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2010/03/03 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第4号
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2010/03/03 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第4号

#1
第174回国会 予算委員会 第4号
平成二十二年三月三日(水曜日)
   午前九時五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     徳永 久志君     櫻井  充君
     中山 恭子君     橋本 聖子君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     尾立 源幸君
     土田 博和君     喜納 昌吉君
     井上 哲士君     大門実紀史君
     山内 徳信君     近藤 正道君
 二月四日
    辞任         補欠選任
     谷岡 郁子君     藤田 幸久君
 二月五日
    辞任         補欠選任
     藤田 幸久君     谷岡 郁子君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     林 久美子君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     林 久美子君     植松恵美子君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     姫井由美子君
     蓮   舫君     川合 孝典君
     荒井 広幸君     大江 康弘君
     泉  信也君     林  芳正君
     橋本 聖子君     脇  雅史君
     牧野たかお君     義家 弘介君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     蓮   舫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         簗瀬  進君
    理 事
                大島九州男君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                川口 順子君
                西田 昌司君
                舛添 要一君
                弘友 和夫君
    委 員
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                尾立 源幸君
                川合 孝典君
                喜納 昌吉君
                小林 正夫君
                今野  東君
                自見庄三郎君
                芝  博一君
                下田 敦子君
                鈴木 陽悦君
                谷岡 郁子君
                友近 聡朗君
                姫井由美子君
                円 より子君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                蓮   舫君
                大江 康弘君
                加納 時男君
                木村  仁君
                小泉 昭男君
                佐藤 正久君
                世耕 弘成君
                西島 英利君
                林  芳正君
                森 まさこ君
                山本 一太君
                義家 弘介君
                若林 正俊君
                脇  雅史君
                加藤 修一君
                草川 昭三君
                澤  雄二君
                大門実紀史君
                近藤 正道君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鳩山由紀夫君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       法務大臣     千葉 景子君
       外務大臣     岡田 克也君
       文部科学大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    川端 達夫君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       農林水産大臣   赤松 広隆君
       経済産業大臣   直嶋 正行君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
       環境大臣     小沢 鋭仁君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 平野 博文君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        中井  洽君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        亀井 静香君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  福島みずほ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   仙谷 由人君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      枝野 幸男君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松井 孝治君
   副大臣
       内閣府副大臣   古川 元久君
       総務副大臣    渡辺  周君
       外務副大臣    福山 哲郎君
       財務副大臣    野田 佳彦君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       農林水産副大臣  郡司  彰君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
       経済産業副大臣  増子 輝彦君
       国土交通副大臣  辻元 清美君
       環境副大臣    田島 一成君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        津村 啓介君
       総務大臣政務官  小川 淳也君
       総務大臣政務官  階   猛君
       総務大臣政務官  長谷川憲正君
       財務大臣政務官  大串 博志君
       財務大臣政務官  古本伸一郎君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       内閣法制次長
       内閣法制局第一
       部長事務取扱   山本 庸幸君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   桑田  始君
       総務省自治行政
       局選挙部長    田口 尚文君
       総務省自治税務
       局長       岡崎 浩巳君
       法務省刑事局長  西川 克行君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 本委員会の開会の時間、八時五十分と、これはしっかりと皆さんで協議をして決定をしておったところでございますが、大変遺憾なことながら、大臣方、遅れた方がおりました。このことについて、参議院の予算委員会としても大変遺憾の意を表明させていただきたいと思います。(発言する者あり)
 その上で、まず冒頭に官房長官からの御発言がございますので、発言を許します。平野官房長官。
#3
○国務大臣(平野博文君) 今、委員長からの御発言で、大変申し訳ございません。本来でございましたら、趣旨説明、またその後に委員会が始まるという中におきまして、委員長、各与野党の理事、委員の皆さんの御協力により、一気通貫で審議をしようと、こういう温かい御配慮にもかかわらず閣僚が……(発言する者あり)失礼いたしました。閣僚が遅れてきたということで、誠に申し訳ございません。
 関係閣僚からもおわびを申し上げさせます。よろしくお願いします。
#4
○委員長(簗瀬進君) 引き続き発言を求めます。前原誠司国土交通大臣。
#5
○国務大臣(前原誠司君) 遅刻をいたしましたことを心からおわびを申し上げます。申し訳ありませんでした。(発言する者あり)
#6
○委員長(簗瀬進君) 仙谷由人国家戦略担当大臣。
#7
○国務大臣(仙谷由人君) 遅参をいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。(発言する者あり)
#8
○委員長(簗瀬進君) 原口一博総務大臣。
#9
○国務大臣(原口一博君) 遅刻をしました。本当に申し訳ございませんでした。以後、反省申し上げます。(発言する者あり)
#10
○委員長(簗瀬進君) よろしいでしょうか。(発言する者あり)
    ─────────────
#11
○委員長(簗瀬進君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#13
○委員長(簗瀬進君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁白川方明君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#15
○委員長(簗瀬進君) 平成二十二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百三十五分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本百四十一分、自由民主党・改革クラブ百四十分、公明党三十四分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#16
○委員長(簗瀬進君) 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。財務大臣菅直人君。
#17
○国務大臣(菅直人君) 平成二十二年度予算の大要につきましては、既に本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、改めて御説明申し上げます。
 平成二十二年度予算は、国民生活が第一、コンクリートから人への理念の下、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させた命を守るための予算であります。
 家計を直接応援し、国民の生活を守るため、マニフェストの工程表に掲げられた主要事項である子ども手当、農業の戸別所得補償、高校の実質無償化等の施策を実施することとしております。
 一方、こうした新規施策を実現するに当たっては、行政刷新会議における事業仕分等を通じた予算の全面的な組替えや公益法人等の基金等の返納等による歳入確保を図っており、国債増発に依存することなく必要な財源を確保しております。
 一般歳出は、五十三兆四千五百四十二億円であります。前年度当初予算に比べ一兆七千二百三十三億円の増となっております。
 地方財政については、国税及び地方税の税収の落ち込みに対し、適切な補てん措置を講じております。その際、地方における歳出改革を継続しつつ、地方公共団体が雇用情勢等を踏まえた当面の地域活性化に向けた施策等を円滑に実施できるよう、地方交付税を一兆四千八百五十億円加算しております。この結果、地方交付税交付金等については、前年度当初予算と比べ九千四十四億円増加し、過去最高水準の十七兆四千七百七十七億円となっており、地方に最大限配慮しております。
 これらに国債費二十兆六千四百九十一億円等を合わせた一般会計総額は、前年度当初予算と比べ三兆七千五百十二億円増加の九十二兆二千九百九十二億円としております。
 一方、歳入については、租税等の収入は、現下の経済状況を踏まえ、前年度当初予算と比べ八兆七千七十億円減少の三十七兆三千九百六十億円を見込んでおります。その他収入は、特例的な財政投融資特別会計財政融資資金勘定からの受入れ四兆七千五百四十一億円及び外国為替資金特別会計からの受入れ二兆八千五百七億円を含め、十兆六千二億円を見込んでおります。
 以上のように、税収が大幅に減少する中、歳出、歳入両面において最大限の努力を行った結果、新規国債発行額については、四十四兆三千三十億円となっております。
 次に、一般歳出の主要な経費につきまして、順次御説明いたします。
 社会保障関係費については、子ども手当の支給や、医療、介護の再生等の実現を図ります。診療報酬本体について十年ぶりの大幅プラス改定を実現するとともに、地域の中核的な病院に重点化し、救急、産科、小児科、外科等の充実を図るため、従来以上に診療報酬の配分を大幅に見直します。また、肝炎対策の充実、障害者の利用者負担の軽減、生活保護の母子加算の継続、児童扶養手当の父子家庭への支給拡大等を行うこととしております。この結果、社会保障関係費は、前年度当初予算と比べ約一割増となる二十七兆二千六百八十六億円を計上しており、一般歳出に占める割合は初めて五割を超えることとなっております。
 文教及び科学振興費については、高校の実質無償化を実現するなど教育の振興を図るとともに、科学技術分野については基礎研究や最先端研究の支援等への重点化を行うこととし、五兆五千八百六十億円を計上しております。
 恩給関係費については、七千百四十四億円を計上しております。
 防衛関係費については、弾道ミサイル攻撃への対応など各種事態への対応能力の確保等を図る一方、コスト縮減への取組など経費の合理化、効率化を行うこととし、四兆七千九百三億円を計上しております。
 公共事業関係費については、コンクリートから人への理念を踏まえ、大規模な公共事業について、国民にとって本当に必要なものかどうか根本から見直します。あわせて、羽田空港等の国際競争力の強化のため真に必要なインフラ整備や、国民生活の安全、安心の確保に必要な分野に重点化するなど、事業の効率性、必要性を踏まえた厳しい優先順位付けを行うとともに、地方公共団体が地域のニーズに合った社会資本整備を行うための新たな交付金を創設することとし、全体で五兆七千七百三十一億円を計上しております。
 経済協力費については、事業の見直しを行い、めり張り付けを強化しつつ、国際的な評価の対象となるODA全体の事業量の確保を図ることとし、五千八百二十二億円を計上しております。
 中小企業対策費については、中小企業の活性化を図るため、中小企業の資金調達の円滑化、仕事をつくるための研究開発、下請取引の適正化に関する施策等に重点化を行うこととし、千九百十一億円を計上しております。
 エネルギー対策費については、特別会計の歳出総額を抑制するとともに、低炭素社会実現のための施策等に重点化を行うこととし、八千四百二十億円を計上しております。
 農林水産関係予算については、戸別所得補償制度のモデル対策への重点配分により、意欲のある農家が水田農業を継続することができる環境を整え、我が国の安定的な食料供給体制の構築と水田の有効活用等を図ることとし、公共事業関係費のうちの農林水産関係部分を含め、全体で二兆四千五百十七億円を計上しております。
 公務員の人件費については、国、地方を通じて定員純減や給与改定による給与の減額等を的確に予算に反映することとしており、国家公務員の人件費については、前年度当初予算と比べ千四百億円の減少となる五兆千七百九十五億円としております。
 また、景気対策に万全を期すため、一兆円の経済危機対応・地域活性化予備費及び限度額一兆円の非特定議決国庫債務負担行為を合わせ、二兆円規模の財政上の措置を講じることとしております。
 平成二十二年度財政投融資計画については、現下の経済情勢等を踏まえ、企業金融支援、地方公共団体を中心に必要な資金需要に的確に対応するため、前年度当初計画と比べ一五・七%増の十八兆三千五百六十九億円としております。
 以上、平成二十二年度予算について御説明申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
 なお、本日、本委員会に「平成二十二年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」及びこれに関連する「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算」を提出いたしました。よろしくお目通しのほどお願いいたします。
 以上です。
#18
○委員長(簗瀬進君) 以上で平成二十二年度総予算三案の趣旨説明は終了いたしました。
 なお、副大臣の補足説明は省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それでは、これより質疑に入ります。林芳正君。
#20
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。
 冒頭に、質問に立たせていただきますことを、同僚議員、皆様方の御配慮に感謝をいたしたいと思います。
 まず、九時からテレビを御覧になっている皆様は少し戸惑っておられるのではないかというふうに思います。八時五十分から委員会をやって、今の菅大臣の御説明のところは非常に硬い説明でございますから、それを終えて私が質問を始める今のが九時からテレビに入るということで御配慮いただいたわけですが、残念ながら三閣僚御遅刻をなさったということで陳謝をされてこのことに至ったわけでございますが、私、それぞれの大臣よく存じ上げて、個人的に遅刻をされた、そんな方だとは思いません。
 私は、多分これは連絡の不行き届きでこういうことが起こってしまったと。これは予算委員会に対しても大変失礼なことでありますが、しかし、何かこれが危機管理の問題であったとしたらどうだっただろうかな、大変に今の鳩山内閣を象徴するようなことではないかなと、憮然たる思いでございまして、総理や官房長官におかれましては、やはりきちっと連絡を徹底して内閣全体として国のために仕事に当たっていただきたいと、冒頭にそのことをお願いをしておきたいと思います。
 質問通告をいたしました最初は、総理に、このパネルの一でございますが、戒石銘というものをあらかじめお届けしてあったというふうに思います。(資料提示)この漢字が読めますかというようなくだらない質問をするつもりはございません。これはもう総理もよく御存じだと思いますが、この間、総理が私腹を肥やしていないんだということを聞いたときに私が思い出したのがこの戒石銘でございます。
 これは元々の出典は中国の古典でございますが、福島県の二本松市で戒石銘、国指定史跡になったもので、当時の財政再建をするためにこれを掲げたというものでございまして、広く人口に膾炙をしておるものでございますから改めて説明を申し上げることはいたしませんが、「爾の俸 爾の禄は 民の膏 民の脂なり」と。まさに上の給与というのは民のあぶらである、額に汗して働いた者の結晶であるということでありますが、実はこの後段、「下民は虐げ易きも 上天は欺き難し」と。下々の民は虐げやすいけれども、神を欺くことはできないと。このことは、実は原典では先の方に出てきて、この後に出てくるんではないんですね。
 私は、この意味をずっと考えておりまして、衆議院で石破政調会長がやはり同じようなことをおっしゃっておられるということに気が付いたんです。石破政調会長はこうおっしゃっております。権力をもてあそんだ者は必ずこの報いを受ける、そしてまた、安全保障をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、財政をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける、国民の心をもてあそんだ者は必ずその報いを受ける。まさにこの後段の二行、それを思い出したわけでございまして、まさに箇所付け、仮配分が漏れる、利益誘導のような選挙をやられる、またそういうことが出てきて選挙の結果が出てくる。
 私は、現代、平成における民というのは、その場、目の前にいる人と、そして、天は世論、総体の少し長い時間軸で見た場合の皆さんのお気持ちということに置き換えていいんではないかと、こういうふうに思っておりますけれども、これを御覧になって、また私の今申し上げたことを聞いて、総理はどうお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#21
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 林芳正委員から戒石銘のお話がございました。言うまでもないと思います。私ども、民すなわち国民の皆様方が支払っていただいた、汗して、あぶらを流して働かれた、そして税金を納めた、その俸給によって働かせていただいて、国民の皆様方をしっかりと治めなければならないと思っておりまして、民虐げやすきなどというようなことになってはならない話でございますし、まさに国民の皆さんを欺くような政治は決してやってはならない。
 私ども新政権としても、当然国民の皆様方のお暮らしを第一だと、そのように考えながらしっかりと政治を歩んでまいりたい、そのように考えております。現代にも大変生きる言葉だと思います。
#22
○林芳正君 そういう心持ちでやっていただきたいと思いますが、実際にはこのマニフェスト、三番のパネルを出していただきたいと思いますが、私は、実は去年の参議院の本会議、臨時国会でございましたけれども、「そもそもマニフェストは、できもしないことを急場で熟慮なく作ったものが数多くあるように思われますが、政権としてどう位置付けるのでしょうか。」と代表質問で聞かせていただきました。総理からは、「マニフェストは言わばまさに国民との契約であり、四年間で必ず実行いたします。」、「したがって、今マニフェストを変える、変更することは想定しておりません。」、「私どもは熟慮の上でマニフェストを作らせていただいた次第でありますし、旧政権では確かにできもしない政策だったかもしれませんが、新政権ではしっかりとできますので御安心をいただきたい。」と、こう答弁をいただいております。
 昨年の予算編成、マニフェストがどうなったかということを思い起こしていただければちょっとこの言葉は今古めかしくなってきたなと、こういうふうに思うんでございますが、選挙のときから財源の問題と安全保障については本当に大丈夫だろうかという議論が随分ございました。
 そこで、そもそもこのマニフェスト、きちっと熟慮の上で作らせていただいたと書いてございますが、実際にはどなたがどれぐらいの時間でお作りになったのか。直嶋大臣は当時の政調会長でいらっしゃいましたから、多分この実際の作成の責任者であられたと思いますが、どれぐらいの時間を掛けて、実際には何人ぐらいでお作りになったか、お聞かせ願いたいと思います。
#23
○国務大臣(直嶋正行君) 今も思い付きで作ったというようなお言葉がありましたが、決してそんなことはございませんで、総理が答弁に立たれたとおりであります。
 マニフェストそのものは、思い返していただきたいんですが、衆議院選挙がいつになるかという、一昨年の秋くらいからいろいろ言われておりました。したがって、その前から議論を始めておりまして、何度か作り変えたものでございます。基本的に、最終的なマニフェストは、当時の鳩山代表が率いる民主党として、鳩山代表の御指示に基づき最終的に党の機関として策定、決定したものでありまして、御承知のとおり、そのマニフェストを編集して国民にお示しをし、衆議院選挙では圧倒的な御支持をいただいたということでございます。
#24
○林芳正君 今日片道ですから長々と答弁いただいてもいいんですが、私がお聞きしたのは、何人ぐらいでどれぐらいの時間を掛けてお作りになりましたかと。当時の政調副会長であられた長妻大臣、いかがですか、じゃ。御一緒に作られたと思いますけれども。
#25
○国務大臣(長妻昭君) 今、直嶋大臣から答弁したとおりでありますけれども、ちょうど三年前に参議院選挙がありまして、その参議院選挙でもマニフェストを提示をいたしまして、その参議院選挙が終了後、衆議院選挙に向けたマニフェスト作りというのを開始をしたというふうに記憶をしております。そして、基本的には、一義的にはその政調のメンバーで基礎固めをしたというふうに記憶をしております。
#26
○林芳正君 政調のメンバーというのは今はもうおられないんでしょうけれども、当時は何人ぐらいおられたんでしょうか。
 それから、直嶋さんでも長妻さんでも結構ですが、この財源、これぐらい出すというときに、財務省で作っておりますいろんな財務諸表を御覧になって作って、その検証を財務省とされたのかどうか、そのこと、どちらでも結構ですが、お答えください。
#27
○国務大臣(直嶋正行君) マニフェストそのものは、今長妻さんからもお答えしたように、政調のメンバーの議員が中心になってマニフェスト検討準備委員会というのをつくりまして、約十名でございますが、それに事務局と議論をしながら取りまとめたということでございます。
 また、財源についてのお話がございましたが、財源についても私どものその検討準備委員会の中で議論をさせていただきました。もちろん、今お話しのように、財務省から国の財政データ等についてはちょうだいをしました。ただ、私どもが幾らか要求させていただいた資料のうちのごく一部でございまして、足らないところは外部の有識者の方の御意見も伺いながら最終的に取りまとめたものでございます。
#28
○林芳正君 財務諸表を御覧になったということでございましょう。
 この二百六兆余りの一般会計、特別会計合わせたやつが大体一割ぐらい出るんだというお話でしたが、その中でここでは九・一兆やっていくということでございましたので、そういうところは精査をされておやりになったというふうにおっしゃっておられますが、実際にはこの九・一兆というのはもうだれが見ても絵にかいたもちであったということになっているわけでございまして、今後お作りになるときは、もう与党になられたことでもありますし、きちっとそういうところを見て、現実的なものを次から出していただきたいと、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
 そこで……
#29
○国務大臣(直嶋正行君) 委員長。
#30
○林芳正君 結構です、お願いでございますから。
 それで、要するに、なぜ削れなかったのかという議論を我々もいたしましたし、それから衆議院でも随分議論があったようでございますが、この間、補正をやったときは、仙谷大臣だったと思いますけれども、税収が不足したので、全体の予算の枠が少なくなるので、だからできなかったんだと。私はこのマニフェストでやったとおりに削れなかったからではないかと思うんですが、そこをもう一回ちょっと御説明いただいてよろしゅうございますか。
#31
○国務大臣(仙谷由人君) 財源の話は、林先生おっしゃっていることを前提にいたしましても、我々の理解は四年間で九・一兆と、こういう話だと思うんですね、それ御覧いただいても分かりますように。
 当然のことながら、このマニフェストを作った時点では税収が四十六兆円という前提で作っていたはずであります。そこは国税レベルで約九兆円穴が空いたということですから、これをどこから財源手当てをするかということもありますけれども、その状況の中で今度は反対にこのマニフェストを実行しようとしますと、地方税の税収減で地方の財政全体がどうなるんだろうかと。そういう状況を踏まえて、マニフェストをこのまま実行するときに地方に対する手当ての問題も当然のことながら出てまいります。
 それから、もう一つ大きいのは、今の現下のこの経済状況、世界経済の状況や、あるいは国内の経済的な、あるいは景気動向を見ておりますと、自民党さんが組まれた予算総体が百二兆円規模のものを、借金が、国の公債発行がどうなろうとも五十三兆結論的には出されることになっているわけでありますけれども、その百二兆という規模と今回の当初予算の規模をどのぐらいに合わせなければ、あるいはどのぐらい小さくしてもこの景気動向から見て適切なものになるのかというこの判断も必要であったわけであります。
 そうであるとするならば、このマニフェストの四年間での実行部分のある部分については先延ばしをさせていただくというようなことも、その地方の税収見込みとの関係もあって、それはそういうふうな現実的な処理が必要ではないかと、こういうことを先般申し上げたところであります。
#32
○林芳正君 余りよく分からなかったんですが、ちょっと冒頭に大事なことをおっしゃったような気がするんですが、こっち側、右側ですかね、全部で九兆一千億削ると、これは四年間の約束だと、こうおっしゃいました。これをやりますという方は、毎年、平成二十二年度は七・一兆、次が十二・六、十三・二、十三・二で、ずっとやるのが三兆六とこっちは書いてありますから、じゃ、仙谷大臣がおっしゃることを聞くと、最初の年は九・一のうち一兆しか出なくても七・一はやるんだと、ですから、その差額は国債でも賄うんだということをこのマニフェストは意味しているのでございますか。
#33
○国務大臣(直嶋正行君) その右側の表ですね、画面で見ると左側の表になるんですかね、これは、今仙谷大臣から申し上げたように、四年間でそれだけの財源を捻出するということでございます。
 内容を御覧いただいたらお分かりのとおり、これは単に無駄を削るというものばかりではありません。国の仕組み等も含めて、あるいは国と地方の関係とか補助金等も見直しをする中でその九・一兆円を捻出したいということでございまして、当然政権に着いてすぐできるというものではございませんので、先ほどお話ししたとおり、四年掛けてやりますということでございます。
 その中で、じゃ左側の毎年の工程表はどうなのかといいますと、その政策経費として七・一兆円初め必要になりますので、その間じっとしているわけではなくて、順次予算を見直す中でお金をひねり出しますと。それからもう一つは、その下にございますように、いわゆる埋蔵金と言われていますが、税金が積み上がってきた過去のものを使えるものは使わさせていただくと。したがって、出だしはやや埋蔵金が多くなるかなというのは当時としてもそういう感じはありましたが、しかし、事業仕分を実行させていただいたように、できるだけ予算の使い方を変えるという方向で順次見出したいというものでございます。したがって、四年間トータルの努力の中でこれだけのことをやっていきたいということでございます。
#34
○林芳正君 マニフェストの政策の責任者であられた直嶋大臣から今御答弁いただきましたので、まさにこの七・一兆円はもうやるんだと。私も、「マニフェストの実現により、家計で使えるお金を増やし、生活不安を解消します。」と書いてあるので、最初これを見たときの印象は、こちらをきちっと実現する、財源捻出をですね、ことによってこっちを、七・一をやるんだとばかり思っていましたが、そうではないと。こっちは四年掛けてゆっくりやるんだから、七・一兆円は財源が出ようと出まいとやるんですというふうに今御説明がありました。ですから、国債を増発してでもやるというオプションはあったんだろうけれども、仙谷大臣がおっしゃるように、こういう状況だからということなのかなと。大分我々が最初に見た印象と違ってくるわけでございますが、そういうことであれば非常に私は問題が大きいと思うんです。
 実は、菅大臣も衆議院の野田毅委員のお言葉に対してこういうふうにおっしゃっているんですね。そのときには、場合によってはそれは国債増発による措置ということも全く考慮しなかったわけではありませんがと。今回はそういうことはいろいろお考えになったけれどもやらなかったと。しかし、このマニフェストを総理が必ず四年間で実行するとおっしゃっておられますから、二十二年度、二十三年度、二十四年度、来年は十二・六兆円、二十四年度は十三・二兆円のことをやると。これはこっちで幾ら出てこようが出てこまいがやるんだということになりますと、物すごい国債が増発される。今年ですら史上最大でございますが、来年はあと五・五兆増やさなきゃいけない、再来年はあとそれに〇・六兆足さなきゃいけない、こういうことになるんですが、それでよろしいんですね、直嶋さん。
#35
○国務大臣(直嶋正行君) ちょっと一部誤解があるんですが、私がさっき申し上げたのは、右側の歳出削減の努力や例えば埋蔵金等を活用しながらできるだけその政策を初年度のものも実行していくということでありまして、財源が足らないから国債を増発するということを念頭に置いて作成したものではありません。
 ただ、さっき仙谷大臣からお話があったように、現実に歳入が九・二兆円も税収が落ち込んだと。そして、御承知のような経済情勢の中で、まず日本経済を回復軌道に乗せるということは焦眉の急でございますから、そういうものも判断として加えた上で二十二年度予算については作成していただいたということでございます。
 現実に、暫定税率については、そちらには二・五兆円と書いていますが、誠に申し訳なかったんですが、税収等との兼ね合いでごく一部の暫定税率の減税にさしていただいたということでございます。
#36
○林芳正君 暫定税率二・五兆ですからごく一部ではないと思いますが、要するにこの七・一兆円、必ずこちらから二十二年度に生み出すことではないということでございます。
 そうしますと、来年度の二十三年度の予算はあと五・五兆ですから、実際には七・一のうち三しか財源が出なかったという説明ですので、あと九兆ぐらいはこの財源をひねり出さないと国債が増発されるということになります。
 枝野大臣にお聞きしますが、今から仕分をされるとおっしゃっておられますけれども、じゃ、その九兆を目標にこの仕分をされるということでよろしいですか。
#37
○国務大臣(枝野幸男君) お答えをさせていただきます。
 昨年の事業仕分もそうでございましたし、これから、今考えております今後の事業仕分もそうでございますが、事業仕分そのものは予算の削減とか歳出そのものを削減するということを直接の目的としているものではございません。税金の使い方、使われ方について、それぞれの事業の必要性、有効性、効率性等を、あるいはだれが実施主体となるのが適当かという、それぞれの事業の在り方について不断の見直しを行っていくという手段として事業仕分を行っていくものでございまして、その結果としてそこから歳出の削減が出てくるということは一つの効果としてはございます。
 もちろん、行政刷新の仕事全体としては、マニフェストを実現をしていく上での歳出削減の大きな役割の一つの柱を担っているというふうに思っていますが、事業仕分はそこに向けた一つの柱でございまして、事業仕分そのもので目標額を定めるという趣旨のものではございません。
 逆に言いますと、まさに仕分けるわけでございますので、それぞれの事業が必要か必要でないかということをその仕分の現場で判断していく。目標金額がありますと、例えば目標金額に達するために必要な事業であるのに不要という判断をするとか、逆に、目標額に達したから不要な事業をまあいいか必要でということでしてしまっては事業仕分という趣旨が崩れてしまうということでございますので、有効な手段の一つではございますが、それ自体で目標額を定めて歳出削減をするというわけではございません。
#38
○林芳正君 たしか第一弾の仕分のときは仙谷大臣が御担当でしたが、三兆円の目標ということをおっしゃっていたような記憶がありますが。
 枝野大臣、今のお話よく分かるんですが、そういうやり方でやると、要するにシーリング的な考え方がないと、結局何が無駄か何が無駄でないかというのはそれぞれの人によって受け止め方が違いますから、そういうやり方ではなかなか削減が出てこないと私は思いますが、削減が目標ではないとおっしゃるんで、じゃ、この九兆円の来年に向けての所要額というのは枝野大臣のお仕事ではないということでよろしいですか。
#39
○国務大臣(枝野幸男君) そのマニフェストを御覧をいただきましても、今の仕組みを改めということで、例えば地域主権の確立に向けては原口大臣と一緒に仕事をしながら、あるいは人件費等の問題は公務員制度改革とかかわってまいりますので仙谷公務員制度改革担当大臣と御協力をしながらというようなことで、行政刷新も事業仕分だけではございません、独立行政法人などの改革を事業仕分的手法でも取り上げますけれども、制度論としても取り上げていくつもりでおりますので、事業仕分だけではございませんが、行政刷新という仕事も歳出削減に向けた仕事の大きな役割を担わせていただくという責任を感じております。
#40
○林芳正君 これは、じゃ、財務大臣の仕事ということかもしれませんが、この仕分をされる、今からですね、対象というのはこの二十二年度の予算ということでよろしいですか。
#41
○国務大臣(枝野幸男君) 基本的には、本来、事業仕分は予算に対してということではなくて、決算、それぞれ行った仕事についてそれを事後的にレビューをしていくと。そうしたことの中で、本来、当初想定した効果が十分に発揮されているのかどうか、あるいは効率性がそういう手法でよかったのかどうか、あるいは実施主体がそれでよかったのかどうかなどということで、本来的には事業仕分は決算ベースで行うべきものというふうに考えておりまして、昨年の事業仕分におきましても、それまでに出てきている決算などの数字をベースにしまして、それに基づいてより効率的な税金の使い方はないかというようなことを検討し、それを予算編成に生かしていくと、こういうのが実際の、詳細に御説明をすればプロセスでございまして、そういった意味では恐らく、二十一年度決算が間に合うかどうか分かりませんけれども、その時点で出ている決算をベースにして、それを仕分をしていくということになっていくということを想定しております。
#42
○林芳正君 財務大臣、ちょっと通告しておりませんが、二十一年度決算はいつごろお出しになる予定ですか。
#43
○国務大臣(直嶋正行君) 例年の政府のスケジュールでいきますと、大体秋に二十一年度決算がまとまるというふうに認識しています。
#44
○林芳正君 経産大臣から御答弁いただいてしまいましたが、菅大臣、よろしいですね、そういうことで。大体秋ぐらいということで。
#45
○国務大臣(菅直人君) 本年の十一月ごろと承知しています。
#46
○林芳正君 枝野大臣は決算を基にとおっしゃったので、秋から仕分をやるということですね。
#47
○国務大臣(枝野幸男君) 若干誤解を招く発言をしたかというふうに思いますが、今財務大臣などが御答弁を申し上げた決算は、正式な意味での決算はそうした形になると思いますが、私が先ほど決算と、もし不用意な言葉の使い方でしたらおわびをして訂正いたしますが、事業の執行状況、決算書として上がってくる決算というよりも、実際に事業においてそれぞれのお金がどう使われているかという予算の執行状況をしっかりとレビューしていくということでございますので、全体像としての決算は今申し上げたような形で出てくると思いますが、事業仕分を行う段階で出てきている予算の執行状況について、それを踏まえた事業仕分を進めていくと、こういう形になると思います。
#48
○林芳正君 こういうのを上天は欺き難しと言うんですよ。私、自分が神様なんて思ってないけれども、ちゃんと答えてください、最初から。不用意に決算とおっしゃるからこうなるんですよ。二十一年じゃなくて二十年度の決算だっていいじゃないですか。執行調査、いいですよ、それでも。だけど、それを、二十二年度の予算でやっている事業はかなり入っていると思いますよ。だから、決算で調べてこれはやめた方がいいというなら、その二十二年度の予算案からそれをやめるということですか。
#49
○国務大臣(枝野幸男君) 先ほども申し上げましたが、事業仕分は予算面のみならず、事業の必要性、有効性、効率性等やだれが実施主体として適当かといった点について検証をする場でございます。特に、今予定をしている事業仕分につきましては、独立行政法人や政府系の公益法人の実態等を把握をして、どういった制度が今後望ましいかということにつなげていく、そのための手段、手法として事業仕分を検討をしているところでございますので、二十二年度、今御審議いただいている予算について云々ということを想定しているわけではございません。
#50
○林芳正君 独立行政法人に対する支出も、それから今事業とおっしゃったけれども、その事業をやるためのお金が予算なんですよ。ですから、今仕分されるとおっしゃっている独立行政法人に対する支出や公益法人に対する委託、そして直接やっている事業費、それが予算なんです。ですから、それを仕分今からなさるということであれば、二十二年度の予算にそれは反映全くさせないということで、二十三年度の予算でやるということですか。
#51
