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2010/04/26 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 行政監視委員会 第4号
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2010/04/26 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 行政監視委員会 第4号

#1
第174回国会 行政監視委員会 第4号
平成二十二年四月二十六日(月曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     加賀谷 健君     横峯 良郎君
     浅野 勝人君     鈴木 政二君
     中川 義雄君     関口 昌一君
     山本 順三君     塚田 一郎君
     風間  昶君     谷合 正明君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     佐藤 信秋君
     渕上 貞雄君     又市 征治君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     佐藤 信秋君     愛知 治郎君
     又市 征治君     渕上 貞雄君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     渕上 貞雄君     山内 徳信君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     山内 徳信君     渕上 貞雄君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     下田 敦子君
     林 久美子君     植松恵美子君
     松岡  徹君     行田 邦子君
     横峯 良郎君     轟木 利治君
     南野知惠子君     西田 昌司君
     谷合 正明君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 孝男君
    理 事
                加藤 敏幸君
                主濱  了君
                藤原 良信君
                前川 清成君
                塚田 一郎君
    委 員
                岩本  司君
                植松恵美子君
                川合 孝典君
                行田 邦子君
                下田 敦子君
                田名部匡省君
            ツルネン マルテイ君
                土田 博和君
                轟木 利治君
                中谷 智司君
                平山 幸司君
                森田  高君
                愛知 治郎君
                大江 康弘君
                中山 恭子君
                西田 昌司君
                山内 俊夫君
                山本 香苗君
                山下 芳生君
                渕上 貞雄君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
   副大臣
       内閣府副大臣   古川 元久君
       総務副大臣    内藤 正光君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小川 淳也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        富山 哲雄君
   政府参考人
       総務省行政評価
       局長       田中 順一君
       財務省主計局次
       長        中原  広君
       文化庁次長    合田 隆史君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       伊岐 典子君
       国土交通省鉄道
       局長       本田  勝君
       国土交通省自動
       車交通局長    桝野 龍二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (政策評価の現状に関する件)
 (行政評価・監視活動実績の概要に関する件)
 (行政評価等プログラムに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺孝男君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、風間昶君、浅野勝人君、中川義雄君、山本順三君、加賀谷健君、南野知惠子君、林久美子君、白眞勲君及び松岡徹君が委員を辞任され、補欠として鈴木政二君、関口昌一君、塚田一郎君、西田昌司君、山本香苗君、植松恵美子君、下田敦子君、轟木利治君及び行田邦子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(渡辺孝男君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に塚田一郎君を指名いたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(渡辺孝男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、総務省行政評価局長田中順一君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(渡辺孝男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(渡辺孝男君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 まず、政策評価の現状、行政評価・監視活動実績の概要及び行政評価等プログラムについて、総務省から説明を聴取いたします。原口総務大臣。
#8
○国務大臣(原口一博君) 御説明に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 本委員会における国政全般にわたる御審議に当たり、政策評価や行政評価・監視の結果を精力的に御活用いただいていることに深く敬意を表する次第でございます。
 私といたしましても、真に国民のためとなり、無駄のない行政に向け、行政評価機能の更なる発揮とともに、国民の十分な理解を得ることが重要と考えており、今後とも真摯に取り組んでまいる所存でございます。
 それでは、今月十三日に公表しました行政評価等プログラム及び昨年総務省から本委員会に御報告して以降、新たに取りまとめ、公表した調査結果につきまして御説明申し上げます。
 一、まず、本プログラムは、行政評価機能の抜本的強化方策を具体化するとともに、総務省行政評価局の業務を重点的かつ計画的に実施するため、中期的な業務運営方針として定めたものであります。
 行政評価機能の強化に当たっては、いのちを守る政策の実現に向け、新たなパラダイム、ダイナミズムに対応しているかどうかに関して、国民視点に立った行政のパフォーマンスやアウトカム、執行状況や成果、あるいは公開度、説明度の徹底、国民との対話、協働といった点を重視し、聖域なく行政運営の見直しに取り組んでいくこととしております。
 具体的には、政策評価の推進について、各府省の情報公開の徹底や真に役立つ機能への重点化を図るとともに、機動調査チームの設置や行政相談を端緒とした調査の実施など、行政評価局が行う調査の拡充、国民視点の徹底などに取り組みます。
 さらに、本年度、新規に着手する調査としては、国のすべての行政機関を対象とした会計経理の適正化等の法令等遵守など七件のテーマに取り組みます。
 また、これらの方策の具体化、実行に当たっては、年金記録問題の早期解決への対応方策の検討に協力しつつ、状況変化に留意して、柔軟かつ適切に対応してまいります。
 二、次に、昨年六月以降、総務省行政評価局が行った調査としては、私の指示で実施した契約における実質的な競争性確保に関する緊急実態調査など五件のテーマにつきまして勧告等を行ったところでございます。
 以上、最近の取組につきまして概要を御説明いたしましたが、詳細につきましては行政評価局長から説明をさせます。
#9
○委員長(渡辺孝男君) 次に、補足説明を聴取いたします。田中行政評価局長。
#10
○政府参考人(田中順一君) まず、平成二十二年度行政評価等プログラムの概要を御説明いたします。
 お手元の資料の一ページを御覧ください。
 今月十三日に公表いたしました本プログラムは、平成二十二年度からの総務省行政評価局の中期的な業務運営方針及び調査テーマを定めるものであります。本年度は、本年一月に公表した行政評価機能の抜本的強化ビジョンを受け、政務三役、有識者のオープンな議論を経て、行政評価機能の抜本的な強化方策を盛り込んだものとなっております。
 まず、政策評価の推進につきましては、情報公開の徹底のため、政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインを新たに策定します。また、本年度から導入される政策達成目標明示制度との連携を図るほか、事前評価の義務付けの対象として、租税特別措置に係る政策を追加するなど、予算編成等に資する政策評価を推進してまいります。
 総務省行政評価局が行う調査につきましては、内閣の重要方針を踏まえ、国民の関心が高く、タイムリーに機能が発揮できるものとして、従来見落とされがちだった問題や税金の無駄遣い排除に資するものであること、制度の仕組み全体を視野に置き、縦割り行政の弊害の是正や組織・予算面の改革に資するものであることといった視点に沿ったテーマを定めております。
 具体的には、税金の無駄遣い排除という視点から国の行政機関の法令等遵守に関する調査など四件、国民のいのちと生活という視点から児童虐待の防止等に関する政策評価など三件のテーマに取り組んでまいります。
 行政相談につきましては、国民視点と行政の接続を重視し、広く国民の意見を聞き、制度又は運営の改善につなげる活動を展開します。具体的には、行政相談により得られる情報の調査分析の充実や行政相談委員との協働の充実を図ってまいります。
 独立行政法人につきましては、行政刷新会議における抜本的見直しとも連携しつつ、保有資産の見直し及び内部統制の充実強化を重要な視点として厳格に評価を行ってまいります。
 なお、これらの方策の具体化、実行に当たっては、年金記録問題の早期解決への対応方策の検討に協力しつつ、状況変化に留意して、柔軟かつ適切に対応してまいります。
 次に、総務省行政評価局が行った調査につきまして、前回の御報告後に行いました五件の勧告等の概要を順次御説明いたします。
 まず、資料の三ページを御覧ください。
 昨年六月に公表した世界最先端の低公害車社会の構築に関する政策評価につきましては、本政策が総体としてどの程度効果を上げているかなどの総合的な観点から評価した結果、環境政策等の方向性を踏まえ、政策目標を含め政策体系を再構築することなどを勧告いたしました。
 次に四ページを御覧ください。
 昨年十一月に公表した契約における実質的な競争性確保に関する緊急実態調査につきましては、原口総務大臣の指示により、物品調達に係る一般競争契約において実質的な競争性が確保されていないと疑われるような実態、問題点を明らかにするため緊急に実施し、調達物品の性能仕様の適切化など今後取り組むべき課題を全府省に通知いたしました。
 五ページを御覧ください。
 本年一月に公表した雇用保険二事業に関する行政評価・監視につきましては、雇用安定事業及び能力開発事業として実施されている各種の事業が、国民にとってより活用しやすく、かつ効果的、効率的に実施されることを主眼に、類似する事業の整理統合の推進や無駄な予算の縮減、職業相談員の在り方の見直し等の改善を勧告いたしました。
 六ページを御覧ください。
 本年二月に公表した社会資本の維持管理及び更新に関する行政評価・監視につきましては、我が国の橋梁は高度経済成長期に集中的に整備され、今後、その維持管理・更新費用が膨大になると見込まれていることから、維持管理コストを縮減するための長寿命化対策の推進、道路台帳の整備等の徹底、地方公共団体における定期点検等の実施促進のための技術支援などを勧告いたしました。
 七ページを御覧ください。
 本年三月に公表した薬物の乱用防止対策に関する行政評価・監視につきましては、需要根絶に向けた対策の実施状況を調査し、薬物事犯者に対する再乱用防止対策の推進、薬物依存症者やその家族等に対する支援の推進、学校における事前防止対策の推進などを勧告いたしました。
 これら総務省行政評価局が行った調査結果に基づき勧告等を行ったものにつきましては、それを踏まえた改善措置状況についてフォローアップを行っているところです。
 御説明は以上でございます。更に詳細な点につきましては、お手元の配付資料を御参照いただければと存じます。
#11
○委員長(渡辺孝男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○藤原良信君 原口大臣には総務大臣として、また内閣府特命担当大臣、地域主権推進でございます。両方、日夜熱心に取り組んでおられることに敬意を表しながら、それぞれの課題、そしてこれから取り組んでいくことについての理念等を含めましてお尋ねしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず、ただいま政策評価で勧告の対象となりました世界最先端の低公害車社会の構築に関する政策評価ということがお示しをいただきましたけれども、私、法律の執行されている状況下という観点から大臣の見解を伺っていきたいと思います。政策評価法は誠実に執行されているかということでございます。
 政策評価は各行政機関が自ら行うものでありますが、総務省が各行政機関が行った政策評価について更に評価を行うこととなっております。御案内のとおり、行政機関が行う政策の評価に関する第十二条でございます。この観点から御質問をさせていただきたいと思います。
 この総務省の行う政策評価には十二条の一項と十二条二項がございまして、一項についてかいつまんで申し上げますと、複数の行政機関が行う政策で統一性、整合性を確保するための評価、十二条二項は、各行政機関が行う政策評価の客観的で厳格な実施を担保するための評価とございます。総務大臣は、これらの評価の結果必要があると認められるときは、関係行政機関の長に対し必要な措置をとるべきことを勧告しなければならないと規定をされております。これは同法第十七条一項にございます。
 今回、総務省から報告を聴取した、先ほどお示しをいただきました世界最先端の低公害車社会の構築に関する政策評価は、この十二条一項でございまして、複数のいわゆる行政機関が行う政策で統一性、整合性を確保するための評価に該当すると思います。
 しかしながら、私はここで提起させていただきたいのは、十二条二項に該当するものでありますが、各行政機関が行う政策評価の客観的で厳格な実施を担保するための評価での勧告は一度も行われてないんじゃないでしょうか。まず、このことについてお示しをいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(原口一博君) 藤原委員にお答えをいたします。
 藤原委員は、私と同じ、昭和六十二年に岩手県議に当選をされ、以来、県議会議長を始め地域に大変な御貢献をいただき、また、今私たち新政権が進める地域主権改革でも大変な御指導を賜っておりますことをまずお礼を申し上げ、御答弁をさせていただきたいと思います。
 今おっしゃるように、十二条二項に基づく評価、これ実施し、あるいは同法第十七条第一項による勧告を行った実績はないんです。新政権になって本当にこれでいいのかと。
 例えば、今私は、年金運用について、GPIFの運用基金、これのポートフォリオあるいは公開性について厚生労働省とチームをつくりまして御議論をいただいていますけれども、まさに総務省が持っている客観的な横ぐしの評価機能、これをしっかりと行使すること、これが大事だというふうに考えております。
#14
○藤原良信君 ありがとうございます。
 よってでございますが、そこで、行政機関が行う政策の評価に関する法律の第十二条二項の勧告が一度も行われてないということでありますが、これは総務大臣が必要と、これはただいま総務大臣がお答えがありましたように、必要があると認められるときは勧告しなければならないと規定をされているわけでありますが、ここで私が提起したいのは、これは法律が誠実に執行されていないのではないかという疑問を抱くわけであります。私は、法律で義務付けられた勧告が一度もされていないというのであれば、法制度そのものに問題があるのか、あるいは運用のどちらかに問題があるのかと考えざるを得ないのであります。
 政府は、行政評価機能の抜本的強化方策の検討に着手をしてまいりましたが、この点も検討事項に僕は入れるべきではないかと思いますが、総務大臣、いかがでございますか、御見解をいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(原口一博君) 大事な御指摘だというふうに認識をしております。
 先ほども、新政権に当たっての、今回、二十二年度行政評価等プログラムについて冒頭御説明を申し上げましたけれども、その中でも私たちは、新たな時代の枠組みあるいは新たな時代の潮流、そして国民視点に立った行政の在り方、あるいはその成果といったものを厳しく評価すべきだというふうに考えておりまして、これまで平成十三年度に政策評価が導入されて以降、各府省に質の高い政策の評価の実施を定着することを主眼に点検活動を実施してきたと、答弁書にはこう書いてあるわけですけれども、じゃ、どうしてその横ぐしの機能をやってこなかったのか。私たちは、この点検作業の中で各府省で必要な改善措置がとられてきたのであれば、これほど国民からある意味一部の行政が遊離をしたと言われることもなかったであろうし、ゼロベースで見直しなさいということを指示をしているところでございます。
#16
○藤原良信君 ありがとうございます。
 今後随時この問題については進められていくものと、ただいまの御答弁をお聞きしまして確信を持った次第でございます。以後よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次の質問に入らせていただきますが、さきの、四月の十二日の当委員会でも大変議論がございました主権在民の重要性でございます。
 原口大臣は、地方自治の充実並びに地方分権の推進ということを大変大事にされておりまして、そう進められているというふうに思っておりますし、伺ってございます。行政監視委員会におきましては、主権在民の重要性について、先ほど申し上げましたように、四月十二日には大変大きな議論がございました。
 今日の政権交代は主権在民の発現であると私は思っております。主権在民は憲法前文、第一条でございまして、民主主義国家であります我が国におきましては、主権在民を徹底していくことは、政治、行政における最重要な事項であるとも思っております。政権交代はすなわち主権在民の発現の最たるものでありまして、政府は主権在民を徹底する観点から、行政の全般にわたりまして抜本的に見直すことが求められるとも思っております。
