。
 これ、オーフス条約については、これは日本はまだ批准していないというふうに伺っているんですけれども、本当にそうですか。
#76
○政府参考人(杉山晋輔君) お答え申し上げます。
 ただいま環境副大臣から御答弁されたような内容でございます。
 一般的に申し上げて、我々外務省の事務当局といたしましても、環境省を中心に環境に関する情報のアクセス、一層の市民参加などといった非常に極めて重要な問題があるというふうに考えているところでございます。
 ただ、他方、この御指摘のオーフス条約、これは実は現時点では本格的な検討、この締結に向かった本格的な検討というのはまだ行ってきておりませんでした。私自身、この条約をざっと見ただけでございますので、きちんと検討した結果ではございませんけれども、ざっと見て、その趣旨、内容の大きな方向性というのは非常に正しい重要なことだろうと思いますが、例えば、幾つかの点でかなり慎重な検討というのが必要じゃないかと思われるような点がございます。
 ちょっと長くなって恐縮でありますけれども、例えばオーフス条約では公的機関に対して環境情報の開示を義務付けていますけれども、この条約上、公的機関というのは国だけではなくて、地方自治体及び公共サービスを提供している機関、公共サービスを提供している機関というのは、恐らく、例えば電力とか電気、ガス、原子力などを含むものというふうに思われますけれども、そういうものも含まれているように読めるように思われます。
 先ほど申し上げましたように、本格的にきちんとした検討はまだ、申し訳ございません、していない段階で、取りあえずのお答えということでございますけれども、我が国の情報公開法では基本的にはこの情報公開の対象となる行政機関というのは国の機関を指しているといったところが難しい点として取りあえず考えられる。
 ちょっと長くなって恐縮ですが、御指摘のこのオーフス条約、十分な利益を有する関係市民、ザ・パブリック・コンサーンドという英語だったと思いますが、これに対する司法アクセスの保障ということが規定されておるようでございます。
 ただ、我が国の場合では、これまで、直接的な損害、被害が発生した場合、当事者の具体的な権利義務関係の侵害があった場合、これに司法アクセスの保障というのは限定されているというふうに我々伺っておりますので、恐らく今のような点をこのオーフス条約を締結するに当たってきちんと検討していくと、国内関連諸規定との整合性、関係、そういったところがかなりいろいろと検討しなければいけないのではないかというふうに取りあえず見られるところであります。
 いずれにいたしましても、今日の先生の御指摘もございます、今後、締約国の条約実施の状況、あるいは他の加盟国の状況、これは主としてさっき先生がおっしゃられましたように、ヨーロッパ中心に今四十四か国の締約国があるということでございますけれども、ほかの加盟状況、その他種々の状況などを見極めつつ慎重に検討をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。
#77
○加藤修一君 私は基本的に早期批准をすべきだと思うんですね。外務省、相当多忙なんでしょう、この辺については余り検討してきたというふうな言い方はしませんでしたので、やはり今後しっかりと、阻害要因は何であるか、促進要因としてどういうことが考えられるか等を含めて、しっかりとここは検討し、早期に批准することをやはり私は強く求めたいと思います。
 それで、この関係で、PRTR議定書というのがありますけれども、これに対応して日本国内、PRTRというのは要するに化学物質の排出等について情報公開するということだと思いますけれども、この関連の国内の法制度というのは、PRTRという法律が既にあるわけですよね。これは、EU関係含めて、このオーフス条約の議定書にのっとった形でやってきているわけで、その中で日本もそれに対応してきたという、そういう歴史があるわけですよね。
 だから、親の方のことについてはともかくとしてというやり方だと私は見てしまうんですけれども、やはり私は議定書についても、それは参考にしながら国内法を作ったということだと私は思っております。そういう意味では、やはりこういった点も踏まえながら、早期批准についてはしっかりと対応をやっていただきたいなと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、環境大臣にお願いなんですけれども、第三条の七なんですけれども、これは努力義務という話になっているんですね。努力規定ということで、配慮書についての意見の聴取ということなんですけれども、「配慮書の案又は配慮書について関係する行政機関及び一般の環境の保全の見地からの意見を求めるように努めなければならない。」ということですから、これは努力規定であると。やはり私はここは、先ほど大臣が早期に対応するということが非常に大事だという話だったと思うんですね。これは、行政機関もあるいは一般の環境の保全の見地から一般の方々の意見も努力規定の中で意見を求めるという話でありますけれども、早期にやるということを考えたならば、できるだけ意見を求めなければいけないというふうにやった方が私は非常にベターだというふうに考えざるを得ないわけなんですけれども、この辺についてどのようにお考えですか。
#78
○国務大臣(小沢鋭仁君) 意見の聴取につきましては、地方公共団体や住民のそういった意見聴取は事業種によりその実施が困難な場合もございます。でありますので、原則として行っていただくものとして一律の義務化をすべきではないと考えているところでございます。中環審の答申におきましても柔軟な対応が必要である旨が記載されておりまして、そういった趣旨にのっとって決めさせていただきました。
#79
○加藤修一君 せんだっての参考人の開陳の中にも、これは配慮書の段階の話じゃありませんが、道路の話で、相当の、何十万という意見が来たと。その結論として、早い段階から市民意見を聴取するということは、合意に基づく事業の円滑な実施につながると考えられると、こういう発言をされていると。あるいは、これはまた参考人の話でありますけれども、早期段階での案の選定に関しまして市民の関与とか主務大臣等第三者の参画がなく、環境影響の低減が図られずに問題になった事例が存在していると。あるいは、ちょっと重ねての話でありますけれども、より早い段階での環境面での検討を行うことによって、事業者がより柔軟な措置をとることが可能となりまして環境影響の回避を図ることができるようになりますと、このように書いてあるわけですね。
 ですから、意見についても、それは努力規定という話じゃなくて私はしっかりと義務化させることが大事であると。改めてこれは質疑するという話になりますけれども、よろしくお願いいたします。
#80
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今の委員の最後がちょっと聞き取れなかったんでございますが、いわゆる委員の御指摘の御意見等は大多数の場合は当てはまるものと、こう思っておりますが、いわゆる先ほども申し上げましたように事業種によってはなかなかそれが困難なものもあろうと思います。そういったものに対して柔軟に対応するために一律の義務化という話にはしなかったということでございます。
#81
○加藤修一君 いや、その柔軟という意味がよく整理されないんですけれども。
 やはり、早期の段階に配慮書の関係についても意見等が寄せられるような形になるということが非常に大事だと思うんですね。意見があちこちから出てくるように仕組みを考えていくことが非常に大事であると。仕組みの一つとして義務規定という話になっているんですけれども。
 これはせんだっての参考人の中で指摘があったんですけれども、むしろ後になって時間が掛かるよりも、早めに市民の意見を聴いてそれをしんしゃくして合意形成をした方が結局は早く事業を実施できると考えられると、このように話をしているわけですよね。
 これは非常に私は大事なポイントだと思っております。ですから、今回、戦略的な環境アセスということで、その意味で配慮書を載せたと。それに対する意見というのはやはり早めに多くのものが出てくるようにするという仕組みが私は大事だと思って聞いているわけですよね。だから、努力規定ではいけないと。
 何回も同じ質問をするようでありますけれども、また何回も同じ答弁ということになるかもしれませんが、重ねてまた言います。
#82
○国務大臣(小沢鋭仁君) 何度も同じ答弁になって恐縮ですが、事業によってはなかなかそういった意見聴取が困難なものもあるというふうに思っておりまして、そういったものに関しましては一律に義務化をすべきではないと、こういう趣旨でございます。
#83
○加藤修一君 それは、困難なものもあるというのは、困難なものというのは何になります、それは。
#84
○国務大臣(小沢鋭仁君) いろいろあると思いますが、いわゆる迷惑施設と呼ばれるようなもの等はそれに含まれるものと、こう思っております。
#85
○加藤修一君 いや、困難なものがあるといって今の答弁でありますけれども、いや、つながらないですけれどもね、私としては、受けていて。困難なものがある、何が困難ですかね。
 戦略的環境ガイドラインの関係で、この廃棄物処理の関係についても環境省やっておりますよね。今の大臣の答弁とはちょっと違った印象を私は受けざるを得ないんですけれども。困難なものがあるとしたとしても、私はそれはやることが必要であるというふうに考えますけれども。それは、先ほど言ったように、早期に対応することが最終的には事業が円滑に推進できるという、そういうことが一般的に言われている話でありますので、ここは私は下がるわけにいかないですね。納得したという話にはできない。
#86
○政府参考人(白石順一君) たしか参考人の質疑の中でもある参考人の方がおっしゃられたように、これはそれぞれの事業種によって事情がいろいろあるということがございまして、やり方はそれぞれの事業種で柔軟に考えていく必要があるということでございますから今回努力義務になっているというふうな御説明が参考人のお一人からありました。
 ただ、これは努力義務ということでございますけれども、もちろん努力とはいえ住民と事業者の間のコミュニケーションを十分取っていくということがこの法律の改正の一歩前進の部分でございますので、努力義務とは言いながらあとう限りやっていただくということは、恐らく大臣と委員のお考えは変わらないのではないかというふうに思っております。
#87
○加藤修一君 ちょっと細かいことで申し訳ないんですけれども、困難なものがあるから対応できないというのはちょっと話が違うんじゃないかと思うんですけれどもね。
#88
○副大臣(田島一成君) 確かに、困難なものもあるということは多分御理解はいただけるのかというふうに思います。
 ただ、先ほど局長からも答弁がありましたとおり、電事連等々でもほとんどがもう最初の段階で行っているケースがほとんどでございますので、私どもも、こうしたところで努力規定にしたからといって、じゃ最初のこの階層でやらないという選択肢はほとんど見られないだろうというふうに考えており、その一方では、義務付けをすることによってかえって選択肢を狭めてしまうぐらいならば、努力規定であっても現行から勘案しても十分にやっていただけるだろうというふうに思っております。
 ただ、種類によってはなかなか厳しい部分等々もあろうかということからこのような形で書かせていただいておりますので、その点については委員が御指摘いただいている点も十分に踏まえてやらせていただいているというふうに御理解をいただけたらと思います。
#89
○加藤修一君 十分にやっていただけるものだというふうに考えていると、努力規定だとしてもですね。それはそういう部分もあるかもしれませんが、これ、何を想定して困難なものがあるというふうに考えているんですか。よく言っていることが分からないというか、整理されないから困っているんです、私自身は。
 これ、せんだっての参考人の様々な件を考えていくと、大体早期に開陳をすると、情報開示をするということが非常に大事だという視点が強くあったわけですよね。
#90
○政府参考人(白石順一君) 基本的に柔軟な対応が必要であるということで答申をいただいておるんですけれども、私どもが想定しているのは、ほとんどの場合はそういうことはないと思うんですけれども、事業によりましては計画の熟度が低い段階での意見聴取というものがかえって理解を妨げるようなこともあるのではないかというふうな話がございまして、そういうふうなときにどうするかということは基本的事項あるいは主務省令でどうするかということを書かなければいけないと思うんですけれども、今頭の中で想定されているケースというものはあり得るということで努力義務にはなってはおりますものの、基本的には努力義務でございますのでやっていただくということが基本だというふうに思っております。
#91
○加藤修一君 納得しておりません。
 それでは、代替案の関係ですね。何もしない選択肢の検討、こういったことについては義務化すべきだと私なんかは思っておりますが、国交省が出しております公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドライン、平成二十一年の三月に出したやつですけれども、これはガイドラインですから、あくまで。しかし、その中を見てまいりますと、「複数案の設定」、こういう箇所があります。「事業を行わない案が現実的である場合や他の施策の組み合わせ等により事業の目的を達成できる案を設定し得る場合等には、これらを複数案に含めるものとする。」と。要するに、事業を行わない案が現実的である場合とか、事業を行わない案が現実的でない場合とか、要は、ウィズアウトプロジェクトの関係も含めて複数の案の設定については書かれているわけですね。これはあくまでも、先ほど申し上げましたようにガイドラインの段階であります。
 こういった、ある意味では若干進んでいるなと、そういうとらえ方を私はしておりますけれども、これが仮に改正案が成立した段階についてはこういったところはどういうふうになるかというのがやはり関心の的でありますので、これはもちろん国交省が省令、政令等でどのように織り込むかという話になってくると思いますけれども、こういった点については一歩も二歩も後退という話にはならないのかと、そういう懸念を持っているわけですけれども、どうでしょうか。
#92
○副大臣(田島一成君) 御指摘をいただきました国交省のガイドラインにつきましては、計画段階での計画配慮でありますとか住民関与の推進を定めた先進的な取組というふうに私どもも認識をしているところでございます。こうした実績を踏まえまして、今後、環境省の基本的事項、告示におきまして、事業の特性等を踏まえた計画段階の配慮事項における手続の詳細を検討していきたいというふうに考えております。
 また、ゼロオプションにつきまして今御指摘をいただいたわけでありますけれども、これは現実的である場合であるとか、また他の施策との組合せによって設定し得る場合におきましては、事業の種類によっては事業者自らがそれを複数案に含めていくこともあり得るというふうにも考えております。
 ただ、やはりこれを義務付けた場合につきましては、かえってその選択肢を狭めることにもなることが考えられますので、答申に書かれたような柔軟な制度という趣旨から義務付けは適当ではないというふうに考えてきたところであります。
 ただ、こうした複数案の設定についての考え方につきましては、先ほども申し上げましたが、今後基本的事項の検討において整理をしていきたいというふうに考えておりますし、ほとんどの事業者が計画をする前のもう本当に初期の段階で検討をされているのもこのゼロオプションではないかというふうにも考えておりますので、こうしたことを総合的に判断をして、義務化するということは今回適当ではないという考えから判断をさせていただきました。
#93
○加藤修一君 時間が迫っておりますのでちょっと先に行きたいと思っていますけれども、今回の流れの中で環境大臣が四か所にわたって意見を言うところが出てきておりまして、環境省がこういった形で関与できるというのは非常に大事な点だと思って、評価できる内容だと思っております。
