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2010/03/19 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第4号
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2010/03/19 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第174回国会 農林水産委員会 第4号
平成二十二年三月十九日(金曜日)
   午前十一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     松浦 大悟君     前川 清成君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     羽田雄一郎君
     前川 清成君     松浦 大悟君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                一川 保夫君
                岩本  司君
                佐藤 昭郎君
                山田 俊男君
    委 員
                大久保潔重君
                亀井亜紀子君
                郡司  彰君
                主濱  了君
                羽田雄一郎君
                舟山 康江君
                松浦 大悟君
                野村 哲郎君
                松下 新平君
                渡辺 孝男君
                鰐淵 洋子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   赤松 広隆君
   副大臣
       農林水産副大臣  郡司  彰君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
       国土交通大臣政
       務官       三日月大造君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       宮島 守男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十二年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十二年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、大河原雅子君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川敏夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官宮島守男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川敏夫君) 去る十七日、予算委員会から、本日の本会議散会後の一日間、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 赤松農林水産大臣から説明を求めます。赤松農林水産大臣。
#6
○国務大臣(赤松広隆君) 平成二十二年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成二十二年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて二兆四千五百十七億円となっております。その内訳は、公共事業費が六千五百六十三億円、非公共事業費が一兆七千九百五十四億円となっております。
 農林水産予算の編成に当たっては、コンクリートから人への理念に立って、農業者を直接支援する事業に予算を重点的に配分することにより、農林水産業を立て直し、食と地域の再生を図ることといたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、戸別所得補償制度のモデル対策の実施です。
 意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整え、創意工夫ある取組を促すため、戸別所得補償制度を導入することとし、平成二十二年度は、本制度の導入に向けたモデル対策を実施いたします。
 具体的には、食料自給率向上のポイントとなる麦、大豆、米粉用米、飼料用米などについて生産拡大を促す水田利活用自給力向上事業と、恒常的に赤字に陥っている米に対して補てんする米戸別所得補償モデル事業をセットで講じます。
 第二に、食料供給力の向上対策です。
 農業者の経営に必要な資金について、金利負担の軽減や無担保無保証人の特別保証の導入等融資制度を充実することなどにより、意欲ある農業者の経営の改善を支援します。
 また、将来の農業を担う人材を確保するため、農業法人等が就農希望者を雇用して行う実践研修等への支援を図ります。
 第三に、農山漁村の活性化対策です。
 中山間地域を始め営農条件が著しく不利な地域に対して、生産条件の不利を補正するための措置を講ずるとともに、農地、水、環境の保全のための共同活動等を実施する地域を支援します。
 また、地域が自主性を生かし地域の実情に即した公共事業を実施することが可能となる新たな交付金制度を創設し、農山漁村地域の総合的な整備を推進します。
 第四に、食の安全の確保対策です。
 食の安全と消費者の信頼を確保するため、リスク管理措置の実施、農家等でのトレーサビリティーの取組、家畜防疫、農作物の病害虫の防除を支援します。
 第五に、農山漁村の六次産業化対策です。
 農林水産業、農山漁村の有する資源を有効に活用し、地域ビジネスの展開や新産業の創出を図るため、農林漁業者と食品事業者等の連携による販路拡大、食品産業の環境対策、再生可能エネルギーの利活用の取組等を支援します。
 第六に、森林・林業・木材産業対策です。
 国土の保全や水源の涵養、地球温暖化防止など森林の有する多面的機能が将来にわたって発揮されるよう、森林における路網の整備や施業の集約化、林業を担う人材の育成等を集中的に進めます。
 また、国産材を始めとした木材利用の拡大に向けた取組、地域の木材関係企業等の連携促進等を推進し、森林・林業の再生を図ります。
 最後に、水産対策です。
 漁業経営の安定を図るため、燃油などの資材コストの変動や収入の減少の影響を緩和する対策を講じます。
 また、水産資源の回復、漁場生産力の強化のため、藻場、干潟の保全を図るとともに、大型クラゲ等の有害生物による漁業被害防止対策、漂流・漂着ごみの回収等を支援します。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、日本政策金融公庫等による財政融資資金の借入れなど総額一千八百六十二億円を予定しております。
 以上で、平成二十二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#7
○委員長(小川敏夫君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○岩本司君 岩本司でございます。民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して国民の皆様に分かりやすい質問をさせていただきますので、分かりやすい御答弁、よろしくお願いいたします。
 連日、大臣、副大臣、政務官、お疲れさまでございます。何とぞよろしくお願いいたします。
 通告はしておりませんが、大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
 今朝の新聞で、マグロが好きな私たち日本人にとって明るいニュースが入ってまいりました。クロマグロ禁輸、委員会否決と。絶滅のおそれがある野生動物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議で、モナコ提案及びEU提案が共に大差で否決されたと。これはリビアの動議によるわけでございますけれども、この点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(赤松広隆君) 委員御指摘のように、現地時間三月十八日のワシントン条約締約国会議におきまして、出席者のうち投票した国の三分の二以上の賛成を得られずモナコ提案は否決をされました。したがいまして、その前にもEUの提案とか、あるいはもう直ちに質疑を打ち切って採決しろというような提案等もございまして、そういう提案、動議等の採決の後、最終的にモナコ提案についての採決が行われ、賛成二十票、反対六十八票、棄権三十か国ということで、私どもの期待をした結果が国際社会の理解の下で出たわけでございます。
 その意味で、私どもは、当初からシーラカンスやパンダやジュゴンとクロマグロを同じレベルにおいて絶滅種というような扱いでもって商業取引を禁止をするなんていうこと自体がそもそも誤っているわけでありますけれども、そういう意味で、今後とも日本としてしっかりとした資源管理の下で持続的なこうしたクロマグロを始めとする魚類、そしてまた食料の安定的な利用を図っていきたい、このように思っておりまして、こういういい結果が出たのも議会の各委員の皆さん、そしてまた私どもとしてはそれぞれの国々に、世界の国々にOBの皆さんもお願いをしながら派遣をし、あるいは在外公館を通じてそれぞれの国に働きかけもし、現地にも水産庁の職員約三十人を派遣をしてしっかりと各国にその説明に努めた、その結果がこの大差での勝利に結び付いたというふうに思っております。
 ただ、一応ワシントン条約の締約国会議は二十五日まで開かれることになっておりまして、モナコ等はもう本会議に、三分の一以上の議決があれば再度審議をということできるわけですが、モナコ自体はもうやらないと言っておりますけれども、しかし、現地からの今情報によりますと、フランス等が附属書Uでいいからもう一度本会議でやったらどうかみたいなことを今EUのそれぞれの国に働きかけをしているというふうな動きもあるもんですから、そういうところは安心せず、水産庁長官にも、二十五日まで現地にとどまって油断せずにあらゆる努力をして、きちっとこれで決着を付けて帰ってくるようにという指示もしておりますので、多分御心配のようにはならないと思いますけれども、この結果を、二十五日これで最終決着をすれば、今後とも、大西洋地域のICCATに限らず、それぞれ世界に五つの地域漁業管理機関がございますので、それぞれの機関の中で日本がリーダーシップを取りながら、持続的な利用可能のための施策、そしてまた資源管理の重要さについて訴えてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
#10
○岩本司君 大臣、ありがとうございます。
 私も、マグロとシーラカンスを同じように扱うというのは本当に不思議でたまりませんでした。それは、くるくるずしでシーラカンスを我々食べているわけでもありませんし、それはもう、このことが出たこと自体、私は日本人としてやっぱり反省すべきところもあるんではなかろうかというふうに感じております。
 それは何かといいますと、戦後、やはり我々の先輩方がぜいたくを敵として一生懸命働いて、それで物を大切に食べて、残さずですね。それを今、もちろん食料自給率の低下に比例するように世界各国から食料を輸入し、しかも、世界には食べ物もない子供たちがいっぱいいるんですね。その中、世界から食料を大量に輸入して、それを、言葉が悪いですけれども、外国から見たら食べ散らかして捨てると。そのごみだけで、いろんな数字やデータがありますけれども、年間日本人が捨てるごみで二か国、三か国の国民が救えるぐらいの食料を捨てていると、こういう事実をやっぱり世界は、何ていうんですか、クロマグロとシーラカンス一緒じゃないですけれども、そういう思いが私は今回のこの件につながっているんではなかろうかと。
 私も個人的には、外食したときも、格好は悪いかもしれませんけれども、残さず、その店の人に、ちょっとこれはもう粗末にできないんで包んでくれと、焼き鳥一本でも二本でも僕は持って帰るように、もう七、八年ぐらい前からこれ始めているんですけれども、初めはやっぱり格好悪いですよ、そういうのは。何かせこいとかも思われたくないし。しかし、僕も、小学校や幼稚園の子供たちにも残さずに食べなさいと言っている私が、自分がそういうことをやっちゃいけないという思いも込めてそういうことをやっているんですけれども、ここのところは私たち日本人は本当に反省しなきゃいけない点ではなかろうかというふうに思っております。
 今ここまで自給率が低下をして、農業、林業、水産業、後を継ぎたくても不安で継げない。それは、生活ができるかどうか分からない、その不安で継げないというような、そういう後継者も育たなくなった今の日本の農林水産行政というか政策。これはやっぱり過去の政策をしっかり検証して、反省するところは反省して、もちろん自民党政権のときはいいところもありました。しかし、それはそれとして、これは直さなきゃいけないところは徹底的に、今回政権も替わったわけですから、しっかり精査しなければならないと思いますけれども、今までの農林水産政策に対して検証をされているんでしょうか。
#11
○大臣政務官(舟山康江君) 委員御指摘のとおり、今現状の我が国の農林水産業の実態を見ますと、特に価格の低迷によって所得が減少している、それによって後継者が育たない、農産物の生産額も減っているという非常に危機的な状況になっております。これに伴って、その生産の場である農山漁村、この地域もやはり過疎化が進行して、人がいなくなれば当然田畑も荒れてしまう、水産地域、山も荒れてしまうという、そういった非常に厳しい状況にあります。
 この要因といたしましては様々あるわけなんですけれども、大きく何点か挙げさせていただきますと、例えば農政におきましては非常に消費が多様化して需要が変わってきております。その需要に応じた生産がきちんとできていたのかというと、そういった形にもなっておりませんでした。そういった需要に対応した生産拡大を通じて所得の拡大ということがなかなか実現できなかったということ。
 それからもう一つ、今農産物価格が非常に低迷しております。米価が下がっておりますけれども、米以外の作目も非常に今価格が低迷している。さらに、逆に言えば資材価格は上がっているという、交易条件が非常に悪化する中で、やはりその手取り、所得が少ない、その所得が少ない。やっていけないという状況に抜本的な対策が打ってこれなかったということ。そしてまた、農村の現場では今、先ほど申しましたようないろんな農業が継続できないということで急速に担い手が不足している、高齢化が進んでいる。特に、ここ数年の間に昭和一けた台が多分これからどんどんリタイアしていくんではないかという、こういう状況の中で、ここ数年対象者を絞り込む、国が望ましい形態というその形を決めて、その枠にはめてそこに支援を集中していこうという政策になってきましたけれども、構造改革そのものを否定するわけではありませんが、構造改革よりも先に、そういった現状ではもう崩壊が進んできているという、こういう状況の中で、なかなか思いどおりに意欲ある多様な農業者を担い手に育成できなかったという、こういった反省点があるのではないかと思っております。
 また、森林・林業政策におきましては、やはりまずは、今まで戦後、もう本当にはげ山から育成してきて、今やっと使えるような状況になったわけなんですけれども、今の林業政策が育成、造林から利用ということに変わってきている中で、政策がそれに追い付いてきていなかったと思うんです。さらには、材価が低迷する中で、やはりいかにきちんと利用をしてそれを回していくとかということの観点では、路網整備ですとか集約化とか、そういった観点が必要なんですけれども、そういったこともできてこなかったという、そういった反省があると思います。