○国務大臣(枝野幸男君) 特に今回、先ほど申しましたとおり、独立行政法人という制度は、これ現に存在をしていて、法律に基づいてこの制度を前提にして予算を組み予算を執行していくわけでありますし、あるいは公益法人の在り方ということについても、現状の公益法人の制度やあるいは公益法人に委託その他をするということの現行の制度の下で、我々は法律上認められている制度の下で予算を組み予算を執行していくわけでありますが、こういったものについては不断の見直しが必要でありますから、将来にわたって現在のような独立行政法人という制度、仕組みがいいのかどうか、あるいは公益法人と政府との関係について現在のような形がいいのかどうかということを将来に向かって検討していくということは常に必要なことでございまして、その結果を踏まえて、これは制度改革等を要することでございますから、もし早ければ、早ければ二十三年度予算に影響を与えることはできるかなというふうに思っておりますが、いずれにしても、将来に向かって現在の在り方というのを見直していくということで何ら問題はないかというふうに思っております。
#52
○林芳正君 やっぱり仙谷大臣のときの方が気合が入っていたなと思いますよ。やっぱり三兆円ぐらいやるんだと言って、このマニフェストをやるためにやるんだと。で、やられました。今のだと、二十三年度の予算のあれになるかどうかも分からないと、こういうことでしたので、ちょっとがっかりしましたけれども。
 そういうことであれば、中期財政計画というのをお作りになるということでございましたので、この中期財政計画というものを六月にお作りになる、それは、菅大臣、そういうことでよろしいですね。菅大臣の御担当だったですか。仙谷大臣ですね。仙谷大臣、よろしいですね。
#53
○国務大臣(仙谷由人君) 三年ぐらいの財政フレームを中期財政フレームと称して国民の皆さん方に提起をしようということで、現在、調査、検討中でございます。
#54
○林芳正君 では、その中期財政計画は六月までですから、当然、今の枝野大臣の仕分は反映されないということでよろしいですね。
#55
○国務大臣(仙谷由人君) ミクロとマクロの関係のような話でありますから、これは反映されないというよりも、それを、もしそのときまでにある程度事業仕分が進んでいましたら、勘案をすることは十二分にあると思います。
#56
○林芳正君 また上天は欺き難しなんですよ。勘案することがあり得ると。この表と一緒で、四年間でやるけど、こっちは一年ずつやりますと。どうも詰めていくと話が次へ次へ逃げていくと。もう野党のマニフェストではないんですから、政府がお作りになることですから、そこはもう少し精度を持ってやっていただかないと、我々も追及をさせていただくのは、余り生半可な中期財政計画が出ると市場が本当に反応しますよ。そのことを私は心配して申し上げているわけでございます。是非しっかりとしたものを仙谷大臣に作るのをお願いしておきたいと思いますが。
 もう一つ、やっぱり成長をしなければ、これはこういう計画も全部絵にかいたもちになるということで、パネルの二でございますが、今、我が国の家計の貯蓄率と労働分配率というのを見ていただきますと、かなりもう低いんですね。家計の貯蓄率は、日本は貯蓄が高いと言われていたけれども、この紫の線で一番下まで来ておりますし、労働分配率は逆にかなり高いところへ来ておりますから、菅大臣がお作りになったあの成長戦略でも、家計に入れていく、また需要を創造するということで、このマニフェストも、先ほどお示ししたように、子ども手当、公立高校無償化、農家の、括弧付きですが戸別補償、暫定税率、これはできませんでしたけれども、それからさらに奨学金、最低賃金と、まさに家計へ入れるというもののオンパレードで、これは私は思想的には一つのまとまりになっている、私の思想とは逆ですけれども、それはそれでなっているなと、こう思いましたけれども。
 そこで、成長戦略がそういう家計に政府がお金を入れるんだと、こういうことで出てくるのかなと思ったら、どうもちょっとよく分からないのは、第三の道というふうにおっしゃっておられます。この家計貯蓄率でも、ここまで貯蓄率下がっていれば、家計に幾らお金を入れても貯蓄に回ることが多いんではないかと私は思いますが、そういうこともお考えになったのか、菅大臣お作りになった、パネルの四ですけれども、この成長戦略、第三の道と、こう書いてあります。
 もう一つのパネル五も並べて見ていただきますとよく分かるんですが、この基本方針の前書きのところに第三の道と書いてあるんですが、実際の目標、これ我々が一次補正で作ったのとほとんど同じようなもので、これやってくれればいいと私も思いますけれども、こっちを見るとサプライサイドの政策がたくさん書いてあるということで、多分、第一章は菅大臣が御真筆でお書きになったんでしょうが、こちらは各省がやっているのを集めてきたと、こういうふうに思うんですね。
 第三の道というのは、私何遍読んでもよく分からないんですが、どういうことをお考えになっているのか、もう一度、菅大臣、御説明いただけますか。
#57
○国務大臣(菅直人君) 言葉自体は、これはイギリスのブレア首相あるいはその理論的指導者のギデンズさんが政治において使われた言葉を私なりに経済の言葉に使わせていただいたということであります。
 意味は、今パネルを作っていただいたこの新成長戦略の中にも、かなり本体の方には詳しく書いておきましたけれども、なるべく簡潔に言えば、つまりは第一の道と第二の道という成功体験の失敗をしっかり押さえて第三の道で行こうということで、第一の道というのは、簡単に言えば六〇年代まで効果のあったいわゆる公共事業を中心とした成長戦略が八〇年代後半から長期的なレベルでの経済効果を失ってきた、その失敗が第一の道の、時期的には六〇年代までは効果があったけれども、八〇年代後半以降効果がないにもかかわらず、それを続けたことが失敗の第一だと。第二は、まさに小泉・竹中改革で、デフレ状態にあるにもかかわらず、企業の効率を良くすれば、リストラをしてどんどんやれば日本の経済が良くなるというふうに、これは間違った私は経済の考え方だと思いますが、それによって結果としてはマクロ的に見ても成長には戻らなかったと。
 そういう意味で第三の道というのは、需要という面を注視をして、つまりは供給が需要を生むのではなくて、需要があってこそその供給が生きてくるという考えに立って、そういう考え方を私なりに第三の道という表現をさせていただきました。
 今その二つが何か矛盾しているように言われましたけれども、需要といった場合に二種類大きく言えばあると思っています。つまり、潜在的に需要があるものが供給がないために顕在化してない、介護とか医療とか保育とかという問題があります。それからもう一つは、例えばそこで言うとグリーンイノベーションのように、全く新しい製品が生まれて出されると新しい需要が生まれます。テレビとか自動車のような既存のものですと、他の売行きを排除して自分のものが売れることはあるけれども、トータルが増えるということはもう余りありません。
 ですから、私は、需要を重視するというのは供給を無視していいということではなくて、需要があるところ、あるいは需要が生まれるところの供給を重視したのがこの新成長戦略の基本的考え方と、このように考えております。
#58
○林芳正君 その本体を読んだよりは今少し分かったような気がいたしました。需要をつくって供給が出てくる、その需要のつくり方は医療や介護みたいなものと新しいイノベーションをすると、こういうことで、新しいイノベーションをやって、そして需要が出てくるというのはまさにサプライサイドとも言えると、サプライをつくって需要が喚起されるわけですから。ですから、そこは我々もそんなに違わないんですが。
 問題は、その一つ目の介護や医療といった分野で、サプライをすれば需要が出てくると、それは施設、皆さん待っていらっしゃいますから。しかし、そのサプライを増やすためには公的な資金を入れないといけないんですね、介護報酬を上げるですとかですね。ですから、いわゆる非市場性GDPというのが増えるんだろうと思うんです。要するに、GDPの中で官がかかわる部分というのが、これ菅大臣のことじゃないです、公的部門という意味でね、官がかかわるという部分がどんどん増えてくると。まさにゴルバチョフが昔言った、我々の社会主義は失敗したけれども世界で一つだけ成功している社会主義がある、日本だと、こういうふうにおっしゃいましたが、まさにそこへ向かっているということでよろしいんですね。
#59
○国務大臣(菅直人君) ちょっと最後の社会主義というところがやや唐突に聞こえたんですけれども、確かに医療とか介護とか、場合によっては保育も公的なセクター、まさに官がかかわる部分が大変多いわけです。ですから、それは個人負担にするのか、社会保険でいただくのか、税を投入するのかは、まさにこれこそ政治の問題だと思っています。
 その上で言えば、経済的に言えば、どういう形でお金をつくるにしても、その部分にお金を投じることが第一の道、第二の道よりもより効果があるという国民的な合意が得られれば、私は負担についても、それをどうするかはいろいろ議論がこれから出るでしょうけれども、何らかの合意が得られやすいと。
 今までは、今申し上げたような部分は負担という言葉で語られました。例えば公共事業は投資という言葉で語られました。しかし、私から見るとそれは政府支出であって、必ずしも投資と言われたところが長い目での投資効果がなかったというのは先ほど第一の道で言いました。では、第二の道も、結局は個別の企業が合理化することは会社にとっては大いに結構なことなんです。だからといって、それを政治が応援したことが経済を立て直すことにつながっていればいいんですよ。つながらなかったという意味で第二の道は失敗したと私は見ています。
 ですから、第三の道の合意が得られれば、そういう財政配分も含めて変えていくと。まさにコンクリートから人へというのはそれのスタートを切ったわけです。そのことがすぐに社会主義とか云々という言葉で言われるのは、私は、それじゃ、今まで自民党が、衆議院の議論でもどんどんどんどん公共事業を削って福祉を増やしてきたんだと言われると、じゃ、自民党も福祉を増やしたというのは社会主義なんですかと。私はそんなふうに思っていませんけれども、ちょっとそこは言葉がやや飛躍しているんじゃないでしょうか。
#60
○林芳正君 そうではなくて、財政というのは、今まさに大臣おっしゃったように、負担をいただいてそれを官が支出をするということですね。この財政の中でどう分配をするかというのは確かにあると思います。コンクリートから人へという考え方でおやりになっている。
 しかし、政府を通らずに民で完結した流れと官を通して誘導する部分の比率のことを私は申し上げているんであって、したがってどんどんどんどん財政の規模が大きくなる。成長戦略にもそういう考え方入っているし、成長戦略でない元々のマニフェストにも先ほど言った家計直入型のものがたくさん入っていると。
 僕は、社会主義とか社会民主主義が悪いと言っているんじゃないんです。私は違いますけど、そういうものはあり得るだろうと。欧米でもみんなそうです。ですから、そのことを実は臨時国会で申し上げたんですが、総理からはそんな誹謗中傷はやめてくれという御答弁があったんですね。社会民主主義のことを誹謗中傷だと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、今でもそのお気持ち、総理、変わりありませんか。
#61
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今でも全く変わっておりません。
 私ども、社会主義のイデオロギー的な発想でこういうことを、新しい発想をしているわけではありません。そして今、官が、例えば社会保障のような話になるとどんどん官の、すなわち財政を出動させなきゃいかぬみたいな話になるけれども、必ずしもそうではなくて、私どもはその中でも新しい公共的な発想というものは十分あると。例えば医療においても介護においても、あるいは子供の育ちにおいても、それを、今まで官が行っていたものでも民がこれからはうまく社会の中で支え合うシステムというものをどうつくり上げていくかと。そのことによって、いわゆる税金というものばかりを使ったこの国の社会づくりということではない生き様というものもつくり上げていこうと、そのように考えておりまして、決して、先ほど申し上げたように、だから官中心になると、それが社会主義国家的になっていくというふうに我々は発想しておりません。
#62
○林芳正君 私は近い考えを持っておりますので安心いたしましたが、必ずしもそういう方ばっかりではないと思いますので、社会主義、社会民主主義は誹謗中傷であるという総理のお考えについて、福島大臣、どうお考えですか。
#63
○国務大臣(福島みずほ君) 御質問ありがとうございます。
 林委員、社会主義と社会民主主義は違うものであることは御存じのとおりだと思います。林委員の前回の代表質問は、社会主義的な政策をやるのかとおっしゃっている部分と社会民主主義的な施策をやるのかと両方ありまして、総理は正確に、社会主義ということではそれは誹謗中傷だと答えていらっしゃいます。私は、鳩山総理のその答弁はそのとおりで、私も共有をしております。
 というのは、この内閣は社会主義を実現しようとしている内閣ではもちろんありません。それから、社民党、私、党首ですが、社民党は社会民主主義を実現しようとする政党で、社会主義を実現しようとしている政党ではありません。
 御存じのとおり、社会民主主義はヨーロッパなど多いですが、スウェーデン社民党、ドイツ社民党、フランス社会党、イギリス労働党、スペイン社会労働党、私たちは友党でありまして、その意味では、働く人を中心にした福祉社会、公平や公正を実現して、資本主義の中で人が安心して子供を産み育てられる社会をつくりたいと思っております。今、フランスは社会党政権ではもちろんありませんけれども、社会民主主義的な政策、子育て支援などをしっかりやって少子化に対応していると思っております。
 その意味で、ヨーロッパにおける社会民主主義は、これは与党野党関係なく実現されてきて、この内閣の下においても、生活再建、生活が第一だというのはまさに社会民主主義的な政策をきちっと実現していこうというものであり、私もその一員として頑張ってまいります。
#64
○林芳正君 市場では、鳩山内閣はセンターレフト、まさに社会民主主義からレフトへと、社会主義へという懸念があるとか、それから投資から貯蓄へという動きということを懸念する声があります。
 社会民主主義と社会主義は違うんだから社会民主主義をやるんだという福島党首のお考えは、総理、どう受け止められますか。総理も社会民主主義を実行していこうということですか。
#65
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私ども、社会主義の政党であるかのようにおっしゃるから、それは誹謗中傷だというふうに申し上げたのでありまして、その社会主義を信奉しておられる方々を誹謗中傷しているわけではありません。そのことは御理解いただければと思います。そして、社会民主主義的な発想をお持ちの福島党首、そして社民党と連立政権を取っているということも事実でございます。
 私ども、考え方としてすべてセンターレフトという発想を持っているというわけではないと思っておりますが、そのようないわゆる社会保障的なものを充実させなければいけない世の中であるということは間違いない話でございまして、そういう意味で社会民主的な政党であるというふうにも考えてはおりませんが、連立政権の中でそのような考え方を当然我々としても尊重する考え方がございます。
#66
○林芳正君 そうではないが尊重するということでございました。
 これを余りやっていても予算から離れていきますので、少し戻りまして、前回、菅大臣と少し議論させていただきました子ども手当の消費性向についてお聞きしたいと思いますが、菅大臣、これ質問で通告してないんですが、最近サミュエルソンの経済の教科書をお買いになったということでございますが、読まれましたでしょうか。
#67
○国務大臣(菅直人君) あの分厚い本を上下二巻買いまして、十ページぐらい読みました。
#68
○林芳正君 正直にお答えいただいて。読後感をお聞きしようと思ったんですが、まさにサミュエルソンの教科書は我々が学生時代のころからあったので、もし何かいいの言えよといえばもう少し新しいのを推薦したと思うんですが、まあ辞書代わりにお使いになるということかもしれませんけれども。
 消費性向〇・七という御答弁でございましたが、商品券を昔やったとき、〇・三二でございました。給付金をやったときは、この間大臣からも御答弁いただいたように〇・三五でございました。また、内閣府の試算をいただきましたけれども、これは継続的にやるという前提ですが、個人所得減税は平均で〇・四八というのが出ておりますが、この今度の子ども手当は〇・七というのは少し高いような気がしますけれども、どういうふうに計算されましたでしょうか。
#69
○国務大臣(菅直人君) 前回、乗数効果と消費性向についての御質問をいただきまして、おかげでその後大変勉強をさせていただく材料をいただいたと思っております。
 子ども手当は、御存じのように、少子化が進展する中で子育てを社会全体で支えるという観点から実施するものであります。経済効果としても、もちろん短期のGDP押し上げについての今御質問ですけれども、中長期的に少子化がどんどん続けば、当然、生産年齢人口が減るわけですし、そういったことに対しても、余り急激な人口減少は望ましくないということも含めたそういう長期的な効果もあるというふうに考えております。
 その上で、今お話しの〇・七というのはやや高いのではないかと。まあ率直に申し上げて、これは私が意図的にこういう数字を出せとかああいう数字を出せと言って出てきたのではなくて、内閣府を中心にしたこれまでの過去の、今おっしゃった地域振興券とか定額給付金の場合の調査等々も含めて、一つの考え方の下にこれが適当であろうということで出てきたわけですけれども、若干具体的に申し上げれば、まず一つは、地域振興券や定額給付金と違うのは、恒久的な制度である、一回限りではないという点での違い。
 それから、子供を持っておられる家庭、例えば他の、これは物によりますけれども、定額給付金などでは、子供を持っておられる家庭、そうでない家庭ありますが、子供を持っておられる家庭ということで比較的消費性向が高いというか、そういうことがあります。
 それから、今個人の所得税モデルも言われましたが、所得税の場合は比較的高額所得者の減税効果が大きく出ますので、高額所得者の消費性向は相対的には低いわけですので、そういう意味では子ども手当の方が必ずしも高額所得者の方に厚く出るわけではありませんが、少なくとも均一に出ますので、そういった差等々から考えて消費性向を〇・七として計算をしたと。
 これが、別に役所に押し付けるわけじゃありませんが、先ほど言ったように政治的に作った数字ではありません。従来からの考え方の延長上で算出した数字だと、このように私は理解して皆さんにも申し上げております。
#70
○林芳正君 子ども手当の消費性向の計算するのに一番近い例は児童手当だと思うんですね、今やっておりますから。これはどれぐらいで見ておられますか。
#71
○国務大臣(菅直人君) それについては試算をしておりません。
#72
○林芳正君 今御説明いただいて、子ども手当いろいろ計算をさせたと。当然、一番近い施策だと思うんですよね、児童手当は。ですから、これについては幾らだったと、今度それにこういう新しくやるから幾らだというのは当然やっておられると思ってお聞きしたんですが、やっていないということですね。
#73
○国務大臣(長妻昭君) 私からも。
 御存じのように、児童手当と子ども手当、目的が違いますし、所得制限掛ける掛けないということも違います。その意味で、私の立場では、景気の対策ということで、それが主目的、第一の目的でやるわけではございませんので、厚生労働省としてもその試算はしていないということであります。
#74
○林芳正君 政策目的を聞いているんじゃなくて、消費性向、この間、〇・七と最初に答弁されたのは長妻大臣ですから、ですから聞いているんです。
 児童手当がないというのなら、それをまずやってみて検証してみて、だから子ども手当はこうだと言う方がよっぽど分かりやすいと思いますし、それから今まさに菅大臣おっしゃっていただいたように、所得減税は税金を払っている人ですから所得階層高い方と。今度のも実は児童手当よりも子ども手当が上に乗ります。しかし、低階層の方は既に一万円行っていますから三千円。所得が高くなるにつれてフルで一万三千円支給になるわけです。
 ですから、今度の子ども手当上乗せ分についてはかなり所得減税の分とかぶるような層に厚く行くということになるので、この間、長妻大臣の御答弁も、新たに子ども手当で手当てする分はということで答弁されておられますから、そのことを聞いているんですが、やっていないということですね。菅大臣、よろしいですね、それで。
#75
○国務大臣(菅直人君) ここは率直に申し上げて、やっていないものはやっていないんですが、今言われたことはもしかしたら、今度、扶養控除を外しますので、それは平年度ベースになると、比較的高額所得者というか、そちらの方により、何といいましょうか、効いてくるかなと。ですから、初年度はまだ国税、地方税の控除の方は効いてきませんので、一時的には今おっしゃることはあるかもしれませんが、その翌年からは比較的それが逆に高額所得者に効いてくるのかなと、こう思っています。
#76
○林芳正君 これ以上やっても水掛け論ですが、児童手当は調べていないと。
 それでは、今度の子ども手当をやって、今までの給付金やったときのように後で検証するお考えはありますか。
#77
○国務大臣(菅直人君) まだ相談しておりませんが、検証ができればしてみたいと思います。
#78
○林芳正君 是非これは、今検証をやられるというふうにおっしゃっていただきたいと思うんです、あれほどはっきり〇・七とおっしゃったので。給付金は〇・三五だったというふうにおっしゃいましたから、どれぐらいの効果が出るのかということをきちっとしていただきたいと思います。
 デフレ対策でございますが、パネルの六を出していただきたいと思いますけれども。
 前回、菅大臣は私の質問に対して、世論調査的の意味での消費の動向をおっしゃっているんじゃないかと、一年後の物価の見通しについてそういう御発言でございました。確かにいろんな方にサンプリング調査をするという意味では世論調査かもしれませんが、これ正式な調査でございまして、そのときに、今物価の下落率そのものはやや幅が狭まっているのが今の足下の状況でありますと。ですから、私は、確かにこういうデータがあることは、データというのは言わば消費者に聞いたときの、将来どうなると思いますかと聞いたときの数字は厳しいことはよく分かっていますが、この数字ですね、私はこれほどまでには低下をしないというふうに見通しておりますと、こう答弁をいただきました。
 しかし、実際の一月の消費者物価指数の統計が出まして、今までよりもがくんと下がったと。菅大臣の見通しどおりにはいかなかったということですが、どう受け止めておられますか。
#79
○国務大臣(菅直人君) 一月の消費者物価基調、いわゆるコアコアと言われるものは、前年度比〇・二%減になっております。また、GDPデフレーターのマイナスも一月は前期比マイナス〇・九となっております。また、GDPギャップも、少し狭まりましたけれども、十月―十二月でマイナス六・一となっております。そういったことから、持続的な物価の下落が生じていると考えられて、その意味で、引き続き我が国の経済は緩やかなデフレ状況にあると認識しております。
 確かに、いろいろな見方があって、私も楽観をしているわけではありません。ただ、政府として、さらには日銀の方もデフレ脱却に向けて共通の認識を持って努力をしておりますので、何とか早くデフレ脱却を実現したいということで努力をしているということであります。
#80
○林芳正君 前回、もう余り下がらないかもしれないということは、少し見通しとしては誤っていたということでよろしゅうございますか。
#81
○国務大臣(菅直人君) 誤っていたというよりも、これは林さんが出されようとしているこれにもありますが、今年がマイナス〇・八、来年度がマイナス〇・五、再来年度がマイナス〇・〇、本当ならもっと早くとは思っておりますが、じわじわとマイナスからゼロに向かって近づいているということは言えるんじゃないでしょうか。
#82
○林芳正君 ちょっと食い違っておるように思いますが。
 それでは、先に言っていただいたので、パネルの七でございますが、菅大臣のところの財務省で出していただいたいわゆる機械的試算、これ二ページ目に経済指標の前提というのがございます。今、菅大臣はこれのことをおっしゃったんだと思いますが、ここには二十二年度名目経済成長率〇・四、それから二十三年度一・七、二・〇と。しかし、消費物価上昇率がマイナス〇・八、マイナス〇・五、二十四年度にやっとゼロということでありまして、実はこれも目標ということで見通しではないというふうに最後おっしゃいましたけれども、前回、いつ成長戦略で掲げた名目三%、実質二%になるんですかという私の問いに対して、今年、来年、再来年というふうにおっしゃっておられますが、今年、来年、再来年は、財務省の出した資料によると、まだ二十四年度、再来年でも二・〇、〇・〇ということでございますから、今年、来年、再来年というのは無理だと、こういうふうに思いますけれども、いかがですか。
#83
○国務大臣(菅直人君) 新成長戦略で出した目標は、それにも書いてありますが、二〇二〇年度までの平均で、いわゆる名目成長率三パー、実質二パー、つまりは平均インフレ率一パーということで考えております。ただこれは、今も言っていただいたように、見通しというよりは、そういう目標を立てて、それに向かって何をすべきかということの肉付けを今進めているところであります。
 年度をどこで数えるかによりますけれども、まさにおっしゃるように、まだ二十三年度までは、二十二年度が、これいろいろな数字がありますが、政府の見通しでは二十一年度がマイナス一・六、二十二年度がマイナス〇・八で、二十三年度が〇で、その後プラスになると。今年というのを二十一年度と見るか二年度と見るかですが、二十二年、二十三年、まあ二十四年ぐらいには見通しとしてもゼロないしプラスに転じるのではないかと思っています。
#84
○林芳正君 今年は二〇一〇年度でございます、まあ年度としては今から入っていないと、こういうことかもしれませんが。この間は、名目三、実質二に今年、来年、再来年近づけていきたいと、こういうふうにおっしゃっているんで、名目三、実質二になるのは、二〇一三年度にもならないんで、もっと先ということなんで、だから無理じゃないですかと。
 この財務省が出している、菅大臣のところで出された資料と菅大臣のおっしゃっていることが余り違いますとやっぱり市場には誤ったメッセージ出ると思うんですけれども、やはりこちらが正式な今の見通しであるということでよろしいですね。
#85
○国務大臣(菅直人君) 見通しとしては財務省の認識、そのとおりです。ただ、それを何とか超えていくために打てる手をもっと打っていこうと、こう考えているわけです。
#86
○林芳正君 今の財務ショウとおっしゃったショウは役所の方の省でしょうか、それとも大臣の方の相でしょうか。
#87
○国務大臣(菅直人君) 私が責任者でありますから、私の認識と言ってもいいんですけれども、先ほど申し上げたように、こういう数字は余り政治的な判断で左右するものではありませんので、過去の一つの計算の方式にのっとって計算をしているので、多分その計算の仕方は前の内閣のときとそう大きく変わっていないと。そういう意味では、もちろん責任者でありますから財務大臣としての認識です。しかし同時に、同じ財務大臣として、そういう見通しですが、その見通しを超える新たな施策をこの新成長戦略の中で生み出していきたいと、こう考えております。
#88
○林芳正君 最初からそうおっしゃっていただければよかったんですが。
 そこで、今からいろんなことをやって、この現実的な見通しを菅さんがおっしゃる今年、来年、再来年の目標に近づけていく努力をすると、これは当然のことだと思いますが、この間の補正予算のときに、何も手を打っていないのではなくて、そういう日銀の動きと、これは三か月後の金利を〇・一%に抑えるというやつですが、と、そしてこの二次補正と本予算の中でそういったものを実現する財政政策が含まれている、こういうふうに菅大臣答弁されておられますので、例示していただいて結構です、全部じゃなくて。例えばどういう財政政策がこの現実を菅さんの目標に近づけていく政策だとお考えですか。
#89
○国務大臣(菅直人君) いろいろな面がありますが、例えば、これは前の政権からの継続でもありますけれども、求職者支援を行って新しい人にいわゆるスキルを付けてもらって、例えば介護現場の、どちらかといえば求人倍率が一を超えているような分野ですので、そういうところに入ってもらうことを支援するとか、あるいは、ちょっとこれは中期になるかもしれませんが、森林の再生ということで路網整備ということの目標等をいただいていますけれども、そういう中に従来の公共事業を担当していた地方の土建業者の皆さんから転業をしていただく。これは国交省とも努力をしていただいておりますが、そういう方面とか、多くのところに、それから、もちろんグリーンイノベーションと言われる新たなそうした環境の製品開発等、現在ではまだエコポイント、エコカーといった形になっておりますけれども、更にその先にはそういったものの開発にも力を入れる。
 あるいは、既に動き出していることでいえば、観光に関して、今回、中国からのお客さんがかなり活発な買物をされたというニュースも出ておりましたけれども、なかなか日本は中国からの観光客に対していろんな意味でのハードルが高い。それを緩和していって長期的には二千五百万人、さらには三千万人の観光客を迎えていく。そういう政策の、これは余り、お金が掛かるよりもルールの変更でありますが、そういうものを新たな予算の中に盛り込むべきものは盛り込んできていると、こう思っております。
#90
○林芳正君 今のお話はちょっとがっかりしました。
 私、この質問はかなり正確に通告をしたので、もう少し具体的なお話があると思っておりましたが、そのサミュエルソンの教科書には書いてないかもしれませんけれども、まず財政を出すということ自体が需給ギャップの、この埋めることにつながると、まずこれがあるんです。その中で、成長戦略を具体化して企業の活力を伸ばすとか、それから、これは読売の社説にも書いてありますが、社会保障の財源を具体的に明示することによって将来不安を和らげ、家計が抱え込む巨額の貯金が消費に向かいやすくすると、もう書いてあるんですよ。
 ですから、今の路網をどうするとかグリーンイノベーションとかいう個別の話もまあ成長戦略の一環ですけれども、財務大臣としてマクロでそういうお答えをしていただかないとなかなか合格点は差し上げられないんじゃないかなと、こういうふうに思いました。
 そこで、今財源の話をいたしましたので、時間かなり超過しておりますから消費税、税制の話に行きたいと思いますが、消費税については、総理は一貫して四年間は上げないと、議論をするのは結構だと、こういうふうにおっしゃっておられます。菅大臣も仙谷大臣も全くそれと一緒ということでよろしいですね。
#91
○国務大臣(菅直人君) 基本的に全く同じ認識です。
 と同時に、上げる場合には、やはり大きな税制の改革、変更する場合には、その前にやはり国民の皆さんにそのことを問う必要があるだろうということを、三党合意の中ではそういう表現、つまり、四年という表現ではなくてさきの衆議院選挙でいただいた政権の期間と、そういう表現をいたしております。
#92
○国務大臣(仙谷由人君) 林議員の御指摘どおりでございます。
 ちなみに、昨年末に閣議決定した二十二年度税制改正大綱におきましては税制全般の見直しを進めていくこととしておりまして、その中で、消費税の在り方についても、今後、社会保障制度の抜本改革の検討などと併せて検討していくというふうに明記がされているところです。
#93
○林芳正君 ありがとうございました。四年間は上げないと。
 今、菅大臣は、ちょっと分かりにくい表現でしたが、上げる場合は国民に問うということは、この七月の参議院選挙を指しているんではなくて次の衆議院選挙ということでよろしいですか。
#94
○国務大臣(菅直人君) 政権をつくるときの三党合意の中でそういう表現があるということを申し上げましたが、それはさきの衆議院でいただいた最長四年間という任期だと理解しております。
#95
○林芳正君 そういたしますと、菅大臣が、この三月から税制の議論を開始する、消費税の議論も聖域視しないと、こうおっしゃっておられるんですが、議論はするけれども、今年、来年、再来年ぐらいは上がらないと。
 また、ちょっと不思議なのは、なぜ三月から税の議論を開始されるとおっしゃったんでしょうか。
#96
○国務大臣(菅直人君) 先ほど仙谷大臣から御紹介ありましたように、昨年暮れの税制大綱の中で、議論は、消費税含めて、所得税、法人税等々すべての税制について議論をすることはもう既定の方針として昨年から決めております。
 そういう中で、今回は専門家委員会というものをつくりました。二月の終わりに最初の立ち上げをいたしました。その専門家委員会の皆さんにどういう議論をしていただくのかということを、私、税調会長でありますので、そういうことを言わばお願いしなければいけない立場でもありまして、それが動き出すのが三月ということもありますので、そういうことも念頭に置いて三月から、元々やることになっているものでありますけれども、本格的に動き出すという表現をさせていただきました。
#97
○林芳正君 三月からというと、もう三月ですが、まで予算を審議しておりますし、税法の審議も今からやるわけでございますが、そうしますと、先ほどの消費税との絡みで、附則百四条というのがございます。
   〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
 これには、二十三年度までには措置をとると、こういうふうに書いておりまして、菅大臣も衆議院の委員会での答弁では、二十三年度と書いてありますから中期財政フレームを作るこの六月ぐらいまでにはということで答弁をされておりますけれども、三月から議論を始められるんであれば、この附則百四条についての取扱いについても議論されて、今出されている法案を出し直されたらいかがでしょうか。
#98
○国務大臣(菅直人君) 附則百四条の取扱いについては、もちろん税制抜本改革のそういった検討の中で行いますけれども、平成二十三年度末までにしかるべき時期にどうするかを判断したいと。まだ若干、百四条の表現は二十三年度までに税制抜本改革案を提出することを政府に義務付けているということでありますので、二十三年度末までに対応すれば一応法律に対しては対応できると、そう考えております。
#99
○林芳正君 あいまいなところが残るんでございますが。
 法人税、仙谷大臣は人件費を少し損金算入するようなニュアンスでおっしゃっておられると思いますが、これちょっと意味がよく分からないんですが、一方、古川副大臣は、税率を引き下げて、そして租特を見直していくと。こちらの方向だと成長戦略と合うなと、私もそうではないかなと思っておりますが、それぞれ、仙谷大臣、古川副大臣、発言の趣旨を教えていただきたいと思います。
#100
○国務大臣(仙谷由人君) 基本的な認識といたしまして、私は前内閣までのトリクルダウン理論みたいなものは完全に破綻したと、こういうふうに見ているんですね。つまり、大企業製造業を中心に生産力指数が上がっていくというか、ここで活性化すれば下々にもダムにたまった水が滴り落ちてくるという、これは全くこの間の景気回復局面を見ると破綻しているんじゃないかと思っているんですね。
   〔理事平野達男君退席、委員長着席〕
 どうやって企業が利潤を出してきたか、利益を出してきたかというのは、人件費を固定費から流動経費に回すことによって出してきたという、どうもその傾向があるなと。これは雇用の方から見れば、正規を非正規にすることによって、そこでの、何というんですか、経費を少なくしてきたと。これは日本の産業と社会にとっても良くないんではないかという気がします。つまり、人材を一時使いをしてしまうと。つまり、人材養成という観点が非常に産業界にとってもない。それからもう一つは、経済の柔構造化といいましょうかソフト化に伴って、ここはもう人材ですよね、知識経済化に伴う、それに対応する就労構造をつくろうとすれば、人材、人づくりをやらなければならない。
 特に私心配しておりますのは、いつももうこのごろ力説しているんですが、女子労働というか女性労働をどういうふうに活用するのかという観点がやっぱり日本の産業社会に少な過ぎたんではないかと。つまり、管理職にもし女性を登用すれば、資本金何億円以上とかいろんな、何億円以下でもいいんですが、そのことについてはボーナスを差し上げるような税制というのは考えられないだろうかと。つまり、人件費をもう少しちゃんと評価する仕組みを税制上つくれば、この、何というんですか、非常につらい問題になってきた格差問題の是正とか、あるいは本当の意味での人材を基礎にした、そういう知識経済化に対応する産業構造に資するんではないかと。
 ましてや日本の場合には、この間から申し上げているように、ペーパードクター以下、女性はペーパーが、保育士さんも含めて、余りにも多過ぎると。これを使わない手はないというのが私の率直な気持ち。それを税制上表現するとこういうことになるんではないかということを申し上げておるわけです。
#101
○副大臣(古川元久君) お答えいたします。
 昨年末に政府としてまとめさせていただきました税制改正大綱の中では、日本の税制の在り方を経済社会の変化に合わせて根本的に改めていかなければいけないという、そういう視点で書かれております。
 とりわけ、その中でもやはりグローバル化に対応した税制の在り方と。これまでの税制というのは、ともすると国が人や企業を囲い込めると、そういう前提の下での税制の仕組みというものが考えられてまいりましたが、今グローバル化した中では、人や企業が住む場所だけでなくて、税金を納める場所も、担税力の高いそうした人や企業ほどそういう傾向もあると。そうした視点があるからこそ、私どもは、新しい時代の税制は、取る側、税金を徴収する側の視点ではなくて、納税者の視点に立って、納税者にとって公平で透明でそして納得できる、そうした税制をつくっていかなければいけないと、そのように考えております。
 そうした視点から、法人税を始め所得税、消費税、すべての税制についてそうした新しい時代に対応した、グローバル化に対応した納税者にとって簡素で分かりやすい税制にしていかなければいけないと、そうした検討をこれから始めるわけでございますが、そういった意味で、法人税の今の日本の税制の在り方を考えてみますと、委員も御承知のとおり、日本の法人税、大変に租特など例外措置も多くて非常に複雑で分かりにくくなっております。
 そういった意味では、私どもはこの租税の抜本的な見直しを始めとして、この法人税の仕組みをできるだけ簡素化をし、そうして課税ベースも拡大をしていく中でできるだけこれは税率も下げられる方向というものを目指してまいりたいと、そのように考えております。
#102
○林芳正君 税率を引き下げて課税ベースを拡大すると。拡大の仕方はいろいろですが、基本的な方向が私が思っている方向と同じ人が民主党政権の中にもいらっしゃって少し安心しましたが。
 仙谷大臣、最初に使ったパネルで、日本の分配率はもうかなり高くなっておりますので、人件費を今損金算入、一応人件費は経費ですから、更にやるという考え方よりは、今、古川副大臣がおっしゃった方向の方が私は望ましいと思いますが、いかがでございましょうか。
#103
○国務大臣(仙谷由人君) 私も、法人税の世界は課税ベースを広げて税率を下げるという方向が一番好ましいと思っておりますが、しかし、にもかかわらず、貯蓄率あるいは家計の問題、それから、今の不安定雇用に伴う労働力としての人材の劣化ということについて、私は大変危機感を持っております。
 それは、所得が減ることのみならず、日本の職業再訓練、再教育といいましょうか、人づくりがやはりちゃんと、これも縦割りの弊害で非常に、本当に人づくり戦略として再教育が行われなければならぬと。今までは、大企業は社内研修で済んでおったんだろうと思いますけれども、そういう時代でなくなってきたときに、ここにやっぱり資源を投入するという考え方じゃないと、これは第三次産業部門も含めて、第二次産業もこれは劣化していくんではないかという危機感を持っておりまして、確かに今、ちょっとこの間、急激に日本の分配率が上がってきている、これは全体の売上げが落ちていること等の影響があると思いますけれども。
 ただ、そうであっても、中小企業といいましょうか、中小企業やサービス業の世界では、それは相対的に労働分配率高くなるのは当たり前でありますから、そこは、いい人材をちゃんと養成するというのは企業内でもお考えになるとすれば、当然のことながら、先ほど私が申し上げたような、そういう戦略といいましょうか、税制上の必要性もあるというふうに考えております。
#104
○林芳正君 人件費全体の中で減るところと増えるところができて、総体的な損金が一定だというような前提であれば考えられないことではないなと思ってお聞きしておりましたが、方向性としてはちょっと若干私とは違うなと思いました。それは税制の議論ですから、やっていただきたいと思いますが。
 時間かなり、ほかのやりたかったものもありますので、暫定税率についてちょっとだけお聞きしたいと思いますが、総理は衆議院で、暫定税率を維持することになった経緯で、国民の皆様方から様々な御提案をいただいたというようなことをおっしゃっておられますが、具体的にはどういう方の案だったでしょうか。
#105