 国会によります行政監視は、国権の最高機関が国民に代わりまして行政を監視する点でも、主権在民を徹底するため不可欠な機能であると思いますし、行政監視委員会、私どものこの行政監視委員会の存在もそこにあると思っております。地方行政に関しましては、特に憲法第九十二条が「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定してございます。よって、政府及び官がこの憲法規定を誠実に執行しているかどうかを行政監視委員会は常時注意して見なければならないと思います。
 鳩山総理は施政方針演説で地域主権の確立を述べられております。地域のことは、その地域に住む住民が責任を持って決める、この地域主権の実現は、単なる制度の改革ではありませんと。今日の中央集権的な体質は、明治の富国強兵の国是の下に導入され、戦時体制の下で盤石に強化され、戦後の復興と高度成長期において因習化されたものでありますと。地域主権の実現は、この中央政府と関連する公的法人のピラミッド体系を、自律的でフラットな地域主権型の構造に変革する、国の形の一大改革であり、鳩山内閣の改革の一丁目一番地でありますと述べられました。
 そこで、お伺いをしていきたいと思います。
 地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めるという地域主権を実現するためには、主権在民の徹底が前提であると思います。中央政府と関連公的法人のピラミッド体系を自律的でフラットな地域主権型の構造に変換する国の形の一大改革は主権在民の徹底がなければ不可能であり、地方自治の本旨に基づく行政運営は実現しないとも思います。
 この点におきまして、政府のまさしく担当大臣であります総務大臣のまずは御見解をお伺いをしたいと思います。
#17
○国務大臣(原口一博君) 極めて重要な御指摘であるというふうに考えております。主権在民、まさにこの委員会で、行政監視委員会で御議論されていることが極めて重要であるというふうに思います。
 と申しますのも、明治以降、中央集権体制、官僚機構については、無謬性と申しますか、自分たちは間違っていないんだと、よらしむべし、知らしむべからず、こういう形になれば多くの国民は置いてきぼりになります。つまり、立法府が権能が弱くて、行政府が肥大化すれば何が起きるか、国民が置き去りになります。行政府だけが独走して、そして司法が弱ければ、国民は泣き寝入りを強いられます。極めて、主権在民において選ばれた国会において、行政の監視機能を強化され、そして民主主義の基盤を守ると、この御姿勢は私たち政府におる者としても大変有り難く、その御姿勢に沿って身を正して頑張っていかなきゃいけないというふうに思っています。
 その上で地域主権改革でございますが、これは単なる分権の改革、権限を移すという改革ではございませんで、藤原委員がお話しのように、民主主義は多くの学びを必要とします。国民に学びを要求します。学びを要求された国民は、主権者として自らの責任において地域をつくり、自らの参加において地域をしっかりと豊かなものにする、その責務も負っています。ですから、今まで中央で何でも決めて、それをピラミッド型で地方に押し付ける、この構造では、民主主義の基盤である、主権在民の基盤である学びそのものも、あるいは地域のきずなそのものも毀損をしてしまいます。自らの地域について学ぶことなく、自らの地域の歴史について知ることなければ、国への思いや、あるいは国全体をはぐくんでいこうという思いも希薄になってしまいます。
 そこで鳩山政権は、憲法を前提としつつ、今お話しになりました憲法九十二条、これはまさに地方自治の本旨という言葉で書かれていますが、この本旨は何か、団体自治、住民自治、補完性の原則ということを学説でも言われております。まさに、地域のことは地域で決める、そしてそれができなければ広域自治体で、それができなければ国でやると。この補完性の原則も更に膨らまし豊かなものにし、地域の住民が自ら考え主体的に行動し、その行動と選択に責任を負えるような責任の改革、民主主義の改革、それが地域主権改革であるというふうに考えておりますので、是非また御指導をよろしくお願いいたします。
#18
○藤原良信君 ありがとうございます。
 そこででございますが、地方自治の充実、進展として地方分権が取り上げられてまいりました。平成五年六月の衆参両議院での地方分権の推進に関する決議を契機に今日まで地方分権の推進が進められてきたと思っておりますが、しかしながらまだ道半ばだろうと思います。
 地方分権型社会を実現するに当たって重要とされますのが三ゲン、一つは権限、一つは財源、一つは人間、人間イコール人材、このことを地方自治体において充実させるための政策が進められていかなければならないものだと思います。
 そこで、課題について御質問させていただきますので御見解をお示しいただきたいと思いますが、まず最初に、地方六団体対応、地方の六団体対応についてお尋ねをさせていただきます。
 地方六団体は、全国知事会、全国市長会、全国町村会と全国都道府県議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会であることは御案内のとおりでございます。地方六団体は、共通の目的を達成するために様々な活動を展開してきております。例えば、平成六年九月二十六日、内閣総理大臣並びに衆参両院議長に対して、地方分権の推進に関する意見書「新時代の地方自治」を提出をいたしました。これは意見提出権の行使でもありました。また、平成十八年六月に再び意見提出権を行使し、内閣総理大臣及び衆参両院議長に対しまして、地方分権の推進に関する意見書「豊かな自治と新しい国のかたちを求めて」を提出をいたしました。
 このように、地方六団体は第二期地方分権改革における具体的方策の検討を進め、国に対して積極的に提案をしてきたものだと思っております。私も地方六団体の全国議長会副会長として、このときもございました。特に、先般参議院に提出されました国と地方の協議の場に関する法律案においては、地方六団体の代表者が地方側議員として協議の場に参加することとされております。今後ますます地方六団体の存在感が高まるものと、そう信じております。
 しかしながら、地方六団体を支える事務局を見ますと、大臣、総務省の関与が非常に強いように私は思うのであります。例えば、各団体の事務局のトップであります事務総長はすべて総務省の天下りのポストでございます。そしてまた、政策提言を支える事務を担っております全国知事会の調査第一部、調査第二部長などの部長ポストも総務省からの出向者でございます。このように、地方六団体が総務省と一蓮託生であり、地方六団体が総務省の意に反した行動を取るとは考えにくい状況にあると私は思うのであります。表向き地方六団体の独自行動とされていても、その裏では総務省がコントロールしているんじゃないかという、そう思われても仕方がない、その可能性が否定できないとも思います。
 また、地方財政に係る施策等の調査研究を行っております法人の理事長や理事といった枢要なポストについても総務省の天下り先となっておりますが、総務省の意向が大きく働く蓋然性が非常に高い言わば主権在官であるのではないかと、そう思うわけであります。
 これでは主権が地域の人々にあることを前提とする地域主権は到底実現をすることというのは大変なのじゃないかと、そう思うんですが、こういうことに熱心に取り組んでおられます総務大臣、この体制を変革していくという取組姿勢とその考え方についてお示しいただければと思います。
#19
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。
 地方六団体は、今委員がおっしゃるように、都道府県知事、都道府県議会議長、市長、市議会議長、町村長、町村議会議長の皆様が、その相互間の連絡を緊密にし、共通の問題を協議し、処理するために設けられた地方自治法第二百六十三条の三に基づく全国的組織でございまして、地方六団体の事務総長の任免、今私も調査をしましたら、六団体のうち四団体が元総務省の役人さん、もっと言うと、一団体については防衛施設庁でお辞めになっていますけれども、その十年前は私が調査したところによるとやっぱり総務省という形になっておりました。それぞれの団体の規定に基づき、理事会等に諮った上で会長が行うこととされており、事務総長の任免についてでございますが、人事を含めた地方六団体の運営全般については自主的、自立的に行われている、これが答弁書の答弁でございます。
 ただ、そこで、私は委員と同じような問題意識を、私、行政刷新会議のメンバーでもございますので、そこでも同じように伺いました。旧政権と違って私どもがやることについて六団体からは結構厳しい意見も聞いていまして、先ほどそのとおりというお話がありましたけど、そのとおりだったらもう少し楽だったのかなという思いもございます。
 しかし、委員がおっしゃるように、総務省がコントロールしているなんて疑いをいささかも受けてはならないというふうに思います。現実を聞いてみると、給与の面であるとか、あるいは総務行政、自治行政についての詳しさからすると、お求めに応じてお願いをされている面もこれもなきにしもあらずでございますが、先日の国、地方協議の場、これは、法案を今お願いしているわけでございますが、実質的にもう走らせている協議の場でも、六団体に対して、行政刷新会議で、これはお決めになるのは皆様の御自由であるけれども、こうやって行政刷新会議においても国会においても同種の批判をいただいていると、総務省としても今後様々な考え方についてそういう疑いを受けないようにしていきたいということを私の方から申し上げたところでございます。
#20
○藤原良信君 ありがとうございます。
 これはもう今まで続いた体制を変革するということは並大抵ではございません。ですから、大変なエネルギーと、これはすぐに物事が解決するということはいかないわけでありますが、今の姿勢で大変心強く思った次第でございます。大いに変革がされていくことを期待をいたします。
 さらに、人材、人間の人材について、課題について御質問し、御見解をいただきたいと思いますが、ところで、国から都道府県への出向者でございますが、相当出向されておりまして、我が、私の出身の岩手県にももう当然、県もそうだし、市町村にも出向者がございます。
 戦後から、これは都道府県レベルでは、幹部候補生というのかな、これを自前で調達することができなかった時期も確かにあったわけでございます。何せ都道府県レベルで上級職の採用試験が実施されるようになったのは、早いところで一九五三年だと伺っております。多くの都道府県では一九六〇年代中ごろだったと聞いております。しかしながら、今日、都道府県採用の生え抜きの職員が十二分に仕事を対応できるようになっていると私は思うんですね。
 これは、大先輩で加藤富子さんという方が回想をされております。これは初の女性自治官僚をされた方でございます。このことが大変示唆をされておりますけれども、昭和二十九年に加藤さんは大学を卒業し、当時の自治庁ですね、自治庁に就職されましたが、名目は地方幹部候補生ということで、すぐに千葉県に配属されました。同期の採用者は三十五名でございます。応募資格は国家公務員上級試験合格者となっておりました。
 何せ都道府県で独自に上級職員、四年制大卒者を採用するようになったのは昭和二十年代の末から三十年代の初めのころにかけてだということでありますので、加藤さんが昭和二十九年に千葉県に就職したころは県採用の事務職管理者で大卒者はいなかったそうであります。したがって、幹部候補生を自前で調達することができる環境ではなかったとも言えるのだと思います。
 しかし、今日は、たくさんの自前の幹部をそろえるようになった地方自治体は、まさしく私は成長していると思います。国から地方への官僚の派遣は、私は人事を通した地方支配として位置付けられているのではないかというふうにも感じる次第でございます。このことと機関委任事務、補助金と並んで、日本が中央集権国家であることを示す象徴的な仕組みであるようにも思われて仕方ありません。
 確かに、地方が出向を受け入れる利点といいますか目途として、何点かはあると思います。中央省庁のパイプを期待をする、あるいは補助金の獲得に関してそのパイプ情報は大変役立つということ、あるいは外部から優秀な人材を入れることによって組織を活性化することもあるとも思います。しかしながら、今日、自前の人材もそろってきていること等、人材の補てんの目的という重要度は低下し、むしろ生え抜き職員のモラールを低下させるおそれの懸念が私はあると思うんです。
 年齢の不均衡もございます。都道府県では五十歳前後で課長でございます。五十代後半で部長に昇任されます。これは生え抜き職員に限ってのことでございまして、出向の官僚さんは都道府県の課長職に三十歳中ごろでございます。部長職には四十過ぎにはもうなります。本省の課長補佐が都道府県の総務部長の職に就くことも珍しくはないのであります。年齢でいいますと、生え抜き職員と出向官僚の間には十五歳程度の私は差があるのじゃないかと思っておりました。これは生え抜き職員のモラールを下げる大きな原因になるとも思います。
 これは、何人出向されているかということもお聞きしたいとは思いましたけれども、数字上のことは後ほどお示しをいただければと思います。
 私は、地方分権の充実のためにはこういうことを変えていかなければならないときに来ているんじゃないかと思うんです。
 政府におきましては、現在進行中の国家公務員制度改革ではキャリアシステムの廃止が課題となっておりますが、その本質目的は官僚内閣制からの脱却でございます。官僚内閣制からの脱却は、まさに地方分権の実現に必至でございます。したがって、キャリアシステムをどうするかは地方分権に直結する重要課題でもあると考えます。
 国、地方間の人材の流れの転換、これは先ほど申し上げました、そのための人事行政の改革は地方分権の大きな課題であると思いますが、ただいま申し上げましたことをトータルでお考えになってこれから取り組んでいこうとする原口大臣としてのお考えをお示しいただければと思います。
#21
○国務大臣(原口一博君) 藤原委員とほぼ同じ認識を持っています。
 先ほど、三ゲンというふうにおっしゃいました。税源、財源、人間、まさに地域はこれまで、地方という名前でも象徴されるように、中央政府からすると一つ劣った存在である、保護の対象である、あるいは指導の対象である、こういう時代が長く続きました。官選知事という時代もございました。しかし、いまや新政権においては、私が税調会長代行としていわゆる国税と地方税、これを平等にイコールな存在として議論ができているのに象徴されるように、中央政府、国と地方はまさに平等なパートナーなんだと、このような考え方がまず第一に必要だというふうに思います。
 地方に対しては、まだたくさんの皆さんが総務省に対し派遣の要請というのがあっているのも事実でございます。今、委員がおっしゃったようにメリットもあります。しかし、勘違いをしますね。二十代で床柱を前にいろんな自分より年の十も二十も離れた人にまさに接待を受けるというようなことになって、過去はいろんな不祥事もございました。
 私は、この人材の育成あるいは組織の活性化、そして人事の交流という面からも大幅に見直すべきだというふうに考えておりまして、それもフィフティー・フィフティーの人材交流ということであれば、また違うと思います。地方から霞が関に出てきて、霞が関の仕事の仕方やあるいは様々な新たなネットワークを築く、これも大事でしょう。
 しかし、私たち、今総務省の中で総務省の様々な職員に言っているのは、中を支配するという旧内務省的な考え方ではなくて、逆に外に開こうじゃないかと。今、地上デジタルの日本方式、今度南米、もうほとんどになってきました。優秀な人材を外に開いて、そして皆さんは外でも勝負できる、貧困や飢餓、紛争を極小化する、そのことにもたくさんの総務省の人間としての仕事ができるはずだと、そういったところにも力を尽くしてくれるようにということを申し上げているところでございまして、今後とも今委員がお話しのような問題意識を基に政務三役でも積極的に議論をしてまいりたいと、このように考えております。
#22
○藤原良信君 ありがとうございます。
 財源の問題についても課題があろうと思います。
 その前に、地方財政計画につきましてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これまでは毎年一月から二月に、国から地方自治体に内簡という通知で総務省の財政課長から各都道府県の財政担当責任者に通知をされておりました。地方自治体は内簡が出てこないことには予算概要の組みようがなかったことも事実でございます。平成二十二年度からは言い方が変更されまして、内簡とほぼ同じ内容の事務連絡が総務省財政課から発出されております。平成二十二年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項についてという表題が付されております。地方交付税法第七条で地方財政計画の存立意義とその役割は規定をされておりますが、私は、地方自治体をコントロール下にしておる実態の象徴的な制度であることも、これも事実ではないかと思うのであります。地方自治法第一条は、この法律は、地方自治の本旨に基づいて、地方公共団体の区分並びに地方公共団体の組織及び運営に関する事項の大綱を定め、併せて国と地方公共団体の間の基本的関係を確立することにより、地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を補完することを目的とすると規定をされておりますが、内簡や事務連絡は地方自治の本旨、これは憲法第九十二条でございますが、を実現するための地方自治法を誠実に執行する上で大きな障害になっていると言い得るのではないでしょうか。
 主権在民を徹底する観点から法執行の在り方を抜本的に見直す必要があると考えますが、大臣、いかがでありましょうか。
#23
○国務大臣(原口一博君) 地方財政計画、まさに今委員がおっしゃったように、予算の予見可能性、そして自らその予算を決定し、その予算に対して責任を持つ、これが地方自治の本旨であるべきだというふうに考えております。他者から決められ、他者から、これは乖離が生ずるところもございますけれども、その乖離の中で手取り足取り、まさに、はしの上げ下げまで、あるいは依存を中央にしなければならないということになれば、それは地方自治とは言いません。
 私たちはそのような観点から、地域主権を実現するためには、真に地方が自由に使える財源を増やして、自治体が、自らの地域に一番詳しいのは中央ではありません、そこに住む人たち、地域の皆さんです、地域のニーズに適切にこたえられるようにしなければならないというふうに考えています。そのため、平成二十二年度においては、これは藤原委員にも大変なお力添えをいただきましたけれども、使途の自由な交付税を十一年ぶりに一・一兆円増額したところでございまして、歳入の自己決定権を高めるとともに、地域のことは地域に住むその住民が責任を持って決めることができるようにする、これが大事だと思います。
 そのためには、義務付け等の見直しと権限の移譲、それからひも付き補助金、これがもうひとつ地域を支配をしている。これ、ひも付き補助金も人によっては、いや、地方にとってナショナルミニマムを確保しているんだというようなことで言う方がいらっしゃいます。ナショナルミニマムは国が責任を持って保障しなきゃいけない最低基準でございます。しかし、同時に地方も、国だけでナショナルミニマムを負えるものではありません、地方もちゃんと責任を持ってそういう最低限の生活の保障ということが必要で、責任と権限、これをしっかりと地域が獲得する、このことが地域主権改革の本旨であると、このように考えております。
#24