 そこで、いかなる仕組みでやるかと。私は、やはり常設の審議会等をつくって環境大臣の意見というのが極めてしっかりとした形の中で言えるような、そういう仕組みとか組織とかそういった面についてやっていくべきだと思っておりますけれども、これ、省令かそういう形で後々決めるというような内容というふうに私は理解しておりますけれども、大臣はどのようにお考えですか、この辺は。
#94
○国務大臣(小沢鋭仁君) いかなる仕組み、組織かと、こういう点に関しましては、中環審の方から、「環境大臣意見の形成過程において透明性や社会的な理解を高める観点から、有識者の意見をより的確に踏まえることが望ましいと考えられることから、その具体的な方法について検討することが必要である。」という答申をちょうだいしているところでございます。
 この答申を踏まえて具体的な方法を検討してまいりたいと思っておりますし、常設の第三者的な国の審査機関の創設ということも言及がございましたが、まずは環境省が助言を求めるための専門家を登録し必要に応じて助言を求める仕組みを構築し対応してまいりたいと思っております。
#95
○加藤修一君 もう少し御説明いただきたいんですけれども、具体的な方針というのはどういう中身になりますか。どういう仕組みというものを、もう少し目に見える形というか、お願いいたします。
#96
○政府参考人(白石順一君) この形についてはこれから詳細検討しなければいけないと思っておりますが、専門家を登録して助言を求める仕組みということでございますので、省令レベルのものが通常考えられます。
#97
○加藤修一君 これは審議会形式にしなかったという理由は何でしょうか。
#98
○政府参考人(白石順一君) たしか同じ、先ほど大臣が御説明申し上げました答申のその直前のところでございますけれども、中央環境審議会の答申におきましては、手続の重複の可能性があること等から不要であるという意見が多かったというふうなことがございまして、審議会に該当するようなある意味政令レベルのものではなくて実効あるような組織ということを考えるということが、その下の泡瀬の具体的な方法について検討することが必要という今の大臣のお答えの中から出てくるイメージでございます。
#99
○加藤修一君 環境大臣が当然国の立場で意見を言うという話になるわけですよね。今御答弁の中身は、地方の審議会と重複をするからそれはいけないというような意味合いの答弁でありましたけれども、それはそういうふうに考えていいんでしょうかね。国は国として日本という統一体があって、地方は地方としてそれぞれでモザイク型にあるわけで、地方は地方でのやり方でやっていくということも当然ありますので、私はやはり、これは国土形成計画法とか国土利用計画法なんかを考えてまいりますと、やはり国全体としてどういうふうに秩序立てて計画を推進するかということが法律の中に定められているわけでありまして、そういう観点はやはり私は見逃すことがあってはいけない、やはりそういった観点も加えて国がしっかりと意見が言えるようなことになっていなければいけないと、こんなふうに考えるんですね。
 それで、国土交通省、来ておりますか。
 今申し上げました国土形成計画法、それから国土利用計画法、この意義と全国的な視点という、私はここが非常に大事だと思っておりますから、その辺について御説明をいただきたいと思います。
#100
○政府参考人(幾度明君) 今先生御指摘のように、国土形成計画それから国土利用計画、これは国の国土に関する基本的な計画でございます。その計画では、環境にかかわることが計画事項になっているところでございまして、この両計画において全国的な観点に立って国土における良好な環境の確保に関する方針を示すことが重要であると認識をしております。
 このため、新しい法律に基づきまして平成二十年に策定をされました国土形成計画及び国土利用計画の全国計画におきましては、循環と共生等の視点を重視した持続可能な国土管理を進める観点から、人間活動と調和した物質循環系の構築、流域における健全な水循環系の構築、自然環境の保全、再生、人の営みと生態系の調和等を図る必要があると全国的観点から位置付けたところでございます。
#101
○加藤修一君 今御答弁がありましたように、そういうことですよね。いわゆる全国的な視点というのはやはり必要であるというふうに私は言わざるを得ないんですよね。
 国土形成計画法、この制度改正のポイント、今までの法律を変えていわゆる国土形成計画法というふうにしたわけでありますので、そのポイントというのは、第一は開発中心主義からの転換であると、二点目は国と地方の協働、協力して働くという協働ですね、協働によるビジョンづくりと、こういう形であるんですね。だから、明らかに地方の計画と全国の計画というのはやはり相互に役割分担をするという話になっているんです。だから、地方に環境アセスの審議会があるからといって、それは重複するから国の方で設ける必要はないという話にはならない。私は、科学的、合理的あるいは公正性の関係から、いわゆる全国的な視点から立って常設の環境アセス審議会を設けるというのが望ましいと思っておりますし、せんだっての参考人招致の関係の中におきましてもそういう意見が私は強くあったように考えておりますけれども、改めてこれは環境大臣に、こういった点についてしっかりと対応すべきだと私は思っておりますけれども、よろしくお願いいたします。
#102
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員の御指摘のように、国としての視点をしっかり持つということは大事なことだというふうに思っております。
 それから、先ほど白石局長の方が答弁をしたことは、中環審の方で重複という話は、別に地方があるから国が要らないと、こういう話ではなくて、中環審の意見の中には、いわゆるそういったものが重複してはいけない、国の中で重複してはいけないという、そういう意見もある中で、必要に応じて専門家の皆さんたちを組織化していくことが望ましいと、そういう答申であったと、こういうことでございます。
 いずれにしても、委員の御指摘の、専門家の知見をしっかりと受け止めて、そういったことで環境大臣としての意見を述べていく、そういった方針は重要であると思っておりますので、常設、常設でないはともかくとして、そういった専門的知見をしっかりと踏まえた意見を申し上げていきたいと思っております。
#103
○加藤修一君 この件は、今回の法律案提案理由の中に次のように書いてあるんですね。「今日の環境政策の課題は一層多様化、複雑化しており、平成二十年六月に公布された生物多様性基本法、地球温暖化対策の推進や再生可能エネルギーの導入促進等の状況の変化」、こういうのがあると。ですから、こういう法律改正案を出すんですよということになっているわけですよね。こういう環境の状況が多様化あるいは複雑化していると。で、皆さん御承知のように、地球温暖化の関係で各地の環境の状況も極めて大きく変わり始めている、それは国全体としてどうするかという話も当然あるわけで。
 それから、今出てきました生物多様性の関係については、今日資料を配付させていただいておりますけれども、この生物多様性基本法と関係する法律を考えても十数個の法律がかかわってきているという話ですよね。
 提案理由の中でこの法律にかかわる話が当然あったわけでありますけれども、こういうことを考えても、第三次の生物多様性国家戦略、国家戦略でありますから、そういう国家戦略に基づいてこういう生物多様性の保全あるいは推進を図るという話でありますので、先ほど最終的に大臣の答弁は積極的な答弁であると私は受け止めておりますけれども、こういうことを踏まえながら、やはり環境アセスの関係について常設の国の組織をしっかりとつくるということが私は非常に大事であると思うんですね。そこをやっていただきたいということを強く要求をしておきたいと思います。
 それから、今日、総務省が来ておりますか、総務省。
 これ、審議会という形になっていないと、明確に条項を作って審議会をつくるとかそういう話になっていないので、私は是非審議会をつくるべきだというふうに考えておりまして、それで、今日は総務省に来ていただいているのは、審議会を余りつくってはいけないという、そういう行政改革上の話もこれはあるんですね。
 ただ、この環境アセスの関係については、これ非常に大事だと。これは、私が個人的に大事だと言っているから、だからつくれという話じゃなくて、個人的だけじゃなくて、いろいろな方々がやはりこの環境アセス、とりわけ戦略的な環境アセスについてようやっとここまでの段階に来ているわけでありますから、今後、やはりこのアセスの実績等を含めてしっかりとこれは常設の審議会等で検証をしていく必要が私はあると思っているんですね。
 そういうところで、この審議会の考え方、あるいはどういう形で審議会がつくられているか、あるいは実態ですね、今どのぐらいあるか、あるいは同意人事にかかわる審議会、同意人事というのは要するに国会が認証するというそういう意味合いでありますけれども、そういう面も含めて是非お願いいたします。
#104
○政府参考人(宮島守男君) まず、実態でございますが、審議会の数は現在百十五でございます。そのうち国会同意の審議会は二十二でございます。
 それから、アセスに関する審議会というお尋ねでございましたが、個別の審議会について何か我々の方で伺っているわけではありませんので一般論でお答えさせていただくことをお許しいただきたいと思いますけれども、御指摘の審議会含めまして行政組織につきましては、新たな行政需要に対応して体制整備を行うとともに、不断に見直しを行いまして簡素合理化に努める必要があると思います。
 このため、原則としてスクラップ・アンド・ビルドということで対応してきているところであります。具体的に、まず必要性を十分吟味する必要があると思いますし、必要性が認められる場合におきましても、既存の他の審議会でできないか等の検討が必要であると考えております。
 いずれにいたしましても、必要性の乏しくなった組織は整理合理化しつつ、新たな行政需要に対しては体制整備を図っていくということが重要であると考えているところでございます。
#105
○加藤修一君 ありがとうございます。
 それで、この関係については、民主党さんの方では以前から審議会の関係、あるいは行政改革等を含めて、あるいは審議会の委員の任命の在り方等を含めて言われているわけでありまして、鳩山総理も、これは昨年でありますけれども、審議会の委員について、各省庁の事務局が実質的な人選を行っていたというケースが大半であったと思っておりますと。したがいまして、官僚にとって都合の良い人選が行われ、官僚主導型の政策決定が行われる、これを助長した結果になったと思いますと、かなり強い指摘だと思いますが。したがいまして、新内閣では、官僚主導型による政策決定を政治主導に変えていくということでございますので、大転換をしてまいりますと。すなわち、今後は、選考過程の透明化を進めてまいるというのは言うまでもありませんが、英国の公職任命コミッショナー制度、こういった制度も参考にしながら、各省庁の政務三役が説明責任を行うという中で、政治主導で人選を実施していきたいと思いますと、このように非常に明快に言っているなと私は思っておりますが。
 先日の参考人の中身の中に、専門家の集団によるチェックが極めて重要であると。こういう環境については、私はやはり恒常的なものとして、しかも独立性の高いものを設けていただきたいと。しかし、当然、案件によって必要な専門変わってまいりますから、毎回同じ人とは限りません。しかし、コアになる人は選んでおいていただいて、そしてさらに、その人たちが必要な専門家を更にセレクションするとかいうことが必要だと思いますと。日本の審査会というと、これは審議会ですねと、一番問題はだれがどう選ぶかでありますと。だれがどう選ぶかという話に当然なってくるわけですよね。それで先ほどのコミッショナーの話が当然出てくるわけでありまして、これは非常に大事だと思います。
 従来の審議会が、四つの役割でできていると。一つは、国民各層の意見を反映させる。必ずしも国民の皆さんが入っている審議会ではなかった、NPO、NGO等を含めてですね。二番目としては、多様な意見を取り入れることによって行政過程を公正なものにすること。三点目は専門的知識を取り入れること、あるいは、各種の利害を調整すること、こういうふうになってございますが、これについてはちょっと時間がなくなってしまいましたので、こういう制度について、極めて英国は積極的に意欲的にやっていると私は思っております。手短にお考えを示していただきたいと思います。
#106
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員の御指摘のように、委員の選出に当たっては選考過程の透明化が極めて重要と、こういうことと同時に、政治主導で人選を行っていくことが重要なことと思っております。英国の公職任命コミッショナー制度も十分参考にさせていただきながら、政務三役でしっかりと決めてまいりたいと思います。
#107
○加藤修一君 政治主導確立法も、これは参議院の改革協議会でやるぐらいの話でありますので、余り急いでやらないようにやることを要求をしておきたいと思います。非常に私は大事な視点だと思っておりますので、関心を持って進めてまいりたい。政治主導が、どういうのが政治主導であるかというのは、非常に私は大事だと思うんですね。
 以上で質疑を終了いたします。
#108
○委員長(山谷えり子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#109
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、環境影響評価法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#110
○岡崎トミ子君 民主党・新緑風会・国民新・日本の岡崎トミ子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 環境影響評価法が一九九九年に完全施行されましてから十年がたちまして、ちょうどこの見直しの時期に当たりまして、これまで課題として残されたものについてしっかり取り組んだのだというふうに理解をいたしております。重要な意味のある制度であるだけに大変影響が大きいというふうに思っておりますし、今回の改正に向けて真剣な議論あるいは厳しい議論が闘わされたというふうに思っておりますが、小沢環境大臣の下で提出されましたこの法案はやはり様々な重要な点で前進したものと私は考えております。
 昨年制定されました生物多様性基本法で求められました事業計画の立案の段階等での生物多様性に係る環境影響評価の推進も、法律の形でこたえようとしております。計画段階からのアセスメントはずっと課題でございました。
 いわゆる戦略的環境アセスメントというのは本来もっと上位の計画、政策段階で行われるものと思っておりますし、今回は二〇〇七年の戦略的環境アセスメント導入ガイドラインと同じ段階を法定化するというもので、実は欧米で行われている戦略的環境アセスメントの段階には届いておりません。そのことについて、当然物足りないという議論もあるわけですが、私自身、やはり世界標準を目指すべきだと考えておりますが、環境大臣も今後の検討課題とされているということですので、この委員会でも更に議論がされていくものと思っております。
 今は、委員会のこの議論を通しましてベストのものができたというようなことが言えるように、説明できるようにしていきたいというふうに思っておりますし、今後は政省令の策定とか運用の中で最大限改正の効果を発揮できるようにしていきたいと思っております。そして、当然、制度は絶えず見直されていくべきものと考えておりますので、今後を見据えてどういう観点が点検事項になるかということについても考えていきたいと思います。
