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2010/03/24 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 財政金融委員会 第6号
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2010/03/24 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 財政金融委員会 第6号

#1
第174回国会 財政金融委員会 第6号
平成二十二年三月二十四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     谷岡 郁子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大久保 勉君
                藤田 幸久君
                円 より子君
                愛知 治郎君
                林  芳正君
    委 員
                風間 直樹君
                川合 孝典君
                川上 義博君
                自見庄三郎君
                田村耕太郎君
                谷岡 郁子君
                富岡由紀夫君
                前田 武志君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                鶴保 庸介君
                中川 雅治君
                牧野たかお君
                若林 正俊君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鳩山由紀夫君
       財務大臣     菅  直人君
   副大臣
       内閣府副大臣   古川 元久君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度における財政運営のための公債
 の発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨日、尾立源幸君が委員を辞任され、その補欠として谷岡郁子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大石正光君) 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○前田武志君 今日は総理に来ていただいて、いよいよこの国税関係三法の大詰めの質疑になったかと思います。
 既に当委員会において、税の話あるいは国債の健全なる管理といったような観点あるいは租税特別措置、特に法人税のトリガー税率だとか、いろいろ議論を尽くしてまいったわけでございますが、今日はせっかく総理もおいででございますので、税が機能する経済社会というのはどんどん動いているわけでございますから、その動いている今の経済にとって税の在り方等どうあるべきかといったような観点からざっくりとした議論をさせていただきたいと思います。
 ついては、まず最初に、十八日に地価公示が発表されましたですね。たしか二万七千四百十か所ある公示地点のうち七か所以外が全部下がっていたという結果でありました。特に、三大都市圏の商業用地というのが七・一%下がっていたというようなことが発表されておりますが、これはゆゆしき事態なんだろうと思うんですね。もちろん実体経済には非常に大きな影響を与えますし、とにかく、ここの議論でも出ておりましたが、菅大臣なんかがずっと指摘をしておられた土地本位制といいますかね、そういったことから申しますと、個人の資産も随分毀損するでありましょうし、当然金融機関の担保というようなことでも問題が出てまいります。また、金融機関の運用、預貸率が随分低くなっているという議論もここではありましたが、それを補って多分国債だとかあるいは不動産関連の証券化された商品といいますか、そういったものも随分抱えているわけでございますから、この影響、特に地域の経済等に与える影響は非常に大きいと思うんですね。
 この地価公示の結果から類推してどのような状況になっているかということを含めて、峰崎副大臣から御認識をお聞きしたい。
#5
○副大臣(峰崎直樹君) 前田大先輩の御質問に私の方が十分答えられるかどうか分かりませんが、御指摘のあった公示地価というのは、本当に前年比で全国平均マイナス四・六と、これは二年連続で落ちました。それから、議員御指摘のように、三大都市圏の商業地は前年比七・一%の下落ということで、本当に企業収益との関係が非常に強うございまして、これは何よりもやはりデフレ経済、経済の活力が停滞しているなと。
 ちょっと感想めいたお話になりますが、私、一九九四年から五年の税制改正で与党で、当時、自社さ政権でしたが、林芳正委員のお父さんと一緒に議論したとき、今地価税というのが残っております。あのときに地価税を廃止しようという議論があったんですが、いや、地価はまたいつ上がってくるかもしれないから税率として残しておこうと、こういうことを提案をして、今ゼロというところで収まっているんですが、本当にもうそのことを、全くゼロ税率をなくしてもいいぐらいの状況になっているなということをちょっと痛感をしておりまして、これは日本経済に与える影響は相当大きいなと。
 後でまた御質問あるかもしれませんが、本当にこの十数年間を振り返って、昔は地価をいかに抑えるかとか、本当に地価とは何ぞやとか、いろんな議論が展開されたのが夢のような感じがいたしております。取りあえず感じだけ申し上げさせていただきます。
#6
○前田武志君 今、前のバブル崩壊のこととの比較もあったわけですが、前回と多少違ってきているのは、あの当時の土地、不動産というのはまだ千三つの世界で、要するに合理的な不動産の中身といいますかね、収益還元というようなことまではなかなか至っていなかった。今はそれがどんどん進んで、REITであるだとか、CMBSというんですか、ああいった不動産そのものを証券化して、そしてそれが金融資産であったり負債であったり、そういったところに随分入ってきていると思うんですね。
 だから、これを今のままで放置しておくと、そういうところから毀損をしてとんでもないことになる。これはちょっと金融庁に対する質疑になるのかも分かりませんが、やはり手を打たないといかぬのじゃないかと、こう思いますが、いかがですか。
#7
○副大臣(峰崎直樹君) 全く私も同じように思っておりまして、あの当時、収益還元価格という考え方が、ディスカウント・キャッシュ・フローというシステムですが、それによって地価を逆算していこうということで、そこがうまくいき始めたのかなと思った瞬間に実はこういう下がってくると。今おっしゃられたように、REITだとか、証券化商品もそうですが、私は日本でもっと本当は発展してほしかったなと思っているのがリバースモーゲージなんですが、このリバースモーゲージも実は、価格がこういうふうに下落していくと、どこまで落ちていくか分からないときに、なかなかこのリバースモーゲージが実現しないという問題があるので、やはりいろんな意味で私たちの生活あるいは金融、経済に与えている影響というのが非常に大きいなということを感じておりますし、税を担当していますとやはり税収ということも気になってまいります。
 多分、固定資産税、地方税の基幹税もそうでしょうが、ある程度これは公示地価の場合はいわゆる相続税の問題とかそういったところにも関連してまいりますので、これは本当に我々としては何とかしなきゃいけないなという思いを持っていますが、もう一方で、人口がこれからどういう展開をしていくのか、こういった点も、いろんな要素が加味されてくるんだろうと思いますが、是非注目をしていきたいと思っております。
#8
○前田武志君 そこで、ここの委員会におきましても国債についていろんな議論がありました。国債の健全な管理であるといったような観点あるいはプライマリーバランスであったり、いろいろありましたですね。それで、専門家の意見も聴いているわけですね。
 昨日の参考人の意見の中で、非常に私面白かったなと思うのは、日本の国債保有構造ということについての話がありまして、これは、日本の国債保有構造はお父さんとお母さんのやり取りだと、こう言うんですね。それは要するに、政府の赤字を家計の黒字で引き受けているといった構造を言うんでしょう。同じ家の中だからこの構造が成り立つということは、信認と愛がなければならないと、こういうお話のようでございます。
 信認というのはどういうことかというと、やはり成長期待というものがあって、そしてその成長戦略というものの国家の意思というものがあって初めて信認されるといったような説明でございました。愛とは何や。これは、財政規律への配慮とその意思だと、こういうふうに指摘をされておりましたね。友愛精神がここに表れてくるのではないかと、こういうような感じがするわけでございますが。
 そういう中でずっと議論を聞いておりまして、亀井金融大臣とそして菅財務大臣、それぞれお立場が違うものですから、菅大臣も非常に苦しいところ、やっぱり規律の方、その愛の方をしっかりと受け止める立場なんだろうと思うんですね。亀井大臣の方はむしろその信認の方、このままじゃ大変じゃないかと、もっと財政出動しろと、国債じゃぶじゃぶ発行せいというぐらいの、じゃぶじゃぶと言ったような気がするんですよ、そのぐらいの御意見もありました。
 しかし、これはある意味、こういう専門家の意見を聞いておりますと、これは市場のアナリストといいますか、そういった方でございましたが、国民の負担率といいますか税負担というのは確かに先進国の比較では低いと。したがって、私は、菅大臣が税議論、消費税議論というものを解禁してしっかりと議論をし始めたというのはやっぱり責任の表れ、非常に私は重要なことであるし、そこは敬意を表するんですね。これこそ愛の表れかなと、こういうふうに思うんですが。
 ということは、国民負担率というものが将来もう少し上がらざるを得ない、引き受ける潜在能力があるということで、それを現在価値に引き戻してくると、それを担保にして国債を発行する潜在能力というものがあるんではないかというような考え方なんですね。それは多分、市場がそういった判断をするだろうと。要するに、これ以上国債を発行するととんでもない事態になるぞということに対して、市場のメカニズムというのはそういった先のことをちゃんと織り込んで反応するんじゃないかということを示唆しているように思うんですね。
 ということは、信認と愛との統合、これをそこに見出すことができるのではないかと、このように思うものですから、非常に御苦労されている菅大臣、財政の規律とそして現下の状況の中で成長戦略を取り組まなければいけない、統合する一つの方向を示唆しているのではないかと思うがゆえに、ひとつお考えをお聞かせください。
#9
○国務大臣(菅直人君) かなり難しい御質問で、私もどのように答えていいのか考えながらお聞きをいたしておりました。
 今の国民負担率が他の先進国に比べてやや低いので、まだ負担の余力があるから、そういう意味で国債発行が今日まで低い金利で可能であったという、そういう認識は私も共通にいたしております。その上で、これからの問題として、まさに成長と財政規律という問題をトレードオフ的にどちらかを取るという考え方で考えると、これはどうしても矛盾の拡大になろうかと思っております。
 私は思い切って、表現はちょっと気を付けなきゃいけませんが、国民負担率、時々峰崎副大臣とも話をしているんですが、負担という言葉をやめてシェアだと、分担だと。つまりは、負担と言うと何かマイナスのイメージが非常に強いんですが、そうではなくて分担なんだと。
 今の時代のデフレ状況というのは、個人がお金を持っていても、お金のままで持っていたいと、物に変えたくないというのが、つまり血流で言えば血液が流れない状況、お金が流れない状況、それがデフレの根底的な言わば原因だと思いますので、それを強制的に血液を流す。ペースメーカーとか、場合によったら人工心臓で血液を流すように、税でいただく、分担していただく代わりに、その分でちゃんと雇用をつくる。その分でちゃんと仕事をつくって、雇用をつくって、そこで新しいサービスであったり物であったりというものを供給して、それが新しい需要につながってくる。特に、そういう需要につながってくる分野に仕事をつくっていく。こうすれば、従来は税を上げるということは景気にマイナスだというのが一般的な常識として語られてきたわけですが、そうではなくて、今のようなデフレ状況では、お金を循環させるためには、税と財政出動がリンクしたときに初めてお金が流れると。
 問題は、その流す中身が時代に合って、特に国民にとって幸せになる、あるいは安心できるものになるかと、こういうふうに考えていいのではないかと。
 そういう意味では、今日予算が成立する見通しに皆さんのおかげでなっておりますが、そういう中で、思い切ってそういう新しい財政出動と税の関係を成長と規律を共に両立させる形でつくり上げていけないかという、まあ難しい課題ではありますが、そんなことを今のお話を聞きながら考えたところであります。
#10
○前田武志君 今の菅大臣のお考えにその決意のほどを見るわけでございますが、実態がどうなってきたかということになりますと、こういう結果を受けてそれぞれその地域、ここにおられる同僚議員の皆様方、そして総理を始め政府の大臣、政治家の政務三役の方々もすべて、選挙区で地域、地方で今大変な状況だということはもう本当に肌身にしみて危機感を持って分かっておるわけですね。もう地方に本当に仕事がなくなってきていると言っても過言じゃありません。地域活性化であったり、そういったいろんな施策をいっぱい今まで打ってきているんですが、なかなかうまくいっていない。
