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2010/03/09 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第8号
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2010/03/09 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第8号

#1
第174回国会 予算委員会 第8号
平成二十二年三月九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月八日
    辞任         補欠選任
     武内 則男君     梅村  聡君
     古川 俊治君     石井みどり君
     牧野たかお君     山田 俊男君
     丸川 珠代君     若林 正俊君
     山下 芳生君     仁比 聡平君
     近藤 正道君     又市 征治君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     芝  博一君
     川合 孝典君     平山  誠君
     姫井由美子君     米長 晴信君
     円 より子君     森 ゆうこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         簗瀬  進君
    理 事
                大島九州男君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                川口 順子君
                西田 昌司君
                舛添 要一君
                弘友 和夫君
    委 員
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                喜納 昌吉君
                小林 正夫君
                今野  東君
                自見庄三郎君
                芝  博一君
                下田 敦子君
                鈴木 陽悦君
                谷岡 郁子君
                徳永 久志君
                友近 聡朗君
                平山  誠君
                円 より子君
                森 ゆうこ君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                荒井 広幸君
                石井みどり君
                泉  信也君
                加納 時男君
                木村  仁君
                佐藤 正久君
                世耕 弘成君
                西島 英利君
                橋本 聖子君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                山本 一太君
                若林 正俊君
                加藤 修一君
                草川 昭三君
                澤  雄二君
                仁比 聡平君
                又市 征治君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       外務大臣     岡田 克也君
       文部科学大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    川端 達夫君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       農林水産大臣   赤松 広隆君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
       環境大臣     小沢 鋭仁君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 平野 博文君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        亀井 静香君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   仙谷 由人君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      枝野 幸男君
   副大臣
       内閣府副大臣   大島  敦君
       総務副大臣    渡辺  周君
       外務副大臣    福山 哲郎君
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大串 博志君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
       経済産業大臣政
       務官       高橋 千秋君
       環境大臣政務官  大谷 信盛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       金融庁監督局長  畑中龍太郎君
       国税庁次長    岡本 佳郎君
       厚生労働省政策
       統括官      中野 雅之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○公聴会開会承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本三十分、自由民主党・改革クラブ六十四分、公明党十五分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(簗瀬進君) 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。吉川沙織君。
#4
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。
 予算委員会では初めて質疑に立たせていただくことになります。どうぞよろしくお願いいたします。
 厚生労働委員会や決算委員会でも、私、実際に就職氷河期を体験して会社員をしていたという経験もございますことから、前大臣に対しまして若年者雇用の問題について質問を今までさせていただきました。ですから、同世代の多くが職に就きたくても就けないまま社会に出ざるを得なかった世代の代表として、最近の政府の対応策を中心に、新卒者支援、既卒者支援の観点からお伺いしたいと思います。
 昨年の決算委員会においては、若年者雇用対策の充実を図るため、若年者雇用対策に係る事業重複整理や関係省庁間の調整、連携の必要があることなどを指摘させていただきました。現政権においては真に有効な事業を実施していかなければならないと考えています。
 平成二十二年度厚生労働省予算案においては、若年者雇用対策予算は四百四十三億円であり、平成二十一年度予算の五百五十一億円より減額となっております。額だけ比較した場合、若年者雇用対策が後退したかのように見える懸念がありますが、今回減額となっておりますのは事業重複の整理等による無駄の削減や効率化の結果であるということをまず厚労大臣にお伺いしたいと思います。
#5
○国務大臣(長妻昭君) 吉川委員におかれましては、本当に就職氷河期の大変な時期を御経験されたということでいろいろ提言をいただいているところであります。
 御存じのように、大学生の内定率だけ取ると、残念なことですが史上最悪になっているということで、新卒のみならず若年者の雇用が大変であるという認識は我々も同じでございまして、この予算が減っているというのは、めり張りを付けて事業を統合をいたしまして、若年者雇用の二十一年度当初は、事業を見ますと四十三事業ございまして、それぞれ残念ながら効果が上がったかどうか不明なものもありますので、それを二十一事業に統合をさせていただいたということで、当然その中では、新卒者向けのジョブサポーターという就職開拓員の、ハローワークに配備をするということでは予算を増やさせていただいているところであります。
 そして、もう一つについて、新しい新卒者体験雇用事業というのは新設をさせていただいたということでありますし、もう一つは、若年者という意味では、基金事業ということで、これは若年者の方で雇用保険が切れた方でも生活の支援をしながら職業訓練を受けていただくというようなことについても取り組ませていただいているところであります。
 やはり一番理想といたしましては、私もこの前お話を聞きましたけれども、企業でも、景気が厳しいので新卒あるいは新しい方を雇う予定のない企業が職業訓練を受けた優秀な人を目の前にして、雇わない予定がやっぱり雇ってみようということで、これは人件費を払ってもそれを上回る付加価値を生むんではないか、こういう期待を持って雇う事例も聞いておりますので、そういうような方が増えるような労働政策をこれからも取り組んでいきたいと思います。
#6
○吉川沙織君 今、若年者の採用凍結なんていうお話もありましたけれども、採用凍結をしてしまうと、その企業における年齢構成がいびつになり、その後の企業の発展、ひいては日本社会、経済にも大きな影響を与えますので、それはしっかり厚労大臣がリーダーシップを取ってやっていただきたいと思っています。
 次に、政策評価の観点からお伺いしたいと思います。
 総務省行政評価局が今年一月に「雇用保険二事業に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」というものを出されており、それを拝見いたしました。もちろんこれは前政権での事業が対象となっておりますが、千三百七十一億円がこの評価の対象となっており、うち九百三十七億円について改善を要する、必要があると指摘をされています。
 例えば、二億強を掛けて外国人労働者向けの雇用対策パンフレットを作っておられるんですが、これ外国人労働者向けにもかかわらずすべて日本語表記で作られていたり、あと、事業内容が類似しているものを効率化を図りなさいということが指摘されているなど、前政権下の平成二十年度予算の無駄が指摘されております。
 行政評価を所管する省庁として、雇用保険二事業、特に若年者雇用対策事業に関する評価結果に対する認識を総務副大臣にお伺いいたします。
#7
○副大臣(渡辺周君) 吉川委員にお答えをいたします。
 もうまさに今御指摘のとおりでございまして、一月の二十二日に出しましたこの行政評価・監視の勧告内容、事業数のうちのおよそ六割、予算額のおよそ七割の、これが要改善という勧告を出しております。
 ちょっとだけ申し上げますと、例えば財団法人介護労働安定センターというところが事業主に対して助成金を出す、何とこの運営費、管理費等の割合が一・一五倍、百万円を支給すればそれに掛かる経費が百十五万円と、もうまさにお役所仕事であります。また、四十種類の職業相談員が五千四百十二人も配置されていて実際役割分担が不明確。まさに今お話あったように、外国人向けなのに書いてあることは日本語と、もうまさにお役所仕事の典型のような現状。この要約版だけでとにかく勧告の事例がもう二十何ぼも書いてあるわけでございまして、もうまさに税金の無駄遣いをしておりました。
 今は若年者に対する支援についても、これは安定所、それから都道府県、ジョブカフェ、民間団体においてそれぞれに分散しているものですから、どうしてワンストップでできないのかと。まさに事業の効率性から、あるいは効果からすれば甚だ信じ難いものが多いという勧告を出しました。
 とにかく我々としては、この勧告を出した後、出したで仕事が終わるんじゃなくて、出した勧告がどう改善されているかということについても引き続き追跡をしてまいりたいというふうに思っております。
#8
○吉川沙織君 総務省行政評価局によるこれらの勧告を踏まえて、厚生労働省におかれましては今後も事業の精査を行う必要があると考えております。随分整理をされたという御答弁、長妻大臣からいただきましたけれども、昨年の決算委員会でも申し上げましたとおり、例えばジョブと名が付く事業だけでもジョブカフェ、ジョブ・カード、ジョブサポーター、ジョブクラブ、ジョブミーティング、ジョブトレ、ヤングジョブスポット、ジョブパークなど、数多くあり過ぎました。その精査、検討段階においては事業の効果的、効率的な実施に努められることはもちろんですが、事業を必要としている、本当に必要としている若者にとって利便性が一層向上するようにしていただきたいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
#9
○国務大臣(長妻昭君) 御指摘のとおりだと思います。雇用二事業、かつて三事業というふうに言われましたけれども、例のスパウザ小田原とか私のしごと館とか、非常にかつても問題があったということで、今御指摘のそのパンフレットも、外国人労働者向けのパンフレットにもかかわらず、施設名のみは四か国語による外国語表記だけれども本文は全部日本語だということで、こういう問題が散見されますので、これ徹底的に見直しをしていきたいと。
 この指摘を受ける以前にも、私どもの方で政権交代後、高齢期雇用就業支援コーナーというのがありましたけれども、ほとんど利用者がないと。つまり、ネーミングは良さそうなネーミングがいっぱいあるんで良さそうだとぱっと見ると思いますけれども、具体的に見ると利用者がないということで、この高齢期雇用就業支援コーナーは全廃を指示をして今はなくしたわけでございますけれども、これについて、特別会計ということもあって目が届かないということはあってはならないので、徹底的に見直しを続けるということをしてまいります。
#10
○吉川沙織君 若年者雇用対策事業において、いろんな指標が用いられてその政策効果が測られています。
 例えば、就職率、就職率等、就労率、就職等進路決定者、就職者数、常用雇用移行率、常用就職者数などとなっており、本当に常用雇用に移ったのか、期間の定めのない雇用に移ったのか、正社員になったのか分からずに、政策の効果が非常に測りにくい状況があると考えております。
 これに関しましては、昨年の決算委員会で、若年者雇用対策事業に係る政策を測る目標として、正社員になったかどうか、若しくは常用雇用になったかどうかで目標の達成率を測ることは検討に値するとの御答弁を舛添前大臣からいただいておりますが、その必要についての認識と現在の検討の有無の状況について厚労大臣にお伺いいたします。
#11
○国務大臣(長妻昭君) これについても、統計について、私も就任して中を見ると、重複しているものや、あるいはデータの集計をしても発表するまでなぜこんなに長く掛かるんだということで、統計全部の見直しをして一定の短縮等を今実施をさせておりますけれども、今おっしゃられた点については、例えばフリーターについては、今の時点では正規雇用ということに一本化をした統計とさせていただき、フリーター以外の若年者については、常用雇用というのは四か月以上の雇用、正規雇用は期間の定めのない雇用ということで分けさせていただいております。
 そして、政策の評価ということでありますけれども、私も非常に強く感じますのは、厚生労働省の中で特に労働の分野が、一体これだけ税金をつぎ込んでいるのに具体的にどれだけ効果が上がったのかというのが見えないということで、今、若手職員を中心に労働の政策検証チーム、Aチーム、Bチームというのをつくりまして、このAチーム、Bチームの若手職員のグループが全国を回って、自分たちが打った労働政策が具体的にどういう成果を上げているのか、全部その写真も撮ってレポートを定期的に出して定期的な改善をするということで今全国を飛び回っているところです。
#12
○吉川沙織君 今、長妻大臣から御答弁いただきましたとおり、確かに平成十五年辺りから厚生労働省においてどんどんどんどん事業を打っておられて、それが右肩上がりに事業数が増えていったのを今回統合されたと。でも、その政策効果がいまいち分からない。例えば、就労支援という橋をたくさんたくさん造ってもその先に雇用という安定した島がなければ意味をなさないということもございますので、是非取り組んでいただければと思いますし、先ほど引用しましたこの総務省行政評価局の勧告においても、就職率の中には常用雇用以外での派遣やパート、アルバイト等とした数を含めており、事業目標に対して指標とは異なるものをもって評価しているとの指摘もございますので、是非前向きに取り組んでいただければと思っております。
 次に、また政策評価の違う観点からお伺いをさせていただければと思っています。
 先ほど引用しました勧告は今年の一月二十二日に出されたものですが、実は平成二十年十一月二十六日には、政策評価・独立行政法人評価委員会より、政策評価の重要対象分野の評価結果等について答申がなされております。実は、その中の一つに若年者雇用対策が位置付けられており、文部科学省、厚生労働省、経済産業省とそれぞれ事業を持っていますので、横断的に評価がなされておりました。
 その後の各省の取組について各省に御答弁いただければと思っておりますが、まず文部科学大臣にお伺いいたします。
 キャリア教育の効率を把握するための手法等をしっかりやるようにという、そういう指摘がなされておりましたけれども、その後の取組についてお聞かせいただければと思います。
#13
○国務大臣(川端達夫君) 吉川委員にお答えいたします。
 御指摘のように、平成二十年十一月二十六日の総務省の重点政策評価、若年者雇用対策の中で、平成十九年度に文部科学省が実施しました若年者雇用対策に対して、総務省の政策評価・独立行政法人の評価委員会から課題の指摘をいただきました。十一モデル事業がありまして、今おっしゃった分含めていろんな事業、モデル事業をやらせていただきました。その中で、指摘項目としては三つありまして、一つは、その事業によって学力の向上、就業への結び付きなどの効果があったのかどうかを見なさい、調べなさい、もう一つは、事業をやった学校とやらなかった学校との比較検証をしなさい、それから、長期定点観測調査の実施、個人を着目してその人がそういうことをやったときにどういうコースを歩んでいったのかを調べなさい、ということをやるべきではないかという指摘をいただきました。
 そういう中で、今おっしゃいましたキャリア教育とか、それから例えば大学等における社会人の学び直し対策とか、そういうことがいろいろあります。
 その中で、例えばで申し上げますと、大学等における社会人の学び直し対策では、その学びに来た社会人が、受講生ですね、の就職状況を調査をいたしまして、ニート、フリーター対策として復学あるいは再就職等々がどういう経過をたどっているのかというのを今調査をまとめているところでございます。
 また、キャリア教育でお触れになりました高等学校のキャリア教育とかあるいは目指せスペシャリストということに関しては、それぞれの都道府県の教育委員会で実施をいたしましたので、やった学校とやらなかった学校で、何か今いろいろ指標をおっしゃいましたけど、そういう指標等々で違いが出ているのかどうか、効果があったのかどうかをしっかり検証しようということで今取り組んでおります。
 なお、もう一点御指摘をいただいた長期定点観測というのは、これ個人に着目して長く調べるというのはなかなか技術的にも実務的にも困難でありますので、どうしていくかはまだ未着手で検討中でありますが、いろいろ事業をやっても、御指摘のように、本当に効果が出ているのか、あるいはどういうことを、その後に生かす政策になるのかということをしっかり検証するということは大変大事だと思って、引き続きやってまいりたいと思っています。
#14
○吉川沙織君 次に、厚労省の山井政務官にお伺いします。
#15
○大臣政務官(山井和則君) 吉川委員にお答え申し上げます。就職氷河期の世代の代表として非常に重要な御質問をいただき、ありがとうございます。
 総務省からは、二つの点で指摘をされました。一点目は、より多くのフリーター及び三十代後半層の方々への支援サービスの普及、職場定着を促進する効果的な施策の見極め、二点目は、より多くのニートの方々への支援サービスの普及等、課題と指摘をいただきました。
 それに対しまして、答申を受けて厚生労働省としては、フリーター対策については、就職氷河期に正社員になれなかった方々が三十代後半になっておられることを踏まえまして、対象者の拡大として、二十年度までは三十五歳未満であったものを二十年十二月からは四十歳未満というふうに、残念ながら三十五歳を超えてもまだ正社員になれない方が非常に多うございますので、範囲を拡大させていただきました。
 また、ニート等の若者の自立支援についても、今申し上げましたように、年齢層を四十歳未満まで広げるとともに、アウトリーチの強化ということで、高校中退者等に御自宅に訪問する能動的な支援というものを充実しておりまして、二十年度、地域若者サポートステーションによるモデル事業五か所を実施しておりましたのを、二十一年度にはモデル事業二十か所で実施して、二十二年度では高校中退者等に対象を重点化して五十か所で実施をいたしております。
 そのほかにつきましても、雇用情勢を踏まえつつ、必要な支援を提供できるように適切な事業評価に基づく不断の見直しや改善に取り組んでまいりたいと思います。
#16
○吉川沙織君 次に、経済産業省の高橋政務官、お願いします。
#17
○大臣政務官(高橋千秋君) 御質問ありがとうございます。
 ジョブカフェについてだと思うんですけれども、先ほど吉川委員がおっしゃったように、ジョブ何とかというのがたくさんあるんですが、経済産業省の関係ではジョブカフェになります。ここはいわゆるカウンセリングから研修まで一貫してサービスをしておりまして、平成十六年度から十八年度まで三年間モデル事業として実施をいたしました。この間に十五万八千人の方がこのジョブカフェを通じて就職が実現したというふうに聞いているんですけれども、その事業が終わった十九年度におおむね大体一〇%ぐらい就職の率が減ったというふうに報告がありました。
 それで、二十年の十一月二十六日に先ほど御指摘があった答申をいただきまして、この答申の内容は、本事業終了に伴う影響について検証を行い、就職者数等が特に減少した地域への支援の必要性について検討を求めるというそういう答申だったんですけれども、確かにおおむね一〇%減少したんですが、中には、地域によっては三〇%ぐらい減少している、地域差がかなりございます。この検証を経済産業省としてもすぐに行いまして、この必要性というのを、その地域による必要性もありますけれども、必要性を踏まえた取組を更に強化するということで平成二十一年度から新たな事業として実施をしております。
 二十二年度につきましても、現下の雇用情勢大変厳しいので、これを踏まえつつ、効果を検証しながら必要な強化策について引き続き支援を行っていきたいというふうに思っています。
#18
○吉川沙織君 今、文部科学省、厚生労働省、経済産業省それぞれ、若年者雇用対策事業を行っているそれぞれの省庁から取組状況に関して御答弁いただいたわけですが、行政評価を所管する省庁として、この評価結果が出て、その後何らかの追跡調査を行っているのかどうか、総務副大臣にお伺いします。
#19
○副大臣(渡辺周君) 今、各省の大臣並びに政務官からもお話がございました。
 今、これから実態を把握していく予定にしておりますが、総務省では、この行政評価の機能を強化するチームというのを立ち上げまして、とにかく今までは改善を勧告しておしまいだと、そうじゃなくて今度は、どう改善をされたのか、勧告がどう生きたのかということについても当然追跡をこれからしていきまして、できればもうマスコミを通じて世に出すと。それによって、やっぱり納税者の視点や、あるいは社会通念上理解し難いことは許されないんだと、これはやっぱり我々がやるだけではなくて世論にも訴えて、とにかく、先ほどのような百万円を支給するのに百十五万円を掛けると、このお金がもっと若年対策に向けられていたらもっと何人もの人を職に就けることができたんじゃないかと、そういう思いでこれからも不断の追跡調査を行って、追跡も行っていきたいと、そういう決意でございます。
#20
○吉川沙織君 ありがとうございます。
 ジョブカフェ等においても御答弁いただきましたけど、先ほど長妻大臣に質問させていただいたように、このジョブカフェの就職決定者というのは正社員、非正社員を問わない形ですので、是非そこも併せてしっかり検証をいただければと思っています。
 また、先ほどから述べておりますとおり、事業重複の整理、あと関係省庁間の連携が非常に必要だと思いますが、ただ、厚生労働省を起点に各省庁の来年度予算を概観すると、経済産業省にも、もちろん厚労省にもありますけど、ジョブカフェの関連予算、そして文科省にもキャリア教育関連の予算、厚労省にもあります。同様の事業の予算が見受けられております。こうした事業の重複はこれまではやっぱり無駄となっており、これは行政評価、今副大臣からも御答弁いただきましたけど、明らかです。
 雇用対策は、もちろんこれからの日本社会を支える若い世代に対する対策は重要でありますけれども、財源は限られています。年金、医療、介護、福祉と社会保障にも今後数多くの財源が必要となってくることから、せっかく予算付けされているのであれば、それを効果的、効率的に活用していただきたいと考えます。
 厚生労働省においては、文科大臣、経産大臣と連携を密にして、実施する施策に無駄がないよう御尽力いただきたいと思いますが、山井政務官、御所見をお願いします。
#21
○大臣政務官(山井和則君) 吉川委員にお答えを申し上げます。
 先ほどのジョブカフェにおいても、例えば経済産業省は中小企業の人材確保の観点から事業を支援しておりますし、また厚生労働省としては若者の個別の就職支援ということで都道府県の要望に応じてハローワークにジョブカフェを併設するとか、民間団体に委託して就職支援セミナー等を行っております。
 委員おっしゃいますように、私も新卒者支援チーム、今主査となって文科省の高井政務官と一緒にやっておりますが、やはり一人の若者は一人なわけですから、官庁のはざまに落ちて、結局いろんな策をやっているけれども十分に実効性が上がらないということは、過去の反省を踏まえてそういうことがないように連携を密にしていきたいと思っております。
#22
○吉川沙織君 今新卒者支援という観点からも御答弁ありましたので、その対策、厚生労働省を中心に打っている対策についてお伺いしたいと思います。
 平成二十二年度の厚生労働省予算案には、新規学卒者、未就職卒業者等に対する就職支援として五十二億円が計上されており、これに限って言えば前年度比十七億円増となっています。
 この中で、新卒者、未就職卒業者の就職支援を強化するため、ハローワークに就職支援の専門職である高卒・大卒就職ジョブサポーターを九百二十八名配置するとされており、このことについてはこれまでの予算、決算の委員会で大臣も御答弁を何度もされて強調をなさっておられますが、このジョブサポーターについてはどのような立場の方を配置されているのか、また予定どおりの人員が確保されたのかどうか、山井政務官、お伺いします。
#23
