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2010/05/25 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第20号
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2010/05/25 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 厚生労働委員会 第20号

#1
第174回国会 厚生労働委員会 第20号
平成二十二年五月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     末松 信介君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     徳永 久志君     足立 信也君
     末松 信介君     石井みどり君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     下田 敦子君     松浦 大悟君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     辻  泰弘君     牧山ひろえ君
     松浦 大悟君     植松恵美子君
     近藤 正道君     又市 征治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                小林 正夫君
                津田弥太郎君
                森 ゆうこ君
                衛藤 晟一君
                山本 博司君
    委 員
                足立 信也君
                家西  悟君
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                島田智哉子君
                辻  泰弘君
                長浜 博行君
                牧山ひろえ君
                松浦 大悟君
                森田  高君
                石井 準一君
                石井みどり君
                伊達 忠一君
                南野知惠子君
                丸川 珠代君
                木庭健太郎君
                小池  晃君
                又市 征治君
   国務大臣
       厚生労働大臣   長妻  昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  細川 律夫君
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        泉  健太君
       文部科学大臣政
       務官       高井 美穂君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       財務省理財局次
       長        向井 治紀君
       厚生労働省医薬
       食品局長     高井 康行君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    清水美智夫君
       防衛大臣官房衛
       生監       外山 千也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○児童扶養手当法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳永久志君及び下田敦子君が委員を辞任され、その補欠として足立信也君及び松浦大悟君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 児童扶養手当法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬食品局長高井康行君外三名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(柳田稔君) 児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○島田智哉子君 おはようございます。民主党の島田智哉子でございます。
 本日は、昨年の夏に私どもがマニフェストでお約束しました政策の一つであります本法案が本院において審議されることに大変感慨深い思いを持ちながら、質問させていただきたいと思います。
 また、昨年、私どもが野党時代に党内における議論、そして昨年の通常国会には、私どもの会派と社民党さん共同で父子家庭に対しても児童扶養手当を支給するとした法案を本院に提出をし、本院では全会一致で可決しましたものの、衆議院の解散によりまして廃案となりました。しかし、昨年の衆議院選挙では、我が党のマニフェストの中にしっかりと今回の改正内容を掲げさせていただきました。そして、政権交代後は、昨年末の財政当局との予算折衝等々、政務三役の皆様の御尽力をいただきましたことを心より感謝申し上げる次第でございます。
 そこで、冒頭にお聞きしたいのは、昨年私どもが本院に提出しました法案の審議におきましては、前政権の舛添前厚生労働大臣より反対するとの意見表明がなされました。今回、鳩山内閣におかれましては、前内閣の方針を百八十度転換され、本法案の提出に至ったわけですけれども、その御判断に至るまでの検討内容の経緯について長妻大臣よりお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(長妻昭君) まず、島田委員におかれましては、本当にこの問題に取り組んでいただいて、感謝を申し上げる次第でございます。
 昨年の十一月九日の参議院の予算委員会でも総理に対してこの御指摘をいただいて、総理もそれを受けて、その決意でやりたいという答弁をいただき、総理も御決断いただいたということで、今回この法案を審議をさせていただいております。
 そして、その理由でございますけれども、やはり父子家庭、母子家庭、イメージでは父子家庭の方が母子家庭に比べればまだまだ支援は必要がない部分があるんじゃないかという従来の政権の意識でありましたけれども、やはり過去の統計データなどを調査をいたしますと、例えば、父子家庭ではこれまで一番困っていることはどういうことだという調査をするときに、父子家庭についてはずっと平成十五年までは家事が大変なんだということで、お金、家計よりも家事の方が大変だという、そういうお話、お話というかデータがあったわけでありますけれども、平成十八年度についてはやはり家計が大変であると。家事の大変さよりも家計の方が大変であるということで母子家庭と同じ結果になったということや、あるいは全国の市長会あるいは全国町村会からも要望があり、NPOの活動等があり、そういう意味で、なぜ母子家庭には出ているものが父子家庭にはないのかということで、同じ一人親ということにかんがみて経済的支援が必要であると、こういう結論に至ったわけであります。
#8
○島田智哉子君 この父子家庭に対する児童扶養手当を支給すべきではないかという議論は、これまで長年にわたりまして多くの会派の議員によっても行われてまいりました。
 しかし、十年前の政府答弁を読み返しましても、政権交代前の政府答弁につきましても、その否定する根拠は全く同じ内容でありまして、先ほども大臣がおっしゃられたように、父子世帯は母子世帯よりも平均年収が高い、また就業率も高いということでございました。
 昨年、私ども、議員提案を行うに当たりまして様々な父子家庭のお父さん方からお話を聞いてまいりました。やはり、子供を中心とした生活となるので、残業もできない、出張や転勤もできない、そうした条件の中で働くわけですから、収入も低くなりますと。また、奥様が二人目のお子さんを出産した直後に亡くなられたお父さんの話では、やはり残業はできなくなり、そして亡くなった妻も働いていたので、その収入もなくなり、結果として収入は四割以下になってしまいましたと。遺族は、家族を失った悲しみを抱えるだけでなくて、精神的、体力的、経済的、三つの苦境に立たされていますと悲痛な訴えがございまして、私も胸が締め付けられる思いでお話をお聞かせいただきました。
 そうしたお話をお伺いする中で、家事や育児の支援が必要なことも経済的な支援が必要なことも、これは母親であっても父親であっても同じことであって、親の性別ということではなく、それぞれ個々の状況に応じた支援制度にしていく必要がある。私どもは、そのような考えに立ちまして、昨年、本法の改正案を提出し、そしてマニフェストに掲げさせていただきました。
 先日の本案の提案理由の説明の中でも、一人親家庭は、子育てと生計を一人で担わなければならず、母子家庭、父子家庭のいずれもが生活上の様々な困難を抱えておりますと、大臣からの御発言がございました。改めまして、鳩山内閣としての一人親家庭の支援の必要性に対する基本認識をお聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(長妻昭君) やはり、鳩山内閣においては、子ども手当に代表されますように、子育てビジョンで保育所整備の計画も出させていただきましたが、やはりお子さん、子育てに掛ける予算あるいは施策を強化をしていこうと、こういう政権でございます。その中で、貧困の連鎖という言葉もございますけれども、やはりお子様がその後、十分な生活基盤あるいは学習基盤が確保され、そして御家庭の家計も、あるいは生活支援も一定程度下支えがあった上で、貧困が連鎖しないようにしていくということが重要であると考えております。
 その意味では、四本柱がございますけれども、一人親に対する支援については、子育て・生活支援策、就業支援策、養育費確保策、経済的支援策、この四本柱に基づいて実施をさせていただいております。例えば、一人親家庭の自立に向けて給付金の事業がございますけれども、自立支援教育訓練給付金事業、これについては、今、平成二十年度については全都道府県市、福祉事務所設置の町村で八八%が実施していますが、これを一〇〇%に上げていきたいということで取り組んでおりますし、高度技能訓練促進費等事業、これについても七四・三%が実施でありますが、一〇〇%にしていきたいと。この高等技能訓練促進というのは、例えば看護師の資格とか保育士の資格とか、あるいは介護福祉士の資格とか、そういう資格を一人親の方が持っておられれば、非常に就業については資格がないよりは一定程度有利になるんではないかということで、それについての支援というのも力を入れているところであります。
#10
○島田智哉子君 今回の改正の背景として、大臣あるいは副大臣はこれまでに、近年の経済情勢や非正規雇用の増加など雇用情勢の変化等々、父子家庭においても経済的に厳しい状況に置かれている家庭が見られる、あるいは、当事者の皆様はもちろんですけれども、地方自治体、地方議会から要請されてきたことの御説明もございました。
 私どもも、昨年の調査過程の中で、全国の各自治体の取組状況を調べてみなければということで、事務所スタッフが手分けをしまして全国四十七都道府県に調査の協力をお願いしました。それぞれの都道府県におかれましても、ほとんどが市町村の実態まで把握されていない中で、大変お忙しい中、御協力をお願いするのも心苦しかったんですけれども、しかし本当に短い期間の中で御回答いただくことができました。その結果として、父子家庭にも何らかの手当や支援金を支給する制度を有している地方公共団体は二百以上にも上りました。この結果、やはり住民と身近に接している市町村の方々にとっては、そうした父子家庭の皆さんの実情を十分に理解されている表れでしょうし、また私どもが勇気付けられましたのは、多くの自治体の担当者の方から、是非、父子家庭にも児童扶養手当を支給できるようにしてくださいというメッセージをいただきました。
 改めて申し上げるまでもなく、この制度の費用負担は国、都道府県、市町村それぞれ三分の一となっておりますから、当然、自治体にとっても負担が必要になります。それでも必要なんですということでございました。まさに、大臣が再三御発言されておりますように、子育てを社会全体でサポートしていきましょうということをそれぞれの地域では国よりも先にまた大切にされているということを強く実感をいたしました。
 まさに、国と自治体と国民、NPOの皆さんと協力していく中で子育てを支援していくことが必要なんだと認識をいたしておりますが、一人親家庭の支援を含めた子育て支援に対する国として担う役割、また自治体、さらにNPOなど、市民がそれぞれ担う役割について大臣の基本認識をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(長妻昭君) 貧困率というのも公表させていただいているんですけれども、この一人親家庭の貧困率というのは、これは非常に日本は高い、先進国の中でもということにかんがみて、これはもう国、今言われた自治体、そして市民の皆様方の支えがそれぞれの局面で必要であるというふうに考えております。
 国については今回、父子家庭の支給の法案を御審議をいただき、子ども手当も含め、あるいは保育サービスなども含め、あるいは地方への補助についても、母子家庭のみでなされているものについて、今後、父子家庭にもそれを対象を拡大していただきたいということで、生活指導の支援員のところとかセンターでの相談とか、今までは母子家庭だけだったものを父子にも広げていくというような地方自治体の取組。
 そして、子ども・子育て新システム検討会議というのを今立ち上げておりますけれども、そこでは、最低限の支援は全国同じ基準としながらも、基礎自治体による自由な給付設計ができないかどうか、あるいは社会全体、国、地方、事業主、個人による費用負担というのはどう考えるべきかというようなことについても、幼稚園、保育園の一体化も含め検討しているところであります。これは、一人親家庭への支援というのは、これはもう親が働けばお子さんをどこかに預けなければいけないということで、一般家庭と同じような保育サービスというのも充実しなければならないというふうに考えております。
 そして、NPO団体などなど、地元に住んでいる住民の皆さんが連携をしていただいて子育てを支えていただくということで、今回の父子に拡大する点でも、NPO団体の、父子家庭の皆さん方もいろいろ奔走をしていただいておりまして、そういうNPO団体がどんどん今増えておりますので、そういう地域での支えというのも必要になるというふうに考えています。
#12
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 本改正によりまして、一人親世帯に対する経済的支援については、親の性別に関係なく、世帯や子供の状況に応じた新たなセーフティーネットとして機能することになります。ただ、これまでの議論にもございましたように、就労支援、あるいは教育、医療など現物給付と連動させていくことが必要であると思います。
 そこで、我が国における一人親世帯の実情、あるいはどのような課題があるのか、またその支援についてはどのような対応が必要となっているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 そこで、本日は泉内閣政務官に御出席をいただきました。本日、資料でも提出をさせていただいておりますけれども、内閣府男女共同参画局では本年三月、生活困難を抱える男女に関する検討会の報告書をまとめられております。私もこの検討会における御議論については、それまでも大変関心を持って検討の内容を見せていただいてまいりましたけれども、その報告書の中ではまさに一人親世帯について子細な検討が行われております。
 まずは、その検討に当たり、一人親世帯に対してどのような視点に着目されてこられたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#13
○大臣政務官(泉健太君) 御質問ありがとうございます。本当に委員が長くこの問題に取り組まれていることにまず敬意を表したいと思いますけれども。
 この生活困難を抱える男女に関する検討については、平成二十年の六月に男女共同参画会議において調査の実施を決定いたしました。やはり、その背景には、デフレあるいは不況、そして世帯収入が、これは共働きであってもどんどん減ってきているという状況の中で、特に、やはり一人親家庭については世帯収入が本当に厳しい状況にあるということ、あるいは一人親家庭のみならず、実は高齢単身世帯の年収がほとんどないという状況も生まれてきたということから、こういった生活困難を抱える男女についての調査をさせていただいたわけですけれども。
 特に、一人親世帯の分析ということにつきましては、やはり一つは、生活困難が、子供への連鎖が明確にやはり現れているということが言えるのではないかなということがあります。そしてさらには、一人親家庭であっても、当然でありますが、出産や育児などによって就業を中断せざるを得ないわけでありまして、そういう場合の収入、生活維持が非常に難しいということも明らかになってまいりました。また、特に女性の就労が非正規が多い中で、こういった一人親世帯についてはやはり収入が非常に低く、貧困率が高いということが出ております。
 そして、ほとんど、年齢ごとに男性と女性の相対貧困率というものを見た場合に、高齢女性も男性に比べると貧困率が高いんですが、ちょうど二十五歳から三十五歳、四十歳手前ぐらいまでの女性の貧困率がやはり男性より高いということになっておりまして、やはりこの辺で子育てが行われているということがあるわけで、そういった意味での関連性というものがあったのかなというふうに認識をしています。
#14
○島田智哉子君 次に、報告書において指摘されている問題として、政務官も触れられましたけれども、一人親世帯については、子供から見た場合、明らかな学歴差、就学率の差が見られた。一人親世帯に生活することが様々な機会の不平等と直面することを通じ、貧困世代連鎖が存在することが示唆された。義務教育のみにとどまる者も全体から見ると高く、高卒にとどまり、たとえ就職しても非正規の仕事にとどまる場合も少なくない。一人親世帯の不利さを社会的にいかに解消していくか、教育と労働の場の取組が必要であるとの指摘がございます。
 この指摘にございます貧困世代間連鎖を断ち切る必要性、またそのための教育と労働の場の取組についてどのような分析が行われたのでしょうか。
#15
○大臣政務官(泉健太君) この報告書の中では、貧困や社会的孤立などの困難が、先ほど申しましたが、固定化をする傾向があるということでありまして、家庭の経済状況によって子供の教育、学習の機会が奪われるということなどによって困難な状況が世代間で連鎖をするということも明らかになったということで、まずこの世代間連鎖をどう断ち切るかということになるわけですが、母子家庭、母子世帯の置かれた状況が特に厳しいと。これは先ほど大臣の答弁からも、父子家庭と母子家庭、そういった意味での、双方、年収、収入の厳しさというものがあるわけですが、少し要因が違うというところはあるのかもしれません。
 特に、この母子家庭の置かれた状況は年収が低いということで厳しいということでありますし、その背景には、出産を機に多くの女性が離職をする、就業継続が難しい、非正規が多い、そして相対的に低賃金であるということがあるわけでして、家庭の経済状況によって子供の進学機会や学力、意欲の差が生じないような教育の仕組みづくりが必要だという分析をさせていただいて、女性が就労所得、就労収入を得て経済的に自立をするための就労支援などが重要であるということを指摘をさせていただきました。
 もちろん、それを受けてということもありますが、高校の無償化や子ども手当というものはそういったものを支援する政策でもあるというふうに認識をしています。
#16
○島田智哉子君 そこで、厚生労働省にお聞きをいたします。
 今、泉政務官から御説明ございましたように、その分析によりますと、就労支援につきましては、「既に高い母子家庭の母親就労率を考えると、母子家庭の経済的困難を解消するために就労支援が限定的な効果しか持ち得ないことは自明である。」と、このように指摘されております。今後の一人親家庭に対する就労支援につきましてお考えをお聞かせください。
#17
○副大臣(細川律夫君) 島田委員御指摘の報告書では、母子家庭の母の就労率は既に高く、就労支援の効果は限定的であるという旨の指摘がございます。しかし、母子家庭の母親の就労の実態調査を見てみますと、臨時とかあるいはパートの形態の就労者が四三・六%ということになっておりまして、母子家庭の自立を促進していくためにはどうしても安定的な就業に就くための支援というのが重要であるというふうに考えております。
 そのために、母親に資格などを取っていただくということが大事ではないかというようなことで、介護福祉士とかあるいは看護師、保育士、そういうような養成学校に通う際の生活費を支援をしていくと、こういう高等技能訓練促進費と、これは安心こども基金のところでありますけれども、これを二十一年度第一次補正予算からで、この引上げとか、あるいは支給の延長とか、そういうことを行いまして就労支援を強化いたしているところでございます。
 また、就業準備から生活支援まで、そこを支援するプログラムというのを策定する母子自立支援プログラム策定事業というのをつくっておりまして、ここでは個々の母親に対して、その家庭の状況とかあるいはニーズを細かに支援をいたしまして母親を応援もしているところでございます。
 そして、もう一つ大きなのは、企業に対して、パートとかあるいは有期で働いている従業員を正規の社員にしたときには事業主に対して特別の助成金を支給すると、こういう制度がございます。それは、中小企業雇用安定化奨励金、それともう一つ、短時間労働者均等待遇推進等助成金というのをつくっておりまして、これによってその母親がパートとかあるいは有期の場合に正社員に登用してもらうような、そういう制度でございます。
 引き続き、母子家庭の母親が安定的な仕事に就けるように、厚生労働省としてもしっかり支援をしていきたいと思っております。
#18
○島田智哉子君 この就労支援に限ることではありませんが、一人親世帯を対象とする施策事業の中で、まだまだ母子世帯に限定している事業が多くなっていることについても衆議院でも御指摘がございました。この点につきまして、大臣の御答弁では、お父さんは自立している場合が多いし仕事もあるんだ、こういう固定観念に引きずられてずっと続いている制度、仕組みというものも一度点検する必要があると、このように述べていらっしゃいます。
 そこで、父子家庭のお父さん方からお聞きした御要望では、例えば特定求職者雇用開発助成金制度、この制度については母子家庭の母のみが対象となっていまして、是非、父子家庭の父についても対象としていただければ大変就労しやすくなるのですがというお話がございました。
 この制度につきまして父子家庭の父は対象としていない理由について、御説明いただきたいと思います。
#19
○副大臣(細川律夫君) 今委員御指摘の特定求職者雇用開発助成金というこの助成金は、障害者あるいは高年齢者、母子家庭の母など、就職が特に困難な方々を雇い入れている事業に対して助成金を支給をすると、それで、これによってこれらの方々の雇用機会を増大を図ると、こういうことでつくられた助成金でございます。
   〔委員長退席、理事小林正夫君着席〕
 そこで、これまでにもお話がありましたように、父親に対してこの対象にしていないというのは、一人親の母親と父親とで、就業に関しては、いろいろな実態調査を調べますと、差があるということからでございます。それは、母子家庭の母については、就業経験が少なかったり、結婚、出産で就業が中断したりしまして、就職に困難を伴う場合が多いからでございます。しかし一方、父親の方の状況はどうかといいますと、就業状況は九七%、うち常用雇用は七二%、あるいは事業主が一六%、臨時・パートなどは三・六%というような、そういうことで、父親と母親では、相当そういうことについては、母親と比べて父親は就業については余り困難ではないような、そういうような統計にもなっております。
 そういうことから、この制度につきましては、やはり母子家庭の母と同じ程度に就業が、就職が困難であるかというと、ちょっと言えないんではないかといって、今は対象になっていないところでございます。
#20
○島田智哉子君 そうですね、そのように数字で表現をなさると、やはり実態的にはそうなのかなと思わざるを得ないんですけれども、その現実とのちょっと数字の乖離があるのかなというふうに私は感覚としては思うんですが、まさに大臣がおっしゃる固定観念に引きずられていないかとちょっと心配になるんですが、大臣、この制度の父子家庭の父への対象拡大について御検討をいただきたいと思いますけれども、男性も女性も同じように拡大していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘いただいたこの特定求職者雇用開発助成金ということで、細川副大臣からも説明しましたけれども、高齢者とか身体・知的障害者の方などなど、就職が困難な方、非常に困難な方を対象にして行っている措置であるわけでございます。その中で、今は父子家庭は入っておりません、母子家庭は入っておりますけれども、非常に困難という解釈の問題と、あとは財政的な問題というのもありますので、当面につきましては、この父子家庭のお父様に関しては、ほかの支援策について、先ほど母子家庭だけの支援策というのがありましたけれども、まずは、いろいろメニューはありましたが、二つの支援策については父子家庭でも使えるようにということで、前回の衆議院の審議のときに指示をいたしまして、そういうふうにさせていただいておりますが、一つ一つ見ながら、まだまだ母子家庭のみのものもありますので、検証をしていきたいと思いますけれども、今お尋ねの件については、直ちにということはなかなか難しいという状況でございます。
#22
○島田智哉子君 それでは、是非検証をしていっていただきたいと思います。是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、教育についてですけれども、高井文部科学政務官にお聞きしたいと思います。
 全国母子世帯等調査結果報告の中で、母子家庭のお母さん、父子家庭のお父さん、いずれも子供についての悩みとして教育・進学を挙げておられる割合が突出して高くなっておりまして、高校の無償化を始めとする教育面における支援についてどのようにお考えでいらっしゃるのか、文部科学省のお考えをお聞かせください。