 そんな観点から、まず地域から自立できる経済をどういうふうに今直ちに打っていくかという観点から少し議論をしたいわけですが、古川副大臣が来ておられますので、これ新成長戦略の中で、観光、健康、環境ですか、この三つの分野を特に重点を置いておられると思いますが、地域の活性化といいますか、そういう観点からどういうふうに短期的、速効的に効果のあることを考えておられるかお聞かせください。
#11
○副大臣(古川元久君) ただいま新しい新成長戦略、菅副総理が取りまとめの責任者として、その下で今六月の最終取りまとめに向けての議論を進めさせていただいているわけでございますが、その中でもやっぱり地域の活性化というものは極めて重要な大きな視点になるというふうに考えております。
 つい先日の週末にも仙谷大臣とともに瀬戸内海の島であります直島という島を訪れまして、非常に活力に満ちている、そういう地域のどこにそういう源泉があるのかというところも視察をしてまいりました。これからの国の在り方を考えるに当たって、やはり地域からこの国を元気にしていくと、そういう視点の、是非これからも様々な示唆をいろいろな地域から学ばせていただきたいというふうに思っております。
 その中で、今、前田委員の方から御指摘がありました地域の活性化という中で、例えば、私ども、今回の新成長戦略の基本方針の中でも、先ほどもちょっと地価のお話もございましたけれども、住宅リフォームを通じた流通市場の活性化や、固定価格買取り制度の導入による過疎地経済の活性化、再生可能エネルギーの導入、推進と、そうしたものはいずれもこの地域経済の活性化に必要な施策であるというふうに認識をして、それを取り入れることといたしております。また同時に、木の文化の再生のために森林・林業の再生にも取り組むこととしておりまして、この点もまさに地域、特に今過疎地などを中心に大きな活性化の原動力になるのではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、こうした問題を、地域、今どこも疲弊をしておりますが、そうした地域の活性化の活力を生むために政治のリーダーシップを発揮をして、地域に雇用とそして活力が生まれるように省庁の壁を取り払って努力をしてまいりたいというふうに思っておりますので、また委員からもいろいろのアドバイスをいただければというふうに思っております。
#12
○前田武志君 今、古川副大臣から御紹介があったのは、主に民主党のマニフェストに載せてある、野党時代に随分みんなで議論をして練り上げてきた政策の幾つかだろうと、こういうふうに思うんですね。
 そこで、資料を二枚お配りをしておりますが、一枚目の資料ですね、これは野村総研のリチャード・クーさんが勉強会で使われた資料から引っ張ってきたわけなんですが。要するに、日本の住宅というものは五千七百万戸ぐらい、実際に世帯が持っている住宅というのは五千万戸ぐらいあるようであります。この五千万戸の住宅というものは、二十五年ぐらいで無価値になって、三十年たつと平均するとこれ産業廃棄物になるんですね。
 この図はそれを如実に示しているわけでございまして、六九年から統計を取っているんですね、〇七年まで。六九年から例えば二十五年ぐらいたちますと、大体累積価値がもう一定状況になってくる。二十五年以上たつと無価値になってくるわけですからね。右肩で名目GDPで見た累積民間住宅着工額というのは、累積額、ずっと価値を失わずに累積するとこのぐらいのものになるよと、四百五十兆円ぐらい価値を失っていると。
 この上にあるのが、米国と同様に住宅が造られたと、そして米国と同じような町づくりがされたと。要するに、米国等においては、個別の住宅と併せて、その住宅が集合してできる町の価値というものを非常に重きを置いて守っていく。この辺は菅副総理の専門分野だと思うんですけれど、そういうことで価値をずっと上げてきているというところがあります。そういう想定でやると、六百五十兆円ぐらいの損失だということなんですね。
 まず、こんなことを前提にしながら、今、古川副大臣が御指摘になったこの民主党の政策というものがその次のポンチ絵にあります。
 あえてここに持ち出してきておりますのは、住宅政策というのが関連して非常に統合的な政策なものでございますから、これを是非総理大臣そして副総理に御認識を、御認識をというよりも確認をしたいという意味で書いてあるわけです。
 民主党のマニフェストのナンバー四十四が住宅政策、住宅リフォーム大作戦と、こう言っておりますが、ここに二つの車輪があって、この車輪がうまくきっちりと動くとこの左の方の目標に向かって進むよと。これは何かといいますと、左側が年間二百五十万戸の、五千万戸ありますからね、二百五十万戸やっても二十年掛かるんですよね。ワンサイクルそのぐらい掛かる。この省エネ・健康・耐震リフォームをやると。
 なお、二百五十万戸というのはどこから出しているかといいますと、去年の麻生内閣で温暖化対策を練られました。中期目標検討委員会というのをつくって、そこの分析そしてその検討結果というものがレポートになっておりますが、そのレポートによりますと、九〇年比二五%炭酸ガスを削減しようとすると、民生部門における、要するに民生部門が非常に今のところ省エネといいますか、排出量を抑えるについてまだまだ努力の足りない分野と、こういうことになっておりまして、この民生部門で九〇年比二五%削減するには、毎年、既存住宅二百五十万戸、省エネリフォームをしなければならないという検討結果になっているんですよ。だから、それを引っ張ってきているわけですね。
 で、二百五十万戸やったって、これ二十年でやっとでワンサイクルですから、住宅の寿命がそのぐらいで今あるとすれば、リフォームなんというのは二十年ぐらいではやらにゃいけませんから、もうずっと連続して回っていくぐらいのリフォーム需要というのが出てくるはずです。
 しかしこれは、右側の輪っぱの流通市場がそろわなければ全く意味がありません。ということは、マイホームが簡単に安心して貸せると。ライフステージに応じて、わざわざ高いローンで家を買わなくても、子育て世代はこういった子育てをやった環境のいい立派な広い家を借りて、ただし、そこには子育て支援の家賃政策なんというのが自治体でやるということが必要になってくるかと思うんですが、そしてまた、いつでも売れる、買えるというような流通市場、これが実はありません。これがないからリバースモーゲージができないんですよね。
 その前提になる定期借家権というのは、これはもう菅副総理は一番御存じで、菅さんが代表のときに私に座長をやれということで、この定期借家権をまとめて、与野党一緒になって借地借家権を改正した、議員立法でやった記憶があります。民主党は大反対だったんですが、この定期借家権を導入すれば、サラリーマン唯一の資産である家が価値を持つようになって、そして行く行くはリバースモーゲージが可能になるんだよということで説得したんです。十数年たって全然進んでないんですよ。これを是非やっていただきたい。
 ということで、この二つがそろうと、当然、既存の住宅というのは北海道から沖縄まであります。そして、その風土に合った住宅です。材料も地元の木材を使います。職人も地元の職人です。地域で経済がどんどん回ります。そして、資産価値が高まって、ほとんどが既存の住宅は木造ですから、もちろんマンションも含めてなんですけれども、二五%削減に、そして、木の文化の再生に、持続的な地域経済づくりにつながると、こういうシナリオですね。
 下の方に書いてあるのは、実は自然エネルギー、マニフェスト四十三が固定価格買取り制度、そしてマニフェスト四十五が二〇二〇年までに自然エネルギーで一〇%以上ということになっていますが、実は既に日本で七十幾つかの自治体でもう自然エネルギーでその自治体が使うエネルギーを供給しているというか、一次エネルギーでいうと、それをオーバーするぐらい、風力だとか太陽だとかやっているところがあるんですね。少なくとも過疎地域についてのみ直ちにこれをやればどうかと。
 過疎法がこの間通って、過疎法対象事業の中に自然エネルギーというのが入りましたね。これ、固定価格で全面的にやれというと、これは相当の調整も要るし、制度設計も要るし、電力業界だとか大変な迷惑も掛けるわけですが、過疎地域に限れば、過疎法対象地域、面積で五四%、自治体の数で四割、薄く広く自然エネルギーは広がっていますから、せいぜい人口は千数百万人でしょう。そこで、このリフォーム大作戦をやれば、木材工場が動く、どんどん木材の製材が始まる、製材工場の屋根に太陽パネルを張る、目の前の小川でマイクロ水力発電やる、そして、丸太から用材を取れば六割ぐらいは端材ですから、これでバイオマス発電やる。全部固定価格で買い取れば、そこにミニ発電会社がいっぱいできてくるわけですよ。これは直ちにやれば直ちに効果が出てきます。これと住宅リフォームを組み合わせてやっていけば、即効性のある、成長戦略とまで言いませんが、そういうものにつながっていくと思うんですね。
 そういった意味で、本格的な省エネというもの、二五%やろうと思えば避けて通れない住宅政策でございますから、ひとつ是非まずここに踏み込んでいただきたいと思います。
 まずは菅副総理、そして総理に最後にお考えを、御見解をお聞きいたします。
#13
○国務大臣(菅直人君) いろんなことを思い出しながら、前田先生とかつて取り組んだ問題が、せっかく定期借家権がいろんな党内の反対を説得してやったのに、生かしてこれてなかったのを本当に残念に思います。
 今のお話を聞きながら、実は三年前にドイツの黒い森に視察に行ったときに、多くのきれいな住宅の屋根にソーラーパネルがありまして、しかもドイツの田舎は人口が減っていないと。地域で取れたパンとかワインとかチーズで、週末に都市から半分観光者の人も来て、付加価値の高い農産物でもてなして、だから余りごみごみした都市に住みたくない人は田舎を選択している。まさに、そこにソーラーパネルがたくさんあって、固定買取り制度だということをまさに思い出しながらお聞きをいたしておりました。
 確かに、いろんなアイデアがありながら、なかなか即効性のある形で、目に見える形でこういうものが実行できていませんので、まさに、これは多分総理からも同じような話があって、余り先に言い過ぎると後で怒られるかもしれませんが、本当にリフォームとかそういうものと今おっしゃったクリーンエネルギーというものが組み合わさったそういうものが過疎地域にこそ最も効果的という提案は大変魅力的でもありますし、是非ともこうした形でこれからも御指導いただいて、具体化していくために頑張りたいと思います。
#14
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 前田委員の御持論を改めて拝聴させていただきました。
 住宅リフォーム大作戦、私はこれは選挙の前に、大変すばらしいアイデアだと、ですからマニフェストのトップにこれを掲げるべきではないかということも申し上げたときもございましたが、余りにも規模が大き過ぎるということでそのトップにランクされることにはならなかったんでありますが、しかし、今改めて前田委員からそのお話を伺って、政府として、まさに即効性のある地域活性化の戦略、それだけではなくて、今国民の皆さんが一番望んでいる施策ではないか、そのように思って、すぐに取りかかってまいりたいと思っております。
 住宅リフォーム大作戦の真髄は、まさにこのエコのみならず耐震という部分あるいはバリアフリーというものも含めて行うべきだと、そのように私も同様に思っておるものでございまして、そのことによってこれからの日本の社会、少しでも魅力ある家の中で住まわせていただくような環境をつくることが何より大切だと。それに向けての様々な施策が、固定価格買取り制度のようなものも含めて、御主張をされたところでございまして、このワンパッケージとしてしっかりと対応していけるようにすぐに検討いたしたいと思っております。
#15
○前田武志君 終わります。
#16
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。
 今日は締めくくり的に総理も来ていただきましての質疑ということで、今まで予算委員会やりながらやりくりをしていただきまして、何回かこの三法案につきましても質疑をさせていただきました。また、それに先立って菅大臣と亀井大臣の所信に対する質疑ということでもやらせていただきましたので、その中で理解が深まった部分と、私にとっては非常に驚くべき答弁もございましたので、そういうことを、今日はせっかく総理がいらっしゃっておられますので、副総理がおっしゃったということは内閣全体の方針だろうというふうに我々受け止めてやっていたわけですが、そのことを少し、総理の御確認もいただきながら、今日は質疑をいたしたいというふうに思っております。
 前回の委員会でございましたが、この三法案に入る前に若干憲法の議論を実はいたしたわけでございます。菅大臣の御持論ということで、日本は三権分立ではないというような御発言があったものですから、ちょっと私もその真意を御確認したわけでございますが、総理にも御確認をいただきたいと思いますけれども、立法府について、国権の最高機関というふうに書いてございますが、一般の憲法学の理解ではこれは政治的美称説というようなことも言われておりまして、こういうふうに書いてあるからといって、このほかの二権よりもこれが強いとか偉いということではないという理解が我々の理解でございますが、菅大臣はそこについては、芦部憲法学では美称説とかなんとか多分書いてあるでしょう、大間違いですと。国会は国民が直接選んだ国会議員で構成されているから他の二権よりも権力的には上にあるんですと。少し間を飛ばしますが、ですからそういう美称説というのは根本から日本国憲法の理解が間違っているという意味で申し上げましたというふうに答弁をされておられますので、これは、総理共々、鳩山内閣の共通の見解ということでよろしゅうございますでしょうか。