○大臣政務官(山井和則君) お答え申し上げます。
 このジョブサポーターにおきましては、緊急雇用対策、二十一年度の二次補正において八十八人増やして六百十八人、また二十二年度の予算では緊急経済対策としてプラス三百十人ということで九百二十八人の予算を付けているところでありますが、三月八日現在では、高卒ジョブサポーターは七百十三人、そして大卒就職ジョブサポーターは百二十九人、合計八百四十二人ということで九〇・七%の配置状況になっておりまして、これらのジョブサポーターには、大学等での就職支援担当や企業の人事労務担当の経験者等、若者の採用、就職活動や雇用に関する問題等について深い関心と理解を有する方になっていただいております。
#24
○吉川沙織君 今、深い理解を有する方という御答弁があったんですけれども、ここはちょっと言わせてください。
 急に増員配置したからかもしれませんが、実は各地のジョブサポーターの求人情報がホームページにいっぱい残っていました。それを見ると、応募要件は高卒以上若しくは不問、資格は普通自動車運転免許となっているものが残念ながら散見をされました。厚生労働省の事業評価書を拝見すると、ジョブサポーターとは、新規学卒者の就職問題について専門的知識を有する民間の者を相談員として活用することとしている、との位置付けとなっております。
 就職支援、橋渡しをする就職支援という重要な任務を担うジョブサポーターであるからこそスペシャリストとしてふさわしい人員の確保に努めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#25
○大臣政務官(山井和則君) 吉川委員、重要な御指摘ありがとうございます。
 昨今、雇用情勢が悪化して多くの方々がハローワークに行かれます。しかし、そのハローワークで適切な就労支援をできる、またその人材を、プロフェッショナルの方を養成していくということも非常に同時に重要になってくると思いますし、その一環として、今御指摘いただきましたジョブサポーターも、やはりそのジョブサポーターによってその新卒者の方の人生が懸かっているわけですから、より専門知識を持ったしっかりと対応できる人を増やすように努力してまいりたいと思います。
#26
○吉川沙織君 是非お願いいたします。
 あともう一個。厚労省主催の就職説明会が随時開催される、これも大臣、御答弁で何度も強調されておりますが、今時点の開催回数、それから参加人数、内定に結び付いた実績をお教えください。
#27
○大臣政務官(山井和則君) 吉川委員にお答えさせていただきます。
 一月、二月では計百五十回全国で開かせていただきまして、これは過去最高の数の新卒者を対象とした就職面接会を開かせていただきました。四千七百の事業所、約二万二千人の学生生徒に参加をいただきました。
 その中で就職決定率は約二割となっておりまして、一月に開催した就職面接会三十七回のうち十四回分の実績を速報として報告申し上げますと、参加された学生生徒数は千四百八十五人で、就職決定人員は二百九十九名、決定率二〇・一%であります。
 三月にも二十三回を予定しておりまして、一人でも多くの就職につなげていきたいと思っております。
#28
○吉川沙織君 ありがとうございます。
 取組自体は本当に大事なことだと思いますし、私自身が学校を卒業するときの三月時点ではこのような取組、残念ながらなされておりませんでしたので、是非積極的にお取り組みいただければと思います。
 そしてまた、今、山井政務官から御答弁いただきましたとおり、内定を得ることができた学生は四月から新しいスタートを切ることができるわけですが、そうでない学生生徒さんにとってはそうではないわけです。そのためにわざわざ留年するケースもあるぐらいです。
 ですから、ここからは、日本の採用、雇用慣行について、就職協定と新卒一括採用の在り方の観点からお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず文部科学大臣にお伺いいたします。
 私は、先ほどから申し上げておりますとおり、今から十二年前の平成十年に就職活動をいたしました。実はその前年に就職協定が廃止をされ、その廃止直後、つまり私の一年上の先輩は協定が廃止直後のときに右往左往しながら就職活動をされたわけです。その翌年に私自身は就職活動をして、もう先輩の時点で早期化の傾向があって、一年違うだけでも更にその早期化の傾向は顕著になりました。
 現在は、早かったら三年次に入った途端就職セミナー等があって実質的な就職活動に入るなどしており、学生が学生の本分たる学業に専念できないような実態がございます。就職協定に代わって倫理憲章というものがあるのは十分に承知いたしておりますが、拘束力を持ってないんじゃないかと思います。
 昨年の委員会においては当時の文科大臣が就職協定復活について前向きな答弁をなさっていますが、川端文部科学大臣の御見解をお伺いします。
#29
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、昭和二十八年から平成八年までは就職協定というのがございました。解禁日は八月一日前後、選考、採用の内定日は十月一日ということでありましたけれども、企業側から、就職協定との実態の乖離、通年採用やインターネットの利用など雇用状況が変化した、規制緩和などの理由に協定を見直したいという申入れがありました。
 大学側と企業が三回にわたり協議を行った結果、最終的に、平成九年度は協定を締結せずに、御指摘にありましたように、大学側は申合せ、企業側は倫理憲章を定めるということで今日に至っております。申合せというのは、学校推薦は七月一日以降しかやらない、正式内定日は十月一日以降、倫理憲章、企業側、日本経団連でございますが、は、正式内定日は十月一日以降というのが一応決められておりまして、その精神は、おっしゃいましたように、秩序ある就職活動を担保することと学生はしっかりと学業に専念できるようにということでありますが、実際は、今、多分大学の三年の春から、資料請求に始まり、秋口から三年いっぱいぐらいまで、今ごろまでは、この倫理憲章や申合せに全く想定をされていない企業説明会への出席という形が行われて、その春から人事面接、そして内々定という概念で運営をされているのが実態でありまして、実際には相当早い時期から、こういう倫理憲章や申合せの対象外であった企業説明会という、広報活動と称しているんですが、への出席ということで学生が相当早い時期から授業に出られないということで、結果的には学業に専念できないから、企業が受け取る学生の質もそれだけ分ディスターブされているという部分では学業に影響を与えているのではないかということ。
 あるいは一部には、この企業倫理は関係ないと、倫理憲章は関係ない、我々はそんなの従うつもりもないというふうな企業があります。そして、いわゆる申し上げました内々定ということ、内々定なんだと、内定は十月一日だけれども内々定をしているだけなんだと。こういう理屈で、実際上は非常に実態が乖離してしまっていて弊害が出ているということで、前大臣の塩谷大臣は三回にわたって企業側に対してもう一度これを何とかしようということの申入れをいただき、協議もしていただいたんですが、昨年の十月から、申合せにない、いわゆる企業の広報活動をできるだけ土曜日、日曜日、休日というのにやってほしいというお願いや、リクルート会社が主催する場合は土日、休日に集中させるということと同時に、倫理憲章、企業の広報活動、いわゆる説明会なんですが、これはその後の選考には影響しないんですよという旨の記載はあるんですが、実態はそういう乖離していることになっていますので、塩谷大臣のときに三回ほど協議をしてもらったんですが、これまでの協議を通じても両者の見解には隔たりが多くて、就職協定をもう一度結び直してということになることが近い時期に復活させることはなかなか難しいのが正直申し上げて現状でありまして、粘り強く、大学の本分である学生が勉強をするということと、それから、しっかり勉強をして社会に役立つ人材になるということが、社会に役立つ就職をすることの作業によって支障を受けているということは本末転倒になっているということ。
 何とかこの部分を工夫をすることはいろんな角度で検討をしているところでありますが、またいろんなお知恵も御示唆をいただければ有り難いと思っています。
#30
○吉川沙織君 今、川端大臣から御答弁いただきましたけれども、一昨年末にはリーマン・ブラザーズが破綻をした後、内定取消しが横行して、参議院から雇用法案、提出をさせていただきました。内々定、内定を持ち続けることによって、急に企業の業績が悪化したことによる内定取消し、そういう事態が横行すると、学生としても二社以上内定を保有し続けて春前に内定辞退なんていうことも考えられますし、最終的には企業にしっぺ返しが来ることも想定されます。
 やっぱり企業の採用活動は四年次の学生を対象とすべきであり、学生や若者がその年齢にふさわしい時間の過ごし方を得るようにするためにも、是非議論だけでも始めていただきたいんですが、川端大臣、いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(川端達夫君) 就職協定の問題と同時に、新卒者が就職するという、私はいろんな議論を、前のもフォローし、また経営側と議論したときに、採用側としては通年で採用するんだと、人材がそういうものだというふうなことの論理がある一方で、実際は新卒者と卒業してしまっているいわゆる就職浪人した部分では非常にハンディが付いてしまうという実態が生じているという部分では、割にある意味で企業の背に腹は代えられないという部分はそれなりに経済環境では分かるんですが、やはり人を自分の人材として活用するということへの基本的な理念というものをもう一度しっかり持っていただきたいなというのが正直なところであります。
 制度とかの部分ではいろんな工夫はあるんですが、実態としてそういうことというのは、やはり私は、その人材が自分の企業にとって必要であるかどうかをしっかり判断して採用できるというのは企業の存亡にかかわっていることでありますから、新卒だからとか早く手を打ったからとかいうことでないことが長い目で見れば企業の存続を問われている一番大事な部分であることは企業も実は分かっていると思うんですね。
 そういう部分で、いろんな観点からの角度で、本当に働く人が一生懸命頑張れる環境をつくる、そしてそのために勉強することが一番いいんだということをつくるのは極めて大事だと思っておりますので、また頑張ってまいりたいというふうに思っております。
#32
○吉川沙織君 実は、昨日、三月八日付けの東京新聞の一面に、伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏が「就活問題」と題したコラムを寄稿されています。経済が低迷している日本の生命線は最大の資産である教育と技術をどう活用するかだ。しかし、三年生から就職活動を始めてしまうと、専門科目の勉強ができるのは実質的にゼロになってしまう。経済界が就活解禁を四年生の夏休み以降で厳守することから始めてみてはどうかという、そういう提言をなさっておりますし、倫理憲章はございますけれども、最新の情報で九百二十四企業、団体しか加盟しておりませんし、何より外資系企業はそれに参画をしておりません。
 ですから、丹羽氏がこういう提言をなさっていることもありますし、昨年の文科大臣の答弁もありますので、是非、川端大臣、そして就職協定、かつては携わっていたのが労働省でございますので、連携をして、是非企業側にも、そして大学側にも働きかけを強めていっていただければと思います。
 そして、日本の雇用慣行として今申し上げた就職協定と、あともう一つ、新卒一括採用がございます。
 日本の雇用慣行では、まだまだ新卒一括採用が一般的である状況と言えます。しかしながら、学校を卒業して社会に出ようとしたときに、日本社会、経済の状況が悪ければ、どんなに働きたいと願い、どんなに働く意欲を持っていても、企業がその門戸を大幅に狭めている若しくは採用凍結をしている、そういう状況があれば、食べていくために職に就けないまま非正規という形で社会に出ざるを得ない状況があります。私自身は運よく正社員として職を得ることができましたけれども、同世代の多くが非正規という働き方で三十代半ばを迎えているような状況にあります。また、正社員として働いたことがない人を一般的な企業はやっぱりなかなか正社員として迎え入れられないというような状況もあります。
 もちろん、政府においては緊急雇用対策で四月就職以外の道を選択の支援として取り組まれていることは存じ上げておりますが、新卒の対象を例えば卒業してから三年程度というふうに広げる措置などを講じる必要もあると考えますが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#33
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられた、その新卒一括採用ということで日本のある意味では慣行として定着をしている部分があるんですけれども、これについては御存じのように雇用対策法というのがございまして、その中で指針を定めて、これをもう周知をして守っていただきたいということをお願いをしているものがございまして、簡単に言いますと、企業が新規卒業予定者の採用枠に既に卒業された方が応募できるように募集条件を設定してくださいということはかねてより指針で呼びかけているところでございますけれども、なかなか進んでいないのも実態でございますが。
 いずれにしましても、一つの施策として新卒者体験雇用事業、新卒者の方を体験的に雇用を受け入れていただくと助成を出す事業なども含めて、この指針が周知されるように、これからもその環境整備に努めていきたいというふうに考えております。
#34
○吉川沙織君 平成十九年当時の総理は新卒一括採用方式を見直すということを所信でも、そしてそれぞれの本会議の決議でもなされております。でも、その後の雇用対策法、今御答弁いただきましたけれども、その中には新卒一括採用を見直すという直接的な文言は残念ながら盛り込まれておりませんし、今体験雇用事業のお話ございました。これ、いったん卒業して就職が決まらなければ体験雇用するわけですが、もしその後、継続して就業できなければ既卒扱いとなって、新卒とはならないわけなんです。ですから、やっぱり三年以上というふうに枠を広げていただきたいんですけど、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#35
○国務大臣(長妻昭君) これについて、企業のある意味では採用の一定の自由度というのも確保することも重要でございますので、そのはざまの中でどういうことができるのか、課題は様々あると思いますけれども、研究はしてみたいと思います。
 そして、やはり卒業した後に職業訓練を、残念なことでありますが、卒業してすぐ仕事に就くということではなくて、卒業して職業訓練、基金訓練というのも今その門戸を広げているところでありますけれども、そこで訓練を受けて、そして本当にすばらしい職能を付けていただいて、そして企業が、本来は採用を控えようと考えていた企業がこの方を目の前にして採用をしてみようと、即戦力として、人件費は掛かるけれどもそれを上回る付加価値がある、自分の企業の立て直しにもむしろ人を雇った方がいいんだ、利益は上がると、こういうふうに確信できるような人材を送り出していくというのも我々の職責だと思っておりますので、そういう職業訓練の分野も基金訓練始め拡充をして補強をしていきたいと考えております。
#36
○吉川沙織君 是非、大臣主導で前向きに取り組んでいただければと思います。
 それでは、財政的観点からお伺いいたします。
 正社員になりたくともなれなかった就職氷河期世代を中心とする若い世代は、本来であればできる消費ができない、若しくは納められる税金が納められないなど、社会全体の経済的損失が生じていると考えますが、国税収入等に与える影響の試算についてあればお伺いいたします。
#37
○国務大臣(菅直人君) フリーター等によって正社員の皆さんよりも給与が低いために税収が下がっているということは十分予想されることなんでありますが、必ずしもフリーター等という定義が定かでないということも含めて、実はこういう試算そのものは行っていないのが現状です。
#38
○吉川沙織君 平成十六年、UFJ総研の試算によれば、平成十三年時点で経済的損失は約一兆二千百億円になるとの試算もございますし、別の試算では、二〇三〇年時点で六兆円の税収ロスという試算もございます。また、私世代が六十五歳になったとき、生活保護試算が予算額累計約十九兆円となる結果も導き出されており、早急な対策が必要であると考えます。
 これはまた地方においても言えることだと思いますが、地方税収入に関する試算はおありでしょうか。
#39
○副大臣(渡辺周君) 先生からこういう質問が今日あるということで、役所の方でも調べました。今、菅財務大臣が答えたように、実はこの厚生労働白書におけるフリーターの定義というものをベースにして探したんですが、実は年齢階層別の統計というのが存在しないということでございまして、まさに個人住民税のどれぐらい減収になっているかということについてはないわけでございます。
 唯一あるのが今委員が御指摘されたようなUFJ総研での試算なんですけれども、ただ、これは御存じのとおり三位一体改革の前に所得税三兆円が住民税に振り替えられる前の数字ですので、正確な試算は実はないというのが現状だと思います。
#40
○吉川沙織君 財務省、総務省それぞれにおいて試算がないとのことでしたが、これから社会保障費も増大することになりますし、税収においても大きな影響を与えることになりますので、是非早急に、政権が交代したわけですから、今後与える影響を加味した形で試算を行っていただければと思っています。
 若年者雇用問題においては、私世代はまだ親御さんと同居しておる、親御さんの下で生活をしているから、まだその問題が余り顕在化されていないというような状況もあります。ただ、この問題を放置し続けますと、今質問させていただいたように税収減にもつながりますし、年金は今納めている世代が先輩方に届く仕組みですから、その社会保障の根幹を揺るがしかねないということにもなりますので、是非、企業に若者を一定程度強制的に雇用してもらう仕組みですとか、あと優遇税制、これ自見議員、先日御指摘なさっていましたけれども、優遇税制を設けることで企業にインセンティブを付与することは一考に値すると考えられます。
 若年層における格差の拡大は、いずれ日本全体の格差を拡大させることになります。何より若者が将来に希望や夢を描けない社会は本当に絶望的でありますので、是非、厚生労働大臣、リーダーシップを発揮して、政治主導で若い世代が明日に夢や希望を持てる社会を現政権においてつくっていかなければならないということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#41
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。喜納昌吉君。
#42
○喜納昌吉君 よろしくお願いします。
 昨年の総選挙、そして今年一月の名護市長選挙では、米海兵隊普天間基地の国外・県外移設を訴えた候補者が当選し、二月二十四日の沖縄県議会では米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書が全会一致で可決されています。さらに、昨日、名護市議会では、キャンプ・シュワブ陸上案に反対する意見書を全会一致で可決しました。
 沖縄の民意は、一貫して国外、県外の移転を求めています。選挙のときは、総理を始め現閣僚の何名かも県外・国外移設を唱えていましたが、このように繰り返し明確に示された沖縄県民の民意との公約を守る決意があるのか、官房長官、外務大臣、防衛大臣、それぞれお答え願います。
#43
○国務大臣(平野博文君) 喜納先生には与党の議員として、また沖縄御出身として、いろんな意味で御協力をいただいていることに感謝を申し上げます。
 今の御質問ですが、それぞれ県議会、それぞれ地方議会の決議ということについては承知をいたしておりまして、その気持ちを十分大切にして対応していかなきゃならないと、こういうふうに思っております。
#44
○国務大臣(岡田克也君) 官房長官と同じであります。
#45
○国務大臣(北澤俊美君) 喜納委員にはうるの会の会長というお立場もあって、度々意見の交換をさせていただいております。そこでもいろいろ申し上げておるわけでありますが、現在のところは、官房長官がただいま申し上げたように、官房長官の下での検討委員会の推移を見守っておるということであります。
#46
○喜納昌吉君 当初の、沖縄県民、それから選挙中の県外、国外というお言葉の公約を尊重しているということであれば非常に我が県民も安心すると思います。今の気持ちを是非しっかり持ってください。よろしくお願いします。
 ただしかし、二月十九日に政府がキャンプ・シュワブ陸上案を米側に非公式に打診していたという報道や情報がありますが、この陸上案打診は事実なのか、官房長官。
#47
○国務大臣(平野博文君) 政府として米国に対して陸上案云々という、そういう報道があったということに対する先生の確認でございますが、そういう事実はございません。
#48
○喜納昌吉君 北澤防衛大臣は、キャンプ・シュワブ陸上案について、基地の中に移転するものだ、かつて楚辺通信所がキャンプ・ハンセンに移ったとき、沖縄で大きな反対運動は起こらなかった、歴史に学ぶものはあるかもしれないと発言しましたが、この発言の真意を教えてください。北澤大臣。
#49
○国務大臣(北澤俊美君) 楚辺の通信所の移転のことだというふうに思いますが、あのときには、そこの町長さんの大変な御努力もあった上ではありますが、一般論として考えれば基地から基地への移転ということがスムーズに行われたというその経過を申し上げた次第であります。
#50
○喜納昌吉君 基地から基地へということと、そういう歴史という物の見方なんですけれども、もし歴史というお言葉を使うならば、沖縄の歴史精神をしっかり踏まえてほしい気持ちがあるんですね。
 たまたま、去年、政権取ったときの年というのは、島津が、島津といいますか薩摩が沖縄を侵略してから四百年の節目なんですね、今年の四月一日までは。だから、やはり沖縄の、今年は特にその沖縄の歴史精神が非常に動いていることがありますから、もし歴史という言葉を使うんならば、歴史に対してしっかり洞察してほしいという気持ちがありますね。
 キャンプ・シュワブができた経緯というのは、朝鮮戦争当時、米軍が大慌てで地元住民から土地を奪ったという、奪って建設したという歴史があるんですね。ここに問題の根源があるんですね。もし歴史に学ぶというならば、このような史実に学んでほしいという気持ちがありますけれども、どうですか、北澤大臣。
#51
○国務大臣(北澤俊美君) 歴史という言葉をどういうふうに定義するかという問題もあろうかと思いますが、私が申し上げた歴史というのは、沖縄の皆さん方が沖縄の地に新しい基地を造らないという強い決心を持っておられる中で一つの事例として申し上げたということであります。
#52
○喜納昌吉君 一つの事例というのがどのポイントを触っていたのかちょっと考えますけれども。
 北澤防衛大臣は、建設業出身の下地幹郎衆議院議員のパーティーで、普天間代替案は下地氏に下地を作っていただき、シモジとシタジで面白いなと思ったんですけれども、大体その方向で進んでいると発言しましたね。
 平野官房長官は防衛大臣に移設先の検討を指示していましたが、そのような背景の事実があって沖縄県内移設を容認したと受け止められても仕方がないと思いますけれども、どう思いますか、北澤大臣。
#53
○国務大臣(北澤俊美君) 御案内のように、検討委員会で今検討されておりますから、私の立場で予断を与えるようなことは申し上げるべきでないというのは基本的な考え方でありまして、そこで下地さんのパーティーに招かれてごあいさつを申し上げましたが、通例、政治家のパーティーというのは、御案内のとおりだと思いますが、下地さんがかなり活発に、沖縄出身ではありながら様々な提案をされておるというその努力に敬意を表するという意味で、シタジなんという駄じゃれは余り受けたわけではないんでありますが、そんな文脈の中で申し上げたというふうに御理解をいただきたいと思います。
#54
○喜納昌吉君 私は最初、これシタジと言ったけれども、下地空港なのかなと思ったんですけれども。もしあれだったらキャンプ・シュワブは下地空港に行くんではないかと私は思っているんです、本当はね。彼は宮古の出身ですから、かなり、彼は土木業者の人ですからね。土木業、土木ね、彼の家系というのは、ファミリーというのは土木業をやっているんですね、土木業。大米というね。(発言する者あり)
 だから、利権誘導と今おっしゃったんですけれども、そう思われないためにも、民主党にも、私、下地幹郎よりも活発に動いている喜納昌吉がいますから。民主党にも私や他の沖縄出身の国会議員がいるんですね。与党の一部とはいえ、なぜ国民新党の議員に極めて重要な政策の話をしたり判断を促すようなことをするのかね。党内の私たち沖縄出身議員は非常に寂しい思いしているんですけれども、どう思いますか。
#55
○国務大臣(北澤俊美君) 総理始め閣僚を挙げて沖縄の皆さん方の気持ちを大切にしていくということで現在検討を進めているわけでありまして、沖縄の皆さん方のお気持ちを第一に考えるという基本的な姿勢は変わりありません。
#56
○喜納昌吉君 自民党の方の応援もらって非常に、心が訳が分からない方向に今回転しているんですけれども。
 実際は、何というんですかね、沖縄の基地問題というのは、自公政権が最後に駆け込んで閣議決定であるものをグアム協定に切り替えている歴史があるんですよ、そこにはね。だから、沖縄を売ってしまったというこの歴史的事実を自公政権は持っているんですね。そのカードを持たされて苦労していることを私は、鳩山総理大臣は非常に私は物すごいカードを持たされて苦労しているんだなということは分かるんですけれどもね。この辺も少し、是非舛添さんも早く自民党から離脱して新政権をつくって我が民主党と協力するぐらいの気持ちをお持ちくださいね。
 次に、前原大臣に泡瀬干潟の埋立事業について質問します。
 泡瀬埋立事業は、二〇〇九年十月、福岡高裁で事業の合理性がなく公金の支出の差止めが命じられましたが、今後どのような方針で臨むのか、よろしくお願いします。
#57
○国務大臣(前原誠司君) 沖縄北方担当大臣として答弁をいたします。
 泡瀬干潟の第一期の工事については、今委員が御指摘のように高裁で公金差止めの判決が下されたところでありまして、それを受けて、今沖縄県と沖縄市が中身の見直しを行っておられるところでございまして、三月中に東門沖縄市長が私に新たな案というものをお出しをいただくということで、さきおとつい、沖縄に行ったときに、沖縄市に伺ったときにお話をされておりました。私としては、その中身の経済合理性、需要予測というものをしっかりやる中でいい案を出していただきたいと、そのようにお話をいたしました。
#58
○喜納昌吉君 沖縄の埋立事業はほとんど計画倒れの実態のないもので、土地がほとんど塩漬けのまま残っているんですね。政府方針の無駄な公共事業の削減という公約から見ても、事業を続ける意味は見出せないんですね。泡瀬干潟埋立てが継続されるということは、土木事業の利権でしかないような感じがするんですね。私は、CO2の二五%削減という政府方針に逆行するという愚かな工事だと思うんですけれども。それから、その背景を見ても、ほとんど利権集団なんですね。私はこの辺で前原大臣が悩む必要はないと思うんですけれども、どう思われます、前原大臣。
#59
