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2010/04/13 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第14号
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2010/04/13 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第14号

#1
第174回国会 厚生労働委員会 第14号
平成二十二年四月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     主濱  了君     下田 敦子君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     南野知惠子君     古川 俊治君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     大河原雅子君
     岸  宏一君     西田 昌司君
     古川 俊治君     南野知惠子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                大河原雅子君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                長浜 博行君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                伊達 忠一君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                西田 昌司君
                南野知惠子君
                古川 俊治君
                丸川 珠代君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                近藤 正道君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       局長       上田 博三君
   参考人
       国立感染症研究
       所インフルエン
       ザウイルス研究
       センター長    田代 眞人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種に
 よる健康被害の救済等に関する特別措置法の一
 部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、主濱了君及び南野知惠子君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び古川俊治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省健康局長上田博三君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(柳田稔君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長田代眞人君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(柳田稔君) 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○古川俊治君 では初めに、自由民主党、古川俊治の方から質問を始めさせていただきます。
 本日、質問が結構多岐にわたっておりますので、なるべく御答弁、端的に、正面から御質問にお答えいただきたいと考えておりまして、長妻大臣、基本的には大臣にお願いをしたいというふうに思っております。
 最初に、今回は、大臣の法律案の提案理由説明で、新しいインフルエンザは、感染力は強いものの病状の程度がそれほど重くならないと言っておられますね。今回新しく臨時接種を、形態を創設するんですが、その対象疾患というのは、今般のインフルエンザと同程度の感染力や病状を呈する新型インフルエンザなどの感染症という趣旨でお話になりますけれども、そうすると、新たに創設される臨時接種の対象の感染力あるいは病状というのは、具体的にどういう範囲なんでしょうか。
#9
○大臣政務官(足立信也君) お答えいたします。
 まず、古川委員がおっしゃったように、病原性はそれほど高くないが感染力が強いもの、そしてもう一つの要件としては、これは、国民にとって、あるいは医療機関等にとって大きな負荷が掛かることを予防するために緊急に必要であると、この二点だと思います。
 今具体的なということですが、まさに今回の新型インフルエンザと同程度あるいはそれ以上を想定しているわけです。今回は、まず発症率として設定として二〇%と設定しました。これは、季節性のインフルエンザが年間一千万人弱から二千万人程度ということを考えると、それ以上です、二〇%以上。
 それから、重症化率あるいは死亡率の話ですが、まず入院率ということについて一・五%程度を想定しておりました。季節性インフルエンザの入院率ということについては正確なデータは持ち合わせておりませんけれども、具体的な数値というと、今申し上げたように入院率としては一・五%、発症率としては二〇%という想定を、それ以上を想定しております。
#10
○古川俊治君 そうすると、今のお話で、発症率が一九%、入院の率が一・四%の場合はこれに入らないという理解でよろしいですね。
#11
○大臣政務官(足立信也君) 委員御存じのように、この設定の中にはもちろん、平均的な中位設定もあれば低位設定もあり高位設定もあるということです。先ほど私申し上げたように、感染力、病原性だけではなくて緊急に必要があるという要件も大事ですので、必ずしも、今私が申し上げたのは今回の中位設定ですが、中位設定にとらわれるというか、それがもう厳密な定義なんだと、基準なんだというわけではないと思います。
#12
○古川俊治君 今政務官は最初に、発症率二〇%以上、入院が一・五%以上を想定しているとおっしゃったんですよ。今はそうじゃないとおっしゃっているんですね。じゃ、今般の緊急性という事情、それは具体的にどういう要件が必要なんですか。また数字で言ってください。
#13
○大臣政務官(足立信也君) まずは、緊急性ということについては、海外の情報等も集めながら、入院が必要と思われるいわゆるリスクの高い方々等を始めとして医療機関に殺到するということがあります。非常に多くの方が、キャパシティーを超えたような方々が出る可能性があるというようなことは、まさに緊急の必要性があると思われます。先ほど私が答えたことは、まさに今回の中位設定の話をしましたので、低位設定も高位設定もあるということでございます。あとは、海外の状況、日本の詳細な報告、そして発生状況等を勘案しながら決めていくということになろうかと思います。
#14
○古川俊治君 その低位設定、中位設定、高位設定ってどこに規定があるんですか。何のことでしょうか。
#15
○大臣政務官(足立信也君) これは、まずは、先週もお答えしましたけれども、こういう事態、パンデミックとなり得る、フェーズ4とか5、6、なり得た事態に情報収集をします。対策本部をつくって考えます。そのときに、国内でどれほどの患者さんが発生するか、あるいは入院率がどれぐらいになるかというのは想定をするしかないわけでございます。その中で、海外等の状況、例えば今回でいうと、メキシコの状況とアメリカの状況とオーストラリアの状況、イギリスの状況等々の中から、高い場合、感染力そして病原性とも非常に高い場合の想定と低い場合の想定と、そして中位の想定というのはあるんだと思います。
#16
○古川俊治君 それじゃ、その三つの場合は、何%、あるいは具体的にどういう基準で区切っているんでしょうか。
#17
○大臣政務官(足立信也君) 具体的にといいますと、数値をおっしゃっているんでしょうか、それとも、そうではなくて、どの国がどれだけということをおっしゃっているんでしょうか。
 今回の高位設定は、ちなみに、三〇%が発症率、そして入院率は二・五%というふうに、各国の情報等を入手しながらそのような設定を考えました。
#18
○古川俊治君 先ほどのそうするとお話は、今回の新しい臨時接種は中位設定を目標としているということですね。その範囲をお示しください。
#19
○大臣政務官(足立信也君) どれほど具体的なことを求められているか分かりませんが、例えば中位設定だと、ピーク時の入院患者数が約四万六千人程度、ピーク時の外来患者数が七十六万人程度の想定の下で、その範囲はどこかといいますと、これは、今高位と中位の例を、数値を挙げましたけれども、高ければこれくらい、中くらいだとこれくらいだな、中位は何%から何%なんという設定を設けること自体が正しいのかどうか、私は疑問です。
#20
○古川俊治君 この対象となるかどうかというのは、法文に照らして明確になっていた方がいいからお聞きしているんです。
 今回、新たな臨時接種で、努力義務は課さないけれども勧奨を行うということにしたんですね。これはどういう趣旨なんでしょうか。端的にお答えください。
#21
○国務大臣(長妻昭君) 今回は努力義務はなし、勧奨はありということでございまして、これはある意味では一類疾病の定期接種と二類疾病の定期接種の間という考え方であります。
#22
○古川俊治君 ですから、間というのでは話にならないのでありまして、今回、病原性の高くない新型インフルエンザなんですけれども、これはなぜ季節性のインフルエンザの場合も行っていない勧奨を行うんでしょうか。その理由をお話しください。
#23
○国務大臣(長妻昭君) これは、二類疾病に比べて、新たな臨時接種の対象となる疾病については、社会的混乱を回避するため接種を受けるよう、一種の危機管理的要素もあるということで行政が勧奨を行うということにさせていただいたわけであります。
#24
○古川俊治君 なぜ社会的混乱が起きるんでしょうか。
#25
○国務大臣(長妻昭君) なぜといいますか、今回も新型インフルエンザにおきまして社会的混乱が全く起こっていないというわけではございません。先ほども足立政務官からも申し上げましたけれども、一定の病原性そして感染力の程度を踏まえて今回の臨時の特別措置法というのは提出があったというふうに承知をしておりますので、そういう病原性、感染力の程度を踏まえ、そして社会的混乱を回避するというようなことを目的とするということで、今回、行政が勧奨を行うということにしているところであります。
#26
○古川俊治君 そうすると、今、社会的混乱があるかどうかというのがこの勧奨を行うかどうかのメルクマールであるというお話でございましたけれども、そうすると、もしこのインフルエンザ、感染力が非常に弱くて逆に病原性が非常に強くなった場合、こういう新型インフルエンザの場合はどうなんでしょうか。
#27
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど来申し上げているように、これは恐らくは海外で発生した等のデータを収集しながら対策本部で決定していく過程になると思いますが、その感染力と病原性のどちらも勘案するというお答えをしていると思いますが、その中で感染力が、例えば今の委員の御質問が季節性インフルエンザと比べてという条件付であるならば、それよりも感染力が低いけれども病原性が高いという場合もあれば、どちらも高いという場合もあれば、片方が高いという場合もあるわけでございます。ですから、それはそのときの国内の状況、海外の状況を勘案しながら判断するということだと思います。
#28
○古川俊治君 勧奨を行うかどうかというのは一つの行為が決まるわけですね、やるかやらないかというのは。その範囲は明確であるべきなんで、感染力と病原性とおっしゃるんであれば、その両方について基準をお示しください。
#29
○大臣政務官(足立信也君) 何度も申し上げておりますように、そのときの海外の状況、そして日本の状況で推定するしかないわけでございます。その時点で、今何%以上を勧奨し、何%以上を臨時にするために努力義務を課すというような数値設定は現在はございません。
#30
○古川俊治君 だから、私が申し上げたのは、具体的に今度新しい臨時接種を行う疾患は何を対象としているかということなんですよ。全く明確にお話しいただけなかった、この話についても。だから、次に何かが起こったときにどういう対処にするか、皆さんに本当にこの疾患はこうするというビジョンがない。今、また話し合ってやっている、そうお答えいただいているだけなんですね。その点はよく考えていただきたいと思います。
 次に、現行予防接種法を見ていただきたいと思います。
 読みますよ。一類疾患なんですけれども、一類疾病ですね、これは、「その発生及びまん延を予防することを目的として、」と書いてあるんですね。そういう予防接種を行う疾病のことを一類疾病と呼んでいます。二類疾病とは何かといいますと、「個人の発病又はその重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資することを目的として、」接種を行うものというふうに書いてあるんですね。
 そうしますと、今季節性のインフルエンザは二類疾病に分類されておりますけれども、このインフルエンザのワクチンが、今は感染予防は弱い、発症を抑えるあるいは重症化予防は比較的効いてくるんですけれども、これが、発症をしっかり抑えられる、発生をですね、抑えられるというようなワクチンに変わった場合は、この法文上、文理解釈する限り一類に変わることになるんですが、それでよろしいでしょうか。
#31
○大臣政務官(足立信也君) 前提が医学的にはかなり難しい話ではあることは御存じの上での質問だと思います。
 インフルエンザがワクチンによってほぼ一〇〇%発症を抑えられるという前提で今質問をされましたが、もしそういう事態になったら、私はその状況に応じてその類の指定が変わることは十分あり得ることだと思います。
#32
○古川俊治君 そうすると、これ、一類、二類の分類というのはワクチンの効果によって決まってくると、このようにお伺いしてよろしいですね。
#33
○国務大臣(長妻昭君) この一類は、先ほども御紹介いただきましたけれども、一言で言うと蔓延防止に比重があると、目的についてはですね。二類疾病の定期接種については個人の重症化防止に比重があるということで、目的についてもこれは我々考えなければならないということであります。
 もちろん、一類疾病の定期接種については今現在九種類が規定をされておりまして、それに追加をするということになりますと法改正が必要であるということは申し上げておきます。
#34
○古川俊治君 ですから、私が申し上げているのは、ワクチンの効果が変わってきて、発症、発生を予防できるワクチンが開発されれば、その時点で一類疾病に法改正をする必要があるということですか。
#35
○大臣政務官(足立信也君) 具体の例を申し上げます。
 季節性インフルエンザの中に、WHOの推奨もあり、この秋から恐らく三価の季節性インフルエンザのワクチンを接種するようになると思います。これは、六十五歳以上は定期二類ですが、基本的に新しい臨時接種という概念で行うわけでございます。
 というように、一類、二類の分類については先ほど大臣から答弁があったそのとおりでございますけれども、その三価のワクチンや一価のワクチンというような考え方でもあるように、ワクチンの性質、そして有効性等々で変わり得る可能性は、私はあると思います。
#36
○古川俊治君 ですから、今政務官は、一類、二類というのはワクチンの効果で変わってくるというふうにお話しいただきましたけれども、一類、二類の分類は、じゃ、それでよろしいんですね、長妻大臣。
#37
○国務大臣(長妻昭君) この一類疾病の定期接種と二類疾病の定期接種というのは、ワクチンの性格だけで規定されるものではありません。もちろん疾病の特性によっても分類をされるべきものであるというふうに考えております。
#38
○古川俊治君 その法律的な根拠を述べてください。
#39
○国務大臣(長妻昭君) それは、先ほども議員もおっしゃっていただいたように、一類疾病の定期接種は発生及び蔓延を予防することを目的とする、そして二類疾病の定期接種は個人の発病又はその重症化を防止し併せてその蔓延予防に資することを目的とするということで、それについては、これは表裏一体でありまして、ワクチンの性格がその目的を達成する性格になっているのか、そしてそのもととなる疾病がそういう、今申し上げたようなことを引き起こすそういう疾病であるのかどうか、もちろんそこも勘案しなければならないというふうに考えております。
#40
○古川俊治君 ですから、季節性のインフルエンザワクチンの発生及び蔓延を予防できるワクチンが開発された場合には一類に当たるんじゃないですか。それでいいんですね。
#41
○大臣政務官(足立信也君) 条文を正確に今読み上げるほど手元にはありませんが、定期一類の指定の中にはその他政令で定めるものというのがあると思います。ですから、例えば痘そうのワクチンについても、今は政令で定める痘そうというものが一類に入っているわけでございますから、新しい臨時接種で設定していたものが、今答弁でもありましたワクチンの性質、有効性とその疾病の特徴を勘案して決めるわけですから、新しい臨時接種になっていたものがそのときの状況で、これは今委員がおっしゃるように一類でやるべきだという判断が下されれば、政令で追加するという形になるんだというのが法律上の解釈だと思います。
#42
○古川俊治君 では、確認しておきますけれども、ワクチンの効果が十分に効くようになればこれは一類疾病になるという理解で、確認しますけれども、よろしいですね。
#43
○大臣政務官(足立信也君) 何度も答えておりますが、必要があるという大前提がやっぱりあるわけですね。
 条文を今入手しましたけれども、政令で定めるのは、「各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」、このように判断された場合は当然政令で定められるということです。
#44
○古川俊治君 繰り返しになりますので次の質問に移りますけれども、努力義務というのは現在予防接種法の中に規定されているんですが、勧奨というのは今までなかったんですね、実は。今回創設されるのがこの勧奨という言葉なんですけれども、何か説明を読みますと、既に現行予防接種法の枠組みの中でやっていると聞いているんですけれども、その辺の法律上の規定もなく勧奨を行った理由は何なんでしょうか。
#45
○副大臣(長浜博行君) 今先生の御指摘のように、一類疾病の定期接種と現行の臨時接種については、より多くの国民の方に接種を受けていただき、疾病の蔓延を予防するため、その接種対象者の方々に接種を受けるように努める努力義務というのを課しています。
 その一方で、国民の方々にこの義務を果たしていただくために、国政として努力義務を課した以上、当然のこととして、市町村から個別通知を行うなどの勧奨を行うべきものと解釈をして運用してきたということは先生の御指摘のとおりでございます。
#46
○古川俊治君 できるだけ端的にお答えください。努力義務とそれから勧奨というのはそれぞれ具体的に何をやるんでしょうか。
#47
○副大臣(長浜博行君) 勧奨とはある一定の行為をよいこととして勧め奨励すること、有斐閣の法律用語辞典等にも書いてあるところでございます。努力義務は、個々人に課せられる接種を受けるよう努める義務ということでございます。
#48
○古川俊治君 具体的に何をやるかをお聞きしているんです。
#49
○副大臣(長浜博行君) 努力義務においては、実際には、市町村の対応としては、帳簿管理を行い、予防接種を受けた方を確認し、また受けてない方に例えば電話や訪問を行い、できる限り漏れなく接種を受けていただくよう、ここまでするようなことを規定をしているということでございます。
#50
○古川俊治君 今のは努力義務のお答えでしたが、勧奨は何をやっているんでしょうか。
#51
○副大臣(長浜博行君) 各種メディアを通じた広報等を通じての努力義務からすれば弱いような形になりますけれども、こういったことを、個別通知等を実施するということでございます。
#52
○古川俊治君 通知をするというのは先ほど努力義務の中でもおっしゃっていましたけど、同じじゃないんですか。
#53
○副大臣(長浜博行君) 行政としていわゆる接種の意義を伝えるというような意味合いでの通知でございます。
#54
○古川俊治君 それがどちらですか、はっきり教えてください。どちらに分類されるんでしょうか。
#55
○副大臣(長浜博行君) 努力義務の方は、先ほど申し上げましたように、個別に帳簿管理等を行うというようなことでありますし、勧奨の方は一般的に周知を徹底するという意味での通知と御理解をいただければと思います。
#56
○古川俊治君 今回のH1N1の場合、これは法的に規定がなかったわけですけれども、努力義務は行われたんですか、それとも勧奨は行われたんでしょうか。
#57
○大臣政務官(足立信也君) 今回につきましてはどちらも行われておりません。
#58
○古川俊治君 今回の新型インフルエンザの場合、最初に皆さんの予測で、私が聞いている範囲では、優先接種者五千四百万人プラスあとの三分の一の健康成人、残りの人というふうに伺っておりますけれども、それだけの対象を考え出しているということで、勧奨も努力義務も行わなかったという、それはなぜなんでしょうか。
#59
○大臣政務官(足立信也君) なぜかということを一言で申し上げると、法律に基づかない事業、予算事業として行ったということでございます。法律に規定されている裏付けのない予算事業でスタートしたわけでございます。強いて挙げれば、一点、それが原因です。
#60
○古川俊治君 今回の場合は何人接種が行われましたでしょうか、今まで。
#61
○大臣政務官(足立信也君) これは、今、先ほど委員がおっしゃったように、我々としては七千七百万人分を確保しようと、これは前政権からそういうことでございました。実際の接種人数というものにつきましては、報告の種類でちょっと幅があるんですが、おおよそ二千万回というふうになっております。
#62
○古川俊治君 努力義務、それから勧奨を行うことによってそれぞれ何%の国民、あるいは何人でも結構、何%、具体的に数字で教えてください、が受けるということになるんでしょうか。
#63
○大臣政務官(足立信也君) 先ほどの答弁あるいは質問と重なる部分があると思いますが、先ほど来、明確な数値というものは設定であって、これを数値をクリアすればということではないんだと思いますけれども、例えば季節性インフルエンザは年間四千万人から五千万人が接種されます。これは定期接種対象の六十五歳以上が約五二%、そして任意の方が三割弱ですか、の数でこうなっているわけですけれども、接種の勧奨をするということは今の季節性のインフルエンザ以上なわけですから、先ほど申し上げた四千万、五千万を上回る数を想定しているということでございます。
#64
○古川俊治君 ですから、努力義務は課さないけれども勧奨を行うということにしているんですから、それはそれなりに目標の到達人数が当然あるわけなんですね、接種の。それを具体的にどうお考えなのかということです。そうじゃなければ、両方やるか、片一方だけやるか、そういう判断ができないじゃないですか。
#65
○大臣政務官(足立信也君) 四千万人から五千万人以上を想定しているという答弁では足りないんでしょうか。
#66
○古川俊治君 だったら努力義務をやればいいでしょう。
#67
○大臣政務官(足立信也君) 意味が分からないです。
#68
○古川俊治君 数を多くしたいんであれば努力義務をした方がいいんじゃないですか。四千万から五千万以上するんだったら、努力義務も勧奨も入れた方がいいでしょう。そう考えるのが普通じゃないんでしょうか。
#69