#17
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 菅副総理のある意味での高邁な理念に基づいた主張であろうかと思っております。どちらが権力が上にあるか下にあるかという議論よりも、やはり憲法、国民主権という原理の下での国権の最高機関であるというのは当然のことだと思っております。
 いわゆる三権分立というのは、基本的な考え方はそのとおりだと私は思っておりますが、しかし、行政権は内閣にあるということでありますし、その内閣のトップはいわゆる国会で選ばれた総理大臣が行うということでありまして、完全な意味での独立ということではないということではないかと、私はそのように理解をいたしたところであります。すなわち、議院内閣制の中ではこのような態様というもの、国の機関の三つの機能というものを規定すればそのようになるのではないかということでございます。
 菅大臣の発言というのは、そういった、以上の規定に基づいた、踏まえたものではないかと理解をしておりまして、私としても、国会は内閣と殊更に対峙をする必要があるものではないと、そのように認識をしております。
#18
○林芳正君 総理と菅副総理の見解はかなり食い違っているような気がいたします。
 私が、今総理がおっしゃったように、憲法の条文でそれぞれの立法府、行政府、司法府の機能として抑制、均衡されているというのが私の理解でございますと、こういうふうに申し上げましたら、菅大臣からは、私はその三権の抑制という考え方が理論的には間違っていると思いますと、つまり国民主権なんですよと、こういうふうにおっしゃっておられますので、鳩山総理が今おっしゃったことと菅大臣がお答えになっていることはちょっと違うと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
#19
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は必ずしも菅副総理のすべての発言を存じ上げているわけではありませんが、ただ、基本的にそれほど離れているのではないと理解をしているところでございます。すなわち、三権の分立という立場というもの、すなわち三つの機関の権能というものは、それぞれしっかりと与えられていく中で、しかし行政権は内閣に属し、その内閣のトップが総理大臣であるということにおける従属性というか、完全な独立ではないと。
 菅副総理が申したかったのは、むしろ、今までは官僚内閣制であったということではないかと理解をしておりまして、いわゆる内閣を支えているのは政治家じゃないんだと、官僚なんだと、そういった官僚内閣制ではなくて、本当の意味での政治主導での国民のつくった議院内閣制なんだということを主張するために用いられた言葉ではないかと、そのように私は理解をいたしております。
#20
○林芳正君 総理、菅大臣の発言を一々承知はしないということは、いろいろなところでお話しなさる機会もあると思いますが、今私が申し上げているのはこの委員会での答弁で、議事録に載っておる発言でございますから聞いております。
 そこで、今、三権の分立ということについて、総理の御発言はやっぱり食い違っているような気がするんですが、さらに私は、菅さんの考え方はなるほど、そういうふうにお考えになっているんだなというのは分かったような気がしたのは、あえて言えばと菅大臣がおっしゃっていただいて、国民主権の下での均衡があるとすれば、あえて言えば任期があるということですと、こうおっしゃっておられます。四年間という任期が衆議院にあって、参議院は六年間という任期があるんで、その任期内では多数を得た政党が中心になって行政権を握り、場合によっては立法府も、多数ですから、議院内閣制の場合は、立法権も実質的に握ると、こういうふうにおっしゃっているんです。
 ですから、選挙で選ばれた多数党がその任期の間はもう何でもやるんだと、オールマイティーだと、立法府を握った者が、もう三権の分立の抑制と均衡っていろいろと憲法に書いてあることではなくて、やると。それはなぜそうなのかというと、任期があるから言わば抑制と均衡が働いているんだと、こういうふうに私は理解したんです、菅さんのお説はですね。しかし、その説でよろしいかということを鳩山総理に聞いておるんですが、いかがでございましょうか。
#21
○国務大臣(菅直人君) 若干の補足をさせていただくと、権力の分立という考え方と機能の分立という考え方とは若干違うと思っているんです。
 ですから、実はこれ、ある方の、どなたか忘れましたが、質問主意書があったときに、少し法制局とも相談して、この四十一条の国会と六十五条の内閣とそれから司法についてそれぞれ引用しまして、確かに国会というもの、内閣というもの、裁判所というものがあると。それは機能は違い、場合によっては、さっき言われた抑制と均衡というものもある意味で機能としてそういうことがあるかもしれません。しかし、権力という意味では、この憲法はすべての権力の中心は国民主権ですから、そういう意味では、まさに国会が国権の最高機関であるというその意味は、権力としては国民主権がダイレクトにある意味であずかっているのは国会だという意味であって、機能の分立、その機能によるある種の、最高裁には憲法の、何といいましょうか、判断ができるとかそういうものは機能の問題です。それは、税務署が税を取る、警察は泥棒を追っかける、機能としてはそれぞれの権限を持っています。
 ですから、根源的な憲法、この日本国憲法は国民主権というものが大大原則でありますから、その中で考えますと、国会と内閣の関係は、国会がある意味で国民から与えられた権限でもって国民に代わって総理大臣を選ぶ。そうすると、選ぶ側と選ばれる側が同じ権力とは言えませんので、権力という意味では国民主権からきていると。
 明治憲法をひもとくまでもありませんが、明治憲法はその権力を天皇に与えてあったわけです。天皇の下での三権分立はあったかもしれません。天皇を超える三権分立は明治憲法でも必ずしも憲法上はなかったんです。今のイギリスもそうです。イギリスは今度変わりますけれども、たしか最高裁判所の長官も内閣メンバーでいるわけでありますから。
 そういうことを考えますと、あくまで私から申し上げるのは、近代における民主主義の原則は国民主権ですから、その意味で申し上げているので、そんなに違わないとも言えると同時に、根本のところが私はあえて言えば間違っていると思っていましたから、私の持論ではありますけれども、その考え方を申し上げたわけです。
#22
○林芳正君 菅さんは余りぶれていないというか、一貫されておられると思うんですね。機能の話と権力の話をどう線を引くかというのはちょっと理解し難いところがありますが。
 ですから、やっぱり国民主権ということは、選挙で多数を握ったところは権力を持つんだと、ですからその権力を三権でチェック・アンド・バランスするということは間違っていると、この間おっしゃったとおりだと思いますが。そのことについて、国民主権で要するに権力を持った者が、機能は三権でチェック・アンド・バランスするけれども、権力は握るんだと、任期の間はという考え方で総理もよろしいということですね。
#23
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 基本的にそのとおりだと思っております。
 権力的にはそのような形になるわけでありますが、御案内のとおり、今お話がありましたように、選挙において勝利を得た、あるいは連立政権かもしれませんが、その者が国会においても多数を占める、そして国会においても政権あるいは連立政権という形で行政権を握る。しかし、その間には、当然、だから何をやってもよいという話にはならないと思っておりまして、やはり抑制と均衡という言い方がよろしいんでしょうか、抑制的に行動するということは当然求められている話ではないかと思います。
#24
○林芳正君 ちょっと私はびっくりしましたけれども、自律的に抑制するということと、仕組みが三権が抑制と均衡すると、それを憲法できちっと定めるということは全く違うというふうに私は思っているということをここで申し上げておきたいと思います。独裁とか、いろんなことが報道等聞いているとあるんですが、そのことの基本的な考え方がこの憲法観から来ているのかなという印象を持たせていただきました。
 それでは次に、マニフェストと中期財政フレーム、また財政健全化責任法案、我々が出させていただいたものですが、について議論をさせていただきたいと思います。
 前回、財政健全化責任法案の御説明をここでさせていただきまして、菅大臣からも、できれば、こういうのは初めて見るけれども、こういう法律があってこのとおり実行できるなら日本にとって大変いいことで、場合によっては党派を超えて是非やってもらいたいなと、そう思って眺めておりましたと、ですから余りいちゃもんを付けないんだということで、大変好意的にコメントをしていただきました。
 その後、同僚の荒木先生の御質疑のときだったと思いますが、今この我々の法案も含めて精査をしておるんだというような御答弁がございましたので、これも含めて、この六月に中期財政フレームを出されるとき、またその後の中で、政府の決定、いわゆる閣議決定のようなものよりもう少し確実なものという意味でこれを法案化するという考え方が示されているような気がいたしますが、総理もそういうお考え方を共通して持っておられるということでよろしゅうございますでしょうか。
#25
○国務大臣(菅直人君) 先日の質疑で林議員あるいは荒木議員にいろいろ申し上げました。今、これをどういうふうに中期財政フレームとの関係で考えればいいか、総理にもこの間御相談をしているところで、まだ結論をいただいているわけではありませんが、私は、一つの考え方として、法律という形でそういうものを、中期財政フレームとも整合性の取れたものを出すことで、国会という場でまさに国民的な議論として今の今日の日本の財政をどういう形で健全化するかと、こういう議論をするのも大きな意味があるのではないかということで、今総理には御相談を申し上げている、そういう段階にあります。
#26
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、菅副総理から話が、財務大臣からあったとおりでございますが、自民党の出された財政健全化責任法案、今ここで拝見させていただいているところでありますが、菅財務大臣、副総理としてもこういったものの必要性を強く感じておられます。すなわち、やはりこの国、経済というものは必ずしも十分立ち直ってはおらないけれども、しかし一方で、財政は健全化をさせるというその道筋を示す責務があると。それは中期財政フレームというもので我々は示していくことになるわけでありますが、それを、何らかの法的手続というものが必要かどうかということをこれから検討しようというところでございまして、まだ結論は出ているわけではありませんが、このような責任法案を野党の自民党さんが出されたということ自体については敬意を表させていただきたいと考えています。
#27
○林芳正君 ありがとうございます。
 我々も、法案を提出したという以上はこのとおりにやろうということで、政府、与野党一致できれば我々はこれ当然賛成するという意味で出しているわけでございますので、総理からも今そういうお話がありましたけれども、できるだけ早いうちにこれはやっていただけたらということを私はお願いしておきたいと思います。
 中期財政フレームを六月に出されるときに、これ何度もこの委員会で、また予算委員会でも申し上げていることですが、かなり日本の中もそうですが、外の方の注目もこれは浴びている。そして、きちっとした道筋でもってこのフレームを作る。これは政治意思の発現ということにもなるかもしれませんけれども、そういうことを示すことによって、ひいてはJGB、日本の国債の安定的な消化ということにつながっていくわけでございまして、そういう意味ではなるべくグレードの高いといいますか拘束力の強いものの方が望ましいと、こういうふうに思っておりますので、そのことを改めてお願いをしておきたいと思います。
 その法案にも書かせていただきましたけれども、やはり財政再建の目標というのはストックの、いわゆる債務残高の対GDP比を安定的に低下させるというのがあるんですが、もう一つ、やはりフローで毎年毎年の予算をなるべく均衡に近づけていく、プライマリーバランスをまずその一里塚として達成をするということがあるんでございますが、この間菅大臣とは少しやり取りをさせていただいて、余り厳しい目標を最初から立てるとなかなかできるものもできなくなるというようなやり取りでございましたが、中期財政フレーム、これから、まさに今日予算が成立する運びになりますと本格的に検討を始めていただくということになりますが、総理もやはり最初の目標としてはストックの目標だけでやっていこうと、こういうお考えかどうか、確認したいと思います。
#28
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) この自民党さんの当面の目標、ストックとフローと両方書かれているわけでありますが、当然まず最初に私どもがなさなければならないのはストック全体を見渡すということだと理解をしております。
 これからの議論、中期財政フレームをどのように作るかということの中にもかかわってくる話でありますが、我々のいわゆる借金体質、これをGDP比でどのように見るかというようなことからスタートして、何らかの目標値というものを設定をするということが求められていく一つではないかと、そのように理解はいたします。
#29
○林芳正君 そこは今からお詰めになるということであろうかと思いますが、そのときにやっぱりどうしても、ここでも議論させていただきましたけれども、マニフェストでお約束をされたことをどうするかということが当然出てくると思います。