○国務大臣(前原誠司君) 背景について私は存じ上げませんが、東門沖縄市長から、沖縄県とちゃんと相談をして、そしてそれが市民にも県民にも納得をしていただけるような経済合理性とそして需要予測、そういうものに基づいたものを出していただくようにということをお願いをしております。
#60
○喜納昌吉君 私が心配していることは、前原大臣は先週、沖縄の東門沖縄市長と十五分間密談したとうわさが流れているんですね。まさか事業継続を示し合わせているのではないかといううわさが蔓延しているんです、これは。だから、やはり八ツ場ダムの件ではあるまいし、この辺はどう考えても経済的合理性というのは見出せないんだから、しっかり私はこの辺はばしっとやってほしいんですね。これはどう思いますか。
#61
○国務大臣(前原誠司君) 密談と言われても、たくさん人がおられましたので、それが密談と言うんだったら集団密談かもしれませんが、お話をしたのは事実でございますけれども、別に私は事業継続というものを言質を与えたわけではありません。私がこの担当になったときに、泡瀬干潟については一期中断、二期中止、その方針を打ち出したわけでありまして、コンクリートから人へということについても、この泡瀬干潟についても私からお願いをしたところでございます。
#62
○喜納昌吉君 集団密談、身内密談というのもありますから、よく注意しないといけないと思うんですね。
 自民党政権は、国民の税金を利権構造のやみの中に流し込むことで政官財の癒着構造をつくり上げ、腐敗してきたと思うんですね。にもかかわらず、事業の継続を検討することになれば、自民党政権と同じように税金を利権構造に流し込むことになると思われても仕方がないと私は思うのですね、今の状態では。泡瀬干潟の話は是非英断を下して、コンクリートから人へというのもちょっとこれは言葉が足りないですけれどもね、コンクリートへ人間性を取り戻すということでどうですか。
#63
○国務大臣(前原誠司君) いずれにいたしましても、三月中に東門沖縄市長さんが計画案を出されるということでありますので、その経済合理性、そして需要予測、そういったものをしっかりと見せていただいて判断をしたいと考えております。
#64
○委員長(簗瀬進君) 喜納昌吉君。挙手をお願いします。
#65
○喜納昌吉君 次は、ごめんなさい、次は国交大臣としての前原さんに聞きます。
 沖縄は振興計画によって復帰後から多額の予算が投下されてきましたが、失業率は全国一で県民所得は最下位なんですね。現在も、北大東島の港湾整備、伊良部大橋、石垣空港の建設、那覇港大型バースと那覇空港を結ぶ海底トンネルの建設、那覇空港の平行滑走路の建設など、たくさんの公共工事が進行しているんですね。しかし、県民所得は一向に上がらないんです。その理由は何だと思いますか。
#66
○国務大臣(前原誠司君) 必要なインフラ整備というのはやっていかなくてはいけませんが、私は、今委員が御指摘をされた点というのは傾聴に値する点だと思っております。つまりは、公共事業中心の沖縄振興であってはやはり持続的なものではないだろうと思っておりますし、観光にしても、あるいはこの間、IT津梁パークというところにも行ってまいりました、うるま市のIT津梁パーク。そういった持続可能な雇用の受皿があって、そして沖縄の経済を引っ張っていく産業をどのように育てていくのかという観点がなければ、幾ら公共投資をやっても沖縄の経済は伸びないということだと思いますので、今議員のおっしゃった点というのは私は大事な観点だと思っております。
#67
○喜納昌吉君 沖縄には国の出先機関である総合事務局があるんですね。これは典型的な二重行政で、沖縄の予算は県庁と総合事務局と沖縄防衛局に分けられて計上されてくるんですね。今後これを公約どおり行政の一元化を図り、ひも付き補助金をなくし、一括交付金として県庁に計上する意思があるのか、前原大臣。
#68
○国務大臣(前原誠司君) これは分権の議論の中で出先機関、地方のそういった部署、これをどう統合していくのかということは、分権の計画の担当である総務大臣と相談しながら着実に進めていきたいと考えております。
#69
○喜納昌吉君 飯代は、何というんですかね、県庁が予算を取り、おかず代は総合事務局が取り、お酒代は防衛局が取っているという、それはだれだってお酒飲みたいよね、考えてみたらね。おかずの方食べたくない、飯代というのは余り当たり前で感謝がないという。そのような予算の配分をすると沖縄の人たちは幾らでもコントロールできるという、そういう政策がずっと自公政権のときに行われてきたことをやはり改めるぐらいの気持ちを持ってほしいですね、よろしくお願いします。(発言する者あり)続けているという。というのは自公政権は認めているということですかね。
 政府は一月二十九日に沖縄連絡室を設置し、平野官房長官が二月十九日に沖縄を訪れ、沖縄連絡分室を視察しました。政府が沖縄連絡室を設置した目的は何ですか、平野官房長官。
#70
○国務大臣(平野博文君) 喜納先生にお答えをいたします。
 私が、一月の八、九、十だったと思いますが、二日間、沖縄を訪問いたしました。そのときに知事との会談をさせていただきました。これは密室ではございません、オープンでやりました。そのときに、知事から、官邸が非常に遠くなったと、官邸に情報が十分に入らなくなったと、こういうお話をちょうだいをいたしたものですから、これは官邸としても、やっぱり沖縄県のあるいは県民の皆さんの生活第一と言っているわけでありますから状況を把握をしたいと、こういうことで私は何らかの対応をしなければならないと、こういう判断の下に連絡室を設置をいたしたところでございます。
#71
○喜納昌吉君 この前の県議会の委員会で我が県議の仲間がそのことを聞いたら、知事は自分からそんなことを言ったことはないと言っていますね。これは今度帰ったら私は知事に申し上げてみます、これ。確かめますのでよろしくお願いします。
 民主党は国の出先機関の廃止を訴え、原口大臣は沖縄総合事務局の廃止を明言しています。沖縄連絡室の設置は民主党の地域主権の方針に反していると思いますが、官房長官、もう一度。
#72
○国務大臣(平野博文君) お答えをいたします。
 先ほど前原大臣がお話に一部触れておられましたけれども、地方主権、分権の対応の検討が私どもの考え方でございますが、私の今回連絡室を設置したということは、決してその考え方に逆行するものではございません。
#73
○喜納昌吉君 分かりました。それじゃ、これはひとつ官房長官の沖縄に対する愛情と思って私は受け入れておきます。(発言する者あり)愛ほど怖いものはないという。
 前原大臣は、キャンプ・シュワブ陸上案が取りざたされた直後、三月六日に沖縄を訪れたときに、県外、県内を問わず、新たに普天間の施設を受け入れたところには何らかの支援を政府全体としてやっていくことが大切だと述べ、移設先の自治体に特別の振興策を実施する方針を明らかにしました。
 移設先が決まらないうちに振興策について明言するのは、今までのあめとむちの政策と変わらず、沖縄県民に不安と期待を与えると思いますが、これらの発言の趣旨を聞かせてください、前原大臣。
#74
○国務大臣(前原誠司君) この趣旨は、自公政権のときには振興政策とそして基地問題はリンクをさせて、そして協力をしたところに何十%、何十%という、まさに査定をして予算を付けていたというやり方は我々は取らないということを申し上げているわけであります。
 したがいまして、県内、県外を問わず、振興計画、例えば沖縄振興計画につきましては二〇一一年で切れます。それについては、その後のことも踏まえて今レビューをしているところでございますけれども、そういった問題は基地の問題とは関係なくやらせていただくと。ただし、そういった日本全体の安全保障を考えて受け入れてくださったところには何らかの支援があってもいいんではないかということを申し上げたわけで、それは沖縄県内県外を問わずそういった姿勢で臨むべきだという考えを示したものでございます。
#75
○喜納昌吉君 私は前原大臣によく注意してほしいのは、前原大臣は沖縄担当大臣もなさっていますから、沖縄の図面をかく権利と国交省からお金を出す権利を持っているんですね。非常に私としてはよく注意して見なくちゃいけないなと思っているんですけれどもね。
 世界で最も危険と言われている普天間基地をアメリカは返還することを決めたのに、政府は返還後も跡地を国で管理することを検討していると言っていますね。これは沖縄県民に対する非常にブラフに聞こえるんですね。その反対側ではブラフが来て、反対側ではこういう予算の話が出てくると、非常にこれは沖縄の分裂を起こしてしまうなという。よろしくお願いします。
 これをもう一度、防衛大臣、この辺どうですか。
#76
○国務大臣(北澤俊美君) 今、前原大臣も御答弁をされましたけれども、従来の基地に対する政府の手当てというものが必ずしも地域の皆さん方に受け入れられたというふうには私も理解をしておりません。したがって、新しい政権とすれば、総合的な判断の中でやるべきであって、基地を何がしかの移動をするというようなときに、取って付けたような施策をするべきではないというふうに考えております。
#77
○喜納昌吉君 今日の新聞を見ると、シュワブ陸上案に調整とかあって非常に困っているんですけれどもね。元々、社民党を外して国民新党と民主党だけで決めたのかなと思ったりしたりするんですよね、元々最初から。それは愚痴として片付けますけれども。
 沖縄は日米安保マフィアの最後の草刈り場と言われています。現閣僚はそのようなゲームの中に引きずり込まれていることはないですか。岡田大臣、よろしく。
#78
○委員長(簗瀬進君) 大臣、どなたですか。
#79
○喜納昌吉君 岡田大臣です。
#80
○委員長(簗瀬進君) 若干聞き取れなかったようなので、もう一度、ゆっくりと。
#81
○喜納昌吉君 聞こえなかったですか。
 沖縄は日米安保マフィアの最後の草刈り場と言われています。現閣僚はそのようなゲームの中に引きずり込まれていることはないのか、岡田大臣、よろしくお願いします。
#82
○国務大臣(岡田克也君) 委員御質問の意味が必ずしも明確ではないというふうに思います。もう少しおっしゃっていただいた方が質問に答えられると思いますが。
#83
○喜納昌吉君 これは、たくさんありますけれどもね。
 岡田大臣は、最初はアフガンと普天間をパッケージという形で五十億ドルを拠出したということがありますけれども、私たちはその時点で、何というのかな、沖縄の普天間問題は終わったと思ったんですけれども、この辺はどうですか。
#84
○国務大臣(岡田克也君) ちょっと御質問の趣旨がよく分からないんですが、普天間問題が終わったということですか。ちょっとよく質問の趣旨が分かりませんので、もう一度おっしゃっていただきたいと思います。
#85
○喜納昌吉君 岡田大臣は五十億ドルをパキスタンに、五十億ドルを出したという話があったんですけれども、そのときには、普天間問題はそのときに僕は決着付いたのかと思ったんですけれども、まあいいです、分かりました。
 二〇〇九年に締結されたグアム協定で日本は経費総額の約六割に当たる六十億九千万ドルを負担する約束をしました。しかし、グアム新基地建設に掛かる費用は膨らみ始め、米議会の調査機関である米行政監察院は、総費用は当初見積りの百二億ドルを大幅に上回り、百五十億ドルほどになりそうだと予測しています。政府は米側からグアム移転費の追加負担を要請された場合、どのような対応をしますか、岡田外務大臣。
#86
○国務大臣(岡田克也君) 済みません、ちょっと意味がよく分かりませんので。
#87
○委員長(簗瀬進君) 若干早口なので、ゆっくりと御質問ください。
#88
○喜納昌吉君 自民党政権のときも、私の発音が悪くて、わざと聞けるけど聞けないふりをする自民党もいましたから。
 やはり、ちょっとこのぐらいの、外務大臣ですから、そのぐらいのことは勉強していると思うんですよ。ちゃんと早口でも分かっていてほしいと思いますよ、僕は。たまに腹が立つときがある。(発言する者あり)外野は抜きにして。
 もう一回言いますよ、ゆっくり。
 二〇〇九年に締結されたグアム協定で日本はその経費総額の約六割に当たる六十億九千万ドルを負担する約束をしました。いいですか。しかし、グアム新基地建設に掛かる費用は膨らみ始め、米議会の調査機関である米行政監察院は、総費用は当初見積りの百二億ドルを大幅に上回り、百五十億ドルほどになりそうだと予測しています。
 政府は、米側からグアム移転費の追加負担を要請された場合、どのような対応をしますか。岡田大臣、よろしくお願いします。
#89
○国務大臣(北澤俊美君) 多分、米側の試算で増えてくるだろうと、そうしたら比率的に日本も増やすのかと、こういう御質問かというふうに思います。米側との間でそういう通告もないし要請も今のところありませんので、それについてお答えする立場にはないというふうに。
#90
○喜納昌吉君 だから、そうなったときはどうしますかと言っているんです、私は。まあいいでしょう。
 菅大臣に聞きます。
 日本は二〇〇九年に入って米国債を千億ドル以上買い増しています。中国が米国債の残高を減らす中、大量増発された米国債を買い支える構図が強まっています。米国債の買い増しは米国の要望があったからですか。菅財務大臣。
#91
○国務大臣(菅直人君) 特に通告をいただいていなかったので準備をしておりませんが、今アメリカの国債を一時的には日本よりも中国がより多く所有すると、最近また逆転したりしているようですが、そういう状況だと思います。そういう中で、これは米中間の相談の上で買っているというよりも、基本的には中国は中国として自主的な判断で外貨の運用をしていると思っておりますので、今の御質問は必ずしも私に来るという予測をしなかったものですからあれですが、今申し上げたように、必ずしもそういう要請があったからということではないんではないかと思います。
#92
○喜納昌吉君 分かりました。
 それじゃ、もうちょっと時間をかなりロスしたことで計画が狂ってしまいましたのでね。昨年十一月七日に読谷村で起きた米兵によるひき逃げ事件について質問します。
 岡田大臣は十一月、沖縄を訪問した際、うるの会との懇談の席で、読谷のひき逃げ事件で犯人が出頭を拒否していることは日米地位協定上の問題ではないと発言したんですね。これは私らとの対話ですから覚えていると思います。犯人は事件直後出頭を拒否し、死亡事故が起きているにもかかわらず、犯人の取調べすらできない異常な事態が続いております。
 犯人が出頭を拒否した理由に、日本の警察の取調べに弁護士の立会いが認められないこと、取調べが可視化されていないこと、代用監獄問題があることを挙げています。国連人権規約委員会も、取調べ中の弁護人立会いとすべての取調べの録音、録画と刑事裁判における記録の公開が確実に行われるよう日本政府に勧告しています。皮肉にも、可視化されていないゆえに、国連人権規約委員会の勧告によって犯人の米兵の人権は守られ、被害者の沖縄県民の人権がじゅうりんされている現実があります。
 米兵が起こす事故の被害者の人権問題を解決するためにも、一刻も早く取調べの可視化を実現すべきだと私は思います。今日は千葉法務大臣がいないので、官房長官、よろしくお願いします。
#93
○委員長(簗瀬進君) 可視化について。平野博文内閣官房長官。
#94
○国務大臣(平野博文君) 喜納先生の御質問、よく聞いておりました。沖縄の事件、事故等々におきましての犯罪の捜査等々におきましても大変な、県民の皆さんから見れば非常に感情的にもよく分かる気がいたします。これについては今、政府として慎重に検討いたしているところでございます。
 済みません、主語を飛ばしました。可視化の問題について今政府で検討をいたしているところでございます。
#95
○喜納昌吉君 それじゃ、早めに可視化を法案出して、しっかりこの国を明るい国にしましょう。よろしくお願いします。
#96
○委員長(簗瀬進君) 以上で吉川沙織君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#97
○委員長(簗瀬進君) 次に、草川昭三君の質疑を行います。草川昭三君。
#98
○草川昭三君 公明党の草川昭三でございます。
 今日は、実は官房長官に集中的にお話をお伺いしたいということで、記者会見等々の時間を避けるために、本来の質問順位があるわけでございますが、自民党の皆さんのお許しを得て、前に私させていただきたいと思いますし、その質問順位を御了解を受けました各派の皆様方にも御礼をまず申し上げたいと思うわけであります。
 それで、官房長官に内閣官房報償費及び外務省の報償費など、いわゆる機密費についての平野官房長官の対応を質問したいと思うんです。
 まず第一に、外務省の報償費に対する長官の対応でございますが、いかがなものでございますか。
#99
○国務大臣(平野博文君) 草川先生にお答えをいたします。
 私、過去の経緯等々についてはよく承知をいたしておりませんが、質問主意書をちょうだいをいたしまして、過去にはそういうことがあったということが、外務省の方からそういうお考えがあるということをお聞きをいたしたというのが私の今の状況でございます。
#100
○草川昭三君 昨年の十月の二十九日に衆議院の鈴木宗男外務委員長が、外務省の報償費に対する鳩山由紀夫内閣総理大臣に対する質問主意書を提出されておみえになります。当時、この取扱いに関して平野官房長官は鈴木宗男委員長に電話をされたことがございますかどうか、お伺いします。
#101
○国務大臣(平野博文君) 電話したことは事実でございます。
#102
○草川昭三君 電話をされたことを認められたわけでございますが、じゃ、どういうやり取りがあったのか、お伺いしたいと思います。
#103
○国務大臣(平野博文君) お答えをいたします。
 その意味合いは、同じような趣旨の質問主意書が、まだ一本目が終わっていない中で同じような趣旨の主意書が出てきたものですから、それを取り下げていただきたい、こういうことを申し上げたところでございます。
#104
○草川昭三君 そのことの是非については今から申し上げたいと思うんでございますが、要するに質問主意書を取り下げてくれということを言われた、こういうように理解していいわけですね。
#105
○国務大臣(平野博文君) 答弁の期限というのは、先生も御案内のとおりよく承知されておりますが、延期をお願いするところもございます。そういう状況の中で、延期をして答弁を作成をしている、まだ確認をやっている最中にお尋ねの二本目の主意書が出てきたと、こういうことで、そういう趣旨を電話で申し上げたと、こういうことでございます。
#106
○草川昭三君 月刊誌に「新潮45」というのがあるんです。これ、今年の二〇一〇年の三月号の百五十ページを見ますと、鈴木委員長が官房長官から、今御答弁がありました質問主意書を取り下げてくれという電話を受けたという内容が鈴木宗男委員長自身の発言として紹介されております。ちょっとそこだけ読みます。「鈴木「平野官房長官から「機密費の上納について明らかにするわけにはいかない。質問主意書を撤回してくれ」という電話があったので、従わざるを得なかった」」とここに書かれているわけですが、これは事実ですか。
#107
○国務大臣(平野博文君) そういう趣旨で電話をしたと私は記憶をいたしておりません。
#108
○草川昭三君 その趣旨ではないという否定をされたわけでございますが、実は私はこの質問をする前に鈴木委員長に御連絡をしました。それで、この本は事実ですか、こういうお尋ねをしたら、そのとおりだと、こういうことをはっきりと私は言われたからこれを取り上げているわけでございまして、単なる雑誌を見て質問をしておるわけではありません。そのことを明確にしておきたいと思うんです。
 それで、そのような趣旨を私が受けて質問をしているわけでございますが、あえて答弁の変更はございませんか。
#109
○国務大臣(平野博文君) 先ほど申し上げましたように、そういう意図で言ったわけでございません。
 ただ、お尋ねの官房機密費と言われたのか官房報償費と言われたのか、その言葉は私は定かではございませんが、本来の趣旨はこういう趣旨ですということはあえて申し上げたことはございます。
#110
○草川昭三君 ここで委員長にちょっと私申し上げたいことがあるんですが、行政府が国会議員の質問権に、ダブろうと何であろうと圧力を加えるというように取られることは、私は重大な不当介入だと思うんです。このことは、別に院が変わろうと、あるいはその中身がどうあろうと、とにかく我々に与えられた質問権というのをやめてくれということを行政府の番頭というべき官房長官が言うというのはいかがなものかと思うんですが。しかも、私は発言をされた方の真意を聞いてこの質問をしておるわけですが。
 これは少し、委員長、こういうことがどんどん続くということは、私は今後の国会運営にとっても、また鳩山内閣の将来のことについても問題があると思うんですが、委員長、是非私のこの問題は取り上げてもらいたいと思うんです。
#111
○委員長(簗瀬進君) ただいまの草川君の申入れについては、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。
#112
○国務大臣(平野博文君) 先生、誤解あったらいけませんが、圧力を掛けたとかそんなことでは全くございません。これはお互いに質問主意書提出者が御了解をいただければ私は可能なケースはあると思っておりますので、決してそういう圧力を掛けたり云々ということは全くございません。
#113
○草川昭三君 質問書を出した鈴木さん自身が圧力を加えられた、こうおっしゃって事実取り下げたんですから、問題は。そういう御発言がなければ取り下げないんですから。その点、どうですか。
#114
○国務大臣(平野博文君) 電話掛けたことも事実でございます。そういう中で、鈴木外務委員長ですが、分かった分かったと、すぐやるわと、こういうことで、私も気持ちよく御了解いただいたというふうに理解をいたしております。
#115
○草川昭三君 圧力でないとおっしゃっても、どんな丁寧な言葉を使われたとしても、官房長官という地位というのは非常に重い地位ですよ。それが質問者に対してこういう形で介入するということ自身が世間一般ではそれを圧力と言うんじゃないんですか。私はそういうように思うんです。
 それで、このことについて、これは押し問答になると思うんでございますけれども、質問主意書を取り下げてくれという依頼は絶対にしていなかったのか、したことは事実なのか、もう一回念を押します。
#116
○国務大臣(平野博文君) こういう経過の趣旨を御理解いただけますならば、取下げをいただきたいと、こういうことは申し上げたと思います。
#117
○草川昭三君 これは押し問答ですから、これは是非議事録に残しておいていただきたい。
 特に、これは将来の問題になりますけれども、私があえて言うまでもございませんけれども、過去の歴史は、官房長官が、議員の質問を、それをやめてほしいというような申出があっただけで、実はそれは院から大変そのときの政権の官房長官はおしかりを受けて、叱責を受けている、あるいはまた、内閣で大変な政治的なダメージを受けて、改造の道すら踏んだことがあるんですよ、というような歴史があるわけですから。
 私は、大変恐縮でございますけれども、これからもまた質問をいたしますが、官房長官の発言というのが非常に信頼性を失っている、国民の皆さんの立場からいうと、ひっかき回しし過ぎているんじゃないかというような私は気持ちがあるんです。
 非常に、そういう意味では、この鈴木さんの質問を中心として大変な不満があるわけでございますが、まだ時間がございますんで、次に移っていきたいと思います。
 それで、麻生内閣から内閣官房報償費の引継ぎの経緯について、じゃ二番目にお伺いをしたいと思います。
 あなたは、官房長官就任前の昨年の九月の上旬に河村前官房長官の宿舎に行ったことがございますか。
#118
○国務大臣(平野博文君) 事実でございます。
#119
○草川昭三君 それは、河村前官房長官からの呼出しを受けて参加をされたのか、お会いになられたのか、あなたの方から行かれたのか、どちらでございますか。
#120
○国務大臣(平野博文君) たしか河村先生からのお招きだったというふうに私は理解をいたしております。
#121
○草川昭三君 平成二十二年二月の二十四日付けの毎日新聞にはこういうことが書いてあるんですね。河村氏は、前の官房長官ですね、昨年九月の初め、官房長官に内定していた平野氏を議員宿舎の自室に招き、ひそかに引き継いだことがあるということが一連の記事がございますが、そのような話をされたんですか。
#122
○国務大臣(平野博文君) まだ私、その当時は内定も何もいたしておりません。親しい間柄でございましたから、政治家個人として河村その当時官房長官の宅に伺ったと。そこの中の政治家同士の話だと、こういうふうに思います。
#123
○草川昭三君 政治家同士の話は結構なんですが、そこで報償費の話が出たんですか。
#124
○国務大臣(平野博文君) 一般的な部分ではあったかもしれませんが、中身についてはよく覚えておりません。
#125
○草川昭三君 非常に重大な引継ぎがあったのではないかと私は思うんでございますが、その新聞記事によると、あなたも知っているだろうが、報償費というものがあるんです、表に出せない金だ、自分の判断で使えばいいとその記事には書いてあるんですが、それは事実ですか。どうでしょう。
#126
○国務大臣(平野博文君) 先生、何回も申し上げますが、私、官房長官になっていないんですからね。そういう議論がかみ合うはずがございません。
#127
○草川昭三君 じゃ、そういうことは否定をされるわけですね。
#128
○国務大臣(平野博文君) 否定をするとか云々ではなくて、政治家個人の、親しい仲での話のことでございますから、ここでお答えすることは避けたいと思います。
#129
○草川昭三君 じゃ、毎日新聞の記事は明らかに事実でないということをお認めになるんですか。
#130
○国務大臣(平野博文君) 毎日新聞の記事については十分見ておりませんが、先生から御指摘されるようなことで私は河村先生と会ったという事実はございません。
#131
○草川昭三君 これも押し問答になりますから、じゃ、ただいまのやり取りも将来の問題として会議録できちっと残して、またそれぞれ勉強をしていきたいと思います。
 じゃ、先に進みます。
 平成二十一年の十一月二十四日に、高市早苗衆議院議員が質問主意書を提出されておみえになります。その中に、平成二十一年九月十七日の記者会見で官房長官が報償費について、そんなものがあるんですか、全く承知していないと発言をしたことに関する設問があります。これに対する答弁書は、この会見同日の段階では、記者会見当日のことを言っているわけですが、官房機密費と内閣官房報償費は別の概念のものであると考えていたと答弁書にはなっています。
 この答弁について確認をしたいと思うのでございますが、当日の記者とのやり取りと答弁書の内容を検証すると、官房長官は、記者が内閣官房報償費という正式な名称を使わないで官房機密費という言い方で質問をしたので、内閣官房報償費のことは聞かれているとは思わず、そんなものがあるんですか、全く承知をしていないと答えたと読み取れますが、そういう理解の仕方でよろしいんですか。
#132
○国務大臣(平野博文君) たしか、河村官房長官と引継ぎ前のときの記者会見で記者さんにそういう質問をされましたことは事実でございます。
 その上で、そのときに機密費という言葉が出てまいりました。そのときには、機密費って何ですかということを確認したことは、記者会見の席上でのやり取りの中では事実でございます。
#133
○草川昭三君 私もそのときのテレビをたまたま見ておりましたから記憶にあるわけでございますけれども、機密費と報償費が同じだと思わなかった、そういう言い方は、そういう答弁は私は詭弁だと思うんですね。それは、私は、少なくとも政治家で長い間官房長官もやっておみえになるわけでございますし、いろいろな秘書も長い間やっておみえになったわけでございますから、さも片一方の言葉を使ったから片一方はそれは何ですかというような私は答えはないと思うんです。
