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2010/04/15 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 外交防衛委員会 第10号
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2010/04/15 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 外交防衛委員会 第10号

#1
第174回国会 外交防衛委員会 第10号
平成二十二年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     西田 昌司君     岸  宏一君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     西田 昌司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中 直紀君
    理 事
                喜納 昌吉君
                佐藤 公治君
                山根 隆治君
                佐藤 正久君
                山本 一太君
    委 員
                犬塚 直史君
                大石 尚子君
                北澤 俊美君
                榛葉賀津也君
                徳永 久志君
                福山 哲郎君
                西田 昌司君
                舛添 要一君
                浜田 昌良君
                山口那津男君
                井上 哲士君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     岡田 克也君
       防衛大臣     北澤 俊美君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松野 頼久君
   副大臣
       外務副大臣    福山 哲郎君
       文部科学副大臣  中川 正春君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中村 哲治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        堀田 光明君
   政府参考人
       防衛大臣官房長  金澤 博範君
   参考人
       国際移住機関駐
       日代表      中山 暁雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機
 関との間の協定の締結について承認を求めるの
 件(内閣提出)
○国際再生可能エネルギー機関憲章の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(田中直紀君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として防衛大臣官房長金澤博範君の出席を求め、その説明を聴取することとし、また、参考人として国際移住機関駐日代表中山暁雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中直紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(田中直紀君) 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件及び国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○徳永久志君 おはようございます。民主党の徳永久志であります。
 それでは、まずは国際移住機関特権免除協定について質問をいたします。
 今日、国際機関とその職員がその目的と職務を遂行する上で、必要な範囲で一定の特権・免除を加盟国内で認められるということは大変重要なことだと考えています。そうした中で、この特権・免除の性質というか性格という部分はいわゆる外交特権とよく似た部分があり、かつまた相違点もあるというように聞いているわけであります。
 そこで、まず冒頭、本協定における国際移住機関の特権・免除といわゆる外交特権との考え方の違い、あるいは具体的な中身の相違点についてお示しをいただきたいと存じます。
#6
○副大臣(福山哲郎君) おはようございます。徳永委員にお答えをいたします。
 外交使節団若しくは外交官等の外交特権は、使節団の長と公館自体の代表的性格に配慮するという考え方が一つあります。また、もう一方で、特権・免除がもし否定をされた場合に、その外交官等が任務を十分に果たせないではないかという機能説と、実は両方の考え方を持っております。
 ウィーン条約においても、この外交特権及び免除の目的というのは、国を代表する外交使節団の任務の効率的な遂行を確保することにあるということで、代表であるという重要性と、それから機能をしっかり果たしていただくということの両方において外交特権を付与しているという考え方になります。
 一方で、今回の審議をいただいております国際移住機関、IOM等の国際機関の職員等に対する特権・免除の根拠については、これは国家から独立して任務を遂行する機能に着目したものであり、先ほどとは若干性質を異にする考え方だというふうに思っております。
 以上かんがみて、いわゆる国際機関の職員に付与する特権・免除と外交関係に関するウィーン条約に基づく外交官等の特権・免除の具体的内容については、まず共通点としては、公館の不可侵、文書の不可侵、それから通信の自由等が共通しておりますが、相違点としては、外交官については住居の不可侵、身体及び財産の不可侵、刑事裁判権の全面的な免除等が認められておりますが、国際機関の職員に対してはそのような特権・免除は認められていないということだというふうに思っております。
#7
○徳永久志君 今御答弁をいただきました中で、外交特権はやはり国そのものが主体である、今回の特権・免除についてはやはり国から独立した国際機関、それぞれよって立つ基盤が異なるという部分が大きな違いだと思います。
 そうした中で、例えば外交特権が侵害された場合には、侵害された国が侵害国に対して有効な対抗措置をとるということが国際法上許されているわけでありますけれども、一方、こうした国から独立している国際機関の場合、その特権・免除が侵害された際には有効な国際法上の対抗手段はないともされているわけでありますけれども、そういった場合において、本協定では、この特権・免除の侵害が行われた場合は、国際移住機関がとり得る措置というのはどのような形になるのか、お示しください。
#8
○副大臣(福山哲郎君) 国際移住機関側が特権を侵害されたと考えられる場合には、IOMとしては、一義的には我が国政府との交渉等による解決に努力をいただくということがまず第一段階。それで、その上でも、その交渉によって解決されないと判断された場合には、この協定の第三条によりますと、政府が任命する仲裁人、そしてIOM側が任命する仲裁人及びこれらの二者の仲裁人により任命され裁判長となる仲裁人の三人の仲裁人から成る仲裁裁判所に付託をすることができるということになっておりまして、この仲裁裁判所によって決定がなされ、それが最終的なものであり、このことは我が国政府とIOMの両方を拘束することになるとしております。
#9
○徳永久志君 今おっしゃっていただいた答弁、逆の部分も当然、いわゆる特権・免除の規定が濫用された場合においても同じ仕組みで紛争解決には当たっていくんだということだろうと思っています。
 そうした中で、今おっしゃっていただきました本協定第二条、三条で、過去に同様の協定を締結済みの国際機関との間でこういう紛争が発生した事案、あるいは裁判まで至った事案というのはあるんでしょうか。
#10
○副大臣(福山哲郎君) 特権・免除を濫用したという事例は承知はしておりませんし、したがって裁判になった事例もないものと承知しております。
#11
○徳永久志君 分かりました。
 それでは次に、国際再生可能エネルギー機関、IRENA憲章について伺っていきたいと思います。
 そもそもこのIRENAへの参加の呼びかけというのは二〇〇七年ごろからあったとされています。それに対して、前政権の対応は消極的なものでありました。その理由としては、将来的な活動が不明確であること、財政負担が過大であり公平性を欠くこと、ヨーロッパやアフリカ勢が主導していること、既存の国際機関との関係や役割分担が不明確であることなどなど、挙げられておるわけであります。
 昨年一月の設立総会において日本が本憲章への署名を見送った理由というのは、今ほど申し上げたような理由ということでよろしいでしょうか。
#12
○副大臣(福山哲郎君) これは前政権の時代ですから、なかなか私もお答えをしにくいんですが、このIRENAの設立の国際的な機運が高まったときに、徳永委員が御指摘をいただいたように、いろんな理由を挙げて前政権は消極的であったというふうに承っております。我が党は当時野党でございましたので、御案内のように、二〇〇五年から再生可能エネルギーについてはドイツやヨーロッパで非常に大きく普及をしたこともあり、このIRENAの参加については積極的に考えたらどうかという議論も我が党の中ではさせていただきましたが、なかなか前政権はそこについては慎重だったと。
 その理由としては、今御指摘いただいたのと重複をいたしますけれども、いわゆる他の国際機関と活動がこのIRENAというのは重複するんではないかということ。それから、当時どちらかというとこの再生可能エネルギーに消極的だった我が国やアメリカ等々に比べて積極的だった欧州やアフリカが中心的にこの設立については動いていたこと。それから、このIRENAが国際社会で普遍的な役割を果たせるかどうかということについて、まだ役割等についても少し明確でなかったということから、IRENAの将来の活動の方向性を見極めてから署名をするべきだという声が前政権の中では上がって、署名を見送ったというふうに承っております。
#13
○徳永久志君 今回鳩山政権として署名を行ったというのは、今副大臣が御答弁をいただきました前政権が消極的だった理由というものにも一定の整理が付いたという見方もできるんだと思います。
 ヨーロッパやアフリカ勢が主導をしているということについては、今回、アメリカやオーストラリアも署名を行っているわけですから緩和をされているのではと思っています。
 また、将来の活動が不明確という指摘については、やはりこれは既存の国際機関との関係、役割分担が整理されればおのずと明らかになってくる部分もあるんだろうと思っています。
 確かにエネルギー問題を扱う国際機関としては既にIEAが存在しているわけでありまして、そこに新たにIRENAを設立するということは、IEAには再生エネルギー部会もあるわけでありますから、役割の重複が生じるんだという指摘がなされるゆえんだとも思っています。
 そこで、今回、署名に当たって、IEAとの関係、役割分担についてはどのようにお考えになられたのかをお示しをください。
#14
○副大臣(福山哲郎君) お答えをいたします。
 今、徳永委員が御指摘されたことにまた重複するかもしれませんが、IRENAは、先進国を中心とするIEAの加盟国二十八か国以外に、アジアや中南米、アフリカ地域からも多くの国が参加することが想定されていますので、枠組みとしてはまず大きくなるということが一点です。
 それから、加盟国への政策上の助言やキャパシティービルディング等を通じてグローバルに再生可能エネルギーの利用の促進等を図っていくことを目的として設立される国際機関だということです。やはりこれは再生可能エネルギーに特化をしているという点です。