 今日お配りをさせていただきましたのは、まさに民主党のマニフェスト、工程表、どういうことをやるかということと財源をどうやって持ってくるかという、右左に並べさせていただきましたが、これを全部やめたとして、全く今年度、今年度といいますか二十二年度、この四月からの予算で、今審議しております予算案で多少盛り込んだものがある、これ以外はもう全くやらないという前提で菅大臣のところでお作りになったこの機械的試算、いわゆる機械的試算、平成二十二年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算というのがございます。
 菅大臣は余り、自分のところで出されたと思うんですが、お好きではないようでございまして、財務省が出すと言ったので私も止めませんでしたけれどもと、この間本音を語っておられますが、財務大臣であられますので、これは財務省が出されたものということで我々受け止めておりますが、これがまさに全く新しいことを、マニフェストでお約束していることをやらなくてどうなるのかということでございますが、その差額を見ますと、差額、二十五年度には五十五兆円。これは、その他収入というのが税収のところにありますので、税外収入これだけ見込んでも結局この五十五兆が借金になると、こういう試算でございます。
 中期財政フレームというのは三年間というふうにおっしゃっておられますので、ちょうど二十三年度、二十四年度、二十五年度、マニフェストに掲げていることを全く全部やらなくてもこれぐらいになるということでありますから、今年の四十四兆から五十五兆になっていくと。そのときの税収は四十・七兆でございますので、今よりは若干、一兆円ずつ増えていくというような試算になっておりますけれども、楽観的だと思いますが、それでも四十と五十五になってしまうと。大変な財政の状況になるわけでございますので、やはり中期財政フレームをお作りになるときには、マニフェストの工程表でお作りになったこのまず左側をどういうふうに削っていくのかということを考えないと、何もしなくても五十五兆になる。そうしますと、今年マニフェストで掲げたものをおやりになったのは実は三兆でございますから十三・二兆に、この上記以外の施策を入れて本当に十六・八兆やるということは、あと十三兆掛かるということなんだと思うんですね。ですから、五十五兆に十三兆足すと六十八兆円の借金になる。
 ちょっと考えにくいことなんでございますが、しかし総理は常にこのマニフェストはもう絶対に約束どおりやるんだと、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、さすがに六十八兆借金を出してやるということにはならないんではないかと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
#30
○国務大臣(菅直人君) 既に総理の下に公約の検討の会議というものが設けられ、さらにその下にマニフェストの検討の、これは政府と民主党、あるいは与党との合同会議というものも設けられ、実質的には予算成立後に議論が始まる、もう既に一部始まっておりますが、始まることになっております。
 そういう中で、私は、やはり今年度の予算を踏まえて、今後のマニフェストについて基本的には実現を目指す努力するという姿勢は変わりませんが、やはり冷静に、予定どおりやったときにどの程度の財源が必要で、またその場合にはどういう仕組みが必要になるか、あるいは場合によっては、そうでない場合にはどういうことになるのか、そういういろんなシミュレーションはやってみる必要がある。
 つまり、総点検をする中で、当初の目標どおり実行することの努力はするという姿勢は現在変わってはおりませんけれども、しかし、やみくもに一切何も考えないでいくということではなくて、総点検をする中から、今後の方向性をそういう中期的な財政フレーム等とも勘案して考えていくことになろうと、このように考えております。
#31
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは林委員も御案内のとおり、私ども、マニフェストというもので選挙を戦った。戦った以上、マニフェストの実現に向けてこれからも努力をすることは言うまでもありません。
 ただ、一方で、税収が大変に落ち込んだと、それがこれからもあと数年は続くという懸念が大変強いという新たな状況というものもございます。マニフェストに対しては、国民の皆様方との契約でございますだけに、連立与党ではありますけれども、そのマニフェストの実現に向けては世論の皆さん、すなわち国民の皆さんの御意見というものもしっかりと受け止めていく必要があろうかと思います。
 そのような中で、先ほど菅副総理から話がありましたように、実現というものに向けてこれからも努力する、そのために、やはり第二段階としての事業仕分、歳出削減の努力というものを今まで以上にまた真剣に行わなければならないし、行うことになっておるわけでありますが、それでも難しいぞという部分もあるいは出てくる可能性もあります。そういったことをこれからマニフェストの検討委員会で真剣に検討していただきながら、結論を出していきたいと思っておるところでございます。
#32
○林芳正君 ここはちょっと見解の相違かもしれませんが、総理、今税収が思ったよりも出なかったのでということをおっしゃいました。このマニフェストが七兆と、三・六の四分の一になるんでしょうか、〇・九として、八兆円ぐらいのことを初年度でやるというふうに左側でおっしゃっていることができなかった理由は、右側のこれだけの財源を出すという財源の捻出ができなかったからだと私は思っておるんです。
 もし、例えば、じゃ逆に、九兆円、予算よりも減収だったということだったわけですが、じゃその九兆円減収がなかったらこの七・一兆プラス〇・九兆の八兆円分は全部やっていたと、四十四兆円の国債出してですね、ということ、そういうお考えでございましょうか。
#33
○国務大臣(菅直人君) これは、予算委員会あるいはこの委員会でも何度となくいろいろそういう質問をいただきまして、私どもは事業仕分等から二・三兆でしたか、それからいわゆる基金等からの返金は一兆、合わせて三・三兆の広い意味での無駄の削減というものを果たす中で、今回のマニフェストでは確かに暫定税率を当初の公約どおりの形では下げることはできませんでしたが、逆に言うと、マニフェストで実行したものに掛かった費用は三・一兆でありまして、つまりはこの二十二年度予算でいえば、マニフェストどおりではなかったかもしれないけれども、マニフェストで実行しているものについては無駄の削減等の中の内側でやってきたわけです。
 ですから、逆に言えば、九兆円の税収減がなければ、単純に言えば国債をそれだけ出さなくて済んだ可能性はあります。そのときにどういう政治判断をしたかは分かりません。一部をやはりマニフェストを実行しようと、それは若干無駄の削減を超えるけれども実行しようとしたかもしれませんが、少なくともこの二十二年度予算では無駄の削減の中でマニフェストの実行は行い、九兆円の税収減は言わば国債で賄う。これは二十一年度の補正も、御存じのように同じ形で処理をさしていただいたということです。
#34
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、菅財務大臣が申したとおりでありますが、この九兆円という税収減がなければという仮定の話にはなかなか答えられないかもしれませんが、その部分で今申し上げたようにマニフェストの財源として充てられた可能性はあろうかと思います。
 ただ、今お話がありましたように、私どもとすれば三・三兆円を事業仕分で捻出をして、その分の中でマニフェストの実現に向けて今回は努力をしてきたと。これからも基本的には更なる努力、歳出削減の努力というものを、独立行政法人あるいは公益法人の見直しというものを徹底的に行う中で見出していくこと、これが大前提であることは改めて申し上げておきます。
#35
○林芳正君 総理は去年の段階で、マニフェストを実行するために更なる国債を出すのがいいのか、マニフェストをやめるのか、国民に聞いてみたいと、そこまでおっしゃっておられるので、今の御答弁もそういうことかなと。
 しかし、マニフェストを最初に見たとき、この十六・八という数字がぴったり合っているということをみんな御覧になって、国債を増発せずにこういう財源をひねり出してやるんだなというのがこのマニフェストを見たときの素直な国民の受け止めだったと思うんです。そのことは総理もちゃんと御理解いただいていると思うので、やっぱりそのお気持ちにこたえていくためには、税収減がどうであれ、予算の規模がどうであれ、新しい施策は財源をどこかから持ってきてやるんだということを是非肝に銘じていただきたいし、実はそのことが先ほど財政運営責任法に書いてあるペイ・アズ・ユー・ゴー原則というやつでございます。
 ペイ・アズ・ユー・ゴーでは足らないと、借金がこれだけあって、ですから少しその財源は多めにひねり出さないと新しい施策はやってはいけないという少し厳しめの条文にしてあるのでございまして、法制化するということであればその原則もこの新しい施策に全部当てはめていただければ新規の国債発行にはならないと、こういうことになるわけでございます。
 今かなりおっしゃっていただいたように、三十三兆円に税収減の九兆を足すと四十二なんです。四十四が最初に独り歩きしたのでございますが、実はこの四十四と四十二の間が、このマニフェストでは書かれておられなかった社会保障費の自然増とか、そういうものが二兆入っているので、結局三兆と三兆でペイ・アズ・ユー・ゴー原則を守っていただいていると、私もそこは評価をしているんでございますが、結局、その二兆がここに書いたときに想定していなかった分があったんで、結果として四十四がマジックナンバーで合っちゃったということなんではないかなと、こう思うんですね。ですから、今年はそれで何とかもうここまで来たわけでございますので、このことをあれこれ言ったってしようがないところもあるわけなんで、まさに今からお作りになるこの中期財政フレームのときに、是非ペイ・アズ・ユー・ゴー原則を遵守していただいてやっていただきたい。
 そうしますと、マニフェストをかなり圧縮をすると、左側を。このことは当然必要になると思いますし、我々も、逆に言えば、この民主党さんが今おやりになろうとしているこの左側の政策を仕分けをしたらどうなのかなと、こういうふうに思っておりますので、それは我が党でやればいいかなと、こういうふうに思っておりますが、しかし、なるべくこのお約束したことを一円でも多くやるためには、右側の財源を見付け出すという作業をきちっとやっていただかなければいけないわけでございますが、そのときに、この右側にあります、よく昨年選挙前後で議論になりました、この表ですと、六・一兆と右側に書いてある大きな、庁費、委託費、全部四角を一緒にしたところの説明のところに天下りの在籍する独立行政法人、特殊法人、公益法人などへの支出、一年に約十二兆円と、ここを精査してやっていくんだということが明記をされておりますが、この間、菅大臣にお聞きをいたしましたら、質問主意書、衆議院の谷議員が出されたものを私が御披露申し上げまして、数が膨大なので調査ができないという政府の答弁書が閣議決定をされておりますが、それはあのときの衆議院の予備的調査の範囲と質問主意書の範囲が違っているんで、その精査に時間が掛かるんだと、ですから衆議院のあの予備的調査の範囲ということで聞いていただければもう少し何とかなると思うと、こういうような御答弁でございました。
 しかし、私は、このマニフェストに書いてあるんですから、もう政権を取ったその日から質問主意書で言われる前に自ら調査をして、この十二兆のうちこれぐらいは無駄があったというのを自ら政府がおやりになるというのが筋ではないかと思いますけれども、総理、いかがでございましょうか。
#36
○国務大臣(菅直人君) 一般論で言われているとすればそれはもうそのとおりと言わざるを得ないんですけれども、御承知のように、九月十六日に鳩山内閣ができて、私ども率直に申し上げて、年内に予算編成をするということが今の経済情勢の中では、やはりこの面では最大優先度であろうということを考え、もちろんその間でも事業仕分け等いろいろなことも取り組んだわけでありますが、そういう意味で、このいわゆる特別会計、さらには独法等のある種の切り込みが当初の段階でそう簡単には進まなかったというのは、ある意味ではそのとおりでありますけれども、先ほど総理からもお話がありましたように、改めて枝野行政刷新担当大臣も生まれましたので、しっかりと今言われたようなことも含めて精査をする中で取り組んでいきたいと、このように考えております。
#37
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私どものマニフェストにあります六・一兆円の節約額、この大半は四十九兆円の補助金から節約をする、削減をするということ。さらには、庁費四・五兆円というのがあるわけでありますが、いずれにしても、今、菅副総理からお話がありましたように、時間的に若干の遅れはあったことはそれは認めざるを得ないところでありますが、新たな大臣の下で積極的に独立行政法人、公益法人を徹底的に見直してまいります。
 本来は、これは民主党あるいは連立与党、全員野球でみんなが参加をしないとなかなかすべてというものを見通すことができないのではないかというふうにも思っておりまして、その辺の仕組みをこれから考えてまいりたいと思っておりますが、徹底的にやはり歳出削減というものを国民の皆さんにお約束をして、国民の皆さんもそのことに、新政権に大いに期待をされていると、そのように考えておりますものですから、ここのところは休まずにしっかりやらせていただきたいと思っております。
#38
○林芳正君 確かに、しっかりやっていただいて、これ十二兆出していただきたいと思うんです。
