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2010/04/12 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 決算委員会 第5号
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2010/04/12 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 決算委員会 第5号

#1
第174回国会 決算委員会 第5号
平成二十二年四月十二日(月曜日)
   午後一時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月五日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     富岡由紀夫君
     外山  斎君     広田  一君
     森田  高君     亀井亜紀子君
     佐藤 正久君     衛藤 晟一君
     牧野たかお君     佐藤 信秋君
     森 まさこ君     山本 順三君
     風間  昶君     山下 栄一君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     藤田 幸久君
     山本 香苗君     鰐淵 洋子君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     加藤 修一君
     又市 征治君     山内 徳信君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     姫井由美子君
     広田  一君     武内 則男君
     衛藤 晟一君     佐藤 正久君
     佐藤 信秋君     森 まさこ君
     山本 順三君     塚田 一郎君
     加藤 修一君     荒木 清寛君
     大門実紀史君     井上 哲士君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                風間 直樹君
                亀井亜紀子君
                谷  博之君
                松山 政司君
                丸山 和也君
                山下 栄一君
    委 員
                相原久美子君
                金子 恵美君
                武内 則男君
                富岡由紀夫君
                那谷屋正義君
                姫井由美子君
                平山  誠君
                藤田 幸久君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                有村 治子君
                礒崎 陽輔君
                荻原 健司君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                中村 博彦君
                松村 龍二君
                森 まさこ君
                鰐淵 洋子君
                井上 哲士君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     岡田 克也君
       防衛大臣     北澤 俊美君
   副大臣
       外務副大臣    福山 哲郎君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       厚生労働副大臣  細川 律夫君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        田村 謙治君
       法務大臣政務官  中村 哲治君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       防衛大臣政務官  楠田 大蔵君
       防衛大臣政務官  長島 昭久君
        ─────
       会計検査院長   西村 正紀君
        ─────
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        諸星 輝道君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        中島 秀夫君
       海上保安庁長官  鈴木 久泰君
       防衛省経理装備
       局長       西  正典君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     河戸 光彦君
       会計検査院事務
       総局第一局長   鵜飼  誠君
       会計検査院事務
       総局第二局長   小武山智安君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        緒方 貞子君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  粗  信仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○平成二十年度一般会計歳入歳出決算、平成二十
 年度特別会計歳入歳出決算、平成二十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、平成二十年度政府
 関係機関決算書(第百七十三回国会内閣提出)
 (継続案件)
○平成二十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
○平成二十年度国有財産無償貸付状況総計算書(
 第百七十三回国会内閣提出)(継続案件)
 (外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機
 構有償資金協力部門の部)
    ─────────────
#2
○委員長(神本美恵子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る九日までに、牧野たかおさん、風間昶さん、外山斎さん、森田高さん、行田邦子さん、大河原雅子さん、山本香苗さん、又市征治さん、大門実紀史さん及び大久保勉さんが委員を辞任され、その補欠として山下栄一さん、亀井亜紀子さん、富岡由紀夫さん、藤田幸久さん、鰐淵洋子さん、山内徳信さん、塚田一郎さん、井上哲士さん、姫井由美子さん及び武内則男さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(神本美恵子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に亀井亜紀子さん及び山下栄一さんを指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(神本美恵子君) 平成二十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算について審査を行います。
    ─────────────
#6
○委員長(神本美恵子君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#8
○委員長(神本美恵子君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 今日は、一時間半でございますが、防衛大臣と外務大臣を中心に御答弁をいただきたいと思います。それから、JICAの緒方理事長にもお越しをいただきましてありがとうございます。
 まず、緒方理事長にお伺いしたいと思いますが、JICAの在り方というものがいろいろな意味で重要な局面に、JICAの在り方というものが今後の日本の外交の柱としても重要ではないかというふうに思っております。
 後で申し上げますが、災害援助を含めまして、援助というものがますます外交の柱として重要な意味を持っているということを私も一月にハイチに参りまして感じた次第でございます。それぞれの国が、トップが意思判断をし、政府、民間を通して総力を挙げてほかの地域で起こっている災害等の悲惨な状況に対して支援をするということが、もうこれは欠かせない外交の大きな柱であるというふうな認識を持って帰ってまいりましたが、その中核にあるのがJICAであると。
 そのためには、緒方理事長がUNHCRを終えてJICAの理事長に就任をされていろいろな改革に取り組んでいらっしゃるわけでございまして、これは万人が尊敬を申し上げる次第でございます。
 そんな中で、たまたまこの共同通信の新聞を拝見をいたしまして、緒方理事長の生き様、そして今後の在り方を非常によくまとめられた新聞だと拝読をさせていただきました。
 この中で、私はキーワードが二つあると思っております。それは、この記事の一番最後の数行に書いてございますけれども、これ最後から八行目ぐらいですが、国際協力は富める者から貧しい者へのチャリティー、施しではないと。相互依存の深化する国際社会の中で世界の人々が繁栄と安全を確保し、共に生き残っていくためのサバイバルツール、生存手段なのであるということが私は一番のポイントだろうと思っております。
 こうした国際協力に残念ながらまだ程遠いと。元々、新しいJICAの理事長として、現地化を図られたりとかいろいろな改革を実践をされてこられましたけれども、その緒方理事長御自身から見た今のJICAの改革の達成度と、それから統合したことの効果についてどの程度上がっているのか、その点を中心にお考えをお聞かせいただければ幸いです。
#10
○参考人(緒方貞子君) ただいまの藤田先生からの御質問、大変大きな御質問なものですから果たして数分でお答えできるかどうか分かりませんが、チャリティーでないと。チャリティーというのは非常に大事な心情だと思うんですが、私どものように国の予算をいただいて、そして公的な形で開発援助をしている者では、そのチャリティーの情だけで仕事をしているのではないと。やはり今開発援助というものがどれだけこの世界の中で、これは援助をする側にとっても、それからされるたくさんの国々、人々にとっても、これは相互依存を図っていくためのツールとして非常に大事だということを強調したいと思いまして、共同の新聞のインタビューのときにお答えしたものでございます。
 どうしてそういうふうなことになっているかというと、やはり国と国との間の関係ですべてが解決され、そして達成されていった時代よりも、広く国の中にある人々の在り方、その在り方によって危険であるとか貧困であるとかいうものがいろいろはっきり出てくるわけですから、そういうところまで配慮しながら仕事はしていかなきゃならないんだと。
 チャリティーというのは非常に美しい心情だと思いますし大事なことなんですが、一方が恵みを出して、そして他方が受け取るんじゃなくて、相互によりいい安定した生活、安全性、そして広い意味での、人間の安全保障というような概念も大分広まってきておりますが、人間同士が安定した社会をつくり、その上に立った、人々を大事にする政府と政府の間の関係等々を幅広く推進していくのがフィロソフィーとしては大事であるというふうに考えまして、JICAといたしましてもなるべく広く、これは外務省等々から出てきております国の方針というものをしんしゃくいたしまして、その中で、私ども実行をしていく機関としては、それとの話合い、そしてこの方向性というものを体しながら進めていくために非常に大事なツールであると。私どもは実施をしていくわけで、実施の上に立って方向性の効果も、それから意義というものもはっきり見えてくるだろうと、そういうふうに考えまして、JICAとしては、非常に政策というものを体した形での政策の具現化、そして実行というものを心掛けてきたわけでございます。
 そういうことを考えますと、どんなに友愛のいい気持ちであっても、気持ちだけで動くのではなくてラショナリティー、それから政策、そういうものに合った客観的な情勢判断、そういうものの上に乗った形で事業をして進めていくのが私どもの仕事だというふうに理解しております。
 効果のことなんでございますが、これは出したからといって効果がすぐ上がるという性格の仕事ではございませんで、効果が上がってくるのは、相手国、相手の国の人々、そういうものの上に行ってきた事業というものがどういうふうな形で受け止められ、実行に移されていくかということをよく考えてやっていかなきゃならないと。そういう意味で効果はすぐは、非常に効果を図っていくことは大事なんですが、効果というものはそう簡単に出てくるものではないと。そういうことも考えまして、現場での仕事、現場での職員の方向性への認識、実施の能力、そういうものを十分加味して仕事をしていかなければならないというふうに考えておりまして、そういう方向性は私は比較的正しく推進されているというふうに考えております。
 一つだけ例を出して申し上げますと、アフリカに対する援助というものは、これは決して日本が非常に長い間大きくやってきたというものではございません。これは、日本がアフリカにおける植民地を長い間支配していたということでないこともあって、日本が中心として取り上げられていたのはどちらかというとアジアの国々でございました。
 アフリカについては、むしろ、やはり貧困が非常に激しいから、医療であるとか教育であるとかいう形の、どちらかというと社会面での援助というものを中心に考えていたんですが、それでもアフリカに対する援助の推進ということを考えて、東京においてアフリカ開発会議というものを数度にわたってやっておられたんですが、私がこちらへ参りまして最初のTICADW、この四回目の東京アフリカ開発会議においては、はっきりと、そういう社会面での教育、医療等々に加えまして、そういう事業を自分たちがやっていく力を付けたいと、そういうことで経済開発というものを非常に強く打ち出しまして、そこから、これは世銀等々の協力もあったんですが、インフラ等を推進する、インフラ、農業等を推進して、そしてアフリカの人たちが自分の力で社会面においてもいろんな進歩、発展をしていけるような援助の方向を付けまして、そしてアフリカに対する援助の倍増というものを政府の方で打ち出してくださったわけです。そういう形で、一方では心は温かく持っていなきゃならないんですが、それを理性とそれから実行力というものを通して進めていくと。それはやはり世界平和のためにも、また日本の役割を示す上でも大事な仕事だというふうに理解しております。
#11
○藤田幸久君 丁寧にお答えいただきましてありがとうございます。
 他方で、今本当に、緒方理事長、先頭になってやっていただいたこの援助の在り方というのは、日本の在り方を世界に存在付けたろうと思っておりますけれども、他方、やはり以前からのJICAのいろんな体質等も引きずってこられざるを得なかった。そんな意味で、十分でなかった部分が昨年の事業仕分で指摘をされたり、今後の新しい事業仕分でも対象になるかもしれないというような報道もされておりますけれども、多分緒方さん自身が、実はこういった点本当にまだ引きずっているんだと、知らないところでこういうこともあったのかと、後でじくじたる思いをされたこともあるんではないかと思いますけれども。
 細かいことは別にしまして、事業仕分で指摘されたJICAの体質とか無駄とかいったことについてどういうふうに見直しをされていかれようと思っておられるか、それについて、細かいことは別にしまして、その姿勢とか問題点についてお答えいただきたいと思います。
#12
○参考人(緒方貞子君) 体質とかそういうものを直すのは一朝一夕にできるものではないということは十分承知しておりますが、システムとしてこういうことをより合理的にしたらどうか、それからまた経費についてはこういう経費の形の節減が必要じゃないかということについてははっきりしたポイントを出していただきましたので、そういうものについて早速それに対応する方法を今検討しております。経費の節減、いたすことができると思います。
 ただ、事業について、研修であるとかそれから研究であるとか、それからあるいはプログラムの作り方であるとか、それについて、先生おっしゃるように、昨日やっていたやり方を急に今日変えるというわけにはなかなかいきませんので、それについて十分内部で検討して改善の方法は考えております。
 それについて、研修につきましては、大体一年に九千名の研修をやっておるわけでございます。そして、研修をいたしまして、その結果、非常に開発途上国において、これは行政官もおりますし、それから環境から農業からいろんな専門家がいるわけですけれども、その方たちの持って帰った力というものがその国にとって役に立つということは確認し続けなきゃならないと思いますし、また、こちらでもっと検討していかなきゃならないのは、本当に一番大事なところの研修を与えているかということだと思います。
 それについて一つ、国内にございますセンター、これ十か所あるんですが、いずれも国内におけるいろんな県等からの皆さんから積極的な働きかけで設けさせていただいておりまして、それで、そこでは一つは研修生の宿泊というもののニーズにこたえるために宿泊施設を持っているわけです。当時は、造りましたころは必ずしも研修生を受け入れられるようなビジネスホテルが各地にあったわけではなくて、そういう宿泊のニーズ、それから食事もいろんな制限がございます。そういうものにこたえるために非常に大事だったんですが、現在はそれが全部そこまで大事かどうかは今吟味しなきゃならないと思っております。研修そのものについては大事なことだと考えております。
 それからもう一つは、研修生の存在を通して、国内において、いろんな地方においていろんな開発途上国の人との交流が行われるわけです。地方のセンターでは週末というのはほとんどそういうものに使われますので、週末なしで仕事をしている人が非常に多いんでございますが、そういう交流というものを通して私どもが期待しておりますのは、日本国内においてやはり開発援助が大事なんだと、開発途上国との共存共栄で大事だという認識を広めていく一種のパブリックリレーションズの場としてのセンターが存在しているわけです。
 今はセンターについてそれだけの数が必要かどうか、特に北海道に二か所あるわけで、帯広とございますが、それぞれの特性というものが本当に生かされる形で運営されているかについては、今いろいろな形で検討は進めております。
 それからもう一つ、研究所のことにつきましては、研究そのものの重要性は刷新会議の方々は疑問にしておられるんではないと思うんですが、JICAもかつて私が参りましたころは、こういう研究がありましたというのを日本語で方々にばらまいていただけだったんですが、研究そのものを通してJICAの仕事の評価、そして国際的な検討、開発援助の仕事というのは開発援助国と私どもだけじゃなくて、今、開発援助をめぐるいろいろな、アメリカ、ヨーロッパ、いろんな国々との相談もございますし、そういうようなところの研究の方向、それから今後の事業のやり方等についての広い意味での知的な、ある程度システマティックな研究の協力が必要になってきておりまして、そういうものが必要だということで、市ケ谷にございます研究所は二十五、六年前に既に造ったものでございまして、当時は研修が中心だったんですが、研修よりもむしろ研究の方に方向を変えまして、そして研究者というものを非常にたくさんの方を募集するのは難しいことなんですが、かなりの研究者を集めていろんな、かなりシステマティックな研究をし、それを全部英文でちゃんと国際的に発行できるような形のものにつくり変えている最中なんです。
 それからもう一つは資料のことなんですが、やはりJICAが世界中で長年やってきた事業の資料というもの、これは公文書でございます。アーカイブスの大量な書類が方々にあったのを全部まとめまして、かなり統合いたしました。JBICの資料と合わせた公文書の保存所というものも今造っております。そういうことがございますので、それがそこの市ケ谷の研究所になりましたものの、今後どうするかということについてはいろいろ刷新会議の方からの質問もいただいておりますので、その御質問に答えられるか、あるいはよりいい形の解決があるのか等は検討いたしております。
 今の御質問について、刷新会議からの御指摘のことについて、できることは幾らもやることはあると思いますし、それは真摯に受け止めてやっていきたいというふうに考えております。
#13
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 次に、いわゆる実施機関としてのJICAと政策提言機関としてのJICAということについて御質問する予定になっておりましたが、冒頭の御回答でその部分も触れておられますので、ちょっと具体的なアフガニスタンの支援の方に移らせていただきたいと思います。
 これは緒方理事長自身も大変熱心でございました元タリバン兵に対する職業訓練事業、これは、岡田外務大臣も福山副大臣もいらっしゃっておられて、アフガニスタンにも行ってこられましたが、去年の政権交代後の民主党の新政権のアフガニスタン政策に対する柱の一つだろうと思っておりますが。元NHKにおられて、現在、国連の職員になっておられます東大作さんの意見を生かした形で反映をされておられて、ずっと緒方さんも大変応援をされてこられたアフガニスタンにおける職業訓練校の存在というものがこうした政策立案に生かされた事例でございますけれども。
 したがって、私は、インド洋での給油活動は終わったわけですが、アフガニスタン本土で本当の和解と、それから、いわゆる生活をするためには仕方なしにタリバン兵士になってしまったと、一日百ドルとかいった給料をいただいて、それで入ってしまったタリバン兵を引き離すということと、それから、かつてのDDRの、いわゆる武器解除まではうまくいったけれども社会復帰の詰めの部分が薄かったので、それを日本の経験も生かして担っていこうと、日本の得意技における政策提言で是非成功してほしいと思っておりますが、他方、非常に治安が悪くなってきていると。
 それから、昨年以来の選挙の遅れとかいうことも含めて、中身の筋とすれば非常にいいけれども、他方で客観的に難しい状況にもなっているということ自身が、緒方さんも昨年ですか、アフガニスタンにも行かれたということでございますけれども、筋として私はいいし、成功してほしいけれども、他方難しいという面があって、その中でどういうふうにこの職業訓練事業をされていかれたいと思っておられるか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
#14
○参考人(緒方貞子君) 藤田先生、長くアフガニスタンの方に御関心持っていただいて御承知のことが多いと思いますが、私、実は先月アフガニスタンに出張してまいりまして、ちょうどカルザイ大統領の第二次の政権というものがかなりきちっとした形で、閣僚も就任されたというときに参りまして、そういう意味じゃ、危険はいろいろございますけれども、安全管理の面というものもJICAもかなり腐心してやっておりますが、いいときに行ってきたと思っております。新しい国連の特別代表も就任されたところでした。
 御質問のタリバンの問題なんですが、御承知のとおり、タリバンを一掃するということは不可能でございます。それは不可能でもあるし、軍事的な手段で抑えられる面と、軍事的な手段では抑えられない面というのがあるということも重々御承知のとおりだと思いますが。
 タリバンについては、非常にタリバンが中心になっていたマルジャというところは、最近は軍が行動されてかなりそこを抑えられたんですが、分散していると。その分散している各地においてどうやって、特にかなりの強力な形で抑えなきゃならない分子と、それからまた生活のためにある意味じゃ変身できる可能性のあるタリバンの人と、それからまた国境の反対側におります、周辺国にいる人たちというものをどういう形で、きちっとした形で、タリバン兵がもっと平和的な形で国の再建に当たるような方向へどうやって持っていくかということは大きな問題だということは、十分政府の方も御存じですし、私も十分それは認識しておりますんですが、職業訓練というもの、まず第一に、だれをどこに、どこの職業訓練所に連れていくかということからして、私どもが指示してすぐできることではないわけでございます。ただ、五年間に五十八億ドル、そしてタリバンとの問題の解決のための五千万ドルというものを基金にお出しになるということは大変広く評価されておりまして、日本は非常にいい方向を出してくださったということは皆さんおっしゃっていらっしゃいました。
 ただ、どういう形でそれを進めていくかについては、まだこれからいろんな形で、現場との関係、それから国連、あるいは各国との相談の下で決めていかれるんだろうと思うんですが、訓練所にだれが行くのか、どこに訓練所を置くのか、どういう人が来るかということからいろいろな形で調査しておりまして、まず第一に、職業の可能性が高いものは何なんだろうかと。
 一つ農業はもちろんあるわけですが、農村にいるタリバン兵が、非常に疲弊した農村で自分だけが職業訓練を受けて農民になるということも非常に難しいことでございまして、いずれにしても仕事をたくさんつくるのは大事だということは分かっておりまして、今、私どもの方で進めておりますのは、一つが農村開発、もう一つはカブール首都圏の大開発なんです。
 このカブール首都圏は、現在のカブール首都も道路がもう非常にめちゃくちゃに混雑と、壊れておりまして、カブール首都圏の中の道路、住宅等々についてもいろいろやらなきゃならないことがございますが、首都圏のすぐ北にございます地域がこれから大きく開発して、カブール首都圏として現在のカブールとそれに付随した地域を、農業とも、それから人々の住居として発展させたいという希望がアフガニスタン側からございまして、その開発調査はJICAがいたしたところでございまして、その調査に基づいてその事業を広げるということについてアフガン政府の方からも要請が出てきておりまして、そういう大きな地域開発、たくさんの事業が、道路から住居から物を造っていく、そういう事業が起こるとそこに非常にたくさんの就業者が必要になってくるので、それは一つの大きなタリバン対策につながっていくだろうというようなお話もございました。
 それからもう一つ、ただ、あちらの大臣、今内務大臣をされましたけど、きっと先生も御存じ、アトマルさんという、最初は農業大臣、その後、教育大臣で日本のこともよく御存じの方が、治安のこと全体を御覧になるに当たって、タリバンの人たちに仕事を与えるのは大事だけれども、彼らだけに与えるわけにはいかないから、どうしても地域開発の範疇でそういう人たちに対する職業訓練とそれから就職というものは見ていかなきゃならないだろうというようなお話もありましたので、これは非常に大事な仕事ですが、その仕事を実施するに当たっていくプロセスについてはまだまだ工夫もそれから協力も必要なことだというふうに理解しております。
#15
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 このJICAの関係でもう一つ、アフガニスタンですが、アフガニスタンは多分、日本の援助機関の方々が外国で活動している中で一番危険な国だろうと思います。六、七十名、今JICAの関係の方いらっしゃっているんでしょうか、大分前から要するに外国の警備会社の支援を得ながら活動しているわけですが。今までは多分JICAの皆さんはそれぞれ家を借りて分散して住んでおられたと、だけれども、なかなかそれも難しいので今度は統合された建物にまとまって住むような形で活動するというふうに伺っておりますが。外務省の皆さんも、大使館も含めて、アフガニスタンとかイラクはそういう専門の外国の警備会社の支援を得ているわけですが、多分、いわゆる援助機関で、ある意味では元々半官半民の名残もあるということもあるかもしれませんけれども、日本の普通のNGOは残れないと、アフガニスタンで。だけれども、JICAの皆さんだけは特別の手当て、安全対策をしてここまで頑張ってこられた。非常に危険な状況で、帰ってこられて活動しておられる状況も知っております。
 その中で、いよいよJICAの皆さんにしても分散して住むところでは難しいので統合された形で、外務省は多分今そういう形で住んでいらっしゃるわけですけれども、そういう形でのJICAの職員の方の治安対策をされておられると。その現状と、それで十分なのかということについてお答えを、短くて結構ですからいただきたいと思います。
#16
○参考人(緒方貞子君) アフガニスタンにおりますJICAの職員の安全状況についていろいろ御関心を持っていただいてありがとうございます。
