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2010/03/25 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 文教科学委員会 第5号
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2010/03/25 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 文教科学委員会 第5号

#1
第174回国会 文教科学委員会 第5号
平成二十二年三月二十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     谷岡 郁子君     尾立 源幸君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     谷岡 郁子君
     藤谷 光信君     藤原 良信君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     藤原 良信君     大久保潔重君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         水落 敏栄君
    理 事
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                橋本 聖子君
                義家 弘介君
    委 員
                大久保潔重君
                大島九州男君
                加藤 敏幸君
                神本美恵子君
                亀井 郁夫君
                鈴木  寛君
                谷岡 郁子君
                藤原 良信君
                横峯 良郎君
                吉村剛太郎君
               北川イッセイ君
                山本 順三君
                山下 栄一君
   国務大臣
       文部科学大臣   川端 達夫君
   副大臣
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大串 博志君
       文部科学大臣政
       務官       高井 美穂君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡井 敏雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学
 校等就学支援金の支給に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤谷光信君が委員を辞任され、その補欠として藤原良信君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(水落敏栄君) 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。おはようございます。
 いよいよいわゆる高校無償化法案の審議が当文教科学委員会で始まります。昨年のことを思い出しますと、議員立法としてこの法案の前身ともいうべき民主党実質高校無償化法案の作成にかかわった鈴木寛副大臣を始め仲間がここに集まり、今この委員会で閣法としての高校無償化法案を審議するということは大変感慨深いものがございます。
 それでは、質問に入ってまいります。
 委員長を始め委員の皆様はもう先刻御存じのことだと思うのでありますが、国際人権規約の第十三条では、高等教育とともに中等教育において、「種々の形態の中等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」と指摘をされているわけであります。しかし、この日本において戦後間もなく高校の無償教育に関する通達が出ていたことを御存じである方はそう多くないというふうに思います。実は私二つ見付けました。
 一つは、一九四七年、昭和二十二年二月十七日に、地方長官あての文部省学校教育局長の通達、新学校制度実施準備に関する件です。同通達には、高等学校に関する事項として、「高等学校は、希望する者全部を収容するに足るように将来拡充して行くべきであり、その計画は、高等学校において修学を希望する者の数を調査する等合理的な基礎の上に立って行われるべきものである。希望者全部の入学できることが理想であるから、都道府県及び市町村等は高等学校の設置に対して努力してほしい。また、高等学校の設置は官立・公立・私立のいずれの場合もある。」また、「高等学校は義務制ではないが、将来は授業料を徴集せず、無償とすることが望ましい。」と、こういうふうに記されています。
 もう一つ、一九四七年、昭和二十二年十二月二十七日、都道府県知事あての文部省学校教育局長の通達、新制高等学校実施の手引です。ここでは、将来においては、なるべく多くの新制高等学校ができて、希望者が漏れなく進学し得るようになることが望ましいのであるが云々、新制中学校の卒業者及びこれと同等以上の者で全日制の課程に進まない者はすべてこれを定時制の課程に進学させることが望ましいのであるが、現在ではこれは義務制ではないので、このことを実現するには、学校の教育そのものを彼らが喜んで出席するような魅力があり、かつ有用なものにすることが必要である。また、新制高等学校の定時制課程では授業料を取ってもよいが、国庫その他から補助があるとすれば、それらを考慮に入れ、適当な額を定める必要があると、こういうふうにあります。
 戦後の大変な状況の日本において、国際人権規約の採択以前に戦後の教育の在り方に関して先進的でとてもすばらしい考え方を見ることができます。しかし、その後、残念ながら高校の無償化は実現することがありませんでした。
 民主党としては、これまで高校実質無償化の実現に向けて議員立法で法案を提出し、またマニフェストの主要事項に掲げるなど精力的に取り組んでまいりましたが、昨年の政権交代を経て、二〇一〇年度予算案に必要経費を計上するとともに、このいわゆる高校実質無償化法案を内閣提出法案として提出いただいたわけであります。
 そこで、改めて大臣にこの法案の趣旨、目的について御説明をお願いをいたします。また加えて、なぜこれまでの日本で実現し得なかったのか、大臣のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。お願いします。
#5
○国務大臣(川端達夫君) 御質問ありがとうございます。
 今お触れいただきました一九四七年の地方長官あての文部省学校教育局長通達あるいは都道府県知事に向けた十二月二十七日の文書等からは、まさに終戦直後の混乱期の中であるのに未来に向けて教育をしっかりやろうという何か気迫と気概みたいなものが感じられる文章だというふうに思いました。多くの委員の皆さん方はお生まれになっていない時代かもしれません、私は生まれておりましたけれども。
 まさにここに書いてありますように、義務制ではないが、将来は授業料を徴収せず、無償とすることが望ましいというところからスタートいたしました。しかしこれ、二十三年に新制高校が始まったんですが、その当時、初めての新制高校生が約百二十万人、その後、進学率は約四二・五%、昭和二十五年ということでありますが、この以降、いわゆる第一次ベビーブーマー、まさに昭和二十二年生まれぐらいの方からがベビーブーマーというふうに言いますけど、そこから人口がどんどん増えてくる。そして、経済の発展も伴って進学率も上がるというのと相まちまして、ピーク時は、これは第二次ベビーブーマーになるんですが、平成元年で五百六十四万人ということで、百二十万人が五百六十四万人。現在、平成二十一年で三百三十四万人でございますが、ということで、無償化よりもとにかく学校を造らなければならない、当然先生も手当てしなければならないということで、まずは量的拡大にもう追われていたというのが現状ではないかなというふうに思っております。そういう意味で、ピークを過ぎて少子化時代という中で、質の充実とともに、こういう経済的な状況も、ふと見たら、国際人権A規約の中で、世界中で見たら日本は非常に、漸進的無償化ということでいえば後ろの方に気が付けばいてしまったということではないのかというふうに思っています。
 そういう意味で、一つは、もう九八%も進学されるという意味では、その人たちが社会に巣立っていって貢献していただいているという意味での社会に還元されている成果を我々は享受しているわけですから、その学びを社会全体で支えていきたいということが基本の無償化の考えの一つであります。
 同時に、先ほど申し上げました国際人権A規約においても中等教育における漸進的無償化、これを実現する国になりたいということももう一つの理由でございますが、同時に、昨今の経済的事情の厳しさの中で、経済的状況で学びが非常に阻害をされるという事態も多く起こっております。そういう意味で、意志ある人が安心して高等学校の教育を受けることができるように環境を整備したいということも背景の一つでございます。
 とりわけ高校生のいる世帯というものの教育費というのが一番世帯においては負担が多いということもありますので、そういうことから、高等学校等における保護者の教育費の負担の軽減ということも含めまして、今もろもろ申し上げたことの趣旨を踏まえて、公立高校に関しては不徴収、その他のものに関しては就学支援金を支給するという法律を提出した次第でございます。
#6
○水岡俊一君 大臣、ありがとうございました。
 高校の実質無償化については、単なる保護者の負担軽減にとどまらず、多額の公費を投入する以上、高校の教育改革に資するべきだと、こういうふうに考えます。
 そこで、大臣にお伺いいたしたいのですが、本法制度が高校教育に与える成果、そしてまた効果についてどのようにお考えか、お聞かせください。
#7
○国務大臣(川端達夫君) 基本的にはすべての意志ある者が高等学校に行ける環境を整えたいということでありますが、そういう中で、当然ながら高等学校教育の充実強化というのはもう前からの大きな課題でありまして、これはもちろん小学校から大学まで全部一貫してつながる問題ではありますが、高等学校の教育の中身の充実というのはしっかりとしていくということが大前提であります。
 それと同時に、やはり最近の傾向を見ましても、いわゆる職業意識といいますか、社会の一員としてしっかり自分は自分の人生を通じて社会に役に立つ人間でありたい、そしてそのために自分はこういうことをしたい、そのために一生懸命勉強しようというふうな部分、あるいは世の中の公共的な一員としての公共心というのが非常に脆弱になってきているとよく言われております。
 改めて、社会に貢献する人材として高校で学んでいただくのを社会で支えるという基本は、皆さんに大変そういう部分では期待をしていると、そのために税金を払って学びを支えるということでありますから、その意義はしっかりと生徒にも保護者にも理解をしていただきたい。そして、期待をされ勉強するという意味では、育ててもらっている親の恩と同時に、社会の恩というものを受け止めて学ぶということを公共的な意識、職業意識、社会意識ということをしっかり教えるきっかけにもしたいというふうに思っておるところでございます。
#8
○水岡俊一君 次の質問に参ります。
 この高校の実質無償化については、野党の皆さんから所得制限をすべきだという議論がもうあります。しかし、私は、すべての子供の学びを支えるため、所得制限はすべきでないと考えているところであります。
 改めてお伺いをいたしますが、所得制限をせずに一律に支給するその理由について御説明をいただきたいと思います。
#9
○副大臣(鈴木寛君) お答え申し上げます。
 今大臣も御答弁申し上げましたけれども、高等学校等への進学率は今現在約九八%に達して、まさに国民的な教育機関となっております。その教育の効果は広く社会に還元されるものでございますし、その教育費について社会全体で負担していく方向で諸施策を進めていくべきということで、今回、所得制限を設けずに一律に支給することといたしました。
 これはよく御承知のことと思いますけれども、イギリスにおきましては一九一八年、ドイツにおきましては一九一九年から高校が無償化をされておりますけれども、現在では諸外国では多くの国で後期中等教育を無償化としているところでございまして、高校無償化はまさに世界的な常識となっております。さらに、これも委員御指摘いただきましたように、国際人権A規約におきましても中等教育における無償教育の漸進的な導入が規定をされておりまして、今回の施策を導入したものでございます。
 なお、この所得変動についても、現在の措置でありますとどうしても対応に時間的な遅れというものが出てしまうということになっております。そういった意味でも、まさに安心して学んでいくということを確保するためには所得制限を設けないということが必須であるというふうに考えております。
 なお、低所得者の世帯につきましては、この要保護、準要保護世帯への就学援助や都道府県が行っている私立高校生に対する授業料減免の状況も踏まえて、家族構成なども考慮し、例えば両親と子供二人の世帯の場合、年収二百五十万未満程度の世帯については二倍額、年収二百五十万円から三百五十万円未満程度の世帯については一・五倍額を支給することといたしておりまして、低所得者層へのより手厚い支援を行うこととしているところでございます。
#10
○水岡俊一君 鈴木寛副大臣、ありがとうございました。
 次に、本制度に関する様々な課題について質問をしたいと思います。
 まず、就学支援金の支給対象についてであります。
 これまで、衆参の予算委員会や衆議院文部科学委員会では、外国人学校の扱いについて様々な議論があったところでございます。大臣はこれまで、専修学校の高等課程は対象としたい、そして各種学校は原則として除外するけれども、専修学校に制度上なれない各種学校の中の外国人学校だけは基準と評価方法を含めて検討してその条件をつくりたいと答弁されていました。また、マスコミなどでは、評価機関の設置などいろいろと報道されているところであります。
 四月まであと一週間もない現在、関係者の準備のための周知なども必要であり、法律が成立してから省令を定めるということでありますけれども、省令の内容について可能な範囲でお教えをいただきたいと思います。お願いします。
#11
○国務大臣(川端達夫君) 今御指摘のように、いろんな議論が、衆参の予算委員会あるいは所信の質疑、この委員会も含めて、いただきました。そういうことを含めてこの対象をどうするか、省令で定めることになっておりますが、現時点での整理状況を御答弁させていただきたいというふうに思います。今の御質問の中でもお触れいただいたのと重複しますが、お許しをください。
 専修学校及び各種学校については、法律案においては、高等学校の課程に類する課程として文部科学省令で定めるものを対象とすることになっております。文部科学省令においては、対象を定める際の客観性を確保するために、高等学校の課程に類する課程としてその位置付けが学校教育法その他により制度的に担保されているものを規定することとしたいということで検討を行ってまいりました。
 このような観点から見ると、専修学校高等課程は、学校教育法上、中学校における教育の基礎の上に教育を行うことが制度上担保されていることから、就学支援金の支給対象とすることとしたいと考えております。
 また、各種学校につきましては、高等学校の課程に類する課程であることが制度的に担保されていませんので原則として支給対象としませんが、外国人学校は、学校教育法上専修学校になれないために例外的に各種学校の認可を受けているもので、一定の要件を満たすものについては就学支援金の支給対象とすることとしたい。その際の要件として、大学入学資格の例も参考にしながら、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められるものとし、そのような外国人学校を指定することを考えております。
 外国人学校については、教育内容等について法令上特段の定めがなく、本国における正規の課程と同等の教育活動や独自の教育課程に基づく自由な教育活動を行っており、我が国の学校制度をそのまま当てはめて判断することは適当ではないと考えられます。このため、外国人学校について高等学校の課程に類する課程であることを制度的に担保するための要件として、一つは、我が国の高等学校に対応する本国の学校と同等の課程であると公的に認められること、二番として、国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けていることとし、これらの要件を満たすものを支給対象としたいと考えております。
 さらに、これらの二つの方法以外にも、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準や方法について、教育の専門家等による検討の場を設け、関係者の意見も聞きながら検討していきたいと考えています。検討の場については、具体的な検討はこれからでございますが、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準、方法が定まれば、それに基づいて法的に、あるいは国際的な評価団体により認められるものと同様、高等学校の課程に類する課程として支給対象となる学校として指定することを検討いたしております。
 もう少し分かりやすく言いますと、今外国人学校で大学入学資格を付与している条件があります。これは、その学校が本国においていわゆる大学入学資格がある学校であるかどうかを確認するという方法、それから国際的な評価機関でそれが大学入学資格が与えられていると認定を受けたもの、これだけでは対象にならないものが出てきますので、大学入学資格においては個人に着目をして、各大学が一定の資格認定をして受験を認めるかどうかをするという制度を決めております。今回は入学資格ではありませんので、個人ではできません、学校ですので、いわゆる教育専門家による検討の場で基準と評価方法と判定の仕組みを御議論いただいて、それに基づいて決めるという第三の道をつくろうと考えております。
 以上です。
#12
○水岡俊一君 今大臣から省令の内容について詳しくお示しをいただきました。
 そこで、私もう一度お伺いしたいのは、今後設置をするという検討の場についてでありますけれども、これはいつごろまでに結論を出すと、こういう予定なんでありましょうか。それについてお答えをいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(川端達夫君) 今申し上げましたように、検討の場では中身的には、高等学校の課程に類する課程として満たすべき基準、それから高等学校の課程に類する課程を審査する方法及び手続、それから体制、基準と方法、手続と体制と、この三つを御検討いただくということでありますが、検討の場で、いろんな国会の議論も踏まえて、慎重な検討が必要であります。できるだけ急ぎたいとは思いますが、めどとしては本年夏ごろに結論を得ようと考えております。
#14
○水岡俊一君 分かりました。
 次に、地方自治体が非常に関心を持っていることについてお伺いをいたします。
 今回、公立高校については授業料を不徴収、集めないということになり、授業料相当額を国から都道府県へ交付することになる法律であります。しかし、今まで東京都そして大阪府等は授業料が全国平均より高く、それらのところには一定の配慮をする必要があると考えておりますし、またそういう御答弁をいただいておりました。大臣も激変緩和について配慮を検討するという発言をされておりました。
 その具体的な内容、もし現在の検討状況、明らかにできることがあればお願いをいたしたいと思います。
#15
○副大臣(鈴木寛君) 今回の法案による公立高校の無償化スキームは、公立高校運営費のうち、これまでの授業料収入に相当する額を国が地方公共団体に交付をすることによって実施するということになっております。具体的な交付金の算定方法は政令で定めることになりますけれども、原則として、標準的な授業料額を基礎としてこれに生徒数等を乗じて一律に算定することが基本であると考えております。
 しかしながら、御指摘のとおり、東京都や大阪府のように他の地方公共団体より高額な授業料を設定している都府県がございます。授業料減免の実施状況も都道府県によって様々でございます。これらの事情を考慮してほしいという地方公共団体からの要望も踏まえまして、平成二十五年度までの経過措置として、これまでの実際の授業料収入を勘案した交付金の算出方法を検討しているところでございます。
 検討している交付金の算出方法は、平成二十二年度におきましては、標準的な算定方法による算出した額の五分の一と、各地方公共団体におけるこれまでの実際の授業料収入決算額から算出した額の五分の四を合計した額を交付することを検討しております。平成二十三年度以降におきましては、標準的な算定方法により算出した額の割合を毎年度増やすとともに、これまでの実際の授業料収入決算額から算出した額の割合を毎年度減ずることにより、平成二十六年度には標準的な算定方法により算出した額とすることを検討しているところでございます。
 つまり、平成二十一年度は五分の一と五分の四、二十三年度は五分の二と五分の三、平成二十四年度は五分の三と五分の二、平成二十五年度は五分の四と五分の一、そして平成二十六年度に五分の五と、こういうふうなことでやっていきたいということを考えているところでございます。
 平成二十二年度につきましては、失礼いたしました、標準的な算定方法により算出した額の割合が五分の一で、実際の授業料収入決算額から算出した額の割合を五分の四ということでございます。訂正させていただきます。
#16
○水岡俊一君 平成二十六年度まで激変緩和について配慮を検討いただいているということが分かりました。
 それでは続いて、留年をした生徒について、留年生についてお伺いをしたいと思います。
 今回の制度では年齢制限もなく所得制限もないということでありますが、公立高校は不徴収とはいえ、留年生の取扱いについて関心のある保護者、生徒の方もいらっしゃるというふうに思います。留年生の取扱いはどのようにするのか。また、留年生といってもやむを得ない理由で留年する生徒も出てまいります。そのような人に対して何か配慮を検討していただいているのかどうか、お教えを願いたいと思います。
#17
○副大臣(鈴木寛君) 法律の三条では、生徒間の負担の公平の観点から相当でないと認められる特別の事由があるときは授業料を徴収できるということにはなっております。したがいまして、他の一般の生徒に比して、まさにこの公平の観点から相当でない程度に多くのサービスを受けることとなる場合には、この一律不徴収とすることが必ずしも相当でないと認められる場合もあり得ると、こういうふうに読んでいただければ有り難いと思います。
 かつ、どのような場合にそのケースに当たって、かつ生徒に応分の負担を求めるかどうかということにつきましては、設置者の判断にゆだねることといたしております。したがいまして、その三年を超える生徒の中の一部に授業料を若干負担を求めるというケースがあることはあり得ます。
 次に、国から都道府県へ交付する公立高等学校授業料不徴収交付金についてでございますけれども、今お尋ねのように、確かに標準修業年限を超過した者についてはこの交付金の算定の対象としないということにはいたしておりますけれども、ただし、休学、海外留学、病気療養等のやむを得ない事情により標準修業年限を超過した者について、このやむを得ないかどうかというのは都道府県の判断にゆだねたいと思いますが、都道府県がやむを得ないと判断をいたしたものについては、きちっと交付金算定の対象として国から都道府県にも交付をいたしたいというふうに考えているところでございます。
#18
○水岡俊一君 財政の問題ですので厳しいとは思いますが、やむを得ない事情により標準修業年限を超過した者についての御配慮を是非お願いをしたいと、このように思うところであります。
 また一方、学校というところに目を向けますと、公立学校については授業料不徴収と法案には規定をされていますけれども、第三条第一項に、特別の事由がある場合は例外的に授業料が徴収できるとされているわけであります。
 そこで、公立学校が例外的に授業料を徴収できる特別の事由については具体的にどのようなことが想定されているのか、教えてください。
#19
○副大臣(鈴木寛君) 具体例としては、設置者である地方公共団体の判断で特別の費用を掛けて特別な学校を創設をし、これらに在学する生徒に対し特に充実した教育を提供する場合が一つ、それからもう一つは、高校既卒者が再入学する場合などがこの負担の公平の観点から一律に不徴収とすることが必ずしも相当でないと認められる場合の具体例というふうにお考えをいただければ有り難いと思います。
#20
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 それでは、次の質問に参りたいと思いますが、今年の二月十五日から三月十二日まで開かれた国連の人種差別撤廃委員会が人種差別撤廃委員会総括所見というのを出しております。この所見は三月九日に採択をされておりまして、その中の日本に関する部分で高校無償化法案について触れ、以下のような懸念と勧告を出しております。
 委員会は、二言語を話す相談員や七言語で書かれた入学手引など、マイノリティー集団の教育を促進すべく締約国によって払われてきた努力を感謝するとともに留意をする。しかし、委員会は、教育制度の中で人種主義を克服するための具体的なプログラムの実施についての情報が欠けていることを遺憾に思う。のみならず、委員会は、子供の教育に差別的な効果をもたらす以下のような行為に懸念を表明すると、こうあります。そして、締約国において、現在、公立、私立の高校、高校に匹敵する教育課程を持つ様々な教育機関を対象にした高校教育無償化の法改正の提案がなされているところ、そこから北朝鮮系の学校を排除すべきとの提案をしている何人かの政治家の態度である、こういうふうなことが述べられています。
 委員会は、市民でない人々の差別に関する一般的勧告に照らし、締約国に対し、教育機会の提供に差別がないようにすること、そして締約国の領土内に居住する子供が就学及び義務教育達成に際して障害に直面することがないようにするように勧告する。この点にかかわって、委員会はさらに、締約国が外国人のための多様な学校制度や、国の公立学校制度の外に設置された代替的な体制の選択に関する調査研究を行うよう勧告する。委員会は、締約国に対し、マイノリティー集団が自らの言語を用いた、若しくは自らの言語に関する指導を受ける十分な機会の提供を検討するよう奨励する。そして、教育における差別を禁止するユネスコ条約への加入を検討するよう促す。
 国際人権A規約における中等教育の漸進的無償化条項の留保撤回の作業に入りたいと、このように大臣も、そして総理も述べられていましたが、いよいよ実際にその段階に入ってきたというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#21
○副大臣(鈴木寛君) これはもう委員御承知のことだと思いますけれども、今回の法律は、学校教育法に沿って設置された高等学校におきましてはすべての国籍の生徒が対象となっておりまして、今回の法案の内容は、中等教育、高等学校というのは、あるいはそれに類するというのは後期中等教育でございますけれども、その後期中等教育を無償化していこう、こういう趣旨の法案でございます。したがいまして、まさに国際人権A規約十三条の2の(b)の趣旨に沿うものであるというふうに考えております。
 この同条の留保撤回につきましては、現在外務省において精査をしていただいておりまして、検討をしていただいているものと承知をいたしております。
#22
○水岡俊一君 分かりました。是非文部科学省としても積極的に御努力をお願いをしたいと、このように思うところであります。
 残りの時間を使いまして、一つ非常勤講師の問題についてお伺いをしてみたいと思います。
 二〇〇六年度から実施をされております義務教育費国庫負担制度の国庫負担率三分の一への切下げというのは、地方自治体の財政事情の厳しさもあって、都道府県での教職員の諸手当、管理職手当を中心に教職員の給与の引下げ、正規常勤教職員の一人分の給与で数名の非常勤教職員を雇うという定数崩しともいえることが行われて今日に至っております。
