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2010/03/18 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第4号
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2010/03/18 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第4号

#1
第174回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十二年三月十八日(木曜日)
   午後二時二十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     森田  高君     米長 晴信君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     長浜 博行君     大島九州男君
     米長 晴信君     森田  高君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                大島九州男君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                長浜 博行君
                森田  高君
                米長 晴信君
                石井 準一君
                石井みどり君
                伊達 忠一君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                丸川 珠代君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                近藤 正道君
   衆議院議員
       修正案提出者   園田 康博君
       修正案提出者   中根 康浩君
       修正案提出者   古屋 範子君
       修正案提出者   阿部 知子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       内閣府副大臣   古川 元久君
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小川 淳也君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       財務省理財局長  川北  力君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伊岐 典子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十二年度における子ども手当の支給に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、森田高君が委員を辞任され、その補欠として米長晴信君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長伊岐典子君外一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(柳田稔君) 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(長妻昭君) 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するために、子どもを養育している方に対し、子ども一人につき月額一万三千円の平成二十二年度分の子ども手当を支給することとし、この法律案を提出した次第でございます。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、子ども手当の支給についてであります。
 子ども手当は、中学校修了前の子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母である等の支給要件に該当する方に支給するものであり、その額は、一か月につき、子どもの数に一万三千円を乗じた額としております。
 また、市町村長は、受給資格等について認定をし、子ども手当を支給することとしており、その支払期日は、平成二十二年六月及び十月並びに平成二十三年二月及び六月としております。
 第二に、子ども手当の費用についてであります。
 子ども手当の支給に要する費用については、児童手当相当部分は児童手当法の規定に基づき、国、地方自治体及び事業主が負担することとし、それ以外の費用については、全額を国が負担することとしております。
 なお、公務員に係る子ども手当の支給に要する費用については、全額所属庁が負担することとしております。
 このほか、子ども手当について、差押禁止等の受給権の保護や公租公課の禁止を定めるとともに、子ども手当を市町村に寄附することができる仕組みを設けることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き平成二十二年四月一日としております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において修正が行われております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(柳田稔君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員古屋範子君から説明を聴取いたします。古屋範子君。
#8
○衆議院議員(古屋範子君) ただいま議題となりました平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、検討条項において、「政府は、児童養護施設に入所している子どもその他の子ども手当の支給対象とならない子どもに対する支援等を含め制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」との一項を加えること。
 第二に、原案において設けられている検討条項について、「子ども手当の平成二十三年度以降の制度の在り方等」を「平成二十三年度以降の子育て支援に係る全般的な施策の拡充」に改めること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○委員長(柳田稔君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○島田智哉子君 昨日の本会議に続きまして質問をさせていただきます。民主党の島田智哉子でございます。よろしくお願いいたします。
 昨日の本会議での質問の冒頭、児童虐待、それから子どもの自殺の問題につきまして、厚生労働大臣、文部科学大臣からそれぞれ御答弁をいただきました。本会議の質問では、時間の制約もございまして、子どもの自殺対策について長妻大臣の御所見をお聞きすることができなかったものですから、まず冒頭、その対応についてお聞かせいただきたいと思います。
 この問題につきましては、平成十八年の六月、ちょうど参議院本会議において自殺対策基本法が可決された直後の本委員会で質問させていただきました。子ども、学生、生徒の自殺につきましては平成十五年度以降増加傾向にございまして、尊い命を自ら絶たれるということは、まさに社会全体の責任として防いでいかなければならないと思います。
 当時の厚生労働省の御答弁では十代の自殺についての要因分析を実施しているということでございましたが、その後どのような要因分析が行われ、また新政権として今後どのように取り組んでいかれるお考えなのか、長妻大臣のお考えをお聞かせください。
#11
○国務大臣(長妻昭君) 島田委員におかれましては、もうかなり何年も前からこの自殺対策について御提言、御質問をいただいておりまして、そういう働きかけもありまして、若い方の自殺の実態ということで、十五歳から三十四歳の若い世代で死因のトップが自殺になっているということも明らかになりまして、これは先進七か国で日本だけであります。普通の国は若い方の死因のトップはがんあるいは交通事故なんですけれども。そして、人口当たりの自殺率も先進七か国で最も高いということも、これも今まで言われているところであります。
 そこで、平成二十一年度の厚生労働省の科学研究費補助金を使ったこころの健康科学研究事業ということで結果がまとまってまいりまして、それを見ますと、三十歳未満であった自殺をされた方々を分析をいたしますと、全体の八割に何らかの精神障害への罹患があるということ、そして、親との離別あるいは精神障害の家族歴、不登校経験、いじめ被害経験といった形において、変数において四割から六割の経験率が確認をされたというような、かなり詳細な研究結果が出てきておりますので、今後の対策にも役立てていきたいというふうに考えております。
#12
○島田智哉子君 是非、命を守る鳩山内閣として、引き続きその対策の強化をしていただきますようにお願いいたします。
 それでは、子ども手当法案について質問させていただきます。
 私ども民主党はこれまでに、百六十八国会、百六十九国会、百七十国会と国会におきまして本院に子ども手当法案を提出してまいりました。本日より内閣提出法案として本委員会で審議がスタートいたしますことに大変感慨深いものが込み上げてまいりますし、また長妻大臣始め政務三役、そして厚生労働省の皆様のこれまでの御尽力に対しまして心より敬意を表する次第でございます。
 参議院におきまして私が最初の質問ということでございますので、鳩山内閣として、また長妻厚生労働大臣がお考えになる子ども・子育て支援政策に対する理念あるいはそのビジョンについて冒頭お伺いさせていただきたいと思います。
 今年一月に行われました鳩山総理の、いのちを守りたいと、その施政方針演説の冒頭にお述べになられました、生まれてくるいのち、育ち行くいのちを守りたいという言葉がございました。
 そして、鳩山内閣が一月二十九日に策定されました子ども・子育てビジョンでは「子どもが主人公」を掲げ、少子化対策から子ども・子育て支援へと、まさに政権交代を機に基本理念の転換を明確にされました。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 また、ここには、そもそもこの国は子どもを生み育てるという希望をかなえられる社会になっているのでしょうか、あるいは、これまで少子化対策として様々な計画や対策が講じられてきました、しかしそれは目に見える成果として生活の中では実感できない現状にあるのではないでしょうか、子どもや若者のニーズや不安、将来への希望にこたえる政策を生み出すことはできなかったと書かれています。
 長妻大臣からも、日本は先進国の中で子育て支援に掛ける予算が国内総生産、GDPの比率で見ても最も少ない国の一つと、このような御発言も再三お聞きしているところでございますが、我が国における今日までの子育て支援政策についてどのような御認識をお持ちでいらっしゃるのか、また、基本理念の転換とは具体的にはどのようなことをおっしゃっていらっしゃるのか、大臣の御見解をお聞かせください。
#13
○国務大臣(長妻昭君) まず、この日本における子育て支援あるいは子育ちへの応援ということに関しましては、これは諸外国GDP比で比べても非常に低い形で推移してきた。これは、今までの議論の中で、やはりもっと大切なことがあるというのが国会等でも議論になって、結局は子ども等にかかわる予算が後回しにされてきたという経緯がずっと続いてきたということがあると思います。その結果、少子化の流れが止まらないということや、あるいは子どもの貧困率が先進国でも非常に高いというようなことにつながったんではないか。
 そして、その子育てに対する社会的に支援をしていくというカテゴリーというか分野でいえば三つありまして、今御議論いただいている子ども手当、現金支給と、保育サービスなどの現物支給と、ワーク・ライフ・バランスということで、これはもう仕事だけで全く時間がなければ子どもを育てることもできませんので仕事と生活のバランスという、三つが適切に整備をされるということで、その中でこの現金給付というのも我々は重点的に行っていきたいということで今御審議をお願いしているところであります。
#14
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 このビジョンには、子どもと子育てを応援することは未来への投資であって、子ども手当はその大きな一歩だと、また、その手当と教育や保育等のサービスとを車の両輪として、子ども、子育てを応援する社会をみんなでつくり上げていきたいと書かれてございます。
 私どもも、党の政策でありますチルドレン・ファースト、子ども第一の方針の下で子ども一人一人に着目をして、子どもが安心して育つことができますよう、また子どもを安心して育てられるよう社会全体で子育てを応援すべきと、そのような理念に基づいて、子ども手当を始めとして子育て支援政策の検討を重ねてまいりました。
 昨日も本会議において御答弁をいただいたところですけれども、改めまして本法案の第一条の御趣旨の御説明を長妻大臣よりお聞かせいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(長妻昭君) 子ども手当の第一条、趣旨でございますけれども、これについては、次代を担う一人一人の子どもの育ちを個人の問題とするのではなくて社会全体で応援する観点から実施をするということでありまして、これは今おっしゃられたとおり未来への投資だという観点であります。
 例えば、お子さんのいらっしゃらない世帯は子ども手当は支給されないわけですけれども、じゃこれ、税金を使って、お子さんのいない世帯、どういうメリットがあるのかというと、これは我々は、子ども手当によって、あるいは先ほど申し上げた現物支給、ワーク・ライフ・バランスも相まって少子化の流れを変えていきたいと考えておりますので、そうなれば社会保障の結果として担い手も増えていくということで、お子さんのおられない方もそれは老後、現役の方に支えていただくわけでありますので、そういう意味で、二〇五五年の大変な少子高齢化の姿というのは今のまま手を打たなければもう明白に見えるわけでありますので、そういうことにかんがみてこの法案を御審議いただいているということであります。
#16
○島田智哉子君 私ども、これまでの参議院選挙あるいは衆議院選挙におきましてこの子ども手当の創設をマニフェストの中で国民の皆様にお約束してまいりまして、おかげさまで子ども手当という文言については広く国民の皆様に浸透しているように思います。
 ただ、法律の用語につきましては、例えば児童福祉法でありますとか学校教育法等々子どもにかかわる法律は幾つもございますけれども、それぞれの法律によって児童の年齢区分が異なっております。この児童と子どもの用語につきまして、一九九三年の子どもの権利条約の条約締結をめぐる国会審議でも活発な議論がございました。
 私自身は、児童という用語がそれぞれの法律によって定義がまちまちであることや、やはり国民に分かりやすいという意味でも子どもという用語が適していると、そのように認識をしてまいりましたけれども、今回内閣として提出されるに当たりどのような御認識をお持ちになったのでしょうか、いかがでしょうか。
#17
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答え申し上げます。
 まさに今、島田委員が御指摘されたような趣旨も踏まえまして、そして最近では、特に次世代育成支援対策推進法や少子化社会対策基本法などの最近の立法例も踏まえまして、そこでも子どもという用語が使われております。そしてまた、民主党のマニフェストでも子ども手当という名前で私たちはお約束をしておりますので、今回の法案でも子どもという用語を用いることが適切だと判断いたしました。
#18
○島田智哉子君 それから、私どもの検討の中でも大変議論をした点で申しますと、児童手当法におきまして家庭における生活の安定を目的の一つとしておりますけれども、しかし、私どもの議論の結果として、やはり子ども手当については子どもに着目をして、子どもを育てる者が安心して子どもを育てられるように社会全体で子育てを応援すべきという考え方に立つということから、この文言は盛り込みませんでした。
 これまでの審議の中で、この家庭という文言を盛り込まなかったことについて、政府あるいは民主党には家庭に対する意識がないといった御批判があったようでございますが、私どもは、子どもを養育することは、第一義的に親が責任を持つことは当然のことであると思っております。その上で、安心して子どもが育てられるように社会全体で子育てを応援するという考え方でございまして、決してそのような批判には当たらないと思っております。
 今回政府が提出された法案においてもその文言が入っておりませんが、その理由についてお聞かせいただきたいと思います。
#19
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答えを申し上げます。