○藤原良信君 心強い御答弁、ありがとうございます。
 そこで、私、地財計画の問題点ということでちょっと取り上げさせていただきたいんですけれども、これ先に前提を申し上げますけれども、地方自治体、各都道府県、まあ特に財政の貧弱なところほどそうなんですけれども、同じ考え方であると私は認識を持っておりまして、私どもの岩手県の知事も是非この問題点を解決してもらいたいという願いを持っている一人ではないかと思いますが、取り上げさせていただきますが、地方財政計画に計上しております一般行政経費と、これは経常経費でございますが、と投資単独経費については、長年にわたり決算額と多額の乖離が生じてきておりましたことから、平成十七年度から十九年度までの三年間で一体的な乖離是正が行われました。まだ完全に是正はされておりません。このことは、地方政府の現実の財政需要を国が正確に把握、反映をできていない状況を実は明白に表しているのではないかという、そういう観点でもございます。
 したがって、地方財政計画の持つ財源保障機能の最も中核となる制度である地方交付税制度を、積み上げ型の地方の現実の財政需要をより的確に反映できるシステムにつくり変える必要があるのではないかと私は思うのであります。
 特に福祉、医療、教育などの分野については、国の政策変更は直ちに基準財政需要額に反映をされます。しかしながら、地方の財政需要の変化を基準財政需要額に反映させる仕組みは実は存在していないと思います。
 この点について、大臣、いかがでございましょうか。御見解をお示しいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(原口一博君) これも極めて大事な御指摘でございまして、この間の三位一体改革で、財政力が弱ければ弱いほど、それから私の佐賀県も、ある意味岩手県もそうかも分かりませんが、財政規模が小さくてそして東京から遠ければ遠いほど、余計その乏しい財源に苦しむということが起きてまいりました。また、今おっしゃるように、地方財政計画と決算、これが乖離をして、地方の実情に合わせて乖離の是正が図られるよう一般行政経費を増額するとともに、投資的経費を減額する一体的是正を進めてまいりました。
 これは、地方公共団体の現場の判断として、ハードからソフトの政策転換が進んだんだ、地財計画の想定以上進んだんだというふうに言いますが、現実は今おっしゃるように積み上げてそして中央政府が様々な景気対策をする。起債も、この間過疎法についても皆様がお知恵を絞ってくださいまして、ソフトに使えるようになりましたけれども、起債だってそれに見合うものが、ハードがなければ貸しませんよ、起債も発行させませんよということをずっとやってきたわけでございます。
 こういったことが、まさに今委員がおっしゃるような、地域の実情と地方財政計画との乖離という形で出てきているというふうな御批判をいただいても仕方がない部分があるというふうに考えておりますので、私たちは、この地財計画あるいは様々な地方財政の根本原理から変えてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
#26
○藤原良信君 ありがとうございます。
 あわせてなんですが、よって、毎年度、国の予算決定前に、翌年度の地方交付税制度の内容や交付税総額を、もとより次年度の財政運営のガイドラインなどについて国と地方が協議し決定する法制度と組織の創設を速やかに行うべきだと私は思うのであります。この点はいかがでしょうか。
#27
○国務大臣(原口一博君) 今、昨年末に閣議決定した内容に沿って地域主権改革の工程表、これをお示しをし、原口プラン、これは私たちがプランというだけじゃなくて、地域の皆様と一緒に作り上げていく工程表を作っています。その中でも特に大事なものが、今委員がおっしゃった、国と地方が次年度の地方財政に関連する制度改正などについてもしっかりと協議し決定する、そういう場だというふうに考えておりまして、今回この国会に国、地方協議の場、この法制化をお願いしているのもそのような趣旨からでございます。
 今後とも、交付税制度や交付税総額、地方財政に関連する制度改正を含めて、地方の御意見を十分に伺いながら政策に反映してまいりたいというふうに思います。
 公的歳出の三分の二は地方なんですよ。ところが、もう有無を言わせず中央だけで決めて、あるいは、これは逆に私の方から委員にお願いがありますけれども、プライマリーバランスの議論がまた出てきていきます。プライマリーバランスの議論をするときに、地方はもう絞るだけ絞って、プライマリーバランスほとんど均衡しているんですね。国の方はこの間の厳しい財政運営の中で、まだ大幅な赤字です。
 ここで何を一部の人が言い始めようとしているかというと、国、地方合わせてプライマリーバランスを均衡させろという論を言おうとしている人がいるわけです。そうすると何が起きるかというと、バランスが均衡している地方は更にそこから財政を赤字に、自らの財政を絞れという話になり、まだ絞るところが、改善点がたくさんある国の方が怠けてしまうという危険なことも起こりますので、是非地方行政に精通されている委員の強いリーダーシップを期待して、御指導をよろしくお願いしたいと思います。
#28
○藤原良信君 ありがとうございます。
 大臣が今お話しのような形で進んでいきますと、私は本当にいい結果が出てくると思いますね。このことによって、現在自治財政局から発出されている事務連絡、かつての財政課長内簡に基づく当初予算編成を余儀なくされていた地方政府も、国と実質的には対等な立場で、かつ十分な情報共有の上で当該編成作業に私は臨むことが可能になってくるんだと思います。これらのことが実現されれば、現在、地方不在の中でと言われると恐縮かもしれませんけれども、中央省庁のみの作業で策定されている当該計画はおおむね私は使命を終了していくのではないかと思います。
 地方財政計画の在り方と将来の方向性について、この問題についての最後について、大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(原口一博君) まさに、委員がおっしゃるように、自らの財政は自ら責任を持つということがとても大事であると思います。
 私も、委員と同じ六十二年から県議会に送っていただいて、本当にこの予算を断っていいだろうかという場面が何回もありました。例えば水路を、国が五億円出して、そして県、市が二億五千万、二億五千万ずつ出して造るという予算が当時の佐賀県議会に上がりました。私たちの地域は、この十億円の水路を造ることよりも、学校、通学路をもっとしっかりとしたかった。しかし、五億円中央政府からその補助が出るということですから、その五億円は地方にとっては、それは来ないより来た方がいい、来て回った方がいい。だから、本当は子供たちに使いたいんだけれども水路にということで、私は、県議会に、そのときその予算に賛成の票を投じました。
 しかし、今でもあれは本当にそれでよかったんだろうかと。地域のことは地域で決める、自らが自由に使える、私たちが提唱している一括交付金であれば、もっと自分たちが自由に使えたんではないか。あるいは、今、地方議会の改革についても六団体から御議論をいただいていますけれども、増減税の権利も自らの議会にない。議会の最大の権能は、やはり税をどうするかということであります。それも、総務大臣あるいは財務大臣のお墨付きを受けなければできないということであれば何が起きるかと。一義的な機能を果たせない議会は、その次の、いかに中央からお金を引っ張ってそれを上手に配るかということに血道を上げられるということになれば、まさに財政は幾らあっても足りません。
 今委員がおっしゃったように、自らの地域を自ら決めるためのまさに変革、もうこれは維新と言ってもいいと思いますが、それに取り組んでまいりたいと考えております。
#30
○藤原良信君 まさしく変革の維新でございまして、大変なこれは題材でございますので一概にいく話ではございませんけれども、意欲的な今の御答弁を聞いていて大変心強く思った次第でございます。
 そこで、今大臣の御答弁の中にありました、税のことも触れられました。私は、三ゲンの中の財源について、この課題もございますのでこの点も大臣の見解をいただきたいと思うんですが、これは国による地方財政のコントロールということの視点が私はあるんじゃないかというとらえ方をされても仕方ないんじゃないかと思うんですが、公共サービスは主として地方自治体によって供給されております。しかしながら、地方自治体の歳入に占める地方税の割合は低くて、地方歳出規模と地方税のウエートの乖離が大きいことは御案内のとおりでございます。このことは、国から地方自治体への財源移転が課題であるということも逆に意味しているのであります。
 国から地方自治体へ移転される財政については、国が決定権限を持っております。そうした財源のウエートが高いということは、地方自治体が決定権限を持つ財源の比重が小さいということを私は意味しているんだと思います。ところが、地方自治体が自分の力で地域社会から調達する財源については決定権限がございません。地方自治体の自主財源であるいわゆる非移転財源であります地方税の課税についても、地方債の起債につきましても、極めて厳格な財政統制が加えられております。
 税は、課税標準に税率を適用することによって課税されます。地方税につきましては、課税標準に対して課税否認、税率に対しては課税制限という税制統制が実施されております。地方分権が進む中で、法定外税もこれは活用されているものでございますが、主要税目を国税に抑えられておりまして、その税収規模は小さい状況にあります。
 その上、これよりも強力な租税統制として税収分配がございます。税収分配は、御案内のとおり、課税権を国が握り、その一部又は全部を地方自治体に移譲するという、先ほど来からの地方交付税と地方譲与税がこれに当たるものだと私は思います。この税収分配によれば、課税標準と税率の決定権を完全に国が掌握しております。そのため、最も強力な租税統制ということが言い得るのではないかと思うのであります。
 さらに、地方債の起債についても、総務大臣との事前協議制などの起債統制が加えられてもおります。
 こうして見ますと、地方自治体の財源は、巨額な財源移転と厳格に統制された非移転財源とから構成されている実態であるとも思うんですね。こういうことをトータルでどう見直していくかということが地方分権社会、地方自治体の充実につながることになると思うんですが、大変、一概に言えない話だと思いますが、難しい話なんですけれども、担当大臣としての御見解を、それから取組姿勢についてもお示しいただければ有り難いと思います。
#31
○国務大臣(原口一博君) これは、地域主権担当大臣としても、それから私、総務大臣、政府税調の会長代行として申し上げると、今委員がおっしゃったように、自らの借金をだれかに断らなければ借金することができない、そういう存在というのは、じゃこの世の中にどういう方がいらっしゃるんだろうと。極めて限定的でありますね。自らが主体的に、自ら議会までもって、そして説明責任を果たす、その地方の自治体が今なおそのような状況にあるということは、これは長い間のこととはいえ、それが今後も放置されていいというふうには決して思っておりません。
 そこで、私たちは今回、国、地方協議の場でもこのあるべき税体系について積極的に議論をしておるところでございます。もちろん課税自主権等々の問題がございますから、今一概には言えないと委員がおっしゃったとおり、これは極めて慎重に議論をしなければいけませんが、しかし例えば環境政策についてもそのほとんどが地方でやっています。じゃ、その環境に対するコストというのはどこへ行っているか。それは、地方へは十分には来ていないというのが現状だというふうに思います。したがって、私は昨年の税調で地方環境税なるものを提案をさせていただきましたし、また自らが決定して自らが差配できる税、これをどのように広げていくかということで議論を進めているところでございます。
 そして、いわゆるサービスを安定的な税によって行うためには何が必要かと。地方消費税という問題についても、これは議論を避けて通れないというふうに考えておりまして、また税調においても、是非強力な藤原委員のリーダーシップで御指導を賜ればというふうに考えております。
#32
○藤原良信君 ありがとうございます。今までの御答弁、ずっと共通しておりますのは、大変これは大きな変革に向けて強力に取り組んでいくという姿勢が表れております。
 これは、国の発展は、申し上げるまでもなく、これは地方自治体がというか、地方が充実して、地方が発展をすればこそ国が発展があるということになるわけでありますので、これから補助金から一括交付金という流れを大きくつくろうとしている、そういう民主党政権でもありますので、地方を充実させるための大きな一里塚が各、それぞれの課題が個別的にあるということでございます。そういうことをとらえて前向きに進んでいくということを改めて御答弁いただきましたこと、ありがとうございます。
 次に御質問いたしますが、現政権は、御案内のとおり、法案とは別に自治体の財政や運営の自由度を高めるための施策も取り組む方針は、これは賢明なやり方であり、そういう進め方をするというふうに思っております。
 使途を限定したひも付き補助金から二〇一一年度から使途が自由な一括交付金制度に改めるため、参議院選挙までに抜本的な基本的な考え方を地域主権戦略大綱としてまとめるとも伺ってございます。大いにこれは実現に向けて努力をしていただきたいと思いますが、所管大臣としてこの点についてお考えをお示しいただきたいと思います。
#33
○国務大臣(原口一博君) この一括交付金化は鳩山政権の一丁目一番地である地域主権改革の大きな柱であるというふうに考えておりまして、地域主権戦略会議において総理から強い御指示をいただき、基本的な論点、これは三月三日に第二回地域主権戦略会議で基本的論点を私どもの方から提示をさせていただきました。そして、三月十六、十八日と関係府省からヒアリングを実施し、四月十九日、先日でございますが、地方からのヒアリングを実施しておるところでございまして、明日開催予定の第四回地域主権戦略会議において、こうしたヒアリング結果等を踏まえて更に検討を進めてまいります。
 つまり、これは何をやっているかと。この国は巨大な、本当に世界に多くの富や平和やあるいは安心をもたらすことができる国です。しかし、その国の一番中心の部分、あるいは優秀な官僚の人たちが何に携わっているのか。分配に携わっていて本当にいいのか。世界を開き、世界にこの国を開き、そして世界に貢献し、また世界でもしっかりと私たちの富を拡大できる、そういうことに多くの人材を割くべきじゃないか。
 そして、地域間競争ということになってきました。自らの地域を自らでデザインすることによって様々な地域が発展をする。その基盤をこのひも付き補助金の廃止それから一括交付金化ということで大きく進めてまいりたいというふうに考えております。
#34
○藤原良信君 ありがとうございます。
 私は二時十三分まででございますので、通告はしてございましたけれども、全部はこれは御見解をお聞きするわけにはいきませんけれども、今大臣が更に取り組んでおります、大変注目されております独立行政法人の対応について、このことについて最後に御質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 今国会で総務省から独立行政法人通則法改正案が提出されてございます。これから参議院の審議が始まっていくわけであります。この法案では独立行政法人の不要財産を国庫に返納させるという内容でありますが、もとより独立行政法人の改革はこれにとどまるものではありません。独立行政法人の改革の方向性については、昨年十二月二十五日の閣議決定におきまして、独立行政法人制度自体を抜本的に見直すことを含め、制度の在り方を刷新するとされておるところでございますが、具体的にどのようなスケジュールで改革をされていこうとするのか、大臣、この際お示しをいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(原口一博君) これは独立行政法人あるいは公益法人、こういったものはまさに私たちが税金の無駄遣いを正す、HAT―KZシステムと言っています、補助金、天下り、特別会計、そして官製談合、随意契約、この五つの税金の無駄遣いのまさに根本だというふうに考えております。
 そこで、私たちは、例えば十二兆一千億円と言っていた様々な公益法人に対する国の補助金あるいは様々な負担金、この中身と天下りについても調査をしました。二万五千人の方々が元公務員でおられました。しかし、そこに本当にあっせんがあったかどうかということはなかなかつまびらかになりません。じゃ、どのような形で天下りが行われていたのか。私は今現在五つのことで調査を命じています。
 一つは、実質的に連続ポストになっていて、もう目と目で見れば、示し合わせばもう分かってしまうというような、何もあっせんもしなくても事実上の天下りポストになっている。これは五代連続天下りポストということで調査をさせていただいて発表させていただきました。
 二番目は、人件費だけ見ていたんじゃ天下りが分からない。非人件費で六百万円以上のものについて、非人件費ポストのものについても調査をし、これを発表させていただきました。
 今、六月までに、三つの天下りと類推される、今の現政権でも、あっせんによるものを天下りと定義していますが、それだけでは本当に天下り定義できるのかという御疑問を国会からもいただきました。
 三つの天下りについて調査をしています。一つは、持参金型天下り、天下ればそこに補助金が増えるというやつ。もう一つは、人質型天下り、ちょっと物騒な言葉ですけれども、いわゆる検査をする役所がそこへ天下りを受け入れれば検査を甘くする。あるいは、創業型の天下りと申しまして、別に会社をつくってそこに補助金を流し込む。これについて六月までに方向性を示します。
 そして、先ほど独法通則法の改正のお話をしていただきましたが、まず不要財産を吐き出させて、そして第二弾の事業仕分と併せてこの天下りの結果を示し、そしてこの結果、ガバナンスの強化、独法の抜本的な見直しといった更なる刷新の方向性をこの夏をめどに示していきたいと、このように考えております。
#36
○藤原良信君 ありがとうございました。意欲的な取組姿勢、改めて高く高く敬意を表し、そして一層臨んで進んでいただきたいと思う次第でございます。
 時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#37
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。よろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、契約に関する競争性の確保に関連をしてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
 先日、私は決算委員会で航空自衛隊の官製談合問題を取り上げさせていただきました。これは空自の担当課長など十名が天下り先に対しての官製談合という大変に悪質な事案でありまして、大変な問題点を指摘させていただいたわけですが、この関連で、その官製談合に関与したと公正取引委員会から課徴金納付命令を受けた企業が、今度は文部科学省の全国学力調査の中学校分に関する業務の契約をしたという事実が明らかになっております。
 まず、文部科学省にその経緯と契約の内容について御説明をいただきたいと思います。
#38