 この定数崩しに大きな影響を及ぼしているのが、二〇〇四年度から導入された義務教育費国庫負担制度の総額裁量制であります。総額裁量制は、都道府県に配当される教職員給与費の総額の範囲であれば、都道府県が諸手当や給与本体の金額、教職員の定数を自由に決定し運用することを認める制度であります。この定数崩しで非常勤に切り替えていく数が年々増えておりまして、学校での教育活動、大きな影響を受けております。
 その数をちょっと紹介しますと、各年の五月一日現在で、二〇〇四年は一万六千四百八十一人、それが二〇〇九年まで順に上っていって、二〇〇九年には一万八千六百三十一人まで増えている。公立高校の非常勤講師は、二〇〇四年で二万六千五百三十四人、二〇〇九年まで増え続けて二万九千百三十四人まで増えている、こういう状態であります。「少人数学級、やりくりの現実」ということで新聞報道でも紹介をされる中で、財政難だから臨時教職員でカバーしていると、こういうような報道が見られます。
 文科省はこれから教職員の定数改善に向けて動き出すと、こういう情報がございますけれども、教職員の超過勤務、また常勤の教職員がとても少ないと、こういうような現実に対して、文科省のお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、総額裁量制が導入されたという、いろんな議論があることは承知しておりますが、その趣旨の中に、やはり一つは可能な限りその地域の自主性ということでいろんなことをやろうということ、あるいはより無駄のないような仕組みをつくりたいということで、その趣旨自体に大きな何か誤りがあるというふうなことではない、理念的には、ことは一般論としてそうだというふうに思っております。
 ただ、そういう中で、どういうふうに常勤の定数をしていくか、配置をどういうふうにするかというのは、まさに分権の中でそれぞれの教育現場において基本的には任されているというものだというふうに思っていますが、御指摘のように非常にバランスがどんどん変わってきている中で、多忙である、残業が多い、あるいはほかの仕事もいっぱい増えてきているという背景がありますので、一番基はやはり総定数を改善することが一番大事だろうと。いろんな地方分権の中でそれぞれ工夫してやっていただくことは、ある種、余り国がああだこうだと言う前に、総定数を増やしたいということで今回の予算でも四千二百人の教職員の定数を改善ということにしました。
 同時に、やはりどういう配置がいいのかということも、数だけではなくて中身もしっかり議論をしないといけないということですので、二十三年度以降のいわゆる学級編制、それから教職員定数の改善の在り方について本格的に議論を開始をいたしまして、一月十四日に本格的な検討を開始することを発表して、二月十八日に十団体のヒアリング、三月二日に十一団体、それから三月十八日からいわゆる国民各層からの意見募集、四月以降有識者ヒアリング等々を含めて、八月に向けて、国の学級編制の今後の在り方、それから新学習指導要領の円滑な実施など教育課題に対応した教職員定数の在り方、教育における地域主権を推進するための制度の見直しということを主な検討項目として、八月には概算要求ですので、それまでにまとめたいというふうに思っております。
 既に三月二十四日の中教審の中等教育分科会でも活発な御議論をいただいて、新学習指導要領に対応するための少人数学級や定数改善に積極的に取り組むべき、あるいは都道府県の教育委員会からは定数改善は採用計画にも影響することから単年度でなく年次計画で示すべき等々いろんな御提言も既にいっぱい出ておるところでございますので、精力的に取り組んでまいりたいと思っております。
#24
○水岡俊一君 丁寧に御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 私の質問は終わります。
#25
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党の参議院議員の谷岡郁子でございます。今日もよろしくお願いいたします。
 高校無償化法案に入ります前に、この間、予算委員会並びに本委員会でも取り上げられております政治と教育の問題について、少し私自身の立場から取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 この間行われている議論は、ちょっといささか乱暴な側面がありはしないかということなのでございます。私は、特定の政治的見地に立って行う政治教育と言われるようなものと政治について教育するということの区別をする必要があるのではないかというふうに考えておるわけです。だれもが主権者になっていく。特に、場合によっては十八歳から選挙権を認めようかというような議論もなされている中では、当然、やはりその成長につれていかに自覚した主権者になっていくのか、その権利も責任も教えていくということ、そしてそれが何を意味するかということを教えていくということにおける政治に対する教育は必要ではないかと思います。それと、言わば、その徒党に偏する政治教育といったものは全く峻別して考えていかなければならないと思うのでありますが、大臣はいかがお考えでございましょうか。
#26
○国務大臣(川端達夫君) 高校の無償化の法案を御審議いただいているわけですが、この制度もまさに政治が決める、そして税金を使うという意味で、子供が各段階において政治というものの仕組みと、そして主権者たる位置付けでの自覚と行動というのをしっかりと教育するという政治教育は大変大事なことだというふうに思っています。
 一方で、政治的中立というのがよくこの委員会も含めて予算委員会でも出てまいります。そういう意味での、法律的にも、教育基本法でも、十四条で、良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならないということで、まさにその趣旨でしっかり教えているわけですが、第二項で、法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動はしてはならないということで、法文においてもはっきり区分けをしている概念だというふうに承知をしておりまして、これ、同じような考えは、宗教教育と宗教活動というものも教育現場においては峻別されているというふうに理解をいたしております。
#27
○谷岡郁子君 ただいまの御説明で大変よく分かったと思いますし、またそれを私ども国会の中でははっきり峻別した形で今後も議論していかなければならないというふうに思っております。
 ともすれば、子供を政治に近づけてはいけないんだと、まるで政治というのは空恐ろしい、妖怪であるかのような議論をしてしまうということになることが、子供をそういう意味では政治に無関心であるという状態をつくり出す、選挙に行かない選挙民をつくり出すということにもつながりかねない。我々はそのことに対しては大変考えていかなければならないことだろうと思います。
 教室の中での教師の政治的な活動というようなことはあり得ないというふうに私は思っております。また、そのようなことが実際に私どもの学校で行われましたときに、非常に厳しく教職員組合と私は対峙したことがありますし、それは裁判闘争、解雇闘争という形につながったということが現に私自身の体験の中でもございます。
 ですから、就業時間中の活動でありますとか、また若しくは学生生徒を巻き込んで政治的にオルグするようなことというようなことは絶対に認めてはならないことだと思いますし、それに対しては厳しく懲戒処分を含めての処罰ということを考えていかなければならない。また、学校で備品として用意されているようなもの、それが組合活動に使われるというようなことに対しては厳しく対峙していかなければならないという考えで私はおります。
 そのことに関して、大臣はいかがお考えになっておりますでしょうか。
#28
○国務大臣(川端達夫君) 基本的には全く同感でございまして、教育で政治を教えると。ここでは、公民なんていうのはまさに政治そのものを教えていると、社会の在り方、そういうことはしっかりするんですが、教育現場においてまさに政治的中立を損なうような政治活動に類するものは法律的にも禁止をされておりますし、そういう部分では教育公務員の政治的活動は一定の制約を受けている。この法律はしっかりと守って、教育現場においての中立は厳に守らなければならないと思っております。
#29
○谷岡郁子君 その上で、私はそういうことがあってはならないということと同時に、やはり何十万人、百万人もいるような教員の中には恐らくいろんな人がいて、逸脱行為が出てくる場合もあろうと思います。そして、それは警官の中にもわいせつ罪で捕まる人もおれば、あるいは自衛官の中にセクハラ事件ですとか、様々な事件が起きてくるということも含めて、多くの人の中に人間の無謬性というものが認められない以上、何らかの形で社会的な逸脱というのはどの職業分野においてもあり得るものというふうに考えます。
 それを、その一部をとらえて全体であるかのような議論をするということは全く乱暴であり、あるレッテルを張って、ある団体、組合というようなものの体質というようなものについて断じるというようなことをやっていくということは、多くのまじめに働いている教員に対して非常にふさわしくないことであるというふうに考えておるわけですけれども、この二つ、両者もやはりかなり峻別して考えていく必要が今後の議論であろうかと思いますが、いかがお考えになりますでしょうか。
#30
○国務大臣(川端達夫君) いろんな例えば事件が起こったり報道があったりということで、とりわけ教育現場にかかわるところでそういうことが起こることはいいことでないことはもちろんでありますが、そのときにいろいろと疑いを持たれる、あるいは指摘をされて、これはおかしいのではないかということが言われることは多くあります。そういう部分を、先生言われるように、何かそういううわさや伝聞だけで反応は私たちの立場としてはできませんので、そういうことがあったときは丁寧に事実関係をしっかり把握を、まあ教育の現場ですと主体は地域の教育委員会でありまして、事実関係をまずしっかり把握をする。
 そして、先ほど先生言われましたように、その事実が法に触れるあるいは政治的な中立を侵すことがあれば、これは厳に対処する、再発させないようにするということでありますが、その部分を私たちは基本にしておりまして、一般的な全体の問題と個々の問題はやはり違う要素はたくさんあると思います。それぞれの具体個々の部分を確認するところから対処をすることを今やっているところでございます。
#31
○谷岡郁子君 教師というものは教室の中で政治的な思想というようなものを語らないのは当然であります。その一方で、一人の主権者として政治的な信条も持ち、言論の自由も、またその自由も持っているということ、これを保障するということは私は当然のことだというふうに思っております。憲法の前文におきましても、御案内のように、すべての主権者が、正規に選ばれた代表を通して政治的に関与すること、そして主権者としての責任を持つこと、権限を行使することを求めております。したがいまして、教室の外におきましては、やはりそれなりの政治的な信条に基づいて発言することも許されましょうし、また同時に、必要なことは本人の判断においてやるということについては認められるというふうに私は考えております。
 そのことにつきましては、また労働組合ということも同じでございまして、今問題になっておりますように、教師が非常に重い労働条件の中で働いている、それを、教師も一人の主権者としての、国民としての生活を享受するという意味で、その権利を守るために、例えば労働組合というものをつくり、その中で行動するということは許されているというふうに思うわけですけれども、それが何か悪であるかのような断じ方ということは、やはりそれは主権者たる一人の人間としての教師の人権を束縛するものになりかねないという危険をはらんでいると思います。その点につきましては、大臣はいかがお考えでしょうか。
#32
○国務大臣(川端達夫君) 一般論で申し上げますと、公務員は、一部の奉仕者ではなく国民全体の奉仕者であるということから、一定の政治的行為の制限が課せられていることは事実でございます。そしてさらに、公立学校の教員については、教育公務員ということで、教育公務員特例法で国家公務員の例により政治的行為を制限すると。同時に、公職選挙法でも、教育者は学校の児童生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して選挙運動することができないということのいろんな制限は当然掛かっております。
 ただ、おっしゃるように、憲法上の思想信条の自由含めては、ある意味で内心の自由はこれはすべて、すべからく確保されているということでありますが、学校にいる時間と外ということで区分けして、していいこと、してはいけないことということではない網が法律上教育公務員には掛かっていることは事実であります。
 ただ、その制限が掛かっていることを除けば、例えば投票することとか、これは政治行為ですから、有権者として投票する、あるいは単に特定の政党や候補者の集会に参加すること、あるいは単に特定の政党や候補者に資金のカンパを行うこと等々は基本的に認められているわけでありますし、そういう人たちが集まっている職員団体あるいは労働組合は、それぞれ法に基づいた状況の中での活動の自由は基本的には最大限法において保障されているという位置付けでありますので、そういうそれぞれのしっかりとした規律の中で個人の権利は最大限守られるということが大原則だと思っております。
#33
○谷岡郁子君 全くおっしゃるとおりだと私も思います。ありがとうございます。
 と同時に、そういう意味におきまして、ある組合に、教職員組合に例えばレッテルを張って、あたかもすべての組合員である教員というものはよこしまな思いを抱いているような形でレッテル張りをし、そして父兄たちを怖がらせるということが政治的な思惑を持ってなされてはならないというふうに私は強く感じるわけでございます。そのことについては、大臣、いかがお考えでしょうか。
#34
○国務大臣(川端達夫君) 教育現場においていわゆる政治的中立がしっかり守られなければいけないというのが私の職責の一番大きなことだと思います。その観点に沿ってしっかりとやることに徹してまいりたいというふうに思っております。
#35
○谷岡郁子君 私は、先ほど、冒頭に申し上げましたように、国民の主権教育というものをきちんと行っていく、そして政治というものに関心がある若者をつくり出していくということが大事だというふうに思っております。中学ですとか高校にもなれば、ある意味で、このような委員会でありますとかテレビ入りの予算委員会の議論などが公民の時間に使われることが教材としてあっていいんじゃないか、副教材としてあっていいんじゃないかと。そういう形の中で子供たちに例えば討論をしてもらうようなことがあっていいんではないかということを強く思うものであります。
 その一方で、じゃ今現在行われているような国会での議論を子供たちに見せたいかといいますと、私はやはり見せたくないと思ってしまうわけです。それは、先ほど来申し上げておりますように、これは分離して考えるべきことというものがある意味で十把一からげに非科学的に言われてしまっていること、一方的な決め付けというようなものがあったり、レッテル張りというものがなされて、建設的で理性的と思うような議論がなされていないこと、態度の中において不必要に感情的であって、その中で非常に陰湿でしつこいと思われるようなことが繰り返されている、そういう決め付け、また、ばか、うそつきというような言動までが飛び出すような状況があること、これは子供に私は見せたくないというふうに思ってしまうわけですね。
 この委員会でとりわけ申し上げたいのは、やはり子供たちの教材としてふさわしいような建設的で理性的で科学的な国会の議論がなされてほしいと私は思うわけですけれども、それにつきましての大臣のお考え、もし感想としておありになりましたら、お伝えいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(川端達夫君) 長いこと議員生活をしていろんなことをやってきたので、自戒を込めて、子供たちに国会はなかなかいいところでしっかりやっているなと思われるということでなければいけない。
 余談でありますが、先日地元から、子供じゃなくて大人の人が国会見学で来られたときに、ちょうど本会議で、結構にぎやかな本会議でありまして、後で随分言われました、あんなところかと。テレビ放送とかでは割に周りの音声が入らないので思わなかったけど、生で見たら余り行儀良くないなというふうにおしかりを受けました。そういう反省も含めて、先生言われるように、やっぱりお手本でなければいけないんだというふうに思います。私も努めてそういう議論に参加できるように努力してまいりたいと思います。
#37
○谷岡郁子君 ありがとうございました。
 では、高校無償化法案の方に入らせていただきたいんですけれども、今回無償になった授業料に加えて一人当たりの公立高校生に対する公的支援は幾らぐらいになっているのか、それは合算すると幾らぐらいになるのかと。それと、今ある私立学校に対する支援というもの、今回の支援を加えて一人当たりの平均が幾らになるのかということを副大臣、教えていただけませんでしょうか。
#38
○副大臣(鈴木寛君) 平成十九年度のベースで申し上げますと、公立高校生一人当たりの公財政支出額は約百七万円でございます。これは文部科学省の調査ですが、一方、私立高校でございますけれども、日本私立学校振興・共済事業団がまとめました「今日の私学財政」によりますと、平成十九年度における私立の高校生一人当たりの公財政支出額は約三十六万円でございますので、調査主体と調査ベースが若干違いますけれども、単純に比較いたしますと、公立と私立で約七十二万円の差が平成十九年度はございました。
 今回のことでこれがどうなるかという趣旨のお尋ねだと思いますが、これはこれからの精査でございますが、約四、五万円縮小をするということになるというふうに想定をいたしております。
#39
○谷岡郁子君 四、五万円差が縮まるということは大変有り難いことであり、いいことだと思うんです。できるだけ格差はない方がいいと。また、本当の無償化に近づく方がいいというふうに思います。
 その関係の中で、実は私ども、最初に民主党案として出しましたときに、五百万円以下の世帯に対する配慮ということでやったものが、今回二百五十万というふうに変わってしまったわけですね。実はその所得二百五十万円から五百万円ぐらいの層が最も、というのは、二百五十万円以下というのは、もう既に都道府県によっては完全に無償化になっていたところも多うございます。ですから、新たに救わなければいけない層としてはそこがあったような気もいたすわけでございます。
 この財政難の中で、この問題、致し方ない形で今の現状のようになっておるわけですが、今後の問題といたしまして、やはりこれを漸進的にも変えていって、より無償化に近づけ、格差をなくしていくという方向性でお考えになっているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#40
○副大臣(鈴木寛君) 御指摘のとおり、大変厳しい財政事情、税収が四十六兆円あったものが三十七兆に減るという中で、概算要求が満額認められなかったということは事実でございまして、私どもも大変残念に思っております。
 ただ、要保護世帯等々については、今まで十三の県でありました全額免除が三十七都道府県に増えるということは大きな支援になっているというふうに思いますし、それから、地方交付税措置は、今回、対前年度比で約三十億円増の五十億円の措置をさせていただきましたので、こうしたことも活用して、今回の国の措置と、そして都道府県の措置とで併せて拡充をされるものというふうに考えておりますし、それから入学金につきましては、高校生修学支援基金の活用の対象に新たに加えるべく、平成二十二年度から加えるべく、今最終調整を行っているところでございますので、そこは御理解をいただきたいと思いますが、是非この委員会での御意見、御指導も得ながら、更に経済的な理由により修学困難な高校生に対する支援を充実をしていくために、給付型奨学金の創設について、重要な課題と受け止めて、今後検討をしていきたいと、このように考えているところでございます。
#41
○谷岡郁子君 もう一度お尋ねしたいんですけれども、財政状況が許すような環境になれば、更に本当の無償化に向けて支援、今救われていないような層も考えていただけるのかということについて再度お尋ねいたします。
#42
○副大臣(鈴木寛君) 私立の授業料の設定に国が関与することは望ましいことではないというふうに思っておりますので、私立高校の無償化ということではありませんけれども、しかし、今御議論をしていただいております私立高校生、とりわけ低所得者世帯に対する支援を拡充をすべきであるという御主張は重く受け止めて、そして、繰り返しになりますけれども、給付型奨学金の創設など、でき得る限りの策について検討を深めてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#43
○谷岡郁子君 子ども手当もそうでしたし、この無償化法案についてもそうなんですけれども、所得制限を掛けるべきじゃないかというような話がよく出てまいります。それは恐らく、今でも高校や大学の教育を言わば恩典であるということが基本認識の中にあるからではないかというふうに思われます。そうではなくて、社会が、この複雑で多様化し高度化している社会の中で、国としての競争力を保っていくための必要な投資、人間の力で生きていかなければならない国にとっての必要な投資であるというふうに考えますと、この恩典というような形で所得制限云々という話は本来出てこない話になるんであろうと私は思うわけでございます。
 そして、別の面から議論をさせていただきたいと思うんですが、実は所得の格差よりも人数の格差というものが、子供の人数ですね、家庭における、実はその負担感の大きさというものと大きくかかわっているのではないか。日本の家庭におきまして、後期中等教育あるいは高等教育に掛ける費用負担の重さというものはずっと議論になっておるわけでございますけれども、これが少子化に対して大きな影響を与えているのではないかと言われているような学説が多々ございます。それは、やはり子供何人かということにおいて負担感が非常に重いということがあるからだろうと思います。
 そうしますと、所得制限云々ということも一つの指標ではあるんですが、例えば、二人目、三人目になるということになる、あるいは兄、姉が大学へ行っているというような形で今高校生がいて、もうすぐ弟ないし妹がまた高校へ上がるというような家庭ということを考えますと、その人数においては負担感が、少々所得が高くても大変重いということがあり得るわけですね。今後はその辺の問題に対しても随時検討を加えていくべきではないかと思うんですが、その辺につきましてのお考えがありましたらお願い申し上げます。
#44
○副大臣(鈴木寛君) 就学支援金は、まず複数の高校生がいる家庭ではその人数に応じた額が支給されるということはよく御案内だと思いますし、それから、今回、両親と子供二人の世帯というのはこれモデルケースとして要求、あるいは御説明させていただいているわけでございまして、低所得世帯の増額基準については、要保護、準要保護世帯への就学援助や、現在都道府県が行っている私立高校生に対する授業料減免の状況を踏まえて、年収額のみで一律に判断するのではなくて、配偶者や扶養者などの世帯構成等の事情を反映した基準に、今までの様々な支援措置もそのようになっておりまして、そうしたことをベースに検討をしております。
 具体的には、市町村民税の所得割額というものを採用することに、今までもそうした支援策はなっておりますが、今回もその考え方を踏襲していくということでございますので、今のような御指摘はある程度はこの中で対応できると思っておりますけれども、なお重要な課題だというふうに認識しておりますので、更に検討を深めてまいりたいと思っております。
#45
○谷岡郁子君 その辺の説明が、なかなかこれまで多くの方々に理解をしていただけていなかったがために多くの御心配があったかと思います。それを今御丁寧に説明していただいて大変有り難いと思いますし、なお今後も考えていただけるという御答弁、感謝申し上げます。
 先ほど、公立高校と私立高校に国が、あるいは公費が投入されている額の差が、今、平成十九年度現在で約七十万あって、それが四、五万格差が縮まったろうというそういうお答えであったわけです。じゃ授業料として全部その七十万が私立学校に上乗せされているかというとそうではございません。つまり、私立学校はかなり効率的な教育をやっている、見方によってはひょっとすると教育環境が悪い、教育条件が悪いというふうにみなされるかもしれません。にもかかわらず、日本の国には現在三割ぐらいの人が私立高校に通っておりますし、それは仕方なく通っている人も多々ありましょうが、選んで通っている人もまたかなり多いという現状があります。
 なぜ公立高校が無償になってもあえて私立高等学校を選ぶ保護者や生徒がいるのかという、この辺のところにつきましてはどのようにお考えになっているでしょうか。
#46
○副大臣(鈴木寛君) 端的に申し上げますと、それだけ私立学校が御努力をいただいているということだと思いますけれども、委員御指摘のように、今現在も、在学者数で申し上げますと約三割の高校生が私立高校に通っているわけでございますが、独自の建学の精神に基づいて個性豊かな教育を行っていただいている私立学校については、やはりその特色に魅力を感じ、進学を希望しておられる生徒は従来から、今の在学数以上に大変大勢いるというふうに思っております。
 幾つかの調査がございまして、大学等への進学状況が良いという理由以外にも、校風への評価でありますとか特色ある学科、コースの設置、単位制の導入など、教育面での評価がいろいろなアンケートをいたしますと大変高くなっているわけでございます。
 今回の措置によりまして、私立高校に対して約十二万円の就学支援金が支給をされることになります。さらに、低所得者については、先ほど申し上げておりますように支援を拡充をすると、こういうことになっておりますので、今までそもそもこうした多様な私立高校での学びを期待をしながら経済的な理由で断念をせざるを得なかったそうした生徒の皆さんも、今回の制度の導入によって私立高校へ進学しやすくなる環境が整うというふうに思っております。
 これマクロで見ましても、今、私学の授業料というのが三千二百億円ぐらいございますが、それが千七百億に自己負担額が減りますので、そうしたことでまさに進路の選択の幅というものが増えてまいりますし、進路指導に当たってもそうしたことも勧める余地がかなり可能性として出てくるというふうに思います。
#47
○谷岡郁子君 先ほど申し上げましたように、私立高校は、今、公立高校からの、公的支援の差額、マイナス分をすべて授業料に転嫁することなく、効率的であるように頑張っておられる学校がたくさんあると思います。もちろんスポーツの担当の副大臣でもあります鈴木寛先生はよく御案内のことだと思うんですが、オリンピックに出ている選手たちというのはかなりの部分が実は私立高等学校の卒業生なんですね。また、日本で最も多分多くのテレビ等の聴視者を集めております例えば高校野球というようなものを考えていただきましても、本当に私立高校が頑張っております。
 今回、そういうスポーツをする私立高校の生徒たちにとって、この授業料負担が軽減されるということは大変大きなことになろうと思います。そうやって好きなスポーツであったり、また文化の面も同じなんですけれども、太鼓である、吹奏楽である、絵をかく、そういうことのために費用が家庭として負担できるような状況になれば、日本の文化、スポーツというものの質を高め、広げていくということに対して大変大きく寄与する可能性があると思います。
 その一方で、今、私立高校は、申し上げましたように大変効率的な経営を行っていく中でぎりぎりのところで頑張っている。そういう状況の中で、ただ、課外活動などはむしろ公立高校よりも非常に盛んにやって日本の文化、そしてスポーツの下支えをやっている。
