くにさくロゴ
2010/04/20 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 財政金融委員会 第10号
姉妹サイト
 
2010/04/20 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 財政金融委員会 第10号

#1
第174回国会 財政金融委員会 第10号
平成二十二年四月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     尾立 源幸君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     尾立 源幸君     行田 邦子君
     富岡由紀夫君     松浦 大悟君
     前田 武志君     石井  一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大石 正光君
    理 事
                大久保 勉君
                藤田 幸久君
                円 より子君
                愛知 治郎君
                林  芳正君
    委 員
                石井  一君
                風間 直樹君
                川合 孝典君
                川上 義博君
                行田 邦子君
                自見庄三郎君
                田村耕太郎君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                峰崎 直樹君
                尾辻 秀久君
                鴻池 祥肇君
                牧野たかお君
                荒木 清寛君
                白浜 一良君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     菅  直人君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        亀井 静香君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村 謙治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       金融庁監督局長  畑中龍太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (新銀行東京に関する件)
 (デリバティブ商品販売に係る金融監督に関す
 る件)
 (協同組織金融機関の在り方に関する件)
 (ゆうちょ銀行の預入限度額に関する件)
 (デフレ経済への対応策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、富岡由紀夫君、姫井由美子君及び前田武志君が委員を辞任され、その補欠として松浦大悟君、行田邦子君及び石井一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大石正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁監督局長畑中龍太郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(大石正光君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。亀井内閣府特命担当大臣。
#6
○国務大臣(亀井静香君) 昨年六月十二日及び十二月十一日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告を国会に提出申し上げました。
 報告の対象期間は、それぞれ、平成二十年十月一日以降平成二十一年三月三十一日まで、平成二十一年四月一日以降九月三十日までの二つであります。
 これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、管理を命ずる処分の状況について申し上げます。
 今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 なお、今回の報告対象期間中に、預金保険機構と新生銀行の間で行われました訴訟において、裁判上の和解が成立したこと等から、預金保険機構は新生銀行に対して、その補てんとして、百六十二億円の支払を行っております。
 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高について申し上げます。
 破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に際し、預金保険機構から救済金融機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆八千六百七十億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆四千六百六十二億円となっております。
 これらの資金援助等に係る政府保証付借入れ等の残高は、平成二十一年九月三十日現在、各勘定合計で五兆七千四百七十七億円となっております。
 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しましては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(大石正光君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 まず、FRC関係で一つ質問申し上げたいと思いますが、私の茨城県では、三月一日に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し、筑波銀行が発足いたしました。この筑波銀行は四月十五日にあおぞら銀行との資本提携に踏み切ることを明らかにしておりますけれども、地域経済、大変低迷しております。そんな中で、茨城でいうと中位の地域銀行でございますけれども、こうした厳しい経営環境が続いておりますが、こういった合併の動きに関して金融担当大臣の方で所感があればお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(亀井静香君) 金融機関の合併が体質強化また地域経済に対しての責任を果たしていくという、そういうような観点から必要であると、このように判断をされて実施をされていくことについては、金融庁として別に異存があるわけではありません。ただ、単に合併をすれば良くなるという、そんなものでは私は金融機関はないと思います。合併をする以上、そのメリットがあるのかないのかということを事前に十分これはお互いに協議をした上で私は進めていく必要がある、安易なことをやっていくことが解決にはならないと。
 ただ、私は、合併そのものがいかぬとか言っておるわけじゃありません。先ほど言いましたように、二点から考えて必要であればおやりになればいいと、このように思っています。
#10
○藤田幸久君 これからは、新銀行東京について御質問したいと思います。
 最近、たちあがれ日本という政党ができて、その生みの親の一人が石原知事でございますが、この生みの親の石原知事がある意味じゃおつくりになった新銀行東京が、今のままでは立ち上がれないという状況じゃないかと思っております。
 この新銀行東京の寺井社長が最近おっしゃっている、これは都政新報の記事によりますと、言わば危篤状態から集中治療室から出ることができたと、まだ入院患者であることは間違いないということでございますが、金融庁あるいは東京都が今後やはり監督責任その他をしっかり発揮していただくことが本当に立ち上がる新銀行東京になるのではないかと、そういう観点から質問させていただきたいと思いますが。
 まず、経過からいいまして、平成十五年三月に東京都の方がこういう設立を表明して以来、監督当局であります金融庁は、東京都との協議をだれが担当し、東京都のだれと協議を進めてきたのか、大体いつから始まり、どのように行われたのかということについてまずお答えいただきたいと思います。
#11
○大臣政務官(田村謙治君) お答えします。
 平成十五年三月に東京都が新銀行の設立を表明して以降、金融庁の担当は監督局でございますけれども、監督局が中心となって東京都と意見交換あるいはヒアリングなど実施をしたところでありますけれども、個別銀行の問題のそれ以上の詳細については申し上げることは差し控えさせていただければと思います。
#12
○藤田幸久君 確認で結構ですが、監督局で銀行第一課、それから東京都の方は設立準備室が担当したというふうに伺っておりますが、それで間違いないかどうかお答えをいただいた上で、結果的に千十六億円の毀損をしたわけですね。当時の金融庁と東京都の間でこういった関与や協議内容に問題がなかったかということと、そもそも地方公共団体である東京都が金融機関を設立、運営するということについて、そのことは大丈夫なのかという問題意識はなかったのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(亀井静香君) 私は、石原知事が当時の金融状況を見て、地域の中小零細企業、商店のニーズにきっちりと対応していないんじゃないかという、そういう認識の下で、それでは主としては都民のためにそういうことをやはりやらざるを得ない、そういう善意の発想から取り組まれたということは間違いないと、このように思っております。
#14
○藤田幸久君 設立をされて、おととし、平成二十年の五月に金融庁検査が行われました。これ、開業されてから三年たっていますね、御承知のとおり。それで、その累積赤字が判明し、それから東京都が四百億円を投入した後の対応でございますが、経営悪化の状況というのは、開業されて一年目から既に決算上も数字が出てきていたわけですけれども、なぜ早めに金融検査に入らなかったのか。例えば、ゆうちょ銀行だったら直後でしたね。ところが、なぜこの新銀行東京は三年たってから、あるいはそれまでしなかったのかということについてお答えいただきたいと思います。
#15
○大臣政務官(田村謙治君) 個別の金融機関に対する検査の実施時期についてどのように判断しているかということにつきましては、今後の金融検査の実効性を損なうおそれもあるということで差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論といたしましては、検査の実施時期については、金融機関の規模、特性、金融機関の経営状況や業務改善の実施状況、システム統合等の特殊要因の有無といった様々な要素を総合的に勘案をして判断をしているところでございます。
#16
○藤田幸久君 政権替わったんでね、田村さん。今の、つまり、去年と同じ金太郎あめの答弁を聞くためにやっているわけじゃないので。今先ほど亀井さんがおっしゃったように、困っているから必要に応じてつくったのに、今のような答弁では何のために政務官をやっていらっしゃるのか、ちょっと気持ちを入れ替えて答弁をしていただきたいと思いますけれども。
 結局、三年間やらなかったということに対して、普通であればやるところがやらなかったということは、これはやっぱり東京都側あるいは新銀行東京側の方から金融検査に入らないようにというような働きかけがあったのか。つまり、直接、間接的な方法も含めてそういったことはなかったんですか。
#17
