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2010/03/18 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第14号
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2010/03/18 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 予算委員会 第14号

#1
第174回国会 予算委員会 第14号
平成二十二年三月十八日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     津田弥太郎君
     櫻井  充君     米長 晴信君
     自見庄三郎君     亀井 郁夫君
     佐藤 正久君     尾辻 秀久君
     森 まさこ君     義家 弘介君
     澤  雄二君     鰐淵 洋子君
     山下 栄一君     荒木 清寛君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     亀井 郁夫君     自見庄三郎君
     平山  誠君     水岡 俊一君
     水戸 将史君 ツルネン マルテイ君
     米長 晴信君     相原久美子君
     紙  智子君     山下 芳生君
     渕上 貞雄君     近藤 正道君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         簗瀬  進君
    理 事
                大島九州男君
                辻  泰弘君
                平野 達男君
                藤末 健三君
                牧山ひろえ君
                川口 順子君
                西田 昌司君
                舛添 要一君
                弘友 和夫君
    委 員
                相原久美子君
                植松恵美子君
                梅村  聡君
                喜納 昌吉君
                今野  東君
                自見庄三郎君
                下田 敦子君
                鈴木 陽悦君
                谷岡 郁子君
            ツルネン マルテイ君
                津田弥太郎君
                轟木 利治君
                友近 聡朗君
                円 より子君
                水岡 俊一君
                山根 隆治君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                荒井 広幸君
                泉  信也君
                尾辻 秀久君
                加納 時男君
                木村  仁君
                小泉 昭男君
                世耕 弘成君
                西島 英利君
                橋本 聖子君
                牧野たかお君
                山本 一太君
                義家 弘介君
                若林 正俊君
                荒木 清寛君
                加藤 修一君
                鰐淵 洋子君
                山下 芳生君
                近藤 正道君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鳩山由紀夫君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    原口 一博君
       文部科学大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    川端 達夫君
       厚生労働大臣   長妻  昭君
       国土交通大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  前原 誠司君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」))   仙谷 由人君
   副大臣
       財務副大臣    峰崎 直樹君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大串 博志君
       財務大臣政務官  古本伸一郎君
       厚生労働大臣政
       務官       山井 和則君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       国税庁次長    岡本 佳郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十二年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、社会保障・雇用等に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 これより質疑を行います。津田弥太郎君。
#3
○津田弥太郎君 おはようございます。民主党の津田弥太郎でございます。
 私は、政府・与党の一員になってまだ日が浅いものですから、まだ十分慣れていない点がございまして、そこのところ、少し失礼があったらお許しをいただきたいというふうに思います。
 本日のテーマは、社会保障・雇用ということでございます。社会保障に関しましては、来年度予算案におきまして、前政権の決定的な過ちでありました社会保障費の年間二千二百億円の削減、これを撤廃して、事業仕分なども精力的に行いながら、実にプラス九・八%という大幅な増加を実現をいたしております。このことは施政方針演説で命を守りたいと自らの思いを語られました鳩山総理の決意の表れであります。そこで、冒頭に、まさに命に直結した質問を総理にさせていただきたいというふうに思います。
 現在、鳩山内閣では、三月を自殺対策強化月間に指定をし、各種の取組を進めておられるところでございます。しかし、昨年の我が国の自殺者数は三万二千七百五十三人、十二年連続して三万人を超えるなど、現状は極めて厳しいと言わざるを得ません。
 現在、政府内で平野官房長官を会長とする自殺総合対策会議というのが設置され、総勢十一人の閣僚が名を連ねております。見栄えだけはいいです。しかし、その事務局ということになると、専従職員がわずかに六名、内閣府の自殺対策推進室ということであります。これは、連絡体制ということであるならともかく、推進体制という形だとしたら私は不十分ではないかというふうに言わざるを得ない。
 これ、もちろん鳩山内閣では政治主導を貫いているわけですから、政務三役のリーダーシップで大きな成果を上げることは私は可能だと思います。今、政務三役で担当しているのは泉健太政務官を始めとしておりますが、彼は、行政刷新会議あるいは共生社会、独立行政法人改革、男女共同参画、消費者庁、沖縄北方問題、中央防災会議など、十以上、超えている担当を持っているわけでございます。総理もお分かりのとおり、自殺対策というのは各省の連携がとりわけ重要であり、せめて自殺対策の専任に近い政務官を置くべきではないかと私は思うわけでございます。
 もし内閣府の政務官が増員をされた折には、是非自殺対策の専任に近い政務官を設置をしていただきたい。鳩山内閣の明確なお答えをいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#4
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 津田弥太郎委員から大変重要な御指摘をいただいたと思います。
 私ども、命を守りたい、新しい政権として、今お話ありましたように、自殺対策には力を入れてまいってきているつもりでもございます。ただ、御案内のとおり、新政権になって、若干減少ぎみだとはいえ自ら命を絶たれる方がまだ後を絶たないという状況でもございます。この三月、自殺に対する対策の強化月間ということで力を入れているところでございますが、そして泉政務官も大変頑張ってくれていることも間違いありません。しかし、多くの仕事を引き受けているものですから、なかなか自殺のみにということにはならない現実がございます。
 私ども、政治主導、新しい発想の中で政治家が中心となって対策をすべて組んでいきたいと、そのように考えている中で、まだ政務官など数が足りないという状況がございます。これがこれからまた御議論をいただくことになりますが、政治主導の確立の法案というものをこれから皆様方に議論に付していただいて成立を図ってまいりたいと思っております。
 そのような暁には、この自殺対策は大変重要な大きな仕事だと、そのように思っておりますので、今お話がありましたように、自殺対策のみということはなかなか難しいかと思っておりますが、今までよりも自殺対策に力を入れていけるような、そんな体制を政務官を含めてつくり上げてまいりたいと、そのように考えております。
#5
○津田弥太郎君 先月の二月二十五日にも、自殺で親を亡くされたお子さんと総理は御面会をされてお話をいろいろされたというふうに聞いております。失われた命は二度と戻ることはございません。是非、鳩山内閣には、自殺者をゼロに近づけていく万全の努力を行っていただきたいと思います。
 さて、この自殺問題というのは貧困問題とも大きくかかわっております。本日のテーマであります雇用問題、つまり、雇用問題、貧困問題、そして自殺問題、これはある面ではつながっていく問題ではないかと思うわけでございます。
 私自身が長年労働運動をやっている中で、六年前に参議院に初当選して以来、雇用問題というのを私は自らの活動の柱としてやってまいりました。一昨年、民主党内に緊急雇用対策本部が設置をされた際も、私はその一員として、求職者支援法案の立案、日比谷公園の年越し派遣村の視察など、菅直人本部長とともに行動してまいりました。
 菅大臣については、間違いなく歴代財務大臣、経済財政担当大臣の中で最も雇用を大切にされる方だと私は確信を持っております。ごますりではありません。
 そこで、お尋ねをいたします。
 昨年十二月に鳩山内閣は緊急経済対策を発表し、現在強力な取組を進めているところでありますが、対策におけるパッケージとしての雇用効果について、これは雇用の下支えとそれから雇用創出、この両面があると思うわけでございますが、経済財政担当大臣としての菅大臣の答弁をいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(菅直人君) 津田議員の方から雇用に対する取組について、まあ菅も頑張っているということを言っていただいて、大変ありがとうございます。
 私も、昨年鳩山内閣ができて、まず最初の本部が、これは鳩山本部長の下でありますが、私、本部長を代行させていただきましたが、緊急雇用対策本部であり、そして十月のたしか二十三日に緊急雇用対策をまとめ上げて、そしてそれに基づいて行動を始めたわけでありまして、その折には本当に津田議員にも大変重要な役割を果たしていただいて、ありがとうございます。そして、その後、これも御指摘のありました十二月八日には緊急経済対策を閣議決定し、その中でも重要な雇用に対する対策を打ち出したところであります。
 今御質問の、対策におけるパッケージとしての雇用効果ということでありますけれども、この緊急雇用対策に基づいて、一つは雇用調整助成金の支給要件の緩和、さらには貧困・困窮者の支援の強化、新卒者支援の強化、介護、医療、農林、環境・エネルギー等の重点分野における雇用の創造などの施策を着実に実行しているところであります。
 このような緊急経済対策における取組によって、今後一年間の間に、八十万人程度の雇用の下支えと二十万人程度の雇用の創出効果、これを合わせますと百万人の下支え及び雇用創出の効果を生み出す、こういう対策だと考え、推進しているところであります。
#7
○津田弥太郎君 今、菅大臣が申された下支えあるいは雇用創出あるわけですが、特に雇用の下支えというものの中で、今述べられた中で最も大きな位置付けを有しているというふうに御理解をされているのは何でしょう。
#8
○国務大臣(菅直人君) この中では、最も大きな雇用の下支え策は、雇用維持を行う企業に対して休業期間中の手当を助成する雇用調整助成金の支給が一番大きな要素だと考えております。その支給に関する生産量要件といいますか、いわゆる条件の緩和によって、緊急経済対策による雇用下支え効果、全体で先ほど八十万人と申し上げましたが、そのうちの七十七万人程度の雇用の下支え効果がこの雇用調整助成金による要件緩和で実行されていると、このように見ております。
#9
○津田弥太郎君 ありがとうございます。
 この雇用調整助成金、略して雇調金、雇調金というふうに我々言っているわけでございますが、この制度を活用することで雇用の安定が図られ、労働者の生活が守られ、消費の低迷による景気の悪化を食い止めることが可能になるわけでございます。
 それだけではございません。私の出身である物づくり産業におきましては、一たび熟練技能者の雇用が失われますと再び同様の技能者を企業内で育成することは極めて困難であります。そういう意味でも重要な意味合いを持っている。技能伝承の意味合い。
 これは私は、雇調金の制度改善というものを本当にこれまで心血を注いできた一人として、今回の緩和、教育訓練の基準の全国的な統一緩和、在籍出向者と半日単位の教育訓練についての制度適用、さらには、菅大臣が答弁をされました前年比要件の緩和、その上で雇調金に関する更なる制度改善というものについて私は指摘をさせていただきたいというふうに思うんです。
 一つは、支給限度日数の問題でございます。現在、休業等を実施する場合の支給限度日数は三年間で三百日であります。これは、リーマン・ショックから既に一年半が経過してもなお製造業等の現場は極めて厳しい現状が続いているということを考えると、大変不安になってくる状況がございます。
 今年一月の完全失業率が〇・三ポイント下がって四・九%というふうになったわけでございますが、製造業の就業者数は一年前と比べて七十五万人減少をしている。こういうまだまだ雇用の下支えとしての雇調金が大きな役割を果たさざるを得ません。その場合、支給限度日数に抵触してしまう企業が今後多数生じてしまうことも現実的には考えられるわけです。
 そうした際に手遅れにならないよう、前もって必要な検討を厚生労働省内で行うことを長妻大臣に求めたいと思いますが、いかがでしょう。
#10
○国務大臣(長妻昭君) 津田弥太郎委員におかれましては、本当に労働問題、雇用問題に詳しく、いろいろこれまでもアドバイスをいただいているところでありまして、感謝を申し上げます。
 雇用調整助成金、今ここで予算案を審議いただいておりますけれども、二十二年度予算案、御了解いただきましたら、二百万人を超える方が対象になるということで、この雇用調整助成金がなければ恐らく失業率は今よりも上がるということで、非常に重要な制度の一つだということであります。
 そして、今おっしゃられたように、三年間で三百日という支給日数の上限がございますが、今は、調べますと、一か月当たり約四日が支給日数の平均でありまして、この三百日を大きく今は下回っておりますが、これは今後、雇用情勢がまだ予断を許さないという状況でありますので、私としてはその支給日数の動向を、上昇傾向か下方傾向かということをよく見極めて対応を練っていきたいということで、準備を怠りなく、まずは、今のところは私は大丈夫だと思いますが、現状を怠りなく注視をするということであります。
#11
○津田弥太郎君 テレビを御覧の皆さんにちょっと解説をしたいと思いますが、今までの厚生労働大臣とこの長妻厚生労働大臣との違い、自民党政権から民主党政権になった違いであります。問題が発生して大きくならないと対策が打てないのがこれまでの自民党、官僚支配政権であったんですが、民主党政権はそうではなくて、問題が発生しそうだと思えば必ずちゃんと手を打つ、まあ舛添大臣のときにはちょっと良かったですね、しかし、更に民主党政権ではいい形で、先手必勝、そういう形で取り組んでいくわけでございます。これが大きな違いではないかというふうに思うわけでございます。
 そういう点を指摘をしておいた上で、この雇調金の二つ目の課題は、日額上限の問題でございます。
 現在、休業の際に雇調金から支給される金額は、大企業の場合、賃金相当額の三分の二、中小企業の場合は五分の四、加えて、解雇等を行わない事業主の場合は助成率に上乗せがされ、極めて手厚い助成がされております。しかし、私自身が全国の製造業の現場を回っている中で、せっかく解雇等を行うことなく雇用維持に努力しても上乗せの恩恵を受けられないという声を何度も耳にしているわけでございます。
 雇調金の実際の支給については、日額七千六百八十五円が一人一日当たりの上限限度額になっているわけでございます。そこで頭打ちという問題が出るわけでございます。日額上限は雇用保険の失業給付とも連動しているわけでございまして、金額そのものの変更は慎重に行う必要があると思います。しかし、解雇を行わない事業主に対するインセンティブとして、千円ないし二千円の加算を例えば時限措置として行う、こういうことは現実的に私は可能ではないか、この点に関しても昨年来厚労省と協議を行っておりますが、残念ながら継続事項となっております。
 先ほど長妻大臣を持ち上げました。是非、労使双方の意見を積極的に聴取をし、必要があれば果断に加算措置を実行していただきますよう求めたいと思いますが、いかがでしょう。
#12
○国務大臣(長妻昭君) この雇用調整助成金は、基本的には失業になる前、企業の中で休業をされている職員に対して、その休業の手当の一部を肩代わりするものでありますけれども、今おっしゃられたように、助成率を引上げをしております、大企業では三分の二から四分の三、中小企業では五分の四から十分の九ということでありますが、これ上限に引っかかるとその助成率引上げの恩恵を受けられないと、こういうことは指摘をされているところであります。
 ただ、今おっしゃられましたように、この日額の限度額というのが七千六百八十五円ということは、これはもう今の失業手当の、基本手当の上限と全く同じ金額にしておりまして、そういう意味で、片方を手厚くすると失業手当の部分の見直しということで、これは財源的な問題にもなるわけでございまして、これは労使双方の御意見を聞きながら我々としては慎重に検討をしていきたいと思います。
#13
○津田弥太郎君 労使の意見を聞いていただくということでございます。是非そういう形で進めていただきたいと思います。
 雇調金に関する最後の指摘は、手続の簡素化の問題であります。
 専任者がいる大手企業ならともかく、非常に人数の少ない中小企業になると手続をするだけで非常に大変だと。この問題は、公金を支出をするわけですから、やはりきちんとした手続はしてもらわなきゃいけない。しかし同時に、雇用を維持していただくために努力していくわけですから、余りにもその手続が煩雑になるというのも、やはりぎりぎりのところまで簡素化できるものは簡素化する、こういう非常に難しい部分があるかと思うんですが。
 私、来週、実際に今やっている企業のヒアリングを行います。その中で問題提起を是非させていただきたいというふうに思っているので、是非私からの提言について誠意を持って、長妻大臣、対応していただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#14
○国務大臣(長妻昭君) この雇用調整助成金につきましては、今おっしゃられましたように公金でございまして、これは一部不正というのがあるのも事実でございまして、緩め過ぎるということも一定の問題があると思いますが、これは昨年の十一月三十日から、申請書類を、今まで五種類もありましたのを、これは津田先生始め御指摘を受けて三種類に少なくさせていただきました。きちっと最低限のことは書いていただくということでありますが、これでもいろいろ証明書類等不十分、もう少し簡素化という御意見もありますので、津田委員の御指摘も今後真摯に聞かせていただいて我々も検討していきたいと思います。
#15
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 私が雇調金の問題と同時に力を入れてきた問題が消えた年金の記録回復でございました。この問題について、当時、民主党のネクスト年金担当大臣でありました長妻厚生労働大臣の御指導もいただきまして、私が筆頭提出者となり、昨年の通常国会に民主党、国民新党、社民党の三党共同で年金記録回復促進法案を提出をさせていただきました。その後、法案は、本院の本会議では可決されたものの、衆議院の解散により審議未了、廃案となったところでございます。
 この点につきまして大臣にお尋ねをしたいと思います。政権交代後、長妻大臣のリーダーシップの下、年金記録回復に向けた取組が進展しているものと私は承知をいたしておりますが、改めて大臣から概略をお答えいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(長妻昭君) この消えた年金問題につきましては、津田委員と一緒に、消えた年金問題の民主党の部会を毎週火曜日の朝、もう百十回以上開いていて、いろいろ被害者の方もお呼びをしてお話を聞いて、ここまでいろいろな積み上げで政策が出てきたと考えております。
 その中で、私は大きなポイントだと思っていますのは紙台帳との照合ということでございまして、これを一期四年の中で全件照合する。初めの二年間に、その紙台帳の中でも間違いの少ないものを集中的に照合をする。これまでは、記録を送って皆さんに間違いを自己申告してくださいと。この手法も重要でありましたけれども、今後は、お気付きない方にも、紙台帳を照合して、あなた様、間違えていました、申し訳ありませんということで差額をお支払いする、こういうアプローチができるということ。
 あともう一点目は、このパネルを用意させていただいたんでございますけれども、(資料提示)支給要件について回復要件を見直していくということで、これまでは第三者委員会というところに証拠がないものは送られてかなり時間が掛かっていたものについて、膨大な過去の前例を分析をすべていたしましたところ、まず第一弾として三つ緩和させていただくということで、厚生年金については、標準報酬月額を改ざん、これが疑われる六・九万件のうち、従業員であった方については第三者委員会ではなくて年金事務所で一定の要件で回復をさせていただく。
 そして、国民年金については、二年以下の短い未納について、その前後は未納があってはいけませんが、二年だけの未納については、これはもう一定の要件で年金事務所で回復をさせていただく。
 あるいは脱退手当金。かつて女性が退職するときには一時的な脱退手当金を支給して、それでそれまで払った厚生年金の記録を全部消すと、こういうようなことがありましたが、脱退手当金をもらってないのにもらったとされる事例がかなりありますので、これについても第三者委員会へ行かない前に、このマル脱という判こがない場合は一定の要件で窓口でも認めると、こういうようなこと。
 そして、あともう一つなんですが、これは無年金、低年金の方への対応ということで、法案の審議もお願いしようと考えているんでございますが、国民年金の保険料はこれまで二年よりもさかのぼって納められませんでしたので、これを十年までさかのぼって納められるようにすると、被保険者の中で無年金とならずに済む人が最大で四十万人出てくる、年金額を増やせる方が最大で一千六百万人出てくるということ。