 これが、今、省を違えるんですけれども、厚生労働省の方がいわゆる教員の残業について非常に厳しい見方をしてくると。今まで、課外活動に関して、特にその先生方が好きでやっているということもあって、わずかなコーチ料等を加えるような形で多くの学校が皆さん方に頑張って、言わばボランティアとしてやっていただいた側面というものがございます。
 ところが、これが厳しく残業手当を支払うということになりますと、多くの学校ではその負担というものがもたなくなって、次々とそういう課外活動、言わば私立学校の個性の重要な部分を成していたようなものが衰退してしまうというような可能性をはらんでおります。
 これはやはり公立高等学校の先生方と同じように、つまり教職公務員であられる方々と同じような考え方というものをやっていきませんと、実は教科教育と課外活動、そしてその中での人間づくりというのは切っても切り離せないものですので、そこの部分の中でこれをなくしてしまうということは実は日本の教育がやせてしまうこととも大きくかかわっております。
 これは要望でございますけれども、文科省としての、この三割を占める私立高校におけるそういう取扱いにつきましては厚生労働省の方としても柔軟に取り扱っていただけるように要望をお願いしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#48
○副大臣(鈴木寛君) 私立高校が我が国に非常に多様で多彩な人材を輩出をしていただいていると、この意義は本当にもう語り尽くせないものがあるというふうに思います。そういう観点で、私立高校がこれからもますますその特色、建学の精神を生かして発展をしていってほしい。そのことに我々も是非応援をしていきたいというふうに思っておりますが、その一環で、今日の御指摘も踏まえてまた研究、検討をさせていただきたいというふうに思います。
#49
○谷岡郁子君 大変力強い御発言、ありがとうございました。
 これで私の質問を終わります。
#50
○大島九州男君 それでは、大島九州男でございますが、質問をさせていただきます。
 予算の審議のときにもいろいろ質問をさせていただきました。ちょうどもう私学の入学手続も終えて、公立高校もそれぞれ高校生は進路が決まった状況だと思うんですけれども、言われておりました公私間格差と、特に私学に、子供たちが減って入学者が減るんだと、それで私学の経営が立ち行かなくなるという懸念があった部分について、そこら辺どういう状況だったかというのは文科省は状況を御存じでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
#51
○副大臣(鈴木寛君) まだ最終の締めが行われている段階ではございませんので、途中経過の、かつ報道ベースでということで私どもが把握をいたしておりますのは、昨年と比較できるのが十一都道府県ございますが、そのうち十都道府県においてはむしろ私立高校の平均志願倍率は増加傾向にあるということでございます。
 公立については基本的に大きな変動はないということでございまして、全体として二十一年度に比較して特に大きな変化があったものとは受け止めておりませんというのが我々の認識でございます。
#52
○大島九州男君 一応、私も地元の私立の高校の校長先生にお話を伺いましたら、大変今年は志願者が増えて、そして入学者も近年になくしっかりと入っていただいて、すごく有り難かったというお言葉をお聞きしたんですけれども、それも、やはりいろんな懸念に対して政府又は文科省、いろんな部分で配慮をされたと思うんですが、特に都道府県の支援ということで、今回の就学支援金の支給に伴って都道府県の中でもそういう見直しをするというふうに言われている。特に私学の関係者はそこら辺を懸念をされているということでございますけれども、今後また、県の独自のそういう政策について、どのような形で文科省も注視をしながら検討、話をしていくのかという点についてお答えをお願いいたしたいと思います。
#53
○副大臣(鈴木寛君) 委員もよく御案内のように、これまで、例えば約年収五百万円相当以下の世帯というところには都道府県が独自で、授業料減免補助実績ベースで申し上げますと二百九十億ぐらいだったわけですね。これが今回、国と都道府県合わせますと七百七十八億円ということに増えるわけでありますので、その部分はトータルとしては増えているわけであります。今御指摘の私立高校への受験が増えたというところも、ざっと申し上げますと、要するに親の授業料負担は半分程度、五、六割程度に引き下がっているわけでありますから、そうしたものが応援になっているんだろうというふうに思います。
 例えば、さらに、今年のベースで申し上げると、二百五十万程度以下、要保護世帯に対しては、今まで十三の自治体で全額免除になっておりましたけれども、これが三十七自治体で全額免除になります。それから、大体準要保護程度の世帯に対しましては、今まで四自治体でありましたが、これが十三自治体で全額免除相当の支援になりますし、二十六自治体では、全額免除ではございませんけれども現在より手厚い支援になっております。
 それから、加えまして、国は授業料減免補助を行う都道府県に対しまして国庫補助、地方交付税措置や高校生修学支援基金による支援を行っておりまして、平成二十二年度予算におきましてまず地方税措置を拡充をいたしまして、対前年度三十億円増の約五十億円の地方交付税措置を平成二十二年度から講じております。
 それから、入学金につきましても、平成二十二年度からこの高校生修学支援基金の対象に新たに追加をするということを最終調整段階になっておりますので、こうした支援も活用して、都道府県と国と相まって、地域の実態に即した低所得者世帯への私立高校生に対する必要な支援を行っていけるというふうに期待をいたしているところでございます。
#54
○大島九州男君 ありがとうございます。
 引き続き、特に県におきましては、ある県の県知事が県の独自の判断でやると。それがいい方に行けばいいんですけど、非常に削減の方向へ向かう知事の発言があったことも記憶しておりますので、そういうことのないように是非御指導いただきたいというふうに思います。
 そして次に、高校の実質無償化が実現されても、一方で特定扶養控除の縮減によって、例えば定時制に通う生徒など負担の増す人たちが存在をしておりますけれども、このような人たちにどのような対応が必要であるか、またどのような検討をされているかということをお答えをお願いします。
#55
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、授業料の徴収額が比較的低い、低廉な学校種に通っておられる子供さん、あるいは授業料の減免を受けている、既にですね、人たち、あるいは学校に通っておられない人、この部分が、この年代において特定扶養控除は教育の負担が高いだろうということで上乗せされた部分を圧縮いたしましたので、高校の実質無償化による便益よりも特定扶養控除の縮減による負担の方が大きくなる世帯というのが発生することは事実だというふうに認識しております。
 これは、昨年の十二月のいわゆる政府の税調においての議論の中で、最終的に閣議決定をいたしました税制改正大綱において、「現行よりも負担増となる家計については適切な対応を検討します。」と閣議決定文書に書き込みました。実際の影響は二十三年末に起こりますので、これまでの間に給付型奨学金の創設等の文科省としては検討も加えてまいりますけれども、最終的には政府全体において、この税調の、現行よりも負担増になる家計について適切な対応を検討するということを二十三年末に向けて取り組んで、しっかりとこういうことが防げるようにやってまいりたいと思っております。
#56
○大島九州男君 是非そこのところは拡充をしていただいて、しっかりと不安のなきようにしていただきたいんですが、やはりそういう、例えば給付型の奨学金ができたと、今回も高校無償化、こういう制度になったというのを多く、広く国民に周知をしていただくためには、非常に期間の短い中でもございますが、具体的にそういう子供たち、保護者、多くの人に制度を周知するということで具体的な方法を何か考えられていらっしゃいますか。
#57
○副大臣(鈴木寛君) 今日の御審議もその制度を極めてクリアにするために大変資しているというふうに思いますし、文部科学省としては、この法案が成立次第、そうした詳細についてもきちっとパンフレットあるいは様々な講習会等々で徹底をしていきたいと思います。
 制度の概要については、都道府県、自治体等々の関係者にはこれまでも説明会あるいは順次問い合わせに対してお答えをしてきたところでございますが、保護者の皆様方への周知については、そうしたパンフレット等々、あるいはホームページ等々できちっと周知をしていきたいというふうに思っております。
#58
○大島九州男君 当然、そういうパンフレット、それからインターネットも必要なんですけれども、やっぱり一番効果があるのはラジオだとか、そういう政府広報のメディアを使うみたいなそういう部分がやはり一番分かりやすいと思うので、そういう検討はされていらっしゃるんですか。
#59
○副大臣(鈴木寛君) 政府広報ということになりますと、文部科学省だけでは判断できませんけれども、今日こういう御議論があったということにつきましては、関係部署にお伝えをして善処をいただきたいというふうに考えております。
#60
○大島九州男君 是非、国民に広く周知するためには、より有効な活用をしていただいて、御理解をいただくように努力をしていただくことを要望しておきます。
 それから、学力の関係、ああそうだ、一つ忘れていました。
 そういえば、私学の就学支援金のところには、署名をするというような書式になっておりましたけれども、公立高校の不徴収の部分についてはそういうものをまだ用意されていると聞いてはおりませんが、やはり私立、公立に通う子供さんたち同等に、その不徴収の申請をするというような形での署名をいただくようなお考えはどうかということを、もう一度お願いします。
#61
○副大臣(鈴木寛君) 公立については、今回、不徴収になりますから、明らかにこれは授業料を今まで払っていたものとこれから払わなくなってということで制度が変わったということについては、これは明示的に理解できるわけであります。
 そのなぜ今年からそういうことになったのかという背景、理由等々については、学校の現場で様々な機会をとらえて生徒に指導をしていただくように、このことの徹底はしていきたいというふうに思っております。
#62
○大島九州男君 分かりました。是非、そこら辺の周知徹底と、子供の意識をしっかり教育の中で芽生えさせていくということを御努力をいただきたいということをお願いをしておきます。
 それでは、学力のことに関して質問をさせていただきますが、前回も配らせていただきました資料を皆さん御覧いただければと思うんですが、とにかくこういうふうに学力が下がっているということを検証をされている資料でありますが、文科省としては、この学力向上のために今年からどのような施策を講じるのかということについてお答えをお願いします。
#63
○国務大臣(川端達夫君) 学力低下が指摘をされ、前回もこの議論をしていただきました。そういう中で、いろんな切り口というか方策があるというふうに思います。
 基礎的な知識、技能をしっかり身に付けること、それからそれを活用した応用力というんですか、この両方が必要なんですが、最近のいろんな調査でも、応用力が非常に、やや弱いとか、あるいは同じようなところで共通的に非常に弱いところがあるということでありますので、学習指導要領を十年ぶりに改訂をされたのがいよいよ動き出すわけですけれども、その中で申し上げますと、一つは、つまずきやすい内容の確実な習得ということで、いわゆる繰り返して学習するということに一つは重点を置く部分がある。もう一つは、観察、実験、あるいはレポート作成、論述という、いわゆる活用する学習というのにももう一つの重点を置こうということでありまして、そういうことを行うためには授業時間がたくさん要るということで、いわゆる授業時間数がまずは増えました。
 そして、理数科の問題がよくして、コミュニケーション能力というのと同時に理数科ということでありますので、これについては、教育内容の充実を図るということで、例えば、平成十年、今やっている現行の学習指導要領でいったん削減をされたもので、幾つかは今回の平成二十年度の告示の新学習指導要領で再び盛り込むもの、それから新たに盛り込むものということで、例えば、小学校の算数でいいますと、台形の面積の求め方というのが十年前に消えまして、今回これが復活をする。あるいは、ひし形の面積の求め方とか、てこの利用とかいうのは新たに加える。球の表面積・体積、中学校で、二次方程式の解の公式、円周角の定理の逆等々、あるいは力とばねの伸び、仕事・仕事率、遺伝の規則性等々は十年前に今まであったのが削除されたのを復活させる等々、きめ細かく、そして国際的なレベルをいろんな調査も見ながら、しっかりと中身の充実と時間の拡充を図っているところでございます。
#64
○大島九州男君 今大臣から御答弁をいただきました。まさしく我々が本当に中学一、二年生、三年生というようなところの勉強を、私も塾で一緒に子供たちとやっていましたけれども、小学生のとき、また、要はちっちゃいときにちゃんと、読み書きそろばんと昔言われた、そういう作業がきちっとこなせるお子さんたちはある程度そういう思考的なものに入っていったときでも吸収は早いんですけれども、基本的に計算力がないのにそういう応用なんか付くわけないわけですよね。
 だから、そういう意味では、反復、繰り返しの練習をどんどんしていただくようにしたというのは大変すばらしいことでございますし、また現実的に授業時間数を増やしたということはいいんですが、要はやる内容ですよね、今度はね。どういうものをやっていくのか、どういう教材をやっていくのかと。
 基本的に学習指導要領がどんどんどんどん平易になって、そして削減を内容がされてきたと。そこは、教科書が本当に薄っぺらになって、もうまさしく漫画を読むような理科の教科書のようになっていったという、そういう状況を見たときに、これは、というのは、実は、生徒の学力もそうだけれども、教える方の先生の学力が低下するんですよ。これは、正直言いますと、私自身にとらえると、私自身も数学だとかそういうのを、難しい図形だとかそういういろんな問題をやらないでしばらくぶりにやると、頭が回っていかないんですよね。だから、子供たちよりも正直言って先生たちの方の劣化が激しいというのは大変大きな問題じゃないかと。自分自身にとらえてですよ。中には立派な先生もいらっしゃいますからあれですけれども。
 そういうことを見たときに、まずは教科書の内容という部分について、これは教科書会社がそういう新しい指導要領に沿って教科書を作るんでしょうけれども、そこら辺の、教科書会社に対する、コミットしている部分で一緒に、どういうふうに教科書があるべきかというような議論はどこかでされているんですかね。
#65
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるように、学習指導要領の内容をどうするのかということと、その学習指導要領の内容を教科書でどれぐらいの分量を使ってやっていくのかと、この二つ、議論を分けた方がいいと思います。
 例えば、英語などでも、ある単語を習得すると、これは学習指導要領で規定することなんですけれども、これを一挙に難しい単語ばかりの教材にしますとこれなかなか取っ付きにくいと。そうすると、子供たちにとっては新しい、その子にとってですよ、その子にとって新しい単語がどういうペースでその教材の中に仕組まれていくかということは、これ非常に重要な教科書の作り方のポイントだというふうに理解をいたしております。
 ただ、御存じのように、我が国は、基本的には教科書は教科書発行者の責任において、学習指導要領及びその解説の趣旨、内容を踏まえて創意工夫によって作られるべきものではございますし、これまでもそうした改善充実が図られているということになっておりますが、私の個人的思いとしても、やはりもう少し工夫の余地はあると思います。
 したがって、もちろんそうした自主性というものを確保しながらも、今後、教科書のデジタル化というようなこととも相まって、教科書にどういうふうな教材を盛り込んでいくのかということの研究は始めていきたいというふうに思っております。その中で、例えば動画を入れていくとかいったことも含めて、あるいは音声なども入っていくということも含めて、トータルで学習を促進をする、支援をするという教科書の在り方、教材の在り方ということを考えていきたいというふうに思っているところでございます。
#66
○大島九州男君 やはりどういう教材を使うかで子供の学力は全然変わってくるんですよね。だから、今副大臣がおっしゃった、教科書の内容をどうしていくかということを一緒に考えていくと。今まで安倍内閣かどこかが教育刷新会議とか何かそういうようなあれをやっていたのは記憶があるんですが、やはり新しい鳩山内閣の中では、そういう教科書の在り方というよりは、要は本当に学力を上げていくためにどういう教科書を作っていくのか、そしてどういうふうな形で学力を向上するのかというような、学力の向上委員会みたいなのをいろんな有識者を入れてやると。その有識者の中に例えば予備校の先生だとか塾の先生だとか、そういう現場の皆さんの声を入れてやるというのも大変僕は有効ではないかと思うんですが、そこの御見解はどうでしょうか。
#67
○副大臣(鈴木寛君) 年末に決めました成長戦略におきましても学力到達度調査の順位を上げるということをこの政権は明言をして、かつ決定をいたしているところでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、既にこの平成二十二年度予算からそうした教材についての検討というものを開始をするということになっております。その中で、新しいパラダイムにおける学びというものの専門家というものはもちろんこれから大いに御協力をいただいてやっていきたいというふうに思っているところでございますが、現に今も、中教審の初中部会等々では反復、繰り返し学習の成果を上げておられる陰山英男先生なども委員に入っていただいておりますので、そうした方々の御意見も伺いながらこうしたことを既に進めてきているところでございますが、今日の御指摘を踏まえて更にそのことを深めてまいりたいと思います。
#68
○大島九州男君 是非、教育現場の最先端である塾の先生や予備校の先生の意見を聞いていただくことを要望しておきます。
 それから、教師の研修の件なんです。
 これも、私もちょっと地元に帰って小学校の先生に、議員、今いろんな研修があるんだけど、その研修は市の研修、県の研修というふうに上から押し付けられる研修なんだけど、自分たちがこれを勉強したい、こういうふうなことをやりたいと。いわゆる専門性を持った形での研修を積極的にやりたいんだという、そういう前向きな先生もいらっしゃるんですが。これはもう市、県と、そういったところが独自にやっていることなんでしょう。
 文科省としては、そういう教師の研修の在り方、特に専門性を持った研修にそういうものを推進をしていただくことを県と市に要望するというようなことを是非やっていただきたいと思うんですが、その件はどうでしょうか。
#69
○副大臣(鈴木寛君) 今るる御議論がありまして、授業時間を増やすとか教材を充実するという御議論がありますが、一番大事なのはやはり教員の質だというふうに思っております。
 したがいまして、平成二十二年度におきまして、まさに教員の養成、採用、研修とトータルで教員の質向上を図りたいと、そのための方策を検討していきたいと思っておりまして、とりわけやはり実践的指導力というものを身に付けていただく。特に今、子供が複雑化、多様化をしておりますので、やっぱりそれぞれの子供たちにどうやって学びに集中をさせるかと、そういう教師のコミュニケーション能力なども非常に重要だというふうに思っておりますので、御存じのように、今、教育公務員特例法で初任者研修や十年経験者研修など様々な教育委員会等において実践をされておりますけれども、今私どもが考えたいのは、免許更新講習研修は大学の方でやっておりますが、そうした大学とそれぞれの教育委員会とがもっときちっと連携をして、そしてトータルのデザインとして先ほどの養成と採用と研修といったものをきちっと見直して、全体として教員の資質向上の、向上策の抜本的な見直しを検討していくという、そういう年にしたいと思っております。その中で、研修の今日の御指摘も踏まえて対応してまいりたいと思います。
#70
○大島九州男君 是非現場の先生たちが自主的に、自分たちが専門性を高めたいものについて研修が行われるように要望させていただいておきます。
 それから、全国一斉学力テストの関係なんですけれども、長期実施の定点観測というイメージを持ったんですが、今回抽出ということでやられておりますけれども、この抽出にした理由と、そこから得られるデータというものがどういうふうに活用されるのかということについてお答えをお願いします。
#71
○副大臣(鈴木寛君) 三年間調査をやってまいりまして、ある程度信頼性の高いデータが蓄積をされておりますし、検証改善サイクルの構築も着実に進んでいるということだと思います。引き続き、全国及び都道府県別の学力の動向というものはきちっと把握をしていくために、十分な抽出調査というものは継続をしていきたいと思っておりますが、そもそも、それぞれの子供、生徒児童の学力向上というのは設置者と学校においてきちっと責任を持って行われるべきことでございますので、そうした整理の下に今回こういう判断をさせていただきました。
 加えまして、今回希望利用方式というものを導入をいたしております。これまで学力調査の結果がフィードバックされるのに四か月掛かったんですね。そうしますと、実態の把握ということはできるわけでありますが、その調査結果を指導に生かすという点で十分でなかったと。今回希望利用方式ということにいたしますと、この調査結果は直ちに現場にフィードバックできますので、そういう意味では、それぞれの児童生徒の指導という観点からはむしろ、もちろん設置者の判断においてということでございますが、資する部分もあるというふうに思っております。
 やはりこの調査の一番の有意な点というのは、問題はよく練られているという評価を各現場からはいただいておりますので、その問題を作り、そしてお配りをするところまではきちっと国でもって希望される方には手当てをしていくと、こういったことになっているということを御理解いただきたいと思います。
#72
○大島九州男君 今までのテストの関係から得られるデータは、日本全国の中のその年の子供たちの、例えば北海道から沖縄までの子供さんたちの地域の格差を見たりとか、あとは全国平均を出したりする部分というものには十分反映されると思うんですが、例えば五年前と十年前と、五年後、十年後とか、そういった子供たちのその時々の国全体の学力がどこまでアップしているのかというのをちょっと見るには大変困難なデータだと思うんですね。だから、少なくとも理数だけでも、例えば同じ問題傾向で数値を変えて、そして経年の学力変化が見れるような、そういうちょっと仕組みを入れた方がいいんではないかと思うんですが、そこの件についてはどうでしょうか。
#73
○副大臣(鈴木寛君) これからもちろん学力調査の在り方全体検討していくわけでありますけれども、今後、調査の出題の一部におきまして、同じ問題は出せませんけれども、過去の調査で課題の見られた内容に関係する類似の問題については出題をし、その改善の状況を検証するといったことについて、まさに経年的な分析といった観点についてはその検討の中で配慮をしていきたいというふうに思っております。
#74
○大島九州男君 是非それをお願いしたいと思います。
 それで、今日、通告してないんですけど、新聞見ますと、この学力テストの「文科省参入に「障壁」」というものが出ておりましたが、これは三年前ぐらいからある会社、ここで書いてあるのはベネッセと内田洋行という会社が、文科省にちゃんと著作権があるやつを自分たちで持って、そして入札はもう一社しかないというような、こういうちょっと私から言わせれば疲弊した何か制度をそのまま使っているような入札というのはいいのかなというように思うんですが、そこら辺、どういう見解ですか。
#75
○国務大臣(川端達夫君) 報道でちょっと調べた途中でありますけれども、入札の説明会の際に出席企業から、技術提案の参考とするために利用可能なプログラム著作権や文部科学省保有資産の実物を確認したり操作はできるのかという質問がありました。これを受けて、担当部署からは、利用可能なプログラムについては、二十二年度、次年度ですね、準備委託事業の受託業者の営業秘密に該当するノウハウ部分や事業運営の安全性の確保のために情報管理上の問題がある部分については開示できない旨の回答をしたということであります。
 担当部署の説明によりますと、これらのプログラム等は、現に準備事業のため受託企業の高セキュリティーゾーンにおいて対外的に保護されている状況のものであり、立入り等を認めれば不正アクセス等の被害につながるおそれがあった、このため支障がない範囲での情報公開にできる限り応ずる趣旨での回答であり、一般競争入札における競争性及び透明性を阻害するものではないと今のところ説明を受けております。
 一般競争入札において競争の公平性を確保するのは当然のことでありますし、透明性の確保も当然のことでありまして、これはしっかり守る形でやってまいりたいと思いますが、今朝の報道を受けての実情調査をしなさいという報告は、今のところこういうふうに受けております。
#76
○大島九州男君 是非この件についても見直しをしていただくように要望をしておきます。
 ということで、大串政務官、お忙しいところおいでいただきまして大変恐縮ですが、耐震化と老朽化の対策のために、予算委員会でもありましたが、予備費を支出をしてという対応の可能性というものについて、どうでしょうか。
#77
○大臣政務官(大串博志君) 先般来、学校耐震化の問題に関して、財源の在り方も探して、その中には予備費というものの活用も含めて検討すべきではないかという御議論をいただいております。
 予備費は、言うまでもございません、憲法に定められておりまして、予見し難い予算の不足に充てるために、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができると、こういうふうな経費でございます。その一方で、学校耐震化に関して極めて高いニーズがあるということをるるこの委員会でも御議論をいただいたところでございます。
 今般の二十二年度予算においても、学校耐震化の予算、増加して措置しておりますけれども、まずは地方公共団体のニーズをきちんと確認しながら本年度予算のできるだけの順調、早期の執行を図ることによって学校耐震化を進め、そしてさらにいろんな公共団体のニーズを含めながら、財源措置も含めて適切かつ迅速に対応できるようにやってまいりたいというふうに考えております。
#78
○大島九州男君 予備費を活用する、そして夏休みにやるというのはちょっと難しいなと、現実的にはですね。国会開会中は予備費使っちゃいけないとかいう議論もあるようですから。
 私が考えるに、今年度の当初の予算の部分については夏休みですね、工期の長い、夏休みしかできないような工期のものは前倒しで夏に集中すると。短いやつは、冬休みとかでできるようなものがあるなら、そういうものは精査して冬休みに繰り延べてもらって、まずは本年度の予算をできる限り執行を夏休みに集中をして、そして、ああ、これはちょっと予算が足りなかったなと、冬休みにこれぐらいの要望があるということであれば補正で対応するようなとか、また逆に言うと、七月、八月に予備費をぼんと出すとかいうようなことででも対応するとかいう方が一般的だと思うんですけれども、財務省の見解はどうですか。
#79
○大臣政務官(大串博志君) 国の予算の作りからすると、憲法上、八十三条で予算は内閣が提出して国会の議決を経ると、財政民主主義という原則がございます。ですので、基本的に予算というものは、本予算にせよ補正予算にせよ、国会の議決を経た形で執行されていくというのが憲法上の立て付けではございます。その一つの例外として予備費というものが、予見し難い支出に対して予備費という枠で取っていいという、こういうことになっているわけでございます。
 これはあくまでもいろんなニーズ、事情、状況、特に学校耐震化の場合であれば地方公共団体のニーズ、どのような事業があるのか、どのぐらいの緊要性があるのか、どのようなタイムフレームでそれを考えるのかという個々のニーズによるところでございますので、そのニーズを踏まえながら、とにかく本予算の執行を一生懸命きちっと早くやっていきながら、その中で、一方で耐震化を迅速に進めるべしというニーズもございますので、これは地方公共団体の考えもいろいろあろうかと思います。