 まさに家庭という言葉は入っておりませんが、私たちの考え方としましても、親が子どもを扶養するのは当然であるという前提の下、今回の子ども手当は、子どもに着目し、次代の社会を担う子ども一人一人の育ちを社会全体で応援するという理念により実施するものであり、所得制限を設けず、子どもの年齢や出生の順にかかわらず一律の金額を支給する制度となっております。
 このため、子ども手当と児童手当は確かに児童の健全育成という面では理念を共通するものでありますが、本法案の第一条の趣旨は、こうした観点を強めて、社会全体で応援するという観点を強めて、家庭の生活の安定という文言を盛り込まないこととしたものであります。
#20
○島田智哉子君 次に、所得制限の在り方についてお聞きをしたいと思います。
 本法案に対するこれまでの議論の中でも、所得制限についての在り方が大きな論点の一つでございました。私ども党内の議論の中でも、従来から所得制限を設けないという考え方で子ども手当の制度設計を考えてまいりました。
 本法案の第一条の、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援すると。文字どおり直接の目的は子どもの育ちを支えていくということでございますから、子どもを養育する者の所得の多寡によらず基礎的な経費が保障されるべきでありまして、そのような認識の下で所得制限は設けるべきではないと考えてまいりましたが、政府においては、所得制限の在り方についてどのような理由で御判断をされたのでしょうか。
#21
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答えを申し上げます。
 子ども手当は、次代の社会を担う一人一人の子どもの育ちを社会全体で応援するという理念の下、実施するものであり、家計の収入のいかんにかかわらず確実に支給されるよう所得制限を設けないこととしたところでありまして、なお、諸外国においても所得制限は、同様の児童手当、子ども手当のような制度では設けられておりません。
#22
○島田智哉子君 この所得制限を設けないとする子ども手当について、所得の高い人にまで子ども手当を配る必要があるのかとの議論がございました。
 しかし、今回の子ども手当につきましては、控除から手当へという考え方の下で実施されるものでありますから、高所得者の子ども手当の実質的な手取りはその税率に比例して減っていく、そして実質的に本当に手厚い支援が必要な階層に控除から手当の中で重点的に配分をされていくと、このように理解をいたしておりますが、この控除から手当への流れと子ども手当の関係について御説明ください。
#23
○国務大臣(長妻昭君) まず、このマニフェストでもお示ししておりますけれども、この政権の一つの考え方というのは控除から手当へという考えなんですが、控除というのは、これ御存じのように、絶対金額で幾ら税金が助かるかといったときに、これはもう所得の高い方の方が税率が高いので絶対金額は所得の高い人ほど税金が助かると、こういうことになるわけで、所得の高い人が有利なのがこれは控除ということであります。そこで我々は、控除というのは廃止をする方向にして、手当という形でそれを進めていくという考え方をすれば、本当に手当が必要な方にそれが届くと、これが基本的な考え方であります。
 その中で、この子ども手当もその考え方を踏襲するということでありますけれども、地方税と所得税の幼年者扶養控除、十五歳以下の扶養控除を最終的には廃止をするということになりますと、これは子ども手当の純粋手取り、根っこからの手取りという意味でいいますと、年収の高い階層ほどその実質手取りは下がっていくということで、本当に必要とする方に手厚い手当が届くと、こういうセットで考えるとそういう考え方もできるということであります。
#24
○島田智哉子君 この点につきましては、国民の間でもまだまだ御理解をいただいていないことも事実でありますから、仮に法案が成立した場合には、政府、また私ども与党も国民への説明を十分に行う必要があると思います。
 そこで、控除がなくなることによる家計への影響ですが、控除に連動して例えば保育所の自己負担等々影響が出てくるという問題がございまして、政府において控除廃止の影響に係るプロジェクトチームを立ち上げて、七月をめどに取りまとめをするということをお聞きをいたしております。今後、この中でどういった方向を見出していく必要があるとお考えであるのか、お聞かせください。
#25
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいた点は非常に重要な点でございまして、控除をなくすと実質的な所得がこれは増えるということになりますので、それに伴って所得と連動をした例えば今いろいろな項目が、かなりこれは、数十にわたる項目が影響を受ける。保育所の保育料を始め、未熟児への養育医療の自己負担とかかなり影響がありますので、これについて、控除廃止の影響に係るプロジェクトチームというのを税調、税制調査会の下に設置をいたしまして、その方向性としては、控除廃止の影響を遮断する方法を検討する、そしてもう一つは、影響の遮断が困難なものについては激変緩和措置を検討するなどの方向性が示されましたけれども、最終的には、今おっしゃられたように、今年の七月をめどに一定の結論を得ると、こういうことにしているわけであります。
#26
○島田智哉子君 次に、平成二十三年度以降の制度設計についてお聞きをいたします。
 長妻大臣は、これまでの御発言として、平成二十三年度には、子ども手当のみならず、幼稚園と保育園の一体化など現物支給も含めたかなり大きな枠組みを提示していくとのお考えも明らかにされていらっしゃいまして、まさに本法案は鳩山内閣が掲げる子どもと子育てを応援する社会に向けてのスタートであると、私はそのように認識をいたしておりますが、改めまして、平成二十三年度以降における制度設計に対する大臣の基本方針をお聞かせください。
#27
○国務大臣(長妻昭君) 二十三年度以降の制度設計については、衆議院、そしてこちら参議院でいろいろ御指摘をいただいた点も踏まえて制度設計を進めていくということと、この制度設計は、もちろんこれは現金支給、子ども手当でありますけれども、同じ時期に平仄を合わせて議論をいたしますのは、今御指摘いただきました幼保一体化、幼稚園と保育園の、これは長年の懸案事項でありますけれども、これを一体化しようと、これも法案で出していこうということで、現物支給、保育サービス等の分野についてもかなり大きな枠をつくった考え方を提示をするという中で、現金給付、現物給付、バランスよく御提供をするという体制をつくっていきたいというふうに考えております。
#28
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 次に、衆議院において修正されました附則第二条第一項関係についてお伺いをいたします。
 まず、この修正に至る背景にはどのような問題があったのか、この点について御説明ください。
#29
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答え申し上げます。
 この法案では、子どもの監護と生計同一又は生計維持を子ども手当の支給要件としており、例えば児童養護施設に入所している子どもや里親に委託された子どもといったこれらの要件を満たさない子ども、つまり監護している親がいない子どもは子ども手当の支給対象とはなっておりません。しかし、子ども手当の趣旨からすれば、本来、このような子ども手当の支給対象にならない子どもについても支援を行うことが当然必要だというふうに考えております。
 このため、政府においては、平成二十二年度においては予算措置として、安心こども基金の活用により子ども手当相当額が行き渡るような措置を検討しております。
 附則の二条一項は、このような措置を始めとして、児童養護施設に入所している子ども等に対する支援等を含め制度の在り方について政府において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとしたものでございます。
#30
○島田智哉子君 この点につきましては、私ども野党時代の立案過程の中でも大変議論になった問題でもございますし、衆議院の御審議でも大きな議論のポイントの一つになっていたこともございまして、今回の修正には私自身も理解をいたします。
 その上で確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど山井政務官がおっしゃいましたように、安心こども基金の活用により、施設内の親のいない子どもなどについて、施設に対して子ども手当相当額が行き渡るような措置について検討すると御答弁されましたけれども、この修正では、子どもに対する支援等を含め制度の在り方について検討を加えるとされております。仮に子ども手当が施設に対して給付されるとした場合に、その手当相当額は子どもに直接使われるのか、それとも施設の整備費や人件費に使うこともあり得るのか。私自身は子どもに直接使われることが望ましいと思っておりますが、その点についてのお考えをお聞かせください。
#31
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答え申し上げます。
 非常に重要な点でございまして、この趣旨は、当然その子ども手当相当額は子ども手当と同様に直接子どものために使っていただくという趣旨でありまして、決して施設の人件費やあるいは施設整備費に充てられるものではございません。
#32
○島田智哉子君 こうした子どもたちの施設の在り方については、これまで森理事からも本委員会で再三御議論があったことも承知をいたしております。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 私自身も内閣委員会において質問させていただいてまいりましたけれども、やはりどこの施設にお伺いしましても虐待を受けた子どもさんが多いということで、例えばグループホームでお聞きしたお話では、集団行動だとわがままを出せない子どもが、少人数であれば甘え方、そして人との接し方が分からずに試し行動が多くなるんだそうですが、子どもですから甘えたりわがままを言うのはごくごく当たり前のことで、しかしそうした当たり前のことさえも我慢をしているということなんです。ですから、グループホームという家庭的な環境によってリラックスをして、甘えたりわがままが言える環境に少しでも近づけていくことが必要なんだと思います。
 しかし、それはそうであるほど施設の職員の方にとっては大変な御苦労な状況にございまして、ある施設でお聞きしましたのは、職員の方の平均勤続年数は七年から八年ということでして、その背景には、施設側として長く雇えないんですと。つまり、給与の面、そして厳しい労働環境という実態がございます。
 これまでの厚生労働省における検討の経緯を見てみますと、平成十九年十一月に社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会の報告書の中で、現状について人員配置基準や措置費の算定基準の見直し等々の見直しに関する提言がなされております。そしてその後、タイムスタディーの調査分析が行われるものと承知をいたしておりますが、それにしても相当な期間が経過しておりますが、現状の御説明をお願いしたいと思います。
#33
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答えを申し上げます。
 私も学生時代、児童養護施設で虐待を受けた子どもたちの遊び相手をずっと六年間しておりまして、そのことが政治家になった一つの原点でもありまして、まさに虐待を受けたお子さんたちこそが愛情が必要であり、さらに、人間への信頼を取り戻していただくためには、島田委員御指摘のように、小規模で家庭的でそして本当にアットホームな雰囲気のケアが必要だと思っております、個々の事情に応じた。しかしなかなか、大規模な施設あるいは少ない人員配置、あるいは専門性の職員が十分でなかったりすると、虐待を受けたお子さんたちにとってなかなか十分な環境でないという御指摘も受けております。
 そこで、平成十九年の十一月の社会保障審議会の社会的養護専門委員会の報告書において、子どもの状態や年齢に応じた個別ケアのために、施設類型の在り方、これは小規模ケアとかそういうものも、グループホームケアとかそういうものも含めてでありますが、さらに人員配置基準や措置費の算定基準の見直し、やはり虐待を受けた重度の方、手厚いケアが必要なお子さんが増えているわけですから、そういう必要性が議論され、そのための必要な財源の確保や施設内のケアの現状についての調査分析が必要との提言が行われ、これを踏まえ、平成二十一年の六月三十日の内閣委員会において、平成二十年三月に全施設を対象に施設の概況、入所児童の状況、背景等の把握を目的とした調査を実施し、平成二十年の十月、二十一年の五月の社会的養護専門委員会に調査結果を御報告させていただき、さらに、詳細に実態を把握するために、平成二十一年の一月から三月に子どもの状態によるケアの内容を定量的に把握することを目的とした実態調査、いわゆるタイムスタディー調査を実施しております。
 この調査については、平成二十一年の十一月にその基本的な集計を社会的養護専門委員会に報告させていただき、現在更に詳細な集計、分析を進めております。
#34
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 このところの報道で、本当に児童虐待が続いておりまして、心を大変私も痛めております。どうぞ山井政務官におかれましては、もう本当に先頭を切って取り組んでいただきたいと思っております。
 そこで、では、いつ、どの時点の見直しを実施するのかということですが、先ほど申しました、私が昨年六月三十日の内閣委員会においてこの点の質問をいたしました際の厚生労働省の御答弁では、経済財政改革の基本方針二〇〇九、骨太二〇〇九において、二〇一一年度までに実施する重要事項の中で「新しい子育て支援制度の在り方の検討を進め、税制改革の動向を踏まえつつ、必要な法制上の整備を図る。」と、このスケジュールにのっとって進めていくということでございました。もちろんこれは旧政権時のスケジュールであったわけですが、新政権としてこの点についてどのようなスケジュールをお考えでしょうか。
#35
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいた旧政権でのスケジュールというお話がございましたけれども、まず基本的な議論の土俵は、システム検討会というのをつくりまして、そこで、先ほど申し上げました幼保一体化も含め、今の児童養護施設等の見直しについても一緒に併せて議論をするということで、そこでの議論の結果について平成二十三年の通常国会に法案を提出するということにしております。
 ただ、その中で、個々の案件について、いつそれを実施をしていくのかというのは、この法案作成の過程で、それが準備ができる期間もきちっと取った上でそれを定めていきたいというふうに考えておりますので、実施の時期についてはこの法案作成、検討の中で議論をしていくというようなことで考えております。
#36
○島田智哉子君 いずれにしましても、今回子ども手当に対する措置と現在検討が行われている施設機能の見直しに対する費用というのは全く違うものとして措置されるという理解でよろしいでしょうか、大臣。
#37
○国務大臣(長妻昭君) これはまさに、今言われた施設機能の見直しというのは、これは別の議論として我々は考えておりますので、これは別の議論としてしていくということでありますが、その議論の土俵というのは、幼保一体化も含めたそういう議論の場で別々の議論として検討していくということです。
#38
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 それでは最後に、子育てに係る環境整備の観点から周産期医療についてお聞きをいたします。
 この周産期医療の問題につきましては、私も議員になりましてから今日まで本委員会を始め予算委員会、内閣委員会などで取り組んでまいりました。野党時代に足立政務官とはこの問題につきましては事あるごとに御議論をさせていただいてまいりました。
 そもそも私の当初の問題認識を持つ契機となりましたのは、NICUに長期入院を余儀なくされている子どもたちの幸せ、あるいはQOLの観点からでございました。しかし、この間に、医療機関の受入れが遅れたため、お母さんが亡くなる、あるいは赤ちゃんが亡くなるという大変痛ましい事案が重なりましたことで、この問題というのは周産期医療体制における問題の一部であって、例えば医師不足の問題でありますとか救急搬送の問題、あるいは出産に対する正しい知識と理解の普及を行う必要など、周産期医療体制の現状には様々な段階において様々な課題が山積していることの認識を改めて持ちました。
 しかし、そうした中でも、やはり周産期医療における救急搬送収容不能の最大の要因はNICUの病床数の不足にあるということも改めて認識をいたしました。
 そこでまず、我が国の周産期医療体制における問題について、要点で結構ですが、政府としての現状の御認識をお聞かせください。
#39
○大臣政務官(足立信也君) 打開策については大臣の方から答弁あると思いますから、現状認識と。