 これは、たまたまなんですけれども、平成二十一年の五月二十七日、国家基本政策委員会、麻生、当時の総理と鳩山、多分代表だったと思いますが、実は、会長が大石先生だったんでございますが、そのことはあれでございますけれども、ここで鳩山総理は、四千五百の天下り団体に二万五千人の天下った方々がおられて、そこにですよ、国の予算がどれぐらい出ていると思いますか、十二兆一千億円のお金がそこに流されているわけです。議事録では、そこで発言する者ありとかって、会長の大石正光君が、お静かに願いますと、こういうふうなのが入っているんですが、鳩山由紀夫君、更に続けられまして、そこのうちの半分が随意契約ですよ。どうなっているんですか、これは、この国は。まさに官僚の利権をそのまま擁護する政治家たちがこのような信じられない天下り天国をつくってしまっているじゃありませんか。どうお考えなんですか。
 こう、やっておられるわけでございまして、その後ずっと続いて、最後に、鳩山総理、当時の代表ですが、分かりましたと、これは大石会長から持ち時間を経過しておりますのでという御注意があった後ですが、分かりました。何か意味のない答弁を長くされて時間だけつぶされて、それで党首討論だと言われたら、もったいないですよ、国民の皆さんに。本当に残念でなりません。結局、皆さん方の考え方は、官僚に依存をして予算を組む、しかしほとんどが借金だと。借金で、これはやっていられないから、二年後には消費税の増税だと。こんなめちゃくちゃな予算を組むような政府には早く御退出を願うよう私どもも全力を尽くしてまいりたいと思います。
 この勢い、たんかに、やっぱり見ていた方が共鳴をされて、政権交代の一つの動きになったと、こういうふうに思いますけれども、その所信は、総理、今でも変わっておられませんか。
#39
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当時のQTを思い出しておりました。今以上に威勢が良かったなと、そのようには思っておりますが、一つ一つの数字自体は私は間違っておらないと今でも思っております。官僚天国ということ、実際に政権を握ってみて、どのようにその言葉が当たっているかどうかというのはあろうかと思います。しかし、やはりまだまだ独立行政法人、公益法人、これは見直すべきところが多々あると、そのように思っておりまして、十二兆の私はそのすべてが無駄遣いということは申し上げておるわけではありませんが、その中で無駄遣いはかなりあるぞという認識は有しております。それだけに、そこで、QTで申し上げた言葉というものを現実のものにしていくために全力を傾注していかなければならないと、今でもそのように考えております。
#40
○林芳正君 総理、いかがでございましょうか。努力を傾注して全力でやられるということであれば、少なくとももう半年、政権交代してたっております。中期財政フレームを作られるのは六月ぐらいということでございますので、今から仕分もされるということでございますから、この六月の時点で、このマニフェストにお書きになった十二兆、全部は無駄でないと今おっしゃいましたけれども、じゃ、この十二兆のうち大体幾らぐらいが思っておられた無駄であったのか、政権に着いて一年弱たって分かりましたということを中期財政フレームのときにきちっと数字を出されるとお約束できますか。
#41
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今ここで幾らということを申し上げることはできません。しかし、中期財政フレームを作り上げていくときには、当然、それまでの間にかなりの部分、この枝野大臣の下で事業仕分第二弾が進められていると思っておりますから、その結果というものに基づいた形で、当然将来的な展望をそこで示すわけでありますから、それまでの間の中でしっかりとしたものを出してまいりたいと思います。
#42
○林芳正君 ちょっと私、優し過ぎるのかもしれませんが、今数字を出せと言っているわけではなくて、六月に中期財政フレームを出されるときには、ずっと野党時代からおっしゃってた十二兆のうち幾らのものが見付かったのかというこのことをやっていただきたいと。
 今からやられる仕分に基づいてきちっと出すということを言っていただきましたので、これも優し過ぎると言われるかもしれませんが、もし我々だったら、やっぱり与党の先生方、もう少し働いていただいて、それぞれの部会なんかでそれぞれの担当するカウンターパートの省庁のところを細かくやれば、あの仕分で、限られた人数で、限られた時間でやるというのは限界があると思います。
 そのことをもう少し、カウンターパート、党内でやっていただければ、先ほどの御質問にもあったように、その分野でのエキスパートたくさんいらっしゃるわけですから、やっぱりそういうところも使って、あの仕分でテレビでショーをやるだけではなくて、そういう作業もおやりになったらいかがかと思いますが、もしコメントがあれば。
#43
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 林委員の申されるとおりでありまして、今そのことを菅副総理あるいは枝野大臣との間で考えているところであります。すなわちこれは、さっきもちょっと申し上げましたけれども、全員野球で臨まないといかぬと。与党の議員が全員何らか、例えば独立行政法人、公益法人を担当してもらって、そして短期間の間に調べ上げていく、無駄はないかということを行う必要があろうかと思っています。
 数名の担当の者に任せてしまうと必ずしも十分にならない可能性があると、そのように思っておりまして、どういう仕組みをつくろうかと、今そのように検討しているところでございます。
#44
○林芳正君 ありがとうございます。
 前回の仕分のときは、一年生の方は何か国会のまず基本を覚えろということで外されたという報道を我々は見ておりましたが、さすがに国会対策の基本コースはもう終わっておられるんだろうと、こういうふうに思いますので、是非全員野球でやられたらいかがかなということを申し上げておきたいと思います。
 続いて、時間がもう迫ってまいりましたけれども、税につきましても、今日せっかく総理がお見えでございますから、消費税、いろいろ議論が出ておりますけれども、たしか予算委員会の舛添議員とのやり取りだったと思いますが、消費税について議論することは総理もやぶさかではないと、そのときに社会保障目的税的なものにしてはどうかというふうに考えておられるということを御答弁なさったと記憶しておりますが、この社会保障目的ということは今でも予算総則に実は書いてあるんでございますが、このときに総理がおっしゃった頭の中にあったのは、民主党さんのマニフェストには最低保障年金というのがありますので、これに消費税がどおんと入っていきますとかなりそっちに使われてしまうということになりますが、社会保障目的と総理がおっしゃったときに、この最低保障年金をどうされるかということはどう考えておられたか、お聞かせをいただきたいと思います。
#45
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) この年金制度を根本的に変えていきたいと、それは新政権としてそのように考えております。私ども民主党の中で、選挙の前でありますが、考えていたのは最低保障年金という仕組みでございまして、そこには税を全額投入すると。すなわち、税とすれば消費税であると、そのように考えておりました。
 そのことは、民主党でありますから我々とすればベースにはあるわけでありますが、これから、まずは与党の中で真剣に議論をスタートさせていくつもりでございまして、まだスタートしたばかりでありますのでこれからではありますが、是非早急に議論を進めて、また将来的には野党の皆様方にもお加わりいただくような形も検討する必要が出てこようかと思っておりますが、いずれにしても、私どもの初期の発想の中で、消費税は最低保障年金というものにまずはベースとしては使うということを考えているところであります。
#46
○林芳正君 明確にお答えをいただきました。
 たしか岡田代表の時代のマニフェストには、そのために消費税を少し上げるというところまでおっしゃっておられたので、そういうことだというふうに理解をいたしますが、そういたしますと、この年金の制度をどうするのかということを骨格ぐらいは考えて、その上で、その最低保障年金に変わるのなら、そちらに消費税が入っていくとかいうことがないと、中期財政フレームができないことになりはしないかなとちょっと懸念をいたしますが、総理、いかがでございましょうか。
#47
○国務大臣(菅直人君) 先日、新年金制度の、ちょっと正式な名前は忘れましたが、検討会というのを総理責任の下に数名の閣僚が次の責任者になりまして、国家戦略室が事務局を受け持つということでスタートをさせております。
 これはなかなか大きな課題でありますから、そう一か月、二か月という単位では難しいかと思いますが、少なくとも本格的な議論に入って、今総理からも話がありました、民主党としてこれまで何度かにわたって議論をしてきたものも一つの大きなたたき台としながらも、改めて、場合によっては専門家の皆さんにも参加をしていただいて議論を深めていきたいと。六月の中期財政フレームのときまでに結論が出るとかというタイミングは難しいかと思いますけれども、一つのこの考え方の方向性ぐらいは、その議論も踏まえながら、中期財政フレームとのその段階での整合性は考えなければならないかなと、こう思っております。
#48
○林芳正君 総理も同じお考えだというふうに承知いたしましたが、なぜそれを聞くかというと、二十三年度、二十四年度、二十五年度を中期財政フレームの対象とされておられるということでありますと、年金制度を、民主党のマニフェストを読みますと、この今の任期の間に設計をして、それで次のときから新しい制度をスタートされると書いてたしかあったと思いますので、そうすると、この二十三、二十四、二十五は、まあどこで解散があるかは総理のみぞ知るでございますけれども、一応今の現行制度の流れだとしますと、その間は、多分議論になるのは三分の一と二分の一の差額、これは二十二年度までは埋蔵金で埋めましたけれども、二十三年度からはもうありませんので、それをどうするのかと。
 しかし、二十五年度まではこういうふうにつくったけれども、菅大臣今おっしゃったように、二十六年度から年金の制度ががらっと実は変わるということになると、そこで今度はプライマリーバランスが成り立つ方向になったと思ったら、最低保障年金の方にばさっと行ってしまって、その分またお金がこちらの方で足りなくなるということが当然想定されるわけでございますので、まさにそのことを考えて、今、菅大臣、骨格をおつくりになって、その先とこの三年間が整合されるようにするというふうにおっしゃったというふうに受け取りましたが、それでよろしゅうございましょうか。
#49
○国務大臣(菅直人君) 年金制度は本当に私も必ずしもそういうところがすべて分かっているわけじゃありませんが、新年金制度をつくるということと、これまでの年金制度がある意味で給付においては継続するという両面がありますし、まさに今、林議員が言われたように、税というものと社会保険料というものの若干の扱いの問題、あるいは百二十兆余りの年金基金の問題、こういったものを全体でどう考えていけばいいのか。
 それと、先ほど言われました、フローとしての、その段階で消費税がどうなっているか分かりませんが、それをどういう目的に振り向ける必要があるのか、ほとんどが年金だけに振り向ける形で成り立つのかどうか、いろいろな問題点があるということは一般的には承知しておりますので、そういうことを含めて、まさに、専門家なり与党の議員なり、場合によっては、ある段階まで来ればこれも与野党で、スウェーデンではありませんが、協議をするような場面も必要かと思いますが、そういう中でつくり上げていきたいと、このように考えております。
#50
○林芳正君 補正予算のときに、財政全体について我々はいつでも用意があると私が申し上げたときは、鳩山総理は、まあまずは与党からだと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、あのときから比べれば随分、菅大臣、前進ではないかなと評価を申し上げたいとは思いますが。
 もう一つ、最後に暫定税率について。総理がせっかくお見えでございますから、前回、予算委員会で暫定税率を実質的に維持ですね、名前は暫定税率から当分の間というふうに変わりましたが。このときに様々な御提案があったと衆議院の委員会で答弁されておられますので、具体的にはどういう御提案かと私がお聞きしましたら、世論調査と新聞の論調と町の声だと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、大事なことが一つ抜けておりまして、与党からの申入れというのがあのときあったというふうに我々は報道で承知しておりますが、当然そのこと、与党からの申入れにはまさに暫定税率を維持しろということがたしか書いてあったと報道で承知しておりますが、当然あの三つに加えて最後にお決めになった判断の中には与党からの申入れがあったということでよろしゅうございますよね。
#51
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 確かに与党からの申入れもありました。与党からの申入れというのは国民の皆さんの様々な声を集約したものだと、そのようにも考えております。それと併せて、今、林委員がお話をされましたように、様々なこれは世論調査での数字とか、あるいは論説委員方の提案とか、そういったものを私なりに判断をして最終的に政府で決定したものでございます。
#52
○林芳正君 トリガー条項につきましても、この委員会で、菅大臣、峰崎副大臣と議論させていただきましたが、やっぱり現場の混乱というのが、懸念が残ります。
 最後に、総理から、現場、トリガー条項が発動されてまた引っ込むというようなことが起こった場合に、現場の混乱がないようにきちっと対応するという御決意をいただけませんでしょうか。