 早速、この改正案の目玉であります計画段階での配慮書の手続について質問をいたします。
 この手続は必ず、アセスメントを行う事業として法律で決められている第一種事業を実施しようとする事業者に、事業計画を立案する段階で環境影響評価を行って、その結果を書いた計画段階環境配慮書を作ることを義務付けるものでございます。配慮書は主務大臣に送ることと公表することなども義務付けられております。
 今までよりも前の段階でアセスメントを行うということになるわけですが、実際にはどういうアセスメントを行うことになるんでしょうか。事業者がどういう配慮を行うかは、主務大臣が環境大臣と協議をして、事業の種類ごとに作る主務省令で定められるということになっておりますが、環境大臣は主務省令に関する基本的事項をあらかじめ定めることになっております。
 まず、なぜ配慮の中身を、閣議で決める法令か政令か、あるいは環境省が決める環境省令ではなくて、経済産業大臣とか国土交通大臣といった主務省令で決めるというのか。大事なところは政令か環境省令で決めて、細目を主務大臣で決めるという、そういう考え方もあろうかと思いますが、この点についてはどういうふうにお答えになりますでしょうか。
#111
○国務大臣(小沢鋭仁君) その主務大臣による主務省令での配慮事項の決定でございますが、これは現行法もある意味ではそういう形になっているわけでありまして、そういった意味においては、様々な事業種に適切な調査、予測、評価の手法、こういったものが異なるわけでありまして、そういったところをしっかりと踏まえて定められるものということで、所管をする主務大臣が環境大臣と協議をして決めると、こういう方式を取っているところでございます。
 ただ、配慮事項の内容は個々の主務省令で定めますが、一定の水準を保ちつつ適正な内容が定められるよう、これらの共通する基本となる考え方を基本的事項、環境省告示によって示すことにしておりまして、そういった意味においては、しっかりした水準を示しながら、なおかつそれぞれの主務担当大臣あるいはまたその役所による特性を加味して決めると、こういう方式になっているところでございます。
#112
○岡崎トミ子君 具体的には、主務省令では何を決めるのか、一方、環境省は基本的事項は何を決めようとしているのか、午前中にもこれはずっと議論がされておりましたが、一応お答えをいただきたいということと、複数案の検討について、これは環境へのネガティブな影響を回避したりする上で非常に大事なポイントだと思いますが、この複数案についてはどういうルールにしようとしているんでしょうか。
#113
○政府参考人(白石順一君) まず、配慮事項につきましてどんなイメージかということを主務省令、基本的事項について御説明をまず申し上げたいと思います。
 今、基本的な考え方は大臣がお話しさせていただいたとおりでございますけれども、配慮書の配慮に係ります主務省令におきましては、事業の種類、特性に応じまして、事業種ごとの複数案の設定方法や調査、予測、評価の方法について定めると。基本的事項におきましては、これらの共通する調査、予測、評価の手法等の基本となる考え方ということになります。
 もうちょっと敷衍して申し上げますと、基本的事項の場合、複数案の設定に関しましては、事業の位置、規模又は施設の配置、構造等に係る複数の案を設定すると、地域特性等から複数案を設定することが現実的でない場合は配慮書にその理由を付すと、そんなことが基本的事項に書かれると。それから、調査、予測及び評価の方法につきましては、午前中もちょっと御議論ありましたが、原則、既存資料により収集整理することとし、更に詳細な情報が必要であると判断される場合には、専門家の意見聴取あるいは現地調査の実施を検討すると。それぞれの複数案ごとに環境影響の把握等のことを行い、各案において留意すべき環境影響等を整理するということが基本的事項に書かれ、それにのっとりまして主務省令で、それぞれの所管する事業の種類や地域特性に応じた複数案の設定方法であるとか調査、予測、評価の方法というものを規定するのが主務省令、そんな切り分けになると思います。
 したがいまして、複数案につきましての設定のルールでございますけれども、今申し上げましたような基本的事項で位置、規模、配置、構造等の様々な要素につきまして複数案が柔軟に設定できるように整理する、こういうふうな考え方でございます。
#114
○岡崎トミ子君 この複数案について、位置は一か所だけを想定して、そして配置などについてだけ複数案を検討するといい、そういうケースも決めるというふうに言われているわけですね。この段階で一か所しか想定できないケース、当然あるだろうというふうに思いますが、きちんとルールを一定作って、可能な場合にはできる限り位置についても複数案を出すこと、これが必要だと思いますし、更に言えば、本来はゼロオプションも複数案の中に入れるべきだというふうに原科参考人も指摘されておりました。
 位置の複数案を示さなくてもよいケースの条件についてどのように考えているか、お答えいただきたいと思いますし、ゼロオプションについてはどのようにお考えになりますでしょうか。
#115
○副大臣(田島一成君) お答え申し上げます。
 配置の複数案を示せばよいケースにつきましては、それこそ事業の種類でありますとか地域の自然状況や社会的な状況など、複数案が示せるかどうかという要素が非常に異なってまいりますので、なかなか現時点で一概にお示しをするというのは非常に難しいなというふうに思っておるところであります。
 一方のこのゼロオプションにつきましては、午前中にもお答えを申し上げましたけれども、これが現実的である場合や、他の施策と組合せをしたことによって設定し得る場合におきましては、事業の種類によっては事業者自らがそれを複数案として含めていくこともあり得るだろうというふうに考えているところでございます。
#116
○岡崎トミ子君 今の複数案について、参考人質疑の際に中環審の環境影響評価制度専門委員会の委員長でいらっしゃる大塚直参考人が、どうしても一つの案しか出ないという場合もあるかもしれないが、その場合には複数案を出せない理由として出してほしいという指摘をされておりました。こういう複数案を出せない場合にはきちんと理由を説明するということを基本的事項に書き込もうとしておりますでしょうか。
#117
○副大臣(田島一成君) 今後の環境省告示の検討の中で、今御指摘いただきました点につきましては明確に入れていきたいと思っておりますし、その点についても検討を是非整理していきたいと考えているところでございます。
#118
○岡崎トミ子君 そうであれば当然、主務省令で受けるという考え方でよろしいでしょうか。
#119
○副大臣(田島一成君) お見込みのとおりでございます。
#120
○岡崎トミ子君 今日はこの後で質問をすることになっております経済産業省の方から近藤政務官にもおいでいただいておりますので、この点もしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 次に、配慮書に対する意見についてですが、アセスメントの意義の一つは、広く利害関係者あるいは関心を持つ人々が情報を共有して決定過程に参加できるということだと思います。このことによって多様な観点や情報に基づいたより的確な評価ができるようになりますし、事業を進めることについての納得も幅広く得ることができるだろうと思います。
 そうした意味で、今回、配慮書手続の過程で関係する行政機関と一般から意見を求めるという規定を盛り込んだのは大変意義深いことだと思っておりますが、意見を求めるのを配慮書案又は配慮書ということにしているのはなぜか。案の段階で求めるのが最も趣旨にかなっていると思いますが、午前中にもこの議論はございましたので、このところの質問は意見だけ申し上げて飛びますが、条文を見ますと、関係する行政機関及び一般の環境保全の見地からの意見を求めるように努めなければならないと書かれておりまして、意見を求めるのは努力義務になっております。
 先ほどの案又は配慮書についてという部分とこの努力義務であるということに関しまして、事業者がどう努力すべきなのかについて環境大臣はどのように基本的事項で定めるつもりなのか、また実際にどのように運用されることを期待しているんでしょうか。
#121
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたのは、基本的事項をどのように定めるつもりかということでございますけれども、私どもといたしましては、できる限り早い段階における意見聴取をすることを原則としながらも、事業の特性を踏まえた柔軟な対応を可能とするように、事業の特性に配慮をしながら今後具体的な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、配慮書手続の過程において地方公共団体また住民の意見聴取を行うことにつきましては、努力規定ではありますけれども、原則として行っていただくものというふうに認識をしておりまして、事業の早期段階における意見聴取を通しまして、本規定の趣旨が十分に全うされるように期待をしているところでもございます。
#122
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 次に、環境大臣の意見について質問をいたします。
 この改正案は、環境大臣が意見を言える可能性のある段階を増やそうとしております。
 まず、今の配慮書の段階ですが、改正後の三条の四には、事業者は主務大臣に配慮書を送付することが義務付けられていて、それを受け取った主務大臣は速やかに環境大臣に写しを送付して意見を求めなければならないとされております。
 続いて評価書の段階、改正後の二十三条の二でありますが、事業者は決められた大臣などの免許等を行うもの等に評価書を送付することになっているが、地方公共団体等の長が受け取って環境保全の見地から意見を出そうとする場合には、今までと違って環境大臣に助言を求めるように努めなければならなくなる。
 そして、評価項目の選定の際にも、これは改正後の十一条三項に当たりますが、主務大臣が事業者の申出に応じてアセスメントの項目などの選定について技術的な助言をする場合には、あらかじめ環境大臣の意見を聴かなければならないというふうに規定しております。
 最後に、今回の改正案で新しく規定しようとしております環境の保全のための措置等に係る報告書の段階、これは改正後の三十八条の三に当たりますかね。事業者は、評価書を送った相手に報告書を送ることが義務付けられていて、受け取った者は速やかに環境大臣に写しを送って意見を求めるように決められております。
 そこで質問ですが、二十三条の地方公共団体等の長が免許者である場合の評価書についての改正は、環境大臣が二〇〇〇年に失ってしまった意見を出すチャンスを回復して更に可能性を広げる、そういうことでも期待が高いというふうに思っておりますが、なぜほかの大臣と違って地方公共団体の長だけ努力義務ということになったのか。私は、沖縄県の泡瀬干潟の例などを見ますと、やはり環境大臣が物を言う根拠があった方がいい。どのような運用を期待しているんでしょうか。
#123
○大臣政務官(大谷信盛君) 午前中の議論にもありましたが、加えて言うならば、ここにおいては、地方分権の観点から、そこはやっぱり地方自治体の方々にリーダーシップを発揮していただきたいというのも加味して努力義務というふうにさせていただいているところと御理解いただければと思っておりますが。
#124
○岡崎トミ子君 あのときに何回も何回もやり取りをして、環境大臣がすぱっと物を言ったらという思いもあり、しかし地方分権だからという思いもあり、大変悩んだときがあって、この改正のときに努力義務ではなくてというふうな思いもあったわけなんですけれども、環境大臣の責任は私は重くなるというふうに思っておりますので、どのような姿勢で臨むのか、一言、環境大臣の御意見も伺いたいと思います。
#125
○国務大臣(小沢鋭仁君) 確かに、大変責任が重くなるというふうに感じておるわけであります。埋立事業など、許認可権者が地方自治体の場合は、これまでは意見を述べる機会がありませんでした。委員の御指摘のとおりでございます。そういったことが今回の改正により意見を述べることができるようになるということでございまして、助言者としての責任をしっかり感じながら果たしていきたいと思っております。
#126
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 先ほど触れましたように、今回の改正案には環境保全措置の報告書の手続の創設が盛り込まれております。やったらやりっ放しという状況を許しかねない今の制度を改めて、事後報告を行って報告書を作成する仕組み、このことは大変意義深いと思っております。
 この報告書につきましても、事業の種類ごとに環境大臣と協議して作る主務省令に沿って作成するということになっておりまして、環境大臣がこの主務省令に関する基本的事項を定めることになっております。事後調査を行うようにする目的、これは何でしょうか。
#127
○国務大臣(小沢鋭仁君) もう今委員も御質問の中でもおっしゃっていただきましたけれども、今までは事業着手後に環境保全措置等の結果について状況を把握することが、仕組みがありませんでした。したがいまして、行政や一般が知ることができないなどのいわゆる問題があったわけでありまして、それに対する対応をしっかりできるようにするために今回位置付けたものでございまして、より実効性のある環境保全のために極めて有効な政策だと、こう思っております。
#128
○岡崎トミ子君 今後の事業に生かすということだけではなく、具体的に今やっております事後調査をする、その事業による環境影響について緩和をしたり、あるいは代償的な措置をとるということにつなげることができる、こういう期待は持てますか。
#129
○副大臣(田島一成君) もう大臣が今うなずいていただきましたけれども、事後調査自体は環境保全措置、すなわち環境への影響を回避する、また低減する、そして代償する措置を適切に実施をしていくために行うものでございますので、今御指摘いただいたとおり、このような緩和、また代償的な措置をとることを期待して行っていきたいと思っております。
#130
○岡崎トミ子君 そのために主務省令で何を決めるかということなんですけれども、環境省はどのような基本的事項を定めるようになっているんでしょうか。
#131
○政府参考人(白石順一君) 改正法の三十八条の二の具体的な考え方というお尋ねだと思いますけれども、二つありまして、一つは環境保全措置、もう一つは事後調査ということになりますけれども、現行の主務省令では、環境保全措置の検討の方法、あるいは事後調査の項目、手法の選定などについて事業種ごとの具体的な手法が主務省令で書いてあると。基本的事項ではこれらの事項について共通する基本となるべき考え方を規定しているわけでございますけれども、今回の改正に伴いまして、これに加え、大臣からお話がありましたように、新たに環境保全措置等の公表等の手続が義務付けられるわけでございまして、その公表に伴います報告書の記載内容等を主務省令で規定する必要が出てくるわけでございますし、その基本的な考え方は基本的事項で定めると、こういう内容をイメージしてございます。
#132
○岡崎トミ子君 これまでは、評価書をきちんと手続をして、そして確定してしまいましてから貴重な生物種が見付かった問題になるケースがたくさんありましたけれども、本当に歯がみをする思いをこれまでにもしてまいりました。
 ちょっと例について思い出していただきたいと思いますが、泡瀬干潟の埋立てに関するアセスの例では、評価書が二〇〇〇年に確定した後で、環境団体や研究者の調査で埋立予定地では評価書には記載されていない多くの生物が記録されました。そして、少なくとも、生物種をすべて網羅しなさいというふうには思わないんですけれども、少なくとも希少種や重要種ですね、これを見落とされるのはまずいと思います。この泡瀬の埋立事業の場合には、新たに発見された希少種について事後調査が行われたけれども、事業が始まった後では十分な保全対策を立てることができませんでした。技術もなかったというのもございました。