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 平成二十二年度の全国学力・学習状況調査実施委託事業に関しまして、今御指摘の点だと思いますけれども、この入札手続は二月十六日に公告を行い、その中で三月二十四日に開札をするということとなっておりました。その後、三月四日に防衛省航空自衛隊が発注する什器類の製造業者らに対する排除命令、課徴金納付命令等について、公正取引委員会より株式会社内田洋行に対して事前通知が行われました。この時点ではまだこの独占禁止法違反行為の処分は行われておりませんことから、文部科学省で一般的に定めております取引停止の要件を満たしていなかったため、株式会社内田洋行に対してこの段階では取引停止を行いませんでした。
 さらに、三月二十四日の開札で株式会社内田洋行が落札予定者に決定をいたし、翌日、三月二十五日から契約上の相手方としての法的地位を得ることとなりました。その後、三月三十日に公正取引委員会より、株式会社内田洋行などに対し、独占禁止法違反行為に対する処分が行われ、これを受けて文部科学省においても、株式会社内田洋行などに対して三月三十日以降三か月間の取引停止措置を行ったところでございます。
 先ほども申し上げましたように、この時点におきましては、内田洋行は既に入札の手続を終え落札予定者となっており、契約上の相手方としての法的地位を得ておりましたため、株式会社内田洋行が三月三十日付けで取引停止措置により入札資格が取り消されてもさかのぼってこの契約上の地位の法的効力は失われないということで、四月一日付けで契約を締結したところでございます。
 以上が経緯でございます。
#39
○塚田一郎君 落札率はどうなっているか、教えていただけますか。
#40
○副大臣(鈴木寛君) 九七・四%でございます。
#41
○塚田一郎君 ちょっと高い数字だと思いますが、それはまた後でお伺いしますけれども。
 今御説明があったとおり、公取からは、課徴金納付命令の事前通知が三月四日に出ていると。非常に近いタイミングで、その時点では事前通知であったから契約に至ったということでありますが、これもう事前通知が出ているということは、公取が課徴金納付対象にするという蓋然性が非常に高いわけですよね。にもかかわらず、競争性の問題をどう考慮してこういうことをされたのか、もう少し詳しく御説明いただかないと、ちょっと国民目線からすると非常に分かりにくいタイミングのケースだと思うんですが、いかがですか。
#42
○副大臣(鈴木寛君) 委員御指摘の、何といいますか、感じというのは、私どもも同じような問題意識は持っておりました。したがいまして、改めて法律家等にも御相談をさせていただきましたけれども、平成十八年度に定めておりました文部科学省大臣官房会計課長通知、文部科学省所管における物品購入等の契約に係る取引停止等の取扱要領の別表でこの独禁法関連違反の場合の規定があるわけでありますが、その規定を適切にといいますか、そのままに解釈をいたしますと、このような取扱いにならざるを得ないと。こういう一般的な契約法理を踏まえた解釈として、繰り返しになりますけれども、法律家の意見も聞いた上で、従前も一般的にこのような取扱いを行っていたということから、このような対応を、今回のような対応をさせていただいたということでございます。
#43
○塚田一郎君 ちょっと歯切れが悪いように聞こえるんですが、一般的にそうすることになっていたということですが、財務省に今日来ていただいているのでお聞かせをいただきたいんですが、会計法令上こういうケースは本当に契約しなきゃいけないのか、入札が終わっていても、いかなる事案があっても、そこで契約に至らなければいけないというようなことになっているのか。この辺り、どうなんですか。御説明いただけますか。
#44
○政府参考人(中原広君) お答え申し上げます。
 まず、前提として申し上げますけれども、会計法十条は、各省各庁の長は、その所掌に係る国の支出の原因となる契約その他の行為及び支出に関する事務を管理すると定めておりますので、お尋ねの件について財務省として個別事情を判断する立場にはないということを前提に、あえて一般論として申し上げますが、会計法第二十九条の六におきましては、国の調達における契約の相手方の決定につきましては、競争入札を実施し、いわゆる一番札を投じた者を契約の相手方とする旨規定しております。
 ただし、同条におきましては、入札価格が著しく低額であるため契約の適正な履行がされないと認められるとき又は一番札を投じた者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すおそれがあり著しく不適当と認められるときを、いわゆる一番札を投じた者を契約の相手方としないことができる例外ともしております。
 国の支出の原因となる契約においては、こうした法令に沿いまして、所管省において判断されるということでございます。
#45
○塚田一郎君 今、一般論という御説明ですが、まさに公正な取引の秩序に反するケースということも考えられるということを御指摘があったわけですよ。そうすると、このケースはまさに官製談合という大変悪質な事案で、当該社がまさに公正取引委員会からもそうした勧告を受けているケースであって、十分にそういう点を考慮をして、公正な取引であるかどうかということが当然国民の目線からもきちっと理解できるような形でなければ私はおかしいと思いますよ。
 文科省でそういうふうに過去に決めてきたから、入札があったからということでありますけれども、もうかなりの確率でこの企業がこうした課徴金納付命令を受けるといわゆる官製談合と認定されるということが分かるわけですから、それにもかかわらず、それをとにかくえいやでやったということは大変問題があるんじゃないかと思いますが、いかがお考えですか。
#46
○副大臣(鈴木寛君) 部内でもそういうような議論はさせていただきました。
 繰り返しになりますけれども、平成十八年度に決めました、先ほどの、これは文部省の会計課長通知ということでございますから文部省の取引について対象とした取扱要領でございますが、そこにおきましては当該認定をした日からと、こういうことになっております。おっしゃるように、通知はそれ以前にあったわけでありますが、ルールはルールとして認定をした日からということがございます。したがって、この取扱要領に沿いますと先ほどのような取扱いになります。
 そこで、さらに、今委員から御指摘がございました、この会計法第二十九条の六のただし書に、公正な取引の秩序を乱すおそれがあり著しく不適当と認められるときに当たるか当たらないのかと、こういう議論もさせていただいたわけでございますが、繰り返しになりますけれども、開札を行った時点では公正取引委員会から内田洋行に対して正式な処分決定は行われていなかったということ、それから、公正取引委員会より他省庁の事案について内田洋行などに対して独禁法違反に対する処分が決定をされたわけでございますけれども、この二十九条の六のただし書の前例等々も調べさせていただきましたが、このような件に関しては本条は適用された例が、別に例がないからということではありませんが、そのバランス等々も考えて、この二十九条の六のただし書が適用される事案、つまりは著しく不適当と認められるというには至らないということで今回の判断をさせていただいたところでございます。
#47
○塚田一郎君 苦しい説明のように聞こえるんですが、この会社と契約しなきゃいけない状況があったんでしょうかね、何かそういうふうにも聞こえなくもないんですが。
 実はもう一つの問題が提起されていまして、参入そのものに障壁があったんではないかということなんですね。
 まず、ちょっとお伺いをしたいんですけれども、この全国学力テストの事業の過去三年間の入札状況を簡単に御説明ください。
#48
○副大臣(鈴木寛君) お答え申し上げます。
 平成十九年度の調査においては六社からの入札がございました。平成二十年度及び平成二十一年度については内田洋行一社のみの入札でございました。平成二十二年度調査については、準備事業においては三社から入札があり、実施事業においては内田洋行のみの入札でございました。
 おっしゃるように、これは少し、始まったときからこの点は改善をしようと思っておりますけれども、一年目は準備事業をこれを入札をして、そして二年目は実施事業をやると、こういうスキームでずっと始まってきておりました。これについては私ども見直そうと思っております。
 こういうことになりますから、準備事業のところで落札した者が基本的には実施事業をやるこの、何といいましょうか、蓋然性が高くなると、こういうスキームになっているわけであります。現にこの実施事業は、御案内のようにもう四月中に今回の学力テストも行われました。という中で、今回その再入札をするという、著しく当たるかどうかと、我々、取扱要領には沿っていると思いますけれども、初めて会計法上のただし書を抜く抜かないという判断もないわけでありませんけれども、もちろんこれは著しく当たらないという判断は別に我々変わりませんけれども、加えて申し上げますと、四月の二十日前後の実施という実施事業をこの三月の三十日にやると、そういうスキーム自体に私どもは相当無理があると、そういうことでずっとこれまでやってきたなというふうに思ってきておりまして、ここは、これからはその準備事業と実施事業を一体的にやって、二か年間で例えばこの債務負担行為を用いると、そういったスキームを検討すべきだという認識は持っております。
#49
○塚田一郎君 今、鈴木副大臣からお話があったとおり、そもそもタイミング的にかなりせっぱ詰まって、もうこれで決めなければいけないような状況にあった、そこできちっと公正な契約が担保できるのかということは、一つ大きな私は問題だと思います。
 さらに、毎年同じところが落札しているわけでありますよ。本当にこれが競争性がきちっと確保されているのかということで、これ新聞で、読売新聞でも指摘をされているんですが、この全国学力テスト事業をめぐって、今年の二月の入札説明会で、競争入札への参加を検討している企業が国費を投じて開発された採点集計システムを見たいと要望したところ、文科省から、このシステムを昨年まで使っていた内田洋行とベネッセコーポレーションの意向を理由に断られていたということが分かったというふうに書いてあるわけですね。
 新しい企業が参入しようと思っても、その元の仕様、技術の仕様の部分が手に入らない、そうすると競争にならない、したがってまた同じ企業が入札をして落札をしていくと、こういうことになっているんではないかということで、これどうなんですか、事実関係として。
#50
○副大臣(鈴木寛君) まず基本的には、このまず準備事業と実施事業を分けていると、このスキームにやはり問題があると思います。この度、今度やっと初めて、概算要求を初めて民主党政権でできますので、概算要求に向けては、この点を見直した概算要求をしたいということを考えているところでございます。
 それから、ソフトを見る見れないというところも、ここも、私も状況を調べてみますと、これなかなか、私も以前からこうしたソフトウエアについての入札等々に携わっていたこともございますけれども、非常に根本的に難しいところで、要するに、不正競争防止法上、企業秘密に当たる部分を開示しなければいけないという要素が含んでいるということで今回対応できなかったということでございますが、ここも併せて、今まさに学力調査自体をどういうふうにしていくかという議論もしながら、これをやめるということ、完全にやめてしまうということは多分ないと思いますので、来年度の概算要求に向けて今の点もきちっと改善をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#51
○塚田一郎君 そうすると、今副大臣おっしゃっていることは、今後は、いろんな企業がシステムの重要な部分である採点集計システムなりの仕様についてもきちっと見れるような形に確保していくということを目指してちゃんとやりますということをおっしゃっているんですか。
#52
○副大臣(鈴木寛君) 基本的には、企業秘密を侵さない限りにおいてきちっと峻別をして、企業秘密を侵さないで次入ってくる人たちがちゃんとそれを参考にして作れるようにという部分をあらかじめ切り出しをしながら、きちっと見ていただいて、自由に参入をしていただくというような方向で検討をしていきたいというふうに考えております。
#53
○塚田一郎君 是非それはきちっとやってください。もう今契約された時点でありますけれども、非常に私は、問題の多いケースでありますし、かつ競争性についても疑わしいというふうに言わざるを得ないと思っております。
 先ほど九七・四%と、これも結構高いですね。幾らぐらいの落札金額なんですか。
#54
○副大臣(鈴木寛君) 落札金額は九億五千万円でございます。
#55
○塚田一郎君 落札価格についても──よろしいですか。
#56
○副大臣(鈴木寛君) 済みません。失礼しました。十億七千万円でございます。
#57
○塚田一郎君 この落札率も高いわけですから、そういうことも含めてきちっと対応していただきたいと思います。
 もう一点お伺いしたいんですが、この当該社に関連して、文部科学省並びに関連する独法などからの天下りはありますか。
#58
○副大臣(鈴木寛君) いないと承知をいたしております。
#59
○塚田一郎君 是非そういったことも、公平性を疑われないようにきちっと調査をしていただきたいということを御要望いたします。
 それで、今までの議論を聞いていただいて、総務大臣、契約における競争性確保ということを徹底を図るということを目指していらっしゃるお立場から、今回の事案のようなことをどのように評価をされるか、原口総務大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(原口一博君) 私、独禁法の改正案、これもう野党時代に作らせていただきましたが、リニエンシーあるいは事前通知、そして官製談合の防止、これ極めて大事でございます。
 今お話を伺っていて、個別事案について直ちにコメントすることはいたしませんが、従来の行政評価・監視の視点から一般的に申し上げるとすると、一者応札となった案件については、応札条件の見直し、そして事業者間の事前準備期間の確保、こういったことを行うこと等により応札者を増やし、実質的な競争性を確保するということが必要だと思いますし、何よりも後からその入札について疑いを持たれるようなことがあってはならない、きっちりとした説明責任を果たさなければならないというふうに思います。
 先ほどの独禁法の観点では、今御議論を伺っていて、私もちょっと自分がその法律にかかわった観点からするといろんな問題なきにしもあらずなのかなという印象を持っておりますが、いずれにせよ、一般論でお答えをさせていただきたいと思います。
#61
○塚田一郎君 是非、原口総務大臣はこれについて非常に強いイニシアチブをお取りいただけると期待をしておりますので、今後もこうしたケースも含めてきちっと政府内で対応していただきたい。身内には厳しく国民に優しい総務大臣として御活躍をいただきたいという期待をしております。
 ありがとうございました。文科省の関係はこれで終わらせていただきますので、委員長の御許可があればお引き取りいただいても結構であります。
#62
○委員長(渡辺孝男君) それでは鈴木文部科学副大臣、退席、結構でございます。
#63
○塚田一郎君 それでは、お待たせいたしまして、前原国土交通大臣、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、やはり沖縄の問題をこのタイミングでは聞かないわけにはいかないというふうに思っておりまして、昨日、県内反対集会、沖縄県で九万人という大変大きな県内移設反対集会が開かれたわけですが、沖縄担当大臣というお立場でもありますので、まずこのことをどのように率直に受け止められているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#64
○国務大臣(前原誠司君) 塚田委員にお答えをいたします。
 昨日、多くの県民の皆様方が県民大会に参加されたと認識をしております。普天間飛行場の移設問題に関して示された県民の思いにつきましては、政府として真摯に受け止めていかなくてはいけないと考えております。
 いずれにいたしましても、この移設問題につきましては政府において五月末までに決定に向けて努力をしていくことが重要でございますので、沖縄担当大臣として精いっぱい頑張ってまいりたいと考えております。
#65
○塚田一郎君 大変我々心配をしております。その五月末はもう連休が明ければあっという間の一か月でありまして、この間いろいろ御苦労されていることは理解はできるんですけれども、いまだに政府の、鳩山総理が言われるところの腹案というものも示されない。その中で徳之島でああした形での反対集会が既に行われて、一万五千人ですか、集まられたと。そして、総理がおっしゃった最低でも県外ということを反映してこうしたまた沖縄でも九万人の集会ということになると、本当に次の移転先というものが提示をできるのだろうかということを我々としては心配をしますし、最近ここに来て、やはりアメリカの報道も、どういう意味か分かりませんが、いろんな議論がワシントン・ポストで記事になったりと。これは私の推測でしかありませんが、アメリカ側も相当このことをいら立ちを持っているんではないのかなと。どこかから何かそういう話が出るから、アメリカの報道でもこうしたことが出てくるんではないのかなという感じがするんですね。
 ですから、そういう意味で本当にこれ大丈夫なのかなということで、大臣はもちろん今の時点では一生懸命頑張るということになるんだと思いますが、これ本当に政権そのものにとって命取りの大変大きな案件でありますし、かつ沖縄そしていろんな地域、これ沖縄が駄目だというと、徳之島も駄目だというと、こういう状況になると、どこに行っても駄目だということにその地域の方は当然思ってくるわけでありまして、どういうふうに展開を切り開いて五月末に決着をするのか、大臣なりのお話しいただける範囲で教えていただきたいと思います。
#66
○国務大臣(前原誠司君) この問題というのは、中国の軍事力増強も含めて、この地域の戦略環境というのは予断を許さないわけでありまして、この地域の安定、そしてまた繁栄のためには日米同盟関係に基づくアメリカのプレゼンスというものは私は大変重要だというふうに思っております。
 他方、国土の〇・六%の沖縄県に約七五%の施設・区域が集中をしている。しかも、普天間飛行場というのは世界で最も危険な基地と言われている。それの、最低でも危険除去をし、そして返還というものに結び付けていくというために何ができるのかということを今政府の中で真摯に検討させていただいているところでございます。
 申し上げられないこともございまして、それは御配慮をいただいていると思いますけれども、とにかく鳩山総理御自身も五月末までに決めるということで先頭を切って努力をされておりますので、関係閣僚の一人としてしっかりと私なりに努力をしていきたいと、このように考えております。
#67
○塚田一郎君 頑張ってください。もう今はそれ以上申し上げてもなかなか難しいところにあるんだと思いますが、大変に重要なことでありますから、日米のやっぱり同盟関係というのは日本の抑止力の根幹でありますので、それと当然、国民の理解ということが前提になると思います。特に、沖縄の県民の思いを受けての担当大臣のその辺の御配慮を是非お願いしたいと思います。
 それで、普天間問題は大変な迷走劇と言われておりますが、二大迷走劇と言っていいんでしょうか、高速道路料金見直しについても大変な迷走があるように報道をされております。多分、大臣は不本意な思いもお持ちなんだと思いますが、その辺、正直なところを今日はお聞きしたいなと思っているんですけれども。
 二十二日付けの朝の読売新聞では、六月から実施を目指していた高速道路の新料金制度が見直される方向となったと朝刊で伝えております。その日の夕刊には、現時点においては見直しは行わないと大臣がおっしゃったことが載っております。
 朝と夜でこれぐらい大きく物事が動いているということは、国民にとっては、あれ、どうなっているんだろうということでありますが、この辺りのところをまず大臣から御説明いただきたいと思います。
