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2010/04/27 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 環境委員会 第9号
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2010/04/27 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 環境委員会 第9号

#1
第174回国会 環境委員会 第9号
平成二十二年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     前川 清成君
     牧山ひろえ君     千葉 景子君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     千葉 景子君     那谷屋正義君
     前川 清成君     轟木 利治君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     那谷屋正義君     牧山ひろえ君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     植松恵美子君
     矢野 哲朗君     谷川 秀善君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     松野 信夫君     米長 晴信君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                相原久美子君
            ツルネン マルテイ君
                有村 治子君
                加藤 修一君
    委 員
                植松恵美子君
                岡崎トミ子君
                谷  博之君
                轟木 利治君
                広中和歌子君
                牧山ひろえ君
                松野 信夫君
                米長 晴信君
                神取  忍君
                川口 順子君
                谷川 秀善君
                中山 恭子君
                浜四津敏子君
                市田 忠義君
                荒井 広幸君
                川田 龍平君
   国務大臣
       環境大臣     小沢 鋭仁君
   副大臣
       環境副大臣    田島 一成君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  大谷 信盛君
       防衛大臣政務官  楠田 大蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 堅一君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     中尾 昭弘君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       石塚 正敏君
       農林水産大臣官
       房審議官     山田友紀子君
       国土交通大臣官
       房審議官     佐々木 基君
       環境大臣官房審
       議官       伊藤 哲夫君
       環境省地球環境
       局長       寺田 達志君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、矢野哲朗さん及び池口修次さんが委員を辞任され、その補欠として谷川秀善さん及び植松恵美子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官中尾昭弘さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山谷えり子君) 大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○神取忍君 自由民主党の神取忍です。
 人が健康で幸せに生きるためには環境も社会も無理がなく健康でなければならないという立場から、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に関しまして質問をさせていただきます。
 今日、環境問題といえばCO2の排出問題、地球温暖化の問題ばかりがクローズアップされていますが、そしてまた民間、地方自治体においても廃棄物やリサイクルの取組に重点は置かれています。大気汚染、水質汚濁といった公害の問題が一昔のように重大な社会問題だったころに比べると危機意識が低下していると思います。そんな中、この改正案は、鉄鋼業、石油精製業、電気業、製紙業などの一部の事業者による排出測定データの意図的な改ざんが続いて発生したことを受け、罰則の創設や責務の規定の創設を盛り込んだものと理解しております。
 この委員会の場でも、委員の皆様により何度か問題提起がなされたと思いますが、再度このデータ改ざんの実態について問題意識を共有しなければならないと思いますので、大気汚染防止法の遵守状況、また水質汚濁防止法の遵守状況についての最新の点検結果、違反状況について、会社の数と工場の数だけ教えてください。
#7
○政府参考人(鷺坂長美君) お答えします。
 環境省におきましては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の施行状況等について調査をしておりまして、二十年度の状況でございます。
 大気汚染防止法におきましては、ばい煙発生施設が設置された工場、事業場数は九万一千ございますが、そのうち立入検査が行われた工場、事業場数は約一万六千ということになっております。この立入検査を行われたうち、軽微な事案も含めてではございますけれども、地方公共団体により行政指導が行われた施設数、これは約七百五十ということになっております。
 それから、水質汚濁防止法におきましては、特定事業場の数は二十八万ということで、そのうち計画的に立入検査ということで立入検査の件数は四万四千でございますが、その立入検査の行われたうち、軽微な事案も含めてではございますけれども、行政指導が行われた件数が七千六百余りということでございます。
 以上です。
#8
○神取忍君 これは、違反状況がこの七百五十件なんですか、水質汚濁の件では。
#9
○政府参考人(鷺坂長美君) 一概にそのすべてが法に照らして完全に違反ということではないかと思いますが、自治体の方から見て法の施行状況でふさわしくないというようなことも含めてということでございます。
 大変恐縮でございますけれども、行政指導の内訳等は取っておりませんので、こういったことでお答えさせていただきます。
#10
○神取忍君 最新の遵守状況というのはどういう感じなんでしょうか。どのようなことに。
#11
○政府参考人(鷺坂長美君) 繰り返しになりますけれども、二十年度、環境省が行いました調査、要するに施行状況の調査で、自治体がそれぞれの立入検査をしまして、そして、そこで行政指導等を行った施設数及び行政指導を行った件数等についてお答え申し上げまして、その部分についてはいずれにしても不適正な部分があったのではないかというふうに考えております。
#12
○神取忍君 その辺でまだまだこれ、九万で一万六千とか、そういった中でまだまだ数が全然足りないので、その辺をもっとしっかりとやっていただきたいと思います。
 以前、平成十九年だったと記憶していますけれども、製紙業界のデータ改ざん問題がこの委員会でも問題になりました。問題が多発した平成十九年から二年間でこの問題はどのように改善されたのか、経過を簡単でいいのでお知らせください。
#13
○政府参考人(鷺坂長美君) 各企業等におけるデータ改ざん等が判明した事案についてでございますけれども、それぞれの企業等につきましては、公害防止管理体制の強化でございますとか、あるいは排水水質測定結果等をホームページで公表するなど取組が行われていると承知しております。
 しかしながら、一方で、最近におきましても、例えば昨年の三月、製紙工場において水質データを排出基準値以下に書き換えて県、市に報告する、あるいは排出水を河川水で希釈することにより県の分析値が低くなるように偽装するとか、あるいは今年の一月でございますけれども、化学工場において排出基準値を超過したデータを書き換えるよう分析会社に指示したことが明らかになるなど、それぞれ業界で取組は行っていただいておるんですけれども、まだ一部こういった不適正な事案が見られると、こういう状況でございます。
#14
○神取忍君 じゃ、まだいまいちよく成果が現れていないということですか。
#15
○政府参考人(鷺坂長美君) 私ども、こういった改ざんが多発したということで、検討会を立ち上げ、事業者向けガイドライン、こういったことで事業者の方に注意喚起、そういったことをさせてはいただいておりますけれども、残念ながらこういった事例が出ているという状況でございます。
#16
○神取忍君 実際がこういった形が現れないということは、それはどういった感じなんでしょうか。その辺をしっかりと、実際相当やったとしても、まだしっかりと結果が現れていないということなんですよね。その辺に関してはどういったこれは今後取組をされるんですか。
#17
○政府参考人(鷺坂長美君) いずれにいたしましても、そういったことで、ガイドラインあるいは立入検査マニュアル等で運用上の取組は進めてまいりましたけれども、やはり中央環境審議会の方からもありますように、やはり制度的に直さなければいけないのではないかというようなお話もございまして、今回法改正をお願いしているということでございます。
#18
○神取忍君 しっかりとその辺は取り組んでいただきたいと思います。
 従来、排出データは自主的管理のために用いられてきたわけですけれども、要するに性善説に立ってきたわけだと思います。ところが、結果として今のようにデータが改ざんされていたわけです。しかし、こんな状況になった場合にでも、付近に住む住民とか、これから生態系への影響は計り知れないものだと思います。
 そこで、今度は性悪説に立つことで罰則や責任範囲を強化しようということだと思います。また、説明いただきました改正の趣旨として、その背景として、地球温暖化問題を始めとする環境問題の多様化、経験豊富な公害防止担当者の大量退職等により、事業者、特に地方自治体の現場の人がいなくなっている、足りないという現状があるということを認識しています。
 私の地元である横浜、川崎でも、環境行政の最前線にいる職員が財政的な問題もありどんどん減っているという話を聞きました。環境行政は特に現場の力が一番重要だと考えられるので、国からの改正が一方的であったりとか無理があってはいけないと思います。
 そこで、基本的なことですけれども、今回の法改正のメーンでもあります事業者による記録改ざんへの厳正な対応について、今回は排出状況の測定結果の未記録、虚偽の記録等に対し罰則を創設しようとしていますが、まず第一に、排出状況の測定についてどのような事業者に対しどのような測定を義務付けているのか、確認も兼ね、お答えください。
#19
○大臣政務官(大谷信盛君) 現行の法律でも測定の義務は課せられております。水質でいいますと、約三十万社ぐらいの会社に測定を義務付けておりますのでそれは出てきておるんですが、その頻度ということについては定めていないところでありまして、この頻度も含めてこれからは測定のやり方というものを改めていくようなことを検討していくと。そうすればかなり効果が出てくるのかなというふうに今考えております。
#20
○神取忍君 ということは、測定結果の記録は全国的に画一的な縛りはあるんですか。それはまちまち、地方によって変わってくるものなんでしょうか。
#21
○大臣政務官(大谷信盛君) 全国的な縛りというのは、同じ基準で全部にやっていますかということですか。ですから、やるものは決まっていますからそのようにはもちろんなっています。そのようにもちろんなっています。全国的に同じような基準でもって調べてください、調べていますということになっています。
#22
○神取忍君 それはもうお願いしている段階なんでしょうか、それともそれがもう決まりとしてあるんでしょうか。
#23
○大臣政務官(大谷信盛君) 最初に測定をいたします。測定はいろんな測定の仕方をしますので、その測定をした最初のデータ、それを今度は定められた基準によって人にこんなふうでしたよと報告できるような形のものに書き換えます。ですから、こっち側の書き換えたものは義務化をされていますが、こっちの最初に取ったデータの部分、ここの記録は今のところ義務化されていませんでしたので、ここをしっかりとこれから義務化させていくことによって改ざんをできないように、元のデータが残っていますので改ざんができないようにしていくというようなことをしっかりとやり直していくようにこれからなるということでございます。
#24
○神取忍君 分かりました。
 じゃ、もう一度、済みません、同じ質問になってしまうんですけれども、その事業者というのも、特定の事業者が入っていくんですか。
#25
○大臣政務官(大谷信盛君) 特定の事業者、定められた事業者がございます。
#26
○神取忍君 それはどのような事業者なんでしょうか。
#27
○大臣政務官(大谷信盛君) 規模が大体大きな基準になっています。ですから、事業者すべてが掛かるんじゃなくて、ある一定以上の規模というふうになっています。それは定められたものがございますので、出せと言えば今出させていただきますけれども。
#28
○政府参考人(伊藤哲夫君) 水質汚濁防止法あるいは大気汚染防止法で規制対象となっている事業者については測定義務が課されていると、こういうことでございます。
#29
○神取忍君 分かりました。
 水質汚濁法に基づく特定業者にはクリーニング屋、豆腐屋さん、大気汚染防止法に基づく事業者には銭湯など、それこそ町の中小零細企業も該当します。現状を考えてみますと、これら個人経営の方々が、この不況の厳しい中、一々排出状況を測定して記録する手間というのはなかなか取れないと思います。業者に依頼してお金を取られることも大変厳しい現実であると思います。今回の改正でこれら中小零細企業に対する配慮はあるんでしょうか。
#30
○政府参考人(鷺坂長美君) 実は、先生御指摘ではございますけれども、これまでも事業者につきましてはばい煙とかあるいは排出水につきまして測定義務が課されているところでございまして、各事業者におきましては、その基準を遵守するため既に測定とか記録がなされているのではないかと、このように承知をしているところでございます。
 したがいまして、今回の改正によりまして新たに事業者に負担が増えるということではないというふうに承知しています。
#31
○神取忍君 それは具体的に、今の場合はちょっとあいまい過ぎてよく分からないんですけれども、具体的にどのように配慮されていくんですか。
#32
○政府参考人(鷺坂長美君) 実は今回の改正は、測定をし、そしてそれを記録することに罰則を付けるということがメーンでございますけれども、その測定及び記録につきましては既に法律で義務が掛かっていると、こういう状況でございまして、したがって、今回の改正によりまして事業者が新たに何か負担を負うという、その部分につきましてはそういうことではないということでございます。
#33
○神取忍君 そういうことではないというのは、何がないんですか。
#34
○政府参考人(鷺坂長美君) 済みません、表現がちょっと悪かったかもしれませんけれども、新たに負担が増えるという状況ではないということでございますので、例えば何か規制が、新たに規制を強化して負担を掛けるというようなことになりますと、そういった事業者の負担軽減ということも必要かと思いますけれども、今回は、基本的にその罰則を付けるという点につきましては新たに負担を掛けるものではないというふうに考えております。