 そして、受給できる可能性があるのに受給してない方がいらっしゃいます。この二十五年ルールで満たしているにもかかわらず受給の申請をされておられない。これは御存じないのか、勘違いされているのか、間違った説明を受けているのかということで、そういう方にも通知を出す。あるいは、二十五年に満たってなくてあきらめているんだけれども、実は空期間等の要件があって受給できる可能性があるんではないかという方五十万人をセレクトをして、そういう方にも通知をお願いをするというようなことで、あるいは専業主婦と学生等にある空期間というものがあって、これはほとんどの方が御存じないので、これを周知をして、今まで年金が受給できないと思っていた方が受給できるというような、こんなような取組を我々続けておりまして、これはまだ第一歩でございますが、第二弾、第三弾を打ち出してこれに取り組んでいきたいと考えております。
#17
○津田弥太郎君 よく分かりました。どのような類型の方にそうした年金事務所段階での迅速な記録回復が行われるのかが、今大臣よく説明していただきました。しかし、多くの国民にはこれは十分に周知されているというふうには私には思えません。
 したがって、今のパネルのような内容を分かりやすくリーフレット等に記載をして周知を図っていく必要があると思いますが、いかがでしょう。
#18
○国務大臣(長妻昭君) 余りお金を掛けられませんけれども、本当に分かりやすく端的な形でリーフレット等を作って、本当に多くの方に見ていただくホームページ、あるいは私もいろいろな場所で発言をするなどなど、徹底的な広報に努めていきたいと思います。
#19
○津田弥太郎君 さて、現行法には納付勧奨という仕組みがございます。総務省の年金記録確認第三者委員会において、事業主が申立人の保険料を給与から天引きした事実を認めてしまうならば、その事業主は保険料を猫ばばしていたものとみなされ、保険料を納めてくださいねと国から言われてしまいます。
 この納付勧奨に強制力はありませんが、保険料の納付を行わない場合には企業名の公表が行われ、企業にとっては今後の事業継続に影響を及ぼしかねません。このことが申立人の主張を認めてもよいというふうに考える事業主をも相当程度萎縮させる効果を有しているとの指摘が、長妻厚労大臣と原口総務大臣が野党時代に主宰をしていた、先ほどお話がありました、毎週火曜日の朝の合同部門会議でも再三指摘をされたところでございます。
 そこで、お尋ねをしたいと思います。この納付勧奨の問題が事業主の協力を得る上で一つのネックとなっているとの認識を現在も共有をされているかどうか。二つ目、この納付勧奨に係る問題は法律改正を行わなければ解決しない問題であると私は承知をいたしておりますが、事実関係としてそのとおりなのかどうか。この二点、お伺いします。
#20
○国務大臣(長妻昭君) これは年金記録問題の中の厚生年金の問題でございますけれども、事業主が従業員から保険料を預かったけれども猫ばばしてしまったというケースもあるわけでございまして、そういう場合にその事業主にお金を追徴するということでありますが、これはもちろん皆さんが猫ばばしているわけではございませんで、何らかの理由で消えてしまって、事業主の方はまじめに社会保険庁に納めているにもかかわらず外形的にはそんなような状態になっているときに、かなり厳しく追徴をちらつかせるとなかなか正確な証言が得られないと、こういう御指摘は、私もそういう観点がある、一定のものがあるというふうに思っておりまして、それを是正するには法律を改正するということがこれは必要になってくるということであります。
#21
○津田弥太郎君 さて、この年金記録回復促進法案の最大のねらいは、保険料を天引きされた事実等の判断の変更にあるわけでございます。そもそもこの第三者委員会は、御本人の立場に立つとの安倍元総理大臣の発言によって設置をされたものですが、実際の判断基準については、訴訟法上の疎明、これは裁判において勝てるという確からしさということになるわけですが、これが求められているわけでございます。そのため、何十年も前の保険料納付に関する物的証拠がないために第三者委員会に申立てを却下された被害者が少なからずいるわけでございます。現にそうした被害者が月曜日の民放番組、ある民放番組ですが、九時からですけど、悲痛な思いを語っておられました。
 年金記録回復促進法案では、この判断基準を緩和して、いわゆるグレーゾーン、あっせん、非あっせんのどちらにするか第三者委員会も迷うようなケースは被害者の記録を回復させていく。断定です、これは。また、記録回復に役立つ雇用保険の記録、所得税、住民税などの記録、労災保険の記録、これなどについては、被害者が探すのではなく、第三者委員会が各省庁や地方自治体の協力を得て進めていく。立証責任の転換でございます。そうした大きな制度変更を盛り込んだところでございます。
 こうした判断の変更については、法律改正を行わずに運用で行った場合でも一定の効果を持つことは否定をしません。しかし、国会で審議をされ成立した法律によりこれらの判断の変更を行うことは、国民に向けて、さらには第三者委員会において過去に非あっせんとなった被害者に向けて極めて大きなメッセージ性を持つものであります。また、被害者救済を積極的に行おうとするならば、一定の過剰救済、つまり実際には保険料を払っていない場合でも払っていたと認めてしまう場合もあるということは事実だと思います。そのことにモラルハザードを指摘する声あるわけでございます。しかし、国権の最高機関である国会が国民の理解を得て立法措置として行う以上に適切な方法は存在し得ません。
 私は数多くの重要法案を抱える厚生労働委員会の理事でもあり、今国会中とは言いませんが、先ほど長妻大臣がパネルを使って説明された取組を加速化させる中で、その延長線上においてこの年金記録回復促進法案の趣旨を盛り込んだ法律の制定が私は不可欠だと考えるわけでございます。記録問題を解決し、公的年金制度への信頼を取り戻さない限り、新しい年金制度への移行は不可能だからです。成立させるべき法案は恐らく期間限定の時限立法という形になるかと思いますが、この立案に関し私は協力を惜しみません。大臣、いかがお考えでしょうか。
#22
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられましたように、第三者委員会でもちろんそのすべてが認められるわけでは現在ありません。証拠がない方を審査をするところでありますが、これを迅速化を図るということで、今まで以上に年金機構、厚生労働省挙げて第三者委員会に資料を提出をしていくと、こういうような体制をまず取っていくということ。
 あと、今おっしゃられた法律でございますけれども、委員も言われましたが、一定のモラルハザードといいますか、かなり広過ぎる範囲、この範囲が非常に難しいわけでございますけれども、そうすると保険料をその中には払っておられない方も入る可能性があるんではないかということもいろいろあるわけでありまして、今現在、これはマスコミにも発表させてもらいましたが、これまでで約二百五十件が他人の記録をくっつけてしまったという事例も発生をしておりまして、そうすると、他人のその方は自分の記録が別の記録となってしまって戻らないということにもなりかねないわけでありますので、私としては、まずはこの紙台帳あるいは先ほどの回復基準ということで、それをもう徹底的に取り組んでいって、そしてそれでも解明できない五千万件の中の記録が残ったときに、そのときにやはり国民の皆さんと議論をして、その記録について一定の機械的な基準を作って何らかの対応を打つという今言われたようなお考えというのはあり得ると思いますけれども、今の段階では今取り得るすべを徹底的に取って、しかも時間を掛けずにやっていくということがまず先決だというふうに考えております。
#23
○津田弥太郎君 先手必勝ということを先ほども申し上げました。必要性をお感じになっているということでありますから、是非、今後の対応として、備えあれば憂いなしであります。法案に盛り込むべき内容の精査、これを是非厚生労働省として着手をしていただきたいと思うんです、将来に向けて。その点についてはいかがでしょう。
#24
○国務大臣(長妻昭君) これは、先ほど申し上げましたように、紙台帳の全件照合ということで私は一定の部分が回復できてくるというふうに思います。御本人も全く気付いていない、その今までなかなか手付かずだった部分の解明が進むと思います。その解明をやらせていただいた後に、それでも五千万件の中で不明な記録が残る可能性は非常に高いと思いますので、そのときに備えて今おっしゃられたような点も検討していきたいと思います。
#25
○津田弥太郎君 最後に、鳩山総理大臣にお伺いをしたいと思います。
 鳩山総理は、年金記録回復促進法案が昨年六月三日に本院の本会議で可決された際の民主党代表であり、ネクスト総理大臣でもありました。民主党が昨年、総選挙において国民に約束したマニフェスト、(資料提示)今でもいい男です。このマニフェストには「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で、「一括補償」を実施する」と記載をされ、これを受けて、民主党政策集インデックス二〇〇九、これにおいては、納付した証拠のない方の記録を積極的に回復するため、年金記録回復促進法案の成立を図り、事務局体制の強化や判断基準の見直しを行うというふうに明記をされているわけでございます。
 先ほど、過剰救済の問題に私は言及をいたしました。しかし、過剰救済が一部で発生することを覚悟の上で、なおかつ保険料を納付していながら記録が消えている被害者の救済を優先させるという政策判断こそが民主党らしさではないか、私はそういうふうに思うわけでございます。
 長妻大臣の答弁を踏まえ、国家プロジェクトとして年金記録問題の早期の解決に取り組んでいく、その過程でできるだけ早い時期で法案提出を目指し、しっかりと長妻大臣の後押しを行っていただく、その決意を語っていただきたいと思います。
#26
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 津田弥太郎委員の熱意に感銘を受けているところでございます。
 今、私どもは、マニフェストのお話もいただきました、インデックスの中にも記述をいたしております年金記録回復促進法案、これは通称津田弥太郎法案とも呼ばれているわけでございますが、この法案、一時、私どもは提出をいたしたのも事実でございまして、この必要性に関して今論をまたないと、私もそのように考えております。長妻大臣がるる御報告を申し上げましたように、まずこの問題に対して、法案を提出する前にでもできる限りの努力をするということは事実だと思います。
 ただ、この問題を考えれば、分かりやすく言えば、本来給付すべき方が給付されていないミス、その逆に給付されるべきでない方に給付してしまうミス、この二つがやはりあるわけでございまして、その後者に対する懸念というお話もありました。過剰救済というお話でございました。ただ、問題が御案内のとおり社会保険庁をもとに発生をしているということを考えたときに、救済すべき方をやはり救済をされるのを優先するというのが当然政府が取るべき道だと、そのように考えております。
 したがいまして、私ども、この問題に関して長妻大臣ともよく相談をいたします、また津田議員ともよく相談をいたしたいとは思っておりますが、この法案に対していつの時点で出すかということに関してまだ結論は見出してはおりませんが、約束を申し上げた以上、私どもが政権を担っている間に法案の提出をするべきだと、そのようにも考えておるところでございまして、その方向を定めて、時期あるいは規模、その辺のことを、内容も含めてでありますが、しっかりと検討してまいることをお約束をいたします。
#27
○津田弥太郎君 終わります。ありがとうございました。
#28
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。水岡俊一君。
#29
○水岡俊一君 民主党の水岡俊一でございます。
 津田弥太郎委員の関連質疑に立たせていただきます。津田委員のパワーあふれる質問の後、少々やりにくいのでありますが、貴重な時間を与えていただきましたこの責任をしっかりと果たしてまいりたい、このように思うところでございます。
 鳩山総理を始め閣僚の皆さん、連日の審議、大変お疲れさまでございます。早速でありますが、質問に入ってまいりたいと思います。
 まず、高校、大学の卒業生の就職問題についてお伺いをしたいと思います。
 総理、今雇用情勢の悪化ということが叫ばれており、高校、大学の新卒者は第二の就職氷河期と言われる状況にあると思います。厚労省が最新の情報で出したところによりますと、今年の一月末現在の高校卒業予定者の就職内定率は八一・一%、昨年同期から比べて六・四ポイント下がっている、また大学卒業予定者は八〇・〇%、昨年同期比で六・三ポイント減、こういうデータが出ておるところであります。就職希望者にとっては大変やりきれない、やるせない思いでいっぱいだというふうに思います。
 この若者たちを第二のロストジェネレーションにならないためにあらゆる施策を今政府は取っていただいていると、そういうふうに思っておりますが、いまだに、今日もまた就職活動のために会社訪問をしている多くの卒業生がいることというふうに思いますが、総理から是非その若者たちに励ましのメッセージを与えていただきたい、このように思うところであります。
 また、加えて、長妻厚生労働大臣には、この就職支援策について改めて御説明をいただきたいと思います。
#30
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 水岡委員から、高校を卒業するけれどもなかなか就職先が見出せない方が二割おられる、また大学も同じだ、二割おられると、その方々に頑張れというメッセージを送ってほしいということでございました。
 私から申し上げることは、この若い皆さん方が自ら一番働きたい就職先、会社など、まだ時間があるから頑張ってほしいということに尽きるわけでありますが、ただ、一番申し上げたいことは、今まで何か四月に就職をしなければならないんだというような社会の慣習ができ上がり過ぎてしまっていることが、みんな若者たちが、まだ卒業したけれども就職先が見付からない、これならその後の人生狂っちゃうんじゃないかという思いに悩まされ過ぎているんじゃないかと思います。
 もっと大事なことは、政府として、あるいは民間も含めてでありますが、四月だけではないよ、九月もあるよも含めてですが、もっと柔軟な社会というものを構築をしていくということだと思っておりまして、大事なことは、当然、様々この四月に向けて我々施策というものを充実させていくこと、これはお誓いを申し上げておりますし、大臣の方からも説明がありますが、もっと大事なことは、より柔軟な社会というものをみんなで努力の中でつくり上げていく、そして若い人たちがある意味で自ら一番働きたい仕事を、幸せを得ることができるような仕事というものを見出していけるような仕組みというものをつくり上げていくことだと思っておりまして、それに向けて新政権としては最大の努力をしたい、そのように考えておりますので、是非、若い皆さん、頑張っていただきたい。
#31
○国務大臣(長妻昭君) 今おっしゃられましたように、この新卒の内定で大卒の数字も出させていただきましたけれども、これは史上最悪の数字になっておりまして、高卒の方も非常に良くない数字となっております。大体今の時点で五人に一人の方がまだ四月の就職が決まっておられないという大変ゆゆしき事態であります。
 その中で、先日も、私と川端文部科学大臣と経済団体に対して、もう何とか採用をしてほしいということでお願いを、お邪魔し、そしてハローワークに新卒者専門に対応するジョブサポーターという方を倍増して九百二十八人を配備するということにしております。この方は、ハローワークにただ座っているのではなくて、かつて企業で採用担当したOBの方とか経験豊富な方でございまして、学校に訪問して、そして企業に訪問する、学校に行って企業に訪問すると、これをずっとぐるぐる回っていただいて情報収集とマッチングに努めるというようなこと。あるいは体験雇用をしていただくと、新卒者については。その事業主に補助をするというようなこと。
 私としては、今回採用は景気が厳しいからしないと決断した企業でも、目の前にいる優秀な学生の方と対面するうちに、よし、じゃ、あと何人か雇ってみよう、それによって人件費は出るけれども、それにあり余る活力と付加価値を生んでくれて、逆に企業の立て直しにも資してくれるのではないかと、そういうふうに思っていただけるようなそういう対応というのをやっていきたいというふうに考えております。
#32
○水岡俊一君 総理から温かいメッセージをいただきました。ありがとうございます。
 今、長妻大臣からお話がありましたが、内定が出ていない大卒予定者五人に一人、大変厳しい状況でありますが、今就職先が決まらない状態で卒業するよりは一年留年した方がいいと、こういう考えを持っている人たちが少なくないようであります。翌年新卒として就職活動した方が留年しても有利ではないか、こういった考えの中で、希望留年制度というのがどうもできてきているようです。就職のための留年制度を認める大学があるということであります。
 A大学で今年の二月から卒業延期制度が導入された。この学生は基本料とか受講料の半額を納めなきゃいけない。B大学、B工科大学ですが、就職支援特別在籍制度が導入されて、授業料の一八%を納める、年間二十二万円。C大学は在学延長という制度が入って年間に二十万円納める。D大学は卒業延期制度、文系では五十万、理系では七十五万円を払う。こういった制度が大学がどんどん導入をしてきているという状況であります。
 先ほど総理から、もう四月に就職ということだけではないんだ、もっと柔軟性を持った雇用というものを考えなきゃいけないというお話をいただいたところでありますが、そういった意味で長妻厚生労働大臣に、夏であるとかあるいは秋であるとか、あるいは通年を考えた採用制度というのをもっともっと企業の方々に要請をしていくというお考えはあるでしょうか、お願いいたします。
#33
○国務大臣(長妻昭君) そういう考え方はございます。雇用対策法という法律がありまして、そこに基づいて指針を定めて既に周知をしているところでありまして、新卒、卒業予定者の採用枠に既に卒業している人も含めてくださいと、新卒の枠は新卒だけじゃなくて既に卒業されておられる方も含めてくださいという指針とともに、これを更に周知徹底をさせていただこうということも考えております。
 そしてもう一点、これはかなり厳しい話なんですけれども、大学あるいは高校を卒業した後に就職がない場合は職業訓練をしていただくと。これは本当に厳しい話なんですけれども、それについても要件を緩和をいたしまして、無料で職業訓練を受けていただいて、かつ一定の要件であれば生活費を月十万円お支払いすると。これも新卒の方にも適用するということにいたしましたので、是非、ITとか介護とか、あるいはいろいろな有望な分野の職業訓練のメニューがそろっておりますので、ハローワークにお尋ねをいただきたいということであります。
#34
○水岡俊一君 大学生と同じように高校生、大変厳しい状況というふうに言われておりますが、少し調べてみると、この就職難の中でも高校の工業科を卒業する生徒の内定率を見ると、これは割と高いんですね、八八%を超えている。また、全員の就職が決まった工業高校もあるというふうに聞いております。それから、高等専門学校は九七・三%と非常に高い。そういった意味でいえば、景気の動向という要因はあるけれども、技術立国を支える人材を求める企業がたくさんあるということはまた事実だというふうに思っています。そういった意味からすると、就職状況を分析をして学校教育を見直す契機にすべきだという点があるんではないかな、そんなふうに思っています。
 厚生労働省、そして文部科学省、連携しながらこの若者の就職難を打開していくいろんな手だてを考えていってほしいというふうに思っておりますが、そういった意味では、長妻厚生労働大臣、文科省との連携という点ではどういうお考えがあるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(長妻昭君) これは文部科学省と連携をする必要があるということで、厚生労働省の中にこの職業訓練や就職の体制をということを検討する委員会をつくって、文部科学省の方にも参加をしていただいています。
 今御紹介いただきましたように、例えば一定の専門学校では非常に高い内定率を続けている専門学校もあります。そういう意味では、大学を卒業して専門学校に入るという方も最近は多くおられるというのに、本当に複雑な心境というか、これもいろいろ考え方を整理する必要があると思うんですけれども、職業訓練と学校教育と、これをどう役割分担をしてそれを効果を上げていくか。先進国、ヨーロッパ等では先進的な取組をしている国もありますので、本当に原理原則や哲学を教える教育ももちろん重要でありますけれども、職業という側面から厚生労働省の分野の職業訓練と文部科学省の分野というのは連携をする必要があるというのは、おっしゃるとおりだと思います。
#36
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 先日、新聞を読んでおりますと、高校生の採用を支援するためにどういう方法がいいのかという考えを述べておる記事がありました。これは労働政策研究・研修機構統括研究員の小杉礼子さんという方がおっしゃっていることでありますが、より抜本的な策として、高校におけるカリキュラムをその地域の労働市場に合わせて組み替えることも考えてはどうだと。地域産業界と協力して生徒を育てる、一か月程度の長期実習や企業からの講師派遣などを通じて生徒が地元で生きる現実に触れていく、学ぶことが仕事にどうつながるかを知って学びの動機付けとなることが重要ではないかと、こういうふうにおっしゃっているわけですが、そこで、川端文部科学大臣に、先ほどの長妻厚労大臣のお話もあったところでありますけれども、厚生労働省とそして文科省との連携、そして文科省のこれからの一つの考え方を、もしありましたらお願いしたいと思います。
#37
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 基本的には、高卒の今就職事情が非常に厳しいというのはもう御指摘のとおりでございます。そういう中で、この内閣としてもいわゆる雇用対策支援の政策が打ち出されておりますが、その中で、年末には、私と厚生労働大臣と経済産業大臣一緒になって、経済四団体の皆さんに、是非ともに、今厳しい中だけれども、先ほど厚生労働大臣がおっしゃったように就職、人を採用してほしいと。
 またあわせて、新卒者支援チームというのが文科省の高井政務官をヘッドとして、これも厚労省、経産省でできておりまして、この人たちも、年明け、先般、三月二日には中小企業団体に訪れて、こういう状況をもう少し、低いですから何とかというお願いをしておりますが、加えて、先ほど来厚生労働大臣からいろいろありました高卒ジョブサポーター、随分増やしていただく。それで今度は学校に配置してはどうかと。これは巡回していただいているので、そのときの受皿として高校の就職担当の先生との連携を今まで以上に密にしていただきたいということでのそういう連携や、厚労省がやっていただいております新卒者の体験雇用、インターンみたいに少しの期間だけ就職の体験をしてみようというふうな事業とか、いろいろやっていただいていることを都道府県教育委員会を通じて、厚生労働省にこういうメニューがあるから是非とも活用してということを周知を図っているところであります。
