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2010/03/05 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第6号
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2010/03/05 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第6号

#1
第174回国会 予算委員会 第6号
平成二十二年三月五日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月四日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     川崎  稔君
     大江 康弘君     荒井 広幸君
     西島 英利君     衛藤 晟一君
     白浜 一良君     草川 昭三君
     谷合 正明君     澤  雄二君
     小池  晃君     紙  智子君
     近藤 正道君     山内 徳信君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     川崎  稔君     外山  斎君
     鈴木 陽悦君     轟木 利治君
     徳永 久志君     相原久美子君
     木庭健太郎君     加藤 修一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         簗瀬  進君
    理 事
                大島九州男君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                牧山ひろえ君
                川口 順子君
                西田 昌司君
                舛添 要一君
                弘友 和夫君
    委 員
                相原久美子君
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                川合 孝典君
                川崎  稔君
                喜納 昌吉君
                小林 正夫君
                今野  東君
                自見庄三郎君
                芝  博一君
                下田 敦子君
                鈴木 陽悦君
                谷岡 郁子君
                外山  斎君
                轟木 利治君
                友近 聡朗君
                円 より子君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                荒井 広幸君
                衛藤 晟一君
                加納 時男君
                木村  仁君
                佐藤 正久君
                世耕 弘成君
                橋本 聖子君
                牧野たかお君
                森 まさこ君
                若林 正俊君
                加藤 修一君
                草川 昭三君
                澤  雄二君
                紙  智子君
                山内 徳信君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鳩山由紀夫君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       外務大臣     岡田 克也君
       文部科学大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    川端 達夫君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       農林水産大臣   赤松 広隆君
       経済産業大臣   直嶋 正行君
       環境大臣     小沢 鋭仁君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 平野 博文君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        亀井 静香君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       少子化対策、男
       女共同参画))  福島みずほ君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   仙谷 由人君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      枝野 幸男君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松野 頼久君
   副大臣
       外務副大臣    福山 哲郎君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       厚生労働副大臣  細川 律夫君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大串 博志君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
       国土交通大臣政
       務官       長安  豊君
       国土交通大臣政
       務官       藤本 祐司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       内閣法制局第四
       部長       近藤 正春君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本三十分、自由民主党・改革クラブ六十四分、公明党十五分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(簗瀬進君) 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。大島九州男君。
#4
○大島九州男君 おはようございます。
 今日質問に立たせていただきました民主党の大島九州男でございます。民主党諸先輩方、同僚議員の皆様に感謝を申し上げながら、質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、平成二十二年度のこの予算の編成において一番苦労されたところ、そしてまた新政権と前政権とこの予算の理念の違い等ありましたら、しっかりそこら辺を菅財務大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#5
○国務大臣(菅直人君) 大島委員からこういう席で初めての質問をいただいておりまして、これからもいろいろと御協力をいただきたいとお願い申し上げます。
 平成二十二年度の予算のポイントを少しアピールをする機会をいただいたと思っております。コンクリートから人へという言葉、少しコンクリート業界に配慮しろという声もありますが、分かりやすい意味で、やはりこの理念がこの平成二十二年度予算の中でも大きく実現をしたと思っております。つまりは、従来の予算がやはり公共事業等に依存して景気対策等に当たっていたのを、国民生活が第一、コンクリートから人へという理念の下で大きく組み替えたものであります。その結果、御承知のように、公共事業関係費は一八・三%減、一方で社会保障関係費は九・八%増、さらには文教及び科学振興費も五・二%増と大きくめり張りを付け、大胆な資源配分の変更ができたと思っております。
 苦労した点については、このマニフェストのときに想定していたこと以上にといいましょうか、リーマン・ショックによって九兆円もの税収が二十一年度も、さらには二十二年度も低下をする中で、マニフェストの実現と同時に景気の全体の対策と、一方では国債が膨らむ中でぎりぎりマーケットに信認がいただけるように四十四兆円の中で抑えると、こういったところが、初めての予算であると同時に、そうした経済の大変難しい段階であることと重なって、いろいろ皆さんにも御苦労を掛けたと、こんなふうに思っております。
#6
○大島九州男君 大変そういう厳しい予算の中でのマニフェストの実行というのは御苦労があったと思うんですが、その中でも高校無償化、この法案につきまして我々民主党も力を入れているわけでありますけれども、この法案の目指すところ、いろんな意味、また思いがあると思うんですが、これは文教の方の鈴木副大臣、よろしくお願いします。
#7
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 今現在、高等学校等の進学率は九八%になっておりまして、その教育費を社会全体で負担をしていくということでございます。このことによりまして、高等学校等については、家庭の経済状況にかかわらず、すべての意志ある高校生が安心してかつ集中して教育を受けることができるということでございます。とりわけ、今家庭の経済状況が大変厳しくなっておりますので、そうした負担軽減につながります。
 もう少し申し上げますと、これでアルバイトをしなくていい、あるいはそれを減らすことができる高校生が増えるということです。それからもう一つは、低所得者のアンケートをしてみますと、もう高校までで勉学をあきらめているという層が非常に多くなります。しかし、このことによって次の大学を始めとする高等教育への夢というものが開けます。そういう次の夢を持って高校の生活を送るかどうかということは、まさに学ぶ意欲ということに極めて大きな好影響を与えるというふうに考えております。
 それから、委員もよく御承知のとおり、既にほとんどの先進国では後期中等教育は無償化をしておりますし、国際人権A規約にも中等教育における無償教育の漸進的導入が規定をされておりまして、言わば世界的な常識ということでございます。イギリスでは一九一八年から高校無償化でございますし、ドイツは一九一九年。まさにそうした国に遅れること九十年たっておりますけれども、我が国も高校を無償化をすることによって先ほど申し上げました所期の目的を果たしていきたいというふうに考えているところでございます。
#8
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさに我々日本の教育が新たな一歩を踏み出したと、そういった強い意思を感じる御答弁をいただきましたけれども、当然、この法案が成立をし、この国際人権A規約の後期中等教育の漸進的な無償化の留保に向けた動きが加速するのではないかと、そういう世論も……(発言する者あり)留保解除ですね、留保の解除が促進していくんではないかというふうに思っておりますが、そこら辺の今後の見通しを、外務副大臣、よろしくお願いいたします。
#9
○副大臣(福山哲郎君) 大島委員にお答えをさせていただきます。
 大島委員におかれましては、ずっと人権問題について御尽力いただいていることに心から感謝申し上げます。
 今御質問のありました国際人権規約の留保解除に向けての見通しでございますが、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、いわゆるA規約の第十三条2の(b)に規定する後期中等教育、すなわち日本でいうと高校教育でございますが、この高校教育については、今、先ほど鈴木副大臣からお話がありましたように、高校実質無償化法案が提出されているというふうに承知をしております。また、今日から衆議院の委員会でも法案の審議が始まっているというふうに思っております。
 外務省としては、この法律と人権規約上の我が国が負う義務との関係を精査をしておりまして、留保の撤回につき今検討しているところでございますが、一般的に申し上げれば、法案を通していただき、またこの予算が成立をした時点で外形上の要件は私は整ってくるというふうに思っておりますので、そのことを前提にしながら我々としては現在検討しているというところでございます。
#10
○大島九州男君 ありがとうございます。
 当然この法案が可決をしていくことが大前提でございますので、その暁には是非前向きに進めていただくことを要望をさせていただきたいと思います。
 この高校無償化法案の衆議院の予算委員会での質疑等を踏まえていろんな話を聞かせていただきますと、私学助成が減らされたようなイメージを受けるような質問が非常に目立ったような気がするんですけれども、実際のところ、ここは文科省として、この私学助成が減ったというような、そういった事実はあるのかどうかをちょっと御答弁いただきたいと思います。
#11
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 まず、結論から申し上げますと、私学助成は単価においても総額においても増えております。
 委員御案内のように、私学助成は国庫補助と地方交付税措置と、これ両方でございます。国庫補助につきましては生徒数が減少いたしておりますから四十億円の減額になっておりますけれども、地方交付税は百一億増額をいたしておりますので、差引き六十一億の増額というふうになっております。それから、国の財源措置につきましても、生徒一人当たりの単価はこれ充実をいたしておりますので、高校で申し上げますと対前年度比一人当たり五千二百円増えているというのが実態でございます。
#12
○大島九州男君 私もそのように理解をさせていただいているんですけれども、余りにもこれで、私学助成がなくなって私学に通うお子さんは大変だと、そして公私間格差が大変増えているというような、そういう質問が目立っていたというのがありましたので、確認をさせていただきました。
 これまた地方を回っておりますと、市町村の方から、民主党はコンクリートから人へというそういうメッセージだから学校の耐震化は後回しじゃないかと、特に子供たちの命を守る耐震化についてのこれまた予算が減らされていて、我々市町村ではその学校の耐震化ができないんだというようなことを言う声も聞くことがあるんですけれども、これも私はちょっと事実とは違うんではないかという印象を持っておりますが、そこのところも、副大臣、御答弁よろしくお願いします。
#13
○副大臣(鈴木寛君) お答えを申し上げます。
 公立学校施設整備費の中で、平成二十二年度予算編成におきましては耐震化に重点化いたしております。その結果、二十一年度の当初予算は千九百棟でございましたが、平成二十二年度予算におきましては二千二百棟、三百棟積み増しをいたしております。予算につきましても、七百八十三億円から九百十億円に、二〇%、二割増の予算を増額して計上をさせていただいているところでございます。
 それから、加えまして、子供の命、安全を守るための予算ということでございますので、総理からもこの二兆円の景気対策枠を視野に入れた活用ということについても御答弁をいただいているということでございます。
#14
○大島九州男君 ありがとうございます。
 現実的にはそういうことでありますので、正しく市町村も理解をしていただくと有り難いということもあるんですが、こういううわさレベルの仄聞でいきますと、公立高校が実質無償になって私学に就学支援金を出すんだけれども、このただとお金を払うという部分でこれもまた非常に差があるんだと、だから私学に志願者が減って私学の経営が危なくなるんだというようなこともやはり衆議院の予算委員会で指摘をされていたんですけれども、そこのところの認識は、副大臣、どういう認識でしょうか。
#15
○副大臣(鈴木寛君) 具体的数字で申し上げた方が分かりやすいかと思います。
 例えば世帯収入五百万円以下の私学生に対して申し上げますと、平成二十年度実績ベースで申し上げますと、国、地方で二百九十億円の授業料減免などに充てられる予算を確保されておりました。今年度、高校無償化に伴う、私学に対しても就学支援金というものが交付をされます。国、地方で七百七十七億円ということになりますので、二百九十億から七百七十七億円に増えていると、私学向けの分だけでですね、というのが実態でございます。
#16
○大島九州男君 ここに、ちょっと資料でも出させていただいておりますけれども、平成二十二年度私立高校入試の出願状況を見ますと、私が、新聞情報でありますけれども、インターネットでずっと調べさせていただきましたら、ほとんどの都道府県で私学の志願者が増えている状況になっていると。景気が悪いのでなかなか私学に行く人が少なくなるんじゃないかと言われていたところが実はそうではなかったんではないかという、そういう数字が出ているんですね。
 公立の方を調べますと、公立は前年とそんなに余り大差はないという数字が出ておりまして、それからいきますと、この高校無償化・就学支援金制度というのは保護者にとっても大変有り難かったという、そういう結果が出ているんではないかと、今のところですね。
 私立高校に在学している二年生、三年生の保護者については大変評判がいいというのを、これは私学の学校の先生からも聞かせていただいておりますが、一番心配なのは、実は地方が、国が就学支援金を支出することによって都道府県の授業料減免の予算を削減をしているという、こういうことが一番困るんですが、そこら辺はどういうふうにお考えでしょう、副大臣。
#17
○副大臣(鈴木寛君) 今回の国、地方を合わせた結果、それぞれの生徒の立場から見ますと、年収二百五十万円未満の世帯につきましては、全額免除になる県が三十七県に増えます。つまり、四十七都道府県中三十七都道府県につきましては私立も含めて授業料が無償になるということです、二百五十万以下はですね。それから、年収三百五十万円未満ということで申し上げますと、十二県が全額免除になるということでございます。全額でなくても、いずれも減額というものは二百五十万円についてはなされるということで、一人一人の生徒で見ますとほぼおおむね拡充をされているわけでございます。
 ただ、都道府県、まあ国、地方を合わせて申し上げるとそういうことなわけでありますが、地方においての総額が、ある県では、非常に今までもそうしたかなり積極的な取組をしていただいている愛知県等がございまして、そういう県が県の持ち出し分が若干減っておりますので、トータルといたしますと県の持ち出し分が三十億程度減っていることは事実でございます。
 私どもといたしましては、その三十億を、低所得者分については、そういう県は授業料についてはもう万全の措置をしていただいておりますし、更に改善をしていただいているわけでありますが、そうした分を更に授業料以外の就学に関する支援に充てていただくということがそれぞれの県、あるいは県議会での議論を踏まえてなされることを強く期待はいたしているところでございます。
#18
○大島九州男君 ありがとうございます。
 その国の手厚い支援も、県によっては、先日もちょっと話を聞きますと、栃木県では、地方交付税なんだから県に裁量があるので、どこに予算を使おうと関係ないというふうにおっしゃって、八千万ほどこういう予算が削られたということがあります。
 だから、我々民主党としても、そこら辺は地方をしっかりと県会議員の皆さんや連携をしながらチェックをしていきながら、そして文科省にもしっかりここのところを注目していただいて、現状を把握していただくことを要望させていただきます。
 お金の問題ばかりではなくて、やはり学力の問題が一番大切でございます。そういった意味で、このゆとり教育からの脱却への子供の学力向上のための施策についてお伺いしたいと思います。副大臣、よろしくどうぞ。
#19
○副大臣(鈴木寛君) 委員御案内のとおり、四十年間にわたりまして学習指導要領の内容が削減をされてきたわけでございますが、今般、新学習指導要領を今実施、導入というものを準備しております。四十年ぶりに小中学校におきましては一割増の授業時間数と。
 内容で申し上げますと、つまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返し学習でありますとか、観察、実験やレポート作成、論述など、知識、技能を活用する学習、こうしたポイントに重点を置いております。
 それから、理数教育でございますけれども、国際的に通用するそうした人材を育成するという観点から、平成十年の改訂で削減されました台形の面積の求め方を復活をさせる。あるいは中学校、今のは小学校算数でございますが、中学校理科におきましては地球温暖化について盛り込むといった教育内容の充実を図り、そのための準備もいたし、それから、そのための教職員の確保ということも、昨年の五倍強に上ります四千二百人の定数改善を今回の平成二十二年度予算で盛り込んでおりますので、そうした体制を組まさせていただいているということでございます。
#20
○大島九州男君 ありがとうございます。
 教科書の内容についてなんですが、資料で三から三の五まで用意させていただいております。これは「どうする「理数力」崩壊」というPHP出版から出ている本から引用したものでございますけれども、英進館館長筒井先生という先生がこの子供たちの学力について大変危惧をされていらっしゃった。
 こういう教科書内容の削減でございますけれども、今後新しい指導要領の中でどのような形でこの削減された内容を復活させていく指導をするのかということについてお伺いしたいと思います。
#21
○副大臣(鈴木寛君) 今回は、相当多数の項目についての復活あるいは新規追加というものが、それぞれの理科あるいは算数あるいは外国語といったところで行われております。これを一々御説明する時間がないわけでございますけれども、例えばイオン、中学校の理科では三年生でイオンを教えるということが、これが復活をいたしておりますし、あるいはDNAを教えるということを新規に追加をするなど様々な、これもう何十項目とあるんですけれども、そうしたことをやっております。
 ただ、私申し上げたいのは、学習指導要領で追加をして、そして、学習指導要領は最低基準ということになっていますから、これを含んでいれば、それ以上どれだけ詳しいものにしても教科書はいいことになっております。したがって、教科書はこれから内容を豊富にしていくようになるというふうに思っておりますし、そのことを期待をしているわけでありますが、しかし、それ以上に大事なことは、学習指導要領を単に履修するだけじゃなくて習得をするということだと思います。そのためには、教員の、新しい学習指導要領を踏まえた教員体制の質と数、これを十分に確保していくということが、まさに学力の習得という観点から重要だというふうに思っております。
 それから、今、教科書のデジタル化、あるいは教材のデジタル化ということについて検討を開始しておりまして、こうしますと、ある意味では、デジタルですから、無限にといいますか、技術的な要件からいうと幾らでも内容を増やすことができると。内容を増やすのみならず、こういうことになりますと動画を入れるということができます。そうしますと、理科などの理解には動画を入れるということは非常にプラスになりますし、あるいはワークシート、こうしたものもデジタル教材の中で加えていくということも可能になりますので、そういう新しいパラダイムに基づいて指導内容の充実とそしてその定着ということをヒューマン、ソフト両面にわたって考えて、充実をさせていきたいというふうに考えております。
#22
○大島九州男君 ここの資料の三の四にあるように、昭和四十二年度では化学式が五十三あったやつが平成十四年度では六に削減をされていると、こういうふうに非常に薄っぺらな教科書になってしまった。まさに科学はどんどん進歩をしていっているこの世の中に、この学習内容が小さくなっていくというのはあり得ないことですので、特に今後のこの教科書の内容については、文科省もしっかりと教科書会社と連携しながら内容の充実に努めていただくことを要望して、そして、教科書といえば我々が作らせていただいたバリアフリー法案、このバリアフリー法案について質問をさせていただきますが、バリアフリー法案が施行後二度目の新年度を迎えるようになっております。
 この第六条には、教科書図書発行者は指定種目の検定教科書用図書に係る標準教科書用特定図書等の発行に努めなければならないという教科書出版者の努力義務を規定されてありますけれども、今この努力義務が果たされているかどうかという見解をお伺いしたいと思います。
#23
○副大臣(鈴木寛君) 小学校、中学校においては、この法律によって相当な改善が見られているというふうに思っております。
 高等学校段階でございますが、これも従前がほとんど対応が皆無であったと。例えば高等学校段階の拡大教科書というのは昔はゼロですから、それが三十一種類といいますか、三十一点になりました。それから、冊数もゼロ冊だったわけでありますけれども、それが千六十二冊ということでございますので、進展はいたしておりますが、なお努力は求めたいというふうに思っております。
 しかしながら、教科書会社の努力はもちろん促すといたしましても、学生生徒にとっては貴重な一年一年でございますので、視覚障害特別支援学校についてということではありますけれども、三十一点は拡大教科書対応ができておりますが、十四点が残っております。この十四点につきましては文部科学省の調査研究事業ということで位置付けさせていただいて、十四点についてもきちっと拡大教科書対応をさせていただくということで、本来は教科書会社に努力義務があるわけでありますが、その分は文部省が応援をするという形で、視覚障害特別支援学校については足しました四十五点全部について対応ができるようにこの平成二十二年度からなったということが現状でございます。
#24
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさしくその十四点についてこのような形での拡大教科書、今まではボランティアの方がお作りになられていたわけですけれども、そういう拡大教科書を今年はそういった調査研究ということで文科省にやっていただいたことに大変感謝を申し上げます。
 お隣の韓国では、先ほど副大臣言われました電子教科書というような形の取組が始められたというふうにお聞きしておりますけれども、我が方のバリアフリー法案の第五条には、文部科学大臣に提出される教科書データは教科書用特定図書を発行する者しか提供できないというふうになっているから、子供たちにそういうデータが渡せないんだというような意見があるんですが、そこについての御見解をお伺いしたいと思います。
#25
○副大臣(鈴木寛君) まず、現状は、発行者に加えまして、今委員も御指摘いただきましたけれども、拡大教科書の運動を拡大に努めていただいておりますボランティア団体にはデジタルデータはお渡しをいただけるようになっております。
 今御指摘のそれぞれの生徒にというところでございますが、生徒が放課後や自宅等々でと、こういうことでございますが、これは非常に有効だというふうに思っておりますが、若干クリアすべき課題がございまして、著作権法の問題、これは非常に悩ましいわけでありますけれども、著作権法の問題でありますとか、これはデジタルデータだけ持って帰りましてもフォーマットの問題とかセキュリティーの問題で直ちに使えない場合もあるということでありますので、そうしたことも含めて、そうしたデジタル環境の改善も含めて今後精力的に研究してまいりたいというふうに思っております。
#26
○大島九州男君 ありがとうございます。
 そのように進めていただけることを心から願っております。
 最後に、このバリアフリー法案、教科書会社は努力義務でありましたけど、我々民主党は努力じゃなくてしっかり義務として規定をしたいという思いがあったわけでありますけれども、今後この教科書改訂が二十三年度に行われたその以降これが進まないというようなことがあれば、これを義務化するとかいうようなことも必要になるんじゃないかという思いもあるんですが、そこら辺の見解はどうでしょうか。
#27
○副大臣(鈴木寛君) 私も大島委員とこの法律の制定について御一緒にやらせていただいたわけでありますが、政権が交代をいたしまして我々立法者が政権に着いたということもあってか、急速に努力を開始していただいているようでございまして、今九割ぐらい努力義務が履行されております。ですから、大手においてはほぼやっていただいていると。
 ただ、中小の部分が若干、特に先ほど申し上げましたように、高校になりますと種類が多くなるとかいろんな課題がございますので、もう少し努力義務、そして自主的な御努力、それから先ほど申し上げましたような一部文部科学省の御支援といったところでまず実態をより良くしていただくと。その上で、どうしても必要だということになれば法改正についても検討はしてまいるという可能性は否定いたしませんけれども、まずは現行法でやれるだけのことをやると、あるいはやっていただくということだというふうに理解をいたしております。
#28
○大島九州男君 ありがとうございます。
 そういう中小の出版会社にもできるだけ配慮をしていただきながら御指導をいただければというふうに思います。
 それでは、次に移りますけれども、今回、鳩山総理が統合医療ということで施政方針演説の中にも言っていただきました。まず、我々が議連を立ち上げたころには、NHKでは、この統合医療という概念がはっきりしないということでNHKの放送では使えないというふうなことを言われた記憶があるんですけれども、まさにその新しい言葉がこれから広がっていこうとしているところだと思いますが、この統合医療という言葉の概念と、この統合医療を推進して目指すところをよろしくお願いいたします。
#29
○大臣政務官(足立信也君) お答えいたします。
 まず、概念と目指すところということでございました。
 概念につきましては、まず言葉の理解が必要なのは、相補代替医療ということだと思います。この範囲は極めて広いものでありますけど、例を挙げれば、漢方や、はり、きゅうに代表される伝統医学、あるいはハーブ療法とか温泉療法とか自然療法とか、そういうものがございます。そのような相補代替医療と近代の西洋医学を統合させる、お互いに利用するということだと思いますが、それが統合医療と、これが概念でございます。
 その目指すところということになるわけですが、二点申し上げたい。鳩山内閣あるいは長妻厚生労働大臣の中での医療行政のキーワードは予防医療だと私は思っております。その予防医療を推進するということが一つ統合医療の推進につながっていく。それからもう一つは、今まで近代西洋医学というものは、例えば原因の究明、そしてそのメカニズムの解明ということを推進してきたと、そうとらえておりますけれども、そこで少し足りなかった部分は、人間という個体を、人間全体をとらえるという観念が足りなかったのではないかと、そのように思います。これがいわゆる伝統医学の中で重視されているものでございますので、ということを推進するということを考え合わせると、国民の皆さんの多様なニーズにこたえられる医療、これを今後推進していくんだということが我々の統合医療の推進の目的であると、そのように思います。