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 暫定税率の問題に関しては、年末の議論、大変に私ども政府の中でも様々な議論がありました。その中で、例えば報道各社の論調がございました。これはマニフェストでうたっているけれども、現在の暫定税率、すなわちガソリン税の状況とか、あるいは環境問題などを考えたときに、必ずしもこだわるべきではないという論調がかなりありました。また私は、町の声などいろんな方々の御意見も伺ってまいりましたし、あるいは世論調査なども一部出ておりました。
 本来ならば、暫定税率を廃止するということは、国民の皆さんにとれば税率が低くなればこれは助かる話であるわけですけれども、必ずしもそうではないと、むしろこれは維持をされるべきだという声の方が多かったというようなこともあります。そういった意味で、トータルとして判断をいたしたということでございます。
#106
○林芳正君 論調や町の声や世論調査ということでございましたが、総理はこうもおっしゃっております。税制に関しても、何十回も、国民の皆様方にも見えるような形で議論を行ったと。これは政府税制調査会のことだと思いますが、今おっしゃったような議論は、ではその議事録を見れば書いてあるということでよろしゅうございますか。政府税制調査会の議事録に今のような話が出ているということでよろしゅうございますね。
#107
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは私が判断をしたことでありまして、必ずしも税調の中に書かれているかどうかということは存じておりません。
#108
○林芳正君 またこれ上天は欺き難しなんですよ。答弁は、国民の皆様方から伺った様々な御提案をいただいたと書いてあるんですよ。もう一回答弁してください。
#109
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 国民の皆様方の様々なお声というものを伺いました。それに基づいて、それだけではありません、判断をされるのは、当然それ以外に政府の中での議論もあります。それを判断をして、最終的に暫定税率、これは暫定税率という形では廃止することにしたけれども、税率は維持するということに決めたのでございます。ただ、そのことに関しては、国民の皆様方に暫定税率は我々は廃止するということ、廃止するというものの裏には当然税率は下がるものだという御期待があったと思いますから、そのことに関しては国民の皆さんにおわびを申し上げたということでございます。
#110
○林芳正君 今お聞きしているのは、マニフェスト違反だとかいうことをもう更に言うつもりはないんで、様々な御提案をいただいたと御答弁されているんで、この御提案は何ですかと聞いたら、論調や町の声や世論調査とおっしゃったんで、総理は、じゃ御提案というのは今の三つだということでよろしいんですね。
#111
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) まあ、御提案という言い方を答弁で使ったかもしれませんが、私の申し上げたかったのは今申し上げたことであります。
#112
○林芳正君 御提案は不正確という言葉でありますから、取り消されますか。
#113
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 別に、様々な声というものを大事にして結論を出したということでありますから、提案という言葉は必ずしもすべて言い当てているかも、ではないかもしれませんが、取り消すまでのことではないと、そのように判断いたします。
#114
○林芳正君 要するに、そのときそのときでお考えになった言葉で御答弁しているということではないかと思いますので、そういう答弁であれば取り消す必要もないのかなと、こういうふうに思いました。
 そこで、若干残りの時間を利用して各論に入りたいと思います。外交、防衛についてはいろいろ用意をしておりましたが、また後日に譲りたいと思います。
 トヨタについて大変大きな問題になっておりまして、私は、社長が行かれて公聴会へ出られた、いい仕事をしてこられたなと思いますし、町の声、大変厳しい姿勢の議員が町の人に聞いたら、いや、私はそれでもトヨタを買い続けますといったようなインタビューが出ておったのが大変印象的でありました。品質をきちっとアメリカの人も見ていただいているなと思いましたけれども、このことについて、総理また直嶋経済産業大臣、どういう御見解で、今後どういうふうに御対応されていかれようとされておられますか。
#115
○国務大臣(直嶋正行君) 私の方から申し上げますと、自動車産業という性格からいって、安全性も含めた品質の高い自動車を造り続けることは言わば企業にとっても生命線だというふうに思っております。
 先般御説明いただいた折に、二月三日でございますが、同社に対して直接、迅速かつ真摯な対応を求めてきたところでございまして、その後、トヨタは記者会見の開催やあるいは豊田社長のアメリカでの公聴会への出席など、国内外のユーザーに対して経緯や改善策や今後の品質管理の取組などを今説明をされているところであるというふうに認識をしております。電子制御の問題などまだ幾つか残っておりますが、今後ともトヨタが真摯に対応いただき、国内外のユーザーの安心と信頼を回復していただくことが重要であるというふうに思っております。
#116
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、直嶋大臣から申したとおりでありますが、やはり車というものは品質管理、安全性が第一でございます。そういったことで、このようなリコール問題が起きたということでありますから、まずは豊田社長がアメリカに参りまして公聴会で発言をされたと、さらには中国でも記者会見を実施をされたということで、真摯に対応されたことは良かったと思っております。
 なお、このような問題がこれから起きないようにしなければいけないと思っておりますから、これからも真摯に御対応を願いたいと思っておりまして、そのことによってユーザーの皆様方の信頼と安心が回復されるものだと、そのように期待を申し上げたいと思っています。
#117
○林芳正君 トヨタは一企業でありますが、日本を代表する自動車のフラッグシップでありますから、ちょっと何か冷たいなという感じがいたしましたけれども、しっかり対応していただきたいと思います。
 トヨタに対してはちょっと冷たい感じがするんですが、JALに対しては大変に甘い感じがいたすわけでございまして、一兆円を超える公的な資金を想定をしておられるということでございます。
 前原大臣にちょっとお聞きをしたいと思いますが、パネルの八で、そもそもJALは私企業でございますけれども、なぜJALを公的資金で救済するのかというそもそも論、お伺いしたいと思います。
 私のところで、ちょっと時刻表で作ってみましたが、JALしか飛んでない便というのは、サンパウロと高雄とコナぐらいなんですね。ほかはほかの外航便が飛んでおります。
 したがって、なぜJALを救済するのか、それから国交省に特定の権限が、こういうことをやる権限があるのかということを併せてお聞きしたいと思います。
#118
○国務大臣(前原誠司君) 日本航空は、年間旅客数が約五千万人、本邦航空会社の国際線七十四路線の約五割を占める三十五の単独路線、それから国内線二百六十六路線の約四割を占める百八の単独路線を運航するなど、我が国の発展の基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っている日本最大の航空会社であることは委員も御承知のとおりでございまして、これが欠けることによって日本の経済、あるいは地域の活動、国民の移動、様々な大きな影響が及ぶという公的性を勘案して今のような状況になっているわけでございます。
 もう一つのお尋ねでございますけれども、国土交通省には国土交通省設置法というものがございまして、第四条第百四号の規定に基づきまして、航空運送及び航空に関する事業の発展、改善及び調整に関する事務を掌握しており、当該所掌事務の範囲においてJALの事業再生において助言などを行うことができると、そう解しております。
#119
○林芳正君 ありがとうございました。
 民主党が野党時代には設置法の一般的な基準というのは余りお好きではなかったような気がいたしますが、そこを使っておやりになると、こういうことだと思います。
 企業再生支援機構を使うということでございますが、これは担当はまだ菅大臣でよろしいかと思いますが、私が閣僚のときにこれをスタートさせましたけれども、法案の審議を見ても地域の中堅企業のためにこれはつくったというふうに考えておりますが、JAL、また報道によりますとウィルコムといったような大手に使われている結果、申請がたくさん出ているにもかかわらず、そういう本当に必要な中堅企業にまだ手が回らないという状況の指摘がありますが、どうお考えでしょうか。
#120
○国務大臣(菅直人君) 今、林委員御自身からもお話がありましたように、この機構をつくるに当たっては、経済財政担当大臣であった林当時の大臣が大変尽力されたと聞いておりまして、ある意味では人選等も含めて大臣の下で実質上行われて、内閣が替わった後にそのスタートに私が引継ぎをさせていただいたという経緯があることはもちろん御承知のとおりだと思います。
 そして、この支援機構の審議においても中堅中小企業を中心に支援することを想定していたところでありますけれども、法律上は大企業も排除をするものとはなっておりません。JALの場合、企業そのものは大企業ですが、関連企業には中小企業がたくさんあることも御承知のとおりだと思います。大企業からの支援申込みがあり、支援基準に適合した場合は支援を実施することになると考えて対応しております。
 日本航空については、今申し上げたような関連企業が大変、一万数千社ありまして、その破綻の影響はそうした中小企業を通して地域の雇用、経済にも甚大な影響を及ぼすおそれがあると考えまして、再生機構のもちろん自主的な判断ではありますが、支援を決定したところであります。なお、中堅中小企業の再生は地域経済の再建にとって重要であると考えており、機構としては昨年十一月には中小企業再生支援センターを設置し、取組を強化しております。さらに、中小企業再生支援キャラバン隊を組織し、全国各地の中堅中小企業に対する説明会や個別相談会を実施しているところでもあります。
 これらの取組により、中堅中小企業の案件にしっかり対応していく、そういうふうに支援機構からも報告を受けております。
#121
○林芳正君 JALに手を取られて、本来の中堅企業を置き去りにされないようにお願いをしておきたいと思います。
 前原大臣、もう一問だけ。
 タスクフォースをおつくりになって、近ごろそのタスクフォースの結論も公表されましたが、はっきり書かれているように私的整理を提案されておられます。最終結論は法的整理、しかも事前調整型と言われているものでございますが、結局そのタスクフォースというのは無駄だったんではないかと。無駄だけではなくて、デューデリジェンス、資産査定で十億円使われたと、それがJALの負担になっているということも聞きますが、最初から少しよくお考えになって、プリパッケージというのを考えてから企業再生支援機構にお願いしておけば、あのプロセス、時間は無駄にならなかったんではないかと思いますが、御見解を問います。
#122
○国務大臣(前原誠司君) 私がまず今お答えをする段階で、九月の十六日に私は閣僚に任命をされました。そして、九月の末に、正確に言いますと二十五日だったと思いますけれども、二十四日かもしれません、ちょっとそれは正確ではございませんが、二十四日にJALの再生についての計画が出されるということになったわけでありますが、今まで自民党政権においてやられてきたこと、有識者会議等もございましたけれども、果たしてその資産査定なり再生計画というものが本当に実現可能性があるものなのかどうなのかというものについて、私非常に自信がありませんでした。中身についてしっかりと調べた上で自分で判断をしたいということでタスクフォースをつくったわけでございます。ちなみに、私は九月の二十二日の段階で、破綻というのはつぶれてなくなることだということを申し上げておりまして、いわゆる再生型の法的整理を否定したことはありません。それだけは申し上げておきたいというふうに思います。
 林大臣のときにつくられた企業再生支援機構がスタートしたのは十月の十五日でございまして、したがって、今おっしゃったように、九月の末の段階で企業再生支援機構を使ったらいいじゃないかというようなことは、これは物理的には無理だということと、タスクフォースによって資産査定なり再生計画を作った上で、そして企業再生支援機構というものにゆだねることがいいのではないかという報告書をいただきました。
 その中身は、今委員がおっしゃったように私的整理になっておりますけれども、ゆだねられた以上、どういう整理の仕方をするかを決めることは独立性の高い企業再生支援機構が決めるということ、そして企業再生支援委員会が支援決定をするということは、委員が御承知のとおりだと思います。
#123
○林芳正君 デューデリジェンスの費用についてはいかがですか。
#124
○国務大臣(前原誠司君) 報道等でそういった話があるというふうに聞いておりますけれども、少なくとも国がタスクフォースに支払ったお金というのは五万円余りでございます。そして、デューデリジェンスや企業再生、再生計画の策定において幾つかのコンサルタント会社あるいは会計事務所との契約があったと聞いておりますけれども、それは私的な契約でございますので私どもは関与するつもりはございません。
 なお、タスクフォースが解散をした後も、JALから過般のそういった会計事務所やあるいはコンサルタント会社とは更に継続をして仕事が出されていたという話は聞いております。
#125
○林芳正君 重要なことをおっしゃったと思いますが、ちょっと時間の関係で、更にこの問題はやりたいと思います。
 長妻大臣にお聞きいたします。
 子ども手当を六月に支給をされるということでありますが、今から法案が成立して準備をして、特に今まで支払われていない、児童手当がですね、方には申請をしていただいてということであると、六月に整然とすべての方に支給するというのはかなり難しいのではないかと思いますが、十月の次の支給月、もう決まっておりますので、きちっと準備をした上で十月に支給された方がいいと思いますが、いかがですか。
#126
○国務大臣(長妻昭君) これは御存じのように、支払のタイミング等は前の児童手当と全く同じということで、六月に支給をして、これは二月、三月、四月、五月分をお支払いするわけでありますが、二月、三月は児童手当でありまして、四月からは子ども手当という四か月分を合算してお支払いする。この四か月を年に三回支払うというスキームは今と同じでありまして、そこは我々は第二次補正でもシステム経費を付けていただきましたので、六月のタイミングでお支払ができるということで地方自治体にも十分御説明をしております。
 といいますのも、やはりこれまでの児童手当を支給を受けておられる世帯等々含めて、やはり六月にそういうものが入るものだというような予定を立てておられる御家庭もあるというふうに考えておりますので、過去の平成十八年の改正のときにも児童手当の対象者が変わりましたけれども、それも六月に支給できたという経緯もございますので、我々は準備万端怠りなく、地方自治体の御理解もいただいて六月に実行していきたいと考えております。
#127
○林芳正君 児童手当の対象者が変わったのと、今回所得制限がありませんから、かなり増える。しかも、申請をしていただいて支給をすると。かなりの混乱が予想されると私は思いますが、全く混乱なく最後のお一人まできちっと支給するとお約束していただけますか。
#128
○国務大臣(長妻昭君) これは本当に地方自治体に実務を担っていただくわけで、地方自治体ごとに一定のコンピューターの改修等々のことが発生すると思いますので、私どもとしてはきちっと払われるように努力をしていくということで、もう御足労いただいて、本省にも担当の課長さんに何度か全国から集まっていただく等々、怠りなくサポートをさせていただきたいと考えております。
#129
○林芳正君 いろいろ努力はするけれども、多少は仕方がないということでありましょうか。
#130
○国務大臣(長妻昭君) 私としては、本当に全力でこれがお支払いできるようなこういう形にしていきたいということでございますけれども、新しい制度でありますので、仮に時間に余裕があったとしても、いろいろ過去の新しい制度を導入したときには問題が起こるというケースもございますけれども、我々としてはきちっと六月に四か月分が払われるように万全のサポートをしていきたいというふうに考えているところでありますので、是非御支援、御協力、アドバイスもいただきたいと思います。
#131
○林芳正君 きちっと支払われるということでございました。
 せっかく長妻大臣に立っていただきましたので、もう一つ最後にお聞きしたいと思いますが、公務員制度改革法案には、これは閣議決定されたので、署名をされましたか。
#132
○国務大臣(長妻昭君) はい。閣議決定の署名をしております。
#133
○林芳正君 これがその一部でございますが、我々のときの官民人材交流センター、これは廃止、このような再就職は全廃と書いておりますが、今度新しくつくられるセンターは、そこに米印で書いてありますように、職員に対する再就職援助は組織改廃等に伴い必要な場合にのみ限定と、これは四号分限のことでございますが、大臣はかつて野党時代に、何で官僚専用のこういうようなところをつくるのかと、ハローワークへ行けばいいじゃないかとおっしゃっておられましたが、これはハローワークでやることじゃないんですか。
#134
○国務大臣(長妻昭君) これは新しいセンターでありまして、私が、本当に過去の官民人材交流センター、前の政権で運営されておりましたセンターはまさにあっせんをするということで、省庁のあっせんはしないけれども官民人材交流センターを通したあっせんはオーケーですと。これは理屈が分からないということで、私は、そういうあっせんをするんであればハローワークで再就職先を探すべきではないかと、こういうようなことを申し上げたわけであります。
 そして、このセンターはすべてをあっせんするということではなくて、先ほども言われましたように、組織改廃に伴う分限を回避するというその一点の限定した方について情報を提供するということでありまして、これはもう委員よく御存じだと思いますが、実は私どもも、社会保険庁を解体をして今年の一月一日、日本年金機構という形になりましたけれども、そのときに、懲戒処分を受けた職員は行っていただかないということで分限処分という方が何人か出ましたが、これは法律の要請もあり、公務員の方に辞めていただく前にやはり情報の提供をしなければいけないというような法的要請もありますので、その辞めていただくという前に限定的に情報を提供すると、この役割に限定した新しいセンターだというふうに考えておりまして、これ、民間企業でもやはりいろいろな御事情でリストラ等々のお話が仮にある場合はもちろん再就職の情報を提供するというようなことがあると思いますので、そういう範囲内での我々は発想でございまして、ただ早く辞める方を野方図にあっせんをするということは、これはしないということであります。
#135
○林芳正君 四号分限、今まさに大臣もおっしゃったように民間企業のリストラなんですね。当時は、リストラも含めてなぜハローワーク行かないのかとおっしゃっていたように思いますが、まさにそういうのが上天は欺き難しなんですよ。立場が変わればころころ言うことが変わると、そういうことを国民は見ているから、結局上天は欺き難いですよということをこれは教えているんです。
 枝野大臣にお聞きしますけれども、この職員に対する再就職援助は組織改廃等に伴い、仙谷大臣ですね、担当大臣、失礼しました、に限定と書いてありますが、一年で大体何人ぐらいそういう方が出ると想定されておられるか、また、このセンターの定員は何人と見込んでおられるか、お聞きします。
#136
○国務大臣(仙谷由人君) 民間の会社でいえば言わば整理解雇でございます。つまり、子会社を閉鎖するとか事業をやめるとか機構を改編するとかということに伴う整理解雇ということになります。これは当然のことながら会社の都合による解雇でありますから、解雇回避義務というのが当然ながらあります。それと同じことであるというふうに私どもは考えておりまして、これはこれからの機構再編等々によっておのずから人員が増えたりあるいはなくなったりということが予測されます。年間何人ということを想定しているものではありません。
#137
○林芳正君 さっき長妻大臣がおっしゃった社会保険庁を除きますと、過去数十年で若干名だったと思います。今からはどんどん分限をされるというんならそれでも結構でございますが、そこも少し見通しを立てずに新しいセンターをつくるということでございました。
 るる聞いてまいりましたが、まさにこの上天は欺き難し、最初に申し上げたようなことが今日たくさん出ておりますので、同僚の議員にも更にやっていただきますし、私も更にそういうことがないように質疑でただしていきたいと、そのことを申し上げて終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#138
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。西田昌司君。
#139
○西田昌司君 自由民主党の西田でございます。
 新聞によりますと、昨日、鳩山総理の下に小沢幹事長が来られたというふうにありました。この間、総理と小沢幹事長の政治と金をめぐる大変な疑惑が民主党政権に大きな打撃を与えていると。今日も実は長崎の県議会の方が来られているんですよ、傍聴で。
 この長崎のあの知事選挙で大きく民主党政権に対する国民のノーという声が表れたと、こういうふうに我々は思っていますが、昨日は具体的に幹事長とどういうことをお話しになったんでしょう。こういう反省もあったんでしょうか。
#140
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 昨日、確かに小沢幹事長と会いました。ただ、このような場で党の代表と幹事長が何を話したかなどというようなことを申し上げる必要はないかと思っておりまして、基本的には党の参議院選挙の議論とかあるいは政策の意思決定、そういう議論をいたしました。
#141
○西田昌司君 いや、新聞によりますと、その中で政治と金に関する問題が大きな課題だから与野党の何か設置機関をつくってやろうじゃないかということが話し合ったというふうに出ていたんですが、違うんですか。
#142
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 政治と金のことで、これは党首討論でも公明党の代表との間で協議機関を与野党別なくつくろうではないかという話があった、私はそのときに前向きに話をいたしました。それだけに、幹事長に対して、私は党首討論でこういう話をしました、是非幹事長として各党の幹事長と協力をして、与野党で政治と金の問題、特に政治資金の問題でありますが、それを中心として議論をしようと、する場をつくるように幹事長、主導してくださいということで申しました。そのことは確かです。
#143
○西田昌司君 初めからその答えをしていただければよかったんですがね。
 そこで、私が御質問申し上げますのは、そもそもこの政治と金の問題は、政治資金規正法の改正をして云々という以前に、総理と小沢幹事長、あなた方二人が国民にしっかりと説明責任を果たしていない、その問題が一番大きな原因じゃないんですか。まず、だからお二人がそのことを説明すべきだと思うんですが、いかがでしょう。
#144
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私自身のことに関しましては、これは何度もこのような場でもできる限り私は正直に自分の分かる範囲ですべて申し上げているつもりでございます。また、小沢幹事長の件に関しましては、御案内だと思いますが、これは最終的に検察が不起訴という判断をしたということでございます。
 ただ、国民の皆さんの中には十分に説明が尽くしていないということが言われているということで、お互いに説明責任を果たすべく努力をしようということは、お互いにそのことを約束したところでもございます。
#145
○西田昌司君 いや、お互い説明責任を果たすべく努力をしようとお話ししたとおっしゃいましたね。具体的にどういうことをして説明責任を果たすんですか、じゃ。今、そう答弁なさいましたよ。
#146
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) したがいまして、私はこのような場で、国民の皆様方に対して委員会を通じて説明責任を今日までも尽くしてきたつもりでございますし、これからも尽くしてまいると。お互いにお互いの方法でということを申しました。したがいまして、小沢幹事長としては小沢幹事長のやり方で説明責任を尽くしていくということであろうと思います。
#147
○西田昌司君 それは今までやってきたことがまだ足りないと思っておられるからですね。
#148
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 国民の皆さんが必ずしも十分に説明が尽くされていないというふうに理解をされている、だからお互いにそのことは尽くしていこうではないかということを申したところでございます。
#149
○西田昌司君 それで、総理が今まで説明されたのは、資料にもありますが、(資料提示)要するに、鳩山総理自身のお金も三億ほど出したようだと、それから検察なんかの調べで、鳩山安子さん、お母さんから十二億円ちょっとはお金が出てきたと、それが全部勝場さんの下で集まりまして、大体十五億円ぐらいになりますが、それが政治に使われた、政治資金に使われたりプライベートに使われたりしているんですけれども、総理は幾ら何に使ったか一切説明されていないんですね。そして、本当に鳩山総理がこのことを知らないのかというのを国民が一番疑問に思っているんですよ。
 今、かきました、これ総理が言われたことをそのまま図にしたんですが、これで間違いないですか。
#150
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大体このような額ではないかとは思ってはおりますが、しかし、政治資金、いわゆる政治資金規正法に基づいて収支報告、これは必ずしもすべて、いわゆる虚偽記載の部分がありましたからそれを最終的に修正をする必要があろうかと思っておりますが、その部分に関しては、当然国民の皆様方に見ていただける形で正確に記していく必要がありますし、今日まで修正できる部分は修正してまいりました。
 プライベートな部分に関して、これはお尋ねであります。あるいは議員個人としての使用の部分もございます。こういったものをトータルとして勝場元秘書に確かに一切をゆだねていたということは事実でございます。そのことに関して、今公判中でありますので、正確に、最終的にこの裁判が終わりました暁に、これは前も申し上げておりますけれども、検察としてはこの部分に関して、いわゆる虚偽記載に関しては確かに違反があった、しかし、母からの資金提供その他に関して、に違反があったということは認められていないということであったと理解をしておりますので、したがいまして、このいわゆる支出に関して、この政治資金以外の部分に関して、自分自身の、これは将来いかにあるべきかということも含めての部分ではありますけれども、国民の皆様方に使途に関して御説明を申し上げてまいりたい、そのように申しているところでございます。
#151
○西田昌司君 これは国民の皆さん方が非常に関心を持っているところですので、今テレビを見られていると思いますが、今の総理の説明で分かられて納得された方、だれもおられないと思いますよ。
 あなたが今おっしゃったのは、大体このとおりですとおっしゃいましたね、大体。しかし、その政治資金のことについて、中身については政治資金報告書なんかで説明しなければならないと言いながら、最後に言ったのは、これはまだ検察が公判を待ってからでないと出せないと、こういう言い方でごまかしてしまう。しかし、これは前にも言いましたように、検察はあなたが資料を提出せよと言ったら出せるんですよ。それをわざわざあなたが、なぜ説明をしなければならないと言っているのに出さないんですか。その態度がおかしいじゃないですか。
#152
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これはまさに委員がお分かりのように、今裁判をやっている最中であります。したがって、最終的にどういう判断になるかということを待ってすべての、これは書類だけの話ではありません、書類を返してすべてが分かるということではありません。その書類を含めて、裁判が終わる、それほど遠くないうちに終わることを期待を申し上げたいと思いますが、したがいまして、終わった暁には皆様方にできる限りこの使途に関して御説明を申し上げたいと言っているわけでありまして、正確を期さないといけないということであるわけでございまして、正確を期すためであって、決して逃げているつもりは一切ありません。
#153
○西田昌司君 今、この前も聞きましたが、じゃ、検察と事実関係を争っているんですかと聞けば、あなたは争っていないと答えたじゃないですか。それはうそだったんですか。
#154
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 争っているかどうかという話ではありません。最終的に結論が出て、その結論を基にして使途の報告を申し上げたいということでございまして、正確を期す必要があるということで、私は、すべてが終わってから書類の返還を求めて、そしてそこで皆様方に見ていただきたいと、そのように考えております。
#155
○西田昌司君 あなたは虚偽献金、これが故人、亡くなった方からもらっているんじゃないかということが発覚した去年の六月の段階では、すぐさまですよ、すぐさま訂正申告したじゃないですか。同じように今分かる範囲でして、またもう一度、裁判が終わって確定したらもう一度出し直せばいいじゃないですか。なぜそうしないんですか。
#156
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、この六月の段階、それから十二月の段階で処分というものが決定をしたという状況で、あとは裁判が残っているところでございます。したがいまして、最終的に裁判の結果というものを見てから正確に修正をすることが最も私は望ましいやり方ではないか、そのように思っておるものですから、そのときに国民の皆様方に御報告をさせていただきたいと考えております。
#157
○西田昌司君 じゃ、ちょっと質問の仕方変えますが、検察に預かっていかれたその押収された書類は間違っている、間違っているからそれを見ても正しいのは書けないと、そういう意味ですか。
#158
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 間違っているかどうかは私が今ここで判断できる話ではありません。
#159
○西田昌司君 その押収された資料を基に、検察は今虚偽記載のこの裁判を行っているんですよね。だから、押収された資料を基にあなたが訂正の申告すればそれでいいんですよ。何をあなたが裁判の終わるまで結果を引き延ばさなければならない理由があるんですか。
#160
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 押収したというわけではありません。むしろ任意で、私が意思で提出を申し上げたわけであります。それを基に検察が判断をすると。検察が最終的な判断をするまだ前でありますから、それまで待っていただきたいということであって、決して逃げているとか、いいかげんに済まそうという発想をしているわけではありません。むしろ正確を期したいということで、すべてのことが終わった段階で私として皆様方にしっかりと御報告を申し上げたいと思っております。
#161
○西田昌司君 国民が一番納得しないのはそこなんですよ。押収されたんじゃなくて、任意で提出された。だから、あなたが、総理がですよ、見せてください、返してくださいと言えばいつでも返してもらえるんです。その資料で国民に説明する、これが今あなたが取れる最大の国民に対する誠意じゃないか。なぜそれをしないんですか。なぜか。裁判の結果待たなければあなたが不利になる、そういう理由があるんですか。あるんならそれを説明してくださいよ。
#162
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 裁判の結果を今ここで予断を持って申し上げるわけにはいかないと思いますし、私も分からない話であります。
 したがいまして、私としては、できる限り正確を期したいというその一念であって、書類の返還はそのときに行えば私は十分国民の皆さんに御理解いただくときが来ると、そのように思っております。(発言する者あり)
#163
○西田昌司君 ちょっとやじを止めてください。
#164
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いいたします。
#165
○西田昌司君 国民が一番注視しているこの問題、しかもこれは、皆さん方、国民が一番注目しているやつを、あなた方の総理が、そして幹事長が犯した罪なんですよ、これは、紛れもなくこのお二人の秘書の方々、お二人の方の。この方々の問題について質問しているときにやじをする。そして大臣席からも、何ですか、今やじを飛ばした方は。これ、しっかり制止してもらわなければ質問できませんよ。
#166
○委員長(簗瀬進君) 委員長から申し上げます。
 御静粛に、委員席の皆様も閣僚席の皆様も、質問そして答弁に集中をなさってください。
#167
○西田昌司君 この問題は、まさに、鳩山総理が今説明しないというのは、説明してはまずい、あなたにとって政治的に決定的な不利なことがよもや裁判で出てくるかもしれない、だから書けないんだと、訂正の申告を出せないんだと、私そういうようにみなしますよ、これは。そうとしか考えられません。もしそれに異論があるんなら言ってくださいよ。
#168
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 何か悪いのが出てくるとか、そういう判断ではありません。私は正確を期したいと。今、公判が間近だと伺っておりますから、それを終わった段階で最終的に正確に国民の皆様方に御報告する義務があるのではないかと、そのように思っておるわけでありまして、決して逃げたり、いいかげんに事を済まそうとしているわけではないことを御理解をいただきたい。
#169
○西田昌司君 この問題はもう一度後でやります。
 その前に、じゃ、この話を聞きましょう。
 実は、鳩山総理、あなたが友愛政経懇話会で虚偽の名前を使われた方、何人もおられましたね。その方から私に直接電話がありました。そして、二回お会いしました。非常に憤慨しておられました。一番最初、私聞きましたのは、驚いたんですが、虚偽記載をしたことについて、この方、検察にも呼ばれているんです。非常に迷惑されたと。しかし、鳩山事務所からも鳩山総理からも、一度たりともこのことについて謝罪もなければ説明もなかった。事実ですか。
#170
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、その方に大変申し訳ないことをしたと思っております。
 ただ、私ども、やはりこういった方に直接接するということが必ずしも適切ではないというふうに理解をしておりますので、すべてが終わりましてから、できる限りそういった方々に対してもおわびを申し上げたいと思っております。
#171
○西田昌司君 そして、それは一人だけじゃなくて、恐らく名前を使われた方全員がその状態になっているはずだと思います。全員、どなたにも説明していませんよね。
#172
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい、そのように理解をしております。
#173
○西田昌司君 本当に恩知らずというか、あきれますよね、私は。
 それで、その方がなぜ私のところに連絡をしてお会いになりに来られたのか。ずばりこうおっしゃったんですよ、総理はうそをついていると。総理がお母様から援助をしてもらったことはないということは全くのでたらめだと、こうおっしゃったんですよ。それは、具体的な話をされました。
 飯島清さんという政治評論家、御存じですね。
#174
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 飯島清先生は存じ上げております。もう数年前にお亡くなりになりました。
#175
○西田昌司君 鳩山総理が一番最初に選挙に出たいと、こうおっしゃったとき、鳩山総理のお父様は賛成されましたか、反対でしたか。
#176
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) うちのおやじは反対をいたしました。これは、政治家の稼業というのは国民の皆様方にいろんな御迷惑を掛けることになるから、一家に三人もそのような迷惑を掛ける人間がおってはならぬ、だからおまえはやめろと何度も言われました。
#177
○西田昌司君 それが出られるようになったのは、お母様が出ることを援助してくださったからじゃないですか。(発言する者あり)
#178
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#179
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい、母は私の思いを理解をしてくれたと思っております。
#180
○西田昌司君 そのときに、具体的にお母様から選挙について援助をされましたよね、受けられましたね。
#181
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 何をもって援助と言われるか分かりませんが、少なくともおやじが反対をしている中で母は味方をしてくれたものですから、私が北海道に選挙区を決めたという判断をしたときに、それに対して母は反対をいたしませんでした。
#182
○西田昌司君 まず、出るとおっしゃいましたときに、田園調布の駅前に事務所を設置されましたですね。どなたが見付けられたんですか。
#183
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) だれが探したか忘れましたが、当時、私は田園調布に住んでおるものですから、その田園調布の駅前に事務所を探してもらいました。どなたが探してくれたか、今覚えておりません。
#184
○西田昌司君 そんなでたらめ言っちゃ駄目ですよ。お母さんじゃないですか。あなたのお母さんの鳩山安子さんがわざわざ自分でビルを見付けてきて、ここで事務所を持ちなさい、そういうふうに用意してくださったんじゃないんですか。思い出されましたか。(発言する者あり)
#185
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#186
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) あるいはそうであったかもしれませんが、失念をいたしておりました。事実を確かめてみたいとは思っております。
#187
○西田昌司君 そのときに、お母さんはこうもおっしゃったんですよ。資金の心配はしなくていい、自分が生きている間は由紀夫の選挙費用は五回でも十回でも自分が出すと語っておられた。こういうことを総理もお聞きになったことがあるでしょう。
#188
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 恐縮ですが、そのような話は聞いたことはありません。
#189
○西田昌司君 これは、私が、先ほど言いました、会った人が直接言っている。この方のお名前を出してもいいんですが、この方のプライバシーもありますから、許可をもらえば直接あなたと、参考人としてここにお呼びして、対峙していただいてもいいんですよ。ですから、事実関係はっきりしますよ。
 それで、私が申し上げたいのは、鳩山総理は御自分でも今認められましたよ。そういうことがあったかもしれませんというように、選挙の一番最初出たときからずうっとお母さんの親掛かりで言わば選挙をしてきたんですよ。そのことはお認めになってくださいよ。(発言する者あり)
#190
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#191
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) おかげさまで、母はそのような意味で応援をしてくれたと思っておりますし、また、選挙に出た後は私のおやじも応援にも駆け付けてくれました。
#192
○西田昌司君 それで、鳩山総理は御自身の著書、これは「永田町下級武士たちの決起」という随分昔の本ですが、その中でもこういうふうにおっしゃっているんですよ。資金的にはどうですかという質問に対して、そうです、現実にはまだ自活にははるかに遠い状況ですと。ただ、私も一万円以上は全部明示しろということを主張したいと思っていますと。要するに、自分は自活するには大いに遠い存在であると、ただ、自分たちは親族がいるからそれに応援してもらっているという趣旨のことを言っておられるんですよ。覚えておられますね。
#193
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 永田町下級武士の話は書かせていただいたことを覚えておりますが、その中でどのような発言をしているか、必ずしも今記憶にあるわけではありません。