 JICAの職員、それから専門家等々がかなりの人数がおりますんですが、大体七十人規模の事業ということを考えておりますが、現在はやっと五十人ぐらいに戻ったと思います。選挙の過程では非常に治安が悪かったものですからなるべく人々を帰しまして、一番、選挙の最中には三十人ぐらいまでに減らしましたが。
 安全について、これはいろいろ交渉をさせていただきました。外務省ともいろいろ御相談させていただきまして、やはり安全のために二つあるんですね。一つは安全のためのいろんな訓練をしていくこと。これはUNHCRが安全のための訓練を日本でしておりますが、そちらへ出て安全のためのいろんな、安全というのは体でやらなきゃいけないことなので、その辺の訓練を受けているということ。それから、休暇をきちっと与えること。休暇なしというのは非常に安全にとっては、危ない状況に人を送るものですから、そういう休暇を与えること。そして、警備会社と申しますか、非常に警備の方の専門家という人のアドバイスは得ております。それからもう一つは、防弾車を大量、二十五、六台買ったり借りたりしておりまして、その点はかなり経費は高いんですが、そういうことで仕事はしております。
 ただ、全部の人を一緒の家に入れるというような計画は私は先月に来たときは聞いておりません。ただ、安全なところでセリナホテルというのができたんですが、それはかなり警備もいいものですから、そちらに何人かの人は入れております。
 そういう形で、比較的安全なところを見ながら宿泊しておりますし、毎晩必ず点検を八時に全員やるという、それはかなりJICAはやはり大きい組織でございますからできることで、NGOの方々皆さんにそれをお願いするということは無理だと思うんです。
 ただ、NGOがいらっしゃらないというのは私にとっては非常に残念なことだと考えております。ただ、安全管理の問題については、やはりNGOの方に私どもがやっているほどのことをお願いしてというのは無理だろうとは思うんですが、中村先生のところはお訪ねしました、私、ジャララバードに行きまして。ペシャワール会の中村先生のところは全くそういう形の警備機関とかそういうのは置いていられなくて、あくまでも立派な事業を通して二十三年なさっていただいたんです。そして、非常に日本の水利事業の教えられるところまでは教えたとおっしゃっていらっしゃいましたが、比較的安全なところではあるにしても、非常な信念でやっていただいたことを非常に感謝しております。
 だから、全く危なくないところばかりで仕事することはこの世の中ではできないと思いますが、それ相応の今の警備関係のこと、それから職員の安全に対する訓練をしておくこと、休暇を取ること等々を通しながら必要な事業に対応することは続けていきたいと考えております。七十人体制に今戻しつつあるところでございます。
#17
○藤田幸久君 さらに危険な中で是非頑張っていただきたいと思います。
 ここで、緊急人道支援の在り方について外務大臣それから緒方理事長を中心にお伺いしたいと思いますが、質問通告をした後で外務大臣の方でこの人道支援の在り方についての提言を金曜日の夜されましたので、質問する部分とその確認をする部分と混同いたしますが、お許しをいただきたいと思います。
 それで、まずレスキュー隊について。一月に首藤信彦議員と私とでハイチに行ってまいりまして、いろいろ緊急援助のことについて勉強させていただきました。そうした私どもいろいろ提言をさせていただきましたが、それも盛り込んでいただいたようなまとめをしていただきまして有り難く思っておりますけれども。それで、幾つかその中で確認をさせていただきたいと思いますが。
 結局、主にこうしたレスキューチームのことが話題になったのが二〇〇四年のスマトラの津波、地震以降だろうと思いますけれども、緊急援助隊というのは御承知のように三つありまして、最初に飛んでいくのが消防士の方々等を中心としたレスキュー隊ですね。七十二時間以内に生きている方をどうやって生存させるか。日本のチームは大変いい機材等も持っていらっしゃる。その次がいわゆる緊急援助隊の医療チームで、ハイチはこの医療チームから入って、三つ目が自衛隊の医療チーム、この三つを総称して緊急援助隊。その最初の部分のレスキュー隊が参加をされたわけですが、今までは、レスキュー隊そのものの機材、技能はいいけれども、送るスピードその他の面でなかなか情報が得られなかったりして遅れてしまったと。したがって、このスマトラ津波、地震以降今までレスキュー隊が残念ながら十分早めに行って生きている方の救済ができてなかったというふうに理解をしておりますけれども、その確認を副大臣の方からお願いしたいと思います。
#18
○副大臣(福山哲郎君) 藤田委員にお答えをさせていただきます。
 二〇〇四年以降の緊急援助隊レスキューチームの派遣及び生存者数の実績についてでございますが、二〇〇四年、まずタイのインド洋津波でございますが、派遣をさせていただいておりまして、要救助者数が十一名でございます。そのうち邦人二名を含みました。それから、二〇〇五年、パキスタン地震でございますが、これ、要救助者数が三名でございます。それから、二〇〇八年、中国四川の大地震でございますが、要救助者数が十六名でございます。そして、二〇〇九年、インドネシア・パダン沖地震でございますが、要救助者数がゼロでございました。これだけの数の要救助者をレスキューチームの働きで搬出をいたしましたが、残念ながらその中に生存者はありませんでした。
#19
○藤田幸久君 私もレスキュー隊員の皆さんと一緒に行動を共にしまして、本当に職業意識の高い方で、八時間以内には成田に集結をし、成田のコンテナの中には備品等々がそろっていて、いつでも行きたいという方々でございます。それぞれ消防署にいたり海上保安庁にいたりする方でございますから、そういう方なんですが、したがって、そういう方々を送る体制をやっぱり改善をするということが非常に重要だというふうにこの間ハイチに行って感じたわけでございます。
 その中で、岡田大臣を中心に今度は整備をしていただいたということですけれども、一つは、権限がどこにあるのか、実効的な権限ですね。私は二月にワシントンに行ってUSAIDというところへ行きましたけれども、緊急援助隊の部長というか局長クラスの人が例えば飛行機をすぐオーダーできるんですね、チャーター便を。それから、現場で使えるお金をその人がぱっと決断できる。他方、ドイツの場合には、かつては局長クラスの人が権限を持っていたと。ところが、いわゆる自然災害だけじゃなくてテロなんかも出てきたことによって、だんだん局長クラスから副大臣に上げて、今大臣に上がっていると。
 ですから、いろんなことを想定することによって決め方は違うと思うんですが、要は一義的にだれであって、例えば大臣が飛行機で飛んでいたならば副大臣であってと、それをきっちり決めておくというところが重要だろうと思いますが、その辺を何か今度は決められたということでございますので、その権限を基本的にはだれが持つかということと、それからハイチの場合には、今までで初めてのケースで、大使館、実際には代理大使の公邸とそれから大使館の両方がやられたということと、JICAの事務所がなかったので日本の政府関係機関としての情報がなかったと。したがって、その場合の情報を何を頼りにして意思決定をするか。
 それから、あとは、たまたまUSAIDの場合もドイツの場合も聞いたんですけれども、一種のやっぱりオペレーションルームがあると。オペレーションルームの重要性というのは、外務省なら外務省だけではなくて、アメリカでいえばFEMAであるとか国連であるとか、ドイツの場合には国防省も含めて、多角的な関係者が集まることによってオペレーションルームとしての機能を果たせるということのようでございますけれども、その辺について今度新しい危機管理体制の在り方ということでおまとめになったようでございますので、その内容についてお答えいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(岡田克也君) 副大臣と手分けしてお答えをさせていただきますが、まず緊急支援隊、これは法律に基づくものでありますので権限は外務大臣であります。そのことは見直しにおいてももちろん変化はございません。
 いろんな国の事例があるかとは思いますけれども、結局、権限というのは責任に裏打ちされているわけであります。したがって、緊急支援隊を出すか出さないかというときに、例えば国会の附帯決議で安全に配慮するということが書かれております。送られた皆さんの安全というものは最大限の配慮をしなければいけないことは当然であります。
 そういったことも含めて総合的に判断をし、かつ責任を負うというのは、これは外務大臣であります。
#21
○副大臣(福山哲郎君) オペレーションルームの御質問がありました。
 オペレーションルームの中身というのは非常に重要でございます。二十四時間常駐での対応が必要な状況では、我々としてはオペレーションルームに緊急対策本部を設置することにしておりますし、各省庁とは二十四時間体制で緊密に連絡を取り合う体制となっています。そして、藤田委員の御指摘にありましたように、いろんな省庁も含めてそのオペレーションルームでオペレーションすればいいのではないかということでございますが、これも必要に応じまして外務省以外の関係者の参加も当然ですが得ることになっておりまして、これまでの例では海上保安庁、さらには警察庁等々の参加を得て対応をさせていただいているところでございます。
 それから、先ほど大臣からお話がありましたが、基本的には大臣が最終決定をしていただくことになっておりますが、大臣が海外出張中であれば、緊急援助隊の派遣決定、閣議での対応等、国務大臣としての職務については外務大臣の臨時代理に指定された国務大臣が実施をすることになっております。ハイチの時には官房長官でございました。そして、それ以前の段階で、外務省においては、主張先の外務大臣の指示をいただきながら外務副大臣等で対応を協議することにしているところでございます。
 それから、在外公館が何か不測の事態が起こった場合ということですが、これは実は地震だけではありません。藤田先生御案内のとおり、危機管理の対象となる事案というのは、地域紛争、それから内乱、クーデター、さらには重大事故、テロ、感染症、そして地震などの大規模災害と極めて広範にわたるわけでございますので、我々としては、在外公館に対して、情報収集に努めること、それから館員の意識を高めるように指導していることと、それから訓練、緊急連絡網の作成、対策本部の設置の体制整備をすぐに図れるような準備を常にしておくこと等を指導しているところでございます。
 例えばですが、すべての在外公館に非常時用としてインマルサットを原則三台配備しています。それから、館員一人当たりの十日分の緊急備蓄食料品を配備をしております。それから、任国法令上義務化されている場合等特段の必要を認める場合には、退避施設、いわゆるシェルター等ですが、を設置している例もありまして、そのときの危機管理の状況に応じて対応できるように現在は指導しているところでございます。
 以上でございます。
#22
○藤田幸久君 今回のハイチの、いろんな今までにない経験になったと思うんですけれども、一つは、基本的に被害国政府による要請というものが前提にあったと思うんですが、今回の場合には大統領府がつぶれて、各省庁もつぶれて、したがって、貧しい国でありますけれども、政府からの要請というものがなかなか伝わりにくかったと。多分、今回いろんな国が、援助隊が到達しているんですけれども、要請を待たずに出ていった国が非常に多かったと。
 そうすると、要請がない場合、あるいは在外公館からの情報がない場合でも飛ばす必要があるんだろうと思いますけれども、各国の援助体制見ていますと、そこはやはり政治判断をして現地に向かっていたと、そうでなければ間に合わないと。したがって、要請に代わるような方法によって送る送り方、それから、国連機関等を通した様々な多角的な情報収集によって、例えば、衛星で見ればハイチの首都がどういうダメージを受けているかということはアメリカの地質研究所等でもうほぼ同時に把握ができると。その辺の情報収集も得た上でのレスキュー隊を送るなりの判断が必要ではないかと。
 それから、確かに、附帯決議見たんですけれども、いわゆるPKOを送る場合の治安状況といった治安というよりも、やっぱり行くからには皆さん方の安全をという意味でございまして、ただ、先ほど緒方理事長がおっしゃったように、援助の場面において、現場において危険でないところはないという一般的な性向もある中で、そうしますと、こういう大規模な自然災害の場合には、岡田さんもコソボへ一緒に行きましたけれども、やっぱりある程度の危険というものは前提の上で送るという前提が例えばレスキュー隊を送る場合にはあるんだろうと。
 日本で例えば地震が起きたときに、中越地震のときに行った日本の消防庁の方々も、やっぱりそういう意味での安全ということは同じだろうと思うけれども、どこかで判断をして送ると。その辺が私も、この四ページ目に書いております紙で、全部精査しておりませんけれども、その辺はある程度意思を働かせた送り方を御検討のように見受けられますが、要請主義ということと情報収集ということと治安というものをどういうふうに考えられるかということについて、大臣の方からお答えいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(岡田克也君) まず最初の要請主義ということでありますが、我が国の国際緊急援助隊の派遣に関する法律は、第一条で、政府又は国際機関の要請に応じ、国際緊急援助隊を派遣するというふうに規定をしております。したがって、我が国の法律上は相手方政府又は国際機関の要請がない状態で派遣することはできません。そこについて見直すということは一つの考えだと思います。
 しかし、原則は相手方政府、その政府の要請がない状態でいろんな国の支援隊やあるいは軍も含めて入っていくということは普通考えられないことであります。それは、相手国がそのことをいかに緊急事態だからといって無条件に受け入れるとは考えられないわけであります。神戸の地震のときを思い出しても、これは軍ではもちろんありませんでしたが、かなり入るということに対して、何といいますか、消極的な考え方がありました。そういった、神戸のときが良かったとは私は思いませんが、主権国に他国の軍隊が入る、あるいは人が入るということについて、やはりその主権国の考え方というものは最大限尊重されなければいけない、これは原則であるというふうに思います。ハイチの後のチリの場合に我々も人を送ろうとしたんですが、チリ政府は頑として医療支援隊も含めてそれは困るということで受け入れなかったわけであります。やっぱりそれぞれの、主権国には主権国の考え方があるということも考えておかなければいけない問題だというふうに思います。そういう中で、ほかの国々で、国際機関の要請もあるいは政府の要請もない中で、今回のハイチの場合、入った例があるのかどうかということはよく検証してみる必要があるというふうに考えております。
 それから、あとは副大臣に答弁をさせたいと思いますが、ハイチの場合の治安の問題ですが、これはやはりハイチの特殊な事情ということも考えておかなければなりません。つまり、PKO部隊が治安のために既に展開している、そういうハイチにおいて地震があり、そのPKO部隊にもかなり犠牲が出た。そこに人を送るということについて、その安全ということをどう考えるかという問題であります。普通の災害が起きた状態とは異なる事態であります。
 そういうことも考えて、レスキューチームを即座に送るということについてはこれを控えるという判断をしたわけでありますが、例えば医療緊急支援隊がハイチに入ったときも、帰ってこられたときにそこの責任者の皆さんの御意見もお伺いしましたが、例えば医療部隊が入るにしても、その敷地をあのときはたしかスリランカのPKO部隊が二十四時間守ったと、そういうものがやっぱり確保できない状態で行くということは非常に危険な状態ではなかったのかと、そういう議論もあるわけであります。
 ですから、それは総合判断、最後は外務大臣の判断ということになりますが、ハイチの場合にはかなり通常の状態とは違う状態での災害であったと、そういうふうに私は判断をしております。
#24
○藤田幸久君 軍が入るということはちょっと別で、レスキュー隊の入る場合の前提としての主なメーンの質問でございましたが、ちょっと時間が押しておりますんで、この関係でもう少し行きたいと思いますけれども。
 ハイチでもう一つ出くわした現場で、日本の医療チーム、これは緊急援助隊の医療チームですが、麻酔薬を持っていけなかったと。これは、厚労省の方でこの特定の麻酔薬を、数年前ですか、麻薬扱いしてしまったので、輸出という形などで持っていけなかったと。結果的に、その隣におりました国境なき医師団から借りて、麻酔を使って緊急援助隊医療チームが活動していたと。
 これ厚生労働省来ていただいていると思いますけれども、こういう場合に、まず麻薬扱いを法律を変えることが例えば特定目的の場合に可能なのかどうか。あるいは、こういう特定しております麻酔薬については、人道援助目的のこういう場合には持ち出すことが可能であるというような形で、あるいは、そうしたものについては緊急援助隊の場合には成田とかにありますことと、シンガポールとかマイアミとか拠点があるんですけどね、例えばそういうところに置いておく、備蓄をしてというような形とか、何かその方法でもって麻酔薬を持っていけるような方法がないかどうか、その点について厚生労働省からお答えいただきたいと思います。
#25
○副大臣(細川律夫君) 麻酔薬につきましては法律によって規制をされておりまして、麻薬及び向精神薬取締法と、こういう法律で規制をされております。海外に持ち出す場合におきましては、麻薬に関する国際条約がございまして、その条約で求められている手続にのっとって持ち出しの許可手続を行ってもらうということになっております。
 それで、この許可手続につきましては、許可の申請がございましたらすぐに許可ができるような今は体制になっております。いつその申請が出されましても、これが休日であろうとも、そういう省としては体制を取っておりまして、それは御心配なく、すぐに間に合うような許可ができるということになっております。
 せんだってのあのチリの地震のときにも、津波のときにもそういうような体制を取っておりましたけれども、要請がなかったというようなことでございまして、その点については大丈夫でございます。
#26
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 これは大変な進展でございまして、ほかの緊急医療チームあるいは自衛隊の医療チームも含めた医療の中身のグレードアップということが今回一つのテーマになっておりましたので、関係省庁を中心に是非、またいろいろなほかのことも想定して、更に点検をしていただければ有り難いと思っております。
 それからもう一つは、私もいろいろスマトラほか行って、パキスタンとか行って感じたんですが、いいチームはあるけれども送る手段がまだ十分整備されてないということで、チャーター便の研究とかも緊急援助隊事務局の方にお願いをしてきまして大分整備されてきたと。今度もチリはチャーター便で途中まで行こうとしたけれども帰ってきたということですけれども、これを更に進めていただきたい。
 今日は北澤防衛大臣もいらっしゃっていますけれども、自衛隊の場合にはU4というかガルフストリームを持っていて、それから海上保安庁も別のガルフストリームも持っていらっしゃって、それから政府専用機等があるわけですが、一般の民間のチャーター便のほかに政府の各省庁で持っている飛行機の有効活用というものももっと必要ではないかということで、是非更に詰めていただきたいと思いますが。
 その関係で、この間、岡田外務大臣がニューヨークの会議に行かれたときに、午前中、日本に戻ってくる、国会関係のために、パリまで七時間飛んで乗り換えて十数時間で、二十時間掛けてニューヨークから成田に戻ってきたという話を聞きまして、私は前からこれ何とかすべきだろうと思っておりまして、調べたところ、まず、これ、済みません、ページ数打っておりませんが、資料の数ページ目に、防衛省のU4というガルフストリームで今まで政府の関係者が飛んだ実績を調べてみましたら、去年ですか、浜田大臣がシンガポールまで行っているんですね。ちょっと航続距離等を調べたんですが、ですからシンガポールまでは行けるんですね。
 それから、今日、海上保安庁長官お越しいただいていると思いますが、同じガルフストリームでも海上保安庁が持っているガルフストリームがございまして、これ、この間調べてみましたら、アメリカだったらサンフランシスコ、それからオーストラリアだったらメルボルン、それからロンドンまでは一応行けるだろうということなんですが。
 これ、レスキューチームだと機材という話になるんですが、大臣ほかが数名で行く場合には十九名とか二十二名まで乗れますから、前聞いたところでは、防衛省の飛行機を使うには要請がなければいけないという話ですけれども、これは是非工夫をしていただいて、いわゆる海上保安庁であれば、政府の要請があれば提供する体制にはあるということですので、海上保安庁のガルフストリームであれば、少なくともサンフランシスコ、メルボルン、ロンドンまで行けるということであれば、一回途中でストップオーバーするにしても、かなり使い勝手があるのではないかと思いますけれども、まずその飛行機の存在と用途について海上保安庁の方からお願いします。
#27
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 海上保安庁では、先生御指摘のように、ジェット機を四機持っております。ガルフストリームXというのを羽田に二機置いております。これは平成十七年に導入したものでありまして、それ以前に平成元年に導入したファルコン900というのを沖縄の基地に置いておりますが、これも二機ございます。その中でより遠くまで行けて大きいのがガルフXの方でありますが、これは座席数二十二席、乗員込みでありますけれども、乗組員込みで二十二席でございまして、航続距離も通常の状態であればアメリカの西海岸とかオーストラリア等には十分行ける航空機でございます。
 ただ、これを持っておりますのは、御承知のように、広大な我が国周辺海域における海難救助のときの捜索活動でありますとか、あるいは遠隔離島など我が国の海洋権益を確保するためのパトロール等に用いておるわけでございまして、その業務との兼ね合いにおいてこの使用を考える必要があると考えております。
#28
○藤田幸久君 したがいまして、業務との兼ね合いは当然自衛隊の航空機も同じでございますけれども、私はやっぱり大臣が必要な国際会議に国会日程の間を縫って行くということは非常に重要な話だろうと思いますので、岡田大臣だからそういうことができるかもしれませんけれども、いろんな大臣もおりますので、やはり是非政府全体で、防衛省も海上保安庁も含めて、とにかくそういった持っているものを生かした使用の可能性を生かして、閣僚あるいは政府の方々が必要なときには使うという体制を是非関係大臣にお願いをしておきたいと思います。
#29
○国務大臣(岡田克也君) 藤田委員に大変御配慮いただき、感謝を申し上げたいと思います。
 小さな飛行機でサンフランシスコまで行くのが、果たして健康にどっちがいいかというのは議論は分かれるところだとは思いますが、ただ、私も真剣にこれはいかぬなと思ったのは、実はさっきのハイチの地震のときなんですね。
 地震が起きた一時間後、まだ地震があったという情報しかない段階で、私はハワイから成田に向けて飛行機に乗りました。そして、成田に着くまでの間、全く音信不通であります。もちろん、そのときには平野官房長官が外務大臣代理ということでありましたので平野さんに対応していただくことが可能だったわけですが、やっぱり通信手段がないというのは、長時間ですね、先ほどの緊急事態など考えますと、やはり問題があるんじゃないかというふうにも思っております。
 そういったところをもう少し何とかできないのか。同じときにハワイにおりましたクリントン長官は、専用機でそのままハイチに飛びました。そういった持っているものの違いというのが実際の行動でかなり違ってくるという一つの例ではないかというふうに思っております。
 実は、私もそのチャーター機ということを今まで活用したことがないわけではなくて、一つはドバイからアフガニスタン、パキスタンと飛ぶと。これは普通の商業便ですと、ドバイからアフガニスタンへ行って、ドバイにまた帰って、またドバイからパキスタンに飛ばなきゃいけないと。それを節約するためにチャーター機を使いました。自民党からは、一体幾ら掛かったんだという、そういう問い合わせをすぐいただきましたが、それはお答えさせていただきました。
 それから、この前、カナダのG8外相会議に出る際に、ニューヨークからカナダまでこれもチャーター便を使いました。
 チャーター便は、高いようでかなりコストは抑えられたものであります。政府専用機になりますと、逆にお金が掛かるということもございます。例えば、今の政府専用機を飛ばそうと思いますと、アメリカや欧州を往復する場合に、ジャンボ機ですね、これの往復で六千万円、一回に掛かります。それはお金だけではなくて、それを地元、現地において対応するために、多分防衛省の人間が数百人、毎回その着陸先の飛行場に待機をして、そして対応するということも行われているはずであります。そういうことを考えますと、かなりコストも掛かると。
 それよりは、専用機よりはチャーター便の方がむしろ機動的に使えていいのではないかと、そういうふうにも思っておりますが、ただ、最初に申し上げましたように、選択肢が増えるということは非常にいいことですので、政府が持っている小型のジェットも状況によっては非常に使い勝手のいいものではないかと、もう少しそういったものが使いやすくなることは非常に有り難いことだと思っております。
#30
○藤田幸久君 是非それは、いろんな危機管理とそれから政策実行という根幹の問題でございますので、是非省庁を超えて御検討をいただきたいというふうに思います。
 それで、少し時間が過ぎてまいりましたので、PKOのことについて少し防衛大臣中心にお伺いをしたいと思いますが、ハイチで三百五十人送っていただいたというのは大変な私ヒットだったと思っておりますし、とりわけ、ハイチから三十数名、四十数名のアメリカ人をマイアミに救出をされたと。これは、二月の初めにたまたまお会いをしたアーミテージ元国務次官補が、よくやってくれたと、自分もある会議で非常に日本の最近のヒットだと紹介しておったという話もございました。
 それで、その後私はたまたまネパールに参りましてネパールのPKOの皆さんとお会いをしました。そこで聞いた話なんですが、結局、いろんな国のPKOの方なんかがいらっしゃっても、国によってはこのPKOに来ることがいい稼ぎになるんですね。要するに、経済レベルからいって国連のPKOに参加することが非常に収入もいいと。そんな中で、日本の自衛隊の方ほど精勤をしていない、昼間も余り働いてない方もいたりとかいう中で、日本のPKOの自衛隊の皆さんは非常に重宝がられてといいますか、引っ張りだこであると。ただ、PKOというのはあくまでも要請に対してギャップを埋める形でしか出せませんので、なかなかマッチングする場所がない中で、この復興支援ということでハイチはヒットしたということだろうと思いますが。
 そうしますと、今後も、スーダンとか東ティモールへの派遣の可能性とかも数日前に報道されておりましたけれども、やはり私は、国連でPKOの担当者と話しておりましても、司令部にしっかり入って、やっぱりいい場所取りをして、せっかく技能それから倫理も高い自衛官の皆さんが行っているわけですから、いい場所で活躍をしていただくには、その中枢部分、コーディネーションの部分にしっかり早目に入っていって、それを蓄積していくことが、やがてのPKOの派遣に関してもいい位置で、いい形で送れるということになると思うんですが、その部分について、自衛隊、防衛省の方でどういうふうにお考えかについて、まず大臣か副大臣にお伺いしたいと思います。
#31
○大臣政務官(長島昭久君) 藤田先生、大変いい観点で御質問いただいたと思います。
 私も先日、ハイチ、岡田外務大臣と一緒に行ってまいりましたけれども、今、ハイチのミニスターの司令部には二人、これは三等陸佐と一等陸尉でございますけれども送り込んでおります。
 一人は、兵たんの幕僚ということで、軍事司令部の兵たん部門に二月二十五日から送り込んでおります。兵たん全般に対する企画立案、調整を行っております。加えて、施設幕僚として、これはミッション支援部というところに、これも二月二十五日に現地入りして送り込んでおります。ミニスターの軍事及び文民部門双方の施設活動に関する企画調整を行っております。両名とも地震の被害を受けたミニスターの司令部におきまして大変精力的に活動をして、各国からも信頼を得て多くの人脈を形成することができております。
 また、軍事部門の司令官がブラジル軍の将官ということもありまして、司令部内の意思決定過程あるいは業務の流れ、大変円滑に把握をし、それぞれ協力し合いながら調整をすることができております。
 特に兵たん幕僚につきましては、司令部の中にあって必要な宿営地の整備、給水、給油、糧食などの補給部門、あるいは施設幕僚については各国への作業をどう分担させるかと、こういう部門で活躍をしております。