#23
○大臣政務官(高井美穂君) 御指摘のように、今、日本、特に高等教育において教育費、ほとんど家庭、家計の負担に頼っている部分が多いというのは事実でありまして、私も島田委員と同じように、本当に子供の、経済的な格差によって子供の就学状況に差が出て、将来的な貧困に陥るというのは大変な問題だと思っております。
 そこで、できるだけ早い、早期の段階での教育や医療や保育というものがきちんと与えられれば与えられるほど将来的な貧困に陥る率が下がってくるという欧米の調査もございますので、できるだけ早期の段階で我々も努力をしていきたいと思っておりますが、現在やっていることにおいては、まずは義務教育段階においては、学教法、学校教育法十九条というのに基づきまして、経済的理由により就学困難な者に対して市町村による就学援助という制度がございます。これは、もちろん一人親世帯だけでなく二人親世帯でも貧困世帯すべてに対してですけれども、このうち要保護者に就学援助を行う市町村に対して、国はこれに要する経費について補助を行っているということであります。
 我が政権になって、平成二十二年度予算においては、これまで対象費目の拡大の必要性というのが言われてきましたけれども、それを踏まえて、要保護児童生徒援助費補助金というのにおきまして、新たにクラブ活動費とそれから生徒会費、PTA会費というのを国庫補助対象に追加をいたしました。
 それに加えまして、先ほどお触れになりましたこの今回の我々が作りました私立高校生に対しての就学支援金、公立高校の授業料を無償とするという法案が先般、参議院でも御協力も得て通って、もう実施に移されておりますけれども、一人親世帯も含め低所得世帯には加算をするというふうになっております。
 これに加えて、各都道府県が低所得世帯の私立高校生に対して授業料減免の補助を独自にやっておりまして、この都道府県の取組を促すために国として地方交付税措置とか高校生修学支援基金による支援というものを行っているところでございます。
 これらの措置によって授業料に関しては負担が軽減されるということになりますけれども、事実、授業料以外にも入学金や教科書代など、保護者の教育費の負担が大きいということも再三指摘を受けておりまして、この法案の採決に当たって衆議院の文部科学委員会において、奨学金の給付に係る制度の創設その他の低所得者世帯の高等学校等における教育に係る経済的負担の一層の軽減を図るため、必要な措置を講じるという旨の附帯決議が付されております。この点を踏まえて、低所得世帯への支援として給付型奨学金の創設などを重要な課題として考えておりまして、引き続き検討していきたいと思っております。
#24
○島田智哉子君 よろしくお願いいたします。
 そこで、教育支援という観点から高校生の卒業クライシス問題についてお聞きしたいと思います。
 今年に入りましてから高校生のクライシス問題ということで、経済的な理由から授業料が未納となっている高校生がそのことを理由として高校を卒業できない事態が生じているとの多くの声が全国各地からございました。
 たしか二月の初めごろですが、長妻大臣、山井政務官が直接生徒さんからの実情をお聞きになられて、その対応に取り組むことのお約束をされました。その後、文部科学省と厚生労働省による緊急の措置をおとりいただきましたが、改めまして、そうした現状をどのようにお感じになり、どのような対応を取られたのか、お聞かせいただきたいと思います。
#25
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、今年の二月九日、長妻大臣が高校生や高校教師の方々と面会し、その場で高校生の方々から、授業料の滞納により、せっかく卒業を間近にしているにもかかわらず、このままでは卒業できない状況が全国であるという切々とした訴えを聞かせていただきました。
 この授業料滞納の理由としては、御両親の失業や病気などの経済的理由によるものであり、子供には全く責任がないことでありまして、それが、そういう理由によって高校を卒業できないと、それによって本当に人生が大きく狂わされてしまうというのは、これはやはり政治の責任として何としてでも食い止めねばならないと、そのような問題意識の下、長妻大臣が地域福祉課に指示をされまして、それで地域福祉課が中心に取り組んで、文部科学省の取組と併せて厚生労働省としても支援策の検討を行いまして、都道府県の社会福祉協議会が実施する生活福祉貸付資金制度について、授業料の滞納分についてさかのぼって貸し付けるということを初めて新規の取組として可能であることを明確にして、都道府県や社会福祉協議会に連絡をさせていただきました。
 まあ、準備期間がほとんどない取組でありましたが、実施主体である社会福祉協議会が非常に迅速に対応していただきまして、また島田委員からもいろいろ叱咤激励の御指摘をいただきました結果、トータルで千三十三名の方に総額二・六億円の貸付けを行うことができまして、具体的には、高校三年生が三百五十一人、高校一年生、二年生が六百八十二人ということで、この高校三年生の三百五十一人に関しましては、この貸付けがなかったら卒業できなかったかもしれない高校生を卒業に導くことができたというふうに考えておりまして、また、喜ばしいことに、このことが新聞でも報道されておりまして、全国私立学校教職員組合連合の調査によりますと、経済的理由による私立高校生の中退率が二〇〇九年度、前年度の〇・二%から〇・〇九%へと半減以下になりまして大きく改善したという調査結果が発表されまして、そのことについての新聞報道でも、中退率が低下した理由としてこの組合連合は、厚生労働省が二月に学費滞納者に実施した緊急貸付けの効果などがあるというふうに評価をいただいたということでありまして。
 ただ、一年限りではなく、今後どうやってこういう制度を恒久化していくか、また文部科学省とも連携しながら、それでもまだ〇・〇九%の方は中退をされているわけですから、どうこれを高校授業料無償化、あるいは子ども手当、そしてまた、今こうやって御議論いただいております児童扶養手当法の改正による父子家庭への支給などを通じて、やはり親の理由によって子供が高校を卒業できない、あるいは中高を中退するということがないように全力で取り組ませていただきたいと思っております。
#26
○島田智哉子君 是非よろしくお願いいたします。
 学ぶ意欲のある高校生が経済的理由によって学業を断念することなく多くの高校生が卒業されたということですから、早急な御対応をお取りいただきましたことに私どもの埼玉県内におきましても高い評価をいただいておりますので、改めまして政務三役の皆様、そして文部科学政務官にお伝えさせていただきます。
 その上で若干要望させていただきますと、先ほどの一人親家庭に対する様々な支援事業もそうなんですが、やはり必要とするサービスを必要な方が利用していただけるような配慮が必要であると思います。とりわけ、一人で育児も家事も仕事も担っているお父さん、お母さん方の場合、本当に日々忙しくされていらっしゃいますから、そうした制度やサービスの存在すら知らない方々も少なくないと思います。
 例えば、今回、教育支援資金の取扱いについて、二月十二日に厚生労働省の担当課長から各都道府県の担当部局に通知をお出しになりました。ところが、その十日後辺りに、私の地元埼玉県で、そうした支援活動をされていらっしゃる方から、今回の厚生労働省の対応はとても有り難く思っています、ただ、すべての高校生に情報が行き届いていないようで、春休みを間近に控え、大変心配していますというお話がございました。
 早速、私どもで埼玉県に問い合わせをしましたところ、二月十二日の厚生労働省からの通知を受け、県としては県立高校、私立高校には通知を出しましたという回答でございました。ただ、念には念を入れてということで幾つか関係機関に問い合わせの確認をしましたところ、例えば、さいたま市の市立高校には全く周知されていない実態がございました。つまり、市の教育委員会等には国からも県からも情報が伝わっていないということでありまして、私どもより早速、厚生労働省の担当部局に対応をお願いいたしましたが、そうした周知漏れが発生した原因にはどのような経緯があって、どのような御対応をお取りいただいたんでしょうか。
#27
○政府参考人(清水美智夫君) 御指摘のとおりでございまして、二月十二日に私ども、都道府県の民生主管部局長あてに通知を発出するとともにプレス発表いたしました。埼玉県について言えば、今御指摘のとおり二月十八日には学校現場に連絡が行ったようでございますけれども、しかしながら市立高校には行っていなかったようでございまして、二月十九日、島田先生の事務所から私どもにその旨の御連絡がございました。私どもといたしましては、埼玉県の民生主管部局に直ちにその日のうちに連絡を取りました。
 その結果として、市の教育委員会にその日のうちに連絡が行ったということでございます。
 埼玉県については以上でございますけれども、このことを踏まえまして、周知を徹底すべく、文部科学省からは二月の二十五日木曜日に、また私どもからは翌日、二月二十六日金曜日に改めて周知徹底の通知を出したところでございます。
 なお、この結果といたしまして、埼玉県の市立高校の生徒さんについても現に貸付けが行われたというふうに承知してございます。
 経緯は以上でございますが、今後ともこのような周知の漏れが生じないように関係機関とも連携を取りながら、状況に応じたきめ細かい対応を心掛けてまいりたいと考えてございます。
#28
○島田智哉子君 是非とも、今後とも関係省庁の連携あるいは関係部局の連携を密に行っていただきたいと思いますし、また、このような緊急的な対応については特にですが、できる限りワンストップサービスによる対応が必要になってくることと思います。
 そうした観点から、一人親世帯への事業を見ましても、子供の教育を含めた養育の問題や生活支援、あるいは健康面や就業支援等々、様々な困難に直面することになり、そうした困難に対するきめ細やかな支援体制が必要になっております。その意味でも、一人親世帯の支援についてもできる限りワンストップサービスによる対応をお願いしたいと思いますが、山井政務官、いかがでしょうか。
#29
○大臣政務官(山井和則君) 島田委員にお答え申し上げます。
 母子家庭等就業・自立支援センターにおいて、これは全国の都道府県、政令市、中核市に今百六か所整備をしておりますが、ここにおいて、相談から講習会、就業情報の提供までの一貫した就業支援サービスや、同時に地域生活の支援や養育費相談などの生活支援サービスについて実施しているほか、必要に応じてハローワークや福祉事務所等の関係機関との連携を図りながら支援をしております。さらに、もう一点、また福祉事務所等に配備されている母子自立支援員も、生活一般や就業問題なども含め個々の母子家庭の抱えている問題を把握し、その解決に必要な助言、情報提供、また母子家庭等自立支援センターへの橋渡しを行っております。
 確かに、御病気のことや健康のことや就業支援や、またお子さんのことや様々なこと、複合的な悩みを抱えておられる方が多いですので、できる限りたらい回しになることなくワンストップで対応できるようにしていきたいと考えております。
#30
○島田智哉子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 委員長、高井文部科学政務官におかれましては、御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
#31
○理事(小林正夫君) 高井政務官、退席してください。御苦労さまでした。
#32
○島田智哉子君 それでは、残りの時間の範囲内で、子供の健康面での観点からポリオワクチンの不活化についてお聞かせいただきたいと思います。
 先日来の予防接種法改正案の審議の中でも、このポリオワクチンの不活化についての御議論ございました。私も、初登院以来継続して取り組んでまいりました問題でもございまして、これまでの御議論を踏まえまして若干の質問をさせていただきます。
 私も、これまでポリオ患者の会の皆さん、あるいは九年前に子供さんがワクチン接種された後に子供さんからの排出されたウイルスによって二次感染されたお父さん、また、昨年の予算委員会でも長妻大臣と御議論させていただきました、子供さんの健康被害についてポリオワクチンが原因と認定されないことで苦しんでいる御両親など、そうした方々からそのお苦しみの状況、そしてもう自分たちのように苦しむ方が出ないように一日も早く不活化ワクチンを導入してもらいたいという切実な声を聞いてまいりました。
 この不活化ポリオワクチンの導入について、国会における御議論は、私どもの先輩議員によりましても行われてまいりました。例えば、我が党の家西委員におかれましては、今から十年前の衆議院厚生委員会の中で不活化ポリオワクチンの導入を政府に対して要請されていらっしゃいます。当時の厚生大臣は、ポリオの不活化ワクチンは現在承認申請のために治験が実施されている。今後、この治験が終了し適切なデータを添付した上で承認申請がなされれば、医療上特に必要が高いと認められるものとして優先的に審査を行い、早期に承認ができるものと考えていると。これは十年前の答弁です。しかしながら、現在もなおその導入が実現してこなかった背景にはどういった問題があったのでしょうか。
#33
○政府参考人(高井康行君) 御指摘の不活化ポリオワクチン、IPVワクチンとも言いますけれども、これにつきましての経緯でございます。
 財団法人ポリオ研究所によりまして、平成十年に第一相の臨床試験が開始されまして、平成十三年に承認申請書が提出されておりますけれども、この中で、GCP、医薬品の臨床試験の実施の基準でございますけれども、この問題等によりまして平成十七年に承認申請の取下げが行われたという経緯がございます。
 これと並行いたしまして、平成十五年よりDPTワクチン、百日ぜきとジフテリア、破傷風の混合ワクチンでございますけれども、製造販売業者四社が不活化ポリオワクチンとこのDPTワクチンとの四種混合ワクチンであるDPT―IPVワクチンの開発を現在行っているという状況でございます。
#34
○島田智哉子君 当時、単味であったとしても不活化の導入が間近になったことで、大変大きな期待を持つ方がたくさんいらっしゃいました。しかし、平成十七年秋ごろ、申請をしていた企業より単味の承認申請が取り下げられましたが、ただいまの御説明のほかにも、厚生労働省として混合ワクチンを採用することが望ましいという方針を打ち出したこともその背景にあったと、私はそのようにお聞きをいたしました。
   〔理事小林正夫君退席、委員長着席〕
 そして、平成十八年十一月の本委員会の中で、私は、毎年毎年、子供たちに重い健康被害を生じさせている中で、まずは単味であったとしても不活化に切り替えて、その後、四種に切り替えることもできるのではないでしょうかと当時の柳澤大臣にお聞きいたしました。柳澤大臣からは、できるだけ早く不活化ワクチン、これは単味であろうと四種混合であろうと早く実際の子供たちに提供できる、こういう体制をつくっていかなければならないと、このような御答弁がございました。
 しかし、その後も不活化の導入が実現していない中で、この点についても、是非、鳩山内閣として全力でお取り組みいただきたいと思います。この問題につきましては、私ども、野党時代から足立政務官と再三意見交換をさせていただいてまいりましたが、その足立政務官が政務三役のお立場になってから、この数か月間にどのような御対応を取られたのでしょうか。
#35
○大臣政務官(足立信也君) まず、一人親家庭あるいは児童扶養手当と劣ることなく、このポリオ、それからそれに対する、予防接種に対する健康被害に対する島田議員のお取り組みについて、まずは敬意を表したいと、そのように思います。
 これは、参議院での審議並びに衆議院での審議等いろいろ今国会でもございました。それを受けて、四月八日付けで、まず今四社の話がございましたけれども、その四社並びに独立行政法人医薬品医療機器総合機構、ここに対しまして私の方から、まずは四社に対して開発促進の努力をいま一層お願いしたいという依頼をいたしました。そして、そのPMDAに対しても、こういう依頼を四社に対して出しましたから、この承認に向けて可能な限りの早い対応をお願いしたいというような要請をいたしました。
 そして、その翌日、関係四社に対してヒアリングを行いました。その結果、まだ結果は出ていないかもしれませんけれども、この事前評価相談というのは昨年度から始まったシステムでございますけれども、まさにこの部分が、ドラッグラグの問題としては承認申請に至るまでが長いと、日本は十八か月ということがございますけど、この部分を早くすることが何よりも大事だと思っておりますので、この事前評価相談というものをしっかり利用してくれというような話をいたしておるところです。
 ですから、今まさに日本で開発をしている四種の混合ワクチン、この承認に至るまでできるだけ早くやっていただきたいということで行動を取っているところでございます。更に働きかけを続けていきたいと、そのように思います。
#36
○島田智哉子君 スピードを持って対応していただいてありがとうございます。
 その導入のめどについて、長妻大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(長妻昭君) この問題は本当に懸案の問題でございましたけれども、早めに我々は決着を付けたいと思っております。
 今現在、この不活化ポリオワクチンとDTPワクチンを組み合わせた四種混合の開発が開始され、治験が今進んでおりまして、平成二十三年ころから順次、薬事承認申請がなされる予定であるというふうに考えておりますので、その後、当然、安全性を厳密に確認するというのは言うまでもないことでありますけれども、そして、かつ速やかにそれが承認できるように我々も取り組んでまいりたいと思います。
#38
○島田智哉子君 お願いいたします。
 それから、昨年の政権交代直後の予算委員会で、ポリオワクチンによる健康被害が生じたとして救済制度の認定請求をしたものの否認された事案について質疑をさせていただきました。
 この子供さんのケースでは、元々親御さんは子供さんの障害の原因がポリオワクチンという御認識はお持ちではございませんでした。しかし、平成十五年度の感染流行予測調査報告書の中のポリオ根絶委員会の報告として、この子供さんの事例について、ワクチン由来の麻痺の可能性は否定できないと記述され、そして市町村の方から申請を促されて申請をされました。ところが、最終的には国の認定審査会で否認という決定を受けた事案でありました。しかも、長い期間大変な労力を使い申請された方に対してわずかに二、三行の通知、また理解、納得いかない御両親が審査における議事録を情報公開請求により求めたのに対してほとんど黒塗り状態ということで、この予防接種法による健康被害救済制度については、申請者の立場、国民の立場に立った制度となるよう、制度の見直しをお願いいたしました。
 大臣からまず議事録の情報開示については改善する、また総理からも見直しを含めて徹底してまいりたいと御答弁がございました。
 あれから半年が経過いたしましたが、これまでの対応について大臣よりお聞かせいただきたいと思います。
#39
○国務大臣(長妻昭君) これについては、島田委員から昨年の十一月九日の予算委員会で御指摘をいただきまして、本当にその御指摘のとおりだと我々深く認識をいたしまして、まずこの議事録につきましては、見直し前と見直し後ということでございますが、見直し前は御指摘いただいたようにほとんど真っ黒で趣旨も分からないような状況でございましたけれども、見直し後につきましては、基本的には、その発言者の委員の先生の名前ということについては公開はいたしませんけれども、それ以外の中身については基本的にはお示しをすると、こういう形で見直しをさせていただいたところであります。
#40
○島田智哉子君 その書類を目を通させていただきましたが、大変誠意を持って対応していただいたことを心から感謝申し上げます。
 現在も御両親は再審査の請求する準備をされていらっしゃいますけれども、また一からの手続となりますので、子供さんの治療、その兄弟の子育て、また御自身のお仕事もありますから、大変な御苦労がございます。そうした御苦労の中で認定、否認の決定がなされるわけですけれども、例えば、意見書を提出している主治医の先生の意見書も直接聞く、あるいは場合によっては申請者に直接説明する機会を設けるなど、その決定についてはできる限り申請者の理解、納得がいただけるような御配慮をお願いいたしたいと思います。
 予防接種による健康被害の救済制度、被害認定の方法、不服申立てについて、是非国民の立場に立った制度となるように、引き続き御検討をお願いしたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(長妻昭君) やはり、こういう書面の言いぶりや対応というのは、どうしても、御本人は本当に人生の大変な大問題といいますか、大変な御苦労をされておられるのに比べて、事務的対応のようなイメージを持たれてしまうというのは、これはあってはならないことであるというふうに思っております。
 これも島田委員からの御指摘で、審査の結果についても三行で、長い時間掛けたものが否認するということがたった三行で通知が出されたということでありまして、改善後につきましては、きちっとそこで中身、理由というのも一定程度書かさせていただきまして、それで、当たり前でありますけれども、ですます調で書かさせていただくというようなことで、やはり相手の気持ちに配慮した、そういう体裁というのも十分考える必要があるというふうに思います。
#42
○島田智哉子君 ありがとうございます。
 それでは、時間ですので終わらせていただきます。ありがとうございました。
#43
○南野知惠子君 自民党の南野でございます。
 質問の順番が多少変更されると思いますが、よろしくお願いいたします。
 児童扶養手当の一部改正の質疑に先立ちまして、子育て支援についてまずお伺いいたします。
 去る四月二十七日には政府の子ども・子育て新システム検討会議の第一回会合が開催され、子ども・子育て新システムの基本的方向が示されたところであります。ここでは、幼保一体化による幼児教育・保育の一体的提供が盛り込まれており、新たなこども指針の創設とこども園への一体化、幼保一体給付の創設等が打ち出されました。
 しかし、これに対しましては、全国私立保育園連盟と全日本私立幼稚園連合会が共同緊急声明を行い、拙速を避け、保育園と幼稚園との現在の在り方を十分理解した上で慎重に仕組みをつくるべきと訴えておられます。
 また、同検討会議の作業グループのヒアリングに対し、日本保育協会も、幼稚園と保育所の両制度を核とした制度改革を図るべきであり、両制度を一律的に一元化することは逆に利用者のニーズにこたえられないと述べております。
 長年にわたり子供の育ちに携わってきた専門家の間で大変な混乱、不安が生じているわけですが、これに対する厚生大臣の御見解をいただきます。
#44
○国務大臣(長妻昭君) 今御指摘のように、子ども・子育て新システム検討会議という場所で幼保を一体化すると、こういう議論をしておりまして、来年の法案提出を目指すということであります。
 今、南野委員が御指摘になられました点というのは、これはずっと、前の政権でも御議論があって、結局、幼保が一体化できなかったということで、一元化というか、認定こども園ということで、一応建物の中には保育所と幼稚園がこう制度が別々のまま同じ建物にあると、こういう形でありまして、非常に経営する側にとっては不自由がある部分があり、なかなか全国に広まらないと、こういう問題もあったわけであります。
 我々は、やはりその一線は乗り越える必要があるんじゃないかというふうに考えておりまして、といいますのも、今待機児童が大変多いということ、そして私も先日、認定こども園にお邪魔をいたしましたけれども、その認定こども園は前は幼稚園だったわけでありますけれども、そのときは生徒さんが非常に少ないわけでありますが、そこに保育所も併設するような認定こども園になりますと、別に建物、園庭も増やしていないんですが、園児は倍以上になり、そこで働く方も倍以上になるというようなことで、有効に利用できる。
 ただ、おっしゃられるように、そのときに、やはり幼稚園の目的と保育所の目的、やはりその幼児教育ということについてどう考えるのかということもお聞きをしております。その意味では、できる限り保育で預かる方に対しても幼児教育の要素も入れていくということで、一体化をするときに、その幼児教育の部分を全くなくしてしまうというよりは、それを保育をニーズで入っているお子さんに対しても幼児教育もしていくと、こういうような考え方で、双方のいいところを取り入れるということが重要であるというふうに思います。
 そしてもう一つは、今おっしゃっていただいたように、いろいろな関係団体を我々もお呼びをして、一つ一つ丁寧にこの作業グループでヒアリングをさせていただいておりまして、そこの懸念というのが起こらないような、そういう制度設計ということで取り組んでいるところであります。
#45
○南野知惠子君 大臣のお心は十分分かるような気がいたしますが、この新しいシステムの基本的方向では、権限と財源の原則市町村への移管と市町村による自由な制度設計、子育て関連の財源の市町村への包括交付が打ち出されており、市町村が地域の実情に応じて地域の裁量で現物給付か現金給付かに配分できることとされているようでございます。しかも、両立支援・育児教育給付は基礎給付ではない二階部分に位置付けられており、これでは市町村によって待機児童解消や保育サービスが後退する懸念があるのではないかと思われるところでございます。
 保育所運営への国費負担については子ども手当の審議の際にも議論になり、大臣は、国の補助と最低基準は表裏一体であり、一定の国費が必要だと答弁なされておられますが、財源を包括し、現物給付、現金給付の配分も含め、すべてを市町村の裁量にゆだねることで保育に対する国の責任が後退する懸念はないのかどうか、また、待機児童解消のためには国及び地方公共団体の大幅な財源投入による保育所整備が不可欠であると考えますが、重ねて御意見をいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(長妻昭君) まず、平成二十二年度においては、子ども・子育てビジョンであります年間五万人の保育サービスの定員を増やしていくというこの初年度でありまして、それは予算は確保させていただいております。そして、今のお金の仕組みというのは、まだこれは御存じのように議論の途中でございまして、まだ決定をしているというわけではありません。