#35
○神取忍君 負担が掛かる掛からないでは、やっぱり負担を掛けないでいただきたいと思います。
 中小零細企業におけるこのばい煙又は汚水、廃液の排出の測定は、頻度を含め、騒音規制法のように中小零細企業に対して配慮する規定を設ける必要があると思います。その辺は、大臣はいかがでしょうか。
#36
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今局長が答弁申し上げましたように、中小企業者に新たな負担が加わるということであれば、当然やっぱりそういったことも考えていく必要があろうかと思いますが、今回の改正は、我々としては新たな負担と、こういうふうに思っていないものですから、先ほどの答弁のように、現時点においてそういった対応はしておりません。
 ただ、実際に運営を、運用をしてみまして、そういったことがあれば十分検討もしてまいりたいと、こうは思っております。
#37
○神取忍君 それは是非、現場に無理のない規制をお願いしたいと思います。
 また、今回の法改正によって、排出状況の測定結果の虚偽の記録に対し罰則を創設するわけですけれども、この虚偽は何を示しているんでしょうか。虚偽の定義と、だれが虚偽と判断するのか、お答えいただきたいと思います。
 そして、現場の話によりますと、記録について業者による記載ミスも多々あるようです。直接事務を行う基礎自治体、政令指定都市の川崎では、水質汚濁法に基づく事業者数六百二十七、横浜市では千六百三十一か所あります。ばい煙発生施設、川崎は千六百八十八か所、横浜が三千六百八十八か所あります。担当の職員はそれぞれ十人に満たない数でこれら何千という事業者を指導監督しています。
 そういった中で、今回の法改正は、地方公共団体の企業における経験豊富な公害防止担当者が多数退職しつつあることを踏まえてこの法改正になったと思いますが、果たして、罰則を創設するだけで本当にこれだけの膨大な数を、事業者を把握し、監督していくことが可能なんでしょうか。記載ミスか虚偽の判断をどのようにしていけばいいんでしょうか。これは併せてお答えいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(鷺坂長美君) まず、虚偽ということでございますけれども、要するに虚偽の記載とは偽りの記載をするということでございますが、本改正案によります罰則の対象となる虚偽の記載と申しますのは故意によるもののみを対象にしておりまして、例えば転記ミスなど、過失によるものは対象にはしておりません。
 それで、現場でということでございますけれども、地方公共団体が立入検査したときに故意かどうかという判断も要るわけでございますが、例えば一つの例でございますけれども、例えば計量証明書のある測定データとそれから実際に保存しなければいけない記録表、こういったことを照合した際に、測定データが排出基準に適合しない場合のみ記録表上の数値がないとか、そういったような状況というのはかなり、何といいますか、故意の推定がかなり深くなるのではないかなと、こんなようなふうに考えております。
 ただ、いずれにいたしましても、罰則の適用でございますので、最終的に罰則の適用のある虚偽の記載に該当するかどうかということにつきましては、司法手続におきまして、個別具体の事案に即して判断されるものと承知をしております。
 それから、引き続きまして、自治体の監視体制ということでございますが、私どももこの自治体の監視体制の強化というものは非常に重要な課題であると認識しております。これまでも体制整備の支援ということで努めてきたところでございますが、今後とも、教育、研修、あるいは自治体間のノウハウの情報交換等を通じて、自治体の公害防止管理体制の充実に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#39
○神取忍君 ちょっと答えがいまいちよく分からなかったんですけれども、記載ミスと虚偽というのは実際どこで判断するんですか。
#40
○政府参考人(鷺坂長美君) 結局、測定したものと、それを記帳する、測定してそれを記帳するという、そういう二つの行為があります。測定したときのデータの数値を例えば保存したり、あるいは自治体に報告する帳簿等に転記するという作業があるわけでございますが、そのときに違う数字を書くということになりますと、それは虚偽の記載ということになります。
#41
○神取忍君 そういったことがこの十人ちょっとの数でできるんでしょうか。それをどう補っていくんですか。
#42
○政府参考人(鷺坂長美君) そうすると、自治体の方が立入検査したときにそういったものを、何といいますか、実際に帳簿にあるデータとそれが実際に測定したものかどうかというのをチェックするということができれば、それが立入検査したときにはチェックできるということになるわけでございます。
 したがいまして、今後、省令事項ということになるわけでございますけれども、原簿といいますか、実際に測定した原簿ですね、原簿の方も保存していくというようなことも考えられるのではないかと、このように考えております。
#43
○神取忍君 その今の形で現場の自治体が円滑に進むんでしょうか。
#44
○大臣政務官(大谷信盛君) 御懸念よく分かります。これだけ多くの対象者がいるのに、たった十人のメンバーで神奈川県、横浜、川崎、工場集積地、できるのかという御心配、本当に私も、ざくっと数字だけ並べられると、そんなのできるわけないだろうというようなことになるんだと思いますが、一応の、法律でやっちゃ駄目だと、やったら公開もされるし、会社のイメージも悪くなるんだということが分かっていて守るように努力をしているし、守ってきているんだというふうに思っております。
 先ほど委員の方から、性善説じゃなくて、見てなかったら悪いことするんだというような考え方も必要じゃないかというのは大いに分かります。ですから、強化をすることによって、罰則を、そういう見方もあるんだよということをお伝えし、法律を守っていただくようにしていくしかないのかなというふうに思っております。
 それとあと、委員指摘のように公害の専門家が自治体の中から消えていっている。公害の専門家がいれば、ベテランの知識のある人がいればこの辺が怪しいんじゃないかとか、またいろんなネットワークの下、そういう改ざんしているようなところを見付けることもできるんだと思いますから、こういう人が、またそういう人を、人材を育成していくような役割を演じていただきたいし、またそんなノウハウを自治体間で交換することによって更にノウハウを次の世代に伝授していくようなことも支援をしていきたいというふうに考えております。
#45
○神取忍君 その辺をしっかりとしていただきたいと思います。
 どちらにしても、地方自治体も公害対策担当職員の実質減、熟練職員の退職など、厳しい状況にあります。政府として何らかの支援が必要と考えられますが、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(小沢鋭仁君) おっしゃるとおりだと思っておりまして、自治体において公害防止対策に関して人員や予算面での制約が生じているわけであります。効果的、効率的な公害防止対策の推進が必要であり、環境省としては今回の法律の改正に加え、自治体の担当者に対する研修の充実、立入検査のマニュアル作成への支援、自治体間のノウハウの共有化等々を進め、自治体の皆さん方の体制整備に取り組んでまいりたいと思っております。
#47
○神取忍君 これは人員はもう増やさないんですか。このまま行かれるんでしょうか。
#48
○国務大臣(小沢鋭仁君) 自治体の人員のことであるとすれば、それは自治体の御判断と、こういうことだろうと思っております。
#49
○神取忍君 それに対して国はいろいろな支援はしないんでしょうか。
#50
○国務大臣(小沢鋭仁君) そこは今も申し上げましたように、国としては、いわゆるそういった皆さんたちへの研修の充実、あるいはまた情報のやり取りの円滑化、そういったものは支援をしてまいりたいと思っておりますが、実際に人を雇い入れる云々というのは、これはもうまさに地方分権そのものの話にもなるわけでありまして、そこに関しては、これは最終的にはやはり自治体の判断と、こういうことは変わらないものと、こういうふうに思います。
#51
○神取忍君 分かりました。
 また、場合によっては、罰則が創設されることによって、罰則の適用を逃れるためにますます排出データの改ざんが行われるということも考えられます。特に、大企業のシステムでデータを管理している事業者にそのシステムを改ざんされても、システムの中まで入れない自治体の職員がそれを見抜くことは不可能に近いと思います。
 この大企業のシステムデータの改ざんについては別の対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#52
○大臣政務官(大谷信盛君) 基本的には測定原簿というものをしっかりと保管していただくのと、その保管をする責任者、管理者というのが公害防止管理者と呼ばれますが、この方々との日ごろの付き合いであったり、この方々を監視することによって、大企業の中には入り込めませんが、その方々との連絡、情報交換等を通じて大企業のチェックができるものと考えております。
 これらの事業者の管理体制をもうちょっと工夫してみることによって、更に法を守っていただくようにできるんではないかなというふうに考えております。そこに人が入らなくたって、そこで管理をしている人をしっかりと見ておくということで全体が見えるような仕組みを整えていきたいというふうに考えていることであります。
#53
○神取忍君 ただ、今公害対策担当職員と言われたんですけれども、そこも今実質減ってますよね。そこはどうするんでしょうか。
#54
○大臣政務官(大谷信盛君) そこは、こんな御時世ですぐに人を増やせるような自治体は少ない中、まずは質を高めていくことしかないというふうに考えています。すなわち、これまで経験豊富な方々が持っている勘であったり見識であったり所見であるようなものを若い世代に伝授することによって質を高めていくことでカバーをしていくことがまず先決かというふうに考えております。
 本当に、委員おっしゃるように、この水や大気の汚染や汚濁を守るためには人が、もっと担当者が自治体の中にいてくれたら本当にいいんですが、財政的になかなかそうも許されない中、ここはまずは質を増やしていくことでしっかりとこの水と空気、守っていきたいと考えています。
#55
○神取忍君 それでは、改正案では、測定記録データの保存も義務付けてます。測定記録データも記録表から手書きのメモまでいろいろとあると思われます。保存すべきとされる元になるデータを含めて、どの範囲までのデータなのでしょうか、教えてください。
#56
○政府参考人(鷺坂長美君) 今回の法改正を受けまして、保存すべき測定記録については、こういった測定が適正に実施されることを確認できるよう環境省令で定めていきたいと考えておりますが、具体的には、測定原簿、要するに記録表への転記前の測定データということになります。
 その範囲でございますけれども、例えば自動測定をしているような場合におきましてはそのチャートと申しますか、そういったものも対象になるのではないかと思いますし、また、外部へその測定を委託していると、こういったような場合には例えば計量証明書とか、そういったことも念頭に置きながら検討してまいりたいと思います。
#57
○神取忍君 その辺のデータはしっかりと保存していただきたいと思います。
 また、この改正案では測定データの保存は義務付けられてますが、公表までは義務付けられてません。事業者による測定データの公表や開示は、市民によるチェックが可能になり、公表をすることにより事業者の意識も高まり、取組が進むという効果もあると考えられるんですけれども、いかがでしょうか。
#58
○大臣政務官(大谷信盛君) もうそれはおっしゃるとおりでございまして、この公開があって初めて自分のやったことがいかに自分のビジネス上マイナスになるかということを再認識させることにつながりますので、是非ともそんな仕組みをつくっていきたいというふうに考えています。
 今のところは、データの公表、開示の仕方をガイドラインのようなものを策定して企業にそうするようにしてもらうようなことを検討をしております。
#59
○神取忍君 これは検討でなく、義務付けないといけないんじゃないんでしょうか。
#60
○大臣政務官(大谷信盛君) まずはガイドライン作ってお願いをし、どれぐらい御協力いただけるかというのもありますが、しょっぱなから義務にしてしまうとなかなか難しいところもありますので、目的は改ざんをなくすということでございますので、その方向に何とかガイドライン、そしてそれを御理解し、事業者がそのようにしていくということでまずは防げるようにしたいというふうに考えております。はなから全部義務付けにしてしまうと、それがいいのか悪いのか、ちょっと検討しなければいけないところもあるのかなというふうに思っています。
#61
○神取忍君 これ、まだまだ、じゃ検討ということで、でもこれは市民だとかそういった方が情報を公開することによってやっぱり意識が高まってくると思うんですけれども、その辺は行く行くは決めるということなんですか。
#62
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただきましたように、情報を開示、公開していく、そのことによって地域住民等々に安心を与えていく、そのことについての考え方は委員御指摘のとおりであります。しかしながら、現状、この業者、業界の状況を把握、全体を見渡しますと、まだまだ中小零細の企業の方々が非常に多く、実際にこの開示等々を義務付けていくという負担を押し付けていける状況にはまだまだ育成していないというのが、これ現状でございます。
 委員が御指摘いただいたように、情報開示を義務付けていきたいという思いは非常に強くございますけれども、まずは、そうした業者自体がこの必要性等々、また体制の整備をきちっとやらせていく、そういった段階にあるということも御理解をいただきまして、私たちとしては、こうした企業の形態、状況等々を踏まえて公表、開示を進めていくためのガイドラインを策定して、まずこの普及をしっかりと努めていく。そして、それが一定浸透をしていきましたならば、今委員が御指摘いただきましたような公開や開示をきちっと義務付けできるように、そういった状況にまで育成をしていくことが、私ども、今の段階での大きな務めではないかと思っておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
#63
○神取忍君 これはとっても流動的なものであって、時期的なものとか、そういった期間は決めないんでしょうか。
#64
○副大臣(田島一成君) いつまでにやるということですか。
#65
○神取忍君 はい、計画。
#66
○副大臣(田島一成君) まだまだこれ、業者の規模、形態、また経営状況等々も非常に多岐にわたっているところでございます。今、この業界全体を見渡した中で、いつまでにやるというふうに目標を定めていくこと、これが安心与える大きな一歩だというふうには思いますけれども、まだまだ期限を切ってお示しできるような状況にございません。
 そういった中で、ガイドラインを作成する、また業界全体を底上げをしていくといったような地道な取組で、時間の期限は設けることは今できませんけれども、今委員が御指摘いただきましたような安心、安全をきちっと提供、担保できるような企業、業界をしっかりと育成するために、環境省もあとう限りの取組に邁進をしていきたいと考えております。
#67
○神取忍君 なるたけ期間を決めていただきたいと思います。
 とにかく、この大気汚染と水質汚濁の問題について、事業者と行政の関係がどうもイタチごっこになってしまっていそうで仕方ありません。既にそうなっているとも言えると思います。ただ、環境省も私たちも目的は一つです。悪意の事業者をどうなくすかということだと思います。罰則を創設するというむちだけではなく、環境に配慮した対策を取り、大気汚染防止法、そして水質汚濁防止法の基準を満たし続け、環境に配慮した事業者には、優良事業者としての認定や特典を与えるという名誉やお墨付きを与えるなど、あめを用意していけばいいと思います。罰則という後ろ向きな政策だけではなく、前向きな政策を取るということも必要だと思いますが、大臣はいかがでしょうか。