 当然のことながら、まだバッジを付ける前でありますから、どうやって自分自身、資金的に賄っていたかということを一〇〇%理解しているわけではありませんが、苦しい状況であったということはどこかで吐露をしていたのではないかと思います。ただ、親族がどうのこうのという話をしたという記憶はありません。
#194
○西田昌司君 自活には程遠い存在ですということをおっしゃっているんですね。つまり、自分で自分のお金集められていないと、こういうことなんです。だから援助を受けていますということをおっしゃったわけですよ。
 それで、私が申し上げたいのは、要するにこの問題は、平成二年、三年から検察が指摘した分は十二億ほどですが、それにとどまらず、ずうっと前から、総理が選挙に出た当初からずうっと続いてきたものだと、こういうふうに我々は思っているわけなんですよ。
 現に、総理が今お話しになったところからうかがいましても、それを否定するものじゃないですね、そうでしょう。
#195
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) いわゆるこの母からの資金提供ということが私の耳に入った、事実として理解をしたのは昨年の十二月の暮れの話であります。そのときに毎月多額の額の資金提供があったのは初めて伺いましたし、そのときに七年ほど前からだということも事実として伺いました。
 ただ、その前の話でいわゆるそのような多額の資金提供が母からあったという話は私はなかったと、そのように思っております。
#196
○西田昌司君 だから、当初から、あなたは自活できないから、そしてお母さんの援助でやってきたという事実があって、そしてこの七年間は言っているけれどもその前がないという、その根拠は何なんですか。調べられたんですか、自分で。
#197
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) このいわゆる検察の捜査、これは弁護士間同士での、勝場元秘書の弁護士とそれから私の調査担当の弁護士と、それから母にも弁護士が付いておりますが、その間での調査の結果明らかになったのはこれは御案内の事実のとおりでございまして、それよりも前からの資金提供はなかったというふうに彼らも判断をしておるので、私も事実だと理解をしております。
#198
○西田昌司君 弁護士間同士で話をしてそうなった、決めたと言っているんでしょう、あなたのは。
 それは、弁護士の仕事って何ですか。依頼者の利益を守るのが仕事じゃないですか。依頼者の人権と利益を守るのが仕事なんですよ。その方々同士が三人で集まって、それで決めたんだと。まさに示し合わせたということを言っている、そのものじゃないですか、どうなんですか。
#199
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは、本人同士よりも弁護士の調査の方が事実が私は調査しっかりとできると思っておりまして、示し合わせたとか、そういう話ではありません。
 現に、そのことで、その事実を検察も確かめてそれが事実だというふうに理解をしたのではないかと、私はそう思っておりまして、だからこそ、それに基づいて、私としては、これは贈与とみなすべきだという判断の中で税金を支払わせていただいたということでございまして、私の知る限りにおいて、そんな、例えば弁護士間同士がいいかげんに口裏合わせをするためにみたいな話は私は一切なかったと。
 これは弁護士としても正確に、私の弁護士は調査担当の弁護士でありますから、真剣に調査をして調べた結果だと、そのように理解をしております。
#200
○西田昌司君 すごい弁明の仕方をされていますね。だれがそんなの信用できますか。
 本人が検察に出て、それじゃ、あなた方親子、そして勝場さん含めて、三人とも検察の調査を受けられれば我々も分かりますよ。勝場さんは検察の捜査を受けられていましたけれども、総理、そしてお母様、検察からの取調べがあったんですか。
#201
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは私にはありません。また、母もなかったのではないかと思います。
 ただ、私は、弁護士同士が正確に情報を調査をして、そしてそのことを事実として、検察も提出された証拠書類というか、書類に基づいて判断をされたのではないかと思っておりまして、それが事実だと私は理解をしておるところであります。
#202
○西田昌司君 じゃ、総理、総理はそういうふうに弁護士同士の取調べで、それで事実を認定してくれたからそれでいいとおっしゃるんだけれども、同じようなことが一般庶民で行われたらどうなるんですか、これ。同じように、本当は犯罪にかかわっているかも分からない、それが弁護士同士が出てきて、ああ何もなかったですねという調査報告で終わった、それでいいんですか。あなたは、何か特別な仕組みの中で今あなたの立場が守られているというふうに思いませんか。
#203
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私には全くそうは思っておりません。
 少なくとも私は全くこのようなことが行われていたことを知らなかったわけでありますから、そのことに対して私自身が検察から調べられても、何も申し上げることもないということも事実でございます。したがいまして、私として、今行われていること、それが事実のすべてではないかと、そのように理解をしているところであります。
#204
○西田昌司君 だったら、事実だと少なくともあなたがそこまでおっしゃるんなら、進んで検察に対して調査を受けるから調べに来いと、お母さんの方にも捜査をしなさいと、そういうふうに申し出ればいいじゃないですか。何らやましいところがないんだったら、そうすればいいじゃないですか。
#205
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは私が決める話ではなくて検察がお決めになる話ではないかと思いまして、検察がすべて、当然怪しいと思えば調査に入るということではないかと思います。
#206
○西田昌司君 検察はあなたに対してそもそも起訴することができないんです。御存じですよね。
#207
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、国務大臣に対して訴追を免れるという話はありますが、しかし、私はそのような状況になった場合にそれを免れようとは一切思っておりません。
#208
○西田昌司君 あなたは口ではそういうことをおっしゃるんです、総理。例えば小沢さんの話でも、証人喚問出てきて説明すべきじゃないかと、こう言えば、それは議会が決めてくださればいいんですよと。議会は民主党が多いんですよ。こんな方々ばっかりですよ。だれも賛成しないんですよ。
 だから、あなたは自らの説明責任があるんですから、説明責任が。裁判が終わるまで出さないとか、それって全然果たせないじゃないですか。そして、事実があるという理由は何かといえば、弁護士同士がお話をしてそういうふうに認定しましたと、こう言っているわけですよ。これでどうやって説明責任果たしたことになるんですか。
 そうじゃなくて、客観的にやろうと思えば、検察が出てきて、検察の調査を受けるなり、若しくは今検察に渡している資料を基に政治資金の修正申告書を出して、取りあえず今分かっているのはこういう状態です、そういうことを示さない限りできないじゃないですか。
#209
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、取りあえずという話ではなくて、やはりしっかりとした正確な、書類の返還をもって正確な調査の下での資料というものをお出しするべきだと思っておりますから、いましばらくお待ちいただきたいということであります。
 なお、私どもの同僚議員のことを余りあしざまに言うような言動だけは慎んでいただきたいと、大変すばらしい仲間たちでありますから。
#210
○西田昌司君 あしざまに言った覚えないですよ。訂正してください。
#211
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) こんな方々ばかりですからという西田委員の言葉遣いに対して、気掛かりだったんで申し上げただけであります。(発言する者あり)
#212
○委員長(簗瀬進君) 質問者それから答弁者、いずれにしても、この予算委員会の権威をしっかりと尊重するような言動に気を配っていただきたいと思います。
#213
○西田昌司君 いずれにしましても、総理は知らなかったということですべて自分の罪が免れるかのようなことをおっしゃっているんですけれども、そもそもそこが一番問題なんです。
 そこで、その前にまず聞きますが、あなたは贈与であったとみなすと、こういうふうにおっしゃいましたね。それで間違いないですか。
#214
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい。母からの資金提供に関しては、これは全く知らなかったというのは事実でありますから、その知らなかったという事実でありますだけに、その間に例えば貸し借りの関係があるはずもありません。だとすれば、これは贈与とみなすべきだという判断をしたわけでございます。
#215
○西田昌司君 みなすという言葉は法令用語なんですよね。どういう意味かというと、本来は異なるものを法令上同じものとして取り扱うという意味なんです。ということは、本来違うということをあなたも認めているわけですね。
#216
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 法的な用語を必ずしも存じ上げて使っているわけではありませんが、ほかの判断がなし得ないという中で、すなわち、これは自分としては全く知らなかったことである、ならば貸し借りというものがあるはずもないわけですから、しかし資金提供があったとすれば私に対する贈与だと考えるべきではないかという判断をしたわけでございます。
#217
○西田昌司君 いや、贈与と認めたんですね、それじゃ。
#218
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 贈与と考えるべきだということで、したがって申告をして納税をしたわけでありますが、その判断は、最終的に贈与税になるかどうかということに関しても含めて、国税が今調査をしているという段階だと理解しています。
#219
○西田昌司君 一月前も、今国税が判断する、調査中だとおっしゃいました。具体的にどういう状態なんですか、おっしゃってください。
#220
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、今私に尋ねられても分かりかねます。ただ、結論が出ていないという状況だと理解しています。
#221
○西田昌司君 あなたは調査中だと私におっしゃったんですよ。だから、その事実はどなたから聞かれたんですか。
#222
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは、今判断をしている段階ではないかという理解でありまして、すなわち、国税庁から納税をしたそのことに基づいた結果が私のところにはまだ届いていないわけでありますから、したがいまして、その意味においては調査をしている段階ではないかという理解でございます。
#223
○西田昌司君 ちょっと待ってくださいよ。それは前と違いますよ。前は調査中だとおっしゃいましたよ。そういうふうにこちらも理解したし、そういう言い方された。今は違うじゃないですか。ごまかさないで本当のことをちゃんと説明してくださいよ。駄目ですよ、それは。
#224
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) ごまかすつもりはまるでありません。そのように、私はいわゆる調査、私の調査担当の弁護士からそのように伺っております。
#225
○西田昌司君 いつになったら分かるんですか、それじゃ。あなたが分からないなら、国税庁、どうなっているんだ、これは。
#226
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 個別にわたる事柄につきましては、守秘義務の関係上お答えすることは差し控えさせていただきます。
 あくまで一般論で申し上げますが、国税当局といたしましては、納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じて課税上有効な各種資料、情報の収集に努め、これらの資料と納税者から提出された申告書等を総合検討し、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正公平な課税の実現に努めているところでございます。
#227
○西田昌司君 だから、何も国税の方は、今一般論の話でしたけれども、あなたに調査の通知も何もないんでしょう。
#228
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、一般論としてそういう話がありました。私は、伺ったところによれば、調査担当の弁護士から今国税が調査をしているということを伺ったのみでございます。
#229
○西田昌司君 弁護士が、国税が今調査をしていると、そういうことですか。
#230
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) そういうことでございます。
#231
○西田昌司君 いずれにしましても、総理、これは調査の結果、一月も調査が、税務調査中だという意味ですね、もう一遍聞きますが。税務調査中なら、この一月間も何もなしでおかしいんですよ。
#232
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 弁護士の話では、国税庁として今調査中だということが私に知らされている事実であります。調査中であるということであります。
#233
○西田昌司君 税務調査であるかどうか聞いているんですよ。一般的な調査じゃないんですよ。返事が来てないから調査中だという意味じゃなくて、税務調査中だというふうにおっしゃったんですか、弁護士は。
#234
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 多分、税務調査中だということではないかと思います。
#235
○西田昌司君 その弁護士さんのお名前、何というんですか。
#236
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それはプライベートなことでありますから、お答えいたしません。
#237
○西田昌司君 要するに、プライベートじゃないんです。なぜにその方のお名前を言っているかというと、その方にここに来て説明してもらいたいんですよ。鳩山安子さんの弁護士、勝場さんの弁護士、この三名の方の弁護士の本委員会における参考人聴取を求めます。
#238
○委員長(簗瀬進君) ただいまのお話は、追って理事会で協議をさせていただきます。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#239
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。西田昌司君。
#240
○西田昌司君 昼前からの続きです。午前中からの続きですが、総理はあくまですべて勝場秘書がしたことで、お母様からもらったこと、自分がお金を出してプライベートに、そして政治資金で幾ら使ったかということを自分は知らないと、こう言い張られるわけです。しかし、もしこれ、もし一般でしたら、これが個人商店でしたら、鳩山総理、社長が知らなくても個人がその資産を隠ぺいしたりして、その結果脱税になっているわけですからね、贈与税。これは完全に贈与税の脱税として本人も罰せられるんですよ、これは。そのことを御存じですか。
#241
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 恐縮ですが、個人商店の場合のことは存じ上げておりません。したがいまして、私自身の場合には、全く承知をしていなかったというのはこれは事実でありますので、私のその後の処理に関しては、すべてそれに基づいて行っているということでございます。
#242
○西田昌司君 これも知らないとおっしゃいますが、それじゃ、聞いてみましょう。政府参考人、相続税法七十一条に相続税の罰則があるんですよ。これをちょっと説明してあげてください。
#243
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 相続税法七十一条一項のいわゆる両罰規定でございますけれども、納税義務者の代理人、使用人、その他の従業者がその納税義務者の業務又は財産に関して偽りその他不正の行為により税を免れた場合などは、その行為者を罰するほか、納税義務者本人に対しても罰金刑が科されることになっております。
#244
○西田昌司君 総理、今のをお聞きになって御理解いただけましたでしょうか。
#245
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 相続税法第十一条一項のいわゆる両罰規定のことだと思っております。
 まず、その件に関しては存じておりますが、いずれにしても、その適否に関しては国税当局においてなされるものだと、そのように理解しております。
#246
○西田昌司君 これ、水掛け論になってあれだけど、あくまで知らないとおっしゃるんだが、先ほどの話でも、税務調査があったかどうかということすら、我々、分からないんですよ。総理自身がきっちり説明しなくちゃならないじゃないですか。そこをもう一度答えてくださいよ。
#247
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私自身といたしましては、自分の知る限りにおいて正直にというか、申し上げているつもりでございます。これ以上のことを申し上げるすべがございませんので、御容赦ください。
#248
○西田昌司君 その知らないということと同時に、総理はまた、これ親からもらったお金ですから私腹を肥やしたわけでもないと、こういうことを言っていますね。私腹を肥やしていないって、どういう意味なんですか。
#249
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私腹を肥やしていないというのは、いわゆる偽りとか、先ほどの両罰規定の中にありましたが、あるいは不正の行為によって税を逃れているというような行為のことを申し上げているつもりでありまして、そういう意味で私腹を肥やしているという思いはまるでありません。
#250
○西田昌司君 あなたは事実税金を払わず、その分の私腹を肥やしたんじゃないんですか。
#251
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは何度も申し上げておりますように全く承知をしておらなかったことで、その事実が私も承知をした時点においてすべて払うべき税金を自分としては納めていると、そのように理解をしております。
#252
○西田昌司君 事実関係として、贈与であるか贈与でないかまだあなたは認めていないじゃないですか、みなすと言っただけですよ。そして、税金は取りあえず払ったというだけであって、事実がどうかということは全く明らかにされていないじゃないですか。
#253
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、知らなかったと、しかし検察の調べによって事実が判明をしたと。その事実に基づいて、これは贈与と判断をされるべきだという理解の下で贈与とみなして申告をして納税をしたということでございまして、私としては、その知ったという状況の中で自分のできる最善の措置を申し上げていると、そのように思っております。
#254
○西田昌司君 総理はあなたの、自分の立場を守る最善のためのことを尽くしているだけで、国民には何の説明責任も果たしておられません。そのことをはっきり言っておきましょう。
 それから、以前あなたは、総理は、お母様から献金をしていただいて、援助していただいて、それで子分にたくさんお金を配るんだと、そういうことを言われたときに、そんな事実はないとおっしゃいましたけれども、あなた方の仲間、子分かどうかは知りませんが、お金配っておられませんか。
#255
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、例えば与謝野委員からその話をいただいたときに、まさに表に見えないようなお金を配っているんじゃないかと、子分づくりのためにという話がありましたが、そういうことではありませんと、政治資金規正法にのっとった中で必要だと思われることで、候補者あるいは議員に対して、当然その収支報告は載っておりますが、その中でいわゆる寄附をしているということは実態としてはございますが、いわゆる与謝野委員がおっしゃったような、何かいかがわしいお金を子分づくりのために回しているというようなことをいたしたという事実はないということを申し上げました。
#256
○西田昌司君 ここに、資料を皆さん方にも渡しておりますが、これは平成十九年と平成二十年だけでありますけれども、要は、友愛政経懇話会からたくさんのお金が、十九年は四千六百万、二十年でも二千五百万、一番大きいのが平野官房長官の一千万ですか、出ておりますけれども、これは何のためのお金だったんでしょう、平野長官、どういうお金でしょう。
#257
○国務大臣(平野博文君) 事実関係はそこに先生が書いていただいているとおりでございますが、何のお金かどうかということでございますが、私はその当時、総理が幹事長のときの幹事長代理でございました。また、大阪におきましては大阪府連の代表でございました。そういう中で、そこにある金額をちょうだいをいたしました。
 私としては、政治活動に適切に使わせていただいていると、こういうことでございます。
#258
○西田昌司君 そのお金がお母様からの違法な資金移動によって出たということですね、総理。
#259
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 平野幹事長代理に対しての一千万円は、これは幹事長として党からの金を、党から私の資金管理団体に入れて、そこから平野幹事長代理に寄附をした金でありまして、政治活動に使っていただいております。
#260
○西田昌司君 党のお金かどうかよりも、あなたの、これです、友愛政経懇話会の中の支出、寄附金で出ているんですよ。入ってくるお金は、党から入ってくるお金もあったかもしれません、しかしお母さんからのお金が一番大きいんです。そして、それは事実上、脱税という形でたまってきたお金で回っているんですよ。お金に印はないんですから、あなたが幾らそう言っても、この中の原資の一部にというか、大半はお母さんからの違法献金だったということじゃないですか。
#261
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 実は、そこに書いております大半の資金に対しては、私は幹事長時代でございます。その幹事長時代に、党から選挙対策を始めとして政治活動に必要なお金を友愛政経懇話会を通じて渡したものでございまして、そのことは事実でございます。
#262
○西田昌司君 それなら党から直接平野官房長官にお渡しになったらいいじゃないですか。なぜなんですか。
#263
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) くどいようですが、それは私は、幹事長でありましたから、幹事長として、いったんそのお金を友愛政経懇話会に入れて、それを基本的にそのまま政治活動に使うために寄附をしているということでございます。別にそのことは違法でも何でもございません。
#264
○西田昌司君 いや、民主党のやられることですから何をやられても自由なんですが、普通、公党のお金ですから、幹事長の仕事として幹事長代理の平野先生にお渡しになるんなら、当然、党から入れられたら何の問題もないのに、わざわざ友愛政経懇話会に入れる理由が分からない。なぜですか。
#265
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 理由も何もありません。党から幹事長、そして幹事長代理に、いったん入れてから、そしてそれを寄附として移しただけのことでございまして、何の後ろめたい話でもございません。
#266
○西田昌司君 いずれにしましても、あなたの党の話でありますからどうされようとそれは勝手なんですが、非常に不透明である、これは指摘させていただきます。
 そして、私が更に総理にお聞きしたいのは、先ほど申しましたように、総理は贈与とみなして申告をしたと、そして申告して税金払ったんだからそれはもう私は脱税したわけでもないと、そしてさらに、本当に贈与であったかどうかは知らないんだと、だからこれも罪はないんだと、こういう言い方をされているんですよ。
 しかし、私は、冒頭から言いましたように、今回の事件は、あなたのお母様が総理の初当選以来ずっと政治的な支援、物心両面の支援をしてきた、それがたまたま氷山の一角でこの七年間だけ明らかになったことだと思っているんですよ。そして、そうだとすると、これはまさに政治資金なんです。政治資金でお金をもらってきた場合、当然のことながら量的規制オーバーがあります。そのことについて、政府参考人、説明してください。
#267
○政府参考人(田口尚文君) まず、総務省としては、個別の事案につきましては実質調査権を有しておりませんので、具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、その面でのお答えは差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げますと、政治資金規正法の第五章におきましては寄附の量的制限等に関する規制が定められておりまして、第六章にその罰則が定められているところでございます。
#268
○西田昌司君 もう少し丁寧に話しなさいよ。金額と、どういう場合にどれだけの量的制限があるのか。
#269
○政府参考人(田口尚文君) 一般論としてお答え申し上げます。
 普通の個人から政党に対します総枠制限は年間二千万円以内、個人から政党、政治資金団体以外の政治団体に対しては総枠制限は年間一千万円以内等でございます。
#270
○西田昌司君 そして、量的制限を超えた場合、どういう罰則があるんですか。たしか超えた分の政治資金は没収されるんじゃないですか、教えてください。
#271
○政府参考人(田口尚文君) 総務省としては、個別の事案についてはお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、政治資金規正法の第二十八条二におきましては、寄附の量的制限に違反をして受けた寄附に係る財産上の利益は没収し、その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することとされております。
#272
○西田昌司君 お聞きになったとおりなんです、総理。これは、お母さんからの寄附なんですよ。そして、寄附にしてしまうと、量的規制を超えた分は全部、十二億円全部没収なんですよ。そのことをあなたは恐れて、弁護士同士がやり取りをして贈与とみなしたと、これが真実じゃないですか、総理。どうなんですか。
#273
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) これは、母からの資金提供に関して全く承知をしておらなかったということが事実でございます。そして、その中で、やはり知らなかったわけでありますから当然貸し借りというものがあるはずもありません。
 したがって、私は、それはやはり自分自身のすべて、私の政治活動も含めてプライベートなものに関してもすべてに対して提供されたものであって、決して政治資金規正法に基づいた資金提供であったのではないと、そのように私は認識するのが妥当だと、そのように思っておるものですから、だから贈与であると、私の個人に対する贈与だと判断するのが適当だということで贈与税を支払わせていただいたということでございます。
#274
○西田昌司君 今、総理の話から本音が出たじゃないですか。贈与とするのが適当だと。あなたが適当だと思っても世間は承知しないんですよ。日本は法治国家ですよ。あなたのその責任が法律上通用すると思ったら大間違いだ。そして、道義上も通用しない。もし知らないと言い張るなら、知らないことについての責任があるじゃないですか。どうなんですか。
#275
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 知らなかったからすべて責任を逃れたいといって申し上げているわけではありません。やはりこのように国民の皆さんにいろんな意味で疑いの目を向けられてしまっているということに対しては、申し訳ないという思いは当然持っております。
 ただ、私は、事実は事実として申し上げるべきだと。そして、その判断の中で適当、それが適当と申し上げたのは、客観的に見てそう考えるしかないと判断をしたわけでありまして、その意味で贈与とみなすのが私は妥当だという判断の下で申告をして納税を申し上げたわけでございまして、そのことがなかなか御理解をいただけないわけでありますが、私として行うべき最善の手段であったと、そのように理解をしております。
#276
○西田昌司君 だれも理解できません。
 それは第三者、客観的というのは第三者なんです。あなたのおっしゃっているのは、あなたの弁護士、勝場さんの弁護士、お母さんの弁護士の中で話したと、まさに主観の中で話しているんじゃないですか。どこに客観性があるんですか。
 検察の捜査を進んで受けるべきなんですよ。それで初めて客観性が出るんじゃないんですか。
#277
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) このことも含めて、検察が全部調べたわけでございまして、私が何も主観的に判断をしたわけではありません。
 検察の判断、そして最終的には、当然国税に対して、私は納税したわけでありますから、その判断は国税においてもなされるべきだと、そのように思っておりまして、そこで客観的に判断されればよろしいのではないかと思います。
#278
○西田昌司君 無責任極まりない、このことは指摘しておきましょう。
 そして次に、小沢さんのかかわってきた、政党をつくってはつぶし、つくってはつぶしして、このお金が小沢さんの財布だと、検察の西松事件の調査で、検察の検事調書の中で述べられた改革国民会議、そして改革フォーラム21、結果的にこの二つの団体に、今現在十億円、そして七億円近いお金が行っている。そのお金の原資は何かといえば、これは衆議院でも質問があったようですが、この自由党経由のやつは元々民主党にあったお金が三億円行き、そして、それが十三億円、改革国民会議に行ったということなんです。
 これ、どうやられようとそれぞれの政党ですから御自由ですよ。御自由なんだが、少なくともこの中で、結局は民主党の、この自由党の中から五億六千万円はいわゆる公的な資金であったということが、これは政治資金報告書、官報で明らかになっているんですよ。こういう形で結局なったことについて、その当時の幹事長であった、また代表であった菅大臣、そして岡田大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
#279
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘の点ですけれども、若干事実関係が違うのではないかと思いますが、民主党と自由党の合併の際に、合併に際する選挙あるいは組織にかかわる経費の清算を寄附で行ったものでございます。民主党は、その寄附に関して政党助成金は一切充当しておりません。
#280
○国務大臣(菅直人君) 当時、私が代表で岡田幹事長で、この件についてはもちろん私も承知しておりましたが、岡田幹事長に直接の合併のこういった手続をやっていただきました。
 今話がありましたように、選挙の調整、あるいはそれまでにもう既に選挙の準備に入っていた自由党としてポスターを作り直すとかいろんなことがありまして、その後の政党助成金は今度は一本化しますので、いわゆる法律的には一種の吸収合併でありましたので、そういう形でその調整をした結果、こういう形で処理をしたと、そういう報告を受けております、当時ですね。
#281
○西田昌司君 私は、何も民主党から三億円行ったのは公的な費用だと一言も言ってないんですよ。そうじゃなくて、行ったのは十三億、自由党から行った十三億八千万、この中に入っているんです。ただ、この十三億八千万の中には公的資金五・六億円が入っているということです。
 いずれにしましても、民主党から流れたお金が三億円がこの中に行ったことは間違いないんですよ。そういう使われ方していることに対して、民主党の当時の責任者であったあなた方は問題意識を持たないのか、そのことを聞いているんです。
#282
○国務大臣(岡田克也君) これは、先ほど言いましたように、自由党と民主党の合併に伴ってその清算のために出したものであります。その後の、お金に色は付いていないとは思いますが、その後のお金の使い方については、これは民主党の関知するところではございません。
#283
○国務大臣(菅直人君) 全く同じで、当時の民主党としては先ほど申し上げたような措置をして、その時点は自由党は自由党でまだ存続ぎりぎりですがしておりますから、その自由党がどういう対応されたというのは少なくともその時点を含めて承知しておりませんでしたし、今もそれについてまで何か私たちが判断するということにはならないと、こう思っております。
#284
○西田昌司君 総理にも同じ質問、お伺いします。
#285
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当時、私は幹部でありませんでしたのでよく存じ上げておりませんが、今二人の大臣が申したとおりでございます。
#286
○西田昌司君 違法じゃないでしょう、そう思います。どうするのも自由党さん、新生党さんの自由ですよ。しかし、普通の国民でしたら、一人の政治家の財布だと言われているところに公的資金、そして公的資金も含めた政党からの剰余金といいましょうかお金が、これだけ大きなお金回っていると。しかも、それが今、小沢さんの不動産取得した原資ではないかと言われていると。こういうことを言われていてもあなた方はおかしいと思わないんですね、三人の方。
#287
○国務大臣(岡田克也君) 今委員が言われたその不動産取得の原資になったというのは、私は根拠を是非お聞かせいただきたいと思います。私は、そういうふうには理解しておりません。
#288
○国務大臣(菅直人君) 先ほど申し上げた以上のことにはならないわけですが、もちろん一般的にいろんな政治団体等がどういう形を取るかというのは、一般的な意味での関心といいましょうか注意を払っておりますが、少なくとも当時の民主党の責任者としてきちんと対応したと。それ以降のことについてはちょっと性格が違いますので、私、今日はこの場には財務大臣として出ておりますが、あえて当時の民主党の代表としてもお答えをさせていただきましたけれども、それ以上のことは私は、この場で私が個別的見解を申し上げる場ではないと、こう思っております。
#289
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 三大臣まとめて一括して御質問いただくのに何となく違和感はございますが、今お尋ねがありました不動産の原資とそちらのお金というものの因果関係、必ずしも私どもとして、私にとっては見えておりませんので、これ以上のコメントのしようがありません。
#290
○西田昌司君 では、小沢さんが不起訴になりましたけれども、あれで小沢さんの問題はすべて解決したとお思いですか、総理。
#291
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 少なくともあの問題に関しては不起訴になったというのが事実でございます。不起訴になったからすべてがクリアになったかどうかということは必ずしも、皆さん方が今いろいろと議論されておられるでしょうから、そのことがクリアになったかどうかということに関しては私が今申し上げるべきところではありません。
#292
○西田昌司君 嫌疑不十分で不起訴だというふうに聞いていますが、嫌疑不十分というのはどういう意味なんですか。政府参考人。
#293
○政府参考人(西川克行君) 一般論でお答えいたしますと、嫌疑不十分とは、被疑事実につき犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なときに行われる不起訴処分であると、このように承知をしております。
#294
○西田昌司君 そして、検察審査会に申立てがされていると聞いておりますが、検察審査会に申立てされた場合、どういう処置がされるんでしょう。
#295
○政府参考人(西川克行君) これも一般論でお答え申し上げますが、検察審査会というのは、御案内のとおり、国民の方十一名で構成される不起訴処分の当否を審査するという機関でございますけれども、申立て等があった場合に、事件を受理しまして、検察官の不起訴処分の当否について審査を行います。その結果、起訴が相当である、不起訴が不当である、それから不起訴が相当であると、このような判断をそれぞれいたします。
 不起訴不当と不起訴相当の議決は過半数でこれを決しますけれども、起訴相当議決は八名以上の多数で決すると、こういうことになっております。
 起訴相当議決に対しまして、検察官が当該議決に係る事件について再度不起訴処分をしたとき又は一定期間、原則三か月以内に起訴をしなかったときは、当該検察審査会は改めて審査を行わなければならないということになっておりまして、その審査において改めて起訴相当と認めるときは、検察審査会八名以上の多数により起訴をすべき旨の議決、すなわち起訴議決をすることとなり、起訴議決があると、これに基づき裁判所から指定された検察官としての職務を行う弁護士によって起訴されるという法律の規定となっております。
 なお、この制度は昨年の五月二十一日から新たに施行されているというところでございます。
#296
○西田昌司君 今お聞きいただいたとおり、小沢さんの問題は嫌疑不十分なだけ、そして今、検察審査会の審査が受理されているんです。これで起訴相当になるという可能性も大いにある。ということは、公党の幹事長ですよ、小沢さんは。そして、それを指名したのは鳩山総理、あなたじゃないですか。あなたがもっと問題意識を持って説明責任をしろと、こういうふうに言わなきゃ責任果たせないんじゃないんですか。
#297
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、お互いにそのことを申し合わせておりまして、このことに関してもまだ国民の皆様方に十分に説明責任が果たされていないという判断がなされているものですから、ならば、しかるべきような、しかるべきところ、それは御本人の判断に任せるべきだと思っておりますが、そういったところで、記者会見もされておるようでありますが、しっかりと説明を果たされるべきだと、そのことは申しておりますし、本人もその思いでおると理解をしております。
#298
○西田昌司君 話をすべきところは国会以外ありませんよ。国会に出てくるように総理からおっしゃってください。総理ですら出てこられているんですから。すらと言えば失礼ですがね。要するに当事者なんですよ。
 そして、そのことを、本委員会の参考人若しくは証人喚問、そういった処置をされることを要望を委員長に出します。そして、政治と金についても、これはまだまだ時間足りませんよ。集中審議していただきますようにお願い申し上げまして、残余の質問は同僚の議員に任せたいと思います。
#299
○委員長(簗瀬進君) ただいまの件については後刻理事会で協議をいたします。
 関連質疑を許します。脇雅史君。
#300
○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
 大分白熱してまいりましたが、ちょっと肩の力を抜いていただきまして、総理と副総理にお尋ねしたいと思うのですが、これは事前通告はしておりませんが、政権取られて約半年、大変な御苦労がおありだったと思うんですね。今の日本のこの政治状況の中で政権を取られてみて、いろんな問題意識がおありになろうと思います。総理あるいは副総理が経験された中で、今の日本の政治でここだけは変えるべきだ、ここは直したい、一点だけで結構ですからそれぞれ言ってみていただけませんでしょうか。
#301
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私のこの政権を担わしていただいている中で一番やりたいものは地域主権ということでございまして、この国と地域の在り方を大きく変えてみたいというのが自分の最大の思いでございます。
#302
○脇雅史君 副総理。
#303
○国務大臣(菅直人君) 私は、この国を本当の意味での国民主権の国にしたいと、このように思っておりますし、今も思っております。
#304
○脇雅史君 私は、やりたいことというよりも、むしろ今一番の問題は何かなというふうでお聞きをしたわけでありますが、私自身は、今の我が国の政治の中で一番変えなくちゃいけないことって何だろうというときに、余りにも選挙至上主義になり過ぎているんじゃないだろうか。何が何でもとにかく勝たねばならぬと、お互いがそう思い出しますと、本来政党同士というのは国を良くするためにかなり協力すべきところがあるはずですよね。それがどうしても勝つために相手をけなす、相手を悪く言う、どうしても対立関係が厳しくなり過ぎるということが私はあると思うんです。(発言する者あり)