#53
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) まだそのような状況を想定しているわけではありませんが、もしそのような状況になったときには現場が混乱しないように最善を尽くします。
#54
○林芳正君 ちょっと、それで終わろうと思ったんですが、心配になりまして、そのような状況はもう法律に、トリガー条項が書いてある以上は想定をしていただいて、そしてきちっと対応を今からしておいていただかないと大変なことになりますよと。そのことはもう菅大臣と峰崎副大臣は少なくともお分かりでございましたので、総理もきちっと御認識をしてやっていただけることをお願いいたしまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#55
○荒木清寛君 総理にお尋ねします。
 今日の委員会でも財政再建ということが大きな議論になっておりますが、これは政府、政治への信頼がなくして当然できる話ではありません。そうした意味では、またぞろこの与党の方で政治と金の問題が出てきたことは大変遺憾でございます。二十二日に小林千代美民主党議員をめぐる北教組の違法献金問題で労組幹部二名が政治資金規正法違反のかどで起訴されました。
 またぞろという気がいたしますけど、もうこれは衆議院は、院は院としていろいろ議論されると思いますが、やはり政党、民主党としても、これは信頼回復の意味で、もうきちんとした処分、けじめを付けるべきだと考えますが、総理の決意をまずお尋ねします。
#56
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小林委員にかかわります政治資金規正法違反で起訴された方が出たということは、大変私どもにとっても遺憾だと、そのように思います。
 そして、民主党として党の倫理規則というものを適用するか否かということに関しては、結論を申し上げれば、これは常任幹事会で結論を出すということになっているところでありまして、そのときの判断として、これは委員お分かりのように、二十二日の札幌地検が処分を下した中では、小林議員は政治資金規正法違反には御本人は問われていないというのがございまして、また議員本人はこのことに関して関与を否定をしているというのもこれも事実でございまして、したがいまして、公判を見守るということと本人がいたしているところでございます。
 このようなことでございますだけに、今大事なことは、本人自らが、例えばどのような場所でかは別として、しっかりとした国民の皆さんに対して説明責任を尽くしていくと、努力をするということではないかと、私はまずそのように思っておりまして、政治家としての責任をどのように果たしていくかということに関しては、それを国民の皆さんがまさにどう受け止めるかということにかかわってくるわけでございますだけに、しっかりとまずは本人が説明をしてまいるということが大事ではないか、そのように考えております。
#57
○荒木清寛君 二十三日の朝の記者団に対する総理のコメントからは少し後退をしているように思いますし、私は政治的、道義的責任を問題にしているわけで、やはりここは党代表としてのリーダーシップが問われていると、このように思います。
 そこで、次に法案に関連してお尋ねしますが、今回の新年度の政府の税制改正では、民主党がマニフェストに掲げた中小企業の軽減税率の引下げも見送りになりましたし、投資減税も延長されただけで、そうした政府の対応には危機感が欠けていると私は言わざるを得ません。
 そこで、もう今日は新年度予算が成立をするわけであります。決まっております。そうしたことも受けて国民新党は既に十一兆円の追加経済対策を表明されたということで、これは与党の中からも今回の対策だけでは力不足だというふうに言っているわけでありますので、総理として今日の予算成立を受けて今後の経済対策についてはどう考えているか、お尋ねします。
#58
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大変気が早い政党と言うと失礼でありますが、十一兆円の規模の経済対策をお出しになったということは伺っているところでございます。
 ただ、御案内のとおり、今日参議院におきまして予算が成立をする予定で、まだしている状況ではございませんが、まだ現実には仕上がってはいない状況でございます。
 したがいまして、まずはこの予算を仕上げていただいた後、これは補正予算とも合わせてでありますが、予算の執行をできるだけ早期に行うということがまず第一でございます。さらには、その中で、予備費というものもあるいは緊急的に経済が厳しくなったという状況のときには二兆円規模で使えるように仕組みとしてはつくられているわけでございますので、その執行が必要かどうかということを見ることが大事だと思っております。
 そのような状況の中で、更に経済というものがどのように推移していくか。私は、いわゆる二番底という状況からは避けられる状況になってきているな、そのようには思っておりますが、しかし、雇用状況などは決して予断を許されない、そういう状況でもございます。
 したがいまして、これを注視をしていきながら、必要に応じて適切な措置がとられるような環境を整備しておくことが重要ではないかと思っております。
#59
○荒木清寛君 今日のお昼のニュースでも輸出が増えているという中で、まさに雇用のない景気回復というような一つの姿ではないかと思っておりますので、適切な今後の経済運営を要請したいと思いますが、総理の法人税引下げの発言によりまして、来年度の見直しが現実味を帯びてきました。
 総理は、法人税を基本的に国際的な標準という方向に向けて見直していくとおっしゃっておられます。欧州諸国並みの法人税の実効税率に合わせますと、試算をしますと一〇%程度引き下げなければいけないと、四兆円の財源が要るというような試算もできるかと思います。これを課税ベースの拡大だけによって賄おうとするともう限界があるわけでございますけど、私は、そういう課税ベースの拡大ということだけにこだわらず、経済の空洞化、中小企業を含めたこの空洞化を防ぐためには思い切った引下げを私は検討していかなければいけないと思いますが、総理はどの程度の法人税率の引下げが必要だという方向で今検討あるいは指示をしておられるのか、お尋ねします。
#60
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、これから議論して決めていく話になります。
 法人税に関して今お話がありましたように課税ベースを広げると、すなわち租税特別措置というものの不公平感というものをやはり払拭する必要があろうかと思っておりまして、そこで課税ベースというものを広げていく中で、法人税率というものを国際的な標準というものを見据えながら決めてまいりたいと思っております。ただ、まだ時期も含めてこれから税調で真剣に議論していく必要があろうかと思っております。
 また、これは民主党のマニフェストの中でうたっておるところでございますが、中小企業の更なる軽減税率というものをこれは四年間の間でやるというふうには決めておりますが、経済が厳しいときこそ本来やるべき話だというふうには思っております。財源をどのように見出すかということは大変これは難しい議論でございまして、財務大臣方とも相談をしていく必要があろうかと思いますが、現在の経済状況というものを見据えて考えれば、やはり中小企業の更なる減税、そして全体としての法人税というものを見直す方向に向けて、できる限り早く動けるような体制をつくり上げてまいりたいと思います。
#61
○荒木清寛君 次に、財政再建に関連しまして消費税の問題ですが、政権マニフェストでは、この四年間は消費税率を上げないということは明確にうたっておられますから、そうされると思います。
 ただ、議論はしますということでございますが、議論するだけで何も決めないということでは意味はないわけでありますので、この政権担当期間内に、インボイス制度の導入なども含めて何らかのそういう消費税、この法制の整備を行うつもりはあるのかないのか、内閣の見解をお尋ねします。
#62
○副大臣(峰崎直樹君) この点は、ちょうど専門家委員会がスタートしまして、まず所得税から議論し始めていますが、消費税を含めて議論しようということで、先ほどの社会保障財源の問題もありますし、つまり目的税化の問題だとか、あるいは今おっしゃられたインボイスの導入の問題も、軽減税率を入れる、いわゆる逆進性対策として入れるときには必ずこれがないと駄目なのでこういうものも整備するか、あるいは還付式のいわゆる戻し税にするか、これは番号制が要るという、いろんな意味でかなりセットになっておりますので、消費税の改革とそして番号制、インボイス、こういった点をしっかりと十分論議をして、皆さん方にも対案といいますか、どういう処方せんを示せるか、その辺りまでは議論をかなり詰めていきたいなというふうに思っております。
#63
○荒木清寛君 なるべくそうした政策決定もしっかりやってもらいたいと思います。
 そこで、総理に、これは林委員、先行委員の質疑と繰り返しにもなりますけれども、総理は先日の本会議で私の質疑に対しまして、本年前半、六月までの財政運営戦略及び中期財政フレームの作成について、その中で財政健全化への道筋をきちっと示してまいります、このように答弁されました。今もう普天間の問題ばかりが非常に注目されていますけど、この財政再建の道筋をきちんと六月までに示すということは、今後の国の在り方について、もう勝るとも劣らなく重要な問題だと思います。今もそのきちっとそうした道筋を示すという決意にお変わりはありませんか。
#64
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) その決意に変わりはありません。大変これは厳しい議論が必要であることは論をまたない話でございます。
 これは財務大臣が中心に今努力をしておられますが、六月までに中期財政フレーム、財政運営戦略というものを決めるということは、その間に財政健全化の道筋をまさに決めていくという話でございますので、その決意は変わっておりません。
#65
○荒木清寛君 そこで、どういう道筋をそこで明記するのかと、書き込むかについてお尋ねしますが、新年度予算では四十四兆三千億円もの多額の公債発行、また特別会計からの繰入れといいますか、その依存も過去最高でございます。さらに、今日も日経新聞で報道されておりましたけれども、二十三年度はこの民主党マニフェストを全面的に実行するとすると更に十兆円新規財源を見付けなければいけないと、こういう大変な状況でございます。
 そこで、財政再建の道筋という場合には、この歳出の抜本的な見直しはもちろんでありますけれども、この歳入面での改革も当然これは決めなければ再建は不可能であります。特に、この歳入面ということでいいますと、消費税を含む抜本改革をしなければこの歳入改革ということはできず、結局多額の公債発行に依存するという体質は改まらない、これはもう言うまでもないことであります。
 そこで、六月までのこの中期財政フレーム、あるいは財政運営戦略に盛り込む道筋には、歳出及び歳入両面にわたる改革をきちんと明定をするべきである、また、この歳入改革に関して言うと、はっきり言えば、増税分についてはきちんとこれは福祉の充実に使われるということを担保するような、そういう道筋を明定しなければいけないと私は考えますが、総理の認識をお伺いします。
#66
○国務大臣(菅直人君) まさにこの六月の中期財政フレームにどういう形で何を盛り込むか、そのこと自体がこれからの本格的な議論のスタートになろうかと思っております。
 今御指摘がありましたように、今年度の予算が成立をさせていただける見通しは出てまいりましたが、この予算編成に当たっても、率直なところ、税収の減、あるいは私たちが思ったほど迅速に無駄遣いを、そこから財源を生み出すことが必ずしも当初考えたほどには簡単にはいかなかったということも含めて、まず私は、やはり今後の、これまでの経緯を含めて、マニフェストについてももう一度総点検を今後についてはしてみる必要があるだろうと。基本的には、先ほど来総理が言われていますように、実現を目指すということは変わりませんけれども、しかし、その中でもどういう形になるのかということの検討が必要だろうと思っております。
 また、今御指摘のあった中以外でいいますと、やはり成長戦略というものをどのような形で肉付けをし、また実現可能性を高めていくか。この中で、若干私の考え方を申し上げますと、従来は、消費税にしろ、場合によっては所得税にしろ、税負担という言い方が言葉として使われているわけですけれども、考えようによれば負担というよりもある意味ではシェアだと、分担だと。つまりは、今デフレ状態の中でお金が流れにくくなっている、そういう中においては、場合によっては税の形でお金をいただいて、そして国民にプラスになる方向でそれを使う、それによってお金が流れることによって仕事が生まれ、雇用が生まれる。そういう形に使うことができれば、逆に、負担ではなくて、ある意味で税という形でお金を回すことが、税と財政出動で回すことが経済成長にもつながってくると、こういう考え方、こういう形の成長戦略の絵がかけないか、いろいろと専門家の皆さんにも知恵を借りる形で検討をしていきたいと考えております。
 そういう意味で、六月までの中期財政フレームについて、先ほど自民党の林議員との議論もありましたが、このフレームそのものを場合によっては法律という形で、国会での議論というものも場合によっては考えてもいいのではないかと、先ほど総理もそういうことを検討をしていきたいということを言っていただきましたけれども、そういう中で、率直に申し上げて、この今の状況というのはまさに何十年に一度の日本の危機的状況でありますので、一党一派を超えた形での力をそれぞれお貸しいただく、あるいは協力し合うことで越えていく、そういうぐらいの覚悟でなければ越え切れないと思っておりまして、そういった意味で、中期財政フレームについてはしっかり取り組んでいきたいと思っております。
