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2010/03/30 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第10号
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2010/03/30 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第10号

#1
第174回国会 厚生労働委員会 第10号
平成二十二年三月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     西島 英利君     丸山 和也君
     小池  晃君     仁比 聡平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                長浜 博行君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                岸  宏一君
                伊達 忠一君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                南野知惠子君
                丸川 珠代君
                丸山 和也君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                仁比 聡平君
                近藤 正道君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  細川 律夫君
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省職業
       安定局長     森山  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長森山寛君外一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(柳田稔君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○辻泰弘君 民主党・新緑風会・国民新・日本、辻泰弘でございます。
 今日は、雇用保険法等改正につきまして、一時間、御質問をさせていただきます。
 実は、本委員会での御質問は二年九か月ぶりでございまして、昨年は委員長をさせていただいたんですけれども、その前は財政金融委員会におきまして道路財源やら日銀総裁を追っかけておりました関係で、そんなことで実は参議院選挙の前に質問をしたのが最後でございまして、今日は二年九か月ぶりでございますので、新人のような新たな気持ちで、かつ、ゆめゆめ大事な方のお名前を間違えないように御質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 そして、まず、六か月強がたちましたけれども、この政権交代の後、長妻大臣を先頭に、本当に短期間の予算編成を含めて、いろいろと試行錯誤はあったと思いますけれども、国民の生活、暮らしの安定、向上に向けて力一杯御奮闘された長妻大臣以下、副大臣、政務官の皆さん方に私は本当に心から敬意を表しているところでございまして、今後とも御奮闘いただきますようにまず御期待を、またお願いを申し上げておきたいと思っております。
 それで、まず、本題に入ります前に一つお聞かせいただきたいと思っております。それは、さきの予算委員会で、締めくくり総括のときに通告をしておきながらちょっと聞けずに大臣にも申し訳なかったこともございますし、実は今日の新聞で拝見いたしますと、行政刷新会議で検討されていくということになるような流れもあるやに聞いておりますものですから、厚生労働大臣としてのお考えを聞いておきたいと思うんですけれども。
 それは、財務大臣が予算委員会において、医療費の財源に関して、混合診療の問題とかいろいろ議論がまだ日本の中では出ておりません、すべてを社会保険と税で賄うのか、それとも一部は個人の負担で賄うのか、二十三年度以降の予算の中で議論しなければならないと、このようにおっしゃったことがございました。また、昨年の六月の財政制度等審議会では、外来診療の医療費について、受診一回ごとに五百円、千円など、一定額を自己負担とするいわゆる保険免責制度の導入が課題とされていたということがございます。
 そこで、財務大臣の発言から見るときに、少しその辺が財務省マターとしては検討される可能性というか危険性というか、そんなものを感じるものですから、厚労大臣としていわゆる混合診療、現実に今、保険外併用療養費制度ということで混合診療は一定の中で認められているわけですけれども、それを全面解禁しようと、こういう話になるわけですが、そのことと保険免責制度の導入についてどのようにお考えであるか、基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(長妻昭君) 今、混合診療について御質問がございました。私自身は混合診療を直ちに全面解禁するというのは、これは慎重な議論が必要だというふうに考えております。
 今も、御指摘いただきましたけれども、いわゆる混合診療としては実施をしておりまして、数にすると、先進医療で百四、高度医療で十七、合計百二十一についてはある意味では混合医療が認められているというようなことになっているわけでありまして、一定のルールで認めているということであります。これを完全に認めるということになりますと、これは保険外の負担を求めることが一般化するおそれがあるんじゃないかとか、あるいは科学的根拠のない特殊な医療がかなり増えてくるんではないのか、いろいろな検討が必要になるということであります。
 そしてもう一点、今言われたのは保険免責制度のことだと思いますけれども、自己負担が三割とか一割とか今は決まっておりますけれども、この保険免責制度を入れると、必ず一回の治療では基本料金的なものがあってそれに上乗せするという考え方だと思いますけれども、これについても今の段階で導入するという考えはございませんで、法律にも、将来にわたり例えば百分の七十を維持するという自己負担の法律の条項というのもありますので、これについては今時点では私としては考えていないということであります。
#7
○辻泰弘君 安心しましたけれども、実は六年ぐらい前にもこの混合診療についてはいろいろ議論をさせていただいて、当時大臣であられた方も就任早々、個人的に言えば大きく混合診療を進めるということについては賛成でありますというようなことをおっしゃったことがあって、ここで議論をさせていただいて、その方がこの間の予算委員会で反対だということをおっしゃっていて安心したわけでございますけれども。
 いずれにいたしましても、これは実は誤解が多くて、現状においてもかつての特定療養費、今の保険外併用療養費という形で原則規制ということになるわけですけれども、そういった形で認められているということでございまして、いろいろな要望があるけど結局そこに帰着するという部分があると思います。もちろん弾力的にしなきゃいかぬ部分はあるので改良は必要ですけれども、しかし基本的にはやっぱり原則規制でいかないといけないだろうと。
 そのことの意味は、やはり有効性、安全性というものが守られていないものを庶民が医療現場で高い金を出して買うということにもなる。そこに実は産業という角度を持てば確かに産業になると思うんですけれども、かなりそこで医薬品まがいあるいは食品まがいのものが、やはり医者から言われたら買うということになるわけですから、それは実は大きな産業になり得るんですけれども、しかし私は、今言われている医療や福祉を産業化の対象とするというところは、大きくはありますけど、混合診療の部分はしてはいけないと、このように思っております。また、これは別のときにも議論したいと思いますが。
 今日の課題である雇用、労働、安全、衛生、生命、医療、こういった人間の存在の基本にかかわる領域における規制というものはいわゆる社会的規制であって、それを単純に緩和することによって幸せになるものじゃないと、このように私はかねてより言っておるわけですが、そのことにつきましても今後とも留意をしていただいて、今後刷新会議などで議論が出てくるのかもしれませんが、どうかその点についてはしっかりと御対応いただきたいと、このことを御要請を申し上げておきたいと思います。
 では、本題の雇用保険法等の改正案の方に入らせていただきたいと思いますけれども、まず今回の改正において六か月見込みというものを三十一日見込みということに改正されるわけですが、実は昨年も改正があったわけでございます。昨年の二十一年の三月三十一日施行の改正法案では、雇用保険の適用基準が一年以上雇用見込みを六か月以上雇用見込みに緩和して適用範囲を拡大したということをやったわけでございますけれども、このことの結果が一年たってどうなったかと。一年ですから十分まだ検証できない部分があるのはやむを得ないと思っておりますけれども、この部分、何か一つの方向性なりいい兆しが見えているならば教えていただきたいと思います。
#8
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘のように、二十一年改正に併せまして雇用保険の適用基準を一年以上雇用見込みから六か月以上雇用見込みに緩和したことに伴いまして、六か月以上一年未満の雇用見込みの労働者が新たにこの適用対象になったわけでございます。
 この適用拡大によりまして具体的にどの程度雇用保険被保険者数が増加したかは把握をできませんが、過去の雇用者数と被保険者数の関係に基づきまして、適用拡大を行わなかった場合に平成二十一年度以降の被保険者数がどのように推移するか、これを推計をいたしましたところ、実際の被保険者数の方が推計値よりも約七十万人から百十万人多くなったところでございます。
#9
○辻泰弘君 我々は三十一日以上ということで申し上げていたわけですけれども、六か月にしていただいてもそれだけ前進があったということだと思いますので、今回の法案の結果がまた良い方向で進むことを期待をさせていただきたいと思っております。
 次に、今回の、三十一日以上ということになるわけですけれども、これについては昨年の国会などで、そういう三十一日以上の雇用見込みとすると、適用されても給付につながらず掛け捨てになるのではないかと、こういったトーンの指摘が当時の私どもになされていたわけです。これは私は間違っていると思っていますけれども、このことについて、やはり政府としての見解をお示しいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(長妻昭君) 今の御質問でございますけれども、これは基本的には、例えば特定受給資格者及び特定理由離職者については、離職の日の以前一年間に被保険者期間が通算して六か月以上ということでありますけれども、これ、過去一年間に六か月以上被保険者期間が必要だということでありますが、この六か月というのは通算でありますので、例えば、二か月、二か月、二か月、一年の間に働いておられるということは六か月というふうにみなすわけでございますので、そういう形で通算をさせていただくというような措置をとっているところであります。
 この六か月という被保険者の期間をもっと短くするという御指摘もいただいているところでありますけれども、そうなるとやはり給付と負担というような関係についてもいろいろ問題が出てくるということで、これは通算できるということを今後ともきちっとアピールをしていきたいというふうに考えております。
#11
○辻泰弘君 ちょうど一年前のこの場におきましては、政府の答弁として、保険料だけ負担をして給付が受けられない、そのようなケースが多数発生する可能性もあると、問題点を含んでいると、こういう御答弁があったんですけど、一年たって、このことがむしろそうじゃないんだということで答弁があったということ、私どもの昨年からの思いが貫徹されているわけですけど、やはり政権交代の妙と、このように思う次第でございます。
 さて次に、今回の法案におきまして適用基準が法定化されたということがあるわけでございます。このこと自体は大変結構なことで、本来あるべき姿だと思いますし、今までそうでなかったのがなぜかということにもなるんですけれども、ただ、今まで雇用保険の適用基準が業務取扱要領に規定されていたと、こういうことだったわけでございます。
 そこで、確認的な意味で聞かせていただきたいんですけれども、従来、適用基準が業務取扱要領で規定された理由、そしてまた今次法定化の意義について御説明をいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(長妻昭君) 確かに従来は、いろいろ要件の緩和をさせていただいたときに、六か月以上などについても業務取扱要領というようなところで規定をしていたと、今までは就業の実態に即したものとすることが求められていると、様々なケースに対応するためにと、そういうような話でございましたけれども、今回については、これ、国会でも法律で定めた方がいいという御指摘を何度もいただいておりますので、法律できちっと三十一日以上雇用見込み、あるいは週所定労働時間二十時間以上というのも法律で規定するということにさせていただいております。
#13
○辻泰弘君 同時に、確認的な意味でお伺いをしておきたいと思いますけれども、受給資格要件が六か月ということになっているわけでございます。もちろん、やはり一定の、保険でございますので一定の基準といいますか、どんな保険でも一定の要件が必要だと思いますので、そのことは私は異を唱えるものではございませんし、一つの考え方で賛意を表しておりますけれども、ただ確認的に、受給要件が六か月になっているというその六か月の根拠、このことについて御説明をいただきたいと思います。
#14
○副大臣(細川律夫君) これは給付についての要件でございますから、保険財政におきます給付とそれから保険料のバランスといいますか、それを考慮して六か月と、こういうふうになっているわけでございます。
 これにつきましては、保険料の負担者であります労働者、そして使用者、それぞれの代表の方が構成しております労政審におきましても六か月ということで、据え置くということに御判断をいただいたところでございます。
#15
○辻泰弘君 同時に、確認的にお聞きしておきたいと思うんですけれども、週所定労働時間において適用除外とする対象が二十時間というふうになっているわけでございます。一週間の所定労働時間が二十時間以上あることが必要であると、こういうことになっているわけですけれども、この二十時間の根拠、これも一定の当然ルールが必要でございますからあってしかるべきとは思いますが、二十時間の、なぜ二十時間かというそのことについての根拠を御説明いただきたいと思います。
#16
○副大臣(細川律夫君) これにつきましても、そもそも雇用保険制度というものは、自らの労働によります賃金で生活を維持している労働者、その労働者が失業したときに必要な給付を行い、求職活動を支援するというものでございます。
 そこで、所定時間が二十時間を満たない労働者につきましては、フルタイムで働く四十時間に満たないようなそういう方でございますから、そもそものこの雇用保険制度の趣旨に照らしますと雇用保険の被保険者にすることは適当ではないと、こういう判断になっているところでございます。
 この点につきましても、労政審におきまして、これまでどおりの二十時間以上ということで、今度の三十一日以上と加えまして、労政審でも、二十時間以下は適用しないと、こういうことに労使の合意がされたところでございます。
#17
○辻泰弘君 六か月以上雇用見込みから三十一日以上雇用見込みということになるこの改正が大きな成果を生むことを期待して、この項目については区切りにしたいと思います。
 次に、雇用保険に未加入とされた者に対する遡及適用期間の改善と、こういったポイントもあるわけでございますけれども、事業主が被保険者資格取得の届出を行わなかったため未加入とされていた者のうち事業主から雇用保険料を控除されていたことが給与明細等の書類により確認された者については現行二年を超えて遡及適用すると、こういう新しい機軸を打ち出しておられて、賛意を表する次第でございますけれども、ただ、ここで確認をしたいと思いますことは、これまで確認された日からの遡及適用期間が二年とされていたということですけれども、二年というのはほかの保険とも連動があるのかもしれませんが、その二年の何ゆえかということの理由、経緯を御説明いただきたいと思います。
#18
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 雇用保険の遡及適用につきましては、現行、その被保険者となったことの確認があった日から二年間を遡及して適用するということにしてきたところでございます。
 その理由でございますが、第一には、余りに長期間さかのぼると、被保険者であったことあるいはその賃金支払の状況、こういうものを把握することが困難であること、それから第二に、二年間遡及すれば基本的には受給資格が得られること、それから第三には、保険料を徴収する権利につきましては二年間で消滅してしまうこと、こういう理由でございます。
#19
○辻泰弘君 把握が困難というのは後の議論にもなるんですけれども、本当は把握すべきだったというふうにも思いますし、二十年までは給付日数が増えるわけですから、そういった意味では把握しておく意味があるはずだと思うんですけれども、ひとつそこは今までの考え方ということで理解をさせていただきたいと思います。
 それで、もう一点確認したいと思いますことは、今回の改善のための一つの手段として、事業主から雇用保険料を控除していたことが給与明細等の書類により確認された者については二年を超えて遡及ということになっているわけですが、この事業主から雇用保険料を控除されたかどうかの確認をする、証明する方法、書類の種類、このことについて御説明をいただきたいと思います。
#20
○政府参考人(森山寛君) 今先生御指摘のように、今般の改正法案では、労働者の方の給与から雇用保険料が天引きされていた、こういうことが確認された場合には、現行制度上遡及できる期間である二年を超えて遡及して適用できるというふうにするわけでございます。
 その際の具体的な確認書類でございますけれども、給与明細、賃金台帳、それから源泉徴収票などを想定をしておりますけれども、今後、労働政策審議会にお諮りをした上で厚生労働省令により定めたいというふうに考えておるところでございます。
#21
○辻泰弘君 先ほどの答弁にもかかわることなんですけれども、私は前に、予算委員会で大臣にもちょっと申し上げたことがありましたけれども、あれ、一年ちょっと前に私も実は初めて知って不勉強を恥じたんでございますけれども、雇用保険の保険料納付といいますかその記録はほかとは違って、実は公的な記録というものは全くないという状況なわけでございます。労働保険の保険料の徴収法では天引きが、賃金からの控除が認められているにもかかわらず、そのことについての記録がどこにもないと、なくていいシステムになっているということになるわけでございます。
 それで、どういうシステムかというと、届出ということに非常に重きを置くということになっているわけですね。それは届出も大事なんですけれども、届出がなされていなかったら保険料が納付されていたとしても給付に反映されないと、こういうシステムになっている。逆に、保険料納付がなくても届出さえされていれば給付に反映されると、こういうふうなことになっているわけでございます。
 戦後の昭和二十年代から出発した制度だと思いますので、そして今の時点で定規を当てるということはこれはやはりなかなか無理があるんで、それはよく分かるんですけれども、しかし、今日的に見れば、保険料納付の事実と連動すべき保険であるべきだと私は思うんですけれども、それが届出事実と連動するということが中心になっている保険というのは、やっぱり根本的に、今日的に見れば変えていかなければならないと、このように思うわけですけれども、その点についての御認識いかがでしょうか。
#22
○副大臣(細川律夫君) この点につきましては、保険料の納付というのが受給資格に連動していないわけです。それは、保険料を事業主が支払うと、こういうことになっておりまして、事業主が保険料を払わないと、そうしますと結局受給資格がないと。こういうことになりますと、労働者の方では天引きをされていても、しかし払っていないということになれば労働者が大変不利益を被るわけでございますから、したがって、そういう意味では保険料の納付というところと連動させないと。だから、資格さえあればもらえるようなことで労働者を保護すると、こういう形でこの仕組みをつくっているわけでございます。
 したがって、今回、そういう意味では、さかのぼってもらえるような形にするのは、実際に保険料を払っているということが証明される場合はさかのぼるということで救済をしていくと、こういうことにしたわけでございます。
#23
○辻泰弘君 政権取って半年でございますので、それ以前の制度について細川副大臣が責任を持たれることではないわけなんですけれども。
 もう一点通告しておりますので、同じようなことになりますけれども聞かせていただきますが、今お話しのように、やはり個人の保険料納付記録が、労災の方は事業主負担だけですからそれはそれでいいわけですけれども、天引き後労働保険の徴収法で規定している個人の保険料の記録が公的に管理されてこなかったという、その理由と経緯、このことについて御説明いただきたいと思います。
#24
○副大臣(細川律夫君) これにつきましても、事業主に保険料を支払いやすいように、そういういろんな便宜を考えまして、そこで事業主の事務負担などを軽減するというようなことから、その事業主の一年間の労働者に対する総賃金に対して保険料率を掛けて、それを支払っていただくと、こういう制度にいたしまして、個人の方については幾ら支払ったかというようなことにはしていなかったところでございます。
 したがって、その保険料を支払う支払方と、それから一方で、じゃ個人がこの雇用保険に加入しているかどうかということについては、ハローワークに事業主の方が、勤めたときにはその届出をする、あるいは退職したときにはまたハローワークに届ける、こういうことで個人を確認をすると、こういう仕組みになっていたところでございます。
#25
○辻泰弘君 これまではそういう考え方で来られているわけですけれども、片や、健康保険と年金とを対比しますと、いわゆる被用者における健康保険料と年金の保険料の徴収というのは、四月から六月の期間の所得の状況に応じて七月に標準報酬月額を定時決定して、それを社会保険事務所、今は年金機構になるかと思いますが、そこに届け出るということが義務付けられている。それをベースにして、毎月標準報酬月額の総額に対して料率を掛けて納めると。ですから、その納められている額が、個人が幾ら払っているかというのは、毎年定時決定するわけですから、それを直接的に幾ら払っているというのは、毎月は見えないにしても元をたどれば払っていることが分かるという、そういう状況になっているわけです。片や健康保険と年金はそうなっている。すなわち天引きになっているものが公的なところで把握されているということが言えると思うんですね。
 しかし、この労働保険の方、失業保険の方はそうはなっていないという、その部分ですね。歴史的な沿革もあるし、旧厚生省、旧労働省というところのセクションの違いもあったかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、今日的に見れば、特に厚生労働省と一緒になって、そして長妻大臣が年金で一生懸命取り組んでこられた消えた年金、消された年金のことがあったわけですけれども、これは、去年の一番雇用労働状況厳しきときには、やはりある面、消された失業保険というのがあったわけですね。結局、納付していたにもかかわらず、届出がなかったがゆえに二年までしかさかのぼれないと、本当であればもっと昔までさかのぼって百八十日なりもっともらえるものが九十日でとどまったというようなことが現実にあったと、そういったことになるわけでございまして、これは非常にやはり問題だと思います。
 そういった意味では、長妻大臣先頭に年金通帳というようなこともおっしゃったけど、ある意味ではこの失業保険の手帳もあって、いつ行っても自分がどう納付しているのか分かるような、そういったことがあってもいいし、失業したときにどこかへ行けば、ああ、おれはこれだけもらえるんだなということが分かるような、そういったことが今日的には可能であるし、またそういう方向性にしていかなければならないと私は思っております。
 そんな問題意識から、一月の予算委員会において長妻大臣に、今後のいわゆる納税者番号制度、政府決定によれば社会保障・税共通の番号制度ということですけれども、その導入に際して、また歳入庁の創設に際しては、その労働保険料についても把握の対象としてとらえて、本来のあるべき姿を追求していただきたいと、このように申し上げたわけですけれども、改めてこの点についての長妻大臣のお考え、決意をお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(長妻昭君) 今、雇用保険の保険料納付の管理の方法が年金等と違うという御指摘がありました。
 今、徴収についても、御存じのように、雇用保険料、労災、そして年金保険料、そして税金、別々のところで徴収をしているところでありますので、この歳入庁についても、できる限り徴収も一元化していこうということと、あとは今御指摘の社会保険・税制共通番号制度、これも今検討を進めておりますので、その一体的な議論の中で今御指摘の雇用保険料の扱いというのも、個人単位にするということも検討課題になるというふうに考えております。
#27