#68
○国務大臣(小沢鋭仁君) おっしゃるとおりだと思います。あめという言葉がいいのかどうか分かりませんが、あめとむちという言葉がありますから、委員はそういう思いでお使いになったんでしょうが、本当にそういった優良な事業者の皆さん方には表彰制度、そういったものも用意をさせていただきたいと、こう思っておるところでございまして、片や、委員が先ほどおっしゃったように数値の公表、こういったことも今後検討してまいりたいと思っていますが、片や同時に、いい活動をした皆さんたちは大いに地域の中でも顕彰、それが分かるようなそういう表彰制度といったものも十分検討してまいりたいと、こう思います。
#69
○神取忍君 それで、自主的な取組がとにかく報われるように、税制の優遇措置、インセンティブを与える仕組みを検討することも必要だと考えています。規制することも大事ですけれども、是非前向きな議論をよろしくお願いしたいと思います。
 ここでまた話を規制に戻しますが、汚水の流出事故による水環境の被害拡大の防止について、流出事故が生じた場合に応急措置の実施、届出の義務の範囲を拡大するという内容になっています。汚水の種類に排出規制の対象になっていない有害物質が追加され、また、事業者の範囲に排水規制の対象になっていない有害な物質を取り扱う事業者が追加になっています。
 多くの関係者が気になっていますが、この指定物質、指定施設についてお答えいただきたいと思います。まずは指定物質からお願いします。
#70
○政府参考人(伊藤哲夫君) 現行の水質汚濁防止法におきましては、全国のすべての公共用水域で規制が必要な物質として二十六物質、有害物質として規制を行っております。この有害物質につきましては、現行においても、事故が起これば必要な措置を講じなければならないという仕組みになっておるわけでございます。
 しかしながら、この二十六物質以外にも、例えばインクや接着剤の溶剤として幅広く用いられているトルエンなんかが代表的な例だと思うんですけれども、事故が起こって大量に公共用水域などに排出された場合には、人の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれがあると。実際、トルエンなんかはそういった事故が現に生じているということでございます。このため、このような一律規制を講じていなくても非常に危ない物質につきましては、指定物質としまして指定し、事故が発生した際には応急の措置を講ずることとしているということでございます。
 この指定物質の具体的な対象につきましては、今後、人の健康や生活環境に係る被害の未然防止といった観点から幅広く指定していきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#71
○神取忍君 では、この指定施設はどういった施設なんでしょうか。
#72
○政府参考人(伊藤哲夫君) この指定施設と申しますのは、今お話しいたしました指定物質を製造、貯蔵、使用あるいは処理する施設などであります。
 したがって、例えば、この指定物質、トルエンならトルエンを取り扱う工場で原料タンクみたいなものもこの指定施設になるということでございます。
#73
○神取忍君 じゃ、そういった原料が入るタンクみたいなようなものなんですか、簡単に言うと。
 じゃ、これについて、改正の背景として、公共用水域における水質事故の増加、特に一級河川の水質事故が十年間で三倍になったという説明がされていますが、この十年間で三倍になったという水質事故の要因と今回の有害物質は因果関係があるんでしょうか。国土交通省の資料は何の物質による水質事故なのでしょうか。生活者の感覚では、油の事故が増えているだけだと思えるんですけれども、いかがでしょうか。
#74
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、国土交通省の資料は一級河川における水質事故を対象としたものでございます。
 その原因を見ますと、確かに先生御指摘のとおり油の流出によるものが最も多いわけでございますが、そのほか、化学物質の流出、この化学物質には、現在の水濁法で対象となっている有害物質もあれば、そうなっていないものもございます、それから汚泥などの流出、さらには魚の浮上死があるわけでございますけれども、その原因は不明であると、こういったもの、様々なものが含まれているわけでございます。
 改正案におきましては、この水質事故の対応の迅速化ということを図る、こういうためにはできる限り広く水質事故を事故時の措置の対象とする必要があると、こういった観点から、対象物質及び対象施設の拡大を盛り込んだところでございます。
 なお、一級河川における三倍増ということでございますが、この中身を見ますと、もちろん油の事故も増えておりますけれども、そのほかの化学物質の流出による事故も増えているというのが実態であるというふうに理解しております。
#75
○神取忍君 この事故が三倍になったということで、この事故時の措置ということですが、これは故意の事故なんでしょうか、これは自然の事故、どちらなんでしょうか。
#76
○政府参考人(伊藤哲夫君) ここで言っております事故時の措置の事故でございますけれども、これは、例えば施設の管理ミスあるいは物質の取扱いのミスなどの人為的な要因による事故は当然含まれます。また、自然現象、自然災害などによって起因する事故もこの事故の中に含めているという状況でございます。
#77
○神取忍君 これはどのくらいの比率なんでしょうか。
#78
○政府参考人(伊藤哲夫君) これは、正確に私どもこれまでデータ取ったことはございませんが、ほとんどが人為的なミスによるもの、それから施設が腐食してしまったという、そういったものであろうかというふうに考えております。
#79
○神取忍君 このような事故がこれだけ増えているということなのですが、この措置を義務化するということは、お考え何かあるんでしょうか。
#80
○政府参考人(伊藤哲夫君) こういった事故が非常に増えているということで、私ども非常に大きな危機感を抱いているわけでございます。
 そのため、今回の改正案におきまして、事故時の措置の対象となる物質、それから対象となる施設を是非拡大させていただきたいということでございます。
#81
○神取忍君 ちょっと話をまた戻しまして、私の地元の神奈川県には多くの米軍基地があります。横須賀海軍施設においてはミサイルフリゲート艦から軽油が流出したり、厚木海軍飛行場においても航空機の機体洗浄後の汚水の流出事故がありました。
 生活者から見れば、民間事業者はもちろん、国の施設や米軍の施設についてもこれら対策を徹底してほしいと思うんですけれども、国や米軍の施設からの汚水に対する対策は、現在、法的に担保されているんでしょうか。
#82
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今委員の御質問のとおり、国の施設は当然、日本の国の施設は水質汚濁防止法が適用されますが、米軍施設については水質汚濁防止法は適用されません。
 しかし、日米の環境関連法令のうちより厳しい基準を選択するという基本的な考え方の下に、在日米軍が自ら環境管理行動等を取っていると、こういうふうに承知をしておりますし、そういうふうな取決めに日米間でなっているわけであります。
 なお、米軍施設に関しましては、我が国の方から立入りの検査も定期的にさせていただいているところでございます。
#83
○大臣政務官(楠田大蔵君) 先ほど大臣の御答弁を補足させていただきます。
 先ほども申されましたように、米軍施設からの汚水についても必要な対策を取ってきておりますが、このうち日本側が事業主体となって施設整備を実施する場合には、先ほど申されましたように我が国の法令が適用されることから、国内法令に合致した内容のものを防衛省において整備、提供をしておるところであります。
 一方、在日米軍が施設・区域において自ら事業を行う場合、国内法令は適用されないわけでありますが、先ほどありましたように、日米地位協定において米軍人などは日本国の法令を尊重する義務を負っておりまして、そのための必要な対応が取られていると承知をしております。
 具体的には、在日米軍は、環境原則に関する共同発表というものにおいて、日米の環境法令のうちより厳しい環境基準を選択するとの基本的考えの下で作成をした日本環境管理基準、通称JEGSに従いまして、環境保護及び安全への取組を実施する旨表明し、それに基づき対応しているものと承知をいたしております。
 防衛省といたしましては、日本側が事業主体となって施設整備を行う場合は、下水道法、水質汚濁防止法等に基づきまして、必要に応じ環境影響調査を行った上で、基準に合致した設計を実施の上、施設整備を行っております。
 アメリカ側が事業主体の場合においても、在日米軍施設・区域において環境問題が惹起した際は、日米合同委員会の下に設置されました環境分科委員会、この枠組みを通じまして、情報交換や施設・区域への立入り、環境汚染への対応などについて日米間で協議を行い、かかる問題の処理に取り組んでいるところであります。
 我が省といたしまして、今後とも汚水対策が適切になされるように、関係省庁とも緊密に連携をしながら必要な対応を取ってまいりたいと、そのように考えております。
#84
○神取忍君 法的には国内では担保できているということなんでしょうか。
#85
○大臣政務官(楠田大蔵君) 先ほど申しましたように、国内におきましては国内法にのっとって担保させていただいているところであります。
#86
○神取忍君 分かりました。環境を守ることはとにかく国も民間も関係ないと思いますので、まずは国が率先して対策を打っていただきたいと思います。
 質問をちょっと飛ばしまして、大気汚染防止法では自動車排出ガスの許容限度を定めるということになっています。大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、大気の汚染に関して人の健康に係る被害を生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的としています。
 私も、この委員会で度々、環境対策は社会で行うには不便だったりとか、ルールや規制ばかりで窮屈ではなかなか参加する方がいらっしゃらない中、いかに気軽で便利に低炭素や有害物質の排出量を抑えていくかがポイントだと主張させていただきました。
 私は、バイク愛好家の立場から、またCO2の有害物質をいかに無理なく出さなくて済むかという考え方から、電動バイクについて質問させていただきたいと思います。
 十一月の委員会において、エコ通勤の実験に環境省として支援しており、原付バイク利用の多い企業に対して今それを支援しているということを大臣から御答弁いただきました。その結果、中間結果でも構いませんので、御報告をお願いしたいと思います。
#87
○政府参考人(鷺坂長美君) 環境省におきましては、京都議定書の目標達成計画にも位置付けられておりますが、通勤の交通マネジメントの取組ということで、その一環として、二十一年度にいわゆる自動車による通勤から多様な交通手段による通勤と、こういういわゆるモビリティーマネジメントによるエコ通勤と呼んでおりますけれども、そういったことに取り組む企業等に対して支援を行っております。
 このうち、株式会社ジーエス・ユアサパワーサプライの京都府、群馬県内の事業所におきまして電動バイクを業務用車両として二十台購入し、そしてこれを社員に貸与し、業務用のみならず通勤用にも利用する、こういった実験を行ったところでございます。この結果、同社からは、約五か月間の実験の間におきまして、二・三%の自動車の利用が削減され、そして約三トンの二酸化炭素排出量が削減された、こういう報告があったところでございます。
 同社は今後もエコ通勤を継続し、そして新たな通勤手当の制度構築等を検討する予定との報告を受けているところでございます。
#88
○神取忍君 ありがとうございました。
 どちらにしても、今の結果でいくと、この六か月、五か月でしたっけ、その中でこの数字的に二・三%という数字なんですけれども、これもう少しこの数字が上がるような形ではまだ難しいんでしょうか。
#89
○政府参考人(鷺坂長美君) 環境省の予算の範囲内で今回ジーエス・ユアサというところが利用したバイクが二十台ということでございまして、そういったことからこういった数字になっているということでございます。
#90
○神取忍君 二十台ですか。これは全国的にやって二十台ですか。
#91
○政府参考人(鷺坂長美君) これはモデル事業でございまして、このジーエス・ユアサのパワーサプライという京都府と群馬県内の事業所、この二つの事業所においてやったということでございます。
#92
○神取忍君 二つで二十台ですか、一つが二十台ですか。
#93
○政府参考人(鷺坂長美君) 二つで二十台ということでございます。
#94
○神取忍君 これモデル事業といっても、もう少し数がなければモデル事業にならないんじゃないでしょうか。
#95
○政府参考人(鷺坂長美君) 御指摘のことはよく分かりますけれども、なかなか予算の都合がございまして、二十一年度はこういったモデル事業を行ったということでございます。
#96
○神取忍君 今年は何か計画はされているんでしょうか。
#97
○大臣政務官(大谷信盛君) 是非、委員が電動バイク、バイクがCO2を減らす環境に優しい乗り物だというんでお取り組みをしているのを私も勉強させていただきましたが、是非応援いただいて、二十台からもっともっと増えるようにこれからも是非連携させていただけたらというふうに思っております。
 簡単に普及の取組言わせてもらいますと、二十年の補正予算で次世代自動車等導入推進事業というのを昨年の九月まで実施をさせていただきました。そこでは、電気自動車はもちろんですが、この電動バイク、試作車両として実証実験を行っておりまして、具体的には、郵便事業株式会社において集配バイクで電動バイクを使うというようなことをさせていただきました。こういう見えるものでございますから、赤いもちろん郵便局のバイクです、これが電動なんだと、こういうものが世の中にあるんだと。
 一台幾らするかというと、これ四十五万円いたします。いわゆるスクーター的な原付ぐらいの大きさのバイクが四十五万円。しかしながら、関心のある方にはそれが高くても乗りたいという方もおられるんでしょうけれども、やっぱりこれコスト高いんで、まずコストを下げていくような努力を、技術革新をしていくようなこともしなければならないし、同時に、みんなが買ってくれないと技術も向上できませんので、いろんな意味で、こういう見えるところに出して啓発をさせていただくようなことに取り組んでおります。
 まだまだ足りませんが、そこは是非委員にも応援、御連携賜れますようお願い申し上げます。
#98
○神取忍君 ということは、今年のモデル事業はまだできていないということですか。
#99
○政府参考人(鷺坂長美君) 今年度につきましては、具体的には、何といいますか、試作車を利用するモデル事業ということよりも更に普及させていきたいと。
 実は、電動バイクでございますけれども、現在、国内での普及状況ということは、大手のバイクメーカーにつきましてはまだ電動バイクの製造販売を行っていないというようなことがございます。したがいまして、地球温暖化対策の技術開発事業というのがございますので、例えば電動バイクの試作車をユーザーと一緒になって利用して、そして走行データを収集して製品へフィードバックさせる、こういうような技術開発事業を予定させていただいております。
#100
○神取忍君 今、大手がされてないとおっしゃいましたが、大手のスクーター型の電動バイクが今年十二月から運送業者や個人事業主を対象にリース販売を始めます。この電動バイクは、先ほど副大臣がおっしゃったように、金額がということでしたが、今回は原付ということで、原付機能を確保している状況で、国内でリース料も含め大体数十万円で済むということです。そういった中で、今回、電動力もリチウム電池を搭載して家庭用のコンセントでできます。一回の充電で約三十キロの走行が可能ということです。そして、充電器だと大体フル充電で約四時間、急速充電器だったら二十分で八〇%を充電できるそうです。