 こういうものを踏まえながら、どのような財源が一番適切なのかというふうなことは、いろんなスキームの中で考えていきたいというふうに思っています。
#80
○大島九州男君 文部大臣、まさに夏にできるだけ本予算を集中して消費、消費というとおかしいですけれども、使っていただいて、それで冬に短い工期でできるやつも徹底して集中をする中で、予算不足があれば、それはもう是非、政府、補正でも何でも財源を確保して頑張っていただきたいと思いますが、そこの件の覚悟をお願いします。
#81
○国務大臣(川端達夫君) 夏休みにやってほしいというのは大変強い要望であります。それと同時に、たくさんやってほしいというのも両方あります。
 それで、前段の部分に関しましては、平成二十一年度では、予算は昨年の三月二十七日に成立したんですが、それから箇所付けの内定が五月二十九日ということで、例えば七月時点で契約した累計が六三%、八月で六八%ということで、夏でこれぐらいのペースでしたが、今回はとにかく早くやろうということで、今のままで自治体からのヒアリング等々で準備もしていただいておりまして、昨日、予算が一応確定をいたしましたけれども、今のところ七月時点で八四%ぐらいまで工事ができるように、八月までに八六%ぐらいということで、できるだけ夏に入るようにという今、当初予算分は計画を協力をしていただいております。
 同時に、追加してやりたいというお声もいっぱい聞いております。これがどの時期に、例えば財政的にいろんな議論が今ありますので、すればどこら辺にできるのだろうというシミュレーションも実はしておりまして、五月中旬ぐらいまでに起案ができれば夏には間に合いそうだとか、それから冬だったらこれぐらいまであるということも、いつでも対応できるようにということと、前倒しを最重点にやって、おっしゃるように、予算が優先的にする中で補正なり、今言われたのは予備費等々の議論もこれから起こってくる可能性もありますし、総理は予備費の活用についても視野に入れてという御答弁もいただいております。あらゆる機会を通じて我々としては努力する、そして準備は着々と進めております。
#82
○大島九州男君 財務省も是非、そういう文科省が一生懸命仕事をしたところには予算を付けていただくことを要望して、お時間あれば、どうぞ御退席ください。
 それでは、原子力の件についてお伺いしますが、敦賀一号機があります。高齢化する原子力発電所の対策というのはどのようにされていらっしゃるのかをお伺いします。
#83
○大臣政務官(高橋千秋君) 御指摘の敦賀一号機というのは、先日、三月の十四日に運転開始から四十年を経過いたしました。高経年プラントと呼んでいるそうでございますけれども。
 お互い年は取りたくないものでございますが、この原子力についても高齢化の問題は重要だというふうに考えておりまして、原子力安全・保安院の方で継続運転に支障がないかどうかということを、通常の定期検査もよその国に比べて頻繁に入っているわけなんですけれども、これに加えて、十年ごとに技術評価というのを実施をしております。また、原子力安全・保安院は、事業者が作成した点検、修理などの計画を確認して、継続的に検査を実施するということで安全性を担保しております。
 三月の十四日に一号機、四十年たちましたけれども、ここ一年の間にあと二つございます。それから、二〇二〇年までに四十年経過するものが十八ございまして、三十年超になりますとプラス十八、全部で三十六のものが出てくるということになっておりますが、こういうものをきっちりと体制を整えて安全を確保していきたいというふうに思っています。
#84
○大島九州男君 問題は、未知の世界に足を踏み入れていくということでありまして、我々もだんだん年とともに腰が痛いとかひざが痛いとかいうふうになるように、どこにどういうものがぼんと出てくるかというのは分からないんですが、私が一番思うのは、この原電は二〇一〇年末で運転をやめて廃炉にする予定だった、炉を廃止する予定だったと。ところが、これが、四号機の許可や着工が耐震指針の改定で遅れて、一六年までの運転を決めたと。
 言うなれば、何かというと、いや、元々ここで廃炉にしようと思ったけれども、あらゆる状況があれして延ばしたんだということになったときに、そこの部分は想定外のことだと思うんですね。先日もガラス溶融炉の関係をやりましたけれども、結局、効率を上げるためにこの方法がいいんだと。要は、安全というよりも効率だとか、安全というよりもお金のことを優先したがために、結果的にガラス溶融うまくいかなくて詰まっちゃっているという、そこの心が問題だと思うんですね。
 だから、今回のこの敦賀の原発も、はっきり毎年毎年本当に、じゃ、大丈夫大丈夫とやっていても、例えばチェルノブイリがぼんと爆発するという、あれは人為的なやり方だった。それも、効率を目指してその作業を飛ばしてやったらああいう事故が起こったということなんですね。だから、いつ、どこで、何が起こり得るか分からない、そういう問題も抱えているこの原子力発電というものについては、やはり国がきちんと責任を持って、そしてその周辺住民もそうですし、国の政策としてしっかりとやるべきだというのが私の持論であるんですね。
 だから、原燃だとかそういう会社が責任持ってますよということではなくて、やはり国が本当にそういったところの責任を持っているんだというのが僕らにはなかなか伝わってこないんですが、経済産業省はそこら辺どういうイメージなのかなというのをちょっとお伺いしたいと思います。
#85
○大臣政務官(高橋千秋君) チェルノブイリについては、委員御存じのとおりに、あれは一九八三年に竣工して八六年に事故が起きていまして、非常にまだ新しい施設だったんですね。基本的にその安全施設の部分が日本と違って随分駄目な部分があって、それとともに、職員がちゃんとマニュアルどおりにやらなかったというようなこともあったりしたことが原因で起きているわけで、日本とは違うということはよく御理解いただいていると思うんですが、先ほど、経済性と安全性という問題がありました。
 当然、安全性を確保、最優先するというのは当たり前のことで、安全性がもし何かがあったら経済性も同時に駄目になるというか、更にもっと大変なことになりますから、これは安全性を重視するというのは当たり前のことでございますし、それは事業者だけじゃなくて、国としてきっちりと対応していくという覚悟でございます。
#86
○大島九州男君 ありがとうございます。
 是非、国がしっかりと最終責任を持って、今後いろいろ出てくる課題については国が先頭を取ってやっていただくということを心から祈念をしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#87
○委員長(水落敏栄君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#88
○委員長(水落敏栄君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤原良信君が委員を辞任され、その補欠として大久保潔重君が選任されました。
    ─────────────
#89
○委員長(水落敏栄君) 休憩前に引き続き、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#90
○橋本聖子君 ありがとうございます。自民党の橋本聖子でございます。今回のこの法律案について質問をさせていただきます。
 教育費の在り方について検討をした文部科学省の専門家会議であります教育安心社会の実現に関する懇談会というのがありますけれども、これは政権交代前の七月にまとめた報告書を見させていただきますと、高校の教育費について制度上直ちに無償化が要求されるものではないというふうにされておりまして、低所得者層への授業料の減免ですとか、また学校生活を送る上で必要な教材費あるいは修学旅行費など教育費の負担軽減策を求めているようでありました。また、この報告書では、収入が比較的少ない若い世代の幼稚園などに通う子供たちの教育費ですとか、また大学など高等教育段階での教育費の負担軽減が求められておりました。
 文部科学省などの試算によりますと、例えば三十歳で結婚をして、そして三十一歳で第一子を出産されて、そして二年後、三十三歳で第二子を出産された場合の教育費は、子供が二人幼稚園に通う三十七歳になっているときには可処分所得の一七%で、この二人が大学生に通うようになった五十二歳あるいは五十三歳に親がなりますと、これが今度は三三%に割合が上がっております。こういうことからしますと、高等教育段階の奨学金の拡充などというものが重要な課題に挙げられるのではないかなというふうに考えられるわけですけれども。
 これ、例えば幼稚園の場合なんですが、平成十八年五月の一日現在で、国公立と私立を合わせた総数が一万三千八百三十五の幼稚園で、このうちの六〇・一%の八千三百十七園が私立幼稚園です。今はちょっと少子化の問題があるかと思いますけれども、全体で八千二百六十一園というふうになっているようなんですが、これはやはり、特に首都圏でいいますと、幼稚園に子供を例えば二人通わせる、あるいはその上に高校生また大学生がいるというふうなことになりますと、相当な若い世代の親というのは大変な状況なんではないかなというふうに感じます。
 私自身も、今幼稚園に二人の子供が通っていて、小学生もいる、またその上もいるということで、全部で何か知らないうちに三男三女の六人の母親なんですが……(発言する者あり)すばらしくもないんですけれども、そういうふうな状況を考えてみますと、私自身も子供を幼稚園やあるいは小学校に行ったりしますと、そういったお母さんたちの声を直接聞きますと、やっぱりお金がすべてではもちろんないんですけれども、ただ、こういった子供たちに対しての親がその年代年代で掛かる負担というのを考えると、やはり小さいときからの、幼稚園の例えば無償化ですとか、そういうようなものに目を向けていただいた方がいいというふうな声をよく聞いております。
 海外の先進国ではほとんどが高等学校の授業料は無償化というふうになっていますけれども、確かに無償化で進学率が上がるというような効果はあるかと思いますが、既に我が国は高校の進学率は九八%ということで、もうほぼ全入に近いということになっておりますので、こういったことを考えると、無償化する政策効果というのがそれほど物すごい高いとは言えないんではないかなというふうに数字的なものを見ても考えるわけなんですけれども。
 経済的な理由で高校を中退しなければならない生徒もいますけれども、文科省の調査によりますと、平成二十年度では経済的理由による高校の中退者というのは全体の三・三%ですね。だけれども、学校生活や学業に不適応だったり、つまり高校生活に熱意がないとか、あるいは授業が面白くないといいますか余り興味が持てないですとか、そういうような理由での中退というのは文科省の調べによりますと三九・一%にも上っております。こういった高等学校の中退の背景というのは、全体的に見ますと、経済的な理由で中退をするというよりも、高校教育の内容ですとかあるいは先生の教える意欲というんですか、質の問題、環境の問題、そういうようなことの問題の方が非常に大きいんではないかなというふうにとても感じております。
 こういった経済的理由で学べない生徒をなくするためには、一律の無償化というよりもやはり生徒やまた家庭の状況に応じて支援する方が大変な制度の充実が図れるんではないかなというふうに考えます。所得制限を設けていれば、もっと手厚く低所得者層の支援をすることですとか、あるいは公立とまた私立の格差の解消に資する制度をもっと構築できるんではないかなというふうに考えるんですが、その点について、大臣いかがお考えでしょうか。
#91
○国務大臣(川端達夫君) ありがとうございます。
 いろんな現状を踏まえての御質問でございまして、ちょっと多岐にわたったんですけれども。
 いろんな形で子供を育てていく、そして教育をしていくときに国でいろんな形で応援していこうという中で、今回私たちの高校無償化は、高校は御指摘のように九八%ぐらい行くということで、その子たちが大きくなって社会で貢献してくれるというその効果を社会全体が受け取っているわけですから、そういう意味で、国としてその学びを支えていこうと。そして、世界的に見ても先進国はほとんどがそういう状況に置かれている。
 同時に、今お触れいただきましたが、中退とかそういうことだけでは、そのことで辞めた人は率は少ないかもしれませんが、やはり学費の問題で経済的にいろんな部分でアルバイトをしなければならないとか、いろんな状況に置かれている子供たちを勉強により専念できるような状況に置いてあげたい、こういうことが理念、目的として考えているわけですが、これは一つの、この国の高校までの学びはそういう状況で国が全体で支えているという国であるという理念と国の教育における姿だと私は思います。ある種の教育インフラ。そういう部分では、経済的困窮者に対しては応援しますよという政策選択もあると思うんです、やり方としては。自民党さんがこの前から、衆議院の予算委員会等々も含めて御提示いただいたのは、一定の部分の人にきめ細かく手厚くやろうというそういうやり方もあると思います。私たちは、すべてのそういう望む人にという、国の仕組みとして教育のインフラとして、理念的にそういう国の姿としてやりたいというふうに思っているということでこの制度を考えました。
 したがいまして、幼児教育もいろいろ大変です、子育ても大変です。そういう中で、お触れいただきましたこの報告書の中でも、各世代でいろいろ入り用はあるけれども、実際の年齢的なものと、大学が一番掛かるのは事実なんですけれども、やはり高校の子供さんがいる世帯が一番負担が多く掛かっていることは現状でありますので、そういう部分も含めて対処しようと。
 それと同時に、今、中退の理由をお触れになりました。ちょっと私、今ここに、手元に最新の数字を持っていなかったんですが、御指摘のように経済的理由は三・三%ぐらいです。ただ、学校生活・学業不適応が三九・一%、進路変更が三二%。だから、これでいうと七〇%ぐらいの子供がこれ合わないと。進路変更というのは、もうやめて進路を変更した、高校の進路を変更したというのは就職したとかもうやめてしまったという、そういう意味でいいますと、やはり進路をしっかりその子に合わせた部分にしてあげることと、それから学力が学校でちゃんとやっていけるようにという、学力を上げることは大変大事なことであると思いますが、そのときにもいわゆる多様な選択ということで、公立、私立だけではなくて、その他のいわゆる専修学校高等課程も対象に入れるという部分では、学びの選択が広がることでこういう不適合の部分をより幅広く、退学が防げるということにもなるのではないかという効果も期待をしております。
 同時に、私学との公私間格差をよく御指摘をされ、御懸念をいただくんですが、先ほどの御質問のときにもありましたけれども、いわゆる公的な公財政支出が公立高校と私立高校に対して行われている部分の差は縮まるという意味では、トータルとしてはやはり私学に対して公費がたくさん支出されるという状況にあることは間違いないというふうに思っております。
 同時に、トータルとしては同じ額、今のところ十一万八千八百円が同じように手当てされると同時に、私立においては比較的低所得者、該当者に対して二倍ないし一・五倍手当てされる。同時に、現在都道府県において私学に対しての授業料減免をやっていただいているところが合計で二百九十億円手当てされているんですが、今回、国からの支援金としてはトータルとして、国から授業料の、例えば年収五百万円未満の世帯に対しての授業料、私学に対しての支援金は概算で五百十四億。それから、現時点で都道府県レベルで私学に対しての授業料減免を独自にやっていただこうと予定されているのが、二十年は二百九十億でしたけれども、二十二年の聞き取りによると約二百六十四億円、合わせると七百七十八億円が年収五百万未満の世帯に公費がある意味で助成されると。今二百九十億ですから、それが七百七十八億になるということは、約五百億実質上は公費は私学に上乗せされているという意味では差は広がることはないと思うんです。
 ただ、いろんな世帯でのいろんな事情で学費以外にいっぱい要るということもありますから、そういうことに関しては、いろんな宿題としていただいております給付型の奨学金制度とか含めてやってまいりたいというふうに思っておりますので、是非ともにこの制度の趣旨を御理解いただきたいと思います。
#92
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 いろいろな数値を示しながら今御説明いただきました。社会全体でやはり子供の教育を考える、あるいは社会全体で子供をしっかりと守っていく、まさにこれは国に与えられた使命だというふうに思うんですが、こういった教育を支援するという理念の実現といいましても、やはり入学金や教科書代というものを援助する低所得者層への給付型奨学金、今お話がありましたけれども、そういったものを概算要求で百二十億円余り計上していただいていたわけですが、これが全額削られている状態にあります。やはり経済的格差があるのにこれを形式的に平等に扱おうとするならば、逆に実質的な不平等、つまり格差をかえって大きくするようにも思えるんですけれども、こういったところについてはどのようなお考えでしょうか。
#93
○国務大臣(川端達夫君) 先ほどの御答弁にちょっと重複するかもしれませんが、グロスとしては、公費を投入する総額でいえば、間違いなく公私でいえば私の方に厚くなっていることは先ほど申し上げたとおりであります。
 ただ一方、保護者から見ればやはり私学の方がいろんな意味でお金がいっぱい掛かるということで、入学金あるいは教科書代等々の負担として、例えば学校納付金ということでいいますと、公立は約四万円が私立は約二十二万円、図書・実習教材費は公立が約四万円、私立が四万円ということで、やっぱり相当高いということになっています。そういうことで、高校奨学金事業の充実ということで百二十三億円を概算要求いたしましたけれども、トータルの予算としては計上することができませんでした。
 そういう意味では、給付型の奨学金の創設は大きな宿題だというふうに思っておりまして、引き続き来年度に向けて検討してまいりたいというふうに思っておりますが、それ以外にも、先ほど申し上げました都道府県の支援と同時に、都道府県における就学支援金の事業は財政的には地方財政措置としては増額して手当てしているんですが、結果としてはそれぞれのところで、例えば年収二百五十万円程度未満の世帯、要保護世帯相当の部分で、今まで都道府県では十三都道府県が授業料の全額免除だったんですが、今回、国が下支えをするということと相まって、都道府県としては三十七の都道府県でいわゆる年収二百五十万円程度未満の所得のところには授業料は全額免除をする、あるいは年収三百五十万程度の部分は今まで四地方自治体だったんですが十三に増える等々を含めて、全体的に底上げは相当されるということであります。
 そういう意味では、格差が拡大しているという、不平等になっているということではなくて、最大限の努力をして、より手厚くされるようにという努力をしていることだけは間違いないと思っておりますが、なお大きな課題として、もっと手厚くということの給付型奨学金制度は、大きな検討課題として残っていることは事実でございます。
#94
○橋本聖子君 やはり今、各都道府県もいろいろな財政的な問題も抱えてということもありまして、やはり国主導でしっかりとした給付型奨学金等も含めた制度の拡充というものが今喫緊の課題ではないのかなというふうに感じます。
 高校無償化というのは、やはりこれだけの多額の税金を投入して公教育の抜本的改革でありますので、後期中等教育の理念、在り方についてどのような目的で、またどのような内容の教育を行うのか、そしてその教育の目指す方向ですとかあるいは期待される効果というものを明確に示すべきではないかなというふうに思います。
 その受給資格については、やはり不公平を生じないような明確な基準がもっと必要なのではないかなということを改めて感じるわけですが、第四条では受給の資格について日本国内に住所を有する者とされておりますけれども、国籍によらず支給対象としています。これは在外の日本人の高校生というのは無償化の対象にはなっていないわけなんですが、これは教育基本法の、すべての国民はひとしくその能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならずとの規定に反するのではないかなというふうに思います。また、さらに、法案趣旨にもありましたけれども、すべての意志ある高校生等が安心して教育を受けることができる、このことにも反するのではないかなというふうにも感じるところなんですが、在外日本人高校生に就学支援金を支給しない理由というのをもう一度詳しく教えていただければと思います。
#95
○国務大臣(川端達夫君) この第四条は、高等学校就学支援金の受給資格として、私立高等学校等に在学する生徒で日本国内に住所を有する者であることを定めております。これは法律で「私立高等学校等」と書いてあります。
 外国の学校は日本のいわゆる高校でないんですよ。そういう意味では、海外にいる日本人の高校生という概念が実は定義できない。日本の高校に在学して一時期、籍を置いて向こうに何か勉強しに行っているという子は日本の高校生ですけれども、基本的な議論として、この法律で言う日本の高校生というのは日本の高校に行っている子供ということに基本的に法律的にはなります。そういう意味で、例えば海外の高校相当の学校に日本人が行っているというケースはあります。
 この法律は教育基本法に違反していないかということをおっしゃいましたけど、教育を受ける権利を云々ということに関しては、権利はみんな保障されているのが、行きたい人はどこでも受験をして行けるということでありますが、その行っているものの中で、学校教育法を始めとして我が国の法律に基づいた学校、こういう高校あるいは高校相当のものに関して支援をしようという制度ですから、教育基本法上抵触するというものでは概念的には全くないというふうに思っていますし、外国の日本の高校と同じような、英語で言えばハイスクールみたいのに行っているという場合には、我が国の法律に基づかない施設でありますので、そういうものもすべてその年代の人を支援するという法律ではなくて、あくまでも我が国の法律に基づいて設置された教育施設における学びを支援するという趣旨でありますので、対象とはいたしておりません。
 また、在外の教育施設に、海外の、例えばどこかの国の高校に、高校相当のところに行っているという部分は、その部分の教育施設等々に我々の法律が全く及ばないという意味で対象外であると同時に、在外の教育施設に関しても、結局はその設置も含めて我が国の法律が及びませんので、この法律は、くどいようですが、あくまでも我が国の法律に基づいて設置された教育施設における学びを支援するということでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、日本の高校に在学する生徒が海外の高校に留学する場合、高校というか高校相当のところに留学する場合でも、住民票を元の住所に維持するなど一時的に海外に滞在する者であって、日本の高校に授業料を支払っている場合は、当然日本の学校の授業料の分に関しての支払いの対象になりますし、またその高校を、日本の高校を休学して海外に留学する場合には、その学校の設置者の判断でありますけれども、就学支援金の支給をその休学中は停止をして、戻ってきたらまたその分を払う、支援するということは可能であるということでありますので、いろんなパターンがありますが、少なくとも、日本の法律に基づいた教育施設で高等学校ないしその課程に類する課程を置くものに対しての支援であるという制度の法律であることを御理解いただきたいと思います。
#96
○橋本聖子君 今在外教育施設、外国に設置された私立学校、この生徒には支給されないということでの理由も今大臣に述べていただいたわけでありますけれども、やはり日本に住んで、日本に住所を置きながら留学をする、例えば、じゃ外国にもうそのまま、全く日本の学校に対しての授業料もそのまま払わずに海外で留学をすると、その場合の親の住所ですとかそういうようなものの事務的ないろいろな精査をするようなものというのも、相当なやはり難しい問題がかかわってくるのかなというふうに今の御答弁では感じたわけでありますけれども。
 では、北朝鮮の学校に対してはどういうような考え方なんでしょうか。
#97
○国務大臣(川端達夫君) 北朝鮮の学校というのは、いわゆる日本における朝鮮人学校という意味でよろしいんであれば。
#98
○橋本聖子君 はい。
#99
○国務大臣(川端達夫君) 今この法律の対象としては、いわゆる高等学校及び高等学校に類する課程を有するものということでありまして、その意味で申し上げますと、朝鮮人学校をどうするかどうかという議論ではなくて、我々、省令で最終的には決めるということで御答弁申し上げてきましたが、国会の審議等々を踏まえて、今の時点で考えている基準ということでいいますと、高等学校とそれから専修学校の高等課程は、中学校を卒業する者ということで、いわゆる制度上高等学校と類する課程とみなすことができるということでその対象にしている。そして、各種学校は、入学資格も就学の内容も含めて自由なものでありますので、基本的には対象としませんが、外国人学校だけは、専修学校になれないということで各種学校にとどまっているということでありますので、そのものに対しては、一定の客観的な評価で高等学校に類する課程とみなせるものを対象としようということで、今その基準の整理をしているところでありまして、外国人学校については、教育内容等について法令上の特段の定めがありません。
 それで、本国における正規の課程と同等の教育活動や独自の教育課程に基づく自由な教育活動を行っておりますので、よく教育単位でいいますと、日本は六三三制ですけれども、合計が十二年じゃなくて十一年のところもありますし一年長いところもあります。そうすると、それ、どれが高校かというのは、いろいろやっておられますので、そういう意味で、日本の制度でそのまま当てはめて判断することは難しいということでありますので、外国人学校については高等学校の課程に類する課程であることを制度的に担保する要件として、一つは、我が国の高等学校に対応するその国の本国の学校と同等の課程であると公的に認められること、要するにその本国と同じ位置付けで高等学校という位置付けをしているということをオフィシャルに認めることができるもの、それから二番目には、国際的に実績のある評価機関によって客観的に認定を受けているというものでありまして、例えば国際バカロレアとか、アビトゥアとかバカロレアなどの評価機関等が考えられるのではないかと思っております。
 こういうことで要件を満たすものを支給対象としておりますが、この二つだけでは判断できない、対象と評価できないというものが残ってしまいますので、そのものに関して、これら二つの方法以外にも、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準や方法について、教育の専門家等による検討の場を設けて関係者の意見を聞きながら検討していきたいと考えておりまして、検討の場については、具体的な検討はこれからですけれども、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準、方法が定まれば、それに基づいて公的に、あるいは国際的な評価団体により認められるものと同様に、高等学校の課程に類する課程として支給対象となる学校として指定することを検討いたしておりまして、今お問いの学校がこの三つの評価基準のいずれかで判断をして、客観的に認めるか認めないかということを最終的に決めたいと思っております。
#100
○橋本聖子君 大変詳しく御説明をいただいたんですが、やはり海外とは学校の制度もかなり違ってまいりますし、そこの、今大臣が支給の対象ですとか、また基準、そういったものを今また検討をしている段階ということでありますけれども、例えばこの法案が通るとすぐに四月一日からということになりますと、もう本当に時間的なものがない中で、今さらにまたそういったものの基準といいますか、を検討しているとなると、これは受け取る側あるいは地方自治体も含めて大変な大混乱が予想されるといいますか、今も学校側としても実際にその金額が提示ができないような状況になっていたりということで、大変な混乱を起こす可能性が更に高まっていくのではないかというふうに思いますので、そういったことも十分に、もう検討はされているというふうに思うんですけれども、早急な課題としてしっかりとやっていただかなければいけないなというふうに思います。