○辻泰弘君 あわせて、歳入庁のことをちょっと大臣にお伺いしておきたいと思うんですけれども、予算委員会でお伺いしましたとき、財務大臣は、社会保険庁が今変わったばかりで、いろいろ課題が進行しているので、その様子を見ていく必要があるのじゃないかと、納番制が先で歳入庁が後だと、こういったトーンでもあったと思うんですけれども、私はその折にも申し上げましたけれども、スウェーデンにおいて負担についての国民の不満が相対的に少ないのは、給付の面もあるけれども、負担の面においていわゆる納番制的なものがある、それから税と社会保険料の一体的な徴収ということでの信頼感がある、また消費税のインボイスがあると、こんなことがいろいろ言われているわけで、そういった意味で日本においても歳入庁という考え方を追求すべきだと、納番制と同時にですね、そのことをかねてより申し上げているんですけど、歳入庁について財務大臣はちょっとトーンが低いような感じもなきにしもあらずなんですけど、その点について厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(長妻昭君) 歳入庁については、私の考えは、この新しい年金制度がスタートする政権二期目以降、スタートするときまでには歳入庁は設置をする必要があるというふうに申し上げているところでございまして、基本的には、やはり番号の方が先に検討が進むというようなことになろうかと思いますけれども、基本的には一体の話でもあるというふうに考えております。
#29
○辻泰弘君 一体的に進めていただきたいと思います。
 それから、私がるる申し上げましたように、失業保険の保険料のやはり源泉徴収されておりながら公的記録がない、その部分はやっぱり根本的に、今日的に見ればおかしいことだと思っておりますので、是非、納番制、歳入庁創設の折にはそのこともしっかりと含めて御検討いただき対応していただきますように強くお願いをしておきたいと思います。
 次のポイントに移らせていただきますけれども、雇用保険二事業の失業等給付積立金からの借入れという今度の方針が一つあるわけですけれども、それに関連してまずお伺いしたいと思うんですけれども、私、今度の質問に当たりまして、改めて労働保険特別会計を拝見させていただいて、その中の雇用勘定を拝見させていただいて不思議に思ったといいますか、今まで自分が知らなかったということになるんですけれども、やはり雇用保険は失業等給付と二事業とで大きく分かれていて、失業等給付は労使折半の保険料で成り立っている、そして二事業については事業主負担で成り立っている、そして二事業において今の雇用調整助成金などが行われていると、こういうことになっているわけです。
 そして、こういう二つに大きく分かれているがゆえに、今回も一般会計から入れる、片やは入れられるけれども片や入れられないというロジックもあったし、貸し借りをするということもあったと私は理解していたんですけれども。しかし、予算書を拝見しますと、実は雇用勘定の中でこの二つの大きな事業が分類されていないと。どんぶり勘定と言っちゃなんですけれども、分かれていないということで、実質的な経理は区分されているはずですけれども、そこは大変意外に思ったわけでございます。
 そういった意味で、雇用勘定の中で失業等給付の部分と二事業の部分は予算上もしっかりと区分されているのが本来の姿じゃないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
#30
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 労働保険特別会計の雇用勘定における一般会計からの繰入れ対象経費につきましては、特別会計に関する法律第百一条第二項におきまして、雇用保険法第六十六条及び第六十七条に規定する求職者給付並びに同法第六十六条に規定する雇用継続給付及び雇用保険事業の事務の執行に要する経費、これを負担すると規定されているところでございます。
 このため、当該経費につきましては、予算書の大きなくくりである款あるいは項のレベルにおきましては、単に保険収入あるいは一般会計より受入れのみ規定されておりますが、より細かい区分でございます目の区分におきましては、求職者給付費等財源受入及び業務取扱費財源受入という歳入科目を規定し、雇用保険法の規定による求職者給付及び雇用継続給付に要する費用及び雇用保険事業の事務に要する経費に充てるための予算である旨を明記することによりまして、雇用保険二事業に一般会計からの繰入れが行われているかのような誤解が生じないように明確にこの区分をしているところでございます。
#31
○辻泰弘君 予算書を私も拝見したんですけれども、それは分かっている人から見ればここがこれなんだよということがあるかもしれませんが、しかし私は、ある面、素人が見たときに、失業等給付と二事業は根本的に違うと、今回のロジックはそうなっているわけですよね。そうでありながら、予算書を見てもその区分が全くないというのはやはりいかがかと思うわけでございます。
 そして、それは端的に、貸借対照表を見ますと雇用勘定で一本になっているわけです。今回は失業等給付から二事業に貸付けをするわけですから、だから本当はその部分がどう貸して、借りているのというのが分かっていて本来しかるべきことじゃないかと、このようにも思うわけですね。そういたしますと、やはり私は、雇用勘定は失業等給付と二事業は何らかの形で区分を経理したものが明示されてしかるべきじゃないかと、このように私は思っておるのでございます。
 すぐにできるということではないのかもしれませんが、大臣か副大臣か、やはりこのこと、私の指摘、間違ってたら言っていただいたらいいんですけれども、今回の法改正を併せて見るときに、雇用勘定が失業等給付の部分と二事業の部分が混然となった予算になっているという、これは私はやっぱり明示するといいますか、予算をより分かりやすくするといいますか、チェックをするという意味合いにおいても私はやはり手直しがあってしかるべきじゃないかと思うんですけれども、今後の課題として取り組んでいただきたいと、考えていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#32
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃるように、予算書の大きなくくりの項のレベルについては、単に保険料収入とか一般会計より受入れと、こういうふうに書いてあるわけでありますけれども、その下の目の区分では求職者給付費等財源受入とか業務取扱費財源受入とか、こういう形で、これは二事業に入っていないということが分かるわけですが、ただ、その上のレベルでも分かりやすく表示をすることができるかどうか、これについては研究をしていきたいと思います。
#33
○辻泰弘君 同時に、申し上げましたように雇用勘定の貸借対照表があるわけですけれども、それはもう一本になっているわけですね。だけれども、本当はそれぞれの事業で貸し借り今度するわけですから、それぞれがどうなってるのというのはあってしかるべきじゃないかと思っています。その点についても併せて御検討いただきたいということで申し上げておきたいと思います。
 そして、この借入れに関してちょっと確認をしておきたいと思うんですけれども、いわゆる二事業が足らないから借りるということになるわけですけれども、その二事業分についての今後の財政見通しをどのようにとらえていらっしゃるかということと、返済の方法についてどのようなことを想定されているのかということでお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(長妻昭君) この二事業の収支でございますけれども、御存じのように雇用調整助成金がかなり支出が、要件緩和もいたしまして増加をしております。平成二十二年度については、二事業については二千三百十一億円の単年度赤字の見込み、平成二十一年度については六千七百九十三億円の単年度赤字の見込みということで、赤字が平成二十年度から続いているということでございます。
 この本体の失業等給付から四千四百億円お借りをするということになっておりますけれども、景気を何とか早く回復をして、この二事業の収支が黒字になった段階でその部分から返済をしていくというようなことを考えているところであります。
#35
○辻泰弘君 雇用保険二事業の失業等給付積立金からの借入れについては一応ここで区切らせていただいて、次に雇用保険二事業の保険料率に係る弾力条項の発動停止に関してお伺いしておきたいと思います。
 今回は失業等給付の方から二事業が借入れをするということになるわけですけれども、その返済期間中に保険料はどう考えていくのかということなんですけれども、保険料を引き上げるという可能性もあるのかどうか、また、弾力条項を適用するということはあるのかどうか、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
#36
○副大臣(細川律夫君) その点につきましては、雇用保険二事業については、必要な雇用対策を実施をするとともに効率的な実施を図ることによりまして、保険料率を引き上げることはしなくて、できる限り早期の返済に努めるようにしていきたいと、こういうふうに考えております。
 なお、二十二年度におきましては、今般の改正法によりまして弾力条項の発動を停止をしているということにしておりますけれども、二十三年度以降においても、返済期間中は弾力条項による保険料率が引き下がるということはないというふうに考えております。
#37
○辻泰弘君 原則どおりでいかれると、こういうことだろうと思います。
 それからもう一点、弾力条項の在り方そのものについてお伺いしたいと思うんですけれども、弾力条項は失業等給付又は雇用保険二事業、両方に弾力条項があるわけですけれども、二事業の方は引下げのときだけ弾力条項があると。そしてまた、算式の結果自動的に引き下げるということになっていると理解しておりますけれども、いずれにしましても、両方に共通することですけれども、弾力条項があってそれなりに機動的にやるというメリットもあると思うんですけれども、一度下げるとなかなか引き上げにくいということがあろうかと思います。
 そのことは、かつて柳澤さんが大臣のとき、私はむしろ余り簡単に下げるなということを申し上げたこともあるんですけれども、そんなことを考えますときに、やはり将来の備えということがあるわけですから、そんなことも含めて今日の弾力条項の在り方について基本的にどのようにとらえていらっしゃるか、また、今後どのように対応していかれるか、このことについてお伺いしたいと思います。
#38
○国務大臣(長妻昭君) 一つは、保険料が上がる下がるというところについて弾力条項でその基準も明確にあらかじめお示しすることによって、これは事業主の御理解やある意味では多少の予測、保険料の将来的な上がる下がるの見込みもお示しできるんではないか、透明性も確保できるんではないかという趣旨で積立金と支出の割合によって弾力条項というのが規定をされているところでありますけれども、今のような御指摘も我々いただいているところでありますので、今後の雇用保険制度全体の議論の中での今の点は検討課題の一つだというふうには考えております。
#39
○辻泰弘君 また御検討いただきたいと思います。
 それで、次に二事業にかかわることで、職業訓練、能力開発、このことについてお伺いしておきたいと思っております。
 大臣も国会での答弁などで、職業訓練というのは鳩山内閣において非常に重要な位置付けであると、こういった御答弁もされているわけでございますし、私どもとしても、この厳しい雇用失業情勢が続く中、離職者、求職者に対する職業訓練というのは非常に大事であると、とりわけ我が国の基幹産業である物づくり産業においての国際競争力等を堅持していくという意味からも重要だと思っていますけれども、まず大臣に、職業訓練の今日的な評価、重要性、必要性、そのことについての御見解をお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(長妻昭君) この職業訓練は、やはりヨーロッパ諸国なども見ますと、日本の職業訓練というのは再構築する必要があるんじゃないかというような問題意識を持っております。
 やはり、企業にとって人件費は負担でありますけれども、優秀な職業訓練を受けた方を目の前にして、人件費は負担と考えずに投資だということで、そういう即戦力になり得るあるいは高度な技術を身に付けた方を雇うことによってその企業を、反転攻勢といいますか利益を更に増やしてその企業を立て直す人材として活用できるんではないかということで、採用を今年はしないと決めていた企業が、そういう人材を目の前にして採用をして企業がその人材によって再生をしていくと、こういうような人材を育成する職業訓練という考え方をもっと推し進めて、地方、国、民間、この三つの役割分担をめり張りを付けて進めていくということで私は強化をする必要があると考えております。
#41
○辻泰弘君 今おっしゃったことにもかかわるんですけれども、いわゆる国が行う職業訓練、また都道府県、地方自治体が行う職業訓練、また民間が行う訓練と、それぞれあり得ると思うんですけれども、その辺をどうやって機能分担といいますか役割分担をしていかれるのか、そういった基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。
#42
○副大臣(細川律夫君) 国、それから都道府県、そしてまた民間と、それぞれこの職業訓練しっかりやっていかなければいけない、そしてまた連携もしなければなりませんが、まず国の方につきましては雇用のセーフティーネット、これを全国的にかつ機動的にしっかりと離職者訓練ができるように、そしてまた国がやることにつきましては、高度の設備などが必要なそういうスケールメリットを生かすことができるような、そういう高度の物づくりの方でこの在職者訓練、学卒者訓練を国の方でやるというような役割。それから、他方、都道府県におきましては、やはりそれぞれの地域におけるいろいろな産業なども違いますから、地域の人材ニーズに応じた職業訓練をしっかり役割分担で行っていくということであります。
 そして、都道府県におきましては、いわゆる産業の使用者側あるいは労働者、そしてまた都道府県と、そういう協議体をつくりまして、訓練が重ならないようなそういう工夫もいたしまして、そこで訓練ができるようにということでやっております。
 そして、民間については、これはもう委員も御承知のように、特に介護とかあるいは情報分野とかそういうところに積極的に民間で職業訓練をお願いをして、そして委託推進も強くしているところでございます。
 いずれにしても、そういう国と都道府県、そして民間が連携をして職業訓練をしっかりやっていくということが大変大事なことだと考えております。
#43
○辻泰弘君 職業能力開発、職業訓練に関連してもう一点お伺いしたいと思うんですけれども、先般、独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律案というのを閣議決定されたと思いますけれども、個人的には雇用・能力開発という言葉が消えるのはちょっと寂しいような気もするところがあるんですけれども。
 それはともかくといたしまして、機構が新たに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構という名称になるやに聞いておりますけれども、そこでお伺いしたいのは、新しい機構に移管されて後の職業訓練に対して、国、また二事業ですね、一般会計もあり得るわけですから両方あると思いますが、それがどのようにかかわっていくのか、どういった形で取り組んでいかれるのか、その方針についてお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(長妻昭君) やっぱりこれを機に職業訓練の考え方を見直して強化をすると、めり張りを付けて強化をするという方向性を打ち出したいと思います。やはり国の役割は、全国の必要な職業訓練のレベルアップを図っていく、あるいは全国で職業訓練の先生として活躍される方を例えば定期的に集めてそのスキルを更に向上するようなそういう研修をするなどなどに責任を持って取り組むということであります。
 実際に平成二十一年度と二十二年度を比べますと、職業訓練の定員というのが三十二万人から四十三万人に増やすというようなことで力を入れてまいるところでありまして、民間にお任せする部分も増えますし、地方やあるいは企業のオフJTということでお任せする部分も増えるということで、実際の現場での職業訓練については地方や企業、民間にお任せをしていく部分は増えますけれども、やはり国として全体の職業訓練のレベルアップをすると。これは文科省とも今連携をした勉強会を立ち上げておりますので、文科省とも協調しながら職業訓練の重要性を更に訴えていきたいと思います。
#45
○辻泰弘君 是非そのような思いで国としての役割も果たしていただきつつ、職業訓練についても進めていただきたいと、このように要請をしておきたいと思います。
 最後のポイントでお伺いしたいと思います。いわゆる未払賃金の立替払制度ですけれども、これは雇用保険ではなくて労災勘定にかかわるものでございまして、労災の保険料で、倒産した場合に、失業した場合に、その方に未払の賃金、退職金があればそれを立替払するという、私はいい制度だと思っていますけれども、これを、失業給付と同時に大いなるセーフティーネットの機能を果たしていると私はかねがね評価しておりました。既に平成十四年には額が引き上げられたということもあったんですけれども。
 それで、まず、最近の未払賃金立替払制度の事業の実施状況について、御説明をいただきたいと思います。
#46
○政府参考人(金子順一君) 未払賃金の立替払制度でございますが、今議員から御指摘がございましたように、企業が倒産した場合に未払賃金がある、その一部を政府が事業主に代わって立替払をする制度でございます。セーフティーネットとして大変重要な機能を持っている制度だと私どもも認識をしているところでございます。
 最近の実施状況でございますが、平成二十一年度、四月から十二月までの三四半期、ここにつきまして支払実績が出ておりますが、御紹介させていただきますと、支給者数が五万二千六百人、立替払の総額が二百六十一億九千万円、こういった数字になっております。対前年度比で見てみますと、支給者数で三七・七%の増、立替払額は五四・三%ということで大幅な増となっておりますが、これは、御案内のとおり、平成二十年秋以降の景気の急激な後退に伴いまして大変支払額が増えているということでございます。
 なお、最近の、直近の動きを見てみますと、増加幅はかなり減少してきておりまして、落ち着きつつある動きを見せているというふうに見て取ることができるのではないかと考えております。
#47
○辻泰弘君 最近の推移についてはお話ございましたように若干落ち着いてきているというところはあろうかと思いますけれども、しかし毎年増えてきているということも事実でございます。とは申せ、平成十四年のときに四百七十六億というふうな額から見ますと、それほどのところには行っていないということも現実でございます。
 ただ、申し上げたいと思いますことは、平成十四年に改正があって、例えば三十歳未満であれば七十万から百十万への引上げ、三十歳から四十五歳未満は百三十万から二百二十万、四十五歳以上は百七十万から三百七十万ということで、上限額の引上げということがなされたわけですけれども、時日も経過しておりますので、やはりそれが今日的に妥当な水準であるかどうか、引上げというものを考える必要はないかということを常にチェックしておくべきだと思うんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#48
○政府参考人(金子順一君) 立替払の対象となります未払賃金は、これは退職の前の六か月間の定期給与とそれから退職金が対象になります。そういうことで現在一定の限度額を設けさせていただいているわけですが、議員から御指摘がございましたように、平成十四年度に大幅な引上げをしております。四十五歳以上の方ですと、それまで百七十万円が立替払の限度だったわけですが、これを三百七十万円まで引き上げたということでございます。
 この引上げの考え方でございますが、対象となる倒産、法律上の倒産もございますが、いわゆる事実上の倒産というのが中小企業には大変多うございまして、この中小企業に多い事実上倒産した場合に、できるだけそうした方々の未払賃金がこの限度額でカバーできるようにしようというのが考え方でございます。
 現在、三百七十万円の上限で、この事実上の倒産の場合どんな状況になっているかと申し上げますと、見直し後から平成二十一年十二月末までの状況で検証してみますと、中小企業からの退職者、事実上の倒産の場合ですと九七%の方がこの限度額の範囲に収まっております。そういうことでございまして、当初想定をしていた運用がなされているのではないかというように承知をしているところでございます。
 御指摘がございましたように、制度については常に運用実態を把握しながら検証していくということが大事だろうと思っておりますので、その点心得て今後とも検討してまいりたいと思っております。
#49
○辻泰弘君 今お話ございましたように、平成十四年のころと大体同じ程度にカバーをされているという状況だと思いますので、それは当面の状況としてはこのままいくということならそれは一つの理屈だと思いますので。ただ今後ともその点については注視をしていただいて、やはり機動的な対応を求めておきたいと思います。
 そして、冒頭申し上げましたように、私はやはりこれは非常に大きなセーフティーネットで、本当に倒産、失業された方にとっては非常に大きなセーフティーネットだと思っていますので、この点についてはやはり十分な認識をお持ちいただいて今後も対応していただきたいと思うんですけれども、この制度についての評価、また今後の対応について、改めて副大臣からお答えをいただきたいと思います。
#50
○副大臣(細川律夫君) 労働者が働いて賃金をもらうと、こういう当たり前のことの賃金が未払になるということ、これは労働者にとっては大変なことでございます。そのときに、倒産とか、あるいは事実上の倒産もありますけれども、実際にもらえないというときに国が代わって支払うというこの立替払制度というのは、賃金によって生活をしている労働者、家族にとっても大変重要なセーフティーネットになっているものだというふうに思います。
 そういう意味では、この制度を迅速に、そして適正にしっかりと運用されるということがまずは大事かというふうに思います。そう心得てしっかり進めてまいりたいというふうに思います。
#51
○辻泰弘君 私はいつも思うんですけれども、政治というのは人間の幸せの追求であると私は思っております。そして、働くという字は、労働の働という字ですけれども、にんべんに動くと書くわけでございます。そのことの意味は、人が動けば働くことになる、働くというのは人間が動くことだ、基本的なことであるということを意味しているというふうに私は思っております。
 そして、人の一生を考えるときに、人の一生の中で、また日々の生活の中で働くということがどれほどウエートを占めているか。多くの方は働くことによってなりわいを得て生活をしている、暮らしをしている、家族共々幸せをつくっている、こういったことの根本を成す働くということでございまして、人間の幸せを追求するという政治の使命、それを貫徹する上で、やはり働くという部分をどれほど幸せ度が高められるかというのが実は政治の大きな課題だと私は思っております。
 ですから、労働条件を向上する、また労働環境を改善する、そういった一環で法律的な対応もする、そのことが極めて重大だと思っております。そういった一環として今回の立法もあったと思いますし、派遣労働の改正なども今後予定されていると思いますけれども、人間のための経済社会を掲げた鳩山内閣でございます。また生活第一の政治を掲げて長妻大臣を先頭に今日まで頑張ってこられましたけれども、今後ともその決意を持って厚生労働行政、人間の幸せを追求する、その思いを込めて頑張っていただきますように御祈念申し上げまして、また御期待を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#52
○石井準一君 自民党の石井準一でございます。
 民主党、鳩山政権の目玉政策であります、これを具体化する子ども手当法案が二十六日に成立をいたしました。国会審議におきましては、二〇一一年度から目指す満額支給二万六千円の財源確保のめどが立っていないことや、外国人子弟の扱いなど支給対象をめぐる制度の不備が様々問題視され、指摘をされました。
 そうした課題を残したままの運用となるわけでありますが、我々野党は国会審議で財源問題を追及をし、鳩山首相自身も参議院のこの厚生労働委員会の答弁において非常に歯切れも悪かったことを印象しておるわけであります。財源に関しましては、二〇一〇年度も大変に苦労したと、子供の将来に負担になって戻ってくることのないよう一一年度以降も歳出を削減する努力の中で見出していきたいというような答弁をなさっておりました。明確な財源確保策を提示をできなかったということは非常に問題があると思うわけでありますが、マニフェストに掲げた満額支給の方針は崩していないという意向も示されておりました。また、向こう三年間の歳出と歳入の見通しを示す中期財政フレームを作成する六月までに結論を出すと強調もされておりました。
 また、菅財務大臣は、子ども手当の支給をめぐる試算をする意向も明らかにしております。マニフェスト実行が難しいときにはどれぐらいなら税との関係がどうなるのか、待機児童を早急になくす形で財政を生かすにはどうしたらいいのか、いろいろなケースを想定しながら対応していきたいというふうに述べられております。
 ほかの子供施策の充実をすることで政策効果を生み出せるならば支給額云々という発想も見え隠れするわけでありますが、改めまして長妻厚生労働大臣に、こうした様々な問題を抱えております子ども手当法案、一一年度以降の制度設計の段階で検討していきたいという答弁も度々伺ったわけでありますが、法律が成立をし、運用が決まった以上しっかりと取り組んでいただきたく、改めて子ども手当法案の運用に対する決意をお聞かせいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(長妻昭君) まずは、この委員会でも申し上げましたけれども、これまで後回しにされがちだった子供に対する予算について、子ども手当という一定の規模のものをお認めをいただいたということで、まずは第一歩を踏み出せたということでございます。
 そして、今いろいろな御議論の論点を御指摘いただきましたけれども、やはり財源の件につきましては、これは政府全体で、子ども手当以外でもいろいろな政策がございます。これについては、今おっしゃっていただいた中期財政フレームの中で、将来の財政規律も含めてどうあるべきかということも御提示をしようというふうに考えております。