#67
○荒木清寛君 今おっしゃられたマニフェストの見直しは、是非私はやってもらいたいと思います。マニフェストは実現できたが財政は破綻をしたでは、国民は困るわけでありますので、お願いいたします。
 それで最後に、先ほどもありましたが、この財政健全化目標あるいは道筋を法律として制定するということは、これは是非、総理、やってください。これはもう菅財務大臣もやりたいというふうにおっしゃっているわけですし、ただでさえそういう歳出増大圧力というのがあるわけですから、政府が自らを縛るそういう法規範を提出するということは非常に大事ですし、また我々野党もその議論の中にしっかり参加していきたい。そういう意味では法制化することは非常に重要だと思いますので、この点は是非、総理、もうここで明確にそういう方向であるということを言っていただけますか。
#68
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 先ほども林委員に対して御答弁を申し上げたところでございますが、私ども、中期財政フレーム、財政運営戦略というものをいずれ策定することになります。そのことがしっかりと守られていくためにやはり法定化というものも一つの方法だと、十分にそのように認識をしております。
 そのぐらい大変、ある意味での責務を果たさなければならない大きなテーマだと思っておりますので、私どもとしてまだ決定をしたわけではありませんが、財務大臣と相談させていただく中で法制化をすることを十分に検討してまいりたいと考えています。
#69
○大門実紀史君 大門でございます。総理、よろしくお願いいたします。
 税法の最後の質疑でございますので、私は、この委員会で取り上げさせてもらったことについて、今日は総理のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
 最初に、ちょっとつかぬことをお伺いしますけれども、総理は、政界を引退されたら農業をやりたいというのは本当でしょうか。
#70
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) かつてそういうことを申し上げた覚えがございますし、私の心の中で特に世話になった北海道の皆さん方がございます。北海道、農業が大変厳しい中で頑張っている方がたくさんおられます。私は、できればそういう方々との協力の中で何らかの農業、これは簡単に政治家がすぐに農家になれるという話ではないことは十分存じ上げておりますが、何らかの方法で農業というものに関心を持っておりますので、もしこの世界から去りました後は、そのことも十分念頭に置いて人生を全うしたいと思っております。
#71
○大門実紀史君 そうおっしゃっていただくことを予定して次の質問を用意したんですけれども、総理の老後のためにも日本の農業を再生していくということは大変重要なんですが、私この委員会で先日、昨日ですかね、都市農業の問題を取り上げさせていただきました。要するに、都市農業がもうこの二、三十年で半減になったり、三分の一になってしまっていると、これは食料問題、環境問題からしても看過できないといいますか、もう放置できないというところで、幾つかの省庁ではどうするかということを考え始めてはいるんですけれども。昨日、ここの委員会で議論をさせてもらって、菅副総理は、大変詳しくこの問題いろいろ述べていただいた上で、やっぱり総合的に考えていく課題だということはおっしゃっていただきました。
 是非、ちょっと申し上げますと、要するに、今までは農水省、財務省、総務省、国交省、それぞれがばらばらにいろんなことを考えてきて、都市農家の方々は何とかしてほしいというのをもう長い間いろいろ各省庁にお願いされてきたんですけれども、省庁それぞればらばらに勝手に自分の範囲で考えますので、一向にいろんなことが改善されずにここまでひどい状態になったと。こうなると、もうその省庁の枠を越えてといいますか、横断的にといいますか、予算委員会に来られたJAの参考人の方は、都市農業基本法みたいなものを作って総合的に位置付けて、その中で施策も、特に税制の問題というのは大きいわけですけれども、やってもらいたいとか、個々いろいろあるんですけれども、都市計画の問題もあるんですが。
 菅副総理には物すごくいい答弁いただいたんですけれども、是非この機会に鳩山総理としても、この都市農業を総合的に考えていくという点で、まさに政治主導でここはやらなきゃいけないと思うので、その辺の鳩山内閣の姿勢をお聞かせいただければというふうに思います。
#72
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 菅副総理のようないい答弁ができるかどうか、頭の違いがありますですから御寛容いただければと思います。
 今、大門委員がお話されましたように、都市農業、私は規模の問題とかあるいは地価の問題などからいえばそんな簡単な話ではないなとは思っておりますが、まさに都市に近いというか、都市にある農業は、これは消費地に近いという大きなメリットもあるわけでありますので、都市農業にふさわしい形で育てていくことが肝要ではないかと思います。それにふさわしい形の税制の在り方というような議論も一方であるのかもしれませんし、省庁の枠を越えた協力の仕方というものも検討する必要があるのではないかと思っておりまして、これは先達であります菅副総理と相談を申し上げながら積極的に進めてまいることができればと思います。
#73
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 次のテーマは少し総理と対決する話になると思いますけれども、今日ちょっと私は予定した質問をしようと思っていたんですけれども、どうも消費税の話が好き勝手に議論されておりますのでちょっと一言言いたいんですけれども。
 何か、あたかも消費税増税というのは決まったことのように、当たり前のことのように何か国会では議論されているんですけれども、もう十年ぐらい前、もっと前からですかね、国会ではこういう議論がずっとあったんですけれども、一向に増税できないわけですよね。できなかったわけですよね。小泉内閣も、自分のときはやりませんとかいって結局ずっとできない。
 国会の中ではあたかも平気で議論がされているわけですけれども、これは国民の皆さんが、やっぱり世論調査を取ってみると、世論調査によって数字はちょっと動きますけれども、大体半分の人はやっぱりやめてもらいたいと。そのときの景気の状況とかもあります。あるいは、社会保障に使うといってもやめてほしいという、こういう回答もありますし、いろんなのがあります。とにかく、国民の中でまだ合意が得られていないといいますか、そこまで、上げてもいいよという声になっていないというところが今の現実だと思うんですけれども、国会では平気で議論されているのが私ちょっと不思議な気がいたしますけれども。
 総理にせっかくですから基本的な実感をお聞きしたいんですけれども、今消費税というのは国民一世帯当たり年間どれぐらい負担されているかというのは、総理、御存じですか。一世帯当たり年間、消費税どれぐらい税額負担しているのかと、御存じですか。
#74
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今まで検討をしたこともありませんでしたから、三百万、五%だとすると十万から十五万か、一人当たりですね、その程度ではないかと思います。
#75
○大門実紀史君 これは政府として調査しておりませんのでいろんなところが、生活協同組合とかいろんなところがこれやっています。大体総理おっしゃるとおり、その上限の方ですけれども、十五万から十七万円の負担をしている。ただ、消費税ですからなかなか取られているところが分からない税金ではあることは確かでございます。これがもしも、平気で議論されていますけれども、二けた、一〇%になると、一世帯当たり三十数万円の負担になるということで、これは大変重い負担の話を何か平気でやっているんじゃないかと。
 やっぱり、そういう余り調べたことがないということも私問題だと思うんですけれども、やっぱり庶民の実感から議論をしてもらいたいなと。そういうところがありますから、やっぱり家計簿を付けている主婦の方なんかは、いや、増税嫌だよという感じは、幾ら払っているか大体、自分で計算されている人もいるからでございます。
 もう一つ、さっきの話で、私は、民主党政権になる前に、麻生さんのときですかね、基礎年金の財源で質問したことがございますが、今日ちょうどその話が出ていたので伺いたいと思うんですけれども、林さんの質問のときですけど、基礎年金の、最低保障年金ですね、この財源を消費税でやっていく方向だということを今日割とはっきりと言われたわけですけど、これは御存じかと思いますけれども、基礎年金の部分は年間約十八兆か十九兆円の財源が掛かって、うち厚生年金が八兆円から九兆円だったと思います、大体ですね。厚生年金は半分企業負担ですよね、つまり八兆円とすると四兆円が企業負担、あと四兆円がその会社で働いている人の保険料でございます。
 この企業負担が全部消費税でやったらどうなるのかというのが前にも議論があったわけですね。消費税でありますと全額税でございますから、企業は基本的に消費税負担がございませんので、控除できますので、そうすると国民みんなが消費税で負担する、その四兆円、企業負担が抜けた分、穴埋めも含めて負担させられるということになってしまうわけでございます。これは前のときに経団連は、その四兆円分は、企業負担がなくなる分は非正規雇用の対策に回しますとか、いいかげんなことを言っていたんですけれども、この問題は何も解決されておりません。その問題は民主党政権がもしやるとしたらどういうふうにお考えになっているか、峰崎さんは一言で、総理にもお伺いしたいと思っております。
#76
○副大臣(峰崎直樹君) 総理がお答えになる前に、ちょっと。
 私はある新聞で対談をしたことがございまして、いわゆる基礎年金全額税方式化の持つ問題点の一つとして、いろいろあるんですけれども、やはり今おっしゃられた、たしか正確には三・七兆円だったと思うんですが、その企業負担がなくなると。これは消費税に換算すると一・七%ぐらいになるんじゃないかと思うんですが、誠にこれは失うのが惜しいねと、こういう話をしたことがございます。
 ただ、今私どもの年金、今ちょうど年金問題も含めて基本的な概念を整理しようということになっておりまして、これは社会保障における消費税というものをリンクさせていくという考え方はもちろんあるんですけれども、この基礎年金全額税方式というのは、もちろんいろいろ今まで過去のマニフェストの中に書かれたことがございますが、これらの点についてもいろいろとこれから議論をしていかなきゃいけない重要なポイントだというふうに思っております。
 そういう意味で、もう一つ、先ほどどうしても私、消費税、先ほど菅大臣の方は、税制調査会の会長ですが、負担という言い方じゃなくて、これからはいわゆる、何というんでしょうか、助け合いといいますかね、シェアといいますか、分担、そういう意識を持っていこうということと、私は、消費税の過去の一九八九年、あるいはもっと言えば一九七九年の大平さんの時代からずっと、この問題を提起して増税を訴えるとやはり選挙で痛い目に遭ってきたという、そういう政治家にトラウマが一つあるのかなと。
 もう一つは、実は景気とですね、時間があるのは知っています、景気との関係でよく菅大臣もおっしゃるんですが、本当にこれは消費税導入が景気にマイナスの影響を与えるんだろうかと、こういった点は十分議論していかなきゃいかぬということで、これは専門家委員会の場でもしっかり議論しようと思っております。
#77
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 企業負担が軽減された分どうするかというような議論は、まだ実際には結論が出ているという状況ではありません。
 そして、その前に更に申し上げれば、大門委員はもう既に何か消費税増税路線が決まっているみたいにおっしゃったけれども、そうではありません。私どもの以前民主党が選挙で戦った中での年金の考え方として、最低保障年金は全額税方式でいくということは決めております。ただ、それがこれから今連立与党の中で議論していく中でそのまま通るというふうにも必ずしも思っておりませんで、まさにこれからの議論だというふうに御理解をいただきたいと存じます。
#78
○大門実紀史君 もう時間がありませんのでまた消費税の議論はやりたいと思いますが、基礎年金を全部消費税だった場合、七%から八%そこだけで掛かります。したがって、それそのものが増税の議論だということはよく御承知ください。
 あと、ついでに言っておきますけれども、ヨーロッパは、すぐヨーロッパは消費税率が高いからとかおっしゃいますけれども、ヨーロッパは別に目的税ではございません。ヨーロッパの社会保障財源は、ここでも一度示したことがございますけれども、消費税よりもむしろ社会保険料の部分が多いわけでございます。更に言えば、法人税の引下げの話がもうこれも当たり前のように議論されてますけれども、社会保険料と法人税の負担両方合わせると、日本はそれほど高くございません。幾つかの前提抜きに、何かもう当たり前のように法人税引下げが先、消費税は避けられない、こういう議論じゃなくて、今総理がおっしゃったように、いろんなことをもっと緻密に、外国の例もよく勉強して、かなり無知な議論が多いんですね、やっぱりきちっと勉強してその上で国民がどう思うかということも含めて正確な議論をしていただきたいというふうに思いますが、菅財務大臣でも結構ですけれども、一言。
#79