#305
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#306
○脇雅史君 私は、自戒を込めて申し上げているんですが、選挙に勝つための政策、選挙に勝つための候補者選び、こういったことが日本の政治を壊すと思っているんです。
 そこで、お互いに敬意を持つ、そういうことが極めて大事ですし、特に総理や閣僚の皆さん方に我々は本来敬意を表すべきだと思っておりますし、皆様方は是非敬意を表されるような存在であってほしいと切に願っております。感想ありましたら。
#307
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然政治家である以上というよりも人間である以上、他の方々から敬意を持って表されるような、そんな人物にならなければいかぬと、そのように心しております。
#308
○国務大臣(菅直人君) 今おっしゃったことは、一般論としては私も気を付けなければならないと思う。私も野党の時代にいろんな意味で激しく論争しておりましたが、どこかでは全体のことを考えてはいたつもりですけれども、ややもすればどうしても、そうした選挙のことも念頭になかったかといえばそれはあったわけでありまして、それが行き過ぎた形で、結果として国として道を誤るとすれば、それは常にそうならないように考えておかなければならないという点では同様に考えております。
#309
○脇雅史君 ありがとうございました。
 私も自戒の念を込めて申し上げたので、これから先もできるだけ敬意を持って御質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、八ツ場ダムについてお聞きをしたいと思うのでありますが、現在の政府の方針、八ツ場ダムを一体どうするんだろうかということは、地元の方もひっくるめて大変な関心をお持ちだと思うんですね。なかなかはっきりしない。今現在どうしようとされているのか、内閣の方針をお聞かせいただけませんでしょうか。
#310
○国務大臣(前原誠司君) 脇委員にお答えをいたします。
 今、日本が抱えている大きな制約要因というのは三つあります。人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字。その中で、医療、介護、年金あるいは子育て支援、教育、様々な投資もやっていかなくてはいけないという中で、鳩山内閣としましては、税金の使い道を変えていくということで、公共事業の見直しというものも河川を含めてやらせていただいているところでございます。その中で、この八ツ場ダムにつきましては本体工事の中止をする考えを表明しているわけであります。
 既に設置をしております今後の治水対策のあり方に関する有識者会議で本年夏ごろをめどに取りまとめられます中間取りまとめ等を踏まえて、予断を持たずに検証の対象となった他のダムと同様に検証をしていきたいと考えております。
 またさらに、政策転換によりまして、長年ダム問題に苦しんでこられた地元の住民の方々に対して多大な御迷惑をお掛けをしていると認識をしておりまして、その生活再建には万全を期していきたいと考えております。
 今後とも、地元住民や関係都県等の話合いを重ねることによりまして、八ツ場ダムの中止の方針を示すに至った考え方について御理解をいただく努力を粘り強く続けつつ、地元住民の方々や関係都県知事などの御意見も伺いながら適切に対応していきたいと、このように考えております。
#311
○脇雅史君 理由やいきさつは結構なんで、八ツ場ダムについて、例えば今年そもそも本体工事を予定していましたね。それを今のところやめていられると。このまま今年はやめるのか、来年の予算ではどうなるのか、再来年はどうなるのか。要するに、やるかやらないか、どういうふうにするのかについて明快にお答えください。
#312
○国務大臣(前原誠司君) 今御答弁をいたしましたように検証の対象としておりまして、治水対策のあり方に関する有識者会議で取りまとめられました考え方に基づきまして、この八ツ場ダムというものの検証としておりますので、予断を持たずにこの検証結果を待ってその後について議論を進めていきたいと、このように考えております。
#313
○脇雅史君 ということは、やるともやらないとも決めていないということですか。
#314
○国務大臣(前原誠司君) 中止の方針は打ち出させていただいておりますけれども、検証の対象としておりますので、予断なく検証の対象に加えるということで、その基準を作ってもらっております治水対策の有識者会議、この結論を待って検証をさせていただきたいと考えております。
#315
○脇雅史君 そうなると、今年はやめますと、これは中止というけれども、実態行為としてやめるわけですね、ダムの本体工事はね、これはやめると。来年はやるかやらないかはその有識者会議だか何だかの答えを待たないと分からないと、こういうことなんですね。それが今の鳩山内閣の方針ということでいいんですね。総理、いいですか。
 いや、総理に聞いているんです、内閣の方針ですから。
#316
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、前原大臣が申したとおりでございまして、まず検証をする必要があると。ただ、中止の方向は決めているということでございますので、中止の方向を決めていきながら、しかし有識者会議で検討中であるということでございまして、結果としてそれがその後大きく変更になってまたダムが再開されるということではなく、むしろできるだけダムに頼らない治水の在り方などというものを模索していく方向に日本を大きく変えていく必要があるのではないか、私はそのように考えております。
#317
○脇雅史君 それではお尋ねしますが、その方針はいつお決めになったのでしょうか。
#318
○国務大臣(前原誠司君) 就任直後に中止の方針を打ち出させていただきまして、十月の何日かはちょっと失念をいたしておりますけれども、予断を持たずにこの八ツ場ダムにつきましても検証の対象に加えるということの方針を十月の下旬だったと思いますけれども、公表をさせていただいております。
#319
○脇雅史君 内閣の方針というのは前原大臣が一人でお決めになるんですか。
#320
○国務大臣(前原誠司君) 内閣の方針というものについては、八ツ場ダムについては中止の方向で、本体工事については中止の方向でということでございますけれども、様々な細かなところまですべて了解を得ているわけではございませんけれども、検証対象に加えるということについては御理解を内閣でいただいております。
#321
○脇雅史君 中止の方向で内閣が決めていると。それはいつ決まったか分からないんですか。
#322
○国務大臣(前原誠司君) 政権交代がございまして、私が国土交通大臣を拝命をいたしまして、民主党の考え方に基づいて中止の方針を発表させていただいたところでございます。
#323
○脇雅史君 前原大臣がそれを言うと内閣の方針になるんですか。
#324
○国務大臣(前原誠司君) 脇委員も建設省河川局におられましたので、分かっておられておっしゃっているんだと思いますが、すべてのことについて一々総理にお伺いを立てていたら行政というのは執行できません。そういう意味では、大筋のことについては御相談をし、アドバイスをいただきながら、個別のことについては大臣の判断で決めさせていただいております。
#325
○脇雅史君 いつどこで決めたか、何かよく分からないような話ですが、それでは、決めるときにどんな資料をもって、多分何か議論はされたと思うんですよね。検討をして、これだけ大問題ですから、相当な議論の経緯をもって、いろんな方が参加をして、我が内閣はこれでいこうと。これだけの大問題ですからね。そういう経緯があったんじゃないかと私は思うんですが、今のお話ですと、何もないんですね。
#326
○国務大臣(前原誠司君) 衆議院選挙がございました。そして、その衆議院選挙を戦う上で、今は連立三党でございますけれども、民主党といたしましてはマニフェストを決めて、それについての中身を政権を取らせていただいた後にやっていくということでございまして、野党の時代に積み重ねた議論を基に政策を実行しているということでございます。
#327
○脇雅史君 驚きましたね。野党のときに決めたことがそのまま鳩山内閣の方針になっちゃうと、こういうお答えですね。
#328
○国務大臣(前原誠司君) 恐らく各大臣ともマニフェストに書かれてきたこと、国民の皆さん方にお約束をしたことについてできるだけ忠実にやっていくということ。ただ、その大きな方向性についてはもちろん、鳩山内閣、連立政権でございますので、連立政権の枠組みの中で合意を得ること。そして、細かなことについては個々の大臣の判断で遂行させていただいております。
#329
○脇雅史君 厚労大臣にお聞きしますが、上水道の担当大臣として八ツ場ダムについてはどういうお考えをお持ちですか。
#330
○国務大臣(長妻昭君) 八ツ場ダムの水道事業については厚生労働省の所管だということで国庫負担などでかかわっておりますけれども、今、前原大臣が申し上げたように、これはマニフェストにも書かれ、そしてこの内閣の方針と、基本的方針ということで中止ということで私は理解しております。
#331
○脇雅史君 その方針を決める際に内閣の厚労大臣として参加されましたか。何か意見言われましたか。
#332
○国務大臣(長妻昭君) これは公約を作る過程で、選挙前ですけれども、私もかかわった経緯がございますし、内閣の中で私自身が意見を聞かれたということはありませんけれども、仮に異議があればそれは所管の大臣として申し上げたところでありますが、私は異議がありませんでしたのでそのまま意見は申し上げず、私はその方針ということで理解をしているところであります。
#333
○脇雅史君 経産大臣、いかがでしょうか。
#334
○国務大臣(直嶋正行君) 八ツ場ダムについては、今も答弁ありましたように、民主党としてはかなり前からこれについて議論をしてまいりまして、マニフェスト等でも中止をするということは明確にしていたということでございまして、この間、例えば地元自治体等とも様々な形で意見交換をする中でそういう決定をしてまいりました。
#335
○脇雅史君 全く私にとっては驚くべきずさんさですね。こんないいかげんなことでいいんだろうかと。少なくともこれだけの大問題を決定するときは、閣議なりなんなり関係大臣が集まって、どうすべきなのかしっかりした資料に基づいて、そして判断をすべきですよ。何にもしていないじゃないですか。
 私は前回の国会で質問いたしました。民主党の時代にどんな検討をなされたんだと言って、資料ありますと言うから見たら、何と上田埼玉県知事に出した二、三枚の紙ですよ、手紙ですよ。この手紙が資料だと言うんですよ。その後、私は、国交委員会でもそうですけれども、何回か、二回質問主意書を出しましたが、科学的、具体的な説明を問う、治水、利水はどういう考えなんだ、何にも答え返ってきてないじゃないですか。何にもないということですよ。
 ただ選挙のときに決めたから、それでそれがそのまま鳩山内閣の方針だって、これ地元の人怒りますよ。何ですか、それ。
#336
○国務大臣(前原誠司君) 野党のときに様々な観点から検討をいたしました。そして、政権を取って、そしてそれを実行していくに当たりましては、もちろんそういったバックグラウンドはございますけれども、先ほど申し上げたように検証対象にも加えて、そして、野党と与党の立場は違いますので、議員よく御存じのとおり、特定多目的ダム法については関係自治体の知事さんたちとも協議をしていかなくてはいけないわけでございますので、様々な観点から検証を加えて、そして手続を進めていくということで今進めているところでございます。
#337
○脇雅史君 ちょっと私はあきれておりますが。
 それでは、今、鳩山内閣がこの問題について法的にどういう立場にお立ちになっているかということについてお聞きしたいんですが、まず河川法ではどうなっていますか。
#338
○国務大臣(前原誠司君) 河川法におきましては、国土交通大臣は一級河川の河川管理者として位置付けられておりまして、水系ごとに河川整備基本方針を定めるとともに、河川整備基本方針に沿って計画的に河川の整備を実施すべき区間について、河川整備基本方針に即して河川整備計画を定めて、洪水、高潮などによる災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるように総合的に管理することとされております。
 この利根川水系の国直轄区間につきましては、まだ河川整備計画を定めておりませんが、河川法の一部を改正する法律附則第二条第二項の規定により、利根川水系に係る河川整備計画とみなされる利根川水系工事実施基本計画の一部に基づき、河川管理者として八ツ場ダムの建設事業が進められてきたと理解をしております。
#339
○脇雅史君 基本計画もそうですけれども、利根川水系の河川整備基本方針というのがありまして、これに基づいて、今大臣が言われるように、国民の安全を守る責務を持っているということですよね。
 つまり、現在の鳩山内閣の法的な立場は、河川法でいえば八ツ場ダムを造る責務があると、こういうことですよね。
#340
○国務大臣(前原誠司君) 責務というよりは、これは前政権がやってこられたことでございまして、八ツ場ダムというのはまだ法的には事業中でございます。私は、八ツ場ダムの本体工事の中止を、方針は示しておりますけれども、この法律に基づく中止の手続には入っておりません。
 したがいまして、前政権から続けておられる河川法の根拠は何かと問われたので、今お答えをしたわけでございます。
#341
○脇雅史君 非常に詭弁なんで、政権が替わったから法律の解釈が変わるということはありません。法律に基づいてそのまま生きているんですから、何ら変更手続がないんですから、これは当然に河川法で責務があるんです。
 それから、続きまして、特定多目的ダム法でお答えください。
#342
○国務大臣(前原誠司君) 特定多目的ダム法は、治水及び利水の両方の目的を有するダムのうち、発電、水道又は工業用水道の用に供されるものについて、その建設及び管理を国土交通大臣の下に一元化することにより、多目的ダムの効用を速やかにかつ十分に発揮させるため、多目的ダム建設及び管理に関し河川法の特例を定めているものでございます。
 八ツ場ダムの建設事業につきましては、国土交通大臣は、同法四条第一項の規定に基づき八ツ場ダムの建設に関する基本計画を作成し、河川管理者としてその事業を進めてきたところであります。
#343
○脇雅史君 特定多目的ダムのこの基本計画というのは、言わば共同計画の協定書みたいなものですね、県や水利用者と一緒にこういう計画で進めましょうと。つまり、これも、特ダム法でいえば八ツ場ダムのこれを実行する立場に今おありなんですよね。
#344
○国務大臣(前原誠司君) 基本計画が生きているか生きていないかと言われると、今委員が御指摘のようにまだ生きておりますけれども、このダムの本体工事の中止、そして、もちろんいろんな方々との御相談をしなくてはなりませんけれども、最終的にはこの基本計画を廃止をして法的手続に入るということであります。
#345
○脇雅史君 それでは、水資源開発促進法に基づきましては政府の立場はどうなっていますでしょう。
#346
○国務大臣(前原誠司君) 水資源開発促進法は、河川の水系における水資源の開発及び利用の合理化の促進を図ることを通じて国民経済の成長と国民生活の向上に寄与することを目的としたものであり、国土交通大臣は、広域的な用水対策を緊急に実施する必要があると認めるときは、関係する行政機関への協議等を経て、水資源開発水系を指定することとされております。
 また、国土交通大臣は、水資源開発水系を指定したときは、関係都府県知事からの意見聴取等を経て、水資源開発基本計画を決定しなければならないとされており、利根川水系につきましては、八ツ場ダムが位置付けられた利根川、荒川水系における水資源開発基本計画を決定をしていたところであります。
#347
○脇雅史君 この水資源開発基本計画の中でも八ツ場ダムは二十七年度までに完成させるんだと言っておりますから、これも政府としてそういう責務を負っているということですね。
 これを変える変えないは、それは考え方がありますが、現時点においてはこの法律は生きているわけですから、この法律の解釈につきまして、法制局、いかがでしょう。(発言する者あり)法制局、法制局。委員長、法制局。
#348
○委員長(簗瀬進君) はい、分かりました。
 委員長が指名します。枝野幸男行政刷新担当大臣。
#349
○国務大臣(枝野幸男君) 内閣の法令解釈に関する担当を命じられておりますので、私から内閣法制局の上申を踏まえた内閣としての解釈を申し上げます。
 いずれの三法におきましても、それぞれ計画の変更や廃止の手続が設けられております。廃止や変更の手続が設けられているということは、それに向けて政府において、あるいは担当大臣、担当者において廃止や変更に向けた様々な作業を行うことが想定をされております。と同時に、そうした作業に入るに当たっては、一定の方向性あるいは一定の意向を踏まえた上でそうした手続に入る入らない、あるいは入るための準備作業を進めることは法令上も想定されていることでございまして、現状は問題ないというのが内閣としての法令解釈でございます。
#350
○政府参考人(山本庸幸君) ただいま枝野大臣がおっしゃったとおりでございます。
#351
○脇雅史君 私は枝野さんの答弁は認めておりませんので。
 そもそも法制局というのは法律の解釈をする仕事ですよ。枝野さんはその代わりになる人ではありませんよ。内閣として物を言うのはいいけれども、法制局というのは総理大臣直属でしょう。おかしいじゃないですか。(発言する者あり)あなたは何も関係ないよ。
#352
○委員長(簗瀬進君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#353
○委員長(簗瀬進君) 速記を起こしてください。
 もう一度お願いします。
#354
○政府参考人(山本庸幸君) それでは、今のお話に付け加えて御説明させていただきます。
 ダムにつきましては、河川法第十六条の二、特定多目的ダム法第四条、水資源開発促進法第四条の規定に基づきまして、それぞれ河川整備計画、特定多目的ダム建設基本計画、水資源開発基本計画を決定することになっております。これらの計画に位置付けられたダムの建設につきましては、法律上、これに基づく特段の変更や廃止がない限り、法令の規定に従って計画的に実施されることが想定されるということでございます。
#355
○脇雅史君 いろいろ詭弁を弄しても、とにかく現行法上はここで内閣はやる義務を負っているんですよ。これを変えようと思うことは結構ですよ。変えようと思うことは結構。
 前原さんは今年のダムの本体工事を中止すると言いましたね。それはどういう権限に基づいて中止されているんですか。
#356
○国務大臣(前原誠司君) 先ほどから申し上げておりますように、法律に基づく事業計画は生きております。したがいまして、今回、私としては法律の中でいわゆる生活関連事業というのは必要だと思っておりましたので、この予算を付けさせていただいたところでございます。したがって、これは脇委員おっしゃるように、事業計画は今も進んでおります。
#357
○脇雅史君 これは全くおかしいんでね。行政というのは法律に基づいて執行するんですよ。そして今、内閣は三つの法律によって八ツ場ダムを進める義務を負っている、責務を負っているんです。そして、国会で決めた予算が今年付いているんです。それを何で一大臣が勝手に止めるんですか。
#358
○国務大臣(前原誠司君) ですから、この基本計画の見直し、廃止に向けて今取組を進めているところでございます。
 しかし、委員おっしゃったように法治国家でございますし、この事業については法律に基づいた事業計画、基本計画に基づいているわけであります。したがって、特にこの特定多目的ダム法というのは関係都県知事の意見を聴かなければならないと、こういうことになっているところでありますので、様々な意見調整をしながら法律に基づいた廃止に向けての作業を今進めているところでございますが、しかし、その前提としては予断なくこの再検証をするということで、有識者会議の中間報告を今待っているところでございます。
#359
○脇雅史君 これは驚くべきことで、法律に基づいて、そして国会の議決に基づく予算に基づいて仕事をしろと言われているのに、一大臣が勝手にやめますと。これはやめるというこれ行政行為ですよ。法律に基づかずに何でそんなことが言えるんですか。やめるということ自体が既に行政行為ですよ。やめると決まっていればいいけど、今ダムをやめるってどういう権限で言えるんですか。法律の第何条で止められるんですか。言ってください、どの法律の何条で止められるのか。
#360
○国務大臣(前原誠司君) ですから、法律ではまだ廃止をしておりませんし、その予算も付けております。予算の中には、先ほど申し上げたように、私がこの特定多目的ダム法も含めての法律を廃止をしていない、また予算を付けたというのは、生活関連の事業については、これは私も就任直後、地元に行きまして必要なものについては継続をしていきますというお約束もしておりますので、この法律、計画に基づいて予算を付けて、必要な事業は続けさせていただいているところでございます。
#361
○脇雅史君 どう言われようとも、今の前原大臣がお一人の判断でこの工事をやめると言っているわけですよ。計画は取り下げてないけれども、今年の工事をやめると言っている。そのやめる権限は何なんですかと聞いているんです。
#362
○国務大臣(前原誠司君) ですから、恐らく委員分かっておっしゃっていると思いますけれども、やめられてないんですよ。やめる方針を出しているわけです。やめる方針を出して、本体工事については掛からないということで予算措置をしていないということで、ですから法律的にはまだこの流れは続いているわけでありますが、その予算の中身につきましては、生活関連事業、これは地元の皆さん方とお約束をした生活関連事業についてやらせていただいているということでございまして、だからやめてないんですよ。
#363
○脇雅史君 今年の工事はやめているんですよ。予算が付いているんですよ。付いている予算をやめる権限がどこにあるんだと聞いているんですよ。まだ計画は変わってないんですよ。あなた方は、三法、法律に基づいてやる義務があるんですよ。そして、今年の工事やめたと言っているから、何でやめるんだと。
 法的な手続に基づかずに大臣の勝手な判断で行政って動いていいんですか。日本の行政は法律に基づかずに動いていいんですか。
#364
○国務大臣(前原誠司君) 本体工事の入札の中止、延期を決められたのは前政権だと記憶をしております。金子大臣のときに入札の延期をされたと聞いております。
#365
○脇雅史君 そうすると、現政権はどうするんですか。
#366
○国務大臣(前原誠司君) そのまま延期をいたします。
#367
○脇雅史君 あの政権交代の前夜、いろんなことがあって、駆け込みで行政が新しい行為をすることは許さないと言っていましたよね。いろんな意味で、国交省の事務官、技官、職員が、民主党がやめるやめると言っているわけですから、民主党政権になる可能性があるから取りあえず様子を見ようということでおいたんでしょう。ほかに理由なんかないんですよ。
 だから、それを受けてあなた方はどうするんですかと。あなたはやめたとおっしゃるから、やめると言うんならやめる理由は何だと聞いているんですよ。
#368
○国務大臣(前原誠司君) いろんな理由があったとしても、延期をされたのは前政権ですから、金子前大臣でありますから、その流れを踏襲をしているわけです。我々も延期をしていると。
 それで、やめるということは、先ほどそれは脇委員がおっしゃったように、法律に基づかないと最終的にやめられないんです。ですから、この八ツ場ダムの中止というのは法的にはまだ中止にはなっておりません。
#369
○脇雅史君 工事を一時中止、一月遅らすとか、それは別に構わないんですよ。だけれども、ずっとやらないというんだから、来年度の予算でもやらないと言っているんでしょう、本体。それはおかしいじゃないですか。法律行為に基づかずに行政が行政を執行できるというのは大変なことですよ。それができるのであれば、国会で法律を審議する必要もないし、予算を審議する必要もないじゃないですか。大臣が勝手に、おれはやる、これ、おれはやらないなんて言っていいんですか。本当にそれはいいんですか、鳩山総理。
#370
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど脇委員おっしゃったように、三つの法律に基づいて基本計画とか実施計画が作られているということでありまして、この計画はまだ存在をしております。
 私どもが申し上げておるのは、八ツ場ダムの本体工事は中止をすると。しかし、その中止をすると宣言をするだけでは法的には中止をされないんです。されないから、我々は今、その基本計画の廃止、実施計画の廃止含めて法的に基づいてやっているということで、今なお法律に基づいた実施計画や基本計画は存在しております。
#371
○脇雅史君 やめると言えないわけでしょう。やる義務があるわけですよ。それをやめると言って実際にやめちゃっているわけ、本体は。そのことが問題なんですよ。法律の規定に基づかずに勝手にやめているんだから。(発言する者あり)いや、それは法律で決まることだから、法律で決まっていることを法的な手続もなしに勝手に行政がいじれるのであれば、本当に国会なんか要りませんよ。国会が国権の最高機関で、法律を定めて、予算を定めているんです。それに基づかずに勝手にやるなんということが許されていいわけないじゃないですか。(発言する者あり)
#372
○委員長(簗瀬進君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#373
○委員長(簗瀬進君) 速記を起こしてください。
#374
○脇雅史君 それでは、委員長、もう一回法制局の見解をお聞きしたいと思います。
#375
○委員長(簗瀬進君) もう一回、ちょっと質問を中断したので、法制局に対しての質問としてもう一回やってください。
#376
○脇雅史君 現在のそのダムに関する法律、三つの法律によって、政府はこれを実行する責務を負っている。しかし、前原大臣は中止すると表明をして、そして今年の工事をやめている。こういう工事をやめる権限はどこにあるんだと。やめていいのかと。法治国家において、法的な手続も経ずに勝手にやめていいのですかということを聞いているんです。実際に予算を流しているんです。
#377
○政府参考人(山本庸幸君) 御参考までに一つ、質問主意書に対する政府の答弁書、平成二十一年十二月八日付け第七七号というものがあります。それをちょっと御紹介いたしますと、八ツ場ダムについては、本体工事を中止する考えを表明しているところであるが、特定多目的ダム法第四条第一項に規定する基本計画を廃止しようとする考えを示しているにすぎず、今後、当該基本計画を廃止するに当たっては、同条第四項に規定する手続、これは変更と廃止を含む手続でございますが、それを取るということになるとお答えしているところであります。(発言する者あり)
#378
○脇雅史君 静かに、静かにしてください。
#379
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#380
○脇雅史君 今の解釈でいくと、何で皆さん方は、去年から今年まで来ているのにやめる手続を取らないわけ。勝手に。だって、やらなくちゃいけない義務があるんですよ。それを、予算を流すんだから、流すなら流すなりの理由がなくちゃいけないじゃないですか。
 法治国家というのは、あらゆる行政権限というのは法律で規定されているんですよ。その法的な手続に基づかずに、変更手続だってちゃんとあるのに勝手にやめちゃうということを決める、あのダム工事を。今年の予算を流すということ自体、行政判断なんですよ。それがあってはいけないんだ。
#381
○国務大臣(前原誠司君) 先ほどの法制局の答弁とかぶる部分があって恐縮でありますが、あくまでも中止の方針を示しているだけでありまして、法的な中止のいわゆる手続には入っていないということでございます。
#382
○脇雅史君 中止の方針を言うのであれば、実態行為としての工事をやめるという言い方はおかしいですよね。どうですか。
#383
○国務大臣(前原誠司君) その前提として、本体工事の中止を前政権が中断されたと同様に継続させていただいているということでございます。
#384
○脇雅史君 前政権のせいにしてもしようがないので。今皆様方の方針を聞いているんだから、鳩山内閣の方針を聞いているんだから、鳩山内閣として、前政権がどうであれ正しいことをやる義務があるんですよ。そのときに、中止の方針だと言いながら、やめるという実態行為が先行していることはおかしいでしょうと言っているんですよ。
#385
○国務大臣(前原誠司君) 脇委員、中止の方針を表明をしていて、そしてその中止をするかどうかについては、地元の皆さん方や関係都県の知事の皆さん方には検証対象に入れさせていただきますということを言っているわけです。そして、その検証対象にしているがゆえに、有識者懇談会の結論を待って、中間取りまとめを待って、どうするかというところの作業が次に来るわけでございます。
 したがって、中止の方針は示しているけれども、法的な、先ほど脇委員が御指摘をされた三つの法律に基づく基本計画と事業計画というのは生きています。その中で、しかし、私が地元に伺って、大変御迷惑を掛けた地域の皆さん方には生活関連の事業について必要なものは継続しますということで、その法律の中で続けさせていただいているということでございます。
#386
○脇雅史君 これも大変変な話で、もし中止をしてやめるのであれば、やめるという結論を出してやめたら、ダムに関する附帯工事、そして補償工事というのは存在しないんですよ。やめたらそんな工事はないんだから、もうダム事業そのものが計画からそっくりなくなるんですから。本体はやらないけれども、その附帯工事、補償工事だけやるなんというのは論理的に存在しませんよ。
#387
○国務大臣(前原誠司君) いや、そんなことはないと思います。事業は法的に生きていて、その中で、地元でお約束をした生活関連の必要な事業についてはやるということについて今も継続して、今なおやらせていただいております。
#388
○脇雅史君 ダムをやるという前提で附帯工事なり補償工事はありますよ。でも、やめると言ったらないんですよ。そうでしょう。今はまだやると言っているからいいけれども、来年もしやめるということになったら、附帯工事、補償工事は存在しないんですよ。来年の予算要求の分で聞きますけれども、そんなものを両方要求しているということ自体おかしい。
 それから、さっき有識者会議というのが言われていましたけれども、有識者会議ってどんな法的な意味があるんですか。
#389
○国務大臣(前原誠司君) 国土交通大臣の諮問機関として、省令に基づいて設置をさせていただいております。
#390
○脇雅史君 法的には。
#391
○国務大臣(前原誠司君) いや、だから省令に基づいて設置をさせていただいています。
#392
○脇雅史君 これもまた驚いたことで、十六条、河川法の、河川整備基本方針、ここに社会資本整備審議会というのがあるでしょう。その社会資本整備審議会というのは、まさに河川の改修計画をどうするかということを決めるための法定審議会なんですよ。そこの中に河川分科会というのがあって、そこで、まさに今大臣が言われているようなことはここでやるべきなんですよ。そのための審議会なんだから。それが何でほかの省令に基づく、何か知らぬけれども、有識者会議でやらなくちゃいけないわけ。
#393
○国務大臣(前原誠司君) アドバイスをいただいて、そして正式な手続にのっとって対処してまいります。
#394
○脇雅史君 全くおかしいんですよ。だって、そんな、省令でつくったとか言っていますけれども、元々予算上認められていないんでしょう、予算要求もしてないんだから。それで、本来、法律に基づいてそれを主務とする審議会が、法定審議会があるのに、法定審議会のほかにわざわざほかの有識者会議をつくる必要がどこにあるんだと。
 財務大臣、そんな予算認めたんですか。
#395
○国務大臣(菅直人君) 私が理解していますのは、二十二年度予算では、八ツ場ダムについては本体工事は国交省から要求がない、つまり計上がされておりません。一方、生活再建事業についての予算措置は行ったものとしておりまして、その他のことについて、もし必要があればそれは調査をいたします。
#396
○脇雅史君 ちょっとこの内閣は緊張感が足りな過ぎだよ。もう初めから遅れて来るわ、メール打つだかツイッター打つだか、もうふざけた話なんだ。全然まじめにこの内閣は予算委員会をやろうと思っていないんだ。
 私が聞いたのは、今の有識者会議の予算はどうなっているんだと、勝手にやっていいのかと。
#397
○国務大臣(前原誠司君) これは今までも同じだと思いますけれども、大臣にアドバイスをする諮問機関として、それについては庁費から払っております。
#398
○脇雅史君 そもそも河川法によって前原大臣は河川管理行為をしているわけ。河川法以外の法律ないんですよ。その河川法の中で、そういうことを審議するためにこういう審議会がありますよと言っている。何でそれを使わないの、何でそこを法律無視するわけ。
#399
○国務大臣(前原誠司君) 無視はしておりません。あくまでも、アドバイスをいただいてそれを参考にし、最終的には正式なルートにのっとって決定をしていくということでございます。
#400
○脇雅史君 正式も非公式もないんですよ。大臣がダムに頼らない治水計画をやろうと思われた。そうしたら、その審議会にきちんと出せばいいじゃないですか、付託すればいいじゃないですか、そのことを。何か、断られたんですか。
 これは、河川審議会、昔河川審議会ですが、今は公共何とか整備審議会の分科会を使わないという理由は全く私には分からないんで、今の答えでは納得できませんよ。なぜ使わないのか明快に言ってください。
#401
○国務大臣(前原誠司君) 様々な政策アドバイスをいただいて、そしてそれに基づいて政策判断を行い、最終的には正式な手続にのっとって政策決定をさせていただきます。
#402
○脇雅史君 そんなこと許されないんですよ。河川法、わざわざあるのに使わない理由なんかないんだから。これ、本当におかしいですよ。そんな法律を無視した行政をやっちゃ駄目ですよ。わざわざある法定審議会を何で使わないんだ。こんなばかな話はないですよ。絶対こんなことは承服できない。これ改めてくださいよ。
#403
○国務大臣(前原誠司君) 有識者から様々なアドバイスをいただいて、そしてその政策を基に正式なルートで政策決定をしてまいります。
#404
○委員長(簗瀬進君) 脇雅史君、質問してください。いや、やり取りは続いていますから。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#405
○委員長(簗瀬進君) 速記を起こしてください。
#406
○脇雅史君 私がこう申し上げているのは、やっぱり行政というのは分かりやすくなければいけませんし、法律に基づいてやるべきものですから、その法律を非常に軽視したようなやり方はおかしいですよと申し上げているので、きちっと対応していただきたいと思います。
#407
○国務大臣(前原誠司君) 分かりやすい例を申し上げれば、前政権で日本航空の再建の有識者会議と懇談会というのをつくっておられました。その位置付けと全く一緒だと考えていただいたら結構でございます。
 つまりは、航空政策についてはちゃんとした会議体はございますけれども、前政権でもこの日本航空の再建については有識者懇談会をつくられて、そしてそれからの考え方を受けられて、そして正式なルートで政策決定をされていたと思いますし、全く同じで、河川の有識者会議は意見をいただき、そしてその意見をに基づいて今ある会議体を正式なルートで政策決定をしてまいります。
#408
○脇雅史君 やはり恣意的にやられてはいけないので、きちんと法律に基づいてやっていただきたいと思います。
 それでは次に移りますが、来年度のダムの予算要求の件でありますが……
#409
○委員長(簗瀬進君) 御静粛に。
#410
○脇雅史君 八ツ場ダムは来年度本体工事やらないんですね。それで、中止するかしないかはまだ分からないんですね。分からないという前提で予算要求しているんですか。
#411
○国務大臣(前原誠司君) 本体工事には掛かりませんが、先ほどお話をさせていただきましたように、生活関連事業というのは継続をしてやらせていただくことになっております。
#412
○脇雅史君 大体、じゃ、ダム、もしやることになったらどうするわけ。
#413
○国務大臣(前原誠司君) 今できるだけダムに頼らない治水というものを考える中で、予断を持たずに再検証するということで、有識者会議の結論を得て、そして委員がおっしゃるように正式なルートにのっとって考えていくところでございますので、そういった仮定の御質問には今お答えをしかねます。
#414
○脇雅史君 予断を持たないと言いながらまさに予断を持ってやっているので、もう少しきちんとした検証をしてほしいと思います。
 それでは次に移りますが、コンクリートから人へという標語、今日も何度も出てまいりました。前回この場で鳩山総理に余りにもおかしいんじゃないかということを申し上げましたら、総理は申し訳ないと陳謝をされましたね。陳謝をされながらその後もどんどんどんどん使い続けるということは、謝ったふりをしたということですか。総理。
#415
○委員長(簗瀬進君) じゃ、まずちょっと、前原誠司国土交通大臣。
#416
○国務大臣(前原誠司君) 総理がお答えになるかもしれませんが、日本の置かれている様々な状況を勘案して、政権交代で税金の使い道を変えていくということで、コンクリートの予算を人への関連の投資に回すということで、コンクリートから人へという予算の比重が変わるということをこのフレーズによって言っているわけで、何もコンクリートが全部悪いということを申し上げているわけではございません。
#417
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) コンクリートから人へという言葉によって、コンクリート業界のなりわいなさっておられる方々に対する誇りなどを傷つける意図であったわけでは全くありません。
 ただ、コンクリートから人へという言葉が、ある意味での公共事業から教育とかあるいは社会保障に大きくかじを切るというイメージをつくる意味では、大変私は分かりやすい表現であったことは事実だと思っておりまして、その思いを表現する言葉として使わせていただいておるところでございます。
#418
○脇雅史君 分かりやすいから本当に心配している人がいます。大学のコンクリート学をやっている先生なんかも本気で心配しています。国民の間に、これは生徒が来ないとかそういう影響を及ぼすと。また、多分一千万人近くの方は、多分コンクリートその他に従事している人は、この言葉を非常に不愉快に思うはずなんですね。私のところにも多くの人が来ています。
 三千万人か四千万人か知りませんが、いい言葉だと思っていらっしゃる方もたくさんいると思います。しかし、現実に一千万近く、概算で恐縮ですけれども、かなり多くの方が不愉快な思いをするのに、何であえて使い続けるんですか。もうちょっと丁寧な言い回しができないんでしょうか。
#419
○国務大臣(前原誠司君) 私も様々な建設業界の会合に呼ばれまして、委員がおっしゃるような懸念を表明される方もおられますので丁寧にお答えをしております。
 税金の使い道を変えたわけであって、コンクリートは大事だと、コンクリートがなければいわゆるインフラ整備もできませんし更新もできないと。コンクリート業界で働いておられる方々、あるいは関連されている方々の誇りに傷を付けるつもりは全くないと、予算の使い道を変えるんだということを丁寧に御説明をさせていただいているところでございます。
#420
○脇雅史君 そういうことであれば、もう国民の皆さんは十分に民主党のその思いを分かっているはずですから、これから先はもう使う必要はないですよね。不愉快な思いをさせてまで使う必要がまだありますか。
#421
○国務大臣(前原誠司君) 我々のこのフレーズの趣旨をいろんなところで徹底して御説明をして、そしてコンクリートが悪いという意味ではないということをこれからもお訴えをしていきたいと考えております。
#422
○脇雅史君 そう言いながら、そういう言葉を使うと不愉快な思いをするんですから、現実に。それは構わないというわけ。不愉快な思いをするやつは勝手だと、コンクリートの仕事をしているやつはいいんだと、皆さん方はそう思ってこれからも使うというわけですか。
#423
○国務大臣(前原誠司君) できるだけ丁寧に御説明をして御納得いただけるように努力したいと考えております。
#424
○脇雅史君 総理、二度と使わないと約束できませんか。
#425
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今から使う使わないという話ではないと思っておりまして、やはりコンクリートから人へという言葉の意味するものを、先ほど前原大臣が申し上げましたように、できるだけ丁寧にお伝えをすることが大事ではないか、そして誤解を解くことが重要だと、そのように認識しております。
#426
○脇雅史君 なかなかこだわっていらっしゃるようですが、現実に不愉快な思いがするというのを、そういう方々を少なくするというのも政治の役割じゃないですか。わざわざ何で不愉快な思いをする人を見捨てなくちゃいけないんですか。構わないんですか、その人たちが不愉快な思いをしても。それは使わなければ救われるわけでしょう。何でそんなに使うことをこだわるわけ。私がこだわっているのは不愉快な思いをする人がいるからですよ。それをいいというわけ。