#30
○大島九州男君 私どももこの統合医療推進の議員連盟というものに入らせていただいておりますけれども、今の統合医療という概念の中にある鍼灸、マッサージやその他ハーブ療法いろいろというものを聞かせていただくと、国家資格のある分野もあり、それは無資格の分野もあったりとか、保険適用のものもあればないものもあると、多様な実態でありますけれども、この統合医療PT、足立政務官が先頭になってやられると思うんですけれども、どのような形で進めていくのか、基本的な考え方というものを教えていただきたいと思います。
#31
○大臣政務官(足立信也君) 相補代替医療というものは、今、大島委員も御指摘のように、まさに玉石混交であると思います。私自身の経験からしても、手術の後に実は一回も外来に再診で訪れなくて、家族あるいは親戚の方から勧められたいわゆる相補代替医療をやってきたと。突然訪れたときにはもう末期に近い状態であったという経験もございます。これは玉石混交、中には非常に優れたものもあると私は思います。ということは、我々がまずやるべきことは、このエビデンスをしっかり確立する必要があると、そのように考えています。ということで、四つの柱を考えました。
 まずは、実態の把握をする。これは、医療においてどのようなことが行われているか、あるいは国民の皆さんがどのような相補代替医療を利用されておられるのか、それを把握する必要があるだろう。その中で、今までに研究が盛んにやられております。そして、来年度予算を我々は漢方医療について十億円という予算を今のところ考えさせていただいておりますけれども、どのようなエビデンスが今まで出されているのか、これを評価する。そして、その中から新しい知見を創出できないか、そのことを国民の皆さんに情報開示として伝えると、この四本柱を推進していきたいと思っています。
 これからは、伝統医学とはいいながら個別化医療、その人に合った医療というものが求められる時代に必ずなってくるんだと思うんです。そのためのエビデンスの集積ということにまずは力点を置きたいと、そのように考えております。
#32
○大島九州男君 ありがとうございます。
 もうまさしく今政務官がおっしゃっていただいたように、エビデンスがしっかりしないものについて、例えばそれを保険適用するだとか、そこにまた国家資格を創設するということもできないと思います。だから、そういった意味でこの統合医療、予防という一つの観点の中に健康寿命を延ばしていくということが大変必要なことでありますし、そうなれば当然、病気も減っていけば医療費も減っていくんじゃないかと。
 そういったことを含めながらこの統合医療は推進されることを非常に望むんですが、医療費と、また療養費だとかいうようなことで我々一般国民にとっては分かりにくい部分がたくさんあるんですが、例えばその医療費と鍼灸、あんま、マッサージ等に係る健康保険上の取扱いについて、受領委任払いも含めて、その違いというものを説明をしていただきたいんでございますが、副大臣、よろしくお願いします。
#33
○副大臣(細川律夫君) 大島委員にお答えをいたします。
 大学病院とかいわゆる病院など医療機関で治療を受けた場合には、その医療費につきましては窓口で個人負担分をお支払をすると。後はその医療機関から保険者の方に請求をして、その医療機関が治療費を受け取ると、これが医療の方でございます。
 それから、療養につきましては、これは償還払いと言いまして、鍼灸、あんま、マッサージなどにつきましては、これは掛かった費用をすべてまず患者さんが窓口で支払うと。そして、その後、保険者の方に患者さん本人が請求をする。請求しましたら、自己負担分を除いた分が患者さんに現金で支払われると、こういうことになっております。
 ただ、柔道整復師に関しましては、これは骨折とかあるいは捻挫とか外傷性の応急的な措置をしなければいけないというようなこともありまして、患者さんの利便を考えまして受領委任払いというような特例を認めまして、そこで一般の医療機関での窓口払いと同じような形を取っております。
 以上です。
#34
○大島九州男君 同じ今言う療養費の支払の中でもその受領委任払いという制度は特別だということで、これが結局世間ではこの受領委任払いがなくなるんじゃないかというようなことをよく我々も聞かれたりするんですけれども、そこら辺はどういう形で、堅持されるのかどうなのか、そこを含めてお願いします。
#35
○副大臣(細川律夫君) 先ほども申し上げましたように、柔道整復師さんが施療される場合、その疾病というのは骨折とか捻挫とかすぐに対応しなければいけない、そういうものでございますから、そうしますといろいろな、お金の持ち合わせとかいうような場合も、ないようなことも考えられ、患者さんの利便のためにこういう受領委任払いという特例を認めておりまして、これはやっぱり患者さんの利便ということで今後も堅持していきたいというふうに考えております。
 以上です。
#36
○大島九州男君 分かりました。患者さんの利便性というような観点、またその他いろんな特別な事情からその制度は堅持されるというふうに理解をさせていただきました。
 鳩山総理にお伺いをいたしますけれども、統合医療というものについて総理が施政方針演説でもしっかりと明言をされて、厚労省にプロジェクトチームを立ち上げられたと。これを今後、日本の医療を統合医療でどのように変えていこう、どのような思いがあるのか、その思いをお聞かせいただきたいと思います。
#37
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大島委員から、統合医療に対する思いをということでございます。
 今、それぞれお話がありました。簡単に言うと、病気になってからというものを中心としてきた近代西洋医学と、それに対して、病気になる前、むしろならないように、未病という言葉が最近はやっておりますけれども、未病とか予防というものに重視をしようという、東洋医学だけではありませんが、そういった思想を持った医療がございます。それを一人一人の人間に統合的に当てはめていこうではないかという話でございます。
 これは、私は将来的には、これアメリカなどは相当進んでおるわけでありますけれども、日本にもしっかりとこの考え方を導入すれば、最終的には医療費の大幅な削減にもつながる可能性が十分あると、そのように思っておりまして、非常に期待をしているところであります。
 今、エビデンスが大事だという話がございました。確かに、数学的に言うとA足すBはその答えはちゃんと決まるわけでありますが、医療というもの、あるいは人間の体というのは一人一人はすべて違います。したがって、あの人には効くけれどもこの人には効かないというものが実はあります。それをもってだから駄目だというふうに言い切れるのかどうかということを、もっと科学的に決めていこうということを今しっかりとやる必要があろうかと思っておりまして、そのことが理論的に解明されていけば、一人一人に本当に必要なある意味での統合医療のやり方というものを決めていくことができるのではないか、そして、それが一人一人の健康につながる、幸せにつながるということになれば、命を大切にする新しい政治に、大変社会にふさわしい私は統合医療であろうと、そのように確信しているところでございます。
#38
○大島九州男君 ありがとうございます。
 鈴木副大臣、離席をよかったらどうぞと。
#39
○委員長(簗瀬進君) はっきりと言ってください。
#40
○大島九州男君 鈴木副大臣、離席を。
#41
○委員長(簗瀬進君) 鈴木副大臣、結構だそうです。
#42
○大島九州男君 申し訳ございません。慣れないものですから。
 今お話をいただきました、まさに人それぞれ違う。大きな木にはたくさんの水分が要るけれども、小さな草花には少しの水でいいと、こういったことがあります。まさにそういったことからいって、一人一人を大切にするという鳩山総理の理念からすればこの統合医療というのは大変重要な分野だというふうに思いますので、我々もしっかり勉強させていただいて、厚労省の皆さんとともに日本の国民のために頑張っていきたいというふうに思います。
 それでは、次に移らせていただきますが、中小企業対策につきまして、今度、年度末を迎える中小企業は大変厳しい経営環境にありますけれども、その中小企業に対する支援策、資金繰り対策について、松下副大臣、御答弁よろしくお願いいたします。
#43
○副大臣(松下忠洋君) 今御質問がございましたように、年度末の資金繰り対策、経済産業省としてもしっかり取り組んでおります。中小企業や小規模事業主を含めてですけれども、その資金繰り対策を含めてしっかりと中小企業を支えろということは、鳩山政権の発足時に総理から指示があった四大課題の一つでございます。
 平成二十一年度の第二次補正予算では一兆円を超える予算を手当ていたしまして、景気対応緊急保証、それからセーフティーネット貸付けの延長拡充等の措置を盛り込みまして、予算成立後、二月十五日から速やかに実施に移しております。
 特に、景気対応緊急保証は、原則全業種を対象とするとともに、認定要件の弾力化などによりまして中小企業にとって使い勝手の良い制度に改善しております。七百九十三業種を千百十八業種に広げましたし、売上げ要件で前年度比三%減少というのを、特定の事象で売上げが減少したということではなくて、そのもう一年さきにさかのぼってどういう状態だったかということも含めてしっかりと使いやすいようにしていったということでございます。
 こうした対策の実現も踏まえて、亀井大臣が努力されましたあの金融円滑化法の実効を上げるそういう活動も含めてですけれども、今月の一日に全国の信用保証協会等の代表者に集まっていただきまして、しっかりと中小企業の立場になって今まで以上に親身な対応をするように強く求めてきたところでございます。
 また、年度末対策としましては、これらに加えまして、日本公庫や商工中金による条件変更の目標、一兆五千億でしたけれども、これを来年度末までに二兆円に引き上げて実行していきたいと、そう考えております。
 また、年末対策のときには、私も実際に現場に出向きまして中小企業のあらゆる相談に一か所でお答えをすることができるワンストップサービスデーというのを全国に展開しましたし、資金繰りに特化した中小企業金融合同相談会を全国二百八十か所で実施しておるところでございます。
 年度末に向けまして、中小企業に安心感が広がるように資金繰り対策に万全を期してまいりたいと思っていますし、今経済産業省では、広い視野から中小企業の憲章をつくって、中小・小規模事業者しっかりと激励し支援していく、そういう憲章にしたいと思って努力をしております。
 以上でございます。
#44
○大島九州男君 ありがとうございます。
 大変皆さんが努力をされて中小企業に手厚い政策を取られるというのは大変有り難いことでありまして、ただ、先ほど統合医療の中で話がありました、この人にはこれが効くけどこの人にはこれが効かないと。まさに今回の金利をとにかく下げてほしいとか元金を払わないようにしてもらいたいというふうなことで助かる企業もあれば、非常にもう担保いっぱいいっぱいずっと借りてきて、もう常に元金がちょっと減るとまた借り増して、また減るとまたそこで貸してもらってというふうに、銀行でプロパーでずっと付き合っているようなそういった中小の小規模企業、業種なんというのは、担保を基準にしてお金を貸してもらうというのがもう当たり前になっていて、銀行の方も、この企業は先は望めないけれども、何とかその利息だけでもしっかりと返してくれるまじめな企業だから、新たな返済が増えるとこの今毎月毎月返しているやつも結局返せなくなるんじゃないか、だから新規の国がやるセーフティーネットもこの保証はちょっとできないなというような形の中で借りれないような企業があるんですが、そこら辺、大臣どのように、亀井大臣に、把握されているかお聞きしたいと思います。
#45
○国務大臣(亀井静香君) 委員の御指摘の状況だと思います。
 金融庁としては、昨年十二月に監督検査マニュアルを抜本的に変えまして、コンサルタント的な立場でやってくれという強い指導、また検査もやっております。若干金融庁はきついことをやっているんです。そういう立場で融資活動をやっているかどうかをそれぞれの行員の勤務評定にしろと、そこまで踏み込んだことをやっております。
 委員御指摘のように、担保、個人保証にどうも偏重したような貸出しマターが見られるわけでありますが、企業の良き相談相手、その企業を育てるという観点からの融資をやってくれということをお願いをしております。
#46
○大島九州男君 大変有り難いことなんです。
 我々は貸す側の視点もちょっと考慮してあげなきゃいけない。それは何か。金融の融資の窓口に座っているサラリーマンの人は、やはり自分の評定も必要なんですよね。自分のやっぱり評価、貸倒れしたりとか焦げ付きになると自分の評価が下がるわけです。
 だから、何が言いたいかというと、一律今ある担保の評価を二倍に評価してあげるというようなことを金融庁がしっかり指導してやっていただければ、その窓口の人は自動的に貸せるんですよ、枠が増えるから。こういうことを短期的にでもやっていただければ、本当にまじめに一生懸命返してきたそういう中小企業は救われるんでございますけれども、そういった処方せんというものはどうでしょうか、大臣。
#47
○国務大臣(亀井静香君) いやもう全く委員の御指摘のとおりでございまして、金融庁としては従来の監督検査の方針をある意味ではがらりと変えて現在実施をいたしております。
 借り手なくして貸し手というのは存在し得ないわけであって、そういう意味では、特に窓口の行員、これのもう精神革命をやってもらうというようなことで取組をお願いをいたしております。
#48
○大島九州男君 ありがとうございます。
 大変中小企業の皆さんが喜ぶような答弁でございますので、是非、これを実行する上で、まじめにやってきた、長年担保いっぱいいっぱいの中で借り増しをしながらずっとやってきた、そういう中小企業を対象にその担保の評価を広げてあげるという施策を取っていただきたいと思います。
 そして最後に、総理に、この日本の中小企業、これは当然日本を支えてきた原動力でもございますので、その中小企業の皆さんに今後エールを送っていただくような強い信念でもってこの金融対策に前向きに取り組む御答弁をいただきたいというふうに思います。
#49
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大島委員から強い意思を示せということであります。新政権も、御案内のとおり中小企業対策、万全を期してまいったつもりでございます。
 今、大島委員が例えの話の中で統合医療と中小企業のそれぞれの類似性の話がありました。私もまさにそうだと思っておりまして、すなわちきめ細やかな対策が必要だという意味でありますが、大島委員に効いても私には効かない、だからこの薬は駄目なんだみたいな発想ではいけないと思っていまして、それを科学的に分析する、どういう性格のところだとうまく効くのかというところまで科学的に、あるいはもっと精緻に調べると分かるはずでございます。
 同じように、中小企業対策もそうだと思っておりまして、きめ細やかに、どういう中小企業の方々にはどういう施策が必要なのか、まさにそのことをしっかりと、資金繰りの対策とかあるいは物づくりの支援とか、あるいは商店街の対策とか様々あろうかと思います。あるいは海外に進出しようとしている人たちにうまく支援をするとか、様々なやり方があろうかと思っておりますので、内閣挙げて中小企業対策に万全を期してまいりたい、私どもはそう思っております。
#50
○大島九州男君 ありがとうございました。
 各御答弁をいただきました皆様には真摯な御答弁をいただきまして、今後もこの日本のために、私も微力でありますけれども、皆さんと力を合わさせていただきまして頑張ることをお誓いし、残余の時間は同僚議員に譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
#51
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。牧山ひろえ君。
#52
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 まず、平成二十二年度税制改正大綱に関して、一人オーナー会社課税制度の廃止は大変良かったと思います。いわゆるオーナー給与に係る課税の在り方について、個人事業主との課税の不均衡を是正し、二重控除の問題を解消するための抜本的措置を平成二十三年度改正で講じるとしていますので、期待したいと思います。
 この昨年末に政府が公表した平成二十二年度税制改正大綱は、公平、透明、納得をキーワードに政府の考えを国民に示したと思いますので、早速、財務大臣、この税制大綱のポイントをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#53
○国務大臣(菅直人君) 今、牧山さんの方から話のありました一人オーナー会社課税制度を廃止するということもこの二十二年度の税制大綱の大きな一つの目玉でありました。
 全体を申し上げますと、鳩山政権では、支え合う社会を実現するとともに、経済社会の構造変化に適応し、国民が信頼できる税制を構築するという観点から、税制全般にわたる改革に取り組むこととしております。
 こうした取組の第一歩として、平成二十二年度税制改正においては、所得再配分機能の回復や、控除から手当へというこの考え方の下で、子ども手当の創設と相まって年少扶養控除を廃止をいたします。国民の健康の観点を明確にしたたばこ税の税率の引上げも行うこととしております。また、新しい公共を支える市民公益税制、いわゆる寄附税制を拡充していく、そして納税者の視点に立って租税特別措置等をゼロベースで見直すとともに、租税特別措置の適用状況の透明化を行うことといたしております。
 さらには、地球環境対策の観点から、燃料課税の税負担については維持をお願いしましたけれども、車体課税のグリーン化を図る、つまりは、温暖化にプラスになるものは低い負担で、マイナスになるものにはやや負担を強くするというそういうグリーン化を図ることとしております。それに加えて、先ほど申し上げた一人オーナー会社課税制度の廃止。これらが二十二年度の税制大綱のポイントとなっております。
#54
○牧山ひろえ君 中でも私は、市民公益税制について大変うれしく思います。と申しますのは、私自身、以前から、寄附金控除の適用下限額を現行の五千円から引き下げ、市民活動を活性化させるべきだと主張してまいりました。今回下限額を二千円にした経緯について、峰崎副大臣、お聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#55
○副大臣(峰崎直樹君) 牧山委員にお答え申し上げたいと思いますが、その前に、ちょうど私は、NPO税制といいますか、NPOの議論がちょうど始まり始めたころに、牧山委員たしか三年目ですよね、当選されて、ちょうど私も三年目ぐらいから、今、自民党の加藤紘一先生とかあるいは元千葉県知事をやっておられた堂本先生などと一緒にこの問題をずっと議論してまいりまして、改めて牧山さんが今こうして新しい公共、それを更に広げていこうということで質問されていることにやや本当に感動を覚えておりまして、今総理おられますけれども、本当に新しい公共の座談会なども参加をさせていただいて、やはり新しい二十一世紀、こういうことで日本を変えていくんだなというふうに思っております。
 実は、昨年の財政金融委員会に牧山委員が、私も当時は筆頭理事だったかあるいは委員長をやっていましたでしょうか、牧山委員が当時の財務大臣に対して質問をされておりまして、その中で、たしか今打切りが五千円だったのを今回はちょうど二千円に下げたんですが、あのときはたしか委員は千円まで下げたらどうだと、こういうお話がございました。今回、二千円というところで、もっと下げてもいいんじゃないかという声はもちろんありますが、大きく下げたというのはまさに新しい公共を広げていこうということだろうと思うんです。
 ちょっと長くなりますが、私は、この新しい公共というのは、単にこれは地域社会の中で皆がつながりを持っていくということだけでなくて、そのことが実は大変経済成長にとっても非常に大きい効果を持っていると。すなわち、公共財というのがそういう信頼関係を持ってくるところは非常に安価に済んでくる、お互いに信頼関係でやっていますから。先ほど、金融のところなんかも、地域金融なんかで、町の信金さんあるいは信組さんが本当に信頼感を持っていると経営者との間の人間関係、信頼関係も高いと。そういうところが非常に経済にとって大きな役割も果たすという意味も込めて、大変私どもはこれをある意味では非常に重視をしている、また、していかなきゃいけない、こういうふうに考えております。
#56
○牧山ひろえ君 アメリカでは一セントから控除となります。アメリカにおける寄附金控除の対象となる団体は、NPO的なものを含めて全体的で百十三万団体ございます。その一方で、日本では認定NPO法人は百十一で、寄附金控除対象団体数は二万二千程度です。適用下限額をできれば更に下げて、だれもが認定NPOなどの市民活動に参加しやすくすることを御検討いただきたいんですが、御意見お聞かせいただければと思います。
#57
○副大臣(峰崎直樹君) 今現在、新しい政府税制調査会をつくりまして、その下で、私たち、新しい公共に対応する寄附金税制の在り方のプロジェクトチームを発足させました。私もメンバーなんですが、渡辺総務副大臣がキャップで、今五回にわたってもう審議をやってまいりました。
 今、牧山委員がおっしゃられたように、私たちがヒアリングをしてみて、あるいは調査をしてみて、アメリカあるいはヨーロッパの国々と比べてどうしてこんなに格差があるんだろうかと。たしか認定していただいている寄附の控除の受けられる団体の数あるいは金額、二けたじゃなくて三けたぐらい違うんですね。それは、一つには宗教団体に対する寄附が非常にアメリカの場合多いという、あるいは教育に対する寄附も非常に大きいということで、やや日本と少し、何というんでしょうか、社会の成り立ちといいますか、あるいは社会を構成している人々の意識も違っているのかもしれませんが。ただ、私は、例の阪神・淡路大震災のときの大変多くの市民の方々、特に若い人たちが自らボランティアではせ参じたという、あの姿を見て、これは寄附の場合にも必ずそこは多分潜在的にはあるんではないだろうかと。
 そういうものをどのように守り立てていけるのかということで今鋭意やっておりまして、実は、どうもアメリカと日本のいわゆる寄附控除を受ける受け方について、アメリカの場合は入る方が非常に易しくして、点検、チェックを非常に厳しくしていると。日本の場合は、入るところが非常に厳しくて、あとは何かそのチェックが非常に弱いという、こういうところを少し発想を変えていく必要があるんではないかということで今鋭意検討しておりますが、なかなか、これはこれで一つの制度でございますので、悪用される危険性というものをもちろん持っていますけれども、私はやはりそこは今大きな発想の転換を、これは鳩山総理の非常に強い熱意がございますし、私が先ほど申し上げましたように、この日本の社会の、市民社会の質を根本的に変えていくために非常に重要な改革の一歩になるのではないかと、このように感じております。
#58
○牧山ひろえ君 加えて申し上げるならば、所得税控除の対象となる認定NPO法人自体を増やさなければこの市民公益税制の普及には結び付かないということも財政金融委員会で提案させていただきました。資料一を見ていただければ、いかに我が国の寄附文化が脆弱で市民活動を支えていないかが分かります。
 副大臣とは財政金融委員会時代からこのテーマについて議論を続けてまいりましたけれども、公益性の高い認定NPO法人を増やす取組について、ちょっと重複になりますけれども、お考えをお示しいただきたいと思います。
#59
○副大臣(峰崎直樹君) まだ決定しているわけではありません、ちょうど五回にわたって今寄附金税制の審議をプロジェクトチームでやっておりまして、そうした中で、例えば認定NPO法人がいわゆる税制上の恩典が受けられるためのハードルをどのように下げていくかという、いろんな様々な議論をしておりまして、例えばパブリックサポートテストというのがございまして、これはかつては三分の一の比率だったものを今度は五分の一まで下げたんですけれども、まだやはりできないと。それはやっぱり考えてみると、寄附金控除というものを受けようとする団体が、寄附金控除のウエートが低いと駄目だということになっちゃうと、どうもやはり、なかなか入口の段階から難しいんじゃないのかと。
 そういう意味で、パブリックサポートテストの仕組みそのものももう少しやはり変えていく。あるいは、認定をする際に、ほかの今もう現にあるしっかりとしたNPOが、認定を受けているNPOが、この人たちがやっているなら大丈夫だと、我々が連帯保証するよとか、そういうような様々な取組があっていいんじゃないかというような問題提起を受けておりまして、こういったことを通じながら、やはり今三万を超えてたしかNPOがあるんですけれども、その中でたしかまだ百二十前後じゃなかったかと思いますが、非常に税の恩典を受けられるものが少のうございますので、そういう意味で、発想の転換と同時に仕組みの変化、そして今年も随分変えているんですけれども、NPOの税制上の恩典を受けるための様々な資料が非常に多いとか、いろんな問題点がございますので、こういったところをやっぱり簡便化していくということも努力をしている最中でございます。
#60
○牧山ひろえ君 アメリカでは、オペラ座などを始めとする文化的な組織も寄附金控除の対象団体となっています。
 伝統文化の継承という意味においても、日本でも例えばお相撲とか歌舞伎、詩吟、民謡などへの認定の範囲を広げてみようというお考えはございますでしょうか。
#61
○副大臣(峰崎直樹君) 伝統文化に対する支援をということで、実はもう既に、例えば地元にあるオーケストラとか、そういうのは団体として、例えば公益法人、社団法人とかあるいは財団法人とか、そういうものをつくって、更にその上に、今度民法第三条に変わりましたから、更に税制上の優遇措置を受けられる財団法人や社団法人と、そういうところをしっかりと登録をしていただくと実はこれが非常にできやすくなるということでございますので、そういうルートに乗っけていけばいいんじゃないかという意見がある意味では筋の議論だろうと思います。
 その意味で、これから、そういうところに乗りにくいような地域における神社仏閣を始めとする様々、宗教というのはちょっとこれまた異質なところがあるんですけれども、伝統的な文化というものに対する支援がどのようにできるかということについて、これまた我々このPTの中で更に論議をしていきたいなというふうに思っております。
 ちなみに、お相撲さんのところはたしかこれは財団でつくっておりますし、それから歌舞伎座なんかはたしかあれは株式会社だったと思いますけれども、かなり財産といいますか、株式会社で比較的経営はうまくいっているというふうに聞いております。
 取りあえずは以上でございます。
#62
○牧山ひろえ君 また、スポーツへの支援も大変重要だと思いますが、スポーツに関してはいかがでしょうか。
#63
○副大臣(峰崎直樹君) 実は、昨日も予算委員会でスポーツ、特に櫻井委員の方からオリンピック選手を雇っている企業に対する支援をできないんだろうかというようなことがございました。
 その意味では、スポーツ団体あるいはスポーツに対して、今たしかオリンピックでメダルを取った人の賞金をどういうふうに税制上優遇措置をとれるかというようなことは議論がございました。
 ただ、スポーツ団体というふうになった場合に、これまたどういう形で、先ほどの文化とかスポーツというのはやっぱりほぼ同じような形で、一つのやはり市民運動、市民団体としてそういうものができて、そしてそれが支援できるかどうかというふうなこともまた考えてみたいと思っておりますが、これらの問題について、やはり広い意味でこれは公益といいますか、先ほど申し上げました鳩山総理の思いである新しい公共の中にどのように包み込んでいけるかということについても、これからも検討していきたいなと思っております。
#64
○牧山ひろえ君 命を守る、命を大切にするといったような公益性の高いNPOをどのような形で選び抜くのか、また公益性の大小をどのように判定するのか、この辺とても難しいことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#65
○副大臣(峰崎直樹君) この点がまさに一番、公益をどう認定するか、だれが認定するかということで、いわゆる第三者の公益認定委員会が実は設置をされたんですが、これが私どもに随分苦情で来るんですね、遅い。つまり、これまた社団法人とか財団法人がたしか三万近くこれもあるんです。それの認定が非常に、認定委員会が今かなり急いでおられるんだろうと思いますが、非常にある意味では遅いという苦情が来ております。
 その意味で、先ほど申し上げましたように、NPOもそうなんですけれども、そういう新しい認定の仕組みそのものもやはり非常に求めておられることがあるわけですから、それに対して、ある意味では先ほどのまず認定をして、そして問題点があればチェックをしていくというのが、先ほどはNPOに対して我々としてはしっかり取っていくべきだろうというふうにも言いましたけれども、社団法人とかやっぱり財団法人となると、ちょっとやはりいわゆる仕組み上もう少し別の角度から、たしかこれは各省庁がそういったものに対してかなり管轄をしておりますので、こういったところの在り方とも絡めて少し議論してみなきゃいけないのかな。
 これは今度の新しい公共の寄附税制のプロジェクトチームで、議論まだそこまで行っておりませんけれども、それらの課題についても引き続いて議論さしていただきたいと思っております。
#66
○牧山ひろえ君 では、総理にお伺いしたいと思いますが、総理の施政方針演説をお聞きし、新しい公共という言葉に非常に感銘を受けました。まさにこの寄附税制と認定NPO法人への支援は新しい公共を示すものであると確信しておりますが、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#67
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 牧山委員が新しい公共に対して大変強い御関心の中で様々御指導いただいていることを心から感謝を申し上げます。今私がお話を伺いながら、牧山委員のおっしゃっている方向に更に加速をさして結論を出していきたいと思っております。
 私が会議の中で申し上げたのは三つあります。一つは寄附税制における税額控除、これの導入をしてほしいということでございます。ある意味で国民の皆さんが、どうせという言い方はないかもしれませんが、国にあるいは地方自治体にこれだけ税金を納めるんであれば、その一部を、例えば一万円でも二万円でもこういった活動に使ってくれということができるような、より自由にできるようなシステムをつくれということが一つでございます。
 それから、NPO法人など、御案内のとおり認定されているものが極めて限られている。この公益の認定を更に格段に広げていかなけりゃ意味がないではないかと。せっかく寄附税制を充実させても、適用される認定NPO法人が少なければ何の御利益もないぞということで、これを格段に広げるべきだということでございます。
 あと、NPOの皆さん方の活動というものがより自由にしていくためには、小規模の金融の在り方というものも拡充させるべきではないかと。
