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2010/04/27 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第17号
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2010/04/27 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第17号

#1
第174回国会 厚生労働委員会 第17号
平成二十二年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     下田 敦子君
     米長 晴信君     長浜 博行君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     平山  誠君
     下田 敦子君     平山 幸司君
     辻  泰弘君     轟木 利治君
     森田  高君     川上 義博君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                梅村  聡君
                川上 義博君
                島田智哉子君
                下田 敦子君
                辻  泰弘君
                轟木 利治君
                長浜 博行君
                平山 幸司君
                平山  誠君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                伊達 忠一君
                中村 博彦君
                西島 英利君
                丸川 珠代君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                近藤 正道君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
   参考人
       全国町村会常任
       理事
       新潟県聖籠町長  渡邊 廣吉君
       健康保険組合連
       合会専務理事   白川 修二君
       全国健康保険協
       会理事長     小林  剛君
       東京民主医療機
       関連合会会長
       医療法人財団健
       康文化会理事長  石川  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○医療保険制度の安定的運営を図るための国民健
 康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日、姫井由美子君及び米長晴信君が委員を辞任され、その補欠として下田敦子君及び長浜博行君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、全国町村会常任理事・新潟県聖籠町長渡邊廣吉君、健康保険組合連合会専務理事白川修二君、全国健康保険協会理事長小林剛君及び東京民主医療機関連合会会長・医療法人財団健康文化会理事長石川徹君でございます。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず渡邊参考人にお願いいたします。渡邊参考人。
#4
○参考人(渡邊廣吉君) おはようございます。
 ただいま参考人として御指名を受けました全国町村会常任理事を務めております新潟県聖籠町長の渡邊でございます。
 本日は、国民健康保険法等の一部を改正する法律案を審議する参議院厚生労働委員会に私どもが参考人として意見を述べる機会をいただき、まずは心から感謝申し上げます。
 また、平素から町村行政の運営につきましては格別な御理解と御高配を賜っておりますことに、この場を借りて厚く感謝と御礼を申し上げる次第であります。
 それでは、初めに、私どもが保険者として運営いたしております国民健康保険の現状について、委員の先生方には十分御理解をいただいておるとは存じますが、参考までに若干の説明をさせていただきます。
 国民健康保険は、農林水産業や商工業などの自営業者を中心に、私ども市町村が保険者となり運営する医療保険制度であり、昭和三十六年に創設されて以来五十年近くが経過しております。他の医療保険に属さない方すべてを被保険者としているため高齢化や産業構造の変化などの影響を受けやすく、制度の発足当時と比べ高齢者の割合が増加するとともに農林水産業や自営業者の割合が減少し、現在では無職者の割合が四五%にもなっております。
 また、平成二十年秋からの世界的な経済不況や金融不安の高まりとともに雇用情勢が急速に悪化したことにより、会社の倒産や事業所の閉鎖、人員整理などによる非自発的失業者が急増しており、結果として、これらの方たちも国保に加入している現状にあります。
 さらに、年々、医療給付費や後期高齢者医療支援金が増加していくという状況の中で、各市町村では、制度の安定的な運営を図るため、被保険者に何かと御理解をいただきながらでも保険料を引き上げる努力をいたしている現状にあります。
 しかしながら、被保険者の負担能力も限界に達しているため、多くの市町村では苦しい財政状況であるものの、法律で定められた負担のほかに、やむなく一般会計からの繰入れをしなければならない状況下にもあります。平成二十年度においては、このような法定外の負担分として二千五百億円もの巨費を投入しております。
 一般会計から法定外で繰入れを行うことは、本来市町村が行うべき他の事業の予算の減額を意味し、各種の福祉施策や行政サービスを阻害することにもなりかねません。また、国保の被保険者のみならず、他の被用者保険の加入を含めた全住民が国保の赤字を補てんするための負担をしているということにもなります。
 このようなことから、私どもの聖籠町では、法定外の繰入れは行わず、被保険者の皆さんに何とか御理解いただきながら、約三年ごとに保険料の見直しを行ってきたところでもございます。
 しかし、結果として、当新潟県内においては割合医療費は低い現状にあるにもかかわりませんが、保険料は県平均を上回る高い水準になっており、これ以上の引上げは非常に厳しく、被保険者の御理解が得られない状況になっております。
 国保財政の状況を見ても分かるように、平成二十年度決算では二千四百億円もの赤字となっており、さらに、後期高齢者医療制度の創設により保険料の収納率の高い七十五歳以上の被保険者が国保制度から抜けたことなどにより、保険料の徴収率は前年度と比較して二・一四%低下し八八・三五%と厳しい状況下にあり、国民皆保険となった昭和三十六年以降最低の数値となっております。
 以上のような状況から考えますと、国保は実質的に破綻状態と言っても過言ではないのではないかと思っている次第であります。今後、国民健康保険制度を円滑に運営をしていくためには、財源の確保が最も重要な課題であるということをまずもって御意見といたしまして申し上げさせていただきたいと存じます。
 それでは、このような国保制度を取り巻く現状を踏まえつつ、今回の一部改正法律案について私の考え方を申し述べさせていただきます。
 初めに、この一部改正法律案に盛り込まれております国保財政基盤強化策等の延長措置について、私どもといたしましては、基本的に賛意を表する立場でこの一部改正法律案の速やかな成立を求めるものであります。
 所得の低い方や高齢者が多いという構造的な問題を抱える国保を支援するため、保険基盤安定制度、高額医療費共同事業への財政支援、財政安定化支援事業における地方財政措置などの財政支援はいずれも平成十八年度から平成二十一年までの四年間の暫定措置でありまして、これらの財政基盤強化策については、保険料の増加を抑制する効果や国保財政を安定化させる効果が著しく大きく、全国町村会は昨年からこの強化策を延長するように強く要請を図ってきたところであります。
 しかしながら、残念でありますが既に期限が切れてしまいました。この強化策があってさえ先ほど申し上げましたように厳しい財政状況にあることから、延長がされない場合には自前で財源を確保する必要があります。
 先ほど申し上げましたように、これ以上の保険料の引上げや一般会計からの繰入れは到底できない現状にあります。我が町においては、この強化策が継続されなかった場合の影響を試算してみますと、一人当たりの保険料、約五万七千円となっておりますが、更に一万円以上も引き上げることになり、我が町の国保財政は崩壊の危険性すら危惧される状況となっております。
 更に申し上げれば、所得から支出している保険料の割合について、低所得者が多い国保と被用者保険で比べると国保は二倍以上にもなっていることから、この強化策を早急に拡充強化し、国民の間の保険料負担を平準化すべきと考える次第であります。
 厚生労働委員会の委員の先生方におかれましては、市町村国保の置かれている現状に御理解を賜り、一刻も早くこの一部改正法律案を成立させていただき、現在の不安定な状況を解消されることを切望する次第であります。
 次に、一部改正法律案には、国民健康保険の広域化を推進するための新たな仕組みも盛り込まれております。
 国民健康保険は、市町村が運営しているため一般的に財政単位が小さく、財政運営が不安定になりがちという課題を抱えております。特に、我々町村にとっては、財政運営の広域化は関係者の悲願でもあります。これは私ども町村の能力や事務執行体制に起因するものではありませんが、被保険者の規模が小さい保険は財政的に安定しないという保険の数理計数上の原理に基づくものでございます。
 一部改正法律案では、都道府県が地域の実情に応じて市町村国保の広域化を支援するための広域化等支援方針を策定することができることとされております。全国町村会は以前から負担と給付の公平化を図り、国民皆保険を守るために医療保険制度の一本化を主張してまいりました。また、それまでの過程として、まず都道府県を軸とした保険の再編統合の推進を主張してまいりました。今回の仕組みは、その成立をさせていただき、現在の不安定な状況が解消されることを切望している次第であります。大変失礼しました。このような方向に向けた第一歩となるものと大いに期待しているところでございます。
 私どもといたしましては、一部改正法案を早期に成立させていただいた上で、すべての都道府県が市町村の意見を十分に踏まえて円滑に広域化等支援方針を策定できるように、国においては十分な協力をお願いしたいと考えているところでございます。
 次に、この一部改正法律案には、資格証明書を、発行世帯に属する高校世代に短期被保険者証を交付することが盛り込まれております。
 親の事情により子が必要な医療を受けられないといった事態を回避するために、前回の法改正では対象にならなかった高校世代に短期証交付の範囲を広げるとするその旨には賛同いたしますが、現場で制度運営に当たっている立場から申し上げますと、同じ保険料滞納世帯であっても、実際には払う能力があるにもかかわらずお支払いをしていただけないケースが相当数ございます。
 私どもといたしましては、納税相談を受けていただくという本来の手続を呼びかけ、お願いしてきた経緯を考えますと、資格証明書を、世帯に一律に短期証を交付することはモラルハザードを引き起こしかねないのではと考え、若干の危惧を抱いておるところでもございます。このため、今後、今回のような措置を子供以外の者に対してむやみに拡大していかないようにお願いしたいと思います。
 次に、今回の一部改正法律案には、後期高齢者医療制度を廃止し、新たな制度を創設するまでの間、現在の保険料軽減措置などを延長する措置が盛り込まれております。これに関連して、住民に直接対応する現場を預かる立場から、高齢者医療制度改革について意見を述べさせていただきます。
 後期高齢者医療制度は、制度施行当初は混乱が生じましたが、それは主に名称や保険料、年金天引き等に起因するものであり、それらの課題は制度施行後の対策等によりほぼ解消し、現在では制度は安定しているものと理解しております。
 こうした状況の中で、政府は現行制度を廃止し新たな制度を創設するとしていますが、現行制度創設の経緯と制度定着の現状をかんがみれば、現行制度の根幹となる部分や利点は引き継ぐように制度設計されるべきものと考えます。かつての老人保健制度に戻したり大きな見直しを行うとなると、被保険者を始め市町村の現場に無用な混乱や膨大な経費が生ずることとなりますので、町村の意見を十分尊重した上で慎重に検討を進めていただきたいと思います。
 また、現行制度の問題点とされる費用負担の在り方等については十分に議論されなければならないと思います。特に保険料については慎重に議論すべきであります。保険料が急激に上昇をすると大きな混乱をもたらすということはもちろんですが、今回の一部改正法律案にもありますように、財政安定化基金を保険料引上げの抑制効果として活用するということは決して本来の姿ではございません。保険料、被用者負担の面から持続可能な制度設計がされるように望むものでございます。
 そして、新たな高齢者医療制度については、市町村国保を広域化した上で一体的に運営することを検討されていると伺っておりますが、運営主体については都道府県が主体的な役割を果たすことが重要かと存じます。私個人といたしましては、保険料徴収や保健事業に対して市町村がその役割を果たすことは重要なことであると考えております。国保財政に関しては、都道府県が主体的にその役割を果たさない限り制度の持続可能性はないと考えます。
 加えて、都道府県が保険者になるのか、都道府県を含む広域連合とするのかは議論があるところでございましょうし、保険料の設定方法等難しい面もありますので、全国町村会といたしまして、いずれ意見を集約したところで要請を図ってまいりたいと考えております。
 その中で、都道府県が国保運営を行うことについては、都道府県で一定の温度差はあるものの非常に消極的であり、国がその役割を果たす決意を示さない限り都道府県もまたその役割を果たそうとは思わないと考えます。その意味では、今回の改革の成否は国がどこまで責任を持つかということに懸かっていると言っても過言でないと思いますので、今後、先生方におかれましてはこの点についても御検討をお願いしたいと考える次第であります。
 以上、私の意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
#5
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、白川参考人にお願いいたします。白川参考人。
#6
○参考人(白川修二君) 着座のまま失礼いたします。健康保険組合連合会の白川でございます。
 本日は、このような意見陳述の場を与えていただきましたことに対しまして、厚生労働委員会に深く感謝申し上げます。また、平素から健保連あるいは健康保険組合に対しまして様々な御指導あるいは御支援を賜っておりますことをこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 ただいま御審議中の今回の法案、国民健康保険法等の一部を改正する法律案の中で私どもが申し上げたい箇所はただ一点でございます。協会けんぽへの国庫助成額の増額に関連して、後期高齢者医療制度への支援金の算定方式を変更し、その三分の一の部分を総報酬割に改定するという案になっている点でございます。私どもは、本法案のこの部分一か所のみについて反対をしておりますので、本日は法案のこの部分に限定して意見を述べさせていただきます。
 私どもが反対する理由を整理して、三点意見を申し上げます。
 第一点は、本来国が負担すべき協会けんぽへの国庫補助金の一部を健保組合と共済組合に実質的に負担肩代わりさせる法案になっているという点でございます。
 協会けんぽに対する国庫補助に関する規定は、健康保険法百五十三条において一六・四%から二〇%までの範囲内で政令で定める割合となっておりまして、これが本則であります。この百五十三条が法制化された後、附則が付けられ、当分の間一三%とするとされ、これが現在まで適用されてきたわけでございますが、同じく附則の中に、中期的財政運営等を勘案し、必要があると認めるときは、この規定について検討を加え、所要の措置を講ずるとされております。
 平成二十一年度の協会けんぽの収支見込みは約六千億円の経常赤字、準備金は約四千五百億円の不足と伺っておりますが、こうした財政状況を見ますと、今こそ附則にある所要の措置を講じるときであり、国庫補助を現行の一三%から本則である一六・四%から二〇%に戻すべきときであるというふうに考えます。
 国庫補助を本則に戻すための財源は国が負担すべきでありますが、今回の法案では、その約半分を健保組合や共済組合が代わって負担するということになっております。国の財政が厳しい状態であることは私どもも十分認識しておりますが、それでも本来国の責任で賄うべき国庫補助の増額部分の一部を健保組合や共済組合が代わって負担するということに対して私どもは納得がいかないということを申し上げたいと思います。
 二点目の理由は、この負担肩代わりを後期高齢者支援金の負担方法を変えることによって賄おうとしている点でございます。
 御高承のとおり、昨年十一月に高齢者医療制度改革会議が発足し、本年八月の中間取りまとめに向けて現在議論が進められております。高齢者の医療費をどのように負担していくかは、この高齢者医療制度改革会議の最重要課題の一つであります。こうした検討のさなかに現行の後期高齢者支援金の算定方法を変更するというのは、私どもとしては得心できないということでございます。
 三点目は、健保組合の財政が悪化し、これ以上の負担増には耐えられないという点でございます。
 お手元に資料を配付させていただきましたが、平成二十年度に医療制度改革法が施行されまして以来、健保組合の財政は悪化しております。二十年度決算で約三千億円の経常赤字、二十一年度予算では約六千百五十億円の赤字、また本年度予算の早期集計では約六千六百億円の赤字となっており、高齢化の進展に伴って健保組合の財政は悪化の一途をたどっております。
 財政悪化の主因は、高齢者医療制度に対する支援金納付金が平成二十年度以降約四千億円も負担増になったことに加え、昨今の経済低迷による標準報酬、賞与の減額によって保険料収入が大きく減少したことが大きく影響しております。こうした財政状況の厳しさは、今後中期的にも続くものと見ております。したがいまして、これ以上の負担増には耐えられないということでございます。
 私どもが訴えたい点は今まで申し上げた三点でございますが、この機会に我が国の医療保険制度に対する私どもの基本的な考え方を御説明させていただくとともに、要望を二点申し上げたいと思います。
 一点目は、公費投入の拡大に関する要望であります。
 我が国の医療保険制度、国民皆保険制度は、世界に誇れるすばらしい制度であると認識しております。こうしたすばらしい制度をつくり上げた先輩方に深く敬意を表すると同時に、この制度を次の世代に残していく責任があると強く覚悟しております。
 その際に最も重要な課題は、約三十四兆円の国民医療費のうち、その半分を占める高齢者の医療費をどのように負担していくかであろうと考えております。私どもは、高齢者の医療費は国民全体で支えるべきという考えに賛同しておりますし、したがって、いわゆる若年層、現役世代も高齢者医療を支えるために応分の負担をしていくべきという考えに立っております。
 その場合、負担の公平性や負担する側の納得性が必要なわけであります。私ども健保組合も、加入者や事業主に対し何度も説明し、理解を求める活動を続けてまいりましたし、それなりの納得も得てきたというふうに思っております。
 しかしながら、現在、健保組合の保険料収入に占める高齢者医療制度への支援金、納付金の割合は既に平均で四三%を超えております。保険料収入の五〇%以上を拠出している健保組合が全体の三分の一に達する状況にありますし、高齢化の進展とともに更にこの率は増加すると思われます。この状態が続けば、加入者、若年層、事業主の納得の限界を超えてしまう危険性があると感じております。
 千四百六十二の健保組合のうち約九割の健保組合が経常赤字という状態、また協会けんぽも非常に厳しい財政状態が続いておりますが、こうした被用者保険の財政不安が更に拡大すれば、我が国の皆保険制度の持続性そのものに悪影響を及ぼすのではないかと危惧する次第です。
 現在、高齢者医療制度改革会議で議論が進められておりますが、世代間の負担の公平性の観点から、働く世代の負担が過重とならないよう、新しい制度において公費投入の拡大を是非お願いしたいと思います。また、改革が実現するまでの間、高齢者医療制度への支援金、納付金の負担増をしのぐため、被用者保険全体に対する財政支援をお願いしたいと思います。
 二点目は、我が国の社会保障全体のグランドデザイン構築が是非とも必要という点であります。
 医療保険制度の問題点の一部はるる申し上げましたが、もちろんそれ以外の多くの課題もございます。また、年金制度、介護制度等我が国の他の社会保障制度についても、急速な少子高齢化の進展の中で、その制度の安定性や持続性が揺らぎ始めていることは御高承のとおりであります。今こそ、我が国の社会保障制度全体を見渡したグランドデザインを描く時期ではないかと感じております。
 厚生労働委員会の先生方におかれましても、是非ともこの点を御検討いただくようお願い申し上げます。
 最後に、私ども健保連、健保組合は、今後も世界に冠たる国民皆保険制度をより良いものにしていくため、全力を傾注する所存でございます。先生方には、引き続き御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 御清聴ありがとうございました。
#7
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、小林参考人にお願いいたします。小林参考人。
#8
○参考人(小林剛君) 全国健康保険協会理事長小林でございます。よろしくお願いいたします。
 着席で説明させていただきます。
 まず、私ども協会けんぽの財政再建のための特例措置に関する法案について御審議いただいておりますことに対し、まず御礼申し上げます。また、本日、こういう機会をいただいたことに対し、重ねて御礼申し上げます。
 早速、お手元の資料に即して、全国健康保険協会の概況について、財政状況を中心に御説明申し上げます。
 まず、一ページを御覧いただきたいと存じます。
 一昨年十月、全国健康保険協会は、中小企業の従業員を中心として、健康保険組合に入っていない百六十万事業所の三千五百万人の被用者、御家族が加入する健康保険事業を国から引き継いで設立されました。当協会は非公務員型の法人であり、私も含め、四十七都道府県支部長はすべて民間出身であります。そして、民間組織としてサービスの向上や業務の効率化を進めております。協会には、事業主代表、加入者代表、有識者から構成される運営委員会が設置されており、保険料、予算、事業計画などが審議されております。また、地域の実情に応じて運営していくため、四十七都道府県支部にそれぞれ評議会が置かれ、支部の運営に関する事項が審議されております。
 二ページを御覧いただきたいと存じます。
 協会には全国百六十万の事業所が加入していると申し上げましたが、事業所数の六割が従業員五人未満、四分の三以上が従業員十人未満であり、中小零細の事業所が大多数を占めております。
 次に、三ページを御覧ください。
 これは被用者保険の各制度を比較した表ですが、表の下から二段目を御覧ください。被保険者一人当たりの標準報酬総額、すなわち平均年収で見ますと、協会けんぽが三百八十五万円、健保組合五百五十四万円、共済組合六百八十一万円となっており、大きな格差があります。このように、当協会は、他の被用者保険に比べて財政力が脆弱な保険者であることを御理解いただきたいと存じます。
 次に、四ページを御覧ください。
 協会けんぽと健保組合の平均年収の推移ですが、この平均年収の格差は拡大する傾向にあります。平成十四年度から十五年度にかけて点線になっております。これは、保険料の基礎となる報酬の範囲として新たにボーナスを含めることとされたわけですが、ボーナスは大企業と中小企業との間で大きな開きがあることから、これを反映して報酬格差が拡大しております。
 本法案の中で、後期高齢者支援金の負担方法として、総報酬割が一部導入されることが盛り込まれておりますが、御覧のとおり、協会のような財政力の弱い保険者にとっては、財政力に応じた負担という点で、より公平な負担方法につながると考えております。
 次に、五ページ御覧ください。
 これは、協会けんぽの加入者の報酬月額の水準の年次推移についての表です。これを見ると、加入者の報酬水準の下落傾向が明らかです。
 次に、六ページを御覧ください。
 さて、今年度の保険料率についてです。急激な財政悪化を受け、二十二年度予算編成過程において、平成四年以降引き下げられていた国庫補助率を法律本則上の補助率に戻していただき、保険料率の上昇幅を圧縮していただくよう、協会として関係方面に要請してまいりました。そして、法案に盛られているこの三年間の特例措置を取りまとめていただき、これにより保険料率の上昇幅が〇・六%程度抑制されることになります。すなわち、全国平均で八・二%だった保険料率は、特例措置がなければ全国平均で九・九%まで上昇してしまいますが、九・三四%に抑えられることになります。このような特例措置を盛り込んだ本法案については、是非、今国会で成立を図っていただくようお願い申し上げます。
 なお、保険料率改定に当たっては、事前に協会において都道府県支部から意見を聴くこととされておりますが、幾つかの支部からは、料率の引上げ幅を更に縮小すべき、料率について再考、再度考え直すようにお願いしたいとの意見もありましたが、大半はやむを得ないという意見でした。これらを踏まえ、運営委員会で了承をいただいております。
 次に、七ページを御覧いただきたいと思います。
 ここには、これまでの保険料率と国庫補助率の推移を参考までにお示ししております。
 続きまして、八ページを御覧いただきたいと思います。
 昨年の九月以降、都道府県ごとに地域の医療費水準を反映した保険料率が導入されており、今般の改定により今年度の保険料率は全国平均で九・三四%となり、最高は北海道の九・四二%、最低は長野の九・二六%となっております。
 次に、九ページを御覧ください。
 この都道府県単位保険料率の改定に当たっては、都道府県間の保険料率の差が急激に大きくならないように、都道府県ごとの医療費水準を反映した保険料率と全国平均の保険料率の差について、これを十分の一・五に圧縮する、いわゆる激変緩和措置が講じられております。
 この措置については、支部評議会や運営委員会から、保険料率が高い支部の保険料率が更に上がることは避けるよう配慮すべきとの意見や、激変緩和期間は延長してほしいとの意見をいただき、協会として政府に要請したところ、これらの点についても法案などに盛り込んでいただきました。
 次に、十ページを御覧ください。
 今回の保険料率の引上げの背景について御説明いたします。
 これは、平成十五年度の医療費、保険料率をそれぞれ一とした場合の指数をグラフにしたものです。近年、高齢化等の影響で医療費が年々増える一方、保険料収入は横ばいないし下落傾向にあることが分かります。
 次に、十一ページ御覧ください。
 これは、単年度収支差と準備金残高の推移をグラフにしたものです。準備金については十八年度に六千億円ありましたが、十九年度からは単年度収支差がマイナスとなり、準備金を取り崩しながら運営し、二十一年度は、一昨年秋のリーマン・ショック以降の経済不況の影響を受けて、単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となり、借入れをしながら運営する状況となっております。
 次に、十二ページを御覧ください。
 十八年度以降の被保険者一人当たりの報酬月額の推移を示すグラフです。御覧のとおり、十八年度から二十年度のグラフの形と二十一年度のグラフの形は異なっております。二十年度までのパターンは、九月には四月以降の昇給等の状況を反映して一定程度上昇し、その後の年度後半にかけて下がっていくというパターンでした。しかしながら、二十一年度については、前年のリーマン・ショックの影響を大きく受け、これまでのパターンと異なり一度も上昇せずに下降傾向が続いており、依然として厳しい状況で推移しております。
 十三ページ御覧ください。
 次に、医療費支出について申し上げます。これは、インフルエンザの報告数の推移について、平成十一年度以降の各月の報告数を見たものです。例年、一月から三月にかけて報告数が増え、医療費支出にも影響しますが、二十一年度は、秋以降の新型インフルエンザの流行により医療費支出が膨らんでおります。
 次に、十四ページを御覧ください。
 今後の平均保険料率の見通しについて若干申し上げたいと存じます。
 今般の特例措置を前提として、平成二十三年度、二十四年度の保険料率を試算すると、更に引上げが必要となる見通しとなっております。中ほど、「参考」とありますが、賃金上昇率についてはケースAからケースDまでの四つの前提条件を置いて、それぞれ、上の段の表で黒く囲んだとおり、二十三年度、二十四年度の保険料率を試算いたしました。いずれの賃金上昇率のケースでも保険料率は上昇し、二十四年度はケースによっては一〇%を超える試算となっております。
 次に、十五ページを御覧ください。
 これは、二十一年度の実績見込みと二十二年度の収支見込みについての表です。
 二十一年度末の、四千五百億円もの借入れを要する見通しになっていると先ほど申し上げましたが、この借入金は特例措置により三年間で返済することとされております。この表の、二十一年度の下の方の単年度収支差と準備金残高を御覧ください。単年度収支差はマイナス六千億円、準備金残高はマイナス四千五百億円となっており、二十二年度の方を御覧いただくと、単年度収支差千五百億円とし、これを返済に充てることとし、準備金残高はマイナス四千五百億円からマイナス三千億円に減少しております。二十三年度、二十四年度についても同様に、単年度収支差をプラス千五百億円として着実に返済し、二十四年度中に赤字を解消していく方針です。
 なお、表の支出欄のその他に含まれている業務経費等に関して若干御説明申し上げます。
 表の下に、米印のとおり、業務経費と一般管理費について記載しております。業務経費は前年比八十一億円の増加ですが、このうち保険者の義務である健診や保健指導については百六億円を増額し、一方、それ以外の経費については二十五億円を削減しております。一般管理費、これは人件費や事務費等に当たりますが、前年比十二億円を削減しております。
 いずれにしましても、今般の特例措置の実施を前提に、協会けんぽが担っております被用者保険のセーフティーネットとしての機能をしっかり維持しながら、二十二年度から二十四年度までの三年間の財政再建を成し遂げられるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、十六ページ御覧いただきたいと思いますが、協会けんぽの保険者機能の強化について申し上げます。
 協会発足後、運営委員会での御審議もいただきまして、保険者機能強化に向けたアクションプランを策定して、ジェネリック医薬品の使用促進や保健指導の推進、地域の医療費分析などを進めており、これらについては今後とも強化していく方針でございます。あわせて、医療費適正化の取組はもとより、お客様の声を踏まえて、業務改革やサービスの向上、意識改革を更に進めてまいりたいと考えております。
 最後に、この法律案の早期成立を改めてお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 次に、石川参考人にお願いいたします。石川参考人。
#10
○参考人(石川徹君) 東京都板橋区にあります医療法人財団健康文化会の理事長で内科医師の石川です。また、都内の十五か所の病院、百二十一か所の診療所など、合計三百四十二の事業所が加盟する東京民主医療機関連合会、以下民医連と略します、の会長で全日本民医連の理事、また東京都板橋区医師会の理事も務めております。
 本日は、参議院厚生労働委員会の貴重な審議時間の中で意見を陳述させていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 この間、前政権下で推し進められてきた医療制度改革は、国や大企業の負担を軽減し、その一方で地方自治体や健康保険組合の負担、そして患者、住民の保険料や医療費の窓口負担を増やし続けてきました。医療難民、介護難民、そして医療崩壊、こういう言葉がすっかり一般化し、昨年の政権交代以降も医療機関にとっては医師、看護師不足、医療経営の困難はいまだ変わりはありません。
 また、患者、国民にとっては、この間、高くなり過ぎて払えない保険料のため資格証明書などで無保険状態になってしまう、あるいは保険料を払っていても三割という医療費の窓口負担、この支払が困難などのために病気になっても医療機関にかかれない、患者になれない、こういった不幸な事態が拡大し続けています。
 今回の法案は、高校生世代までの無保険を解消する、こういう賛成できる項目もありますが、全体を見れば今までの政策の転換を目指しているものではない、このように思います。
 現在の政権樹立に当たっての三党の政策合意では、後期高齢者医療制度を廃止し、国民皆保険制度を守る、廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援するとしていました。
 また、民主党は、野党時代の二〇〇八年には、後期高齢者分とそれから市町村国保そのものの赤字体質の是正、それを図るために九千億弱の予算措置を我が党が政権を取った暁にはさせていただくと述べておられたにもかかわらず、後期高齢者医療制度の廃止は数年先に先送りしようとしており、また、今回の法案により国保財政に投入する予算は見当たりません。今回の法案は、後期高齢者医療制度の先送り、これを前提とし、国民健康保険の広域化などと抱き合わせ、一体化を推し進めようとしているものであると考えざるを得ません。
 今回の国民健康保険の広域化支援方針には、国保事務の共同化や保険料の納付状況の改善など、具体的な施策を盛り込むものとされています。国庫負担の引上げなしに国保の広域化を進めれば、結局は保険料が負担の高い方に引き上げることにもなりかねず、また、国保の事務を広域連合に移行させてしまえば、現在の後期高齢者医療の広域連合がそうであるように、住民の声が今まで以上に反映しにくくなる、こういうことが危惧されます。
 また、国保料の納付率が悪い自治体に対して財源の支援は何ら行わず、広域化等支援方針により収納対策を押し付けるものであり、都道府県調整交付金についても、収納率の低い自治体に対する都道府県交付金を用いたペナルティーを都道府県の判断で導入する、こういうことが可能になっているなど大きな問題だと言わざるを得ません。