 事実、人間の表情というのは、とぼけた表情と全くごまかす場合の表情というのはもう顔に出るんですよ、これは、人間の顔というのは。私はそのようにテレビを拝見して、うまくとぼけたが、どこまでとぼけるのかなという感じを持ったんです、率直に言って。(発言する者あり)まあ鋭いかどうかは別としてそう思ったんですが、その点はどうなんですか。もう一度念を押します。
#134
○国務大臣(平野博文君) お答えをいたします。
 ふざけたつもりはございませんが、事実、私は報償費という考え方、正式には官房報償費ですかね、という言葉はございましたけれども、機密費という概念で、何か悪いイメージを持つような部分で記者さんから聞かれたものですから、そういうものがあるんですかということを申し上げたというのが事実でございます。
#135
○草川昭三君 それなら、民主党は平成十三年六月十二日に機密費の使用に係る文書の作成、公表等に関する法律案を国会に提出しておみえになるんですよ。機密費の存在を前提としたこの法案提出の賛成者にあなた自身が名を連ねているのではないでしょうか。それでも会見の段階で、機密費なんてあるんですか、知らなかったと言い張るのは、私は通らないと思うんですね。私も賛成してそういうものを明らかにしろという法案を出しているんだということをそのときに堂々とおっしゃればよかったと思うんです。
 私は、少なくとも内閣官房報償費という名前はかねてより承知をしていたとこの答弁書には書いてあるんですが、いつごろから知っておみえになったのか、お答え願いたいと思うんです。
#136
○国務大臣(平野博文君) 私も秘書を何年かやらせていただきましたし、政治家もやらせていただきましたから、そういう名前があると、そういうたぐいの部分があるということは概念的には承知をいたしておりました。
#137
○草川昭三君 いや、だから、概念的に承知をしていたという答弁ですが、私は、それならそれで、今あなたたち政権を取ったんですから、直ちにかつて民主党が提出をしたこの提出案を国会に上程したらどうなんですか。すぐでもやれるんじゃないですか。どうですか。
#138
○国務大臣(平野博文君) かつて民主党で出されたことがあるというこの提案者、いわゆる私は賛同者になっているということでございます。それは事実でございます。
#139
○草川昭三君 それは事実って、国会に提出された案ですから事実ですよ。
 それで、それには赤松大臣、枝野大臣、小沢大臣、岡田大臣、川端大臣、菅副総理、仙谷さん、長妻さん、鳩山総理大臣、原口さん、平野さん、前原さんと、鳩山内閣の十八名の閣僚のうち十二名もいらっしゃるんですよ。衆議院に提出された法案ですから、参議院議員の大臣と当時の民主党以外の政党に所属をしておみえになる閣僚を除くと、すべての閣僚がその法案の提出に賛成しておみえになるんですよ。
 再提出の予定はございますか。
#140
○国務大臣(平野博文君) 確かに野党時代にそういう状況にあったことは事実でございます。今、政府の一員、特に報償費を担当する責任者として、今、報償費の本来の役割、これは何であるかということを慎重に検討し、本当に不適切でないものであれば私は検討したいと。
 加えて、期の半ばでの引継ぎでございました。したがって、当然この予算がお通しをいただいてから新年度に入っていくわけでございますが、その中に、本当にこの報償費、いわゆる必要経費が必要なのかどうかということを私、年度をかけて検証し、公開すべきものがあるのかどうかという、こういうことも含めて検証したいと、このことも会見でも申し上げているところでございます。
#141
○草川昭三君 新しく内閣になられてから、もう既にこれは使っておみえになるんですか。
#142
○国務大臣(平野博文君) 私は適切に判断をし、対応しております。
#143
○草川昭三君 それは、そういうことは使っていると認識してもいいんですか。
#144
○国務大臣(平野博文君) 適切に対応しております。
#145
○草川昭三君 委員長、これはちょっと明確に私の質問をお答えになってないから、答えるように言ってください。
#146
○国務大臣(平野博文君) 適切に対応し、処理をいたしております。
#147
○草川昭三君 処理をするということを認められたということは、今後それは記録に残すということですか。
#148
○国務大臣(平野博文君) 私は何回も申し上げておりますが、私の責任においてその目的にたがわないように適切に処理をさせていただいていると、こういうことでございます。
#149
○草川昭三君 もう時間が来ましたので、私は、じゃ、これ以上は、もう議事録にとどめておいて、今後の問題にいたしますが、最後に一言。
 普天間飛行場の問題等々についていろんな御意見がございました。一言だけ私は注文を付けておきますが、大変重要なポジションに官房長官はおみえになります。沖縄で十九万の多くの犠牲者が出たところです。私もこの年齢でございますから、B29の爆撃に大変なひどい目に遭いました。戦争というものは二度と起こしてはならない、当たり前のことでございますが、私は戦争が怖いんですよ。二度とこういうことを日本の国民にさせないためにも、この普天間基地の問題に取り組んでいただきたい。
 だったら、少なくとも最初に沖縄へ行かれたときには、きちっと花束をあの県民の多くの慰霊碑の前にささげられて、そして日本国の代表として霊を慰めるようなことを官房長官はやるべきではないかということを一言申し上げて、終わりたいと思います。
#150
○委員長(簗瀬進君) 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十七分休憩
     ─────・─────
   午後二時十四分開会
#151
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。荒井広幸君。
#152
○荒井広幸君 本会議で休む暇もなく駆け付けていただきまして、誠に御苦労さまです。
 冒頭、官房長官、防衛大臣、そして国民新党の党首として亀井大臣に普天間移設についてお尋ねをいたします。
 まず官房長官、この普天間移設のそもそも論、これは周辺住民の皆さんの安全と騒音、こういったことに対して軽減をしていくということがスタートだったと思いますけれども、そのような認識でよろしいですか。
#153
○国務大臣(平野博文君) 荒井先生おっしゃるとおりでございます。
#154
○荒井広幸君 防衛大臣にお尋ねいたします。
 そうした沖縄の皆さんの負担を取り除く中で移設案、従来案があるわけです。しかし、その場合には安全保障が全体としてきちんと守られる、海兵隊を中心に機能すると、こういったことがもう一方で求められた要件だと思いますが、この点についてはいかがですか。
#155
○国務大臣(北澤俊美君) 荒井委員のおっしゃるとおりであります。
#156
○荒井広幸君 では、亀井党首の国民新党はシュワブの陸上案というものも提出されたと、このように聞いておりますが、提出されたのであれば、どのような内容でそうしたのか、そこをお聞かせいただければと思います。
#157
○国務大臣(亀井静香君) 私どもは、議員御指摘のように、この問題の原点は安全と騒音をどうするかという問題であります。これについては、本来米軍にそれをきっちりとする義務があります。同様に、同盟国である日本もそれが可能となることについてきっちりと協力をしていく義務があると思います。そういう意味で、県外、国外がベストだという立場から我々は取り組んでおりますけれども、それが現実に、努力をしてまいりましたけれども難しいという状況の中で、ベターな案として委員御指摘のあの陸上案というのを党として出しておる状況であります。
#158
○荒井広幸君 今、亀井党首であり大臣は、官房長官、現実的に県外、国外は難しいとなったと、こうおっしゃっているんですが、官房長官、御認識を。
#159
○国務大臣(平野博文君) それぞれの検討委員の皆様方の思いを含めて案をちょうだいをいたしておりますが、私の今の立場でいきますと、ゼロベースで検討しているのが現時点での判断でございます。
#160
○荒井広幸君 では、官房長官にお尋ねいたします。
 周辺の方の安全性を守りつつ、安全保障上の防衛を含めたこの体制が機能できる、ずっと議論がされています。この案を、こういう目的を達成する場合に、仮にシュワブの陸上案ということになれば、海上案と陸上案の違いなんです。しかも、政権公約とは違うわけです、県外、国外。仮にこの陸上案となった場合に、これは政権としても大変な負担といいますか、公約違反をしょうわけです。県民も、沖縄県民、そして国民も大騒ぎしているんです。そういう可能性はないということですか、ゼロということですが。
#161
○国務大臣(平野博文君) 今、亀井大臣がおっしゃられたように、下地検討委員から案としてはそういう案をちょうだいをいたしましたが、それが政府の考え方の案と、こういうふうに決めているわけではございません。
#162
○荒井広幸君 私は、官房長官、提案をいたします、取りまとめの立場として。公約は違ったけれども、仮に陸上案ということになった場合、あるいは違う案もありますけれども、この陸上案をいった場合、陸上案の場合、少なくとも内閣は総辞職をして、それが現行案の次にベターであるならば、やっぱり総辞職をしてそれを受け入れると。
 そして、私はできれば、ならば今度は、今度の案でもいろいろ、五百メーター、千五百メーター、いろんなものを、それでの周辺との問題は出ますし、安全の問題、同時に、いわゆる機銃訓練等ができない。いろんな問題もあるんですよ。だから、現行案が私はいいと思いますが、それでも仮に陸上案だということになった場合には、それはやっぱりきちんと総辞職をして、受け入れて総辞職をすると、こういう腹構えは必要だと思うんですが。総辞職をしても受け入れると、そういうような心構えが必要だと思います。いかがですか。
#163
○国務大臣(平野博文君) 今の先生の御質問に対する答弁、私の立場で判断する立場ではございません。
#164
○荒井広幸君 これはまたいろいろな形でやるので、こういうやり取りが非常に次のステップとして重要なので、残しておきます。
 さて、亀井郵政担当大臣、いよいよ郵政改革ということになりました。大臣とともに、いろいろな思い出もあり、また苦渋も味わってまいりました。それだけに、やられたからやって返すということではない、大臣はそうおっしゃっているわけです。
 まさに、悪いところ、いいところ、小泉郵政改革であったわけですから、直していくと、こういうことなんですが、基本的に今どの程度のところまでこの改革の見直しの法案というのはできているのか、あらかた絵姿を見せていただきたい。そして、今後どういうふうに法律が提出されるのか教えていただきたいと思います。
#165
○国務大臣(亀井静香君) 先日、一応素案を出したわけでありますけれども、それに基づいてまたいろいろと多方面から意見が寄せられております。その検討を含めてこの骨格を、そうですね、来週いっぱいあるいは再来週初めぐらいにかけては最終案を決定をして法律案を決めたいと、このように考えております。
 要は、ユニバーサルサービスを、税金を投入することなくきっちりとこれをやっていく。そうして、この地域社会、国家のためにきっちりと役割を果たしていただく。なお、郵貯あるいは簡保については民業との関係、これを圧迫をしていくことがないような観点からの今検討もいたしております。
#166
○荒井広幸君 亀井大臣の下でやっておりますが、総務大臣、どのような姿勢で臨まれますか。
#167
○国務大臣(原口一博君) 荒井委員にお答えいたします。
 基本姿勢は、郵政事業における国民の権利を保障する。郵政事業というのは極めて公益性の高い、そして地域性も、それから委員がよく御存じのように、郵貯法、簡保法一条にあるように、広くあまねくひとしく貧しき人も簡易保険に入って、そしてその生活を支える、あるいは決済機能を持つと、こういうものでございますので、その権利を保障するという立場で亀井大臣とともに改革を進めてまいる所存でございます。
#168
○荒井広幸君 この郵政改革を見るときには、少なくとも郵政のときの騒ぎがございましたけれども、お金の入りの部分と出の部分、そして同時に、だれが利益を受けるべきなのかと、こう幅広い話が必要なんです。
 そこで、国債の視点から私はこの郵政の見直しというものを見てみたいと思うんです。亀井大臣の方が、いい案があったら野党も言ってくれと、こういうことですから、国会で言うのが最大の我々の務めですので、この場で提案をいたしてまいります。
 まず、国債ですけれども、これは事務方で結構ですけれども、国債というのは今どんどん、百六十兆円になりましたけれども、このまままいりますと、二十五年ぐらいは約百二十兆から百八十兆、二百兆になるかもしれません、ずっと借換債含めて発行するようになると思うんですが、事務方、どのように国債、このままいけば増加してまいりますか、毎年の借換債。
#169
○委員長(簗瀬進君) どなたですか、事務方ということですが。──峰崎直樹財務副大臣。
#170
○副大臣(峰崎直樹君) 事務方と聞きましたので、ちょっと私ではないかなと思っておりました。
 平成二十一年度の要償還額というか、借換債も含めますと大体、これ幾らになるんでしょうか、けたが億ですから、借換債が百三十一兆円ということに現時点では、ごめんなさい、平成二十二年でございますので、けたが間違えていました、借換債が百二兆というところでございまして、これにまた新発債が入ってまいります。そういったことで、大体全部でこれが要償還額的に言うと、これをずっと足しますので、百六十兆余りになるというふうに思っています。
#171
○荒井広幸君 何年続きますか。
#172
○副大臣(峰崎直樹君) これが、これからのずっと要償還額というか借換債を、これ一定の前提条件が置いてあるんですけれども、それでいくと、借換債だけ申し上げますと、二十三年度が百十三兆、二十四年度が百十三兆、二十五年から上がって百十八兆、二十六年が百二十一兆と行って、大体平成三十年度が百三十三兆という、おおよそそんな感じで借換債が増えていくと、こういう状況ですね。
#173
○荒井広幸君 つまり、新規に発行する分を下げていっても、基本的には伸びているんです。ということは、だれが引き受けるかという問題がここであります。
 そこで、改めて三役の方にお尋ねしますが、傾向でいいですよ、預貯金などの預金残高は下がっている傾向にあるのか伸びている傾向にあるのか。
#174
○政府参考人(畑中龍太郎君) お答え申し上げます。
 預金取扱金融機関、すなわち都銀、地銀、信金、信組等でございますが、こういった取扱機関におきます預金残高は、足下の平成二十一年、二〇〇九年十二月末現在で七百三十九兆円ございます。便宜、二十年前の一九九〇年と比較いたしますと百四十四兆円増、また十年前の二〇〇〇年三月末に比べまして九十八兆円の増と相なっております。
#175
○荒井広幸君 これはちょっと見づらい数字なんですけれども、預貯金が目減り傾向なんです。なぜかというと、生活が苦しいということで取崩しをしております。もう一つはどういうことかというと、ポイントですが、二〇一二年問題というのがあるんです。団塊の世代が大量に退職をいたします。今、ある調査によると、六十歳以上の御家庭で六万から七万生活費が足りないので取り崩していくんですね。ということは、預金総額で今大半を国債を銀行等が買っているんです、郵貯を含めて。それを買う余力がなくなるということです。となると、国債の金利上昇リスクというのがぐっと出てきますから日本はクラッシュするおそれが出てくると、こういう大変な問題なんですね。
 ですから、郵政を今制度設計するときに、当面二十五年ぐらい、この間は国債とどう向き合うかという、いわゆる民に金を流すという発想と同時に、いかに国の国債を安定的に消化するかというところに目を向けませんと、日本全体が予算も組めない、福祉もできないということになるんです。
 そういうところにこそ制度設計の根幹を私は置くべきではないかと、このように思っているんですけれども、亀井大臣、これは国債を引き受けろということですが、いかがお考えになりますか。
#176
○国務大臣(亀井静香君) 国債の安定的な引受けの機能を果たしておるわけでありますが、今後ともその役割は私は続いていくと、このように考えております。また、それと同時に、特に地域経済に対して郵貯の金が貢献をしていくという、そうした働きも必要であると、そういう観点も併せて持っておるわけであります。
#177
○荒井広幸君 では、その地域に貢献するということと限度額を撤廃するということ、関係するんでしょうけれども、限度額の撤廃というのはどういうところから来ている考え方でございますか。
#178
○国務大臣(亀井静香君) 限度額を今一千万で抑えておるわけでありますけれども、限度額が現在のままであって郵貯がこれが安定的に今後運営をできるのかと。そういう点について、現在、信金、信組、あるいは第二地銀等々との関係を含めてこれを動かすべきかどうかと、今最終の判断をしておるわけであります。限度額の問題というのは極めて他の金融機関にとっても影響を与える問題でありますので、いろんな角度から検討を加えております。
#179
○荒井広幸君 難しい問題なんですが、結論から申し上げますと、私は、郵貯と簡保は限度額のままにしておいて、むしろ限度額を引き下げるという方向の方が当面二十五年ぐらいはうまく世の中が回っていく、総合的にそういう判断をするべきではないかと、こういうことなんです。
 それはどういうことかといいますと、二〇〇六年にグラミン銀行という、バングラデシュ、ユヌス博士がノーベル平和賞をこれで取ったんです。マイクロファイナンス、お金を困った人に少しずつ貸して自立してもらう。その人たちがみんなこのグラミン銀行の株主になったんです。五人が一組で頑張って返そうと、こういうふうにやるんです。女性が専らこれをやっておりますけれども。遅かったです。小泉さんの民営化する前にこれが世間に、世の中に知れていたら。
 つまり、私はどういうことを言うかというと、民業を圧迫するしないというのは結果論なんです。まず、運用の話から始まりましたけれども、郵貯が民間にできない社会貢献、これをどのようにするかというところからいかなくちゃいけない。それで、亀井大臣、そして総務大臣がおっしゃったように、民間で、例えば保険の場合、提供していない保険を出せばいいんです。
 これ、皆さんはよく御案内のとおりなんですけれども、がんの単品というのはみんなが入りたいけれども、これは全部アメリカです、ほとんど。ところが、これは制度設計も難しいんです。しかもリスクも非常に高い。だから、株を国が持っているという与信、安心はその場合にだけ使える。何に使えるか。さあ、皆さん入ってください。大数の法則で分母が非常に大きくなる。これ三利源、死差、利差、費差というのがありますが、そういう計算上、非常に重要なんです。みんなが入るから本当に困って体が悪い人が入れるリスクを取れる保険を出せるわけです。例えばがん保険。
 そういうところに新商品を発行するべきで、既にやっている民間と同じものを出すなら簡保要らないんです。大臣、私はそう思っているんです。そのために、じゃ限度額を取っ払うことが必要だという、そういうリスクを冒すのか、限度額を取っ払わなくてもできるという方法を見付けるのかなんです。
 ですから、そこが今非常に重要なところですから、私が申し上げたのは、一方でそういう商品を国民、庶民は願っているけれども、今の民間ではできないです。終身保険で我々が五十になりまして入ろうと思ったら、べらぼうに高くて、安い保険金しか出てこないんです。安い保険金でそんなに高くなくてもいいけれども、だれでもが入って安心できるという、こういうものを組み立てたらいいんです。二重構造です。一重構造が、長妻大臣、社会保障制度ですよ。そうやって補完していくという制度設計を郵政はすることなんだと思うんです。
 長妻大臣にお尋ねしたいと思います。この社会保障制度、医療、介護、年金とありますけれども、日本は本当にそうはいってもこういう安心のセーフティーネットはできている方です。それがほつれてきた。助け合いの心がなくなったこともあって、また不正もあったことによって。これ、ほころび繕わなきゃならない。しかし、それだけでみんなが安心できる、人によっても違いますけれども、体制ができると思いますか。長妻大臣が今やっておられる社会保障制度全体のそのほころびを直すことをやっていっても、生活者の人がそれだけで安心できると、そういう十分満たすものであると、そのようにお思いですか。
#180
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられましたように、かつては地域社会や企業が社会保障のある意味では一定の部分をカバーするというような役割を果たしていた部分もあります。今は地縁血縁ということも薄れ、あるいは企業でも終身雇用、年功序列、これが崩れ、非正規雇用の問題もあります。
 そういう個々の方々がある意味ではばらけてくるような時代において、当然、そのきずなを復活させると同時に、やはり社会保障も個人単位で支えていくと、こういうような考え方の下、最低限度の保障、セーフティーネットはもうきちっと張り巡らせるというのが私はまず立て直しの第一歩だということで、厚生労働省内にもナショナルミニマム研究会をつくって、そういう基準をきちっと打ち立てていくと。
 あるいは、相対的貧困率ということで、やはり格差が広がり過ぎるというのも逆に私は経済成長にもマイナスになるというふうに考えておりますので、経済成長と社会保障は両立できるという観点からもこの立て直しというのは重要であるというふうに考えております。
#181
○荒井広幸君 今日は考え方ですから、そういう考え方で、基本的なところということですね。そして個人差もあります。だからこそ、二階建て、三階建ての重層構造の中に自助、共助、公助という仕組みが必要。郵政はまさにその共助を体現しているんです、助け合っているんです。みんなが入るからこそリスクを分散できる。みんなが入るから山奥にもあるんです。その根本をしっかりしなくちゃならないので、私は医療・介護保険の制度は保険制度を支持するんです。税金でやるのは助け合いの気持ちがなくなる。そういう意味で、ここを私は大切にしているんです。そして、その助け合うという気持ちがなければ郵政改革はできません。民営化をすることではなかったが、郵政改革は必要なんです。
 じゃ、どういうことか。これは国債に戻ります。今のような生活者にとってやっぱり基礎的なもの、最低なんですから、自分でも努力して積み立ててみたい、保障をもらいたいという人がいるんです。その人と国債をつなぐんです。志のあるお金の流れをつくっていくということなんです。これが非常に重要なことだというふうに思っています。社会的な目的の貢献を達成するために、必要な人とお金をつないでいく。その志ある人、困っている人のお金をまた困っている人に流していくということです。
 亀井大臣、この視点が重要であって、住宅ローンは決してみんなが望んでいることでないんです。銀行でいえば、お財布として決済をしていく手段なんです。子供に送るとき手数料取ってもらいたくないだけなんです。やっぱり民間は手数料収入が二割から三割なんですよ、安定収入。民営化してから郵貯もどんどん手数料で稼ぐようになってきます。経営者としては、うんと立派だって見せるには一番好都合だからです。しかし、やっぱり送金や決済の手段にそうした手数料は取らない、しかし限度額は低いから民業とはきちんと一線を画してすみ分けができる、こういうことにしていかなくちゃいけない。
 そこで、環境大臣、お尋ねします。
 単なる国債買ったって駄目ですよ、同じ利回りですから。そこに志あるお金のつくりをしないといけない。環境に対しての目的国債です。利息、利回りは安い、リターンは安いけれども、これによって地球環境問題が、こういうお金で使われて、地球温暖化が、CO2が出されなくて済むんです。それを局員さんが一生懸命、局長さんが説明して、国債を引き受けてもらうようにしなきゃいけない。今四兆円しかないんです。四兆円なんですよ、たった、先ほどの総国債の中で個人が直接買っているのは。
 そういう新たな国債で環境対策もしていく、それを郵便局の皆さんが丁寧に説明して、下手な政治家に税金でばらまかれるよりは、自分のがきちんと環境に使われるならば、何兆円、そのうちの私は五千円買いましょう、利息は安いけれども。
 いかがですか。こういう環境国債、目的国債です。
#182
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今、荒井委員がおっしゃっていただいた、志あるいわゆる目的国債の考え方は私も以前からお聞きをしておりまして、大変興味ある検討すべき考え方だなと、こういうふうには思っておるところであります。特に環境問題に関しては、本当にこの地球環境を守るためには自分も自らある程度の負担はしてもいいですよとおっしゃっていただく人たちが大変増えておりまして、そういった意味ではこの分野においては考え得ることもあるのかなと、こう思っております。
 ただ、私の立場を超えてこれは財政当局あるいはまた金融当局の御判断になるわけでありますが、そういった志を持った人たちもいる中で、本当に安定的な消化ができるのかとか、そういったこともあるでありましょうから、それは、私は私なりのまた検討を加えていきたいと思っておりますし、関係各省庁とも連携を取らせていただきたいと、こう思っているところであります。
#183
○荒井広幸君 何か消極的ですよね。私五年間やっているけど、財務省と同じくなりますよ、最後。
 亀井大臣がおっしゃっている無利子非課税国債、意欲はいかがですか、亀井大臣。無利子国債、非課税。
#184
○国務大臣(亀井静香君) 私は、菅大臣もまた総理にも申し上げておりますし、閣内でもいろんな機会で申し上げておるんですが、来年度予算編成一つ取ってみても、財源がないところにこれは、今の経済状況下において経済をちゃんとしていける、デフレギャップから脱出していける予算は、これは組めない。これは、赤ん坊が考えてもとまでは言いませんけれども、決まった話なんです。そうであるとすれば、税収が三十七兆円が一挙に伸びていくという残念ながら期待もないとすれば、残るところは特別会計に思い切って更に切り込んでいくということと、あとは国債発行しかない。だれが考えてもない。
 その場合に、金太郎あめのように前と同じような国債を発行しておるということだけじゃなくて、今委員からいろいろな案もございましたけれども、私は、国債発行についてはもっと知恵を出したらいいということを言っておるんでありまして、それで今、無利子非課税国債もあるし、またこれは、日銀のデフレギャップから脱出することについて、金融緩和ということで努力をしてくれているわけですが、また別なやり方があるんですね。
 これは、日銀が国債を引き受けて、それを菅大臣に渡して、思い切って五十兆なりそれ以上の財源をつくって渡すという方法があるんですね。これは別に超長期の金利を上昇させるとかいうようなそんな影響も出ないわけで、この際、アメリカや中国が思い切って手を打っているとき、日本が財務省の、大臣のことを言っているんじゃないですよ、事務方のちまちました考え方にとらわれないで思い切って財源を考えていくべきだと、こう私は言っております。
#185
○荒井広幸君 菅大臣、やっぱり国債自体を新たに志ある方々に買っていただいて、利息は安いけれども、政治家が信頼されていないんですから、官僚も、その再分配方式に。だから、目的的に使えるというふうなことをしていったら、これ財政上も助かるんですよ。菅大臣、いかがですか。新しい国債を積極的に考えてください。
#186