 この三点に関して早急に議論を深めて結論を出してほしいということでございまして、五月末までにということで進めておりましたけれども、今日も牧山委員からも強い大変思いを聞かせていただきましたので、更に加速をさして結論を出すようにいたさせます。
#68
○牧山ひろえ君 もう一点、峰崎副大臣にお聞きしたいと思います。
 医療費控除の適用下限額十万円について、私は、所得に応じて下限額を段階的に設定すべきであると考えます。先日も日経新聞に書いてありましたけれども、昨今の経済情勢から収入が激減し、病気やけがを我慢して病院に行けない方が大勢いらっしゃると書いてありました。そうした中、医療費控除としてある程度負担が軽減されるのであれば病院に行ってみようかという方も増えるんではないかと思います。
 峰崎副大臣、この適用下限額に関して何か御意見などございましたらお聞かせいただきたいと思います。
#69
○副大臣(峰崎直樹君) お答えいたします。
 これはかなり歴史がございまして、医療費控除というのは元々、本来はもう生計費の一部である医療費について事前に予期しにくい中で支出を余儀なくされると、こういう性格を踏まえまして、一般的な家計負担の水準を上回って支出する場合の担税力の減殺をしんしゃくする制度と、これやや難しい表現ですが、こういうことで設けられているわけでございます。
 このような制度の趣旨に基づいて、平均的な医療費負担の水準を考慮して、支払った医療費のうち十万円を超える部分の金額を控除対象としているんですが、実は今おっしゃられたように、低額の所得者に対しては、総所得が二百万円未満の場合には適用下限額は総所得の五%と。例えば、百五十万円の方であれば五%、七万五千円とか、そういうふうに所得に応じてそれを切り下げる、つまりもっと下がっていくと、こういう仕組みで、実は医療費が十万円以下の場合でも医療費控除の適用を受けられる、低所得者にも配慮した仕組みにはしているところでございます。
 それでもまだ不十分だという御指摘はあるかもしれませんけれども、もし更に必要な改革をすべき点があれば、今後我々としても検討していきたいと思いますが、今の現行制度の中でもそういうふうにちょうど、二百万円以下の所得の人になると五%、所得の五%と、先ほど言ったように、百万円の所得の人であれば五万円というようなところが下限になりますので、それだけ救われているというところに着目をしているわけでございます。
#70
○牧山ひろえ君 これは幾つか私からのお願いなんですが、この医療費控除の適用下限額の議論のほかに何か良い方法などございましたら、財務省と厚生労働省の垣根を越えて良いアイデアを考えていただきたいなと思っております。
 また、寄附金控除の適用下限額を二千円にすることについて異論を唱える方はいらっしゃらないと思います。政府におかれましては、官邸や国税庁のホームページなどを利用して寄附金控除についての説明や、また認定NPO法人自体のURLなどを張るなど、広く国民に宣伝していただきたいなと、それを御検討いただきたいなと思います。また、こういう御時世だからこそ、多くの苦しんでいる人たちを助けようとするNPOたくさんございます。そういったところに、そういったNPOの方々に光を当てていただきたいなと思います。
 さて、ちょっと話題を変えて、民主党政権が発足して最初の診療報酬改定は久しぶりの改定率引上げとなり、救急、産科、小児科、外科に手厚い内容になっております。昨今の医療崩壊を食い止める第一歩であると考えますが、足立政務官、御所見をいただきたいと思います。
#71
○大臣政務官(足立信也君) 医療崩壊という言葉、今お使いになられましたけれども、我々民主党は今がけっ縁で頑張っていると、がけっ縁という表現を四年前から政策をまとめる段階で使わせていただいております。その中で、なぜがけっ縁に追い込まれてしまったか。これ、診療報酬、前の話でちょっと申し訳ありませんですが、私は、医療従事者を削減することによって医療費を抑制しようという、このことが一つのポイント、二つ目のポイントが、医療を提供する側と受ける側の情報の量の差、そしてその理解、つまりリテラシーの格差、この二つが大きな要因であろうと、そのように考えております。
 そんな中で、今回の診療報酬改定、これは、診療報酬というものはどういうものなのかということをまず御説明いたします。これは、診療報酬本体とそれから薬価と、材料も含めた薬価というふうに分かれております。
 薬価の部分、材料費の部分は、公定価格と実勢価格のその差、薬価差益、これをなくすためにその分をマイナスにするという。それから、診療報酬本体というものはどういうものか。これは技術料、判断料、管理料、入っております。ですから、その中でどのような診療報酬本体の改定をやったら、プラスにしたらそれがそのまま医療費が増えるというものではございません。なぜかと申しますと、その診療報酬本体に上げる部分で効率化を図る部分もあるわけでございます。ということは、それが果たされれば医療費は抑制につながる部分もございます。というふうに、パラレルではないということをまず前提として考えていただきたい。
 そんな中で、薬価差益の方は五千億円分に相当する部分を削減いたしました。そして、診療報酬本体に五千七百億円に相当する部分、これネットでプラス〇・一九ということでございますが、そういう報酬本体のアップ、そして全体のアップをさせていただきました。
 この中の特徴は、先ほど申し上げましたように、救急や産科、小児、外科等の医療の再建、それから病院勤務医の負担の軽減、そして医療連携の推進、そして後方支援病院と、急性期だけを高めても後方支援病院がしっかりできなければなりません。その部分のアップということ等にめり張りを付けた報酬改定になっていると、そのように思います。
#72
○牧山ひろえ君 実は、救急、産科、小児科、外科への重点配分については、私自身かねてから主張し続けてきましたので、率直に申し上げて本当にうれしく思います。
 この重点配分をきっかけに、今後、政府としてはどのように崩壊しつつある医療の起死回生を図ろうとしているのか、是非御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#73
○大臣政務官(足立信也君) まとめてお答えするのが非常に難しい大きなテーマでございますが、先ほど私ががけっ縁に追い込まれた理由は何かと二点申し上げました。これを着実にやっていかなければいけないと思っております。
 文科省と協力しながら、まず医師数につきましては養成と確保という考え方、活用という考え方を考えております。
 まず養成の部分で、今までで最も多く八千八百四十六名という定員に、これは前舛添大臣のころから取り組まれていることでございますけれども、それをさせていただきました。あとは活用の部分で、いかに地域偏在をなくして、そしてしっかりした連携を組んでいけるのか、そのことが極めて大事なことでございます。これは診療科ごとのインセンティブを高めるということでもございますし、連携を促進するというようなネットワークの取組。
 そして、これも前大臣が取り組まれたことでありますけれども、チーム医療をいかに推進していくのか、その役割をしっかり見直す必要があるというようなことも含めながら、現在は診療報酬でまず医療費はこのように確保しよう、次にやるべきは人を増やそう、そしてそれをうまく活用できるようにしよう。
 そんな中で、新年度から、全国の地域にどれだけの診療科のドクターがどれだけ必要なのかという全国調査を行います。そして、今、短時間も含めどれだけの方が働いていらっしゃるのか、それも全部調べようと思います。そして医師確保策を徹底していきたいと思っています。
 今回の診療報酬改定の中でも一部入りましたが、先ほどの原因の二番目のことでございます。透明化する、情報を共有する、そして今の事態を皆さんが、国民全員がその状況を把握していただくということの中で明細書の発行を今回させていただきました。このことは説明が求められることだと思いますけれども、理解が深まり、問題点を共有される大切な一歩だと私は考えております。
#74
○牧山ひろえ君 続いて、羽田空港の国際化と港湾についてお伺いしたいと思います。
 羽田空港の四本目の滑走路が十月から供用を開始します。我が国の国際競争力を高める切り札として多くの方が期待していると思います。一方で、諸外国では既に空港、港湾の整備が終わり、配付資料二のとおり、とてつもない国際競争力で日本を圧倒しております。
 なぜこのようになったのか、また今後どのようにして日本の国際競争力を高めていくのか、その方向性などお聞かせいただければと思います。長安政務官、よろしくお願いいたします。
#75
○大臣政務官(長安豊君) 牧山委員に御説明申し上げます。
 今委員が御指摘ございましたように、アジア諸国の急激な経済発展に伴いまして、またさらには、こういったアジア諸国では空港、港湾といった施設が次々と整備をされております。そういう中で競争が年々激しくなっているのは御存じのとおりであります。そういう中で、やはり日本においても首都圏空港というものをしっかりと機能強化をしなければならない、また港湾機能も強化しなければならないということを考えているわけであります。
 具体的には、今委員が御指摘ございましたように、羽田空港のD滑走路、Dランがこの十月にオープンするわけであります。これを契機に、二十四時間国際拠点空港化をしていくということを進めていかなければならないと考えております。またさらには、コンテナ、バルクの貨物につきましては、現在の日本が細長い地形にあります、そういう中にあって貨物が分散している、そういったものをしっかりと国内フィーダーを充実させることによって集めていく、こうすることによって日本の港湾の国際競争力を高めていかなければということを考えているわけであります。
 具体的には今申し上げた内容でございますけれども、国土交通省におきましては、昨年の鳩山内閣発足後に国土交通省成長戦略会議を設立しまして、その中において、空港、港湾、こういった分野についても議論を進めている最中でございます。この六月をめどに結論を出すところでございまして、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
#76
○牧山ひろえ君 続いて、配付資料三を御覧ください。横浜市では羽田国際化に伴う経済波及効果について委託調査を行いました。その結果、年間百九十一億円の経済波及効果と千七百人に及ぶ雇用誘発効果があると発表いたしました。このように、周辺自治体では羽田国際化に大きな期待を寄せており、なお一層の国際化を望む声が多くあります。
 約十一万回の発着枠増加分のうち、国内が二・七万回、国際が三万回を割り振り済みですが、残りの約五万回を積極的に国際線に割り振るべきとの意見が各方面から聞かれております。
 私はかねてから神奈川口構想の早期実現を主張してまいりましたけれども、やっと去年の十二月、羽田空港臨空都市懇談会が開催されるなど、一歩前進したかと思うところです。この神奈川口構想の実現は利便性を望む多くの方々の悲願です。是非、国が主体となって臨空都市懇談会の第二回をなるべく早く開催することなど前向きな御答弁をいただきたいと思います。
#77
○大臣政務官(長安豊君) お答えいたします。
 羽田空港の二十四時間化、これも重要な課題でございます。今委員御指摘にございましたように、昼間の三万回、夜の三万回がまずは発着枠として増えるわけでございます。後の増える発着回数約五万回強ございますけれども、これにつきましても、今後、国内、国際線の需要の伸びをしっかりと見ながら、日本の競争力を高めるという観点に立ちながらしっかりと検討をしてまいりたいと考えております。
 また、神奈川口構想についてでございますけれども、今御指摘にございましたように、昨年の十二月に羽田空港臨空都市懇談会を設置したところでございます。この懇談会を通して、これからも空港周辺自治体の皆さんの意見を賜りながら、引き続き検討をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#78
○牧山ひろえ君 羽田空港の国際化に合わせ、これまでスポットライトを浴びることがなかった小さな町の秘湯や歴史的な史跡など、隠れた観光資源を外国人観光客に積極的に紹介していくチャンスであると思います。例えば神奈川県には、横浜、鎌倉、箱根、湘南、三浦など代表的な観光地がある一方で、大磯、二宮などの景勝地、足柄、津久井の自然など、知名度は高くないけれども優れた観光地がございます。こうした活性化を必要としている小さな町の魅力をいかにして外国人観光客に知ってもらい訪問していただくか、これが大きな課題であると思います。
 さて、次に、母子手帳プロジェクトについてお伺いしたいと思います。
 昨年九月、総理が国連総会で演説をされ、友愛精神に基づき平和構築、開発、貧困の分野でも世界の架け橋になるとして、TICADプロセスの維持、そしてアフリカ支援の強化を表明されたこと、私は心から感動いたしました。私は、日本発祥の母子健康手帳をアフリカに広め、そして母子保健の向上を図りたいと主張してまいりましたけれども、世界の命を守るという総理のお考えに大変共感しております。
 総理、この母子健康手帳を広めることに御賛同いただけますでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#79
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 母子健康手帳、大変私は優れた制度だと、そのように思っております。もう既にパレスチナの方々には日本のこのシステムというものの導入を図っているところでございまして、これからアフリカにも適用を進めてまいりたい、そのように基本的に考えております。
 ただ、牧山委員御案内のとおり、アフリカの皆さん方、日本の皆さんと若干違うところは、例えば識字率、母親、父親の識字率、必ずしも高くない地域もございます。また、保健所のようなところが整備されていない地域もまだ相当ございます。さらには、人材というもの、お医者さんも含めてでありますけれども、保健医療従事者の育成というものがまだまだ不十分なところもございます。
 したがいまして、こういったところの整備というものを先に進めてから導入いたしませんとなかなか功を奏さないのではないかと、そのように考えておりまして、まずはTICADWなどで表明したような、これは千か所の保健医療施設の改善とかあるいは十万人の人材育成とか、こういったことを先行させていただきながら、ある意味でその基盤整備というものが整いつつある中で母子健康手帳というものの推進を図ってまいりたいと、私どもはそのように考えております。
#80
○牧山ひろえ君 私は、母子手帳に関して外交防衛委員会やODA特別委員会の場などで繰り返し必要性を説明しています。例えば、JICAがパレスチナにおいて母子手帳、二〇〇八年に十二万冊配付して事業を展開しておりますけれども、その結果、パレスチナの母子保健が大幅に向上した事例がございます。母子手帳を世界に広める活動に是非お力添えをいただければと思います。
 先ほど総理がおっしゃっていたように、やはりインフラ整備ができていないといけないというお話でしたけれども、この母子手帳プロジェクトをまずは社会的なインフラ制度が最低限そろっている、例えばチュニジアですとかモロッコなどに普及させ、順次各国に展開していけないかと考えております。母子保健向上のためにこうした取組をしてみるべきだと思いますが、福山外務副大臣、いかがでしょうか。
#81
○副大臣(福山哲郎君) 牧山委員におかれましては、母子健康手帳の世界への普及に対しまして本当にいつもお力添えをいただいて、ありがとうございます。
 もう今総理からも御答弁がありましたように、母子健康手帳は、母親の知識を高めること、それから母子の健康履歴が残ることによって乳幼児やそれから妊産婦のその後の健康管理に非常に役に立つこと等がありまして、我々としても普及拡大に努めたいというふうに思っております。
 ただ、総理が御答弁ありましたように、なかなかやはり社会インフラが整わないことには手帳だけを配ってもいけないということで、現状では、セネガルで総合的な保健システム強化プログラムの中でこの母子健康手帳を位置付けております。今、牧山委員が御提案のありましたチュニジア等の国においても、我々としても現地の状況を把握しながら対応させていただきたいというふうに思います。
#82
○牧山ひろえ君 せっかく福島大臣がお見えですから、子育て経験者の福島大臣に、母子手帳について何かエピソードなどがございましたら、お伺いしたいと思います。
#83
○国務大臣(福島みずほ君) 母子手帳は、子供が生まれたときの体重、身長など書いてありますし、グラフでかいたりすることができますので、子供が大きくなったときに一緒に見たりするととても楽しいですし、それから実は、赤ん坊だった娘が母子手帳に落書きをしまして、それも今となってはすごく懐かしい思い出となっております。
 母子手帳は、子供が生まれる前も、生まれたときも、生まれた後も、予防接種やいろんなことも含めて備忘録としても非常にいいもので、子供の成長が一覧性で分かるもので、日本の中の母子手帳の制度は優れたものだと思っております。
#84
○牧山ひろえ君 一月下旬、私はフランス国内でフランスの少子化対策の調査を行ってまいりました。福島大臣も私の直前に行かれたと伺っております。まさに、フランスでは多種多様な少子化対策、子育て支援のメニューが豊富だと感じました。重立った支援策だけでも約二十種類に上ると聞いております。
 例えば、ベビーシッター費用が税制優遇の対象になること、また子供が多い世帯ほど有利なN分N乗方式を採用した税体系であること、また幼稚園から大学まで教育が無料になること、また幼稚園が保育園並みに子供を長時間預かってくださり、午前午後三時間ずつ教育をしっかりと設けていることなど、合計特殊出生率が二を超えるのもうなずけるなとつくづく実感いたしました。
 日本でも見習うところが多数あると思うんですけれども、福島大臣、御意見お聞かせいただければと思います。
#85
○国務大臣(福島みずほ君) 牧山議員、本当にありがとうございます。
 私もフランスに行きまして、家族的保育所、集団的保育所などを見ました。家族的保育所ですと、保育ママさんたちが子供を二、三人ずつ連れてきて、保育ママさんも支援することができますし、子供たちにとっても非常にいい制度で、今おっしゃったたくさんの、二十種類ぐらいの様々なメニューを持って子育てを応援していると思います。やはりポイントは、こういう子供に対してお金を使っていることだと思います。
 日本における旧政権下、二〇〇五年GDP比で、日本は子供に対しては家族関係社会支出が〇・八一%、フランス三・〇二で、日本はやっぱり三分の一だったんですね。ですから、やはり家族関係社会支出の金額を大きくすることが日本でも必要だと思います。政権交代してその方向になっていると思います。
 また、フランスは全国家族手当金庫があって、子育て支援に係る財源を一元的に管理しています。子ども手当も保育所もこの中に入っていると。運営は労使を含めた関係者が参加する。歳入の六〇%は事業主の負担、全部で七兆円以上あります。ですから、日本の人口比ですと十兆円以上のこれは金額になりますので、うらやましいというか、日本もまねをしたいと思いますが、全国家族手当金庫など、子育て支援を社会の中でみんなでやっていくことを打ち出している点が学べると思います。
 これに学んで子ども・子育てビジョンを一月末に発表をいたしました。総合的なパッケージとして子育て支援をやってまいります。
#86
○牧山ひろえ君 では、総理にお伺いします。
 子ども手当法案が衆議院で審議中です。日本では初めての試みとなりますが、フランスでの視察を振り返ると大変意義のある政策であると思います。子ども手当をきっかけに幼保一体化の議論が正式に始まるなど、少子化対策に本腰を入れていく姿勢が見て取れます。
 今後の方向性などを含め、少子化対策全般について総理のお考えをお聞かせいただき、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#87
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 牧山委員にお答えさせていただきます。
 牧山委員を始め、民主党あるいは新政権には女性議員が数多く活躍をしております。少子化対策あるいは男女共同参画社会、こういったものの実現に向けてこの政権は最大の力を発揮してまいることができると、そのように考えております。
 今、フランスに視察に行かれたということでございます。その知見などもまた教えていただきたいと思っておりますが、子ども手当はその一つではないかと思っております。子ども手当の充実、さらには幼保一体化、さらに、先ほどビジョンの話がございましたけれども、保育に関しての毎年五万人と、これは待機児童の解消に向けてサービスを拡充さしていくというようなことも決めているところでございまして、一体となってこの問題、少子化対策には大いに大きな力を入れて解決に向けて努力をしていくことをお約束をいたします。
#88
○委員長(簗瀬進君) よろしいですか。
 以上で大島九州男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#89
○委員長(簗瀬進君) 次に、佐藤正久君の質疑を行います。佐藤正久君。
#90
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 本日は、鳩山総理がよく言われるきずなと、よく聞きますけれども、それとは同じような意味かもしれませんけれども、恐らく好きな言葉、信頼というものをテーマにいろいろと質問をさせていただきます。
 よく信なくば立たずという言葉があります。鳩山総理、国のリーダーとして国民との信頼関係を構築する上で一番大事なものは何だと思われますか。
#91
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 信なくば立たず、私も大変好きな言葉でございます。信頼関係というものを国民の皆様方との間に構築をいたしませんと政治というものは前に進みません。その意味で一番大事なことは、ある意味で国民の皆様方と政府というものが一体となっていくということであろうかと思っておりまして、そのためには、我々の思いというものを包み隠さずすべてある意味で誠実に正直に申し上げていきながら、どこが今のこの国の問題点かというようなところも含めてでありますが、そういったものも全部お示しをいただきながら、国民挙げて協力をするような体制をつくること、これが一番ではないかと思います。
#92
○佐藤正久君 国民との思いを共有することが大事だと言われました。鳩山総理は、就任されてから約半年がもう過ぎようとしていますけれども、この間に来年度予算案も衆議院の方を通過させました。いろいろ頑張っていると思われますけれども、鳩山総理の国のリーダーとしての国民との信頼関係、この半年を過ぎた時点で自己評価、百点満点中何点ぐらいと思っていますか。九十点を超えていると思いますか。
#93
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 数字で表すことは必ずしもできないかと思っております。ただ、国民の皆様方に私どもがお約束をした、民主党としてはマニフェスト、あるいは連立政権とすれば連立の合意ということになるわけでありますが、それを一つ一つ予算を含めて着実に実行していくと、それがお約束をした政策に対するリーダーシップの在り方だ、そのようにも考えておりまして、そのために、国民の皆様方との信頼関係、これは百点満点というところではないかと思っておりますが、努力をしているということは是非お認めを願いたいと存じます。
#94
○佐藤正久君 努力をされていると、そう私も思います。ただ、昨年の総選挙のときに、自民党には不満があると、民主党には不安だという声がありました。ただ、安全保障分野につきましては、ここに来てやっぱり国民の不安というのが広がっているような気がします。
 特に、私は総理の施政方針演説を聞いてちょっとがっかりしました。命を守りたい、命を守りたいと、命、二十六回ほど言われました。ただし、国を守るという言葉は残念ながら一回も聞くことができませんでした。国を守ることによって命を守るという側面もあると思います。ここに総理の国という意識、国家観の意識がやっぱり少ないというふうに伝わってしまいます。そういう国という意識を国のリーダーが持たなければ、やっぱりそれは安全保障という政策や防衛政策にもなかなか伝わってこないという感じがします。
 国防は最大の福祉だという言葉もあります。船の上でおいしいバーベキューを食べたいと思っても、船がひっくり返ってしまったら食べることはできません。国民は泥船の鳩山丸には乗りたくないんですよ。鉄板の鳩山丸に乗りたいという思いがあると思います。
 その意味で、やっぱり国を、自分の国は自分で守るということを基本にしたいと、強い防衛力に懸ける総理の思いを聞かせていただきたいと思います。
#95
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私も、当然のことながら、この立場に立って、国民の皆さんの命を守ると、そのためには国を守らなければならないことも言うまでもありません。一朝有事、これはないにこしたことがありません。そのためには防衛というものも大変重要でありますし、また外交努力、周辺の国々に対して日本という国に対する信頼感というものも高めるということも極めて重要な発想だと思っております。そのことをあらゆるものを通じて国民の皆様方に、この国民の皆さんの命を守るという立場から国防というものの重要性というものを私自身も認識しておるつもりでございますし、これからもそのように行動してまいりたいと思います。
#96
○佐藤正久君 是非ともその強い思いを政策として、あるいは言葉としてもやっぱり伝えていただきたいというふうに思います。
 さらに、リーダーというのは強い信念が絶対必要ですから、そういう意味で、命を守るという観点でいうと、守りたいというのはやっぱり弱いですよ。命を守るとか守り切るとか守り抜くという強いメッセージがなければやっぱりなかなか結果は出ないと私は思います。
 国が強い意識を、総理が、リーダーが強い意識を持たないとやっぱり安全保障政策とか出てこない。それによって、今普天間問題もそうですけれども、なかなか不安が広がっている。総理は説明をする、国民と思いを一体にしたい、どんどん説明をすると言われました。でも、それがなかなか今伝わっていないという感じがします。
 沖縄の米軍基地は、これは迷惑施設ではありません。沖縄の県民の痛みというのを分かった上で日本の国防の上で大事だというのであれば、それをやはり説明するということが大事です。沖縄の米軍基地が東アジアあるいは日本の防衛、抑止力にとってどれだけ大事なのかということを説明するということが大事です。そのためには、まずは沖縄の県民の痛みを自分の痛みと理解した上で、その上でもやっぱりこういう観点で必要だというのであれば、それは真摯な態度で説明するということが私は本当に今求められているというふうに真剣に思います。
 そういう意味で、日ごろから沖縄の県民と米軍基地の関係の間に立っていろいろと意見を聞いたり調整をやっているのが沖縄にあります沖縄防衛局です。
 防衛大臣、沖縄防衛局はどこの市町村に属しているか御存じですか。
#97
○国務大臣(北澤俊美君) 嘉手納であります。
#98
○佐藤正久君 嘉手納町なんですよ。嘉手納基地のある嘉手納町にあります。
 なぜ今防衛局が嘉手納町にあるか、大臣は御存じですか。
#99
○国務大臣(北澤俊美君) 嘉手納基地の町民の皆さん方の負担を考えてそこへ移したと、こういうことであります。
#100
○佐藤正久君 何か今の答弁聞くと十分分かっていないような気がいたします。
 元々那覇にあったんですよ。嘉手納町というのは面積が十五平方キロメートルです。非常に小さな町です。そのうちの八三%が嘉手納基地なんですよ。残りの一七%に約一万四千人の住民の方が住まわれていると。新しい工場を誘致しようと思っても土地がないんですよ。自分の息子に新しい家を建てたいと思ってもなかなか土地がないと宮城町長は言われています。その観点で、少しでも町の振興策ということ、あるいは本当に嘉手納町民の痛みを分かってほしいと、両方の観点から那覇から防衛局を移したんですよ。そういう痛みを分かった上でやっぱりやらないといけないというふうに思います。そうしないと、やっぱりなかなか基地について住民の理解は、まさに総理が言われた思いを共有する、信頼関係を構築する、これがなかなかできないと思います。そういう防衛上の観点から少し普天間基地を見てみたいと思います。
 総理、今自衛隊は国連のPKOに参加しています。今、この日本に国連軍がいると御存じですか。
#101
○国務大臣(平野博文君) 国連軍という形でおられるかどうかは分かりませんが、座間に国連の軍の旗を掲揚しているということでございます。
#102
○佐藤正久君 そこだけじゃないんですよ。それは、日本には朝鮮戦争における国連軍というものが配置されて、地位協定もあるんですよ、総理。勉強してください。まだ朝鮮戦争は終わっていないんですよ、まだ休戦状態ですから。今、日本の七か所に後方司令部なり国連の基地があるわけです。その一つが普天間基地なんですよ。総理、御存じでしたか。
#103
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今教えていただきましたことに感謝いたします。
#104
○佐藤正久君 そこも分からなくて普天間基地の移設、これはちょっとおかしいと思いますよ。行かれたら、ちゃんと日本の国旗とアメリカの国旗と国連旗が立っていますよ。それを分からずに移転云々する。日本の安全とか、今抑止力、東アジアと言われたばかりなのに、そこをやっぱり総理以下は分かった上で議論しないといけないと私は思いますよ。
 それでは、福島大臣、ちょっとお伺いしますけれども、日本には今言ったように国連軍が存在します。朝鮮戦争は北朝鮮による侵略だとお考えでしょうか。
#105
○国務大臣(福島みずほ君) 私は、朝鮮戦争について一応の知識はありますけれども、ここの場で北朝鮮による侵略かどうかを言う場面ではないというふうに思っております。発言を控えさせていただきます。
#106
○佐藤正久君 でも、今まさにその朝鮮戦争の国連軍の基地が普天間にあるんですよ。それをグアムに移転しようという話も福島党首は言われているわけですよ。だったら、朝鮮戦争の国連軍、これはあるわけですから、朝鮮戦争は北朝鮮による侵略かどうか、これを認識を聞いているわけですよ。正直に答えてください。
#107
○国務大臣(福島みずほ君) 私は座間キャンプにも普天間基地にも嘉手納基地にも行きまして、国連軍の旗が立っており、なぜそこに国連軍の旗が立っており、どういう役割があるかはもちろんその場で説明を受けております。ですから、それぞれの基地の役割は理解をしております。
 しかし、私は日本の閣僚の一人であり、朝鮮戦争についての見解を言う立場にはないというふうに考えております。
#108
○佐藤正久君 朝鮮戦争ではやはり多くの方が亡くなっているわけですよ。実際にその国連の軍を受け入れているわけですよ、日本には。福島大臣は閣僚の一員ですから、そこは認識をやっぱり国民の皆様に示すと。あいまいなままだとそれはいけないと思いますよ。
#109
○国務大臣(福島みずほ君) 私は韓国を何十回と訪問しておりまして、朝鮮戦争における被害の実態ももちろん聞いております。