 そして、今御指摘のように、学びの場において、やはり何のために学んでいるのか、そして将来自分はどういうことをしたいのか、そしてやっぱり働くことは自分にとってもそして世の中にも大変大きな意味のあることだという職業能力と同時に職業観というものをしっかり身に付けた教育をやらなければ、何となく学校に行って何となく出ると、何か世の中で自分は何をするのかなということから、結果としてせっかく就職しても何か一年で随分の人が辞めるというミスマッチを起こしているということがありますので、そういう教育を充実させる中で、お触れいただきました地域の企業、産業にやはり密着するということは極めて意欲も高まるということになるということで、お触れいただいたことで申し上げますと、地域産業の担い手育成プロジェクトということで、文部科学省、経済産業省、中小企業庁連携事業ということで、実際にそういうところの地元の企業に行ってみて、いろいろ働くことの実習をしようというふうなことを踏まえて、いろんな方面でアイデアも含めながら、厚生労働省そして経済産業省ともしっかりと連携を密にしてこれからも取り組んでまいりたいと思います。また、いろんなことに関しては御指導をいただければ幸いでございます。
#38
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 若者の就職支援という意味では、これからいろんな大きな問題がまた起こってくるというふうに思っています。大学卒業生と高校卒業生が大きな二つの山をつくりながら学歴分断社会ができていくんではないか、こういう指摘もありまして、これから企業が大学卒業生だけをたくさん採るというような状況が続けば、またこれ大きな社会問題として出てくるというふうに思っておりますので、引き続き若者の就職支援、厚労省、文科省、そして経産省も連携を是非ともいただいてお願いをしたいと、こういうふうに思っております。
 次の、格差と貧困の問題について質問をしたいというふうに思います。
 総理にお尋ねをしたいと思いますが、厚生労働省の調査によりますと、二〇〇七年の我が国の相対的貧困率が一五・七%、国民の七人に一人が貧困にあるという事実が明らかになってまいりました。また、十七歳以下の子供の相対的貧困率も一四・二%と、非常に子供の格差も広がっている。OECDの調査によると、二〇〇〇年代半ばの日本の相対的貧困率は一四・九%で、OECD加盟国三十か国中、メキシコ、トルコ、米国に次いで四番目に高いという、そういう水準になっているということがあります。
 また一方、国立社会保障・人口問題研究所が調査の結果を発表しておりますが、これは二〇〇八年に実施した社会保障実態調査というものでありますが、これによりますと、過去一年間に経済的な理由で家族が必要とする食料が、食べ物が買えなかった経験を持つ世帯の割合は一五・六%ある。また、衣料が、服ですね、衣料が買えなかった経験を持つ世帯は二〇・五%。また、電気、ガス、電話料金が未払になったことがある世帯の割合は、それぞれ四・七、四・五、五と、ほぼ大体五%程度はあるということで、生活に困難を抱えている世帯は少なくないというのが現状だというふうに思っておりますが、このような現状を鳩山総理はどのようにお感じになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
#39
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 水岡委員にお答えをいたす前にちょっと一言だけ、先ほどの高校と職業の話で、私の最近聞いた話を一つだけ申し上げたいと思います。
 すなわち、ルーマニアの大統領と話をした中で、実はルーマニアで日本の企業が全くの田舎に進出をしてくれた、村に進出してくれたと。理由を聞いたら、そこには三つの高校がある、その高校と新しく進出した日本の企業とが連携をして、体験的に企業で在学中に働いていく、そして就職もその先に見出していくというような連携がされているということを大統領から、すごく感謝をしてこういう日本の企業があるという話をされました。日本にこういうことがなかなかないものですが、ルーマニアだからという部分もあるいはあるのかもしれませんが、特殊性もあるかもしれませんが、こういう例が起きつつあるということを一つ報告を申し上げておきます。
 それから、貧困の問題。日本がこれだけ先進国でありながらいつの間にか貧困率が高くなってしまっているということは、大変我々はショックであった、国民のすべてがショックを受けたんではないかと、そのように思います。しかし、それは現実そのように、例えば七人にお一人の御家庭が大変苦しい環境の中で努力をされているという実態が明らかになったわけでありまして、これはまさに社会問題として解決をしなければならない話だと思います。
 その意味で、我々が申し上げられるのは、例えば社会保障などというものが本来ならば所得の再分配した後はもっと格差がなくならなきゃいけないのに、より格差が広がってしまっているという現実もある。このことを考えれば、どういう所得の再配分、再分配というものを行うべきかという議論が大事で、そういう意味でも子ども手当とか高校の授業料の無償化というような議論は大変私は前向きな話、格差の縮小に向けての大変大事な私は役割を担っている、そのようにも思います。
 雇用調整助成金の話など、こういった格差を減らすための努力というものはこれからも精いっぱい行ってまいらなきゃいけませんが、貧困率というものを民主党が政権を担って初めて公表した、恥ずかしいけれども公表した、ならばこの問題を社会問題として積極的に政府として対処していくことをお誓いをしたいと思います。
#40
○水岡俊一君 政府として積極的に対処してまいりたいというお言葉をいただきました。
 そういった中で、経済的に困窮する世帯が増えるということは、同時に子供にもその影響が及んでくるわけであります。子供の貧困の問題を取り上げる中で、これまで義務教育段階では家計負担軽減をするために保護者に就学援助をするという制度が今まで設けられてきました。
 この就学援助の推移を見ますと、一九九五年度には七十七万人、対象者が、率として六・一%、二〇〇〇年には九十八万人で八・八%の率、二〇〇八年度は百四十四万人で、対象となる子供は一三・九%と大変増えているというのが現状であります。
 この就学援助というのは、生活保護世帯の要保護、つまり生活保護法による保護を受けている世帯、それに準ずる困窮した世帯を準要保護、こういうふうに呼んで二種類がありました。小泉内閣時代の三位一体改革で、二〇〇五年に国庫補助金が廃止をされて一般財源化をされたという、こういう流れがございました。
 私も覚えておるんでありますが、準要保護の国庫補助がなくなるということで、大変心配だという国会論議がありました。しかしながら、その論議のときに、当時の文部科学大臣は、そんなことはないと、学校教育法第二十五条によって守られているから準要保護の子供たちの保護の資金がなくなるということはないんだと、こういうようなことを述べられていましたが、実はそうではなくて、大変自治体によっては厳しい状況がある中で、一般財源化されたそのお金の中から要保護の子供たちに渡るお金がどんどんどんどん減っているという状況が私はあるというふうに思っています。
 そういった中で、文部科学省が二〇〇八年度準要保護者認定基準等変更調査というのを行われたというふうに聞きまして、それを見てみますと、この準要保護の基準を引き下げたという自治体は百七十分の九十あるという。ですから、半分以上の自治体が認定基準の引下げを行ったという事実がある。認定基準の引下げを行ったということは、これまで対象だった家庭が対象でなくなるということで、その支援がなくなっていったというような状況がここで現実に起きているわけですね。
 この問題について、文部科学大臣としてのお考えを聞かせていただきたいと思いますが。
#41
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 御指摘のように、学校教育法の第十九条で「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」ということで、法的には市町村の仕事ということに位置付けられております。
 そういう中で、これもお触れいただきましたが、一九九五年に約六・一%、七十七万人が、二〇〇八年では一四%、百四十万人と倍にそういう対象の者がなっているという現状であるという、非常に厳しい家庭経済状況を反映している結果だと思います。
 そういう中で、今御指摘のように、準要保護の認定基準の変更がどういうふうになっているのか、実態を調べさせていただきました。二〇〇八年でございますが、千七百九十五市区町村を調べた。その中で、変更を行ったと回答したのが百七十で、その中で認定基準を引き下げとか支給内容の額を切り下げるという、厳しくしたというのが九十市町村、そして良くしましたというのが七十四市町村ということで、全体の千七百九十五の調べた中で引き下げたのは九十という。先ほどちょっと、百七十の中の九十というと、半分が悪くしたということではなくて、という数字であることは確認をさせていただきたいと思いますが。
 そういう意味ですが、三位一体改革で財源が税源移譲とともに移譲されるということで地方の仕事になって、国は要保護世帯に対しては支援するけれども、準要保護世帯は市町村でやりなさい。ただ、今までからこの制度自体は市町村が基準も含めて全部やってきていただいたという制度であります。
 そういう中で、現状として、やはり国としては、建前といいますか制度としては、都道府県に対して市区町村できちっとこの法の趣旨に基づいてそういう支援ができるようにということを要請はしているということは当然のことでありますけれども、要保護世帯に関しての要保護児童生徒援助費補助金という、これは国庫支出でありますが、これに関しては、今回、新たにいろいろお金が要るという中のクラブ活動費、学級会費、PTA会費を対象に追加するということで、保護世帯に関してはいろんな国庫補助につながっていますが、ただ、要保護世帯はそういう財源支援がないということで、これは文科省ではありませんが、総務省においての地方財政措置に関しまして、「平成二十二年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」という中の項目で、準要保護児童生徒に対する就学援助については、市町村における援助の状況等を踏まえ、地方財政措置を拡充することとしているということで、地方財政措置としてはまだ額は全然明示されていないんですが、拡充することにしているということを踏まえて予算編成してくださいということで、一応、直接市町村の事業ではあるけれども、地方財政措置としては支援しようということになっております。
 ただ、やはり厳しい地方財政ですので、いろいろあるということで、今改めて、自治体が自主的にやっているとはいえ、こういう中身で、こういう水準と基準でやっているということをいま一度整理をして、そして、それをまずは全国の市町村にお知らせをする。そうすると、あっ、よそではこういうレベルでこういうことまでやっておられるのか、うちももっと頑張ろうみたいな、まず要するに全国水準を、それぞれ自主的にやるという法の位置付けであるけれども、自己責任でやるという位置付けだけれども、そういうことも含めてしっかりと教育水準が維持できるように市町村として頑張ってほしいと、国としてのできる限りのことはこれからもやってまいりたいというふうに思っております。
#42
○水岡俊一君 就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律というのがこの該当する法律であったと思うんですが、これが二〇〇五年に改正になったときにどういう改正があったかというと、削除された条文があるんですね。生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるものというふうに明記がされていたのを削除しちゃった。こういうことで対象から外れて大変困るんじゃないかという論議がその当時されたんですね。引き続き準要保護の家庭に対する支援が行われなければならないという根拠があるのかというやり取りがあって、それに銭谷政府参考人は、ありますと、これが学校教育法第二十五条ですというふうにお答えになったし、時の大臣、中山大臣が、財源につきましては、これは所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事務費が地方財政計画に計上されて、地方交付税を算定する際の基準財政需要額に算定されることになっておりまして、市町村における事業が縮小することはない、このように考えているという答弁があった。
 やはり、こういった政府としての見解があったにもかかわらず、実際に基準が引き下げられて結果的に準要保護の家庭が支援が受けられなくなっているという実態があるとすれば、その点についてまた今後是非文部科学省としてお取り組みをいただきたい、このようにお願いをするところであります。
 次に、子ども手当のことについて質問をしたいと思います。
 まず、長妻大臣にお聞きをしたいんでありますが、私のところにはがきで、ある保護者からお願いをいたしますということで参りました。ちょっとそれを読ませていただきます。
 子ども手当についてお願いします。三年前に実の娘が死亡しました。九歳と五歳になる子を、七十歳になる実の母になる私が二人を引き取り育てています。現に児童手当は遠くに離れて暮らしている父親が受け取り、父親が自由に使ってしまい、子供には一切何ももらえていません。民主党のマニフェストの子ども手当は、是非子供の住んでいる現住所にもらえるようにしてほしい。父親が自由に使ってしまうような手当の支給にならないようにしてください。昨年の定額給付金は子供の現住所でもらい、大変助かりました。この旨を受け取ってくださいと、こういうお願いの手紙が来たわけであります。
 この点について、子ども手当がしっかりと子供を実際に育てている方々に渡すことのできるような仕組みについて、長妻厚生労働大臣から見解をお聞きをしたいと思います。
#43
○国務大臣(長妻昭君) 今のお話のポイントで、今回支給要件の中には監護という、ちょっとこれ法律用語なんですけれども、これがなければならないと。監護というのは、養育者が子供の生活について通常必要とされる監督や保護を行っていると社会通念上考えられる主観的意思と客観的意思が認められるということで、今の例でいいますと、それはその方が親に代わって監護されているということが、今の話だけだとそういうふうに聞こえる。多少厳密に要件というのは確認するんですけれども。そしてもう一つは、生計を同じくするということで、子供と親の間に生活の一体性がある、あるいはその生活費等を継続的にそれを措置をするということでありますので、基本的に、今の話であれば、これはいろいろ二つの要件を確認する必要があると思いますけれども、支給されると、その祖父、祖母の方にということもこの要件が確認できればあると思います。
#44
○水岡俊一君 法律であったり、あるいはその取扱い事項に詳しければ窓口でそういった訴えをすることが可能だというふうに思いますが、多くの方々がなかなかそこまで言及できないという実態はあるというふうに思います。
 窓口に携わっておられる方は大変御苦労だというふうに思いますが、子供たちを本当に今監護している保護者に対してその手当が渡るように是非取組をしていただきたい、そんなことにかかわっても厚生労働省としても是非細やかな配慮をいただきたいと、このようにお願いをするところであります。
 この子ども手当について、少し別の視点で考えてみたいというふうに思います。
 実は私、いつもよく読んでいる本にこの白書、連合白書というのがございます。(資料提示)今年の二〇一〇連合白書でこの子ども手当について非常に適切な指摘がされておりましたので、非常に勉強になりました。
 というのはどういうことかというと、二〇〇八年の年間総実労働時間は千七百九十二時間ということになりまして、これは、一九九〇年調査を始めて以来初めて千八百時間を割り込んだという状況に今あるというふうに思っています。私たちは今景気の回復を非常に望んでいますが、それは以前と同じような長時間労働を求めていくということとはイコールではないというふうに私は思います。
 この連合白書が指摘をしているのは、残業するのが当たり前、残業しなければ住宅ローンや子供の教育費が払えない、その結果、過労死、過労自殺が増え続けていく、こんな状況をこれからも続けていくのか、不況で残業が減っている今こそ働き方について改めて考える必要があるのではないかと、こういう指摘をしているわけであります。
 現在、子ども手当法案が参議院へ回りまして審議がいよいよ始まったところであります。この子ども手当が導入される前、今現在そうですが、この後、法案が成立をして導入をされた後という視点でシミュレートをしてみると、一人親家庭を考えてみたときに、一人親家庭が大変苦しい状況にあることはもう皆さん御存じのとおりでありますが、その一人親家庭が、例えばモデルとして小学生の子供が一人又は二人いる母子家庭、母親は時給九百七十五円で働く非正規労働、そして貧困線は子供一人でいうと百六十一万円になりますし、子供二人で百九十七万円になるという、こういうことであります。これを子ども手当導入前で考えてみると、子供一人の場合は千八百四十時間、二人の場合は二千百九十時間働かなければこの家庭は貧困線を越えることができない、つまり貧困家庭に陥ると、こういうことであります。ところが、子ども手当を導入すると、扶養控除廃止分を勘案したとしても、貧困線を越えるのに必要な労働時間はそれぞれ千六百時間と千七百時間に短縮ができる。つまり、週四十時間以上、四十五時間以上働かなきゃいけなかった状況から、週三十五時間ぐらいでこの貧困線を越えることができる。つまり、働き方が変わって、家族との時間が増え、そして地域との対話もできるような家庭となるチャンスが生まれるという意味で、これは大変大きなことだというふうに思うんですね。
 野党の皆さんは常にばらまきだという指摘をよくされますが、そういった単純な見方ではなくて、本当に働き方を変えていくんだと、そして日本の国民の生活を変えていくんだということについては大変大きな意義があると私は思うのでありますが、そういった子ども手当の導入について鳩山総理のお考え、できたら聞かせていただきたいと思いますが。
#45
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 水岡委員から、まさに大変ある意味での新しい働き方という観点から子ども手当の意義というものをしっかりと見出しなさいと御指摘がございました。まさにそのとおりだと思います。
 子ども手当に対しては様々な見方がございます。第一義的には社会全体で子供の育ちを支えるということでございまして、またそれが結果として少子化対策にもなり、また経済的にも意味があるということでもありました。しかし、それと同時に、例えばお母さん、お父さんの働き方に対しても温かいメッセージを送り届けることができるということでございます。これは大変私はすばらしい発想だと思っております。今までやはり、どうしても働かないと子供の養育ができないということで必要以上に時間が取られて、帰ってくるのが、お父さん、お母さん、夜が遅くなる、子供の面倒がなかなか見れない、家庭の中の環境も余り思わしくないという、そういう御家庭が多く見られたと思います。そういう御家庭に対しての大きな福音を与えることができるメッセージだと、そのように私も今、水岡委員からの御指摘を感じたところでございまして、新たな視点からも、是非子ども手当を十分な審議の中で皆様方に参議院においてもお認めをいただければと、そのように考えているところでございます。
 ありがとうございます。
#46
○水岡俊一君 鳩山内閣には国民の生活を守るために全力で闘っていただきたいとお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
#47
○委員長(簗瀬進君) これにて水岡俊一君の関連質疑は終了いたしました。
 以上で津田弥太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#48
○委員長(簗瀬進君) 次に、尾辻秀久君の質疑を行います。尾辻秀久君。
#49
○尾辻秀久君 本日のテーマは社会保障、労働等でありますけれども、私は社会保障について伺います。持ち時間四十分ですので、急ぎますから御協力をお願いをいたします。
 最初は年金について、先ほど記録問題について随分御議論がございましたので、私は制度について議論をしてみたいというふうに思います。
 年金については、民主党、鳩山内閣は、新しい年金制度を二十五年までにつくる、それから数十年掛けて新制度へ移行するということであります。その上で菅大臣は、当然ながら今まで入っておられた皆さんには、今まで入っておられた期間に相当する分はこれまでの制度の原理にのっとってお払いをするというふうに説明をしておられますから、これは既に年金を受給しておられる皆さん、この方々はこれからも生涯、基本的にですけれども、今までどおりの給付を受けるということでありますし、また、これまで無年金だった人がいきなり最低保障年金をもらえるというようなことにはならないということであります。
 これは一応確認をしておきたいので、一言でお答えをください。
#50
○国務大臣(菅直人君) これから本格的に改めての議論が始まりますけれども、基本的にはそのように私は理解しております。
#51
○尾辻秀久君 はっきりしておりますのは、現行制度がこれからの四年間はそのまんま存続をする、それから、だんだん割合は減っていきますけれども数十年現行制度は存続をする、生き残っていくということであります。その間どうするかという議論は大いにしなきゃならないと思うものですから、今日、まずはその議論をしてみたいわけであります。
 大臣は昨年、基礎年金の国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げる際に、当時野党議員でありましたから、時代遅れの年金制度を延命させるだけであると言って反対をされました。ところが、今年度の予算、そっくりそのまんま出てきておるわけであります。
 大臣の認識が変わられたのか、これまでどおりに現制度を破綻しているというふうに考えておられるのか、それとも、政権に着いてみたら、まあ現制度もなかなかいい制度でもあるなとお考えをお変えになったのか、いずれなのかをお聞きいたします。
#52
○国務大臣(長妻昭君) 私自身は、現年金制度は問題があって、やはり時代に追い付いていっていない部分があるというのは今も変わっておりません。一つは、若い人も無理なく払える持続可能な制度になっているのかどうか、それも疑問がある。あるいは、転職を繰り返す、ライフスタイルが変わるということに一々別の制度になるという弊害がある。そして三番目は、最低保障機能がない。この三つから見てもやはり変える必要があるという大きな問題意識を持っておりまして、当時は、当時の自民党は抜本的に年金の制度を変えるというよりは被用者を一元化する等々修正をするという立場でありましたので、そういう展望で修正修正を続けるのは良くないと、抜本的な改革を視野に入れた上でそれに向かっていくべきだと、こういう持論を申し上げて、今も変わっておりません。
#53
○尾辻秀久君 余りそこのところで引っかかるつもりもありませんけれども、いずれにしても現行制度が数十年続くわけでありますから、これ消えないですから、ここはやっぱり修正を繰り返さなきゃしようがないんですよね。この議論は今後したいというふうに思います。
 そういうことで一つお聞きしてみたいのは、よく大臣は所得代替率の厚生労働省のデータというのはおかしいと言ってこられました。所得代替率というのは年金額が現役のときの平均給与の何%に当たるかという数字だと思えばいいわけでありますけれども、これを計算するときのデータがおかしいとずっと言ってこられました。
 大臣になられて、今そのデータ見られてどんなふうに思われますか、そして、出された答えが変わっていますか。
#54
○国務大臣(長妻昭君) この所得代替率を例えば五〇%を維持するしないという議論の前提にあるのは、例えば賃金上昇率を今後百年間どう見るかというような一つ一つのデータの積み上げでございます。その賃金上昇率例えば一つ取っても、本当にその指標が妥当なのかどうかというのは今も変わっておりませんで、今この政権の中にGPIF、年金の積立金を運用する組織がございまして、その組織の目標値をどうするかということ、その前提となる今申し上げたような指標をどうするかということについて議論をしております。さきに、これ大臣が出す中期的な展望の中ではその具体的な数値というのは今後検討していくということで、今も検討を続けておりますので、その検討会の中でその前提となる数値の立て方も含めて私はいろいろ考える必要があるということで、そこで精査をしているという最中であります。