 また、協会けんぽについても、国庫補助率を二〇一〇年から二〇一二年度までの三年間のみ一六・四%に引き上げる、こういうもので、このままではその後は再び一三%に戻ってしまうことになります。そもそも健康保険法で国庫補助は一六・四%から二〇%の範囲内で行うことができると規定されているはずで、国庫補助率は二〇%まで引き上げるべきです。
 また、今回の法案では、協会けんぽの後期高齢者支援金に対する国庫負担を実質的には削減する内容になっており、こういった内容ではそれぞれの保険、保険者間での負担の押し付け合い、こういう構造を脱却することはできないのではないでしょうか。
 また、協会けんぽの保険料率を上限一〇%から一二%に引き上げる、こういう点も問題です。国庫負担は上限まで行わず、一方で保険料は上限を引き上げ、被保険者の負担を増やし続けよう、こういうものです。
 今回いただいた参考資料の冒頭に、国民がいつでも、どこでも、だれでも安心して適切な医療を受けることができる国民皆保険制度は、これまで半世紀の間、国民の健康保持と国民生活の安定に大きな役割を果たしてきたと述べられていますが、今これが大きく揺らいでいます。今回の医療保険制度の安定的運営とは、だれのための、何のための安定なのか、このことが問われています。
 医療の第一線の現場で仕事をしている者として、この間、私たちが経験をしている地域の患者さんの状況をお話ししたいと思います。
 お手元の参考人関連資料等の中に、私たち民医連が三月十一日に発表した二〇〇九年国民健康保険など死亡事例調査報告を入れさせていただきました。三月十二日の東京新聞一面のトップ記事など、マスコミでも大きく取り上げられた報告書です。お読みになっていただきたいというふうに思います。
 この調査は、経済的事由により医療機関への受診が遅れ、結果として死亡に至ったと考えられる事例調査であり、保険証がない、あるいは保険証があっても手持ちのお金がなくて医療機関への受診が遅れ死亡につながった調査報告です。
 昨年一年間に民医連の病院や診療所がかかわった人で、四十七名の死亡例が報告されています。うち二十七名は一切の保険証を持っていない無保険の人でした。国民皆保険の国で保険証を持たない国民が増加していることは大問題です。この亡くなられた四十七人中二十五人が五十代以下の働き盛りの方々、しかもこの方の多くは非正規雇用あるいは職を失った方です。
 死亡された東京都内の方のを挙げさせていただきます。家のリフォームなどの仕事をされていた自営業の男性です。二〇〇八年からは仕事がほとんどなくなり、借金がかさみ、国民健康保険の保険料も払えず無保険となり、医療機関も受診することができず、糖尿病などの持病も悪化をしました。いよいよ体調も悪くなり、民医連の診療所が行っている医療・介護なんでも相談会を訪れました。相談の結果、自己破産の手続も行い、生活保護を申請、下肢の静脈瘤の手術を行い、再入院を予定していましたが、入院待ちの間に腹部のヘルニアが破裂して、アパートの自室にて孤独死されてしまいました。
 今回の四十七名の死亡例は、私ども連合会に所属する医療機関で集計できた氷山の一角にすぎません。孤独死は東京都で年間三千人にも及ぶとされています。全国の医療機関で、このような経済的事由により医療機関への受診が遅れ、結果として死亡に至ったと考える、こういう事例がどれだけあるのか、是非、厚生労働省自ら調査もしていただき、このようなことが起きない医療制度を確立していただきたい、このように思います。
 二〇〇八年末から行われた年越し派遣村に、私ども民医連の医師を始め多くの職員がボランティアとしてかかわりました。二〇〇九年一月四日の一日だけで百三十人もの医療相談を受けましたが、全員が無保険でした。
 このうち、重症で即日に入院という方もおられました。一人は肺結核、ガフキー八号、こういう方です。この方は派遣社員として社員寮に住み込みで仕事をされていました。体調が悪くなってからも、仕事を休んだら解雇されるから医療機関を受診することができず、とうとう仕事に行けなくなって解雇、社員寮も追い出され、サウナ、ネットカフェなどで過ごし、年越し派遣村にたどり着いた、こういうものです。もう一人は強度の貧血、ヘモグロビンが三・三グラム、これで即刻輸血、こういう方でした。お二人ともまさしく危機一髪、もう少し遅れていたら命にかかわる事態でした。
 これら患者さんは、いずれももっと早期に発見し、早期に治療すれば、多くの医療費を掛けることもなく治療することができ、御本人も早く仕事に復帰できるわけであり、患者にとって国民健康保険始め各種の医療保険制度を安心して使えるように運営していくこと、これが必要と考えます。
 また、正規の保険証があるにもかかわらず、三割の窓口負担が困難なために受診することができない、必要な治療を受けることができない患者さんも急増しております。
 私自身の外来で最近経験している例をお話しします。六十三歳の男性です。C型の慢性肝炎で十年以上前から通院しておられます。昨年は年間で三回のみの受診でした。昨年の最後の受診は十一月。そのときのお話では、この四か月間全く仕事がなくなり、医療に回すお金がない、血液検査など必要だということはよく分かっているけれども、とにかく今日は薬だけにしてくれ、来年になったら何とかお金をためて検査に来るから、こういうことでございました。この方とは今年まだお会いすることができておりません。
 その他にも、糖尿病でインシュリン治療を行い、間質性肺炎を合併したために在宅酸素療法を行っていた患者さんで、医療費と電気代の負担が困難のために何か月後かに在宅酸素療法は中止してしまったという患者さん。肝炎でインターフェロン治療が必要だけれども、仕事を休むことができず、また医療費も払うこともできず、健診での血液検査しかできない、こういう患者さんもおられます。
 保険証がなく無保険、また、毎年上がり続け高額となった保険料を払い続けながらも実際には医療を受けることができない、こういった状況が日本中で広がっていると思います。
 二〇〇九年十二月の国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、過去一年間の医療機関の利用状況について、健康ではなかったが行かなかった、こういう回答をした世帯のうちの一七・〇%でした。経済的な理由が最も多く三八・四%。そのうち、健康保険に加入していない、こういう回答が一四・二%もありました。また、二〇一〇年二月の日本医療政策機構による調査においても、自身や家族の将来を考えたとき不安を感じるかとの問いに、深刻な病気にかかったときに医療費を払えないを挙げた回答者は七九%の高率を占めています。
 各保険への国庫補助を引き上げて、国民健康保険始め高過ぎる保険料を引き下げること、あわせて、患者の窓口負担金、これも引き下げていくことが必要だと思います。
 憲法二十五条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と国民の権利、生存権を保障し、その第二項で国の責務を明確にしています。そして、国民健康保険法はその第一条で、「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」としています。
 社会保障として医療を国民すべてに公的に保障する制度、これが国民皆保険制度です。今回審議される閣法が、すべての国民の命と健康を守る法律となりますように十分に審議を尽くされますこと、これをお願いいたしまして、私の意見を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(柳田稔君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○島田智哉子君 民主党の島田智哉子でございます。
 本日は参考人の皆様方に、大変お忙しい中、貴重な御意見をお聞かせいただきまして、誠にありがとうございます。お時間の都合上、全員の参考人の方にお聞きできないかもしれませんけれども、御容赦願いたいと思います。
 まずは最初に、白川参考人にお伺いしたいと思います。
 先日の衆議院でも、また本日の本院での御発言の中でも、今回の政府案に対する厳しい御意見がございました。長妻厚生労働大臣は、これまでの委員会審議の中でも、政府内でもぎりぎりの判断をしたんだ、協会けんぽの財政が急速に悪化し保険料の急上昇があるという中で、国庫補助率を三年間に限り本則であります一六・四%に引き上げる、また総報酬割という仕組みの中でぎりぎりの判断をしたんだと。また、長妻大臣あるいは長浜副大臣からは、健保連の皆様とも何度も足を運び御理解を得る努力をしてきた、また、今後も御理解を求める努力を続けてまいりたいという御発言もございました。また、衆議院の審議の中では、我が党の委員の中からも健康保険組合の財政が厳しい状況にあることを踏まえた御議論があったことも御案内のことと思います。
 そうした中で、今回の政府案、これは選択の幅の少ない状況の中でお願いをし続けている、また今後も御理解を求める努力を続けていくという政府の姿勢について、白川参考人の改めてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#13
○参考人(白川修二君) 今先生のおっしゃるとおりといいますか、長妻大臣、長浜副大臣以下厚生労働省の方々からも、政府の案については詳しく御説明は受けております。
 ただ、私どもがこれに納得できないという理由は、私の意見陳述の中で申し上げたとおりですけれども、一つ、国の財政が非常に厳しいということも理解をしております。ただ、私どもは、健康保険組合で加入者、事業主の方々に説明をして御理解を得なきゃいけない立場にございまして、当然、様々な国の財政でありますとか、私ども健保組合の財政の問題でありますとか、協会けんぽの問題でありますとかも含めて御説明をして、納得した上で、その総意としてこの法案に賛成か反対かと、こういうことになるんだと思うんですけれども、口幅ったい言い方で大変申し訳ございませんが、説得できる理屈が私どもには思い付かないということでございます。政府の財政状況とかいろいろあるのは分かりますが、加入者、事業主の方々にしてみれば単純に自分たちの負担が増えるという話でございますので、それでもその方々に納得いただけるような理由が私どもには見出せないということで、反対の立場を今までも貫いてきているわけでございます。
 以上でございます。
#14
○島田智哉子君 すべての国民がどこかの医療保険に加入しているわけでありますから、健保連の皆様に御理解をいただけるように、引き続き政府におかれてもその努力を続けていくということでありますから、政府には改めて別の機会に要請をいたしたいと思います。
 そこで、小林参考人にお聞かせをいただきたいと思います。
 これまでの審議の中でも、今後、協会けんぽの健全な運営をどのように担保していくのかという御議論がございました。この点につきまして、政府の御答弁では、例えば後発医薬品の促進によって医療費のコストを下げていく、あるいはレセプトの点検業務を細かく行うなど、いわゆるコストを削減する努力を徹底させていきたいと、このような御発言がございました。
 協会けんぽ御自身が、医療費の適正化や事務コストの削減に対して具体的にどのような御努力をされてきたのか、また今後どのように対応されていくのか、その点につきまして小林参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#15
○参考人(小林剛君) 今先生御指摘のとおり、今回、大変大幅な保険料引上げとなるということでありまして、保険者としては、やはり医療費適正化の最大限の努力、それから経費削減の最大限の努力が不可欠であるというふうに考えております。
 医療費適正化の具体的な取組といたしましては、レセプト点検を強化する、昨年よりは四十億円上積みして二百七十億円の医療費削減効果を図ることとしておりまして、またジェネリック医薬品、これを使用促進するためのモデル事業、これを昨年、広島支部で先行的に実施した、その成果を今年度については全国の支部、これで実施をしております。これによりまして五十億円の医療費の削減効果を図るということとしております。
 このほか、現金給付の不正受給防止だとか債権回収についての、これもやはり支部で先行的にやった成果、こういったものを今年度は全支部で実施してまいりたいというふうに考えております。
 さらに、経費削減の取組としましては、業務経費全体としては前年比で八十一億の増加となっておりますけれども、このうち法定の義務であります健診とか保健指導については百六億円増額しておりますけれども、それ以外の経費については二十五億円を削減いたしました。また、人件費や事務費等に当たります一般管理費も、前年比十二億円を削減いたします。さらに、スリム化に向けて、業務処理方法の見直しだとか今後のシステムの刷新、こういったものについての検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 済みません、先ほどの、ここで、私の意見陳述の中で配付いたしました資料に基づいて、これは十一ページですか、単年度収支差と準備金残高の推移について御説明申し上げましたけれども、準備金については十八年度を六千億円と申しましたけれども、この表のとおり五千億円が正しいものでありますので、訂正させていただきたいと存じます。
 先生、どうも途中で失礼いたしました。
#16
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 それでは次に、渡邊参考人に、市町村国保の広域化についてお聞きをいたしたいと思います。
 今回の改正案におきましては、都道府県では国保事業の運営の広域化、国保財政の安定化を促進するために広域化等支援方針を策定できるようにするとされております。長妻厚生労働大臣の答弁の中では、市町村単位で住民に目配りができる保険者機能ということも重要であるけれども、しかしその場合は財政力に差が付く、保険料率が非常に大きな差が付いてしまう、こうした問題に対して都道府県という広域化を促進する必要があるとしております。
 この市町村国保の広域化について、国の協力はどうあるべきか、また、国に対して協力を求める点に対する渡邊参考人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#17
○参考人(渡邊廣吉君) 先ほども意見陳述の中で申し上げましたけれども、私ども、国保財政を見る限り、市町村単位で保険料の高騰を抑えるにも限界が来ているという現状にあります。
 そういう中で、いかに広域的な視点に立って、都道府県若しくは介護保険制度と同じように広域連合みたいな形の中で広域化単位で行うことによって、いわゆる私ども全国の町村サイドでは被保険者の加入率が極めて少ない状況にあるわけでありますので、それらを、分子と分母という表現はいいか悪いかは別としまして、保険料を算定する際に、保険料の平準化を求めるのに非常に困難を来している。そういう中で、都道府県が保険者となって対応していった場合、非常に私どもとしては、確かに市町村格差というのはこれまでもありますけれども、それらが都道府県単位に応じて平準化に寄与することができるのでなかろうかというふうに基本的には考えております。
 よく、介護保険もそうですけれども、都道府県単位では、知事さん方は保険者になることを嫌っているんですね、正直なところ。ということは、結局自分たちに責任をなすりつけられて、市町村は、じゃ関与しないんじゃないか、自分たちが今までやってきた市町村国保の責任を逃避してしまうのでないかという懸念もあるようであります。また、基本的には、国家財政と同じように、都道府県単位での財政を考えた場合、非常に都道府県単位で国保財政を広域化してやった場合、それが確保されるのかという問題点もあることは事実であります。
 ですから、あくまでも私どもは、これまでやってきた市町村の国保の運営主体、それを役割分担をきちんとした中で、そして保険料の平準化を求めながら、なおかつ、それぞれの医療給付関連での対応とそれからいわゆる保健事業、これの役割分担をきちんとやっていくことによってその辺の解決策は見ることができるんではなかろうか。
 そういう意味で、国に求めたいのは、その辺のことをかんがみながら、お互いにそれぞれの役割分担をしながら対応することによって可能な手続もあるわけでありますので、財政的なバックアップも当然でありますけれども、その辺、都道府県に対する強力な指導を基にして対応していただきたいというのが私の基本的な考えでございます。
 以上です。
#18
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 もう一点、渡邊参考人にお伺いしたいと思います。
 今回の改正案には無保険状態にある高校生世代に対しても短期被保険者証が交付されることとされております。既に無保険状態の中学生世代に対してはその交付が始まっておりますけれども、昨年の九月の調査では三・二%に当たる千百六十一枚が未達になっているということが明らかになりました。その後、厚生労働省より一層の工夫をしていただくようにお願いされたともお聞きしております。
 せっかくの制度を無駄にしないように、今後周知の徹底を図っていくことが必要であると思いますが、地方自治体におかれての実務面での問題等々ございましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。
#19
○参考人(渡邊廣吉君) 資格証明書の交付、そしてまた被保険証の交付というところで、今度の中学生、そしてこの度の改正では高校世代までということであるわけでありますが、先ほども意見陳述の中で申し上げましたけれども、私ども末端の町村の中で、いわゆる滞納世帯に対する納税相談の経緯、これらを現場サイドでいろいろと相談を重ねながら対応してきた立場から考えますと、保険制度の中には減免、経済的に恵まれない方々に対する減免制度もあるわけですし、なおかつ今まで雇用が確保されて収入が得られてきた、だけど経済不況によって倒産等により仕事がなくなったという実態もあるわけでございますので、そういう方々に対しては、素直な意味で納税相談を通じながら、分割納付等を促しながら対応を現場サイドでやっております。そういう方々には、基本的には短期証を交付したり、又は資格証明書に切り替えたりということはいたしておりません。
 しかし、法律で中学世代までになったわけでありますし、また高校世代までになるということは、先ほども申し上げましたけれども、親の責任を子供に帰するわけにいきませんので、当然やっぱりそれは医療を守るという制度から私は当然のことだと主張しておりますけれども、ただ単に滞納しておるだけで、そしてそれも、納税相談を、ルール守らないと言うと失礼なんですけれども、約束を守らないそういう方々も、経済的に恵まれていても、現場サイドでは多くあるんですよ、正直申し上げますとね。
 そういう方々には、やはり私どもは厳格な立場で対応していかねば駄目だ。我々の保険者としての責務もあるわけです。そのことによって、健全な形で納税義務を果たしてくれている方々の、被保険者の皆さん方の立場を守っていかなければならない、両方の立場もございますので。そういうことで、基本的には幅を広げていってくれるのは大変、子供たちに罪はありませんから、有り難いことなんですけれども、しかし保険者の立場から言い換えればそういう矛盾も感ずる。
 ですから、その辺のことをいかに納税相談の中に、また納税義務を守っておられる被保険者の方々に理解を求めていくか、そして短期証の交付、証明書の交付について、その辺の是非、どう確保していくかということが現場に求められる我々の大事な判断の基本に立つんじゃなかろうかなと思っております。しかし、法律で定められたことはきちんと義務を果たさなければなりませんので、そのように基本的に考えております。
#20
○島田智哉子君 ありがとうございました。
 終わります。
#21
○衛藤晟一君 自民党の衛藤晟一でございます。座らせていただきます。
 まず、白川参考人にお尋ねをいたします。
 先日発表されました平成二十二年度の健保組合の予算早期集計結果によれば、健保組合の約九割が赤字になったと、そして二十二年度予算では過去最悪の六千六百億円の赤字という報告を聞いています。極めて厳しい財政状況にあることは明らかにされたわけでございますけれども、今回の法改正による被用者保険の後期高齢者支援金への総報酬割の導入には健保組合の財政にどのような影響を与えるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#22
○参考人(白川修二君) お答えいたします。
 今回の総報酬割導入に伴いまして、二十二年度は、七月導入という提案というふうに伺っておりますので、それでいきますと、二十二年度は約三百三十億円の負担増ということでございますので、単純に足しますと、六千六百億プラス三百三十ということで、七千億円弱のマイナスということになります。
 時限立法、特例措置ということで、二十三年度以降は五百億円負担が増えるというふうに聞いております。
 以上でございます。
#23
○衛藤晟一君 協会けんぽの平均保険料は、平成二十一年度の八・二%から二十二年度には九・三四%に、過去最大一・一四%引き上げられると、健保組合の保険料も九%を超えるところが一割近くに達するということを聞いています。
 さらに、このような景気状況の中で、雇用保険法の改正によりまして雇用保険の保険料率も〇・四五%引き上げられましたし、介護保険、厚生年金保険の保険料率も軒並み引き上げられるという状況でございます。
 現在の非常に厳しい経済状況の下でこれら社会保険料率が大幅に引き上げられるということは、被用者の生活や会社経営というものを直撃して、日本経済の回復にも悪影響を及ぼす懸念があるという具合に思っておりますが、まず白川参考人の御意見をお伺いをさせていただきたいと思っております。
 さらに、こういう厳しい状況にあるからこそ、こういう時期であるからこそ、今、国が思い切った財政出動を何よりも行いまして医療保険財政を支えるべきだと考えておりますけれども、これも白川参考人の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、以上のことを踏まえまして、小林参考人に同じように、一・一四%の過去最大のアップ、一応いろんな措置を講じて〇・六%圧縮したという具合に言われていますけれども、それにしてもこの景気状況の中で極めて大きいアップ率でございます。そのことについて更なる財政出動が必要ではなかったのかと思うわけでありますけれども、それについての御意見をお聞かせをいただきたいと思います。これは小林参考人にも同じようにお聞かせをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
#24
○委員長(柳田稔君) では、まず白川参考人。
#25
○参考人(白川修二君) 衛藤先生御指摘のとおり、社会保険料、医療保険だけではなくて、すべてについて少しずつ上がっているというのが現状かと思います。
 確かに、経済状況といわゆる社会保険料の収入というのは密接に関係がございますので、逆に経済が回復しない限り、特に医療保険の保険者の財政は悪くなる一方ということだと思います。これが事業主の方、それから加入者の方々、被保険者の方々の可処分所得を減らしていくということになりますので、経済への悪循環ということも我々はもちろん懸念をしております。
 ただ、これは健保組合だけでどうこうできる話ではございませんので、我々としてはそういう苦しい財政の中でも、いわゆる保険者機能の発揮ということで、疾病予防でありますとか、健康増進でありますとか、医療費の効率的な使用でありますとか、そういったことにこれからもむしろ注力をしていかなければいけないというふうな覚悟はしております。
 先生の御質問の二点目でございますが、今こそ国は財政出動すべきではないかという御指摘でございまして、私も全く同じ意見でございます。苦しいときに少し国の助成を増やしていただいて足腰をしっかりさせれば、あと五年、十年は大丈夫というふうに思っておりまして、今こそ国が積極的な財政支援に踏み切るべきだというのが私どもの主張で、衛藤先生と全く同じ意見でございます。
 以上でございます。
#26
○参考人(小林剛君) 衛藤議員の御質問、御指摘でございますけれども、元々やっぱり今回大幅な保険料率を引上げしなければいけなかったというのは、中小企業の皆さんの、加入者の皆さん、この方の給料が下がったということで保険料収入が下がったと。これが大幅に下がったという結果、その保険料収入が減少したということ。それから、一方で医療費の問題もございますけれども、そういったことで今回大幅な引上げをせざるを得なかったということで、そういう非常に厳しい状況の中で更に今回平均八・二%が九・三四%に引き上げざるを得なくなったということ。実は介護保険もこれは増えておりまして、これは一・一九から一・五〇になったということで、合算しますと、私ども、平均的な年収であります三百七十四万に対しまして、合算でいきますと年間で五万四千円の増ということで、本人は二万七千円の増加ということで、加入者の皆さんには大変厳しい状況になるということであります。
 私どもとしましても、大幅な保険料引上げになりますので、何とかこれを本則の一三%から一六・四ないしは二〇%、特に運営委員会だとかあるいは評議会の皆さんの御意見、これ、何とか二〇%という声もございましたが、二十二年度については国の財政が非常に厳しい中での予算編成だということで、ぎりぎりの調整の結果ということで私どもとしてはこれは受け止めなければいけないというふうに考えております。
 以上でございます。
#27
○衛藤晟一君 小林参考人にもそういう具合に取っていただけたというのは非常に有り難いことなんでしょうけれども、実際のところ予算は大幅に増やして、ほかのところにずっと行ったからでありまして、子ども手当とかいろいろなところにはずっと行ったんでありますけれども、ここにはなかなか行けなかったというところなんだと思いますので、そこのところについては、正直言って、どう考えておられるのかですね。
 さらには、先ほども白川参考人にもお聞かせをいただきましたけれども、総報酬割を導入する代わりに総報酬割に対する国庫補助をやめることという具合になったわけでございますけれども、それに対する見解についてお聞かせをいただきたいと思います、小林参考人に。
#28
○参考人(小林剛君) 繰り返しになりますけれども、そういった意味では私どもとしてはできるだけ加入者の皆さんの保険料率は抑えるということが大事だということでありますけれども、そういった今の非常に厳しい状況の中で今回の案というのはぎりぎりの調整の結果ということで、これを私ども、繰り返しになりますけれども、受け止めざるを得ないというふうに考えております。
#29
○衛藤晟一君 そうですね、協会けんぽとしては、やっぱりみんなからバックアップしてもらわなきゃいけない、しかし大きな、大幅な料率アップは困るという中で、やっぱりある程度のバックアップをしてもらえるんだからこれ以上の現時点においては無理は言えないという心境だということでございますね。
#30
○参考人(小林剛君) はい。
#31
○衛藤晟一君 はい、ありがとうございました。
 白川参考人にお尋ねいたします。
 政府は、今回の法案は、国庫補助率引上げの主要財源の半分を純増しているということを理由に、負担の肩代わりではないという具合に説明をされておられます。しかし、これに対してどう思われているのか。
 さらに、平成二十年の政管健保支援特例法案では、苦渋の選択としながらも、健保連は単年度に限りということでその負担を了解していただきました。今回は、健保連の了解を得ないまま法案が提出されたというように聞き及んでいます。これに対する見解はどうであるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#32
○参考人(白川修二君) 今回の法案で私どもは実質的肩代わりというふうに主張をさせていただいておりますけれども、協会けんぽへの国庫補助率を一三%から一六・四%に上げるための費用は約千八百億円と、満年度でございますが、伺っております。国庫負担補助率を上げることによる国庫負担は今回約九百億円ということでございまして、残り九百億円を後期高齢者の支援金の仕組みを変えることによって実質的には私どもと共済組合の負担ということでございますので、私どもとしては実質的な肩代わりという認識でございます。
 それから、先生おっしゃるとおり、二年前も厚生労働省から同じような提案を受けました。そのときは、苦渋の選択ということで、私どももお受けをいたしました。理由は、その当時は協会けんぽではございませんで政管健保ということで、政府が主管する健康保険ということもございました。それからもう一つは、一年限りの特例措置ということで、二年目以降は一切なしということでございました。当時、自民党政権の二千二百億円の社会保障費の伸びを抑制するという政策の一環で、一年間だけ協力をしてくれというお申出でございましたので、最終的にはお受けするとしたものでございます。
 ただ、今回は高齢者医療制度の算定方式そのものを変えるという話でございますし、もう既に協会けんぽになりまして、いわゆる民営化された組織でございますので、そこに対して支援をするということは二年前とは随分違うということで私どもは納得できないという主張にさせていただいております。
 以上でございます。
#33
○衛藤晟一君 渡邊参考人にお尋ねいたします。
 現在、政府の高齢者医療制度改革会議で新たに高齢者医療制度についての検討が行われているということでございます。その最中に、結論が出ない中での今回この算定方式を変えるということでございましたけれども、現在まで出されているいろんな案がございますね、この改革会議の中でですね。それについて、そのいずれの案につきましても国保の負担が増大するということは予想されているわけでございますが、これに対する見解をお願いいたします。
#34
○参考人(渡邊廣吉君) 今、改革会議の方でいろいろと議論はされているようでありますけれども、後期高齢者医療制度そのものを廃止して新たな形で制度設計をするという前提で議論がされているというふうに理解しておるわけでありますが、今の、現行の連合制度を運営している中で考えていった場合、保険者としての機能が十分に発揮できていない面も多々あることは事実であります。
 都道府県は市町村と比べて住民に十分な理解がまだ認知がされていないという現状、それから広域連合長は住民から直接選ばれていないという立場にある、責任の明確性がないというふうなこと、それから都道府県のように、本来は保険者であるべき市町村に対しての助言、勧告する権限がないというふうなことと、それから保健事業や保険料の徴収と、いろいろと市町村の取組によって促進させることがなかなか難しい点、これらが正直なところ問題点として挙がっております。
 ですから、例えば広域連合制度をこれから制度設計していく場合に、そういうこと等の問題点を解決しながら、なおかつ、現行制度でも十分に、先ほど意見陳述で申し上げましたように、ようやくながら定着している面も多々あるわけでありますので、その辺を踏まえた中で、今後の広域化と、又はいわゆる全部の被用者保険も含めた一本的な保険者機能といいますか、こういうこともかんがみ合わせた中での、やはり、むやみに単発的に改革ばかりしていって現場が混乱するようなことのないような対応を求めたいなというのが私どもの基本的な考え方であります。
 議論されている内容そのものについては、いろんなそれぞれの立場がございますので、この場では控えさせていただきたいと思います。
 以上です。
#35
○衛藤晟一君 ありがとうございました。
#36
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 今日は、参考人の皆様方、貴重な御意見をそれぞれいただきまして、心から感謝を申し上げるものでございます。
 今回の法改正でございますが、私ども公明党の立場は先ほど白川参考人がおっしゃったことに尽きるわけでございまして、結果的に、結局、国庫補助の削減をサラリーマンが肩代わりしているという形になっている、やっぱりここはおかしいのではないかという意味で、本法案、改正については反対の立場でございます。
 ただ、私どもが政府に対して肩代わりじゃないかということを指摘しますと、先ほど衛藤委員もおっしゃったんですけど、厚生労働省は四点ぐらいおっしゃるんですよ、肩代わりじゃないという理由として。
 何をおっしゃるかというと、まず一点目は、先ほど衛藤委員も指摘された、今回は協会けんぽの国庫補助率引上げの所要財源の半分を真水で確保しているというのが一点目ですね。二つ目が、総報酬割によって削減した国庫補助は協会けんぽの国庫補助率引上げに充当したんだと。三つ目が、財政力の弱い健保組合にとっても約五百五十の組合で負担減になっているじゃないかと、これが三つ目です。四つ目が、前期高齢者納付金の負担軽減を図るため、国による健保組合の支援を二十二年度において倍増しているじゃないかと。
 こんな四つを挙げられて、これは肩代わりではないと、こういうふうにおっしゃっておるんですが、これについて白川参考人はどうお考えになるか、お聞きしておきたいと思います。
#37
○参考人(白川修二君) お答えしたいと思います。
 四つの理由のうち最初の二つの問題はいわゆるセットみたいな話でございまして、私、意見陳述の中で申し上げましたとおり、後期高齢者支援金の仕組みを変えることによって、すり替えとは言いませんが、振り替えた形で、実質政府が負担すべき財源の半分を健保組合、共済組合に負担させているということは今回は明らかでございますので、負担肩代わりという私どもの主張の方が理があるというふうに私どもは考えております。
 それから三つ目の話でございますが、確かに健保組合、千四百六十二ございますけれども、約四割の健保組合が負担減になると、総報酬割の導入に伴いまして、そういう計算で私どももそれはシミュレーションはしております。
 ただ、私どもが申し上げたいのは、制度を、あるいは計算方式を変えれば現状に比べて得をするところ、損をするところというのはいずれにしても出てくるわけでございまして、私どもは四割が得したとか六割が損したとかいうことを申し上げているわけではございません。こういうやり方と言ったら失礼ですけれども、こういう仕組みの変更の手法について、加入者、事業主に納得していただけるだけの説明が今回は付かないと。それは得をする健保組合においても同じでございます。なぜこういうことになるのかというのが説明できないということでございまして、その点を回答として申し上げたいというふうに思います。