 これらの経験あるいは知見に基づきまして、これからも私ども防衛省としては、中長期的な展望の下で国連PKOにおける各国の活動内容、能力等についての情報を得つつ、これからの自衛隊の国際平和協力活動に生かしてまいりたい、このように思っております。
#32
○藤田幸久君 緒方理事長に今日御出席いただいておりましたが、ほかの御質問をする予定でございましたが、前の御質問に対してかなりお答えをいただきましたので、今後、緒方理事長に対する質問は予定しておりませんので、よろしければどうぞお帰りいただいて結構でございます。委員長。
#33
○委員長(神本美恵子君) 緒方理事長、御退席いただいて結構でございます。
#34
○参考人(緒方貞子君) どうもありがとうございました。
#35
○藤田幸久君 ありがとうございました。
 それで、続いて、少し捕虜問題について移らさせていただきたいと思います。
 資料、済みません、ページ数打っておりませんが、途中から捕虜の皆さんの写真入りの紙が二枚ほどございます。これは、バターンの死の行進に参加をされたレスター・テニーさんというバターンからお帰りになった捕虜の会の会長さんの本の中に出ている写真で、当時の模様でございます。
 それで、こういうのをお持ちしましたのは、当時こういうことであったということと、それから次のページ、このテニーさんのやっぱり本の中からの写真、数枚ございますが、このテニーさんという方はこういうことで死の行進でつらい思いをされた後、日本の鉱山で働いたわけですが、大変な苦労をされたけれども、八〇年代に日本の学生をカリフォルニアの御自宅にホームステイを受け入れたということで、日本に再びやってきて、そのホームステイをした方の結婚式に出られると。その関係から日本との交流をされて、最近日本にいらっしゃったときも大学なんかで講演をされて、自分はこういう経験をしたけれども、日本とアメリカの間の懸け橋をしたいんだという大変いいメッセージを発しながらいらっしゃっている方でございます。これが二枚目でございます。
 それで、それに対して、三枚目に日経新聞の記事を入れておきましたが、アメリカの藤崎大使が、昨年、フィリピンのバターンの捕虜の方々の組織が解散をすることになった、皆さん御高齢でございますので、その最後の解散式に藤崎大使が御出席をされ、かつ捕虜の問題に対する日本政府の方針を手紙で書かれたりしまして、それが結果的には政府として捕虜の問題という特定をした形での謝罪ということになって、これがきっかけになって、今年初めてアメリカの元捕虜の方々を日本政府として招聘するプログラムに至っているというふうに理解をしております。
 それから、その次の写真が、これは元の麻生鉱業の捕虜としていらっしゃった方々の写真で、これは元オーストラリアの捕虜であった方の息子さんが所蔵していらっしゃる写真でございます。当時、九州でこういう形でオーストラリア、イギリス、オランダの捕虜の方々がいらっしゃった、三百名ほどでございますが。
 その次のページに行きまして、去年の毎日新聞でございますが、その生きてらっしゃる、前、麻生鉱業にいらっしゃった捕虜の方が去年この現地を訪れられて、捕虜の方々と交流をしておりました当時小学生であった日本の方々がたくさんいらっしゃいまして、当時その日本の方々は子供だったわけですが、外国の捕虜の人たちがチョコレートとかガムを持ってきてくれて、村の人たちは鶏とかシャツやズボンを差し上げたと、大変いい交流ができたと言っておられたということでございます。オーストラリアに関しても、四年ぶりですか、日本政府がこういう捕虜の方々を日本に招かれるということを今度予算にも計上しているということでございます。
 質問といたしましては、初めてアメリカの捕虜の方を今回招聘することになった経緯と、中断をされておられたオーストラリアの捕虜の方々をまた復活をされて今年呼ぶことになった、まず理由についてお答えをいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(岡田克也君) 今委員の方から様々御指摘いただきましたが、やはり日豪、日米ということを考えたときに、戦争によって捕虜としてとらわれ、また非常に苦しい状況にあった、そういう方々を日本にお呼びしてということは一つの和解のプロセスだろうというふうに思っております。藤崎大使もこの問題、非常に熱心に取り組んでおりまして、私も非常にいいことだと、大事なことだというふうに思っております。そういうことも踏まえて、今回予算措置も講じさせていただいたということでございます。
#37
○藤田幸久君 先ほどの、二月のワシントン訪問のときもそうでしたけれども、今、後で御質問しますが、普天間問題等々とかで若干マスコミも含めて不協和音が出ている中で、ハイチにおけるPKO、自衛隊の活動と、それからこの捕虜問題に関して日本政府が今年新しい動きをしたということがアメリカの方々も随分多としておられたということでございますので、今度、聞いておりますと、アメリカからは七組ですか、つまり一人の元捕虜の方、御高齢ですから付添いの方、七名プラス七名、オーストラリアの方々が五名プラス五名というようなことですけれども、これはやはりアメリカの場合には、いろんな経緯があって今まで全然なかったわけです。ほかのオーストラリア、イギリス、オランダは何年か続いてきたわけで、アメリカは初めてでございまして、他方、年齢は限られておりますので、是非、今までのペース以上にアメリカの方は少し増やしていただくことが、結果的に日米関係にとってもこれは心の琴線に触れることでございますし、大臣も御承知のとおり、今でもアメリカに行って、捕虜の方がアメリカ議会に行くとみんな議員の方出てきてお迎えをされる、つまり、捕虜の方の存在というのは高いんですね。つまり、国のために戦った方という扱いですから。
 そういうアメリカ社会において高い扱いを受けている人を日本が当然のことながら遇するということは、非常にその意味でも意味があると思いますので、七名ということではなくて、さらに今度はもう少し、アメリカの場合は遅れてきたわけですから、是非増やして充実したプログラムにしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#38
○国務大臣(岡田克也君) 私も、心情的には委員のおっしゃることに非常に共通するものを感じるわけですが、今委員御指摘のように、今年は最大十四名ということであります。予算額が千八百五十三万円という予算が計上されております。これは予算措置がされておりますので、初年度としてはこういう形でお招きをさせていただき、いろんな経験も積まなければなりません。今年一年これでやらせていただいた上で、二年度目からはより本格的にというふうに考えているところでございます。
#39
○藤田幸久君 ありがとうございます。是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 それから、普天間問題に移る前に、これは質問通告しておりませんが、やっぱり昨日から今日にかけてのトップニュースの一つが、タイにおける状況で日本のカメラマンが残念ながら命を失ったということでございますけれども、私も気が付きませんでしたが、NHKが放映しておりました映像によりますと、治安部隊が水平に銃を向けて撃っておったという映像が出ているようです。水平にということは、普通は治安部隊、日本の警察なんかの場合にはいわゆる上に向かって撃つわけですが、そのNHKの映像によると水平方向に撃っているということは、うなずいていらっしゃいますけれども、ふだんとは違った対応をしている。
 ということは、これは日本の邦人も亡くなったわけでございますし、多分今までのタイで起こっております争い事以上のちょっと険悪な状況かと思いますし、かつ、あれだけの規模で赤いシャツを着た旧タクシン派でしょうか、活動しているということは、多分国外の支援も含めた活動かと思いますけれども、したがって、日本にとっても重要なタイがこれ以上混乱するということは、大変日本にとってもほっておけない面もあると思いますので、現在、状況をどう認識されているか、あるいは日本政府、外務省として何かこれの鎮静のために動かれるおつもりがあるのか、質問通告外でございますけれどもお答えいただければ幸いです。
#40
○副大臣(福山哲郎君) お答え申し上げます。
 まずは十一日夜でございますが、鳩山総理及び岡田大臣から、このタイの状況で多くの死傷者を出した今般の事態への憂慮と、村本氏の死亡についてまず遺憾の意を表明をさせていただきました。さらには、村本氏死亡事案に関する真相究明を要請する旨の書簡も発出をさせていただいたことをまず報告をさせていただきたいというふうに思います。
 藤田委員御案内のように、タイの首都バンコクでは、もう三月の中旬から反政府デモ隊が大規模な集会を行っておりまして、三万人程度が参加をしているというふうに承っております。そして、四月の十日、治安部隊がデモ隊の強制排除に出たことから、大変、銃弾、爆弾を用いた大規模な衝突が発生したというふうに承っておりまして、死者が二十一名、負傷者が八百五十八名という中で、ロイター社の邦人カメラマンである村本氏がこの衝突に巻き込まれて死亡したということで、大変遺憾であるというふうに思っております。
 村本氏の死因等の詳細については、タイ警察当局が調査中でございまして、外務省としては、情報収集に努めるとともに、邦人保護の観点から、御家族への連絡を始め、必要な支援を行っておりますし、バンコクにいる邦人に対しても注意喚起をしているところでございます。
#41
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 引き続き、大変重要な局面に来ていると思いますので、対応をお願いしたいと思います。
 普天間問題について、主に防衛大臣にお伺いをしたいと思います。
 いろいろな形で日米両国間で交渉等をされているんだろうと思いますけれども、あるいはこの十数年間来たんだろうと思いますが、まずこれまでのアメリカとのやり取りにおいて、そもそも海兵隊の作戦所要についてのやり取りがあったのかと、それからそういう情報を得た上でやっているのかということと、それから、作戦所要という場合には、有事の作戦シナリオについてこういうことが考えられるということを当然やり取りをしながらやっていなければ実効的なやり取りができないんだろうと思いますし、かつアメリカ軍の基地建設という場合に、いろんな基準があると思いますけれども、これはどこに持っていくかということは別にして、当然作戦所要、有事シナリオ、それから基地建設の様々なもろもろの調達、基準等々についてを把握をした上でやっていると思うんですが、この点についてどういう情報把握をして対応されてきたのかということにお答えをいただきたいと思います。
#42
○副大臣(榛葉賀津也君) 藤田委員にお答え申し上げます。
 今御指摘の作戦所要の点でございますが、実際に有事の際に必要な部隊の数、機種及び海兵隊、兵員数等々をどのように考えていくかということでございますが、この作戦所要とか作戦のシナリオについては米側の運用上のこともありまして、大変申し訳ないんですが、この事柄の性質上、今お答えすることができないということでございます。他方、普天間飛行場の基地機能につきましては、SACO合意の中間報告や最終報告、そしてその後の二〇〇六年のロードマップ等々においても様々なことを議論しているのは事実でございます。
 加えまして、二点目の基地建設の基準でございますが、これも今まさに議論をしている最中の点でございまして、御地元であるとか米側に無用な混乱を今起こすことができない、生じさせることができないということで、大変恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#43
○藤田幸久君 次も、なかなか今お答えづらいことだろうと思いますので、その次に、一つ飛ばして先に行きますけれども、報道によりますと、これ外務大臣ですが、日米の実務者協議は当面先送りされるかのような報道をされておられますけれども、先送りになるのかどうかということと、こういった今の進め方で、いわゆる地元の了解とアメリカ側の了解とどちらを先に取り付けて交渉されるおつもりなのか、その二点についてお答えいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(岡田克也君) 地元とそして米国政府、これはどちらが先に決まるということではなくて、相互にやり取りしながら決めていくということだと思います。したがって、今米国側にも一定の幅を持って提案を行い、そして説明をしているところであります。
 それから、最初の質問は、実務者協議の件は、先日ルース大使と話をいたしまして、若干私の方からルース大使に、こういう点についてどう考えているのかというそういう問いを発した状態で、今後ともこの外交ルートで議論をしていこうということになりました。当面そういう形で進むんだというふうに思います。より専門家が直接議論をすると、そういう場面も来ると思いますけれども、取りあえずは私の方でルース大使と意見交換を行っていくと、そういう段階でございます。
#45
○藤田幸久君 今、専門家がかかわるという点と、先ほど榛葉副大臣がお答えいただいたこととも関係するんですが、私も素人ながらちょっといろいろ調べたりしている中で、例えば環境アセスメントに関しても、今は防衛省が主体で今の現行案についてはアセスをしているわけですけれども、これいろいろな分離案とか出ている中で、いろんな意味での、どの部分の機能はここにという中で、例えばアメリカ軍の基地の中の場合は事業主体が米国となればアメリカの環境アセスメント法制に基づいてできるんではないかと。そのアメリカの法制に基づいてやる場合には、これは軍事的な理由の場合には弾力的に対応するという要件もあるようですので、実際にはアセスメントの期間を短縮できるのではないかと。それから建設の工期も、これまた場所、やり方によっては短縮できるのではないか。
 つまり、今の現行案であればこうだということだけが先に行っていますけれども、実はこれいろんなシミュレーション、いろんな角度から検討すれば、環境アセスメントについていえば例えばこういう形で短縮できるんではないかという議論もあるんですが、この件についていかがでしょうか。
#46
○副大臣(榛葉賀津也君) 藤田委員にお答え申し上げます。
 仮定で、今様々な交渉をしている中で、仮定の場所を、特定の場所を想像してこの環境アセスの今後の時間的な問題であるとか様々なことを議論するのは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上であえて一般論として申し上げますと、いわゆる一般国際法上、駐留を認められた外国の軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは我が国に駐留する米軍についても同様であるということでございます。在日米軍が施設・区域において自ら事業を行う場合、国内法令は適用されないと、先生の御指摘のとおりでございますが、他方、日米地位協定において米軍人等は我が国の法令を遵守する義務を負っているわけでございまして、このような趣旨から我が国の国内法令の規定が尊重されるべきだというふうに認識をしているところでございます。
#47
○藤田幸久君 工夫のしどころもあるというふうに理解をさせていただきまして、同じ工夫というか、これは仮定でもあり、どうやって知恵を出すかという面もあるんで御質問しているんですが、そのいわゆるヘリコプターの基地というものですけれども、一般論として、戦場においては、ヘリコプター基地というものは敵から攻撃されることを想定し、速やかに移転することができるのが要件となっているという専門家の話もございます。したがって、最終移設先とは別に、現在ある普天間の航空機を仮移駐先に速やかに移転をする、つまりそのこと自体がこの普天間問題の原点である危険除去、これは可能ではないかと言う方、専門家の方もいらっしゃいますが、この可能性はいかがでしょうか。
#48
○副大臣(榛葉賀津也君) 先生とは様々な議論を建設的にさせていただきたいと思っておりますが、これもまさに今交渉の真っ最中、かつ米軍の運用にかかわることでございまして、日本国の防衛副大臣の私の立場からこのことを今直接お答えすることが正直できない、軽々にお答えすることができないということでございますが、いずれにせよ、関係閣僚が今検討を行っている最中でございまして、この問題についてもしっかりと議論してまいりたいと思います。
#49
○藤田幸久君 軽々とはいいながら、是非、いろんな形で御検討いただきたいと思いますが。
 同じように、もう一つ、この数日間の間に徳之島移設の可能性について随分報道されておりますが、この徳之島移設の可能性というものをどういうふうにお考えになっているのか。これは北澤大臣ですか、お願いいたします。
#50
○国務大臣(北澤俊美君) 様々な報道はなされておりますし、またここ一両日、今朝は新聞が出ておりませんが、毎日のように報道されておりますが、度々申し上げておりますように、官房長官を中心にして精査をしてきた中で、三月の末近くに関係閣僚五大臣、総理も入れて五大臣で協議をいたしまして、方向性について共通の認識を得たということでありまして、特定の、例えば今お話しになったような地域をこういう場で御答弁を申し上げながら私どもの考えを申し上げるということは事の性格上極めて影響が大きいということで、是非御理解をいただきたいと思います。
#51
○藤田幸久君 是非、いずれにしても重要な問題ですから、答弁は難しいかもしれませんが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 あと五、六分でございますが、済みません、ちょっと戻りますが、厚生労働副大臣もいらっしゃっておりますので、いわゆる公文書の扱いについて、外務大臣とそれから厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。
 済みません、ページ数を打っていなかったので、後半の部分に、一つは、「厚生労働省保管の捕虜に関する資料一覧」という紙が三枚ほどございます。「厚生労働省保管の捕虜に関する資料一覧」、これが三枚ほどございまして、その後に二枚ほど、麻生鉱業が提出をした、捕虜に関する情報という縦書きの手書きのものが二枚ほどございます。その後に厚生労働省が今回、「戦没者等援護関係の資料の移管等について」という紙がございます。その関係で御質問をしたいと思います。
 事の趣旨は、この三枚の「厚生労働省保管の捕虜に関する資料一覧」というのは、たまたま私がおととし国会で、北澤委員長の外交防衛委員会で質問した際に厚生労働省から出てきた資料です。莫大な資料を厚生労働省が保管をされておられまして、これがある意味では三百名の連合軍捕虜が九州の麻生炭鉱にいたという証明になったんですね。外務省は、実はこれを否定してきたんです。それで、外務省は否定してきたけれども、その縦書きの手書きであるこの麻生鉱業自身が作った資料がアメリカの国立公文書館から出てきたと。つまり、どういうことかというと、厚生労働省にはかなりの資料があったけれども外務省にはなかった。それから、一部、防衛大臣の方の防衛研究所に陸軍関係の、旧日本軍の資料はかなりあるんですね。ということは、岡田外務大臣の下で新たに公文書に関する再調査を始められるということに際して、ということは、相当のものが厚生労働省にはあり防衛省にあるけれども外務省になかったのか、多分、飯倉の外交史料館にもあったけれども調査をしなかったか、ないか、どちらか。あるいは別のところに行っているか。
 そうしますと、今度、いろいろ飛びますけれども、その「戦没者等援護関係の資料の移管等について」、これは長妻大臣の下で決断をされて、これだけの、つまり延べ二千三百万人の日本の戦没者の方々の資料を新しく設立をされる日本国内の国立公文書館に移管をされるということは、私は大変な決断をされたわけだろうと思いますが。
 したがって、一つは細川副大臣にその構想についてお答えいただきたいことと、したがって、外務省としても、ほかの政府機関はこれだけあるけれども、当時、つまりサンフランシスコ講和条約までは外務省が一義的に扱っていて、外務省としても資料があるはずのものがないという部分については、これだけ重大なことでございますので、取り組みいただきたいという趣旨から、細川副大臣と岡田大臣と、お答えをいただきたいと思います。
#52
○副大臣(細川律夫君) 今、藤田委員の方から御質問がございましたように、戦没者関係につきましての資料というのは厚生労働省にもたくさんございます。そういう資料につきまして、この貴重な資料を歴史的な資料として広く研究者の皆さんに利用できるようにしていくということと、そしてもう一つは、これらの事実を後世に確実に伝承していくという必要があると。
 こういうことで、長妻大臣としましては、まず一つは、終戦直後に外地から帰ってこられた軍人の人の聞き書き調査というのがございます。これが四千数百人の方から詳しく事情を聞いた調書がありますので、これはまず八月までかな、この夏までには公開をすると、こういうことといたしております。
 それから、そのほか、先ほど委員が指摘をされました二千三百万人、これは延べですけれども、二千三百万人に上るいろいろな資料がございますので、これらの資料につきましては、今後このように公文書館に移管するかどうかを決めたいと思っています。一つは、まずこれからこれらの資料についていろいろな仕分などもいたしまして、戦後七十周年に当たります平成二十七年度、これまでの五か年間、二十三年から二十七年度の五か年間にどういうふうに仕分をして国立公文書館に移管をするかということのまず仕分などもいたしまして、そしていろいろな研究者あるいは有識者などの皆さんの御意見を聴取をいたしまして、関係者の皆さんとも協議をしながら、国立公文書館へどの資料は移管する、あるいはどの資料についてはまだ厚生労働省として残しておかなければいけないものなのかとか、そういうのを検討して、戦後七十周年に当たる平成二十七年度までにこれをきちっとやりたいと、こういう計画でございます。
#53
○委員長(神本美恵子君) 岡田外務大臣、時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#54
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと質問の趣旨がよく理解できなかったのですが、外国人捕虜についての資料が外務省にあるはずだと、そういう御趣旨かと私は承りましたが、ちょっと事実関係を把握しておりませんので、帰って調べたいと思います。
#55
○委員長(神本美恵子君) 時間が参っておりますので、簡潔に。
#56
○副大臣(福山哲郎君) 先ほどの緊急医療援助隊の医療チームの麻酔薬の問題でございますが、細川副大臣から御答弁いただいたように、輸出の許可は厚生労働省が今積極的に対応いただくということでそれで済みますが、今度は条約上の関係でいうと被災国のいわゆる輸出許可が要りますので、そこで一番迅速に我々としては手続ができるのはどういう方法なのかを厚生労働省とともに今検討しているところでございますが、そのことだけは付け加えさせていただきたいと思います。
#57
○藤田幸久君 ありがとうございました。
#58
○中村博彦君 自民党の中村博彦でございます。
 EPAで、インドネシアと日本、フィリピンと日本の人の移動が動き出しました。平成二十年のことでございます。ベトナムにつきましては、人の移動につきましては継続的な協議ということで動いております。
 そして今、この経済連携協定による人の移動は画期的な成果をもたらすと言われておりました。御存じのとおり、同一労働同一賃金である日本人の介護職者と、そして看護師資格と介護福祉士資格に合格すれば日本での在留、就労が継続できる、そして二国間で就労人数が調整できる画期的なスキームができ上がって、両国とも喜んでおったわけでございます。
 しかし、一点、もう外務大臣も御存じのとおり、平成二十一年にはこのインドネシアの看護師候補生と介護福祉士候補生は、三百六十二名、百六十八施設で受け入れられておりました。しかしながら、今年のマッチングにおいては、平成二十二年でございますけれども、マッチングにおいては大幅な減少になっております。百四十九人と六十五施設。これはどういうところに問題があるか、岡田大臣、御所見をお願いいたしたいと思います。
#59
○国務大臣(岡田克也君) これは国内の受入れの問題でありますので、私が答えるのが適切なのかどうかという議論はあるかと思います。むしろ厚生労働省が答えるべき問題だというふうに思っておりますが、聞いておりますところによりますと、雇用情勢が依然厳しい中で、病院や介護施設において日本人職員の採用が容易になっていること、受入れに当たって施設側の経済的、人的負担が大きいことなどが挙げられると、そういうふうに聞いております。
 外務省としては、意欲と能力があって本国で評価されている候補者たちが一人でも多く試験に合格できる仕組みを政府としてもつくっていくことが、施設における円滑かつ適切な受入れにもつながるというふうに認識しておりまして、そういった観点から、関係省庁と連携しつつ引き続き対応策を検討してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#60
○中村博彦君 今一般的に御指摘をいただきましたけれども、御存じのとおり、十二月三十日に鳩山内閣は、新成長戦略、四百七十万人の雇用創出、そして介護、医療が二百八十万人の雇用創出ということでございますから、介護、医療の現場というのは本当に人材が足らないという状況は変わりがないわけでございます。
 そういう中で、なぜこんなにも手控え感が出てきているかというのは、大臣も適当なしっかりしたお答えもございましたけれども、もう一点申し上げておきますと、すなわち、介護保険における人員配置基準に入っていないんです。この介護施設の人員配置基準は、御存じのとおり、介護福祉士が業務独占でございませんので、二級、三級ヘルパーでも、資格がない方でも全員が人員配置基準に入るわけでございますが、どういうわけかこのフィリピンとインドネシアの介護福祉士候補生だけが外されているわけでございます。そしてまた、不思議なんです。実務経験三年だ、その現場で働くのが実務経験三年だと言われながら、配置基準のカウントには入らない。
 そして、御存じのとおり、この四千億円の、介護職に月額二万円前後の給与のアップを保証した介護職員処遇改善交付金の支給対象にもちろんなっておるんですよ。なっておるにもかかわらず、取扱いは幽霊職員になっておるわけでございますが、この辺についてはどのように外務大臣、一般論としてお考えになるでしょうか。
#61
○国務大臣(岡田克也君) その点については、外務大臣として責任あるお答えはできません。それはむしろ厚労大臣あるいは副大臣にお聞きいただきたいというふうに思っております。
#62
○中村博彦君 ただ、私が申し上げておきたいことは、やはり小泉・アロヨ会談、そして御存じのとおり、インドネシアにつきましても安倍総理において遵守しようということで締結をされ、発効を見たわけでございます。それをやはり人として扱うという観点から外務大臣には是非御判断を願いたい。
 山井政務官、どうですか。
#63
○大臣政務官(山井和則君) 中村委員にお答えを申し上げます。
 今の質問は、人員配置基準に外国人の介護福祉士候補者を含めるべきではないかという御質問だと理解をしております。
 現時点では、あくまでもこの方々は研修生でありまして、国家試験の合格に向けて日本人の介護福祉士の監督の下に研修を行っているということから、人員配置基準には含めておりません。また、三月二十四日に初めて公表したインドネシア人介護福祉士候補者受入れ実態調査によれば、コミュニケーション不足により問題事例が発生したという回答が施設長や研修責任者から三割から五割あり、中には服薬漏れがあったという回答もあったところであります。
 中村委員御指摘のように、試験に対する合格率が低くなるんではないかという懸念もありましたので、厚生労働省としても、この度初めて実態調査をさせていただきました。というのが、この問題の一つの大きな論点は、ケアの質がどうなっているのか、受け入れている同僚職員や高齢者の方々にとってどうなっているのかということが、当然介護の主役は御高齢の方本人でありますから、再重要と考えました。
 その中で出てきたのが、引継ぎ、申し送りについては、日本人職員が平易な言葉でゆっくり話をすれば何とか実施できるというのが五、六割あり……
#64
○中村博彦君 短くやってください、短く。
#65
○大臣政務官(山井和則君) はい。
 ありましたが、一方で、平易な言葉でゆっくり話をしても一部支障あり、あるいはほとんどできないと回答した者も二割から四割存在。日誌や介護記録の理解については、一部理解できていないがおおむね理解できるが八割ですが、一方で、ほとんど理解できていないという回答も一割から二割。そして、先ほど言いましたようなコミュニケーション不足による問題事例に関しては、具体的には、指示内容を理解していなくても分かりましたと回答したり、業務内容が伝わらず業務に支障をしたり、軽い事故等が起こったという回答もありました。
 つまり、このような、十分にコミュニケーションが取れていない、引継ぎもうまく伝わっていないようなケースもあるという現状においては、人員配置基準に入れるということは困難ではないかと考えております。