#55
○尾辻秀久君 そうしますと、厚労省が出しているデータはやっぱりおかしいというふうに判断しておられると理解していいですか、今の御答弁は。
#56
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げましたように、その検討会で有識者の先生も入っていただいて、これ、総務省とも、総務大臣も御出席をいただいた中で検証をしていくという今作業の過程でございます。
#57
○尾辻秀久君 年金積立金の運用利回り、運用の話が今出ましたからお尋ねしますけれども、利回り目標を明記するのは見送られた、これはそうですね。
 そうしますと、ポートフォリオはどうなさいますか。
#58
○国務大臣(長妻昭君) これについては、今申し上げた検討委員会でそういう数字あるいは目標設定の仕方、これを議論をして一定の時期までに結論を出す、その後お示しする予定にしておりまして、今はそういう意味ではポートフォリオも変わっていないということで進んでいるということであります。
#59
○尾辻秀久君 これをずっと変えないというのも問題だと思いますが、今日はまあここのところは引っかからずに行きます。
 今いろいろやり取りしましたけれども、さっきから言っていますように、現行制度が何十年も続く、そして私どもも年金の制度というのはいつも見直さなきゃいけないと言ってきたわけでありますから、大臣もやっぱり何か見直しはおっしゃらないとこれまで言っておられたこととの整合性からもまずいと思いますので、どこかで見直しだけは、どういう見直しするかというのは早目におっしゃっていただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。
 それで今度は、四年後に新しい制度をつくると言っておられるので、これについて少し議論をさせていただきたいと思います。
 まず、年金制度を一元化して所得比例年金と最低保障年金を組み合わせる、そして所得比例年金の保険料は所得の一五%、これはもう繰り返し言っておられることでありますから確認の必要もないと思います。そうなりますと、年四百万円収入の自営業者の方というのは四年後にはいきなり月五万円の保険料となってしまいますから、ちょっときついかなとも思いますが、これも今後の議論だというふうに思います。
 まずそこで、年金一元化をするということになると、どうしても必要なのは自営業者の所得をどう把握するかということでありまして、大臣はこれまで納税者番号を導入すると、こう言っておられます。これはなさいますね。
#60
○国務大臣(長妻昭君) 私は、プライバシーの問題もきちっと配慮しながら納税者番号を入れるべきだと思っておりますが、納税者番号のみならず、今内閣の中で社会保障の部分もこれは慎重に私は議論する必要があると思いますが、そういう情報も付けた社会保障の番号あるいは全体の番号制の在り方というのも議論をして、それぞれ国民の皆様の所得やあるいは状況を把握をして、それぞれ、本当に大変な方にはいろいろな手だてで手当をお支払いする、そうでない方には一定のものは我慢していただくと、そういうような考え方ができるのではないかということで検討をさせていただいているところであります。
#61
○尾辻秀久君 これは是非おやりにならなきゃいけないだろうと思います。
 今皆さんが説明しておられることを聞きますと、受給資格期間は設けずと、こういうふうに説明しておられますから、極端な例ですが、四十年現役の人は、三十九年保険料を払わずに一年だけ保険料を払うと、この人はその後生涯ずっと最低保障年金をもらえるという仕組みで、いや、これは受給資格を設けずということで説明しておられるからやっぱりそうなるんです。ただ、これはまずいですよね、どうせ今後いろいろお考えになるだろうけれども。そんなことのためにも、この納税者番号というのはこれは導入せざるを得ないと私も思っていますから、そのことを言っておるわけであります。
 もう一点、マニフェストにも書いてありますが、歳入庁はいつつくられますか。
#62
○国務大臣(長妻昭君) この歳入庁でございますけれども、これは年金保険料と税金を一体的に集める、これが非常に効果的であると。今、実は国民年金の未納問題なども言われておりますけれども、厚生年金の未適用事業所、厚生年金に入らなきゃいけないのに入っておられない事業所がたくさんあるということで、やはり日本年金機構では所得情報なかなか入らないので、それであれば税務署と一体として徴収するということで非常に効果が高いということで歳入庁ということを申し上げています。この歳入庁に移行していくのは、新しい年金制度がスタートするまでの間に移行していこうという計画であります。(発言する者あり)
#63
○尾辻秀久君 総理に聞こうという後ろからの声もありますが、これはお聞きはしません。またいずれかの機会にしておきましょう。
 そこで、この新しい制度、基本の姿というのをやっぱり今から議論しておいた方がいいと思いますので聞いてみたいと思います。
 年金の議論、制度の議論を始めると、まずは税方式か保険方式かということになります。大臣は、最低保障年金は全額税方式だけれども、保険料を払った人に上乗せする発想だから、保険料を払っていないと受給できないと、こういう説明をしておられます。
 これ、我が家で一生懸命説明したんですが、我が家の家族もなかなかよく分かってくれなかったんで、私なりに図を作ってみました。(資料提示)左側が現行制度の図であります。粗っぽい図だというのは最初から申し上げておきます。それで、現行制度というのは基礎年金が土台にあります。これはもう申し上げるまでもない、基礎年金が土台にある。そして、その上に比例報酬部分が乗っかっている。こういう大きく二階建てだと思えばいいんですが、この基礎の部分の土台になっている部分の基礎年金も保険方式ですから、保険料を払ってない人はもらえない。したがって、左の方に無年金者と付けておいたんですけれども、保険料を払ってない人が無年金者になる、これはやむを得ないわけであります。
 一方、民主党案でありますけれども、これは、ちょうど今のこの基礎年金との関係というのは逆になっているんだろうと思いますね。比例報酬部分がこれが土台になっておる、そして最低保障年金が逆に上に乗っかっている。ただ、比例報酬部分もこれは保険方式ですから、明確に保険方式で説明しておられるから、保険方式。そうなると、保険料を払ってないと当然保険はもらえない。この土台の部分がないわけだから、保険料を払ってない人は最低保障年金は乗っからないんですよね。これはもう皆さんの御説明でそうなってしまう。土台がないものに上には乗っからない。よって、やっぱり保険料を払ってない人というのは無年金者になるわけであります。これはもう制度で、皆さんが説明しておられるものを理解するとそうなる。
 そうなりますと、総理、これは総理の御認識を聞いてみたいと思うんですが、今私が申し上げたこと何となく分かっていただいたと思うんですが、そうなりますと、すべての人が七万円以上の年金を受け取るようになるという、この民主党のマニフェストがうそになってしまうんですが、その御認識がおありかどうかをお聞きしたいんです。
#64
○委員長(簗瀬進君) じゃ、まず長妻昭厚生労働大臣。
#65
○国務大臣(長妻昭君) まず前提をお話し申し上げたいと思いますけれども、今おっしゃられたように、この所得比例年金、これは保険方式でありまして、その上に最低保障年金、つまり所得比例年金だけだとこれは少な過ぎて生活がなかなか難しいという一定の所得の方に上乗せをするということで、先ほど申し上げましたこの歳入庁というところが年金保険料を集めます。
 そういう意味で、この歳入庁は、税金でいえば今徴収率というのは一〇〇%に近いわけですから、払える方は保険料はきちっと払っていただく、こういう体制をきちっと取るということと、今の国民年金のように、一万四千幾らというような一か月固定の保険料じゃありませんので、本当に収入が少ない方はそれの比例の見合った保険料をいただくわけで、あるいは収入がゼロの方はゼロ保険料ということで歳入庁に登録をしていただく、払わないでもですね。
 そういうような形で、ほとんどの方が、払える方は払っていただく、払えない方はそういうような措置をするということで、基本的には一〇〇%の近い税金と同じような捕捉率の中で、その最低保障年金は上乗せすべき方は上乗せされると、こういう考え方でありまして、払えるのに払わないというような方については上乗せ部分もお支払いしないと、こういう考え方であります。
#66
○尾辻秀久君 余り小さな言葉にこだわるつもりもありませんが、今も大臣はやっぱりほとんどの人というふうにおっしゃった。それはもう世の中そうだと思うんです、すべての人になんてできやしません。納税者番号をつくったといっても、私はその辺もいずれまた細かな議論を始めなきゃいかぬのだろうと思っているんですけれども、しょせん申請をしてもらわないとやっていけませんよね。一人の人間に一人ずつくっついて所得を完全に捕捉するなんというのはできないことですから、最後は本人の申請になる。これはもう私もずっと考えてみたんだけれども、そうならざるを得ないなと思っている。
 いろいろ言ってもしようがないんだけれども、しようがないって、ここでとても時間がない、そういう意味でしようがないと言ったんですが、とにかく、すべてというわけにはならないんだから、必ず無年金者は出ますよ。今それは大臣も認めてほとんどの人というふうに表現された。そんなところに今日はこれ以上はもうこだわりません。
 ですから、皆さん方のマニフェストを、すべての人の前にやっぱり保険料を払ったというのをくっつけて、保険料を払ったすべての人と書けばこれはうそにならないし、あるいはこの上下の話を、前は何か逆で考えておられたようなんですが、途中でひっくり返された、これをもう一回元に戻すという方法もあるのかなと、これはあえて申し上げておいて、次の話に行きます。
 次に、賦課方式か積立方式で考えるか、これはまた大きな問題だと思うんですね。大臣はどっちで考えておられます。
#67
○国務大臣(長妻昭君) これはもう尾辻委員もお分かりだと思いますけれども、完全な積立方式というのはこれはもう難しいと思いますので、今も賦課方式でありますが、賦課方式を基本といたしますけれども、最終的に自分が納めた保険料に見合う受給はできると、こういうような形を明示をするという制度になろうかと思います。
#68
○尾辻秀久君 まず、今の制度を賦課方式とおっしゃったので、ひょいと思い出したんです。昔、私は御党山本孝史議員に同じ質問、まあそんな質問を受けて、賦課方式ですと言ったら怒られました。慌てて修正賦課方式でありますと言い直したのでありますが、そのことを思い出しまして、大臣も言葉は正確におっしゃった方がいいかなとあえて申し上げるところであります。
 それで、二月の予算委員会で大臣は、今後は、保険料は税金じゃありませんので、取られっ放しではなくて未来への貯蓄ということで、一定の金額を支払っていただければ必ずその金額は老後出るということであります、こう答えておられるんですよね、二月の。これは完全に積立方式で説明しておられませんか。
#69
○国務大臣(長妻昭君) 今のお話は、質問の中で先ほども触れていただいたような、自営業の方が今よりも保険料が高く、当然低くなる方もいらっしゃいますけれども、国民年金よりも高くなる方がいるんじゃないのかというお話の中で申し上げたところでありまして、つまり、保険料が高くなる方がいらっしゃっても、その保険料は税金じゃありませんので、基本的に必ず老後戻ってくるお金として未来への貯蓄となるというようなことで私は申し上げたところであります。
#70
○尾辻秀久君 しかし、これも大臣がかつて野党時代にだれかの大臣に、国会答弁はそんなに軽いものかと言われたのを記憶しているんですが、やっぱり大臣の御答弁ですから気を付けておっしゃらないと。貯蓄とおっしゃると、それは貯蓄になるんですとおっしゃったら、これはだれが聞いてもやっぱり積立方式で説明したというふうに理解されますよ。だから、そのことだけは指摘をしておきたいというふうに思います。流れは知っていますよ、そしてまたそういう意味かなというのも分かるけれども、やっぱり貯蓄とおっしゃるとそれはそういうことになってしまうというのを指摘しておきたいと思います。
 これはもう大臣に私が大臣のときに随分怒られた記憶のある話ですから、今日は質問させてもらいたいと思うんです。
 民主党のマニフェストには、年金保険料の流用は禁止と、これは明確に書いておられますね。大臣も平成十九年の衆議院予算委員会で、保険料はすべて年金支給に回し、ほかにはびた一文使わない、言わば大見えを切られたわけであります。同じ平成十九年の十一月には、この私どもの参議院に年金保険料流用禁止法案を民主党はお出しになった、それで通されたんですね。当時のそれこそ民主党の国対委員長は、野党第一党が主導して法案が可決されたことは憲政史上初めてのことだと胸を張られ、御記憶だろうというふうに思います。
 その一円も使わないと言っておられたのを、何で今年の予算で二千億円も使われるんですか。これはやっぱり聞かせてください。
#71
○国務大臣(長妻昭君) 今の年金保険料の流用でありますけれども、私どもマニフェストにもお示しを申し上げたんですけれども、一期四年の中で流用をゼロにするということを申し上げているところであります。
 今御指摘の点では、特に年金保険料の流用については、年金の広報あるいは年金の教育についてはこれまで流用がされていましたけれども、その二つについては一切やめるということで二十二年度から措置をする。そして、コンピューターの経費にも年金保険料が使われておりましたけれども、それについてはこれを徹底的に見直していくということで、今まで水膨れだという批判を私も野党時代しておりましたので、百四十七億円の年金保険料を節約をいたしました、コンピューター経費で。しかし、なおもって、今御指摘いただきましたように、平成二十二年度ではコンピューター経費や年金相談経費等々で二千四十六億円の年金保険料が事務経費、年金相談等に使われるということでありますので、これは一期四年の中でゼロにするということで努力をいたします。
#72
○尾辻秀久君 マニフェストにはその辺のことは書いていないんですよね、もうこれはこの前確認されたと思うので。四年間でというのは後でくっつけられた言い訳であります。
 しかも、皆さんがこの参議院に出された法案の中、法案にはいつからすると書いてあったか。これお出しになったんですが、ちゃんと記憶しておられますか。
#73
○国務大臣(長妻昭君) その法案には、速やかに、直ちにというような表現であったんではないかと思います。
#74
○尾辻秀久君 申し上げますが、「公布の日から」と書いてあります。すぐにやると書いてある。そんな今ごろやっぱり何年先だとおっしゃるのは、そういう表現がいいのかどうか、私に率直に言わせていただくならばひきょうだというふうに思うのであります。
 もうどんどん時間がなくなっていますので、それでは次に、年金だけに引っかかっていてもしようがありませんから、医療の問題少しやらせてください。
 財政演説で菅大臣は、十年ぶりに診療報酬を大幅に上げたというふうに表現しておられます。それから総理も、医科に限ってでありますけれども四倍にしたというふうに言われました。
 総理に、本当に今度、診療報酬をそんなに大幅に上げたというふうに思っておられるかどうかをまずお聞かせください。
#75
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 診療報酬に対して今回引上げをいたしたのは事実だと尾辻委員もお認めいただけると思います。
 今までなかなかこの診療報酬に対しては引上げという方向にならなかったということがあっただけに、そして私ども、医療というものを充実させなきゃならないという発想の中でぎりぎりのところの闘いをやったわけでありますが、その中で、我々とすれば、診療報酬の引上げというものを行ったと。大幅という言い方、過去が低いからその四倍ということになるわけでありますが、自慢をするべき数字かどうかということはありますが、引上げになったということは事実としてお認めを願いたいと存じます。
#76
○尾辻秀久君 総理がそういうふうに表現されたので余りくどくどとは言いませんが、総理、知っておいてください。
 診療報酬というのは、全体の改定率というのがありますね。これはもう当然全体の改定率なんです。その内訳がありまして、一つが本体と言われる診療報酬改定がありまして、もう一つ、薬の改定部分があるんですね。ここでよくからくりするんですよ。今度も、この薬のところは、改定率を計算するときにマイナスに計算しない部分を持っているんですね。ずっとこれはマイナスに計算しない部分がある。ここでうんとマイナスすると計算上はプラスになるんですよ、ここは計算に入れない部分だから。それで、今度もそれ入れると実はマイナスになっていると言わざるを得ないんです。
 私がそう言ったら、大臣、何とおっしゃいますか。
#77
○国務大臣(長妻昭君) 今のお話というのは、これはもう尾辻委員も大臣を経験されておられてよく御存じだと思いますけれども、一つは、薬価差益、この薬価差益は、これはもう二年の間に差益が出てきて、お医者さんの、あるいは病院のある意味では使えるお金になるということで、これは診療報酬にも反映されるということはもう御存じのとおりであります。
 そして、今おっしゃられたのはジェネリック医薬品と言われているもので、後発医薬品が、我々は先進国の中でジェネリックの使用が非常に低いので、それを促進しようというようなことで、まずは今後二年間下がるだろうお金を、それを外出しをする、あるいはこれまでの二年間、本当は下がらなきゃいけないのに、やはりこれは製薬メーカーの努力も不足しているから、その部分も外出ししようということで、それは基本的に診療報酬に入れない計算にするというのは、これは自民党時代も二千二百億の原資の中にそれを入れて外出ししているんですね、診療報酬から。
 ですから、その計算方法を踏襲をして同じ手法でやっているものでありまして、もし尾辻委員が、じゃ、それも入れて全部計算したら民主党はマイナスだと言われるのであれば、じゃ、自民党時代のマイナス改定の幅は更にもっとマイナスだったということにもなりかねませんので。
 重要なのは、医療の本体部分がどれだけ上がったかということでありまして、その部分の数値もよく見ていただきたいと思います。
#78
○尾辻秀久君 自民党時代やったとかやらぬとかという話がありましたからあえて申し上げますけれども、今言われた一つの、ジェネリックとかなんとかというのは先発の薬と後発の薬の話ですけれども、その先発の薬の使う量が下がって後発の薬がこのぐらいまでになると勝手に計算しておいて、勝手に計算しておいて、そうならなかったからこれを薬屋の責任にして薬価を下げるなんて、そんな荒っぽいことは我々したことありませんよ。これだけは申し上げておきます。大臣、我々もそんな薬屋を泣かすようなことをしたことない。今度はそれをおやりになった。このことだけは、我々も決してしなかったことを今回はやっておられるというのは是非知っておいてください。もうこれも、やったり取ったりはこれ以上はしません。ちゃんと大臣の頭の中に入れておいていただきたいと思います。
 それで、それじゃ、プラスとおっしゃるけれども、全体改定率でプラス幾らですか。
#79
○国務大臣(長妻昭君) これはネットでプラス〇・一九、本体部分であれば一・七四%であります。
#80
○尾辻秀久君 結局、何だかんだといっても、いろいろごまかしたにしても〇・一九%上がっただけなんです。総理は二〇%上げるって、あれは党首討論で言われたんですよね。二〇%上げる、党首討論で言われた。その二〇%からすると、〇・一九%というのは百分の一なんです。
 そんなことなんだということを今改めて申し上げて、私も医療費というのは上げなきゃいかぬと思っている方で、こんな上げ方じゃ足らぬからもっと上げましょうよと言いたくてこの質問はしているわけでありまして、そのように理解をしてください。
 ですから、総理も余りいろんな勝手な数字を挙げて、数字は幾らでもプラスにでもマイナスにでもできますから、だまされないようにしていただきたい。あえて申し上げます。こんなことをするから、新聞に診療報酬増を偽装したとまで書かれるし、こういうのが役人の知恵なんだよなどとうそぶいた役人がいるというけれども、そんな話になってしまう。どうぞその辺はお気を付けくださいということを申し上げたつもりであります。
 次に、菅大臣に申し上げます。
 先日、菅大臣が、御党櫻井議員の質問に答えてだったと思いますけど、財源をどこからどういう形で持ってくるのか、混合診療の問題とかいろいろな議論がまだ日本の中では出ておりません、すべてを社会保険と税で賄うのか、それとも一部は個人負担で賄うのか、二十三年度以降の予算の中で議論しなければならないと考えていますと、こう言われて、私はどきっとしたんですね。何をどきっとしたか。
 大臣、御存じないかもしれませんけれども、混合診療の議論というのは、もうこれまで実は嫌というほどしてきたんですよ、もう物すごくしてきました。もう大変な、私も率直に言いますけれども、しなくていい人としなくていいけんかをもう何回も何回もしてやってきたのがこの混合診療の話なんです。この話をやっているともうこれだけで私の時間全部なくなりますから、舌足らずになるのを承知の上で言うんですけれども、これを強烈に混合診療を解禁しろ、解禁しろと言ったのが経済財政諮問会議なんですよ。
 そこまで言ってあえて申し上げるんですが、だからあの大臣のお話聞いたときに経済財政諮問会議の亡霊が出てきたのかなと思いました。まさかどこかに、大臣、洗脳されておりませんよね。まさかじゃないですよねということだけを今日は聞かせておいてください。
#81
○国務大臣(菅直人君) 私は、混合診療というものについての議論も若干は以前聞いたり見たりしておりましたので、その弊害ということも、十分かどうかは別として、あることを知っております。
 私が申し上げたのは、医療の分野も、あるいは介護の分野も含めて、負担という言葉で語られるわけですね。私は、必ずしも負担という言葉ではなくて、場合によったらこれは分担であり、場合によったらある意味では経済成長の分野でもあるんではないかと。そういう流れの中で、今までの特に医療の分野では、自己負担等一部を除いては社会保険、いわゆる医療保険と国費なりあるいは地方自治体の費用で賄われていた。ただ、ごく一般的に言えば、そういうものと個人の負担というのがいろんな形であり得るわけで、かつて、今でもそうかもしれませんが、歯科についてはかなりそういう部分が多かったわけです。
 ですから、私はそういうものを多くした方がいいというところまで言う気はありませんけれども、一つの議論の仕方としては、例えば介護でも、あるところまではいわゆる介護保険と公費で行くけれども、あるところを超えたところは個人負担の有料老人ホームもあるわけでありますから、そういうことも含めてルールとかいろんな議論をすべきではないかと。やや舌足らずだったかもしれませんが、そういう議論の幅を広げるという趣旨で申し上げたつもりです。
#82
○尾辻秀久君 私も舌足らずに質問していますから、今日のところはお互いに舌足らずになっています。
 ただ、混合診療を進めるということになると、一番の問題点は、先進医療をなかなか保険に組み入れなくなってくる。そして、結局最後はもう保険では何にもできなくなって、先進医療は個人負担で金持ちだけやってもらえということになるという、ここのところだけは是非、大臣、気を付けておいてください。この説明すらも舌足らずかもしれませんが、是非お分かりいただきたいというふうに思っております。これは避けていただきたい、これはそう申し上げておきたいと思います。
 いよいよ時間がもうなくなってしまったんで、医療で終わってしまうので、医療の最後に大臣にお聞きしたいと思うんですが、このところ、大臣、統合医療に御熱心ですよね。統合医療というのは、要するに、文字どおり西洋医学と東洋医学を統合して医療しようと。私もその考え方というのは賛成の方の一人なんです。