 しかし、ある国とある国の歴史的な事実関係において、日本の閣僚がそれを侵略かどうかと言うことは私は差し控えさせていただきたいと思います。歴史的な事実と認識はもちろん知っておりますし、被害の現状やそれぞれの被害の話ももちろん聞いております。しかし、日本は韓国でも北朝鮮でもありませんので、それが侵略戦争かどうかについてはこの場では控えさせていただきます。
#110
○佐藤正久君 それでは、日本に国連軍がいること、これについては賛成ですか、反対ですか。
#111
○国務大臣(福島みずほ君) 賛成か反対かではなく、国連軍が現在日本にいるということの認識は持っております。それはもう歴史的な事実として国連軍があるわけですから、それは歴史的な事実として受け入れております。
#112
○佐藤正久君 それでは、今地位協定があるわけですよ。なぜ、今国連軍が日本にいる、どのように思われますか。その理由をお聞かせください。
#113
○国務大臣(福島みずほ君) 日本に国連軍が存在するのは、それは先ほど佐藤委員がおっしゃったとおり、朝鮮戦争が終わってないという認識だから今国連軍が日本にいるというふうに思っております。ですから、私は朝鮮戦争が今終わってないということに関してもいずれ問題の解決がされるようにとは思いますが、そのように認識をしております。
#114
○佐藤正久君 国連の認定では、国連の認定では北朝鮮が侵略というふうに言っていると思います。それをどういうふうに感じますか。
#115
○国務大臣(福島みずほ君) それは国連の認識であり、私自身は今ここで認識と評価の問題に関して一閣僚として言うことは控えさせていただきます。
#116
○佐藤正久君 日本はやっぱり国連の加盟国なんですよ。そういう中において、さらに国連の常任理事国を目指そうという政府の意思もあるわけですよ。それについて閣僚の一人がそこを明確にしない、これはまたおかしいと思います。
 総理、いかがですか。
#117
○国務大臣(平野博文君) 佐藤先生はベテランの先生でございます、専門家でありますが、今国連軍、国連軍と先生おっしゃっておられますが、正規の国連軍はまだ日本に駐留したことはございません。
#118
○佐藤正久君 でも、実際に国連軍の方が日本に来て調整もしているんですよ。事実があるんですよ。そこは官房長官、勉強してください。
 じゃ、さらに、その国連軍の基地がある普天間基地をグアムに移すということになると、そこも朝鮮戦争の関係も考えないといけない。それは当たり前のことだと思います。
 防衛大臣、グアムにこれ移すという今案がいろいろありますけれども、大臣もグアムに行かれました。グアムと沖縄の距離、大体どのぐらいで、もしも船でそれを移動するとなると何日掛かるというふうに認識されていますか。
#119
○国務大臣(北澤俊美君) 距離は正確には承知しておりませんが、多分私の知識では二、三日で十分だというふうに思います。
#120
○佐藤正久君 やっぱり三日掛かるんです、約。距離も約二千三百キロ弱なんです。そういうことも考えながらやはり普天間基地の移設も考えないといけない。
 じゃ、さらに、なぜ、今朝鮮戦争がまだ休戦中という状況ですけれども、海兵隊が韓国の方に駐留していないのか、それは防衛大臣、御存じですか。
#121
○国務大臣(北澤俊美君) 韓国と北朝鮮の紛争は陸上の戦闘が主でありますので、米軍は陸軍を駐留させているというふうに理解しています。
#122
○佐藤正久君 それはちょっと違うと思いますね。海兵隊の運用からいって、通常のパターンであれば余り第一線近くに置いたら海兵隊の奇襲効果がなくなるんですよ。一般論ですけれども、朝鮮半島があって、それ東から使うか西から使うか、それは一斉にやったら難しいわけです。いろんなことを考えて沖縄の米軍基地の再編は考えないといけないんですよ。
 先ほど総理が言われたように、国民の命を国防という観点で守るというのであれば、そういう観点からも必要です。当然、台湾との関係も考えないといけないんですよ。
 これを、普天間基地を仮に国外に移転するといった場合、官房長官、台湾とかあるいは韓国と調整する必要があると思いますけれども、どういうふうに認識されていますか。
#123
○国務大臣(平野博文君) 先生の専門的見地からの指摘は、私はある意味では非常に大事な指摘だと思っております。したがいまして、今そういうことも含めてゼロベースで検討いたしていると、こういうことでございます。
#124
○佐藤正久君 今、韓国と台湾と調整するという、そういう場合は調整するという話だと思いますけれども、台湾とどうやって調整するんですか。
#125
○国務大臣(平野博文君) 台湾と調整するということは申し上げておりません。
#126
○佐藤正久君 自後の質問は、昼休み終わってからにいたします。
#127
○委員長(簗瀬進君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#128
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。佐藤正久君。
#129
○佐藤正久君 午前中の質疑を聞いて、やっぱり不安になりました。普天間基地がこれだけ盛り上がって大事だとみんな言っているときに、普天間基地に国連の基地があるということも総理も御存じない、また防衛大臣も沖縄防衛局が嘉手納町にあるということを秘書官から聞かないと分からない。やっぱり不安になってしまいますよ。
 それでは、普天間基地関係でもう一つ軍事的観点からお伺いします。官房長官、沖縄でJWTCって聞いたことありますか。
#130
○国務大臣(平野博文君) 不勉強で申し訳ありませんが、まだ記憶にございません。
#131
○佐藤正久君 総理はいかがでしょうか。
#132
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 是非御指導いただきたいと思います。
#133
○佐藤正久君 これ、ジャングル・ウオー・トレーニング・センターと言いまして、北部訓練場にあるんですよ。ここで普天間基地のヘリコプター部隊と地上部隊が、そこでジャングル戦訓練を海兵隊やっているわけですよ。それをどこかに移転するといったときは、その訓練上の観点も考えないといけない。いろんなことを考えながら、地上部隊の連携あるいは兵たん部隊の連携等いろんなことを考えながら、軍事的にはやはり沖縄しかないということで前の現行案ということに本当落ち着いていったという経緯があります。いろんなことをしっかりともっと検証しながらやっていただきたい、それをまた沖縄、国民にしっかりと説明していただきたいというふうに思います。
 それでは、総理、住民との信頼関係を構築するという観点で絶対やってはいけないことは何だとお考えでしょうか。
#134
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 住民に対して結果として彼らの信義を裏切るような行為をすることだと、そのように理解します。
#135
○佐藤正久君 やっぱりうそをついたり、その思いを踏みにじるというのは信頼関係という観点では非常にまずいと思います。
 資料一を御覧ください。(資料提示)一番上が鳩山当時の影の外務大臣として国会の代表質問でやったもので、本当、福島党首が喜びそうな発言をされています。普天間基地の国外移転を実現するんだと、海兵隊をハワイとかグアムなどに移転するんだという話、またそれから、沖縄ビジョンあるいはマニフェストの方向で、見直しの方向で進むというふうに明確にうたわれ、その結果として、沖縄では、衆議院選挙、四つの選挙区で普天間基地の県外移設派が勝利いたしました。自民党は全敗いたしました。また、そういう結果を受けて沖縄の方ではかなり県外移設ということが盛り上がったというふうに思います。さらに、七月十九日に総理が沖縄の方で、最低でも県外の方向で積極的に行動するということを大衆の面前で言われました。
 私は、政権交代を目指すと言われていましたので、防衛上の観点も考えた上でどこかに当てがあって言われていたのかなと思ったら、この前の二月五日の衆議院の予算委員会の答弁を見てがっかりしました、正直言って。県民感情を考えたとき、それが望ましいという思いで述べたと明確に答弁されております。それは私、総理、沖縄県民の気持ちをもてあそんでいるような感じもいたします。当てもなく、県民が喜ぶから言った、選挙のときだから言ったと、これではやはり虚言、妄言、選挙原理主義というふうに言われても仕方ないと思います。総理、いかがでしょうか。
#136
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 県民の皆様方の感情を当然思いやることは私は非常に重要なことだと思います。一方で、当然、佐藤委員も御指摘されるように国の安全保障という立場から、今、この例えば普天間を移設する場合に機能をどのように移転させることが可能かというような観点からも検討することは大変重要であることは言うまでもありません。
 私は、その意味で、アメリカに対する理解と、それから県民の皆様方を思いやる気持ちと、そのような中で最終的に判断をすべきものだと、今でもそのように考えております。
#137
○佐藤正久君 当てもなく言うというのはやはりどうかなと。思いだけじゃ駄目だと思いますよ。
 さらに総理は、一月に実施されました名護市長選挙の結果を見てみたい、思いを聞いてみたいとも言われました。結果、移設反対派の候補が勝利をいたしました。総理が移設先を先送りして名護市民の意見を聞いてみたいと言ったことが選挙の争点の一つとなって、またその選挙に影響を与えたというふうに思われますか。正直にお答えください。
#138
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) それは県民の皆様方に最終的にはお伺いしてみないと分からない話だと思います。私どもあるいは私の考え方というものは随時申し上げていたとおりでございますが、そのことがどのような影響を受けたか。
 ただ、その前から、すなわち私どもが政権交代をすることができた、沖縄においてもこの問題に対してかなりの争点になり、そしてそれが結果として民主党系の、あるいは連立与党系の議員の誕生というものを生んだというのも事実であろうかと思います。名護の市長選だけではない、そのように思っておりますが、国民の皆さんの考え、あるいは特に沖縄の皆様方の考えがこのように普天間のことをそれなりの、それというか、すべての方がそうではないかと思いますが、関心を持って投票をされたということはあり得ることだと思います。
#139
○佐藤正久君 やっぱりそれならば責任があると思いますよ。やっぱりそれだけ期待を持たせて、それで結果として、また沖縄だ、ましてやシュワブ陸上案だということになったら、名護市民からしてみたら、これは公約違反だ、うそをつかれたというふうに思うかもしれません。本当にある意味、名護市民の怒りという観点で言うと、これがそうなってしまったら総理は日本の裏切り王と言われるかもしれませんよ。そのぐらいやっぱり沖縄県民の思いと痛みというのはしっかりと考えていただきたいというふうに思います。
 さらに、五月まで決める理由ということを衆議院の予算委員会で二月二十二日に答弁されておられますけれども、十二月の時点で、せいぜい半年かなと思ったと。せいぜい、軽過ぎますよ。やはり本当の痛みを分かっているんであれば、せいぜい、こんな問題、半年がせいぜいですか。これで本当に沖縄県民あるいはほかの地元の県民、気持ちを本当に分かった上で説得できるか、私はちょっと軽いと思いますよ。
 せいぜいという言葉だけでも取り消していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#140
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私はそのせいぜいということにある意味での軽さを持って申し上げたつもりではありません。もうぎりぎりのところでという判断でそのように申し上げたところであります。すなわち、沖縄の県民の皆様方にとっても普天間周辺におられる方々からすれば一刻も早くこれはなくなってもらいたいと、そうでないと危なくてしようがないと、そんなお気持ちも感じておられると思います。
 アメリカとの交渉事でありますから、これも一年二年、もう十三年掛かっておりますが、更に半年以上、更に一年二年待てと、そういうことを主張される自民党の議員もおられましたけれども、私は必ずしもそれは無理だと、そのように思ったものですから、ぎりぎりのところで半年だと、そのような判断をいたしました。
#141
○佐藤正久君 であれば、もっと分かりやすい言葉を言わないと、やっぱり信頼関係という観点では誤解を受けますよ。せいぜい半年、そんなに甘いものではないというふうに一般に思います。
 五月末までに地元の合意を取り付けると言われました。地元って何でしょうか。知事でしょうか、県議会でしょうか、首長さんでしょうか、あるいはその議会でしょうか、住民投票でしょうか。地元の合意、地元、どういうふうにお考えか、お聞かせください。総理、お願いします。
#142
○国務大臣(平野博文君) 先生に具体的に申し上げますと、今ゼロベースで考えておりますから、その当該の場所が特定いたしますならば、その特定いたした場所が、知事さんが御必要な場合もあるでしょうし、あるいは市町村の首長さんと、こういうことになるでしょうから、一義的に言えば地元の皆さんの理解を得るという手続はやっぱり必要であると、こういうことであります。
#143
○佐藤正久君 ということは、首長、知事あるいは基礎自治体の長だけであって、議会とか住民は関係ないということでよろしいでしょうか。
#144
○国務大臣(平野博文君) 一義的に、民主的な手続という概念でいけば当然議員の皆さんにも理解は得なきゃならぬかも分かりませんが、一義的には行政の立場で考えていくわけでありますから行政の長の理解を得ていくと、こういうことだと思います。
#145
○佐藤正久君 今重大な認識を私も理解いたしました。地元というのは、じゃ知事とか基礎自治体の長ということだと。自後、その観点でまた、じゃ私も質問させていただきます。
 二月二十四日、沖縄県議会は、自民党から民主党まで含めて全会一致で県内移設の反対、県外、国外移転を求める決議をされました。総理、これをどのように受け止めておられますか。総理です。
#146
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 当然、県議会の皆様方を始め議会の皆様方が決議をされたということは重い判断だと受け止めるべきだと理解しています。
#147
○佐藤正久君 やっぱり知事だけではなく、住民から選ばれた議会という意見も本当大事だと思いますよ。
 また、地元の合意ということありますけれども、沖縄の民主党県連も県内移設反対しています。これが仮に県内移設ということになった場合、まず地元というよりも民主党の沖縄県連、これを説得すべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
#148
○国務大臣(平野博文君) 先ほど総理がお答えしましたが、二元政治という地方自治体での部分でいきますと、当然、議員の議決、こういうことについては一つの大きな判断と、こういうふうに受け止めます。
 今言われましたが、当然、これは民主党だけではなく、三党連立政権でございますから、与党の理解、さらには私は野党の先生方の理解も得られるものなら是非得たいと。いわゆるこれは沖縄全体の問題、日本国全体の問題でありますから、そういう意味での御理解はやっぱり得たいと、こういうふうに思います。
#149
○佐藤正久君 それでは、この問題に関して与野党の協議機関を設置する御意向はございますか、総理。
#150
○国務大臣(平野博文君) まずは政府が、先ほど申し上げましたように総理が五月末までに何としても考えると、こういうことでありますから、政府の責任においてこれは決めていくべきことだと思いますし、その上において皆様方の理解と支援をいただきたいと、こういうふうに思います。
#151
○佐藤正久君 さらに今、辺野古の近くの、近辺の三区の区長さんたちもやはり今反対というふうに意見書をまとめているという報道もございます。また、沖縄の四十一の市町村の首長すべてが県内移設反対というアンケート結果も出ていると。これは非常に重たいものだと思います。幾ら安全保障のことが国の専管事項とはいえ、やはり全部の首長さんが反対している、この思いというのはしっかり分かった上で決めて、その上で説明するならそれなりの時間と誠意というのは私は本当必要だと思いますよ。でなければ、もう後々これはうまくいかないと、そういうものだと思います。
 ただ、福島大臣は県内移設反対で、あるいは社民党はぶれていないと思いますよ。特に福島大臣は、ある意味、国外移設で筋を通していると。考え方はかなり違いますけれども、その点ではさすが政治家だなというふうに思います。
 さらに、最低でも県外と言われた総理を信じているというふうに言われました。本当に、トラスト・ヒム、本当に大丈夫でしょうか。もしもこれが県内移設となったら、社民党は連立を離脱するというぐらいの覚悟はございますか。
#152
○国務大臣(福島みずほ君) 民主主義のことを言っていただいて本当に有り難いと思います。
 私もこれは民主主義の問題だと思っています。だからこそ、地元の反対を押し切って辺野古の沿岸部に強行しようとした自公政権は明確に間違っていたと思います。民主主義だからこそ、私たちは政治が変わった中で今努力をしている最中です。
 これは先送りでも迷走でもない。私たちは、アメリカの政治も変わった、日本の政治も変わった中で、一番ベストの案を尽くすべく内閣の中で努力をしている状況です。私は、この内閣の下で、まさに民主主義、つまり沖縄県民の人たちや沖縄の県議会、その思い、名護市長の思いを本当に大事にしながら、この内閣の下で全力を尽くしてまいります。
#153
○佐藤正久君 今褒めたんですけれども、ちょっとがっかりしました。亀井大臣は、外国人地方参政権について、もしもこれが反対であれば筋を通すと、連立を離脱すると言われました。であれば、やっぱり筋を通すということも私は大事だと思います。
 さらに、この住民との説明という面では、やっぱり配慮も必要だと思いますよ、配慮が。二十四日の日に沖縄県議会が全会一致で意見書を出された。その日の同じ夜に、北澤防衛大臣は、国民新党の議員のパーティーで辺野古陸上案を示唆するような発言をしたと流れました、報道で。次の日、私は心配したんですよ。これが変なふうに沖縄県議会の方で取り上げられないといいなと思ったら、案の定取り上げられました。そこで、仲井眞知事も非常に不愉快だと、このままだと県内移設反対ということにかじを切らないといけないかもしれないと言われました。やはりそういう面では配慮というものは私は大事だと。本当に信頼というものを言うんであれば、そういう配慮という、本当、痛みを分かった上でやらなければいけないというふうに思います。
 それで、鳩山総理は、年末のラジオ番組で、閣僚発言がばらばらだと、それはやっぱり反省してと言われました。でも、それがまだ年を明けても止まっていない。非常に大事な今状況になれば、そこはワンボイスでいくということが大事だと思います。総理、いかがでしょうか。
#154
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) いろいろと憶測で記事が流れている部分があると思います。
 確かに微妙な問題でありますだけに、何かを示唆するようなふうに取られるおそれがあるかもしれません。そのことも注意をする必要があろうかと思っておりますが、現在のところ、私ども、御案内のとおり、平野長官の下でしっかりと選択肢を定めて、五月末までに普天間の移設先をきちっと定めると決めたわけでありますから、その作業をしている最中でありまして、私はそれほど今はばらばらな発言が続いているとは決して思っておりません。憶測が流れ過ぎている嫌いはあるかと思っております。
#155
○佐藤正久君 だれもそう思っていませんよ。多くの国民はやはりばらばら発言と、整っていないというふうに思っているから不安になっているんですよ。そこの部分はやっぱりしっかりやってもらわないと不信感が広がる。
 結果的に、東富士演習場の使用協定、今やっている最中ですけれども、そこの御殿場市長、裾野市長始め三首長が、もう普天間基地の訓練移転が東富士に来るという案が与党内で上がっているということを受けて協議打切りですよ。明確な回答が来るまで協議に応じないと。今月いっぱいでその使用協定が切れる、場合によってはそのまま訓練ができなくなってしまうと、いろんなところで影響が出ているんです。
 岩国においても非常に不信感が広がっている。説明が全然ないまま、いきなり予算案に海兵隊の航空基地の建設予算が入る、参議院議員の答弁書でそれで初めて、岩国の再編が予定どおりだ。何で説明しないんですか。総理が言われる本当の痛みを共有する、同じ思いでやりたいというんであれば、もっと説明しないとそれは分からないですよ。しっかりと統制するなら統制しながら説明してください。
 そういう意味で、二日の日に官房長官と北澤防衛大臣がルース大使と会った。官房長官、これ事実でしょうか。
#156
○国務大臣(平野博文君) 事実でございます。私が会ったことは事実でございます。
#157
○佐藤正久君 でも、当初この会談は極秘であったと。それがこういう形で記者の質問に総理が答えて認めてしまったり、やっぱりそれはアメリカが、私が知っている人からもちょっと困惑したと、やっぱりそういう部分はしっかり、情報というのは統制なら統制して守り守らないと、本当に信頼というのはアメリカの関係でも良くなくなってしまう、駄目になってしまう。やっぱりそこは本当に今大事な時期ですから。私は、ある意味、安全保障は与党も野党も関係ないと思っているんですよ。だから、そういう面でしっかり勉強していただいて説明していただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 そういう意味で、総理、今、日米関係でよく言われますけれども、本当に今信頼関係を心配する人がいます。軍事同盟において、外交とか政治的な美辞麗句だけで同盟は維持できると思いますか。
#158
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 美辞麗句だけでお互いの信頼関係守れるとは思いませんし、それぞれの国の安全というものも守れるものではない、そのように認識しております。
#159
○佐藤正久君 それでは、信頼してくれという言葉だけで同盟は維持できるとお考えでしょうか。
#160
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) そのようなものではないと思います。ただ、当然のことながら、信なくば立たずという言葉もございます。信頼関係というものは大変重要であります。その意味で、トラスト・ミー、信頼というものは必要条件であるけれども十分条件ではない、そう思います。
#161
○佐藤正久君 総理、ところが、今総理がそれだけでは不十分だと言った現場の連隊長が処分されたんですよ。日米共同訓練の開始式で、厳しい訓練を通じて汗を流して相互の能力を高めましょうと言った隊員が処分されました。これは、アメリカの将兵たちも聞いていて感動したと、アメリカの国防省の高官もすばらしいスピーチだと、おれも使いたいと。一生懸命やっている隊員を処罰する、私はおかしいと思いますよ。一生懸命やらない、サボっているなら分かります。そういうことをしっかり考えながら、本当に信頼というものを日米という関係でもいろんな面でやっていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
#162
○委員長(簗瀬進君) 以上で佐藤正久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#163
○委員長(簗瀬進君) 次に、衛藤晟一君の質疑を行います。衛藤晟一君。
#164
○衛藤晟一君 まず総理にお尋ねいたします。
 やっぱり私どもいろんなところをずっと歩いたりお話を聞いていますと、いわゆるちまたの声でありますけれども、普通の人たちはやっぱり贈与税というのは百万ちょっとから掛かるのに、総理の場合だけ何でこんなに許されるのか、やっぱりおかしいではないのか、それは権力の座にあるからこういう具合に許されるのかというお話でございます。つい先日、私は、地元大分のある税理士さんから、ちゃんとそのことを一回聞いてくださいよということを言われました。
 事実、政治献金になりますと、御承知のとおり、もしお母さんからの政治献金だったとすると、百五十万を上限として、超える分は政治資金規正法違反、公民権停止ということになります。贈与ということになりますと、百十万を超えるものには生前贈与でございますから税金が掛かってまいります。総理はこのいずれの手続もしておりませんでした。言わば、そういう意味ではやみ処理をされたわけであります。これ、表に出してとても処理できるお金ではないということがよく分かっていたからだという具合にしか言いようはありません。
 天地神明に誓って知りませんというのは、言わばこれは、そういう処理をしなければ、知らないということにしなければ、政治資金であれば政治資金規正法違反と明確な違反になりますし、それは公民権停止を伴うし、贈与税であれば、百十万を超えるもの、今総理に行ったお金は、一日五十万、月千五百万、一年間に一億八千万という、普通の方が考えられないような金額であります。
 この天地神明に誓って知りませんということを言われておりましたが、知らなければ知らないで最も私は実はひきょうな言い方だという具合に思っています。結局、秘書に任していた、弁護団に任していたということになります。そうなりますと、その責任を秘書やお母さんやあるいは奥さんに転嫁しただけであって、私は何も知りませんでしたということを言っている、とんでもないことを言っているわけでございます。これは最も私は人として許されることではないという具合に思っています。総理、どうお考えですか。
#165
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 衛藤晟一委員からそのように厳しく言われること、大変つらい思いでございます。
 ただ、事実は一つしかないものですから、その事実に基づいて私の知り得る限りのことを申し上げているわけでございます。現実、母親からの資金提供というものがあったということを初めて知ったのは、検察を通じて、あるいは弁護士同士のやり取りの中で最終的に理解をしたのでございます。
 そのことに関して、しかし、衛藤委員がお話しされますように、なかなか国民の皆様方には理解していただくことは難しいことではないかと、そのことも分かっております。だからこそ懇切丁寧に自分なりに正直にお話を申し上げているつもりではございますし、また、全く知らなかったということなので私としては貸し借りがあったと言うはずもないわけでありまして、そうであれば贈与とみなすしかないと、贈与と考えるしかないという発想の中で申告をして納税をいたしたということでございまして、これからは、当然のことながら、だからこそ、知らなかったから責任は何もないと、そのように思っているつもりではありません。
 私なりにその責めを果たしてまいりたいと思っておりますが、その責めの果たし方として、やはり国民の皆様方に、このような立場である以上、身を粉にしてその使命を果たすと。政権交代を多くの皆様方の御期待によってつくらせていただいた、ならばその責めをその立場から果たさせていただきたいと、今そのような思いで行動しているところでございます。
#166
○衛藤晟一君 あなたがそう言えば言うほど、責任は秘書さんへ、あるいはお母さんや奥様に行くわけであります。私はそんな意味で本当に卑劣だという具合に思っています。
 そうなりますと、当然のこととして、秘書さんやお母さんやあるいは奥様にここに出てきてもらってはっきりと調べなきゃいけない。当たり前じゃないですか。そんな方に責任を転嫁することの方があなたおかしいですよと言っているんです。
 そして、もっと言えば、自分が本当に知らないというのであれば、あなたは、全部お母さんから出してくれたことも知らなかったというのなら、まだ未成年ということですよ、極端な言い方をすれば。そうでしょう。制限行為能力者というのがありまして、これに未成年者が一応入っているわけであります。単独では完全に有効な法律行為をすることができない者のことをいうと。
 あなたの言い方は結局そうなるんですよ。だから、国民の皆様が結局納得できないんですよ。いいですか。(発言する者あり)信頼で。それじゃ悪いことしたのはお母さんなの。そうでしょう、お母さんはふだんから税金をちゃんと払えと言っておられたというんですよ。そうしたら全部知っていたはずですよ。そうしたら、お母さんにちゃんと来てもらわなきゃいけない。あなたが何もかも知らなかったと言えば言うほど責任がほかの方のところへ行って、その方にちゃんと聞かなきゃいけないんです。
 もし本当に知らなかったというならば、あなたは少なくとも法的な行為を単独では行うことのできない方ということになるんです。そうしたら、総理大臣を続けることはもとより、言わば議員を続けることの方も意味がないと、失格だということになるんですよ。あなた自身がそんなことを宣言しながらこの場にいるということ自身がおかしいんです。見解を求めます。
#167
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 知らなかったということが事実だとすれば公的な行為をする資格がないという判断が、私にはちょっとその理屈が、申し訳ありません、十分に理解できないところでございます。
 知らなかったことは、まさに衛藤委員が何度もお話しくださったように、天地神明に誓ってそれは事実でございます。それに基づいて私なりにどのようにこれを処理すれば国民の皆様方に少しでも御理解いただける道があるかということで今日まで行動しているということで御理解を願えればと思います。
#168
○衛藤晟一君 こんなお金を、ちょっとというお金じゃないんです。一月に千五百万円、一年に一億八千万。それを相当長い間、六年か七年か九年か十年か分かりませんけど、ずっとそういうのをもらっていて、しかもそれがどんな形で使われていたかよく分かりませんと言っておられるんですね。(発言する者あり)ということは、使われていたということを知っていたことだ、天下国家のために使っていたということはね。入ってきたことは知っていたはずだ。言わば、知っていたということになると大変なことになるもんだから、知らなかったということにしようといって処理したにしかすぎないじゃないですか。
 国民の皆さんははっきりとそのことをよく分かっているからこれだけの批判があるわけです。そのことだけは強く肝に銘じて対処していただきたい。だからこそ、そんな言い訳ばかり続けるのであれば、総理は議員としての資格もなくなりますよと、社会人としても資格なくなりますよということを申し上げているんです。それ、どうですか。
#169
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、言い訳をしているつもりはありません。真実に基づいて申し上げているつもりでございまして、これからもできる限り正直にお答えをさせていただきたいと思います。
#170
○衛藤晟一君 改めまして、これだけのものをもらっていて知らないなんということはあり得ないわけであって、そのことをよく自覚していただきたいと思います。そして、自分でしかるべき処置をしていただきたいということを申し上げます。
 それでは次に、昨日、大江議員から質問がございました外国人参政権の問題について、改めまして質問をさせていただきたいと思います。