○大臣政務官(足立信也君) 普通とは思えません。個人に努力義務を課すという定期一類と、接種率をもう少し、接種をしていただきたいなと、そのために勧奨するというのは、私はやはり程度が違う問題だと、そのように思います。
#70
○古川俊治君 国がワクチンの効果、公衆衛生行政の観点から見てより多くの人に接種が必要であるというふうに考えたら、努力義務を課すというのも一つの方法ではないんでしょうか。それは要らないというのは、そこで政務官が個人の考え方をお答えするのはいいんですけど、健康を守るために片一方はやって片一方はやらないという合理的な理由は何なんでしょうか。
#71
○国務大臣(長妻昭君) 是非古川委員には御理解いただきたいのは、この努力義務というのは、ある意味ではこの作業というのは国家権力の発動に当たるわけでございまして、やはりそれは危機の程度によってどれだけ国民の皆さんに義務を課していくのかということは議論があってしかるべきだというふうに考えております。その中で、新たな臨時接種については努力義務はなしとさせていただき、現行の臨時接種は、強毒ということも想定をしておりますので、努力義務ありということであります。
 先ほど来、勧奨と努力義務の違いをお尋ねになりましたけれども、努力義務が国民の皆さんに課されるということになりますと、通知を出して、本当に国民の皆さんが接種に来られたのか来られてないのかできるだけ自治体がチェックをして、接種に来られてない方については再度通知を出したり、あるいは時と場合によっては電話を掛けて接種に来てくださいということでできる限り接種を確認をしていくと、こういう作業も勧奨と違って出てくるということであります。
 その一方で、ワクチンはすべていいことばかりではもちろんございませんで、副反応というものもあるわけでございますので、努力義務を課すということになりますと、国民の皆さんとしてはやはり打たなければならないというような、そういう方向が強まるということで、それ相応のやはり定義、要件がないと、安易に努力義務を課すということについては、一方で慎重であるべきであるという議論もあるんではないかと思います。
#72
○古川俊治君 今回の新型インフルエンザの病状が重くなった場合には、これは努力義務を課すんでしょうか。
#73
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど来、仮定の質問がすごく続くんですけれども、やっぱり努力義務を課すための大前提としては死亡者や重症者がもう大規模に発生するということがあるんだと思います。その意味で、今の仮定をおっしゃると、それは先ほど政令で定めるというふうに言いましたけれども、定期一類になって努力義務が課されるというふうに、そこまでの大規模発生ということになれば、そして重症者も非常に多いということになれば、そういう過程を経て政令で定められて努力義務が課せられるというふうになるんだと思いますが、これは仮定の話です。
#74
○古川俊治君 別に二類であったって臨時接種の対象になりますから、従来の。それは努力義務を課されるわけですけれども、今回わざわざ新しいものをおつくりになった。課されますよね。六条の一項の方ですよね、元々。これは一類及び二類の疾病のうちと書いてありますけれども。いいですか。六条三項で今度新しいのをつくったんですけれども。よろしいですね。
 どちらでもいいわけですけれども、この新しい、今の新型インフルエンザが病原性が強くなった場合の取扱いですね、これについて今回の法律に何も記載がないのはなぜなんでしょうか。
#75
○大臣政務官(足立信也君) 今回の新型インフルエンザが病原性が強くなった場合の今の御質問という意味の解釈でまずよろしいでしょうか。
#76
○古川俊治君 結構です。
#77
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど来申し上げていることの繰り返しになるかもしれませんが、やはり大きく分けると予防接種というのは定期と臨時とそれから任意というのがあるわけで、そして臨時接種も今回、さっき臨時接種の、今ある臨時接種のことを、まだ一回しか使われておりませんけれども、その場合は努力義務、そしてもちろん勧奨もということになるわけですけれども、毒性、そして感染力、そして緊急性、必要性を勘案しながらという形になるわけでございまして、今我々が直面した新型インフルエンザA、H1N1と同程度のものというのは今まで想定されていなかったわけでございますから、今あるものをまず法の中にしっかり書き込む必要があると、今の程度のものを。そして、それ以上のもの、今御質問なわけですけれども、それは今ある定期一類の形、あるいは臨時の形で対応するというような法の整備をしたということです。
#78
○古川俊治君 ですから、今回は新しい臨時接種の対象にするんですけれども、もうすぐにこれは強毒化するおそれもあるんですよ。ですから、その場合にどう取り扱うのかということを伺っているんです。
#79
○大臣政務官(足立信也君) もうこれずっと議論なんですが、要は、そのときの病原性、感染力、そして緊急性、必要性はやはり対策本部で判断するわけです。その判断のよりどころになる予防接種法の位置付けがないわけですね。ですから、その判断は、病原性が非常に高まった場合は、新しい臨時接種という枠が今、今の新型インフルエンザについてはこの新しい臨時接種というカテゴリーがふさわしいと思いますけれども、その病原性が極めて高くなった場合は、当然そのほかの、あるいは臨時あるいは定期一類というようなカテゴリーに変わるということはそこで判断されるものだと思います。
#80
○古川俊治君 法文中に明確にその変わることの規定があった方がいいんじゃないでしょうか。
#81
○大臣政務官(足立信也君) いい悪いの議論よりも、まずは予防接種法にこのようなカテゴリーを設けるということで今回法改正をしたわけでございまして、今のA、H1N1がこういうふうに変わった場合、あるいは季節性に変わった場合というような想定を法文の中で、予防接種法全体の中で書くことがいい悪いということについては、こちらも検討してこのような法案にさせていただいたわけでございます。
#82
○古川俊治君 繰り返しになりますけれども、では、強毒化したときにどの程度になったら結局通常の臨時接種に切り替えるか、六条の一項の方に切り替えるか。恐らく、その具体的な基準をお聞きしてもまたお答えにならないと。ですから私は法文上に明確な規定があった方がいいんじゃないかということを申し上げているんです。
 何一つ、今回の形はお示しいただきましたけれども、どういったことが具体的に起こったら何をすべきかということが皆さんお答えになられないということは、形だけは整ったけれども、次に具体的にどういう場合にどうするかということがお考えいただいていないということがよく分かったと私は思っております。
 ワクチンの購入契約と損害賠償契約のお話に行きますけれども、外国のメーカーと損失補償契約を結ぶのはなぜなんでしょうか、お答えください。長妻大臣。
#83
○国務大臣(長妻昭君) これについては、特例承認という承認をさせていただくということに関して、その段階で外国の企業が損失補償契約という要件でなければ契約できないということになった場合に損失補償契約を結ぶということで、ほかに取るべき手段がない、つまり国内のワクチンというのでは対応できないというのが要件にはなるものの、今申し上げたような理由でございます。
#84
○古川俊治君 そうすると、特例承認だから補償契約を結ぶという理解でよろしいですか。そうすると、今後の特例承認においても同じような補償契約を結ぶということになりますけれども、それでよろしいでしょうか。
#85
○国務大臣(長妻昭君) 特例承認というのも一定の要件がございますけれども、特例承認をし、かつその外国のメーカーが損失補償契約でなければ物を売りませんと、ぎりぎり交渉してもそういうお話である場合ということであります。
#86
○古川俊治君 この特例承認で認めるとすると、恐らくは臨床試験をやっていないからという理由になるんでしょうけれども、それで危険性が分からないと。しかしながら、元々危険性が分からないものを、臨床試験をやる場合ですね、その場合でも企業の過失責任や製造物責任というのは免れないんですね、補償がございますけれども。そのバランスからいってもこれはおかしいわけでございまして、もうよっぽど外国から本当にお願いして持ってくるという話じゃなきゃいけないんですけれども、これはもちろん各国の土壌が同じじゃなきゃ困ると。厚生労働省の方も、外国でも同じような契約を結んで購入をしているというお話だったんですけれども。
 その契約条項を、一体、外国と企業が結んでいるものを確認されたんでしょうか。
#87
○国務大臣(長妻昭君) これ、確認をさせていただいているところでございまして、例えばGSK社から日本国も輸入を申し上げましたけれども、それについては、これは在外公館やあるいは海外企業からのヒアリングによって損失補償の条項の存在がGSK社と確認されている国としては、日本はそうですけれども、主要な国で申し上げますと、イギリス、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー等々確認をさせていただいております。
#88
○古川俊治君 補償契約を結んだということは明らかになっておりますけれども、契約条項を確認しましたか、そうお伺いしているんですが。
#89
○国務大臣(長妻昭君) この損失補償条項が入っているということは確認をいたしましたけれども、すべての契約書の例えばコピーを入手をして全部の文面を確認をするということは、なかなかその契約の関係上できにくいんではないかというふうに考えております。
#90
○古川俊治君 重要なのは契約の範囲なんですね、補償の。そのことについて各国と確認をしておりますか。
#91
○国務大臣(長妻昭君) 契約の範囲については、補償の範囲というのはどういう御趣旨で言われたのかというのも定かではありませんけれども、基本的には損失補償条項の存在を確認をしたということであります。
#92
○古川俊治君 損失補償契約だけだったら幾らでも、補償の範囲が弱ければ結んだって意味がないわけですね。
 今回の法案に、実を言うと、損失補償契約を結ぶことができるという法律案になっているんですけれども、その要件、どういったことを定めるかという法律の要件が全く、契約の要件というものが書かれていないんですね。平成二十二年二月十九日の厚生科学審議会におきますと、損失補償契約の要件等を定めるべきであるというふうに提言がされているんですが、なぜ法案に契約の要件が定められていないんでしょうか。
#93
○国務大臣(長妻昭君) これ、是非古川委員に御理解いただきたいのは、先ほど来御質問いただいておりますけれども、まず、この特例承認というのは私は一種のこれは危機管理上の承認だというふうに思います。国内でほかに取るべき手段がない、そして輸入ワクチンでないと対応できないと、こういうようなことで対応するということになっておりまして、法律の中で契約条件を、まだどういう状況が想定されるのか、あるいは需要がどれだけ、需給、供給の関係がどれだけ逼迫しているのか、そういうことが分からない段階で法律に事細かに契約の要件まで書き込むということはできないわけでございますので、こういう書きぶりにさせていただいているということを是非御理解いただきたいと思います。
#94
○古川俊治君 これは、要件が規定できなければ債務負担額も全く不明なんですね。そうすると、これは損失補償契約に国会承認を必要とするということでしたけれども、何で国会がその債務負担額も分からないようなものを承認できるんでしょうか。
#95
○国務大臣(長妻昭君) いや、今おっしゃられたような御懸念があってはいけないということで、今回、閣議決定及び国会承認を得るということも入れさせていただいているところであります。憲法八十五条では、国が債務を負担するときは国会の議決に基づくことを必要とするという条項もありますので、この承認条項も入れさせていただいています。
 当然、国会承認をするときに、どこと契約するのかも分からない、あるいは損失補償の上限があるのかないのか等々、それも分からないということでは、当然国会で承認というのはなかなかいただくのは難しいというふうに常識的に考えられますので、もちろん国会承認をさせていただく際には、契約の相手方、損失補償の上限の有無などを明らかにすることによって国会承認をいただけるようにしていくということであります。
#96
○古川俊治君 損失補償の上限がない場合について伺いますけれども、そうすると、上限がない場合、有無を、ないと言われた場合に国会はそれを認めると思いますか。
#97
○国務大臣(長妻昭君) これも先ほどの繰り返しですけれども、これは一種の危機管理の話でございまして、そのときの日本国が置かれた状況、あるいは強毒性か否か、あるいは感染力の有無、国民の命を守るために必要な措置で、国内には取るべき手段がないということになったときに、ぎりぎりの交渉の中でそういう、仮に、仮の話でございますけれども、ことがあったときに、私は、国家国民の皆さんのために国会がどう判断されるかというのは今あらかじめ申し上げるという材料は持っておりませんけれども、仮に上限がないということでぎりぎりそれしか他に取る手段がないと行政も判断し、そして閣議決定がなされ、そして国会でも皆さんがそう判断すれば、そういうこともあり得るんではないかというふうに思いますが、あくまでそれは仮定の話でございます。
#98
○古川俊治君 特措法の十一条に行きますけれども、「当該購入契約に係る新型インフルエンザワクチンの国内における使用による健康被害に係る損害を賠償することその他当該購入契約に係る新型インフルエンザワクチンに関して行われる請求に応ずることにより当該相手方及びその関係者に生ずる損失」と書いてあるんですね、ここに。一方、今回の法案の六条では書きぶりが違っている。もう読むのやめますけれども。
 この二つが書きぶりが違っているんですね。これ具体的に何が違うのか教えてください、内容について。
#99
○国務大臣(長妻昭君) これについては、特措法の損失補償の規定と今回の御審議いただいている法案の規定ということでありますけれども、例えば、今申し上げた国会の承認を必要とする点などが違うということと、異なっている点でもう一つは、損失補償契約が可能な状況として、ワクチンの需給が世界的に逼迫しており、早急に確保しなければ国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められる場合ということも規定をさせていただいているというようなところについて異なるのではないかというふうに考えております。
#100
○古川俊治君 この法文を見ると、両方の損失が違っているんです。政府が補償すべき損失が違っておりますので、その損失の具体的な違いは何なんですかというふうに、補償すべき損失の具体的な違いは何なんですかというふうにお聞きしているんです。
#101
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど申し上げたなどの点が異なるということで、基本的にはさきの臨時国会で成立させていただいた特別措置法の内容とその損失についても変わらないというふうに考えております。
#102
○古川俊治君 そうすると、今回の新しい法律の下でも、特措法の下でGSKやノバルティスと締結されたワクチンを原因として企業に生じるあらゆる損失を政府が補償するというような契約も、新法の下でも可能なんですね。
#103
○国務大臣(長妻昭君) それは、新法の方でも、まあ仮定でありますけれども可能だと、一定の当然要件がございますけれども、思いますが、その際には国会承認が要るということも付け加わっているところであります。
#104
○古川俊治君 いや、可能だと思うというか、可能というふうに伺いましたけれども、ここに法文上は「新型インフルエンザ等感染症ワクチンの性質等を踏まえ国が補償することが必要な損失」と書いてあるんですね、そこに。こういったワクチンの性質とかあるいは感染症などの性質を踏まえとここに書いてありますけれども、これ、すべての損失とは読めないんですよね。国が補償することが必要というわけですから、そこで一切の損失を補償するというのとはこれは読めないんですけれども、そういった契約を結ぶというのは既に法の範囲を超えているんじゃないんでしょうか。
#105
○国務大臣(長妻昭君) これは、今御審議いただいている法律に関しまして、実際にどの部分まで損失補償契約の対象とするかについては、これは個別のケースに応じて、まあ契約の段階でこれは検討していくということになるわけでありますけれども、その契約を締結をするということになれば、これは国会の承認が要るということになるわけであります。
#106
○古川俊治君 ただ、法の範囲を超えていたら既に法律違反ですから国会の承認も何もないんですよ、既に一切の損害を補償するという契約が可能であるというふうにお答えいただいていますから私はお聞きしているんですけど、その点どうなんですか。
#107
○国務大臣(長妻昭君) これ委員、今の契約は、これは言うまでもありませんけれども、特措法に基づいて契約をさせていただいているわけでありまして、委員の御質問は、仮定として、その契約と同じようなものが今回議論をしている新たな法案でどういう位置付けになるのかということでありますけれども、それは、その時々の契約内容というのは異なる、あるいは評価が異なるということにもなろうかと思いますので、今の契約については、この法律ではなくて特別措置法に基づいてGSK社とノバルティス社と契約をしているということであります。
#108
○古川俊治君 だから最初に特措法と今回の法律でどこが違うんだというふうにお聞きしているんですよ。私は再度、今回の新法下でも同じ契約が結べるんですねと言ったら結べるというふうにお答えいただいたからそう言っているんですけれども。
 確認しますが、当然外国企業としては一切の損失を補償しろというふうに言ってきますよ。この新法下でもそれを結ぶことが可能なんですね、結ぶことは法律違反にならないというふうにお考えなんですねと伺っているんです。
#109
○国務大臣(長妻昭君) これは先ほど来御答弁申し上げているつもりなんでございますけれども、今回の法律、今審議していただいている法律においても、先ほど来申し上げた条件あるいは契約の中身等々にかんがみて必要があるというふうに判断されればその損失補償契約を結ぶことができるということでありますけれども、特措法と異なるのは、国会の承認という一つの御了解事項が加わっているということで、そこで御判断されればそれが有効になると、こういうことを繰り返し申し上げているところであります。
#110
○古川俊治君 法律にのっとらないものを国会承認という手続、この法律の中で行うわけですから、それはもう既に違法の範囲に入っているんですね。
 それで、これよく考えていただきたいのは、例えば毒物が混入していた、異物が混入した、それとか外国の製品で承認されている製造方法と全く劣るような製造方法で日本のワクチンができていた、こういう事態まで全部補償することになるんですよ。それは明らかに、その危険性、治験が行えないとか緊急に輸入しなきゃいけないという事情とは全く別の話ですよね。そういったことまで本当にこの国が、我々の国家が外国企業だけをそんな全部補償しなきゃいけないという責任、損失を補償するのが正当なんでしょうか。その点どうお考えですか。
#111
○国務大臣(長妻昭君) ちょっと今委員が違法性があるということを言われましたけれども、今回の輸入ワクチンについてどこに違法性があるのかというのも是非お伺いしたいところでありますが。
 先ほど来委員と議論をしておりますと、これ危機管理の観点なんですね、この特例承認というのは。つまり、何でもかんでもむやみやたらに特例承認をして何でもかんでも損失補償契約を結ぶということではございませんで、国家の危機管理の必要性にかんがみて特例承認をする。そして、その後直ちに損失補償契約ということになるわけではございませんで、損失補償契約を結ばなければそのワクチンが国内に輸入できない、特例承認についても、ほかの国でも一定の要件の下、承認をされている等々の要件が掛かっているところでありまして、そういう要件の掛かった中での話であるということも御理解いただきたいと思います。
#112
○古川俊治君 ですから、じゃ、そうすると、そういった場合、特例承認、今回の場合もそれ実際行っていますからね。それは今回のGSK、ノバルティスじゃないですけど、先の話を申し上げているんであって、今回新法においてですから。そうすると、毒物が混入されていたり、GMPと申し上げますけど、そういった標準的な製造方法から全く劣っていた場合も政府はこれ補償するということになるんですが、それでよろしいんですね。
#113
○国務大臣(長妻昭君) これ、毒物が混入されていたら他国で同じワクチンが承認されていないんではないでしょうか。今回も、GSKのワクチンについてカナダで一部問題があるということで、我々はカナダまで派遣をしてそれを確認をさせていただいたということでございますし、あるいは、この補償の対象については、明らかに製造上の欠陥あるいは故意によるようなもの、先ほどの原因の分析の結果が仮に欠陥であった場合は、それは補償の対象にはならないということにしているわけであります。
#114
○古川俊治君 そういうことはない、承認されないんじゃないかと言いますけど、ロットの違いというのがありまして、製造工程で一人の、中国ギョーザの話がありましたけど、従業員が何か違反をした場合には十分入るんですよ。現場で、かなりの一流の製薬企業であっても異物が混入したなんという事例は山ほどありますから、その点よく、大臣、厚生行政の現場でよく見てください。そのような報告がたくさん上がっています。
 今回、補償制度の対象として国内メーカーを対象としなかったのはなぜですか。
#115
○国務大臣(長妻昭君) これも先ほど来申し上げておりますように、特例承認ということで、他に取るべき手段がないという危機管理上の観点から特例承認があり、損失補償契約というのがあるわけでございまして、国内メーカーということであれば国内で取るべき手段があるということで、その損失補償契約というのは規定が置いてないということであります。
#116
○古川俊治君 国内メーカーも同じように短期間に大量にこれ販売しなきゃいけないというリスクを負っているんですね。ただ、これ異常な事態ですよ、普通考えれば。そういったことが国として要請される事態なのに、なぜ国内メーカーだけが不利に置かれなきゃいけないんでしょうか。
#117
○国務大臣(長妻昭君) 国内メーカーについては損失補償契約の規定はございませんけれども、やはりその産業育成の観点から国としてはいろいろな措置を講じている。今後は、五年以内に国内メーカーを育てて製造体制を強化をして、半年で全国民分のワクチンが作れるような、そういう細胞培養法の支援もするということで、国内メーカーについては海外メーカーと違って国としてもいろいろ御支援をしているということであります。
#118
○古川俊治君 外国での副作用救済制度についてお聞きしますけれども、米国の場合が典型的ですね、大きな会社は皆米国にございますので。予防接種の副作用救済制度はどうなっていますか。
#119
○大臣政務官(足立信也君) お答えいたしますが、先ほどの質問で、これ特例承認ということで、国内で特例承認のシステム、そういうスキームはないわけでございまして、通常の承認を経ているということは、海外からの特例承認と日本での通常の承認というのは違うプロセスを踏んでおって、臨床試験等も中に入っていて有効性、安全性を確認しているという大前提があるわけですから、仮定のところの答弁でございましたので、それを付け加えさせていただきます。
 そして、今の答弁でございますけれども、諸外国も当然、接種後に健康被害が生じた場合の救済制度を有している場合が非常に多いと。
