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2010/03/11 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第2号
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2010/03/11 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第174回国会 農林水産委員会 第2号
平成二十二年三月十一日(木曜日)
   午後零時四十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     土田 博和君     大久保潔重君
     風間  昶君     鰐淵 洋子君
 二月二十二日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     大河原雅子君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     松浦 大悟君     水戸 将史君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     水戸 将史君     松浦 大悟君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                一川 保夫君
                岩本  司君
                佐藤 昭郎君
                山田 俊男君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                松浦 大悟君
                野村 哲郎君
                松下 新平君
                渡辺 孝男君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   赤松 広隆君
   副大臣
       農林水産副大臣  山田 正彦君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       佐々木隆博君
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○農林水産に関する調査
 (平成二十二年度の農林水産行政の基本施策に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、風間昶君、土田博和君及び姫井由美子君が委員を辞任され、その補欠として鰐淵洋子君、大久保潔重君及び大河原雅子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 平成二十二年度の農林水産行政の基本施策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。赤松農林水産大臣。
#4
○国務大臣(赤松広隆君) 農林水産委員会の開催に当たりまして、委員長のお許しをいただき、所管大臣として所信の一端を申し述べます。
 私が農林水産大臣を拝命した昨年九月十六日から約五か月が経過しました。この日以来、私は、副大臣、政務官とともに、政治主導の精神の下、全力で取り組んでまいりました。
 平成二十一年度第一次補正予算の見直しでは、全省庁の中で最も高い割合の国費を国庫返納いたしました。さらに、平成二十二年度の予算、税制改正要望の検討過程においても、前例にとらわれない、国民の生活を第一とした判断を行ってきたと自負しております。
 これらの中で、この内閣における農林水産政策の考え方を最も色濃く体現しているのは平成二十二年度予算案です。厳しい財政事情の下、戸別所得補償制度のモデル対策を核として、政策を大転換する大きな一歩を踏み出しました。引き続き、政治の強いリーダーシップの下で農林水産行政に取り組んでまいります。
 さて、鳩山総理は、さきの施政方針演説において命を守る政治を提唱しましたが、生命の源である食を生み出す農林水産業、その舞台となる農山漁村は、まさに命を支える基礎となるものです。また、地域経済の心臓として地域を支えているのも、まさしく農林水産業です。
 しかし、残念ながら、我が国の農林水産業の現状を見ると、生産額の減少、就業者の高齢者割合の増加、農地や森林の荒廃、水産資源の減少など深刻な状況に陥っています。農山漁村は疲弊し、地域コミュニティーの維持すら困難となっているところもあります。