 一言で申しますと、少人数、少ない施設で過重労働をして世界でトップの周産期医療を行っている、妊産婦死亡率、そして新生児死亡率共に世界トップレベルの低さを保っているということだと思います。
 今委員御指摘の点に絞って申しますと、やはりNICUが足りない。これ、人口一万の出生当たり二十五から三十必要だと考えておりますけれども、まだ現実では二十程度である。しかも、それに加えて後方支援病院がやっぱり足りないからなかなか出ていけない。その一つの大きな要因として、低出生体重児、二・五キロ以下、二千五百グラム以下は一割程度なんですが、中でも増えているのが超低出生体重児、千グラム以下ですね。これはかなりの量で増えておりまして、このお子さんたちは長期入院を余儀なくされる、その間に委員御指摘のように親子関係も希薄になる可能性も出てくる、そしてそうなった事態はなかなか後方病院も引取りが難しいというようなことが複合的に重なっているんだと私は思っております。
 そして、もう一つの問題が医師不足と過重労働であると。平均、週の労働時間が六十四時間を超える事態になっておりまして、この部分が現状としては問題であろうと、そのようにとらえております。
#40
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 昨年、政権交代後初めての予算委員会においてもこの問題について長妻大臣にお考えをお聞かせいただきました。その際、大臣からは、NICUを現在の二千三百四十床から将来的には三千床程度まで増やしていくと、また診療報酬体系の中でも考えていくという御答弁がございました。
 その後、そのときの御答弁どおり今年の四月から新たな診療報酬体系としてNICUからの後方病床が新しく設けられて、一日五千四百点、五万四千円、またNICUの評価も八千五百点から一万点に引き上げられております。それから、予算面では前年度比の二倍強のおよそ八十七億円と大幅に拡充されておりまして、周産期医療体制の充実強化にお取り組みをいただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。
 先ほど足立政務官より御説明のございました現状問題に対して、まず当面の措置として、来年度以降、その両面での対応によってどういった問題が解消されるのか、また周産期医療の再建に対する長妻大臣の御決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
#41
○国務大臣(長妻昭君) 私も、就任した後、このNICU、新生児集中治療室を見にお邪魔をいたしましたけれども、やはりそのNICUで、そこから一定の超急性期というか急性期を抜けた方が、じゃどこのベッドに行くのかと。その受入れベッドがなければ新たなNICUで入るべき新生児が入ることができないというようなこと等の実態も拝見をしてきたところであります。
 今おっしゃられたように、新しい診療報酬、今年、来月から、四月からの体系では、今のような、後方ベッドを受け入れるこの診療報酬を新設をいたしまして付ける、あるいはNICUの評価を引き上げる、あるいは財政面でも予算を倍増して付けさせていただくということで、ある意味では、先ほどから申し上げていますように、子育て支援の考え方でいうと、現金支給と、この医療の整備というのも広い意味では現物支給、保育所の整備と並ぶ、その位置付けと考えておりまして、そういう意味でも、小児科が今医師不足も含め大変な状況であるということにかんがみてまずはこういう措置をいたしましたけれども、これですべてが解決するわけではありませんで、あくまで第一歩として今後とも怠りなく、二十六年、目標値を設置をしておりますので、それの実現に向けて取り組んでいくということであります。
#42
○島田智哉子君 ありがとうございました。
#43
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案に関しまして質問をいたします。
 まず、この二十二年度に限った子ども手当の支給制度につきましては、在日外国人の海外別居監護の子への支給の問題、事業主や地方の負担を存続させるなど財源不足の問題、少子化対策として現金に極端に偏っており、傾斜配分などの工夫もなく、所得制限がないために格差を助長するという問題等、数多くの致命的な欠陥を抱えております。いずれも将来に対する見通しや政策の効果が極めて不透明で、満額では一般歳出のほぼ一割にも上る財源をこのような不公正、不公平な政策に使ってはならないというふうに考えます。少なくとも、厚労大臣が自ら認めておられる制度の不備を平成二十二年度から是正するべきであると考えます。
 長妻大臣は子どもに係る居住要件につきまして、平成二十二年度においては法案を修正する考えはないが、適用確認を厳格化し、生計同一に係る支給要件については確認を徹底する、また海外別居の子の監護や生計同一に関する証明書類の提出の徹底と統一化を図ると、これを地方公共団体に対してその旨を通知して厳格に守っていただくというふうにおっしゃっています。
 通告と少し順番が異なりますが、大臣、大丈夫でしょうか。
 この今申し上げた統一化というところ以外は、まともな自治体であれば基本的にみんな既にやっておられることだと思います、書類の統一化の意味ですね。大臣がおっしゃった、この海外の別居の子の監護をしておるというこの証明書類、統一化を図っていること以外は基本的に皆確認を徹底しておられると思います。ただ、その確認の徹底というのをどうするのかというところが恐らく自治体の方にとって大変な問題になるのだろうと想像をいたします。どちらの自治体も書類を、その母国の書類を提出していただくときにその訳を付けておられるわけですが、正直言ってこの訳が合っているかどうかすら自治体も確認していないと、これは右から左へそのまま信じているというふうにおっしゃっているわけですね。
 大臣がおっしゃっている書類の確認の徹底というのは、例えばこの訳を自分たちで確認し直しなさいということですか。
#44
○国務大臣(長妻昭君) この今御議論をいただいている書類の確認でありますけれども、今これ自治体によって、我々も調査をいたしますとその書類がまちまちでありまして、ある自治体は例えば四、五種類の書類で確認をするとか、ある自治体は二種類程度とか、そういうことがございますので、まずはこの統一化を図って、かつ確認の厳格化を図るということであります。
 そして、これについても、本当にそのお国の本国が公的な書類として提出をしている書類、できる限りそれを入手をして添付をするということで、詳細についてはその厳格化の通知の今検討をしておりますので、この法案が成立をさせていただければそういう通知をきちっと検討の上出していこうということで、これは実態とそれを表す公的な母国での書類というのが基本的な考え方になるということであります。
#45
○丸川珠代君 書類の統一化は是非やっていただきたいというふうに自治体の方もおっしゃっておりました。
 ただ、書類を公的に出せる国はいいんですね。出せない国もたくさんあるわけです。例えば中国。昔は本籍地と住所地は一対のものでありました。ところが、人口の流動化が、移動が自由になりまして、農村部から都市部へ出てこられるようになりまして、これは本籍地と住所地が重なっていないという方が非常に増えているんです。
 例えば、それを証明するのにどうするかといって、結局住所地を証明するのに、その元々の村おさですね、村長さんというか村おさが、公的な書類という、役所が出した書類というんじゃなくて、村おさが一筆を書いて、うちのところに住んでいますと。それで公的な書類だということにして、その子がそこにいるということを証明書類にしているわけです。
 こういう場合は、その確認というのはどういうふうにお考えになりますか。
#46
○国務大臣(長妻昭君) これは、地方自治体の皆様と法案が成立後速やかに議論をしますけれども、例えば今の例でありますが、果たしてそれが公的な書類と言えるのか否か、これは判断するのは我々日本国政府あるいは自治体でありますので、そういう位置付けも含めて厳格化を図るということであります。
#47
○丸川珠代君 そうすると、もし村おさの一筆、じゃ、ちょっと住所地があやふやだということになると、それははねられると。つまり、子ども手当を受ける資格がないというふうに、はねるということになりますか。
#48
○国務大臣(長妻昭君) これは書類確認の厳格化でありますので、今の例が直ちに私も、どういう公的な性格なのか、あるいは中国ではそれが一般的に公的だと言われているものなのか、これは厳密に考えなければなりませんけれども、一般的に申し上げますと、やはり公的な書類で実態を表すようなものを入手していただくというのが前提になると思います。
#49
○丸川珠代君 そうすると、これは今は住所地の話でありましたが、今度は生活費の移動ですね、監護をしている、生計を同一にしているという、その証明書類の件に行きます。
 これ、口座から口座へ送金をしていれば、これは記録が残っていると思います。ところが、私これある区で伺いましたらば、百何人か受給しておられる方の八割は自分が生活費を母国に運んでおりますと、銀行口座通しておりませんと、そうおっしゃっている方が八割いるとおっしゃるんですね。こういう場合は何を記録とすればいいんでしょうか。
#50
○国務大臣(長妻昭君) これについても、今現在児童手当ではその支給事務をしているわけでありますので、そういう場合それぞれの自治体がどういうような確認をしているのか。相手の、送金を受けた人の一筆で本当にいいのかどうか、こういうことも含めて書類の厳格化ということを言っております。
 これは自治体では、今のは直接現金手渡しの場合だと思いますけれども、そうでない場合は送金証明を取ったり、あるいは学費支払の証明書、母国の保険証、送金証明書、金銭等受取申立書などなどで対応しているということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、一定の書類の統一化と、本当に実態を表すような、そういう書類を確認をするということであります。
#51
○丸川珠代君 どう考えても私はなかなか、自分が持っていきましたと、しかもそれが子どもたちの面倒を見ているということの証明というと、かなりこれ詳細に書類を詰めて、なおかつそれを持ってきてくださいということで、数々の書類を用意していただかなければならなくなると。申請する人はそれは用意していただければいいと思いますが、問題はそれを受け取って確認をする側だと思うんです。
 今回、児童手当の制度を利用して子ども手当を支給することになった。その大きな理由の一つは事務負担の軽減だと思うんですね。一千二百万からの既に児童手当をもらっている人たちの申請はみなしにしますと、そうやって地方自治体の皆さんの負担を少しでも減らして、何とか春から子ども手当十か月分、児童手当二か月分支給してくださいというお願いをしておられるんだと思うんですが、これではかえって事務負担が増えるんじゃありませんか。
#52
○国務大臣(長妻昭君) これは、事務負担が増えるといっても、やはり一定の行政の正確性というのはこれは保つ必要があるというようなことで、我々は書類の確認の厳格化というのを地方自治体とも話して、実態を把握した上でそれをお願いをしていこうということにしております。
#53
○丸川珠代君 もう地方自治体の皆さんも、寄附制度取り入れたことで既にいっぱいいっぱいになっておられますよ。これにまた、監護しています、生計同一ですの書類を一件について五枚も六枚も十枚もチェックをしなければならないと。これ大変な負担だと思いますよ。こういう負担を全部地方自治体に押し付けないといけない。それでいいんですか、大臣は。
#54
○国務大臣(長妻昭君) これについては、もちろん地方自治体ともよく御議論をして、それについての確認をしていただくということで、これは公金、税金が出るわけでありますので、これはやはり一定の確認を厳格にしていただかなければならないということで、我々はそういうことを考えております。
#55
○丸川珠代君 通達を出す、しっかりやってくださいと言うのは簡単なんですけれども、人手も要るし時間も要るし、結局、人手が掛かればお金も掛かるわけです。その分の支援はきっちりしていただかないと困ると思いますよ。
 それから、この事務負担だけではない理由がほかにもあります。これ、居住要件をやっぱり付けるべきだと思うんですね、今年から。というのは、今、駆け込み申請が増えております。この報道が始まってから駆け込み申請が増えているんです、児童手当の。今、児童手当を申請をしておけばみなしでそのまま、再来年はどうなるか分からないけれども、今年一年分は少なくとも、二十二年度分は子ども手当がもらえますと。それだけでも十分だというところは世界中にたくさんあるわけです。
 今厚労省が把握しておられる荒川区の外国人の海外に居住する児童の状況について、何人の方が児童手当を受けておられるか、事務方の方、お分かりになりますか。
#56
○国務大臣(長妻昭君) これは衆議院でも御答弁申し上げたと思いますけれども、百三十六人であります。
#57
○丸川珠代君 この百三十六人というのは、一月二十六日に厚労省がお調べになった数字であります。三月十六日現在は、これが百六十三人になっております。一か月半、四十八日間で二十七人増えています。豊島区でも、どうやら厚労省の方が私が質問をした後ではお答えにならなかったようですが、私が質問をする前に問い合わせたところでは、報道を受けて申請が増えてきていると、このようにおっしゃっておりました。
 こういう駆け込み申請を今の児童手当はもちろん断ることができません。もし書類が整っていれば認めざるを得ない。これは児童手当の欠陥であったというふうに私も今思います。しかしながら、何でそれがここまで問題にならなかったのか。それは、一万円あるいは五千円、こういう金額であったからではないでしょうか。どういう子にも一人一万三千円、これをお配りするそのボリューム感というのが、やはりかなり大きいインパクトを各地方自治体の財政にも与えますし、私どもの国家の財政にも与えることになります。
 長妻大臣は、平成二十二年度は居住要件を付け加えるつもりはないというふうに答弁をされておりますが、そもそも大臣が法案作成中からこの制度の不備に気付いておられながらそれを是正する努力をしなかったということは、非常に大きな問題だと私は思います。なぜ是正をしようと思わなかったんですか。
#58
○国務大臣(長妻昭君) これは当然内国民待遇ということで、これはほかの先進国も区別をしないという社会保障の考え方があるわけでございまして、子どもの居住要件を課すとなりますと、じゃ日本の御両親が日本国内にいて海外におられる日本人のお子様には出ないということにもこれはなるわけであります。
 そういういろいろな確認が必要、調整が必要だというようなこともあり、まずはこの書類の厳格化ということで対応をさせていただいて、そして、平成二十三年度の本格実施の制度設計の中で子どもの居住要件についても検討していくということにさせていただいております。
#59
○丸川珠代君 今、児童養護施設に措置入所になっているお子さんには安心こども基金で手当てをされておりますね。同じように、日本人のお子さんで海外に留学されているお子さんには安心こども基金から手当てをなさればよいのではないかと私は思います。
 それから、いろいろな制度についての調査が必要だというのであれば、その調査をしっかりやってから支給するのではなぜいけないんですか。
#60
○国務大臣(長妻昭君) これは、子ども手当というのは平成二十二年度四月分からお支払いするということを申し上げておりますし、そしてこれは児童手当と同じように六月に支給する、年に三回、四か月分を支給するということで、これは六月に、それは今まで児童手当を受給されている方も含めて、それが入るものだということで予定をされておられる方もいらっしゃると思いますので、そういうスケジュールの中で我々も検討を進めていくということであります。
#61
○丸川珠代君 児童手当の部分は今の子ども手当の制度の中にも平成二十二年度は残っているわけですから、取りあえず児童手当をお支払いしておけばいいんじゃないですか、平成二十二年四月からも、制度の内容が詰まるまで。
 それから、予定していたけれども入らなかったものがありますよね。暫定税率、やめるという話じゃなかったんですか。それ予定していた人いると思いますよ。何で子ども手当を予定していた人の分だけは払わなきゃいけないんですか。
#62
○国務大臣(長妻昭君) この暫定税率については、これは本当に申し訳ないことをしたということで、我々としてはこれについても説明を申し上げていくということでありますけれども、この暫定税率ができないからほかもやめてしまうということであっては当然国民の皆さんの御理解が得られないと思っておりますので、一つやめればもう一つやめてもいいということにはつながらないと思います。
#63
○丸川珠代君 ある項目はやって、ある項目はやらないという説明が日本国民に対してないんですね。マニフェストに書いてあることを全部やるんだと多分思っていたんですよ。そうしたら、あるものはやる、あるものはやらないという話になっているわけですよ。その理由を説明していただけませんか。
#64