 それから、普天間の代替施設のアセスの例では、研究者の調査で辺野古に隣接する大浦湾の海底から、アセス調査では見逃された三十六種のエビ、カニ類の新種が発見されました。この場合、事業者はマニュアルどおりの調査を行ったのに対して、研究者は専門家で、この場所が豊かな生物多様性を誇る沖縄の未調査の海底だということで、新種がいることを予測して効果的な調査方法を考えていたということでございます。
 方法書の段階で何とかならなかったのかという問題提起でもありますが、いずれにしても、こういう場合はきちんと追加調査をして、データ蓄積をするだけではなくて、予測、評価、保全につなげていくべきだと思います。
 上関の原子力発電所の場合にも、大変な環境影響評価、実施された環境影響評価、多数の希少種あるいは絶滅危惧種がいたわけなんですけれども、これは残念ながらそれを見付けることができなかった状況の中で、日本生態学会は、二〇〇〇年三月、二〇〇一年三月の二回、総会において要望書を決議して、生物多様性の保全と科学的な環境影響評価を実施することを求めて、これは私自身も経済産業省と環境省にそれぞれ皆さんと行ってこの要望書を提出をしてまいりましたが、この中では瀬戸内海の総合的な学術調査を新たに実施することという、そういうような要望もございました。
 これらはアセスのケースで記載されなかったためにどうしていくんだろうと、これからの問題になりますけれども、法令上あるいは運用などで対処していくとするとどんなふうになるんでしょうか。
#133
○副大臣(田島一成君) アセスの手続が終わってから見付かった場合はどうしていくのかというような問いだったと思いますけれども、御指摘のような問題が想定される場合には、アセス手続の段階で、例えば貴重な生物種が見付かった場合に取るべき対応につきましても、環境大臣が意見を述べることなどによって適切に対応できるように最大限配慮をしていきたいと考えておりますし、またこれに加えまして、今回のこの改正案におきましては、事業者が評価書に記載をした環境保全措置のうち、その効果の不確実性が高いものについては実施状況を報告、公表するということにしておりますので、委員の御指摘いただいております問題のようなケースに対してもしっかりとした対応ができるというふうに考えているところでございます。
#134
○岡崎トミ子君 いい御答弁をいただいたというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 事後調査についてお聞きしましたので、事前調査についてもお聞きしておきますが、これまでアセスの手続から外れたところで事業者が事前に調査を行うことがあって、様々な問題が指摘されておりました。当然、方法書というのはアセスの調査を行う前にその調査をどうやってやるのかをつくるためにやるわけで、ある程度の情報収集は必要になるというふうに思います。しかし、だからといって方法書作成の前に実質的な現地調査をやってしまう、こういうようなことがありますと、手順を踏んで透明な手続を経ながら調査をしようとするこの法の目的から逸脱してしまいますし、アセスの手続を形骸化させてしまうというふうに思います。
 例えば、新石垣空港のアセスのケースでは、裁判の判決で、方法書作成前の調査は大規模で、状況確認の範囲を超えてアセスを行おうとしたと批判をされております。これはあってはならないことですが、これまで事前調査によって自然破壊が行われたと指摘されたケースもございます。普天間代用施設の軍民共用空港案では方法書の前に現地技術調査が行われて、ボーリングのためのやぐらの設置、スパット台船などで環境を攪乱して、シュワブ沿岸では方法書前の事前調査でパッシブソナー、ビデオ装置、撮影装置、それから百か所以上に設置したサンゴの卵の着床板、こういうもので環境を攪乱して、その結果としてジュゴンが追い払われて、準備書では辺野古海域でジュゴンが記録されなかった、事業による影響は少ないと記述されたというふうにも指摘されておりまして、結果として科学的で正当なアセスにはなっていないという批判がございました。事前調査に伴う自然破壊の問題についてどう認識されているのか、そもそも事前調査というのはもっと制限すべきではないかと思います。
 今回の法改正では、それに伴う政省令の整備に当たって何らかの配慮は可能でしょうか。それから、アセス法の中での対応が困難であったとしても、何らかのルール整備は可能でしょうか。
#135
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたように、方法書の前であれ後ろであれ、いわゆる環境影響評価に伴った調査は、それによって環境への影響が生じないように行われるべきだというふうに考えております。
 事前調査につきましては、環境影響評価に伴った調査と学術目的の調査などそれ以外の調査と二つあるわけでありますけれども、この学術目的の調査につきましては根拠でありますとか内容が非常に多様でありますので、すべての調査に統一的なルールを設けていくということは大変困難だというふうにも認識をしているところであります。
 しかしながら、環境影響評価に伴う調査につきましては、現行の基本的事項におきましても、調査の手法の選定に当たっては可能な限り環境への影響の少ない方法を選定するように求めておるところでありまして、今回新たに設けるこの配慮書段階に行う調査につきましても同様に取り扱われるように検討を重ねていきたいと思っております。
#136
○岡崎トミ子君 今後もきちんと情報を把握をしていただいて、そして個別のケースに厳正に対処していただきたいと思いますし、必要に応じてはルールの整備の可能性についても検討していただきたいと思います。
 次に、審議会でも議論されました対象事業の追加についてお尋ねしたいと思いますが、アセス法の対象事業の少なさはずっと指摘をされておりました。他の多くの国と比べまして実際にアセスメントの件数が圧倒的に少ないということは、本会議でも、またこの委員会でも指摘をされたとおりでありますけれども、改めて申し上げますと、法律に基づくものが年間二十件、自治体の条例に基づくいわゆる条例アセスを含めても年間七十件程度というふうに理解をしております。アメリカでは年間三万から五万件のアセスメント、中国でも三万件行われているということでありますが、単純に件数の比較だけで制度が機能しているかを評価するのは拙速だといたしましても、とにかく差は歴然としていると思います。
 対象事業が少ないことがこの大きな要因ではないかと思いますが、この対象事業、今の法律では政令で決められているわけですが、今回、法改正に向けた作業と併せまして追加が検討されてきたと理解しておりますが、風力発電については政令改正で対象に追加する考えがあると聞きました。そのことを確認して、あわせて、風力発電以外の事業の追加は考えていないのかどうか、第一種事業、第二種事業の規模要件の変更は考えていないのかどうか、この点も確認をしたいと思います。
#137
○大臣政務官(大谷信盛君) 委員御指摘のとおりでございまして、政令改正で風力発電を追加させていただきます。現段階においては風力発電のみを対象にと考えております。
#138
○岡崎トミ子君 風力発電の追加は今後どういう段取りで進めていかれるのか、どのような観点で追加をしていくのか、この二点についてお伺いします。
#139
○大臣政務官(大谷信盛君) 公開の場でしっかりとヒアリングをさせていただく関係者からのヒアリング、それから条例アセスの実施状況の確認、諸外国における風力発電アセス制度の確認などを行いつつやらせていただくつもりではございますが、騒音、低周波にバードストライク、午前の議論でもございましたが、発生、本当に人間への人体影響も含めてしっかりと見定めながら進めていくというような段取りを考えさせていただいております。
#140
○岡崎トミ子君 今、大谷政務官がおっしゃったように、確かに風力発電について低周波音による健康影響、これはこの委員会でも市民の皆さんから訴えられたことを私自身も質疑をさせていただいたことがございますけれども、この健康の影響の訴え、真剣に受け止めるべきだと考えております。
 どのように対応するのかは、現在、環境省でも調査を行っていて、三月二十九日ですか、二十一年度の調査結果が公表されました。この調査を進めていること自体はよかったと私は思っております。しかし、調査は今後も続けられるということで、完全に結果が出るまで何もしないということですと住民は待てません。そういうことも含めまして対応の方針を説明をしていただきたいと思います。
 それから、調査結果については、当事者の実感と比べてどうなのか、これも気にすべきだと思います。調査につきましては、当事者はもちろん、広く専門家からも検証を受けながら進めるべきだと考えますが、今回の調査結果をどう扱って、今後はどのように調査を進め、施策に反映していくのか、お聞きしたいと思います。
#141
○政府参考人(鷺坂長美君) 風力発電施設と健康影響の訴え、またそれにかかわる調査のことでございます。
 風力発電施設の近隣住民で健康影響を訴えている方がおられることは承知しておりまして、環境省におきましても、平成二十年度には諸外国における低周波音の基準等の状況を調査しておりますが、昨年度、平成二十一年度には、苦情が寄せられた風力発電施設につきまして、そこから発生します騒音、低周波の実態把握を行っております。こういった実態把握につきましては、学識経験者から成る検討会において検討していただきまして、その結果は、今委員御指摘がありましたように、先月二十九日に公表させていただいたところでございます。
 そして、これまでの調査では、風車音の周波数特性の傾向が一定程度明らかになっておりますけれども、こういった結果を踏まえまして、今年度は公募により選定した専門家による研究を行う予定にしております。具体的には、すべての風力発電施設についての情報を収集いたしまして、主に苦情のあるところを中心に詳細調査を行うとともに、また別途低周波音と人との影響に関する研究もすることとしております。
 その結果が施策に反映されないとかいう御意見でございますけれども、この研究、四年間の間で行うことにしておりますけれども、例えば今年の夏において風車が回転していないときに冷却設備など機械稼働音だけの調査をすることとしておりまして、こういった調査状況が出ましたら、例えば風車音の低減対策を検討しておりますいわゆるNEDO、独法の新エネルギー・産業技術総合開発機構に情報提供をするなど、一定の成果が得られた段階で随時関係機関と情報を共有し、公表する予定にしております。
#142
○岡崎トミ子君 大臣、四年間調査して掛かるというお話なんですね。
 いずれにしましても、これまでとかく取られがちだった、因果関係がよく分からないイコール影響がない、だから何もやらないというようなことは絶対ないようにしていかなければいけない、そういう考え方には立たないということを確認をさせていただきたいと思います。
#143
○国務大臣(小沢鋭仁君) まさに委員がおっしゃるように、因果関係がないイコールそれが影響がないという前提には立たずに、客観的にしっかりやっていただきたいというふうにお願いをしているところであります。
 ただ、時間は結構これ必要でございまして、ある程度の時間が掛かることはやむを得ないということでございます。そのために、私の方も、調査はできるだけ前倒し前倒しでやってもらいたいという話は申し上げているところでございまして、でき得る限り努力はしてまいりたいと、こういうふうに思います。
#144
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。
 風力発電につきましては主務大臣は経済産業大臣になるだろうと思いますが、環境大臣には十分にリーダーシップを発揮していただきたいということで、経済産業大臣も主務大臣の立場で、環境保全、人の命、健康を守る観点から適切に対応していってほしいと思います。
 午前中に環境大臣は大変前向きの御答弁を下さいましたので、経済産業省の近藤政務官の方に確認しておきたいと思いますけれども、地球温暖化に資する事業については環境アセスメントの手続を簡素化すべきという議論がございますが、例えば事務を効率化するとか、あるいは処理すべき案件がもうちょっと早くやらなければいけないといって急いでやってしまうとか、そういうことは私は頑張って急ぐことがあってもいいというふうに思うんですが、環境保全、この観点からは環境アセスメントがおろそかにされてはいけないというふうに思いますので、この点について経済産業省から御答弁をいただきたいと思います。
#145
○大臣政務官(近藤洋介君) 岡崎先生にお答えいたします。
 先生御指摘のとおり、環境アセスメントの手続の簡素化は、対象事業が地球温暖化対策に資する事業であるか否かという観点からではなくて、手続の効率化の観点から検討すべきものであろうと考えております。経済産業省としては、環境アセスメント自体をおろそかにするものではないと認識しているところでございます。
#146
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 行政刷新会議では、今、規制・制度改革に取り組んでおりまして、規制・制度改革に関する分科会が始まっているということでございます。非常に重要な仕事だと期待をしております。ここでは風力発電に関する規制なども検討テーマとして挙がっているようですが、この検討対象としていくのかを確認をさせていただきたいのと、そうであるとすれば、今後どういうスケジュールで取り組んでいかれるんでしょうか。行政刷新会議は内閣でございますね。
#147
○大臣政務官(田村謙治君) お答えさせていただきます。
 今御質問いただきました行政刷新会議の下で規制・制度改革に関する分科会というものが設置をされまして、その中にワーキンググループが三つあります。その一つがグリーンイノベーション・ワーキンググループというワーキンググループがつい二週間前に第一回会合をさせていただきました。その中で、事務局案ではありますけれども、項目を掲げさせていただいて、それから、委員の方を始め、その項目の追加をしながら、今どういった項目を今後検討していくかというのを今週来週辺りで決めようというふうに考えています。
 その中で、いったんの区切りというのは、規制・制度改革分科会は成長戦略、政府が作っております新成長戦略にも連動しますので、いったん五月末までにある程度の結論を得るもの、重点項目として結論を得るもの、一方で、取りあえず結論を得るというわけではなくて中長期的な検討項目として項目を残すというもの、そういったように項目を選別を区分をしようというふうに考えているところでありまして、そこは、各省庁の政務三役はそうですけれども、いろんな方々の御意見、もちろんワーキンググループの委員の方を中心に御意見をいただきながら決めていこうというふうに考えているところでございます。
#148
○岡崎トミ子君 風力発電に対するアセスメントについてはいかがでしょうか。
#149
○大臣政務官(田村謙治君) 風力発電に対する環境アセスメントも項目としては挙がっておりますけれども、それは、どのような扱い方、その項目についてどのような扱い方にするかというのはまだ決まっていないところでございまして、最終的には、担当の政務三役というのは枝野大臣と大塚副大臣、そして政務官が私ですけれども、委員の方を始め、御意見を伺いながら決めていきたいと考えているところです。
#150
○岡崎トミ子君 環境保全というのが一番大事になってくるわけですけれども、この規制制度の見直しに当たって慎重さが求められると思いますけれども、いかがですか。
#151