 国際情勢に目を転じても、決して楽観視できる状況ではありません。中国やインドを始めとする新興国の経済成長などを要因として世界の食料需給は逼迫基調にあり、先進国の一員としてその安定化に寄与することが求められています。また、WTOドーハ・ラウンド交渉など、我が国の農林水産業にも大きな影響を与えかねない厳しい国際交渉が続いています。
 このような内外を取り巻く危機的な状況を克服し、国民の命を支える農林水産業と農山漁村を再生すること、すなわち食と地域を再生することが、今、我々がなすべきことです。
 このため、意欲のあるすべての生産者に政策の恩恵が行き渡り、国民が将来にわたって安全な食の恩恵と豊かな水や緑を享受できることを目指します。その際、農林水産業が営まれる農山漁村は、水、緑、環境の保全などの多面的な機能を支える基盤でもあり、国民全体の安全、安心な生活に重要な役割を果たしていることについて、国民各位のより一層の理解を求めつつ、必要な支援を行っていきます。さらに、世界の食の安定に向け、国際的な議論をリードしつつ、積極的な貢献を図ってまいります。
 以下、農林水産政策に関する主要な取組について申し述べます。
 国内政策では、農林水産分野の成長産業化を図ってまいります。
 その中心となる政策は、戸別所得補償制度です。農山漁村に暮らす人々が将来に向けて明るい展望を持って生きていける環境をつくり出すべく、平成二十二年度においては、食料自給率向上のために水田農業のてこ入れを行う戸別所得補償モデル対策を実施いたします。
 具体的には、食料自給率向上のポイントとなる麦、大豆、米粉用米、飼料用米などについて、シンプルで分かりやすい助成体系の下に生産拡大を促す対策である水田利活用自給力向上事業と、水田農業の経営安定を図るために、恒常的に赤字に陥っている米に対して補てんする対策である米戸別所得補償モデル事業をセットで講じます。
 また、その際、生産調整達成者のみに麦、大豆等の助成金を交付をするというこれまでの手法を見直し、米の需給調整は米のメリット措置により実効を期す仕組みへと改め、過去四十年にわたって農村を疲弊させ、閉塞感を与えてきた生産調整政策を大転換します。作らせない農政から作る農政へとかじを切り、食料自給率の向上へとつなげていきます。
 また、畑作、畜産・酪農、漁業分野への拡大等についても検討を進め、実現を図ってまいります。
 あわせて、食料供給力の基本となる農地の有効利用、意欲のある担い手の確保に向けた取組などを展開するとともに、資金面から農業経営の改善を支援するため、農業改良資金法案を本国会に提出しております。
 戸別所得補償制度の導入と並び、農林水産分野の成長産業化の大きな柱となるのが六次産業化です。
 六次産業化は、農林水産物の生産から加工、流通まで一体的にとらえ、新たな価値を相乗的に生み出すものです。雇用の確保と所得の向上を実現し、農山漁村に活力、若者、笑顔を再び取り戻すべく、農林漁業者による加工、販売への主体的な取組などを促進するための法律案も本国会に提出することとしております。
 六次産業化に当たっては、農林水産業の重要なパートナーである食品産業との連携を始めとする多様な連携軸の構築、農山漁村に豊富に存在する様々な地域資源を活用した新産業の創出、農林水産物や加工食品の輸出拡大も成功の大きなかぎを握ります。特に、農山漁村に豊富に存在するバイオマス、太陽光、小水力、風力などの自然エネルギーの利活用は、鳩山総理が掲げた温室効果ガスを二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%削減するという目標達成に大きく貢献できる可能性を秘めており、積極的に取り組んでまいります。
 一方、農山漁村の中には、中山間地を始め、営農条件等が著しく不利であり、こうした取組をしてもなお雇用や所得を十分に確保することが困難な地域があります。このため、中山間地等における生産条件の不利を補正するための措置等を引き続き講じるとともに、農山漁村における定住、交流の促進を通じた地域経済の活性化にも取り組んでまいります。
 次に、森林・林業の再生です。
 我が国の国土の三分の二を占める豊富な森林とそれを守る林業を支えるべく、昨年十二月にコンクリート社会から木の社会への転換を目指す森林・林業再生プランを策定しました。同プランに基づき、川上の対策として、路網の整備や森林施業の集約化、林業を担う人材の育成などを集中的に進めます。また、川下の対策として、公共建築物等における木材の利用を促進するための法律案を本国会に提出するほか、住宅やエネルギーへの木材利用を拡大します。これらの対策により、木材自給率を五〇%以上に向上させることを目指します。
 次に、水産対策の推進です。