 さらに、水産政策におきましては、今のマグロの話とも絡むんですけれども、やはりこの限りある資源をいかに持続的に有効に使うのかという資源管理をしながらきちんとやっていかなければいけないんですが、そういった観点、また漁業経営の安定という取組が必ずしも十分ではなくて、その年によって豊漁になったり不漁になったりという、そういった繰り返しがあったと思います。
 こういう状況に対処するために、新しい政権の中で農林漁業政策を大転換いたしまして、まず一つは戸別所得補償制度の本格導入、これによって所得をしっかりと確保できるような、また生産に伴って果たしている役割をしっかりと発揮していただけるような政策の転換をいたしまして、また農林漁業、農山漁村の六次産業化ですね、ただ生産だけではなく加工、流通、そして資源を有効活用して付加価値を付けていくという、そういう政策をしっかりと応援して食と地域の早急な再生を図っていくという、そんな考えでおります。
#12
○岩本司君 政務官、親切、丁寧な御答弁ありがとうございます。
 分かりやすく大きく二点挙げれば、六次産業化と、あと戸別所得補償制度と。細かく今政務官御答弁あったように、いろいろ対策が練られていると思うんですけれども。
 今、失業者も増えて、またヨーロッパ、アメリカから見ると日本はウサギ小屋のような小さな家に住んでいるとよく海外から言われるんですけれども、そういうマンション暮らしをやめて、会社では上司からどなられ部下からつつかれ、もうそういう生活よりも山村に行って農業をやろうという、そういう若者も増えているように聞いております。しかし、そこまでの決断をする勇気まで至れないのは、もう会社を辞めてまで農業をやろうと、海に出て魚を捕ろうと決断できないのはやはり将来の不安だと思うんですよね。山に入って、じゃ林業をやろうといっても、どうやっていいのか分からないと。波乗りが好きだから、じゃ漁業をやろうといったって、船も買わなきゃいけないし幾らぐらい掛かるんだろうと、それをどうペイしていくんだと、そういう大きな問題があるわけでございますけれども、そういう問題を解決して、分かりやすく国民に説明することによって新たに、私、もうこの仕事を辞めて漁業やろう、農業やろう、林業やろうという若者が増えてくると思うんですけれども、平成二十二年度予算ではこういう考え方といいますか、対策はどのような形で盛り込まれているのか、お伺いしたいと思います。
#13
○副大臣(郡司彰君) 二十二年度予算でございますけれども、まさに先ほど大臣から御説明を申し上げましたし、今それぞれのやり取りの中でも出てまいりましたけれども、農林漁業の再生を図っていこう、そのために戸別所得補償制度のモデル事業を今年は予算の中に組み込ませていただきました。さらに、農山漁村の活性化でありますとか、同じような地域における六次産業化、そして食の安全に対する予算というものも重点的に配分をしていこう、このようなことにしているわけであります。
 また、そのうち公共事業につきましては、大変厳しい予算の中で縮減を図らせてもいただきましたけれども、地域の創意工夫を生かした農山漁村地域の総合的な整備を支援をするための新たな農山漁村地域整備交付金等も準備をさせていただいたところでもございます。
 また、非公共の部分につきましては、先ほど申し上げましたけれども、農業者に対する直接的な支援の方法といたしまして戸別所得補償制度というものも考えているわけでありますけれども、一方で、公益法人向けの補助金等の削減を行い、あるいはまた施設費補助金の削減を行う中で、モデル事業については十分な額を用意させていただいたのではないか、そのように思っているところでございます。
 予算配分につきましても、全体として見れば、国の政府そのものはコンクリートから人へというような言い方もしておりますが、重点的な配分の中で農林漁業が活性化するような予算を執行していきたい、そして、皆様方の御議論をいただきまして早期に執行ができますようにとお願いをしているところでございます。
#14
○岩本司君 副大臣、ありがとうございます。
 先ほども私申し上げましたけれども、今から新規にどれだけの若者を農林水産業の世界に受け入れるかと、これが私は必要不可欠といいますか、これ、もう絶対必要な大きな柱の一つじゃなかろうかというふうに思っております。
 先ほど波乗りという、サーフィンですけれども、ちょっと言いましたけれども、平日会社勤めしていて例えば週末海に行くと、そこで例えば釣りをして魚を何匹か釣ったと、それを寂れた商店街で売れるような、そういうことも私はこの六次産業化の中に盛り込んでいかなきゃいけないというふうに思っております。
 それは、急に仕事を辞めて、借金して船買って海に出て魚捕れといったって、それはもう無理です。やはり少しずつ、週に一回あるいは週に二回魚を釣って、大体、今日は十匹釣れた、二十匹釣れた、それを寂れた商店街の一角でも借りて、これはもう商店街との調整もあると思いますけれども、そこで週に一回か二回、そこの商店街の前でも、シャッターの前でも貸してもらってそこで売れるような、じゃ、今日は、今週は五匹売れて三千円になったなと、来週は六千円になったと、今月は何か三万円になったなとか、やっぱりそういうところから始めていかなきゃいけないと思うんですね。
 あるいは、仕事をしながら家庭菜園、そこでキュウリやトマトが作れましたと、自分たちが食べる分以上にあると。近所のおすそ分けもいいですけれども、そういうのを、じゃ今月はシャッター通りのところに持っていって売ったら三千円になりましたと、じゃ五千円、それが増えていって、じゃこれは商売になるなと、そこで、何というんですか、新規に入っていくような、もちろんリストラになられた方もそういうところに窓口を広げて。
 昔は、私は選挙区、福岡県でございますけれども、炭鉱町が幾つもございます。昔は、捕った魚を、釣った魚を行商で山越えて炭鉱の町まで持っていって、それを売って、それでもうかって炭鉱主になり、銀行の株主にもなり、衆議院も二期か三期された方もいらっしゃいます、一代で。そういう自由な時代だったんですね。
 例えば、筑後川という川がありますけれども、そこの川でコイを捕る名人の方がいらっしゃったんです、これ今でもお店、二軒か三軒ありますけれども。コイを捕る名人の方がコイこくの店を出して、今二店舗、三店舗されていたりとかですね。何といいますか、裸一貫で農林水産の世界で成功できるような、そういう六次産業化の法案を実現、共にしていきたいというふうに思っておりますけれども、この考えについて御答弁いただければと思います。
#15
○副大臣(郡司彰君) まさに、農山漁村の魅力の一つを自分の人生の中に取り入れながら、新しい制度設計の中で将来の生活設計が描けるかということだろうというふうに思っております。
 私どもは、これまでも取り組んできたところでございますけれども、情報の提供をまずきちんと行えるようなことをやっていこう、それから、実際に技術の習得をするための援助あるいは指導というものをどのような形でやっていくか、そしてさらに、定住をしていこうという場合には、それに対する資金といいますか、融資の援助等を組み合わせたような施策というものが必要だろうというふうに思っております。
 したがいまして、情報の提供その他ももちろんでございますけれども、それぞれの都道府県段階での新規就農相談センターなどを使いながらそうしたことを行い、さらには、最終的には、無利子で行っておりますけれども、農業改良資金などの融資の円滑化なども側面からバックアップしていきたい。
 しかし、先ほど岩本委員が言ったように、それぞれの創意工夫というものがもっと生かされるような、そしてそれを受け入れるような地域の体制というものがより重要であろうというふうに思っておりますので、まさに、この後、今国会に提出をさせていただく予定でございますけれども、六次産業化法案などを通じて、それぞれの地域の活性化、そして新たな就農の場の確保というものを適切に行っていきたいと、そのように思っているところでございます。
#16
○岩本司君 ありがとうございます。
 先ほどシャッター通りの商店街と申し上げましたけれども、これはもう一石二鳥、三鳥の話でもあるんですね。やはり、ヨーロッパとか行ったときにもよく、何というんですか、商店街というよりか、路上で野菜や魚や売っているマーケットってたくさんありますよね。アメリカも、昔は高齢者対策として道路整備、それもおじいちゃんやおばあちゃんたちが散歩しやすい道路を造ると。主役はおじいちゃん、おばあちゃんたちなんですね。散歩しやすく、散歩して、その商店街もきれいで鮮やかで楽しい商店街みたいな、そういう町づくりもしているわけであります。
 国土交通省や経済産業省とも連携してこれ進めていかなければならないんですけれども、高齢者の方がいつまでも元気に、なるべくお散歩して自分で買物へ行けるような、そういう町づくりといいますか、そこに今から農業や林業や水産業に進出しようと、その予備軍といいますか、そういう若者が自由に野菜や魚や果物を売れるような、そういうマーケットとマッチングさせていくというのは私は本当に重要なことだというふうに考えております。
 今までの農林水産政策を、これを大転換していかなければならないと思います。もう発想を変えていくといいますか、それで私は赤松大臣にすごく期待をしているんですね。
 昨年の夏、政権交代した後に赤松農林水産大臣が就任されて、喜んで、そして期待に胸を膨らませ踊らせている国民は私一人だけじゃないと思います。もう多岐にわたった幅広い見識、知識の中で、今までの、もう農林水産ばっかりやってそれしか分からない人よりも、いろんなことを経験された器の大きい、そういう大臣、リーダーの方が私は今までの偏った政策から大転換できると、新しい風を農林水産行政の中に吹き込んでくれるというふうに期待をしておりますので、大臣、副大臣、政務官、力を合わせて頑張ってください、私も一生懸命頑張りますので。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#17
○委員長(小川敏夫君) 午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#18
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#19
○佐藤昭郎君 自由民主党の佐藤昭郎でございます。
 今日は、赤松大臣そして郡司副大臣、舟山政務官、御苦労さまでございます。
 まず、冒頭、午前中の質疑で岩本委員からもありましたけれども、昨日、昨夜ですね、ドーハでのワシントン条約締約国会合、いい結果を得られました。大臣の指揮の下で、農水省、そして水産庁、そして外務省、また関係のNGOの方々含めて、多くの関係者が頑張ってこの結果を得たんではないかと思います、気を許すことはできませんけれども。しかし、私は、これ政権交代して七か月、外交政策でヒットはこれが初めてじゃないかと思うぐらい、いや、本当に良かったと思います。私も農林水産委員会の委員として、皆様のこれまでの御努力に心から敬意を払いたいと思います。御苦労さまでございました。
 そこで、これから午前中大臣から御説明のありました二十二年度の農林水産総予算の質疑、審議に入るわけでございます。
 実は、今日は大臣がドーハに行かれるかもしれないということで、そうなったら困るなと。金曜日の午後ですから、三連休の前の、委員の方々も飛行機の時間を気にされる方もいらっしゃいます。そういう中で落ち着いた審議もなかなか難しいんじゃないかと思いますけれども、やっぱりこれ非常に大事な予算、新政権にとって初めてお作りになった予算でございますので、私、時間九十分いただいていますけれども、しっかりした審議を行っていきたいと思っております。しっかりした御答弁をいただければ、これは人道的見地で少し質疑時間を短縮することもできますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず、やはり今日、午前中の大臣の説明にもありましたけれども、この予算、今度の予算の一番のやはり目玉といいますか重点は戸別所得補償制度でございます。まず端的に伺いますが、この大事業、予算額ではこれ五千六百十八億ですけれども、品目横断対策なんかも入っていますから、これ入れると八千億というこの大事業。これ、過去の四十年の農政の大転換。
 そして、私ども旧政権、自民党そして政府がずっと努力してきました米政策改革、これ平成十二年からやっているんですね。そして、十六年にスタートさせて、第一ステージ、第二ステージが十九年から始まりました。そして、来年で完成というこの米政策改革をある意味御破算にする大実は農政の転換、大政策。
 今日も我々の本会議では高校無償化法案の質疑が行われました。水曜日には子ども手当法案。つまり、マニフェストにのっとってしっかりした政策転換図るのは大変ですけれども、やはり行政当局も新しい法案、こういうものをお出しになって、自分たちの行く方向はこうなんだということで国民あるいは国会において審議していただいているわけですけれども、なぜ、まず端的に、この冒頭、戸別所得補償制度モデル、これに関して法案を出されないのか。
 一昨年の十一月に実は参議院の予算委員会でもう法案できているんですよ、通ったんですよ、私ども反対しましたけどね。もう法案もできている、おととしに。なぜ法案をお出しにならないのか、伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(赤松広隆君) 私ども、昨年の衆議院選挙に向けてマニフェストを出させていただきました。その中でも、戸別所得補償制度の本格実施は二十三年度からということで明記をしてあります。工程表を見ていただくと分かるんですが、二十三年度からだけれども、その前に斜めの線で、ただし二十三年からきちっとした形で実施をするためには、その前年の二十二年にその骨格となる部分あるいは基本となる部分、こうしたところのやはりモデル事業としてまずきちっとやってみて、そしてその中で、もちろんモデル事業ですから、いろいろな欠陥が出るかもしれません。あるいは、農業者の人たちからもいろんな御意見があるかもしれません。
 そしてまた、予算、これは必ず財政の裏付けが必要でございますので、そういう中で、モデル事業としての財源の許される限りでまずスタートをしてみて、そしてこの一年間のしっかりした検証の中で、二十三年度からは約一兆円というふうにマニフェストには明記をしてありますけれども、一兆円の予算でもって本格実施をしていこう。当然、本格実施ということになれば、これは法律でもって裏付けをするということになりますので、来年四月からの本格実施ということであれば、これはもうそれに間に合う形で法案を出さなければならない、当然そういうことになるわけでございまして、あわせて今モデル事業の実施と並行してそういうことも視野に入れながらその準備を進めさせていただいておるところでございます。
#21
○佐藤昭郎君 モデル事業ですと。財政的な面もあって、来年は一兆円です。しかし、私、冒頭申したように、八千億掛かっているんです、これに。大事業です。しかも、今まで私どもが続けてきた極めて重要な政策を大転換される。
 大臣はいみじくもおっしゃいましたね、この骨格となる部分がまだはっきりしないんだと。私は、なぜ法案が出せないかというと、理念になるところがはっきりしていないんじゃないですか。いや、マスメディアないし一部の方は、参議院選挙対策だという話もあるけれども、私はそんな高等戦術じゃないんじゃないかと。衆議院の予算委員会、そして参議院の予算委員会、質疑をずっと聞いてまいりました。このモデル事業、この戸別所得補償事業の根本的なところが一体法案としてできるのか、そこができないんじゃないかと。
 これから順次伺っていきますけれども、これ戸別所得補償と、これもう議論ありましたけれども、うたっていながら、これ全国一律に生産費、販売段階で補償していく。これ全国一律で、戸別所得補償はなぜ戸別なのか。所得補償じゃないですね、これは、生産費補償ですね。