 それから、重複の面でございますが、このIRENAの憲章の第四条のB項にしかししっかりこの重複のことについては記載がありまして、作業の不必要な重複を避けるため、既存の組織と緊密に協力し、並びに相互に有益な関係の確立のために努力すること、再生可能エネルギーの促進を目的とする政府、他の組織及び団体の資源並びにそれらが実施中の活動に立脚し、並びにそれらの資源及び活動を効率的かつ効果的に活用することということが憲章上にもうたわれておりまして、元々懸念をされていましたIEAを始めとする既存の国際機関との重複を避けるということも確認をしているところでございますので、我々としては今回このことについて御審議をいただいているということでございます。
#15
○徳永久志君 ありがとうございます。
 そして、もう一点の懸念の部分でありますけれども、いわゆる財政負担であります。
 日本の拠出金についての公平性という部分が懸念が表明をされていたわけですけれども、これ、参加をすると義務的拠出が求められて、その算出の根拠は国連の分担率ということになって過大な負担が求められるんだということでもありました。確かに今年度予算にも拠出金として三億三千万円ほど計上をされておるわけですけれども、これが他の加盟国と比べて適正なのかという議論は当然必要なんだろうというふうに思っています。
 この辺りの考え方についてお示しを願いたいと存じます。
#16
○副大臣(福山哲郎君) 本憲章上、加盟国は義務的な分担金の拠出を求められることになります。その分担率というのは国連分担率に基づいて総会が決定することとされておりまして、上限も国連分担率と同様二二%とすることになっているところでございます。
 我々としては、多くの国が加盟をしていただければそれだけ分担金は少なくて済むことになりますので、早く多くの国が加盟をしていただけることが重要だというふうに認識をしておりますし、さらに、加盟国にこれは義務的な拠出が求められていますので、加盟をすれば義務として生じますから、とにかくIRENAは簡素で効率的な組織であるという点も我々としては強く求めなければいけないというふうに思っておりまして、IRENAの運営に対しては予算規律の重視を働きかけていることになっておりますし、当初の予算よりも実はIRENAのスタートは小規模のスタートになっておりまして、それは加盟国をたくさん入っていただくように促すことと、予算効率を上げていただく、このことも考えながら我々としては分担金について拠出をしていきたいと思っております。
#17
○徳永久志君 多分、前政権のときの消極的な理由としては、要は資金だけ出させられて実の部分はよそに持っていかれるんじゃないかというような部分だったんだろうと思うんですね。そういった部分を払拭する意味においても、やっぱり人的そして知的な貢献をしっかりとやって積極的に関与していくということが大事だと思っています。
 本憲章では、IRENAの活動として最新の再生エネルギーに関する実例の分析や技術移転、能力開発について定めてはいるものの、この分野における基準づくりについては担わせていません。しかしながら、このIRENAにおける様々な議論というものが事実上の基準づくりに大きな影響を与えるということは容易に想像されるところでもあります。特に、ドイツが主導権を握っていく可能性が高いのではないかというふうに私は考えています。日本の関連産業の国際競争力を強化するという観点、この点からIRENAの議論にも積極的に日本がリードをしていくということが何よりも重要ですし、特に基準づくりについては非常に積極的にかかわってほしいなということも思います。
 加盟した後も、こうした財政的な貢献だけではなくて、人的、知的貢献を積極的に行い、そしてそれらを通して日本の存在感を高めていくということが求められますが、御見解を賜りたいと存じます。
#18
○副大臣(福山哲郎君) まさに徳永委員御指摘のように、再生可能エネルギーはこれから世界のマーケットでどんどんそのシェアが大きくなる可能性があります。再生可能エネルギーの企業の欧米市場での上場も大変多く増えていますし、それに対する投資も増えております。その中で、やはり国際標準化、ルールの共通化によって、日本のトップレベルの技術を持つ再生可能エネルギーの関連企業がしっかりとその標準化の中でシェアを拡大をし、またそのことが国際的な日本の貢献になるような形のスキームが我々としては重要だというふうに思っています。
 徳永委員御指摘のように、IRENAの活動として国際標準化作業というのは直接には想定をされておりませんが、主な活動として再生可能エネルギーに関する技術基準の開発、利用についての情報提供というのが規定をされています。つまり、加盟国に対してその情報を提供するということです。ということは、このIRENAにおける議論というのは恐らくこの国際標準化という流れの中に影響を与え得るものだというふうに認識をしておりまして、このような観点から、我々としてはIRENAの活動に積極的に参画をしていくことを通じて、この分野における国際標準化の取組にも併せて積極的に関与していくことにつながればというふうに思っているところでございます。
#19
○徳永久志君 ありがとうございます。
 この分野は福山副大臣が一貫して追求してこられた得意分野でもありますので、大いに期待を申し上げます。
 それでは、質問を終わります。
#20
○山本一太君 まず最初に、防衛省の官房長にお聞きしたいと思います。
 十三日のこの外交防衛委員会で、同僚の佐藤委員から、国会議員等の招待に係る防衛省官房の文書課が作成したかもしれないとどうも疑われている文書についての質問がありました。これについては、官房長、調査を行っておられますか。
#21
○政府参考人(金澤博範君) 調査を行っておりません。
 どの文書か、お持ちでしたら、お示しいただければ特定できると思います。
#22
○山本一太君 この件について、先般質問した佐藤委員のところに御自分で行っておられますか。
#23
○政府参考人(金澤博範君) 私は行っておりません。
#24
○山本一太君 何で行かないんですか。(発言する者あり)
#25
○委員長(田中直紀君) 今、今ちょっと指名しております。金澤官房長。(発言する者あり)金澤官房長。(発言する者あり)金澤官房長。(発言する者あり)
 金澤官房長、既に指名しておりますから。──金澤官房長。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(田中直紀君) 速記を起こしてください。
#27
○政府参考人(金澤博範君) 先生が持っておっしゃるという文書、中身を全部読んでいただければどの文書かというのが分かりますし、それに対して正確なお答えができます。
 お示しをいただけない文書について、これについては……(発言する者あり)
#28
○委員長(田中直紀君) 御静粛に、御静粛に。
#29
○政府参考人(金澤博範君) それについてお示しくださるのであれば、今この場でお示しくださってもお答えはできますが。
#30
○山本一太君 外交防衛委員会で佐藤委員がこの文書の話を取り上げて、官房長に、一度この件について、調査をする前に一度来られたらどうですかというふうに申し上げたわけですよね。それは普通やはり、官房長、この問題、問題意識があれば、説明に行くか真意を聞きに行くかというのが普通だと思うんですけれども、どうして行かないんですか。
#31
○政府参考人(金澤博範君) 非常に膨大な文書がございまして、その一々について、例えば情報公開請求等であれば膨大な作業を伴いますから探すこともするわけですけれども、国会の中ではっきりしない文書、これについてこうだこうだとおっしゃるわけですけれども……(発言する者あり)
 ですから、お示しくだされば、今この場でお示しくださっても結構ですが、お答えする用意はございます。
#32
○山本一太君 官房長、この委員会はインターネットで国会中継されているんですね。この間ちょっと申し上げる時間がなかったんですけれども、官房長の対応、質問に対する対応、態度、私は非常に不誠実に思いました。私の地元の支持者がインターネットの中継を見ていて、佐藤委員が質問していることに対して答えているこの官僚だれだというふうに結構問い合わせが来ました。この問題ずっとやりますからね、きちっと真摯に対応してください。昨日、ほおづえついたり、舌出したり、そういうところ全部インターネット中継で出ていますから、私の支持者が見て電話してきたんですから。これからこの問題毎回やりますからね、きちっと対応してください。
 答弁お願いします。
#33
○政府参考人(金澤博範君) 今までどおり真摯に対応してまいります。
#34
○山本一太君 この問題はまた引き続きやらせていただきたいと思いますが、今日は、IRENA、先ほど徳永委員が質問されたIRENAとIOMの特権免除協定の話なので、そこから御質問させていただきたいと思います。
 IRENAの件については、これは福山副大臣にお聞きすればいいんでしょうか、徳永委員の方から相当ポイントについてお話が出てしまったので、少し重複しないようにいきたいと思いますが。
 福山副大臣がさっき御答弁で、IRENAについて前政権が消極的だったというお話があって、その背景には欧州、アフリカ主導だったとか、あるいはさっき副大臣説明されたように、IEA、既存の国際機関も再生エネルギー分野の取組をやっているんで屋上屋を重ねるんじゃないかとかお話がありました。アメリカも参加に踏み切った、そういうタイミングもあったというお話があったんで、そこはちょっと重複するんで御質問はしませんけれども、私が一つちょっと気になっているところがIRENAに対する韓国の姿勢なんです。
 福山副大臣御存じだと思いますが、当初我が国は、おっしゃったようにIRENAへの参加には消極姿勢を示していたと。韓国は原署名国になっていると思うんですが、設立会合とか運営準備委員会も、ちょっとここに資料があるんですけれども、かなり積極的に活動し、発言をしていると。日本としては、これはIRENAに入る以上、当然理事国を目指す、目指していくということになると思うんですけれども、その場合、韓国はかなりそういう意味でいうと有力なライバルになるんじゃないだろうかと。特に、再生エネルギーの分野でも韓国企業がかなり積極的ですから、ここら辺を少し私は危惧しているというか、ちょっと懸念をしているんですけれども、この点、韓国の大変積極的な取組について外務省としてどういうふうに見ておられるか、そこをお聞きしたいと思います。
#35
○副大臣(福山哲郎君) 山本一太委員の御指摘は重要な御指摘だと思います。ただ、これは韓国が積極的だというふうにある特定の国を特定をして、日本の外務省がそのことに対して、積極的であることに対して何らかの形のコメントするのは適切ではないと思いますが、実はこれは韓国だけではございません。中国の再生可能エネルギーのある企業は、あっという間に世界のシェアのナンバーツーまでのし上がりました。ドイツも、御案内のようにフィードインタリフの導入以降、世界のシェアのトップになりました。日本は残念ながら、世界のシェアのワン、ツー、スリーという企業があったにもかかわらず、二〇〇五年以降シェアを落としています。先ほど申し上げたように、実は欧米市場の中に上場している再生可能エネルギーの企業も、日本国内のマーケットではこの数年間ゼロなんですが、欧米市場でいうと数十社のレベルで上場していると。
 つまり、これは韓国に限ったことではなくて、それぞれの国がそれぞれの国益や企業のシェア拡大も含めて考慮に入れながら、IRENAへの活動、さらには再生可能エネルギーの技術開発等々について対応しているということだというふうに思いますので、我が国としてもそこに遅れることなく、先ほど申し上げたように国際標準化の動きについてもしっかりと意見を言っていかなければいけないというふうに思いますし、もちろん、それはIRENAの場で別にいつも角を突き合わせているわけではありませんので、協力できて、再生可能エネルギーが発展することについて日本としてもしっかりとコミットしたいという思いが今日の審議だというふうに受け止めていただければと思います。
#36
○山本一太君 IRENAに加わっていくわけなんで、是非おっしゃったように戦略的な視点から日本の役割をどんどん広げていってほしいということをちょっと要望したいと思います。
