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2010/03/16 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 国土交通委員会 第2号
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2010/03/16 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 国土交通委員会 第2号

#1
第174回国会 国土交通委員会 第2号
平成二十二年三月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     水戸 将史君     植松恵美子君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     外山  斎君
     金子 洋一君     土田 博和君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     土田 博和君     金子 洋一君
     外山  斎君     植松恵美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         椎名 一保君
    理 事
                広田  一君
                室井 邦彦君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                草川 昭三君
    委 員
                植松恵美子君
                金子 洋一君
                川崎  稔君
                輿石  東君
                田名部匡省君
                土田 博和君
                外山  斎君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                藤本 祐司君
                山下八洲夫君
                米長 晴信君
                大江 康弘君
                荻原 健司君
                加治屋義人君
                小池 正勝君
                脇  雅史君
                西田 実仁君
                渕上 貞雄君
                長谷川大紋君
   国務大臣
       国土交通大臣   前原 誠司君
   副大臣
       経済産業副大臣  増子 輝彦君
       国土交通副大臣  辻元 清美君
       国土交通副大臣  馬淵 澄夫君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村 謙治君
       国土交通大臣政
       務官       長安  豊君
       国土交通大臣政
       務官       三日月大造君
       国土交通大臣政
       務官       藤本 祐司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        畠山  肇君
   政府参考人
       内閣法制局長官  梶田信一郎君
       国土交通省自動
       車交通局長    桝野 龍二君
       気象庁長官    櫻井 邦雄君
   参考人
       日本銀行理事   中曽  宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通行政の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、水戸将史君及び金子洋一君が委員を辞任され、補欠として外山斎君及び土田博和君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(椎名一保君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に内閣法制局長官梶田信一郎君、国土交通省自動車交通局長桝野龍二君及び気象庁長官櫻井邦雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(椎名一保君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行理事中曽宏君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(椎名一保君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○広田一君 民主党・新緑風会・国民新・日本の広田一でございます。
 前原大臣の所信に対しまして質疑をさせてもらいたいと思います。すべて答えやすい質問ばかりでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、高速道路の無料化社会実験についてお伺いをいたします。
 今回三十七区間、千六百二十六キロの路線の決定がなされました。これは本当に大変な作業だったというふうに思います。御苦労があったというふうに思いますので、心から敬意を表するところでございます。この無料化の社会実験につきましては、地域と経済の活性化というふうな視点から期待の声が高い一方で、懸念と不安の声もございます。対象区間の選定基準の中にもございますように、他の交通機関への影響というものがあるわけでございますが、このことを客観的に把握をすることは誠に重要なことでありますが、これまた一方で難しいことだろうと思います。
 昨今の各公共交通機関の減収などの影響の原因は、土日休日千円、この影響も当然あったというふうに思われますが、と同時に、景気の低迷であるとか新型インフルエンザの影響等々、こういったことも考慮しなければならないと思います。また、個々の会社の経営政策、こういった点もございますので、このようなことを勘案した上で無料化実験によってどうなるのかという予測をしていかなければならないわけです。
 そこでお伺いしますけれども、馬淵副大臣はこの前の私の質問に対しまして、昨年末までに各公共交通機関への影響を把握するという趣旨の御答弁をされておりますけれども、内航海運、鉄道、高速バス、航空などにつきまして、どのような資料と基準に基づいて影響の有無を判断をされたのか、お伺いをしたいと思います。
#9
○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 他の公共交通機関への影響というもの、これは現実には社会実験を行って把握すべきものと考えておりますが、今回その社会実験の区間選定に当たりましては、当然ながら現行の割引制度の中でどのような影響が起きているかということについて、これを詳細に検討させていただきました。現時点で、前政権から引き継いだ状況での割引概要というのは、御案内のように、時間帯割引あるいは大口・多頻度割引、マイレージ割引といったいわゆる会社の割引制度、さらには昨年利便増進事業によって設定されました割引として、いわゆる上限千円と呼ばれる時間帯割引、さらには割高区間の割引、大都市環状道路の割引等々、非常に複雑な割引体系になっております。
 こうした現状の割引の制度の中で、過年度にさかのぼって、先ほど委員が御指摘のように、公共交通機関、土日あるいは平日という区分も含めて詳細なデータの御提示をいただき、その上で、また一方で経済の動向、リーマン・ショック以降の厳しい景気低迷の中で、その景気による悪化というものも十分に踏まえながら、各モードにおいてのその影響を精査いたしました。その上で、公共交通機関に影響を与えるその懸念の少ない区間というものを選定させていただいた。しかし、それも制約としては予算として一千億円という規模が、これがございます。この一千億円という規模の中で、その制約の上で、ネットワークの状況などをかんがみながら設定をさせていただいたということでございます。
#10
○広田一君 副大臣、もう少し、例えばJRだったらJRにおいてどういったデータに基づいて、そして種々の事柄を総合的に判断をされて懸念の少ない区間を設定したということでありますので、例えばちょっと事例を挙げて、どのような検討されたのか、もう一度御説明を願いたいと思います。
#11
○副大臣(馬淵澄夫君) 具体的にということで言いますと、これはJR並びに私鉄各社、それぞれの高速道路に並行あるいは高速道路のネットワークを使って影響を及ぼすであろう路線、これらに対して土日の区分のあるものは当然ながら土日区分も含めて旅客数の実数、さらにはその変化というものもこれを詳細なデータとして御提示をいただきました。何分経営にかかわる資料でございますのでこれは開示できるものではございませんが、関係各局から鉄道、さらには航空、また内航航路といったものも含めてすべて御提示をいただき、その詳細なデータの中から我々としては把握をしてきたと、こういう経過でございます。
#12
○広田一君 どうもありがとうございます。
 御答弁の中にございました例えばJRとか私鉄の皆さん、旅客数の実績といったものが提示されたということでありますけれども、確かにこれは大事な数字だろうと思います。ですけれども、一方で、この期間において、特にゴールデンウイークとかシルバーウイーク等々においては各JRの皆さんも特別の割引制度等を導入いたしまして、旅客数についてはできるだけ減少しないような、そういった取組をされたんだろうと思います。しかしながら、結果としては収入は大きく減ったというふうなことも私もヒアリング等でお聞きをしているわけでございます。
 こういった観点に立った場合に、例えばJR旅客の六社につきましては、これも議論はあるということは承知の上なんですけれども、土日休日千円によって年間の減収額が二百五十億円に及ぶというふうに推計をされております。また、社会実験について申し上げれば、例えばJR四国ですと五億円の減収になるというふうな予測をされております。さらに、今回の無料化の社会実験に加えまして新たな上限制が巷間報道のとおり導入されますと、十九年度の鉄道運輸収入、JR四国の場合、二百六十億円と比較しまして二〇%減の二百八億円程度にまで落ち込むと想定をされております。こういうふうになりますと、列車本数の大幅な削減とか路線網の縮減とか利用者の利便性というものが大きく損なわれてしまうんじゃないか、職員の雇用にも大変な影響が出る、ひいては公共交通としての状況が本当に危ぶまれる危険性があるというふうなこともお伺いをいたしました。
 こういった事柄につきましては様々なルート等から政務三役の皆様方には御要望等で上がっているというふうに思いますけれども、こういった推計であるとか、またJR始めその他の公共交通機関が今持っていらっしゃる危機感について国土交通省としてどのような御認識を持たれているのか、お伺いをいたします。
#13
○大臣政務官(三日月大造君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、現在行われております高速道路料金施策の影響、そして今後行われることが予定されております料金施策から受けると想定される影響、様々な推計や、そして指摘が行われております。
 現在の高速道路料金割引の影響で、今、広田委員の方からもありましたけれども、現在受けている影響の想定が十月三十日に、これはJR各社から合同でありましたけれども、旅客六社の全体で年間約二百五十億円の減収、JR貨物においても年間約四十億円の減収が出るであろうという推計が国土交通省に届けられました。これは、鉄道から自動車への転移が約六・六%という想定で行われたものだと承知をしております。さらに、その中でもJR四国においては、二月二十二日、これはJR四国による会見でありますけれども、六月から実施が予定されております一部区間の無料化によって約五億円の減収が見込まれるという、そういう発表もなされております。さらに、三月の五日には、新しい料金制度による減収額の想定といたしまして、十月三十日に推計発表された減収額の約二倍、貨物においては二十億円の減収という額も、推計値ではありますけれども発表されたと承知をしております。
 いずれにしても、この高速道路の料金施策から受ける公共交通の影響、これについては六月から行われる新しい料金施策の中で、これ正負、プラスとマイナス両面あると思いますが、地域経済への効果、渋滞や環境への影響、他の公共交通機関への影響も含めて慎重にしっかりと小まめに把握をし、検証をすることを目的としてこの社会実験は行われるものですので、しっかりとこの把握と検証に努めてまいりたいというふうに考えております。
#14
○広田一君 どうもありがとうございます。
 今回の無料化の社会実験に伴って私自身が感じたことなんですけれども、今回の社会実験によって出る影響ができるだけ少ない路線を選んだというふうにおっしゃる国土交通省側と、深刻な影響が出るだろうというふうに言っておりますJRを始めとする他の公共交通機関とでは、残念ながら言っていることが百八十度違っているわけでございます。
 それではどうしてこういうことになってしまうのかというふうに思いますと、お互いが何をもって影響が出るのかという共通の判断基準を持っていないからじゃないかなと、共有していないからじゃないかなというふうに思うんですけれども、この点についての御見解をお伺いします。
#15
○副大臣(馬淵澄夫君) 先ほどの質問とも関連するかと思いますが、情報の御提示をいただき、そして詳細な分析を行いながら、当然ながらそのフィードバックをさせていただきました。各公共交通の各社さんとは、この現行の割引制度が始まる以前のデータも踏まえて、いわゆる経済トレンドや社会情勢の変化の中で旅客数の変化等々がどのように起こってきたかということについての、我々がこのような形で進めさせていただくということではなく、分析の結果としての御提示もさせていただいた。こうしたやり取りの中で、私どもとしては、最終的な判断は当然ながら国交省として、政府として行いますので、最終的な判断をさせていただいたということでございます。
 この、今委員が御指摘のように、共通の判断基準というものが必要ではないかということで、これは私もまさにそのようなものが、そういった形の基準というものが求められるというふうに考えておりますが、残念ながら、今後進めていく上においては、過去のデータにおいてはどうしてもこれはいささかの見解の差異は生じる。これは先ほど三日月政務官からも御説明ありましたように、各社さんが出されている試算というものについては、具体的なその減額の部分についての理論的根拠というものもお示しをしていただいておりません。
 こうした状況の中で、私どもとしては、まずはやはり社会実験で現実のそのデータから起き得るものというものをしっかりと確認をしながら、判断基準というものをさせていただく。今回は一千億円規模でこの社会実験進めさせていただきますが、これはあくまで実験でございます。こうした社会実験の結果を踏まえた形でこの公共交通機関への影響というものを、各社さん、そして政府、また国民の皆様とともに共有してまいりたいというふうに考えております。
#16
○広田一君 どうもありがとうございます。
 馬淵副大臣、そういった御説明なんですけれども、ただ、私自身が思いますのは、この前の私の質問に対しては、影響が出るかどうか、こういったところもしっかりと把握をしてこの社会実験を行うというふうな御答弁がございました。今のお話ですと、やってみて影響が出るかどうかというものをきっちり把握した上でその後の対応をするということだったので、少しこの前の御答弁と違うんじゃないかなと思うんですが、この点についての御所見をお伺いします。
#17
○副大臣(馬淵澄夫君) ここは私が前回答弁させていただいたことと変わっておらないと思っております。
 と申しますのは、今回の判断というのは、具体的にお出しいただいたデータを基に検討させていただいた結果、路線の選定なりをさせていただきました。そして、その上で共通の判断基準、これは国民の皆さん方を始め、合意に至るような判断基準というものについては検証の結果というものを踏まえざるを得ないと、このように申し上げているわけでして、今回の選定における基準というものについては十分に共有できていないという御指摘は、これは私ども甘んじてお受けさせていただきますが、少なくとも、お出しいただいたデータの中から判断をさせていただいて、その上で影響の少ないものを選定させていただいたと、こういうことでございます。
#18
○広田一君 この点についてはちょっと議論がかみ合わないところがあるんですけれども、副大臣自身が今回の社会実験につきましては関係団体あるいは関係各社の皆様方の理解を得ながらというふうにおっしゃっておりました。ですから、このことを踏まえて私自身も御質問をさせてもらったわけでございますけれども。
 そのデータの提示というふうなことを踏まえて分析等々されて路線を決定されたということなんですが、これ踏まえて具体的に議論、協議等々をされたんでしょうか。JR各社とか他の公共交通機関はもちろんなんですけれども、今回、この無料化実験の対象となる高速道路会社等々ともどういったやり取りをされたのか、この経緯について教えていただければと思います。
#19
○副大臣(馬淵澄夫君) これにつきましては、当然ながら関係各局を通じて議論をさせていただいた、御説明申し上げ、また御意見をちょうだいしたということでございます。
#20
○広田一君 協議をされたというふうなことでございますけれども、その協議の内容がつまびらかにこの場でお聞きするというのはなかなか、先ほど申し上げたように各会社の経営状況等も関係するわけですからそこまでは問いませんけれども、そこの点の温度差があるというのも私自身ちょっとヒアリングでも感じておりまして、国交省側が協議したというふうに思っていることが、むしろ他の公共交通機関等からいうとその点がやっぱり十分じゃないと、ないからこそ今回様々な形で要望等の声が上がっているんじゃないかな、懸念の声が上がっているんじゃないかなというふうに思っております。
 無論、今回の無料化の社会実験というのはまさしく実験でございまして、前例のない挑戦でございます。ですから、様々なひずみであるとか課題とかあろうかというふうに思いまして、そういうふうな観点に立ちますと、馬淵副大臣始め政務三役が大変な御苦労をされているんだろうと思います。すべての皆さんが納得するような区間設定というものをこの短期間において提示をしていくというのは、これは相当の困難が伴うことであり、やはりどこかできちっとした、自らの責任において判断をして決定をしていくということの重要性について私も十分理解をするところであります。そのことを踏まえた上でも、繰り返しになりますけれども、各社が持っている不安、懸念については随時、適時に、丁寧に対応していくことがこの前例のない社会実験を成功に導く私は一番重要なことではないかというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思っております。
 それでは、次のちょっと観点からお伺いをしたいと思いますけれども、次に上限制度についてお伺いをいたします。
 報道によりますと、前原大臣は、去る十二日の閣議後の記者会見で、上限制など新たな割引制度の実施について事務方に確認したが、六月から行うことに問題はないとの報告を受けているというふうに報道されておりますけれども、そのとおりなんでしょうか。
#21
○国務大臣(前原誠司君) 委員御指摘のように、新たな料金制度の導入に際しましては高速会社の料金システムの改修というものが必要になります。これまでの休日上限千円などの様々な割引を導入してきた実績を踏まえて、今後速やかな改修作業を着手するということでありますが、六月の実施は可能との報告を受けております。六月から実施をしてまいりたいと考えております。
#22
○広田一君 そうしますと、システムの変更であるとか利便増進計画の見直し、今回は社会実験と違いまして利便増進計画の見直しをしなければいけないと思いますけれども、こういったことを考えますと、もう今のこの現時点でどのような割引制度になるのかという制度設計はほぼでき上がっていないと物理的にも難しい状況になると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(前原誠司君) 考え方はほぼ内部では固まっておりますし、しかるべき段階にどういった上限制を導入するのかということは委員の皆さん方にもしっかりお伝えをしていきたいと、このように考えております。
#24
○広田一君 その検討状況について、現時点で御報告できるものがございましたらよろしくお願いします。
#25
○副大臣(馬淵澄夫君) 大変複雑な割引制度になっております、現行は。先ほども申し上げましたように、いわゆる道路会社の恒久割引、そして前政権において設定されました利便増進事業による割引、これらが複雑多岐にわたっていると。特に、一般ユーザーの方々、どういう制度で今料金が割り引かれているかということをなかなかしっかりと御理解いただいていないのではないかと、こうした懸念もございました。
 その上で、私どもとしては、まずはユーザーの方々に分かりやすい料金制度、これを設定していこう、そして公平性の高い料金制度に置き換えていこうということで、長年の懸案であった料金というものを抜本的な見直しをまずは行ってまいりたいというふうに考えております。その上で、また、前原大臣、既に表明をされておられます抜本的な整備の在り方も含め、料金も含めた見直しを図るということで、これも検討会ということも計画をしておりますので、私どもとしては、今回のこの割引、具体的な形でまず皆さんに御提示ができるタイミングで御提示をさせていただきたいと思っております。
 本日のこの時点におきましては、このような複雑多岐な料金制度を分かりやすい仕組みに変えるということで答弁とさせていただきたいというふうに思っております。
#26
○広田一君 御答弁にございましたように、現在の割引制度、大変複雑でございまして、時間帯割引であるとか、マイレージ割引であるとか、大口・多頻度割引だとか、いろんな複数の割引制度がございます。大変利用者の皆さんからいえば分かりにくい状況だろうという、これは問題意識を共有するわけでございますけれども。一方で、利用者の立場に立てば、六月からどういった割引制度になっていくのかということはやっぱり早く提示されないと、これまた利用者にとっては混乱をもたらすのではないかなと思っております。
 確かに、今回のことを見直す際には、車両区分であるとか、利用距離によってどうするのかというふうなことなんかも出てくるんだろうと思いまして、そうなってくると、例えば、確かに長距離使っている方は、今回の上限制で長距離の輸送の方は非常にメリットを被るかもしれませんけれども、例えば限られたエリアの中での圏内の流通業者等々の方からいうとこれは実質的な値上げになってしまうというふうな懸念もあるわけでございまして、そういうことを踏まえますと、やはり考え方の方向性はこの委員会でもお示しをしていただきたいなというふうに思っております。
 つまり、今のこの現状の利用者の皆さんにとって、トータルとして現状より値上げになるのか、そうではないのか、この辺についての方向性ぐらいはお示しをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
#27
○副大臣(馬淵澄夫君) これも、現状の割引制度というものが非常に複雑になっておりますので、一部をとらえれば値上げになる、あるいはまた不公平な状況、例えばETC限定による割引を行っておりますので、こういった部分でいいますと、また、この部分で全車という枠に広げればこれは逆に値上げではなく割引が適用されて広がる、値下げになる部分というのも出てまいります。
 このように両面ございますので、私どもとしてはすべてのこの整理を行った上で、システム改修もございます、こうした整理を終わった上でできる限り速やかに御提示をさせていただきたいと、このように考えております。
#28
○広田一君 私はるるこういった御質問をさせていただくのは、先ほどの無料化の社会実験もそうです、今回の上限制度も六月に行うということになると同時期に実施をされるわけでございまして、この無料化の社会実験でも相当影響が出るだろうと公共交通機関側は思っております。併せて上限制が導入されれば更にその影響は全国に広がるだろうというふうな懸念もあるわけでございまして、こういったことを踏まえたときに、これも馬淵副大臣、この前の私の質問で御答弁いただいておりますけれども、措置を講ずるべきものについては措置の手当てをしていくというふうにおっしゃっております。
 影響があると認める場合にどういったような措置を講ずるつもりなのか。今回のこの上限の制度を導入するに当たって、併せて公共交通機関への助成策というものもセットで示すべきだと私は思っておりまして、その規模とか、具体的に実施する、しないというものはこれまた議論があるところでありますけれども、こういったもし影響が出たときには支援策を講ずる用意がありますよということは併せてお示し願いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#29