 生産調整はどうするんだと。前回の参議院選挙で伺ったマニフェストでは、それから我々のいただいたパンフレットでは、これは生産調整は廃止します、直接支払をしてというけれども、一昨年の出てまいりました戸別農家所得法案では生産調整やるとある。むしろ統制的にやると、行政が、強化して。今度はどうなんだと。こういった基本的なところ。
 それから、すべての農家に所得補償すると。今日も午前中の大臣のごあいさつで、この所得補償というのはすべての農業者が農業を続けられるようにこの法案を出すんだという。直接支払をしながら、所得補償をしながら、補償というのは何か農家の方々にいろんな条件で補償しなきゃいけない状況が生じたときにこれをお出しする。ですから、よく消費者負担から税負担に、国民負担に変えるんだという。国民は、農産物の価格が下がれば、それで、自分たちの食生活が豊かになれば良しとする、これが普通の常識ですよ。しかし、米価をお下げにならない。所得補償します、全部の農家に対してと。こういった根本的な理念というところで、私は法案の作成ができないんじゃないかというふうに断ぜざるを得ないんです。
 まず、一つ一ついきますけれども、これ、どうして全国一律で補償しながら戸別農家所得法なんですか。
#22
○副大臣(郡司彰君) これまでもいろいろな方から御意見をいただく中で、どうして全国一律なんだ、どうしてそれが戸別所得補償なのかというような御意見をいただいたところでございます。
 まず、全国一律にした理由については、これまでも申し述べてきたところでございますけれども、私どもはそのことによりまして、それまでの規模拡大あるいは効率化ということを佐藤委員の方もこれまで長年にわたって続けてこられたろうというふうに思っております。あるいはまた、販路につきましても、自らの、あるいはまた地域ごとの努力と相まってそれぞれがブランド米等に育て上げたということもございましょう。そうしたところの方々の努力というものは、努力として跳ね返るような形のものがこれからの農業政策にとって必要なものでもあろうというふうに思っております。
 したがいまして、私どもは、そうした意味合いから全国一律の単価支給ということを行う中で、努力をした方々が報われるような制度というものの設計を考えていこうということにしたわけでございます。もちろん、それによらず、どうしても条件的に不利な地域等がございますので、そうした地域については、直接支払あるいはこれまでの中山間地の直接支払等も含めて、そういう制度を加味をするような形で条件が整わないところについては考えていこうということが一方のことでございます。
 そして、それぞれの生産数量目標に従う形でこの制度に参加をしていただく戸ごとに私どもは補償をしていくというようなことをこの制度の中でうたっており、その実践をしているわけでありますので、まさに戸別所得補償という形で私たちが呼ばさせていただいているところでございます。
#23
○佐藤昭郎君 全然分かりませんね。
 今我々が進めてきた米政策、つまり、規模拡大や効率化を一生懸命やっている方々がこの所得補償制度で努力したら報われると言うんですけれども、これは具体的にどういうことなんですか。何かこの分野の方々が特別にこのモデル事業で特に恩恵を被るんですか。全販売農家に一律にげたを履かすんでしょう、どうなんですか。
#24
○副大臣(郡司彰君) 結果として、地域ごとにも算出をされておりますけれども、それぞれの地域の生産費というものもございましょう。その中で、先ほど申し上げましたように、条件的になかなか克服をできない地域のものについては別な形で行うけれども、それ以外の中で、例えば皆様方の努力によって集落営農をしたところで生産費が下がっている、あるいは先ほど言ったように、自らの地域あるいは個人も含めて、販路の拡大をすることによってブランド米というようなそのような形の評価もいただいている、そのようなところについては、当然ながら努力の結果としての生産費あるいは販売価格というものの違いが出てくるわけでありまして、そこのところはまさに努力によって収入が増えるということになる、実質的にはそのようなところを私どもは励ましていきたいというふうに思っているところでございます。
#25
○佐藤昭郎君 分からぬですね。
 ブランド米を作って努力した人、高く売れる、当たり前ですよ、それは。この制度があろうがなかろうが、懸命な努力をして効率化を励み、値段を高く売るように努力しているんですよ。この政策というのはそういうものでしょう。
 いいですか、今まで効率化やブランド米の努力をしてきた人たちに対してもこれは特別に恩恵があるということなんですけど、それはこのモデル事業があろうがなかろうが、その人たちちゃんと獲得できるんですよ。なぜこのモデル事業の成果にそれをパクるんですか。
#26
○副大臣(郡司彰君) 佐藤委員御存じの上でお聞きになっているのかというふうに思いますけれども、今度私たちが行おうとしている十アール当たりの一万五千円というのは、皆様方の従来の言葉を使えば、岩盤というところにそれを加えているわけでありますから、もちろん、だからその上のところでもって生産費がある、あるいは特別に他の地域よりも高くなっている、そこのところについてまさに努力をしたところが今回のところによってよりはっきりとしたプラス面に出てくる、そのように思っているところでありますし、逆に言いますれば、これまでは国の政策、生産調整に参加をすることによって、そのことによって作ることによってのメリットというものはこれはなかったわけであります。したがって、それにかかわらずに生産をするような人たちを全国的に結果として生み出してしまった。このことは、逆に、これまでの農政に対して参加をした人と参加をしなかった人たちの不公平感を助長をするような制度としてこれまでが現存をしていたわけであります。
 そういう意味で、不公平感を取り除いた上で、さらに国の政策に乗った形の中の生産数量を行うことによって、まさに平等なところの競争の土台の中でプラス面が当然出てくる、これを私どもは当然メリットだというふうに考えております。
#27
○佐藤昭郎君 いいです、時間もありませんから。また舟山政務官にはしっかり答えていただきましょう。
 生産調整の方まで言われて、今までのはメリットがないというふうにおっしゃいましたけれども、我々の生産調整対策、これは決してそういうことなくて、きずな社会の中でみんなでやっていこうと、しかし、守られた方々にはいろんな意味で、特に水田で農業を利用して自給率の低い作物四品目、こういうものを植えられている方に関しては、麦、大豆について、やはりそういうものについてはしっかりした調整をしていこうということで、ちょっと事実と違いますけれども、今の私の戸別でなくて全国一律という問題について、やはりこれからすることができなかったと思います。
 所得補償じゃなくて、これは生産費補償制度じゃないんですか。いかがですか。
#28
○副大臣(郡司彰君) 私どもの全体像として、本格実施をする際のいろいろな作物というものがございます。その中の、今年につきましては、米のモデル事業そして自給力向上事業、この二つをセットで今年の場合にはモデル事業として御提案をさせていただいております。
 先ほど委員から、お話の中にもありましたけれども、前段、私どもが野党のときにお出しをした中のやり取りの中でもそのような議論というものがもちろんあったわけでありますけれども、この国内におきまして、御存じのように、必要とされる量を超える量の生産がある作物、それから不自由をしている段階で更に生産を伸ばそうという作物、それぞれについて国が計画的な自給率を図っていこう、そのための全体の仕組みとしての戸別補償制度ということを私どもは考えているわけでございまして、その意味からいえば、ほかの作物とこのお米に関してはそのベクトルの向かい方が違う、このことは前段の野党時代のときにも議論をさせていただいたはずであります。
 したがいまして、このお米の関係につきまして、土地利用型のこの部分につきましては生産数量というものをきちんとつくることによって需給の関係を押さえていこう、さらに、それ以外のものについてはできるだけ努力をすれば作っていただけるような余地を広げていこう、こういうような設計の中でございますから、私は、この制度そのものが戸別所得補償ということについてしっかりしたものだというふうに思っております。
#29
○佐藤昭郎君 もう少し簡潔にひとつお願いします。
 所得補償と。しかし、生産費と販売価格の差額を補償する、これは生産費補償ですよ、どう多言を弄されても。さあ、いろいろほかにも理念の問題で確認したいことがあるので次に行きますけれども。
 このすべての販売農家に対して、水田農業、岩盤と言われましたけれども、げたを履かせて一万五千円の補償をされる。それ、今いみじくもおっしゃいましたけれども、今日の午前中の大臣の説明においても、すべての農業者が農業を続けるようにと、水田農業のすべての農業者が。
 これ、是非大臣に伺いたいんですけれども、水田農業においてどのような農業構造、どのような人たちがどういう形で担っていく、これがないとやっぱりこの法案の理念がはっきりしませんから書けないんです、法律を。どのような農業構造を展望されておられるんですか。一番肝心なところです。
#30
○国務大臣(赤松広隆君) 一番肝心なところというのは、一番今までと何が違うのかということに通じると思うんです。
 私は、自民党の皆さん方も、今まで農業を思い、そこに働く人たちの幸せのためにということで、いろいろ予算も付けられて、いろんな仕組みをつくったり、いろんなことをやられてこられたと思います。それは別に否定はしていません。しかし、残念ながら、何兆というお金をそういう中へ入れてきても、予算を付けても、現実の問題は、日本の農業を支えている多くの人たちは、特に水田につきましては高齢者農家であったり、あるいは兼業農家であったり、中・四国なんかは、それは六五%はそういう人たちによって日本の稲作というのは支えられてきているわけです。そうすると、小規模だから、まあ兼業農家だから、あるいは高齢者がやっているそういう農業だから、まあそういうところは頼りにならないんだと、そういうのは応援しなくてもいいんだと、切り捨てていってもいいんだというふうにやったら、一体、農業が持つ多面的な機能、水や緑や環境ということを考えたときに、あるいは食料の安定的な供給ということを考えたときに、本当にそれでいいのかという話なんです。
 我々は担い手と言われるようなところの人たちに対する応援を否定しているわけじゃありません。もちろん、それはそれで今までと同じか、あるいは今まで以上にもっとやっていこうという気持ちはありますけれども、それとあわせて、意欲のある多くの、こうした小規模であっても意欲のある農業者たちをしっかり応援をしていこう、何とか頑張って農業を続けてやっていけるようにきちっとしたことをやっていこうというのが今回の戸別所得補償制度でございまして、にもかかわらず、それでもまだ耕作をする上でハンディキャップを持っている人たちについては、例の中山間地の直接支払なんかは更に上積みをしてということはもちろんありますけれども、そういう基本的な考え方の下で、先ほども郡司副大臣が言いましたけれども、しかし、今、委員も専門家ですから御存じだと思いますが、生産性一つ見ても二倍から三倍ぐらいの違いのところだってあるんですよね。
 そういう中で、下の方に基準を置いて、最低限やっていける、ただ、ここから上の人は生産性が二倍も三倍もあるわけですから、そういう人たちは頑張れば頑張るほど自分たちの大きな収入にそれはつながっていくと。だから、土地も集約をして、あるいは大規模化して、協業化して、機械化をして、システムもなるべく分かりやすい、そういう効率的な仕組みに変えてやることも一方で促進していこうというのが今度のこの制度の基本的な考え方であり、仕組みでございます。
#31
○佐藤昭郎君 昔、私どもの派閥の大将でありました竹下先生のような、言語明瞭意味不明というのがあるんですよ。大臣、今いろいろ御説明になりましたけれども、議事録を起こしてみたら何を言っておられるのか分からない。私は、農業構造の展望はどう考えているのかと、水田農業という、我々がこの十六年からようやく整理してここまでたどり着いたこの水田農業の農業展望というのをどう考えているか。
 今、高齢者の農家、そして兼業農家の話は、私はそれは頑張ってもらうのはいいです。しかし、一億二千五百万人の国民の主食を供給するという産業政策としてのこの米政策、これは例外といって適用されるのはいいんですよ。しかし、根幹なところはどうするんだと。我々は、非常に苦しい状況の中で、山田委員も質問をしておられましたけれども、おっしゃっておられましたけれども、二十一世紀新農政二〇〇七においても、効率的かつ安定的な農業家族経営、法人経営、農地の利用、六割程度が集積されている。効率的かつ安定的な農業経営が経営する農地を七割から八割程度まで伸ばそうと。これは着実に上がってきたんです。担い手が経営する農地が四割、ほかの畑作とは全然違いますけれども、ようやく水田農業でもこういう状況になってきた。
 この農業構造をどういうふうに、将来、このモデル補償ですべての水田農家が農業を続けられる、こういう今、冒頭の今日の大臣の御説明ありましたけれども、全部の農家が参加して、どんな農業構造を見ておられるんですか、具体的におっしゃってください。
#32
○国務大臣(赤松広隆君) じゃ、お伺いしますが、じゃそういう小規模な、おじいちゃん、おばあちゃんでやっているような農業はもう切り捨てていいというお考えですか。そうじゃないでしょう。そこもしっかり支えていくんでしょう。
 私どもは、基本的な構造として、例えば集落営農なり認定農業者なりがしっかり農業のリーダーとしてそれぞれの地域で頑張っていくと、当たり前のことじゃないですか。しっかりそれも応援をしていきますよ。
 しかも、今回の予算でも組み入れていますけれども、例えば、農業法人に、若い人たちに是非そこで働いてくれと、ただ農業はそんな甘いもんじゃないよと、行ってちょっとお遊びでやるような感覚じゃないんだと、だからしっかりした知識と技術を学んでほしいということで、例えば月給の平均十四万ぐらいで見ているのかな、それの半分は一年間保証しますから、是非そこで農業体験して、農業法人で自分で働いていろんな知識や能力を得てくださいと。あなたたちがこれからの将来の農業の担い手ですよというような制度も併せてやっているんですよ。
 だから、そういう、何というか、大規模化した、協業化した集落営農なり農業法人なりいろんな形があると思いますけれども、そういう形態のいわゆる担い手と言われるような、そういう人たちを中心にした農業というのは否定してないんです。
 今度の計画でも多分具体的に出てくると思いますけれども、じゃ、一体そういう集落営農みたいな形は、あるいは農業法人みたいな形はどれぐらいの全体で占める割合で上っていくのかとか、どれぐらい増えていくとかというようなことも多分示すことになると思いますので、そういう中で、残念ですけれども、限界集落というような言葉がありますけれども、一人でやっている、二人でやっている、そういうところは、残念ながらその方に後継者がいなければ数は減っていくということも、現実もあるでしょう。しかし、そういう中でその人たちを切り捨てていい、そんなものは相手にしなくていいということではないんです。
 だから、そのことをしっかり見ていただいて、意欲さえあれば、小規模であっても、そしてまた地域を本当に支えていただいているそういう人たちも含めて、しっかり日本農業の再生のために私どもは力を尽くしていこうという考え方なんです。
#33
○佐藤昭郎君 すり替えですね。私どもは小規模や高齢者の農業を切り捨てていいと言っていませんよ。集落営農に参加されるもよし、それから、高齢者の方々で、自分は営農はできないけれども、地域のかんがい用水の管理、役立っていきたい。六次産業も結構ですよ、舟山さんの持論の、そっちに持っていく。あらゆる機会をとらえてそういう方々を吸収する、雇用機会や産業を興していくんですよ。