 今、民主党政権が進めようとしている外国人への地方参政権付与の動きを私は大変懸念をいたしております。参政権付与によって、ある意味ではある国の考えが日本の地方自治に反映される可能性もあるし、また国政への影響もたくさん心配されるわけです。これは、ただ友愛というそういうような言葉で表現される問題ではなくて、国家主権にかかわる重大な問題でもあります。
 ですから、これに関係したいろんな学者も、この法案は日本解体法案であるんではないのかというような指摘も見られるところであります。平成七年の最高裁判決で明らかなように、日本国民ではない永住外国人に選挙権を与えることは憲法上問題があるという具合にこの判決が出ております。
 三日の大江議員の質問に対して枝野大臣は、憲法十五条に定められた参政権は日本国民に与えられたものであるという具合に答弁しておられますが、間違いないでしょうか。
#171
○国務大臣(枝野幸男君) 基本的に、同条に定められている参政権は日本国民に与えられたものである、あるいは日本国民に参政権を認めた規定であると、こういうふうな解釈でございます。
#172
○衛藤晟一君 そうですね。日本国民固有の権利であるという具合にはっきりと書かれています。
 それでは、しかし、総理は大江議員に対しまして、枝野大臣の答弁を認めつつも、最高裁判決で永住外国人への選挙権付与は憲法上禁止されていないと傍論で出ている、ですから、参政権付与をするか否かについては立法措置として国会で決めるべき問題、どちらに決めようとも憲法に違反しないとの解釈が妥当だとの認識を示しました。総理は、そういう意味では、傍論に寄りかかりまして参政権付与を進めようとしているようにもうかがえます。
 しかし、判決に加わった園部元最高裁判事が今年の二月に新聞社に対しまして、判決について、政治的な配慮があった、一般永住者への選挙権付与はあり得ない、政府提出は賛成できないという具合に述べています。また、今年の一月には、それまで外国人参政権推進の理論的な支柱であった長尾中央大学教授は、民主党が提出しようとしている法案は明らかに違憲、国家の解体に向かうような最大限に危険な法案という具合に主張を一変されております。
 総理、どうでしょうか。総理に。
#173
○国務大臣(枝野幸男君) まず私からお答えさせていただきますが、まず、平成七年の最高裁判決にかかわられた最高裁判事の方がおっしゃられているお話については、最高裁判事の皆さんも法と事実と良心に基づいて判決をなさっているのであって、最高裁判事という大変重い責任を負われて仕事をされた方が政治的配慮に基づいて判決をされているということは、本来最高裁判事としてあるまじき行為でありますので、そのようなことをなされたということは想定されないというふうに思っております。
 その上で、先ほど確かに憲法十五条について申し上げましたけれども、憲法十五条が基本的に国政を想定して公務員の選定について国民の固有の権利であると規定しているのはそのとおりでございます。その上で、最高裁判所は地方参政権の一部については国民以外の方についても選挙権を付与する余地があるということを、傍論でありますけれども、これは判決の中で示しているのは間違いありません。
 行政府といたしましては、傍論といえども、最高裁、この国の憲法解釈を行う最終決定権を持っている最高裁判所としての見解であることは間違いございません。最高裁判所の見解と異なることを行政府の方で申し上げれば、これは逆に権力分立原則に反するということになるというふうに思いますので、少なくとも平成七年の最高裁判例については、私どもはそれを前提にして私どもとしての見解を申し上げるしかないというふうに思っております。
#174
○衛藤晟一君 傍論に別に法的拘束力があるわけでもありません。また、一つの意見でもございます。ですから、この場合は主判決に従うべきであるという具合に思います。ただ、その中でこんな意見もあったということであえて傍論を載せたということであります。
 しかし、先ほどお話ありましたように、この傍論というか、いわゆる部分的許容説を日本に紹介したのは長尾教授でございますけれども、これは、長尾教授自身もこれはまずかったということをはっきり言っているわけであります。そして、現にそういうことが進んでいると言われたドイツでもそういうことはやっていないねと、そして、紹介したということであったけれども、今となってみればこれは極めて私は軽率であったと、この考え方は撤回しますと。この長尾教授の見解がそういうことでございますから、いわゆる傍論をもってそういうことができるという具合に憲法解釈が変わったというわけではないということだけははっきりしておきたいと思いますが。
#175
○国務大臣(枝野幸男君) 最高裁の判決におきましては、多数意見とは異なる裁判官の意見を少数意見としてこういう意見もあったということで示すということがある。それはそのとおりでございますが、ここで一般に傍論と言われているものはそれとは異なりまして、最高裁判所の意思として、意見として明確に示されたものでございます。ただし、直接の判決の先例としての拘束力は持ちませんが、最高裁判所の意見という形で明確に最高裁としてまとまって、少なくとも小法廷としてまとまって示された意思でありますので、これ、権力分立原則から考えても、あるいは最高裁判所が憲法解釈についての最高の決定機関であるということから考えても、行政府の方でそれと異なる見解を取るということは、これは逆に憲法に照らして許されないことであるというふうに思っております。
 その上で、立法政策、立法判断としてそれに基づいてどういう行動を取るかということはいろいろ御議論があることかと思いますが、少なくとも行政府の立場として最高裁判所が示した意思を否定をするということは憲法上許されないと思っております。
#176
○衛藤晟一君 この平成七年の最高裁判決は明らかに、日本国民ではない外国永住者に選挙権を与えることは憲法上問題があると。そして、今、枝野大臣も言われましたように、基本的にはそうですということを言っているわけですから、私はそれをはっきりと確認しているわけであります。
 ですから、傍論としてそういう意見もあったよと、一部ですね。しかし、それ自身が、今それに関与した方々自身がこれやはり問題であったという具合に言われているわけでありますから、そのことを私は紹介しながら、総理、それが今、そこまでの権限があるということではなくて、基本的にはやっぱりこれは日本国民にしか、地方参政権は日本国民にしか許されていない固有の権利であるということをはっきり書かれているわけでありますから、これをちゃんと守っていただきたいという具合に思います。総理の見解を求めます。
#177
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 衛藤委員にお答えしますが、もう基本的には枝野大臣から答弁申し上げたとおりであります。
 国政における選挙権と、それから地方における選挙権、その違いの中で、地方においては、先ほどお話ありましたように、最高裁での傍論ではありますけれども意見があるということで、憲法違反では必ずしもないと。ただ、それをどう判断するかはまさに立法でお決めいただくことだということであります。したがいまして、立法の中で、国会の中で大いに御議論を願うべき話ではないかと思います。
 ただ、一言付け加えて申し上げれば、この地方参政権、世界の中で二十か国以上の国々が認めているところでもございます。そういった国が確かにそれによって国が滅びるような方向に向かっているのかどうかというようなことも検証する必要があろうかと思っておりますが、いずれにしても国会の中でしっかりと御議論されるべきことではないかと、そのように思っています。
#178
○衛藤晟一君 二十か国ですか、三十か国ですか、そこのところをよく見てください。例えばEUとかは、全体を組んで相互でそういうことをちゃんとやろうと、EUの圏内で一部それを部分的に容認するということをやっているわけであります。しかし、ドイツなんかでもそんなことにまでまだ行っていないんです、一番最初に主張した。だから、そういうことはよく見ていただきたいという具合に思います。
 いずれにしましても、このような、今言われましたですね、だからこそ、また韓国において、これは先日法改正がありまして、それは在日の方々の韓国におけるいわゆる投票権を認めるというようなことをはっきりなされたんですね。そうなりますと、この方々は、ある意味では二重の投票権を持つということになるわけです。これは論理的におかしくなるわけです。だから、ここのところがどうしても筋が通らないのではっきり言っているわけです。だからこそ、言わば外国の影響下に置かれるようなことでは困るということで、これは憲法でもちゃんと書かれているわけであります。ですから、ここのところをよく理解していただいて、是非このことをおやめいただきたいという具合に思います。
 亀井大臣はそういう中であくまでも反対だということでございますが、再確認させていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#179
○国務大臣(亀井静香君) 先ほどから衛藤議員の御質問を聞かせていただいておりますが、今国会にそうした法案が提出をされておるわけでもありません。また、鳩山総理が積極的にそういうことをやろうとしておられるわけでもございません。私は、一政治家として、この参政権の付与ということについては反対をいたしております。
#180
○衛藤晟一君 じゃ、次に行かせていただきたいと思います。亀井大臣に引き続き御質問申し上げたいと思います。
 今、いろいろ内閣で議論されようとしている中に夫婦別姓の問題があります。夫婦別姓、私どもは、この国は一夫一婦制を取りながら、そして夫婦というものを形成しあるいは家族というものを形成しているわけであります。その家族に付いている名前でございますけれども、これがいわゆるファミリーネームでもあります。家族は家族であるがゆえにファミリーネームを持っているわけでありますけれども、それが氏や姓と言われるものであります。これが日本における家族の自然な在り方だという具合に思います。あえて私はファミリーネームを壊す必要はないと、そのことの方がおかしいんではないのかという具合に思っております。
 このような夫婦別姓の動きに対して、私は家族を壊そうとするものだという具合に思っていますが、亀井大臣、どうお考えでしょうか。
#181
○国務大臣(亀井静香君) この夫婦別姓についても法案が今出ておるわけではございませんけれども、議員のそうした家庭の在り方、夫婦についての在り方のお考え、今の御説明だけではまだ私よく分かりませんけれども、私は日ごろの議員とのお付き合いの中で、議員が、日本人が今までつくり上げてきた良き家庭の在り方その他にとって、夫婦別姓をやることがこれについて大変な悪影響を与える、そういう意味でやってはならないというお考えには私は全く同調いたします。
 一家の家庭の表札がアパートのように、夫婦で、また親子で違うと。私はこの問題、ちょっと長くなりますが、夫婦がそれぞれ別な姓を名のる権利があるんだということなんでしょうけれども、そうだったら、子供が権利を主張する機会がないままに勝手に姓を付けられるわけであって、この問題をどうするのか、どうも私には分かりません。私は福島大臣に聞いたら、二十歳になったら自分でお父さんの名前に変える、あるいはお母さんの名前に変える、そういうことができるんだから都合が別に悪いことではないとおっしゃるわけですけれども、私は、そうした形で家庭の中をばらばらにしていくというようなことを何であえてしなければならないのか。通称ということで今も日本の社会においてうまくやられておるわけでありますから、それは、それで支障があるという方もいらっしゃいますが、大した支障じゃありません、聞いてみると。
 私は、今の家庭の中に、私の家庭も理想的な家庭じゃないと思いますから言えませんけれども、すき間風がすうすう吹いているような家庭が多くなって、人殺しの半分が親子、兄弟、夫婦の殺しという、世界に全然例のないような、そんな日本になってしまったというこういう状況の中で、職場でも社会の中でも家庭の中でもみんなばらばらにやりましょうというようなことを私はあえてやる必要はないと、このように思います。長くなりました。
#182
○衛藤晟一君 ありがとうございました。
 是非、今法案が提出されているわけではありませんけれども、法案が提出されないように閣議の中でも頑張っていただきたいと心から期待を申し上げる次第でございます。
 時間も大分なくなりましたけれども、社会保障についての質問をさせていただきたいと思います。
 厚生労働大臣にお伺いさせていただきます。年金の記録問題でございます。ミスター年金と言われて、そして言わば年金記録については一番今まで頑張ってこられた大臣であります。その一番得意とされるところについてお聞かせいただきたいと思います。
 紙台帳とコンピューター記録との突き合わせにつきましては、我々は、大変ですから頑張りますと、そして二年間の周知期間を設けて頑張ってやりますということを申し上げていました。野党時代の長妻大臣は、人、物、金を集中投下して全部一年でやれという具合に言われていました。ところが、今回の予算編成となると、平成二十二年度の予算要求では年金記録問題への対応として千七百七十九億円が計上されましたけれども、しかし、案は九百十億円と半減いたしております。人、物、金を集中投下するという野党時代の発言はどうなったのか。
 しかも、お聞きしてみますと、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせは初年度に全体の約一〇%を行うと。全部一年でやれと言っていた大臣ですけれども、このペースで一年で終わるわけがないわけでありまして、一体、全体のスケジュールをどういうように考えられているのか、そして年金の記録問題の全面解決に、完全解決に向けてどれぐらい掛かると見込んでおられるのか。今まで言われたことと余りにも主張が違うというか後退し過ぎていますので、考えをお聞かせいただきたいと思います。
#183
○国務大臣(長妻昭君) 私ども野党時代、あるいはこのマニフェストにおいてもそうでございますけれども、この紙台帳につきましては、初めの二年間集中的にこの紙台帳の照合をして四年間で紙台帳を照合するということは、これは野党時代も含め、そしてこのマニフェストでも含め申し上げているところであります。その計画に沿って、私どもとして、これは自民党のお求めに応じて計画表もお出しいたしましたけれども、四年間で全件の紙台帳を照合する。そして、初めの二年間は紙台帳は片っ端から照合するんではなくて、優先順位の高い紙台帳を分類をして照合をしていくということでございまして、何らこれまでのマニフェストに反するものではございません。
#184
○衛藤晟一君 済みません、亀井大臣、結構でございます。ありがとうございました。どうぞ、枝野大臣も。
#185
○委員長(簗瀬進君) 両大臣、結構です、どうぞ。
#186
○衛藤晟一君 一期四年というこの常套句は私ども聞き飽きているんですよね。長妻大臣は、できるだけ早くという言葉はあり得ないとか、それから目安を切っていただかないと常識外だとか、あるいは期限を短く切って早急にやれとか、そういう具合に今まで政府答弁を、かつては批判をしていたわけですよ。大臣になられた途端に一期四年とか検討中とか、これでは矛盾し過ぎているんでありますけれども。
#187
○国務大臣(長妻昭君) これ、私が野党時代申し上げていたのは、当時の自民党が紙台帳の照合はやっとするというところまで言ったものの、期限は分かりませんと。するけれども、いつまでにできるか分からない、分からないと言うから、私は野党時代、期限をちゃんと切ってくださいということを申し上げ、あの自民党のペースだと二十五年ぐらい掛かるんじゃないでしょうかということも申し上げ、そしてやっとその後、十年でできるかできないかというようなあいまいな資料が出てきたんで、本当に十年でできるんでしょうかと聞いてもその数字が出てこないので、私は期限を切るべきだと申し上げたわけです。そういうことがないようにということで、マニフェストでは四年で全件を照合するということをお示しをして、そして初めの二年間、優先順位の高い紙台帳を照合をすると、こういうようなことであります。
 そして、今予算のお話もございましたけれども、やはり予算は効果的に使わなければならないということで、我々は概算要求と実際の本予算、数字は減りましたけれども、精査に精査を重ねて少しでも効果的に紙台帳の照合をするということで、まずは紙台帳照合システムという紙台帳のイメージデータをコンピューターに入れて効率的に照合するというようなことで当初予算、紙台帳以外も含めて年金記録問題九百十億円入れさせていただいていまして、前の自民党が作った二十一年度の当初予算に比べて三・二倍も多くの予算を付けさせていただいて集中的にやるということでございます。
#188
○衛藤晟一君 どうも自分の言われたことを覚えられていないみたいですがね。
 それで、最終的にこの紙台帳の問い合わせやりますよ、そして平成二十一年中に一応コンピューター処理を終えたいと思います、その何か月かの差はあるでしょうと。しかし、それからすぐ照合に入りますよ、そして集中的に、自民党の時代も二年間でほぼ集中的にこれをやりますということを言ってきたんです。いやいや、やっていいっていうんです、二年で。ここに元大臣がおられますから。そして、ただ、そこのところは周知期間を設けてやる。それが何%まで、完全にできるかどうか分からない。しかし、すべてをとにかく、検索はとにかく二年間で全部やりますよ、調査まで全部やりますよと。その結果が全部出るかどうかということについては今まだ分からないということを言われている。しかしながら、二年間で集中的に、舛添大臣のときにそのことをはっきりされている。
 今度は、それを受けながら今度はまた始めようということになってきているわけでありますけれども、後を引き継いでやられているわけですけれども、これでは全く変わらないどころじゃない、後退している、特にあなたの言われたことから後退しているということでございます。
 それから、年金通帳と社会保障カードの件も問題でございます。
 年金通帳についても、長妻大臣は野党時代に、政権交代をすれば年金通帳を発行すると、テレビでもあの見本というんですか、出して大分言われていました。マニフェストにもすべての加入者に年金通帳を交付するという具合にはっきりと記載されております。平成二十二年度予算要求には五百九億円が要求には計上されていましたけれども、予算案を見ると一割にも満たない四十億円ということになっています。
 年金通帳を作らないという方針に変えたんですか。これは、ただ選挙前だから、そう思ったからそう言っただけですか、はっきりしてください。
#189
○国務大臣(長妻昭君) これも前の厚生労働委員会等でも御指摘をいただきましたけれども、私どもは一期四年の中で年金通帳を発行するということでございます。
 まずそれが前提でありますけれども、その前に、まず速やかにできることは、インターネットで年金の記録を照合して、これまでは年金の受給見込額というのはインターネット上で見ることができませんでしたけれども、個々人の年金の受給の見込額も見ることができるようにして、そして、お年を召した方でそういうインターネットをお使いになかなかなれない方については、郵便局等でそういう端末を設置して介助者を付けて、これはいろいろな拠点で確認できるようにすると。
 その上で、皆様に国民アンケートを通して具体的にどのような年金通帳がこれから必要なのかという御意見を十分お聞きして制度設計をしていくということであります。
#190
○衛藤晟一君 それは、前からそういう具合にして見れるようなシステムをということでちゃんとやってきているんですよ。そして、インターネットで、それを方針として……(発言する者あり)
#191
○委員長(簗瀬進君) 御静粛にお願いします。
#192
○衛藤晟一君 分かってない、全然ですね。(発言する者あり)だれがってことを言われますけれども、これはよく言われるように、はっきりと、三層構造の中で起こった問題だということをはっきり言われているわけでありまして、それを、だからこそみんながお互いにちゃんと受けなければいけない責任になっているわけであります。
 ここにも菅大臣もおられますけれども、菅大臣のときに、全部コンピューター処理をしてやれば、言わば年金手帳がたくさん出ておる、一人の人が三枚も四枚も持っている方もおられる、これを一本にすればいろんな問題も解決するだろうというように思って、こういう問題があるということをお互いにまだ知らなかったですね。実際、正直なところ。
 そして、あのいわゆるコンピューターの中に入れて処理をするということで、平成九年ですか十年ですかね、あのころ、十一年か、十年前後にやることによって、少なくとも手帳は一人の人が三枚も四枚も持っていることがなくなればうんと正確になっていくだろうということを期待してみんなでやったんですけれども。そういう意味でこの責任というのはやっぱり共有せざるを得ないということを私ども思っていますので、あえて言っておきます。
 それから、ですから四年間でやるやると言ったものが結局初年度においては何もできないと。あれだけ急いでやると言ったんですよ、すぐやると言ったんですよ、長妻さんはね。だからこそ我々は、そういうことよりも社会保障カードというものをちゃんと作って、これをやっていった方がいいですよ、はっきり分かりますよということを言ったんです。
 今、どういう方向から検討しているんですか。年金通帳、本当に作るという方向で検討しているんですか、していないんですか。後々問題が出ますからはっきり言ってください。やるのかやらないのかはっきり言ってくださいよ、これは。
#193
○国務大臣(長妻昭君) いや、ですから一期四年の中で年金通帳を実行するということを申し上げているところであります。
 そして、先ほど紙台帳のお話だと思いますけれども、これについてももう自民党のお求めで資料を出させていただいておりますけれども、四年間で全件を照合するということで、初年度が全体の一割、二十二年度、そして二十三年度から二十五年度ですね、各年度二・五割から三割ということを実行して最終的に全件を照合すると。
 これまでの年金記録問題の解決策というのは、前政権でも御尽力いただいていたと思います。これは、皆さんに通知をお出しして、間違っているところを気付いたら教えてくださいと、こういうやり方、これも有効だと思いますが、もう一つ有効なのは、気付いておられない方に、あなた様の実は入力が紙台帳と間違って入力していたので、あなた様は気付いておられないかもしれないけれども、実はこれだけ年金が少なくなって済みませんと、こちらから通知を出すという、能動的なアクションが取れるというメリットがありまして、これは前政権でも特殊台帳は照合していただいていましたので、それについての結果の通知を今出させていただいております。気付いていない方に徐々に今出すという作業も進んでおりますので、是非御理解をいただいて、与野党を問わず御協力いただければ幸いでございます。
#194
○衛藤晟一君 今言われたのはそのとおり、言わば前の時代から一生懸命やってきたことです。それから、年金記録の解明のものも、言わば二年掛けて集中的に幾ら入れたらどうなるということを一覧表にして、そしてずっとやってきたことです。それで、最終的にこれがずるずる十年掛かるのか、どれぐらいの金が掛かるのかということも全部一覧表として出したはずです。そして、そのときの議論として我々は最終的に二年ぐらいの間に集中的にやりましょうということを言ったわけです。そして、ただそのときに、全体がどこぐらいまで完全に分かるのかどうか分からない。しかしながら、集中的にやることによって全部は一回は検索をちゃんとしますよと、そしてそのことの情報が行くようにしますよということを言っている。
 今お話がありましたように、年金通帳というのはいろいろ問題があるんです。だから、結局踏み切れないんです。だから、我々が言ったように、改めてそこのところはちゃんと考え直してもらって、やっぱり社会保障カードのような形で全体を把握するというシステムを取る以外にないと思いますから、そのことをあえてちゃんと申し上げておきますので。
 時間となりましたので、交代させていただきます。
#195
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。加納時男君。
#196
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
 地球温暖化対策一本に絞って質問をさせていただきます。
 ロードマップもない、国民負担額の明示もない、密室議論であって国民の理解がない。ないない尽くしの中で二つだけある。一つは産業界や労働組合からの強い懸念がある。もう一つは個別の経済措置についての疑念がたくさんある。こんなような状況の中でなぜ強引に二五%削減や地球温暖化対策基本法の制定を急ぐのか。こういう問題意識の下に、以下、具体的に質問させていただきたいと思います。
 総理にまず伺いたいと思います。通告してありますが。温室効果ガスの削減目標をどう考えるのか。二五%という数値の根拠は何でしょうか。
#197
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 加納委員には、特に気候変動問題、地球温暖化問題に対して大変お詳しい立場から是非いろいろと知見をお与えいただければと思っております。
   〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
 その中で、二五%、なぜ私がそのような発表をしたかということでございます。
 私は、これは確かに前政権はある意味で産業界などをよくリサーチをされていきながら積み上げていき、ここまでならできるというやり方で数字を出してこられたのは理解をしております。ただ、地球を守るためにはむしろそのような環境ではないと。むしろ、地球をどのようにして世界の協力の中で守っていくか、日本が率先して大きな数字というものを示すことによってリード役を果たしていくべきではないかという思いがございました。
 当然、科学的な知見が全くなかったというわけではありません。いわゆるIPCCの第四次評価報告書、すべて御案内のとおりだと思いますから細かいところは申し上げるつもりはございませんが、そこの中で、私どもとすれば、二五%、二〇二〇年までに削減をすると附属書Tの締約国に対する考え方が示されているものですから、それに基づいて私どもは判断をして、二五%、二〇年までにという数字を出したところでございます。
#198
○加納時男君 ありがとうございました。
 今おっしゃったのは、総理が国連演説で英語で話されました。私もあれを全部、テキストも取り寄せまして、英語でも日本語でも読ませていただきましたけれども、その中で、今まさにおっしゃったIPCCの知見をまず紹介された後、次のように言っておられます。科学が要請する水準に基づくものとして、九〇年比でいえば二〇二〇年までに二五%削減を目指しますと、こういうふうな文脈になっておりました。おっしゃるとおりだと思います。
 そこで私の質問は、科学が要請する水準とは具体的にこのIPCCの四次報告書のことを言っているんでしょうか、だれがどのように要請しているんでしょうか、伺います。
#199
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) ただいま申し上げましたように、IPCCの第四次評価報告書に基づいて、それが科学的な知見だという判断をいたしました。それを私は科学が要請する水準に基づくものとしてと、地球の将来を真剣に考えて率先してこの数字を日本としては実現させるべきだと、そのように判断したのでございます。
#200
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今総理が申し上げたとおりなんでございますが、一つだけ補足をさせていただくとすれば、このIPCCの報告書というのは、いわゆる世界中の多くの文献、それから世界中の科学者、さらにはまた各国が参加をして作っている報告書でございまして、そういった意味では、一つの報告書、一冊の本と、こういう話ではなくて、そういったものすべて網羅している、そういったものだと、こういう認識の下で我々はそれを判断させていただいたということでございます。
#201
○加納時男君 今、小沢大臣がおっしゃったのは非常に正確だと思って、私も全くその説明に納得をします。まさに世界中の多くの学者が集まって多くの知見を持ち寄った。このまとめ方に問題があったとかデータがインチキだったとか改ざんがあったとかスキャンダルがあったとか、いろいろ言いますけれども、私は基本的にこのIPCC、私も国際的ないろんな会議にコミットしておりますので、IPCCは重要な役割を果たしていると、好意的にむしろ考えていますので、今の御説明はよく分かります。
 だとすると、今おっしゃったのは、幾つもの知見を集めたと。私もちょっとチェックしてみたんですよ。そうしたら、これは何も三五〇ppmないし四〇〇ppm、これCO2でいった場合ですね、それだけで二度C以下に下げて二五%という、これを勧告するなんてどこにも言っておりません。ここには、膨大な作業をやって、そしてそれを六つのカテゴリーに分けています。盛んに引用されている、あるいは総理が引用されたのは、恐らくカテゴリー六つのうちの一つ目の一番だけ、それは三五〇ppmから四〇〇ppm、CO2イクイバレントで見ると温室効果ガス四四五から四九〇ぐらいですか、たしかそういうふうに書いてあったと記憶していますけど。これでいくと二度Cちょっとぐらいで収まるのかなというのが知見として述べられている、これは事実です。このためのシナリオが六つほど書かれている。そのうちの三つは同じ人が書いているというのはもう分かっちゃったんですけど、あとの三つのうちの二つはやっぱり共同作業で一人が書いた。だから三人が書いているんですけど、六つのシナリオがある。おっしゃるとおりなんですね。
 ところが、じゃシナリオはこれだけかといったら、シナリオは、私ちょっとチェックしてみたんですけど、私の知っているだけで百七十七のシナリオがある。いろんな知見があっていろんなカテゴリーがあって、何ppmになったならば何度Cというのを幾つも作っている。その中の一つにこれがあると。だから、知見がないとは言いません。知見が示されているけれども、あたかもこれが、科学が要請をしたというふうに総理がおっしゃると、だれがだれに何を要請したのかなというのはどうも私がすとんと落ちないところであります。
 この二度Cというのと四五〇ppmというのは非常にくっついた話としてよく議論されますけれども、二度C以内というのはEUが非常にこだわったんですけれども、これもCOP15では否定されているわけです。つまり、決議されなかったわけであります。これも頭に置かなきゃいけないんじゃないかと。
 つまり、このIPCCの試算というのは様々な選択肢を示したものであって、特定のものを、一つのものだけを示したものではない、これは明らかだと思います。もし違っていたらまた御回答ください。
 続けて質問をさせてもらいますけれども、仮に二五%削減が要請されていた、私はいないと思っていますけれども、されたと仮にした場合、それでも日本が二五%やらなきゃならないということには全くなりません。