○大臣政務官(田村謙治君) そこは委員と思いはもうほぼ共通をしていると思います。風力発電といったような再生可能エネルギーの導入促進を図ると、そういった意味から、先ほど近藤政務官もちょっとおっしゃっていましたけれども、書類手続の迅速化、柔軟化といったような観点も重要ではありますけれども、一方で、まさに環境保全のための環境アセスメントでありますので、そこは慎重に、慎重にというか、各担当省庁とかの三役はもちろんのこと、委員のような御専門の方々からもしっかりと御意見を伺いながら検討を進めていきたいと思っております。
#152
○岡崎トミ子君 環境規制やアセスメントにもそれぞれ政策目的というのがございますので、それをきちんと踏まえて検討をしていただきたいと思います。とにかく、政府全体として環境のことを忘れないでいただきたい。
 また、環境大臣にお伺いいたしますけれども、環境大臣は、万が一にも環境のことを忘れないでほしいという点について、少々うるさいと思われても、きちんと言うべきことについて言っていっていただきたいと思います。いかがですか。
#153
○国務大臣(小沢鋭仁君) 岡崎委員の意を体してしっかりと、うるさくても環境は大事だということを言ってまいりたいと思います。
#154
○岡崎トミ子君 よろしくお願いをいたします。
 それで、次の質問をさせていただきたいと思いますが、適用除外について様々な議論がされておりまして、先日の参考人質疑でも指摘がされましたし、今日は加藤委員の方からもこの問題について詳しくされたと思っておりますが。
 ちょっと確認をさせていただきたいと思いますけれども、この配慮書の手続について、国の利害に重大な関係があり、かつ、災害の発生その他特別の事情によって緊急の実施を要すると認められる事業として政令で定めるものについて、適用しないとされていて、ややあいまいな印象を持たせる書き方だなというふうに思っていて、万が一拡大解釈されますとどんどん適用除外が広がってしまうのではないか、そういう心配の声も聞こえてまいります。まずは、具体的にはどのような事業を想定しているのか、お聞きしておきたいと思います。
#155
○政府参考人(白石順一君) 五十二条三項の適用除外、具体的な内容としては、例えば、午前中も申し上げましたが、大震災等によって大量の廃棄物が発生し、新たな区域での最終処分場の整備が緊急に必要となる場合、こういう場合が想定されるということで、こういう条文の適用となる、適用除外に適用する事業はそのようなものを想定しております。
#156
○岡崎トミ子君 この第三項に書いてあります文言というのは、この法令で使われているということを先ほどもお伺いいたしました。そうであれば、その場合に政令ではどのような事業を適用除外の事業として定めていくんでしょうか。
#157
○政府参考人(白石順一君) この文言自体は、これは独立行政法人都市再生機構法等で使われておるわけでございます。独法のUR、都市再生機構法におきましては、十三条におきまして、「国土交通大臣は、国の利害に重大な関係があり、かつ、災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要すると認めるときは、」という表現がありますが、実は政令で抜くという形ではなくて、具体的に機構、URに対しまして、何号から何号までの業務、例えば宅地の造成、管理、賃貸住宅の建設、管理等々に関し、その計画を示して、実施してください、つまり災害復興の住宅を造ってくださいということを求めるというふうな形で条文はできております。したがって、参考にしております独立行政法人都市再生機構法では、政令ということではなく、各号列記したものを求めるという形の書き方になっております。
#158
○岡崎トミ子君 次に、駆け込み事業についてお伺いしたいと思いますが、この改正案は完全施行までに二年間取ってあります。それまでにアセスを済ませてしまおうとする駆け込み事業が多発しないだろうかという心配なんですけれども、かつて閣議アセスが始まる前、あるいは法アセスが始まる前、事業の手続が増えるといった、そんな現象はなかったでしょうか。
#159
○大臣政務官(大谷信盛君) 駆け込みでということですけれども、は確認はしてないという認識でございます。
 このアセスだけではなく、事業者というのは、きっと経営等々を踏まえて大きな判断でタイミングというのを決めてくるというふうに思っております。また、今回の制度の趣旨、すなわちは、多くの方を巻き込んでみんなで決めたから後で問題が発生しないんだと、事前に環境の評価を、情報公開、透明性を持ってすることによって、周りの人に理解しながら自然との共生が成り立っていく提言ができていくんだというふうに考えておりますので、そのことをしっかりと御理解いただくような取組を我々がしていかなければいけないんだと、そうすることによってこういう駆け込みみたいなことはまず発想として出てこないんではないのかなというふうに思っておるところでございます。
#160
○岡崎トミ子君 こちらの方はそのように配慮していこうということでありますけれども、事業者に対してはどういうことを望まれますでしょうか。
#161
○大臣政務官(大谷信盛君) 事業者に対しても基本的には同じで、タイミングの検討はしっかりと大きなところで判断をしていただきたいし、これからは、経営者として、事業者として、組織の長として、環境への負荷を考えることなくして経営は成り立たないんだ、計画は成り立たないんだ、事業は成り立たないんだ、そういうことをしっかりと理解していただくように、こっちから周知また御理解いただくような努力は同等にしていかなければならないというふうに考えております。
#162
○岡崎トミ子君 前段の方でも基本的事項の策定手続について重要だということについて触れましたけれども、この質疑を通してやはり、基本的事項がどのようなものになるのか、非常に重要だという認識を強くいたしました。
 これを策定するプロセスも問われるだろうと思いますが、この基本的事項の策定は今後どういう手順で行われていくんでしょうか。
#163
○副大臣(田島一成君) 今御質問いただきました基本的事項につきましては、今後、関係する行政機関の長に協議をさせていただいた上で、公布してから一年以内に公表することを予定しておるところでございます。
 何はともあれ、円滑な施行に向けて、公布後できる限り早く検討してまいりたいと思っているところでございます。
#164
○岡崎トミ子君 このアセスメントの制度だからこそ、この制度づくりの詰めも幅広いステークホルダーの参画を得ながら進めていってほしいと思います。
 この幅広いステークホルダーの参画をどのように得ていくんでしょうか。
#165
○副大臣(田島一成君) 今委員が御指摘いただきましたように、幅広い皆さんからの参画を得ながら進めていくことは大変重要だというふうに考えております。
 したがいまして、今後、できる限り公開の場で関係者の皆さんからのヒアリングでありますとかパブリックコメント等々を行いまして、幅広いステークホルダーの意見を聴きながら進めていきたいと考えております。
#166
○岡崎トミ子君 これも環境大臣に確認をして御答弁をいただきたいと思いますけれども、この基本的事項の策定も主務省令の策定も、民主党政権らしく政治主導で適切に発揮していく必要があると思いますが、そういうことをできる、やらなければいけないというふうに思うんですが、その覚悟あるいは工夫が求められると思いますけれども、御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#167
○国務大臣(小沢鋭仁君) 環境省として、リーダーシップをしっかり発揮しながら進めてまいりたいと思っています。
 具体的には、基本的事項は様々な事業に横断的に共通する基本となるべき考え方を取りまとめるものでございます。より環境保全に配慮した事業の実施が確保されるよう、関係機関との調整にしっかりと当たってまいりたいと思います。
#168
○岡崎トミ子君 経済産業省の近藤政務官にも関係府省を代表して、この改正案が成立した場合には、主務大臣として取り組んでいただく主務省令の策定、制度の運用に当たって、環境保全の観点から万全を期すという決意を明らかにしていただきたいと思います。
#169
○大臣政務官(近藤洋介君) 岡崎委員にお答えをいたします。
 各省を代表するほどの立場に経済産業省はないので、経済産業省が深くかかわるのは主に発電所の部分なのかなと、このように思うわけでありますけれども、発電所についての主務省令は、環境大臣が定める基本的事項に沿って、経済産業大臣が環境大臣との協議の上で定めることになっていると、このようになっているわけでございます。
 主務省令の策定、運用に当たっては、中央環境審議会の答申にもございましたように、事業の種類、特性等に応じた柔軟なものとした上で、しっかりと環境配慮がなされるように取り組んでまいらなければいけないと、こう考えるわけであります。
 民間事業の取り組むものに対していわゆるSEAが導入されたのは、それほど先進国でも例がないというふうに聞いております。その意味では、大変チャレンジングな取組であろうと、こう思っております。
 きちんと環境にも配慮ができるように、かつ全体としての整合性が取れるようなものにしなければならないと、このように考えているところでございます。
#170
○岡崎トミ子君 この改正が成れば非常に意義ある前進になると思いますが、その意義が十分に発揮されるためには、NGO、住民、幅広いステークホルダーが様々な段階で参画できるようにすることが大事だと思いますし、実際にそういう方々の参画を得ることが制度の意義を発揮できるというふうに思って、不可欠だという思いも強くいたしました。
 そこで、基本的事項の策定プロセスについてお尋ねしたことと重なる面もありますけれども、幅広いステークホルダー、これは先ほど基本的事項のことで伺いましたけれども、様々な段階で参画の必要性の認識というものについてはいかがでしょうか。
#171
○大臣政務官(大谷信盛君) いや、もう委員と全く同感でございます。様々な段階において様々なステークホルダー、様々な関係の皆さん方が意見が述べられる、参画できるような仕組みを目指してまいりたいと。
 今回の法案改正では、電子縦覧、要はホームページでだれでもがいつでもどこからでも閲覧をできる。これまでは見に来るみたいなことでしたけれども、インターネットに載っけるということは、遠く離れたところからでもそれを見て、それに対して意見が述べられるというようなことで、数歩ずつではございますが前進をさすことによって、しっかりと自然への負荷低減に努めていきたいと考えております。
#172
○岡崎トミ子君 今後の見直しの課題として、更に上位の段階で本来の戦略的アセスメントに近い形で行えるようにすることを目的としていくべきだということは参考人の先生方からも指摘されました。この見直し期間の十年を待たずに、不断に見直しをしていくことが必要だと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
#173
○大臣政務官(大谷信盛君) 精神論としては、不断の気持ちで不断の見直しが必要だというふうに思いますが、午前の議論でもございましたように、事例を蓄積していったりとかいろんなデータだとか一回取るのにやっぱり二年、三年掛かりますから、これを二回、三回やればこれだけでもう十年たってしまうということもこれありまして、なるべく早くなるべく早くと思いつつも、物理的にはある程度の時間が掛かるのかなと思っておりますし、より上位ということは中央環境審議会でもこれからの議論だと位置付けられておりますので、しっかりと共々に議論を進め、事を前に進めていくよう努力していきたいと思っております。
#174
○岡崎トミ子君 またさらに、今後の課題になるだろうと思いますけれども、第三者機関の設置についてなんですけれども、上位の計画あるいは政策の段階を対象とした環境配慮の枠組みの実現、これはもう参考人質疑の際にも度々議論になってきておりますけれども、この第三者機関の設置は重要な論点だというふうに思っておりますが、この戦略的環境アセスメントの充実と第三者機関の設置を念頭に、施行状況をきちんと見ておくということについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#175
○大臣政務官(大谷信盛君) これも今後の大きな課題だと認識しておりますので、中央審議会で専門的な御意見いただきつつ、こういう国会の場で、委員会で議論をさせていただきながら進めていくよう取り組んでいきたいと考えております。
#176
○岡崎トミ子君 三十六問用意して、随分たったかたったか行ってしまったためにもう最後の質問になってしまったんですけれども、もう大臣から御決意を伺うということで、三時十五分までですけれども、早めに終わってもよろしゅうございますか。
 それでは最後に、改めて制度設計に万全を期して施行させる決意ですね、この制度が始まりましたら意見を言うなど役割を積極的に果たすという御決意を大臣からお伺いしておきたいと思います。
#177
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今回の改正が実効性ある仕組みになるように制度設計を進めるとともに、その施行に当たっては、環境の保全を図っていくという環境大臣に求められている職責を十分に理解しながらその役割を果たしてまいりたいと思っております。
 言うまでもなく、今回の改正は、施行完全実施十年を迎え、事業の早期段階における環境面への配慮の必要性等の施行を通じて浮かび上がった課題、そういった課題並びに生物多様性の保全、地球温暖化対策の推進等といった社会情勢の変化、そういったものに対応する改正でございます。
 環境影響評価の各種手続を充実させることによって、より一層環境保全に配慮した事業の実施が確保されるよう、環境大臣としての役割を積極的に果たしてまいる覚悟でございます。
#178
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
#179
○委員長(山谷えり子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#180
○委員長(山谷えり子君) 速記を起こしてください。
#181
○市田忠義君 共産党の市田です。
 今日は、今回の法改正案の目玉と言われている戦略的アセスメントの問題を中心に質問します。先日の参考人質疑でも課題が明らかになりました戦略的アセス、これは本来どういう内容であるべきなのか、現行法の下でのアセスの実態を踏まえながら幾つかただしていきたいと思います。
 まず初めに、事実関係で確認したいんですが、アセスの対象になった事業の立地がどうなっているか、国立公園、国定公園、重要湿地を含む地域に立地予定地としている事業の公園名と湿地名を述べてください。
#182
○政府参考人(白石順一君) 法施行後に環境大臣の意見を述べました百二十五件の事業のうち、環境大臣の意見の文面上国立公園に言及しておりますのは、戸倉ダム建設事業の一件、これは日光国立公園に言及をしております。それから、環境大臣意見の文面では言及しておりませんが、瀬戸内海国立公園における事業として上関原子力発電所事業がございました。
 同様に、国定公園に言及しているものは三件ございます。都市計画道路象潟高速線、仮称でございます、及び仁賀保南高速線事業、これは鳥海国定公園、それから敦賀発電所三、四号機増設事業におきましては若狭湾の国定公園、それから豊川水系設楽ダム建設事業では愛知高原国定公園及び天竜奥三河国定公園にそれぞれ言及をしております。
 それから、重要湿地のお尋ねもございました。重要湿地に言及しておりますのは、東京国際空港再拡張事業におきまして、重要湿地、東京湾の干潟、浅瀬のうち多摩川河口に言及している、こういう事例がございます。
#183
○市田忠義君 次に、アセス手続の中で環境大臣が提出した意見の中で、希少種について言及している事業の数、また希少種リストには掲載されてはいないが学術的に貴重とされている等の理由で種名に言及している事業の数、それぞれ数字だけお答えください。
#184
○政府参考人(白石順一君) 同様に、百二十五件の事業の内訳で申し上げます。