 そして、運用の件でございますけれども、外国人の件においてはるる御指摘をいただきまして、今、法律を成立いただきましたので、地方自治体とも、御意見を聞きながら、新たな事務の取扱い、平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律における外国人に係る事務の取扱いについてというような通知を出すべく、今この文書の見直し等々をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、国民の皆様方へのメッセージとして、子供を育てる御家庭あるいは子育てについては国全体でスローガンだけではなくて具体的に応援をするんですと、こういうようなメッセージをこの法律で送ることができたんではないかと考えておりますが、その趣旨については、お子さんを持っておられない方についても御理解いただくべく今後広報にも努めていきたいというふうに考えております。
#54
○石井準一君 子ども手当法案は一応成立をいたしました。我々野党におきましても、成立した以上、この運用をしっかりと見定めながら、やはり議論をしながら、次年度の新しい制度設計に対しましては、我々野党が指摘した部分に対しましても謙虚に受け止めていただく中で反映をさせていただくことを改めてお願いを申し上げる次第でございます。
 先ほど辻委員からも、政治はやはり国民の幸せを追求するためのものだというような発言がなされました。大臣、大臣室に正徳利用厚生惟和という書が額で飾られているのを御存じでしょうか。
#55
○国務大臣(長妻昭君) あのとき大臣室に入ってそういう書があるということを初めて知りまして、その意味も調べたわけでございますけれども、これは厚生労働省の命名の由来にもなったということで、厚生というものがございまして、これは世界最古の書、五経の中の書経という書であります、それが飾ってあるわけでありますが、その中の厚生、民の生活を厚かにすることという文字がございまして、それが厚生省の由来になったというふうに聞いております。
#56
○石井準一君 まさしく大臣が今述べられたとおり、厚生というこの字の重さ、国民の生活を厚かにする。また、徳こそ政治を善くするものであり、その政治とは人民を養うことを目的としておると。人民を養うためには、様々な物資を生み出すもとである水、火、木、金、土、穀の六つの蔵の事業がよく治まり、君主自身の徳で感化して人民の徳を正すこと、物資の流通を良くして国民の使用を便利にすること、及び国民の生活を厚かにする、この三つの事業がよく調和をしていなければならないという意味であると私も調べさせていただきました。
 よく厚生労働省は巨大な省庁となったと。政策的一般歳出の五〇%を新年度は超える巨額の予算を持つ省庁であります。再編に向けての分割論もよく出てくるわけでありますが、私は改めて、この国民の生活を厚かにする、この厚生という言葉の意味を我々委員もしっかりとかみしめながらやはり議論をすべきであるというふうに思っております。
 そういうことを大臣にお願いをしながら、大変な省庁のトップリーダーでありますので、その責務をしっかりと全うしていただくことをお願いを申し上げる次第でございます。
 続きまして、法案の質疑に入らせていただきたいと思います。
 国民の生活が第一とマニフェストにうたい、三党政策合意には、雇用保険をすべての労働者に適用とされております。
 事業主の下で二十時間以上働いていない労働者の生活は第一として保護されないのかどうか、まずお伺いをしたいと思います。
#57
○国務大臣(長妻昭君) 労働者の保護ということでもございますけれども、労働者についてはいろいろな法律でその記述がございますが、労働基準法では、職業の種類を問わず、事業又は事業所に使用される者で、賃金を支払われる者、労働組合法では、労働者とは、職業の種類を問わず、賃金、給与その他これに準ずる収入によって生活する者というふうにはございますけれども、そういう労働者の方々が本当にその権利が守られ、その責務が果たせるようなサポートをするということであります。
#58
○石井準一君 民主党のマニフェストでは労働者に何の限定も加えておりません。法令上は、今大臣が述べたような、職業の種類を問わず、事業主又は事業所に使用されて賃金を払われる者であると、まあ組合法は別といたしましても。ならば、民主党による労働者の定義とは何か。すべての労働者の定義について改めてお伺いをしたいと思います。
#59
○国務大臣(長妻昭君) この民主党のマニフェストに記述をしておりますのは、雇用保険制度に関しての記されたこの労働者といいますのは、自らの労働による賃金で生計を維持している労働者というふうに考えております。
#60
○石井準一君 民主党のマニフェストの中では、すべての労働者に適用される全国最低賃金を設定する、また、すべての労働者が一人一人の意識やニーズに応じて、やりがいのある仕事と充実した生活を調和させることのできるワーク・ライフ・バランスの実現を目指すとしております。ならば、国民の理解では、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者が労働者であるというわけでありますが、このような者がすべて雇用保険に適用にならないとマニフェストの表現とのそごを来すのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#61
○国務大臣(長妻昭君) 先ほども申し上げましたように、この雇用保険制度に関して言えば、自らの労働による賃金で生計を維持している労働者ということを対象、そのすべての労働者と、今申し上げた方々ということでございますが、例えば大学生でアルバイトをして生計をその賃金で維持をしていない方まで雇用保険の適用を広げていくというのは、負担と給付の関係でいろいろ議論があると思います。その意味で、今申し上げたような労働者ということを規定をして、そのすべてということを申し上げているところであります。
#62
○石井準一君 民主党のマニフェストでは、一つの事業主の下で週二十時間以上の労働でなければ労働者ではないとは書かれておりません。それではなぜ、複数の事業主の下で働かざるを得ないマルチジョブホルダーへの適用、これはどのように理解を示しているのか、お伺いをしたいと思います。
#63
○国務大臣(長妻昭君) 今のマルチジョブホルダー、例えば、これは今大変生活が苦しいというようなことで、昼間働かれておられる、しかし夜、例えば居酒屋さんでも働くということで、二か所で働く大変過酷な勤務状況の中でお金を稼がざるを得ない方々というのがおられるということは認識をしております。そういう方々について現時点の対応といいますのは、例えば二か所で働いておられる場合は、どちらか勤務時間等が長い主たる事業所、そこで雇用保険に入っていただいて対応すると、こういうような考え方となっております。
#64
○石井準一君 それでは、このようなマルチジョブホルダーについて百七十一回国会で提出された民主党の案では、附則に三年以内の検討条項が盛り込まれておりました。この案そのものは撤回され、閣法が成立したものの、参議院厚生労働委員会では附帯決議で検討条項が盛り込まれました。後退しているのではないかというような判断もありますが、その辺の見解はいかがでしょうか。
#65
○国務大臣(長妻昭君) これは、マルチジョブホルダーの方々についても今後も検討する課題があるというふうに認識をしております。
 一つは、二か所で働いておられるわけで、今はどちらか一か所の主たる事業所での雇用保険ということになりますけれども、じゃ、例えばその二つで働いているところを、勤務時間、賃金も合わせて一つとみなすということはできるのかできないのか。あるいは、このマルチジョブホルダーの方が、二つで働いていたけれども一か所で辞めることに、雇い止めになったと、もう一か所では働いている、そのときに、今現在は主たるところを辞められた場合は失業保険が出ます。もちろん従たるところで働いている賃金を差引きした失業保険が出るということになっておりますけれども、そういう考え方は今後とも見直す必要がないのかあるのか。いろんな論点がございますので、こういう新たなというか、大変景気が厳しい中でこういう働き方がございますので、それについてどう対応するか。
 今の時点の対応というのは一定のものがあるわけでありますけれども、それで十分なのか不十分なのかというのは今後の検討課題であるというふうに考えております。
#66
○石井準一君 それでは改めまして、複数の事業主の下で十九時間ずつ働きそれぞれから賃金を得て生活している者は労働者という定義には当てはまらないのでしょうか。
#67
○国務大臣(長妻昭君) 今のお尋ねでございますけれども、事実関係を調べる必要はあると思うんですけれども、今のお尋ねのとおりの実態だとすると雇用保険上は適用されないということになるのではないかと思います。
#68
○石井準一君 雇用保険の失業等給付の意義。それならば、なぜ事業主単位で労働時間を把握するのか、お伺いをしたいと思います。
#69
○国務大臣(長妻昭君) これは、先ほども複数の仕事を持っておられる方の論点はあるというふうに申し上げた中で、二つの事業所で働いておられる、従たる事業所、主たる労働の事業所ということで、今は主たる方を中心に考えているところでありますけれども、それを合算できないかどうかということも先ほどの論点のところで申し上げたところでございますけれども、そういうことについても実態を調査をして、検討課題として我々は議論していくということにしております。
#70
○石井準一君 是非とも検討をしていただく中で、こうした方々にも適用ができるような措置をとっていただきたいと思います。
 適用拡大の効果について、改めてお伺いをしたいと思います。
#71
○国務大臣(長妻昭君) 適用拡大の効果ということでございますけれども、この今お願いをしている法律につきましては、三十一日以上の雇用見込みということもございます。その中で、我々は一定の推計を置いて、それによって従来よりも何人の方が雇用保険に新たに加入できるようになるのかということを推計をいたしますと、約二百五十五万人の方が新たに、非正規雇用の方が加入できるのではないかというふうに考えております。
#72
○石井準一君 受給に必要な期間を維持したままで必要な雇用見込み期間を三十一日以上にまで緩和する理由、また二十年末に民主党から提出された法案でも、見込み期間を三十一日以上とする一方で、自己都合離職者も含め受給に必要な被保険者期間を一律離職前一年間のうち六か月間とするにとどまり、自民党などから掛け捨ての問題の指摘に答弁がなかった経緯がありますが、どのように説明をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事小林正夫君着席〕
#73
○国務大臣(長妻昭君) これ、先ほども辻委員の方からも御質問をいただきましたけれども、掛け捨ての問題でございます。
 離職前一年間の間に雇用保険の被保険者期間が六か月以上ないと失業保険出ないということでございますけれども、これについては当然合算ができますので、三か月働き、もう一回三か月働いたと、過去一年の間に、ということであれば、それは受給資格が出てきます。
 そういう意味では、これまでは六か月以上という雇用見込みでございましたけれども、そういう合算ができるにもかかわらず、例えば二か月の雇用見込みの方はこれまで雇用保険に入ることができなかったというような問題もございましたので、三十一日以上の雇用見込みということで緩和をさせていただいております。これによって、先ほど申し上げましたような人数の方が非正規雇用で雇用保険に加入できる、そして、今おっしゃったような離職前の一定の期間の合算でもいいわけでございますけれども、被保険者期間があれば受給ができるということで、一定の方については失業保険の適用拡大になるというふうに考えております。
#74
○石井準一君 週二十時間以上という適用要件を、この枠をなぜ法律上明記をされ枠を維持するのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#75
○国務大臣(長妻昭君) これも先ほど、冒頭申し上げましたように、自らの労働による賃金で生計を維持している労働者ということを対象とさせていただくということでその二十時間という要件も、これは従来からも付いている要件でございますけれども、それを踏襲をしているということでございます。
 例えば、本当に、さっきも例を申し上げましたけれども、大学生のアルバイトの方が、当然それで生計を維持されている方もいらっしゃいます、大学生のアルバイトの方でも。ただ、そうではない、非常に短時間で働いておられる方もいらっしゃるわけでありまして、そういう意味で週の一定の時間の要件を付けさせていただいて、これ給付と負担ということで、当然払う保険料よりも今回の緩和によっても更に多くの給付費が発生をするということになるわけでございますので、そういう負担と給付の関係も勘案をするとその二十時間要件というのは踏襲する必要があるということで今回踏襲をし、かつ法律にも書かさせていただいているということであります。
#76
○石井準一君 民主党が第百七十一回国会に衆議院に提出した雇用保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案では、附則の第八条で、政府は、この法律の施行後三年を目途として、同時に二以上の事業主の適用事業に雇用される労働者についてそのすべての適用事業における雇用関係を包括し、雇用保険を適用する制度に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると検討条項が置かれておりました。この案は後に撤回をされ、閣法が修正可決されましたが、その際には参議院の厚生労働委員会の附帯決議で、「いわゆるマルチジョブホルダーについて、雇用保険制度の適用・給付に向けた検討を行うこと。」とされており、これはもちろん民主党も賛成をしておるわけでありますが、今回の改正案は、先ほども質問いたしましたように、マルチジョブホルダーへの対応はない、さきの立場から後退しているのではないかという質問を私もいたしました。
 労政審では議論が先送りされているが、そもそも労政審で労働者代表として入っている者は組合代表であり、このような非正規層の利益を代弁しているとは到底言い難いと思うわけでありますが、週二十時間以上という理屈は理屈で分からないわけではありませんが、それではなぜ一つの事業主の下でなければならないのか、その辺をお伺いをしたいと思います。
#77
○国務大臣(長妻昭君) これは先ほども申し上げましたけれども、今は主たる事業主ということを着目をして雇用保険の関係を、あるいは制度を見ているということでありますけれども、今、労政審、労働政策審議会の話もございましたけれども、その場でマルチジョブホルダーの方にかかわる雇用保険の適用の在り方については議論を進めていく、今私が申し上げたような論点も含めた議論を進めていくということをやってまいりたいと思います。
 そして、この労働政策審議会でございますけれども、基本的には国際的規約でありますILOの規定においても、労働関係の制度については政府単独で作るんではなくて、労働者の代表、そして使用者の代表とよく協議をするということが一つの前提となっておりますので、その場が労働政策審議会というところであります。
 そして、代表制ということでございますけれども、その労働側の代表の方は当然、自分が所属する、仮に労働組合に入られているとすれば、その所属する労働組合だけの話の代表ではございませんで、働く方全体の代表というようなことで発言をしていただいているものだと、あるいは発言をしていただかなくてはならないというふうに考えております。
#78
○石井準一君 それでは、労働政策審議会の労働者代表で非正規労働者の利益はだれが代弁しているのか。公益委員に頼るしかないのでは正規、非正規が余りにも不均衡ではないかという指摘がありますが、その辺はいかがでしょうか。
#79
○国務大臣(長妻昭君) 確かにこれまでの政権の中で労働の規制緩和というのが私はかなり進み過ぎたというふうに考えておりまして、その中で非正規雇用の方々の意見が通らなかったということはあったと思います。
 我々は、今回またお願いを申し上げる労働者派遣法の改正案もございますけれども、この労政審、審議会に、政治主導で派遣法を規制をして、そういう非正規雇用あるいは派遣の方についてもきちっとその立場を守っていくということをお願いをしているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、労働側の代表も、自らの組合に所属されているとすれば、その利益だけではなくて、これはもちろんそういうふうに心掛けておられると思いますけれども、非正規雇用も含め働く全体の代表であると、こういう御認識を持っていただきたい。そして、もちろん公益委員の方についても、派遣村というのは社会問題にもかつてなったわけでございますので、そういう社会の変動等も含めた御発言、御意見をいただきたいということを申し上げておりますので、一定のそういう非正規雇用の方々に対する代弁と、あるいは御意見というのも出していただいているというふうに考えております。
#80
○石井準一君 今の件は、大臣から前向きな答弁をいただきましたので、是非ともそうした検討、意見をくみ上げていただきたいと思うわけであります。
 従来の民主党案では派遣労働者への適用拡大が明記をされておりましたが、今回は対応されていないと。登録型派遣労働者ももちろん賃金により生活を維持する労働者たり得ることは異論ではないと思うが、今回の適用拡大ではどのようにカバーをしていくのか、改めてお伺いをしたいと思います。
#81
○国務大臣(長妻昭君) 今登録型派遣についてお尋ねがございましたけれども、これについては、この後またお願いをいたします労働者派遣法改正案の中でも原則禁止にさせていただくわけでございますけれども、この登録型派遣あるいはそれ以外の派遣につきましても、もちろん派遣事業者が派遣の方を当然直接雇用するわけでありますので、その直接雇用に関して三十一日以上雇用見込みがある場合は派遣事業者が雇用保険をその方に適用しなければいけないというようなことでございますので、基本的には、その関係においては非正規雇用、直接雇用と変わりはありません。
#82
○石井準一君 それでは、雇用保険制度の趣旨について改めてお伺いをしたいと思います。
 そもそもの制度の趣旨と、それを踏まえた被保険者の条件について大臣に見解を伺いたいと思います。
#83
○国務大臣(長妻昭君) 制度の趣旨は、やはり働いておられる方が、自己都合もございますけれども、雇い止めあるいは解雇ということになって、やはり生計を維持している労働者の方でございますので、それはすぐに直ちに全く収入がなくなってしまうということになりますと、それはその次のセーフティーネットとしては生活保護ということになるということがあるわけでございます。そうではなくて、その中間に、失業された方も、前の職で得られたお給料の一定額を保障することによって次の就職先を探していただく、そういう基盤をつくると、こういうような意味合いがあるというふうに考えておりまして、その意味で、その部分を拡大することによって生活保護と雇用保険のすき間を埋めていくというのがもう一つの今回の法案の趣旨であるというふうに考えております。
#84
○石井準一君 パートタイム労働者の離職率は一般労働者の約二倍であると聞いております。厚生労働省の試算では、今回の適用拡大により、平年度で保険料収入が三百六十億円入る一方で給付は千八百七十二億円の支出となり、差引き一千五百十二億円の支出超過が見込まれると言われております。
 そもそも保険料率が千分の二十から十二の間で定められているのはどの程度の離職者を想定しているのか、保険の制度を見直す必要はないのか、お伺いをしたいと思います。
#85
○国務大臣(長妻昭君) 今の保険料率のお話だと思いますけれども、これについても積立金の議論の中でいろいろなシミュレーションというのをさせていただいているところであります。かつては、平成十四年にかなり失業保険を受けられる方が増えまして、これは政府のある意味では失態とも言えるかもしれませんけれども、年度の途中で保険料率を上げざるを得なくなった、こういう不測の事態が発生したということがありまして、こういうことはあってはならないわけでございます。
 今回は保険料率を〇・八%から一・二%に引き上げさせていただいておりますけれども、これについても弾力条項というのがございまして、本来は一・六%に、倍に上がるところを一・二%にとどめるというようなことにさせていただいているところでございまして、不測の事態が起こらないように我々としても、雇用のパイを広げる新成長戦略に全力で取り組むというのは当然でありますけれども、雇用の政策、下支えの政策にもこれからも十分怠りなきよう取り組んでいきたいと思います。
#86
○石井準一君 それでは、事業主の事務負担が過重になるのではないかという指摘が再三ありますが、その件について改めてお伺いをしたいと思います。
#87
○国務大臣(長妻昭君) この雇用保険あるいは雇用調整助成金についても、事業主の事務手続がいろいろ多過ぎるんではないかというような御指摘をいただいているところであります。
 来月から、この雇用保険につきましては、予定をいたしておりますのは、今まで資格取得届出時の確認書類というのは、事業主から提出を義務付けていた以下の書類については原則提出不要としようと考えております。その書類は、雇用契約書、賃金台帳、労働者名簿、あるいは就業規則等、これについては来月から原則として提出不要とする方向としておりまして、これをきちっと周知をしていきたいと思います。
#88
○石井準一君 今答弁をいただきました。また、本会議での西島委員の質疑にも同等の答弁をいただいておるわけでありますが、ならば、悪質な適用逃れがこのような静的な善意に訴える対策で本当に防止をできるのか、もっと能動的な対策が必要ではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#89
○国務大臣(長妻昭君) 適用逃れでございますけれども、三十一日以上に見込みが拡大したことで、当然その方を雇用保険に入れると事業主負担が発生する、それは困るから、法律は三十一日見込み以上だけれども、その方を雇用保険に入れないでおこうと。仮にそういうようなことを思われる事業主がおられ、かつ実際に適用を逃れていくということはあってはならないということでございまして、それについては十分我々も情報収集をして、厳正にそういうことがあれば指導するということは徹底をいたします。
   〔理事小林正夫君退席、委員長着席〕
 そして、知らないということがあってはなりませんので、三十一日以上ということが。これについては、今準備しておりますのは、すべての雇用保険適用事業所について、これ、はがきをすべてに送ろうというふうに今考えております。五月下旬ごろ全適用事業所約二百万事業所に、法律が成立をいただければの話でございますけれども、はがきを送る、あるいは、はがき以外でも、ホームページも含めいろいろな、ハローワークも含め広報を十分怠りなきようしていきたいと考えております。
#90
○石井準一君 今大臣の方から適用逃れについて、はがきを出す、サイトで周知するというような対策が紹介をされました。被保険者届を怠ると罰金三十万円、懲役六か月となっているとはいえ、実際には、指導に応じて届出をすれば発動されることはないと聞き、抑制効果は低いのではないかと思いますが、この際、しっかり取り締まる旨の周知をすべきではないかと思いますが、改めて見解をお伺いをしたいと思います。
#91
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、これは、一定の要件であれば罰則がかかるんですということも申し上げながら、労働者からの申出等により適用逃れを把握した場合、いろいろな情報収集しておりますので、そういう申出をいただいて事実が確認した場合は、これはもう厳正に指導するということでございますので、仮にそういうことがあれば、働く方からも情報を是非いただきたいと、こういうようなことも今後周知をしていきたいと思います。
#92
○石井準一君 悪質な行為に対しましては、しっかりと周知徹底をして、取締りをしていただきたいと思います。
 次に、料率の引上げにより企業や国民はどれぐらい負担増となるのか、お伺いをしたいと思います。
#93
○国務大臣(長妻昭君) 例えば、今回でございますけれども、三十万円の月収であれば労使共に六百円、一か月、値上げということになると思います。
#94
○石井準一君 その辺はまた後で丸川先生辺りからも質問していただきたいと思いますが。
 失業等給付の積立金の残高は二十二年度末には幾らになると見込まれているのか、仮に二十二年度も保険料率を千分の八とした場合、積立金残高はすぐに枯渇するのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#95
○国務大臣(長妻昭君) この二十二年度末が幾らの積立金になるかというのは、これは今突然のお尋ねですので、すぐ資料を出してお答えをしたいというふうに思います。
 そして、枯渇、すぐするのかということでございますけれども、それはすぐに、来年枯渇するということにはならないと思いますけれども、平成十四年度の例を先ほども申し上げましたが、あのときも、その数年前には四兆円以上積立金があったと思います。それが急速に枯渇をして、結局年度途中で保険料を上げざるを得なくなったと、こういうようなことがございますので、ある意味では、危機管理の面からいっても、今の積立金の水準を維持をしていこうというふうに考えているところであります。
 今のお尋ねは、平成二十二年度については積立金残高が三兆九千七百九十九億円になる見込みとなっております。
#96
○石井準一君 今年の経済見通しを見ても、雇用者報酬は更に減少する見込みであります。こうした中、政府は、雇用保険を始め、健康保険、厚生年金保険、介護保険の引上げを行おうとしているのであります。年収三百七十万の勤労者世帯で年間四万円の負担増となると言われております。マクロベースで見ても、雇用保険五千億円、協会けんぽ八千億円など、二兆円を超える社会保険料の負担増となると言われておりますが、改めまして、国民の生活が第一、上がるのは雇用保険の料率だけではない、国民負担率で見ると社会保険料の負担だけでも二兆円以上の増加となっていますが、この辺の見解をお伺いをしたいと思います。