 しかし、水田農業でそれを所得補償でやるのは間違いですよ。政策目的がはっきりしない。水田農業の米政策の中で、今のような私が申し上げました高齢者や小規模農家の手当てを根本のところでやろうというのは間違いですよ、やっぱり。それはそちらの政策を大いに発展させればいい。これは産業政策というより、むしろ社会政策、地域振興政策の中に入っていくでしょう。
 だから、我々は農商工連携というのもやりました。そういう中で懸命に、すべての農業者が水田農業に携わるにはどうしても効率化が図れない、環境にも優しくない。ですから、ここを吸収するためにいろんな政策を組み合わせてやってきたんです。ところが、おたくの、おたくというか今の新政権のこのモデルじゃ、これを台なしにしようとしているんですよ。
 ちょっと手が挙がっていますけれども、じゃ、ちょっとイメージ変えて、サラリーマン農家に対しても岩盤として所得補償する。サラリーマン農家というのは、イメージですよ、イメージ、どういう方々なのかと。いわゆる二種兼ですよね、昔でいう。農業所得は三十万以下ですよ。農外所得、年金がほとんど。そして、年間の労働時間というのは、主な作業というのは委託にされる。しっかり集落営農に委託されるならいいけれども、自分で機械を持ってやられる方もいらっしゃる。年間の就労時間というのは多分二、三週間じゃないでしょうか、稲作に関して。収入のほとんどは主業であるほかの産業で得ている。農業は片手間です。そういう人たちの今なさっている作業に対して一律に一万五千円反当、これ金額でいえばずっと大きくなりますよ。
 そういうことが納税者である国民の理解を得られると思いますか。中小企業の方々、懸命に地域で生きている方々、そういう方々が自分たちの、ただ単にこれ植えているということだけでそういう所得補償をいただける。このことは、まあちょっと質問しているからね、まあまあ、はやらないで。
 ここの基本的なところを、サラリーマン農家というのがどういう方々で、あなた方が岩盤で出そうとしているところ、どういう農業をしていて、収入はどうなっているか、年間の労働時間はどうなっているのか、教えていただきたい、イメージを。イメージですよ、イメージ。
#34
○国務大臣(赤松広隆君) まず、先ほどの高齢農家と一緒のことなんですけれども、じゃ、小規模だから、これはサラリーマンのあるいは公務員の片手間でやっているからそんな農業はつぶしていいんだということなんですかということなんですよ。そうじゃないんでしょう。そういうところもしっかりやってもらうんでしょう。地域の水や緑や環境を支えているのはだれなんですか。そういう人たちが全国で約六〇%、高齢農家とサラリーマン農家が、地域によっては六五%以上がそういう人が支えているんですよ。じゃ、その六五%を切って、あとの三五%の大規模化したそういう集落営農だけがやればいいのかと、そこだけに応援していけばいいのか。それだから、今まで耕作放棄地は増えるわ、あるいはどんどん高齢化は進んでいくわ、そういうような農政になっちゃったんです。だから、我々は農政の大転換でそれを変えていこうというんです。
 それから、先ほど、ちょっと額がもし違うといけないので言っておきますが、いわゆる農業法人等へ就農希望者、若い人たちに行ってもらう場合は、そう大きくは間違っていませんが、月額で上限九万七千円まで出るんですよ、最長十二か月。そういう人もあるし、それから経営体の育成交付金というのも新規につくったんです。そういうところが農業機械を買いたいとか、あるいは施設等の導入経費が要ると、そういうのに二分の一補助してくれと、上限四百万円まで出すみたいな制度を、今年新規にこういうものをつくっているんです、二十二年度から。だから、そういう大規模化してやりたいと、あるいは土地を集積して、そして協業化して、そういう大規模な形で効率的な運営をやりたいというところについてもちゃんと手だてはやっているんです。
 ただ、一方、私どもが一番自民党時代と違うのは、こうした地域を守っていてくれる、地域の農業を支えてきた、地域の環境を支えてきた、そういう小規模であっても意欲のある人たちについては、サラリーマンやりながら農業をやるって大変なことですよ。別にみんな遊んでやっているわけじゃないんです。先祖伝来の土地を守っていくために、土曜、日曜全部つぶして、あるいは奥さんはもう農業に掛かりっ切りになって、そういうところがみんな日本の農業を支えてきたんです。なぜそれを否定するんですか。私は分かりませんね。
#35
○佐藤昭郎君 全然質問と答弁がかみ合わない。
 ちょっとイメージを言ってください、サラリーマン農家の。サラリーマン農家、年間どれぐらい働いて、収入はどうなっていて、今度の水田農業で。どんなイメージですか。
#36
○大臣政務官(舟山康江君) サラリーマン農家というのは、いわゆる兼業農家で、主たる所得が農外にあるということをサラリーマン農家といっていますけれども、今具体的な数字は持ち合わせておりませんが、米生産の大体四割はこういった副業的農家が担っていると。実際にですから米生産の多くはこういった農家の皆様にも生産を担っていただいているということなんです。これは、生産だけではなく、今大臣からも申し上げましたけれども、生産に伴っていろんな役割を果たしているわけですよ。地域社会というのは専業農家、大規模農家だけで成り立っているわけではありません。地域社会の一員としてこういった兼業農家、副業的農家、高齢農家、皆さんがいろんな役割を果たしていると。その役割をしっかりと支えていくというのが今回の制度であります。
 ついでながら申し上げますと、今非常に価格が低迷、米価が低迷しているという状況の中で、規模拡大をした農家が本当にじゃ経営がうまく回っているのかというと、そういう状況ではないと思っております。今までの政策の中でこの所得、しっかりと再生産できる所得を確保できる政策ができていたのかというと、それはできていなかったと思うんですね。
 それを今回初めてつくったというのが戸別所得補償でありますし、しかも今委員は今までの米政策はもう少しで完成だと言っていましたけれども、どうなんでしょうか。現場で本当に今米農家がしっかりと自立できるような形になっているのかというと、私は決してそうは思いません。なかなか規模拡大が進まない、流動化が進まない。これは、我々は何も規模拡大を否定しているわけでもありませんし、効率化を否定しているわけではありません。しかし、先ほど岩本委員にもお答えしましたけれども、国が望ましい形を決めて、その枠にはめ込んで、そこにはまらない農家はすべて切り捨てるという、そこは支援の対象外にするというのは間違いだということで、幅広く下支えをする中で、やはり一定の時間軸を持ってその地域地域で担い手をしっかりと育成していただくと、そのための政策だということを申し上げたいと思います。
#37
○佐藤昭郎君 全然答えられていません。サラリーマン農家というののイメージはどういうことか。年間就業、当たり前じゃないですか、これをあなた方は大変な国費を使って米の生産構造を変えようとしているんですよ。当然それは知っていなきゃ駄目ですよ。どういう方々を、すべての農家を対象に継続していただけるように出す。じゃ、その人たちが実際どういう営農をしていて、収支はどうなっているか、当然それは検討されたでしょう。サラリーマン農家の方々の収支、農業所得、就業時間、常識じゃないですか。どういうイメージがあるんですか、あなた方が主に岩盤としてやろうとしている二種兼業農家。
#38
○大臣政務官(舟山康江君) 御質問が数値的なものを答えろというのであればお答えいたしますけれども……
#39
○佐藤昭郎君 いや、大体でいいです。答えてください。
#40
○大臣政務官(舟山康江君) はい。主業農家、準主業農家、副業的農家と分けておりまして、いわゆる農外収入が主だということでいえば副業的農家に当たると思いますけれども、副業的農家の農業所得は三十二万円でございます。そのほか農外所得が二百十万円、そのほかの年金等の収入が二百四万円。ですから、総所得四百四十五万円のうち農業所得が三十二万円という、所得でいえば非常に低い。これは、当然ながら非常に今収益性が悪化している中でこういう状況にもあると思いますし、かといってここを無視することはできない。農家数のシェアでいいますと、五五%がこういった形になっておりますので、やはりここのこういった農家も担い手の一人としてしっかり農業を担っているというこの現実にも目を向けていかなければいけないと思っております。
#41
○佐藤昭郎君 それは、この米政策、日本農業の米をどうしていくかという政策とは別の政策でやるべきなんですよ。
 今おっしゃいましたね、農業収入三十二万円の方、この方々に所得補償をしていくんですよ、生産費の補償を。そうすることで貴重な財源が薄く広くなっていく。選挙にはいいかもしれませんけれども、私はしかしこれぐらいもらったって自分たちのビヘイビアから考えると決して満足されないと思いますけれども。こういう所得が三十二万円の農家の方々のところに、年間の労働時間、これは数週間です、米に関して、そこに貴重な財源を投入することによって、今私どもが進めようとしている強い農業、集落営農、そういうものに行く財源が失われていくわけなんですよ。ひとつ、今の岩盤として広く薄くという政策でやる場合、私は別なやはり政策で対応すべきであると、こんなふうに思います。
 そこで、この米作りに関して、もう少し今の論理について御質問させていただきたいと思いますけれども、今回の米政策、今の国民負担、その問題についていろいろな提案をしておられますけれども、この経営所得安定対策、現在の私どもの政策というのは経営所得安定対策でしっかりした農業を展開する農家に対してそれを地域で支えていこうということでございますけれども、この今の私どもが行ってまいりました経営所得安定対策、米政策に関する評価というのを伺いたい。
#42
○大臣政務官(舟山康江君) 経営所得安定対策への評価という御質問でよろしいんでしょうか。
 今、水田・畑作経営所得安定対策が行われておりますけれども、特に畑作につきましては、今回のモデル対策の中で、ナラシですね、ナラシの部分を今のモデル対策、自給力向上対策に組み入れております。これは畑作、特に麦、大豆につきましては、ほとんどの農家の皆様がこの政策に加入しているということで補完的な役割を果たし得るということで、今回モデル対策ということもあり、これを使わせていただいております。
 ただ、一方で、この水田・畑作経営所得安定対策の基本的な考え方、つまりは一部の農業者に施策を集中するという、そういった基本的な理念というのは今回の新しい戸別所得補償制度の考え方とは相入れないものだと思っておりますので、今後、本格的な制度設計におきましては、制度体系の趣旨の分かりやすさ、役割分担の在り方を勘案しつつも、おおむねやはり理念が違うというところでは見直しの方向で制度設計をすることになると思っております。
#43
○佐藤昭郎君 いわゆるサラリーマン農家、なぜサラリーマン農家に所得補償するかという先ほどの問題に移っていくわけですが、先ほど農業所得は年間三十万に満たない、こういう方々を所得補償する。そして、全体で、大臣の今日の午前中の表明にもありましたけれども、すべての農家に対して補償していく。この先の、全体の、私どもが持つ基本的な食料としての目標、これを達成するサラリーマン農家という方々に広く薄くやっていくその根拠。
 この方々というのは、経済的には他産業の収入があって恵まれている方々。広く薄く財源を使うことによって、本当に農業を、この土地利用型農業、米をしっかり支えていこうという農業、農家の方々に対する手当てが薄くなるんじゃないですか。いかがですか。
#44
○大臣政務官(舟山康江君) 今、農業農村の現状というのは、本当に過去に経験したことのないような大きな転換点を迎えていると思います。昭和一けた世代が大量リタイアが見込まれていると、これはもう待ったなしです。十年後ではなく、もうあと数年もすれば大量リタイアが見込まれているというそういう状況にあります。
 つまり、今非常に急速に構造が変わりつつある農業従事者というのがここ数年減少しておりますけれども、これから加速度的に更に減少が進むような中で、私は、今、佐藤委員は、どうも御質問を伺っておりますと、淘汰されてしかるべきではないかと、そういうニュアンスでサラリーマン農家をとらえていらっしゃるみたいですけれども、私は農業の現状というのはそんなに甘いものではないと思います。この人には残ってもらう、この人は要らないという、そんな選別するほど潤沢に従事者は今いない。そういう中で、幅広く今やっていただいている農業者の皆様を下支えして、その時間軸を持ってしっかりと中核的な農家に育てていくと。
 サラリーマン農家の中にも、やはりこれからしっかりと経営を拡大していこうという機運も生まれておりますし、地域によっては、それこそ集落営農の動き、また法人化の動き、その中から個別経営で規模拡大をしていく動き、様々あると思います。しかし、繰り返しになりますけれども、それは国が強制をして枠をはめて決めるものではなく、私は、時間的な軸を少し長く取ってその中でしっかり育てていくと、そのための制度が今回の制度でありまして、そういった意味では、別にサラリーマン農家は要らないものでも淘汰されるべきでもないと思っております。
#45
○佐藤昭郎君 質問の視点を少し変えます。
 この生産目標数量、今、次の作付け期に向かって配分が進んでおる。今行われております米政策改革、新しい所得補償モデル事業についての現在の進捗状況、それはどのようになっていますか。
#46
○大臣政務官(舟山康江君) 事実関係をお答えいたします。
 平成二十二年産におけます主食用米の生産数量目標の配分につきましては、三月十七日時点で、全国千五百七十五地域協議会のうち七九・四%の千二百五十一協議会で農業者への配分ルールが決定されたところであります。これはほぼ例年どおりのペースとなっています。
 今後、具体的な生産数量目標が各農業者に配分され、農業者が六月三十日までに戸別所得補償制度モデル対策への加入申請を行うこととなります。協議会経由で加入申請されるものにつきましては七月三十一日までに国に届けられることとしているため、最終的な参加状況が判明するのは八月以降だということになっています。
#47
○佐藤昭郎君 この生産調整の今の状況でございますけれども、極めて楽観的な見方、生産調整、いわゆるこれに対して任意の加入、いわゆる生産調整をみんなでやっていこうという状況から、メリット措置によって、自由ですよ、どうですかというふうにシステムが変わるわけですね。
 今まで生産調整のうまくいかなかったそれぞれの県において、超過達成ですね、そういう各県における現在の見通しはいかがですか、生産調整の実行に当たっての見通し。
#48
○大臣政務官(舟山康江君) 今お答えしましたとおり、現在配分を行っているところであります。ただ、そういった中で、今回、今までの生産調整というのは、みんなでやっていこうというのもそうかもしれませんけれども、逆に言えば、ペナルティーで縛って押し込んできたというところがあると思います。しかも、生産調整はとにかく米を作らないことを支援してきた、米を作らずにほかのものを作ることに対して支援してきた制度から、今回は米を作る、生産数量目標に従って米を作ることに対して支援をしていくという制度に変わりました。これも、その地域農業の実態としては、やはりみんなで参加していこうと、それは強制ではなく、ペナルティーを掛けることではなく、自発的にしっかりと皆さんでやっていただこうと、そういったことを応援している制度でありまして、そういった意味で今粛々と配分作業を行っているところでありまして、私どもの今の見方といたしましては、必ずやしっかりと多くの皆様に参加いただけると思っております。
#49
○佐藤昭郎君 この農業所得モデル補償の巨額な予算、これは戸別所得補償制度で全体で五千六百十八億、そのほかに水田・畑作経営所得安定対策で二千三百三十億というお金が用意されているわけです。この中で、米価が生産調整の今の対応によって、元々この法案においては生産調整の参加そのものというのはメリット措置であったわけですけれども、今のような生産調整の状況において、将来、これはもうすぐすれば生産調整の実効がはっきりしてくるわけですけれども、今の底値のところの生産調整を補償することによって米価の値下げの圧力というのは掛かってまいらないというふうにお考えですか、いかがですか。