 環境大臣意見の文面で希少野生動植物につきまして言及している事業数は四十六事業、それから、希少野生動植物リストには掲載されておりませんが、学術的に貴重とされている、又は既存の調査事例が少ないとされております動植物について言及している事業数は四十七事業でございます。
#185
○市田忠義君 この中には、ごく近い将来に絶滅の危険性が高いとされているカンムリワシが周辺に生息、生育している事業、あるいは大臣が十ないし二十の種名を挙げてその保護、保全に言及している事業が幾つかあります。
 生物多様性の損失の一番大きな原因は、何といっても開発による生息地の破壊であります。本来、アセス制度というのは、開発による希少種や慎重な対応が必要な種、生態系への影響を事前に回避できるものであるはずであります。しかし、アセスの実績で見ますと、立地という点で回避が検討されてはいません。その一つが山口県上関に中国電力が計画している原子力発電所であります。ここは国立公園ですし、瀬戸内海環境保全特別措置法のエリアでもある閉鎖性水域であります。生物多様性のホットスポットであり非常に貴重な場所であります。我が党はそもそも安全性が確保されていない原発には反対ですが、原発の是非を超えてこういうところへの建設計画はやめるべきではないかというふうに思います。
 そこで改めて確認したいんですが、二〇〇〇年二月十五日、当時の環境庁長官意見において希少種あるいは学術的に貴重とされているなどで調査の継続や専門家からの意見聴取、生息環境の保全等に言及している種は何でしょうか。
#186
○政府参考人(白石順一君) お答えいたします。
 カクメイ科等に属する貝類、スナメリ及びハヤブサでございます。
#187
○市田忠義君 また、同じ環境庁長官意見で、新たに希少な動植物が確認された場合の対応について、「専門家の意見を聴取し、現地調査を実施した上で、これらの種の生息、生育環境に対する影響が最小限となるよう、適切な保全対策を講じること。」と述べています。この意見以降にカラスバト、カンムリウミスズメの生息が確認されています。
 環境省にお聞きしますが、それぞれの希少性について述べていただけますか。
#188
○大臣政務官(大谷信盛君) カラスバトもカンムリウミスズメも国指定の天然記念物でございます。そして、環境省のレッドリストの中では、カラスバトの方が準絶滅危惧、そしてカンムリウミスズメの方は絶滅危惧U類として扱われております。
#189
○市田忠義君 今言われましたように、カンムリウミスズメはその生態がなぞに包まれていて、地球上でも五千羽ほどしかいない、なぞの海鳥と言われる世界でも最も絶滅に近い海鳥の一つで、国際的な保護対象種であります。
 そこで、大臣にお伺いしますが、事業者が当時の環境庁長官意見で述べているような、その希少性にふさわしい調査や適切な保全対策を取っているというふうにお考えでしょうか。
#190
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたカラスバト、またカンムリウミスズメにつきましての希少種は先ほど政務官が述べたとおりでございますが、上関におきますこのカンムリウミスズメの調査等につきましては、現在、事業者でございます中国電力が専門家の助言等々を受けながら実施しており、昨年六月までに約一年間行われた調査結果を昨年の九月に公表するなど、事実上、改正法と同等の取組が事業者によって自主的にされているというふうに考えているところでございます。
 この調査自体は、今後も現地におきまして継続的に行われているところであり、環境省としましては、専門的な知見を有する立場から、適宜助言をしていきたいと考えております。
#191
○市田忠義君 適切な保全、適切な調査がやられているという認識ですか。
#192
○副大臣(田島一成君) 九月に公表されたものにおきましては、手続上、自主的な調査ということでございますけれども、現段階では、その部分についてしっかりと受け止めて、また環境省の方から、万が一問題がありますならば、専門的な知見を有する立場として助言をしているという状況でございますので、お見込みのとおりでございます。
#193
○市田忠義君 じゃ、問題があればきちんと是正、指導していくということでいいですね。
#194
○副大臣(田島一成君) はい、そのとおりでございます。
#195
○市田忠義君 この周辺は、これまで名前が挙がった希少種以外にも、カンブリア紀の生き残りのカサシャミセンや絶滅の危機とされる八種類の貝類、それからナメクジウオなど、いわゆる絶滅危惧種の宝庫とされています。
 二〇〇〇年だったと思いますが、生物学の研究者組織である日本生態学会は、生物多様性保全の視点から、もっと慎重な環境アセスメント、更なる調査を求める趣旨の要望書を事業者や監督官庁に提出をされました。さらに、日本鳥学会、日本ベントス学会も同趣旨の要望書を提出しています。
 最近は、この三つの学会が合同で延べ十一件も要望書を出しておられますが、こういう学会が合同でこれだけの回数の要望書を提出したということは過去にあったでしょうか。
#196
○副大臣(田島一成君) 知る限りでは、上関以外ではございませんというふうに承知をしております。
#197
○市田忠義君 もう回数の多さもそうなんですけれども、この学会の幹部自身が、全然、同じ生物学の研究といっても分野が違うわけで、この三つの学会が合同で取り組むというのは異例なことだと自らおっしゃっているぐらいの問題であります。
 一方、事業者の対応はどうかと。今年一月の記者会見で、中国電力の社長はこう言っています。カンムリウミスズメ等、他の場所でも見付かる可能性は十分あると、そこだけホットスポットという言い方はいかがかと、こういう言い方をしています。また、その後二月に三つの学会、先ほど紹介した三つの学会の代表が中国電力に要望書を手渡した際、大体いつもは社長にきちんと伝えますと、そう担当者が言うんですが、このときには、これ以上新たな環境調査をするつもりは全くないと即答する、専門家の集団が、三学会が集まって出した要望書に対して、これ以上の環境調査をするつもりはないと、そう即答するひどい対応でした。私、そのやり取りのテープを起こしたものも読ませてもらいましたが、本当にひどい、開き直った態度でした。
 私、大臣にお聞きしたいんですが、学会として原子力発電所計画に対する要望書をまとめたというのは、実はこれが最初なんです。これまでありませんでした。生物学の学会がそろって強い危機感を持っているところなのだから、環境省として経産省任せにしないで直接事業者に慎重な調査と対応を求めるべき、私はそういう性格の問題だと思うんですが、小沢大臣の認識はいかがでしょう。
#198
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今回の制度改正等がしっかりと機能していけばこういったこともかなり未然に防げたのではないかと、こうも思っているところでございますが、今、市田委員からの、その三学会含めてのそういった異例の対応について環境省としてどうかということにつきましては、また省内でしっかりと議論をしてみたいと、こう思います。
#199
○市田忠義君 是非議論していただきたいと思うんですが、これ、原発推進あるいは反対とか、そういう政治的立場抜きに、生物学の研究を真摯にやっておられる学会の方がそろって、こんなところに原子力発電所を造るのはまずいじゃないかという声をやっぱり上げておられるわけですから、それに対して中国電力は開き直って、どこが悪いんだと、我々がやった調査では大したことないと、事実上そういう開き直りの態度を取っているわけですから、やっぱり環境省がここ一番、積極的な指導性を発揮するということが求められているということを指摘しておきたいと思います。
 これもまだ環境庁時代ですが、環境長官意見で、計画地周辺水域について、閉鎖性が高く一部で水質環境基準を超過している瀬戸内海であることから、発電所の取放水による水質及び海生生物への影響について慎重な対応が必要であると、当時の環境庁長官はそういう意見を述べておられます。二〇〇一年四月二十三日付けで、経済産業省資源エネルギー庁長官あてに提出された山口県の知事の意見、ここでも、温排水の漁業等への影響について、広域的、長期的な調査を更に充実強化させるとともに、調査結果を踏まえた適切な対応が講じられるよう事業者への指導を徹底することというふうに述べておられます。
 今年の二月九日に山口県で、知事意見に対する国の対応状況をチェックする初めての会議が開催をされて、資源エネルギー庁から説明が行われました。会議当日、担当部局から配付された文書に、第四分野の環境保全についての温排水に係る箇所についてどのように書かれているか、経済産業省お答えください。
#200
○政府参考人(平岡英治君) お答え申し上げます。
 本年二月九日にございました山口県の会議に経済産業省の担当者が出席をいたしております。その際に配付いたしました資料の中で、温排水と環境との関係につきましては、評価書においては、環境保全措置として温排水に関する対策が取られることになっております、今後、必要がある場合には事業者に対して適切に指導してまいりたいと考えておりますという記載をいたしてございます。
#201
○市田忠義君 今言われたとおりなんですが、この会議について山口県の三月議会である議員から、地元住民、県民の切実な疑問に対して丁寧に答える内容とは全くほど遠い内容であったと怒りの声が出ています。また、山口県の副知事も、経産省の説明は、知事意見に対して、特に安全確保、環境分野等について実に一般的で制度的な問題に終始し心外であったと、副知事がそう述べていると。議員が述べただけじゃなくて、副知事もそう述べていると。
 温排水の影響は既に、各地の原子力発電所、火力発電所の稼働後、ノリ、ワカメなどの品質低下あるいは漁獲量の減少等が報告されています。だからこそ、この祝島の人たちは、漁場はつぶさせない、海は売ってはいないと、十億円以上もの漁業補償金の受取を拒否して命懸けで反対をされています。一方、中国電力は、先ほど言ったように、過去の発電所の経験からして影響は少ない、既にアセスは終わっているのに何で自分たちがやらなければならないのかと、こういうひどい対応であります。
 そこで大臣にお聞きしますが、こういう事業者の対応、それから先ほど紹介した山口県と経産省のやり取りなどをお聞きになって、環境長官意見で述べられた閉鎖性水域での発電所の取放水による生物への影響に慎重に対応できるというふうにお考えかどうか、その大臣の認識をお聞かせください。
#202
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今の委員の御指摘のポイント等を聞いていれば、なかなか対応は難しいのかなと、こういう印象は持って聞かせていただきましたが、そこの細部にわたっての点は私も詳しく承知をしておりません。委員の方からも事前にお話をいただいておりませんでしたので、最終的な判断はそういったものをしっかり踏まえて判断をさせていただきたいと、こう思っております。
#203
○市田忠義君 上関原発問題でお聞きするという通告はしておいたわけですから、こういう細かなことまでは言っていないけれども、やっぱり是非私が今述べたような問題は環境省内部で議論をしていただいて、大臣としてのイニシアチブを積極的に発揮していただきたいということを述べておきたいと思います。
 経産省に確認しますが、発電所に係る環境影響評価の手引というのが、かなり分厚いこういうものがございます。これの〇七年一月改訂版の参考資料として掲載されている「今後の海域モニタリング調査(温排水関係)のあり方」、これはいつのものでしょうか。
#204
○政府参考人(平岡英治君) 今御指摘の手引に掲載してございますものは参考資料として付けられているものでございますが、昭和六十二年三月に財団法人海洋生物環境研究所が作成をした図書でございます。
#205
○市田忠義君 昭和六十二年というと、今から二十三年前のものであります。更新されないままになっていると。温排水による生態系への影響については、関係学会から非常に強い懸念が出されています。例えば、鹿児島県の川内原発では、温排水の拡散範囲について放水口からおおむね二キロメートルとしてきたが、五キロメートル以上に広がっている例があるという報告もあります。また、この海域での複数の発電所の影響についても非常に懸念をされて、内海に原発を造るのはもう生物多様性にとっては最悪の選択だという指摘もされています。
 まとまった知見がないとされる一方で、既に漁業等に深刻な被害が出ている温排水について、とりわけ海域の国立公園、瀬戸内海環境保全特別措置法の閉鎖性水域内であることを踏まえれば環境省が自ら調査すべき性格の問題だと思いますが、大臣、いかがでしょう。
#206
○国務大臣(小沢鋭仁君) 改めて省内でよく議論をして対応したいと思います。
#207
○市田忠義君 それは前向きに検討するということで受け取っていいでしょうか。
#208
○国務大臣(小沢鋭仁君) いつも私は前向きでございます。
#209
○市田忠義君 大臣の発言を言葉どおりやっていただくことを期待したいというふうに思います。後ろ向きになった場合には厳しく指摘させてもらいます。
 さきの三学会による要請の際、中国電力側は、瀬戸内海全体の影響は国レベルで考慮すべき問題だというふうに言っています。これは事業者の開き直りであって、これは許されないんですが、同時に一定の真理でもあります。今のままの対応でいくと、事業者、県、経済産業省、環境省までも上関周辺の絶滅危惧種を含む貴重な種、瀬戸内海全体の生態系の保全について、言わばどこも責任を取らないということになってしまいます。
 生物多様性条約締約国会議をこれ目前に今控えているわけですが、海域の保全の遅れが問題視されている下で、生物多様性のホットスポットであるこの海域への原子力発電所はやっぱり計画中止して、海洋保護区に私は指定すべきだというふうに考えますが、大臣、いかがでしょう。
#210
○国務大臣(小沢鋭仁君) 中止をすべきかどうかという判断は環境省のみではお答えできない問題だと、こういうふうに思います。いろんなトラブルが生じていることは私どもも十分承知をしているわけでありますが、環境的な問題、あるいはまた漁業補償的な問題、あるいはまたその他のいわゆるエネルギー供給の問題等々、総合的な判断が必要になるのではないかと、こう思っております。
#211
○市田忠義君 海洋保護区に指定すべきだという点はいかがですか。
#212
○副大臣(田島一成君) 目前にCOP10を控えまして、今海洋保護区についての議論もちらちら出てきている状況にございます。
 ただ、日本国内にあってもそうですし、世界的にあっても、この海洋保護区については定義もまだ明確に定まっていないというような状況にございまして、しかしながら、今度のポスト二〇一〇年目標におきまして、この海洋保護区の数値的な目標等々も事務局案の中に出てきたりと、そういう意味では、我が国も人ごとのように看過している状況にはないというような緊張感を持っているのは事実でございます。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、定義等々も含めて海洋保護区とはどういったものを指すのか、そういったところからの議論をしっかり進めなければなりませんので、今御質問いただきました点につきましても、今後一から議論をしてやらなければならないというような状況にございますので、御理解をいただければと思います。
#213
○市田忠義君 国際的にも定義が明確でないというのは、私も知っております。
 ただ、二〇〇六年に開催された生物多様性条約の第八回締約国会議ですね、ここでは、二〇一二年までに海洋沿岸の少なくとも一〇%が実効的に保全されるべきだと、こういう目標が出されています。にもかかわらず、日本で何らかの法的根拠によって保護されている面積というのはわずか三・七%、こういう報告があります。
 やっぱり、上関のような海域を保護しないで一体どこを保護するのかという立場から、是非、定義が明確でなくても、少なくともこういうところには原子力発電所は造らせない、そういう海洋保護区にするんだという方向で環境省はやっぱり前向きに臨んでいただきたいということを是非これは要望しておきたいと思いますが、再度あれば、いかがですか。