#97
○国務大臣(長妻昭君) この保険料につきましては、先ほど申し上げましたような弾力条項で一定の抑えをするということ、あるいは、今協会けんぽのお話もございましたけれども、これについても国庫負担を投入をしてその上昇を抑えていく、後期高齢者医療制度の保険料も抑える算段をいたしまして、でき得る限り上昇が過度にならないように抑えていくという取組はこれはもう必要だというふうに考えております。
 ただ、その一方で、一般論としては、増大する社会保険料あるいは給付費でございますけれども、こういうものに対応するために一定の保険料上昇というのはこれはもうお願いしなければならないというふうに考えておりまして、過度な部分は本当にできる限りその上昇が生活に大きな影響を及ぼさない、そういう考え方の中で我々としては一定のものについてはお願いをしていくという立場であります。
#98
○石井準一君 それでは、雇用調整助成金の支給状況、効果、今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。
#99
○国務大臣(長妻昭君) この雇用調整助成金でございますけれども、効果といたしましては、これはもう御存じのように、社内で休業をされるという方に対する休業補償、一定のものについて補助するというものでございます。雇用調整助成金が仮になければその方々というのは会社の外に出て失業者となるわけでございますので、恐らく失業率というのも上がってしまったんではないかということで、非常に重要な、有効な働きをしているというふうに考えているところであります。
 今現在は利用者の方々が二百万人を切っておりまして、この平成二十二年度の予算額については七千二百五十七億円というようなことで、若干ずつでありますが、その適用の方は減っているということであります。
#100
○石井準一君 改めまして、雇用安定資金の残高、今後の見通しについて再度お伺いをしたいと思います。
#101
○国務大臣(長妻昭君) 突然のお尋ねですので、事前に言っていただければすぐに申し上げるわけでございますけれども。
 これについては、安定資金の残高でございますが、平成二十一年度については三千四百六十七億円、二十二年度については、これは見込みでございますけれども、一千百五十五億円となっております。
#102
○石井準一君 通告をしていないので急に言われたと言いますけど、大枠はしっかりと通告をしておりますし、昨日もレクチャーに来ておりますので、その辺はしっかりと答弁をしていただきたいと思うわけであります。
 二事業の財政基盤をしっかりと強固にするために根本的な解決を図る必要があると思いますが、その件についてお伺いをしたいと思います。
#103
○国務大臣(長妻昭君) この二事業は、雇用安定事業と能力開発事業、これいずれも重要な事業でございまして、安定事業の雇用調整助成金が急激に要件緩和で増えたということが今回ございましたし、あるいは、先ほど申し上げましたように職業訓練も重要でございまして、これからニーズが更に高まっていく可能性があるということで、雇用保険二事業についてもその財政基盤を安定化させていくということでございます。
 今回はこの雇用保険特別会計の中の失業給付本体部分からお金をお借りをするというようなこととなりましたけれども、今後できる限り黒字化になるように全体の雇用政策を進めていきたいと思います。
#104
○石井準一君 失業等給付の積立金四千四百億円をまた雇用保険二事業に貸し出そうとしている点についてお伺いをしていきたいと思います。
 政府は、三千五百億円の国費を失業等給付に投入し、その積立金から雇用保険二事業に四千四百億円も貸し出すという措置をとろうとしておるわけでありますが、雇用保険二事業について、雇用調整助成金の支出増加に伴い財政状況が短期間で大幅に悪化しているのは理解をいたします。しかし、複雑な手法で貸し出すということではなく、直接雇用保険二事業に国費を投入すべきであると思いますが、その辺の見解をお伺いをしたいと思います。
#105
○国務大臣(長妻昭君) 今のお尋ねは以前もいただいたお尋ねでもございますけれども、雇用保険二事業に、苦しい会計であれば直接国費をそこに投入したらどうだという御提案、お尋ねだと思いますけれども、これ前例を、私も前例踏襲すべきというわけではありませんが、まず今まで前例はないということであります。
 なぜならば、雇用二事業といいますのはやはり事業主負担で、事業主の財源でやるという一つの仕切りになっているところでございまして、雇用調整助成金も事業主にお渡しをするものである、あるいは職業能力開発も最終的には事業主にメリットになるものであると、こういうような考え方が背景にあるというふうに考えております。
 その中で、税金をそこに投入するということについて納税者の御理解が得られるのか否かという論点もございますので、前例と同じように今回もそこには国費は投入をしないということで、本体部分からお借りをしていくということを選択をしているところであります。(発言する者あり)
#106
○石井準一君 ならば、今、返せるから大丈夫だというお話もありましたけど、借入れの返済方法、利子を取らないことの正当性についてお伺いをしたいと思います。
#107
○国務大臣(長妻昭君) これについては、ある意味では一つの同じ特別会計の中の別勘定の間の貸出しということであるというのが一点と、もう一点につきましては、非常に相関関係があるということでございます。
 例えば、雇用調整助成金によって、先ほど申し上げましたように、それがなければ恐らく失業率が上昇する可能性がある、それがなければ失業給付、つまり失業保険で手当をもらう方が増えてくると、こういうことにもなる可能性があるわけでございまして、雇用調整助成金が失業給付を抑えていると、こういう側面もあるというようなことから、非常に一体として相乗効果が現れるということもありますし、今まで特別会計の中のやり取りでは金利が付いたという例もございませんので、今回はこういう対応にさせていただいているということです。
#108
○石井準一君 次に、遡及適用期間の改善を行う理由についてお伺いをしていきたいと思います。
 事後的救済対策を定めるのみではなく、そもそもこのような事態が生じないように周知徹底、指導することが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(長妻昭君) そもそも論からいえば、本当に委員のおっしゃるとおりだと思います。その遡及適用をするということは、それは事業主が忘れていたのかあるいは何らかの事情でその書類が出なかったと、天引きしているのにその書類が出てなくてということでありますので、それはもう別に、始めからきちっと手続をするべきであるというのはもうもちろんの話でありますので、これについては、先ほど申し上げましたように、今回法律をお認めいただければ速やかに全事業所に対してはがきを出す、あるいはいろいろな周知をして怠りなきようにお願いをする。
 ただそれは、そういう周知をしてもこれは完璧に一〇〇%というふうにならないのも事実であります。当然一〇〇%を我々目指さなければならないんですけれども、そのときの事後救済策として、今回の法律の中に、今までは二年でもう時効を迎えてそれより前はさかのぼれませんと、こういう非常に冷たい対応だったわけですが、それをずっとさかのぼれるようにするということを事後救済制度として入れさせていただいているということであります。
#110
○石井準一君 より実効性のある周知を図っていただきたく、あらゆる機会において活用していただきたいと思うわけであります。
 次に、控除の証明方法と証明の程度についてお伺いをしていきたいと思います。
 例えば、何年か前の給与明細を持っていればその事実のみで認定をされるのか、その年数に制限はないのか、その書類の信憑性はどのように担保するのか、お伺いをしたいと思います。
#111
○国務大臣(長妻昭君) この確認書類でございますけれども、具体的には給与明細、給与明細には天引きの普通はその保険料の金額などが記されていると思いますし、賃金台帳、源泉徴収票などを想定をしております。これについて二年を超えてさかのぼることができるとしておりますので、これは何十年前であってもさかのぼれるということでありますので、何十年前であればそのときのその書類を見て判断をするということになるというふうに考えております。
#112
○石井準一君 最後の質問をさせていただきたいと思います。
 いろいろと議論をしていくうちに、週二十時間未満の労働者が約四百十三万人おると言われております。いわゆるマルチジョブホルダーは一人の事業主の下で二十時間以上働かなければ対象にならないという法案でありますが、さらに登録型派遣労働者など対象から漏れることが多く生じるような気がしてなりません。
 本法案ではこのようなすべての労働者が雇用保険の適用対象となるわけではなく、細切れで働かざるを得ない労働者の期待を裏切るものではないか、明確なマニフェスト違反ではないかということを申し上げさせていただき、見解をお伺いをしたいと思います。
#113
○国務大臣(長妻昭君) できる限り我々もいろいろな時代の変化、あるいは働き方の変化に対応した支援策を打ち出していきたいというふうに考えているところでございまして、今回の措置ですべてもう完璧であるというつもりはございませんけれども、第二、非正規雇用の方のセーフティーネットの範囲を広げるという意味では意義が大変大きいというふうに考えております。
 三十一日以上というふうに今、法律の審議をしていただいておりますけれども、三十日以内は御存じのように、日雇いの方の、これはそういう保険もございます。この三十一日以上というのをお認めいただければ、基本的には日雇いの三十日以内の保険から連続して続いていくということで、非常に一連のものがそこで一定の部分は措置できる。
 ただ、言われたようなマルチジョブホルダーの方々、複数働いて一か所が二十時間未満の方をどうするかなどの論点が残っているということは私も認識をしておりますので、それについては労使あるいは公益委員の場できちっと議論をしていくということであります。
#114
○石井準一君 今後の検討課題も見えてきたわけでありますので、私が冒頭申し上げたとおり、巨大な省庁のトップリーダーであります、健康に留意をされながら、しっかりと国民の幸せのため、生活を豊かにするため、その目的に向かってしっかりと取り組んでいただきたくお願いを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
#115
○委員長(柳田稔君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#116
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任されました。
    ─────────────
#117
○委員長(柳田稔君) 休憩前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。
 ただいま議題となりました雇用保険法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます前に、一点だけ是非大臣に感想を伺いたいと存じます。
 昨日、鳩山総理大臣が沖縄県普天間基地の移設問題について、政府の代替案の取りまとめ期限を三月末と自ら設定されていたにもかかわらず、三月もあと二日を残すところになって、今月末じゃなければならないことが法的に決まっているわけではありませんというふうに期限を撤回されました。つい四日前にもたしか会見で三月末までに取りまとめをすると明言していたにもかかわらず、その期限の直前に撤回をされたわけであります。残念ながら鳩山総理大臣のお言葉がいかに軽いかということがまた証明されてしまいました。
 大臣はこれについてどのような感想をお持ちでしょうか。
#119
○国務大臣(長妻昭君) 今のお尋ねでございますけれども、まず総理がその期限の設定をどういう言い方で言われたのか、あるいは今おっしゃられた引用の部分の具体的な言い回しやあるいは真意というのは何なのか、私は報道ベースと今の委員の発言でしか知りませんので、なかなか軽々なことは申し上げるわけにはまいりませんけれども、基本的にはこの普天間の問題については内閣全体の問題として関係閣僚が真摯に今取り組んでいる途中の話だというふうに承知しております。
#120
○丸川珠代君 この鳩山総理の言葉に最も翻弄され、また怒り、落胆されたのは沖縄県民の皆様だろうと思いますが、国民全体としても、もはや鳩山総理の言葉を信じていいのかどうか分からない、あるいはもう信じられないという状況に陥ってしまったのではないかと思います。長妻大臣におかれましては、我々の年金、それから介護、医療、そして雇用を始めとするセーフティーネットをお預かりいただいておりますので、是非長妻大臣のお言葉にはしっかり重みを持って職務に当たっていただきたいというふうに心からお願いをする次第でございます。
 それでは、法案の審議に入りたいと思います。
 この雇用保険法、平成二十一年に二次補正で失業給付特会に入れた三千五百億円を、というより三千五百億円入れておいて平成二十二年に雇用保険二事業に四千四百億円を入れるという作業がこの中の一つに入っているわけであります。
 まず、このお金の話からしたいと思いますが、年度をまたいで非常に分かりにくい操作であるということ、それから三千五百億円にしても四千四百億円にしても金額の根拠が全く分からない、それからこれを入れたことによる先の見通しが分からないということ、それから失業等給付からは四千四百億円を貸し出すことによって九百億円が持ち出しとなってしまうということ、それから雇用保険二事業の安定資金残高を見ますと、果たして返済は一体この先どうなるのかという見通しが立たないというようないろいろな点がございます。
 やっぱり一つの論点というのは、一体この先のリスクに備えてどれだけのお金を失業給付等の方に残しておくか、あるいは雇用保険二事業の残高に残しておくかという点が問題となろうかと思います。
 私は、失業等給付の積立金残高を今見ますと、やっぱり三千五百億円をそこに投じるということには納得がいかないなという思いがいたします。平成二十一年度補正入れなくても四兆円以上の積立金残高が残るということになりますので、これは先々の失業等のリスクを考えましてもちょっと多い残高ではないかなというふうに思います。
 そこで、ちょっと大臣にお伺いしたいのですが、既に衆議院の議論の中にも出てまいりました、平成二十年十一月十二日の衆議院での厚生労働委員会での民主党の当時のネクストキャビネットの厚生労働大臣であられた山田さん、山田議員という方の発言でございます。私、議事録をそのまま申し上げますので、ちょっとお聞き取りをいただきたいと思います。
 ともあれ、一番最新のというか、先月から今月、発表された行政支出総点検会議の資料によれば、二事業分、雇用安定資金の方は一・二兆円に積み上がっているし、そして雇用保険の方は過去最高水準の五・四兆円に迫っている、そう書いているので、およそ七兆、埋蔵金がある。しかし、埋蔵金じゃないと言うけれども、大臣、失業保険の場合に、最高に給付されても二兆七千億円、五・四%の失業のときに。この私の資料を見てもらいたい。資料の六です。常に二兆三千億ぐらい入ってきているんだから、幾ら積立てしても、いざという場合に、失業が一番最高のときに備えたって、五千億も積み立てておくか、あるいは一兆円積み立てておけば十分過ぎるほど十分なんで、あとはいわゆる必要のない積立て、霞が関の埋蔵金なんだ。
 これは民主党のネクストキャビネットの厚生労働大臣の御発言でございますが、「失業が一番最高のときに備えたって、五千億も積み立てておくか、あるいは一兆円積み立てておけば十分過ぎるほど十分なんで、あとはいわゆる必要のない積み立て、霞が関の埋蔵金なんだ。」とおっしゃっております。
 大臣は、埋蔵金は、今この雇用の失業等給付と安定資金との合わせて幾らあるというふうにお考えですか。
#121
○国務大臣(長妻昭君) 今読まれた国会の質疑というのがどういう背景で、あるいは時代的な流れなどの背景というのは十分承知しているわけではありませんけれども、一般的に埋蔵金というと、これは特別会計の中にあるお金でほかの用途にも使えると、こういうような意味合いで埋蔵金という言葉が世間に流布されていると思いますけれども、その意味でいうと、例えば雇用二事業のお金というのは、普通の税金でたまったもの、あるいは外為特会のように差益が出たものとは違いまして、事業主が負担したお金が、その目的を達成してほしいということで、雇用情勢等で、積立てをして不測に備えると、こういう趣旨でありますので、そのお金が仮に多く積立てになっても、それを直ちにほかの政策目的に使うということにはならないと思いますので、その意味では、ほかの用途にも何でも使えるという余り金という意味の埋蔵金という意味であるとすると、ちょっと違うんではないかと思います。
#122
○丸川珠代君 確認ですが、失業等給付の方には国庫のお金も入っておりますけれども、これも埋蔵金ではないという、ほかの用途に流用できるようなものではないというお考えでしょうか。
#123
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げたのは失業本体ではなくて、雇用保険二事業の件は事業主負担のみのお金ということでありますけれども、失業給付本体部分は被用者つまり労働者と事業主折半のお金と国庫のお金も入っているということでありますので、これも純粋な国のお金がすべてというわけでもございませんので、それが一定の規模になったときに全く雇用とは異なる政策目的に使っていくということについては私は無理があるんではないかと思います。
#124
○丸川珠代君 この山田委員の発言のもう一つの点は、「失業が一番最高のときに備えたって、五千億も積み立てておくか、あるいは一兆円積み立てておけば十分過ぎるほど十分なんで、あとはいわゆる必要のない積み立て、」という部分についてはいかがでしょうか。
#125
○国務大臣(長妻昭君) この平成二十年の十一月十二日、今の質疑があるとすれば、そのとき、確かに平成二十年度は今よりも失業本体の積立金が多くて、五兆五千八百二十一億円ということでかなり今よりも、今、二十二年度予算が四兆だとすると、それよりもかなり高いレベルの段階の質疑だと思いますけれども、五千億円という発言がありましたけれども、これについては、平成十四年は過去最低で四千億円になったと。ただ、この過去最低、四千億円になったときに、これは政府の失態と言ってもいいと思うんですが、年度途中に雇用保険料を上げざるを得なくなったということでございますので、決して五千億円というものが十分過ぎるということではないというふうに考えております。
#126
○丸川珠代君 そうしますと、想像の範囲でしかないんですが、長妻大臣は、この山田委員が一番最高のときに備えたって五千億も積み立てておくので十分だというふうにおっしゃった真意は何だと思われますか。
#127
○国務大臣(長妻昭君) 私も真意は分かりませんけれども、年度の支出全部とお考えになっているのか。つまり私の考え方は、危機管理の側面もあるのではないかと。普通の、ほかの特別会計と異なりまして、事雇用、事失業等にかかわる人生の大きな転機というか、そういうセーフティーネットにかかわる予算、会計でございますので、そういう意味では、危機管理の観点から考えると、私は一定の規模が必要だというふうに考えております。
#128
○丸川珠代君 四千億レベルに積立てがなってしまったときに年度途中で保険料率等を変えたことについて大臣が今ほどお触れになりましたが、実はこの平成二十年十一月十二日、山田委員も同じようにこの件について触れております。
 ただ、その中身はちょっと違うようでございまして、私、議事録読み上げますのでお聞き取りいただきたいと思います。「雇用保険は、改定時に法律で変えたり、弾力運用で変えたり、この弾力運用というところも非常に気になるところだけれども、実際にその実態に合わせて保険料率を変えることはできるわけだ。それは大臣も認めていると思う。私も法律を調べてみたが、そのときの状況によって保険料率を上げたり下げたりすることはできるようになっている。 そうしたら、このように二事業合わせて七兆円もの積立金を持つんじゃなくて、本当に必要な金額だけをその年その年に積み立てていけばいいのであって、」云々となっておるわけですが、弾力運用で変えたり実態に合わせて保険料率を変えることができるのだからその年その年必要なものだけを積み立てておけばいいという御発言については、大臣はどう思われますか。
#129
○国務大臣(長妻昭君) この保険料については、弾力条項等ありますけれども、その枠組みを大きく変更する場合は、これは法律を変える必要があると思います。平成十四年度についても、年度途中で保険料率を変えたときは法律を改正したというふうにも聞いておりますので、それは、論理的には法律を変えればこれはできないことではありませんけれども、なかなか臨機応変に法律を変えるというのは難しいのではないかと思います。
#130
○丸川珠代君 臨機応変に変えなければいけないほど今残高が少ないのかというと、決してそうではないように私は思います。
 大臣のお手元に失業等給付の財政収支の試算というものはございますでしょうか。これは、厚生労働省が作った失業等給付のこの先平成二十六年度までの財政収支を試算したものでありまして、三つのケースについて二つずつのパターンが示されております。支出が二十二年度概算要求ベースで推移するケース、支出が更に三千億円悪化をするケース、それから支出がおよそ六千億円悪化して平成二十六年まで推移するケースという三つのパターンについて、国庫の負担を原則の四分の一に戻すのか、あるいは国庫の負担を一三・七五%のままにするのかという試算でございます。
 これで、一番最悪のケースとして想定されているのが六千億円収支が悪化するケースであります。六千億円収支が悪化して、なおかつ、国庫の負担については今のところ、一三・七五にしたときの法律で平成二十三年度からは原則に財源を見ながら戻しましょうということになっているわけでありますが、一三・七五のまま財源がなかったので推移したとしても、しかもこれ、三千五百億円の国庫からの投入がない計算でありますけれども、平成二十五年度までは積立金残高が一兆円を上回っております。先ほどの山田委員の私が引いてきました発言によりますと、一兆円も積み立てておけば十分過ぎるほどの積立てだという言葉に従いますと、平成二十五年度まではまだ猶予があるという考え方もできるわけであります。
 現に私ども自由民主党でも、これは失業等給付の料率に関することでございますが、この料率を千分の十二ではなく千分の八にしてはどうかというような考えも持っておりまして、来年度のことをその年の一月から三月に議論をしても間に合うものは間に合うわけであります。そうしますと、まだ最悪のケースを考えても二兆円ほど残高がある平成二十三年度あるいは平成二十四年度、そうしたところを見ながら議論をしていっても十分間に合うのではないかと思いますが、財源の厳しい折、こういうお考えはお持ちにはならなかったのでしょうか。
#131
○国務大臣(長妻昭君) 今のこれシミュレーション、いろいろケースA、B、Cというものの御紹介をいただいたと思うんですけれども、やはり過去を見ますと雇用情勢というのは非常に先が読めない部分もありまして、景気対策を打っておりますけれども、もちろん二番底ということは可能性としてはまだゼロではないということもございますし、過去の例を見ると本当に急速に下がって、さっき申し上げた平成十四年度のある意味では失態が起こったということもございます。その意味では万全を期すためにこういう措置をして、ある意味では労働者の皆様方から見ても、ああ、これだけあればもう年度途中で不測の事態も起こらない、枯渇することはないだろうという、ある意味では安心感も持っていただけるんではないかというような水準と危機管理の観点から、いろいろなシミュレーション、最悪の事態というのもやはり国家でありますので予測しなければならないということもかんがみて、こういうような措置をとっているところであります。
#132
○丸川珠代君 この試算についてちょっとお伺いいたしますが、この六千億円収支が悪化するケースというのは、失業給付の受給実人員が何人程度増加することを前提としておられるのでしょうか。
#133
○国務大臣(長妻昭君) この六千億円の単純な計算でありますけれども、平均受給月額が十二・六万円ということでございますので、割り算をしてそれを、これ月額ですから、十二で割ると約四十万人ということを想定をしております。
#134
○丸川珠代君 この四十万人というのは、過去にこの程度、受給実人員が増えたことはあるのでしょうか。
#135
○国務大臣(長妻昭君) この増加分だけ昭和二十三年から見てみますと、昭和二十三年前後の数字はありますけれども、最近では最も多い数字というのが、昭和四十九年度から五十一年度にかけて二十二万二千三百五人が増えたというのが最近では最も大きい数字ではないかというふうに承知しております。
#136
○丸川珠代君 戦後の混乱期を除いて最も多かったのは、今昭和四十九年から五十一年の二十二万人程度というお話でございましたが、実は、まだ一年の通算にはなっておりませんけれども、平成二十一年の四月から平成二十二年の一月、この間、受給者実人員は二十八万人増えております。この二十八万人増えている中でどれだけ支出がこの失業等給付で増加をしたかというと、八千七百億円であります。この間、失業率が一・一%悪化をして、完全失業者数は七十一万人増えました。これに次いで受給者実人員が増えましたのが平成九年から十年にかけて、九七年の山一証券や拓銀の破綻がございましたあの当時の失業の時代でありましたけれども、このときは受給者実人員は十五万三千六百五十九人増え、その間支出は三千八百十五億円増えております。完全失業率は〇・八%伸び、完全失業者数は五十八万人増えました。
 過去の例を見ても今回が一番失業者を増やした景気の後退であったということが言えるわけですが、それでも受給者の実人員は二十八万人でありました。これは雇用保険を受給する資格がある人がどれだけいるかによって必ずしも失業率と連動する数字ではありませんけれども、一般的に正社員が解雇されるよりも非正規労働者が解雇されるときの方がこの受給者実人員の伸びは少なくなると見られております。