 そういった中で、このような民間の取組は、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全する上でまさに国が積極的に応援していく必要があると思いますが、環境省における電動バイクの普及をもう一度考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(小沢鋭仁君) まず、ちょっと整理をさせていただきたいんですが、いわゆるバイクといっても、普通の原付バイクそれから電動バイク、二つお話があったと、こういうふうにまず思っておりまして、バイクは、かつてここで委員からの質問で、私も高校生のころバイク通学をしておりましたというふうにお答え申し上げたのを覚えておるんですが、そのCO2排出という意味でも、あるいはまた交通渋滞をある意味で緩和させるという意味でも一つの有効な手段だと、こういうふうには基本的に思っております。
 ただ、安全性とかですね、安全性というのは、事故が起きたときにどうしても、やっぱり周りに何もないわけですから、そういったものがあったりしますとなかなか、いわゆる自動車道とバイクでの混合の在り方という話は、そういった事故への危険という意味では普通の自動車よりもはるかに大きいと、こういう問題点も同時にあるわけでありますね。ですから、そういったことを加味しながら総合的に考えていかなきゃいけないというのが私は一点だと思います。
 それから、電動に関していいますと、今委員が御指摘のように我が国のメーカーも着々と技術開発を行っていただいているわけでありまして、先ほど局長がお答えしましたように、環境省としても、電動バイクの普及に向けた技術支援はこれは予算措置をとらせていただいているところでございます。
 そういった意味において、これは関係省庁とも連携を取りながら、少なくても電動バイクの電気系統に関する支援は積極的に行い、あと交通体系としてどういった体系でやっていくのか、安全性を高めながらバイク、あるいはまた、さらには環境省は今一生懸命自転車という話もやらせていただいているわけでありますが、そういったことを検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#102
○神取忍君 是非検討していただきたいと思います。
 しかし、電動バイクの開発というのは、日本の国力、環境面での国際競争力にも大きな影響があると考えています。というのも、台湾に本社を構える中華汽車工業が来年日本で販売を考えているこの電動スクーター、リチウムイオン電池で三時間の充電で四十キロ走行します。台湾での販売価格が約十四万です。日本の販売に際しては多少高くなると思いますが、既に走行距離、そして価格バリューも日本を上回ってしまいました。そして、台湾では、省エネ、大気汚染対策の一環として電動バイクの購入補助金制度を導入して、四年間で十六万台を普及させる計画があると聞いています。
 鳩山内閣における経済成長戦略の基本方針である新成長戦略においては、政治的リーダーシップにより環境・エネルギーなど日本の強みを生かし、さらにアジアなどのフロンティアを開拓することによって需要からの経済成長を目指すというものですが、事この生活者に密接に関連するバイクの分野、電動バイク、この一つを取っても既に台湾に抜かれています。日本が、そしてこの日本車が国際的なダメージを受けてしまった今こそ、日本の技術が詰まった、世界に誇れる電動バイクの普及に取り組むべきだと考えますが、大臣はいかがでしょうか。
#103
○国務大臣(小沢鋭仁君) 確かに先ほども申し上げましたように、電気系のいわゆる自動車あるいは電動バイク、そういったものに対する積極的な支援は当然行っていきたいと、こういうふうに思っております。
 ただ、委員が御指摘のようにバイクという視点がどこまで強く持っていたかと、こういうことに関して言うと、おっしゃるようにいわゆる電気系、電気自動車ということはよく話題になるわけでありますが、電動バイクという話は確かになかなか、今までそれほど強い意識を持って取り組んできたと、こういうことはなかったのかもしれません。今後、成長戦略の中で、そういった委員の視点も御披露しながら検討してまいりたいと、こう思います。
#104
○神取忍君 それ是非検討していただきたいと思います。
 また、オートバイ業界は平成十六年から自主的にリサイクルシステムを開始しています。また、ハイブリッド車の開発も始まっています。このようにオートバイは、排出ガス問題にとどまらず、温暖化、リサイクル問題にも幅広く対応しています。自動車より仕組みがシンプルであることもあり、若者のみならず広く環境学習の教材としても利用をする価値が大きいと考えられますが、いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#105
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今おっしゃっていただいたように、環境負荷の少ないものが普及していくという意味においては、環境教育、環境学習の教材としてもあり得るものだなと、こういうふうには思っております。
#106
○神取忍君 是非、本当にバイクの場合は排気量も少なく、そして渋滞の中でも移動がスムーズな上に、駐車場スペースがコンパクトな自動二輪、オートバイの利用を促進していただきたいと私は考えております。
 さて、ここで、大気汚染の問題をよりグローバルな形で、国際的な視野に立って考えてみたいと思います。
 アイスランドで火山噴火し、その火山灰の影響で欧州全域で飛行禁止措置がとられたことは記憶に新しいことだと思います。一国で起こったことが他国に影響する、大気には国境がないと、国境は存在しないということです。
 日本では、毎年大陸から飛来する黄砂の問題に悩まされております。これまで黄砂、黄河流域、砂漠等から風によって砂じんが運ばれてくる自然現象であると理解されてきました。森林の減少、砂漠化などの影響という環境問題としての認識が高まってきたわけです。ところが、黄砂粒子からは土壌起源ではないと考えられる硝酸イオンなどが検出されており、飛来途中で大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されております。こうなってくると、黄砂の問題は単なる環境問題というよりも大気汚染の問題として考えられます。
 まず、そこで、黄砂の飛来状況とその特徴、被害状況についてお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
#107
○政府参考人(寺田達志君) お答え申し上げます。
 まず、黄砂でございますけれども、中国の黄土高原、タクラマカン砂漠、あるいはモンゴルのゴビ砂漠などを発生源といたしまして、日本においては一般的に三月から四月に多く見られるところでございます。
 環境省では、平成十四年度より実態解明調査を行っておりまして、昨年の三月その調査結果を取りまとめたところでございます。
 その結果でございますけれども、黄砂に起因すると考えられる浮遊粉じん濃度の上昇や、委員御指摘でございますけれども、人為起源と考えられます硫酸イオン及び硝酸イオンの濃度が高くなっているということが分かっております。
 また、被害の方でございますけれども、一般的には視程、見える範囲ですね、この見える範囲の悪化による交通機関への影響、あるいは自動車や洗濯物の汚れなどが報告されているところでございます。
 御心配の健康影響の問題でございますけれども、環境省は平成二十年度から調査研究を行っておりますけれども、中国などの海外の文献からは健康影響の存在が示唆されておりますけれども、国内での知見はいまだ十分ではございません。このため、引き続き国内外の知見の収集に努め、黄砂による健康影響の評価、検討を行ってまいりたいと考えております。
#108
○神取忍君 今の状況は分かったんですけれども、黄砂の実態解明について、そして黄砂対策としてこれからどのような取組が行われ、現段階までどこまで進んでいるのか、お答えください。
#109
○政府参考人(寺田達志君) まず、お尋ねの実態解明でございますけれども、これは先ほど御答弁申しましたとおり、黄砂の化学成分であるとか健康影響について調査を実施しているところでございまして、これは引き続き実施してまいりたいというふうに考えております。
 また、対策ということでございますけれども、やはり黄砂の対策ということになると現地での対策ということになろうかと存じます。
 現在、中国政府におきましては、砂漠化対策の一環といたしまして、例えば勾配二十五度以上の斜面農地を森林等に戻す退耕還林プロジェクトと呼んでおるようでございますけれども、これを通じまして森林面積を増加させるというようなことをやっているということでございます。
 中国では、現在、砂漠化対策あるいは森林の保全対策としてかなり積極的に森林の増加ということに意を用いております。現在、第十一次五か年計画におきまして森林被覆率を二〇%以上にするという目標も掲げて、それはおおむね達成したようでございます。こういった努力が現地でもされていると承知しております。
 また、我が国も、JICAや民間等の協力を通じまして黄砂の飛来防止に資する植林等の取組を推進しているところでございます。
#110
○神取忍君 その森林や砂漠の対策はもうずっと言われているものじゃないですか。今、更にやられているものというのはあるんでしょうか。
#111
○政府参考人(寺田達志君) やはり黄砂の起源ということになりますと、やはり土地表面が露出してそこから砂が巻き上がると、こういうことでございますから、やはりそこはどうしても緑化対策ということになろうかと思います。
 なお、更に黄砂の性状の解明等が進みますと、あるいは黄砂に関連をいたしまして、例えば大気汚染防止対策と連携させる等々の話が出てくる可能性もあろうかと思いますけれども、そういう問題についてはなお一層の調査研究が必要ではないかと考えております。
#112
○神取忍君 そういった取組をしていただいて、発生源となるとにかく国との連携、協力が必要になると考えますが、その辺は大臣の認識はいかがでしょうか。
#113
○国務大臣(小沢鋭仁君) おっしゃるとおりでありまして、先ほど局長答弁にもありましたように、いわゆる中国における発生源対策、こういったことが必要になると思います。
 環境省においては、これまでも日中韓の三か国環境大臣会合、そういった枠組みを通じて黄砂の観測、発生源対策等に対する共同研究を進めているところでございまして、今年も五月の二十二日に予定をしているところでございます。私からもしっかりその際にも議論をさせていただいて、共に力を合わせて発生源対策をしてまいりたいと思っております。
#114
○神取忍君 黄砂問題以外にも、光化学オキシダント問題や酸性雨の問題など、越境大気汚染の問題は発生源となる国とともに解決に向けた対策を講じていただきたいことを求めていきたいと思います。
 ちょっとまた質問を戻らさせていただきたいと思います。
 今回、大気汚染防止法や水質汚濁防止法でデータの改ざんに対して罰則を創設するわけですが、ダイオキシン類対策特別措置法では罰則を創設しないとか、そして土壌汚染対策の遵守に対する調査が別々に行われていたり、河川の水質事故でもこの水域はここは国、ここは県、ここは市というように、いつまでたっても政権が替わっても縦割り行政の弊害は生まれ続けています。
 昨年の土壌汚染対策の改正案の審議では、VOCによる土壌や地下水の汚染が発生した場合にVOCが揮発し大気汚染につながる可能性が指摘されました。そのときの答弁では、大気汚染につながる実例は確認していないということでしたが、今後、こうした複数の環境媒体に立った汚染対策も重要になると思いますが、これからの見解をお伺いしたいと思います。
#115
○大臣政務官(大谷信盛君) 御指摘いただきましたように、土壌から大気汚染が生まれるようなことというのは十分想定できると思いますが、ただ、今健康被害が発生したということは把握をしておりません。これからそんなことがないように科学的な知見を駆使して防止策というものをしっかりとつくっていきたいというふうに考えております。
#116
○神取忍君 これは、実例は確認、把握はされていないんでしょうか。
#117
○大臣政務官(大谷信盛君) 健康的被害が発生したというようなことが、この土から空気に汚染して空気から人体に影響をということは、今のところあったという、発生したということは確認しておりません。
#118
○神取忍君 健康被害以外ではないんでしょうか。健康被害、健康に対して被害があったではなく、ほかのものに関してというのはないんでしょうか。
#119
○政府参考人(伊藤哲夫君) 土壌汚染から土壌の中の化学物質が揮発するということは十分あり得る話でございまして、そういったことは科学的にもあり得ますし、現実問題としてもあり得るだろうというふうに思いますが、それによって今、日本で健康被害が実際に生じたといった事例については私ども把握していないと、こういうことでございます。
#120
○神取忍君 それはいろいろな形で調べていくということは、調査していくことは考えられていくんでしょうか。
#121
○政府参考人(伊藤哲夫君) これは、昨年の土壌汚染対策法の改正の御審議でもいろいろ御指摘いただきました。私ども、いろんなことを、地方公共団体とも協力して、一体どういうことが起こっているのかといったことは常にウオッチをしていきたいというふうに考えております。
#122
○神取忍君 それがまだ報告はないんでしょうか。
#123
○政府参考人(伊藤哲夫君) 昨年の土壌汚染対策法の改正案のときと、それ以降、そういった事例があったという報告は私ども受けておりません。
#124
○神取忍君 その辺をしっかりとこれからも調査していただきたいと思います。
 環境問題というのは、とにかく横断的で総合的な対策を考えていかないといけないと思います。これは国会でも幾度となく討論されてきたことだと思いますが、改めて、政権が替わって環境問題に対する縦割り意識がどう変わったのか、今回の大気汚染防止法、水質汚濁防止法の改正の議論の中で内閣において総合的な議論ができたんでしょうか。その辺はどうお考えでしょうか。
#125
○国務大臣(小沢鋭仁君) おっしゃるとおり、環境分野は幅広い分野と関係をしているわけであります。御案内のように、鳩山内閣は、縦割り意識を排除して、お互い自分の所掌以外のことであってもいわゆる閣議あるいはまた閣議外のいろんな場面でも大いに発言をしていこうと、こうお互い申合せをしてやらせていただいているところでございまして、今回の法改正においても、総合的な公害防止の取組の促進に向けて関係各省とも、あるいはまた業界団体や地方自治体とも十分な議論を重ねて今回も成果を得ることができた、そう思っているところでございます。
#126
○神取忍君 とにかく環境問題は常に変化し続けています。また、今日我々が生きていく世代というよりも、我々の後に続く世代に大きな影響を与えていくものです。変化に対応し、敏速で効果的な、それでいて民間のやる気をうせない、現実的な妥当な方策や法の改正を望みたいと思います。
 質問を終わりにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#127
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 私は、まず最初に、ネオニコチノイド系農薬について取り上げたいと思います。大気と水、クロスメディア汚染ということも言われておりますので、そういった関係についても非常にかかわってくる話であると思います。
 ネオニコチノイド類というのは、やはり植物や動物体内に取り込まれますと、代謝されて化学構造が変化し、多様な代謝産物が生まれてくるわけでありますし、更に懸念されることは、やはりネオニコチノイド暴露による胎児、小児に対するいわゆる影響ですね、いわゆる脆弱な発達期の脳に対する影響についても様々な研究がなされていると。
 有機燐の関係でも質問したことがありますけれども、このネオニコチノイド系の関係についても極めて危惧されるそういう症例が出てきておりますので、とりわけ、胎児期から青年期に至るまでの脳幹とか海馬、小脳、大脳皮質などの正常な発達に、いわゆるアセチルコリンとニコチン性の受容体、レセプターの話でありますけれども、多様にかかわっていると。