○国務大臣(長妻昭君) これについてはもちろん財源の問題というのがあるわけでありまして、その財源の問題の中でも、どこの部分に対してこのマニフェストで書かさせていただいたことをこれは取り下げさせていただくかということは、これは内閣、政府全体で議論をし、そういう結論に達して国民の皆様にお話を申し上げると、こういうようなことになっております。
#65
○丸川珠代君 今年税収が減ったので財源が足りないということをおっしゃっていますけれども、よしんば財源が足りませんでしたと、いっぱい無駄を出したつもりですけど足りませんでしたということにして、じゃ、なぜ子ども手当が暫定税率の廃止に優先されるのかと。その優先順位をどう決めたのかが分からないわけですよ。どっちなのかなと考えると、どうしても、これをよく見ると残っているのはばらまきばっかり残っているわけなんですね。本当に、手元にお金が行く、あからさまにお金が入りますというのは残っていて、手元にお金が残りますという方はやっていないわけなんですよ。お金が入るという分かりやすい方だけが残っていて、明らかにばらまいた感のある、そういうものばっかりが残っているというふうに、私にはそうとしか見えないわけなんですね。
 改めて伺いますが、子ども手当の財源は何なんですか。
#66
○国務大臣(長妻昭君) 今、なぜ優先順位というお話ありましたけれども、私は子育ても所管する役所の大臣として内閣でも申し上げておりましたのは、先ほどの答弁と同じように、今までは常に子育てにかかわる予算というのは後回しにされてきたと、また後回しにされるというのは、これはもうあってはならないと、決してあってはならないというようなことを申し上げ、これは政府全体でそういう判断が下されたというふうに思います。
 この財源に関しましては、初年度、平成二十二年度におきましては、児童手当という考え方の一つの枠組みがあり、その上に子ども手当ということで、全体を子ども手当としているんですが、財源の枠組みとしては、地方負担と事業主負担というのは二十二年度については残させていただいているということであります。
#67
○丸川珠代君 つまり、大臣は、この子ども手当は少子化対策だから優先しましたと、そういうことをおっしゃっているんですか。
#68
○国務大臣(長妻昭君) 私が申し上げておりますのは、先ほども質問が出ましたけれども、この子ども手当は、社会全体で子育て、子育ちを支援をするということで、もちろんその中には、少子化の流れを変えていく、子どもの貧困率を改善する、子どもの生活の質を上げ教育の質も上げていく、控除から手当という流れで、より手当が必要とされる方に手厚く支給する。こういうような流れの中で、結果的に、少子化の面でいうと二〇五五年にはこれは非常に深刻な状態になるというのがもう目に見えておりますので、そのときに大きな手を打たないとそれは非常にゆゆしき事態になるというようなことがありまして、この子ども手当というのを今審議していただいているということであります。
#69
○丸川珠代君 私もこの日本の人口減少ということに対しては非常に大きな問題意識を持っておりまして、そこは大臣と共有をさせていただいていると思うんですが、このやり方が果たして少子化対策あるいは子育て支援としてふさわしいのかというところは非常に大きな問題があると思っております。その点に関しては後でまた伺いますから。
 改めて伺いますが、子ども手当の財源は何ですか。
#70
○国務大臣(長妻昭君) 先ほども申し上げましたけれども、平成二十二年度予算案においては、一部地方負担、そして事業主負担、そして国費と、こういう形になっております。
#71
○丸川珠代君 その国費の部分は、何を財源として賄われておりますか。と伺っているのは、児童手当の部分は、一部拡充されておりますけれども、別として、子ども手当として上乗せをしている部分というのは、今までにない政策でありますので、当然今までにない財源がそこにあるのであろうと予想しますけれども、一体何でしょうか。
#72
○国務大臣(長妻昭君) お金に色は付いておりませんけれども、全体の財源ということでありますと、これは事業仕分等で生み出された無駄遣いを削減したものも一つの原資になっていると思いますし、あるいは税収が九兆円も落ち込んだということで赤字国債による借金というものも財源になりますし、もちろんそれはこういうかなり景気の状況で一生懸命税金を払っていただいている法人、個人の皆さん、あるいは消費税というものももちろん財源になっておりましょうし、あるいはいろいろな資産を売却したものについてのお金というものも財務省に入るわけでありますので、いろいろなものが相まって国の財源全体の中や一般会計の中で措置をされているというふうに考えております。
#73
○丸川珠代君 ちなみに、税収源を上回って国債を発行しているわけですから、おかしいなと思うわけですけれども、無駄を財源として子ども手当をやっておられるというわけですね。
 昨日、本会議で枝野大臣が、予算の組替えで無駄削減ができますと、四年間で九・一兆円ができますよという御答弁の中で、無駄削減は経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況を勘案しながら柔軟に対応していかないと経済に大きなマイナスの影響を与えるとおっしゃっておられます。
 経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況というのは、これはすなわち税収のことだと私は思うんですね。ということは、経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況、つまり、税収が、例えば経済の影響によって税収減になることを勘案しながら柔軟に対応していかないと無駄削減というのは経済に大きなマイナスの影響を与えると。つまり、景気変動や税収次第で無駄削減は変わってきますよと、分量が変わってきますよということをおっしゃっているんですね。
 無駄削減というのは政策目的に合っているのかどうかということが判断基準だと思っておりましたが、なぜ景気次第で判断基準が変わるんでしょうか。私は、無駄を削減したけれども景気対策で公債発行しなければならなかったと、だからプライマリーバランスが悪化しましたというんだったらそれは話は分かるんです。けれども、無駄はあくまで無駄でなければおかしい。現に、私たちが打った一次補正、わざわざ削りました。で、また付け直しました、二次補正で。あなた方政権がやったことというのは、これは政策目的が違うから一回やめるんですと、そして改めて我々の政策目的に沿った景気対策をやるんですといってはがした。つまり、そこまで政策目的というものにしっかりこだわっておられるわけですよ。
 そうすると、景気変動とか税収次第で無駄削減の基準が変わるということはあり得ないと思うんですね。財源に余裕があるから、じゃこれは無駄じゃありませんという判断をし、一方で財源がなくなれば無駄になる、これは無駄ですと言うんだったら、これ、景気次第では四年後の九・一兆円は、無駄削減は実現できない可能性があるということだと思うんです。これ、四年後どうなるか分からない、そんなの景気次第です、税収次第ですというと、これどうやって中期財政フレームを作るのかなと思うんですが。
 これは内閣府にお伺いした方がいいのかもしれません。景気次第では、これ、四年後の九・一兆円は実現できない可能性があるということなんですか。
#74
○副大臣(古川元久君) 大臣の御答弁でございますが、若干、多分委員との間での認識の相違があるんではないかと思います。無駄削減自体が経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況を勘案しながら柔軟に対応していかないといけないという趣旨で枝野大臣は言われたわけではなくて、これは要するに、財政の規模、全体としての財政の規模というものは経済状況やそれによって影響を受ける歳入構造の状況等を勘案しながら柔軟に対応していかなければいけないと、そういう趣旨で大臣は申し述べられたんだと思います。
 無駄の削減については、これは当然不断に見直しをしていかなければいけないわけでございまして、政策目標につながっていないようなもの、あるいは優先順位が低いようなものについては、これは優先順位が高いものに譲って、その部分は我慢をしていただく、そうしたことも考えていかなければいけない。そのような形によって四年間でマニフェストでお示しした九・一兆円というその財源を捻出すべく努力をしてまいりたい、そういう趣旨で大臣は御答弁されたものというふうに認識をいたしております。
#75
○丸川珠代君 そうしますと、無駄削減は景気や税収減には左右されないということですね。
#76
○副大臣(古川元久君) 景気や税収のそれによって、今、行政刷新会議を始め政府全体で無駄な歳出あるいは優先順位の低い歳出、そうしたものの見直しを行っている、そのことが左右されるものではないというふうに認識をいたしております。
#77
○丸川珠代君 どうも昨日の枝野大臣のお話の流れで行きますと、四年後に九・一兆円生み出すつもりだけど景気や税収減でどうなるか分からないというふうに聞こえましたので、そういうことはないということでありますね。
 ということであれば、これ、枝野大臣は工程表が出せないのは景気や税収に影響されるからだというような趣旨でおっしゃったと思ったんですが、毎年毎年の無駄の削減の工程表は出せるということですね。
#78
○副大臣(古川元久君) 私どもはこの行政刷新会議におきまして、当面のスケジュールといたしまして、四月下旬と五月下旬に独立行政法人や政府系の公益法人が行う事業について事業仕分第二弾を実施することにいたしております。
 その際には、これは事業仕分は元々、もう何度も国会でも御答弁をさせていただいておりますが、歳出の削減そのものを目的とするのではなくて、もちろんそれは結果として歳出の削減につなげてまいりたいということでやっておりますけれども、それにとどまらず、事業の必要性や有効性等や、あるいはだれが実施主体として適当かといったことについて検証を行って、その上で事業仕分の結果をその後の制度等の見直しにつなげ、それが結果として税金の無駄遣いを根本的に抜本的に見直すことにつながっていくと、そうした作業をやっております。
 したがいまして、この事業仕分の第二弾をやっているということもお示しをさせていただいておりますし、また、さきに行われました十一日の行政刷新会議におきましては、行政事業レビューの実施を決定をいたしました。これは、各府省が予算要求前の時点から支出先や使途の実態把握等に取り組み、自らその点検結果を予算要求等に反映することを求めるものであります。
 こうした行政刷新会議において行っております行政の無駄削減、そうした取組につきましては、今後とも行政刷新会議の場でスケジュールをお示しをしながら行政全般の刷新に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#79
○丸川珠代君 古川副大臣はおかしいと思いながら多分おっしゃっていると思うんですけれども、これ、無駄削減が目的ではない事業仕分とおっしゃるわけですよ。だけれども、完全に財源は全部無駄削減が財源だと言っているわけですよ。だから、財源でこれを、この政策をやりますといったら財源示さなきゃいけない。財源は無駄削減ですといったら、無駄削減これだけやりますという目標を決めて必ずそれをクリアするといって事業仕分やらなきゃいけないのに、事業仕分の目的は無駄削減じゃありませんといったら、どこで無駄削減やるんですか。
#80
○副大臣(古川元久君) 正確に聞いていただきたいと思いますが、私が申し上げたのは、歳出の削減を直接の目的としているわけではないということでございます。
 私どもがこの行政刷新会議の場で行っております事業仕分は、こうした仕分を行うことによって、様々な問題点があるもの、そうしたものを見付けて、それが結果的に制度の見直し、そういうものにつながって、最終的にそれが歳出削減にもつながっていく。その歳出の削減の中には、当然、今委員が御指摘をしておるような狭い意味での無駄の削減というものも当然入ってくるわけでありますが、私どもが行っていくこの行政の見直しというものは、必要であっても優先順位が低いものは予算の制約のある中では後回しにしていくと、そういうことも当然判断をしていくというわけであります。
 そういった意味で、行政全体の中での優先順位を付けていって事業の優先順位を付けていく、そういうものを踏まえて行政全体の刷新をしていくということが目的でございますので、その点私は、無駄削減を目標にしているということじゃなくて、歳出削減というもの自体を目的にして事業仕分をやっているわけではないというふうに答弁させていただいたのを御理解をいただきたいと思います。
#81
○丸川珠代君 ということは、事業仕分は無駄削減を目的にしておられると。無駄の削減をもって様々なマニフェストの実現の財源に充てるということは変わりないということですね。
#82
○副大臣(古川元久君) もちろん、結果として出てきた、削減されたことによって歳出削減額がある、そういうものは当然私どもがマニフェストでお約束をした政策の実行に使う財源になっていくということは当然でございます。
#83
○丸川珠代君 そうすると、無駄を省いていく、削減していく基準というものを、基本的には政策の目的にかなっているかどうかというところでありますよね。これ、政策の目的を変えて、いや、これはやっぱり無駄じゃありませんとか、これは無駄ですとか、ころころ変わるということはありませんよね。
#84
○副大臣(古川元久君) 委員の御質問の趣旨がよく、私もちょっと理解できておらないんで、もしかしてちょっと違うようなお答えになるかもしれませんが、私ども、事業仕分をやる場合には、当然基準をきちんと決めてやっております。
 現在も、四月、五月に行います事業仕分、今回は独立行政法人や政府系の公益法人が行う事業について行う予定でございますので、まさにどういう基準でこの事業仕分の対象にするかということについて定めるための今ヒアリングを行っているところでございます。
 その結果に基づきまして一定の基準を決めて、そして事業仕分を行い、そして今度、事業仕分の結果出てきたところの結果につきましては、単にその事業についてにとどまるわけでなく、昨年行いました事業仕分の第一弾でも、いわゆる横ぐしと言われるような、似たような事業に共通する問題点、そうしたものを横ぐしを刺して、ほかの事業仕分の対象にならなかった事業についてもこれは見直しを行うということを指示をして、その結果、かなり昨年でも見直しが行われました。結果としてそれが歳出の削減にもつながったわけでございます。
 そういった意味では、私どもは、こうした事業の事業仕分、そして行政の見直しにおきましては、明確な基準を設けてその下で行ってまいっておる次第でございまして、今後ともそうした取組を続けてまいりたいというふうに思っております。
#85
○丸川珠代君 今から無駄削減の基準を考えますといって、中期財政フレームは夏前に決めるんですよね。本当に間に合うのかなということが正直な感想でございます。
 要は、何でそんなにこの無駄の基準のことを聞いているかというと、これやっぱり政策の目的にかなっているかどうかということがその政策を行う上での非常に重要な視点だと思うんですね。この子ども手当というのは、政策の目的があっちに行ったりこっちに行ったりして全然はっきりしないわけですよ。
 もうずっと言われていることですけれども、少子化対策としての効果もあるでしょうみたいな、少子化対策が目的ですとは絶対言い切らない。あるいは、これは経済対策ですと言ってたけど、菅さんが、いやいや、これは経済対策としてよりも人口の減少が止まることがねらいなんですとか言って、でも、人口の減少がいつ止まるんですかといったら、その答えはないわけですよね。もう長妻大臣が大好きなPDCAサイクル、全然ないわけです、この政策。おかしいと思いませんか。大好きですよね、長妻大臣、PDCAサイクル。全然なっていないわけです。
 これは是非お示しをいただきたい。それがない政策をなぜ民主党の皆さんがやりましょうとおっしゃるのか、本当によく私は分かりません。
 もう一つ。なぜここまで財源にこだわっているかというと、本当に現物給付をやるだけの財源が確保できるかどうかという、それは非常に心配しております。というのは、もう何度も申し上げていることでございますけれども、現物給付と現金給付のバランスが取れてこそ初めて少子化対策というのはうまく回っていく、子育て支援というのはうまく回っていくわけであります。
 自民党政権のころは、もちろん全体の額は大変少なかった。少なかったけれども、そのバランスを取ることには腐心をしておったわけです。それが、平成二十二年度予算においては、現金給付が二兆六千億円、そして現物給付は一兆四千億円なんです。ここでがたっとバランスが崩れて、これがさらに満額支給になりますと現金給付は現物給付の三倍になるんですね、約三倍に。非常にバランスが悪い。この半額支給から更に現金給付は三兆増える。子ども・子育てビジョンを平成二十六年度までになさるとおっしゃっています。これ、このおよそ七千億という総額から育児休業の千五百億引いて大体五千五百億ぐらいですよね。これ足しても、片方三兆増えて、片方五千五百億しか増えないわけですよ、経常的な支出が。どう考えてもバランスが悪いんです。
 本当にそれでいいと大臣思っておられるのかどうか、これをまずお伺いしたいんです。
#86