 そういう中で、このリーマン・ショック以降で最もたくさんの受給者実人員の増がありました二十八万人を更に上回って、四十万人受給者が増えるという想定がこの試算の最悪のケースであるというわけであります。
 私、本当にざっくりですけれども考えてみて、一体これはどのくらいのことを想像すればいいのかな、四十万人受給者実人員が増えるというのはどれくらいなのかなと考えますと、百三十万人ぐらい最悪だと失業が増えるというような計算になるのかなと。しかも、この試算はその状態があと五年間続くという前提に立っている試算であります。最悪中の最悪のケースというわけであります。それでもなお国庫負担を四分の一ではなく一三・七五%にして、それで平成二十五年度まで積立金残高が一兆円以上ございます。これをもし国庫負担を四分の一に戻したとしますと、平成二十五年度で残高は二兆六千億円になるわけであります。
 私は、これはどう考えても目先のリスクに備えて三千五百億円を失業等給付の会計に国庫から追加投入しなければいけない状況ではないというふうに思いますが、大臣はこの数字をどのように御判断なさいますか。
#137
○国務大臣(長妻昭君) これは先ほども申し上げましたけれども、一つの危機管理プラス、労働者、雇用者の方に大丈夫だという安心感を持っていただくというようなことも重要だというふうに考えております。
 このシミュレーションにはございませんけれども、まさに今審議をいただいておりますこの雇用保険の適用要件の拡大によって、これは推計数字でございますけれども、非正規雇用の方が新たに二百五十五万人雇用保険に入っていただくということで、もちろん保険料はいただくわけでありますけれども、失業給付はそれ以上の見込みとなっているところであります。いろいろ雇用保険の重要性が増している中、万全を期すというような趣旨もございまして今回のこの規模にさせていただいております。
#138
○丸川珠代君 万全を期す三千五百億円であっても、そこから四千四百億円貸し出すと九百億円マイナスになるわけですが、なぜそれで万全を期すことになるんでしょうか。
#139
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃったように、貸出しというのはございますけれども、これは貸し出す一方ではありませんで、その貸出しによって失業給付も抑える効果があるというふうに考えております。貸し出されたお金は雇用調整助成金に使われるわけでございますので、この雇用調整助成金というのは失業者を会社の外に出さないという効果もございますので、結果的に失業給付を抑える効果もあるということで、そういう相乗効果も期待できるのではないかというふうに考えております。
#140
○丸川珠代君 雇用調整助成金からの、安定資金の方からお金が返してもらえる状況になるというのは、まさに景気が回復して雇用調整助成金で雇用を維持しなくてもよくなってくる状況であるというふうに理解をいたしますが、そうなりますと、失業等給付の方も給付をする必要がなくなってくる状態というふうに思いますけれども、そういう状況に備えて万全を期す理由がよく分からないのですが、教えていただけますか。
#141
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、この貸し出したお金が、願わくば景気が急速に回復して、早めに雇用二事業が黒字になって、そこからどんどん返して短期間で返済を終えるというのが理想でございますけれども、実際問題、我々は全力で景気回復、内閣全体で取り組んでいるところでございますけれども、それがどのくらいの期間掛かるのかというのは予測が正確にはできないわけでございまして、雇用二事業についても赤字がずっと続いているところでありまして、まずは黒字に持っていくということで、世の中の環境がどういう状況になれば黒字になるのかということについてまだ見通しがない中で、すぐに返せる見込みがあればまた話は別なんでございますけれども、そういう長期にわたって返済期間が設定されるという可能性もありますので、そういうことも考えながら今回の積立金の規模ということにしているわけであります。
#142
○丸川珠代君 もう一点お伺いしたいんですが、雇用対策を去年の秋口からやっておられると思います。経済見通しでも失業率を改善すべく努力をした結果を反映しておられるんだと思うんですが、これだけ積立金残高がある中で、なぜ自分たちの雇用対策、雇用政策の効果を見てから投入するということをなさらないのかということはどうなんでしょうか。
#143
○国務大臣(長妻昭君) ある意味ではこの積立金も雇用政策の一環であると思います。雇用政策は打って、それが効果が出るまで、直ちに効果が出ない。出るものもあります。雇用調整助成金のようにある意味では多少即効性があるものもございますし、時間が掛かって効果が見えてくるものもあります。その中で、その対策を打って効果が見え出してからいろいろ考えるということが適切なのかどうか。我々は、雇用政策の一つとして、やはりその積立金をきちっと確保していくというのもメニューとして打ち出しているところでありますので、これからも怠りなく雇用政策に取り組んでいきたいと思います。
#144
○丸川珠代君 もちろん雇用政策には取り組んでいただきたいと思うんですが、自分たちの雇用政策、つまり雇用をつくる事業の方の効果を待っていたのでは失業が増える一方あるいは雇用調整助成金がパンクする一方だという、そういう御判断なのでしょうか。
#145
○国務大臣(長妻昭君) 待っていてはというか、先ほども申し上げましたけれども、やはり事失業分野、失業雇用関係というのは国家の危機管理の側面もあります。
 この失業保険というのは地方自治体にはお任せしているものではありませんで、まさに国が全国共通制度として最終的に責任を持って取り組んでいくという、これ信頼が崩れては、あってはならないという制度でございますので、そういう意味で万全を期してこの積立金の規模にさせていただいているところでありますし、ほかの雇用政策についても国が直接取り組むものというのは、これはやはり非常に重要度が高い、全国統一的にやらなければならないということで取り組んでいるところであります。
#146
○丸川珠代君 三兆円という積立残高がある中で、雇用政策も自信を持って打ち出しておられるんだと思いますから、その効果が待てないほど積立金残高が少ないとは到底思えませんし、ましてや、そこから四千四百億円を雇用二事業に貸し出してしまえば、当然それが返ってくるまでそのお金は機動的には動かせないわけで、失業等給付からしますと九百億円の持ち出しになってしまうわけであります。これはどう考えても、失業等のリスクに備えて三千五百億円をこの失業等給付に追加するというよりは、雇用二事業に直接四千四百億円ほかのところから貸し出すなり、あるいは直接投入するという方法を取るべきであったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#147
○国務大臣(長妻昭君) これも午前中も御指摘をいただいた件でありますけれども、まず、雇用二事業にはかつて税金、国庫というのが投入された前例はないということ。この考え方というのは、雇用二事業については事業主負担のお金だけでやっていこうと。なぜならば雇用調整助成金も事業主への補助であるわけでありまして、そういう考え方の下、ただ、雇用調整助成金などでお金が必要になってくるということをかんがみて、本体の失業給付の部分からお金を貸し出していくと。それは、基本的には貸し出す一方ではなくて相乗効果があるということで、失業給付も抑える効果が雇用調整助成金等にあると。こういうような考え方で、お金を貸し出すという一つの同じ特別会計の中の勘定間の貸し借りということにさせていただいたわけであります。
#148
○丸川珠代君 大臣も、先ほど私の同僚の質問に対しまして、前例がないから、あるいは納税者の理解が得られないからという御答弁でございました。
 ただ、この雇用保険二事業に関して納税者の理解が得られない点というのはほかにもございまして、大臣がお取り組みになっておられましたスパウザ小田原を始めとするかつて三事業と言われた部分の無駄遣い、これはもう本当に納税者の理解が得られないものでございました。
 加えて、今まだ残っております二事業の方にもやはり仕分の対象になったものがございます。これについては予算を縮減するなどの対応を取られておりますが、しかしながら、まだそうはいっても多くの予算が付けられているものもありまして、こうしたものの整理についても少しお伺いをしたいと思いますが。
 雇用保険二事業に関しましては、平成二十二年一月二十二日に総務省の行政評価・監視結果に基づく勧告がなされております。これは総務省が、平成二十年度実施の雇用保険二事業、百三十四事業、当初予算額およそ二千八百四十九億円のうち、独法の交付金等によるものを除く百二事業、当初予算額にして千三百七十一億円について調査をしたところ、五十八事業、予算額にして九百三十七億円、対象にしたのが千三百七十一億円のうち九百三十七億円が改善を要する実態があるという指摘を受けておられます。
 そもそも、どうして、仕分をやったにもかかわらず、後になって総務省が行政評価をやってみたらこんなにも無駄がありますよと、一層の整理合理化が求められているというような勧告を出さざるを得ないことになってしまったのかというのは非常に疑問を生じるわけであります。
 例えば、どういうものがあるかといいますと、労働移動支援助成金というものです。再就職援助計画の対象被保険者に通常の額以上の賃金を支払って求職活動などのための休暇を与える事業主や、職場体験講習で受け入れた再就職援助計画等の対象労働者を離職から一か月以内に雇い入れる事業主に助成というのがあるんですが、平成十七年度に始まって、平成二十年度でもまだ執行率が六三%でとどまっていると。これに関して、平成二十二年度は前年に比べましても予算が増額されておりまして、一億円近く予算が増額をされております。
 それから、仕分でも対象になりましたトライアル雇用の奨励金です。仕分のときは若年者トライアル雇用について一部を除いて対象になったわけでありますが、この中高年トライアル雇用であるとか季節労働者等トライアル雇用奨励金、こうしたものについても総務省は指摘をしておりまして、特にこの季節労働者等トライアル雇用奨励金は、平成二十年度の事業執行率はゼロ%であるにもかかわらず、平成二十二年度はまだ予算が付いております。
 それから、総務省の指摘の中にはこれぞ事業仕分に当てはめないとおかしいじゃないかというようなことが入っておりまして、職業安定所が本来業務として行っている事務事業と類似する内容又はそのものが含まれているので、雇用保険二事業として事業を実施していることに疑問があるものが一事業見られたとして、失業給付受給者等就職援助対策費というのが挙げられております。これは、失業給付受給者等に対する早期の再就職の促進を図るために、個別の求人開拓の実施や求人情報閲覧体制の整備、これは職業安定所そのものがやる事業ですね。それから、就職支援セミナーの集中的実施、職業相談員による支援の実施等々ありまして、これが平成二十二年度も、十四億ほど予算は減らされておりますが、やはり五十一億予算が付いておりまして、どうして、事業仕分をしたと政府は言っているにもかかわらず、こういうものがまだ二事業に残っているのかなという疑問を持っているのですが、大臣、いかがでしょうか。
#149
○国務大臣(長妻昭君) この雇用二事業については、かつては勤労者福祉という美名の名の下、無駄な箱物が大量に造られたという失敗があったわけでございまして、今後はそういうことはあってはならないということであります。
 今の勧告につきましては、これは二十年度についての勧告でございまして、これは既に今の段階で是正されているものも、今一覧表を持っておりますけれども、あるわけでございます。
 今言われたものについて、例えば中高年トライアル雇用奨励金というものについては、二十年度は予算件数に対する支給件数の割合が五七%及び五一%、つまり半分しかそれが利用されていないということでございましたので、二十二年度予算案は前年の半分の予算にしているという是正をしておりますし、予算の削減だけではなくて、それぞれに実際に実効性のあるような形で運営をしてほしいということで、省内を急がせて全部の一つ一つの対応表を作って、指摘されたもの一つ一つについて是正をしたり改善をするということを心掛けていくところであります。
#150
○丸川珠代君 今おっしゃっていただいた中高年のトライアル雇用奨励金と、それから季節労働者の方はちょっとまだ予算が残っているのでよく分からないのですが、少なくともやっていただいている点もあるのも理解しながら、それでもまだ残っているものがあるのはどうしてなのかなと思って挙げさせていただいたものが今言った労働移動支援助成金であるとか失業給付受給者等就職援助対策費であるわけです。
 こうしたものは、少なくとも今言った二つというのは、厚生労働省の中では、今後、事業仕分の対象として省内の仕分の対象にはなっているんでしょうか。
#151
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいた事業については、我々としてもきちっと見直しを図っていきたいというふうに考えております。
 勧告を受けたものでいいますと、例えば地域雇用開発助成金、これはもう廃止いたします。あるいは中小企業人事担当者と年長フリーターとのジョブミーティングの実施、これも廃止をいたします。ヤングワークプラザにおける就職支援、これも廃止をいたします。若者に対する効率的な集中支援による就職の促進、これも事業を廃止をいたします。若年者雇用促進特例奨励金、これも廃止をいたします。地域雇用開発助成金、これも廃止をいたします。
 まだまだ廃止するのを決めたものはたくさんございますけれども、一見何か耳触りのいい名前で必要性があるように思えて、その中身を見るとそれ自体がもう優先順位が低いというものと、実はほかでもやっていると、こういうパターンがありますので、かなりこれ集約する必要があると考えておりますので、これは不断の見直しを徹底的にやりたいと思います。
#152
○丸川珠代君 今おっしゃった中には、今回の仕分の対象になりました職業能力機会に恵まれなかった者に対する実践的職業能力開発支援の実施という事業に対する言及がございませんで、これは廃止する云々ではなくて、これは特別会計に移すべきだという結論に達して、今、特別会計の中で事業をするということになっているんだろうと思いますが、この事業、座学をやりながら一方で実習をする、つまり企業側に実習を引き受けてくださいという依頼をして、多少のお金を入れながら訓練をやってもらって実務能力を引き上げるというような訓練でございます。これについては、つまり職業能力機会に恵まれなかった者、フリーターや子育て終了後の女性等、ある一定期間、仕事の基礎となる部分、これを培う期間がない状況で就職活動に直面している人たちということになるんだろうかと思います。
 これについて、一方で政府は、昨年来の私ども自由民主党、公明党が政府にあったときに始めたことではございますけれども、緊急人材育成支援事業といって職業訓練と訓練期間中の生活保障の実施をすると、これを始めさせていただいた。この職業訓練というのがまさに非常に基本的な、再就職に欠かせない一番基本の職業訓練を行うための訓練であると。これはわざわざ、基金訓練ということで、これまでの雇用二事業がやってきた公共職業訓練とは分離をして行っているものであります。
 わざわざすみ分けがしているにもかかわらず、この非常にベーシックな能力を身に付けるものはまたここで、特別会計で事業主のお金でやるということで入っておりまして、仕分の作業の中でも、この職業能力機会に恵まれなかった者に対する実践的職業能力開発支援の実施という事業に関しては、給付金付職業訓練との整合性、これについて指摘がございました。
 このすみ分けというものについて今後考えていく必要があるんじゃないかなということが一点と、加えまして、今、オフJTと、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、OJTというのがありますけれども、この実施というのは相対的に正社員に対してであれ正社員以外に対してであれ減ってきているわけでありますが、事正社員以外の社員に対して、これ、特に正社員が六八・五%実施しているところ、正社員以外だと三三・二%になるんですね。これ、OJTで見ますと、正社員が五七・二に対して正社員以外二八・三%と、非常にやっぱり有期雇用者、正社員でない者に対する人的資本投資というのは限定的でありまして、かといって、この事業、三万弱にとどまっているというのは、つまり引き受けてくれる企業というのがどうしても限られてしまうという状況にある。こういう中で、実践的なOJTも含めた職業訓練というのを今後どう考えていくのかという一つの論点が浮かび上がってくるわけでございます。
 私は、行政だけで一〇〇%、オフJTもOJTも橋渡しをするというのは非常に難しいことだと思うんですが、大臣は、この辺の職業訓練、あるいは職業訓練と社内、職場に行ってからの訓練との間の橋渡しというものについてどう思われているか。
 この二点についてお答えをいただけますでしょうか。
#153
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、職業訓練といったときに、国が直接やるもの、地方自治体がやるもの、民間に委託してやるもの、あるいは専門学校など民間が実施するもの、そして企業の中で実施するもの、いろいろな切り分けがあると思います。それぞれ、当然その橋渡しというのは重要であるというふうに思います。
 委員が紹介いただいた職業能力形成機会に恵まれなかった者に対する実践的な職業能力開発支援の実施というのは、平成二十年度実績で二万三千四百七十八人ということで、この趣旨からいうと、人数的に本来はもっと多くの方が受けていただくような仕組み、広報というのが必要ではないかという気もいたしますけれども、いずれにいたしましても、このオフJTの受講の割合というのは、平成十九年と二十年度を比べると比率が下がっているというデータもございますので、実際の会社の外で受けた職業訓練が何しろ就職に結び付かないと意味がないわけでありますので、それを就職に結び付けるための橋渡し役というのがどうしてもこれ必要になってくるということで、今民間に委託している職業訓練についても、ハローワークなどで責任を持って就職まで結び付ける体制が構築できないかどうか、検討を進めているところであります。
#154
○丸川珠代君 もう一点質問させていただいたかと思います。
 この雇用二事業の方でやっている非常に基礎的な職業訓練であるところの職業能力機会に恵まれなかった者に対する実践的職業能力開発支援の実施と給付金付きの職業訓練、基金訓練との整合性というのをどのようにお考えでしょうか。
#155
○国務大臣(長妻昭君) 今言われた前者のものについては、フリーターとかあるいは子育て終了後の女性など、職業訓練、職業能力形成機会に恵まれなかった方を対象にしたものでございまして、確かにおっしゃられたように、現在実施しております基金訓練とダブる部分があるのかないのか、そこら辺も含めて、事業に重複があって効率、効果的な運営ができなければ意味がありませんので、これについても、委員の御指摘もありますので一回実態把握をしてみたいと思います。
#156
○丸川珠代君 ありがとうございます。是非、重複なく事業が行われますように、効果的な事業の在り方をお考えいただきたいと思います。
 先ほど申し上げました職業訓練と、それから企業の職場においての人材育成の橋渡しという点で考えますと、今企業は人材育成する余裕がなくなってきている中でどうしても即戦力を求める傾向がございます。ところが、新卒でこれからじっくり育てますという、人を雇う余裕がある企業はいいですけれども、そうじゃない企業、中小企業であるとか非常に市場の動きが激しいところに対応するような企業というのは、どうしても即戦力を求めなければならないと。グローバル化する経済の中で、企業は非常に人的資本投資に対してシビアになってきている中で、社会の中のどこで人を育てていくのか、働く人を経験者に育て上げていくのかというのは、今後の非常に大きな問題になってくると思います。
 中でも、経験の浅い、労働者としてまだ蓄積がない人たちをどのように就業機会を与えていくかということを考えたときに、私は派遣労働という形態の在り方を、決して一方的に非常に不安定過ぎるのでいけないというふうに見るのではなくて、セーフティーネットをしっかりと手厚くしながら、就業の機会をつくる一つの働き方としてよく見ていく必要があるのではないかと考えております。
 以上で私の質問を終わりにします。
#157
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 雇用保険法の法案に入る前に、雇用に関連をいたしまして、最初に障害者雇用について御質問を申し上げたいと思います。
 厳しい景気・雇用動向の中で更に大変な状況は、障害者の皆様の雇用でございます。仕事が減って最初に解雇をされる実態もあるわけでございます。先日、障害者の雇用率を大きく下回る企業名も公表をされました。障害のある方が一人一人の希望に応じた就職を実現をして、働く障害者を支えていくには社会全体の支援が必要となるわけでございます。
 そこでまず、現在の障害者雇用の実情について御報告をいただきたいと思います。
#158
○国務大臣(長妻昭君) 最新の数字を集計したのが昨年の六月一日時点でございますけれども、障害者の雇用状況は、全体の障害者雇用率の平均が一・六三%と五年連続で過去最高を更新しており、着実に進展していると思います。
 しかし、法定雇用率を達成している企業の割合は半数を下回っているということで、これはもう企業の名前を公表を前提とした、かなり厳しい雇用率達成の指導をしております。それにもかかわらず改善が見られなかった企業については、先般、七社の実名を公表をいたしたところでありまして、今後とも厳しい指導とともに、その支援策と併せてこの就業率を上げていきたいと考えております。
#159
○山本博司君 今お話ございましたように、毎年前進はされておりますけど、まだまだ半数近い企業が達成をしていないという状況でございますし、また、障害者別に見ますと、知的障害の方とか精神障害者の方々の雇用というのはまだまだ厳しいのが実態でございますので、是非とも雇用の促進のための政策をお願いを申し上げたいと思います。
 そして、私も四国とか中国地域を障害者の就労の現場の方々回る中でも、一度企業に就職してもやはり長続きしないで福祉就労とか、職に就けない方々も多いということも伺っている次第でございます。こうした就労後の定着のアフターフォローといいますか職場定着の支援というのも大変大事であるわけでございますし、また、障害者の就職活動の就業面の支援とか生活面の支援、そうしたことも大事でございます。その中核が地域の拠点でございます障害者就業・生活支援センター、いわゆる中ポツセンターであるわけでございますけれども、この役割というのは大変私は大きいと思います。
 ちょうど二年前も香川県のオリーブという生活支援センター、中ポツセンターに訪問さしていただきまして、就業の支援を二人で、また生活の支援面を一人でということでもう大変御苦労されていらっしゃいまして、特に生活面、もうお一人お一人の家庭に行きながらそういう生活の実態ということを見ながら対応されているということで、大変負担が大きいということを実感したわけでございまして、ちょうど二〇〇八年のこの委員会でも、こうした中ポツセンターの拠点数の拡大と支援員の増強ということを質問をさせていただいた次第でございます。
 その際に、平成二十三年度までにすべての障害者福祉圏域、三百六十か所と言われておりますけれども、この中ポツセンターの設置する方針で十分努力すると、このような答弁もございました。その意味で、この障害者就業・生活支援センターの拡充状況について御報告をいただきたいと思います。
#160
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 障害者就業・生活支援センターは、身近な地域において就業面と生活面の両方の支援を一体的に行っておりまして、非常に重要な役割を担い、大きな実績も上げております。
 そんな中で、平成二十一年度までに設置されておりましたのが二百四十七センターですが、さらに来年度は三十五センターを設置して、合計二百八十二センターを設置、運営する予定であります。さらに、職員の方も必要でありますので、サービスの向上を図る観点から、実情に応じた就業支援担当職員の増員配置を行うとともに、非常勤の生活支援担当職員を一名ずつ、つまり全国で二百八十二名新たに配置することとしております。
#161
○山本博司君 今回、そういう形で非常勤の生活支援の方が増強されたということは大変喜ばしいことでございますけれども、この福祉圏域三百六十か所というのはまだまだ現状厳しいわけでございまして、やっぱり地域にそうした拠点があるということは就労支援という面では大変大事でございますので、是非ともその推進をお願いを申し上げたいと思います。
 同じくそのときに、障害者雇用の質問をした際に、ジョブコーチに関しましてもお聞きをいたしました。
 障害者の職場適応を容易にするためにきめ細かな対応を行うのがこのジョブコーチでございまして、大変重要な役割でございます。この障害者就労の専門家、ジョブコーチの人数拡充ということもそのときに訴えさせていただきましたけれども、平成二十三年度までに五千名目標を到達しますという、この目標に関しまして、現状の状況を御報告いただきたいと思います。
#162
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 ジョブコーチについては、民間機関が実施する養成研修により養成しているところでありますが、これらの養成研修の就労者は平成二十年度末までに二千五百七十六人となっており、これに加えて平成二十一年度に約六百人を養成する見込みとなっております。目標の五千人に向かって努力したいと思います。
#163
○山本博司君 このジョブコーチの役割、大変大事でございますので、障害者の方々の支援という意味で就労の支援大事でございますので、お願いをしたいと思います。