#66
○中村博彦君 岡田大臣に是非聞いておいていただきたいんですけれども、業務独占でないんです。七十歳のお方が介護職をしても、人員配置基準の中へ入るんです、物を言わない方でも、余りコミュニケーションができない方でも。それが、今のような一方的な判定をインドネシア介護福祉士候補生に下すということは、本当に私は考えられない。今、インドネシアから来た二人の候補生が傍聴させていただいていますけれども、今答弁したのは日本の厚生労働省の責任者なんですよ。よく国へ伝えてください。
 そして、今説明されましたけれども、二十二年の一月に厚生労働省が実態調査したのでは、職場活性化のために受け入れた。そして、御存じのとおり、評価は本当に高いんです。びっくりするぐらい、九〇%以上の入所者や利用者が受入れということで本当に評価をしていただけておるわけであります。そういう中で、よう一方的に言えるなと。介護サービスの質の評価というのも、すばらしいという評価を、これは厚労省の実態調査で出てきておるんですよ。山井さん、それでは国際性豊かな政治家と私は言えぬと思います。本当にこれは考えていただかなくてはいけないと思います。
 これはもう是非実態を岡田大臣が知っていただいて、評価を願いたいと思います。
#67
○国務大臣(岡田克也君) 今、この介護士あるいは看護師の外国人の候補者の受入れの問題、私は非常に懸念をしているところでございます。というのは、今回試験に受かった方が出たことは非常に良かったと思いますが、非常に試験に受かるということが難しい、そういう状況にある。
 それは、日本語の問題というのはあります。何といいますか、実地に研修しながら日本語も勉強し、日本の試験に受かるための勉強もするというのは非常に大変なことでありまして、このまま試験に受からない人が続出するということになりますと、これは日本とインドネシア、あるいは日本とフィリピンの関係全体にも影響を及ぼすような、そういうことであるというふうに思います。そういったことについて、より政府が真剣に改善していかなければいけない、そういうふうに感じているところでございます。特に日本語の問題は、やはり日本に来てから一からやるというよりは、やっぱり一定の能力を身に付けた人を日本に来ていただくというような考え方に立たないと、なかなか短期間で習熟して、しかもいろんな仕事をしながら習熟するというのはそもそも問題があるのではないかと、そういうふうにも考えているところであります。
 委員の今御指摘の問題というのは、私は、もしそういったことをやると、今の一般の研修制度、三年間日本で働いていただいてお帰りいただくと、そういったことになっていきはしないかという心配も一方であるというふうに思います。あくまでもこの制度の目的は、日本の試験に合格し、日本の資格を取り、日本でその後も引き続き働いていただくと、そういう制度でありますので、試験にどうしたらもっとたくさん受かっていただけるようになるか、もちろんその質を落とさないという前提でですけれども、そういったことについて政府の中でよく議論していきたいというふうに考えているところであります。
#68
○中村博彦君 私が今申し上げたのは、もちろん国家資格に合格するという前提であることは、これはもう両国間の約束事でございますから。ただ、今、手控え感が出てきておるというのは、施設側に、人員配置基準に入っていないんですよということを申し上げた。看護師候補生は看護助手として診療報酬の人員配置に入っておるわけです。介護候補生は入っていないということを皆さん余り論じませんので申し上げさせていただいたわけでございます。
 もう一点、先ほども大臣触れられましたけれども、経済的な負担が本当に大きいんですよ、施設側は。先ほども申したように、施設の活性化のために本当に明るい、そしてモチベーションの高いインドネシア、フィリピンの介護士というのは必要だと認識しておりますが、施設側の負担が本当に高いんです。ちなみに、一人受け入れるのに、カウントできないのにですね、もちろん給与は三百万前後払っていますけれども、受け入れるだけで五十五万五千円の負担を強いられるわけでございます。求人申込手数料、あっせん手数料、滞在管理費、そして六か月は何と日本語研修期間中の手当六万円の三十六万円、これが施設側の負担に重くのしかかっておるということでございます。
 そして、御存じのとおり、これ山井政務官も、これ皆さん野党でおるときは質問主意書を十月九日に提出して、私と言いよること一緒のこと言うておるので、これ持って帰って見てください。
 そして僕が一番是非大臣にお願いをいたしたいことは、会計検査院にも是非お願いをいたしたいのは、そういうように大きな負担を掛けながら、日本側の研修というのは統一的、計画的にできていないんです。だから、平成二十年度のこのインドネシア候補生に対する研修はAOTSが行いましたけれども、百四十九人に六億六百万円、一人当たり四百七万円も使っておるんです。それから、外務省の下、国際交流基金は五十六人に一億三千百万円、一人当たり二百三十四万円の研修費を充当しておるんですね。
 しかし、これは初年度からやはり人数も少なかったということで、経済産業省、外務省、これは仕方がないと思うんだけれども、今一番問題になっておるのは、これは外務大臣から岡田大臣にもいろいろお話があったと思いますけれども、今年からはインドネシアで日本語研修を受ける。ヒューマンリソシア株式会社に委託されておるんですよね。何と十三億三千万円が委託されて、一人三百六十八万円なんです。これは本当に点検をしてもらいたい。
 そして、日本語教育のノウハウを持っておるインドネシア教育大学の校舎と宿舎を借り上げて、インドネシア側は是非この研修制度はインドネシアでさせていただけぬかと再三お願いしておるにもかかわらず、インドネシア教育大学は校舎と宿舎だけを借り上げると。だから、インドネシア国内には日本語教育の有形、無形の形は何にも残らない。
 再三、大臣にも外務大臣や大使からお願いしておりませんか、どうですか、岡田大臣。
#69
○国務大臣(岡田克也君) 私は直接は承知しておりません。
#70
○中村博彦君 していません。おかしいな。
 是非、政府が各省庁にまたがって、六つの機関でこの研修事業を受託しておるわけでございます。この六つの機関について、やはり山井政務官は統一的にやれと、そしてテキストも一つでしたらどうだってやっていますよね、山井さん、どうですか。
#71
○大臣政務官(山井和則君) 中村委員にお答えを申し上げます。
 私たちも日本語研修は非常に重要であるということを考えておりまして、実態調査においても十分な日本語研修が来日前そして来日後になかなかできていないという実態があります。ということで、今年度予算では約九億円に予算を大幅に増加をさせまして日本語研修の充実に力を入れております。
 そして、先ほどのことにちょっと付け加えますと、まず私自身、元々高齢者福祉の研究者でありまして、フィリピン人とも一緒に外国の老人ホームで実習をしたこともありますし、インドネシア人の知り合いもおりまして、フィリピン人、インドネシア人の方々のお年寄りを大切にする心に関しては敬意を表するところでありますが、今回のEPAはあくまでも国際交流が目的でありまして、人手不足対策ではこれはありませんので、まずは人手不足なんであれば、日本に働いている介護職員の賃金引上げが急務だということで私たちはマニフェストにも書いております。
 それで、私も高齢者の認知症のお年寄りのケアに携わったことございますが、今特別養護老人ホームでも七割から八割が認知症の高齢者でありまして、昔住んでいた家の話をしたり、戦時中の話をしたり、御飯を食べたのに食べていないと言ったり、そういう意味で非常に高度なケアが必要であります。そういう意味では、このような認知症のケアに関しては十分なコミュニケーションの能力が必要とされるというふうに厚生労働省としては考えております。
#72
○中村博彦君 守旧的な方が厚生労働省の担当政務官になられたということは本当に残念でございます。
 今皆さんの手元に手渡しをさせていただいております。これが国家試験の問題でございますけれども、このテキストに出てくる難しい漢字、言葉、どうでしょうか。本当に、蠕動運動だとか咳嗽だとか、これは改めてきてはいただいておるようでございますからいいんですけれども、そして今年の合格率は、介護福祉士は五〇%でございます。看護師が八九・五%の合格率であったにもかかわらず、先ほど岡田大臣申されましたけれども、今回、昨年は日本人の九〇%の合格率でありながら、インドネシア、フィリピンの方はゼロ、今年は三人、フィリピンが一人、インドネシア二名、合格率は一・二%でございました、看護師候補生。これもう是非考えてもらいたい。発想の転換をしてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 そして、この日本語問題だとかいうことよりも一番大切なことは、ここに書かせていただいていますように、このような問題で二百十分、百二十問、一問当たり一・七五分なんです、一・七五分。そして、お分かりのように、いったんどうするかというと、難しい問題は自国語に直す、そして自国語で答えを探す、そして日本語に変えるという手順が必要なものですから、本当に試験時間というのが大変な難問になってきておるということを外務大臣が是非とも御理解をいただきたいと、こういうように考えるわけでございます。
 それと、御存じのとおり、看護師候補生は一年、二年、三年と試験が受けれますよね。しかし、現在としては介護福祉士候補生は三年に一度ということでございますので、三年目がたてば一度ということですからワンチャンスしかない。これは是非政府としても考えてもらいたいと思います。
 私のところへ来ておるこの子供たちがどういう小学校時代を送ったか。
 私は小学校の六年間、毎日片道三キロの山道を歩いて通いました。しかし、靴が一足しかなかったので、天気が良いときだけ靴を履いていきました。雨が降るときはぬれるともったいないのではだしで行きました。私は兄弟が三人いるので新しいものをなかなか買ってもらえませんでした。特に私は一番下なので兄さんのお古がほとんどでした。だから、大切に使わなければなりませんでした。靴もお古でした。朝は晴れていたのに帰りに雨が降ってくると、靴を首に掛け、はだしで帰りました。
 友達は毎日小遣いをもらっていましたが、私の父は病弱であったので収入が余りありませんでした。だから、家族はみんな辛抱しました。学校が終わると遊ばずに真っすぐ家に帰り、山へ行ってまきを取りに行きました。背中にまきを背負う二宮金次郎像を見ると、私の小学校時代を思い出します。
 私は学校へ行くのに川を渡らなければなりません。橋がないので、いつも靴を脱いで渡りました。靴を大切に使わなければ買ってもらえないからです。父の収入が少ないから、ぼろぼろになって履けなくなるまで使いました。小学校の六年間を三足で過ごしました。
 友達は毎日小遣いをもらっていましたが、私はほとんどもらえませんでした。みんながお菓子を食べているとき、私はそっとみんなのところから離れていきました。私は算数が得意でしたから、宿題を教えてあげる代わりにお菓子をもらいました。
 こういう家庭環境の介護福祉士候補生が日本のEPAでやってきているわけでございます。
 アジア外交、一番大切じゃありませんか。岡田外務大臣、人として、人間らしい、日本人と同じような扱いをしてあげてほしい。一方的に、今、山井政務官のあんな話聞いた、あんな介護福祉士候補生はおりませんよ、私は分かりませんけど。本当に岡田外務大臣の所見をお聞かせ願いたいと思います。
#73
○国務大臣(岡田克也君) インドネシア、フィリピンから介護士あるいは看護師を受け入れるということは国として決定をしたことであります。
 決定をしながら、いざ実際に制度を動かしてみるとほとんどの人が合格できないということであれば、それはやはり非常に大きな問題だというふうに思います。希望を持って日本で働きたいと、そういった希望を持ちながらやってきて三年間頑張ったけれども、結局国にそのまま帰らなければいけないという人が続出するということでは、これはやはり私は国の対応として決していい対応ではないというふうに思いますし、そのことは外交上様々な影響を及ぼすというふうに考えております。
 したがって、そういうことがないようにするためにはどうしたらいいかということを、これは政府の中でしっかりと議論していかなければいけない、そういう思いで今政府間で様々な協議を行っているところでございます。
#74
○中村博彦君 ありがとうございました。
 岡田外務大臣に本当に常識あるひとつ政府間での行動をお願い申し上げて私の質問を終わりますが、在留資格については法務省からおいでいただいておるにもかかわらず質問ができませんでしたことをお許しいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#75
○塚田一郎君 ありがとうございます。自由民主党の塚田一郎でございます。よろしくお願いいたします。
 最初に、先ほど御質問が出ていましたけれども、タイ・バンコクで治安部隊とデモ隊の衝突で村本さん始め二十一名の方が亡くなられたということでありまして、政府としてはきちっとした対応をタイの政府に求めているという御答弁がありましたが、当然ながらこの事件の真相究明、徹底した調査を引き続き強く求めていただきたいことと併せて、在住の邦人あるいは大変旅行者の多い地域でありますので、現在、渡航等に問題がないのか、注意喚起等の必要、そういう規制等の必要がないのか、その点についてだけちょっと御説明をまずいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、タイには、そこで働いている方あるいはその家族、それから観光客とたくさんの邦人がございます。したがって、今回の現在のタイのバンコクにおける状況というものを踏まえて、そのことについて政府としてもしっかりと状況を把握しながら、邦人がそれに巻き込まれることがないように現在万全の体制をしいているところでございます。
#77
○塚田一郎君 まだ進行形の状況でありますので、引き続き注意を払っていただいて、十分な対応をお願いをしたいというふうに思います。
 それでは、御通告をしてあった内容でありますけれども、まず、航空自衛隊の官製談合事案についてお伺いをいたします。
 今回、航空自衛隊のオフィス機器納入をめぐり、地方調達に関して官製談合の可能性が高い事案が発生をし、三月三十日に、公正取引委員会から官製談合防止法に基づいて防衛省に対して初の改善措置要求が出されたということであります。
 まず、この点について公正取引委員長にお伺いしますが、事案調査と措置要求の概要、措置要求を判断した要因、特に判明した業者への事前告知などの問題点についてどのように判断をされているか、御説明を願いたいと思います。
#78
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 今御指摘の航空自衛隊が発注したオフィス家具等の調達にかかわる事件でございますけれども、私どもの認定は、オフィス家具のメーカーが、遅くとも平成十七年十一月三十日以降、共同して、航空自衛隊発注のこれら什器類につきまして納入予定メーカーを決定し、自ら受注し又は自社製品を取り扱う販売業者に受注させていた事実が認められたところでございます。これはまさに不当な取引制限となりまして、独占禁止法第三条の規定に違反するものでございますので、本年三月三十日、違反事業者五社に対しまして排除措置命令を行うとともに、総額三億七千五百十六万円の課徴金の納付命令を行いました。
 あわせまして、この違反事件に関して、航空自衛隊第一補給処の職員が什器類の調達に係るメーカー別の目標を設定いたしまして、その調達目標が達成できるように、希望するメーカーについて自衛隊側から意向を示して入札談合を行わせていたということが確認できましたので、これも官製談合防止法に違反する行為でございますので、同法に基づきまして、同じ日に防衛大臣に対しまして改善措置要求を行わせていただきました。
 どうしてそのように判断したかというお尋ねでございましたけれども、官製談合防止法では、既に行われなくなっている場合、違反行為がですね、違反行為といいますか、関与行為が既に終わっている場合でも、特に必要があると認めるときは必要な措置を講じるように求めることができるというふうに規定されておりまして、本件を見ますと、官製談合防止行為が三年以上の長きにわたって継続的に行われていたということ、それから、公正取引委員会に対しまして航空自衛隊の方から談合情報の通報がございましたけれども、その中には第一補給処の職員が関与していたというようなことについては言及がなかったこと、それから委員御指摘のとおり、第一補給処職員がこの関係事業者に対しまして、防衛監察本部による防衛監察の結果、またそれを踏まえて公正取引委員会に対して談合の疑いがあるという通報をする予定であるという旨を漏えいしていたという事実が確認できましたので、これらを踏まえまして改善措置要求を求めたところでございます。
#79
○塚田一郎君 今御説明のあったとおりでありまして、非常に私は悪質な状況かなと思います。特に、防衛省の内部監査で談合の疑いを指摘された後にメーカーに対して口裏合わせを行っていたという指摘があったわけでありまして、大変これは問題ではないかというふうに考えます。
 こうした措置要求を受けた状況で、防衛省、組織ぐるみではないかという指摘もあるわけで、このような官製談合が後を絶たない原因についてどのように大臣は御認識をされ、この本質的な問題をどう解決して再発防止をされるのか、大臣の御所見をお伺いします。
#80
○国務大臣(北澤俊美君) この問題は十六年、十七年を境にしての問題であるわけでありますが、極めて残念な事象であります。今、公正取引委員会の方からもるる経緯が説明もございました。官製談合防止法に規定する入札談合等の関与行為、いわゆる官製談合が認められたことは、国民の不信を招いたということで極めて遺憾であるというのが基本的な考え方であります。
 ただ、本件につきましては、航空自衛隊第一補給処において契約を締結したオフィス家具等の事務用品について、内部の防衛監察本部による平成二十年度の防衛監察において不自然な入札状況が判明したことから、昨年五月に防衛省から公正取引委員会へ通知をいたしたものでありまして、この件に関して改善措置要求がなされる以前に、楠田防衛大臣政務官を長として部外有識者も参加する調査検討委員会を設置し、調査検討を行っておるところであります。この委員会において速やかに事案を解明するための徹底的な調査を行い、再発防止に万全を期し、国民の信頼回復に全力で取り組んでまいる所存であります。
 それから、先ほど公正取引委員会の方からお話のありました内部においてある種もみ消し的な行為が行われたということは、これは事案について自らがその非正当性を十分に承知をしながら行った行為でありまして、極めて悪質であるという認識を持っておりますので、しっかりした検証を行って、再発防止に全力を尽くしていく所存であります。
#81
○塚田一郎君 具体的な再発防止策についても詳しくお話をいただきたいと思いますけれども、まだ調査中だということであれば改めて当委員会に御報告をいただきたいということをお願いをさせていただきます。
 大臣、記者会見で、絵にかいたような官製談合、びっくりしているという御発言をされたそうですが、どういう真意で言われたのか分かりませんけれども、びっくりされている場合ではないというぐらいの私は大きな問題ですので、きちっとやはり今お話があったように対応していただきたいと思います。
 会計検査院に対しても、この件について防衛省に対して厳格な会計検査が行われるように要請をしたいと思いますが、会計検査院、いかがでしょうか。
#82
○説明員(小武山智安君) 会計検査院は、航空自衛隊が行っております航空機、武器、弾薬、通信電気機器等の装備品に係る部品や需品類の調達、装備品等の修理及び管理につきまして従来から重点を置いて検査を実施しております。
 本件につきましては、昨年六月の公正取引委員会が談合の疑いで立入検査をしたとの報道を踏まえまして、航空自衛隊の需品類の調達契約につきまして、契約方式や契約価格が適切か検査を行ってきておるところでございます。今回、公正取引委員会から改善措置要求を行った事態につきまして通知をいただいたところでもございます。その通知された事実関係につきましても十分確認した上で、経理処理に不適切なものはないかなどにつきまして、ただいまの議論も十分踏まえまして引き続きしっかり検査を行ってまいりたいと思います。
#83
○塚田一郎君 よろしくお願いいたします。
 防衛大臣、この再発防止策について当委員会にもう少し御説明、今後いただきたいと思うんですが、お約束いただけますか。
#84
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 今、塚田委員の方からお話がありました記者会見で私が申し上げましたのは、十七年度から平成二十年度までの間に、もう既に過去のものと思われるような官製談合が平然として行われていたということに対する私の驚きでありまして、私は長いこと国土交通委員会に所属してこの官製談合の問題についてはいささか承知をいたしておったわけでありまして、それが旧政権の中で何年にもわたって行われていたということが私にとりましては理解し難いと、そういう思いで申し上げた次第であります。
 なお、またこの問題については詳細に調査をして、御納得のいくような結論を出して御報告をしてまいりたいと、このように思っております。
#85
○塚田一郎君 よろしくお願いを申し上げます。
 これも過去にこの決算委員会で指摘をさせていただいたPCI事件なんですが、いわゆるベトナムのODAにかかわる事案でありまして、その後の推移がどのように行われたのか、処罰結果等も踏まえて現状報告をお願いしたいと思います。
#86
○国務大臣(岡田克也君) この事件は、平成二十年八月、PCI関係者が不正競争防止法違反、つまり外国公務員への贈賄容疑で逮捕、起訴されたものでございます。平成二十一年三月にこのPCIの関係者については有罪が確定をしております。そして、日・ベトナム両国で昨年二月に、これは旧政権時代でありますが、昨年二月に取りまとめた再発防止策を現在着実に実施をしているところであります。
 ベトナム警察当局は、ベトナム側の収賄者とされる元ホーチミン市幹部を職権濫用罪で逮捕し、本年三月に有罪が確定しております。さらに、収賄容疑での捜査を進めているというふうに承知をしております。
 本件事件を受けて、PCI社は一昨年八月に海外事業を他社に譲渡し、海外事業から撤退したということでございます。
 委員の御指摘をまつまでもなく、こういった事件が起きるということは、これは国民の税金を無駄に使っているということで、私は非常に許し難いことだというふうに思っております。このPCI事件につきましては旧政権の時代に再発防止策についても取りまとめられておりますが、今後こういうことが二度とないようにしなければなりませんし、厳しく対処してまいりたいというふうに考えているところです。
#87
○塚田一郎君 よろしくお願いいたします。
 この件に関してベトナムへのODAについて見直しを行うという話も出て、また再開をされたようですが、引き続ききちっとフォローしていただきたい。言うまでもないですけど、ガバナビリティーの働かない国に日本の税金をODAで払うというわけにはいかないわけでありますので、対応をよろしくお願いいたします。
 次に、アメリカのNPR、核態勢の見直しが行われまして、これについていろいろなお話が今出ておりますが、同盟国である我が国に対するいわゆる核の抑止力のコミットメントはきちっと保たれているというふうに政府はコメントされているようですが、どのように確認をされているのか具体的に御説明をいただきたいと思うんですが、防衛大臣、お願いします。
#88
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、今回のNPRにおいて米国は同盟国の安全保障上必要な核戦力を維持するというふうにしておりまして、我が国を含む同盟国の安全保障へのコミットメントを引き続き保証しているところでございます。また、NPRでは、米国及び同盟国などの安全保障を強化しつつ、オバマ大統領が提唱する核兵器のない世界に向けて進むに当たって同盟国との緊密な協議を実施すること、あるいは同盟国と協力して地域レベルでの抑止力及び安全保障のメカニズムを強化していくことも述べられております。このNPRの策定に当たりましては、日米間でも意見交換を行っておりまして、そういったことを踏まえて今回のNPR、新たなNPRが策定されたというふうに理解をしております。
 そういう意味で、日本にとってその抑止力というものが従来と比べて減少する、弱くなるというふうには我々は理解をしていないところでございます。
#89
○塚田一郎君 防衛大臣、あればどうぞ。
#90
○国務大臣(北澤俊美君) ただいま外務大臣から答弁のありました基本的なことを踏まえた上で、実務的な問題として御答弁を申し上げたいと思います。
 米国と同盟国、パートナー国の安全保障を確保するため、必要最低限の水準の核戦力を保有するとし、大陸間弾道ミサイル、ICBM、潜水艦発射弾道ミサイル、SLBM、戦略爆撃機から成る抑止体制を引き続き維持をする、また核戦力に加えてミサイル防衛や通常戦力等から成る地域的な安全保障構造を強化するとしており、米国は信頼性のある拡大抑止を提供することをコミットし続けていると、こういうふうに理解をいたしております。
#91
○塚田一郎君 少し具体的にお伺いしたいんですが、それではアメリカが提供する核抑止の対象ですね。つまり、北朝鮮は核兵器を保有していると言われているわけですが、アメリカが日本に提供する拡大抑止の対象として北朝鮮の核は含まれているという理解でよろしいんですね。
#92
○国務大臣(岡田克也君) 何を対象にしているかということをあからさまに言うのは控えるべきだと思いますが、少し一般論で言わせていただくと、我が国を取り巻く安全保障環境の中で北朝鮮の核あるいは中国やロシアの核、そういったものが日本に対する安全保障環境を考えたときに考慮しなければいけない点であるということは言えると思います。
#93
○塚田一郎君 今、北朝鮮、中国、ロシア等の言及がありました。今回、対象には非核国、核不拡散の義務を遵守している非核国は核兵器を使用しないということですが、当然それ以外については、今大臣がおっしゃったように対象となり得るという理解でよろしいんですね。
#94
○国務大臣(岡田克也君) 今回のNPRの一つの特徴は、今委員御指摘の消極的安全保証、核を持たない国に対しては核を使用しないということを改めてアメリカが強調したことにあるというふうに考えております。
 私は、この消極的安全保証をアメリカが宣言したということは、これにとどめるのではなくて、なかなか困難はありますが、他の核保有国に対しても同様の考え方を持ち、そして最終的には一定の拘束力を持った、そういうものにしていく必要があると、そのために日本政府として努力をしなければならないというふうに考えているところであります。
 委員の御質問にお答えいたしますと、これは明示的に北朝鮮についても、これはNPTに現在入っていないということでありますから、核を持っていない国には当然当たらない、そのことは明らかであります。
#95
○塚田一郎君 もう少し具体的にお伺いしたいんですが、北朝鮮が今所有している核兵器は幾つあるかということを日本政府はアメリカの情報等で知り得ておりますか。
#96
○国務大臣(岡田克也君) 少なくとも私は承知をしておりません。
#97
○塚田一郎君 実は今お伺いしたのは、クリントン米国務長官がその発言をされているということが報道で明らかになっています。クリントン米国務長官は九日、ケンタッキー州ルイビルで演説をし、北朝鮮が一から六個の核兵器を保有しているというふうに公に語ったというふうにされております。
 こうしたことが公に語られているということは、これ、米政府の見解を示しているということで、日本政府がそれを知らないということは私にとっては少し理解をし難いことなんですが、そういう事実はないんですか。
#98
○国務大臣(岡田克也君) クリントン長官の発言は私は承知をしておりません。
 いずれにしましても、承知をしている、承知をしていないにかかわらず、それぞれの日米両国間で一定の守秘義務を伴って意見交換をしたことについて外に出せないことがあるということは、委員も御承知のとおりであります。
#99
○塚田一郎君 大臣、何で私がこういうことをお聞きしているかというと、お話しになれない情報があるとか、そういうことは理解できます。
 しかし、本当に今、NPRを見直したけれども日本に対しての核抑止力は担保されているということをきちっと今まで議論をして確認をされてきたというふうに大臣はおっしゃっているわけですから、当然、日本にとっての核の脅威、北朝鮮の核の状況がどうなっているかということの状況も踏まえて、そういうことも含めてアメリカときちっとした情報交換を行っているものだろうと、私からすればそう理解しているわけで、それを御存じないということだったので、こういうふうに公になっていることであれば当然日本政府としては知っていて当然だろうという意味でお尋ねをしたわけであります。