○国務大臣(前原誠司君) 今、辻元副大臣と三日月政務官のところで交通基本法案というものを議論していただいております。これから高齢化が進んでまいります。また、環境の問題もあり、移動する権利というものをどのように確保していく中で地球環境にも資していくのかといったことを考えてもらうわけであります。
 もちろん車社会でございまして、便利なのは便利なんですけれども、だんだんだんだんお年を召していかれると自分で運転というのはなかなかできないわけでありまして、一層そういう意味ではこれからの社会というのは公共交通機関が大事になっていくだろうと思っております。そういう意味では、高速道路の無料化とか上限制という車だけに目をやった施策ではなくて、今ある公共交通全般をどのように利活用していくのかといったことをこの交通基本法の中では考えていき、そして財源措置も含めてやっていくということでございます。
 広田委員が御指摘のように、このいわゆる無料化のものもこれ実験でございますし、上限千円につきましても、まずは六月から始めましても来年の三月までということで、その先についてはまた新たに検討するということでございまして、先ほどおっしゃった他の交通機関への措置というものについては、交通基本法ができた暁にどういった形でトータルの公共交通機関を日本として、我々国民として活用していくためにどういった施策なり財政措置が必要かということを併せてお示しをしていくということになろうと思いますので、その段階でまた委員の皆さん方にも活発な御議論をいただければと、このように考えております。
#30
○広田一君 この後、最後の締めでこの交通基本法についてお聞きするつもりだったんですけれども、大臣の方から御答弁がございました。本当にその視点と考え方、全く共感するところでございます。やはり交通弱者に光を当てた社会政策的な公共交通の在り方と今後の我が国の成長に資するような交通体系の在り方、こういったことを含めた交通基本法というものの必要性はございますので、是非それを更に更に進めていただきたいと思いますが、と同時に、これも繰り返しになりますけれども、もろもろの社会実験、また上限制度においてはやっぱり日々影響が出てくる公共交通機関があるわけでございますので、そこにはやっぱり配慮をしながらのきめの細かい対応も併せて行っていただければなと強く要請をしていきたいと思います。
 それでは次に、民主党の重点要望に対する対応につきましてお伺いをしたいと思います。
 今回、この重点要望の八に高速道路の整備についてということで、この(1)で、平成二十二年度において、高速道路会社による高速道路整備を推進するため、利便増進事業を抜本的に見直すということにつきましては、今国会に高速道路ストックの有効活用、通行者などの利便増進を図るために既存の高速道路間を連絡する高速道路の新設、改築などの事業のメニューが追加をされることになりました。この法改正がなされるわけであって、具体的なことについては今後この委員会でも議論をされるんだろうと思っております。
 私が今日この点について一点お伺いしたいのは、この私はメニューの中に維持管理費というものを加えてはどうかということでございます。これは、維持管理費を加えることによって将来の利用者の方々の利用料増加の抑制にもつながりますし、また、今後はストックの保全を重視する前原大臣のお考えとも合致をするのではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#31
○副大臣(馬淵澄夫君) 利便増進事業の対象として、今回、メニューの拡張をさせていただく法案を提出させていただくことになりますが、そこに維持管理費についても賄うという形ではいかがかという、こうした御指摘をいただきました。
 今回の提出させていただきます法案につきましては、いわゆる利便増進、利用者の利便を増進させるという目的で、更にメニューの見直しを図らせていただいております。地方からの大きな声として、ミッシングリンクの解消、あるいは交通事故を防ぐための安全対策としての四車化、またインターチェンジ設置等、こうした強い要望ございます。
 これらに対して、私どもとしては、あくまで利便の増進を図るという観点から今回の法案を整備させていただくということでございまして、御指摘のこの維持管理に係る部分、まさにこれは民営化のスキームの中で利用料金で賄うものとされたということでありますので、これについては料金収入で賄うことが原則であると。
 重ねて、道路整備の在り方につきましては、先ほど来申し上げたように、国交省でしっかりと新たな整備の在り方というものについても検討を進めてまいりたいと思っておりますので、その中で、今後、現在、無料化社会実験でさせていただいております。それ以外の料金に関しては抜本的な見直しを図りますが、整備の在り方について、これは維持管理も含めてになりますが、その検討の中で再度整理をさせていただきたいというふうに考えております。
#32
○広田一君 是非整理をしていただきたいと思いますけれども、今回、本来であれば料金引下げの原資を新たな高速道路の整備に使う、これについては恐らくいろんな議論が出てくるんだろうと思います。ちょっとベクトルが向かう方向が違うんじゃないかというふうな指摘も出てくるんだろうと思いますけれども、しかしながら、これを法案として今回提案をされたということを踏まえれば、これは何を意味するかというと、本来であれば、民間の高速道路会社としては、なかなか整備することはこれ以上できませんというものを利便増進計画の見直しによって支援をしていくわけでございますので、じゃ、その維持管理費も、本来だったらセットで使えるような形というのは、私はむしろ合理的じゃないかなというふうに思っております。
 無論、今なかなか通行量がなくて維持管理費もできない区間もあろうかと思います。そういったところなどもトータルとして考えて、これから維持管理費というものを重視をして物事を整理していくというところの視点で是非とも御協議をいただくように要請をしたいと思っております。
 それと、もう一点の要望事項の中に、先ほど馬淵副大臣の方からも触れられましたけれども、今後、地方自らが必要とする高速道路建設を行うことができるようにするため、国の支援策を検討して、本年の六月中に成案を得るというふうなものがありますけれども、こちらについての検討状況についてお伺いをいたします。
#33
○副大臣(馬淵澄夫君) これに関しましては大変要望が強いということは十分理解をしております。その上で、私どもとしては、今政務三役でこの新たな高速道路の整備の在り方、民営化のときには、採算の合うものに関しては道路会社で、そして採算が合わないものに関しては新直轄でという整理をさせていただいた、それが前政権において民営化のスキームとして作られたわけであります。しかしながら、もはや採算の合う道路というものが全国の中でもミッシングリンクなどを見るとこれは合わなくなってきている。こうした状況の中でどのような整備の行い方を進めていくべきなのか、これについて抜本的な考え方というものをしっかりと作っていかねばならない、こうした考えの下、今政務三役で議論をさせていただいております。
 六月中に成案を得るという、これは党の要望を踏まえて現在検討中であるということでございますので、これもまた皆様方にお伝えをできるときにしっかりと、またこの場での御議論にも付していきたいというふうに思っております。
#34
○広田一君 一点確認なんですけれども、御答弁にございました、非常にニーズは大変高いけれども、費用対効果からいうと疑問がある、しかしながら地方にとっては必要とされる高速道路の整備、これに対して答えを出すのはなかなか難しいところだろうと思っております。だからこそ、さっきの社会実験ではありませんけれども、是非とも地方も含めて様々な形でこの成案を得る前には十分な御協議等をしていただければなと、この点についても御要請をしておきたいと思います。そのことを踏まえて、是非この委員会の場においても十分な議論ができるような、そういう設定もお願いをできればなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは次に、JALの問題についてお伺いをしたいと思います。
 今回私がJAL問題を取り上げますのは、自分自身、利用者の一人といたしまして、本当に現場の職員の皆さん、献身的に頑張っていらっしゃっております。こういうものをじかに見ている者といたしましては、一日も早い再生を願っているところでございます。と同時に、これからの我が国の航空政策の今後や国民経済の状況を思ったときに、JALの二次破綻というものは何としても阻止をしていかなければなりません。こういった強い御決意を国土交通省の方からお聞きしたいと考えたからであります。
 かねてより国会でもJALの会計処理には疑念を持たれておりまして、実質債務超過であったというふうな指摘がありました。そういうのをJALが事前調整型の法的整理、会社更生法の申請を去る一月十九日に行ったわけでございますけれども、この債務超過額といったものが八千六百億円を超えて、事業会社としてはもう戦後最大の破綻というふうになってしまいました。それを踏まえて、政投銀であるとか企業再生支援機構を通じた融資とか出資、いわゆる公的資金による支援額というものは九千億円以上になるというふうに見込まれております。
 これだけの公的資金、このような支援がなされることの必要性と重要性、これについて改めて前原大臣の方からお伺いをしたいと思います。
#35
○国務大臣(前原誠司君) 委員御承知のとおり、日本航空は、年間の旅客数が約五千万人でございまして、日本の航空会社の国際線七十四路線の約五割を占める三十五の単独路線を有しておりますし、また国内線二百六十六路線の約四割を占める百八の単独路線を運航するなど、我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っており、我が国国民生活、経済社会活動にとっては必要不可欠、極めて重要な交通機関でございます。
 したがいまして、このため、企業再生支援機構による全面的な支援の下、裁判所の関与によりまして透明性、公平性を確保しつつ、国民目線に立った確実な再生を図ることとしております。
 委員おっしゃるように、一兆円近くのお金を出しているわけでありますが、融資、出資ということでございまして、確実な再生を図る中でこういったものについては当然ながら返済をされていくということが重要だと思いますので、着実な再生を図っていくことが何よりも重要な観点だと考えております。
#36
○広田一君 本当に着実な再生というものが求められるわけでございますけれども、次に、JALが抱える二次破綻リスクについてどう認識されているのか、お伺いをしたいと思います。
 私自身は、この時期に二次破綻リスクについて言及するのは本意ではございません。これから更生計画も作らなければいけないというときに本意ではないんですけれども、しかしながら、今、日本経済というものが二番底が懸念をされております。そして、日本の空の安全、安心、これを確保するためにもJALの二次破綻というものは絶対あってはならないことでございまして、万一、二次破綻ということになりますと、今まで以上に国民の税金の垂れ流しというものが増えてしまいますし、また連鎖倒産による雇用の悪化というものも懸念をされるわけでございます。ひいては航空行政への不信感が増大をしてしまいます。世間一般ではこのJAL問題というのは会社更生法の申請で一山越えたんじゃないかというふうな感がありますけれども、関係者のお話を聞きますと、むしろこれからがイバラの道ではないかといった声が多いと私自身も認識をいたしております。
 このJALの二次破綻リスクについては、よく大きく三つあると言われておりまして、一つは高コスト構造と二つ目が赤字の国際路線の継続の問題、三つ目が安売り競争による収益の圧迫というふうに言われておりますけれども、この二次破綻リスクについて国交省としてどのような御認識をお持ちなのか、お伺いいたします。
#37
○副大臣(辻元清美君) このJALの二次破綻ということは、今委員もあってはならないことであるというように言及していただきましたけれども、国交省といたしましても絶対起こしてはならないという思いで、今企業再生支援機構がJALと一緒に会社更生法にのっとって更生計画を立てていただいているところに、厳しく国交省としても意見を求められたら申し述べていきたいということで進めております。
 実際に会社更生法を適用したということで、裁判所が関与すると。今まではそうではなかったんですね。JALが再建計画をお出しになって、そしてそれに基づいてどうしようかなというように国交省の方も判断してきたわけですが、裁判所の関与によりまして、今までJALの内部のどういう点が問題だったのかというところを今まで以上に厳しく点検をできると。それと、利害関係者の間でも調整を公正にやっていただけるということで、抜本的なJALの再建に向けて進んでいくことができると考えて、私たち国土交通省としてもしっかりと航空行政の中でJALの再建を果たしていきたいと。ですから、今までとは少し違う、一歩前に進んでいるんじゃないかと考えています。
 その中で、高コスト体質とおっしゃいましたけれども、特に国交省として着目しているのは、路線、機材、そして人員の大幅なダウンサイジング、それからアライアンス、ワンワールドですけれども、このアライアンス効果を最大に生かして更生計画を立てていただく、そしてさらにコア事業への集中、いろいろ子会社がいっぱいあって、どこがどうなっているかということをしっかり整理していただく、そしてさらにはバランスシートの健全化という四点に特に着目いたしまして、国交省としても企業再生支援機構やそしてJALと一緒に支援に向けて頑張ってまいりたいと思っております。
#38
○広田一君 辻元副大臣の方から並々ならぬ決意を聞いたわけでございますけれども、本当にそういった形で進めていただきたいと思います。
 と同時に、今のこのJAL再生のためには私は、何をもっても国民の皆さんの理解と納得と協力といったものが不可欠だろうと思っておりまして、そのために透明性の確保が極めて重要だろうと思います。
 今JALの現状については、正直申し上げて、悪い数字と言っては申し訳ないんですけれども、数字が独り歩きをしている感がございます。例えば、JALというものは国際線を運航するのにも五百五十億、国内線でも五百億、運航経費が掛かるんだというふうなことを踏まえて、この前の二〇〇九年の四から十二月の連結決算が、最終損益が千七百七十九億円の赤字になりました。こういったことを踏まえて、毎月毎月二百億円以上の赤字を垂れ流しているんじゃないかというふうな数字が独り歩きすることによって、これがかえってJALにとってもマイナスになっているんじゃないかなというふうに私自身思っております。
 そういうことを考えれば、やはり国交省として、例えば会社更生法の適用申請をいたしました一月、二月の搭乗率であるとか営業損益はどうなっているのかというふうなことはもちろん把握をされているんだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
#39
○副大臣(辻元清美君) 国交省といたしましては、実際にJALや企業再生支援機構の皆様からの要請があるときは意見を申し述べ、そしてこちらからもいろんな情報、今委員が御指摘になったことも含めまして報告を求めたりということをやっております。しかし、それを公表するかどうかということは、今裁判所の関与の下に会社更生法に乗って更生計画を立てておりますので、その辺は非常に難しいところなんですね。
 ですから、一般の皆様への公表をするかどうかは、これ裁判所や企業再生支援機構の御判断なさることで、しかし、国交省といたしましては航空行政全般の責任を負っておりますので、JALとは緊密に連携を取ってまいりたいと。情報もJALや企業再生支援機構から必要なものはしっかり報告してもらいたいということで今作業を進めております。
#40
○広田一君 確かに、これまでの議論のように、例えば上限の割引制度の内容についてもなかなかまだお話しできないというふうな現状を考えれば、いわんやJALの今の経営状況について公表するのは難しいだろうなというふうには一方では理解をするところでございます。
 これはもう、まさしく政策判断になろうかと思います。九千億円の公的資金を注入したところに対して、今その経営状況がどうなっているのかということを公表する、しない、更生法上の守秘義務との兼ね合い等もあろうかと思いますけれども、この点はまさしく政務三役の皆様方の判断だろうと思います。
 私は少なくとも、これは公表することによってかえって先ほど申し上げたような数字が独り歩きするということを防止もできるんじゃないかなと思っておりますので、御参考までにこういった意見があるということを考えていただければと思います。
 このことを踏まえてもう一点お伺いしたいんですけれども。そうすると、確認なんですが、今のJALの今年に入ってからの経営状況についてもしっかりと国交省としては把握はされているというふうなことの確認が一点と、じゃそれを踏まえて、今事業再生計画ができているんですけれども、これを更生計画を提出する際においては、国交省としてはこの更生計画に当たっては今の事業再生計画の抜本的な見直しも含めて強く関与をしていく決意はあるという理解でよろしいんでしょうか。
#41
○副大臣(辻元清美君) 今の点は、まず二つ目の決意はあるんですけれども、それをJALや、そして企業再生支援機構側が最終的な決定機関ですので、それをお取り入れになるかどうかは向こうのあくまでも判断です。
 これは行政とそれから私企業の再生というところの、何というか距離の取り方というのも、余り行政が命令的なことも申し上げることはできません。今までのJALの経営につきましても、国交省、航空行政とのいわゆる必要以上の、この路線をあげるからこの路線は飛ばせよとか、いろんなそういう関係も多々指摘されておりますので、その辺はやはり第一義的にはJALと企業再生支援機構、会社更生法にのっとって、そして裁判所の関与を受けながらあくまでも独立性高く判断をしていただくと。
 しかし、路線や機材の問題などは国交省とこれ密接にかかわってきますので、国交省としての意見は申し述べます。かなり強く申し述べます。しかし、それを採用されるかどうかの決定はあくまで向こう側にあると、そこをわきまえてやらないとまた同じような繰り返しになってしまうと思いますので、そこはわきまえながら、しかし再生に向けての意見はしっかり申し述べようということです。
 経営状況についても、何が幾らという細かいところまではお聞きしているかどうか、事務方がやっておりますけれども、大まかなところはお聞きをしております。
#42
○広田一君 辻元副大臣のその仕分、仕切りの考え方、理解できるところでございます。
 そのことを踏まえた上であえて申し上げれば、先ほど申し上げたように、もしJALにもう一度もしものことがあれば、その責任は恐らく機構の方に行くんじゃなくて行政の方に、国土交通省側に来るんだろうと私は思います。航空行政がまずかったんじゃないか、こういった破綻をしたJALの再生に失敗したんじゃないかというふうな指摘は私は免れなくなるんだろうと思います。
 そういうふうな観点に立つと、確かにおっしゃるとおりの最終決定と自主性というものは機構側に持っていただくということはもちろんでございますけれども、辻元副大臣がおっしゃったように、厳しくかつ温かく、JAL再生についてはできるだけの意見を持ち前のパワーでどんどんどんどん言っていただければなと私自身思うわけでございます。
 こういったことを踏まえて、機材のお話であるとか、国際の路線の話でございますとか、また人員削減の話でありますとか、それぞれの事柄につきまして、やはり国土交通省側がこれまで持ってきた知見というものがあろうかというふうに思いますので、今の事業再生計画の妥当性についても忌憚なくどんどん申し上げていただければなというふうに思っております。
 最後になりましたけれども、本日は段々の議論をしてまいりました。本当は、最近出番の少ない藤本政務官に休日、休暇の分散化について質問をする予定でございましたけれども、時間が来てしまいました。この質問については後日させていただくということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 どうも失礼しました。ありがとうございます。
#43
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 三月三日の予算委員会で、前原大臣と、八ツ場ダムの本体工事をやめているということについての法的な意味合いについて御質問をいたしましたが、どうも最後まできちんとお答えいただけませんで、はぐらかされていたように思いますので、誠に恐縮でございますが、再度お尋ねいたしたいと思います。
 前原大臣は、就任以降、今年度の本体工事予算をやめるという、これは行政的判断、行政行為をされているわけですね。そして、来年度も本体工事を要求しないという行政判断、行政行為をされているわけです。これは、将来中止するとかしないとかにかかわらず、今の時点で行政行為をしているわけですね。この法的な手続を経ずに大臣にその権限があるのかどうかということについて私はお尋ねしたわけで、再度お答えください。
#44
○国務大臣(前原誠司君) はぐらかしているわけではございません。私が脇委員に申し上げたのは、現段階ではこの八ツ場ダムの本体工事の中止ということを、方針を示しているだけで、特定多目的ダム法に基づいた法律上の中止の手続には入っていないということを申し上げているわけであります。
 これは、委員もよく御理解をいただいているように、もしこの基本計画の廃止に関する法律上の手続になるということになれば、関係自治体との話合いをしなくてはなりません。そういう意味では、あくまでも現段階においては中止の方針、本体工事中止の方針をお示しをしているということでございます。そう御理解をいただければと思います。
#45
○脇雅史君 方針ではなくて、現実に大臣として判断してやめているわけですよ。そのお金はよそへ行くわけでしょう。だから、今やめるというのは、これ行政行為の実体行為ですから。そもそも県の方や関係者と話をしてやるんだと、今政府もやるんだという責務があるというふうにこの間明快になったわけですが、その責務があるのであれば、その責務を解除しようと思ったら、それなりの法的手続が要るんでしょうと。大臣が勝手に私がやめますよと一人でお決めになるんであれば、国会も法律も要らないんじゃないかということを申し上げているわけです。
#46
○国務大臣(前原誠司君) 特定多目的ダム法に基づくダム事業の具体的な進め方に関しての判断権限は国土交通大臣にございますし、また、特定多目的ダム法において基本計画の変更や廃止の規定が存在することを踏まえれば、八ツ場ダムにおいても中止の方針を示した上で本体工事の中止を行うことが直ちに委員がおっしゃるように法令に違反しているとの指摘は当たらないものと考えております。
 いずれにいたしましても、八ツ場ダムを中止する場合、特定多目的ダム法において、その基本計画の廃止に当たって関係都道府県知事等の意見を聴くことが義務付けられておりますので、関係、この場合は都県知事等の御意見を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えております。
#47
○脇雅史君 また水掛け論になるんですが、大変なことですよ。要するに、県の担当者の方々、関係者の方々と協議をしてやろうということになって、予算要求をして国会でやれということに決定しているわけですね。それを解除しようとするんですよ。解除しようとするのであれば、今法的にやらねばならないのだから、方針を示すのは勝手ですけれども、その方針に基づいて実体行為として止めるのであれば何らかの法的措置が要るんじゃないですか。
#48
○国務大臣(前原誠司君) その御指摘は当たらないと思っております。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、中止の方針を示した上で本体工事の中止を行うことが直ちに法令に違反しているとは考えておりません。
#49
○脇雅史君 その解釈でいくと、法的な手続を経て内閣は仕事をしようとしている、それは、将来やめるかもしれないということだけでやめていいんだという、それだけの恣意的な判断が大臣に任せられるとすると、決まってないことだって将来やろうと思うんだからやればいい。ほとんど国家権力の暴走になりますよね。
 そもそも、国会が国権の最高機関ということは、行政府というのは法律に基づき、あるいは予算に基づいて忠実に行政行為を実行するのが仕事であって、自分で勝手にできることなんかないんですよ。やるもやらないもすべて法律に基づいてやるのであって、内閣は法律に基づかずに権限行為ができるという解釈ですか。
#50
○国務大臣(前原誠司君) いや、ですから、このダム事業の具体的な進め方に関しての判断権限は国土交通大臣にあるわけです、具体的なその進め方に関して。しかも、この基本計画の変更や廃止の規定が存在しているということを踏まえれば、今中止の方針を示した上で本体工事の中止を行うことが法令に違反しているということではないということを申し上げているわけです。
#51