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど少子化の話がありましたけれども、この少子化の流れを変えるというのは、これ子ども手当だけじゃなくて、先ほど来言っておりますけれども、保育サービスなどの現物支給と現金支給とワーク・ライフ・バランスと、この三つを相まって少子化の流れを変えたいということは非常に強く我々考えているところでありまして、今金額を御紹介いただきましたけれども、この子ども手当も我々は控除から手当へということで最終的にはセットで考えているところでありまして、その意味でいいますと、その控除を廃止になることで最終的な平年ベースで九千億円の増収になるというようなこともあるわけでございます。
 そういう中で、この現金給付についても、これ、全体のGDPの比率でいうと先進国の中で現金だけ見ても非常に低いわけでありますので、それを上げていく。と同時に、この現物給付については、あした、例えば一年間、一年後とか、来月すぐにそれが全部整うということはやはり現物給付の性格上非常に難しいけれども、急ピッチでやろうということで五か年計画を出させていただいて、この保育サービスの定員は一年間に五万人定員を増やしていくということで、従来の倍ということで拡充を図るということであります。
#87
○丸川珠代君 その現物給付のプランである子ども・子育てビジョンを平成二十六年度にやったとしても六千億円ほどしか増えないんですということを申し上げているんですね、私。同じ平成二十六年度、子ども手当の方はあと三兆円増えているんですと申し上げているんです。この差をどうやって埋めるんですかというのが私の質問です。
#88
○国務大臣(長妻昭君) これは何か現金支給と現物支給について金額を同じにしなければいけないというような御趣旨だとすれば、別に金額というよりは、それはバランスを先進国の状況も見ながら整えていくし、あとはこの現物支給については、今、これは本当に待機児童の方が非常に多いということで大きな問題であるという認識をしておりますので、それについても速やかにできる限りのスピードで増強をしていくということでありまして、そういう五か年計画の中で申し上げた必要経費をお出しをさせていただいているということで、現物給付と現金給付と、ワーク・ライフ・バランスについても今年の六月末から新しい施策も進めていこうと考えておりますので、その三つについて適切に整備をしていくということであります。
#89
○丸川珠代君 ワーク・ライフ・バランスの方ももちろん充実させることを考えておられるんでしょうけれども、それ、政府の試算でいきますと、これ、ワーク・ライフ・バランスの充実をもしやったら現金給付があと二千億円一気に増えるわけですよね、二千億円増えるわけですよね。
 問題は、もちろんその金額の問題じゃなくてバランスを取ることなんですけれども、もし三兆円に合わせてバランスを取ろうと思ったら、とてもじゃないけど片っ方側、現物給付の側はそれに見合うだけの、伸ばすだけの財源はありませんよね。だって、子ども手当だって五千六百億円ですか、地方と事業主に今年一生懸命負担してもらっているわけです。来年以降も中期財政フレームを見てみなければ満額支給できるかどうか分からないと言っているわけですね。現物支給をするための財源というのが本当にあるのかなというのは非常に大きな疑問ですよ。
 しかも、大臣は、これもうこの子ども・子育てビジョン、試算されている六千億円以上増やすつもりはないんですか。
#90
○国務大臣(長妻昭君) 今のところ、この五か年計画は内閣として、平成二十六年度の目標数字、数字のみならずその理念も書かさせていただいておりますので、今現在はこの目標に向かって全力で取り組んでいくということであります。
#91
○丸川珠代君 そうすると、現物給付と現金給付のアンバランスは放置したままでいいと、そういうことですか。
#92
○国務大臣(長妻昭君) そのアンバランスというのが、金額を同じにしなければいけないということではないというふうに考えておりまして、そして、先ほども申し上げましたけれども、控除と給付、控除から給付へということなんで、セットで考えていただきますと、平年度では控除によって増収になっていく、その財源が生まれてくるということでもありまして、そういう意味では、できる限りの目標ということで、平成二十六年度の数値目標に向かってこれを達成するように全力を尽くしていくということであります。
#93
○丸川珠代君 大臣は常々、GDP比でどれだけの支出をしておるかということでサービスの量を測っておられるようですが、どうしてここへ来て急に現金の多寡ではないという話になるんですか。GDP比で現物給付しているのと現金給付しているのを全部支出で見ているでしょうが。国の予算に対して見ても、これ、フランス、スウェーデン、全部調べていますよね。GDP比で見ても国家予算に対する支出で見ても、これは現金で測って現物給付と現金給付とうまくいっている国は並んでいますよ。現金給付が突出して多いのはイギリス、ドイツ。モラルハザードがたくさん起きて出生率がなかなか上がっていない。もう他国の例があるわけです。だから言っているんですよ。
 手元に来ましたね、今、資料が。それは現金で測ったものですよ。国家の支出、つまりお金で測ってサービスの量を見ているわけですよ。それでバランスを取っているんです。だから、三兆円に対してあなたはどれだけの現物給付を今後していくつもりがありますかと。
 少子化対策を担当する、まあ全体としてはもちろん福島さんですけれども、保育の部分、大まか厚生労働省が実際に予算を組むわけです。そのあなたがどうするつもりですかということを聞いているんです。
#94
○国務大臣(長妻昭君) いや、先ほど私が申し上げましたのは、全体の金額というよりも、つまり、現金給付と現物給付は金額がほぼ同じでなければならないというような御趣旨であるとすれば、我々としてはそういう発想から逆算しているんではなくて、平成二十六年度にできる限りの目標を達成しようということで、保育サービスのみならず、病児・病後児保育、認定こども園とか放課後児童クラブとか、幼保一体化いたしますから、その目標というのも将来的には入ると思いますけれども、あるいはNICUとか、そういうような形で決めさせていただいているところでありまして、その中で、現金給付と現物給付でGDP比で先進国並みのものを達成をしていきたいというふうに考えております。
#95
○丸川珠代君 他国の先例があるにもかかわらず、あなたはドイツの轍を踏むというんですか、これだけのお金を使って、国民の税金を使って。他国の先例を見れば、現金給付を過大にすればモラルハザードが起きて出生率が上がらないという例があるにもかかわらず、それから何も学ばずに現金給付を過大に支払ったまま。できないんですか、本当におかしいと思いますよ。何で学ぶことができないんですか。
 もう一回聞きますけれども、現物給付と現金給付のバランスを取る気はないんですか。
#96
○国務大臣(長妻昭君) これ、他国の例もいろいろ、このGDP比だけではなくて、フランスの出生率が上がった原因というのはいろいろな施策が組み合わさって達成できたというふうに聞いておりますけれども、その前に、やっぱり我が国日本は、一つのハンディといいますか、これまでずっとGDPが低いままで長年ずっと推移してきて、そして合計特殊出生率は御存じのように先進七か国で最低の水準まで落ち込んでしまったというようなことでありまして、これは直ちにできる現金給付、そして、これは時間が掛かりますけれども現物給付についても我々は五か年計画を出して、そして結果的に出生率を上げていこうと。上げるといっても、かつての産めよ増やせよということではありませんで、産みたい方が産める、そういう社会をつくっていこうということでこの目標を設定をさせていただいているところであります。
#97
○丸川珠代君 GDP、日本は低くありませんから。ずっと低かったというのは、GDPに占める子育て支援の国家の支出が低かったということをおっしゃっているんですよね。
 申し訳ないですけれども、現金をばらまいたからといって、子供を産みたいというような環境ができるとは限りませんよ。現物給付を求めている人がこれだけいるのに現金給付を優先させる理由が分からないんですよ。しかも、財源不足の中でですよ。全く理解できない。
 しかも、あなた方が作っているこの子ども・子育てビジョンの試算の中には、残念だけれども、施設整備補助を例えばもっと引き上げるとか、あるいは職員の配置を増やすとか、職員の処遇を良くするとか、専門性を高めるために研修をするとか人材を育成するとか、そういう質を高めることは一切試算の中に入っていないわけですよね。
 これから日本は人口が減っていきますと。資源もない我が国が様々な諸外国と戦っていかなければいけないと。そういう中でGDPを維持していかなければならないということを考えたときに、より人を育てる投資をしなければいけない、それはあなた方も気付いているはずです。であるにもかかわらず、この大事な子育てのビジョンにその財源が盛り込まれていないというのはどういうことなんですか。
#98
○国務大臣(長妻昭君) いろいろいい御提言をいただいたわけでありますけれども、そういう御提言があるんであれば、自民党時代に、与党時代になぜ実現できなかったのかということをよく考えていただきたいと思うんです。
 これはやはり、先ほど申し上げておりますように、必ず、子育ての議論をすると、いやもっと大切なことがあるからそれは後回しにしてください、現金は駄目ですと、あるいは現物給付にしても、もっと緊急なことがありますからということで後回し後回しにされてきて、そして私は、合計特殊出生率がこれだけ先進七か国で最も低い数字になってしまったということをかんがみると、まずできることということで現金支給、これは国民の皆様にもマニフェストということで提示をして選挙を戦ったということでありますし、この現物支給にいたしましても先ほどの目標を掲げさせていただいております。
 そして、いろいろなこれ調査がございまして、例えば厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所では、子どもの数が理想の子どもの数を下回る御夫婦になぜかということを聞いたときに、約七割が経済的理由を挙げておられるということで、非常に経済的理由というのが大きい要素を占めている。もちろん、言われたような保育所サービスなどの現物給付ということもありますけれども、我々が今申し上げた調査では経済的理由が非常に大きいウエートを占めているということでございまして、そういう意味では、その三つを適切に整備することで少子化の流れを変えなければ、本当に二〇五五年は若い人一人がお年召した一人を支えるということで、今は三人に一人でありますけれども、本当に国がもつのかどうかというやはり長期的な危機感というのも背景にあるわけであります。
#99
○丸川珠代君 私どもも政権時代に子育て支援について割く財源が少なかった、実態として少なかったということはおっしゃるとおりだと思います。私たちは、残念ながら、ありもしない財源を示すことはできませんでしたし、ありもしない無駄を無駄がありますといって削ることもできませんでした。残念ながら、そういう理由で私たちは財源もないのにできないことをできると言うわけにはいかなかったわけであります。しかしながら、それでも現金給付と現物給付のバランスは取ってきました。これだけ極端にバランスを崩すというのは、本当に少子化対策の後退すら招きかねないと私は思っております。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、これ、施設整備の補助を増やすであるとか、もっと大事なことは、子どもを育てる環境として、職員の処遇を良くする、あるいは職員の質を高める、あるいは職員の配置を増やす、こういうことには今後幾らほどのお金を割いていくつもりがあるのかということをお聞かせ願えませんか。
#100
○国務大臣(長妻昭君) これは先ほど来申し上げております保育サービスの充実ということでありますけれども、当然、ここに書いておりますように、延長等の保育サービスとか病児・病後児保育をするときには職員の方々の配置を増やすという必要もあるわけでありまして、我々、職業訓練の一環で保育士の資格を取る職業訓練コースもつくりまして、そこに手厚く助成をして、多くの方が保育士の資格を取っていただくというようなことも考えておりますし、そして、今おっしゃられましたような保育士の待遇改善ということも、これもいろいろなところから御要望をいただいているところでありますので、そういう環境整備というのももちろん併せて実現をしていくということで、具体的な金額については、そのときの予算編成の過程で必要不可欠なものについて予算を付けていくということであります。
#101
○丸川珠代君 どうして具体的な試算がないんですか。
#102
○国務大臣(長妻昭君) 具体的な試算としては、長期の、二十六年を見越した試算については、さっき御紹介いただきましたような追加所要額ということで、ビジョン最終年度、平成二十六年度の姿としては、追加ということで、加わるということでありますが、約〇・七兆円ということで、こういう数字は出させていただいておりますけれども、その中のそういう詳細なものも含めた正確な予算というのは、これはもう毎年毎年の予算編成の中でそれは御提言をするということでありますので、この概要の数字というのはきちっとお示しをさせていただいているところであります。
#103
○丸川珠代君 済みません、大臣、大臣が今見ておられる資料は、この試算の数字には今言った質の向上は入っていないんですよ。一番下のところを見てください。「その他、上記試算に含まれない検討課題」というところに「施設整備補助の在り方、サービスの質の改善」ということが書かれております。これにどのくらいお金を割く気があるのかということを伺っているんです。
#104
○国務大臣(長妻昭君) これについては、質の向上といったときに、じゃ具体的にどのぐらいの質を向上させるのかどうかということで、長期的に五年後、質の向上で幾ら予算をつくりますというようなことは今のところ我々は試算をしておりません。これについては、先ほど申し上げましたように、その都度その都度必要不可欠なものを予算編成の中で措置をしていくということでありまして、これはすべてについて五年後の予算を御提示をするというのは、その予測についてもなかなか難しいところがありますので、それぞれの年度において予算編成の中で議論をして決めていくということであります。
#105
○丸川珠代君 大臣、これ都度都度だと予算取れないですよ、また。というのは、あと困るんですよ。これ人、要は子どもを育てる環境の中には人材もあるわけです。人材を育てるのには何年か計画じゃないといけないわけです。今幼児教育のこと、ここに何も入っていませんけれども、今幼児教育に対して意識のある国では、幼児教育を担当している人って大学院卒とかなんです。こういうことというのは何か年かの計画の中で進めていかなければならないことであって、そういうものも視野に入れて何年後には人材の育成も含めて幾らですということが示せないと、本当にこれ、単に数を満たすだけの計画にしかすぎなくなってしまう。予算の確保もそれに向かってしかできなくなるんです。だから、今の段階から質の向上についても試算をしてくださいと、ビジョンを描いてくださいというお願いをしているんですが、できませんか。
#106
○国務大臣(長妻昭君) これについては、保育所の整備といったときに、先ほども質問が出ましたけれども、我々はこれまでなかなか実現ができなかった幼稚園と保育園、これを一体化しようということで、その議論をする枠組みもつくりまして、そして来年の平成二十三年度の通常国会に法案を出そうというふうに考えております。
 その中で、当然一体化をした姿の中でこういう保育というのもなされてくるわけでありますので、そういう議論の中でどれだけの経費になるのか、あるいは一体化をした後、そこで働く方々はどういう資格の方が働くべきなのか、そういうことの議論の中で詳細な制度設計とともに必要経費も決まってくるものであると考えております。
#107
○丸川珠代君 幼保一元化というのは口で言うのは簡単ですが、実際に現場にそれをやってもらうというのは大変なことだというのは大臣もよくお分かりだと思います。しっかりと具体的な手順を示していただいて、それがどういうふうに現場の方に御納得をいただけるのかという議論を徹底的にやっていただきたい。そして、幼保一元化が何を目指すものであるのかというのをしっかり国民にお示しをいただきたいと思います。
 どうしてここまでこの試算を示してほしいということを言っているかというと、原口大臣が、現金は国がやってください、現金給付は、サービスは地方で独自の財源でやってくださいと、こういうふうな構想をお示しになられている。国と地方の負担の在り方については地域主権戦略会議で話し合いますということをおっしゃっているんですが、この地域主権戦略会議というところでは実際どこで、いつ話合いをしていただけるんでしょうか。
#108
○副大臣(大塚耕平君) 御下問の地域主権戦略会議は、既に昨年の閣議決定に基づいて予備会合的な会議がスタートしておりますが、この国会で提出をいたします法案で正式に法制化されるものであります。