 具体的に挙げますと、アメリカでは小児の定期接種として勧奨する予防接種について健康被害救済制度が設けられておりまして、健康被害が生じた場合は最高二千五百万円まで、二十五万ドルですね、支払が行われると。ただし、この場合は、いわゆる求償といいますか、損害賠償を請求する訴訟が制限されております。また、イギリスでは接種後に重篤な健康被害が生じた場合は十二万ポンド、約一千八百万円が支払われると、そのようになっています。そして、詳細はちょっとまだ正確には把握しておらないんですが、ドイツやフランスも救済制度があるというふうに、今までの調査の中ではそのようになっております。
#120
○古川俊治君 これ、今日朝、厚労省が送ってきたやつで非常に不正確なんで、これで話もしたくないんですけれども、海外の、これは特にアメリカの副作用救済制度というのは元々が逸失利益まで含んでいるんですね。上を読んでいただけなかったんで、足立政務官、今上限というのは決まっているなんというお話でしたけれども、元々が賠償の構造でできているんですよ、米国のものは。ですから、これを日本に医薬品の救済制度を持ち込むときに非常に実務は苦労したんですけれども、元々考え方がアメリカは賠償が補償になっているんですね、この補償制度自体が。そして、重要なのは、海外の企業と国内メーカーは差異がないです、補償制度において。ですから、これは彼らの場合、国内メーカーと海外メーカーで、海外メーカーを利するようなことになっていないんですね。ここが大きな差です。
 今政務官お話しいただきましたけれども、特例承認なんで治験をやっていないというお話でございましたけれども、治験やっていないということについて認めるならば、治験のときだって、先ほども申し上げましたけれども、補償においては賠償責任、製造物責任とか過失責任は免れないんですよ、リスクが分かっていなくても。それはそういう前提で治験をやっているわけですから、それで治験がないと言っても、一般の補償でしたら、当然それは既に補償制度の中に付いておりますので特に契約を結ぶ必要性はないわけですね。ですから、その上に過失責任や製造物責任を外国企業だけについてこれは全部国がカバーするということについては、私は、北里研究所のこの生産開発、臨床開発をやっている人間が親しいので話をしましたけれども、実際に大変に不満に思っているというコメントでした。
 実際、現在のこの新型インフルエンザで今回一番問題になったのは、やはり国内の生産体制というのが脆弱だからなんですよ。ですから、これだけ輸入もしなきゃいけないということで、大臣もお分かりだと思いますけれども、国内の生産基盤をしっかりつくり上げていくことこそ急務なわけですね。
 それから、我々が比べてみまして、現在、インフルエンザワクチンにしても、本当に小さな四事業者だけに頼っているんですよ。それがノバルティスとかGSKという世界的な企業と戦わなきゃいけないんですね。そういう中で、本当にこういう補償制度一つにしても、外国メーカーを不当に、不当という言い方が正しいかどうか分かりませんけれども、明らかに国内メーカーとすれば差異があるわけですよ。そういう体制についてどうお考えですか、長妻大臣。
#121
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど来委員と議論をしていて、やはりそのよって立つ基本的考え方が違うんではないかという気がしてきております。
 つまり、今申し上げている特例承認とか損失契約について、これ国家の危機管理の一環として、国家の危機管理の一環としてこういう考え方があるというふうに承知をしております。それは、仮に新型インフルエンザが起こって、国内でワクチンがきちっと全国民分が製造できる体制があるということであれば、もちろん委員がおっしゃられることのとおりだと思います。
 ところが、これは我々も反省しなければいけませんけれども、日本国においてはワクチン行政がはっきり言って遅れていると、こういう現状の中で輸入に頼らざるを得ないという今国内の体制の中で、しかし国民の皆さんの命を守らなければいけないという要請の中でこういう法律、考え方を提起をしているということで、危機管理の観点なんです。
 それで、我々は、五年以内に細胞培養法を、国内のメーカーにその製造体制を整備をしていただいて、五年以内に半年で全国民分のワクチンを供給できる体制を国内で賄っていこうと。海外のメーカーに対して必死になってワクチンを確保するということが昨年あったわけです、政権交代の前に。そういうことが起こってはならないということで我々は整備をしていくということで、その過渡期の危機管理の中で我々はこういう案を提示をしているということであります。
#122
○古川俊治君 専門家の中の会議の意見でも、日本のワクチン行政の在り方からこの補償の在り方を外国企業だけに認めるのはどうかという御意見もあります。これは専門家が言っていることですけれども。
 それから、現場の、私が先ほど申し上げましたように、やはり危機管理が云々かんぬんということでは考えていないです、国民の多くは。やっぱり国内メーカーを育ててほしい、そういうことで申し上げているわけですから。
 それから申し上げて、じゃ、大臣、五年以内というふうにその開発をやるということを何回も繰り返していますけど、どういうスケジュールでやるんですか。具体的に、明確にお答えください。
#123
○国務大臣(長妻昭君) まず、やはりちょっと委員のお考えと我々の基本的な認識が異なるわけで、国民の皆さんは危機管理なんて考えていないというふうに言われましたけれども、今回は結果的に新型インフルエンザについて当初想定されているほどの強毒性にはならなかった。しかし、お亡くなりになった方もおられます。心よりお悔やみを申し上げるわけでありますけれども。結果として今回はそういうことになりましたけれども、それがもし想定以上の強毒性であった場合は、国民の皆さんから、危機管理、政府は何をしているんだと強い糾弾、非難を受けるということも十分に可能性としてはあるわけでありまして、そうあってはならないということで、我々は特措法も出し、そして今回の改正案も提示をしているということでございます。
 そして、今おっしゃられた細胞培養法の五年ということでございますけれども、これについては、今、その製造体制をやっていただく事業者を選定をするという作業をしておりまして、工程表を作った上でその実現を図っていくということであります。
 まずは二月四日、今年でございますけれども、二月二十三日まで、まずその実施団体を選定するための公募をいたしました。そして、三月の三十一日に第一回新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業評価委員会を開催をいたしました。そして、五月中をめどに第一次公募の対象となった実験プラント等の助成先の選定作業を進めておりまして、その選定が済めば一年以内に、これは各企業によっても状況が異なりますのでめどでございますけれども、一年以内に実験プラントの整備を行う予定にしております。そして、一年を超えた段階をめどに臨床試験や実生産施設の設計に着手する予定にしておりまして、この工程表に基づいて、五年後をめどとして、半年で全国民分のワクチンが製造できる国内体制を整備をしていこうということで今取り組んでいるところであります。
#124
○古川俊治君 それは五年掛かるんですか、必ず。いつできるんでしょうか。そのお答えをいただいて、それから、先ほど危機管理のお話がございましたけれども、そういう話であれば、あれほど、一回打ち、二回打ちの混乱もございました、それから、優先接種の解除の時期も大変遅くなったんですね、今回。そういうことに関して、うちはこれでやっているんだということから見ると、かなり現場に混乱を起こして医療機関に負担を掛けている、それが現状なんですよ。その点について、どうお考えですか。反省点をしっかり述べていただきたいと思います。
#125
○国務大臣(長妻昭君) 委員の御質問というのは、まず、五年後と言っているけれども、それをもっと早くやれということだと思います。我々として、今の計画でも本当にぎりぎりの努力の中で五年後という計画を出させていただいておりますので、それはできる限り五年以内に実施をしたいという思いで進めておりますけれども、基本的には五年後ということをめどとしているということも御理解をいただきたいと思います。
 そして、今いろいろな判断のお話がありました。一回打ち、二回打ちというようなお話もございましたけれども、これについても、適正な手続にのっとって省としての適正な判断をするということで我々実施をしているところであります。
 その中で、新型インフルエンザワクチンの今回の水際対策も含めた全体の対応については、これは総括をする委員会を設置をいたしまして、昨日も第二回目を開催をして、昨日については広報体制ということで、新型インフルエンザに対する広報についてどういう問題点があったのかを議論をいたしました。今後、その議論を重ねて、一定の後に、今回、新型インフルエンザの対応全体についての我々としては総括を出して公表して、それを次回の事態に備えていこうということを考えております。
#126
○古川俊治君 一点、最後に申し上げておきますけれども、一番大切なのは、やはり国内の生産、しっかりとしたインフルエンザの基盤をつくり上げることだと思っております。これは大臣も同じ認識だと思うんですけれども、そのためには、これだけ不利な条件で今やらされている、ワクチンが遅れている日本の現状、これは我々の責任もございますけれども、そういった中でできる限り行政が支援していかなかったら、これから日本のワクチンはまた遅れていくばかり、全部外国に依存するばかりというふうになっていきますから、その点、細かいことまで含めて、日本メーカーを育成するという観点で是非これからも対策を進めていただきたいと思います。五年ではなかなか時間が遅いと我々は考えております。
 以上です。
#127
○委員長(柳田稔君) 答弁はいいですか。
#128
○古川俊治君 はい。
#129
○西島英利君 自由民主党の西島でございます。
 今日は幾つか質問をさせていただきたいんですけれども、その前に、これは事前通告しておりませんので、もしお分かりだったらということで大臣にお答えいただきたいんですが、今日の専門紙に、福祉医療機構、これが、日本政策金融公庫ですか、と合併するというのを、事業仕分で浮上しているというのが実は報道されておりまして、私も実はここからかなりの金額をお借りしているんですけれども、やはり福祉、そして医療の経営をやる上においては非常に大事な部分だというふうに思っているんですが、何といいますかそのシステムが、組織が大きくなればなるほどフットワークは非常に悪くなって使い勝手の悪いものになってしまうのではないかなということを非常に強く懸念をしているわけでございますけれども、何かもし情報をお持ちであれば大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#130
○国務大臣(長妻昭君) 今の合併の議論というのは、これは外部からもいろいろこれまでも指摘を受けているというのは事実でございます。そして、厚生労働省としても省内事業仕分ということで今言われた法人も対象となっておりまして、これは仕分人からそういう論点が出される可能性もありますので、その場合については、我々政務三役含め、省内でしっかりと検討していきたいと思います。
#131
○西島英利君 この福祉医療機構というのは非常に優秀でありまして、ほとんど焦げ付きのない実は機構でもあるんですね。是非そういう意味でのお考えをしっかり持っていただいて今後に備えていただければというふうに思います。
 それでは、今日、田代参考人においでいただいておりますので、まず田代参考人にいろいろと御質問をさしていただいて、その後大臣の方へ御質問を進めていきたいというふうに思います。
 先ほど古川委員は、法律的な立場から、彼は弁護士でございますので、そういう立場からの質問でございました。私は、臨床の現場を知る人間として、そういう立場からお話をさせていただきたいと思います。若干ダブるところはあるかと思いますが、視点が違うということで、改めてまたお答えをいただければというふうに思います。
 それでは、早速田代参考人に御質問させていただきますが、今回、新型インフルエンザワクチンを接種するに当たりまして、その準備段階で様々な混乱が起きました。私は、ずっと全国回っておりまして、何であんな混乱を起こしたんだと、自分たちは一体どうしていいか分からなかったというようなことで大変なおしかりを受けたわけでございますけれども、十月の十六日にある程度の結論がまとめられた中で、再度十月の十九日に意見交換会が行われたということで一回から二回になって、さらにWHOの報告が出ましてまた一回に変えたというようなこともございますけれども、この辺りを、御参加をされておりましたので、どういうお考えでこの意見交換会に御出席されていたのか、そういう情報も含めてお聞かせいただければと思います。
#132
○参考人(田代眞人君) 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの田代です。よろしくお願いいたします。
 今の御質問の件ですけれども、インフルエンザワクチンの接種回数が一回か二回かということにつきましては、これは、一つは、季節性インフルエンザ、毎年流行しているインフルエンザウイルスに対するワクチンの接種回数、これの成績と、それから予想される新型、全く我々が経験したことのないウイルスに対するワクチンと、この二つの問題から科学的に様々な検討をされてきております。
 それで、今回の新型H1N1のウイルスは、ウイルスが最初に確認された四月の末の段階で、アメリカのCDC、疾病対策局がウイルスの遺伝子の全塩基配列を公開しました。それに基づいて我々は様々な検索を世界中で並行して行ったわけですけれども、この中で大事な知見というのが、季節性のH1N1、ソ連型と言われているウイルスですけれども、これとの間に抗原的な交差がかなりあるだろうということが推測されました。これはあくまでも遺伝子の上からの推測ですので、実証されていたわけではありません。
 しかし一方で、季節性ワクチンを接種された方の血清抗体を調べてみますと、今回のウイルスに対しては、高齢者ではある程度の抗体を持っている方がいらっしゃいましたけど、若い人にはほとんどいなかったと。それから、季節性のワクチンを打っても、一回接種しても抗体が上がってこなかったということから、基本的には高齢者を除く六十歳未満の方にはこの新しいウイルスに対する基礎的な免疫がないだろうというのが五月の段階での我々の認識でした。
 そこで、ワクチンが必要である、新しいワクチンが必要であるということでワクチン製造が世界的に進められたわけですけれども、その後に臨床試験を各国で行ったところ、一番最初に成績が出てきたのが中国のメーカーからの成績でしたけれども、これが八月の前半に、小さいお子さん、たしか六歳未満を除いては一回接種で十分に抗体が上がってくる、二回接種してもそれ以上上がってこないという、そういう成績が出されました。これは、一番最初に出てきた成績は健康成人でしたけれども、八月の中旬くらいまでにはすべての年齢についてのかなり大掛かりな臨床試験の成績が出てまいりました。
 そこで、我々は、もしかしたらもう基礎免疫が既にあって、一回接種でいいのではないかというような議論を始めました。同時に、オーストラリアのワクチンメーカーが同じような試験を行いまして、同じような結果が得られてきました。それが八月の末だったと思います。
 そういうことから、WHOのネットワークを中心にして、今回のウイルスに対してはほとんどの成人、小児を除いて、は基礎免疫があるのではないかと、ワクチンを一回接種すれば、その基礎免疫が目が覚めてといいますか、刺激されて一回接種で有効な免疫レベルに達するのではないかというようなことがほぼコンセンサスを得られたのが九月の初めごろだったと思います。その後、日本を含めまして各国で行われた臨床試験の成績もそれをサポートするような成績だったわけです。
 先ほどお話ありました、十月の十六日だったと思いますけれども、そのときの専門家の会議では、そういうような成績、当時は日本においては健康成人、十八歳から多分六十歳くらいまでだったと思いますが、その成績しか日本にはありませんでしたけれども、それに基づいて、また各国の成績に基づいて、少なくとも成人においては一回接種でいいだろうというふうに我々は考えました。
 そのときに、その後十九日にもう一回専門家が集まった会議がありましたけど、そのときに指摘されましたことは、日本の臨床試験の成績というのは健康成人だけであって、その中に含まれる妊婦とか、それから基礎疾患を持った患者さんとか、それからまた高齢者、あとそれから若い方についての成績がない、そういう状況でこれを全部すべての、広く適用することが適当だろうかという、そういう疑問が出たというふうに記憶しております。これは確かに科学的な議論では、そういうすべてのカテゴリーの方に対する臨床試験の成績が余りないという状況で、健康成人を中心にした成績だけをもってすべてに適用できるかどうかというのは疑問が出てくるのは当然だと思います。
 一方で、季節性のワクチンにつきましては、日本では行われておりませんけれども、海外においては日本と同じような製造方法で作ったワクチンにつきまして、成人はすべて一回接種が行われています。妊婦及び基礎疾患を持った患者さん、高齢者を含めて基本的には一回接種をされています。それは、季節性のウイルスというのは毎年流行していて、ほとんどの成人の方はそれに対する感染の経験がある、若しくはワクチン接種の経験があることから、基礎免疫があるだろうという前提でやっております。
 その長い間の様々な臨床試験及び実際に接種された効果を検討しますと、一回接種でも、妊婦さん、それから基礎疾患、これは非常に重症な免疫不全の患者さんを除いた一般の基礎疾患を持った患者さん、これについても同じように一回接種で十分な抗体の誘導が起こるということが一般的に受け入れられておりますので、そういうことを勘案して十六日の段階では先ほど言ったような結論を出したわけですけれども、十九日に提案されたそういう疑問については、確かにサイエンティフィックにはそれはすべて、国内のワクチン、今回のワクチンについては成績がないということで、まず、二回接種をするためには、一回接種をハイリスクの方から、優先順位の高い方から接種するわけですけれども、その結果を見て、それで十分に上がってこないということがあれば二回接種をしていくと。そのときに、一回接種で十分な抗体の応答があった場合にはあえて二回接種をする必要はないだろう、そこでまた再検討すればいいのではないか、そういうようなふうに考えたと、そういうことだと思います。
#133
○西島英利君 最初の接種が始まったのが十月の二十日からですね。そして、最初の結論を出していただいたのが十月十六日でございました。要するに、ここまでぎりぎりまで引き延ばさないとこういう結論は出なかったんでしょうか。
 というのは、恐らく国立四病院が治験をしておりまして、その結果を待ちということもあったのかもしれませんが、余りにもせっぱ詰まったような状況の中で一回接種、二回接種というお話が出ましたので、そこまで出ないとなかなか結論は出なかったんでしょうか。もしお分かりになったら。
#134
○参考人(田代眞人君) 今の件ですけれども、先ほどお話しした十月十六日の検討会の直前に臨床試験における二回目の接種の抗体応答の成績が出ました。十六日の段階で我々はその成績を初めて目にしたわけですけれども。ですから、一般成人、健康成人における二回目の接種が必要かどうかということの結論はそれまでは出なかったと思います。
#135
○西島英利君 もう一つ、今、ですから一回でいいのか、二回でいいのかというのは、それはもう抗体の問題、どこまで抗体価上がってくるかどうかの問題だというふうに思うんですが、その一回と二回で何が違うのか、メリット、デメリット、もし問題点があればお教えいただきたいと思います。
#136
○参考人(田代眞人君) これは先ほどお話ししましたように、免疫学的には、一回接種をして、若しくは過去に同じ抗原の暴露を受けていて基礎免疫ができている場合には、基本的にはこの免疫記憶というのは終生残るというふうに考えられています。ただ、それはだんだん下がってきますので、免疫は、感染防御力は下がってくるわけですけれども、そこで追加免疫としてワクチンを一回接種すれば、過去に獲得された免疫がそこでよみがえってきて、ブーストといいますけれども、一回接種で十分な免疫が上がってくる可能性があるわけです。そういうことから、かつて基礎免疫ができてその記憶がある方については、基本的にはインフルエンザの場合には、同じ抗原性を持ったウイルスであれば一回接種でいいだろうというのが現在の科学的な認識だと思います。
 これに対しまして、過去に全く感染を受けたことのない新しいウイルス、例えばH5N1とかH9とか、そういうほかのウイルスに対しては、ほとんどの人はだれも免疫を持っていませんので、これに対してはワクチンの一回接種では十分な免疫が誘導できません。これは、最近、試験開発中の新しいタイプのワクチンでは一回でも誘導できるというものもあるようですけれども、基本的には現行のワクチンでは一回接種では誘導できません。それによって基礎免疫をある程度付けた後に、三週間ないし四週間後に追加免疫、二回目の接種を行って更に免疫を高める、これをブーストといいますけど、これによって十分な免疫が誘導できるというのが現在のワクチンの考え方です。
 ですから、一回接種がいいのか二回接種が必要なのかということにつきましては、過去の目的とするウイルスに対する基礎免疫、その記憶が残っているかどうかと、それに依存しますので、抗原の違いによってこれすべて一回でいいのか、すべて二回必要なのかという、そういう議論はできません。
#137
○西島英利君 鳥インフルエンザのことをずっと議論していく中で、最初からこれは二回接種ということで実はプログラムが作られていたように私は思うんですけれども、今回、混乱をしたというのは、接種を開始するぎりぎりで要するに一回か二回かというのが行ったり来たりしたという混乱があったんだろうと思うんですが、やはりきちんとしたルールを作って、常にそういう議論をしていただいている少人数の専門家集団で、やっぱり速やかにその結論が出せるような組織をつくるべきじゃないかというふうに思うんですね。今回は意見交換会という、聞いたら何かちょっと軽いんですね、言葉自体が。
 ですから、これは国民にとってみたら非常に重要な部分でございますから、恒久的といいますか、そういうふうなやっぱり組織を、専門家集団の組織をやっぱりきちんとつくるべきじゃないかと思うんですが、いかがでございますでしょうか。
#138
○参考人(田代眞人君) おっしゃるとおり、そういう組織が必要かと思います。
 今回の意見交換会というのが何回か開かれましたけれども、私自身の認識としては、その会がどういう権限を持っているのかというのがはっきりしなかったと思います。最終的な政策決定がどこで行われるのかと。これはもちろん大臣その他トップの方の間で行われるわけですけれども、そこに対する意見交換会のリコメンデーションというのがどういう意味を持っているのかということがまだはっきりしていなかったというふうに思います。ですから、その辺をきちっと対応できるようなそういう組織、そういうものが必要かと思います。
 それから、今回の場合は、今のお話のワクチン接種の問題ですけれども、これにつきましては、国内にも専門家は大勢いらっしゃいますけれども、意見交換会のメンバーというのは、必ずしもそういう現場でワクチンの接種に携わってこられた方がすべて含まれていたわけではありませんし、それからワクチンに対する基礎研究の専門家がそこにおられたわけでもありませんので、そういう意味で、人選も含めて広く検討するような、そういうことが必要かと思います。
#139
○西島英利君 今回は幸いにも弱毒性であったと、病原性がそんなに高くなかった、強くなかったということで何とか今まで来ているわけでございますけれども、しかしこれ、鳥インフルエンザ、H5が来た場合にはこんな状況じゃないと思いますね。先ほど大臣も危機管理のことをおっしゃいましたが、まさしく危機管理のイロハのイの字だというふうに思うんですけれども、そういう状況というのはですね。ですから、恐らく、今回のような状況がまた次来たときに起こればこれはもう大混乱になるだろうと思うんですが、いかがでございますか。
#140