 それをきちっと確認をされているんであればいいですけれども、そうでないんであれば日米の本当にこうした問題についての意見交換あるいは情報共有がなされているのかということを私は懸念をしてお伺いをしているわけでありまして、その点を御理解をいただきたいというふうに思います。何かコメントがあれば、どうぞ。
#100
○国務大臣(岡田克也君) 先ほどのクリントン長官の発言ですが、それがどういう経緯で明らかになったものかということは、私、承知しておりませんので、それに対するコメントは控えたいというふうに思います。
#101
○塚田一郎君 それは確認を取っていただきたいと思います。これ、報道されている内容ですので、公の講演での発言だということでありますから、中身についても御確認をいただきたいというふうに思います。
 時間がもう迫ってまいりましたので少し飛ばして聞きますが、先ほど北澤防衛大臣から、我が国に対する核抑止力はICBM、SLBMあるいは戦略爆撃機等で担保されているという旨の御答弁をいただいたんですが、例えばその爆撃機の場合、いわゆる核持込みの可能性、非核三原則との関係で、国内への持込みが生じる場合、ブッシュ・イニシアチブ等とまた別の形で問題が生じることはないんでしょうか。
#102
○国務大臣(岡田克也君) 基本的に、爆撃機に戦略核を積むという場合というのは、基本的にそれは核の残存率を高めるといいますか、そういったことで、基本的に、米国内にある航空機が非常に危機的状況になれば、空中に存在することによっていざという攻撃に備えると、こういうものでありますから、それが日本に来るということは基本的には考えられない、そういうふうに考えております。
#103
○塚田一郎君 そうすると、有事の際に国内にある米軍の空軍基地にそうした爆撃機が一時的に核兵器を搭載した形で飛来をするというような可能性は全くないというふうに大臣はお考えなんですか。
#104
○国務大臣(岡田克也君) 将来についての仮定の議論をすることは慎重でなければならないというふうに思います。ただ、すべてがないということを断言することもできません。
 したがって、そういう緊急時におけるそういった事態が生じたとすれば、それは私が従来から申し上げておりますように、そのときの政府がそのことを踏まえて、非核三原則というものはあくまでも守るのか、それとも国民の生命の安全ということを考えてそこで異なる決断を行うのか、それはそのときの政府の判断の問題であって、今からそのことについて縛ることはできないというふうに私は考えております。
 もちろん、鳩山政権としては非核三原則を堅持するという方針を申し上げた上で、将来のこととしてそういった発言を行っているところであります。
#105
○塚田一郎君 非核三原則は堅持するということをずっと大臣御答弁をされているようなんですが、前政権のときは核の持込みは常にノーであるというような見解を持っていたわけですが、この非核三原則を堅持するということと核の持込みは常にノーであるということはイコールではないという、そういう御認識なんですか、今の御答弁は。
#106
○国務大臣(岡田克也君) 従来、非核三原則は守るということはずっと政府が言い続けてきたことであります。しかし、そこに事実に対するごまかしがあるということは、今回の密約の調査の結果明らかになりました。つまり、一時的な寄港というのは、日本の考え方ではこれは当然持込みに当たるということでありますが、しかし、アメリカ政府は、米国政府は、これは一時的寄港に当たらないということを、従来からそういう考えであった。しかし、それを日本政府は承知をしながら、アメリカ政府が事前協議をしてこない以上、そこに、日本の港に来た艦船には核は積まれていないんだと、言わばそういった、私はこれは事実に反するそういった答弁を行ってきたということは大変問題であるというふうに思います。
 したがって、今回のこの密約調査を踏まえて、私としては、先ほど申し上げたそういう言い方をさせていただいているということでございます。
#107
○塚田一郎君 大臣が密約問題に踏み込んだということは私は大変良かったことだと思っています、個人的には。ただし、その後どうするかということを現実的にやはり考えていただきたいということで、いろいろ試行錯誤あると思いますが、是非その点を、現実の日本の安全保障に即してどうあるべきか、二・五ではないか、三原則ではなくて、そういう意見もある中でお考えをいただきたいなというふうに思います。
 済みません、時間がもうないので最後の質問にさせていただきますが、アメリカが今最優先課題に挙げるイランの核問題について、今核セキュリティーサミットも行われようとしておりますが、鳩山政権としては、国連の議長国を務めるという立場も含めてどのように対応するのか、特に追加制裁措置をやるのかどうなのかというようなことも含めて考え方をお聞かせください。
#108
○国務大臣(岡田克也君) イランの核の問題、つまりイランが核武装を目指しているのではないかということは、もしそういうことが事実であるとすれば、これは中東のみならず世界の安全保障環境に大きな影響を与える極めて重要なことであるというふうに考えております。私が先般カナダで行われたG8外相会議、あるいはクリントン長官と会談をしたときにも、このイランの問題が大きなテーマであったということであります。
 委員御指摘のように、四月は安保理の議長国であります、日本は。したがって、非常に日本の役割は重要で、まだ安保理で正式に議論されるという、そういう状況にはなっておりませんけれども、安保理で決議をするということになれば、当然日本が大きな役割を果たさなければならないというふうに考えております。
 今、常任理事国五か国プラスドイツという六か国でいろいろな議論をしておりますが、そこで意見の集約をされれば安保理でそのことを踏まえて議論をする、日本としては、現状のまま、イランがかなり思い切った政策転換をしない限り、そういった制裁ということはこれはやむを得ないことであるというふうに思っているところであります。
#109
○塚田一郎君 是非積極的に私は日本として対応していただきたい。北朝鮮の核のときもそうですが、国際社会がずるずる時間を掛けている間にどんどん核開発が進んで核兵器を持つに至ってしまったという、これは大きな反省だと思うので、日本としてその辺も踏まえて積極的に対応をお願いしたいということで、時間になりましたので、別の論点はまたほかの機会に譲らせていただきます。
 ありがとうございました。
#110
○森まさこ君 自由民主党の森まさこでございます。
 日本人十名が亡くなったオーストリアのケーブルカー火災事件が重大な局面を迎えております。本日はどうしても外務大臣に質問をさせていただきたく、お時間をいただきました。理事に感謝を申し上げます。
 この事件は、二〇〇〇年十一月にオーストリアにおいて、日本人十名を含む百五十五人が、アルプスのスキー場に向かうケーブルカーのトンネル内で火災事故で命を失ったという悲惨な事故です。しかし、同国においては、運行会社幹部を含め全員に無罪判決が出され、だれ一人刑事責任を負っておりません。
 最近、証拠が隠されていたということが発覚いたしまして、日本の御遺族の皆様が再審請求を提出をいたしました。すなわち、火災の原因となったヒーターは車両に持ち込んで使用することが禁止されていたのに、これを改造してケーブルカーの運転席に設置していたということです。しかも、油圧装置のオイルパイプの真下に設置したため、オイルパイプの油が漏れて大火災となったのです。会社側に重大な責任があると思われます。
 ところが、事故直後に何者かがもう一台の運転席からヒーターを取り外して隠していたため、当時の刑事裁判では、ヒーターや油がしみ込んでいた運転席の状況などが証拠として提出されませんでした。最近になってこれらの証拠が裁判所の倉庫から発見され、大きく報道をされています。
 外務大臣、日本政府として、オーストリアに対して再審をしていただけるよう意見を述べていただけませんでしょうか。
#111
○国務大臣(岡田克也君) まず、この事件は大変悲惨な事件でありまして、日本人の方もそういった形で犠牲者を出したと、したがって、そういった皆さんに対して政府としてもできるだけのことをしなければいけないと、そういうふうに基本的には考えております。
 今の再審の話でありますが、我々の、外務省としては、現時点で邦人被害者の遺族がオーストリアにおいて刑事裁判の再審請求を既に行っているという確たる情報は得ておりません。したがって、邦人被害者の遺族から個別具体的な御要望があれば、邦人保護の観点から、必要かつ可能な範囲でしかるべく支援を検討したいというふうに考えているところであります。
#112
○森まさこ君 前向きな御検討ということで、本当に有り難いと思います。
 御遺族の代理人弁護士の先生が外務省に対して再審を請求したという旨はファクスにて報告をしております。それが大臣まで上がっていなかったということは大変残念に思いますけれども、先日レクに来ていただいたときも、外務省がそういうことでいろいろ言い訳をするものですから、昨日付けで、念のためにもう一度御遺族の名前で外務大臣あてに再審の請求をしていただきたいという上申書を出しておりますので、大臣の方でそれを確認をいただいて前向きな御検討をいただきたいと思うんです。
 当時、乗客が乗っていた車両には消火器もなく、非常ドアもなく、携帯電話も通じず、日本からはスキー部の中学生や大学生が練習のために訪れて、その熱心な練習の様子は日記にも残されているんですが、その子供たちが逃げるに逃げられず、どんなに怖い思いをしたか、そして、お子様や御家族を失った御遺族がどんな無念な思いをしたかということを考えますと、オーストリアでの不当な裁判の結果、どうしても納得をすることができません。
 日本と同じように多数の犠牲者を出したドイツにおいては、ドイツ政府がオーストリアに対して調査をいたしまして、無罪判決は誤りであるとの調査結果を送っております。是非、私は、外務大臣がオーストリアに対して再審を開始するように御意見を言っていただくことを強く希望いたします。
 そして、次に、本件の民事裁判においても、鉄道会社は不誠実な対応に終始し、鉄道会社が資産を保有する米国において遺族が裁判を起こし、現在控訴中です。
 米国の裁判所におきましては、意見を裁判所に対して述べるアミカスブリーフという制度がございまして、この制度を利用して、日本からも学者が二名、国会議員が一名、既に本件に関してアミカスブリーフを提出しています。このアミカスブリーフを日本政府からも提出していただきたいということを遺族が外務大臣にお願いをしておりましたけれども、残念なことに大臣は三月十五日にこのアミカスブリーフを出さないという決定をなさいました。その理由を教えていただけますか。
#113
○国務大臣(岡田克也君) この件については、委員は既に外務省に対して御質問をほかの委員会でされ、そのときにも吉良政務官の方から御答弁を行っているところであります。
 繰り返しになりますけれども、もちろん外務省としては、事件発生直後から、本件事故の御遺族に対する情報提供やオーストリア政府との協議など可能な限りの支援を実施してきたところであります。
 そして、御遺族から御依頼のあった米国連邦巡回裁判所判事あての文書の署名については、原則として私人間の民事裁判への政府の関与は困難であるという観点、あるいは米国外で行われた行為により米国人以外の者が損害を被った事案について米国の裁判所の管轄外であるとの判断が下されたものであることなどを総合的に検討した結果、当該御依頼には沿えないという結論に至ったものであります。
 この決裁が上がってまいりましたときに私も少し考えました。政府としてこういった状況にある日本人の皆さんに対してできるだけのことをしたいと、そういう思いはございましたが、しかし、今言ったような理由を併せ考えると今回は適切ではないというふうに判断したものであります。
#114
○森まさこ君 大臣、私人間の事件であると今おっしゃいましたけれども、日本国は過去に私人間の裁判についてもアミカスブリーフを出したことがございます。エンパグラン事件などについて出しております。
 それから、管轄が違うという、そういう判断がなされたということも今理由にお述べになりましたけれども、管轄があるないということとは関係なく、やはり日本政府はこう考えますということを出すことは可能です。
 また、もう一つ言わせていただくなら、この裁判はニューヨークで行われておりますが、アメリカでは州ごとにこのアミカスブリーフを出すことができる、受け付けることができる要件というのが違っております。外務省が私のところにレクチャーに来て、いや森先生、これは州ごとにいろいろ要件が違っているから難しい局面があると言うから、じゃこの裁判がかかっているニューヨーク州はどんな要件なんですかと言ったら、知りませんと。つまり、ニューヨーク州でアミカスブリーフを受け付けるのに必要な要件も調べてもいないんですね。それを調べた上で、出せるものなら出してあげたい、そういう気持ちでやはり私は外務省には取り組んでいただきたい、大臣がそのように指導をしていただきたい。お願いを申し上げます。
 そして、大臣が三月十五日に出さないという決定をしたその後なんですが、私が消費者大臣、福島大臣に、消費者特別委員会において、これは重大な消費者事件でもありますので、三月二十三日に、消費者大臣、外務大臣にどうか言ってもらえませんか、アミカスブリーフを出すように消費者大臣から言ってもらえませんかというお願いをしたんです。そうしましたら、外務省が消費者大臣のところに説明に行きましてこう言ったんです。遺族はもうこの件は納得済みであると、アミカスブリーフを外務大臣が出さないということについて遺族は納得しましたと、そういう説明をしたんです。そのことを福島大臣が四月五日の当委員会で答弁をしたんです。
 福島大臣の答弁を聞きまして、私は、おかしいな、遺族が納得したわけがないと思いましたら、やはり御遺族の方から連絡が来まして、私たちは納得していないと。なぜなら、三月十五日に大臣が決定を出した後、今日資料でお配りをしましたこの嘆願書を遺族が外務大臣あてに出しているんです。三月十五日の四日後の三月十九日に、アミカスブリーフを出さないという決定に対して、再考してください、再度お考えいただけないでしょうか、そういう嘆願書を出しているんです。
 ところが、三月十九日の嘆願書の四日後の三月二十三日に私が福島大臣に質問をしたら、外務省が福島大臣のところに行って、もう遺族は納得していると言ったんです。これはうその報告です。虚偽の報告をして、消費者大臣が外務大臣にアミカスブリーフのことを、意見を言うことを阻止したんです。このことについて外務大臣はどうお考えになりますか。
#115
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘の点は、福島大臣と外務省職員の間でどういうやり取りがあったのかということを私は承知をしておりません。委員の言われたことがそのとおりなのかあるいは違うのかということは、それは私には判断できませんが、もし本当にそうであれば福島大臣は私に何かあるはずだと思うわけです。そういうものは一切ございません。そのことは申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、先ほどニューヨークにおける取扱いについての御発言もありましたが、先ほど言いましたように、やっぱり原則として私人間の民事裁判への政府の関与は困難である、もちろん例外はございます、それぞれ特別の状況ということを踏まえて今まで出したことはありますけれども、今回の場合についてはそれは困難であるというふうに判断をいたしました。
 加えて、先ほど申し上げましたように、米国人以外のもの、今回、日本人が米国以外で損害を被ったものについてその米国の裁判所で訴訟を行うことはそれは管轄外であるというのは、私は常識にかなった一つの判断であるというふうに思いますので、そういった事案についてまで日本国政府あるいは外務省として一定の文書を出すということには慎重でなければならないというふうに判断した次第であります。
#116
○森まさこ君 大臣は今の福島大臣とのやり取りは初めてお聞きになったことと思いますが、国会での答弁でございますので、四月五日の当参議院決算委員会において福島大臣が私に対して、外務省が自分のところに来て遺族がもう納得済みであると言ったので私は岡田大臣に何も話をしていませんというふうに答弁をしていますので、どうぞ議事録を確認をなさって、そしてこのことについては外務省内で厳しくやはり指導していただきたいと。御遺族の方々のそのお気持ちを考えたらとんでもないことだというふうに思っております。
 そして、是非このことについて、大臣の今御見解もございましたけれども、日本人十名が亡くなっている、海外で亡くなっている事故、このことについて証拠が隠されていて、そしてオーストリアという国ぐるみで、やはりスキー客という自分の国の観光業にかかわることで隠しているんではないかということがドイツを始め国際的にも大変な問題になっているという状況でございます。
 是非、御遺族の方にも外務大臣がお会いになってお話を聞いていただくようにお願いを申し上げます。
 最後に、大臣のお考えをもう一度お聞かせください。
#117
○国務大臣(岡田克也君) ですから、二つの話がございますので、これは分けて考えなければいけないことだと思います。
 今言われたのは、オーストリアにおきます再審請求の話、このことについては、私は再審請求を既に行っているのかどうかは承知をしておりませんが、今の委員のお話ですともう既にそれは行われたということですから、そういうことであれば政府としてでき得る限りの努力をしなければならないと、そういうふうに思っているところでございます。
#118
○森まさこ君 二つの話がありますが、証拠が隠されていたことはどちらにも影響しますので、私からはどちらの件もお願いをしておきます。
 時間をいただきましてありがとうございました。質問を終わります。
#119
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 まず最初に、北澤大臣の方に在日米軍の再編関連、この経費についてお伺いいたします。
 平成二十年度のいわゆる再編交付金の決算額は、防衛省の資料によりますと約百十五億円となっています。このうち沖縄の名護市にはどのぐらい交付されているか、御答弁願います。
#120
○副大臣(榛葉賀津也君) 平成二十年度で結構でしょうか。
#121
○佐藤正久君 はい。
#122
○副大臣(榛葉賀津也君) 平成二十年度でございますが、名護市につきましては十三億九千万円ということでございます。
#123
○佐藤正久君 今の約十四億円というのは、実は十九年度と併せて交付されています。十九年度分と二十年度分、この理由は、名護市については十九年十月時点では対象から外されています。二十年三月末にやっとこれが対象になって、十九年度に続いて二十年度も交付されたというふうに聞いています。これはいかなる理由で最初はこれは対象にならずに、三月末で交付の対象になったんでしょうか。
#124
○副大臣(榛葉賀津也君) 名護市がこの米軍再編に御理解いただいたのが三月末だということでございます。
#125
○佐藤正久君 もう少し具体的に、なぜ今まで、名護市の方は現行案の受入れというのは大筋で了解しています。なぜ十九年の十月時点では対象にならずに、二十年三月時点でなったのか。何が変わったんでしょうか。
#126
○副大臣(榛葉賀津也君) 三月三十一日に指定がされましたので、それで繰り越してということになろうかと思います。
#127
○佐藤正久君 もう少しその経緯は調べた方がいいと思います、私が前説明を受けたときとはちょっと違う感じですので。これは防衛大臣が指定するんですよ。防衛大臣が再編交付金で、自治体に対してこれを交付するかどうか防衛大臣が決める。これは四段階で決めるというふうなことを言われていますけれども、二十一年度では名護市に対する再編交付金の額は増えました。これはなぜ二十年度、二十一年度、この額が変わるんでしょうか。
#128
○委員長(神本美恵子君) これは佐藤委員、通告されておりますか。
#129
○佐藤正久君 在沖縄米軍の再編関係、通告していますよ。
#130
○副大臣(榛葉賀津也君) また大臣からもお答えがあるかもしれませんが、事業の進捗に応じて再編交付金が増えていくというプロセスになっております。
 他方、委員からは大まかに再編交付金についてという通告はいただいていますが、実はこれだけ具体的な項目で通告をいただいていなかったので、もし具体的にちょうだいできれば適切な数字を御提供できるかと思います。
#131
○佐藤正久君 沖縄に関する米軍再編関連経費というのは、再編のための事業と再編関連交付金の二つしかないんですよ。二つしかないんですよ。要は、いっぱいあるわけではなくて、事業の経費と再編の交付金、二つしかない。今二十二年度、これは鳩山政権が作られた予算で、防衛省が作られた予算です。二十二年の再編交付金、これは名護の分も入っていますけれども、この前提というのは、現行案というものを前提に二十二年度の再編交付金、これを積んでいるというふうに伺っています。ただ、これは現行案がそのままではない違うものに変わった場合、二十二年度鳩山政権が作った再編交付金、これはこのまま名護の方に配賦する、しない、どういう扱いになるんでしょうか。
#132
○国務大臣(北澤俊美君) 今、まさに鳩山内閣とすれば、新しい案を作るということで懸命に努力をしているわけでありまして、仮定の問題にお答えすると地域が特定されるというようなことで無用の混乱を起こすということから、差し控えさせていただきたいと思います。
#133
○佐藤正久君 これはやっぱり大事な問題で、地元にとっては、検討はしていただかないと、言う言わないは別にしまして。この再編交付金というのはこれは事業をつくっているんですよ、御存じのとおり。
 もう大臣は自治体の行政お詳しいでしょうから分かるように、いただいたお金を基金とかいうものにつくったりして、いろんなものを合わせて事業を継続している。中には、二十年度から二十一年度、二十二年度にかけてずっと継続事業もあるわけで、そこに予算を割り振っていると。新規のものも多分あるかもしれません。ただ、二十二年度、仮に現行案と違うものが鳩山政権で決めたという場合には、この再編推進の交付金、これが来ないと、自治体にとってはまた、今までの継続事業の財源がなくなってしまう、いろんな関係があるんですよ。
 だから、その辺りは当然防衛省として継続性と、あるいは変更するんであれば、その辺りはしっかりと自治体の要求あるいは調整をしながらやらないと現場が混乱してしまいますから、そこはしっかりと検討していただきたい。お約束を願います。
#134
○国務大臣(北澤俊美君) 当然のことでありますが、例えて言えば、名護の問題は、継続事業が幾つかあるわけであります。その継続事業について来年度引き続いて交付金を受けるかどうかと、こういうことになりますと、御存じのように、新しい市長が誕生して基地は造らないと、こういう意思表示をされた中で継続事業、さらには来年度予算について申請をするかどうかと、こういうことは当該地方自治体が決定することでありまして、もう御案内のことと思いますが、これは指定された地域が国に対して、防衛省に対して交付金を申請する、いわゆる申請主義で我々は対応すると、こういうことであります。
#135
○佐藤正久君 来年度事業ではもう今年度なんです。今大臣は来年度と言われましたが、今年度もう始まっていますから。
 そういう面において、名護市長は継続事業については要求したいと、ただ新規事業についてはそれはお断りするというふうなことも言っています。この辺りはしっかりと継続性というのを考えた上でしっかり地元対応をやっていただきたいというふうに思います。
 次に、外務大臣の方にお伺いいたします。
 二十年度決算におきましては、沖縄における再編事業、これは環境影響評価というものにもいろいろと予算が使われておりまして、二十年度で大体三十二億円、環境影響評価に使っています。十八年、十九年、二十年度というふうに合わせると四十六億円のお金が環境影響評価、現行案に基づくやつは使われていると。再編交付金も、そういう事業関連の予算もやはり現行案というものに基づいて二十年度、二十一年度、そして二十二年度と、今回鳩山政権が作った予算も、これにも組み込まれていると。これを交付するかどうかはこれからの話だというふうに思いますけれども、これはすべて現行案というものを前提にして実施してきたものです。
 鳩山政権の、特に鳩山首相の意向としては、少なくとも県外だというふうに約束をされ、また三月三十一日の党首討論におきましては、腹案というのは、現行案と少なくとも同等あるいはそれ以上の効果があると。となると、腹案というのは現行案と違うものだというふうな感じに取れます。となると、現行案とは違う腹案というものができた場合、今までつぎ込んだ環境影響評価なりあるいは再編関連事業、こういう予算というものが必ずしも十分な意義を持たない可能性もあるというふうに思いますけれども、外務大臣の御認識をお伺いいたします。
#136
○国務大臣(岡田克也君) 外務省の予算ではありませんので、私が答えることが適切かどうかという感じはいたしますが、まず、この移設の問題は五月末までに政府として結論を出すということにしておりまして、それまでの間、仮定に基づく質問にはお答えしない方がいいというふうに私は考えております。
#137
○佐藤正久君 でも、これは、今現行案というものについてこだわりましたけれども、実はもう平野官房長官が県外を軸として今検討しているんだというふうに明言されているんですよ、今日。今日の午前中の段階でまた違う段階に入ったんですよ。今までは、総理は少なくとも県外と、これは去年の夏の話ですけれども、今日の午前中、平野官房長官は違う段階に入ったんです、県外を軸に検討していると明言したんですよ。現行案ではないですよ。県外を軸に、県外に機能を分散すると言っているんですよ。これは政府の、まさに官房長官が言われた言葉ですよ。
 であれば、だれが考えたって、今、決算委員会ですから、二十年度に作った予算、それを実際、事業にのっとって使った、その効果が必ずしも十分な意義を持たないというふうに考えるのが普通じゃないですか。現行案というのはキャンプ・シュワブの沿岸部ですよ。県外であれば全然違うでしょう。
 今、認識を聞いているんですよ。官房長官は明言されたんですよ。いかが認識されますか。
#138
○国務大臣(岡田克也君) 五月末までに政府の案を決定をするということであります。現時点でその内容に立ち入ったことはコメントしない、それが私の考え方であります。
#139
○佐藤正久君 でも、そういう言い方をずっとしているから、閣内で全然、官房長官がこう言う、あるいは外務大臣はまたいつまでもずっとゼロベースのようなことを言われる、総理は少なくとも現行案よりも同等若しくはそれ以上と言われる。みんな混乱しますよ。全部答弁拒否。何ですか、これは。決算委員会ですよ、今ここは。
 そこで、現行案というものにそのまま乗っかっていれば予算がそのまま有効に使われる。それが違った場合、それは十分ではない。当たり前の話でしょう。これは一般論としてもそう言えるでしょう。現行案と違えば、環境影響評価もあるいは事業も変わってくる。再編交付金も、その自治体に対して与えるものですから。そうでしょう。ましてや、官房長官が今日、いよいよあと五十日を切ったという段階で、県外を軸に調整していると沖縄の県会議長に明言されたんですよ。県外を軸に機能移転を考えていると。
 じゃ、二十年度に使った予算、決算、これとの関係、これを全然説明しない。理事、これは全然、答弁拒否ですよ。おかしいと思いますよ。この決算委員会をなめているのかと思いますよ。だって、これを使っている。官房長官は午前中に現行案と違うものを考えているんだと明言している。
 だから、違う場合はこの使った予算、決算の部分が十分な意義が、ゼロとは言いませんよ、百点ではないんじゃないですかと聞いているんですよ。それについても言えない。これはおかしいですよ。
#140
○国務大臣(岡田克也君) 私も経験がございますが、閣僚の発言というのは様々に報道されますが、どういう状況の中でどういった発言が出たのかということを正確に確認しておりませんので、今の委員のその発言だけで私は詳細を申し上げるわけにはいかないということでございます。
 いずれにしろ、閣僚間で確認していることは五月末までに決定をするということでありまして、現時点でその内容について立ち入る、そういったことについては私は控えたいというふうに考えているところでございます。
#141
○佐藤正久君 じゃ、一般論でお伺いします、一般論で。
 仮に、今まで現行案で来ていたと。その現行案を修正するなり違うものになった場合、この環境影響評価とかあるいは再編のための事業というのは当然追加措置が必要だし、あるいは期間も延びると、こういう認識はいいですか。一般論です。
#142
○国務大臣(岡田克也君) 今回の件ではなくて一般論として言えば、そういうことは言えるかと思います。
 例えば、既に国会の中の議論でも出てまいりましたが、オスプレーを導入するということになれば、これは今までの調査というものはやり直しになりかねない問題であるというふうに認識をしております。
#143