 それから四つ目は、平成二十年度に四千億円の拠出金負担増になりまして、そのときに拠出金の負担が急激に増えた健保組合がかなりございまして、その激変を緩和するために百五、六十億の国からの支援が参りました。今回はそれに加えて更に百六十億程度の支援金を積み増すことによっていわゆる激変緩和をしたいと、こういうことでございまして、別にこれを拒否するつもりは全くないんですけれども、ただ、事の本質の解決の問題とはこれは違う話だと。私どもは四千億負担が増えたときに国の支援を強めてくれというお願いをずっとしてきておりまして、それが一部今回は実ったというふうに考えておりまして、今回の話とは別の話であるというふうに私どもは考えております。
 以上でございます。
#38
○木庭健太郎君 今、白川参考人おっしゃったように、今回の一番の問題点というか、我々が納得いかない、私たちも納得いかない理由は、やっぱり突然この総報酬制というやつを導入してきた結果、いろんなことが、問題が起きてきているんだろうと私は思っているんです、まあ同じ御意見だろうと思うんですが。やはり、こういう一つの問題、緊急避難でやらなくちゃいけない問題が起きたときに、仕組みそのものを変えるようなことは私どもはやっぱりやってはいけないんじゃないかなという思いがあるんですが。
 今回この総報酬制ということを導入したことに対して、白川参考人でございますが、もう一度それに反対する理由を明確にお聞きしたいし、また、今後やっぱり、この後期高齢者支援金、いわゆる支援金に対する在り方の問題なんですけれども、先ほどおっしゃっていただいたように、今は支援金というこの負担が四三・六%ですか、もう間もなく五〇%を超えるだろうとおっしゃっている。じゃ、本当に、今後、この支援金というか負担の割合の問題です、公費がどうあるべきなのか、こういうものを支えるためにですね。言わばその支援金に対する公費負担の在り方とかその適切な水準についてもしお考えがあれば、併せてお伺いを白川参考人にしておきたいと思います。
#39
○参考人(白川修二君) 最初の方の御質問でございます総報酬制につきまして、私どもは総報酬制という考え方そのものについて反対はしておりません。収入に応じた支援の負担ということでございますので、考え方は別に否定はしておりません。
 ただ、これは二番目の御質問と関係しますけれども、単純にこの仕組み、総報酬制を入れますと、現役世代、若年層の負担が極端に増えるケースがございますので、やはり一定程度の公費の投入というのがないと、単純に総報酬制への切替えということについては簡単には賛成できないということでございます。
 ただ、今回はそうした議論抜きで三分の一とはいえ突然総報酬制を導入するということでございましたので、それについては私は反対ということで意見陳述したとおりでございます。
 二つ目の御質問で、これは非常に難しい問題で、若年層、現役世代がどの程度高齢者医療を支えるために負担をすべきかというのは非常に難しい問題でございまして、それは三割が適正なのか五割が適正なのかと皆さんいろんな御意見あると思います。
 ただ、今現在、高齢者医療制度改革会議でそういった議論が進められておりますので、それはある一定の国民的合意みたいなものが必要だと思いますし、そのときに特に負担をする側の納得性がないと、極端な話、自分の納める保険料のうち半分は全然違うところに持っていかれるということでは、多分、若年層、現役世代の方の納得性が得られないというふうに私は考えておりますけれども、それはそういった改革会議のようなところで十分に議論して国民的合意が得られればいいなというふうに考えております。
 以上でございます。
#40
○木庭健太郎君 小林参考人に、先ほどもちょっと御指摘があっておったんですが、今回様々な措置をすることによって、協会けんぽが健全な体制へ行くためにということで措置をされたというのが本法改正の一番の趣旨でございます。
 ただ、例えば国庫補助の割合についても、今回一六・四%ということに上げていくということなんですけれども、これについても、我々からすればなぜこの最低ラインの一六・四なんだろうかと。結局、二〇パーまで、今御指摘ありましたが、法的にはやることも可能なわけですよね。その中でその一番最低ラインになって、結果何が起きているかというと、保険料率そのものは、〇・六%に抑えられたとはいうものの、過去最高の上げ幅にならざるを得ない。この辺について、本当にきちんと御納得されているのかどうかというようなところがちょっと定かでないなという思いもあるものですから、是非この点について、財政再建のためにその一六・四というのが十分であるのかどうかというような視点でお尋ねをしておきたいと思います。
#41
○参考人(小林剛君) 保険料率、現行の制度でいきますと平均八・二%が九・九%になると、これは一・七%の増加になると、増率になるということで、私どもは、先ほども申しましたように、関係各方面に、まず本則の一六・四から二〇%、これを是非本則に戻していただきたいというお願いをしてまいりました。
 そういう中で、今回三つ、一三%から一六・四%に戻すということ、それから一部、今お話がありました後期高齢者の支援金、三分の一ですか、これを総報酬割にするということ、それから実は先ほど意見陳述のときにも申し上げましたけれども、年度末で四千五百億の赤字になると、これ、本来であれば、単年度収支均衡ですから、今年度中に四千五百億を返済しなければいけないと、こういうことなんですけれども、三年間でこれを返済するという暫定措置をしていただいたという三つのことで、こういった中でぎりぎりの調整だったということで、私ども、そういった中で、九・九から〇・六%にこれはある程度抑えられたと。
 これ、そうはいっても、この八・二から九・三四%ということで一・一四%上がるということで、これは大変中小企業の事業主の皆さん、それから加入者の皆さんに御負担を掛けるということで、大変御負担を掛けることに対してはもう心苦しく思っておりますけれども、そういった中で、去年の暮れから今年にかけて、これは私どもは運営委員会、それから支部の評議会で議論して、そういった中で、これはやむを得ないということで、これは今回の中でやっぱり納得というか、受け止めなければならないという判断をしたわけであります。
 以上でございます。
#42
○木庭健太郎君 終わりましょう。
#43
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日は、参考人の皆さん、大変ありがとうございました。
 質問させていただきたいと思うんですが、最初に石川参考人に、やはりこういう医療保険制度の在り方を考える上で、医療現場で起こっている実態ということが出発点だと思いますし、そういう点でリアルな今の実態をお話しいただいたことを大変有り難いと思っておるんですが、加えて、板橋区の医師会の理事もされているというお話がありましたが、国民健康保険の実態が板橋区で具体的にどうなっているのかというのをちょっと一つの例としてお聞かせ願いたいと思っているんですが、よろしくお願いします。
#44
○参考人(石川徹君) 私は、今、東京都板橋区の国民健康保険運営協議会の委員も務めてさせていただいております。板橋区の国保加入者が約十万世帯十六万人、この板橋区の国保の財政状態も非常に深刻と。この大きな原因は、この間の国庫支出金の大幅な減額にあるというふうに思っております。
 板橋区における国庫の支出金は、平成十一年度においては、歳入に対する構成比で三一・二%でございました。これが二十一年度には二一・六%と、十年間で約十ポイントも減少しているということでございます。二十二年度の当初予算を見ましたら、国の調整交付金は、規定では九%ですけれども、実質は一・五六二八%というふうに減額されておりまして、その差額の百九十三億円余りが、板橋区の一般会計からの法定外一般会計繰入金が増額ということになっております。また、一人当たりの年間保険料を見ても、平成十一年度は六万五千六十八円でしたが、年々上がり続けており、二十二年度には八万四千六百七十九円、十一年間で三〇%も保険料が上がっていると、こういう状況になっております。
 次に、収納率の問題です。
 市町村国保の保険料の収納率は、全国では平成二十年度八八・三七%に大きく落ち込んだということでございますが、板橋区ではこの収納率、平成十一年度時点で既に八八・五三%、それが二十年度には八〇・八%にまで落ち込んでおります。
 滞納世帯で見ると、平成二十一年度は三九・九九%、実に四割の世帯が滞納。異常な事態だというふうに思います。特に、滞納の世帯は、二十年度、二十一年度、景気の悪化ということにつれて急増しておりまして、年代別に見た場合、一番滞納が多いのは二十歳代、ほぼ五〇%に達するという事態でございます。多くの方が国保料が滞納する、払えない、特に若い世代が払えない、こういうことが将来に向けての大きな問題ではないかというふうに思います。
 国保に対する国庫支出金を少なくとも以前の水準に戻していただく、こういうことを抜きにいかなる制度改革を行っても、高い保険料あるいは一般財源からの繰入れなど、住民と自治体に負担を押し付けるものにしかならない、このように思っております。
 資格証の問題にも触れさせていただきたいと思います。
 全国で約三十四万世帯、このようにお聞きしておりますけれども、板橋区ではこの三月一日現在で三千二百五十四世帯に資格証が発行されております。
 この問題について、長妻厚生労働大臣は、先月の国会で、払うのに払わないということが本当に証明できた場合以外は慎重に取り扱っていただきたいと答弁されておられますけれども、この三千二百五十四世帯中には低所得で住民税非課税が多くを占めている均等割のみの世帯も含まれております。この度、六月からは、この均等割が減額になっている低所得の世帯には通常の保険証が発行されるということになりましたけれども、国保制度の趣旨からいっても、すべての方に保険証を原則発行する、これが当然だろうかというふうに思います。滞納者に対して丁寧な面談を行う、こういうことも国として各自治体を是非御援助していただいて、本当に命を守る政治ということを実現していただきたいというふうに思っておるところでございます。
#45
○小池晃君 ありがとうございます。
 渡邊参考人にちょっとお伺いしたいんですが、今のは東京の自治体の実態だったんですけれども、先ほどお話ありましたように国保自体が非常に変化してきていると、自営業者主体の保険から無職者あるいは非正規労働者の保険へと変化して、負担能力を超えるやっぱり保険料という実態になりつつあるというお話もあったんですが。
 いろんな具体的な措置、いろいろと必要なものはあると思うんですが、こういう国保の性格の変化に対応した国庫負担の引上げということがやっぱりどうしても避けて通れないのではないかと思っているんですが、その点についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#46
○参考人(渡邊廣吉君) 先ほども意見陳述の中で申し上げましたけれども、先生御指摘のように、農林水産業や商工業者等、いわゆる無職者も含めて被保険者となって市町村国保が運営されているわけであります。そういう中で、いわゆる国庫負担金、それから都道府県、我々市町村の負担分と合わせて保険料というふうなことで医療給付に対する対応を図っているわけでありますが、当然、先ほど来申し上げていますように非常に厳しい財政負担を強いられているわけであります。
 なおかつ、ほとんど全国の市町村の国保運営者にしてみれば、法定の繰入れ以外に繰入れをせざるを得ないような財政状況になっている。そのことが市町村の全住民から見た場合、公平性が確保されるのかどうかというふうなことになりますと非常に問題がある。
 ですから、その辺のことを、健全な市町村国保の運営を図る意味では、国庫負担といいますか国庫からの財政出動といいますか、これはやっぱりきちんと手当てをしていただく、まあ今回も四年間延長していただくというふうな一部改正法案が盛り込まれているわけでありますので大変有り難いことなんですけれども、これはやっぱり根本的な体質の問題でございますので、その辺のことをやっぱりきちんと法案の中で示していただければ大変有り難い。
 その上で、先ほど来お話あるような広域化の問題、これらをきちんとやっぱり将来に向けたいわゆる国保、それから被用者保険を含めた地域保険といいますか、そういう一体的な医療制度を抜本的に改革していく意味での道筋になるんじゃなかろうかなと基本的に私は思います。
#47
○小池晃君 やっぱりその制度の土台になる国の財政負担の、前政権時代の措置の継続だけじゃなくて、やっぱり抜本的な対策が私は必要だと思っていますので、是非そういう方向で努力をしたいと思います。
 協会けんぽのことで健保連の白川参考人にちょっとお聞きしたいんですけれども、本則で国庫負担を引き上げるのが筋なのに、総報酬割というのを持ってきて、それで事実上国庫負担を一六・四%に引き上げる財源にそれを充てるというのは筋が通らないじゃないかというのはもう全くそのとおりだと思うんですよね。それで、決め方も非常に乱暴だと。言ってみれば、招待だと思って飲みに行ったら会計のところでいきなり割り勘だと言われて、何なんだこれはというような話になっているというふうに私は思っていて、ちょっとこれはやっぱり本当に問題だなというふうに思う。肩代わりという割り勘、実態としては割り勘になっているわけですが。
 先ほどあったように、総報酬割自体は反対ではないんだと、やっぱりこのやり方で財源を生み出すというのはおかしいじゃないか、筋通らないんじゃないかと。それは本当に大変よく分かるんですね。ということは、少なくとも例えば一六・四%まで引き上げる、千八百億円はしっかり国庫で入れて、そのほかに総報酬割で浮いた分について上乗せでやるというのだったらまだ筋通るんじゃないかなと僕なんか思うんですけど、その辺どんなふうにお考えなのか、ちょっとお聞かせ願えますか。
#48
○参考人(白川修二君) ありがとうございます。割り勘はちょっとあれでございますが。
 私どもが申し上げておりますのは、やはり制度を大きく変えて、そのことによって、損をする、得をするという話はないかと思いますけれども、負担が増えるとか減るという問題がどうしても出てまいりますので、それはしかるべき機関できちっと議論をしてある程度の合意、全員の合意は難しいかと思いますけれども、ある程度の合意を得て政府の方針ということで決定をして、あるいは国会の御承認を得て進めるということであれば、私どもも全面的にその方策について協力をするということでございます。
 今のところはちょっとそれしか申し上げられないんですが、具体的には高齢者医療制度改革会議できちっと我々も御意見申し上げますし、いろんな団体の方がいろんな立場で議論をしているわけでございますので、したがってそれの合意を得て、それから総報酬制かどうかという議論ではないかなと、併せて公費負担をどうするかという議論ではないかというふうに思っております。
 ついでながらで大変恐縮でございますが、この委員会等でも長妻大臣が、医療費を負担するのは保険かあるいは国の財政か若しくは患者さんの負担か、これしかないんだというふうにおっしゃいまして、そのとおりだと思いますが、ただ、毎年国民医療費というのは三%ぐらい増えておりますし、特に高齢者の方々は四とか五%ずつ増えておりますので、単純にいきますとそれぞれ三者が毎年四、五%ずつ負担を増やさなきゃいけないという構図になりまして、これは患者さんも耐えられないし保険者も耐えられないということになると思いますので、そういったことを踏まえて国庫負担の在り方というのを中長期的に御検討いただければ我々としては非常に有り難いというふうに考えております。
 以上でございます。
#49
○小池晃君 ありがとうございました。
 小林参考人にちょっとお伺いしたいんですが、苦しい立場なので余り一六・四じゃ本当は駄目なんだとはとても言えないとは思う、それは分かるんですけれども、分かると言っちゃいけないのかな、そういう発言だったと思うんですが。今回の仕組みって、三年間一六・四で固定しちゃうんですよね。これは問題じゃないですか。だって、さっきあったように保険料は上がっていくわけでしょう。それだったら、結論は出さないとしても、経済情勢、労働者の生活実態に合わせてやっぱり引き上げていく余地があっていいんではないかと私は思うんですけれども、それを最初から、何というか、もう一六・四で決めちゃうと。保険料の方は一〇%の上限一二%にすっと上げるのに、ここだけ固定するというのはちょっとどうかなと思うんですけれども、その辺どうですか。
#50
○参考人(小林剛君) 私どもの運営委員会の中の議論も、やはり引き続き国庫補助率、これを引き上げるということで強くこれは主張すべきだということを私どもとして、運営委員会の意見としていただいております。そういった中で、これからの状況、こういったものを踏まえながら、いろんなやっぱり要請とかそういったものはしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 いずれにしましても、加入者の皆さんに相当御負担をお掛けすると、それから二十三年、二十四年度についても、これは今のこの特例措置を前提として考えると、やっぱりまだ保険料率が上がるというふうな状況になると。今回、特例措置の中で、三年間の時限の中でこれからの今後のことを考えていくということでありますけれども、いろんな状況の中でその辺はいろんな私どもも意見を申し上げていきたいなと、こういうふうに思っております。
#51
○小池晃君 ありがとうございました。
 終わります。
#52
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。
 今日は、四名の参考人の皆さん、本当に現場に根差した貴重なお話をしていただきましてありがとうございました。
 冒頭、渡邊参考人の方が、国保は実質的に破綻状態にあるという、こういう話もされましたし、皆さんの話を聞いていまして、とにかくこの国の世界に誇る国民皆保険、本当に待ったなしの状況で、改めて抜本的な改革といいましょうかグランドデザインを早期につくっていかないと大変なことになると。その間でも現場では大変なことが起きているということを石川参考人からも非常に説得力を持って語っていただきまして、まさに私どもの責務の重大さをひしひしと感じているところでございます。本当にありがとうございました。
 それぞれ委員の皆さんがもう私の聞きたいことをかなりお聞きになりましたのでちょっと困っているところもあるんですが、三点ほどまとめてお聞かせをいただきたいと思うんです。
 まず、白川参考人と小林参考人にお聞きをしたいというふうに思うんですね。
 今回の法改正の論点は幾つかありますけれども、一番大きな点は協会けんぽの再建ということで、具体的には総報酬割の導入というところにあるんではないかというふうに思っているんです。白川参考人の方が総報酬割について真っ向から批判を、否定をされるのかなと思っておりましたら、いや、総報酬割そのものに反対ではないんだというお話もありまして、つまるところ、結局、この国の保険制度、大変財政的に危機的な状況にある中で、公費負担と言わば制度間の調整、この割合といいましょうか関係をどうするかというところでどうも見解がかみ合わないということになるのかなと私は思うんです。
 端的にお尋ねをいたしますが、お二人とも衆議院でも参考人として出られて、意見を述べられて、質疑にも応答されておりましたし、ここでも、参議院でも同じようなことをされた。かなり時間を掛けてそれぞれの見解を述べられているわけでありますが、その上でお尋ねをいたしますが、皆さんの議論のその共通点と、お二人にお聞きするんですけれども、共通点と、ここまでは考え方は同じなんだけれども、ここからが分かれてくるんだというところは大体お二人とももうそろそろお分かりになっておられるんではないかというふうに思うんですが、その辺のところをお聞かせいただけないだろうか。
 私は、さっき言ったように、公費負担と制度間の調整の問題に最後はなっていくんだろうと思っておりまして、そうしますと、やっぱりそろそろ、ここまでは共通しているんだと、しかしここからが考え方が違ってくるんだということをもうお二人の参考人はほぼ分かっておられるんではないかというふうに思うので、その辺の認識をそれぞれからお聞かせいただければ有り難いと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○委員長(柳田稔君) まず、白川参考人。
#54
○参考人(白川修二君) 非常に難しい御質問でございますが、基本認識として、被用者保険の代表組でございますので、基本スタンスはそういう意味では余り変わらないというふうに私は思っております。やはり、国民皆保険をきちっと守っていかなきゃいけない、あるいはより良いものにしていかなきゃいけないという考えでありますとか、高齢者の方々の医療費は国民全体で支えるべきだという考えでありますとか、その辺は共通だというふうに思っております。
 ただ、近藤先生がおっしゃったとおり、制度間の調整という問題についてはちょっと、小林参考人とは議論したことはないんですけれども、そもそも国庫補助一三%とか一六・四%というのが出ておりますのは、その報酬差を埋めるために国が補助するという形になっているわけでございまして、したがいまして、小林参考人から所得差というのがグラフで示されましたけれども、現実的に一人当たりの所得の差というのは健保組合平均と協会けんぽ平均であるのは事実でございます。それを埋めるために国庫補助という仕組みがあるわけでございますので、それ以外の制度間の財政調整は、若年層のところについては私どもは反対をしております。
 以上でございます。
#55
○参考人(小林剛君) 公費の負担という意味からしますと、やっぱり高齢化が進みますということになりますと、やはり若人の世代がその負担が過重になってくるということになりますと、やはり公費の拡大、これは避けられないんじゃないかなというふうに思っております。したがって、公費を拡大するということについては白川参考人と基本的には同じというふうに思っております。
 ただ、制度間の問題については、医療サービスはこれは平等、基本的には平等だと。そういう中で負担についてもできるだけやっぱり公平であるということが必要になってくると思いますし、さっきもいろんな御説明申し上げた中で、非常に格差がどんどん拡大する中で、これの負担もやっぱり拡大していくというのは、ある程度この辺の調整、こういった制度間の調整というのは必要になってくるんではないかなというふうに思っております。
 高齢者医療を支えていかにゃいかぬ、現役世代が支えていかにゃいかぬと、これはもう白川参考人と全く同じでありまして、そういう中で、高齢者医療を支える各制度間の負担というのは、これは各制度の負担能力に反映した公平となるもの、公平であるということがやっぱり重要だというふうに思っております。今回の法案との関係で見ますと、そういった点から見ますと、今回の特例措置、これについては是非実現を図っていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#56
○近藤正道君 ありがとうございました。
 次に、国保の広域化の問題について、石川参考人と渡邊参考人にお聞きをしたいと思うんです。
 最初に石川参考人の方から答えていただきたいんですが、国保の広域化について、今回、法改正の中でそういう方向が、市町村国保の財政安定化のために都道府県単位による広域化を推進しますということが言われております。このことについて、石川参考人、どういうふうにお考えなのかということを聞かせてください。
 そして、その後、渡邊参考人なんですが、渡邊参考人は先ほど広域化は必要であると、主体は市町村でやりながら、財政の負担の平準化という意味でやっぱり広域化が必要だというお話をされました。ですから、それをそのまま私は聞くわけではなくて、ただ一方で、医療政策としてはやっぱりできるだけ小さい単位の方がいいと思うんですね。しかし、財政負担という点でいけばやっぱり広域の方がいいと。
 この程合いをどうするかという問題なんですが、もう既に後期高齢者医療制度で広域連合という一つの実験が、制度がこの二、三年行われておりますが、この後期高齢者医療制度の中で現に行われている広域連合をどのように評価されているのか、そのことをやっぱり踏まえて、もう一度国保の広域化の必要性についてお考えを敷衍して述べていただくと有り難いと思います。
 よろしくお願いします。
#57
○委員長(柳田稔君) まず、石川参考人。
#58
○参考人(石川徹君) 現在、既に後期高齢者については広域連合という形で運営がされているところであります。東京においてもその議会、これ、わずか議会の人数三十数名でございまして、すべての自治体から議員が出られるという状況にはなってございません。したがって、私ども、例えば板橋区における状況がどれだけそこに反映しているのか、意見として反映されているのかということが甚だ疑問を感じるところも多いというふうに思いますし、これが同じように国保でなされるということになりますと、やはりその地域に密着した、その地域ならではのことがなかなかできにくい状況、いろんな工夫が取りにくい状況になるのではないかというふうに思います。
 また、調整交付金等、東京都からも出ているわけでございますけれども、これも全部一体化ということになりますと、かなりそれがペナルティーという形になって各自治体のところの負担になってくるということもあるかというふうに思いますし、現場で働いている、あるいは現場で区の担当の方とやり取りをしている立場から考えますと、その窓口がすごく遠くなってしまう、区の方へいろいろお話をしても、そのことはここでは解決ができないからということになってしまう、独自のような施策が取れなくなってきてしまうということで広域化は非常に問題があるというふうに思いますし、保険料そのものもやはり高い方にだんだんに合わさっていってしまうのではないかという、そういう非常に危惧を抱いているところでございます。
 以上です。
#59
○参考人(渡邊廣吉君) 近藤先生お話ありましたように、国保の広域化については、先ほど意見陳述の中でも申し上げましたし、また島田委員からもお話あったときにお答えしたとおりであります。
 そういう意味から申し上げますと、当然、市町村国保で対住民の医療をどう守るかという視点に立てば、確かに、我々町村サイドにおける住民の医療の適正な確保を求める意味では、地域に密着した医療を確保するという意味では非常に大切な分野があろうかと思います。
 しかしながら、現状での市町村国保を見る限り、それは当然のことでありますけれども、やはり何といいましても、市町村がこういう医療制度の保険者として運営していくということは根本的に何が根幹的に阻害するかというと、やはり財政面での対応なんですね。財源をどう調達するかということになるわけです。それが大変、国からの財政支援が今のところ過去からの法律の経過を受けて現状に推移しているわけであります。また、足らざるところは新しい時々の対応で、財政支援をその時々の課題として取り上げて、一部改正しながらやってきている現状があるわけであります。
 そういうことから考えますと、やはり広域化をすることによって、市町村が担うべき役割、そしてなおかつ市町村国保とやってきた対応を、地域医療を確保する意味から、医師不足の問題等々ありますけれども、これらはやっぱり町づくりや村づくりの中で十分に行政サービスの一環としては確保ができるんじゃなかろうか。ただ、財政面を考えて運営そのものを考えた場合、やはり市町村の保健事業等の役割を含めて役割分担をきちんとやっていけば、都道府県単位の対応は十分に機能していくんじゃなかろうかなと。
 ただ、先ほど申し上げたように、都道府県の知事さん方は賛意を示している方もありますし、余計なお荷物は背負いたくないという知事さん方も多いようでありますけれども、そういう形の中で、今後、先ほど申し上げたような市町村国保も被用者保険も含めた一体的な地域保険制度を確立していく、また真の国民皆保険を一元化していくためには大事な一段階なのかなと基本的に思います。
 また、広域連合、私も新潟県の副連合長を務めております。そんな中で、今回の制度そのものが、何が一番、七十五歳以上の高齢者の皆さん方がこの制度に対して嫌悪感を示したのかといいますと、まずは七十五歳という年齢で引いたということ、それから、制度そのものが何ら周知もされない間に、いつの間にか制度が施行されてしまった、これは我々にも責任あるんですけれどもね、あわせて、保険料をどうして年金から天引きせんば駄目なんだ、今まで被用者保険に入って扶養者になっていたものが何で保険料納めて対応しなければならない、そういう具体的な問題点が高齢者の皆さん方から指摘されてきました。
 そのことをかんがみながら、私ども新潟県の連合の中、常に連合議会に指摘されることは、制度そのものが現政権が廃止するということをもう言われているわけでありますから、それを踏まえた中でどう今後、いろんな問題点、先ほど申し上げましたけれども、あるわけでありますので、それらを制度的に、せっかく定着してきていい面もあるわけでありますので、それを生かしながら、さらにそのことを廃止した中での新たな制度設計の中に組み込んで、なおかつ広域化によってお互いの財政負担が効果的に制度そのものに還元されていく。そして、そのことが医療費の抑制、特に保健事業の特定健診やら特定保健指導というのが医療改革になっておるわけであります。その辺を被用者保険や、それから医師会の皆さん方と連携しながら対応していけば、危惧するような問題点については広域化されることによって十分解決できるんではなかろうかと基本的には私は思います。
#60
○近藤正道君 ありがとうございました。
#61
○委員長(柳田稔君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#62
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に厚生労働省保険局長外口崇君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#64
○委員長(柳田稔君) 休憩前に引き続き、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#65
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 少し参加が低いようでございますけれども、私が質問者だからというわけではないと思いますけれども。
 これから質問を行う法案の正式名称というのは、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案、大変長い法律名でございます。特に、この医療保険制度の安定的運営を図るためのというこのまくら言葉、これは極めて余計な部分であります。私は以前に、障害者自立支援法という、この質問の際に法制局に苦言を呈したわけであります。大体、法律に付ける名前というのは価値中立で付けるべきではないのかというふうに思うわけでございますが、特に今回の改正案も、賛成できる部分と、まあ与党ですから余り言い過ぎちゃいけないんですが、やや問題点だと認識せざるを得ない部分と両方が混在をしている、そういう法案でございます。そういう場合には、やはりネーミングに当たっては価値中立ということを是非心掛けていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 この法案、国保関係の皆さんは、午前中の参考人質疑でも発言がございましたように、歓迎をされているわけであります。全国市長会からも早く成立しろというような要請が来ているわけでございます。また、保険料の滞納世帯、これらにおきましても医療を現物給付で受けられるという、子供の対象が中学生から高校生に拡大をされたということも、これも大変評価ができるという部分であります。さらに、この国庫補助率の引上げを盛り込んだことで、協会けんぽからも、今朝もございましたが、一日も早い成立を要望されるという、ここまでは大変いい話ばかりであります。
 問題は、健保連、健康保険組合の皆さんの悲痛な叫びも一方であるということでございます。十分説明をしたというお話が前回、長妻大臣からもありましたが、今朝の健保連さんからの意見陳述では納得できていないというお話があったわけでございます。したがって、健保組合の中には、今回の法改正によって、医療保険制度の安定的運営というところではなくて、まさにお先真っ暗、大変財政的に厳しくなる、やっていけない、このように悲鳴が上がっているところもあるわけでございまして、そこに対してどう理解を深めていくかというのは大変難しいわけでありまして。
 子ども手当のときには変なまくら言葉は全く付かなかったんですが、今回はこういうまくら言葉を付けたということで、これからもいろんな法律を作られることになると思いますし、与党ですから、本当にその法律の改正の内容に沿ったネーミングをしていただきたいなというふうに思います。特に答弁は求めません。
 質問に入らせていただきます。
 この組合健保について、協会けんぽの受皿がある、西濃運輸ショックというのはあったわけでございます。組合健保をやめて協会けんぽに移ると、そういうようなところが続出をしているという、これが昨今起きている状況でございます。
 政府として、組合健保は財政が厳しくなればどんどんやめてもらって構わない、そのように考えているのか、それともそうではないのか。新たな医療保険制度については後ほど質問をいたしますので、組合健保についてどうお考えか、大臣の御見解を述べていただきたいと思います。
#66
○国務大臣(長妻昭君) 健康保険組合が財政が厳しくなって解散して協会けんぽに入ればいいじゃないかと、もちろんそういう考えは持っておりません。
#67
○津田弥太郎君 その理由についてお述べください。
#68
○国務大臣(長妻昭君) これは御存じのように、医療については自助、公助、共助というのもありますけれども、この共助を中心とした保険でありまして、助け合いが基本であります。
 成り立ちは、地域から成り立った市町村国保、あるいは職域から成り立った協会けんぽも、あるいは企業健保もあるかもしれません。そういうようなそれぞれの成り立ち、あるいは人のつながりの中で保険者機能を発揮していただくということが前提となるわけでございますので、そういうことを維持していただくためにも、そのつながり、ある意味ではきずなという言葉もありますけれども、それを大切にしていくことが皆さんの健康にもつながるし、それが結果として医療費の抑制にもつながるというふうに考えております。
#69
○津田弥太郎君 今御答弁をいただきましたまさにその保険者機能、これをしっかり発揮をしていただくということ、これはもう私も極めて重要な機能であるというふうに受け止めているわけでございます。
 実は、この保険者機能について、協会けんぽもこれを強めるべくアクションプランを作成しているわけでありますが、これ、率直に言って、組合健保と比較になりません。組合健保の果たしている保険者機能は大変はるか高い水準を私は行っているというふうに思うわけであります。
 そうした保険者機能を果たすために真摯に取組を行ってきた組合健保の財政が極めて深刻な状況になっているというこの現実、これが問題になっているわけでございます。