○参考人(田代眞人君) 今御指摘のありましたH5N1の鳥のインフルエンザ、強毒型の鳥のインフルエンザに由来する人の新型インフルエンザが出た場合には、これは恐らく我々がかつて経験したことのない大きな健康被害と社会的大混乱が起こると、これは様々なところから指摘されているわけです。
 問題は、これがどのくらいのリスクが起こる可能性があるのかということですけれども、これについては様々な議論がありますけれども、危機管理の原則としては、やはり最悪のシナリオに対して十分な対応をしておくということだと思います。
 これにつきまして、今回ワクチンに限定してお話ししますと、今まで何年間か厚労省においてもこのワクチンの検討がされてきましたけれども、現有の製造体制では、最悪というか、これは発育鶏卵を用いてワクチンを作りますので、発育鶏卵の供給に大きく左右されるわけですけれども、その発育鶏卵の供給が十分でない時期にワクチンの製造を開始しなければならないという、そういう時期、事態、最悪のシナリオといいますか、そういうことが起こった場合には、国民全体にワクチンが供給されるのには一年半掛かるだろうというふうに想定されています。
 それを何とかもっと早く、半年以内に国民全員にワクチンが供給できるようにするにはどうしたらいいかという検討がされまして、その中で一番可能性の高いものとして組織培養細胞を用いたワクチン製造という選択肢が一応検討されて、今それが国のプロジェクトとして進んでおります。これが予定どおりいきますと、五年以内にその製造体制が確立しますと、新型インフルエンザの出現から半年以内に国民全員にワクチンを供給できるようになるだろうと、そういうふうに考えております。
 ワクチン、H5N1の場合には、先ほど言いましたように、非常に人においても病原性が強いと考えられますので、通常のインフルエンザと言われる我々になじみ深い呼吸器の病気とは全く違う病気が起こってくるというふうに想定されます。現時点では、治療しない場合には致死率一〇〇%です。早期に抗インフルエンザ薬で治療しますとそれが十数%まで下がりますけれども、それについても薬剤耐性のウイルスが出た場合には無効になる可能性もありますし、健康被害を抑えるためにはやっぱりワクチンというものが切り札であろうというふうに考えられます。
 そうしますと、新しい製造方法にしても半年は掛かるわけですね。この間をどうするかということが一つ大きな問題ですが、現時点ではそれに対する解決策というのが具体的なものはありません。
 ただし、H5N1に限定して考えた場合には、現在鳥の間で流行しているウイルスに基づいたワクチンを製造しておけば、実際に流行するウイルスが多少それと抗原的にずれたウイルスが流行したとしても、交差免疫としてかなり有効に働くだろうと。健康被害をゼロにできないかもしれませんけれども、大幅に減らすことが期待できるということで、これは数年前からWHOが提唱して、プレパンデミックワクチンという、実際のパンデミックの流行ウイルスではなくて、予想されるウイルスを用いたワクチンの開発を進めてきております。
 国内でも発育鶏卵を用いた製造が行われまして、現在まで三千万人分のワクチンが備蓄されています。これをどういうふうに使うかということですけれども、備蓄されたワクチンは有効期限がありますので、古くなった場合には廃棄せざるを得ない状況です。そうしますと、それが一番無駄になるわけですけれども、事前にワクチンを大勢の方に接種しておけばある程度の基礎免疫はできているだろうと。そうした場合に、H5N1の新型インフルエンザが出た場合には、基礎免疫があるとないとでは全く健康被害が違ってくると予想されますので、それが一つ有効な方法であろうということです。
 それから、基礎免疫があれば、先ほどH1N1の今回の新型インフルエンザでもお話ししましたように、一回のワクチン接種で一週間以内に免疫が十分に上がってくるということが予想されます。これを、備蓄してあるワクチンをそのとき初めて使い始めた場合には二回接種が必要になりますから、二回接種した後に一週間してワクチンが上がってきますので、接種を始めてから一月以上たたないと有効な免疫が獲得できないということになります。その間の一か月というのはパンデミックの流行が起こった場合には非常に重要な期間で、一か月も待てないという状況だと思います。
 そこで、WHOを中心にしまして、プレパンデミックワクチンをどういうふうに使うかということで二つのオプションが今のところ考えられております。一つは、これは備蓄しておいてパンデミックが始まったときに二回接種をするという考え方。それからもう一つは、事前に、希望者を中心にして、社会的機能の維持に必要なそういう方を中心に事前にワクチンを打って基礎免疫を付けておくと。それで、実際にパンデミックが起こった場合には一回接種をすればその一週間後には免疫ができると、そういう戦略の二つが今考えられております。
 日本ではどういう選択肢を取るかというのはまだ最終的には決めていませんけれども、三千万人分のH5N1のワクチンの備蓄をしました。これは三年前からしているわけですけれども、最初の年に作られたワクチンは既にもう有効期限が切れていますので、今年度それをどういうふうにするかということが一つ大きな課題かと思います。
#141
○西島英利君 今のお話で、廃棄処分をしなければいけない状況、要するに有効期限のお話がございましたが、私は、今回、輸入ワクチンを大量に入れて、それが無駄になった無駄にならないというようなことで、数字的なものだけが躍っているわけでございますけれども、特にこの感染症対策というのは無駄を考えたら私、できないと思うんですね。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 先ほど長妻大臣もおっしゃいましたように、国の危機管理の問題だということでございますから、危機管理というのはこれは無駄のもう連続だというふうに私自身は思っているんでございますけれども、その視点からいかがでございますでしょうか。
#142
○参考人(田代眞人君) おっしゃるとおりだと思います。感染症危機管理というのは今まで日本でも余り検討されたことはありませんけれども、特に新型インフルエンザ、強毒型の新型インフルエンザが起こった場合には、これは社会的な、まあ崩壊とまでは言いませんけれども、かなり大きな影響が出るだろうということが推定されているわけです。そうしますと、こういうことが起こらないことが一番いいわけですけれども、いつか必ず起こるだろうと。そうすると、起こった際にその被害を最小限度に抑えるということは、これは事前準備をしておかなければできません。それから、実際に起こった場合の緊急危機対応の対策、計画を事前に作っておかなければできません。そのためには人と予算が必要になってきます。
 これが無駄なのかどうかということですが、危機管理の考えからしますと事前準備というのは絶対必要で、そこに使われる予算、これが実際にはパンデミックが起こらなくて使われなかったと、これが一番いいことだというふうに思います。これは適当な例かどうか分かりませんけれども、消防とか警察と同じことだと思います。準備を十分にしておいて、火事が起こらなかったから無駄になったという、それが一番いいというふうに思います。
 その万一起こるかもしれないために必要十分な対策を事前に整備しておく、いつでもそれが実施できるような状況にしておくということが感染症危機管理の原点だというふうに考えております。
#143
○西島英利君 ありがとうございます。
 次に、先ほどもちょっと大臣に対して古川委員が質問をしていたんですが、ワクチン行政がずっと遅れてきているのはこれは事実だと思うんですね。ですから、これは副反応というものを過剰に恐れたために遅れてきたのではないかなというふうに私自身は思っているんです。例えば、これはたしか平成の四年だったと思うんですけれども、東京高裁で国が健康被害で敗訴したという状況もあったりしまして、それ以降、遅々として何か進んでこなかったような気がするんでございますけれども、やはりこういうような副反応はどうしても避けられない。
 ですから、その起こったときのためのきちんとした補償制度、これをつくっていかないと、やっぱりこのワクチンのあした、発展はないんだろうというふうに思うんでございますけれども、いかがでございますでしょうか。
#144
○参考人(田代眞人君) まさにおっしゃるとおりだと思います。日本の現在のワクチンに対する政策というのは、かなり諸外国に比べて遅れております。
 それで、私が、現在の国立感染症研究所、昔の国立予防衛生研究所に入りましたのが平成六年ですけれども、今お話がありました東京高裁の集団訴訟の判決が出たのがその二年前です。当時はインフルエンザワクチンの集団接種も中止になりまして、それに代わるインフルエンザ対策というのも何もなかったと。まさに、ワクチン行政の底打ちの状況だったわけですけれども。
 その後、私は様々なワクチンにかかわってきましたけれども、ワクチンのポリシーを更に諸外国並みに充実させていこうという努力はしてまいりましたけれども、なかなか難しい問題がありました。
 一つ大きな問題は、組織の問題があったと思います。これは、薬害エイズの問題が起こった後に厚労省の中で、当時の生物製剤課というのがすべてワクチン関係を担当していたわけですけれども、そこの一極集中が問題視されまして、ワクチンに関する担当部局というのが幾つかに分かれました。細かいところまで言いますと、八つか九つくらいに分かれたと思います。様々なワクチンに対する提案を持って話をしに行きましても、自分のところの担当はここまでであるということで、なかなか横の連絡が悪くて、すべて全体に話をしていくと最初の担当の方はもう既にどこかへ移っていないというそういう状況で、非常にうまくいっていなかったというのが一つあると思います。
 それから、今御指摘ありましたように、一九九二年、平成四年の高裁の判決で、ワクチン行政は実施主体である国の責任というか、健康被害ですね、ワクチンによる被害を避ける義務があるという、そういう判決内容だったというふうに理解しておりますけれども、これによりまして、ワクチンの接種を、そういうポリシーを実施したことによって生じる、それはワクチンというのは異物を入れますから副反応、副作用ゼロにはできないわけですけれども、それがすべて行政の責任であるというような認識だったと思います。そうしますと、やれば必ず責任をだれかが取らなければいけない、いつか取らなければいけないということで、じゃ、やらないの方がいいだろうという、そういうことになっていったんじゃないかというふうに想像いたします。
 一方で、ワクチンを接種しなかった場合に生じる健康被害、実際の感染症に罹患して生じる健康被害というのは当然あるわけです。これは不作為による責任ということになりますけれども。こういうことが一つその前後に生じてきましたのは、百日ぜきワクチンの問題が起こって、百日ぜきワクチンを三種混合から一回除いた時期があります。そうしますと、百日ぜきの患者さんが増えてきたと、健康被害が増えたということで、これは逆にワクチンをやらなかったために生じた健康被害で、これはワクチンをやれば避けられたというそういう事態だったわけです。
 その二つの相反する問題というのがあって、これを厚労行政にすべてどっちを取るかを判断しろというのはある意味じゃ酷かとは思いますけれども、私自身が日本のワクチンの今後の問題として一番根本的に考えなければいけないことは、この二つの相反する責任と義務というこの問題について、国民全体で広くディスカッションがされてコンセンサスを得ておくということが大事だと思います。
 それから、補償制度の話がありましたけれども、これは、ワクチンを接種する以上、ある割合で必ず事故というのは避けられないわけです。これは最初から起こるものだというふうに我々認識しておりますけれども、国民の多くの方にとっては必ずしもそうではないと。
 これがもし起こった場合に、今の補償制度ですとやはりお金で補償するということなので、海外では割合とこういうことはドライに受け取られておりますけれども、日本の場合にはなかなかお金は払ってもらったからといってそれで納得できないという、そういう問題が一つあると思います。ですから、この辺につきましても、補償ということをどういう形で補償していくのか、この辺についてもやっぱり国民のディスカッションが必要かと思います。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
#145
○西島英利君 もう一つは、今回これも混乱の一つになったんですが、一バイアル一tとそれから十tとこの二種類が出てきたわけでございますけれども、小さな診療所等々でやっていく場合には、この十tではとてもとても余ってしまってどうしようもないというような状況も起きたということで、これも混乱の一つだったと思うんですが、どうしてこういう状況の中で一t、十tというもの、この二種類が、特に最初は十tから出てきたというふうにはお聞きしておりますけれども、それについて何か御知見がございましたらお願いします。
#146
○参考人(田代眞人君) 現行の季節性のインフルエンザワクチンは、基本的には一tのバイアルで提供されています。一部あらかじめ注射器に充てんした段階で〇・五tという、そういう製品もありますけれども、基本的には一tです。ですから、一つのバイアルから二人分が使われるというのが季節性のワクチンです。
 パンデミックの場合にこういう方法でワクチンを製造しますと、製造に時間が掛かるというのが一つあります。それから、細かいことになりますが、一ロットという一つの製造単位当たりの量が少なくなりますので、それだけいろんな試験その他、回数が増えます。そういうことで製造効率が悪いと。それが一つです。ですから、早く社会に供給するためには十tのバイアルがより効率がいいだろうということが一つあります。
 それからもう一点は、昨年の二月に改定されました国の新型インフルエンザ対策ガイドラインというものがありますけれども、その中に、ワクチンはまだ最終的な案ができておりませんけれども、それまでの検討経過で、新型インフルエンザの場合には集団接種が必要になってくるだろうと、その場合に、現行の一tのバイアルで接種をする場合には、包装を何回も開けたりそれから何回もいろんなことをやらなければいけないということで、接種現場でも非常に効率が悪いということが予想されました。これは以前に小児に対して日本でインフルエンザワクチンの集団接種が行われていましたけれども、そのときは十tのバイアルが使われていました。それで特に何か問題が起こったということは報告されていないと思います。それはあくまでも集団接種に使われていたわけですけれども。
 それから、新型インフルエンザが出た場合には、我々の想定では集団接種若しくはそれに準じた方法がかなり使われるのでは、接種体制としてそういうふうになるのではないかということで、そういう現場では十tのワクチンの方がむしろ接種の能率がいいだろうという、そういうことを検討いたしました。
 これはもう二年前になりますが、二年前のちょうど今ごろ、もうちょっと後かもしれませんが、先ほど言いましたH5N1の備蓄ワクチンですね、プレパンデミックワクチンを接種していくための安全性をより検証するために、医療機関のボランティアの方を中心にして六千人にワクチンの接種を行いました、臨床研究として行いました。そのときには十tのバイアルを使ったわけです。そのときに実際に接種された方、接種した、担当した方の話を聞きますと、これは一tでやったら大変だったねと、十tだったから比較的短期間で効率よく接種できたんだと。
 そういうことで、今回のH1N1についても、国民全員分にワクチンを接種するというのが、そういう国の方針でしたので、それを考えてなるべく効率よく集団接種に準じた方法でやるということで十t。それから、もちろん小さい医療機関では、十tというのは二十人分一回に接種するわけですけれども、一回封を開けますと二十四時間以内に二十人分使わないと無駄になるわけですけど、そういうような集団接種ができないようなそういう医療機関においては一tの従来のバイアルによる製品も並行して作っておくと。そのバランスを考えて供給をするというふうに、八月だったと思いますが、その段階でそういう方針になったというふうに考えております。
 ですから、今回、十tのバイアルが小さい医療機関に配付されて、そこでほとんど使われずに余りが廃棄されたという事態は、これは十tを製造して供給したことが問題というよりは、それをどういうふうに、どこに、適切なところに供給がうまくいかなかったという、そういうロジスティックな問題があったろうというふうに考えます。
#147
○西島英利君 ありがとうございました。
 最後に、先ほども長妻大臣が国内で生産する体制づくり、五年の工程表をお話をされたわけでございますが、その五年以内にそういう形でやるということについて、鳥インフルエンザいつ来るか分からないという状況の中でとてもとても遅いのではないかと。これは前倒しをしてできるだけ速やかにやるべきではないかと私自身は思っているんですけれども、前倒しできるものでしょうか。この五年以内の見直しということについて何か御意見ございましたら。
#148
○参考人(田代眞人君) ちょっと質問の趣旨がよく把握できてないかと思うんですけど、今、五年後に組織培養ワクチンの製造体制を確立するという、それを前倒しして例えば三年とか四年にするという、そういう御趣旨ですか。
#149
○西島英利君 はい、そういうことです。
#150
○参考人(田代眞人君) これは、技術的には非常に難しいと思います。
 それから、ワクチンを承認して実用化していくということにつきましては、技術的な開発だけではなくて、これに対して臨床試験を行って安全性、有効性をある程度検証しながら進めていくということが必須です。ですから、それを考えますと、五年というのは最短だというふうに考えております。
 既にこのプロジェクトは昨年から始まっていますので、今年度含めて四年ということになりますけれども、国内の製造体制の確立については一応五年というふうに考えております。なるべく急いでやるという努力は当然いたしますけれども。
 それから、ついでで申し訳ありませんけれども、新しい体制が、組織培養細胞のワクチン製造体制ができるのが五年というふうに、予定どおりと考えますと、この間に鳥のパンデミックその他が起こる可能性があります。この場合には、先ほどお話ししましたように、現行の発育鶏卵を用いた製造体制で対応せざるを得ないわけです。国内においてはそういうことです。そうしますと、最悪の場合には国民全員分のワクチン製造には一年半掛かると。そういうことなんで、その間どういうふうな対応をしておくかと、これについても今から考えておく、もう遅いくらいですけれども、検討しておく必要があると思います。
 そのオプションとしては、一つはワクチンを輸入するというオプションもありますが、今回の輸入の場合にはいろんな問題がありましたけれども、これはもしH5N1のような強毒型のパンデミックが起こった場合には、恐らく海外のワクチンメーカーが日本にワクチンを供給するということは非常に難しいのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、今すぐというわけにはいきませんけれども、WHOとしては、それぞれの国若しくは地域でのローカルプロダクションということを強く、そういう政策を進めております。
 これは、現行のインフルエンザワクチンの供給、世界的な供給体制のように、ヨーロッパの三つの大きなワクチンメーカーが世界の九五%のシェアを占めているというこういう状況は、非常に危機対応としては危ないといいますか、その一つの例としまして、一九七六年にアメリカで豚由来のH1N1のウイルスが新兵のキャンプを中心にして流行したことがあります。そのときに、これはスペイン風邪の再来だということで、当時のフォード大統領が緊急対応をしましてワクチン製造を進めたわけです。そしてワクチン接種を進めたわけですが、そのときに、それまでアメリカはカナダに対して季節性のワクチンを輸出していたわけですが、その輸出を停止しました。そのためにカナダは非常に危機的な状況に陥ったわけです。それが教訓になりまして、カナダでも自国でワクチンの製造を、少なくとも国民分のワクチンの製造を確保するという、そういう政策が導入されました。
 これは、その後、先進国においてもほとんどの国でそういうことが進んできていますけれども、一番大きな問題は、世界の七割を占める途上国、そこに対するワクチンの供給というのが非常に、現在の世界的な製造体制、供給体制では十分な対応がなされていないと。これは国際的に非常に大きな問題で、H5N1が起こったときのワクチンの供給をどうするかと。世界的に、途上国を含めてすべての世界の人に対して公平でなおかつ入手可能な、そういう体制を構築するということが要求されているわけです。
 そういう意味でも、日本は、先進国の一つとして国内の製造体制を十分に確立するとともに、途上国、近隣諸国に対しても緊急時のワクチンを供給できるような、そういう責任を果たしていくことが必要だというふうに考えています。
#151
○西島英利君 本当に今日はどうもありがとうございました。様々な私どもにとって分かっていなかった部分、かなり理解をできたような気がいたします。本日は本当にお忙しいところ来ていただきまして、ありがとうございました。
 どうぞ御退席いただいて結構でございますので。どうもありがとうございました。
 それでは、大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 今回、先ほどのお話の中で、一回、二回の接種回数、これが混乱を起こしたということでございましたけれども、その結果、用意するワクチンの量が大きく変わってしまったということになるだろうというふうに思うんですね。医療機関に最初に行った情報は二回接種でありましたし、その二回接種という、その情報の中でそれぞれの医療機関はワクチンを恐らく購入したんだろうというふうに思っております。そういう意味で、今医療機関の在庫が出ているというのは、それが一つの要因ではないかなというふうに思っているんですけれども。
 この件で、これはずっといろいろ調査をしていく中で聞いたんですが、今回、輸入ワクチンを契約をされたときの時期が、その一回接種が決まった後であったというふうなことをちょっとお聞きしたんでございますけれども、これは通告はしておりませんが、いかがでございますでしょうか。
#152
○大臣政務官(足立信也君) できるだけ正確に申したいと思いますが、ちょっと記憶のあれですので。
 十月にまずは両社に対して契約いたしました。それから、承認申請がこれは微妙に時期が異なっておりまして、十月の十六日がGSKだったと思います。それから十一月九日がノバルティスであったかと思います。そこから約二か月で特例承認が下りたわけでございますから、特例承認が下りた時点でやっと日本でも使えるということになったわけですから、大幅に対象者を拡大することがやっとその時点で確約されたということだと私は思います。
#153
○西島英利君 ですから、先ほどもちょっとお話をしたんですが、今回この調達をされました。全国民に渡るようにということで、数字を見ますとどうも二回接種なんですよね。
 ですから、今回あれだけの今使われていないワクチン、また、ある会社のものについては有効期限が非常に短いというようなことで、二月に入ってきたときに既にもうあと一か月しか有効期限がなかったというような等々もあったというようなそういうことでの混乱が起きたということなんですが、これについてどういうような検証をされているんでしょうか。
#154
○大臣政務官(足立信也君) 先ほどノバルティス、十一月九日と言いましたが、十一月六日です。要するに承認申請がされた時点で有効期限がやっと分かったということです。
 それから、その時点、契約が十月ですね。日本は優先的にそこで確保してくれたということですね、会社の方が。ですから、十月の時点から、十一月に半年って分かったら三月で切れると。つまり、その時点で製造されたものを契約が成立した日本との間で確保してくれたのがその時期だったということで、そこから半年で切れていくと、そういうことになっているわけです。