○脇雅史君 これはもう大変なことを言われていますね。ほとんど法律に基づかずに内閣が行政権を行使できるというふうに言っているように聞こえますね。変更手続があるのは何も河川管理者だけじゃありませんよ、相手だってやめることもあるんだから、変更手続は当然に想定されています。そのときに、変更するからといって、例えば、将来おれ出ないかもしれないから今年のお金払わないよなんてことは許されないんですよ。そんなこと許した例もないですよ、過去にね。具合悪くなってもきちんとやってもらう。
 例えば、話は変わりますが、借用証があると、借りていると、だけど将来はこの貸借関係なくすから今年は払わないと言っても、借用証を持っている限り払わねばならないんですよ、法律の世界は。法的にやらねばならないんですから。
 だから、それは中止の方針を出すということは、私はそれはあり得ないことだとは思っていません。もし中止の方針を出されて中止をしようと思うのであれば、関係機関に丁寧に説明をして、中止をするつもりだから、当面手戻りが出ちゃいけないからダム工事やめましょうねと丁寧に説明して回ってもですよ、それが第一必要なんですが、丁寧に説明したとしても、それでもまだ法的な義務は免れないわけですね。
 私は、多分やめようと思ったら、例えば緊急措置法みたいにダムの事業停止をするというような法律でも通さない限り、私はこの大臣が負っている法律、国会に基づく執行権というのは、執行責務というのは免れないと思いますよ。
#52
○国務大臣(前原誠司君) 繰り返しになって恐縮でありますけれども、この特定多目的ダム法に基づく具体的な事業の進め方についての判断権限は国土交通大臣にあるというのは委員も御承知のとおりだと思います。したがって、その判断の中で今本体工事を中止をしているということは法令違反ではないと。
 ただし、委員がおっしゃっているのは、この基本計画を廃止をするということになったときには、委員おっしゃるように関係、この場合は一都五県の知事との調整含めて丁寧な説明をしていかなくてはいけないというのはそのとおりでございまして、それは具体的に今検証をしてもらっていますけれども、その方針が固まり次第、どういう治水、利水の代替策があり得るのかどうなのかということも含めて丁寧に、一都五県の知事さんたち含めてお話合いをしていくということになろうかと思います。
#53
○脇雅史君 とんでもない拡大解釈で、特ダム法でダムをやる実行権限は大臣にありますね、河川管理者たる大臣にある。それは、例えばどこの用地をいつ買うかとかどの橋はいつ架けるかとかやっていく上で、基本計画の枠の中で実態的にどういう進め方をするかということについて合意の中での範囲なのであって、合意そのものをひっくり返すなんという判断はできるわけないじゃないですか。何を言っているんですか。
#54
○国務大臣(前原誠司君) ですから、合意というか、基本計画自体はまだ生きているわけですよ。基本計画を廃止するとか変更するという手続に入っていればそれは委員のおっしゃるとおりでありますけれども、まだ入っていなくて基本計画が生きている、その基本計画の中で、具体的な進め方に対しての判断権限は国土交通大臣にあるということであります。
#55
○脇雅史君 本体中止って、例えば一つの橋をやめるとかってそんな簡単なことじゃないんですよ。本体中止をすると言ったとたんに全部なくなっちゃうんだから、協定そのものがね。そんなものが一人で決められるわけがないんですよ。そんなことまで委任されていたら一緒に協定する意味がないじゃないですか、私やめたって勝手に言われたんじゃ。法的に保護されていないんですか、ほかの人たちの立場は。
 あなたは何にもその手続をしていないから、それが証拠に県は本体要求しているわけでしょう。国と県と判断が変わって予算要求しているなんというばかなことがあるんですか。全く手続もしていないし、それはそもそもあなたが本来やってはいけないことをやっているからですよ。きちんとしなくちゃ駄目ですよ、行政というのは。
#56
○国務大臣(前原誠司君) またまた繰り返しになりますけれども、この特定多目的ダム法に基づくダム事業の具体的な進め方に関しての判断基準は国土交通大臣にゆだねられていると。そして、現段階、じゃどうなのかと言われると、この基本計画を廃止するという作業には入っていないわけです。そして、地元の方々ともお話をいたしましたけれども、生活関連についての必要な事業というのはこれは継続させていただきますということも含めてやっている事業もあるわけでありまして、そういう意味においては、御指摘の法令違反だという指摘は当たらないという答弁をさせていただいております。
#57
○脇雅史君 今更違反していましたとは言えないんでしょうけど、これは大問題ですよ、本当に。そんなことが法治国家で許されるわけないですよ。みんなでやりましょうといって合意しておいて、しかも国会はそれを予算として議決しているんですよ。国会に対しても失礼じゃないですか、何もしないで勝手に。それも大臣が勝手にやめていいんですか。
#58
○国務大臣(前原誠司君) 基本計画はまだ生きているんです。基本計画そのものの廃止とか変更とかという作業には入っていないわけです。これにかかわることになれば、またその法律に定められた手続を踏んでいかなくてはいけないということでありますけれども、方針を今示しているわけで、そしてこのダム事業の具体的な進め方に関しての判断権限はこれは大臣に属しているというところで、再検証の結果を待ってどういうふうに進めていくのかということについて今検討しているわけであって、委員のおっしゃるような法令違反に当たるとかそういうことには当たらないということを、繰り返しになりますが申し上げているわけであります。
#59
○脇雅史君 これ以上何度も繰り返しても同じことになるんですが、内閣というのは、さっきも申し上げましたが、法律に基づき、例えば河川法とか特ダム法という法律に基づいて河川管理行為をされているわけですね。その法律に基づかない行為というのはあり得ないんですよ。
 だから、本体をやめるなんて本当に気楽に言っていますが、本体をやめたらこのダム事業全体がなくなるんですから、本体なしに附帯工事だけやるなんていうことはあり得ないんですよ。そういう論理矛盾を今大臣が言われているから、本体を中止するんだという方針だと言うからおかしくなるんです。だから、見直したいのであれば、まさに予断を持たずきちんとゼロからやればいいのであって、今の進め方というのは非常に危険な、ほとんど独裁国家みたいな、大臣だったら何やってもいいんだというふうに私には聞こえます。もう答弁は求めませんが。
 そこで、法制局に今日はお越しをいただいたんですが、この間の予算委員会で私は法制局に答弁を求めたんですが、それは、法制局という役所が通常の役所とちょっと性格を異にしていまして、法令の解釈をするという専門の部署であって、何ゆえにそれが存在するかというと、政権が替わったからとか総理が替わったからとか、どんどんどんどん法令解釈が勝手に動くようでは法治国家としての国の安定性が保てませんから、やはりいつでもまさに公務員としての公平中立という立場を貫いて、法律の解釈をいつもきちんとしていただく。もしそれが合わなければ、気に入らなければ、政府は法律変えればいいんですからね。そのきちんとした法令解釈をしていただくということを事前に、答弁していただくようにお願いしていたのに、最初の答弁が枝野大臣のおっしゃるとおりって、これはないでしょう。これはまさに法制局の役割を放棄したように聞こえたんですね、私には。その後、再度質問を申し上げましたら、付け加えて申し上げますって、そこで法令解釈出てきたんですが、初めからそれを言えばよろしいんですよ。
 その意味において、私は、やはり法制局を代表する立場として、今、私が申し上げたようなことが間違っているのか、あるいは今後どうされるつもりなのか、長官としての御見解をお聞きしたいと思います。
#60
○政府参考人(梶田信一郎君) 今御指摘ございましたように、内閣法制局は、内閣法制局設置法に基づきまして、法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対しまして意見を述べる、こういったことを所掌事務としております。
 私どもとしましては、この内閣法制局設置法に基づきまして、私どもの責務を果たしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#61
○脇雅史君 ちょっと私の見解に対する御答弁がなかったので。
 要するに、わざわざ法制局という役所が置かれている意味は、時の政権、時の権力に流されずに、役人といいましょうか、公正中立な立場として、行政の一部として法令解釈をきちんとするんだというような役割はお感じになっていらっしゃらないんですか。
#62
○政府参考人(梶田信一郎君) 御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、その法令の解釈につきましては、常々申し上げておりますように、法令の趣旨、文言に即しまして、合理的にといいますか、論理的に法律の解釈をしていくという基本的なスタンスは従来から持ち続けておるところでございます。
#63
○脇雅史君 是非そのお立場をこれからもしっかりと貫いてほしいと思うわけで、その意味で、民主党が言われている法制局長官は呼ばないようにしようとか、それは誠に変な見識だと思いますね。行政府の一部であるし、国会というのは行政を監視する権限があるんですから、法制局という立場で何をお考えになっているのかということをお聞きするのはまさに国会の権利ですよね。それをやめさせるというのは全く意味不明ですね。私はこんなことがあってはならないと思っています。
 それでは次へ行きますが、利根川の治水計画、利水計画の中で、これまでに随分ダムが造られているわけですね。前原大臣はダムに頼らないとおっしゃっておられますが、既に頼られ過ぎていて、もし前原大臣が利根川を最初から計画するとしたら、今あるダムというのは要らないということが言えますか。
#64
○国務大臣(前原誠司君) 私がこの立場に就かせていただいたときに申し上げたことは、できるだけダムに頼らない治水ということを申し上げました。
 それは、絶対ダムが駄目だということを申し上げたわけでもございませんし、ただ、今、日本が置かれている状況はどのようなものかといったときに、例えば財政的に赤字がたくさん積もり積もって、今の計画を、例えば利根川の基本高水の八斗島の計画をやっていこうと思ったら八ツ場ダム一つでは足りないということは、これは先生が一番よく御存じでございますし、例えばこういうものでどんどんどんどん造り続けていく。あるいは、昨日、予算委員会でも御質問がありましたけれども、スーパー堤防というもの、これはまだ進捗率五・五%で、これをやっていこうと思ったらあと四百年掛かると、今の進捗状況でいえば四百年掛かる、そしてトータルの費用では、今のコストの換算で十二兆円掛かると。
 こういうようなことを見直していくということで、できるだけダムに頼らない治水ということを申し上げているわけで、すべてのダムが悪いと申し上げているわけではありませんし、現在、堰堤の高さが十五メートル以上のダムというのは二千八百九十以上あるというふうに私は伺っておりますし、それらが治水面で有効な役割を果たしてきたのもまた事実であると私は思っております。
#65
○脇雅史君 いずれ、ダムに頼るとか頼らないとかって、そんな一つの施設に頼り切ることはありませんし、前も申し上げたと思うんですが、河川の治水計画を作っていくには、まさに河道でどれだけ流せるか。上流で、日本のような国は非常に落差が大きいですから、大雨のときを全部想定して川幅すると全部川になっちゃうんで、やはり洪水を調節するというのも非常に大きな役割を果たすんですね。果たさないこともあるかもしれない。それは、まさに河川の形状によって変わるんで、一つ一つの川で検討すべき話で、何もこれまでもすべてダムに頼ってやれなんてことはやっていなかったんで、そのダムをやったというのはダムをやった方がいいよという判断に基づいてやってきたので、その判断基準を見直すということ、それは時の流れの中で、今までが最善というわけでもないかもしれませんから、検討することを私は別に否定するわけではないんですが。
 余りにもこうだと決め付けないでやるんだと言いながら、大臣の端々にはダムをやめる方がいいことになるんだという発想があるように見えるから、そうすると、今ある利根川のダムで実際このダムはなくてもいいんじゃないかというダムがあるのかということを聞いているんですよ。
#66
○国務大臣(前原誠司君) 今までもうお造りになったものについては当然ながら洪水調整機能というものはあるわけでございますし、それをどう活用していくのかということは大変重要なことだというふうに思っております。
 これからの問題として、全部ダムが駄目だということを申し上げているわけではありません。本体工事に着工していないものの検証を新たな治水の評価軸、利水の評価軸をつくる中で、必要なものは造る、必要でないものは造らない。そして、じゃ、必要でなかった場合にはどういう代替治水策があるのかということを我々はその評価軸に基づいてお示しをしていくということになろうかと思います。
#67
○脇雅史君 済みません、法制局、もう結構です。ありがとうございました。
 さっきスーパー堤防の話が出ましたが、ダムに頼らないときに一番効果的なのは、私はスーパー堤防だと思うんです。スーパー堤防は時間掛かり過ぎるから駄目だというようなことを言われましたけれども。
 スーパー堤防というのは、元々堤防というのは非常に弱いものだから、洪水のときにいつどこが破堤するか分からない。欧米なんかは、大部分は都市の方が河川より高いところに存在しているものですから、破堤ということはそんなに多くないんですね。じわっと水が上がってくるという。そうすると人も逃げられるし、余り死ななくて済むし、被害も比較的少なくて済むだろうというわけで、日本は守れる間は守れるけれども、堤防が壊れたらもう全部駄目という、要するにはんらん原に人が住んでいるようなところですので、この日本の非常に恵まれない治水に対するこの国土を欧米並みの国土に変えようと。これ、体質改善なんですね。だから時間が掛かるんです。そう簡単にはできません。だけど、これをじっくりじっくりやっていけば、我々の子孫は洪水で破堤なんていうことのない世界に生きられる可能性があるんですね。その可能性に懸けて、わずかずつでもいいから堤防というのをスーパー堤防にして、今だと堤防、急傾斜なものだから、その堤防の敷地というのは使えないんだけれども、スーパー堤防にすればその上も全部使える、環境も良くなるということで、長い時間を掛けてやりましょうというのが始めからの話だから、長く掛かるから要らないということじゃないです。体質改善、国土の永遠の課題ですよ。
 そういう思いでスーパー堤防というのがあるのであって、だから、スーパー堤防は時間が掛かるからダム要らないって、何かよく訳分からないんですが、スーパー堤防こそが将来長い時間が掛かるけれども大事。しかし、スーパー堤防ができる、体質改善するまでに血が出ているところは止めなくちゃいけないし、傷があれば治さなくちゃいけないということがあるから、それが従前の治水事業なんですね。その辺のバランスを考えていくと非常に様々な難しいことがあって、単純にダムがいいとか悪いとかという話じゃないし、ダムを造らないとしたらその代替施設をどうするかという極めて難しい問題がまた出るんです。そう簡単にこっちがいいとか悪いとか言えないし、一つ一つの流域において特性がありますし、それをしっかり見ながら判断するので、全国的にダムに頼るとか頼らないとかって話が出るんじゃないんですよ。だから、一つ一つの水系ごとにどうしますかということを丹念にやる以外にない。だから、本当にそれをおやりになるのであれば、各河川でその計画、調査を一斉に始めるしかないんですよ。中央でダムに頼りましょう、頼りませんと、そんな総論みたいなことを言っていても始まらないんです。治水は各論なんですよ。その辺のことをよく御認識をいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(前原誠司君) さすが河川畑をずっと来られて、技官でいらっしゃった委員の御指摘、私はごもっともだと思います。
 じゃ、自民党政権時代と今の政権とどこが違うのかといったところを考えたときに、財政的な制約と、そして人の命あるいは生活を守るということをどう考えながら今の治水というものを根本的に見直していくのかということを申し上げているわけであって、大事な施策は時間が掛かってもやっていかなきゃいけないというのは委員おっしゃるとおりです。
 前、予算委員会だったか、去年のこの国土交通委員会だったか、委員が大東水害訴訟のお話をされましたけれども、国の責任というのは基本的にどこにあるのかというところで、そこにはやっぱり財政的な制約というのも入っているんですよね。
 私は、今のお話を伺っていて、根本的な考え方の違いはないなと思ったんですけれども、今の財政状況の中で必要なものはしっかりやらなきゃいけないけれども、立派なものを時間掛けてでも、しかも財政的な制約なし、つまり金の糸目を付けずにやろうと思ったら、それはいろんなやり方があるかもしれないけれども、しかしそうではない状況に日本が置かれていて、このままのいわゆる平成二十二年度で申し上げれば、九十二兆円を超える歳出で税収見込みが三十七兆円しかないと。こういうような状況の中で、持続可能な治水もやっていこうというふうなことを考えたときには、やはり治水の在り方というものを根本的に考え直していかなきゃいけないと、その制約の中で最善をどう尽くしていくのかということで、その評価軸を見直しをしているわけです。
 そして、評価軸を見直した上で、これは委員がおっしゃったとおりですけれども、河川は私、河川整備は各論だと思います。治水はそれぞれの水系河川で見なければいけない話であるし、今、有識者会議で考えていただいているのはまさにその評価軸の問題であって、評価軸が定まれば、個別の検証に入っていくということになろうかと思います。
#69
○脇雅史君 財政制約というのはどんな行政課題にもすべて存在するので、どれとどれを比べてどっちを優先するかという非常に難しい判断が常に存在するわけですね。私は、これは多分日本の戦後のいろんな様々な社会事情の中で歴史がある程度証明していると思うんですね。これはやってほしい、これはやってほしくないと。で、要望の強いものをどうせやっていきますから、自民党政府が何か変な意識を持ってここだけやるとか、そんなことではなくて、国民の要望にこたえながらやってきた社会的背景、歴史的背景というのが当然あると思うんです。
 しかし、世の中だんだん変わっていきますから、それをもっと急に変えなくちゃいけないというときも当然あって、その変化は少しうまく対応できなかったんじゃないかということはあり得ると思うんですが、何も治水だけやたら金を掛けてきたなんてことないし、そんな意味ではないんですね。そういう意味で財政制約というのは元々存在するので、今民主党がやられているように、じゃ、子ども手当やりましょう、二万六千円ですよというんですけれども、二万円じゃいけないんですかという話になったときに、その六千円があったら治水は随分できるじゃないですかと、何で二万六千円じゃなくちゃいけないんですかと、それが財政制約の中で本当に整理できているんだろうかと。何で高速道路を今ただにしなくちゃいけないんだと。そういう様々なことからすれば、皆さん方が優先順位を変えるというのは結構だけれども、本当にそういう、じゃ治水とどっちが大事なんだと。小学校の、中学校の耐震化だって、子ども手当の方が大事だということになるのかと。もう少しシビアな、歴史的な積み上げをいったん解除して、今の自分の頭の中で財政の優先順位をきちんと付けようったって、これはなかなか実際おやりになってそうだと思いますけれども、難しいと思うんですね。
 だから、それをもしやるとすれば、今言ったようなことにきちんと答えていかなくちゃいけないんですよ。二万円じゃ何で駄目なんですかという話なんですよ。
#70
○国務大臣(前原誠司君) 厚生労働大臣ではありませんので、二万円と二万六千円の違いというのはうまく御説明できないかもしれませんが、この子ども手当を導入した背景というのは、いつも私が申し上げている三つの制約要因なんですね。人口減少で少子高齢化が進んで莫大な財政赤字があると、これを多くの国民は不安に思っているわけです。じゃ、その施策がいいか悪いかというのは、それは政策判断であると思いますけれども、我々は、今までの自民党政権で、いろんなことをおっしゃいますけど、一・三四まで今出生率が減っているわけですよね。一・三四まで減っているから、今の少子高齢化というものがどんどんどんどん進んでいって、先進国では経験したことのないような高齢社会を迎えると。しかも、借金があって、これから働く人たちの負荷、生まれてくる人間に対する負荷というのは物すごく大きいんです。じゃ、これを根本的に解決するために何を優先順位に置いて考えるかといったときに、どうすれば出生率を上げられるかというところで、フランスなどで効果のあった……
#71
○脇雅史君 簡単でいいです。
#72
○国務大臣(前原誠司君) 簡単でいい。まあ、委員の御質問ですからお答えしているわけで、そういうものを使って出生率を上げて、今の日本の制約要因の問題点を解決するというところでこの子ども手当というのは導入されたと私は認識をしておりますし、全体のパイの中で、これは私は決める決定権はありませんが、二万六千円が無理だったら私は二万円でもいいと、私はそう思いますよ。
#73
○脇雅史君 非常に素直な話ですが、非常に難しい話なんですね。多分、私もそうだと思います。そういう柔軟性がなければうまくいくわけないですからね。これから鳩山内閣、もう少しそういう意味でマニフェストに対しても柔軟性を持って、どこに優先順位を付けるかというのは極めて難しい話ですから、オープンな議論をされることを望みます。
 それから、ちょっと話が飛んでしまいましたが、利水の安全度ということで、ダムがない、ダムに頼らない治水にしたいという気持ちはまだ分からないでもないですが、利水についてはためる以外にないんですね。今、八ツ場ダムをやめれば、八ツ場でためられる分だけ必ず利水の安全度というのは下がるんです。下がってもいいのかと、もう今ある貯水施設で担保されている機能でいいのかと。本当にこの関東の、東京圏の、首都圏の人間はそれでいいと思っていないと思うんですよ。それで、何でダムやめると言えるのでしょう。
#74
○国務大臣(前原誠司君) これは、様々な利水計画の中でも同様な議論がなされるわけであります。確かに取水制限等々やっておられるところもありますし、そういったところからすれば、そういった取水制限をしたくないからお金を出してでも八ツ場ダムをと、こういう御意見なのは理解できるわけでございます。ただ、これからのいわゆる水需要というものをどのように考えていくかという中長期的な考え方も必要だと思います。
 これを言うと委員は不機嫌になられるかもしれませんが、計画を立ててから五十七年間できていないわけですね、これから何年でできるというそういう話もありますけれども。その中で、ずっと暫定水利権というものがいわゆる設置をされる中でやりくりをしてきたということであります。そして、フルプランというものも数次見直しをされてきて、常に下方修正、下方修正、下方修正というものがなされてきたのも、これは御専門である先生はよく御存じのとおりだと思っております。
 その中で、この八ツ場ダムというものが利根川及び荒川水系における水資源開発基本計画、フルプランの中でどれぐらい効くのかということを考えたときに、例えば戦後最大渇水というものを考えたときには、利根川・荒川水系の依存量がこれは毎秒百五十二・七一立方メートルということでありますけれども、その中での八ツ場というのは六・二六であると。あるいは、戦後二番目の渇水のときを考えれば、利根川・荒川水系の依存量は百六十八・七七毎秒立方メートルであるけれども、その中の八ツ場ダムというのは七・五三であると。
 じゃ、これをどう考えていくのかということになると思いますし、また今、我々、有識者会議で治水の評価軸も考えていただいておりますけれども、このフルプランというものがどんどんどんどん時代とともに下方修正、下方修正というものがなされていく中で、しかし、安定した水供給をという地元の御要望にどうこたえていくのかということも併せてこの有識者会議の中ではお考えをいただき、そして結論を出していかなくてはいけない点だと、このように思っております。
#75
○脇雅史君 現実に、ダムの操作をしながら水が流れていく、渇水時にどんどんどんどん河川の水が減っていったときに、ダムがあるからこそ補給できるんですよ。それが毎日毎日減っていくというのを現場で体験されると、大変だなと、どこかにもうダムはないのかと思うんですよ。
 まさにそういう状態がずっと何年も続いていて、表に出ていなくても、首都圏の水というのは大変安全度低いんですね。多くの国がありますが、首都圏でこれだけ、首都圏だけではないんですが、我が国というのは非常に安全度が低い。三分の一とか五分の一とかという、五年に一回、そのぐらい取水制限するぐらいの安全度しかないんですよ。