 第二条の第一項第五号では、本法律案の対象となる専修学校、各種学校、これは今大臣からも詳しく述べていただいたんですけれども、一定の要件を満たすものを指定することを検討して、今後の国会の審議も踏まえて文科省において適切に判断するということでしたが、もう一度お伺いしたいのは、「高等学校の課程に類する課程を置くもの」というのは例えばどういう基準があるのか教えていただきたいと思います。副大臣お願いします。
#101
○副大臣(鈴木寛君) 今大臣御答弁させていただいたことがすべてなんですが、もう一度整理させていただきますと、専修学校高等課程は対象になります。これは四月からきちっと速やかに対象としてまいりたいというふうに思っております。
 それから、各種学校である、しかし専修学校になれない外国人学校につきましては、我が国の高等学校に対応する本国の学校と同等の課程であると公的に認められる学校、それから国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けている学校についてはこの制度発足と同時に支給対象としてまいります。
 そして、それ以外のものにつきましては、繰り返しで恐縮でございますけれども、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であるかどうかを判断をする基準、方法、そして体制、これを検討する場を改めて設置をし、関係者の意見を聞きながら検討をしていって、午前中の答弁にもありましたが、夏ごろまでに結論を出したいと、こういうことでございます。
#102
○橋本聖子君 この四月から始まるという制度の中で、やはりそういった混乱を、この夏までに検討するまでの間にしっかりと対応できるというふうにお考えですか。
#103
○国務大臣(川端達夫君) 全部が夏までという意味ではございません。各種学校の中の外国人学校を先ほど申し上げました三つの判断基準でしたいと。一つは、その外国人学校が母国があって、そこに公式に確認をして、この学校はあなたの国において高等学校、いわゆる日本でいう高等学校と同じ、大学入学資格含めてですけれども、の学校ですかというのが確認できるところはそれで確認する。それから二番目は、例えばインターナショナルスクールのように母国云々という学校でない学校は、国際的な評価機関の認定を受けているかどうかと。このこと自体はそんなに時間が掛かりませんので、この法律を通していただいて省令を出した時点で正式に確認をして、大臣としての告示をして認めるということは、時間的に大混乱を起こすようなことにならないように最大努めてまいりたいと思います。
 なお、もう一つの、検討の場を設けて基準、審査方法、審査体制を決めて議論をして、最終的に決定するというのには少し時間が掛かって、八月めどぐらいまで掛かるだろうというふうに思っています。これは、国会の議論を含め、いろんな御議論もありまして、やはりしっかり客観的に判断すべしという問題と同時に、いろんな実態の中ではしっかりと客観的に、専門的に議論をするには慎重にやった方がいいという御議論もありましたので、そういう意味での部分でありますので、この対象者すべてが延びて大混乱になるということは想定をいたしておりませんことは御理解をいただきたいし、第三番目の件に関しても、これ先ほども、午前の答弁でも申し上げましたけれども、少し性格は違いますが、この学校が、いろんな外国人学校が大学の入学資格があるのかどうかということが昔議論になりました。そのときも、今申し上げました二つの基準で一応大学の入学資格を与えるということを、本国に確認してオーケーするのと国際的な機関で評価を受けたものとしてオーケーするのと二つだと、大きく言えば二つだったんですが、それでは審査の対象にも判定の対象にならないというものが出てまいりますので、大学の入学資格に関しては、一定の要件を備えた部分で、大学の当事者が入学試験を受ける資格があるかどうかを個人を判定をするという制度を今導入しております。そういう意味では第三の道をつくっているわけですが。
 ただ、今回は、卒業時の能力を問うものではなくて、そこに行っていることが高校と同程度かということですので、学校自体を判断しなければならない。しかし、初めの二つの方法では判断できないということに関してどうするかということで、しっかりと慎重に、しかししっかりとやりたいということで、若干この部分だけは時間が掛かることにならざるを得ないということでございます。
 なお、先ほどちょっと私、答弁で間違えまして、日本の高校の生徒がその高校を休学して留学した場合にその期間の支給を停止するかどうかは本人が、受給権者が、私、留学しますからしばらくの間もらわないという手続を取る。学校の設置者が判断するのではないので、ちょっとこの部分だけ訂正をさせていただきたいというふうに思います。
#104
○橋本聖子君 大臣おっしゃるように、やはりこれは慎重に審査をしなければいけない部分もあるんですが、安心して学べる場ということを考えると、やはり早急にしていかなければいけない部分もありますので、是非お願いをしたいと思います。
 また、少し気になるところなんですけれども、その母国ですか、の国の確認をしながらという話があったんですけれども、果たしてすべての国がしっかりと確認ができるかどうかという問題もあると思います、例えば北朝鮮ですとか。そういうことも含めて、是非、問題解決をしっかりとやっていただかなければいけないなというふうに思います。
 私学の事務負担軽減策についてお伺いをしたいんですけれども、第十五条の第二項に基づいて就学支援金の支給に都道府県の事務費が交付をされるということになっていますけれども、私立高等学校の設置者に対する事務費の負担というのはどのようにお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#105
○副大臣(鈴木寛君) 事務の執行に要する費用でございますけれども、毎年度、予算の範囲内で相当額を都道府県に交付をすることを予定をいたしておりまして、来年度予算におきましては約三億七千万円を計上しているところでございます。都道府県の判断で、学校設置者が行うこととなる事務の執行に要する費用については、この予算を活用して事務負担を軽減することができるというふうに考えております。
 また、今後、本制度が果たす意義、目的を踏まえ、各学校や都道府県に対し支給の事務についての理解や協力を求めるとともに、制度の運用を図っていくに当たっても、学校における書類作成や学校からの都道府県に対する就学支援金の申請等の手続をできるだけ効率化すること等により、できる限り学校現場の事務負担を抑えてまいりたいとは考えております。
 以上です。
#106
○橋本聖子君 是非私学の事務負担というものもやはり軽減をしっかりとしていただかなければ、これは学ぶ者として、また親御さん側も、当然学校に対して安心して学びの場というものを求めることができない状況にもなり、また私学の関係者もそういった学びやすい、また意欲ある学校の環境整備というものにも影響が出てくるんだというふうに思いますので、そのことは是非厚くお願いをしたいなというふうに思います。
 やはり高校無償化ということの重要性というものも大臣あるいはまた副大臣のお話からよく分かる部分もあるんですけれども、やはり私自身としては、高校無償化というものよりも幼児教育の無償化というものを先にすべき問題ではないかなというふうに感じます。
 アメリカの労働経済学者でノーベル経済学賞を二〇〇〇年に受賞されたジェームズ・ヘックマン教授は、御存じだというふうに思いますけれども、就学後の教育の効率性を決めるのは就学前の教育にあるというふうにおっしゃっておりまして、恵まれない家庭に育ってきた子供たちの経済状態や生活の質というものを高めるのには幼少期の教育が重要であるというようなことを研究成果として発表されております。幼児教育を行った子供と、何もしなかったということではないとは思いますけれども、本当に手厚く幼児教育というものを行った子供とそうでない子供を追跡調査をしたということなんですけれども、この子供たちが四十歳の時点で比較をしたところ、高校卒業率と、また平均所得、そして生活保護受給率、逮捕者率、こういうようなものに大変な差が表れているというふうに発表されております。
 ヘックマン教授によると、所得階層別の学力差は既に六歳の就学時点から付いていて、この段階で付いた学力の差というのは後の経済の格差にも直結するというふうな研究成果を出しているんですね。そして、その差というのは就学後に低所得の家庭の子供を対象に様々な教育投資というものを行っても容易に縮まるものではないというふうにおっしゃっておりまして、いかに幼児教育、人間を形成するためには幼児教育が大切かということをこの方はおっしゃっております。
 幼児教育は人格や能力を形成する上で大変重要ですけれども、ヘックマンさんがおっしゃるには、労働経済学からしても、教育を個人の所得や労働生産性を伸ばすために投資としてとらえなければいけないというふうにおっしゃっております。どのような教育投資をすれば効果的に所得や労働生産性を上げることができるのかということを説いた方でありますけれども、国が少ない予算で効率よく教育水準を高めていくには、やはり幼児教育というものが大変重要になってくるんではないかなと思います。
 日本の言葉でも、やはり三つ子の魂百までもという言葉に表れているように、小さいころからの教育というものが大変重要だというふうに思いますが、この財政難のときだからこそ、高校無償化というようなものよりも幼児教育の充実を最優先させるべきでなかったのかなというふうにも思いますが、この点についてどうお考えかということと、幼児教育の重要性と幼児教育のこれからの政策というものについてお聞かせください。
#107
○国務大臣(川端達夫君) 幼児教育の重要性というのはもう言うまでもないことでありまして、先生御指摘のとおりだと私も思っております。そして、それが、例えば逆に今の小学校の低学年におけるいろんな学校のうまくいかない問題等々も含めて、やはり大きな教育上の課題として現実が突き付けられている問題だというふうに思っておりまして、いろんな角度からこれは重点的に、今までも、そしてこれからもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
 そういう中で、財政的な支援でいいますと、先ほど申し上げましたように、幼児教育も大変大事だけれども、高等学校ももちろん大事であると同時に、世帯の経済的負担でいうと高校世代の子供さんを持つところが大変負担が高いということも含めてこういう制度をやりました。
 同時に、平成二十二年度予算におきましては、トータルで申し上げれば文部科学省ではございませんが、新たに子ども手当という形で、教育のそこの現場にじかにということではない、施設に対してとかいうことではなくて世帯に対して子ども手当を創設するということで、そういう世代の子育てを通じて支えるということがされて費用が計上されているとともに、文部科学省では、幼稚園に幼児を通わせる保護者の経済的負担の軽減を目的とした幼稚園就園奨励費補助について、子ども手当も創設されるということを踏まえまして、低所得者への給付の重点化ということとか、兄弟姉妹がおられる分の二人目の支援等を手厚くする等々のことで、低所得者給付の重点化と第二子の保護者負担の軽減ということで、今回、幼稚園就園奨励費補助を二十一年度に比べて増額して低所得者対策の強化をしたところでございます。
 いずれにいたしましても、幼児教育の重要性は先生御指摘のとおりだと私も思っておりますので、これからもいろんな切り口から取り組んでまいりたいと思っております。
#108
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 大臣も、幼児教育の重要性というもの、そしてまたこれまでにも、またこれからも幼児教育の在り方と、そしてまた親への経費負担、そういったものをしていただけるということでありますけれども、是非、やはり子供を育てていく上においては、高校というのももちろん大変な負担であると思うんですけれども、先ほどもお話しさせていただいたんですが、若いお母さんやお父さんの負担というものと、そしてまたそういう金銭的な部分での負担というものが、子供を育てていくという親の、親としての心というものにひずみが来ているような今世の中でありますので、その部分については十分な、やはり幼児教育の重要性というものと同時に、親の心というものも今は国がしっかりと見ていく、また育てていく、そういうような時代に悲しいかななってしまっている現状も踏まえて、是非幼児教育というものの重要性を重視をしていただきたいと思います。
 今大臣から子ども手当のお話がありました。一点お伺いしたいんですが、この子ども手当につきましては受給者の、親の住所が日本国内にあれば支給がされるということですけれども、朝鮮学校の取扱いなどについてのこの整合性ですね、整合性というものをどのようにお考えか、お聞かせください。
#109
○国務大臣(川端達夫君) 子ども手当は子供を養育している親に着目した制度であります。私たちの高校無償化は高校等に通ういわゆる子供に着目した制度であります。そういう意味で、先ほどもお問いがありましたけれども、日本の国内に住んでいる高校等に通う子供が受給資格者であるという制度であります。そういう意味では、日本の高校等に通うという意味では、そして日本の住所を持っているという意味では、国籍は問わないということであります。
 したがいまして、就学支援金は生徒を受給権者として、生徒を基準に受給資格を認定しますので、生徒が海外に住所を有する場合には親が国内に住所を有していても支給されない、生徒が国内に住所を有する場合には親が海外に住所を有していても支給される。要するに、子供さんが日本にいるかいないかだけで判断をいたします。
 子ども手当は子供を持つ親を受給権者として、親を基準に受給資格を認定することになっておりますので、親が海外に住所を有する場合には子供が国内に住所を有していても支給されない、逆に親が国内に住所を有している場合には子供が海外に住所を有していても支給されるということになっておりますが、これは親に着目するのと子供、生徒に着目するということでそういう違いが結果として出ているということでありまして、特段この法律の違いがそこにあることは事実でありますが、現状はそういうことでございます。
#110
○橋本聖子君 受給者が高校生など、生徒ですね、子供などということであれば、やはり在外日本人高校生に支給しないということと矛盾をするということにはならないんですか。
#111
○国務大臣(川端達夫君) 先ほども申し上げましたように、住所は日本にいて、日本の法律に基づく教育施設で高等学校あるいは高等学校の課程に類するものというところに行く生徒に支給するということでありますので、その枠内から外れる部分は、先ほど申し上げたように、海外に住所がある、あるいは日本の法に基づく教育施設でない施設等々は対象とならないという仕組みでございます。
#112
○橋本聖子君 今のお話をお聞きしますと、法的あるいは仕組みの問題を言っていただきましたので、そもそもやはりこういった仕組みですとかそういうものをもう一度しっかりとやり直すべきといいますか、考えていく必要があるんではないかなというふうにも思いますので、そのことを指摘をちょっとさせていただきたいというふうに思います。
 時間も少しになってきましたけれども、支援を必要としているところに十分しっかりとこういったものが行き渡っているかということをもう一度お聞かせいただきたいなというふうに思うんですけれども。
 要保護児童生徒あるいはそれに準ずる厳しい経済状況の準要保護の児童生徒というのがありますけれども、これは二〇〇五年度から国庫補助が廃止されております。こういうようなこと、先ほどもお話があったというふうに思いますけれども、この二〇〇五年度だけで百五の自治体が財政難などを理由に所得基準について厳格化をしてきておりまして、大変な対象費目の縮小ですとか支給額の引下げというようなことも出てきている状況なんですけれども。
 こういうことを考えると、やはり義務教育ではない後期中等教育の授業料無償化というものを義務教育段階の就学支援より優先して実行するというのはなぜなのかなというふうにも考えますが、その点についていかがお考えですか。
#113
○国務大臣(川端達夫君) 義務教育も高等学校もいずれも地方自治体の教育委員会がその主体を担っていただいているわけでございますが、御指摘のとおり、二〇〇五年度からいわゆる三位一体改革で、これは随分いろんな議論があったんですけれども、結果として言いますと、国と地方の役割分担、それから国庫補助金の在り方等の観点で議論がありまして、義務教育における、学校教育法で就学援助の実施義務は市町村に持ちなさい、そして準要保護者の認定は従来より地域の実情に応じてその市町村の判断と。ある意味では、分権という、地域の実情に応じてどういう判断基準でやるかは地方に任せますと、そして準要保護においての部分も含めては就学支援は三位一体改革で地方にゆだねます、税源移譲とともに、ということでそういう仕組みになって今動いていると。これに対していろんな議論があることも事実です。
 そういう中で、平成十七年から準要保護者に対する就学援助は財源を地方に税源移譲して、国庫補助金は廃止をしたと。要保護世帯に関しては国庫補助残っておるんですが、準要保護は地方の裁量ということになりました。そういう意味で、現在は市町村において中身は独自の判断にゆだねられている。これが現実には財政状況においていろんなところが出ていることも事実です。
 これで、平成二十一年に市区町村教育委員会に対して調査を行いました。千七百九十五市区町村等のうち何らかの準要保護児童生徒の認定基準や支給内容の変更を行った自治体が百七十市町村。そのうち認定基準を引き下げたというのが九十市町村、引上げや拡充をしたのが七十四市町村、引下げあるいは切下げを行ったのが、要するに悪くしたのが九十ありましたということであります。
 こういう実情で、これはあくまでも市町村の自主的な判断にゆだねられているんでありますが、そこの就学援助に関しての部分で、平成二十二年度の地方財政計画案においては通達を、平成二十二年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項についてということで、各市町村に対しては、準要保護児童生徒に対する就学援助については、市町村における援助の状況等を踏まえ、地方財政措置を拡充することとしておりますということで、今までよりはこの地方財政措置として国としては拡充する方針を既に決定をいたしております。詳細な中身はこれからでありますけれども。
 そういうことと同時に、市町村で差があるのは現実でありますので、市町村はいろんなところでこういうふうなことをやっていますよということは参考事例として皆さんにお知らせをする中で、ああ、うちはもっと頑張ろうと思っていただけるようなアドバイスみたいなことはしたいと思っていますが、基本は市町村が独自におやりになるので、大本でこの義務教育の国庫負担の在り方等をもう一度どうするかというのは大きな議論としてあると思いますが、現行制度の下では三位一体改革でこういう状況にあることは御理解をいただきたいと思います。
#114
○橋本聖子君 今大臣の御答弁いただいて理解をしているわけでありますけれども、やはりその各市区町村ですね、市区町村の財政的な問題ですとか、そういうような問題の中で、住んでいるところによって子供たちの教育の地域格差というものが実際に生じてしまっているものがありますので、その部分の指摘があるのは十分承知だという大臣の御答弁でありますので、是非そのことを踏まえて指導をするなり、あるいはなかなか指導ができない部分もやはりあると思うんです、これはそれぞれの、大変財政難の地域がありますので。そのことも含めてしっかりと検討をして、格差のない教育というものが受けられるような状況にしてあげたいというふうに思いますので、お願いいたします。
 最後になりますけれども、高校無償化について、その実現後、これから実現をするということになるかと思いますけれども、どういう内容の教育を行っていくのかということも明確にやはり国民に示すべきでないかと思います。高校無償化というものが実現をした場合にどうなっていくのかということ、これはやはりしっかりと文科省として国民に示すべきではないかなというふうに思うんですが。
 この体制の意義について、学校を通じて生徒、保護者に周知することによって、自らの学びが社会に支えられていることの自覚を醸成し、国家、社会の形成者として成長を目指し、学習意欲の維持向上を図ることを期待するということを大臣述べられておるわけですけれども、具体的にどういう指導を行うことを想定をしてお話をしていただいているのかということをお聞かせをいただきたいというふうに思います。
 やはり子供、あるいは幼児教育も含めてですけれども、もちろん高校あるいは大学に通う子供たちというのは国家の財産でありますので、そういう子供たちが本当に真のしっかりとした教育を受ける体制というものを整えていくには、やはり教育者の資質向上というものも大変重要な問題だというふうにも思います。
 そのことも含めて、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#115
○国務大臣(川端達夫君) お答えする前に、もう一つ前の部分で、いわゆる地方の分権を進めることと、自主的にやることと、とはいえ国の基本的な水準の維持はどうするのかというのは長い間の議論もあります。そして、今の事態は大変な議論の中での、いわゆる小泉改革でやられた部分で、これはしっかり検証しながら、これから我々も一括交付金ということで地方の自主性に任せようという議論をしているときに教育をどう位置付けるかというのは大変大きなテーマですので、またこういう場も通じながら、いろんな議論をしていいものをつくっていきたいというふうに思っております。
 今のお話でありますが、やはり当然ながら、高校の教育のより充実を図らなければならないのはもう共通の課題であります。そのために、まずは資質を向上させるためにトータルとして、これは小学校から全部つながっていく話ですが、教員の数の拡大とそれから教員の資質の向上ということがこの政権の教育における大きなテーマの二つの柱であります。そういう意味では、資質の向上に関する免許制の問題を含めてしっかり取り組んで、この多様化した中での教育者の、教員の資質の向上が一番図られなければいけないと思っておりますし、同時に教員の数もしっかり確保しなければいけないと思っております。
 同時に、このことで、今度から高校が授業料払わなくていい、あるいは軽減されたということを機会に、税金をみんなで負担してまで皆さんの学びを支えているということはそれだけ皆さんの学びに期待をしているということであり、逆にそれだけ皆さんは自覚を持って責任を持ってしっかりと学んで社会に貢献する人になってほしいということをいろんな機会で、しっかり教えていくことのあらゆる機会を取っていきたいというふうに思いますし、また、リーフレット等々も含めて、保護者向けも含めて、そういうことは徹底をして、社会で期待されているから、しっかりみんなでお金を払っているんだから勉強してよねということと同時に、社会を支えるということはどういうことかと。自分が社会人として世の中に出て、やっぱりやりたいことを通じて世の中に貢献するということは大変大事であるという意識も、これも一つのきっかけとしてより強化をして教えてまいりたい。それと、そもそも税金とは何か。先ほど主権者教育というお話が朝の議論に出ていましたけれども、税金とは何ぞやということも含めて、やはりこれも一つのきっかけとして、いわゆる政治や税や社会というものに対しての意識の向上にも資してまいりたいとも思っております。
#116
○橋本聖子君 ありがとうございます。
 社会に支えられていることの自覚というものをしっかりと持って、そしてそれに感謝をして、子供たちがやはり、またそのことの恩返しといいますか、社会をしっかりと形成していく人物になっていくということ、これがやはり大事だからこそ高校教育が大事だということでありますけれども、でもそこにはやはり教育者というものが、そういったことをしっかりと教えることのできる質の高さというものがもっと求められていくと思いますので、そこの部分の充実をお願いしたいことと、やはり高校の教育、当然大事ですけれども、そこに至るまで、人間が形成されていく一番の土台となるのはやはりどうしても私は幼児教育だというふうに思うんです。幼児教育、そして小学校、中学校というふうな段階を経て高校生ということになっていくわけですので、やはりその高校になる前にもう既に相当な人間形成がされているわけですから、高校無償化というもので高校教育充実させるというのももちろん大事かもしれませんけれども、同時に、あるいはそれ以上に私たちはやはり幼児教育というもの、人間が形成されるその時期にしっかりとした教育というものの環境を整えていくということがこの国に与えられた私は使命だと思いますので、是非そのことにも十分な配慮をしていただければというふうに思います。
 ありがとうございました。
#117
○山本順三君 自由民主党の山本順三でございます。
 久々にこの文教委員会に戻ってまいりまして、大臣始め関係各位との議論ができることを大変うれしく、有り難く思っております。
 ちょうど去年の八月に我々も衆議院選で大敗をいたしまして、その後政権交代ということになりました。私一番心配しておりましたのは、政権交代になった後、日本の教育がどういうふうな変化を遂げるんだろうか、このことについて非常に危惧をいたしておりました。外交防衛もそうでしょうし、あるいはまた教育もそうでしょうし、国の根幹にかかわるような政策についてはよしんば政権交代があろうともその土台は変えてはならないだろうし、政策の継続性もあるだろうし、特に教育については国家百年の大計で議論をしていかなければならない。恐らくや、その都度都度に制度が猫の目のように変わってしまうと、そのことによって様々な混乱が教育現場に起きてくる、そしてそのことによってひいては日本の教育の根幹が崩れてしまうということすらあり得るのではないだろうかということを私どもは大変危惧をいたしておりました。
 そういった観点で、高校無償化の議論に入る前に、どうしても一点しつこくただしておかなければならないことがございます。前回のこの委員会でも私の同僚の北川イッセイ委員が取り上げられました、多くの我が党の議員も取り上げてまいりましたけれども、輿石参議院議員会長、民主党の参議院議員会長の発言でありました。このことはやっぱりしっかりと精査をしておかなければならないと思うんです。
 したがって、もう一回確認いたしますけれども、昨年、平成二十一年一月の十四日に、これは日教組の新春の会合でありましょう、その場で輿石議員から、教育の政治的中立はあり得ない、私も日教組とともに闘っていくんだ、永遠に日教組の組合員であるという自負を持っている。それはいいんでしょうけれども、冒頭の教育の政治的中立はあり得ない、このことは本当に大事な話なんですね。それも、いわゆる責任ある立場の方がこの話をおっしゃる。そして、実はそれに続いて昨年の夏にも、これは第九十七回の日教組の定期大会で、政治を抜きに教育はあり得ないというような発言もされるし、今年のまた一月の七日の日教組の新春の集いでも、いよいよ日教組の出番だというようなそういうお話が我々の耳に伝わってまいります。
 この政治的中立はあり得ないという発言はあり得ないのでありますけれども、そのことについて、まず、改めて、川端大臣、どのようにお考えか、所見をお聞かせいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(川端達夫君) 教育の現場においていわゆる政治的な中立はしっかり守らなければならない、これは文部科学行政の一番本にある大きな基本だというふうに認識をしておりまして、そのことがしっかり確保されるように最大限するのが私の責めであるというふうに思っておりまして、そういう意味では、輿石先生の御発言の趣旨が、政治の中立を侵しておれは頑張るぞとおっしゃっているのか、政治的中立なんというのは今まであったかというふうにおっしゃっているのかよく真意が分かりませんのでコメントはできないと、この前から申し上げております。