○国務大臣(亀井静香君) 議員の御指摘でありますけれども、田村政務官は誠意を持って議員の御質問にきっちりと答えておると、このように私は確信をいたしますので、御理解をいただきたいと思います。
 ただ、前政権下においてのことではありますけれども、やはり金融庁としては常にそうした銀行、特に設立後の状況というのがうまく目的どおり機能しておるかどうかということは、もう細心の注意を図ってこれについての監督検査は実施していくべきであると、このように考えております。
#18
○藤田幸久君 金融検査に三年入らなかったと、それから、その後も業務改善命令を出していませんよね。最終的には去年の一月に新銀行東京側から改善計画が出されていますけれども、これは四年たったわけですね。
 もう一度、田村さん、なぜ金融検査に入らなかったのか、あるいはその後の業務改善命令を出さなかったのかという理由についてお答えいただきたいと思います。
#19
○大臣政務官(田村謙治君) 委員のお気持ちは十分に理解をしているつもりでございますけれども、ちなみに、本来野党時代から中心的な役割を果たしていらっしゃる大塚副大臣はもう間もなく、今総務委員会からもう間もなくいらっしゃるということでございますが、それはともかく、繰り返しになりますけれども、今のその検査の時期につきましては、一般論として、先ほど申し上げたような金融機関の規模、特性ですとか金融機関の経営状況、様々な状況を総合的に判断をして検査の時期を決定をしているということでございまして、個別の、この本件についてどのような判断をしたかという詳細については差し控えさせていただければというふうに思っている次第でございます。
 そして、業務改善命令をなぜ出さなかったのかということでありますけれども、それもやはり個別の対応につきましてはコメントを差し控えさせていただきますが、一般論といたしましては、業務の健全性、適切性の観点から重大な問題が認められる場合に、あるいは銀行の自主的な取組では業務改善が図られないと認められる場合、当局としては業務改善命令の発出を検討するということとされているわけでございます。
#20
○国務大臣(亀井静香君) 今政務官がお答えしたとおりでありますが、別に石原知事を都議会自民党が支持をしておったからとか、選挙で応援したからとか、あるいは当時は自民、自公政権であったとか、そんなことにおもんぱかって金融庁がやらなかったということは、私はもう力学上もなかったのではないかと。金融庁はある意味では政治的に公平な、中立な立場に立って常にやっておるわけでありますから、当時、金融庁としてはそういう判断からやらなかったんだと思うわけでありますけれども、今後とも金融庁はそういう観点から、これについては問題があったということは事実でありますし、現在の状況も大変な状況であることは明らかでありますから、金融庁としては、石原知事に何の遠慮もするつもりはございませんし、きっちりとやっていくつもりでございます。
#21
○藤田幸久君 今のお言葉に加えて、先ほど田村さんが大塚副大臣のことをおっしゃって、大塚副大臣がこの間、二月に衆議院の委員会で、これは金融庁もそうだけれども、監督責任、だけれども、やっぱり東京都も株主として監督責任があるのではないかという論点があるということでございますので、その東京都の方についてお話を移したいと思いますけれども。
 この新銀行東京の経営理念の中に、中小企業者を始めとする地域における幅広いお客様に適時適切な資金の供給、支援を行い、地域社会に貢献するとあるわけですね。先ほど亀井大臣まさにおっしゃったように、これは中小企業のニーズのために石原さんがおつくりになったんだと。
 そうしますと、去年十二月の中小企業向け貸出金等は、前年比、一昨年に比べて二百億円減少しているんですね、去年の末で。これに対して金融庁はどういう対応をされたのか。去年の四月から十二月期決算ですけれども、最終損益で十四億円黒字を出しているんですけど、これは本業では十七億円の赤字で、なぜ黒字になったかというと、リスケによる引当金の流入益が出ているんで黒字になっているんですね。
 ですから、大臣、中小企業のためにつくった銀行が中小企業のために役立ってないということですが、どういうふうにお考えになりますか。
#22
○国務大臣(亀井静香君) 私は、東京都が、知事が設立したときのそうした目的に従って業務展開をしていくように、株主という立場からもこれはその意見を反映をしていくべきであって、やはりこの銀行は中小企業、零細企業、商店、そういうところにきちっと焦点を合わせた融資をやっていくべきだと。
 その結果としてどういうことになるか。ただ黒字にすればいいという表面のことでいいということにはならない。これは設立の趣旨からしてそうでありますから、委員おっしゃるように、そういうところにきっちりと焦点を合わせた結果どうなんだということが真価が問われるところであると、このように思っています。
#23
○藤田幸久君 今の点を更に詰めていきたいと思いますが、大臣おっしゃったように株主なんですけれども、その株主という場合に、東京都の場合に、いわゆる銀行法に定める支配株主とやはり同等の責任があるんではないかと、前提としてですね、ということが一点。それから、東京都の株主の規定に関して、銀行という公共的な性格により株主の関与は制限されるというような中でと書いてあるんですけれども、これ、やっぱり銀行という公共的な性格によって株主の関与は制限されるということ自身がおかしいんではないかと思いますけど、この二点。
 つまり、支配株主と同等の責任があるんではないかということと、やはり公共的な性格としての株主の関与というものは制限されるべきでないと思いますが、この二点、いかがでしょうか。
#24
○国務大臣(亀井静香君) 何度も申し上げますように、設立目的がそういうことでありますから、東京都が全般について責任を持っていくということは当たり前の話でありまして、会社法上の制限とかいろんな問題がありますけれども、やはりこれは知事が強いリーダーシップを、自分がつくった銀行ですから、そういうことを発揮をしていかれてしかるべきであって、そんなことを世間が何もあれこれ批判をすることは私はないだろうと思います。
 今度知事に会ったらよく言っておきます。
#25
○藤田幸久君 その当初の目的と、それから実際に目的がなかなか達成されてないというような具体的な数字が、この四百億円を投じたとか、千十六億円の毀損、それから去年も、つまり中小企業に対する貸出しが二百億円も減っちゃっていると。
 それで、個別の内容についてはお答えされないということでありますけれども、そのやり取りの内容は別にして、結果としてこれだけ数字が出てきて、そして店舗も一つになってしまっていると。これはやはり、中身は別にして、監督官庁であるところの金融庁とすれば、明らかに、大臣も答弁されたように、当初の目的と違った結果が出たということについてはお認めになりますか。
#26
○国務大臣(亀井静香君) おっしゃるように、それが違っておることはもう現実の問題でございますから、そのことについての金融庁の責任を逃れるつもりはございません。ただ、現時点において、じゃ、この銀行をつぶすとか、そうしたつもりもございません。今後、設立目的に従って、知事が強いリーダーシップを発揮をして所期の目的を達成されるよう、私の方からも強くお願いをしたいと思います。
 金融庁も監督検査権を持っておるわけでありますから、私は、金融庁に常に言っているのは、金融機関に対して、やはり金融庁がただおっかない存在だけではなくて、コンサルタント的な機能も発揮をしながら、相談に乗りながら監督検査をやれということを指示をしておるわけでございますが、そういう観点から対応してまいります。
#27
○藤田幸久君 今の話と関係で、まさにコンサルタント的に、私はつぶせと言ってるんじゃなくて、さっき冒頭で、前提で申し上げましたように、新銀行東京に立ち上がってほしいと思っているんですね。たちあがれ日本を生んだ知事の、まあ大臣おっしゃったように、自分がつくった銀行でございますから、立ち上がっていただかないと中小企業が困るわけですね。
 その場合に、実は知事は、その新銀行東京を黒字化した後でセカンドステージ、つまり今後の方向性としていろいろ都議会の委員会の中でもおっしゃっておられまして、例えばその中で、ほかの銀行との合併とか外資との事業提携というようなことを発言されているんですけれども、これ、だから当初の目的があって結果が出ていないと。一方で、今後はこういうことをされたいとおっしゃっているということは、それに対して、今までの経過からして、金融庁の方でもこういうそのセカンドステージに対して知事がおっしゃっていることについていろいろ協議されているんですか、あるいは知事がこういう発言をされること自体は問題ないんでしょうか。
#28
○国務大臣(亀井静香君) 金融庁自体が、また私が金融庁の担当大臣として今後の展開について具体的に相談に乗っておるわけではありませんけれども、さっき申し上げましたように、知事が渾身の力を込めてこの問題解決、二番目のステージに移っていかれる前に第一ステージにおいておやりになることが私はたくさんあるんではないかと思う。第一ステージにおいて知事がそういうことをおやりにならないで他の銀行と提携するとかどうこうするとか言われましても、これは相手のあることでありますから、はいはい、そういたしますという相手が出てくるわけでもございません。
 第一ステージにおいて、知事自らが先頭に立って、姿を見せて果敢に取り組んでいかれる、それだけの私はやはりことであろうと、このように思っております。
#29
○藤田幸久君 少しポーズを置く意味も含めまして、これは財務省も、これも金融機関の検査監督というのは金融庁の所管でありますけれども、財務省の方も健全な財政の確保等の観点から、これは金融危機管理等について共管する仕組みというふうに承知しておりますが、その前提で、この新銀行東京をめぐる一連の問題に対して財務省はどういうふうにとらえられておられるか、峰崎副大臣、お願いいたします。
#30
○副大臣(峰崎直樹君) 藤田議員にお答えしたいと思いますが、私もまさに財政金融委員会の委員の一委員のときにはこの問題には大変関心を持っておりましたが、これは財務省の職務権限といいますか、御指摘のように、金融破綻処理制度及び金融危機管理については金融庁と共管ということになっているわけでありますが、御指摘の点を今ずっとお聞きしていて、やっぱり個別銀行の監督内容ということで、率直に申し上げまして、この個別銀行を監督する立場に今はございません。かつての財政・金融分離で金融庁が存在しているわけでございまして、当然のことながら、これはちょっとコメントは立場上差し控えさせていただきたいというふうに思っているわけであります。今、田村政務官や大臣もお答えになっているように、やはり所管する金融庁がこれは適切に行われているというふうに私自身は感じております。
 ここまで私自身が、これは立場上の見解でございまして、個人的な見解を言えといえば幾らでも、多少はあるのでありますけれども、この点は差し控えさせていただきたいと思います。
#31
○藤田幸久君 質問通告していませんが、いかに当初の目的に比べて大変な状況になるかということで、これ寺井社長自身がおっしゃっているんですけれども、今まで相対的に高い金利の定期預金が満期を迎えて、預金の流出が起こっているということなんですよね。
 そうすると、これからますます大変になるんじゃないかということは、やはり個別の内容についてはとおっしゃっていますけれども、やはり大臣、外務省の機密文書じゃありませんけれども、今までのプロセスでやはりかなりの特異性があったということは、今回の、地方公共団体が初めから設立したとか、それから、スタートゼロからじゃなくて別の会社を移行して設立をしたとか、経緯はあったにしても、ただ出てきている数字等が、やはり今の寺井社長がおっしゃっているように、かなり危篤状態から集中治療室を経ている状況でありますと、金融庁の方も個別のことには云々という以上に、これはやはり大変な社会的な影響も多いし、まして大臣がお始めになりました中小企業金融円滑化法に関しても、この新銀行東京はその法律に対する取組に関してもどうも余りうまくいっていないというような状況でございますので、少し踏み込んでやはり検証し、つまり地方公共団体がつくった場合、つまり株主責任だけではなくて任命権があった、それで金融庁がかかわっていた。