 といいますのは、これはIEAがいろんな試算をやっています。仮に先進国が二五%、先進国全体で二五%削減するといった場合に、どこの国が何%ぐらいやるのが妥当かなと。これはまた、私、質問して知っていますかと聞くのは失礼だと思うので余り聞きませんけれども、もう御存じのとおり、限界費用逓減の法則とか限界費用均等の法則というのがあります。同じお金を出していくならば、様々な分野でやるときに、限界費用が均等になるような配分がいいんだ、この例に即していえば限界削減費用であります。限界削減費用均等の法則というのがありますから、それでもってアロケートすればいいわけで、IEAはこの計算をやったところ、世界全体でそれは幾らとは言わずに、先進国全体で二五、アネックスT、附属書Tの国が二五%やるときの妥当な水準というのは、日本は二五%ではなくて一〇%だというような試算をしています。これから見ても日本はやや突出しているんじゃないかなというのは感じます。
 また、これを、試算を受けて日本の地球環境産業技術研究機構、RITEというところで限界費用を計算していますので取り寄せて見てみたんですけれども、それを見ると、日本の限界費用は非常に高くて、つまり、先進、すごく省エネルギーなり原子力なり進んでいる国でありますので、これ以上CO2を削減するといった場合には非常に金が掛かる。EUの八倍、米国の十倍近く金が掛かるというような試算もしています。
 こういうふうに考えますと、どうもこれは科学的知見の、科学的な要請に基づいて二五%というのは、私は明らかにこれはミスリーディングではないかと思います。二五%提案するというのはいろんな考え方がおありでしょうけれども、科学的要請には非常にこだわっているということを申し上げますが、何か御意見があればいただきたいと思います。
#202
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今の限界削減費用に入る前に、二度Cの話で一点申し上げさせていただきたいんですが、委員の方からは今回のCOP15にも入らなかったと、こういうお話がありましたが、いわゆるテークノートという形ではありますけれども、そのコペンハーゲン合意の中には入っておりますし、ラクイラ・サミットでも確認がされているところだと、こういうことは私どもの基本的な認識でございます。
 さらにはまた、コペンハーゲン合意に関しましては、テークノートという形にはなりましたが、反対をした国は、固有名詞を挙げると差し障りがありますのでお許しをいただきたいと思いますが、ある意味では中身の問題ではなくて、いわゆるアンチ米国だとか、あるいはまた様々な手続上の話で反対をしている国が数か国あったと。それを国連の全会一致原則ということにおいて、いわゆる採択という手段を議長がお取りにならなかったと、こういうことだと私どもは思っています。
   〔理事平野達男君退席、委員長着席〕
 現に、一月三十一日までの各国が目標を提出するようにということにおいては、現在百か国を超える国が目標提示をしておりまして、排出量でいえば八〇%を超える排出量をカバーしていると、こういうことでございますので、京都議定書が中国とか米国とか最大の排出国を含んでいない、それに比べればはるかに大きなスケールで物事がスタートしたというのが私どもの認識でございます。
 それから、限界削減費用に関してはこの委員会でも何度か御質問もあり、私もお答えをさせていただきました。確かに、委員が御指摘のとおり、日本は物づくりの分野においては極めて高効率のエネルギー効率を達成してきていただいているわけであります。そういったこれまでの産業界の努力は私は大いに評価をしたいと、こう思っておりますし、さらにはまた、その日本がこの二五%という高い目標を掲げたと、こういうことで各国もある意味では大変それを評価をしてくれているというふうに思います。
 昨日、コニー・ヘデゴーさんというCOP15の議長をされましたデンマークの当時の環境大臣でありますが、このやはり数値目標に対して、日本がこの数字を出したことが極めて効果があったと。さらにはまた、基本法を作り、その中には排出量取引を始めとする様々な政策が網羅されていると、それは世界にとって大きな後押しになるだろうと、そういうコメントをしてくれているところでございまして、そういった意味では何とぞ委員にも御協力を賜って、世界のまさにトップランナーで頑張りたいと思っております。
 そしてもう一点、済みません、長くなって恐縮でございますが、物づくりの分野はそのとおりでありますが、同時に、日々の暮らしであるとか地域の取組ということに関して言うと、日本はまだまだできることがいっぱいあるなと、こう実は思っているところでございまして、そういった意味では、今回補正予算で決めさせていただいたエコハウスを始めとして、ある意味では成長戦略にもつながっていく、そして、生活も我慢を強いるんではなくて逆に快適になる、そういった形でのCO2削減の道というのがいっぱいそこの分野はまだまだ残っている。
 さらにはまた、地域の取組という点でいえば、これまた地域冷暖房だとかそういった分野でまだまだ日本はいわゆる環境先進国に比べてやれることは山のようにあると、こう思っておりまして、そこに重点を置いた基本政策を作りたいと、こう思っているところでございます。
#203
○加納時男君 今のお話で二点。二度Cというのはアコードとして案には入っていた、これは事実でございます。テークノートされたのも事実でございます。ただし、私に言わせると、これは決議されていない、レゾリューションにはなっていない、つまり、合意は成立していないということもはっきり指摘しておきたいと。ただし、これが留意されたアコード案には入っていたことはそのとおりでございます。
 第二点。百か国以上が一月末までに提出した、これも私も事実として認識をしております。大変なことだと思って、立派なことだと思っています。ただし、これはあくまでもボランタリーベースで出ているものでありまして、法的義務として出しているものではないということも確認をしておきたいと思います。
 そこで、次の質問でございますけれども、さて、鳩山総理がおっしゃったこと、それから、今回もいろんなところに、法案にも書いてあります前提条件の話であります。鳩山総理は、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際枠組みの構築と、すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意ということをおっしゃっておられまして、これが前提であると言っておられます。
 さて、私の質問は、これは二五%削減の前提だと言っていますけれども、この前提は満たされているのでしょうかどうか。特に、全体について言うのもぼやっとしていますので、米国と中国に絞って伺います。米国も中国も主要排出国であることはだれも疑いません。世界の金メダル、銀メダル国であります。この二つの国はどうでしょうか。意欲的な目標について提案をしたでしょうか、伺います。
#204
○国務大臣(小沢鋭仁君) まだ政府として正式にしっかりと評価を固めたということではないんでありますが、様々な温暖化対策の会の中で、私がそれぞれの役所の大体のコンセンサスだと思うところを述べさせていただきたいと思います。
 まず、お尋ねの米国と中国でございますけれども、米国の目標は二〇二〇年の断面ということで考えると必ずしも十分ではないと、こう思います。しかし、提出された米国の目標は二〇五〇年までに約八三%削減と、こういう要素もあって、二〇三〇年、二〇四〇年と、そういういわゆる削減ルートを明確にしているわけでありまして、そういった点は評価ができるものと、私並びに多くの参加者はそう考えているところでございます。
 それから、中国でございますが、中国は御案内のようにGDP比の目標を出しているわけでありまして、それはある意味でいうと削減そのもの、GDPが上がっていけば排出量も増えていくという可能性が十分あるものですから、そういった意味では、中国の目標提示に関しては、少なくてもピークアウトというんでしょうか、いわゆる削減に至る少なくてもその地点くらいは明示をしていただきたいし、更に一層の努力をしていただきたいなと、こういうのが私の思いでありまして、そういった意味では、これは総理の御判断は分かりませんけれども、私としては、今の現時点においてはその前提条件にはまだまだなのかなと、こう思っておりまして、それに満たすように努力が我々としては必要なのかと、こう思っているところでございます。
#205
○加納時男君 非常に丁寧な御回答をありがとうございました。
 実は、この問題は、一週間ほど前に、甘利元大臣といろいろ一緒に自民党の中では戦略会議をやっているんですが、そこで質問書を出そうということになりまして質問主意書を出しました。実に、今日が期限だったんですが、今日の午前中に、これに間に合うようにでしょうか、届けていただいて、本当にありがとうございました。その中でも非常に丁寧に、私はもうちょっと感動するぐらい真剣に取り組んでおられるのがよく分かりました。まさに今、小沢大臣がおっしゃったようなことが書いてございました。ですから、これは内閣総理大臣の名前で衆議院議長に出した回答書ですから、当然閣議で皆さん御存じだと思います。
 そこでははっきりと、米国については、我が国の目標と比較した場合には決して十分とは考えられないとはっきり中期目標については断言をしておられます。勇気のある発言だと思います。それから、おっしゃった二〇五〇年、これは長期なんですね。長期のことを私どもは聞いているんじゃなくて中期を聞いているわけですから、長期についてはいろんな数字が出ている、日本だっていろんな数字を今でも言っていますけれども、長期についてはアメリカがまだまだ意欲があるようだということも触れておられました。
 中国について、今おっしゃったピークアウトが大事だということも我々は思っていますけれども、「提出された中国の目標がこれで十分であるというのは難しい。」というところではっきりと答弁書で書いていらっしゃる、前後にいろいろくっついていますけれども。これまた非常に勇気のある私は答弁だと、正直な答弁だと思います。
 私の言い方は、これだからけしからぬとかけしかるじゃなくて、前向きな私質問をしたいと思うんですけれども、こういうような状態の場合に、そもそもこんな前提付きで、非常に怪しげなというか不確実な条件の前提付きの目標を書いたような法律は今までにあったんでしょうかということでございます。法制局がおられたら、要求していると思いますけれども、あったかどうかだけを答えてください。
#206
○政府参考人(近藤正春君) お尋ねの件でございますが、前提付きの目標を掲げた法律があるかということでございますけれども、どういうものまでをそういうカテゴリーの中に入れるかということがございまして、必ずしもちょっと確定的なお答えができないのでございますので、既存の目標をある程度設定している法律について少し状況を御説明して御判断をいただければと思うのでございますが。
 政策的な目標を設定しているような法律というのは、私ども抽出、検索しましたけれども、百八十本ございます。ただ、ほとんどのものが計画等、下のレベルで目標を定めることになっておりまして、本当に法律の中で具体的な数値目標みたいなものを書いている法律というのは三本しか今ございません。財政構造改革の推進に関する特別措置法、あと簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律、あと中央省庁等改革基本法というものについて、いついつまでにこういう水準にするという数字が書いてございます。
 その中で一つ、財政構造改革の推進に関する法律というものにつきまして、少し前の年度になりますけれども、その四条で当時の財政構造改革の当面の目標というのが規定されておりまして、十七年度に財政赤字のGDP比を三%にするとか、それから特例公債を発行したときに十七年度の公債依存率をどうするというようなことが書いてございますけれども。
 特に、公債依存率等の目標につきましては、一応十七年度の目標が定められておりますけれども、経済活動で非常に停滞をして何か対策を取らなきゃいけないというような場合には、その目標自身も適用されないというような形の一定の条件が付いておりまして、そういう意味では、確定的に目標をすべて適用するということではなく、一定の条件を付けて、こういう場合は適用するしこういう場合は適用しないというような意味での前提を付けたような目標が適用されるという法律もございますということを御報告しまして、ちょっと趣旨に完全に合った答えになっているか分かりませんが、そういうことを御報告したいと思います。
#207
○加納時男君 これは非常にディテールな議論にこれから先はなりますので、これはまた委員会等でもう少し後で勉強してみたいと思います。
 質問ですけれども、今までの議論を通じて二つの前提は何かというのはよく分かりました。その前提が明らかにまだ満たされていません。これから満たされるかどうかも分かりません。
 こういった中で、この前提が満たされないということにほぼなってきた場合には、二五%目標は前提が崩れるわけですから、当然引き下げるかやめるか修正するかだと思うんですけれども、そのお考えはあるでしょうか。総理。
#208
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 加納委員お尋ねでございます。私ども、その考えを今有してはおりません。なぜかと申し上げれば、この前提条件、必ずしも満たされていないというのは、先ほど小沢大臣が申したとおりでございます。しかしながら、これは最終的にどうなるか、二〇二〇年の近くになっていろいろと議論というのは出てくる可能性はあります。
 しかし、世界の中で日本がリードをすると、そのために高い目標値を掲げるという思いの下で、しかも背中を、世界の国々の背中を押そうという前提を付けて、我々このような考え方で今行動しているわけでありますから、他の国々の背中を更に押していくためにも、我々として高い目標に向けて国内的に今様々な推進策というものを作り上げていくべきだと思っておりまして、したがいまして、現在、私どもとしてその目標値を下げるなどというような発想を考えているわけではありません。
#209
○加納時男君 高い目標を掲げていくというのはとても美しい言葉だし、私も抽象的にはすごくいいと思うんです。ただ、現実にやっている世界は、もう総理もよく御案内のとおり、大変な、国と国とが国益を背中にしょって、のるか反るかの勝負をしているというのが国際交渉です。私もそういう現場に何回か出ましたけれども、権謀術策あり、脅しあり、だましあり、泣きあり、何でもありの世界であります。そういう中で、友愛精神で美しく、日本は率先して身を削ってやりましょうというので本当にいいんでしょうかというのが私の疑問であります。
 といいますのは、昨日も産業界の方々大勢集まられたんで、その意見を聞いたんですけど、何とかしてくださいと。このままでいったらば、何とかというのはこの温暖化ですね、このままでもし法律が強行されてできちゃって、環境税だ、これもすぐとは言わずにまた来年からかもしれませんけれども、それから排出量取引だとか固定価格買上げだとかいろんなものが出てくる。どんどん産業界の負担も当然電気料金に跳ね返って増えてくる。そうなってきたときには、これは断固抗議するというのも一つの道でしょうけれども、抗議してもせんないことならば、黙って日本から去ります、外国へ行きますと。これ聞いて、私はぞっとしたわけであります。
 労働組合の方がせっかく労使で力を合わせて生み出した価値が、あの京都議定書以降、日本から五千億円、一兆円とどんどん外国へ流れ出ていく。これは、我々が働いて、経営者と労働者が真剣に協議して生み出した価値だと。その貴い価値が流れていって、何に使われているんだか分からない。しかも、日本では国内産業が空洞化して失業率が増える。
 総理がおっしゃっている命を守る、まさに命を守る、暮らしを守る、雇用を守る、これと相反するんじゃないだろうかという悲痛な叫びがあります。どうお聞きになるでしょうか。総理、総理に伺いたいと思います。
#210
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私は、この点、二点申し上げたいと思います。
 その一点は、先ほど小沢大臣も多少申したことでありますけれども、一番は産業界以上に国民の皆さんの意識を変えたいというのでございます。私ども、一九九〇年から今日、京都議定書がありながら果たしてどこまで自分の家で、あるいは輸送手段の中でこの問題に対して必死に行動してきたかということになると、私自身を含めて必ずしも十分でないと自覚しなければならないと思います。その意味で、国民の皆さんの意識というものを、目覚めていただくということが一番私は大事だと思っています。
 産業界の方は、ある意味で極めて大きな努力を今日までしてこられた。その産業界の方々に申し上げたいのは、一九七〇年代に例の自動車の排ガス規制のときに、これは無理だと、こんなものはできないぞというふうに最初は思われたと思います。そして、そのことのコストというものを考えたときにぞっとされたと思います。しかし、日本の技術力が結果としてこの問題をクリアをして、そしてむしろ世界に先駆けて環境立国という地位を占めてきたと私はそのように思っておりまして、この環境立国を更に前に進めていくために高い目標というものを産業界の皆さん方も理解をしていただく中で努力をしていただくと、むしろ世界をリードする大きな産業というものをつくり上げていくことが必ずできると、そのように思っておりまして、その二つの意味で、私はこの問題に関しては是非産業界の皆さん方にも積極的にリード役を果たしていただきたいと、心からそのことを願うわけでございまして、決してこの問題があるから海外に逃げますみたいな発想になる必要はない、むしろ中にとどまることによって世界をリードできると、そのような確信を持っていただければ大変有り難い。
#211
○加納時男君 総理はとても美しい言葉で美しい理念を語られるのを私はいつも感心しているんですけれども、この問題については私は若干異論があります。
 一九七〇年代に排ガス規制があったのは事実です。石油危機があった、これも事実です。私は当事者として、これ直嶋大臣と同じ立場だったかもしれませんけど、当事者として、私も労働組合の仕事もやったり、その後会社の仕事をやったりしましたけれども、同じ立場というのは、同じ産業界にあって、何としても日本は生きていかなければならない、同時に世界に貢献しなきゃならないというので我々がやったのは、省エネルギー技術の開発、環境技術の開発、そして原子力の推進、こんなことをやってきました。
 これは経済界としても全力でやってきたことでありますし、先般の京都議定書のあの段階で我々は、自主行動計画というのを経団連が作ったんですが、これも自らを律するという、ばかじゃないかというふうに新聞でも書かれたこともありましたけど、自分たちの身を犠牲にするのかと。いやいや、そうじゃないと、これを一つのオポチュニティー、機会としてとらえて技術を開発するんですと。まさにおっしゃったようなことを我々産業界ではやってきたつもりです。
 言った以上はやるというのは日本の産業界の特徴なんですけど、しかし今回のは、前のような排ガス規制のときのように、明らかに健康被害が明白であって原因者も特定できる、公害対策として世論の支持があるといった場合、あるいは、石油危機のように全世界に共通した課題であって、日本もそれに対して取り組むことが国益にもなるし地球益にもなるといった場合のきっかけとなった技術開発とはやや違って、これだけいろんな面でやってきたところへ持ってきて、しかも自分たちで約束した目標はきちんと産業界は守っている。守ってなかったのは実は民生部門なんですね、家庭だとか業務用。こっちが目標をうんと超しちゃっているわけです。
 こんなことを聞くと失礼ですけれども、例えば再生可能エネルギー、私も大好きなので応援団として、太陽光発電、風力の推進のためにグリーン電力基金というのがあって、毎月料金を払うときに一口五百円で、私は十口、一月五千円払っているんですけど、太陽光に使ってくださいよとやっているんですが、こんなようなことは御存じかどうか、やっていらっしゃるかどうか、総理、環境大臣に伺いたいと思います。グリーン電力基金というもの、存在御存じなかったら結構ですけど、もし。
#212
○国務大臣(小沢鋭仁君) 済みません、不勉強で存じ上げませんでした。
#213
○国務大臣(直嶋正行君) 今のグリーン電力料金の話は、環境対応のために電力料金にいわゆる上乗せをして支払うと、再生可能エネルギーを普及させようというものであります。
 それで、先ほどの加納先生のお話をお聞きしまして、自動車の排気ガス対策等のお話も出ました。あのときのように頑張ってやればいいじゃないかと、こういうことなんですが、当時は、正確に言いますと、最終的に昭和五十一年に最終目標を達成しようということで最初規制があったんですが、私ども、ちょうど私もまさに会社に入ったばかりでして、社内でもいろんな議論されて、このままでいくともう造ることができる車は一台もなくなるんじゃないかと、こういう悲壮な思いの中で開発にこぎ着けたんですが、その過程で目標が段階的であったということが一つ、結果として達成できた理由の一つだと思います。それから、最終的には最終の着地を二年間延長していただいたということであります。
 今回、そのときとちょっと違うのは、やはり世界経済全体でこの問題に取り組まなきゃいけないと、経済全体にかかわる、日本の経済もそうでありますが、全体にかかわる問題でありますから、そのときとは少し性格が違う気もします。ただ、加納先生もお触れになったように、その間オイルショックがありまして、一方で、排気ガス対策に対応すると同時に、省エネ、省燃費、車でいうと省燃費車の開発を一生懸命やりました。そのことが結果的にそれ以降の石油価格の値上がりであるとか様々な要素の中で、車でいえば日本の自動車産業が世界の最先端を走る、この状況をつくってきたということは事実だというふうに思っております。
 したがって、私の立場から申し上げられますことは、先ほど総理もお触れになったように、この問題は産業界だけに御負担を掛ける話ではなくて、さっきまさにおっしゃったように、遅れている民生部門も含めてきちっと取り組んでいかなきゃいけない。
 それからもう一つは、日本の産業界とか経済界ということで申し上げますと、先ほど前提条件の御議論がありました。CO2対策というのは世界全体で取り組まないと実効が上がらないことは明白でありますから、やはりその枠組みをきちっとつくっていく。そして逆に言うと、この枠組みができれば、それぞれの国で努力し合うことによって、幸い日本は今環境対策では世界のトップランナーでありますから、むしろ日本の持っている力を発揮できる、そういう一つの土俵ができるんではないかと、そういうふうに考えておりまして、やはり総合的に世界全体で取り組むということは是非実現をしなければいけないというふうに思っていまして、確かにCOP15はおっしゃるような結果になったわけでございますが、私も、先ほど答弁あったように、徐々に合意はでき上がりつつあると、条約にはなっていませんし、時間掛かると思いますが、少しずつそれは盛り上がってきているというふうに思っていまして、この部分はもう鳩山内閣を挙げて努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#214
○加納時男君 非常に分かりやすいお話をありがとうございました。
 そこで、私の質問でございますけれども、大変説得力のあるお話だったので、私が伺ったグリーン電力料金に加盟しているかどうかというのは経済産業大臣には聞きませんでしたけれども、当然入っていらっしゃると思うので、また委員会で聞きますから、それまでに入っていただければ結構です。
 それはちょっとおいておきまして、今のお話で、規制が技術革新を生むということにそんなに自信がおありならば、私の質問ですが、それならば、例えばまだ十分な努力がなされていない、十分な目標が出されていないと先ほど答弁されたアメリカや中国に、議員百五十人を連れて乗り込まれて交渉し、説得されるお考えはおありでしょうか、伺います。総理に伺います。
#215
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、そのようなところまで考えてはおりませんが、やはりアメリカ、中国あるいは新興国、まだまだ不十分なと思われている国がたくさんございます。そういった国々に対して日本の思いをもっとしっかりと伝えていくという作業は十分に必要だと、そのように考えております。
#216
○加納時男君 次の質問に入ります。
 温暖化対策基本法については、去年の暮れだったと思いますけれども、骨子を示されて、これで国民の意見を求める、いわゆるパブリックコメントというんですか、パブコメと普通言っていますが、パブコメを求められまして、今年の一月十四日にその結果が発表されたと伺っております。一言で言って、中期目標とか温暖化対策税とか排出量取引とか固定価格の買取りといったこの肝のものについてはどんな反応だったでしょうか、どんな意見が多かったでしょうか、伺います。
#217
○国務大臣(小沢鋭仁君) 昨年の暮れの慌ただしい時期で大変短い期間であったんですが、大変多くの御意見をちょうだいすることができて、私もこの件に関する関心の高さに驚かされたところでございます。
 今委員御質問のどうだったかということに関しては、両論がございまして、その賛否をはっきりさせることはなかなか困難でありますが、例えば今お話があったものに関して申し上げると、中期目標については千三百七十六件中、前提条件を堅持すべきというのが五百二十一件、国民の理解を得るべきが四百九十件、日本だけが突出すると経済に悪影響が百七十六件、三〇%以上とすべきが七十七件、二五%を堅持すべきが四十件。温暖化対策税に関しては八百七十一件がございまして、経済への悪影響が大きいが三百四十八件、国民の理解を得るべきが二百三十件、導入すべきが百十八件、制度の具体像を明らかにすべきが百十八件等々であります。排出量取引は八百十六件がございまして、経済への悪影響が大きい百七十八件、公平公正な制度設計が困難が百四十二件、国富が流出する百二十四件、導入すべきが九十八件、マネーゲームを起こすが七十六件。固定価格買取り制度に関しましては二百二十三件中、導入すべきが百四件、十分な検討をすべきが七十四件、国民負担の観点から反対が二十七件等々でございまして、これは環境省のホームページですべて公開をさせていただいております。
 若干私の感想を申し上げると、パブコメはある意味で言うと、その制度に反対をされる方のエネルギーが大変大きく反映されるものかなと思っておりまして、そうした中にあっては、推進に対して大変なエネルギーがあるパブリックコメントかなというのが私の率直な印象でございます。
#218
○加納時男君 これは、これだけ議論してもすごく時間が掛かる話ですけれども、今ずっと伺ったのをばあっとメモしながら暗算でぱっぱっぱっとやってみると、一割とか二割の方が反対とか懸念ではない。かなり多くの方、いや、圧倒的といいますか、七、八割くらいの方がかなりの懸念とか心配をしておられるというふうに感じます。
 それから、ちょっと話を変えまして、今の中の固定買取りの話でございます。
 固定買取りについては何か全量という話が出ているようでございますけれども、全量買取りということは、自分でつくって自分で消費して余ったものを買ってもらうというのはエンカレッジするものとしていいなと、自主独立の精神を褒めるものとしていいなというんで電力会社も今までも自発的にでもやってきたし、これは制度的に去年の十一月からえらい高い値段にして政府が始めています。
 この余剰分というのは私は一つの考え方としてあると思うんですが、全量を買い取るという考えについては、これも私もヨーロッパの実態もいろいろ調べてきたんですが、これをビジネスにする人が出てきたときどうするんだと。ビジネス業は除くんだというならまた別だと思いますし、余剰分だけにするんだ、個人のやった余剰分だというなら、一つの私は過渡期のエンカレッジの方策としては理解できないではないんですけれども、もし自家消費も含むんだということになりますと、これを商売にする人が出てきた場合に、絶対に高い値段で買い取ってもらえるわけですからこんなにおいしいビジネスはありません、ドイツでもそういう問題があったわけですけれども。
 そうすると、これはどういうことになるのか。これは、天からお金が降ってくるわけじゃなくて、どこからか遺産が飛んでくるわけじゃなくて、お小遣いが来るわけじゃなくて、これは電気料金の形で国民から集めてくるとなると、風車も買えない、太陽光もつくれない貧しい家庭からもお金を集めてきて、こういうものが投資できる小金持ち、大金持ちに所得を強制的に転嫁する、貧しい者から搾取して資本家、金持ちに献上する、こんなことは、別に私は社会主義者でもないんですが、社会正義として許し難いと思うんですけれども、これについては総理は、これ細かい技術論はいいです、こういう考え方ですね、貧しい人からもお金を集めてお金持ちにお金をどんどん回すというのはおかしいという意見もありますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
#219
○国務大臣(小沢鋭仁君) 後ほど総理も御答弁をされるかもしれませんが、私から済みません、まず一言申し上げたいと思います。
 確かにそういった懸念もありますし、現時点でヨーロッパ等の意見を聞いてみますと、そういう反省もございます。でありますので、そういった反省を十分踏まえて我々は運営していかなければいけないなと今思っているところでありまして、当然、加納委員もおっしゃったように自由主義経済でございますので、そういった意味では、ただ逆に、ある程度そういったものも本気になって取り組んでいく、ビジネスとして再生エネルギーを、再生エネルギー業というんでしょうか、それに取り組んでいってくださる人たちが増えていきませんとこれは本物にならないと、こう思っておりまして、そういった意味ではこの内閣の環境政策というのは、逆に言うとそういう経済政策としての意味を大変強く持っている環境政策を推進してまいりたいと思っております。
 ただ同時に、今発生するような、所得が低い方々に対する負担をどうするかというのは、これはまたこれで別途政策的な観点でそれを補う制度をつくっていく、補完をしていくということが必要であって、私は、これはやっぱり再生可能エネルギーのこのビジネス、今世界の中でも相当大きくなっておりまして、日本の中でも既存の電力会社あるいはガス会社、そういった皆さんたちも大いに進出をしてもらって、しっかりとしたビジネスとしても育成していくことが重要だと、こうも思っているところでございます。
#220
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、小沢大臣が申したとおりと言うべきかもしれません。
 ドイツにおいて、全量ということになったおかげで急速に伸びたという事例があって、私どもはそれを倣ってということにしているわけでございます。ただ、やはりそれを本当の意味でなりわいとしていいかどうかというようなことに関して立ち止まって考えることも必要ではないかという思いを私は感じましたので、その辺のことに関して何らかの規制をするのかしないのか、これはこれからの議論としてはあり得べきではないかと思います。
#221
○加納時男君 どうぞ、これからの議論として是非考えていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、原子力についてお伺いをします。
 この環境問題、地球温暖化対策を考えるときに、原子力抜きで考えられるのは難しいんじゃないかという議論が実は昨日もこの場でございました。しっかり、私は二列目なんで全部メモを取って伺いました。
 この原子力に取り組む姿勢ですけれども、地球温暖化、エネルギーの安全保障、雇用対策、いろんな面でオバマも重要だと言っておりますけれども、総理のお考えを一言でお願いします。