 チームまで作って、チーム立ち上げてやろうとしておられるんでお聞きするんですが、ただ、この東洋医学というのは、はり、きゅうはまあ我々ぱっと分かるんですけれども、これ広いんですよね。そして、もういろんなものがあるものだから、どの辺まで大臣がこのところ言っておられる統合医療というのは考えておられるか、お聞かせください。
#83
○国務大臣(長妻昭君) 医療の件では、若干先ほどのことでは、ネットプラス〇・一九、医療報酬、診療報酬でありますけれども、これは是非御理解いただきたいのは、十年ぶりのネットプラスなんです。今まで自民党政権がどんどんどんどん医療、診療報酬をカットして、地方あるいは医療が崩壊してきたと。それを立て直したいということで我々は十年ぶりにプラスにさせていただいたということも、まず御理解をいただきたいと思います。
 そして統合医療のお話でございますけれども、今御指摘いただいたように、これは幅広くあります、御存じのように。本当にそれが効くのか効かないのか、あるいは、心の中でそれを効くと思う方がそういう療法をされて、結果的に効くということもなきにしもあらずでありますので、それは慎重に見極める必要がありますけれども、今まで、それをもう少し推進する必要があるんではないか。例えば、はり、きゅうの話もありましたけれども、漢方と西洋医学を更にきちっと連携できないんだろうかなどなど、見るべき課題、見るべき成果もありますが、いずれにしても、これはエビデンスとよく言いますけれども、きちっとした研究の成果と因果関係ということが証明されたものについては検討の俎上に上げると、こういう姿勢であります。
#84
○尾辻秀久君 エビデンスはもうそのとおりなんです。ただ、ずっと西洋医学でやってきていますから、エビデンスも西洋医学でやれと言われると東洋医学はまたちょっとつらいところも出てきますよね。そんなことまで念頭に入れて今後運んでいただくようにということを申し上げておきます。
 一言言わせていただくと、今漢方というのが出ましたけれども、漢方薬を保険から外すといいながら、一方じゃ漢方を大事にするというのもちょっと矛盾かなとついつい思うので、そのことも言っておきます。
 それで、最後に言われた、それは私も評価します。〇・一九であれ何であれ、途中に少々のトリックがあれ、〇・一九になったことは良かったと私も思っているんです。だけれども、もっと大きく上げなきゃやっていけない、日本の医療は破壊しますよねと言いたいだけでありまして、今後お互いにまた頑張ってまいりましょう。
 私の質問は以上で終わります。
#85
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。牧野たかお君。
#86
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 昨日に引き続き、まずは膨大な年金記録を消失させてしまった社会保険庁の実態をもう一度確認してみます。
 社会保険庁には、職員の八五%が加入する労働組合、自治労国費評議会がありました。また、その自治労国費評議会と労使の覚書は、最小限の仕事をするような、そういったものでありました。そして、不祥事の処分でありますけれども、年金の個人情報ののぞき見、そして不正事務の処理、給与をもらいながら職場の仕事をしないで労働組合の仕事をしていたやみ専従、この三つを合わせますと、これは平成十六年から平成二十一年までの五年間だけで懲戒処分が千百八十五人、訓告が三百三人、厳重注意が四千百二十七人、このほとんどが労働組合の組合員でした。まさに私は、社会保険庁の病気の巣、病巣はこの自治労国費評議会だというふうに思いますが、今日は鳩山総理が御出席ですんで、鳩山総理の御感想をお聞きします。
#87
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、牧野委員から御指摘ございましたように、社会保険庁において、年金記録問題だけではありませんで、いわゆる年金個人情報ののぞき見とか様々、国民年金保険料の不適正免除の問題、あるいはいわゆるやみ専従の問題など一連の不祥事があった、これは事実でございます。そして、このようなことによって社会保険庁の職員が多く処分をされたということであります。このような処分が行われたということは、やはり不祥事が大変多発をしていたということでありますし、当然のことながら、やみ専従などというものが認められるはずはありません。きちんと処罰をされてしかるべきであったと、そのように思っております。
 したがいまして、こういった原因、様々あろうかと思っておりますが、厚生労働省本省の職員とかあるいは本庁の採用の職員とか、あるいは地方で採用された職員と、こういった三層構造からきた問題もあろうかと思いますし、あるいは今お話にありましたように、職員団体の問題など様々な問題があってこのような不祥事が多発をしたということは事実として認めるべきだと思います。
#88
○牧野たかお君 分かりました。
 さて、昨日、長妻大臣に質問させていただいた中のことでありますけれども、懲戒処分者二百九十一人を厚生労働省に配置換えをした問題を私は質問しましたが、実は、この二百九十一人とは別に、別の懲戒処分者百人が今年の一月一日付けで厚生労働省に非常勤職員として採用されました。
 ここに一つの新聞記事があります。毎日新聞の去年の十一月二十五日の記事でありますが、平野官房長官が異例の談判という見出しが付けられております。
 記事の冒頭だけ読んでみます。平野官房長官は二十四日、厚生労働省に長妻大臣を訪ね、来年一月の社会保険庁の廃止に伴い新たに発足する日本年金機構に移行できない職員の救済を求めた。長妻氏は大量免職も辞さない姿勢を崩さず、協議は物別れに終わったとあります。
 しかし、今申し上げたみたいに、一月一日付けで百人の懲戒処分者が厚生労働省に再雇用されました。これは平野官房長官の働きかけといいますか直談判というものによって結果が変わったんでしょうか。
#89
○国務大臣(長妻昭君) 平野官房長官とお話を申し上げた用件は、平野官房長官は官民人材交流センターというところのトップでありますので、この懲戒処分の方々についてどういう扱いにするのかということを議論をしたということでありまして、この採用ということではありませんし、我々が方針を掲げましたのは、大切な年金でありますので、日本年金機構については懲戒処分を受けた社保庁の職員は行かせないという方針を立ててそれを守ったわけでありますが、ただ、御存じのように、私、大臣には分限回避努力義務が、これは裁判の判例でも課せられております。
 つまり、これは民間企業でもそうなんですけれども、配置換えをするとき、首にするとき、それはできる限りいろいろな職場の再就職の情報を提供しなければ、裁判に訴えられて、結局は負けてしまって雇うことになると、こういうようなことになるわけでありますので、分限回避努力義務を果たしていくということでいろいろ情報提供をしたわけであります。
 先ほど懲戒処分のうち二百九十一人厚生労働省に常勤職員で雇ったというお話ありましたけれども、これは自民党政権のときに厚生労働省に雇ったというのが二百九十一人であります。
#90
○牧野たかお君 最後の方のことについては、昨日おっしゃった閣議決定というのでは私もなかったことを昨日確認しましたけれども、時間がないものですから、また後日その御質問をさせていただきたいと思います。
 次に、行政の公務員の労働組合、いわゆる官公労への便宜供与について質問をさせていただきます。
 昨日も指摘しましたけれども、財務省、厚労省、国交省、農水省の四省の本省だけで合わせておよそ千四百平方メートルの庁舎の一部を、これを公務員の労働組合に無償で貸していることを昨日申し上げました。民間業者がこの国の官庁の一部を借りて事業をやっている場合、そのちょうど中間の使用料、一平方メートル当たり年間二万七千円をこれの千四百平方メートルに掛けますと、実に年間三千八百万円のお金になります。
 こういったことで、無償提供しているというのは、私は国が要するに労働組合に対して便宜供与をしているというふうに思っておりますが、鳩山総理、いかがでしょう。
#91
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 行政の官公労への便宜供与の件について今お尋ねがあったわけでございます。これは牧野議員から前回もお尋ねがあったように私も伺っております。
 これは、庁舎などの行政財産については、地方自治法において、その用途又は目的を妨げない限度でその使用を許可することができると。(発言する者あり)これ国に関してですか、国に関して。今申し上げているのは地方自治法の話でありまして、地方でありまして、地方の場合は使用料の減免などが条例に基づいてできるということであります。国においても、ある意味で国も同じように、どのようにその法的な措置がとられているか私は存じてはおりませんが、使用料の減免などというものがあるいは存在をしているとすれば必ずしも不適切ではないとは思っておりますが、十分に調査をしておらないところであります。
#92
○牧野たかお君 ちょっと意味が分からなかったんですが、次に、地方の公務員労組に対する便宜供与を申し上げて、多分、今から質問することの答えが今お答えになっちゃったんじゃないかと思いますが。(資料提示)
 便宜供与ですね、昨日も指摘したんですが、この日本国の地図がありますが、私たち自民党が調べたところ、事務室や会議室等を無償で提供している自治体が四十七都道府県のうち三十八道府県ありました。逆に、有償になっていて、その労働組合が会議室そして事務室を借りた場合、お金を払っているところが三県あります。また、無償で提供された庁舎のスペースを民間業者に委託して、売店だとか自動販売機だとかそういう経営をさせて、そこから手数料をもらっているという県の職員組合が四県あります。具体的に言えば、岩手県、愛媛県、山口県、大分県ですが。私は、特に後者の方、ただで自治体から借りた公共施設のスペースを民間業者に又貸しをして、事実上、それから得ている収入というのは私は不当な収入だと思いますけれども、鳩山総理、私、昨日もう原口大臣に聞きましたので、鳩山総理、いかがでしょう。
 いやいや、私は総理に聞いています。昨日もう、大臣はいいです。いいです、いいです。
#93
○委員長(簗瀬進君) では、まず、原口一博総務大臣。端的に答えてください、原口一博総務大臣。
#94
○国務大臣(原口一博君) 御指名いただきましたので、委員長の御指名に従って申し上げます。
 岩手県、山口県、大分県については指摘の事実は確認できておりません。愛媛県については確認中です。条例に基づいて使用料を減免していますが、光熱水費等の実費について職員団体から負担金を徴収しているものと認識をしております。
#95
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 先ほどの牧野委員のお尋ねに対して、地方と国の話、両方のお尋ね、特に最初は国の話であったということで、恐縮であります。国においても同じように便宜供与というものは認められているという部分であります。
#96
○牧野たかお君 便宜供与は認められている。
#97
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) はい、はい。
 それから、今お尋ねの地方公共団体においては、本来これはまさに適切に処理されなければならない、対処されなければならないことだと考えておりますが、今事実関係を原口大臣が調査をして報告をされているところであります。私は、やはりこのようなこと、又貸しのような話というものが事実としてあれば、これは特に地域の住民の視点から見て必ずしも適当ではないのではないかと、そのようにも考えておりまして、もしそのような事実があればしっかりと善処されなければならないことだと、そのように認識しております。
#98
○牧野たかお君 原口大臣がおっしゃったのは光熱費とか水道代のことを言っているでしょう。私が言っているのは公共施設のスペース、要するにそのスペース、まあ土地と言ってもいいでしょうけれども、家賃を払っていないと、その自治体に。その公共施設のスペースを民間業者に委託して、要するに売店とか自動販売機とかやらせて、それで手数料を取っているという話をしているんです。まあ、いいです。後で確認の、もう一度別の形で質問しますので。
 今からちょっと言う話がそうですけれども、四十六の都道府県の職員組合が加盟している自治労の外郭団体に自治労共済生活協同組合、いわゆる自治労共済という団体があります。この団体は、県や市町村の職員を対象に生命保険とか火災保険とか自動車保険を扱っている団体です。平成二十年度、二〇〇八年度の実績で資産が九百六十億円、そして事業経費は百二十八億円となっておりますが、この百二十八億円の事業経費のうち二十八億一千万円が取扱い団体の事務経費として自治労加盟の県や市町村の職員組合に支払われております。
 これは保険の私は窓口を行っている手数料に当たると思いますけれども、愛知県を除いた自治労加盟の四十六都道府県の職員組合及び関係団体のこれらの事業に課税をされているのか、国税庁に伺います。
#99
○政府参考人(岡本佳郎君) 個別にわたる事柄については、守秘義務の関係上、差し控えさせていただきますが、一般論としてお答えいたします。
 法人税法上、御指摘の県や市町村の職員組合を含みます職員団体等は、公益法人等又は人格のない社団に該当いたします。これらの団体につきましては、法人税法施行令に特掲された三十四の収益事業から生ずる所得以外の所得については法人税を課さないこととされております。
 この公益法人等が保険に係る事務処理の委託を受けて手数料を得る行為は、収益事業の一つである請負業に該当するものと考えられますが、個々の事業が収益事業に該当するかどうかは、その事業の内容に応じて判断することになります。
 いずれにいたしましても、国税当局としては、個々の事実関係に基づき、法令に照らして適正に取り扱ってまいりたいと思います。
#100
○牧野たかお君 個別のことというか、私は全体の話を聞いているものですから、四十六の都道府県の。ですので、どこの県がどうのこうのと聞いているわけじゃないものですから、個別というお答えは少し不満でありますけれども。
 質問の言い方を変えますと、これらの職員組合及び関係団体は事業申告をすべてのところがしていますか。一部の団体でしていないということはありませんか。
#101
○政府参考人(岡本佳郎君) お答えいたします。
 四十六都道府県の職員組合という特定の事柄については、守秘義務の関係上、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、職員組合に対して他の公益法人等と同様、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどにより、引き続き適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
#102
○牧野たかお君 それでは、これは申告をしている例でありますけれども、静岡県の例を見てみます。
 これは、静岡県の職員組合と県立病院の職員労組で構成しています静岡県職労連合の平成二十年度の決算書の中の損益計算書です。
 先ほど述べた売店、自動販売機など民間業者から入っている協力金、いわゆる手数料収入が七百二十万円、そして自治労共済などの手数料収入が三千五百八十万円となっております。これと併せて、自らが販売している県の証紙、たばこなどの売上げも合わせますと一億七千九百万円の営業利益があります。これに対して営業費用は一億九千万円となっておりまして、差引きしますと千百万円の赤字となっておりますが、しかしこの赤字は、営業費、この黄色のところですが、つまり人件費を含めた経費が六千五十万円と計上されているから千百万円の赤字となるわけですけれども。
 私も静岡県に十二年間県会議員として務めていたものですから実態を知っていますけれども、保険料は県が職員の給与から天引きしています。そして、売店や自販機の経費は業者持ちで、ここが払っているのは、さっき原口大臣がおっしゃいましたけれども、静岡県は民間業者に又貸しを事実上していますけれども、百十七万円、県にその地代を払っています。ですので、六千五十万円の中にはその百十七万円入っていますけれども、それ以外は経費というのはほとんど掛からないはずで、実態的には労組の職員の人たちの人件費等を事業収入の経費として計上している私は疑いがあると思います。この経理処理というのは、実はほかの県の例もちょっと見てみましたけれども、同じようにあったところがありました。
 事業収益でこういった労組の職員の人件費を払っている場合、これは課税逃れにならないんですか。国税庁にもう一回聞きます。
#103
○政府参考人(岡本佳郎君) 個別にわたる事柄については差し控えさせていただいて、一般論としてお答えいたします。
 今委員御指摘の都道府県の職員組合を含め、公益法人等又は人格のない社団が収益事業と収益事業以外の事業を行っている場合、人件費を含む費用については、これを収益事業に属する部分の金額と収益事業以外の事業に属する部分の金額とに合理的に区分経理することとされておりますけれども、その区分が合理的に行われているかどうかにつきましては、その費用の内容に応じて判断をすることになります。
 いずれにいたしましても、こうした点を含め、課税上問題があると認められる場合には、税務調査を行うなどにより、引き続き適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
#104
○牧野たかお君 もう一度国税庁に確認します。
 つまり、収益事業にかかわる仕事を仮に労組の職員が一か月のうち一日しかしていないとすれば、その事業の収益の経費とすればその一日分の人件費しか掛からないと、その経費としては一日分の人件費しか認められないということでいいんですね。
#105
○政府参考人(岡本佳郎君) あくまで一般論でお答えさせていただきます。
 収益事業について直接要した費用であればその全額を収益事業に係る費用として経理をすると、また、収益事業と収益事業以外の事業とに共通する費用であれば合理的な基準によりそれぞれの事業に配賦し、これに基づいて経理をすることというふうにされております。
#106
○牧野たかお君 要するに、こういうふうにはっきり不明朗な部分が見られる、こういう実態があります。
 国税庁として、正しい実態を把握するために税務調査をする気がありますか。
#107
○政府参考人(岡本佳郎君) あくまで一般論でございますけれども、今申しましたように、収益事業と収益事業以外の事業との間で収入、経費が適正に区分されていないというような問題があった場合には、税務調査を行うなどにより、引き続き適正公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
#108
○牧野たかお君 しっかりこれから調査をしてほしいと思います。
 鳩山総理、今の私が申し上げた実態を聞いていらっしゃって、どういう御感想をお持ちですか。
#109
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、こういった部分に関して国税庁の判断に任せるべきだとは思っておりますが、やはり不明朗な部分があれば、不明朗な部分に対してはやはり国民の皆さんの厳しい視線があるということを常に忘れないで行動するべきだと、そのように考えております。
#110
○牧野たかお君 非常に言いにくいことでありますけれども、鳩山総理はこの日本の政府の最高責任者であります。御自身の問題もありますが、私は長として国税庁に調査させるべきだと思いますが、いかがですか。
#111
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私自身のことがあるからどうのこうのという思いは、私は一切考えてはおりません。
 そして、本来、必要なことであれば当然国税庁として調べる、調査をするということになろうかと思っておりますし、国税庁の冷静な判断というものが求められていく話ではないかと思います。
#112
○牧野たかお君 非常にこれも言いにくい話でありますけれども、最近、ちまたではやっている言葉があります。ちょっと総理にお伝えしますけれども、ツルは千年カメは万年ハトは天然というそうでございます。
 ここで原口大臣に伺いますが、先ほど来述べた団体保険料とか労働組合の組合費、こういったものを現状は職員の給与から天引きされていることがほとんどであります。
 この場合、給与の一部の控除に関する条例を定めなければならないと地方公務員法の第二十五条第二項に書いてあります。その部分を読みますと、職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならないというふうに書いてあります。
 しかし、先ほど私が述べたような団体保険だとかそういう組合費というのが実際は給与から天引きされておりまして、四十七都道府県の中でちゃんと条例を作っているところは、私が調べたところ鳥取県だけで、ほかの自治体では確認できなかったんですけれども、こういう実態を御存じですか。
#113
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。
 昨日、条例なしに施設の減免をしているんじゃないかという御指摘で調べさせていただきました。全部の県に条例がございました。そして、チェックオフについては、今委員がおっしゃるように、法令にのっとり条例を設けて行われるべきものでございまして、その実施については各地方公共団体において判断されるべきものでございます。
 なお、条例に基づく地方公共団体によるチェックオフでなくて、職員団体と職員団体に加入する職員との間において口座振替などの形で職員団体費の納付がなされることもあり得るわけでございます。
 先ほど大分とか言われましたけど、あれは、先生、直接生活協同組合にやっているんで、又貸しではございませんでした。そのことも併せて申し上げておきます。
#114
○牧野たかお君 そのことについては後日また調べて質問したいと思いますけれども。
 今の条例の話も、これやっぱり地方自治を健全な形で運営をしてもらうために、私は総務省としてそれについて調査したり、また指導をすべきじゃないかと思いますけど、いかがですか。
#115
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。
 法律にのっとらないものがあれば、それはしっかりとされるべきだと思います。
 ですから、昨日、先生がこの場で御指摘をされた庁舎のスペース等を条例を持たないで使っている、あるいは減免しているところがあるんじゃないかという御指摘でございましたから、全国の調査を掛けまして、そういうところはないということが今判明しておるところでございます。
#116
○牧野たかお君 それでは、原口大臣がおっしゃっていることを受けた上で伺いますけれども、公共施設をそういう特定の団体に無償で貸すことが、またその公共施設を使って営利事業をやることが適切だと思いますか。
#117
○国務大臣(原口一博君) 昨日もこれはお答えをいたしましたけれども、庁舎等の行政財産については、地方自治法において、その用途又は目的を妨げない限度でその使用を許可することができるものとするとされておりまして、また、行政財産の使用を許可した場合においても、条例の規定に基づき使用料の減免ができるものと、こうなっております。
#118
○牧野たかお君 それは、解釈の違いでしょうけれども、原則使用料を取るという、その趣旨じゃないんですか。
#119
○国務大臣(原口一博君) 今読み上げたとおりでございまして、民間の場合、地方公共団体が地方自治法に基づき庁舎の一部を職員団体の事務所として使用させ、条例に基づきその使用料を減免することは、それをもって直ちに不適切であると、そういうふうにはなっておりません。
 庁舎の一部を職員団体に使用させるかどうか、使用させる場合においてその使用料をどうするかは、各地方団体において適切に判断されるべきものでございます。
#120
○牧野たかお君 私の時間がそろそろなくなってきました。仙谷大臣、申し訳ありません。
 鳩山大臣に最後一言だけ聞いて、私の質問を終わらせていただきます。