 ニコチンが発達期の脳へ重大な障害を及ぼすことについては、疫学調査や動物実験等についても研究例が非常に多くなってきておりますし、それはある意味では周知の事実だというふうに言って差し支えないと思います。ニコチンは胎盤を通過しやすいですし、胎盤関門というところをやすやすと通過してしまうと、関所になっていないと。母親の喫煙で胎児はニコチンに暴露されるというふうにも、そういう研究例もあるわけでありまして、やはりこういった面については綿密な研究調査が必要であろうと私は思っておりますけれども。
 やはり現時点で考えても様々な中毒症例が挙がってきておりますので、人の健康に影響を及ぼす可能性は否めないと。やはり急増している子供の発達障害や成人のうつ病ですよね、そういうこととも関係があるのではないかという、そういう研究事例も多く出てきているということを考えてまいりますと、やはり等閑視することはできないと。やはり人の脳の高次機能への影響も懸念されておりますし、あるいは免疫系、その辺への悪影響も可能性があると。この関係の農薬としての使用量も多いですし、それに伴う暴露量の多さが危惧されておりますが、今日、食品残留基準、これも非常に緩いんではないかなと、こんなふうに考えております。やはり私は規制を早急に強化すべきでありますし、必要な調査研究はしっかりと行うことであるなと思います。
 今日配付させていただいております食品の残留の関係、ネオニコチノイド系の殺虫剤の関係でありますけれども、四番目の図でありますけれども、アセタミプリド、これ成分名がアセタミプリドの関係でありますけれども、これに特定して考えてまいりますと、リンゴ、ナシ、桃、ブドウ、イチゴ、トマト、茶葉、そういったことを考えてまいりますと、欧米、とりわけEUと比べても、新基準、これ今年の三月に新しい基準が決められたわけでありますけれども、極めて、EUと比べてもリンゴは二十倍、ナシは二十倍、桃も二十倍、ブドウ五百倍、イチゴ三百倍、トマト二十倍、茶葉三百倍ということで、基準が非常に緩いなということが見て取れるわけでありまして、やはりこういった面についてはもっともっと規制を強化することが必要ではないかなと思っておりますけれども、これはなぜこういう状況になっているんでしょうね。是非御答弁をお願いしたいと思います。
#128
○政府参考人(石塚正敏君) 国際基準の関係につきまして御答弁申し上げます。
 食品中の農薬の残留基準につきましては、内閣府の食品安全委員会によるリスク評価の結果を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めているところでございます。
 食品安全委員会によるリスク評価におきましては、万一、一生涯にわたって摂取したとしても健康に影響を生じないとされる量として許容一日摂取量、ADIというものが設定されております。残留基準の策定に当たりましては、飲食を介して摂取され得ると考えられる量が食品安全委員会の定めた許容一日摂取量を超えることのないよう、個々の食品ごとに評価、検討を行っているところでございますが、御指摘のネオニコチノイド系農薬につきましても同様の対応を取っております。
 御指摘のとおり、個々の農作物等の基準値の中には欧米諸国での基準と比べまして高く設定されているものもありますけれども、その理由としましては、作物の品種、気候、天候、栽培条件、また発生する病害虫の種類等に我が国と欧米とでは違いがございまして、同じ農薬でも使用方法が異なることから、我が国における使用方法を反映した農作物ごとの残留試験データを用いて、その農薬を適正に使用した場合にあっても農作物に不可避的に残留し得る量を薬事・食品衛生審議会において評価、検討し、設定したものでございます。
 この四番目の表にございますが、例えば今度新たに改定した基準で申しますと、例えば一番下の茶葉、アメリカは五十でございますが、我が国では今度三十としましたし、幾つかの農作物におきましてアメリカの基準を下回る基準を今回設定したものもございます。
 また、残留基準が設定された農薬の飲食を介した人への暴露状況につきましては、輸入食品については検疫所、それから国内流通しているものにつきましては、都道府県等におきまして実施されます残留農薬検査やマーケットバスケット調査方式によりまして一日摂取量調査によって把握に努めているところでございまして、これまでの調査では、ネオニコチノイド系農薬を含めまして、流通している農作物における農薬の残留レベルは低く、食品安全委員会の定めた許容一日摂取量を下回ることを確認しておりまして、安全性の確保は図られているものと考えております。
#129
○加藤修一君 これ、配付資料の六ページといいますか、二枚目の第六番目の図表なんですけれども、これ実際にアセタミプリドの食品から検出された例でありますけれども、リンゴ、茶葉のA、Bとか茶飲料の関係書いてありますけれども、残留基準と極めて近いということですよね。それと、これ化学物質の関係、確かにADIというのはその化学物質についてのADIであって、世の中には様々な化学物質が当然あるわけでありまして、それが足し算するあるいは相乗化するということも含めてやはり考えていかなければいけないということだと思うんですね。
 それで、二枚目の第五番目の図表でありますけれども、ブドウのアセタミプリドの残留基準値、これは五ppmでありますけれども、それを、例えばブドウ五百グラムと考えて試算してまいりますと、体重二十五キログラムの子供が食べると〇・一ミリグラム・パー・キログラムを取ることになると。一日許容摂取量〇・〇七一ミリグラム・パー・キログラム体重・一日、これを超えてしまうと。急性中毒参考量、それは一日にそれ以上食べると中毒を起こすということがある量でありますけれども、〇・一ミリグラム・キログラム体重・パー・日に達する。そういうことを考えると、かなり近い形になっちゃっているわけですよね。だから、急性中毒に近くなるということが間々あり得るという話なんですよ。だから、やはりこの残留基準値についてはもっと規制を強化しなければいけない。だから、日本はやはり相当私は緩いと思いますよ、欧米と比べて、先ほど説明申し上げましたように。
 こういうことを考えていくと、複合汚染の関係も考えると、それはそういう意味での対応をやっていかなければいけないというふうに考えておりますけれども、どうですか。
#130
○政府参考人(石塚正敏君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、日本における様々な科学データ、また知見というものを踏まえまして、食品安全委員会の方でそうした科学的なリスク評価というものが行われております。子供についてのデータにつきましても、そうしたリスク評価は食品安全委員会の方で行っていただいている。その結果に基づきまして、私どもの方でこの残留基準を設定しているということでございます。
 確かに、農薬の使用方法は先ほど申し上げましたように国によっていろいろな条件が違っておりまして、その実態に即した基準設定をなされておりますが、今回もこの残留実態データというものに基づきましてこの見直しを行った、基準を厳しくしたということもございます。
 今後もこうした様々な新しいデータ、知見というものを踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#131
○加藤修一君 先ほど言いましたように、新基準になったとしても、この私が提示いたしております一ページ目の四番目の図表については明らかに諸外国と比べて異常に高い残留基準値であると、こう言わざるを得ないんですね。これは私はやはりしっかりと見直すべきだと改めて要求しますが、どうですか。
#132
○政府参考人(石塚正敏君) 繰り返しになって恐縮でございますが、農薬の使用方法というものは、国によりまして対象となる病害虫の種類もまた気候、天候も様々異なっているという状況でございます。先生御指摘のように、大変人体への影響ということも考慮されるものにつきましては、この残留実態調査というものも今後とも踏まえまして、適宜専門家の意見も聴きながら鋭意対応を進めてまいりたいと考えております。
#133
○加藤修一君 それじゃ、残留実態調査というのはどのぐらい行われているんですか。それから、その中の中身というのはどういうことでしょうか。それについてちょっと報告ください、そこまで言うのなら。
#134
○政府参考人(石塚正敏君) 作物の残留実態ということにつきましてお答えします。
 食品衛生法に基づきまして、食品中の残留基準が設定された農薬につきましては、輸入時のモニタリング検査あるいは自治体における流通品の検査というものを食品監視の一環として実施しているところでございます。御指摘のネオニコチノイド系の農薬につきましても、食品衛生法で設定された残留基準に基づき、必要な検査法を設けて検査を実施しているところでございます。
 ちなみに、最初に御指摘ございました代謝産物ということにつきましては、これは食品安全委員会の方で規制の対象にするかどうかの御議論をいただきましたが、結果のリスク評価としましては、代謝産物については残留基準の設定の必要はないということで基準の設定はされていないことから、検査は行っておらないところでございます。
 ただ、食品中の残留実態につきましては、速報値ではありますが、平成二十一年度の輸入食品に対するモニタリング検査を例に挙げますと、ネオニコチノイド系農薬の一つでありますアセタミプリドについては七千百十五件について検査を行い、二例の違反を確認しているほか、イミダクロプリドにつきましては、九千五百二十四件について検査を行い、五例の違反が確認されているという状況でございます。
#135
○加藤修一君 ちょっと聞き間違いがなければあれなんですけれども、ちょっと確認しますけれども、輸入品と言いました。
#136
○政府参考人(石塚正敏君) はい。
#137
○加藤修一君 国内品はどうですか。
#138
○政府参考人(石塚正敏君) アセタミプリドの例でございますけれども、これは各自治体から集計しますのでちょっとデータは古くなりますが、平成十六年度の実績によりますと、アセタミプリドの国内での検査では九百六件実施されておりまして、違反はゼロでございます。
#139
○加藤修一君 必ずしもそういう調査結果じゃなくて、それを超える調査結果も当然私が質問する以上はあるわけでありまして、私はやはり、ハイリスクグループ、乳児とか胎児とか幼児ですね、例えば乳児、幼児などについては尿の検査をするとか、そういったことだって必要だと思うんですね。
 私は、例えばそういったことについては、これは品川とか川崎とか横浜、小学校、保育園の園児、あるいは中学校生徒等々含めてそういう実態調査をすべきであると思いますけれども、どうでしょうか、それ。
#140
○政府参考人(石塚正敏君) 実際、健康被害の報告例がございます場合には、食品衛生法に基づきまして医師から保健所長の方に届出がなされます。その際には、それぞれ保健所と自治体の方にいろいろな調査、疫学調査を含めましてお願いをするところでございますが、現時点まで、例えばアセタミプリドにつきまして法に基づく被害の疑い例、つまり食中毒としての事例の報告はございません。具体的にそういう報告がなされた場合にまた自治体の方とも相談をして対応を考えていきたいというふうに考えております。
#141
○加藤修一君 今日配付している資料については、これは東京女子医科大学の東医療センター平医師の資料ですよね。それから、前橋市の青山内科小児科医院の関係の話でありますけれども、三枚目の図表を見ていただけますように、これを見ていく限りにおいては確かに、どこまで報告をされているか私はまだつかんでいるわけでありませんが、こういう実態、ケースがあると。これは作ったデータでも何でもないわけなんですけれども、こういう実態があるということについてはどのようにお考えですか。
#142
○政府参考人(石塚正敏君) 先ほど申し上げましたように、食品衛生法第五十八条におきましては、疑い事例も含めまして、食品等に起因する中毒患者等を診断した医師から保健所長へ報告が義務付けられているところでございます。こうした事例のありました場合には、保健所において原因の究明や健康被害の拡大防止を図るための必要な疫学調査また試験検査、先ほど先生御指摘のありましたようなそうした様々な調査というものを行うという対応を取ることとなっております。
 しかしながら、これまで確認したところでは、疑い事例も含めまして、こうした食中毒情報というものが法律に基づく報告というものはなされておりません。
 ただ、これは群馬県の例でございましたけれども、正式な法に基づく届出はなかったんでありますが、いろいろな情報も寄せられた関係で、県を通じて調査を行ったことはございますけれども、はっきりとした因果関係は認められなかったということでございます。
#143
○加藤修一君 これ、この調査に基づいて学会における発表もされているわけですけれども、あえてこれは言いますけれども、これは取るに足らないデータというふうな評価なのか、それとも確認ができないからという、判断のしようがないという話なのか、どっちですか。
#144
○政府参考人(石塚正敏君) 先ほど御答弁申し上げましたように、法律に基づく届出がなされた場合には、私ども、自治体の方に法に基づいて疫学調査それから試験検査、様々な検査ですね、そういったことを要求するわけでございますが、この法に基づく届出というものが現時点まで確認したところではないということでございますので、そうした正式な自治体に対する要求というものは現時点では取れないという状況でございます。
#145
○加藤修一君 それじゃ、こういうこともできないという話になりますか。
 原体の調査ばかりじゃなくて、分解産物の関係で、これは水溶性が非常に高い化学物質でありますから、もちろんこれは水系に流れ出ている可能性も十分考えられる。ということは、水道水の方にも混じってきている可能性が十分考えられるということですけれども、そういった意味では、水道水についての調査もすべきであるという私の申出についてはどうとらえますか。
#146
○政府参考人(中尾昭弘君) 水道水の関係でございますけれども、厚生労働省の保健医療科学院の研究機関におきまして、水道原水、浄水における農薬類の分析方法開発ですとか、検出状況に関する基礎的な調査研究を行っておりまして、この一環として、御指摘のネオニコチノイド系農薬についても調査の対象としております。
 この調査の中で、国内出荷量が多い物質の分析法の確立でありますとか、河川水における検出を確認したところでございますけれども、今得ている情報によりますと、河川水中に検出された最大濃度レベルはイミダクロプリドの一リットル当たり数百ナノグラムという水準にございまして、これは評価値と比較しても数百分の一程度であるということで、研究機関におきましては現時点で健康影響が懸念される状況にないという評価を得ております。
 厚生労働省といたしましては、水道水における農薬につきましては更に科学的知見の集積に努めてまいりたいと考えております。
#147
○加藤修一君 それは、原体だけじゃなくて、分解産物についても調査したということですか。どういう総合的な値になりますか。
#148
○政府参考人(中尾昭弘君) 今回の調査、これは二十一年度の調査でございますけれども、ネオニコチノイド系農薬の中で国内出荷量が多いもの、イミダクロプリド、アセタミプリド及びチアクロプリドという三物質について調査をしたものでございまして、これ原体についての調査でございます。今行っている調査はこの三つについてのものであるということでございます。
#149
○加藤修一君 いろんな生態系の中で変化していくプロセスが当然あるわけですけれども、原体に限らず、分解産物、この分解産物の方が毒性が強いというふうに論文等に載っているわけですけれども、それを総合的に合わせた数字として考えるべきじゃないですか。
#150
○政府参考人(中尾昭弘君) 議員の御指摘を踏まえまして、今後の水道水におけるこの農薬についての知見集積について、どういう対応がいいのかということにつきましては検討してまいりたいと考えております。
#151
○加藤修一君 この関係の質問はここでやめますけれども、是非その辺についてはしっかりととらえていただきたいと思います。今、調査するという話がありましたんで、是非真っ正面からの調査を更に幅広くやっていただきたいことを強く要求しておきます。