 四月七日には平成二十二年度の健保組合予算早期集計結果というのが公表をされて、衆議院段階でも度々引用があったことでありますが、改めて、この結果も含めて、近年の健保組合の財政状況、これについて政府としてどのように受け止めておられるのか、それからそのような財政状況に陥った理由は何なのか、長浜副大臣、御答弁お願いします。
#70
○副大臣(長浜博行君) 極めて端的な御質問をいただきました。
 健康保険組合の財政状況ということで、平成十六年度以降、徐々に悪化しているわけでありますが、平成二十年度決算見込みでは、全体の七割が経常収支で赤字で、赤字額は約三千億と見込まれているわけでございます。
 また、今お話にありましたように、あるいは午前中の参考人質疑でもありましたように、二十二年度予算早期集計の数字からすると、六千億ぐらいの数字が出ていたというふうに思っております。
 これは、二十年度の時点でも六千億ぐらいの数字が出ていて、決算ベースのときには三千億になったということもありますので、今、私が正確に言い得る数字とすれば、二十年の決算ベースの三千億ぐらいという状況が正しいのではないかなというふうに思っております。
 財政状況が厳しくなっている要因は何かというお問いでありましたが、第一には、高齢者医療費が年々増加する中において、二十年度に導入された高齢者医療制度において、前期高齢者の不均等の負担による健康保険組合への財政の影響が大変大きかったということは謙虚に認めざるを得ません。
 それから、津田先生御承知のように、昨今の景気状況、経済状況、こういった中における企業の賃金、賞与が減少をしている、保険料収入が当然のことながらそれに伴い減少している、こういうことだと認識をしております。
#71
○津田弥太郎君 つまり、リーマン・ショック以降の経済低迷による標準報酬、賞与の減額、これが大変大きいわけでございます。保険料収入が大幅に減少をしている、このことは、リーマン・ショックの問題、健保組合の責任にするというわけにはこれはいかないわけでございます。高齢化に伴う医療費の増加、これはもう我が国の構造上の問題であって、これも健保組合に責任があるというふうにはこれは言えないわけであります。まして、前政権の下での法改正の結果として、支援金あるいは納付金、これが年々増加している、これはまさに健保組合さんが政治に振り回された状況でありました。
 つまり、現在の健保組合の厳しい状況、これ、多くのケースにおいて、健保組合側の努力が不足していたわけではない、そういう問題ではないというふうに私は認識をしているわけでございますが、その点について、政府としても私と同じ認識をしていただけるのかどうか、長浜副大臣、いかがでしょう。
#72
○副大臣(長浜博行君) 御指摘の点はもっともだというふうに思っております。
 先ほど保険者機能のお話もされましたように、確かに協会けんぽの場合は政府管掌健保から移ったばかりという、まだ年数の浅いこともあります。それに比して、健保連の皆様方は、各組合の中においてしっかりとした運営がなされて、大変厳しい経済状況の中における保険者機能を十分に発揮をされているという認識をしております。
 今日も、この委員会終わりましたら、夕方には、連合の小島さんや経団連の久保田専務、あるいは協会けんぽの小林理事長、そして健保連の白川専務が私の部屋を訪ねてくださるということでありますから、様々な厳しい経済状況の中において持続可能な社会保障制度をしっかり維持していくためにも、こういった各界のリーダーの皆様にも改めてお願いをしたいと思っております。
#73
○津田弥太郎君 分かりました。
 私は、後期高齢者の支援金に関する保険者間の財政調整、これに当たって今回変えたわけですね。三分の一の部分について総報酬制を取り入れた、これが大きな変化でございます。
 これは、政策的には私は間違っていないと思うんです、政策的には。今朝も健保連の方も、総報酬制そのものについて反対をするものではないというお話が、これ、長妻大臣もお聞きになったとおりでございます。被用者グループの財政というのは収入の大部分が標準報酬総額に左右されるわけですから、平均年収が低いグループ、あるいは同じグループの中でも平均年収が低い事業所にとっては、従来の加入者割というのは極めて重い負担になるわけです。これはもう人数で負担金額が決められるわけですから、大変苦しい。
 今回、この財政力というまさに応能負担、言ってみればそういう言い方ができるのではないかと思うんですが、応能負担的な側面が加味されたということは、これは私は評価できることではないのかなというふうに思うんです。しかし、そうした制度変更に当たって、追加的な公費負担を行い、例えば健保組合グループの負担がニュートラルに近い形ならまあ理解が得られやすかったわけであります。ところが、実際には今回、負担減となる健保組合が約五百六十組合、しかし一方で、大きく上回る九百二十組合、約、が負担増ということに見込まれているようであります。本年度の健保組合のグループの負担が三百三十億円重くなって、来年度以降は五百億円重くなるということなわけですね。
 今回の法案は、国費も純増しておるわけでありますし、二年前に提出されたような二千二百億円の社会保障費削減に伴う肩代わり法案ではないということもこれは理解ができるわけでございます。ただ、この二年間、先ほど副大臣が述べられたように、財政力が相対的に強いグループについても極めて深刻な状況が生じている。つまり、七割以上近くのところが赤字に陥っているということでございます。特に、私がかかわっております、私の仲間の健保組合、大変、積立金の取崩しはもう当たり前、資産の売却は当たり前、そういう形で何とか今、細々と何とかやっている。これで、今度の負担で果たして本当にどうしたらいいんだ、料率も引き上げた、非常にもう追い込まれたような状況になっているという、そういう声が幾つか聞こえてきているわけでございます。つまり、見通しが立たない、また増えるのか、負担が。今後、じゃ、我が健康保険組合は存続できるんだろうかというような悩みを多くの健保組合が持っているのも事実でございます。
 そうした健保組合からは、後期の支援金以上にこの前期の納付金、これについて負担も重い、それから負担の決定方式にも問題があるという意見が非常に私のところには来ているわけでありまして、ここに後期同様に公費を直接的に投入するためには、これ法改正が必要になってくるわけでありまして、これそういうことになると大変多くの手間暇が掛かってしまうわけですから、実際問題としては、今後、高齢者医療運営円滑化等事業という役割、これが更に大きくなる。これは間違いないというふうに思うわけであります。
 この円滑化事業について、本年度の予算では倍増の三百二十億円、平成二十一年が百六十億に対して平成二十二年度が三百二十億円という、倍増したわけでありますが、問題は来年度あるいは再来年度、これが単にその事業の継続にとどまらず、これ事業費の拡大というところに是非ともつなげていただきたい。これは、先ほど言いました、健保組合の自らの組織の存続が可能かどうかということで非常に危ぶんでおります多くの健保組合の皆さんに先が見えるようにしていただくという意味で是非、大臣の決意をお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょう。
#74
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃっていただいたように、今年度から総報酬割を一部導入することに伴って、健保組合の一定の組合、支援金等の負担を緩和するために、高齢者医療運営円滑化等事業費ということで三百二十二億円を付けさせていただきました。昨年度が百六十三億円ですので、倍増をさせていただいたと。昨年度は三百四十を超える組合に交付をいたしましたけれども、今年度は今基準を設定をして、いろいろお話をしているところであります。
 この事業については、まず今年度の予算の効果も見ながら、来年度、再来年度については適切に事業を実施をしていきたいというふうに考えております。
#75
○津田弥太郎君 済みません。言葉じりをとらえるわけではないんですが、適切に事業を実施してまいりたいという答弁、ちょっともう一声いただきたいんですよね。適切に事業を拡大、実施してまいりたいというふうになりませんか、何とか。もう一度お願いします。
#76
○国務大臣(長妻昭君) これは、今年度まだこの三百二十二億円が執行されていない段階でございまして、これをどういう組合にどういう基準で、そしてそれがどういう効果を上げているかということを検証をいたしまして、そういう意味で、それはもう必要があって、財政当局との話合いの中でそれが理解をされるであれば、今おっしゃられたように、二十三年度、二十四年度とそういう措置を拡大するということもあるかもしれませんが、まずは今年度の予算の執行、そしてそれがどういう効果を上げたのか、あるいは今後願わくば、今若干数字上は経済が良くなる兆候がありますけれども、それによって標準報酬が上がれば、それはもうかなり自律的な形でそういうものも多少国費、公費の比率を下げてもやっていける状態に願わくばなってほしいという成長戦略も含めた検討であると思います。
#77
○津田弥太郎君 私、一年前まではそっち側に座っていて、こっち側は自民党の方がいらっしゃったんですけれども、厚生労働委員会でいろんな議論をするときに、結構、与野党が一致して政府にお願いをするというケースが今まで私のこの六年弱の経験の中では何回もそういうことがございました。
 今私が申し上げているようなお願いというか要望というか、これは恐らくそちら側にいらっしゃる方も同じような思いでいらっしゃるんじゃないかというふうに思いますので、国会を、立法府を挙げてお願いをしているということを是非、大臣しっかり受け止めていただきたいというふうに思います。
 この円滑化事業、金額の多い少ないというだけの問題ではありません。もう一つは、当事者の納得性の問題、これも今朝の参考人質疑でも盛んに納得という言葉を何回もお使いになられました、納得がいかないんだと。これ、大変重要なところではないのかなというふうに思うわけでございます。是非、今後のこの円滑化事業の事業費の配分に当たって各健保組合の意見を丁寧に聞いていただきたい。先ほども副大臣のところにいらっしゃるということでございますので、是非そういう会合を多く開いていただきたいなというふうに思うわけでありますが。
 その上で、この配分のルールを策定するに当たっては、最終段階でこうなりましたということで健保連にかかわりを持たせるのではなくて、原案の作成段階から一緒にルールを作っていくと、これが私は大変必要なことではないのかなと。
 今朝ほどの参考人質疑で一番問題になったのは、やっぱり結果がこうだよと、何か文句あるか、まあ文句あるかという言い方じゃないと思いますが、どうもそういうイメージが持たれている。そうじゃなくて、これだけの課題があって、これをどうしていくかということなんだけれども、皆さんの意見をゼロから聞いた上で、じゃこういうやり方があるんじゃないか、ああいうやり方があるんじゃないかというような形でこの方法、ルールについて積み上げていくという、こんな流れを是非つくっていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#78
○国務大臣(長妻昭君) まず、前提としておっしゃられるように、意見をよく聞く、そして配分に当たってはでき得る限りやはり客観的な指標で配分をさせていただくということでありまして、これ、今予定しておりますのは五月十日に健保連医療制度等対策委員会において、まず厚生労働省の具体的な助成方法についての案を五月十日にお示しをして、それで意見交換をいただく予定にしておりますので、再度、事務方には、あくまでそれはたたき台としてよく意見を聞いて取り組むように指示をさせていただきます。
#79
○津田弥太郎君 大臣もそういう理解を示していただいているわけですから、原案作成段階から意見を聞くということを是非実施をしていただきたいなというふうに思います。
 さて、新たな医療保険制度について質問してまいりたいと思うんですが、その前に、先ほども一番最初の質問のときに大臣からおっしゃいました保険者機能というものについてのお尋ねをさせていただきます。今後の新しい医療制度を考える上で保険者機能というものをどのように評価するか、これは極めて大きな意味合いを持つものであります。
 長妻大臣は、この保険者機能について、衆議院の委員会質疑の際にも多くの具体的な手法を例示をされました。健康教育、人間ドックなどの健康診断、これが一つ目。二番目が保健指導、三番目が健康づくり、四番目が医療費を通知して理解をいただく、レセプトの点検、さらには後発医薬品の使用促進等々などを挙げられておるわけでございます。
 これ、こうした手法のそれぞれについて、医療費の適正化などの観点でどれがどの程度の効果を上げているか、具体的なデータ把握というのを是非私は行っていただきたい、そのことが保険者機能をより強化していくことにつながるのではないのか、あるべき保険者の姿を検証する上で極めて重要ではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょう。
#80
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた保険者機能というのは大変これ重要でございまして、例えば、協会けんぽ広島支部というのがございますけれども、これが後発医薬品を利用した場合、自己負担がどれだけ減るのかと、こういうような通知を出しましたところ、全体の二二%の、その広島支部の二二%の約一万人の加入者が後発医薬品に切り替えて、一人当たり自己負担も一定額減ったという、こういう統計もあります。
 あるいは呉市、これは市です、国保でありますけれども、ここも、平成二十年七月から二十一年十月までに同じような通知を出して、六三%、約一万人の加入者が後発医薬品に切り替えて、一人当たり一定の自己負担が減ったと、こういう事例もございます。
 今御指摘をいただきましたので、こういう具体的に数字的に効果が上がった事例を我々として更に積極的に集めて、そして制度の違う保険者間でも共有するような、そういう取組を促進をしていこうというふうにも考えております。
#81
○津田弥太郎君 分かりました。是非進めていただきたいと思います。
 この保険者機能に関連して、もう一問お尋ねをしたいと思います。
 私、先ほど冒頭で、協会けんぽの保険者機能、それから健保組合の保険者機能、これ比較にならないというふうに発言をいたしました。その最大の理由というのは、協会けんぽの一支部当たりの加入事業所数が平均で三万四千、全国で百六十万事業所でそれを四十七で割ると大体そのぐらいの数になるわけでございます。その一支部の加入事業所の平均が三万四千というのはすごい数になるわけであります。しかも、この三万四千事業所というのは、何らその事業所間の関係があるわけではなくて、それぞれ独立しているわけで、日常のつながりは全くない。そういう点で、健保組合の企業グループとかそういうのとは全然違うわけです。顔の見える範囲で労使が協力して医療費の削減に取り組む健保組合と比べて、この三万四千分の一である協会けんぽの各事業所が医療費削減に取り組んだとしても、その効果というのは形で非常に現れにくい、インセンティブは容易に働かないわけでございます。
 それでは、この協会けんぽにおいて保険者機能を強化させるインセンティブをどこに求めるか。これは大変難しい課題なんですが、この協会けんぽの支部には評議会というのが設置をされ、この支部の運営に関する事項が審議をされているわけであります。ですから、やはりこの一義的な責任を負うというのは支部長、四十七都道府県の支部長というふうに思うわけです。
 そういう意味で、ずばり、この各支部の支部長の給料にインセンティブを掛けたらどうだろうかと、こういうことを提案してみたいと思うんです。この全国健康保険協会の支部長を含めて、この職員の給与というのは、地域手当の加算は別として、何か一律標準で決定されているというふうに聞いているわけでありまして、ここにその成果主義を取り入れるということはできないだろうかと。いろいろそのことで何か変な不適切な行為をしてもらっては困るわけですけれども、何らかのこの、今私が申し上げたようなことも含めた、保険者機能をより発揮させるためのインセンティブというのは必要ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#82
○国務大臣(長妻昭君) 今大変貴重な御指摘をいただいたと思います。
 実は昨日、協会けんぽを対象として省内事業仕分というのをさせていただきまして、やはりその管理部門のまず全体が肥大化しているのではないかとかいろいろな御指摘が出ました。今の御指摘は、今現在、実績の反映というのは年二回のボーナスで反映をして、例えばレセプトの点検の効果額のように目標管理制度の中で一部対応しているものもあるというふうに聞いておりますけれども、やはりお給料やあるいは昇進などの点についても今御指摘をいただきましたので、そういう御提案の趣旨を踏まえた対応をしてほしいということを一度この協会に促してみて、検討をいただくようにお願いをしたいと思います。
#83
○津田弥太郎君 今朝ほどの参考人質疑で、協会けんぽの方からは、この支部長さんというのはほとんど民間出身の方々ということであります。職員は社会保険庁の職員が横滑りした人が圧倒的に多いんだろうと思うんですけれども、一応そういう点では、支部長が音頭を取れば相当頑張れるんではないかというふうに思いますんで、大変この協会けんぽの事業所が小零細企業であるということは十分承知をしておりますけれども、支部長さんを是非、叱咤激励をしていただきたいなというふうに思います。
 さて、この後期高齢者医療制度廃止後の新たな高齢者医療制度について、平成二十三年春の法案成立、平成二十五年度からの新制度の実施を目指して、高齢者医療制度改革会議の下で現在、鋭意検討が行われているというふうに承知をいたしております。これはあくまでも抜本的な医療保険制度改革の一里塚であるというふうに私は受け止めているわけでありますが、医療保険制度の究極の姿としては、やはり年齢にかかわらず、同一の保険制度の創設ということを目指すべきであるというふうに考えます。
 現在、若い世代からお年寄りに金をあげる仕送りというような、これ若いといったっていつかはみんな年取るわけですから、何か若い人たちが年寄りを養っているというようなイメージというのは非常に理不尽な感じがしないでもないわけであります。
 しかし、この同一の保険制度を創設をすることになれば、この世代間のリスク構造調整の問題は根本的に解決できるわけであります。また、雇用が流動化していく中で、大企業も中小零細企業、あるいは自営業も区別なく、あるいは正規従業員も非正規社員もない、だれもが同じ公的医療保険制度の一員となる、私はこのことが一番大切なことではないかというふうに考えるわけであります。
 もちろん、全国一本だと保険者機能が適切に働かない可能性があるということで、医療提供体制を計画する範囲と保険がカバーする範囲が同一である、すなわち健康生活圏というものが望ましいわけであります。
 ちょうど四年前、足立政務官が民主党の医療改革大綱を策定する際に、足立政務官はまさにこのリーダーとして医療保険の一元化を提案をされたわけであります。私は当時からその足立政務官の提案を高く評価をしてきたわけですが、政務官になったら意見が変わったなんていうことにはならないのかなということを期待をしながら、率直に御意見をお伺いしたいと思います。
#84
○大臣政務官(足立信也君) 先週来の議論でこれは全く変わっていないという話をしました。
 繰り返しになると失礼ですが、正確に読み上げますと、四年前の民主党の崖っぷち日本の医療を救う医療改革大綱は、先ほど委員がおっしゃったように、医療提供体制を計画する範囲と保険がカバーする範囲が同一であること、すなわち健康生活圏を中心に制度の一元化を図ることが望ましい、そして今回のマニフェストでは、「被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図る。」というふうに書いてあるわけです。
 この前も説明いたしましたが、一元的運用ということになると、完全に一本化するか、あるいは保険者間の助け合いで財政調整という形にするか、その二通りがあると思います。ですから、私は地域というものを、その広域化を十分重視しながら保険者機能をできるだけ保たせていきたいと、そういう考え方でございます。
 例えば、今、協会けんぽの話がございました。これ、昨日の事業仕分の話がありましたけれども、これは特定健診の受診率が目標の半分以下、二十数%、そして保健指導というのはたしか一けたのパーセンテージで全く働いていない。それはいろんな事情があるでしょうが、私は努力すべきことだ、そこで支部長の役割は大きいと今おっしゃったわけです。
 そしてもう一つは、この考え方によって、被用者保険はお互いの助け合いで進めていく、地域保険はできるだけ都道府県単位に近づけていく、広域化を図るというふうに言っているわけですが、例えば委員が所属されている長野県は、これは行政の非常に対応がいいと思うんですが、いわゆる保健師さんと保健補導員という方々で、行政単位で予防医療に非常に取組がいい。そのかいあって、七十歳以上の一人当たりの医療費は全国平均の一五%も低いという事態になっているわけです。となった場合に、都道府県全体で今すぐ保険者機能を発揮させてくださいというのはかなり難しい問題がある。じっくり取り組まなきゃいけない問題だろうと思います。
 例えば、ここにいらっしゃる議員の皆さんの事務所は全部協会けんぽ、ほとんど協会けんぽだと思いますが、そこに支部から特定健診を受けてくださいと来ていると思います。私は、全員受けなさいと、そういうふうにやっておりますが、果たして皆さん方がそういう取組をされているかどうか、このことも大きな問題であろうと思います。
 繰り返しますが、考え方は変わっておりません。しかし、これは時間の掛かる問題で、まずは被用者保険の間での助け合いと地域保険の広域化を図っていくという方向性で臨んでいきたいと、そのように思っております。
#85
○津田弥太郎君 要は、長男がまじめで働き者で一生懸命金稼いで、次男がフリーターで時々サボっていると。三男はニートで余り稼ぎがないと。その親の面倒はみんなで見なきゃいけないんだけど、長男がどんどん負担が増えていって、次男、三男はどっちかというと知らぬ顔と。長男からすると、次男、三男、てめえら何やっているんだという、こういう話でもめているような感じがしないでもない今のこの健康保険の状況であって、これ以上兄弟げんかをあんまりエスカレートすべきではないんじゃないかなと、こんなふうに、まあ例えは悪いんですが、思うんですよ。
 是非そんな意味で、時間を掛けてとおっしゃるんだけど、まあ少なくともそんなに長く先では非常に困るわけで、大臣にひとつお聞きをしたいんですが、私は、この国民皆保険制度というのは数ある制度のどれかに入っていればいいということではなくて、有利とか不利のない形でだれもが同じ公的保険制度に加入するということ、そのことが国民皆保険制度の理念に最も忠実な制度設計になってくるのではないかというふうに考えます。
 医療保険の一元化ということを実現する際の実際上の困難というのは、既に四年前の医療改革大綱策定の際にもう明らかだったわけであります。その上でそうした困難を乗り越えて一元化を目指したわけですから、是非私は初心を貫いていただきたい。その上で、年金とは異なって医療保険には先ほど来の保険者機能の問題があることで、これまで一元化に慎重な答弁を大臣はしてこられたのではないのかなというふうに思うんです。
 ただし、一元化していった場合でも、この健保組合などが果たしてきた保険者機能の一部を継承することは私は技術的には可能ではないか、先ほどもそのことでやり取りをさせていただいたわけであります。例えば、このレセプトのオンライン化なども進んでくる中で、事業所ごと、企業ごとに医療費の集約を行ってその削減に努力した場合には税法上の対応を行っていく、あるいは国保においても、先ほど大臣がおっしゃったように、市町村で熱心な取組をした場合のインセンティブを設けるということは、私は決して不可能なことではないというふうに思うんです。
 要は、医療保険の一元化は必ずしも保険者機能の発揮と両立しないわけではない、そういう認識で将来的な検討を是非行っていただきたいというふうに大臣に要望したいと思うんですが、御見解をお述べいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(長妻昭君) 大変貴重な御指摘をいただいたと思っております。
 この保険者機能を継承しつつ、残しつつ一元的運用を図っていくということが肝要ではないかというのは同感でございまして、保険者がそのまま一体化、一本化をして、例えば日本中がもう保険者が一つということになると、これは保険者機能がなかなか発揮できにくくなるわけでありますが、保険者については、広域化を図りつつ、それぞれある意味では保険者間の助け合いを進めていくと、こういう発想に基づいて負担の公平や財政の安定化でそれぞれ助け合いを進めていく、ただし保険者のインセンティブ、保険者機能のインセンティブというのは一定程度残していくと、こういうことが両立、私もできるというふうに考えておりますので、そういう意味では、一元的運用を進めるということで本法案にも広域化の考え方を盛り込ませていただいております。
#87
○津田弥太郎君 是非、その方向で進めていただきたいというふうに思います。
 少しテーマを変えさせていただきます。この医療保険制度の現下の問題にかかわって高額療養費の問題についてお聞きをさせていただきます。
 四月の二十二日に、政務三役の指示の下に厚生労働省の省及び局の組織目標が策定をされ、公表されました。岡崎審議官が私のところに、こういうのを作ったので是非見てくれといって持ってみえました。各局ごとにミッション、まあミッションインポシブルになってもらっちゃ困るんですが、ミッションがそれぞれ細かい字でいっぱい書いてあって、その中で保険局のミッションの三番目に、高額療養費の在り方について、政務三役の指示の下、五月を目途に医療保険部会の議論を開始し、改正案の選択肢を整理した上で、予算編成過程で検討を行い、平成二十三年度予算案に必要な反映を行うというふうにこのミッションのところに書いてあります。
 この高額療養費の制度自体、これは大変有り難い制度であるわけで、問題が、暦の上での同月内の医療費に限定をされているということがちょっと引っかかっているわけでございます。この医療保険制度上の問題としてはこれは別になるのかもしれませんが、患者さんの御家庭が多額の医療費を負担した場合、暦の上での一か月単位で区切って、負担軽減が行われたり行われなかったりする、こういう違いが生ずることについて、為政者の側ではなくて、患者の側から見た場合に、これ合理性はあるというふうに思われますか。
#88
○大臣政務官(足立信也君) 前段階でちょっとだけお答えさせていただきたいと思います。
 例えば難治性疾患で、これは特定疾患の治療費助成が五十六疾患、研究が百三十疾患、奨励研究百七十七とありますが、決められた枠の中で五千から七千ある疾患の患者さんをどう扱うかというのはこれは私は無理がある話だと思っておりまして、先ほどの件で本日六時から新たな難治性疾患対策の在り方検討チームというのを開きます。その中で、重要項目の一つが高額療養費制度をどう見直すかということでございます。その点だけ申し上げます。
#89
○国務大臣(長妻昭君) 今、省の目標、局の目標、お話しいただきましたけれども、今までは局の目標も立てたことがない、省の目標も立てたことがないということでございましたので、そういう目標を立てて公表させていただきました。
 その中で、今おっしゃっていただいたのは、高額療養費制度について、その在り方について見直しを議論していくということでございまして、年内をめどにどういう対応ができるのか取りまとめるということになっておりまして、いろいろな観点からまず議論をするということが前提となります。
 そして、今御指摘いただいた制度というのは今一か月単位でありますので、患者さんから見ると、例えば月をまたいで十二万円の医療があったと、そうすると、六万円、六万円で十二万円払うと。ところが、それがたまたま一か月の間で終わっていれば十二万円ということで、基本的には上限、自己負担八万円ですので、八万円で済むと。こういうことで、じゃどこで区切ればいいのか非常に悩ましい。じゃ、二か月単位と仮にしても、二か月の間で重なる人は、じゃどうするんだ、じゃ三か月単位でもたまたまそこの間ということもありまして、基本的にはこれ、今レセプトの月額単位の計算ということがありましてそういう対応になっているところでございますけれども、これはなかなか、我々もこの御質問があるということで検討を短時間の中でしましたけれども、今の時点では非常に対応が難しいということでありますが、いずれにしましても、全体の検討の先ほど申し上げた時間的なめどの中でこれも一度議論をしていきたいというふうに考えております。
#90
○津田弥太郎君 ちょっと納得できません。
 この入院の時期あるいは期間、どのぐらいの期間するか。これ、患者の側から要望して四月の一日からにしてくれとか、そういうわけにいかないわけですよね。しかも、最近の治療は、二週間連続してかなり高額な薬を投与して、それで二週間ぐらい実は様子を見て、良くなったかどうかを見ながら更にまた新たな治療を続けるかどうかと。
 この二週間というのは、例えば今日は四月の二十七日ですから、二十七、二十八、二十九、三十と四日間、一回当たり一万五千円の治療を四日間続けて、五月の五日まで続けたということになりますと、六万とか、月でいえば六万とか、先ほども大臣もおっしゃいましたように、そうなるわけで、これは患者の側の責任というのは全く私はないだろうと。
 偶然一月の月の中に収まったか、それともまたがったかというのは、これは結果論であって、患者の責に帰すべきことにはならない。そうだったらば、患者も、少しでも医療費安くするためには常に薬の投与時期とか入院の時期というのを自分たちで選択ができればいいんですが、必ずしもそうはならないと。
 そういう意味で、患者の側に大きな責任がないということを考えれば、これは何らかの形で、現行の制度は制度として、その後何らかのフォローができるようなことができないのかなと。特に、更に手厚い多数該当という、四回目以降、年に四回以降になると更にこの上限額が下がるんですね、八万円から更に下がるんです。
 結局、月をまたいだ治療を何回もやる人は、高額療養費そのものの恩恵も受けられないし、更にこの多数該当の恩恵も受けられないというダブルでくるわけでありますから、これは現行の制度を基本としつつも、例えば月をまたいだ三十日以内の高額治療について、民間生命保険の給付を受ける場合のように、患者が医療機関に申告書の記載をしてもらい、それを保険者に提出をするといったことを認めるというような、現行制度で漏れてしまう方を救う方法があるんではないかというふうに私は思うわけでありまして、何らかのフォロー策を早急にスタートさせていただきたいと。
 難しいと言わないで、これはやっぱり大きな格差になるものですから、もう一度答弁願います。
#91
○大臣政務官(足立信也君) 委員の御指摘は十分理解できます。
 そしてまた、津田委員が長年主張されておられた診療の明細の発行そして電子化、この点がかなり大きなウエートを占めるんだと思います。これはやっぱり事務量が相当増えてきておりますので、増えますので、電子化あるいは明細というのがこれ第一歩で始まりましたけれども、電子化がもう少し進むような形になれば、今委員がおっしゃったような御指摘の部分、事務量の煩雑さ、あるいは事務量が膨大になるという部分はかなり救われる部分が出てくるのではないかと、そのように考えておりますから、十分検討していきたいと思います。
#92
○津田弥太郎君 検討というのよりもうちょっと進めた答弁が欲しかったんですが。
 済みません、先ほどちょっとアドリブでニートとかフリーターのことを挙げましたが、適切ではないという筆頭理事の御指摘がありましたので、それは訂正をさせていただきます。
 最後に、ちょっと前回の当委員会で丸川委員から指摘のあった日本人材派遣協会から出された要望書について確認をしたいというふうに思います。先週段階では、この書かれた事例について事実関係等の調査を継続をしていくということであったんですが、その後どうなったでしょうか。
#93
○国務大臣(長妻昭君) これについては我々は調査をいたしましたけれども、具体的な会社名というのが明らかになっておりませんので、あくまでも恐らくここではないかということで、こちらが特定をした、この社団法人日本人材派遣協会からいただいた中には五事例がございましたので、恐らくここではないかというところを職員にヒアリングをさせていただきましたけれども、基本的にはこういうような実態はないというふうに報告が上がってまいっております。
#94
○津田弥太郎君 今大臣がおっしゃいましたように、要望書には五つの事例が書かれておりました。例えば、言葉のやり取りというのはこれは話し手と受け手でニュアンスが異なる場合が往々にしてあるわけであります。また、この五つの事例について、そもそも派遣元や派遣先に違法行為があったのかどうかということが明らかにされておりません。私は、具体的事例としての検証を行わない限り適切な対応を行うというのは難しいのではないかというふうに考えます。
 まあ丸川委員が言われたように、事案が特定されると後で仕返しをされるのではないかという、こういうおそれを抱くことは中小企業の立場ではややあるかもしれない、しかし行政からの仕返しなんということはこれはもうあってはならないというか、もう許されないわけでありますし、こうした場合に、私は、私も違う事例でこういう同じようなことを経験してきておりますけれども、まさに事業主側に勇気を出して体を張ってやろうという形で訴えてきたわけであります。是非、人材派遣協会側もそのような対応をしていただければというふうに思います。
 そうでないと、逆の意味での問題が生じてくるわけであります。つまり、派遣事業に係る違法事例というものは極めて多く出ている、これが実情であります。派遣元事業主の指導監督件数も派遣先の指導監督件数も過去五年間増加の一途をたどっているわけであります。だからこそ、鳩山政権においては、前政権以上に派遣労働者保護を手厚くした派遣法の改正案を今回、国会に提出をしているところであります。
 そうした強い要請がある中で、不適正な対応を行ったのはだれかという特定もできなければ、職員全体が萎縮してしまうことにもなりかねない。派遣労働者を守るためにも、労働局の立入検査等はこれからも積極的に行っていただかなければならないというふうに私は考えるわけであります。この五月以降についても、この専門二十六業務関係も含めて、しっかりとした指導監督を行う決意を長妻大臣から行っていただきたいと思います。
#95