 私も申し上げましたのは、必要不可欠、最低限度の基準は、やはり全国でそれを守っていただくと。ただ、それに上乗せするサービスについては地方自治体が独自に競い合っていただくと。それについて省庁が権限を持ち過ぎている。はしの上げ下ろしまでおせっかいをするということをよく言われますけれども、そういうことはあってはならないわけで、それをきちっと切り分けていくということが何よりも必要だと思います。
 そして、我々の考え方は、その上で一定の役割を地方自治体に担っていただくということで、そうすると、その上乗せ部分については首長さんの判断で、自分はこの保育を充実させる首長さんもおられましょうし、それを最優先の首長さん、あるいはむしろ地元の例えば道路とか公共事業を最優先に考える首長さんもおられましょうし、その上乗せ部分については地方地方のそれぞれの御事情でお考えを持って取り組んでいただくというようなことでございまして、それについては、住民自治であります地方の議会がその首長さんなりその行政をチェックをしていくということが必要ではないかというふうに考えておりまして、必要最小限は国、そして上乗せ部分は地方、ただ全体の目標というのは国が一定のビジョンを掲げていくと、こういう仕組みになっていくんではないかと思います。
#47
○南野知惠子君 最低基準に関しましては、今般の地域主権改革法におきまして、原則として都道府県の条例で定められるということになり、人員配置基準や居室面積基準、人権に直結する運営基準については従うべき基準とすることとされております。昨年末の厚生労働省の回答では、この人権に直結する運営基準等の中に調理施設の設置等が含まれていると。今回の法案では厚生労働省で定められることとされ、必ずしもそこが明確になってないということでございます。保育所の自園調理について、これは従うべき基準として位置付けられるということでよろしいのかどうか。
 また、これまで特区のみで認められていた保育所における給食の外部搬入方式について、この六月からは三歳以上児については地域を限定することなく全国で認める方向と聞いております。これについて、次は二歳児以下の子供にも拡大されるのではないか、そのような心配の声もございます。離乳食を始めとする低年齢児の自園調理は子供の健全な育ちにこれは絶対欠かせるものではないというふうに思っておりますが、低年齢児の自園調理の堅持について大臣のお考えをお承りいただくと、したいと思っております。
 さらに、私の感想でございますが、保育園、幼稚園にはそれぞれに歴史があり、どのような形で教育、又はお預かりしたらいいかというポリシーをお持ちになっておられ、それぞれのプライドを持って今まで展開してきておられるというふうに思います。土地の問題、建物の問題、そういうものもその中の歴史の中に入っておることだというふうに思いますが、子育てにかかわる理念を大切にしていきたいと思います。大臣のお考えをもう一度お披瀝いただきたいと思います。
#48
○国務大臣(長妻昭君) この子育てに対する理念というのはこれはもう本当に重要なことでございます。
 その意味で、幼保一体化の議論の中でも、お子さんをただ単に預かるだけではなくて、幼保一体化ということにするからにはやはり幼児教育の側面も更に強めていくということが必要で、やはり社会保障の要諦というか、非常に重要な部分は機会の平等を後押ししていくと。先ほども貧困の連鎖の話がありましたけれども、やはり教育を一定のものは確保して受けていただく、そして生活の質も一定のものはお子さんについて保障をしていくということで、機会の平等を後押しするということが何よりも重要ではないかと思います。
 そして、今自園調理の話がありましたけれども、これは施設の中で調理場を持って、そこで食事をお子さんに供給するというのが自園調理でありますけれども、これについては、満三歳以上の児童に限っては全国的に外部搬入を可能ということで、それは外から買ってもいいというふうに我々も関係法令の整備作業を今行っております。
 今お尋ねのお話は、三歳未満児について、じゃ自園調理を堅持するのか、あるいは外部からの搬入も認めていくのかということでありますけれども、我々、今の時点では自園調理ということで位置付けていこうというふうに考えておりますけれども、今後の議論などを見たり、あるいはそういう離乳食といいますか、そういう三歳未満のお子さんの食事を本当に適切に安定的に供給する、そういう業者といいますか体制がどの程度あるのか、ないのかを見極めて判断をしてまいりますけれども、当面につきましては自園調理を堅持と、三歳未満についてはという姿勢でございます。
#49
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 十分な御判断の上で御決断していただきたいと思いますが、先ほどの自園調理の問題で、特に零歳児、一歳児の方々、大臣もそうだったと思いますが、赤ちゃんのころには重湯をいただき、それからだんだんとおかゆのお米の数が上がってくる、離乳食に移行していくわけでございますが、それはよそからもらう、よそから買ってくる、いわゆる外販の分ではなかなか手が掛かる。さらにまた、卵アレルギーとか牛乳アレルギーとかという問題もそのころについての課題となってまいりますので、そこら辺の食の文化についてはしっかりと御判断いただきたいというふうに思います。
 それでは、今回の児童扶養手当法の一部改正について質問させていただきますが、民主党のマニフェストにおかれましては、児童扶養手当の父子家庭への給付のほかに五年経過後の一部支給停止規定等の削除が設けられていたわけでございますが、これを今回削除していない理由は何なのでしょうか。この規定につきましては、既に当時の与党プロジェクトの取りまとめによりましても、障害、疾病等就業が困難な事情がないにもかかわらず就業意欲が見られない者以外については一部支給停止を行わない措置がとられていますが、この措置で十分とお考えなのか、お尋ね申し上げます。
#50
○国務大臣(長妻昭君) 今現在も、今おっしゃっていただいたような一定の運用上の措置がとられているというふうに考えておりますけれども、私どもといたしましては、この一部支給停止の措置については鳩山政権一期四年の中で廃止をしていくということで努力をするという立場であります。
#51
○南野知惠子君 次は、やはり民主、社民の両会派におかれて、昨年、生活保護の母子加算復活法案とともに父子家庭に児童扶養手当を支給する児童扶養手当法の改正案を参議院に提出されました。
 そのとき提出された法案は、父子家庭に対する支給は特例給付として附則で規定しており、その理由として、当時の答弁者は、五年経過後の支給一部停止規定の削除等、児童扶養手当を全面的に見直す必要があるが、今回は緊急措置として父子家庭に限定して手当てすることとしたからだと答弁されておられますが、今回も本則の恒久措置として提案した理由は何かございますでしょうか、お伺いします。
#52
○国務大臣(長妻昭君) これは、昨年、民主党が提出した議員立法では、父子家庭の手当の支給というのは特別給付として附則の規定だったということでございますが、今回については閣法の提出だということでもございますし、これについては、我々はもちろん恒久的にこの部分については実施を続けていきたいというふうに考えているということで、こういう形で審議をお願いをしているところであります。
#53
○南野知惠子君 では、閣法というところで我々も受け止めさせていただくのかなというふうにも思っております。
 母子家庭、父子家庭の区別なく、所得の低い一人親家庭への支援を行っていくというのが現政権の御方針であるならば、児童扶養手当のみならず母子寡婦福祉貸付金についても父子家庭も対象とし、一人親寡婦福祉貸付金等に名称を変えてもいいのじゃないかなと、そのように思っております。
 また、一人親家庭の経済的自立という観点からは、母子家庭、父子家庭の就労支援、特に常用雇用化を強力的に進める必要があると考えますが、その御見解と、さらに、子供の貧困という観点から考えますと、一人親家庭にとどまらず、両親がそろっていても低所得の家庭は存在しているわけでございますので、母子家庭あるいは一人親家庭に限定することなく、病気などで低所得の子供がいる家庭全体に対しても支援の拡充を図る方法はないかと考えますが、御所見いただきたいと思います。
#54
○国務大臣(長妻昭君) まず、前段のお尋ねについては、いろいろ国あるいは地方自治体が一人親家庭に対する施策を取っておりますけれども、母子と父子両方を対象にしている施策というよりは、母子家庭だけの施策の方が多いわけでございまして、それについて私どもとしては一つ一つやはり検証していく必要があるんじゃないか、それは父子にも同じ対応を取る必要があるんではないかということを検証をするということがまず前提にございます。
 その中で、今現在は母子寡婦福祉貸付金の対象は母子家庭のみでございますけれども、これについては、やはり母子家庭のお母様というのは就業経験が少ない、あるいは結婚、出産時に就業が中断していたなど、就職又は再就職に困難を伴うことが多いということが父子家庭よりも言えるのではないかということで、今は母子家庭のみについて特別の支援を行っているところであります。
 これについて、父子家庭については、これは各都道府県の社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付けということは、これ利用は可能でございます。これは父子家庭のみならず一般家庭も利用可能でございますので、今の時点ではそういう仕切りをさせていただいているところでありますけれども、いずれにしても、ほかにもたくさん、母子家庭と父子家庭それぞれ、母子家庭のみの対応策というのも非常に多いわけでございますので、一つ一つ検証するということはこれからも取り組んでいきたいと思います。
 そして、今も後段の御質問では、両親そろっている低所得者の子供のいる家庭への支援、これも拡充するべきだというお話でございますけれども、これについても、貧困の連鎖をさせない、機会の平等を後押しをしていくということで、特に職業能力開発、雇用政策、これを今後とも強化をしていきたいと思います。
#55
○南野知惠子君 父子家庭につきましては実態を把握する統計がほとんどありません。唯一あるのが全国母子世帯等調査で、これも平成十八年、調査の客体が百九十九世帯と実態を把握するにはサンプル数が余りにも少ない状況であります。国勢調査や国民生活基礎調査でも父子家庭はその他世帯に分類されており、収入等の実態等を把握することが困難な状況にございます。
 大臣はこれまで実態把握の重要性を再三再四説いてこられました。四月の厚生労働省の組織目標においても、省に不足する七つの能力として実態把握能力を挙げておられます。また、足立政務官もこれまで繰り返しエビデンスの重要性を訴えてこられたと記憶いたしておりますが、そうであるならば、厚生省が所管する国民生活基礎調査など、父子家庭の実態を把握すべきではないでしょうか。
 今日、このように内閣府からの調査を島田先生の方から配付されました。この中で見ましてもいろいろな統計が分かりますが、厚生労働省の観点の中からその問題について分析していただきたかったなというふうに思っております。
 以上です。何かコメントをいただければ。
#56
○国務大臣(長妻昭君) この全国母子世帯等調査というのがございますけれども、これはおおむね五年ごとに実施をしておりまして、前回が平成十八年でありますので、ちょうど来年度、平成二十三年度でございますので、これについては、父子家庭の実態をより適切に把握していけるように、調査項目の内容、調査方法等については、ちょうど今非常にいいタイミングでもございますので、検討していきたいというふうに考えております。
 これについては、どれだけ調査対象を増加させるか否かについて、これは経費との関係もございますけれども、やはり父子家庭、これまで確かに実態把握というのは不十分だったというふうに感じておりますので、これについては一定程度把握できるような方法を検討していきたいと思います。
#57
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 この度の法改正につきましても、そういう実態背景の下にしっかりと展開していただけますことを希望いたしておきます。
 次は、DVの件になるわけでございますが、母子家庭となる原因に夫による暴力の問題がございます。厚生労働省の調査でも、母子生活支援施設入所者の約半分が夫からの暴力を理由に挙げております。DV防止法などは我々の参議院で展開されておりますけれども、なかなか後を絶つことがございません。
 でも、本日お尋ねしたいのは、DV被害者に対する相談体制の充実でございます。
 DV被害者は、逃げた後の住まいの確保や就業、生活費の工面又は子供の就学等様々な問題を同時に抱えており、夫の暴力により心身共に疲れている。そういう被害者に対し、様々な相談や手続ができる体制の整備、そういったものが必要でありますので、また、DVはいつ、何時に起こることか分からない。夜間や休日を含めた二十四時間体制の相談支援体制が必要となってまいりますので、二十四時間体制の相談支援体制の構築やその強化、特に婦人相談所での対応等についても何かお示しいただきたいと思っております。
#58
○国務大臣(長妻昭君) DV被害者ということで、私もこういう立場になりましてから多くのDV被害者の方から御相談をいただきましたけれども、本当に想像以上に大変深刻な皆様ばかりでございます。
 今の御指摘については、今現在、婦人相談所がございまして、全国四十七か所で一時保護等を実施をしていただいておりますけれども、これは地方自治体でありますが、それについて、夜間・休日電話相談事業は実施している自治体が三十八の自治体ということで、夜間というのは十八時から二十二時、あるいは休日は休日でありますけれども、電話相談員を配置をしていただいているというところが三十八自治体。ただ、これは国の補助金の活用をしていただいているところでありますので、独自に取り組んでいる自治体も一定程度あるんだと思います。
 いずれにしましても、どういう支援が適切なのかということも含めて、今おっしゃっていただいたような夜間・休日相談、この強化というのにも努めていきたいというふうに考えております。
#59
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 DVがなくなればいいなというふうには思いますが、なかなかそういうわけにもまいらないので、それに対する皆さん方の困っている状況を少しでも救ってあげていただきたいなと、そのように思います。
 次は、子宮頸がんワクチンについてでございますが、これもこの前、質問させていただきましたので、公費助成を是非お願いしたいということが一件と、もう一つは、現在、我が国で開発中の子宮頸がんワクチンは、今のワクチン、十六型、十八型に対応した、十五ある発がん性HPVに対しての効果があるというふうにも期待されておりますが、このワクチンが完成するまで待てということで公費負担を先延ばしにするということがないようにお願いしたいということが子宮頸がんに対して私のお願いでございますが、お答えがいただけたらと思います。
#60
○国務大臣(長妻昭君) この子宮頸がん予防ワクチンについては、今、厚生労働省の予防接種部会というところでその在り方について議論をしているところであります。当然、公費助成をする必要があるんではないか、あるいは予防接種行政の中でどう位置付けるのかなどなど論点がございますので、これも多くの方から御要望がいただいている案件でございますので、これについては今申し上げた部会で議論をしていくということで、専門家の皆さんの知見も我々聞かせていただきたいと思っております。
#61
○南野知惠子君 是非、この子宮頸がんに対する効果を我々は期待しておりますので、特に公費負担という形で全部の子供たちに提供していただけることを願っております。
 次は、本年の四月から特養での介護職員のたんの吸引等が認められたことに関連してでございますが、三月三十一日の特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する取りまとめを踏まえまして、四月からこのように特別養護老人ホームにおいて看護職員との連携の下での介護職員によるたんの吸引、胃瘻による経管栄養が特例的に認められるようになりました。
 特養などにおける夜間の医療体制や、看護職員が置かれている状況を考えますと、こうした措置も一定の理解をしておりますが、入所者の安全を確保する観点からはケアの実施状況等の定期的な検証やフォローアップ体制が必要になってくるとも思われます。
 また、特別養護老人ホーム等におきまして常時医療的ケアが必要な高齢者が増えている、これが現状でございますが、本来なら看護職員の配置基準の見直しにより、より手厚い介護・看護体制を構築すべきであり、また特養の看護職員は、今後、緊急時や重症者への対応に加え、介護職員等に対する研修又は技術指導を担うようにもなってまいります。こうしたことを考えますと、特養等における看護職員の配置基準の引上げ、また見直しについても検討すべきと考えますが、御所見をいただきたい。
 さらに、先日の、長妻大臣と語る「みんなの介護保険」意見交換会において、大臣は、現在、自宅と特別養護老人ホームに限られている医療行為の一部を行える場をグループホームや有料老人ホームにも拡大することなど、特例的に認めている医療行為について法律で認める考えを表明したと伝えられております。これは特例を一般化するというかなり大胆な内容を含んでいると思われるのでございますけれども、大臣の真意をお伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(長妻昭君) まず、今おっしゃっていただいたように、先月、四月一日ですね、特別養護老人ホームにおける介護職員によるたんの吸引あるいは胃瘻の措置など、などというか、二つについて、介護職員に対する研修を実施するなど一定の要件の下で許容するという通知を出させていただきました。この許容される要件の中の一つに、お医者さんあるいは看護師さんとの連携が確保されることなどを定めておりまして、そういう意味では、看護師さんの連携、御指導というのも重要になってきております。
 そのところで、看護職員を例えば配置基準を引き上げるべきではないかというようなお尋ねだとも思いますけれども、これは御存じのとおり、非常に今看護職員を確保するのが難しい状況でもございまして、すべての特養について例えば一律に配置基準を引き上げるということは、非常に今の時点では困難であるというふうに考えております。
 もう一つについては、今、特養施設だけでなくてグループホームや有料老人ホーム、障害者施設等においては、たんの吸引など、これについて介護をする方の対応はできないのか否か、あるいは在宅でもホームヘルパーの業務としてたんの吸引などができないのかどうか、こういう御指摘も御要望もいただいておりますので、これについて私が申し上げましたのは、法改正も含めた対応について検討をしていくということを申し上げ、今役所の中で検討をさせているところであります。
 いずれにしても、今後とも、安全性、現場のニーズ、法的な整理等を踏まえて議論をして、有識者あるいは関係者等で構成される検討会というのを早急に立ち上げて、法案についてその場でも検討していきたいと思います。
#63
○南野知惠子君 その点よろしくお願いします。
 私が一番心配しているのは、やはり医療過誤の問題であります。看護過誤というのか、そういう過誤をこういう高齢者の方々又はそれを受容される方々に起こさないというその担保がどのような形であるならばできるかというところにポイントが当たるというふうに思います。
 次は特定看護師制度の問題でございますが、本年三月のチーム医療の推進に関する検討会報告書を受けられ、あしたの二十六日にはチーム医療推進のための看護業務検討ワーキングチームの第一回が開催される予定であるとお聞きしております。四月に公表された厚生労働省の各局別の組織目標では、特定看護師に関して、六月までにモデル事業、実態調査の着手を行い、九月までに実態調査の結果を取りまとめるとされておられます。
 特定看護師は病院勤務医等の負担軽減に大きく資することが期待されておりますが、業務の内容、またそれに伴う養成について、法制化を前提とした早急な検討と支援が必要となるのではないでしょうか。特定看護師の早期制度化に向けた今後の取組についての大臣の御所見をいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(長妻昭君) 今御紹介いただきましたように、あした、この特定看護師という考え方について、どういう業務あるいはどういう役割を担っていただくかということについてのワーキンググループを設置をいたします。
 そこでは、看護師のまず業務の、今現在の業務の実態把握をしようということ、そしてモデル事業を実施しながら特定看護師の業務内容あるいは養成課程の内容について検討していこうということでございまして、これについて今こういう見込みを持っているということはまだ言える段階ではございませんけれども、知識、経験豊かな看護師の方が一定の医療行為を実施できるような新たな枠組み、そういう方々の能力あるいは経験を生かせるような、今、医師不足、まあこれは看護師の方も不足しているんですけれども、それを補い合うようなそういう役割はいかにあるべきかということについて、我々といたしましてはその検討会で一定の考え方を出していこうというふうに今進めております。
#65
○南野知惠子君 十分なる御検討をお願いしたいと思います。
 それぞれの職種はそれぞれの自分たちの持つ法律の下に仕事をいたしております。その法律をどのように担保していくかということが一つの課題であろうかと思いますが、ドクターが忙しいからそれはナースにさせようというような、そういう観点ではなく、ナースならこれができる、医師ならこれもできるというその可能性を探った上での業務分担ということをお願いしたいというふうに思っております。ドクターが忙しいからではなく、看護職又は助産師、保健師ができるからというところにポイントを当てていただく方が我々としては抵抗が少ない、また、それが理ではないかというふうに思っております。
 次に、中医協に関してでございますけれども、本年二月の十二日の平成二十二年度診療報酬改定についての答申には、十六項目にわたる附帯意見が示されております。
 そのうち、看護職員に特化した項目として六と八があると思いますが、六番目の、看護職員の厳しい勤務実態等を十分に把握した上で、看護職員の配置や勤務時間に関する要件の在り方を含め、看護職員の負担軽減及び処遇改善に係る措置等について、検討を行うこと。八番目のところでは、訪問看護については、診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて、訪問看護ステーションの安定的な経営や、患者の病状に合わせた訪問に対する評価の在り方について、検討を行うこととございます。至極もっともな御意見であり、早急に検討を開始し、二十四年度の診療報酬、介護報酬同時改定までに改善策を講じていただきたいと思いますが、これらの附帯意見に対する見解及び今後の検討の見直しについてお伺いしたいわけでございます。
 さらにまた、足立政務官を始め、かつて中医協改革に意気込みを表明しておられましたことに感謝しながら、チーム医療推進という観点からも、中医協への看護職員の参画について御所見を加えていただきたいと思います。
 以上です。
#66
○大臣政務官(足立信也君) 二点御質問があったと思います。
 一点目は、診療報酬改定の答申に合わせて付された附帯意見でございます。
 この趣旨は、今回の診療報酬改定でも考慮して、配慮した部分があるけれども更に足りないんではないかという観点、それからこの診療報酬の改定がどの程度効果が見られたのかという検証が必要であるという、その大きな観点二つあったんだと思います。そこのところで、今回の改定では、先ほど委員がおっしゃった、看護職員の負担軽減や処遇改善並びに訪問看護についてはどういうことをされたかということをまず申し上げたいと思います。
 第一に、今回の診療報酬改定で、急性期病院の看護職員が看護業務に専念できるように、病棟に看護補助者を配置した場合の評価を新設いたしました。今までは十三対一、十五対一のところだけだったんですが、七対一、十対一にも加えました。第二に、チーム医療の推進という形で、それを評価するということを新設いたしました。第三に、訪問看護ステーションの基本料金を引き上げました。第四に、乳幼児等に対する訪問看護の評価をこれも引き上げました。そして第五に、複数の看護職員による訪問看護の評価の新設を行いました。これが、先ほど申し上げましたように、どのように実態が行われ、そしてどのように受け止められて、効果がどの程度あるのかということをしっかり検証するということが大事だと思います。
 それから二点目、中医協のことについてですが、これは御案内のように、これは委員としては、支払側七名、診療側七名、そして公益六名、そして専門委員十名以内という構成になっておるわけでございます。専門委員には、看護師である坂本委員、あるいは今回初めて医師、看護師以外のコメディカルの方々から放射線技師である北村専門委員を加えさせていただいて、チーム全体でしっかり取り組むんだという姿勢を示させていただいたつもりでございます。
 そんな中で、診療側の委員のところに看護師さんを入れて、入った方が望ましいのではないかという意見だと思いますが、その点につきましては十分私は検討課題にすべきことだと思います。ただ、法律的には、診療側委員は「医師、歯科医師及び薬剤師を代表する委員」というふうになっておりますので、その点の検討においては法改正も含めて考えなけりゃいけない部分がございますので、その点は慎重にやるべきだと思っております。
#67
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 今、先生のお一言が私には大きく影響をさせていただいております。十八年間そのことを言い続けてまいりましたが、なかなか先生が今言われた言葉が引き出せないままになっておりました。そういう意味では、中医協の中で看護の役割ということをお認めいただけるのかなと、そのように思っております。
 ちょっと質問は飛びますけれども、助産関係のことでお尋ねいたします。
 お産ができる場所というのが大分少なくなってきているとはいえ、分娩を取り扱うことができる助産師への国民の期待はこれまで以上に高くなっていると考えられます。助産師は、正常分娩について自立して取り扱うことができる職種であり、女性が安心して妊娠、出産に臨めるような環境を整えていくためには、子産み子育て専門家である助産師が現在にも増して質の高いケアを提供していくことが重要であると考えております。
 厚生労働省として、助産師の質の向上について今後どのように取り組んでいくのか、どういう予定があるのか、お聞かせいただきたい。この前、保助看法を通していただきましたが、そこに関連する研修というようなところにもございます。これは、看護系についての研修はうんとしていただいている、予算を十七億円計上していただいておりますけれども、保健師、助産師の問題点については少しトーンが、少ないんじゃないかなというふうに思っておりますので、その問題もございます。