 ちなみに、現状予定されております今年の議題というのは、義務付け、枠付けの見直しとか、基礎自治体への権限移譲、ひも付き補助金の一括交付金化、出先機関の抜本的な改革等でありますが、これらの懸案を処理しつつ、あるいは今申し上げた中で基礎自治体への権限移譲とか、そういったものの周辺の懸案として議論することもあろうかとは思いますが、具体的な日程については、法制化され、その後の実務が回り始めた段階で決まってくるものと思っております。
#109
○丸川珠代君 もう時間がありませんので、総務省の方、せっかくおいでいただいたのに、ごめんなさい。
 地域主権戦略会議の話合いの中は多分まだ、子育ての国と地方の負担まで話し合うのはとても中期財政フレームまで間に合わないと思うんですね。国と地方の協議の場に関する法律案というのは今後出されることになって、そこで話合いをするというふうに恐らくなると思うんですが、ここで早めに厚労省とちゃんと調整を取って、どういう子育てのプランの中で国と地方の分担をしていくのか、国の補助金がなくなれば当然そのハンドリングができなくなるわけですから、どうやって最低限の基準を守っていくのかということをよく話し合って構築をしていただきたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
    ─────────────
#110
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として森田高君が選任されました。
    ─────────────
#111
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 我が国は少子高齢化社会に突入しており、少子化対策が喫緊の課題となっております。社会全体で子育てを支援する仕組みを構築し、子どもを安心して産み育てていけるよう子育て支援を強化することは大変重要なことでございます。
 児童手当の拡充、また待機児童ゼロ作戦の推進、妊婦一般健康診査を十四回までの拡充、また出産育児一時金を四十二万円まで拡充させるなど、子育て支援に最も力を入れてきた公明党といたしましても、この法案が子育て支援策の一環であり、一歩でも前に進むのであれば、評価すべきものと考えます。
 しかしながら、こうした手当などの現金給付だけでなく、保育サービスの充実などの現物給付、そして育児休業の普及促進などワーク・ライフ・バランスの推進、さらには子育て世代である若者の雇用の安定などが総合的に拡充されて初めて子育て支援という政策目標を進めることができると考えており、現金給付だけでは他の施策とのバランスが悪いのではないか、また恒久財源の確保もされていないためにまだクリアしなくてはいけない課題が山積しているのではないかと考えます。
 本日は、そうしたことを含めて質問を申し上げたいと思います。
 今回の法案は、昨年の衆議院選で民主党が政権公約の中で約束していた全額国庫負担を棚上げして、児童手当の仕組みを維持する一方、支給金額も二万六千円の半額となっております。これは一年間の時限法であり、本来ならば民主党がこれまで国会に提出してきた恒久的な子ども手当法案を提出すべきであります。
 そこで、大臣にお聞きをしたいわけでございますけれども、なぜ平成二十三年度以降と分けてこのような平成二十二年度のみの法案を提出してきたのか、また、この法案は平成二十三年度以降の法案とは別物であると考えてよいのか、この点に関しまして見解をお示しいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(長妻昭君) まず、この今御審議いただいている法案というのは平成二十二年度のみの法案でございますけれども、これについては、一つは財源をめぐって様々な議論がございまして、昨年十二月の四大臣合意において二十二年度の単年度措置として決定をしたということが一つございます。そして、これはマニフェストにも書かせていただいておりますけれども、二十二年度については半額実施というようなことがございました。
 そして、この児童手当の仕組みを残したのはなぜかということでありますけれども、これについては、児童手当の部分については、国、地方、事業主が費用を負担する、その部分についてはその仕組みを残しているというようなこと、そしてその児童手当の事務的な手続のスキームというのは利用をさせていただいて、年に三回支給というような仕組みは変えずに行くというようなことであります。
#113
○山本博司君 さらに、今回の法案は、今大臣がおっしゃられましたとおり、この児童手当の仕組みを基本的にそのまま活用して支給範囲や支給額の拡大について国庫負担を上乗せしておりまして、実質的な児童手当の拡充法案でございます。
 昨年の概算要求時点では大臣は全額国庫負担を主張されておりましたけれども、なぜ今回、児童手当制度の仕組みを残すように変化したのか、この点はいかがでございましょうか。
#114
○国務大臣(長妻昭君) これは財源の、予算編成の中でいろいろな考え方が議論をされ、それぞれ大臣の考え方もあったわけでありますけれども、もちろんこれは内閣でございますので、この四大臣がいろいろ議論の末、合意をして今のような形になったということでありまして、一つは財源の問題があったということであります。
#115
○山本博司君 公明党はこの子育て支援に最も力を入れてきた政党であると自負しているわけでございまして、これまでにもこの児童手当は、昭和四十七年の創設以来、我が党が中心となって更なる拡充を訴えてきた結果、限られた財源の中から少しずつ支給範囲や支給額が拡大されてきたわけでございます。
 今回の法案は、児童手当の仕組みがそのまま残されており、そこに支給範囲や支給額が拡大されていったことを考えますと、実質的な平成二十二年度限りの単年度の児童手当拡充法案と考えるわけでございます。
 このことは公明党党内でも検討を行った際にも修正案等にも盛り込む必要があるのではないかという議論にもなったわけでございますけれども、修正案の提案者にこの点に関しましての見解を伺いたいと思います。
#116
○衆議院議員(古屋範子君) この度の子ども手当法案は児童手当制度をそのまま残しております。児童手当を拡充したような制度設計となっているわけであります。委員御指摘のように、本法律案は実質的には平成二十二年度単年度限りの児童手当拡充法案である、このように考えております。
#117
○山本博司君 それでは、大臣にお伺いを申し上げたいと思います。
 児童手当の仕組みを単年度残したということは、地方負担又は事業主負担を残していることになるわけでございますけれども、なぜ今回残したのか。社会全体で子育てを支援して少子化対策に取り組むという観点からは、費用負担をするということで責任を果たす意味合いもあると考えるわけでございます。
 それでは、二十三年度以降も何らかの地方負担、事業主負担を残す可能性があるのでしょうか。もし残さなければ地方や事業主の子育て支援に対する責任が減じられることにもつながることになるわけでございます。また、画一的な現金給付は国が、サービスの充実などの現物給付は地方と、こうした役割分担を決めるのであれば、子ども手当だけを先に出すのではなくて、本来総合的なパッケージを示すべきと考えるわけでございます。もし一方、地方負担とか事業主負担を残して平成二十三年にやるのであれば、これは民主党のマニフェスト違反となるわけでございます。
 どちらにしても、その場しのぎの政策決定ということで、子育て支援の意義が軽視されるようなことがあっては断じてならないと考えるわけでございますけれども、こうした点も含めて大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
#118
○国務大臣(長妻昭君) 今、パッケージというお話ありましたけれども、この二十三年度につきましては、今の財源の部分についてはこれから議論をするということでありますが、ただ、幼保、幼稚園、保育園の一体化もちょうど平仄を合わせて議論をいたしまして、そして来年の二十三年度の通常国会に幼保一体化等の法案も出すということで、恐らくその国会では現物支給と現金給付併せた議論がなされていくというふうに考えております。
 そういうような中で、現物給付、現金給付含めた財源の在り方というのもその制度設計の中で議論をしていって決めていくということでありますが、幼保一体化などの議論をする枠組みは、これはもう政府の方で設置をされておりますので、その中で私も加わって政府全体で議論をしていきたいと考えております。
#119
○山本博司君 この事業主負担をなくすということになりますと、児童手当で事業主拠出金、これを財源に実施している事業がございます。児童育成事業ということでございますけれども、こうした点は二十三年度以降はどのように考えているかということでございます。
 この児童育成事業は、例えば放課後児童クラブ、また病児・病後児の保育事業、家庭的保育事業など、働きながら子育てができる環境整備に大いに役立っている事業でございます。仮に一般会計で行われる場合には、そのときの財政状況によって縮小されるとか廃止などに追い込まれる懸念もあるわけでございます。今後更に本来であれば拡充すべき事業にもかかわらず、財源に関しまして不安定にすることは問題があるのではないかと、こう考えるわけでございますけれども、この点に関しての大臣の見解をお伺いをしたいと思います。
#120
○国務大臣(長妻昭君) 児童手当法に基づいて、現在、事業主の拠出金を財源として今おっしゃられた放課後児童クラブを始めとする児童育成事業を行っておりまして、この事業は、これは非常に重要な事業だという認識は持っておりますので、この事業はもちろん継続をしていくということでありますが、ただ、財源につきましては、先ほど申し上げました現物支給と現金支給の一体的議論の中で決定をしていくということになると思います。
#121
○山本博司君 それで、この児童育成事業の事業そのものを是非拡充する形で検討を進めていただきたいと思います。
 次に、支給対象に関しまして確認を申し上げたいと思います。
 平成二十二年度における子ども手当の対象には、児童養護施設に入所する子どもや里親の下にいる子ども等に対しては、子ども手当の支給対象とはなっておりません。しかしながら、この法案の子どもの健やかな育ちを支援するという趣旨から考えますと、こうした子どもたちへの支援は必要でございます。
 今回の修正案では、附則の第二条第一項に、「政府は、児童養護施設に入所している子どもその他の子ども手当の支給対象とならない子どもに対する支援等を含め制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」となっておりまして、これは検討が進むことを期待しているわけでございます。
 そこで、修正案の提案者にこの項目を盛り込んだ趣旨に関しましてお伺いをしたいと思います。
#122
○衆議院議員(古屋範子君) 本法律案では、子どもの監護と生計同一又は生計維持を子ども手当の支給要件としております。このために、例えば児童養護施設に入所している子どもや里親に委託をされた子どもといったこれらの要件を満たさない子どもは、子ども手当の支給対象となっておりません。しかし、子ども手当の趣旨からすれば、本来このような子どもにつきましても支援を行うことが必要であると考えております。
 この点について、政府においては、平成二十二年度は予算措置として、安心こども基金の活用により子ども手当相当額が行き渡るような措置が検討されていると聞いております。これが適切に実施をされますよう、附則二条一項は、このような措置を始めとして、児童養護施設に入所している子ども等に対する支援等を含め制度の在り方について政府において検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることということを法律に明記いたしました。
#123
○山本博司君 ありがとうございます。
 平成二十三年度以降、この修正でしっかりとした支援がなされるものと考えるわけでございますけれども、早急な対応が求められておりますのがこの平成二十二年度でございます。こうした児童養護施設に入所する子どもとか里親の下にいる子どもたちに対して政府はどのような支援をしていくかということでお聞きをしたいわけでございます。
 今お話にございましたように、二月九日の衆議院の予算委員会等でも、鳩山総理、また大臣も、このことに関しましては、必ずやります、約束をいたしますと、こういう発言もございました。
 安心こども基金の地域子育て創生事業の活用で実施をするということでございますけれども、具体的にどのような形で実施をされるのか、お伺いをしたいと思います。
#124
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 今御指摘がありましたように、児童養護施設に入所する子どもや里親の下にいる子ども等には子ども手当が出ませんが、これについては、やはりそれと同額のお金を平成二十二年度においては安心こども基金の活用により支給することを検討しております。具体的には、子ども手当相当額を受け取った施設又は里親の方が親の代わりとして子どものために使用していただくことを検討しております。
 現在考えている事業の枠組みの検討案については、二月二十五日に開催した全国児童福祉主管課長会議において地方自治体の方々にお示しをいたしました。実施方法など具体的な内容については地方自治体の意見も踏まえながら現在検討しているところであり、地方自治体の事務が円滑に行われるように配慮してまいりたいと思います。
#125
○山本博司君 やはり地方の公明党の議員の方からも、この利用に関して懸念されている部分がございます。
 例えば、今回のこの地域子育て創生事業に関しましては、申請が市町村でございますから、それを申請しないといけない。市町村ではその対象者を確定をしないといけない。そうして、それを都道府県の、この基金をどう活用するかということで地方自治業務に任されているわけでございまして、果たして隅々までこうした方々に行くのかどうか。また、これは本来、子どもには行きませんから、施設側に行くということですから、そういうことも含めて大丈夫なのかどうかという、そういうことが問い合わせであるわけでございます。この点はいかがでしょうか。
#126
○大臣政務官(山井和則君) このことにおきましては、予算委員会で長妻大臣も公明党の委員の方に答弁をさせていただきましたように、しっかりと必ず届くようにしていきたいと考えております。
#127
○山本博司君 これは大事なことでございますから、これから六月までの形で時間がありませんので、是非その点に関してお願いを申し上げたいと思います。
 もう一つ、支給対象に関連してお伺いをしたい部分がございます。
 配偶者からの暴力を受けているドメスティック・バイオレンスの被害者の方でございまして、子どもを連れて別居するなどしていた場合、生計を維持する程度の高い方の方が支給先となるために、加害者に対して子ども手当が支給されるおそれもございます。しかし、この手当の趣旨から考えれば、子どものために確実に使われる必要があるため、加害者ではなくて子どもを連れた被害者に支給する仕組みの導入が求められておるわけでございます。また、加害者に行方を隠すために住民登録ができない被害者に対しても配慮が求められております。
 こうした状況に対して政府は具体的な検討を行っていると聞いておりますけれども、状況に関しまして御報告いただきたいと思います。
#128
○国務大臣(長妻昭君) これに関しましては、ドメスティック・バイオレンスの被害者に対する給付でございますけれども、これは、例えばその母親がDVの被害者でお子さんを連れて避難をされておられると、しかし住民票は御主人のところに残していると。なぜならば、仮に住民票を移動させると、御主人が察知をして捜し出されてしまうという御懸念もあるということもあるかもしれません。そういう場合でも、住民票がないその母親が住んでいる町、市に相談をしていただいて、婦人相談所等が発行するDV被害者に係る証明書というのを居住の自治体が発行をしていただくという手順にしておりまして、それを添付してその住んでいる自治体に申請をすれば子ども手当を受け取れると、こういう手はずにしております。
 これについても、よく地方自治体に協力を願うようにコミュニケーションを良くして怠りなきよう実施をしていきたいと思います。
#129
○山本博司君 是非ともそうした配慮でお願いを申し上げたいと思います。
 次に、地方自治体の事務負担についてお聞きを申し上げたいと思います。
 この法案が成立をしまして平成二十二年四月一日から施行された場合には、最初の支給は六月と聞いております。今まで児童手当を受け取っていた世帯につきましては、二月、三月分は児童手当だけの分でございまして、四月、五月分は子ども手当の分となります。ところが、そうした世帯に加えまして、新たに受給対象であるこれまで児童手当を受給していない世帯、約五百万世帯とも言われておりますけれども、そうした方々は新しく申請をしてもらって四月、五月分を支給される。
 こうした複層的な対応がこの期間に求められるわけでございまして、市町村、地方自治体はこの四月、五月で制度の周知、広報、また申請書の発送、またこうした受給者リストの作成、当然システムの改修を含めて行い、振り込む場合の金融機関の連絡、こういう多岐にわたる事務作業が発生するわけでございます。地方自治体からの、六団体からの要望等でも、こうしたことに関して余りにも短過ぎるのではないかと、こういう意見もあるわけですけれども、この二か月の間で処理していかなくてはならないためにこの六月の支給に間に合わない自治体が出るのでないか、こういう懸念もあるわけでございます。