 それで、蜂群崩壊症候群、CCDの関係でありますけれども、このネオニコチノイド系の関係で極めて因果関係がありやしないかとかあるいは影響力があるかもしれないと、そういう指摘が実はあるわけでありますけれども、このネオニコチノイド系については、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニア等においては使用禁止あるいは使用の制限を行っていると。特に、いち早くフランスは使用禁止という形になったわけでありますけれども、農水省、来ておりますか、このCCDとこの関係についてはどのように、昨年だったですかね、公募をしてそれについて研究調査をしていくという話だったんですけれども、この概要について、成果の概要についてはどういう状況でしょうか。
#152
○政府参考人(山田友紀子君) 御指摘のとおりに、ミツバチの大量死については大きな問題となっております。そこで、原因が究明されていないということから、農林水産省では昨年、昨年度ですけれども、みつばちの減少に関する緊急調査研究というものを実施いたしました。期間がまだ短いということから原因究明には残念ながら至っておりません。しかしながら、幾つかの事実が判明いたしております。
 例えば、崩壊してしまった蜂群からでもネオニコチノイド系の農薬や寄生ダニは検出されませんでした。しかしながら、病原菌のDNAというものは検出されております。また、遺伝子の発現の解析をいたしまして、施設内で使われておりますミツバチについては高いストレスにさらされているということが示唆されております。
 ネオニコチノイド系の農薬についても、影響を噴霧又は塗布することによって研究しておりまして、当然のことですけれども、致死量以上の濃度を巣内に直接散布すれば、当然ハチが死亡して群の維持は困難になります。しかしながら、低濃度に噴霧いたしました場合には、ミツバチの健常性につきましては対照群と有意な差は見られませんでした。このような結果が得られております。
 そういう結果ではございますけれども、農林水産省といたしましては、農薬の使用によってミツバチへ被害が出るということがないようにするために、まず、農薬容器のラベルに表記された注意事項、ミツバチの巣箱があるそばでは使うなと、そのような注意事項が書いてございますけれども、それの遵守、また、農薬を散布する際には散布者が養蜂家に連絡をする、又は養蜂家の方もどこに巣箱を置くかということを連絡するなどというような、農業者と養蜂家との緊密な連携を行うことということなどにつきまして引き続き指導を実施していく所存でございます。
#153
○加藤修一君 低濃度とそうでない対照群を比べて影響がなかったという話をされましたけれども、低濃度という場合はどのぐらいのことを低濃度ということですか。
#154
○政府参考人(山田友紀子君) お答えいたします。
 致死量以上という場合は四〇〇ppbでございます。有意な差が見られない場合というのは四ppbでございまして、四〇ppbで噴霧した場合には、初期に、当日ないしは翌日に働きバチの死亡が見られますけれども、群の維持については影響がないという結果が出ております。
#155
○加藤修一君 また別の機会にやりたいと思いますが。
 国交省にお願いですけれども、シロアリ防除処理、これについてもネオニコチノイド系の殺虫剤が使われておりますけれども、日本の主流はやはり急性毒性が比較的低い、しかし蓄積性がある、いわゆるネオニコチノイド系でありますが、ただ、北米、これは、シロアリ防除処理の関係については、薫蒸法とかあるいは硼酸処理法が十分定着をしていると。ハワイ州でもそうですよね。これがほとんど硼酸処理法が定着しているわけでありますけれども、この事実というのはやはり私は看過できないんではないかなと。こういう方法があるとするならば、やはりこういった方法に転換していくことが極めて重要でないかなと。硼酸というのは極めて無害性が高い薬物でありますので、是非こういった面も考慮して、なるべく殺虫剤という、人間にも害を与えかねないということについては予防的な原則も含めて対応することが私は望ましいんではないかなと、このように考えておりますけれども、国土交通省、この辺についてはどうでしょうか。
#156
○政府参考人(佐々木基君) 今先生御指摘のとおり、我が国におきましては、硼酸系につきましては極めて使用実績が低い、ネオニコチノイド系の殺虫剤の使用が極めて高いという状況にあるわけでございます。
 この建築に係る、特にシロアリに係る使用制限でございますけれども、これまでも、人の健康を損なうおそれがあるシロアリ防除の薬剤につきましては、例えば昭和六十一年にクロルデン類がいわゆる化審法の特定化学物質として指定されまして使用を制限された際に、その旨地方公共団体に周知を徹底いたしましたし、また、例のシックハウスの件で、クロルピリホスという薬剤につきまして平成十五年七月一日より建築材料への添加を禁止すると、そういう措置を講じているわけでございます。
 このように、健康への有害な影響が科学的知見に基づきまして判明した場合には必要な規制を行ってきたところでございまして、ネオニコチノイド系殺虫剤につきましてこうした健康への有害な影響が判明した場合には、関係省庁とも連携を取りながら適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#157
○加藤修一君 硼酸のこの処理方法については、これはシロアリ駆除の関係の協会がありますよね、そこでは対象にしていないようですけれども、これはどういう理由なんでしょうね。北米に住んでいるシロアリとこちらに住んでいるシロアリ、多少違いは当然あると思いますけれども、基本的には同じような行動をすると私は思っておりますけれども、向こうで主流であって、しかもかなり無害ということを考えてまいりますと、できるだけ無害のものを使うべきだと私は考えますけれども、それが対象になっていない理由は何でしょう。
#158
○政府参考人(佐々木基君) つまびらかにお答えできる状況ではございませんけれども、硼酸性のものにつきましては、特に水溶性ということもありまして、いわゆる殺虫剤としての効きという点におきましてネオニコチノイド系殺虫剤の方が有効だというふうに業者の方で判断したのではないかというふうに聞いておるところでございます。
#159
○加藤修一君 時間が来ましたから質問をやめますけれども、効き目がないような言い方しましたけれども、効き目がないようなやつは北米で十分定着しているような状況にはなりませんよ。それは効果があるから使っているわけでありまして、もう少ししっかり調査、勉強していただきたいと、そのことを申し上げまして、質問を終わります。
#160
○市田忠義君 私は、二〇〇七年の十月二十三日の当委員会で、製紙会社で起きた大気汚染などの排出基準違反あるいはデータ改ざん問題について質問をしました。日本製紙連合会の会長が、ああいうデータ改ざんなんかはどこでもやっているんだと平然と開き直っている実態を示しながら、企業の自主的努力に依存しているだけでは防止できないと、法令にデータ改ざんの罰則を設けるなど、現行の不十分な法令の見直しを行って人の健康や生活環境を守っていくべきだと、そうただしました。また、二〇〇八年三月の委員会でも罰則の検討について求めました。
 今回、ようやく測定データの未記録や改ざんに対して罰則規定などが設けられたと、これは一歩前進だというふうに思います。
 しかし、あれだけ騒がれたのに、私が委員会で取り上げた以降もデータ改ざんなどが後を絶ちません。今年の一月、三菱化学四日市事業所で工場排水の汚水値改ざんが起こりました。
 そこでまず、この三菱化学四日市事業所の事件について伺います。
 私、現地に赴きまして、三菱化学四日市事業所と、その子会社の分析会社三菱化学アナリテック、そして四日市市当局から話を聞いてきました。確認したいんですが、この事件は、子会社の人からの内部告発により明らかになった、事業所の工場排水検査データが国や県の基準値を超える数値だったが、分析を委託している子会社、これは三菱化学が一〇〇%出資している子会社ですが、これに対してデータの数値を基準以内にするように指示し、改ざんしたと。間違いありませんか。
#161
○政府参考人(鷺坂長美君) 今回の三菱化学の件につきましては、議員御指摘のとおり、子会社の内部告発により発覚したと承知しております。
#162
○市田忠義君 大臣にお伺いしますが、この企業は改ざんのやり方が大変悪質なんです。親会社が分析会社に基準値を超えた測定データを基準値に適合した別の日のものに置き換えさせたり、偽装してデータなしとさせたり、再測定させて最初のデータは削除をさせたりしていると。環境への排出量などを把握して届け出るPRTRも事業者の自主的な管理が前提になった制度ですが、このデータに偽りがあれば信頼性が揺らいでしまうわけで、今回の事案はこういう制度の根底を揺るがしかねない私は大問題だと思うんですが、大臣の認識はいかがでしょうか。
#163
○国務大臣(小沢鋭仁君) いや、本当にそうした不正はあり得ないことで、今、市田委員の方からその手法に関しても御披露がありましたけれども、今回の改正は、罰則の強化を含めてそういったものに対応するためのものでありますけれども、そうした手の込んだいわゆる手口等々も今後しっかり検討して、法の運用の過程で対応も考えていかなければいけないと、そう感じていたところでございます。
#164
○市田忠義君 身内が身内を検査するということになれば、これは甘くなって、ごまかすことは容易で不正も起きやすいと思うんです。
 これらを監視する地方自治体の対応にも私は問題が多いというふうに思います。一月二十二日に県や市は立入検査を行いました。にもかかわらず、その後の社内調査で、二月の十二日、二月二十二日に新たな改ざんがあったことが分かりました。立入検査に入って見抜けなかった県や市の責任は重いんですが、国は大気についても水質についても立入検査マニュアル策定の手引を作成しています。
 四日市市に伺いましたら、三菱化学側には超過した元データはなく、分析会社側にしか元データはないと。今回は内部告発があったから分かったものの、こんな状況を放置したまま法改正されたとしても不正は見抜けないと四日市市当局はそう言っていました。
 検査で元データと報告書のデータがチェックできるように事業所に元データを置くようにするべきだというふうに思いますが、環境省、いかがですか。
#165
○政府参考人(鷺坂長美君) 今回、記録の保存、こういったことを考えているわけでございまして、そういった記録保存の一環といたしまして、元データ、原簿、こういったものも保存の対象にしていきたいと考えております。
#166
○市田忠義君 これ、やっぱり見抜けなかったのは、本来事業者にある元データが子会社にしかなくてチェックができなかったということに大きな要因がありました。だから、証明書などだけではなくて、元データを添付するか、子会社にも立入検査ができるようにする必要があるというふうに思います。
 そこで環境省にお伺いしますが、測定や記録が適正に実施されているということは大前提だと思うんですが、それだけに自分の会社や子会社などだけにサンプルの採取や分析を任せるのではなくて、公平中立な公的機関、第三者機関が行うようにすべきだというふうに思いますが、その点はいかがでしょう。
#167
○政府参考人(鷺坂長美君) 現在の大気汚染防止法も水質汚濁防止法も、基本的にはそれぞれ排出基準を守ると、そのために各事業者においてそのデータを測定をいたしまして、それを保存すると、こういう構造になっております。
 そういった中で、企業の方から例えば委託業者に測定を委託するというような例もあろうというふうに聞いておりますけれども、そういったものがきちっとされるように、今回の法改正におきまして、記録の保存、そして先ほど申し上げましたけれども元データの保存、こういったことをきちっと対応していきたいと、そして、そういったものを対応していただくことによって地方公共団体が事業者の方に立入検査したときにはきちっとチェックできる、こういった体制を取るように努めていきたいと考えております。
#168
○市田忠義君 私、ちょっと認識が甘いと思うんです。やっぱり要は、データの信頼性、信憑性を確保するために公平中立な公的機関でクロスチェックをして、不正をなくすことが大事だと思うんです。
 大臣にちょっとこういう事例を紹介して認識を聞きたいと思うんですけれども、二月五日にこういうことが起きました。四日市市が三菱化学四日市事業所へ指導強化を発表した直後、事業者を指導する市の環境部長や市職員八人が四日市事業所の担当者らと飲酒を伴う懇親会に同席していたと。市職員倫理規程では利害関係者との会食は禁止をされています。二月十日付けの中日新聞を見てみますと、市長はこう言っているんです。タイミングが非常に悪かったと、誤解を招き申し訳ないと、今後の在り方は見直しを含めて検討したい、市職員倫理規程にかかわっては現時点で判断しかねる、状況を精査した上で対応を考えたいと。
 タイミングが悪かったというのんびりしたことを言っているわけですけれども、こんなことがあっていいのかと私は思いました。市民感覚とは非常にずれがあると。これでは行政と企業の癒着があると見られても仕方がないと思うんですが、こういうことを許していいのかと。
 大臣、こういう事態についてどのようにお考えでしょう。
#169
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほどの質問の中でも、いわゆる見抜いていくためにはある意味では日ごろからのコミュニケーションも必要だと、そういう話もありました。ですから、そういった意味における工夫は必要な部分もあるんでしょうが、飲食を伴う話が、ましてやそういった市の職員の倫理規程にそういったものはあってはならないと、そういう規程がある上にそういうことが行われるということはあってはならない、そういうことだと思います。言語道断だと思います。
#170
○市田忠義君 本当に私も言語道断だと思います。こんなことでは、環境保全に対する意識が希薄な企業に自治体が環境保全とコンプライアンスを遵守させるということなどは到底できないと。
 私、もう一つ、神戸製鋼所の加古川製鉄所とそれを管轄をしている兵庫県、それと加古川市に出向いて話を聞いてきました。
 神戸製鋼所の加古川製鉄所で、これは五年前だと思いますが、測定データの未報告、データの改ざん問題が起きました。これは製鉄所内の設備事故、火災などが多発したために、経済産業省の原子力安全・保安院から厳重注意と再発防止の徹底などを求められて、それがきっかけで事件が明らかになったと。これ、間違いありませんか。
#171
○政府参考人(鷺坂長美君) 経済産業省の方から厳重注意と事故の再発防止対策について指示を受け、そして加古川製鉄所がその再点検を実施して、そこで排出基準超過、測定データの不適切な取扱い等が発覚したと承知しております。
#172
○市田忠義君 神戸製鋼所の報告書を私読みましたら、ここの加古川製鉄所は、測定器のペンを浮かせてチャート記録を中断、チャート記録の書換えなどをやったと。それだけではありません。記録紙の張り替え、校正モード切替え、再測定値採用、コンピューターの書換え、果てはプログラム改造。ありとあらゆる悪質な手法で測定データの隠ぺい、改ざん、捏造をしかもこれ三十年近くやってきたと。驚くべき事態であります。
 環境省にお伺いしますが、三十年も前からこういう不正が行われてきたと。その間、県や市は公害防止協定も結んで立入検査も行ってきました。にもかかわらず違反を見抜けていないと。要因がどこにあると国としては把握しておられるでしょうか。
#173
○政府参考人(鷺坂長美君) 今委員も御指摘ありましたけれども、改ざん等が非常に巧妙を極め、当該事業所内に存在する原簿そのものが改ざんされていると、こういうような状況でございますと、なかなか地方公共団体の職員、立入検査しても、見抜くということは困難を伴うものと承知をしております。
 しかしながら、ただ、今後ということになりますけれども、事業者への立入検査時に記録の原簿等を確実に、的確に行い、そして、例えばですが、不自然な数値が並んでいると、こういったような改ざんの発見の端緒をつかむというような、ベテラン職員であればそういったようなこともあろうかということを期待しているところでございます。
#174
○市田忠義君 巧妙な手口でなかなか見抜けなかったということですが、大臣にお伺いしますが、この認識で結構です。
 管理職も了解して三十年近くこういうことが行われてきたということを考えますと、本当に悪質極まりない会社ぐるみの不正だということが浮き彫りになってきていると思うんですが、神戸製鋼所がこういう不正を行ってきたことについて、大臣、どうお考えでしょう。