 具体的に、助産師のことに関しては、厚生労働省では、平成二十二年三月に取りまとめられたチーム医療の推進に関する検討会報告書では、助産師について、会陰裂傷の縫合については、安全かつ適切な助産を行う上で必要性の高い行為であることを考慮しつつ、助産師が対応可能な裂傷の程度について検証を行った上で最終的な結論を得ることが適正であるとされております。例えば、軽度の裂傷であれば、助産師教育を充実させることによって助産師で対応可能な範囲があると考えられます。
 諸外国の例ですが、例えばフランスでは、局所麻酔、会陰切開、複雑でない切開創の縫合が助産師の業務となっております。私が英国に行って業務をやったときも、教育に参加していたときも、陣痛に対する和痛麻酔は助産師が行われており、今アメリカの人たちが言っていることは、日本人は痛みに対して鈍感だねと言われることが現在でございますが、そのようなことも業務の中に入れて展開してまいりました。
 助産師教育の充実については先般の保助看法の中で展開していただきましたが、更に業務の拡大についての検討、今申し上げました拡大についての検討をどのように御配慮か、お尋ねいたします。
#68
○大臣政務官(足立信也君) 私どもがどういうスキームで臨んでいるかということをまずお話し申し上げる必要があるかと思います。
 チーム医療の推進に関する検討会の報告書が出されました。そして私たちは、それに対してチーム医療推進会議というものを設置いたしました。その中で、個別具体的なチーム医療推進、各職種にわたる推進をどのように取り組んでいくかということで、先ほど大臣が答弁申し上げました特定看護師についてはワーキンググループをつくったと、そういうスキームになっております。
 そんな中で、助産師さんの業務拡大ということにつきましては、私もこの点は是非とも必要なことであろうと、そのように考えております。この業務拡大をするに当たって、先ほどのスキームの中で申し上げましたように、推進会議の中で今後更なる検討をしていくというようなことになるんだと思いますし、やはりその中で実際にやられたことが、検証でしっかりやるということが大事だと思います。
 更に言わせていただければ、今議員が、南野議員がおっしゃったので意を強くして申し上げたいんですが、私も外科医の経験からいいますと、やはり会陰切開をされてそれを縫合するということは比較的容易だと思いますが、裂傷の縫合、これほど難しいものはないと思っておりますので、そこだけを取り上げるのはやはり問題があると思っておりますし、これは教育の過程の中で、じゃ今まで看護師さん、助産師さんがどれだけ縫合ということをやってきたのかということからもちゃんと検証しなければいけない、見直さなければいけない、そのような問題だと思っております。
#69
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 そのように業務拡大する中でも、ただ机上でこれがいい、これがいいということじゃなく、ドクターのように、大臣のように、それをやってこられた方がそれを展開し、その意見を出していく、実務家の政策というところが一番大きなポイントになるのではないかなと思っております。
 次は、助産所の関係でございますけれども、地域でお産を支えているのは、病院、診療所以外に助産所がございます。助産所は長年の地域での活動によって信頼を得ており、地域の出産のみならず、産後のケア、また育児支援、あるいは思春期教育、時には学校に出前していき、命の大切さの教育をしたりいたしております。
 助産所で出産をした女性は病院での出産で得られない家庭的な環境で自然に出産ができる喜びを経験したと言われており、特にドクターの奥様たちは案外ここの助産所でお産しておられる方が多いようでございますが、今後もその活動を支援していく仕組みが重要であると思っております。
 分娩を取り扱う助産所においては、平成十八年度の医療法改正によって、十九年四月から嘱託医師及び嘱託医療機関の確保が必要となりました。緊急時の対応はこのことが一番必要でございますが、嘱託医療機関では、個別の医師とのかかわりでありますので、いつでも対応をお願いすることが難しい場合がございます。そういう意味では、周産期医療ネットワークでの対応となれば、直接、より迅速に対応ができ、好ましく安全性が確保できると思います。
 開業助産所との関連もございますが、現在、山形、佐賀の二県がこの整備がされておりません。この二県が整備されると全県になるということでございますので、嘱託医療機関が確保できたとみなしていただきたい。また、二県の未設置県を急いで設置していただきたいと思うわけでございます。
 さらに、すべての都道府県で助産所が周産期医療ネットワークに組み込まれた場合には、医療法第十九条に基づく嘱託医療機関の必要についても緩和することができるのではないかと思います。そうすることによって、個人的なドクターの開業を邪魔することにはならないのではないかと思っておりますので、周産期医療ネットワークの課題についてお尋ねいたします。
#70
○大臣政務官(足立信也君) 昨年、南野議員の御努力も相当なものがございまして、保助看法の改正で助産師の修業年限が六か月以上から一年以上に延長されたと、これに伴ってしっかりした教育をやはりやるべきであると、しかもその役割は非常に大きなものがあるという認識の下だと思います。
 そんな中で、今、周産期医療ネットワークの整備がどの程度かという話のことでございますが、これは、委員はもう御案内のように、周産期母子医療センター、中核となる周産期母子医療センターと地域の診療所、助産所等が連携をして役割分担を行うというシステムでございます。
 今、委員はあと二つとおっしゃいましたけれども、この周産期医療ネットワークが構築されているのは今四十六都道府県でございます。一つがどこかというのは、佐賀でございます。その中で助産所がそのネットワークに組み入れられているのは三十四都府県でございます。これだけ既に組み入れておられると。
 しからば、緊急時等の連携、嘱託というものが必要なくなるのではないかという今指摘ではございますけれども、それは周産期母子医療センターにすべてやはり助産所から送られるというわけではございませんで、まずは地域の診療所あるいは病院等と連携をしっかり図りながら、バックアップを受けながら行い、そしてその更に高度の部分については周産期母子センターが位置しているという医療ネットワークの中で考えておるわけでございますので、ネットワークに組み込まれて、さらにセンターがあればもう嘱託医及び嘱託医療機関を確保する必要性がないのではないかという御指摘は、地域医療で、まず地域の中で解決していただくという原点に立てば、やはり私は必要性のあることではないかというふうに考えております。
#71
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 私も同じような表を持っていると思いますが、この中で申し上げたところでございますので、私の足らざるところは大臣の方で調整していただき、医療過誤なく助産師が助産所で働ける、開業ができるということの全体的な担保をお願いしたいと申し上げるところでございます。
 それと、あともう一つ。防衛省の方、お越しでございますでしょうか。ありがとうございます。
 看護教育の四年制化への対応について、現状はどうなっているのでしょうか。前々から検討させていただいておりますが、大分足踏みをしておられて、防衛大学の医学教育はなされておりますが、大学教育の中で助産・看護教育がされていない、そのことについて心配しておりますので、よろしくお願いします。
#72
○政府参考人(外山千也君) お答えいたします。
 防衛省・自衛隊では、任務の多様化、国際化、医療技術の高度化、複雑化に伴います看護師の活動領域の拡大に十分に対応し得る専門的識能と豊かな人間性や的確な判断力を有する資質の高い看護師を育成する必要が高まってきております。こうした中で、国内におきましては看護師養成課程の四年制化、大学化が急速に進展しており、防衛省・自衛隊における看護師養成課程が現行の三年制のままでは看護師の確保及び育成に支障が生じるおそれがあるものと考えております。
 このため、防衛省・自衛隊では、任務を適切に遂行し得る資質の高い看護師の確保及び育成を図る観点から、看護師養成課程の四年制化に向けて現在鋭意検討を行っておりまして、可能な限り早期の実現を目指してまいりたいと考えております。
#73
○南野知惠子君 可能な限り早急にということで期日はお示しになりませんでしたが、今準備しておられるとするならば一番早くて来年かなというふうにも思ったりいたしております。どうぞ、なるべく早急にということで、よろしくお願いいたします。
 今日は文科省にもお越しいただいております。
 この前、保助看法の一部改正と人材確保法の関連の中から、文部省における看護教育のカリキュラム、研修カリキュラムということについての質問でございますが、看護の問題点については、十七億円、大臣の方からいただき、研修が展開されておりますが、保健師、助産師はそこら辺の問題点について予算がまだ伴っていないかなと思っております。でも、保健師、助産師の教育、研修は更に大切な課題でありまして、助産師はさらに開業というものを含んでおりますので、そこら辺の問題点について研修、教育をどのように考えておられるか、教えてください。
#74
○大臣政務官(高井美穂君) 保助看法の改正のときには南野先生も大変な御尽力をいただきまして、先ほど足立政務官からも御答弁ございましたとおり、助産師の国家試験の受験資格が認められる学校の修業年数が、六か月以上から一年ということで延長をされたということでございます。
 その中の議論の中でも、大変いろいろな関係者の意見から、修業年限を延長すること若しくはもっと充実することなど、いろいろな議論があったというふうに私どももお聞きをしておりますが、委員御指摘のとおり、助産師は正常分娩を独立して取り扱える職種でございまして、多くの分娩介助実習を行うなど、助産所開業に資する教育は大変重要なものと思っております。近年の増加傾向にあります大学院教育においても、助産師開業を目指し得る助産師の養成も取り組まれているところであります。
 法改正を受けて、厚生労働省において、すべての助産師養成課程で最低限守るべき教育の内容の見直しを行っているというふうに聞いておりますけれども、文部科学省においてもこれらの動向を踏まえつつ、大学における助産師教育の充実について引き続き協力して取り組んでいきたいと思いますので、御指導の方をよろしくお願いをいたします。
#75
○南野知惠子君 看護の教育には実務の研修ということも多く、重きを置かなければならないというふうに思っておりますので、そういう意味で、この度の改正は、四年の基礎教育、その上に保健師、助産師というものが積み上がるということであり、合同教育ではないというところにも一つのポイントを置いていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 さらに、もう時間がなくなりましたが、幾つかの質問をさせていただけなくなりましたのは私の不手際でございますが、国立ハンセン療養所における療養体制の充実について一問お伺いをいたします。
 この件に関しては、去る二十一日の参議院本会議において、入所者の実情に応じた定員及び療養体制の充実について全会一致で決議がなされたところでございます。これを受けて、厚生労働大臣、長妻大臣からは、入所者の方々が引き続き良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするための基盤整備は喫緊の課題であるとの認識の下、政府といたしましては、ただいま御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいるとの御発言をいただいたところでございます。
 しかし、現在、ハンセン療養所に入所されている方々の中から、ハンセン病療養所で働いている賃金職員の任期について三年を上限とすることが検討されていることに対し不安の声が上がっております。ハンセン療養所で働く賃金職員の皆さんは職種も多様であり、入所者の日々接して、入所者の生活の維持、確保のために必要な業務であり、これを三年と決めることによって入所者への対応が極めて困難になるということが心配されておりますが、三年という任期を決めることに対する不安の声に対して大臣の温かい声を返していただきたいと思っております。
#76
○国務大臣(長妻昭君) これは昨年八月の人事院勧告を受けて、人事院では新たな非常勤職員制度を検討中でありまして、この中で、同一府省庁における雇用期間が最高三年に制限する努力義務が課されるということで、今おっしゃったことが進んでいるところでありますが、ただ、この国立ハンセン病療養所の賃金職員というのは、これはまあ今厳しい定員管理というのがありますので、そういう意味では、常勤職員がなかなか増やせない中、長期にわたって常勤職員と同じように業務上不可欠なマンパワーとなり、あるいは入所者とも長年の信頼関係を結んでいくということも必要なので、私どもとしては、人事院に雇用期間の制限を適用をしないということも検討いただけないかどうか、これについて申入れをしようと考えております。
#77
○南野知惠子君 ありがとうございます。
 大臣のますますの御発展を祈りながら、私の十八年間の勤務の締めくくりとさせていただきます。
 ありがとうございました。
#78
○委員長(柳田稔君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#79
○委員長(柳田稔君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、近藤正道君及び松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として又市征治君及び植松恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#80
○委員長(柳田稔君) 休憩前に引き続き、児童扶養手当法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 それでは、法案に関して御質問をしていきたいと存じます。
 昨年の十一月十三日に厚生労働省が、子供がいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率を公表されました。それによりますと、二〇〇〇年代半ばにおける日本の一人親世帯、大人が一人で子供がいる現役世帯、世帯主が十八歳以上六十五歳未満の世帯の貧困率は五八・七%であり、この割合はOECD三十か国中で最下位であります。OECD平均は三〇・八%であります。
 日本の一人親世帯の貧困率が非常に高くなっている理由をお聞かせいただけますでしょうか。大臣、お願いします。
#82
○国務大臣(長妻昭君) この相対的貧困率について公表させていただき、今おっしゃっていただいたのは、大人が一人の子供がいる現役世帯の相対的貧困率、OECD三十か国中最下位ということで、非常に相対的に貧困であるということでございます。
 これについてはいろいろな要因があろうかと思いますけれども、やはりまずは、一人親という方が、就労の制約もありますし、なかなかお給料が高い仕事が就きにくいと、こういうようなことが一つの要因としてあるんではないか。そしてもう一つについては、お子さんがいらっしゃるというようなことで、これは一人親のみならず子供がいる世帯の貧困率も日本は高いわけでございますので、子供に掛ける国の、あるいは自治体の支援というのがほかの先進国に比べると弱いんではないかというようなことが原因ではなかろうかと思っているところであります。
 いずれにいたしましても、まずは就労を支えるということ、そして家計を支援するということが重要でございますので、我々、今回のお願いしている法案もその一つでございますけれども、今後とも取組を続けてまいります。
#83
○石井みどり君 それでは、母子家庭等に対する支援は、平成十四年の母子及び寡婦福祉法、児童扶養手当法の改正により、児童扶養手当中心の支援から就業、自立に向けた総合的な支援へと転換されたところではありますが、現在の母子家庭等の自立支援策の概要をお教えいただけますでしょうか。
#84
○国務大臣(長妻昭君) 母子家庭に対する自立支援策ということでございますけれども、主にこの四本柱がありますが、一つは、子育て・生活支援策ということで、これは保育所の優先入所や家事を手伝うヘルパーの派遣等々です。二番目は、就労支援策としまして、これは母子家庭等就業・自立支援センターというところで御相談に乗る。そして、ハローワーク、これはマザーズハローワーク、母子家庭のみならずお母様の就労一般もハローワークで担っておりますけれども、それに関連する資格や技能の取得支援。そして三番目としては、養育費確保策ということで、これはなかなか別れた相手が養育費を払わないということがございますので、養育費相談支援センターというところなどを活用して相談に乗り、情報提供をさせていただく。そして四番目は、経済的支援策ということで、今御議論いただいている法案あるいは母子寡婦福祉貸付金、この四本柱で自立を支援するという政策を今取っております。
#85
○石井みどり君 今、母子家庭等への自立支援策を伺ったんですが、この母子家庭等に対する自立支援策のうち父子家庭を対象としているものはどの施策でしょうか。そして、父子家庭を対象としている理由も併せてお教えいただけますでしょうか。
#86
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げました中で、就業支援の中で母子家庭等就業・自立支援センター事業、これはネーミングは母子家庭ですけれども、こちらについては父子家庭についても一部対象となっているところであります。さらに、経済的支援の中で、まさに今法案をお願いをしているところについてはこの法案が成立すれば父子にも対象になるということでございますが、それ以外の多くの施策についてはやはり母子家庭のみというようなものも多いわけでございますので、我々といたしましても、父子家庭と母子家庭、その違いが合理的なのかどうかということについては今後とも検証をしていくということであります。
#87
○石井みどり君 今般の児童扶養手当法の一部を改正する法律案では、母子家庭の母に加えて、母と生計を同じくしていない児童を監護し、かつ、これと生計を同じくしている児童の父を新たに児童扶養手当法の支給対象とすることとしておりますが、今回新たに父子家庭の父を児童扶養手当の支給対象とした理由をお教えください。
#88
○国務大臣(長妻昭君) これについては、一つは、これまでも市町村会あるいは各市長会などからも御要望があり、NPO団体も含めて御要望が強いということ。
 そしてもう一つは、国としても、全国母子世帯等調査というものでありますが、そういう調査をしてどういう御苦労があるのかというのを現状把握をしております。その中で、これまでは父子家庭は家事が大変であるというのが一番のお悩みだったわけでありますが、平成十八年度以降は家計が大変であるというような形になっている。つまり、母子家庭と同じ悩みというようなことがある。そして、年収につきましても、母子家庭、父子家庭比べると父子家庭の方が高いは高いわけでありますけれども、ただ、その平均の年収の中でも一定程度の低い年収の方が大変多いというようなことにかんがみ、今回この法案を提出しました。
 それと、選挙前に民主党がお示しをしたマニフェストにもこの項目を入れさせていただいておりますので、そのマニフェストを果たしていくということも理由としてございます。
#89
○石井みどり君 今、父子家庭も従来は家事援助のサービスを一番求めていたけれども、非常に経済的な理由も強くなっているという御説明でありましたが、平成十八年度母子世帯等調査によると、母子家庭の平均年間収入二百十三万円であるのに対して、父子家庭の平均年間収入が四百二十一万円でありまして、これは二百八万円もの差があります。年間の就労収入の分布差にもかなり差が出ています。
 今、もちろん大臣がおっしゃったように、父子家庭にも非常に経済的な困窮家庭が増えているところではありますが、やはり母子家庭と父子家庭では経済的には構造的な非常に差があると。差異があるにもかかわらず、単純に父子家庭を児童扶養手当の対象とすることが妥当であるんでしょうか。そこをお聞かせください。
#90
○国務大臣(長妻昭君) これは金額だけの話ではございませんで、金額だけ見ても、今おっしゃられたものが平均でございますけれども、年間就労収入が三百万円未満の父子家庭の割合は三七・二%、四割近くあるということで、平均は母子家庭よりも高いわけでありますが、その中でもそういう御家庭もあるということ。
 そしてもう一つ、母子家庭、父子家庭、同じように一人親ということでございますので、それで働きながらお子さんを育てると、こういう非常に精神的にも肉体的にも大変な状況にあるというようなことで、当然、日々のお買物あるいは食事をどう作っていくのか等々、これは一人親でない家庭に比べますと、そういう意味でのいろいろな御苦労ということもかんがみ、当然、政府あるいは自治体では支援策というのはございますけれども、その支援策の四本柱目である経済的支援ということについても母子と同様に父子の家庭にもお支払いするということが適切ではなかろうかというようなことで、内閣全体、政府全体でも財政当局とも相談をいたしまして今回、法案を提出させていただいております。
#91
○石井みどり君 大臣おっしゃいますように、母子家庭の母と同様に父子家庭の父も仕事をしながら子育てをしなければいけない、両立というところで大変お困りになっていることも多いわけでございますが、やはり父子家庭の父親が子育てをしながら安定した家庭生活を送ることができるように、そしてすべての子供が健やかに育つことができるように支援を行うことが必要であるということは言うまでもないと思いますが、平成十八年度の、先ほど申し上げた全国母子世帯等調査によりますと、父子家庭が困っていることの内訳の一位が、以前は家事でありましたが、今回、母子家庭同様に家計となっております。この調査によりますと、相談相手のいない父子世帯の割合が四〇・六%ともなっています。父子家庭に対する児童扶養手当以外の支援策についても充実させる必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
#92
○国務大臣(長妻昭君) やはり、一番重要なことの一つは、機会の平等を確保する、機会の平等を後押ししていくということで、一人親の御家庭に育ったお子さんが著しく機会の平等が損なわれるというのは、これは国にとっても大きな損失であるというふうに考えているところであります。
 その中で、父子家庭を対象にしている支援策については、これはまだまだ不十分だというふうに認識しておりますので拡充を図っていく必要があるということで、この度、この法案提出を機に、これまでは母子家庭だけに支援策としてございました生活一般の相談を行う母子自立支援員という相談員について、これは父子家庭についても訪問をして相談に乗ると、こういうような形を実施させていただこうと。あるいは、各地にあります母子福祉センターという相談窓口、母子家庭の相談窓口がございますけれども、これについては父子家庭の利用というのはできませんでしたが、これについても利用をするようにしていきましょうというようなことを実施をさせていただこうと考えております。
 そして、何よりも就労支援ということ、安定的な職に就いていただくということで、特に専門資格、例えば看護師さん、あるいは保育士あるいは介護福祉士、こういう専門の資格を取るいろいろ経費も含めて御支援をして、資格を取っていただいて安定的な仕事に就いていただくなどなどの支援、これは今もやっておりますけれども、これについて更に拡充する必要があると考えております。
#93
○石井みどり君 なるべく母子家庭と同様に父子家庭も手厚い支援をお願いしたいところでありますが、経済的支援である児童扶養手当の対象に父子家庭を今回加えるのであれば、児童扶養手当同様に、母子家庭の経済的支援である母子寡婦福祉貸付金についても同様に父子家庭をも対象にするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(長妻昭君) 今の貸付金につきましては、これは母子家庭ということで、一般的に父子家庭に比べますと、それは一つ一つの御家庭で異なる御事情がある場合も多いわけでありますけれども、一般的には女性は働いておられない方が働かざるを得なくなるケースもありましょうし、あるいは結婚等で一時的に職を離れている女性が働くということもございましょう。男性は一般的には働いておられる、あるいは職を変わっているにせよ当初から働いておられる方が多いんではないかというようなこの差にかんがみて、今の時点で母子世帯ということで判断させていただいているところであります。
 なお、父子家庭については、これ各都道府県の社会福祉協議会が実施している生活福祉貸付事業、この利用については可能でございますので、こういう利用が可能であるということについても周知徹底をさせていきたいというふうに考えています。
#95
○石井みどり君 今おっしゃった社協の生活福祉資金貸付事業でありますが、これの利用状況が分かればお教えください。分からなければ、後日、委員長、また教えていただけることをお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(長妻昭君) 生活福祉貸付制度のお話でございますけれども、これについて、対象者、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯ということが対象になっておりますけれども、恐らく今のお尋ねは父子家庭がどのくらい利用しているのかということでございましょう。これについて今データがないわけでございますので、地方自治体、社会福祉協議会にお願いをして、そのデータを収集をするとすればどういう方法が、できる限り御負担を掛けないで収集できる方法というのを検討していきたいというふうに考えております。
#97
○石井みどり君 利用状況のデータがないということでありますが、先ほど来、今回のこの児童扶養手当に父子家庭の父も加えるのは経済的理由が大きいんだということであれば、やはりこういう貸付金のデータ、基礎情報だと思いますので、是非調査をして本委員会の方に御報告をいただきたいと思いますが、委員長、取り計らい、よろしくお願い申し上げます。
#98
○委員長(柳田稔君) ただいまの件につきましては後刻理事会で協議をいたします。
#99