#50
○国務大臣(赤松広隆君) 今、舟山政務官からもお話ししましたように、今年がどうなるのか、これは集計中ですので分かりません。
 しかし、昨日も実は大潟村の村長さん、そしてあの地域の農業協同組合の組合長さん、お礼にお伺いしたいといって、お見えになりました。それは、私どもが提案したこの制度に、あれだけ真っ二つに分かれていた大潟村が、現在で八十数%、何とか九〇%を超えるところまで持っていきたいと、そして今非常にみんな仲よく和気あいあいと村全体が一つにまとまってやっていると、本当にありがとうございましたと言っておみえになりました。
 秋田県については、大潟村ばかりじゃなくて、あと二か所でそういうところがあったんですけれども、そこも含めて今回は基本的にはこの戸別所得補償制度に参加をすると、一部の方を除いては、というふうになったものですから、その秋田県だけ見てもこれはかなり、旧来、やりたい放題というと言葉は悪いんですけれども、あの減反政策に従ってこなかった人たちがこの戸別所得補償制度に入って生産数量目標をきちっと守るというふうに変わってきたと。
 同様のことが福島県でも見られるということで、ここに十九年の生産調整ワースト五県というのがありますけれども、これでいうと、一番が福島、二番が千葉、三番が秋田、四番が茨城、五番が新潟、こうなっていまして、いわゆる一番と三番がもうそういう状況になっているということですから、これはかなりの数がきちっとこの生産数量目標を達成するために戸別所得補償制度に入っていただけるというふうに私は理解をしております。
#51
○佐藤昭郎君 今の生産調整、戸別所得補償制度の全体の予算、これは推進事業を入れて五千六百十八億、このうち当初の所得補償の部分と変動部分についてのお金を今回組み入れておられますね、千四百億。これは、しっかりとした今の推進で行われれば、需給調整がなされれば、これは本来一般会計の巨額の予算を組む必要は私はないと思うんですよ、別のやり方がある。この一千四百億の変動というのを当初予算で組まれた理由、これは大臣が米価の値下がりはないんだと、こうおっしゃっているわけですけれども、この理由というのはいかがでしょうか。
#52
○国務大臣(赤松広隆君) これは、米価の値下がりそのものは考えておりません。しかし、二十年に一度という一〇八なんという作況指数になることは過去あったわけですから、豊作による米の過剰ということはあり得ます。そのときには残念ながら若干の米価が下がることもあるでしょうから、それは非常に、二十年に一回ですから、まあないだろうとは思いますけれども、皆さん方が、先日も自民党の委員の方から予算委員会で御質問いただきましたけれども、この一千数百億円じゃ足りないんじゃないか、もっと変動幅が必要なんじゃないかという御質問を一方で聞かれたりするものですから、御心配があっては駄目だと、ちゃんと過去の例を見て一番下のところの価格になっても大丈夫なだけの変動部分をちゃんと見てますよと。
 ただ、私は結果論として、それを、多少かどうかは分かりませんが、余り使うことはないんではないかと。仮に、じゃ余ったときどうするんだという話になりますが、これは来年度の本格実施に向けてそれはまた有効に使わせていただきたい、このように考えておるところでございます。
#53
○佐藤昭郎君 この変動部分の積算根拠というのはどういう根拠になるんでしょうか、ちょっとお知らせいただきたい。
#54
○大臣政務官(舟山康江君) ここの数字は、過去一番安かった、米価が下がったのが平成十九年産です。この十二月の価格が一万四千二十六円と。これも相対価格なんですけれども、この程度まで下がっても十分補てんできる水準ということで試算をさせていただきました。そういうことです。
#55
○佐藤昭郎君 この予算というのは非常に貴重な農林水産の予算ですね。しっかりした対応をしていけば、今までのお話伺いますと、多分過剰は出ないだろうと、下がらないだろうということでずっとお話を伺ってまいりました。しかし、これを予算としてお組みになるということは、そのほかの予算にしわ寄せが行くわけですね。私は、この予算というものに関してはやはりもう少し、まさに冒頭おっしゃったように今年は本格実施の前の年ですから、様々な予算の状況を見ながら慎重に対応された方がよかったんではないかと、こんなふうに思います。過剰米をもし出さなければ、これは不用の予算になるわけですね。そのときにどういう形で対応していくかというのはいろんな手法があるということを申し上げます。
 さて、この新しい手続の実施方法でございますけれども、この生産目標の配分そのほかは国、県が責任を持って行っていく、行政側が責任を持って行っていくということでよろしいですか。
#56
○国務大臣(赤松広隆君) これは各農政局、農政事務所が各市町村にもきちっとお話をし、そして具体的には地域協議会というのがありますから、そこには市町村も入っている、農協も入っている、そういう中で実際上の調査や運営等は、そちらに事務費もお渡しをするわけでありますから、そちらにお願いをして取り計らってもらうということになります。
#57
○佐藤昭郎君 市町村の事務はまた膨大になっていくわけです。今回、法律をお出しにならないということで、この膨大な作業、国、県、市町村の、まあある意味では生産調整に対する直轄でございますから事務量も膨大になっていく。私は、この法律というものをしっかりお出しになってこういった問題について詰めていくのがやはり王道ではないかと、こんなふうに思います。
 次に、備蓄制度について伺いますけれども、今回、政府は三百万トンの棚上げ備蓄ということを検討されておられますけれども、この備蓄制度についてどのような計画を持ち、また財政負担についてはどのようなことを考えておられるか伺いたい。
#58
○国務大臣(赤松広隆君) 正式には審議会の食糧部会にも諮って各先生方の御意見も聴かなければならないと思っておりますけれども、どういうふうに考えているかというそういう御質問でございますので、私の考えるところの備蓄の在り方についてお話を申し上げたいというふうに思っております。
 現在まで回転備蓄方式ということで、大体三年を過ぎた古いお米から市場に出して、いわゆる食用米として流通をさせ、また新たに米を買いというふうな形で、こういう回転備蓄で回してまいりました。
 しかし、過去の例を見ますと、こうした回転備蓄で、三年目たちました、四年目ですから、じゃ米を市場に出しましょうというときに、今までの場合は、残念ながら米が三十万トンから五十万トン常にだぶついているという中にまた何十万トンか出すなんということになると、これは非常に米価の下落につながるということもございまして、売るに売れない、出すに出せないなんという状況が続いてきたということが実態でございます。
 そういう意味で、私どもは、次からは棚上げ備蓄方式ということで、それはもう市場に出さないと、食用としては。そして、それは加工米なり飼料米なりに使っていただく。市場のそうした米価に影響を与えない形で始末をしていくということで、もちろん予算は以前の方式よりも多少多く掛かるようになりますけれども、しかし、やはりそういう形で、MA米も七十七万トンあるわけですし、また民間で今約二百万トンぐらい抱えている部分もあるということですから、百万トンぐらいを棚上げの形で備蓄をすると、そういう形でいくことが一番妥当なのではないかと、私自身はそう考えておりまして、各方面にお諮りをしてそれでいこうということになればそういうことを正式に決めさせていただきたいと、このように思っております。
#59
○佐藤昭郎君 もう時間が過ぎてまいりましたので米政策については一応これで終わらせていただきますが、やはり非常に重要な政策、今伺いましたけれども、日本農業の根幹に位置する政策について、政権交代の後大きく転換をされた。我が国の食料、そして農業農村を思う心は一緒でございますので、ひとつ十分に情報交換をしながら、いい制度、政策に向けて頑張りたいと思いますので、よろしくひとつお願いしたいと思います。
 次に、二番目のところで、私の本業であります土地改良事業について伺いたいと思いますが、お手元に資料を配らせていただきましたね。
 今度の予算編成等で大変な状況に陥ったわけでございますが、これ、大臣のお地元のところをちょっと大きくした水土マップというのを、日本水土図というのを、これは農水省が作成されて、取れるようになったんですけれども、少し印刷が不透明なところがあって見にくいかと思うんですけれども、濃尾平野、ここを大きくしたのがこの日本水土図ですね、全土がこれですね。まさに網の目のように、毛細血管のように、ごらんになっていますかね、これ、大臣のお地元のね。濃尾平野の、実はこういうやつですね。土地改良の持っているこの網の目のような水路、これは農業生産に実は役立つばかりではなくて、地域の環境保全、そして社会、こういったものに非常に貢献しているというふうに私考えるわけです。
 この土地改良が中心になって、この濃尾平野において、今大きくして、これを拡大してお見せしたわけですけど、大臣の選挙区の方は小牧市の下の方ですね、ずっと。奥村、大江、新般若、この奥村井筋の下の方でございますが、こういう農業水利施設の果たす役割について、どのようにひとつお考えになり、また今後どのようにこれをしっかりとして守り育てていくお考えなのか、伺いたいと思います。
#60
○副大臣(郡司彰君) 佐藤委員はまさにこの方面のエキスパートでございますので、私どもよりは本当に詳しい方に対してお答えするのは恐縮でございますけれども、私どもも、この農業水利施設、我が国の食料生産にとって不可欠な、基本的なインフラであるというような認識を持っております。
 これまでのストックでございますけれども、農業用水路、総延長が約四十万キロメートル、これは地球の約十周分に当たるんだそうであります。貯水池や取水施設等の基幹的な施設が約七千か所に及んでおります。これらの資産価値は約二十五兆円になるんではないかというふうに思われておりまして、これらの施設が、農地へのかんがい用水の安定供給でありますとか、あるいはまた洪水時における農業被害の防止、さらには排水条件の改善による水田の汎用化など、食料の安定供給に重要な役割を担っていると認識をしているところでございます。
 さらに、これらの施設でございますけれども、地球の環境や景観を創出をしているほかに、健全な水循環の形成でありますとか、生活用水あるいは防火用水等の地域用水への利用など、多様な役割を発揮をしているというふうに思っております。また、今後は、小水力発電などのように新たな付加価値を生み出すような地域資源であるというふうに思っております。これまでの整備をいただいたところについて、補修はもちろん、更新を含めてこれからも機能が発揮をされるように努めていきたいというふうに思っております。
#61
○佐藤昭郎君 郡司副大臣から力強い御説明をいただきました。
 しかし、今回の予算編成、対前年、全く激減をする予算を組まれたわけであります。このような予算編成において、現場において、まだ予算が、全体として実施計画が固まっておりませんから、各それぞれの地域の土地改良区の方々、農業者の方々は受け取っておられないんですが、非常に心配しておられます。
 この激減が及ぼすその現場への影響、そしてそれを今後どうやっていくか、このような辺りについて農水省としてどう考えているのか、伺いたいと思います。
#62
○副大臣(郡司彰君) 先ほど申しましたように、これからの日本の農業を支える農地、その農地の基本的な水利というものは大変重要なことであろう、このように考えているところでございまして、これまで造られました水利についての補修やあるいは改修、更新等についてしっかりやっていくということは先ほど申し述べたところでございます。
 しかしながら、今年度予算の中でピーク時の平成九年度から見れば大変大きく落ち込んでおるような数字にもなっているところでございます。私どもは、これまでもそれぞれの委員会の中でも御答弁をしてきたところでありますけれども、効率的そして重点的な予算の執行に努めていかなければいけないというふうにも思っております。
 さらに加えまして、本年度は、新たな地域への交付金、全体で一・一兆円でございますけれども、そのうち農林水産関係の予算が一千五百億円別途につくられておりまして、これらについてそれぞれの自治体がどのような形で申請、箇所付けを行ってくるかということの裁量を任せているところもございます。どのようにするかということについて、三月の十日に私どもがそれぞれの自治体の方にもお示しをしたところでございますので、それらの国に対しまする要求が出てきた段階でどのような形になっているか更に精査をさせていただきたい、そのように思っております。
#63
○佐藤昭郎君 一つの土地改良事業を仕組んで、それを計画し実行するためには非常に長い実は関係者の努力と手間が掛かっているわけです。
 そこで、そういうものを実施していく、これは御案内のように、土地改良法では土地改良事業計画というのを決めまして、それぞれの事業主体である県や国というのはこれを実施する責務を負うんですね。ほかの公共事業と違うんです、これ。それぞれの受益者との約束になっているわけであります。この申請主義、そして同意を取得して土地改良事業計画に従って実施する責務のある、国営ですと国、県営ですと県、そういうものが今後予算の激減によって受益者との、同意を取得した人との契約が実行できなくなる可能性もあるわけですが、今後の対応も含めて、この問題について現場が支障がないようにひとつ十分な予算あるいはそのほかの手当てをしていくべきだと思いますが、いかがですか。
#64
○副大臣(郡司彰君) 今委員から御指摘をいただきましたように、土地改良につきましては、五年ごとの長期計画を作成をし、その計画に基づいてこれまでもいろいろと行われてきたのだろうというふうにお聞きをしております。
 そのような中で、今後、このような予算の配分があったわけでございますから、例えば受益者に対する説明等について十分に行わなければいけないというふうに思っておりまして、予算が成立をいたしましたならば、個別地区の配分を確定をした段階で、配分をされた予算額の中で平成二十二年度にどのような内容の事業を行うか地元に説明をさせていただきたいと思っております。その上で、今後の進め方について更に地元と調整を進めさせていただきたい、そのように考えているところでございます。
#65
○佐藤昭郎君 ひとつ現地の受益者とのこれは実施主体の契約でもございますから、しっかりとひとつ対応していただきたいと思います。
 最後に、土地改良区における政治的中立性の確保ということで、時間があればまた戻りますが、今回、土地改良区の組織に関して通達を出されましたね。このことについてちょっと伺います。
 「土地改良区等における政治的中立性の確保について」ということで農村振興局長が各土地改良区団体に通達を出されました。この通達を伺いますと、これは二十二年の一月十五日の通達ですね、これは大臣の御指導の下でこの通達が出されたというふうに聞いておりますけれども、この通達の方を見ますと、土地改良区というものの在り方に対する誤解があるのではないかと。この二番目のところ、お手元にあると思います、この通達の。土地改良区等の役員等の執行体制について、議員等が兼職により就任するなど特定の組織、政党の影響を受けているのではないかとの疑念の持たれることがないことと、こういうふうな実は通達が出ております。
 この土地改良区というのは、様々な地域の同意の取得を形成で行っていく事業であります。したがって、現に議員になっている方々がこの土地改良区の役員になっている方もいる。逆に、土地改良区の役員だから信頼があって土地改良事業を推進している方もいる。