 子ども手当支給事業を行う市町村にとりましては、国で決められたものである以上は住民の期待を裏切るわけにはいかないために懸命になって努力をされると思うわけですけれども、これだけの大きな制度変更であれば、少なくとも半年程度の準備期間があってもよかったのではないかと考えるわけでございます。初めに六月支給ありきで始めたことによりまして、こうした実務を担当する地方自治体の事務負担が増大になって問題があると考えるわけでございます。
 こうした地方自治体の事務負担をどのように認識をして、予算措置も含めて対応をどう取られるか、大臣、お示しをいただきたいと思います。
#130
○国務大臣(長妻昭君) 確かに今御指摘いただきましたように地方自治体の負担が増えるということで、我々はこれは丁寧に説明をして地方自治体の御意見も聴きながら進めていきたいということで、一月十五日、あるいは一月十八日、二月二十五日、今年に入って三回、地方自治体の児童手当、子ども手当を担当するだろう部署の方に、本当に恐縮でありましたけれども御足労いただいて東京に来ていただきまして、直接そこでも、法案は成立しておりませんので、できる範囲で説明を申し上げるということをいたしました。
 実際に、今、平成二十二年度の予算ベースですが、児童手当を対象とする児童が一千二百三十九万人、子ども手当が対象となるだろう児童が一千七百三十五万人ということで、五百万人程度増えるということでありますので、その中でコンピューターのシステム改修というのも、これは非常に細心の注意を払っていただいて実施をしていただかなければならないんですが、これについては、第二次補正予算で御了解をいただいて百二十三億円を付けさせていただいて、原則は人口規模に応じて補助をするということで、一定の予算面での配慮もさせていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、細かい解釈とかあるいは手順について地方自治体が御疑問を持ったときにきちっと対応できる窓口をつくって、怠りないように六月の支給ということをサポートするように我々も努力をしてお願いを申し上げていくということであります。
#131
○山本博司君 今、今回のシステム改修ということでございますけれども、今回は児童手当システムとは別の子ども手当のシステムを別途つくらないといけない。それも、新規の台帳システムとか支払システムとか、また支給状況統計システム、三つの大きなそうしたシステムが合体をされた形でございまして、地方自治体ではシステム改修ということで補正予算では予算が付いておりますけれども、あるメーカーなんかはシステム構築が間に合わない自治体に対してこのソフトウエアを提供しますよというふうなことがもう既に出ているぐらい、こういう問題もございます。
 現実的に、例えば六月に支給ですけれども、振り込まれるのはいつでしょうか。六月十日でしょうか。
#132
○国務大臣(長妻昭君) これは市町村によって異なりますけれども、基本的には児童手当が続いたら振り込まれるであろうときに振り込まれるのではないかというふうに考えておりますが、これは地方自治体によって異なるということであります。
#133
○山本博司君 これ、六月十日とかそういう時期に振り込まれるとしたら、じゃ金融機関に対して連絡をしないといけないわけですけれども、通常これは五月の二十日ごろだというふうに言われています。五月二十日ごろまでに金融機関に振り込むということは、それまでにその受給の申請のリスト、こういったものを全部つくっておかなきゃいけないんですね。ということは、地方自治体が四月の中旬ごろにはそうした五百万の方々を含めて申請を出さないといけないわけですけれども、こういう六月の支給ということをさかのぼってずっと行った場合に、これは早く厚労省がガイドをきちっと出す、この通知をいつ出すかということを明確に出さないと後が全部遅れてしまうんです。
 足立区は九万人の受給者がいるそうでございますから、当然そうしたことが一気に区の事務負担になってくるわけでございまして、なおかつ、先ほど、外国人の方とか様々な対応を現場はやるわけですけれども、具体的にいつそうした通知を出すんでしょうか。
#134
○国務大臣(長妻昭君) これは法案成立後速やかに出すわけでございますが、その前にもできる範囲でかなり、先ほど、実際に東京にお呼びをして御説明をしたり、あるいは通知にしても、今年の二月二十六日には子ども手当に係るQアンドA、このQアンドAも四回目でございまして、二月一日はQアンドAも出しましたし、四回目のQアンドAを地方自治体にお出しをして、怠りないような形で地方自治体の方々からの問い合わせにも答えていきたいというふうに考えております。
#135
○山本博司君 六団体からは、どうしても間に合わない場合は六月じゃなくて十月に回していただけないかという、そういう柔軟な対応をというようなことも言っている団体の要望がありますけれども、これはどうなんでしょうか、必ず守るんでしょうか。
#136
○国務大臣(長妻昭君) もう今、先ほど申し上げましたように、今年に入ってからもうそういう方向で地方自治体の皆さんも六月支給に向けて全力で取り組んでいただいているというふうに承知をしておりますので、我々としてもそれについて怠りがないようにいろいろ情報提供、お願い、連絡をしていくということであります。
#137
○山本博司君 これ、現場が大変混乱をするわけでございますから、速やかにそうした対応も含めて、相談窓口等も言われておりましたけれども、こういう対応が現場で混乱しないような形でお願いをしたいということを申し上げておきたいと思います。
 もう時間がありませんので、最後、一問だけさせていただきたいと思います。
 今回の法案は国が公費を負担をして行う事業でございますので、政策効果というものを数値的に確認をしていくことが大事でございます。世論調査などでも、子どもの健やかな育ちがどのぐらい支援されたのか検証する必要があると考えるわけでございますけれども、具体的な政策効果をいつごろどのような形で検証をしていくおつもりなのか。この点、最後に大臣にお聞きをしたいと思います。
#138
○国務大臣(長妻昭君) これは、平成二十二年度にはこれ、一年間の一万三千円という措置の法案でございますけれども、それを六月に支給が開始をされるわけでありまして、そのときにそのお金が具体的にどういうものに使われてどういう効果があったのかというようなことは、六月から始めるのかその次のときから始めるのかは別にして、その実態把握を当然平成二十三年度の本格施行の制度設計の中で役立てたいと思っておりますので、それに間に合うような形でその検証をしていきたいというふうに考えておりまして、その結果が出ればそれは速やかに公表させていただきたいと思います。
#139
○山本博司君 是非とも、大事な検証でございますので、しっかり進めていただきたいと思います。
 質問の、あと残っておりますけれども、これは改めてまた次回ということで、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#140
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 日本の家族関係社会支出は、ヨーロッパと比較をして、これは支給期間も支給額も極めて低いということが指摘されてまいりました。一方で、不安定雇用の増加や労働者世帯の収入減など国民生活は非常に困難になっていて、親の貧困と格差がそのまま子どもに連鎖するということが大問題として指摘されてきたわけですが、最初に厚労省参考人に数字をお聞きしたいんですけど、主要国と比較をして日本の家族給付のGDP比率を御紹介ください。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
#141
○政府参考人(伊岐典子君) 主要国の家族関係社会支出の対GDP比というお尋ねでございます。
 これはOECDのデータでございますが、二〇〇五年ベースで日本が〇・八一%であるのに対しまして、ドイツが二・二二%、フランスが三・〇〇%、スウェーデンが三・二一%といった状況になってございます。
#142
○小池晃君 国際的に見ても日本の家族関係支出、特に現金給付が非常に低いということが言われていて、やはり教育費負担などが急増する中でこの引上げということは非常に大事だというふうに私ども思っていますし、日本共産党はかねてから、児童手当の支給金額の引上げ、支給対象年齢の拡充ということを主張してきたわけでありまして、その限りにおいて今回の法案についてはこれはあえて反対はしませんと、賛成をしているわけであります。
 しかし、問題は再来年度でありまして、これは、民主党側が二万六千円に引き上げるとしているその財源として、控除から手当へといって、例えば配偶者控除の廃止も掲げております。また、政権内部からは、民間保育所に対する運営費の国庫負担金の一部一般財源化という声も出ていたわけです。しかし、子ども手当の財源を増税、例えば配偶者控除の廃止ということでやれば、これは子育て終わった世代や子どものいない世帯を犠牲にする形で負担を押し付けるということになりますし、これは許されないと私ども思っておりますし、民間保育所の運営国庫負担金を廃止して子ども手当というのは、これ本末転倒もいいところだというふうに考えております。
 厚労省に基本的な見解をお聞きしたいんですが、子ども手当を二万六千円に、大臣、引き上げる際の財源として、配偶者控除あるいは成年扶養控除の廃止、あるいは民間保育所の運営費国庫負担金の廃止、こういったことは考えておられるのか、厚労省としての考え方を説明していただきたい。
#143
○国務大臣(長妻昭君) まず、この配偶者控除の廃止というのは、働き方を制約するということもあり、これはマニフェストでも提示をさせていただいて、具体的にはこれ税調の中で議論をされるものだというふうに考えております。
 そして、その全体の財源ということでありますが、先ほどもお話し申し上げたんですけれども、幼保一体化の現物支給とこの現金支給の二十三年度というのはちょうど同時期に議論をするということになるわけでございますので、地方と国も財源だけではなくて役割分担の議論というのもする必要が出てまいりますので、そういう大きな議論の中で財源についてもそれを最終的には予算編成の中で確定をしていくということでありますので、今確定的なことを申し上げるというようなところではありません。
#144
○小池晃君 配偶者控除の廃止はマニフェストであるというふうにおっしゃいますし、今指摘をした財源の問題についても否定をされないと。幼保一体化は、私どもはこれ意見を持っておりますし、それは機会があればまた別の議論をしたいと思いますが。
 私たちは、やっぱりこういう財源というのは、子育て世代の中で右のポケットから左のポケットへという形ではなくて、きちっとやはりその財源をつくる。かねてから言っておりますように、我々、聖域になっているやはり防衛省の予算、軍事費の問題もありますし、この間繰り返し行われてきた大企業減税という大穴をまずふさぐことが先決ではないかというふうに、この点では、財源の問題については、これは再来年以降はこれ大問題になっていくだろうというふうに思っております。これは引き続きちょっと議論をしたいと思うんです。
 それから、その財源の中で今日特に問題にしたいのは事業主負担の問題でありまして、家族関係社会支出全体に占める事業主負担、これ日本は非常に低いわけです。フランスは五七・九%、スウェーデンは二七・一%、日本は一二%です。家族関係社会支出のGDP比の給付額が低い上にその中での事業主の負担というのは低くなっている。
 日本の企業の社会保障負担は、これはドイツやフランスなどと比較してやっぱりこれは軽いと言われていますが、子ども手当においても例外ではありませんで、来年度のこの子ども手当における事業主負担は千四百三十六億円で、子ども手当財源に占める割合は九・八%ということです。非常に低いわけですね。
 政府の家族政策によって利益を受けるのは、決してそれは家族だけではありませんで、労働者として受け入れている企業、あるいは商品が売れればそれは企業に還元していく、企業も大きな利益を受けることになると思うんです。やはり子育てに対する企業の社会的責任ということがあるわけですから、中小企業に対する配慮はもちろん必要だと私ども思いますが、しかし、子ども手当の事業主負担について、これはやっぱり引き上げる方向で私は考えていくという政策目標を持つべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#145
○国務大臣(長妻昭君) 今、個別に財源の部分の議論をなかなかする段階ではないといいますのは、先ほど申し上げましたように、これは大きな現物支給の構造を転換する、幼保一体化ということもありましょうし、地方と国との役割分担ということもありますので、その中で議論をしていくということであります。
 ただ、いずれにしましても、この子育て支援というのは、結果として少子化の流れを変えるということが実現できるというふうに考えておりますので、それは企業のみならず、お子さんがおられない方も含めて、社会保障の担い手が増えるという観点からも皆さんにとって意義あることだということはおっしゃるとおりだと思います。
#146
○小池晃君 少なくとも、今の児童手当並みの事業主負担というのを維持していくということを考えるべきじゃありませんか。
#147
○国務大臣(長妻昭君) これは、先ほども申し上げましたように、事業主負担の部分だけを取り出して、それを増やす増やさないという議論はまだ、その全体像を議論をして、考え方を提示して、そしてその財源を決めていくと、こういうプロセスをたどるわけでありますので、その中で我々としては決めていきたいと。当然、それが決まったときには国会にも御報告をして、質疑で詳細を説明をするということになります。
#148
○小池晃君 一方、重大だと思うのは、子ども手当が増額するということをもって企業の家族手当を削減するという動きが出てきているわけです。
 日本経団連のいわゆる経労委報告ではこういうふうに言っています。従業員の生活保障として家族手当を支給する企業も多いが、今年六月から支給が予定されている子ども手当の創設は、仕事の対価としての賃金や諸手当の在り方について考えるきっかけになると。子ども手当出るから、家族手当というのはこれはなくしていこうじゃないかというような、こういうことも出てきているんですね。
 ところが、これは私、大臣には、この問題はちょっと非常に問題だと思っているんですが、大臣は三月十日の衆議院の厚労委員会でこうおっしゃっているんです。これは企業の自由度に任せると、国がやめるのはけしからぬとか言う権限がどの程度あるのか、基本的には企業の自由であるというふうにおっしゃったんだけれども、私、大臣、こんなことを大臣が国会で答弁をしたらば、企業の側は、もうこれは子ども手当出たんだから家族手当をなくそうじゃないかという議論になりますよ。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 どこまで権限があるかどうかは別として、大臣として私はこんなことを言ってはいけないと。少なくともやっぱり企業はきちんと、厚生労働省なんだから、そういう意味ではきちっと社会的責任を守るべきだというふうに私は大臣は言うべきで、こういう発言はちょっといただけない。やはりきちっと企業も、こういう家族に対する企業としての社会的責任を守っていくということを大臣として言うべきじゃないですか。
#149
○国務大臣(長妻昭君) この質疑の中で、今引用していただいたところで私が申し上げたのは、基本的にこれは私の立場としてはやはり少子化の流れを変えたい、子ども、子育てに対する全体の予算が少ないという中で、それは子ども手当が出たとしても企業には継続して子育て支援策はやっていただきたいと、こういう基本的な考え方はありますけれども、ただ、それを決めるのは、最終的にそれは企業の判断で決められるということで申し上げたところでありまして、それはもちろん企業だけではなくて労使の判断ということにもなろうかと思います。
 その中で、今人事院が民間の給与とかあるいはそういう福利厚生を定期的に調査しておりますので、この子ども手当、二十二年度出た段階で、あるいは動向の調査ということを注視をして、それが何か極端にそういう方向に行く状況があれば、いろいろな我々もメッセージや考え方を出す必要があると判断をするわけでありますので、その調査をまずは見ていきたいということであります。
#150
○小池晃君 いや、減っちゃってから後では遅いわけで、駄目ですよ、やっぱりきちっと。さっきの答弁でいえば、前半だけで良かったんですよ。後で余計なことをおっしゃるからこれは問題なわけで、私は前の方をしっかり強調して企業に対しては物を言うという立場をやっていただきたいというふうに思います。
 それから、もう一つの問題が、先ほどからも議論になっています、子育て支援というのは現金給付だけでは駄目だと、現物給付と車の両輪だと。私は、バランスが悪いから現金給付は控えておけというのは、これは発展の議論ではないわけで、バランスを整える方向で両方進めていくというのが国の政策としてはあるべきだというふうに思うんです。