 したがって、その少し取組方について、今回の反省を踏まえて、石原知事に個人的に強く言っていただくと同時に、監督官庁とこの個別の銀行の設立、それからその後のパフォーマンスの在り方について、やっぱり今までとは違った取組方をやっていただく必要があると思うんですが、その点いかがでしょうか。
#32
○国務大臣(亀井静香君) もう金融庁といたしましても、東京都がこれは言わば主導をして、東京都の政策目的、そういう観点からもこれは設立されておるわけでありますから、これがおかしくなっていくという状況を金融庁はただ手をこまねいて見ておるというわけにはまいりません。金融庁にどこまで能力あるかということになると別でありますけれども、もう全力を挙げて、やはり新銀行がきっちりと立ち上がっていただく、そういうことに金融庁としては全力を挙げて、これはさっきも言いましたコンサルタント的な機能も発揮をしながら、また一方では監督検査という強い権限も持っておるわけでありますから、これを駆使していきたい。
 石原知事の当初の夢が、純粋な夢だと思いますよ、もう、それがやはりある意味で将来的にも実現をしていくということを私自身もこいねがっておりますから、そういう観点からも金融庁としては対応していきたいと、このように考えております。
#33
○藤田幸久君 そうしますと、いわゆる監督官庁として、設立に関する部分と検査に関する部分と、それからコンサルタント的に今後の金融機関としての在り方についてと幾つか分けられると思うんですけれども、多分そのかかわり方が、普通の今までの、民間が、自分で株主さんが設立をしているような銀行と違っている。そして、大臣自身が度々おっしゃっておられますように、石原知事の夢とおっしゃいましたが、それから中小企業を救うということをおっしゃいましたけれども、ただ、多分、数字の面で見て、それからいわゆる高金利の満期が今度は流出が始まっているというような状況からしますと、今のままでいくとその夢と逆の現実があって、その現実があるということは社長自身がお認めになっていると。
 そうすると、夢を実現するというよりも、まず立ち上がるためには相当の要は治療が必要だろうと思うんですが、その部分について、一般論でおっしゃいましたけれども、相当突っ込んだいわゆる外科的な手術とそれから内科的な手術と両方必要じゃないかと思うんですけれども、もう少し具体的に、つまり知事に対してこうおっしゃるということだけじゃなくて、検査の在り方等を含めて、やはり今までと違った詳細な戦略的なアプローチが必要だろうと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#34
○国務大臣(亀井静香君) 担当大臣としても、これがどうなるかということは看過できない問題でありますので、私は、都知事ともそういう面についての意見交換をもう具体的にやってまいりたいと。そうして、金融庁としても、今おっしゃいました金融庁として持っておるあらゆる権能、ノウハウを全面的にバックアップをそれをもってしていくということをやらしたいと、このように考えております。
#35
○藤田幸久君 せっかく大臣おっしゃっていただきましたので、知事それから銀行の幹部それから都議会あるいはいろんな中小企業の団体、知事は、広島始めいろんな信金、信組の方と交流されたりとか一番生の声をお聞きになって、前回もいわゆる借り渋りの状況なんかもう御存じでございましたので、そのいわゆる借り手側の方とも是非直接お会いしていただければ、大変皆さん、東京都の方も喜ばれると思いますし、田村さんももし静岡県が新しくつくった銀行を出せば多分踏み込むお気持ちもあると同時に、東京都の方もそういうふうに思っていらっしゃると思いますので、大臣、もう一度、そういう形でそういう方々とお会いいただけるかどうか、お答えいただければ幸いです。
#36
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げましたが、議員が御指摘のように、放置できる問題じゃございませんので、ある意味では依然として最高責任者だと思います、知事は、株主であるとかなんとかという以上に。私は、知事とも直接お会いをして意見交換もしたいと思っておりますし、同時に、やはり大勢の中小零細企業の方が知事と同じように夢というか、それに希望を託しておられた面もあるわけでありますから、また現にそれに従って融資を受けられた方、申込みをされた方、また現在その処理をめぐっていろいろ御意見を持っておられる方々がいらっしゃるわけでありますから、これをこの方々とも私自身が直接意見も交換をする、そういう場も早急にセットしたいと、こういうふうに考えております。
#37
○藤田幸久君 では、是非亀井大臣のリーダーシップでその立ち上がれ新銀行東京ということが実現できるようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#38
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、第一生命問題は一回お休みをさせていただいて、先週出た監督指針に関して質問をいたします。
 ただ、せっかくですから、畑中局長来られておりますので、第一生命問題、引き続き、大臣の御指示もございましたので、きっちりと調査、お願いしたいと申し上げておきます。
 今日はみずほ銀行の通貨オプション問題に関係して質問いたしますが、去年の六月、この委員会で、銀行、特にみずほ銀行が中小企業に対して通貨オプション契約の金融商品を販売して、多くの被害者が出ているという問題を取り上げました。要するに、例えば一ドル百円なら百円というオプション契約を銀行が中小企業との間に結んで、円高になったら中小企業が銀行にお金を払うと、円安になったら逆に銀行が中小企業にお金を払うというふうな通貨オプション契約でございますが、これが、金融危機以前にみずほ銀行は盛んにこの金融商品、契約を、商品を販売して、これから円安になるということを説明して中小企業に売りまくったわけでございますが、これが円高になって大損害が中小企業に出ているということで、資料の一枚目に、金融庁もいろいろヒアリングをしていただいたらそういう苦情が増えているというふうなことが資料にございますけれども、そしてやっと先週の四月の十六日ですか、金融庁は銀行とか金融取引業者向けの監督指針の見直しをされたということでございます。
 この監督指針の見直しで、私が去年、みずほ銀行の例で指摘した点がどういうふうに盛り込まれたか、簡潔に説明をしてもらえますか。
#39
○政府参考人(畑中龍太郎君) お答えを申し上げます。
 昨年の六月、当委員会での委員の御指摘も踏まえまして、通貨オプションを含みますデリバティブで苦情等のございました大手行及び苦情のありました地域銀行、こうした先に対しまして、苦情相談の発生原因や販売体制の見直し状況について昨年末までに報告を徴求をいたしました。その結果も踏まえまして、ただいま御指摘ございましたように、本年四月十六日に監督指針の改正を公表、施行いたしたところでございます。
 例示的に申し上げますと、デリバティブの販売時点で最悪のシナリオを想定した損失でありますとか解約清算金額を説明しているか、こういったところを重点的に検証していくと。あるいは、顧客のヘッジニーズに応じたデリバティブ取引の有効性などを確認しているか、実需に基づくものかどうかということでございます。またあわせて、先般、委員会で御指摘ございました不招請勧誘の禁止の例外とされております外国貿易その他の外国為替取引に関する業務を行う法人には、例えば、国内の建設業者が海外から材木を輸入するに当たって、海外の輸出者と直接取引を行うのではなく、国内の商社を通じて実態として輸出入を行う場合は含まれると、この辺の解釈を明確化いたしたところでございます。
#40
○大門実紀史君 すべて私が指摘した点を監督指針に入れていただいたというふうに思います。つまり、みずほの場合は特にそうだったんですけれども、契約を解約すると巨額の清算金取られるということを最初に説明していなかった点を今度はちゃんと説明をしろということになっておりますし、為替変動について断定的なことを言うなと、円安になるとか断定的なことを言うなということも、そういう説明をしちゃいけないということと、不招請勧誘の例外に、貿易をやっている中小企業にはどんどんセールスをやっていいというふうになっているわけですが、その貿易をやっている中小企業という中に国内の材木屋さんから材木を仕入れている建設業者まで入れていたと、拡大解釈をしていたと、この点も当時の内藤局長が私に答弁されたそのままの言葉を監督指針に具体例として入れていただいておりますので、この指針の改定は大変評価をしております。
 これからの被害を防ぐために役に立つんだと思いますけれども、問題は、既にたくさんの被害が起きているということなんですが、この既に起きている被害については、金融庁、どういうふうにされますか。
#41
○政府参考人(畑中龍太郎君) 様々な苦情がございますので、これは、あっせんでありますとかいろいろな経路をたどって金融機関と当該当事者の間で様々な話合いが行われていると思いますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、金融商品取引法など関連法令にのっとった勧誘を行うこと、あるいは優越的な地位を不当に利用して取引において顧客に不利益を与える行為を行わないこと、また、最悪のシナリオを想定した損失でありますとか解約清算金額について創意工夫を凝らしながら書面を交付して説明するというようなことを強く求めておりまして、個別の紛争においても誠意ある対応を促してまいりたいと思っております。
#42
○大門実紀史君 今回の監督指針の改定というのは、別に指針の趣旨を変えたわけでも何でもなくて、元々指針には金融商品の販売の説明はちゃんとしなさいとか、不招請勧誘の例外を拡大解釈するなんというのは元々とんでもない話でございまして、強いて言うなら今回の改定は手取り足取りこういうことをやっちゃいけないよというふうに念押しをしたような改定でございます。
 逆に言うと、今回改定で明らかにされたことによって、みずほ銀行がやってきたことは監督指針に逸脱していたということが逆にはっきりしたわけでございます。みずほは円高にはならないといった断定的な、為替変動について断定的に説明しておりました。これは私がみずほ呼んだときも認めておりますし、不招請勧誘の例外になぜしちゃいけないんだと、建設業者が材木買うのに影響あるだろうというようなことを平気で言っておったわけでございますから、それを組織的にやっていたわけでございます。
 したがって、今度の監督指針の例、逆に言うと組織的にやってきたみずほというのは指針に反することをやってきたということがはっきりしたと思うんですけれども、みずほ銀行の個別の案件ではなくて、みずほ銀行全体がこれ組織的にやってきたことについて、これ何のおとがめなしでいいんですか。
#43
○政府参考人(畑中龍太郎君) 個別の金融機関に対する監督対応につきましてはコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、顧客保護の観点から、私どもとしては引き続き厳正な検査監督に努めてまいりたいと思っております。
#44
○大門実紀史君 みずほは不招請勧誘の問題だけではないんです。私、この通貨オプション被害事案を多数取り扱っている弁護士さんから事例をヒアリング、お聞きいたしました。金融庁にも話が届いているかも分かりませんが、実はみずほ銀行は輸入じゃなくて輸出の業者、つまり円高のメリットがない業者にまでこの通貨オプション契約の販売をしております。