#427
○国務大臣(前原誠司君) 我々の意図するところをしっかりとお伝えする努力をこれからも続けてまいりたいと考えております。
#428
○脇雅史君 それではしっかりやってほしいと思います。
 それでは次に、国家公務員の政治的中立性ということで話を進めたいと思いますが、国家公務員の政治的中立といいますと政治的行為の禁止ばかり頭にいくんですが、実は、政治的行為の禁止だけではなくて、公務員はそもそも政治的に中立でなくちゃいけないという思いがあるはずですね。
 人事院規則一四―七というのがあると思うんですが、これについて、人事院、説明してください。
#429
○政府参考人(桑田始君) お答え申し上げます。
 御指摘の通知でございますけれども、人事院規則一四―七、政治的行為の運用方針を示したものでございまして、この規則並びに通知は現在でも有効でございまして、この通知のうち、二の「この規則の目的」の冒頭部分を少し読ませていただきます。
  国の行政は、法規の下において民主的且つ能率的に運営されることが要請される。従つて、その運営にたずさわる一般職に属する国家公務員は、国民全体の奉仕者として政治的に中立な立場を維持することが必要であると共に、それらの職員の地位は、たとえば、政府が更迭するごとに、職員の異動が行われたりすることがないように政治勢力の影響又は干渉から保護されて、政治の動向のいかんにかかわらず常に安定したものでなければならない。
 以上でございます。
#430
○脇雅史君 言葉、このことの意味するところというのは割と重いなと思っていまして、我が国はずっとこういう意味での公務員の政治的中立性ということを守ってきたんですね。
 今言われています政治任用ということはこれを否定することになるのですが、この規則もお変えになるおつもりでしょうか。
#431
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私どもは、今政治主導によってこの国を大きく変えていきたいと、そのように思っておりますが、それは官僚依存の政治をやめて国民の代表たる国会議員がもっと責任を持って国の政策を意思決定できるようにしてまいりたいと、その思いの下で、今、政府内の国会議員を増やすだけではなく、例えば政務三役の補佐機能を充実をさせていきたいと、そのように思っております。いわゆる政治任用という職の新設、増員を行っていきたいと思っております。
 このいわゆる政治任用に関しては、これは特別職でございまして、今お話がありました人事院規則一四―七の精神は基本的には一般職の公務員を指すわけでございまして、そのような意味において政治的中立性というものは基本的に守られていかなければならないとは考えておりますが、必ずしも特別職は一般職とは同じではないという立場で政治任用ができると、そのように考えているところでございます。
#432
○脇雅史君 そうしますと、今現在一般職の人を特別任用するということはないんでしょうか、政治任用するということはないんでしょうか。
#433
○国務大臣(仙谷由人君) 御質問の通告受けていませんけれども、御本人がそのことに同意をし、あるいは希望すれば、一般職から特別職への任用ということも十二分にあり得ると思います。
#434
○脇雅史君 そうすると、同じ職務であっても一般職であったり特別職であったりするということができるという意味ですか。
#435
○国務大臣(仙谷由人君) 今の法制度の下では一般職と特別職はおのずから職が違いますから、そんなことはあり得ないということであります。
#436
○脇雅史君 ちょっと分かりにくいんですが、そうすると、一般職の方を特別職に任用して、それを政治任用としてもいいのかもしれませんが、一般職を政治任用することはないということですね。
#437
○国務大臣(仙谷由人君) 脇先生の質問の御趣旨が全くよく分からないのでありますが、政治的に一般職の国家公務員を、いわゆる一般職に必要な試験とかなんとかを抜きにして任用するということはあり得てはならないし、あり得ないと、こういうことであります。
#438
○脇雅史君 この間も質問したんですが、今の一般職の政治的中立というような趣旨からすると、民主党の職員を一般職として雇われたということは少し趣旨に反するんじゃないかなという思いがしていまして、厳密に言うと違法ではないんですけれども、余り望ましいことではないかのように私には思えるんですが、どうですか。
#439
○国務大臣(平野博文君) 脇先生にお答えいたします。
 昨年も先生から御指摘を受け、資料を先生のところにお届けした次第でございます。もう先生も今既に法的には云々と、こういうことを言われておりますが、ですから、そういう疑念を持たれないようにきちっとすることが大事であると、こういうふうに思います。
#440
○脇雅史君 総理にお伺いしますが、この人事院規則の政治的中立ということは、一般職においては今後もこのまま維持されるということでよろしいんですね。
#441
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) そのように考えております。
#442
○脇雅史君 それでは、陳情ということについてちょっとお尋ねをしたいと思うんですが。
 まず、ちょっと話が飛びますが、輿石参議院議員会長、教育に政治的中立はないということを去年二度ほど発言されていましたが、これはちょっと乱暴な言い方だなと思うんですが、総理はいかがお思いでしょうか。
#443
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然、教職員、教育職にある人間は政治的に中立を保たなければならないことは言うまでもありません。
 輿石参議院会長の発言は、ややこれは誤解されて伝わっているのではないか。本来政治的中立であるべき者が必ずしも政治的に中立ではない状況が起きているのではないか、いろいろな局面の中で政治的な中立性が侵される、政治の色によって教育というものが染まることがあってはならないという意味でむしろそのような発言をされたと、そのように理解をしております。
#444
○脇雅史君 誤解というよりかなり明快に二度ほど言われていますので、私は確信犯のように見えるので、やはり総理からその辺のことはきちんと、総裁、総裁じゃない、何だ……(発言する者あり)代表か、ごめんなさい、代表と幹事長代理ですか、代行ですか、という関係もあるわけですから、注意されたらどうでしょうか。
#445
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) この委員会などでそのような御質問をいただいたものですから、私は輿石会長に確認をいたしたところ、そのようなことを輿石会長から伝えていただいたということでございまして、その意思疎通は図っております。
#446
○脇雅史君 そこで、そういう意向は伝わったといたしましても、例えば教育関係で陳情に行きたいというときに、民主党の幹事長室へいらっしゃいと、こうなりますね。教育問題で陳情したい、民主党の幹事長室、輿石さんもおられる、輿石さんは政治的中立は保つんだともう今思われているかもしれませんが、そこへ陳情に行くということは若干変じゃありませんか。
 教育の政治的中立を守るのに、陳情先は、文科省へ行っちゃいけない、民主党の幹事長室へ来い。民主党の幹事長室というのは中立であるはずがないですよね。いかがでしょう。
#447
○国務大臣(平野博文君) 先生が御指摘されるようなことがあっちゃいけないわけでありまして、画一的にそういうことを決めているわけではありません。したがって、効率的に、いわゆるそういう陳情政治をしないような仕組みとして効率的にやろうと、こういうことでありまして、先生の指摘された点については、決して幹事長室でなきゃならないと、こんなことを決めているわけではありません。
#448
○脇雅史君 私も全国回っていますと、県連に来いとか幹事長室じゃなきゃ駄目だとかいうような発言を聞くものですから若干危惧をいたしておりまして、元々一般職の行政というのは政治的に中立な存在ですから、そこへ陳情に行くというのはいいと思うんですが。
 党に勝手に行くのはいいですよ、私のところも来ますし、民主党に行くのもいいんですが、ルートとしてそこへ絞るんだというような言い方が聞こえてくるから、おかしいんじゃないでしょうかと。今の発言ですと、絞るということをされないと。
 新聞で伝わっていますが、陳情は民主党幹事長室に限るということはないんですね。
#449
○国務大臣(平野博文君) そういうふうに拡大誇張されて発信されているというのは新聞にも見聞きをいたしますが、そういうことを趣旨としてやっているわけではありません。
#450
○脇雅史君 現場ではそういうやり取りがあるんです。幹事長室以外駄目だぞと、おれのところへ来いというような指導がなされていますので、是非今のお話を、末端までと言っちゃ失礼ですが、隅々まで徹底させてもらうように、今日限り民主党の幹事長室に陳情が絞られているということはもうないということで確認できたわけですから、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)いや、行政に行くなということを言われているから問題にしているんです。
#451
○国務大臣(平野博文君) 行政に行くなとか、そういうことは言っているとは思いませんし、私も今党の役職ではありませんが、今先生の言われたことについてきちっと党の方にお伝えをいたします。
#452
○脇雅史君 是非徹底をしていただきたいと思います。
 次に、建設業についてお聞きしたいんですが、来年度、今のこの予算原案ですと一八・三%減と言っていますが、多分工事費ベースになると三割ぐらい減るんじゃないかなと思うんですね。必ずしも我々も大きな顔できないんですが、自民党時代に随分、建設業、仕事を減らして痛んでいます。痛んでいる中でいきなりこれ三割も工事量を減らしますと、大変なパニックが起こるんじゃないかなと。倒産、失業ということが大変起こるんじゃないかなと心配しています。特に今年の夏以降どうなんだろうかと。
 その辺、どんな予想をされていますか。
#453
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど脇委員にお話をしましたように、使うとおしかりをまた受けるかもしれませんが、三つの制約要因がある中で、我々は政権交代の後、コンクリートから人へというフレーズの中で、申し訳ございません、コンクリートが悪いということではありません、予算の配分を変えさせていただいたということでございます。
 例えば、地方交付税は地方に増えます。そして、子育て手当、子ども手当というものが該当者には行きます。そして、農業の戸別所得補償というものが実施をされる。また、高校の無償化。様々なことを考えますならば、むしろ今回の政権交代による予算の配分の変更によって地域に落ちるお金は増えると思います。
 ただ、二つ申し上げたいことがあって、一つは、脇議員がおっしゃっている公共事業につきましては、大体地域に落ちるお金というのが六割とか七割ぐらいでありまして、ゼネコンが取るとこれは地域に落ちないわけであります。もう一つは、先ほど委員が御指摘をされましたように、雇用の問題、ここをやはり深刻に考えなくてはいけない。どうやって転業支援を図っていくのかとか、あるいは地域によってはPPP、PFI、つまりは民間の資本、知恵を使った社会資本整備をどのようにつくっていくのかということも様々な観点から考えていかなくてはいけないと考えております。
#454
○脇雅史君 ちょっと甘いというか安易というか、私が全国を回っていろいろお話を伺っている中ではそんな甘いものじゃありません。本当にもうつぶれそうだという会社はたくさんありますし、命を守ると総理は言われていますが、命を落とす建設会社の方もかなり出てくるんじゃないかと私は本気で心配をしています。そして、いずれにしても、予算をどんどん増やせというわけにはいきませんから、それなりの配慮はするんですが、地域にとって良質な建設産業というのは不可欠なんですね、必ず要るんです。いい会社を残してもらうという選別も必要かもしれません。
 業界の皆さん方も、今更全員守ってくれとは思っていらっしゃらないと思うんですね。いい会社を残す。いい会社を残すときに、一般のいろいろな商売がありますけれども、いい悪いって結局は消費者が選んでいるんですね。消費者が認めたいい会社が残っていく。建設業、公共事業の消費者って、買う人というのは結局は発注者なんですね。だから、発注者がいい業者、悪い業者ということをきちんと選んで、地域のために本当に必要だと思う会社とそうでない会社、安けりゃいいという精神ではなくて、本気で選ぶということが大事なんですよ。それが建設業をきちんと淘汰、整理していく中で大事なことなんですね。ですから、今までと違って安けりゃいいという精神は是非お捨てになっていただきたいと思うんです。
#455
○国務大臣(前原誠司君) 今の御指摘は、もう全く私一〇〇%同感であります。百万円以上の完工高の会社は二十万社ぐらいだと思いますけれども、登録をしている業者というのは五十万以上あると思います。
 そういった中で、先ほど委員がおっしゃったことで私が今思い付いたことで申し上げれば、間を抜いて下請に回して、そして利益だけ取って、そして人も技術者もあるいは機材も抱えているところが借金で経審の点数が低くて、そして結果的に努力しているところが仕事が取れなくて、そういったペーパーカンパニー、中抜けをしているところが仕事が取れるというようなことはやはり改善していかなくてはいけないと思っております。技官であられた先生には、そういった意味におきましては全く考えは一緒でございますので、アドバイスをいただき改善をしていきたいと、このように考えております。
#456
○脇雅史君 本当に建設産業が始まって以来の大危機、未曾有の危機だと思っていますので、是非きめ細かい対応をお願いしたいと思っています。
 そしてもう一つ、デフレ宣言が出ていますね、どんどんどんどん安くなる。建設産業というのはまさにデフレの先頭を走らされてきたんですね。安けりゃいいという発注者がいて、仕事を減らして過当競争をしていますから、どうしても安値受注に行くんですね。それを止めるためには、デフレ宣言が出ている間は価格競争はやめにしたらどうだと。さっき言ったような意味でいい会社を選んでもらうと。価格というのはコントロールは発注者ができるんですね、自分で決めるんだから、普通の業界と違って。適切な価格をきちっとはじいてもらって価格競争は当分しない、そのぐらいのことをしないと今建設産業はみんな消えてしまうんですよ。どうですか。
#457
○国務大臣(前原誠司君) その御指摘もそのとおりであると思います。ダンピングの防止をしっかりやるということと、最低価格、これ今上げております。余り低過ぎるとたたき合いになって、利益を得ないのに取るというようなところも出ておりますので、そういったものについてはちゃんと見直していく。そして、透明度の高い、より透明度の高い総合評価方式というものをより採用して、今委員のおっしゃるような安けりゃいいというような形ではない形の入札方法、しかし、それは一般競争入札という競争性の高いものでしっかりと担保していきたいと、このように考えております。
#458
○脇雅史君 大分意見がかみ合ってきて有り難いんですが、是非よろしくお願いをいたします。
 それでは、次は防衛省の発言注意の問題。
 北澤大臣にお伺いしたいんですが、新聞報道等で伝えられるところを見ると、必ずしもそんなに注意に値しないんじゃないかなという気が私はするんですが、何が悪かったんでしょうか。
#459
○国務大臣(北澤俊美君) 連隊長の処分のことだと思いますが、これは、六師団に対して報道機関の方から確認のお話がありまして、そこで調査をするように命じまして、その結果、報道機関から流れてきた事実と同じであるということでありまして、なぜ悪かったかということになれば、それは国家の意思である政治や外交を否定するがごとき発言である、さらにまた総理の発言をやゆするような内容の発言があったということで、法令に基づいて処置をしたと、こういうことであります。
#460
○脇雅史君 そう言われますけれども、私にはそうは見えなくて、むしろ外交の場でトラスト・ミーと言われた総理の発言の方に問題があるんじゃないかと。注意するとすれば、北澤さん、総理を注意された方がいいんじゃないでしょうか。
#461
○国務大臣(北澤俊美君) 大変に見当外れの御発言でありまして、総理の発言が日米の間でどういうふうになっているかということは、野党の方は政権を批判するから批判されておりますけれども、決着の付いた話でもない総理の発言を現場の指揮官が日米の合同のスタートのところで批判するというのは、組織、ましてや実力を持った自衛官の指揮官としてはあるまじき行為と、こういうふうに思います。
#462
○脇雅史君 まあ見解は分かれるところで。
 宮中茶会という宮中のお茶会がございますね。これは私は四名ぐらいの方にお聞きしたんですが、今年宮中にお茶会で出かけてみたら、非常に違和感を感じた、何か修学旅行生が来ているんじゃないかと言っていたと。そこに若い方々がわっと騒いで、陛下がお出ましになっても非常に良くなかったんじゃないかというようなことを言われる方がいまして、これはやはり国会議員の方が随分行かれたんだと思うんですが、総理、是非、まあ我々の、我が党にいたかどうかも分からないんですが、民主党の若い人だと言う人もいるんです。だから、是非、宮中へ行かれるときにはきちっとそれなりの敬意を持って行くべきだと思うので、調査をして、もし該当するような人があったらきちんと対応をしていただけませんでしょうか。(発言する者あり)
#463
○国務大臣(平野博文君) 子分ですか。先生の御指摘、もしそういう事実があれば本当に申し訳なく思います。厳粛な気持ちで臨むということは当然でございますので、念のために調べをしておきたいと思います。
#464
○脇雅史君 これも相手を責めるというだけじゃなくてお互いみんな心すべきことだと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 最後に、辻元さんにお聞きして、これは余りお聞きもしたくないんですが、私もあちこち行って言われるものですから、かなり迷惑されているんじゃないかなと、辻元さんも、思うんですが、いろいろ書かれていますね、雑誌で。それで、お金の話とかいろいろ出ているんですが、このことの中身を今この場で私言う気はないんですけれども、辻元さんの代理人の方から質問に対して、変な記事は書くなよと、私たち関係ないんだということを言われていますよね。もし本当におかしかったら法的手続を取るぞと言っているので、建設関係の問題でもあるし、私もまた金の問題で政治家のがたがたする話はしたくないですし、是非きちっと毅然とこの問題については対応されたらいかがかと私も思うので、この弁護士さんの法的手続を取らざるを得ませんと言っていることについて、取った方がいいと思うんですが、取られましたか。
#465
○副大臣(辻元清美君) 今御指摘の件なんですけれども、私も週刊誌にはかなりいろいろ今まで書かれてまいりました。誹謗中傷のたぐいもあれば、事実無根のものもたくさんありました。一つ一つ本当に目くじらを立てていても仕方がないような記事もございます。ですから、その一つ一つをしっかり判断をして対応をいたしておりますので、御心配いただきましてありがとうございます。本当に一つ一つ丁寧に対応していきたいと思っておりますので、また何かありましたらアドバイスをいただければと思います。
 ありがとうございます。
#466
○脇雅史君 終わります。
#467
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。義家弘介君。
#468
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 今日は、このような場に立たせていただいたこと、心から感謝していますが、多くの方から本当にいいタイミングで良かったねという声を掛けられるわけですけれども、私にとってはちっとも良くありません。教員たちの違法な活動が明らかになり、その混乱の中で、今子供たちは多分六時間目の授業中でしょうか、今我々がこうしている間もその先生方から授業を受けているという現実の中で、私は教育に救ってもらった人間ですから、しっかりと覚悟を持ってこの予算委員会に臨もうと思っております。
 まず、鳩山総理にお伺いいたします。
 今日、三月三日は総理の御地元の北海道の子供たちにとって特別な日となっておりますが、今日は何の日か御存じでしょうか。
#469
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 全国的にひな祭りであることは存じておるんですが、北海道の子供たちに特別に何かというふうに言われても、一瞬、恐縮でありますが、浮かばないんであります。
#470
○義家弘介君 本日は北海道の公立高校の入試の日であります。
 皆さんは、高校無償化法案、これを四月から始めるということでやっておりますけれども、今、彼ら一生懸命入試をしていますが、例えば高校受験をする彼らが試験の前に遅刻してきたら、テストは受けれるでしょうか。いろんな事情があろうとも、その自分の人生を左右する高校受験の場所に五分、十分遅れてきて、申し訳ありませんでしたと頭を下げれば、彼らはテストを受けさせてもらうことができるでしょうか。できないんですよ。
 彼らは、中学三年生の教科書で、公民の中で、私も社会科の教師ですが、国会という場所は国権の最高機関であり、唯一の立法機関である、そう習ってその内容をテストで答えているわけです。今、地元の中学三年生が試験が終わり、そしてテレビを付けて国会の様子を見たなら、一体どんな失望した気持ちになるでしょうか。
 今、この政治と金をめぐる、まず総理のマザコンの問題、小沢幹事長のゼネコンの問題、そして日本教職員組合の裏金のコントロールの問題、この三大疑惑が今大問題となって国民に批判を与えておりますけれども、まず北教組については、三月一日に札幌地検が政治資金規正法違反容疑で長田秀樹委員長代理など幹部ら三名を逮捕いたしました。現在、北教組は委員長が空席になっておりまして、長田委員長は北教組の最高責任者であります。事態は、北海道教職員組合の最高責任者以下幹部が逮捕されるという重大な事態に発展しています。
 規範意識とか道徳心を教える、そういう教育をつかさどる者たちが、北教組では、今まで再三指摘してきましたが、自らのイデオロギーを具現化するような授業や教案をつくり、そしてさらに、選挙の折に莫大な公金を原資とした裏金を使い、違法な先生たちの動員によって、まさに自分たちのイデオロギーを実現するために議席を買っていると言われても仕方のないような状態に総理の御地元である北海道はなっております。
 自民党は、二月の十八日に私を団長とする調査団を現地に派遣しまして、様々な関係者と具体的意見を交換してまいりました。まずは、現職の教員、管理職も含めた現職の教員から得られた驚くべき証言の数々をここで紹介したいと思います。
 まず、各選挙における動員や資金カンパなど、具体的な指示は北教組からあるのか。支持者カード集めは十枚程度のノルマがあった。電話掛けは当然だが、私は校内では行わず、組合事務所や自宅で行っていた。動員も当然。動員表などが作られ、役員が配分している。断ることはできない。市町村などの選挙の規模や北政連の候補者であるかによってノルマの差がある。北政連の候補者である場合はノルマがかなり厳しい。なお、投票日前日の土曜日は証拠を隠滅するようにとの指示が組合から来る。さらには、選挙の際は運動員としてポスティングや戸別訪問をやらされることが多い。勤務時間外に自分の学区以外の場所で行う。運動員としての労務費は出ないからボランティアになる。やっていられなくて組合を脱退する者が多い。平和闘争資金という名称のカンパがあり、選挙前は一人千円ぐらい組合費に上乗せされる。組合費は月額一万円程度、以前は天引きだったが、給与が振り込みになった後はろうきんとの提携で引き落とされる。選挙活動などで教員の選挙活動は言うまでもなく違反とされていることですけれども、政治的活動の制約があるところですが、多くの組合員がそれが違法行為だと知っているのかということに対しては知らないと。多くの教員は知らない。通常の公務員は自身が関係する法律については勉強するけれども、教員には意外とそれがない、知らない先生が多いと。そして、校内でイデオロギーがある人が一人でもいると、なかなか逆らえないような職場の環境がある。
 そこで、まず鳩山総理にお伺いしますけれども、この総理の御地元の日教組の中の北海道の北教組は、去年の大会資料の中で、総選挙に際し、北海道十二の小選挙区すべてで組織推薦候補の勝利を目指しており、組織推薦候補としては連合北海道が推薦、協力、決定をした候補者のことだが、鳩山総理、鳩山総理は北教組から選挙やパーティー券の購入などの支援を選挙の折に受けているでしょうか。
#471
○委員長(簗瀬進君) 答弁の前に、ただいまの義家君の発言の中で不穏当な言辞があったとの指摘が与党理事の方からございました。
 このことについては後刻理事会で議事録精査の上、判断をしたいと思います。
#472
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今お尋ねでありますが、必ずしも即答できなくて恐縮でありますが、多分、北教組の皆様方にもいろいろと応援をいただいているのではないかと、そのように思っております。
#473
○義家弘介君 どのような応援を受けているか。例えば、今この裏金の問題がすごく大きな事件になっていますが、御自身の御地元、選挙の折のこと、しっかりとチェックしているでしょうか、総理。
#474
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私自身に関しては、そのような裏金のような話は存在しないと確信をしております。チェックしても結構でありますが、そのことは確信をいたしております。
 ただ、現実に北海道において今、北教組がいわゆる政治資金規正法違反で逮捕者が出たということは大変遺憾なことであります。このようなことがある以上、特に教職員の方々は子供さんに対して大変影響の大きな方々でありますから、このようなことがないように努めていかなければならないことは言うまでもありません。どのような団体であれ、このような法令違反というものを犯すことは決して断じてあってはならないことだと、そのように考えております。
#475
○義家弘介君 法律では教育公務員特例法というものが存在しまして、その十八条では、教員の政治行為については国家公務員と同等の規制が掛かっておると。つまり、組織立って教員という地位の中で選挙活動を行っていく、これは違法な行為である。そのことは総理自身もしっかりと分かっておりますよね。
#476
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 教職員の方々は、いわゆる国家公務員並みのそういった政治活動が禁止されているということは存じております。
#477
○義家弘介君 だとすれば、総理の選挙の折、組合の動員によって学校の先生が半ば強制的に総理の選挙を手伝わされたという実態、あるかないかお答えください。
#478
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は今、存じ上げてはおりません。
#479
○義家弘介君 すぐに地元に連絡して確認するという思いはありませんか。
#480
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 必要に応じて確認することは結構だと思います。
#481
○義家弘介君 先ほども言ったとおり、今、北海道の保護者あるいは子供たちあるいは真っ当に頑張っている先生たちは非常な困惑の中にいます。
 例えば、北海道でありましたら三月の十九日でしょうか、大体卒業式が行われる。この卒業式の折にも、北教組のイデオロギー活動の一環として日の丸・君が代闘争というのが現在でも行われているわけですけれども、この違法な組合活動や偏向教育の問題について、これは地方公務員法第三十三条信用失墜行為の禁止、あるいは三十五条の職務に専念する義務などで定められており、例えば、勤務時間中の組合活動はこれは違反であるということ、これは三月一日の予算委員会の質問で我が党の馳浩議員より政府に確認したところであります。その中で是非、これは衆院でも読み上げられたものですけれども、改めてテレビを通じて国民の皆様にもこの北教組の違法な活動の実態を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 これはよく、日教組、北教組は昔は過激だったけれども今はという声を聞くわけですけれども、二〇一〇年二月一日月曜日、十四時二十七分にある中学校に対して入ったファクスです。さて、この十四時二十七分、文部科学大臣、これは勤務中ですよね。
#482
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 過日の衆議院の部分でその文書をいただきまして、後刻、御質問いただいた馳議員から実物のコピーをいただきましたので、早速、今日調査を、問い合わせをすることを、北海道の教育委員会に対して事実関係調べるようにという指示を、要請をいたしましたが、その日は平日で、学校をやっている日であることは間違いございません。
#483
○義家弘介君 引き続き、これが地方公務員法違反であるということをもう一度確認したいと思います。
#484
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 お触れいただきましたように、地方公務員法の職務に専念する義務ということで、第三十五条に、「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」ということでございますので、公立学校の教職員については、地方公務員法により、職務専念義務ということで勤務時間中に組合関係の文書をファクスで送信したり組合の会議を行ったりするなどのことは禁じられているということでございますので、先ほど申し上げたように、現在、組合活動が行われたかどうか調べるようにということを指示をいたしました。
#485
○義家弘介君 実は、このファクスは我々が入手している中の一部なんです。まだまだたくさんの問題の状況というのがあるわけですが、この資料の中でまず、問題だと思われることは幾つもありますが、先日は連日のファクス連続攻撃を掛けてしまい申し訳ありませんでした、ということは、恒常的に組合が学校のファクスを使って組合の連絡をしているということが明らか。
 さらには、小学校から中学校に行っているわけですが、十四時二十七分、これは授業中です。この時間にどんどんファクスを送れるということは、もしかしたらやみ専従がいるんじゃないのかという疑いも疑われる状況であります。
 さらに、第十五回分会長会議は二月九日火曜日の四時三十分に○○小学校で行いますと。これ、○○小学校も勤務時間中の学校で堂々と行う。内容ですけれども、括弧の中に入っております、日の丸・君が代、今後の自主編成。この今後の自主編成とは、指導要領を逸脱した自主編成教材を北教組は使っているという大問題が常々指摘されていますが、それについてであります。
 これらのファクシミリを見て、総理、どのようにお感じになりますか。
#486
○国務大臣(川端達夫君) 先ほども申し上げましたように、御指摘のファクス、そして今の御指摘含めて職務専念義務違反の御指摘でございますので、教育委員会を通じて実情をしっかり調べるようにということを指示を併せてしたいというふうに思います。
 加えまして、先ほどの選挙に関する逮捕者の問題に関しましては、これも事件が重大であり、教育現場においてこういう事態が起こったことは極めて遺憾なことでございますので、既に二月十六日に、いろいろ報道されている、先生の御指摘のことも含めて報道されていることで現職の教職員が教育公務員法違反に該当する事象がないかどうか、報道ではこういうことを言われている、こういうことを言われているけれども事実かどうかを調べるようにという指示も既に出しておりまして、当然ながら法令違反は許されるべきことではないので、そのことをしっかり調べて、教育委員会と連携を取って適切厳正に対処してまいりたいと思っております。
#487
○義家弘介君 改めて総理にお聞きしますけれども、このような組織活動を行っている北教組の全面支援を受けている民主党ということについてどのようにお感じになるでしょうか。
#488
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私などは持論で憲法の議論など盛んに行っていたものですから、必ずしも北教組の皆様方には好まれていなかった部分があったのではないかとも思っております。
 個人的なことはともかく、一つの政党、例えば民主党が北教組あるいは日教組に支援をいただいている、そのこと自体が当然悪いことであるわけではないわけでありますが、北教組がこのようなことを犯してしまっていると、特に幹部の方がこういうことを犯してしまっているということは大変遺憾なことだと。法令を破るような行為は到底許されないことでございますし、今このファクシミリも拝見させていただきましたが、授業時間中にこのようなことが平然と行われていたということになれば、決してこのことはよろしくない話だと、そのように思って、先ほど川端大臣が申したとおりにしたいと思っております。
#489
○義家弘介君 私自身、やはりこの問題は、小林千代美議員が辞職することによって道民の皆さんに本当に北海道の教育はこれでいいのかということをしっかりと審判を受ける責任があるのではないか、そう思うわけですけれども、総理はいかがお感じになりますでしょうか。
#490
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 議員辞職の問題は、これは事実関係をしっかりと把握をする必要があろうかと思っておりますし、まさに国会で御議論をいただくことが肝要ではないかと思っておりますし、まさにそういった出処進退は基本的には本人の意思の問題だと、そのように思っております。
#491
○義家弘介君 私自身、これは実は今始まったことではなくてずっと行われていた、さらには、今回は小林千代美議員の運動員のお金を払う払わないがきっかけとなって裏金が発覚して大問題となったわけですけれども、例えば、前回の郵政選挙においては、全面支援している候補者は横路候補者、鉢呂候補者、そして一区から五区までにそれぞれ専従の担当を付けまして、全面的に支援していこうという運動の取組が行われています。
 私は、総理が命を守りたいという演説をしたとき、抽象的だとか情緒的だとか言う人もたくさんいましたけれども、私は実は心を打たれた人間の一人であります。やはり命というもの、これをどう大切にし受け継いでいくかというのは大事ですけれども、その中で忘れられないのが、北海道の滝川でちょうど二〇〇五年の九月に起こった、小学六年生が朝いつものように登校し、そして教室で首をつっているのが発見されたという事件がありました。そして、その事件の折、その六年生はいじめられたという思いを七通の手紙にして教室に置いてあった。
 しかし、学校及びその教育現場はその内容については隠ぺいし、一年後に保護者の手によってその遺書が公表され、それからいじめ自殺の連鎖という悲しい事態に発展していったわけですが、この子は一番悩んでいたとき、北教組はこの指令書が出回り、選挙のために、何と書いてあるかというと、具体的には、組合員一人五人支持者獲得を目標とすること、支持者カードは紹介カードではなく、個々に面接、電話、親書などで支持を確認したものを記入し、第一次が九月二日金曜日締切り、第二次、九月八日木曜日締切りという具体的指示まで出しながら教員たちのけつをたたき、教員たちの違法活動を助長していたというものであります。
 こういった、ずっと続いている流れに対して、断ち切らねばならないという思い、総理、ありませんでしょうか。
#492
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) その滝川の女の子の自殺のことは私も覚えております。元の選挙区でありました、それだけではありませんが、大変ショックを覚えたのも事実でございます。
 そのことに対しては、当然、いじめの問題、あるいは子供さんがこのような形で、暴力行為などがあっていろんなメッセージを出していたにもかかわらず、これは学校もあるいは親御さんもそのことが必ずしも十分にシグナルが聞き取れなかったというようなことは大変私は大きなテーマだと思っておりまして、子供さんだけではなくて、自殺の問題、特に三月はそういった事例が多い月でもあるということで、自殺がないような、特にお子さんのいじめというものがないように政府としては積極的に努力をしていかなけりゃならないと思っております。
 そのことと先ほどのいわゆる北教組が行っていることは必ずしもすべてがイコールで、だからという因果関係であるとは思っておりませんが、もしそのようなことに専従をするが余り子供たちの心に必ずしも十分行き届かなかったというようなことがあれば大変な問題だと思っておりまして、そのことも含めて真剣に努力をしてまいりたいと思います。
#493
○義家弘介君 北教組及び違法な活動をしている日教組との関係を断ち切るという思いはありませんか。
#494
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大事なことは、違法な行為をしないようにするということだと思っておりまして、根本的に改めてもらわなければならないところはあろうかと思います。選挙において合法的な立場の中でほとんどの方々は応援してくださっていると、そのようにも思っておりますから、そういう意味で断ち切ろうなどというような考え方を持っているわけではありません。
#495
○義家弘介君 それでは、次のパネルをちょっと提示したいと思います。二〇〇九年度の卒業式。
 これは、実は二〇一〇年、また一月二十九日の金曜日に北教組の会合において出されている資料であります。日の丸・君が代、この取扱いの仕方について、自分たちのスタンスとどのような方法で反対運動をしていくのかというマニュアルが、実はこれは一枚目をコピーしただけで、全十三ページのマニュアルが付されています。そして、学校、校長には具体的にこのように抵抗しようと。それで、最終的に強行された場合は、何と対抗戦術として町からの依頼業務等は全部拒否すると校長に脅す、さらに超過勤務は全部拒否する、それから卒業式後、入学式後一週間、朝の打合せで必ず分会代表が学校長に抗議表明を行う、それから研究指定校は返上するというような対抗戦術まで出ているマニュアルであります。
 このような実態が、今これ一月二十九日に出されている北海道の先生方の資料ですからね、これについて、総理、どう感じますか。
#496
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 資料の性格とか内容を正確に把握していないということでありますが、中身においていいますと、日の丸・君が代に関しては、これは既に国旗・国歌法と同時に学習指導要領でも国歌・国旗は我が国のは当然として他国のものに対しても尊重する態度をしっかり養うように、そして国歌も歌えるように指導しなさいということを指導要領で定め、各教育現場に指導しているところでございます。
 また、そういう意味で、この資料でいろいろと書いてありますけれども、実際の現場の実情として教育委員会等々から報告を求めたところであれば、いずれも、例えば公立の小中高等学校は国旗掲揚及び国歌の斉唱の実施率はおおむねいずれも一〇〇%ちゃんとやっていますという報告でございます。
 あるいは、いろんな個々のやり取りのことが書いてありますけれども、教育委員会としては、今まで法に定められた、そして指導要綱に定められたとおりにしっかりやるようにという指導をしておりまして、現場の実態として先ほど御指摘をいただきましたような問題が本当に行われていたら職務命令違反ということで許されることではないという認識をしております。
 これも実情は調べてまいりますが、現実のところ、そういう問題が起こっているという、現に現場としてそういう問題が起こっているとは受けておりません。
#497
○義家弘介君 それでは、後ほどこの十三ページに上るマニュアル書を大臣に渡したいと思いますが。
 北海道は、教育次長、ナンバーツーは文部科学省から行っておりますよね。どうしてこういう問題についてしっかりと連携して、問題が起こっているということが分かっているにもかかわらず、連携してその問題を拾い上げることができないのか、その辺についてのお考え、是非文部科学大臣、教えてください。
#498
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 いろんな事象で教育現場が、我々がしっかりと指導しなければならないことに反する事象が起こっていることについてはしっかりと報告を求め、連携を取り、対処するという連携は十分取っているつもりでございます。
 今申し上げましたように、ここの今御指摘の資料では、こういうある種の運動方針というんですか、出されておりますが、現実にそのことが実施され、教育現場が混乱し、あるいは教育委員会、我々が指導すべきと思っている事象に反することが起こっているという事態は今のところ認識をしておりませんが、引き続き、御指摘でございますので、しっかりと連携を取ってまいりたいと思います。
#499
○義家弘介君 多分、文科省も持っていると思いますが、この大会資料、これは結構安易に手に入りますから、この中を読み込んでみてください。いかにすごいことが行われているか、そしていかにひずんだ教育現場かということが明らかになると思いますので、これも後日、大臣にお渡ししたいと思います。目的は、政党とかのためではなく、子供たちのためである、その思いでお渡ししたいと思います。