 同時に、日教組のことに関してのいろいろな御心配かもしれませんが、私は就任以来、教育行政を行うに際して、教育にかかわる人は、教育現場の先生も職員の団体という意味では一つの組織であろうし、あるいは行政の立場の人、教育委員会の立場の人、教育関係の有識者の人、あるいは父兄、PTAの人、地域の人、いろんな人がおられる意味で、そういう人の意見を幅広に聞く中の一つの組織としてあるけれども、別にそのことを言われたからどうこうということでないという意味では、まさにその団体がいろんな活動をされることがその組織として許された範囲ではいろいろおっしゃることはあるでしょうが、私としては、冒頭申し上げたように政治的中立をしっかり守ることを頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#119
○山本順三君 今ほど輿石議員の発言についてどういう意図を持って発言されたのか、その真意が分からないというお話でありました。
 川端大臣は、まさに日本の子供たちをこれからしっかりと育て、はぐくんでいくその行政の責任者であられます。非常に重い責任を持った立場の方、すなわち大臣であります。その大臣が、今ほどお話になりましたけれども、政治的中立を守らなければならない、非常に具体的に、そして前向きに答弁をされたということを私は高く評価するんでありますけれども、ただし真意が分からないのであれば確かめなければならないような方が発言されているんです。それは何かというと、民主党の参議院の議員会長であり、なおかつ民主党の副代表という立場、そういう立場の輿石先生がそういう発言をされている。ということは、そのことに対してどういう真意なんだということを確認する責任があるんだ、行政の最高責任者として、私はその発言の真意を確認する責任があると思いますが、いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(川端達夫君) いろんな人がいろんな立場でいろんなことを発言されることは当然あると思います。その中で、実際に発言されたのは私が大臣になるもっと前のことでありますけれども、いろんな発言は、それぞれの思いを込めていろんな場でいろんな立場でお話をされるんだと思います。
 そのときに、私は、先ほど申し上げたように、政治的中立はどうしても守らなければいけない大事な基本の一つである、そのことを全力を尽くしてやってまいりたいというときに、そのことに具体的に支障を来すようなことにつながっていることであれば聞くことはあるかもしれませんけれども、現時点において、その発言等々が何らかの私の判断に影響を与えるようなこととは承知しておりませんので、聞く責任があるとは思っておりません。
#121
○山本順三君 非常に重い発言だと思うんですね。本当に文科大臣として、同僚の議員さん、責任ある議員さんがこのような発言をしたということについてのけじめを付けるというのは、私は文科大臣の責任だろうと思うんですけれども。
 鈴木副大臣、鈴木副大臣ももう教育のエキスパートということで私どもも大変尊敬しておる副大臣の一人でありますけれども、副大臣はどのようにこの案件をお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#122
○副大臣(鈴木寛君) 教育は中立かつ公正に行われるべきものである。特に、学校においては児童生徒に対する教育の現場でございますから、政治的中立を確保することは極めて重要であるというふうに思っておりまして、このことはいつの時代においても尊重されるべき普遍的な理念であると考えております。このことは教育関連法規にも明記されていることだと理解しておりますので、すべての国会議員、そのような理解をしている、あるいはすべきであるというふうに考えております。
#123
○山本順三君 そのときに、仲間の議員さんが今のような発言、すなわち教育に政治的中立はないというような発言をされたことに対してはどのようにお考えですか。
#124
○副大臣(鈴木寛君) すべての民主党所属の議員の皆さんはこのことを十分理解しているというふうに思っております。
#125
○山本順三君 もう一回お尋ねします。
 すべての民主党の議員さんはこのことを理解している、そのこのこととは何ですか。
#126
○副大臣(鈴木寛君) 教育は中立かつ公正に行われるべきものであり、特に学校における政治的中立の確保は重要であるということが教育関係法規に明記されているということでございます。
#127
○山本順三君 私が今ほどお伺いしたのは、教育に政治的中立はないと発言された、これは輿石議員が発言されたわけですけれども、そのことについてはどういうふうにお考えですかということをお伺いしました。
#128
○副大臣(鈴木寛君) 政治的中立性を確保することは極めて重要だというふうに思っております。
#129
○山本順三君 堂々巡りですね。結構です。
 そういたしましたら、ちょっと視点を変えます。今ほどの教育に政治的中立はないというこれは輿石発言にこだわらずに、一般論としてお伺いしたいと思うんですけれども、もしも教育に政治的中立はないというような考え方があるとするならば、これは教育基本法あるいはまた教育公務員特例法等々に抵触するんではないかというふうに私は思っていますけれども、そのことについてどのようにお考えなのか、もし抵触するとするならば、どの項目に抵触されるのか、お示しいただきたいと思います。
#130
○国務大臣(川端達夫君) それぞれ法で政治的中立に関しての条文がございます。個別具体にそれに抵触するかどうかはそれぞれに判断されるべきものだと思っております。
#131
○山本順三君 どうも議論がすれ違っていかぬのでありますけれども、私がお尋ねをしたのは、教育に政治的中立がないということは教育基本法の第何条に抵触するのか、お答えいただきたいと思います。
#132
○副大臣(鈴木寛君) 教育基本法第十四条の第二項におきまして、法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならないというのが教育基本法の規定でございます。
#133
○山本順三君 そうですね、十四条の二項にそれが明記されておるわけであります。
 そうなってくると、先ほど大臣、副大臣からもおっしゃったように、まさに教育というのは政治的に中立でなければならない、そのことは我々も賛同するところでありますし、それを守っていかなければならない、そういう決意が大事だと思うんです。そのときに、正しいことは正しいんだと、間違っていることは間違っているよと、これを教育にかかわる人が言えなくてどうしますかということを私はここで申し上げたいんです。
 今、輿石議員がこのように発言されたという報道がありますけれども、その報道はやっぱり確認すべきです。そして、これが間違っているということであるならば、輿石議員に対して明確にそれは間違っているというふうに言わないと、教育の責任者たる責務を果たせない、こういうふうに思うのでありますが、いかがでございましょうか。
#134
○国務大臣(川端達夫君) 繰り返しになりますが、まさに教育基本法の十四条二項で、法律で定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならないという法律が守られるかどうかが一番問題でありまして、そのことをしっかりと守られるようにしていくことでございまして、発言をされたのが、真意が分かりませんが、具体的に私はこういうことが教育現場でしっかりと行われるように努めていくことが仕事でありますので、いろいろ発言があったことに関して、いろんな人がいろいろな立場でいろいろなときにいろいろ言われることを、一々これはどういうことだということをすることは考えておりません。
#135
○山本順三君 これ以上の議論はいたしませんけれども、本当に国民にとっても非常に不快な発言であると思いますし、また我々にとりましてもこれはそのまま捨ておけない非常に重大な発言であるということでありますから、今後その発言がどういうふうに展開していくのかをしっかりと見定めていかなければならないと思います。
 そこで、先ほど少し触れさせていただきましたが、平成二十二年の一月七日の輿石議員の発言でありますけれども、いよいよ日教組の出番だというような発言がありました。私ども、もしかしたらこの日教組の考え方というものに今後文科省の施策、これが大きく影響されるんではないだろうかというような危惧もするわけでありますけれども、そういった中で一つ確認をしておきたいことがございます。
 教育基本法、これは教育のすべての基本をつかさどる、そういう法律でありますけれども、この教育基本法、これを今後改正する動きが出てくるのか出てこないのか、少なくとも今文科大臣としてこの教育基本法を遵守するという強い御意思があるのかどうか、そこだけ確認をさせていただきたいと思います。
#136
○国務大臣(川端達夫君) 教育基本法が大改正をされまして、私たちは日本国教育基本法というのを対案として出して、議論の結果、今の法律が通りました。私は、この今の現行の長い間の課題を踏まえて議論をして決まった法律に基づいて、しっかりと教育行政をやってまいりたい。直ちにここを変えたい、あるいは改正のための準備をするということを考えてはおりません。同時に、今の改正された教育基本法と私たちの日本国教育基本法は、何人もと言っているとか国を愛する気持ちを涵養するという言葉とか、いろんな議論がありましたけれども、基本的に何か物すごい価値観が違うということではないように私は印象として受けておりました。そういう中で、必ずしも日教組は御支援をいただかなかった条項もたくさんあります。そういう部分ではいろんな考え方があるんだと思いますが、私としては現段階で直ちに教育基本法を改正する考えはございません。
#137
○山本順三君 その大臣の発言を聞いて安心をしております。
 ただ、一、二点だけちょっと気になることがありますので、その所見をお伺いしたいと思うんでありますけれども、今ほどの日教組の出番だではないんでありますけれども、例えば教育基本法のこれは第二条第一項に「豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養う」、こういう条項があります。そんな流れの中で、実は心のノートという副読本を今まで学校現場には配付をしてまいりました。残念ながら、今回の予算を見ますとその副読本に対しての予算が削られてしまったと。そして、人によると、人というか説明をお伺いすると、インターネットの方にちゃんと配信しているよと、使いたけりゃ使ったらいいじゃないかというような、そんな説明もありましたけれども、この道徳教育をしっかりやっていこうと、そのための心のノートというのが非常に有効に教育現場で扱われていたにもかかわらず、残念ながらそれが予算が削られる。
 このことも先ほどの日教組の出番だということとついつい連動して考えてしまう、そういう私がここにいるんでありますけれども、そのことについて大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#138
○国務大臣(川端達夫君) まず、基本認識として、道徳心をしっかりと小さいときから身に付けて養うようにということに関しては、私は非常に、当然のこととして大事なことであり、学習指導要領も踏まえて教育行政が行われているということは当然のことだというふうに思っております。
 その中で、より良い道徳教育というか社会性を身に付けて、社会人として大きく育っていくときの基本を身に付けるということのやり方として、心のノートを中心に、教科書がありませんので、そういう性格のものでありませんので、教材として適当なものがほしいというニーズの中で心のノートができて、全部に配られていたことが実態として今までやってきました。
 そういう中で、私は、道徳教育を更に充実していくためには、もっとそれぞれの工夫も凝らした、そしていろんなモデル事業としてやってきたものも一緒に組み合わせて使い勝手のいいようにということと同時に、いろんな形での、今インターネットとおっしゃいましたけれども、いわゆるウエブに載せることによって活用の範囲を広げられるという、いろんな創意工夫を凝らすという仕組みにさせていただいたということでありまして、そういう部分で中身を使い勝手よく充実し、例えば、心のノートの中にこういうことで感動したことを書きましょうというページがあります。それはノートですから、ノートはそこの一ページだけになりますけれども、電子情報化してウエブにすることによってそこは何回でも例えば印刷して使えるとか、各教室で大型テレビの配置をしていくことに整備をしておりますので、大画面でみんなで同じのを見る。そこに例えば地域のいろんな社会に貢献した人の部分を織り込んでいくとか、そういうことで、むしろ進化させる形で教育を充実したいという思いでやったことを今回提案させていただいているところでございます。
#139
○山本順三君 心のノートを配付することとウエブに載せて今ほど大臣がおっしゃったような対応をしていくのがどちらが教育効果が高いかというのは、それはやってみないと私は分からないと思いますから、それはしっかり大臣、検証してください。そして、少なくともウエブ、どのように活用されているかということをこの一年間しっかり追跡していただいて、そして実際に道徳教育の中でこれがどのように活用されたのか、実際にウエブでこうなりますなんていう話が本当に実態として学校の現場で対応できたのかどうか、その検証をしていただくように要望しておきたいと思います。
 それからもう一点、ちょっと長くなって恐縮なんでありますけれども、もう一点だけ確認させてください。
 例えば、全国学力テストの話もこの間ございました。このことについて抽出というような対応に変わっていった。そして、そのことによって、じゃ、単なる抽出だけで済んだかというと、やっぱりそれぞれの学校も継続して今までの流れというものを確認をしていきたいという観点から自発的にこのテストに参加するという。たしか七割とか八割の学校が参加したんだろうと思う。ということは、抽出方式に対して恐らく現場では結構な批判があったんだろうな、いやいや、日教組は、でも、これ進めていたよねというようなことが先ほどの日教組の出番ということについ頭に引っかかってくるんです。
 あるいは、教員免許更新制度についても今後どういうふうにされていくのか私ども分かりませんけれども、日教組の側の対応としてはこれは廃止をしていくというようなことをおっしゃっていますけれども、我々としてはこの制度は非常に重要であると、こんなふうに思っていますが、その辺りの点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#140
○国務大臣(川端達夫君) 先ほどの御議論でも学力テストのことがありました。
 三年間の悉皆調査でデータの蓄積も相当進み、それに基づいてのいろんな教育施策、あるいは施策の中で教え方の問題あるいは重点的に取り組むべき課題等の知見と同時に、大都市と地方でほとんど差が見られないとかいうふうな、いろんな実態が蓄積をされました。
 そういうことで、国としては、全国的な学力の水準を都道府県単位で把握をして、今までの知見を合わせながらこれからの教育方針の参考に資するとともに、それぞれの地方自治体における都道府県あるいは市町村の教育委員会においての今までの経験を踏まえたことで学力向上に努めてほしいということで、今回経済的効果も含めて抽出にやらせていただくと同時に、希望参加方式ということで、問題と配付に関しては国が援助をする中でやるという仕組みに変えさせていただきました。
 そういう中で、現場の声としては引き続きやりたいという声と同時に、もっと科目を増やしてほしいとか、いろんな課題の御要望もあることも事実であります。
 そういう意味で、私たちは、こういうテストを通じてより良い教育方針あるいは学力向上、学力状況の把握を努めていくことをどうしたらいいかというのが目的でありますので、これをやめるためにやっているわけでは全くありませんので、そういう部分では日教組の皆さんがいろんな御議論の中で言っておられることも承知をいたしておりますが、それとは関係なく我々としては御意見は御意見として進めてまいりたいというふうに思っております。
 それから、教員免許の更新のことでありますが、多様化する社会と、先ほど来の議論のように、科目数は増える、中身は増える、そして社会的な状況で子供さんの対応も変わる、父兄も地域もいろんなことがあるということで、先生に求められる資質、能力が非常に多岐にわたっているということで、いい先生に頑張ってほしいという意味で、教員の養成、いわゆる学校での学びと採用となってからの研修というものを、教員の資質の向上でどういうふうにしたらいいかということを総合的にこの一年掛けて議論をしたい、あるべき免許制度の姿を構築したいということを我々考えていますが、そういう中で、今の教員免許更新制の研修も役に立ったという声も多くあれば、いろんなちょっと中身においてもっとこういうことをやってほしいという希望もありますけれども、いずれにしても、教員の資質の向上に資していることは間違いのないことでありますので、そういうようなものも吸収しながらいい制度をつくりたいと思っておりますので、何か廃止するために云々という議論ではないということは御理解をいただきたいと思っております。
#141
○山本順三君 ありがとうございました。
 これからもこの輿石発言については食らい付いていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 本題の高校授業料無償化の話に入りたいと思います。
 この法案の目的ということで、高等学校における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与すると、こういうような目的が明示をされておるわけであります。今ほど大臣の説明で、子ども手当とそれから高校の無償化についての理念の違いといいましょうか、子供に着目するのか、あるいは親に着目するのかという視点がございました。
 民主党さんのマニフェストを見ておりましたら、最初はこの高校無償化については高校生のいる世帯へ助成するというようなマニフェストになっておったと思うんでありますけれども、法案の方は、実際にこの就学支援金、これを受給する受給権者というのは生徒本人、今ほどの子供に着目というようなことで、若干のずれがあるんだろうなというふうに思うんでありますけれども、そういった流れの中で、やはりこの理念が明確になってなかったならば、後ほど申し上げますけれども、所得制限どうして行わないんだというような話だったり、いや、このことによって公私の格差が広がってしまうではないかというような話になったりするわけであります。
 そこで、まず最初にお尋ねをいたしたいのは、このいわゆる高校授業料無償化の法案の理念をどういうふうに考えられておるのか、これは質問重なりますけれども、議論の前提でありますからお答えいただきたいと思います。
#142
○国務大臣(川端達夫君) 現時点において高校への進学率は約九八%という状況になっておりまして、高校で学んだ子供たちが近いその後の将来に社会に出て活躍をするということでのその恩恵は社会全体が受けているということでありますので、その学びを社会全体が支える国にしたいということが基本的な理念の柱でございまして、その教育について社会全体で負担していこうということであります。同時に、国際的に見ましても、そういう高校のレベルの教育費を費用を徴収しないということが、いわゆる世界的には国際人権規約の批准の状況を見てもほぼ全世界に共通することであり、日本としてもそういう国に、教育インフラとしてはしっかり整備された国であるべきであるということであります。
 同時に、経済的理由、これは学費が払えないだけではなくて、学費を捻出するためにアルバイトをする、あるいは学費の状況を見てその部分で進路が選択がある種制限をされるというふうな状況を、可能な限りそのことを気にせず勉学に集中できるような環境を整備したい等々であります。
 客観的に申し上げますと、学費の生計に関する負担は、先ほど来幼児教育の大事さの御指摘もありましたけれども、やはり高等学校に通う部分でいえば、負担がほかの世代よりは相当高いということもございます。そういうことから、高等学校における授業料の公立における不徴収と私学における同額の支援、そして特に私学における低額所得者に対する積み増しということをさせていただいたところでございます。
 以上です。
#143
○山本順三君 それで、私ちょっと気になるところがあるんですけれども、いわゆる教育基本法の第十条なんですけれども、これは家庭教育について述べている項目なんですけれども、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、」云々という項目があります。我々も、これは子ども手当にもちょっと関連する話になっちゃうんですけれども、いわゆる親が苦労をして汗をかいて、そして一生懸命に子育てに励んで、そして子供が大きく育ってという、そういう日本の社会の根幹を築き上げてきたような、そういう歴史、文化、伝統が我が国にはあると思うんですね。
 そういったときに、ちょっと気になるのは、教育の第一義的な責任というのを父母がというふうな形で出ておりますけれども、今ほど大臣の方から社会みんなで子供を育てていこうと。これも非常に高邁な理想、理念であると思って、私はそれは評価しておるんでありますけれども、この社会みんなで子育てをしていこうという理念と、それからそれが余りに表に出過ぎると、家庭教育、親が、父母が苦労をしながらでも子育てをしていくという理念と、これがその整合性が保たれないような場面が出てくる危険性があるのかなという危惧を私は時として感じるわけでありますけれども、そのことについての大臣のお考えをお聞かせください。
#144
○国務大臣(川端達夫君) 高等学校の部分を社会全体で支えるということで授業料に関してこういう法律で支えようという趣旨は申し上げたとおりでありますけれども、あらゆる段階において国は、例えば義務教育は義務教育の国庫負担ということで応援をしております。いろんな形で社会が子育てを応援することはありますが、私は、それと別に比較対象にするものではなくて、親あるいは育ててくれた人の恩というのははるかに、まあ大きいと言うと語弊があるかもしれませんが、厳然として産み育てていただいた人の恩、恩といいますか、とその感謝の念をしっかり持って子供は育っていくものだというのは当然のことだというふうに思っておりまして、それを上回る形で親はいいから社会が引き取ってするわということは、私自身はそれはなじむものではない、そういう考えには立たないというふうに思っております。
#145
○山本順三君 ということは、大臣、子ども手当も高校無償化も一〇〇%賛成ではないけれどもというように聞こえるんでありますが、そうではないんですか。
#146
○国務大臣(川端達夫君) 誤解を招いたら恐縮でございます。そういう国としての応援をするというものとして、それはそれで大事なことである。ただ、それが親は何もしなくていいということには全くならないというふうに思っております。
#147
○山本順三君 まあ神学論争してもしようがないんで、具体的な話に参りたいと思います。
 支援対象ですけれども、これは教育基本法の第四条に、すべての国民はひとしくその能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならぬ、当然のことだろうというふうに思っていますけれども、その流れの中で、先ほど来、専修学校あるいは各種学校等々についての議論がございました。その議論を二度三度とするつもりはございませんけれども、ただし、やはり先ほどの橋本委員の質疑とそれから答弁で、ちょっとやっぱり腑に落ちないところがありました。
 そのことをお話しさせてもらいたいと思うのでありますけれども、まず、朝鮮人学校についての話でありましたけれども、この客観的あるいは普遍的基準というのを先ほど大臣からいろいろお話がありましたけれども、もう一回そのことを確認させてください。
#148
○国務大臣(川端達夫君) 各種学校の中の外国人学校、これは専修学校になれない位置付けであるから、各種学校は原則として支給対象外であるけれども、各種学校の中の外国人学校だけは一応対象とすると。そして、それは一定の要件を満たすかどうかの判断をする。その判断基準として、一つは、我が国の高等学校に対応するその当該外国人学校の本国の学校と同等の課程であると公的に認められること。二番目は、国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けていること。ということで、これらの要件を満たすものを支給対象としたい。さらに、これらの二つの方法以外にも、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準や方法について、教育の専門家等による検討の場を設け、関係者の意見も聞きながら検討したいと考えております。
 前回のときにも申し上げたかもしれませんが、高等学校と専修学校の高等課程と各種学校でそのいわゆる届出、認可のときの状況でいいますと、目的あるいは入学資格、修業年限、卒業・修了要件、教職員の条件、設置者、設置認可等々が異なります。そういう意味で、さっき申した検討の場においては、こういうものも一つの例としてどういう基準を評価の対象にするのか、それをどういう形で、どういう方法で例えば入手したりするのか、それから、だれがどの場でそれを判定するのかということを客観的に専門家において検討の場で御議論いただいて、それに基づいてできるだけ早くにその一、二、先ほど申した一、二に当てはまらない外国人学校の評価、判定をしたいと思っております。
#149
○山本順三君 そこで、これは衆議院の方でもかなり議論になったと思います。
 今ほどの二つの基本的な基準というものが、客観的、普遍的基準ですか、これがあって、それ以外にもいろんな話が今大臣から出ましたけれども、要はこの高校の授業料の無償化の法律というのは四月一日から対応されるわけですね、あえて言うまでもない話であります。そして、外国人学校にそれを支給するかどうか、支援するかどうか、このことについては今ほどの話のとおり、これからいろいろ検討する、そしてまた第三者機関での議論もしていくというようなお話になる。
 これ、国民にとって一つの重大な関心事になっているんですね、朝鮮人学校に今回この無償化の支援をするかどうか。そのことがいまだ決まらずに法案が成立する。そして、法案が成立しなかったら省令出ないからと、それは当たり前のことでありますけれども、それでこれから対応していく。これは、今までそう多く私は経験していない。だって、非常に法案の中身の中で重要な位置付けの分野がまだ明確ではない、検討中でこの無償化がスタートをする、このことについては非常に私は違和感がある。
 そして、先ほどの答弁聞いておりましたら、この答えはいつごろ出すかというと、本年の夏ごろというような答弁をされました。なぜ夏なんだろうかと。そして、あのたばこ税、これちょっと話飛びますけれども、増税絡みの関係については十月からやりましょうというような話。これって国民にとっては物すごい分かりやすいんです。我々は攻めやすいんですね。でも、そんなことで攻めたくない。
 そうなってきたら、本当に法案がきちんと整備をされて、いろんな検討項目が明快になって、それからいざ無償化に向けての方向性、法案成立に向かいましょうと、これが私は普通の審議の方法だと思うし、それをやらないというのは重大な国会軽視になるのではないかと、こんなふうに思うんですけれども、そのことについての御見解をお示しください。
#150
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げました三つの要件のうちの二つに関しては、四月一日からこの法律を決めていただくということで、実質的に実務上混乱の起きないように最大の努力と対応をしたいと思っております。
 国会の議論、国民的な関心も含めて、いわゆるそれに属さぬ、一、二に該当しないものが実質上存在し得るのではないかという議論の中で、これはしっかりと対応しなければならないということで、そういう仕組みでやるということ自体を省令で定めさせていただく。そして、そのことに基づいた告示が最終的にこの学校を対象とするという行為が行われる。その行為が実際上第三番目のケースにだけ少し遅れるという状態になるということでありまして、法的な部分、省令的な部分が遅れるということではないことは御理解をいただきたいというふうに思いますし、いろんな幅広い議論の中で、より客観的に国民の理解を得るために取った対応であることを是非とも御理解をいただきたいと思います。