#222
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私の方からまずお答えをいたしますが、加納委員も当然推進をされるべきだと理解をされていると思いますが、私どもも原子力というのはいわゆるCO2の問題に関しては優等生だと、そのように理解をしております。したがいまして、日本のみならず世界に向けて日本の原子力産業というか、原子力の技術というものを売り込むことも重要ではないかと、そのようにも思っております。
 もとより、安全性ということに関しては極めて大きな、これはもし何か起きたらということがありますから、その意味におきましてはやはり安全性は万全を期さなきゃならないということでございます。その条件の下で原子力政策というものは推進をさせていくべきものだと、そのように考えています。
#223
○加納時男君 それでは、手も挙がったようでございましたので、これについて経済産業大臣、それから私の方の希望で環境大臣にもお伺いします。それが終わった後、今日、福島大臣にも私の追加の希望で出ていただいて、本当にありがとうございました。よくぞ出てくださったと思います。せっかくおいでくださったんで、この内閣の一員としての福島大臣にも是非伺いたいと思います。
 じゃ、その順番で是非お願いします。
#224
○国務大臣(直嶋正行君) もう今総理からお答えいただきましたのでそれに尽きていると思いますが、私ども、エネルギーの安定供給、それから今のCO2対策を考えますと、それを実現していく上で原子力発電は不可欠だというふうに思っております。先ほどございましたように、安全を第一とし、また国民の理解と信頼を得ながらということでございますが、原子力発電を推進してまいりたい。特に、私の場合は担当大臣として責任を持ってそれに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 さらに、具体的にもう少し申し上げますと、現在の発電所の稼働効率が非常に悪うございます。したがって、一つは、既存の原発でいえば設備利用率を向上させる。それに加えて、新増設の円滑化といったことに具体的には取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#225
○国務大臣(小沢鋭仁君) 私も、この問題に関しまして、原子力は必要だと、こういう認識に立っております。さらにはまた、直嶋大臣が御指摘があった稼働率の問題でありますが、現行の稼働率を六〇%程度に上げていただくだけでCO2の削減は五%削減できると、こういう試算もあるわけでありまして、是非そうしていただきたいし、さらには、一番高かったときが八四%だったでしょうか。そういった水準までもちろん安全性を十分確保した上でやっていただければ相当CO2の削減には寄与ができるということでございまして、期待をしてございます。
#226
○国務大臣(福島みずほ君) 三党合意の中で、「低炭素社会構築を国家戦略に組み込み、地球温暖化対策の基本法の速やかな制定を図る。」、また、「新エネルギーの開発・普及、省エネルギー推進等に、幅広い国民参加のもとで積極的に取り組む。」など、三党合意の中で地球温暖化対策の推進ということを盛り込んでおります。
 私は国会議員になって十二年目ですが、加藤修一公明党の議員や多くの皆さんたちと自然エネルギー促進議員連盟をやってきました。私は、この十年間、日本がもっと再生可能エネルギーの雇用開発をきちっと仕組みをドイツのようにつくってやっていれば、日本は世界に冠たる再生可能エネルギーの雇用とビジネス大国になったというふうに確信をしております。私たちの電気料金はエネルギー特別会計となっており、原子力発電所の立地と推進に使われてきました。私は、そのお金の少しでも、例えば再生可能エネルギーの固定価格買取り制度などやっていれば日本は違ったと思います。
 先ほどから議論を聞いておりますと、地球温暖化防止を、何か基本法を作ることが産業への打撃のような議論をおっしゃっていますが、私たちが思っているのは、もし、済みません、間違っていたら。そうではなく、私たちはこのことでむしろ雇用も産業もつくりたいと思っています。日本の風力発電はデンマーク製も多いですし、また太陽光発電も一位の座を抜かれてしまいました。その意味で、しっかり日本の、私は、これは技術、新エネルギーや再生可能エネルギーは日本の未来をつくっていくと確信をしております。その意味でもエネルギー特別会計の使い道は変えるべきだと思いますし、その立場でこの内閣の中でやってまいります。
#227
○加納時男君 せっかく出てきていただいたんで、福島さんに聞きます。
 私が聞いたのは原子力についてのポジショニングを聞いたので、再生可能エネルギーとか省エネをやりますと、これはまあ結構です、私も賛成です。原子力について、あなたは内閣の一員としてどうお考えですかということを聞いています。
 併せて聞きます。今デンマークとおっしゃったけれども、デンマーク、何かとてもいいように聞こえますけれども、デンマークで一番電気を起こしているのは何ですか。風力ですか、太陽ですか、何ですか、伺います。
 もう一つ、あなたは再生可能エネルギーが大好きだとか、私も好きです。好きですというのは、再生可能エネルギーが好きです。それで、聞きたいのは、グリーン電力基金に入っていますか。
 以上です、質問は。
#228
○国務大臣(福島みずほ君) グリーンエネルギー基金については存じ上げていますし、様々なNGOと連携を取っておりますが、済みません、入ってはおりません。
 それと、もう一つ、これは内閣の一員としてではなく、社民党は脱原子力の政策です。しかし、これは既存のもの、例えば三十年、四十年、五十年耐久年数があるものはもちろんこれは存置をし、その間、再生可能エネルギーや新エネルギーの開発をすべきだと考えています。環境問題あるいは放射性廃棄物の処理、地震大国日本において耐震設計の基準など見直しも必要だと考えております。
#229
○加納時男君 しつこくて済みません。
 ただいま到着しましたのが質問主意書に対する回答です。内閣として原子力を温暖化対策でどう位置付けるかという質問に対して、原子力は、エネルギーの安定供給のみならず、低炭素社会の実現に不可欠であると考えており、安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、核燃料サイクルを含む原子力の利用を着実に推進していくことが内閣としての一致した方針であるとございます。内閣としての一致した方針であると、福島さんはこれ認めますね。
 これで質問を終わります。
#230
○国務大臣(福島みずほ君) それは内閣の中で閣議決定を経た質問主意書への回答です。ですから、それは内閣としての方針です。そして、社民党としての方針は先ほど申し上げたとおりです。
 ですから、(発言する者あり)ですから、それは私は閣議で認めております。それは、つまり、(発言する者あり)そうです、つまり、この内閣は社民党単独政権ではありませんので、この内閣の一員としてこれについては認めております。
#231
○加納時男君 質問を終わります。ありがとうございました。
#232
○委員長(簗瀬進君) 以上で衛藤晟一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#233
○委員長(簗瀬進君) 次に、澤雄二君の質疑を行います。澤雄二君。
#234
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 最初に、総理に政治と金の問題についてお伺いをいたします。
 民主党議員が政治と金にまつわる記事を集めておりましたら、大変びっくりいたしました。
 資料一を御覧ください。三か年で四十四件もございました。ただし、これは新聞記事を右から左に写したものでございますので、事実確認はしておりません。一か月に一件以上あるということでございます。
 これを御覧になって、総理はどういう感想をお持ちになるでしょうか。
#235
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 澤委員にお答えをいたします。
 まだ、今拝見をしたばかりでございますので、中をゆっくり見ておりません。詳細を承知しておりませんが、余り有り難くない話だなと、それは率直に思います。このようなやはり政治と金にまつわる記事が出るということ自体、それは国民の皆さんの信頼というものを失う懸念があると、そのことは申し上げなければなりません。
 ただ、この一つ一つすべて見ておりませんが、分かりませんので、すべてが例えば法令違反であるのかどうかというようなことは必ずしも判定を下しておりませんことも御理解ください。
#236
○澤雄二君 これは、総理が幹事長、代表をされているときがほとんどでございますので、そのことも併せて認識をしていただきたいというふうに思います。
 今、政治と金については国民の信頼はもう地に落ちております。一刻も早く回復をしなければいけないのでございますが、公明党はかねてから与野党協議を始めてほしいという主張をしておりまして、総理も前向きの答弁をされております。
 確認をしておきます。一体いつからこの協議をお始めになるのか、そしていつまでにどのような結論を期待しているのか、お答えください。
#237
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 澤委員にお答えをいたします。
 これは、山口代表から是非与野党の協議機関をつくろうというお話をいただきました。私どもとして、民主党としても、私は党の代表という立場ですぐにそのことを、大いにやりましょうということを申し上げたところでございまして、その後に小沢幹事長にもそのことを強く指示をいたしました。あとは、むしろこれは党のことでございますので、できるだけ早く立ち上げるようにということは私から申しております。
 そして、結論としては、この通常国会の中で、やはり政治と金の問題で国民の皆様方の信頼を回復させていただくためにも早く結論を出すということが肝要だというふうに考えておりまして、できるだけ急ぎたいと、そのように思います。
#238
○澤雄二君 二月十六日から確定申告が始まりました。そうしますと、多くの国民から、総理が脱税をしているのに本当に自分たちは正直に税金を払わなければいけないのかという声がほうはいとして起きてきています。
 このことについて総理は官邸記者団からいわゆるぶら下がりで質問をされまして、こう答えていらっしゃいます。私は脱税したわけではない、知らなかったのだからと、一貫してこういう御答弁をされているわけでございますが、ただ、国民は知っているんですね。この問題をマスコミが報道して糾弾することがなかったら、総理は永遠にこの贈与税を払うことはなかったんだと。そして、毎年一億八千万、五年間を過ぎたら毎年一億八千万ずつ払う義務もなくなるんだということを国民はよく知っているわけでございます。総理はこれ以外にも、株を売られた利益七千万に対する所得税も払っていらっしゃいませんでした。ですから、自民党の与謝野議員は総理に対して、総理は平成の脱税王だというふうにまで決め付けられているわけでございます。
 だから、国民は怒っているんです。おれたちだってばれるまで税金を払いたくないよと怒っているわけでございます。憲法三十条には国民に納税の義務を定めています。この憲法に定められている納税の義務に対して少なからず国民が疑問や不信を持ったということは、行政の最高責任者である総理大臣の罪は大変重い、万死に値するかもしれないと思っております。どういう責任をお取りになりますか。
#239
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 澤委員にお答えをいたします。
 やはり、そのことに関して知らなかったということでございますが、不徳の致すところは当然あろうかと思っております。私自身、この問題に関してどのような責めを受けるかと、責任を果たすかということを考えました。そして、その中で、当然のことながらこのようなことが二度と起きないようにしていかなければなりませんので、自分自身の身の回りの問題に関してきちんと自分自身が目を凝らしていかなきゃならぬということも一つあります。
 ただ、それとともに、やはり、今日このような国民の皆様方に疑念をお与えしてしまったということでありますので、極力丁寧に真実を、本当に理解していただくために繰り返しでも真実を申し上げて、そして少しでも国民の皆様方に理解をしていただくように努めることも大事であるとも思っております。
 更に申し上げれば、やはりこのような中で、国民の皆様方の御期待をいただいて政権交代をやれと、その気持ちも大事にさせていただきたいと。国民の皆様方のその思いを感じたときに、私としては、総理大臣としての使命を果たすと、そしてそのことによって、身を粉にしてその努力をすることが一つの責任の果たし方だ、そのように考えております。
#240
○澤雄二君 今も生前贈与については一貫して知らなかったというふうにお答えになりました。しかし、月々千五百万円もの大金をいただいていて、しかもそれを七年間も少なくとも続いていたということについて、国民は知らないはずはないだろうというふうに思っています。ですから、朝日の世論調査でも七七%の人が総理の説明では納得できないと答えているのは、その証拠でございます。
 もし、百歩譲って、仮に総理が御存じでなかったとします。しかし、それはそれで大きな問題を含んでいます。
 国民は今長い不況で疲弊し切っています。毎年毎年所得が下がっていってあえいでいます。その苦しんでいる国民に、総理は新たに四十四兆円の負債、未来への負担を今国民に要求をされています。
 総理は、この生前贈与以外に四億円の収支報告書の虚偽記載というのがございます。合わせて十七億でございます。総理の小さな事務所で、小さいかどうかは私行ったことがないから分かりませんが、とにかく総理の事務所の中で十七億円もの巨額なお金が動いていたことを全く認識していなかった、知らなかった、そういうふうにお答えになっています。そういう人に国民は自分の国の将来を託すわけにはいかないと思っているんです。
 お辞めになるしかないと思いますが、どうでしょうか。
#241
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 澤委員にお答えをさせていただきます。
 先ほども申し上げましたけれども、私自身が万一知らなかったとしてもというお話がございましたが、現実、正真正銘、天地神明に誓って知らなかったのは事実でございます。ただ、それにしても、知らなかったということでも、やはりそのことも不徳の致すところだと、そのように思っております。
 その下で、先ほど申し上げましたように、自分として今置かれている立場を考えて、自分としての精いっぱいのことは何だと、そのような思いの中で国民の皆様方のために身を粉にして働かせていただいて、この国を、今四十四兆円とお話しされました、四十四兆円すべてが新政権が最初から負ったものだとは必ずしも思っておりませんが、しかし、大変厳しい現実の中でこのような国をやりくりしなければならないことも大変厳しい状況でありますだけに、この問題に対して体当たりでぶつかって、新しい政治でこの国を見事未来に向けて感じさせるように変えたぞと、そのように仕向けると、向けていくことが私の役割ではないかと、そのように思っておりまして、そのための責めを果たしてまいりたいと考えております。
#242
○澤雄二君 小さな事務所で十七億円もの巨額のお金が動いているのを御存じなかった、そういう方に日本の将来は任せられないと国民は思っているということをもう一度申し上げたいと思います。
 文科大臣に来ていただいております。文科大臣に伺います。一月の読売新聞に、大臣の政治団体の一つの達友会が一九八七年から二〇〇八年までの二十二年間で事務所経費として六千六百七十二万円計上していたと報道されていますが、これは事実でしょうか。
#243
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 二十二年間という随分長い間でありますので、全部がしっかりと確認はできませんでしたが、おおむね間違いないというふうに思っております。
#244
○澤雄二君 二十二年間で六千六百万だとしますと、平均すると一年三百万でございます。この事務所経費そして事務所費は一体何に使われたんでしょうか。
#245
○国務大臣(川端達夫君) 政治団体達友会は、先ほど私の政治団体とおっしゃいましたけれども、私の政治団体ではありませんで、その本来の目的を、衆議院議員川端達夫氏の政治活動を後援することを主たる目的として設立された団体でありまして、その主たる事務所の所在地は、外部からの連絡用務の拠点として当該団体の代表者又は会計責任者の自宅としてきました。
 達友会の政治資金収支報告書に記載されている経常経費、いわゆる事務所費のうち経常費は、この達友会がその目的を踏まえて活動している中で経常費として計上すべき項目が発生した部分を政治資金規正法に基づいて計上いたしました。
 具体的には、備品・消耗品費としては、新聞、事務機器、文具類、車、ガソリン等の経費、事務所費としては、電話、ファクス、コピー等の経費が含まれているというふうに承知しておりますし、いずれも法に基づいて適切に処理されていると伺っております。
#246
○澤雄二君 一九九九年から二〇〇七年まではこの事務所は東レ労組の専従者の自宅で、東レの社宅だったと報道されていますが、事実でしょうか。
#247
○国務大臣(川端達夫君) 保存されている部分で問い合わせをいたしまして、三年間の政治資金収支報告書では、達友会の主たる事務所は、二〇〇六年は世田谷区深沢、二〇〇七年及び二〇〇八年は港区赤坂に設置をした、途中で変わっておりますが。このうち世田谷区深沢は東レの寮であったと承知をしております。
#248
○澤雄二君 この事務所に対して家賃の支払というのは事務所費の中からあったんでしょうか。
#249
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、この主たる事務所の届出は、連絡用の拠点として代表又は会計責任者の自宅を登録いたしましたので、ここに一定の空間を占有的にしている事務所ではございませんので、水道光熱費は発生をいたしておりません。
#250
○澤雄二君 家賃は。
#251
○国務大臣(川端達夫君) 家賃も発生しておりません。
#252
○澤雄二君 分かりました。もし家賃をお支払いになっているとすると、そこの家といいますか部屋といいますか、提供されていた方は、それは所得になりますから確定申告をしなければいけないという問題だと思います。
 いずれにしましても、この事務所費、三年前、松岡当時の農水大臣、相当厳しく追及された経緯もございます。今、川端大臣は現職の大臣でございますので、二十二年間全部大変だったら、二〇〇一年分ぐらいの事務所、事務所経費の内訳を出していただくことはできるでしょうか。
#253
○国務大臣(川端達夫君) この政治資金をめぐる問題、とりわけ事務所費の問題が何度もこの場で、この場といいますか国会で議論になったことは事実でございます。
 そういう中で私は、政治資金規正法の法の趣旨というのは大きく分けて三つあると思います。その幾つかの資金管理団体とか政党とか、あるいはその他の政治団体等の団体ごとに入りのお金の種類が制約されていること、額が制限されていること、これが一つ。それから出に関しては、一定の条件で、例えば以前であれば五万円以上の領収書の徴収義務、あるいは記載義務等々の出の透明化を図ること。加えて、基本的には政治活動の自由を保障すること。そして、そのことは法の下においてすべての関係者が平等に当然ながら扱われることという趣旨だというふうに思います。
 そういう意味で、先般来の事務所費問題の議論の中で、もう少し事務所費の部分を透明化するべきではないかという議論の法改正の下に、多分今年からですか、は条件ありまして、一万円以上の領収書の添付、あるいは団体によっては開示請求があれば開示しなければならないというルールになりました。
 私はそういう意味で、帳票等を私確認いたしまして、すべて、先ほどの分、領収書全部添付して保存しておりますけれども、全部の公平性という意味では、私はそのときの法に基づいた対処をすべきだというふうに思っております。
#254
○澤雄二君 全部の公平性というのと現職の大臣をされていて説明する責任があるということの問題の立て分けだと思います。
 資料請求をしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
#255
○委員長(簗瀬進君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
#256
○澤雄二君 原口総務大臣にお伺いをいたします。
 去年、NTT労組の政治団体、アピール21から三百万円献金をお受けになっておりますけれども、これは返還をされたんでしょうか。さきの臨時国会で、私の質問に対して大臣は検討いたしますというふうに御答弁されたので、結果を教えてください。
#257
○国務大臣(原口一博君) 澤委員にお答えいたします。
 あの後、コンプライアンスの担当の方々と検討いたしました。野党時代の献金であり、何の問題もないということでございますが、私はあのとき返還も含めて検討したいということを申し上げたわけで、法的には何の返還の義務もございませんが、昨年野党時代にアピール21から私の後援会が受けた三百万円の献金については事務所に返還の手続を取るように指示したところでございます。
#258
○澤雄二君 それは大変賢明な御判断だったと思います。
 なぜかならば、NTTは二〇一〇年問題というのを抱えております。これは、NTTが電電公社時代から築いてきた基盤、設備だとか回線、そういうものを公平性の確保から開放させるかどうか、NTTの改廃も含めて結論を出すのが二〇一〇年問題でございます。それの所管が総務省で、その帰趨を決定する権限を持っているのが総務大臣。それがNTTから献金を受けていたということになると、これこそ瓜田にくつを入れず、李下に冠を正さずで、そんな人にNTT問題は判断を任せられないということになるんで、大変賢明な御判断だというふうに思います。
 次に、子ども手当法案についてお伺いをいたします。
 二十一年度の二次補正予算で、各市町村が子ども手当を支給するためのシステムの開発や改修のために百二十三億円予算計上されています。現在、全国の市町村からどんどん交付要請が来ていると思いますけれども、交付決定はいつごろ出されますか。
#259
○国務大臣(長妻昭君) 年度内に交付決定をしようと考えておりまして、三月の中旬までぐらいにはさせていただきたいと思います。
#260
○澤雄二君 交付決定をするということは、事実上の執行でございます。これ、重大な問題を実は含んでいると思います。この予算の執行にかかわる子ども手当法案の本体の法案は、いまだまさに国会で審議中であって成立をしていません。
 ここに大きな問題があるというふうに思いますが、憲法八十三条に財政民主主義がうたわれています。この財政民主主義について、総理はどのように認識をされていますか。
#261
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 国の財政に関しては国会で議決をしなければならないということでございまして、すなわち、今まさに例えば来年度の予算、国の財政の話をお決めをいただいているわけでございます。また、その前にも第二次の補正予算もこの国会でお決めをいただいたわけでございます。このように、財政に関してはすべて国会でお決めをいただくということになっております。
#262
○澤雄二君 今総理がおっしゃったとおりでございます。国の財政を処理する権限は国会の議決に基づく、これが財政民主主義でございます。これは、国の財政を処理する権限は、本予算、補正予算はもちろんのこと、予算を伴う施策についても議決を求めているものでございます。これは、政府が勝手なことをしないように、三権分立の立場から立法府にその権限を定めたものでございます。
 今回このシステム経費が二次補正に計上されたことは、憲法で規定された財政民主主義にもとる行為ではないかというふうに考えております。それは、この施策の本体、子ども手当法案がまだ提出もされていないときですね、この二次補正が決まったのは。ですから、詳細もまだ決定されていない、ましてやもちろん成立もしていない、その予算が、前の年度です、本体が成立する前の年度に補正に計上され、しかもそれが今執行されようとしています。
 こんなことはこれまでの政権でも一度もやったことはありません。それは、財政民主主義にもとる行為だからこれまでの政権は一度もやってこなかったんです。これをおやりになったのが鳩山総理、あなたなんです。何でこんなことをされたんでしょうか。しかも、その根拠は何でしょうか。
#263
○国務大臣(長妻昭君) これにつきまして、まず実務的な面で言いますと、やはり子ども手当を支給するということで事前の準備が必要である、そのためのシステム経費を付けてほしいという御要望もございました。そして、先ほど総理も御答弁申し上げたわけでありますが、憲法八十三条で国の財政を処理する権限は国会の議決に基づいてということでございまして、御存じの、今百二十三億円のシステム経費については、第二次の補正予算の中で審議を経て議決をいただいたというようなことでございますので、私どもとしては問題はないというふうに考えて、厚生労働省としてその予算を第二次補正でお願いをさせていただいたところであります。
#264
○澤雄二君 施策の本体の法律が成立をしていないのに、前の年度の補正でそのシステム経費を、準備のための予算を計上したことはいまだかつて一度もないんです。
 なぜ今回初めて民主党がやったのかということを聞いているんです。御説明してください。
#265
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど財政民主主義というお言葉をいただいたんで、私は今、財政民主主義には反していない、第二次補正で提言をして予算案を審議をして議決をしていただいたというようなことを申し上げました。
 実務上の話といたしましては、これは二十一年度中に臨時的に発生するシステム関係経費というようなことで助成をしたものであります。そして、平成二十二年度以降、この子ども手当の事務費、経常的に発生する事務費については、これは平成二十二年度予算で百六十四億円盛り込ませていただきまして、これについては今二十二年度予算として、経常的な事務費として審議をいただいていると、こういうような切り分けであります。
#266
○澤雄二君 ですから、本体の法案が成立もしていないのに、前の年度の補正にシステム経費を積んだということはかつて例がないと言っているんです。
 今日は時間がないから申しませんが、状況は全然違いますが、これに似たことが一つありました。そのときに、当時の佐藤観樹自治大臣と藤井裕久財務大臣は、本体が成立するまではこの予算は執行しない、それは国会の議決がないからだと、国会の意思が確定するまで執行しないという答弁をされています。今回は本体の成立前に予算執行されるんです。ですから、財政民主主義にもとる行為だというふうに言っているんです。
 なぜ民主党がこういうことをされたのか、時間がないからもう自分で言ってしまいますが、これは……(発言する者あり)おっしゃるとおりです。憲法違反なんだけれども、なぜこんなことをしたかというと、それはただ一点であります。子ども手当を四月から実施し、六月までに、選挙前の六月に現金を支給したいがために憲法に反する行為をやって支給しようとしているということであります。
 民主党は政治主導と言っているが、最近世間で何と言っているか。政治主導じゃなくて政治利用だと言っていますが、これも典型的なその一つの例でございます。国民は憲法に反してまで六月支給を望むのか、憲法に合った行為をしていただいて少し遅れてもいいと思うのか、これは間もなく国民が審判を下すというふうに思います。
 もう一つ……。じゃ、大臣。
#267
○国務大臣(菅直人君) いや、先ほど来もう総理も言われていますけれども、憲法に違反してはおりません。それはいろんな解釈があるのは構いませんが、あくまで第二次補正という中で、衆議院、参議院で議論をいただいて、そして議決をいただいておりますから、そういう意味では、このシステム設計のための費用も国会議決をいただいているという意味で、憲法には違反をいたしておりません。
#268
○澤雄二君 憲法に違反しているかしていないかは水掛けになるからこれ以上言いませんが、ただし、これまでの政権も一度もやったことがないんです。それを初めておやりになったということを申し上げておきます。ちょっと大事なまだ話がありますので。
 このシステム経費の助成について、一つ問題指摘したいと思います。資料二、御覧ください。
 厚労大臣、この積算の根拠は何ですか。
#269
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど六月支給についてのいろいろ御意見がございましたけれども、これにつきましては、支払のスキームは児童手当と同じスキームを使わせていただいて、地方自治体の混乱がなきようにしようということで六月ということでありまして。
 それで、積算の根拠は、平成二十一年度の第二次補正のシステム改修の経費でございますが、これは人口に応じて計算をさせていただいていまして、五万人以上十万人未満では一人当たり単価が六十円とか、それを基本的には足し上げて百二十三億というような数字を作ったわけでありますけれども、それをそのまま自動的に人口割りの今の金額で各自治体にお配りするという趣旨ではございませんで、それを上限として、そして実際に掛かった実費をお支払いすると、こういうようなことでありますので、自動的にこのお金が行くというわけではございません。
#270
○澤雄二君 今の厚生労働大臣の認識、間違っています。後から精算するんじゃないんです。これは交付要綱に基づいて自治体が補正予算に計上するんです。そして今、地方議会は補正予算がどんどんどんどん議決されて、議決された翌日からもう執行されているんです。後から精算するんじゃないんですよ。その補正予算の計上はこの交付要綱に基づいて計算しているんです。これが実際の改修費よりも相当高い可能性があるのを御存じですか、厚生労働大臣。
#271
○国務大臣(長妻昭君) これについては、交付決定をさせていただいて、この交付の確定処理というのを夏あるいは秋に国に御報告をいただいて、会計検査院等のチェックもあってこれは精算をするというような手順になるというふうに聞いております。
#272
○澤雄二君 実際に相当高い積算の根拠になっています。ですから、堺市では事業者に見積りを取らせたら一千五百万だったと、その堺市の上限は三千八百万、堺市はそのまま一千五百万で補正要求をしました。しかし、別の市では、あえて言いませんが、わざわざ補正予算に計上した額を修正して上限近くまで上げて予算計上したところがあります。全国の市町村を全部チェックできるわけじゃありませんから、ここで壮大な無駄が行われている可能性があると思いますが、どうですか。
#273
○国務大臣(長妻昭君) 先ほど来説明を申し上げておりますけれども、あくまで上限を設定をして、それが上限ですよということで実際に掛かったお金を執行するということでありまして、これは万が一、上限まで余りお金が必要ないんだけれども、もう目いっぱい取ってしまってほかの用途に使うとか、そういうような発想があるとすれば、それはきちっと我々も見ていかなければならないということで、原則は必要最小限の経費をお使いいただくということで、これは予算審議も皆様にそういう前提でお願いをしたものだと我々は考えております。