 それからもう一つ、さっき少し福山副大臣がおっしゃったこととも重なりますが、IRENA設立は、さっきも徳永さんの方からありましたけれども、ドイツ、欧州、アフリカ、ここら辺が主導したんで東南アジア諸国が少ないということだと思います。これは、IRENA参加、日本政府として方針転換したわけなんで、これは普遍的な国際機関として機能するように、当然東南アジアの諸国にも積極的に参加を促していくというおつもりがあるのか。それはあるとすると、具体的にどういう方針で日本政府としてこうした国々への参加を促していくのか。あわせて、簡潔で結構ですから、そのとき東南アジア、ASEAN諸国にもどういうメリットがあるというふうにお考えになるか、簡潔に御答弁いただければと思います。
#37
○副大臣(福山哲郎君) 簡潔に御答弁させていただきます。
 東南アジア並びに太平洋州諸国も含めてIRENAへの参加を積極的に政府としては呼びかけてまいりたいと思いますし、それはイコール、恐らくコペンハーゲン合意に対して賛同してくれという我々の参加を促すこととも同じ方向性だというふうに思っておりまして、いろんな国際場裏での場面、それからバイでの会談の場面等々を通じて我々としては積極的に参加を働きかけていきたいと思っております。
#38
○山本一太君 私はIRENAの参加は大変いいことだと思っていますから、そこら辺は是非政府として、今、福山副大臣おっしゃったように、積極的にやっていただきたいと改めて御要望申し上げたいと思います。
 IOMの特権免除協定については、はるか昔なんですけれども、私、一九九九年から二〇〇〇年まで外務政務次官というのをやっていまして、そのときに答弁した覚えがあるんで、そこら辺のところも少しお話ししようと思ったんですけれども、これも徳永委員のおっしゃっていることとかなり重なっているんで、これはちょっと後で少し時間があれば取り上げたいと思いますが、その前にちょっと普天間の話、この間の核セキュリティーサミットでの話について外務大臣と防衛大臣に少しお聞きをしていきたいと思います。
 岡田外務大臣にお聞きします。
 十四日付けのワシントン・ポスト、御存じだと思うんですけれども、核セキュリティーサミットで最大の敗者は鳩山首相だというふうに論評しました、ワシントン・ポスト。記事では、これ今見ているんですけれども、鳩山首相のことをハップレスだと、これ不運だという意味なんですけれども、オバマ政権高官の評するところではインクリーシングリー・ルーピーだと、ますます愚かだというふうに紹介しています。
 私も日本関連の記事が出れば、外務大臣は常にアメリカのいろんな雑誌とか新聞の論評なんかをフォローされていると思いますが、私もやっぱりニューヨーク・タイムズとかワシントン・ポストの日本関連の記事は重要なものはフォローしているんですけれども、今までアメリカの主要メディアに、特にルーピー、これ頭おかしいとか狂ったとかばかげたとか愚かなという意味ですから、ルーピーと評されたことというのは本当にあったのかなというふうに思いますし、外務省としてこういう論評に対してどういう見解をお持ちなのか、どう反論するのか、ここら辺を岡田外務大臣にお聞きしたいと思います。
#39
○国務大臣(岡田克也君) 委員もよくお分かりの上で質問されているんだと思いますが、個々のメディアのそういった記事に対して、外務大臣としてあるいは外務省として公式に何かコメントすることはございません。
#40
○山本一太君 外務大臣そうおっしゃいますけれども、外務大臣が鳩山政権の外交の責任者で、やはり鳩山総理が行ったセキュリティーサミットでアメリカの主要メディアにこういうふうに酷評されているということについては、やはりかなり危機感を持っていただきたいと思いますし、それについて一切特にコメントがないということなんで、外務大臣のこれを見た個人的な感想でも結構ですから、何かありませんでしょうか。
#41
○国務大臣(岡田克也君) どういうことをもってこういう記事になったのかということ分かりませんので、コメントは特にございません。
#42
○山本一太君 少なくとも私が知る限り、こういう言い方で日本の総理がアメリカの主要メディアに酷評されたということはないと思います。それだけアメリカのメディアには鳩山総理は何のために来たんだろうと、こういう印象が強く残ったということにほかならないと思いますが。
 そこで、官房副長官、わざわざ来ていただきましたが、お聞きしたいと思うんですけれども、報道によると、この核安全保障サミットのために訪米した鳩山首相とオバマ大統領との非公式会談、これを非公式会談と呼ぶかどうかはともかくとして、十分だったというふうに報道されておりますが、これ、何か官房副長官が後で御説明されたところによると、そのうち半分ぐらいはイランの核問題だったというようなことをおっしゃっていましたが、それで間違いないでしょうか。
#43
○内閣官房副長官(松野頼久君) その席上、首脳だけが入るワーキングディナーでございましたので、詳細にどの話が何分、どの話が何分というようなことを私どもが把握しているわけではございません。
#44
○山本一太君 私の認識が正しければ、官房副長官は半分ぐらいはイランの核の話だったというふうに記者の前でおっしゃっていませんでしょうか。
#45
○内閣官房副長官(松野頼久君) 私が、私どもが総理からお話を聞いたところ、普天間の話だけではなくイランの話もあったということで、大体どんな感じかというふうに聞かれましたので、まあそんな、普天間だけに時間が取られたわけではないというような意味でそのような発言を申し上げたところでございます。
#46
○山本一太君 総理がそうおっしゃったんですから、当然イランの核問題の話は出たんだと思いますけれども、鳩山総理がおっしゃっていることでいくと、普天間問題の五月末決着のための日本政府の方針を説明をされて、協力を求めたというようなことをおっしゃっていますが、アメリカのホワイトハウスの発表をちょっと見ているんですが、普天間問題の言及はないですね。これ、イランの核問題が取り上げられたのみなんですけれども、これについては、官房副長官、どう思われますか。
#47
○内閣官房副長官(松野頼久君) ホワイトハウスがどのような発表をしたかということは分かりませんけれども、要は、日米関係というものに対して鳩山総理とオバマ大統領の間でお話があったということを聞いておるところでございます。
#48
○山本一太君 今回の会談は、ワーキングディナーか何かの前の十分、非公式会談と呼べるものかどうか分かりませんが十分、夕食会の冒頭での会話ですね。そこに、今おっしゃったように、セキュリティーゾーンが設けられているんでしょうから、恐らく通行証というか、それのある方しか入れないんだろうと。多分シェルパの人とか通訳の人とかですよね。日米双方で通訳が付いたというような情報も伺っているので、そうすると実質的に話した時間は五分だと思うんですね。今官房副長官がお聞きになったことが事実であれば、アメリカ側は普天間の話さえ取り上げてないんで、半分話されたとしても二・五分しか話してないということなんですよね。それをもって鳩山総理は二人でじっくり話ができたというようにおっしゃっているので、二・五分じゃちょっとじっくりとは私は言えないというように思っているんですけれども。
 いろんな報道がなされているんですが、これ、外務大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、今回、日本側は、前回の委員会の質問のときも岡田外務大臣は、できれば首脳会談が、機会があった方がいいんじゃないかということを率直におっしゃっていましたが、これについて、今回、日本側からアメリカ側に対して日米首脳会談というものを申し入れたんでしょうか、それでアメリカ側に拒否されたんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#49
○国務大臣(岡田克也君) アメリカ側から見て今何を議論すべきかと、そういう判断で今回の二国間会談の相手を決めたということだと私は認識しております。
#50
○山本一太君 外務大臣、私がお聞きしたのは、いろいろと報道では出ていますが、日本政府としてアメリカ政府に対してオバマ大統領との首脳会談を申し入れたんですかと、そういうふうにお聞きしているんです。それについてお答えください。
#51
○国務大臣(岡田克也君) 外交上のやり取りの一々について言わないというルールがあることは、政務次官もやられた山本さんなら当然御存じの上で聞いておられることだと思います。そして、私の今の答えで私は誠意を持ってお答えしたつもりであります。
#52
○山本一太君 外務大臣、ここは外交防衛委員会で、外交防衛委員会の委員長も務められた北澤大臣もおられますけれども、参議院では私は最も重要な外交と安全保障両方ここで議論するという委員会の場所ですから、日本側として、報道は常にもちろん事実とは限りません、だけど、これだけあちこちから、いろんな関係者から、日本側がアメリカ側に対しては日米首脳会談を申し入れてアメリカ側に拒否されたという話が出てきているわけですから、日本側として首脳会談をアメリカに対して申し入れたのかどうか、これ、イエスかノーか、このぐらいは答えていただいてもいいと思います。
#53
○国務大臣(岡田克也君) 私は答えたつもりなんですが、基本的に両国間の、日米両国間の首脳、会う機会があればなるべく会った方がいいと、そういうふうに考えているところであります。
#54
○山本一太君 これは、日本政府が相手方に、アメリカ政府に対して首脳会談を求めたのかどうかというのは大事なポイントだと思うんですね。もう既にあちこち、いろんな関係者の話、メディア等々も含めて、日本側は首脳会談を望んだけれどもアメリカ側はこれを拒否したというふうになっているわけですから、これを、こちらの方から首脳会談をきちっと申し入れたのかどうかだけは、これはちゃんと委員会の場所で、大臣、答えてください。
#55
○国務大臣(岡田克也君) アメリカが拒否したという報道も私は承知をしておりませんけれども、率直に申し上げて、日本国政府としては両国首脳が会う機会があった方がいい、なるべく多い方がいいと、そう考えて、そういう機会がもし可能であればということはアメリカ政府に申し上げたということで御理解いただきたいと思います。
 アメリカ側としては、多くの国からそういう申出がある中で、今具体的な課題があって話し合わなければいけないそういう中で優先順位を付けて、しかし、やはり日本側は、鳩山総理に対して何らかの機会をつくりたいということで、今回のそのディナーの場における、何といいますか、首脳間の会談、非公式会談になったと、そういうふうに理解しております。
#56
○山本一太君 今外務大臣は率直に事実をお認めになって、少なくとも日本政府としてはオバマ大統領との首脳会談を望んだと。機会があればと言ったわけですから、これは申し入れたと。で、アメリカ側は、今外務大臣は配慮をしてくれたとおっしゃっていましたけれども、会議の前の十分のワーキングディナーですよね。先ほど申し上げたとおり、通訳が入っているから五分ですよね。普天間問題については二・五分ですよね、イランの核問題も話し合っているわけですから。
 ですから、これは大臣、日本側が首脳会談を望んだのにアメリカ側はそれを受けなかったと、もう一回整理しますけれども、こういう構図でよろしいんですね。
#57
○国務大臣(岡田克也君) ですから、正式な会談、形での二国間会談というのはなかったことは事実であります。
 ただ、委員がどういう意図を持って言っておられるかよく分かりませんが、私はこの会談の前から国会の場でもあるいは記者会見でも申し上げているわけですけれども、普天間の問題が両国首脳間でその中身にわたって話し合われるということは元々考えられないことでありまして、何か普天間の問題が五分しか話し合われてないからそれがおかしいというような言い方は、私には理解に苦しむところであります。
 普天間の問題は、私とルース大使の間で今意見交換をしている、そういう状況で、そういったものがある程度煮詰まった段階で首脳間ということはあるいはあるかもしれませんけれども、そのためには、私と国務長官との間、あるいは北澤大臣とゲーツ長官との間というのは当然あるわけで、いきなり首脳間で中身について議論すると、そういうことがあり得ないことは、それは山本委員よく御存じの上で質問しておられるのかと思います。
#58
○山本一太君 今の御答弁は、とても岡田大臣の御答弁とは思えないですよね。
 どんな意図で聞いているのか。当たり前じゃないですか。セキュリティーサミットに日本の首相が行って、今大臣お認めになったように、日本政府としてはできれば首脳会談の場所があった方がいいと言って、結局、向こうから返ってきた答えは二・五分のワーキングディナーの前の話なんですから。どんな意図か。それは、今の日米関係本当に大丈夫かということを物すごく心配して聞いているわけなんですね。