○国務大臣(菅直人君) 私もこの目的国債という考え方は、荒井委員が熱心におっしゃっているということは間接的には聞いていたんですが、今日初めて直接お話を聞きまして、今までは赤字国債といわゆる建設国債という形で二つの区分だったわけですが、ここにそういう環境なら環境という目的を入れての国債。さらには、それを無利子にする、あるいは、これは相続税ですね、非課税というのは、相続税非課税にすると、そういうものを組み合わせるという一つの提案であります。
 いろんなことを私もいろんな方から聞いて考えて、特に亀井大臣からは余り財務省の言うことなんか聞くなといって毎日のように言われていて、それを含めて検討しております。
 ただ、成り立つのか成り立たないのかというところで、短期、中期、長期ありますので、一つの大変魅力的な提案ではありますけれども、幾つかの問題点の指摘も、もう荒井先生御存じだと思いますが、幾つかの問題点もあるのかなと思っています。
 例えば、目的国債の場合に、環境といっても福祉といっても範囲が非常に広いですから、結果的にそこだけに使うという形で果たして組めるのかなとか、あるいは無利子の場合も相続税との関係で長い目での収支がどうなるのかとか、さらに、今日は提案は入っていませんけれども、例えばの話、短期政府証券とか、さらには先ほどの国債を日銀に買ってもらうとか、もっと激しいのは、政府紙幣を出して償還しなければその分だけ使えるのではないかと、大変魅力的なところはありますけれども、どこまでがやってもいい合理的な政策なのかどうかというところで検討をしっかりとさせていただきたいと、こう思っております。
#187
○荒井広幸君 菅大臣、結局、自民党が否定された理由は幾つもあるかもしれません、しかし四割近い方は自民党と投票したんですよ。
 そういう中で、私が申し上げたいのは、もしかしたら民主党は新しい考え方、新しい手法でやってくれるのかもしれないと期待した人も多いんでしょう。全く変わらないですよ、今までと。変わっていない。長短あるのは当たり前なんですよ。しかし、野党の皆さんからも指摘されてにっちもさっちもいかない状況でしょう、今。来年の予算をつくる、政策を出すにしても。これはやっぱり、それが政治主導、政治家主導ということじゃないんですか。
#188
○国務大臣(菅直人君) 私はかなりいろんな方の話を聞いていますが、全く変わらないというのは、今の話は、お金をどう借りるかという話の中で変わらないではないかという御指摘なら、それはある部分そうです。しかし、どう使うかということにおいては全く変わっているんです。まさにコンクリートから人へということもありますし、私の表現で言えば、公共事業依存の第一の道でも駄目で、そしてデフレ状況の中で効率化さえすればいいという竹中・小泉路線も駄目で、そしてこれからは雇用と需要を拡大するという方向で、まさに介護とか、あるいは場合によったら環境とかという新しい製品を生み出すところには思い切って財政出動もあり得ると、まさにそれが選択と集中だと思っているわけです。
 その財源をどうするか。それは一般的に言えば、借りるか、税金でいただくか、個人で出してもらうかということしか一般的にないわけでありますから、もちろん一部は埋蔵金がありますけれども。その中で、いろいろな形式はありますけれども、借りるということは、利子は場合によったら無利子ということで返さなくてもいいかもしれませんが、元本を返さないでいいという資金は、私が聞いている限り、政府紙幣はそう言う人もありますけれども、一般的にありませんから、果たしてこれ以上借りるという形だけで考えられるのかということで税の議論も含めて始めているわけです。
 ですから、是非、荒井先生に申し上げたいのは、何にも変わっていないんではなくて、一番変わったのは金の使い方が変わっているということですから、是非御理解をいただきたいと思います。
#189
○荒井広幸君 予算ベースで変わったのは五%もないんです。前回の自民党とほとんど変わらないんです。そして、その中で象徴的に変えたと見せるところは、さすが菅先生は上手ですね。
 そして、もう一つ問題点は何かといえば、お金の使い方を変えると、まさにそれなんですよ。先ほどお話があったように、副大臣から、百兆ベースから百十兆ベースに借換債だけだって出てくるんですよ。新規国債発行じゃないんですよ。それをどう手当てするかというところに知恵がないというのは自民党より悪いですよ。
 そして、私は次に申し上げたいのは、今日は余り批判するつもりでなかったんですが、郵政の問題ですからこれ冷静にやらないと、与野党で分かれても意味がないんです。やっぱり国民のためという、全くそういうことなんですね。
 そうすると、制度設計は、三事業一体というのはこれは結構です。しかし、それは結果的に出ることなんです。まずは、民間ではやっぱり先ほど言ったような保険では手が出ない、それから決済でもやっぱり店舗がないから困る、おじいちゃん、おばあちゃんも。そういうような本当に必要なものをどうするかというところから入っていけば、私は決して、大臣、限度額にこだわる必要はないと思います。
 限度額は一千万まで預けている方どれぐらいか御存じですか。三%しかいないんですよ、郵貯の場合。それから、一千万の保障をもらいたいという人はこれは結構いますけれども、それでもそんな多くないんです。ところが、団塊の世代で大量にどんどんとリタイアして、取崩しをして、銀行がどんどん預貯金が縮小してきている。運用先もない、年金には、今言っているけど金利上昇リスクも国は抱える。さあどうするんだと。こんな方程式どこにもないですよ。
 その方程式を解きほぐすならば、原理原則は国民の目線でしょう。だから、国民が必要になって、自分たちが困っているところに手を出してくれるならば、国が株を持っているということを百歩譲ってもいい、民間は百歩譲っても許してくれるはずなんですよ。だから、みんなが入れる。その代わり民間と競うことをやるんじゃないんです。これ、私が言いたいことなんです。
 言ってみれば、脱民営化の理論という思想ということになるだろうと思います。国民すべてが経営者で、国民すべてが株主になるという考え方です。ですから、これは亀井大臣と全く同じなんです。国民に株主にしろと。株を売らなけりゃ国民が株主です。それによって、みんなが入ることによってリスクを分散して、入れない人が入れる保険ができる。そして、銀行もそういう方々から少しずつ、手数料を少しずつもらいながら全国展開できる。それによって郵便も三事業一体総合担務大臣が復活、これはうんといいことです。一人の人間が三つやる、仕切り取っ払って。そして、どこにでも郵便局がある。そういう、結果論としてそこに行くんじゃないかということなんです。
 今のままですと、国の与信を持たせたまま、信用を持たせたままやったら、これ、付け替えになります、預け替えになります。こうなったときに、大臣がおっしゃる協調融資を含めて地方にお金が流れるというのはまだちょっと時間が掛かると思うので、当面は限度額、郵貯、簡保一緒というところでスタートされてはいかがかと僣越ですが御提案申し上げる次第です。
 そして、最後になりますけれども、労働組合のお話は後で質問主意書を出させていただきます。草川先生からもございました。労働組合の透明性がない会計原則にルールをつくったらどうかという、官房長官、そういう提案を出しますから、質問主意書で。出さないでくれなどと後で言わないようにしていただきたい。十一項目、お願いしています。別な予算委員会でこれは舛添筆頭を始め時間をいただいてやりたいというふうに思っております。
 さて、二分の中で、この郵政の話ずっと進んでまいりますとどういうことになるかと。特定局長さん方も店舗を維持するために貢献したいと思っているわけです。しかし、特定局舎の局舎が高いんです。こういったところもやっぱり直していただきたい。
 そこで、枝野大臣、制度設計しているのはいいですよ。郵政全体にも無駄があるかもしれません。その無駄についての仕分というのをやらないで制度設計に行っちゃいますか。いかがですか。
#190
○国務大臣(枝野幸男君) お答えをさせていただきます。
 今、大きな改革を進めていただいているそのプロセスの中で、当然郵政事業、国が関与して行っていくという方向にするわけですから、効率的に無駄のないようにやっていただくという視点で進めていただくと。その中で、行政刷新という立場からどういうふうにかかわっていけるのかと。
 例えば、今形式的には株式会社という形で別会社になっていますので、例えばの話でございますが、郵政会社の方で例えば事業仕分的な手法を使って効率の点をチェックするということなどございましたら、行政刷新会議としてのノウハウを伝授することができます。あるいは、郵政関連のところには様々な公益法人等も関与があるというふうに認識をいたしておりますので、こうした視点については私どもの公益法人の改革の中でもメスを入れていきたいというふうに思っています。
 いずれにしても、全体としての制度の大きな改革と同時にミクロのベースでの効率的なお金の使い方という観点でやっていく、その部分については行政刷新の担当としてもしっかりと進めてまいりたいと思っておりますので、また、もしよろしければ、別途具体的にこうしたことをやったらいいんじゃないかという御提案をいただければ積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#191
○荒井広幸君 ポストが泣いているんです。郵便局が十年、もう本当にもてあそばれました。本当に、民間では手が届かないところをやるという使命感を局長さんも組合の方も働く人も持って、それを到達するための手段として、与信、国が株を持つということです。これを、総務大臣、売っちゃ駄目です、当面。どんなふうになっちゃうか分からない。そして、住宅ローンに出ることはまだ早いと思うんです。もっと違う生きたお金の使い方がある、回し方がある。こういったことを総合的に判断していただきたいと思います。
 じゃ、そうした上で郵便局の郵便はどうするんだ。これ、一番厳しいです。
 長妻大臣、介護保険とかで回って歩きますね。社会福祉協議会も安否、独居老人回りますよ。五十円、百円のはがき、往復はがきを四種割引にして、往復で二十円ぐらいにするんです。亀井大臣、局員さんは時間指定、日にち指定で行きます。菅さん、元気でしたか。入学式がありますから、敬老会、敬老の皆さんに来てもらいたいと言っていたけど、行きますか。じゃ、私が書いておきますからね。じゃ、行くってはい書いて。これ、市役所に行くから。これだけだって百円が二十円でできるんですよ。その人件費考えてください。
 こういう使い方に私たちは目を向けていくべきでありますから、どうぞ、百歩譲って民主党に新しいアイデアと新しい手法と解決策を望んだならば、今の市場原理の中で達成できないもの、リーマンの失敗、バブルの失敗、競争原理の失敗を補ってもう一回頑張っていこうという、セーフティーネットがトランポリンになるような、それは民主党も言っておりますが、私が七年前に公約で言っているやつです。トランポリンになるように、そういう是非郵政の制度設計にしていただきたいと思いますので、どうぞ亀井大臣、山場ですから、本当に国民のためになるものでなければ、我々は、何だったんだ、おまえたちはと言われますので、代表して頑張っていただきたいと思いますので、決意だけお願いします。
#192
○国務大臣(亀井静香君) 先ほど来、さすが荒井委員の御質問だというように、本当に感銘をしながら聞かさせていただいております。
 国営化的な改革をやるつもりはございませんけれども、民でやれないことをどこまでやれるかという大きなポイントが郵政事業にはあると思いますので、しかと受け止めてやってまいります。
#193
○荒井広幸君 終わります。
#194
○委員長(簗瀬進君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#195
○委員長(簗瀬進君) 次に、石井みどり君の質疑を行います。石井みどり君。
#196
○石井みどり君 自由民主党・改革クラブの石井みどりでございます。
 私は、亀井大臣のおひざ元、広島県で三十年余り歯科医師をしてまいりました。多いときは一週間のうち三回ぐらい、保健所事業、一歳半健診、三歳児健診あるいは妊産婦の方々の指導といいますか、もう本当に地域で一生懸命働いてまいりました。
 しかしながら、私どもは自営でございますので、自分の老後のことは自分で手当てをしなくてはいけない。あるいは、地震だ火事だ、あるいは今回でも津波もございましたし、台風、広島も台風で随分な塩害がございました。そういう災害に対しても、自分たちが助け合うというそういう仕組みを歯科医師会が持っております。
 大臣のところにも様々な団体から、そういう保険業法改正による、共済でございますね、いわゆる根拠法のない共済事業に関しての御要望がおありになったんではないかと思いますが。
 十二月二十五日に金融庁より「共済事業の規制のあり方に係る検討について」というのが発表されました。これは具体的にどのようなスケジュールをお考えでございましょうか。
#197
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、今本当にわんさわんさと私の下に悲鳴の声が寄せられております。これはほうっておきません。これは政令等で解決できることではないと私判断をいたしましたので、今国会においてこれ法律としてきっちりといたします。零細なそうした共済、助け合いをやっておられる方々がきっちりと事業継続ができる、やれるような形で今法律を急いで準備をさせておるところでございます。是非、委員からも具体的な、今やっている最中でございますから、こういう点に留意をしてやれというような御意見を具体的に賜れば非常に有り難いと思っています。
#198
○石井みどり君 ありがとうございます。
 実は、公益法人改革のところも進んでおりますので、それを考えますと、本当に今国会に出していただくと一番有り難い。そうでなくても今年中に検討をしていただかないと、公益法人改革に関しては、公益社団を取るのかあるいは一般社団を取るのか、やはり任期がございますので、歯科医師会総会を開いたりして十分な議論をして結論を得なければいけない、そういうタイムラグがございますので、やはり今の大臣のお言葉ですと、今国会中に新たな法案というふうにお答えいただいたと思っておりますが、ただ、その少し方向についてお伺いしたいというふうに思っております。
 このいわゆる無認可共済の保険業に関しましては、幾つか解決策が方向としては考えられるんではないかと思います。例えば、制度共済化のための法整備、これは個別の制度共済法を制定するというやり方。そしてまた、もう一つは、共済事業を行う新法人に共通する一括法を制定する、新たな法を制定するということでございますね。
 それから今度は、保険業法の、これは法の趣旨からいったら後退かなという気がいたしますが、こういう要望も随分出ているんではないかと思いますが、保険業法の適用除外という考え方でございます。これは一つは、政令改正による適用除外、暫定的なこれは一部の改正であります。それから、法律そのもの、保険業法そのものを改正することによって適用除外をつくっていくという、そういう方法もあろうかと思います。それから三番目に、保険業の実施主体に関しての特例規定を整備していくという、新法人が引き続き共済事業を実施できる、これは暫定的なものになろうかと思います。それからもう一つは、新しい保険業の実施主体をつくっていくという、これは恒久処置になろうかと思います。
 そういういろいろな方法が考えられますが、随分、皆さん不安におののいていらっしゃいます。どういう方向をお考えか、少しお聞かせいただければと存じます。
#199
○国務大臣(亀井静香君) 先日、内部での検討会もやりまして、一年間調査期間を置いてくれという話でありましたが、それはもう駄目だと。オレンジ共済のようなああいうことがあってはならぬけれども、私は基本的には性善説でやりなさいと。そして、とにかくお互いに助け合っていっている零細なそれについてもきっちりとやっていける方法でどうしたらいいのか。これ法律でやれということで、先ほども申し上げましたように、今、どういうやり方がいいかということを一生懸命検討しておる最中でございまして、現在、どういう網を掛けていくのか。ただ、一年ぐらいは調査をしないと、大変な数でございますから、実際問題、零細な共済まで入れますと。どこまで網を掛けるのかというようなことについて非常に問題があるというような意見も出るわけでありますが、それはすべてを調査の上でということは無理だと、あとは洞察力で善意のそうした活動をしている方々が活動が継続していけるようなそうした法律にしろということで、そうですね、三月いっぱいには案を作って四月の初めにはこれを提出をできるという方向でいきたいと思っています。
#200
○石井みどり君 大変力強いスケジュールをお聞かせいただいたんですが、昨年の金融庁が出されました通知に基づきますと、その今検討されている方向、ちょっと私も想像するに、さっき申し上げました三番目の方法、実施主体に関する特例規定、ここを想定されているのかなと思ったり、あるいは二月二十五日の大塚内閣府の副大臣の記者会見を拝見しますと、これは新しい共済制度を包括的に対応する法案を検討しているという、そういうことをおっしゃっておられるんですね。そうだとすると、これは制度共済化のための法整備の、共済事業を行う新法人に共通する一括法を制定することを想定されているのかなと思ったり、いろいろと私も考えているんですが、もう少し詳細にお教えいただけますでしょうか。
#201
○国務大臣(亀井静香君) 残念ながら、まだ私自身がこれでいけと指示を出しておる段階ではございません。是非、委員からもこうしてくれというような具体的なお話をいただければ、いいものにしたいと。
 我々としては、もう本当に善意で頑張っておられる方々が継続できないということがあってはならない、一方、出資者が不利益を被られるというようなことがあってもならない、そういう両面からいろんなことを今検討している最中でございますから、今この場で私がこうということを方向を出すわけにはまいりませんが、あらゆる方向を検討して、目的は先ほど言いました一つでありまして、きっちりとしたものを出しますから期待して待っていてください。
#202
○石井みどり君 本当にさすが亀井大臣、非常に力強くお答えいただいて。
 本当に中小の方々のまさに互助組織といいますか、互助制度といいますか、そういうものが大変多うございます。私どもにしましても、私どもが持っております日本歯科医師会がやっている、あるいは都道府県の歯科医師会がやっております自主共済も、先ほど申し上げましたような災害とか、それから火災もそうでございます、それから死亡とか障害を負ってハンディキャップ、今はハンディキャップという言い方は余りしませんが、そういうことに対しての本当に互助制度でございますので、是非、このことは私どもの地域の歯科医療を担っている歯科医師あるいは歯科で働く仲間だけでなく、多くの国民が本当にこのことをかたずをのんで心配をしておりますので、是非大臣にはもうこの解決に向かって更なる御努力をお願いしたいと存じます。
 では、続きまして、先ほど公益法人改革のことを申し上げましたが、私どもも地域で働いておりますと、少し申し上げましたけれども、地域での母子保健、学校保健、あるいは成人保健、本当にボランティアと言ってもいいところを随分、地域の歯科保健はほとんど私ども臨床の最前線でやっている歯科医師が担っているというのが実情であります。
 そうでありますが、例えば地震でいえば、様々地震がございましたが、兵庫県の南部地震の際も大変な、もう県民の方は物すごく被害を受けられました。同様に、歯科の医療機関も甚大な被災に遭いました。そして、そういう方々に対していち早く避難所で口腔ケアに従事したり、全国から訪問診療車をもって、そういう方々の口腔ケアから口腔機能の回復、入れ歯を持って逃げられなかったという方もたくさんいらっしゃいました、そういう方々にも随分入れ歯をお作りしたり、いろいろとやりました。
 そのときに、やはりいち早く歯科の医療を再建するということで、このときに、災害共済金あるいは見舞金、また歯科医療機関の再建の融資に対する利子補給金として約四十億近いお金が共済制度から給付されました。これでやはりいち早く地域住民の方々への歯科医療提供体制を再建をしたということもございます。
 私どもは非常に、福祉共済制度も含めて地域の住民の方々に貢献をしているという、そういう認識の下で、またそういう精神の下で働いておりますが、私はこの福祉共済制度も十分に公共性が認められるものと考えていますが、そして、私どもが高齢になったときに、やはり老後の生活をどう担っていくかというところでも年金制度が、私どもが持っております年金制度がやはり国民年金の上に上積みをするという形でやっていますので、これも歯科医師が安心して最後まで地域で働くための重要な仕組みだと思っておりますが、これについて私どもはやはり大きな公益性があるのではないかと思っておりますが、ここについて、本日、内閣府の方から副大臣お見えだと思いますが、どのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
#203
○副大臣(大島敦君) 石井委員にお答えをさせていただきます。
 今、公益認定が大分たまってというのか、公益認定のお話だと思います。今、先ほど石井委員述べました共済あるいは年金制度のような事業が公益目的事業として認定されるかどうかということだと思います。
 新たに公益認定制度における公益目的事業があるかどうかということでして、公益法人認定法の別表に定める目的に合致し、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものでなければならないという規定がございます。個別の事業の公益性については、新たな制度では、民間の有識者により構成されている合議体の機関、御承知のとおり、公益認定委員会において、具体の申請に基づき、事業の目的、内容を把握した上で基準に従って公正に判断しておりまして、今私が、先生述べました事業について公益認定がされるかどうかというのは、こちらの公益認定委員会のところで、申し訳ないんですけれども、判断させていただくということになっておりますので、御理解の方よろしくお願いいたします。
#204
○石井みどり君 地域の医療を担っている私ども歯科医師、そして医師、薬剤師の方々、こういう方々が公益団体ではないというような、そういう御判断をなされないように、是非そこのところの公益認定のところで随分各団体から御要望が出ていると思いますので、そこは十分お酌み取りいただきたいと思います。そうしませんと、それこそ五年後といいますか、一三年ですかに歯科医師会解散しなくてはいけなくなってしまうんです。その辺を非常に今、私この公益認定のところも、内閣府のQアンドA出されていらっしゃるんですけれども、何度読み返しても非常に分かりにくい。もうまるで分かりにくくわざわざ作ってあるんじゃないかというぐらい、まあ睡眠導入剤としてはいいんですが、非常に本当に分かりにくいんですね。その辺りを是非、本当に地域で高齢になっても支えている医療関係者の人々が困らないようなことを是非お取り組みいただきたいというふうに思っています。
 それでは、もう時間もだんだん押してまいりましたので、脳卒中対策についてお伺いしたいと存じます。
 私は、参議院の本会議場でも一回申し上げたことがあるんですが、十一年前のちょうど今時分、寒いときでございました。二月の寒いときでありましたが、平素は血圧、大変低いんですが、そのときは多分一過性に疲労とか睡眠不足とかで高血圧になっていたんだと思うんです。それから、アニューリズムといって、いわゆる脳動脈瘤というのは、これは先天的に奇形が七十何%ということですので、明らかに私はそういう遺伝的な要素があったんだというふうに思っておりますが、くも膜下出血で倒れました。
 幸い、私の住んでおりました広島市というのは車でまさに五分のところに大きな基幹病院が三つもあります。そこに担ぎ込まれたもので何とか今こうやって働くことができているわけですが、少しびっくりしましたのが、あれから十一年もたっておりますのにこの脳卒中の対策が依然として進んでいないということ、昨年の秋、様々な方々の集まりで知ることができました。学会や職能団体というんでしょうか、患者さんの代表あるいは患者さんの支援者の代表、医療機関の代表、そこには厚生労働省や総務省もお見えになりましたし、メディアからも御出席でありました。そういうところで、本当に不明にして、十年たってもまだ進んでいない。
 そして、その間に進んだ医療もあるわけでございますね、足立政務官いらっしゃいますからよく御存じでいらっしゃいますが。tPAという脳血栓の溶解薬が、これが〇五年ですかには保険適用にもなっています。こういう療法を受ければ、脳梗塞の方でもかなりの方が、まさに年間二十一万ぐらいが脳梗塞を発症すると言っていますけれども、その方々のうちの多くの方々が全く無傷あるいは障害も軽く助かるという、そういう事実がございます。
 こういうことに関しては、私は、脳卒中を発症したときにはこういう対応が必要ですよ、あるいはこれはまあ生活習慣病になりますので予防について、あるいはこういう薬、新しい療法ができているというようなことをやっぱり国民の方々に広く啓発する必要がある、それも繰り返し繰り返し啓発する必要があるというふうに思っておりますが、その対策はいかがでございましょうか。
#205
○国務大臣(長妻昭君) 脳卒中は、言うまでもなく死亡原因の第三位ということで、今、日本国内で一日平均、日本国民全体でいうと死亡者が三千百人程度おられますけれども、その中で一日平均脳卒中は三百四十七人ということで、死亡者の一割ということでありまして、これは大きな力を入れて対応しなければならないということで、生活習慣病ということで、適度な運動や食生活の改善、たばこ対策等の生活習慣の改善ということで、これは数値目標を出させていただいておりまして、今度は二〇一三年度までの数値目標も今後出していこうというふうにも考えております。
 そして、何よりも今お触れいただいたこのtPAという治療法、これは効果があるということでございまして、ただ、このtPAを使うとほとんど後遺症が残らない方が一・五倍になるというものでございますが、三時間以内に使うというのが望ましいとされている非常に緊急性を要するものであります。
 その意味で、今はマスコミ等でも報道が徐々にされるようになりましたけれども、まだこの治療法が広く国民の皆さんに行き渡っていないし、じゃ自分の近くの病院ではどこが二十四時間でtPAの治療に対応しているのかということもなかなか周知されていないという現状もあると思いますので、この非常に効果がある治療法について我々は更に広報活動を重視をして、マスコミの皆さんにもこういうものを報道をしていただくような形を取っていこうと。
 と同時に、救急車で運ばれて、やはりそういう診断を受けて治療が速やかに実現するような、三時間という一つの時間の単位もございますので、そういう体制も取っていくということについても我々取り組む必要があるというのは御指摘のとおりだと思います。
#206
○石井みどり君 まさに三時間といいましても二時間で、やはり二時間以内で搬送していただかないと、tPAの準備に約一時間掛かると言われていますので。そうするとやはり、本当に救急体制が、これは住んでいる地域によって十分な医療が受けられない、こんなことがあってはやはり本当に国民としては不幸な状態であります。その地域格差が本当に著しい。私の場合はたまたま広島市の中心地でラッキーでありました。なおかつ、救急体制が全体でも不十分であります。これは今本当に、全国的に地域医療の崩壊やあるいは救急体制の不備とかそういうことを言われているときに、やはり専門的な救急処置を常時行う医療機関、いわゆるSCU、こういうところを、まさにクオリティーの前にクオンティティー、量があって初めて質が言えるわけでありますので、そういうところを確保することが非常に重要であろうというふうに思っています。