○石井みどり君 それでは、今回の改正により父子家庭の父も児童扶養手当の支給対象となりましたが、これによって児童扶養手当というのは要は一人親家庭に対する経済的支援となるわけであります。その一方で、片親ではなくても、一人親ではなくても、経済的に困窮している家庭もたくさん存在するわけであります。その公平性についてはどのようにお考えになられますでしょうか、大臣。
#100
○国務大臣(長妻昭君) これは、子供の貧困率というのも日本は非常に先進国の中でも高いわけでございまして、まさにそのお尋ねは、何とか我々も低所得の御家庭についていろいろなサポートをしなければならないと、何よりも、繰り返しですけれども、お子さんの機会の平等を後押ししていくと、こういうことも社会保障の非常に重要な役割でございますので、これについては、一つは、子ども手当ということについてもそれは一つの支えになるんではないか。これは控除から手当へということで、若年者控除をなくしますので、年収の高い方についてはその減る分が、減る分というか税金が増える分が大きくなるわけで、子ども手当の手取りと差引きすると年収の低い方、一番満額差引きで受け取る方は税金を払っておられない低所得者の方に手厚く行くと、こういう制度設計にもなっておりますので、そういうものの支援あるいは就労支援等々については従来の施策を更に強化をしていきたい。
 ただ、そういう御家庭にも児童扶養手当を支払ったらどうかというお尋ねの趣旨であるとすれば、やはり一人親と御両親がおられるということについては、やはり家事の御家庭での負担、あるいはお子さんをどう育てるかの負担、あるいは精神的支え、そういうことも考えると、より一人親世帯の方が一般論としては大変な状況に置かれているんではないかということで、この児童扶養手当というのを一人親に限らせていただいているということであります。
#101
○石井みどり君 一方で、大変モラルハザードといいますか、不正受給の問題もあろうかと思います。偽装離婚による手当の受給や、あるいは事実婚状態であるにもかかわらず手当を受給されるということは、これはよく見られることだろうと思います。
 私は臨床医をしておりましたときに、母子家庭ということであってもお父さんが付いてきているなというのは結構ございましたので、やはりこういう不正受給の存在というのはそれほどレアではなかろう。やはり、こういうことに関しても公平性という観点からいってきちんとただしていく必要があるかと思いますが、この不正受給の現状における実態がどのようなことになっているのか、お教えいただけますでしょうか。
#102
○国務大臣(長妻昭君) まず、国の指導監査結果、平成二十年度でありますけれども、母の婚姻により過払いされた件数の割合は、受給者のうち〇・二%というようなことになっているところであります。あるいは、国がサンプル的に百自治体を調査した実績では、児童扶養手当が過払いされた件数の割合は、平成二十年度で受給者のうちの〇・四%というようなことでございます。
 いずれにいたしましても、やはり不正と知りながら書類あるいは要件を偽って申請して不正にお金を受け取るというのは、これは犯罪でございますので、私は、犯罪はもちろんすべて悪いわけでありますが、特に社会保障についての、あるいは生活保護も含めて、そういうものの不正受給というのはこれはもう大変問題だと思っております。なぜならば、まじめに受給されている方もそういう目で見られてしまう危険性があるということで、これについては我々は非常に心に留めてというか、怠りなきようにきちっとチェックをしていきたいというふうに考えております。
#103
○石井みどり君 今おっしゃったように、やはり今ディボースする、離婚する家庭が増えておりますので、複数のお子さんがおられて、それぞれを監護しているというようなお子さんが同一世帯でないという場合は、ディボースした後、父、母それぞれが手当を受給するということも制度的には可能になるんではないかと思いますので、是非、今大臣がおっしゃったような、そういうやはり不正受給に対してはただすべきはただしていただきたい、その対策をきちんと取っていただきたいと思います。
 そして一方、私の周りで見聞きする、非常に多いんですね、収入が多い、離婚された後の子供を監護されている母親の収入が多い少ないにかかわらず、ほとんど養育費を受け取ってないという方が圧倒的に多いんですね。やはり、母子家庭の自立とか、あるいは経済的な安定を図るためには、やはり当然父親からの養育費を、これを確保するということが大変重要であると思います。離別後、子供を監護してない親からの養育費の支払状況の実態、あるいは養育費をどう確保していくかということに向けての政府の対策あるいは取組についてお伺いしたいと存じます。
#104
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃっていただいた点ですけれども、平成十八年の調査がございますが、母子家庭のうち一度も養育費を受け取ったことのない母子家庭は五九・一%ということで、六割もの家庭が養育費を受け取っていないというようなことでありますが、当然、その理由の中には相手とかかわりたくないということや、相手に支払う意思や能力がないと思って初めから請求しないという理由もありますけれども、ただ、これ自体について全体の仕組みというか、それを払っていただけるような払う能力のある方についてはそういう取組が必要だという御指摘はそのとおりだと思います。
 私どもとしましても、養育費相談支援センターというものについて、これは自治体、全国百六か所でありますけれども、これを設置をして、我々も支援をさせていただいておりまして、そこに平成二十一年度は相談が五千百六十二件あったわけでありますけれども、そういう相談をきめ細かく対応をしていきたいと。そして、そういう相談の蓄積なども踏まえて、養育費の相場の金額を示した養育費の手引というのを地方自治体にも配付するなどして、お母様、母子家庭の方に、このくらいの方であればこういう金額というような目安というのもお示しするような取組をしております。
 いずれにしましても、こういう支援があるということを周知徹底をこれからもしていきたいと思います。
#105
○石井みどり君 養育費に関しましては、日本の場合、協議離婚が多いですので、強制的に徴収するということが非常に難しいといいますか、ほとんど、私が見聞きする限りでは、金額そんなに多くなくても、そして父親は別の家庭を持って安定した家庭生活を営んでいるにもかかわらず養育費を払ってないケースはたくさん見聞きしますので、是非支援体制を充実させていただきたいと思います。
 そして、平成十五年の民事執行法改正によって、支払日が到来してないいわゆる将来分の養育費の差押えに関しまして、平成十六年の民事執行法の改正によって間接強制ということができるというふうに変わったと思いますが、この利用状況はいかがでございましょうか。もし今データがなければ、後日お教えいただければと存じます。
#106
○国務大臣(長妻昭君) これについては、法務省にデータがあるということでございますので、後日まとめてそれを委員にお渡しをしたいと思います。
#107
○石井みどり君 是非よろしくお願い申し上げます。
 民主党のマニフェストには、「五年以上の受給者等を対象に行っている児童扶養手当の減額制度を廃止する。」との記載がありました。今回の改正案にこの第十四条四号の改正が盛り込まれていない理由をお聞かせください。
#108
○国務大臣(長妻昭君) これにつきましては、私どものマニフェストでも廃止ということを申し上げておりますので、これは一期四年の中で廃止をさせていただくということです。
 今回の法案にこれが盛り込まれていないということについては、これは財政当局も含めた政府の中での議論がまだまだ尽くせなかったということが一つの要因となっております。
#109
○石井みどり君 大臣は、先ほども子ども手当のことがお答えになっておられますが、満額実施を本委員会においても御答弁を繰り返されています。二十二年度の手当額は、子ども手当に関しては半額の一万三千円であるにもかかわらず、財源の確保ができなくて、地方やあるいは事業主に負担を回してしまいました。
 先日、枝野行政刷新担当大臣は、海外に子供が居住する在日外国人に対する子ども手当の支給については対応を間違った旨の発言をされています。本委員会におきましても、国内居住要件を付ければ済むだけではないかという御指摘を同僚の丸川委員もさせていただいたと思いますが、この点に関しまして我が自民党は、衆議院においても参議院においても再三問題があると指摘をしてきました。そして先般、ニュースで皆さんびっくりされたと思いますが、韓国人男性ですね、日本に居住されている、その方がタイで養子縁組をしたとして五百五十四人もの子ども手当の申請をされようとした。年これは八千六百万円であります。こういうようなことが起こり得ると御指摘をしたにもかかわらず、あのとき大臣はその条件を入れようとはされませんでした。
 来年度以降の制度を検討するに当たって、今後どのように対応されるつもりでしょうか。
#110
○国務大臣(長妻昭君) これはかねてから申し上げておりますように、来年度、平成二十三年度以降については子供の居住要件を課す方向で検討していくということでありますが、この問題については、児童手当は御存じのように四十年前に創設をされました。そして、三十年前に国籍条項が時の政権によって撤廃をされたと。この理由としては、難民条約等々国際条約の流れで内国民待遇ということで差を付けないということで、三十年前から同じ外国人の対応がずっとこれは続いてきたわけであります。
 そのときに、子供の居住要件をいきなり課すとすれば、日本人の御両親が国内にいて海外にいる日本人、こういうお子さんもいらっしゃるわけでございまして、そういう方についても支給が停止になるということになりますので、これは不利益変更でもございますので、この一年間については周知徹底あるいは確認の厳格化ということで、年に二回は必ず会ってもらう、そして四か月に一遍は仕送りを確認をする等々厳格に確認をしていただいて、不明な点は厚生労働省にお問い合わせをいただくと、こういう対応を今年度は取るということを申し上げているところでございます。
#111
○石井みどり君 今おっしゃったような条件は、地方自治体の現場の事務が増えて大変な悲鳴を上げておられる自治体がたくさんあるというふうに聞き及んでおります。
 この法案に関して最後の質問をさせていただきます。
 この平成十八年度の全国母子世帯等の調査におきましては、父子世帯が客体数はわずか百九十九世帯であります。これは、およそ推計学とか統計学をやっておられる方、t検定とかカイ検定とかそういう、少なくともそういうことを御存じの方から見れば、この調査数、客体数は非常に恣意的な要件が入り、バイアスが掛かり過ぎると思うんですけれども、このデータでは非常に父子世帯の実態を把握することは難しいと思うんですね。また、国民生活基礎調査あるいは国勢調査からも父子世帯の実態の把握は困難というふうに聞いております。
 やはり、父子世帯に対してきめ細やかな有効な支援を行っていくためには父子世帯の置かれた現状を正確に客観的に把握する必要があると思われますが、今後、この調査を正確性を期するためにどういうふうに改善をされるおつもりがあるのか、お聞かせください。
#112
○国務大臣(長妻昭君) 例えば、全国母子世帯等調査というのを五年置きにやっておりますけれども、前回が平成十八年度でございましたので、ちょうど二十三年度が五年目であります。今、非常にその調査を準備をする時期でございますので、今の御指摘も踏まえて、やはりこれからの時代、母子家庭のみならず、父子家庭の実態把握というのが今まで不十分だったということは我々も認めざるを得ませんので、それについて父子家庭の実態というのも、どういうふうにすればより把握をできるのか検討して、その検討結果が出次第、それを調査に反映させていきたいと思います。
#113
○石井みどり君 是非調査の正確性を期していただきたいと存じます。
 法案審査もさることながら、国会がいよいよ会期末に近づいてまいりましたので、法案審査以外のことも少し御質問させていただきたいと思います。
 まず、御存じのように、高齢社会に我が国は入りましたので、特に認知症対策というのは重要な政策課題だと思います。高齢化に伴って有病率が上昇しますし、患者さんの数は確実に増加してきています。
 認知症の患者さんをめぐっては、一番大事なことは早期の鑑別診断であります。そのために、専門医による医療提供体制を確立すること、BPSDの対応、あるいは介護の問題、家族の負担、認知症の方の財産管理等、様々な課題がございます。また、認知症に付け込んだ高額な物品の販売、契約を結ばず、犯罪も横行しています。これは消費者問題としても今大変問題になっているところであります。
 このように認知症は、疾患としての問題というよりもむしろ社会問題、様々な社会問題も併せて考えなくてはいけない。総合的な対策を行わなくてはいけないというふうに考えています。
 そこでまず、今後の認知症対策についての総合的な対策を、大臣の基本的な御認識、見解をお聞かせいただきたいと存じます。
#114
○国務大臣(長妻昭君) これは、認知症というのは本当にこれから国を挙げて取り組まなければならない大きな課題だというのがまず大前提でございます。
 そして、やはりこの基盤を整備していくということで、まずは施設の整備ということでございますけれども、これについて、グループホームというものについて、家庭的な雰囲気で、一定の少人数で、そこで過ごしていただくことで少しでもこれ進行を遅くする等々の取組ということについて一定の効果が上がっているという報告もございますので、しかしこの施設が足りないという問題もございます。そこで、我々としては、このグループホームと老健、特養などを合わせて八万ベッドでございますけれども、これについて三年間で十六万ベッドを確保したいということの整備計画について今取り組んでいるところであります。
 あるいは、在宅において介護を行っている御家庭については、ショートステイやデイサービスなどの在宅サービスを充実をさせていくと。あるいは見守り、配食などの生活支援サービス、あるいは地域包括支援センターの総合相談機能、こういうもの、あるいは認知症コールセンター、そういう機能を強化をしていきたいというふうに考えているところであります。
 あるいは診療報酬改定においても、認知症患者の退院と在宅生活の移行に関して、退院時の加算を新設をする、あるいは地域の医療機関が専門医療機関と連携して認知症患者の管理を行うことに対する評価も新設するということで、診療報酬面からもサポートしていきたいと考えております。
#115
○石井みどり君 認知症の患者さんを抱えた家族の方の御苦労は大変なものがございます。特に、高齢者の方は非常に基礎疾患をお持ちですし、その疾患が急激に増悪したりとか、それから熱発であるとか、そういう変化は日常もう起こってしまうんですね。幾らでも起こり得るわけです。そのときにやはり認知症の患者さんの受療というところが大変な問題になってくるのは事実であります。
 例えば、高齢者であれば、白内障、非常にこれが罹患している率は高い、そして手術も希望されるわけであります。一般の高齢者の方であれば、白内障の手術によって視覚を取り戻すということはごく当たり前のことですが、認知症の高齢者の方の場合、そういう普通の医療も受けられないという現状があるのは事実であります。そして、認知症というのは、やはり早期の診断とそして早期に発見することによって、適切な医療の関与によって日常生活の障害というかあるいは支障も、これも軽減することができるわけですね。そのためには、認知症患者の増加に対応して専門的医療の提供体制の一層の充実ということがまず求められると思います。そして、政府は、認知症疾患医療センター運営事業の拡大を図り、最低でも各都道府県一か所の整備を目指しているというふうに承っております。
 専門的な医療の提供体制の構築ということは、これは喫緊の課題であることは言うまでもありません。このような中で、本年三月三十日付けで認知症疾患運営事業実施要綱が改正されました。その改正の背景と経緯についてお伺いしたいと存じます。
#116
○大臣政務官(山井和則君) 石井委員にお答えを申し上げます。
 今委員御指摘のように、認知症の方々そしてその御家族は、認知症のことのみならず、本当、御指摘のように、合併症になられたときに十分な医療が受けられないということで、自分たちは医療難民であるというようなこともおっしゃっておられます。そういう意味では、精神疾患を診ていただけると同時に合併症を診ていただける、そういう病院というのは今後非常に重要になってくると思います。
 その趣旨で、認知症疾患医療センターは認知症疾患に関する地域の中核的な医療機関でありまして、平成二十年度から国として予算を計上しておりますが、まず第一に、認知症かどうかの正確な診断などの専門医療機関としての機能が一つ目、二つ目には、地域包括支援センターと介護サービスとの連携を担う中核的機関としての機能、そして最後の三つ目に、住民への普及啓発、医療関係者への研修等を担う情報発信の機能が、この三つが重要であると考えております。
 認知症患者が身体疾患にかかったり骨折などのけがをした際に総合的に適切に対応できる機能の整備が重要であることから、今年度から実施要綱を改正し、新たに精神科及び内科、外科の総合的な機能を有する基幹型センターを創設するとともに、このための予算を今までの地域型は六百万円、そして基幹型は一千万円というふうにさせていただいて拡充したものであります。
#117
○石井みどり君 認知症疾患医療センターは、本年二月二十五日現在で全国六十六か所にとどまっています。政府は、最低でも各自治体一か所というふうにおっしゃっています。それから、目標としては都道府県、指定都市で約百五十か所とされています。この目標について、いつまでに実現されるんでしょうか。その工程表といいますか、現時点で結構ですので、実現の見通しについてお聞かせください。
#118
○大臣政務官(山井和則君) お答えを申し上げます。
 このセンターについては、現在二十四府県、七指定都市の七十病院に設置されております。そして、平成二十二年三月に行った全国会議等においても各都道府県にまず最低一か所の整備を要請しました。このセンターは当面百五十か所を目標として整備を進めておりますが、具体的な目標年度は定めておりませんが、できるだけ早期に達成できるように都道府県、そして指定都市に要請を続けているところでございます。
#119
○石井みどり君 今、できるだけ早期にとおっしゃったんですが、大変残念ながら、なかなか早急にその目標は達成できないと思っております。それは、今から逐次そのことについてをお尋ねをしていきたいと思っております。
 本年のその実施要綱の改正の中身で、今御説明がございましたが、新たな機能として基幹型センターの設置と地域包括支援センターとの連携強化のための連携担当者の配置というものが基準に加わりました。これを新たに設けられた背景と理由をもう一度お尋ねしたいと存じます。
#120
○大臣政務官(山井和則君) 今回、基幹型と地域型と二つ新たに機能を設けたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、このセンターには三つの機能を有しておりまして、専門医療機関としての機能、また介護サービスとの連携、また住民、医療関係者への情報発信ということですが、先ほども申し上げましたように、認知症の方は徘回というか歩き回ったりされて、そしてこけてしまって骨折されるケースとか、また当然その他の身体疾患にかかられることもあるわけであります。そういう意味では、精神科と同時に内科、外科等の総合的な機能を有する医療機関を特に基幹型認知症疾患医療センターとして整備をすることにしたわけであります。
 そういう意味では、一般の医療機関は、残念ながら、認知症があるという理由でなかなか十分に医療措置をしてくださらないところも中には見受けられるという、そういう問題点もあって御家族の方も本人も困っておられるわけであります。
 そして、一方、必ずしも救急の身体疾患の患者に対応できなくても、地域において認知症患者の正確な診断や、適切な治療を行う機能や地域包括支援センター等と連携する機能も重要であり、このような機能を有する医療機関について地域型認知症疾患医療センターとして広く整備を図ることとしたわけであります。
 そういう意味では、内科、外科等の総合的な機能も有する医療機関に関しては基幹型として、そうではないところは地域型と、この二つのセンターの組合せによって地域の実情に応じて整備をしてまいりたいと考えております。
#121
○石井みどり君 今、基幹型の設置基準に内科、外科というふうにおっしゃったんですが、私が一番これ問題だと思っておりますのは、基幹型のところの設置基準に救急医療機関としての機能というものが加わっているわけですね。これは、身体合併症に対する急性・救急医療に対応することが可能な態勢が確保されていること。具体的には、救命救急センターを有するなど、身体合併症に係る三次救急医療又は二次救急医療について地域の中核としての機能を有するという、こういう文言が新たに入ったんですね。
 御承知のように、今全国で救急医療、非常に問題になっております。二次救急が崩壊しそうなので三次救急にそれが集中しているというような、そういうこともいろいろ御指摘がある中に、あえてこの身体合併症に対応する救急医療機関としての機能をお加えになった。救急医療については、ニュースで様々、たらい回しのそういうようなニュースも報道されていて社会問題にもなっている中に、救急はベッドを確保するということが非常に大変であります。そういう非常に、綱渡り的なベッドの確保、タイトな状況の中で、救急病院、各総合病院も大変な運営に苦労されているわけですね。
 このような状況の中で、新たにこの実施要綱では救命救急機関としての要件を加えられた。これは現実問題、手を挙げるところはほとんどないだろうと、限定されるだろうと思います。もう現場を御存じないとしか言いようがない。非常に、何というんですか、制度を逆に逆行させるような内容になっているというふうに思います。
 それでは、本年度の認知症疾患医療センターの整備予定、本年度は何か所でしょうか。そして、そのうち基幹型は何か所ございますでしょうか。そして、未整備自治体の未整備の理由としてはどのような理由が、要因が考えられますか。そして、それに対する対応はどのように対応されるのか。以上四点、そしてまた、まず四点お答えください。
#122
○大臣政務官(山井和則君) 石井委員にお答えを申し上げます。
 本年度の整備予定に関しては、先ほども言いましたように、現在、二十四府県、七指定都市の七十病院でありますが、今年度は少なくとも三十病院の新設予定があると聞いております。その結果、未設置の都道府県、指定都市は三十五自治体から二十六自治体に減少する予定になっております。それで、基幹型なのか地域型なのか、その内訳に関しては今まだ未定でございます。
 さらに、そのような整備がまだまだ十分に進んでいない理由に関しましては、センターへの補助が相談、連携などに係る費用の分に限られていることや自治体の財政などが厳しいことということが進まない原因と考えておりますので、このため、二十二年度の予算においては、認知症患者が身体疾患にかかった際、総合的に対応できる機能を有する基幹型センターには、先ほども言いましたように一千万円、そして地域型には六百万円というふうに、合わせた予算額も六千万円増の五・八億円としたほか、平成二十二年四月の診療報酬改定で認知症専門診断管理料としてセンターの専門的診断機能の評価五百点を創設し、整備を促進しているところであります。
 そして、先ほどもおっしゃいましたように、基幹型センターに関しては、救命救急機能が必要とされているわけでありますけれど、全国に三次救急医療機関は二百三十、二次救急医療機関は三千二百あるわけで、このような機能を有する医療機関も全国には相当数存在するのではないかというふうに考えております。
#123
○石井みどり君 今、補助金のお話が出ましたが、この補助金をもらっても、ほとんどのところがもう赤字覚悟でやっていると。今、この基幹型と地域の方でうまくいっている熊本のケースが一番有名でありますが、これはもう広島大学医学部附属病院も手を挙げないんですね。広島市民病院も手を挙げないんですね。旧老人性の認知症センターのときすら手を挙げなかったんですね。これには大きな理由があるんです。幾らこんな補助金付けてもらっても、いわゆる人、物、金、全部足らないんですね。大赤字になって、とんでもない、今の医療が運営できなくなるということで、皆さん手を挙げないという現状があるんですね。
 それで、そもそも、まず目標の百五十か所にはこのままではとても対応し切れないと思います。東京都の健康長寿医療センター研究所の報告では、専門医へのアンケートを実施されたところ、高齢患者の八千人に一か所ぐらい要るだろうと。二〇一〇年までには約三百十五か所が必要。ということは、大体二次医療圏域に一つということですね、三百四十九が二次医療圏ですから。それぐらい必要だということなんですね。しかし、それにもかかわらず、さっきから何度も申し上げますが、旧の老人性認知センターのときもこれを満足していなかったんですね。とっても整備できていなかった。にもかかわらず、更にハードルを高くされたわけであります。
 特に、このセンターの機能で、身体合併症のある患者さん、もうまさに、こういう方々は非常にハイリスクな方々なんですね。特に、がんとか、そういう疾患を発症された方は、非常にこれ、探すのが困難だと。そういうことで、救急科があるところを基幹型にというふうに、いかにも机上でプランを立てられたと言わざるを得ないんですね。今申し上げたように、それでなくても救急医療は今逼迫していて大変な状況で、なおかつ、この基幹型は精神科と救急の両方のベッドを確保しなきゃいけないんですね。こんなところがどれだけ今から整備できるとおっしゃるんでしょうか。本当に現場を御存じない方が、いかにも鉛筆なめなめプランを立てられたとしか言いようがないんでありますが。
 先日の委員会も、西島委員の方から、認知症の疾患医療センターの整備の遅れということの御指摘があったと思うんですけれども、本当に今回のこの実施要綱では、基幹型、地域型について非常に多くの役割を担わせて、そして、設置基準のハードルを高くされています。この私は特に基幹型の設置というのが大変難しいんではないかと思っています。多くの機能を盛り込んでいて、そして人員配置等の設置基準のハードルを高くされた、これはやはり基幹型のセンターとして名のりを上げることが大変難しいだろうというふうに思っていますが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
#124
○大臣政務官(山井和則君) 石井委員にお答えを申し上げます。