○佐藤正久君 オスプレーもそうかもしれませんけれども、場所が変わったら環境影響評価も当然、これは一般論ですけれども、場所が変わったら当然環境影響評価もやり直さないといけないという認識はお持ちですよね。
#144
○国務大臣(岡田克也君) これは場所によりけりだと思います。環境影響調査、特に国の環境影響調査をやらなければいけない場合とそうでない場合があるというふうに考えております。それはもう場所によりけりであります。
#145
○佐藤正久君 今の御答弁の中で、国が環境影響評価をやらなくていい場合というのはどういう場合ですか。
#146
○国務大臣(岡田克也君) そういう話をしていきますとだんだん中身に入ってまいりますので、それは一般的な常識で、その法に定める要件に該当しない場合というふうにお答えしておきます。
#147
○佐藤正久君 その法に定められていない分野というような答弁ですけれども、これは法というのは当然、環境影響評価法、国の法律と県の条例、二つあります。当然、条例というものを含んだ上での法に該当しない分野という認識でよろしいですか、一般論で。
#148
○国務大臣(岡田克也君) 私は今、国の話をしたわけであります。県は県の条例がそれぞれありますから、それぞれの条例に基づいて判断されることだというふうに思っております。
#149
○佐藤正久君 一般論ですけれども、やはり現行案と違う形になれば環境影響評価もやり直さないといけない場合もあるし、期間も延びると。それだとやっぱりお金が掛かるんですよ、当然。予算措置、予算組みもしないといけないかもしれない。
 環境影響評価書を私も分厚いやつ三冊読ませていただきましたけれども、大変ですよ、本当に。現行案をちょっと修正するだけでも、場合によっては飛行のための騒音とかあるいは希少動物、植物のやつもやらないといけない。これは防衛大臣、お詳しいと思いますけれども、そういうような状況だということを認識していただきたい。非常に、せっかく何十億というお金を使ったという前提はしっかりと心に入れて日米交渉というものもやっていただきたいなと思います。
 そういう上において、日米交渉、非常に今大事な時期だと思います。八日の委員会におきましても、鳩山首相がアメリカの方に行ってオバマ大統領と私は二国間の会談をやっていただきたいというふうに岡田外務大臣に要望しました。現在のところでは、バイの正式な会談はアメリカの都合等もあってセットされていない、だけれども、できるだけそういう場を設けるように努力したいと言われました。現在の状況、これについて外務大臣にお伺いします。
#150
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、二国間の首脳会談ということは予定をされておりません。しかし、何らかの形で鳩山総理とオバマ大統領が意見を交わすことができる、そういう機会を確保したいというふうに考えているところでございます。それ以上のことは現時点では申し上げられません。
 それから、いずれにしても、そういうときに普天間の移転の問題が主要な課題となって深く議論されるかというと、そういうことはありません。それは、私がクリントン長官やゲーツ長官とお話をしましたときにもそういった中身に立ち入った話はしておりませんし、そういう段階ではまだありません。ましてや、首脳間でそういう話について立ち入った議論になるということは全く想定していないところでございます。
#151
○佐藤正久君 報道ベースだと、食事の席でアメリカのオバマ大統領と鳩山首相が隣同士になるという報道がなされて、その場でいろいろ議論がなされるのではないかという報道がありますけれども、これは間違いと、あるいは言えない、どちらですか。
#152
○国務大臣(岡田克也君) 先ほど申し上げましたように、現時点でどういう形の意見交換になるかということについては申し上げられません。
#153
○佐藤正久君 ただ、鳩山首相は結構意欲的なようで、今日出発前の記者等に対して、これまでの普天間の我々の検討状況の経過というものも説明したいし、また五月末までに結論を出すための協力をお互いにしていこうという呼びかけもしたいということを言われて日本を離れたと。やっぱり鳩山首相、五月末までに命懸けで体当たりで行動したいと言われておりますから、やはり今回の日米の首脳が会う機会というのを有効に使いたいという思いはあるようですよ。
 そういう意味において、今回できれば、この前も言いましたけれども、二国間のやっぱり会談というものはセットしていただきたかったと。当然、日米関係、この普天間だけじゃありません、いろんな問題があります。このNPRの話もありますし、いろんなものがある。日米同盟、安保条約改定五十周年、いろんなことがある。であれば、やはりそういう会談をセットしていただきたかった。十二月のコペンハーゲンのCOP15のときも二国間の首脳会談は正式にはできなくて、今回の核の安全保障サミット、これもできない。日本は被爆国です。オバマ大統領は核なき世界を目指している。まさに本当に日本がアメリカに対して、一緒にこれから核についてはこういうふうに向かうんだということを発信するすごいいい機会だと思いました。非常に残念ですけれども。ただ、その中でもやはりオバマ大統領に対して鳩山首相が言いたい、これは非常に大事なことだと思います。
 また時間ありますので、できるだけ、鳩山首相も普天間のことを説明したいと言っているんですから、そういう機会を是非ともつくっていただきたい。大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#154
○国務大臣(岡田克也君) 先般、ゲーツ長官、クリントン長官とお会いしたときに、五月末までに日本国政府として結論を出すということは私も申し上げたところであります。総理からそういった総理御自身の決意について大統領にお話をなさるということは、私は意味のあることだというふうに思います。
 ただ、先ほど言いましたように、具体的な移設先その他の中身について議論するような、そういう状況ではないということは申し上げておきたいと思います。そういったことは元々期待されていないといいますか、そういうことを議論する場ではないと、そういう段階ではないというふうに考えております。
#155
○佐藤正久君 八日の外交防衛委員会におきましても外務大臣の方から、現時点というのは、実務者、実務家同士でやっているレベルであって、外務大臣ベース、ましてや首脳レベルでやるような段階ではないというふうな答弁がございました。覚えておられると思います。外務大臣ベース、ましてや首脳レベルでやる段階ではない、実務家で今やっている段階だと言われました。
 ただ、現時点において、報道等によりますと、その実務家協議、日米の実務家の協議も先送りされたという報道がありますけれども、現在の状況どうなっていますか。
#156
○国務大臣(岡田克也君) いろんな憶測に基づいた記事というのはありますが、事実関係を申し上げますと、先般、ルース大使と会いまして、基本的には、外務大臣、私とルース大使の間で議論を進めていこうということについて合意をしているところであります。
 そういった合意に基づいて、先般会いました。私から、幾つかアメリカの考え方についてより詳しく教えてもらいたいということで、幾つかの質問も発したところであります。そういうものがやがて返ってくるんだろうというふうに思いますが、それが、より細かいといいますか、具体的な議論になれば実務者同士で議論するということになると思いますが、今その前段階で、私と大使の間で基本的な議論を行っているというふうに御理解いただきたいと思います。
#157
○佐藤正久君 となると、八日の答弁で外務大臣は、議事録によりますと、今実務家で議論を始めていると言われました。今の答弁だと、まだ実務家で始める前に、またルース大使と外務大臣の間で詰めないといけないという答弁と、ちょっと何か後退したような感じがします。
 また、十日の日、横須賀で岡田大臣が記者の方に、その実務者協議については必ずしもなければいけないものではないという発言をされたと。まさにこれは、まだ今は外務大臣とルース大使と詰めの協議を、認識の詰めというか、認識の共有を図っている段階であって、まだ実務家というのは次の段階だというふうな認識で今は取りましたけれども、これ間違いありませんか。
#158
○国務大臣(岡田克也君) 過去にということについては私コメントいたしませんが、現段階ではルース大使と私の間で意見交換を行っているという段階でございます。
#159
○佐藤正久君 この進め方なんですけれども、先ほど藤田委員からもございました、日米で進める分野と、あと日本側の地元調整を進める分野と。これは同時並行的にやるという案もありますけれども、やはりアメリカ側、私がアメリカ側だったら、それはやはり日本側の方を一歩ぐらい先んじて進めてほしいというふうな意向を持ってもおかしくないと思います。
 この前の委員会でも外務大臣は、ボールは日本側というよりも日本政府にあるんだというふうな答弁をされました。まさにそうだと思います。アメリカにとっては、これは日米両政府で決めた合意案と。それは現行案です。それを鳩山政権は検証の結果、現行案ではないものを今やろうとしている。であれば、それはボールは日本政府側にある。地元調整、この方を、同時並行と言いながらもやっぱり一歩ぐらいは先に進めてほしいという思いがあると思います。
 そういう意味もあって、防衛大臣は、地元調整を先にやらなければアメリカがそんな乗ってくるわけはないよというふうに言ったと報道ではありますけれども、それは素直な感覚だと思いますよ。
 外務大臣として、やはり地元調整を一歩ぐらい、半歩でもいいから先に進めてほしいという思いはございませんか。
#160
○国務大臣(岡田克也君) 一歩とか半歩とかいうことが具体的に何を意味するのかというのが必ずしも明確でないと思うんですね。
 交渉を担当する者としては、必ず地元との調整が一歩あるいは半歩先を行かなければいけないというような、何といいますか、交渉をある意味で縛るような、そういったことについては私はコメントをすべきでないと。最大限のやはり、何といいますか、交渉の余地を残して地元との調整、アメリカとの調整、そういうものを行っていかなくてはならないというふうに考えているところでございます。
#161
○佐藤正久君 ここで防衛大臣にお伺いします。
 地元調整、防衛大臣は八日の委員会におきまして、大臣が地元に行かなくても、防衛省の役人、官邸サイドの人間、間に立つ人間がいろんなルートで調整しているんだと明確に答弁されました。
 防衛省や官邸以外の間に立つ人間、これがやっていると。よく分からないんですけれども、これ、どういう人間をイメージされていますか。防衛省や官邸以外の間に立つ人がいろんなルートで調整していると。間に立つ人って、これ、どういうことですか。
#162
○国務大臣(北澤俊美君) 御質問、ペーパーを見ながらのお話ですから、私がしゃべったことなんだろうと思いますが、そこのところは、この問題については、様々な人たちが私のところへも訪ねてまいります。それが極めて、失礼かもしれませんが、荒唐無稽なものもあったり、なるほどとうなずくようなものもあったり、そういうものを総合的に判断しながら物事は進んでいくということをそういう表現で申し上げたというふうに思います。
#163
○佐藤正久君 多分この週末もそういういろんな、大臣の答弁によりますと、防衛省や官邸のサイドの人間とかも多分地元調整含めていろいろやっているというふうに思いますけれども、大臣は今週末は地元の方に帰られると思いますけれども、地元の方に帰られても、しっかり電話等でそういう調整している人間とやり取りをしながら地元調整を進めているというふうな認識でよろしいですか。また、地元調整、あと五十日を切りましたけれども、その進捗状況、いかがでしょうか。この二点についてお伺いします。
#164
○国務大臣(北澤俊美君) 私の立場で進捗状況を申し上げる立場にはなくて、これは御案内のように官房長官が総合的に手綱を持ってやっているというふうに私は認識をしております。
 私が長野へ帰っておりましても頻繁にメールは来る、電話は来る。例えば、佐藤委員が徳之島に入ってだれそれと会ったなんていう話まで事細かに教えていただいておるのが現状であります。
#165
○佐藤正久君 まさに今から聞こうとしていたところなんですけれども、九日の日に徳之島にいました。そこで伊仙町の町長から怒りを持って言われたのが、防衛省の地方協力局長が総務省の人間を介して会いたいと、鹿児島でもいいというアポの申入れをしてきたと。私は断ったと。まだ知事から何にも聞いていないのに、国の地元調整の局長がいきなり基礎自治体の町長にアポを入れる、これは普通じゃないと。
 こういうやり方というのは私は普通ではなくて、やっぱり知事から。沖縄の方では当然、知事に対して防衛大臣が会われたり平野官房長官が会われている。鹿児島県知事の方に直接会ったというふうに聞いていませんけれども、いきなりその下の局長がアポを申し入れる。やっぱりこれは順番としてはおかしいと思いますけれども、防衛大臣、御認識いかがですか。
#166
○国務大臣(北澤俊美君) 個別のことについて私がコメントすることは差し控えますが、今名前の出た局長は極めて優秀な職員でありまして、自分の職務の使命感に基づいてそれぞれ対応をしていると思いますが、私は今お話のありましたような事実があったかないかということは承知をいたしておりませんし、本人からもその説明は受けておりません。
 それと、交渉ですけれども、これ物事によりけりでして、上からぽっと行って物が解決する場合もあるし、下の者が頻繁に環境を醸成して、そして最後に決めると、これは様々でありますから、今の佐藤委員のように、トップが行ってとにかく頭を下げてそれからスタートしろと、こういう話が必ずしも常識的であるかどうかということは、私はこの人間が営む世界では様々であるというふうに私の長い経験からそういうことは承知をいたしております。
#167
○佐藤正久君 私の経験だと全く逆で、やっぱり地元対応というのは誠実に時間を掛けてやるものであって、短時間で裏技でやるという問題ではないと思います。自衛隊のヘリコプター部隊の移設一つ取っても、もう十年以上掛けてやっているという経過もあります。いろんなパターンがある。
 という中で、今、徳之島、物すごく不安、疑心暗鬼です。報道ベースでは徳之島どんどん出てくる。防衛省の局長さんからはアポの申入れがある。でも、否定も肯定もしない。私が行ったときも、ある町の課長級がみんな集まって協議をしていました。十八日の反対集会どうやろうかと。いろんな不安もある。否定してくれたらそれですとんと落ちるのに、否定も肯定もしない。これで本当に信頼関係が生まれるか。物すごく怒りというのはその町長は持っていました。今この状況で本当にいいのかと。
 片や、昨日静岡の方に行きましたら、東富士の演習場、この演習場使用協定が三月末で一応九次協定が切れる、十次協定が四月一日からだ、そういうときに報道ベースで東富士演習場が移転先の候補になった。地元からは、それが否定されない限りは使用協定の協議は応じないという話があったと。昨日、その地元のある首長さんは地元の衆議院議員、地元の某参議院議員、名前まで言われましたよ、ここで名前はあえて言いませんけれども、その二人のおかげで非常にうまくいったと、使用協定ができたと、こういうイベントができるのもこの二人のおかげだと言われました。
 片やそういう静岡の方では否定をする対応を取り、片や徳之島の方では否定も肯定もしない、どんどん不安が広がっている、この状況というのは地元交渉をする上で私は問題だと思います。
 最後に、防衛大臣の、今のこの状況というものを考えながら、これからの地元交渉に向けての決意をお聞かせ願いたいと思います。
#168
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほども申し上げましたが、物事を決着させていくための道筋というのは様々でありまして、私も防衛省へ来ましてから、防衛省の中で物事を決めていく場合、意見をなるべく下から聴取をしておりますが、命令するには上からぽんとやれば先の先まで届くということは体験をいたしまして、佐藤委員はほぼそこで人生の大半を過ごされたからそういう発想をなさるのかなという今感想を持っていたわけでありますが。
 私も長く県議会にいまして、特に長野冬季オリンピックをやったときに、これは大変な事業をやりました。これを、頭からオリンピックが来るからと、こういう手法がやや先行したときに、あらゆる、議会その他から、そこのけそこのけオリンピックが通るというような発想で物事が最後まで行くのかということで、県の執行部も極めて真摯に反省をしてボトムアップで物事を解決するということもしております。そういうことからすると、この問題は、それぞれの政権が、前政権と今の政権、それぞれ違った手法もあるかと思いますが、私は基本的には丁寧にやるべきであると。
 それから、東富士の問題について、今の話と同列に扱われておりますが、東富士の問題は、ちょっとした不規則の発言をとらえて非常に敏感に反応されましたが、つい先ほど、先ほどというか、一週間ほど前ですか、県知事がおいでになり、関係市町村長さん全部来て、極めて友好的に調印ができたということであります。
#169
○委員長(神本美恵子君) 時間を超過しております。
#170
○佐藤正久君 終わりますから。
 やっぱり結果ですから。地元交渉、五月末まであと五十日切りました。そういうやり方で結果を出すという自信がおありの答弁ですから、その結果を私も期待したいと思います。
 ただ、部下が勝手に地元の首長さんと会っていると、そういうのを報告もないし聞いてもいないというのは私は問題だというようなことを指摘をさせていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#171
○山下栄一君 公明党の山下でございます。
 四点、五点、質問をさせていただきます。
 最初に、外務公務員と在外勤務の手当の問題でございます。これは、今、公務員の人件費ですね、これは定員の問題と額の問題が両方あると思いますけれども、国会議員も含めまして公務員の人件費に対して非常に厳しい国民のまなざしがあるわけでございます。そういうことを新政権も真正面から受け止められて、去年の十月でしたか、この在勤手当、非常に不透明な部分もあるということから、省内にプロジェクトチームをつくられて十二月に報告されて、そして予算に反映、予算の削減に結び付けるということで取り組まれたわけでございます。この取組を評価したいと思います。どれだけのこの予算への反映があったのかということをまず確認したいと思います。
#172
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと金額については、事前に御通告いただいておりませんので、数字的なことはなるべく事前にお教えいただいた方がいいかと思いますが、十月十五日、概算要求を再提出をしたわけでございます。在勤手当に関しては、人件費コスト削減の観点から、前政権下で要求していた三百十二億円を三百九億円に減額したところでございます。
#173
○山下栄一君 いずれにしても、取組の意欲といいますか、改革へのメスを入れるんだという取組、何遍も言いますけれども評価したいと思うわけです。
 私は、もう細かいこと質問しませんけれども、この手当は、別にほかの省の方も海外勤務の場合は外務省に出向する形でされますので、非常に大事なこれは問題だと。別に外務省職員だけじゃないと、全省庁の職員が海外で勤務するときにも影響はあると。場合によっては、独法の国際交流基金とジェトロもそうかも分かりません。そういうところにまで影響を与える問題なので、公正性が大事だというふうに思います。
 ところが、一般職の職員と比べると、この公正性について今の体制はちょっと弱いなと。お手盛りにならないようにする制度的保障をどうするんだと。この外務人事審議会という方式はこれ政令設置だと思うんですね。メンバーどうするかと。メンバーについても、どのような透明性のある審議会のメンバー選んでいるんだということが国家公務員法と比べると非常に危ういと。
 したがって、採用試験は一緒になりました、外交官試験とほかの試験ですね、一般職の。ところが、手当は確かに外国なので各国によっても違うしという。だけど、基本的にできるだけ国民から批判を受けないように、ほかの国の同じ地域における手当どうなっているんだと、また生活手当もその地域のそれぞれのお国の方の人たちとの比較を含めましてきちっと調査をして、そして客観性、そして国民の納得するようなやはりやり方が正しいのではないかと。
 民間調査機関に調査させるというふうなプロジェクトチームの御報告ですけど、民間調査機関って一体それはどんな民間調査機関なのかと。そんなことをきちっと調査できる、そんな機関はあるのかということを考えましたときに、ちょっと御提案ですけど非常に分かりにくいなと。
 いずれにしても、公正性のある調査そして手当の決め方、これは基本的に見直した方がいいのではないか。一般職の内勤、国内の、人事院勧告方式等はそのままはもちろん適用できませんけど、しかし、きちっとした調査と決める方々の審議会のメンバーの人選の仕方、場合によったら国会同意人事も含めて、この審議会の在り方ですね、法律設置にすべきではないかと。同じように人事院と同じような形でできないかもしれませんけれども、批判を納得性のある打ち返しの仕方をするためには今の外務人事審議会方式、政令設置の審議会方式では私は国民は納得しないと思うわけでございます。
 この公正性のある、そしてお手盛りではないという意味で中立性のある、そういう決め方、そして決める組織、機関を見直すべきではないかというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#174
○国務大臣(岡田克也君) 委員の今御指摘の問題意識は私も全く共有しているところであります。
 外人審というのは外務省設置法に基づく審議会でありますが、その意味するところは、人事院に代わる、一般の公務員に対して人事院がありますが、もちろん外務公務員についても人事院のその適用はあるわけですけれども、その特別な部分について外人審がそれをカバーすると、そういう構成になっているわけであります。
   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕
 この外人審が今まで有効に活用されてきたかどうかということについて私も一定の問題意識を持ち、外人審の人選も、ちょうど任期が来る方がかなりいらっしゃいますので、全面的に任期の来る方については見直すと、新たな人を任命するということを考えているところであります。
 そして、先ほど民間調査機関というのは果たしてそういうものが適切かどうかという話ありましたが、これは日本の企業も使っているそういうデータがございます。したがって、そういうものを活用して日本の企業とのバランスがどうなのか、外国の公務員とのバランスというのはそれはもう既に統計もありますから、日本は余りいい場所にはないわけでありますけれども、民間企業とのバランス、民間企業といってもそれは一部の限られた大企業なのか、もう少し幅広く母数を取るべきなのか、そういうことも含めて様々検討を行っているところでございます。問題意識は私は全く共有しておりますので、きちんと説明できるような、そういったものにしたいというふうに考えているところであります。
#175
○山下栄一君 外人審という言い方されましたけれども、これは法律設置じゃなくて外務省組織令、政令設置でもありますので、この辺もやっぱり法律設置に少なくともすべきではないかということも含めて、問題意識共有していただいているようでございますので、国民から見てさすがだと言われる制度設計をお願いしたいと思います。
 二点目、これは三月二十九日に社民党の又市委員も取り上げられた問題でございますが、防衛省に対するまさに今大きな話題になっております普天間基地の代替施設にかかわる民間委託による調査ですね、海の潮流とか潮位の調査とか地質調査とか、そういうことも含めて行われた契約、それにかかわって、詳しいことはもう繰り返し申しませんけれども、去年、十九年度の検査院の検査報告で指摘されたと、処置済事項になっている。しかし、この局長、予責法、予算執行職員の責任に関する法律の責任ある局長等が、責任が余りにもこんな問われ方でいいのかと、口頭注意、そういう処分でいいのかということから、検査院が異例の、五十七年ぶりの、昭和二十七年以来の決死の覚悟ともいうべき、私から言わせたらですね、懲戒処分要求を行ったと。その要求の重みをどれだけ防衛省は感じてるのかということを私は非常に危惧するわけでございます。前政権と同じであってはならないという強い意欲で今政権担当をされている北澤大臣だというふうに認識しておるわけでございますけれども。
   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕
 私は、まずこの委託契約ですね、防衛省発注の技術業務委託契約、検査院は法律違反があると、そういうことから懲戒処分要求をあえてしたと。この法律違反もそんな形式犯じゃないよということだと思うわけですけれども。法律違反であるという認識が弱いんじゃないのかなというふうに、大臣、思うんですけれどもね。大臣はどのようにお考えでしょうか。
#176
○国務大臣(北澤俊美君) これは前回の当委員会でも御答弁を申し上げたところでありますが、重ねて申し上げるようで恐縮でありますけれども、防衛省として懲戒処分要求を受ける前の昨年九月十一日、当時の那覇防衛施設局長二名を含む関係者三名について、関係法令に基づく事務手続が不適切であったことから、自衛隊法第四十六条に規定する懲戒処分までには至らないが、しかし不問に付することも適切ではないと、そういうことを認めて、防衛大臣、当時の浜田防衛大臣でありますが、私が就任する五日前でありますが、内規に基づく注意等の処分を行ったということであります。
 私も、就任して以来、この問題についてはしっかりレクチャーを受けて、その後、経緯も十分承知をさせていただいたところでありますが、委員十分御存じだと思いますが、反対運動の中で契約会社が次から次へ新しい手を打たなきゃならなかったということで、それを契約の中できちんと処理することを怠ったと、こういうことでございます。
 ただ、会計検査院も、懲戒処分が相当であるということを言うと同時に、追加業務は業務遂行上必要なものと認められ、受託会社には二十一億八千万円の和解金を支払ったことで国に損害を与えたとは認められないというコメントを付けてきていただいておりますので、今後とも省内でしっかり検討をし、早急に結論を出してまいりたいと、このように思っております。
#177
○山下栄一君 今日は、検査院長、来ていただいております。
 私は、昭和二十七年以来、憲法機関である会計検査院の懲戒処分要求というのは、そんな中途半端に受け止めてもらっては困るという強い意思を検査官会議で決議されて、私はこれは五十七年ぶりに出されたということは物すごいことだと思います。
 うちの党は、この会計検査院の懲戒処分についての検査院法改正、予責法改正、これを既にもう二回も国会提出いたしました。何でこんな懲戒処分がいいかげんなのか、公務員の責任の問い方が余りにもいいかげんだ、金を返したらええのか、そんな問題じゃないよ、再発防止ばっかり言う、何か事件が起きると再発防止、再発防止の前にちゃんと責任を取れよと、これが国民の声だと思います。
 それは、基本的に懲戒処分だと思います、現職については。もう一つは、やはり場合によれば刑事罰というか、官製談合防止法というのは刑事罰が入っているわけです。公務員を刑事罰することは極めて困難です、これは。私も嫌というほどこれを感じてきました。懲戒処分はちゃんとせいよと検査院が指摘しているのに、懲戒処分の手前のところで処分したり、省によっては同じ内容なのに懲戒処分の中身が違うとか、そんなことがまかり通ってきたと、この五十年間。
 したがって、この予責法改正、会計検査院法改正ということによって、この懲戒処分の、できるけれどもしてこなかった、非常にしにくいと、これは検査院が要求することは。妥当性は人事院にチェックしてもらわなあきません。人事院とタイアップしながら懲戒処分の妥当性を、少なくとも不当事項等で検査院が指摘したことについては、ちゃんとそれは、された側がちゃんとしてくれよと。であるのに、この防衛省の、今おっしゃいましたように、前政権ですけれども、駆け込みで何か北澤さんが就任されるちょっと前にやったということですけれども。だけど、同じような受け止め方で新政権もやってほしくないと、強い思いから私は今日は質問をさせていただきたいと思います。
 検査院の熱い思いを、法律違反は何の法律だということも含めて御答弁ください。
#178
○会計検査院長(西村正紀君) 既に先生御案内のように、本件につきましては、十九年度の決算検査報告で指摘をした案件でございます。
 米軍普天間飛行場の代替施設建設に係る委託契約におきまして……
#179
○山下栄一君 中身、いいですよ。法律の名前と。
#180
○会計検査院長(西村正紀君) はい。法律……
#181
○山下栄一君 違反した法律。
#182
○会計検査院長(西村正紀君) 違反した法律は会計法令で予責法でございます。予責法に違反しているということで、検査院として予責法に基づきまして検査院が懲戒処分をすることができることになっておりまして、検討した結果、二名について懲戒処分をすべきということで処分要求をしたものでございます。