 我が国水産業は、非常に高い潜在能力を持ちながら、資源状態の低迷等により厳しい状況にあります。このため、藻場、干潟の保全等による水産資源の回復を図るとともに、大型クラゲ等による漁業被害への対策を講じます。また、燃油高騰等による影響を緩和するセーフティーネットの仕組みの創設、収入減少の影響の緩和、融資保証制度の充実により漁業経営の支援に取り組んでまいります。さらに、マグロや鯨等の国際的な管理下にある水産資源については、科学的な知見に基づき、持続的な利用が確保されるよう国際社会をリードしてまいります。
 食品の安全性向上と消費者の信頼確保の分野では、食品の移動を把握するトレーサビリティー、農業生産工程管理、HACCP、卸売市場におけるコールドチェーン体制の整備などの食品供給行程における取組を推進します。
 引き続き、日ごろから食品の安全に係る情報の収集や分析を行い、農場から食卓にわたって科学的根拠に基づいた安全性を向上させるための対策を充実させるとともに、農薬や飼料等の生産資材の適正な使用の徹底を図ってまいります。
 次に、国際交渉への対応について申し述べます。
 まず、WTOドーハ・ラウンド交渉につきましては、昨年のWTO閣僚会議や本年一月のダボスでの非公式閣僚会合でも改めて主張してまいりましたが、多様な農業の共存を基本理念とし、各国の農業が共に発展することができる貿易ルール作りを目指して、引き続き取り組んでまいります。また、EPA・FTA交渉については、我が国全体として経済上、外交上の利益を考慮し、守るべきものはしっかりと守るとの方針の下、関係省庁と連携しながら、国内の農林水産業に悪影響が及ばないよう十分に配慮いたします。
 さらに、本年十月には、APECにおいて初めての食料安全保障担当大臣会合が新潟で開催されます。さきの食料価格高騰時には食料不足により暴動が発生する国が幾つも生じ、また、食料輸出国の中には輸出規制を行う事例も見られました。まさに、食料が命に直結するものであるがゆえであります。私は、主催国の担当大臣としてこの会合の議長を務める予定ですが、その中で、持続可能な農業生産や食料安全保障の確保に向け積極的に貢献してまいります。
 また、国際生物多様性年に当たる今年、名古屋で生物多様性条約の第十回締結国会合、COP10が開かれます。私は、これに先立ち開催される遺伝子組換え生物の適正管理を目指すカルタヘナ議定書第五回締結国会議、MOP5の議長を務めます。こうした生物多様性を始めとする地球環境の問題について、国際的な協力関係を強化しつつ、積極的に取り組んでまいります。
 以上、農林水産政策に関する基本的な考え方を申し上げました。
 私は、副大臣、政務官、そして農林水産省の全職員と一体となって、マニフェストの実現に向けて全身全霊を賭して取り組んでいく所存です。また、このような取組が国民の皆様から信頼の得られる組織の下で進められるよう、本国会では、農林水産省設置法を改正する法律案を提出しております。
 農林水産省が進める政策は、汗水を流しながら必死になって働かれている現場の方々の視点に立ったものとなって初めて血の通ったものに仕上がります。とりわけ、本年三月には、今後の農政についての基本的な方針を盛り込んだ新たな食料・農業・農村基本計画を取りまとめる予定ですが、ここでも農業農村を支える必要性に対する国民的理解の醸成に努めながら、生産者や消費者の方々の声を十分に反映した計画にする必要があります。
 そこで、私は、副大臣、政務官とともに、これまでも、農林水産業に関する様々な御意見を伺うべく、全国各地を訪問させていただきました。そこには、安全な食料を安定的に供給すべく努力されている方々、地元で取れた農林水産物の販売を通じて地域経済の底上げに取り組まれている方々、農山漁村の環境を守るべく農地や森林などの保全に取り組まれている方々など、我が国の農林水産業、農山漁村を支えるために果敢なチャレンジをされている方々がたくさんおられました。そして、国民の皆様とお話をさせていただく中で、我々の政策が形になっていく中で、日ごとに国民の皆様からの期待、信頼が大きく、強くなってきていると身をもって感じております。
 私は、その期待、信頼にこたえることが農林水産大臣として自らに課せられた重い使命と受け止め、本年も果敢に農林水産行政の大転換を進めてまいります。
 委員長を始め委員各位におかれましては、今後とも一層の御指導と御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(小川敏夫君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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