 御存じのように、まず地域型の方ですが、地域型、そして基幹型の両方に関しましては、人員配置基準としては、認知症について五年以上の臨床経験を有する医師一名以上、精神保健福祉士又は保健師等二名以上、臨床心理技術者一名以上、これらの基準がまず前提として、地域型にも基幹型にも人員配置基準としてございます。
 それに加えて、より高度な基幹型の方には、今御指摘のような新たな身体合併症に関する三次救急又は二次救急医療の機能や、精神科と内科、外科等との院内連携の機能、また、夜間、休日においても入院患者に対応できる病床の確保、一般病床と精神病床の両方を有することというふうに規定しておりますが、全国にいわゆる総合病院で精神病床を有する病院は二百か所程度あるということを考えると、このような機能を有する医療機関は全国にも相当数存在するのではないかと考えておりまして、このような基幹型と地域型を併せて認知症疾患医療センター全体の整備は抑制されるというふうには私たちは考えておりません。
#125
○石井みどり君 これは認識が違うのかも分かりませんが、幾ら全国に精神科のベッドと救急の持っている、幾らあっても、旧の老人性認知症センターのときですら広島のそういう病院は手を挙げなかった、そういう現状をよく踏まえてください。
 そして、もちろんアイデアはすばらしいんですよ、基幹型と地域型をお考えになるという。これ理想なんですが、何度も申し上げますが、救命救急医療が逼迫していて、まさにたらい回しが行われているこの状況の中で、そして地域の医師不足が深刻化していて、広島でも、総合病院の精神科があったところで、十二月にこの委員会で地域医療で広島へ視察に参ったときもそういう御指摘がありましたですよね。精神科があったけれども、医師が大学病院に戻ったために精神科の医療ができなくなった、そういうところが全国にたくさんあるんであります。
 そういう状況の中で、これはわざわざ救急、二次救急あるいは三次救急を持っているそういう総合病院、そういうところを、ここを基幹型に指定するよりも、精神科の病院がそういう救急の病院とうまく連携すればいいだけの話だと私は思いました。従来の老人性の、旧の老人性認知症センターのときですら、これはすべて全国に整備されなかったんですよ。にもかかわらず、ハードルを上げてしまった。
 この新しい、もう厳しい設置基準を課すよりも、現状の体制で、精神科の病院が救命救急を持っている総合病院あるいは地域包括支援センター、老健、特養、グループホーム、介護事業者あるいは他の診療科と緩やかなネットワークをつくるところから始めるべきではないんでしょうか。多様な認知症患者さんのニーズにこたえられる、そのことの方がむしろ現実的な対応であろうというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#126
○大臣政務官(山井和則君) まず、私、お答えさせていただきたいと思いますが、この精神科病院と総合病院、地域包括支援センター、介護保険施設等の既存施設が連携することは、確かに認知症の患者に対して重要だと思っております。
 認知症の方々に対しては、正確な診断、身体的疾患にかかった際の診療、重症者への対応等の専門的な医療と日常的な医療、看護を連携して行う必要があり、今申し上げました各センターや病院が連携して対応することが必要だというふうに思っております。そういう意味では、認知症疾患医療センターの地域型、基幹型の整備と同時に、その他の機関との連携ということも車の両輪としてしっかり整備をして、認知症患者の方々が医療と介護と両方セットで充実されることを期待をしております。
#127
○石井みどり君 現実離れのした施策のしわ寄せというのは、患者さんであり、ひいては患者さんの家族、そして国民の方々なわけですね。認知症疾患医療センターの整備を第一に進めるのであれば、この実施要領の弾力的な運用、あるいは要領自体をもう少し緩やかにすべきだと私は考えますが、これこそ大臣の政治決断が必要だと思います。そのことを御指摘をして、実は大先輩であります南野委員に対して敬意を表するつもりで、ワクチンについて最後に御質問をしたいと存じます。
 一つは、前回のときも御指摘を……(発言する者あり)うるさいぞ。前回のときも御指摘をさせていただいたHTLV1に関して御質問をさせていただきます。これは、成人T細胞白血病、ATLですね、それからHTLV1関連脊髄症、HAMですね、こういう重篤な疾患の原因となるウイルスのことでありまして、我が国においてこの感染者の方は約百十万人と推計されています。
 長妻大臣は、二月二十六日の予算委員会におきまして、このHTLV1の総合対策の必要性に関する質疑に対しまして、平成二十一年度中に出される厚生労働科学、まあ科研ですね、の研究成果を見極めた上で適切に対応する旨の御答弁をされました。三月に厚生労働科学特別研究事業としてこのHTLV1の母子感染予防に関する研究班から報告書がまとめられました。この報告書を受けて、大臣の御見解を今からお伺いしたいと存じます。
 御承知のように、感染ルートとされるのは、母乳などを介した母子感染、性交渉を介した感染及び輸血感染の三つのルートでありますが、今回の報告書によれば、輸血感染は現在ではもうほとんど皆無であります。母子感染による感染が約六〇%以上を占め、さらに、成人T細胞白血病の発症者はほとんどが母子感染例であることから、HTLV1、母子感染を防御する意義は大変大きいと考えています。
 母子感染を防止するために有効な手段とされるのが妊婦に対する抗体検査であります。以前は九州、沖縄等の限られた地域のみの感染とされていましたが、平成二十年度の厚労省研究の報告書では感染者の全国的拡大が明らかになっており、今回の報告書では全国的な検査が必要な時期に来ていると提言をされています。しかしながら、現在、HTLV1の抗体検査は一部の地方自治体でのみの公費助成の対象となっております。このことについては、山本委員の方からも御質問があったかというふうに思います。
 これはほとんどの自治体においては自己負担であります。一部地域の風土病ではなく全国的感染者の拡散が明らかとなった今、母子感染を未然に防止するためにも妊婦に対する抗体検査の全国的実施を国として推進し、さらに抗体検査を公費助成の対象とするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。そして、公費助成の実態調査はいかがでしょうか。併せて二つお聞きします。
#128
○国務大臣(長妻昭君) 今のお尋ねでございますけれども、今おっしゃっていただいたのは、厚生労働科学研究のHTLVの母子感染予防に関する研究、あるいは同じ厚生労働科学研究の本邦におけるHTLV1感染及び関連疾病の実態調査と総合対策、こういう研究結果も我々踏まえて、そしてさらに、学会ですね、学会において妊婦健診でHTLV1の抗体検査の実施を進めるかどうか、これが焦点となって今後議論がされるというふうに聞いておりますので、その議論も踏まえて抗体検査に関する公費助成については我々前向きに検討をしていきたいというふうに考えております。
 そして、実際にもう既に妊婦健診で地方自治体が独自にHTLV1の抗体検査の公費負担されているところもあるかどうか、どういう自治体なのか調査というお尋ねでございますけれども、これは先月時点の実施状況を現在、今集計をしておりまして、六月に結果が取りまとまりますので、六月には公表させていただきたいと思います。
#129
○石井みどり君 全国的な抗体検査の実施と同時に並行的に講じるべき施策としては、感染者の方に対する精神面のケアであります。このHTLV1の感染者であると告知された方が受ける精神的な負担、打撃、苦しみは計り知れないものであります。自責の念とか、あるいは将来に対する不安、それから非常に生活に対する支障も出ております。こういう感染者の方々のケアというのが大変重要であるというふうに思います。
 また、HTLV1に関して誤った情報、誤解、そういったものが感染者の方を更に傷つけてまいります。国民の方々に対する正しい知識の啓発、理解の促進、そしてHTLV1に関する情報の周知徹底ということも併せて重要であろうというふうに思っています。
 国として、感染者の精神的なケア、HTLV1に関する情報の周知徹底についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
#130
○国務大臣(長妻昭君) この正しい理解が必要だというのはまさにそのとおりでございますので、これは、まずは医療従事者向けにHTLV1のキャリア指導のための手引書を作成をいたしまして、今年三月に都道府県や医療機関に配付をいたしたところであります。
 いずれにしても、今後、国立感染症研究所についてもこの病気の概要について幅広く情報提供を行っていくということで、更に分かりやすい情報提供、そのホームページ等も活用するのは当然でございますけれども、それ以外のやり方で地方自治体への周知も含めて今後更にその広報に努めていきたいというふうに考えております。
#131
○石井みどり君 この科研の報告書では、先進国唯一のHTLV1の浸淫国である我が国が取り組むべき問題であるというふうにこれの中で提言をされています。研究の成果を見極めた適切な対応と大臣はおっしゃっておられますが、今こそ本当に我が国が率先してこの総合対策の推進を図る時期にもう来ていると思います。
 再度、大臣の方からお取組に対する決意をお伺いして、実はもう一問、本当は子宮頸がんワクチンについてお伺いしたかったんですが、次回とさせていただきます。
 では、大臣の御答弁をお聞きして、私の質問を終わりたいと存じます。
#132
○国務大臣(長妻昭君) この感染の実態に関する研究、母子感染予防に対する研究など、この研究事業については引き続き実施をしていくということであります。
 そしてもう一つは、このHTLV1に関する研究者及び患者団体で構成されるHTLV1感染総合対策等に関する有識者会議というのがございますけれども、これは感染防止、治療法の開発等を推進をするために今検討をしていただいているところで、あるいは取組もしていただいているところでありますので、その有識者の御意見も聞きながら、厚生労働省としても、研究、そして感染防止、そして治療法開発、これに支援、そして厚生労働省自体も取組を進めていきたいと考えています。
#133
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、児童扶養手当の法案の内容と、先日、参議院におきまして決議が行われましたハンセン病問題の解決につきましてお伺いを申し上げたいと思います。
 初めに、ハンセン病問題に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。
 一九〇七年に最初の癩予防ニ関スル件という法律が成立してから百年以上が経過をしまして、官民一体となった無らい県運動で、ふるさとから一方的に拉致をされて不条理な人生を送った方たちが受けた被害は現在までも様々な形で続いているわけでございます。現在では十三の療養所で約二千四百二十七人の入所者が生活をしておりまして、年々入所者の数は減っております。また、平均年齢も八十歳を超えており、高齢化に伴いましての身体機能の低下や視覚機能の低下によりまして、日常生活の不自由さや多様な医療の必要性、これはますます増してきているわけでございます。
 これまでも私は、岡山県の長島愛生園、また邑久の光明園、香川県の大島青松園、東京都の多磨全生園などを訪問をしまして、園長、施設職員の方々、また入所自治会の方たちの声を伺ってまいりました。大変様々な御苦労をされながらも、今、課題、要望ということをお聞きをしたわけですけれども、その大きな要望の一つは、安心して医療、介護が受けられる、このことの要望でございました。
 平成二十年の通常国会で成立しましたハンセン病問題の解決の促進に関する法律、昨年の四月一日から施行されましたけれども、その中でも、入所者の方々の医療及び介護の体制整備について必要な措置を講ずること、このような規定がございます。今回の参議院の決議におきましても、政府においては、国の事務及び事業の合理化及び効率化の必要性は理解しつつ、入所者の実情に応じた定員及び療養体制の充実に万全を期すべきである、こううたわれ、大臣もその所信を話されたわけでございます。入所者が減少する中で、行革を推進するための定員削減計画、これは進められる中でございますけれども、このハンセン病療養所における必要なサービスを確保するための職員体制、これは確保すべきと考えるわけでございます。
 そこで、この法律の趣旨も踏まえて、また決議も踏まえまして、この入所者の医療、介護の体制につきましてどのように取り組んでいかれるのか、まずお聞きをしたいと思います。
#134
○国務大臣(長妻昭君) これについては、今おっしゃっていただいたような高齢化などなど、いろいろな今問題があるところであります。その一方で、入所者の方々について減少をしておりますけれども、職員の定数については微減にとどめるというようなことで、職員の数と入所者の数がちょうど平成十八年ぐらいから逆転を、職員の数の方が多くなっている、だからこれは削っていいという単純な話ではございません。
 まず、平成二十一年度は八十七人の削減があったところ、平成二十二年度においては五十五人と削減数は低く抑えました。その一方で、めり張りを付けるということで、今年度において、言語聴覚士については逆に十一人増員する、あるいは看護師については二十五人増員すると。これは国会でもいろいろ御指摘をいただいておりますので、そういう措置をとらせていただいているところであります。
 いずれにいたしましても、これは本当に、今まだ差別という問題も依然としてこれ残っていて、国としても更に更にこれ広報活動などに取り組む必要がございますので、この療養所については我々もきちんと中身を見て、適切な対応というのを今後とも取っていきたいと考えております。
#135
○山本博司君 ありがとうございます。
 やはり、私も回らさせていただきまして、それぞれの療養所によりましての違いがあると思います。長島愛生園とか、大島もそうでしたし、多磨もそうでしたけれども、やはりどんどん、様々な形で日常生活ができなくなってくる。不自由者棟ということに、そこに集まってこられるわけですけれども、そこに介助される方のなかなか人手がいないということが、現実的には、入所者の方々は毎日おふろに入りたいんだけれども、大体週三回とか週二回になってしまっているというふうなことも現状はございました。
 また、食事の介護に関しましても、やっぱり人が少なくなるということで、ハンセンの方々は指がありませんから、その指に輪ゴムでスプーンを付けながら介助員の方が介護するわけですけれども、そういうこともなかなかできないということで、配膳の中で犬食いのような状態のケースもあると、そういうことも実際行われているんですよと。そういうやはり、様々な地域によっての事情があるということもお訴えをされておりまして、こういう点も含めまして、やはりずっと差別を受けてこられる方々に対してのそういう医療・介護体制の充実を是非ともお願いをしたいと思うわけでございます。これは後でまたお話をしたいと思います。
 続きまして、もう一点。やはり、国が最後の一人まで責任を持つ、この態度はきちんと堅持していくことが大事でございます。その上で、長きにわたって国の隔離政策、ハンセン病問題に対する真実の歴史や正しい認識、このことに関しましても国民に知っていただいて、風化をさせてはいけないと思います。十三の療養所にも歴史的な経緯ございまして、建物とか資料の保存にこれは取り組むべきだと考えるわけでございます。
 先日も東村山の国立ハンセン病資料館を見学をさせていただきました。その資料の展示の中を見させていただきましても、そのハンセン病の歴史、また、らい療養所での生活、そして、生きるその希望のためにそれぞれ文学であるとか、また陶芸をしながらそのあかしをされているという、様々なこの資料館がございまして、年間三万人が見学をされているということでございます。また、長島愛生園にもこうした歴史記念館というのがございますけれども、なかなかそうした意味での予算が付いていないということも現状ございます。
 その意味で、このハンセン病に対する正しい理解をするためにもこうした取組というのは大変大事であると思うわけですけれども、この点に関しましてお伺いをしたいと思います。
#136
○大臣政務官(足立信也君) 今委員からは、正しい認識と、そして今までの歴史的にどう取り組んできたかということをしっかり伝える必要があるという御指摘があったんだと思います。
 認識につきましては、もうほぼ国民の皆さんは御理解されていると思いますけれども、もう年間数例ではありますが、日本では感染されるけれども、もう治療法が確立されているというような疾患でありまして、歴史的な事実関係の展示についてですが、厚生労働省は、厚生労働省主催によるハンセン病問題に関するシンポジウムの開催、全国の中学校等へのパンフレットの配布、国立ハンセン病資料館の運営というようなことをやっております。また、平成二十一年から、六月二十二日をらい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日とし、厚生労働省主催による追悼、慰霊と名誉回復の行事を実施しております。そしてまた、入所者が地域交流を行うための施設を利用して、歴史的資料の展示等を行い、ハンセン病の歴史を伝えているハンセン病療養所もあるというふうに承知しております。
 そしてまた、昨年、先ほど来言及のあります二十一年四月から施行されたハンセン病問題の解決の促進に関する法律、これにおいて歴史については普及啓発その他必要な措置を講ずることとされておりますので、今後とも、ハンセン病に関する偏見、差別の解消、そして名誉回復のため、ハンセン病であった方々などの関係者との協議を踏まえつつ、一層普及啓発に努めてまいりたいと、そのように思っております。
#137
○山本博司君 実際、この長島愛生園でもこの歴史記念館、約一万人の方が見学されるそうですけれども、これはこの施設の中で学芸員の方一人いらっしゃいますけれども、施設の中の予算でございますから大変厳しいのが現状でございまして、大変古い建物でございます。こういうことも含めて、今国立資料館というのは国で二億円の予算が計上されておりますけれども、こうした各療養所での歴史を残していこうという、今将来構想ということがございましたけれども、そういったことも含めて、是非とも検討をして拡充をしていただきたいと思います。
 続きまして、この地域開放に関してお聞きをしたいと思います。
 このハンセン病問題の解決の促進に関する法律の第十二条には、国は、入所者の生活環境が地域社会から孤立することがないようにするなど入所者の良好な生活環境の確保を図るために、国立ハンセン病療養所の土地、建物、設備等を地方公共団体又は地域住民などの利用に供するなど必要な措置を講ずることができると、こう記されております。
 この基本法の理念を生かすために、今、十三の療養所では地域への開放とか地域との共生について検討を進めておりますけれども、例えば大島青松園は、離島でございますのでなかなか地域のニーズと合う形ができないということで難しい面もございます。また、多磨の全生園では保育園の設置要望が出されておりますけれども、国有地でございますから賃借料が高いとか固定資産税等の問題で高いハードルが存在をしているわけでございます。
 こうした地域開放に関しての政府の取組をお伺いしたいと思います。
#138
○大臣政務官(足立信也君) まず、総合的な話でございますが、御指摘のハンセン病問題解決促進法、この精神にのっとって、まずは入所されている方々や地域の住民の方々との、御意見ですね、この意見をよく聞いて、そして国立ハンセン病療養所が地域社会から孤立することのないように、地域開放に向けた取組を進める必要があるというふうに考えております。
 先ほど委員も訪れられたというふうにおっしゃっておりました多磨全生園、具体論でございますけれども、地域開放のための施策として、敷地内で保育所の運営を行うこととしております。そして、その運営者を募集することと、もうそういう段階までなっております。これは、高齢の入所者にとってお子さんとの触れ合いが生きがいになる、待機児童の解消にもつながるというようなことで、有意義な地域開放に係る取組と、そのように思っております。
 賃貸料等の交渉については大分改善されたというようなことを聞いております。ですから、まずは、各施設において入所されている方々とそれから施設管理者を中心によく話し合っていただく必要があると。その上で、入所されている方々やその地域の方々の意見をしっかり酌み取りながら、その地域開放に向けての支援を取り組んでいきたいと、そのように思っております。
#139
○山本博司君 今これ本当に、大島青松園でも、現状なかなかこうしたプランが出てこないということも含めていろいろ悩んでいらっしゃるわけでございます。また、多磨全生園に関しましても、保育園の賃借料が、前一千平米で一千万ではないかと言われていましたけれども、それが百三十万ぐらいになったということはお聞きをしております。まだまだ現状高いわけでございまして、そういうことも含めてしっかり対応していただきたいと思います。
 最後の質問でございます。大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、このハンセン病施策に係る予算が平成二十二年は四百七億八百万円でございまして、平成二十一年度の四百二十二億一千七百万と比較して減少しております。こうした入所者の減少に伴いましての運営経費が少なくなるということは理解できるわけですけれども、今先ほどの医療等の問題とか、また歴史保存というような問題とか、こうした施策の拡充には十分に予算も含めて取り組んでいただきたいと思うわけでございます。
 大臣、このハンセン病療養所に大臣になってから訪問したことはあるのかどうか、そういうことも含めてお聞かせいただきたいと思います。
#140
○国務大臣(長妻昭君) 療養所については、私は大臣になって訪問したことはございません。ただ、ハンセン病の皆さんの会に出席をさせていただきまして、皆さんのお話を聞いてごあいさつもさせていただいたということはございます。
 そして、予算の件でありますけれども、平成二十二年度予算においては四百七億円、前年度に比べて確かに約十五億円が減っておりますけれども、これ、一つは和解金というのが減っている、和解の方の数が減少しているということが要因としてもございますし、あるいは入所者の減少、あるいは人事院勧告による経費の減、これは職員の給料も減らしておりますので、その部分もございます。あるいは、整備期間を複数年度化したことによる施設費の減などもございますが、いずれにしても、これは入所者の療養のための必要な経費を含めて、怠りないように我々取り組んでまいっております。
 先ほど委員からも御指摘がございましたけれども、入浴の件とか食事の件とか、そういう問題もあるというふうに御指摘いただきましたので、それについてももう一度、改善をどういうふうにすればできるのか否か、それを各部局、担当部局に検討させていきたいと思います。
#141
○山本博司君 ありがとうございます。
 昨日は、天皇皇后両陛下が駿河の、静岡の療養所に、十番目ですか、の療養所を訪問されたということでございました。もう是非とも、大臣、政務官、副大臣を含めて、このハンセン病療養所の実態を含めて是非とも見ていただきながら、施策の充実をお願いをしたいと思います。
 それでは、法案の中身、児童扶養手当法案についてお聞きをしたいと思います。
 今回の法案、これまでの母子家庭に対する経済的な支援である児童扶養手当の支給対象を父子家庭にも広げるということで、これは大変重要な改正であると考えるわけでございます。父子家庭の置かれている厳しい状況を考えますと、もっと早く対応すべき課題ではなかったかと思います。
 そこでまず、この冒頭に、このような改正案を提案をした趣旨につきまして確認をしたいと思います。
#142
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 一人親家庭は、母子家庭であるか父子家庭であるかを問わず、育児と生計を一人で担わなければならない等、様々な困難を抱えておられます。特に、近年の経済情勢等により、母子家庭のみならず、それまでには雇用が安定し収入が比較的多いと言われていた父子家庭においても経済的に非常に厳しい状況に置かれている御家庭が増えているところでありまして、児童を監護し、かつ生計を同じくする父子家庭の父を児童扶養手当の支給対象とすることにしました。
#143
○山本博司君 ありがとうございます。
 この一人親家庭の生活の安定と自立、この促進に寄与するという制度の目的をかなえるためには大変重要な改正であると思いますけれども、なぜこれまで母子家庭のみに限っていたのかということをお聞きしたいと思います。
 私は、一昨年の十二月のこの厚生労働委員会におきましても、父子家庭が児童扶養手当の支給対象になっていないということを指摘した上で、父子家庭に対しても国として何らかの支援、このことを行うべきではないか、質問を行いました。この質問に対しまして、当時の厚労省の答弁は、平均で見ると、父子家庭の経済的基盤は母子家庭よりもかなり良い状況にあるため、財政が厳しい中では慎重に検討すべきであるということ、また父子家庭に対しては、子育てや家事の面でのニーズに対応した支援を重点化する必要があると、こういう理由から支給対象にはならないと、こういう答弁でございました。
 そこで、これまでの児童扶養手当の対象をなぜ母子家庭にのみ限っていたのか、またこれまでの考え方を改めて、父子家庭にも支給対象を広げるのはなぜなのか、この点に関しましてもお聞きしたいと思います。
#144
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 まさに、山本委員も今までこういう委員会で御主張してくださったことが積み重なってきて今回の改正につながってきたんではないかと思っておりますけれど、なぜ母子家庭のみに限ってきたのかということでありますけれど、これは一般的に父子家庭に比べて母子家庭の方が収入が低いというようなことがありまして、そしてまた、今までの実態調査によりますと、母子家庭の困っていることのトップは家計であったと、経済的な問題であったと。ところが、父子家庭に関しては、平成十五年までは家事がトップであったわけで、家計は二の次で、第二の困っている内容になっていたわけですね。ところが、平成十八年以降、四〇%ということで、一番の父子家庭の困っていることのトップも家計、つまり経済的な貧困ということになってきたわけであります。
 そして、平成二十一年には、全国市長会や全国町村会からも経済的な支援を父子家庭に対して求める要望が出てまいりましたし、今日も傍聴にお越しをくださっておりますけれど、父子家庭の方々がNPOの活動として全国でネットワークをつくられて、やはり今非正規雇用が増えたり、あるいはお子さんを子育てすることによって転勤ができなくて、転勤を断ったら首になったとか、それで正社員としては残業があるから働けずに、お子さんと暮らしているから非正規雇用にならざるを得なかったとか、そういうふうな声をやっぱり全国の父子家庭のお父さん方も上げ出されました。