○国務大臣(菅直人君) 税の分野は、非常にある意味でそうした緻密な議論も必要だと思っておりまして、今年からは専門家委員会という形でその道の専門家の皆さんにもお集まりいただいております。もちろん政治家にとっても自らしっかり取り組まなきゃいけないということでありまして、ついつい耳に入りやすいところだけが残りますけれども、おっしゃったように、しっかりヨーロッパの問題、他の国のそういう社会保険料と税の合算した問題も含めてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#80
○大門実紀史君 終わります。
#81
○委員長(大石正光君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#82
○委員長(大石正光君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#83
○愛知治郎君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案に反対、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案に賛成の立場から討論いたします。
 ここで議題となっている歳入関連の法案は、国民の皆様に多くの負担をお願いするものであります。にもかかわらず、法案を提出している内閣の最高責任者が、国会での審議で明らかになったように納税者意識に欠け、母親からの資金提供などの疑いに対し、いまだ国民の納得する説明を果たしていないのであります。まず、我々が法案に反対する理由は、総理がその立場における責任を全く果たそうとせず国会審議を乗り切ろうとしているからであります。
 次に、特例公債法案に関して申し上げます。
 日本の財政は大変な局面に入ってきました。国債発行額は、今年度第二次補正後で五十三・五兆円にも上りますが、二十二年度予算では、当初でも四十四兆円にも達し、昭和二十一年度以来初めて税収額を上回りました。さらに、十・六兆円ものその他収入が見込まれています。財政投融資特別会計などからの受入れ、いわゆる埋蔵金を何とか掘り起こした苦しいやりくりであります。しかし、埋蔵金は何年も掘り当てることはできない単発のお金であり、すぐに枯渇いたします。今後も二十二年度は追加の経済対策から補正予算が編成される公算があり、二十三年度はマニフェストの全面実行、社会保障費の増大などから大幅な赤字国債の増発が不可避であります。財政破綻への第一歩となる公債特例法案に我々はとても賛成することはできません。
 続いて、所得税法等の一部改正案について申し上げます。
 民主党は、かねてより暫定税率の廃止を声高にうたい、ガソリン値下げ隊などのパフォーマンスを繰り広げてきました。それが、どうでしょうか。今回は、昨年末の小沢幹事長のいわゆるツルの一声で暫定税率の存続が簡単に決まりました。しかも、廃止を望んでいた総理の意見は簡単につぶされたのであります。税率が下がりガソリン価格が安くなることを期待していた国民は多かったはずであります。国民の期待を裏切る今回の税制改正に反対すべきなのは、むしろ民主党の皆さんではないのでしょうか。
 また、民主党がマニフェストで明示していた中小企業の法人税を一一%に引き下げるという公約が実行されていません。我々は、日本経済を支えてきたのは中小企業であり、その活性化こそが景気回復の大前提と認識してきました。だからこそ、自公政権では一八%まで引き下げたのであります。民主党政権では更に引下げが必要だったとの認識だったのでしょうが、マニフェストで主張したとおりの引下げをなぜ今実行しないのか、理由が分かりません。これも税制上の公約違反であります。
 その一方で、マニフェストには書いてもいないたばこ税の大幅引上げを断行しています。しかも、増税の実施時期は今年十月からであります。国民に痛みを強いる政策だからでしょう、参議院選挙後に先送りをしています。まさに政局あって政策なしの民主党の体質そのものであります。
 なお、租税特別措置の透明化法案に関しては、その目的や適用状況を透明化し、適切な見直しを推進するものであり、課税の公平性に寄与するものであることから賛成をいたします。
 責任ある野党である我が党は、以上申し上げましたとおり、マニフェストでの国民との約束をないがしろにした与党の横暴や身勝手な御都合主義の財政運営には強く反対いたします。しかし、国家国民のためになる法案や政策であれば成立を阻むものではなく、またその運営に全面的に協力することを約束して、私の討論といたします。
#84
○荒木清寛君 私は、公明党を代表して、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に反対、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案に賛成の立場で討論を行います。
 まず、公債特例法案に反対する理由を申し述べます。
 反対する第一の理由は、財政健全化の理念も命を守る姿勢もなく、ばらまき的な平成二十二年度予算の財源を確保する法律案となっていることであります。
 政府は財政健全化目標をいまだに策定せず、本法律案の前提となる二十二年度予算は過去最大規模に膨れ上がりました。他方、子供の安全を確保する学校の耐震化予算は大幅に削減され、子ども手当の財源は事業主や地方に押し付けています。また、中小企業の資金繰り・貸し渋り対策は予算を出し渋るなど、十分な施策を実施しない政府の姿勢に反対いたします。
 反対する第二の理由は、多額の公債発行で将来世代に負担を押し付け、無節操なまでの特別会計積立金等への依存を推し進める法律案となっていることであります。
 二十二年度予算では、過去最大となる四十四兆三千三十億円の公債を発行し、将来世代への負担の押し付けは目を覆うばかりです。さらに、本法律案では、将来の損失に備えて積み立てた財政投融資特別会計財政融資資金勘定の積立金を枯渇させるなど、なりふり構わぬ資金集めはとても容認できるものではありません。鳩山内閣の規律なき財政運営は到底認められず、将来世代に対して責任を持つ公明党として本法律案に反対せざるを得ないのであります。
 次に、所得税法等改正案について反対する理由を申し述べます。
 反対する第一の理由は、本法律案は、厳しい経済状況において必要な投資減税などが十分講じられていないことであります。
 政府は、中小企業減税の多くを現状維持にとどめるなど、今必要な景気刺激のための大胆な投資減税を講ずることなく、手をこまねいているだけです。地域経済や雇用を支える中小企業の活性化、企業の国際競争力の強化なくして我が国の経済の発展はあり得ないことを認識すべきであります。
 反対する第二の理由は、マニフェストに反する理念なき増税により国民生活を不安にさせていることであります。
 政府は、子ども手当や高校の実質無償化の財源確保のため、マニフェストに掲げられていない特定扶養控除の縮減のほか、個人住民税の扶養控除廃止にも手を付けました。我々も所得控除から手当への考えは理解しますが、つまみ食い的な増税により新たな不公平が生じるなど、国民生活を不安にさせるものであり、断固反対です。
 このほか、ガソリンの暫定税率の実質的な維持、健康目的と称し、たばこ税の大増税は、いずれもマニフェスト違反の安易な増税との批判は免れないことを指摘しておきます。
 最後に、本法律案には脱税犯の罰則の強化策など賛同すべき措置もありますが、税制に対する国民の信頼を失墜させた鳩山総理の責任は極めて重大であり、全体として反対せざるを得ません。
 なお、租特透明化法案は、税制の透明性確保の観点から賛成することを申し上げて、私の討論を終わります。
#85
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案及び平成二十二年度公債特例法案の二法案に反対、租税特別措置透明化法案に賛成の立場で討論を行います。
 自民党政権下での法人税の大幅減税、証券優遇税制の継続は、財政の所得再分配機能を崩し、格差の拡大をもたらしました。アメリカやヨーロッパでは、リーマン・ショック以来、大企業、大金持ちに増税を行い、社会保障、雇用対策にその財源を回すという財政政策の方向転換が始まっております。さきの総選挙の審判を重く見るなら、こういう路線に転換することこそ民主党政権に求められていたのではないでしょうか。ところが、今回の所得税法改正案は、大企業、大資産家優遇措置を温存しながら、タックスヘイブン対策税制では国際的な法人税引下げ競争に更に拍車を掛ける危険性があります。中小企業対策で賛成できる内容も含まれておりますが、所得税法の改正案には以上の点から反対をいたします。
 次に、公債特例法案です。
 大企業、大資産家優遇税制の見直しなど、負担能力のあるところに応分の負担を求める歳入改革には手を着けず、巨額の赤字国債の発行の継続には反対せざるを得ません。
 最後に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案です。
 本法案は、減税対象となる企業のうちの上位企業名を公表しないなど、野党時代の民主党案よりも後退している面もありますが、租税特別措置の実態調査と国会への報告を政府に義務付けることで租税特別措置の透明化に資するものであり、賛成をいたします。
 以上で討論を終わります。
#86
○委員長(大石正光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決に入ります。
 初めに、平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(大石正光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(大石正光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 愛知君から発言を求められておりますので、これを許します。愛知治郎君。
#89
○愛知治郎君 私は、ただいま可決されました平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・改革クラブ及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 平成二十二年度予算は、税収を公債金収入が上回るという事態となっており、我が国財政の先行きに対する懸念が強まっていることにかんがみ、早急に中期的な経済・財政の展望を示すとともに、具体的な数値目標を盛り込んだ財政健全化の戦略を講ずべく努力すること。
 一 今後の予算編成に当たっては、特別会計の積立金・剰余金に過度に依存することなく、できる限り恒久的な財源の確保を図ること。また、国債に対する信認を確保していくことの重要性を認識しつつ、節度ある国債発行に努めるとともに、公債の安定消化に向けた一層の取組みを行うこと。
 一 少子高齢化やグローバル化といった社会経済構造の変化を踏まえ、安心できる福祉社会や持続的な経済社会の実現、中長期的な財政健全化、地球温暖化問題への対応など我が国が直面する諸課題を解決するため、所得・消費・資産など税体系全般にわたる税制の見直しを行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#90
○委員長(大石正光君) ただいま愛知君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#91
○委員長(大石正光君) 多数と認めます。よって、愛知君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅財務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。菅財務大臣。
#92
○国務大臣(菅直人君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配慮してまいりたいと存じます。
#93
○委員長(大石正光君) 次に、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案について採決をいたします。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(大石正光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#96
○委員長(大石正光君) 次に、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。菅財務大臣。
#97
○国務大臣(菅直人君) ただいま議題となりました関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率について所要の措置を講ずるほか、水際取締り強化等のための罰則水準の見直し等を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一は、暫定関税率等の適用期限の延長等であります。
 平成二十二年三月三十一日に適用期限が到来する暫定関税率等について、その適用期限の延長等を行うこととしております。
 第二は、水際取締り強化等のための罰則水準の見直しであります。
 輸入してはならない貨物を輸入する罪、関税を逃れる等の罪等に係る罰則水準を引き上げることとしております。
 第三は、認定事業者制度の整備であります。
 保税蔵置場の許可の特例の適用を受ける必要がなくなった旨の届出及び認定通関業者の認定を受けている必要がなくなった旨の届出に係る規定を整備することとしております。
 その他所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#98
○委員長(大石正光君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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