 もう一点、北教組の学習指導要領違反の偏向教育の例を挙げますと、竹島についてです。昨年も総理にこの問題について質問したところですけれども、歴史的事実を冷静にひもとけば、韓国の主張の方が事実にのっとっていることが明らかとしているわけですけれども。
 さて、昨年十二月二十九日の朝鮮日報に、北教組の信岡聡書記次長がインタビューに答えています。ちょっと長くなりますけれども、さらっと読みます。
 まず、韓国側の主張を支援する内容を、これは翻訳してもらった日本語にしたものですけれども、内容を学習資料に盛り込んだ理由、つまり、これ、学習資料ってあるはずなんですよ。この韓国側の主張を支持する内容を学習資料に盛り込んだ理由をという質問ですから、資料がある、これ是非、入手していただきたい、を問われたとき、去年七月、政府が中学校の教科書学習指導要領解説書に竹島問題を含めるという話を聞き、何度も研究を行った。解説書に竹島問題が含まれれば、教科書に内容が載らざるを得なくなる。教師は無視できない。どのみち教えるほかないなら、対立について教えるのではなく、平和教育の範囲内で韓国側の立場を生徒に十分に知らせることが重要だと考えたと。というようなとんでもないことを朝鮮日報のインタビューに答えております。
 そこで、岡田外務大臣に問いますが、この北教組の、日本の竹島の領有権の主張は、戦争中に用途が生まれ、主張し始めたものだ、明確に日本の領土だと主張できるだけの根拠を探し出すことができなかったという発言、我が国の政府見解に対して、いかがでしょうか。
#500
○国務大臣(岡田克也君) それぞれの個人の意見はあるでしょうが、我が国の制度、我が国の政府としては、竹島は我が国の領土であるということで一貫しております。
#501
○義家弘介君 その上で、この北教組の書記次長が、日本の教育には近隣諸国条項というものがある、教科書を記述する際に、教室で生徒たちに教える際、近隣の国に配慮しなければならないという原則だという話ですけれども、川端文部科学大臣に問います。北教組幹部が言うように、竹島問題を教科書に載せることは近隣諸国条項から許されないものなのでしょうか。
#502
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 教科書は学習指導要領及びその解説書に基づいて教科書作成の人たちがその創意工夫で作られていることは御承知のとおりだと思いますが、その中で検定作業というのが行われます。その中で、近隣諸国条項という概念はございます。ただ、それは、近隣諸国条項は、近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮を求める規定であり、我が国の領土問題とは関係がないと承知をしております。
#503
○義家弘介君 ありがとうございます。
 しかし一方では、北海道の子供たちには竹島は歴史的に見れば韓国の領土だという教育が行われている実態もまたしっかりと受け止めた上で、調査を文部科学省としてもしっかり行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#504
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 委員御指摘の学習資料は、いろいろと御指摘をいただき問い合わせをしたんですが、学校の教育現場で使う学習の資料ではなくて、どうやら、労働組合の組合の討議資料ということのようだという情報までしか私は今正確につかんでおりませんが、現実に学校現場においてここで主張しておられるような教育が行われたということは承知をいたしておりません。
 引き続き、学習資料がどういうものかということ自体はもう一度問い合わせてみたいと思います。
#505
○義家弘介君 職場討議資料については以前出したものですけれども、この学習資料、私も入手しようと今いろんなところで話をしていますけれども、まず、それが明らかになった時点で共に北海道の子供たちのために行動していただきたいと、これは心からお願いいたします。
 昨年十一月十日、参院予算委員会の際に私がこれらの質問をしたときに総理は、今教えていただきました、必ずしも把握していたわけではありませんというような答弁がされたわけですけれども、その答弁が事実だとしたら、昨年の十一月になって初めてこの北教組の異常さに気付いたという答弁ですけれども、北海道の教育の実情、総理、このままでいいと思うか、あるいは駄目だと思うならどうしていくべきか、是非お答えください。
#506
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) ただいまも義家委員からるる北教組の、私どもから見ればかなり偏った意見というものが盛り込まれた指導がなされていると、そのように理解をいたします。
 したがいまして、先ほど川端大臣もその実態をしっかりと調査をしながら正すべきは正していかなきゃならぬと、そのようにも思っておりますし、私としてもそのような方向で努力をすることが必要ではないかと、そのように考えております。
#507
○義家弘介君 実は、これは今、北教組を集中的に取り上げましたが、日教組の運動というのは別に北海道だけに限ったことではありません。様々な地域でひずみを出していますが、例えば教職員の違法な政治献金といえば平成十八年の山梨県教職員組合の違法な献金事件、これが記憶に新しいところであります。輿石東候補を応援するために一億円を超えるカンパとして裏金をつくって、問題が表面化しました。
 これについても、今実は大変な状況が起こっているわけですけれども、この事件のときに略式起訴、政治資金規正法で略式起訴されて刑事罰を受け、更に教育委員会から停職三か月の懲戒処分を受けた組合の財務部長なんですけれども、昨年春、小学校の教頭先生になっているんですよ。これ、今受け止めて、川端文部科学大臣、どうお感じになりますか。
#508
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 学校の責任ある管理体制を確立するために管理職の登用は厳格に行い、適格者を任用すべきだというのは当然のことでございます。各教育委員会において任命されるものでございます。ただ、過去に処分を受けた者を公立学校の管理職に登用するかどうかについては、大変大事な立場であるということを踏まえつつ、任命権者である各教育委員会の権限と責任の下に適切に行われるべきでございます。
 山梨県における管理職選考試験の考え方を山形県教育委員会に聴き取らせていただきました。山形県、失礼、山梨県教育委員会が任命権者であり、権限と責任を持っているということで問い合わせをさせていただきました。
 管理職登用については、懲罰を受けたことのみをもって除外しておらず、市町村教育委員会の推薦を受け、筆答試問検査と面接試問検査等を実施する中で管理能力、指導力、賞罰歴等を総合的に判断をし行っているとの回答でございました。
 以上でございます。
#509
○義家弘介君 ある教頭先生からもらった言葉が何か胸に響きます。その教頭先生はこうおっしゃっていました。組合の指示でやらされている教師たちも被害者なんです、彼らを子供たちにしっかりと向かわせてあげてくださいというふうにおっしゃっていました。
 つまり、この人事というのは、私も自民党の部会の中で全部の都道府県と政令市、調査いたしました。しかし、どこもこのような事例はありません。つまり、こういうメッセージなわけですよ。組合の言うことを聞いたら出世できるけど、言うことを聞かなかったら大変なことになるぞという無言の人事によるメッセージになっているわけです。
 これ、県議会でも取り上げられましたけれども、義務教育課長がこう言っています。処分を受けた時点でみそぎを済ませている。なお、この義務教育課長は山教組の幹部経験者です。
 川端文部科学大臣、これについてどう思いますか。
#510
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、それぞれの県教育委員会において責任を持って権限を行使していると承知をしております。
#511
○義家弘介君 こういう組合に組織的に応援をしてもらい、そして問題が起こったら、子供たちを社会全体で育てると言いながら、県の教育委員会の問題です、どこどこの問題です、このようにずらしながら行っている民主党の教育政策って一体何なんでしょうか、総理。
#512
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私どもは、例えば応援をしていただいている様々、日教組を含め労働組合の団体がおられます。そのことは感謝をしたいと思います。しかし、そういった、彼らがやや偏向した考え方を変えないとか、あるいは法に違反した行為を行っているとか、そういうことがあることは許されないことだと、そのように思っております。
 ただ、私どもは、これは明白に申し上げておきますが、例えば教育基本法の改正の議論が出たときには日教組さんとも何度も議論をさせていただいた。日教組にとってみれば、政府案よりも私どもの日本国教育基本法改正案の方がひどいと、厳しいという判断がありましたけれども、私どもはそれを作ってまいりました。
 いろいろと応援をいただきながら、政策的にそのことによって曲げられてはならない、そのような思いの下で国民のために公平公正な意思決定、政策判断をしていきたいと、これからもそのように考えておりますし、今までもそのように行動してきたと、そのように思っております。
#513
○義家弘介君 赤松農林水産大臣にお聞きします。
 インタビューの中で、日教組のことに問われたときに、北教組の皆さんも一支持者、労働者として応援してくれた面はあると思う、非常にまじめで一生懸命な組合なので、場合によってはそういうおしかりを受けた点もあるかもしれない。この非常にまじめで一生懸命な組合ってどういう意味でしょうか。
#514
○国務大臣(赤松広隆君) 記者会見のときに突然そういう質問があったものですから、これは予期をしておりませんでしたけれども、私のそのときの答えをということで申し上げました。正確にこれはお伝えしないと誤解を生みますので、新聞の見出しだけを見た方はそこの部分しか分からないので、短い文章ですからちょっと読ませていただきたいと思います。
 選挙で、私も小林さんのところへ何回も、実は選対委員長だったので応援に行きましたし、北教組の……(発言する者あり)どうしてですか。北教組の皆さん方も、立場を利用してじゃなくて、一支持者、労働者として応援してくれた面というのは確かにあると思います。非常にまじめな一生懸命な組合なものですから、場合によってはそういうおしかりを受ける点もあったかもしれませんけれども、まだ結果が出たわけじゃないので、しっかり見守っていきたいと。でき得れば、そういう罪に問われるようなことがないように私自身は希望しておりますけれども、これは司直が判断することでありますから、余りそういうことについて私の立場で不当だとか不当じゃないとか、そういうことは言わない方がいいと思っていますというのが私の全文でございます。
 これを聞いていただいて、決して私は、ほぼ模範解答だと思っておりますが、批判を受けるべきところは全くないと思っております。
#515
○義家弘介君 要するに、非常にまじめで一生懸命違法な政治活動やあるいは組合活動をしているということをお認めになったと取らせていただきたいと思います。
 本年一月二十三日、日教組の教研集会に何と五十九年ぶりに文部科学省から高井美穂政務官が出席いたしました。そして、日教組の中村譲中央執行委員長は、政治の壁が低くなり、社会的なパートナーとして認知された今、私たちは公教育の中心にいると高らかと宣言しております。
 昨年は輿石東氏が教育に政治的中立はないと言い、今度は日教組の書記長が公教育の中心にいる。しかし、政治的中立はこの事件を契機に国民的な注目も大きくなっているところですから、しっかりと政府として行ってほしいわけですが。
 衆院の質疑の中で、実は教員の政治活動を規制する教育公務員特例法第十八条で国家公務員並みにしているわけですけれども、しかし、第二条では罰則規定がないと。これについて、罰則も含めて検討するよう指示すると総理は御発言になりましたけれども、これはいつまでに教員の政治的活動を規制するための法律、しっかりとしたものにするために動くのか、是非教えてください。
 総理、総理が指示したので総理にお聞きしたいです。総理が指示したので総理にお願いします。
#516
○国務大臣(川端達夫君) 先般の衆議院の予算委員会で、いわゆる教育公務員の政治的行為の制限についての規定の中に十八条の二項ということで罰則規定が除外されているということを何とかすべきではないかという御指摘があり、総理の方から検討をすることを大臣に指示したいということでございました。
 指示をいただきまして、実情がどうであるのかというのは、先ほど申し上げましたように教育委員会に問い合わせを含めてのことが一つでございますが、昭和二十九年にこの教育公務員法のこの第二条はいわゆる議院修正というか議員立法の形で付け加えられたという経過の中でございまして、そういう経過も踏まえながらしっかりとこれからどうしていくかを検討するように、取り組むことをスタートしたところでございます。
#517
○義家弘介君 総理からも改めてお答えください。いつまででしょうか。
#518
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 川端大臣に検討するように伝えて、今、川端大臣が検討しているところでございます。
 御案内のとおり、二十九年にあのような考え方ができたということでございます。その後、中山文科大臣もこの問題に対して、これはある意味で大変古くから歴史的な経緯の中でできてきていると、すなわち教育行政、教育の中で起きてきた問題に関してはやはり教育行政の中で判断をすべきではないかという判断を取っているというようなことも元大臣が発言をされております。
 そういったことも踏まえながら今慎重に検討してもらっているところでございまして、いつまでにということをここで申し上げる段階ではないかと、そのように思います。
#519
○義家弘介君 そのあいまいさが様々な教員の不祥事、今回の事件を生み出したわけですから、それを受け止めて、またこの夏、選挙がやってくるんです。多くのただ真っすぐに生徒と向き合いたい、そんな先生が選挙に駆り出されるんですよ。指示の中で駆り出されていくんです。だからこそ、きちっとした教育現場、公教育の現場を確立するために、この選挙の前までには必ず成立させる必要がある。
 別にほかの角度からでもいいです。例えば地方公務員法を改正して、例えば組合がもしも違法な活動をした場合においては認証団体から外すとか、様々な改正の方法、角度、考えられると思います。我々は既に議員立法でこれらに対応するものを用意してありますので、是非この参院選までに法改正も含め教員の違法な活動に対して明確な方針を打ち出すということを、総理、最後にお約束してください。
#520
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 是非、義家委員がお作りになられた議員立法なども拝見さしていただきたいと思っておりますが、先ほどからお話がありましたような、教職員が、子供さんに対して大変影響力のある立場の方々が法律違反のようなことを犯してはいけない、その意味で政治活動を制限されているわけでありますから、そのことに対する罰則規定も含めて真剣に検討することをお約束をいたしますが、是非、義家委員方の作られた議員立法なども参考にさしていただければと思います。
#521
○義家弘介君 済みません、いつまででしょうか。
#522
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 検討をさしていただきたいと言っているわけでありますから、いつまでに何をするということを今ここで私が判断できる状況ではありません。
#523
○義家弘介君 それでは……
#524
○委員長(簗瀬進君) 義家君、指名されてから質問してください。義家君。
#525
○義家弘介君 はい、よろしいですか。
 そういう状況では、本当に今教育に不安を持っている人々において安心の言葉とはならないと思います。はっきりと参院選までに明確な方針を示すということをお約束してください。
#526
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 参院選までに何ができるかということも検討さしていきたいと思います。
#527
○義家弘介君 しっかりと方針を出していただきたいと思います。
 私からの質問は以上ですが、まだまだほかにも資料がありますので、またの機会に具体的に出してまいりたいと思います。
#528
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。大江康弘君。
#529
○大江康弘君 改革クラブの大江康弘でございます。
 今日は、自民党の皆さんに随分御配慮いただきましたことを感謝を申し上げたいと思いますが、懐かしい顔がずっと並んでおられまして、改めて政権交代をしたんだなということ、夢であってほしい、悪夢であってほしいと、こう思ったんですけれども、ここに立ちまして強く感じました。
 そこで……(発言する者あり)もう与党になったんだから、ちょっともう少し静かに聞きなさいよ、あなた方。それで、総理、私、西田先生の先ほど質問を聞いておって、ちょっとこの間、総理がいろんなところでお答えになられている中で、一年にお母様に会われるのが一回か二回って言われたことを聞いたんですが、個人的な差し出がましいことですが、差し支えなかったら、ちょっと教えてください。
#530
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) かつて一緒に行動をされた大江委員から野党として御質問をいただくというのも一つの縁だなと、そのようには思います。
 私から、今母とどのぐらい会っているのかということでございます。御案内のように、政治活動をやっておりますと、土日はまず地元に戻っておるというようなことが続いておりましたし、平日は当然国会であります。そのこともあり、また母の体調ということもあり、年にせいぜい一、二回訪れていたかなと、そのように考えております。
#531
○大江康弘君 総理、非常に立ち入ったことで、私、何でこんなことを聞くかといいますと、私ももう五十半ば過ぎましたよね。やっぱり母親への思いというのはだんだん変わってくるわけですね。私は、総理のような、先ほど隣の自見先生が、やっぱり総理と我々とは環境が違うんだよ、住む環境がという話でした。
 そういう中で、まあそれはそれでお互いこれ生まれ持った宿命です。ただ、私は一日五十万も子ども手当をいただくような家庭に育ったわけではありませんが、私はやっぱり、この年になって何よりも親がくれる子ども手当は、八十半ば過ぎても元気だと、おふくろが元気にいてくれる、これが何よりも私は子ども手当だなと。実はそういうことを先ほど総理のお話を聞きながら感じていて、ああ、忙しいのは分かる、もう少しお母様のところに行ってあげたらいいのになと、実はそういうことを思ったものですから、実は今そんな質問をさせていただいたわけであります。
 どうぞひとつお時間があったら本当にお母様のところに一回でも多く行ってあげていただけたら、これは何よりの全国民の子供に対する私は教育にもなっていくと思いますので、立ち入ったことを聞きましたけれども、それをお願いしておきたいと思います。
 ちょっと時間が大分なくなってきました、しゃべり過ぎまして。
 私は、政権取ってなかったら実はこんなこと、これから聞くことを聞かないんですけれども、やはり政権与党になって、皆さん方が政権という大変大きな責任を担われた、そういう中でやはり党と政府とという立場がありますが、私はどうしてもこの機会に、政権取ってなかったら私聞いていなかったんですよ。だけれども政権取ったんで、私はこれ実は二年前に、先ほど総理も言っていただきましたが、除籍、除名になりました。しかし、もうそれは自分が取った行動ですから。
 ただ、しかし、あの衆議院の石川さんの問題だとか、今いろいろ北教組の話も出ておりますが、どうもこの党、この党というのは民主党の皆さんの党ですが、政策でいろんな違いが出て離党したら除籍になる。しかし、いろいろと今問題になる、逮捕をされたり何されて本人が離党届を出したってこれは何も問われない、私は辞職勧告決議案まで出されたわけですけれども、ここらのその倫理観というのはどうも私は世間と懸け離れていると思うんですが、それはどうですか。
#532
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大江委員、恐縮でございますけれども、党にとっては反党行為というのが一番厳しく罰せられなきゃならないということでございます。
 すなわち、国会において造反を一度ならず二度もわたって行われて、倫理規則の適用を受けながら、その後も党を公然と批判をして、新党を結党するために離党しようとされたということでございまして、このことによって常任幹事会によりまして除籍という処分を判断したということと承知をしておりまして、恐縮でございますが、私どもの判断はそのようなものでございます。
#533
○大江康弘君 反党行為よりも犯罪行為というか、そういう一つの、非常に国民から目で見てもまだ疑いが晴れていない、そういうことの方が軽いということで認識をさせていただきました。
 もう一遍、当時菅大臣は、菅大臣も、昔私も瞬間湯沸器やとよく言われたんですけれども、当時、菅大臣の立場で私は分かるんです、今言う、ずっと私は一連のことをやってきましたから。ただ、あのときに私はどうしても看過できないこと、これも政権取らなかったらいいんですよ。しかし、あなたは、やっぱり一番女性参政権を言われたあの市川房枝さんのところで秘書をされて一票の重みを分かっているはずだ。そういう中で、私がいろいろと問題を起こしたときにあなたは公然と、七万票足らずの票で何を言っているんだと。私はあれほど一票の重さを無視した発言はなかったなと。今でもそう思っていますか。
#534
○国務大臣(菅直人君) 大江さんは、二〇〇七年の参議院選挙で民主党の参議院の比例で十九位で当選されました。そのとき民主党にいただいた票は二千三百万票ですから、二十で単純に割れば約百十万票です。そして、大江さん個人の名前を書かれた票が約七万票ありました。そして、わずか一年後に、あの道路特定財源のときに、自ら、自分から出る気はないけれども、賛成しろと言われれば、反対ですか、とにかく道路特定財源に存続で党の方針に反したときに、出ろと言われれば自分はそれに対して出てもいいということを自ら言われて、自ら離党の方向性を出されたんですよ。
 今、一票の問題を言われました。一票の問題を言われたから今答えているんです。
 二千三百万票を民主党に入れていただいた皆さんは、民主党の比例ということで民主党の議員に入れたんですよ。それを平均して百十万票で、それは大江さんも頑張って七万票取られたでしょう。しかし、そのときに、離党して私は自民党に入りたいんなら入られればよかったと思うんですよ。ちゃんと入って、公認で次の選挙に出ればいいじゃないですか。ただ、今の法律は、比例で民主党で通った人が自民党に移ることはできないことになっているじゃないですか。だから、無所属に出て、そして今度は会派で、まさに自民党の皆さんの時間を使ってこの場でこういう議論をされているんですよ。
 一票の重みは、百十万の皆さんの一票の重みは、民主党に議席を一議席ということだったんですから、それは六万九千人の方が大江さんに言われたかもしれないけれども、六万九千人の方と同時に百十万の皆さんの一票の重さも私は考えれば、当然大江さんは政治家としてもし筋を通したならば、ちゃんと離党と同時に辞職して自民党に入党されればよかったじゃないですか。それをしないでそのことを言われるのは、私は天につばするものだと思います。
#535
○大江康弘君 とにかくあなたは、私のような弱い立場の者にはがんがん言うんですね。渡辺秀央先生だとかあの当時山下八洲夫先生、道路財源やりましたが、あの二人には一言もよう言わない。私はそのことはここで言っておきます。
 そこで、少なくても私は一票の重みを言ったのは、あなたに言われた七万票足らず、これ全国の皆さん聞いてください。私は組合出身でも何でもないんです。宗教票も何もないんです。この比例選挙というのはどれだけ大変か。だから私の後に、これまで民主党の皆さんが三十五人まで出られて、あと十三人おられるんですね、二人繰上げで当選をされた。私はそこのところを言っているんです。これはあなたは離党しろとか辞めろとか議員辞職しろなんて言いますけれども、これは法律で求められた行為を私はしただけのことであって、少なくても私が比例で当選をさせていただいて、あんたはもっと取らな駄目じゃないかみたいなこと言われますけれども、私のあの当時の、少なくとも民主党が公認をしてくれたわけですから、私は何も間違ったことはしてないんです。ですから、個人として私はやるだけのことをやったその中で、決められたルールの中で当選をしておる、それが七万票足らず、私はこんな貴重な七万票はないと自分では今思っています。
 もうこれ時間がないからやめます、ほかのことをやりたいんで。そういうことも考えておいてください。
 次に、これ時間がないんで、外国人のちょっと参政権について申し上げたいと思いますが、総理はかつて改憲論者であったと思いますが、今でもそうですか。
#536
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大江議員にお答えをいたします。
 私自身は、やはり憲法というものをこの時代に合わせるために改める必要があろうかということで、自分の持論として憲法の本を書いたのは事実でございます。
 ただ、今は御案内のとおり、経済の状況というものが大変厳しいというものも一つありましょう。また、当然総理の職、公務員の職としての倫理規範というものをしっかり守らなきゃならない、当然憲法の遵守義務というものがありますから、その立場も大事にさせていただくということで、もろもろの考え方の中で今自分の考えというものは抑えているところでございます。
#537
○大江康弘君 ということは、封印をされたということですね、改憲ということに関しては。
#538
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 現在憲法の改正の議論を私からすると言うべきではない、そのように考えております。
#539
○大江康弘君 大事なのでもう一度確認します。
 要するに、今の立場、総理の立場になったからということですね、ちょっと確認させてください。
#540
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい、現在の立場がそのようにさせております。
#541
○大江康弘君 私は、民主党政権になってずっと眺めておって思うのは、この国の何か法治国家というのがなくなっていくんじゃないかというような、法律が犯されたり、憲法というのはこれは国家の基本ですからあれですけれども、なぜ私が、総理、こういうことを言うかといいますと、いわゆるあなた方がやられようとしておる外国人の参政権、閣僚の中で本当に国民新党の亀井大臣が私は一番近い考え方だし、今朝見たら企業献金も同じ考えなんですよね。またいつか一緒にやれるかなと、そんなことも思いながら……(発言する者あり)いや、こちらに来てもらったらいいんですよ、こちらに来てもらったらいいんです。
 そこで、亀井大臣、外国参政権は、もう大臣は明確に言われていますけれども、もう一度大臣の気持ちを教えてください、なぜ駄目なのか。
#542
○国務大臣(亀井静香君) 私もかつて政策で反対をして自民党を除名になった男です。大江議員が政策についての信念を曲げられずに党を除名されたということは、私はそれなりにあなたの行動が、政治家として私は評価をいたしております。まあ、これは質問とは関係ありませんけれども。
 参政権の問題でありますが、私は、日本がかつて韓半島に対して植民地的な支配をやり、そこに住んでおられる方々に対して屈辱的な思いを掛けたことに対しては、私は率直に反省をしなければならないと思っております。また、韓半島から心ならずもこの日本に移り住まわれた方々に対して、私は、この日本列島で、日本国で、幸せに快適に暮らしていただくために我々はあらゆる面で努力をしなければならないと思っております。
 ただ、そのことと参政権の付与する問題は別問題だと、このように考えます。皆さん方もそうですけれども、選挙となると場合によっては自殺者まで出るというような熾烈な戦いになる場合が、これは国政選挙だけじゃなくて地方選挙でもあるわけでありまして、そういう選挙戦の中で参政権を持たれるという形で関与されていった場合、私は民族感情が間違った形で刺激をされていく一つの契機になるのではないか。民族問題というのは、これはヨーロッパ、中東を含めて大変厄介な問題でもあります。
 そういう意味においても、参政権を行使をしたいと、そう思われる方は、私は帰化をされるというような方向を選ばれた方がいいのではないかと、このように考えております。
#543
○大江康弘君 亀井大臣、本当に丁寧な答弁ありがとうございます。
 甘えついでにもう一点。大臣は、この問題でもし政府が法案を出したら連立を離れるんだと、連立はないんだということを言われたやに承るんですけれども、それはどうですか。
#544
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、連立を組むに当たっては政策協定をしっかりとして組んでおるわけであります。野合はいたしておりません。私ども党としては、参政権については反対という立場を取っております。私は、鳩山総理がそのことは十分御理解をいただかれながらこの政権を運営をされておられると思いますし、やはり参政権を付与する法案を国会に出す方が、国民新党と組んでおるか、優先すると思われるんであれば、連立は一挙にこれは解消になると、このように考えていただいて結構でございます。
#545
○大江康弘君 大臣、ありがとうございました。
 そこで、総理、私は何でこういうことをお聞きするかというと、私は実は思想的に大変影響を受けたのが京都大学の勝田吉太郎先生であります。これは前原大臣もよく御存じかと思うんですが、随分影響を受けまして、今も御指導いただいておりますが。
 私は、この外国人参政権というのはなぜ不安に思うか。これ、全国でも不安に思う人が多いんですね。それはなぜかといったら、これ国家の解体につながっていく。単に仲がいいからお互いいいじゃないか、税金払っているからいいじゃないか。税金というのは、公共財を使用していますから私はそれは対価であると思いますし、実は昨年、後でこれはまた日米安保のところで聞きますが、小沢幹事長が中国行かれて、自分は人民解放軍でいえば野戦司令官のつもりでやっている。私は、中国に我が国の運命をゆだねるようなこんな発言、本当にこれ危険だなと思いましたし、総理にお伺いしますが、かねてから総理は日本列島は日本人だけの所有物ではないと。これ、だれの所有物なんですか、そうしたら。
#546
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 日本列島というのは、まさに地理的なものを指すわけでございます。そこに住んでいるあらゆる人々、あるいは生き物、あるいは無生物であっても構わないと思いますが、そういった方々が共生をする場であると、そのように思っております。
 その意味で、私は友愛精神というものを尊ぶことが重要ではないか、そのように考えているところでありますが、当然言うまでもありません、この日本列島に住んでいるほとんどの人々は日本人でありますから、日本人を最優先することは当然のことではないかと、そのように考えております。
#547
○大江康弘君 だったら、こういう紛らわしい言い方はやめてください。独立国家の定義というのは、まずそこに土地があって、人が住んで、そして主権を持つことですね。主権を持つということはやっぱりこれは一番大事なこと、これはそこの国民であるということのあかしなんですね。ですから、私はやっぱりこういう時期に何か国家意識が希薄な、国家観がないと、私は総理がそういう意図ではなかったんじゃないかと思うんですけれども、そういうふうに思うような、こういう発言を私は今後気を付けていただきたいと思います。
 この中で、憲法十五条の一項で参政権、これはだれが持っているんですか、我が国は。
#548
○国務大臣(枝野幸男君) 法令の解釈担当の国務大臣としてお答えをいたしますが、憲法十五条に定められた参政権は基本的には日本国民に与えられたものでございます。
#549
○大江康弘君 それじゃ、枝野大臣、これから法律的なことはあなたに聞くんですか、これ。ちょっとお答えいただきたい。
#550
○国務大臣(枝野幸男君) 内閣法制局は内閣や国務大臣に対して法律上の意見を上申する機関でございまして、内閣としての法令の解釈については私が担当大臣と指名されましたので、私にお尋ねいただければと思います。
#551
○大江康弘君 私、実はその一部同意するんです。それは何かというと、要するに戦後我々日本は内閣の法制局のこの解釈に縛られてきたんですね、一番その最たるものが集団的自衛権。ですから、私はあなたがしっかりとやってくれるんだったらこれは一番安心するんですが、今後これは別な問題でおいておきますが。
 総理、私は何であなたに先ほど改憲だとかなんとか聞いたと。今、マスコミの中で非常にねじれが起こっているんですね。日ごろ護憲だ何だと言っているマスコミが、これ法律を犯してでも参政権を与えよと言う。それで、産経なんかの日ごろは改憲しようというこういうマスコミがこの憲法十五条を守ってしっかりやれと言う。これ、マスコミ界も今ねじれになっているんですけれども。
 私は、だから、こういう中で何であなたの憲法観を聞いたか。これ、本当に憲法を変えてまでやるんだったらやらなきゃいかぬ話だと思うんですが、どうですか、総理。
#552
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 憲法十五条の解釈は枝野大臣が申したとおりであります。
 一方で、これは永住外国人に地方選挙権を付与するについて、御案内のとおりだと思っておりますが、平成七年の最高裁判決で憲法上禁止されているものではないということが、これは傍論ではありますけれども、傍論で出ているわけでありまして、したがいまして、付与するか否かということに関しては、専らこの立法措置、この国会で大いに議論をして決めるべき問題であるということであって、どちらに決めようとも、それは私は憲法に違反するものではないという解釈が妥当だと思っています。
#553
○大江康弘君 今の最高裁の判決は、今もありましたが、あれは傍論なんですね。そして、それを言った判事も、この間、あれは間違いだったと、要するに韓国や朝鮮人の人たちに配慮をしたんだと、そうしないと収まらなかったんだということを言われた。そして、憲法学者の中でも、やっぱりこれは間違いだという、誤りだということをこれ自己批判をしてやられているわけですね。ですから、余り総理、それは大きく理由にされない方が私はいいと思います。
 それで、もう時間がありませんから最後に申し上げますけれども、やっぱり総理、これは親しいとかなんとかの話じゃないんです。先ほど亀井大臣も話をされましたけれども、やっぱり国家対国家というのは適当な距離感を持ってやっぱりやるということが、お互いこれが一番いい関係を築けられると思うんですけれども、これはどう思います、適当な距離感を持つ。
#554
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 意味が必ずしも十分理解していなくて申し訳ありませんが、適当な距離感、それは国家ですから、国家と国家においては当然違いが明白にあるわけであります。距離はあるべきだと、私もそのように考えております。
 その意味で、今どのような議論をされていかれようとするのか分かりませんが、私は、日本という、ある意味で海洋国家が国境というものをある意味ですべて海に有しているということは、一つ、その意味では大変特殊な国家であると、そのような距離感を持つことにはある意味で有利な国であると、そのように考えております。
#555
○大江康弘君 とにかく時間がないんでね、はしょってしか言えないんですね。
 いわゆる友好を維持するためには要するに距離感を保ってやる、親しくなったから何でもかんでも、法を犯してでも憲法を犯してでもこれを与えることがお互い友好を保つんだということは間違いだという、実はそういう意味で申し上げたわけであります。ですから、しっかりと距離感を私は取っていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に、成長戦略ですが、これ経産大臣、UAEとベトナムにこの原子力産業が負けた原因というのはどう見ておられます。この誘致ですね。
#556
○国務大臣(直嶋正行君) これは原発の輸出の商談の話ですね。それで、ベトナムとUAEとはちょっと違うと思っています。ベトナムの場合は、どうも最初の工事の方はロシアが取るということなんですが、これは別の問題が絡んでいまして、特に武器の輸出等が絡んでいるというふうなことを聞いております。正式にどういうふうに決まったかはまだ聞いていません。ただ、同時期にもう一つ商談がございまして、今そちらを受注すべく努力をしているということでございます。
 それで、特にUAEの原発受注に絡みまして、やはり私どもは幾つか反省点があるだろうというふうに思っています。特に、今まで原子力発電所を持っていない国に原子力発電所を造るわけでありますから、どちらかというと今まで日本が得意としてきたのはいわゆるプラント輸出で、設備を、建物を造る、施設を造るというのは得意なんですが、彼らが求めているものは単に発電所を造るだけではなくて、長年にわたって安全に運営していくための必要なノウハウとか、あるいは人材の供給とか、そういうことを求めていまして、そういう面では、これまでの日本の一種のビジネスモデルといいますか、やり方がやはりこれらのニーズにぴたっと合っていなかったんではないかと。逆に、受注をした韓国の方は韓国電力公社という電力会社が前面に出て、後々の運用のことも含めて商談をしたというふうに聞いております。
 したがって、今申し上げたベトナムについても現在どういうやり方ができるか検討中でございますが、設備を造った後の電力の運用も含めてきちっと提案をできるような、そういういわゆるシステム輸出という形で対応できるような方策で今後努力をしていきたいというふうに思っております。
#557
○大江康弘君 その意欲は分かったんですけれども、これはやっぱりあなた方が事業仕分でやられて、一番にならなくてもいいんだみたいなことを言って、私はやっぱり、日本の技術とかやはり日本の潜在的な能力というものをどう生かしていくか、そういう中で、これ世界一の環境における技術を開発をしたし、そういう中で、原子力産業も私は世界に冠たる産業だと思うんですよ。これがやっぱり今言われたように、それはパッケージ全体として取れなかったということになっていったんでしょうけれども、だからどうするんですかということを今お尋ねを申し上げたんですが。
 何か総理の親書を送られるようですけれども、私は、そんな紙一枚ではこれとても太刀打ちできないという状況なんですけれども、もう一度これ、経産大臣。
#558
○国務大臣(直嶋正行君) 事業仕分の話はスーパーコンピューターの話だったと思いますが、いずれにしても、大江さんもおっしゃったように、日本の原子力発電のプラント技術それから運用の技術というのは私は世界最先端だというふうに思っております。したがって、今申し上げたのは、その運用に関する技術も含めてきちっと提案をできるような仕組みを考えたいということでございます。
 それから、今総理のお話ございましたが、既に総理が自ら明らかにされておりますが、総理親書も出して先方に対しても、実は親書をいきなり出すわけじゃなくて、総理御自身も先方の首脳と何度か話をされておりますし、その結果として親書を今回お願いしたということでございまして、そういう意味では、総理や我々も含めて受注獲得できるように努力をしたいというふうに思っています。
#559
○大江康弘君 これ、総理、まだベトナム、チャンス残っているんですけど、どうですか。
#560
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい。二期目はチャンスがあると、十分あると、そのように思っております。
 今、直嶋大臣からお話がありましたように、親書は出すことはもちろんでありますが、やはり他の国に比べて国を挙げてのトップセールスが十分でなかったという反省を持っております。むしろこれからはトップセールス的にしっかりやらなきゃいけないということで頑張っていきたいと思っておりますが、このベトナムだけではありません。先般、ケニアの首相が参ったときも、これから原発どうですかという話を申し上げたら、これは外務省もまだ存じていなかったところでありますが、ちょうど調査チームをつくって研究を始めたところだと、是非期待をしているというような話もありました。
 将来的にこれは難しいところはまだインドに対してはあるかもしれません。しかし、インドもそうです、多くのこれから伸びていく国々にとって、日本の原子力産業というものは私は基本的にはナンバーワンだと、そのように思っています。アメリカとの様々な協力なども行っていく中で、これは日本として是非環境問題も含めて取らなければならない大きなプロジェクトだと思っております。
#561