 そのことをどう評価するかということなんで、今あるダム、せっかく造りかけてまさにもうできようとしているダムを、その安全度を、みすみす要らないんだと。造れば必ず安全度増すんですから、非常にもったいない話なんですね。何でわざわざそのダムをやめるんだろうと。それはもう渇水にならなくちゃ分かりませんが、保険みたいなものですから、常々はいいじゃないかとかというそういう議論じゃないんですね、その渇水の考えというのは。その意味で、よくよく首都圏の利水の安全度ということにお考えをいただきたいと思います。答弁は結構です。
 その次に、さっきもちょっと申し上げましたが、そもそも国が予算要求をするというときは、これは来年度の、今でいえば鳩山内閣としての意思ですから、非常に大事な話なんですね。こういうことをします、あるいはしませんということが明快になる。それが、八ツ場ダムあるいはほかのダムについて言えば、県と要求が異なるんですね。これは私の常識ではあり得ない。県と調整ができないような話は予算要求なんかするなというのが昔の常識ですよ。意思が分からないんだから。
 その意味で、今、県と国と予算要求の中身が違うというのは行政として極めて問題だと、調整能力なしと、そんなことも調整しないで予算要求書なんかよく作っているなと、顔を洗って出直してこいというのが本来の常識ですよ。変じゃないですか。
#76
○国務大臣(前原誠司君) 委員御指摘のように、国が本体工事の中止の方針を示している一方で、関係都県等の多数が来年度予算に本体工事分を計上しているということを明らかにされているのは私も承知をしております。このような状況でありますけれども、既に関係都県等の御理解を得るまでは八ツ場ダムの基本計画の廃止に関する法律上の手続は始めないということを表明しているところでございまして、再検証を行って、そしてこの基本計画の廃止というものに入る前にしっかりと関係自治体と協議をしていかなくてはいけないと考えております。
#77
○脇雅史君 国と県というのは、大きく見れば同じ行政を担っている、共同して国民のために仕事をするわけですから、肝心の国と地方の県とが話ができないなんというのは極めて異常事態ですよ。これはもう極めて恥ずかしいことだと思っていただきたいし、丁寧に調整をすれば私はこんなことは逃れられる、まあ法的な意味はまた別としても、是非こういうことで検討するから余裕くれと、申し訳ないけど来年度の予算はこうやってくれということを丁寧にですよ、大臣が自ら行くか副大臣が行くかは分かりませんが、本気で調整すればできますよ、国と県なんというのは。それがしかもこんな対立関係になっているというばかな話はないんですよ。重大に反省をして、きちっと調整をしていただきたいと思います。
 それでは、ちょっと話飛ばしますが、ちょっと先の方をやらせてもらいます、時間が余りなくなっちゃったんで。
 これまで、民事再生法等を使って建設業というのが随分更生処理をすることがありますね。これはバブルのころからの法律ですが、必ずしも建設業だけに悪さがあるわけじゃなくて、銀行の問題もあるし、助けてやろうというんで民事再生法みたいな法律ができてやってきたわけですが、今まで来ますと、最近で、そういった更生手続をやって会社がよみがえってくる。すると、地域においては、あの会社はつぶれて我々その不良債権つかまされてえらい目に遭ったわと思っていると、しばらくするとまたその会社が指名に出てくると。それで取っていったと。どうも割り切れないという思いがあって、今、前原大臣はちょっと行き過ぎた言い方をしているように見えますが。
 いずれにしても、建設会社というのは、いい会社を残す、悪い会社はあきらめていただくという淘汰をする必要があると思っておりまして、その意味で再生法で出てきた会社にまたすぐ仕事を出すというやり方はいかがなものかと。まあ認めないというのもちょっと乱暴なんですが、少なくともその入札に参加できるのは、しばらく努力して三年後とか五年後とか、何かをした方がその地域としては納得ができるのではないかと。私も全国回っているとそういう陳情を非常に多く受けるんですが、いかがでございましょう。
#78
○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。
 委員が今御指摘のこの民事再生手続等を経て再び公共工事の入札に参加することについてということのこの議論でございますが、これもまさに御指摘のとおり、大変厳しい経営環境という状況の中で現に倒産が多数起きております。こうした中で、民事再生という手続を進めておられる企業がこうした新たにそのスタートラインに立てるということについての是非というものは、これは十分に業界の中でも問われていることは承知しておりますが、また一方で非常に供給過剰状態というのも続いていると。こうした中で、我々としても状況を踏まえながら公共工事に対しての企業評価というもの、再生企業等をどのように扱うかということに関しましては、これは十分に検討しなければならないと思っております。
 本日は、大臣から公表させていただきましたこのいわゆる入札制度の改善につきまして、経営事項審査の中での評価の在り方、これについて改善を発表させていただいております。四月以降にこの中身については中央建設業審議会を開催して検討を行ってまいる所存でございますが、本日は経営事項審査制度、その中での見直しということで、これはまず再生企業の取扱いということで項目を挙げて、審査基準についてこの中建審で検討を行うということを掲げておりますので、そこでの議論とさせていただきたいというふうに考えております。
#79
○脇雅史君 是非しっかりとした対応をしていただきたいと思います。
 それから、入札、契約という全体の中身でいえば、今まではどうしても発注者側が身を正すとか国なら国が損をしないとかという、言わば発注者の立場からの改正その他が非常に多くて、本当の意味でこの改正をしてもらって会社が働きやすくなったというような方向の改正が少ないと思うんですね。やはり、現場で、現場の企業の皆さん方がきちんと仕事ができて、結果としていいものができて国民に提供できるということが一番のあれですから、やはり現場の声をしっかり聞くということを是非やっていただきたいと。
 その意味で、現場で地方整備局の方々が実際に工事を出してやっているわけですが、最近、政権交代以降、どうも現場の業界と整備局との連携プレーというか、話がしにくくなっているように思うので、これは、変な意味の接触は当然気を付けていただかなければいけませんが、現場で起こっていることをきちっと受け止めるというのは一番大事なことですから、前線を大事にしていただきたいということは注文しておきたいと思います。
#80
○国務大臣(前原誠司君) 脇委員、おっしゃることは大変重要なことだというふうに思っております。
 我々もこの半年間、かなりの業者からのヒアリングを行ってまいりました。その中で、今委員が御指摘をされた民事再生法で出直せば経営審の点数が高くなって仕事を取りやすくなるというのは、これはおかしいと。あるいは、ペーパーカンパニーが、要は技術者を借りてきて、そして仕事を取って、そして丸投げをするなんていうことはおかしい。
 実際問題として、委員がまさに御指摘をされたように、優良なまともな企業をしっかりと育てるということが大事なことでございますので、これからも整備局やあるいは本省を含めて、いろんな業者からの生の声をしっかり聞きながら、その都度、入札制度のみならず、様々な建設業に関する改善を行っていきたいと思っておりますし、その一つの方途として、今日、私、閣議後の記者会見で、先ほど馬淵副大臣が答弁をしましたように、改正を発表し、四月からそれを実施させていただくということでございます。
#81
○脇雅史君 次は、履行保証というか、工事の保証を国はさせますね。国が損しないように、施工途中で企業が変なことになったときでもちゃんと代金が回収できるとか完成させられるとかという保証を相手に義務付けているわけですが、これは我々が普通家を建てるときなんかは、その契約した相手がつぶれて駄目になったらどうしようと思ってもなかなかできませんが、さすが国は税金を使っているわけですから絶対に損はしないという格好で、強制的にそういう義務を与えているわけですね。それで、また業界はそれなりのお金が要るわけですけれども、それは必要なことだ。
 しかし、こういう事例がありまして、保証を負わされているんですけれども会社がつぶれたと、そうすると、その状況をきちんと調べて再入札しなくちゃいけないということが起こっていまして、これ学校の改修工事なんですが、三月までに仕上げないと次年度から児童が困ると。それが途中でつぶれてしまって、再入札やると七月ぐらいまで掛かっちゃうと、これ大変な問題だなという事例が実は起きている。
 これ、昔、完成保証人というか、建設会社に、じゃ私がいざとなったらちゃんと保証しますよという会社を置いておくと、駄目になるとすぐその後引き継いで仕上げられるということがあって、昔のやり方でいけばうまくできたじゃないかということもあって、最近、完成保証人というのを立てることを、談合の問題等あって建設会社に頼むのはどうかという時期もあったんですが、これもいささかなますを吹いているようなところがあって、今はもうそんなことはないんだからそれを復活してもいいんじゃないかという声もありますし、また、私なんかは、いろんな協会がありますが、建設業協会なんというものが例えば協会として保証をしてやる、いざとなったらうちの協会がすぐ造りますよと、会員いっぱいいるからというようなことをやれば、これはそれで非常にその保証能力はあると思うんですが、そもそもの保証の意義からして、もう一回完成保証人みたいなのを立てることも考えるケースがあっていいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#82
○国務大臣(前原誠司君) これは私が初当選したころですので十六年ぐらい前に、あのときは細川内閣のときだったと思いますけれども、今先生の言われた工事完成保証人制度というのは、あのころはまだ談合がかなり当たり前に行き渡っていた時代でありましたので、談合を助長するということで廃止すべきだと、それに代わって履行ボンドなどの措置をという議論がございまして、結果として今そういう流れになっているわけであります。
 御指摘の役務的な保証というものは、発注者にとっては万が一のときにはメリットがあるというのは先生のおっしゃるとおりでございますけれども、その役務を保証するものとしてどのような主体が適切なのかということ、また談合が復活するんではないかという問題点もありますし、じゃ工事完成保証人制度をだれにするのかといった問題もございます。総合的に勘案する問題でございまして、その導入につきましては、元に戻すのかあるいは新たな形でやっていくのか、それは委員の皆さん方の御意見も伺いながら、今後検討課題とさせていただきたいと、このように思っております。
#83
○脇雅史君 非常にそういうふうに前向きにやっていただけると有り難い話なんですが、私、最近、建設産業も少しビジネスモデルを変えた方がいいんじゃないかと。従来どおり仕事がなくなると補正だといってとにかく仕事をよこせということではなくて、地域のために建設産業としていろんなことがやれるはずだし、新しい試みでもっとどんどんどんどん変えていきましょうと。
 発注者も変わってもらわないと困るんですね。例えば、道路の維持管理業務なんというのがあるわけですが、毎年毎年同じことをやるわけですね、清掃したり悪いところを修理したり。それを毎年毎年、三年ぐらいでやっているところもありますが、安いところと契約すればいいんだといって毎年毎年入札なんかさせているよりも、きちんと例えば協会なら協会にこれをやれと、毎年。値段なんというのは毎年やっているんだから自分ではじけるわけだから、何が何でも競争、競争なんということより、そういう発注者としても少しビジネスモデルを変えた方がいいんじゃないかと思う点がこれからいっぱい出てくると思うので、今、前原大臣、非常に前向きな答弁されましたので、いろんなことをひっくるめて、発注者が損しないとか、そんな狭い範囲じゃなくて、発注者と受注者が一緒になって仕事をして、どうすれば国民が一番メリットが出るかという観点から是非いろんな検討をしていただきたいとお願いしておきます。
 それから、予定価について、大臣もよく御存じだとは思いますが、どんなふうにして積算をして、どんな意味を持っているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#84
○国務大臣(前原誠司君) 予定価格は、発注者が過去の取引の実例価格等に基づいて標準的な単価等を用いて算出する価格であります。
 予定価格だけでよろしいですか。はい。
#85
○脇雅史君 標準的な価格、つまり、もう少し丁寧にお答えいただきたいんですが、要するに、現地調査をして、この仕事をするのにはどれぐらいの人手間が掛かるかあるいは機械が要るか、そういったことをすべて調べて、それに各単価を加えて、そして適正な利潤というものも考えた上で、この仕事をやるにはこれが標準的な値段だろうというのを市場価格を丁寧に調べて決めるということですよね。
#86
○国務大臣(前原誠司君) もう委員おっしゃるとおりで、委員から詳しく教えていただいた方がいいかと思いますが。
 私も物価版というのを見たことがありますけれども、そういった物価版、単価の書いてあるもの、どれだけの人数が要るか、そういった様々な算出方式に基づいて、そして最後にどのぐらいの利潤を乗せるかというところで予定価格は決めておられるという認識をしております。
#87
○脇雅史君 そこで発注者が予定価をきちんと算出していれば、六割や七割で仕事ができるというのはおかしいですよね。どうですか。
#88
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりだと思います。
#89
○脇雅史君 一部では裁判所までもが、落札率と称して、九割以上で落ちたら不正があると見た方がいいなんということを言っているんですが。これは何も私は業界を擁護するという意味じゃなくて、物事の論理的な意味からして、そんなばかなことはないんですね。発注者が一生懸命現行の標準価格を調べて、実勢価格を調べて、実勢価格に近い価格になったらおかしいなんということはあり得ないと思うんですよ。つまり、予定価で仕事を出しても発注者というのは別に国民に損を与えないということなんでしょう。
#90
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりではございますが、先ほど工事完成保証のところでお話をさせていただきましたように、昔は談合というものがまかり通っていて、そしてボーリングという形で予定価を聞き出して、そして談合して、そしていわゆる受注する企業だけがそのボーリングした予定価格に積算もせずに張り付かして、他の企業が予定価格を上回る価格で応札をし、そして受注者が決まるというようなことが横行していたといったところで、そういったものは絶対排除しなきゃいけないと、競争入札というものを導入していかなくてはいけないということで様々な方式が取られてきたという認識を持っております。
 ただ、委員がおっしゃるように、ダンピング、必要以上の低価格入札というものが行われると、これは下請にしわ寄せが行ったりとか、あるいは非常に粗い粗雑な工事をして品質の保証ができないとか、あるいは結果的にそれが何年かたってまたやり直ししなきゃいけないということでより高く付くとか、そういった問題がございますので、両極端の議論は排除して、競争入札はしっかり確保しながら、しかし不当な廉売競争、ダンピングは防止するという観点での様々な施策を取っていく中で適正な競争による受注というものを図っていくということが望ましいと考えております。
#91
○脇雅史君 昔のことだから今はないんですが、三十年、四十年前に、それは談合というか話合いでだれが取ろうかというのを決めていたような時期もあったと思うんですが、基本的に、どこが取らなくちゃいけないかって、独り占めしようと思う会社はいないし、やっぱり地域の仕事は地域の会社が順番で取ろうというような精神で、順番を決めるような話であって、それで予定価に近くてその差額をかすめ取ろうなんという発想は初めからないし、元々、発注者に対するある種の信頼感があって、発注者というのは適正にはじいているはずだということで一連のものができていたんですが、いつのころからか、予定価と落札額との差額がこれがもう予定される発注者の利益だと、それを多く取れば取るほどいい発注者だというような間違った認識が広がったんですね。それが大きな間違いなのであって、まじめにやればそのぐらいの値段にならなくちゃいけないと。
 そこで、何を一番見ればいいかというと、じゃ現場できちんと仕事ができているのか、お金が行き渡っているのか、ぼろもうけしているのか。ぼろもうけなんかさせる必要は全くないんですね。しかし、建設産業がどんどん疲弊していってなくなっちゃうと最後困るのは住民なんですよ、まさにいい会社を残さなくちゃいけないんですから。
 今は既に現場で技能労働者、いわゆる職人さんなんかが余りにも給料が下がり過ぎて、いいときの六割ぐらいに下がっている。公務員はほとんど下がっていませんから相対的に物すごい下がっているんですね。そんなに値段が下がっているから、だれも若い人は来ない。だから、平均年齢が五十六歳、五十七歳。建設産業というのは人でもっているんですから、技能者、技術者がうまくその技能、技術を若年層に継承していかなければつぶれるんですね。現実にそんな状態が起きて大変な状態なのに、まだ安けりゃいいんだと、落札率が九割超えちゃいけないなんてばかなことを言っているというのは全く実態を見ていないんですね。
 さっきも申し上げましたが、それぞれの会社の実態というのをどう見るかということが難しいところがありますが、今まさにみんな死にかけているわけですよ。それを本当の意味で今の発注者がきちっと見れば、安い値段で落札なんて責任ある発注者ができるはずもない。九割以下なんかで持ってきたらお帰りくださいと、そんなことだったらますます悪くなりますよという指導をこそ発注者はしなくちゃいけないんですよ。
 ぼろもうけするわけじゃないんだ、そうでしょう。きちんと予定価というのは市場価格で見ているんだから。その市場価格で見ているという自信がないんだったら予定価なんてやめちゃえばいいんです。そのことを本当に多くの人が誤解をしていて、私がこう申し上げると、あいつはまた業界の利益のために言っていると。利益には当然なるんですが、業界の利益のためだけじゃない、それが国民のためなんですよ。今、このまま行ったら本当に建設業は破綻しますよ、ほとんどの地域で。
 そのことを発注者こそが、国土交通大臣が先頭に立って、安値受注は悪いことなんだということを言っていかないと駄目な時期なんですよ、今のまさにデフレ宣言をしているこの時期というのは。前原大臣ならやれるはずだから、是非やってくださいよ。
#92
○国務大臣(前原誠司君) 何か今まで責められていて急に褒められるとちょっとくすぐったい感じがいたしますが。
 委員おっしゃることは私も大筋同感でありまして、だからこそ競争入札は拡大するけれども、総合評価方式という、単に価格だけではないという形で、私はこの総合評価方式もたゆまざる改善というのは必要だと思っておりますし、それは指示をしておりますけれども、価格だけではないんだというところで評価をしていくということと併せて、ダンピングについては最低制限価格をしっかりと、今徐々にちょっと上げていっています、おっしゃるように。
 そういう意味で、適正な価格の中で、範囲で競争をしてもらう、そしてそれも単なる価格競争だけではないと。そして、いいものをしっかりと造っていただき、それがひいては建設業の利益にもなると。こういう形をやっぱりしっかり取っていかなくてはいけないと思いますので、今はその方向でしっかりと改善をやっておりますので、安けりゃいいという考え方を、国土交通省、あるいは政権交代後も取っているというわけではないということは明確に申し上げたいと思います。
#93
○脇雅史君 政権交代後というところだけ余計だけれども、精神としてはよろしいと思います。
 それから、発注者責任という言葉がよく使われるわけですが、私は元々発注者の立場であったこともあるんですが、昔は、振り返ってみますと、税金を使っているんだからとにかくいい仕事をしてほしい、国民の間に残す財産ですから、資産ですから、いいものを造ってくださいよ、いいものを造ってくださればどこでもいいやと。余りどこの会社がやるということに私自身は興味を持っていなかったんですね。とにかく良かったら、いい仕事をしてくれたらいい。
 しかし、今となってみれば少しその考え方が狭いので、やっぱりいい仕事をさせるのにいい会社を選ぶ。今この仕事を実際に行うに当たってどこの会社に発注するのが一番国民、納税者にとっていいことなんだろうかと。自分の利益じゃないですよ、納税者にとってどこが一番いいかと。この会社とこの会社、この会社、甲乙付け難いんだったらそれでくじ引でもいいんだけれども、そのときに値段だけであるはずがないですよね、いろんな要素、地元企業、地元の発展のためには地元にやらせるということも大事でしょう。いろんな要素を入れて、価格だけではなくて、一番いい会社を選ぼうというのがまさに総合評価なんですね。それが発注者の責任なんです。
 どうやってそれをやるかと。そうなると、発注者というのは、いろんな評価項目でこの会社がいいということを言わなければいけないんですが、その評価の中身は最終的には国民に納得してもらわなくちゃいけないんですね、納税者に。だから、これはもう情報公開しかないんですよ。いろんな会社を呼んで、どんなやり方をされますか、どんな機械を使う、材料はどこで買う、どんな技術屋が来て、過去の今までの実績を教えてください。様々なことをやって、じゃ、あなたがいいからあなたにしますよと、それはこういう理由であなたにしたんですということを世間に公表すると。十人が十人いいとは言わないかもしれないけれども、十人のうち六人、七人がよしと言ってくれればいいんですね。
 そういう開かれた中できちんといろんな要素を評価するというのがまさに総合評価方式、品確法の精神、あるいは発注者の責任だと思うんですが、どうでしょう。
#94
○国務大臣(前原誠司君) もうそのとおりだと思います。
 官製談合という言葉がございました。談合が付いているので、いい悪いだと悪いんですが。例えば、官製談合で、悪い範疇で二つ申し上げると、一つは、官製談合を行うことによって、行った側が不当な利益を得ていたと。あるいは、それが天下りと結び付いていたと。こういった官製談合は言語道断だと思いますけれども。
 私も地方議員の経験がございまして、別に京都市や京都府が官製談合をしていたわけじゃないんですが、私が京都府議会議員をやっていたときというのは、まだ談合が行われていて、入札制度改革をやろうとすると、業界の方から何で談合悪いんだというおしかりをむしろ受けた時代でございますけれども。発注者側からすると、談合があったときは安心できたというんですよ。つまりは、先ほど委員がおっしゃったように、安心できる業者の中で話合いが行われて仕事が取られていたという面もありますし、もう一つは、予算が限られたときには、赤字で泣いてでも取ってくれというときが出てくると。そのときに、利益だけでだれも取らないということが起きるときに一番怖いんだと。だから、談合の功罪というのはあるんですよということを本音で話してくれたことはありました。
 そういう意味では、価格だけではない発注方式というもので総合評価方式が定着していることは私は大変いいことだと思いますし、先ほど委員おっしゃったように、どう透明性が確保されていて国民に理解をされるかということと、あと、この間、私が記者会見で、この総合評価方式の見直しを行った中身は、要は、何で自分のところは外れたんだと、あるいは、この点数が付いたのは何でなんだというような業者からの問い合わせも含めてしっかりと対応する中で、ブラックボックスじゃなくて透明な仕組みの中で総合評価方式が行われているんだということをできる限りお示しをしていくということで、改善策というものを発表させていただいたわけでございますけれども。
 そういう意味では、問い合わせの窓口もつくります。つくりますし、それから具体的な内容の通知というものも行います。技術提案の評価の結果に対して、あなたはどう評価しましたか、しませんでしたかということもお答えをするということで、できる限りオープンな形でこの総合評価方式をより高めるための努力をしていきたいと、このように考えております。
#95
○脇雅史君 総合評価方式、元々、方式というか品確法で作ったときには、民主党の先生方も御一緒に共同提案でやったわけですが、そのときには、各地域でやり方が少しずつ違うだろうと、地域の特性が入ってもいいという、そういう要素を入れているんですね。それぞれの地域でいろんな思いを込めて一番いい会社を選ぶと。そのことを電子入札みたいなことでできるわけないんですね。本当は、きちんと呼んで聞くんですよ。全部聞くというのは大変かもしれませんが、やりたい人を呼んで聞いて、いい人を選ぶという、まあ会社の面接試験のようなものですが、そういうことをやって、結果をきちんと、経過をひっくるめて公表すると。
 とにかく、納税者にとって一番いい会社を選んだぞと言うことができるような、そのことを胸を張ってやれるように。安けりゃいいんだという、あるいは単にマニュアルだけやって、それどおりやっているからいいんだといったようなことではなくて、一番大事なことなんですよ、これ。ほかの仕事はいいから、国交省はきちんといい会社を選ぶということに全力を挙げて、オープンな格好でしっかりとやっていただきたい。それが品確法の精神ですから。