 資材の実際の取引から見て、こんな過大なリスクヘッジする必要がない中小企業にまでこの契約を結ばせております。つまり、不招請勧誘の問題だけではなくて適合性の原則ですね、これにも反する事例がたくさんございまして、特に悪質だというふうに思います。みずほ銀行自身に資料を出させましたら、二年間で百件を超える苦情が出ておりますということを認めております。
 今、畑中さんおっしゃったとおり厳正に調査をしていただきたいし、指導してもらいたいし、指針に明らかに違反することを組織的にやったということが明らかになれば、これは当然処分の対象にもなると思いますが、きちっとそこやってほしいと思いますが、みずほ銀行についてやってほしいと思いますが、いかがですか。
#45
○政府参考人(畑中龍太郎君) 個別の金融機関についてああするこうするというのは、私の立場から申し上げられないんでございますが、この種の商品を取り扱っておりますあらゆる金融機関に対しまして、御指摘のように今回の監督指針に沿った対応がきちっとなされているかどうか、これを引き続ききちっとフォローをしてまいりたいと。その上で、もし法令と事実に即して問題があれば厳正な対応を行ってまいりたいと考えております。
#46
○大門実紀史君 そうですね、ここでみずほをやりますと言えないと思いますけれども、組織的にやってきたというのはもう明らかでございますので、厳正な対処を求めておきたいと思います。
 最後に亀井大臣にお聞きいたしますけれども、これは、みずほは特に組織的にやったということが明らかになっているんですけれども、ほかの銀行でも、あるいは地銀でも、金融危機の前ですけれども、大量にこの通貨オプション契約が結ばれておりまして、中小企業に対して売りまくりました。中には、今もありましたけど、貸し手という立場を利用する、優越的立場を利用して売りまくったという点もございます。全体として数千件とか何万件というオーダーでこの契約が結ばれておりますし、今考えますと、ほとんどが相当の損害金、金額がかなり何千万という単位で中小企業は払わされるわけなんですけれども、被害が出ているというふうに思います。
 是非、これ大きな問題になってくると思いますので、みずほだけではなくって、畑中さんおっしゃったとおり、全体でどれぐらいの被害とか実態になっているか、金融庁として是非、問題意識持って調べてもらいたいと思いますが、大臣に一言いただければと思います。
#47
○国務大臣(亀井静香君) 私は、着任以来、かねがね現在の金融機関が、残念なことでありますけれども、もう長い期間にわたってそうした本来の社会的責任、それをどうも忘れているんじゃないかと思われるほどのそうしたマターが私は本当に目立ち過ぎている。それについて、金融庁が力でこれを監督検査という形でやっていくだけではなくて、金融機関自体がやっぱりこれを反省をして、本来の姿に立ち戻っていただくことをしなければ、私はどんなに金融界から批判されようとも、今の金融界の体質を変えていくことに対して私は全力を挙げていきたいと思っております。
#48
○大門実紀史君 是非、次の社会問題になりつつありますので、大臣が言われたような姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
 これで質問を終わります。
#49
○荒木清寛君 まず、金融庁に平成二十年十二月施行の改正金融機能強化法の実績についてお尋ねをいたします。
 改正法に基づきまして、本年三月十日、金融庁はフィデアホールディングスに百億円、宮崎太陽銀行に百三十億円の公的資金の注入を発表いたしました。これで資本注入金融機関は十行一信組となったということでありますけれども、この改正法による資本注入の実績については金融庁はどういう評価をしておるのか、報告してください。
#50
○副大臣(大塚耕平君) 今、荒木委員から御紹介いただいた先も含めて、本年三月末までに十一の金融機関に三千九十億円の資本参加を実施しております。
 また、この改正金融機能強化法は、リーマン・ショックの直後に、当時野党でありました私どもも、これは再度使えるようにした方がいいという考え方の下で、当時の与党の皆さんにも御賛同をいただいて始まった枠組みでございます。
 総じて言えば、以前の金融機能強化法に比べて公的資金を受け入れることに対する金融機関側の言わば恐怖心のようなものは少し緩和をされて、本当に顧客のためになり、地域の金融システムの安定に資するのであれば受け入れていこうという姿勢が見えますので、所期の目的に合った効果が発揮されているものというふうに理解をしております。
#51
○荒木清寛君 この資本注入の前提となります経営強化計画では、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化など地域における経済の活性化に資する方策が義務付けられたわけであります。これも一つ改正の肝だったかと思います。
 ただ、リーマン・ショック以降、地域経済は依然として厳しい中で、そうした中小企業向け融資計画の達成はなかなか容易ではないと、このように推測をいたしますけれども、金融庁は、この資本注入の前提となっている経営強化計画の達成状況といいますか、この取組の状況や、またこうしたことが本当に今のお話の地域金融の活性化につながったのか、この点はどう評価しておりますか。
#52
○副大臣(大塚耕平君) この経営計画につきましては、主に三つの点を盛り込む方向になっていると思っておりますが、一つは収益性をいかに向上させるか、そして中小企業の金融をどのように円滑化させるか、そしてもう一つはガバナンスをどのように改善していくかというようなことだと思います。
 そのうち、中小企業金融につきましては、計画を提示していただいた際の大体の目標を各金融機関ともほぼクリアをしているわけでありまして、したがって、公的資金を受け入れた金融機関はそれなりに全体のトレンドから比べてみると努力をしているというふうに思っております。
 ただ、中小企業の経営がそのことだけをもって大きく改善しているかといえばそうではありませんので、引き続き、この金融面の対策のみならず、実体経済面の対策についても政府全体として取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
#53
○荒木清寛君 この改正法につきましては、三月十日に注入を発表した二行をもって、一応これで公的資金申請の検討を表明していた金融機関への資本注入は一応終わったと、このように言われております。金融庁としては、もうこれで一応区切りとするのか、それとも他の金融機関に対しても必要に応じて手を挙げたらどうですかという、そういうことを促していくつもりなのか、お尋ねします。
#54
○副大臣(大塚耕平君) この法の期限そのものは平成二十四年の三月末まででございますので、今後も利用を希望する先があれば前向きに検討していくべきものというふうに思っております。
 また、平成二十四年の三月末の段階で地域金融全体の状況がどうなっているかということも見据えてその後の対応も検討していくべきものというふうに思っております。
#55
○荒木清寛君 次に、協同組織金融機関の在り方について、金融庁又は大臣にお尋ねいたします。
 信金、信組といった協同組織金融機関というのは、ある意味で一番中小企業の経営に密着していて、社長からすれば使い勝手がいいのではないか、このように思います。ただ、信金、信組の不良債権比率は地域銀行と比較して高い水準にあると言われておりますけれども、金融庁としては、こうした協同組織金融機関の財務の健全性については、どうこれを担保していくつもりなのか、報告を願います。
#56
○国務大臣(亀井静香君) 私は、信金、信組の組織を持っている一般の金融機関とは違った意味の性格、それをある面ではきっちりと生かした、そういう特性を生かした業務展開を強くお願いをしたいと思うわけでありまして、基本的には、かつて一時非常に盛んでありましたただ単なる合併とかあるいは廃業してもらうとか、そういうような形式的に強化されたというような、そういうことじゃなくて、中身においてのやはり私は地域に密着したそうした活動を是非展開してもらいたい、金融庁としては全力を挙げてこれを支援していきたいと、このように考えております。
#57
○荒木清寛君 これは前政権の下で、二十一年、昨年の六月に協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループの中間論点整理報告書がまとめられています、できております。ガバナンスについては半期決算の導入が望ましいことですとか、あるいは連合会の在り方については、その目的、役割、権限を法的に明確化する方向で検討することが望ましい等々が中間報告でなされておりますけれども、大臣としては、こうした論点整理、中間報告に沿ってどう対応していくつもりなのか。これは前の政権のことだからまた白紙でやるという話なのか、どうでしょうか。
#58
○国務大臣(亀井静香君) 私は、前政権が色濃く、いわゆる市場原理といいますか、競争原理、それにウエートを置いた形で金融行政をやろうとしてこられたという経緯がございますから、前政権におかれたそういう問題意識をそのまま我々としては継承するということではございません。
 しかし、前政権下においても金融庁が必死になってこの金融界の中長期的な安定、健全な発展のためのいろんな努力をしてきたことも事実でございますので、現政権下においてもそういう過去の努力をしっかりと踏まえて、いいものはきっちりとこれを生かしていく、取り入れていくということで参りたいと思っています。
#59
○荒木清寛君 関連しまして、連合会と個々の信金、信組の間における相互支援制度、いわゆる資本増強を支援する制度については、これは法的な根拠に基づくものではありませんし、また、そうした基金が中央会の方に、連合会の方にきちんと担保されているわけではないというこの不安定さはかねてから指摘されてきたところであります。
 この改正金融機能強化法が二十四年の三月まで施行されている間はまだこうした法で担保できるわけでありますけれども、それ以降の支援体制、場合によっては連合会の個々の信金、信組に対する支援の枠組みについても何らかのそういうきちんとした位置付けが必要ではないかという考えもありますけれども、この点はどう考えていますか。
#60
○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げましたように、信金、信組につきましては、その設立の趣旨、組織上の他の金融機関と違った特性も持っておるわけでありますから、この相互扶助的な、自主的な運営というものをやはり見据えながら金融庁としても対応をしていかなければならない。
 しかし一方、重要な金融、この行政上役割を果たしておるこれらに対しては、国家としての金融行政上の責任をやはり同じように果たしていかなければならないと。そういう観点においては、信金、信組が窮状に立ち至らないようなトータルの施策及び個々の支援のそういうところの経営状況、いろんな問題についてはやはり金融庁としては共同して責任を持つという立場で対応してまいると、そういう考え方であります。
#61
○荒木清寛君 次に、大塚副大臣に、不動産担保、人的担保に過度に依存しない資金調達の在り方について、取組をお尋ねいたします。
 昨年の民主党のマニフェストでは、政府系金融機関の中小企業に対する融資について個人保証を撤廃するという項目、また、自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について廃止を含め在り方を検討すると。この点については、私は全面賛成であります。
 ただ、契約自由の原則という原理もありますので、なかなかクリアすべき問題等もあろうかと思いますし、かえって資金調達を狭めてもいけないわけでありますので、こうしたマニフェストでうたった点については、政府としてどう取り組み、またどうしていくつもりなのか、副大臣の見解をお尋ねします。
#62