 今大臣いろいろおっしゃいましたけれども、普天間問題はもちろんですけれども、やっぱり日米間にはいろんなほかの懸案もあるわけですよね。だから、大臣もできれば首脳会談があった方がいいとおっしゃったんであって、これは日本は唯一の被爆国としてセキュリティーサミットに貢献するという話はもちろんのこと、やっぱりこのオバマ政権の、今ここに資料にあるんですけれども、核態勢見直し、NPRの発表もあったし、あと、米ロ核軍縮条約合意の直後のタイミングだということもあったし、加えて、これもよく御存じのとおり、五月にはNPTの運用検討会議もあると。やっぱり日米間で話し合わなきゃいけないことは山ほどある。それにもかかわらず、日本側が望んだにもかかわらず、二・五分ぐらいしか普天間問題を話せなかったと。
 今大臣おっしゃった、アメリカ側のいろんな判断で今回は日本と会わなかったんでしょうと。アルメニアの首相とも会ってますよね。カザフスタンの首相とも会ってますよね。同盟国である日本が核セキュリティーサミットに行って、さっき大臣お認めになったように首脳会談があった方がいいというふうに言ったにもかかわらず、やっぱり二・五分ぐらいしか時間取ってもらえなかったというのは、これについては大臣も、率直に外交の担当者として危機感を感じないんでしょうか。
#59
○国務大臣(岡田克也君) 話がだんだん正確でなくなっていると思いますが、会談は十分です。二・五分ではありません。そしてですね……
#60
○山本一太君 実質二・五分じゃないですか。
#61
○国務大臣(岡田克也君) いやいや、それは普天間ということになればそうかもしれませんが、普天間というのはメーンのテーマじゃないというふうに私は外務大臣として申し上げているわけであります。
 そして、今委員の言われたNPRとかあるいはニューSTARTとか、つまり米ロの新たな核軍縮条約とか、そういったものは既に結論が出た後であります。ですから、先般、G8外相会合の機会に私が訪米した折、あるいはアメリカ、カナダでゲーツ長官やあるいはクリントン長官とお話ししたときには、まさしくそういう問題も議論されました。それは発表前だったから議論したんであって、発表した後、首脳間で何か議論することがあるというのは非常に考えにくいことであります。
 そして、アメリカが最も議論したかったことは間違いなくイランであります。イランの問題についてどのぐらい時間を割いたか私は承知しておりませんが、この十分間の中で、イランの問題、オバマ大統領は鳩山首相に対して協力を求めたんだと、私はそう考えております。
 今月は安保理の議長国でありますから、日本は。安保理に上がってくるということになれば是非協力してもらいたいという趣旨の議論があったのではないかというふうに想像しているところでございます。
#62
○山本一太君 いや、今の岡田外務大臣の普天間はメーンのテーマじゃないというのは、私はちょっと耳を疑いますよね。
 十分といっても五分ですから、実質には、だって通訳が入っているんですから五分ですよね。その中で、アメリカはイランの核問題を話し合いたかった、それは当然でしょう。それは、アメリカの意図としては日本に対する協力を求めたかった。でも、日本側は日本側としてオバマ大統領に伝えなきゃいけないことがあった。だから、恐らくイランの核問題を半分話し合ったとしたら、実質的に二・五分しかなかったこの普天間のメーンのテーマを鳩山総理が大々的に発表されたわけですよね。オバマ大統領に対して五月末までに決着しますと、協力をお願いしますと、首脳間でこれを強調したわけで、その普天間がメーンのテーマじゃないという話は、私は非常におかしいというふうに思います。
 そこで、これについてもっと、ちょっと聞いていきたいと思いますが、鳩山総理、岡田大臣も御存じだと思いますが、私、今年一月の予算委員会で鳩山総理に質問いたしました。ここにちょっと会議録残っているんですけれども、鳩山総理は、五月末までに政府案をまとめるについては、一、米国の理解(合意)を求める、二、国民、特に沖縄県民の皆様方の理解、地元の合意をいただく、三、連立与党の理解を得て結論を出す、四、最終的には閣議で決めると、こう説明されました。
 この間の党首討論でも全く同じことをおっしゃって、党首討論では、辺野古の現行案かそれ以上の案がありますというふうにおっしゃった。これは五月末までに今の条件をクリアして決着すると、命懸けでこの問題に対して体当たりで行動するというふうにおっしゃった。
 岡田外務大臣も、これは八日の外交防衛委員会だと思いますけれども、ここで、政府案の定義について聞かれて、政府案の定義っていえば、政府案と言うためには政府としての正式な案だというような認識を示されたわけなんです。
 ところが、これも報道ですが、平野官房長官が記者会見で、こういう方向で詰めていきましょうという合意や理解が得られるならば一つの決着だというようなニュアンスのことをおっしゃったと。
 これ、別の政府筋でも、決着というのは日米両政府が検討に着手する場所について合意すると発言したというような情報もありますが、これ、もちろん鳩山総理自身の御発言は、もう何度も繰り返し五月末までに決着するとおっしゃっている。しかも、オバマ大統領に対しても五月末までに決着すると言っていると。
 これ、もし平野官房長官がおっしゃっているような話で、いやいや、地元の合意取っていませんと、アメリカの合意もありませんと、だけど何となく日本政府としてここ決めましたと、これの話合いが始まったら決着だみたいな解釈があったとしたら、これはもうこんなに国民、沖縄県民をばかにした、あるいはアメリカをばかにした話はないと思いますけれども、この決着の定義については、外務大臣、もちろん官房長官が中心になってまとめる、最終的には総理が決断されるんでしょうけれども、やはりこの問題に深くかかわっておられる、しかも日米交渉を担当される外務大臣として、この決着の定義については鳩山総理のおっしゃったことでいいんでしょうか、そのことをちょっと御確認したいと思います。
#63
○国務大臣(岡田克也君) その前に、私はよく本当に理解できないんですが、両国首脳の間で普天間の問題についてきちんと議論しなかったことが問題であるかのような発言というのは、全く私は理解できませんし、私は事前にこの件でルース大使とも意見交換をしておりますが、そのときにも私が記者会見で述べたと同じことをルース大使にも申し上げております。つまり、この問題については突っ込んだやり取りにならないし、しない方がいいと、すべきでないと私は考えていると。つまり、まだ大使と私の間で議論している、そういうレベルの話を、何か具体的に、どこがいいとかあそこは悪いとか、そういう話になるはずがないわけでありまして、ですから、私は委員の言っていることがよく理解できないままでいるわけでございます。
 それから、決着の中身につきましては、それは総理が言われているとおりであります。
#64
○山本一太君 お言葉を返すようですが、というか返すんですけど、私は外務大臣のおっしゃっていることがよく理解できません。あと一か月半しかないんですから、外務大臣。外務大臣、この間委員会で、いやいや、まだそういう段階に至っていないというふうにおっしゃいましたけれども、一か月半しかないわけですから、一か月半でアメリカ政府の了解を取って、それから移設先の住民の了解を取るということですから、今そういう段階にないというその認識が私には全く理解できません。岡田大臣の言葉とは思えません。
 それから、今、岡田大臣が後でおっしゃった総理の認識のままということですから、決着というのは、岡田大臣の中でも当然アメリカ側の合意を得る、そして沖縄の、どこになるか分かりませんが、移設先の住民の理解を得るということだということを確認させていただきました。
 同じ質問を北澤防衛大臣にもお伺いしたいと思います。今私が申し上げた鳩山総理が繰り返し言っている決着の定義、これはやはり鳩山総理がおっしゃっているように、防衛大臣も移設先との交渉では本当に重要な役割をされますし、この決定についてもいろんな重要なインプットをされる方なのでお伺いしたいんですけれども、決着の定義は、これは当然アメリカ側の了解を得て移設先の住民の了解を得ると、こういうことでよろしいでしょうか。
#65
○国務大臣(北澤俊美君) 内閣を統括する総理が述べた決意でありますから、それ以上のものはないというふうに思います。
#66
○山本一太君 北澤大臣も、当然、総理の言っている定義が定義なんだと。官房長官が、既に総理が繰り返しおっしゃっていることについて、どう考えても違うニュアンスだということをおっしゃっていること自体も大変問題だと思いますが、今日はこの問題について、鳩山内閣の主要な大臣としてこの普天間移設問題にかかわっていかれる、これからも、もちろん今までもそうですけど、外務大臣と防衛大臣から総理のこの決着の定義についてお伺いができたと、これはもう大きな意味があったというふうに私は思っています。
 さて、それで、さっき外務大臣の方からルース大使との協議のお話がありました。これ何か、これも報道ベースなんで事実かどうかあれなんですけど、岡田大臣、昨日ルース大使と電話でお話をされたと。いろいろ水面下の協議をなさっているということなんですが、これは、現時点では米国に対して本当に具体的な案を提示していないというふうに理解していいのか。
 つまり、岡田大臣の御答弁をちょっと見ていたら、基本的には外務大臣と、これ十二日の決算委員会だったと思います、決算委員会ですね、基本的には外務大臣と、岡田大臣とルース大使の間で議論を進めていくことで合意したと。具体的な議論になれば実務者同士で議論するが、今はその段階で基本的な議論を行っているというようなお話だったんですけれども、実務者協議、まだ始まっていないということになると、まだアメリカ側に対して具体的な案は提示していない段階だと、こういうふうにとらえて、外務大臣、よろしいんでしょうか。
#67
○国務大臣(岡田克也君) 具体的な案ということの定義の問題だというふうに思います。一つの案ということではなくて、五大臣、前原大臣も含めてですね、五大臣の間で共有した認識、そのことについて、それは幅のあるものであります。その幅のあるものについて、地元そして米国との調整、そういったものを同時並行的に進めていくと、そういう全体の流れの中で今行っているところであります。
#68
○山本一太君 これはいろいろと報道されていることが事実かどうかの確認をさせていただきたいんですが、いろんなメディアの報道等を見ると、外務大臣がルース大使に対してもう実務者の協議を始めようというふうにおっしゃって、それをアメリカ側ルース大使が拒否したというようなことが伝えられています。
 これはもちろん報道ベースですから、事実かどうかは今ちょっと外務大臣に御確認したいと思うんですが、報道によれば、ルース大使が言っているのは、これは米軍の運用面ではちょっと現実的ではない、あるいは現時点で地元の合意がない、移設先の、さらには移設実現の期限が不明だと。こんなことを恐らくメディアの人たちは大使館の関係者の方から情報を取っているんだと思いますが、これは報道のとおり、外務大臣がルース大使に実務者協議を申し入れて、ルース大使が今その段階じゃないとお断りになったのかどうか、そこら辺の事実関係はいかがでしょうか。
#69
○国務大臣(岡田克也君) 二人の間での話合いの中身を個々に申し上げることはございません。
 報道については、日本の報道がこういう場面でどの程度の正確性があるかということは委員もよく御存じのとおりであります。
#70
○山本一太君 そうすると、一つ教えていただきたいんですが、岡田外務大臣がルース大使に対して実務者の協議を始めたいと、普天間問題について。これを言ったということは、大臣、事実なんでしょうか、あるいは全く事実じゃないことなんでしょうか。
#71
○国務大臣(岡田克也君) 具体的な議論をするに際して、私と大使の間とともに、より技術的な検討というものも必要ではないかと、そういうことを申し上げたことはございます。
#72
○山本一太君 ちょっと岡田大臣らしくない、不明確な話だったんですが、実務者協議をやろうというふうにルース大使に大臣はおっしゃったんでしょうか。
#73