 昨日、仙谷大臣に私は質問をさせていただきました。民主党政権はこれから公務員の人たちにスト権を与える方向かどうかと。仙谷大臣のお答えは、結論から言うとそういう方向だというふうに私は受け取りましたけれども、総理大臣、公務員がストを起こしたらだれが一番被害を受けると思いますか。
#121
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 私ども、労働基本権の回復に対して、これは公務員制度改革の中で大いに議論してまいりたいと思います。
 その中で、今まさに牧野委員がお話しされましたように、公務員が果たしてどこまで労働基本権、すべて三権とも認めるべきかどうかという議論は大いにされるべきだと、そのように思っております。そして、スト権というものが大変大きな国民の皆様方の利益に反するということもひょっとして出てくる可能性もあろうかと思っております。
 したがいまして、このスト権の付与ということに関しては、私は慎重の上にも慎重に、しかしながら議論をしっかりと行うべきだと、そのように考えております。
#122
○牧野たかお君 私の質問を終わります。
#123
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。義家弘介君。
#124
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 今日も、教育問題、子供たちの環境について質問させていただきたいと思います。
 実は、教育界では古くからH2O問題という言葉が使われてきました。これは、過激な組合活動で公教育をゆがめているその代表格として、北海道それから広島、大分、この三つの地域を指してH2O問題と呼ばれてきました。
 そして今、政治の世界でまさに政治と金をめぐって同様にこのH2O問題が出てきています。小沢幹事長の政治と金の問題、鳩山総理の政治と金の問題、そして北教組の問題、頭文字H2O、まさに同根の問題であると思っております。何とか民主党はぎりぎりまで延ばして、この問題、水に流そうとしているかもしれませんが、そういうことは我々は断じて許せないという思いでしっかりと質問させていただきたいと思います。
 まず、資料の一枚目、三月三日の予算委員会の席上で私が提示させていただいた資料であります。(資料提示)この資料には非常に重要なことが含まれていまして、まず勤務時間中に送られている組合ファクスであるという点。それから、大変お世話になっておりますと、ファクスを受け取られた方へのお願い、つまり職員室に組合ファクスが来てもだれも問題意識を持たなくなってしまっているという問題。それから、勤務時間中に組合の分会会議を行うということ。そして、この時間に自由にファクスの送信ができるということはやみ専従がいる疑いがあるという、これに対して資料を提示した上で質問させていただきました。
 そこで、川端文部科学大臣、これらの件についてその後どのような対応を文部科学省としてしたのか、是非お答えください。
#125
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 資料を当委員会で提示をしていただきました。ほかの委員会でも、同様の部分を含めていろんな御指摘の資料をいただきました。それぞれに資料を添付し、あるいはそれに関連をしたマスコミ報道もございます。そういう部分で、私たちは教育現場で政治的中立はしっかり守らなければいけないという立場で、そういう事態の事実確認に対して、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に個々具体の項目を挙げて実態調査をするように要請をしているところでございます。
#126
○義家弘介君 我々自民党は、この問題に対して都合四回北海道の現地調査に赴きまして、管理職そして現場の先生あるいは組合活動をしている先生あるいは脱退した先生、様々な、もちろん教育委員会等も含めて話をしてきましたが、これだけの具体的な問題が出ているにもかかわらず、例えば政務官、例えば副大臣などを北海道に派遣しなかったのはどうしてでしょうか。
#127
○国務大臣(川端達夫君) 基本的には、その地域の教育は都道府県、市町村の教育委員会において責任を持って行われるということの仕組みでございます。まずは、いろいろ委員会でも御指摘をいただいた事実を含めて、その当該責任者である都道府県及び市教育委員会において実態をしっかり調べるようにということを指示しているところでございます。
#128
○義家弘介君 そういう対応をしている間に、この小林千代美議員の裏金の問題もありますが、彼らは全く懲りていないんです。
 そこで、資料の二を御覧になっていただきたいと思います。これは、私が質問した三月三日の次に、三月四日に北海道の新ひだか支会から出されたものです。
 物証と示しながら、国会での馳浩、義家らの追及など、北教組攻撃を一気に強めてきていますと。その上で、さらに、卒業式における日の丸・君が代反対運動の取組、これ、このまま進めることもマニュアルの中で明確になっています。前回の質問でも、明らかに校長先生にプレッシャーを掛けながら日の丸・君が代問題に対して対峙していくということを言いましたけれども、この校長交渉の記録まで出させようと。
 さらには、支会からの連絡は、今後は基本的に郵送及び電話で行います、ファクス送信はいたしませんと。一方でですよ、分会からの、ある小学校が分会になっているわけですが、分会から支会に対しての報告は、ファクスを使用して送信しても構いません。ということは、間違いなくこれはやみ専従がいるというペーパーにもなっていくわけですが、この辺、川端文部科学大臣、どのようにお考えになりますか。
#129
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘の資料を見せていただきました。ファクスが当然ながら公務執行のために設置され、その費用を公費で負担しているものである、そのファクスであれば、職員団体の活動のために使用することは適切でないことは言うまでもございません。
 また、公立学校の教職員について、地方公務員法により職務専念義務が課せられており、勤務時間中に組合関係の文書をファクスで送信するなどの組合活動を行うことは禁じられております。勤務時間中に組合活動が行われていることが事実であれば極めて遺憾であるし、法令にのっとり毅然と対処してまいりたい。
 したがいまして、現実に今どういうこと、こういういろんな資料を御指摘をいただいておりますので、それを、事実関係を詳細に調べるように北海道及び札幌市の教育委員会に要請をし、現在調査中でございます。
#130
○義家弘介君 調べる調べるの一点張りで、まさに今子供たちは卒業式の渦中にいるわけですけれども、問題が明らかになっても文部科学省は調べる調べるの一点張りで、どのように何をするのか、全く示しておりません。
 三月三日の後、すぐにこういった乱暴な資料が出回るような現状、そして今の文部科学大臣の対応について、鳩山総理はどのような御感想をお持ちですか。また、どんな指示を可能でしょうか。よろしくお願いします。
#131
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 義家委員にお答えをいたします。
 このような幾つもの事例が起きているということは、やはり我々としても深刻に考えるべきだと思っております。教育者において、授業中にこのようなことが公然と行われているということが事実であれば、当然これは法令にのっとってしっかりと対処しなきゃならぬと思っております。
 それだけに、事実関係をやはりこれもちゃんと調査をしていかなきゃならないということでありまして、川端文部科学大臣が今指示をして、しっかりと調査をしている最中であります。これは別に先延ばしをするとかいうつもりではありません。事実関係をちゃんと調査をして、根源的に何が問題なのかということを調査をして、そして、こういったことが全国的にも決して二度と起きないような体質というものをつくり上げていくために今調査をしているというふうに御理解を願いたいと存じます。
#132
○義家弘介君 政治と金の問題については、いつも総理は調査を見守る、調査、調査、調査、調査と、具体的に何をやるか全く示そうとしませんが、はっきり申し上げます。今示した資料、三月三日に示した資料、これは両方とも総理の選挙区の学校で起こっているんですよ、これ。総理のおひざ元の学校で今起こっていることなんです。更に言えば、このファクスの出元の小学校は、あした卒業式を迎えるんです。その卒業式の中で、どういうマニュアルが出ているかもう一度確認しますが、入学式、卒業式の練習においても、国歌については起立や斉唱や伴奏を強制させないように取り組むと。もし強行された場合は、町からの依頼業務拒否など、本務外の雑務は全部拒否する、校長先生に抗議の表明を一定期間行う。具体的には、式終了後、朝の打合せの中で分会代表が抗議の意見表明を一週間毎朝行う、さらには新規の研究指定は受け付けない。まさにこの状況の中で明日卒業式を迎えているのに、これだけの具体的資料を示しながら、調査を待っています、調査を待っていますと。
 子供たちを社会全体で育てると言いながら、子供たちのことを全く考えてないんじゃないですか。総理、どうですか。
#133
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 決してそのようには思っておりません。
 今、例えば日の丸・君が代のこともありましたが、それに対して、強制的に行うことに対して断固みたいな話がそこに、組合の方では、北教組の方ではあるのかもしれません。しかし、現実、北海道においても公立の小中高校において、日の丸・君が代はすべて入学式、卒業式、一〇〇%実施をされていると伺っております。
 決していろいろと、そのような一部の行動はあろうかとは思っておりますが、実際の子供たちの教育には影響を受けないようにしっかりと行うことが大事でありますし、そのようになっていると私は思っております。ただ、法令に基づかない問題が生じたときには、当然そのことに関しては断固しっかりと処分をしなければならないことは言うまでもありません。
#134
○義家弘介君 今話を聞きながら、一体この中継を見ている人は、国民はどんなことを思っただろうと。まさに、校長がまともな学校運営をしようとしてもできないという、やらないという明確な表明をし、更に言えば、まさにこの総理の地元、かなり激しいんですよ、これ、活動が。この教組は北海道の中でもかなり激しいんです。
 しかし、そういう状況についても理解せず、一方で選挙では人をもらい、そして金をもらい、その問題が今裏金問題として事件になっているわけですよ。どうして身内の問題に対して総理はそんなに甘いんですか。友愛というのは甘さですか。だれのための友愛なんでしょうか。先ほども言いましたが、明日、子供たちが卒業式を迎えるんですよ、総理の選挙区で。そして、今現在こういうことをやるということを言っているわけですね。校長先生はどんな犠牲を払いながらこの式典とか行っているか、多くの校長先生と話をしながらそのことを痛々しく感じましたが。
 三枚目の資料ですけれども、これは我々が入手した資料の中の一部です。校長着任交渉というやつです。実は北海道では、この校長と組合の交渉によって校長先生自体ががんじがらめにされてしまって、何もできない状態、言われたら言われたとおり報告するという状態が出てきてしまっているんですよ。
 例えば校長着任交渉、新しい勤務地に行くときはだれしも不安です。先生方、協力してくれるだろうか、入学式も会議も先生の協力なしではできませんからね。すると、組合員が校長のところに来て見解を回答させるんですよ、最初から。例えばこの六番なんてひどいですよ、勤務条件にかかわることはすべて交渉事項と考えるがどうですかと。これは、北海道では四十六年に結ばれた四六協定というものがもう組合王国の最たるものとしてありましたけれども、まさに、勤務条件に関するすべてのことは我々と交渉しなさいと言ったら校長は何もできない。しかし渋々すると、会議、みんなで年休取りますよ、そんなことを言うと入学式協力しませんから、パイプいす、全部校長先生出してくれるんですかというような話になる。一つ一つ約束させられていくんです。
 さらに、校長交渉、たくさんこの資料、現物は苦しんでいる校長から手に入れていますけれども、ひどいですよ。例えば人事に関する要望書、校長の具申は次のことを尊重すること。本人の意思を尊重した具申をする、本人に対して異動希望の強制はしない、分会の意見、つまり組合の意見を尊重するなど、人事介入も公然と校長交渉で行う。さらには、評価制度に対してですけれども、校長による授業参観は、必要に応じて、研究授業、公開授業、授業参観等の機会を利用し、それ以外の特別の参観は行わない。指導案提出や授業内容に介入する行為は一切行わないと思うがどうか。こうやって一つ一つ校長先生をがんじがらめにするわけですよ。
 だから、教委の説明云々よりも、現場をちゃんと正常化させなかったら、まともにやろうとしている校長もまともにできないひずんだ教育現場がある。それを再三指摘しているのに、現在調査中、現在調査中。本当に文部科学省はこのことについて問題意識を持っているんですか。
#135
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 まず初めに、入学式、卒業式、明日卒業式ということでございます。いろいろな御指摘と当該団体の主張等々は、私たちが国歌・国旗を尊重し、そして厳粛な雰囲気の中で、卒業式あるいは入学式を国旗掲揚、国歌斉唱の下で行われるものと考え、学習指導要領に基づいて国歌・国旗のいろんな指導を行っている方向からすれば、見解としては異にする部分が多々あるということで、基本的に卒業式、入学式でしっかり対応するようにということを都道府県あるいは該当の市教育委員会に指導しているところでございますが、その中で、北海道教育委員会では今年、いろいろな国会の議論を踏まえた我々との連携の中で、二月二十四日付けで北海道教育委員会は、国旗は出席者の目に触れる場所に自然な形で掲揚する。国歌は教育課程に適切に位置付け、子供の発達段階に応じた指導を行い、式の中で実際に歌唱されるよう指導すること。直接子供の指導に当たる教職員が国歌斉唱時に起立することは社会通念上当然なことについて、各種指導していると同時に、三月四日付けで、この度行われる卒業式等において、式典の形態、国旗掲揚の状況、国歌斉唱の状況等について詳細に調査をし、報告を求めることになっております。
 また、校長着任交渉についての御質問でございますが、交渉という文書を御提示いただきました。交渉というものの定義ということと、また、中では伺いたいという文章形態、そして最後に確認の署名を求めているということで、この位置付けが詳しくは分かりませんけれども、学校運営は校務をつかさどる校長の権限と責任の下に行われるということであり、職員団体が交渉すること等により校長の学校運営に関する権限を制限しようとするものであれば、極めて不適切であるということでございます。いわゆる公務員法に定める職員団体との交渉は、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件等について行われるもので、いわゆる管理運営事項に該当する事項については交渉は行うことはできないものでありますので、適切に指導してまいりたいと思います。
#136
○義家弘介君 延々と資料を、官僚ペーパーを棒読みしたようですけれども、本当にどうして子供たちのことを考えないんですか。本当にあした卒業式迎えられる、この最終局面における取組についてのマニュアルも出ていますが、残余の質問については午後の審議の中でしっかりと明らかにしてまいりたいと思っております。
#137
○委員長(簗瀬進君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#138
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、社会保障・雇用等に関する質疑を行います。義家弘介君。
#139
○義家弘介君 午前中の審議に引き続き、問題を質問させていただきます。
 まず、川端文部科学大臣に質問いたします。
 一体この北教組の問題、いつまでに、どのような方法で、どのように報告を受けて、そしてどのような対応をするのか、具体的にお答えください。
#140
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申し上げましたように、こういう委員会での指摘あるいは報道を受けて、逐一その項目について実態を調査するように北海道教育委員会及び札幌市教育委員会に今要請をしているところであります。それを受けて、現在、北海道教育委員会及び札幌市教育委員会では、その個別の我々の要請をどういう方法、どういう手順でするかを精力的に整理中でありまして、これから調査に取りかかるという状況でございます。
 具体的には、いろんな指摘を受けたときに、具体的に日時、そしてそのときの出勤状況、そのときにその部屋にいた者を確定し、問い合わせをする等々の詳細な調査が必要でありますので、今できるだけ早くに出していただきたいという要請をしておりますが、期日がいつかということにおいては確答は得ておる状況ではございません。
 報告をいただいたのを受けて、一つは、しっかりと調査されているかどうか、これがされていなければ、北海道の関係教育団体に対して、教育委員会に対しての指導も当然考慮にしなければならぬし、過去そういう例もありましたけれども、報告をいただいた部分に関しては、法令に違反している事態があるかどうかということを含めてどういう対処をするか、万一法律に違反することがあれば厳正に対処するように協議をしてまいりたい、連携を取ってまいりたいと思っておりまして、いずれにいたしましても、そういう報告に関してはまたいろんな形で皆さんにも分かっていただけるようにしたいと思っております。
#141
○義家弘介君 北教組の裏金問題、これが出てからもう随分とたちますけれども、具体的な対応をまさに民主党ぐるみでしようとしていないというような印象を私自身強く受けております。
 実は、またあさってから私、北海道に行ってまいります。そして、現場の、今週、今日、明日と行われる卒業式においてどのようなものが行われていたのか、それをしっかりと聞き取ってきたいと思いますが、もしも文部科学省に来た報告とその現実とが乖離していた場合、まさに文部科学省の機能不全が明らかになるわけですから、これは民主党に向かってというより国民に向かってその事実、違いをしっかりと示してまいりたいと思います。
 その上で、もう一つ質問をしたいと思います。
 実は、日教組、民主党の有力支持母体である日教組は、二〇〇九年三月十七日の第百五十二回中央委員会で、貧困や困難な環境にある子供たちの家庭支援をしようという取組で、あしなが育英会と合同で子ども救済カンパというものを行いました。これは全国の教組で行っております。
 そこでまず、あしなが育英会ですけれども、これは御存じのとおり、交通遺児や、あるいは今は遺児だけではなく、病気や災害や自死などで、あらゆる死因で親を亡くしてしまった遺児たちをみんなで応援していこうという、私自身も心より応援している組織でありますけれども、日教組のホームページによりますとこう書いてあります。
 総理に是非お尋ねします。カンパの使途。子ども救済カンパの使途。あしなが育英会奨学金に寄附します。また、連合を通じて、保護者の厳しい就労状況等により学校へ就学できない子供、外国籍、病気、障害のある子供の支援、学生、青年に対する職業訓練等を行っているNPO等に寄附しますと書いてあるわけですが、これだけ聞いて、総理、じゃ、カンパの使途、主にどこに寄附をされていると受け取れますか。もう一回言いますよ。カンパの使途、あしなが育英会に寄附します。また、連合を通じて云々。それでは、このカンパの使途は主にどこに寄附されたと思いますか。総理、お願いします。
#142
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今のお尋ねであれば、当然、カンパの使途はあしなが育英会に寄附されるべきものだと、主としてでありますが、そのように思います。
#143
○義家弘介君 そこで、資料を御覧になっていただきたいわけですけれども、今週の月曜日に、日教組が第九十八回臨時大会を三月十五日に開きました。その折にこの子ども救済カンパの最終報告を行いました。この額について見てください。カンパの総額は一億七千六百二十四万五千四百十八円。そのうち、あしなが育英会には七千百九十五万六千三百二十二円。そして、残りの一億円は連合・雇用と就労・自立支援カンパに出されています。
 多くの街頭に立つ者たち、あるいはこのカンパに協力した教師たちもそうですが、これは聞き取り調査でも明らかになっていますが、あしなが育英会の子供たち、あしなが育英会の活動にプラスになる、そういう思いの中で行った。しかし、ふたを開けてみると、あしなが育英会七千万、残りは連合にそのままぽんと寄附していると。
 こういう状態について、総理は一体どのように感じますか。お答えください。
#144
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 義家委員にお答えを申し上げたいと思います。
 私は、必ずしもこの子ども救援カンパ全体の取組を熟知しているわけではありません。今お尋ねのように、子ども救援カンパ活動、これはあしながの育英会の活動に対してというのが中心だとは思っておりましたが、さらに、連合が行っている雇用と就労・自立支援カンパ、子供たちも含めての自立支援に対するカンパも併せて行っているというふうにも理解はできようかと思っております。
 いずれにしても、政治的な活動に対して資金カンパをすることは禁じられておるわけでありまして、この活動が政治的なカンパではないと、そのように信じていきたいとは思っておりますが、今のお尋ねの話でありますと必ずしもあしなが育英会だけではないということでありますので、そこのところは、より、ある意味で文科省を通じて調査をする必要があろうかとは思っております。
#145
○義家弘介君 さて、今そういうお言葉ですけれども、まずこのカンパ、実は三月十五日に決まって、本格的に取組が始まったのは五月以降であったわけですけれども、日教組の新聞によりますと、九月のもう中ごろにはほぼ同額の一億七千四百七十五万七千八百九十円が集まっています。これだけ短期間にこれだけのお金を善意の中で集めるという形ですけど、これ実は強制カンパであったという話も現場から入ってきております。
 例えば、組合による強制カンパであったというお話も入ってきていますが、もしそういう組合による強制カンパであったとしたならば、川端文部科学大臣、どのように考えますか。
#146
○国務大臣(川端達夫君) 労働組合がカンパをされた部分の中身が、仮定の話でもしもということには具体的なこととしてお答えできませんけれども、政治カンパを行うことは法令上禁止をされております。一定の政治的な目的を持って資金カンパの要請を伝えること等とありますが、いろんな目的でのカンパをすることはもちろん任意で、自由でございます。
 そういう意味で、この件に関して詳細承知しておりませんが、仮定の話にはお答えできないですが、基本的にカンパは任意であるということでございます。
#147
○義家弘介君 基本的にカンパは任意であるというお話でした。
 そこで、この資料の五、これは北教組の中での資料であります。実は、これを見てからくりが分かったわけですけれども、実は、日教組、あしなが、連合・雇用と就労・自立カンパ、これはノルマとして五百円が課せられておりました。つまり、日教組の人間が三十万人いたとしたら、三、五、十五、一億五千万というものがぽんと集まるわけですね。さらに、北海道はそれ以外に救済カンパの活動について独自事業を行うためにプラス千円を集めますと。
 そして、左下の一番、見てください。組織決定した千五百円については、負担が大きいところから、八、九、十月給与から五百円ずつ徴収することとします、括弧、口座よりの引き去り。つまり、これは口座からそのまま引かれているわけです。もっと言えば、つまり、この書類だけで判断すると、五百円分についてはこの子ども救済カンパで本部に行っているのかなと。しかし、独自事業をすると言って集めたプラス千円は一体どこに行っているのかという疑念も出てくるわけです。