#68
○国務大臣(前原誠司君) お答えをいたします。
 政府と民主党の最高首脳会議というのがございまして、四月の二十一日だったと思いますけれども、党側から料金の見直しについて要望が来たと。しかし、マスコミを批判するわけではありませんけれども、鳩山総理もあるいは平野官房長官もそれは引き取らせていただくということで変えるということを決めたわけではありませんけれども、次の日の新聞で見直しということが出ていたと。
 その会議に私は入っておりません。私自身も党の政務三役、そしてまた総理や官房長官と御相談をして、閣議決定をして、そして国会に提出をさせていただき、そして衆議院の本会議では議論もさせていただいているというものを、法律の案件ではございません、値段というのは、しかし、それも事前に示した上でもう御議論を始めていただいているのに、これを途中で変えるなんということはこれはあり得ないということで、見直しはしない、現時点では見直しをしないということで、そういう意味では、新聞の報道ぶりでは二転三転しているように見受けられますけれども、政府としては何ら変わっていない、一貫をしていると、こういうことでございます。
#69
○塚田一郎君 お話は分かるんですが、気になるのは、現時点ではという言葉が何で入るんですかね。何かこれが非常に引っかかるんですよ。現時点ではということは何か含みを残しているということでありまして、党からの要請があったと、見直しについて現時点では行わないと、国会の審議で今後もし見直すということを今から予測しているようだったら今から見直したらいいじゃないですかという話になるわけです。大臣もそういうふうに記者の前で現時点という言葉を使われたと。総理にインタビューすると、総理も、いや、現時点ではって言ったでしょうと鳩山総理がインタビューで言うんですよ。何かあるんじゃないのというふうにこれ思わざるを得ないですよね、あうんの呼吸が。
 どうしてこの現時点ということにお話がなるのか、そう言わざるを得ないような状況があるのか、これもう国民は見ていますから。今後、明らかに、国会の審議の過程で何か出来レース的にどこかで何か決議が出てきて見直しましたなんていうことだったらもう見透かされちゃいますよ。その辺、大臣の決意、きちっとお示しください。
#70
○国務大臣(前原誠司君) これは一般論として、すべての法案というものは国会の御審議がなければ通らないわけですね。そして、国会の審議を経た上で最終的にどう御判断をされるかということになるわけであります。通る法案もあれば通らない法案もあるということで、これは国権の最高機関ですから御審議をいただくということでありまして、それ以上でもそれ以下でもございません。
 あと、この問題についてなかなか御理解をいただけていないのは、料金の問題ばかりに目が行っていますけれども、去年の四月の二十七日に国幹会議があって、そしてここで民主党の議員も含めて、これは野党でありましたけれども、東京外環とか、あるいは名古屋の二環とか四車線化とか、こういうものについては、やるということを決めているわけです。
 したがって、これも今回の法案の中に、法案の中にというか法案に基づいた仕組みの中に入れているわけであって、値段の上げ下げだけではなくて、こういった道路の整備という問題も絡めてお話をさせていただく問題だということもしっかり御説明をしながら、私の、大臣の思いとしては、このまましっかりと議論していただいて速やかに通していただきたいと、こういう思いでございます。
#71
○塚田一郎君 いや、それは一般的に国会で法案通らなければ法律になりませんから。ただ、与党というのは、それに対して最大の勢力を持っているわけですし、それは大臣おっしゃることはそのとおりですけど、でも、やっぱり何か言い回しがすっきりしないなというのはあるわけですよ。
 当然、小沢さんに対してその大臣の思い、二律背反だと批判をしたと、元々このお金を建設に回せと言ったじゃないかと。にもかかわらず、今度は値段の下げ方が不十分であるから、これ、ただにするって言ったのに実質上がっちゃったから、これはまずいと、選挙前だから、もっと下げておけというような話にしか、やっぱりこれ、報道がどうのこうのというより、国民にも見えないと思うんですよ。
 それで、実際、国会の審議の場でそういうふうになりましたということになってくると、これは一般に、それは幾ら国会で議論をするといってもなかなか分かりにくい、非常にそういうところがあると思うんで、もう少しそこはちょっと大臣の怒りが私はあってもいいと思うんで、独裁になってはいかぬですから、議会の中でも、いや、それはもっときちっと、私はもうこれでいくんだと、見直すことは、もちろん国会の議論はあるけれども、そういうことに影響されないんだという決意を聞かせてください。
#72
○国務大臣(前原誠司君) 同じ御答弁になると思いますけれども、現時点においては見直すつもりはない、そして、与党と相談して料金を変えるということはございません。国会の議論の中で御議論いただいて最終的に国土交通省として判断をするということでありますので、それは信用していただきたいと思います。
#73
○塚田一郎君 結果は、大臣、出ますから、いずれにしても、これ見ていますので、国民も我々も、是非きちっとやっていただきたいと思います。
 実際に道路の方にお金を回していただきたいということは、私もそう思っています。私の地元でも上信越道の四車線化、もうこれずっと待っています。(発言する者あり)上信越道の四車線化ね、済みません、上信越道の四車線化待っております。予算が一度凍結をされて、冬期間も大変に危ない箇所でありますので、そういう意味では、それはそれでやっていただきたい。
 しかし、最後にもう一つ聞きたいんですが、本当に高速道路はただになるんですか。いつなるだろうって必ずこれ聞かれます、地元に帰ると。それは自民党が言ったわけじゃないと言っても、国民の皆さんもうそういう期待ですので、高速道路無料化の、それはこの政権内ということ、あるいは選挙までということでしょうが、いつ何どき解散総選挙ということもないわけではありませんから四年間丸々あるという保証はないわけで、その辺について御説明ください。
#74
○国務大臣(前原誠司君) 我々が、我々がというかこれは民主党がでありますけれども、選挙のときにお示しをしたマニフェストには原則無料化ということを書かせていただいておりますし、(発言する者あり)いや、これは事実ですから、原則無料化ということが書いてある。そして、社会実験をしながら段階的にそれを実現をしていくということであります。
 したがって、今回の上限制も含め、また千六百二十六キロメートルでございますけれども、約二割、これは六月から無料化を実験としてさせていただくということでございます。
 原則が付いている大きなポイントは何かと申し上げると、まずその原則の例外に首都高速と阪神高速が入っているんですね。つまりは、大都市圏の高速道路は料金はいただきますと。なぜかというと、これを無料にしてしまえば、むしろ渋滞が発生をし、そして我々は今あるこの高速道路を徹底的に利活用して、そして値段を下げ、あるいは無料化をして物流コストを下げて日本の経済に資する、これが我々マニフェストの根本にあるところなんですが、むしろ無料化をすることによって渋滞が発生をし混雑をし、そして経済効果というものがマイナスになると、こういう場合においてはこれは原則無料化の原則外になると、こういう話でございまして、そういったところが全国各地どういったところがあるのかということを社会実験をしながら我々はこれから段階的にそれを行っていくということでございます。
#75
○塚田一郎君 現時点とか原則とかまくら言葉が付くのは分かるんですが、もうそういうことよりも、やっぱりこれをやるんだということで皆さん約束をされたわけですからね。もちろん例外があるということはあるのかもしれませんが、きちっとそれを実現をしていただかないといけない、公約を実現をしたことにはならないということになるわけであります。
 それで、済みません、時間ももう迫ってまいりますので本題に移るんですが、道路橋、下水道、トンネルなどの主な社会資本の老朽化の現状と今後のコストをどのように見積もっているか、御説明願います。
#76
○国務大臣(前原誠司君) お答えいたします。
 今後、我が国においては、高度経済成長時代に集中投資をした社会資本の老朽化が進行してまいります。
 具体的には、建設後五十年以上を経過した社会資本の割合については、現時点と二十年後においては、道路橋については、二〇〇九年が八%ですが、二〇二九年は五一%になります。下水道については、二〇〇九年が三%でございますが、二〇二九年には二二%になります。港湾の岸壁は、二〇〇九年が五%でございますが、二〇二九年は四八%になります。河川管理施設は、二〇〇七年が約一〇%でございますが、二〇二七年には約四八%と、大幅にこれは増加をしてくるということでございます。
 したがいまして、どのぐらいのコストを見積もっているかということは明確に今申し上げることはできませんが、社会資本の老朽化に伴いまして維持管理費、更新費も大幅に増大することはこれは間違いないわけでございます。
#77
○塚田一郎君 問題は、突然ということではないにしろ、その時期が一斉に来るということなんですね。ある時期に、ピークにずっと大きくなって、そういうものの耐久年数が五十年とかを迎えて五〇%を超えていくというときに、本当にこれについてきちっとした維持管理ができるのかということをやっぱりきちっと議論をしておく必要があると思うんです。
 それで、過去、国土交通白書、平成十七年度に一つのケースの試算がありまして、これは二〇〇五年度以降の対前年比で、国の管理主体の社会資本の方がマイナス三%、地方管理の社会資本がマイナス五%でその後予算が推移をしていった場合に、二〇三〇年には投資可能額が不足をして社会資本の更新すらもできなくなるという試算が出ているんです。これ、そのときは国は三パー、地方は五パーですよ。今年の予算を見れば一八%、二割とかいう数字になっているときに、これよりも速いスピードに今なってきているような感じなわけでして、そうすると、もう維持管理だけでもこの予算がそのペースでいっても足りなくなるというようなことになるわけで、本当に大丈夫なのかということを我々は心配をするわけですよ。いかがですか、大臣。
#78
○国務大臣(前原誠司君) まず申し上げたいのは、我々のマニフェストは四年間で実現をするということの中で、公共事業費につきましては一・三兆円の減ということで、これは国土交通省だけではありませんが、農水省も含めてもうほぼその四年分の減額をしておりますので、このことについては、我々はある一定のやはり公共投資額というものは今後も維持をしていかないと、今、塚田委員がおっしゃったような維持管理費も確保できないと、こういうことになろうかと思っております。
 ただし、いろいろな知恵は使っていかなきゃいけないと思っております。その知恵を使うポイントは、まず長寿命化計画というものを作っていくと。これ、例えばコンクリートの長寿命化計画、この間決算委員会でも丸山議員も御指摘をされて、非常にいい御指摘でありましたけれども、例えばコンクリートも含めての長寿命化計画をやっていくと。それから、駄目になってから修繕するとコストが掛かりますので予防的な修繕というものをやっていこうということと、あとは計画的に更新をやっていくと。こういうことによって、この平成十七年の白書で示したよりはうまくマネジメントしていかなくてはいけないと思っております。
 あと、あわせて、これは国土交通省の成長戦略会議で答申をいただいている中身でありますが、できるだけ民間活力、PPP、こういったものを取り入れてこれからインフラの維持更新というのをやっていかなくてはいけないと、こう考えておりまして、できる限り知恵を使いながら今までのストックの維持更新というものをやっていかなければいけないと考えております。
#79
○塚田一郎君 今大臣おっしゃったのは、今回は一八%ぐらい大きく削ったけれども、今後は、そういった大きな削減ではなくて、先を考えて予算をきちっと必要なものは確保していくと、そういう理解でよろしいんですか。
#80
○国務大臣(前原誠司君) そのとおりでございます。
#81
○塚田一郎君 是非よろしくお願いします。本当にこれ、維持更新ができなくなるぐらいということは、もう新規事業は全くできないということになってしまうというおそれが、我々大変懸念をしておりますので、その辺を踏まえて今後の予算をきちっと確保していただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、御通告をしてあった内容がありますが、国土交通大臣に関してはここで終わらせていただきます。御協力ありがとうございました。
#82
○委員長(渡辺孝男君) 前原国務大臣、退席、結構でございます。
#83
○塚田一郎君 次に、事業仕分第二弾ということで大変に今華やかに行われているようでありますが、この法的根拠について、過去にもいろんな委員会で議論があったというふうに思うんですけれども、枝野大臣が、法案が早期に通らない前提でいかにうまくやるかを考える必要があるというような発言をしているんですが、これ、どういうことなんでしょうか。その辺をちょっと副大臣に御説明いただきたいと思います。今の法的根拠も含めてということで、よろしくお願いします。
#84
○副大臣(古川元久君) 枝野大臣のその発言についてはちょっと、事前に通告も受けておりませんので、ちょっと承知をしておりませんので、大臣のコメントがどういう趣旨だったかについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、この事業仕分の法的根拠につきましては、これは、行政刷新会議は平成二十一年九月十八日の閣議決定「行政刷新会議の設置について」に基づき設置されておりまして、この行政刷新会議におきまして現在事業仕分を行っているワーキンググループは、今年の三月十一日の行政刷新会議の決定に基づいて独立行政法人等が行う事業について事業仕分を実施するために行政刷新会議の分科会として設置されたものでございます。
#85
○塚田一郎君 独立行政法人に関しては、通則法の中に中期目標の期間の終了時の検討という項目、第三十五条というのがありまして、いわゆる独法の中間的な見直しを行う、主務大臣は評価委員会の意見を聞いてこうしたことを行うというような規定が書いてあるんですね。
 ちょっと読みますが、主務大臣は、独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他の組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずるものとする。主務大臣は、前項の規定による検討を行うに当たって、評価委員会の意見を聞かなければならない。審議会は、独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、主務大臣に勧告することができる。
 何かこれ事業仕分の話と同じようなんですが、こうした機能があるわけで、今の事業仕分との関連性というのはどういうふうに理解すればいいんですか。
#86
○国務大臣(原口一博君) 今委員がおっしゃったように、独法通則法第三十五条、そこで中期目標期間というものを設けて、その間での主務大臣による様々な責務を設けているところでございます。
 一方、民主党マニフェストは、法人の在り方は全廃を含めて抜本的な見直しを進めるとしておりまして、平成二十一年の十二月二十五日、独立行政法人の抜本的な見直しについて閣議決定しました。そこでは、独立行政法人のすべての事務事業について聖域なく厳格な見直しを行う、また、独立行政法人制度自体を根本的に見直すことを含め、制度の在り方を刷新するということでございます。
 今委員がおっしゃった独法通則法に基づく組織及び業務全般の見直しの仕組みは、いわゆるPDCAサイクルの一環として主務大臣が自らの中期目標期間終了時に社会情勢等を踏まえて事業の必要性、有効性などを定期的に検証するものでございますが、現在行われている事業仕分第二弾は、独立行政法人の事業について、中期目標期間の終了を待たずに、必要性や有効性、効率性、緊急性、あるいはだれがこの事業を実施する主体として適当かといったことについて検証を行うものでございます。
 私も、あれは駐車場整備機構でしたか、実際に行ってみて驚きました。あれは六十八億ぐらい掛けた地下の駐車場ですね。そこに二百台入るって言っていますけれども、現実には三十台しかなかった。そして、天下りの方のお給料も千八百万円を超えていました。そういったものについて、まさに閣議決定を受けてこういう通常のルーチンと別にやっていると。これが、私たちは独立行政法人の通則法の改正案もこの国会で御審議いただいていますが、その一環としてもやらせていただいているところでございます。
 また、塚田委員におかれましては、前の、代議士として付かれておられたあの麻生先生とも私一緒にいろいろ勉強会やっていました。電子政府のこともやっていましたので、行政の無駄の改廃に向けても是非御指導をよろしくお願いいたします。
#87
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 残念ですが、時間がもう残り少ないので、最後にどうしてもこれ聞きたかったんですが、最後の質問になるかもしれませんが、永住外国人地方参政権、これもう最近非常に多くの地方自治体が反対決議しているんですよ。これ産経新聞の調査によると、四月十六日付けで全国の都道府県議会の中で三十五県が何らかの反対決議を行っているということなんですね。七割を超えているわけであります。
 こうした状況でも、地方の声を聞いて地方主権を重んずる総務大臣がこの法案を推進するということは私には理解ができないということなんですが、この法律について、大臣、本当に前向きにやられるおつもりなのか、まさか閣法で出すなんということを考えていられるのかどうか分かりませんが、是非その点、分かりやすい、地方の声ですよ、反対、説明していただきたいと思います。
#88
○国務大臣(原口一博君) 永住外国人への地方参政権の付与の問題については、かつて自公連立合意、それから自由党あるいは民主党等で法案を提出されたものというふうに考えております。
 一方、今委員がおっしゃるように、今月六日に開催された全国知事会議においても、永住外国人に地方選挙権を付与することについての慎重な意見の表明がございました。
 総務省といたしましては、永住外国人に地方参政権を付与することについて、我が国の制度の根幹にかかわる、これ民主主義の根幹にかかわる問題である上に、様々な御意見があるということで、政府として論点の整理等を行っているところでございます。
 私は、塚田委員、民主主義の基盤に関することは、これは政府がえいやと、右か左かとやるという話じゃないと思っています。この問題については国会において、かつて自公連立合意でもなさっていたように、本当に必要だということであれば国会で御議論をいただき、そして一定の結論をお示しいただく、これが行政府としての国会に対する矜持だというふうに考えております。
#89
○塚田一郎君 最後にします。閣法では出さないということですね。
#90
○国務大臣(原口一博君) 閣法で出す環境にございませんし、私は、何回も申し上げます、こういう民主主義の基盤の問題は、国権の最高機関で御議論をいただき、そして御提案をいただく、そういう問題であると考えています。
#91
○塚田一郎君 もうこれで終わりますけれども、是非本当にこれ地方の声を聞いてください。議員立法であっても私は絶対反対でありますけれども、是非大臣としてはそのことについて地方の所管大臣としての立場を貫いていただきたいとお願いして、今日の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#92