○国務大臣(長妻昭君) しっかりと指導監督を行うということはここに決意を述べさせていただきたいと思います。
 その上で、我々としては、法令に基づいてきちっとした指導を行っていきたいというふうに考えているところでございまして、事業所の御理解も十分いただきたく、お願いをしたいとも思います。
#96
○津田弥太郎君 以上で終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#97
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として平山幸司君が選任されました。
    ─────────────
#98
○石井準一君 自民党の石井準一です。
 国民健康保険は、急速な高齢化の進行や医療技術の高度化、また最近では新型インフルエンザのような突発的な疾病の流行により、医療費が膨らんでおります。その一方で、長引く雇用情勢の悪化、景気低迷の影響により、低所得者の加入や保険料滞納者の増加などにより、保険料収入の伸び悩みが懸念をされております。
 こうした状況において政府は、市町村が保険者となっている国民健康保険について、どのような状況であると理解をされているのか、まずお伺いをしてみたいと思います。
#99
○政府参考人(外口崇君) 平成二十年度の国民健康保険の財政収支は、一般会計からの赤字補てん分を除いた実質的な収支で見た場合に、約二千四百億円の赤字となっております。これは、平成十九年度よりも約一千二百億円改善しているものの、依然として厳しい状況が続いていると認識をしております。この背景には、加入者の平均年齢が高く所得が低い者が多いなど、国民健康保険が抱える構造的な問題があると考えております。
 このため、国民皆保険の最後のとりでとも言える国民健康保険の健全な運営を確保する観点から、今回の法案では、昨年度で暫定措置の期限を迎えた財政基盤強化策を四年間延長することとしております。
#100
○石井準一君 今答弁をいただきましたように、多くの市町村が厳しい財政運営を強いられております。失業者数は依然として高水準で推移をしており、今後、雇用情勢がより厳しくなる懸念もあります。低所得者層の増加も見込まれる中、市町村国保の運営状況の更なる悪化も見込まれますが、国は今回どのような財政支援措置を行おうとしているのか、基本的なことをお伺いをしたいと思います。
#101
○政府参考人(外口崇君) 今回の法案によります国民健康保険に対する財政基盤強化策に盛り込んでおりますものは、第一に、所得の少ない者の数に応じて国、都道府県、市町村が財政支援する措置、第二に、一人一か月八十万円を超える高額な医療費の負担を市町村が共有する事業に対して国と都道府県が財政支援する措置であります。これらの措置に合わせまして、市町村の一般会計から国民健康保険特別会計への繰入れを地方財政措置により支援する措置も延長されます。
 市町村国保に対しては、今回の財政基盤強化策により、本年度から四年間、毎年度、国、地方合わせて約二千五百四十億円の公費を充てることとしており、一世帯平均年間約一万二千五百円の保険料の引上げ抑制が見込まれるところでございます。
#102
○石井準一君 政府は、来年にも後期高齢者医療制度廃止法案を国会に提出をし、平成二十五年度から新たな高齢者医療制度を開始すると言っておられます。そうであるならば、従来の財政支援措置の延長は平成二十五年までではなく、平成二十四年までとすべきであると思います。そして、平成二十五年度以降について、新たに拡充された財政支援措置を講じるのでなければ筋が通らないと思います。
 多くの市町村においては一般会計から法定外の繰入れを行っており、平成二十年度においては、その総額は約三千七百億円の見込みとなっております。このような状況にもかかわらず、今回の改正は、自公政権時代から行われていた財政支援措置の延長にすぎないような気がしてなりません。市町村国保に対する財政支援措置は今の規模で十分だとお考えなんでしょうか、答弁をお伺いをいたします。
#103
○大臣政務官(足立信也君) ただいま申し上げました財政支援措置、これは四年間の延長でございますけれども、今法案につきましては、更に市町村国保の財政安定化のために都道府県単位による広域化を推進して共同事業の拡大等を図っております。そしてさらに、国民健康保険料の滞納世帯であっても高校生以下は短期保険証を交付すると、そういうようなことも入っておるわけでございます。
 この財政支援全体がまだ足りないのではないかという御指摘でございますけれども、全体の保険制度の中を考えながら、また国の財政状況も考えながら、今回としてはこれがいっぱいのところであるという状況でございます。
#104
○石井準一君 ならば、今回の改正では市町村国保の厳しい財政運営の根本的な問題である脆弱な財政構造は解決できないのではないかと思っておりますが、先日の委員会における答弁では厳しい財政事情の中で財政支援措置の延長をやったとおっしゃっておりましたが、このようなことでは平成二十五年度以降の新たに拡充された財政支援措置を講ずることができるのか本当に不安でなりません。抜本的な拡充は今年度から行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#105
○大臣政務官(足立信也君) 今年度からという御指摘でございますが、先ほど私が申し上げたことに加えて、委員御案内のように、後期高齢者医療制度の改革会議という検討を行っておりまして、その中で、広域化を図ることはもちろん国民健康保険との一体的な改革という議論が進んでおりますので、その検討、もう間もなく中間的な取りまとめに入ると思いますが、それを十分反映させるような施策を講じたいと、そのように思っております。
#106
○石井準一君 抜本的な拡充はしっかりと取り組んでいただきたいと思うわけであります。厳しい地方財政の現状をかんがみますと、国民皆保険の最後のとりでである市町村国保を堅持するためには、市町村国保に対する国庫補助を更に増すなど根本的な問題の解決策をしっかりと示すべきだと思います。
 そのためには、今明らかになっている問題点を更に細かく分析する必要があるのではないでしょうか。本年度中にも市町村国保に対する詳細な調査検討を行い、その結果に基づいてもっと手厚い措置を講ずるべきであると考えます。早急に取り組んでいただきたいわけでありますが、その辺の見解をお伺いをしたいと思います。
#107
○国務大臣(長妻昭君) まずは重要なのが実態把握ということでありまして、これについて今現在、定期的に実施している、国保組合の統計調査などをしておりますけれども、その結果を踏まえて、特に重要だと考えている国保の抱える課題に的を絞って調査方法を検討して市町村国保の実態把握をしていくというふうに我々考えているところでありまして、どういうような内容や方法で調査を行うのかといったことについて今詰めている段階であります。
#108
○石井準一君 答弁をいただきましたとおり、早急に実態調査を行っていただきたく要望をいたします。
 次に、短期被保険者証の交付対象者の拡大についてお伺いをしていきたいと思います。
 親の保険料滞納によるいわゆる無保険状態になっている子供が必要かつ適切な医療を受けられないという問題点が指摘をされておりました。こうした子供たちを救済すべく、平成二十一年四月からは、中学生以下の子供に対しては資格証明書を交付せず、六か月の有効の短期被保険者証が交付されることになりました。これに対しては多くの賛成意見が寄せられていると思います。しかし、保険料をしっかりと支払っている世帯との公平性を考えることを忘れてはいけません。
 今回講ずる措置により、保険料滞納が増えるのではないかというモラルハザードを懸念する声もありますが、政府としての対策は講じているのか、お伺いをいたします。
#109
○大臣政務官(足立信也君) 今の国民健康保険料の納付率は八八%でございます。そして、この短期被保険者証ですが、御案内のように、昨年の四月から中学生以下についてはこの短期被保険者証を交付しておるところです。その後、実態を調査いたしまして、高校生世代が一万人、資格証明書を交付されているという事態が判明いたしましたので、今回、高校生まで短期被保険者証の交付を、まずその対象を広げたということでございます。
 モラルハザードの件でございますけれども、これも御案内のように、これは保険料の納付をしていない、未納の世帯の方すべての方にというわけではありませんで、高校生までだけでございますので、このことで今おっしゃったようなモラルハザードが生じるというのは私は余りないのではないかとは思いますが、しかしこの短期被保険者証の意義は、短期であることの意義は、それだけ納付相談の機会をちゃんと確保するということでございますので、その都度その都度しっかり納付してくださいということをお願いするということでございます。
#110
○石井準一君 モラルハザードを懸念する声も実際にあると思います。政府としてはしっかりとした対応をしていただきたく要望いたします。
 次に、平成二十一年九月の資格証明書世帯に属する中学生以下の子供に対する短期被保険者証の交付状況の調査によれば、三・二%に当たる千百六十一枚が未達になっていることが明らかになりました。
 今回、制度の拡充を図るわけですが、このような事態が生じていることは大変悲しいことであります。未達となっている理由をどのように分析されており、どのようにそれを改善していくつもりなのか、お伺いをしてみたいと思います。高校生世代への交付が始まってから同様の事態が生じないよう、しっかりと対策を講じていただきたく思いますので、御答弁を願います。
#111
○大臣政務官(足立信也君) 委員御指摘のように、昨年九月時点の調査で、三万六千五百十一人の中学生以下の子供対象者に対し、未達となっている枚数は千百六十一枚、三・二%でございました。
 その理由の第一は、受取人が不在であるもの、これは未達のうちの五五・六%です。そして、これらの方々のなぜ不在であるのかということは、世帯主の方が保険料の督促と勘違いをしてその中身をよく御覧にならないというようなことがあります。ですから、その制度の内容について前もって記載したはがきやチラシを配布する等周知を図ることが重要だと思いますし、電話連絡や家庭訪問による接触を試みるように指導いたしました。
 二番目の理由が、郵送したけれども住所が不明であるもの、これが二五・二%でございました。実際にその住所が不明ということですが、居住しているかどうかの確認というのは、これはやっぱり必要に応じて住民基本台帳担当部署との連携を図るなど被保険者証の資格管理を適切に行うよう、これも指導いたしました。
 それから、第三が、窓口に受取に来ないもの、これが一六・五%でございました。これはもう受取に来ていただけないので電話連絡や家庭訪問等によってしっかり接触の機会を増やすということをしていきたいと、そのようにまた市町村を指導いたしました。
#112
○石井準一君 周知徹底をしっかりと行っていただく中で、事務的なミスや混乱によって子供たちに大切な短期被保険者証が行き届かない、このようなことがないようにしていただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、後期高齢者支援金の問題に移りたいと思います。
 民主党は後期高齢者医療制度については廃止法案を提出するなど直ちに廃止をし、いったん老人保健制度に戻すとこれまで主張されておりました。いつの間にかその方針は変わり、新たな高齢者医療制度の創設は先延ばしにされております。その上、今回の国民健康保険法改正案では、国庫負担の軽減を図るために廃止すると決めている後期高齢者医療制度の支援金の算定方法を変更し、健康保険組合、共済組合に負担を押し付けるものであり、大問題だと私は思っております。
 まず、お尋ねをいたしますが、今回の後期高齢者医療制度の基本である支援金の算定方法の一部を加入者割から総報酬割に変更した理由は何なのか、お伺いをしたいと思います。
#113
○副大臣(長浜博行君) 後期高齢者医療制度については長妻大臣が御答弁を申し上げておりますように、今検討を進めているところでありますので、私からは今御質問がありましたその総報酬割を導入したということについてお話を申し上げればというふうに思っております。
 委員御承知のように、後期高齢者支援金については従来、各保険者間で加入者に応じて分担をする、まあ頭割りでやってきたわけであります。このため協会けんぽなど財政力が弱い保険者の支援金負担金が相対的に重く、かねてより負担能力に応じたものとすべきという意見があったところも、委員御承知のとおりだと思います。
 二十一年三月、これは舛添厚生労働大臣でありますが、高齢者医療制度に関する検討会を主宰をされておりまして、支援金について、被用者保険の中では保険者の財政力に応じて応能負担にすべきというふうな意見も出されていたところでございます。長妻大臣になりまして、二十一年、去年の十二月には、社会保障審議会医療保険部会において、複数の有識者委員から支援金への総報酬割の導入というお話があったところでもあります。また、先ほどの津田委員との質疑の中においても、あるいは午前中の参考人の意見の中においても、必ずしも健保連は、報酬に応じた形での分配、つまり総報酬割に反対ではないというような形の意見もありました。
 今更申し上げるまでもないですが、協会けんぽの報酬、一人当たりという意味では三百八十五万円、それから健保組合関係は五百五十四万円と、こういう状況になっているわけでございます。協会けんぽの財政再建に当たって、こうした考え方も踏まえて、石井先生からも御指摘がありましたように、三年間の特例措置の中で支援金の三分の一の総報酬割を導入し、より財政力の強い保険者に負担をお願いするとともに、これによって生ずる国費を協会けんぽの国庫補助の引上げ、真水の状態で財源を充当をしたということでございます。
 今回の総報酬割によって、健保組合の中においても報酬水準が低くて財政力が弱いという三分の一の組合にも負担減ということになったわけでございますので、大変丁寧な御説明をしなければいけないということは痛感をしておりますが、私としてはより負担能力に応じたような形での御負担をお願いをするということに近づいたと思っております。ちょっと長くなって申し訳ありません。
#114
○石井準一君 大変丁寧な御答弁、ありがとうございます。
 それでは、私も資料等では確認をしておりますが、後期高齢者支援金の三分の一を総報酬割にすることで、健康保険組合、協会けんぽ、共済組合の支援金負担はそれぞれどう変化していくのでしょうか。満年度ベースでお答えをいただければ有り難いと思います。
#115
○政府参考人(外口崇君) 今般、後期高齢者支援金の三分の一に総報酬割を導入することにより、健康保険組合、協会けんぽ、共済組合の負担額の変化は、満年度ベースでは、健保組合全体では約一兆四千五百億円から約一兆五千億円で、約五百億円の増加。協会けんぽは約一兆六千六百億円から約一兆五千八百億円で、約八百五十億円の減少。共済組合全体では約四千四百億円から約四千七百億円で、約三百五十億円の増加となります。
#116
○石井準一君 御答弁をお伺いいたしますと、協会けんぽは負担が軽減されているようにも聞こえます。しかし、実際は違うのではないかと思います。総報酬割の導入により、協会けんぽの負担額は一兆六千六百億円から一兆五千八百億円になる、マイナス八百五十億円になるわけでありますと政府は説明資料には書かれていますが、このうち国庫負担の削減分は、満年度ベースで幾らでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
#117
○政府参考人(外口崇君) 協会けんぽには主に中小企業が加入しておるために、その被保険者の報酬水準が構造的に低くならざるを得ないことがあり、このため、旧政管健保時代も含め、協会けんぽに対して給付費等に対する国庫補助を行ってきたところであります。
 今般、後期高齢者支援金の三分の一について、負担能力に応じた拠出であります総報酬割を導入することに伴い、この部分について国庫補助を削減することとしておりますが、これによる削減額は、平成二十二年度ベースでは約六百十億円、満年度ベースでは約九百十億円となります。
#118
○石井準一君 協会けんぽ全体ではマイナス八百五十億円、そのうち国庫負担削減分が約九百十億円ということは、総報酬割の導入についてだけ見ると協会けんぽの負担は約六十億円増加したということでよいのか、お伺いをしたいと思います。
#119
○政府参考人(外口崇君) 総報酬割を三分の一に導入することによりまして協会けんぽの後期高齢者支援金の負担は満年度ベースで約八百五十億円減る一方で、国庫負担が約九百十億円減ることとなりますので、支援金負担分にのみ着目すれば今般の総報酬割の導入による支援金負担減とこれに相当する国庫負担減の差として協会けんぽは約六十億円の負担増となります。
#120
○石井準一君 次に、今回の法案の概要説明資料を見ると、改正の目的として、協会けんぽの保険料の引上げ抑制のため所要の措置を講ずるとあります。しかし、総報酬割の導入で協会けんぽの実質的な負担は六十億円増加をしております。これについては健康保険組合連合会も同じ主張をされております。協会けんぽの実質的負担が六十億円とはいえ増加しているということは、これにより協会けんぽの保険料率は増えるということでよいのでしょうか。
#121
○政府参考人(外口崇君) 協会けんぽの後期高齢者支援金負担分のみに着目した負担増は、先ほど申し上げましたように、満年度ベースで約六十億円でありまして、これは保険料率では、協会けんぽの保険料率で約〇・〇〇八%に相当いたします。
 ただし、この総報酬割の導入により削減することとなった国庫負担の全額、約九百十億円については、七十五歳未満部分の国庫補助に充てることとしておりますので、これにより保険料率換算では約〇・一%の引下げにつながっておるところでございます。
#122
○石井準一君 総報酬割の導入に限った影響について見ると、健康保険組合、共済組合だけではなく協会けんぽの負担も増えております。負担が増えるということは、保険料率が上がる要因ではないかと思うわけであります。これでは保険料の引上げ抑制のためとは言えないのではないでしょうか。国庫負担を削減するためなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(長妻昭君) 今の計算でありますけれども、これは七十五歳未満の部分の国庫補助に充てるということが基本でありまして、九百十億円減りますけれども、それは減って国に戻しちゃうということではございませんで、それを七十五歳未満の国庫補助に充てるということでそれが九百、そして国庫補助のそのものの部分が九百で、満年度では一千八百億円がそこに充てられ、結果として国庫補助率が一六・四%ということが確保できるということであります。
#124
○石井準一君 それでは、総報酬割の導入によって削減された国庫補助は協会けんぽの国庫補助率引上げに充当しているとおっしゃいましたが、そもそも国庫補助を削減した分を別の部分の国庫補助に充当したからよいのだと胸を張って答弁していることがおかしいのではないかと思います。最初から必要な財源を真水で純増させるのが筋ではないかと私は思います。平成二十二年度で六百十億円、満年度で九百十億円を別に確保できていれば、総報酬割を導入しなくても国庫補助率を一六・四%まで引き上げることができ、健康保険組合、共済組合だけではなく、協会けんぽにも国庫負担の肩代わりをさせなくて済んだのではないかと思います。
 健康保険組合連合会が今回の法案について国庫負担の肩代わりだと言う理由はこうしたことにあると思いますし、午前中の参考人の意見陳述でもそのようなことを明快に答弁していたと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(長妻昭君) まず、事の発端といたしましては、協会けんぽ、一昨年の秋のリーマン・ショック以来急速に総報酬が下がったということもあり、急激な保険料の上昇が見込まれるということとなりまして、それをできる限り抑えなければならないということであります。
 その中でぎりぎりの国庫補助、そして企業の健保連配下の組合には総報酬割ということである意味では応能負担の考え方を一部取り入れさせていただく、そういう考え方の下、ぎりぎりこの上昇を抑えていこうということで今回の対応をさせていただいたということでありまして、あくまでも協会けんぽの財政再建、この非常に保険料の急上昇というのを受けた措置であるというふうに考えております。
#126
○石井準一君 先週の委員会におきまして足立政務官は、協会けんぽへの国庫補助がある訳を、被用者保険のセーフティーネットであるから国庫補助をしっかりやっていくことが理念だとお答えになっておりました。
 ということであれば、協会けんぽへの国庫補助率引上げの財源を国庫で真水で確保し、国の責任を完全に果たすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#127
○大臣政務官(足立信也君) おっしゃることはよく分かります。
 今回の国庫補助の引上げに必要な財源、それをどうするかということの中で、昨年の十二月の複数回にわたる交渉の中で、その半分については総報酬割の導入によって捻出しようと、そして国庫の財源をすべて協会けんぽに充てようと。そして、残り半分については、極めて厳しい財政状況の中でありましたけれども、ぎりぎりの財源捻出を行うことで国庫負担の純増ということをやらせていただいたわけでございます。御案内のように、これは予算、政府、内閣決定の最終版の最後の項目であったということでございます。
#128
○石井準一君 では、現実として一六・四%の引上げの所要財源の半分しか確保できないということではないのでしょうか。民主党のマニフェストには国の責任で社会保障制度を維持発展すると書かれておりますが、今回の改正の内容を見ると、国の責任はまさに半分しか果たしていないのではないかというふうにとらえられるわけであります。
 今回の改正で国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げるための財源は平成二十二年度で約一千二百億円と伺っております。これまでの御答弁を伺っておりますと、仮に今回、約一千二百億円の国庫負担の財源が確保できていさえすれば総報酬割の導入は必要なかったということだと理解してよろしいのでしょうか、再度お伺いをいたします。
#129
○国務大臣(長妻昭君) これは、先ほど来申し上げておりますように、協会けんぽの非常に、かつてないほどの急上昇、保険料、この状況を受けまして何とかしなければならないということであります。
 今回のぎりぎりの措置をさせていただいたにしても協会けんぽの保険料は上がるということになってしまいまして、これについても御理解を求めているところでありまして、やはりそこで財源が更にあれば我々も更に何らかの手当てをしたいと、こういう思いはあったわけでございますけれども、国全体の財政状況の中で、予算編成の過程の中で政府として今回ぎりぎり目いっぱいの措置を決定をさせていただいたと、こういうことであります。
#130
○石井準一君 政策の優先順位は緊急性、重要性、必要性、いろいろな角度から判断をすべきものだと思いますが、来年度から子ども手当を満額支給しようとなさっている政府が、本年度約一千二百億円、来年度から一千八百億円の財源確保さえ真水でできないのは問題であると、私はそう指摘をさせていただきたいと思います。
 子ども手当の所要財源は来年満額で約五・四兆円と承知をしております。一千八百億円はその約三十分の一であり、子ども手当の三十分の一の財源さえきちっと確保していれば、健康保険組合や共済組合、さらには協会けんぽにまでツケを回さなくても済んだのではないのでしょうか。大臣のリーダーシップで何としてでも予算は真水で確保すべきだったと私は思います。無駄を排除すれば財源はあるとおっしゃっておりました。本当に無駄はもうないのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#131
○国務大臣(長妻昭君) これは、昨日も厚生労働省省内事業仕分というのをさせていただき、来月も再来月もしてまいります。一過性では終わらずに、厚生労働省事業仕分け室という組織も四月一日につくりまして不断の見直しをする、国民の皆さんから、厚生労働行政に限っては自分たちが払った保険料や税金はある程度もう無駄なことはなくなったんだなと、こういうふうに思っていただくまで頑張りたいと思いますが、今は残念ながら国民の皆さんが、ほぼ無駄がないとはまだ思っていただいてないと思いますので、更に時間が掛かる部分もありますけれども、もう強力に浪費はあってはならないという姿勢で取り組みたいと思います。
#132
○石井準一君 無駄を排除する努力を更に続けていただければ有り難いというふうに思っております。
 先日の石井みどり議員の質疑に対する答弁により、合計三千七百億円の国費を投入すれば国庫補助率を二〇%まで引き上げることができ、その結果、保険料率は九%近くまで引き下げることができると分かりました。これについて、もう少し厳密にお答えをいただきたいと思います。
 まず、三千七百億円の積算根拠を示していただきたい。また、国庫補助率を二〇%に引き上げると保険料率は何%に下がり、その結果、労使の負担は何年で幾ら軽減されるのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(長妻昭君) まず、計算方法でございますけれども、協会けんぽの国庫補助率を二〇%に引き上げた場合、これは仮定でありますけれども、その場合、平成二十二年度の予算ベースで試算をいたしますと、国庫補助率一%が約五百三十億円に相当するということから国庫の所要額は約三千七百億円であると、こういう数字を出しております。そして、そうした場合、協会けんぽの保険料率は約九・〇八%となる見込みであるということであります。以前は九・九%、そして今回の法律が通していただくと九・三四%でございますので、それよりは下がるということであります。
 そして、労使の負担ということでございますけれども、今現在につきましては、平成二十一年度の平均保険料とこの法案成立後の保険料の上昇額でいうと本人負担は一か月平均のお給料で千六百円の上昇となりますけれども、上限二〇%の国庫補助になった場合は、平成二十一年度に比べて保険料は上昇はいたします、千二百円の一か月の上昇になるということではないかというふうに試算、あくまで試算でありますが、させていただいております。
#134
○石井準一君 三千七百億円の国庫補助率を最高の二〇%に上げれば年間どれぐらいの負担軽減になるのか、いま一度答弁を願いたいと思います。
#135
○政府参考人(外口崇君) 国庫補助率を二〇%に引き上げた場合、被保険者の保険料負担は、協会けんぽの平均的な年収三百七十四万円で試算いたしますと、国庫補助率一六・四%の場合と比べて労使それぞれ年間約四千九百円程度の負担減となります。
#136
○石井準一君 私は、何としても国費を純増させ、健康保険組合などに負担を押し付けずに協会けんぽの救済を図っていただきたく要望をいたします。
 現在、この厚生労働委員会の理事であられる民主党の津田弥太郎議員は、かつてこの厚生労働委員会で、財政が厳しいときこそ、各省庁の行っている施策の中で本当に必要なものは何なのか精査してしっかり行わなければならない、財政が厳しくとも絶対に予算を削ってはならない分野、施策をむしろ充実しなければならない分野、そういう分野が絶対に存在していると発言をされておりました。今話題となっている当時の厚生労働大臣を追及した姿を私は今でも覚えております。
 厚生労働省が所管をしている分野の多くは命に直結するものであります。津田理事の当時のお言葉を借りれば、他省庁の予算を分捕ってくる、私は、長妻大臣を始めとする政務三役の方々が今後これぐらいの決意で臨んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#137
○国務大臣(長妻昭君) そのぐらいの決意で臨む前提として、じゃ自分のところはどうなんだと、こういうふうに言われないように、今まで健康何とか事業、雇用何とか事業、こういう名前が付くとすべて良さそうな事業に見えてしまうわけでありますけれども、当然、絶対にこれは削っちゃいけない、守らなきゃいけない事業はありますが、ネーミングが非常にいいネーミングで、実態を見ると実は余り利用されていない、あるいは天下り団体に中抜きされているとか、もうそういう事業がたくさんございます。
 これについても、今無駄がゼロになったとは我々考えておりませんので、そういう主張をする前提として、まず自らそういう努力を極限までやっていくと、こういうことで今取り組んでおります。
#138
○石井準一君 長妻大臣を始めとする政務三役の今後の御活躍を私の方から期待をしたい、エールを送りたいと思うわけであります。
 健康保険組合の財政悪化というものは、皆さん御承知のように、経済悪化による賃金の低下に伴う保険料収入の減少、新型インフルエンザの流行に伴う医療給付金の増大、そして保険料収入の四割を超える高齢者医療制度への多額な拠出金などが招いたものであります。そういう中で、やはり一番、経済全体の浮揚を図りながらパイを広げるということに主観を置くべきではないかと思います。今回の提案は負担能力に応じて保険料を取るという趣旨のようでありますけど、経済を牽引する層の力をそぐような施策を取るのではなく、経済状況を好転させ、保険料収入を増加させる方向を目指すべきだと私は思います。
 健康保険組合などに負担を負わせることをやめるのはもちろんですが、協会けんぽの平均保険料率を何とか八・二%に維持できないのでしょうか。平成二十二年度の平均保険料率九・三四%は過去最高の数値であります。保険料率の上昇幅も、名目でこれまでの最大引上げ幅の約三倍、実質で見ても約一・六倍となっております。被保険者の皆様方の負担感はかなり増すのではないかと思います。
 協会けんぽの平均保険料率を八・二%に据え置く場合、保険料収入の減少を国庫負担で賄うとすれば、その所要額は大体幾らぐらいになるのでしょうか。
#139
○政府参考人(外口崇君) お答え申し上げます。
 特例措置をしない場合には、単年度で収支均衡させるためには一兆二千億円必要でございます。
#140
○石井準一君 今後ますます高齢化の進展する中、当然支え手が減少してまいります。長妻厚生労働大臣も大臣所信の中で、現在が現役三人で一人の高齢者を支える騎馬戦型とすれば、四十五年後には一対一の肩車型になる、このままでは経済や社会保障の担い手が不足をし、国の基盤も揺るぎかねないとおっしゃっておりました。
 担い手が減少していると認識しているにもかかわらず、経済や社会保障を牽引するサラリーマンの力をそぐような施策を取ることは是非ともやめていただきたいと思います。
 保険料率の上昇は、被保険者の家計に影響を及ぼすだけではありません。事業主にとっては、社会保険料負担の増加による企業経営の悪化を招きかねません。民主党の森ゆうこ議員もかつて、社会保障料負担の厳しさにより中小企業が倒産することを大変懸念をされておりました。私の思いも森理事と全く同じであります。
 そこで、お尋ねをいたしますが、平成二十一年度と平成二十二年度で社会保険料の負担はどう変化をしたのでしょうか。厚生年金保険料、医療保険料、介護保険料、雇用保険料、労災保険料の額はそれぞれどう増減しましたか。また、これらをすべて合わせた社会保険料負担は事業主と労働者でそれぞれ幾ら増加をしたのか、お伺いをしたいと思います。
#141
○政府参考人(外口崇君) 保険料率の引上げに伴う平成二十一年度から平成二十二年度の保険料の増加額についてでございます。
 中小企業に勤める年収三百七十四万円の小売業のサラリーマンを例に取りますと、年間で事業主四万四千円、被保険者四万円の増となります。
 その内訳でございますが、厚生年金については事業主、被保険者共に六千円、健康保険、協会けんぽでございますけれども、事業主、被保険者共に二万一千円、介護保険については事業主、被保険者共に六千円、雇用保険については事業主一万円、被保険者七千円となります。これが内訳でございます。
#142
○石井準一君 次に、社会保険料は確実にアップしてきております。社会保険料の増加が企業経営に及ぼす影響について、政府はどのように考えていますでしょうか。また、社会保険料負担が増せば、企業は正社員としての雇用に消極的になるかもしれません。企業の採用活動に及ぼす影響に関する見解もお伺いをしたいと思います。
#143
○国務大臣(長妻昭君) この社会保険料の負担が増大してくるというのは、これは大変頭の痛い問題でございます。
 ただ、これだけ少子高齢社会の中で、国費だけで社会保障の自然増が年間一兆円の時代、だれかがこのお金を負担しなければならない。保険料、あるいは税金、あるいは借金なのか、あるいは経済成長をして税収を増やしていくのか、いろいろな考え方がありますけれども、我々といたしましては、経済成長も含めて、できる限り社会保険料の負担を最小限に抑えていくと、こういう考え方で取り組まなければならないわけであります。
 そして、これは企業の採用あるいは雇用についても事業主負担というのが入ってくるわけでありますので、それについても雇用政策や企業の支援策、あらゆる施策を総動員して、雇用者あるいは経営者のサポートをしていきたいと思います。
#144
○石井準一君 今御答弁いただきましたように、企業が労働者の採用に消極的になれば、失業者の増加も懸念をされます。失業率は過去最高の水準で推移をしております。賃金も低下をしております。国民がこういう厳しい生活を強いられている中で、当面の対応といたしましては、やはり純粋に国庫負担を引き上げて対応していただく必要があるのではないかと私は思います。
 保険料の引上げ抑制のために所要の改正を行うとされている中、被用者保険の保険料率の上限を一〇%から一二%に引き上げることとされております。国庫補助率を上限の二〇%まで引き上げることなく、保険料率の上限を一気に二割も引き上げることによって、今後、被用者にとってより厳しい負担を強いるものとならないのか、大変不安を抱いております。
 保険料率の上限を一〇%から一二%に引き上げる理由について、御説明を願いたいと思います。
#145
○政府参考人(外口崇君) 今回、協会けんぽの財政再建に当たりましては、平成二十二年度から二十四年度の三年間の特例措置を講じることとしております。これにより、できるだけ保険料率の引上げを抑制し、平成二十二年度の保険料率は全国平均で九・三四%とすることとしたところであります。
 しかしながら、国庫補助率を引き上げても、今後の経済や医療費の動向によっては、平成二十四年度には現在の法定上限の一〇%を超える保険料率が必要となる事態も考えられ得るところであります。このため、協会けんぽの運営が安定的に行われるよう、保険料率の法定上限を一二%に引き上げることとしたものであります。
#146