○国務大臣(岡田克也君) ですから、二者間での議論の詳細を私が言うべきではないというふうに思います。やがてそういったことも私は必要だと思いますが、現時点においては私とルース大使の間でいろいろなやり取りを行っているということでございます。
#74
○山本一太君 おっしゃるとおり、どのくらい報道が正確なのかどうか分かりませんけれども、もしこれが本当にルース大使が外務大臣の申入れを断って、今実務者協議をする段階にないと言ったんだとしたら、もう本当に深刻だと思うんですね。
 つまり、移設先の理解が一切得られていない状況だということは、移設先の状況が得られるまで実務者協議ができないという理屈になるので、大変このことを私は心配しているんですが、特に移設先については北澤防衛大臣が本当に責任者として移設先の住民の方々との交渉に当たるということになると思うんですけれども、大臣、率直にお聞きしますが、鳩山総理がさっきおっしゃった、大臣も、その総理の定義が定義なんだというふうにおっしゃいましたけれども、この一か月半で移設先の地元の住民の理解を得て、アメリカの合意を得て、そういうことが、大臣、感触として可能だというふうに思われます。
#75
○国務大臣(北澤俊美君) 前提として申し上げますが、移設先の問題については官房長官がこれを責任を持ってやると。もちろん私がそのサポートをするということでありまして、そこのところは、私が責任を逃れるとかそういうことではなくて、実務的な面において十分なサポートをしていくという立場にあるということであります。
#76
○山本一太君 北澤大臣は委員長のときはもっとはっきり物をおっしゃっていたんですけれども。いろいろ選挙等々もあって大変だと思いますが、ここはもう日米関係、同盟がどうなるかという勝負ですから、土、日を返上して、もう一回言いますけれども、土、日を返上して、もう本当に普天間問題の方に力を注いでいただくように私の方からも強くお願いしたいと思います。
 もう一つ両大臣にお聞きしたいと思うんですが、平野官房長官、ここにちょっと発言録を用意したんですけれども、十二日に首相官邸で沖縄県議会議長に会われています。そこで、移設先については県外移設を軸に、県外を軸に政府は動いているというふうに発言をし、しかも官房長官はこの旨を記者会見でも明らかにしました。岡田外務大臣、これはたしか八日ですから外務委員会だと思いますが、そこの答弁で、移設案についてはということだと思うんですが、五閣僚間で共通の認識はあると、こういうふうにおっしゃっています。
 ということであると、両大臣にお聞きしたいんですが、今政府が考えている移設案、五人の閣僚の間で共通の認識があるということなので、これはこの官房長官の見解どおり、今移設先はこれは県外を中央に、県外をメーンに動いているんでしょうか。外務大臣と防衛大臣の御見解を伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(岡田克也君) 五大臣間で共通の認識に立ったその内容については、私は申し上げるべきではないというふうに考えております。ただ、一つだけ言えることは、総理は、とにかく沖縄の負担を減らしたい、その真摯な思いの中で我々に対して指示を出しておられるということであります。
#78
○山本一太君 防衛大臣、いかがでしょうか。
#79
○国務大臣(北澤俊美君) 外務大臣の答弁と全く同じであります。
#80
○山本一太君 今両大臣の方から御答弁をいただいたんですが、つまり、官房長官の言っている県外移設が中心になるということについては、ちょっともう一回お聞きしますけれども、これは共通認識を持っていないということなんでしょうか、それともそれは答えられないということなんでしょうか、ちょっともう一回、外務大臣の御答弁を伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(岡田克也君) 官房長官がどういう質問に対してどうお答えになったのか、その前後の脈絡はどうなのか、そのことを承知しておりませんので、私は答えることはできません。
#82
○山本一太君 前後の脈絡は、大臣、明らかですよ。県議会議長に対して言ったんです。官房長官が県議会議長に対して、いやいや、県外を中心に考えていますというふうにちゃんと記者会見でおっしゃっているんです。
 前後の文脈は明らかですから、それを踏まえてもう一回お聞きしますが、じゃ県外とか県内とか決まっていないのか、官房長官の意見は五閣僚間では統一されていないのか、それとも答えられないのか、そこをちょっともう一回お伺いしたいと思います。
#83
○国務大臣(岡田克也君) ですから、五大臣間での共通認識の中身については、それは外には言わない、言うべきでないというふうに私は考えております。官房長官、いろいろ、それぞれ調整作業というものが必要になりますのでいろんな御発言になっていると思いますが、その真意は官房長官に是非お聞きいただきたいと思います。我々の間では、それは、外に対しては中身は言わないということが共通認識であります。
#84
○山本一太君 岡田大臣がこの問題については日米交渉を担当する責任者でいらっしゃいますから、官房長官が公の席で、いやいや、県外を中心に考えているんですということについて、官房長官の真意は分からないと。もう鳩山内閣の混乱ぶりを象徴するような御答弁ですけれども、北澤大臣、いかがでしょうか。
#85
○国務大臣(北澤俊美君) 五大臣で協議をして共通認識を持ったというところの後、この問題についての対外的な物の言い方はすべて官房長官が代表をしてやると、こういうふうな形になっておるわけであります。
 それから、元々この問題は政権交代が起きる前の選挙の公約として総理が発言したことが発端でありますから、それは県外へという思いで発言をしたわけでありまして、政権を取った今日、総理がそのことを目指しているのはもう間違いのないことでありまして、沖縄の負担軽減ということを中心にすれば、官房長官の言ったことは間違っているわけではないというふうに思います。
#86
○山本一太君 今なかなか重大な御答弁をいただいたと思うんですけれども、総理はもちろん県外への思いがあると。それを踏まえれば官房長官の言ったことは間違った方向ではないということですから、今の大臣の御答弁から推測すると、やはり県外を中心にやっているんだろうなと、そういう感じになると思うんですが。
 今日は両大臣にかなり率直にお答えいただきましたが、少なくとも鳩山総理は、予算委員会でも、それから各外交防衛委員会でも衆議院の委員会でも決算委員会でも、とにかく普天間問題は五月末までに決着すると。もう一回言いますけれども、移設先の地元の合意を得て、アメリカの理解も得て、かつ、党首討論でおっしゃったように、辺野古と同等か更にいい案で決着するとおっしゃって、岡田外務大臣はさっき私に、これは普天間問題を長く話さなかったからおかしいというのはおかしいとおっしゃいましたけれども、少なくとも鳩山総理は、本当に上機嫌だったのかどうかよく分かりません、メディアが上機嫌だと言っていましたけれども、そこで、いやいや、もうオバマ大統領に対して五月末までに決着するということを言ったんだというふうにおっしゃっているわけですから。
 今日は両大臣が、これは当然総理の認識がいわゆる解決の、決着の定義なんだろうというふうに言っていただきました。これやっぱり、少なくとも政権を取った民主党として、私は本当に、沖縄の新しい移設先の住民の方々がオーケーして、アメリカも合意して、かつ、そういう選択肢が本当にあるのかどうかちょっと疑わしいところありますけれども、安全保障上も全く問題ないというのであれば、それはやっぱり、外務大臣も何度もおっしゃっているように、元々この問題は今の普天間基地の危険除去ですから、それはまとめていただくにこしたことはないと思っていますが、改めて一つ言わせていただければ、これを先送りにして、官房長官がおっしゃるように、いや五月末までの決着というのは、実は政府がこうやりたいというところまでだったんですよと、アメリカに了解を得ていなくても、移設先に了解できていなくても、いや政府としてこういう案にしますから相談しましょうということで決着だみたいな話をすると、これはとっても国民からは理解されないし、それはやっぱりリーダーとして絶対にやってはならないことだというふうに思いますので、そのことだけは申し上げておきたいと思います。
 最後に、あと三分ぐらいあるんで、IOMの問題についてちょっと一言、福山副大臣にお聞きしたいと思います。
 実は、副大臣、さっき申し上げたとおり、私、一九九九年の五月だと思うんですけれども、外交・防衛委員会で外務政務次官として答弁に立ちました。そのときに実は質問されたことは、IOMと日本の政府との協力なんですね。我が国がIOM憲章の改正を締結したときに、委員会の質疑の中でIOMと我が国との考えられる協力という話があったんで、それはPKO協力法に基づく物資協力があるんじゃないかという議論があったんです。
 当時はIOMからそういう要請はなかった。その後いろんな要請があったんだと思いますが、そこら辺、ちょっと経緯だけ簡単に教えていただけますか。
#87
○副大臣(福山哲郎君) 御案内のように、IOMとの具体的な協力は大変多岐にわたっております。もう時間がないので簡単に申し上げますと、人身取引対策、定住外国人の子女の就学支援、第三国定住に係る難民の受入れ支援等々があるんですが、今の自衛隊との協力関係に関して申し上げれば、二〇〇五年パキスタン地震に際しては、東京事務所とも連携しつつ、自衛隊のヘリコプターによって空輸された日本政府の援助物資をIOMが配布をした等々の例もありまして、こういった形の協力関係を今させていただいているところでございます。
#88
○山本一太君 ありがとうございました。
 これちょっと、私の記憶のかなたにあるこの物資協力の話なんですけれども、これについても、当然私はいいことだと思うんで、是非外務省の方としてもこの物資協力の方も検討していただきたいというふうに思います。
 あと一分なんですけれども、引き続きまた条約の審議等々があるのでどんどん質問に立たせていただきたいと思いますが、普天間問題についてもこれから山場を迎えますので、両大臣にいろいろとこれからも率直にお聞きをし、真摯な御答弁をお願いしたいと思います。
 それから、防衛省の官房長、毎回聞きますから、真摯に答弁をしてくれるように。ちゃんと、この委員会で言ったことは重いですからね、きちっと動いてくださいね、官房長なんだから。毎回聞きますからね、これから。
 そのことだけ申し上げて、ちょうど時間となりましたので、私の質問、ぴったりに終わらせていただきたいと思います。
#89
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。
 本日は、国際移住機関、IOM特権免除協定を中心にお聞きしようと思っておりますが、その前に、核安全サミットのことについて最初にお聞きしたいと思っております。
 今、山本委員からも、鳩山総理とオバマ大統領とのいわゆる十分間の会談についての御質問がございました。その中で議論された内容というのは、普天間問題とイランの核疑惑という話がありました。この二つが、変に絡めていないでしょうねという話をお聞きしたいと思っているんですね。
 それは何かというと、アメリカの関心は、先ほど岡田大臣おっしゃったように、イランの核疑惑、これを日本が議長のうちに、この四月のうちに安保理で決議をしたいというのはもう見え見えなわけですね。それに対して、日本が安請け合いをして、普天間の問題で何かアメリカに譲歩すると、そういうバーターは決してしないでほしいということがあるんで、そういうことはないでしょうねと確認をしたいんですが。
#90
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと質問の趣旨がよく分からなかったのですが、イランに関しては、ですから、議長国でもあるし、そういった制裁の議論、取りまとめに対して日本に役割を果たしてもらいたいというふうにアメリカ側から日本政府に基本的に依頼といいますか、そういうことが期待されているということであります。そのことと普天間の話とどう結び付くのか、ちょっと理解に苦しみます。
#91
○浜田昌良君 質問の趣旨は、そういうふうにアメリカが下手に出てきて何か日本に依頼をしてくるということをうまく使って、アメリカに普天間の案について日本のをごり押しをするとか、そういうことを通じてやってしまうというのは余りいい形の決着じゃないと思っていますので、そういう形の変な絡め方はしていないでしょうねという確認なんですが。