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 先ほど冒頭に、行政評価機能の抜本的な機能強化方策について大臣からも御説明がございました。その中で表がありまして、その中で行政苦情救済推進会議の制度、行政運営改善提言機能の積極的活用とございますけれども、具体的に何をどうお変えになることをお考えなんでしょうか、大臣にお伺いします。
#93
○国務大臣(原口一博君) これは、先ほど申し上げました幾つかの観点から、まさに国民の視点で様々な行政の抜本的な見直し、それから行政評価機能の強化、これを行っていきたいというふうに思います。
 委員はカザフスタンにも赴任されたと聞いておりますけれども、まさに政府自体のガバナンスの徹底、そして説明責任、そしてアカウンタビリティー、これが極めて重要でございます。
 行政苦情救済推進会議というのは、国民から総務省の行政相談に申し出られた事案のうち、法令、通達等現行の制度や行政運営の改正等によらなければ解決が困難な事案等について、高い識見を有する有識者にお諮りして、制度、行政運営の改善方策を御検討いただくものでございます。行政評価局では、その御提言に基づいてあっせんを行っているところでございます。
 最近、本省、管区局等に置かれた行政苦情救済推進会議におけるあっせん件数は年間十五本前後というふうになっていますが、私たちは、この機能を更に強化し、国民の視点の徹底ということを目指してまいりたいと思いますので、委員におかれましても、地域に密着をした立場から是非御支援を賜れば幸いでございます。
#94
○山本香苗君 今おっしゃった行政苦情救済推進会議の検討結果を踏まえて、総務省、あっせんを行っていらっしゃるわけでございますけれども、これはただ単なるあっせん、仲立ちというんじゃなくて、これをしっかりとしたものにするためには、具体的にその国民の立場に立った解決に確実に結び付けていくというところが一番重要なんだと思っております。
 そこで、具体的な事例について伺っていきたいと思いますが、平成十三年に児童扶養手当における公的年金との併給制限の見直し等という題であっせんが行われました。これは、児童扶養手当を受給していた母親が失踪して、その母親に代わって祖父母が養育者となった場合に、祖父母が老齢年金を受給していると、年金の額にかかわらず児童扶養手当が支給されないということになっているわけです。併給制限がなされているということなんですね。この併給制限について見直すべきだという極めて合理的なあっせんがなされたわけですけれども、厚生労働省は、なぜこのあっせんどおりの見直しをなされなかったんでしょうか。
#95
○政府参考人(伊岐典子君) お答え申し上げます。
 今、先生がおっしゃられましたのは平成十三年の八月に行われましたあっせんのことかと存じます。このときのあっせんでございますが、今おっしゃられましたような行政相談を受けまして、総務省さんからは、公的年金給付を受給している場合に児童扶養手当を支給しないとしていることにつきまして、見直すことを含め施策の在り方について検討すべきと、こういう内容のあっせんをいただいたところでございます。厚生労働省に対しては、見直すことも含め施策の在り方についての検討をすべきということでございました。
 これを受けまして、厚生労働省で検討の結果、御回答申し上げたことが大きく分けて二点ございます。
 まず一点目は、今お話のありました公的年金給付と児童扶養手当の併給制限の見直しそのものについてでございます。
 このことは、所得保障という同一の性格を有する給付の二重給付となること、あるいは様々な所得保障施策の相互間の併給調整、実はほかにもいろいろな所得保障施策相互間の併給調整の問題がございますが、この施策体系全体の在り方に与える影響も考慮する必要があるということ、さらには、離婚が増大している中で限られた財源も考慮する必要があるんじゃないかと、このようなことから、併給制限の見直しそのものは困難であるということを申し上げております。
 ただ、二点目といたしまして、家庭における児童の養育というのは、やはりお子さんの心身の健やかな成長という観点から極めて重要であるというふうに認識しておりましたことから、御相談があったこういう事案につきましては、保護者の方が行方不明、疾病、拘禁等のため監護できない、そういうお子さんを祖父母等三親等内の親族が保護者の方が監護可能になるまで養育すると、こういう場合に限りまして児童の生活費を支弁する仕組みを考えようということで、親族里親制度というものを創設を検討している旨、このあっせんに対して御回答する時点においては検討ということを申し上げた次第でございます。そして、その後、平成十四年の十月にこの親族里親制度の創設、発足をさせていただいたと。以後、それによって対応していると、こういうことでございます。
#96
○山本香苗君 今、所得保障の二重給付に当たるというふうに言われたわけなんですが、実はもう総務省のあっせん、これ非常にいいあっせんをしていただいたわけなんですけど、児童扶養手当は、確かに制度の初めの段階においては母子福祉年金の補完的制度と年金的な性格を持っていたわけなんですけれども、昭和六十年の段階において法改正がなされて、児童扶養手当というのは児童手当と同じような形で、専ら児童のための福祉のための支給すべき制度という形に性格を変えているわけなんです。
 ですから、所得保障の二重給付というのは言い分として当たらないわけでありまして、二点目の財政的なところが結局は問題なんだと思うんですけれども、私は、総務省はせっかくこういうあっせんをしていただいて、本当に今いろいろいろいろ御説明されましたけれども、厚生労働省のとった措置に納得されているんですか。
#97
○政府参考人(田中順一君) 事実関係につきましては、ただいま先生の御指摘と、それから、先ほど雇用均等・児童家庭局長がおっしゃった事実関係でおおむねそのとおりでございます。
 若干重複いたしますが、厚生労働省が平成十四年の三月に今御指摘の親族里親制度の創設を検討という回答をいただき、九月に制度を制定をされまして、私どもの方、平成十四年の十月に私どもの局からこの結果を、今御議論いただいています行政苦情救済推進会議に報告をいたしました。それで、同会議におきましてこの報告内容について御審議をいただきまして、総務省の方からしたあっせんにつきましては、この親族里親制度の創設によりまして、この相談の申出のあった個別事案並びに同様な苦情を有する者にとっても利益をもたらすものというふうにとらえまして、処理を終了するというふうに判断をいたしたものでございます。
#98
○山本香苗君 親族里親制度の支給実績を教えてください。
#99
○政府参考人(伊岐典子君) 親族里親制度の支給実績でございます。
 平成十四年十月に発足と申し上げましたが、自来、徐々にではございますが、御利用が増えてまいりまして、平成二十年度ベースで委託里親数が二百九十、委託児童数は四百三十六となってございます。
#100
○山本香苗君 実際、この対象となる方々、御家庭の数字ってなかなか出てこないので、いろいろ推計してみますと約一万ぐらいあるんじゃないかと言われている中で、今言っていただいたように、親族里親数って二百九十という形になっているわけなんです。
 実際、この親族里親制度というのは都道府県の制度で、児童扶養手当は申請窓口が市町村という形になっていまして、市町村の窓口でこの親族里親制度ということを御案内するということはほとんどやられてないそうなんですね。
 また、実は年金をもらうまでの間は児童扶養手当が支給されていたのに、年金をもらうようになると、じゃ親族里親制度の方に移ってくださいというのも何かおかしなお話でございまして、要するに制度のつくり方とか、また運用の実績を見ていくと、国民視点に立った根本的な解決がなされたとは言い難いのではないかと思うんですが、厚生労働省としてこの点をもう一度再考しようという考えはございませんか。
#101
○政府参考人(伊岐典子君) この親族里親制度につきましては、先ほどからお話のありました総務省さんからのあっせんを一つの契機といたしまして厚生労働省で制度設計をいたしたものでございます。
 この親族里親制度というのは、先ほどの事案にありますように、おじいさま、おばあさまというのは一応民法上は扶養義務が一般的には存在するという方々でございまして、扶養義務が存在するけれども今のような御事情にかんがみて一定の経済的支援が必要ではないかという形で、関係省庁さんと調整をした結果、制度の創設に至ったものでございます。
 したがいまして、この制度自体、民法上の扶養義務のある方を公費でどこまで支援するかという議論もある中で、お子さんを施設に入れるよりはずっと親族の方と御一緒に過ごしていただいた方が児童の福祉にも資するだろうと、そのための一定の経済的な支援は行ってしかるべきだろうと、こういう論理構成で何とか発足に至ったものでございます。
 したがいまして、この制度を一層周知するということに私どもとしては努力を傾けていきたいというふうに考えてございます。
#102
○山本香苗君 そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですが、総務省の設置法四条についてあっせんって行われているわけなんですけれども、あっせんは一回やってそれで終わりという、別にそういう決まりになっているわけではございませんので、是非この問題について、本当に国民目線に立ったこの総務省の行政相談から出てきて、そういう流れの中で国民目線に立った解決になるように、総務省としても行政監視の機能も再度フル活用していただいて促していただくというような方策を取っていただけないでしょうか。
#103
○国務大臣(原口一博君) 親族里親制度については、厚労省はその利用について周知徹底を図るということを期待をするものでございますが、一方、今委員がおっしゃるように、併給制限の見直しの問題ですね、この見直しの問題に関しては所得保障政策全体の観点から幅広い検討が必要であると認識をしておりまして、今回、平成二十二年度の新規着手テーマについては、先ほど御説明申し上げました今般の行政評価等のプログラムにより決定したばかりでございますが、そのことは御理解をいただいた上で、公明党さんは児童扶養手当法改正案についても公的年金給付等との併給調整の一部を廃止する修正案を提出されていると認識をしておりまして、委員の御指摘を受けて、具体的にどのような論点があるか等については研究させていただきたいというふうに思います。
 やはり国民の側から見て、より使いやすい、より子供たちを支えやすい制度といったものについて私たちも努力を重ねてまいりたいというふうに思います。
#104
○山本香苗君 大臣、是非よろしくお願いいたします。
 それで、次に、デジタル教科書のことについてお伺いしたいと思いますが、原口大臣、昨年末にデジタル教科書を全小中学校生徒に二〇一五年までに配備ということを掲げられております。今現在どのように進められておられるのか、また二〇一五年までに具体的にどう進めていこうとお考えなのか、お伺いします。
#105
○国務大臣(原口一博君) これは、二〇一五年までに光の道、これを一〇〇%、今世界最高速の高速ブロードバンド網といっても、実際それ基幹部分なんですね。基幹部分でもう八割、九割それは行っています。しかし、実際の御家庭までというと、まだ三〇なんです。これをしっかりと二〇一五年までに配備するために、ICTタスクフォースで、そのためにどのような投資が必要なのか、民間の競争はどうあるべきかということを今御議論をいただいて、来年の通常国会に光の道三法案、これを出せるように今準備をしているところでございます。
 その上で、今のデジタル教科書でございますが、文部科学省とも様々な議論をいたしまして、フューチャースクールによる協働型教育改革の施策の一つとして、二〇一五年までにデジタル教科書をすべての小中校生徒に配備することとしています。
 私の総務大臣室の後ろには大久保利通公の書があります。明治五年に私たちの先祖は何やったかというと、すべての学校を歩いて行ける距離に造ったんですね。まさに明治でやったそのことと同じことを平成の世の中で電子教科書という形でやりたいと思います。
 特にこれは委員が力を入れておられる例えばバリアフリーにも役に立ちます。私たち、今総務省では、政務三役会議を全部ペーパーレス化しています。タブレット、こういう紙持ってきたらもう帰れと言われます。今紙持ってきていますけれども。今帰れと言われても困るんですけれども。タブレットPCを活用して、そして教育クラウドを活用して実証フィールドでのデジタル教材等の共同利用、これを実施をしていきます。
 そうすると、自らの中に、障害というのはその人の中にあるんじゃありません、社会の側にあります。社会の側にあるバリアを小さいうちから取ることによって真のバリアフリー社会も目指してまいりたいと思いますので、御協力をお願い申し上げます。
#106
○山本香苗君 文科省ともしっかり連携していただいているということでございますけれども。じゃ、文部科学省の鈴木副大臣、来ていただきましたけれども、デジタル教科書に対して文部科学省としてはどういうお考えをお持ちで、また二〇一五年までに総務省が言っていらっしゃる目標を共有されていらっしゃるのかどうか、そしてどう進めていくのか、伺います。
#107
○副大臣(鈴木寛君) デジタル教科書あるいはデジタル教材、これをすべての児童生徒たちが使うことを前提とした教育というものができたならば、これはもう本当に劇的な教育・学習革命につながるというふうに思っておりますので、私も就任以来このことをまさに学校教育力の改善のコア中のコアと、こういう位置付けで取り組んでいるところでございます。
 四月の二十二日にそういう観点から、学校の情報化に関する懇談会というものを開催をさせていただいて、そこに学識経験者、学校関係者、経済界と、今の我が国において最もベストな方々にお入りをいただいてこの懇談会を発足させたところでございます。そこには、もちろん、総務省、そして内閣IT室、経済産業省等々も加わっていただいてこの検討を開始をいたしました。
 二〇一五年までにこのデジタル、このデジタル教育環境の整備というのは、今のところ基本的には都道府県あるいは市町村が主として担っていただいているわけでございまして、そういう中で、原口総務大臣の大変すばらしいリーダーシップによって、光の道がすべての教室まで届くということを当然想定していただいているんだと思いますが、そうしたことができて、そしてそれの教科書の中身については文部科学省がきちっと責任を持って作っていきたいというふうに思っております。
 例えば、動画というものを教科書に入れることができます。そうしますと、この教育効果というのは非常に高いものがありますし、それから、歴史のアーカイブといったものもこれ教科書の中に入れることができますから、歴史嫌いとか理科離れといったことに対して極めて有力な対応策になるというふうに思っておりまして、と同時に、このデジタル教科書、デジタル教材を使ってしっかり教えられる教員あるいは教員集団というものもきちっと養成をしていかなければいけないということで、教員養成の在り方も見直していかなければいけないというふうに思っておりますが。
 残念ながら、これまでの政権の中で、普通教室における校内LANの整備率とか高速インターネットの接続率とか校務用コンピューターの整備率というのはまだまだ十分じゃございません。これ、一〇〇%これが実現されてないと、要するに教科書だけデジタル化してもそれを全く使えないわけですし、デジタル教科書になりますと、ある意味ではコンテンツを毎日でも更新できると、そして生徒たちが学んだものを全部学習履歴をその校務用サーバーで管理をし、そしてそれぞれの子供の学びに応じたもう個別学習ということが当然になっていきます。
 そうしたことのインフラを是非総務省の原口大臣のリーダーシップできちっとやっていただいて、その環境の下で最高の教育を実現するために省の枠を超えて内閣全体で一生懸命取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございますので、よろしく御支援のほどをお願い申し上げます。
#108
○山本香苗君 今中身については文科省が頑張るぞという話でございますけれども、デジタル教科書について発達障害等に対応した教材等の在り方に関する調査研究の中でやっていただいているわけですけれども、去年、今年と二か年にわたる調査研究が行われました、行われています。その進捗状況はどうでしょう。
#109
○副大臣(鈴木寛君) 御指摘ございましたように、平成二十年の九月に、これも私も入らさせていただいて、障害のある児童及び生徒のための教科用特定教科書等の普及の促進等に関する法律、いわゆる教科書バリアフリー法、これを超党派で、最終的には委員長提案という形でお作りをいただきました。参議院のイニシアチブだというふうに私も大変評価をさせていただいているところでございますが。
 発達障害等のある児童生徒が使用する教科用特定図書等の整備充実を図るということがこの教科書バリアフリー法の第七条で規定がございます。これを受けまして平成二十一年度より、まずは発達障害等の子供の障害の特性に応じた教材の在り方、そしてこれらを使用した効果的な指導方法、あるいは通級学級で活用する際の配慮等についての実証研究を行っているところでございます。昨年度、四団体委託、そしてこのうち三団体が主として発達障害に対応した電子教材についての調査研究をまとめていただいております。
 調査研究が終了し、そしてこの各団体より初年度の成果や今後検討すべき課題、進捗状況の報告を受けたところでございますので、これを更に調査研究を深化をさせていきたいと、かように考えているところでございますので、よろしく御指導お願い申し上げたいと思います。
#110
○山本香苗君 読みに困難を抱える発達障害を抱えている子供たちにとって、今言っていただいたようなデジタル教科書、DAISYとか、そういうものは、あったらいいねというものじゃなくて、なくてはならないものであります。今、鈴木副大臣、調査研究をまた深化させてと。もう調査研究じゃなくていいんです。もう来年度、途切れることなくこのデジタル教科書を教科用特定図書としていただいて、必要とする子供たちに無償供与をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#111
○副大臣(鈴木寛君) これも私も野党時代からずっと取り組んでおりましたけれども、要するにデジタル教科書化というものが、冒頭おっしゃったデジタル教科書化は、実は教科書会社において非常に取組が遅れているといいますか、まばらといいますか、光村図書さんとか東京書籍さんはこれは相当前から取り組んでいただいているんですけれども、それ以外の教科書会社さんはまだそういうデジタル対応というのができていない、こういう状況にございます。これをまさに加速をしていこうということで懇談会をさせていただいているわけでありますけれども。
 拡大教科書あるいは点字教科書といった、まさにDAISYを含めた電子教材の無償給与という、こちらの方については、まさにこの教科書バリアフリー法を作ることによって、その拡大向けあるいは点字向けの部分をきちっと整備していくと、このことは一刻も早くやらなければいけないということで、この教科書バリアフリー法の中にも、第十条で、国は、検定教科書用図書に代えて使用する教科書用特定図書等を購入し、小中学校の設置者に無償で給与するものとするということがございますので、これについてきちっとした対応を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
#112
○山本香苗君 ですから、拡大教科書や点字教科書と同様に、DAISY等のデジタル教科書も同じような形でやっていただきたいということを申し上げているんです。
#113
○副大臣(鈴木寛君) これは、御質問していただいて大変有り難いんですけれども、きちっとこれ、できるんです、実は。できるということの説明をもう一回きちっとしていかないといけないというふうに思っております。