 これはGSKも全く同じでして、その契約した時点から確保してくれているので、現時点でそこから一年半あった場合は一年半後が、そこから数えて一年半後が有効期限になっているということでございます。
#155
○西島英利君 私は、この残ったことについては、これは危機管理上は問題ないということを先ほど申し上げました。この一回接種ということを決めた後に契約をされたのではないかなということを今ちょっと御指摘しているわけでございまして、それはいかがでございますか。期間的な、時間的なもので。
#156
○大臣政務官(足立信也君) それは時間的に異なりますね。
 先ほど、ちょっと申し訳ないんですが、委員が十月十六日に結論が出たということをおっしゃっておりましたが、これは海外のACIP等も含めてやっぱり結論というのは行政の、まあ大臣の判断であるわけで、あのとき一番大臣が判断されたのが、夕刊紙に意見交換会の、オープンでやっていましたから各紙様々に書かれてあったんですね。一回に変更と書かれたり一回の可能性というふうに書かれたり様々、これまさに混乱しました。ですから、行政としてはしっかりこれは決めなきゃいけないということがあったわけです。
 そこで、十月一日に対策本部、それ以前にももちろん前政権から二回を原則で優先接種者を決めてということをやっておりましたけれども、対策本部で十月一日に決めて十月二日に課長会議を開いて、原則に返って、流して、しかも十月二十日からやりますって言っていて直前に一回の意見が出てきたことは、そこでしっかり行政として決めないと大混乱を起こすということで、そこでもう一度意見を聴く会を開かせていただいて、先ほど田代先生がおっしゃったような理由で決定したわけですね。
 そこで我々がもう一つ要素があったのは、一回で大体七割ちょっとの方々が有効だと思われた、じゃ二回やって仮に九十何%有効ってなったら、その方々も一回でいいとは言えないだろうと。やはり二回接種した後の抗体の上昇がしっかり上がるかどうか、一回目と変わらないのかということを確認する必要があったのではないかという判断をいたしました。
#157
○西島英利君 今ちょっとその意見交換会に、あれマスコミが入っていたんですよね。ですから、その中で様々な情報が流れながら、その情報の中で恐らく記事になったんだろうと思うんですね。
 やっぱり重要な部分を決めるときというのは、それが公開がいいのかどうかというのもやっぱり重要なポイントだと思うんですよ。でないと、誤った情報が出ていく。これからはやっぱりそういうことも考えられてやっていかないと、公開が必ずしも透明性を担保するということではないんだというふうに私自身は思っておりますので、その辺りのお考えも是非今後していただきたいと思います。
 それから、今回そのワクチンに関する総括の会をつくられました。新型インフルエンザ対策総括会議です。この構成員を見ていますと、全部これ学者さんですね。まさしく、現場でどんなことが起きたのか、現場がどんなニーズを持っていたのかということは恐らくここからは読み取れないだろうというふうに思うんですけれども、どうしてこういう構成になったんですか。
#158
○大臣政務官(足立信也君) 以前委員会でも答弁したことですが、ちょっと正確に申し上げます。
 この総括会議の構成員、今委員がおっしゃった十一、これはベースの方々と考えてください。まず第一回目で三月三十一日に行ったのは、昨年来行ってきた新型インフルエンザ対策の事実確認をしようと、こういう根拠に基づいてこういうことをやりましたねということをまずやろうと。昨日二回目がありましたが、昨日は広報についてでした。そして、毎回そのテーマごとにそれぞれの現場の方をお呼びして現場の方を中心に議論をしていただく。
 元々このベースの部分の方々は、参加は自由というふうにしております、二回目以降は。例えば昨日は、現場の方々、広報に携わる方々が十名いらした。ですから、過半数は現場の方々。それで、次回は検疫とか保健所、保健対策、公衆衛生というテーマでやりますが、これも保健所の方々とか検疫官であるとか、現場の方々を十名以上集めてそちらの方が過半数になる、ベースの方々が全員いらしても過半数は現場の方々となるような構成にしております。
#159
○西島英利君 ベースになる人が実は一番重要なんですね。最終的な報告書というのはそのベースになる人の中で議論をされて決まっていくわけでございますから、ですから、その中に、何も多人数を入れろという話ではないんですよ、少人数でもいいんですから、やはり最初から現場の分かる人を入れておくということは私、重要なことだろうというふうに思います。
 必ずしも狭い視点の中で意見交換するわけではなくて、要するに広い視点の中で様々な意見交換をすることによって初めて総括というのは行われるのではないかなというふうに思いますので、その点はちょっと御指摘をさせていただきたいと思います。
 それからあと、これは何回も何回も御質問があった件です。大臣に対して、例えば山本さんもされましたし、石井さんもされましたし、いろんなところで、たしか小池さんもされたんじゃないでしょうか。
 つまり、医療機関で今回在庫が出てきている、それに対して今回、返却に応じないというようなこと等。いや、将来的にこれ、その有効期限があるんだから使えばいいじゃないかということなんですが、今回はまさしく危機管理の中で、先ほどから何回も大臣おっしゃっておりますけれども、危機管理の中で全国の医療機関に協力をしてくれという中で行われたこの予防接種だったというふうに私は思うんですよね。そういう中で、先ほどから何回も言っていますけれども、二回が一回になったり。そうすると、二回だったらその倍の量を実は購入をするわけでございますから、当然それに対しては在庫が出るのは当たり前のことだろうというふうに思います。
 また、先ほどからの御議論の中でも、今回は病原性が弱かったということがございまして、その情報もマスコミを通じて流れていった結果、実際には予約をしておきながらキャンセルをした等々の問題が起きて、これはやはり医療機関の責任の問題ではなくて、国策として危機管理の中でされた内容でございますから、やはりそれはしっかりとした御検討を早くしていただいてメッセージを出していただきませんと、例えばこれから先、夏に向けて、まだ使っていけばいいじゃないか等々の話ではないんだろうというふうに思うんですね。
 それについて大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#160
○国務大臣(長妻昭君) これについては、御指摘をいろいろな委員会、衆議院でも御指摘をいただいているところでございますけれども。
 まず、有効期限については、国内産でありますけれども、一部を除いて製造から一年ということでございますので、おおむね今年の秋ごろまでは活用が可能だということであります。
 この第二波ということもこれは完全に否定をできませんし、先進国でも第二波が起こっている国もあるというのが一点と、そして、買戻しということになりますと、仮に第二波に備えてそれを国が在庫として持つということになりますと、実際に、流通過程の在庫と異なりまして、医療機関で在庫としてお持ちをいただいているときに所要の保管要件をすべてが守られているか一つ一つ確認というのは不可能でございますので、その部分については使用不可というふうになってしまう。
 そして、私どもとしても何もしていないわけではございませんで、今年の二月八日の事務連絡ということで、一定の条件を満たした受託医療機関の間のワクチンの融通などについてはこれはもうしていただいて結構ですということで、ワクチン接種が第二波が来たときにも支障がないようにということで融通というのも申し上げているところでございます。
#161
○西島英利君 経営というのを考えたときに、いかにデッドストックをなくすか、これは非常に重要なんですよ。ですから、保管をそのまましておけば、もし使われなければこれはまさしく廃棄しなければいけないわけです。医療機関というのはそういうものですよ、経営をしなきゃいけないわけでございますから。
 ですから、そういう意味からいきますと、やはり今回は、先ほどから大臣何回もおっしゃっていますけど、危機管理の中でやったんだからこういう問題が起きたんだと。例えば特例承認にしてもそうですね。すべて危機管理の中で行われたんだと。それから損失補償の問題でもそうです。ですから、そういう形でいきますと、これは国民納得しますよ。だって、それはそれぞれの医療機関が利益確保のためにやったことではなくて、協力と支援を要するに国から依頼をされたわけですから。それに対してしっかりとおこたえをしていただかないと、やっぱりこれから先の協力体制は私はなかなか厳しいだろうと思いますよ。
 確かに医療機関というのは、これは応招義務というのがありますから、来られた患者さんはちゃんと診ます。ですけれども、これはワクチンですから。ワクチンというのは健康な人が基本的に要するに接種するものですから、ですから応招義務とはちょっと違うんですよね。
 そういう視点から、もう一度大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#162
○国務大臣(長妻昭君) これは先ほどの繰り返しになりますけれども、病院間のワクチンの融通も今していただくような一定の要件の措置もございますので、今の段階ではそういう対応で、我々としては、秋までこれは使えるということでございますので、それについて一定の備えをしていただきたいということでございます。
#163
○西島英利君 全国の医療機関の分布ってお分かりになってないですね。要は、地域の、地方に行けば行くほど、医療機関ってそんなにないんですよ。そういう中で確保している。それを融通して使ったらどうかという、そういう話には私ならないだろうというふうに思います。確かに、今需要があればそれは融通し合えますよ。ですけれども、今は既にもう需要がないんですね。いったん休憩という言い方をした方がいいのかどうか分かりませんが、第二波が来るということですから、それに備えてという意味でおっしゃっているんでしょうけれども。
 しかし、これはもう一度申し上げますけれども、国策として危機管理上協力依頼をして、それに対してこの協力を受けたわけですね。そういう中で、こういう在庫が今大きな問題になっているわけでございますから、やはりこの点についてしっかりとしたお考えをメッセージとして出していただきませんと、やはり今後の協力体制というのは難しいことになる可能性はありますよ、これは。医療機関というものは経営をやっているわけですから。
 もう一度申し上げますが、デッドストックというのをいかに少なくするかというのがやはり経営の基本でございますので、もう一度御答弁をいだたいて、次の質問に移ります。
#164
○国務大臣(長妻昭君) これ、先ほども申し上げましたけれども、先進国の中でも第二波が起こったという国もあるわけでございまして、これは日本国も例外ではない可能性もある中で、今お渡ししている国内産のワクチンは一部を除いておおむね今年の秋まで活用可能だということで、一回お引取りをするともう廃棄になるということでございますので、その意味では、秋の時点までの備えということを今の段階では我々としては考えているということでございます。
#165
○西島英利君 どうして廃棄しなきゃいけないんですか。有効期限があるわけであれば、例えば国が引き取られてもどこかで保管しておけばいいわけでしょう。何も廃棄する必要性ないですよね。確かに医療機関が管理、保管について様々問題があったとしたらこれはまた別の問題でございますけれども、有効期限があるんであればこれは別に廃棄する必要性ないんでしょう。
 例えば、今輸入ワクチンがたくさんありまして、そして、これは例えばグラクソであればまだまだ有効期限があるからということでどこかにたしか管理されているはずです、保管されているはずですよね、今流通していないわけでございますから。
 ですから、そういう意味で、やはりお考えをしっかりとメッセージとして出していただきませんと、何か冷たいような感じがするんですね。これから先、それでまた協力してくれよといってもなかなか難しい問題が出てくるんじゃないかなというふうに思います。
 もう一つの問題でございますが、これは、平成二十一年十一月二十六日、衆議院の厚生労働委員会の「新型インフルエンザ予防接種により業務に起因して健康被害が生じた医療従事者については、労働者災害補償保険法の休業補償の対象となることを明確にすること。」という決議がなされているわけでございますけれども、これはそうされたんでしょうか。
#166
○大臣政務官(足立信也君) まず、数のことになると思いますが、今委員が御指摘のように、新型インフルエンザの予防接種により業務に起因して健康被害が生じた医療従事者については、労災保険法の休業補償の対象となります。現在、一件のみ請求が今起きております。これは、休業に至らなかったために、休業補償給付ではなく療養の補償給付という形の今請求が一件ございます。
#167
○西島英利君 もう一つ質問をさせていただいて終わりたいと思うんですけれども、ワクチンギャップの問題でございます。
 先ほども田代参考人に対してもお聞きをしたわけでございますが、ワクチンの定期接種の対象疾患がなかなか増えていかないという問題がございます。これは平成十七年の三月に予防接種に関する検討会が中間報告書を出しておりまして、その中で、流行性の耳下腺炎とかインフルエンザ菌のb型による菌血症等々、それから肺炎球菌の問題等々でございますけれども、これはもとより定期接種の未対象疾患になっているわけでございますが、この中で様々な対応の仕方が書いてありまして、例えば流行性耳下腺炎であれば、定期接種化に当たっては国民の理解と合意形成が前提だとか、そういうのが様々書いてあるんですね。平成十七年ですから、もう今平成二十二年でございますからね、物すごい時間掛かっておるんですよ。しかし、それにしても定期接種の対象疾患は増えていかない。ということは、一体どういうことなんだろうというふうに思うんですね。
 これはいずれも先進諸国では、もう早急に承認をして今きちんと対応しているんですね。日本ぐらいなんですよ、こういうことを、遅々として進まないのは。これに対して何か御見解をいただければと思います。
 つまり、それは何が言いたいかといいますと、こういうことをきちんとしていかない限り国内のワクチン産業は伸びていかないということなんですね。先ほど言われましたように、そのインフルエンザワクチンを国内で作るために様々な整備をやっていくということなんですが、やはり国がこういう形できちんとした支援をしない限りなかなか伸びていかない。
 こういうデータがあるんですね。定期接種の疾病について、ワクチンについてはかなり認識されておるんですよ。ところが、定期接種の対象になってない疾患については、国民はほとんど分からないんですね。ですから、国内のワクチン産業を伸ばしていくための何か問題がありますかということを私は某協会に聞きましたら、言われました。国が積極的にワクチンに対する啓発活動をしてください、もうそれが一番なんだと。それから、定期接種の場合にはある程度実は需要がありますけれども、これが定期接種の対象にならない場合にはなかなか需要というのは増えていかない。そういうこと等々もあるんですね。
 ですから、やはり国内でのワクチン産業を成長させていくと、前回のたしか木曜日に長妻大臣おっしゃったと思うんですが、やはりまずこういうところをきちんとやっていくことによって、実はワクチン産業も安心をしてこういう事業に参入してくるのではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでございますでしょうか。
#168
○大臣政務官(足立信也君) まさに先ほど田代先生もおっしゃったように、国民的議論を喚起する必要があると私は思います。もっと進めるべきだという意見の方々もあれば、やはり副反応並びに健康被害について重きを置かれ、その責任をという意見の方もおられます。このようなことを、相反することをどちらもしっかり議論しなければいけないと私は思いますので、大臣の指導の下、十二月二十五日に部会を立ち上げ、今回は新しいカテゴリーのものも必要だということで予防接種法改正を提出させていただきましたし、もうまさに第二ラウンドの議論が始まっておりまして、根本的にワクチンをどうするか、公費助成についても任意接種の助成なのかあるいは定期に位置付けるのか、あるいは費用負担の割合も保険導入をどうするのかといったような観点も検討テーマの一つに上がっておりますので、委員が御指摘のようにまさに国民的議論を今こそやるべきだと思いますし、我々厚生労働省としても、そのことを、会議をオープンにすることはもちろん、周知、そしてまた広報を通じて我々も積極的にその議論の内容等を周知させるように努めていきたいと、そのように考えております。
#169
○西島英利君 先ほどの古川委員からもしつこくしつこく実は質問があったのは、勧奨とそれから努力義務なんですね。これ一般国民分からないですよ、何がどう違うのか。ですから、これもワクチン行政を進めていく中でやはり啓発活動をしていかないと、努力義務というのはあれは別にしなくてもいいんですよね、義務だったらこれはしなければいけないわけですけれども、努力義務というのは努力してくださいですから。勧奨というのはやった方がいいですよということですね、早く言って。ですから、これは国民に分からないですね。
 特に今回のような、本来であれば、鳥インフルエンザだったらばこれはパニック状態になっていますよ、ですけれども病原性が弱いということで国民は安心しちゃって、ですから在庫も余るしというような、やっぱりそういう状況にあるんだろうと思います。そういう意味では、やはり国が率先をしてワクチンというものに対する啓発活動をしていかれることが重要なことだろうというふうに思います。
 最後にもう一つ、これも先ほど田代参考人にも私はお伺いをしたんですが、やはりアドバイザリー機能を持つ組織をきちんとつくるべきじゃないかと。その場その場で人を集めてやって、本当にこれが危機管理としてやっていけるのかどうか。これはもう感染症対策は大変なことでございますね。米国はそういうシステムがきちんとしています。また、カナダもしていますし、英国もしています。ですから、そういう意味で、しっかりとした体制がつくられてない。
 そして、先ほど田代参考人もおっしゃっておりましたけれども、自分たちは何の権限でここで意見を言っているのかというようなこともおっしゃっておりました。やはりしっかりとしたアドバイザリー機能を持った組織をつくって、そこでしっかりと、例えば大臣に対しての、総理でもいいんですが、対しての進言する権限を持たせるというようなそういう組織をやっぱり速やかにつくっていきませんと、もう今回のような混乱が繰り返し繰り返し起きてくる。
 もう一度申し上げますが、今回は病原性が弱かったから余り大きな問題にならなかったわけでございますけれども、鳥インフルエンザではこれはもう死を意味するわけでございますから、是非そういうようなことに対するお考えをお聞かせいただければと思います。大臣、いかがでございますか。
#170
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど来議論がありますが、例えばアメリカのACIPも助言、提言はします。しかし、決定はプレジデントであって、国会に認めてもらわなければいけないということがあります。そのほかの国々もやはり助言という形にとどまっておると思います。
 しかしながら、先ほど田代先生の御意見にありますように、もっと幅広の人たちが参加されたそういう組織体は私は必要だと思いますが、その中で、逆にこのことによって義務化されてしまう、そのことに対して非常に危惧を抱いている方々もやはりいらっしゃる。ここは、その組織の在り方、その検討する内容あるいは権能ということについてもしっかり議論することが大事だと私は考えます。
#171
○西島英利君 それにちょっと反論させていただくと、最終的な決断は、これは当然大臣、そしてその上の総理大臣ですよ。ですから、その助言をする権限を持たせるやっぱり組織というのが私は必要だろうというふうに思うんですね。何のためにここに来て意見を言っておるんだろうというのが先ほどの田代参考人のお話でございますから、そういう意味でのやっぱりしっかりとしたその組織として、そしてつくっていかないと、その場しのぎのやっぱり対策になっていくのではないかなと思って私はこの質問をしているわけでございます。長妻大臣、いかがでございますか。
#172
○国務大臣(長妻昭君) 今アメリカの例でACIPの例も挙げていただきましたけれども、どういう形が必要なのかというのは、この予防接種部会でも御議論をいただいていくということにしているところであります。
 我々としても、今御指摘した点も踏まえて国民的な合意を得る、そういう組織というのは必要性を感じておりますので。ただ、当然、ワクチンというのは効果もありますけれども、その裏腹としてリスクもあると。こういうことも国民的議論の中で共有できるような、そういう会議体の必要性は感じておりますので、どういう在り方がいいのかというのは我々も検討していきたいというふうに考えております。
#173
○西島英利君 検討、検討と言ってますといつまでたってもできないんですよ。ですから、これはやはり大臣が決断をされて、こういう形でやるから、だからどういうような体制づくりをやったらいいのかというその諮問といいますか、それはいいんだろうと思うんですが、要するに下から上がってきたものを、じゃそうしようかということじゃなくて、やっぱりきちんとこういう体制でやりたいと、それに対してどういうその組織づくりをしたらいいのかというようなことをするのが、ある意味でのこれは私は政治主導だろうというふうに思っておりまして、これについてはちょっとしつこく今お話をさせていただいたということでございます。
 検討、検討というのは、先ほど言いましたように、要するに定期接種の未承認疾患、あれだけ、もう四、五年もかかっているのに今でさえ承認されていないと、外国ではもうとっくの昔に承認されておるのに。そういうことがやっぱり今までずっと起きてきたのが実は厚生労働行政だろうというふうに思いますので、是非その辺りにしっかりとしたやっぱり風を通していかないといけないだろうというふうに思っております。
 以上でございます。
#174
○委員長(柳田稔君) 午後一時半に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#175
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、古川俊治君及び梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として南野知惠子君及び大河原雅子君が選任されました。
    ─────────────
#176
○委員長(柳田稔君) 休憩前に引き続き、予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#177
○石井みどり君 自由民主党・改革クラブの石井みどりでございます。
 四月八日、本委員会において質問させていただきましたが、その中で幾つか大臣の御答弁で少し気になる点があったり、再度お伺いしたいこととかございますので、本日も、新型インフルエンザ法案、またワクチン行政全般について御質問をさせていただきます。
 前回の委員会で長妻大臣は、鳩山内閣の新成長戦略のライフイノベーションの中にワクチンを入れる予定であるというふうにおっしゃいました。鳩山政権は新成長戦略の中で、日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発の推進を掲げており、具体的に産官学が一体となった取組や創薬ベンチャーの育成の推進、ドラッグラグ等の解消、治験環境の整備、承認審査の迅速化を進めると、このようにおっしゃいました。
 再三申し上げなければいけませんが、国内のワクチンメーカーの育成に関して、国家戦略としてどのようにお取組になるおつもりでしょうか。具体的にどういうことをお考えになっておられるか、その方策を再度お聞きしたいと存じます。
#178