#92
○国務大臣(岡田克也君) そういうことは一〇〇%ございません。
#93
○浜田昌良君 分かりました。それぞれの問題を独立した問題として真摯に解決していただきたいと思っております。
 その意味で、本題に入りますが、IOMのこの特権免除協定ですが、最初に徳永委員の方からどういう特権・免除があるのかという話は福山副大臣からも御答弁ありました。中でも、いわゆる機関への課税の免除であったり関税の免除等々があるんですが、これを例えばIOMの事務局職員に着目してみて、どのような特権を受けることになるのかと。年間の金額で換算するとどの程度と換算されるのかということについて御答弁いただきたいと思うんですが。
#94
○副大臣(福山哲郎君) 浜田委員にお答えをいたします。
 特権はいろいろありまして、関税の免除、給料に対する課税の免除等々があるのは御案内のとおりでございますが、給料に対する課税の免除については各職員の所得に応じて所得税及び住民税が免除され、関税については我が国に赴任する際の家具等の輸入に関する課税等が免除されます。
 この免税額を合計しろという御指摘でございますが、日本に駐在をされている事務所職員の給料に対する免税額の合計については、人数や居住所や扶養控除等によって左右されるので、なかなか確定的なことは申し上げにくいというのが状況でございます。
#95
○浜田昌良君 なかなか金額換算は難しいという御答弁なんですが、そうしますと、逆に個別を聞きますが、IOMの日本事務所に何人職員はおられるんでしょうか。
#96
○副大臣(福山哲郎君) 特権・免除を付与することになる職員は十一名と心得ておりまして、そのうちの十名が日本人のスタッフと承っております。
#97
○浜田昌良君 その十人の中で各省庁から行っているいわゆる天下りといいますかね、公務員出身者はいるんでしょうか。
#98
○副大臣(福山哲郎君) 公務員出身者はいないと承知しております。
#99
○浜田昌良君 今日、駐日代表にも来ていただいているんですが、御本人からお答えしづらいと思いますので福山副大臣にお聞きしますが、事務所長の経歴を簡単に御紹介いただきたいと思いますが。
#100
○副大臣(福山哲郎君) 御本人が横にいらっしゃいますので言いにくいんですが、どこまで申し上げていいのかよく分かりませんが、個人情報ですが、一九八六年から九〇年まで共同通信の記者をやられて、その後オーストラリア国立大学アジア太平洋地域研究所で国際関係のマスターを取得されて、その後IOMのマニラ事務所にアソシエートエキスパートとして赴任をされ、一九九八年にはIOMの正規職員としてベオグラード事務所に異動されて、コソボ紛争のときには復興・平和構築支援に当たられて、二〇〇〇年イスラマバード事務所に異動されると。二〇〇一年からジュネーブ本部に勤務。二〇〇四年七月から東京事務所代表に着任したと承っております。
#101
○浜田昌良君 そういう意味ではこのIOMの活動に今まで携わっておられる方なんですが、一つ疑問なのは、この特権・免除というものを我が国の職員まで適用する必要が本当にあるのかどうなのかという問題なんですね。これについては別に一律ではないんですよ。国連機関については日本人職員についても基本的には特権・免除しているんですが、いわゆる国連機関以外についてはケース・バイ・ケースで対応されているはずなんです。その辺の適用について、福山副大臣、御存じであれば。
#102
○副大臣(福山哲郎君) 国際機関及びその職員等に特権・免除を付与する目的は、先ほども徳永委員にお答えしましたが、加盟国から独立した任務遂行の保障や職員間の公平性、加盟国間の公平性の確保にあると承っております。
 さらには、特権・免除の付与に関しては、この国際約束を締結するか否かの段階でその国際機関の成立や目的等も含めて個別に検討しておりまして、IOMについては人道復興支援や人身取引対策といった特定の加盟国の意向に左右されるべきではない任務を多く実施しているので、我々としてはIOMの任務に対して協力をし、そういった観点から、今回日本人の職員に対しても特権・免除の付与は適切だと判断をさせていただきました。
#103
○浜田昌良君 国際機関が機能を発揮する上で、課税の特例を受けないと、それは機能を発揮できないですかね。海外の方であれば、いろんな課税の状況があるでしょうし、本国の状況もあるかもしれませんが、日本にいて、日本人なわけですね。
 これは例がありますのは、アセアンセンターってあるんですね。いわゆる東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターというのがあるんですが、これについてはわざわざ日本人職員については課税を免除していないんですよ。そういう決め方もあるんですよね。なぜそういう決め方を今回の場合はしなかったのかについて。
#104
○副大臣(福山哲郎君) 浜田委員御指摘のように、アジア生産性機構、また東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター等については、日本人職員については課税免除を付与していないと承っておりますが、先ほど申し上げたように、それぞれの国際機関の設立目的、任務等々をかんがみた上で判断をさせていただいております。
#105
○浜田昌良君 今、それぞれの機関の設立目的等を勘案して判断されたと。
 じゃ、アセアンセンターの場合はなぜ日本人職員には課税をして、今回のIOMは課税を免除すると。どういう判断なんでしょうか。
   〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕
#106
○副大臣(福山哲郎君) 私もアセアンセンターに付与をされなかったときの経緯については承知をしておりませんので答弁はなかなかしにくいですが、今回については、IOMについて我々としては特権・免除を付与するべきと判断をさせていただきました。
#107
○浜田昌良君 今回、特権・免除を受ける十一名のうち十名が日本人なんですね、先ほど言われたように。その日本人の方が本当に課税免除を受けなければ日本でIOMの活動ができないんでしょうか。それはそういうことまでもやっぱり考えるべきだと思うんですよね。今まで前例があるということかもしれませんけれども、そういうことは今後の中でしっかり吟味をしていただきたいということをお願いしておいて、少し具体論に入りたいんですが。
 実はこのIOMは、いわゆる難民の関係の事業とともに、昨年度から虹の架け橋教室ってやっているんですよ、文科省の関係なんですが。これは、定住外国人の子供たちが今非常に、こういうリーマン・ショックの後、教育を受けづらくなってきていると。そういう、いわゆる日本にある外国人学校から、なかなか行けなくなってきて、とはいっても言葉の問題があって公立学校には行けないということをうまく支援しようということで、実は当時与党であった公明党がこれを支援してつくった事業なんですが、この事業について、まずどういう事業であるのか、また、それについて幾つかの実施機関で苦情が寄せられているという話も聞いたんですが、この点につきまして中川副大臣から御答弁いただきたいと思います。
#108
○副大臣(中川正春君) 御指摘ありましたように、雇用情勢、非常に去年から厳しいものになってきたということであったものですから、補正予算で、ブラジル学校に特に就学がもう困難といいますか、経済的にそれを支えられないという子供たちも出てきて、そういう子供たちと同時に、元々不就学な中で問題となっている社会現象に対して、第三者的にといいますか、学校とちょうどそういう問題を結ぶような制度としてこの虹の架け橋の事業ができました。
 それで、実質的には日本語指導やそれから学習習慣の確保というようなものをそのセンターで指導しながらやってきているということですが、現在、二十二年度においては、去年からの分を含めて四十二件、三十九団体を選定して、外国人の集住地域を中心にやっております。それをこのIOMに委託をする形で事業化をしているということであります。
 確かに御指摘のように、運用の面で幾らか問題があったということは事実でありまして、外国人集住都市会議、これは去年の秋、十一月に、外国人労働者が特に多い地域の都市が集まって集住都市会議というのをやっているんですが、そこでは、委託団体の事務局との調整がスムーズに進まないというような指摘であるとか、あるいは契約にかなりの日数と労力を要して事業開始が大幅に遅れたということであるとか、あるいは申請に当たって要項や具体的な基準などに不明な点が多いと、こういう指摘が確かにされました。
 その後、私自身も問題意識を持ちまして、IOMの事務局に文科省に来ていただいて弾力的な運用をしていくようにという指示をさせていただきました。その結果、IOM側でもこの要請を踏まえて、外部有識者による運営委員会というのを立ち上げて事業運営に関するアドバイスを受けるとか、あるいは自治体やそれぞれのNPO、活動機関との調整をしながら今努力をして進めていただいておるということを認識をしております。そんな中で改善、相当されたんだというふうに思っておりまして。
 もう一つ我々として考えていかなきゃいけないのは、この事業の特質そのもので、緊急的にこれはやっているんですよ、三年間、それをもう少し弾力的に持っていって、本来必要なところにこのニーズが満たされるような、そういう事業にしていかなければならないのかなということ。これは文科省の制度設計ということなんですが、そういうことも含めて更に改善をしていきたいというふうに思っております。
#109
○浜田昌良君 今副大臣から御答弁いただきましたように、このいわゆる文科省の委託事業、文科省からIOMに委託されまして、IOMから各都道府県の団体にさらに委託されているんですが、これ非常に本当に事細か過ぎてもう嫌だという声が上がっているんですね。特にNPO法人であったりとかそういうボランティアみたいなことをやっている団体が多いものですから、余りにも、消しゴム一個買うのに紙出せとかそういうことを言われて、もうやめたい、実際やめた団体もあるんですよ、二年度目から。
 それは本来の、この予算を付けた側からするとやり過ぎじゃないかということを思っておりまして、私自身は、IOMさんというのは難民を扱っておられるのでそういう困った方の心が分かっていると、こういう思いでこの委託団体を選ばれたと思っているんですが、それについてはその思いをしっかり体した運営をしていただきたいと思っておりまして、今日はわざわざ申し訳ございませんが、駐日事務所長中山様に来ていただきました。
 この点につきまして、このような批判をどういうふうに受け止めてどういう改善を行っているのか、御答弁いただきたいと思います。
#110
○参考人(中山暁雄君) お答えいたします。
 私、二〇〇四年に東京に着任しまして、六年間、大変多岐にわたる日本とのパートナーシップというものを進めてまいりました。国際移住機関として、また私自身のこの六年間の経験を踏まえて、昨年から始めた虹の架け橋教室事業というのが、外国人住民の日本社会への定着と自立を促進する国際的に見ても大変重要な活動であり、また、日本の今後の、将来、移民の社会統合ということを考える上で非常に示唆的な事業であるというふうに考えまして、組織を挙げて事業の円滑な実施に取り組んでまいりました。
 様々な御批判は、大変真剣に私は受け止めています。我々、各実施団体の皆様が大変困難な状況の中で、不就学のお子さんへの対応というのは実は非常に難しい問題で、今副大臣からもお話あったように、ニーズをとらえることが非常に難しいという状況があります。
 私どもはそういう団体の皆様のニーズにおこたえする最善の方法を取っていかなければいけませんので、これまですべて我々、誠意を持って対応してきているんですけれども、更に御意見、御批判を踏まえて、例えば審査の簡素化ですとか契約手続の迅速化に努めています。第一次公募のときには、審査委員会での採択の決定から事業契約の開始まで六週間以上掛かることもありましたけれども、第三次公募では三週間というところまで大幅に短縮をしております。私自身が直接陣頭指揮を執りまして、とにかく迅速な契約、そして事業の開始を確保するようにというふうに事務局職員に指示をして、進めてまいっております。