 この記の二番目の趣旨について、先般、三月四日の参議院の予算委員会の高嶋民主党幹事長の質疑がございました。役員が議員であることによって政治的中立を侵したことになるとか、その存在そのものが地域の農業の振興の障害になるといったようなニュアンスが、実は先般の三月の四日の参議院の予算委員会の質疑に関して、今非常に土地改良区の携わる者においては心外であると、憤慨であると。この通達を出された趣旨について伺いたい。
#66
○国務大臣(赤松広隆君) 実は、これはもう誤解があるといけませんのではっきり申し上げておきますが、今役員等をやっていらっしゃる方はほとんど例外なく自民党の方ですけれども、これは、自民党だから民主党だからという話で私どもは言っているわけじゃありません。
 過去をさかのぼれば、平成十三年に土地改良区で、これは沖縄の例だと思いますけれども、理事長等が自民党員の党費等を土地改良区の会計から支出していたと、これは新聞で報道している分ですし、それから、そのほかにもいろいろと党費をそのところから出したりあるいは役員報酬を払ったり、それから、たしか政治資金パーティーの券も買っていたと思います。
 この間も、まだ発表しない方がいいと思いますが、ある県の農業共済を調べたら、そこもやっぱり政治献金はやるわ、パーティー券は買いまくるわ、やっていると。だから、みんな、土地改良区だけやっているわけじゃありませんよという意味で私、言っていて、ですから農業共済もそうですし、それから漁業共済もそういうところがあるということで、私どもとしては、強制的にということは言いませんけれども、できるだけこうした税金が流れているような団体については、理事長をやって手当をもらうとか役員をやってとか、パーティー券を買うとか、そういうことは何党であれ、どの議員であれ自粛した方がいいのではないですかということをそれぞれの団体に出させていただきました。
 農業共済については、国会議員がお二人、県組織の長をやっていらっしゃる方がお見えになったんですが、お二人とも確かに言われるとおりだということで、お二人とも三月末をもってこの農業共済の理事長は降りられるということになりましたし、今土地改良の方も、連合会の役員となっていらっしゃる方三名については無報酬でありますけれども、都道府県会議員の方一名は報酬を受けております。あるいは、各都道府県の土地改良事業団体連合会の役員のうち、国会議員の何名かのうちの一人は報酬を受けておられるし、都道府県会議員の二十六名のうち二十名は報酬を受けているということで、歳費をもらいながら、議員としての報酬を受け取りながら、一方で土地改良や農業共済やそういうところの団体からまた収入を得ているというのは、やはり私は国民の理解が得られないというふうに思っておりまして、文書を通達の形で、それは望ましくないというのが農林水産省の考え方ですということを出させていただきました。
#67
○佐藤昭郎君 今、大臣、大事な点をさらさらっとおっしゃいましたけれども、土地改良区の役員がそれぞれの地方の議員やそういう国会議員が、今おっしゃいましたが、就任されたときは報酬に関しては返上しておられるのがルールですよ。いやいや、だから、中に、その中でごくわずかの、本当にわずかですよ、いらっしゃるかもしれません、一人ぐらいいたかもしれません。しかし、みんな気を付けながら、土地改良区の役員に就任する際には報酬そのほかについても返上しながら地域のためにしっかり働いている方々がいらっしゃるわけです。
 やはり、これは国家公務員と一緒で、先般も大臣があるいは政務官の皆様が、たしかあれは長崎県知事の選挙に行かれたときもあります。議員としての政務と国家公務員としての公務を分けてしっかりなさっているんですよ。この方々も報酬はゼロにしますし、しかも政務と公務はしっかり分けて行っていただいている。大臣以下副大臣、政務官の方々がそういうことで、自分の一人の人格を切り分けて対応しておられるわけですから。地域の全体の推進に骨を折っていく土地改良区の役員が立場を変えて報酬を返上しながら兼務していく。これ、法令に触れるのは別ですよ。しかし、法令に触れない範囲で一生懸命地域のところの活動をしている役員に関してこのような通達を出されてその人たちの活動を封じていくというのは、これはやり過ぎじゃないですか。
#68
○国務大臣(赤松広隆君) ですから、私どもとしては、これは法律で禁止されているわけじゃないですから、その人たちがよかれと思ったらそのままやられるでしょうけれども、しかし世の中から見たら、名前も金額も言ってもいいですけれども、これだけの金額をこういう人たちが本当にもらっていて、政務に一〇〇%力を注いでいるんだということを言えますか。一方で土地改良の仕事をやりながら、今日はこっちの仕事だよ、今日はこっちは議員業だよ、そういうことは私は理解を得られないんじゃないかと思っております。
 ですから、それでも辞められない方は結構でございますけれども、それはやはり有権者が判断をするということじゃないでしょうか。
#69
○佐藤昭郎君 報酬をいただいているというふうにおっしゃいましたけれども、そういった特に国会議員がそういう任務に就いたときには報酬を返上して土地改良のために働いている、そういうきちっとした仕分をしながらやっている。
#70
○国務大臣(赤松広隆君) 言いましょうか、じゃ、だれが幾らもらっているか。
#71
○委員長(小川敏夫君) 発言は委員長の指名を受けてからにしてください。
#72
○佐藤昭郎君 地域のためによかれと、そして汗をかいている方々に対して報酬受けている云々という私は事実に合致しない通達については大いに問題があると思いますので、今後とも引き続き対応していきたいと、質問していきたいと思います。
 終わります。
#73
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 平成二十二年度の農林水産関係予算に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初は、やはりこれから日本は少子高齢化がますます進展していくという予想でございますけれども、そのような状況においての食料の需給あるいは食品の開発の展望、そしてまた政府としての対応等についてお伺いをしたいと思います。
 まず、人口減少、そしてまた少子高齢化に伴う日本全体としての需給の減少に対応する、あるいは高齢者向けの食品開発の需要の増大に対応するような生産、加工あるいは食品開発等の担い手といいますか、それにかかわる方々の育成や人数の確保等、あるいは流通を含めたそういう食品の供給体制をどのように考えて対応していくのか、こういうことに関しまして大臣にお伺いをしたいと思います。じゃ、副大臣。
#74
○副大臣(郡司彰君) 今委員から御指摘がございましたように、私どもは十年後に五〇%自給率を達成をしようという目標を掲げております。しかし、十年後におきましては少子の時代、高齢の時代でございますから、分母として総体が減っていくということもございましょう。加えて、その中で高齢の方々が多くなるというようなこともあろうかというふうに思っております。したがいまして、それに伴ったような食生活に合わせてどのようなことを考えているのかということのお尋ねだというふうに思っております。
 私どもは、そのようなところから食品流通の形態につきましても、従来のような専門小売店あるいは食料品スーパーといった店舗展開だけではなくて、宅配サービスでありますとか、あるいはまた移動スーパーなどといった、交通の便を持たないような人たちにも供給をする体制というものを一方で考えていかなければいけないだろうというふうに思っておりますし、また、商品の大きさ、あるいは本当に個食に合ったような商品の開発ということも考えていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 また一方で、しかしながら、子供さんの中で朝食を取らずに学校に行かれる方というものも大変増えているような実態も出てきているものでございますから、そこのところに対しましては、家庭におけまする普及ということだけではなくて、社会全体でそのような子供さんたちにどのような形で提供をすることができるのか、こうしたことについても検討をしていかなければいけない重要な課題だろうというふうに思っております。
#75
○渡辺孝男君 いろいろな展示会等にも私は行くことがあるんですが、食品関係の展示会あるいは健康を維持増進するような展示会等行きますと、やはり高齢社会、要介護者が多くなってくるとか、そういうことに対応して介護食等を開発しているようなところもあるし、高齢化に向かいますと団塊の世代も、健康維持のためにどういう食材、食品、あるいはもっと違った形の健康食品等、そういうものを求めるみたいな傾向もありますので、いろんな食品の開発というものが必要になってくるのではないかというふうに考えているわけです。
 もちろん、地域地域によって健康にいいような食材、そういうものを農家の方々が作っておられるということもありますし、六次化ということを推進をするということでありますので、こういうものに対応するようなやはり人材の育成というのはなかなか大変ではないのかなと。よっぽど学習をしながら、研究をしながら、ニーズ調査をしながらやっていかなければいけない。そういうものにもしっかり対応するような農業者の担い手の確保というものも是非ともやっていただきたいと、そういう思いであります。
 今後十年間の目標ということで新たな食料・農業・農村基本計画も素案ができてまいりまして、今後最終的な決定ということになると思うんですけれども、その今後の決定の、いつごろに最終決定になるのか、そしてまた、その重要ポイントというのはどういうものなのか、簡潔にちょっと教えていただければ幸いであります。
#76
○副大臣(郡司彰君) 五年に一度の基本計画をまとめるという時期にちょうど当たっているわけでございます。
 これまでの流れからいたしますと、大臣も別なところの委員会でも御答弁を申し上げておりますけれども、三月末の決定ということに向けて今準備をさせていただいておりまして、それぞれ企画部会等においても御議論を進めていただいているところでもございます。
 そのような中で、今回のところについて何が違うんだということでございます。もちろん、新しい政権の下での取組でございますから、これまでと違ったところも出てきております。例えば、先ほど議論を佐藤委員との間にもさせていただきましたけれども、担い手というものだけに絞るのではなくて、全体多様な農業者というものを育てる中で、その中でこれからの構造展望に合うような形の経営体というものをつくっていこうということもございましょうし、もちろん、そのために戸別所得補償ということを取り入れていこう、あるいはまた地域の疲弊というものがこれ以上進まないようにするために、そしてまた農家の所得を確保するという観点からも六次産業化等を進めていこう、そして食の安全というものをないがしろにするということにはならない、消費者の声を十分に生かした農政にしていこう等々がございます。
 あわせまして、もちろんこれまでの施策の中で当然従来どおりのものを進めていくというところもございますので、それらを総合勘案して今御審議をいただいているところでございます。
#77
○渡辺孝男君 素案の中で大きな目標として、自給率でありますけれども、カロリーベースと生産額を基準にしたベースということで目標が示されておるわけでありますけれども、公明党も十年で五〇%を目指すべきだと、あと生産額につきましては八〇%を目指すべきだということを前に発表させていただいたこともあるわけですが、今回、カロリーベースで五〇%、そして生産額ベースでは、従来は七六%でありましたけれども、七〇%というふうに下がってきたわけであります。
 この辺の数値の目標の定め方、どのように考えてこういう数値になっているのか、お聞きしたいと思います。
#78
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、カロリーベースは五〇%ということで、今現在から九%増加するという意欲的な目標を立てさせていただいております。一方で、生産額ベースにつきましては、現行基本計画の策定時に七〇%だったことを踏まえて、二十七年度の目標を七六%としたところであります。
 しかし、実際に今の現状を見ますと、米の産出額の減少などによりまして、平成二十年度における生産額ベースの食料自給率は六五%にまで低下しております。こういった現状を踏まえて、前回同様、五ポイント程度の上昇を見込んで七〇%と設定することを検討しております。
 なお、この生産額ベースの食料自給率目標というのは、基軸にこちらの、カロリーベースの食料自給率を五〇%とすることをまず前提に、そこから、カロリーベースには野菜とかそういったカロリーの低いものは余りカウントされていませんので、それを基軸に、そういった生産額の多い、しかしカロリーには余り貢献できないようなそういったものをどういう組合せでやっていくのかと、それを踏まえて算定した結果、七〇%という目標を組ませていただいております。
#79
○渡辺孝男君 農業者の所得ということを考えますと、やっぱり生産額ベースというものも重要視して目標を立てていくということも大変重要だと思いますので、最終的な数値、このままなのか少し変わるのかはよく分かりませんけれども、これも生産額のベースの目標値というものを大事にしていただいて検討していただきたいと思います。
 それから、先ほどからも議論になっております米の戸別所得補償のモデル事業でありますけれども、これ、実施に当たってまだまだ現場では米価下落という心配がある、その防止対策をしっかりやらなければいけないのではないか。米余りもやっぱり不安だ、この防止対策もしっかりやらなければいけないのではないか。また、全国一律という、先ほどお話でもありましたけれども、農業も多様で、北海道、東北の農業と九州あるいは四国等、やっぱり現場は違った形の農業をやっておりますので、一律ということで本当にいいのかと。もしこれから地方分権、あるいは地方主権というような議論も今行っておりますが、だんだん権限を地方に移譲していくような流れになると思うんですね。そういう場合に、少し柔軟性といいますか、地方の裁量でいろいろ決めていくということも念頭に置きながら、取りあえずは当面一律ということなのかどうか、そのところをお聞きをしたいと思います。
#80
○副大臣(郡司彰君) 今年度のモデル事業の中で御指摘をいただきましたような施策を遂行しようという形でやらせていただいております。
 今の御指摘の中で、今後とも全国一律なのかというような御指摘でございましたが、米それから水田を使った自給力向上のためのそれ以外の作物、それぞれ制度設計がそのまま同じという形ではございません。したがいまして、これからの畑作に関しまするものに対してどのような制度設計を行うかということの全体像の中で本格実施のことについては今後とも検討していくことになります。
 しかし、米の部分については、収量その他も全国的にそれほどの差がないような作物でもございますし、全国でそれぞれの地域で作られているような作物でもございます。したがいまして、そこのところは今のところ全国一律の方式で行うことによって、先ほど来御意見がございましたけれども、私どもとすると、努力の結果が跳ね返るような形にしていく方がよろしいというような考えを持っているところでございます。
#81
○渡辺孝男君 お米と畑作で作られるような作物とをどう組み合わせていくのか。組み合わせてやる場合も当然ながらあるわけでありますけれども、今回の米の戸別所得補償のモデルの事業と水田利活用の能力向上事業のその組合せということになると思うんですけれども、やっぱりどういうふうに作っていったらばどのぐらい今回の政策転換で所得が増えるのか、そういうモデルの試算がある程度示されていると、こういう政策を実施して本当に良かったのかどうか、評価、検証が分かりやすいんではないのかなと思うんで、そこはどういう、こういう試算の、こういうケースはこのぐらいになりそうだと、そういうものを示してもらった方がいいと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#82