○大江康弘君 ちょっと先ほどの言葉を返すんですけどね、要するに私が、ナンバーワンにあなた方がその事業仕分でならなくてもいいと、頑張ってナンバーワンになって一番の産業をつくり上げたって取れないというのがこれ国際社会だということを言わしていただいたんです。そこのところをどうぞひとつ誤解のないように、トップセールスで、総理、今度はベトナムの方では頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 次に、日米安保。これは今年五十年。これはなぜ三十年のときの共同声明ではなくて共同発表になったんですか。これは担当は外務大臣ですか。
#562
○国務大臣(岡田克也君) 今回は、現在の改定日米安保五十周年ということで、それぞれの首脳が談話を出すと、そして2プラス2で防衛大臣そして国防大臣が日米で共通の声明を出したということであります。
 同時に、これから約一年を掛けて日米同盟の深化について更に議論を深めていくことにしておりますので、そういう結果として、委員のおっしゃるようなそういった共同声明ということに至るかもしれません。
 いずれにしても、共同声明かあるいは談話かということで、別にそれが大きな意味が、違いがあるわけでありませんので、余りそういったことにこだわらずに、もっとおおらかに日米同盟しっかりやっていけばいいというふうに私は思います。
#563
○大江康弘君 新聞ではアメリカ側による格下げ要請があったということですが、どうですか。
#564
○国務大臣(岡田克也君) そういうことは全くございません。
#565
○大江康弘君 実は我が党、金がありませんでパネル作れませんでして、ちょっとこれやってきたんですけどね。総理、よく日米同盟の深化と言うでしょう、これ、深化。この字、これどういう意味ですか、ちょっと教えてください、深化。
#566
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私どもは、日米同盟を様々な形で深化をしてまいりたいと思っています。
 その深くという意味での深化でありますが、一つは、安全保障に関しても深化をさせていきたいと。それは、例えば宇宙とかあるいはサイバーとか、これから大変重要になっている技術力などの協力を含めて深化をさせていくということが一つ極めて重要だと、そのように思います。
 もう一つは、安全保障のみならず様々な問題、例えば気候変動の問題とか、あるいは核不拡散、核軍縮、こういったテーマの問題、様々あります。そういうことに関してより幅広く日米の協力関係を深めていこうではないかと、信頼関係を高めていきながら、様々なレベルで安全保障のみならず、安全保障でない部分に関しても協力を深めていくという意味で使わせていただいております。
#567
○大江康弘君 私がなぜこの深化を言うかというと、これもう一つの意味があって、対立が深刻化していくという意味もあるんですよ。だから私は聞いたんです。普通だったら聞かないんです。
 それはなぜかといいますと、あなた方が、というよりも、とにかく総理がやっておられること、また民主党がやっておられることは、非常に日米安保の信頼を傷つけているんじゃないか、信頼を損ねているんじゃないかということを思います。
 その中で、内閣府が調査した中で、日米安全保障条約についての考え方、国民がこれ七六%賛成しているんですね。認めているんです。これはどうしてだと思いますか、こんな高い数字。日米安保を認めている。
#568
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、日本とアメリカとの間の信頼関係というものがその奥にあると思っておりますし、日本の安心、安全を守るためにアメリカが様々協力をしてくれているということに対する評価だと、そのように思います。
#569
○大江康弘君 確かに、今までの政治家も含めて、いろんな皆さん、これにかかわってきた皆さんの努力なんですね。
 ところが、この数字が私は音を立てて崩れていくようなことに実は懸念を持っているんです。三つの懸念があります。一つは普天間。そして一つは、昨年、びっくりするような訪中ですね。国会議員が百四十何人も中国行ってという、こういうメッセージ。そして三つ目は、総理の十一月十三日、昨年のオバマ大統領との首脳会談ですね。私はこういうことを見ておって、本当に危ういなと。日本というのはこれ一つしかないんですね、同盟というのは。しかし、アメリカはやっぱりワン・オブ・ゼムなんです。日本とだけじゃないんですね。
 だから、私はやっぱり総理の、この一連の総理とオバマ大統領との約束をほごにしたり、あるいは、先ほど言いました山岡委員長が日米中は正三角形だということを言われた。これ、総理も同じ考えですか。
#570
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 正三角形というのはきれいでありますが。
 私は、まずは日米同盟というものが日本の安全保障の基軸、日米安保でありますから、日米、日本とアメリカの距離感が一番近いと、そのように思います。ある意味で東アジアの共同体構想なども申し上げておりますが、それも日米の同盟があるから東アジアの国々に対して安心感を与えていると、これも事実であります。ある意味で中国もそうだと思います。中国に対しては、やはりある意味で、中国に対する懸念、軍事力の不透明さみたいなものも一方であります。
 ただ、御案内のとおり、これは大変急進的に経済成長しておりますから、日中の間の経済的な協力をこれこそ深化というか高めていくことは非常に重要だと思っております。その意味で、日中の距離感を近くすることも大変重要なことだと思っておりますが、まずは日米の距離感が一番近いということは言うまでもない話だと思っております。
#571
○大江康弘君 しかし、総理、そう言われますけれども、山岡委員長は中国でまず日中だと言われたんですね。これ、どう思われます。
#572
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは、日米関係というものを基礎にして、だからこれからは日中を大事にしようという発想だと私は理解します。
#573
○大江康弘君 総理、首脳会談というのはどう位置付けられていますか。
#574
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 首脳会談、突然のお尋ねでありますが、これから首脳外交というのは大変重要だと思っております。日米も日中も含めてでありますが、首脳同士が信頼関係を高めていくということが国同士の協力を高めていくための大きなツールになると、そのように思っておりまして、その意味での首脳会談の意義は大変大きなものがあると、そのように思います。
#575
○大江康弘君 その口で言われた大事なことが、これ、オバマ大統領のときにほごにされているんですね。いわゆる首脳会談というのは国家の意思と意思との最終的な確認の場じゃないんですか。そこはやっぱりお互いの確認したことに関しては強い拘束力も持つし権威も持つ、そんな会議じゃないんですか。どうですか、総理。
#576
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) お言葉ですが、オバマ大統領との会談をほごにした覚えはありません。むしろ建設的で未来志向の日米関係をつくろうではないかということで、一つは気候変動問題、もう一つは核不拡散、核軍縮の問題、さらにはクリーンエネルギーの技術協力、この三つの文書を交わして、お互いに日米の協力をこういったところでも深めていこうではないかということを誓わせていただいた大変意義のある首脳会談であったと、そのように思っています。
#577
○大江康弘君 それじゃ、シンガポールで翌日に普天間の件を否定をされたのはどういう意味ですか。
#578
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 否定をしたというよりも、必ずしも例えば普天間の問題に関して同じ理解ではなかったという部分であったものですから、私がオバマ大統領に申し上げたのは、この問題に対しての重要性というものは認識しているということで、自分を信頼していただいて、必ずこの問題を解決するということを申したところでございまして、そのことも理解をいただいたものだと思っておりましたので、私はその翌日の、必ずしもオバマ大統領はそのように取っておられなかった、むしろ普天間に関して、辺野古というものを前提とした解決だというふうに理解をされておられたなと。そのようなことはお互いの議論の中では最終的には出ていなかったものですから、そのことに対して私の方からシンガポールで正確に申し上げたところであります。
#579
○大江康弘君 私は、必ずしもアメリカはオバマ大統領も含めてそういうふうに受け取っておらないと思うんですね。
 そこで、普天間問題に入りますけれども、私は総理を見ておったらマッチポンプという言葉を思い出すんですね。この言葉は御存じですか。
#580
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 一応存じております。自分で火を付けて消しているというようなことだと思います。
#581
○大江康弘君 一月の十六日ですかね、石川さんが逮捕されたときのあの総理の言葉だとか、この普天間問題でも、私は何かあなたを見ておったらマッチポンプみたいなそういう言葉を連想するんです。
 それで、官房長官帰ってきて、待っていました。しんしゃくの問題ですが、法的、これは今も変わりないですか。
#582
○国務大臣(平野博文君) 大変お待ち遠さまでございました。大江さんとこういう立場でやると思っていませんでしたから、同じ郷里でございますから大変親しく思っておりますが。
 しんしゃくという言葉を言われましたが、あのときの発言は、私は、検討委員会という、普天間問題の検討委員会の中での議論において、これはどういうことかといいますと、危険性の除去と県民の皆さんの負担を軽減、そのためにはどこに移設することが一番いいのかと、こういう議論をする中でそういう言葉を発したと、こういうことでございまして、市長選挙の民意の結果については、当然民意の一つとしてあるわけでありますから、そのことは理解はいたしておると、こういう意味でございます。そこが、前提条件がなくなっちゃったものですからそういう誤解を招いたと、こういうことであります。
#583
○大江康弘君 法的な措置、法的、法的な措置は。
#584
○国務大臣(平野博文君) これも私は一般論として申し上げたことでございまして、いろんなケースが物事を進めていく上においてあると、こういうことで、この基地問題についてこれを云々ということではありません。記者からの質問に対して、一般論としていろんなケースがありますなと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#585
○大江康弘君 郷土の先輩として余り突っ込んで言いにくいんですけれども、やっぱりあの場面、あの時点であの言葉というのは、私は官房長官が言われるような答えにはならぬと思うんですよ。だれが見たって、やっぱりしんしゃくしないというのは、あの市長選の結果をと思いますよ、これ。
 これ、福島大臣、どうですか、ちょっと聞かせてください。
#586
○国務大臣(福島みずほ君) 名護市長選がありまして、名護市長選は私たち与党が、社民党も含めて、共産党も含めて応援をした候補が当選をいたしました。
 私は民意は大事だというふうに思っておりますので、その選挙結果は重く受け止めるべきだというふうに考えております。民意は大事です。私は、現地で地元で反対がある中で強行しようとしてきた自民党政権はやっぱり失敗だったというふうに思っております。
 民主主義を信じておりますし、アメリカも民主主義の国として私は大好きで大変尊敬をしております。アメリカも政権が替わりました。日本も政権が替わりました。アメリカ共和党と自民党がやってきたことは新しい政権の中でまたきちっと議論をして結論を出し、そして、沖縄の人たちがこのことは反対だと、基地が沖縄の敵意に囲まれるということになれば、沖縄もまずいですし、日米安保条約にも日本全体でひびが入ると思っております。この内閣の下で検討委員会でしっかり協議をし、社民党としてもその中で頑張ってまいります。
#587
○大江康弘君 私は、現計画がベストだと思うんですよ。これ、総理はすぐ十三年間何もしなかったからと言われるけれども、私は十三年しっかりとやって決めたのがあの最大公約数であったと思うんです。だけど、今あなた方の政権を見ておって、一番筋を通して言っておられるのが福島大臣に見えるんですね、これ不思議と、筋を通して言われているのは。
 亀井大臣、何かいい考えがあられると言ったんですけど、どうですか。
#588
○国務大臣(亀井静香君) 別に黙って座ればぴたりと当たるような、そんなことがあるわけはございませんけども。元々これは騒音と安全の問題、これをどう解決するかということで辺野古の沖合ということが前政権とアメリカとが合意をしてそういうことを進められておったということでありますが、今、福島代表もおっしゃいましたように、これは、新たに我が国も政権が替わったわけでありますから、その立場で日米同盟を更に強固なものにしていくという視点を踏まえながら、かつ沖縄の人たちの思いをしっかりと生かした、そうした結論を出していく、私は当然だと思います。
 そういう意味で、鳩山総理が就任されて約半年という時間の中で、それを解決するという、そうした不退転の決意を持っておられるということを是非ひとつ、これは与党、野党ということじゃなくて、全員で鳩山総理のそういうお考えに協力を私はしていくべきじゃないかと、是非議員も御協力をお願いいたします。
#589
○大江康弘君 ありがとうございます。
 時間がないんですけれども、私は今三つの懸念を言いました。もう一つの懸念は、アメリカに戦争権限法という法律ができたんですね。これは、榛葉副大臣、どんな法律かをちょっと教えてください。
#590
○副大臣(榛葉賀津也君) 大江委員にお答え申し上げます。
 いわゆる戦争権限法でございますが、アメリカでベトナム戦争等への反省から、一九七三年に米国議会が大統領の戦争権限に制限を与えるというような採択を上下両院で合同決議で行った一般的な名称であるというふうに理解をしております。同決議によりますと、大統領が海外派遣を含む軍隊投入を行える条件を、まず一つとして議会による宣戦布告、二つ目が特別の議会制定法による授権、そして三つ目が米国領土や米軍等に対する攻撃による国家的危機の存在に制限をするというものでございまして、軍隊を投入する場合に議会との協議をしっかりするという決め事だと思っております。
#591
○大江康弘君 これ、総理、結局アメリカというのは条約よりも国内法を大事にするんです。これ、憲法第六条の二項にあるんですけれども、いわゆる後法優位の法則というやつですね。要するにアメリカはいろんな戦争に懲りて、要するに大統領に集めていた権限をやっぱり議会で分散しておこうという、だから六十日しか大統領の権限がないんです、軍隊の。しかし、撤兵、撤退しようと言ったら、もうその日に撤退しなきゃいけないような法律を作った。私は、まさに民主国家アメリカだなというふうに思うんです。
 そういう中で、こういうやはり日本を取り巻く環境が変わった中であなた方が、日米の積み上げてきた七七%も国民が支持するこの日米安保、そして日本とアメリカとのこの協力関係を私は今本当に音を立てて崩していくんじゃないかという、危ういことをされておるということに私は大変危惧をしております。
 総理、最後に、この日米関係を本当に第一義でしっかりとやっていっていただけますか。
#592
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大江委員から戦争権限法のお話をいただきました。
 昨年の十一月、オバマ大統領が来られたときの記者会見で、このように冒頭、質問に答えて話をされました。オバマ大統領は、我々の目標は引き続き同じであり、すなわち日本に対して防衛を提供することであると。自分は同盟及び条約に対する我々の義務の履行を助けている米国軍人を非常に誇りに思っており、感謝していると言わねばならない。日本に対して防衛を提供することに対し、それに頑張ってくれているアメリカの軍人たちに大変誇りに思っていると、そのような言葉がありました。
 私は、そのオバマ大統領の言葉を信じておりますし、日米の当然安保の第五条もありますから、もし有事ということになればアメリカがしっかりと協力をしてくれることは確信をしております。
#593
○大江康弘君 終わります。
#594
○委員長(簗瀬進君) これにて大江康弘君の関連質疑は終了いたしました。
 以上で林芳正君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#595
○委員長(簗瀬進君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
#596
○平野達男君 お疲れさまでございます。民主党の平野達男でございます。
 私は、もう本当であれば四時ちょっとぐらい前にここの場に立っている予定でございましたけれども、様々なことがあってこの時間帯になってしまいました。何とか五時までにはやめようというふうに思ってはおりますが、若干、五分ぐらいとかなんかは過ぎるかもしれません。そのことを冒頭申し上げておきたいと思います。
 今日は、実は私は財政の問題につきまして、私自身は大変な危機感を持っておりますこの財政の問題についてねちねちとやりたかったんですけれども、私は、長所、粘り強い、短所、しつこい、趣味、嫌がらせでありますから、その性格を前面に出しながらやりたかったんですが、ちょっと時間がないということなので、若干、自分で問いを発しながら答えをするという、三十分の中で自己完結のやり方になるかもしれませんが、その点に関しても御容赦を願いたいと思います。
 まず、パネルをちょっと用意させていただきました。(資料提示)これは林委員に対抗してこういうものを出したわけではございません。
 これから財政中心の話をさせていただきますが、予算には歳入と歳出がございます。ここにある右側は、入るを量りて出るを制す。前、塩川財務大臣が盛んに言っておられました。入るというのは歳入、出るというのは歳出ということでございます。これは御案内のとおり、儒教の聖典と言われる四書五経の中から出た、引用された言葉であります。健全財政の建前を取っておりまして、要するに収入に見合った歳出計画を作りなさい、歳出予算を作りなさい、現在でいえば租税収入、昔でいえば穀物収入ということになるかと思います。しかし、それに対して左側は、向かって右、テレビの方では右側になりますか、出るを量りて入るを制す。いや、実際はそうじゃないんじゃないかと、予算というのは先に歳出を決めて後で歳入予算を決めているんじゃないかということを言われる方もいます。
 総理、この入るを量りて出るを制す、あるいは出るを量りて入るを制す、本来どちらが予算編成にあるべき姿だというふうに思っていますか。また、現実においてどのようなことになっておるか。簡単でいいですから御見解を伺いたいと思います。
#597
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 平野委員から大変本質的な御議論をまずいただきました。
 私どもは、新しい内閣をつくり、そして予算を編成する中で、入るを量りて出るを制すという思いで予算編成を行ってまいりました。それがすべて百点満点にできたかということになると非常に厳しいところもあったと思いますが、入るの部分をしっかりと量って、そしてできる限り、事業仕分などを行いながら本当に無駄がないかというところでぎりぎり歳出というものを制してきたと、そのように考えておりまして、入るを量りて出るを制すという部分が正しい考え方だと、基本的にそのように思っております。
#598
○平野達男君 私もそのように思います。
 ちょっと質問通告しているやつを飛ばしますけれども、じゃ現実に来年度予算どうなっているか。ちょっとパネルを替えていただきたいと思います。
 歳出九十二兆に対して税収が三十七兆ということであります。歳出の規模に対して歳入が非常に小さいという状況でございまして、この状況につきまして、総理、どのように思われておりますか。大変御苦労されて多分予算編成をされたと思います。この状況について一言御意見を、御感想をお願いしたいと思います。
#599
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 先ほどのお尋ねの、入るを量りて出るを制すという状況の中で予算編成をしたところであります。しかしながら、御案内のとおり、経済というものが大変厳しいという環境の中で、いわゆる税収が大きく落ち込むという状況が一方で起きました。他方で、当然、経済が悪いということでありますから、歳出というものに関しても、ある程度やはり国民の皆さんの命を守るための歳出も必要だというぎりぎりの中で、私どもとすれば国債発行四十四兆円、これで抑えるぞというぎりぎりの中で予算編成をしてまいったと、そのように理解しております。
#600
○平野達男君 いろんな見方ができると思いますが、この租税収入というのはたまたま国債の償還費と地方交付税交付金と、額と同じ額になってしまいます。ということは、普通の歳出からこの国債費と地方交付税交付金を引いたものを一般歳出といいますが、これ見方によって、一般歳出については我々国民は一銭も税金を出してないというふうに見えちゃうんです。この一般歳出という中身は、社会保障関係費、防衛費、公共事業費、公務員の給料、みんな入っています。逆に言いますと、国民は、こんなこと言いたくないんですけれども、税金を払わないで行政サービスを受けているという予算になっているように見えるんです。このことを私はやっぱりきっちり認識する必要があると思います。
 そして、もう一つ言わなくちゃならないのは、税収が、後でちょっと表、この資料の四ページ目を見ていただきたいんですけれども、税収が残念ながら漸減傾向にある。だけど、自公政権は構わず歳出をどんどんどんどん広げてきました。そして、通常ワニの口と言われますが、来年度予算については、リーマン・ショックもありまして、この資料の四ページ目なんですが、ワニの口というのをどんどん広げてきたんです。私どもは政権交代をしました。一つ鳩山内閣として、あるいは私ども民主党としてやっぱり考えておかなければならないのは、そろそろこの広がっているワニの口はどういう形かで狭める方向に持っていかないと、私はこの国の財政は大変なことになるというふうに思います。
 そして、資料三ページ目でございます。これは財務省が示した機械的試算なんであります。ただ、機械的試算なんですけれども、非常にショッキングなのは、税収に比べてずうっと国債発行額が多くならざるを得ないということが出ているんです。御案内のように、この国の予算は戦後に一回だけ税収入が国債発行を下回りました。それが今年度予算で五十三・五兆の国債も出したものですから、どおんと大きく逆転しました。そして、来年度予算も逆転している。しかも、今のままだったら再来年度以降も逆転するかもしれないという、これは大変な状況なんです。つまり、国の財政が破産するかもしれないんです。その背景にあるのは、これは赤字国債を垂れ流しした自公政権の財政運営ですよ。
 ただ、私どもはここで気を付けなくちゃならないのは、その赤字国債を垂れ流してきた財政運営を我々がストップしなければ駄目なんだろうということだと思います。ただし、それは簡単にはできません。しっかりとした、しっかりとした財政再建計画を受けてやるということだと思います。そして、菅さんが言われました、新しい政権は決意だと言ったんです。だから、私どもはこの財政問題については決意を持って、かつまたやるんだということを示すということが、鳩山政権はいろんな課題をしょって、一丁目一番地の課題をしょっていますけれども、この財政再建ということも非常に大きな課題ではないかということを、菅財務大臣にちょっと改めてその御決意のほどをお伺いしたいと思います。
#601
○国務大臣(菅直人君) 二月の初めに初めてG7という場に出まして、その場でギリシャのことが大変話題になっておりました。余りいい言い方だったかどうかは別として、私はギリシャという言葉の代わりに日本という言葉が出なくてよかったと言ったんですが、そういうことを含めて、今、平野議員が言われた問題意識、私なりに共有しているつもりであります。
 その中で、大変難しいのは、これはもうよく御存じだと思いますが、それではいわゆる財政規律、緊縮財政でいいのかということになると、必ずしもそれだけではなくて、そういった意味で、新成長戦略というもので大きなパイを膨らませながら、一方でしっかりした財政規律をつくり上げていく、この二つの難しい道を両立させていきたいと。
 そのためには、決意ということを言われましたけれども、私は、鳩山政権が誕生したことはまさにそういう難局を新しい政権で打開してほしいという国民の期待の表れだと思っていますので、それを達成できるように決意を持って臨んでいきたいと思っております。
#602
○平野達男君 その決意はそのとおりでいいと思いますが、大変僣越でございますけれども、税収に比べて歳出規模が相当大きくなっています。新しい財源を探して歳出に充てるというのは正しい、それは絶対やらなくちゃなりません。それから、仕分人の方々には徹底して公益法人、社団法人見直して無駄を排していただかねばなりません。
 しかし、繰り返しになりますけれども、税収と歳出の乖離が余りにもでかくなり過ぎているということであります。この問題を私は直視して、しかし自公政権はこれをほとんど避けて通ってきました。我々は避けてはいけないんです。そして、今これの中で財政がこういうふうになっているという状況を真摯にこうやって説明していくと。
 子ども手当は大事です。賛成です。子ども手当、賛成。だけど、来年度予算について見た限りは、私は、ねじれた政策、多少性格がねじれていますから、こういうふうにも見えちゃうんです。子ども手当つくったよ、だけど、その財源は借金だ、あんたら大きくなって全部借金を払えと。高校教育についてもそういうふうに見えちゃうんです。ただ、来年度予算ですよ。この今の財政の問題というのは来年度予算ですよ。だから、これはどこかで修正していかなくちゃならないんだろうと思います。
 子供の育成も大事です。人材育成も大事です。しかし同時に、やっぱりこれまで自公政権がためにためた借金を更に膨らませて次の世代に持っていくということは、我々の政権はできるだけというか、是非それは避けるような方向で頑張るという決意がやっぱり大事じゃないかなというふうに思います。
 そこで、赤字国債について若干おさらいをさしていただきたいと思います。大串政務官、財政法四条でどのようになっていますか。
#603
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 赤字国債でございますけれども、財政法四条においては、国の歳出は基本的には租税等の収入をもって充てるべしと、非募債主義が決められていまして、ただし書において公共事業費等においては公債を発行できるという建設公債の原則が定められています。ですから、特例公債、いわゆる赤字国債ですね、これに関しては財政法四条の枠内ではございませんので、特例法を出して、それによってオーソライズしていると、こういうふうになっております。
#604
○平野達男君 いわゆる財政法では赤字国債の発行は認められていないわけですね。しかし、毎年毎年特例公債法というのを制定して、それで特例公債を発行し続けてきました。
 しかも、最近では特例公債の割合が非常に多いんです。建設国債の割合が非常に少ない。しかも、さらにもう一つの問題は、特例公債というのは元々は、発行して、五年国債なら五年国債で発行したら五年で償還しました。ところが、自公政権のときに、たまらぬものですから、六十年償還に変えちゃったんです。六十年償還に変えたことによって赤字国債を発行することの痛みは見えないようにしてしまいました。
 この六十年償還というのは本来どういうルールで設定されたか、大串先生、もう一回ちょっと説明いただけますか。
#605
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 六十年償還ルールと申しますのは、基本的にはその年の期首にある国債の残高に対してこれを六十年間で償還していくという額の償還金額を予算の中から付けていくと。つまり、百分の一・六に掛けた額を、期首の残高に掛けた額を毎年毎年措置して六十年間で国債を全額償還していくと、こういうふうな考え方に基づくものでございます。
#606
○平野達男君 つまり、建設国債というのは資産が残ります。資産が残って、道路とか橋とか造って、無駄なものでない限りはずっと効用を発揮する。だから、それに対しての効用を享受する人たちが、後世代の人たちも負担するから六十年ルールでいいだろうということで作ったルールです。ところが、赤字国債は単年度で費消します。物事によってはもう何も残りません。だけれども、その負担だけを六十年のルールに適用して、そして赤字国債をどんどん膨らましてきたというのが今までの財政運営だということです。
 もう一つあります。実は、これは細かい話ですが、しかし重要な話なんですけれども、六十年償還というのは六十分の一ずつ定率繰入れをやります。国債償還費というのは利払い費と定率繰入れで成り立っていますから。実際には、その定率繰入れも、本来ならば国債の発行した額をずっと保って六十分の一ずつ入れなくちゃならないやつを、現在ある国債の発行額の六十分の一にしているがために実際には国債の償還は理論上はずっと先送りされるという、そういう仕組みに自公政権はやっちゃったんです。
 この赤字国債の問題については、要するに、なし崩し的に発行を拡大し、償還のルールを変え、そして負担を先送りしたんだということは、政権交代をした我々にとってそれをどうとらえるかということは、やっぱりきちっと考えておく必要があるのではないかというふうに思います。
 そこで、日銀総裁、大変お待たせをしました。
 最近、ヨーロッパでは、EUではギリシャの問題を中心として、あるいはPIIGSという国々もあるようですが、財政再建、財政というのが非常に大きな問題になっています。
 もう一つの背景として、リーマン・ショック以来、世界各国がスティミュラスということで景気刺激策をやっているために、アメリカも中国も財政支出をどかんと拡大しました。そして、そういう中で最近言われるのがソブリンリスク、難しい言葉ですけれども、国家財政のあるいは財政の持続可能性、若しくは債務不履行のリスクというふうに訳されると思いますが、このことが盛んに大きな話題になっている、テーマになっているんじゃないかと思います。
 そのことに対して日銀総裁は最近あちこちこのことに触れられて発言しておられますが、ここでちょっと御説明いただけるでしょうか。
#607
○参考人(白川方明君) お答え申し上げます。
 私、今毎月一回ぐらい海外に出張しておりまして、様々な国際会議に出ておりますけれども、そうした国際会議の場でしばしば議論をされるテーマは、国際金融市場の中での、今先生が御指摘のソブリンリスク、財政のリスクの問題がございます。
 ギリシャの財政赤字問題を契機としまして、現在、欧州の一部では財政状況に対する市場の関心が高まる中で長期の金利が上昇をしております。ただ、これまでのところこの動き自体はまだ一部の国にとどまっておりますけれども、関心が高まっております。
 私が国際会議での議論等を踏まえて申し上げていることは以下のようなことでございますけれども、まず財政赤字、これ自体につきましては、今回のグローバルな金融危機に対応するために多くの国で積極的な財政政策が取られたことの結果として生じたものでありまして、それ自体はこれは必要なことであったというふうに思います。ただ、経済や金融市場が安定を取り戻すにつれまして、市場参加者は今度は財政赤字やあるいは財政規律の問題に関心を移しつつあるというふうに思います。
 こうした下で、経済政策の運営に当たりまして、景気の回復を、これは各国ともそうでございますけれども、景気の回復を確かなものにすると同時に市場の安定を維持するという観点からは、財政運営あるいは金融政策の運営に対して市場からの信認を維持することが大事であるということを申し上げております。
#608
○平野達男君 アメリカの連銀のバーナンキさんは議会でこう言っています。財政は算数の問題なんだと。要するに、財政均衡を図るんであれば収入を上げるか歳出カットをするしかないという極めて当たり前のことを言っています。ただ問題は、その財政均衡をさせるのは議会の責任であって政治家の責任だと言っているんです。
 現場に入って、私はこれに金使います、負担は減らしますと言うのはうんと楽です。だけど、増税します、増税を考えていますと言ったら目ん玉ひんむかれます。歳出カットをすると言ったらまた怒られます。だけど、バーナンキさんが言っているのは、バーナンキさんは別に言葉を引くまでもないんですけれども、財政均衡をするというのは政治家の仕事なんだと。財政法を見ても憲法を見ても予算は国会の責任です、提出権は内閣にありますけれども。この財政均衡をさせるということについての責務というのは政治家なんだということについては私どもは肝に銘じる必要があると思いますし、特に、くどいようですけれども、政権交代になったということに関してそこの気持ちはとことん踏まえて、やっぱり改めて確認をしていくことが大事ではないかというふうに思います。
 くどいようですが、引き続き何もしないで、何も財政計画も再生計画もしっかりと計画を作らないで赤字国債の発行だけを拡大するということをやれば、自公政権の延長線上になってしまいます。その轍は絶対踏んではいかぬのだということを私どもは確認をしなければならないというふうに思います。
 そこで私は、直下の問題として、国債はソブリンリスクというふうに言いましたけれども、債務不履行になるなどという可能性は日本は少ないと思います。問題は利払い費です。
 今、日本の長期金利は、アメリカ、イギリス、ドイツといった国に比べて非常に低い金利になっています。アメリカは大体十年物の長期金利は、この資料の、付けていたと思いますが、資料の六ページ目を見ていただきたいんですけれども、今大体三%を超える水準で、日本だけ一・四%という大変低い水準であります。しかし、その中のスプレッドは二%ぐらいありますね。かつて日本とアメリカというのは一%ぐらいのスプレッド、利差がありましたけれども、いったん広がって今縮まっていますが、しかしまだ二%ぐらい。極めて低い金利なんです。この金利が低いがために、普通国債の発行残高が七百兆あったとしても利払い費が非常に低く済んでいるという、そういう事実があります。
 日銀総裁にお伺いしますが、簡単でいいです、日本の長期金利はなぜ低いんでしょうか。
#609
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 長期金利の決まり方、これはもちろんいろんな要因で変動をいたしますけれども、基本的には将来の成長率、それから物価上昇率に対する市場の見方を反映して決まってくると。これに、あと国債を保有することに伴うリスク、いわゆるリスクプレミアム、これが加わって形成されます。この点を踏まえまして日本の金利を考えますと、基本的には先行き景気の持ち直しのテンポが緩やかなものにとどまり、その下で物価の下落圧力がなおしばらく続くという経済、物価に対する市場の慎重な見方を反映しているということだと思います。
 加えまして、もう一つだけ申し上げますと、リスクプレミアムでございますけれども、現在のところ、国債保有に伴うリスクプレミアムは、これは高まっていないというふうに見えます。これは、最終的に政府、それから日本銀行がしっかりと政策を行っていくということに対する信頼が得られているということでありまして、私どもとしては、中央銀行としては、そうした信頼をしっかり得ていくことを通じて長期金利の安定的な形成に努力をしていきたいと思っております。
#610
○平野達男君 ありがとうございます。
 日銀総裁は、今、長期金利の形成については理論的なことをおっしゃいまして、基本的には期待成長率プラス期待インフレ率プラスリスクプレミアムだとおっしゃいました。日本はデフレです。ですから、期待インフレ率は低い。だけれども、それ以上重要なのは期待成長率が低いということだろうと思います。
 日本は今景気が悪いがために金利が抑えられているということで、これから我々は成長戦略等々を講じながら成長期待を高めようと思っています。そして、菅大臣は三%の名目成長率を設定しました。三%の名目成長率を設定するということは、名目金利も相当上がるということです。ところが、上がったら、国債が残高が物すごい大きな量になっていますから、七百兆ということになりますと、一%で、すぐには七兆上がりませんが、国債の平均発行期間が五年だとすると、五年間で毎年一・四兆ずつ、そして七兆上がります。これはもう財政的に考えられない状況になるんです。これぐらい、まあおっかながらせるわけじゃない、おっかないというのは岩手県の言葉ですけれども、脅かすわけじゃないですけれども、現実はそうだということなんです。だけどやっぱり、そういうことを踏まえてこの財政という問題を考えていかなくちゃならないなということだと思います。
 今年度の国債発行は五十三・五兆でした。私は五十三・五兆と聞いたときに、あれっ、これ今年、ひょっとしたら国内でその五十三・五兆の国債を賄えないんではないかということをずうっと気にしていましたけれども、結局、今年度もどうやら経常収支は黒字ですから、五十三・五兆の国債を出したとしても国内で賄えそうです。
 なぜこんなことができたのか、本当はこれ質問する予定でしたけれども、答えを言いますと、企業の設備投資をどかんと落としたからです。対前年マイナス二〇%です。そして、個人消費を落として、家計も蓄えをすることにしたからです。蓄えをしたことによって貯蓄投資差額という、まあ専門用語は避けますけれども、貯蓄余剰を生み出した。それが銀行を通じて国債に流れて国債の消化に役立ったということで、これも実は日本が不景気だからということに支えられているということなんです。不景気なことによって支えられていて財政がもっているなんという国というのは、考えたくないですよ、私は。こういう問題をやっぱりきちっと国民に説明しなくちゃならないし、私は国民は説明すれば分かってくれると思うんです。
 いかなる政権も、今までの政権もこの財政問題については使うことばっかりやってきた。使うことばっかりやっている限りにおいては話は楽ですよ。私は役所にいたとき、農林省に二十四年間いましたけれども、本省にいたときは予算ばっかりやっていました。予算の実務については、大変僣越ながら皆さん方よりは多少知っています。裏も表も、裏はないかもしれませんけど、多少知っているつもりです。予算はこう使うといったらだれでも知恵出せますよ。負担を減らしたいというのもだれでも知恵出せますよ。だけど、バーナンキさんが言ったように、均衡させるためにはその財源を持ってこなくちゃならない、それが大変です。どこかを切るといったら必ず悲鳴が上がりますから。だけど、それをやらなくちゃならないということですよ。
 最終的には、景気の問題がありますけれども、増税問題についても、要するに議論は避けることなくということで、避けないということで菅財務大臣おっしゃっていますから、そのとおりでいいと思いますが、避けないで議論をするということが大事だと思いますし、それから、財政再建計画というのは六月に出てくるといいますが、これは林さんも言いましたけど、これは世界が見ていると思います。これを生半可な形でやりますと国債の評価が下がる可能性もありますので、これは、自民党さんに拍手入れられてもね、感謝はしますけれども、これだけがたがたの、要するに台所事情も蔵もがたがたにしてしまって、私ら国家財政を引き受けましたよ。その中で、それでも何とか財政をやっていかなくちゃならないこのつらさというものを私は国民に隠す必要はないと思いますよ。そういったものを出しながらやっぱり政権を維持していただきたいと思いますし、この先頭に立ってやるのは菅財務大臣でありまして、是非、菅財務大臣の最後に御決意のほどをお聞きして、私の質問を五時になりましたので終わらせていただきたいと思います。
#611
○国務大臣(菅直人君) 大変分かりやすく、今置かれた、まさに我が国が置かれた財政状況を逆に御説明いただきましてありがとうございます。
 私も一番、いろんなところが頭が痛いんですけれども、先ほど言われた、景気が回復したら財政状況は良くなるということであるならそれを目指すということでいいんですけれども、今の状況が、場合によったら景気が回復すると長期金利が上昇して逆に国債費が掛かるというようなことであるとすれば答えがなくなってしまうものですから、私もそのことについて何人かの経済学者にもどういうことになるんだと聞いているわけですが、やはり基本的には景気が回復していくことが、デフレが緩和することによって実質金利、利子率が下がるんではないかというような試算もいただいております。
 いずれにしても、今言われたような大変厳しいところにいるという認識は、先ほども申し上げましたが同じ認識をしておりまして、そして税調では、いよいよ三月に入りましたので、専門家委員会で所得税あるいは法人税、消費税を含めた税のことも議論をいただく、そして成長戦略も議論をいただく、まさに入りの問題を含めてしっかりした議論をしていって、平野さんの言われた、まさに決意を持って鳩山総理の下でみんなで力を合わせてやっていきたい。場合によったら野党の皆さんにも協議をお願いすることもあるかもしれないということも考えながらやっていきたいと、このように思っております。
#612
○平野達男君 終わります。
#613
○委員長(簗瀬進君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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