 そして、私も先週の日曜日に香川県の知的障害者の授産施設の竜雲あけぼの学園というところを訪問させていただきまして、施設長の方とお話を聞いたわけでございます。
 そこでは、授産施設で約三十名の方々が花の栽培と、それからうどんの製めんから、讃岐でございますので、うどんのめん作りから始まりまして販売をするという、竜雲うどんというのをそこで販売をされたわけでございまして、工賃を上げていくということで、なかなか地元の企業に就職してもうどんのめん作りを生かした形の職場がないということで、今就労のA型でやられているわけでございます。
 実際、この竜雲うどんの工賃がなかなか低かったということで、前政権の補正予算の基盤整備事業を使いまして大きくうどん屋を改装されて、そして経営コンサルタント、これもその事業の一つの中でのコンサルタントを投入をされて、約もう一年間ぐらい、一回三時間ぐらい、SWOT分析、強み弱みとかという企業のそういう戦略と同じような形のものを入れながら、どうすればうどんが売れて皆さんに愛されるお店になっていくのかということを取り組んだそうでございます。
 そして、昨年の四月に改装されてスタートして、一年間で約売上げが二倍になって、工賃も約三倍の六万五千円ぐらい収入が入るようになったということで、私もお店に行きましたけれども、十二名いたうち十一名が知的障害の方々でございまして、非常にはつらつとしたあいさつの中で好感を持たれたわけでございますけれども、こうした工賃を増やしていくという倍増計画、前政権では五か年間の倍増計画ということを打ち出されておりました。現政権でもそれを引き継がれるのかどうか。多分引き継がれると思っておりますけれども、その五か年倍増計画の支援事業に関しまして、特に経営コンサルタント事業ということでの拡充をもっとすべきであるというふうに私は思っているわけでございますけれども、今回でもやはり大変この経営コンサルタントの方が入って意識改革ができたということをおっしゃっていらっしゃいますので、この点についての取組に関しましてお伺いしたいと思います。
#164
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答え申し上げます。
 障害者の方々の経済的な自立に対しまして、この工賃を引き上げるということは一番重要だと思っております。このことに関しまして、平成二十年度の平均的な工賃は一万二千五百八十七円、平成十九年度は一万二千六百円でしたので、残念ながら全国平均では〇・一%の減額と、これはまあ景気情勢も影響したんだと思いますが、〇・一%の減額となってしまいました。
 しかし、その中で、工賃倍増計画支援事業により経営コンサルタント、山本委員が御指摘されておりました経営コンサルタントを受け入れて取組を改善した事業所だけを見ると、平成二十年度の平均工賃月額は一万四千四百三十八円で、平成十九年度の一万三千六百六十四円から五・七%の増額となっております。
 その一つの要因は、複数の事業所が共同して仕事の分配、品質管理等を一括して行う体制の整備など、事業所間で共同した取組を行っていたからであるというふうに認識をしております。
 平成二十二年度予算においては、新たに複数の事業所が共同して受注や品質管理を行う事業に対して補助を行うことといたしました。また、事業仕分においてこの工賃倍増計画もかかったわけですが、やはり必要性があるということで、引き続きこの事業も続けていくことにしております。
#165
○山本博司君 やはりまだまだ、就労のB型とか、そういう経営コンサルタントを入れていくという土壌が、まだまだ認識が少ないということもございますので、こういう啓蒙も含めた形での事業の促進をお願いをしたいわけでございます。
 そして、同じくやはりこうした成功されている事例を見ますと、この障害者自立基盤整備事業の基金をうまく活用してやられているところはたくさんございます。東京でも、私、パン工房のケースを見ても、やはりそのパンの機材をこうした基金を使って活用しながらやっていらっしゃる例も多いわけでございまして、ただ、この基金が平成二十四年三月までという形の期間でございます。やはり多くの方々の声は、こうした基金を更に継続できるような形で活用していただきたいという声でございます。
 このことに関しましてどのような御見解なのか、お聞きしたいと思います。
#166
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答え申し上げます。
 現在、障害者自立支援対策臨時特例交付金の財源を各都道府県に設けておりまして、これを活用して地域移行の推進や就労支援の強化を行っているところでありますが、備品の購入や増築、就労継続支援等の実施に対しまして一か所当たり約二千万円の補助を行っているところでありまして、平成二十一年から二十三年度の予算は七百六十二億円、平成二十二年度と二十三年度の執行可能額は五百五十二億円でありまして、特にサービス提供事業者が平成二十三年度までに自立支援法に基づく新体系に移行することを支援するという意味で平成二十三年度までの期限として設置をされております。
 新体系への移行に必要な支援を着実に行いたいと思っておりますので、それ以降のことに関しましては就労状況や工賃の引上げ状況等を勘案しながら今後も検討してまいりたいと思います。
#167
○山本博司君 是非とも継続ができるようにお願いをしたいと思います。どちらにしても障害者の雇用、就労というのは大変厳しい状況でございますので、引き続いて支援をお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、本論の法案に関しまして質問を申し上げたいと思います。
 まず、雇用情勢に関してお聞きを申し上げたいと思います。
 我が国の雇用失業情勢、リーマン・ショック以降の景気低迷によりまして大変厳しい状況に直面しておりまして、特に派遣労働の方の非正規労働者に対するセーフティーネットの強化というのは喫緊の課題であるということを認識しているわけでございます。
 そこで、まず、現下の雇用失業情勢につきましてどのようになっているのか、失業率、有効求人倍率、最新のデータにつきまして御報告をいただきたいと思います。
#168
○国務大臣(長妻昭君) 今朝八時半に最新の数字を公表させていただきましたけれども、有効求人倍率は〇・四七倍ということで、〇・〇一ポイントだけ上昇いたしました。これは今年の二月の数字でございます。完全失業率は四・九%ということで、これは全く同じパーセントでありました。
 我々としては、持ち直しの動きが見られるものの依然として厳しい状況にあると、こういうふうに判断をいたしております。
#169
○山本博司君 今の状況でございまして、大変厳しい状況が続いていると思います。そうした中で派遣労働者などの雇い止めが社会的な問題となっているわけでございます。最近の非正規労働者の雇用状況、このことに関しましても御報告をいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(長妻昭君) 非正規労働者の雇用状況でございますけれども、総務省の労働力調査によると、これ、最新の数字は平成二十一年十月から十二月期でございますけれども、非正規雇用者数は一千七百六十万人であります。
#171
○山本博司君 こうした状況の、今一千七百六十万人ということでございますけれども、万が一失業となった場合でもセーフティーネットが張られるという意味では、この雇用保険制度の重要性、大変更に増していると思うわけでございます。
 この非正規労働者に対するセーフティーネットの拡大につきましては、前政権のときの平成二十一年三月の改正時に要領改正で、短時間労働者、一年以上の雇用見込みから六か月以上と緩和をしたわけでございます。この改正からおよそ一年が経過をするわけでございまして、この適用範囲の拡大によってどのような効果があったのか、この実績に関してお示しをいただきたいと思います。
#172
○国務大臣(長妻昭君) この推計、実績推定、実績把握というのは大変難しいわけでございまして、現実の雇用保険被保険者数が何人増加したかというのは把握できないわけでございますけれども、推計です、拡大を行わなかった場合に平成二十一年度以降の被保険者数がどのように推移するか推計したところ、実際の被保険者数の方が推計値よりも約七十から百十万人多くなっておりましたので、これは二十一年改正の六か月以上の雇用見込みに緩和をした効果として七十から百十万人の方が新たに雇用保険に入れるようになったというふうに推計をしております。
#173
○山本博司君 そういう効果があったということでございますけれども、今回の改正に関しましては非正規労働者に対する適用範囲の拡大が行われております。雇用保険の適用基準である現行の週所定労働時間が二十時間以上であって六か月以上雇用見込みを三十一日以上雇用見込みに緩和することになっているわけでございます。
 これで新たに二百五十五万人の方々が雇用保険の対象になる見込みでございますけれども、このように、三か月という形の期間じゃなくて三十一日以上に日数を緩和をした理由に関しましてお聞きしたいと思います。
#174
○国務大臣(長妻昭君) 一つの考え方は、継ぎ目なく雇用保険に入っていただく必要があるんではないかということでございまして、三十日以下については、これは御存じのように日雇の保険というのがまた別にございますので、そういう意味では、三十一日から六か月というところがある意味では懸案事項というか空白にこれまでなるということになりますので、それを埋めるという考え方で今回法案をお願いをしているところであります。
#175
○山本博司君 この適用基準につきましては、これまでは業務取扱要領と、こういう規定をしていたわけでございますけれども、今回の改正では雇用保険法に規定をすることとなっております。
 こうした法律事項にする意義は一体何なのか、この法律事項にすることでどのような効果があると考えているのか、お伺いをしたいと思います。
#176
○副大臣(細川律夫君) 雇用保険の適用を受けるかどうか、これは働いている人たちにとっては大変重要なもの、言わば国民の権利義務のような、そういう重要なものでございます。
 かつてこの委員会でも、こういうものは法律にきちっと定めた方がいいんではないかと、こういうような意見などもいただいておりました。そういうことから、今回、三十一日以上の雇用見込み、あるいは週所定労働時間二十時間以上というようなものを法律で定めるということにしたわけでございます。
#177
○山本博司君 今回の改正では、短時間労働者への適用拡大を図るために、これまでと比較をしまして財政の悪化が懸念をされているわけでございます。この改正によりまして雇用保険財政に対してどのような影響があると考えているのか。平成二十一年度第二次補正予算では、雇用保険制度の安定的運営の確保といたしまして、求職者給付及び雇用継続給付の国庫負担として三千五百億円の一般財源を投入したところでございます。今後の見通しにつきましてどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
#178
○国務大臣(長妻昭君) 先ほどおっしゃっていただきましたように、今御審議いただいている法律が成立すれば、推計数字でございますが、新たに二百五十五万人が雇用保険の被保険者になることができると。財政影響としては、二十二年度で、収入は増えますので三百六十億円の増加、その一方で支出面の予想といたしましては九百三十六億円ということで、倍以上支出の方が多いということになります。
 そういう意味と、この本体部分、雇用保険の勘定のところでございますけれども、これについても危機管理の側面も含め万全な積立金の規模を確保をするということで今回のような規模にさせていただいておりますので、よほどのことがない限りこの積立金で御安心をいただけるんではないかというふうに考えております。
#179
○山本博司君 それでは、別の面でございますけれども、民主党、社民党の昨年の衆議院選のときのマニフェストの中には、それぞれ、雇用保険のすべての労働者への適用、また非正規労働者への適用拡大、こういった文言がうたわれておりましたけれども、その後の民主党、社民党、国民新党の連立三党合意の中におきまして、雇用保険のすべての労働者への適用が盛り込まれたわけでございます。
 しかし、今回の改正案を見ますと、二十時間未満また三十一日未満は雇用保険の対象にならないと取れますけれども、こうしたすべての労働者との整合性は一体どのようになっているのか、また、対象とならない労働者への対応はこの雇用保険上どのようになるのか、御見解をお伺いをしたいと思います。
#180
○国務大臣(長妻昭君) この趣旨につきましては、労働者の方々でももう生計を維持するというようなすべての労働者への適用というようなことで考えているところでございまして、その意味で、週に二十時間、週休二日であるとすると一日四時間以上ということになろうと思いますけれども、そういう一つの目安、これは今までの考え方を踏襲しているものでございますけれども、これも法律に盛り込まさせていただいているということであります。
 そして、それ以外の施策でございますけれども、雇用保険で支えるだけではなくて、これからお願いをしようと思っております派遣法の改正なども含めて、トータルの政策として不安定雇用が一定程度安定するような、そういう措置をしていきたいというふうに考えております。
#181
○山本博司君 ありがとうございます。
 午前中、また午後でも議論がございましたマルチジョブホルダーに関しましてお聞きしたいと思います。
 生計を維持するためでも、昨今の厳しい雇用状況によりまして短時間労働を強いられている場合も考えられるわけでございます。さらに、働き方も多様化をしておりますから、一事業所当たりの週の所定労働時間が二十時間未満であっても、二事業所以上で働いているいわゆるマルチジョブホルダーと呼ばれる働き方が増えているのが現実でございます。
 こうした働き方への適用漏れを防ぐために、二事業所以上の労働時間を通算して認定をするなど、今後、より一層の適用範囲の拡大が求められていると考えますけれども、こうした考え方に関しましてどのように検討するお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#182
○国務大臣(長妻昭君) 本当に今インターネットなどを見ますと、もう一つの仕事をどうでしょうということで、夕方からあるいは夜間の仕事が数多く紹介をされているところでございまして、やはり二つ目の仕事を持たないと生活が成り立たないという方が多くおられるということで、これへの対応というのも大きな課題だと考えております。
 これについて、今おっしゃられたような二つの事業所、今現在は主たる事業所に着目してそこについての雇用保険の関係で制度が成り立つというような扱いにさせていただいておりますけれども、様々な今おっしゃられたような問題もございますので、我々としては労使の代表がおります会議体の中で検討課題として議論をしていきたいと考えております。
#183
○山本博司君 是非とも検討をお願いを申し上げたいと思います。
 また、今回の改正では、三十一日以上の雇用見込みということで雇用保険に入って保険料を払っても、例えば三か月で離職しなくてはならなくなった場合は、離職の日一年前に六か月以上の被保険者期間がないと支給されないということになるわけでございまして、これは午前中の論議でも、掛け捨てになる場合もあると考えるわけでございます。
 本来のセーフティーネットの役割を果たしていないのではないかということで、こうした負担と給付のバランスを考えますと、短時間労働者であっても求職者給付が受けられるようにすべきであると思いますけれども、見解をお示しをいただきたいと思います。
#184
○副大臣(細川律夫君) 今の御質問の受給資格要件につきましては、大変難しい問題でもございます。この要件を緩和をするということになりますと、給付と負担のバランスが崩れて給付が多くなるというようなこともございますし、それから安易な離職の繰り返し、こういうことも防止もしなければいけないというようなことでもございます。
 そして、委員が御指摘になりました短期間で辞められるともらえないんではないかと、こういうようなことにつきましては、勤めた短期間のこれを通算できると、こういうようなことで、短期間で辞められる方でもこの制度でセーフティーネットは張られるということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、雇用保険を負担をされております労使の皆さん方の御意見もお聞きをいたさなければなりませんので、そういう意味では、労働政策審議会におきまして審議をいただきまして、従来どおりということで結論をいただいたところでございます。
#185
○山本博司君 次に、雇用保険二事業に関しましてお聞きをしたいと思います。
 雇用調整助成金、企業が経済状況の悪化などで事業規模の縮小をしなくてはならないときに、一時休業などで従業員を解雇しない企業に対しまして休業手当や賃金の一部を国が助成する制度でありまして、雇用維持に大きな役割を果たしていると思うわけでございます。
 この雇用調整助成金の現在の活用状況、御報告をいただきたいと思います。
#186
○国務大臣(長妻昭君) この対象労働者数は、直近の数字、本年の二月でございますけれども、百六十一万人ということであります。利用事業者数は約八万事業所ということでございまして、徐々に減っているということであります。
#187
○山本博司君 今回の改正で、雇用調整助成金の要件緩和に併せまして、雇用保険二事業の安定的な運営を確保するために失業給付に係る積立金を使用することができる暫定措置を講じているわけでございます。
 雇用保険二事業の財源といいますのは現在一〇〇%雇用主負担でございまして、失業等給付の積立金は労使折半の保険料と国庫負担が使われておりますけれども、雇用調整助成金は雇用者側に支払われるために財源構成が異なり、事業間で借入れを行うことはそれぞれの制度の趣旨に合わないのではないかという指摘もあるわけでございます。さらに、借入れを行うのではなくて、雇用保険二事業の雇用保険料率を引き上げることで対応するか、また前回の雇用保険法改正の際に行われました三千五百億円の一般財源を直接二事業に投入すべきであるという意見もございます。
 今回、失業等給付の積立金を借り入れまして雇用保険二事業の財政基盤を強化する、このことになった理由に関しまして御説明をいただきたいと思います。
#188
○国務大臣(長妻昭君) この借入れの件でありますけれども、一つの同じ特別会計の中の勘定間での貸し借りでございますが、これについてはそれぞれの政策が非常にその関連性が強いということでございまして、雇用調整助成金で失業者の方が社外に出ずに社内にとどまっている効果がある、景気が良くなればそこでまた働いていただくということでありますけれども、そういう意味では、雇用調整助成金がなければ失業者の方が会社の外に出てそして雇用保険の受給が始まるというようなことでございまして、非常に雇用調整助成金、それがあるなしによって失業給付が大きく影響が出てくるという強い密接な関係にあるということが一点。つまり、雇用調整助成金があれば給付が減るということが期待できるということで、そういう貸し借りがなされております。
 そして、今の御指摘で、雇用二事業の保険料率を例えばもっと上げたらどうかという御示唆かもしれませんけれども、それについては、やはり昨今の景気状況でこれ以上の値上げというのはなかなか難しいんではないかという判断もございました。
 あるいは、この国庫負担を雇用二事業に直入すればよかったんではないかというお話もございましたけれども、これについては、今までそういうことがやられていない理由はと考えると、この二事業というのは事業主負担だけで財源構成がなされ、そして、ある意味では事業主に資する、そういうお金の使い方がこれまでされてきたと、こういうような一定の考え方があったというふうに考えておりますので、今回はこういう借入れというような措置をとらせていただきたいということであります。
#189
○山本博司君 さらに、今回の改正案での返済の方法についてでございますけれども、雇用保険二事業の収支に剰余がある場合には借入額に達するまで失業等給付の積立金に組み入れて返済すると、このようになってございます。しかし、現在のような経済状況が続きますと、雇用維持への対策、これを継続をしなくてはいけませんので、雇用調整助成金の活用が引き続き行われますと、結果として返済の見通しが立たない場合が起きる可能性もございます。
 こうした借入れの返済の見通しということに関しまして、大臣はどのようにお考えになっているんでしょうか。
#190
○国務大臣(長妻昭君) 例えば、非常に巨額なお金が必要となります雇用調整助成金でありますけれども、二十一年度は第二次補正の後六千六百二億円掛かります。平成二十二年度予算では七千二百五十七億円でございますけれども、経済の状況が一定程度回復すれば次の年度からこの金額は下がる可能性もあるというふうに考えておりますが、これまで二十年度から二十一、二十二年度共に見込みも含めて全部赤字ということでございまして、まあ平成十九年度は二事業で一千九百七十二億円の単年度黒字を達成したということもございます。
 いずれにしましても、雇用政策を組み合わせ、そして新成長戦略についても取り組み、そして来月からはいよいよ新しい年度の予算が執行されるというようなことと相まって何とか雇用のパイを広げていきたいと、その中で黒字化を早めに目指して、その中から返済のめどを付けていきたいというふうに考えております。
#191
○山本博司君 この返済の見通しですけれども、この三年間、平成二十六年、二〇一四年までシミュレーションの試算があるというふうにも聞いているわけですけれども、最悪のパターンとそれから一番早い返済のパターンという形では、どういうふうな形になっているんでしょうか。
#192
○国務大臣(長妻昭君) これについて、なかなか返済のシミュレーションというのは難しいわけでございまして、今現在、返済のシミュレーションというのはしておりません。
 先ほど質問があったシミュレーションというのは、これは本体部分の失業給付の積立金のパターンをA、B、Cに分けたシミュレーションというのは一定のものをさせていただいて公表をいたしましたけれども、この二事業については黒字化の中で返済をするということでございまして、その詳細な予測というのはなかなか立てにくいというのが現状であります。
#193
○山本博司君 そういう面も含めた対応というのを今後御検討をお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、弾力条項の発動の件に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。
 平成二十二年度の雇用保険事業の保険料率というのは、弾力変更の規定を適用しないで、これまでの千分の三・〇から千分の三・五の原則どおりと、こうしているわけでございますけれども、この雇用保険料につきましては、平成二十一年度の一年間に限りまして、労使双方の保険料負担を軽減する景気対策の一環として保険料率を千分の八まで引き下げてきたわけでございますけれども、今回、保険料率が引き上げることになるため事業主の負担というのが増えるわけでございます。保険料の納付率、これも低下をするのではないかと思うわけでございまして、景気に大きく影響するのではないかという指摘もございます。
 こうした影響に関しましてどのように考えておられるのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。
#194
○国務大臣(長妻昭君) 今のお尋ねでございますけれども、これは雇用保険料の引上げによって、二十一年度と比較すると保険料というのが一定の部分が増えるということでございます。これについては、いろいろな弾力条項等もあり、本来増える部分を抑える措置というのもあるわけでございます。
 ただ、大変これ雇用情勢が厳しいということで、保険料負担も厳しい一方で、先ほど来お話し申し上げておりますように、失業給付も一定のボリュームが必要となる、そして雇用二事業の支出も大変多くなるというようなことで我々としてはお願いを申し上げているところでございますので、今後とも速やかに雇用情勢が回復するようにあらゆる政策を実行をしていきたいと考えております。
#195
○山本博司君 この後、若年者雇用に関しまして質問を申し上げたいと思います。ちょっと遡及適用の質問は飛ばさせていただきます。
 一月の委員会質疑でも新卒者の支援ということで大臣にお聞きを申し上げましたけれども、いよいよ卒業式が終えて、この四月から新しいスタートを切ろうというときを迎えるわけでございます。しかし、今春の卒業予定の大学生のうち五人に一人が就職先を確保できない事態となっておりまして、就職氷河期ともいえる状況が続いているわけでございます。こうした状況の背景ということを考えますと、安定志向から大企業への入社を希望する学生と人材不足の中小企業との雇用のミスマッチが要因となっているという指摘も一つはございます。公明党は、この中小企業と学生のミスマッチの解消に対しまして、中小企業就活応援ナビ、この創設、また中小企業の情報提供を積極的に行うように主張しているわけでございます。
 こうした雇用のミスマッチの解消、このことが求められているわけでございますけれども、厚生労働省として現在この解消に関しましてどのように取り組んでいるのか、お伺いをしたいと思います。
#196
○国務大臣(長妻昭君) まずは、厚生労働省としては、例年になく、各労働局が主催となってマッチング、中小企業の方も含め、求職者、新卒の方とのマッチングというのを今月までで全国で約百七十回ほど開催をいたしました。かなり実行したわけで、私もお邪魔をしてお話を申し上げたところでございますが、そういう措置とともに、実際に今年はなかなか景気が厳しいから採用を控えようと思っている企業に体験的に雇用をしていただく、そしてその雇用については助成金を企業にお支払いをしていくというような、新しく新卒者体験雇用事業というのも始める予定にしております。これによって、そういう方々が企業の中で体験雇用するときに、ああ、こういう方であれば雇って企業の力になるんではないかと経営者に思っていただけるような、そういうある意味では体験型のマッチングということも重要ではないかというふうに考えております。