○副大臣(郡司彰君) 基本計画を作成をする際に附属的な参考資料として、これまでもそのような数値を、類型的にこのような農業の形態であればということを出してきたかというふうに思っております。
 いろいろ御指摘をいただいておりますけれども、今回のところもその経営の展望のようなことでできるだけ、これまでにあった具体的な取組等をモデルにしながら、このような地域でこのような取組をすると所得がこのようになりますよというものについて検討をさせていただきたいというふうに思っております。
#83
○渡辺孝男君 それから、新規需要米でありますけれども、なかなか、実際に作った場合に使っていただけるのかということでありますけれども、飼料用米それから米粉を、米粉は本当に公明党としても長年推進をして、米粉パンとか米粉めんとかを推進をするべきだということは主張してきたわけでありますけれども、それから発酵用粗飼料の稲、そういう需要をどう開拓して供給を増加させていくのか、大変重要な課題であるし、こういうところが進まないと所得補償も十分に行かないのではないかと。
 それから、難しいのはバイオ燃料用の米の今後の需給の展望ですね、これがどのようになっていくのかと。これは今後かなりの努力をしていかないといけない課題だと思うんですが、この点どういう展望を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#84
○大臣政務官(舟山康江君) 新規需要米の拡大につきましては、恐らく委員を始めといたしまして農林水産委員のすべての皆様が御同意いただいていると思います。
 ここ数年、米粉用米、飼料用米それからWCS、かなり劇的に増えておりますけれども、今後ますます大きく増やしていかなければいけないと思っています。やはり、作付けを増やすためには需要が増えなければいけませんので、その需要の拡大に向けましては、米粉用米については、やはり今製法技術がかなり劇的に飛躍的に伸びておりまして、そういった意味で様々な用途に広がっております。そういった意味で、一層の製法技術の開発、また商品の開発を進めていかなければいけないと思っておりますし、飼料用米、稲発酵粗飼料につきましては、やはりその流通体系の確立ですとか、あとはシンポジウムの開催などによって消費者理解の醸成、それからやはり生産者がしっかりと使えるような、これはいいと思っていただけるような、そういったPRもしっかりとしていかなければいけないと思っております。
 一方でもう一つ、やはり需要がある、また供給もある、そこのマッチングがなかなか今うまくできていないところがありまして、そのマッチングにつきましては、やはりここは国なり生産者団体が主体的に様々な取組をしていかなければいけないと思っております。国におきましても、今、実需者ニーズに応じて、都道府県とか水田協議会へ情報提供をしております。どんな人たちが今米粉用米、それから飼料用米を望んでいるのか、そして供給がどんなところにあるのかというところでそこのマッチングをできるような情報提供をしておりまして、今いろいろ集まってきているんですけれども、これを見ますと、欲しいけれどもまだ供給が追い付かないという事例もありますので、そこはうまく結び付けてやはりその需要と供給のバランスを取っていきたいと思っております。
 これからますます増やさなければいけないと思っておりますので、本当により多くのアイデアを多くの方からいただいて、是非議員にもそういった需要の拡大にいろんなアイデアをいただければと思っております。
#85
○渡辺孝男君 欲しいというところは恐らく生産しておられると思うんですが、やっぱり欲しいというところを増やすことが大変難しい課題で、これをいかに宣伝をして使ってもらうかということを努力をしていただきたいと思います。
 次に、農林水産業の、農山漁村が担っている多面的機能の維持増進でありますけれども、これは私ども農山漁村に行きますと本当にいろんな機能、ただ単に生産をしているだけではなくていろんな、国土を守るとか水をきちんと守っていただくとか、様々なすばらしい活動に結び付いているということを感じているわけですけれども、この予算、あるいは今後新政権でどのようにこれを守っていこうとするのか、その点について赤松大臣にお伺いしたい。じゃ、副大臣に。
#86
○副大臣(郡司彰君) 第一次産業の特性の一つというものは、多面的機能というものを有していることだろうというふうに思っております。したがいまして、こうした多面的機能を発揮ができるような活動を支援をするということは大事なことではないかなというふうに思っております。このため、意欲があるすべての農業者が農業を継続できる環境を整えるための戸別所得補償制度というものも私どもはその一環として考えておりますし、条件不利地域の農業生産活動の継続を図る中山間地直接支援なども行っております。
 また、林業・森林の関係につきましては、路網整備の加速化、森林施業の集約化などによりまする林業再生を通じた森林整備の施策を行っているところでございますし、さらに、条件が不利な離島の漁業再生支援、あるいはまた藻場、干潟等の保全活動等にも支援を行っております。
 観光立国をこれから目指そうということもありまして、私どもはその点について、農村というものが日本のすばらしい原風景、あるいは食文化、あるいは伝統行事というものの宝庫であるというふうに思っておりますから、そこのところに対する総合的な手だてを行って、逆に言いますれば、生産活動がきちんと行われている地域が美しい原風景を生み出すんだと、そのような観点からしっかりと支援を行っていきたいというふうに思っております。
#87
○渡辺孝男君 それと関連して、山形県を含めましてナラ枯れということが問題になっております。前は松枯れが大変厳しい状況で、松が枯れることによって、海岸の沿線等、園芸とか様々な施設の農業をやっておられるところが、松が枯れることによって強風でいろんな被害が出るとかいろんなこともあるわけですが、ナラ枯れの方も、多くやられますとやっぱり土砂が崩れたりするような被害も出る可能性もあるので、このナラ枯れ対策についてはどのような対応をしていくのか、お聞きをしたいと思います。
#88
○副大臣(郡司彰君) 最近、ナラ枯れということが、特に先生の関係をする山形県などが大きな被害が出ているというようなことも伺っております。
 元々ナラの木などは、江戸時代のころまで、あるいはまた昭和の初めのころまでは、里山等を通じて生活に直接密着した、利用でがある材として使われておりました。そのようなことが薄くなって以降、ナラの木そのものの生えた山が若返りをしないということも大きな原因であろうというふうに思っておりますが、いずれにしましても、二十年度で二十府県で一千四百四十ヘクタールというふうな拡大をしているところでもございます。
 したがいまして、対策といたしまして、都道府県、市町村等が行う駆除や予防等のナラ枯れ対策について、森林病害虫等被害対策、これは九億三千万円でございますけれども、その内数によりまして支援を実施をしているところでございます。
 また、ナラ枯れ被害のような様々な防除方法と、被害を受けにくい森林への誘導などを組み合わせました総合的な被害防止技術の開発ということにつきましても、三億一千万円を計上した中の内数として予算化をしているところでもございます。
#89
○渡辺孝男君 それと、いろいろ防除の仕方は、なかなかいろいろな試みはあるんですが難しい、効果がもちろん一〇〇%ではないわけですが、まだまだ難しいということで、そういう研究もしていただきたいと思います。
 次に、農山漁村の活性化のためには、当然ながら定住人口だけではどうしても、全国が減ってくるわけでありますから、より以上に減ってきてしまうと。農山漁村の活性化のためには、やはり交流人口を増やさなければいけないということで、これも様々な、子供さんたちの体験学習等をやっておるわけでありますけれども、私どもは、グリーンツーリズムだけではなくて、やはりエコツーリズム、あるいはいやしの効果を勘案してのヘルスあるいはケアツーリズム、そういうものも推進をしていって農山漁村の活性化につなげていきたいと、そのように考えておりますけれども、この点に関しましてどのようなお考えを持っておられるか、お伺いをしたいと思います。
#90
○副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただきましたように、都市と農村の交流というものもございましょうし、外国からの誘致ということもございましょうし、子供さんのいろいろな意味での教育の側面からも、今おっしゃいましたようなグリーンツーリズムあるいはエコツーリズムというものは大変貴重な取組であろうというふうに思っております。また、委員、言わば医療の方も関係をしているわけでありまして、このヘルスツーリズムというものもこの農山漁村を生かす大きな手だてだろうというふうに思っております。
 御存じのように、いろいろな地域がございますけれども、総じて言えば、健康寿命が長いというのが農山漁村の特徴の一つでありますから、そこがどのような社会の仕組みによってそのような結果がもたらしているのか、ただ単にツーリズムではなくて、定住をいただくようなことも含めて施策を考えていかなければいけないというふうに思っております。
 このために、具体的には、教育的な効果に着目をした小学生の農山漁村での長期的な宿泊体験活動の推進、あるいはまた、都市と農山漁村が連携をして行うグリーンツーリズムなどの都市農村交流の取組等について支援をしているところでございます。
#91
○渡辺孝男君 あと、今、農山漁村、あるいはその地域の医療、福祉、介護等でありますけれども、そういうものがある程度充実をしていないとやっぱり過疎化につながってしまうということで、農山漁村の地域の病院ですね、病院の維持、地域医療の再生ということが大変重要であります。
 厚生連の関係の病院もそういうことに大変努力をしておるわけでありますけれども、なかなか経営的にはやはり、ほかの病院もそうでありますけれども、大変厳しいと。これがうまく経営ができなくなれば、農山漁村のそういう厚生連の病院があるところの地域も、医療のサービスの不足、介護サービスの不足、障害者に対する医療的なケアの不足みたいなものにつながってくるのではないか、大変ゆゆしき問題だと思いまして、改善が必要だと、そのように思っておりますけれども、これは大臣、厚生連の病院に対してどのようなお考えを持っておられるか、何とかその経営の支援についてどのように対応していただけるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#92
○副大臣(郡司彰君) 厚生連という病院は、もちろん御案内のとおりでございますけれども、組合員のための医療活動だけではなくて、へき地でありますとかあるいは緊急でありますとかというような公的病院の性格を持つというふうに皆さん方が認知をいただいているところでございます。
 そのことにつきましての支援というものは、例えば厚労省あるいは総務省について支援というものがございましたけれども、農林水産省としても経営の健全性の確保という観点から支援を行ってきているところでございます。二十二年度からは、病院の建て替え等に係るこの融資条件の改定を行うことにしたところでありまして、それらによって、今後、建て替え等の機運というものが醸成をされてくるのではないかなというふうに思っております。
 しかし、いずれも単独の施策ということではなくて、申し上げました厚労省あるいは総務省と連携を図りながら十分な支援というものになるよう努めていくつもりでございます。
#93
○渡辺孝男君 やはりどこの地域医療を担っている病院もなかなか大変だということでありまして、ただ、公的病院には、厚生連の病院も公的病院の中に入っておりますけれども、公立病院ですね、特に自治体が経営をしているというようなところは交付金、普通の交付金とあと特別な交付金とを受けやすい条件にあるわけですけれども、なかなか厚生連の方はそういう恩恵にもあずからないということでありまして。
 私は、ちょっと大臣にお願いでございますけれども、やはり当然ながら、大学病院等を担う文部科学省、普通の病院の支援等を考えている厚生労働省、そしてまた総務省と農林水産省が連携してそういう協議会というようなものをできればつくっていただいて、厚生連を含めまして、農山漁村での医療のサービスの確保等にどういう支援をしていったらいいのか。今までのままでは恐らく地域の医療の過疎になってしまうという危険性が多分にあると。今までの調査でも、医療崩壊にもう既に陥っている、あるいはもうすぐそういう状況になるというアンケート調査等もありますので、ここを何とかしてもらいたいと。そういう協議会、ひとつ大臣、よろしくお願いします。
#94
○国務大臣(赤松広隆君) 先生御指摘のように、地域で厚生病院が、厚生連が本当にその中核を担って頑張っていただいているところが多いものですから、それぞれ総務省や厚生労働省との関連もございますけれども、私ども農林水産省としても、何ができるのか、どこまで援助することができるのか、支えられるのか、しっかり検討しながら、必要性についてはもう先生御指摘のとおりでございますので、是非そういうことをしっかり心に留めて取り組んでまいりたいと、このように思います。
#95
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#96
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日はチリ地震による津波被害の対策をめぐって、前回のこの委員会でも質問されていたんですけれども、私も、この被害状況については、実は三月の六日と七日に岩手県の三陸とそれから宮城県の塩竈の方に行ってきました。船に乗って海上まで出て、そのときの被害状況の説明を聞いたんですけれども。
 陸前高田の方にも行って、そこでは、ホタテでいうと、二十一年産については水揚げをして出荷した後だったんですね。ところが、来年と再来年の分はまだあって、それがもうほとんど出てしまったと、流されてしまったということでしたし、それから塩竈の方は、私は再認識したんですけれども、ここはカキやっていて、カキについて言うと種ガキなんですね。だから、北海道も含めて全国に種ガキを出しているところだったので、このカキについては、種ガキは無事だったと、被害に遭わなくてほっとしたという話を聞いて、ああ、そうだったのかと思ったんですけれども、ただ、ここはノリとか昆布とかワカメの方が被害が出ていて非常に大変な状況だということをお聞きしてきました。
 それで、この間も委員会で随分議論もされて、いろいろ対策を打たれていて、それを是非進めていただきたいわけですけれども、その上に立っても更にやっぱり国として考える必要あるんじゃないのかなということですとか、これからの予防策としても幾つか提案をしたいというふうに思います。
 最初に、復旧資材の問題なんですけれども、生産を再開しようと思うとどうしても資材は必要なわけですけれども、棚を作ってそれを固定したりするブロックとかアンカーについては、これは海中の資材でもって強い水産業づくり交付金の対象になるというのがこの間の議論だったと思うんです。
 ところが、海上というか、海の上に浮いているものについては、これは個人ということで資材は融資しかないと思うんですよね。それで、現場の漁師さんの話だと、その個人負担が、いろいろ強い水産業づくり交付金の対象になる以外の、個人で用意しているものの負担がかなり重いんだということがあったわけです。
 例えば、これは海面に浮きが浮いていて、これホタテなんですけれども、これを実はロープでずっとつなげて、浮きを何メートル置きかにつないで、その下にロープで下ろして貝を付けて、それで養殖するというスタイルなんですけれども、これもう固まっちゃって、水面に見えているのは一部なんだけれども、海の下の方はごそっとあるわけですよね、絡まったやつが、という状態だったわけですよ。それで、この浮きとロープの部分というのは実は個人負担なんですね。