#151
○山本順三君 御理解いただきたいということでありますけれども、国民にとって非常に重大な関心事であるということを、大臣どうぞお忘れないようにしてください。
 そして、マスコミ報道等々でも、北朝鮮という国と日本の国の関係もありましょうけれども、まさに朝鮮人学校がどうなるかというのは非常に重大な関心事です。ですから、省令で決めるということもそれは一つの方法でしょうけれども、法案を審査するときの前提条件をやはり明確に我々に示してもらう、その中で真剣な議論を積み重ねていくというのが私は当然の話だと思っていますので、あえてそのことを言及しておきたいと思います。
 時間がだんだん迫ってまいりましたので、何点かあと対応したいことがございます。
 先ほどの話と連動するんでありますけれども、非常に、四月一日から施行ということになってきたときに、現場で大変な混乱をする可能性があるし、現に今時点で、例えば都道府県なりあるいは該当するであろう私学あるいは専修学校等々で大変不安な状況でこの審査あるいは法案の成立を見ようとしている人がたくさんいるんです。
 その中で、具体的にちょっとお伺いしたいと思うんでありますけれども、例えば特待生の扱い、これは学校によって、その特待生、授業料の減免という形でやる制度とそれから奨学金という形でやる制度、これ両方を併用している学校、たくさんあるんです。ところが、例えば授業料減免ということになってくると、これは授業料が減免されているわけでありますから、就学支援金、これの支給がないというような場合が出てくる。逆に、奨学金ということになってきたら、今度は授業料減免と同趣旨のような対応になるんでありますけれども、奨学金とそれから授業料の債権とを相殺しますよというような考え方の下に立って、そしてその授業料債権に対して支援金を支払うというような場合があって、同じ学校に入って同じ特待生扱いであるにもかかわらず、生徒への支援が違ってくるという場合があろうかと思うんですけれども、このことについてはどういうふうに対応されるんでしょうか。
#152
○副大臣(鈴木寛君) そもそも授業料減免といいますのは、まさに学校法人が授業料の額を変更し授業料の一部又は全部を免除することを言っておりまして、学校法人等が今御指摘のとおり授業料減免を行った場合の就学支援金の額は減免後の授業料額になります。一方、奨学金は、学校法人等が徴収する授業料とは別にそれぞれの生徒に対して給付する学資金を意味をしております。このため、学校法人等が奨学金を給付する場合には授業料の額に変更を生じません。
 ですから、もちろんそれぞれの各私立高校において判断されるべき話ではありますけれども、もう一度、授業料減免と奨学金の意味と意義ということを正確に御理解をいただいた上で適切に御対応をいただくということをお願いをしているところでございます。
 私見でございますが、特待生の場合は、これはまさに特待生、特別に選んだ学生に対する特待でありますから、それぞれの生徒に着目した奨学の意味合いが非常に強いものと思いますので、そのような整理をしていただくということではないかというふうに思います。
#153
○山本順三君 私もそれでいいんだろうと思うんですけれども、そのときに、私があえて言っているのは、その準備ができない、各学校で。だから、今までの状態で特待生扱いの中で授業料減免というような形で進んでいる、そういう私学もあれば、今ほどの奨学金的な形で進んでいるところもある。それを四月から切り替えなければならない、そういうときに余りに拙速じゃないですかということを申し上げているんです。
 もう一つ。例えば、これ公立学校のことでありますけれども、今授業料以外に学校納付金、いろんな団体費がありますけれども、現段階で例えば低額所得者に対して授業料を減免するときにそういった団体の学納金等々も減免するところが多くあるんです。
 ところが、公立学校で授業料を不徴収ということになってくると、その団体費が残っちゃうわけですね。その残った団体費に対して、これは減免する材料ですよね。例えば、PTA会費を減免しますよと、じゃ、それは低所得者ということをしっかりと証明してください。PTAでそれを証明するということにはやっぱり若干の違和感が当然あるわけですね。そういったことが現実に出てきている。その結果として、低所得者が今回のこの対応で逆に負担増になってしまうという本末転倒なことも起こりかねないような状況であります。
 これは各県によって対応が違っているようでありますけれども、これをどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#154
○副大臣(鈴木寛君) お尋ねのPTA会費でございますけれども、それを減免を行うかどうかというのは各PTAでそれぞれ御判断をして今もいただいておりますし、今後もいただくということだというふうに考えております。今も減免を行っているということは、一定のクライテリアの下でそのようなことを行われているんだと思いますので、それぞれ学校で御判断をいただければというふうに思います。
#155
○山本順三君 いや、そうじゃないんですよね。今は、いわゆる納付金ですね、これも授業料と一緒に減免しているんですよ、公立学校。ところが、残念ながらそれが、授業料を徴収しないとなったらその団体費が残っちゃう。それをどうするかといったときに、その基準をだれがどこで判断するかといったときに、非常に難しい判断、例えば例の所得証明書ですか、そういったものをPTAが集めてやるというわけにはなかなかいきにくいですよという話なんです。そのこと、どうでしょうか。
#156
○副大臣(鈴木寛君) ですから、まず減免をするのかどうか、あるいは減免をするとしたときにそれをどのような基準にするのか、あるいはそれをどのような方法で判断をするのか、これはPTAの自治の下でお決めをいただくということだと思います。
#157
○山本順三君 非常にそれは無責任な話だと思います。PTAにその判断をさすということ自体が非常に問題だと思いますけれども、そのこともすべて併せて考えたら、やっぱりこれは非常に拙速な対応をするがためにその準備ができずにやっちゃう、そのことによって現場が混乱するということを私はあえて申し上げておきたいと思います。
 それからもう一点、大串政務官来ていただいたので、一言質問をさせてもらいたいと思いますけれども。
 この財源、約四千億弱、これは私たちの目から見ても決して恒久財源というものが確保されてなされておるようには思いません。となってくると、次年度以降どうなってしまうんだろうかというような不安があります。いったん高校授業料を無償化にして、来年からやめますというわけにもいきませんでしょうが、財政状況は極めて厳しい状況にある。
 高校無償化は、私たち、財政状況が非常に健全であるならばあえて反対なんかいたしません。しかし、これだけ厳しい状況の中でかく苦労して、そして事業仕分もされながらここまでやってきているという状況の中で、来年度以降の財源がめどが立たないのではこれは大変なことになってしまいますが、それは財務省から見てどういうふうにお考えでありましょうか。
#158
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 この二十二年度の予算でございますけれども、民主党及び三党で、マニフェスト及び三党合意に書き下した政策を二十二年度から行うというものに関してはしっかり行っていくという形で予算を作りました。
 その中で、そのマニフェスト等に示した内容のうちの政策、高校無償化もその一つでございますけれども、これを行うに当たっては、安易に赤字国債等に頼るのではなく、既存の予算の内容を見直すことによって恒久財源を生み出して行うという方針で行ったものでございます。
 実際、今般マニフェスト政策を行うために三・一兆円の予算が必要となっておりましたが、これに対しては、歳出の見直し二・三兆円、そして公益法人の基金の返納等一兆円、全部で三・三兆円の財源の見直しを行って、その中から高校の無償化も行っているものでございますので、これは、恒久財源というものの定義にもよりますけれども、ある意味、今ある予算を組み替えたものですから、恒久財源として今後とも続くような予算組みになっているというふうに理解しております。
#159
○山本順三君 全く見解が相違いたしております。ただ、いずれにしても非常に厳しい財源の中でありますから、この恒久財源というものをしっかり見定めるという責任が財務省にもあろうかと思いますので、その点については心して頑張ってもらいたいと思います。
 あともう時間がありませんので、一点だけ、この高校無償化、約四千億弱の予算、これによって文科省予算は何と五兆五千九百二十六億円、五・九%増だと、史上最大だというふうに胸を張っているような人もおりますが、決してそうではない。これは三千九百三十三億円の無償化の予算、これを差し引いてしまうと、前年度比八百二十四億円の減というような予算が出てまいります。
 そうなってくると、要は高校無償化によって実は非常に大事なことも削減されてしまうのではないかというのがこの委員会でもたくさん出てまいりました。例えば、学校の耐震化の予算。これも、我々はあの四川の地震以降、子供の命を守らなければならない、これは鳩山総理の考え方と全く一緒でありまして、命を守るという、そういう観点でやっていくんですけれども、これが我々は補正を重視してやってきた。
 だから、結局、以前は約一千億ぐらいのベースがあったんですけれども、それに補正補正と積み上げてきた。でも、それはやはり正しい予算の立て方じゃないだろう、必要なものは必要なんだといったときに、これは今年度の概算要求では二千七百七十五億という、五千棟をカバーしていこうと、こういう予算を概算要求を立てたわけでありますけれども、残念ながら民主の政権になってそれが千八十六億円の要求、実質の、この間通った予算では千三十二億円というふうなことで二千二百棟、こういうふうになってしまいました。
 ベースを例えば当初予算で比較して増えたとか減ったとかいうような変な議論をする方がいらっしゃいますけれども、そうじゃなくて、最終的に子供が苦労している、生命とかあるいは命というものが危険に侵されているときに、耐震化をいかほどやったか、その結果ですべては判断していかなければならない、このように思っております。そういった意味で、是非この学校の耐震化、恐らく与野党共に一緒だろうと思いますけれども、これを進めていただきたい。
 本来、予備費で対応するなんというのはこれは邪道でありまして、予算が決まる前にしっかりとやっていかなければならない。(発言する者あり)補正が駄目だから、補正が駄目だからちゃんとこれからやっていきましょうということを言っているんだよ。それを、しっかり取ってしまって、そしてこのような状態になってくる。いずれにしても、でも答え出さなくちゃいけないから、予備費というものはしっかり使わざるを得ないんだろうと思うんです。ですから、そのことについて対応することを私どもから要望しておきたいと思いますし、また今ほど、夏休みに間に合うとか間に合わないとかいう議論がありましたけれども、間に合わさにゃいかぬのですよ。そして、鳩山総理もそういう答弁されていますよ。
 ですから、そういった前提の下にその対応をしっかりとやられることを要望しますけれども、それについてのコメントだけください。それで私の質問を終わりたいと思います。
#160
○国務大臣(川端達夫君) 耐震の重要性と地元の要望が大変強い中であります。
 それで、今の御指摘でありますが、当年度予算と概算要求を盛り込んだけれどもという御指摘でありましたけれども、例えば二十年度ですと、概算要求二千百億円が、実際一千億。二十一年度が、一千八百億の概算が、一千億。そして、二十二年度、政権交代前が二千七百七十五億の要求でありましたが、これが果たして幾らになったかは政権交代しましたから分かりませんが。
 我々としては、当初予算としては前年を上回る実績を何とか維持をできたということでありますが、補正で今までのせてこられたと。そういう意味で、本年度予算の部分でも、先ほど御答弁申し上げましたけれども、実際には七月に間に合うのが六割ぐらいだったという実績でありましたので、今回は、来年度の予算は、最大限努力をして八割以上を目途に七月中にできるようにということがまず当初予算の分であります。そして、非常に強い要望があることは事実でありますので、それをしっかり受け止めて、老朽化も含めてあらゆる手だての中で財源確保して、これもできるだけ早くに実行できるように最大の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#161
○山本順三君 終わります。
#162
○山下栄一君 今日からいよいよ高校実質無償化と言われた法案の本格的な審査の開始でございます。非常に重要な法案と理解しておりまして、幾つか確認させていただきたいと思います。
 まず最初に、この法律の目的なんですけれども、目的は、教育費の負担の軽減を図って教育の機会均等に寄与すると。まず、この教育費の負担はだれの負担の軽減かということの確認をさせていただきたいと。受給権者に関係してきます。
#163
○国務大臣(川端達夫君) この法律の仕組みとしては、生徒に着目をして、受給権者はその生徒にしておりますけれども、背景としては、やはりその世帯のこの子供たちがいる、この年代にいる子供たちの家計に占めるその比率が非常に高く負担が掛かっているという背景があることの中での負担の軽減であることは、現実には事実でございます。
#164
○山下栄一君 ここのところが私は非常に重要な点だというふうに思っておりまして、野党のときにお出しになられた法案は受給権者は保護者だったんですね。今回は生徒、学生だと、本人だと。私は、ここのところが物すごく大事だなというふうに思っております。義務教育の場合は負担は保護者だと、保護者が就学義務あるわけですね。ところが、小、中終わって中学卒業すると、これは本人だという考え方だと思うので、考え方ですよ、この考え方が大事だというふうに思います。
 それで、これは昭和二十年代から、結局授業料というのはだれから徴収するんですかと、それは基本的には生徒からですということがスタートから今日に至るまで変わっていない基本的な考え方だから、野党のときは保護者と言っていたけど、この法案では受給権者は本人と、こういうふうにしたのではないかというふうに思うんですね。その理解でよろしいでしょうか。
#165
○国務大臣(川端達夫君) 義務教育を終えた者、年齢を問わずに支給対象としています。それで、基本的には、その部分では学ぶ人に支給をするという受給権者にしたということでありまして、実態的に保護者によって家計を支えられている中で来る子供もたくさんいるとは思いますけれども、基本的にはこの子の当事者に対して応援するというのは、先生御指摘の基本的な理念が元々はあるんだというふうに思います。
 現実に着目して、前回、民主党の提案は保護者に対して支給としたんですが、今回やはり原点に戻った形でするのと同時に、実態として世帯で支えられている子供さんも多いんですけれども、いろんな最近の社会情勢の中で、親御さんが一緒におられないとか生計を共にしているかしていないかとか、いろんな形の中で実質的に受給権者を親にしますと、子供に対して本当に授業料の請求がちゃんとできるかどうかという実務的な問題もありましたが、大きく基本的な理念でいえば先生御指摘のとおりだというふうに私も思っております。
#166
○山下栄一君 今日、午前中でしたか、大臣もおっしゃっていましたけれども、昭和二十年代は、新制中学卒業して上の段階の学歴に行く、五割もいらっしゃらなかったとたしかおっしゃったと思うんですけれども。そういうこともあって、半分以上は中学卒業したら上の学校というか、学歴を上の方に行かないという人の方が多かったと。
 私は、今現在は確かに変わっていますね。変わってきて、基本的には扶養家族で、扶養対象にもなっているから親が高校に行かせるんだという考え方ではあるんですけどね。考え方というか、そうなってしまっているけれども、二十一世紀は、義務教育終われば自立型の仕組み、もちろん成人にはなっていませんけれども、自立型の仕組みで考えていくことが教育的な観点から大事なのではないかと。惰性で高学歴化しておりますので、自立ということがしないままにモラトリアムがずっと進んでいって、どこまで進むんですかという感じになっていると、今は。大学卒業してもパラサイトシングルになっていると。
 やっぱり義務教育という、全国民、基礎的な教育、教養が終われば、それは自ら選択して、そして生きていくんだと。多様な道、多様な選択肢があっていいと。しかし、考え方としては自立支援なんだと。自立支援という理念で、義務教育後は教育的に学校教育もとらえていくということが非常に大事な時代になってきているなというふうに思うんですね。
 だから、日本の若者なかなか自立しないと。要するに、ヨーロッパ、アメリカと比べると、比べたらすぐ分かりますけど、同じ年齢でも非常に何か自立していないような雰囲気があるということもありまして、じゃ、自立支援で教育費を応援してあげるんです、応援するんですよという、そういう法の考え方が非常に大事ではないかと。だから、これはだれのための法案ですかねと、だれを応援しているんですかと。これは何となく、元々野党のときにおっしゃっていたように、それは保護者、そんなの保護者に決まっているやないかという、そこが本当にそうなのかということの問題提起が非常に重要なのではないかと。
 したがって、自立支援という考え方を踏まえたそういうとらえ方で私はこの法案を考えていくと意味が出てくるなと思いましたために、あえて、一条のことですけど、一条は一体だれの負担軽減で、教育の機会均等ですかと。機会均等は何となく本人のような感じがするんですけど、負担の軽減は何か親みたいなイメージがあるので、これを共有できたら有り難いなと思っております。
#167
○国務大臣(川端達夫君) 大変大事な御指摘だと思います。
 私たちも、いわゆる生徒の学ぶ権利の保障であろうと。子供といいますか、生徒が学びたいというときにしっかり支えるということであって、これはまさに、先ほど来の議論の中でもありましたけれども、所得制限をあえて設けなかったのも、まさに親の所得にかかわらず本人が学ぶということを、それは先生のお言葉を借りれば自立という形を支えるんだということなので、経済的に大変な人を応援してあげるということの側面ももちろんありますけれども、基本的な理念は、子供の、生徒の学習の権利をその生徒に対して保障するものであるということにおいては、先生の、自立を支援する、自立しているという人間をこの部分で支えるんだということは、全く基本的に共有しているというふうに思っております。
#168
○山下栄一君 奨学金も、だから奨学金を借りるのは親じゃないと、私が借りるんですと。私がだから出世払いで大きくなったら返すんですという考え方が正しいのではないかと。それは、別に大学生からになっただけではなくて、高校生の奨学金もそういう考え方でとらえて、だから自分が責任を持って返すんだという。何となく、親の所得制限みたいなことがまた一方であるんですけれども、これはもう、ちょっと整合性が取れていないとは思いますけど、奨学金もそういう考え方で整理した方がいいのではないかと思っております。
 二点目ですけど、高校なんですけど、今度の法律は、やっぱり高校ということを非常に意識した、だから高校に類するというようなことをあえてこだわってやられているなと。
 私は、九七%も高校に行くこと自身が異常だという考え方もあっていいのではないかと。あんな難しい高校学習指導要領、ほとんどの国民が、そんなもの課せられるということが苦痛で仕方がない子供が半分ぐらいいらっしゃると。だから、いろんな問題がいっぱい出てくるという。
 だから、高校が前提の制度設計であったとしたら、私は余り賛成しにくいなというふうに思っております。義務教育が終わってからの若者の学びの在り方をどうするんですかということが一つと、もう一つは、高校というのは一体何のためにあるんでしょうかねという、高校教育の在り方をきちっともう一遍見直す時期に来ているんじゃないのかなというように思っております。
 したがいまして、九七%進学というのは異常なんだけれども、何かみんな行くから、そうしたらもう義務教育にしてしもうたらどうみたいな乱暴なことは考えておられぬということはよう分かりましたので。あくまでも、無償と義務教育が一緒になってしまっている、錯覚されてしまっていると、だから、義務化するんじゃありませんよと繰り返し大臣はおっしゃっていますので、それは非常に大事な観点だと思うんですけど。
 高校進学を推奨する法案ではないということはよろしいでしょうか、これで。
#169
○国務大臣(川端達夫君) この法律自体は中卒の、先生が御指摘の中卒の人のすべての学びを応援しようという趣旨ではありませんで、高校にこだわっているということでありますが、いわゆる高等学校等に行く人を支えようという趣旨であることは御案内のとおりでありますが、多様な学びがあると。
 したがって、今回でも高校の中の定時制や通信制はもちろんのことでありますけれども、専修学校の高等課程等々も含めて多様な学びで、制度的にしかし担保しなければいけないという意味で高校と同程度というものの線を引かせていただきましたけれども、高校にこういうことだから行きなさいという推奨ではなくて、行きたいと思っている人を応援しようということであるということでありますので、推奨しているものではありません。
#170
○山下栄一君 考え方は確かにそうなんですけど、ところが実質はそうでないようになってしまっているなと。後からちょっとこれ触れますけど、不徴収にしてしまうと、これは別に意欲がなかろうがあろうがとにかく籍を置けるわけですよね。まあそれは入試という、入試の関門ありますが、入試にこだわらなかったら、とにかく籍置いておけみたいなことに親も言うと。これ惰性でまた、惰性を推進するようなことになってしまわないかと。自立をなえさせるような、そういう、結果的にそうなってしまわないかと。元々の意図はもうよく分かりますねんけど、分かるんですけど、ちょっと、この辺がちょっとお考えになったことと事実がちょっとずれてきているというふうに思いまして、ちょっと高校にこだわった制度設計になっていますねということは、二条が大体そうなっていますねん、これ。大体、一号、二号、一号は高等学校、二は中等教育学校、三号は特別支援学校の高等部と、これ基本的に高校学習指導要領の範疇ですよね。四号は高等専門学校と、これ突然高等教育になると。これ中等教育じゃないと、これは。高等教育機関を何か知らぬけれども対象にしているという、ちょっと余りすっきりしないなということになっているんですね。五号は専修学校及び各種学校だと。ここでまたその高校に類すという言葉でまたこだわられると。これ、中身何をしているみたいなことをチェックしたりというようなことになっていくと。
 私は、ちょっとこれは本来の趣旨からずれてきているんじゃないのかなと。多様な学びを支援したいんですという、これは去年の五月も鈴木副大臣、当時は提案者でしたけど、私、確認させていただきました。明確におっしゃいました、これは推奨じゃないよと、高校進学が、多様な学びを支援したいんだと。そこまでおっしゃるんでしたら、この義務教育後の学びの支援、これをもうちょっと、もっと多様に考えてはどうですかねと。何か余り高校にこだわるようなふうに追い込んでいくと、ちょっとそれは違うんじゃないのではないかなということをちょっと感じるんですけどね。
 だから、学びの支援だと、学習資金をサポートするんだということでしたら、あんな難しい高校の学習指導要領を課されるようなところに追い込むんやなくて、何やったらもっと別の複線化の違うまた基準の教育内容を考えて、そういうことを基本的に考え直して、そんなコースがあるんだったら元気出てくるわと中学三年生が思うような、またその学習指導要領を課されるんかと、今の勉強すら分かっていないのに、中学三年生でどれだけ分かって卒業するかということを考えていったら、もうだけど親はもう高校へ行け言うしということになっていること、自立じゃないと、それは。
 だから、多様な学びの支援をきちっと用意してあげて、既存の学校教育における各種学校、各種学校は比較的広いと思いますし、専修学校の一般課程なんかは広いですよね。だけど、一般課程ほぼ入りませんと。各種学校もめちゃくちゃ限定されて外国人学校だけですわとなってくると、ちょっとそれはもったいないなと。だから、海技学校だけやなくて、例えば職業訓練みたいな、職業訓練、私は労働省の職業訓練だけをイメージしていません。もっと落語家やったら落語の弟子入りして学ぶと、職人は職人で学ぶかも分かりませんという様々なこの職業訓練的な研修期間も学びだというふうな、そんなことまでも考えて、義務教育終わったら多様な学びが用意されていて、それをサポートしますというふうな制度設計にすると、もうちょっと中学三年生の進路が多様化するし、元気が出てきて目の色も変わってくるんじゃないのかなと。
 高校で追い込んでいくとちょっとこれは更に悲惨な状況になっていくのではないかと。元々の基本的考え方とちょっと具体化するときずれているんじゃないのかなということを感じておりまして、大臣のお考え、そして、ここはちょっとできたら鈴木副大臣の考え方もお聞きしたいと思います。
#171
○国務大臣(川端達夫君) まず、高校の中身を、子供たちが付いてこられるように、同時にそこで一生懸命勉強したいなと思えるようにするということは、緊急の直近の課題であると同時に長年の課題でもあることは間違いがないと思います。
 そういう中で、専修学校の高等課程まで広げているという、まあ各種学校の中の外国人学校は特別な例外的な措置でありますけど、ということで、多様な学びを支援する門戸は広げたけれども、やはり基本的には、先生の表現を借りれば高校にこだわり過ぎではないかというのは、確かにこれは高校を前提とした制度であるということであります。
 幅広くそういうものを学びを支援するというのはまたある意味で非常に大事なことでありまして、ただ、職業訓練学校なんかはまたいろんな制度がまた違ったり、負担の在り方も違ったりということがありますので、先生の御指摘どおりで、多分フリースクールなんかもそうです。それと同時に、いろんな学びでいいますと、認可を受けていないところもありますし、高校にこだわっているという御指摘でありますが、一応学校教育法上の教育施設ということと中学校を卒業したという者が入れるということで、制度的に客観性を持たせたということでこういう制度設計になっておりますけれども。
 幅広い学びをどう支援するかということとそれから受皿の高校の中身を充実することは引き続き大変重要な課題であり、特に前者の多様な学びをいろんな形で支援するのがどうあるべきかはこれからも大変大きな課題として我々も検討してまいりたいと思っております。
#172
○副大臣(鈴木寛君) 大変大事な議論だと思っておりまして、私どもも私どもなりにいろいろな議論を更に深めさせていただきました。今回、都道府県の教育委員会だとか市町村の教育委員会だとか市町村会だとか、そういう人たちともいろんな議論を重ねさせていただきました。
 山下先生の御指摘を我々なりに受け止めますと、学校教育法にこだわったつくりになっていることは御指摘のとおりだと思います。つまり、学校教育法というのは、まさに一条校で高校とそれから中等学校と高等専門学校と。それから、学校教育法の中でその一条校以外ということで専修学校と各種学校と、こういう位置付けでありますから、これをベースにその制度設計をしたということは事実でございます。でありますので、こういう形になっているというところは御理解をいただきたいと。
 もちろん、中長期的には、これは、この参議院の文教科学委員会でも山下先生もずっと御提起いただいておりますし、私どもも中期的な問題意識としては持っております。この学校教育法の体系自体をどういうふうに考えていくのかということは、これは極めて重い議論として是非この場でも御議論を深めていただきたいと思いますし、国民的な議論も深めていっていただいて、その枠組みがまた深化をしていくという暁にはいろんな制度設計はあろうかと思います。