 つまり、各学校において、先ほど申し上げました個々の児童生徒が学習上必要とする場合には、DAISYの教科書の提供は可能でございます。それから、教員がDAISY教科書を使用する、障害ある児童生徒の指導のために利用する場合にも、教員への提供は可能でございます。
 そのことが十分徹底されていないということが分かりましたので、そのことをきちっと徹底をしたいというふうに思っておりますので、そこはきちっとやらせていきたいと思います。
#114
○山本香苗君 副大臣、質問していることに答えていただきたいんで、その後の質問に答えていただかなくていいんです。
 今私が聞いたのは、いわゆる調査研究二年終わった後に途切れることなく、デジタル教科書全体的にやっていただくのはもちろん大事なんですが、その中でも一番必要としているところに早くやってもらいたい。そこのところに、文科省として来年度の概算要求に向けてどういうことをやるかということを問うているわけなんです。
#115
○副大臣(鈴木寛君) そこは第十条で決めていることでございますので、もちろんそのように対応していきたいと思っております。
#116
○山本香苗君 今、先ほど前倒ししてお答えいただいたところなんですけれども、もうちょっと正確に申し上げます。
 教科書バリアフリー法に基づいて、提供されたデータを用いてボランティア団体等がデジタル教科書を製作した場合に、デジタル教科書の提供対象者をその教科書を現在使用している児童生徒に限るといった制限がなされているやに伺っておりました。そのため、今副大臣がおっしゃっていただいたように、例えば小学三年生の子が小学校一年生のデジタル教科書を使いたいと、学年下げて学習のために使いたいとか、学校の先生が発達障害のある児童の学習指導のために使いたいとか、また、発達障害のある児童も含めて学校の授業の中で電子黒板上にそれを使いたいと、そういう場合に、そういう依頼があったとしても、ボランティア団体等がそのデジタル教科書、せっかく作ったものなんだけれども、それを提供できないという事態が実際起きているわけなんです。
 せっかくデータ提供がなされて、現場で確かにこの教科書バリアフリー法のおかげで製作の負担というのは大分軽くなったとは言われているんですけれども、現場でこれが問題になっているので、こうした制限をなくしてもらいたいということを申し上げようと思ったんですが、先ほどの御答弁からいきますと、そういう制限はしてないということなんでしょうか。
#117
○副大臣(鈴木寛君) 私、教科書バリアフリー法、事実上私も策定させていただきました。そのときの法律の趣旨というものと運用というものが十分に現場に伝わっていないなという局面が先ほどのことも含めて幾つか明らかに、先生の御質問も含めて、なっておりますので、これはもとより可能でございます。それは立法者の趣旨として当然可能でございますし、そこは可能だったよなということを確認をいたしましたら、それは可能ですと。ですけれども、そういう現状があるわけですから、そこにディスコミュニケーションがあるということは明らかですね。
 ですから、それについては、改めてそうした教科書用特定図書の提供方法についてDAISY教科書作成ボランティア団体等に説明をしていきたいというふうに思っておりますので、委員におかれましてもその旨をお伝えいただければというふうに思います。
#118
○山本香苗君 是非その辺を文部科学省の方から、何か相談があったら受けてあげますじゃなくて、是非その点を誤解を解いていただきたいと思います。
 それで、もう一分しか残っておりませんので、とにかく今申し上げたように、デジタル教科書、二〇一五年までに原口大臣、是非よろしくお願いしたいと思うわけでございますが、その制度設計に当たっては、ユニバーサルデザインの考え方で発達障害のあるお子さん等々きちっと配慮をしていただいた形で制度設計をしていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#119
○国務大臣(原口一博君) 山本委員に極めて大事な御指摘をいただきました。
 まさにユニバーサルデザインでございまして、私たち他国も視察をさせていただきましたが、例えばシンガポールにおいては、貧しい地域、そこに集中的にまずタブレットPCやデジタル教科書を配って教育の格差を埋めるということもやっていました。
 また、先生方にも是非御視察いただければと思うのは、この近くだと港区立の青山小学校ですね。ここは、子供たちがお互いに教え合う、気付きや発見やあるいは勉強の仕方をお互いがお互いに先生として教え合う。ですから、もうバリアがないんですね、創造性や美しいもの、あるいは大きな志をお互いに共有してですね。この間、未来の自動車をどうやって造ろうかっていう子供たちがお互いタブレットPCで書き合いながら、それぞれ机の上のPCが全部お互いつながっているんですね。そして、皆さんがお互いの創造性を高めていました。
 こういうものを一つずつお示しすることによって、どんなに多くの子供たちのバリアを取り払うことができるか、可能性を開くことができるか、そういったことを国民の皆さんにも実際に御理解いただいて前進をさせていきたいと思いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
#120
○山本香苗君 終わります。
#121
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 滋賀県にあるキヤノン長浜工場で長年働いてきた四百人を超える期間工の皆さんが、この五月から順次雇い止め、解雇されようとしております。
 先日、期間工として働いている労働者の皆さんから直接話を聞いてまいりました。多くの方が、派遣、請負、派遣、請負、そして期間工と雇用形態を次々変えながら事実上は同じ工場で同じ仕事をしてきた方であります。二〇〇八年から期間工になった労働者はこう言っております。当時、派遣がみんな集められて、キヤノンの社員が来て、辞めるか期間工になるしかないと言われた。契約更新あり、最長二年十一か月ということだったが、正社員登用制度があると言われ、仕事を辞めるわけにもいかず、仕方なしにみんな数か月の雇用契約をしたと。初めは五か月で、次から六か月の契約を四回、五回と繰り返し、期間工として既に一年、二年働いてきたわけであります。私は話を聞いて、現行法に照らして幾つもの問題点があると感じました。
 まず、一般論として聞きますけれども、有期労働契約を結ぶ際、労働契約法は十七条で「使用者は、期間の定めのある労働契約について、その労働契約により労働者を使用する目的に照らして、必要以上に短い期間を定めることにより、その労働契約を反復して更新することのないよう配慮しなければならない。」とされております。長妻厚生労働大臣、この趣旨は何でしょうか。
#122
○国務大臣(長妻昭君) 今、労働契約法の条文を読んでいただきましたけれども、まさにここに書いてあるとおりでございまして、つまり、期間の定めのある労働契約については、労働者の方がやはり将来の計画あるいは将来の展望というのもあるわけでございますので、そういう意味では、必要以上に短い期間を定めて反復するということであれば、それは反復をしないで初めからそういう期間を取るという考え方もあるんではないかというような趣旨もあろうかと思います。
 いずれにしても、労働者の方が、自分が将来どういう展望で職場で働き続けられるのかというのがある程度はっきりしないと非常に御不安になるわけでございますので、そういうような趣旨もあって設けられた条文であるというふうに考えております。
#123
○山下芳生君 おっしゃるとおりだと思うんですよね。ところが、キヤノンの場合は、事業は二年、三年と継続しているのに、契約期間は五か月、六か月の細切れを反復しているわけでして、労働者はそのたびに不安にさらされることになります。これは雇用の安定、大臣おっしゃった将来展望に反するやり方だと言わなければなりません。実際、私には、半年先の生活の計画も立てられない、なぜなら半年契約だからだと、いつ寮を出なければならなくなるか分からないので家具もテレビも買えないと、こう訴えがありました。これは一つこういう問題があります。
 それからもう一点、有期契約を結んでいても、一年を超えて働いていたり契約更新を繰り返している場合は、これ一方的な雇い止めは許されないと思います。大臣告示の基準でも明らかだと思いますが、間違いありませんね。
#124
○国務大臣(長妻昭君) これも一般論でございますけれども、大臣告示というのがございまして、「契約期間についての配慮」というところでございます。これは、「使用者は、有期労働契約(当該契約を一回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)」というふうに限定がありますけれども、その有期労働契約を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするように努めなければならないということで、こういう要件については大臣告示で努力義務を課しているところであります。
#125
○山下芳生君 さらに、その「雇止めの予告」、「雇止めの理由の明示」というのも係ってくると思いますが、いかがですか。
#126
○国務大臣(長妻昭君) これについては、おっしゃるように、この雇い止めの三十日前までに予告を求めているということでありまして、これについては、一定の場合でありますが、その一定の場合の要件は、契約を三回以上更新されているか、雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している場合で、更新をしない場合ということであります。
#127
○山下芳生君 今おっしゃられた条件にキヤノンの場合は全部該当しますから、きっちりやっていただかなければならないということになると思います。
 それから、キヤノンは、契約締結時に、契約更新する場合の更新するしないの判断の基準を労働者に示しておりません。これも大臣告示では、更新ありとしている場合は、更新する場合の判断の基準を契約締結時に明示しなければならないとあるんですけれども、それをやっていないんですね。
 これはきちっと指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(長妻昭君) 委員も個別の案件についてお答えができないというのは御存じだと思います。一般論で申し上げることを御容赦いただきたいんでございますけれども。
 一般論としては、有期労働契約に関するルールとして、大臣告示において、使用者は更新の有無を明示しなければならないと、そして更新する場合があると明示したときは更新するしないの判断の基準を併せて明示しなければならないというふうにしているところでありまして、労働基準監督機関では、有期労働契約をめぐる紛争防止のために、契約更新の有無及びその判断基準の明示を始め大臣告示に定めるルールの周知を図って助言又は指導を行っておりまして、我々としては適切な対応に努めてまいりたいと思います。
#129
○山下芳生君 私がつかんだキヤノンの場合は、これに反しておりますので、しっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、数か月の更新を繰り返しながら、一方で契約のときには必ず、正社員登用制度があると、試験を受けますかなどと言われております。募集要項にもわざわざ正社員登用制度ありと書かれております。当然労働者は正社員になれるのではないかと期待するわけですね。同時に、お題目のように最長二年十一か月とも書かれているんです。この二年十一か月というのは、実はキヤノンだけではなくてほかの企業でも多用されております。
 これ一年でもなければ三年でもなく、なぜ二年十一か月としているのか。これは、三年超えなければいつでも雇い止めできると、これ濫用しているんじゃないかと私思うんですが、いかがでしょうか。
#130
○国務大臣(長妻昭君) 一般論としてでございますけれども、当然いろいろな、例えば正社員の転換制度云々をうたっていたときに、もちろんそれがきちっとなければそういうことをうたうというのは問題が発生する可能性があるというのが一点と、あと今お尋ねの二年十一か月ということでありますけれども、これは恐らく、労働基準法では労働契約期間について原則三年を上限と規定しているということで、これについては、一回の契約期間の上限を定めたもので、更新を経て通算の雇用期間を三年に制限するものではありませんけれども、何かこの三年ということについて、三年を超えると雇い止めに関して解雇権濫用法理が類推適用される可能性が高まるとの考えから、リスク回避のために二年十一か月を通算の雇用期間の上限としている例が見られるということでございますけれども、有期労働契約の締結に当たっては、労使双方の様々な事情を踏まえて契約期間についても合意されているものと考えております。
#131
○山下芳生君 大臣おっしゃった内容は、この三月十七日に発表された厚労省の有期労働契約研究会の中間報告にもそういうことが書いてあります。三年というのは一回の契約期間の上限として定められているわけですね、労基法十四条。ところが、繰り返し更新して、三年超えてはならないと、ここには誤解しているというふうに書いてありますけれども、今大臣おっしゃったのは、それ誤解というふうに認識していいんでしょうか。
#132
○国務大臣(長妻昭君) 雇用契約が、雇用期間ですね、雇用期間が三年を超える場合、雇い止めが許されないと、こういう規制というのは存在しておりませんので、そういうことについて我々も周知をしていって、適正な雇用契約、雇用形態が保たれるように我々も指導監督をしていくということであります。
#133
○山下芳生君 まあ周知しなければならないということですから、ここでいう誤解がそのまんまはびこっているということだと思うんですが、これ重要だと思うんですよ。
 ですから、たとえ最長二年十一か月とされていたとしても、実際の雇用契約が一年を超えて何度も更新されたり、あるいは正社員登用制度がありますよと明記されて繰り返しそれが説明されていると、労働者の期待権というのはやっぱり高まるわけですから、そういう場合だったら、最長二年十一か月と書いているからといって自動的にこれ雇い止めにするということは、私はこれは通らないと思うんですが、これいかがでしょうか。
#134
○国務大臣(長妻昭君) これにつきましても、先ほど申し上げましたように、一定の場合には雇い止め三十日前までに予告を求めるなどなど、こういう大臣告示というのもあるわけでありますので、そういう趣旨も御理解いただくような形で我々も周知を図っていきたいと思います。
#135
○山下芳生君 誤解を是非解いていただきたいと思いますね。二年十一か月というのは根拠ないんですよ。二年十一か月で仕事が終わる、事業がなくなるということじゃないんですよ。誤解に基づいて二年十一か月最長って書いちゃってるんですから。その誤解に基づいてもう終わりですよということが、大量の労働者がこれから五月待ち受けているわけですからね。それ誤解だと、そんなことやっちゃならないという指導を私は求めたいと思います。
 しかも、労働契約法の前提というのは労働者と使用者が対等の立場で合意して締結したものとされておりますが、このキヤノンの場合は、ある日、派遣労働者だった方々が、派遣労働者が集められて、仕事を辞めるか期間工になるしかないと迫られて、これはみんな仕事を辞めるわけにはいきませんから期間工になるしかなかった。だから、最長二年十一か月と言われても、更新もあるし正社員登用制度もあると説明されたから、これはその道を選んだと。これ、とても対等、平等な関係ではなかったと思います。もうそれしか選択肢がない状況に追い込まれていたと思うんですね。
 こういうのは対等、平等とは言えないんじゃないですか、大臣。
#136
○国務大臣(長妻昭君) これも個別の事案のコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論としては、労働契約法という法律がありまして、この目的の第一条にもきちっと労働者と使用者が対等の立場で合意に基づき締結するものであると、労働契約はと、こういうことが書いてありますので、当然、前提としては労使双方が十分理解をした上で話合いを尽くしていただくということが必要になると思います。
#137
○山下芳生君 辞めるか期間工になるしかないというのは、これは対等じゃないですよ。もうそれしかないんですからね。是非調査していただきたいと思いますが。
 さらに、さっき大臣も正社員登用制度を掲げながら実態がなければ問題が生じるとおっしゃいました。これ重要だと思います。これ実態ないんですよ、キヤノンの場合、聞いたらですね。試験は年三回実施されます。各人年一回受けられるんです。ですから、最長二年十一か月だと言われる中に三回受けられることになるんですが、試験の内容は一般教養の筆記と面接であります。しかし、期間工の皆さんにいろいろ話聞きますと、ほとんど受からないと言うんですね。ある回は二百人受けて合格者は十人いるかいないかだったとか、ある回は百二十三人受けて合格は二人か三人だったとか、部長さんの遠縁は受かったとか、そういうことで、もう二回目からは本当にこれはもう受からないだろうと、がくっとモチベーションは下がると言うんですね。
 私は、これでは、正社員登用制度とは名ばかりで、実際は期間工の皆さんに期待だけ持たせて働き続けさせるためのニンジンではないかと、言葉は悪いけど、そう感じましたね。
 期間社員募集要項にも実際に正社員登用制度ありとありますけれども、登用の規模も基準も明示されておりません。こういうやり方が天下のキヤノンで許されるのかと、これ問題ありと思いますけれども、いかがですか。
#138
○国務大臣(長妻昭君) これも一般論でお答えするしかないわけでございますけれども、例えばいろんな労働契約の際に、こういう制度もある、ああいう制度もあるといったときに、実際そういう制度がないというのにもかかわらずそういう制度があるということが示されるということは、これはもう当然問題だというふうに考えているところでありまして、仮にそういうことがあれば、我々としてはいろいろな考え方を持って指導監督をしていくということになろうかと思います。全くその制度がないということでありますと、いろいろな問題を生じるんではないかと思います。
#139
○山下芳生君 これも生の声、紹介します。
 子供が三人、今後のことを考えると不安ですと、しかし、正社員登用制度があるからここにいて、キヤノンにいて、それを受けて、首を切られる不安から逃れたい、そう思って、劣悪な労働条件だけれども、歯を食いしばって頑張っているんですね。それが、実際は二百人受けても十人も受かるかどうか分からない、事実上は形だけのものになっていると。是非調査していただきたいと思います。
 労働者たちが今どんな労働条件か。賃金は手取り大体十三万円です、期間工はですね。これは年齢に関係ないんです。年齢に関係なく高卒初任給と同程度でいいとされております。それから、そういう低い賃金ですから、お昼休み、四十五分ですけど、これは社員と一緒に食堂で御飯食べることできるんですけれども、食堂で二個六十円のおにぎりを一個だけください、こう言って買って、一杯三十円のおみそ汁と一緒に食べている三十代後半の労働者もいると聞きました。お昼御飯を全く取らない若者もいると聞きました。これ、どんなにつらく悔しいことかと思います。
 忘れてならないのは、彼らが失業者じゃないということですよ。世界のキヤノンで主力製品を作っている労働者だと。そういう人たちがこんな実態に置かれて、お昼御飯まともに食べられずに、いつ首になるか、半年後の生活設計も立てられないわけですね。それでも、いつかは正社員になれるんじゃないかと一縷の望みを託して懸命に仕事をされている方々です。