 それから、まさにそういう設備があっても救急の搬送体制、随分ニュースもにぎわしました、いろいろな妊婦の死亡事件とかありました。そういう救急の搬送体制も本当に充実させることが必要だと思いますが、ただ、今の現状、この医療状況の中で、この脳卒中に対して医療資源、あるいはその後のリハビリとかそういうところの社会福祉資源を計画的に整備していかないと、現状でも不足しているわけですから、そういうところをどのような全国レベルでいけば体制を取っていこうというふうにお考えなのか、お教えいただきたいと思います。
#207
○国務大臣(長妻昭君) 今tPAの話もございまして、やはりいろいろ全国の病院を見ますと、二十四時間で対応している病院もございますし、あるいは診療時間内だけしか対応できていないと、その治療について、そういう病院もございますので、多くの病院が対応をしていただけるような体制づくりということで、一つは、今回診療報酬で特に重点を置きましたのは、急性期についての治療体制について我々としては一定の診療報酬の上乗せができたということを考えておりまして、それと同時に、その後の回復期のリハビリテーションや地域の連携による診断というようなことにも診療報酬を付けさせていただいているところであります。
 そして、医療体制をどういうふうに整備していくのかということでありますけれども、まず重要なのは、急性期の医療を担う医療機関をきちっと確保をして、何よりも住民の方にどこでそういうtPAという治療が受けられるのかというのを周知徹底をすると同時に、やはり急性期だけではなくて一定の回復期についてはどういう治療体制なのか、そしてその後の維持期の後のリハビリでありますけれども、一気通貫でそういう病院の整備をしていくというようなことが重要でございまして、これについては予算措置、平成二十二年度の予算措置としても、脳卒中の専用病室に対する財政支援や、あるいは脳卒中の専門医を配備した場合の財政支援、あるいは地域の医療機関との連携に向けた協議会の開催に対する財政支援ということで、急性期、その後の回復期、そして維持期のリハビリということで連携して取り組むということでありますけれども、やはり初期の治療が有効でもございますので、救急の体制の整備というのが一つ重要なポイントだということで、診療報酬始め我々は更に取り組んでいこうと考えております。
#208
○石井みどり君 おっしゃっていることはよく分かるんですね。特に脳卒中の場合は、脳卒中でありますので、卒然として脳があたるわけですね。突然なわけです。ですから、この疾病に罹患されますと、もう本当に患者さんだけでなく家族も突然の不安や苦しみに陥れられるわけですね。特に、働き盛りの一家の大黒柱が脳卒中になりますと、まさに家族は看護から介護、そこに至るまで生活不安から様々な苦しみを負うことになるわけですね。
 ですから、一番やっぱり超急性期と言われている体制、先ほどそれを確保するために診療報酬で手当てをしたというふうにお答えいただいたんですが、さあ、今回の診療報酬改定で果たしてこれが全国の方々の安心につながるんだろうか。私は、やはりそれは疑問に思います。決して何もしてないとは申しませんが、しかし、よほどここは相当な重点的かつ適切な体制をつくっていただかないと解決にはつながらないというふうに思います。
 患者さんの不安が非常にこれは大きくて、患者、家族の方々のもう九割に達する方が非常に治療のことや、あるいは再発に関する不安もあるんですが、さっき申し上げたような生活再建、そういうふうなところに対しても、患者さん、負担も含めて非常に御心配いただいている、そういうデータも出ております。
 そこに関して、私は、脳卒中は日本の医療が抱えている課題がまさにこれにすべて集約されているような気がしてなりません。先ほどちょっと大臣の方から、超急性期、急性期から、私は亜急性期もあると思いますが、回復期、いわゆる維持期から、今度は生活機能の支援という福祉のところまで、介護のところまで含めた体制整備が必要だというふうには御認識はされていると思いますが、これが実は様々な地域連携、クリティカルパスだとかいろいろありましても、実際のところは本当にお寒いのが現状であります。
 大臣、今、随分全国を現場を見るというふうにして介護の現場も行かれていますが、本当にまだまだ、十年たってても十分これが進んだと思えない。そして、今度の診療報酬改定では私はそんなに進まないというふうに思っています。もっと、まさにこここそ政治主導が必要で、そしてこの解決していく中に一つどうしても忘れてはならないのが医療の受け手側である。今まで受け手で受け身であったけれども、患者さん本位、国民本位の医療体制をつくっていく必要があるかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#209
○国務大臣(長妻昭君) 本当に脳梗塞という病気は、その後の後遺症も含め、私も身近にそういう方がおられますけれども、皆さんの身近にも今は珍しくない病気でもございますのでおられると思います。
 その中で、今本当に生活再建というようなお話もございましたけれども、やはりその観点からいいますと、ちょうど二年後から本格化する診療報酬と介護報酬の同時改定がございますので、やはり医療と介護の連携ということで、医療の現場でおられた方が老健施設などでリハビリも同時にできるような体制を取る。あるいは、そのリハビリの充実というのも、これも以前から言われている大きな課題でございますけれども、それについても十分な手当てをしていくということで、介護の現場と医療の現場のはざまにあるようなそういう問題もこの脳梗塞というのはあるんではないかと思いますが、ただ、一番の根本は、本当に急性期の段階で的確な治療をするということ、その体制整備。そして、国民の皆さんにtPAという例えば治療について更に周知徹底をして、御自身でその病院を確認いただくような前もっての行動を促すような、そういう広報も含めて整備に取り組んでいきたいと思います。
#210
○石井みどり君 もちろん、その最初のところの、超急性期のところのtPA療法を含んだそういう体制が、まさに最初のところが大事でありますが、ただ、例えば私のくも膜下出血、私が罹患しましたくも膜下出血を取ったとしても、三分の一はもう即座に即死あるいは本当に重度な後遺症を残す、そして三分の一が中等度の後遺症を残す、データ的にはそうであります。そして、三分の一が全く後遺症がないか極めて軽度かというような、そういうデータがあるぐらいであります。
 だから、そうしますと、やはり最初の手当て、もちろん一番救急搬送も含めて大事でありますが、たとえ障害を持ったとしても、人間として生かされる社会であるべきだと私は思います。人間として生かされるというのが、決して私は、障害を持った方々が人ではないという、そんなことを言っているわけではありませんが、やはり人は社会の中で、社会に参画して、そしてその人らしい人生を送ることが初めて私は人間として生きることだというふうに思っておりますが、残念ながら、医療と介護の連携って言葉で言うと簡単なんですが、ここが最もできていない。
 じゃ、例えばだれがその連携のキーパーソンになるのか。介護保険導入のときは、ケアマネジャー、いわゆる介護支援専門員に期待をしたんでありますが、残念ながら、例えば主治医意見書一つをもらいに行くにしても、ケアマネの方々は主治医に本当に遠慮をして、そして、患者、家族の方からもらってくださいというふうな、そういうことが言われるのが現状であります。ですから、非常にまだ医療と福祉とかの壁は高くて厚いんですね。その辺りを是非、大臣、また現場に行かれて実態を御認識いただきたいと思います。
 私は、リハビリがもう非常に重要であります。そして、さっきもおっしゃられた二十四年の同時改定のとき、介護保険と医療保険の、そのときに相当思い切って手を打たれるんだなというふうには受け止めましたが、診療報酬、介護報酬あるいは施設基準等、是非、どういうふうに対応されるのかをちょっとお示しをいただければと思いますが。
#211
○国務大臣(長妻昭君) 今、同時改定について、介護のお話もございましたけれども、介護で申しますと、在宅と施設というのが大きく二つに分かれますけれども、やはり介護を受ける方が、在宅がいいのか施設がいいのか、いろいろ家族の御事情もあると思います、御自身で選択できるようなまず体制をつくるというのが一つの着地点ではないか。
 そして、施設の整備も、三年間で十六万ベッド整備をしていこうということで、前の三年の倍のスピードということも申し上げておりますけれども、同時に、やはり自宅で介護する体制が今非常に不十分だというのも私も率直に認めざるを得ないわけでありまして、その中で、訪問介護と訪問看護、看護師さんが御自宅に行くような体制。そして、今もっと進めなければいけないのは夜。じゃ、夜、自宅で介護を受ける方が何かあったときに、巡回二十四時間の訪問介護の体制がまだまだ不十分だと、あるいは夜専門に訪問する介護のサービス、ナイトヘルプというものも不十分だというようなことで、施設と在宅の適切なバランスを取りながら充実をしていくと。
 そして、施設についても、どこか遠くに大規模施設があってその遠くに入るということではなくて、地域で小規模の施設があって、そこはデイサービス、ショートステイとか、訪問看護の、介護のステーションになると。こういうような御家族が目の届く範囲内で介護を受けるような体制というのが一つの理想だというふうに考えております。
 その中で、もちろん言われるような急性期、亜急性期、慢性期から、そこから介護に連結する連動というのが、これは療養型病床の削減に関する問題でもそうなんですけれども、そこがスムーズにいかないという点もありますので、今度の二年後、同時改定でありますが、その前にもビジョンというのを我々打ち出して国民の皆さんの議論を惹起をしていきたいというふうに考えております。
#212
○石井みどり君 いみじくも今、大臣が夜間の看護・介護体制が一番の問題だとおっしゃったんですが、本当に一番の問題でありまして、日中のホームヘルパーさんは見付かるんですね。しかし、二十四時間体制で、例えば認知症があったりすると身体的には介護度が低くても目が離せない、そういう場合は本当に人材がいないんです。広島市のような都市部であってもいないんです。その現実だけは知っておいていただけたらと思います。そして、介護の給付外の非常に負担が大きいということも知っておいていただけたらと思います。
 最後に、では、この脳卒中対策というのは、例えば救急であれば総務省、それから医療体制であれば厚生労働省ですので、省庁を超えて、そしてまた地方自治体の協力やあるいは国民の協力も得なければ多くの課題が解決できないというふうに思います。国を挙げて脳卒中対策を取るべきですが、現状では私はいかにも不十分、貧弱だと思います。新たな法整備が必要だと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#213
○国務大臣(長妻昭君) これは私の方にも、例えば脳卒中基本法のような法案は作るべきではないかという御要望もいただくこともあります。今現在、がん対策基本法というがんに着目した基本法はございますけれども、じゃ、ほかの御病気もあるわけで、それぞれ御病気ごとに基本法を作るというのが果たしてどうなのかという議論もございますけれども。
 ただ、脳卒中は本当に御指摘のように超急性期があって、急性期、亜急性期ということで、そして本当の慢性期、生活再建というところまで非常に幅広いサイクルがある病気でございますので、その意味では、これはいろいろな制度と組み合わせた形で、途中で制度の谷間がないような形で我々も取り組んでいくというのが、まずそこを優先をさせていきたいと考えております。
#214
○石井みどり君 実は、先ほど、死因としては第三位でありますが、七十歳以上では第一位の死因でありまして、そして介護を必要とする疾患としてはこれが圧倒的に多いわけですね。別にお金のことを言いたくありませんが、日本の医療費から介護の費用まで考えたら、まず手当てをするところこそが、私はこういう体制をつくることが一番国としては取るべき対策だろうと思いますが、疾患ごとに基本法を作っていたんでは大変だと多分おっしゃるだろうと思いましたが、しかし、事の重要性にかんがみて、是非御検討いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#215
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。山田俊男君。
#216
○山田俊男君 自由民主党・改革クラブの山田俊男であります。
 本日は、農業予算を中心にしながら関係のところで質疑をさせていただきます。
 実は、総理は命を守る政治というふうにずっとおっしゃっておられるわけであります。先日急逝しました私の大事な友人に立松和平がおります。彼は、「春雷」、さらには「遠雷」、それから「田中正造」等々を書いておりますが、その中で、子供たち向けの絵本だったり、それから大人向けの絵本だったり本だったり、これは「酪農家族」、大人が読んでも大変命を考えさせてくれる大事な本であります。
 この中に書いています。「酪農家族」で、「牛がたくさんいる牧場は、命のいとなみの場所なんですよ。あの大きな身体の牛が生きたり死んだりして、わたしたち人間をやしなってくれているんです。そのことを、子供たちに見せてやりたい。命というものが見えなくなっている時代だからこそ、本当の命を感じさせてやりたいんです。命とは、大切なものですよ。自分の命も大切だけど、すべての命が大切なんです。学校で、そのことをきちんと教えられますか。学びたかったら、牧場にくればいいんです。」と、こう書いております。
 そしてさらに、子牛が生まれる場面についても見事に描写しておりまして、「牛が四つの脚をふんばり、んもーっ、んもーっと苦しそうな声を上げた。子牛がぬるっとでてきて、干し草の上におちた。」「みんなは声を立てずにじっと見ている。」「子牛は目を開くと、四つの脚をつっぱらせ、一生懸命に起きようとしていた。誰も手助けしてやろうとはしない。脚は長いわりに力がはいらず、とても起きられそうには見えなかった。「がんばれ」最初は誰かが小声でいったのだった。「がんばれ。がんばれ」しだいにみんなの声がそろってくる。声は大きくなってくるのだ。「がんばれ。がんばれ。がんばれ」泣きながら声を出している子がいた。みんなの声にはげまされるようにして、子牛は脚を地面につけ、踏んばる。二度三度、脚は折れて曲りそうになった。とうとう子牛は立ち上がったのだった。」「みんなといっしょに感動して涙を流していたのだ。子牛はすぐに歩きはじめ、母親の乳房に吸いついた。それからのどを波うたせてうまそうに乳を飲みはじめたのだった。」こういうお話であります。まさにこれが命の学習だと思うんです。
 ところが、今度の予算におきましてこうした子供たちの経験を支援する予算、牧場・乳業ふれあい支援事業が事業仕分で廃止されているわけであります。これで命を守る予算を作ったことになるのかどうか。命を守る政治の理念からして、二十二年度予算のこうした部分についての見直しが必要じゃないか。是非、ここは菅副総理兼財務大臣にお聞きしたいと思います。
#217
○国務大臣(菅直人君) 私も、山田議員ほどではもちろんありませんが、いろんなところの視察の中で酪農の現場にも数多く参りました。石垣島などでも子牛の売買があったり、いろんなところを見てまいりまして、今の立松和平さんの文章、私も多少面識のあった方で、同世代でもありますので、本当に亡くなられて残念に思っております。
 そういう中で、牧場・乳業ふれあい支援事業というのは、学校給食用の牛乳等の供給推進事業の一つのメニューとして酪農及び牛乳に対する理解の促進を目的として実施をされてきたものと、このように理解をしております。
 この学校給食用の牛乳等供給推進事業については、二十二年度予算において、事業仕分の結果、予算要求の縮減という方針を出され、限られた財源の中で事業の本来の趣旨を踏まえて、ある意味で限定されたというふうに理解しております。それは、遠隔地、離島支援等に重点化したということであります。どこまで、もちろんいろんな事業があるわけでありまして、そういう中で特に遠隔地、離島というところで、よりある意味では効果的な場面に、厳しい財政事情なども含めて選択と集中ということで重点化をすることによってそうなったと思っております。
 そういう意味では、事業仕分そのものには私はかかわっておりませんけれども、経緯はそういったことであると理解しております。
#218
○山田俊男君 赤松大臣、担当大臣でもありますし、それから立松さんとは同窓で同時代を生きられたわけですから、思いがあると思いますので、おっしゃってください。
#219
○国務大臣(赤松広隆君) ちょうど今お話も出ましたけれども、立松和平さん、亡くなられる十日ぐらい前に農水省に見えまして、農業についての思いを語っていかれて、その後十日ぐらいたたれてああいう訃報を聞いたものですから、私も本当にびっくりいたしました。残念な気持ちでいっぱいです。ちょうど山田委員も私も立松さんも早稲田で同じ、また一年二年の違いですから、同じ時期にあれしましたし、いろんな経験も多分思いも一緒だと思いますけれども。
 今、菅副総理もお話ししましたように、事業仕分の中で、結果的には大変私どもとしては残念というように思っておりますけれども、これは子供たち、小学生の農村あるいは漁村への宿泊体験と併せて、これも実は半分に減ってしまったわけですけれども、事業としては牧場・乳業ふれあい支援事業というのが結果的には廃止ということに、廃止というか重点化をするということになってしまいました。
 しかし、ここに事業仕分のときの取りまとめのコメントがあるんですけれども、それぞれ若干の意見の違いはあるとしても、全体としては、事業の必要性についてはだれも否定はしていないと。ただ、内容として、余りにも歴史のあるやり方が続けられているような印象を受けるので、ここは是非新しい前向きなやり方に変えてほしいということで、当WG、ワーキンググループとしては、予算要求の縮減ということでまとめるというふうにこのコメントには付いているわけですけれども。
 私どもとしては、今、菅副総理も申し上げましたけれども、離島とか一部のところだけでの重点化ということになっていますけれども、是非これは、先ほど申し上げた農村、漁村への宿泊体験と併せて、子供たちに、先ほど山田委員がおっしゃったような子供のころにそういういろんな動物と触れ合うとか、あるいは農村、漁村へ実際に行っていろんなことを体験してみるとか、あるいは直接動物に触れてみるとか、そういう出産のときに立ち会ってみるその感動を味わうとか、いろんな意味で、広い意味で教育的にも非常に意味のあることだと思っておりますので、単に牛乳の消費を増やすとか増やさないも重要ですけれども、それに加えてもう少し大きな意味で、是非二十二年度の取組をしっかり検証してみて、やはりこれは更に拡大をしていくべきだということであれば、二十三年度の概算要求でまた財務大臣、財政当局にもお願いをしてその拡充に努めてまいりたいと、このように思っております。
#220
○山田俊男君 どうぞ、命を守る政治の理念にもとらないように、ちゃんとこうした大事なことを着実にやってもらいたいというふうに思います。後ほどのことともこのことは関係しますので、また触れさせていただきます。
 続きまして、これも命にかかわる話でもあるわけですが、ため池が全国で二十一万か所あるというふうに言われております。江戸時代以前のものも七五%あるというので、私も数字を知って初めて驚きました。それほどため池が農業生産に、さらにまた地域の様々な環境やそれから地域の景観やそうしたことに大事な財産でありまして、次世代に引き継いでいかなければいけないこれは役割を果たしていると、こんなふうに思います。
 ところで、田舎へ行きましてため池の漏水があるという声を本当によく聞くんです。多分、年末に農業農村整備事業の予算が大きく削られたという情報があったものですから、余計地方の皆さんは心配されたんだろうというふうに思うんです。漏水があるとその分だけの水、必要な水を下から電気で揚げなきゃいかぬということがあって、電気代も実は生産者はばかにならないんだという声が、本当ですよ、二十一万か所もあるんですからね、それこそ全国で様々な声が出ているということであります。
 赤松大臣に、補修が必要なため池の箇所は一体幾つあるんですか、お聞きします。
#221
○国務大臣(赤松広隆君) 御指摘のとおり、全国でため池は二十一万か所ありますけれども、老朽化等に伴いまして改修をしなければならない、しかも緊急に改修をしなければならないと判断をされるため池は全国で千九百地区。千九百地区というのは千九百か所という意味ではなくて、一地区で何か所もある場合もあるものですから、地区では千九百ですけれども、個数としてはもっと数はあるというふうに認識をしております。
#222
○山田俊男君 それでは、続いて赤松大臣、ため池の整備に一体幾らぐらい金が掛かるのかということです。これまでの暦年の経緯を見てみますと三百億から四百億円投下されてきているわけですが、一体二十二年度、この予算では幾らぐらいを考えておられるんですか。
#223
○国務大臣(赤松広隆君) 本来の、今御指摘のあった旧来でいう農業土木と言われる予算、これに加えて今年の場合は地域活性化、きめ細かな云々という例の五千億円の交付金もございます。これについては実は今ちょうどやっているところでございまして、こうしたため池やあるいはかんがい、集排水にもこれは使えるお金なものですから、是非積極的に上げてほしいということで地域に今お願いをいたしております。
 これは、ただ残念なことに、実際に今それぞれの各県ごとにずっと上げさせているんですが、意外に少ないんですね。ですから、これは二分の一の地元負担ということもあるのかもしれませんけれども、こういう経済事情の下で今百五十億ぐらいでしたかのあれしかないと、その五千億の分についてはですね。
 ですから、先ほど申し上げた元々の構造改善のための事業、農業農村整備事業予算の減った分だけ本来はこういうところで補ってやっていきたいと思っていまして、今それと両面併せて、ちょうどそれぞれの地域からの要望を取っておるところでございます。まだ数は確定をいたしておりません。
#224
○山田俊男君 赤松大臣のおっしゃるのは、五千億というのはこれは総務省が設定した地方に対する交付金ですね。そうなりますと、地方財政も厳しいですから、それはもっと使いたいという事項がいっぱいあるわけですから、そうしますと、どうもため池の排水まで、修理まで到底追い付かないぞということになっているわけで、そこはしっかりと農業農村整備事業予算で準備するというのが筋なんだと思うんですよ。
 ため池だけでなくて、農業水利施設全体のストック、これは二十五兆円ほどというふうに聞いているわけですが、これも先人が積み上げてきた大変大事な財産であるというふうに思います。
 一体、これは民主党の新成長戦略におきましても、耐用年数が四十年として、もう四十年超えちゃうという施設の数が書いてあるんです。その対策が必要だと書いてあるんですが、幾つぐらいあるんですか。
#225
○国務大臣(赤松広隆君) 今までに二千二百七十二億円国費を投入をしてまいりまして、これは過去十年間においてでございますけれども、三千六百三十四地区のため池等の改修を行ってまいりました。
 昨年度、二十一年度は百八十億円の予算によってため池等の改修を行ってきたところでございます。平成二十二年度、今年度からは、ため池等の整備事業は基本的に農山漁村地域整備交付金に移行することにしておりまして、同交付金ではトータルでですけれども一千五百億円新規に計上しておるところでございます。
 この一千五百億円につきましては、地方の裁量によって、地方がこれはもう緊急に是非やりたいと、これがとにかくまず最優先でやるんだというような使い勝手のいい形でのそういうメニューにしてございますので、地方のこうした具体的な、そして優先順位を決めたニーズに応じた整備が図られるものと考えております。
#226
○山田俊男君 大臣、二十五兆円のストックがあるというふうに言われているんです。さらに、耐用年数が四十年というふうに考えますと、割り算しますと、もうそれはちゃんとその耐用年数を超えないように、また超えたもので、老朽化したものをきちっと修繕していくということになりますと、二十五兆円を四十年で割って、すると年間六千億円の修繕対策費が必要になるんですよ。一体、この六千億円準備できているんですか。
 先ほど、大臣は千五百億円のお話をされました。千五百億円含めても一体幾らになって、一体六千億円に達するんですか、達しないんですか。
#227
○国務大臣(赤松広隆君) それはもう計算をしていただければ分かりますように、二千数百億円に千五百億円を足せば、それは約半分ぐらいにしか行かないということですから。ただ、現実問題として予算がこれしかないわけですから、そういう意味で、その使い方については農業の再生産のために必要な例えばそういう水利関係、あるいは農地の排水、それからまたすぐ効果の出るもの、そういうところに重点化をしていかざるを得ないというふうに思っております。
#228
○山田俊男君 大臣がおっしゃいましたように、今度準備された農業農村整備事業予算二千百二十九億円ですよ。それに千五百億円プラスしても三千六百億円。
 だから、この水利施設の本当に耐用年数を超えたものに対する補修だけで必要なのが年間六千億円、こんなふうに言われているのに、それの六〇%しか準備できていないんです。これだとちゃんと役割を果たせるんですか。安全、安心も含めて、農業生産も含めて可能なのかどうか、考えをお聞きします。
#229
○国務大臣(赤松広隆君) ですから、今申し上げましたように、この与えられた予算の中でとにかく緊急にやらなければならないこと、そして、特に農業の再生産に必要なそういう事業を重点化して、優先化してやらざるを得ないと思いますし、次年度へ向けて、またこれだけまだ地域ではやらなければいけない事業が多いんだということで、また山田委員等々の御支援もいただきながら、是非より多くのまたこうした地域の人たちが期待をする事業に取り組めるようにお力添えも賜りたいと、このように思っております。
   〔委員長退席、理事平野達男君着席〕
#230
○山田俊男君 どうもこういう結果になったから、もうこれしか方法はないんだというふうにおっしゃっていますが、もう一度ちゃんと聞きますが、元々概算要求、二十二年度の予算の概算要求は大臣のところでお決めになりましたね、しっかり。概算要求の段階では、それじゃこれら農業農村整備事業について、一体継続は何か所で、それから新たな新規は何か所で、一体何か所で仕事をやろうとして概算要求を要求されたんですか。概算要求全体でおよそ四千八百八十九億円あったはずです。お聞きします。
#231
○国務大臣(赤松広隆君) 二十二年度の概算要求、十月にいたしましたけれども、この段階では、例えば国営土地改良事業の新規の地区数にいたしますと十三地区ということで要求をいたしておりました。ただ、結果的には概算決定、十二月にいたしましたのは新規では五地区ということになります。また、額につきましては、先ほども御指摘がございましたけれども、ほぼ私どもの十月段階での概算要求の額の半額ということになりまして、前年度比からいえば三六・九%まで落ち込んだということでございます。
 ただ、これは、これとは別個に一千五百億ということでこれは別に積みましたけれども、そういう実態であります。
#232