○副大臣(大塚耕平君) 確かに、委員御指摘のとおり、民主党のマニフェストとしては、政府系金融機関の中小企業に対する融資について個人保証を撤廃すると、そして、連帯保証人制度については廃止を含め在り方を検討するというふうに明記をしてございます。この考え方は、連立与党の三党のうちの一つである民主党としては変わっておりません。
 もっとも、政府全体としてこの課題にどう取り組むかというときには、当然、他の二党の皆さんのお考え方も伺いながら決めてまいらないといけないと思いますが、今先生御指摘のとおり、善かれと思って対応したことがかえって事業者の皆さんの資金調達の障害になるようなことがあってはならないという面もありますので、原則としての考え方は変えない中でどう対応するかというのは今後の検討課題だと思っております。
 ただ、先ほども申し上げましたように、政府系金融機関の融資に対する個人保証でありますので、民間金融機関が個人保証を求めるのとはちょっとその性質が違うだろうなという認識はあります。他の委員会やこの委員会でもよく様々な委員の皆様から御指摘がありますように、政府系金融機関が民間金融機関以上に言わば担保の保全を図るということは、政府系金融機関として本来の役割を果たしていないのではないかという御指摘を多々いただいております。そのことも合理的な根拠のある御主張だというふうに思っておりますので、そうした視点も踏まえてしっかりと施策を検討していくべきものというふうに考えております。
#63
○荒木清寛君 大臣は、民主党が言われているこの連帯保証人制度の廃止を含めて検討するということについてはどういう考えですか。
#64
○国務大臣(亀井静香君) 党としても異存はないと考えておりますが、特に大塚大臣の見解に私は相当いつも同感を覚えておりますので、この問題についても私はそういう方向で進んでいくべきだと、このように考えております。
#65
○荒木清寛君 最後に、亀井大臣に、この預金保険料率の引下げが検討されていると、こうした報道についてお尋ねをいたします。
 それで、これは一部の見方では、郵貯の限度額引上げの影響を受ける民間金融機関への見返りの側面があるのではないかという指摘もありまして、いずれにしても、余りこれは、何といいますか、筋がいい、こういう方向の検討ではないのではないかと思っておりますけれども、この点はどうされていくんですか。
#66
○国務大臣(亀井静香君) どうも私の言うことをまともに素直にマスコミ等は取り上げてくれない癖が付いておりますので、議員にもそういう空気が伝わっておるんじゃないかと思いますけれども。
 私が、この信金、信組等、メガバンクに比べて言わば信用力が弱いと預金者から見られておるところについて、このゆうちょ銀行が一千万額を上げた場合、そういう面について、この信用力という面において不安が起きるということであるのであれば、この皆さん方についてもメガバンクと同じように、三菱や三井住友がつぶれることはないだろうと、まあ合併は繰り返してきていますけど、そういう観点からのじゃそのペイオフの限度額を上げることも検討してもいいんですよと。
 私は、別にそれをえさでどうだとか、そう言っているんじゃなくて、そういう方々の心情等を考えて、そういう方々の具体的な事業展開、営業にとって必要な環境を整えてあげるということはやはり金融庁としての大きな責任だと思っておりますのでそういう発言をいたしまして、この負担金の問題でありますが、これは御承知のように、収支状況が今非常に改善をされてきておる状況でもありますので、そうした状況の中で、金融界全体のこの負担というのを、今は〇・〇八三ですか、という今の水準を、もっとも今、言わば黒字に転化していくという見通しもあるわけでありますから、そういう全体の中でこれについても検討をしていけばいい問題であって、そうしたペイオフの限度額を上げることがすぐ負担増につながっていくものではないという意味も込めて私は言ったわけであります。
#67
○荒木清寛君 そういうことであれば、いずれにしましても、特に地域の中小金融機関の意見、要請をよく聞いた上で検討してもらいたいと、このことを要請しまして終わります。
#68
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、いつも最後の質問になってしまいますので、一番最初から大塚副大臣に質問をさせていただきたいというふうに思います。せっかく来ていただいているので、お答えをいただきたかったんですが。
 亀井大臣は日ごろ、この委員会でもずっとそうだったんですけれども、財源を確保するその一つの手段として日銀が国債を引き受けたらいいんじゃないかという持論を持っておいででございます。私自身はその考え方は全く違うんですけれども、いずれにせよ、その部下である大塚副大臣、日銀出身でもありますが、改めてこの点について、日銀が国債を直接引き受けるという考えに対して、大塚副大臣の考え方をお聞かせください。
#69
○副大臣(大塚耕平君) 今日は、御質問をいただいてありがとうございます。大変重要な問題でありますので、お答えをさせていただける機会をいただいたことも感謝申し上げたいと思います。
 先進各国は、皆そのマクロ経済政策というものが限界を迎えている、直面しているという状況の中で、日本はとりわけ金融政策も財政政策もかなり限界的な状況にあるというふうに理解をしております。多分その点は委員も共感をしていただけると思うんですが、そういう中で、御下問の点は今後深く議論をしていかなくてはいけない問題だと思っております。
 といいますのは、財政法においては明らかに日銀による国債の引受けは禁止されておりますので、これはできません。しかし、日銀はこれは固有名詞でありまして、機能としては、どういう機能を果たす組織かといえば中央銀行であります。ところが、憲法上は中央銀行という言葉は出てまいりません。そして、財政法に日本銀行に国債を引き受けさせてはならないという表現で日本銀行が登場いたします。しかし、日本銀行法を見ると、我が国の中央銀行としてというくだりが出てまいります。ということは、中央銀行というものの定義、これが大変重要な問題だというふうに私は考えております。
 マクロ経済政策が、金利も標準的なレンジの中にあって財政状況も逼迫をしていない中における議論と、今のような状況の中における議論においては、そもそも中央銀行とはどういう機能を果たすもので、それは何なのかという深い洞察が国会でも、あるいは政治の場でも行われなくてはならないというふうに私は考えております。
 結論的に申し上げますと、マクロ経済理論の世界では、アマルガメーションアプローチという一つの考え方があります。これは統合政府という考え方でありまして、中央政府と地方政府と社会保障基金から成り立つ一般政府に加えて、独立行政法人とか公益法人という公的セクター、さらに中央銀行も含めてこれ全体が統合政府であるという考え方であります。したがって、中央銀行をどう考えるかということが御質問の点の今後の生産的な議論を進める上での重要なポイントだと思っております。
 もっとも、日本銀行としてそれを引き受けさせることができるかどうかということについては財政法で禁止をされておりますので、なかなか法を破るということは難しい問題だというふうに思っております。
#70
○愛知治郎君 ありがとうございます。さすが大塚副大臣というか、専門家でありますから、これだけ、一つの私の問題提起に対して国の根幹というか、そもそもの在り方まで広げて御答弁いただいて、さすがにその知識の多さというか見識の深さに驚いてはいるんですが。
 実はもう一つ、結論として現在は財政法上結局引受けをするのは難しいということは、結論としてはそうなると思うんですけれども、私が何を言いたかったかというと、こういう点の考え方について、先ほどの亀井大臣と藤田委員のやり取りで政務官に対するねぎらいの言葉というか、ちょっとフォローアップを大臣がされていたのを見て、非常にいい信頼関係で副大臣、政務官仕事をされているなと思うんですが、そもそも私自身は、与党にいたときも感じていたんですけれども、やはり副大臣、政務官、政務三役というのは大臣が自分の考え方に合う人を指名して登用していくべきだと、その人事の在り方ですね、思っているので、多分考え方がいろいろ違う人とやっているからこそ政治のリーダーシップって発揮しにくくなるんじゃないかというふうに思っていたので、大臣の見解と多分大塚副大臣の見解はこの点については違っている考え方を持っていると私は思っているんです。非常に難しい議論をされて、それを認めるわけにいかないし、上手だなと思ったんですが、私の考え方はそういった考え方を持っているので、その前提でもう一つ違う議論をさせていただきたいと思います。郵貯の限度額についてであります。
 まず、そもそも郵貯の限度額、これが定められているのはどういった目的で定められているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#71
○国務大臣(亀井静香君) ゆうちょ銀行も、これも我が国における重要な金融機関の一つであります。これがどういう事業展開をしていくかということは、国民経済的にも地域経済的にも、また我が国の金融分野における影響もこれは大きなものがあるわけでありますから、そういう観点から見た場合、ゆうちょ銀行は、その信用力という意味において、信金や信組に比べてこれが極めて困難な状況に、預金の支払不能というような状況に陥る可能性は少ないだろうという、そういう信用があることは事実であります。
 そうした中で、預金限度額を青天井にしていくということは、私は信金、信組の現実のいわゆる営業状況等から見て、やはりそれは青天井にしない方がいいと、一定のやはり限度枠を設けた方がいいという私も判断を持っておるわけでありまして、一方、ゆうちょ銀行が、これは一般銀行になるわけでございますけれども、一般銀行としての自由な活動をしていただくと同時に、ユニバーサルサービスという国家的な、国民的な課題をやはりこなしていただく。そのためには、当然、信金、信組やメガバンクの負っていない多くの負担が掛かるのは、これは当たり前のことでありまして、そういう負担を全部外してその部分は税金で賄えばいいという議論もあることは間違いありません。
 しかし、今まで、やはりそうしたかつてのユニバーサルサービスも、税金をつぎ込まないで郵政の独自の展開の中でそのコストは調達をしてもらうということでやってきたわけでありますけれども、今後、そういうことを税金を投入をするということでゆうちょ銀行あるいはそのあれとは切り離して、何もユニバーサルサービスは展開をしていただく必要がないという割り切り方をすれば、割り切り方というよりも、これは国家をどうしていくかと、国民生活をどうするかというそういう視点での判断によって分かれるところでありまして、そういう意味で、私どもとしては、ユニバーサルサービスを山間部においても島嶼部においてもやはりそれを展開をしていただく、重い責任であります。
 それを展開してもらえたら、もうすぐやめるから手をこうやらぬでも、この面からいうと、一千万円で縛っておいてそういう責任を果たしていただきたいというのはやはりこれは難しい、無い物ねだりになっちゃうと。やはりもう郵政辺りから最低五千万まで出してもらわないとという強い依頼があったわけでありますけれども、私どもは、各界各層いろんな方々の意見も聞いた上で二千万ということにしたわけです。しかも、これは法律が成立した後、施行のときまでに預金のシフト状況その他もよく見ながら、これを下げる場合もあれば、維持する場合も、上げる場合もあるという、ある意味では何だと言われるかもしれませんが、慎重な、その他の金融機関に対する影響も考えながら今後進めていきたいと、このように考えておるわけでありますので、もうちょっと待って。