#214
○副大臣(田島一成君) もう十月のCOP10までカウントダウンの状況にございます。今委員が御指摘をいただきましたこの海洋保護区につきましては、瀬戸内海を定めずしてどこをという御意見もございますけれども、まずはやはりきちっとした概念でありますとか定義等々を整理をしなければ、とにかく行け行けどんどんだけでは後々悔いの残ることも出てくるのではないかと危惧をしているところでございます。
 したがいまして、今後のこのポスト二〇一〇年目標がどのような形でまとまっていくのかという議論を併せまして、この海洋保護区の扱い、我が国としましても議長国という大きな責任、大役を仰せ付かるわけでございますから、今御指摘いただきました点も踏まえまして、現状、もう今や一〇%の目標という数字も事務局案ではもう一五%というような数字にまで出てきておりますので、そういった点では国際的にきちっとしたコンセンサスが得られることからスタートしなければならないと思っております。そういうことも踏まえまして、今御指摘いただきましたことも踏まえ、省内でしっかりと議論を重ねていきたいと思っております。
#215
○市田忠義君 根拠を挙げて言っているので、ただ行け行けどんどんで行けと、そんなつもりは全くありません。
 これは大臣に最後に伺っておきたいと思うんですけれども、発電所のアセスメントについて、先日の参考人質疑で電事連の方が参考人で参加をされました。その際に、現行アセスに加えて電気事業法に基づく上乗せ規定を設け、専門家、住民、知事、環境大臣意見を踏まえ、厳正な環境審査を行っていると力説しておられました。私はよくこんなことが言えるものだなと驚いて聞いておりましたが、上関では中国電力はずさんな準備書で追加調査を余儀なくされて、なお不十分であるにもかかわらず、アセス手続で通ったんだからどこに問題があるんだと本当に開き直っています。
 環境大臣、これではとても十分なアセスとは私は言えないと思うんですけれども、こういう、なかなか企業名出して大臣が答えるのは答えにくいかもしれないけれども、少なくとも参考人質疑で電事連の代表、そういう言い方を公の場でしておられるわけですね。これで本当に十分なアセスと言えるかどうか。その辺の認識、最後伺っておきたいと思いますが。
#216
○副大臣(田島一成君) 私ども参考人質疑の場に居合わせておりませんので、改めてもう一度この意見の内容につきましては議事録もしっかりと拝見をさせていただきたいと思っております。
 ただ、今回私ども結果的に見れば、様々な事業を展開するに当たって、今回の法改正で、せいて事をし損ずるようなことのないように、しっかりとしたプロセスでこのアセスメントを図っていくことを盛り込んだつもりでございます。まだまだそういった点では御意見もあろうかというふうに思いますけれども、こうした事業者の発言というものもこの参考人招致で委員会の場で発言をされたことで非常に重いとは思いますが、私どももそういった意見に対してどのように省で受け止めていくべきか、省内でしっかりと議論を重ねて対応していきたいと思います。
#217
○市田忠義君 参考人質疑のときにいなかったからって、それはちょっと無責任ですよ。環境省の方も来ておられたわけで、やっぱり文章にもうなっているわけですから。それと、せいては事をし損じるとおっしゃったけれども、善は急げという言葉もあるんですよ。日本語にはいろいろあるわけで、拙速はまずいけれども、本当に緊急を要するわけです。
 もうこれは僕質問しません、最後言い切りで終わりますけれども、電力業界の方は、温暖化対策とか低炭素社会、よくもこんなことが言えるなと私は思うんですが、そのことを理由に他の環境配慮をないがしろにするというのは私、本当に許されないと。
 先日、別の参考人が述べておられましたけれども、一度破壊された生息地は取り返せないと、周辺環境に与える影響が大きい事業であるからこそ、立地段階から、立地も含めた早い段階での検討を行わなかったら、戦略アセスメントの導入というのは名前だけのものになってしまうと。特に、発電所を例外扱いしたままでは生物多様性の損失の速度を下げることはもう期待できないと。保護地域制度を整備していくということも私もちろん重要だと思いますが、今目の前にある開発行為が壊そうとしているものを止めることが先決だと。これは、せいては事をし損じるんじゃないんですよ。直ちにやらなかったら取り返しが付かないと。本来、国が重要な地域や種に対して保全の姿勢をやっぱり示すべきだと。生物多様性の重要な場所を明らかにして、それに合わせたアセスメントをやるべきだということを指摘して、時間になりましたので終わります。
#218
○川田龍平君 早速質問にさせていただきます。
 市民レベルの環境アセスメントへのサポートについて、まずお伺いしたいと思います。
 市民レベルで環境アセスメントをしている例があります。例えばサッポロビールの恵比寿工場跡地の再開発事業、ちょっと古いんですが、東京都の手続によってアセスが実施され、その後、その結果に不満を持つ住民によるアセスが実施されたという事例があります。
 事業者は将来の最良の状態を想定して予測するのに対し、住民の方は最悪の状態を想定するという差があります。また、事業者は環境基準を超えなければ環境悪化がないとするのですが、住民の方は現状より悪くなることを環境悪化としているという差があります。
 事業者のアセスでは住民の知りたいことに答えていないということであり、住民アセスの結果、シミュレーションを再実施し、煙突の高さを変えて着工したという、そういった経緯もございます。
 この事例では、専門家による調査費用をどのように負担するのかという問題が生じました。そのほかにも、沖縄県の普天間飛行場代替施設や吉野川第十堰市民環境アセスメント、神奈川県横浜市の瀬上の森への住宅団地建設計画など、市民の側から環境アセスを代替案、提案も含む形でした事例があり、今後増えていくことも予想されます。
 こうした市民レベル、住民レベルでの市民アセスは手続論的な制度内のアセスに欠陥を補完する機能を持つと考えますが、それを行政としてサポートしていくつもりはないのかどうか、お尋ねいたします。
#219
○副大臣(田島一成君) 今御指摘をいただきました市民団体等が自主的にこの環境影響評価を実施されているケースは、私どもも行っていろいろな方面から聞かせていただいているところでございます。しかしながら、この自主的な環境影響評価を実施するケースで、環境影響評価制度上の手続として行政が対応していくという点については非常に困難なものがあるというふうに思っているところでございます。
 今回のこの環境影響評価制度におきまして、まず環境省が事業者が実施したアセス結果について環境の保全の見地から意見を述べることを法律上規定をしておりまして、適切な意見を述べていくようにしていきたいと考えているところでもございます。
 ただ、一般論といたしまして、環境影響評価に関する知見等のお問い合わせやお尋ねが環境省の方にありました場合には適切に対応しておりますので、引き続きその姿勢で取り組んでいきたいと思っております。
#220
○川田龍平君 是非積極的にサポートしていただきたいと思います。
 事業者のアセス結果に対しやはり住民が知りたいことに答えていないとの声が出たときに、誠実にアセスの調査結果について説明する姿勢があるのであれば住民への納得もされやすく、事業実施がスムーズにいくと考えられますから、是非サポートを本当にしていただきたいと思います。
 そして次に、先ほど加藤委員からも質疑がありましたけれども、審議会メンバーへのそういった公募について、これはNGOなどが入ったり又は一部を公募制にするなど、政令や省令は審議会の議論を通して決まっていますけれども、この審議会メンバーにNGOを入れたり、又はメンバーの一部を公募制にするといったことをすべきではないかと考えます。
 また、政令を施行する際に、技術マニュアル、手引書などを作成することもあると思いますが、これにもNGOなどが参画できるようにすべきではないでしょうか。それについていかがですか。
#221
○大臣政務官(大谷信盛君) NGOだとか大学の先生だとか、いろんなところでお仕事をしたりしている方がおられますが、審議会にせよマニュアル作成にせよ、大事なことはその分野の専門的な人であるということがまず一番のことであって、どこに所属しているということよりか何の専門家なんだと、専門家の話を聴くための審議会であるんだというふうに位置付けています。
 それで、NGOの人ということで言うならば、審議会メンバーならずとも、ヒアリングで審議会がお話を聴かしていただくというような形で参加をするとか工夫をして、委員が御指摘されているような多様性を大事にしろということだというふうに理解しているんですが、ヒアリングというようなものを上手にかみ合わせていけばできるのかなというふうに考えております。
 公募制に関しては、そういうような段階を経て、また様子を見ながらとは思いますが、慎重に今はならざるを得ないなというふうに感覚的に思っております。
#222
○川田龍平君 NGOでもやはり技術的に詳しい人間もおりますし、それから多様な視点からやっぱり審議をすることで結果的に良い制度がつくっていけると思います。是非メンバーに入れられるようにしていただきたいと思います。また、よくこういう事業に対して反対の立場の人がメンバーに入ったからといって中立的な議論ができなくて紛糾したという例は余り聞かなくて、自治体レベルの審議会でもかえって中立的な議論ができたという事例もありました。
 一般公募には何ら問題がないと考えていますので、是非導入していただきたいと。先ほどの質問のあのイギリスの例も出ていましたので、是非参考にしていただいて、今後しっかり検討していただきたいと思います。
 次に、環境アセス課のポストが他省庁からの出向である件について伺いたいと思います。
 環境アセス課の課長ポストというのが歴代林野庁からの出向であるなど、決裁権限を持つポストが他省庁からの出向であり、出向期間中は問題が起きないようにして早く出身省庁に戻りたいとの一心で、環境省として環境アセスを積極的に良い制度にしていこうと努力する体制になっていないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(小沢鋭仁君) このポストが従来から出向者のポストでずっとあったということは、今日質問をいただいて初めて私は知ったところでございました。確かに今までの環境影響評価課長はそういうケースがここ三名は連続して続いているのはそのとおりでございます。
 ただ、交流人事はある意味では、鳩山内閣、いつも申し上げておりますように、省庁の縦割り、そういった弊害を破っていきたいという思いにおいては、いわゆる事務方の皆さん方の交流人事というのもそういったものを崩していく一つのきっかけになるのではないかと、こういうふうにも、制度的には決して悪くない制度だとも思います。また、個人的には、現在の評価課長は戻りたいという気持ちよりも環境アセスのこの法案を一生懸命充実させて通したいという思いがひしひしと伝わってくる課長でございまして、そういった意味では具体的な問題は今はないと思っております。
 ただ、一定のポストがずっと続くということに関しては、今朝ほども事務方の皆さんとも話しましたが、少しいろんなポストの異動があった方がいいかなと、こういう議論はしたところでございます。
#224
○川田龍平君 林野庁にしか環境アセスに適材な人がいないということではないと思いますので、是非お願いします。
 次に、その林野庁のことで、実は水資源、例えば森林を丸ごと外資の企業が買収するといった事例もあります。これは、国内の資源を守るという観点で早い段階から環境アセスの網を掛けて規制をする必要があるのではないでしょうか。特に、グローバルな資源争奪戦が加速する中、大規模な営利活動を外国企業がする可能性もあり、日本はその規制がありません。環境アセスという観点ではない規制の方法もあるかと思いますが、何らかの規制がこれから必要になってくるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
#225
○大臣政務官(大谷信盛君) 水資源、森林買収というようなうわさを聞いたりもしますが、必ずしも私自身今事実を確認しているわけではありませんが、環境をおろそかにして金もうけをしようと見え見えの組織、団体、事業者がいて、それが土地を購入し環境を破壊して金もうけに土地を利用するというようなことがあらかじめ分かっているのであるならば、何らかの方法で対応できるようなことをしっかりと持てという御指摘だというふうに思います。
 どこまで法律で規定してどこまでそういうビジネス活動が阻止できるのか分かりませんが、その観点からもしっかりとこれからは、計画の上位のそのまた上位ですよね、見定めていくような取組をしっかりと環境省、環境省でなくして大きな世間というか社会というようなものが阻止できるような雰囲気と取組を実現していかなければならないというふうに考えております。
 法的なことはしっかりまた今後課題として取り組んでいきたいというふうに思います。
#226
○川田龍平君 是非これは委員長を始め多くの皆さんに知っていただきたいと思っているんですが、東京財団の政策提言というのが二〇一〇年の一月に出していまして、そこに「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点」ということで提言されていまして、その中に様々書いてあるわけです。今、CO2の森林吸収源の話とかもありますが、明らかに木材とは関連のない山林原野の場合、森林買収の動機は水ではないかとも見られていると。要するに、何に使うか分からないけれども、とにかく買収が進んでいるところもありますし、それから千葉県内にはゴルフ場が百四十八あるが、そのうちの三十一を外資が買収していて、山手線内の内側の六千ヘクタールぐらいあるところの八割近い面積をもう既に外資が千葉県内に所有していたりとか、気が付かないうちにもう実はそういうふうにどんどんと、日本は土地買収の規制というのがないことによって、ほかの国に比べてそういったものがどんどん日本のものではなくなってしまっているということで、環境を守る上でもやっぱりそこは是非しっかり調べていただいて、すぐに行動していただきたいというふうに思います。
 また、次に質問移りますが、見直しを十年後ではなく五年にすることについて伺います。
 附則の第七条の見直し条項は施行後十年経過とありますが、五年後の見直しにするべきではないでしょうか。気候変動のロードマップや生物多様性条約、COP10の二〇一五年レビューとの整合性を取るためにも早期の見直しが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#227
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほども政務官がお答えをしておりましたけれども、不断のいわゆる見直しの気持ちを持って運営していくということがまず重要だとは思っております。
 見直し規定そのものを五年にしたらどうかと、こういう御指摘でございますが、御意見でございますが、先ほどもお答えを申し上げましたように施行が二年後と、こういう話になって、なおかつ普通であっても大体二、三年はいわゆるアセスで掛かると、こういう話になりますと、最初の事例ができる話そのものがもう五年を経過してしまう可能性も十分ある、あるいはまた五年以内でも五年に極めて近い時点まで掛かってしまうと、こういうこともあるものですから、そういった意味では現時点では十年と、こういう見直し規定を置かせていただいて、しかし運営をしていく中で常にそういった気持ちを持って進めてまいりたいということで御理解をいただきたいと思います。
#228