 また、事務局の体制の問題もあります。昨年度はこの事業の専従職員が二名しかいないということがありまして、必ずしも実施団体のニーズにこたえた行き届いた対応がし切れないという状況がございました。今年度からは架け橋教室の経験者にも来ていただきまして、三名の専従職員を置いて、定期的な頻繁な教室の訪問、実施団体との綿密な連絡、そして様々な御相談というものにきめ細やかに対応していくということを心掛けております。
 また、今副大臣からもお話がありましたように、研究者や自治体関係者といった第三者の有識者に御参加いただいた運営委員会というものも設置をしております。
 さらには、今年の前半、なるべく早い時期に各架け橋教室のコーディネーターに一堂に集まっていただいて、事業の改善に向けた提言を出していただきたいというふうに考えております。
 皆様からいただいた御批判というものを真摯に受け止めて、人道援助機関として、支援を必要とする弱い立場にある方々にタイムリーに、速やかに援助が届くということを確保していくために、更に改善を進めていきたいというふうに思っております。
#111
○浜田昌良君 今所長から御答弁いただきましたように、人道援助機関として弱い立場の方の目線に立ってきめ細かに、大変だと思いますが、特に団体として余り組織的に慣れていないところも多いものですから、御苦労は分かるんですけれども、相手側の目線に立ってお願いしたいと思っております。
 最後に、副大臣にもう一点お願いしておきたいんですが、実は、この虹の架け橋教室が余りにも不就学の生徒と限定しちゃうと、不就学になる直前の補習をしてあげないと不就学になっちゃうなという子供たちが漏れちゃうんですね。ところが、不就学が一人でもいないとこれ駄目なんですよと、また硬直的な運用されているんですよ。これやっちゃうと、結局は翌年度不就学になっちゃうということになりますから、この不就学予防のための補習についても弾力的に、それだけでも運用するということを是非御検討いただきたいんですが、これを最後に聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#112
○副大臣(中川正春君) 先ほど提起をされた問題、しっかり受け止めさせていただきます。
 それ以外にも、既存のブラジル学校との連携といいますか、生徒の取り合いをして経営を圧迫しているんじゃないかとかいうふうな御批判もありますので、そんなところも全部含めてこの事業を見直していきたいと思いますし、改善をしていきたいというふうに思っています。
#113
○浜田昌良君 予算としては我々が要求して作った予算でありますけれども、運用はしっかり現場に応じてやっていただきたいことを最後にお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#114
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、IRENA憲章に関して質問をいたします。
 日本の未活用を除く再生可能エネルギーの利用は一次エネルギーの中で三・四%、二〇〇八年でありますが、極めて低い実態でありまして、国際的にも、電力供給に占める比率ではEUを下回り、太陽光発電の導入量ではドイツに首位の座を奪われ、スペインにも抜かれました。また、風力発電は、世界的には〇九年度に非常に驚異的なアメリカ、中国など成長を記録しておりますけれども、日本はこの分野でも立ち遅れております。その理由はどこにあるとお考えでしょうか。
#115
○副大臣(福山哲郎君) いろんな理由があると思いますが、まず世界的な機運の中で、再生可能エネルギーについて普及をしようという、そういった機運が高まったということ。それから、二〇〇五年のドイツのフィードインタリフを始めとしてスペイン等々でも同様の政策が取られ、一方で我が国は、これは前政権の政策でございますが、当時ありました補助金を打ち切るという、どちらかというと世界とは逆行した方向に行った結果、実はこの五年内外の間にかなり世界のシェアについては逆転をされたと。
 しかし一方で、累積導入量でいえば、日本は太陽光発電については第三位ですし、生産量は世界第二位ですし、今後、前政権の余剰電力の買取りの導入によって若干今需要が上がっておりますし、更に言えば、政権が替わりまして、固定価格買取り制度の導入等々を今経産省が検討していただいていることもあり、再生可能エネルギーの普及についてはこの政権としてはしっかりと努力をしていきたいというふうに思っております。
   〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕
#116
○井上哲士君 前政権を含めて、これまでの我が国のエネルギー政策が問われていると思いますが、そもそも今回の憲章の第三条で再生可能エネルギーというのはどういうふうに定義をされているんでしょうか。
#117
○副大臣(福山哲郎君) これは定義ですから、読み上げます。
 「この憲章において、「再生可能エネルギー」とは、再生することが可能な資源から持続可能な態様で生産されるあらゆる形態のエネルギーをいい、特に、次のものを含む。」となっておりまして、バイオエネルギー、地熱エネルギー、水力電気、海洋エネルギー(特に、潮汐エネルギー、波エネルギー及び海洋温度差エネルギーを含む)、さらには、太陽エネルギー、風エネルギーというふうに例示規定となっております。
#118
○井上哲士君 つまり、今列挙されましたようないわゆる自然エネルギーは、適切に利用すれば利用する以上の速度で自然に再生をすると。ですから、将来にわたって持続的利用が可能だということから再生可能エネルギーと定義しているわけですね。
 これに対して、化石燃料やウランは埋蔵量に限りがあって数十年から百年程度で枯渇するとして、こちらは枯渇性エネルギーというふうに総称されております。ところが、我が国のエネルギー政策は、この枯渇性エネルギーを、石油、石炭、ガスなどのいわゆる化石燃料と、それから非化石燃料としてウランなどに区別をして、そして非化石燃料だということで原子力発電を推進をするという方向がありました。私はここに再生エネルギーが立ち遅れる一つの要因があると思うんです。
 原発頼みから、やはり自然エネルギーの導入に本腰を入れるという方向に転換をして、地球温暖化対策のためにも、この憲章に示されている再生可能エネルギーの利用を抜本的に高める必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
#119
○副大臣(福山哲郎君) CO2を出さないという観点で見れば、原子力発電の排出係数がゼロであることは委員も御案内のとおりでございます。ですから、今回のこの再生可能エネルギーという定義の中でいえば、このIRENAの定義においても、原子力発電は、ウラン燃料というのは有限な資源でありますから、再処理等では再利用は可能でありますが、再生することが可能ではないから定義から外されているという認識でございます。
 しかし一方で、世界的には原子力発電のCO2排出係数ゼロということに対して注目も高まっているところでございますので、我が国としましては、このIRENA憲章における再生可能エネルギーの普及については今後積極的に対応していきたいというふうに思っております。
#120
○井上哲士君 今回こういうのが国会に出されたわけでありますから、これに伴って思い切った再生可能エネルギーの利用へとエネルギー政策全体を転換をするべきだということを重ねて申し上げておきます。
 次に、国際移住機関協定に関連してお聞きをいたします。
 この機関の活動の一つに、新日系フィリピン人の支援の活動があります。一九八〇年代に主に興行ビザで来日をしたフィリピン女性と日本人男性の間に生まれた子供のことで、現在十万人から二十万人ぐらいいると言われております。この間、問題解決のために興行ビザは厳格化をされましたし、国籍法も改定をされて、一定の手当てがされてまいりました。一方、日本には数多くフィリピンからの移住者が居住をしておりまして、残念ながら、その中には適正な滞在資格を持たない方も存在をいたします。
 こういう皆さんに在留特別許可が下りないという場合は強制退去が実施をされるわけですが、帰国しても生活基盤がない、それからお子さんが日本で生まれて小中学校に通っているなどの事情がある中で、子供だけを残して帰国をせよというふうに迫られるような深刻なケースも起きております。昨年の三月に埼玉県の蕨市のカルデロン・ノリコさんとその両親の在留特別許可をめぐって大きな社会問題になったのも記憶に新しいことであります。
 まず、法務省にお聞きしますが、日本に滞在するフィリピン人の中でいわゆる非正規滞在者と、それから在留特別許可が下りている人数はそれぞれ幾らでしょうか。
#121
○大臣政務官(中村哲治君) まず、不法残留者の数につきましては、平成二十二年一月一日現在、フィリピン人の不法残留者数は一万二千八百四十二人となっております。一方で、在留特別許可数については、実は統計としては、韓国・朝鮮、中国が国籍又は出身地である以外はその他として計上しているところであります。そのため、フィリピン人の在留特別許可数は現在は把握をしておりません。
#122
○井上哲士君 なかなか実態を把握するのは難しい側面もいろいろあろうかと思います。法改正も過去されまして、入管が非正規滞在者に申告を呼びかけるということもずっとやられていますが、在留特別許可をもらえると思って申請をしたけれども、実際には強制退去にされてしまうというケースもありますので、なかなか呼びかけに答えてこないという実態もあるわけですね。
 もちろん、犯罪などにかかわった悪質な非正規滞在者を退去させることは必要でありますけれども、一方、長期にわたって日本に住み、家族もいる、そして子供も学校に通っているという場合は、やはり人道的な配慮があってしかるべきだと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。
#123
○大臣政務官(中村哲治君) 在留特別許可の判断につきましては、個々の事案ごとに、在留を希望する理由、家族状況、生活状況、素行、内外の諸状況のほか、その外国人に対する人道的な配慮の必要性と我が国における他の不法残留者に及ぼす影響等、諸般の事情を総合的に判断して決定しているところでございます。
 そのような考え方の下で、人道的な配慮としては、未成年の子供の事情や病気、治療の必要性等を重要な考慮要素と考えておるところでございます。人道的な配慮の必要性については重く認識しており、今後とも個別具体的事案に即し十分に考慮して、適切に判断してまいります。
#124
○井上哲士君 人道的配慮は重く認識しているという答弁であったわけであります。
 あるちょっと事例についてなんですが、アルマンドさんというフィリピン人夫妻とその子供さんの事例であります。
 この方は一九九〇年に、フィリピンに住む家族を支えるために日本に入国をされました。奥さん、母親の、奥さんですね、エリザベスさんは一九八七年に日本語学校に就学するために来日をされまして、日本で出会い、九六年に生まれた長男は中学校に入学をされております。
 在特許可に係るガイドラインが改訂をされておりますけれども、その中では、本邦で出生し十年以上にわたって在住し、小中学校に在学している実子の場合、他の法令違反がない場合は在留許可を認める方向で対応するというふうに明記をされておりまして、この方の場合、これに該当をすると思うんですね。日本で生まれた長男は、両親の母国のフィリピンを知りません。母国語も知りません。それを考えますと、人道的な配慮が必要とされる事例だと考えますけれども、いかがでしょうか。
#125
○大臣政務官(中村哲治君) 個別具体的な事案につきましては、当該個人のプライバシーにかかわることがありますので、改めて要求があれば別ですが、行政当局からの回答については控えさせていただきたいと考えております。
#126
○井上哲士君 この方の場合は、家族で日本での滞在を強く望んでいたわけですけれども、結局今年の三月末に長男も一緒にフィリピンに帰国をされました。長男は、日本にいれば中学校二年生になって勉学に励むことができたはずなわけですが、新しい勉学先を今探すことを余儀なくされております。
 なぜ帰国したかといいますと、東京入国管理局から、帰国しないと母子とも収容すると、こういう通告があったわけですね。子供は収容させたくないという思いから帰国の道を選んだわけですが、こういう子供の収容を示唆する脅迫まがいのやり方で帰国の判断を促すというのは私は人道的にも許されないことだと思いますし、同じような事例で在特が出たというケースもあるわけですね。