○山田俊男君 差し上げております資料の六ページを御覧になっていただくとよく分かるんですけれど、これは消費者物価指数で若干修正はしてあります。現在価値に直したものでありますけれど、しかしそれを見ましても、農業農村整備事業の費用は、二十二年度は何と昭和三十三年、三十五年の水準まで切り下がったものしか準備されていないわけです。これに大臣おっしゃいますように千五百億円の交付金を足し算しましても、その水準たるやたかが知れていることになります。
 どうも、こうなったことについて背景があるんじゃないんですか。これは大臣、お聞きします。
#233
○国務大臣(赤松広隆君) 山田委員がおっしゃりたいというようなことも何となく分かるような気がしますが、私どもはそういう意味ではなくて、例えば具体的に申し上げますと、例えば農業用ダムについても全国的に、約百九十ありますけれども、ほぼ造らなければならないところについては既にでき上がってしまったと。ただ、水に対する需要がないわけではありませんので、農業用ダムは今後新規には農水省としては一切造りませんけれども、しかし、ため池等についてはこれはやっぱり必要だし、あるいは地域によって県の単独の判断で県営ダムを造るということについてはまたお手伝いをする、御支援をするということもあり得ると思いますけれども、かつてはどんどんと、もう次から次へとダムも造ってきたわけですけれども、そういうものについてはもう造らないということにしたり、それから、もちろん今、年間六千億円の、委員が御指摘をされるようなそういう予算がきちっと構造改善事業として組み込めればいいんですけれども、現実の問題として国の財政状況はそういうところにはないということであれば、お認めをいただけた中でのお金をいかに有効に使ってやっていくかと。農業者が再生産のために、あるいは農業により積極的に取り組んでいただくためのこうしたかんがい、あるいは排水、集排水の問題についてしっかりとやっていくということしかないというふうに思っております。
 なお、ついでながら、今そういう御質問ですので、今ちょうどやっておるところでございますけれども、でき得れば国の補助事業については、継続分についてはできるだけ、額は低くなるかもしれないけれどもできるだけ、とにかく財源がないからこれで今年は終わりというんじゃなくて、少しずつでも次につなげていけるような、継続できるような形で今それぞれ一つ一つの事業について検討させていただいているというところでございます。
 新規については五つしかやりません。
#234
○山田俊男君 どうも赤松大臣ははっきりおっしゃらないものですから、菅財務大臣にお聞きしたいというふうに思います。もっとも、菅財務大臣は当時は財務大臣じゃなくて藤井大臣だったわけでありますけれど、しかし、副総理でおられたわけですからお聞きしますが。
 この農業農村整備事業予算案を決定するに当たってのいきさつは、民主党の幹事長から政府への要求という形で、土地改良事業費は要求額、これは概算要求額四千八百八十九億円を半減することとし、所得補償制度等の財源とする、同時に農業予算の大転換を求めるという申入れでなされたと、こんなふうに聞いていますが、そういうことでいいんですか。
#235
○国務大臣(菅直人君) 今、山田議員からいただいた資料をいろいろ見ておりまして、かつては一兆円を超える事業がずっと続いてきたわけで、私も全国回っておりまして、ある村に行きましたら、自分のところで単独でやった方が費用が安く済むんだけれども、農水省が何としても補助金を取れということを言って断ったんだというようなことを聞いた村長もありまして、そういう意味で、もちろん必要なところもたくさんあったんでしょうけれども、言わば農林省における農業土木、かつての土地改良事業として一つの、それが固定的な比率での事業が長く続いてきたというところも、これは他の役所にもありますけれども、一つの背景になっていたと。私も何度も足を運んだ諫早干拓も農水省の最後の干拓事業であったりして、そういうものに対するいろんな論点は出ていたと思います。
 今御質問にあったことでいいますと、実はマニフェストにかかわる問題については、私は閣内で当時いわゆる戦略担当として取りまとめの責任に当たっておりました。そういう中で、御存じのように農業における戸別的所得補償という大きなマニフェストの実行のために、その財源を含めて、大きく言えば農林省のそういうやや公共事業に偏ったという言葉を使っていいかどうか分かりませんが、ウエートの高かったものについては根本的な見直しが必要ではないだろうかと、そういう議論を関係閣僚も含めて相当いたしていたところであります。
 そういう、ほかの問題もそうなんですが、そういう中で党からの意見が出てきたことも事実でありますけれども、必ずしも、よく言われるように何でもかんでも小沢幹事長がこうしろと言ったからそうなったということではなくて、閣僚間においても、どうやって、この戸別的所得補償をやる上ではどのような形でその財源を生み出していくかということで、他の分野からもかなりいろいろありましたけれども、そういう中での見直し議論も含めてこういう結果になったということは申し上げられるかと思っています。
#236
○山田俊男君 私は注意深く小沢幹事長という言葉は使わなかったわけでありますけれど、菅財務大臣の方から、小沢幹事長から申入れがあった、しかし関係閣僚でよく相談したということでこうしたというふうにおっしゃっているんですが、赤松大臣、先ほど言っている事業の継続や新規の事業の実施、さらには先ほど言いましたように、だって水利施設の耐用年数超えたものに対する補修の対策だけで六千億掛かるんですよ。それなのに、その千五百億円プラスしたって六〇%しか実現できていないということについて、一体その際どういう判断されたんですか。
#237
○国務大臣(赤松広隆君) 一つは、先ほども申し上げましたけれども、事業の仕組み、中身を変えていくと、大きく言えばコンクリートから人へという大きな流れもあります。ダムのようにもう農水省としては自らの事業としては新たにやらないというところも出てきたわけで、そういう意味で、今、菅副総理も言いましたけれども、できるだけ農業者なら農業者個人の、個別の応援に切り替えていこうという中で、公共から非公共へという大きな流れの中で予算編成をさせていただいたわけでございます。
 そうはいっても、先ほど来何度も言っていますが、農業を行っていく水、土地、農地ということを考えたときに、こうした事業がもう必要でなくなったわけではありません。そういう意味で、限られた財源の中で、先ほども申し上げましたけれども、農業水利施設の更新だとか、あるいは農地の排水対策だとか、そういうところに重点化をしながら、もう一つは、耐久年数が来たんだ来たんだとおっしゃいますけれども、こういう中で施設の長寿命化についても併せて今年からより取組を強めてまいりたい、できるだけ長くもつようにと。
 自動車でも、今までは七年、八年乗ったら、十年乗ったらもう廃車当たり前だぞと言ったのが、もう十三年、十五年乗っている車なんかいっぱいあるわけですから、使いようによっては、やりようによってはそういうことも可能だということで、まあやり方も工夫しながら、国民の皆さん方からいただいておる貴重な財源、税金でありますから、それを有効に使っていけるように頑張ってやっていきたいと、このように思っております。
#238
○山田俊男君 どこか後ろの方からナイス答弁という声が掛かりましたけど、まさにそういう面ではナイスですね。
 私は、かなり率直で正直な菅さんにお聞きしたいというふうに思いますが、選挙で言うことを聞かないからここで懲らしめてやろうということじゃなかったんですか。お聞きします。
#239
○国務大臣(菅直人君) 先ほど申し上げたように、今回の予算編成においていろんな段階がありましたけれども、この農業の先ほど申し上げた戸別的所得補償はマニフェストの大きなテーマでもありました。それ以外にも幾つかの、まあこれは実行できませんでしたが、いわゆる暫定税率の問題、さらには子ども手当の問題、高校の無償化の問題、高速道路の問題等々について、特に私、戦略担当大臣に総理の方からその取りまとめの間を執れということで、それぞれのテーマでいろいろ閣内でも議論があった中で、この問題も取りまとめのある役割を果たさせていただきました。その中の議論で、今何か議員が言われたような選挙において云々というような議論は、少なくとも私の知る限り全くありません。
#240
○山田俊男君 地方からは、こうした予算の大幅削減の中で一体事業をちゃんとやれるのかどうかという悲痛な声が上がってきております。それはそうです。だって、農業農村整備事業をやるかどうか、水利施設を見直すかどうか、圃場整備をやるかどうか、だってそれはこの春耕作するところから出てきているんです。種もみをどうする、苗をどうする、それからもう今年は植え付けないのか、休耕にするのかということが悩みとしてどんどん出てきているわけであります。
 前原大臣のところは、箇所数を先に示されて、そして処分されたということだったようでありますけれど、しかし今必要なのは、箇所数、本当に困っている、さあどうする、この春からと言っているところへちゃんと示してやらなきゃ大変困るんじゃないですか、赤松大臣。
#241
○国務大臣(赤松広隆君) これはいろいろ考え方がありますけれども、私ども農水省では予算が通ってからどこの箇所に幾らお金が行くかというのをお示しするのが大原則ということで、自民党時代はどうされていたか分かりませんが、少なくとも私どもの時代になってからは、そういうことで農水省は割り切っていきましょうということで、国営事業についても補助事業についても、与党であれ野党であれ地方であれ、どこにも知らせないと。
 ただし、私が今考えていますのは、予算が成立をいたしましたら、参議院通ったら、その日の夜ぐらいにホームページで一斉にばあっと知らせると。だれもがすぐ見れると。公平に、だれが早いとか遅いとか、内緒に見せたとか見せないとか、そういう問題はありませんので、それはもう割り切ってそのときまで待っていただくということにさせていただこうというふうに思っております。
#242
○山田俊男君 予算が小さ過ぎて、それで箇所数も少な過ぎて、元々この事業をやるときは、先ほど言ったように、事前に計画して準備をして、地方の合意を得ながら準備してきているんですよ。そこへ、いやいや事業できませんと、規模を縮小します、ないしは五年でやる事業を十年にします、十年でやる事業を十五年にしますということを言わざるを得ないじゃないですか。そのことが怖くて出せないんじゃないですか。
#243
○国務大臣(赤松広隆君) 全くそういうことはありません。私どもは、与野党で合意をしていただいて、まだ予算案審議している最中だけれども構わぬからどうぞ出してくれというんだったらお出しさせていただいても結構ですし。ただ、出たらけしからぬとかなんとかという議論がこの間ありましたので、そういう妙な誤解を生んじゃいけないということで出さないだけでございまして。
 ただ、委員がそこまでおっしゃるので私もあえて申し上げますけれども、土地改良事業についても、やはり毎年六千億円という話もありましたけれども、じゃ、もう少し原点に戻って考えたときに、本当にそれだけのお金、今までにはもう大変なお金がそこに投入されていたわけですけれども、本当に無駄に使われていなかっただろうかと。
 この間も、栃木県でこういう話があるんですけれども、ある神社へ行ってお手洗いに行こうと思ったら、お手洗いのところに、この手洗いは構造改善事業によって造ったと。お宮さんの中にある便所がですよ。そういうところにまでお金が行っていたわけですから。だから、やはり、別に僕はお宮さんが悪いとか便所が悪いという意味じゃなくて、それは本来そういうお金で造るものじゃないでしょうということを申し上げているわけで。
 どちらにしても、しかし、国民の皆さん方からお預かりした本当に貴重な税金でございますから、できるだけ一円でも無駄がないように、有効に使えるように、限られたものであるからこそ本当に必要なところに重点的に配分をしていくと、そのことしか今は言いようがないということでございます。
#244
○山田俊男君 神社を建てた生産者の名誉のために言っておきますけれども、多分それは、生産者自身の負担があるんです、構造改善事業やるにしても何するにしても、そういう中での取組だと私は思います。今おっしゃったように、国民の財産を全部使ってそれで建てたと、どうか、それはきっちり調べてみる必要があるというふうに思いますから、簡単にそれは言えないということだけ申し上げておきます。
 さて、七ページの資料ちょっと御覧になっていただきますと、今、戸別所得補償の予算措置をとったから、だから何か農林水産予算は大きく増額しているんじゃないかというふうに本当に皆さん勘違いされているんじゃないかと思うんです。
 ところが、これ見てもらっても分かりますように、実は前年度の当初予算に比べて一千億円ですね、これ減額しているわけでありますから、このことを本当によくよく考えてもらわなければならないと、こんなふうに思います。
 さて、八ページの表を御覧になっていただきたいと思います。八ページの表に書いてありますのは、これは医療費と、それととりわけ高齢者の老人医療費と、それと高齢者の就業率の比較をしてみたものであります。大変興味深い数字が出ております。
 高齢化率の高い県ほど医療費が高い傾向にあるわけですが、一般的には。ところが、高齢者の就業率が高い県ほど一人当たり老人医療費が少なくなっているということであります。これを見てもらっても、長野県が一番その典型であろうかというふうに思います。
 ところで、次めくっていただきまして、これは徳島県の上勝町と宮崎県国富町を比較してみたものでありますが、上勝町は高齢者比率が四九・五%に上っておりますが、全国、徳島県の平均に比べまして一人当たり十五万円も医療費が少ないわけであります。計算してもらうと分かります。これは、上勝町が葉っぱビジネスということで、高齢者も含めまして百九十名の、この場合は高齢者がこの取組に加わっております。まさに、高齢者がちゃんと仕事を持っているということが医療費を少なくしていることになります。
 全国、徳島と上勝町の差額、十五万円ですね。これを、全国で、単純にですが掛け算してみたって、医療費全体で二兆円削減できるわけです。
 要は、国の予算全体としては医療費が増嵩しております。いろいろ理由があるというふうに思います。社会保障関係費が増嵩しております。そして一方、その中で農林水産予算は何と今減額しているんですよ。大臣があの事業をやる、この事業をやるとおっしゃっていますが、まさに減額している。
 同時に、宮崎県の国富町。国富町も宮崎県の平均に比べて八万円低いんです。全国に比べても九万円低いわけです。国富町は国富台地というのがありまして、そこで野菜や葉たばこや、それこそ見事な農業経営がなされているんです。そこで葉たばこの農家が夫婦二人で、AP1という機械があるんですよ、芽を摘んだり葉っぱを収穫するときに夫婦二人で乗る車、夫婦でなくてもいいんですよ、二人で乗る車です。ところで、同乗されて作業されていましたから、私は夫婦仲を良くする機械ですねというふうに申し上げたら、そうしたら、仲良くしないとスピードのバランスが取れず仕事にならないなんて言って笑って答えられておりましたけれども。まさにそういう取組があってこそ医療費が下がっているんですよ。
 このことについて、長妻厚生労働大臣──ああ、そうですか。それじゃ仙谷大臣にお願いします。
#245
○国務大臣(仙谷由人君) いろどりのことを宣伝していただいたんで、先生の方に申し上げます。
 実はさっきも、このいろどりを経営している経営者の横石さんと電話で話したばかりでございます。いろどりの高齢者の医療費が安いのはもうこのとおりです。ただ、先生のさっきからの御議論との関係でいいますと、上勝町は多分、いわゆるコンクリートの公共事業と農業土木も含めた、これに頼らない生活、生産構造をつくろうということで、二十年にわたってこのいろどりという第三セクターを中心としたこの事業をつくってきた、血のにじむような努力をしながらつくってきたというのが実態です。
 私は、先ほどからの議論を聞いておりまして、上勝町のいろどりをなさっている皆さん方や出荷を受けている農協の方々ともよく話しますが、仙谷さん、徳島にも中山間地が相当数あって、限界集落みたいになっているところありますけれども、多分、上勝町以外はあと五年たったら大変危ない、つまり破綻する、あるいは人がいなくなる、そういう環境だと。つまり、公共事業で今まで飯を食ってきたところは大変、五年たったら危ないことになると。
   〔理事平野達男君退席、委員長着席〕
 しかし、辛うじて、先生おっしゃったように、五〇%に近い高高齢化率を示している上勝町は、このいろどりを中心にしていろんな事業が展開されて、更に外から人が入ってくる。ここは今は、今年からは人材養成事業をこの上勝町でもやります。五十人の定員で募集を掛けたら千五百人が応募してきた。外のいわゆる若い人も、老いも若きもでありますが、外の人が上勝町へ入ってきて初めて上勝が元気になって、要するに渦ができているという状況のようでありまして、私は、ここはやはり、徳島でも言うんでありますが、いろどりのように、つまり何かを、シーズは何でもいいんだと思うんですが、これをマーケットとつなげて居場所と出番をつくる、お年寄りであれ若い人であれですね。それを、NPOがやってもいいし、農協がやってもいいし、農事生産法人がやってもいいし、第三セクターでももう何でもいいんだと思うんですよ。事業経営として展開するということがない限り、こういう好循環の展開にならない。
 つまり、先生おっしゃるように、この老人医療費、高齢者医療費の問題はまさに結果として、病院へ行くよりも葉っぱを取ってきてそろえて出荷する方が楽しいし面白いし、それの方が忙しいという結果として、医者へ行く暇がないということでこうなっているんですよね。ここは寝たきり老人は一人もおりませんし、老人介護施設もありません。そういう状況ですから、私は一つのモデルにして、よその県や限界集落や中山間地でも、あるいはそうじゃない平野部のところでも、何か核があってそういう展開になっているところは全国で、別にいろどりだけじゃなくて相当数、農村とか農業を核にしながら立ち上がりつつあったり、もう二十年も三十年も伝統を持ってやっているところもあるようですから、それは私は、何というんですかね、農業土木中心にやってきたこの農政というのはやっぱりちょっといかがなものだったのかなという気はします。
#246
○山田俊男君 今の件について、長妻厚生労働大臣にも見解をお聞きしたいと思います。
#247
○国務大臣(長妻昭君) 今八ページの表を見せていただきましたけれども、私どももこれも事前に見させていただいて分析をさせていただくと、やはり高齢者の就業率と医療費についてはある程度の相関関係があるというふうに考えておりまして、これ一人当たりの、これ平成十九年度でございますが、一人当たりの老人医療費が八十七万円、今御紹介いただいた国富町が七十八万五千円、上勝町が七十三万三千円ということで、低いということでございます。
 これについては、就業やあるいはいろいろな独自の運動というか、いろいろな健康法を取り入れている町、村もございまして、そういうところでも低く抑えられて健康の方が多いということでございまして、仕事のみならず、やはり体を動かして健康づくりに励んでいただくということが何よりも重要だと考えております。
 と同時に、やはり働きたい高齢者が働いていただく環境をつくるというのも、これから少子高齢社会で働き手がいなくなる時代には非常に重要なことだと思っておりますので、我々は、農業のみならず、高齢者の雇用創出事業というのも今取り組んでいるところであります。
#248
○山田俊男君 その雇用創出事業と関連しまして何点かまた質疑したいというふうに思いますけれども、実は、農村に行きますと、これもこの次のページの次のページにありますけれども、ともかく中国人の研修生が大変多くなっております。中国人というふうにわざわざ言わなくてもいいわけでありますけれども、外国人の研修生が大変多くなっております。そして、施設園芸や酪農等で最近大変多いんです。そして、そうしたことが背に腹は代えられない、どうしても規模拡大してやらざるを得ないとなると、そういうことです。
 労働も外国人に任せて、さらには農産物も海外から入れます、企業は海外に出ていきます、果たしてこういう形でこの国はどんな形になるのか、仙谷大臣、戦略を聞かせてください。
#249
○国務大臣(仙谷由人君) 実は、二月のあの連休のときに妙高と、これも妙高ですかね、上越ですか、行ってまいりました。一つは妙高ガーデンという会社です。オオバ、ハーブの栽培を会社組織でなさっています。ここは従業員、正社員十六名のほか九十名でこの仕事をして、年商二億七千万円、五億円を目標にしているというふうに言っておりました。それからもう一つは、これ三十年の歴史があるようですが、大潟ナショナルカントリー、ここは百二十町歩の米の作物といいましょうか、米作を中心にして百二十町歩の水田を耕作し、あとは大豆、園芸等々であります。百二十町歩のうち借地が大体百十町歩ぐらいですね。収入は、農協の職員ぐらいは一人一人正社員は収入があるんだという、ということは多分三百万から五百万の間ではないかと思いますが、家族全部参加すれば、四人であれば世帯収入は二千万、あるいは二人ずつに分けても一千万ずつと、こんなことになるんではないかと思いますが。私は、先ほどもいろどりの話でもしましたけれども、日本の農業も見捨てたものじゃないと思うんですね。
 ただし、これはもう私の見方ですけれども、経営学があるところが、あるいは経営術を持って事業展開をしているところがやっぱり今までは少なかったんじゃないか。実は農協さんがその指導というか、ことをやらなければいけなかったのではないか。あるいは農業大学校というのが各県に一つずつあります。ここで、農業経営というのはこういうふうにやらなければ、農業をなさっている農家あるいはその周辺も含めて、これは多分、永続性というか継続性がないんだということを、やっぱりちゃんとその農業経営を教えるカリキュラムというか、何かそれがなかったことが致命傷じゃないかという気がします。
 つまり、マーケットと結び付かないですべてそこをどこかにお任せして、その計算も組勘とかなんとかというので全部お任せという、それで、あとは政府からの補助金か買上げ金か何か知りませんけれども、それでやるという話が主体になった瞬間に、これはやっぱりもたないと。だから、その中で出荷組合をつくり、農事生産法人をつくり、元気に立ち上がってきているところがあるというところを見れば、そういうところを支援していくということがやっぱり一番大事なんだろうと、今から特にそういうことで。
 それで、それは、今中国人労働者の問題をおっしゃいましたけれども、じゃその法人化された、そして借地を借り入れた農業経営をする人が日本人の若い人とかなんとかが働きに来てくれないときに、もう仕方がないということで、中国人であれ何人であれ、来てくれる人を研修生や技能実習生で雇い込んでいく。これはこれで一つの必然かも分からないなと僕は見ていますけれども、本当はそこでお互いがお互いの、何というんですか、関係を尊重しながら、若い人やあるいは御家族の方も含めて働いてくれるような、そのことを維持できるような生産性のある農業を展開していただければと、こういうふうに思いますが、そういうところを、何というんですか、例えばIT化するとか、つまり六次産業化するとか、そういうことでお手伝いすることはやぶさかじゃないけれども、じかに買い取ったりなんかするという格好でやるというのはいかがなものかなと私は思います。
 そういう意味では、戸別所得補償というのは、最低限のところは補償する、あとは元気で頑張ってくれということで、私はいい政策だと思っています。
#250
○山田俊男君 もちろん、経営指導対策も含めて取り組まなければいけない課題はいっぱいあるというふうに思います。
 ところで、外国人研修生の給与が年間百五十万円。さらに、国内で日本の若者が農業に就業した場合の最近の事例では年額百七十万から二百万円。そして一方、長妻厚生労働大臣、生活保護者の支給金が百六十五万円。言うなれば、これは必ずしも単純に比較するつもりはありませんが、本当に一体この国をどうしていくかということを考えたときに、その後の対策が必要だというふうに考えますが、長妻大臣、いかがですか。
#251
○国務大臣(長妻昭君) 今、農業の事例を挙げていただきましたけれども、一般的にやはり収入の対策というのは重要でございまして、介護事業についても二十代で年収二百万を下回る方もいらっしゃるということで、これは農業とは直接は関係ありませんけれども、今私どもとしては最低賃金というのを引き上げていこうというような取組もしておりまして、そういう意味では労働に見合う対価ということが実現するようなそういう体制をつくるということが重要でありますが、ただ、これはすべての分野に言えることでありますけれども、何しろ付加価値を高める努力をいろいろな場面場面でしていただくということが非常に重要になってくるというのは当然でございますけれども、先ほども質問も出ましたけれども、自助、共助、公助の枠組みの中でしっかりと支えるということをする必要があると思っております。
#252
○山田俊男君 前原大臣にお聞きしたいんですが、まちづくりと農業の関係について、国土形成計画は大変すばらしい報告書を実は出しております。さらに、社会資本整備審議会の都市計画部会も報告書を出しているんです。コンパクトなまちづくりをどうする、住みよいまちづくりをどうする、高齢者に優しいまちづくりをどうするということは、町の外延的拡大と、一方での農業としての農業地帯の景観も維持した農業生産の維持という観点からしても非常に大事なんです。前原大臣の見解を聞きます。私の時間は少ないんですが、大臣の時間はたくさんありますから、どうぞ。
#253
○国務大臣(前原誠司君) 今委員が御指摘をされた都市内の農地というのは、食料生産だけではなくて、緑地やあるいは避難地、又は子供の農業体験やレクリエーションという場として多様な役割を果たしていると思っております。こうした観点から、従来より都市計画制度においては、市街化区域内の保全すべき農地について市町村が生産緑地地区を指定してその保全に努めてきたところは、委員も御承知のとおりでございます。
 今後、人口減少や高齢化が進んで、また地球環境問題への対応が求められていることを踏まえて、効率的でコンパクトなまちづくりを進めていくことが肝要であり、その実現を目指す観点からも、都市内の農地の在り方について引き続き重要な課題として考えていかなくてはいけないと思っております。
 ただ、こうした都市内の農地の在り方については、都市行政のみならず、農業政策や税制など、各省、省庁との連携が不可欠でございますので、今後とも関係省庁と協力して総合的観点から検討していきたいと、このように考えております。
#254
○山田俊男君 ありがとうございました。
 最後に亀井大臣、お待たせしまして大変恐縮でありました。亀井大臣には、私も若いころから亀井大臣のけいがいに接してきておりまして、市場原理主義は絶対に認めないと、それからさらには、新自由主義はこの国をつぶすというふうにおっしゃった意見につきましても私は大賛成で、政治的行動についても感銘しております。
 ところで、今度おやりになる郵政改革は、国がきちっと過疎地も含めてサービスを提供しなきゃいかぬという、それを保障しなきゃいかぬということについては私も賛成です。ところが、その一方で、いろんな諸事業について、民間の事業を圧迫するような形での競争条件を入れていきますよというのはどうも納得いかない。二つの原理が矛盾した形で混ぜ合わせになって出てきているのが今回の考えではないかという心配を持つんですが、大臣の見解をお聞きしたいというふうに思います。
#255
○国務大臣(亀井静香君) 私の考え方に共鳴をいただいておりまして、感謝を申し上げます。