○石井準一君 次に、都道府県単位の保険料率の激変緩和措置の期間延長についてお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、確認をさせていただきますが、都道府県単位保険料率を導入した目的は何だったのでしょうか。
#147
○政府参考人(外口崇君) 協会けんぽの保険料率については、医療サービスを多く受けている都道府県ではその分を適切に御負担いただくのが基本であるとの考え方から、年齢、所得の調整を行った上で都道府県単位で保険料率を設定する制度を設け、激変緩和措置を講じた上で平成二十一年九月から導入しているところであります。
#148
○石井準一君 従来の全国一律の保険料率の下では、疾病の予防など地域の取組によって医療費が低く抑えることができても、その地域の保険料率に反映されないという問題点が指摘をされておりました。こうした中で、先般の医療制度改革においては当時の政府所管健康保険について都道府県単位の財政運営を基本とする改革が行われ、こうした改革の一環として都道府県ごとに保険料率は導入をされたわけであります。
 都道府県単位保険料率の導入により保険料が大幅に上昇する場合には、平成二十五年九月までの間に激変緩和措置を講ずることが法律に規定をされております。当初五年間としていたこの激変緩和措置の期間を十年間延長することで、都道府県単位保険料率の導入によって保険料率が低くなった都道府県にとっては負担増となる期間が長くなるわけであります。
 都道府県単位保険料率導入の目的である保険者機能発揮のためにも、当初の調整期限を守り、平成二十五年九月までとするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#149
○副大臣(長浜博行君) 今お話があったところでございますけれども、御指摘のように、受けている医療サービスに基づいて適切に御負担をいただくという基本が導入の趣旨としてあるところでございます。しかし、その一方で、今るる議論をさせていただきましたように、急激な経済環境の悪化の中において保険料率も大幅に上昇せざるを得ないわけでございます。
 日ごろ御指導をいただいている北海道の伊達先生とあるいは長野県の津田先生のお顔を想像したから言うわけではありませんが、こういった地域における格差が生じる中における激変緩和措置を、今お話があったように、五年間で激変緩和措置を図るのがいいのか、その上昇のカーブを十年間という刻みの中で吸収をしていったらいいのか、そういった選択によって今回の法案についての御説明をしているわけでございます。
 二十九年度末までに各都道府県の保険料率の設定状況や、何度も申し上げますが、経済状況に配慮をしながら決定をしてまいりたいと、そのように思っております。
#150
○石井準一君 平成二十二年度の都道府県単位保険料率の激変緩和措置の圧縮幅は十分の一・五であります。残りは十分の八・五となりますが、今後はどのような幅で引上げを図っていくつもりなのか、スケジュールをお示しをいただきたいと思います。
#151
○副大臣(長浜博行君) ちょっとダブって恐縮でありますが、今申し上げましたように、基本的の刻みの幅でいえば、十年であれば十分の一ずつ、その前の五年という感覚であれば五分の一、十分の二ずつという形になりましたけれども、その上げ幅の状況といいますか、カーブ、傾斜の度合いについては、時々の経済状況の中において二十九年度を最終目標として決めてまいりたい、そのように思っております。
#152
○石井準一君 最後の質問であります。
 医師や弁護士など高所得者が加入する国民健康保険組合に対する国庫補助の在り方をめぐっては、入院時の医療費を実質無料にしている国保組合があるとの新聞報道もあり、国庫補助を見直すべきとの指摘もあります。また、その後も潤沢な余剰金やずさんな会計処理、無資格加入者や隠れ補助金など、様々な問題点を指摘する報道が続いたわけであります。
 こうした事態を受け、厚生労働省は現在どのような措置を講じておるんでしょうか。特に大臣は、閣議後の記者会見において組合特別調整補助金は見直しの可能性に言及されていたと思いますが、お答えをお聞かせいただきたいと思います。
#153
○国務大臣(長妻昭君) これは実態調査をいたしまして、そして世間の皆様にも公表をさせていただきまして、特別調整補助金については基本的には見直していこうというふうに考えております。
 そのまず先駆けた措置といたしましては、今年の七月にまず国保組合、財政力の高い国保組合に対する補助金を九・一億円カットしようというふうに考えておりまして、今後とも厳しい財政状況の折でもございますので、見直しを図っていきたいというふうに考えております。
#154
○石井準一君 他の医療保険とのバランスを欠く補助金の在り方については、今後、関係者間で十分検討をしていく必要があると思いますので、よろしくお願いを申し上げ、私の質問を終わります。
    ─────────────
#155
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として轟木利治君が選任されました。
    ─────────────
#156
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 先週の木曜日、二十二日に引き続き、国民健康保険法等の一部を改正する法律案、あえて前半のタイトルは省きましたが、について御質問をさせていただきます。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 午前中の参考人の意見陳述を伺っても、そして先週から本日の同僚委員の御質問を伺っても、なかなか政府の御答弁では納得いかないことが多うございます。まず、後期高齢者支援金に関してでありますが、これ何度も御答弁されていますので、ミスター・リピートと言われる大臣もおつらいかも分かりませんが、またお聞きしなくてはいけないと思います。
 この総報酬割の導入というのを決して肩代わりではないというふうに繰り返し御答弁いただいておりますが、しかしやはり国庫補助が削減されるということは事実でありまして、その部分をだれかが負担することとなると思います。そのだれかとは健保組合であり、また共済組合であります。
 政府は、国庫補助削減分を協会けんぽの国庫補助率引上げにすべて充当するから肩代わりではないとおっしゃっていますが、本来であれば国庫補助率引上げ分はすべて真水で純増させるべきであったんではないでしょうか。大臣の御見解をお伺いします。
#157
○国務大臣(長妻昭君) まず、これ国庫補助の削減ということではございませんで、国庫補助があり、そして協会けんぽがこれだけ大変な状況になっているということで、それについて保険者間で助け合いをしていただくということで、応能負担という考え方を取り入れさせていただいて、この総報酬割を一部導入をさせていただいたということであります。
#158
○石井みどり君 応能負担と言えば聞こえはいいんですが、結局、財源がなかったからこっちへ、力があるところへ持っていっただけというふうな、これはもう何度伺っても平行線かなという気がいたしますが。
 前回の質問に対して政府は、今回、ぎりぎりの判断ということで国庫補助率を、一六・四%の補助率の引上げとしたと。しかし、先ほど来、同僚の石井準一委員も言っておりましたが、やはりこの厳しい経済情勢の中で保険料率を引き上げる、様々な社会保険の負担が増している、これは事業主、また働く人、被用者それぞれに負担が大きくなっている。その保険料率を上げる前に、やはり国庫補助率を上限の二〇%まで、まずここを引き上げるのが筋ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(長妻昭君) これについても、今までの政権も一六・四%に国庫補助率を引き上げてはおられなかったわけでございまして、我々としては、本当に、リーマン・ショック以来、標準報酬月額が著しく低下をする中、保険料の上昇が急速に見込まれるときに手を打たなければならないということで、限られた財源の中、国庫補助、そして総報酬割というような今回の法案を手だてをさせていただいたということであります。
#160
○石井みどり君 本当にもう行き違ってしまって、私の方から見れば、やはり二〇%まで上げてみて、そうしないと、今申し上げたように、事業主それから被用者の方々のそれぞれの本当に負担が増すわけですね。そういうところ、野党時代おっしゃっていたことと随分、御都合主義の御答弁が続くので、もうこれ同じことを本当に何度も何度もほかの委員も伺っていても同じ御答弁しか返ってこないのが少しむなしくなってまいりますが。
 次に、前期高齢者納付金に対する財政支援、これについてお伺いしたいと思います。
 健保組合に対する財政支援として前期高齢者納付金に対する補助事業が予算措置で行われています。これは平成二十二年度予算で倍増したと、約百六十億円が約三百二十億円になったと、こういうこともしているから決して肩代わりではないんだというようなことを御答弁されてきたわけですけれども、これは来年度以降、少なくとも協会けんぽの財政再建期間三年間という期間があるわけですが、今回の倍増されたのは予算措置ですので単年度の措置だと思いますが、今後これが財政支援のための予算を確保される必要があると思っておりますが、これの手だてをどういうふうにされるのか、お教えいただきたいと思います。
#161
○国務大臣(長妻昭君) 倍増させていただいて、二十二年度予算額は三百二十二億円ということでございますけれども、これについて来年度あるいは再来年度以降どう考えるのかということでございます。
 これについては予算編成の中で必要性を考えてこの予算を決定をしていくということでありますけれども、先ほども答弁申し上げましたが、今景気を我々は新成長戦略ということで何とか浮揚させようということで取り組んでおりまして、それで結果的にお給料も上がり、標準報酬月額も上がり、保険料の上昇というのが一定程度抑えられるということとなればいろいろこの事業を考えるということもありましょうが、依然として厳しい状況が続くということであればできる限りこの事業について拡充を図ることができないか、そういうことも予算編成の中で我々は議論して決定をしていきたいと思います。
#162
○石井みどり君 済みません。今の御答弁だと、財政支援のための予算の確保というところに対してお答えいただけなかったんですけれども、もう一度御答弁お願いできますか。
#163
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げたとおりでございまして、予算編成の中で財源を確保していくということであります。
#164
○石井みどり君 本日も質問が出ておりますが、後期高齢者医療制度の財政安定化基金についてもお伺いをしたいと存じます。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 保険料率引上げ抑制のために財政安定化基金を取り崩すということが前提となって、そして午前中の参考人の意見陳述の中でも、もう基金を取り崩すというようなことはそれぞれの保険組合が持っているそういうお金も取り崩してということでありますし、それからこの安定化基金も当然今後のことを考えれば取り崩すということが前提になろうかと思いますけれども、本来この基金というのは、保険料の未納に対するリスクあるいは給付が増えるということに対するリスクに対処するための基金であったというふうに理解をしておりますが、今後この基金が存続をするんでしょうか、その力が残っているんでしょうか、基金が枯渇することはないとお考えなんでしょうか、いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(長妻昭君) 今回、この広域連合の剰余金を充当することに加えて、今おっしゃられた財政安定化基金を取り崩していくということで、これもできる限り今の措置によって保険料の上昇の抑制を図るということで取り組んでまいったところであります。当然この基金がなくなるということはございませんで、この基金の積み増しということについて、国庫負担約八十四億円を含めて全体として二年間で最大約二百五十億円の国費を投入をしていこうというふうに考えております。
#166
○石井みどり君 先ほど来、御質問でも出ておりますが、健康保険の保険料率の上限に関して、元々この法の目的、先週の木庭委員の御質問にも出たと思いますが、今回、上限を一〇%から一二%へ引き上げておられますけれども、これは本来、法の目的には逆行するんではないんでしょうか。
 保険料の引上げ抑制のために所要の改正を行うということでありますので、この上限を引き上げる前に、先ほど来申し上げている国庫補助率上限の二〇%をまず引き上げてからの、その後の対策としてお考えになるべきではないんでしょうか。いかがでしょうか。
#167
○副大臣(長浜博行君) 今回は、先ほど大臣が御説明をしておりますように、一三%に据え置かれていた状況を本則水準一六・四という形に引き上げるということを申し上げたわけでございます。
 と同時に、大変厳しい経済状況の中において、私も石井先生と同じ立場でありますが、これ以上保険料率を上げるような事態に陥らないよう担当者として努力をし続けなければならないわけでございますけれども、基本的に制度として運営が安定的に行われるように、一応、今法定上限が一〇%となっておりますので、この法改正の中において一二%までというような形での法改正を織り込んだわけでございます。
 改めて申し上げますが、一二%にするための改正ではなくて、一〇%のキャップがある状況の中での運営の中における幅を一二%まで確保しているということで御理解をいただければと思います。
#168
○石井みどり君 大変丁寧に優しく御答弁いただいたんですが、しかしながらやはり保険料率の上限を一二%に引き上げるのが目的ではないといっても、やはり国が最大限の努力、二〇%まで国庫補助率上げておいて、その後でこの料率の引上げということがあるのであれば、まだ事業主あるいは被用者の方々に対して、これはまあ仕方がないかなと思われるかもしれないんですけれども、誤ったメッセージを私は送っているというような気がします。
 これは、やはりこれから先、財政的に厳しい状況が続けば保険料率がどんどん上がっていくんではないか、こういう、青天井とまでは言いませんけれども、しかしやはりそういうメッセージを与えるということは、この厳しい雇用状況、経済状況、特に事業主の方々とか被用者の方々にとっては、年間本当にこの金額であっても大変な負担増になるわけですね。そこのところを幾ら優しくおっしゃっても、私はやっぱり誤ったメッセージだと思えてなりませんが、もう一回いかがですか。
#169
○大臣政務官(足立信也君) 御案内のように、今回の法律は三年間の暫定措置でございます。そして、国庫補助一六・四%というふうにしました。その三年間の中でも、賃金の低下があった場合には保険料率が一〇・二%になる可能性があるということが第一点。それから、医療費が更に上昇してくると保険料率は更に上がる可能性がある。そして、法定で一〇%を超えてはならないとなっている以上、協会けんぽのみならず、健保組合も解散を余儀なくされる事態が生じるということでございます。
 この三年間の間にそれがあり得るということでございますから、健保組合を解散に追い込むようなことがあってはならないということで、この三年間の間の、経済成長の努力はもちろんいたしますけれども、その三年間の間に一〇%を超える事態があり得るかもしれないという想定の下で一二%というふうに上げさせていただきました。
#170
○石井みどり君 理由をるるおっしゃったわけですが、それでもやはり上限の二〇%まで引き上げなかった理由にはとてもなり得ないと思います。
 それでは、引き続き国保の広域化についてお伺いします。
 今回の改正で、都道府県の権限、責任強化を、市町村国保の広域化を図っても国保運営の根本問題である脆弱な財政構造は解決できないのではないでしょうか。また、政府が目指しておられる医療保険の一元的運用では市町村国保が今後どのような形になるのか。あるいは、国保の広域化というのは市町村の自主性に任されていましたけれども、保険料が上昇する市町村の理解は得られなかった、また、財政の厳しい市町村が合併しても財政状況は変わらない、こういった理由から、この広域化ということが進んでこなかったわけであります。
 国保の広域化を推進するとおっしゃっておられますが、財政が安定している市町村にとっては全くメリットがないんですね。何のために広域化するのか。むしろ、広域化したために保険料が上昇するんであれば負担にしかならない、広域化は負担にしかならないわけですね。
 広域化を推進するんであれば、国庫負担の引上げもセットでこれは考えていかなくてはならないんではないんでしょうか。いかがでしょうか。
#171
○大臣政務官(足立信也君) これも先日来の議論でございますけれども、まずは二点今おっしゃったんだと思います。広域化は不可欠であろうというのは共通認識だと思いますが、そのときの国庫負担をどうするかという二つの論理があったんだと思います。
 御案内のように、市町村で、そのまま市町村国保であればいいとは保険料率五倍以上の差を考えると、それはあり得ないであろうと。じゃ、国庫負担率を広域化とともにどのように増やしていくかということについては、これは今、先ほど来申し上げております後期高齢者医療制度の改革、この中でまさにそこが議論になっておりまして、国民健康保険と一体的な改革をやっていかなければならないという認識の中で、今検討を熱心にしていただいているところでございます。
#172
○石井みどり君 先週の御答弁の中でも少しそのイメージはお話しになられたんですが、今おっしゃっただけではまだ具体的なことが見えてまいりません。これは引き続き、また来週もこの質疑があるということで、これは……(発言する者あり)失礼しました、連休明けの十一日にあるということなので、また引き続きそこはお伺いをしていくことになろうかというふうに思います。
 先ほど申し上げましたように、幾らお伺いしても、ちょっと議論がかみ合わないというか、擦れ違ってしまうので、大変申し訳ございませんが、視点を変えてといいますか目先を変えて、なかなか一般社会保障の質問ができませんで、ここでちょっと伺わせていただければと思っています。
 全国を私も土、日は行っておりまして、本当に多くの全国の歯科医師から御質問あるいは不安を訴えられます、歯科医師から不安を訴えられる。
 これは、本年の二月六日と十三日、二回にわたってTBSの報道番組で取り上げられた中国製の歯科技工物の問題であります。これは、先駆けて、二〇〇八年の二月にも、これはアメリカで中国から輸入したクラウン、いわゆる冠ですね、これの一部から鉛が二百十ppmという、微量ではあっても検出されたという、それに引き続いて、そのときも随分メディアをにぎわわしましたが、今回もこの報道で相当の電話、メール、お手紙もいただきましたし、全国を回る中で必ずこのことを聞かれますので、私としてはやはり政府にこれはお聞きをせざるを得ないので、大変申し訳ありませんが、御質問させていただきます。
 中国製の歯科技工物から発がん性の物質であるベリリウムが検出されたという報道でありました。ベリリウムについてはガスあるいは粉じん状態でそれを吸入した場合に発がん性があるというふうに言われていますけれども、そういう物質が、私ども、補綴物と申します、喪失したところに、結局、喪失したものが再生をするわけではないので、人工物で補綴をするわけですので、そういう補綴物に混じっていたということに対して非常に多くの国民の方々から、患者さんが歯科医療機関でそういうことを指摘されたり質問されたというふうに聞いています。
 たとえ微量であっても、二〇〇八年のクラウンの場合もですけれども、たとえ微量であったとしても、それがいわゆる科学的に健康に影響がないとしても、そういう物質が混入すること自体、日本国内ではあり得ないことですね。日本国内においては、歯科技工というのは歯科医師、歯科技工士以外は行うことができない、補綴物を製作することはできないのであります。そして、特に中国からのこの海外製の補綴物は、だれが、どんな資格を持った人が、また資格がない方が、またどんな材料で、日本であればJIS規格できちんと担保されたそういうもの、材料を使うわけですけれども、そういう担保もされない、安全性も担保もされない、成分も担保もされない、そういうどんな材料で作成したか全く分からない、明確でない、そしてその検証もできない、こういう中国製の補綴物でありますが、国民の安全を守る観点から私はこの中国製の補綴物を全面的に輸入禁止にすべきだというふうに思っています。
 厚生労働大臣の御見解をお聞きしたいと存じます。
#173
○大臣政務官(足立信也君) まず、もう本当に委員には釈迦に説法なんですが、誤解があるといけないので正確にまた申し上げておいた方がいいと思いますので、このベリリウムにつきましては、先ほど委員がおっしゃったように、これはアメリカの労働安全衛生庁の二〇〇二年のレポートで、先ほどおっしゃいましたが、ガスや粉じん状態で吸入した場合に歯科合金を取り扱う歯科技工士に健康被害が生じたと。ですから、ガスや粉じん状態でないものについて、これを誤って経口、口から摂取された場合にはほとんど問題ないということが歯科理工学の教科書に書かれております。ということをまず前提で、じゃ、その粉じん状態のベリリウムを吸い込んだらどうなるかということは、慢性ベリリウム症というのがございまして、じん肺のような慢性の症状を呈するんだろうと、そのように思われます。
 そこで、今の質問の件でございますが、三月三十一日に通知を出しました。そして、これはその補綴物の中にベリリウムが入っているかどうかは、これは肉眼で分かるわけではございませんから、この通知でその基準を周知いたしました。
 その主な内容は、補綴物等を作成する場所を明示して内容の要点を診療録等に記録すること。二番目に、使用する歯科材料を明示して指示を行うとともに、指示の内容の要点を診療録に記録すること、これは発注する場合の話ですけれども。そして三つ目に、補綴物等を患者に使用する前に補綴物等を作成した者から使用された歯科材料を証明する書類を取得すること。そして、先ほど申し上げました場所や材料についてきちんと作成されたかどうか確認を行って、その内容を診療録に添付するというような通知を厚生労働省の方から出しまして、先ほど申しましたように、この条件に合わなければ当然使用できないようになるわけでございます。そしてまた、肉眼では分からないということでございますからこの基準を守っていただきたい、そのように思っています。
#174
○石井みどり君 はっきり申し上げますが、全く誤解しないで申し上げております。
 と申しますのは、先ほど申し上げたように、このベリリウムを含んでいる金属は、合金は日本では使用できないのであります。そして私どもも、歯科医師もこれは買えないのであります。そこの問題ですね。
 たとえこれが、確かに切削をしたり溶かしたりしたときに技工士の方が粉じんやらガスを吸うだろう、しかし日本国内ではあり得ない話です。しかし、これが海外の、中国のものでは十分考えられる。これは中国で技工士という職業があるかどうか分かりませんが、それはその国の方々の問題であります。しかし、日本では、労働安全衛生法でもこれはきちんと規定をされています。日本では起こらない。
 ただし、残念ながら、そういう科学的なことを国民の方々はなかなか御理解は難しい。そういう発がん性の物質が少しでも混じっている合金が口腔内に装着されるということに対して非常な不安を持たれるんですね。これは、あの狂牛病のときでも同じことであります。科学的な知見と国民の理解、国民の不安、これは全く別問題であります。そういう不安を、患者さん、国民の方が抱きかねないようなことがやっぱり起こっているんですね。しかも、これははっきり申し上げて、現行法ではこういうことが許されているんですね。
 先ほど、三月三十一日付けの通達を読み上げられましたけれども、一番目の、補綴物を作成する場所を明示して指示を、私どもはかつては歯科医師が技工もやっておりました。しかし、今はかなりのところで、院内ラボというか技工士さんを雇用するのがなかなか固定経費が多くなるということで技工士さんを雇用したり院内ラボということが少なくなって、いわゆる歯科技工所に発注することが多くなっていますが、これをきちんと指示をしたとします。そうして、もちろん指示したのは、指示書というのは、私どもはきちんと記録を残しておかなきゃいけないということになりますと、当然これは私の場合でもちゃんと患者さんの記録、セットで残していました。
 そして、使用する歯科材料を明示して指示を行うとともに、その指示内容を診療録に記録する、これをしたとします。しかしながら、この前提が、ラボに出したとする、発注したとします。しかしながら、このラボが孫請で海外へ発注していたとすれば、私どもとしては、性善説とか、信頼して、信用してそういう指示を出したとしても、その本当のところ、事実は、私どもは真実を知ることはできないんですね。発注して、そして受領した補綴物を一々私どもが溶解して、金属の分析とかできるわけがないんであります。幾らこういう通達を出されたといっても、単なる通達を出したという言い訳にしかすぎない。これでは、全く歯科医師、そして本当に患者さんにとっても何の解決にもならないということははっきり申し上げます。
 そして、この通達の中には、補綴物等を患者に供する前に、当該補綴物等を作成した者から使用された歯科材料を証明する書類等を取得しって、これももう本当に現場を御存じないというか。例えば、中国から証明したものを付けて、孫請のところから来て日本のラボに送ってきたとしても、その中国から送ってきたその証明書が果たして本当に信頼できるんでしょうか。中国製のあの冷凍ギョーザの件を思い出してみてください。そういうことがやっぱり不安を解消することにはならないんですね。そして、最後には当該書類等を診療録に添付して保管する。これは当然のことでありますが、そのことが全く何の解消にもつながらないということをはっきり申し上げたいと思います。ですから、この通達というのはすべての方が善意で動いているということが前提で、実効性を確保するとはとても思えません。このことを大臣にお伺いしたいと思います。
 この通達の内容を本当に正しく行うためには、その補綴物の使用された物質がちゃんと分析、評価しなくては、本当はこれは確証が持てないことになるんです。そんなことができるわけがないんですね。そんなことをできると思ってこの通達を出されたんでしょうか。具体的にどのようにこういう検証、評価ができるとお考えになったんでしょうか、お答えください。
#175
○大臣政務官(足立信也君) 先ほど私が申し上げたのは、国民の皆さんに対して誤解があるといけないから、ここでベリリウムの毒性についてお話ししておきますということで申し上げたわけで、委員が当然御存じであることは私は承知しております。
 そんな中で、日本にはベリリウムはないんだと。では、どうやったら日本に入ってくるかというと、これは専門的な知識、技術を有する歯科医師の方が委託する、そういう指示をするしかないわけでございますから、その段階での通知を先ほど三項目申し上げましたけれども、まずはそこでしっかりやっていただきたいということが一つでございまして、じゃ歯科医師の方々が、その作られてきたものが本当にベリリウムが入っていなくて、それが分かるかどうかといいましたら、それは分からないということは先ほど申し上げたわけで、ですから、入らないように、まずはそこで、委託する歯科医師のところでもやっていただきたいということの通知でございます。
#176
○石井みどり君 全く無意味な通知だと思います。
 まず、日本国内で発注する場合は、ベリリウムの入った金属は日本では買えない、売ってない、はっきり申し上げます、使えないんです。それは、輸出している人はいるかもしれませんが、私どもが通常は、そんなものは使えないのが通常であります。当然、JAS法で規定されたものしか私どもは使えません。それは申し上げます。
 それから、平成十七年の通達で「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて」ということで出されておられますが、この中で、使用されている歯科材料の性状等が必ずしも明確ではなく、また、我が国の有資格者による作成ではないことが考えられることから云々と記載されているんですね。
 これ、まさに厚生労働省も、海外で作成された、製作された補綴物の安全性が担保できてない、疑義があるというふうにおっしゃっているというふうに私には読めるんですね。この通達では、患者さんに説明するということも記載されているんですけれども、そもそも、安全性に疑義があるものを通達レベルだけで規制ができるというふうにお考えなのがおかしい。まさに輸入すべきではないと思います。
 それから、この通達の内容では、出口である最終の歯科医師だけが責任を負うということになっています。もちろん、歯科医師はその医療行為においてすべての責任を負うんでありますが、しかし自分が検証も全くできない、そういうことに対してまで、なぜ歯科医師だけがこの責任を負わなきゃいけないのか。これは、国外からの補綴物の輸入を認めた国の責任が私は大きいと思います。それができないんであれば、この平成十七年の通達を即座に廃止して、輸入は禁止すべきだと思いますが、もう一度、大臣の御見解を伺います。
#177
○国務大臣(長妻昭君) まず、今も御指摘いただきましたけれども、これは国外に委託するという場合の言うまでもなく措置でございまして、三月三十一日にこの通知を出させていただきました。いろいろな我々も現状把握ということを申し上げておりますので、その後この通知についてどういう実効性が担保されたのかどうか、これも我々検証をしていきたいというふうに思います。
 そして、これで終わりではございませんで、第二段階として今年の十月末をめどに、国内外問わずでありますけれども、歯科の補綴物のいわゆるトレーサビリティー、作成工程の追跡が確保されるように、歯科医師の皆さんの御意見も聞きながら対策を策定をしてまいりたいというふうに考えております。
#178
○石井みどり君 今も、トレーサビリティーの基準を今後作っていくということだろうと思いますが、ただ、もう一度確認したいと思います。
 トレーサビリティーだけで補綴物の安全性が一〇〇%確保できるとお考えなんでしょうか。中国製ギョーザの、度々持ち出しますが、そのことを考えれば、いかに微量であっても、そしてこれが経口摂取であれば安全であるという知見があったとしても、発がん性物質であることには変わりはないんですね。日本人のキャラクター、ナショナルキャラクターとして、健康とか安全に対して非常に敏感であるわけですね。そうすると、ベリリウム等の危険性がある物質が使われているということが、使われていないという証明がされるまで、やっぱり国民の方々の不安は続くわけですね。それまでは、やはり輸入禁止にすべきだと私は思います。
 まさに、国民の命と健康を守る厚生労働省としては、この証明がされるまで私は輸入を許してはならないと思いますが、いかがでしょうか。
#179
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げましたように、今年の十月末をめどに国外も含めてこの補綴物のトレーサビリティーの検討をいたしてまいりたいと考えておりますので、今おっしゃられたような論点もここで議論をしていきたいというふうに考えております。
#180
○石井みどり君 事は簡単なんですね。何も新しくトレーサビリティーの基準を策定してとか、そんなことされなくても、これは国内で歯科医師がラボあるいは歯科技工士の方に指示をして発注をして作成した補綴物は、これは完全に安全性が担保されているわけですね。だから、そもそも現行法では海外からの輸入物に対して法律の規制が及ばないわけですね。法が全く、法に穴がある、未整備なわけですね。もし、私は、輸入を続けるとおっしゃるのであれば、最優先されるべきは私は安全性だと思いますので、薬事法に明確に位置付けるべきだと思います。
 その間の位置付けのために、国内で作成した歯科技工物に関しては、私は、これまで安全性がきちんと保証されていたわけですから、国内の歯科医師又は歯科技工士に関しては、これは国家資格を持った有資格者が作っているわけですから、これは既に安全性も担保されているということで届出だけにして、海外からの輸入の物に関しては、日本並みの安全性が担保されるまで、あるいは有資格者がやっている、そういう担保がない以上、薬事法にのっとった承認申請を課すべきだと思っておりますが、その方が最も早い近道だと思いますが、いかがでしょうか。
#181
○国務大臣(長妻昭君) 今、薬事法ということでありますけれども、それについて、我々、直ちにそういう検討を始めるということではございませんで、その前にできることがないのか、今るる御指摘をいただきましたので、十月末をめどにトレーサビリティーの議論をする中で検討課題として結論を得ていきたいと思います。
#182
○石井みどり君 十月までにとおっしゃるんですが、本来、私はこの質問を委員会で取り上げること自体懸念をしたんであります。というのは、これでますます、例えばこの委員会の質疑をインターネット辺りで見られた患者さん等がやはり不安をかき立てられたりするんですね。そういうことが患者さんの必要な医療に対する受療抑制につながったり、そしてその結果、口腔内の疾病が重症化したりして、決して患者さんにとって、国民にとっていいことは一つもないんですね。
 十月までにいろいろ御検討ということですが、やっぱり今すぐできること、そして国内の法制上未整備であれば、そのやはり改正を私は当然検討されるべき、いち早く考えられるべきだというふうに思っています。
 現行法では、海外に技工物を委託するということは問題ないんですね。しかし、本来あるべき歯科医療の姿としては、安全性の担保できない輸入品に頼るのではなくて、国内で作成をすれば、国内であれば歯科医師か歯科技工士しかこれは補綴物は作成できないわけでありますので、そしてなおかつ、歯科医師と歯科技工士が近い関係で、連携の中でそういう補綴物を作成することが望ましいわけですね。
 しかし、事の本質というのは、なぜこういうことが起こるか。これは構造的な問題だというふうに思います。これは、特に今、歯科技工士の方の離職が非常に進んでいます。特に、若い二十代の歯科技工士の方は九割近くの方が本来の歯科技工士という職に就いてなく、他の職場で働くというような、そういう本当に不幸なことが起こっています。
 これは何かというと、やっぱり歯科技工士の方の処遇の問題であります。年収の低さということが象徴的だと思いますけれども、それだけでなく、長時間労働とか、あるいは今、各地の歯科技工士学校が閉校とか廃科とか、そういう状況になっています。歯科技工士の次世代の担い手が非常に減ってきて、そして技工士さんの高齢化も進んでいるという問題が起こっています。これは、まさに日本の高度な歯科医療技術の継承ということが困難になるということも懸念されるわけであります。この点は大臣も二月九日の記者会見で少し述べられておられますですね。