○川田龍平君 中環審で、環境アセス法で今後取り組むべき課題という宿題がありますけれども、それをやっぱり十年待つという姿勢では困りますので、是非今回の改正よりしっかりしたものを、あるいは五年後又は新たな対応といったものを、必要だと思いますので、今後も議論をしっかり続けていただければと思います。
 次に、補助ダムの問題について伺います。
 香川県小豆島の内海ダムの再開発は、環境アセス法施行以前に決まったものなので環境アセスにはかからなかったわけですが、今後もこのような再開発は増えていくはずです。規模要件を政令で定める際に、規模を小さくしていくべきと考えます。内海ダムは規模こそ小さいですが、山をまたいで三つの断層に連なる四百四十七メートルの巨大変形堰堤で、これは西日本一長く、世界にも例がないものです。また、国立公園で全国で最初に指定された寒霞渓の絶景を壊すものであり、必要性も説明できません。補助ダムであり、国の直轄ではないとはいえ、国は補助金支出を三月二十六日に決定しています。
 そもそも、補助ダムは都道府県のみならず、国が再検証する必要があるのではないでしょうか。補助ダムは旧政権下で国交省の主導の下に行われた経緯があるもので、国交省としては全面的に見直すべきだと考えるからです。補助ダムの進め方は各知事が判断するといっても、実際に各都道府県でダム行政を取り仕切っているのは国交省から道府県の建設関係部に出向している幹部であることが多く、国交省の官僚たちが知事を隠れみのにして、国交大臣の意向に反して補助ダムの事業推進を図っている可能性もあるかもしれません。
 三月二十六日発表の国交省の予算配分で各補助ダムへの補助額が決定したわけはありません。各道府県から補助金交付の申請を受けて、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第六条により、補助金等の交付が法令及び予算で定めるところに違反しないかどうか、補助事業等の目的及び内容が適正であるかどうか、金額の算定に誤りがないかどうか等を調査した上で交付の決定をすることになっていますので、国交大臣として補助ダム事業の内容を審査する機会があります。補助ダムに対する補助金交付を国交大臣として厳格な審査をして、その結果を公表し、各補助ダムの問題点を明らかにするべきではないでしょうか。
 また、内海ダム再開発は、土地収用法による強制収用が行われようとしています。それに対して事業認定取消し訴訟が提起されています。訴訟の被告は国土交通省です。ダム見直し基準がつくられようとしているのですから、旧政権下で出されたダムの事業認定がこのまま有効であってはなりません。
 ダム見直し基準に基づく見直しが終わるまで訴訟進行の凍結を求めることを被告の国土交通省として裁判所に申し出るよう四国地方整備局長に指示すべきではないでしょうか。国交省、お願いします。
#229
○大臣政務官(三日月大造君) ありがとうございます。たくさんのことをお聞きいただきましたので、ちょっとお時間いただいてお答えさせていただければと思うんですが。
 政権交代が起こって新政権になって、私たちは、できるだけダムに頼らない治水というものを目指してダム事業の再検証を行うべく、今新しい評価軸を策定するための有識者会議を進めさせていただいております。
 その再検証の対象となるダム事業の選定の考え方というものを昨年十二月の二十五日に発表させていただきまして、例えば、既にダムに頼らない治水対策の検討が進んでおる、熊本県の川辺川ダムだけなんですけれども、まずそれが一つ。そして、既存施設の機能増強を目的としたもの。さらには、十一月までにダム本体工事の契約を行っているもの。これら三つのものは除外をして、今年度、百三十六事業あるうちの四十七事業を除く八十九事業について再検証の対象とさせていただいて、新しい評価軸に基づく今検証作業をやろうということをさせていただいております。
 その中には補助ダム、今話題となりました補助ダムも八十三含まれておるんですが、委員も御承知のとおり、一級河川の指定区間及び二級河川の河川管理者は都道府県知事になっておりまして、個別の補助事業、これはダムも含め、進め方については都道府県知事が判断すべきものというのが基本的な考え方であります。
 したがって、国としては、国自らが個別の補助ダム事業の検証を行うことというのは適切ではないと考えておりまして、昨年十二月に関係道府県知事に対して、私たち国が、今後の治水の在り方に関する有識者会議が示す予定の新たな基準に沿った検証を行いますので、道府県知事さんについてもそれに沿った形で再検証をお願いしますという要請をさせていただいたところでありまして、その域を超えないものであるというふうに私たちは理解をしています。
 なお、この内海ダムにつきまして訴訟が行われておりまして、これは政権交代前の平成二十一年二月の六日に土地収用法に基づいて事業認定が行われまして、その後、これを不服とされる方々が平成二十一年六月の三十日に事業認定の取消し訴訟を提起されておりまして、現在、高松地裁においてその係争中だというふうに承知をしております。
 この事業認定取消し訴訟というものは、事業認定が行われた時点、したがって昨年二月の時点における基準に照らしてそれが適法であったかどうかというものについてを争われているものでありまして、今私たちが新しい基準、新しい評価軸でダムを再検証しようという、そのときに作られる新しい基準、評価軸というものとはまた違った、その時点の基準に基づく認定が適法であったか否かを争われているものであると承知をしておりますので、その前まで待つということとはまた違った別のものであるというふうに私たちは考えております。
 なお、その訴訟進行を止めることは裁判所による判断を遅らせることにもつながりますので、かえって事業認定の取消しを求めている原告の方々の利益にもならないというふうにも考えております。
 いずれにいたしましても、この内海ダムを含む五つの補助ダムについて、平成二十二年度予算について各県の最終判断を踏まえて別途改めて判断をするということで、昨年度末の予算成立時までその判断を留保させていただいておりましたけれども、五つの補助ダムすべてで年度末までに各県議会における議決を経て本体工事の契約が行われたというふうに承知をしておりまして、したがいまして、今年度の予算については各県の最終判断の結果を踏まえて計画どおりに事業を進める予算を配分させていただき、検証を要請する対象からも外させていただきました。
 いずれにいたしましても、繰り返しになりますけれども、それぞれの個別の補助ダムにつきましては各都道府県の知事の判断によるものだというふうに考えております。
#230
○川田龍平君 環境省、アセスをやるべきではないかということについてはいかがですか。
#231
○副大臣(田島一成君) 今委員が御指摘いただきました内海ダムは面積七・九ヘクタールと、現在のアセス法の第一種事業や第二種事業、それぞれ百ヘクタール、七十五ヘクタールというような対象の規模を定めておりますが、それを大きく下回るような状況にありますし、また県条例で定められております対象規模につきましても七十五ヘクタール以上ということからこの対象には及ばない、アセス対象外の事業であることは委員も御承知のことだと思います。
 そもそもこの環境影響評価法の経緯といいますか背景、基本というところをしっかりと振り返っておきたいと思うんですけれども、そもそもは昭和四十七年に閣議了解されて以降、国家的な見地からこの環境影響評価を行わしめる必要のある事業を対象にしていくという考え方によりまして、規模が大きくて環境影響の著しいおそれがあって、また国の関与のある事業を対象とするということが基本になっております。
 御指摘のこの内海ダムのような規模の小さなものにつきましては、まず本制度のこれまでの経緯でありますとか、国と地方の適切な関係等々、役割分担もしっかりと踏まえた中で規模要件の切下げ等々は議論をしていかなければならないというふうに思っております。条例アセス等々でかかっていくものも当然ございますので、その点については慎重な対応が今後必要だというふうに認識をしております。
#232
○川田龍平君 これは県の条例でもやっぱりアセスにかからない小規模なものということですが、やっぱり規模が小さいから必ずしも影響も小さいとは言えない、象徴的な例がこの内海ダムの事例だと思います。
 政権交代をしてダム事業全体を見直すと宣言しているのに従来どおりの施策を進めているのでは国民の理解は到底得られないと思います。現実の事例をきちんと再検討した上で、賢明な判断をしていただきたいと思います。
 次に移ります。
 環境アセスの結果を許認可などに反映させるべきではないかという点について伺いたいと思います。これはいかがでしょうか。
#233
○国務大臣(小沢鋭仁君) アセスの結果を許認可等権者がしっかりと受け止めていただいていわゆる許認可の判断をしていただくと、こういう仕組みになっているわけでありまして、そういった意味においては、委員の御意見のように法制化と、こういう話が更に必要ではないかということでありますが、既にその仕組みの中に法制化と同等の意味が私は内包されているものと、こういうふうに思います。
 あくまでも許認可等権者は、その許認可を出す権限を持っておる者が許認可等権者でございまして、我々はアセスをし、そしてそれをしっかりと判断基準に据えていただくという、そういう仕組みが重要なのではないかと、こう思っておるところでございます。
#234
○川田龍平君 先ほど質疑がありました山口県の上関原子力発電所建設予定地の例でも明らかなように、このアセス制度そのものに対する不信感があるのは開発事業におけるアセス制度の位置付けが非常に弱いからだと考えています。すなわち、アセスの実施は許認可の参照程度のものであって、過去においても、アセスの結果、許認可が下りずに事業が実施されなかったという事例がないことが、開発ありきというアセス制度の限界を示しています。
 改正案では事業実施後の報告書制度が盛り込まれてはいますが、一度改変した自然は元に戻らないということを考えれば、やはりこのアセスの結果を許認可などに反映させることについて法的拘束力を検討することも必要と考えますが、これについて、やっぱりアセスはこの手続を通じて環境影響の少ないやり方に計画をかけて通していくべきであるという発言もありましたので、是非これはやっぱりしっかりと許認可に影響を反映させるべきというふうに思っています。
 次に移ります。
 次に、原発の温排水について、先ほども質疑がありましたけれども、その生態系への影響について伺いたいと思います。
 原子力発電所は稼働後に大量の温排水を排出し、これによる環境影響が大変懸念されています。現在検討中のエネルギー基本計画の案では、二〇二〇年までに八基の増設、二〇三〇年までには更なる増設が挙げられ、現政権は地球温暖化対策の切り札として原子力発電を位置付けているようです。
 増設するにせよ新設するにせよ、今後、大量の温排水により生態系への影響が大きいものと予想されますが、改正案のSEA制度又は現行の事業アセス制度においてどのように対応すべきとお考えでしょうか。
#235
○政府参考人(白石順一君) 原子力発電所の調査項目を定めております主務省令でございますが、発電所の温排水で生態系の要素であります海域動植物に影響があるということは懸念されますので、これまでの発電所のアセスメントの事例を拝見しておりますと、温排水について、取水とそれから温排水の温度差の調整ということがある、それから、放水口の残留塩素が検出されない範囲での塩素注入と、こういうことがありますので、これらによっていわゆる環境影響の回避、低減ということは図られる形を取っております。
 現在供用されている発電所におきましては、今のところ特段問題となる環境影響は報告はされておりませんけれども、温排水による環境影響の回避、低減ということは重要な要素でございますので、個別の事業ごとの十分な審査と、それから、今御指摘ありましたような事後調査の必要性ということは、今度の改正案をまた活用いたしまして適切に対応していきたいと思います。
#236
○川田龍平君 次に、例えば九州電力の、先ほども質疑に出ましたけれども、鹿児島県にある川内原発では三号機の増設が予定されており、一号機と二号機において約八年間で三十回のモニタリングがされ、温排水の一度上昇範囲は二キロ内外とする等温線を公表しています。しかし、実際には、データを詳細に見てみると、二度上昇しているのに一度上昇と、二度上がっているところを一度と書いていたり、等温線を意図的に書き換えた虚偽が半数見付かり、その範囲が五キロを超えるケースも半数以上あるというのが市民団体の調査で報告されています。
 三号機増設に当たってこうした虚偽のデータに基づく説明をするのは、環境影響評価書の手続を無効にするものではないかと考えます。また、温排水上昇は温排水の再循環によるもので、これが三号機の環境影響評価で考慮されていないという問題もあります。到底問題がないと言える状況ではなく、建設を前提とした事業者の環境影響評価は信頼に欠けるのではないでしょうか。
 この事実関係について、経産省、把握しているかどうか、お願いします。
#237
○大臣政務官(近藤洋介君) お答えいたします。
 川内原発一号機、二号機の温排水について、委員御指摘のような報道がされたということは承知をしております。温排水は放水口から徐々に周囲の海水と混ざり合い、また海面からの大気の放熱によって連続して温度が下がっていくわけであります。一方、温排水と関係なく、海流などの影響によって高温域が観測されることもあると、こういうことであります。
 このため、九州電力はモニタリングで、海水温度や塩分の海水面上の分布等から連続的に水温が低下する範囲を温排水が影響していく水域と、それとは独立して水温が上昇している海域は温排水が影響している水域ではないと判断をして作図をしておりまして、私どもとしては、その九州電力の作図手法は妥当であると、このように判断をしております。
 また、今般、三号機の増設の環境影響評価における温排水の影響評価については、経済産業省としては、九州電力が行った調査及び環境影響評価の結果に基づき、環境大臣や専門家の御意見を聴取しつつ審査し、水温の変化また海生生物の状況等との関係について検討を行っております。
 その結果を踏まえ、二十一年十月の大臣勧告においても、九電の運転開始後の影響について監視し、必要に応じて適切な措置を講ずるよう盛り込んだところであります。その後、九電が作成した評価書においては、勧告が反映されることを確認し、二十二年二月に確定通知を行ったところであり、問題がないと判断をしております。
#238
○川田龍平君 もう時間ですので終わりますが、川内原発の一、二号機の温排水というのは再循環してどんどん温度が上がるような状況になっているわけです。そこをやっぱり、海水の一度上昇というのは非常に気温と違って大変一度が大きいと、影響が大きいということを是非理解していただき、生物多様性条約、COP10で日本は二〇一二年までホスト国ですけれども、二〇一二年までに世界の海洋保護区のネットワークの構築をすることになっています。温排水の影響は意外にやっぱり大きくて、CO2削減目的としても、建設や増設が様々な問題でスムーズに進まないため、原発ばかりに頼る施策自体に無理があるのではないでしょうか。
 また、稼働できない場合には火力など別のものもやはりおいて原発は進められているわけで、原発があればすべてCO2が減るということではなく、ほかにも火力を原発が止まったときのための代替として造ってなきゃいけないということであって、原子力発電所だけ造ればそれで済むわけではないということも含めて、廃棄物の問題なども考えて、決してこのCO2削減への万能の答えではないということを、原子力発電の推進ということについて是非お考えいただきたいと思います。
 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#239
○委員長(山谷えり子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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