#183
○山下栄一君 ちょっと検査院長、もっと気合いを入れて答弁してくださいよ。懲戒処分要求なんて五十七年ぶりに、去年十二月二十四日のクリスマスイブの日にやっておられる。これ全部書いてありますよ、ここに、詳しく、全部読みましたよ、私。
 会計法第十一条ですよ、まず。支出負担行為は、法令又は予算の定めるところに従い、これをしなければならない、これを無視していると。会計法違反ですよ。もう一つは予責法第三条第一項、予算執行職員、これは防衛省の局長ですよ、法令に準拠し、支出等の行為をしなければならないと。義務規定です。義務規定だけれども、これは懲戒処分になかなか結び付かない。そういう指摘された側の役所に任せられていると。この法律違反が軽くないよということから、懲戒処分要求を第三者機関、憲法機関の検査院が防衛省にやったということでしょう、これは。私が言うまでもありませんけれどもね。
 会計法という法がばかにされていると。今日は副大臣いらっしゃっていますが、質問しませんけれども、戦前の大正時代にできた会計法が訓示規定みたいになっていると。法律とだれも思っていない、霞が関の職員は。公金、国民が納めた税金を扱う会計職員、トップは局長、会計課長じゃありませんよ、そんなの、局長ですよ、そういう方々が自覚ないと。訓示規定のようなものやないか、そんなものはと。会計法違反に対する法律違反なんていう自覚がないところからこれは来ているのではないかと、私の感想だけ言っておきます。
 予責法、直接、予責やったと思います、予算執行職員の責任に関する法律なのに責任を感じないという仕組みになっていると。金は公金ですよと、だれの金だと思っているんだと。何という使い方しているんだと。裁判ざたになって和解金を、これはもう又市さんもおっしゃっていましたけれども、こんなこと、何でこんな金払わなあかんのやと。国民怒りますよ、それは。適当に処分したと、口頭注意中心の、懲戒処分じゃないでしょう、それはと。
 今新体制になりましたけれども、去年の十二月二十四日からもうそろそろ四か月なろうとしております。私は、北澤大臣、これをきちっと真正面から受け止めていただいて、並の組織が指摘したんじゃない、憲法機関が指摘したんだと。総務省の行政評価局じゃないよと。三権全部チェックできる会計検査院がチェック、これもう五十七年ぶりにやったという重みをどれだけこの職員の方は感じておられるかなと。それをしっかりと目を光らせるのが私は大臣やと思います、政務三役と思います。これをちゃんとやれへんかったら、前の政権と同じになると思います。違うよという姿勢を示すということを毅然と示してもらいたいと。検査院要求してからもう四か月近くになるのにまだされていないようでしたので、そんなごまかしの処分で済ませているという防衛省の在り方の根底が問われているという観点から、大きな声で言うことじゃないと思いますけれども、北澤大臣に期待しますので、私は、これをきちっと、検査院が指摘しましたので、この決算委員会に、こんなふうにして調査し、そして処分の在り方も見直して、そして重みのある懲戒処分をやりましたよという報告をこの決算委員会に是非やっていただきたいと。いかがでしょうか。
#184
○国務大臣(北澤俊美君) 山下委員が新たに政権に着いた鳩山政権の姿勢に期待をされて御発言をなさっておることには大変感謝を申し上げる次第でありますが、この問題については、先ほど来申し上げておりますように、就任の五日前に決定をされたということで、この問題についてどうしてこういうことが起きたのかということもいろいろ調査をしましたが、その辺は今のところ定かではありません。
 それからもう一つ、当時の那覇防衛施設局の状況や過去の決算検査報告不当事項の処分事例、こういうものを総合的に判断したという報告はありますが、その中で、この処分が本当に妥当であったかどうかというのは今のところまだ明らかではありません。それはなぜかというと、防衛施設本庁の当時の関係職員約五十名に対する聴き取りなど、広範多岐にわたる調査を慎重に進めてまいる中で解明及び規律違反の認定に大変長い時間を掛かったということでありますが、その詳細がまだ私の手元にははっきり伝わってきておらないわけであります。
 また、過去の会計検査院との間で、なぜ会計検査院が何十年ぶりかで懲戒処分にしろと、ここまで厳しいことをおっしゃっておるのかということも、今まさに憲法規範に基づく会計検査院の大きな力が弱まっているのではないかというような御指摘があったわけでありますけれども、私はその点についてはコメントをする立場にはありませんけれども、この問題について、会計検査院の場合によればきちんとした方と私はお話合いをしてみてもいいのではないかというぐらいな気持ちを持って、問題意識を持っているということを御理解いただきたいと思います。
#185
○山下栄一君 民間、僕は委託契約が物すごくいいかげんになっているなと思うんですね。
 これは、追加で潜水調査とか、今おっしゃったように警戒船を動員して運動を阻止するためのそういう契約したと。今までやっている四社に追加委託契約しているのに書類も交わしていないと。お金の要求も追加で当然せないかぬのに、それもしていないと。財務大臣を無視しているというか、予算措置していないんですから、これ。追加の契約を口でせえと言っておいて、書類で書かない。会計法違反ですよ。そんなことを平気でやっておいて、予算措置もしないで追加の業務やっておいて、その予算措置やっていないんですよ。上限八億の契約が二十二億円も和解金を払わされたと。人の金やと思って何という使い方するんだと、国民のお金じゃないかと、こういう問題ですよ。
 だから、それは、私は今の北澤大臣の、別に職員の方にごまかされているわけじゃないと思いますけれども、このポイント、ホシを直視して手を打っていただきたいと。検査院の五十七年ぶりの懲戒処分要求は極めて重いという観点からお願いしたいと思います。
 関連して、次のまた別の問題なんですけれども、防衛省の体質が問われる問題でございます。
 これは、唯一の独立行政法人、防衛省、駐留軍等労働者労務管理機構、ここの本部は東京都に置けということは機構法、この独立行政法人の機構法の第五条に書いてあります。ところが、今はこれはいまだに違法な状態にあると。港区愛宕から元々これ予算削減のために引っ越ししたはずのところが、大田区と横浜とまた二つに分散さしてビル借りて仕事していると。
 これはいろいろと当時の前政権の大臣と機構の理事長との、機構の理事長が元施設庁長官ですよ。ようこんなことがまかり通っているなと、承認も得ないで勝手に本部引っ越ししていると。今日のプリント、年表あると思いますけれども、それが二十年二月十二日に、法律に書いてある本部を勝手に大臣の許可も得ないで、それも二か所に分けて本部を移転したと。
 今、これ違法状態にあると思いますけれども、大臣の認識を問いたいと思います。
#186
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほどの件、それから空自の談合事件、そしてまたこの管理機構の問題、私は、前政権だから前政権が責任があるといって、私たちが無責任にこれを放置するというつもりは全くありませんけれども、山下委員もその政権の一翼を担った方であるわけでありますから、私どもとすればこういう問題、これは、この問題は一つには個人の資質の問題が極めて濃厚に見えてくる事案でもありまして、こういうものを何で放置したのかということは、私どもは全く理解ができない。
 そういう意味において、先ほどの空自の官製談合問題も含めて、防衛省の中に政治が甘えの構造をつくったんではないかというような感じさえ私どもは持たざるを得ない。そういう意味からしても、政権を去られた山下委員からこれだけきつい御質問があるということからすれば、政治が与野党を通じて行政に対して厳しく当たるという自覚の下になされておるんだというふうに思いますので、我々政権としてはきちんとした対応をしていきたいと、このように思っています。
#187
○山下栄一君 大臣の御認識を問うたんですけれどもね。
 今、機構の本部は第五条、今現在の状態ですけれども、違法状態じゃないんでしょうか。
#188
○副大臣(榛葉賀津也君) 独立行政法人は自主性を持った組織であるわけでございますが、先生御指摘のとおり、主務省である防衛省にきちっと報告をしたり、緊密に連携するのは当然のことですし、定められた法律に従ってこれを運営していくのは当然であるわけでありまして、このような違法かそうでないか、事務所は大田区に一応ありまして、理事長も常駐していたと、他方、もう一つ神奈川の横浜にも、二か所あったと、先生御指摘のとおりでございます。
 大変遺憾であると我々は思っておりまして、過去においても随時注意をしていたわけでございますけれども、いずれにいたしましても、このようなことがあってはならないと私どもは思っておりますので、可能な限り速やかに本部事務所を都内に集約するという方向で調整させたいと思っております。
#189
○山下栄一君 ちょっと何か中途半端やな。
 財務諸表、通則法に基づく、三十八条ですか、財務諸表の承認を得なきゃならないと、独法は、大臣の承認が要ると。財務諸表の承認は、十九年度も二十年度も承認されていないと。それ、していないのは前の政権ですけれども、これね。今もまだ承認されていないわけです。十九年度の財務諸表をいまだに承認していないと。これは、現政権の政務三役の責任でもあると思うんですよ。十九年度のほっておくんですか、これはと。二十年度の財務諸表も大臣の承認が必要であるというふうに通則法に書いてあるのに、違法状態だと私は思います。違法状態を是正するために、是正しなさいといって、これは六十五条に書いてあるわけですよ。
 本部は本部で、主たる本部は東京だと。ところが、メーンは東京にないと。大田区はちっちゃい事務所だと、横浜だと、法律違反じゃないかと。法律違反状態をほっておいたら、これは行政の責任になって、国家に対して連帯で責任を負う立場の、また法律は誠実に執行しなきゃならないという憲法七十三条の状態で行政権は不作為の責任が問われると。しでかしたことはちゃんとリーダーシップ取らなかった前政権かも分からぬけれども、でも、それはほっておいたらこれはもう違法状態が続くわけで、これ、どうするんですかねと。
 そして、前の理事長はもう三月三十一日で辞めてしもうたと。退職金払うんですかね、こんなひどいことをしておいてと。大臣とけんかしてというようなことだと思うんですね。財務諸表の承認すらいまだに得ていないと。二十一年度違いますよ。二十一年度は今年の六月、七月、もうすぐですわ。十九年度の、二十年度の財務諸表も得ていないと。本部もちゃんと、おっしゃっている、集約もしてないと。全部違法状態です。
 それは全部報告受けてなかったんですかね。政権交代されて、大臣、副大臣はそれを知らなかったんでしょうか。
#190
○副大臣(榛葉賀津也君) 今、法的には、この大田区の今先生おっしゃった非常に小さな事務所、ここに、理事長が本部にいなければならないということになっておりまして、指摘があった後、本部に理事長が常駐をしたということですが、私どもからいたしますと、法的には違法状態は解消しているとしているんですが、我々からいたしますと、どうもこれは腑に落ちない、へ理屈ではないかと。極めて非効率なことをやっているわけでございまして、このような状態はやっぱり一刻も早く解消しなければならないということで、先生の御指摘も賜りながら、今、先ほど大臣がおっしゃったように、前政権のことだからどうこうではなくて、我々でこれはしっかりと対応してまいりたいというふうに思っております。
#191
○山下栄一君 財務諸表の承認というのは、もうこれは独立行政法人の根幹にかかわることが二年間もほったらかしにされたままで、今もまだ承認されてないんじゃないかなと思うんですけど、それはおかしいでしょう、だけど、こういうことをほっといたら、そんな。これは、だから独立行政法人評価委員会かておかしい言ってるわけやからね。おかしいから是正措置要求を大臣がしても直さないと。それは前の理事長のふてぶてしさもあったか、私はそれは分かりませんけど、こんな違法状態を放置してはならないというのが現政権の姿勢でなければならないと私は思いますけど、これは承認するかしないか、承認できないんだったら今度のもう理事長人事もやり直しせないかぬようになると思いますよ。これ、違法状態を終えるための手を打たなきゃならないと。
 これをよく聞いておられなかったんでしょうか。引継ぎなかったんでしょうか。こんな大事な、防衛省に一個しかない独法の話ですよ、これ。
#192
○副大臣(榛葉賀津也君) 今先生おっしゃったとおり、十九年度分及び二十年度分の財務諸表については、現時点では承認していないと。これは、平成二十年二月に行われた機構本部の事務所の移転に伴う経費がこの財務諸表に含まれているということで、現在保留をしているということでございますが、いずれにせよ、先生の御指摘はごもっともでございますので、この問題にしっかりと対応してまいりたいと思います。
#193
○山下栄一君 この移転も中途半端な、全然当時の大臣と会わない、勝手に承認も得ないでよう本部移転すると思いますよ。よっぽど偉い人やったと思いますけど、前の理事長はね。この三月三十一日に辞められたわけですけど。
 引っ越し代どうするんですかねと。引っ越しもそうやし、新しい契約するのに、大臣の承認も得ないで勝手にやっているわけやから。もう税金の無駄ですよ、こんなのは。チェックしない、今も承認してないとおっしゃっていましたけど、ほっといたら、これはもうやっぱり政務三役が責任を問われるわけやから。大臣、きちっと正確な御報告を受けておられなかったとしたら、正確な報告をしない方がおかしいわけで。
 これ物すごく大きな問題なんで、唯一の独法がこんなひどい状態になっているということを、違法状態に疑いが極めて強い状態になっているということ。機構法違反、通則法違反ですよ、そういう状態になっているということ。先ほどの懲戒処分要求やないですけど、コンプライアンスが防衛省の体質にあるのかなと。それをきちっと機能させるのが、私は北澤大臣、榛葉副大臣の使命やと思うんですよ。そうでないと、またなめてしまう。またという言い方はおかしいですけど、体質変わらないままに行ってしまうのじゃないかと。先ほどの懲戒処分と同じ体質だなと。法律を守る意識が極めて弱いなと。
 法律違反の状態であると私は思いますので、これはきちっと対応していただきたいと。十九年度財務諸表、二十年度財務諸表、法律事項ですから大臣の承認得なあかんのに、今の大臣にすら承認得ていないと。二年前の話ですからね、これ。それをお約束していただきたいと、大臣のリーダーシップでちゃんと決着付けるということをお願いしたいと思います。
#194
○国務大臣(北澤俊美君) 再三の御発言であります。極めて重大に受け止めております。
 ただ、山下委員とは長いお付き合いでありますから御性格もよく承知をしておるわけでありますが、おれたちさんざん部屋汚しておいたけど、あんたたち後からしっかりきれいにしろよと言っておるのかもしれませんが、防衛省の体質の問題について言えば、例えばシビリアンコントロールの問題からしましても、総理大臣の発言をやゆするようなことを言ってそれで平然としている者を、その前政権の方々が今度はそれを擁護するというようなことを公の場で平然として言うと。しかし、隊員は、中にはそれに賛同して、賛同したことが悪ければ私は首を切られたいというようなことまで言ってくる。それにも更に追い打ちを掛けて擁護するような発言をするということでありますが、実情を申し上げれば、そういう隊員もいったん上司から注意を受けた途端に反省をして申し訳ありませんでしたというふうになるわけでありまして、我々からするとその覚悟のほどがどれほどのものなのかということをしみじみ感じさせられまして、甘えの構造というのは私は間違いなくあると。そのことを私たちが重い荷物をしょわされたわけでありますから、この荷物は正常に、組織が常識的に運営されるようにこれから努力をしてまいりますが、是非ひとつ、前政権にあられた方々もこういう御指摘をする以上は防衛省に対する真摯な御忠告をお願いを申し上げる次第であります。
 なお、この件につきましては、今契約関係が何か複雑になっておるようでありますから、その契約関係を解消するための今交渉をしておるようでありますので、契約関係で損ずる被害を最小限にするようなことにして決着を付けていきたいというのは、今担当者の間のお話のようでありますので、それも含めてしっかり対応をして結論を出していきたいというふうに思います。
#195
○山下栄一君 前政権の荷物を我々にさせるのかという話がありましたけど、私はこの参議院の決算委員会は物すごい大事だと。与野党を超えて行政監視するんだということが使命だと思っています。
 だから、官僚内閣制から政治主導、議院内閣制、本当の意味の議院内閣制にするんだという、それは私は極めて賛成です。だけども、内閣は政治家でやっているわけやからね。政治家が機能させないような仕組みが、またこの五十年間にうみがたまってそれがまだまだ残っていると。それにどれだけメスを入れるかと。本当の仕分人は決算委員会の国会議員だと私は思っています。
 だから、それを機能させたいから決算重視の参議院だということを理事会でも繰り返し確認しながら神本委員長の下でやっているわけです。与野党なんて関係ないと、こんなことはと。そこに参議院の独自性があるんだということから、もう何年も前から、北澤大臣が野党のころから、もう十年ほど前からこういうことをやってきて、今は非常に機能しにくくなっています、新政権になって。ちょっと言い過ぎましたけど。物すごくやりにくい、この決算委員会が。なかなかさせようとしない面もある。だから、あえて私は申し上げたわけですよ。大掃除をせないかぬ、国会議員が本気になってやらないかぬという観点から私はやっておるわけでございます。
 最後に、ニューヨークの日本人学校の話です。これも私はもうひどい話やなと。これは、会計検査院が指摘した二十年度の決算検査報告です。外務省です。これ、何でこんなことになったのかなと思いますけど。
 財産処分の適法性の観点でございます。平成四年から十四年間、二十年計画でニューヨークの日本人学校に税金を投入し続けてきたと。もう御案内だと思いますけど、途中でこの日本人学校は、民間ですけど、アメリカ、ニューヨーク、財産処分したと。これ処分したのに、処分した二分の一のお金は税金だとも言えると思いますけど、財産処分しますけどよろしいですかという許可を得ない仕組みになってたんではないかと。この補助金適化法の、国内だったら考えられないことですわ。補助金ですからね。十四年間投入し続けて、そのされた側が勝手に処分したと。十八年七月に処分したけど、報告も、報告しなくていいというか、報告する仕組みがなかったと。そういう理解でよろしいでしょうか。福山副大臣。
#196
○副大臣(福山哲郎君) 山下委員御指摘のように、このニューヨークの日本人学校の突然の売却ということで、これまでのいわゆるシドニー方式と言われている、いわゆる在外の教育施設に対する援助に対して新たな課題というのが持ち上がったというふうに私も報告を受けておりまして、それを受けて、昨年の十月にシドニー方式による政府援助についての新たな指針なりを作って今対処しているところでございまして、山下先生御指摘のニューヨークの問題につきましては、会計検査院による指摘があって、去年の八月ですか、援助総額約八百三十六万米ドルから十四年間の減価償却分を引いた約五百二十八万ドルの額を国庫に返納をいただいたというふうに承っておりまして、このようなことがないように、先ほど申し上げた援助の要領について改善をさせていただいたというふうに承っております。
#197
○山下栄一君 これは私は、シドニー方式取扱要領という、これは昭和四十六年ですか、もう四十年も前の、こんなのに基づいてよう財産処分やっていたなと。私も検査院の指摘を受けて分かったんですが、シドニー方式取扱要領というルールで財産処分やってきたんでしょうけど、それを今度何か改正するという話ですけど、これ法令ですか。これ何なんですかね、法令形式は。
#198
○副大臣(福山哲郎君) これは、予算項目上は在外公館等の借料から支出をされておったと承っております。
#199
○山下栄一君 いや、そうじゃなくて、外務省の内規か何か知りませんけど、シドニー方式取扱要領にのっとって税金を投入し続けても、こんなことは補助金適化法の国内では考えられないことですよ、これ、勝手に処分するなんて。それルールも作ってなかったという話やと思うんですね、この取扱要領というのは。これ法令でも何でもない。そういうもので、公金投入される側の財産処分のことに対する規定をしてこなかったという。また、こんな様式でよくやってきたなと、惰性でやってきたと思って、全然見直してないと思うんですよ。これ法令でも何でもないんじゃないでしょうか。
#200
○副大臣(福山哲郎君) 外務省の指針だというふうに報告を受けております。
#201
○山下栄一君 という感覚で、これ、もう惰性の行政やと思いますね。これ、あれでしょう、在外教育施設というのは、日本人学校という言い方、ほかにも補習校とかありますけど、これ、この金額全部で、これ大分削減されて、二十一年度は二百五十億ぐらいだったと思いますけど、これ二百三十億ぐらいになっている。それでも二百三十億ですからね。全世界に散らばっている学校の基本のルール、財産処分のルールもない、法律上の位置付けもないというやり方でやってきたこと自身が、これはもう見直す時期が来たなと思います。
 今日は鈴木副大臣も来ていただいておりますけれども、これ昭和三十一年からタイのバンコクの学校から始まって、この海外の駐在施設の子供たち、日本の子供たちをちゃんとやっぱり教育させないかぬということから始まったと思いますけれども、二百何十億も投入している割には、建物の補助金も出し、教科書も無償にし、様々な教材も応援し、人件費まで、学校の先生を派遣し、派遣される側は公立でも何でもない、私立学校でもない、極端に言えば任意団体だと、そんなところに国内では考えられないルールで、補助金適化法の適用も受けないでやってきたこと自身がもう限界に来ていると。
 確認いたしますけれども、この在外教育施設の法律上の根拠はあるんでしょうか。
#202
○副大臣(鈴木寛君) 日本人学校といいますものは、今も御指摘ありましたように、海外に在住する日本人の子供たちのために日本の国内の学校教育に準じた教育を実施することを主たる目的として設置をされているわけでございますけれども、法律上は、学校教育法上は直接適用はされませんというのが法律の状況でございます。
#203
○山下栄一君 これは是非岡田大臣も、これ両方からお金出ていますのでね、外務省と文科省と。これ、法律上の根拠がないんですよ。文部大臣告示でやっている教育施設です。そんなことで、この事実が先行してやってきたと思うんですけれども、法令上の位置付けをきちっとして、これだけの多額の公金を投入するんでしたら、日本のもっとフリースクールとか一生懸命頑張っている学校に何で応援しないんだと、国は。これ、自治体じゃなくて国が直接二百三十億出しているわけですからね。その法律上の根拠もないというやり方で財産処分をやってきた、そのこと自身をやっぱり根幹から見直す必要があると。
 新政権の誕生とともに、こういうところにもきちっと目を向けていただいて、財務省、外務省両方でこの法令上の位置付けをちゃんとやって、安心して、火災等も起こっているようなことでございますので、ちゃんと子供たちを守れるような仕組みを法律上位置付けるということを是非岡田大臣に、もう今日は文部大臣いらっしゃっておりませんので、やっていただきたいと御答弁をお願いして、質問を終わりたいと思います。
#204
○委員長(神本美恵子君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
#205
○国務大臣(岡田克也君) 今の御質問にお答えする前に、先ほどの在勤手当の額でありますが、三百九億円というふうに申し上げました。これは三百十二億円という概算要求から十月十五日に概算要求を出し直した時点での額でありまして、その後、最終的な予算額としては二百七十六億円、マイナス七・八%でございます。
 それから、今のお話は、どういう形で見直していくのか、少し工夫が要るとは思いますが、そして、かつ日本人学校というのは非常に重要な役割を果たしておりますので、そこに予算がきちんと行くということは重要なことだと思いますが、御指摘のようなケースで適切に予算が使われていないということであれば、それは問題でありますので、よく検討してみたいというふうに思います。
 あわせて、日本人学校の運営そのものについてもいろんな議論があるところでございます。そういうことも含めて、よく検討してまいりたいというふうに考えております。
#206
○山下栄一君 ありがとうございました。
#207
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 防衛省の官製談合の問題についてお聞きいたします。
 公正取引委員会は、三月三十日に、航空自衛隊が発注するオフィス家具などの事務用品の納入にかかわって、製造業者ら六社による官製談合を認定をし、五業者に対して排除措置命令及び三億七千五百十六万円の課徴金の納付命令を出し、さらに、談合への職員の関与について防衛大臣に改善措置要求を行いました。極めて重大であります。
 まず、防衛省にお聞きいたします。
 今回の談合の発覚は、防衛監察本部による定期防衛監察が端緒になりました。この防衛監察の結果、昨年の三月三十日に、防衛監察本部の統括監察官から航空自衛隊第一補給処長あてに検討依頼文書というのを出しております。
 この中で、談合が疑われる不自然な入札案件についてどういう結論だったんでしょうか。
#208
○大臣政務官(楠田大蔵君) お答えをさせていただきます。
 今回のその調査結果の検討についてのことがございましたが、そもそも、平成二十年度に防衛監察本部が航空自衛隊第一補給処に対して行った定期防衛監察の結果、新規業者の参入が比較的容易な事務用品等の市販品であるにもかかわらず、落札率の平均値が約九九%という高落札率であったこと、また、シェア率の固定化及び入札行動のパターン化など入札結果に不自然さが見られたことから、御指摘ありましたイトーキ、ライオン事務器、内田洋行、プラス及び文祥堂により談合が行われている疑いがあるという結果を見たところであります。
#209
○井上哲士君 お手元の資料の一の二にあるとおりであります。
 この依頼文書では、第一補給処で検討を加え、不自然な入札状況が見られる場合には、談合情報マニュアルにのっとり公正取引委員会への通報等を検討すべきであるとしておりますが、これを受けて、昨年の五月二十八日に、航空自衛隊の第一補給処東京支処長から公取に対して談合情報に関する通知がなされております。
 その報告書、資料の二の二でありますが、今後の措置等についてはどのように述べているでしょうか。
#210
○大臣政務官(楠田大蔵君) 平成二十一年五月二十八日付けで、第一補給処東京支処から北関東防衛局を通じて公正取引委員会に通知をした際、入札状況に疑義があるために公正取引委員会へ通知するが、第一補給処東京支処としては、事情聴取等具体的な措置を行わず、入札方法等の改善を図り、当面は状況を観察するとしていたところであります。
 これは、談合の疑いがある場合には公正取引委員会に通知をして、調査権限を有する公正取引委員会にゆだねるという談合情報対応マニュアルに沿った対応でございます。
#211
○井上哲士君 不自然な入札が指摘をされ、こういう実態が示されながらも、今の東京支処長からの報告文書では、具体的な措置はとらないと、観察すると、こういう中身だったわけですね。何でこんなことになっているのかと。
 公正取引委員会来ていただいておりますが、今回の談合に関する自衛隊側の組織的関与ということについてはどのように認めているんでしょうか。
#212
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。
 本件の私どもの調査において認められました入札談合等関与行為は、航空自衛隊が発注、調達いたしますオフィス家具、いわゆる什器類につきまして、航空自衛隊第一補給処の職員、具体的には資材計画部資材計画課長が、処長、副処長又は資材計画部長の了解の下、調達に係る事業者別の目標を定め、資材計画課の各班長に対しまして当該目標を達成するよう指示をいたしました。
 さらに、この指示を受けまして、資材計画課におきまして什器類の調達を担当する需品班及び基地器材班が当該目標を達成できるよう、オフィス家具メーカーに対しまして第一補給処が調達を希望するメーカーについての意向を示し、これにより入札談合を行わせていたことであります。
#213
○井上哲士君 資料三の二の下にあるとおりなわけですが。
 今ありましたように、この第一補給処の処長、それから副処長、資材計画部長、資材計画課長、各班長、そして現場と、もうトップから現場まで全部これ関与しているわけですね。恐るべき組織ぐるみのやり方が行われていたということなわけですね。そして、先ほど示しました東京支処長から公取に出された文書というのは、まさにこの官製談合の当事者が報告を出しているわけでありますから、具体的な措置はとらないと、そして観察をすると、こういう内容になるのも当然といえば当然なわけであります。しかも、それだけではありませんで、自衛隊側は隠ぺい工作までしておりました。