 この資材は大体どのぐらいするものなのかと聞いたら、浮きは一個当たり二千三百円だと。百メートルに五十個ぐらい付けるんだけれども、そうすると、浮きが二千三百円でロープが百メートルで二万八千円だから、合わせるとその一つのセットで大体十五万円なんですね。それで、ここの、私が行ったところの広田漁協の米崎支所というところは二百三十三台あるんだそうです。ということは、掛けるで計算すると大体三千五百万円が個人が負担しなきゃいけないということで、そうすると一人当たりどれぐらい負担しなきゃならないんだと言ったら、大体五百万ぐらいかなということなんですよ。
 そうすると、本当に、ただでさえ来年も再来年も収入がなくなるということの中でこれから資材を要求してやるとなると、とてもちょっと足りないという状況があって、これも含めて何とかやってもらえないんだろうかというのは現場から上がっていた声なんです。それも含めてやると、今度、自分たちも漁協との関係で、五年間だったら五年間、水揚げになって収入になった分から返していけるということで対応してもらいたいというのが出ていたんですけれども、これ、いかがでしょうか。
#97
○大臣政務官(舟山康江君) 今回のチリ沖地震による被害というのは、日を追うごとに、被害金額が明らかになるごとに大きくなっているということで、非常に被害に遭われた方にはしっかりと一刻も早い手当てが必要だなと思っているところであります。
 今御指摘のとおり、ブロックやアンカーといったものは強い水産業づくり交付金で対象になりますけれども、浮き球やロープも含めて、共同利用であればこちらもこの交付金の対象となります。ただ、やはり今の補助金のシステムの中で、個人資産というものはこの補助の対象にはならないという整理の中で、なかなかこの共同利用という、ですから是非、共同利用で用意するということであれば支援の対象になりますけれども、なかなか個人に対しては交付金の対象とはならないという現状があります。
 ただ、今委員からもお話がありましたけれども、新しく浮き球など、ロープも含めてですけれども、そういったものを購入する場合には農林漁業セーフティネット資金、これは公庫の資金ですけれども、かなり低利で使い勝手のいい資金になっておりますので、これは公庫にも早急に対応するように、また相談窓口を設けるようにということで、もう三月一日にすぐ指令を出しておりますけれども、こういったことできちんと適宜適切に対応していきたいと思っております。
#98
○紙智子君 それから、共済についてなんですけれども、これもそこの支所で話を聞いたときに、ホタテでこの地域だと四千七百万円の水揚げ、一回ですね、あるところなんだけれども、これが九割方流失してしまったと。さらに、イシカゲガイというのをやっているというんですね。イシカゲガイというのは、何かここの漁協が栽培に成功して、それで新たな町の特産にしようということで力を入れて、ようやく今年から水揚げできるということで楽しみにしていたんですけれども、これが、この入れていたやつがひっくり返っちゃって駄目になっちゃったと。それから、ホヤ。ホヤについては五月から出荷する予定だったんだけれども、これがもう軒並み全滅だったと。
 それで、そうすると本当に養殖から出荷までの間、ホヤなんかも四年見てという話もこの前も出されていましたけれども、四年じっと待ってそれで失われてしまったということなわけですけれども、このホヤとかイシカゲガイというのは共済の対象外なんですよね。何で対象外なんだと言ったら、いや、少な過ぎて組めないんだという話なんですよ。
 それで、そうすると何の補償もないということなので、例えば、一種類だけだったら大変だけれども、イシカゲガイとかホヤだとか含めて何種類かで一緒に何かつくっていくとか、そんなふうな形で共済の仕組み、まとめた共済をつくるなどの工夫ができないのかというふうに思うわけです。
 それで、やっぱり漁協が新たな特産にしようと力を入れても、セーフティーネットがなければやっぱり続けられなくなっちゃうわけで、そこのところを検討してもいいんじゃないかなというふうに思ったので、これについていかがでしょうか。
#99
○大臣政務官(舟山康江君) 共済についてですけれども、今御指摘のとおり、ホタテについては共済あるんですけれども、ホヤやイシカゲガイ、御指摘のとおり今共済の対象外となっております。
 その理由としては、やはり共済という保険の設計を組むためにはある程度母数がないとなかなか設計ができないということ、それから数理設計も含めてですけれども、データもなかなかそろわないということで今対象外になっています。
 ただ、やはり共済というのはセーフティーネットとして有効に役立つ側面が非常に大きいわけでありまして、農林水産省としても、今できるだけ多くの皆さんに共済に入っていただきたいという呼びかけもしているところでありますし、やはり今共済の対象になっていないものも、どうやれば共済の設計ができるのか、今小さい養殖水産物を組み合わせての共済ができないのかという御提案もありましたけれども、そういった様々な工夫を凝らしながら、漁業関係者の御意見も踏まえて、やはりこれは今後検討していかなければいけない大きな課題だと思っております。
 実際、これから今省内で新しいセーフティーネットの在り方ということで所得補償も含めてこの共済の在り方も検討を始めた段階でありますので、是非、規模の小さい養殖水産物についてもしっかりと検討していきたいと思っております。
#100
○紙智子君 加えてなんですけれども、養殖共済に入っていない人が結構多い、ばらつきがあって、気仙沼なんかは本当に入っていない人が多くて大変だという話聞いたんですけれども。
 入っていないということは、やっぱり厳しい経営状況の中で、結局無事な状況がずっと続くと掛け捨てみたいになってしまうというので、塩竈に行ったときにはノリ養殖の方は、実は年間でいうと八十万ずっと掛け捨て状態なんだという話をしていて、そこのところももっと入りやすく、たくさんの人が入れば負担が軽くなるわけだからたくさん入ってもらわなきゃいけないわけだけれども、それには入りやすくする努力というのは一層やらなきゃいけない、今までもやってきてはいると思うんですけれども、一層やらなきゃいけないと思うんですね。
 だから、例えば掛け捨てという形ではなくて、一定期間掛けても災害に遭わなかった場合には無事戻しみたいな、農済はあるんですよね、無事戻しはね。そういうふうに軽くするとか、あるいはずっと被害に遭わないままだったら掛金がだんだん安くなっていくみたいな、何かそんなことをしてもっと入りやすくするようにしていくのはどうなのかなと、そんなことも考えてはいかがかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#101
○大臣政務官(舟山康江君) 実は、漁業共済におきましても、今御指摘の無事戻しですとか等級別割引の制度がございます。
 無事戻しにつきましては、これは昭和五十七年から導入されているものなんですけれども、四年間の契約を一セットといたしまして、四年間無事故若しくは支払共済金が非常に少ない場合には無事戻しですね、つまりは、簡単に言えば五年目は自己負担額ただだというような無事戻しの制度があります。これも、全体の加入者のうち四分の一から五分の一ぐらいはこれに加入していただいておりまして、やはりこういったものも推奨していきたいと思っています。
 もう一つ等級別割引、これは、自動車の保険が毎年事故を起こさなければ等級が下がって掛金が下がっていくというのがありますけれども、同じような仕組みで、前年の契約に適用された等級とその損害率から等級を定めて、割引最大五〇%、逆に事故が多ければプラスにもなりますけれども、そういった割引制度がございます。
 今、そういったことで、平均すれば通常の平均的な掛金よりも安い掛金で入っていただいている方の方が多いという形になっておりまして、そういった無事戻し、等級別割引というのは実際にあります。
 いずれにいたしましても、先ほど申しましたとおり、こういったことも含めて、共済の在り方についてはまた今後しっかりと検討していきたいと思っております。
#102
○紙智子君 それから、被害を受けた養殖施設の処理の問題なんですけれども、津波でいかだなどの養殖施設の被害がかなり深刻で、これはもう多分片付いていると思うんですけれども、塩竈の港のところに揚がった状態なんですよ。これ、昆布とかワカメがもう絡まって、それで折れた、何というか、つい立てみたいなやつ等含めて、もうごちゃ混ぜになって、これは捨てるしかない、廃棄物にするしかないんですけれども、こういう状態のものがあって、これはたまたま漁師の方が必死になって岸に引っ張っていって、片付けなきゃいけないとやっていたんだけれども、クレーンがないとやっぱり持ち上がらないんです、重くて。それで、たまたまこの塩竈の場合はボランティアで、クレーンを持っている方がただでやってくれたらしいんですけれども、これも実は業者を頼んでお金掛けてやると大変なことなんですよね。
 そういう状況があって、それで、例えば陸前高田市なんかは、そういう片付けるために大変だから、漁業者大変だから、自分の漁場を元に戻すのだって大変なのに、本当に大変なので、市が独自にそのための支援するというので、お金を出すということをすぐ決めたんですよ。それとか、塩竈なんかは、ここに揚がった廃棄物を処理するための人を緊急雇用創出の予算で対応しようということで、そういう手を打ったりしていて、これ自身が漁業者にとっては大変な助けになるわけですよね。
 それで、そういう取組があるんだけれども、同時に、海の上のもの、さっきもちょっと見せましたけれども、上のものとか、中にある漂っているものについては、これは個人の責任ということになっていて、被害を受けた養殖施設を撤去するための支援というのがない状態なんですよね。これも何か考える必要あるんじゃないのかなと。いかがでしょうか。
#103
○大臣政務官(舟山康江君) 今御指摘のとおり、所有者が分かっているものについては、その除去、処分する責任というのは基本的には所有者にあるということになっています。
 ただ、先日の藤原委員の質問にも環境省それから総務省からお答えがありましたけれども、例えば環境省の事業で対応できるものもあると思いますし、また総務省の方で、例えば所有者が明らかでなく、その公共団体がいろんな撤去に乗り出すということに対しては、特別交付税の交付というのができまして、これは年を区切って翌年の頭ということになりますので、今回の被害に係るものは二十二年度の特別交付税により算定することになりますけれども、そういった支援もあります。
 また、農林水産省の方の予算においては、養殖施設であればなかなか難しいのかもしれませんけれども、例えば流木とかそういったものによって航路が埋まってしまったりとか、そういった公益上に特に非常に支障があるというときには災害復旧事業の対象にもなりますので、そういった被害状況に応じて、できるだけ支援をできるものをしっかりと支援をさせていただきたいと思っています。
#104
○紙智子君 環境省は頑として、事業者の責任によるものだから、あくまでも、例えば津波でもって一般の家庭からそういうものが出たときにはやるけれども、漁業者の人が事業でやったやつは一切見ないというのが、ちょっとやり取りしてがっくりしてしまったんですけれども、そういうことなので、ちょっとこれは何らかの対策は是非考えてほしいと思います。
 それからもう一つ、災害復旧事業で救えない制度のすき間というのもあるんじゃないのかと。自然災害に対する事業はいろいろあるんですけれども、今までお話ししたように、津波被害に対して海上にある養殖施設の撤去費用が自己負担となっていると。それから、共済に加入していない人は補償の手当てというのは今の段階ではないと。
 しかし、考えてみると、エチゼンクラゲの被害対策なんかは、駆除費用だとか陸上処理費用に助成する仕組みというのはあるわけですよね、エチゼンクラゲは。避けようがない自然災害、今回のように災害において、水産庁としてのやっぱり緊急の支援や復旧に係る事業や費用というのは今は融資とか共済しかないんですけれども、こういうための費用というのは水産庁として何かやっぱりあっていいんじゃないかというふうに思うんですけど、どうでしょうか、検討していただけませんか。
#105
○大臣政務官(舟山康江君) 今、エチゼンクラゲ、大型クラゲ等の有害生物の駆除には支援をしているではないかというお話がありましたけれども、なかなか避け難い自然被害という意味では全く違うということにはならないと思いますけれども、ただ、このクラゲ被害、そういった有害生物の被害というのは、やはり放置すれば広がってしまうという、もっと更に被害が広がるという意味でやはり国がきちんと食い止めると、国が事業をやるということなのかなと思っておりまして、そういった意味では、今回のこういう津波による被害とはまた少し観点が違うのかなという気はしております。
 ただ、一方で、確かに今回の被害も遭いたくて遭ったわけでもなく、本当に自然災害の中でもう避けようにも避けられないという側面もあると思いますので、何らかの対策というのは検討していきたいと思います。
 ただ、もう一つ、この間、これも藤原委員の質問のときにもお答えしましたけれども、例えばやはり個人の努力で非常に災害に遭っても壊れにくい強固な施設を造って災害の被害を免れた人たちもおられますし、やはりそういったところとのバランスも考えていかなければいけないのかなと、そんな思いもしておりますけれども、何ができるのかしっかりと検討はしていきたいと思います。
#106
○紙智子君 それで、最後なんですけれども、これからの予防策ということで考えなきゃいけない点で、被害を最小限に抑えるための対策として、今お話のあった養殖いかだなど、流されないようなあらかじめ強いアンカー、強力なものに切り替えておくということなんかも大事なんだというふうに思うんですけれども、もう一つ、港付近の廃船、使わなくなった船ですとか岸壁に山積みされている輸入木材、これが流されれば凶器に化すということもあるわけですよね。それで、台風なんかでもそうだと思うんですけれども、伊勢湾台風のときに大量の木材が流出して、それでもって亡くなられた人も多いということを聞くわけです。
 だから、大きな津波などが来た場合にどう対応するのかということでは、今回テレビでずっといろいろ放送している中で、高知県の須崎市ではワイヤーロープを掛けていたと、固定していたということが後で分かって、これ教訓にしなきゃいけないんじゃないかって話をしていたわけですけれども、木材などの流出を極力防ぐなどの予防策を考える必要があるというふうに思うんです。
 この点でちょっと国土交通省にお聞きしておきたいと思います。
#107
○大臣政務官(三日月大造君) ありがとうございます。
 紙委員御指摘のとおりでございまして、問題意識は共通、共有しております。
 それで、これ、御地元の北海道南西沖地震が平成五年に起こったときにも、まさに港にあったものが、浮いていたものが凶器と化して多くの方が犠牲になられました。昨年、愛知県の三河港で高潮になったときにコンテナが動いてしまうということもありました。
 そういうこともあって、今、国土交通省でつくっております社会資本整備総合交付金、この交付金の中で漂流物防止施設の整備といったことも対象にしようということで、新たに制度を拡充しましてその対策を講じようとしております。厳しい財政事情はあるんですけれども、こういう漂流物防止施設の整備をしようという自治体の御意見をしっかりと伺いながら対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#108
○紙智子君 是非、地元というか、地域によっても違いも特徴もあると思うので、やっぱり使い勝手が現地にとっていいというものを考えていただいてということをお願いして、質問を終わります。
#109
○委員長(小川敏夫君) 以上をもちまして、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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