 もう一つ忘れてならないのは、この期間工の皆さんたちはこれまで八年も九年も前からキヤノンで働いてきた労働者だということであります。派遣から請負、請負から派遣、そしてまた請負、期間の上限を逃れるための、これはもう請負期間中も指揮命令の内容は社員からやられていましたから偽装請負ですね。ですから、派遣期間制限の一年はおろか、もう三年をとっくに超えて働かされてきた人たちですから、本来とっくの昔に直接雇用、本来正社員として登用されるべき人たちが、その後も派遣、請負として何年も働かされて、もう派遣はやめますと、キヤノンが社会的批判にさらされて、そして今期間工となってまた働かされ、働き続けた挙げ句、今期間工切りをされようとしているわけですね。
 労働者の弱みに付け込んで、違法、脱法を繰り返して低賃金で働かせていくやり方というのは、私は、人間を大事にする経済というふうに鳩山首相はおっしゃいました、それから見ても、これは許されないと思うんです。私は、キヤノンにこういうやり方をやめて、雇用の安定を図るように強く指導すべきだと思いますが、これ一般論じゃないです、もう具体的に言いましたから、大臣、いかがですか。
#140
○国務大臣(長妻昭君) 個別の指導云々の話についてはコメントはできないわけでありますけれども、一般論として、これは当然、その有期労働契約をめぐるルールを定めた大臣告示の周知徹底を図り、問題事案については必要な助言又は指導を行うということであります。
 そして、私自身は、前政権で進められた規制緩和の美名の名の下、雇用という非常に対等な労働市場というような関係ではありませんで、圧倒的にそれは使用者の方が情報も立場も強い。その中で、やはり適正な規制というのはこれ必要にもかかわらず、それを超えた規制緩和がなされて日雇い派遣に代表されるようなものができてしまったということで、我々は派遣法の改正案を提出をさせていただいているということと、あとは、労働、雇用のパイを広げるということも、これももちろん言うまでもなく大変重要なことでございますので、私の分野では医療、介護等々、あるいは政府全体では新成長戦略で全体のパイを拡大をしていくということで、できる限り皆さんが安心して働いていただけるような環境整備ということにも努めていきたいと思います。
#141
○山下芳生君 いつもの一般論として逃げちゃ駄目ですよ。大企業に毅然と政府が物を言えなかった、旧政権も。だから、不安定な使い捨て雇用が大手を振って日本中にはびこるんですね。物を言わなきゃ、違法は違法だとして、それが行政の、政治の役割ですよ。
 特に労働政策審議会に委員を出している日本経団連の会長企業ですよ、キヤノンは。そこでそんなことが起こっているのを放置しちゃ駄目だと。調査をしていただき、少なくとも調べていただきたい。
 それから、二年十一か月は、キヤノンだけじゃなくて、どこも事業は多様なはずなのに有期雇用契約は二年十一か月を上限とします。これ、調べるべきじゃありませんか。
 この二つ、いかがですか。
#142
○国務大臣(長妻昭君) これはまた一般論で恐縮なんですけれども、我々としては、労働基準監督署、私も先日そこに行って一緒に現場を見てその仕事をチェックをしてまいりましたけれども、問題があれば我々としては適切にそれを指導監督をしていくと、これが職責でございますので、そういう姿勢で日本国の労働環境を守っていきたいというふうに考えております。
#143
○山下芳生君 終わります。
#144
○渕上貞雄君 社会民主党の渕上貞雄でございます。
 まず、地デジの進捗状況についてお伺いをいたしますが、地上デジタル放送についてお伺いをいたします。
 まず、デジタル化に関係するそれぞれの現在の進捗状況についてお知らせ願いたい。
#145
○国務大臣(原口一博君) 渕上先生におかれましては、連立政権、しっかりと支えていただいて、また同じ九州ということで大変御指導いただきましてありがとうございます。
 地上デジタル放送の進捗状況についてでございますが、受信機の売上げはエコポイントの効果もあって順調でございます。世帯普及率は目標をただまだ下回っておりまして、特に受信障害対策共聴施設、ビル陰の問題、あるいはデジタル化や新たな難視などの課題もあることも事実でございます。
 先月、ビル陰共聴等のデジタル化を加速するため、共聴施設デジタル化加速プログラムを公表させていただきました。また、山間部等の新たな難視に対して中継局や辺地共聴施設の整備を支援しておりまして、本年度からは高性能アンテナ対策などの追加支援を予定しております。
 もう残された期間はわずかでございます。二〇一一年七月、確実にデジタル放送に移行できるように全力で取り組みますので、御支援、御指導をよろしくお願い申し上げます。
#146
○渕上貞雄君 ただいま御丁寧なお言葉をいただきましてありがとうございました。これからもひとつよろしくお願い申し上げます。
 次に、ラジオのデジタル化についてお伺いをいたします。
 ラジオのデジタル化はテレビとやや事情が異なりまして、今のアナログは存続させた上で新規のサービスとしてデジタル放送を始めると聞いております。そこで、ラジオのデジタル化の検討内容についてお教えいただきたいと思います。
 また、アナログ方式の地域防災無線については、二〇一一年五月末日に使用期限が迫っており、テレビ同様デジタル方式への移行が進められております。現在、自治体において地震や津波などの防災情報の収集を手軽に図れる防災ラジオの普及を進めているところでもありますが、デジタルでは専用受信機以外での受信が実質不可能となると言われております。そこで、防災無線のデジタル化への移行完了後もアナログ式の併用が可能かどうかを含めて防災ラジオの今後の対応を検討していただきたいと思うのでありますが、どのようにお考えでございましょうか。
#147
○副大臣(内藤正光君) 二点質問をお伺いをいたしました、いただきました。
 まずは、デジタルラジオについてお答えをさせていただきたいと思います。
 先生御案内のように、特に都市部においてはAM放送の受信状況がかなり悪化をしております。なかなか聞くに堪えないという状況になっている地域もございます。そんな中、地デジの空き地帯を利用いたしまして、特にV―LOWと言われるエリアにラジオを移していこうということに前政権からなっております。しかし、私自身若干それに対して問題意識を持っておりまして、そこで研究会を立ち上げて、今、夏に結論を得るべく議論をしているところでございます。
 その研究会で議論をしている大きなポイントを三点だけ申し上げさせていただきたいと思います。まず一つ目は、通信と放送の融合という時代を見据えてラジオというメディアの在り方をしっかりと考え直していこう、単に片道の情報発信をするだけでなくて双方向のラジオというものも考えてみようじゃないか、これが一つでございます。そして二点目は、放送エリアの問題でございます。これは、今までのように県域にするのか、あるいはブロック単位にするのか、あるいはまたその混在にするのか。それは、地域の求め、地域の事情も踏まえながら考えていくべきだということで今議論を進めているところでございます。そして三点目は、端末の問題でございます。もう皆さん、家を見てもらえば明らかなように、なかなかラジオ端末を持っている家庭が少なくなってきております。これでは、防災情報といってもラジオそのものがない、これでは困ります。そこで、私たちは、端末の在り方、できればだれもが皆持っているこの携帯端末で受信できればというふうに考えながら今議論を進めているところではございますが、ただ研究会メンバーの共通認識といたしまして、災害など地域情報の提供手段としてはこれからもラジオというのは不可欠なメディアとして、そういう認識の下、議論をしているところでございます。一点目、長くなりまして恐縮でございます。
 二点目の、アナログ方式の地域防災無線についてお答えをさせていただきたいと思います。
 先生御指摘のように、この地域防災無線については、例えば地域の消防機関ですとか警察、交通運輸機関、電力、ガス、あるいは放送局等々を有機的に結んで適時的確な防災情報提供体制を取るものでございますが、これについてはサービスの高度化という観点が一つ。そしてもう一つは、これ実は八百メガヘルツ帯、すなわち携帯電話にとっては大変使いやすい周波数帯を使っていることから、つまり電波の有効利用という観点から、来年の五月末という有効期限を定めて使用をそこで停止をさせていただこうというふうに考えているところでございます。
 他方、防災ラジオについてでございますが、これは今六十メガヘルツ帯を使っておりますが、それをまた六十メガヘルツ帯という中でやっておりますので、あえて期限は設けておりません。また、地域の自治体の財政状況も踏まえて、あえて期限を設けることなく設備の更改というタイミングをとらまえて徐々に移行を図っていただくようお願いをしているところでございます。
 そして、最後になりますが、先生御指摘のように、今持っているアナログラジオを今後も引き続き使えるようにしてほしいということでございますが、電波のデジタル化は進めつつも、やはりそういった今持っているラジオを有効に使ってもらいたいという観点から、ある拠点を設けまして、そこでデジタル波を受けつつもそこから改めてアナログ波を出すことによってこれからも引き続きお持ちのアナログラジオを使い続けられるように考えているところでございます。
 以上でございます。
#148
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、集合住宅については地デジに対する助成があるようでございますけれども、その他の助成措置はどのようになっているのでしょうか。
#149
○副大臣(内藤正光君) その他といいますと、戸建て住宅への措置はということだと思います。
 先生、御理解をいただきたいのは、基本的には、テレビ受信については受信者負担というものを原則とさせていただいております。ですから、当然、一戸建て住宅にお住まいの方は、それに掛かる費用は個人で負担をしていただく。
 実は集合住宅もその原則なんですが、ただ、集合住宅の場合、かなりその費用が膨大に上る可能性があるわけでございます。ということで、昨年の補正予算を機に、例外的措置としてそこの工事、改修に伴う費用については助成措置を講じさせていただいているところでございます。ただ、個人負担が原則でございますので、一戸建て住宅にお住まいの方が大体負担するのは三万五千円ですので、集合住宅にお住まいの方もまず三万五千円までは自己負担をしていただく、それを超える部分については助成措置を講じさせていただくという仕組みになっております。
 どうか御理解をいただきたいと思います。
#150
○渕上貞雄君 業務用無線、特に公共交通におけるデジタル化についてお伺いをいたします。
 鉄道の列車無線や運行制御のための機器等、バスではまた接近装置や業務連絡無線などにおいてもデジタル化の対応が求められております。しかし、聞くところによりますと、特に経営基盤の弱い中小事業者や地方の鉄道、バス事業者にとっては負担が大変大きく、変更が遅れるような状態すら懸念されております。
 地デジ化を進めている総務省、交通事業者を所管する国土交通省は、これらの実態をどのように把握されていましょうか。
#151
○副大臣(内藤正光君) まず私から現状認識をお答えをさせていただきたいと思います。
 先生御案内のように、こういった鉄道ですとかバスにおける無線設備のデジタル化によって、そのサービスの高度化が期待されるわけでございます。具体的には、位置情報の把握だとか運行管理が可能になるわけでございます。そこで、私どもとしてはデジタル化をお願いをしているわけでございますが、ただ、特に期限を設定しているものではございません。
 そこで、現状認識いかんということでございますが、例えばバスとか鉄道があるわけですが、鉄道についてお答えをさせていただきますと、平成二十年度の電波の利用状況調査結果をお答えをさせていただきたいと思いますが、今、民間鉄道は百五十メガヘルツ帯、JRは四百メガヘルツ帯を使っていただいているわけでございますが、民間鉄道、百五十メガヘルツ帯については二%がデジタル化を終えている。他方、JRグループ、四百メガヘルツ帯を使っているJRグループについては一〇%程度というふうに認識をしております。
 以上でございます。
#152
○政府参考人(本田勝君) 鉄道局としてお答えを申し上げます。
 列車無線あるいは運行制御のための装置等のデジタル化につきまして、一部の鉄道事業者において導入されているとは承知しておりますし、中小事業者に対しての助成措置はございますけれども、全体としての普及状況については私どもとしては把握しておりません。
#153
○政府参考人(桝野龍二君) バスにつきましては、先生御指摘のバス・ロケーション・システムがこの関係になりますが、ちょっと古いのでございますが、二十一年八月の調査によりますれば、大体車両で九千両、接近表示の機能のあるバス停については約千か所ぐらいが更に措置が必要だということでございます。
#154
○渕上貞雄君 国土交通省にお伺いしますが、ちなみに、バス・ロケーション・システムをデジタル化した場合、どれくらいの費用負担が必要になるとお思いでしょうか。いずれにいたしましても、無線のデジタル化に伴う設備費用については、鉄道やバスの公共性に着目をして、中小、地方の鉄道、バス事業者のデジタル化の取組に対する支援をお願いをしたいと思います。
 公共交通のデジタル化に対する助成はどの程度支援策について考えられておるか、見解をお伺いいたします。
#155
○政府参考人(桝野龍二君) 全体で、先ほど申し上げた約九千車両、一千か所につきましてやりました場合、大体十四億から十七億ぐらいの積算になろうかと思っております。ただ、個別の会社について、どのぐらいのバス停があるかとかどのぐらいの車両数があるかによって違っておりまして、バス停がそんなになければ数百万とかくらいでできますが、かなりバス停が多いようなところにつきましては一億あるいは二億に近いというようなお金が掛かるところもございます。
 私どもでどのような支援制度があるかというお尋ねでございますけれども、バス・ロケーション・システムについての予算につきましては、昨年のあの事業仕分で厳しく仕分けられておりまして、なかなか費目は厳しいわけでございますけれども、このような状況にあって、かつ中小企業が多いこともございまして、運輸振興助成交付金を活用いたしました日本バス協会の支援事業の中でこういうものを取り上げていこうという動きがあるようでございまして、私ども、バス協会とも一緒になりながら対応してまいりたいと、こう思っております。
#156
○政府参考人(本田勝君) 鉄道局からお答えを申し上げます。
 鉄道の関係の先生御指摘の装置、このデジタル化についても推進されることが望ましいと考えておりますが、とりわけ、中小あるいは地方の鉄道事業者は元々大変経営基盤が脆弱でございます。こういった地域の鉄道事業者に対しては、制度といたしましては、輸送の安全を確保するという目的の観点から、鉄道軌道輸送対策事業費補助金制度というものが設けられております。この制度の中で、列車無線装置などの保安通信設備も補助対象でございますので、正直言いますと、予算全額の制約はございますけれども、これらの鉄道事業者の方が無線のデジタル化を行う場合に一定の支援を行うことはできると考えております。
#157
○渕上貞雄君 公契約条例の制定についてお伺いをいたしますが、千葉県野田市では、条例施行後、法定最賃七百二十八円が、委託業務では最低賃金が八百二十九円と上昇して、労働者の賃金が改善されたと報告がありました。市長は、労働者の生活を保障し、地域経済を下支えするためと言われました。最低賃金が上昇した分、契約額は昨年度より七百円、一・八%増えているということであります。
 野田市長のすばらしいところは、労働者の貧困が軽減されると思えば大した負担ではないと、こう言われたところにあります。しかし、残念ながら公契約条例の制定は必ずしも増えていないのが現状でありまして、逆に議会においては否決されたところもあると聞いております。
 そこでお伺いしますが、私は条例制定を推進すべきだと考えますが、総務省として、また大臣として公契約条例についてどのような認識をお持ちか、お伺いをいたします。
#158
○国務大臣(原口一博君) まさに公契約についてはその質を確保することが大事であるというふうに思っております。地方自治体の入札契約制度を所管する総務省としましては、引き続き、行政サービスの質の確保の観点から、総合評価方式の拡充や低入札価格調査制度等によるダンピング受注の排除を行い、適正な入札契約手続が確保されるよう地方自治体に対して助言をしてまいりたいと思います。
 これは、公共サービス基本法のときも先生に大変御指導いただきましたけれども、やはり公共サービスに働く人たちの人権の保障、これがなくして国民の公共サービスにおける権利を保障することはできないと、私はそのように考えておるところでございます。
#159
○渕上貞雄君 野田市の事例でも明らかなように、条例制定に対することによって市の支出が増えてまいります。
 地方自治法では自治体に最小経費で最大の効果を求められており、公契約条例はこの趣旨に反するのではないかとの指摘があるようでございますが、その見解についてお伺いいたします。
#160
○大臣政務官(小川淳也君) そのような御指摘があることについても十分認識をいたしております。
 ただ、委員御案内のとおり、また今大臣が御答弁申し上げましたとおり、公契約の質の確保ということも一方に非常に重要な価値でございまして、そのために地方自治法には総合評価方式や低入札価格調査制度、また最低制限価格制度等、様々な制度を設けているわけでございます。
 いずれにしても、これらを十分バランスを良くお考えをいただいて、適切に執行いただけるよう助言等の務めを果たしたいと考えております。
#161
○渕上貞雄君 これまでの入札制度を見る限り、自治体の財政難からどうしても安い金額に流れてしまっています。バスの入札についても、落札業者自らが運行にタッチせず、業務を他業者に委託をしている事例があります。
 少なくとも、このような入札が行われないように総務省として指導監督をすべきではないかと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
#162
○大臣政務官(小川淳也君) ここは本当にバランスが重要なところではないかと考えております。最小の経費で最大の効果というのが大原則でございますが、一方で質を十分に確保していく、そのような観点、両方をよく勘案をいたしまして適切に対処いたしてまいりたいと思います。
#163
○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、地方バスの特別交付税が支給されておりますけれども、その利用実態が詳細には分かりません。実際、地方バスに自治体は幾ら投入しているのか把握をしているのでございましょうか、その点明らかにしていただきたいと思います。
#164
○大臣政務官(小川淳也君) 地方バスに対する支援につきましては、それぞれ、国の補助を受けたものと、また、自治体が単独で行っているものと、双方ございます。これらについては原則、経常経費と経常収益との差額、簡単に申し上げれば赤字でございますが、これを自治体が補てんをしているという実態がございます。そこで、総務省といたしましては、この差額分の八〇%、これを特別交付税により措置をいたしております。ちなみに、二十一年度分を申し上げますと、都道府県分で七十二億円、市町村分で三百八十一億円、合計四百五十三億円というのが実態でございます。
#165
○渕上貞雄君 終わります。
#166
○委員長(渡辺孝男君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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