○国務大臣(長妻昭君) 今お尋ねになりましたこの新成長戦略でございますけれども、その中に、医薬品について、日本発の革新的な医薬品の研究開発を推進すると、こういう方針が書かれております。
 そこで、御答弁したとおり、厚生労働省といたしましても、このワクチンについても医薬品と同様に工程表を六月をめどとして取りまとめるべく鋭意努力をしていきたいということでございますけれども、具体的には、まずはこの喫緊の課題として、先ほど午前中にも話題になりましたけれども、国内のワクチンの製造体制を強化をしていくと、これは危機管理の観点からも成長戦略の一環としても重要でございますので、これを五年以内に実現をするということに全力を傾注をしていく。そして、それ以外について、ワクチンメーカーというのが日本国は非常に限定的なもの、組織がやられておられるということで、更に幅広いメーカーが参入していただくような施策も六月をめどに取りまとめていきたいというふうに考えております。
#179
○石井みどり君 今もおっしゃったし、前回の答弁でも六月までに詰めるというふうにおっしゃったわけですが、今の御答弁でも何ら具体策はお示しはなりませんでした。ワクチンギャップ二十年と言われているこの解消のためにも、相当なスピード感を持って取り組む必要があるというふうに思います。グローバル化が進展する中で、これでは日本の製薬メーカー、ワクチン産業は競争力を失ってしまいます。
 午前中の御質問の中でも少しお答えがありましたが、六月までの具体的なスケジュールをお教えください。そして、厚労省のどの部署においての検討が進められているんでしょうか。そして、現在の検討状況はどうなっているのかお答えください。
#180
○国務大臣(長妻昭君) まず、このインフルエンザワクチンの国内の生産体制でございますけれども、これは、基金というのに二十一年度の二次補正で九百五十億円付けていただきまして、合計、今、約千百九十億円の基金があります。その基金を使って実施をしていくわけでございますけれども、まず、今年の二月四日から二月二十三日までホームページで事業実施団体を選定するための公募を行いました。そして、三月三十一日に第一回新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業評価委員会を開催をいたしました。そして、この公募をした、応募いただいた中から五月中をめどに第一次公募の対象となった実験プラント等の助成先の選定作業をしていくということで、今それを進めているところでございます。まずはこの基金による生産体制の強化を実施をしていこうということで、今選定をするということに取り組んでいるところであります。
#181
○石井みどり君 今も御答弁いただいた三月三十一日に新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業評価委員会において検討しているということでありますが、これは今後、以降のスケジュールもまた併せてお教えください。それから、この公募により採用された企業に対して国としてどういう支援をされるおつもりなんでしょうか。そして、五月をめどに今選考をしているということですが、昨年の新型インフルエンザはまさに五月から沖縄で始まったわけでありますので、私はもう少しスピード感があってもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#182
○国務大臣(長妻昭君) まず、スピード感ということでございますけれども、私どもとしては、五年ということで、五年の中で細胞培養法を生産体制を確立して六か月で全国民分に行き渡るワクチン製造体制、これを目指しているところでございます。
 それと、その後の予定はということでございますけれども、その採択した事業対象については、先ほど申し上げました基金を活用をして生産体制に対する、特にパイロットプラントの整備や増殖性試験等のための経費をこれは補助するということを考えておりまして、大体今五社ほどを想定をしているということでございます。そして、その中で非臨床試験で我々五か年計画を立てて、臨床試験でも、生産設備整備、それについても五か年計画を立ててこのスケジュールを実行しようということで取り組んでいるところであります。
#183
○石井みどり君 選定をされた後ワクチンのラインをつくっていったりとか、そういうこともあるわけですが、同時に、治験や臨床研究の、これも行わなくてはいけないわけですから、それに対して治験、臨床研究を実施する医療機関、これがアメリカと違って日本はなかなか治験を受けられる方、これの確保も、非常に日本とアメリカでは受け止め方、理解が違うわけですから、そういうこと、国民への普及啓発とか、あるいは治験、臨床研究への参加を要請していかなきゃいけないとか、そういうこともあるかと思います。
 それからまた、この治験や臨床研究を実施する人材の育成ということも非常に重要だろうというふうに思っていますが、同時に、今進められておられます選定の企業に対しても非常に企業負担を軽減していくということも大事だろうと思っていますので、やはり欧米並みのスピードと質が今後は求められると思いますので、是非ここは最重要課題というふうに受け止めていただいて取り組んでいただければというふうに思います。
 前回もポリオの不活化ワクチン導入に関してお伺いしたわけですが、前回、四月八日付けですので、三役のどなたかの名前で通知を出すとおっしゃったんですが、これは混合不活化ポリオワクチンメーカー四社あてにこれは足立政務官のお名前で出ておりますが、この依頼のこれの文書の最後のパラグラフのところに、貴社におかれては、現在、DPTワクチンとIPVの混合ワクチンの開発を行っていると承知しておりますが、このような状況にかんがみ、DPTワクチンとIPVの混合ワクチンの一日も早い薬事承認の取得及び供給に向け、より一層の開発促進の御協力をお願い申し上げますと、こういう通知を出されていますが、しかし、これ紙切れ一枚出して、そんなにこれをいただいたからって早急にできるわけでもないんですね。
 少しお伺いしたいのは、このポリオ不活化ワクチンに関しては、私はこれを早期導入にすべきだというふうに申し上げたら、大臣は、ルールがあるからできないと、超法規的にやるわけにはいかないとおっしゃった。そして足立政務官も、特例承認の壁があるというふうにお答えいただいたと思いますが、そうであれば、薬事法を改正してでも安全な不活化ワクチンを早急に導入する努力を行わないんでしょうか。
 なぜかというと、まさにこれ、厚生労働省の五十年史にポリオ騒動始末記というのが、当時の薬務局長の牛丸さんという方が書かれているんですね。
 これによりますと、元々、当時の専門家は生ワクチンの導入は非常にやはり否定的だったわけですよね。安全性も有効性も確信が持てないと、そしてデータも不詳であるということであったわけですが、それが昭和三十三年に、これソーク・ワクチンの生産を行うことと、昭和三十三年にはソーク型ワクチン、不活化ワクチンの生産を行うことにしていた。しかし、昭和三十五年に北海道で非常にこれが大量に発生したわけですね。そして、昭和三十六年、翌年には、今度は九州から関東でまたポリオが大流行したんですね。
 当時の常識ではそんなに起こらないだろうと小規模の防疫体制しかつくっていなかったんですね。毎年発生はごく少数例であったわけですから、到底こんなパンデミックということを想定していなかったわけですね。しかし、これがもう連日お母さん方が陳情される。それから、何か当時の総評の方からもそういう、非常に、デモとかそういうのがあったとか、そういうようなことをお書きになっていらっしゃるんですね。
 そして、結局、急遽、緊急避難措置としてソ連、カナダから経口生ワクチンを一千三百万人分緊急輸入された。で、ブランケットオペレーション形式で一斉接種を行われた。運良く、非常に幸運に重篤な副反応もなく、これでこの流行が鎮静化したということがあるんですね。それで、それがそのまま現在に至るまでこの生ワクチンが使われているわけですね。
 このときに、非常に、薬務局長さんあるいは当時の、今でいう医政局でしょうか、そういう方々が非常に、御自分たちの責任だけでするのは大変だということで、大臣が全責任を持つと、当時の古井さんですけれども、全責任を持つということで大臣談話も発表されて、これで終息をして、それがそのまま続いているわけですね、この生ワクチンの投与ということが。
 余談では、この生ワクチンを開発したセービン博士というのは非常に評価が低かったんですけれども、この一件によって世界的に再評価をされたということもあるわけですね。
 今、この前も御紹介したようないろいろな健康被害が生じているのは、これはもう生ワクチンによる感染事例だけですね、我が国では。一九七六年以降、野生株によるポリオの報告はないわけですから。そうであれば、予防のためのワクチンによって健康被害が生じているという矛盾した状況があるわけですね。で、不活化ワクチンの私は導入はやはり早急に行うべきだと思っています。
 できないできないというその言い訳に終始されるというのは、それから審査を早めるという、それからこういう通達も出したよと、何もやっていないわけじゃないよというまさに官僚的な発想でなくて、知恵を絞って、もっと早急に不活化ワクチンが導入できるという具体策をお示しをいただきたいと思います。
 私はやはり、たとえ少数であったとしても、その間に失われる命とかあるいは後遺症、これを一生背負わなければならない子供たち、確率としては毎年お一人、二人出ているわけですから、本当に鳩山政権がいのちの政治を、あれだけ二十四回もいのちいのちって連発されるんであれば、これこそ政治主導で解決すべきだと思いますが、再度御見解をお聞かせください。
#184
○大臣政務官(足立信也君) 委員が今お述べになったその後のことを申しますと、今、正確さはちょっと欠くかもしれませんが、九〇年代後半に不活化ワクチンを開発をしようとした、しかしその中で不備があったがために申請を取り下げた。その後、二〇〇〇年代の前半から中盤にかけて、アメリカ等はほぼ同じ時期に接種するワクチンはできるだけ一緒のタイミングでやるのが望ましい、日本の検討会の報告でも、これはDPTの三種のワクチンと一緒にやれる方がいいという形で、今まさに治験の最中であるわけでございます。
 これから先どうやって急いでいただくかということは、承認申請までの時間をできるだけ早くしていただきたいということが一点。これにつきましては、先ほど紙切れ一枚とおっしゃいましたけれども、この紙切れに至るまでに相当お話も詰めておるわけで、そしてまたその後も開発の促進を依頼に、各会社等とも連絡を取りながらやっているわけです。
 そしてその後、じゃ承認申請されたらどうするか。これはPMDAの充足ということを順次図っておりますが、更にそれに加えて、事前評価相談制度という制度がございまして、これ承認申請前に開発の段階ごとに試験結果の評価を行う制度でございまして、この辺りから常に関与しながら、承認申請前も早めたいし、承認審査そのものも早めていきたいということを我々は考えているわけでございます。
#185
○石井みどり君 それでは、前回私が伺ったときに、ワクチン行政に関して独立した諮問機関が必要ではないかと申し上げたときに、あくまでも最終的な意思決定は大臣を始めとした政務三役であるというふうに御答弁いただいたんですが、これはやはりこの予防接種部会の検討結果を待って意思決定するのではなく、まさに政治主導でこのことを、今御答弁いただいたように様々な努力をされるというふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
#186
○大臣政務官(足立信也君) このこととおっしゃるのがちょっと、どこまでの範囲が入っているのかちょっと分かりませんが、ビジョンを示せということを先日来委員がおっしゃっておりますけれども、ある程度のビジョンがあるからこそ部会を立ち上げ、検討会を立ち上げ議論をしていただこうと。それは、ビジョンを描いてそれを独走的に決めていってしまっては、過去のワクチン行政の反省にかんがみて、やはり国民的議論が必要であると、そこで皆さんにしっかり議論に加わっていただいて認識していただくということが必要だということで、今それを進めているわけでございます。
 このことと今おっしゃいましたのは不活化のポリオワクチンのことだと思いますが、これはさっき申し上げましたように、承認申請前の段階でもかかわりを持って早くしていただく、審査についても、従来のPMDAの充足ということに加え、事前評価制度というものがございますので、ずっとかかわり合いを持ちながら可能な限り早くすると。
 付け加えますれば、今海外にあるものを輸入するということについては、また国内で新たな臨床試験等を始めなければなりません。そして、特例承認は、この前申し上げましたように、日本に現在生ワクチンがある以上は特例承認の規定を満たすことはできません。そして、輸入して更に新たに加えるというよりも、新たに試験を始めるというよりも、今もう既に第二相、第三相まで行っておるものを、その後早くしていただくということの方がより迅速に生産できるのではないかと私は思っています。
#187
○石井みどり君 毎年必ずと言っていいほど被害者が出ているわけですね。健康被害が出ているわけですから、今のそのお言葉を本当にきちんと実行していただくことを希望するばかりであります。
 今日は大変私の時間コンパクトになりましたので、簡潔な御答弁でお答えいただきたいと思いますが、続いて、新型インフルエンザ、この改正案についてお伺いしたいと思います。
 前回、特措法の附則第六条についてお尋ねしたときに、足立政務官から、附則第六条を入れたのは抜本改正の必要性担保のためであり、既に調査も始まっているという御答弁をいただきました。
 これまでの調査の状況はいかがでしょうか。
#188
○大臣政務官(足立信也君) 調査の状況ということでございます。
 これは、予防接種部会の検討の中にも、それから検証の委員会の話もありましたけれども、これを両輪ととらえておりまして、対策本部で取られたことが、いい部分、それから足りなかった部分等の検証、これについては、今調査という表現がありましたが、二十一年度の科学研究費の中でそれぞれのテーマごとにその調査研究をしている報告が三月、四月に出てきておりますので、これを反映させるというのが一つ。
 それから、部会の方での調査研究ということにつきましては、具体の内容については、今これとこれをやっておりますということは申し上げられる段階ではございませんけれども、その検証会議等で使われる調査研究の結果等も当然部会の中に反映させていくというような考え方でやっておりまして、来週また次の会議が開かれますけれども、この前御答弁申し上げた六つの大きなテーマに沿って、その中で個々の研究者の方々も調査している部分もありますし、厚生労働の科研費でやった部分もありますし、それらを全部、全部といいますか、そのデータを正確に開陳しながら議論していただくということになっています。
#189
○石井みどり君 そうであれば、前回の委員会の御答弁では、来年の通常会辺りを抜本改正ということを少し想定というふうにお伺いしたわけですが、そうであれば、今調査されている科研の、多分科研の結果が出たりするのは本年中でないと無理ですね。
 そういうところを含めて、抜本改正に向けての調査検討が済むというふうにお考えなわけですね。
#190
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど申し上げたのは、対策に対する調査研究は、これは二十一年度のものでございまして、もう今年の三月、四月に出る。
 それから、いま一つ追加申し上げたいのは、インフルエンザワクチンの有効性、安全性に関連する研究ということで、これは平成二十年度から終了が二十二年度というものもございます。この途中経過等については、十分連携を取ってやっておればある一定のものは得られると思いますので、来年ということを想定いたしますとそこに反映はできると私は思っています。
#191
○石井みどり君 それでは、前回伺えなかった個別ワクチンの状況について、少しお聞かせいただきたいと思います。
 前回、南野委員も質問されたかと思いますが、ヒトパピローマウイルスワクチン、それからHibワクチン、七価の肺炎球菌ワクチン、二十三価肺炎球菌ワクチン、それぞれに公費助成を独自で行っておられる自治体がありますが、その数を把握しておられるでしょうか。
#192
○大臣政務官(足立信也君) ちょっと、突然でございましたので、ごめんなさい、今調査中でございます。
#193
○石井みどり君 調査中ということですが、私どもが厚生労働省に伺ったら、把握していないということだったんですね。自治体がそれぞれおやりになっているから全国の助成の状況は知らないということで、私の方にもデータはいただけなかった状況でありますが、私の方で、広島市辺りは私は少し分かったんでありますが、それも伺ってやっと、問い合わせをしていただいてやっと広島市がお答えいただいたという状況でありまして、広島市は幾つかはされているんですが、そうやって個々に聞かないと分からないという状況ですね。
 それから、これはアメリカの製薬会社が持ってきた資料の中に、これも、向こうは調査されたデータがあって、国が調査をしていないというのもちょっと不思議な話なんですが、これは、アメリカの製薬メーカーが持ってきたのを見ても、相当公費助成が自治体、ない自治体での格差があるんですね。そして、公費助成の水準に格差もありますね。地域間の格差が非常にあります。私は、これは国が公費助成を早急に行って、希望する人が接種しやすい環境を整備する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#194
○大臣政務官(足立信也君) 午前中、西島委員の御質問にもお答えしたところですが、公費助成と一言におっしゃっても、これはもう市町村のものもあれば国のものもある。そして、それは任意接種に対する助成という考え方もある。いや、そうじゃなくて、予防接種法の定期に位置付けてしっかり、低所得者対策を始めとしてしっかりやるという考え方もあれば、またその助成の方法が、じゃ税財源だけなのか、これを予防接種を保険適用させるという考え方もまた議論のテーマの一つになってくると。そういうこともございますので、一言で公費助成をというものについても、まさに今私が申し上げたことが部会のテーマになっておりますので、そのことも十分議論をする必要があると思っております。
#195
○石井みどり君 私はやはり、部会で検討されるという検討項目の一つであれば、できることからまずやっていただく、まずは低所得の方々だけからでも公費助成を始めるということは私は検討してもいいんではないかと思いますが、そこに関してはすべて部会のこれは検討結果を待つんでしょうか。
#196
○大臣政務官(足立信也君) それは、すべてそれを待ってからではないと何事も始まらないということはないと思います。
#197
○石井みどり君 先ほどから伺っていると、どうも随分御都合主義だなと。あるときは政務三役でこれはやるとおっしゃったりあるときは、多羅尾伴内ではありませんが、それこそ予防接種部会の検討結果を待ってとおっしゃったり、何か随分ワクチン行政の責任者としては非常に無責任な感がするんですが、できることをまさに政治主導をやっていくということが考えられないんでしょうか、いかがでしょうか。
#198
○国務大臣(長妻昭君) 今の御趣旨を踏まえて、我々としては、最終的にはこれ政治が決断するわけでございますので、速やかに検討して決断をすべきものは決断していくということであります。
#199
○石井みどり君 民主党のインデックス二〇〇九によりますと、ヒトパピローマウイルスワクチンに関しても任意接種に対する助成制度を創設するというふうにおっしゃっています。それからHibワクチンに関しても、Hibワクチンの定期接種化を図るというふうに記載されているわけですね。
 また、大臣は、細菌性髄膜炎でお子さんを亡くされた方と面会されていますですね。そのときも、Hibワクチンの定期接種化は優先順位が高いと思っていると、予防接種部会で検討を急がせたいというふうにお答えになったというふうに聞いていますが、是非、このHibワクチンだけでなく、もう時間がないのでまとめて言いますが、七価の肺炎球菌ワクチン、これに関しても私は同時に、これは定期接種化がHibと同様必要、優先順位を高めるべきだというふうに思っていますが、せっかく民主党インデックスにこのように示されているんですけど、いかがお考えでしょうか。
#200
○大臣政務官(足立信也君) これは当然のことながら推奨すべきであるという観点から、三種をわざわざ個別の名前を取り上げて言っているところでございます。
 今の委員のお話でございますけれども、補正予算でやれとおっしゃっているのか、予備費でやれとおっしゃっているのか、法改正をやれとおっしゃっているのかですね、これも時間の関係も当然あります。そして、我々はこれは推奨したいということの中で、先ほどお話が田代先生からもありましたように、積極的に推進すべきだという方もいらっしゃれば、それによって被害を受けられた方々等を始めとしてこれを拡大する懸念を抱いている方もいらっしゃるわけでございます。それは、我々はこう推奨したいという思いの中で、やはりその部会でしっかり検討していただいて、それを国民の皆さんにも理解していただく、その議論に加わっていただくということが、私は、ワクチンギャップ二十年と言われる中で今一番大事なことはその国民的議論ではなかろうかと、そのように考えております。
#201
○石井みどり君 もうほとんど時間がなくなりましたので、今日もちょっと積み残しというか、お聞きしたいことはたくさんあったんですが、お聞きできませんが、ただ、私が言うまでもなく、本当に細菌性髄膜炎でお子さんを亡くされた親御さんに会われておられるわけですから、このつらさですね。非常に、きちんと細菌性髄膜炎だという確定診断をするまでが大変難しい。そして、一晩で悪化したりするわけですね。よく御存じのように、呼吸困難を起こして、本当にのどがはれ上がって、そして朝まで待ったらもう危ないとか、そういういろんなことがあって、お子さんを亡くされた後もう立ち直れない親御さんが多いんですね。突然にそういう目に遭われるわけですから、精神的な負担というのも大変大きいわけですので、是非私は、これはやっぱり定期接種化を早くしていただきたい。
 そして、抜本改正ということとつながるわけですけれども、国民的議論というのは、もちろんこれは教育とか広報を通じて国民の方々に対しての啓発が大事だと思いますが、是非そういうことを喚起して、ワクチンによって子供の病気が防げる、そして命が守れるということを是非国を挙げて進めていただきたいと思います。
 もう時間がないんですが、私はやはり最後に申し上げたいことがあります。これを、公平なワクチン確保の観点から、やっぱり国家レベルで公費負担の仕組みを確立すべきだと思います。それから、新たなワクチンの定期接種化のこのプロセスをきちんと確立していただきたい。それから、国民への啓発、これは非常に重要でありますので、是非機会を通じて広報、教育ということでお願いをしたい。そして最後に、無過失補償制度の御検討も是非お願いしたいと存じます。
 以上で終わります。
#202
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、法案に入る前に、肝炎対策に関する課題につきましてお聞きを申し上げたいと思います。
 まず初めに、C型肝炎に関しましてお聞きをしたいと思います。
 薬害の肝炎問題では、被害者の早期一斉救済を図ることを目的に、平成二十年一月に薬害C型肝炎被害者を救済する特別措置法が成立をし、給付金が支給される仕組みができております。この給付金を受け取るためには、まず国などを相手取って損害賠償請求訴訟を提起することがその要件となっておりまして、製剤投与の事実でございますとか因果関係、また症状が確認された場合、給付金の請求ができることになる、こういう現状でございますけれども、残念ながら、この当時のカルテがなかなか存在しないという、保存期間五年間という形でございますし、四十年前ということもございますので、なかなか存在をしていない。この製剤の投与の事実が証明できないために給付金の対象外となる場合が多くあって、今現在救済を求めて訴訟が行われて、訴訟の中には担当医の証言で和解が成立したケースも出ていると思います。