 そして、ハローワークに高卒・大卒就職ジョブサポーターという方を千人近く、これは九百二十八人倍増、前回よりも倍増で配備をするというようなことにしておりまして、その方というのは、新卒者の方だけのために学校に行って、そして職場に行って、企業に行って開拓をしていく、そしてマッチングをしていくと、こういう方々も配備をしておりますので、あるいは新卒者で就職がない方は、これは厳しい話ですが、職業訓練を受けていただいて一定の要件で生活費を月十万円お支払いすると、こういう措置も始めさせていただこうというふうに考えております。
#197
○山本博司君 この大学生を含めた、これから、就職できなかった方の対応を含めまして、しっかりお願いを申し上げたい次第でございます。
 前回の質疑でも、学校を新しく卒業してすぐに職業訓練を受講できる体制ができたというお話がございましたけれども、雇用に結び付ける一つの形として意義があると考えるわけでございます。新卒者はこれまでほとんどハローワークを利用したことがないと思うわけでございまして、こうした周知の工夫をすべきでございます。
 この四月からもこの職業訓練始まるわけでございますけれども、新規学卒者向けの職業訓練の内容と、一定の要件で支給される訓練・生活支援給付金の対象につきまして、どのようになっているのか、御報告をいただきたいと思います。
#198
○国務大臣(長妻昭君) 今新卒者の方で、例えば大卒の方五人に一人がまだ就職先が見付かっていない、就職氷河期よりも数字的には厳しい数字が出ているということであります。
 そういう方が四月になっても卒業した後就職がないという場合、これは厳しい話でありますけれども、緊急人材育成支援事業という中で、新卒者の方もそこで職業訓練を受けられるということにさせていただいておりまして、その中には、今就職要請が多いIT関係の講座、あるいはいまだに人手不足である介護などの講座、こういう講座を民間の専門学校などにお願いをして、委託をして実施をしてもらう。そして卒業、その職業訓練を終えた後は、その専門学校など委託先の人的コネ、コネというかコネクションでそういう企業に就職の紹介をしてもらったり、あらゆる形で就職、就業率を上げていこうと、こういう取組をしているところであります。
#199
○山本博司君 是非とも、今大事な時期でございますので、早い段階での対策、これをお願いをしたいわけでございます。
 続きまして、平成二十年四月からスタートいたしましたジョブ・カード制度に関しましてお聞きをしたいと思います。
 このジョブ・カード制度、職務経歴とか学習歴とか取得資格等の履歴に加えまして、職業能力に関する情報について記載されたファイルを活用することで、求職者の就職支援とともに、人材確保や育成に取り組む企業においてもメリットがございます。労働市場のインフラ整備にも大変重要な役割を担っていると考えるわけでございまして、この制度は新卒者のキャリア形成にも大いに役に立つ可能性が期待されております。更なる普及が求められているわけでございますけれども、この制度の利用状況に関しまして御報告をいただきたいと思います。
#200
○副大臣(細川律夫君) これまでの実績についてまず申し上げますと、平成二十年四月から本年二月末までのジョブ・カード取得者数、これは二十万四千人でございます。職業訓練受講者が約七万九千人というふうになっております。
 そしてまた、就職率について申し上げますと、訓練終了後三か月後の就職率は、企業を中心に行います雇用型訓練で八八・六%、また専門学校等を中心に行う委託型訓練では七〇・四%と、こういう高い就職率、高い効果を発揮しているところでございます。
#201
○山本博司君 是非ともこのジョブ・カード、普及が更に推進できるような形でお願いを申し上げる次第でございます。
 最後に、大臣にお聞きを申し上げたいと思います。
 中長期の視点からという観点でいいますと、こうした若者の厳しい雇用情勢の改善、そのためには、雇用の受皿、この成長戦略、これは欠かすことができないと思います。そのために、環境とか医療とか福祉とか農業とかいった、こういう成長の可能性の高い分野の育成が重要でございます。高齢化が一段と進む今後のことを考えますと、医療、介護に対する需要が増すことは間違いございませんし、実際の医療、福祉の有効求人倍率は高止まりをしておりまして、売手市場が続いております。こうした厚生労働分野におきまして、大臣のリーダーシップで積極的にこの成長戦略を提示をすべきと考えます。
 雇用の受皿拡大に関しましての最後に大臣の決意をお聞きしたいと思います。
#202
○国務大臣(長妻昭君) 今厚生労働省内に医療・介護・子育て未来への投資プロジェクトチームというのをつくりまして、若手の職員も参加をして、もうかなり多く有識者の方などを呼んで、そこで政策を練っているところであります。
 今おっしゃられたように、医療、介護の分野、必ずしもお医者さん、看護師さんなどの専門性が高くなくても、例えば医療クラークのように、日本のお医者さんは何しろ患者さんのお話を聞くと同時にかなりいろいろな事務作業を御自身でされておられるというのが非常に大きな問題となっておりますので、そういう事務作業をサポートするような秘書的な役割をする医療クラークの方々を多く養成する必要もある、あるいは、介護の現場でホームヘルパーの方あるいは施設の職員の方々というのも不足をしておりますので、そこで働きながら資格の勉強をしていただいて資格を取るというような形で、まだまだ雇用の必要性はあるというふうに考えておりますので、そういう分野の雇用拡大というのは、これはもういろいろな先生の研究で、公共事業に比べても同じ金額を投入したときの雇用波及係数、人が、人数がどれだけ必要かというのはやはり介護が一番でありまして、人手産業でございますので、そういう分野についても、我々、成長戦略具体化が、六月に具体的に提言を政府全体でするというふうになっておりますので、ここできちっと介護、医療への投資というのは未来への投資でもあるんだということを示して、雇用のパイの拡大にも努めていきたいと思います。
#203
○山本博司君 是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
#204
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日はおなじみの小池議員に代わりまして私から質問をさせていただきたいと思うんですが。
 雇用情勢は依然深刻なまま推移をしておりまして、とりわけ失業の長期化も進んでいるわけでございます。共産党は本来すべての労働者が雇用保険の対象となるようにということを強く求めてまいりましたけれども、そうした方向で今回の適用の拡大は当然だと考えますし、改善であるというふうに評価をしております。
   〔委員長退席、理事小林正夫君着席〕
 そこで、まず局長に、今回増えるとされる二百五十五万人というのがどんな人たちなのかという点についてお尋ねをしたいんですが、労政審ではイメージとして、主たる生計者ではないが、家計を支えるパートさんを始めとして四つの例が示されています。こうしたイメージの二百五十五万人というこの数字はどこから算定されたものでしょう。
#205
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 ただいまの二百五十五万人でございますけれども、これ、総務省の労働力調査、それからまた厚生労働省の雇用保険業務統計、これらを用いまして、週の所定労働時間が二十時間以上、そしてまた雇用見込みが六か月未満の雇用者数を推計したものでございます。
 具体的には、労働力調査におきます雇用者数、これは五千五百三十九万人でございますけれども、これを基に、雇用保険の被保険者やこの適用除外となります会社の役員、それから六十五歳以上の者、公務員、それから昼間の学生アルバイト、こういうものを除いた上で、就業構造の基本調査等を基にいたしまして、労働時間とかあるいは雇用期間、この割合を換算をいたしまして推計をした数字でございます。
#206
○仁比聡平君 つまり推計値で、厚労省としての実態の調査をこれまでしておられるわけではないんですね。
 例えば全労連などが街頭で労働相談をいたしますと、労働者として当然の権利が職場では全然守られてない、実質の無権利状態という状況がよく分かります。例えば残業時間規制の問題や有休の問題もそうですが、その中で、この雇用保険を始めとして本来入っているはずの人が入れていない、事業主のところで適正にやられていないという例が数々あるわけです。そうした中でセーフティーネットから漏れているという労働者がたくさんいるということが問題になってきたと思います。
 今回の改定で、対象者が全員加入できるように、その実効性を持たせる上では、もちろん事業主に対してはそうなんですけれども、労働者本人に改定によって雇用保険の対象になりますよと、あっ、私はなるんですねということを周知徹底するということがかぎになるのではないでしょうか。労働者の側が自らは雇用保険の加入をしなきゃいけないんだということを知ってこそ事業所での加入が進むんだと思うんですね。これまで適用対象かどうかが不明確なグレーゾーンである短時間労働者、パート勤務が多い業種、こうしたところへの調査とともに、そうした業種への集中した加入促進の取組が必要だと思うんですが、大臣、いかがですか。
#207
○国務大臣(長妻昭君) まずは、おっしゃられるように、この三十一日以上の見込みというのが国会で審議をされているということ自身御存じない方がある意味ではほとんどではないかというふうに思いますので、かなり大きな広報をしないと届かないという問題意識は持っております。まずは、この二百万事業所がございますこの適用事業所でありますけれども、五月下旬ごろに、法改正いただければ、はがきを全事務所に送って事業主、事業を運営する方々に対して周知徹底を行うということであります。
 そしてもう一つは、やはり実際働いておられる方々にこの情報が届かないと意味がございませんので、これはインターネット、ホームページ等でも周知をし、いろいろなハローワークでうまく伝わるような周知をし、あるいは、これは研究課題だと思いますけれども、ツイッターのようなものを、これはそういう周知に使っていいのか悪いのか私も研究する必要があると思いますけれども、非常に若い方に広がりのあるメディアというのも今出てきておりますので、そういう研究も含めて取り組む必要があると思います。
#208
○仁比聡平君 私自身、サービス残業が大問題になってき始めたときに、サービス残業は犯罪ですという大きなポスターをかいて作って、町じゅうに張り出したらどうかと提案をしたことがあるんですけれども、労働者、国民の皆さんに周知するというところを是非取り組んでいただきたいと思います。
 現実に今でも、対象者なのに、事業者が労働者に対して、いや、あなたは対象になりませんなんというようなことを言って未加入になるというケースがたくさんあって、その実態を正すことが必要だと思います。未加入のときは、これまでも二年間遡求適用するというシステムがあるわけですけれども、この遡求適用の実態というのは、局長、どれぐらいあるんですか。
#209
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 実際の雇用期間は二年以上でありましたけれども遡求適用した期間が二年間となった事案、これを特別に集計をいたしました。その結果でございますが、二十一年四月から二十二年の一月まで、この十か月間における遡求適用件数、これは三万五千二十五件となっているところでございます。
#210
○仁比聡平君 つまり、十か月で三万五千、年間では四万人近くに恐らくなると思うんですね。しかも、この数字というのは雇用期間が二年以上のものを調べたものですから、二年未満の遡及したものを含めると更に大きな数字になるんだと思うんです。それだけの労働者が、本来雇用保険の被保険者でなければならないのに未加入となってきたという、これまでの実態そのものが強制加入であるということに照らしても重大だと私は思うわけです。
 しかも、労働者の側は実際に失業してハローワークに行って、そのときにこの雇用保険の加入されてないとかされているとかいうことについて関心を持つのが通常でありまして、仮に未加入だと、失業状態になったときに、さかのぼって労働者の負担分を払わなきゃいけないというような話にもなるわけです。やはり、最初にといいますか、つまり働いているときに雇用保険の加入対象なんですよということを周知して未加入者をなくすと、そうした意味での国の責任は極めて大きいと思いますから、先ほど大臣おっしゃられたように、是非周知を図っていただきたいと併せて要望をしておきたいと思います。
 もう一つ、今回の適用拡大は二百五十五万人と推計されているわけですけれども、その人たちすべてに必要な給付がなされるようになるのかという点で、今日も質疑に上っておりますマルチジョブホルダーの問題をちょっとお尋ねをしたいと思います。
 これは二〇〇七年の雇用保険法の質疑の際に私どもの小池晃参議院議員が質問をいたしまして、二〇〇二年の統計でマルチジョブホルダーは八十一万人ですという御答弁が政府からあっております。
 直近の調査では、何人がマルチジョブホルダーで働いているか、その男女の比率、主な理由、それから雇用保険に加入をしている率がどれだけかと。局長、いかがですか。
#211
○政府参考人(森山寛君) お答え申し上げます。
 平成十九年の就業構造基本調査によりますと、本業も副業も雇用者である労働者、これは百二・九万人、約百三万人でございます。
 男女の比でございますが、これは平成二十一年の副業者の就労に関する調査、これによりますと、男性が四五・六%、女性が五四・四%でございます。同じ調査によりまして、この理由でございますが、収入を増やしたいからというのが五二・七%、自分が活躍できる場を広げたいからというのが二六・八%、一つの仕事だけでは生活自体が営めないからというのが二六・五%となってございます。
 なお、マルチジョブホルダーの雇用保険加入率につきましては、雇用保険被保険者が二つ以上の事業所で働いているのかどうか把握できないことから、算出することは困難でございます。
#212
○仁比聡平君 百三万人なんですよね。しかも、この五年間の間に、この五年間というのが、二〇〇七年までの五年間の間に二十一万五千人ぐらい増えていると。これもうちょっとさかのぼって八七年からの二十年間で見ますと、ほぼ二倍になっているというのが現状でありまして、一つの仕事だけでは生活できない、収入を増やしたいという、本当に深刻な生活の実態がここに表れているのではないかと思うんです。
   〔理事小林正夫君退席、委員長着席〕
 しかも、その調査の〇七年以降の経済危機の下で、副業オーケーですという会社も増えておりまして、この以降更に増えているのが確実なのではないでしょうか。しかも、男性の比率も極めて高くなっていると。この実態が、雇用保険の加入率にしても、今ほども算定できないというお話だったんだけれども、よく分かっていないというまま検討を継続するというふうになり続けているということが一体どういうことなのかと私は思います。
 確認ですが、二つ例えば仕事をしているとして、両方の仕事とも労働時間が週二十時間に満たないという場合は雇用保険の関係ではどうなりますか。
#213
○政府参考人(森山寛君) 現在の取扱いは、どちらか一つの方、いわゆる主たる賃金を受けているところにつきまして適用関係を考えておりますので、そちらにおきまして例えば二十時間に達していないということになりますと、それは適用されないということになりますので、要するに両方とも二十時間未満であれば適用されないということになります。
#214
○仁比聡平君 つまり、生活を支えるために必死で働いていても、雇用保険の今回の改定によっても対象にならないというマルチジョブホルダーの方々が現実に出てしまうわけです。
 二つの仕事を合わせて二十時間を超えていても、片方が二十時間を超えなければ適用にならないと。主な方の仕事をリストラされても、これがもし雇用保険の対象になったとしても、もう一つの仕事の副収入というのは、これは失業給付の算定に当たって減額をされてしまうというふうにも伺いました。こうなると、実際に必死で生活を支えて二つも三つも仕事を掛け持ちしている、そのうちの一つ、二つが失業してしまうと生活が成り立たないわけですよ。こうした、生活が成り立たないというようなことができるだけなくするようにというのが雇用保険の存在意義なんだと思うんですけれども。
 私は、二つの仕事の労働時間を合わせて二十時間以上というその適用基準を超えたら適用をすると、あるいは、そうしたマルチジョブホルダーの方々が、うち幾つかの仕事を失業したときにも生計が成り立つ給付が受けられるようにすると、そういう改定に向けて早急な検討をすべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#215
○国務大臣(長妻昭君) この件については、二つの事業所の時間を合算する、あるいは片方が失業したときにどう考えるのかなど、いろいろな論点があるというふうに承知しておりますので、これについては労使の代表の場である会議体、労働政策審議会で議論をして検討するということであります。
#216
○仁比聡平君 前政権のときからずっと検討課題のままになっているんですよね。このマルチジョブホルダーの方々が大変急増していると私言っていいと思うんだけれども、その実態をやっぱり政府としてしっかり調査をして、速やかに検討をするべきだということを強く求めておきたいと思います。
 関連しまして、この失業給付の特定受給資格者の認定が、労働の実態によってきちんと判断をされて、その実態に見合った手厚い給付がなされるべきだと私は思います。
 その点で、私は、広島そして山口のマツダ自動車が、派遣労働者を元々派遣元に戻すということにしていながら、いったん生産サポート社員というふうに呼ぶ直接工に三か月と一日だけ付け替えまして、その期間が過ぎたら派遣元に戻すという、いわゆるクーリング期間を偽装して、派遣法の最大でも三年という上限規制をクリアしたように見せかけてきた、これは明白な違法ではないかと何度も、特に前の政権に対してですが、この実態を違法だと認めて、一つは直接雇用を指導すべきだということを求めてきました。この派遣法違反あるいは職業安定法四十四条違反については、是正指導がなされたわけです。
 ここにかかわって、雇用保険の失業給付がどうなのかと。そうした違法な働かせ方で、通算すれば四年も五年も雇用保険に加入して正社員と同じように働いて、しかも雇用保険の保険料も労働者は払っている。最低でも半年は失業給付を受けられるはずなのに、これが直近の派遣元との雇用期間だけで判断されて九十日で切られてしまう、これは余りにも理不尽じゃないかと、このことを私は改善を求めてきました。
 この点について、今年の二月の十日に労働保険審査会の裁決が出されまして、私が求めてきたものと基本的に同じ方向での判断がなされたわけですね。少し紹介をしますと、生産サポート社員への切替えと派遣労働者への復帰は、実質的には派遣元の管理下で行われていたことが認められる。すなわち、法律上の義務に形式的に対応するため、派遣労働者の雇用関係を派遣元から派遣先へ一時的に付け替えるための制度にすぎないものと考えられ、ランク制度の運用実態や有給休暇の取扱い等を見ても、たとえ派遣先と雇用関係を結んだとしても、派遣元との契約更新を繰り返したと実質的に異ならない状況にあったものと認められる。したがって、労働契約の更新と同等の状態にあったものとみなし、期間についてはこれを通算して評価すべきであり、請求人、労働者の側は特定受給資格者に該当すると判断するのが相当であると。ちょっと飛び飛びに紹介しましたが、要旨こういう裁決がなされているわけです。
 まず大臣、派遣切りに遭ってハローワークに行きます、そのときに、あなたは特定受給資格者には該当しませんというふうに判断をされたということについて、労働者の側には何の責任もないと思いますけれども、いかがですか。
#217
○国務大臣(長妻昭君) 今、個別の例を出されましたけれども、一般論として申し上げると、今言われた特定受給資格者というのは、倒産、解雇等により再就職の準備をする時間的余裕がない形で離職を余儀なくされたという方で、同一の事業主の下で三年以上引き続き雇用されていた場合というような要件もあるということで、今おっしゃられた案件については労働保険審査会で個別の事情を考慮して裁決を行ったということで、同じような就業形態の労働者について特定受給資格者と認められたケースもあれば認められなかったケースもあるわけで、実態に即してということでございます。
 ただ、こういう例が、こういう裁決が出たということについて、私自身も、同一の事業主の下で三年以上引き続き雇用というものについての解釈について、派遣労働者の場合はどういうふうに考えればいいのか。これについては、しゃくし定規に考える一方ではなくて、どういう考え方が取れるのかということについては今後とも検討していきたいと思います。
#218
○仁比聡平君 そのしゃくし定規に考えてはならないということは、この裁決や、あるいは、とりわけリーマン・ショック以降の凶暴な派遣切りの中で、そして、現行法さえ踏み破って、いつまでも派遣として働かせ続けるために名立たる大企業がこうした違法派遣を行ってきたというその実態によって私は明らかになっていると思うんです。
 元々、この特定受給資格者の認定というのは、これは実質を見なければ判断ができないものだと思うんですね。この判断を、最初の処分をすることになるハローワークのところでは労働の実態をきちんと踏み込んで見た上での判断にはならなかったと。結果であるかもしれませんが、今回の裁決というのはそのことを示しているのではないかと思います。
 もう一度大臣に、重ねて恐縮ですけれども、特定受給資格者と扱われなかったと、派遣切りで一番最初にハローワークに行った時点、あるいは失業給付が九十日で切られる時点、扱われなかったということについて労働者の側には責められるべき事由というのは全くないと思いますが、いかがです。
#219
○国務大臣(長妻昭君) そういう角度の御質問で個別の案件になかなか答えるということはできませんけれども、現実として労働保険審査会で個別の事情を考慮した裁決というのが出ているということもございますので、これについては、先ほども申し上げましたとおり、しゃくし定規に一定の規律で判断をするんではなくて、やはり実態も踏まえた判断というのがどうあるべきなのか、派遣労働者の場合の解釈についてこれは真剣に検討していきたいということです。
#220
○仁比聡平君 であれば、一般論として、大臣、お尋ねします。特定受給資格者に当たるか否かの判断は、これは職業安定所が行うものですから、これは労働者が判断するものではない。そうした意味では、職業安定所が判断するものであるという意味で、労働者の側に、これは一般論として帰責事由はないと。いかがでしょう。
#221
○国務大臣(長妻昭君) 基本的に、この特定受給資格者か否かというのは労働局の判断がありますので、これは労働者の方が何かそれについて責任といいますか、その方の何か働き方のルールが、その方が何か頑張れば変わるというものではございませんので、そういう意味では、これはルールとして労働者の方の個人の事情とは関係なく働き方を見ていくということだと思います。
#222
○仁比聡平君 そうした中で、この裁決によって当初の認定というのはこれは取り消されているわけですから、そういう意味で、実態や基準の趣旨に照らして、言わば誤った扱いだったということがはっきりしたということだと思います。
 私は、それである以上、行政の裁量で、さかのぼって今回の裁決に基づいた運用がきちんとなされていくべきではないか。とりわけ、この処分があった日から六十日以内に不服審査を申し立てなきゃいけないというふうになっているんですけれども、現場では、なぜそんな短いものしかもらえないんですかという質問に対して、窓口では、これ以上はどうにもなりませんというような職員の説明がなされているようなケースが多々あるわけです。こうした裁決が出た以上、しっかりと救済をされる、適正な本来もらえるべき失業保険がもらえるようにするというふうにすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#223
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、この審査請求の期限については、これは法令で、処分のあったことを知った日の翌日から起算して六十日以内にしなければならない、ただ、正当な理由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったときはこの限りではないと、こういうような規定がありますけれども、この正当な理由に該当するかどうかについては、労働保険審査官及び労働保険審査会法にのっとって適正に判断されるというふうに考えておりますので、その判断ということであります。
#224
○委員長(柳田稔君) 時間だから。
#225
○仁比聡平君 そうした正当な理由の判断が労働者の立場に立ってきちんと行われるように是非強くお願いして、私の質問を終わります。
    ─────────────
#226
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西島英利君が委員を辞任され、その補欠として丸山和也君が選任されました。
    ─────────────
#227
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 本法案でございますけれども、非正規労働者に対するセーフティーネットの機能の強化でありますし、また、雇用保険の財政基盤の強化を目指すものであると、こういうふうに認識をしております。かねて私ども社民党もそういう立場で主張してまいりました。そしてまた、鳩山政権の土台である三党合意の中でもそういう記載がございますので、我々は本法案の改正については基本的に賛成でございます。異論はございません。その立場に立ちまして、二、三、関連の質問をさせていただきたいと、こういうふうに思っています。
 昨年三月二十四日に、国際労働機関、ILOが、日本で失業保険の給付を受けていない失業者の割合が七七%に上ると、これは先進国の中でも非常に悪い、最悪の状態であるという、こういう発表をいたしました。例えば、ドイツとフランスが一〇%、アメリカでも五七%、こういう中で日本が七七%というのはある意味で驚きを持って受け止められたわけでございますが。