 やはり、国内できちんと歯科医師が指示をする、そして歯科技工士が補綴物を製作するということであれば何の問題もないわけですね。しかし、これだけ海外へ発注するということは、そこに今指摘したような問題があるわけですけれども、これは歯科補綴物の価格が医療保険上適正であるかどうかという検証も私は必要でないかと思っておりますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
#183
○大臣政務官(足立信也君) 今の御質問は、歯科技工士の方々の所得といいますか、その状況はどうなのかということかと思いますので、ちょっと質問のあれと違うかもしれませんが、お答えいたしますと……
#184
○石井みどり君 状況は分かっています。
#185
○大臣政務官(足立信也君) じゃ、答えなくていいということでしょうか。
#186
○石井みどり君 状況は分かっています。
#187
○大臣政務官(足立信也君) ちょっとよく分からないです。じゃ、質問をもう一度お願いします。
#188
○石井みどり君 海外へ発注せざるを得ないということは、まさに歯科医療の構造的な問題なんですね。適正な医療保険上の評価がなされていないんではないかという、そういうことが考えられるわけです。
 ですから、やはり歯科の補綴物の価格ということが本当にきちんと医療保険上の評価が適正なのかどうか、実態に合っているのかどうか、こういうことも検証すべきであると私は考えていますが、いかがでしょうか。
#189
○大臣政務官(足立信也君) 先ほどの大臣の答弁、十月を目途にということに尽きるんだと思いますが、じゃ、状況はどうなのかということについて申し上げますと、平成二十年度の厚生労働科学研究結果では、歯科補綴物を海外に発注した経験のある歯科医師の中で、その理由が国内で製作する技術、材料がないと最も多くの方が回答しているというまず事実もございます。
 そんな中で、補綴物の材料費も含めた歯科報酬ということにつきましては、今回、大幅な診療報酬の増加という形になりましたけれども、まだその実態としては足りないのではないかという御指摘でございますので、トレーサビリティーの件については十月、そしてまた現状のその材料、そして技術料、そして薬剤、そのような割合の中での見直しということも鋭意これは中医協でやっていただいているところでございます。
#190
○石井みどり君 御答弁の論点が少しずれていると思うんですが、歯科医療の現場から申し上げると、まず日本で通常の歯科医療を行うので手に入らない材料、そしてラボ等のそういう製作技術は普通は充足をしていると思います。よほど特殊なものでない限り、海外へ発注ということは考えにくいと思います。
 一般的なところでのお話で、私は先ほどの科研の結果でしょうか、ちょっと大変疑問を持つ数字をおっしゃったわけですが、一番はやはり、結局は安いから、国内の通常のラボで発注したりするよりもコストが安く付くからそこでということだろうと思うんですが、それは、なぜそこに至るかというところの診療報酬上の評価というところに行き着くということを申し上げているわけですね。
 ですから、診療報酬上のこういう補綴物の製作のコストが適正なのかどうかも検証をすべきだと私は申し上げているわけであります。検証されるのであれば、是非そこも含めて検証をしていただきたいと思います。
#191
○国務大臣(長妻昭君) 今月から新しい診療報酬体系がスタートをいたしました。我々重視をいたしておりますのは、今後は、この新しい診療報酬が具体的にどういう影響を及ぼしているのかと、こういう検証に力を入れていこうということで、中医協にもお願いをして検証をしていただいているところであります。
 今、国会で御指摘をいただきましたので、その件に関する診療報酬の評価が適正なのかどうなのか、それによってどういう影響が出るのか否かについても、私の方からその点についても検証項目に加えていただく検討をしてもらうようにお願いをしてみたいと思います。
#192
○石井みどり君 是非お願いをしたいと存じます。
 これは、やはり日本のような高齢社会で最後まで御自分の口腔機能を維持して、そして御自分の口腔から栄養を取っていく、そのことが本当に高齢者の方々の健康の維持に大変有効であるという、そういう知見は随分出ているわけですね。そのためにも、必要な歯科医療を受けることができるように、こういう不安を持って必要な医療の受診が抑制されることがないように、是非ここは政府の責任として取り組んでいただきたい。
 一番はやっぱり私は、輸入を、安全性が担保される、そういう方法が見付かるまでは禁止すべきだというふうに思います。国内だけで十分、はっきり申し上げて間に合うと思います。決して、国内で歯科補綴物が作成できない、輸入品を禁止したからといってそれができないという状況ではないと思います。
 海外から輸入する例えばイグサ、国産畳のようなものは、これは輸入しなければとてもじゃないけどイグサが足らない、そういうものとは全く違う。十分法に担保された歯科医師、歯科技工士が、そして安全性がきちんとクリアできたそういう材料を使って、そしてそういう製作の設備でやればいいだけの話だと思いますので、是非、大臣、その辺りをお取り組みいただきたいと思います。
 これで私の質問を終わらせていただきます。
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#193
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、梅村聡君が委員を辞任され、その補欠として平山誠君が選任されました。
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#194
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 初めに、法案に入る前に、医療の問題に関連をいたしまして、脳卒中対策につきましてお聞きをしたいと思います。
 がん、心臓病に次いで、日本人の死亡原因として三番目に多いのが脳卒中でございます。先日も、プロ野球のコーチが突然にくも膜下出血で倒れ、亡くなられるという悲しいニュースもあったわけでございます。最近では、医療技術の進歩に伴いまして、脳卒中の患者の方々は、発症から急性期、回復期を経て維持期に至るまでに適切なリハビリを行うことによりまして回復をし、社会復帰が可能となるケースも多くなっております。発症の予防とともに、患者の容体に応じて切れ目のない医療体制のネットワークが構築できるように、地域での対策が求められていると思います。
 先日、私は最先端の取組を行っております横浜市の脳血管医療センターを訪問させていただき、様々な視察をさせていただいたとともに、患者の方々とか家族の皆様方から貴重な御意見、御要望をお聞きをする機会がございました。
 この横浜市脳血管医療センターは、脳卒中の専門病院として、急性期医療から回復期のリハビリテーションまで一貫した治療を提供をしておりました。回復期のリハビリ病棟の在宅の復帰率は八三%、全国平均の六六・一%と比較しても充実をしておったわけでございます。また、二十四時間三百六十五日体制で専門医がCT、MRI等の機器を活用し診断、治療を行っておったわけでございます。
 そこで、こうした視察の中でお聞きした中で幾つかお聞きをしたいと思います。まずお聞きをしたいのは、新しい治療方法の普及促進について伺いたいと思います。
 脳卒中の死者のうち約六割を占める脳梗塞は、発症から三時間以内ならば血栓溶解療法、tPA療法で後遺症が残らずに劇的に改善する可能性があり、この療法そのものは平成十七年から保険適用がされております。しかし、副作用の危険が高くて、条件を満たした医療機関だけが実施可能と言われておりますので、治療を受けておりますのは年間約二十一万人と推計される患者全体のわずか二%に限られているということでございました。
 普及が進まない大きな要因といいますのは、まだまだこうしたことが一般市民への周知が不足をしているということとか、救急搬送体制が脳梗塞治療に適した体制になっていないということも言われております。
 そこでお聞きをしたいわけですけれども、この血栓溶解療法につきまして更に普及促進に努めるべきであると考えるわけでございますけれども、現状の状況に関しましてまずお聞きを申し上げたいと思います。
#195
○大臣政務官(足立信也君) これは、新型インフルエンザのワクチンの議論でもよくありましたけれども、なぜ三時間なのかというのがやっぱり極めて大事なところだろうと思います。有効性ということについては私も極めて高いものがあるということは目の当たりにいたしました。
 しかし、その中で、やはり合併症というものが、副作用といいますか、血栓を溶かす働きがあるわけですから、出血をさせてしまうと。この副作用が二一・七%という報告もありますし、ですから最初の診断がいかに大事であるか。しかも、その時間が三時間以内。心筋梗塞あるいは狭心症等であればもう少し長い時間がゴールデンタイムとなるわけでございますけれども、まずは時間を早くするということと診断をしっかりするということが非常に大事なことだろうと思います。そんな中で、三時間以内に的確な診断、治療ができるということで、今限定的にされているというのが現実の認識だろうと思います。
 その後のネットワークの構築につきましては、委員がおっしゃったとおりでございます。何もそれは脳血管疾患に限らず、すべての分野で必要なことだろうと思いますが、今推進のことについて周知をもっと図るべきだということがございました。これは、有効性はもちろんのこと、やはり正確な時間内と、短時間であるということと、その副作用も含めた診断がしっかりしなければいけないということを改めて周知する必要があると私は思っております。
#196
○山本博司君 この現状の対応のtPA療法の症例数というのは現実、掌握はされていないんでしょうか。
#197
○大臣政務官(足立信也君) 承認後、四年間の実施症例数の推計でございます。一年目が三千二百八十一例、二年目が五千三十二例、三年目が六千四百七十九例、四年目が七千六百九十九例で、累計で見ますと二万二千四百九十一例ということでございます。
#198
○山本博司君 まだこの療法につきまして、周知の部分も含めてまだこれからと思うわけでございますけれども、この脳卒中の患者の命といいますのは、今お話がありましたけれども、発症急性期の対応によって左右をされるということでございまして、この救急搬送と医療の連携というのが大変重要になってくると思います。
 その日、横浜市の方からもその横浜市の例をお話を聞かさせていただきました。平成二十年度から試行実施を経まして、二十一年度から脳血管疾患に対応した救急医療体制を正式に運用をして、三十か所の医療機関における受入れ体制とかtPA療法に対応可能な救急搬送体制の整備を図っていらっしゃいました。
 こうした先進的な体制というのを全国的に普及させるということが大変大事であろうと思います。救急搬送を管轄する総務省、そして医療を整備する厚生労働省の連携の仕組みをつくるということが大変求められているわけでございます。
 公明党は、平成十九年に救急医療対策推進本部を立ち上げまして、救急医療の現場視察や実態調査を行いました。脳卒中などの救急医療体制の整備を当時の総務省、厚労省の両省に要請をいたしまして、積極的に働きかけをいたしました結果、昨年の五月に消防機関と医療機関の連携で患者の適切な医療機関に迅速に対応する消防法の改正も実現をしたわけでございます。
 こうした連携体制の充実、大変重要でございます。現状どのようになっているのか、この点に関しましてもお伺いをしたいと思います。
#199
○大臣政務官(足立信也君) 三年前、十九年のときに公明党さんがドクターヘリ法案というのを熱心にやられました。そのとき私どもは、やはり救急医療を始めとした医療提供体制は都道府県が構築する、しかしながら救急に携わっている消防は市町村の単位でやると、この連携のまずさがやはり救急医療体制、業務体制としての構築が貧弱であるというような認識に立って議員立法もさせていただいたところでございます。
 そして今、二十一年五月、昨年の消防法の改正についてですが、各都道府県において、医療機関と消防機関の連携の下、救急患者の状況に応じた搬送先となる医療機関のリストなど、地域における傷病者の搬送及び受入れの実施基準を策定し、医療機関と消防機関で共有すると、そういうことになっているわけでございますが、現在、その策定が済んでいる、二十二年四月一日現在ですが、五つの都県でございまして、東京都、石川県、香川県、愛媛県、鹿児島県でございます。
 厚生労働省といたしましては、もちろん総務省、消防庁とともに実施基準を策定する際の参考となるようなガイドラインを策定し、都道府県にお示ししておりますけれども、現実はまだ五都県であるということでございます。
#200
○山本博司君 今、五の都府県ということでございますけれども、やはりこうした体制というのはしっかり推進をお願いを申し上げる次第でございます。
 また、病院での治療を経た後で、回復期から維持期のリハビリテーションの充実ということも大変地域生活を行う上で、患者のみならず家族の生活にも大きく影響を与えるわけでございます。
 墨田区の事例でございますけれども、平成二十年度から、医師会と行政及び地域リハビリテーション支援センターであります東京都リハビリテーション病院との連携によりまして、在宅リハサポート医制度、これが国の負担によりまして利用者は無料で受けられるようになっているわけでございます。リハビリの必要な区民の方々が住み慣れた地域で安心してリハビリができるようという、医療と介護の両面から支援策が取られている例でございます。
 全国的に、回復期における医療でのこのリハビリと、維持期におけるこの介護でのリハビリ、いずれもまだ絶対的に不足をしているとの指摘もございます。平成二十一年の医療と介護の報酬改定の際には、こうした点も配慮が必要であると思います。今回の医療の報酬改定でも対応がなされていると思いますけれども、更なる報酬改定を求めます。
 また、医療でのリハビリが百八十日の日数制限が設けられて、患者の皆様から、機能を維持改善していくためには大変不便との声もいただいております。
 こうした様々な問題解決へ更なるリハビリテーションの支援の拡充が必要だと思います。このことに関しましても御見解を示していただきたいと思います。
#201
○大臣政務官(足立信也君) まず、二年前の改定において、これは標準的算定日数の今お話がございましたが、これは、リハビリテーションの継続によって改善が見込まれると医師が判断した場合は、この算定日数の目安を超えても何ら今までと変わりなく継続することができるというようにまずはなっております。
 そして、今回の改定でございますが、第一に、回復期リハビリテーション病棟の入院料を引き上げました。そして第二に、休日にリハビリテーションを行える体制を取っている病棟や集中的にリハビリテーションを行っている病棟に対する入院料加算を新設しました。そして第三に、急性期医療機関から回復期に入院する病院や在宅に至るまで、あらゆる場面においてリハビリテーションをも含めた充実した医療を受けることができるよう、地域連携診療計画に基づく連携に対する評価、これを充実させました。しかしながら、様々な意見があるのは私も存じておるとおりでございます。
 個人的な意見になるかもしれませんが、私は、急性期のリハビリテーション、回復期のリハビリテーション、そして維持期という話がありますが、実は回復期というものはもっと時間が掛かる分野も相当あると。この部分は、もちろん医療での回復期のリハビリテーションという考え方もありますが、障害となられた方々の社会復帰や職場復帰のためのリハビリテーション、この部分も極めて大事だと思っています。そして、維持期というのは実はその後になるんではなかろうかというのが私の見解でございまして、そのことにつきましては今、厚生労働省内でどのような形が望ましいのか検討しているところでございます。
#202
○山本博司君 ありがとうございます。是非ともその推進をお願いをしたいわけでございます。
 今、お話を申し上げましたように、この緊急搬送体制の充実とか、専門的な医療機関の質、量両面での確保とか、リハビリ施設の整備、また国民への意識啓発、またさらには財源の確保、この脳卒中対策といいますのは、省庁を超えまして、地方自治体、医療保険者、医療従事者など、多くの国民各位の協力を得なければ解決ができない課題がたくさんあるわけでございます。
 患者会の皆様からは、がん対策基本法の経験に学びまして、脳卒中対策基本法の制定、これを強く要望され、署名活動も展開をされているわけでございます。こうした声を受けまして、国を挙げて力を注ぐためにも総合的な脳卒中対策が必要じゃないかと考えるわけでございます。
 そこで、最後に大臣の認識を伺いたいと思います。
#203
○国務大臣(長妻昭君) 今ずっと貴重な御指摘をいただきましたけれども、まずはこのtPAというのが一定の条件の中で使えば非常に後遺症を減らす効果があると、三時間以内ということで、これは周知されているようで周知されていない、御存じない方が多い。どこの自宅の近くの病院でそれができるのかどうか、こういうことを多くの国民の皆さんが理解をいただくということや、あるいは今おっしゃられたリハビリが非常にこれは重要になってくる。ただ、その前提としてもちろんきちっとした治療体制が必要であることは言うまでもありません。
 そしてもう一つは、予防ということでございますけれども、糖尿病あるいは高脂血症などなど、この前提となる成人病というか、今いろいろな健診もしておりますけれども、そこでその兆候がある方はそれを是正をするような、そういう取組をするということであります。
 繰り返しになりますけれども、一つ重要なのが、やはり迅速に的確な医療機関に搬送されるような初期の対応というのは、これは何度繰り返しても繰り返し過ぎないぐらい重要でございますので、これは消防庁おっしゃられるように、役所は違いますけれども連携をして怠りなきように取り組んでいきたいと、国民の皆さんの死因の三位がこの脳卒中でございますので、そういう取組を続けていきたいと思います。
#204
○山本博司君 是非ともこの命を守るという点での対策をお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、法案に入らさせていただきたいと思います。
 我が国の医療保険制度、すべての国民が何らかの公的医療保険制度に加入するいわゆる国民皆保険制度が取られており、国民が安心して適切な医療を受けることができるこの制度は国民生活の安定に大きな役割を果たしております。
 今回の改正案の基本的な考え方につきましては、財政状況の悪化に苦しむ市町村国保を始めとする各医療保険制度に対して保険料の上昇をできるだけ抑制しようとするものであり、一定の評価ができるのではないかと考えます。
 しかしながら、こうした中、やはり問題がありますのは総報酬の導入でございます。
 今回の改正案では、平成二十二年度から二十四年度までの間の特例措置として、協会けんぽの行う療養の給付等に関する国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げるために必要となる財源を確保するために、被用者保険が負担する後期高齢者支援金の算定方式の三分の一について総報酬割を導入することとされたわけでございます。この結果、協会けんぽの負担する支援金に対する国庫補助が約九百十億円、平成二十二年度につきましては六百十億円程度削減することになったわけでございます。これは、本来、国庫で負担をすべきものであり、健保組合や共済組合の加入者に実質的に負担を肩代わりさせるのであれば、納得を得るための努力を尽くすべきではなかったかと思うわけでございます。
 この問題につきましては、社会保障審議会医療保険部会における議論、平成二十一年十二月四日、十二月八日の二回行われたと伺っております。この議論の中では、総報酬制への支持を示す方がいる一方、負担増となる健保組合側からは強い反対が示され、高齢者医療制度の見直しと併せて議論するべきとの意見も出されたわけでございます。これは余りにも拙速な議論ではなかったかと思います。平成二十二年度の予算編成時期であったとはいえ、もっと当事者間の意見を聞くために時間を掛けて丁寧な議論をすべきではなかったかと考えますけれども、この点に関しましての認識をまずお伺いをしたいと思います。
#205
○副大臣(長浜博行君) 先ほど来議論が出ているところだというふうに思っております。
 医療保険部会の開催日数、先生今二回というお話でありましたが、十一月十六日、十二月四日、十二月八日と三回にわたって議論をさせていただいたところでございます。拙速ではなかったかという御指摘でありますが、スピーディーに処理をせざるを得ない状況であったことは事実でございます。二十年秋以来、まあリーマン・ショック以来の経済の影響が大幅に出る状況の中において、過去の協会けんぽにおける積立金の剰余金もなくなる状況の中において、四千五百億の借入金を起こしているような状況の中においてどうして対処していくのか。もちろん、現在この場で審議をしていただいておりますが、先生御承知のように、年末の十一月から十二月にかけて予算編成をしなければいけない、その予算折衝の過程の中において、この予算関連法案のもちろんスキームを盛り込んだ形での財源を確保しなければいけないということで、大変ぎりぎりの財務当局との交渉をしていたことも事実でございます。もちろん、両石井先生の御指摘にもございましたように、国庫からの真水財源をすべて投入できればそれが、まあ表現が悪いんですが、よろしいのかもしれませんですけれども、限られた財政状況の中において、先生よく御承知のように、今回の二十七兆円という厚生労働予算というのは、大変巨額な金額の中におけるその財政選択の中において、先ほど御説明をいただいたような形でのスキームを取りながら国庫財源も投入するというぎりぎりの交渉をしたわけでございます。
#206
○山本博司君 午前中の参考人の方々のお話も含めて、納得をされていないという現実があるわけでございます。
 この後期高齢者支援金に関しましては、これまでに被用者保険であります健康保険組合、協会けんぽ、共済組合から後期高齢者医療制度に対して毎年三兆円を超える支援が行われておりまして、加入者の人数割で支援割合が決められておりました。
 これに対して、今回の改正案では、平成二十二年度から支援金の三分の一相当の部分を総報酬割として割合を決めることとしているわけです。その結果として、相対的に報酬が多い健康保険組合の負担が増加しているため、健保組合の側から見れば、高齢者医療のために国庫補助の削減をサラリーマンが肩代わりしていると言われているのでございます。高齢者の医療費をどのように負担をするかという制度の問題であるならば、現在行われている高齢者医療制度の見直しの中で議論をすべき課題であったと思います。
 政府の高齢者医療制度改革会議において議論が始まった段階で制度の基本を唐突に変更することに違和感を持っている、また政府の対応に不信感を感じている、今日の午前中の参考人の方でもそうですけれども、多くの声が数多く上がっているわけでございます。なぜ高齢者医療制度の見直しの結論が出る前にこのような提案をしたのか。この時期に提案をした理由、これを明快に、もう一度お願いをしたいと思います。
#207
○副大臣(長浜博行君) 御指摘のように、高齢者医療制度の改革と同タイミングであるならば、当然その高齢者医療制度改革の中での財源負担の問題と答えが一緒に出せたのかもしれません。しかし、現在申し上げているところは、高齢者医療制度を待つ時間的余裕がない状況の中における急速な協会けんぽの財政悪化の状況の中において、かねがね議論があったところの総報酬割、応分負担の被用者保険の中における分担ということで今回こういう方法を取らさせていただいたわけでございます。
 先ほども申し上げましたけど、平成二十一年の三月、舛添厚生労働大臣主宰の高齢者医療制度に関する検討会の中においても、支援金について被用者保険の中では保険者間の財政力に応じての応能負担にすべきとの意見がございましたし、先ほどの医療部会の中においても、もちろん健保連の皆様も参加をされているし、協会けんぽの方も参加をされているという状況の中での議論の中でありましたが、こういった議論は続いていたわけでございます。
#208
○山本博司君 様々な意見が出されていたわけでございますけれども、平成二十一年の十二月二十三日に協会けんぽの国庫負担及び診療報酬改定について決定をしたわけでございます。
 今回の改正案が通ることになりますと、医療費の適正化等に積極的に取り組み、医療保険制度を支えてきた健保組合の役割、努力を無視することにもなりかねないわけでございます。主に大企業の従業員が対象であるとはいえ、健保組合の財政状況は、午前中の参考人のお話ありましたけれども、悪化の一途をたどっております。今年度でも約九割の組合の収支が赤字になり、経済状況の悪化によって保険料収入の減少が顕著になり、赤字総額は約六千六百億円にも上る見込みとなっておるわけでございます。
 このような状況の中で、協会けんぽへの国庫負担軽減分を健保組合にも、今日の午前中でありましたけれども、合意を得られないままに一方的にお願いをすることに結果としてなってしまったことというのは、適切な選択とは言い難いのではないかと思います。これも与党の民主党の津田委員からも御指摘がございましたけれども、合意を得るためにもっともっと努力をすべきではなかったかと思いますけれども、この点に関しまして、いかがでございましょうか。
#209
○副大臣(長浜博行君) 言い訳をするつもりはございません。合意を得る努力をもっともっと続けてまいりますので、大変厳しい財政状況の中でということは午前中の質疑でも御理解をいただけている部分だと思いますので、この法案を出しているからこれでもう話をしないということではなくて、先ほど来申し上げておりますように、私の方から何度でも御説明に上がるつもりでございますし、努力は続けさせていただきます。
#210
○山本博司君 このようなやはり拙速な議論ということが合意を、難しくなっているという状況だと思うわけでございます。この国民皆保険制度を支えてきた健保組合の関係者、加入者の努力に報いるべく、後期高齢者支援金の一部の算定方法にこの総報酬制の導入、これをやめるべきではないかと思います。
 また、二〇%まで国庫補助率を引き上げるべきとの主張も理解できるわけでございますけれども、厳しい国家財政の状況も考慮すべきでございます。今回は一六・四%への引上げが限度であること、保険料負担が増加してしまうことにつきまして、協会けんぽ加入者の十分な理解を得られるように調整に努める必要があると思います。
 そうした状況を考えますと、今回は、少なくとも協会けんぽ国庫補助率一六・四%の引上げに必要な財源はすべて国が負担すべきと思います。子ども手当の支給に要する費用と比較しましたら、さほど大きな額ではないと考えるわけでございます。
 この点に関しましては、大臣にお聞きをしたいと思います。
#211
○国務大臣(長妻昭君) 今の御質問につきましては、ぎりぎりの国庫負担、そしてそれに加えて総報酬割ということで、いわゆる応能負担の考えを一部導入をさせていただいて保険料の上昇をぎりぎりまでできる限り抑えていこうと、こういう発想で取り組んだわけであります。
 それで、子ども手当の話でございますけれども、これは確かに、子ども手当の緊急性、目先を考えますと、そういう緊急性という意味ではそういう議論もあるのかもしれませんが、これまでの歴史で結局、目先のこういうことが緊急だから子供に掛かる予算は後回しにしよう、後回しにしようということで、結果的に先進七か国で出生率が最低、GDPになっても子供に掛ける予算が最低レベルになってしまったということで、もう四十五年後の推計では一人の現役が一人のお年召した方を支えるということで社会保障の担い手がいなくなってしまう、少なくなってしまうということがもう目に見えている中で、やはり子供のこういう問題というのはあした今日の緊急の課題ではないかもしれませんけれども、そういう議論を積み重ねて結局、先送り先送りで、いつになってもその予算が付かないと、こういうことを繰り返してきたのではないかというふうに考えております。
 どちらも重要な問題でございますけれども、我々の政策判断の中で今回の提案をさせていただき、ぎりぎりの財政の中で極力、保険料上昇を抑えると、こういう取組をさせていただいているというふうに御理解をいただきたいと思います。
#212
○山本博司君 答弁にほとんどなっていないと思うんですけれども。
 やはり、先ほども石井委員とか様々そのお話がございました。やはり、この問題に関しては真正面から取り組んでいただきたいと、こう思うわけでございます。
 この健康保険組合、大変厳しい財政状況にあるということで、この財政力の弱い健康保険組合の後期高齢者支援金とか前期高齢者納付金に係る負担の軽減、これを図る必要があると思います。その意味で、負担の軽減策、このことの見解をお聞きをしたいと思います。
#213
○副大臣(長浜博行君) 財政が窮迫をしている健保組合への国庫補助の問題でありますが、二十二年度予算で二十四億四千万円、前期高齢者納付金等の負担が重い健保組合に対する助成、これは百六十から倍増しまして三百二十億円の予算措置をしているところでございます。
 従前の議論にもありましたとおり、この支援措置は与野党なくこの厚生労働委員会の中での強い要望だというお話も先ほど出ていたようでありますので、来年度の予算折衝の中においても、先生の御質問の趣旨を生かして折衝をしてまいる次第でございます。
#214
○山本博司君 是非ともこの健保組合、財政大変厳しい状況の部分ございますので、そうした軽減策、お願いを申し上げたいと思います。
 次に、国保の財政状況についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正におきまして、前政権で行っておりました国保の財政支援措置の延長がなされているわけでございます。すなわち、暫定措置となっている保険基盤安定制度、国保財政安定化支援事業、高額医療費共同事業及び保険財政共同安定事業、それに係る平成二十一年度までの期限、四年間延長し平成二十五年度まで継続することとしております。
 現在、多くの市町村、今日の午前中の参考人の方からのお話ございました、一般会計からの法定外の繰り出しを行っておりまして、平成二十年度決算においては、その総額は約三千七百億円となっているわけでございます。依然として厳しい財政状況が続くこの市町村国保からは、これら国保の財政基盤強化策の期限の再延長について要望が出されているところでもありました。
 このため、今回の改正に対しましては、財政状況が厳しい市町村国保に配慮した措置として評価する意見も出されておりますけれども、課題といいますのはこれは抜本的な解決策でございます。暫定的な措置、これを恒常的な措置とすることに含めまして、国保に対する国庫補助を更に増やす、また市町村国保の抜本的な問題解決策、このことに関しましてどう取り組むべきお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
#215
○国務大臣(長妻昭君) 国保の抜本的な改善ということでございますけれども、この厳しい収支というのは言うまでもございません、二十年度の収支は約二千四百億円の赤字ということでございます。これについて、我々はまずは本法案でも広域化を一定程度進めていくということを申し上げ、そしてさらには、前から続いているこの財政基盤強化策の延長に伴う公費の負担額二千五百四十億円、年間でございますが、これを引き続き続けていくということについて取り組んでいくということであります。
 そして先ほど来、答弁申し上げておりますけれども、国保固有の、特有の課題について、これについては今までこういう調査はしておりませんでしたけれども、各国保を選んで特有の課題についての調査をして、どういう改善策がピンポイントで打つことができるのか、こういうことも検討をしていくということであります。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 いずれにしましても、大きい改革といたしましては、後期高齢者医療制度に代わる新しい医療制度、これを打ち立てていくということでありますので、その議論の中でも国保の体力強化、そして広域化、こういう議論が出ておりますので、その中での御議論を見て、我々も対策を強化をする点があれば強化をしていきたいと思います。
#216
○山本博司君 今、問題解決の一つということで、広域化の推進が重要だということがありました。この被保険者が特に少ない小規模の市町村国保、これは高額な医療費が発生することで財政運営が急激に不安定になるという構造的な問題を抱えているわけでございます。平成の大合併によりまして、市町村国保の保険者数は大幅に減少しておりますけれども、それでも財政基盤の強化のためには更なる広域化が求められていると思います。
 そこで、今回の改正では、市町村国保の都道府県単位化を進めるための環境整備として、都道府県が市町村の意見を聞きつつ、新たに広域化等支援方針を策定ができるようになっておりますけれども、具体的に都道府県単位化をどのように進めていくおつもりでしょうか。
 また先日も、総務委員会との連合審査がございまして、地域主権改革法案について議論をいたしましたけれども、市町村国保の広域化はそもそも市町村の自主的な判断にゆだねられているものでありまして、都道府県の市町村に対する関与はこの地方分権、地域のことは地域で決めるという、こういう大きな流れに逆行するのではないかと、こうした指摘もあるわけでございます。この点につきましてもどのようなお考えなのか、お示しをいただきたいと思います。
#217
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいた点は貴重な御指摘だと思います。
 地方自治ということで、今、国保は市町村単位でそれがなされているということでありますが、その一方で、余りにも規模が小さい保険者と中規模の保険者と混在をして、格差が開き過ぎているんではないか。
 これ平成十九年度の数字ですけれども、一年間当たりの保険料額の最高が秋田県の大潟村で十二万一千四百三十九円、最低額が沖縄県の粟国村で二万三千六百三十三円ということで、五倍、最高と最低で開きがあるということでございまして、これについて、やはりもう少し安定的に運営をするためには規模を一定程度確保しようということで、そういう意味ではなじみのあるというか、一つの区切りである都道府県が適当ではないかということで、今回、広域化を支援するための広域化等支援方針、これは都道府県が決定をするわけでありますが、もちろん市町村の意見も十分よく聞いて決定をするということで、運営事業の広域化、財政運営の広域化、都道府県内の標準設定と三つのカテゴリーに分けて、それぞれ詳細な項目について、都道府県が音頭を取って、こういう方針を決定するということになっているところでありまして、まずこういう方策から進めて都道府県のリーダーシップを発揮していただくような、そして地方自治体の自主性も尊重していくような、そういうまず取組を進めていきたいと思っております。