 このC型肝炎の問題、大きな問題でございますけれども、それで、確認をしたいわけでございますけれども、このC型肝炎訴訟の提訴者数と和解の数は現状どのぐらいになっているのか。また、そのうちカルテのない方と和解をした数、これが分かるのであればお示しをいただきたいと思います。
#203
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
 C型肝炎救済特別措置法に基づく救済を受けるためには、司法手続の中で製剤投与の事実、製剤投与と感染の因果関係及び感染者の症状に関する事実関係が確認される必要があります。これを受けまして、平成二十一年十二月末時点で法施行以降に提訴された方は千五百七十七人であり、このうち既に千百二十七人の方と和解が成立し、給付金が支給されています。
 また、和解については、今山本委員御指摘のように、カルテ等に限定することなく、医師等による投薬証明、記録、証言なども踏まえ、事案ごとに事実関係が確認されているところであり、カルテなどがないものの医師の証言を得ることなどにより和解に至った方は、平成二十一年十二月末時点で和解が成立した千百二十七人のうち百七十七人、約一六%となっております。
#204
○山本博司君 ありがとうございます。
 このカルテがあるかないかというこの部分で大きく差が出てくる、これはもう前、山井政務官も野党時代にこのことを熱心に取り上げられてきたと思います。
 例えば、二十年一月八日の厚生労働委員会とか、また一月二十一日提出の質問主意書におきましても、こうしたことに関しまして、カルテがあるないというのが運命の分かれ目で命のカルテなんだということをもう主張されながら、このカルテの実態調査、これしっかりやるべきだと、当時の舛添大臣に対しまして言われている部分でございます。
 さらに、こうしたカルテを具体的に探していくということは、なかなか病院の方々の、医療関係の方々、ボランティアということでは大変なので、この労力とかまた検索のための費用というのは国が負担すべきであると、そのぐらいしっかりこのことに関してはやるべきだということを発言をされている部分がございました。また、予算等に関しましても、二千億円ぐらいの予算を掛けてカルテが残っている人がいたらすべて救済をしていくんだという、かなりこういう熱心に取り組まれた部分がございました。
 政権交代になりまして、じゃ現在の政府の立場でこうした徹底した実態調査がされたのかどうか。この部分に関しまして、山井政務官の今の現状の部分を確認をしたいと思います。
#205
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
 これは私も何度もカルテのない患者の方々から御要望を受けておりまして、私の近所にも、確かにフィブリノゲンを使ったはずで、今肝炎で苦しんでおられる方ですが、どうしても、当時の産婦人科がもうなくなってカルテがないという中で今回の和解の対象になってないという方がおられます。そういう意味では、本当にカルテが見付かる見付からないというのは大きな本当に人生の分かれ目になると思います。そういう趣旨で、私も今までからカルテを鋭意探すべきだということを国会でもお願いをさせていただいておりました。
 この件につきまして、まず、平成十九年十一月七日にフィブリノゲン納入先医療機関に関して調査票を送付し、その結果を厚生省のホームページにも示しておりますが、その次、平成二十年には、まずは国が指示できるということで、独立行政法人国立病院機構の四十六病院に対しまして訪問調査を行いまして、また平成二十一年一月十六日にフィブリノゲン製剤納入先医療機関に対し、記録の精査及び元患者への告知の実施を依頼するとともに、記録の保管状況等についての再度調査を実施したところでありまして、また平成二十一年度においても、薬害肝炎の原告の方々からの要望によって、更に加えて厚生労働省管轄の十五病院の訪問調査を行って、年末までにその調査を取りまとめようとしておりましたところで、現在、その調査結果を改めて今精査をしているところでありまして、近々この調査結果は取りまとめたいと思っております。そして、当然、これによってカルテが見付かった方々に関しましてはできる限り住所を探し出して連絡をさせていただいております。
 そして、今回の一連のことで分かってまいりましたのは、今まで一度国立病院で調べてカルテがなかったところも、もう一度再調査をすれば手術室の倉庫の中から製剤の投与の事実が判明する書類が見付かった等の事例もあることから、また今回、近いうちに各医療機関に対しまして、このように今までないと言っていた病院にもカルテがあるというような事例がたくさん出てきたわけですから、各医療機関に対し訪問調査の結果を周知し、再度記録の確認及び保管の継続をお願いしようとしております。
 また、これまで多くの医療機関においてカルテ等の記録の確認及び元患者の方へのお知らせを行っていただいてきたところでありますが、更に多くの医療機関において記録の確認等が促進されるような方策を鋭意検討してまいりたいと思います。
 さらに、先ほどもっと多くの予算を掛けるべきだということを言っていたという趣旨の御指摘がございましたが、政権交代後、これはもう超党派でありますが、肝炎対策基本法が成立しまして、インターフェロン治療の医療費助成、今までよりも安くさせていただいたり、またB型肝炎に効果のある核酸アナログ製剤の医療費助成、今回四月から初めてスタートさせていただくと同時に、そしてこの肝炎対策基本法に基づいて肝炎対策の協議会が近々スタートすることになっておりますので、この肝炎対策協議会の中でも、患者の方や御遺族の参加の下、この患者の方々の支援をもっと予算を掛けてやることができないか、そういうことを議論してまいりたいと考えております。
#206
○山本博司君 大変、今政務官の御発言なんですけれども、今お話しされたことというのは前政権ですべてやってきたことですよね。実際、調査も、平成十九年の十一月、平成二十年の八月、平成二十一年の一月、それ以降は、要するに山井政務官が、政権交代された後、具体的な形で、じゃ実態調査という形では熱心に取り組まれたという様子はうかがえないわけですね。現実的にこの四十六病院のうちの四十三病院が、記録がないというにもかかわらず四十三があったというのも前の政権でやった部分でございます。また、訪問調査やったのは前の大臣が原告団との話合いに乗ってやられた部分でございまして、今の山井政務官がこのカルテをともかく徹底してやらないといけないという実態の部分のこのありようからいうとまだまだ現実的には進んでないんではないかと。
 今二十八万人の製剤投与の方がいらっしゃいますけれども、それでは、このカルテが具体的に分かっている方はどのぐらいいるんでしょうか。また、山井政務官が前の大臣に対しましても、通知をすべきであるということを何度も、その数を把握しろということを言っていらっしゃいましたけれども、じゃ、今その通知を患者の方に、連絡が行っている方はどのぐらいいるんでしょうか。
#207
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
 確かにこれは前政権から調査がスタートしておりまして、その調査が今まだ続いておりまして、その結果の最終集計を今しているところであります。御指摘のように、これは非常に重要なことでありますので、更にその結果がしばらくしたらまとまりますので、その結果を踏まえて、更にどうすればカルテが新たに見付かるのか、そのことは取り組んでまいりたいと思っております。
 また、この支援状況におきましては、二千五十八施設におきましてカルテが保存していることが分かっているところであります。
#208
○山本博司君 六千の施設に対してカルテが分かっているのは二千五十八施設でございますけれども、それはカルテ以外にも様々な、手術記録とか、それ全部含めての部分だと思いますけれども。
 もう一つ、患者の方々に対してどのぐらい通知をされたのか、されてないのかということに関してはいかがでしょうか。
#209
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答え申し上げます。
 お知らせをできた方々が七千四百四十七人、五六%、お知らせができてない方が五千七百四十一人、四四%で、これも、せっかくカルテが見付かったのにお知らせができてない方に関して私も非常にこれは残念なことだと思っておりますが、その理由につきましては、残念ながら投与後に原疾患等により死亡された方が千九百六十二人、一五%、連絡先が不明又は連絡が付かない方は二千二百十五人、一七%、またウイルス検査の結果が陰性であった方が四百十七人、今後お知らせする予定のある方が二百六人ということになっておりまして、このことに関しましては、総務省と協力しながら、何とか住所を探し出して連絡をしていきたいと考えております。
#210
○山本博司君 じゃ、この千九百六十二人、亡くなった方に対する遺族に対しては連絡されたんでしょうか。
#211
○大臣政務官(山井和則君) それについてはまだ把握をしておりません。
#212
○山本博司君 これは、山井政務官がやっぱり野党時代に、実態を把握しろ、患者の方々に対してしっかりやっていくんだということを言われた内容であるわけでございますので、やはりこのC型肝炎のカルテのない方々の様々な対策ということはしっかりやっていただきたいなという思いが強いわけでございます。
 それで、大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、昨年十一月に成立をしまして本年一月から施行されております肝炎対策基本法、すべての肝炎患者を救済することを国の責務と定めているわけでございます。特定血液製剤を使用した可能性があるC型肝炎患者を広く救済する必要があると考えるわけでございます。
 そこで、こうしたカルテのないC型肝炎の救済をすべきと考えますけれども、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#213
○国務大臣(長妻昭君) まず、今、山井政務官からもありましたけれども、この和解された方のうち約一六%の方についてはカルテ等がなくてもお医者さんの証言等により和解に至っているということで、こういうカルテがない方のうち和解に至るだろう方々というのがおられるとまだ思いますので、そういう方々がカルテ等がなくても一定の基準で和解できるように、まずは周知、広報を更に強化をしていきたいというふうに考えております。
#214
○山本博司君 今こうしたカルテのない方々が全国でこういう運動を起こされていらっしゃると思いますので、カルテあるなしにかかわらず、やはり多くの方々が大変な御苦労をされていらっしゃいますので、是非とも現政権でその解決のための推進をお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、B型肝炎訴訟に関しましてお伺いをいたします。
 国が法律で義務付けました予防接種でB型肝炎ウイルスに感染をした方たちが国に損害賠償請求を行っておりまして、原告は全国十地裁で四百十九人にも上っている状況でございます。この中で、三月十二日には札幌地裁で和解勧告が出されまして、国が早く和解に応ずるように訴えているわけでございます。
 これも様々な委員会で多くの方が質問されておりますけれども、この和解に応じるべき、これはもう多くの民主党の議員の方が言われてきたことでございまして、五月十四日の期限までに、被害実態を詳細に調査した上で誠実に検討を行い、しっかりとした結論を出すべきと考えるわけでございます。
 患者の皆様、大変高齢化が進んでおりまして、肝硬変や肝がんで亡くなっている方が多くいるわけでございます。時間がない中で原告の皆様の心情を考えましてどのように対応されるのか、大臣に見解をお伺いをしたいと思います。
#215
○国務大臣(長妻昭君) もうこれは大変重要な問題であるというふうに考えておりまして、これはもう内閣全体で取り組む課題であるということで、先日も総理大臣始め官房長官や私や仙谷大臣、財務大臣、法務大臣等々と打合せをさせていただき、その後も関係閣僚と鋭意今協議をして、連日今事務方間では協議をしているということでございます。
 今おっしゃられたように、五月十四日の金曜日というのがこれがもう期限でございますので、それまでに我々しっかりと協議をして、責任ある発言ができるように準備をしていきたいというふうに考えております。
#216
○山本博司君 今回のこうした問題に関しまして仙谷大臣がリードを取られているとお伺いしておりますけれども、なぜ内閣の官房長官が中心にならなかったんでしょうか、その点いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(長妻昭君) これは官邸サイドで、これは一閣僚で取り組む問題というよりも、もう総理大臣をトップとした内閣全体で取り組むべき課題であるというようなことで、官邸周辺の閣僚ということで仙谷大臣になったんではないかというふうに考えております。
#218
○山本博司君 この間にも質問がありましたけれども、原告団の方々、お会いをすることはないんでしょうか、和解前に。
#219
○国務大臣(長妻昭君) これも私どもも申し上げさせていただいていることでございますけれども、お会いをして、そこでもちろんお話をしなければならないのはこの和解の話であるということだと思います。
 その意味で、我々としては、五月十四日の期日までに誠心誠意協議をして責任ある発言ができるようにしていくということでございますので、それまでしばしお待ちをいただきたいというようなことでお会いを今申し上げていないということであります。
#220
○山本博司君 やはり山井政務官は、この問題に関しましては、昨年の四月の委員会等でもこのことに関してしっかり言われているわけでございまして、この部分に関しまして、やはり一日も早く和解に結び付ける、これが薬害肝炎の教訓だったんじゃないですか、C型薬害肝炎の方々があそこまで頑張ったのは自分たちだけのためではないんです、三百五十万人の多くの肝炎患者全体の救済のために頑張られたんですよ、それを、あれとこれとは別だ、B型肝炎は一人一人訴訟してください、これはおかしいんじゃないですかと、このように言われて、和解に関しましても、是非大臣会ってくださいと、このように言っているわけでございますけれども、政務官、これはどうなんでしょうか。
#221
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員、御質問ありがとうございます。
 その思いは私は今も当然変わっておりません。
 政権交代後、まさに超党派で皆さんのお力によりまして肝炎対策基本法を成立することができまして、その中にまさに皆さんが盛り込んでいただきましたように、最高裁でのB型肝炎の集団予防接種の問題も書いていただいて、その中で国の責任というものもB型肝炎については初めて法律の中で明記をされました。また、それを一つのステップとして、年末の予算の中で、今年の一月から、これも初めてB型肝炎に効果のある核酸アナログ製剤への医療費助成がスタートをさせていただくことができました。そして、その次が今回の訴訟の問題だと思っております。
 今、政府を挙げて取り組んでおりますが、今、山本委員から、なぜ仙谷大臣が担当なのかということでありますが、これについては、実は薬害肝炎の訴訟の際に、B型・C型肝炎の民主党の対策本部の本部長が菅直人さんでありまして、その本部長代理が仙谷さんでありまして、当時から薬害肝炎の原告と仙谷さんは会われ、また、集団予防接種のB型肝炎の原告の方々とも仙谷さんは何度も会われまして、この肝炎対策基本法のベースとなった原案を中心になって作られたのも仙谷さんでありまして、まさにそういう肝炎問題、今までから仙谷議員が大変熱心に取り組んでこられて、原告の方々とも今までから会っておられると、そういうこともありまして今回その取りまとめ役となったわけでございます。
#222
○山本博司君 是非とも、今まで言ってきたこと、これは違うじゃないかという様々な指摘にならないように、人間山井和則、一人間として是非とも政府の中で頑張っていただきたい、このことを訴えておきたいと思うわけでございます。
 続きまして、薬害肝炎の件に関しまして最後の一問。
 平成二十年五月に初会合が開かれました厚生労働省の薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会、先月三十日に、薬害再発防止に向けての国の責任を明確にして、薬事行政を抜本的に見直すべきとする最終提言をまとめたわけでございます。提言では、薬害防止には行政だけでなく製薬企業や医療関係者、研究者らの協力が必要だと指摘し、具体的には、患者からの副作用報告制度や薬事行政を監視する第三者組織の設置、薬害教育の実施などを求めているわけでございます。この委員会は、平成二十年の一月の薬害肝炎訴訟の和解合意に基づきまして設置され、薬害被害者も加わり、約二年間に合計二十三回の会合を重ねておりまして、この提言は大変重いものがあると認識すべきと考えます。
 こうした薬害を二度と起こさないためにもこの提言を速やかに実施すべきと考えますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
#223
○国務大臣(長妻昭君) 私も前回の会合にも出席をさせていただいて、あいさつもさせていただきました。
 この検討会は、平成二十年五月から約二年間にわたって御議論をいただいて、これ今月中に最終提言を取りまとめると、正式には、そういうふうに聞いているところでございまして、この中には、安全対策の充実強化や医薬品行政を監視、評価する第三者組織の設置などが盛り込まれる予定だというふうに考えております。
 私としても、本当にこの提言の内容を真摯に受け止めて、もう二度と厚生労働省として、この薬害が起こらないように、起こさないように実現可能なものから迅速かつ着実に実行をしていきたいと。二度と薬害が起こらないようにしていくと、起こさないようにもしていくということが本当に重要だということは私も肝に銘じているところでございまして、尊重して取り組んでまいります。
#224
○山本博司君 是非とも、この薬害肝炎、大きな問題でございますので、救済も含めた対応をお願いをしたいと思います。
 続きまして、予防接種の法案に関しまして触れたいと思います。
 今回の新型インフルエンザのワクチン接種を契機としまして、我が国の予防接種行政の抜本的な見直し、これが求められていると考えるわけでございます。WHOが接種を勧奨するワクチンが二十一種類あることに対しまして、我が国で定期接種化されているワクチン、これは九種類でございまして、こうしたワクチン接種の重要性を認識しますと、予防接種法の対象となる疾病の拡大とか、また任意接種の定期接種への引上げ等、これも必要であると考えるわけでございます。これに対しましてアメリカでは、WHOが定期接種に入るべきと勧告しているワクチンの中で日本脳炎とBCG以外のワクチンはすべて定期接種となっておりまして、その結果、ワクチンで防げる疾病の罹患が大変少なくなっている状況でございます。
 特に、これまでも、今日も様々な議論となっておりますけれども、昨年承認されましたHibワクチンとか小児用肺炎球菌ワクチンとか、さらにヒトパピローマウイルスとかによる子宮頸がんワクチンなどは、ワクチン接種による発症率の軽減に大きな効果が発揮されるために更なるワクチン接種率の向上が求められておりまして、定期接種への引上げが重要でございます。
 ワクチンで救える命がある限り、副作用への対策を十分に行った上で、こうしたワクチンの早期承認、また定期接種化について取り組むべき、こう考えるわけですけれども、大臣、まずこの見解を伺いたいと思います。
#225
○国務大臣(長妻昭君) 私がワクチンの中でも優先順位が高い三つということを申し上げるのは、Hibワクチン、そして子宮頸がんのワクチン、そして肺炎球菌ワクチンでございまして、この三つとも今おっしゃられたようにWHOが推奨するすべての地域に向けて勧告ということでありますが、日本国ではこれは法定の接種にはなっていないということになっております。
 その意味で、昨年末に設置をいたしました予防接種部会で、先生方にも専門的見地からも御議論をいただいて、特にこの三つに関しまして精力的に御議論をいただきたいというふうに考えているところでございまして、その議論が整った後、最終的に政治的判断をしていこうということで今検討をしているところであります。
#226
○山本博司君 続きまして、同じく今後の部会の議論となると思われますけれども、費用負担の在り方についてどう考えていくかということが課題でございます。公衆衛生的に感染の蔓延を防ぐという観点では、個人の罹患を防ぐという観点との兼ね合いを考えますと、接種費用の負担の在り方について検討をする必要がございます。
 子宮頸がんワクチンに対しましては、新しい年度が始まったことから、幾つかの地方自治体で接種費用の助成を実施をしております。しかし、これは、先ほどの議論もありましたように、自治体の一般財源に頼ったままでございまして、このまま将来的には地域の財政状況によりまして接種機会の格差が生ずる可能性があるとの指摘もあるわけでございます。今後、任意接種の定期接種への引上げが困難な状況であれば、国として、低所得者世帯への費用助成措置だけではなくて、地方自治体によって自己負担にばらつきがあるという状況を解消するために、任意接種に対する助成制度の制度化など取り組む必要があると思います。
 こうした接種費用の在り方、またどのように考えていくおつもりなのか、大臣の見解をお聞きをしたいと思います。
#227
○国務大臣(長妻昭君) 今、子宮頸がんのワクチンを例に出しておっしゃられましたけれども、地方自治体によってもこれはばらつきがあるということでございます。先ほど申し上げました子宮頸がんワクチンは、その三つの優先順位の高いワクチンの中に入っておりますので、まずこれを予防接種部会の中で検討をいただくということであります。
 そして、今おっしゃられた趣旨は、法定の接種でなくても公費助成の検討をというような御質問でもあろうかと思いますけれども、その観点に関しましても同じ予防接種部会の中で御議論をいただきたいということでお願いをしているところであります。
#228
○山本博司君 今までの議論ですと、こうした法改正を含めて来年に提出をされる予定であるということでございますけれども、先ほどからの議論ございますけれども、もし、こうした子宮頸がんワクチンであるとか、助成をするために予算化をする、前倒しをしていくという可能性もあると、こう考えてよろしいんでしょうか。
#229
○国務大臣(長妻昭君) 今のお話までのなかなか我々もことを申し上げるという今段階ではないわけでございますけれども、これは先ほどの繰り返しでございますが、優先順位は高いワクチンの一つでございますので、厚生労働省としてもしっかりと検討をしていくということであります。
#230
○山本博司君 是非とも早く推進をお願いをしたいと思います。
 最後に、この予防接種の抜本改正に向けた大臣の決意をお伺いをしたいと思います。今まで議論されましたけれども、大変大事な部分でございますので、大臣、この決意を聞かせていただきたいと思います。
#231
○国務大臣(長妻昭君) やはり一つは、このワクチン行政というのは、これは広く公衆衛生あるいは医療の行政の観点からなされるべき問題に加え、やはり国家の危機管理という側面もある非常に重要な政府全体で取り組む課題でもあるというふうに思います。
 その一方で、ワクチンというのは有効性がある部分もありますが、その裏腹にリスクもある、副反応もあるということも国民の皆様に正確に伝え、その情報を共有をしていく、そういう、ここでも御指摘ございましたけれども、アメリカにあるようなACIPのような仕組みというのも、だからこそ必要ではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、これは非常に重要な危機管理の側面もございますので、午前中の鳥インフルエンザのお話もございました、危機管理の観点からも、しっかりと専門家のみならず国民の皆さんの広く合意もいただくような形で抜本改正をしていきたいと思います。