 私は、残念ながら、私が前におりました自由民主党が、本当に北海道から沖縄まで、山の中から島まで張り巡らされた人間の生活のきずなをずたずたにしてしまっている、本当大変な状況になっているんですよ、今、現実は。これをやはりきっちりとしていくことが、地域社会にとっても人間にとっても私は極めて大事なことだと思っております。
 ただ、委員御指摘のように、その地域では、ちっちゃな信用金庫、信用組合、あるいは保険のおばさん、いろんな方々がやはり地域社会を守っておられるわけです。今度の改革で、小泉総理がおやりになられたあのむちゃくちゃなあれの裏返しで、逆に郵便局が高笑いをして、そうした信用金庫、信用組合、農協もあるでしょうけれども、農協は相当頑張っておりますけれども、これも打撃を受ける危険性がないわけではございません。そういうところが悲鳴を上げるような、それは私は改革ではないと思っておりますので、その辺りをどうするか。今、私ごときの能力で本当に毎日毎日どうしたらいいかというので、委員からも是非ひとついいお知恵があったらお聞かせをいただきたいと思っております。
#256
○山田俊男君 農協は現在も簡易郵便局の最大の受託者なんですね、大臣御存じのとおりだというふうに思います。どうぞ、郵便局とも一緒になって、その過疎化している地域の役割を果たせるようにお互いに努力していくという観点で進めてもらいたい、こんなふうにお願いします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#257
○委員長(簗瀬進君) 以上で石井みどり君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#258
○委員長(簗瀬進君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
#259
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 核兵器のない世界をという激動の中で、五月にはNPT再検討会議も開かれるわけでございます。世界最初の被爆国として、我が国が人類と核兵器は共存できないという被爆の実相を明らかにしてこそ核兵器廃絶のイニシアチブを発揮することができると思います。
 今日は、広島原爆の黒い雨に遭いながら重い健康被害に苦しみ続けてきた多数の被災者が被爆者援護を何ら受けられないでいる問題について、長妻大臣にお尋ねをしていきたいと思います。
 原爆のキノコ雲や大火災による積乱雲から死の灰や巻き上げられたちりやすすなどの放射性物質を含んで降った放射性降下物が黒い雨でございますけれども、これによる外部被曝、そして体内にこれを摂取したことによる内部被曝が人体にどれほど重大な影響を生じるかということが原爆症認定訴訟でも明らかにされてきました。
 被災者の皆さんが口々に、後世にありのままを伝えるのが私らの務めというふうに語るとおり、この黒い雨の地域指定は、核兵器の非人道性を直視する上でも、そして被爆者援護の上でも重い意味を持っていると思います。
 資料をまずパネルにいたしましたけれども、(資料提示)この内側の青色の部分が一九七六年に国によって指定されました広島の健康診断特例区域というところですが、ここでの被爆者援護施策がどうなっているか、まず長妻大臣に御説明を願いたいと思います。
#260
○国務大臣(長妻昭君) 今その図をお示しをいただきましたけれども、この健康診断特例区域というような区域でございますけれども、いわゆる大雨地域とも言われておりまして、今黒い雨のお話いただきましたけれども、原爆が落ちて上昇気流の影響等で雨が降ったということで、その爆心地から近い大雨地域については、一定の要件が課せられておりますものの、そこにおられた方に関しては健康診断受診者証を交付をして、被爆者と同じように無料で健康診断を受けられるようにすると。
 そして、その後、その方が一定の障害があると診断された場合、この障害というのは肝機能障害などの十一の障害ということでございますが、それが診断された場合は被爆者健康手帳、つまり被爆者として認定をさせていただいて、医療費の自己負担分については公費負担、そして月額三万三千八百円の健康管理手当の支給を受けていただくと、こういうような形になっております。
#261
○仁比聡平君 今御説明があったように、この青色の線引きの外で黒い雨に遭った方々には健康診断受診者証さえ交付されずに置き去りにされてきたわけです。同じように土砂降りに降ったのに、例えば広島の湯来町では、狭い川を境に南側は大雨で区域内だけれども、北側は除外されていると。安佐南区の相田では小さな溝一本ですよ、これが境に線引きをされていると。こうした線引きに対して前政権に対して、雨が川に沿って降るものか、地形や気象条件があるのにこんなにきれいな卵形に降るわけがないと、被災者の方々から大変強い声が突き付けられてきたわけです。
 この声について、大臣はどうお考えですか。
#262
○国務大臣(長妻昭君) これについて私も調べてみましたけれども、御存じのように、その区域をどうやって決めたのかというのは、これは昭和二十年、ちょうど原爆が落ちた直後に宇田博士という方がいらっしゃいまして、その方が聞き取り調査を数か月にわたって直後からされて、いろいろな状況を勘案をしてその地域の骨格ができ、その後も昭和五十一年度、五十三年度にも当時の厚生省の委託研究ということで、これもいろんな土を分析をするなどして、この中心の大雨地域というのと、周辺の通称小雨地域というものの中から核分裂生成物が残留するとは言えないということで、そういうような研究もありましてそういうような線引きにさせていただいているというふうに聞いております。
#263
○仁比聡平君 今、長妻大臣が紹介をされたいわゆる宇田博士の調査ですが、これがどんな状況で行われたかというのは大臣御存じですか。
#264
○国務大臣(長妻昭君) これについては、戦後のすぐの状況の中で数百人の方の具体的な証言を聞いて、そしてこの宇田博士の調査で大雨地域というものを指定をしたというようなことを聞いております。
 その後も、先ほど御紹介した調査のみならず、平成三年度には広島県や広島市が実施をした黒い雨に関する専門家会議報告書と、こういうようなものもございまして、これについても残留放射能の残存の研究がなされておりますけれども、そういうものも勘案して今日の補償のスキームを作らせていただいているというふうに考えております。
#265
○仁比聡平君 大臣、年代がやや前後していると思うんですけれども、この線引きが指定されたのは七六年なんですね。その七六年にこの線を引いた根拠というのは、宇田降雨図以外にありますか。
#266
○国務大臣(長妻昭君) 一九七六年に今の黒い雨の大雨地域を健康診断特例区域に指定したというのはそのとおりでございますけれども、これについては宇田博士の調査を基本として指定をしたものでありますけれども、そのほかにも黒い雨地域内の一部で高い濃度の放射能が検出された例の報告があったことなどを参考にして、これは一九七六年に指定をしたというふうに考えております。
#267
○仁比聡平君 この線引きの中に黒い雨の地域があったと、たくさん降った地域があったという材料があったとしても、こうした線を引いたという調査は宇田降雨図以外にはないと、七六年以前は。いかがですか。
#268
○国務大臣(長妻昭君) これは宇田博士の調査以外にはないということでありますけれども、やはり非常に難しい点がございますのは、時を経て、いろいろな証言やその当時どこにどういう形で雨が降ったのかなどなど、当時の状況を知るすべというのは、やはり被爆、原爆が落ちた直後のこの調査というのが今のところは、非常に証言の信憑性、あるいはその生々しさからいって信用性が高いのではないかというようなことで、今日もこの宇田博士の調査というのは一定の信頼性を得ているということで、それに基づいたものとしてそういうような区分を決めさせていただいているということであります。
#269
○仁比聡平君 大臣も宇田降雨図以外に線引きの根拠はないということをお認めになりました。この宇田降雨図というのは、被爆直後の広島で徒歩と自転車で、大臣も広島のあの山、御存じだと思いますけど、ここ本当に苦労して行われた、先駆的だけれども、だけれども、手掛けた研究者御自身が不十分だというふうに言ってきたものなんですね。
 宇田博士と二人で調査に当たりました元広島管区気象台の北勲技師は、非常に不確実な少ない材料で一応線を引いたもの、当時からこれは暫定的なものだと語っていらっしゃいます。それが独り歩きし、重要視されて、厚生省辺りがこれを基にしていろいろやられた。医療関係に使われると目的が多少違っている、何しろ不十分なものだと思います、後々、増田さんとかいろいろいいものができておりますというふうに述べていらっしゃるわけです。
 この増田さんというのは、八七年に完成降雨図を発表された、増田降雨図と言われるものなんですけれども、こうした宇田降雨図のみを言わば金科玉条にして、被災者の実態に背を向けてきた前政権のこの黒い雨に対する対応こそ非科学的だと私は言うべきだと思うんですよ。大臣、これよく見直して検討するべきじゃありませんか。
#270
○国務大臣(長妻昭君) 二つのことを申し上げたいと思うのでございますが、今の宇田博士の調査につきましては、その調査のみならず、先ほど来御紹介しています昭和六十三年から平成三年にかけて広島県、広島市が実施した黒い雨に関する専門家会議においては、この宇田博士の調査による降雨範囲は妥当なものであったというふうにされているというのと、もう一つ、今御指摘いただいた増田博士というのが昭和六十二年に実施した調査においては、この宇田博士の調査より広い地域に黒い雨が降ったとされているということで、宇田博士の調査と異なる研究結果が出ているのも事実でございます。
 今、御存じのように広島市中心に再度、今現在調査をされておられるというようなことも聞いておりまして、かなり綿密な調査ということも聞いておりますので、その調査の結果が出れば、我々も関心を非常に持っておりますので、それを有識者の方で分析をいただいて、我々としてもそれをどう考えるかということを検討していきたいと思います。
#271
○仁比聡平君 今大臣がおっしゃった広島市と県がこの度三万七千人のアンケート、二万七千人の有効回答を得て、そのうち、黒い雨体験者千八百四十四人の綿密な聞き取り調査を行っているわけです。行政がここまで大規模で綿密な聞き取り調査を行ったのは初めてなんですね。
 その中間報告によりますと、お手元の資料の黄色の部分、現行地域指定の六倍、小雨地域の三倍を超える、ここに黒い雨が降ったというふうにされているわけです。この調査は改めて大変重いものだと思いますけれども、大臣、もう一度いかがですか。
#272
○国務大臣(長妻昭君) これも先ほど申し上げた調査、今やっている調査でございますけれども、これは今御紹介いただきましたようにかなり大規模な調査だということで、この調査を行った事実は重く受け止めていこうというふうに思っております。
 これについて、三月末、今月末に最終的な取りまとめが行われるということで、我々も非常に関心を持ってその取りまとめを拝見したいと思っているんですが、中間報告というのが出まして、それも拝見をいたしますと、黒い雨を体験した方の証言により、雨の強さやちり分布等々でこれまで黒い雨が降ったとされる地域よりも広範囲で降った可能性を示唆されておられる方もいらっしゃるということで、それがどういう意味を持つのか、どの程度の方が具体的にどういう証言をされたのかというのも正式な今月末の結果を見て、それを専門家に分析をしてもらって、そして、我々としては、その後対応が必要であればそれを検討していくと、こういうようなことを考えております。
#273
○仁比聡平君 専門家の分析もですが、私は、大臣御自身がこの被災者からの直接の実相の聞き取り、向き合うことが大切だと思うんですね。
 これ、二枚目のこれ資料は、広島県の「黒い雨」原爆被害者の会の皆さんによる独自の健康調査で、区域内なら被爆者とみなされるべき十一の疾病がほぼ認められた方々を宇田降雨図に重ねたものです。これほどたくさんの方々が、がんやあるいは肝炎、甲状腺機能障害などで苦しんでいらっしゃるわけですね。私、この会の総会でたくさんの証言を聞きましたけれども、まさに被爆者そのものですよ。この皆さんの声を、大臣、直接お会いになって聞かれるという、そうした思いはありませんか。その点を是非尋ねて、質問を終わりたいと思います。
#274
○国務大臣(長妻昭君) 先ほども申し上げましたけれども、広島県、広島市の新たな大規模調査の結果がもう今月の末に出てくるということでございますので、その中身をよく分析をして、そして専門家の先生方にも詳細にその中身を分析をしていただいて、そして私としても、厚生労働省としても見解を出したいというふうに考えております。
 そういう中で、その方々に会うということがあれば私もお会いをしようと思っておりますけれども、その前にまず、その評価と検証をきちっと私としても、厚生労働省としてもさせていただくというのがまず先になるというふうに思います。
#275
○委員長(簗瀬進君) 時間が切れています。
#276
○仁比聡平君 ありがとうございました。
#277
○委員長(簗瀬進君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#278
○委員長(簗瀬進君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
#279
○又市征治君 社民党の又市です。
 いつものとおり一番最後でございまして、各大臣の皆さん、御苦労でございますが、お付き合いいただきたいと思います。
 今日は三点についてお伺いをしておきたいと思います。
 まず一つは、高校教育の無償化法案について、川端大臣にお尋ねをしたいと思います。
 この法案は、一九七九年に日本も批准をいたしました国際人権A規約、高等教育無償化の理念を具体化をする、随分遅れたものだと思いますが、大変そういう意味では画期的だと、こう思います。
 そこで、大臣、これは日本の子供たちが無償で高校教育を受けられるというだけではなくて、日本に居住する外国人のお子さんたちも当然対象にしたものだと思いますが、その点いかがでしょうか。
#280
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 この法案は、高等学校の教育費について我が国の社会全体で支えようという理念に基づいて実施しようというものでございますので、我が国に所在する高等学校等に在籍する生徒であって、我が国の社会を構成する者について国籍を問わず支援対象とする、つまり我が国に所在する高等学校等というところに行っている日本に居住する者に対して対象としておりますので、御指摘のとおりでございます。
#281
○又市征治君 十一月十八日の文科委員会で鈴木副大臣が、外国人学校に在学している外国人についても、後期中等教育と呼ぶに足るあるいは認定するに足る教育を受けている外国人についても対象とする方向と、今大臣がおっしゃったことはこういうことなんだろうと思います。
 ところが、一部閣僚の方が北朝鮮による拉致問題などと絡めて、朝鮮高校を適用から外すように文部大臣に申し入れられたということが伝わりました。また、それを受けてか、鳩山総理も適用に懸念を表明されたやに伝えられております。
 そこで、今月三日、私ども社民党は東京十条にある朝鮮高級学校を視察をし懇談をいたしてまいりました。説明によると、カリキュラムはいただきましたけれども、後期中等教育に遜色はないし、したがって、ほとんどの大学が朝鮮高校卒業生に受験資格を付与している、こういう状況にあります。また、これは私も不勉強だったんですが、在校生の四八・三%が朝鮮籍、四八・一%が韓国籍、そして三・六%が日本籍、こういうことで、朝鮮高校といっても朝鮮籍の子供だけが学んでいるというわけではない、こういう状況です。
 こういう実態を承知なかったためにむしろ不適切な発言があったのではないか、こう推測をいたしますけれども、その点では私どもの方からも鳩山総理に、是非ともこうした高校をお訪ねになって懇談をされたらどうかということを問いましたら、前向きの御答弁なさっておりますけれども、それはともかくとして、川端大臣、この朝鮮高校にも当然これは適用するという方針、そういう方向性だというふうに理解してよろしゅうございますか。
#282
○国務大臣(川端達夫君) お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように、高等学校等に行っている日本に住んでいる子供たちを対象とするということで、その理念は申し上げたとおりでありますが、そういう意味で、法律においては、外国人学校を含む各種学校を含めていろんな学校が高校と同等ではないかということの議論がございます。
 そういう意味で、専修学校と各種学校について、私たちは高等学校の課程に類する課程として文部科学省令で定めるものという法律の立て方にしておりまして、専修学校と各種学校の中で高等学校の課程に類する課程というものということでありますけれども、これは、要するに対象を定めるときに客観的な判断でしたいと、どの、何という名前の学校であるとかいうものじゃなくて、これが高等学校の課程に類すると客観的に判断できるかどうかということを今検討しているところでございますが、実際に客観性を確保するためには、実際に行われている教育活動の実態を私たちが自ら調査して判断するということではなくて、高等学校の課程に類する課程としての位置付けが学校教育法その他の制度的に担保されているものというのを念頭に今議論をしておりまして、このような観点から見ますと、専修学校の高等課程は学校教育法上、中学校における教育の基礎の上に教育を行うという規定でございますので、制度上担保されているということで、専修学校高等課程は就学支援金の支給対象とすることを考えております。
 各種学校につきましては、高等学校の課程に類する課程であることが制度上基本的には担保されておりません。義務教育を卒業した者とかなんとかいう基準が一切ありません。ということで、原則的には支給対象としないように考えておりますけれども、外国人学校は学校教育法上専修学校に実はなれないということで、専修学校の高等課程になりたくてもなれないという仕組みでありますので、例外的に、各種学校の認可を受けているもので一定の要件を満たすものについて就学支援金の支給対象とすることとしておりまして、その際の要件として、客観的に我が国の高等の課程に類する課程であることが認められるようなものとして、今そのようなものを指定することを考えておりまして、その基準や方法について国会の審議も含めながら決めてまいりたいと思います。
 ただ、そのときに、先ほど御懸念、御指摘をいただきましたが、その各種学校の対象範囲について外交上の配慮などにより判断するというものではありません。あくまで、これが高等学校の課程に類する課程であるということが客観的に制度上どう位置付けることができるかということから判断するということでありまして、総理及び担当大臣が、いろいろな発言が報ぜられましたけれども、いろんな考え方があるというお立場を、意見を述べられたんだと思いますけれども、私としては、まさに客観的に高等学校に類する課程というものを判断する仕組みを国会の議論を踏まえながら考えてまいりたいと思っております。
#283
○又市征治君 長々と御説明いただきましたが、万が一にも朝鮮高校を適用対象校から外すようなことになりますと、憲法二十六条あるいは憲法十四条の理念に反するし、この法律が、大変いいことを一方でやりながら、片一方では公権力による新たな差別法になる、こういうことになって、日本のみならず、既に国連人種差別撤廃委員会から懸念が表明されているわけでありますから、国際社会からも厳しい批判を受けることになる。川端大臣は、今お話しになっている中身、顔を見ているともう全部決めているんだよという顔をしておられるけれども、法律が一方で審議されておりますから、政令で決められるということでありましょうから、賢明な御判断を求めておきたいと思います。
 次に、官房長官にお聞きをいたしますが、二十四年目を迎えたJRの不採用問題についてであります。
 二月四日の決算委員会におきまして、この問題について私は総理にお聞きをいたしましたが、総理からは、人道的立場から解決を急がなきゃならない、一月十三日に与党三党が解決策を取りまとめるということになりました、是非しっかり取りまとめていただいて、それを政権の思いとして実現して解決して図ってまいりたい、こういうふうに答弁されたことはもう御承知のとおりであります。その後、与党三党プラス公明党の担当者が総理の要請に沿って解決案の協議を重ねて、各党での手続も経て、近々政府に提出する運びになってまいりました。
 政府としてはこれをしっかり受け止めていただいて、やはり雇用を大事にする政府でもございますから、鳩山内閣でもありますから、雇用問題、年度末を迎えるだけに、雇用問題もありますだけに年度内解決を図っていただきたいと思いますが、政府を代表してその決意のほどを平野官房長官からお答えいただきたいと思います。
#284
○国務大臣(平野博文君) 又市先生にはいろいろ御指導いただきましてありがとうございます。
 今お尋ねの件でございますが、御案内のとおり、もう二十年以上にわたっての国鉄改革のときの不採用問題、こういうことで、長きにわたり司法の場で争ってきた事案だと私は思っております。
 今先生がおっしゃるとおり、訴訟中であると、こういうことをかんがみながら、しかし人道的な観点から、特に与党三党含めて前向きにこの問題を解決しようとお取り組みをいただいている、このことについては承知をいたしております。
 したがいまして、総理の御発言もあり、その与党の取組を見守りながら、政府としてはしっかりとそのことを対処してまいりたい、このように考えております。
#285
○又市征治君 これは前にも申し上げましたが、政治が犯した過ち、それを政治の場でやはり解決しようということでありますから、今強い決意をいただきましたけれども、是非、政府が人道的な観点からこの解決案をお示しを、提出をいたしますから、是非これは完全実施をいただくように重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、大詰めを迎えている郵政改革について亀井大臣にお伺いをいたします。大変大詰めに来て、私どもも何度も要請にも上がったりいたしておりますけれども、何といたしても、このユニバーサルサービスが壊されてきているということを再建をしようというのが連立政権三党の合意でもありますから、現段階でこういうことを考えている、言える範囲を目いっぱい是非、亀井大臣、ここで説明をいただきたいと思います。
#286
○国務大臣(亀井静香君) もう既に骨格についての素案は発表をいたしておりますが、それについての各方面からのいろんな御意見も寄せられております。今やもう最終段階に入りましたが、来週の後半か再来週ぐらいにかけては法律を最終的に作りたいと、このように考えておりますが、委員御指摘のように、ユニバーサルサービスをどうきちっと確保していくかと、しかし一方、そのことによって民業が圧迫をされていくという事態はやはり避けなければならないと、そういうことで大変、今百八十度違う方向からいろいろ御意見をいただいておりますけれども。
 何度も申し上げますように、信金、信組やまた保険のおばちゃんが大変なことになったということがないように、また農協も大変なことになったことのないように、郵政と相まって地域社会また地域を守っていく、そういうことができる改革にしたいと、このように今頑張っていますから、更に最後まで委員からのいろんな具体的なまた御提言を賜りたいと思っています。
#287
○又市征治君 民営化によって目先の収益追求に走った結果、三事業は従業員の半数の非正規雇用に依存して、根拠のない雇い止めだとかスキルという名の単価切下げで、もう年収が二百万円以下といった、こんな人間性、人間の尊厳を踏みにじるようなこういう実態まで起こってきている、こういうことがあります。
 私はこれまで繰り返しこの是正を求めてまいりましたけれども、亀井大臣もこの点は厳しく是正する意向を示しておられますけれども、具体的にどういうふうに改善をされるか。また、正社員でも、組合員間の差別であるとか、それからノルマだとか、陰湿ないじめ、こんなことが報告されてまいりました。これも併せてどのように改善なさるおつもりか、御決意をお聞きしたいと思います。
#288
○国務大臣(亀井静香君) 委員御指摘のように、ユニバーサルサービスをやれるそうした組織の在り方をつくりましても、それを担っておられる方々が暗い気持ちでもう惨めな状況の中でお仕事をされるということがあっては絶対にならないと考えております。
 これも、もう本当に自公政権時代、小泉改革と称して、人間を道具扱いにして、安く使ってコストを下げていって利益を得ようとする経営が日本を蔓延いたしました、残念ながら。この日本郵政も同じで、それ以上になっちゃっているんです。今大企業では三分の一程度が非正規社員ですが、もう日本郵政では半分を超えているという実態があります。これについては斎藤社長に対して厳命をいたしております。これについて、我が国における人間を大事にする雇用の見本となる雇用形態をつくれと、それをもう口先だけじゃ駄目だと、具体的なものを出さない限りはこの法律を私は出さないとまで言っているんです、改革法ね。そういう雇用に関する抜本的な改革案を出すことを踏まえて新しい郵政の在り方に対して最終的な私は結論を出すと。
 また、あわせて、地方で調達しておったのを二年前から中央調達にしちゃっているんですね。また、委員御承知のように、非常に暗い暗い職場になってしまっております。また、ノルマの話ですね。年賀状のさばきをもう一人二千五百枚とか、こういうものを割り当てて、そのノルマを非正規社員にも課して、それを果たしているかどうかによって正社員にするかしないか決めるなんてことをやって釣っちゃっているんですね、果たしても正社員になれないという、こういう残念ながら非人間的なそうした経営が行われているのが現実なんですよ。これを変えなくして郵政改革はないと、このように考えております。
#289
○又市征治君 大変力強い、そういう意味では、壊されてきたこういう、何というのか、人間性を全く無視したような、こんな状況をここから直していこうと、まして政府出資一〇〇%の会社ですからね、そういう点から直そうという決意、力強く感じました。
 あと二問ほど本当は質問があったんですが、もう時間が参りましたので、改めてまた別の機会に郵政改革問題、更に論議させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#290
○委員長(簗瀬進君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 暫時休憩いたします。
   午後五時十六分休憩
     ─────・─────
   午後五時二十一分開会
#291
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度総予算三案審査のため、来る三月十六日午前十時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#292
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#293
○委員長(簗瀬進君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 明日は午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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