 やはりそういうことを通じて、父子家庭の中にも、もちろんこの児童扶養手当というのは所得制限があるわけですから、母子家庭並みに経済状況が厳しい方々に関しては経済的支援をするべきではないかという、そういう結論に至ったわけでございます。
#145
○山本博司君 ありがとうございます。
 平成十八年の国民生活基礎調査、このことが何度も出ておりますけれども、全世帯の一世帯当たりの平均所得金額五百六十四万円になっている一方で、平成十八年度の全国母子世帯等調査におきましては、母子家庭の一世帯当たりの平均所得額二百十三万円に対しまして、父子家庭は四百二十一万円ということで、確かに大きな差はあるわけでございますけれども、近年のこうした経済状況、大変父子家庭の方々、生活に困窮している場合も少なくないと思います。
 今、政府として、最近の父子家庭の経済的な状況、まずどのような認識であるのか、お伺いをいただきたいと思います。
#146
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 全国で約二十万世帯というふうに推計しておりまして、年間の平均収入は四百二十一万円であり、全世帯の平均である五百六十四万円よりは低いわけでありますが、母子世帯の平均である二百十三万円に比べると比較的高い水準にあります。一方で、三百万円未満の父子世帯が全体の三七%であります。つまりこれは、高所得層の父子家庭の世帯が多数存在するために平均が押し上げられている一方、個々の世帯を見れば、家計収入が低い世帯も一定数存在しているという実態があるものと分析をしております。
 非正規雇用の増大など近年の雇用環境の悪化というものがありまして、父子世帯の中にも母子世帯同様に経済的にも非常に厳しい状況に置かれている方々も一定数いるものと考えており、その方々に児童扶養手当が必要であると、そのことを通じて生活の安定と自立を促進したいと考えております。
#147
○山本博司君 この景気状況の中、急速に、今お話ありましたけれども、非正規労働者の比率が高まっているということでございます。雇用の安定を望むのであれば、正規労働者として雇用されること、これは大変重要でございます。父子家庭の方々、今日も全国父子連の方々が、衆議院からもうずうっと傍聴されていらっしゃいますけれども、本当に大変な思いでこの就労ということに関しては御苦労されているわけでございます。
 それで、この父子家庭の正規労働者化に向けた取組状況、これはどのようになっているのか、また具体的な就業支援策に関しまして大臣にお伺いしたいと思います。
#148
○国務大臣(長妻昭君) 父子家庭の非正規雇用の方々についての正社員化への支援あるいは就労支援ということでありますけれども、当然、一般施策についてもそれを御利用いただけるわけでありまして、それはもちろんでありますが、特に父子家庭ということに絞りますと、マザーズハローワークという事業がございます。これは平成二十二年度で百六十三か所のハローワークでやっておりますけれども、働くお母様のみならず働くお父様について支援をさせていただくということでございます。これについて、特に一人親の方々への支援を強化するように、これは指示をさせていただいているところでございます。
 そして、公共職業訓練の離職者訓練、これを充実をさせるとともに、託児サービスを提供するということで、平成二十二年度は三千人の方が職業訓練を受けながらお子さんを預けるサービスを利用して職業訓練を受けていただいていると、こういうようなものについても、我々、これからも推進をしていきたいというふうに考えております。
 そして、正社員への取組を推進するための、父子、母子のみならず一般の雇用者に対する政策についても、これからも推進をしていきたいというふうに考えております。
#149
○山本博司君 今日の午前中からのやはり論議等でも、この父子家庭に対する就業支援に関しては余り具体策がないということで、例えばこのマザーズハローワークに父子家庭のお父さん、行ってくださいということが果たして現実的なのかどうかということも含めて、まだまだこうした父子家庭の方々に対して就業支援策という、この対策がまだまだではないかと感ずるわけでございます。
 やはり、父子家庭の方々の実態調査も含めてしっかりその実態を把握しながら、そのニーズに合った政策、これを是非とも検討していただきたいと思う次第でございます。
 今日午前中でもございましたけれども、特定求職者雇用開発助成金、これは母子家庭には出ているけれども、中小企業の方、九十万円助成されるわけですけれども、こういう制度等も是非とも検討していただきたいと思います。
 そしてまた、この父子家庭の方々、今経済的な支援以外にやはり大事な点ということで、これも父子連の方々ともお話をする中で、やはり保育の問題とか子育ての問題とか、実際両立をしながらどうやってやっていくのかという点で様々な支援策が必要でございます。例えば、保育所の優先入所であるとか病児保育、延長保育、休日保育、多様な保育サービスの拡充等にどう対応していただけるのか、また貸付制度の充実等も母子にはあって父子にはないという点、これも必要ではないかという点でございます。
 その意味で、この父子家庭に対する今後の支援策の拡充に関しまして、再度御質問したいと思います。
#150
○国務大臣(長妻昭君) まず、これ、いろんな国あるいは地方にもお願いしている施策について一人親世帯への公的支援というのがございますけれども、それについて父子家庭、母子家庭共に提供している行政サービスもございますが、一定以上のものは母子家庭のみの提供サービスということになっていますので、今の融資の問題も含めて、これについては我々一つ一つ検証をしていくということでございますが、融資については、やはり別に代わる、父子家庭も受けられる社会福祉法人の融資制度もございますので、その状況も見ながら判断をしていくということであります。
 そして、例えばこの子育て生活支援については、これは保育所の優先入所あるいは家事ヘルパーを派遣する事業などについては、これは以前より父子家庭も対象に追加をしたということでありますし、養育費の確保政策についても、これも平成十四年ですけれども、十四年の時点で、父子家庭についても、相手の、別れた、経済的な余裕もあり一定の要件がある方については養育費の支払義務を明確化するなどいたしました。
 いずれにしましても、今回はこの法案をお願いをして、父子と母子の格差をなくすということが議論をいただいておりますけれども、今後とも、父子家庭の実態をよく把握しながら、支援策を母子と並べていく項目があるとすれば、それについても検討していくということであります。
#151
○山本博司君 是非とも父子家庭、今回、制度を大幅に拡充をしたわけでございますので、経済的な支援以外の様々な施策に関しましてもお願いをしたいと思います。パパと子供の笑顔を広げようという、もうそういう形で運動をされている方がたくさんいらっしゃいますので、是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、母子家庭の支援ということでお聞きをしたいと思います。
 その中で、マザーズハローワーク、先ほども出ました。就業支援を行う窓口の一つ、マザーズハローワークがございます。これは子供を連れて来所しやすい環境を整備するということで、子育ての女性などに対する就職支援サービスを提供する場として公明党としても積極的に推進をした経緯がございます。
 このマザーズハローワークの設置状況に関しまして、お答えをいただきたいと思います。
#152
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えをいたします。
 マザーズハローワークは子育て女性等の再就職を支援するための業務を行うハローワークの出先窓口であり、平成十八年度以来、大都市十二か所に設置しております。
 そして、平成十九年度からは、その他の都市においても一般ハローワーク内などにおいて同様の業務を行うマザーズサロンを三十六か所に設置しているとともに、さらに、平成二十年度からは、更にそれよりも小規模な窓口であるマザーズコーナーを百十五か所に設置し、これらを合わせると平成二十二年度には計百六十三か所の拠点を整備しております。
 これらの拠点においては、子供連れで来所しやすい相談環境の中で、担当者制によるきめ細かな職業相談や子育てと両立しやすい求人の確保、また地方公共団体等との連携による保育所等の子育て支援情報の提供など、再就職に向けた総合的かつ一貫した支援を積極的に行っております。
#153
○山本博司君 是非とも拡充を含めてお願いをしたいと思います。
 次に、この母子家庭等の自立支援の四本柱の一つでございます養育費確保策についてお聞きをしたいと思います。
 平成十八年度の全国母子世帯等調査によりますと、平成十八年十一月時点での養育費の取決めをしていない母子家庭、五八・三%に上っております。一方、養育費の取決めをしている母子家庭、三八・八%にとどまっていることに加えまして、養育費を受けたことがない母子家庭も五九・一%となっております。こうした養育費の取決めをしていない理由として、相手に支払う意思や能力がないと思ったとか、相手とかかわりたくない、取決めとの交渉をしたがまとまらなかったなどと挙げられておりまして、養育費の確保は必ずしも十分とは言えない状況にあると思います。
 これまでの取組として、養育費相談支援センターを平成十九年度に創設をしまして、養育費に関する情報提供とか支援、相談に応ずる人材に対する研修を実施しておりますけれども、この養育費の確保策、大変重要な課題でございまして、積極的に推進をすべきでございます。今後の取組に関しまして、お聞きをしたいと思います。
#154
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、離婚母子世帯における養育費の状況は、取決めをしているのが三八・八%、そしてそのうち現在も養育費を受けているのが一九・〇%と非常に低い数値で、なっております。
 そのために、一つは養育費の相場等を示した養育費の手引を地方自治体に配布するとともに、さらに、平成十九年からは、委員も今御指摘くださいましたように、養育費相談支援センターを設置しまして、例えば地方自治体の相談機関で受け付けられた困難事例等への対応、相談、また母子家庭等就業・自立支援センターの養育費専門相談員など、地域で養育費相談に従事している方を対象とする研修、またホームページ等による情報提供なども行っております。
 民事執行法の改正により、養育費について将来分の差押えも可能になるなど強制執行手続も改善されておりますので、様々な取組を通じて養育費の履行確保を促進してまいりたいと考えております。
#155
○山本博司君 是非ともその件の対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、子育て家庭の経済的負担の軽減ということで何点かお伺いをしたいと思います。子ども手当との関係についての点でございます。
 今国会で成立をしました子ども手当制度によりまして、次代の社会を担う子供の健やかな育ちを支援するための、この子育て世帯に対しまして、今年度は子供一人当たり一万三千円、来年度以降は今のところ二万六千円が支給されることになっております。
 この子ども手当の給付水準につきましては、子供の育ちに必要な基礎的な費用の相当分をカバーするとの大臣の答弁もあり、今後、満額の子ども手当が支給され、子供に係る費用の相当分が支弁するとするならば、子ども手当以外の子育て家庭に対する各種の手当を支給する意義が低下するのではないか、相対的に比率が低くなるのではないか、こうした意見もあるわけでございます。
 この子ども手当、児童扶養手当、両方とも子育て家庭の経済的負担を軽減とするという趣旨で考えますと互いに同じ方向性を持っていると思いますけれども、これらの手当の根本的な違いをどのようにとらえているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#156
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 今、児童扶養手当と子ども手当の趣旨の違いということでありますが、児童扶養手当に関しましては、一人親世帯、一人親の家庭が、二人親ではなくて一人親家庭であるがゆえに育児と生計を一人で担わなければならず、また不安定な就労条件に置かれているといった特定の状況に着目して支給をしております。一方、子ども手当は、子育てを未来への投資として次代の社会を担う子供の健やかな育ちを社会全体で応援するという観点で、すべての子供、すべての親に子育て支援、子供の育ちを応援するという趣旨から所得制限がなく支給しているものであります。
 このように、両手当は趣旨と目的が異なっておりまして、特に児童扶養手当は、一般の家庭よりも一人親世帯の方が何かと非常に経済的に不利な状況に置かれがちであるという趣旨において支給をしておりますので、子ども手当の創設によって児童扶養手当の意義が低くなることはないというふうに考えております。
#157
○山本博司君 今お話がありましたように、児童扶養手当制度というのは低所得者層に重点を絞った制度であると、重点的にこの点に関しましては拡充すべきじゃないかという一方、意見もございます。現行のこの児童扶養手当制度では、子供一人の場合ですと全部の支給額は四万一千七百二十円、一部支給になりますと九千八百五十円から四万一千七百十円までの支給額でございますけれども、先ほど申し上げましたように、子ども手当の創設で児童扶養手当の比率が相対的に低くなるということであれば、この給付額を引き上げて児童扶養手当の役割を高めるということも必要ではないかと思うわけでございます。今後のこの給付額の引上げということに関してどのような認識でございましょうか。
#158
○国務大臣(長妻昭君) 先ほども山井政務官からも答弁申し上げましたけれども、子ども手当についてこの児童扶養手当の所得制限の所得としてカウントされないということでございますので、これについての併給ということもできるわけであります。その意味で、子供に掛ける予算というのは一定の拡充をさせていただき、子ども手当は、これは一人親であってもそうでなくても、どのお子さんにも支給されるものでございます。
 そういう意味では、決して比率的に児童扶養手当が低くなったから役割が増やすために増やせばいいというような話でもないと思います。全体の金額としてはそれは手厚くなっているところでございますので、我々としてはそれ以外の一人親の皆さんのニーズに基づいた支援というのを、例えば家事支援、就労支援ということについて今後ともその対応を強くしていきたいと思います。
#159
○山本博司君 もう一つこの費用の点に関しましてお聞きしたいと思いますけれども、この子供の数に応じて支給される加算額として、二人目の子供に五千円、三人目以降に一人につき三千円と、こうなっているわけでございますけれども、子供が一人の場合の支給額との間に大きな違いがございます。
 一方、子ども手当は単純に月額一万三千円を乗じた額が支給されると、この考え方の違いはどこから来ているのかということと、また、この子育てに掛かる費用というのは、必ずしも子供が増えるということで比例して増大するわけじゃないわけでございますけれども、一人親の負担ということを考えますと、二人、三人、多子世帯ということで考えると、こうした加算額も引き上げていくということも含めて検討すべきではないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
#160
○国務大臣(長妻昭君) 児童扶養手当につきましては、一人目というのが全部支給では四万一千七百二十円ということで、非常に一人目について手厚く、二人目以下の加算額というのが五千円、三人目が三千円というような仕組みになっておりますのは、これは世帯を単位として親御さんの負担を軽減をするというようなことを着目をしてこういうお金の設定になっているところであります。
 その意味で、二人目、三人目を更に加算を増やしたらどうかというお尋ねでありますけれども、これも先ほどの答弁と同じでございますが、子ども手当によって二人目、三人目、これは四人目でも同じ金額をお支払いするという仕組みになっておりますので、これは児童扶養手当とは目的、趣旨も違いますけれども、この児童扶養手当を受給されている御家庭についても結果として経済的な支えになるのではないかというふうに考えておりますので、今直ちにこの加算額ということを増額ということは考えていないところであります。
#161
○山本博司君 今回、父子家庭の方々、改正で約十万世帯の方が支給対象になるということで、この方々に対しまして確実に支給されることが大事でございます。まず、このことを周知をするということも含めまして、大事な点ですけれども、今各市町村にはそのデータがないということでございますから、仕事に追われて大変物理的にも余裕のない生活を送るこういう方々に対して、制度の存在も知らないで終わってしまう、後で気が付くというケースもあるわけでございまして、こういう制度の周知徹底、これをどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#162
○大臣政務官(山井和則君) 山本委員にお答えを申し上げます。
 確かに、これは本当に今まで母子家庭にしか出ていなかったものでありますから、父子家庭の方に出るということをお気付きにならない方も非常に多いかと思います。今回の父子家庭への拡大により約十万世帯が新たに支給対象になると推計しておりまして、このため、御指摘のとおり、まずは手当の支給主体である地方自治体の協力も得ながら、対象父子世帯に対する改正内容等の周知を図ってまいりたいと考えております。
 また、その対象となる父子世帯が制度改正内容や請求手続を認知するための時間的余裕を設け、自治体の現場で新たに発生する認定請求の受付、審査等の事務を平準化するため、請求手続について経過措置を設けることとしました。
 具体的には、この法律の成立後は今年の八月の法施行前であっても請求手続を開始できるようにし、受給資格者からの認定請求が八月に集中しないようにしております。また第二に、児童扶養手当法の本則の規定そのものによれば請求日の翌月からしか手当は支給されませんが、改正法の施行時点で支給要件に該当している方は、今年の十一月末までに請求をしていただければ、さかのぼって八月分から支給できるようにしてまいります。
 このようなことにより、制度の円滑な施行ですべての対象父子家庭に支給が行き渡るように努力してまいりたいと考えております。
#163
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。父子家庭の方の初回支給が十二月ということでございますので、そういう面で、この八月から施行されますけれども、その周知徹底によってはそういったことを知らないケースもありますから、是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、今回の法案の修正に関しまして、公明党が提出をする内容に関しまして何点か質問をしてまいりたいと思います。
 この児童扶養手当法の第十三条の二の中に、児童扶養手当の受給に当たりまして、支給開始月から五年経過又は支給要件該当から七年経過等の一定期間が経過した場合に最大支給額の二分の一の額に係る一部支給停止についての規定がございます。
 この点に関しましては今日も何度も指摘されておりますけれども、民主党のマニフェストの中には、母子家庭と同様に、父子家庭にも児童扶養手当の減額制度を廃止すると明確に明記をされているわけでございます。しかし、今回は、この法案におきましては盛り込まれませんでした。なぜこの減額措置の廃止に関しまして盛り込まれなかったのか、国民とのマニフェストの約束であるということであれば、法案の提出時においてこのことを明記すべきではなかったかと思うわけでございます。
   〔委員長退席、理事津田弥太郎君着席〕
 先ほどの答弁によりますと、一期四年のうちに考えればいいということでございますけれども、この減額措置の廃止が盛り込めなかった理由と、昨年の十二月、様々な政府内の調整ができなかった、この背景も含めてお話をしていただきたいと思います。
#164
○国務大臣(長妻昭君) この件については、かつての、昨年の民主党マニフェストにおきましては、工程表にあるものはその期限というのがございますけれども、この案件につきましては政権一期四年の中で実行していくということでマニフェストでお示しをさせていただいております。
 その中で我々としてはそれを実現すべく取り組んでいくということでありますが、今回の法案に盛り込まれなかった理由ということでございますけれども、これについては、政府部内において議論が尽くせず、結果的に見送らざるを得なかったということでございます。いろいろな要因がありますけれども、一つはその優先順位というところも議論があったわけでございまして、これについて我々は今後とも実現に向けて努力をしてまいります。
#165
○山本博司君 是非とも実現に向けて努力をお願いをしていただきたいと思います。
 次に、これまでも多くの要望をいただいている課題の一つに、公的年金との併給の問題がございます。
 児童扶養手当法の第四条の二項の二におきまして、父親又は母親の死亡で支給される公的年金を受けられる場合には児童扶養手当は支給停止されることとなっております。また、例えば祖父母などの養育者が老齢年金を受給している場合や、母親や母親以外の養育者が障害年金とか遺族年金などの公的年金を受給していると児童扶養手当を受け取ることができなくなっております。ですから、八千円等で現状的に四万二千円が受け取れないという、そういうことが出ているわけでございます。さらに、この支給停止は、年金の額の多寡が問題とされていなくて、たとえ合算して所得制限以下であっても併給は認められておりません。
 現在の年金制度は父親の収入で一家を支える世帯を前提とした制度設計によるものでありまして、家族の形や働き方、これが多様化する中では、こうした公的年金制度の抜本的な改革を進めるのであれば、こうした一人親家庭に対する児童扶養手当と公的年金による所得の保障につきまして、これは検討すべきであると考えます。
 そこで、大臣に公的年金との併給調整の制限の見直しに関しましてお示しをいただきたいと思います。
#166
○国務大臣(長妻昭君) これについては、今おっしゃっていただいたように、例えば児童扶養手当と年金が両方が支給される場合は、保険料の拠出に基づく給付であり、権利性が強いと考えられる年金が優先支給となって児童扶養手当は支給しない、こういうケースがあるわけであります。こういう仕組みになっているところであります。
 これについては、今おっしゃっていただいたように、少ない金額の絶対額でいうとお金を受け取っているために、本来であればそれよりも多い児童扶養手当を受け取るのにそれが受け取れなくなる、趣旨からしていかがなものかという御指摘はかねてよりいただいているところであります。いろいろなこれ論点がございますので、今後とも引き続きその問題については検討を進めてまいりたいと思います。
#167
○山本博司君 是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
    ─────────────
#168
○理事(津田弥太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、辻泰弘君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君が選任されました。
    ─────────────
#169
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今回の改正で児童扶養手当は父子家庭にも支給されるようになるわけですが、シングル家庭への所得保障としては遺族年金もあります。しかし、遺族年金、遺族基礎年金の場合は、母子家庭には出るんですけど、父子家庭の方には出ないということにこれなっているわけですね。共働きの家庭であれば夫婦どっちが亡くなってもその家庭の稼得能力は大きく失われるわけでありまして、やはりその所得とか家族構成に関係なく、夫に対しては遺族基礎年金が支給されないというのはこれはおかしいんではないかと。
 しかも、十八歳以下の子供には受給権があるわけですけど、母子家庭では母親の遺族基礎年金への加算という形で子供の受給権に対応する年金は支給されるんですが、父子家庭の場合は、子供の受給権、これは年金が支給停止されるということになっております。だから、子供から見れば、お父さんが亡くなったのかお母さんが亡くなったのかでゼロか満額かという大きな違いになってくるわけで、大臣ね、これ児童扶養手当を父子家庭にも支給するのであれば、遺族基礎年金についても父子家庭に支給するということが必要ではないでしょうか。
#170
○国務大臣(長妻昭君) 今の遺族基礎年金の問題でありますけれども、私自身もかねてよりそういう疑問を持っていたわけであります。やはり、これまで制度の日本国の考え方として、やはり母子家庭と父子家庭比べると、まあ母子家庭は支援をしなければいけないけれども父子家庭は支援はそれほど必要ないんじゃないかと、こういう発想の下、ずっといろいろな制度がつくられてきて、今回はこの法案をお願いをしているところであります。
 年金については、四年後に抜本改革の法案を提出するということにしておりますので、今おっしゃっていただいた点についても、是正を含め、その年金制度の中で我々は重要な検討課題だというふうに考えております。
#171
○小池晃君 大臣はかつて国会で舛添大臣に対して、いろいろ評論的なお話は分かるけれども、それをもう何十年も議論しているんですかと、遺族厚生年金は配偶者に出るわけだから、別に夫だろうが妻だろうがこれは受給される、そうしたら遺族基礎年金の男女差を即刻直すということを明言してほしいと舛添大臣に迫っているんですね。私はそのことを長妻大臣にも言いたい。今、四年後のというようなお話もありましたけど、そうではなくて、やっぱり即刻見直すということを野党時代に主張していたんですよ。これは、やっぱり年金全体の改革とはこれは別の話ですから、もう即刻直すべきじゃないですか。
#172
○国務大臣(長妻昭君) これについて、これまでずっと手付かずだった問題について、我々は、微修正、微修正で年金制度を現状のまま持っていくのはもう限界があるということで、これはもう、この論点以外の論点も数限りなくこれあるわけでございますので、それぞれの論点が整合性が取れるような形で四年後の詳細制度設計の中でこの考え方も生かしていくと、こういうように考えております。