    ─────────────
#232
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岸宏一君が委員を辞任され、その補欠として西田昌司君が選任されました。
    ─────────────
#233
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 改正法の検討規定、附則六条のことについて最初にお聞きをしますけれども、これ、一項と二項に分かれております。二項は五年以内となっているんですが、一項は特に期限の定めがありません。
 一項の検討事項というのは、先ほどからも議論になっているHibワクチンなども含めた予防接種の抜本的見直し、これも急がれると思うんですね。二項の五年以内ということに対して、一項は期限の定めすらないということについてのちょっと趣旨を聞きたいんですが、これは五年以上掛かるということなのか、それとも、これは二項よりも早急に対応するという、そういう趣旨なのか、だとすれば、いつごろまでに結論を出すのか、お答えください。
#234
○大臣政務官(足立信也君) これは、抜本改正抜本改正という言葉で象徴されておりますように、それももちろん含んだ中で、これはとても五年という期間を要するものでもないと、もっと早くやるという決意の表れと取っていただいていいと思います。
#235
○小池晃君 そういうことであればもう安心だし、これはもう急いでやっぱりやっていただきたいというふうに思うんですが。
 その抜本見直しの中身で、今日も議論になっているHibワクチンのことをお聞きをしたいんです。
 これ、細菌性髄膜炎の日本での患者数は毎年約一千人を上回る推定です。六割強がHib、約三割が肺炎球菌です。五%は死に至って、重い障害を残す後遺症も二〇%と。これはワクチンで予防するのが最も有効ですけれども、日本はこれは全くの後進国になっています。多くの先進国ではワクチン接種によって予防しておりまして、WHOでは九八年に世界中のすべての国に対して乳幼児へのHibワクチン無料接種を求める勧告を出しています。肺炎球菌七価ワクチンはアメリカ、オーストラリア等で定期接種されて、これらの国々では髄膜炎の発症率は激減をしています。
 最初に厚労省にお聞きしますが、Hib髄膜炎の発生頻度について、欧米でのワクチン普及前の数字と日本での数字をお示しください。
#236
○政府参考人(上田博三君) 細菌性髄膜炎につきましては、感染症法に基づき流行状況を把握することを目的として、全国四百五十七か所の基幹定点医療機関に対し週単位で定点報告を求めておるところでございます。
 一方、我が国におけるHibによる髄膜炎の発生頻度につきましては、平成二十年度に行われました厚生労働科学研究によりますと、平成十九年一月から二十年十二月までの二年間に北海道で発症した細菌髄膜炎についての調査がございまして、その結果、五歳未満人口の十万人当たり五・五人との報告がございます。また、平成六年に研究者によって行われました全国のHib髄膜炎発生状況に関するアンケート調査の結果によりますと、五歳未満人口十万当たり四・〇人から九・八人との推定報告がございます。
 また、海外ですが、CDC、これ米国疾病管理予防センターでございますが、毎週発行しているMMWRによりますと、米国では侵襲Hib感染症、これ重症のHib感染症と考えてもらったらいいと思いますが、これについてのサーベイランスが行われておりまして、それによりますと、Hibワクチンが導入された一九八七年の発生率は五歳未満人口十万当たり四十一人でございましたが、一九九五年には一・六人まで減少したと報告されております。
#237
○小池晃君 この数字を見ると、欧米では全数調査ですけれども、日本は定点調査ということで実態がやはりきちんと把握されてないのではないかという印象を受けるんですね。
 やはり日本でも全数把握可能なシステム、もっと本当はこの今の数字より実態は多いんではないかという気もいたしますので、やはり全数把握が可能なシステムの整備、それから起因菌の把握なども行っていくべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#238
○政府参考人(上田博三君) 今御指摘のございました点につきましては、感染症法に基づき感染症発生動向調査を定点観測で行っていることは申し上げたとおりでございます。さらに、週単位で届出を求めている中で、細菌性髄膜炎の起因菌が判明した場合にも併せて報告を求めておりますが、これ何分全国に広げますと、現在四百五十七の医療機関でやっておりますけれども、これを広げることについてはなかなか医療機関側の負担もございますので、今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
#239
○小池晃君 検討課題というんじゃなくて、やはりきちっと把握できるシステムをつくっていただきたいというふうに思います。
 それから、市販されているんですが、希望者が増えている一方でワクチンが足りないという声がたくさん寄せられております。大臣、これ、国としてはどうやって必要数を確保しようとしているのか、御説明をお願いします。
#240
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられたように、このHibワクチンは非常に供給が追い付いていないということでございまして、まずはその供給不足を解消するべく今メーカーにも働きかけを行っておりまして、昨年は大体毎月七、八万本が出荷でございましたが、今年一月からは毎月約十万本の供給体制を取っていこうと、今年六月からは毎月約十八万本の供給予定にしていこう、九月からは毎月二十七万本の供給予定にしていこうということで漸次増強をしているところでありまして、今後とも、海外における製造ラインの生産能力拡大等の対応をしてほしいというようなお願いもさせていただいておりまして、不足に陥らないよう取組を続けていくということであります。
   〔委員長退席、理事小林正夫君着席〕
#241
○小池晃君 次に、足立政務官でしょうか、安全調査、副反応の調査、これはどうなっているのか、重篤な健康被害などが生じているのかどうか、御紹介ください。
#242
○大臣政務官(足立信也君) このHibワクチンの市販後の安全性の調査については、二つといいますか、大きく分けて二つございます。
 もちろん製薬会社による市販後調査というのは現在も続いておりまして、この間の推定接種者数二十五万五千人に対して重篤な副反応は十七症例、二十二件収集されております。
 それから、厚生労働省としては、科研費で再興感染症研究事業というもので、二十一年四月から全国七百五十か所の医療機関を対象に健康状況と副反応の調査をやっております。そこで、千七百六十八例の解析で、全身反応、発熱とかせきの全身反応が四百九十九例、二八・二%、それから局所反応ですが、これは五百七十六例、三二・六%でございます。この二つの種類があると。
#243
○小池晃君 今の副反応の数字というのは、大体DPTの数字とほぼ同じというふうに、調査結果になっていると思うんですが、その辺についてはどうですか。
#244
○大臣政務官(足立信也君) 同じ、同程度というふうに聞いております。正確なパーセンテージはちょっと今手元にありませんが。
#245
○小池晃君 厚生科学研究でもDPTの全身反応とほぼ同程度という結果になってきているということだと思うんですが。
 髄膜炎というのは、ベテランの小児科医でも早期発見、これなかなか大変な病気です。やはり小児救急外来においては、髄膜炎かどうかということを鑑別することが救急医にとっても一番大事な仕事の一つになっているのではないかというふうに思うんですね。
 お母さんたちが守る会をつくった兵庫県立柏原病院のコンビニ受診をやめようというそのチャートの中でも、やっぱり髄膜炎が一番心配だということが強調されている。
 やはりHibや肺炎球菌の予防接種ということをきちっとやっていくことによって、これはやはり髄膜炎を救急外来で除外していくことが可能になっていくということは、私は、小児救急外来、小児救急医療の現場の問題の解決にもこの定期接種というのは貢献する性格を持っているというふうに考えるんですが、そういうメリットがあるということを、足立さん、お認めになりますか。
#246
○大臣政務官(足立信也君) 同感でございます。
#247
○小池晃君 厚生労働省にちょっと数字をまた聞きたいんですが、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチンの定期接種化公費助成について、国に寄せられた意見書は何件あるのか。
 それから、先ほどもちょっと質問あったようですが、多くの自治体で費用助成しているんですけれども、実際に費用助成している自治体は幾つあるのか、お答えください。
#248
○政府参考人(上田博三君) 平成二十一年度にHibワクチン及び肺炎球菌ワクチンの定期接種公費助成に関する意見書として地方自治体から厚生労働省へ提出されました件数は、合計四百六十五件でございます。
 また、費用助成を行っている自治体の数でございますが、財団法人予防接種リサーチセンターが全国の市町村を対象として行い、平成二十二年三月三十一日に公表した調査結果でございます。これは、このリサーチセンターのホームページにも掲載されておりますが、Hibワクチンにつきましては九十六市町村、小児肺炎球菌ワクチンについては三市町村となっているところでございます。
#249
○小池晃君 今、全国の自治体で費用助成が広がっていて、鹿児島県の伊佐市、北海道の豊浦町など四自治体で全額補助をしています。
 さきの百七十三国会では、参議院のこの厚生労働委員会、当委員会では、細菌性髄膜炎ワクチンの公費による定期接種化の早期実現に関する請願、これも採択をされています。
 いずれもこれは常在菌でありまして、乳幼児期に感染のリスクが高い。ワクチンの接種は、やっぱり長期間にわたって待つわけにはいかないと思うんですね。
 私、大臣にこの問題についてやっぱりお聞きをしたいんですが、今は任意接種なわけです。そうすると、高い接種費用が掛かってくる。お金のあるなしで命が左右されることになりかねないんですね。私ども、お母さん方から陳情を受けたときは、子供は社会の宝なんだから、政治家はそういうことを言ってほしいんだというお話を聞きました。
 大臣も、三月二十三日に細菌性髄膜炎から子どもを守る会の皆さんから要望書を受けて、実際に昨年の十二月に次男をHib感染による髄膜炎で亡くされたお母さんの声をお聞きになっていると思うんです。この方は、長男のときは大丈夫だったし、まさかこんな大変な病気があるとは思わなかったんだというふうにおっしゃっていて、それが予防接種で防げるということも知らなかったんだと、無念の気持ちを大臣にも語られたというふうに聞いています。
 欧米先進国に既に二十年前後遅れていますし、更にここからやっぱり一日遅れるだけでも更に救える命が救えないということにこれはなっていくと思うんですね。この問題はもう党派を超えてこの委員会でも声が出されていて、部会の検討を踏まえて判断だということに答弁なっているんですが、まとまるまでは政府としては見守るだけという姿勢では私はいけないのではないか、やはり政治のイニシアチブで部会での審議も加速をしていくということをしっかりやっていくと。政治としてのイニシアチブを果たして、一日も早くこれは定期接種化をすべきではないかというふうに考えますが、大臣、どうですか。
#250
○国務大臣(長妻昭君) この部会にただ我々もお願いしてその後何もしないということではございませんで、もちろん今の小池委員の御指摘も部会に伝えてまいりますし、国会で御議論いただいた中身も部会にお伝えする。そして、私どもといたしましても、先ほど来申し上げておりますこの三つのワクチンというのは優先順位は高いというふうに考えておりますので、それについても、法定接種の問題、そして公費助成の問題についても御議論を急いでやっていただこうというふうに考えておりますが、ただ、もちろん総合的に考える、安全性の問題もございますので、それについては適切な結論をいただくような時間も一定程度は必要だというのも御理解いただきたいと思います。
#251
○小池晃君 副反応の問題での厚生科学研究の数字も今日初めて私もお聞きしましたし、そういう点でいうと、いろんな問題、クリアされる問題はクリアしてきているんじゃないか、何よりも世界ではもう定期接種の流れが常識になっているようなそういう予防接種ですから、やはりこれは一刻も早く実現をすべきだということを重ねて申し上げたいと思います。
 それから、一点お聞きしたいのは子宮頸がんの問題ですが、これも、二十歳代の女性では乳がんを抜いて発症率が一番高いがんになっていて、年間一万五千人以上が発症して三千五百人が命を落としています。これも百か国以上でワクチンが使われている、先進三十か国で公費助成が行われています。独自に助成を行っている自治体もありますし、日本産婦人科学会、日本小児科学会も、十一歳から十四歳の女子に公費負担を、接種するように求めています。それから、民主党のインデックス二〇〇九、医療政策、ここにも子宮頸がんワクチンの任意接種に対する助成制度を創設しますというふうにかなり明確に書かれているわけで、先ほど三つのワクチン優先だとおっしゃったんですが、大臣、重ねて、やっぱりこの子宮頸がんについてもこれは公費助成を検討するべきではないかと思いますが、いかがですか。
#252
○国務大臣(長妻昭君) これについても、予防接種法に位置付けるか否かについて、これは予防接種部会で御議論をお願いしているところでございます。いろいろな観点から御議論があると思いますけれども、この子宮頸がんのワクチンについては、これ効くウイルスというのが欧米では子宮頸がんの原因に占める割合が八割から九割でありますけれども日本では五〇から七〇パーと限定的であるなどの報告もございますが、いずれにしてもこれは、予防接種部会で先ほどの三種、優先順位の高い部類として御議論をしていただいているところであります。
#253
○小池晃君 五割から七割というのも十分高い数字なんですよね。これはやっぱり守れる命はしっかり守るというのは政治の責任ですから、しかもマニフェストで言っていたことですから、これはきちっとやっていただきたいと。そこでこそ政治主導という役割を果たしていただきたいとお願いしたいというふうに思います。
   〔理事小林正夫君退席、委員長着席〕
 それから、感染症説もある病気についてちょっと今日最後にお聞きしたいんですが、慢性疲労症候群という病気です。
 これは、日常生活に重大な支障を来す強い疲労が六か月以上持続する、微熱、頭痛、睡眠障害などと言われていますが、本当に症状はもっともっと深刻な患者さんがたくさんいらっしゃいまして、今日傍聴にも来ていただいています、大臣の後ろに車いすで来ておられる女性です。
 先日四月六日には国会の議員会館内で、大臣にも昨日お届けするようにお渡ししましたけれども、アメリカのドキュメンタリー映画、アイ・リメンバー・ミーという映画を上映をして当事者の訴えもお聞きをしました。
 今日傍聴に来ていただいている女性も、今寝たきりの状態で、これは二十数年前にアメリカ留学中に発症して、留学を継続できなくなって帰国をされています。今は介助がなければ食事を取れない、車いすは背を倒して横になると、そういう状態で乗っておられるという病状がずっと続いているんですね。本当に、私もお会いして、本当に深刻な状態なんだなということを実際初めて見て実感をいたしました。
 これ、仕事を辞めざるを得なかったり引きこもりになったりという患者さんも大変多いというふうに言われていて、文部科学省の研究班が二〇〇四年に大阪府内に住む一万人を対象に実施した調査、これではこの症候群の基準に合致する人は全体の〇・二六%ということで、国内就労人口に当てはめると約二十四万人がこの病気の患者であるという試算も行われています。
 潜在的な患者さんも非常に多いと、病状が深刻化すると本当にもう車いす、寝たきりのような状態になる大変な病気なんですが、政府としての対策についてどのようなことを行っているか、お答えください。
#254
○大臣政務官(足立信也君) 厚生労働省では、平成三年から全部数えると七つぐらい、ずっとこの件に関して実態調査や病気の原因、あるいは特徴について研究を進めているんです。しかし、明らかな原因というのは分かっていないということで、かつその診断、現在の診断基準が一般的な症状になっているものですから、これでは明確にならないということで、平成二十一年度より三年計画で、例えば客観的に、血液データなどの検査データを用いた客観的な診断基準が作れないのかというような研究を今行っているところでございます。
#255
○小池晃君 研究班を立ち上げていることは評価できるんですけれども、この間、政府の研究も何度も中断をしているんですね。やっぱり非常に不十分ではないかというふうに率直に言わざるを得ません。今回の研究班も現場の医師が一生懸命訴えて努力で認められたわけで、国が、今までの政権がこの病気に積極的に取り組んだとは私は言えないというふうに思うんです。
 先ほど紹介した女性の場合も、これは寝たきりになったために車いすを申請したんだけれども、市の窓口に寝たきりという診断書を出しても、慢性疲労症候群で寝たきりになるというのは信じてもらえなかったと。何度もやり取りした結果、二年掛かってようやく車いすを出してもらったと。見た目は普通の人と変わらないので、ハローワークで相談しても理解してもらえずに怠けているんじゃないかと言われている、そういう患者さんの訴えもたくさん寄せられています。
 今日お配りしたのは、アメリカのCDCがホームページで紹介しているパンフレットなんですけれども、このパンフレットにもアメリカでは百万人以上の患者さんがいるんではないかという紹介もされていて、六百万ドルの資金を投入して、テレビ、ラジオのCM、ホームページ、パンフレット、こういう啓蒙活動をやっているんですね。
 日本でも、やはりこういった例に倣ってしっかりした戦略が必要なのではないか。難病指定に向けて取り組む、あるいは障害者施策の対象になる深刻な症状を持つ病気だということをやはり周知、広報啓発活動を行っていく。大臣、こういう取組をやはりやっていくべきではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。大臣、答えてください。
#256
○国務大臣(長妻昭君) 先ほども御答弁いたしましたように、平成二十三年度までの研究で、この客観的な診断基準を作成するために関西福祉科学大学の先生を中心に研究をお願いをしているということであります。
 そして、今おっしゃられた、こういう慢性疲労症候群ということが広く国民の皆さんがまだ御存じない方が多いということで、先ほどの役所の対応などもございまして、我々としても、今おっしゃられた患者さんの人数のお話もございまして、数十万人になる可能性があるんではないかということで、その数の正確な今把握もできておりませんので、それについても、我々、今後、実態把握をすべく取り組むと同時に、広報についても、ホームページ等々も活用しながら更に広報を強化をしていきたいというふうに考えております。
#257
○小池晃君 是非、例えばイギリスでも保健省がホームページで慢性疲労症候群の紹介をしている、必要な情報を提供する、そういったこともやられております。今、何十万人もいる可能性があるという答弁もありましたし、これはやはり大事な病気であるという認識を厚生労働省としてもお持ちだという答弁だったというふうに受け止めますので、まずはしっかりこういう広報活動、啓発活動などを諸外国の例なども踏まえてやっていただきたい。それから、深刻なやっぱり実態が広がっていますから、実態把握を進めていただきたい。この研究班についてもしっかり国としても支援を進めて、この問題に対する取組を強めていただきたいということを最後に重ねて訴えまして、私の質問を終わります。
#258
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#259
○西島英利君 私は、自由民主党・改革クラブを代表しまして、ただいま議題となりました予防接種法等改正案に対しまして反対の立場から討論をいたします。
 私が何より残念に思うのは、新政権になってから新型インフルエンザに対してしっかりした対応がなされなかったことであります。我々自公政権下におきましては、我が国での新型インフルエンザの発生、感染の拡大を防止するため、あらゆる政策手段と国民各層への啓発を進めてきたことは御存じのとおりであります。しかしながら、以下に述べるように、現政権のインフルエンザ対応は余りに遅く、右往左往し、医療現場のみならず、国民を大変な不安に陥れ、多くの負担を強いたのであります。
 まずは、インフルエンザワクチンの接種回数の決定や接種スケジュールの前倒しに関して大変な混乱を招いてきました。厚生労働省は、ワクチン接種回数について、当初はすべて二回としていました。しかし、その後何回も接種回数の見直しを行い、大変な混乱を招いたのであります。一回か二回でワクチン量は二倍の差があるわけでございまして、極めて重要な判断がゆがめられる可能性があったと言われます。
 輸入ワクチンが大量に余ったことも大変な問題です。三月下旬現在の最新の統計によると、国産ワクチンが契約数量五千四百万回分に対する接種数が約二千三百万回であったのに比べ、輸入ワクチンは契約数量九千九百万回分に対する接種数が約三千回分にとどまっています。医療機関も多くの在庫を抱えていますが、政府はこの買取りを拒否し、その責任を放棄したままです。
 さらに、今回の新型インフルエンザ問題を通して国内のワクチン生産体制の脆弱さが明らかになりました。強毒性の鳥インフルエンザの感染が問題化する懸念が高まっていることを考えても、国内におけるワクチン供給体制の整備、拡充を早急に図るべきであります。一日も早く法律面を含めた具体的な政策を講じるべきであります。
 政府は、今回の予防接種法等改正案は新型インフルエンザ対策として緊急に講ずべき措置を手当てしたものだと説明しています。しかし、そうであるならば、まず第一になすべきことは国産ワクチンの生産体制の整備、強化であります。しかし、この改正案では国産のワクチンの基盤強化のための措置は全くなされておりません。また、輸入ワクチンと国産ワクチンの健康被害に対する損失補償の差別も大きな問題です。このような差別がある限り国内ワクチン産業は育たないでしょう。
 我が国は欧米各国に比べてワクチン後進国と言われています。未承認問題の解消を始めワクチンの一層の活用が求められています。
 法案では、政府は、予防接種の在り方等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするにとどまっています。政府は接種費用や予防接種に関する評価、検討組織の在り方などを含め、早急に結論を出す努力をすべきであります。
 新型インフルエンザの第二波が猛威を振るう可能性もあり、国民はこんな政府の対応で大丈夫かと非常に不安になっています。我々は、この法案では不十分であることを主張し、更に議論すべきだと考えます。
 我々は、行政の在り方をただしつつ、今後ともインフルエンザの未然防止と重症化の歯止めを徹底して進めるとともに、国内ワクチンの生産体制の強化に全力を尽くすことを国民に約束して、討論を終わります。
#260
○委員長(柳田稔君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#261
○委員長(柳田稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#262
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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