#218
○山本博司君 ちょっと時間がありませんので飛ばして、最後の質問をしたいと思います。
 社会保障の今後ということでお聞きをしたいと思います。
 医療、また年金、介護、福祉、この社会保障制度の、安定的に運営され、万が一のセーフティーネットが構築されてこそ活発な経済活動も行うことが可能になり、我が国においても経済成長を目指すことができると思います。アメリカでは、この国民皆保険の第一歩となる医療保険制度の改正を成立させ、オバマ大統領が署名をしたという報道もございました。我が国の医療保険制度はいずれの保険者にとっても大変厳しい財政状況にございます。安定的に運営がなされるような不断の見直しを行い、国民皆保険制度を堅持することが大変重要でございます。
 この点に関しての大臣の見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#219
○国務大臣(長妻昭君) この皆保険というのは、本当に日本が誇るべきものだというふうに思います。よく、社会保障の充実と経済成長は両立しないと、こういうことを言われる方もいらっしゃると思いますけれども、私は、経済成長の基盤をつくるものが社会保障であると、こういう考え方ができるのではないかというふうに考えております。
 そのためには、やはりその制度の不断の見直しと、そして財源を確保するというのは言うまでもありませんが、その財源については、税金あるいは保険料、窓口の自己負担、あるいは国の財政でいえば、経済成長をして税収を上げるか、あるいは借金をするか。
 非常に、財源というのはどこから持ってくるかというのは限られているわけでございますので、国民の皆さんの御理解をいただいて、何しろ浪費をなくすというのは大前提でございますけれども、それについても、政府の中で、今後の将来像を示すような議論をしていきたいというふうに考えております。
    ─────────────
#220
○理事(森ゆうこ君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森田高君が委員を辞任され、その補欠として川上義博君が選任されました。
    ─────────────
#221
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今日、協会けんぽの問題に絞ってお聞きをしたいと思います。
 この料率の引上げの原因なんですが、改めて確認をしたいんですけれども、これは協会けんぽの財政悪化ということですが、主な原因ということでいうと、これは加入者の所得の大幅な減少ということが主な原因ということでよろしいんですね、大臣。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
#222
○国務大臣(長妻昭君) いろんなこの原因の分析というのがあると思いますけれども、やはり景気悪化による給与の急激な落ち込みというのもある。あるいは、高齢化等による給付費の伸びもありますし、一部新型インフルエンザの流行というのもございます。そういう中で、やはり一番大きいのは景気悪化のお給料の下げということだと思います。
#223
○小池晃君 給与が減っていることが最大の一番大きい理由だというふうに大臣もおっしゃった。これが、保険料がそういう中で上がるということになります。医療保険料で一・一%、それとは別に介護の保険料も〇・三%の引上げだと。協会けんぽの加入者の平均総報酬額は三百七十四万円ですが、局長、平均総報酬の加入者の負担増は医療保険と介護保険でそれぞれ幾らになるか、数字をお示しください。
#224
○政府参考人(外口崇君) それぞれの負担額の増でございますけれども、協会けんぽの平均的な年収である三百七十四万円の場合で、労使合計で医療分は約四万三千円の増、介護分は約一万二千円の増、合計で五万四千円の増となります。本人分はこの半分となります。
#225
○小池晃君 ちょっと具体例を紹介すると、私ども聞いた話では、地下鉄の清掃職場で委託会社に勤務して働いている労働者、五十三歳の男性なんですが、年収は税込みで百六十万円、月十三万四千円でもう生活保護水準を下回る暮らしをされています。もう文字どおり、つめに火をともすような暮らしです。こうした方に対しても、健康保険料、介護保険料の値上げということになります。この方の場合、年間で本人分だけで一万一千七百円ということの負担増ということになるんですね。
 私は、もう今のこの経済情勢の中で給与は減っている、雇用も非常に不安定になってきている、中小企業の経営も大変です。そういう中で、仕事が減り、給料が下がっているときに医療、介護の保険料の引上げということが追い打ちを掛けるような事態になるわけで、大臣、これやっぱり日本経済にとっても消費冷え込ませて影響を与えていくということについての認識はございますか。
#226
○国務大臣(長妻昭君) これは、保険料についても、一円も上がらないということがそれは理想であるというふうに思いますけれども、ただ、これは助け合い、共助でございますので、一定のルールの下その保険料を分かち合って、それぞれ医療なら医療、これが安心に受けられるようなそういう仕組みであるわけであります。
 その中で、ただ、今おっしゃったような経済に悪影響等々の懸念もありますので、その上昇をでき得る限り抑えるようなそういう対応を取っていくということで、今回、例えば協会けんぽについては国庫補助率を上げさせていただいたというわけでありますが、ただ、医療に掛かる財源は税金か、保険料か、自己負担か、そういうところでぐるぐるある意味では回りながらそれに財源が措置をされるということでありますので、我々としては、景気回復、そして税収が伸びるような経済成長、これも重要な課題だということで取り組んでいるところであります。
#227
○小池晃君 その景気回復にこういう形というのは一番冷や水を浴びせることになるんではないかと、やっぱり景気の根本は消費ですからね、内需ですからね、やっぱりそういったところに一番、それで、分かち合う、分かち合うといっても、それは一番弱いところに配慮をすると。そういったところは、やっぱりできるだけこういう痛みが襲うようなことを避けるのが政治の責任であって、みんなが分かち合うだったら、それ自民党の政権のときと同じじゃないですか。そういうやり方は駄目だということを言って政権交代したんじゃないんですか。やっぱりそういう意味では、私はこれでは国民は納得しないというふうに思いますし、こんなことをやったら景気の回復ますます遅れるというふうに思いますよ。
 しかも、これ今後も更に協会けんぽの保険料上がることが見込みでもう出ているわけです。この特例措置は三年間ですが、その間の協会けんぽの保険料率の見通し、数字を、保険局長、お願いします。
#228
○政府参考人(外口崇君) 全国健康保険協会では、今回の特例措置による平成二十二年度の保険料率九・三四%を基にして、平成二十四年度までの全国平均の保険料率について、今後の医療給付費の伸びや賃金上昇率についての一定の前提を置いて複数のケースについて試算をしております。
 これによれば、賃金上昇率の見通しに応じて、平成二十三年度の保険料率は九・六%から九・八%、平成二十四年度の保険料率は九・九%から一〇・二%とされております。
#229
○小池晃君 年々上昇し続けるという想定になっていまして、最悪の場合、二〇〇九年、八・二%だったものが、二〇一二年には一〇・二%にまでなると。協会けんぽの保険料率が一〇・二%になった場合に、今年度と比較して平均で医療保険料は幾ら上昇するんでしょうか。
#230
○政府参考人(外口崇君) 保険料率が平成二十二年度の協会けんぽの全国平均である九・三四%から一〇・二%となった場合、平均的な年収である三百七十四万円のケースでは、労使合計で年間約三万二千円の引上げとなります。本人負担分はその半分となります。
#231
○小池晃君 ですから、先ほど言っていただいた昨年度からの数字四万三千円を加えると、七万五千円の上昇になるわけです。しかも、保険料率の引上げは一〇・二%で打ち止めにはなりません。今回の法改正で上限が一〇%から一二%に引き上げられます。
 そこでお聞きしますけれども、平均総報酬額の加入者が今年度三十四万九千円の保険料を負担することになっていますが、これが仮に改正後の上限一二%となったら保険料はどれだけ上昇するんでしょうか。
#232
○政府参考人(外口崇君) 保険料率を平成二十二年度の協会けんぽの全国平均九・三四%から仮に一二%となった場合には、平均的な年収である三百七十四万円のケースでは、労使合計で年間約九万九千円の引上げ、本人負担分は約五万円となります。
#233
○小池晃君 ですから、今回の法改正というのは、最高で十万円、九万九千円とおっしゃったけど、まあほとんど十万円。この負担増を押し付けるという仕組みになっていくわけであります。
 政府が協会けんぽの財政を再建するという三年間に保険料は上昇していく、その一方で国庫補助率は一六・四%で三年間固定をされるんですね。保険料率は上昇し続けるのに、国庫補助率は、これ一六・四%で固定するというのはおかしいじゃないですか。本則に戻して、それはこれから三年間だっていろんな経済状況の変化や、国民の暮らしの声、いろいろ上がってくるでしょう。そういったものにこたえて本則で二〇%まで国庫補助を行っていくと、これがこの法律の仕組みなんですよ。
 ですから、そういう点でいうと、私はこんな一六・四%で、一方で、保険料は上限引き上げておいて国庫補助率は一六・四%で固定するというのはおかしいと。しっかり、これ国民の声に、生活実態、経済状況に応じて引き上げていくという、そういう姿勢を示すべきじゃないですか。
#234
○国務大臣(長妻昭君) これは御存じのように、国庫補助率は、平成四年度以降、本則ではなくて暫定的に一三%に引き下げられたままずっと続いてきて、今回、まずは本則で、確かに本則に幅があって、その一番低いところではあるものの一六・四%に引き上げると、こういう措置をさせていただいたところでございます。
 その中で、まあ健保連の健保組合については、応能負担という考え方の下、いろいろ御批判はいただいておりますけれども、この総報酬割というのを導入をし、非常に財政も厳しい中、ぎりぎりの財源捻出を行って国庫負担も純増をさせていただいたということでありまして、当然、今後仮に協会けんぽが更に危機的な状況に何か陥るということが万が一あるとすれば、それはそれで我々としても対応を考えなければなりませんけれども、ただ今は、数字上はですけれども、若干いい兆しの数字が出てまいっておりますが、まだ自律的に景気が持ち直す、回復するというところまでは行っておりませんので、それについて我々もサポートする政策を打ち出すということであります。
#235
○小池晃君 一六・四%にするっていっても、本則で戻すわけじゃないんですよね、これ固定しちゃうわけですから、三年間は。それはおかしいではないかと私、言っているんです。たとえ一六・四%に今年なったとしても、本則に戻しておいて実態に合わせて引き上げるという、もう本来の法律の在り方でやっていくべきではないですかと言っているんですよ。今、将来はとおっしゃったけど、でも将来はというけど、三年間は一六・四%で固定化しちゃうわけでしょう、それはおかしくないですかと、もっと機動的に経済実態に合わせて上げるという仕組みを、これは法律にはちゃんとそういう仕組みになっているんだから、それが健康保険法の趣旨なんだから、それでやるべきではないですかと私は言っているんですよ。
 結局、それしないということは、今後三年間については更なる支援はしないということになるんじゃないですか、どうですか。
#236
○国務大臣(長妻昭君) この三年といいますのは、三年の中で協会けんぽの財政を一定程度立て直していこうということで、もう関係者含めて、昨日も協会けんぽについての省内事業仕分をして、もう本当に無駄は少しでもあってはならないということも含めて再建をする三年間であるということであります。
#237
○小池晃君 ちょっと答えになっていないよね。やっぱりこれじゃ駄目ですよ。
 上げることは分かっているんですよ。一三%に据え置いてきた前政権の責任は私も重大だと思いますよ。だから、それは、私たちは、でもそれ批判してきたわけだから、これを言う権利は十分あると思っていますし、これ上げるべきだと思いますよ。一六・四にしたのはいいんだけれども、何でここで三年間頭打ちにしちゃうんですか、おかしいじゃないですかと。
 しかも、その実態見れば、健保組合の平均保険料率は七・六二%ですよ。それに対して協会けんぽ九・三%今回なる。これ結局、実態見ると、二〇〇八年度決算で比較すると、標準報酬総額で健保組合は五百四十四万円、それに対して協会けんぽは三百八十五万円ですよ。
 報酬が低い協会けんぽの方が報酬の高い健保組合より一・七%も高い保険料率になっているわけですね。だから、非常に深刻な事態になっているわけですよ、保険料の負担が。この矛盾を解決することは待ったなしじゃないですか。その点でこの三年間固定したままというんじゃなくて、この問題を解決するのはやっぱり国庫負担しかないんですよ。だから、これを引き上げていくということを、この健保組合、組合健保の今の実態と照らしても、やっぱり国の責任そこでもあるんじゃないですか、国庫負担を引き上げていくという責任、この矛盾を解消するためにも。その点はいかがですか。
#238
○国務大臣(長妻昭君) 今、協会けんぽと健保組合の格差の話がありましたけれども、やはり今おっしゃられたように、それは報酬の平均額が違うと、そういうこともあって、今回、総報酬割を導入一部させていただいたということで、応能負担の考え方をお願いをしていくということが一つであります。
 そして、この三年間でありますけれども、これは単年度収支均衡の原則を緩和して平成二十一年度末の累積赤字については二十四年度までの三年間で解消できるようにするということで、これはもう関係者一同全力で取り組んでいくということを我々考えておりますので、その意味でこれらの措置と併せて附則に位置付けているものであります。
#239
○小池晃君 ちょっとそれでは納得できないですね。やっぱりこれはこういう形で三年間固定化して一六・四%から一歩も出ないというのは、私は国民の生活が第一という民主党の政策に照らしてもこれでは納得はいかないというふうに見られても仕方ないと思いますよ。
 それから、財源の問題でちょっと細かいところに入っちゃうかもしれないんですが、人件費の問題で、これは政管健保から協会けんぽに移る二〇〇六年の法改正の審議のときに私、この問題も指摘をして、政管健保の場合は人件費は国庫負担なわけですが、協会けんぽになるとこれは事務費は保険料、国庫負担ということになる。当時、水田保険局長は、国庫負担の取扱いをよく検討していくんだというふうにおっしゃっていました。
 局長、お聞きしますが、現在、協会けんぽの人件費は幾らなんですか、この人件費に対する国庫負担というのは、人件費に着目した国庫負担というのはなされているんですか。
#240
○政府参考人(外口崇君) 平成二十二年度における協会けんぽの常勤職員の人件費は、健康保険勘定分で約百五十三億円であります。この人件費の財源については、これに直接着目した国庫補助は行われていないものの、人件費を含む事務費約二百七十四億円に対し、百二十一億円が国から措置されているところであります。残りについては他の被用者保険と同様に保険料財源で賄われております。
#241
○小池晃君 こういう問題、保険料を人件費に使わないというのは年金のときも大分話題になったわけですよ。これは額的にいうとそれほど、全体の割合でいうとそれほど大きな割合ではないかもしれませんが、私はやっぱりこの問題、人件費を保険料で負担させているようなやり方、長妻大臣、こういうのは一番厳しく批判してきたんじゃないですか。これ、このままでいいんでしょうか。
#242
○国務大臣(長妻昭君) これは協会けんぽは、政府管掌健康保険ということで社会保険庁が担ってきたものでありまして、それが協会けんぽという組織に変わったということでありまして、これは普通の健保組合と同様の扱いのルールを適用するということで、一定の事務費に対しては一定の要件で掛け算をして、それは国費をお支払いして支援をしていくと。ただ、一定の部分については自前で賄っていただくと。こういうようなことで、今局長が申し上げたように、百二十一億円事務費については国から措置をしているということであります。
#243
○小池晃君 どうもちょっと野党のとき言っていたことと違うじゃないですか。こういう保険料は医療のために使うんだと、年金のためだけに使うんだというふうにおっしゃっていたのに、これはもう仕方がないんだと、こういう仕組みなんだというのは、これ国民的にも納得得られませんよ、それでは。それでは駄目だというふうに思います。
 それから、総報酬割のことを最後に問題にしたいんですが、結局、先ほどからも議論あるんだけれども、やっぱり結局、先ほどからの話聞いていると、国庫補助引き上げる半分の額をやっぱり生み出すために総報酬割を導入したとしか思えませんよね。これはどう考えてもそういう構図になっている。
 ちょっと一点聞きたいんですが、この総報酬割導入に伴って削減された国庫補助額、これを協会けんぽの医療費の国庫補助に充てた場合は、補助率にすると何%になるんでしょうか。
#244
○政府参考人(外口崇君) 国庫補助率に換算すれば、約一・七%分に相当します。
#245
○小池晃君 今日の参考人質疑でも大分問題になって、総報酬割自体が悪いと言っているわけじゃないんだと健保連もおっしゃっていたんですね。やっぱり、その議論の進め方が問題だし、大体、これを国庫負担引き上げるための財源に肩代わりするというのはおかしいではないかと。私はもう本当にそうだと思いますよ。だから、今日もちょっと参考人のとき言ったんだけれども、一緒に招待されて飲み屋に行って、終わって会計に行ったら、いきなり割り勘ですというふうに言われたような、そういうふうに受け止めるって、しようがないでしょう、そういうふうになっても。これは、やっぱりこれではけしからぬという声が上がるのは私は当然だというふうに思います。
 本則補助率の下限、一六・四%にするというのは、私、国の当然の責任だというふうに思っていますし、今の先ほど言ったような保険制度間の格差是正のための責任、あるいは現下の経済状況、こういったものを考えれば、更に上積みをするというのは国の責任だと思います。
 ですから、一三%から一六・四%の引上げに必要な財源千八百億円は、この部分だけでもせめてこれは一般会計から充てていくということをすべきではないのかと。そして、更に総報酬割で浮いた財源は更に上積みに使うとか、せめてそういったことできないのか。そうすれば、先ほどあったように一・七%分になるんだから、一六・四に加えて、一八・一%というふうになるわけですよ。これでいいというわけじゃないですよ。
 しかし、そういったことを含めてやらないと、この一六・四にするための財源を総報酬割で浮いた財源使うというのは、どう考えたって納得得られないじゃないですか。どうですか。
#246
○国務大臣(長妻昭君) 私どもの考え方というか、当時、予算編成の中でも議論がありましたのは、大変厳しい財政状況、国の財政状況の中で、やはり国の出せる国庫負担というのはどのぐらいだろうかと。それに加えて、じゃ更に協会けんぽの保険料の上昇を抑える、そういう手だてはないのか、あるのかと。こういうような形で今回、応能負担の発想をお願いをしているということでありますので、何か、国庫負担を削って、あるのに削って、そちらに肩代わりしたということではありませんで、それに加えて、協会けんぽの保険料の上昇をでき得る限り抑えるという、そういうぎりぎりの中で今回の法案も提出をされているということであります。
#247
○小池晃君 納得できませんが、終わります。
#248
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。
 保険財政、大変厳しい話が続いております。その中でも、国民健康保険、高齢の方、あるいは年金受給者、無職の方が占める割合が非常に多くて、財政的にも大変厳しい状況にあると。今日も午前中、参考人の方から、国保財政、実質的に破綻と、こういう話もございました。
 今回の改正におきまして、不安定な市町村の国保財政の安定化に向けた一つの方策といたしまして、都道府県が国保事業の運営の広域化、国保財政の安定化を推進するため広域化等支援方針を策定できるようになると、これが一つの柱になっているわけであります。
 広域化につきましては、後期高齢者医療制度で広域連合を保険者とする取組が行われたわけでございます。広域連合につきましては、当時、野党共同で提出をいたしました後期高齢者医療制度の廃止法案、この審議の、論議の過程でも様々な異論が提起をされておりました。私もその広域連合は、保険者機能、これを十全に発揮できていない、これではできないんではないか、責任があいまいになるのではないか、住民の声がしっかりと反映しているのかどうかという点で、疑問の考えを持っている一人でございます。
 後期高齢者医療制度における広域連合の保険者機能について、大臣はどのような評価を今現在されておられますでしょうか。
#249
○国務大臣(長妻昭君) 非常に重要な御指摘だと思います。私自身は、この広域連合については保険者機能が十分に発揮されていないんではないかと、こういうことを考えておりまして、一つは、広域連合の長が住民から直接選ばれていないので運営責任がなかなか明確になっていないんではないか、あるいは保険料の徴収等を行う市町村に対する調整機能が働きにくいんではないか、あるいは保健事業については住民に対するきめ細やかな事業展開が図りにくいんではないかなどなどであります。
 我々としては、こういう課題もありますので、これも後期高齢者医療制度に代わる新しい制度を議論する非常に大きな論点としていろいろな意見を今いただいているところでありまして、やはり保険者機能が効くという前提の広域化ということが重要だと思います。
#250
○近藤正道君 法案における国保事業の広域化等支援方針とは、具体的にどのようなものなんでしょうか。国民健康保険制度の広域化について、今回の法改正の意義、今後の取組の方向性はどのようになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#251
○国務大臣(長妻昭君) 今御審議をお願いしております法律で、大きくは三つありまして、一つは事業運営の広域化に向けて、各保険者が医療費適正策、収納対策等について共同して取り組む。各保険者というのは、都道府県の中にある市町村国保でございます。
 そして、第二に、財政運営の広域化のために、高額な医療費について市町村が負担を共有する事業の対象となる医療費の範囲を拡大するというのを、この都道府県に一定のリーダーシップを発揮をしていただく。そして、都道府県内に、現在は市町村ごとに異なっている保険料算定方式の統一を進めたり、保険料収納率の目標を都道府県がリーダーシップを持って定めたりするということでありますが、当然、市町村の意見もよく聞いて、今は市町村が主体の国保でありますので、あくまでもそこで関与をして議論をして、そこで決定をするということ。
 そして、もう一つは、広域化等支援方針というものについて、都道府県が、市町村の意見を聞きつつ国保の都道府県単位化に向けた三年から五年程度の支援方針を策定するということで、これはかなり細かく、いろいろな項目について、こういう目標を、都道府県が主語となって、当然、意見を聞きながら策定するということが盛り込まれております。
#252
○近藤正道君 今の広域化の支援方針の中で、とりわけ医療費適正化策というのはどのようなことを考えておられるんでしょうか。
#253
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げた広域化等支援方針、この支援方針というのもまだ仮の名前でございますけれども、この中の(1)の事業運営の広域化の中に医療費適正化策の共同実施と、こういう項目のお尋ねだと思います。
 これについてはいろいろなことが考えられますが、例えば例を挙げるとすれば、都道府県が地域の実情に応じて判断するというのが前提でありますけれども、同じ病気で複数の医療機関を重複受診している加入者を指導するためのレセプト点検を共同で例えばやりましょうということや、あるいはジェネリック医薬品を使用した場合にどの程度負担が減少するか試算した通知を共同で出していきましょうとか、例えば加入者の特定健診の受診率向上を目的とした共同でキャンペーンをこの市町村の枠を超えてやっていきましょうとか、いろいろなことが考えられるんではないかと思います。
#254
○近藤正道君 今ほど質問しました医療費適正化策、これはつまり保険料の徴収だとか過剰な医療費に対する注意喚起だとか、とりわけ病気にならないように健康診断など予防策を講ずることなど、今地域の実情に応じてという話ありましたけれども、まさにこういう医療行為、これこそまさに保険者機能の中核となるような事業だというふうに思うんですね。これは本来、顔の見える範囲、より被保険者に近い、個人情報も扱う市町村が行うべきだという立場から、広域化にはなじまないという批判がずっとあるわけでございます。
 こういう保険者機能の発揮を保障するためにはより小さな単位がいいというベクトルと、しかし一方で財政的な安定を考慮すると広域化した方がいいというベクトルがあると、このまさに相反する要請、保険者機能の保障における基礎的な自治体、すなわち市町村の役割が重要だという考え方と財政安定化に向けた都道府県単位などの広域化が必要だという考え方、この間にどのようにその調整を図っていくのか、このことが一番のポイント、まさにこのことが今日も何度も議論になっているわけでありますが、改めてこの調整をどうやって図っていくのか。
 広域化に当たって保険者機能を保障するためにどのようなやり方を考えておられるのか、保険者機能を持ちながらどうやってこの広域化を図っていくか、このことについてもう一度、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#255
○大臣政務官(足立信也君) 本当に重要な指摘だと思います。
 先ほど来、都道府県としてしまわない広域連合という形の話をしているのはまさにそこにあるわけでございます。保険者としては市町村単位です。そして、それがより身近で行き届いた、先ほど長野県の話を津田議員のときに示しましたけれども、財政的には広い方がいい、しかし目が行き届くところは身近な基礎自治体がいい、これはもうまさに議員のおっしゃるとおり。だとしたら、それぞれの市町村が取り組んでいる取組を、よりいいものはそれを県下に広げる手段もできるわけでございます。ですから、各取組が保険者としての機能をしっかり果たされているところは共同でやった方がいいという見方もございますし、効率的、効果的な事務の部分もあるんだろうと、そういうふうに思います。
 ですから、保険者として市町村のそれぞれの取組を尊重しつつ、それが全体として協調を図りながらやっていくというのが都道府県単位に広げていくという、広域化ということになると思います。
#256
○近藤正道君 短期被保険者証の交付について質問いたします。
 今回の改正によりまして、無保険状態にある高校生に対しても短期被保険者証が交付されることになります。子供の命を守るという点からいけば当然な措置だと、こういうふうに思います。
 短期の被保険者証につきましては、〇八年四月から行われた無保険状態の中学生への交付の拡大では、昨年九月の調査によりまして三・二%、千百六十一枚が未達になっていたと、これが明らかになったわけでございます。必要な子供に保険証が届かないわけで、大変深刻な問題でございました。厚労省としてこの未達問題をどう分析されておられるのか。今回、この短期の保険者証の交付が中学生から今度は高校生にまで拡大されるわけでありますが、確実に送付されるためにどのような対策が取られようとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#257
○大臣政務官(足立信也君) 未達の原因ということでございます。その原因は、主なものが三点ございます。
 第一に、五五・六%が、未達のうちでですね、受取人が不在であると。先ほどもお答えいたしましたけれども、この理由として世帯主が保険料の督促などと勘違いしている部分がかなりあるということでございますので、この制度の内容について、短期被保険者証の制度の内容について記載したはがきやチラシを配布するなど周知を図るということがまず大事だと思います。そして、その方法を示して指導をしております。
 第二が、郵送したけれども住所が不明であると、これが二五・二%。これは、例えば必要に応じて住民基本台帳担当部署との連携も図るなどして、被保険者証の資格管理を適切に行うというように指導もいたしました。
 第三が、窓口に受け取りに来ないというものが一六・五%でございまして、これは電話連絡や家庭訪問等による接触を試みるというふうに指導しております。
 先ほども申しましたが、なぜ短期被保険者証かと申しますと、それは接触の機会を多くするということで納付を督促して、できるだけ保険料納付をしていただきたいという趣旨から短期被保険者証にしております。
#258
○近藤正道君 短期の被保険者証、この交付の対象を拡大すると。いいことでありますが、この話をしますと必ずモラルハザードの問題が出てまいります。今日も午前中の参考人質疑の中でその話が出ました。したがって、高校生止まりだと、それ以上に拡大はいかがなものかと、こういう話もあるわけでございますが、保険料の未納問題についてはお金持ち、金を持っている人たちが払わないと、これは確かに問題だけれども、時間と手間が掛かっても個々の家庭が抱える問題にきめ細かく是非対応して、決して親にレッテルを張って子供自身の心に傷を負わせると、そういう事態にならないように慎重に対応していただきたいと強く要請申し上げたいというふうに思っています。
 こうした中、子ども手当から保険料分を控除すればいいんではないかと、こういう話が一部に出ております。これは、学校の給食代を子ども手当から徴収するという話とも連動するわけでありますが、こういう話が出てきておりますが、私は、子ども手当は子供の成長、子供自身の育ちを支えるというそういうもので、趣旨がかなり違うと、こういうふうに思っているわけでございます。
 しかし、こういう議論が出ておりますので、子ども手当から控除するという、こういう考え方について大臣はどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#259
○国務大臣(長妻昭君) まず、御存じのように、今の法体系では子ども手当から国民健康保険料を控除というのは法的にはできない仕組みになっているところであります。
 これについて、子ども手当の審議の中で、給食費はどうだ、あるいは、例えばそういう議論がずっと進むと、じゃ地方税を滞納している御家庭はそちらの方が優先なんじゃないかと、税金だと、いろんな議論が出てくると思います。
 我々としては、この点については慎重にやはり議論する必要があるというふうに考えておりますが、いずれにしても平成二十三年度の制度設計の中の議論で議論をするということになっておりますけれども、慎重な対応が必要だと思います。
#260
○近藤正道君 最後の質問でありますけれども、この短期被保険者証交付の拡大、親の貧困が、経済力が子供に及ばないようにすると、まさに貧困の連鎖を断ち切るという新政権の政策の一環だと私は評価をしているわけでございます。
 昨年十月の発表でも、子供七人に一人が貧困状態にあると、こういうことが明らかになりました。四月二十五日に、深刻化する子供の貧困問題解決を目指す、なくそう子どもの貧困全国ネットワーク、これが結成されて、支援の充実を訴えることがマスコミ報道されておりました。
 質問でございますけれども、厚労省による子供の貧困解決に向けた現状の取組、今後の対策はどのようなものになるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思っています。
 貧困根絶に向けて政府が数値目標を立てて、そして頑張るべきではないかと、こういう議論がずっとありました。私はそうあるべきだというふうに思っておりますが、政府は必ずしもその到達目標、数値を出さないで、結果としてそういうふうになればいいと、数値目標は必ずしも所望でないという、そういう態度を、答弁をされているわけでありますが、これやっぱり是非そういう方向に向けて数値目標を立てて、その達成を、立てて頑張るべきではないか。イギリスの子供貧困法、このやり方もそうでありますので、是非そういうやり方を考えていただきたいと、こういうふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#261
○国務大臣(長妻昭君) 今お触れになられた、イギリスで今年三月に子供貧困法という法律が成立をして、そこには相対的な貧困状況にある子供の割合を一〇%以下にするなどなど、絶対的な貧困状態にある子供の割合を五%未満にするとか、かなり具体的な数値目標が入っているということに、非常に興味深い政策が出たということであります。
 この我が国日本においては、貧困率というのをこれ初めて政府が公表したというまだこの段階でございまして、結果として、その指標を下げるということで、非常にその指標は重要だというふうに考えておりまして、子供の貧困率については、昨年復活させた生活保護の母子加算の継続、あるいはこれまで支給対象ではなかった父子家庭への児童扶養手当の支給とか子ども手当の支給などなどを通じて、子供の貧困問題にも取り組んでいきたいと。
 それに加えて、これ福島大臣にも御尽力いただいた、今年の一月末に閣議決定の子ども・子育てビジョンにおいてもこういう記述がございます。子供の貧困率について、継続的に調査を行いその状況を把握するなど、必要な対応を進めていくということで、継続的な調査というのを続けて実態を把握して、どういう政策が効果があるのかという検証を進めながら、我々としてはまずはそういう方法で取り組んでいきたいというふうに考えております。イギリスの状況も、この法律がどういう効果が出るのかも見ていきたいと思います。
#262
○近藤正道君 子供の貧困の問題について積極的に取り組んでおられて、母子加算の問題だとか父子家庭への適用の問題、積極的に取り組んでおられることは評価した上で、イギリスでもこういう新たな法制度でもって具体的な数値目標を掲げて積極的に取り組んでおりますので、是非、今後この辺の実情も調査検討されて、是非前向きに、私の今の質問が実現されますよう御検討いただきたい、要望申し上げて、質問を終わります。
#263
○委員長(柳田稔君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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