 右側を見ると、日教組からの交付金を活用して子ども救済カンパの独自活動を行うというふうに書いてあるわけですが、先ほどの最初の内訳、日教組の発表した最終報告によると、実は、連合が助成した団体、NPO団体、北海道ないんですよ。北海道の事業、一個も入っていないんですよ。じゃ、一体その千円はどこに行ってしまったのか。これについては、組合のお金については検証のしようがございません。
 そこで、原口総務大臣、この教育公務員及び地方公務員、公務員の労働組合のお金については、収支報告をしっかりする、もうとにかくクリーンにするために収支報告をしっかりする。元々、原資が公金ですから。先生も強制的に徴収されているわけですからね。これについて法改正する意思があるかないか、是非お答えください。(発言する者あり)
#148
○委員長(簗瀬進君) 御静粛に。
#149
○国務大臣(原口一博君) 地方公務員の政治的行為の制限、私の場合は、教職員、これは所管でございませんので、地方公務員ということでお話をさせていただきます。懲戒処分をもって足りるとの考え方から、地方公務員法上、罰則を科さないこととされております。
 なお、義家委員、公務員の政治的行為の制限は、基本的な人権にかかわる問題として立法府や司法府でも様々な議論があったものであり、慎重に考えるべきであると。各団体に収支報告を義務付ける、そういう法律を私は所管をしておりません。
#150
○義家弘介君 というような回答ですけど、まさに公金を原資としているお金がどのように使われているのか。
 組合員の先生は私にこう言いました。この強制カンパ等というのは我々にとっては教師生命保険なんですと言うんです。どういうことかというと、それを払わなかったり協力しなかったりすると、学校の仕事において冷遇される、みんなから外されてしまう、転勤、異動に対して不利になる、様々な問題がある、教師生命保険だと言っているわけです。
 そして、最後、またこういう書類も出てきています。
#151
○委員長(簗瀬進君) 義家君、時間が来ております。
#152
○義家弘介君 第二十二回参議院選挙闘争の取組について。まさに、選挙運動をまた行おうとしているわけです。
#153
○委員長(簗瀬進君) 時間が来ております。
#154
○義家弘介君 是非、教育公務員特例法十八条の改正及び一日も早く小林千代美衆議院議員の辞任、これを求めて、私からの質問は終わりにさせていただきます。
#155
○委員長(簗瀬進君) これにて義家弘介君の関連質疑は終了いたしました。
 以上で尾辻秀久君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#156
○委員長(簗瀬進君) 次に、荒木清寛君の質疑を行います。荒木清寛君。
#157
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。
 私は、総理を中心に、命を守る政治の具体論を中心に何点かお尋ねいたします。
 まず、介護施設へのスプリンクラーの設置であります。
 三月十三日、札幌市のグループホームで火災がありまして、七人の高齢者が犠牲になりました。これはスプリンクラーの設置義務も、また実際の設置もない施設でありました。ちょうど一年前は群馬県の渋川市の高齢者入所施設で同様の火災がありまして、ここもスプリンクラーがなくて十人が亡くなられました。
 そこで、まず総務大臣に、こうした高齢者専用施設につきましては、たとえ規模が小さくても、いったん火事になりますと、今回、また昨年のようなことになるわけでありますので、これはグループホーム等の高齢者施設についてはもう規模のいかんにかかわらずスプリンクラーの設置は義務付けるべきである、このように考えますが、いかがでしょうか。
#158
○国務大臣(原口一博君) 荒木委員にお答えいたします。
 本当に、お亡くなりになった方々、けがをされた方にこの場を借りてお見舞いを申し上げたいと思います。
 平成十八年の長崎県大村市のグループホーム火災を踏まえて、消防法の施行令を改正しております。平成二十一年四月一日から施行していますが、この改正により、主として自力避難困難な方が入所される施設で延べ面積が二百七十五平米以上のものについては、新たにスプリンクラー設置の義務を、設備のですね、設置義務を付けておるわけでございます。この平成二十二年三月十三日に発生した札幌市のグループホーム火災の原因調査の進捗等を踏まえ、必要な対応の検討を指示したところでございます。
 今回、委員御案内のとおり、認知症で動けない方々、その方々が犠牲になっておられます。スプリンクラーの、ただ、設備の強化は経済的な負担を伴うことでもあり、検討に当たっては厚労省、関係事業者団体との調整が必要でございますが、委員の御指摘を踏まえて検討していきたいと思います。
#159
○荒木清寛君 これは、施設設置者もスプリンクラーがあった方がいいとみんな思っているんです。ところが、なかなかそれだけ高価なものは国の補助なしではできないというのが実態でございます。
 そこで、命を守る政治を標榜する総理に是非お願いしたいのでありますけれども、そういう費用負担がネックになってスプリンクラーの設置が進まないのであれば、これはもう思い切って国の補助金あるいは介護保険の中で、そうした今大臣が言われた自立、自ら避難ができないような高齢者施設については、スプリンクラーの設置あるいは火災警報機についても国の費用で設置を進めるべきであると考えますが、総理の決意を伺います。
#160
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 荒木委員のお気持ちはよく分かります。まずは、今般の札幌でのグループホームで合計七名の方がお亡くなりになったということは大変痛ましい事故でありまして、私の方からもお悔やみを申し上げたいと思います。
 こういう事故が今日までも多発をしております。それに対して原口大臣から、十分調査をして検討をして、これからも進めていきたいというお話がありました。確かに、地域において、お金が掛かるものだからなかなか国の助成がないとできないという実態があろうかと思います。
 今回、二百七十五平米に満たない二百四十八平米でしたか、足りなかったということもあったと思いますし、また、必ずしもすべてが一遍にスプリンクラーが付いているという状況でもありません。これは、やはりこういう事故がこれから起きないようにしていくために、スプリンクラーの設置というものに対して国が何らか今まで以上に力を入れなければならないことだと、そのように理解をしておりまして、補助金の問題も含めて、今介護のというお話もありました、何らかの対応というものを早急に取るために検討を十分に行ってまいりたいと思います。
#161
○荒木清寛君 関連しまして、一般住宅への火災報知機の設置については、消防法が改正になりまして、まさに逃げ遅れの防止という点に着目をしまして、住宅の寝室及び寝室につながる階段などについて火災警報機の設置が義務付けられております。平成十六年の改正であります。
 ところが、一般には、これは火を扱う台所に付けるものだという誤解が結構あるんですね。公明党愛知県本部で愛知県一宮市で調査をしましたところ、一台だけこの火災警報機を設置している家庭の六四・二%の世帯は台所に設置をしてありました。要するに、火が出るわけですから、そこに付ければいいんだろうと。これはやはり誤解があるわけでありますから、どうか政府としては、この火災警報機の設置の普及率を上げることだけではなく、丁寧に広報をして、逃げ遅れの防止、要するに寝ているときに火が出るから鳴るようにするわけですね、その法の趣旨をしっかり徹底してもらいたいと考えますが、どうでしょうか。
#162
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。
 もう荒木委員がおっしゃるとおりです。私たちも平成二十一年十二月時点の全国の推計普及率は五二%だと考えておりますが、今おっしゃるような誤解というか誤ったものがあって、台所にだけ設置しておけばいいんだというお話でございますが、義務付けているのは寝室、階段でございますので、是非このテレビを御覧くださっている方々からも周りの皆さんに広めていただきたい。逃げ遅れはやはり寝室なんですね。そこでしっかりと気付いて対応するということが大事でございますので、総務省といたしましても、シンポジウムあるいは広報、普及、様々な活動を強化していきたいと思います。
 ありがとうございます。
#163
○荒木清寛君 次に、総理に、小児慢性特定疾患についてお尋ねいたします。
 小児慢性特定疾患対策については、最長二十歳になりますと医療費の助成が打切りとなります。私は、先般、胆道閉鎖症の子供のお母さんから切実な訴えを聞きました。二十歳になりますと医療費の助成が打切りになりますけれども、病気の性格上、そうはいってもフルタイムで仕事をするというのはなかなか難しいです。しかしながら、胆道閉鎖症でいいますと、生体肝移植を受けても免疫抑制剤を一生服用しなければいけない、その医療負担は大変である、何とか二十歳を超えてもならないかという訴えでした。
 総理の下にそうした訴えがあるかどうかは分かりませんが、公明党も与党時代は難病対策にはしっかり力を入れてまいりましたが、まだまだ残されている課題もたくさんあります。私は、この二十歳を超えた患者さんに対しても、いわゆる小児慢性特定疾患、糖尿病その他、もうたくさんございます。そういう方々の医療費の負担を軽減するための何らかのこれは対策を政府として講じてもらいたいと、こういう声がたくさん来ておりますので、どうぞ総理の決断を促したいと考えます。
#164
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小児がんなど、小児慢性特定疾患に患っておられる方々、今まで、基本的には十八歳で打ち切られる、特別な方々は二十歳までというようなことになっておったわけでございます。
 もう御案内のとおり、荒木委員がまさにおっしゃるように慢性疾患でありますから、お子様から成人になられたら治るというたぐいのものではないことも言うまでもありません。当然のことながら、二十歳以降どうするかという議論を本来もっと早くからしていくべきではなかったかとも思っております。
 その意味で、私ども、小児慢性特定疾患も含みます難病対策全体の在り方について、厚生労働省の中に、長浜副大臣をトップとしまして新たな難治性疾患対策の在り方検討チームと、これはまだ仮称の名前でありますが、それを設置をして、その中で十分にこの問題を検討していきたいと考えておりまして、荒木委員のおっしゃるような問題を早急に新政権として取り組んでまいりたいと考えております。
#165
○荒木清寛君 次に、総理に文化芸術振興政策について尋ねます。
 平成十三年に、超党派の議員立法で文化芸術振興基本法が成立をいたしまして、以来、政府の努力によって、心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に向けて様々な取組がなされてきました。特に、地域での伝統文化こども教室というのは大変評価が高くて、私も実際に生徒あるいは御父兄から聞いたところでは、お衣装を着け舞台で舞う姿はとても幸せな気持ちになりましたという子供さんの声、あるいは引っ込み思案であった娘が今では人前で踊ることが大好きになったという声等々、非常に生き生きとして伝統文化に接する声を聞いております。
 ところが、先般の事業仕分で、この事業も平成二十三年度限りで廃止をするという方針となっておりまして、そうなりますと、各地域でこうした伝統文化の継承というのは一体どうしていくのか、地域任せでいいというのであればもうこの法律の精神はどこに行ったのか、このように思います。
 そこで、総理に、今後の文化、芸術の振興に政府としてどのような姿勢で臨むのか、これは地域でやってください、それぞれの個人の問題だ、そういう姿勢なのかどうか、お尋ねをします。
#166
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 伝統文化の重要性は論をまちません。特に、地域における伝統文化というものをしっかりと守っていかなければならない、これは言うまでもない話だと思います。
 一方で、御案内のとおり、事業仕分でこの伝統文化こども教室事業というものがその対象になりました。当初は平成二十二年度で廃止をするというような話もありました。しかし、多くの方々から、これは継続をすべきだ、大変に役に立っている子供たちにとってあるいは地域にとって大事な事業なんだという話を伺いました。
 そこで、これはまずは継続案件を中心に実施をするということで、三年後には廃止をすることにいたしておるわけですが、平成二十二年度予算案には八億円減らした十二億円を計上したところであります。
 その意味を私も調べてみました。これは、いわゆる今までは一つの財団にこの運営を任せていたわけであります。この財団、本当に必要なのかどうかということでありまして、財団に対してぼんと補助をするのもいかがなものか、そこに相当無駄がやっぱり出てくるのではないかという話でございまして、こういった財団を存続する目的で事業を継続するのもおかしいだろうということでございました。
 そこで、私どもは、これから地域伝統文化総合活性化事業というものを平成二十二年度から新たに実施することといたしたわけでありまして、そこには十六億円の予算を計上したわけであります。その中にも、今お話がありましたように、子供さんのための伝統文化こども教室事業というものも具体的に中に入った、さらにそれを包含した内容にしているところでございます。今までは一つの財団にすべてを任せていた。これからは、それぞれの地域というものの自主性に任せていきながら、今までよりもより多くの予算を組んで更に大きな拡充された事業というものが行われるように我々としては配慮したつもりでございまして、決して伝統文化というものを地域においてなおざりにしたいという意思ではないということを御理解を願いたい。
#167
○荒木清寛君 実施の仕方は政府で検討していただければいいですが、是非地域におけるその事業は継続をしてもらいたい。要請をしておきます。
 最後に、総理は、阪神・淡路大震災の追悼式典に参加をして、減災、被害を減らしていく、に万全を期さねばならないと改めて痛感をしました、このように施政方針演説で言われております。
 今回、予算では公共事業が大幅に削減になっておりますが、私は、ある人は耐震ニューディール政策というふうに言う人もいます、これは新たな公共事業として、もう思い切って住宅の耐震化、耐震について国の補助を増やして、一気にこれは推進をしていくべきである、このことは経済の活性化にも資する、このように考えますが、これは、最後に簡潔に答弁をお願いします。
#168
○国務大臣(前原誠司君) では、私から。
 現在、四千七百万戸の住宅のうち、耐震化基準を満たしているものは約七五%、三千五百五十でございますが、年末にまとめました新成長戦略では、平成三十二年までに九五%まで高めるということで決めております。現在、耐震診断とかあるいは耐震補助というものを設けたり、税制面での優遇措置も設けておりますけれども、委員の御趣旨も踏まえ、またこの新成長戦略での目標設定も含めて、更なる拡充策というものを検討していきたいと、このように考えております。(発言する者あり)
#169
○委員長(簗瀬進君) 簡潔にお願いします。
#170
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 簡潔に申し上げます。
 私ども、住宅に対してリフォームの事業というものにこれから力を入れてまいりたいと。それは、エコとかバリアフリー、そして耐震、こういったものに力を入れてまいりたいと思っておりまして、その耐震化という方向に関しては今前原大臣が申したとおりでありまして、極力積極的に行ってまいりたいと存じております。
#171
○委員長(簗瀬進君) 関連質疑を許します。鰐淵洋子君。
#172
○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。
 本日は、医療に関連いたしまして、予防接種の体制強化、抜本改革について質問をさせていただきます。
 予防接種の推進支援は、命と健康を守るという点、また、医療費の削減、子育て支援等につながる大変に重要な課題でございますので、総理、大臣におかれましては是非とも積極的な前向きな答弁をお願いしたいと思っております。
 まず、厚生労働大臣にお伺いしたいと思いますが、我が国の予防接種体制でございますが、ほかの先進国に比べまして、ワクチンの承認状況、また接種率、費用助成の面から見ましても大変に遅れていると、そのように指摘をされております。
 資料をお配りさせていただいておりますので御覧になっていただきたいと思いますが、(資料提示)例えばこのワクチンの状況を見ていただきたいと思います。WHOが何らかの勧告をしている予防接種は二十一種類ございますが、それに対して、日本で対応されているもの、定期接種に位置付けられているものは、黄色い部分でございますが、九種類ということでございます。半分以下でございます。この定期接種といいますのは全自治体でほぼ全額公費負担となっているものでございますが、こういった対応ができているのが九種類ということでございます。
 この中には子宮頸がんということで載っておりますけれども、この子宮頸がんの予防ワクチンにつきましても、唯一予防ができるがんということで、公明党としましても早期承認を求めまして全力で取り組ませていただきまして、ようやく昨年の十月に承認をすることができました。
 その上で、この予防のためのワクチンでございますが、世界では既に百か国承認をされておりまして、日本では九十九番目にようやく承認をされたという状況。また、ほかの先進国では、例えばドイツやイギリスなど、そういった約三十か国では既に公費助成をしているという、そういった一つの子宮頸がんの予防ワクチンの状況を見ましても、やはり日本はこういった予防のための予防接種の対応が遅れていると指摘をされてもおかしくない、またワクチン後進国と言われてもおかしくない状況であると思っております。
 そこで、長妻大臣に、現在のこの日本におきます予防接種の体制、現状認識をどのようにお持ちか、大臣にお伺いをしたいと思います。
#173
○国務大臣(長妻昭君) この今お示しいただいた図でございますけれども、WHOがすべての地域に向け勧告をしているワクチンのうち、例えば今言われたHibワクチン、あるいは子宮頸がんワクチン、あるいは肺炎球菌ワクチンなどについてはまだ日本では法律上の位置付けがありません。これは我々も問題意識を持っていまして、昨年の十二月二十五日に予防接種部会というのを設置をいたしまして、こういうワクチンも含めて我々としてこれを検討をしていくということであります。
 ワクチン行政でありますけれども、やはりこれは日本は世界に比べると遅れている面が多々あるというふうに思います。これとは別に、新型インフルエンザのときも、国産の、国内で作るワクチンが不足をして急遽輸入に頼らざるを得ないというようなことがありますので、今その体制も含めて急速に整備をして、五年以内には半年間で全国民分のインフルエンザワクチンを国内で作れる体制をつくろうということで今取り組んでおります。
#174
○鰐淵洋子君 日本のワクチン行政は遅れているという、そういった認識をお持ちということでございますので、その上に立ちまして具体的にちょっと伺ってまいりたいと思いますが、今大臣の方からもおっしゃっていただきましたHib、子宮頸がん、肺炎球菌ワクチン、これにつきましては一昨年から今年にかけまして承認をされておりまして、販売も一斉に進んでおります。そういった意味ではこの部分につきましては一歩前進かと思いますが、しかし、予防接種法に位置付けられていないということで、やはり任意接種になりますので、このままではこの接種率の向上は期待できないと思っております。
 特に、Hibや小児用肺炎球菌ワクチン、これは細菌性髄膜炎、患者の方が年間千人ぐらいいらっしゃるということなんですが、そのうちの五%の方が亡くなって、二五%に発達の遅れなど、そういった後遺症が残ると言われておりますが、こういった重篤な被害、それを防ぐためにも、特にHibや小児用肺炎球菌ワクチンですけれども、一日も早い定期接種、これが望まれております。私自身もいろんな、若いお母様始め家族の皆様からもそういった声を強くいただいているところでございます。
 しかし、今国会では予防接種法の改正が検討されておりますが、その中でこのHibや肺炎球菌など、定期接種の対象疾病となっていないと伺っております。是非とも、この二つにつきましては、予防接種法における位置付けの明確化を含めまして、公費によって予防接種が受けられる体制を早急につくっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#175
○国務大臣(長妻昭君) 例えば小児肺炎球菌ワクチンについては、販売が先月の二十四日ということで、まだ間もないわけでございますけれども、今の御指摘、Hibワクチンも含めて、これは十分に私も理解をしているところでありまして、先ほど申し上げた予防接種部会というのを昨年十二月設置しまして、そこで専門家の先生方の御意見も聞きながら前向きに議論をしていきたいというふうに考えています。
#176
○鰐淵洋子君 このHibワクチンの有効性につきましてはもう世界中でも認められておりますし、事実、アメリカでももう二〇〇〇年からこの定期接種を開始しておりまして、感染症が減少したという報告もございますので、こういった世界の状況も見ながら、またこのHibワクチンは、もう大臣も御存じかと思いますが、一回大体七千円から八千円程度掛かる、また四回必要でございますので三万円掛かるということで、やはり経済的負担が余りにも大きい。親の経済力の問題で救える命と救えない命が出てくるという、そういった問題につながることもあるかと思いますので、そういった意味からも、しっかりと早急に積極的な対応ということで、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、総理にお伺いしたいと思いますが、子宮頸がんワクチン、予防のためのワクチン、これは先ほども申し上げましたが、公明党が女性の健康を守るということで全力で取り組んできた課題でございます。本会議におきましても、松議員の方から公費助成の導入ということで質問をさせていただきました。
 この予防のためのワクチン、唯一予防できるがんでございますし、また年間三千五百人ぐらいの若い女性の命が失われているということもございます。また、そのほか、先ほどもお話ありましたけれども、医療費を削減できる。例えば、十二歳のお嬢さんに、女子にこのワクチンを投与した効果と実際にその費用を比較しますと、医療費が約百九十億円削減できるという、そういった試算も出ております。
 命を守るという点、また医療費の削減という点からも、是非、この有効的な子宮頸がんの予防ワクチン、早期導入ということで改めて要望したいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#177
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 鰐淵委員から松あきら議員に引き続きまして、子宮頸がんワクチンの予防接種に対する公費助成のお尋ねがございました。
 今、やはりトータルの医療費全体で見るべきだという指摘はまさにそのとおりだと思っておりまして、予防というものを充実することによって医療費を大幅に削減できると、そのようにも考えております。
 一方で、御案内の、今、子宮頸がんワクチンのお話でございますけれども、この二種類のHPVに関しては、欧米では八割、九割がこの原因だと言われておりますが、日本ではまだ五割から七割だということでございます。それが多いか少ないかという議論はやはりあろうかと思っておりますが、今できる限り早くすべてに効くようなワクチンを開発すべきだと、そのようにも考えて、その努力を今厚生労働省が行っている最中でございます。