 公正取引委員会は、この談合に関する通報情報の業者への漏えいについてはどのように認定をされたんでしょうか。
#214
○政府参考人(中島秀夫君) 本件の私どもの調査におきまして、防衛省が、航空自衛隊第一補給処が実施する什器類の入札を対象として行いました防衛監察本部によります防衛監察の結果を私ども公正取引委員会に通報する前に、第一補給処の職員が関係事業者に対しまして防衛監察本部による防衛監察の内容及び公取への通報の予定を漏らしていた事実などが認められております。
#215
○井上哲士君 まさに極めて悪質なわけですね。
 さらに、防衛省にお聞きいたしますけれども、防衛省はこの第一補給処及び東京支処に関して部内の監査部署が内部監査を行っていると思いますけれども、過去十年間で何回監査をやったか明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#216
○大臣政務官(楠田大蔵君) 航空自衛隊第一補給処の過去十年間における会計監査実施状況でありますが、本処、木更津を対象としたものが計十回ございまして、各年度一回、五から九名の監査官にて四日から五日間の間実施をしております。東京支処、十条にありますが、これを対象としたものが計十三回ございまして、平成十二年、十七年、二十年度は各年度二回、三から七名の監査官にて二日から五日間実施をされております。それ以外の年度は、各年度一回、五から七名の監査官にて四日から六日間の間実施をいたしております。
#217
○井上哲士君 合わせて十年間で二十三回も外部監査を行っているんですね。にもかかわらず、こういう明瞭な談合が発見できなかったと。そして、防衛監察が確かにこの談合の疑いを指摘したわけでありますけれども、身内が関与していた官製談合だと、身内の関与については見抜くことができなかったわけですね。そして、先ほど公取からありましたように、第一補給処は具体的な措置を行わずに、逆に業者に情報漏えいをして隠ぺい工作をしていたと。本当に私は極めて悪質だと思うんです。
 そこで、大臣に見解を伺いたいんですが、こういう事態であるにもかかわらず航空幕僚長は、公取が官製談合を認定したことを受けた今年三月五日の記者会見でこの事件について述べております。こう言っているんですね。随意契約から一般競争入札になって事務処理も相当増えてこのような状況になったのが大きな原因だとした上で、それほど悪意がないということかと言ったら、そのとおりですと、こういう会見をしているわけですね。
 私、先ほどから、政治が防衛省の中に甘えの構造をつくってきたんじゃないかということを大臣が何度か言われました。ですから、監査で十年間で二十三回やっても見付けられなかった。防衛監察は、談合は確かに指摘しましたけれども、身内の関与は指摘できなかった。
 身内に甘い構造があるんじゃないか、そして組織全体にそれほどの悪意がないと、こういう認識があったんではないかと、こういうふうに思うんですが、大臣の御認識を伺いたいと思います。
#218
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほど来、甘えの構造のことを申し上げておりますが、間違いなくそういうことは私も強く感ずるわけでありますが、しかし、先ほど来、何件かの御指摘を受けていく中で、防衛省としては極めて深刻に受け止めて、襟を正すべく今鋭意検討をいたしております。
 なお、空幕長につきましては、空幕長から私にその会見の後に陳謝がありまして、忙しい中で細かく経緯を承知をしないうちに会見に入ってしまったということで、大変軽率な会見、発言をしたということで、自後しっかり対応を取るために気を付けてまいりたいと、このような釈明がありました。
#219
○井上哲士君 空幕長はマスコミにも若干釈明をしているんですが、要するに私腹を肥やすものではなかったと、こういうことも言われているんですね。しかし、これは国民の税金が談合によって浪費されている、無駄遣いされていると、そのことに対する問題意識の余りにも欠如ではないかと思うんです。昨年、既に立入調査も行われていた中ですから、突然の話ではないんですね。こういうのはしかも、最初に言ったことに大体本音が現れるものでありまして、私はやっぱりここに大きな問題があるということを言わざるを得ません。
 公取が防衛省に対して要請文書を出しておりますけれども、こう言っております。公正取引委員会は、これまでも防衛省に対し、同省の職員が行っていた入札業務に係る問題点を指摘し、再発防止のための改善措置を講じるよう繰り返し求めるなどしてきたと、こういうふうに言っているんですね。
 このいわゆる談合に係る指摘というのは、中央省庁の中でも防衛省はある種突出して行われているわけですね。繰り返し指摘を受けてまいりました。ここにはやはり天下り、再就職とかかわった根深い問題が私はあると思うんです。
 防衛省にお聞きしますけれども、今回、措置命令を受けた各社及び提携している販売業者への防衛省からの天下りの人数は幾らになっているでしょうか。
#220
○大臣政務官(楠田大蔵君) この度の天下りの実態でありますが、排除措置命令の対象となりました五社へ、これまで自衛隊法第六十二条の規定に基づき防衛大臣等の承認を得て十名の隊員が再就職していると承知しております。
#221
○井上哲士君 三月二十日の第二回調査・検討委員会に出された資料も十人というふうになっておりますが、そこには、今後の調査によっては新たな再就職者が判明する場合もあるというふうに述べられておりますけれども、今の十人というのは調査をした結果なのか、今後更に増える可能性があるのか、どちらでしょうか。
#222
○大臣政務官(楠田大蔵君) この十人という数字は調査をした結果でありますので、この数字は五社についてはこのままでございます。
#223
○井上哲士君 そうしますと、いわゆる防衛大臣等の承認を得て再就職した者以外にはないと、こういうことですか。
#224
○大臣政務官(楠田大蔵君) 大変失礼をいたしました。先ほどこの数字変わらないと申しましたが、済みません、調査中でございまして、この数字が増える可能性もございます。失礼をいたしました。
#225
○井上哲士君 公取は、時効との関係で二〇〇五年以降の入札についての官製談合を認定をいたしました。私は、この第一補給処が行った二〇〇四年の契約について資料をいただきまして調べてみました。
 資料の五を見ていただきたいのでありますが、驚くことに、処分を受けた五社の契約を調べますと、二〇〇四年は五百五件のうち四百九十五件が随意契約になっております。しかも、そのうち四百九十七件が予定価格に対して契約金額が一〇〇%と、こうなっているわけですね。
 一つ一つの契約書類を見ました。随契の見積りを全部出していただきまして、これを見て、そして実際の契約金額とも照らし合わせてみました。そうしますと、予定価格と業者の見積価格、随契の場合でも多少差がありますから、大体値引き交渉とかあるものですよ。ところが、書類を見ますと、業者の見積価格がそのまま予定価格になってその価格で契約が行われておりまして、文字どおり、業者の言いなりの価格での契約ということになっております。
 調査・検討委員会、開かれているようでありますが、この〇四年以前の契約について、こういう事実は防衛省として把握をされているでしょうか。
#226
○大臣政務官(楠田大蔵君) 航空自衛隊第一補給処における平成十六年度までのオフィス家具等の調達についてはほとんどが随意契約であったと、そのように認識をしております。
#227
○井上哲士君 随契だというだけでなくて、そのほとんどが契約金額が予定価格に一〇〇%になっていると。それだけじゃないんですね。手元の資料の六も見ていただきたいんですが、〇四年にライオン事務器が、これ一般入札で契約したのは三件あるんですが、これ全部応札は一社だけなんですね。そして、二件は入札といっても落札率は一〇〇%、一件は九九・八%なんですね。
 こういうのは大体談合の疑いということがあるわけでありますけれども、やはり〇四年にも極めて不自然な契約が行われていたと私は思うんですが、大臣、今の事態を聞いてどういう御感想をお持ちでしょうか。
#228
○国務大臣(北澤俊美君) 余り不用意なことは慎まなきゃいけませんが、私の感覚からすれば、絵にかいたような官製談合だという印象を持っております。
#229
○井上哲士君 官製談合は〇五年以降ということを公取は言ったわけでありますが、防衛監察が指摘した不自然な入札の状況として、各業者のシェア率の固定化というのがあるんですね。〇五年から〇七年にかけてのシェア率は資料四にあるとおりでありまして、プラスが一五・九一%、イトーキが二五・一六%、ライオン事務器が二三・二一%、内田洋行が二一・〇%、文祥堂が一四・六八%となっております。これを私は〇四年で調べてみました。それが資料五に載っております。プラスが一九・三九%、イトーキが二六・六五%、ライオン事務器が二八・二九%、内田洋行が一九・五二%、文祥堂が六・一六%と。ですから、各社のシェア率それから順番は基本的に同じなんです。
 公取は、〇五年以降の契約について、先ほどありましたように、退職者の在籍状況等を考慮してあらかじめ調達目標を定めているという、こういう事実も認められたと文書でしておるわけですが、大半が随意契約だった〇四年からそういうことが行われていた。つまり、メーカー言いなりの価格で、天下りOBの在籍状況を考慮して、各業者への契約率を固定化して割り振っていたという疑いが強いんですね。
 その〇四年の状況をそのまま〇五年以降も続けるために官製談合をやっていたんじゃないかと私は疑うわけでありますが、この点もう一度、大臣、認識いかがでしょうか。
#230
○大臣政務官(楠田大蔵君) 事実関係も含まれますので私から答えさせていただきます。
 今回の件におきましては、委員も御指摘のとおり、その二〇〇四年の一般競争になる前の時点からそのようなシェアがあって、その後、今調査中でありますけれども、一般競争入札に移行した後もシェアなり順位が変わっていないと。この点についてまさに防衛監察本部の中でおかしいんではないかという、そのような見方があり、通報したところでありますので、まさしく我々としましても、平成十六年度から平成十七年度にかけて、二〇〇四年度から二〇〇五年度にかけての調達方式の変更の経緯や背景についてより十分に調べていくことが重要だと考えております。
 委員御指摘がありました点について今断言することできないわけでありますが、そうした見方を十分頭に置きながら更に調査を続けていきたいと考えております。
#231
○井上哲士君 是非しっかり調査をしていただきたいんですが、その際、天下りと結び付いた職員の談合への関与ということについてもさかのぼって調べる必要があると思うんですね。
 今回の官製談合について公取は、第一補給処の副処長の関与を、先ほどもありましたように、認めているわけでありますが、例えば、今回、排除措置命令を受けた内田洋行には第一補給処の副処長だった職員が天下っております。同じくプラスには第一補給処の立川支処長、ライオンには同保管部長が天下っているわけですね。ですから、長期にわたって天下りポストがずっと引き継がれて、それに応じてこの契約の振り分けが随契のときから行われ、それを競争入札になってからも維持をしたと、こういう可能性があると思います。
 第二回の調査・検討委員会の報告も見せていただきましたけれども、そこでは、〇五年から〇八年の調達に関与した職員の聴き取りしかされておりませんが、それより更にさかのぼっていろんな調査をする必要が職員についてもあると思いますが、いかがでしょうか。
#232
○大臣政務官(楠田大蔵君) 委員御指摘のとおり、そうした五社に自衛官OBが再就職していることは事実でありますので、この点がどのように関連していくかということは更に調査をしてまいらなければならないと考えております。
 その上で、まさに御指摘のように、今聴き取りをした、時間の限りもありまして、聴き取りをしたメンバーはやはり限られておりますので、更にその範囲を広げて調査をしていくということはお約束させていただきたいと思います。
#233
○井上哲士君 これは今回の問題だけではないんですね。
 公正取引委員会にお聞きしますけれども、防衛省の入札業務全体について指摘をされておりますけれども、どういう問題点を指摘されているでしょうか。
#234
○政府参考人(中島秀夫君) 先ほど井上委員より御指摘ありましたように、これまで平成十九年、十六年、十一年、既に三回にかけまして私ども公正取引委員会の方から防衛省に対しまして、入札の改善その他関与行為等が行われないような措置を行われるよう求めてきたところでございます。それにもかかわらず今回このような事件、談合行為の事件が行われ、私どもとして防衛省に初めて改善措置要求及び要請をさせていただいたことは誠に残念なことでございますと考えておりますけれども、今後、防衛省におきまして、改善措置要求等を受けまして徹底的な調査が行われ、今後二度とこのような談合に対する関与行為が行われないよう強く期待しているところでございます。
#235
○委員長(神本美恵子君) 井上哲士さん、時間が参っております。
#236
○井上哲士君 はい。そういう厳しい指摘があったわけですね。これまでいろんな防衛庁で問題ありましたけれども、結局、組織だけいじって、この天下りと結び付いた問題ということにメスが入ってこなかったと私は思います。そこにも深いメスを入れた抜本的な措置が必要かと思います。
 最後に大臣、そういう言わば天下りと結び付いた問題も含めて抜本的な対応を行っていくと決意をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#237
○委員長(神本美恵子君) 答弁、簡潔にお願いします。
#238
○国務大臣(北澤俊美君) 御指摘でもありますので、場合によれば陳腐な表現になるかもしれませんが、新政権として再発防止に全力を傾注してまいりたいと、このように思っています。
#239
○山内徳信君 私は、会計検査院は予算執行職員の責任に関する法律第三条一項の規定に違反していると指摘をしております。そして、懲戒処分を要求しておるわけでございます。
 内容に入ります前に、少し私の日ごろ感じておることを申し上げますと、是非、新政権として、防衛省も体質が変わってきたなと、こういうふうに頑張っていただきたいという趣旨に立っての質問でございます。
 私は、外交防衛委員会に属して、私がこの三年近くで経験しましたのは、守屋前次官の不祥事がありました。私はそのとき、御本人に参考人として来てもらったときに腐れ切った防衛省ということを強く申し上げておいたんです。その後、田母神幕僚長の処分の仕方は国民的には懲戒処分でなければいかぬのに、普通退職で処分をしていたことを北澤大臣も榛葉副大臣も一緒に外防委員でございましたからよく承知をしております。そして、イージス艦の問題が起こったときに、やはり艦船に乗っておる海上自衛官の気の緩みを私は感じたのであります。したがいまして、今回のこの問題について建設的な立場からの質問を申し上げたいと思います。
 そして、この問題が会計検査院から指摘されたのは、これは〇八年でございます。平成十九年度決算報告書で不当行為と指摘されております。なぜ、その直後に旧政権時代にちゃんと懲戒委員会を立ち上げてその結論を出さなかったのか、私には理解できないわけであります。
 したがいまして、私は、この国に会計検査院があって、予算執行と事業執行をちゃんと検査をしていただくからいい国になるのであって、地方自治体は毎年あります会計検査に襟を正して対応しておると思っております。ところが、国の中においては、こういうふうに、いいかげんといえばいいかげん、甘いといえば甘い、そういうふうな検査の実態を見せ付けられたときに、これは国会としての機能、チェック機能が働かなくなると、この国はやはり腐敗し滅亡に向かっていくと、そういう危機感を持っております。そういう立場からの質問でございます。
 さて、この問題は、新しい北澤大臣の就任された一週間前に、何か逃げ込みみたいな形で処理をされておるという御答弁がございましたが、それはそのとおりでございますか。改めて確認をしておきたいと思います。
#240
○国務大臣(北澤俊美君) 今、わずか五日前というのは沖縄の契約の方の関係でありまして、このオフィス家具の方はそういうことではございませんので、御記憶違いかと思いますが。
#241
○山内徳信君 いずれにしろ、この問題は、防衛省内の体質の問題が決定的だと思います。そういう意味で、新政権の防衛大臣、副大臣、政務官、関係者、ひとつ政治主導と、こういう立場に立っていらっしゃいますし、やはり防衛省も新政権になって変わったなと、頑張っておるなと、こういうふうに国民側からも見えるような形でこの種の問題についても全力を尽くしていただきたいと思います。
 さて、そういう意味で、この問題については内部で改めてあるいは現在検討中かと思いますが、その方向付けは関係者が判断をされるわけでございますが、やはり国家公務員には懲戒の範疇というのがあることはお互いに御承知のとおりでございます。その四つの基準がございます。そういう意味で、適切、公平を旨にして判断を出していただくことを私は希望しておりますが、いかがでございますか。
#242
○副大臣(榛葉賀津也君) 山内先生にお答え申し上げます。
 防衛省は、その他の、一般職の国家公務員とは違いまして、免職、降任、停職、減給、戒告というこの五つの懲戒処分がございます。普通の場合この降任という処分はないわけでございますが、防衛省独特の処分もございます。加えて、内規に基づく処分として訓戒、注意、口頭注意というふうにあるわけでございますが、いずれにいたしましても、今先生から御指摘いただいたとおり、この問題、先ほど大臣も答弁いたしましたが、改めてどのようなことなのか大臣も調査をするというふうにおっしゃっておりましたが、今後、政権が替わって防衛省が甘えの構図にいつまでもないということで、しっかりと今後我々も襟を正していきたいというふうに思っております。
#243
○山内徳信君 次に進めてまいりたいと思います。
 読谷村内で村内におりますトリイ・ステーションの米兵が、昨年の十一月七日、朝のウオーキングをしておる外間さんを後ろから突き飛ばして、近くのギンネムの中に突き飛ばしていって、午前早い時間でありますのに発見したのは午後の五時でございました。その後の経過をお伺いしたいわけでございますが、やはり今、外間さんの追突死亡事件が起こってから、加害者の米兵がどういう状態に置かれておるのか。そして、地域にはいっぱい立て看板が立っていまして、地位協定の改正を強く求めた立て看板が立っております。
 そこで外務大臣に、外務省としては今普天間問題に全力投球をしていらっしゃることは私よく承知をしておりますが、普天間を片付けてから地位協定という取組じゃなくして、やはり連日沖縄においては、もう中部病院まで、恩納村の役所の構内までトラックが入ってくると。その後も事故、事件は後を絶ちません。そういうことから、是非外務省の中に地位協定の改正の作業のチームをつくられてこの問題も動かしていかれることが必要かと思いますが、外務大臣、どのようにお考えですか。
#244
○国務大臣(岡田克也君) まず、沖縄において在日米軍にかかわる様々な事件、事故が頻発をしております。そのことについては、これは沖縄の皆様に大変申し訳ないことだと思いますし、我々としても在日米軍に対して、そういったことが続けざまに起きておりますので、そういったことに対して物を申し上げているところでございます。
 ただ、今、地位協定との関係で委員は読谷村におけるひき逃げ事件のことに言及されましたが、読谷村におけるひき逃げ事件では確かに米軍の協力は得られたものの、被疑者が任意出頭を拒否したために捜査に困難な面もあったということは承知しております。本年一月二十七日、被疑者が道路交通法違反で起訴されたわけですが、その際に日米地位協定が特に捜査の障害になったというふうには理解をしていないわけでございます。
#245
○山内徳信君 そこは、東京で暮らして三重県でお過ごしの外務大臣と、基地の島と言われ日常的に恐怖を感じておる沖縄、沖縄の人間も日本国民ですから、やはりもう少し地位協定を改正をしていくという姿勢に立たれないと旧政権と一緒なんです。これじゃいかぬわけです。それに対する答弁はいただきませんから、ひとつ新たな気持ちでやろうやと、こういうふうにひとつ頑張っていただきたいことを願っております。
 防衛省に対しましては、その被害者への補償業務の動きはどうなっておるのか、あるいはその遺族への対応ですね、そういうのを含めて今どのような動きをなさっておるのか、伺っておきたいと思います。
#246
○副大臣(榛葉賀津也君) この事件は我々も大変遺憾に思っておりまして、このような痛ましい事故はあってはならないと、心から被害者の方、そして御家族の皆様方にお悔やみを申し上げたいと思います。
 防衛省といたしましては、本年一月八日、本事件後のことでございますが、御遺族に対しまして防衛省から緊急見舞金を支給したところでございます。
 また、今先生御指摘の補償の問題でございますが、本年一月、本件遺族の代理人に対しまして日米地位協定等に基づく補償手続について説明を行ったところでございます。現時点においては被害者から日米地位協定第十八条に基づく請求は行われていないということでございますが、防衛省といたしましては、被害者に対する補償については日米地位協定に照らしまして適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
#247
○山内徳信君 今見舞金とかおっしゃっておられましたが、その金額がお分かりでしたら、おっしゃっていただけますか。
#248
○副大臣(榛葉賀津也君) 個々の事案については御説明を差し控えておりまして、プライバシーに関することでもございますので、金額については回答を差し控えさせていただきたいと思います。
#249
○山内徳信君 私の友人を頼って大阪に住んでおる方の息子が沖縄国際大学に合格をしまして、もう何年も前の話ですが、合格通知を手にすることなくその合格証書をもらう三日前にアメリカ兵にこれまた後ろからぶつけられて死んでいったんです。そういうこともありまして、当時の那覇防衛施設局にそのお父さんが訪ねてきましたから、私は那覇局の総務部に真摯に対応してほしいと、こういう要望をしたこともありまして、その被害者の会というのがその後できまして、いろんな取扱い方、あるいは米軍の対応もある程度知っておるつもりでございますが、やはり是非沖縄局に対しましては、細かいことは向こうがやりますから、本省からもいい方向付け、良き指導をお願いしておきたいと思っております。
#250
○副大臣(榛葉賀津也君) 先生の御指導を賜りながらしっかりと対応できるように、努力してまいりたいと思います。
#251
○山内徳信君 私は細かいことを申し上げる時間はございませんから、細かいことは申し上げませんが、大きい視点で認識を共有しておきたいと思いまして質問いたしますが、今年の防衛予算は四兆七千九百三億円でございますが、これは前年比百六十二億円増になっております。歴史的な体験を踏まえて考えていきますと、やはり防衛予算については絶えず謙虚で抑制的でなければ国家予算そのものを危うくしてしまう、そういうおそれがあるわけでございます。
 そういう観点に立ちまして、以下二点質問をしたいと思います。
 先ほどもございましたが、やはり公正取引委員会は官製談合防止に基づく改善要求をしておりますが、防衛省の基本的な考え方をお示しください。
#252
○大臣政務官(楠田大蔵君) 本件につきましては、航空自衛隊の第一補給処におきまして契約を締結したオフィス家具等の事務用品について、防衛監察本部による平成二十年度の防衛監察において不自然な入札状況が判明したことから、昨年五月に防衛省から公正取引委員会へ通知したものでありまして、防衛監察本部による防衛監察が事案発見の端緒の一つであります。
#253
○国務大臣(北澤俊美君) 補足をさせていただきますが、今大きな観点から、防衛予算についての金額よりは概念的なことをお尋ねでありますが、一方、極めて複雑な安全保障環境の中で、いかにして日米安全保障条約に基づく米軍との同盟の中で我が国の安全を守っていくかと、担保していくかと、こういうことが問われるわけでありますが、今回の予算については、実質は少し減になりますが、ただ、防衛省の人員の定数の七年にわたっての減については下げ止まりをさせていただいたと。予算が少し増えたのは、今回のこの子ども手当の関係でいささか増えたということでありまして、実質からいいますと、予算全体でいうとやや少なくなったと、こういうことでございます。
#254
○山内徳信君 あと一点は、防衛装備品の輸入調達における契約の透明性あるいは競争性確保についてお伺いしておきたいと思います。
 大臣も副大臣も外防委員会で議論をしてきた、あるいは追及をしてきた事例の一つでもございますが、当然刑事告発されると思われる防衛関係業者が告発されていないとか、あえて固有名詞は申し上げませんが、あるいは不正に支出された公金の返還状況だとか防衛装備品の輸入調達の見直しの是正、これも随分論議されて、そして外防委員会としてはアメリカの業者にも問い合わせをしてきた、そういう参議院の努力があったわけであります。
 その後、そういう問題点を是正をしていこうという点でその事案はあの時点で終わりましたが、依然として、契約の透明性、競争性、そういうのを確保をしていく、そういう努力を新政権の防衛大臣、副大臣、政務官、関係者、全力を尽くしてやっていただきますこと、そのことが国民から信頼を勝ち取っていくことにつながっていくんだろうと、こういうように思っております。その決意のほどを伺っておきます。
#255
○大臣政務官(楠田大蔵君) 御指摘の防衛装備品の輸入調達の件につきまして、まず平成二十年の四月以降でありますが、外国メーカーへの見積書の直接照会等によるチェック機能の強化等の各種改善策は講じているところでありますが、いずれにしましても、過去のそうした事件等の反省を踏まえて、今後ともこの改善策の着実な実施に努めてまいりたいと。オフィス家具の問題につきましても、まさしくそうした不正がないように今後とも追及していくと、そうした思いであります。
#256
○副大臣(榛葉賀津也君) 山内先生から決意のほどをお尋ねされたわけでございますが、まさに先生御指摘のとおり、きちっと透明性を持ってやっていかなければならないと覚悟を決めてこの問題に対処していかなければならないと思っております。
 他方、防衛の入札や調達の世界というのは、若干その他の省庁の一般の装備の入札と異なる点が多々ございまして、防衛装備特有のこの契約の社会というものがございます。一社が請け負って、それを多くの専門分野を持った下請にお願いをして、そして専門性を生かしていくというようなところもございまして、その辺の加減が難しいわけでございますが、いずれにせよ、納税者に対しましてきちっと説明できるような体制を整えていきたいというふうに考えております。
#257
○山内徳信君 あと二、三分残っておりますから、通告はしてございませんが、一つは、東村の高江の方からファクス入ってきまして、今朝、沖縄局は、ヘリパッドのそこに行くところをフェンスで囲む作業に二、三日うちに入りたいといって沖縄局の職員が来たんだそうです。ところが、そこは七月辺りまでは工事はないというふうに私は聞いていたんですが、不必要な摩擦はやはり得策ではないと思います。そのことをお伝えをして、沖縄局への御指導を賜りたいと思います。
 もう一つは、私の人生にはやはり反対のための反対はないんです。正しいものは正しい。そして、それは推進しなければいかぬときは推進する。そういう意味で、先ほど問題になりましたあの和解の結果、追加支出をしなければいけないこの問題、さっきの問題ですね、そのことについても、那覇局には、関係者には、これは可能性はありませんよということで、これは本省にはやはり不可能だということを申し上げていた方がいいと思いますよという私の見解、あの当時伝えておるんです。
 それから、キャンプ・ハンセンの中のレンジ4についても、私は、直接、読谷から那覇局まで行きまして、余りにもこれ伊芸という集落に近いから、後で問題になりますよと、こういうことを申し上げましたが、基地内の運用はアメリカ軍の権限だから私たちから物を言えないとおっしゃっていましたが、それは違うだろうと。予算付ける前に物を言って、もっと安全なところに、結局、二年ぐらいその現場、闘争に入って、レンジ4はレンジ6かレンジ10辺りに引っ越ししたわけです。二重予算を使っておるわけですね。
 そういう意味で、やはりこれは可能性ある、これは可能性ないという判断を私は絶えず関係者に申し上げてきましたから、今後もそういう姿勢は一貫していきたいと思っております。
 以上です。
#258
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る十九日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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