 この在特の判断に当たっては、先ほどいろいろ挙げられましたけれども、これ非常にばらつきがあるということで、申出、いわゆる申告の呼びかけにもこたえにくいということがあるわけでありますが、その基本的な考え方ということはどうなっているんでしょうか。
#127
○大臣政務官(中村哲治君) 今、井上委員のおっしゃった懸念につきましては、私たちはできるだけ在特の運用に関しては透明度を上げていこうと考えております。昨年七月にこのガイドラインを改訂して、より詳しく基準を、基準といいますか、考慮要素を明確にしたということも一つですし、今週、十三日火曜日には、千葉大臣から事案の公表についても行わせていただきました。
 議員御存じのとおり、新ガイドラインでは、当該外国人が不法滞在者であることを申告するため自ら地方入管に出頭することを積極要素としております。そういった事例を見ていただくことによって、積極要素として自ら出頭していただくと、そういうことを判断していただく方が増えることを望んでおります。
#128
○井上哲士君 当時、法改正のとき私も法務委員会におりましたのでいろんな議論をしたわけでありますけれども、まだまだやはり不安があり、ばらつきがあるという指摘があるわけでありまして、一層透明度も高めながら、より基本的な方向をしっかり示していただきたいと思います。
 最後に、外務大臣、お聞きいたしますが、国際化の進展によって、就労資格がある外国人労働者が、日本への滞在が増えております。過去には先ほど申し上げた新日系フィリピン人という課題も残すようなことも起きました。こういう反省の上に外国人の受入れの体制や制度というものをしっかり考えていく必要があると思いますけれども、その点の御所見はいかがでしょうか。
#129
○国務大臣(岡田克也君) 外国人を我が国がどの程度受け入れていくかということ自身が大きなこれは政治的な決断を要する問題だというふうに思います。
 そして、受け入れる場合に、やはり受け入れた以上はきちんと日本社会の中で安定した生活ができるようにするということは、これは当然のことでありまして、私も、先ほどちょっと違う場で議論になっておりましたが、例えば日系人の方はほぼ無条件に受け入れました。しかし、現実に、地元などでも見ておりますと、子供たちの中で学校に行っていない子供たちもいる。一方で、定住化が進んでおりますから、そういう義務教育も満足に終えていない若者たちが日本社会の中でどんどん増えていくと。そういうことが本当にいいはずはないんであって、やはり日系人を受け入れるということであれば、受け入れたときのそういった子供の教育の問題など最低限のことはきちんとやっぱり体制を整える必要があると、そういうふうに思っております。
 この外国人の問題というのは各省庁にわたりますので、なかなかそういう体制が十分できないわけでありますけれども、これはしっかり政府、あるいは与党、野党ということではなくて、日本の覚悟が求められている話でもあると思いますので、議論を深めていただいてきちんとした体制をつくっていかなきゃいけないと、そういうふうに思っております。
#130
○井上哲士君 終わります。
#131
○山内徳信君 四月九日に外務大臣は駐日ルース大使と意見交換をされたようでございますが、まず幾つかお伺いしておきたいことは、アメリカ側の基本姿勢としては日本政府とその関係自治体との合意が先決であると、そういう趣旨のお話が大使からあったようですが、そのことをお伺いしておきたいと思います。
   〔委員長退席、理事山根隆治君着席〕
#132
○国務大臣(岡田克也君) 話の個別の中身は、私、言うべきでないと、それはお互い信頼関係でやっていることでありますので、そういうふうに思います。
 ただ、一部報道の中で、これはどの場でということではありませんが、地元とのきちんとした合意がなければその話合いが行われない、そういうことは特にございません。
#133
○山内徳信君 アメリカの外交とかあるいはアメリカ人というのは、このような基本的な話はオープンにした方が喜ぶんですよ。私が外務大臣にそんなことを申し上げると失礼になりますが、基本的な話ですよ。やはり日本政府がまず関係自治体の合意を取り付けよと、ああ、そう言っていましたねというぐらいのこれは答弁ですよ。どうぞ。
#134
○国務大臣(岡田克也君) これは以前から申し上げておりますように、五大臣の間で共通の認識を持ち、そして日米間、地元、それぞれ議論しながら最終的に一つの案になると、こういうことだと思います。どちらが先とか後とかいうことではございません。
#135
○山内徳信君 何となく日本外交の限界をいつも見せ付けられておるような気がしまして、余りいい感じはしないんです。少し型破りの外務大臣になって、ぶつかっていくぐらいの勇気がいつも必要と申し上げておるじゃないですか。
 そして、同じ日に、与勝沖案と鹿児島県の徳之島案は駄目ですよとルースに言われたんじゃないですか、どうですか。
#136
○国務大臣(岡田克也君) 個別の中身をお話しするつもりはございませんが、そういったことではございません。そういったことであれば話合いは続いていないわけであります。
#137
○山内徳信君 やはりいざというときにはみんなが力を合わせて支えていきますよ。そんなことをどうして、どうして……。
 見てみてください、見てみてください。これ、これ、これ。北澤大臣、米、勝連沖・徳之島を拒否と、こう書かれておるんですよ。沖縄の新聞、新報、タイムスが毎朝九時には私の事務所にこういうふうにファクスでばあっと送られてくるんです。そういうことで、私はそのことをこの公式の場でやはり確認をしておきたい気持ちにもなるわけですよ。
   〔理事山根隆治君退席、委員長着席〕
 改めて、徳之島とこの海上案について、外務大臣も、ああ、それに近いような話あったね、山内さん、ぐらい言ってくださいよ。
#138
○国務大臣(岡田克也君) その見出しにありますような拒否という事実はございません。
#139
○山内徳信君 後でこれが事実だと分かったら、これはまたうそをついたということになりますよ。
 さて、これ以上時間を費やすわけにはまいりませんが、総理は、現行V字型案ですね、現行案と言われておるものです。自然環境の破壊にもつながりますし、十三年掛けて前政権が実現しなかったこともあるわけです。そして、基地負担の軽減は何としてもこれはもうしなければいけないという総理の思いもありましたし、沖縄県民、去年ですから、六十四年間も日米安保の基地負担でずっと御苦労を掛けたので、沖縄の那覇市でも沖縄市でも、今の総理はやはり国外、県外とおっしゃったわけですよ、そういう思いが今も総理大臣にはあられると私たちは考えておるわけであります。
 したがいまして、現行案については、これはもう沖縄県民は総体としてなしと、こういうふうに受け止めております。よもや亡霊のごとくこれが現れてくることはないと沖縄県民は信じておりますが、それについて外務大臣の本当の気持ちを聞かせてください。
#140
○国務大臣(岡田克也君) 今、これが駄目あれはないと言うつもりは私はございません。ただ、五人の閣僚が集まって共通の認識に立ったものは現行案ではないもの、そのことについて今努力をしているところでございます。
 ただ、委員、これは沖縄の負担の軽減という総理の強い思いの中でいろいろ今やっているところでありますが、八千人のグアムへの移転あるいはその結果としての一部の基地の返還と、こういうことが一体どうなっていくのかということもこれ真剣に考えないと私はいけないというふうに思うわけであります。そういったところについて、委員、どういうふうにお考えなのか、是非お話も聞かせていただければというふうに思っております。
#141
○山内徳信君 今の外務大臣のお言葉は、現行案に戻ることはないと、こういうふうな意味に私は受け止めております。
 さて、今お手元に資料をお配りしてあります。裏表に資料を作ってありまして、表の方は、全員が県内反対。この全員というのは、沖縄は合併が進んで今四十一の市町村がございます、その全員が県内移設反対という意味であります。そして、そのうち、四月二十五日の県民大会に参加するのが三十四名、こういうふうになっております。そして、これは沖縄タイムスの四月十一日のアンケートの結果もここに資料として出してございます。後ほど目を通していただきたいと思います。そして、基地負担の平準化ということを訴えておるんですね。やはり七五%がいかに市町村長たちに、あるいは県民に大きな負担になっておるか、これを少なくとも全国民で平準化して対応していってほしいと、こういう意味でございます。
 さて、米軍基地の県内移設を拒否する十万人規模の県民大会が四月二十五日に計画されております。そして、場所は、普天間飛行場から飛び立ってきたヘリコプターから読谷という村の真ん中にあります読谷飛行場で訓練しておりましたが、余りにも事故、事件が多くて、ついに村民は立ち上がってこの読谷飛行場の返還を勝ち取った、その由緒ある運動公園で開催されることになっております。
 既に四月十一日現在、各市町村単位で見ていきますと、十七の市町村で大会に向けての実行委員会の結成又はその準備が進められております。ほとんど実行委員長は首長でございます。この動きは、かねてから私が申し上げてまいりましたとおり、まさに島ぐるみの動きあるいは県民ぐるみの反対の意思表示の動きになります。日米両政府に対して、いつまで、半世紀以上、六十五年以上も沖縄にのみ基地を押し付けるのかと。もうこれは受忍の限度、我慢の限度を超えた、そういう県民大会になるわけでございます。このような県民の抗議の総決起、あるいは抗議の総抵抗運動になっていくわけでございます。
 したがいまして、そういう状況の中で、是非鳩山政権にお願いを申し上げたいのは、やはり友愛の精神、そして命を大事にするとおっしゃった施政方針、私は何度も申し上げておりますが、感動しておるわけです。揺れておるということをおっしゃる方もおる、ぶれておると言う人もおりますが、そういう中においてもやはり県外に移したいと、それはまさに本当の人間を大事にしていこうという政治、政治家の姿だろうとも思っておるわけでございます。
 そういう意味におきまして、沖縄への基地の新たな押し付けは絶対にないように、そして、もしそういうことがあるということになりますと、これは今アメリカの外交官や政治家たちが心痛めて、あるいは心配しておりますのは、普天間問題でやはり日米関係あるいは日米友好関係に傷が付いてはいかぬのじゃないかと。したがって、少し、もう少し冷却期間を置いてもう少し静かに考えてみようじゃないかという、そういう動きも出ておるじゃないですか。私は、前回申し上げましたのは、外務大臣に、アメリカの政治的な動きが変わってきていますよと。
 したがって、今日も、もう時間ですから最後に申し上げますが、是非、この沖縄県民の島ぐるみ的な動きを、県民大会の状況、宮古・八重山群島はそれぞれの群島で開催する、そういう動きになっております。このことを是非ルース大使にもペンタゴンにも、あるいはオバマ大統領にも伝えて、やはり未来志向に立って、この普天間問題はとても沖縄県内では解決はできませんから、是非外の方にお互いに目を向けていこうじゃないかと、こういうふうにして、ここで岡田外務大臣の本当の力量を発揮をされて、アメリカと堂々と国外に向けてのそういう外交交渉を期待いたしまして、今日の質問を終わりますが、それに対する外務大臣の歴史的な決意を伺っておきたいと思います。
#142
○国務大臣(岡田克也君) 今、最後は国外というふうに委員は言われたわけでありますが、この集会、県外、国外と、そういうふうに主張されている方が多いと思います。その県外にという沖縄県民の皆さんの思いというものは我々日本国民一人一人が重く受け止めなければいけない問題であるというふうに思います。基地の負担を沖縄県にその大部分を御負担いただくのではなくて、国民一人一人が負担を分かち合わなければいけない問題である、そのことは一人一人が真剣に考えなきゃいけない問題、そういうふうに思っております。
#143
○山内徳信君 ありがとうございました。
 終わります。
#144
○委員長(田中直紀君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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