#274
○澤雄二君 是非お願いをしたいと思います。むしろ、事業仕分はこういうことを見定めることが一番大事な事業仕分の仕事だというふうに思っております。実際に補正予算を修正して上限近くまで上げたところがあるということを御存じでいてほしいと思います。
 もう一つ大事なことを申し上げます。
 資料三を御覧ください。子ども手当が付与されることで、このまま二十四年以降続くと負担増になる世帯があるのは御存じですね、大臣。
#275
○国務大臣(長妻昭君) 今の負担増というのはどの部分か。今、控除がなくなるというようなことで、控除に連動していろいろな厚生労働省所管の保育所の自己負担等々で影響が出てくる部分もあると、そういうような観点でのお尋ねであれば、それについて確かに影響がありますので、これは今その影響を検討する会をこの内閣の中につくらせていただいているということです。
 そして、もう一点の観点は、控除をなくす、控除から手当へということでございますけれども、この一万三千円という半額の段階が仮に二十三年度も機械的にそれを当てはめるとするとというようなお尋ねだとすると、それは一定の世帯についてはマイナス、つまり児童手当と上乗せ分については、根っこから計算するとこれはまた計算が違いますけれども、増額部分でいうと見合いでマイナスになるという世帯は出てくるわけでありますが、我々は平成二十三年度は全額を支給するということにしているところであります。
#276
○澤雄二君 資料三で分かることは、右から二番目の数字がそうですが、三歳未満は今児童手当一万円支給されていますので、この控除がなくなるのが効いてくると負担増になってまいります。今言われたように二十三年度から本当に二万六千円になるんだったらそれはいいですよ。そうじゃなければこの世帯は負担増になってくる。
 それから、僕の質問、先取りして答えられましたが、もう一つ、その次の資料を見てください、資料四。これは、扶養控除がなくなることによって利用料金、使用料が上がる項目です。三十二項目。これは厚生労働省でもらいました。その中に今言われた保育所が入っています。保育所の料金というのはゼロ歳児が一番高いんです。なぜかなら手間が掛かるから。ある市では、ゼロ歳児は五万五千円なのに対して、五歳児は二万五千円であります。つまり倍以上高い。この料金が跳ね上がってきます。ある市の試算によると、平均で三千円から四千円、毎月上がるだろうと言われています。これは二十三年から効いてきます。
 つまりこれは、大事な問題を含んでいるのは、子ども手当というのは少子対策でもあるはずです。しかし、控除がなくなることによって税金の負担が増えるのと、もう一つ、保育料その他の料金が上がることで、子供を産んでゼロ歳児を持ったら、その家庭が一番負担増になるということです。こんなことだったらもう子供を産まない方がいいじゃないかとみんな思うことになるんです。それが子ども手当の実態なんです、拙速だから。これをどういうふうに解決されますか、大臣。
#277
○国務大臣(長妻昭君) 控除から手当へという流れの中で、確かに今のような問題というのは発生するというのは私も認識をしておりまして、政府としても、さっきも若干触れさせていただきましたが、控除廃止の影響に係るプロジェクトチームというのを立ち上げて、第一回の会合をいたしました。その中で、七月をめどに取りまとめをするということでございますが、いろいろな方向性を議論をしております。
 扶養控除廃止の影響を遮断をしていくということが検討できないか、あるいは段階的な経過措置などを講じて激変緩和を行うことができないか、あるいはそもそも制度自体を控除廃止の影響が生じないようなものにできないかどうかということで、控除から手当へという考え方の中で必ずこれは発生してくる問題だというのは我々十分認識をして、それについての解決策を得るべく今このプロジェクトチームで検討して、適切な結果を出してまいりたいと考えております。
#278
○澤雄二君 ありがとうございます。
 三歳未満の子供がいる家庭については、扶養控除廃止をやめるとか保育料の大幅な国が支援するとか、今言われました。そのことを是非早急に検討をしていただきたいと思います。
 これで質問を終わります。
#279
○委員長(簗瀬進君) 以上で澤雄二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#280
○委員長(簗瀬進君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
#281
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 戸別所得補償制度のモデル事業をめぐって、今各地での説明が行われています。今、米農家にとって最大の経営上の問題は、〇九年産の米の米価が下落しているということです。ちょっと見ていただきたい。(資料提示)これ、去年の十一月で、このグラフでいいますと、六十キロ当たり一万四千八百七十六円と。十二月の時点で一万四千七百五十四円、そして今年一月で一万四千六百八十六円ということで、じりじりと下がっているわけです。
 問題は、政府が計算している生産費ですね、米の生産費。六十キロ当たり〇八年で一万六千四百九十七円ですから、既にもうこの相対価格が二千円近く下がっている中で更にこういう形で下がり続けているということなんですけれども、この米価の状況に対して、最初に総理に御認識を伺いたいと思います。総理です、総理。最初、認識、総理、総理です。
#282
○委員長(簗瀬進君) まず、赤松広隆農林水産大臣。
#283
○国務大臣(赤松広隆君) 私の方から、そういう数字については総理はそんな細かいこと分かりませんので、私が。あっ、総理、ごめんなさい、済みません。私が基礎的な数字についてはお伝えをさせていただいて、あとそれを総理がどう考えるかということをお答えをいただければ私はいいと思います。
 今お示しをいただいた数字というのはどこから持ってこられた数字か分かりませんが、少なくとも農林水産省で相対取引価格ということでお示しをしているのは、例えば二十二年一月で一万四千六百八十四円、前年同月比で一万五千二百五十三円ですから九六%ということで、もちろん下がってはいますけれども、そんな極端に大幅に下がっているということではないと。
 それからもう一つは、二〇〇九年産ですから、これは今まで作付けやりたい放題やらせておいて下がるの当たり前ですよ。だから、今度は戸別所得補償制度の中で生産数量目標をきちっと守ってもらうんですから、これは需給が締まればこういう状況にはならないということは何度も私の方から御説明をさせていただいていると思っています。
#284
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 赤松大臣に言われてしまいましたけれども、確かに、元々、私どもが政権を交代をして、この政権に着く前から生産費を下回っているという状況であろうかと思います。それだけやはり米農家は深刻だと、私はそのように理解をしています。それが更に徐々に下がってきているというのは、彼らにとってはやはり気が気でないと、そのようにも感じております。それだからこそ、私どもとすればできるだけ早く戸別所得補償制度というものを定着をさせていく必要があると、そのように考えております。
#285
○紙智子君 総理はちゃんと素直に答えられて、要するに、下がっているかどうかという認識を聞いたわけで、総理は下がっているということを認識されているという話だったと思います。
 それで、参議院の本会議のときに我が党の市田書記局長が米価下落問題を指摘して、生産費を基本とした米の政府買入れを求めたことに対して、総理に対して聞いたときに対して、これは総理はまともにお答えになっておりません。なぜこの米価下落問題に取り組まないのかということについてお聞きします。
#286
○国務大臣(赤松広隆君) 紙委員も、もちろん今までの農業政策についてのいろんなお考え方はあっていいと思いますが、是非ここで、今までの制度とは百八十度違う、そういう農政の大転換なんだということを是非御理解をいただきたいというふうに思っております。
 その意味で、米がだぶつくであろうという前提の下に、だからこそ米の大量の、いわゆる価格を維持するために買入れをやるんだという今までのやり方はもう取らないというのがこの新しい政権の下での私どもの考え方でございます。ですから、米の備蓄で買入れの問題も後で出るかもしれませんけれども、これもあくまでも緊急のときのための備蓄であって、何も米の価格を支えるためにやるということではないということでございまして、したがいまして、大幅に下がるんだからそういう価格を支えるために米をどれぐらい買うのかとか、買う覚悟はあるのかということを聞かれても、元々そういうことにならないし、そういう発想には立たないということを是非理解をしていただきたいと思います。
#287
○紙智子君 米価が下がり続けているときに、それを止めるための対策を取らないのかなというふうに思って今聞いていたわけです。
 それで、戸別所得補償政策で、それでやるんだということを言われるんだけれども、それはあくまでも今年の秋に取れる米以降の話なんですよ。その手前の、去年取れた九年度産、これに対して、これはもう対象外ですから、戸別所得補償政策には。だから、いよいよこれから種をまかなきゃいけない、その種を、種もみを買うお金も今下がっていて大変だというときに何もやらないのかということが問題になっているわけです。そのことを聞いているんですよ。
#288
○国務大臣(赤松広隆君) ちなみに、こういう例をお話しすれば御理解いただけると思いますけれども、今、各県ごとの割当てをしました。そして、各県ごとから今度は各地域協議会ごとの生産数量目標の割当てをしております。これも済みました。そしてあと、個別の各地域協議会の中でそれぞれ個別に、それぞれの生産者、お百姓さんに対して、あなたは来年の生産数量目標はどれだけですよということも実は今やっている最中で、ほぼ七割ぐらいがもうそれを終了しています。
 ということは、この戸別所得補償制度に積極的に参加をして、自分はもうこれだけの今年度は持分で米を作っていくんだということを多くの農業者の皆さん方が、もう既に前向きにそういう準備に今入っていただいているということで、先ほども冒頭申し上げましたけれども、相対取引で一年前と比べても一万五千二百五十三円が一万四千六百八十四円ですから、わずかには下がっていますけれども、そんな言うほどのあれではないと……(発言する者あり)
 ですから、それについて今回は、特に固定分ということでその生産費と販売価格との差額についてきちっと埋めますし、更にそれが開いたときには今度は変動部分としてその部分も手当てをしているということですから、御心配の筋には当たらないと思います。
#289
○紙智子君 そういう答弁されるから、日本農業新聞に何て書いてあるかというと、かみ合わぬ米価論争ですよ。先の話じゃなくて今の話をしているのに、今言ったことは全部先の話でしょう。だから、日本農業新聞に何て書いてあるかというと、市場に滞留する過剰在庫の解消策は不透明なまま論戦を終えたと、この論戦の行き先についてどう決着するのか、生産者はかたずをのんで見守っていると書いているわけですよ。〇九年の米の価格の議論をどうして踏み込んでやらないのかということなんです。
#290
○国務大臣(赤松広隆君) 多分、御質問と御意見の趣旨は、これだけだぶついているんだから米をもっと買いなさいということだと思いますが、じゃ例えば、これは私が質問する立場ではありませんが、三百万トンをそのために買い上げたら幾ら掛かると思いますか、三百万トン。分かりますか。一千五百億円ですよ、一千五百億円。一千五百億円を貴重な税金から、本当に必要か必要じゃないかも分からない形で三百万トンを果たして今積み上げることが本当に国民の理解を得られるのか、そういうことをしっかり考えてほしいということなんです。
#291
○紙智子君 私、それを言うんだったらミニマムアクセス米をやめたらいいと思うんですけれども。
 それで、今まではやっぱり需給調整は昔は国が責任を持っていたわけですよね。これまで、主要食糧法の改正以降も少なくとも需給状況を見ながら、やっぱり大変だということになったら備蓄米の制度をそのルールにのっとってそれで変えますということをやって何とかしのいできたということがあるわけですよ。〇八年はそれをやりましたからね。今は、来年からの話はするけれども、今のことは何らやっていないということでいえば、結局は、今下落していることの打つ手というのはほとんどないに等しいというふうに言っていいと思うんです。
 私は、この価格の下支えというのはやっぱり必要だと。これなしには、これから先どんな直接支払をしたとしても成り立たないというふうに思うんですよ。この価格の下支えという点では、私は、さきの総選挙のときに民主党のマニフェストに書かれている、米の備蓄を不作等が一定期間なかった場合にえさ用などで処理する棚上げ方式に転換しと、三百万トン備蓄体制を確立するという公約は、これは重要だというふうに思うわけです。
 そこでまず、この棚上げ方式というのはどういう仕組みかということと、今の仕組みとの違いについて御説明を願います。
#292
○国務大臣(赤松広隆君) 今まではいわゆる回転備蓄ということで、それぞれ毎年一定程度の米を購入して、そして古くなったものから、三年過ぎたようなものから順番に毎年毎年主食米として、食用米として市場に出していくという仕組みでした。
 ところが、今、この間何年間の推移を見ますと、米はだぶついている状況が続いてきましたから、そういうだぶついている状況のところに米をまた食用米として出すと、更に米価下げるということはなかなかできないんで売るに売れないと、抱えっ放しにするということにしながら、結局は財政上大変大きな負担を掛けながら、時期をずらしてでも何とか処分してきたというのが今までの実態です。
 ですから、私どもはそういう回転備蓄ではなくて、いわゆる棚上げ方式として、一定のお金は掛かりますけれども、しかしそれはいったん買い上げたものはもう食用米には出さないと、それはもう加工米や飼料米に回すんだと、そして需給に影響を与えないと、市場の主食米のですね、そういう立場で財政当局の皆さん方ともしっかりとその辺は議論しながら御理解をいただいて、是非こうした今までの回転備蓄方式から棚上げ方式にしていきたいと。
 しかし、そのときに、先ほども申し上げましたけれども、その三百万トンという話もありますけれども、これはしかし民主党のマニフェストじゃなくてインデックスの中に書いてあることですけれども、しかもそれかぎ括弧でちゃんと書いてありますが、国内産以外のものも含むということはMA米を含むという意味ですけれども、この七十七万トンも含んで三百万トンということで。
 しかも、じゃ反対に私は、それは多ければ多いにこしたことないでしょうけれども、今まで三百万トンじゃ足りなくなったことありますかと。過去一度、二百四十万トンぐらいあったと思いますが、そのときだって二百四十万トン使い切ってないじゃないですか。そういう中で、果たしてこの七十七万トンのMA米プラス今大体百万トンぐらい、結果的に今抱えていますけれども、これぐらいあれば十分なのではないかというのが私どもの基本的な考え方で、ただしそれはさっき言ったように回転備蓄でやるんじゃなくて、そのまま棚上げにして、それは食用米以外にやって米価を下がらないように、影響を与えないように、そういうことはちゃんと配慮してやっていきますよというのが基本的な考え方でございます。
#293
○紙智子君 だから、棚上げ方式賛成だと言っているわけでね。減反緩和や米価の下支えという点で私は非常にこれ大事だと思うので、それは賛成なんですよ。ですから、二月の二十三日に衆議院の方で赤松大臣が答弁されているわけですけど、回転備蓄に転換するという、これは賛成だと。速やかにやるべきだと。(発言する者あり)違う、回転備蓄じゃなくて棚上げ方式ですね。速やかにやるべきだ、おやりになるということですね。
#294
○国務大臣(赤松広隆君) 是非、その方式しかないというふうに確信をいたしておりまして、その代わり、くどいようですけれども、今財政状況がこういう状況ですから、それは多ければ多いという気持ちも分からないわけじゃありませんけれども、それはもう常識的な範囲、今必要とされる最小限の範囲で備蓄をしていくという考え方でおります。
#295
○紙智子君 総理も同じお考えということでよろしいですか。
#296
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 結構です。棚上げ方式にいたします。
#297
○紙智子君 是非ともこれ早くやってほしいということと、それから量については我が党はまた考え方ありまして、ミニマムアクセス除いて純粋の国産で百五十万トンはというふうに思っていますけれども、その点も述べておきたいと思います。
 それと加えて、流通大手による買いたたきが横行しているという問題で、これまた生産者にとっては大変な不安なことになっているわけで、これに対しての対応策はどのようにお考えでしょうか。
#298
○国務大臣(赤松広隆君) 済みません、もう一回、ちょっとお願いします。
#299
○委員長(簗瀬進君) 済みません、繰り返し。
#300
○紙智子君 流通大手による買いたたきが今始まっていると。
#301
○国務大臣(赤松広隆君) これにつきましては、本来の戸別所得補償制度の趣旨をきちっと生産者にも、あるいは流通業者にも御理解をいただく中で、買いたたくためのそういう交付金制度ではありませんので、是非その本旨を守っていただきたいということと、それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、毎年今三十万トンから五十万トンぐらい米がだぶついていると言われていますけれども、そういう中でこれからは需給がどんどん締まってくると。そんな安売りしなくたって適切な価格でちゃんと米は売れるんだということになれば、売る方も、流通業者が来たって、そうですか、じゃ安くてもいいですわ、どうぞお持ちくださいなんていうことは言わないようになると思いますので、その辺は余り私は心配をしておりません。
 ちょっと先ほどのことだけ、一つ訂正というか追加させていただきますが、備蓄米については私はそういう固い信念でやっているということで、何か私が個人が全部決めちゃうみたいなことに誤解されるといけませんので。基本的なそういう考え方でおりまして、これは例えば審議会の食糧部会とか、そういうところの意見もきちっと聴いて、その上で正式には決めるということになっていますので、大臣の決意はと聞かれたんで、私自身はそういう決意でおりますということで、別にもう断定的に決めたと、そんな意見も聴かずにというふうに誤解されるといけませんので、ちょっとその点だけ訂正をさせていただきます。
#302
○紙智子君 生産者の中では様々な不安があるわけですけれども、そういう中で共同通信の報道が更に不安をあおっているということがあるんです。
 それで、最後、仙谷大臣にお聞きしますけれども、共同通信の二月二十八日付けで、成長戦略について触れて、具体的な政策に踏み込んだ検討が始まったと。二〇一〇年度にモデル事業としてスタートをする戸別所得補償制度を貿易自由化の安全網と位置付け、農業関税引下げと一体的に進めることを求めたって書いているんです。これについて、大臣、どういうことなのか御見解をお聞きしたいと思います。
#303
○国務大臣(仙谷由人君) そういう記事が存在したことは認めますけれども、その記事に我々が責任を取るわけにはいきませんね。それで、ほかの社も後を追って全然お書きになっていないですよね。今のところ、成長戦略のペーパーの中でその種のことを書いたものは一切ありません。あるいは、今そういう議論がされているかどうかということについて、私はもう全く承知しておりません。
 ただ、民主党としては、今の経済、日本の置かれたポジションからいって、EPA、FTAというのは大変重要な通商といいましょうか、あるいは日本のこれからの基本的な施策として大変重要な柱だというふうには考えておりますが、そこで具体的に、とりわけ農業をめぐってどういう交渉が行われるかということと基本的なEPA、FTAが大変重要だということは、共同通信がお書きになったような関係になるのかどうなのか、そんなことは全く論議になっていないということであります。
#304
○紙智子君 一切全くそういうのはなっていないという話なんですけど、記事としていえば具体的なんですよね、書いてある中身が。
 農業の戸別所得補償制度をてこに農産物の関税を引き下げ、自由貿易協定、FTAを推進。法人税率を引き下げ、企業の海外移転を防ぐことも盛り込んだと。そのほかにも、企業の太陽光発電の問題ですとか、いろいろ具体的に書いていて、当てずっぽうで書いたのかというふうにはちょっと思えないなという面もあるわけです。
 それで、やはり今回の米のモデル事業をめぐって、これ、米価下落を前提として関税引下げの地ならしじゃないかという不安の声がかねてからあるんです。ですから、そういう意味では、大臣は否定されたんですけれども、もしこういう事態になったら大変だと、重大だというふうに思うんですけど……
#305
○委員長(簗瀬進君) 時間が過ぎております。
#306
○紙智子君 はい。
 赤松大臣、そのことについて一言。
#307
○国務大臣(赤松広隆君) これは、私自身の考えでもありますし、あるいはまた鳩山政権全体の基本的な考え方だと言ってもいいと思いますけれども、EPA、FTAについては貿易やサービスを促進してどんどんとそれを進めていくと。
 一方、これはマニフェストにも書いてありますけれども、その際、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興を損なうことは行わないということをきちっと皆さんにお約束しておりますので、その考え方の下に進めていきたいと、このように思っております。
#308
○紙智子君 日米FTAあるいはオーストラリアとのEPAについては、我が党としては、これは本当に断固としてそういう動きが出れば阻止をするということで、最後に申し上げまして、質問を終わります。
#309
○委員長(簗瀬進君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#310
○委員長(簗瀬進君) 次に、山内徳信君の質疑を行います。山内徳信君。
#311
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 総理は、三月中に移設先について政府の考え方を取りまとめたいとおっしゃっていらっしゃいます。しかし、政府の動きを見る限り、沖縄ありき、辺野古ありきの動きで、県民の大きな反発を買っております。普天間の県内移設を認めないという沖縄における包囲網が完全にでき上がったというふうに思っております。
 沖縄県知事を始め四十一の市町村長も反対の意思を表明しております。県議会は与野党全会一致でございます。それでもなお沖縄へとおっしゃるのか。県内移設を断念すべきであると思いますが、総理の基本的な考え方を伺いたいと思います。
#312
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山内委員にお答えをいたします。
 山内委員には、日ごろからこの問題に関して御指導いただいておりますことを感謝を申し上げますし、是非、連立内閣の一員として様々な御提言をいただければと思っております。
 この問題に関しては、私たちはすべてをゼロベースだと、そのように申し上げておりまして、その考え方を基礎にして、平野長官の下で検討委員会を連立三党で精力的に行っているところでございます。これはもう既にお分かりのとおりでございまして、その考え方の下で選択肢を今用意をしていく中で、沖縄の皆様方にも御理解をいただける、さらにはアメリカにも理解をいただける、そういった案を三月の間に政府として、ある意味で考え方をですね、考え方をまとめて、そして交渉していきたいと考えておりまして、ゼロベースでスタートしているということはどうか御理解をいただきたいと存じます。
#313
○山内徳信君 ゼロベースとおっしゃっておりますが、沖縄の皆さん方にも、あるいは九州の皆さん方にも、本州の皆さん方にという言葉は出てこないんです。そういうふうにしてどうも沖縄を、ずっと辺野古とかあるいはその他に押し込んでいこうという、そういうふうに沖縄県民は受け止めておるわけでございます。
 改めてお伺いいたします。
#314
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) そのような意思はございません。すなわち、沖縄の県民の皆様方にも御理解をいただける案として取りまとめてまいりたいと思っているわけでありますから、その沖縄の皆様方に大きな反発をいただくような形になるというふうには我々は考えておりません。そのように何としてもしなきゃならないということでございます。
#315
○山内徳信君 沖縄の人々にも理解というこの言葉を、沖縄の人々が安心できるような選択をしていきたいというふうに受け取っておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#316
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 理解をしていただければ、結果として安心していただけるのではないかと思います。
#317
○山内徳信君 総理御自身の公約は、県外、国外でありました。公約違反とならないように、さらに沖縄県民を裏切らないように、五月いっぱいに県外、国外への方針を鳩山内閣として決定していただきたいと思います。どうぞ。
#318
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) そのようにいたします。
#319
○山内徳信君 三月四日、朝日新聞によりますと、平野官房長官と北澤防衛大臣が、二日夜、普天間飛行場の移設先をめぐりルース駐日大使と都内で会談したことが明らかになりました。新聞報道によりますと、辺野古現行案を断念するとアメリカ側に伝えたと言われておりますが、このことが事実でしたら、この場で、国会にも国民にも是非御報告をお願い申し上げたいと思います。
 このことは、直接参加された北澤大臣にお願いします。
#320
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 外国の要人と非公式に会談するということは極めて信頼関係が高くなければできないことでありまして、したがって、そういう会談があったかどうかということについて私の立場でコメントはできないということであります。
#321
○山内徳信君 沖縄の新聞はこういうように書いてあります。辺野古現行計画を断念、政府、アメリカ側に伝達と、こういうふうに書かれておりまして、北澤大臣からはちょっとコメントはできないとおっしゃっておりますが、総理、お願いします。
#322
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 政府としてそのようなことを伝達したことはありません。
#323
○山内徳信君 そうしますと、新報とタイムスにこういうふうに大きく書かれておりますのは、これは誤報、捏造と、新聞社の勝手に書いたということですか。そういうことにはならぬと思いますが、総理大臣、もう一回お願いします。
#324
○国務大臣(北澤俊美君) その新聞報道を読んで、私は官房長官といささかお話を申し上げました。その中で、具体的な言及には及んでいないというふうにお聞きをしております。
#325
○山内徳信君 総理大臣。
#326
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) ちょっと山内議員に、先ほどの御質問を必ずしも私は十分に理解をしていなかった部分があったと思って訂正させていただきますが、五月末までに結論を出すということでそうですというふうに申し上げましたが、県外、国外という話が山内委員の御質問の中にあったことを十分に理解しておらなかったことを申し訳なく思っています。
 私どもとしてはゼロベースでということを申し上げたわけでございまして、五月末までに結論を出すということはそのとおりでございますと申し上げたところでございます。失礼をいたしました。
 辺野古に関して断念という、少なくともアメリカ側に対して打診をしたなどというようなことは政府としてはありませんので、どうぞそのところは御放念いただいてください。
#327
○山内徳信君 防衛大臣にお伺いいたしますが、陸上案という言葉が新聞に出てまいりますが、それは海寄りですか、山手寄りなんですか。
#328
○国務大臣(北澤俊美君) 報道は盛んにしておられるようでありますけれども、そこまで官房長官の下で具体的に物事が進んでいるというふうには聞いておりません。
#329
○山内徳信君 陸上案については、名護市議会は八日に決議することになっておるようであります。辺野古の大城区長さん、豊原の城間区長さん、久志区の比嘉区長さんが二十五日に沖縄防衛局を訪ねまして、久辺三区全住民挙げて阻止する決意であると、こういうように伝えていらっしゃいます。
 旧政権時代、十三年も名護市民を分断して、あるいは翻弄して、コミュニティーそのものをずたずたに切り裂いてきたわけであります。その反省も教訓もなく、新政権の鳩山内閣が、基地負担の軽減ではなく沖縄にのみ押し付けると言うならば、沖縄県民は、人間の尊厳を求め、沖縄差別を許さない、日本国民としての公平な取扱いを求めて、県民ぐるみの総決起という空前の総抵抗運動の島ぐるみ闘争に入る以外にない、こういう思いで関係者は準備に入っております。最悪の事態は回避すべきではありませんか、総理大臣。
#330
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 沖縄の皆さん、特に名護周辺の皆様方にそのようなお気持ちがあるということは、それは沖縄の皆さんの民意の一つの表れだと、そのように思っております。そのような思いもしっかりと受け止めながら、私どもとしてしっかりと検討して結論を出してまいりたいと思っております。
#331
○山内徳信君 基地問題は沖縄県民のみの問題ではありません。この際、安保の負担や安全保障の問題は全国民で考え、全国民で負担すべきであると思います。そういう視点に立って、県外、国外への移設先を求めていただきたいと思います。
 総理の重ね重ねの、総理の見解をここでお伺いしておきたいと思います。
#332
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 大変恐縮でございますが、いろいろな山内委員のお気持ちは十分に理解をいたしているつもりでございますが、私どもとして、今特定の予断を持たせるような言い方がなかなかできないという状況の中で、ゼロベースでしっかりとしたものをつくり上げていく、その結果として沖縄県民の皆様方にも御理解をいただけるようなものに仕立て上げていくと、その決意でございますので、そこで御理解を願えればと思います。
#333
○山内徳信君 ありがとうございました。終わります。
#334
○委員長(簗瀬進君) 以上で山内徳信君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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