#175
○国務大臣(小沢鋭仁君) ちょっと今具体的な事例を細かく承知しておりませんでして、今、市田委員から話を聞いて、ううむと、こううなって聞いていたわけでありますが、三十年と、こういう話、なおかつ管理職も了解をして会社ぐるみと、こういう話は、大変不勉強で申し訳ありませんが、私の想像をはるかに超える大変な事件だったんだなと、こう思いますし、ましてや、そういう話がもしかしたらほかにも発見されないであるかもしれないと、こういうことも考えれば、今回の改正またきっかけに、本当にこの対応をしっかりやっていかなければいけないなと、こうも思っています。
 ただ、鷺坂局長が答弁もしたように、巧妙な手口になっている中で、どういうふうにやったらいいのかということは、ただ頑張りますという精神論だけではなくて、相当やはりこちら側も知恵を使ってやっぱり工夫をしていかないといけないと、こういうふうに思って聞かせていただきました。
#176
○市田忠義君 分厚い神戸製鋼所からの報告書もありますから、是非、どんな手口でやってきたかというのはよく読んでおいていただきたいと思います。
 この事件が起きて、兵庫県、加古川市と神戸製鋼所は、従来の公害防止協定を全面的に見直して、環境保全協定を策定しました。具体的には、排出基準の超過などの違反、虚偽報告があれば市や県が勧告なしに操業短縮や停止を指示できる、また住民代表が参加する環境保全協議会を設けて必要に応じて立入調査もできる、このほか、情報の公開の拡大、地域への説明会の開催などを盛り込んで、対策後の実施状況も報告、公表されるということになりました。国も今回の法改正で改善命令や一時停止、罰則の適用などを盛り込まれたわけですが、これは環境省、お伺いします。
 これによって、今後このようなことは起きないというふうにお考えでしょうか。
#177
○政府参考人(鷺坂長美君) いずれにいたしましても、実際に公害防止管理者の方、それからあと担当の方がそういった排出基準超過のデータを見たときにすぐに社内で報告できると。以前、罰則がない時代におきましては、それは単なる、何といいますか、義務規定ではございますけれども、そういった規定にすぎなかったと。今回は罰則を付けるということで、すぐに個人の方も報告したりとかそういうようなことでかなりの抑止力になるのではないかと期待しております。
#178
○市田忠義君 まあ一定の抑止力になるというお話でした。
 同時に、こういう問題もあります。これは別の委員からも質問がありましたが、地方自治体は行財政改革の中で人員も予算も削られて、経験豊富な公害防止担当者も退職して、公害防止管理体制というのは今は弱体化しています。これは環境省自身が二〇〇七年度に行ったアンケート、これを読んでみますと、職員数が減った上、業務は増えていると、そういう自治体職員の過酷な現状がうかがえます。国民の健康と安全、環境を保全するためにも地方自治体が効果的な公害防止対策を取れるように国は適切な支援をやるべきじゃないかと。別の委員の先ほどの質問では、人数を増やすことはできない、それは自治体が考えることだ、まずは質を高めることだと。
 これは命や健康にかかわることなんで、特に一般論じゃなくて、私、これは答えてほしいと思うんですが、環境省が委託して今年三月に作成された報告書を見てみますと、地方環境研究所についてこういうふうに規定しています。地域住民の安全、安心を科学的側面から保障する機関だと、こう自ら述べておられるわけですが、市民の健康と安全を守るためには地方環境研究所を維持強化するために国としての支援を検討すべきじゃないかと。ただ質の向上とだけ言っていないで、かつ地方自治体任せにしないで、そういう方向に乗り出すべきじゃないかと。いかがでしょう。
#179
○国務大臣(小沢鋭仁君) 地方環境研究所の重要性に関しましては、まさに今、市田委員がおっしゃったような認識を環境省として持って表明をしているところであります。
 ただ、人員の増員とか、環境省として、いわゆる国として一定のいわゆる支援はできないのかと、こういうことも含めてでありますが、結論から申し上げますと、現時点で具体的な方策を考えておるわけではありませんが、また内閣の中で協議をしたいと、こういうふうに思います。
 ただ、一方で、いわゆる地方主権の推進、こういう話を言い、同時に、できれば、御案内のとおり、地方支分部局も鳩山政権の基本方針は原則廃止と、こういう話の中で進めているところもございます。ですから、その分、いわゆる財源措置、税財源を含めてしっかりと一括でお渡ししたいとこう思っておるんでございますが、そういった方針もある中で、国と地方の役割を含めてよく内閣で協議をしたいと思います。
#180
○市田忠義君 これが地方主権だとすれば、国の責任の放棄だと私は率直に指摘しておきたいと思います。
 時間が来ましたので、あと一問だけ。
 先ほど紹介した三菱化学の四日市事業所、これは、有害物質が事業所の外へ出るのは食い止めろと口酸っぱく言いながら実際にはそういう体制になっていなかったと。神戸製鋼所もこう言っているんですね。違法性は認識していた、しかし環境保全よりも操業を優先してしまったと、なかなか正直だと思うんですけれども、報告書の中でそう述べています。
 こういう環境より企業の利益を優先させて、私は企業ですから利潤を追求するのは当然だと思うんです、それは否定しません。しかし、人間の命や健康にかかわるような問題を無視して利潤追求第一主義になると、これはやっぱり許されないし、一定の規制とそういうことをやめさせるという国の指導が必要だと思いますが、この点についての大臣の認識を伺って、質問を終わります。
#181
○国務大臣(小沢鋭仁君) やっぱり環境に対する意識をどれだけ高めていくかということが重要だろうと、こういうふうに思います。ですから、そのためには、まず環境の問題の様々な、これは温暖化もそうでありますし、この問題の水や大気、土壌の問題もそうでありますけれども、そういった問題をもっとクローズアップして、しっかりとまず国民の皆さん方にお知らせをしなければいけない。
 さらにはまた、いわゆる地方の人員を何人採用するか等々までは国はなかなか指図はできないと、こう思いますけれども、いわゆる地方に国が出向いていっていろんな例えばシンポジウムを行うとか、あるいはまた企業とそれから住民の間に立って、とにかく地域ぐるみでいろんな環境の取組をしていくことの支援だとか、そういったことは国がやってもおかしくないんだろうと、こう思いますので、そういった意味で、環境問題に対する意識を高め、それに対する行動のアクションを起こせるようなそういったきっかけをしっかりやっていかなければいけないと、こういうふうに思います。
#182
○市田忠義君 終わります。
    ─────────────
#183
○委員長(山谷えり子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松野信夫さんが委員を辞任され、その補欠として米長晴信さんが選任されました。
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#184
○川田龍平君 環境基準は、環境基本法において、「常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされなければならない。」とされており、排出基準についても必要に応じた改定が求められます。特に水質汚濁に係る環境基準の健康項目については、未然防止の観点からは十分な目標となっていないとの懸念が指摘されています。命を守るという観点からも環境基準の適切な見直しは重要な課題だと考えますが、見解を伺いたいと思います。
#185
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、環境基準は環境政策の最も基本であるというふうな認識でおります。
 水質汚濁に係る環境基準の健康項目の見直しに当たりましては、各項目の毒性情報等の知見及び水環境中での検出状況、生産、使用等の実態を踏まえ各項目の取扱いを判断しているところでございます。今継続的に中央環境審議会で審議を行っておるところでございまして、先般も1・4ジオキサンなどの環境基準を追加したという状況でございます。
 今後も、引き続き必要な知見の収集と蓄積、さらには項目の見直し等の検討を行い、適宜環境基準の見直しを行ってまいりたいというふうに考えております。
#186
○川田龍平君 この昨年の十二月に出されました、今後の水環境保全に関する検討会で、今後の水環境保全の在り方についての中間取りまとめが出されました。水環境保全について、健康項目については未然防止の観点から十分な目標となっていないと懸念されているんですから、今後もやはりこの環境基準の見直しをきちんとしていっていただきたいと思います。
 水質汚濁防止法第三条の第一項では、排水基準は、排出水の汚染状態について環境省令で定めるとされており、汚染状態の後の括弧書きで、熱によるものを含むとされています。
 排出水の熱による汚染状態についての排水基準、すなわち温排水についての排水基準は昭和五十年ごろに検討されましたが、いまだに導入されていません。昭和四十五年の十二月十日の衆議院商工委員会における水質汚濁防止法案に対する附帯決議では、「熱による排出水の汚染に関する排水基準をすみやかに定めるよう努めること。」とされていますが、当時の検討状況と導入に至らなかった理由について伺いたいと思います。
#187
○政府参考人(伊藤哲夫君) 温排水の問題にかかわる排水基準の検討でございますが、これは御指摘のとおり、国会での決議も受けて、環境省では様々、当時はまだ環境庁でございますけれども、様々な検討が行われました。また、昭和五十年には、当時、中央公害対策審議会の場においてもいろいろ御検討をいただいたわけでございます。そういった検討の中で、公共用水域におきましては、地域によって水温や海流が違う、あるいは生息する生物等が異なると、こういったことから、全国一律の温排水に係る排水基準を設定するというのはいろいろな課題があるということで、現在までのところ設定されていないという状況でございます。
 なお、御承知のとおり、発電所からの温排水につきましては、環境影響評価手続を通じまして、事業実施区域及びその周辺への環境影響の調査、予測、評価が行われており、環境影響の回避、低減が図られているというふうに認識しているところでございます。
#188
○川田龍平君 昭和五十三年六月二日の参議院の科学技術振興対策特別委員会における原子力基本法改正案の審査では、昭和四十五年の附帯決議から七年半が経過していまだに基準が確定していないということはこの決議との関係でも非常に重大だというふうに、この五十三年の参議院で指摘されています。
 当時の環境庁の水質保全局の水質規制課長は、早期に排水基準が決定できるよう努力してまいりたいと答弁していますが、この努力はやめてしまったと理解してよろしいんでしょうか。
#189
○政府参考人(伊藤哲夫君) 五十年の中央公害対策審議会の取りまとめも受けまして、それ以降、いろんな検討は続けているということでございますが、全国の一律規制を導入するには克服すべき課題がまだまだ残されている、こういう状況だというふうに認識しております。
#190
○川田龍平君 何度も質問をしています山口県の上関原発の建設予定地周辺の海域では、温排水による生態系への影響が懸念されています。生態系への影響を考慮した排水基準については例がないわけではなく、平成十五年の十一月に水生生物保全の観点から全亜鉛についての環境基準が設定されたことを受けて、平成十八年十一月に亜鉛含有量にかかわる排水基準が強化されています。
 水生生物保全の観点から規制するため、この温排水についても排水基準を作るべきだと考えますが、見解をお伺いします。
#191
○副大臣(田島一成君) 御指摘をいただいております温排水の排出基準につきまして、上関原発でのこの周辺海域から生態系への影響が懸念する声は私どもの方にもちょうだいをしているところでもございます。ただ、全国一律に温排水の排出基準を設定するといいますと、それこそ海流でありますとか、その地域の生態系、また生息する生物の状況等々もなかなか一概に同じような一つの基準というものを当てはめることが適当かどうかという点についてはまだまだ課題が実はあろうかというふうに思います。
 問題の認識は持ち合わせてはおりますものの、なかなか全国一律という点については困難ではないかというふうに考えているところでございます。
#192
○川田龍平君 この排水基準にかかわる条文にわざわざ「汚染状態(熱によるものを含む。」と明記してあることで、昭和四十五年の附帯決議もあり、昭和五十三年の委員会での議論もありながら、今日に至っても排水基準が策定されておらず、四十年もの間掛かっているわけです。一体何をしてきたのかということですので、環境アセス法も十年前に制定されたわけで、それまで三十年もあったわけです。
 しかも、四月十三日の環境アセス改正の委員会での市田委員や私の質問に対する答弁でも、この温排水の影響についてきちんと取り組むという姿勢が見られなかったところもあって、是非この温排水についての排水基準策定を政治主導で早急に実現してほしいと考えますが、大臣の決意を伺いたいと思います。
#193
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今、田島副大臣からも答弁をさせていただきましたように、全国一律での基準作りというのはなかなか困難だなと、こういうふうな認識は持っておるわけでありますが、川田委員がおっしゃるように、どういったまず被害が出ているのか、あるいは懸念をされているのか、それを徹底的に調査をさせていただいて、そして、その必要が認められるということであれば最大限の努力で基準作りに励んでまいりたいと、こう思います。
#194
○川田龍平君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、地下水の問題に移ります。
 地下水は、飲用や農業用など広く利用されており、いったん汚染されるとその回復が困難であるため、この汚染を未然に防止する必要があります。水質汚濁防止法でも、特定地下浸透水の浸透の制限や地下水の水質の浄化に係る措置命令などが規定されていますが、この地下水汚染はいまだに発生しています。こうした汚染事例の原因を究明して地下水汚染の未然防止を図るべきだと考えますが、今後の方針を伺います。
#195
○大臣政務官(大谷信盛君) もう委員おっしゃるとおりでございまして、自治体通じての調査なんかいたしますと、いまだに続いております工場、事業場、これ何で起きたのかをおっしゃるとおり原因を究明し、それを当てはめることで制度的に未然防止ができるようなものを是非考えていきたいと考えております。
#196
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。
 水に関する国連ミレニアム開発目標では、二〇一五年までに安全な飲料水及び衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減するとされています。この目標達成のため世界の水問題解決に積極的に貢献する必要があり、特に中国を始めとするアジア地域の水環境の改善のための取組が重要だと考えますが、方針を伺います。
#197
○大臣政務官(大谷信盛君) これもありがとうございます。
 水、大事だということで、大臣から指示をいただきまして、環境省の中にも水全体の政策を考える水環境戦略タスクフォースというのを立ち上げて、今鋭意議論を重ねておるところでございます。
 具体的なアジアに向けての取組でいいますと、水質汚染をなくしていくための技術やノウハウみたいなものを、排水処理施設にかかわるようなことを伝授し、向こうのお金で新しいものを五か所今設置される予定となっております。
 それから、あと水のことで言うならば、環境経済成長ビジョンにおいては、環境省は水ビジネスということを一つ柱を挙げてお訴えをさせていただいておるのと、それから今後の水環境保全の在り方の検討会でも水の政策にかかわる取組をしっかりとしていくんだということで、どんなことが環境省、そして政権としてできるのか、議論させていただいているところでございます。
#198
○川田龍平君 東南アジアの政府の間でのネットワークをつくってこの水のガバナンスについても取り組んでおられるかと思いますが、そういった国際的な水環境の保全のためにも是非日本がリーダーシップを発揮して、イニシアチブを発揮してやっていただきたいと思います。
 そして、次に環境省にお伺いしますが、PM二・五の環境基準設定と規制の在り方について、昨年九月にこのPM二・五の環境基準を設定し、今後モニタリング体制の整備及び対策の実施に向けた検討を行うとしています。特に削減対策の在り方の検討については、平成二十二年度から新たに行うとしておりますが、対応が少し遅いのではないかと考えています。環境省は、PM二・五の規制が多少遅れてもPM一〇の既存の規制で間に合うという認識なのでしょうか。
 今後検討される規制内容について、どのような削減対策があり得るのか。PM一〇についてはこの大気汚染防止法の単体規制、自動車のNOx・PM法の車種規制や交通量対策が行われていますが、PM二・五についても同様の規制が行われると考えてよいのでしょうか。
#199
○副大臣(田島一成君) 微小粒子状物質、今御指摘いただきましたPM二・五の対策につきましては、まずは大気汚染の状況をしっかりと把握をしていくためにまず全国的な監視体制、測定体制の整備が必要だというふうに考えておりまして、今年度から三年間を目途といたしまして整備が図られるように今取り組んでいるところでございます。
 また、このPM二・五の発生源につきましては、工場や自動車といった人的起源だけではなくて、土壌でありますとか火山などのこの自然起源など非常に多岐にわたっておりまして、また大気中にあっても化学反応等々を起こして発生するでありますとか、また大気中のその動き、挙動についても非常に複雑な状況にありまして、まだまだ解明が十分にいっているかと言えば十分ではないと言わざるを得ない、そんな状況にあります。
 それだけにこの科学的な知見の集積をしっかりと図っていくということと、これまで実施をしてまいりました粒子状物質全体の削減対策を着実に進めるとともに、PM二・五については、大気汚染状況の把握、そして科学的知見の集積によりましてまずはこの汚染メカニズムの解明にしっかりと努めていかなければならないと考えております。それだけに専門家の皆さんの意見も伺いながら、より効果的な対策が取れるように検討を進めていきたいと思います。
#200
○川田龍平君 これは具体的にはいつごろまでにとお考えでしょうか。ちょっと追加で済みません、いつごろまでに。
#201
○副大臣(田島一成君) モニタリングにつきましては三年後、三年間で実施をしてまいりたいと思いますけれども、こちらのメカニズムにつきましてはなかなか科学的な知見が集積十分だという状況にはございません。できる限り、いつまでとはなかなか申し上げられないのが申し訳ないんですけれども、しっかりとスピードを上げて対応できるように頑張りたいと思います。
#202
○川田龍平君 ありがとうございます。
 大気に排出される有害気体には超微小揮発性有機化合物が含まれていることは明らかです。それらによって健康被害があるかどうか当初は分からない場合もあると思いますが、この未然防止の観点から揮発性有機化合物、VOCについては罰則を含めた規制が必要だと考えますが、見解を伺います。
#203
○政府参考人(鷺坂長美君) 揮発性有機化合物、VOC対策でございます。
 VOC対策ということで、VOCの排出量が多い施設につきましては、法に基づく排出規制、それから事業者の創意工夫による自主的取組との組合せと、こういう枠組みで対策は進んでいるところでございまして、ばい煙等の規制の体系とは異なっているということでございます。
 これは、VOC対策といたしましては、排出基準が適用される排出口だけからの発生だけではなくて、排出口以外からの発生源の排出、こういったものがかなりあるわけでございまして、こういった排出口及び排出口以外の発生、こういったところを総合的に取り組む必要があるということで、実際規制の体系も、排出口の基準違反につきましても、ばい煙のように直罰ではなくて改善命令に違反した場合に罰則が適用と、こういう方式を採用しているところでございます。
 それと、あと、またもう一つ申し上げますと、このVOC対策、平成二十二年度までに平成十二年度と比較して三割減ということでやってきておりますが、平成十九年度末の量は二三%削減を達成してきておりますので、現行、直ちに直罰規定とか、あるいはそういった罰則の強化が必要な状況ではないのではないかなというふうに考えております。
#204
○川田龍平君 次に、アスベストの除去工事における監督強化と罰則強化についてお尋ねします。
 三月三十日の衆議院環境委員会において、田島副大臣は江田委員のアスベスト規制についての質疑に対し答弁されています。
 その中で、アスベストを建築物から除去する際に大気汚染防止法に基づいて事前に都道府県知事に届出をすることとしていますが、実際には届出をしないで除去している事例があります。工事期間中に労働基準監督署などが監督に来ることなどはほとんどないからです。届出をしなかった場合や虚偽の届出をした際の罰則はあっても、監督強化がなされなければ罰則は名ばかりのものと化してしまうのではないでしょうか。
 また、アスベストを含む廃棄物については厳密な基準の遵守を求めていると答弁されています。しかし、アスベスト除去と周辺環境との乖離、集じん機の設置、防じんマスク、作業着などの着用など作業基準が設けられているものの、作業基準の遵守義務違反に直罰がありません。答弁では命令違反などに対する罰則も規定しているとしていますが、手抜き作業を監督者が発見した場合は罰則がなく、そこから知事の作業改善命令がなされ、それに違反した場合に罰則となるというワンクッションがあり、罰則規定が機能していないのではないかということがありますが、いかがでしょうか。
#205
○副大臣(田島一成君) これまでのアスベストの解体業者、そしてまた自治体の職員等に対しての取組といたしましては、全国の主要都市、まだまだすべての自治体でという、都道府県でというところまではいっていないんですけれども、石綿飛散防止セミナー等々を開催する、また適正な届出をきちっと促していくためのパンフレットを製作し配布をするなどの、法令遵守にのっとったような形での万全の対策が取られてきたというふうに私は認識をしております。
 今御指摘をいただきました届出義務違反につきましては、平成二十年度のデータでございますけれども、地方公共団体によっては、東京都で一件の告発が行われたところでもありまして、今後も引き続き自治体とは連携をさせていただきながら、法令遵守の徹底など、大気汚染防止法に基づいた適正な措置が講じられるように事業者に対して指導はしていきたいと考えているところであります。
 また、作業基準の遵守義務違反につきましては、過去五年間、平成十六年から平成二十年度の五年間において、作業基準適合命令の件数は十二件ございましたけれども、適合命令違反による告発の事例というものはゼロ件でございまして、一定必要な改善が行われているというふうに認識をしております。したがいまして、直罰は現段階では不要ではないかというふうに認識をしております。
#206
○川田龍平君 是非このアスベストの問題についても、やはりこの最初の段階で結局ちゃんとした届出がされないで行われてしまった場合には本当に防ぎようがない被害が起きてしまうという可能性もありますので、是非この点について、アスベストの問題について、更なる規制の方をしっかりやっていただきたいというふうに思っています。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。終わります。
#207
○委員長(山谷えり子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#208
○委員長(山谷えり子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、有村さんから発言を求められておりますので、これを許します。有村治子さん。
#209
○有村治子君 私は、ただいま可決されました大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・改革クラブ、公明党、日本共産党及び新党改革の各派並びに各派に属しない議員川田龍平さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、測定記録の改ざん等を防止し、排出基準の遵守を徹底させるためには、地方公共団体職員による効果的な立入検査の実施が求められることから、事業者に対する適切な検査や指導が行われるよう、地方公共団体職員への充実した研修の実施等、体制整備の支援に努めること。
 二、公害防止の自主的取組が事業者の責務として積極的に行われるよう、公害防止管理者制度の充実・活用や事業者への普及啓発等を行うとともに、事業者による測定データの公表・開示の推進を図ること。また、小規模事業場等も含め、事業者の自主的取組を促進するため、税制の優遇措置の拡充等、インセンティブを与える仕組みの導入や必要な支援策を検討すること。
 三、水質汚濁防止法の指定物質については、人の健康や生活環境に係る被害の未然防止の観点から、幅広く指定するとともに、科学的知見を踏まえ、適宜、必要な見直しを行うこと。また、近年、水質事故件数が増加傾向にあることから、事業者による事故の原因究明や再発防止について、適切な指導が行われるよう努めるとともに、事故そのものの減少を図るため、効果的な未然防止対策の在り方を検討すること。
 四、大気汚染防止法における揮発性有機化合物や特定粉じんの濃度の測定記録義務違反に対する罰則についても、今後の光化学オキシダント対策の進ちょく状況等を踏まえ、必要に応じて検討を行うこと。また、ダイオキシン類対策特別措置法における測定結果の改ざん等についても、罰則の必要性を検討すること。
 五、環境問題が多様化する中で、公害問題に対する危機意識を希薄化させることなく、越境大気汚染対策や地下水汚染対策等、大気環境や水環境における諸課題について、今後も着実に対応を進めること。また、水行政の在り方について、総合的に検討すること。
 六、蜂群崩壊症候群との関連性が指摘されている農薬については、残留農薬対策のみでなく、水質汚濁等による人の健康や動植物への影響を防止することも重要であり、人への健康影響や生態系への影響などに関する調査研究を進め、その結果を踏まえ、適切な対策を行うこと。
 七、環境基準は、常に適切な科学的判断が加えられ、必要な改定がなされるべきものであり、排出基準とともに、子どもへの健康影響等も十分に考慮し、対象の追加や数値の見直しを適切に行うこと。また、有害大気汚染物質や要監視項目等についても、対象の追加や更なる環境基準の設定等の積極的取組を推進すること。さらに、個別の環境媒体ごとの規制のみでなく、環境総体としての統合的な環境管理の在り方を検討すること。
 八、本年が国連の国際生物多様性年であること、また、我が国が生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)の議長国であることにかんがみ、生物多様性の確保のために生態系保全に係る環境基準の策定に向けて関係法制等についても検討を行い、その結果を踏まえ、適切な対策を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#210
○委員長(山谷えり子君) ただいま有村さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(山谷えり子君) 全会一致と認めます。よって、有村さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小沢環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小沢環境大臣。
#212
○国務大臣(小沢鋭仁君) ただいま御決定いただいた附帯決議の御趣旨を踏まえ、政府として適切に対応してまいります。
#213
○委員長(山谷えり子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#215
○委員長(山谷えり子君) 次に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小沢環境大臣。
#216
○国務大臣(小沢鋭仁君) ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律につきましては、これまで不適正処理対策を内容とする規制の強化を行ってきたところですが、巧妙かつ悪質な不適正処理は依然として後を絶たず、また、廃棄物処理に対する不信感から廃棄物処理施設の立地が進まないといった悪循環が依然として根強く残っております。一方で、廃棄物の再生利用が進んできているものの、排出抑制や焼却する際の熱回収は不十分な状況にあります。不適正処理の悪循環を早急に断ち切ることにより、廃棄物処理に対する国民の信頼を回復しつつ、長期的な廃棄物の適正処理体制を構築することは、循環型社会づくりを進める上で不可欠です。これらの課題に対処するため、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、廃棄物を排出する事業者による適正な処理を確保するための対策の強化についてであります。
 排出事業者による不適正保管を未然に防止するため、産業廃棄物を排出する事業者は、事業場の外において当該産業廃棄物の保管を行おうとするときは、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならないこととしております。また、不法投棄の件数で約七割、量では約九割を占める建設系廃棄物について、事業形態が重層化、複雑化し、処理責任の所在が不明確になっている建設業の実態にかんがみ、元請業者を一元的に排出事業者とすることとしております。
 第二に、廃棄物処理施設の維持管理対策の強化についてであります。
 廃棄物処理施設の適正な維持管理を確保し、施設に対する住民の信頼を醸成するため、廃棄物処理施設に対し、都道府県知事の定期検査、及び施設の維持管理情報についてインターネット等による公表を義務付けることとしております。また、許可を取り消された最終処分場について、その許可を取り消された者に対し引き続き維持管理を義務付けるとともに、当該維持管理を行う者及び維持管理の代執行を行った都道府県知事は、その最終処分場に係る維持管理積立金を取り戻すことができることとしております。
 第三に、不法投棄等に対する罰則の強化についてであります。
 不法投棄等の不適正処理の未然防止と被害の拡大防止を図るため、法人の従業員等が不法投棄等を行った場合の法人に対する罰則を三億円以下の罰金に引き上げるとともに、立入検査の対象を土地所有者その他の関係者、車両その他の場所にまで、措置命令の対象を基準に違反した収集運搬、保管にまで、それぞれ拡大することとしております。
 第四に、廃棄物処理業の優良化の推進についてであります。
 産業廃棄物処理業者の優良化を促進するため、その許可の更新期間について、許可を受けた者の事業の実施能力及び実績を勘案したものとすることができることとしております。また、廃棄物処理業等の許可の欠格要件について、廃棄物処理業者等が特に悪質な違反を犯して許可を取り消された場合を除き、その役員が役員を兼務する他の廃棄物処理業者等に許可の取消しが連鎖しないよう措置することとしております。
 第五に、適正な循環的利用の確保についてであります。
 廃棄物焼却時の熱利用を促進するため、廃棄物の焼却時に一定基準以上の熱回収を行う者についての認定制度を設けることとしております。また、発展途上国では適正処理が困難であるが我が国では処理可能な廃棄物の輸入を可能とするため、輸入をすることができる者に、国内で処理することに相当の理由があると認められる国外廃棄物を委託して処分しようとする者を追加することとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上であります。
#217
○委員長(山谷えり子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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