 そういう点でいうと、やっぱりM字カーブをなだらかにして働き続けられる環境をつくっていく、そのためにはやっぱり保育所の待機児童問題は引き続き重要です。極めて今深刻になっているのが、今日お配りしている、これは東京新聞の一面に出た記事ですが、東京二十三区で人口流入に加えて不況で就労を望む家族が増えているために、これは入園申込みが東京二十三区軒並み増えているという問題なんですね。下の方にありますが、千代田区というのは待機児ゼロ記録八年間続いていたんだけれども、その千代田区も今年の四月で待機児が発生する可能性が高いと。新聞や雑誌ではもう、就活という言葉もありますが、保活という言葉まで出てきているという状況であります。要するに保育所に預けられないと退職を余儀なくされるということで、保育所回りでもう本当に必死になっていると。
 これは不況と相まって、これは東京だけじゃない、大都市圏ではこういう事態がどこでも起こってきているわけで、これ、基本認識を大臣にお伺いしたいんですが、やはりこの保育所の待機児童問題の解決というのの基本は、これは認可保育所の増設によって進めるべきだというふうに思うんですが、いかがですか。
#151
○国務大臣(長妻昭君) 基本はそのとおりだと思います。
#152
○小池晃君 その上で、その認可保育所を、じゃどう造るのかということなんですよ。特にやっぱり大都市圏で認可保育所を造る場合に一番ネックになるのは土地の手当てなんです。東京社会福祉協議会保育部会が加入している私立の認可保育所に対するアンケート調査では、保育所新設のハードル、課題として、約五割の保育所が、適切な場所、スペースの確保というふうに言っています。それから、待機児解消に向けた具体的提案の第一位は、土地、建物の確保や増改築に対する補助、第二位が、行政による土地、建物の確保、無償貸与なんですね。そもそも公立保育所に対しては国からの補助金は何もなくなりました。民間に対しても建設費の補助だけで、土地確保には何の支援もありません。
 大臣、こういう事態の中で、保育所に対するニーズは高まっている、しかし、東京、例えば二十三区の中で土地を確保するなんてとんでもないと、とてもできないという中で、どうやって認可保育所を造ると、増やすというふうにお考えですか。
#153
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられるように、土地の取得が大変だということでありまして、これは一つの考え方でありますが、認可保育所の分園という考え方で、これは第二次補正予算で御了解をいただいて、安心こども基金に二百億円積み増しをして、そこから分園を全力で探していこうということで、これについては、空き教室を使ったりあるいは公民館などの公共施設の空きスペース、当然安全性が確保されなければならないというのは言うまでもありませんけれども、あるいは公営住宅等の空いているスペースを活用させていただいて、あらゆる場所について、これ、文科省とも空きスペース、空き教室では連携をして、ここに分園をつくってお子さんを見ていこうというようなことも考えておりますけれども、さらには五か年計画というのも出させていただいておりますので、あらゆる手段を使って定員を増やしていくということであります。
#154
○小池晃君 そういう手だて、基金事業なども存じ上げておりますけれども、利用できれば利用したいんだけど、これ、ネックはやっぱり土地の確保なんだという声はあるわけですね。借地料を継続的に負担できるような補助が約束されればできる、でもそれがないから難しいという声も聞いております。
 行政が所有している、じゃ、空いている土地がないのかというと、そうではないわけですね。自治体なんかでは、これは利用可能な土地を保育所に活用する努力をやっている。
 じゃ、国の土地はどうかということをちょっと財務省にお聞きしたいんですけれども、東京都内で行政が利用していない普通財産である土地の状況はどうなっているか、御説明ください。
#155
○政府参考人(川北力君) お答え申し上げます。
 東京都二十三区等に所在する私ども所管しております普通財産の面積でございますが、配付いただきました私どもが提出した資料にありますとおり、二十三区内で五百九十八万平米余り、二十三区以外で千九百六十九万平米余りで、合計で二千五百六十七万七千平米でございます。
 ただ、この数字そのものは、既に地方公共団体に公園等として私どもの方から貸し出している土地ですとか山林原野等が大宗を占めておりますので、すぐ利用、活用できるものという意味でございますと、この数字に比べますとかなり限られたものになるということは付け加えさせていただきます。
#156
○小池晃君 しかし、東京二十三区に山林原野はそうないわけでありまして、これ、かなり利用できる部分があるはずなんですよ。首都圏見てもかなりあるわけですね。もちろんこれ、米軍基地なんかの分も入っているというふうにお聞きしていますから、しかし、それを除いても、移転した庁舎や公務員住宅の跡地や税金の物納地など、直ちにやはり保育所として活用できるような土地はあると思うんです。
 こういうところを、財務省にお聞きしたいんですけれども、例えば庁舎や公務員住宅の跡地や物納地などを自治体や社会福祉法人などが保育所として活用したいと考えた場合に、何らかの優遇措置はあるんでしょうか。
#157
○政府参考人(川北力君) 財政法によりまして、国有財産は適正な対価、すなわち時価による譲渡又は貸付けが原則とされております。
 お尋ねの財産につきましては、庁舎、宿舎の移転跡地ですと移転するための経費、コストが掛かっておりますし、あるいは物納の財産につきましては相続税の金銭納付に代えて入ってきているものでございますので、早期に金銭に換価するという必要がございますので、原則どおり全面積を時価売払いという取扱いにしておるところでございます。
#158
○小池晃君 二十三区の土地を時価で買うようなお金があれば、だれも苦労をしないわけですよね。国が保有しているまとまった土地が現にあるわけだし、これはやっぱり待機児解消という国家的事業でしょう、緊急事業でしょう。やっぱり私は、財務省にはこれを時価より例えば低価格で、ただで出せとは言いませんよ、時価より低価格で譲渡をする、あるいは賃貸、無償あるいは廉価での賃貸、こういうことを検討すべきじゃないかと思うんですが、財務省としては検討しないんですか。
#159
○政府参考人(川北力君) 国有財産の有効活用につきましては、財務大臣から新しい成長戦略に関しまして幅広い観点から検討していく旨指示を受けております。また、保育所に国有財産を活用するという点につきましては、厚生労働省を始め関係省庁とともに何ができるか前向きに検討しておきたいというふうに考えております。
 ただ、何分国有財産行政といたしましては、財政法なり国有財産法なりの前提の下に先ほど申し上げたような考え方になっているというところでございます。
#160
○小池晃君 大臣、ネックの財務省が前向きと言ったんですから、これ是非考えるべきだと。政府も各省の担当者を集めて会議もやったというふうにお聞きしておりますが、実際には検討進んでないわけで、やっぱり保育行政担当する厚労省として、普通財産を所管している財務省、あるいはURなんかの土地もある、これは国交省ですが、保育所を設置するためにこれを無償貸与する、時価より低い価格で優遇する、こういうことをしっかり実現するために厚労省として働きかけするべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#161
○国務大臣(長妻昭君) 今ちょっとお触れいただいた昨年十二月二十四日に、地域における余裕スペースを活用した取組ということで、これは厚生労働省、文部科学省、国土交通省、財務省、四省が連携して取り組むということで打合せを実施をしたわけでありますので、今御指摘もございましたので、ちょっとこの打合せの結果やその後の経緯を調査をいたしまして、今後さらに分園の取組の中でそれが拡充できるような仕組みがあるのか、つくれないのか、こういうことを検討していきたいと思います。
#162
○小池晃君 終わります。
    ─────────────
#163
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。
    ─────────────
#164
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 最初に、大臣に基礎的な質問を二つさせていただきたいというふうに思っています。
 今回の子ども手当法案、すべての子どもの育ちを社会全体で支援をすると、こういう思想の上に立っておりまして、政府が従来の少子化対策から大きく方向を転換をして、本格的な子ども・子育て支援へ取組を進める私は大きな第一歩だと評価をしております。この間、若い子育て家庭の所得は低下をして、子ども手当の支給を待っている方々が大変多うございます。
 初めに、なぜ今子ども手当の支給を急ぐのか、理由をお聞かせください。
#165
○国務大臣(長妻昭君) これについては、政権交代後、選挙でもお示しをさせていただいたところでありますけれども、四月分から支給をするということを申し上げているところでありまして、四月分とするとこれまでの支払スキームでは六月支給というのが通常の姿でありますので、その六月に第一回目を支給するということで、当然御期待をされておられる、予定をされておられる方もいらっしゃると思いますので、そういう形にさせていただいたということであります。
#166
○近藤正道君 子ども・子育て施策の充実のためには、現金の給付、そして現物の給付、そして親の働く環境、言わばワーク・ライフ・バランス、この三つが必要なんだと、こういうふうに言われております。そのことを前提にした上で、私は今回の現金給付については大きな前進だというふうに評価をしているわけでございます。
 しかし同時に、今日もういろいろ議論がございましたけれども、現物給付、地域の子育ての環境基盤をどう整えるのか、こういう議論もあるわけでございますので、この現物給付をどのように充実をさせていこうとされているのか、大臣、所見をお伺いいたします。
#167
○国務大臣(長妻昭君) 現金給付と現物給付といったときに、そのスピードという意味では、これは現金の方がやろうと思えば速いスピードでできるわけでございますが、現物給付はそういう意味では、全力で取り組むわけでございますけれども、五か年という一つの計画を作らせていただいて、福島少子化担当大臣を中心にビジョンを作り、そして数値目標をここにはめ込んだということでございまして、まずは、今回も平成二十二年度で保育の予算をお願いをしているところでありますけれども、年度年度ごとに最終的に目標に近づくように着実に取り組んでいくということと、先ほども話出ましたけれども、余裕スペースで分園という考え方でいろいろな、空き教室も含めて、文部科学省とも今連携を取っておりますけれども、そういうところも活用して、あらゆる算段を考えていくということであります。
#168
○近藤正道君 今回は衆議院段階で附則に修正が加えられました。二つの項目でございます。
 今日は阿部知子修正発議者に来ていただきました。まず最初に、なぜこの修正案が必要だったのか、お答えください。
#169
○衆議院議員(阿部知子君) お答えを申し上げます。
 子ども手当は子どもたちの育ちを社会全体で支援していくという制度でありますが、実は現在、養護施設やあるいは乳児院等々、親御さんの直接の愛護の下にはおられないが、しかし大事な私たちの宝とすべき子どもたちの存在がございます。こうした子どもたちへの支給がどうあるべきか、親御さんの手元におられない分だけ手厚く考えねばならないということで、養護施設等々に入っておられるお子さん方の給付をどうしていくかという点で一点私どもは修正を提案いたしました。
 いま一点は、先ほど来お話がございますように、現物給付も含めて子育ち支援を全体の施策の中でバランスを取っていく、また財源の確保等も必要かと思います。
 その二点を修正に加えさせていただきました。
#170
○近藤正道君 今回の子ども手当法案、子どもにかかわる重要な法案でございます。子どもということになりますと、子どもに関する言わば最高の今の法規ということになると子どもの権利条約ではないか、私はそういうふうに思っております。一九九四年にこの条約が批准をされているわけでありますが、今回の言わば法案あるいはその修正案の中に子どもの権利条約の視点、これはどのように反映されているというふうに修正発議者としては見ておられるのか、お考えをお聞きいたしたいと思います。
#171
○衆議院議員(阿部知子君) 従来の児童手当が子どもさんをお育てになる親御さんの家庭的安定のためということを目的にうたっておりましたことに比べ、今回の子ども手当は一人一人の子どもの育ちを支援するという意味で、まさに子どもの権利条約、子ども自身が権利の主体であるというふうな考え方にのっとったものであります。そこで、当然、先ほど申しました親御さんの愛護の下にない子どもの問題もきちんとこの施策の中で手当てしていくことの必要性にかんがみての修正をいたしました。
#172
○近藤正道君 今日もいろいろ議論がございました。
 今回の子ども手当、取りあえず一万三千、こういう金額でございまして、これについては私はそんなに大きな異論はないんではないかというふうに思っておるんです。ところが、その次の年、二〇一一年ということになりますと、これが倍になるという形でいろんな問題点が出てくるんだろうというふうに思っております。附則の二点目に、二〇一一年度以降の子育て支援のための全般的な施策の拡充という項目が盛り込まれました。これはまさに、今回はいいけれども、その次、本格実施のときにいろいろ問題があるんだということをやっぱり前提においてのいろいろ議論だというふうに思っております。
 修正発議者に、二〇一一年度以降の本格実施に当たってどのような観点から制度を整えていくべきなのか、どういう課題を念頭に置いておられてこういう修正案になったのか、問題意識、お聞かせをいただきたいと思います。
#173
○衆議院議員(阿部知子君) 課題は七つほどあるかと思います。
 一つは、先ほど来の御指摘の保育あるいは医療も含めました現物給付とのバランスをどう取るか。一方のみが先行すれば、当然他方は限られた財源の中ですから遅れが生じ、そのことによって子どもの本当の子育ち支援ではなくなるということがございます。
 また二点目は、当然ながら財源の確保でございます。どう安定的な財源の上に制度設計をしていくかということがこの来年度の実施に当たっては不可欠の要件でございます。
 三点目でございますが、これは、現在の児童手当におきましては事業主負担並びに地方負担があり、今年度は取りあえずのこととてそれを継続する形で上乗せして子ども手当という制度設計にいたしましたが、これから本格実施になりますときにも、社会で子どもを育てていくという観点からは当然ながら事業主負担も必要となります。また、児童福祉法等々にも国の責任、自治体の責任、そして親御さんの責任とうたわれておりますところの自治体の責任も、きちんと制度の中にどう扱うかも来年度の内容となってくると思います。
 四点目でございますが、これは、先ほど申しました児童養護施設でお暮らしのお子さん方は、今回はこども安定基金から取りあえず、特に親御さんが分からない、おられないお子さんについては、これ親御さんに給付する仕組みでありましたから親がいないと給付できないということになって、こども安心基金から暫定的に給付いたしましたが、子ども自身が受給権を持てるような制度にしなければならない。
 そして、六点目に参りますが、日本に居住する外国人の故国に残してこられたお子さんの問題は、これは大変多くの指摘がありました。是非、居住要件を設定すべきだと思います。
 そして最後に、何よりも最も必要なものは国民の合意形成でございます。一方で、三万円以下のお暮らしで、女性たちが百万人年金生活でお暮らしであります。その中で、子ども手当にかかわる部分をどう納得、合意していただくのか、このことの私は論議抜きには本格実施は本当に難しいと思います。
 以上、七点の課題を来年度本格実施に当たっては明確にしていくべきと思います。
#174
○近藤正道君 ありがとうございました。
 今、七つの、本格実施に当たって私たちがやっぱりしっかりと踏まえ議論をしなければならない七つの論点の紹介がございました。もう既に今日の時点においても何点かについて真剣な議論が行われておりますけれども、今の段階、改めてこの七つを提起をしていただきました。
 明日以降もしっかりとこのことについて議論をして、修正案の中に盛り込んだ衆議院の皆さんの意向がしっかりとこの参議院の中で論議をして詰められていけるように頑張りたいと、こういうふうに思っております。
 以上、時間でございますので、二分ほど早いわけでございますが、終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#175
○委員長(柳田稔君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#176
○委員長(柳田稔君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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