 ただ、学校教育法の枠組みの中でも、今日、山下先生から御提起いただいたことは、やれることはやっぱりきちっとやっていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、その中で大事なことは、これも我々まだ勉強段階ということでありますので、インデックス上の位置付けになっていまして、まだマニフェスト上の位置付けにはなっておりませんけれども、学習指導要領の大綱化という議論を我々も勉強をいたしております。
 つまり、特に高校段階といいますか、要するに、義務教育卒業段階における学習指導要領につきましては、先生おっしゃるように、この学校教育法を前提にするとどうしてもやっぱり学校教育法上に位置付けられた学校の支援と、こういうことになります。そうすると、じゃ、その中での多様性をどういうふうに確保するかということになると、まさに学習指導要領の大綱化ということになって、そして、それぞれの学校がそれぞれの目的をもっと明確に、ミッションを決めて、それに応じたカリキュラム編成というものができるようにしていく。ですから、方向性としては大綱化していく。あるいは、必修の部分をなるべく少なくしてなるべく選択の幅を広げていく、と同時に大綱化していくと、こういったことをやっていくんだと思います。
 それからもう一つ、議論をして今回少し変えたところがありますけれども、結局、年齢というのをどうするかということを議論させていただきました。
 専修学校一般課程という考え方も、もちろん先生おっしゃるように、ないわけではありませんけれども、これは、高等課程は基本的に中学卒業をした者に対するまさに高校類似のカリキュラムをということですが、一般課程ということになりますと、これは年齢については特段想定をしているわけではなくて、何歳でもこれ入ってこれるということになりますので、これどこで結局線を引くんだと。今回は、高校という、あるいはそれに類するということについてはその学びを、もちろん、大綱化しそして柔軟化するという方向の中で、その枠内であれば年齢にかかわらず応援をしていこうという、いろいろな議論の中で今回はそちら側を優先をさせていただいて、学教法の中の高校及びそれに類すると、しかしながら年齢は問わないと、こういうことにさせていただいたわけでありますけれども。
 まさに、今日のような非常に深遠でかつ大事な議論、そして、この国の形、この国の人づくりというものをどういうふうにしていくのかと。これ今、国家戦略室のところでもいろんな議論を省庁横断でしておりますけれども、そういう議論と相まって、じゃ、その部分でいわゆる教育あるいは学校教育、教育も学校教育と社会教育とこれまたあります。その分担論もあるわけであります。職業教育というものもあるわけでありますが、そのどこの部分を学校教育が担っていくのかという議論を深めていく中で、これは適宜、更にこの制度も深化をさせていくということではないかなというふうに今聞かせていただきましたので、引き続きの御指導をいただければと思います。
#173
○山下栄一君 冒頭申し上げましたように、今回の法律が、お父さん、お母さんは喜ぶかも分かりませんけど、本人はどうなんだろうなということがありましたために、だから、そういった自立をサポートするような、そういう応援だったらいいと思いますし、多様な学びを応援してくれるという具体例があればもうちょっと元気出てくるんやないのかなと。この二条の一号から五号だけでは、ちょっと高校に、やっぱり高校の枠にあくまでもこだわった制度設計になっている。
 だから、本当は義務教育終わったら高校という大枠がある、何ぼこの学習指導要領を大綱化しても、大枠はそこに入っていかないかぬわけやから、それと全然違う、極端に言えば、別の技能学校的な、マイスター養成みたいな雰囲気の、そういうところがあれば、そうすればちゃんと、それこそもちろん基準は必要でしょうけれども、学習指導要領的な別の複線のそちらもあると、そこを出ると社会的評価もされると、お父さん、お母さんも納得してくれると、そういうことが用意されていたら、私はもうミスマッチ起こらないんじゃないやろうかなと。このまま行くと、ミスマッチを増幅させるようなことになったらこれもったいないなと。だから、ちょっと元々、理念と現実がずれているんやないのかなというふうに思うんです。
 だから、今、副大臣がおっしゃったように、学校教育法そのものの、まあ学校教育基本法ですわね、それがもう昭和二十二年以来の、見直すことが物すごいエネルギー要るからできてこなかったと思うんですけど、そこはやっぱりどうしても一条校中心になっていると。専修学校と各種学校、もちろん学校教育に入っているわけやから、そこをもうちょっと光を当てる、ある一定の基準を設けた上で、それも就学支援金あげますよみたいなことをちょっとつくってあげたら、要するに専修学校の高等課程といったかて、あれ一年制もやるんでしょう。何かおかしな話なんですよ、これは、一年も。三年のはずやのに、一年制でもこれ対象にするわけやから。
 そこまでやるんだったら、もうちょっと元気が出るような、中学三年生で就職の具体的な結び付くような、直結するような学びの場があって、そこに行ったらちゃんと社会的に評価してくれるようなことがあれば、僕はもう本当に中学三年生元気になるというふうに思っていまして、その辺は、今大臣がおっしゃいましたように、あわせてこれ、今後の課題、見直し規定も入っていますけどね。
 だから、義務教育後の学びの支援の在り方をどうするんだと。と同時に、高校教育は今のままでいいのかと。それは、副大臣がおっしゃったように、学習指導要領をもっともっと大綱化することも一つの方法でしょうけど、もっと別の一つの体系のある、何というか、社会ですぐ役に立つような人材育成の、まあ職業訓練的なイメージが強いんですけどね、それはだから宮大工さんの宮大工さんコース、それからそれは特別の訓練体制ありますでしょう。そういうことをイメージしているんですけど。そこは独自の養成で、別に高校学習指導要領やないと思うんですよ。そんなところがもうちょっと制度化していったら今回の法案は非常に生きてくるのではないかなということを感じましたもので、申し上げました。
 三点目は、中教審なんですけどね。
 私は、今回のこの法案は、政治主導は分かります、分かりますし、野党のときにも出されたし、参議院では可決されましたから、思いは強いと思うんですけれども、やっぱりこれはしかるべき幅広い御意見をちょうだいするところに諮問した方がよかったんちゃうのかなと、今からでも遅くないと私は思っているんですけどね。それほどこれは非常に重い法律だなと。要するに、恒久制度化、子ども手当は一年限りですけど、この法律は恒久制度なんですよ、四千億も毎年掛けるという。それは、先ほども議論出ていますけど、そういうことにやるんだったら、例えば無償化も下の方に無償化したらどうだという意見もあるでしょうし、下というのは五歳ですわね、そういう考え方もあるでしょうし。
 一番この問題点は、国と地方の役割分担やと私は思うんですわ。国と地方の役割分担ということは教育行政そのものやと思うんです。単に財政的視点だけやなくて、教育行政の在り方、県なのか国なのか市町村なのかという、これ物すごい影響を与える今回は制度化なのではないかというふうに思うんです。だから、四年前はあれだけ、国庫負担を減らすときはあれだけ中教審でも義務教育部会をつくって思い切り議論したでしょうと、いろんな方の意見を聴いたでしょうと。負担を増やすときには皆余り文句言いませんねというような話かも分かりませんけど、国の負担を増やすんやったらええやないかみたいな、そういうことなのかなと。
 特に、高校の分野は基本的にもう県で任せてきたと思うんですよ、今まで。だから交付税措置ですよね、基本は、お金の出し方は。補助金もどんどん減らしていっていると。交付税措置やって、いろんな、苦しみながら各自治体は授業料軽減の取組を一生懸命やってきたわけですわ、財政難の中で。それを今度上からどおんと、徴収しないみたいなことを法制化するものやから、ちょっとそれは物すごく乱暴だねと。手続は簡単になるかも分かりませんよ。
 だから、ここがちょっと、幾つか固めて申し上げましたけれども、大きな一つは、中教審にかけるべきであったという視点は授業料不徴収なんです。これは野党のときはそうでなかったんですね。野党のときは、公立も私立も全部就学支援金だと。これは物すごく分かりやすいんですよ、これは。それを公立だけは不徴収だと、それを法律で決めてしまうと。予算措置じゃなくて法律で徴収しないという、学校教育法第六条のところを具体化する。何となくそうしたら無償化みたいな話になっていくと。
 私は、無償化なのかなとは思いますけど。三割も私学があるんですから、これはちょっと。ヨーロッパは私学がめちゃくちゃ少ないんですよ、だから割と無償化と言いやすいんですけど。三〇%も私学があったら、やっぱり授業料軽減というか就学支援金なんですよね。
 ところが、公立だけは不徴収いうて大上段でこれ閣法でやったものやから、ちょっとこれはえらい話ですねと。これは憲法第二十六条にかかわってくる話になってくるから、これはきちっと中教審で議論をして、そして結論出すべき問題ではなかったかと。就学支援金そのままだったら私はもうすっきりしたと思いますけど、ここを公立不徴収という、手続的な観点ではないのかと。
 それはちょっと、制度論としては、財政的視点だけではなくて、別の意味で、教育論的に、教育行政的にも大変大きな影響を与える法律になってしまったと、そういう問題意識持っているんですけど、ちょっと大臣のお考えをお聞きしたい。
#174
○国務大臣(川端達夫君) 参議院で民主党が出して、この場でも御議論いただいたのは公私ともの制度でありました。
 そういう意味で、マニフェストでも約束をして、今年の四月一日から政権交代の大きなマニフェストの柱の一つとして実施したいということで今日に至ってきたわけですが、その過程において、民主党が政権交代を果たした時点で、高校の無償化、マニフェストの工程表にも載っている、今年の四月一日からということですから、国会の御審議を経て実施される方向にあるということは、地方の教育関係者、地方自治体、教育委員会の皆さんもそういう想定を認識していただいておったと思います。
 そういう中で、いろんな形での、全国知事会議あるいは全国の教育委員長さん等の会合等々を含めて、強い強い要望として、これで事務経費が山盛り掛かったら大変だから、もうとにかく事務経費が掛からないように掛からないようにしてくれと、そして、もうじかに欲しいと、できればという御要望が大変強くありました。
 私たちは、基本的には、これは先ほどの先生との御議論にもありましたけれども、生徒に支給するということであって施設に出すものではないという、受給権者は生徒であるという制度設計と、とはいえ、それをみんなまた集めてするのは大変だから事務経費は軽減していただきたいということの中で議論して、それなら一歩進んで不徴収というところまで踏み込もうということになったんですが、結果として、そうしたら、私学はそういうわけにいきませんから二種類の制度になってしまったというのが、まあ正直なところ経過でございます。
 そういう中で、先生御指摘のように、不徴収ということでいえば非常に制度的には前進したことだけれども、大きな制度の国と地方の在り方の問題でもあるから、これは、教育の役割分担含めて中教審でしっかり議論すべき課題ではないのかという御指摘は、そういう要素も、当然これからの高校教育の在り方も含めた大きな問題としてはあると思いますが、経過でいうと、スタートして両方同じ制度でやろうということから始まった中でのことでありまして、こういう教育条件の整備に関する問題は、必ずしも中教審で大々的に議論せずにやってきて、ほかのところでの御議論、有識者の議論等々でやってきた例もございますので、そういう中では、逆に幅広くいろんな各関係団体、そして中教審も、中教審の主要メンバーである人に有識者という形で御意見を伺ったことも含めてたくさんの意見を伺ってきましたので、いろんなこの制度についての意見はたくさん伺った、幅広く伺ったと思っておりますが、最終的には先般の中教審の総会、それから昨日は初等中等教育分科会もございました。いろんな場でも説明と意見を聞いているところでありますが、大きなそういうこれからの高校教育の在り方についての議論が、やらなければいけない議論もたくさん提起されつつあることも事実だと思いますので、実施をする中でいろんな問題は、見直し条項も衆議院では御修正をいただきましたけれども、実施をしていく過程の中で中教審にしっかりと御議論いただく課題も出てくるんではないかというふうに思っております。
 また、先ほど来の国と地方の役割分担等々も、まさにそういう意味では大変大きな、これは義務教の国庫負担も含めて、前回はこの辺り大議論の中でありまして、先ほど来、むしろそっちもしっかりしろという御議論もありました。しっかりと幅広い議論をまた中教審にはお願いをしていきたいと思いますし、それと中卒後の職業、多様な学びの御議論も先ほどありましたけれども、これに関しては、中教審で職業教育と職業観の問題については今幅広く議論をいただき、中間報告もいただいたところでありますが、こういう問題もどんどんリンクをしてくることだというふうに思いますので、またそれぞれの部分で適切に中教審の御指導もいただきたいと思っております。
#175
○山下栄一君 今いらっしゃいませんけど、橋本委員が先ほどおっしゃった就学援助法ですけど、就学援助法は、これは要するに小中の義務教育の、経済的な困窮という状況で学習権を侵しちゃならないという理念の下に法律ができたと。ところが、これも四年前の、四年前は平成十七年度で、先ほどもありましたけど、ここのところは国から地方に、もうあれほど国の責任が重い小中なのに、肝心の一番大変な状況の、要するに生活保護と、要保護、準要保護のところですね、そこはもう税源移譲してしまっているわけですよ。
 そういう方向で、それは政権交代する前の話ですからそれはそうなるんでしょうけど、それも国と地方の役割分担で、いろいろ地方分権で考えたらそうなっていると。今度は、高校の方は今までは基本的に県に任せてきたのに、突然授業料不徴収とかいって全額国庫負担なんというやり方は乱暴なんですね、やっぱり、国と地方の在り方から考えたら。
 だから、そういうことで、整合性取れていませんねと。だから、そういうことも含めて、義務教育の在り方、義務教育の在り方いうことは、小中の義務教育そのものも今のままでいいのかということがまずあって、それを確認してから高校の方に行くと非常に分かりやすかったんですけど、ちょっと、もちろんマニフェストでお約束されたこともありまして、ちょっと拙速だったのではないかと。だから、きちっとやっぱり幅広い御意見をちょうだいしながら制度設計することをやらないと、恒久制度化ですから、これは。ちょっと、有り難いことに今見直しの話、見直し規定はうちの党が一生懸命考えて、せめてこれ入れぬことには賛成できへんでというようなことで入れたんですけども。
 走りながらでも結構ですけども、これはもうほっておいても成立してしまうでしょうから、少々頑張っても通ってしまうでしょうから、我々も結果的に賛成はするんですけどね。だから、その見直しが大事だと。走りながらでも、やっぱり国と地方の役割分担の在り方をはっきりさせて、そしてまず義務教育も今のままでいいのかと。就学援助法は地方に反対に行きっ放しやないかと。それを突然今度は、高校、今まで地方に任せていたところを国が乗り出していくという、整合性の取れない無償化論になっていますねということも含めて、きちっとやはり、これは正式に本当は私は諮問していただいた方がいいと思うんですけどね、大臣の方から中教審の方に。中教審のメンバーにもいろいろ御意見はおありかも分かりませんけれども、私は中教審のメンバーというのはやっぱり見識のある方々が選ばれていると、それは世間もそう思っていると。
 だから、政治主導のやっぱり一つの問題点がこういうことになって現れてきているのではないかと、教育をやっぱり政治主導でやるとちょっとしんどくなる面があると私は思うんですよ。だから、そういう中教審の議論をちゃんと、幅広いいろんな意見をちょうだいしながら、そして国民を味方に付けて、一番大事な十六歳、十七歳、十八歳という多感な子供たちがやっぱり元気が出るような、そういう制度設計にするためのやっぱりいろんな知恵をもうちょっと集められた方がいいんじゃないかと。何といいますか、つまみ食い的に意見聞くというやり方は、私は、つまみ食い的と言うと怒られるか分かりませんけど、一日、二日聞いてというやり方はちょっと強引過ぎるなというふうに思いますけど。
 大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#176
○国務大臣(川端達夫君) 私たちとしては、マニフェストの事項を含めて、法案提出した経過を含めて取り組んできた経過の中でこういう状態になったので精いっぱい努力しているつもりでありますが、先生の御指摘の観点は、まさに教育の中身にかかわる、根幹にかかわる問題は、やはり今までも、そしてこれからも私としても中教審でしっかり御議論いただくことが大変大事だというふうに思っていますし、この無償化に関しても、これをやり出していくときにいろんな当然ながら御提言も、見直し条項も入ったということでの課題の指摘も出てくる可能性もありますし、そういうことを踏まえて中教審でしっかり御議論いただくことは大変大事だと思っています。
 そして、同時に、先ほどの繰り返しになりますが、やっぱり国と地方の在り方の関係においては、特に義務教育、三位一体改革での義務教の国庫負担金の在り方の大議論がありました。私たちも今、実は地方に対しての一括交付金ということで、要するに地方分権を推進した地方の裁量で可能な限りいろんなことができるようにという大きな方向を持っております。一方で、ナショナルミニマムといいますか、国の最低限の基準と水準と関与というのは必要な部分があるのではないかという、このすみ分けをどうするかはこれからの大変大きな議論の一つでもあります。
 そういうことも含めて、義務教育を含めた部分の国と地方の役割の在り方、そして教育の中身の在り方は、また中教審の先生方にもいろんな役割を大きく果たしていただく課題だというふうに私も認識しております。
#177
○山下栄一君 ちょっと関連して、通告はやっていないかも分かりませんけれども。
 三月十六日のときにも無償化の範囲の話をちょっとさせていただきましたけど、人権規約とも関係してくるんですけど、この無償化という言葉がちょっときちっとやっぱり使った方がいいのではないかというふうに思っていまして、高校は、先ほども申し上げましたけど、三割は私学だと。だから、高校の無償化ということは私学は入らないという、どういうことなのかなと。その辺がちょっと、公立は確かにそうかもしれぬけど、大阪府は何か無償化する言うてますけど、あれはだけど、ある一定の所得以下ですわね。私学を無償化するいうことはあり得ないと思うんですよ、授業料、学校によって全部違いますしね。
 だから、もうちょっと厳密にきちっと使わないと、人権規約の十三条もちょっときちっと伝わっていかないんじゃないかなと思うんですよ。だから、高校無償化という言葉は、日本の場合ですよ、三割もある私学が、そんなところで高校無償化という言葉はなじまないのではないかと思うんですけど、どうでしょうか。
#178
○国務大臣(川端達夫君) 確かに高校の実質無償化という言葉を使っておるんですけれども、法律には書いていない言葉であって、マニフェストでは実質無償化を目指しますということでいうと、世間の受け止めとして、公私共に最終、目指しますいうのは、最後は全部ただになるのかということを目指しているように受け止められることは現実にあり得るというよりあると思うんですね。これは、先生御指摘のように、これからの言葉遣いとしては相当気を付けてやらないといけないなと。
 公立高校の不徴収という意味での公立高校の授業料は実質というよりも無償化されると。しかし、私学においては、これは建学の精神も含めて、実際上はいろんな今までの議論の積み重ねは私学助成も含めて最高半分までしか関与はしてはいけないと、半分に全然なっていないんですけれども。私学助成も、そういうことでいうとやっぱり私学の建学の精神と独自性というのは守らなければならないというときに、授業料が将来はどんどん援助してもらって、最後はただになるということを目指しているわけではありませんので、そういう意味での言葉は少し丁寧にする必要があるというのは御指摘のとおりだと思っております。今まで公立高校の不徴収と私学においての同額補助プラス低所得者層に対する支援の増額ということを総称して実質無償化を進めると使っていた言葉は、厳密に言うと先生が御指摘の面はたくさんあるとは思っております。
#179
○山下栄一君 今日はちょっとこの質問を予定していなかったんですけど、関連してですけど、人権規約のA規約十三条でしたですかね、あれをできるだけ具体化したい、近づけたいということが政権与党、とりわけ民主党の基本的な考え方であったと、それが具体化されたのが今回の法案だと思うんですね。
 あの訳は外務省でやっているんでしょうけど、あの訳がちょっと、例えば後期中等教育でしたかね、後期中等教育の漸進的無償化という、後期中等教育って何なんですかということが、何となく高校のことやないかと。そんなことを本当にあの人権規約でほとんどの国が批准しているんですかと。ちょっと違うんやないかな思うんですけどね。後期中等教育というのは、要するに義務教育が例えば終わった後の、そこのいろんな負担を軽減をするというぐらいのことやないのかなと思うんですよ、無償化ということはもう本当に一切負担なし、自己負担なしいうことなのかなと。
 というふうに、やっぱりその訳、外務省が責任を持ってやっているのかも分かりませんけど、あれがちょっと余りにも大ざっぱになって、大ざっぱな基にそこに合わせていこうとすると、日本人、日本の国まじめやから、なかなか批准していけへんかったんちゃうかなと思うんですよ。だから、その後期中等教育いう言葉はいわゆる高校と違うんちゃうかなとも思うんですけどね、後期中等教育イコール高校みたいなことに。それも厳密にきちっと整理し直した方がいいんじゃないのかなと。
 よかったらどうぞ、済みません。
#180
○国務大臣(川端達夫君) 不勉強で英語そのものを私読んでいなかったんで、済みません。ということでありますが、一般的にというか、日本語としてこれが通用している世の中でありますが。現実にこの項目を留保したという意味では、日本政府としての今までの部分の解釈として、これが、小中学校までは義務教育であり、無償の義務を負っているということでは完全無償の担保があるわけですが、それ以降の部分でできていないということ。そして、高等教育は高等教育の記述がありますから、その分では、ここが留保した前提の解釈としては、これがいわゆる日本でいう高校に相当するというふうに解釈しているんだというふうに私は理解をしております。
#181
○山下栄一君 初等教育、中等教育、高等教育という言葉は世の中にはんらんしているんですけど、定義は何もないと。法律上は書いてませんよね、それ。だから、何かもうこの教育の世界というのは、みんなが確かに携われるし子育てもするから皆分かったような気になるので、余計きちっと使わないと誤解を与えるという傾向にあるんじゃないかな思うんです。
 だから、中等教育ということを、私はもう義務教育終了後の多様な学びがあって、そこに、別に国じゃなくても地方でもいいと思うんですよ、国がやらないかぬということを別に条約で書いていないと思うんですね。だから、国でやらないかぬということを別に書いてないんだから、国と地方が協力してやっていたら、それはやっていることになるんやないのかなと。国費でやらないかぬということじゃないと。国費でやらないかぬことはないと思いますから、中等教育のもうちょっと柔軟に解釈した方がいいのではないかというのが一点です。
 無償という言葉も、ちょっとこれは条約の中心のヨーロッパの国々の文化と日本と違うんじゃないのかなと思うんですよ。おまけに高校なんて私学がほとんどないのがフィンランドとかスウェーデンとかフランスとか、少ないから公費で応援できるということじゃないかと。無償も、だから助成という言い方をしたら、公費で助成するんだと、その公費というのは国とは限りませんよと。国も自治体も含めて助成したら、今も税金でやっているわけですからね、そういうふうに理解したら、別にそんな肩ひじ張って批准せえへんとかいうことじゃないんじゃないのかなと。
 というふうに、だから、その中等教育の定義と無償という言葉をもう一度きちっと外務省とも相談していただいて、やっぱり地域の文化的な、国の文化の違いもより踏まえた上で、日本はこう解釈しますよというふうに堂々ときちっと言っていったら通る話じゃないかなと思うんですよ。そんなことを感じるんですけど、大臣、副大臣、お願いします。
#182
○国務大臣(川端達夫君) ちょっと法文の部分だけ副大臣に説明させます。
#183
○副大臣(鈴木寛君) 学校教育法の第七章に中等教育学校という規定がございまして、そして六十三条で、中等教育学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的とするというのがあります。そして、六十五条に中等教育学校の修業年限は六年というふうになっております。さらに、六十六条で、中等教育学校の課程は、これを前期三年の前期課程及び後期三年の後期課程というふうに区分するという条項がございますので、これを根拠に後期中等教育に該当すると、こういうような説明をさせていただいているということでございます。
 義務教育につきましては、もう先生御存じのとおり、憲法でも義務教育という用語があって、以下の法令でそれが使われているわけでありますが、実態は先生御指摘のとおりでございます。
 それから、欧米におきましては、イギリスなどでは多くの私立学校等々もございますが、もちろん国によって、公立、国立、私立の割合はそれぞれの国によって違うということはおっしゃるとおりでございますが、欧州の国がすべて公立であるというわけではないという事実だけは申し上げたいと思います。
#184
○山下栄一君 今日はそこに深入りする気はないんですけど、やっぱり私学にも二種類あって、非常に公立の原則を守る私学、それは比較的手厚くサポートするけれども、完全自由な私学も認められているというお国柄なんで、これはやっぱりちょっと同じ土壌でなかなか論じにくい話だなと思うことと、中等教育学校という言葉は、確かに中等教育使っていますけれども、あれは余り厳密に議論しないまま、四年前でしたか、あそこしかないんですよ、だけど。初等教育という言葉も、高等教育という言葉も法律上はないということやと思うんですね。
 それと、やっぱり外務省ともよくすり合わせしていただいて、後期中等教育の日本的解釈はあっていいと思うんです。だから、もうちょっと幅広く、高校という学習指導要領が課されるあの高校ということでなくてもいいんじゃないのかなと。高等の普通教育、専門教育というふうに余りこだわらなくていいんじゃないのかなというのが私の考え方です。
 それと同時に、無償という言葉も日本的に、やっぱりきちっと日本のよく現状を説明していただいて、地方政府、地方政府というか自治体も国も一生懸命応援しているんですから、公費助成も一生懸命やっているんですから、それは場合によったら漸進的無償化の中に入れてしまってもいいんじゃないのかなというふうに思っておりまして、是非ちょっと、外務省の担当の方も少ないと私は思うんですわ、このことに携わっている方々がね。条約は何か一手に引き受けて何人かでやっておられて、翻訳もやっておられるようなことをちょっと目の当たりしておりまして、だから細かい分析も、ちょっと言い過ぎかも分かりませんけれども、きちっとやっぱりやった上での翻訳にあるべきではないのかなと。
 お願いしたいことは、政府としての正式の見解を、後期中等教育、無償の言葉の、政権も交代しましたからね、新しい視点で、こんな解釈もあり得るということも提起していただいてもいいのではないかということをちょっと御検討いただければなと思うんですけど。
#185
○国務大臣(川端達夫君) 一義的には外務省の所管でありますけれども、これは非常に大きな問題であります。そして、まさに高等教育の部分にもかかわってきますので、そういう意味でこの条文の解釈、そして今回の我々の趣旨と対応を含めては、いろんな場を通じて外務省とも議論をしてまいりたいというふうに思います。
#186
○山下栄一君 終わります。
#187
○委員長(水落敏栄君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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