 あと、今度は経営、郵政改革委員会という第三機関も今度の法律で設置をいたすことにいたした。内閣府に置くわけでありますが、これは、この郵貯それから保険、この両分野について、金融部門について日本郵政が新しい事業を展開をしていこうとする場合に、そうしたいわゆる民業圧迫につながっていくのかないのかと、そういうようなことも国民的な視点から、目で御検討いただいて、それをクリアをして届出をしていただくという方向で決着をいたしており、間もなく閣議決定をし、国会に出す予定にしておるわけでございます。
 長々と申し訳ございません。
#72
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 ちょっと長過ぎて私も付いていけなかったところがあるんですけれども、要は、私の質問は、郵貯の預け入れの限度額がなぜそもそも上限があるかということだったんですけれども、理由としては、信金、信組、その他の金融機関に対して配慮をしなくちゃいけないというようなことをおっしゃられていたと思うんですが、要は、民業圧迫になるんである程度の限度額を定めなくちゃいけないということだと思うんですけれども、その点、副大臣にちょっと分かりやすくもう一度お伺いをしたかったんですが、よろしくお願いします。
#73
○副大臣(大塚耕平君) いや、もう大臣の御説明も十分分かりやすいと思っておりますが。
 過去からの経緯もあって今日の日本郵政がありますので、その過去からの経緯を踏まえると、この時期、一定の限度額があるということは合理的だということだと思います。そのことをある立場に立って表現すると民業圧迫というふうにおっしゃる方もいらっしゃいますが、私自身は、今申し上げましたように、過去からの経緯があって今日の日本郵政があるわけでありますので、その経緯を踏まえると、限度額という制約があることは一定の合理性があるというふうに考えております。
#74
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 先ほど亀井大臣は、上限、今回決まったというか方針で決められた二千万ということについても触れられましたけれども、実はこの点について伺いたかったんですけれども、大塚副大臣にも。菅大臣にも伺おうとは思っていたんですけれども、その前に、副大臣に改めて、民主党さんは元々この上限額について五百万ということを主張されておりました。その考え方は今回変わったのか。なぜあのとき五百万と主張して、今は二千万ということに合意されたのか、その考え方を聞かせてください。
#75
○副大臣(大塚耕平君) 今朝、亀井大臣と原口大臣が法案の骨子について公表されたんですが、その席で原口大臣がこういう表現をしておられました。郵政の議論はいろんなお考えがあるんだけれども、事業庁をつくったときの議論をそのまましている人、公社化をされたときの議論をまだしている人、二〇〇五年のときの議論をしている人、二〇〇七年ごろの議論をしている人といろいろなお立場があるんだけれども、今は二〇一〇年だということで、この時期においてあるべき姿を考えているというふうに御発言されました。
 その御発言は今の委員の御質問に対する答えと密接に関係していまして、確かに二〇〇五年は、私どもは、限度額を下げて公社的な存在として維持発展をさせていくという選択肢を国民の皆さんに御提示申し上げました。それは、愛知先生ほか当時の与党の皆様が日本郵政グループを、特に銀行と保険を完全に自由な会社として民営化するという案を、選択肢をお示しになったことに対する選択肢として私たちは御提示申し上げたわけであります。その結果、私どもとしては残念ながら選挙では否定をされたわけでありまして、その後、国民の皆さんの選択に従って現に民営化といいますか株式会社化をされて、平成二十九年には限度額が完全になくなる、業務も完全に自由になるというもうその道を日本郵政グループは歩んでいるわけであります。
 そういう中で、既に株式会社形態の独立した事業体としてスタートしてもう二年余がたっている日本郵政の在り方、今後の在り方を考える上で、私たちは、去年の選挙で国民の皆さんにお訴え申し上げたのは、二〇〇五年の時点で当時の与党の皆さんがおっしゃっていたとおりの姿にはなっていないところがあるので、そこはしっかり改革をさせていただくということを申し上げたわけであります。
 したがって、私たちは二〇〇五年の民意を過去にさかのぼって否定するということはできないというふうに思っております。既に独立した株式会社形態の自らの意思を持った日本郵政グループが、郵政事業という国の言わばお願いをしている業務をしっかり担い、国民の皆さんに対して利便性を享受していただけるような業務を行う上で、限度額もどうあるべきかということを考えました。
 その結果、結論でございますが、簡保については昭和六十一年から、郵貯については平成三年から約四半世紀にわたってそれぞれ限度額が据え置かれていることを十分に勘案しまして、そこから今日に至る間の国民の皆さんの金融資産の増加率等を勘案し、今回の限度額を決めたわけでありまして、それはマニフェストの中でも連立与党各党が書いてありました国民の皆さんの利便性を高めるというこのコミットメントに対応した措置であるというふうに考えております。
#76
○愛知治郎君 逆に分かりにくくなってきたんですが、要は、我々が主張しているとおり完全民営化をしてしまうとこれは民業圧迫にもなるので、ある程度一定の枠をしっかりとはめるべきだろう、しかもその限度額というのは五百万ぐらい、相当抑えた額を上限にするべきだという主張をその当時されていた。今は逆に、民営化を官に近い形に戻すことによってコントロールが利くから二千万まで上げても大丈夫だという論理に聞こえるんですが、いかがでしょうか。
#77
○副大臣(大塚耕平君) 分かりにくくなってきたというふうに御評価をいただいたわけでございますが、それは多分考え方の違いかなというふうに思います。決して私たちは、官に戻すとか国営化にするとか、だからその制御が利くというふうに考えているわけではありません。
 繰り返しになって恐縮ですが、他の金融機関、例えば農協や信金、信組、限度額については全く制約がない中で、過去からの経緯があって限度額を設けることに一定の合理性があるこのゆうちょ銀行、かんぽ生命に対してどのぐらいの限度額を設けるかというのは、四半世紀の日本経済の動きを勘案して決定したものであるというふうに御理解いただければ幸いであります。
#78
○愛知治郎君 過去からの経緯をずっと積み重ねて議論をされて今回決められたということなんですけれども、やはりこの数字に関しては改めて法案を出されたときに審議をする、その中で明らかにしていくということであると思うんですけれども、経緯についてはここの委員会でも取り上げられましたけれども、はっきりとその議論が積み重ねられて合理的な根拠の下にその二千万という額が決められたのかどうか、外から見ている我々にとってみればその過程がどうも不透明であるというふうに思っているんです。だから改めてお伺いをしたかったんですけれども、このような議論がされて、その過程においてもしっかりと議論をされて最終的に合意をされて決められたのかどうか、この点について菅大臣に、その経緯について改めて伺いたいと思います。
#79
○国務大臣(菅直人君) 今、かつての二〇〇五年当時の話も伺いながらいろんな時代のことを少し思い出しておりましたが、当時の議論は、今私には聞かれてはおりませんけれども、やはり財投というものをどう考えるかということがあって、基本的には民間に国民の資金が直接流れる方がいいんではないかと。その道は、民営化もあるかもしれませんが、逆にダウンサイジングをして、結果としてそのお金が他の民間の金融機関に流れていくことを通して民間資金になっていくという考え方が当時のベースであったと思っております。
 その後のことは大塚副大臣が言われたようにというか、その考え方が結果として二〇〇五年に否定をされまして、そして民営化という方向に歩まれたわけでありますが、その中で私たちは、国民新党の皆さんとともに、二〇〇五年以降の民営化の中身はやはり余りにも問題が大きいということで、郵政のまさに抜本的な見直しということで二〇〇九年の選挙の前にきちんと政策的な合意をして、その中から、政権を担当させていただくことになりましたので、その方針に沿って具体化を始めたということであります。
 そういう意味で、今御指摘のこの預金の上限の問題について、経緯はある程度御承知だと思いますが、担当されている亀井大臣そして原口大臣の方でいろいろ議論をされた中で、最終的には全員の閣僚懇を三月三十日に総理の下で開きまして、そしてそこで最終的な判断を鳩山総理に一任するという中で、鳩山総理が、亀井大臣そして原口大臣の提案された方向で行こうということになったというのが経緯であります。
#80
○愛知治郎君 郵貯の考え方一つにしても、先ほど菅大臣は二〇〇五年当時の話をされましたけれども、郵貯の資金を民間の市場に出して市場を活性化させるというような考え方をお話しされたと思うんですけれども、全く我々もその目的で郵政の民営化を進めてきたと思うので、どこが食い違ったのかなと思うんですが、いずれにしましても、そのときの議論と今この決定に至るまで、論理的な一貫性というのも多分考えられているとは思うんですけれども、はっきりしないので、またこれは改めてその法案の審議の中で明らかにしていきたいとは思いますが、いずれにしても、その点は腑に落ちないということを、また今の御答弁も改めて精査をさせていただいて、今後の議論に活用させていただきたいというふうに思います。
 今日、郵貯の点に関しては、後ほど関連はあるんですけれども、テーマを変えまして、大きな議論に移らさせていただきたいというふうに思います。先日の委員会でも菅大臣と林委員でしたか、ちょっと正確には覚えていないんですけれども、この委員会で議論をされたデフレについて改めてお伺いをしたいと思います。
 デフレ宣言をまずされて、この状況を克服していかなければいけないという認識は一致をしておると思うんですけれども、そもそもこのデフレについて、何でこういう状態になってしまったのか。これは私が当選した当初からも議論されて、もう七、八年前ですかね、委員会でも取り上げさせていただいたと思うんですけれども、原因をまずしっかりと把握した上で、一つ一つどういったことができるのか政策を検討していかなければいけないと思うんですが、そもそもこのデフレの要因はどのようなものか、どのように考えているのか、菅大臣に見解を伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(菅直人君) 私も経済財政担当大臣になって以来ずうっとこのデフレという問題を、国会の場だけではなく、いろいろな専門家の皆さんとも話をいたしております。いろんな要因を事務方というか官庁エコノミストの皆さんも説明をしてくださっております。なかなか私に必ずしもすとんと落ちる原因というものを、そういう説明を聞いても十分にすとんと落ちる原因とはなかなか思えないところが多かったんですね。
 そういう中で私なりに、その中の議論の中にももちろんあったわけですが、私なりに今分析しているのは、やはり一九九〇年前後の、まあ日本の場合は土地ですが、土地バブルとその崩壊の影響が今日まで残っているんだろうと。
 土地の地価上昇、何年間を見るかにもよりますが、少なくとも一千兆円ぐらい上がった土地が一千兆円ぐらい下がっていますし、それに連動した株価も、日経平均四万円近くまで行ったものが現在でも三分の一程度に下がっている。少なくとも千兆円オーダーの言わば資産デフレが起きて、その後いろいろなことをやりましたけれども、その一千兆円オーダーの資産デフレを埋めるような状況は生まれておりません。まあこれはバブルですから仕方ないといえば仕方ないんですが。そのことが個人の消費の抑制、あるいは企業のいわゆる設備投資の抑制、特にこれは気持ちの問題としてそこにずうっと尾を引いていると考えるのが適切なのかなと。
 というのは、他の先進国の中でもその後の経済の変動は共通した変動があるわけです。例えば今のリーマン・ショックなんかは、場合によっては、金融だけで見れば日本よりもヨーロッパとかアメリカの方がダメージが大きかったわけですが、しかし、そういう国々では必ずしも日本と同じようにデフレが、それこそ初当選された二〇〇一年のころ以降続いてはおりません。先進国では日本だけが続いている、日本だけの固有の原因ということを考えていくと、私は今申し上げたようなことに行き当たると。