 そのことも含めまして十分に検討させていただいて、できる限り前向きに結論を出すというふうに松あきら議員にも申し上げたところでございますので、鰐淵委員にも同じように、できるだけ早くこの結論を出せるように、公費助成も含めて考えてまいりたいと思います。
#178
○鰐淵洋子君 是非とも積極的な対応をよろしくお願いしたいと思います。
 この予防接種行政におきましては、冒頭も申し上げましたが、様々課題がある中で、その一つといたしまして、例えば予防接種行政は地方自治体任せになっておりますが、私は国がもう少し積極的にかかわるべきではないかと思っております。実際にドイツやフランスでは地方自治行政から国へと方向転換をしておりまして、積極的に国が取り組む中で接種率が向上したり、またワクチン予防で可能な疾病の発症を抑えられたという、そういったことも伺っております。こういった予防接種行政の抜本的な見直しをしていく中で、やはり守れる命、しっかりと守っていくということで、具体的な改革を進めていくべきだと思っております。
 そこで、三つほど具体的に提案をさせていただきたいと思いますが、まず一点目でございますが、予防接種法を抜本的に改革するということでございます。これは、予防接種で予防できる疾病の法的位置付け、これを明確にすることと、また費用負担の在り方、これをしっかりと見直しをしていく。先ほども申し上げましたが、もう少し積極的に国がかかわっていくべきではないか。こういったことを含めて、法の抜本的改革を進めていくべきであると思っております。
 二点目に、予防接種に関する総合戦略を策定するということでございます。ワクチンの開発や承認等の体制強化、また接種スケジュールの明確化、接種率の目標設定、そのほか国民の皆様への普及啓発ということで、こういった総合的な戦略をしっかりと国がつくっていく、国がリーダーシップを取ってやっていくという、そういったことをしなければいけないと思っております。
 三点目でございますが、日本版のACIPを創設するということでございます。これも大臣御存じかと思いますが、アメリカで一九六四年に設立された行政機関でございますが、この現在の縦割り行政、これを改めまして、予防接種政策、これを横断的にまた総合的に検討するという、そういった組織を創設した方がいいんではないかということで、この三つを具体的に提案をさせていただきたいと思いますが、この提案についての御見解をお伺いをしたいと思います。
#179
○国務大臣(長妻昭君) このワクチン行政というのは、ある意味では国家の危機管理という側面もある話でございまして、それは今回の新型インフルエンザにおいても非常に教訓になったと。国内で需要が賄えないということでありますので、まずはこの部分の体制を整備をして、五年以内に半年間で全国民に供給できると、こういう体制を何としてもつくりたいということで予算もお認めいただいているところであります。
 今の御提言でありますけれども、国家の危機管理という意味で位置付けるということで、先ほど設置を申し上げた予防接種部会で幅広く議論をしていくということであります。その中では、おっしゃられるような接種率についての目標設定はどうあるべきなのか、あるいはスケジュールについてもどうあるべきなのか、きちっとしたプログラムを議論をするということと、今言われたACIPというものは、これはワクチンというのは、当然効果も高いわけでありますが、一定の副反応、薬でいえば副作用というのもある可能性がありますので、これについて国民の皆さんとある意味ではそういうものも共有をして幅広く議論をしていくということで、これは市民も入ったような形でアメリカは運営をしていると聞いておりますので、そういう国民会議的なものの設置も含めて予防接種部会で幅広く議論をしていこうというふうに考えております。
#180
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
 是非、今三つ御提案させていただきましたが、引き続き、抜本的な改革をする中で、やっぱり国民の皆様の命を守るということでしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 最後に、総理にお伺いしたいと思いますが、やはり国民の皆さんが必要なときに必要なワクチンを安心して接種できる抜本的な改革が必要ということで今御提言もさせていただきました。総理は、命を守ると何回もおっしゃっておりますので、まさに総理がおっしゃっていることが一つの課題としてこの予防接種の抜本的改革につながるのではないかと私は思っております。
 総理のリーダーシップで、この抜本的改革をする中でワクチン接種等によって命を守っていく、そういった決意を是非とも最後いただきたいと思いますが。
#181
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 鰐淵委員のおっしゃるとおりだと基本的に思います。
 日本の医学は、今までややもすると西洋医学に偏っていた、ある意味での治療というものを中心に行ってきたと、そのように思います。これから、私ども、統合医療という方向も更に高めていきたいと、そのように考えております。
 その発想は、やはり未病というか予防というものを更に重視するという方向でございます。西洋医学的手法ではありますが、予防接種というものはまさに未病、予防という立場から大変重要な考え方だと思っておりまして、日本のトータルの医療費というものを削減させていくためにも、予防接種法というものをある意味で、今お尋ねがありましたように抜本的に改革をしていくということも必要なのではないか、そのように考えておりまして、鰐淵委員のお尋ねの方向性を私ども政府としても真剣に取り組んでまいることをお約束をいたしたいと存じます。
#182
○鰐淵洋子君 ありがとうございました。
#183
○委員長(簗瀬進君) これにて鰐淵洋子君の関連質疑は終了いたしました。
 以上で荒木清寛君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#184
○委員長(簗瀬進君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
#185
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 昨年の総選挙後、私は、あちこちで新しい政治に何を期待しますかと聞いて歩きました。一番多かったのが医療費を下げてほしいという声です。日本には公的医療保険制度があります。しかし、保険料を払って保険証を持っていても、病院や診療所に行くと一割とか三割の窓口負担が掛かります。これが重いんですね。その結果、何が起こっているか。(資料提示)
 国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、過去一年間に医療機関に行かなかったという人のうち、健康でなかったが行くことができなかったという方が一七・〇%。その理由の第一位は、自己負担の割合が高いなど経済的な理由で、これが三八・四%に上ります。また、大阪府門真市で国保世帯を中心に行った門真国保実態調査でも、治療や診察が必要だと感じながら、治療費、診察代などお金が掛かるため病院に行くことを先延ばしにしたことがあるという方が一六・三%に上っております。
 総理、私は、これらの調査は、明らかに高過ぎる窓口負担の結果、深刻な受診抑制が起こっていることを示していると思いますが、総理、この事実はお認めになりますね。
#186
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 今、この調査結果を伺いました。山下委員のお話のように、窓口負担というものが高いと、結果として、ならば病院に行くのをやめようと受診抑制というものが働くということも私は事実としてあり得ると、そのように考えております。
 ただ、御案内のとおり、医療に関してはその費用が掛かります。それをだれが負担するかと。自己負担と、それから保険か、あるいは税金か、どれかで賄わなければならないと思っておりまして、ある一定の窓口負担というものはこれはやむを得ない措置ではないかと、そのようにも考えております。
 高過ぎるという議論も一方で聞くこともございます。トータルとして医療費全体がどのように負担感があるかという議論の中で結論を見出すべき話ではないかと、そのようにも考えております。
#187
○山下芳生君 私は、もっと人々の医療と暮らしの実態を直視すべきだと思います。
 門真市国保実態調査では、治療や診察にお金が掛かるために行っている工夫は何ですかという問いに対して、病院に行く回数を減らしているとか、病状の重いときのみ病院に行くようにしているとか、できるだけ病院に行かずに薬局で買う薬で済ませているなどの答えがたくさん返ってきております。
 そして、このパネルにありますように、収入階層の低いところに受診抑制や受診中断が起こっていることがはっきりと示されております。これ、みんな年収五百万円未満のところに集中して受診抑制と受診中断が起こっております。これらは私は命の危険に直結していると思っております。
 全日本民医連が二〇〇九年国民健康保険など死亡事例調査報告を三月十一日に発表されました。これは新聞でも大きく報道されましたけれども。今回から、正規の保険証を持っているのに、受診が遅れ、死亡した事例も調査対象に加えております。その結果、国保七件、健保本人二件、後期高齢者一件が報告を死亡例としてされております。
 具体事例を少し紹介します。
 岐阜、五十九歳男性、無職、二〇〇八年まで土木アルバイトで生計を立てていた方。膵臓がんと診察されながら、経済的困窮のため、抗がん剤投与月三回、一回一万円の治療を中断。強い腹痛にて来院。生活保護申請にこぎ着けるが、二か月弱で死亡された。入院当初から検査を受けられなかったことを悔やんでおられた。
 東京、六十九歳男性、無職の方。生活保護水準ぎりぎりの生活の中、胃がんの治療を一年間中断された結果、再発。入院後八か月で死亡された。入院時の所持金は四千円だった。
 埼玉、七十七歳男性の方。二年ほど前より呼吸器科に定期受診されていたが、二〇〇九年三月、自営業を廃業後、住宅ローンを抱えながら収入が国民年金のみとなった。二〇〇九年五月の受診を最後に中断され、半年後、症状悪化のため入院されるが、一か月ほどで死亡された。
 私が紹介した事例は全部保険証を持っている方々ですよ。保険証あるけれども、治療を受けることができずに亡くなった方ですよ。さぞ無念だったと思います。総理、重い窓口負担が受診抑制、受診中断を招いて死に至る事例が増加しております。私はこれは必要な医療が妨げられているということだと思いますが、総理、御認識どうでしょうか。
#188
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 後で長妻大臣から補足をしていただければと思いますが、おっしゃるとおり、お金がないから医療が受けられないというような状況が日本の中に起きているということは大変これは悲惨なことで、そのようなことがないような社会にしていかなければならない、基本的にそのように思います。
 一方で、先ほど申し上げましたように、医療に対して何らかの負担をすべての国民が行わなければならないという中で、私どもとすれば、それなりに世界に誇る医療制度というものがまずつくられてきたと、そのようにも考えております。
 したがって、例えば高額の治療が必要なものに対しては高額療養費制度というものがありまして、高額の負担というものから特に低所得者の方々が避けられる仕組みというものもつくられているわけでございます。様々な方法も講じているところでございますが、なお一層努力をすることも求められていると、そのようにも考えております。
#189
○山下芳生君 国民皆保険制度を維持する、そのために負担はやむを得ないとおっしゃいましたけれども、高過ぎる負担のために保険証を持っているのに必要な医療を受けることができずに死亡する方が今増えているんですね。国民皆保険制度の機能が崩れているんだと思います。
 それから、高額療養費制度のことをおっしゃいました。自己負担限度額が設定されているということですが、では現役世代の一か月の負担限度額は幾らかといいますと、八万百円プラス掛かった医療費の一%なんです。これ一週間も入院すれば食費を含めれば十万円の窓口負担が掛かるということです。基礎年金だけの高齢者の方でも一か月の負担限度額は外来で八千円、入院だと一万五千円なんですね。年金が月三万円台の人が四、五日入院すれば、その年金の半分、一万五千円が医療費に消えていくということになってしまいます。これでは私は低額所得者の方々の受診抑制は止めることができないと思います。
 そもそも、公的医療保険制度というのは、私はお金のあるなしに関係なくすべての人に必要な医療を保障するための仕組みでなければならないと思います。ところが、重い窓口負担が必要な医療を遮断しております。世界では、公的医療保険制度のある国は、先進国は窓口負担はゼロ、あっても少額の定額制が当たり前なんですね。総理、これは何とかしたい、大変な事態だと、こうおっしゃったんだったら、日本でもせめて高過ぎる窓口負担を軽減することに踏み出すべきだと私思いますが、いかがでしょうか。総理、総理、時間ないんですから。お願いします。
#190
○国務大臣(長妻昭君) この窓口負担、自己負担の問題でございますけれども、確かに日本は高い方でありまして、ただ、ほかの国が全部ないということではありません。日本は総保険医療支出に占める自己負担が一五・一%、アメリカ一二・二パー、イギリス一一・四パー、フランス六・八、ドイツ一三・一パーということで、確かに高い面はあります。
 そこで、その自己負担のみならず保険料も軽減をしようということで、後期高齢者の皆さんあるいは七十から七十四歳までの皆さんの保険料、そして来月から、失業をされた方については前年の保険料の算定を七割引きにして算定しようと、こういうような措置で全体の負担感を軽減をするということに取り組んでおります。
#191
○山下芳生君 関係ないことを答えないでいただきたい。
 こういう人が、保険証を持っていても治療を受けられずに亡くなる方が増え続ける。そのまま増え続けていいんですか。窓口負担の軽減、検討もしないんですか、総理。
#192
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 先ほども申し上げたとおりでございますが、国民皆保険制度というものも一方で守らなければなりません。その意味で、何らかの窓口の負担というものはお願いをせざるを得ないと思っています。ただ、今、海外を比較して、やはり数割高いという思いもございます。今すぐにということでは必ずしもありませんが、窓口負担が高いゆえに十分な医療が受けられないで亡くなられるということが極力なくなるような社会を目指していくために、私どもとしても新たに検討してまいりたいと存じます。
#193
○委員長(簗瀬進君) 山下君、時間が来ています。
#194
○山下芳生君 だったら、先進国では当たり前の窓口負担ゼロを目指して、私たち日本共産党は、少なくとも高齢者と子供の医療費をゼロにすべきだ、財源は軍事費と大企業優遇税制、これ削れば十分出てくる、三兆円、四兆円出てくる、そのことを申し上げて、質問を終わります。
#195
○委員長(簗瀬進君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#196
○委員長(簗瀬進君) 次に、近藤正道君の質疑を行います。近藤正道君。
#197
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道でございます。
 十六日に公述人として榊原英資氏が、介護や医療などを中心とした今までの社会保障を雇用とか子育てなどを含めた方向に大きく拡充させるべきだ、ヨーロッパ型の福祉国家を日本は目指すべきだ、子ども手当や高校無償化、これを盛り込んだ来年度予算、まさにその第一歩というふうに受け止めて高く評価をすると、こういうふうにお話しされておりました。
 雇用政策、子育てを含む社会保障には高い経済波及効果があります。そして、社会保障が日本経済の一大成長分野であると、これは今やだれも認めるところでございます。社会保障をコストではなくて未来への投資だと、まさに福祉は投資だと、こういうことを積極的に位置付けたのは私はこの政権が初めてではないかと、こういうふうに思っておりまして、是非この政策を積極的にしっかりと推し進めていただきたいと、こういうふうに思っています。
 最初に、総理に、この社会保障、人に投資をするということの意義あるいはそのねらいを総括的にお話しいただきたいと思います。
#198
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) まさに近藤委員お話しされましたように、今までは、やはりこういった問題、コストという部分でとらえられていたと思います。所得の再配分あるいは再分配した後、結果として貧困率がますます高くなってしまうというようなあべこべな社会保障制度というものもつくられてしまっていたということも含めて考えれば、新政権としてこの問題、しっかりと闘っていかなければならない大きなテーマである、そのように認識しております。
 これは、社会保障という大きな枠組みの中に、先ほど榊原先生のお話もありましたけれども、私も同じように考えておりまして、例えば子ども手当とかあるいは高校の無償化、こういったものも大胆に充実をさせるということによって、結果として格差がない、いわゆる本当の意味での社会保障という、未来への投資という観点からの大きな事業だと見ることができると思っておりまして、そういう視点から見詰め直していく作業が今新政権に求められていると、そのように考えております。
#199
○近藤正道君 派遣法の話でございますが、与党協議の結果、私ども社民党あるいは国民新党さんが強く求めておりました派遣先の事前面接の解除の見送りが決定をされました。私は大変良かったというふうに思っております。派遣法改正はあしたにも閣議決定をされるというふうに聞いておりますが、一日も早くこの国会に提出をされ、改正案が実現をされるということを願っております。
 その一方で、この間のいわゆる行き過ぎた規制緩和、この中で、派遣だとかあるいは有期雇用、期間工だとかあるいは契約社員だとか、いろいろ様々、非正規の形で働く人たちが爆発的に増えました。今、五千万の人たちの中の三分の一、これが非正規だというふうに言われておりまして、この非正規の人たちが、雇用と生活の不安、これがまずあるということはもうもちろんでありますけれども、職業能力やあるいは熟練を蓄積する機会が失われていく。社会全体として、まあ言葉は私は好きではありませんが、人材の劣化、こういう問題がとりわけ物づくりの現場等で大変指摘をされているわけでございます。
 総理にお尋ねをしたいと思いますが、非正規、不安定雇用に陥ってしまったこの人々の生活不安の払拭、あるいは雇用の安定、人材の質の向上のために、今こそ人間らしい労働、いわゆるディーセントワークと、こういうふうに言われておりますが、この実現に向けて大きく一歩を踏み出すべきだと。私は派遣法の改正もその一歩だというふうに思うんですが、その後のことも踏まえて、今こそ人間らしく働く、働く命を守る、このスローガンを掲げる鳩山内閣の下でこのことにやっぱりしっかりと取り組むべきだと、こういうふうに思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
#200
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 派遣法の改正に関しましては社民党さんが大変御努力をくださいまして、特に派遣先の事前面接というものを行わないと、その一点に絞って御協力をいただいた結果、おかげさまで派遣法の改正案というものを政府の中でまとめることができたことを感謝を申し上げたいと思います。これは最終的なすべてでき上がった派遣法の改正ではないと、私もそのように思っておりまして、まずは第一歩だと思っております。ガラス細工のようなところがありますので、御協力いただいたことに改めて感謝を申し上げます。
 これからは更に、この派遣法、元々非正規の方々が多くなることが、今おっしゃったように必ずしも、この国の体力というものを弱めてしまったのではないかというお気持ち、私もそのとおりだと思っております。働き方はもっと多様であるということは自由であってよいかと思っておりますが、会社の事情によって一方的に、本来ならば正規社員として働きたいのに働けないという環境は必ずしも望ましいものではないと、そのように思っております。したがって、これを第一歩として、ディーセントワークのようなお話もいただきましたが、より国民の皆様方にとって、ある意味での国力というものを大きく増進させていくための発想というものもこれからの政権にとって大きな課題だと、そのように認識しておりまして、社民党さんの御協力を更にお願いを申し上げたいと存じます。
#201
○近藤正道君 大変前向きな御答弁だというふうに受け止めさせていただきたいと思っています。
 三つ目の質問でございますが、高校無償化に伴って質問をさせていただきます。
 高校無償化につきまして、日本弁護士連合会、三月の五日の日に、朝鮮学校に通う子供たちがその対象外とされることは法の下の平等に反すると、そして国際人権規約だとか人種差別撤廃条約、子どもの権利条約が禁止する差別に当たるという会長声明を出しました。また、国連の人種差別撤廃委員会がこの十六日の日に、一部の政治家の間に朝鮮学校を除外する動きがある、子供の教育に差別を持ち込むものだと、こういう懸念を表明されました。
 私は、特定の学校の除外、これは差別であると私は思います。しかし、それ以上に、普遍的な子供への支援という意味で、三党合意あるいはマニフェストの底に流れている、まさに人間の尊厳だとか人を大事にすると、こういう底に流れている一番大事な理念を変質させるものではないかと、こういう懸念を持っておりまして、ここは是非総理に除外をしないでいただきたいと、こういうふうに思うわけでありますが。
 質問は、国連の人種差別撤廃委員会が今回懸念というものを表明された。これがマスコミ報道されておるわけでありますが、この懸念というものをどういうふうに総理は受け止めておられるのか。そして、高校無償化については特定外国人学校を除外すべきではないと、私はそういうふうに思いますが、いかがでしょうか。総理の御答弁をお願いいたします。
#202
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 近藤委員、是非様々な御懸念は払拭していただきたいと思いますし、払拭してまいれると、そのようにも思っております。すべての子供たちがひとしく学べる環境をつくる、当然のことだと思います。
 大事なことは、例えば外国人学校で申し上げれば、いわゆる日本での高校の課程、授業の課程でありますが、それに類する課程であるかどうかということを極力これは客観的に判断をすることがやはり必要ではないかと、そのようなことでございます。その客観的な判断が十分にできるかどうかということでございまして、国交が例えばないような国の子供たちに対してどのようにそれを担保するかということで、できるだけそれを客観的な制度として認めていきたいと、そのように思っておるわけでありまして、今その仕組みを川端文部科学大臣の下で鋭意つくっているところだと、そのように御理解を願いたいと存じます。
#203
○近藤正道君 是非しっかりと審査の上、やっぱり子供たちにそういうものが持ち込まれないようにその取組だけはしっかりやっていただきたいと、強く要望を申し上げまして、時間でありますので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#204
○委員長(簗瀬進君) 以上で近藤正道君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて社会保障・雇用等に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は来る二十三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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