 今、私申し上げているのは、あちこちで、知事会なんかもそうだけれども、よく制度が悪いと言うんですけど、制度が悪いんじゃないんです。今の制度でできるんです。問題は、発注する人が、安けりゃいいとかという、そんな変な精神ではなくて、納税者に成り代わって一番いい会社を選ぶということをきちんと思ってやれば、今の制度でできるんです。だから、これも大臣が一生懸命そっちでやってもらえば動きますから、是非、ダムばかりやっていないで、そっち、是非お願いします。
 それから、ちょっと時間がなくなって幾つかはしょらねばなりませんが、維持費の負担をやめると。要するに、地方負担をやめさせて国が負担をするというようなことを言っていますが、これ現行法は、道路法であるとか河川法であるとか、様々な法律でその費用負担というのはそれぞれ決めていますね。現行では、直轄管理するところは基本は国でしょうとは言っているんですが、それぞれ、地方が負担すべきものがこういうケースではありますよということで、同じ法律の中で地方の負担というのを決めている。それはそれなりの精神があると思うんですね。法律として維持管理費をだれが負担すべきかという精神に基づいて規定があると。今、別にその精神が変わったわけではないと思うんですが、変わったことはありますか。
#96
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど答弁のときに付け加えるのを忘れましたが、総合評価方式の導入に当たっては脇委員が主体的な役割を果たされたと伺っておりまして、心から敬意を表したいというふうに思います。
 今の直轄事業負担金の問題でございますけれども、委員おっしゃるように、国の直轄事業に係る地方公共団体の負担金は、事業から生じる受益が直接的にその事業が実施される地方公共団体の地域に及ぶことなどから、今までは事業費について管理者である国に加えて受益者たる地方公共団体も一定の負担をいただいていたと、これはもう委員おっしゃるとおりでございます。
 しかしながら、これから国が行う直轄事業ももちろん残っていくと思いますけれども、できるだけ自由度を地方に与える中で、我々分権を進めていくということの中で、自由に使えるお金を増やすということから、今回は直轄事業負担金の廃止というものが打ち出されて、二十五年までにすべて廃止をして、そして一括交付金のような形で自由に使えるお金を更にこれから年を重ねるごとに増やしていこうという一つの過程であると、こう御理解をいただければ有り難いと思います。
#97
○脇雅史君 私は、個別法で決められているそういうだれが費用を負担すべきかという精神は、これはある程度尊重すべきだと思うんですね、変わらないんだから。お金がないというのであれば、それはそれで手の打ちようがあるんですね。個別法で決められている地域の人が当然受益するんだからそこが負担するんだということをきちっとしておかないと、直轄だけは全部国で、どっかの人がみんな払ってくれるけれども、地方になったら全部地方だというのも、これも変なんですね。
 そういうバランスもありますので、費用だけの問題であれば、今までだって、これ大阪知事の言うことは若干間違っていて、あれ全部見てあったわけですね。裏負担知らないなんて言うけど、自分の予算書には書いてあるわけですよ、税金見れば。自分で作った予算書に書いてあるのに初めて聞いてぼったくりだとか言っていますけど、そんなばかな話はなくて、しかも、その財源というのは全部交付税措置されているんだから、金がないなんて、そんなぼったくりないですよね、大うそなんですよ。そんな仕事するの初めて聞いたなんて言っているけど、地方と国とは、今の時代ちょっと変だけれども、本来は調整されるべきなんだから、この仕事があったなんてことを知らなかったというのも知事の不謹慎な話で、大阪府知事の言っていることは全く大うそなわけですよ。
 それをみんな信じて地方に金がないなんて言っているけど、全部負担してあるわけですよ。だから、今までどおりやったって、単に交付税でやっていたものを直轄の方に回すだけの話なんですよ、トータルとすれば。だから、その理屈を崩す話ではなくて、金がないのであればきちんと財政措置をする。今年だって一兆円回したわけでしょう、交付税。だから、そういうことで措置すべきであって、私は、元々持っている各個別のそういった精神というのは、法的な精神というのは大事にした方がいいと思っていますよ。
#98
○国務大臣(前原誠司君) 委員今おっしゃったこともそのとおりだと思いますし、また、大事なことは、地方の負担がなくなれば自分のお金を出さなくていいということで、本当に必要かどうかというその事業採択の可否の部分が弱くなって、国がやってくれるんだからとにかく頼んでおけばいいやと、こういうようなことが生まれてきては我々が進めようとする事業の本末転倒でございますので、そういうこともしっかりと、事業評価というものを厳密に判断をしながら、今委員おっしゃったことと併せてやっていくことが大事だと、そのように認識をしております。
#99
○脇雅史君 この間の所信の中で、総合交通の、交通基本法ですか、というようなことを言われていましたが、中身見ると少し公共交通といったようなことから人の移動に限定しているような表現だったように思うんですが。
 中身は違うと思うんですが、私は多分、この二十一世紀半ばにかけて、人と物を環境的にもエネルギー的にもいかにうまく運ぶシステムを国がつくるか。陸海空、飛行機、船、鉄道、高速道路、一般道もひっくるめて、いかに合理的な、合理的というとちょっと狭いんだけれども、本当に日本という国はすごいことをやっているなと、交通輸送体系としてね。
 そういうことを、まさに今、余りにも夢がないものですから、産官学というか、それぞれいろんなお金を出し合ってでも輸送体系をきちっとつくっていこうと。飛行機だけじゃなくて、JALだけじゃなくて、まさにトータルとしてそういうことをやっていくというのが、世界に先駆けて、私は、日本の優秀性というか、大いに世界に発信すべき部分でやれると思うんですね。是非その辺の音頭取りもお願いしたいと思っていまして、そういうことなのかなと理解したんですが、どうですか。
#100
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりです。
 今、辻元副大臣、三日月政務官中心に考えていただいている交通基本法案のベースになっているのが、平成十八年に民主党と社民党で共同提案した交通基本法案でございまして、この中には、今委員御指摘のように、第一条の目的のところで、交通が人の移動及び貨物流通を担うものとしてということで、貨物のことも書いてございますし、様々な条文で、貨物流通の効率化及び円滑化とか、あるいは貨物の幹線輸送における環境への負荷の低減など、こういった人のみならず貨物輸送、物流というものも入れさせていただいておりますので、今検討している法案でもそういった点、今御指摘をいただいた点も含めてしっかりと検討していきたいと考えております。
#101
○脇雅史君 もう時間ですので。
 高速道路関係あるいは道路会社の形態、無料化しますと、道路会社というのはもう成立しないわけでしょう。高速道路の無料化を本気であと三年半のうちにやるとすれば、その後は会社の存続はないわけですよ、どんな組織にするか分かりませんが。その辺のことをちょっと聞きたかったんですが、今日は省略して、またいつか聞きたいと思います。
 それから、地方支分部局をなくす、出先をなくすと言っておられますが、特に河川の管理について出先をなくして本当にうまくいくのかなと。つまり、出先をなくすということは、国が直接管理するものがなくなるということにつながるので、最終的には河川法を改正して、一級水系、二級水系の区別もなくすのかなと。
 非常に大きな改正になるんですが、現実に河川法が、これは河川法という法律は前も申し上げましたが、国と地方の役割分担を非常に詳細に決めている法律なんですね。そこに問題があるのなら問題があるということで変えていいんですが、その辺のことのきちんとした分析もなしに、ただなくすということから始めて、最初に結論を持ってきて、ダムと一緒で、結論を持ってきてあと検証するんだなんということでは世の中うまくいかないので、細部の設計から始めなくちゃ駄目なんで、その辺はきちんと設計をしていただきたいと。これは国にとって大きなマイナスにつながりかねないと思っていますので、今日はその問題指摘だけにとどめておきます。またいつか。
 ありがとうございました。
#102
○委員長(椎名一保君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩といたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#103
○委員長(椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、土田博和君が委員を辞任され、その補欠として金子洋一君が選任されました。
    ─────────────
#104
○委員長(椎名一保君) 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、国土交通行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#105
○大江康弘君 御苦労さまでございます。改革クラブの大江でございます。
 ちょっと順番を変えて、今日は、日銀の方から中曽理事がお越しをいただいておりますし、大事な会議がおありだということでございますから、ちょっと若干二、三点お聞きをして、終わりましたら、委員長、もうお引き取りをいただいて結構ですから、どうぞ。
 ちょっと一点、その前提として。
 大臣、よく三つの要因を言われまして、今日も脇委員のところで人口減少、少子高齢、そして債務残高ということを言われましたけれども、私は今年の予算の編成を見せていただいて、非常に今までにない国債発行をされたと。私は、もしかしたらその裏に、よく言われますけれども、日本の国債というのは今、聞けば、海外が買ってくれているのがわずか六%。これの国債の国際化をどう進めるかということも問題だと思うんですけれども、やはり夫婦間の借金だから、そして千四百兆円という個人資産があるからとよく言われますけれども、どうもやっぱりそういうところが、口では、財務省はいろいろ財政規律の中でよく、まあ省庁というのは自分の政策をやっていくのには便利な数字を時々言うことがあるわけですけれども、それが国益につながれば私はうその数字でもいいと思うんですけれども、どうも夫婦間の借金だから、日本の国内で八〇%以上の消化があるから、夫婦が円満なうちはお互い、おまえ金貸せ、戻せなんということで、ありませんから、やっぱりそういうところが私はどうもあるんじゃないかなという、余り危機感を感じないんですが、そこらどう思います。
#106
○国務大臣(前原誠司君) 大江委員にお答えします。
 確かに一千四百兆円に上る金融資産があるというふうに言われておりますけれども、これを国が、国民が持っている資産であるので、国が借金してそれを帳消しじゃないかという議論がありますが、そういう面もあるかもしれません。
 しかし、多額の債務を抱えると、当然ながらそれの金利負担というものも大きくなってきますし、日本が何とか持ちこたえられているのは、やはり私は、低金利で、その莫大な借金の元金、金利分の償還というものがある程度抑えられているので何とかなっている。まずそれが、今までは郵貯とかあるいは簡保とか年金とかそういったもので、タコが自分の足食っているとか、そういうような話もありましたし、この間、新聞報道を見ておりますと、日本の金融機関の国債保有が百六十兆円を超えていたと、こういうことでございまして、それがでもひいては貸出余力というものを相殺してしまっているという、違う意味でのまた経済的なマイナスというのが出てきていると思います。
 いずれにしても、借りたお金は返さなくてはいけませんし、低金利であるということで助けられている部分があって、いつ金利が上昇するか分からない状況でありますので、今の対GDP比で一・七とか一・八倍を超えるような借金を抱えているのは異常だと思いますので、やはり今の経済をどう支えるかという景気対策ももちろん慎重にやりながら、財政再建の道筋をしっかり示していくということは極めて大事なことだと、このように考えております。
#107
○大江康弘君 非常に分かる答弁なんですが、余り説得力がどうもないように思うんですね。何か公共事業が皆さん無駄だと言われて、そういうことが一番目に付きやすいのがやっぱり公共事業であるし、もちろんあの事業仕分でもやっぱりそうでもありましたし、そういうことの理由付けの中でこの長期債務残高の話が出てくるのかなと思ったんですが。
 私は前にも申し上げましたけど、欧米でもそうですけれども、やはりそういう国においての経済政策の違いというのは、成長路線を取るか、いわゆる格差是正路線を取るか、よく効率性か公平性か言われますけれども。皆さんは、まず格差是正の経済政策を取られた。ところが、いろんな状況の中で、年末に急遽百兆円ですか、成長路線へ財務大臣が言われて、当時は財務大臣だったかな、菅さんが、そういうことで第三の道と、余りよく分からないんですが、これはイギリスが取った道なんでしょうけれども。
 そこで、ちょっと日銀にお伺いをしたいんですが、今、長期金利というのは大体一%台ですかね。
#108
○参考人(中曽宏君) お答えいたします。
 長期金利、いろんな期間がございます。代表的なのが十年物の金利と言われているものでございますが、この数字を見ますと、大体一・三%前後で現在推移してございます。
#109
○大江康弘君 これ、今の日本の、約一・七倍、一・八倍、GDPの債務を持っておる国の中でやっぱり一%台をこうして維持しているというのは私は大変なことだなと、実は、いい意味でですよ。日銀もしっかり私はしておるというふうにも思いますし、金融政策も間違っていなかった部分があったのかなと思うんですが。
 ただ、やはり、今の政権が、いわゆる収支バランスがうまく取れないような方向になっていったときに、これ非常にやっぱり、今日もお昼のニュースで、ムーディーズですか、国債評価の会社がドイツ、アメリカの国債の評価を下げるんじゃないかという話も今日お昼たまたましていましたけれども。
 私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、やはり大臣が、三つの要因の中で人口が減っていく少子高齢化ということになれば、当然これやはり内需拡大というのは僕は限度が出てくるんじゃないかと。そうすると、やっぱり日本はどういう形の中で経済を、いわゆるマクロとしてどうしていかないかぬのかと。
 ただ、今私は、むしろマクロよりもミクロが心配なものですから、要するに、ミクロの中で当面内需拡大言われるんだったら、やっぱり一番私は手っ取り早いのが公共事業ではないのかと。そして、やっぱり欧米では必ず公共事業には雇用対策が付いて回るということをよく聞くんですけれども、実は日銀にお聞きをしたいのは、今年一月にさくらレポートが出ました。そのさくらレポートを見せていただきますと、地域によってバランスがあるんですが、やっぱり東北はこの公共事業というのは非常に安定していると。まあ、あれだけの大きなダムを造っておるわけですから、やっぱりそういうことも那辺にあるのかなと思うんですけれども。
 このさくらレポートの中で、私自身のとらえ方は、やはり公共事業というものが非常に地域に与える経済浮揚、下支えが大きかった。それが今こういう流れになってきた。雇用も私はそこに連動すると思うんですが。この私の見方というのはどう思われますか。
#110
○参考人(中曽宏君) お答え申し上げます。
 今、さくらレポートを御紹介いただきましたけれども、私ども日本銀行では、全国三十二の支店などを活用しながら地域経済の把握に努めてございまして、その成果がこのさくらレポートを通じて公表してございます。
 今年の一月に公表した一番最近のさくらレポートの中身でございますけれども、すべての地域において景気は持ち直していると一応判断をしてございます。
 ただ、地域ごとの産業構造の違いを反映いたしまして、例えば輸出増加の恩恵をどの程度受けているとか、あるいは公共事業にどの程度依存しているかによりまして、景気の持ち直しペースや広がりには差異がございます。また、各地域でも業種間、企業間におけるばらつきが存在していると思います。
 ですから、やはりその一つは、公共事業にどの程度依存しているかというのは確かに一つの要因になっているというふうに認識をしてございます。
#111
○大江康弘君 理事、どうもありがとうございます。
 そこで、やはり数字的から見ますと、あの乗数効果という、財務大臣が分からなかったあの言葉ですけれども、これが子ども手当の場合は〇・四四ですか。それで公共投資の場合は、いろいろ数字を聞きましたら、大体一・一八から一・二〇に行くか行かないかの前後だというふうに出ていますけれども。やっぱり理事、これは、公共事業というのは、今言いましたように、地域の経済を下支えする、あるいは雇用というものをしっかりとやっぱり受皿になってやっていくという意味において、これは私の見方が間違いがないのかどうか。
 それともう一点、やっぱりこの乗数効果が一・一八、一を超えているというその数字というのはどうですかね。
#112
○参考人(中曽宏君) 乗数効果、一概にどの程度ということはなかなか言い難いところがあると思いますけれども、どういう分野に投入をされるか、それによってその投資効果、乗数効果も違ってくるとは思います。
#113
○大江康弘君 ありがとうございます。
 もう理事、結構です、それだけ答えていただいたら。どうぞ。委員長、よろしいですか。
#114
○委員長(椎名一保君) はい。中曽参考人、御苦労さまでした。
#115
○大江康弘君 どうもありがとうございました。
 そこで、大臣、やはり小泉内閣のときの経済政策というのは私は間違っていたという立場に立っておるものであります。しかも、あの当時、市場経済といって市場にすべてを任せた中で、あの小泉政権のときもやはり公共事業を年間にすると三%ずつ減らしてきた。そして、皆さん方というよりも大臣がやられたことは、要するに皆さんが作られたマニフェストで一面私はそのとおりだなと思うのは、まさに四年間というのは、衆議院は任期があるわけですから、四年間のうちにどうやるかということはこれは私は理にかなった答弁だというふうに思います。一年でやるのか、二年でやるのか。
 ただ、この四年間で一気にやってしまったのが、数字を見ましたら大臣のところのこの公共事業の削減であって、一八・三%、約一兆三千億ですか、これを四年間でやってしまった。ということは、もう来年からは削減はないということですか。
#116
○国務大臣(前原誠司君) 公共事業費を全体の中でどう見ていくかという、我々だけで判断できない問題だと思います。
 大江委員がおっしゃるように、公共事業で物すごく結果として乗数効果の高かったもの、あるいは経済を更に前進させるような公共事業というのはあったと思うんですね。例えば、私の地元でいいますと、名神高速とかあるいは東名高速なんというのはこれはもうとっくに償還が過ぎて、そして今なお経済活動の根幹になり続けていて、この投資は極めてすばらしい公共事業、公共投資だったと私は思います。
 他方で、もちろん人口の少ないところに必要ないのかということを言うつもりは全くありませんけれども、余り船が出入りしない港を立派に数百億も掛けて整備をしたりとか、あるいは人口の少ないところに大きな立派な橋ができているとか、こういったものについては、もちろん必要だという見方をする人にとっては必要かもしれませんけれども、しかしいわゆる事業評価ということについてはいかがなものかというものもあると思います。両方あると思うんですね。
 そして、先ほど私の常に申し上げている言葉を大江委員も引用していただきましたけれども、人口をどうやって増やしていこうかということと、あと、医療も医師が足りないあるいは病院が足りない、あるいは介護も施設が足りない、ヘルパーさん足りない、こう言っているわけですよね。あるいは年金も安定していないと。
 全体の予算の中でどのようにその最適を目指していくのかということの中で公共事業の位置付けも見ていかなくてはいけないと、このように思っておりまして、今の段階で来年度どうしますということについては、まだ全体を見ながらどう判断をしていくかということだと思います。
#117
○大江康弘君 今ほど中曽理事が答弁もいただきましたが、やはり雇用の効果あるいは地域の経済の下支えということも日銀もこれは認めているわけですね。大臣はそれはお認めになられますか。
#118
○国務大臣(前原誠司君) いや、それはもちろん、建設業界が地場の主要な産業であるということは間違いないことだというふうに思います。
 委員の地元の和歌山県でちょっと調べてまいりましたけれども、これをどう見るかなんですね。
#119
○大江康弘君 それはいいです。
#120
○国務大臣(前原誠司君) 要らない。はい。
#121
○大江康弘君 全国区ですから、もう和歌山は特に特化していただかなくて結構です。ありがとうございます。
 そうしたら、大臣、私は今日は少し大臣の、元々余りそんなに価値観が私は違わないと思うんですが、公共事業というのは、何か見ていたら目の敵にされているように思うんですが、それはないですよね。
#122
○国務大臣(前原誠司君) それはございません。
 ただ、先ほど委員もおっしゃいましたけれども、公共投資というのはかなり自民党政権から減らしてきておられるんですね。私が議員になったときは対GDP比でいうと六%を超えておりましたけれども、今や先進国と同じぐらいの三%程度まで落ち込んできておりますので。もちろん国によってインフラの整備の度合いは違いますので、他と比べるということがどれだけ意味があるかという面もあると思いますけれども、少子高齢化、少子化対策あるいは高齢化対策ということを考えたときに、どれだけ与えられたパイの中で最適分配をしていくのかといったところで物事を考えるべきであって、必要な公共事業はこれからもやっていかなくてはいけないし、脇委員にもお答えをしましたけれども、特に今まで造ったインフラの維持管理、補修、こういったものは特にしっかりやっていかなくてはいけない、そう思っております。
#123
○大江康弘君 ありがとうございます。
 それじゃ、ちょっと次に移りたいと思いますが、やはりどうしてもこれは私は申し上げておかなければいけないことは暫定税率の話であります。
 皆さんが現実的になったのか、あるいはどういうふうに変わられたのか分かりませんが、いわゆる暫定税率そのものは、税率そのものは維持されたということですから、これはやっぱりある意味の公約違反になるんですかね。
#124
○国務大臣(前原誠司君) お約束をしていたことと違うことを申し上げたわけでありますが、これは国民にどう説明をするかということだと思います。
 私は常に二つのことを申し上げているんですが、暫定税率、一か月間だけ下がったときがありましたけれども、あのときのガソリンの価格というのは大体リッター当たり百七十円とか百八十円とか、そのぐらいの極めて高騰した時期でありましたけれども、今百二十円台に落ち着いておりますし、それと同時に、やはり九兆円もの税収減というものがあった中で予算を組んで、必要な予算をしっかりと組んでいくためにやむを得なかったということで国民に対して説明をさせていただき、国民がどう取られるかということになるんではないかと思います。
#125
○大江康弘君 そこで、私は、民主主義あるいは市場経済社会が成熟したら、やっぱり受益者負担に当然流れがなっていく、どうお互いが国民としてのコストを、日々の、払っていくかという、私はやっぱりそういう社会になっていくということをずっと言い続けてきたんですが、ちょっと先ほどの和歌山の話に戻ります。いやいや、これを君子豹変というんですかね、これ。
 いや、実は私、大臣、知事が実はなぜかと首をかしげた。私も大臣のこの記者会見を読んで、私としては一つ大臣の記者会見で気に入らないのは、なぜこの阪和道が、その固有名詞が出てくるのか。六つの中でなぜこれは阪和道なのか非常に、それは大臣は分かりやすいからと言われたけれども、いまだに、六か月たって、もうそろそろ皆さんは三か月のハネムーンも過ぎてもう半年たったわけですから、余り前政権、前政権ということは、まあ大臣は余り言われませんが、そういうことは言われない方がいいと私は思うんですけれども、いずれにしても、やはり前政権があの四車線化の中で六つやった、これは当時の景気対策もあったわけですね。我々はそう受け止めておるんです。
 そういう中で、何で大臣がこの和歌山の阪和道だけ、まさに目の敵として見えるような、名前まで言って、いわゆる阪和道、御坊から白浜、これ、和歌山から御坊が二車線のままでそこが込んでいるのは分かるが、そこから先をやるという意味が全く分からないと。私はそれこそこの大臣が言われている意味が分からないんですけれども、これ、ちょっと大臣、何でこういう発言になったか、ちょっと教えてください。
#126
○国務大臣(前原誠司君) 和歌山の選出の議員でいらっしゃいますので、一番よく状況は分かっておられると思いますが。
 今、海南まで四車線化、供用されていますね。それから、海南から有田までが今事業中ということで、有田から御坊までの十九キロ間はこれは一般国道の四十二号線ですよね。そこが一般国道の湯浅御坊道路で、要は有田まで事業をやっていて、有田から御坊をやって、それで御坊から次は議員の地元の田辺というふうになると分かりますけれども、何でこの中抜けしてそれで御坊から田辺なのかというところについて、ほかの四車線化のところとは違う形状だったものですから、まずは順序よくやっていくべきじゃないかと、こういうことを申し上げたわけであります。
#127
○大江康弘君 ちょっと私、今日は空港をメーンでやりたかったものですから、もうあと時間がなくなってきたので。
 これ、また法案出てくると思いますから次に譲りますけれども、非常にここはやっぱり、もう少し記者会見でも言い方があったんじゃないかなと。この阪和道を出されたということは、これはもうやっぱり和歌山県にとってみたら、もう時の決定権者である大臣がそこまで言うということは、これはね。
 ただ、私は、個人的に言われたら、非常に今の政策、民主党さんがやられている政策を参議院の選挙まで続けていただいた方が地元はいいんですね、ある意味、票はこっちへ来るんです。ですから、まあそこから先は皆さん方が決められることですから、あれですけれども。
 そういう中で空港問題をちょっと、何か余り道路から急に空港というのはつながらぬのですけれども、地方空港が九十八番目、九十八でしたね、あの茨城がこの間なった。
 私はやっぱり、大臣、基本的にお互い国会議員ですけれども、それは大臣のような立場になれば上から全体をどう見るかって大事ですが、やっぱりお互い地域出身、地域選出ということにそれぞれなれば、地域の実情というのは地域に任せいというのが私は自分のポリシーなんです。そこに住んでもいないのに、そこに暮らしてもいないのにやはり地域の実情が分からない中で、何でこれが駄目だとか無駄だかと言うことというのが、私はそれ自体が分からないわけなんですが。
 やはり茨城空港ができた。その直近には静岡空港ができた。まさに藤本政務官の地元ですが、あれは、藤本政務官、やっぱり無駄な空港だと思います、御自身の。
#128
○大臣政務官(藤本祐司君) 難しい質問でございますが、難しいという、ある意味ではですね。
 もうこれ昨年の六月から供用開始をしておりまして、八か月がたちました。状況を見てみますと、国内の定期便が六便というか六路線、国際定期便が二路線就航しておるということと、あと地元の出資して設立されたフジドリームエアラインズという、そういう拠点空港として利用されているということ。それともう一つは、地方空港では唯一なんですが、ソウル便が複数、大韓航空とアシアナ航空と二社が実現されているということ、これを今後は生かしていかなければいけないという思いなんですが。
 これ、一義的には県営空港ですので県が具体的な施策を考えてやっていくということが最も必要なことなんだろうというふうには思っておりますが、静岡県、御承知のとおり背後圏、後背圏に数々の観光資源を持っております。ですから、その空港単体で考えるというよりは、やはり空港の場合は観光でいえば観光の媒体という、つまりそれを手段としてとらえるしかないわけでありまして、その手段としてとらえるのであれば、この観光を我々、成長戦略の一つとして考えておりますので、観光資源をどう生かしていくのかということで、その生かし方によっては大変これは大きな需要を生み出す可能性というのもあるのではないかなというふうに思っております。
 今現状を申し上げると、八か月で四十万人です、乗降客数。恐らく一年で六十万人ぐらいにはなるだろうというふうには思われますが、県、川勝知事がおっしゃっているのは、二〇一〇年度は七十万人までは行けるんじゃないかというようなことでございますので、これ、観光需要をどうやって喚起していくかということに懸かってくるのではないかなと思います。
#129
○大江康弘君 広田委員の代わりに私質問しておりますので、先ほど機会がなかったということですので。やはり地元も熱意があって、これ航空会社までつくってやっておるということ、非常に参考になるわけで、私はかねがね静岡というのは政治力のある県だなと。新幹線の駅六つもあるのに、ただ、のぞみを止めれない政治力のなさがあるんじゃないかと、こういうことをかつて言ったら、おまえさんのところ、新幹線もないのに偉そうに言うなと、こう言われたわけですけれども。私は、やはり地元でこれだけの熱意を持っておって、私は最終的に第三種空港というのは、設置自治体がやっぱりしっかり責任を持ってやったらいいことであって、造るときには国費を投入を三分の一ですか、やっていただいたんですが、それは造った地元が、大臣、これは責任を持ってやっぱり管理運営するというのは、これは私は自己責任だと思うんですよね。
 だから、そういう中で、私は静岡というのを非常に注目を、実は私も自分の地元に空港を抱えておりますから、思うんですけれども、政務官、もう一点、今、少し方針も言っていただきましたが、本当にこれからの地方空港というのは、この九十八ある中で、政務官として生き残りというのをどういうふうに考えておられます。
#130
○大臣政務官(藤本祐司君) 平成二十年のリーマン・ショック以降、航空需要というのが大分落ち込んできているということは多分現状として認識をしておかなければいけないというふうに思います。ただ、やり方次第というのは、やはり観光需要をどう増やしていくのかという、これ国内需要のパイを広げるということと同時に、国際観光の需要、需要というか旅行需要を増やしていくということも必要なんだろうというふうに思っております。
 そうなってくると、今、観光庁というか、広域観光圏というのをやっているんですが、あれは地続きのところを複数市町村で回るということを考えているんですが、考え方とすれば、例えば静岡空港という話であれば、静岡空港と小松が今路線があるわけなんですが、小松空港とこれ両方でタイアップして、違った種類の観光、例えば金沢とかであれば歴史的な町並み、歴史的なまちづくりとか、あるいは静岡でいえば、小松、金沢にも温泉はありますけれども、静岡にもそういう温泉がある。こういうものを両方タイアップして、飛び地の旅行商品なんかを積極的につくっていくということも考えられるのかなというふうに思います。
#131
○大江康弘君 やっぱり何で思い入れがあるかといいますと、今日は輿石参議院の議員会長おられますが、会長が委員長のときに立ち木問題でもめておって、現場へ我々国土交通委員会で視察に行かせていただきまして、あれから立派に造られて、非常にロケーション的にはすごくいいところだなと思ったものですから、非常に印象があったので、ひとつしっかり頑張っていただきたいと思います。
 そこで、大臣、最後になりますが、私は、大臣のこの間の大臣所信で気になったのは、要するに「羽田空港の二十四時間国際拠点空港化を進める」と言われているんですね。それで、関空については、「真の拠点空港化に向けた」、これ国際化が抜けているんですが、これは何か意図があるんですか。
#132
○国務大臣(前原誠司君) 意図はございませんし、関空は国際拠点空港として羽ばたいてもらいたいという願望は大江委員と同じように持っていますが、今のキャパシティーでいいますと二十三万回離発着できるのに、二本の滑走路でですね、それが今十万回ちょっとで、半分以下でしかないと。しかも、あそこは神戸と伊丹がありますので、うまく管制すれば、二十四時間二本の滑走路を使えば四十万回以上離発着できるのに、そこを分母にすると四分の一しかないということを考えると、まずはそんな偉そうな羽田と同じようなところではなくて、一兆一千億円の有利子負債、どうこれ問題解決するのか。ずっとこれ補給金入れているわけですよね。この問題をどう解決して、そして関西の玄関口として、国際空港としてどう活用していくのかといったところを考えていかなくちゃいけないということでありますので、この三空港をどういう形で活用し、そして何よりもこの関空の有利子負債どのように考えていくのかということを今国土交通省の成長戦略会議で考えておりますので、五月、六月ぐらいまでにはお示しができるのではないかと、このように思っております。
#133
○大江康弘君 あと一分あります。
 そこを言われたら私もちょっとお言葉を返さにゃいかぬのですが、やっぱり卵か鶏かの話になって、やはり一兆一千億の有利子負債をしなきゃ造れないようにした私はあの当時の国策というのは間違いであったと思うんです。しかも、いまだに伊丹空港が残っている。私は、先ほど脇委員が橋下知事のことを言われていましたが、一つだけまともなことを彼が言っておるのは、やっぱり伊丹は廃港にすべきだと、私はこれはもっともなことだと思うんですね。ですから、そういう中で、本来はやっぱりこういう空港、しかもあの関空というのは、非常に今大臣が言われたことは残念なんですが、やっぱり国際化を入れてほしかった。当然そういう、前政権はそういう位置付けをこれしているわけですね。これは政策の変更かどうか分かりませんけれども。
 ですから、やっぱりこういうことは国の戦略的な基盤をつくり上げていく私はインフラだと思うんですよ。ですから、私は、本来なら一兆一千億はやっぱり国の、大臣は嫌われますけれども、空港特会でそこはしっかりと本来の一種空港の形を取るということをすれば、私はこんなにお金を毎年九十億も入れなくても、まあ今年は十五億減額になりましたが、やっぱりそういうことも一気に解消してしまうし、何よりもアクセスが悪過ぎて、大臣は先ほど利用率を言われました。これはやっぱり当然二本造ってジェット枠が増えたから、当然利用率減りますよね。
 ですから、これはもう次回に譲りますけれども、もう少しやっぱり大臣、あの空港何度か見に行かれたところを私はテレビで見ましたけれども、やっぱりこれは国としてどうこの関西にハブ空港、まさに言われているハブ空港を造っていくかという、私は大事なことだと思いますので、やっぱりもう一度ちょっと頭を白紙にしていただいてちょっと考えていただきたい。あとは次回に譲りたいと思います。
 終わります。
    ─────────────
#134
○委員長(椎名一保君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、外山斎君が委員を辞任され、その補欠として植松恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#135
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今日は何点か御質問させていただきたいと思いますが、まず初めには、伝統構法につきましてお尋ねをしたいと思います。
 私は、今この戦後の建築行政を転換していく一つの大きな好機を迎えていると思っております。そういう意味では、伝統構法をどう位置付けていくのかということがこの戦後の建築行政の転換にもつながっていくと思っているわけであります。
 戦後、いわゆる伝統構法ということについては言わば建築基準法の違反的な扱いを受けておりましたが、二〇〇〇年度に基準法が改正されまして、限界耐力計算という計算法によりまして建てられるようになったということであります。しかし、不幸なことに、あの姉歯事件をきっかけにいたしまして再び基準法が改正をされ、伝統構法の住宅も高層ビル並みのピアチェックを受けなければ建てられないということで、コスト面からも事実上建てにくくなっているというのが現状であろうと思います。
 昨年の十一月、当委員会におきまして大臣ほか皆様ともやり取りをさせていただきまして、この伝統構法の簡易設計法の開発につきまして、そのやり方を見直すというふうにお話をいただきました。しかし、それがどのように見直されていくのかということについて、いろいろ当然必要な時間を経て検討なさっておられまして、現場では私の方にも困惑というか苦情というか、見直すのはいいんだけど完全に止まったじゃないかというお話もいただいております。しかし、これはこの間、政府におかれまして検討なさっているということですので、その結論を待ちたいというふうに私は解してきたわけであります。
 今日はいい機会でございますので、昨年私が取り上げさせていただき、またこのやり取りを通しまして見直すに至りましたこの伝統構法の開発法作りについて、今どういうふうになっているのか、お答えいただければと思います。
#136
○国務大臣(前原誠司君) 西田委員にお答えします。
 十一月の十九日だったと思います、前回議論させていただきましたのは。そのときも西田議員から伝統構法について建築基準法の見直しを含めて検討するようにということで御意見をいただきまして、私も検討させていただきますと、こういう答弁をいたしました。
 実は、私が大臣に就任をしたときに三つの観点から運用改善をということを指示をしてまいりまして、それがいわゆる確認期間の短縮、そして提出書類の簡素化、そして厳罰化と、この三つでございまして、この二つについては運用改善の考え方はまとまって、パブリックコメントをちゃんとやっていく中で六月から運用改善をやらせていただくということになりました。ただ、厳罰化については、これ法律改正をしなくてはいけませんので含まれておりません。
 委員から御意見をいただいたことも含めて、建築基準法の法改正を前提とした見直しに関する検討会を三月八日に立ち上げまして、第一回の検討会を開催をいたしました。この中には、委員の御指摘のあった伝統的構法に精通している委員にもお入りをいただいて、具体的には、御承知だと思いますけれども、立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構の鈴木先生に入っていただきまして、鈴木先生にも御意見をいただいて法改正に向けての議論を進めていきたいというふうに思っておりまして、是非委員の御意見も鈴木先生を通じてこの検討会の中で反映をしていただければ有り難いと、このように考えております。
#137
○西田実仁君 ありがとうございます。
 そういう形で検討がある意味で見直されて、委員も替えられて、バランスの取れた検証と前回馬淵副大臣がおっしゃっていたかと思いますが、そういう形にスタートをこれから切るということでございます。
 そこで、しかしながら、政府としてこれまで前政権でも進めてきた過去の経緯もございます。本来は来年度で終える三年間ということで進めてきた、前になるんでしょうか、検討委員会での設計法のいろんなデータ等もございます。これがどのようにまとめられていくのかということ、また、今大臣がおっしゃいました新たな検討委員会の設計開発につきまして、いつまでこれを検討し、そして新しくいつからの運用となる一応見通しを持っておられるのか。先の見通しということもございますので、分かる範囲でお答えいただきたいと思います。
#138
○大臣政務官(三日月大造君) 西田委員にお答えいたします。
 この問題はずっと専門的に取り上げていただいておりまして、私も野党時代からずっと西田委員と議論をしてまいりました。
 今大臣からの答弁にもありましたように、また、十一月十九日ですか、馬淵副大臣から答弁をいたしましたように、平成二十年度から三か年で行っておりましたこの伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験の検討委員会ですね、これは来年度で最終年度を迎える予定をしておりましたが、これは委員からの指摘もあり、また馬淵副大臣の指示もあり、来年度から委員構成を見直しまして検討を行い直す所存となっております、その予定でございます。現在、委員の人選等を行っているところでありまして、平成二十二年度予算成立後、直ちに取り組めるよう今鋭意準備を進めさせていただいているところです。
 なお、これまで行ってきた二か年のデータや蓄積があるじゃないかと。使えるところは使って、しかしながら中立的に、また古来日本に根付く伝統構法による木造住宅が安全かつ円滑に建築されるように早急に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#139
○西田実仁君 ありがとうございます。
 その上で、前回踏み込んでお聞きしたのは石場建ての話でございまして、石場建てによる実物大の住宅を実際に揺らして実験をする、いわゆるE―ディフェンスがこの石場建てで実施されることになると考えてよろしいんでしょうか。
#140
○大臣政務官(三日月大造君) 端的にお答えをいたしますれば、その石場建てによる実寸大の、実大の振動台実験その他も行っていく予定でございます。
#141
○西田実仁君 それは、今まですべて柱脚を基礎に固定するケースであったことからすると大変に大きな前進であるし、またきちんと科学的なデータを集めてこれが活用できるようにしていただければというふうに思っておりますが。
 新しい検討委員会での設計開発がやっぱり三年ぐらい掛かるんでしょうか。
#142
○大臣政務官(三日月大造君) 今この時点で掛かる年数を明示的にお答えすることはできないんですけれども、しかし、せっかく委員まで差し替えをして行う検討ですから、しっかりと抜本的な検討が行えるようにしたいと思いますし、今委員から先ほど御指摘があったように、だからといって、その間の確認審査が滞るということでもいけないと思っていますので、ある一定年次を区切って早急に実施をしてまいりたいというふうに考えております。
#143
○西田実仁君 今政務官がおっしゃっていただいたように、何年か分かりませんけれども、しかし、その間、確認申請が滞ってはならないということであります。
 そこで、限界耐力計算の方法については、いわゆる東と西のマニュアルというのがあって、これがなかなか統一されていないと。これを統一することによって、簡単に言えば、西のマニュアルは建築確認申請が通りやすいというふうに俗に言われております。この新しい設計法が開発されるまでの間、石場建てなりの建築確認を滞らせることなく通すようにしていく。そのためには、私はやはり、いわゆる西のマニュアルというのを全国統一のマニュアル的な運用をすることによって石場建ての建築確認申請が通るようにすべきではないかと。
 新しい設計法ができるまでの間の運用についてお考えがあれば、ちょっとお聞きしたいと思います。
#144
○副大臣(馬淵澄夫君) 御指摘の部分、十分に承っております。
 新たに委員を再構成してこの検討の会を再スタートさせるということでございます。委員御指摘の、この経過期間の間の措置というものについても十分に前向きな検討をさせていただきたいと思っております。
#145
○西田実仁君 是非お願いしたいと思います。
 これはもう伝統をいかに未来につないでいくのかという問題でございます。新たな設計法の開発とともに、やっぱりこれは人が担っているわけでありまして、古来からの構法を伝えてきた大工あるいは棟梁の皆さん、こうした技術をいかに次の世代に継承していくのかという問題で、人に絞って申し上げれば、三月八日の日に公示がなされましたけれども、伝統構法を生かした木造住宅の担い手候補者募集を行う補助事業者を募集されているということでございます。
 この伝統構法は、もう御案内のとおりそれぞれの地域によって大きく異なる、また、その地域に根差した木材によっての構法ということもございます。したがって、それぞれの地域の人材をいかに育てていくのかと同時に、施主の方が安心して伝統構法の取引ができるようにしていくということのためには、全国一律のルール、規則、規制ということ、もうそれは最小限にして、あとは地域ごとにきちんとやっていくと。しかし、施主の皆さんに安心いただかなきゃいけないので、その施工者、大工、棟梁とか工務店ということになりますけれども、その認定とか活用制度を確立していく必要があると思っております。今はないわけです。
 今回、こうした三月八日に出された公示はどういう意図なのかをお聞きしたいわけですが、この補助を受けられる民間事業者の方は伝統構法のいわゆる施工者として認定するという意図も含んでのものなのか、あるいは、これまで大工育成塾というのがあったと思いますが、これとどう違うのか、これについてお聞かせいただきたいと思います。
#146
○大臣政務官(三日月大造君) 申し訳ございません。委員御指摘のその公示は、三月、これは十五日に行った……
#147
○西田実仁君 八日。
#148
○大臣政務官(三日月大造君) 八日ですか。伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験を行う補助事業者の募集についての公示ということでお承りをしているんですが……
#149
○西田実仁君 担い手の方ですね。
#150
○大臣政務官(三日月大造君) 大変申し訳ございません。ちょっと今こちらにその担い手についての公示内容の資料がございませんので、別途、後刻個別に御説明をさせていただきたいと存じます。
#151
○西田実仁君 十五日のも承知しておりますけれども、その前に、私の認識ではそれを担う人たちを育てる工務店さんとか、あるいは大工、棟梁の皆さんに対して補助事業者として補助して、そういう継承者、後継者をつくっていくという事業だというふうに認識しておりますが、後ほど、じゃ教えていただきたいと思います。
 私の意図は、この建築教育機関に対しての木造教育をもっと普及していくということが必要ではないかと。今すぐ担い手になっていただくことも必要ですけれども、正直、建築の専門を勉強されている方も日本の伝統的なこの木造教育ということについてきちんとした教育を受けていないという声がたくさん聞かれます。やはりその後継者を育てていくという意味では、その部分から、カリキュラムの編成を変えるなりして木造教育ということの普及についてもっと国としてもバックアップしていくべきではないかと、こういうのが私の考えでありますが、いかがでございましょうか。
 大臣、じゃ、お願いします。
#152
○国務大臣(前原誠司君) 委員の御指摘は非常に大事だと思います。特に、私は選挙区が京都でございまして、私の選挙区の中にも相当古い寺社仏閣等がたくさんありますし、世界遺産の清水寺の清水の舞台というのはくぎが一本も使われていない純粋な木造建築でございまして、そういうものを残していこうと思えば、おっしゃるような技術者を育てていく、継承していくというのは極めて重要でございますので、今おっしゃった観点をしっかりと受け止めて、後進の育成、充実を図っていきたいと、このように考えております。
#153
○西田実仁君 それとやや関係しますけれども、この日本の世界に誇る宮大工の技術を世界に余すところなくアピールしていくと同時に、観光という点でも、東京の顔として、あるいは日本の顔として、江戸城の再建を進めておられる方々がいらっしゃいます。メディアでも随分いろいろと報道もされておりますが、世界中どの都市にも大体顔というのがあるわけで、東京の、特に江戸城については、天守閣をもう一度再現すると、設計図も残っているということでありますし、また石垣も残っていると。造ろうと思えば造れる、ただお金が掛かると。
 木造であれば、まあいろんな計算があるようですけど、五百億とか一千億というオーダーとも聞いております。そのお金を、戦前の大阪城の天守閣の再建のように浄財を民間から集めてというやり方もあるかもしれません。しかし、いずれにしても、国としてのリーダーシップ、観光ということも考えて、あるいは木造のそうした伝統的な構法の継承というソフトも含めて、この江戸城再建プロジェクトなるものを是非進めていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでございましょう。
#154
○国務大臣(前原誠司君) 江戸城再建プロジェクトがあるというのは知りませんでした。名古屋城は昔のその建て方の図面が残っているということで、河村市長がそれに基づいてやりたいとおっしゃっているのは知っておりましたけれども、委員からの質問の御提示があって調べますと、江戸城再建を目指す会というのがあって、その会長は何と太田道灌公の十八代目の子孫であるということでありまして、平成十六年十二月に立ち上げられて、NPO法人の法人格を取得されたのが平成十八年の三月と伺っております。
 現在のところこのNPOでは、都民や国民全般からの浄財でもって行うということで計画をされているようでございまして、委員御指摘のように、まあこれどこに建てるかといったら皇居の中になるのかもしれませんが、そういうことも含めて、国としていろんな意味でバックアップをしていかなくてはいけないことも出てくるかと思います。そういう意味では、もしできれば東京の新たな観光資源となるのは間違いがないと思いますので、このNPO法人がどのような活動をこれから展開をされて、国に対してどのような御要望をされてくるのかという推移を見ながら対応していきたいと、このように考えております。
#155
○西田実仁君 ありがとうございます。
 二つ目のテーマは、車体整備事業者の関係であります。
 これも昨年十一月十九日の当委員会におきまして質問をさせていただき、それが一つのきっかけとなって全国の車体整備事業者並びに損保会社に対しましてヒアリング等の調査を行っていただいているということで、今日は田村政務官にも御足労いただきまして、ありがとうございます。
 ただ、まだこれ、十一月十九日の委員会を受けて年末年始という大変忙しい事業者の方々にとっては時期にアンケートのお願いをしているということもありますし、年度末ということもあってかなり大量の回答があったということでございます。今まだ集計中ということで、私自身も結果はまとまった形ではまだ見ておりません。本来、見て質問すべきかもしれませんが、しかし今の段階でお聞きしたいことについて、またお答えできる範囲でお答えいただければというように思いますが、まず、金融庁にお聞きしたいと思います。
 今回、ヒアリングを行ったということでございますけれども、どんな内容をお聞きになったのか、損保会社に対しましては、お聞きしたいと思います。
#156
○大臣政務官(田村謙治君) 今委員がおっしゃっていただきましたように、昨年十一月十九日にこの国土交通委員会におきまして御質問をいただいて、それを受けまして国土交通省とともに金融庁でも実態の調査をいたしました。
 金融庁としましては、主要な損保会社、これは主要五社でありますけれども、に対しまして車体整備業者との取引の実態、特にどのように料金算定を行っているかといったことについてヒアリングを行いました。また、あわせまして、作業指数を算定している自研センターに対しまして、国土交通省と合同ではありますけれども、作業指数をどのように算定しているかと、そして作業指数は妥当なのかといったようなことをヒアリングをいたしました。
#157
○西田実仁君 平成六年、公取委から通達、警告が出ておりまして、損保協会に対しまして二つの徹底がなされています。一つは、対応単価につきましては個別に決定すること、そしてもう一つは、この指数方式及び指数使用を強制しないという二つの徹底がなされました。この指数方式につきましては、公取委から出された警告を受けて協会の方では指数方式の合理性に基づいた説得によることとし、本方式を利用しない修理業者に対しまして不利益措置はとらないと協会として取決めをなさったということでございます。
 こうした指数方式並びに対応単価もそうですけれども、今のお話によりますと、この公取委からの警告が実態として守られているかどうかということについてもヒアリングなさったということでよろしいんでしょうか。
#158
○大臣政務官(田村謙治君) そのヒアリングの項目としましては、直接的にそのことを、今委員がおっしゃったことを直接的に聞いている質問という項目は入っておりません。
#159
○西田実仁君 実態をお調べになったということですから、当然そうしたことも対象に話としてはあるんだろうと思いますが、結果を待ちたいと思います。
 その上で、そもそもこの損保会社が物損あるいは人身の示談代行を行うことにつきましては、弁護士法の特例として認められているわけであります。そして、そういう意味では中立を旨に行わなければならないとなっております。
 昭和五十七年七月の二十六日に日本弁護士連合会と日本損害保険協会におきましては協定書が交わされています。この協定書では、今申し上げたように、本来弁護士法で禁止されている違反行為ではあるけれども、特例として損保会社並びにその損保の子会社であるいわゆるアジャスターと言われるところが物損、人身の示談代行を行うということでありますので、そうした弁護士法の特例を使う以上、両者で、つまり日弁連と損保協会におきまして協議する機関をつくる必要があると。そして、定期的に継続して問題が起きていないかどうかを協議しなければならないと定めております。
 この協議会、いつ直近では開かれたんでしょうか。
#160
○大臣政務官(田村謙治君) 申し訳ございません、その点についてはちょっと承知しておりませんので、確認してまた個別に対応させていただきます。
#161
○西田実仁君 私が知る範囲で、正式ではありませんので、確認していただきたいんですが、平成七年以降開かれていないという情報がございます。つまり、もう十四年ぐらい開かれていない。ということは、この損保協会と弁護士連合会の協定書にある、定期的に継続して協議をするということは少なくとも守られていないと。この車体業者と損保会社との間で一部に生じている様々なトラブルということについてもここの協定書にかかわってくることでもございまして、これは取決めどおりきちんと協議をしていく必要があるんではないか。事実関係が分かりましたら、また教えていただきたいというふうに思います。
 そこで、作業指数の算出の透明化ということについてお聞きしたいと思います。これは国交省にお聞きしたいと思います。あるいは金融庁でも結構ですが。
 これもアンケート結果を見なければ何とも言えませんけれども、少なくともアンケート用紙は私ももちろん入手しておりまして、その質問項目には、その作業指数についてですけれども、どのような情報を開示してほしいかという設問があります。つまり、作業指数はブラックボックスになっている、どういうふうに作業指数、すなわち作業する時間が決まっているのかということが分かりにくいと、そういうことでありますので、じゃ、実態、車体整備の事業者の方々はどのような情報を開示してほしいのかと聞いておられます。また、作業指数の作業時間と実作業の時間とを比較して、どの程度差がありますかという設問もなされております。かなり具体的です。是非、集計していただいた上でその対応を、これだけ具体的にお聞きしているわけですから、考えていただきたいと。
 つまり、自研センターは確かに株式会社です。しかし、これだけのアンケートを取って、作業指数についてどこをどう情報を開示してほしいかということまで聞いていて、はい、それでおしまいということにはならないんだろうというように思うんです。自研センターと例えば業界団体との作業指数をめぐる、単価ではなくて、作業指数をめぐる定期協議の開催などを検討する必要があるんではないか。
 ちなみにヨーロッパのオランダなどでは、確かにソレイラという民間企業が作業指数を決定しています。しかし、そこには自動車メーカーや保険会社、車体整備組合や工数算出の専門家も加わって、よりその工数の決定プロセスが透明化されているというふうに思います。車の安全、安心ということを守るには、この作業指数というのが一つの重要な物差しになっていることは事実であります。
 したがって、この集計結果を受けて、今申し上げました作業指数算出の透明化ということについてこれまでとは違う対応を是非とも検討をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。じゃ、国交省。
#162
○大臣政務官(三日月大造君) ありがとうございます。
 これ、十一月十九日のこの国土交通委員会におきまして西田委員から指摘をいただきまして、国土交通省としては、個別の協定による契約事項に関与する立場にはない、しかしながら安全上これ問題があれば看過できないといった観点から金融庁と協力をして調査を行ってまいりました。
 間もなくその結果についてもお知らせできると思いますが、是非、委員御指摘のその作業指数、これ具体的に言うと単位作業時間、これが修理作業の実態に即していないのではないかという観点から果たしてどうなのかということを、是非この結果に基づいてしっかりと精査、分析をして、その後の作業指数なりその後の行政に生かしてまいりたいというふうに考えております。
#163
○大臣政務官(田村謙治君) 金融庁としましても、国交省さんと共同しながら、引き続きその調査結果をできるだけ早急に分析をするとともに、自研センター、先生はもう大変各国の状況も詳しく調べていらっしゃるということ、前回の御質問のときも、そして今もお伺いをいたしました。
 金融庁としましても、今のところ把握しているのは、例えばイギリス、ドイツ、スペインといったような国では損保会社が設立をしていて、日本の自研センターもそれをモデルにしているとまでは聞いておりますけれども、今委員がおっしゃったようなより中立的な仕組みというものがあるのかどうかといったようなことまではまだ私も把握をしておりませんので、しっかりそういったところも参考にしながら、日本の在り方どうすべきかと考えるとともに、この指数についても、委員から御指摘ありました透明性も十分であるのかどうか。確かに、まだ調査結果、まとまり次第委員にもお示しできればと思っておりますけれども、やはり車体整備業者の方からは不満もあるという声は聞いております。
 ただ一方で、自研センターの方ではそれなりにある程度の透明化の努力は果たしていると、概要をホームページに出してですね。そこに見解の相違があるわけでありまして、そこは両者の意見をしっかり聞きながら国交省とともに検討してまいりたいと思っております。
#164
○西田実仁君 是非、見解の相違があった場合に、見解の相違があったということが確認されて終わりでは何の意味もないわけでありまして、見解の相違があった場合にそれをどういうふうにして調整をしていくのかという、そしてその作業指数の透明化を図る仕組みをどうつくっていくのかということを前向きに検討いただきたいというふうに思います。
 私が聞いているのは、結局、安全上の問題ということなんであります。この調査票でも一番最初に聞かれている設問、これは私も随分事業者の方から苦情を言われました。一番最初に聞いている割には、こんなこと答えられるわけないじゃないかというふうにおしかりをいただいたわけであります。最初の質問というのは、この今話題になっている自研センターが策定する作業指数の作業時間内で修理した結果、不適切な修理作業になってしまったと、それで事故とか故障が発生したと。発生していますか、していませんかというふうに質問はなっているんです。こんなのおかしいですよね。事業者が自分で直している人たちに対して、あなたは故障が起きるような修理をしていますか、していませんかと聞いているんですよ。そんなのはしていないに決まっているじゃないですか。全くナンセンスな質問であります。しかしながら、それでも踏ん張って答えている方が私のところにも随分とお声をいただいております。
 修理業者の方は、その多くは、たとえ修理料金が少なくても、また指数、この時間が合っていなくても、実態と合っていなくても、安心、安全な修理作業を行うので、当然のことながらこれは二番のしていないというふうに答えるんですね。二番に答えながらも文章に書いている、あるいは一番というふうにあえて答えて文章にお答えになっている方もいらっしゃると聞いております。つまり、事業者の方の思いは、作業時間の指数が合わなくても、お客様の車をお預かりしているんだからそれをサービスで修理すると、保険会社が認めないからといって直さない車をお客様に渡せないと、その車が修理後、事故をもし起こしたら自分の責任になるからだと、こういう倫理観で修理をしているわけであります。
 ですから、ここは数字上の処理の仕方にもよると思いますけれども、一番最初に聞いている質問が故障が発生していますかと。していないというのがたくさんあるからといって何も問題がないんだというふうには是非解釈をいただかない方がいいと思います。実際には、皆していないと答えざるを得ない、あるいは当然答える。しかし、その裏には、実際にサービスの修理をすることによって安全が保たれているという声がたくさんあると。また、そういうことを、多分一人や二人じゃないと思います。集めた数は三千社以上、アンケート数あると聞いておりますので、その中にはそうしたことをわざわざ記述していただいている方も多くいらっしゃると思うんですね。
 今まで顕在化していなかった問題が今回のアンケートによって顕在化していると、そこを重視して、この安全上の問題についてきちんと損保会社とそうした自動車修理の皆さんとよく同じ舞台で安全のためにどうするのかということを検討いただきたいというふうに思いますけれども、いかがですか。
#165
○大臣政務官(三日月大造君) いや、本当に重要な御指摘をいただきまして、私も、事故、故障は発生していないと聞かれれば、当然、自分の修理作業に起因するような事故、故障は発生していないとどうしても答えてしまう、そういう聞き方になってしまっていると思いますし、これ伺えば、実名入りでこの回答を求めていれば、なおさらのこと、そういう結果になってしまうおそれがあると思っています。
 いずれにいたしましても、安全上看過できない無理というものが、この短過ぎる、小さ過ぎる作業指数によって発生しているのかしていないのか、そのおそれがあるのかないのかということを、この結果を踏まえてしっかりと検証させていただきたいというふうに思います。
#166
○大臣政務官(田村謙治君) 金融庁としましても、損保会社が適切な保険金支払をしているかどうかということを監督する立場でございますので、そこは国交省さんとしっかり連携をしながら、委員の御指摘をしっかりと踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。
#167
○西田実仁君 この車体整備、自動車修理に関して、最後一問、させていただきたいと思います。
 このアンケートとは離れまして、多くの車体整備の方はディーラーさんからの下請の作業をしておられます。この元請である自動車ディーラーから下請を請ける際に、慣例として下請代金を値引きされている。これ自体、何か問題だとは思いません。問題はその値引き率、業界ではレス率というふうに言うようですけれども。これがこれまで二五とか三〇%ぐらいであれば、そもそも仕事をもらっているわけですから、まあそんなに苦情も多くないと思うんですが、やはり最近は不況のせいでしょうか、もう四、五〇%値引きされているというケースが多々あるというふうに聞いております。損保会社とディーラーの間で協定した金額から四〇%から五〇%値引きをされて下請に出されている。実際作業するのはその下請の車体整備の事業者の方々であります。
 これは、業者とディーラーの間の取引は下請法の修理委託に当たるというふうに思います。したがって、下請代金減額の禁止、法四条一項三号、あるいは買いたたきの禁止、同項五号が規定されているわけであります。
 今日は経済産業省の副大臣にもお見えいただきまして、ありがとうございます。この下請法に規定していますことは、中小企業庁長官はこうした問題が起きた場合にはきちっと報告又は検査をしなければならない、こう規定しております。私が聞いているのがすごく、ごくごく例外的なことなのかもしれません。しかし、決して一人や二人から聞いている話ではないことも申し上げたいと思います。このディーラーと下請である車体整備の間の値引き率、これが近年非常に大きくなっていると。それが、その値段ではできないよということになって安全上問題が起きるのではないかということを一番私は危惧しているわけですけれども、下請法の法に定めるこうした中小企業庁長官としての検査並びに報告ということについて、どのように現状認識をされておられますでしょうか。
#168
○副大臣(増子輝彦君) お答え申し上げます。
 先生から御質問ございましたとおり、下請関係にある自動車ディーラーと自動車修理工場との間の修理委託取引については下請代金法の対象となります。同法により買いたたきや下請代金の支払遅延などは禁止されているところであります。今委員から御質問のとおり、異常なる値引き、これはまさに買いたたきということになろうかと思います。私どもとしてもこの実態をしっかりと把握をしなければいけないという認識に立ってございます。
 そういう中で、景気の落ち込みに伴う影響が極めて大きなこの問題に影を差しているんだろうと思います。立場の弱い下請中小企業に滞ることのないよう、経済産業省としても中小企業庁としてもこの下請代金法の運用の強化に努めているところでございます。
 具体的に申し上げますと、下請代金法に基づく書面調査数を昨年度の二十万件から二十三万件に増加をいたして、この買いたたきを始めとする違反の実態把握を強化しているところでございます。二番目に、下請代金検査官、検査官おりますけれども、来年度は十八名増員をいたしまして八十四名とするところでございます。さらに、三番目として、昨年末に問題行為を繰り返した親事業者に対して経済産業省といたしまして特別事情聴取を、三十五社でございますが、実施させていただきました。そして、改善報告を求めるなどの対策を講じているところでございます。
 こういう実態の中から、中小企業の取引に関する相談に更に親身に対応すべく、全国四十八か所に設置した下請かけこみ寺の無料相談弁護士を四百名に実は増員をさせていただいたところでございます。
 今後とも、下請代金法を厳格に運用する中で、下請関係にある自動車ディーラーと修理工場の取引も含め下請取引の適正化を推進してまいりたいと思っております。
 委員おっしゃるとおり、値引き率の問題、さらにこの景気低迷ということも含めながら、様々なこれから問題が生ずる可能性がございますので、我が省としてもこの取締りあるいは指導にしっかりと努めてまいりたいと思っております。
#169
○西田実仁君 ありがとうございます。是非、このディーラーと下請たる車体整備の間の値引き率、問題として上がってきておりますので、実態を掌握していただいて適切な対応をお願いしたいと思います。
 委員長のお許しが出ましたら、結構でございます、経済産業副大臣。
#170
○委員長(椎名一保君) 御苦労さまでした。
#171
○西田実仁君 ありがとうございました。
 次に、残りの時間、八ツ場ダムの中止の方針に伴う影響につきましてお聞きしたいと思います。
 私は、地元は埼玉県でございまして、特に栗橋町で今堤防強化事業が行われております。私が初当選をさせていただいて以来、この栗橋町、当初はスーパー堤防ということで進めておりました。しかし、先ほど議論もございましたとおり、予算の制約等もありまして、堤防強化事業という形に変わりました。
 御案内のとおり、昭和二十二年、カスリン台風で決壊をした栗橋町、もう町の中に行きますと電柱にここまで水が来たというのが赤線が引いてございまして、みんなそれを大変に恐れている。水が流れてくるのではなくてもう水が走ってきた、当時のことを知っている御高齢の方から私もたくさんいろんな話をお聞きしております。
 既に現在、この栗橋町で堤防強化事業が進められておりまして、住民の移転も始まっております。来年度には約六十件四十世帯が契約、支払をするというふうにも聞いております。また、できれば来年度中に契約をしていきたいという方も四十件三十世帯いるということも聞いております。
 まず、お聞きします。この今進めている堤防強化事業によって移転をしなければならない方々が約二百三十世帯いますけれども、来年度、今申し上げましたとおり、百世帯近くが移転を希望をしているということであります。これについては予算はもうきちんと確保されているんでしょうね、一応確認します。
#172
○国務大臣(前原誠司君) 今委員から御指摘ございましたように、江戸川から利根川の上流部の特に右岸、堤防が一たび決壊しますと、そのはんらん水は埼玉県東部だけではなくて東京都まで達しまして、首都圏の中心部に壊滅的な被害を及ぼすという可能性がありますし、先ほどカスリン台風の事例を委員がひもとかれたこともまだ多くの方々には記憶に残っております。
 このため、その区間の堤防の強化は急務であると認識をしておりますし、特に委員が今御指摘をされた栗橋を含む埼玉県の羽生市から茨城県の五霞町の利根川右岸の堤防強化につきましては、平成二十五年度完成を目途に重点的に用地買収等を取り組んでいるところでありまして、これについてはしっかり継続をしていきたいというふうに思っております。
 羽生市から五霞町の二十三・五キロ、二十五年度完成目途でしっかりと続けていきたいと、このように考えております。
#173
○西田実仁君 そうすると、今申し上げた見込みとして百世帯ぐらい来年度契約をしたいというふうに言っている、またその可能性があるということなんですが、それだけの予算は十分に確保されていると言ってよろしいんでしょうか。
   〔委員長退席、理事吉田博美君着席〕
#174
○国務大臣(前原誠司君) 平成二十一年度、利根川上流区間、これは二百六十八・六キロ、両岸でございますが、事業費が約百一億のうち利根川の第一期区間、さっき申し上げた二十三・五キロの堤防強化には半分を超す五十六億円を重点的に投入をしているところでございまして、先ほど委員御指摘のような形で、特にこの右岸の堤防強化というのは焦眉の急でございますので、しっかりと着実に進めていきたいと考えております。
#175
○西田実仁君 今御指摘いただいたように、栗橋町は元々あそこが関所になっておりまして、関東の三大関所の一つです。ほかの羽生とか五霞町とか今御指摘いただいたところの地域と決定的に違うのは、栗橋町は川沿いに商店街があるということなんです。普通は畑とか田んぼであります。つまり、商店街がそこにすごく発展をしておりますので引っ越す方々も大変に多いという、ほかの地域と違う難しさがあります。したがって、この堤防強化事業は国でやりますけれども、国の事業としてのみならず、まちづくりということと一体でやらなければならないという難しさが特にあるということであります。
   〔理事吉田博美君退席、委員長着席〕
 そこで、まず、この八ツ場ダムを仮に中止というふうになった場合に一番懸念、心配をしておりますことは、この栗橋町の堤防強化事業に何か変化が生じるのかどうかということであります。
 これは、洪水をいかにして防ぐかという考え方にもよるんですけれども、私の理解では、洪水を防ぐ場合にはダムだけではもちろんなく、遊水地とか河道の掘削とか堤防も含めたチームとしての治水ということではないかというふうに思うんです。そうしますと、ダムが計画が一つ消えると、それだけ下流の堤防への負荷が増えることになりはしないのか。
 つまり、私の関心事で申し上げますと、栗橋町で今堤防強化事業を行っているけれども、八ツ場ダムを中止にした場合には更に強化をしなければならなくなるのではないか。となると、スーパー堤防のように、更に引っ越す人が増えるのではないか、あるいは、今引っ越した人がまた引っ越さなきゃいけないのではないか。これまでこの栗橋に住んでいる方はもう三度、実は四度と引っ越している方がいらっしゃいます。そのたびに国の事業に協力をして泣く泣くあえて引っ越していただいているということもありますので、私はそのことを一番懸念をしております。
 いろんなお考えがダムについてはおありになると思うんですけれども、少なくとも今、この栗橋で泣く泣く、高齢者の方も多い、また若い世代でローンが二重になる方も多い、こういう地域の方々、仮に八ツ場ダムを中止するということに最終的に決まった場合でも再度引っ越すというようなことにはならないと、大臣、是非明言いただきたいのです。
#176
○国務大臣(前原誠司君) 昭和二十二年のカスリン台風からかなりの年月がたちまして、それ以降、利根川上流には幾つかのダムができましたし、堤防強化あるいは掘削、そういった河川整備が行われてきたところでございます。
 今回の八ツ場ダムの中止というものの方針は今打ち出しておりますが、予断のない再検証の中でどういう利水、治水を行うのかということの見直しを行っているところでございまして、そういう意味では、こういった評価軸が定まって、そして利根川水系全体のどういう治水をしていくかということの中で決めていくということでございまして、今のところ、この地区においてはこういう事業を行うということについては明確にお答えできないことは誠に申し訳ないと思っております。
 しかしながら、今まで行ってきた堤防強化策、そして、行うと言っていたにもかかわらず進捗状況はかなり低いものがございまして、やはりその破堤というものをしないために、今までやると言ってきてできていなかったところをこれは再検証中であろうがしっかりやっていくということが大事でございますので、今御指摘のあったこの栗橋を含む羽生から五霞町のこの二十三・五キロメートルはしっかりやらせていただきたいというふうに思っておりますし、当面整備を要する区間というのは、それから先、江戸川のいわゆる三郷の方まで行くところ、これも右岸は特に優先してやらなくてはいけないというふうに思っております。こういったところをしっかりやっていくということの中で、八ツ場ダムが仮に中止になったときにどういう整備計画を行うかということの中で堤防強化についてもお示しができるのではないかと思っております。
 今のところ、誠に申し訳ありませんが、確たることを申し上げるわけにはなかなかいかないということでございます。
#177
○西田実仁君 しかし、これ住民の皆さんは本当に国に翻弄されてしまうんです。もう今申し上げましたとおり、かなり高齢の世帯が多い。それを泣く泣くもう引っ越してもらう。若い世代も実際多いんです。ローン残債があるけれども、更に新しいところでローンを組まなきゃいけない。しかし、それも、国に協力しなきゃならない、こういうことでやっていただいているわけです。
 ですから、そのいろんな制約を考えて、それぞれの地域でどう治水をしていくのかということを考えなきゃいけないのはよく分かります。しかし、既にこうして移転まで伴って堤防強化事業に協力してくださっている住民の方々が再度引っ越しをするなど、あるいは何らかの経済的な負担が増すというようなことはないという制約も入れて再検討していただけませんでしょうか。
#178
○国務大臣(前原誠司君) 委員の御趣旨はよく分かりました。
 スーパー堤防になりますと、堤防の高さをHとしますと、大体幅が三十Hという、三十倍の幅を取ります。そして、堤防の高さ、徐々に下げていきますけれども、それぐらいの巨大な堤防ができるわけでございますけれども、その上にまちづくりを併せてやっていくということになります。
 昨日も予算委員会である議員とのやり取りがスーパー堤防についてはございましたけれども、これはあくまでも民主主義国家でございますし、地方自治の観点からいたしますと、地元の賛同なくして、これはまちづくりと一体になりますので、スーパー堤防については、したがって地元の御理解なくやるということにはなりません。したがって、この再検証が終わって仮に八ツ場ダムはやらないと、その代わり違う治水代替策をやるということになったときに、仮にですよ、その仮の仮になるわけですけれども、例えばスーパー堤防だということになったときにしても、それは地元との御相談の中で地元がお受けいただければそうすると。お受けいただけなければ今進めている堤防強化というものをしっかりとやって、破堤、越水がないような状況をつくっていくということでございますので、いずれにしても、地元の自治体との話合いをしっかりやりながら進めていくということになろうかと思います。
#179
○西田実仁君 当然のことながらこの安全ということが守られなければならない、そういう治水が必要であると。しかし一方で、今申し上げた生活の問題もあると。ここをよく地元の理解を得ながらというお話でございますので、そこをお願いしたいと思います。
 それから、利水の話に移りたいと思います。
 もう既に御案内のとおり、先ほども質疑がございましたけれども、この八ツ場ダムによって開発をされます水の約六割は既に暫定水利権として取水をしております。つまり、既に需要は発生しているわけですね。過大な需要だとかそういうことじゃなくて、既に需要が発生していると、まずこういう事実です。
 特に埼玉県は、この八ツ場ダムの完成を前提とする暫定水利権、毎秒七・四五三立方メートルが含まれておりまして、県営水道の水利権全体の二九%、約三割ですね、この水量で県民約百六十万人分の水道水を充てていると。この八ツ場ダムが、これも仮の話ですけれども、その治水の問題は、今申し上げましたとおり、正直チーム治水ということですから、ダムだけじゃないと私も思っています。ダム以外のところで、逆にダムを一つやめるんであれば、ほかのところに負担掛かってでも治水をする可能性はあると思います、その経済的な問題は別としましても。
 しかし、この利水については、とにかく水源措置がない中で今埼玉が利用している暫定水利権、八ツ場ダムが仮に中止されて水源措置がなくなった場合に、これは安定水利権になるということはあり得ないんじゃないかと思うんですね。
 実際、平成十三年度の渇水を見ても、安定水利権の取水制限は一〇%でした。しかし、暫定の方は二〇%制限がございました。利根川の水利用の実態とか河川の流量を見ても、利水に余裕はそんなにあるとも思われません。私は、この八ツ場ダムが仮に中止された場合に、埼玉の水がどのように安全に安心して飲めるのかということに大変心配をしておりまして、大臣にお聞きしますが、八ツ場ダムが仮に中止された場合には、この水源措置がない中で今暫定水利権として埼玉が取水している部分、安定水利権になるというふうな仕組みは考えられるんでしょうか。
#180
○国務大臣(前原誠司君) 西田委員から暫定水利権についてのお尋ねがございました。
 先ほど委員が御指摘をされたように、埼玉県全体ではダムなどによる安定水利権が六八%、それから河川の自流による安定水利権が四%、そのほかが二七%が暫定水利権でありますけれども、八ツ場ダム暫定水利権が二六%ということになっているわけであります。
 この暫定水利権というのは、もう委員御承知のとおりでございますが、水需要が増大し緊急に取水することが社会的に強く要請されている場合にはダムの完成を待たずにやむを得ずして許可しているということでありまして、そのため、河川の流量が不足する場合には取水できないなどの条件も付していると、いわゆる豊水条項と言われるものでありますけれども、そういうものを付しているわけであります。
 利根川水系の暫定水利権についても同様の条件を付しておりますけれども、今までの首都圏の急激な人口増、経済活動の活発化などによる水需要の急増に対応せざるを得なかったということから、関係者の理解と協力の下で八ツ場ダム完成までの一時的な措置として、既存の利根川上流ダム群から貯留水を年間二百日以上に及んで河川に放流することによって取水停止という事態を回避してきたということでございます。
 このため、仮に八ツ場ダムを中止することになった場合、八ツ場ダム完成までの一時的な措置である暫定水利権分の取水を継続していくかどうかということは、この暫定水利権に協力をしてくださった方との協議ということになるわけでございまして、既存の利水者に対し十分協議をし理解を得るということが必要になりますので、現段階においては予断のない再検証というものを行っておりまして、また有識者会議においては治水、利水併せて評価軸を今考えてもらっているところでございますので、どのような暫定水利権に代わる水の供給源を見出していくのか、暫定水利権を安定水利権に変えるのかどうなのか、その場合にはいろんな方々の御協力も必要になりますし、そうでなければ他の水源をどう見出していくのかと、いろんなことを考えていかなくてはいけないと思っております。
 ちなみに、委員も御承知のとおり、四国の細川内、それから新潟の清津川、こういったところでは暫定水利権を安定水利権に変えたという事例はございます。
#181
○西田実仁君 まさにそこの協議になるわけですね。それは利根川の水利用の実態あるいはその流量の確保ということからどれだけ余裕があるのかということによって、協議が調うかどうかということになろうかと思います。それは大変に難しいんではないかというふうに我々埼玉県では特に強く思っているものですから、大変に心配をしていると。しかも、今回の八ツ場ダム見直しの検証有識者会議ですか、これも治水は専門家がたくさん入っていますけれども、ちょっと利水の人が少ないんじゃないかという心配もございます。是非、この代替案なるものを出していただかなければ協議、検討がなかなかできないという状況でありますので、急いでお願いしたいと思います。
 最後の時間を使いまして、ちょっと細かい話ですけれども、建設業におきます監理技術者制度の運用マニュアルというのがございます。これにつきましてお聞きしたいと思います。
 この監理技術者制度は建設業法に基づきまして運用マニュアルができておりまして、公共工事におきまして、発注者から直接請け負う建設業者の専任の監理技術者等については入札の日以前に三か月以上の雇用関係にあることが必要とされておるようであります。
 しかしこれ、今、物すごい不景気です。また、公共工事もずっと減ってきていると。また、極端に今も削減されているという状況の中でなかなか先の見通しが立たない。三か月以上の雇用関係がないと入札できないというのではなかなか中小の建設業界は大変であると、こういう声、いっぱいいただいております。
 制度の趣旨として、なぜ三か月なのかということなんですけれども、その運用マニュアルを読みますと、監理技術者と所属する建設業者が双方の持つ技術力を熟知し、建設業者が組織として有する技術力を技術者が十分かつ円滑に活用して工事の管理等の業務を行うことができるためと、こう書いてあるように私は理解しています。三か月は本当に必要なのか、むしろ三か月なくてもこれは柔軟に運用されて、仮に何か問題があったら厳罰を加えていくというふうにすべきではないか、この運用のマニュアルなるものですから、これがしかし現場ではかなり大きく中小の建設業者のおもしとなっている、こういう現状がございます。なぜ三か月なのかということとともに、この運用を柔軟化してむしろ厳罰化していくという方向にすべきではないかという私の考えにつきましてお答えいただければと思います。
#182
○大臣政務官(三日月大造君) 今委員御指摘のとおり、建設工事の適正な施工を確保するために、技術者個人の持っていらっしゃる技術力と、かつ建設業者が組織として有する技術力が相まって現場で工事として発現されることが重要であると考えておりまして、この観点から、公共工事の元請の専任技術者については、今まさにマニュアルを御紹介いただいたように、必要最小限の具体的な基準として入札の申込みがあった日以前に三か月以上の雇用関係があるということを求めております。
 なぜ三か月かということについては、これは特に絶対三か月じゃないといけないということの科学的、客観的な理由があるわけではなくて、おおむね、今御紹介いただいたように、双方の持つ技術力を熟知したりとか、あと資格者証ですとか健康保険被保険者証等に記載されたものの確認できるということが必要であるということから定められているものだと承知をしております。
 この制度は、不良不適格業者を排除しながら、発注者を保護する観点から重要というふうに思っておりますが、まさに今厳しい経営環境の中、全体として建設業者に過大な負担とならないようにしっかりと我々としても注意をして見守ってまいりたいというふうに考えております。
#183
○西田実仁君 是非、実態をよく見ていただきまして、これはもう運用マニュアル、原則はそうだとしても柔軟になされることも必要ではないかというふうに思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#184
○渕上貞雄君 どうも、大臣以下政務官の方々、大変御苦労さんです。私で最後ですから、よろしくお願い申し上げます。
 大臣は所信におきまして、JAL再生を国民の目線に立った確実な再生を図ると言われております。国民の目線に立ったJALの再生とはどのようなことをいうのか。今もう既に国交省、それから企業再建整備機構ですか、それに加えてJALと三者一体となって再建をやっているところでございますが、加えて、国民の目線に立った再生というのをどのように理解すればいいのか、大臣の認識をお伺いします。
#185
○国務大臣(前原誠司君) 渕上委員にお答えをいたします。
 日本航空は我が国の発展の基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っていることから、安全、安定的な運航を確保しつつ、確実な再生を図る必要があり、政府としては十分な資金を確保するなど、必要な支援を行っていくこととしております。
 このような政府の支援を受けながら再生を目指す以上は、日本航空はこういう苦しい状況に陥った原因とされております大型機材の退役や不採算路線の整理、人員余剰、硬直的な組織体制の見直しなどを国民の理解が得られる形で強力に推進し、筋肉質で柔軟性も兼ね備えた機動的な事業構造へと確実な再生を図る必要があると考えております。
 今おっしゃった国民目線ということをもう一つ言うのであれば、透明度の高い会社更生法、プレパッケージ型の会社更生法というもので徹底的な裁判所の関与の下で深掘りをしっかりやり、そして再生計画を今更生計画にまとめているところでありますけれども、管財人も関与して本当にそれができるのかどうなのかということをしっかりと検討していただくと。そして、先ほどのある委員にもお答えをいたしましたように、広田委員でしたか、お答えをしましたように、一兆円近くもお金を投じられているわけでありますので、確実な再生計画が更生計画になり、そして再生が果たされる中でしっかりお金が返ってくると、そして日本の重要な公共交通である日本航空が再生されるということをしっかりと透明度の高い形でやっていくという意味が国民目線だと御理解をいただければ有り難いと考えております。
#186
○渕上貞雄君 日本航空は我が国を代表する航空会社だけに国民の関心大変高いわけですから、ひとつ今の決意をしっかりと生かして再生していただきたいと思っております。
 さらに、大臣は、従来の公共事業依存型の産業構造を転換をし、我が国を牽引する成長産業の育成を図ると、こういうふうに言われております。我が国を牽引する成長産業、全産業的に見てもいいし、でき得れば国土交通省としてどのような産業を指しているのか、どのような産業を目指しているのか、お答えいただきたいと思います。
#187
○国務大臣(前原誠司君) まず、建設業につきましては、公共投資は減りますけれども、大都市とか中核都市で今様々な規制緩和、また都市再生計画などを成長戦略会議で立案をして、それはプライベート・パブリック・パートナーシップという民間の資金をできるだけ入れて運営も民間に任せるというような方法で新たな需要を、税金とか借金によらないいわゆる建設需要というものをいかに生み出して、近代的な都市、効率的な都市、耐震性に優れた都市、環境と共存できる都市をつくっていくのかということを今考えておりまして、それがまず核の一つになります。
 それから、二つ目はやっぱり観光でございまして、今観光庁で新たなインバウンド、そしてこのごろよく取り上げられております休日の平準化、また他省庁との観光連携、メディカルツーリズムとかですね、そういったことを行う中で新たな観光需要というものを創出をして雇用を増やし、そして地産地消でありますので地域の活性化につなげていくということも考えております。
 また、余り長々としゃべってもいけませんが、港そして空港施策については、例えば日本のハブ空港は仁川に取られている、ハブ港湾は釜山に取られていると。こういうものを、港湾・空港政策を見直す中でハブの機能を取り戻し、そしてそのことによってお客さんやあるいは物流というものをもっと日本に引き入れて、そして内航フィーダーやあるいは羽田のアクセスも含めて、もっともっと日本の航空産業やあるいは航空会社やいわゆる港湾業者が、内航業者が使われるようなそういった仕組みをする中で国土交通省関連の企業の活性化を図っていく、こういうことも取り組んでおります。
 住宅や、あるいは新幹線を外に売り込むとか、あるいはゼネコンは国際的に頑張っていただくとか、様々な観点での今成長戦略をまとめているところでございまして、考えがまとまった段階でしっかりそれを実現するように努力をしてまいりたい、またそういった観点での御議論、御示唆を当委員会でもお願いをしたいと、このように考えております。
#188
○渕上貞雄君 大いに期待をしておりますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 次に、地域主権の確立について、地方公共団体に向けて個別補助金を一つの交付金に原則一括化をして、地方公共団体にとって自由度が非常に高く、創意工夫を生かせる総合的な交付金を創設しますと言われておりますが、検討をされておられます交通基本法の財政的裏付けとの関係においてどのように整理をされようとしているのか、お尋ねいたします。
#189
○大臣政務官(三日月大造君) 今、前原大臣の下で、辻元副大臣を中心とし交通基本法の検討をしております。移動の権利が保障できないだろうか、また総合的な交通政策をつくる時代に来ているといった観点で、社民党さんやそして民主党が野党時代に出しておりました交通基本法案というものをベースに今検討しておりまして、先生が今御指摘されました地方の公共交通を支えていくための財源、これが極めて大事であるというふうに私どもも考えております。
 今、例えば来年度の予算案でも、地域公共交通活性化・再生総合事業制度を始め、地方バス、地域鉄道、離島航路等地域公共交通に係る諸制度を合計いたしますと、合計百九十三億円の補助予算があるんですけれども、こういったものの規模が本当にこれでいいんだろうかと。前原大臣からは、もう少しきちんと枠を拡大しながら、本当にこれから、高齢化やまた温暖化対策が求められるという時代にふさわしい地域の公共交通の在り方とその支え方についてよく検討していこうじゃないかと、それを交通基本法で定める制度枠組み構築に生かしていこうじゃないかといった観点での今検討を鋭意進めているところでありまして、いずれにいたしましても、今行っております検討会議の中の主要課題として位置付けて、今年の五月から六月ごろをめどに出させていただきます交通基本法案の取りまとめに反映をさせてまいりたいというふうに考えております。
#190
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、羽田空港の二十四時間による国際拠点の空港化を進めると言われておりますけれども、空港までのアクセスについてはどのように考えられておるのか、また関係交通機関との対応はどのようになされておるのか、お伺いいたします。
#191
○大臣政務官(三日月大造君) これもまた大事な御指摘でありまして、現在、羽田空港への公共交通のアクセスは、便が張り付けてあります六時台から二十三時台までの現在の国内旅客便の発着に対応したものになっておりますが、これから国際定期便が二十四時間就航可能となる状況にいかに対応していくのかといった観点から、鉄道、モノレール、バス、タクシー、レンタカー、それぞれ別に今調整をしております。深夜帯また早朝帯の営業、これが可能なのかどうなのかといった観点で今調整を進めております。
 これ、事業者サイドに言わせますと、どれぐらいの需要があるのかとか、また施設の保守をしなければならない、また羽田から例えば山手線までは来たけれども、その山手線の鉄道の運行ダイヤと接続できるのかといった接続の観点からの調整も必要だと聞いておりまして、解決すべき課題は多いようですけれども、いずれにしても、羽田空港のアクセス利便の改善、また問題の解消のためにこの調整を鋭意進めてまいりたいというふうに考えております。
#192
○渕上貞雄君 どうかひとつ、二十四時間空港をやろうとすればそのことは最も大事なことでありますから、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 国土交通省は、国民の安全、安心を確保し、生命、財産を守るという点では他の省庁に比べて大変重要なポジションにあるのではないかと思っております。
 そこでお伺いをいたしますが、安全、安心の確保について大臣はどのように認識をされておるのか、またどのような取組をしようとしているのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
#193
○国務大臣(前原誠司君) 渕上委員が御指摘のように、交通運輸分野における安全、安心の確保は最も基本的な、そして大変重要な使命であると考えておりますし、陸海空にわたる交通行政を所管している国土交通省の果たす役割は極めて大きいと認識をしております。
 そのため、運輸安全マネジメント制度の一層の充実、これは平成十八年の十月から行われているものでございますけれども、これを常に見直していくということや、保安監査の強化、そして運輸安全委員会の事故原因究明機能及び再発防止機能の強化などによりまして、交通運輸分野の安全性の一層の向上を図ってきたところでございます。
 昨日も、スカイマークにおきましては問題が続出をしているということで、特別監査、安全監査というものを実施をして、これは異例でありますけれども、三週間の監査を経営、運航、整備、すべてにわたって行っていくということでございまして、事故が起きてからでは遅いという観点で、今委員御指摘の安全性の一層の向上に取り組んでいかなくてはいけないと思っております。
#194
○渕上貞雄君 安全は人だということがありますけれども、陸海空それぞれにおいて装置化されておりますけれども、最終的にはやはり人が安全を守るというのが基本的な考え方だと思います。
 そこで、大臣、今度のJALの再生において、収支のために人員削減を行うことについてはどのように考えているのか。それから、過度のやはり人員削減を行えば空の安全確保ができないような状況になるのではないかと心配されるわけでありますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#195
○大臣政務官(三日月大造君) 日本航空が急遽非常に苦しい立場に置かれている原因の一つとして、これは人員が余剰であったこと、また硬直的な組織体制であること等が挙げられておりまして、一定の人員の削減というのは不可避であると考えております。
 しかし、この日本航空の再建に当たって、同時に、先ほども大臣から答弁がありましたように、やはり公共交通を担う安全というものは最低限のこれは大事な視点でありますので、安全かつ安定的な運航の確保というものと両立をさせてこの人員の削減、大幅なダウンサイジングというものを行っていく必要があるというふうに考えております。
 このため、一月十九日に閣議了解をして発表いたしました政府声明の中でも、この安全な運航が確保されるよう、同社に対して、JALに対して適切な監視、監督を実施していく所存であることを表明いたしておりますので、この点をしっかりと踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。
#196
○渕上貞雄君 往々にして会社再生をやっていくときに、人員整理というのは職場に大変な混乱をもたらし、同時に安全問題に支障を来しますので、そこら辺りはひとつ注意してやっていただきたいと思います。
 次に、交通需要予測についてお伺いをいたしますが、茨城空港が開港いたしました。これまでの予想されておりました国内空港の整備がほぼ完了したと言われていますが、開港された茨城空港の定期便は二社のみという状態でございます。しかし、開港に当たって需要予測では開港時に四路線、年間八十万人の利用を見込んでいたようでありますが、実際の利用者は二十万人前後にとどまるとのことであります。
 これも確実な数字ではありませんが、既に空港ビル、年二千万円程度の赤字が確実との見込みもありますし、国土交通省のまとめによると、二〇〇八年度の利用実績が開港、拡張前の予測を上回ったのは八港だけと、こういうことになっております。
 国土交通省は、現在の需要予測の実施方法では、空港の設置管理者が需要予測において規定した空港路線と実際の空港会社が決定をした空港路線とは結果的に異なる可能性が伴うと、このように言われております。
 そこで、事業主体の行う航空路線における需要予測と、実際に採算性で飛ばすことを判断をする航空会社と、それの実績というものの乖離が生まれることを指摘されております。このような需要予測についてどのように認識をされているのか。また、建設費を賄う特別会計の仕組みについても問題があるとの指摘もされております。
 国土交通省は運航行政を今後どのように改善をし指導をしようとしているのか、お伺いをいたします。
#197
○大臣政務官(三日月大造君) 先生御指摘のとおり、三月十一日に開港いたしました茨城の空港は、平成二十六年の時点で六十九万五千人、平成三十一年に七十二万九千人の需要予測を見込んでおりますが、先般も発表し公表いたしましたとおり、この需要の予測と実際の利用の実績というものが大きく乖離している、下回る空港が大変多くあるというふうに判明をいたしました。
 この原因というのは、いろんな原因があると思うんですが、やはりGDP含め人口等過大にその成長を見積もってしまうという経済フレームをどう取るのかといったこと、さらには同時多発テロや鳥インフルエンザ、戦争、紛争という突発的要因、加えて採算性を見込んで路線を張り付ける航空会社の営業等々、経営判断も影響してくるというふうに考えております。
 これ、国土交通省は、平成十三年十二月に、そういった空港を設置する地方公共団体等の事業主体に対しても、空港の需要予測の精度向上に関するガイドラインというものをまとめて通知をして、需要予測の一層の精度の向上に努めてきたところなんですけれども、しかしまだまだこういう需要予測の算定の仕方といったようなものには改善の余地が大いにあるというふうに私たち考えておりますので、その点をこれまでの結果を踏まえてしっかりと改善をしてまいりたいと。
 あわせて、この建設費用を賄う空港整備の特別会計の在り方についても今、前原大臣を先頭に抜本的な見直しをすべく検討させていただいておりますので、こうした需要予測と利用実績の乖離も踏まえながら、その検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#198
○渕上貞雄君 しっかり頑張っていただきたいと思います。
 気象庁は、九日、三宅島空港の三宅空港気象観測所が先月二十六日から今月八日までの間、計五十七回にわたって誤った気圧データを航空会社などに送信をしたことを発表いたしました。その他にも、長野県の松本空港においても誤ったデータを送信をし、旅客機が着陸をやり直すというトラブルがあったという報告もありますが、その原因についてお教え願いたい。気圧誤送信防止のための取組について、原因究明と再発防止について今後どのように取組をなされるのか、お伺いをいたします。
 また、観測所の廃止が行われておりますが、このことによって今回このような事故が起こるようなことがあるのかないのか、その点はいかがでございましょうか。
#199
○政府参考人(櫻井邦雄君) 航空気象観測におきましては、基本的に気圧などの観測データは通常自動で観測、通報されております。今回、誤送信のありました松本空港につきましては、機器の障害に伴い、職員の手による観測及び通報作業を行った際に、入力ミスにより誤った気圧を通報したものでございます。また、三宅空港につきましては、観測システムの更新を行った際に、機器の状態を誤って設定したことにより、気圧の誤送信に至ったものでございます。
 気象庁といたしましては、今回の人為ミスを重大な問題と認識し、機器障害時の観測・通報手順について再確認と訓練を徹底するとともに、システム更新作業終了時の機器の状態及びデータの確認を徹底するように指示し、再発防止策を講じたところでございます。
#200
○委員長(椎名一保君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#201
○渕上貞雄君 なお質問通告しておりましたけれども、時間でございますのでやめますが、運航にかかわる問題ですから、気象庁、しっかり反省して、このようなことのないように頑張っていただきたい。
 終わります。ありがとうございました。
#202
○委員長(椎名一保君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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