 もちろん、その中での問題はあります。いわゆる需給ギャップがどうとか、そういうことは当然ありますし、金融政策がもっと積極的に、金融緩和を怠ったという問題もあります。そういう問題は幾つかありますけれども、根本の根本はやっぱり十数年前の、約二十年近く前のそこにさかのぼるのではないかと、これが私の認識です。
#82
○愛知治郎君 実は、今後の議論は、こういった点について与野党を問わず、これは日本経済のためですからしっかりと議論をしていかなくちゃいけないと思います。今までもそういう議論はしてきたんですが、私なりに、当初、七、八年前とまず同じ議論をさせていただきたいと思います。
 そのときも、菅大臣おっしゃられたとおりに、バブルの影響が残っていてその処理がまだ済んでいないという議論もありましたが、結論としては、直接的なバブルの影響は、破綻処理というんですかね、ほとんど終わっていると、デフレに関しては違う要因で起こっているんじゃないかという議論がされていました。
 私なりに考えていたんですけれども、時代が変化をして、そのときの状況ですね、今でも変わってはいないと思うんですけれども、で、デフレを誘発している要因について申し上げさせていただいておりました。
 一つは内外価格差ですね。中国とか新興国の安い賃金に基づいて、物の値段、コストを引き下げることができた。逆を言うと、物の値段が持続的にどんどん安くなって、下がっていった、これが一つです。
 また、あとニーズの変化がありました。時代が随分変わってきまして、物がほとんど、昔の三種の神器なんかもそうですし、一般家庭も含めて、皆さん物をすべて手に入れることができてしまったんですね、必要なものは、大体。ただ、一度手に入れたものですから、新たなものを求めるのに、今度は嗜好が変わってきた。例えば、高い物と安い物、非常に高付加価値を持った物と非常に安価な物、二極化してきたんですね。社会のニーズが変化してきた。だから、単純に中等の物、テレビだったらテレビ、普通にテレビがあればいいなという時代ではなくなって、その時代が変化をしてきて、ニーズが変化をしてきた、そのことによって物も売れなくなってきたということがあります。一方で、もちろん価格が下がる要因ではあったんですけれども、それも一つの要因だと思います。
 そして、第三は金融であります。御承知のとおりに、金融機関の経営が圧迫をされて、バブルの後処理というのもあるんですけれども、貸し渋り、貸しはがしが大変大きな問題になって、資金繰りに企業側も窮して、全体の資金量が減ってきた。要は、それがデフレを加速させてきたと。
 デフレの三要素として、私は内外価格差の問題、ニーズの変化、金融問題、こういった問題があるので、一つ一つそれらに対応していかなければいけないというふうな意見を申し上げさせていただいて、その議論をしてきました。この点について、私の見解についての菅大臣の見解を伺いたいと思います。
#83
○国務大臣(菅直人君) それぞれデフレの原因ということで、おっしゃる意味はよく分かりますし、そのことを否定するつもりはありません。
 ただ、先ほど申し上げたのは、これらの要因は他の先進国でも大体共通するんですね。ただ、他の先進国はこれらの問題を抱えながら長期のデフレになっていないということで、これが間違っているという意味じゃなくて、これに加えてというのか、もう一つ根っこのところにあるのではないかということで先ほど申し上げたわけです。
#84
○愛知治郎君 是非、こういった問題一つ一つ検証しながら具体的な施策を打ち出していってほしいと思うんですけれども。例えば、内外価格差に関して言えば、これは自然に発生する、諸外国でもそうなんですけれども、必ず賃金格差というのが出てきますから、国によって、そういった安い労働力を活用した上でのコストダウンというか、物の値段が下がっていくということは通常起こり得る話ですし、ある意味で不可避だとは思うんですけれども、一方で、社会の構造を変えていくというのはどうしても必要だと思いますから、その点は一つ一つ、やはりあの当時も今もやることは変わっていないと思います。
 ちなみに、そのときに我々の政権においてやらなければいけなかったのは、特にニーズの変化に対応するには、だからこそ官から民へ、中央から地方へ。要は、時代の変化に対応しやすいのは官より民だろうと、また中央集権的に一律にやるよりも、地方でそれぞれの地域の事情に合った施策を講じていったり社会を形成する方が時代の変化に対応しやすいだろうということで進めてきた方策でもあると思うんですが、その点について、菅大臣、その方向性について見解を伺いたいと思います。
#85
○国務大臣(菅直人君) 私は、今特に象徴的に官から民ということを言われまして、私も長くそう思ってきましたし、今でも基本的にはその考え方は継続しています。
 しかし、最近の状況を見ていると、例えば今問題になっている、アブダビに原発を売ろうと思って韓国に負けたとか、そういうことを考えますと、じゃ、民に任せておいてそういうリスクの高い融資ができるのかと。そうすると、やはりかつて輸銀という銀行が今JBICになっていますが、確かにそれをまとめるということを私たちもある段階で賛成を、さきがけの当時ですが、いたしましたが、機能が低下することによってそういう海外のリスクを取れる体制が今必ずしも日本という国全体としては取れていません。ですから、官から民というときの前提は、民間が活力を持って対応できるということが前提になるわけですけれども、今の状況は必ずしもそうは言えない状況にあります。
 そういった意味では、今そういう、特にアジアの成長を我が国の成長につなげていくためのある意味でのファイナンスをどうするか。あるいは、その保証を、民間だけでできない保証があるとすれば、韓国の方は原子力については公社をつくって、半分官の立場から六十年間の運転保証をするといったようなこともやっておりまして、そういう意味では、まさに官と民の役割というものをもう一度、何でも民に任せればいいと言ってやってみたけれども、民がそこまで受け止められなかったという現実がありますので、そこはもう一度考えなきゃいけない場面がかなり出てきているというように思います。
 さらに、大きな面でいえば、今の状況は、金融についてはもう亀井大臣がいろいろこの間言われておりますが、一般的に言えば、民間にお金はあるんです。しかし、大企業がじゃそのお金を借りて大きな工場を造るかといえば造らない。個人も余り、どちらかといえばお金や貯金を持っておくことの方がより安心で、ジャガーに乗って遊び回ろうとか余りしないんですね。そうなると、その状況がデフレ状況、つまりお金が回らない状況を生み出していますので、それをある意味で強制的にお金を回すためにどうするかということになると、やはり税と財政出動というものをいい意味で使わなきゃいけない。つまり、財政出動の中身が雇用につながり、需要につながれば、そこからデフレ脱却ができてくるんだと。
 ですから、私は、まさに私たちも、一般的に言えば、官から民ということについてはずうっと言ってきたつもりでありますけれども、しかしそのことが、逆に言えば、今の時代において、民に頼ったけれども民が必ずしもそこまで期待したほどの機能はしていないということも含めて議論はしなきゃいけない新しい状況が現在生まれていると、こう考えた方がいいのではないかと私は思っております。
#86
○愛知治郎君 今、菅大臣の話を伺っていると、まさに社会主義的というか、国家主義的というんですかね、国家がすべて経済を統制していこうという発想につながるんじゃないかと思うんですが、この方向性がはっきりしないんですよ。官から民への流れが正しいんだか正しくないんだか、どちらの方向に向かっているのか分からないんです。言っていることは正しいと言ったんですよね、今、官から民へ。間違いではないと言ったんですか。ちょっとそこは分かりにくいんです。
 ただ、やっていることは、少なくとも我々の政権下でここ何年かやっていたこととは逆行というか違うことをやっているんですよね、郵政に関しても。考え方が、やはりその方向性が定まらないからこそ国民は不安に思いますし、我々もどう議論していいか分からないというところもあるんですね。
 金融に関して、少なくとも我々は郵貯も含めて市場、健全な市場を形成するために健全な競争をさせるべきだという考え方を持って民営化も進めたんですけれども、その点については亀井大臣の見解はどうなんですか。
#87
○国務大臣(亀井静香君) 私は、基本的な考え方、菅大臣の考えのとおりだと私は思っております。このデフレスパイラルと言ってもいい状況に日本だけが沈んでおるという状況というのは、今までの景気が良くなったり悪くなったり、その景気循環ということだけの中で我々が財政・経済運営を政府としてやった場合、これは脱することは私はできないだろうと思っております。
 そういう意味で、菅大臣が、今まで民間での需要創出について前政権が失敗したその経験を踏まえて、現実にそうした需要を出していくにはどういう方法があるのか、第三の道ということを言っておられますけれども、このことが、前自公政権の無批判な私は官から民へという一本調子のそういうことで、結局は民の力までなくしてしまっている。
 私、委員は非常に勉強しておられますし、いつも感心しながら聞いておるんですが、官から民へと言いますけど、いわゆる純粋な自由主義経済、それが人類にどういう結果をもたらしたかということはもう証明済みなんですね、これはかつての大恐慌の場合もそうでありますが。官から民へと極端に行った結果、アメリカでは、それをアメリカは旗振りをブッシュがやった、ネオコンで。その結果が大変な状況になったと、これはもう現実の話なんです、これは。言葉の話じゃない、官から民へと。
 やはり政府が存在している以上、政府の責任をきっちりと果たしていかなければならないと。民の自主性を損なっていくとか、活力を損なうという話ではないんですよ、基本が。民のそれを引っ張り出していく上においてもやはり政府が一定の役割を果たしていかないと。民間に任しているとおりで、日本だってそうでしょう、どういうことが過去に起きたか、委員も御承知のとおりですね。これは金融界を含めてそうです。もう自発的に、自主的に当たり前の金融活動をやってくれない。アメリカがああいう大ごとになったわけでありますから、日本も似たようなことをやっておるんです。そういうことを繰り返す前に、繰り返さないために政府が存在しているんです。
 その責任を果たしていこうとすると、もう民から官へ逆行していると。当たり前です。前の自公政権がやってはならない極端な官から民へと称する政策を現実を無視しながらやってきた以上、それを直していくんですから、あなたの目から見れば逆行であるということは間違いない。十年前の目から見れば逆行であるけれども、時代はどんどん進んでおると。
 ちょっとこれはあなたをまた批判するみたいなことを言いましたけど、私は、やはり世界の潮流が今どうなっておるのか、世界経済の中で日本がどう生きていくかと。やはり過去の経験の中から今新政権は、そうした民をもう一度活力のあるものに戻していくためには、更に力を持つにはどうしたらいいかということを一生懸命考えておるわけでありますから、自公は十年前の考え方に固定をして、そこに固定をされて今政権を幾ら批判をそうされましても、もう二周遅れ、三周遅れの立場から我々が全力疾走している状況を速過ぎるとかなんとか言われましても、我々は走らざるを得ないんです。
 どうも失礼しました。
#88
○愛知治郎君 分かりました。
 これはしっかりと議論をしていくべき話だと思うんですが、大きな方向性からすると、少なくとも今、菅大臣と亀井大臣の話をお伺いする限りにおいては、税、財政、そして金融、しっかりと国家的関与の下に経済も国家の方向性も決めていくと。官から民へという言葉、民から官へという言葉は別にして、どちらかというと大きな政府をつくって、その上でしっかりと経済をコントロールしていく、そのように聞こえるんですが、改めて菅大臣にそういう考え方でよろしいのか、伺いたいと思います。