#173
○小池晃君 私は、整合性という点では、今回の児童扶養手当の父子家庭への支給と整合性は合う話だというふうに思っておりますし、せめて受給権を持っている子供に支給を停止すると、こういうことだけでもやめる、そういったことも含めて、これ即刻やっぱり手だてを打っていくということを改めて求めたいというふうに思います。年金全体の改革の中でということではなくて、これは一歩先んじてやるべきだというふうに思いますが、ちょっと重ねてどうですか。
#174
○国務大臣(長妻昭君) これは繰り返しで恐縮ですけれども、やはりこれも本当に大きな問題だと私ももう深くこれは認識をしている案件でありますし、これ以外も、もう数限りないと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、多くの問題点、論点、解決すべき点というのがありますので、それについて整合性が取れるような形で一括して全面的に変えていくということを、我々、その変えるということはこれはもう皆様にお約束をしておりますので、その中で議論をして提示をさせていただきたいと思います。
#175
○小池晃君 直ちにやるべきだと改めて申し上げます。
 児童扶養手当は、二〇〇二年の母子福祉法の改正で受給後五年後の一部支給停止制度を導入されたんですが、大臣、この一部支給停止をストップさせるために必要な金額はおおよそ幾らなんでしょうか。
#176
○国務大臣(長妻昭君) 年間約三億円程度ではないかと、国庫影響額についてであります。
#177
○小池晃君 これ三億円で停止できる、廃止できるわけですね。民主党は、マニフェストでもこの一部支給停止の廃止を書き込んだ。私は、せっかく児童扶養手当法の改正するのであれば、これはやっぱり併せて廃止するということをやるべきだと思うんですが、その点もう一度お答えください。
#178
○国務大臣(長妻昭君) これについては、私どももマニフェストの中で一期四年の中で廃止をするということを書かさせていただいておりますので、それについて取り組んでいくということでありますけれども、今回については政府部内で議論が着地をしなかったということもございまして、この法案には入れておりませんけれども、これについては一期四年の中で取り組んでいきたいというふうに考えています。
#179
○小池晃君 三億円程度の問題で着地できないというのは、私はちょっと納得できないですよ。やっぱりこの児童扶養手当の支給停止制度というのは、言わば小泉構造改革の冷たい政治の象徴のような話としてこれは大問題になったわけで、これはやっぱりそれをなくすんだというのが政権交代だったはずですし、私は、改めてこの支給停止制度廃止、このことについて求めたいと思います。こういうことをやらないと、やっぱり本当にがっかりしたという声は更に広がるというふうに思いますよ。そのことは改めて言いたいと思います。
 それから、子育てに関連して、先日の委員会で大都市の保育所の待機児童の解消のための国有地の有効活用について質問したんですが、自治体の方からは、なかなか、活用と言うけど、国がどこに土地があるのか情報を伝えてくれないというお話も聞きます。現状では、売却の三か月前には自治体に利用の意向を聞いているようなんですけど、自治体からすると、そんな急に言われても予算の関係もあるからすぐに対応できないという話もあります。
 財務省の五月十九日のヒアリングで、東京の世田谷区は、直ちに利用可能なものだけではなく、数年後に利用可能となる財産についても事前に情報を提供していただきたいという要望を述べているんですが、今日は財務省来ていただいていますけれども、利用可能な土地がある場合に、売却三か月前に伝えるというんじゃなくて、やっぱり積極的な情報提供で待機児童解消のために国の方から情報提供していくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#180
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。
 国有財産の情報提供につきましては、先生が御指摘のとおり、現在、処分可能な未利用国有地が発生した都度、三か月前に地方公共団体等への情報提供を行っておりまして、公用、公共用の用途に優先的に売却しているところでございます。
 現在、財務大臣から指示を受けまして、新成長戦略における施策の実施に当たり国有財産を積極的に活用できないかを検討しているところであり、その中につきましても、例えば福祉施設の活用なんかにつきまして、地方公共団体等への情報提供の在り方についても、御指摘を踏まえ、検討してまいりたいと思います。
#181
○小池晃君 もう実際に役に立つような情報提供をしていただきたい。
 それから、今、新成長戦略における国有財産の活用についての検討についてお話あったんですが、前回も私、指摘したんですけれども、保育や介護という分野では市場価格で土地を買ったり借りたりできないという事情があるわけです。特に大都市圏はそうです。ところが、現在の国有財産法の縛りのままでは、庁舎跡地、庁舎の一部あるいは物納地は、これは時価にしかなりません。
 情報提供だけじゃなくて、やはり社会福祉目的など時価では借り受けられない事業に対してはこの売却額とか賃貸料を軽減するという仕組みも検討していくべきではないかと思いますが、いかがですか。
#182
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。
 現在、財務大臣からの指示を受けまして、新成長戦略に基づいた施策の実施に当たりまして、先ほど申し上げましたように、国有地を積極的に活用できないか検討しているところでございますが、その中では、売却だけでなく、近年行ってこなかった貸付けにより活用することも検討してございます。
 新成長戦略の基本方針に掲げられました保育の多様化とか量的拡大、あるいは介護サービスの基盤強化のための施策につきまして、定期借地等によります貸付けは有効ではないかと考えておりまして、先般行われました有識者等とのヒアリングにおきましても、社会福祉関連施設につきまして、初期コストを低減させる観点から貸付けを活用すべきとの意見が多く出されております。
 一方、社会福祉目的でありましても、国有財産を活用する場合では、厳しい財政事情を踏まえれば財政的な観点からの検討も必要であると考えておりまして、現在、厚生労働省とどのような方策が適切か協議を行っているところでございます。
 これまで行われてきておりませんでした保育ママ等の拡大とかいろんな方策はあると思いますので、多様な観点から検討してまいりたいと思います。
#183
○小池晃君 私は、国有財産を、財政面、もちろん無視しろというわけじゃないけれども、やはりこれを活用して今の国民の期待にこたえていくという方向の行政が必要だと思います。
 大臣、東京都は、自治体に対して都有地を低廉な価格で社会福祉目的に賃貸しています。世田谷区ではこれを利用して認知症の高齢者のグループホームをつくられて、それは財務省のヒアリングでも紹介されたりしています。
 厚生労働省の方からも、国有財産の売却、賃貸について、保育所や介護施設に対して無料又は低廉な価格で活用できるような働きかけをしっかりやっていくべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#184
○国務大臣(長妻昭君) 財務省ともこの間、国有地の活用に係る打合せをさせていただいていまして、直近では五月十三日に財務省理財局と保育所を管轄する部局あるいは介護保険を管轄する部局での打合せをさせていただいて、そのときにも、定期借地権の期間あるいは原状回復義務等の貸付条件の詳細なども議論をいたしました。
   〔理事津田弥太郎君退席、委員長着席〕
 私としては、今おっしゃられたように、保育そして老人福祉施設については、やはりこれはもう国民的大きな課題でありますので、できる限り利用しやすいような料金設定というのをこれからも財務省に要請をしていきたいというふうに考えています。
#185
○小池晃君 是非、政府を挙げてこれは取り組むべきだということを改めて申し上げたいと思います。
 それから、障害児の保護者に支給されている特別児童扶養手当についてお聞きをしたいと思うんですが、内部障害を抱えるお子さんに関連していろんな問題が起こっています。そもそも認定基準が内部障害の特性を十分に反映していないんではないかという指摘がありまして、例えば一般状態区分を見ますと、五〇%以上は就床しておりという表現あるんですけれども、五〇%以上就床していると書かれると、もう十二時間以上寝ているというふうに、眠っていなきゃいけないのかみたいなことで、専門医の方からも、なかなかこれは安静が必要だけれども、実際に十二時間以上寝ているかどうかって書けと言われると書きにくいと、そういう声も上がっています。
 私は、山井政務官にお聞きしたいんですが、機械的に判断するんじゃなくて、半日程度は安静が必要だと、一般状態区分に記載されている状態に該当すると総合的に検討して医師が診断すればこれは該当すると判断していいと思うんですが、いかがでしょうか。
#186
○大臣政務官(山井和則君) 小池委員にお答えを申し上げます。
 医師が診断書に記入するこの五段階の一般状態区分のうち御指摘のあった四の区分は、身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が要り、日中の五〇%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったものというものであります。
 御指摘のあった半日以上の安静が必要ということをもって、そのままこの四の基準に該当するかどうかは一概には言えないものでありまして、お医者さんが個別に判断するものであると考えております。
#187
○小池晃君 だから、私が言ったのは、機械的に判断するんじゃなくて、個別によく事情を総合的に判断してやっていくべきではないかということを申し上げたわけですが。
 この基準がそもそも古いということもいろいろあって、障害年金については、今年度は心疾患、ぜんそく、てんかんの認定基準を改めると、今後も順次改めていくということを聞いているんですけれども、私は、特別児童扶養手当の認定基準についても、年金の基準改定を受けた改定はもちろんですけれども、今指摘したような関係者の間に戸惑いを与えているような点も含めて、やっぱりこの基準の改定ということに取り組んでいくべきだと思いますが、いかがですか。
#188
○大臣政務官(山井和則君) お答え申し上げます。
 障害年金の認定基準や診断書については、医学の進歩により治療方法や検査方法に変更が生じた場合に見直す必要があるから、一部の疾患については現在、専門家の意見を取り入れて見直しを行っているところであります。
 障害年金にかかわる見直しがあった場合には、特別児童扶養手当の認定についても見直しを検討することになると考えております。
#189
○小池晃君 障害年金の見直しだけではなくて、この特別児童扶養手当の基準自体にあっている不合理な点もこれは見直すということが必要ではないですかと私は申し上げたので、是非そういったことも含めて改定をしていただきたいというふうに思うんですが。
 それと併せて、障害年金の方は、本人の病歴や就労状況等の申立書などによって、日常生活上の支障など全生活を把握している本人が状態について述べられるようになっているんです。ところが、特別児童扶養手当の申請の必要書類にはそういうものがないんですね。医師の診断書だけなんです。特別児童扶養手当の申請でも、やはり私は、障害年金と同様に本人とか家族から見た日常生活上の支障について申立て制度をこれは制度化すべきではないかと。申立てできることはできると思うんですが制度化されていませんから、それで判定する際にやっぱり診断書と併せて検討するような材料にするということを検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#190
○大臣政務官(山井和則君) 小池委員にお答えを申し上げます。
 御存じのように、障害年金の認定に当たっては病歴状況申立書の提出を求めておりますが、それは基本的には、請求者の資格要件や納付要件との関係で障害の原因となった疾病の初診日を確定させるとともに、初診日から一年半の時点における本人の日常生活能力等を判断する必要があるなどから、初診日の状況や過去の日常生活能力を把握する必要があるということによるものであります。
 一方、特別児童扶養手当においては、障害年金とは異なり、さかのぼって認定したり支給したりすることはないことから、過去の病歴や日常生活能力等を把握する必要がないため、この病歴状況申立書といった書類の提出は求めておらず、特別児童扶養手当の認定に当たっては医師の客観的な診断書をもって状況を把握していることにしております。
#191
○小池晃君 ちょっと何か、そんな読み上げないで。私が言ったのは、それは今の現状でしょう、今言ったのは、そうじゃなくて、それでいいんですかと。やっぱりきちっと、医師の診断書だけじゃなくて、トータルなその人の状態をやっぱり踏まえて判断するような仕組み考えたらどうですかと言っているんですけれども。全然答えてないから、ちょっと、答弁書読まないで、ちゃんと自分の言葉で、山井さん、野党のときと全然違いますよ、それは、ちょっと。ちゃんと自分の言葉でしゃべってくださいよ。
#192
○大臣政務官(山井和則君) 今もお答えしましたように、そもそも障害年金と特別児童扶養手当とは趣旨が違うわけでありますから、障害年金においては初診日のときにどういう状況であったかというのが非常に重要になって、それによってさかのぼれるかどうかが変わるわけで、今回の特別児童扶養手当とはやっぱり趣旨が違うわけですから、私たちとしては病歴状況申立書というのは必ずしも必要ではないというふうに考えているわけであります。
#193
○小池晃君 いや、私は、やっぱりそういったことも含めて、医師の診断書だけでは判断できない部分あると思うから、ちょっとそういうことでとどまるんじゃなくて、ちゃんと検討してください。
 そもそも、今基準の問題を言ってきたんですけど、その基準の問題だけじゃなくて、ここ数年、結構、支給を締め付ける、そんな動きが起こっています。例えば、ゼロ歳の純型肺動脈閉鎖症、千二百三十グラムの極めて低体重で、術後は体重増加しないで、今体重増加を待っているような状態の赤ちゃんです。臨床所見としては、チアノーゼがあって、心雑音があって、心胸比が五九%で、一般状態区分は五、結構大変だと思うんですが、これで支給されないんですよ。こういう人で支給されなければ、心臓疾患で特別児童扶養手当を受けられる事例なくなっちゃうんじゃないかと思うようなやっぱり事例なんだけれども、不支給だと。何でかといったら、年齢が理由じゃないかという話が伝わってきている。
 それから、現場では、入院中だともう診断書は書けませんというような対応をされている自治体もあります、実際の実例がいっぱい寄せられています。入院中だと申請できないとか特定の年齢にならないと申請できないという規制はないはずですよね。ないにもかかわらず、こういう対応をされているのは私は問題ではないかと思うんですが、その点、山井政務官、どう思われるか。
 やっぱりこういう事態が今いっぱい寄せられていますから、こういったことこそ私、不適切な事例だと思いますので、一律に年齢とか、入院中だから認めないとか、そういうのはやっぱりやっちゃいけないということは現場に徹底すべきじゃないですか。どうですか。
#194
○大臣政務官(山井和則君) 小池委員にお答え申し上げます。
 今、入院中や特定の年齢では申請できないという、そういう実例があるということでありますが、これは入院中に関しても支給を停止するものでは当然ありません。また、これは年齢が何歳以下だと支給されない、申請できないということでもありません。
 ただ、もしかしてあり得るとしたら、非常に生まれて間もない方とか、発達障害とか知的障害とか、非常に低年齢だとその判断がなかなかできにくいケースがあるから、そういう場合には症状が確定するまでもうちょっと様子を見ようということがもしかしたら現場であるのかもしれませんが、とにかく、小池委員が御指摘のような入院中とか、一律何歳以下ではやはり申請できないということにはこの制度はなっておりません。
#195
○小池晃君 なっていないんだけど、実際そうなっちゃっていて、さっきの実例は今言われたような知的障害とかと違いますよ。やっぱりこれは、こういったことを適用しないのでは私は制度の意味が本当に損なわれると思いますし、今起こっているのは、前年と診断書ほとんど同じなのに、一般状態区分が下がったことだけで降級、不支給ということが出ております。
 一般状態区分が障害認定基準を満たさなくても、異常所見、臨床所見、その他の特別検査の結果、総合的に検討して特別児童扶養手当を支給するということができるようになっていると思いますが、確認したいと思いますけど、そうですよね。
#196
○大臣政務官(山井和則君) 委員の質問にお答え申し上げます。
 この判断に際しては、診断書に記載された事項のうち、日常生活や社会活動の状況を示す一般状況区分のみにより判断するのではなく、各種の検査の数値やその他の所見等を勘案して総合的に判断する仕組みとしております。
 ただ、今年の三月四日に開催した都道府県の担当課長会議のことを小池委員もおっしゃっているんだろうと思いますが、ここは今まで指摘された不適切な支給の事例、すなわち障害程度基準に該当しないにもかかわらず認定が行われた不適正な認定の事例を紹介したというところでありまして、小池委員御指摘のように、これまでお示ししてきた認定基準やその適用を変更したものではなくて、認定については引き続き総合的な判断をお願いしていきたいと考えております。
#197
○小池晃君 総合的な判断だというふうに言うんだけれども、昨年の担当課長会議で、これは障害程度認定基準に該当しないものを認定していた事例ということで、特に内部障害で一般状態区分及び検査値等が基準を満たさないものを認定したものと、一般状態区分をもう絶対視したかのような、そういうことになっているんですね。それで、今あったように、今年の課長会議では更に踏み込んだ指導をしておりまして。
 私は、今総合的にとおっしゃったからそうだと思うんだけど、特に内部障害の場合は一般状態区分になかなか表れにくいわけですよ、難しいわけですよ、そこに当てはめるのが。だから、やっぱり総合的に判断しなきゃいけないんだけれども、やっぱり一般状態区分だけでやるんだということを強調し過ぎると、やっぱり不適切な降級とか不支給処分とか起きかねないというふうに思うんですけど、そういう危惧は、山井政務官、持ちませんか。
#198
○大臣政務官(山井和則君) 小池委員にお答え申し上げます。
 確かに、今答弁しましたように、一般状態区分のみにより機械的に判断するというのは問題があろうかというふうに思いますので、小池委員御指摘のように、やはり最終的には総合的に判断するということだと考えております。
#199
○小池晃君 大臣にちょっと今まで議論してきたことを聞いていただいて、今回、通知も出ているんですけれども、これは厚生労働省による都道府県の指導監査の結果を受けたものなんですけれども、指導監査は支給中のケースはチェックしているんですけれども、不支給事例はチェックしてないんですね。
 私はやっぱり、今本当に心臓病のお子さん抱えている親御さんの団体の方で不支給になった、あるいは降級したといういっぱい実例が寄せられていて、本当に悲鳴が上がっているんですけれども、やっぱりサンプル調査も含めて、こういう今までになく不支給になっている、こういう実態についてやっぱり調査して、指導監査の在り方というのを見直していくということを厚生労働省としてやるべきでないかと思うんですが、どうですか。
#200
○国務大臣(長妻昭君) 今、山井政務官からも答弁ありましたけれども、今年三月四日に都道府県の御担当の方に集まっていただいて、そのとき説明いたしましたのは、不適切な支給についてはこういう例があるという御説明をいたしましたけれども、今お尋ねのような、これまで支給がなされていてその後、停止になったと、これが逆に適切か不適切かというような観点から、私どもとしても、幾つかの自治体に対してそういう事例をサンプル的にお話を聞いて、それが適切か適切でないかということを一度見ていきたいというふうに考えておりまして、そこについて適切でないものがあるとすれば、また全国会議あるいは自治体への周知という何らかの手段でそれをお伝えをしていきたいというふうに考えております。
#201
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について山本君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本博司君。
#202
○山本博司君 私は、児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対し、公明党を代表して修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨について御説明申し上げます。
 児童扶養手当制度は、母子家庭の生活の安定と自立の促進に寄与する制度として、今日まで父と生計を同じくしていない児童の育成支援策として大きな役割を果たしてまいりました。OECDの調査や昨年発表された我が国の相対的貧困率の数字により、我が国の子供の貧困、特に一人親家庭の置かれた極めて厳しい状況が明らかになってきており、近年の経済状況や雇用情勢の変化等を背景に、父子家庭においても経済的に厳しい状況に置かれている家庭が少なくありません。こうしたことから、今般、児童扶養手当の支給対象に父子家庭が加えられることは大きな前進であり、高く評価するところでありますが、父子家庭への対象拡大のみでは一人親世帯と同様の境遇にある子供の健全育成には光が届きません。私どもは、児童扶養手当制度における諸課題のうち、児童を養育している離婚係争中のDV被害者や年金受給者の祖父母等を支給対象とすることや、一定期間経過後の支給制限規定を削除すること等については、検討事項として先送りせずに早急に改善すべき事項であるとの観点から、本修正案を提出いたしました。
 修正の要旨は、次のとおりであります。
 第一に、配偶者からの暴力、配偶者の児童に対する虐待等の原因により別居し、事実上離婚状態にある世帯において児童を監護する母又は当該児童を監護し、かつ、これと生計を同じくする父を児童扶養手当の支給対象とすること。
 第二に、公的年金給付等に係る併給調整規定を一部廃止し、公的年金を受給する母、父又は養育者等を児童扶養手当の支給対象とすること。
 第三に、児童扶養手当の支払期月を、現行の毎年四月、八月及び十二月の三期から、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に改めること。
 第四に、支給開始月の初日から起算して五年を経過したとき等において児童扶養手当の一部を支給しないこととする措置に係る規定を削ること。
 第五に、父母が婚姻を解消した場合において生計を同じくしていない父の所得が政令で定める額以上であるときは児童扶養手当を支給しないこととする措置に係る改正規定を削ること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#203
○委員長(柳田稔君) ただいまの山本君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。
#204
○国務大臣(長妻昭君) 参議院議員山本博司君提出の児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
#205
○委員長(柳田稔君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに児童扶養手当法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、山本君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#206
○委員長(柳田稔君) 少数と認めます。よって、山本君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#207
○委員長(柳田稔君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、山本君から発言を求められておりますので、これを許します。山本博司君。
#208
○山本博司君 私は、ただいま可決されました児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、配偶者からの暴力、配偶者の児童に対する虐待等の原因により別居し、事実上の離婚状態にある世帯において児童を養育する母又は父に対し児童扶養手当が適切に支給されるよう、制度の運営の在り方について検討すること。
 二、公的年金等の受給者に対する児童扶養手当の支給制限については、児童が育成される家庭の所得水準等をも考慮し、公的年金と児童扶養手当それぞれの趣旨を踏まえつつ、その在り方について検討すること。
   なお、障害基礎年金について、受給後に有した子に係る加算制度が設けられたことにより、これまで支給されていた児童扶養手当が支給されなくなる場合があること等を踏まえ、受給世帯に不利な取扱いとならないよう、運用の改善等適切な措置を講ずること。
 三、ひとり親家庭の父又は母の就労支援策については、職業訓練の充実を図り、求職中の生活の安定のための支援を検討するとともに、母子家庭の母の雇入れ及び常用雇用化の促進等自立支援に向けた取組を積極的に推進すること。また、ひとり親家庭の収入や就業の状況、就業支援策の実施状況等について定期的に調査を行い、その都度結果を公表すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#209
○委員長(柳田稔君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#210
○委員長(柳田稔君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、長妻厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。長妻厚生労働大臣。
#211
○国務大臣(長妻昭君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#212
○委員長(柳田稔君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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