 私は、このことについて、昨年五月、この参議院の予算委員会で当時の舛添厚労大臣にも質問をしているわけでありますが、改めて、政権が替わりまして、一年前の話ではございますけれども、長妻大臣に、このILOの発表、無保険失業者の比率が日本は七七%と非常に高い比率であると、この結果をどのように認識し、評価をされているのか、お聞きをしたいというふうに思っています。
 あわせて、このような水準になった要因についてどう受け止めておられるのか、そして、今回の雇用保険法の改正がこれの是正にどの程度寄与するというふうに見ておられるのか、まとめてお聞かせをいただきたいと思います。
#228
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、ILOの発表で、完全失業者に占める雇用保険を受給していない人の割合は日本国は七七%ということで、これは私もかなり高い数字だと率直に思うわけであります。同じ時期のデータで、アメリカ五七%、イギリス四〇パーとか、ドイツ一三パーとかですね。
 ちょっとほかの国のことを調べてみますと、ほかの国に対しては、これは雇用保険以外の税金というか国庫負担の給付も入れて計算をしているという部分もあるようでございまして、一概には高い低いの若干平仄が合っていない部分もありますけれども、ただ、これについては是正をする必要があるというふうに考えておりまして、まさに今回の法案についても三十一日以上ということで拡大をしていくという措置をさせていただいておりますが、やはり特にヨーロッパ諸国に比べてそういう雇用の下支え機能あるいは職業訓練機能などが不十分であるという指摘をいろいろいただいておりますので、これについて、休職者支援制度などほかの制度も含めてトータルで下支え、あるいは職業能力開発分野についても注力をしていきたいと思います。
#229
○近藤正道君 分かりました。
 これに関連して、今日、お二人の方からも質問が出ましたけれども、私も、マルチジョブホルダー、複数の事業主に雇用されている労働者の問題について若干お尋ねをしたいというふうに思っております。
 今回の法改正では週二十時間以上の方が対象になるわけでありまして、数として二百五十五万人の方がこの恩恵を受けるということでございますが、それはそれで大きな私は前進だと、こういうふうに評価をいたしますが、しかしその一方で、週二十時間未満の雇用者、この人たちは相変わらず雇用保険の対象にならないと。しかも、この人たちが四百十三万人ぐらいおられるということでございます。
 なぜ週二十時間、そこで線を引くのか、これもこの間御議論がありました。自らの労働によって生計を立てている労働者、これを雇用保険の対象にしていくということでありまして、そこで線が引かれるということでございますが、しかしこれは、本会議でも議論がございましたけれども、週当たりの労働時間、これは事業主ごとに把握をされておって、まあよく言えばマルチジョブの人、あるいは悪く言えば細切れ雇用、ワーキングプア、こういう状態の人たちが大量にこの雇用保険のらち外に置かれているわけでございます。
 今ほども話がありましたように、主要な事業主で週二十時間に満たなくとも、複数の事業主におけるその就労を合計すれば二十時間以上という人は、やっぱり相当私はいるというふうに思っているんですね。ところが、ちょっと前までは、これが労働の多様化だとか、あるいはマルチジョブホルダーなどという片仮名の格好いい名前で隠されておりましたけれども。私なんかはサラ金の多重債務の人たちと付き合うことたくさんあったんだけれども、みんな猛烈にそういうサラ金に追っかけられているということもあって一職場に一定時間以上勤めることができない、短時間で複数の仕事を掛け持ちをしながらもう本当に体の限界まで働いておられる方をたくさん見ているわけでございます。
 先ほど来もいろいろ紹介ありましたけれども、これが〇七年に百万を超えているわけですね。その後いわゆるリーマン・ショックがあるわけでありますので、私はこの数は相当やっぱり増えていると、そういうことは間違いないというふうに思っておりますが、依然として厚労省は、今回レクで実態を聞いても、その数を把握していないと。しかも、これは去年の、ちょうど一年前でもこの参議院の厚労委員会で、マルチジョブホルダーについては実態を把握しようよと、しなきゃ駄目だという附帯決議まで出されているにもかかわらず、その後の作業が全く私は進んでいないと。
 私はこれは、政権発足後まだ半年しかたっておりませんので皆さんに言うのは酷だということは重々承知をしながら、部会でも、その実態把握に努めなきゃならない、あるいは決議も一年前にされているにもかかわらず全くその数を把握していないというのは、私はこれ、厚労省の取組としては少し怠慢なんではないかなと、こういうふうに思えてなりません。本当に困っている人はまさにここにいるわけでありまして、雇用保険にも入れない、かつ安定した職場ではない、文字どおり対極の、まさに不安定の極にあるような仕事を幾つか掛け持ちをしながら体力のぎりぎりのところで働いている人たちを救わないで一体だれを救うのかと、こういう思いがするわけでございます。
 是非、厚労省として、マルチジョブの人たち、本当に掛け持ちで頑張っている人たちをどうやってやっぱり救っていくのか、実態をとにかく早急に把握をしていただきたい。把握をした上で、一体どういう道筋でこれを立てていくのか。今労政審で審議をしてもらうという話あったけれども、少し悠長過ぎるんではないかなというふうな思いが非常にするわけでございますけれども、大臣、率直な、私はちょっと怠慢だというふうなことを言っているわけでございますけれども、どういうふうにされていくのか。今ほども議論はありましたけれども、改めて大臣の決意といいましょうか、実態調査にとにかく早急に取り組むというお考え、是非聞かせていただきたいと、こう思います。
#230
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、この就業構造基本調査による推計数字で、二〇〇七年については、いわゆる複数の仕事を持っておられる被用者、雇用者は百三万人という数字、出させていただいています。
 そして、答弁でも申し上げましたけれども、労政審の場で検討するということでございますが、検討するにしても、その前提の実態が分からなければ検討しようがない部分もありますので、この実態把握はしていきたいと思います。
 そこで、私としては、複数で働いておられる方をサンプル調査を指示をしていきたいと。これについて、複数で働いておられる方を何人かピックアップをさせていただいて、それぞれ何時間ずつ働いておられるのか、今回の要件で当てはまる形というのは何%ぐらい全体に占めるのか、そういうまずサンプル調査を取り組んで、そして実態の把握に努めていきたいということで、まずはその調査を指示をしてまいりたいと思います。
#231
○近藤正道君 ありがとうございました。
 さっきも言いましたように、サラ金の被害者ではマルチジョブの人は非常に多いですね。そしてまた、昨年来、生活保護の母子加算のことでいろんな議論がありました。院内集会等でヒアリングをしますと、大体母子家庭で頑張っている人は大体マルチジョブ、複数の仕事で働いていますよ。
 先ほど来のいろいろ議論を聞いていても、とにかく非正規の人が多い、そして男性よりも女性の方が多い、シングルマザーが多い。これはもう非常に傾向としてははっきり出ておりますね。まさにナショナルミニマムの問題ともやっぱり連動してくるわけでありますので、サンプルでも何でもいいんで、ある程度の傾向をとにかく速やかに出して、それに基づいてしっかりとしたやっぱり方針を、方向を出していただきたい。
 今、サンプルでやられるというふうな前向きな御答弁がありましたので、是非、長妻大臣、言ったことはしっかりやって、いや、さすがやっぱり政権替わって長妻大臣の下で対応が早いと、こういうふうに言われるように頑張っていただきたいと強くお願いを申し上げて、かつ期待をさせていただきたいというふうに思っています。
 最後の質問でございますけれども、三月十九日に派遣法の改正案が閣議決定をいたしました。いよいよ派遣法の改正案が参議院から始まって、大臣そして細川副大臣、本当に御苦労さまでございました。一日も早くこれを提案どおり可決、成立させたいものだと、こういうふうに思っておりますが。
 しかし、この改正の中で原則禁止というものがうたわれております日雇派遣、あるいは登録型派遣、これはいずれも原則禁止、非常にいいことだと思いますが、これが打ち出されたことなどもありまして、もうやっぱりその業界はこれに代わる次のビジネスをいろいろ検討している。
 今日、配付資料で、フリーシフトだとかあるいは日々紹介サービスというものを、新聞記事あるいはホームページを皆さんのところに差し上げさせていただきましたけれども、これについては派遣法の抜本改正をこの間一生懸命求めてきた人たちの間から、これは新たな日雇派遣の脱法行為ではないか、あるいは登録型派遣の脱法行為ではないか、これはやっぱりきちっと実態を調査をして、必要なチェックあるいは規制をやっぱり検討していかないと大変なことになるんではないか、こういう危惧の念が非常に出されているわけでございます。
 大臣でもあるいは副大臣でも政務官でも結構でございますけれども、この日々紹介事業、つまり会社の人事部門を完全に請け負って、人の採用とか面接だとか、あるいは交代勤務、シフトだとか、あるいは勤怠の管理だとか給与支払あるいは勤務管理、こういうものを全部代行すると。そういうものを全部やって会社に人を送り込む。確かに直接雇用というところは一歩前進なのかも分かりませんけれども、こういうことがまかり通りますと、労働基準法の賃金直接支払の原則だとか、あるいは雇主の安全衛生管理責任だとか、あるいは、つまり労働者供給を禁止した職安法の四十四条とか、こういうものとの間に非常に微妙なといいましょうか、違反しているんではないかと、こういう問題がいろいろ出てくると。
 あるいはフリーシフト、これも登録派遣の私は脱法ではないかと思っているんだけれども、登録だけしておいていつでも仕事ができますよと、好きなときに好きな形で仕事ができますよ、こういう触れ込みなんだけれども、実際は全く連絡が来ない場合もあれば、あるいは好きなときに好きなやり方で仕事ができるといっても実態はそうでないとか、見方によっては登録型派遣のまさにすり替えのようなこういう業務がかなりここへ来て急速に増えてきていると。
 そして、このことについて厚労省の皆さんに、一体実態はどうなっているんですか、新聞等には、こういう業務が非常に増えてきている、しかしいろいろ労働基準法上の問題はたくさんあるという指摘があるにもかかわらず、厚労省の皆さんに聞いても全く把握をしていない。これ、是非一度その実態を調べていただいて、どこに問題があるのか皆さんなりに是非私は調査をしていただきたいと。
 派遣法を改正しても、イタチごっこでいろんなものが出てくるという話は前から言われてきたわけでございますけれども、今日は第一弾として、この日々紹介だとかあるいはフリーシフトという最近非常にはやりの働き方を二つ紹介をさせていただきました。皆さんがどういうふうにこの二つの業務について認識をされているのか、どこに問題点があるというふうに今現在見ておられるのか、認識をお伺いしたいと思います。
#232
○国務大臣(長妻昭君) 今言われた日々紹介事業やフリーシフトというのを初めから予断を持たずに見ていく必要があると。すべてもちろん問題だということではないんでしょうから、一つ一つ見ていく必要があるというふうに考えておりまして、例えばフリーシフトにつきましては、うたい文句としては労働者が希望するときに働けるということでありますが、それがそうではなくて会社が希望するときだけしか働けないというようなことになりますと、労働基準法で労働契約の締結に当たって、使用者は賃金、労働時間、休日などを書面で労働者に明示しなければならないというふうにされているところでありますので、この規定に照らして、適切になるように監督指導をする必要性が出るケースもある可能性はあると思います。その意味で、一度このフリーシフトについて、これ実態把握をしたいと思っております。ただ、国家がやみくもにいろいろ調査をするとなると、これは余り良くない面もありますので、適正な調査がどういう形でできるのかも含めて検討をしていきたいと。
 これは、雇入通知書の休日の欄に特にないというふうに書かれているものもございまして、それがいわゆるフリーシフトだとすると、現実にはどういうような労働になっているのかということについて我々としては一定の調査をしていきたいと思います。
#233
○近藤正道君 日々紹介はどうなんですか。
#234
○国務大臣(長妻昭君) 日々紹介につきましても、これも基本的には、直接雇用で短期の雇入れということは、直ちにこれ法律に抵触するわけではありませんけれども、今言われたように、全部人事機能が例えば外にあって、派遣的な形での雇用というのが常態化をして、しかも法令に抵触する可能性があるというようなことがないかも含めて、この日々紹介事業についてもフリーシフトと同じような調査手法で一度、これはサンプル的になると思いますけれども調査をしてみたいと思います。
#235
○近藤正道君 分かりました。
 派遣のときもきっとそうだったんですけれども、最初は昼間の学生のアルバイトとか、そういうところから始まるケースがやっぱり多いと思うんですよね。本当にそのことでもって生計の中心を支えるというんではなくて、補助的なところから始まる。しかし、現下の非常に厳しい雇用情勢の中で、そういう補助的な業務ではなくて、文字どおり労働のその中心をこれでもって生活をしていこうという、そういう人たちのところにそういう働き方がどんどんどんどん入ってきていると。
 そういうことがありますので、是非これについては、何でもかんでもというふうに私は言うつもりはありませんけれども、是非厚労省としてもウオッチをしっかりして、そして必要な規制はやっていただきたいというふうに思っているんです。
 このことについていろいろ厚労省に聞きますと、とにかくニーズがあると、そのことを前面に出して対応されるんですけれども、ニーズがあるから我々は手を出さないというんなら、それなら労働省なんて要らぬわけですよ、厚労省なんというのはね。それは経産省だけあればいいわけで、厚労省なんて要らないわけで、厚労省が何であるのかということは、そのニーズの陰に隠れて働く者の権利がやっぱり脅かされる、そういうことはあってはならないということのために厚労省というのはあるわけでありますので、とにかくこの二つについてはしっかりとやっぱり実態を把握をしていただきたい。
 私、またいずれ機会がありましたら、このことの問題点についてお聞きをしたいというふうに思っておりますので、是非しっかりと調べて、問題点も押さえた上で、せっかく労働者派遣法を抜本的に改正したのに、またそういう別な形で抜け道がばっこするというような、そういう事態は断固としてやっぱり阻止をしていただきたい。強く要望を申し上げまして、時間はもう五分ほどありますけれども、今日も皆さんに協力をして早めに終わらせていただきたいと思っています。
 ありがとうございました。
#236
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について衛藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。衛藤晟一君。
#237
○衛藤晟一君 ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党・改革クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 鳩山内閣が発足して半年、一兆三千億円もの緊急経済対策関連補正予算が組まれたにもかかわらず、失業率は四・九%、有効求人倍率は〇・四七倍と、依然として厳しい状態にあり、なお出口の見えない状況が続いております。
 厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、平成二十一年の労働者一人当たりの平均現金給与総額は前年に比べて三・八%減少しており、年収四百万のサラリーマン世帯で見れば、十五万円もの減少となっています。また、平成二十二年度においても、政府の経済見通しでは、雇用者報酬は平成二十一年度に比べて更に〇・七%の減少が見込まれております。
 こうした中で、政府は、平成二十二年度の雇用保険、健康保険、厚生年金保険及び介護保険の保険料をそれぞれ機械的に引き上げようとしております。これによると、社会保険料負担の増加額は、年収三百七十万円の平均的なサラリーマンの場合、年間約四万円を超えており、中小企業を始めとした事業主にも同額以上の負担増が生じます。マクロベースで見ても、雇用保険で約五千億円、協会けんぽで約八千億円など二兆円を超える大幅な社会保険料負担の増加となります。給与収入は減少し、更に社会保険料負担が増加すれば可処分所得はますます減少し、日々節約を余儀なくされているサラリーマン世帯にとって、踏んだりけったりであり、さらにはますます消費が冷え込み景気回復に水を差すことにもなりかねません。
 平成二十二年度の雇用保険の失業等給付に係る保険料率については、政府の説明では、本来は千分の十六が原則であるところ、法律が定める弾力条項の範囲内の下限として、千分の十二とするとされております。これは実は言葉のまやかしであり、二十一年度は法律改正による特例措置として千分の八とされておりましたから、千分の八から千分の十二へと実に五割も引き上げられることになります。事業主はこれに二事業分の料率の引上げの千分の〇・五まで加わるのです。
 一方、失業等給付に係る積立金残高は、仮に平成二十二年度に失業等給付の積立金から雇用保険二事業に四千四百億円の繰入れを行ったとしても、なお約四兆円と見込まれます。過去最大の単年度赤字でも約一兆円であり、その後の適用拡大を考慮に入れても、失業等給付に係る保険料率を今直ちに二十二年度に引き上げなければならないという状況にはありません。そもそも積立金は好況期に積み上がったものを不況期の支出増加に充当するという調整の制度であります。まさにこのような不況時にこそ積立金を活用し、労働者や事業主の負担増を抑えるべきではないでしょうか。
 本修正案は、現下の厳しい経済状況にかんがみ、サラリーマンの方々及び事業主の経済的負担の軽減措置を図るため、平成二十二年度における失業等給付に係る保険料率を平成二十一年度と同様に千分の八とするものであります。
 本修正により、平成二十二年度の雇用保険料収入は約六千億円の減少が見込まれますが、先ほど述べた積立金残高の水準やこれまでの失業等給付に係る収支状況を踏まえれば、また、政府は失業等給付に係る積立金から雇用保険二事業への繰入れを図ろうとしていることからしても、雇用保険財政の運営が行き詰まるとは考えられません。
 委員の皆さんも、地元中小企業の厳しい経営状況やそこで働いておられる方々の厳しい家計状況については御存じのことと思います。厳しい経済状況が続く中では、政府原案を修正して保険料率を引き下げることが国民生活の支援につながることと確信しております。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#238
○委員長(柳田稔君) ただいまの衛藤君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。
#239
○国務大臣(長妻昭君) 参議院議員衛藤晟一君提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
#240
○委員長(柳田稔君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#241
○石井準一君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提案の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対して反対の立場から、自由民主党・改革クラブ提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案に対しては賛成の立場から討論を行います。
 まず、政府提出の雇用保険法等の改正案について、反対の理由を申し上げます。
 反対の第一の理由は、勤労者所得が減少しているなどにもかかわらず、失業等給付の雇用保険料率を〇・八%から一・二%に五割も引き上げる点であります。
 政府の毎月勤労統計調査によると、昨年の現金給与総額は前年比約三・八%も減少しております。また、今年の経済見通しを見ても、雇用者報酬は更に減少する見込みであります。
 こうした中、政府は、雇用保険を始め、健康保険、厚生年金保険、介護保険の引上げを行おうとしているのであります。年収三百七十万の勤労世帯で年間四万円の負担増となります。マクロベースで見ても、雇用保険五千億円、協会けんぽ八千億円など、二兆円を超える社会保険料の負担増となるのであります。また、中小零細企業においても厳しい経営状況が続いており、この度の負担増は大変厳しいものであります。与党の皆様方もこうした現実を理解しているのでしょうか。
 反対の第二の理由は、失業等給付の積立金四千四百億円を雇用保険二事業に貸し出そうとしている点であります。
 政府は、三千五百億円の国費を失業等給付に投入して、その積立金から雇用保険二事業に四千四百億円も貸し出すといった措置をとろうとしております。雇用保険二事業については、雇用調整助成金の支出増加に伴い、財政状況が短期間で大幅に悪化しているのは理解をいたします。しかし、複雑な手法で貸し出すというのではなく、直接雇用保険二事業に国費を投入すべきではありませんか。
 反対の第三の理由は、本法案は民主党のマニフェスト違反の法案だからであります。
 民主党のマニフェストには、すべての労働者に雇用保険を適用すると明記をされております。労働基準法や労働契約法など労働法制では、労働者は、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者とされておりますが、本法案では、二十時間以上、三十一日以上見込みの労働者にしか雇用保険は適用されないのであります。週二十時間未満の労働者が四百三十万人もおります。また、いわゆるマルチジョブホルダーは、一人の事業主の下で二十時間以上働かなければ対象になりません。さらに、登録型派遣労働者なども対象から漏れるのが多く生じます。本法案では、このようにすべての労働者が雇用保険の適用対象となるわけではなく、細切れで働かざるを得ない労働者の期待を裏切るものであり、明確なマニフェスト違反なのではありませんか。
 次に、雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案について賛成の理由を簡単に申し上げます。
 先ほど触れましたように、給与総額の減少や中小企業の厳しい経営状況等の中で、雇用保険料の引上げによって国民や企業の負担増を強いるのは許されません。失業等給付の積立金残高は、仮に四千四百億円を二事業に繰り入れたとしても約四兆円もあるのであります。こうした積立金残高や今までの失業等給付の収支状況等を考慮しても、直ちに雇用保険財政が行き詰まることはないということは明白であります。したがって、是非とも、この度は二十一年度と同様に、雇用保険料率をむしろ据え置くべきではありませんか。長妻大臣は、国家の危機管理の側面もあると答弁をしておりますが、普天間移設の問題を始め危機管理が全くなっていない鳩山内閣が何をかいわんやであります。
 国民の生活が第一を掲げた民主党を始めとする各委員の皆さん、我が党の提出の修正案を受け入れて、労働者や事業主の負担増を回避するという英断をすべきであると思います。皆様方の良識ある判断をいただき、是非とも修正案に賛成をしていただきたい。
 以上、政府案には反対、修正案に賛成の討論を終わります。
#242
○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより雇用保険法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、衛藤君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#243
○委員長(柳田稔君) 少数と認めます。よって、衛藤君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#244
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#245
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#246
○委員長(柳田稔君) 次に、介護保険法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。
#247
○国務大臣(長妻昭君) ただいま議題となりました介護保険法施行法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 介護保険法の施行の日前に市町村の措置により特別養護老人ホームに入所した要介護被保険者の方に対して講じられている利用料、居住費及び食費の負担軽減措置は、平成二十二年三月三十一日限りで失効することとなっております。
 しかしながら、本軽減措置の対象となる方が依然として多数に上ることから、本軽減措置の終了によって、これらの方の施設利用の継続が困難となることのないよう、本軽減措置を延長することとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 介護保険法の施行の日前に市町村の措置により特別養護老人ホームに入所した要介護被保険者の方に対して講じられている利用料、居住費及び食費の負担軽減措置について、有効期限を当分の間延長することとしております。
 なお、この法律の施行期日については、公布の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上です。
#248
○委員長(柳田稔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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