#89
○国務大臣(菅直人君) いろんな言葉のレッテルというか、先ほど社会主義的ということも含めて、我々もよく選挙では、お互いにそういうことを使いましたので、別に使うことが悪いとまでは申し上げませんが、ただ、本当にかなり、私も多少長く愛知議員よりは生きているので、長い間の議論を見ていると、さっき言われた社会主義的な政策なんというのも、まさかとは思ったんですけど、アメリカがGMを事実上国有化したわけですよ。金融でもない製造業を国有化するなんというのは普通考えられないわけですよね。もちろん、今はJALの問題で、国有化ではありませんが、いろいろ動いています。
 ですから、私は、少し昔の何かステレオタイプな区分というのではなくて、まさに今の時代に何が起きているかということをしっかりと認識する中で、是非愛知さんのように若い世代の皆さんは自由闊達な議論をしていただいて、余り古い言葉でレッテル張りをしてもちょっと意味合いが違ってきているのではないかと思うんです。
 その中でいえば、今の大きい政府、小さい政府という言葉もややそうです。かつて私があなたぐらいのときには、イギリスがいわゆるイギリス病と言われました。つまりは、福祉にたくさんお金を使って、揺りかごから墓場までだから、そこでお金が使われて長期低迷になったと。それで、サッチャー政権が現れて、そこをかなり切って元気にしました。しかし、最近は北欧の状態などは、逆にちゃんと福祉をきちんとやった方が景気も良くなるんだと、そういうモデルが幾つも出てきているし、ヨーロッパはどちらかといえばそういう考え方がかなり浸透してきています。
 今、私たちが時々申し上げる例えば介護とか保育のような潜在的需要があるところに、それは公的な資金かもしれません、税金かもしれません、そういうものを投じる方が雇用を生み出して、仕事を生み出して、ある意味ではその人たちに所得も生み出して、そしてその人たちが税金も払うことになると。そうすると、それは保育所を増やすこと、介護にお金をたくさん使うことが大きな政府という言い方をすればそうかもしれませんけれども、しかし、大きな政府イコール経済成長のとどまったいわゆる低成長の重い政府ということでは必ずしもないんですね。ですから、そういう点では、従来のような何かレッテルを単純に張る形ではないところで議論をしなきゃいけないんではないか。
 あえてもう一つだけ申し上げますと、かつて日本は日本株式会社と言われました。これも私があなたか、もっと若いころですね。つまり、官僚と、ある意味では企業と、ある意味では政治家、当時自民党中心ですが政治家が、悪い面もあったかもしれませんが、いい意味でもリンクして、どんどんいろんなことを政策的に実行していって日本が高度成長を遂げた。その大きな力を外国は日本の奇跡として、まさに日本株式会社とまで言われたんです。しかし、今や日本株式会社じゃなくて、韓国株式会社であり、中国株式会社であり、場合によったらアメリカも株式会社になって、日本が逆に日本国株式会社が崩壊しているというのが先ほどの金融の問題でもそうなんです。
 ですから、これも単純に社会主義とか云々ではなくて、やはり今の状況の中で日本がもう一度経済を立て直すには、ある意味日本株式会社的なところも必要なものは復活させるということが必要だということで申し上げているので、単純に社会主義とか自由主義とかということではありません。
 最後に、あえて言えば、この間の私は小泉・竹中路線は自由主義的ということで間違ったと思っていますから、そのことは私が第二の道ということでよく言いますけれども、つまりは自由主義でうまくいったんならいいんですけれども、結果として間違ったわけですから、日本の経済は良くなっていません、あの五年間の中で良くなっていません、トータルして。ですから、そういうことをよく検証されて、これからの方向性を大いに議論したいと思います。
#90
○愛知治郎君 リーマン・ショックという特別な事情があったのですべてが悪いとは私は思わないんですが、いずれにせよ、例えば民主党さんは選挙のときにも言っていますし、今でもそれは旗を降ろしていないと思うんですが、予算の組替えと無駄遣いの根絶、特に無駄遣いの根絶ですね、これから事業仕分なんかもやるとは思うんですけれども、それは歳出を抑制していくという方向だと思います。
 一方で、菅大臣は積極的にやろうと言っていますし、私もその点は賛成なんではありますが、消費税などの増税は少なくとも四年間封印すると、一切しませんということを言っていますから、それはだんだん小さな政府の方向に向かった政策だと思うんですね、旗を掲げているのは。その点についてはどうお考えになりますか、方向性として。
#91
○国務大臣(菅直人君) 無駄の削減というのは当然ながらやらなきゃいけないというのはだれもが考えていると思うんです。
 ただ、私は最近、無駄の削減は目的ではないんだと、無駄の削減をした後のお金と人をより有効なところに使わなければ単なる、単なるという言い方は変ですが、デフレ政策になってしまうと。ですから、人を削る、お金を削る、そして削った人とお金がより有効なところで働き、より有効な形でお金が使われてこそ初めて日本経済にプラスになるんだと、こういうふうに思っています。
 ですから、先ほども言ったように、民主党が、何といいましょうか、小さな政府、大きな政府という言い方で余り画一的に見ていただくよりも、それから官と民というのも、官という意味合いも二つあります。いわゆる官僚組織に全部丸投げした、天下り的な形に依存してということであれば、これは効率が悪いという意味では決してよくありません。しかし、広い意味で、政治主導という言い方で言えば、今発展している国は、どちらかというと発展途上国なり新興国が多いわけですが、政治主導で発展しているんです、経済が政治主導で発展しているんです。それは、例えばの話、中国もそうですし、今日につながるシンガポールもリー・クアンユーとかそういう人たちが出てですね。
 ですから、そこは、民と官という言い方もありますが、ある意味、民ができないところを政治主導でやらざるを得ない場面が私は経済においてもかなり逆に再度出てきているという意味で、先ほど日本株式会社を少なくとも部分的には復活する必要があるんじゃないかということを申し上げたわけです。
#92
○愛知治郎君 時間がなくなったんではっきりと申し上げさせていただきたいと思うんですが、今のように分かりにくい、その場その場でいろんな論理を持ち出しておっしゃられているのが一番問題だと思うんですね。方向性がはっきりしないと。
 一つの、今の財源の問題についてもそうですけれども、無駄遣いは当たり前、その無駄遣いで浮かせた部分をしっかりとまた振り分けていくという話をされましたけれども、そもそも今年度の予算だって問題でして、財源が確保されないで、結局税収を上回る発行額、新規国債を発行せざるを得なかった、そういう予算を組まざるを得なかったわけじゃないですか。
 この前、私、昨日決算委員会で古川副大臣と議論をさせていただいて、その際、事業仕分について、無駄遣いの根絶について伺ったんですけれども、このように答えていました。事業仕分、ともすると予算、要はマニフェストを実行するための財源確保のためにやっているように、そういうふうに思われているところでありますが、決してそうではございませんと言っていました。要は、無駄遣いの根絶を行って、財源をしっかり確保した上で様々な政策に振り分けていく、そうではないということを宣言されたわけですけれども、もうそもそも無駄遣いの根絶によって財源を確保するという論理が破綻しているんじゃないかと思うんですが。
 いずれにせよ、そういった状況の中で増税もしない、増税の議論もしていかないということであれば、やはり迷走していると言われてもしようがないと思いますし、そもそも大きな政府か小さな政府か、どのような方向に向かっているのかすら分からないということでは、これは経済が良くなりようはないと思うんです。
 その成長戦略ですね、しっかりとどのような形でどのような分野を成長させていくかという成長戦略も見えてこないですし、加えて、今の問題もそうですし、年金や医療の社会保障もどうなるかはっきりとしてこない、見えてこない。財政に対しても、じゃ本当に賄えるのか、国の財政というのは大丈夫でしょうかという不安感というのも国民に広がっておるのも事実であります。この点を明確にやはりしていかない限り、経済というのは順調に私は成長していかないと思いますし、社会は前向きにならないと思っています。
 しっかりとした方向性を打ち出していただきたいんですが、最後にその点について菅大臣に改めてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(菅直人君) 私はかなりはっきり申し上げているつもりなんですけれどもね。
 今幾つかのことを言われましたが、税については、御承知のように消費税を含めて今税調で本格的な議論が進んでいます。まずは専門家の先生方にやっていただいて、いよいよ政治家の本体も含めて議論をして、少なくとも六月の中期財政フレームの中で、どこまで具体化するかは別として、一つの方向性は出します。
 せんだって、林議員の方から自民党の財政健全化責任法についても御指摘いただきましたので、そういうものについても出せる出せないは率直なところまだ我が党の党内でも最終的な判断はできておりませんが、少なくともそうしたこともきちんと、法になるかどうかは別として、法律という形に私はしたいと思っていますが、なるかどうかは別としてそういうことを考えていますし、今言われた財政のこともその中できちんとしていこうと思っています。
 それから、成長戦略についても、第三の道という言い方がどこまで一般化したかどうかは別として、やはり雇用、仕事、需要、そこに焦点を置くと。ですから、結果としては、先ほど言われた新しいニーズですね、新しいニーズというのは逆に言えばそれは需要が生まれるということです。アイパッドが出れば需要が新たに生まれるわけです。あるいは、グリーンイノベーションとかそういうことによって需要が生まれる分野に供給していく。さらには、元々潜在的な需要が存在する介護とか医療とか子育てのところに思い切って財政を出動することによって需要を生み出して景気を、経済を立て直していくと。そういうことについては私はかなりはっきり申し上げているつもりです。
 従来の小泉・竹中路線は、どちらかといえば、とにかく企業の効率を良くすれば、みんなが企業の効率を良くすればそれが日本の経済の立て直しになると言われていたんですが、結果として、前もここの場で申し上げたかもしれませんが、例えば日産という会社が半分の人をリストラして半分の会社で立て直るかもしれないけれども、リストラされた半分の人が失業している限りは全体の人たちが経済が良くなったとは言えないわけですから。つまり、マクロ的に見れば、企業が効率化したということだけでマクロ的に経済が良くなったと言えない、それが私の言う第二の道の間違いですから。そういう意味では、日本全体として経済が立て直るにはやはり需要の方を重視してやっていく方がいいだろう。
 かなりはっきり申し上げているつもりで、そういう意味で大いに議論をさせてもらいたいと思います。
#94
○愛知治郎君 最後に一言。
 おっしゃることは、言わんとしていることを理解しようと努めてはいるんですけれども、基本的には、小泉・竹中路線そして自公政権が担ってきたいろんな政策、その否定、全否定から始まっているように聞こえるんです。ただ、私はそれは決していいとは思いません。いいところもあると思いますし、継続してやるべきことはしっかりと踏まえた上で方向性を示していくべきだと申し上げて、質問を終わります。
 以上です。
#95
○委員長(大石正光君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト