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2010/04/01 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第6号
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2010/04/01 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第174回国会 農林水産委員会 第6号
平成二十二年四月一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     大河原雅子君     山下八洲夫君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     山下八洲夫君     大河原雅子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 敏夫君
    理 事
                一川 保夫君
                岩本  司君
                佐藤 昭郎君
                山田 俊男君
    委 員
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                亀井亜紀子君
                郡司  彰君
                主濱  了君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                松浦 大悟君
                岩永 浩美君
                中川 義雄君
                野村 哲郎君
                松下 新平君
                渡辺 孝男君
                鰐淵 洋子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   赤松 広隆君
   副大臣
       農林水産副大臣  郡司  彰君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       舟山 康江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 朝雄君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役農林水産
       事業本部長    坂野 雅敏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○農業経営に関する金融上の措置の改善のための
 農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小川敏夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役農林水産事業本部長坂野雅敏君を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川敏夫君) 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○大久保潔重君 おはようございます。民主党の大久保潔重でございます。私自身、農林水産委員会で初めての質問でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 先日、赤松大臣から、農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案について、その提案理由等の説明がなされました。我が国の農業において、今日、その生産構造が脆弱化する中、将来にわたり国民の皆さんに持続的に安定した食料を供給するためには、今まさに農政の大転換が図られなければならないと思っております。食料自給率の向上や農村における生産、加工、流通など一体となった取組を強化し、六次産業化という政策を実現するためにも、今後は農業経営に関する金融支援をより充実させなければなりません。
 このことは今回の法改正案の趣旨だと認識しておりますけれども、そこで今回、その一部改正の農業改良資金助成法、農業経営基盤強化促進法、さらには農業信用保証保険法、このそれぞれにおける法改正の背景について、まずはお尋ねいたしたいと思います。
#6
○副大臣(郡司彰君) 大久保委員からの御指摘をいただきましたように、今回、農業改良資金法案、提出をさせていただいております。
 中身につきましては、今御指摘がございましたように、農業改良資金助成法あるいはまた農業経営基盤強化促進法、そして農業信用保証保険法の三法を一括をして提案をしているところでございます。これは、どうしてこのような改正を行うのかということにつきましては、大きくは二つあろうかというふうに思っております。
 一つは、政権が替わりまして、その政権が公約として掲げてきましたところの問題でございますけれども、農政の大転換を図っていこう、そして食料自給率を向上させていこう、さらに、地域の疲弊をもたらしてきたことをかんがみまして、農山漁村の六次産業化という政策を実現をしていこう、このような目的でございまして、一つとしては、無利子の資金の融資の円滑化を行いながら地銀等からの融資の充実を図りまして、農業者が資金を借り入れる際の借りやすさというものを大幅に改善をしよう、そのようなものでございます。
 さらに、加えまして、事業仕分が行われましたけれども、その評価結果を踏まえまして、これまで特別会計から貸付原資を供給をしていたわけでありますけれども、この貸付主体に対しまして一般会計から利子を補給をする方式に切り替える、そのような改正を行って国の資金の有効活用を図っていこう、それが大きな目的でございます。
 更にお尋ねがございますれば、それぞれについてもお答えをさせていただきたい、そのように思っております。
#7
○大久保潔重君 農業改良資金の貸付け、近年は非常に何か低迷しているというふうに聞いております。どうしてなのか、そういったところも恐らく背景にあったのではないかというふうに思っておりますので、お答え願いたいと思います。
#8
○副大臣(郡司彰君) 農業改良資金助成法でございますけれども、御指摘がございましたように、近年におきまして低迷をしているということがございます。
 その理由でございますけれども、新技術の導入あるいは経営における新分野の開発など、チャレンジ性のある取組を行う場合に、それを無利子で後押しをするものとしてこの法がございましたけれども、今までの農業の低迷というものがいろいろな形で影を落としているのではないかなというふうに思っているところでございます。そのような中でございますので、先ほど申し上げましたように、極めて農業の六次産業化あるいは食料自給率の向上にとりまして重要な政策ツールでありますから使いやすいものとするようにと、このような形で考えをしているところでございます。
 さらに、この貸付けが減少をしている実態を申し上げますと、これまで二十年度、ピークのときには、平成三年でございますけれども、四百六十四億円を貸し付けておりましたものが、八億円にまで減少をしてきております。
 この理由でございますが、低金利状態が続いているということで、他の資金と比較をした際の無利子資金の優位性が相対的に低下をしているということもありましょう。それからまた、担保、保証人の設定ということが義務付けられておりまして、農業者にとってこれは借入れの際の高い大きなハードルになっていたのではないかなというふうに思っております。また、貸付主体であります都道府県側の要因というものもあろうかというふうに思っておりまして、普及指導センター等の出先機関の統廃合によります資金の相談窓口が減少をしたということも寄せられているところでございます。さらにまた、貸付金の回収など債権管理業務というものがセンターの負担となる、そのようなことから、一応その業務を行いながら一部消極的な面が見られてきた、そのようなところもあったのかなというふうに思っているところでございます。
#9
○大久保潔重君 本当に今、国も地方も財政状況は非常に厳しい状況であります。そういう中で、新しい政権での昨年の事業仕分というところで特別会計の見直しといいますか、そういう指摘があったということも恐らく背景にあろうかと思います。
 先ほど郡司副大臣からも御説明をいただきました、各々のいろんな要因から非常に農業改良資金の貸付けが低迷しているということであります。それぞれにおいて今回の一部改正によって改革をし、農業者にとって使いやすい、借りやすいものにしていくということでありますから、是非それを応援したいというふうに思っております。
 それで、今度は貸付けが今後のこの改革によって非常に増えるということも見込まれるわけであります。新しい制度で、特にこの無利子資金に対する農業者の皆さんの需要が非常に、急激にといいますか、増大した場合どういった対応というのを考えられているのか、お聞かせください。
#10
○大臣政務官(舟山康江君) 今、郡司副大臣からもお答えがありましたけれども、近年の農業改良資金につきましては貸付実績が八億円と非常に低迷しているという状況でありまして、やはりこれを何とかその実際の資金需要に的確に対応できるようにと今回、制度改正を行ったところであります。
 今回、二十二年度につきましては、需要増を見込みまして百億円の融資枠を設定したところであります。近年、十年間においては百億円の融資実績がないと、何とかこのぐらいやはり現場の実態に応じてしっかりと枠を用意させていただきました。
 ただ、万が一非常に旺盛な資金需要がありこれを上回るようなことになりましても、このほか、公庫資金といたしましてはスーパーL資金というものもありまして、貸付け当初五年間を実質無利子化するものであります。こういった措置もありまして、これについては千二百億円の融資枠を設定しておりますので、農業者の無利子資金へのニーズにこたえることは十分可能ではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、しっかりと必要な予算額は確保していきたいと思いますし、今回、先ほどこれも説明ありましたが、原資供給方式から利子補給方式に変えたことで少ない予算額で大きな融資枠に対応できるということになったと思っております。
#11
○大久保潔重君 私の手元の資料では、農業改良資金、平成十年においては百六十七億円だったのが、平成二十年には急激に減りまして八億円ということでありまして、さらに、今年度は百億円を目指すということでありますから、急激な増大ということになろうかと思います。
 スーパーL資金についても御説明をいただきましたけれども、これも非常に急激な需要があって激変緩和策というのが取られたというふうに聞いております。中期的には、これ、スーパーL資金も本来の有利子に戻して貸付けをするのかなという感じを持っておりますけれども、そういう金利に応じた農業政策というのをどのような形で誘導していくのか、あるいは、その融資制度を政策誘導のためにどういうふうに構築されようとしているのか、ちょっとお聞かせ願えたらと思います。
#12
○副大臣(郡司彰君) 原因と結果というものが当然あるわけでございますから、どのような形を取るかということはこれからの農業振興にとって大変大事な課題であるというふうに思っております。
 いずれにしましても、ここのところの十年、十五年を見ましても、農業者が減少をする、地域が疲弊をする、伴って所得が減少をする、つまり農業に対する意欲というものが減退をしているということが融資全体を少なくしているということが大きな要因になっているということを先ほど申し述べたところでございます。
 したがいまして、私どもとしましては、直接的なその融資の枠を確保する、あるいは制度そのものを考えるということももちろん大事でございますけれども、全体として若い人たちがあるいは地域の方々が、農業そのものにあるいは六次産業化というものに取り組むという意欲をつくっていくということが大きくは大事なところだろうというふうに思っております。まさにそのために農政の転換を図っていこう、そして戸別所得補償等の政策をきちんと実行していこう、このような形の中で全体の減退というような意思を食い止めて、新しく農業に参入をする、新しく農業で生計を立てていこう、そのような機運を醸成をすることから始めたいなと、そのように思っているところでございます。
#13
○大久保潔重君 今回の農業改良資金の改正というのは農業だけについてであります。実は林業、水産業についてもそれぞれ別の法律に基づく無利子の、林業であれば林業・木材産業改善資金、水産業であれば沿岸漁業改善資金というものが用意をされておりますけれども、今後、農業だけではなく林業とか水産業の見直しというのは検討されておられるのか、お聞かせください。
#14
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、農、林、水産それぞれの分野におきまして法律に基づいて資金が用意されております。ただ、融資の方法ですね、その方法はそれぞれ違っておりまして、農業改良資金については、今までは、今までも説明いたしましたとおり、貸付原資そのものを特別会計から供給する仕組みでやっていたのに対しまして、林業・水産分野の資金については、貸付原資については一般会計から補助金を交付する仕組みになっておりまして、仕組みも異なっておりました。さらに、これ貸付実績についても、林業・水産分野の資金については比較的以前と変わらない資金需要もあります。
 また、やはり今回、できるだけ現場の声に的確にこたえられるようにということで公庫に窓口を変更して、いろんな公庫の支店を利用して融資体制を取っていくということですけれども、実は林業・水産分野におきましてはそういった専門職員駐在支店というのは非常に少なくてなかなかきめ細かな対応ができにくいと、そういった事情もありますので、今回の改正ではやはり見直しの必要性の高い農業改良資金のみを改正するということといたしました。
 ただ、今回、農業改良資金については一年間掛けまして都道府県と意見交換を行った中でこういった方向に変えてまいりましたので、林業・水産分野につきましても、都道府県の意向等も確認して、必要あれば見直し、改正をしていきたいと思っております。
#15
○大久保潔重君 農業改良資金については、やはり急いで見直しをする必要があると。林業、水産業に関しては、今のところ直ちに改正の必要性はないというような御判断かなというふうに思っております。
 確かに、農業改良資金というのは、先ほどの数値のように本当に著しく低迷をしておる、貸付けが。その一方で、例えば林業・木材産業改善資金というのは、平成十年には三十一億円、これが平成二十年には二十一億円、若干減っております。沿岸漁業改善資金も、平成十年四十一億円から平成二十年には二十二億円ということで、これもやはり減っております。農業改良資金に比べて著しい低下ではございませんが、いずれにしても減っておりますし、やはり今後は農業だけではなくて林業や水産業も、是非こういった資金の改善といいますか改革をしていただいて、林業家の皆さんあるいは水産業の皆さんにも円滑に資金が回るような仕組みを是非検討をしていただきたいというふうに思っております。
 今回、特に農業改良資金については、貸付主体が都道府県から日本政策金融公庫に移管をされるというのが大きな特徴かなというふうに思っております。都道府県から日本政策金融公庫に移管されることによるデメリットといいますか、また、そのデメリットがあった場合の対応策というのはどのように考えられているのか、お尋ねいたします。
#16
○大臣政務官(舟山康江君) 様々な理由によりまして、ここ最近、近年、貸付実績が低迷していたわけでありますけれども、今回の法改正によりまして、公庫に変更されるとともに、担保、保証人の義務付け規定は廃止されることになります。それによりまして、やはり農業融資のノウハウが豊富な日本政策金融公庫によって、形式的な担保、保証人にとらわれることなく経営実態に即した融資判断が行われるということ、それから、政策金融公庫の全国四十八の支店と七百を超える業務委託先等を窓口として融資するために、農業者にとっては従前よりも資金が借りやすくなると、そんなふうに思っています。
 また、今までは都道府県がそれこそ融資審査も技術面の助言、指導もセットで行ってきたわけですけれども、やはり専門性を生かして、融資審査は公庫が行い、技術面での助言、指導等は都道府県が普及指導員等を通じて行うという役割分担を行うことによって、農業者にとっては資金面と技術面両面で専門的な助言、指導をより一層活用しやすくなると思っておりまして、御指摘のようなデメリットはないと考えているんですけれども、一点懸念される問題としましては、手間が増えるんではないかと、そういった御指摘もあるかもしれませんけれども、実際に資金を借り受ける農業者は、従来も普及指導員の指導、助言を経て農業改良措置の認定を受けた上で、それから、かなり厳しい審査の中で担当課若しくは転貸融資機関の窓口に行って貸付けを受けていたというところでありますので、その中で例えば非常に厳しい担保、保証人を迫られるとか、その辺で実際にそういった農業改良措置を提出してもなかなか結び付かなかったんですが、そこを分けることによってきめ細かい対応ができると。さらに、そういった実際には改正後も、公庫の支店、転貸融資機関の窓口に行って貸付けを受けるということに対しては全く今までと変わりませんので、手間が増えるということもないと思っております。
 そういった意味では、デメリットなく、やはり円滑なきめ細かい要望にこたえた融資が対応可能ではないかと思っています。
#17
○大久保潔重君 貸付資格となる農業改良措置の認定行為は今後も都道府県が行うということでありまして、普及員が農業者の技術的な相談に乗るというのは今までどおりということでありますね。
 ただ、資金の貸付けのみを公庫に移管する上で非常に借入側、農業者側からすると借りやすい、使いやすいというふうな制度になるわけでありますけれども、借入側の担保、保証人の設定も廃止ということで聞いております。そういったところの心配というのが、何か事故があるんじゃないかというような、そういう心配もしておりますが、その辺のところは問題ないんでしょうか。
#18
○大臣政務官(舟山康江君) 今回の改正によりまして、法律上の担保、保証人の義務付け規定は廃止しております。やはり、都道府県が貸付主体ということで、かなり厳密な厳しい担保、保証人が求められていたと、これがかなり大きなネックで貸付けが進まなかったというところがあったと思いますけれども、法改正後におきましては、この担保、保証人の徴求等の貸付条件は、日本政策金融公庫の業務方法書により運用されることになっております。
 当然、この中で一定の担保、保証人の在り方はそこに記載されておりますけれども、やはり融資の専門機関ということもありまして、過度に担保や保証人に依存しない柔軟な対応が可能になると思っておりますし、実際にこの業務方法書は主務大臣の認可が必要だということになっておりまして、ここについては、やはり国としてもしっかりとチェックをしながら、適切な担保、保証人を立てる中で弾力的な運用をすると。例えば融資物件を担保に取ることができるとか、そういった形でやはり柔軟な運用が今まで以上に可能になるということで、とはいえ全く担保、保証人も取らずに貸すということは、一般企業でありますので、そこはそんなリスクを負っては業務はできませんので、やはりそこは必要に応じて必要な担保、保証人を取る中で対応していくと思います。
#19
○大久保潔重君 時間もありませんので、今度、農業信用保証保険法ですね、これは独立行政法人農林漁業信用基金のいわゆる融資保険業務が拡大するといったような内容になっております。新しい政権下で特に事業仕分第二弾というのも始まるわけでありますけれども、今後の独立行政法人の抜本的見直しという大きな基本方針と今度の法改正における独立行政法人の融資保険業務拡大というところの整合性といいますか、どのように取られているのかということもちょっと疑問でありますので、お答えいただきたいと思います。
#20
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のような流れもあるわけですけれども、あくまでも今回の改正というのは、融資保険の対象に従来からの農協系統金融機関に加えて銀行等を追加するものであるということであって、法律改正の目的というのはあくまでも農業者への融資が円滑に行われるようにするためのものでありまして、別に独法への業務拡大をねらったものではありません。
 一方で、今御指摘のとおり、本年三月十一日の第六回行政刷新会議においては、事業仕分第二弾として独法の事業仕分を実施することが決定されていると承知しておりますけれども、今回の法律改正と今後行われる独立行政法人の事業仕分とは相互に制約するような関係に立つものではないというふうに思っております。
 繰り返しになりますけれども、やはり今回、あくまでも農業者への融資が円滑に行われるように措置をしたものであるということを強調させていただきたいと思います。
#21
○大久保潔重君 やはり、国民生活に本当に必要であります食料の生産基盤を確立するということ、安定した食料を供給していくということでありまして、そのための方法としての今回の改正案だと思いますので、是非そこのところはまたしっかり応援をさせていただきたいというふうに思っております。
 最後になりますけれども、新しい政権下で二十二年度の予算の執行も今日から始まるわけであります。この法案の改正というのも特別会計から変更があったわけですね。一般会計から利子の補給をするという方式に変わったということであります。そういう意味では非常に予算の執行と密接な関係にあるということでありますし、またさらには、民主党の昨年の選挙のマニフェスト、食料自給率、特に穀物においては完全自給を目指す、それから農山漁村、これを六次産業化で活性化するという大きな方向性に合致する法改正案だと思います。そこの意味も含めて、最後に赤松大臣に本改正案に対する決意のほどをお願いしたいと思います。
#22
○国務大臣(赤松広隆君) 大久保委員御指摘のとおりでございまして、ちょうど今日から実は新年度に入るということで、先ほど戸別所得補償モデル事業のスタートの実はセレモニーをちょっとやってきたところですけれども、是非今回のこの法改正がこれからの農業者のためにしっかりと役に立つという方向で、私どもも決意も新たに、議会でこの法案が認められますれば、その実施に向けていろんなパンフレット等も作成配付いたしますし、説明会もしっかりやっていきたいということで、農業者や各金融機関への周知の徹底も図ってまいりたい、このように考えております。
 繰り返しになりますけれども、私どもは、今御質問の中でも答弁でいろいろ出ましたけれども、じゃ、なぜかつて四百六十億円を超えるようなピーク時には融資実績があったものがこの平成二十年で八億円まで減少しちゃったんだろうか、本当に資金需要というのはないんだろうかということを考えてみると、実は、今委員御指摘のとおりに、食料自給率を向上させよう、あるいは農村地域で六次産業化を図るために何かをやろうとすればお金が掛かるわけですから、そういう需要は基本的にはあると。また、こういう経済状況ですから、資材はどんどん高騰していくと、あるいは売る農産物は価格低迷で資金繰りも大変だと。
 需要はいっぱいあるわけですから、じゃ、なぜそれが伸びてこなかったのかといえば、やはり委員御指摘のとおりに、融資を受けたいと思っても手続が面倒だとか、あるいは担保、保証人を頼むぐらいだったらお金借りるのをよそうかとか、窓口もどんどん減ってきて、これをやるためにはまた煩雑な書類を書いて、またわざわざどこかへ出かけてというようなことがこの融資実績を大きく低くした原因ではないかということで、その辺の解消をねらって実は今回のこの三法の改正を皆さん方にお願いをしたということでございますので、是非これをお認めをいただければ今までの制度以上に、農業者のために、そしてまた、私どもがマニフェストで掲げた自給率向上やあるいは六次産業化ということのために大いに有効にこの資金を使っていただけるように、しっかりと農水省としてもその支援を、そしてまた法の改正の目的が果たせるように頑張っていきたいと思っておりますので、大久保委員を始め各委員の先生方のまた御指導と御支援を心からお願いを申し上げたい、このように思います。
#23
○大久保潔重君 終わります。
#24
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 本日は、農業改良資金助成法、それから農地法改正に伴いますその運用の徹底等につきまして大臣と質疑をさせていただきたい、こういう思いであります。
 まず、今も御議論あったわけですが、今回の農業改良資金助成法の改正は、これまでは特別会計の積立金を活用しまして、都道府県を通じて原資を無利子で供給すると。そして今回、その積立金を吸い上げて一般会計に繰り入れると。それに代わるものとして、予算で利子補給をやりますよということになって、同等の効果を生みますと先ほど来御説明をいただいておりますが、さらに、融資の業務につきましても、県行政からやはり融資業務に手慣れた公庫に移管しますということであります。何から何までもっとも、そういうことかというふうに納得できる部分もあるわけですが、法改正のねらいはそういうことでよろしいのかどうか、改めてお聞きします。
#25
○副大臣(郡司彰君) 今、今回の法改正の目的ということについて、どういうことなのかというような御指摘をいただいたのかというふうに思っております。
 今回は、今、山田委員が御指摘ございましたように、特別会計の方から一般会計の方に替わるというようなこともございます。この問題につきましては、確かに事業仕分等の問題もございましたけれども、その関係によりまして資金の有効活用を図っていこう、このようなことも当然含まれているところでございます。
 それと併せましてといいますか、本来の目的でございますけれども、農政の大転換ということを私どもはうたいながら今新たな政策を実行していこう、そのようにお願いをしているところでございます。そして、そのことによりまして、食料自給率の向上でありますとか、あるいは農山漁村の六次産業化というような、私どもがお約束をしました政策目的を実現をしていこう、そして、そのために無利子資金等の融資の円滑化を行い、地銀等からの融資の充実も図りながら、農業者が資金を借り入れる際の借りやすさを大幅に改善をしていこう、このような目的で今回の提案をさせていただいているところでございます。
#26
○山田俊男君 県行政ではどうも融通が利かない、そこで手慣れた公庫の仕事にするということなんだろうというふうにお聞きしたわけでありますが、今副大臣の方から事業仕分ということもあったんだと、こういうふうにおっしゃっております。どうも事業仕分で対処したと、対処した結果、こういうふうにせざるを得なかったと。そして、今自給率の話、さらには六次化法案の推進という観点で生かせるんだというふうにおっしゃいますけれど、本当のねらいはどうも事業仕分で整理されちゃったと。だから、積立金からもう引き上げられたので、あとはどうするかという話だったんじゃないかというふうについつい私なんか見ちゃうんですが、この点、どうなんですか。
#27
○副大臣(郡司彰君) 確かに事業仕分が行われ、その中で指摘をされたことということは、これは事実としてあるわけでございます。そのことによって、すべてを良しあしの判断とするのではなくて、私ども自身も、まさに税の無駄遣いというものを改めていこう、逆な形で言いますれば、先ほど申し上げておりますように、国の資金の有効活用を図っていこう、そのような目的からすれば、当然私どもとしても指摘をされた部分については前向きに考えていくということも含まれているところでございます。
 しかし、これまた先ほど申し述べたところでございますけれども、今回の法改正そのものがそのことだけによるのではなくて、私どもが行おうとする政策の遂行にまさにこの方式を行うことによって十分にこれまでと同等、あるいはそれ以上の活用をいただけるような用途を取り入れ、さらにまた、それと同じような効果を発揮する方法で行えるというふうに思っているところでございます。
#28
○山田俊男君 このことで、すなわち積立金の方式から予算方式にしたということで、一体どれだけの財源を合理化したことになるんですか、お聞きします。
#29
○副大臣(郡司彰君) これは委員もよく御存じのことだろうというふうに思いますけれども、成立をさせていただきました二十二年度予算におきまして、食料安定供給特別会計の農業経営基盤強化勘定の剰余金等でございますけれども、四百八十六億円を一般会計に繰入れをさせていただいたところでございます。
 この特別会計から一般会計への繰入れでございますけれども、国の厳しい財政事情をもちろん考慮をしながら、一方で、先ほど言いましたように、私どもからすれば資金の有効活用をするために行ったものでございます。しかし、この四百八十六億円そのものすべてがこの法律改正に伴うものというように判明できるかどうかということになりますると、そのようなことでもないのでありましょう。
 四百八十六億円の内訳でございますけれども、三百八十二億円は二十年度末の剰余金、そして百五億円は積立金というような形の内訳になっているところでございます。
#30
○山田俊男君 いや、えらい大きな財源が一般会計に入ってきたのかというふうに思うわけですが、それじゃ、今回、二十二年度で農業改良資金の融資枠、およそどのくらいをもくろんでおられて、かつ、そのための予算額はどれだけ措置されたんですか、お聞きします。
#31
○大臣政務官(舟山康江君) お答え申し上げます。
 二十二年度における融資枠というのは、資金需要の増大を見込みまして、百億円ということを見込んでおります。そのための必要な予算は八千万円と計上しております。
#32
○山田俊男君 そうすると、もう八千万円で対処できるということになると、これ、四百八十六億円というのは物すごい大きいですね。これで一体本当にちゃんと百億の措置がとれるんですか。逆に言いますと、従来は四百八十六億円でやっていた、しかし今度は八千万円で同等のことができると。どう考えてみても、ちょっと何かそこに裏があるように思うんです。
 というのは、逆に言いますと、実は八千万円で百億円の措置をやったんだけれど、実はほかのところへしわ寄せがいっぱい行っているんだということにならないんですか、それをお聞きします。
#33
○大臣政務官(舟山康江君) 今、郡司副大臣から剰余金等四百八十六億円を一般会計に繰り入れたと申し上げましたけれども、これは、一つは剰余金、これ剰余金三百八十二億円なんですが、改良資金の優位性が低下して貸付けが低調となる中で、非常にもう貸付金の償還も、原資供給方式ですから、戻ってきてまたそれを貸付けに使うということなんですけれども、結局、戻ってはくるけれども、貸出しが低迷しているということで、いっぱいたまっていたという状況なんですね。そういう状況であって、そこをやはり有効活用するべきではないかということで、そこはお返しするということです。(発言する者あり)
 いや、国の財政が今厳しいというのはもう皆さん御承知のとおりだと思いますけれども、そういう中で国の資金を有効活用するという意味で、一般会計のいわゆるたまり金と言われていたようなものを吐き出して一般会計に繰り入れると、それで必要な事業をやっていくということでこういった方法を取っております。
 今、山田委員から、四百八十六億円が一気に八千万円に減ったかのような、そんな指摘でしたけれども、昨年の予算が三億円です。三億円という予算の中で八億円の融資を行ったということなんですけれども、やはりここは少ない予算で大きな効果というところで原資供給方式から利子補給方式へと変えたということで、その効果は全く変わらないと思っております。そういう中で、さらに、先ほど言いましたように、積立金の一部も当面必要のない、特会の中で必要のないものと思われるものをお返ししたということで、これは国全体として見ればやはり限られたお金の有効活用につながっていくんだと、そういうふうに思っています。
#34
○山田俊男君 いずれにしろ、積立金に相当の財源があった、そしてそれを一般会計に入れましたと。結果として農林水産予算にちゃんとたまっているんならいいんだけれど、どうも農林水産予算は前年度の当初予算に比べて一千億円減っているわけであります。じゃ、(発言する者あり)そうです。今、それはどこへ行ったんですか。
#35
○国務大臣(赤松広隆君) これは、新たな政権交代の中で新しい内閣ができた。これは農林水産省だけに限りませんけれども、基本的にすべての省庁の財源の見直しの中で、今まで基金方式ということで、それぞれが必要な目的に合わせて基金を積んで、その基金の中から原資もあるいは利子相当分も融資をしたり、あるいは交付金を行ったりというようなことでやってまいりましたけれども、国の予算全体、財政全体が非常に厳しいという中で、であれば、民間の資金も有効に使いながら、ただ民間の皆さん方にいろいろなリスクまで負わせるというわけにはいきませんので、その分とそれから利子分、その部分を国がきちっと責任を持って見ていくという仕組みにしていけばもっともっと、旧来、一〇〇でやらなければいけなかったものが三〇であったり一〇であったり、それでもって民間資金を有効に活用しながらより良い、今までどおりか、あるいは今まで以上の資金需要にもこたえることができるという仕組みの中で、今回の農林水産省所管のこの制度についてもそういう方式に見直したということでございます。
 四百何十億円がみたいなお話も山田委員御指摘がありましたけれども、先ほど来お答えしていますように二十年度の融資実績は八億円ですから、八億円ですから、だから、そのままお貸ししたって八億円ですけれども、今度はその利子補給の分しか見ませんから、当然のこととして、先ほど舟山政務官答えましたけれども、一応八千万円ぐらいあれば百億の融資であってもそれを見ることができるということでございます。
 私どもは、むしろこの法律の資金の運用の問題よりも、先ほど来それぞれ副大臣、政務官申しておりますが、いかに農業者のために借りやすい、そして使いやすい便利なそういう制度に変えたいというのが元々の、まず第一の大原則ですから、その上で、じゃ、あとは資金のやりくりはどうしていったらいいのか、いかに限られた財源を有効に使っていくのかということで、内閣全体の方針もそういうことであるので、それに沿った形の仕組みに、制度に変えていこうということですので、是非委員も御理解と御了承をいただきたいと思っております。
#36
○山田俊男君 八千万円で百億円の融資枠を確保して、そして農業者の希望に沿った借りやすい有り難みのある仕組みにしたんだと、こうおっしゃると、これは物すごい安上がりでいい方法で、何で前政権はやってこなかったんですかね。(発言する者あり)いやいや、あのね、私は必ず、必ずどこかに裏があるんですよ。坂野さんね、公庫に今度は業務の仕組みをみんな移管したことになります。逆に公庫に物すごいしわ寄せが来るんじゃないんですか。その点はどうですか。
#37
○参考人(坂野雅敏君) 従来から農業関係の資金をいろいろと扱っておりますので、その一環として改良資金も扱うというふうに我々は考えております。
#38
○山田俊男君 今回、大臣、法律の中にお入れになりました、無担保無保証にする、要は法律で担保、保証人を義務化してあった部分を削りますと。これは、大臣がこの前のこの法案の趣旨説明におきましても、とうとうと自慢されておっしゃっていたことであったわけでありますけれども、これは公庫にお聞きしますけれども、法律から義務規定がなくなったわけであります。実際はその分、公庫がこれは業務方法書で担保を取ります、保証人も取ります、それを判断しますということになるんですが、そこに大変なコストが掛かる、そこへ金が掛かるということになっているんじゃないんですか。その点どうですか。
#39
○参考人(坂野雅敏君) 我々は金融機関でありますから、通常、融資する場合はいずれの資金についても当然ながら信用コストというのを見ますから、その中で仕事をしていくということであります。
#40
○山田俊男君 ほら、大臣、そうなんだよ。だから、大臣、心配なのは金融機関ですよと、当然のこと、コスト取りますよと、その中で判断しますよというわけだ。
 とすると、大臣、県行政で無駄があったかもしらぬよ。それから、進め方でえらい手間が掛かったり無理があったかもしらぬ、借りにくかったかもしらぬ。しかし、無担保無保証で、そして農業者にとっては大変なメリット、おっしゃいますように、八億円にしかなっていなかったという理由は、スーパーLの資金が大々的に同時に無利息でどっと出ましたから、そっちの方へ行っていた。さらにまた、農業の生産の取組がどうしてもこの実態の中で落ち込んでいた中で、借入需要がこれも落ち込んでいたということが背景にあるかもしらぬのですけれど。しかし、それにしても、今公庫に移管することによって、そして公庫は金融機関としてやることはやりますよと。何のことはない。結局、そこの負担をそうするとだれに掛けますか。生産者や農業者の方へどんと行っちゃうことになるんじゃないですか。
#41
○国務大臣(赤松広隆君) 山田委員にお答えしたいと思いますが、農家の味方である山田委員がまさか無担保無保証をけしからぬと、今までどおりしっかりやれという御意見では私はないと思っております。
 私は、やっぱり農業者のために借りやすい制度にしていく、そしてまた農業者にとってプラスになるということについては、これは与野党、私は区分ないと思っておりまして、そういう意味で私どもは、政策金融公庫にそれをお願いをするというのは、いわゆる専門金融機関としていろいろなノウハウもしっかりお持ちだと、そして法律で縛るような形での無担保無保証、その制度はなくすけれども、あとはそれぞれの個々の審査の中で必要だと思われれば、それは日本政策金融公庫が御判断をされ融資希望者に対するいろいろな条件をお付けになるでしょうし、いやいや、これは成長する見込みが十分あると、担保も、そんな保証人も要らないというような判断をされれば、そういう中でまたそれに沿った手続をされると。別に、県やそういうところが一切ノウハウないんだと、何も知識がないんだなんということは一切思っておりませんが、思っておりませんが、より日本政策金融公庫の方が、そういう審査をする、判断をするにはよりふさわしいと。
 しかも、先ほど舟山政務官も言いましたが、全国各地にそれぞれの支店もある、あるいはその取次窓口機関もあるということで、より農業者のために使いやすい形になっているんじゃないかということでそういう判断をしたということでございます。
#42
○山田俊男君 大臣、私は、無担保無保証の仕組みで、そして大臣おっしゃいます農業者のために借りやすい資金として、そして生産を高めていけると、こういうものにしていきたいという話については私は大賛成なんです。大賛成なんです。
 ところが、私が言うのは、公庫に移管しましたね、そして、大臣、担保と保証人の義務付けを廃止しましたね、そうしたら、だから大臣がおっしゃるように借りやすい仕組みになったよと、こうおっしゃいますね。ところが、公庫に聞くと、金融機関として必要なリスクは取っていくと、こうおっしゃるから、こうおっしゃるから、そうすると、結果的にはその負担なりその借りにくさ、そういう部分がみんな公庫の判断の中になっていって、結果的に、大臣、おっしゃっていることを本当に貫徹できるんですかということを申し上げているんです。
#43
○大臣政務官(舟山康江君) 当然、当然、公庫というのは会社ですから、やはりその会社の運用の中で、必要な担保、保証人はその業務方法書の中で取ると考えております。
 ただ、一方で、今まで都道府県という、いわゆる金融機関でもない、融資の専門機関でもないところが融資窓口となってその判断をして、リスクを背負って貸すということになると、やはり必要以上に過度な担保、保証人を取ってきたという、これ事実があります。
 例えば一例を申し上げますと、例えば県であれば、一千万円超の貸出し、貸付けを行うときには保証人を二人置くということになっております。一方で公庫であれば、一億円超でも一人でいいということで、かなり弾力的な運用をしております。また、その中身においては、やはり保証人の数は非常に大きいですよ。そういった担保、保証人の置き方も、非常に法律で機械的に決めて、かなりがちがちに運用をするのと、やはり柔軟に対応するのとでは全く違うと思います。
 そういう中では、やはり現状に即した柔軟な対応ができる、まさにそれは専門金融機関たる公庫の方がよりふさわしいということで、そこの山田委員の御懸念というのは当たらないと思っています。
#44
○山田俊男君 私は、金融のノウハウを持っている公庫が仕事をするということについて一概に反対しているわけでもありません。それは的確にやってくれればいい。だけど、大臣、これだけははっきりさせなきゃいかぬのは、担保、保証人の義務付けは廃止しました、そして、公庫に持っていったら、公庫は当然そうした担保、保証人の義務付けを廃止した精神にのっとってちゃんとこの業務をやらなきゃいかぬと思うんですよ。
 ところが、ちゃんと株式会社ですからリスク取ってやっちゃいますよという話をしていたんでは、大臣がこの仕組みをおつくりになって、そして生かそうとする精神をうまく通せないんじゃないかという心配があるから申し上げているので、坂野さん、もう一回しっかりと答えてもらわなきゃいかぬ。私のところは金融機関ですから、あとはそのままやらせてもらいますよということじゃ駄目なんだよ。そこは本当のこの精神にのっとって、逆に言うと、大臣の精神にのっとってどんなふうに仕事をできますということをちゃんと言わなきゃいかぬ。
#45
○参考人(坂野雅敏君) 今、担保、保証の徴求の話がありますので、少し正確に申し上げたいと思います。
 公庫の業務規程の中で、資金の種類とか対象事業だとか金額の大小それから借入申込者の信用状況等を勘案しまして、保証人又は担保の徴求を弾力的に行うというふうに規定をしております。具体的にどういうふうなことをするかといいますと、今の現行の改良資金は機械の借入れがかなり多いものですから、それを事例的に申し上げると、機械などを融資対象になる場合は当該物件に担保徴求をするというのが通例であります。
 いろいろと議論出ていますから、更に具体的に申し上げさせていただきたいと思うんですけれども、一般の民間金融機関との比較といいますか、それについてお話をしますと、機械だとかそういうものを融資する場合どうするかというのは、例として挙げますと、通常は土地とか建物の不動産に根抵当を設定しましてその評価の範囲内で対応するとか、それから農機具メーカーさんのローンでは所有権を保有したまま農業者にその機械を使用させる、あるいは通常の金利にリスク分を上乗せして対応すると、そういうふうに行っているものが多いと聞いております。これに対して公庫では、担保充足率の低い場合でも借入申込者の信用状況を勘案しまして機械類に対してだけ担保設定するというような柔軟な対応をしているところでございます。
#46
○山田俊男君 要は、しっかりノウハウを持っているんならノウハウを持っているなり、かつ、そうはいったって株式会社でありますよ、民間会社でありますよという論理の貫徹だけでは私は駄目だというふうに思いますので、そこは八千万円で移管したから、あとはいいんだみたいな話になりませんので、大臣、しっかり公庫を指導していかなきゃいかぬというふうに思います。
#47
○国務大臣(赤松広隆君) 山田委員の御心配の向きは分かりますし、私どもとしては、その点は多分考え方は一緒だと思いますが、実際に農業に従事する生産者たちがいかに融資を受けやすいか、そういう仕組みは何なのか、どうやって変えていったらいいのか、そういうところは一致していると思います。
 そういう意味で、いろいろ御心配の向きもあるかもしれませんけれども、業務方法書については主務大臣の認可が必要ということもきちっとお約束をしていますし、それからまた、今公庫の方からもいろいろ御答弁ありましたように、私どもの意図、そして法改正の趣旨、思い、そういうのもしっかり受け止めて、その趣旨に沿って農業者のための融資を実現していってくれるというふうに信じておりますので、是非そんな形で温かく見守りをいただきたい。もし八千万円で、どんどんとこれで百億円融資実績が実際にはもっと、そんないい制度だったら借りたいといってもし増えるようなことがあれば、それはそれでそのときにはきちっと対応させていただくということもお約束をしていきたいと思っています。
#48
○山田俊男君 これまでの県行政が対応する形での農業改良資金につきましては、これは県の直貸が件数で一〇%、全体のね、かつJA等による転貸が件数で九〇%、こういう割合だったんです。さて、今度はそのことを公庫に業務委託するわけですね。
 さて、公庫は、これまでにスーパーLの資金について、公庫の業務としてこれ従来とも進めてきていたわけです。そのスーパーLについて見てみますと、これは、公庫の直貸が件数で四〇%、それから銀行の転貸が五%、JA信連の転貸が五五%という状況であります。要は、公庫の直貸がずっと割合が増えているわけですね。
 要は、心配なのは、これから農業改良資金についても、公庫の仕事にしていく中で、場合によったらスーパーLと同様の傾向が出てくるんじゃないかと。今回の法改正のねらいは、どちらかというと、先ほどもちょっと大臣もお話がありましたけれども、直接農業者に結び付く、そして、さらにそのための方法として金融機関たる公庫が直貸する、ないしはさらには銀行を通じた取組をより拡大すると、こういうねらいを持ったものというふうに見ていいんですか。
#49
○大臣政務官(舟山康江君) 繰り返しますけれども、今回の法改正は、農業者が資金を借り入れる際の借りやすさを大幅に改善したいと、それが一番のねらいであります。
 一方で、御指摘のとおり、農協転貸という形でも随分多かったわけですけれども、今までの農業改良資金では農協転貸が二十年度実績で件数、金額とも九割だということ、制度を本格導入した平成十五年以降の貸付実績、トータルで見ますと七割というかなり高い比率になっております。
 一方で、今スーパーLの事例を出されましたけれども、公庫の農業経営体向け融資全体について見ますと、農協系統金融機関を窓口とした委託あるいは転貸というのは、直近の融資残高でやはり九割、件数で九割、金額で六割ということで、いずれにしても農協が窓口になっていただいているケースが大宗であると。そういった意味では非常に大きな役割を果たしていただいております。
 いずれにいたしましても、今回法改正をして直接の貸出窓口が変わるわけでありますけれども、公庫の支店数が限られる中で、やはり現場においては密接にその農業現場を熟知している農協の役割というのは上がることはあれ下がることはないと思っておりますので、適切に公庫と農協系統の密接な連携を図っていただく中でこの対応に当たっていただきたいと思っております。
#50
○山田俊男君 いずれにしても、地域の金融機関であると同時に営農指導機関であり経済事業機関でありますJAがそれなりの役割を地域の中で果たさざるを得ないというのは、これは事実でありますから、そういう観点で引き続き連携を深めていく、当然の措置だろう、こんなふうに思います。
 ところで、公庫は、スーパーL資金等の借入促進ということも含めて、こういう話も聞くんですね。例えば、農業改良普及センターと常時連携すると、さらには、県庁のOBを公庫の嘱託職員にして巡回すると。これも悪いことでないといえば悪いことでないんです。さらに、市役所等を借りた相談日を設定すると。これも、借りやすい対応をするということで悪いことでない。
 ところが、要は、そういう形で地域の公庫は、自分の業務としてスーパーLが来ている、そして今度は農業改良資金も来ますという中で、地域の大規模農家、法人農家を選びまして、ピックアップして、そして従来公庫が抱えていたスーパーLの借入者の様々な経営資料がありますね、経営実態ありますね、そういうことを踏まえながら推進に歩いていると。これも、考えてみれば、おい、悪いことじゃないぞということであるかもしれません。
 ところが、そのことが、地域でまとまって例えば農業生産を行います、集落営農組合も通じてそして農地の利用集積を進めますと言っているときに、大規模法人や大規模農家のところへ行って、大型コンバインの導入いかがですか、土地の利用集積について手当てはどうですかみたいなことを推進していた日には、地域の一体となった農業生産の展開ということに、場合によったらその邪魔になったり摩擦になったりしていないかという心配を常に考えていかなきゃいかぬのですよ。
 だから、そういう意味合いでの地域の農業機関、それは普及所も含めて、JAも、その連携が私は徹底して必要だというふうに考えるんですが、この農業改良資金も公庫にこういう形で業務委託しましたよという中で、そのことが全体的に出てくるんではないかという心配の声が聞こえるんです。だから、その点について、まず坂野さん、どんな仕事ぶりになっているのか、お聞きしたいというふうに思います。
#51
○参考人(坂野雅敏君) 融資の今の実情でありますけれども、二十年度末の当公庫の農業経営体向けの融資残高を見ますと、系統の金融機関による委託貸付けが件数で九割を超えていると。また一方、現行の改良資金の実際のどういう形で借りているかというと、農協が窓口で借りているのが大半、ほとんどであるということを考えますと、我々は、農協もパートナーでございますので、パートナーとして今後ともよく連携を取って進めていきたいというふうに思っております。
#52
○山田俊男君 一つはですね、先ほど言いましたように、担保、保証人を廃止したという経緯を具体的に、業務を移管された公庫の中でどんなふうにこれ柔軟に、かつ実施できるか、そのことを念頭に置いてもらわなきゃいかぬということ。
 二つ目は、こうした地域のまとまり、地域全体としての農業生産力の向上それから発展。もちろん、その中から担い手農家が育ってくるということの可能性を秘めているわけですから、その取組。そうしたことを、地域の連携を常に念頭に置いた仕事をやるということだったというふうに思いますけれど、もう一回聞きますけれど、そのことでいいですね。
#53
○参考人(坂野雅敏君) 実際の農協との連携を申しますと、融資のときにいろいろと、農協を窓口という話はさっき言いまして、さらに、いろいろな例えば農家との相談がございます。そのときに、我々の支店は今四十八になっていますけれども、それではやっぱり各県がいろいろの場所で相談するには不十分な場合には、県によっても違いますけれども、大きいのは県が県の出先機関を現地相談窓口とする場合もありますし、地域によっては農協さんの、農協が地域の相談の窓口として公庫職員とともに農協の職員が相談を受けるという、それはケースに応じてそれぞれの対応をしておりますので、今後とも、先ほど申しましたように、農協とよく連携をしながら仕事を進めていきたいというふうに思っております。
#54
○山田俊男君 続きまして、もう一つちょっと議論したいことがあるんですが、民主党政権になって、大臣、戸別所得補償の仕組みも思い切っておやりになった。内容の良しあしにはいろいろ議論はありますけれど、その政治主導たるや見事だということだけは思っておりますけれど。
 さて、新しい基本計画をお定めになったわけです。その中で、私は資料も出させてもらっておりまして、基本計画のこの担い手の記述に関連する部分をそのまま出させてもらっておるわけでありますけれど、この中で、意欲ある多様な農業者による農業経営の推進ということが書いてある。「兼業農家や小規模経営を含む意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整備するとともに、」と書いてある。この理念たるや、これはもうすばらしいと、この一言に尽きるわけです。
 ところで、ここに書いてあることと、基本計画でまとめた担い手についての論理と、それともう一つは、これめくっていただきまして、三ページに農業改良資金の貸付対象者の記述があります。
 認定農業者、まあいいでしょう。それから認定就農者、これもまあいいでしょう。そしてさらに、次の要件をすべて満たす主業農業経営の経営者というふうに書いてあって、農業所得が総所得の過半、又は農業粗収入益が二百万円以上、それから主として農業経営に従事すると認められる者がいること、それから個人の農業者で六十歳以上のときはその後継者が農業に従事していること云々ですね、簿記記帳を行っていること、これは当然でしょう。
 それから行きまして、集落営農組織、五番目。定款、規約を有すること、まあいいですね。一元的に経理を行っていること、これ、内容についていろいろ議論のあるのは御存じだというふうに思います。原則五年以内に法人化する計画を有すること、これ、ちょっと待ってくださいよ。原則五年以内に法人化する計画を持って進めることに問題があると言ったのはどこの政党ですかね、そうでしょう。そして、農用地の利用集積の目標を定めていること、これはまあいいかもしらぬ。それから次に、主たる従事者が市町村基本構想の目標農業所得額と同等以上の農業所得の目標額を定めていること、これは市町村によって違いますからそれは一概に言えませんけれども、しかし相当なレベルであることは間違いないんです。
 大臣、基本計画で、先ほど言いました、これをもう一回見てください。「兼業農家や小規模経営を含む意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整備するとともに、」云々となっている。このことと農業改良資金のこの貸付対象者の規定違うじゃないですか。どうするんですか、これ、当然変えるんでしょうね。
#55
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、基本計画の中では、兼業農家も含めて意欲あるすべての農業者が農業をできる環境を整えると、いろんな人を応援していくという方向を定めております。そして、そのためには、例えば戸別所得補償制度もあります。いろんな支援の仕組みもあります。
 その中で、資金調達の円滑化というところでは、いろんな資金を用意しておりますけれども、この今回御議論いただいております農業改良資金については、その資金の一つです。そのいろんな様々ある資金の一つである農業改良資金については、今御指摘のような貸付条件を付しまして、そこにターゲットを絞ってそこを支援するということでありまして、様々な資金をもっていろんな人たちを応援すると、その方向はそういったことでありまして、これをもってそこのそごがあるということではないと思っています。
#56
○山田俊男君 政務官、それはいろんな資金があるといったって、いろんな資金、じゃどの資金とどの資金ですか、そうでしょう。スーパーL、代表的な資金であるスーパーLは認定農業者だけが対象ですよ。
 さらに、それじゃ農業近代化資金の貸付条件はどうですか。これ四ページ目見てごらんなさい、四ページ目。
 これは、千葉県の北総地域、大変なこれはちゃんとした首都圏の大農業地帯というふうに見ていいというふうに思います。ここの地域におきましても、どうですか、こんなに厳しく各機械ごとに、これは機械だけ持ち出しましたけれども、書いてあって、それから利用規模の下限もこんなふうにあるんです。それから、近代化資金の貸付対象者の規定は、この農業改良資金の貸付対象者の規定と何ら変わりません。かつ、その上に機械についてもこんな細かい、かつ規模の大きい要件が定まっているんですよ。
 大臣、借りやすくする、農業者にとって期待にこたえる、期待にこたえたことになってないじゃないですか。かつ、基本計画であれほど大胆に打ち出されて、前政権のやってきたことは効率的かつ安定的な農業経営、村の中に差別を入れてきた、納得できないと。我々はそうじゃなくて、すべての意欲ある農業者、すべてを対象にしてやっていくんですよ、これが伸びていく中で日本の農業は発展するんだ、自給率向上するんだとおっしゃっていたじゃないですか。資金の対象農家と計画の理念が違うじゃないですか。これは直ちに直すべきじゃないですか。
#57
○国務大臣(赤松広隆君) 例を出してお話しした方が分かりやすいと思うので出させていただきますが、例えば去年の秋、年末近いころに台風何号、九号だっけ、何かありまして、例えば豊橋地域の農業者たちが大変な被害を被ったということで、私どもは、ビニールハウスが飛んじゃったとか、植えているあれが全部駄目になっちゃったとか、そういうことがあったもんですから、そのときに、財務省も絡めて、そして愛知県とも相談をし、結果的には、今、山田委員御指摘のように、一定規模以上のところについてはスーパーLの資金が使えると。じゃ、そこはそれでやりましょうと。
 ただ、その規模以下の人たちはそういう手だてがないじゃないかというふうに今言われていますけれども、それはまた全額利子補給、実質上そういう形での、それ以下の規模の農業者に対する県の制度を使って、そしてすべての農業者、被害に遭った農業者に対する対応をできたということで、今、この千葉の例もございますけれども、各県ごとにそれぞれいろんな融資制度ございますので、まさにこういう地方の時代とも言われる中で、すべて国がやるということではなくて、各地方自治体とも相談をしながら、規模が大きいところあるいは一定規模以下のところ、そういうところに対してもあらゆるいろいろな形での制度を使っていろいろな場合に対応ができるように、そんなことも今までやってまいりましたし、これからも更にそれを充実してやっていきたい、足らざる点があればそれは補っていけばいいんですから。そういうことも含めて私どもの決意を述べさせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
#58
○山田俊男君 対象要件を変えるんですか。対象要件は今後変えますか、それとも変えませんか。そのことをはっきりさせてください。そうじゃないと、一体、基本計画と矛盾しますよ。
 そして、当然のことを全国の農業者に、いや、何のことはない、意欲あるすべての農業者、これを対象にした政策展開していくというふうに大臣おっしゃっているのに、基本計画でもおっしゃっているのに、いや、実は融資のところだけは違っているんだと。今までと全く同じ基準で、納得のできない、効率的、安定的な農業経営、大規模経営をつくるための措置だけになっているんだというふうなことで済むんですか。私は別に心配しなくていいんだけど、心配しているんですよ。本当にそれで民主党政権は大丈夫ですかと心配しているわけです。
#59
○国務大臣(赤松広隆君) 御心配ありがとうございます。
 私どもは、この農業改良資金にかかわる今度の三法の改正については、前政権時代からやってきたこの制度が果たして、先ほども何回も言いますように、八億円の融資実績しかないと。制度としては基本的にはいいんだけれども、必要なんだけれども、それが有効に生かされていないと。だから、そこの部分をもう少し借りやすい、そして使いやすい制度に変えていこうというのが今回の改正の趣旨でございます。
 そして、一定規模以上のそういう人たちを対象にする制度がこれであるとすれば、その規模に至らない、そういう人たちについては今申し上げたようなそれぞれの地域で、都道府県で対応している場合もございますし、なおかつそれでももし足らないということであれば、そういうものについてももちろん検討していけばいいわけですから、今回のこれはあくまでも新法でやったんじゃなくて改正案ですから、今までの中身もっと使いやすい、多くの農業者たちが安心して、もう頭何度も下げて保証人を頼みに行くとかですね、そういうことをしなくていいような、そういう仕組みに変えていこうと、そしてもっと実績を上げていこうというのがこの法の改正の趣旨ですから、これと、今後十年を見越して、日本の農業はこうあるべきだ、こういう仕組みをつくっていきたい、小規模であっても意欲さえあれば農業に参加していけると、しかも、単に食料供給ということばかりじゃなくて多面的な機能も、現在の状況でさえ水、緑、環境みたいなところをしっかり担っていただいている、そういう人をしっかりと応援していきたいという基本計画と一部改正のこの法案と全部合致していないじゃないかみたいな論理はちょっと通じないんじゃないかと思います。
#60
○山田俊男君 大臣、戸別所得補償につきまして、すべての販売農家を対象に対策を講じられるということに相なりました。それは一つの方策だろうというふうに、私はそこまでは理解します。
 ところが、それをやっておいて、それが私たちの論理ですよと、それが私たちの政策ですよと何度も大臣おっしゃっているわけでしょう。そして、それを全面的に打ち出して政策推進やられているわけです。一方、こっちの方は、いや、実は従来どおりですと。その規定を見てみると、極めて限定された対象農家にしかやっていませんと。前の論理と同じですよ、前の。効率的かつ安定的な農業経営を目指す、その農業者に対して対策を打ちますという資金だけなんじゃないですか。
 だから、これ一体、私、しっかりどっちを向いておられるんだということをこの際はっきりさせなきゃいかぬし、この法律、拙速じゃないですか。もう基本計画のその理念にのっとって内容をきちっと見直して、対象農家についても整理し直して出すべきじゃないですか。
#61
○副大臣(郡司彰君) 山田委員も本当はよく御存じのことだろうというふうに思いますが、先ほど基本計画のところをお読みをいただきました。もちろん、そのような記述がございますけれども、その下段の方には同じように競争力のある経営体が育成確保されるようにするというようなことがございまして、このことは、経営の規模拡大や効率化、あるいは集落営農の組織化といった政策方向を否定をするものではなく、むしろ推進をするものであると。現状のところの皆さん方にも頑張っていただきながら、しかし政策方向として、もちろん規模拡大でありますとかあるいは効率化というものを今後とも私どもは推進をしていくということについては、これはもう当たり前の考え方なんであります。
 そして、特に近代化資金のことについて言及がございましたけれども、これ、借入要件等は現在のところは各都道府県が定めるような形になっているわけでありまして、そこのところは今後とも、私どもの考え方に沿ったような調査等を行いながら、点検を行いながら、私どもとしてこれからの考えているような方向に合致をするように指導をしていくと、このようなことについて行っていくつもりでございます。
#62
○山田俊男君 どうもよく分かりません。
 それじゃ、副大臣、基本計画は二つの原理で進んでいますと、実はこっち行く原理とこっち行く原理と二つ載せておりますというのが基本計画なんですか、お聞きします。
#63
○副大臣(郡司彰君) 先ほどの改良資金の方も、大変な落ち込みをしているというようなことがまず現実なんです。そして、これまでの農村の疲弊を、あるいはまた農業そのものの行っている方々の所得の問題も含めて、現状そのような形で推移をしてきている。ここから始めなければいけないということからすれば、今現在の現状のところで頑張っていただいている方をまず元気になっていただこう、モチベーションを上げていただくようなことをやっぱりやっていかなければいけない。
 しかし、方向として、いつまでもそのような形でいることだけがいいと言っているんではありませんよ、今私どものこの政策を行うことによって、そして先ほど言ったような形の規模拡大や効率化を否定をするものではないというふうに書いてあるけれども、もちろんそのような方向も含めて、それぞれの経営体がどうすれば将来に希望を持てるような、そして今現在も、来年の作付けをきちんとやっていこう、このような形にするかということを当然ながら考えながらやっていかなければいけない。
 委員がおっしゃったように、今現状こうなっているというところまでなってきてしまった、そこのところを踏まえて、私どもは全体のことを考えた中の政策をこれから行っていくということがこの基本計画に書いているというところでございます。
#64
○山田俊男君 大臣も副大臣、政務官からも手挙がっていまして、どうも整理付いていないんだと思うんです。どうぞ委員長、この扱いについて至急整理してくださいよ、まだ私の時間はありますから。だから、整理して答えてください。そうじゃないと、これは私は納得できません。
#65
○大臣政務官(舟山康江君) 先ほども申し上げましたけれども、基本計画におきましても、今後の担い手というんでしょうか、農業の担い手について、それこそ認定農業者を否定するものでもありません。主業農家を否定するものでもありません。
 ただ、我々の今回の基本計画の中では、幅広い農業者、意欲ある皆さんを支えていくという方向を打ち出しています。そのための支援策というのは様々ありますけれども、事この金融に関する支援策としては、一つは例えばスーパーL資金、これは認定農業者向けの資金です。今回議題としていただいております改良資金については、認定農業者を含めて主業農家を対象としております。さらに、そのほかの例えば兼業農家も含めて、私はもっと頑張りたいんだと、今の規模を少しでも拡大して継続したいと、そういった人に対しては、例えば民間資金の活用などについての支援をするとか、これ、今回二十二年度予算におきましても農業経営資金繰り円滑化特別保証事業というものを用意しておりまして、例えば運転資金の事故時の信用基金協会が負担するリスクを国の補助金で補てんすると。
 なかなか、やはり農業者は担保がない、保証人がいないということで借りにくいと、そういった人に対してもこたえられるような様々なアイテムを用意して、一本ではなくいろんな用途というんでしょうか、ニーズに応じて様々用意させていただいている中でしっかりとそういった意欲ある、兼業農家も含めた農業者の経営を支援していくと、そういう仕組みでありまして、繰り返しになりますけれども、この今回の改良資金がすべてであるということではないということを是非御理解いただきたいと思います。
#66
○山田俊男君 ともかく、今政務官の説明を聞いていても、それはもうこっち行ったりあっち行ったりになるわけです。
 先ほど大臣の話の中にあったけど、大臣は、それぞれ地域で対応していると、それで足りないんなら検討していくというふうにおっしゃった。資金については多様な資金があるとおっしゃった。資金に多様な資金があると。制度資金としたら、基本的には三つですよ。その三つの中で仕事がなされているのは間違いないんです。
 だから、委員長、これはもう、一体この要件をどうするのか。貸付対象者の要件は一切変えませんと、このままで行きますというのなら、このままで行くというんだったら、それこそ基本計画ともとっております、実は、内容はもとっておりますと。これは競争力のある農業者をつくるために、金の面については、もうそこだけしか対象にしませんよということを明らかにしてくださいよ。そういう整理してください。考え方を出してください。
#67
○国務大臣(赤松広隆君) 先ほどから副大臣、政務官もお答えをしていますように、いろいろなメニューを取りそろえて、それぞれの規模に応じて、条件に応じて、資格に応じてそれぞれが融資を受けるという形をやっています。
 私が、将来的に資金が足りなくなったらそのときはまた対応しますよと言ったのは、当面、私どもは今度のこの制度の中で、二十二年度見越しておるのは約八億円の融資実績を百億円ぐらいに増やしたいと。ところが、それがもう大変人気が出て、どんどん百億が二百億も三百億ももし必要だと、幸いにしてそういうことになれば、それはそのときにきちっと政治の責任として対応しますよと。
 しかし、まだ十年ぐらい前だって百何億ですから、ずうっと長期低落でどんどんどんどん融資実績というのは下がってきているんですね。だから、このままの状況にしていたら、もう本当にこの八億円が二億か三億になっちゃうかもしれないと。それじゃ制度はあっても中身が全くないと、使われていない、実績がないということになっちゃいけないというので今回のこの関連三法の改正をお願いをしているということであります。
 基本計画の中で、小規模であっても意欲のある多様な農業者のためにしっかりと私どもはやっていくんだということと矛盾するんじゃないかと言われますけれども、もう、これはまあ山田さんとも何回も論議しましたけれども、じゃ、小規模で本当に日本の今の農業の現状を支えている六〇%近い人たちを小規模だからといって切り捨てていっていいんですかと、そうじゃないでしょうと、そういう人が地域の水や緑や環境を守っているんでしょうと。中山間地ばかりじゃなくて、幅広く多くのそういう小規模経営者たちが、農業者たちが本当に日本の農業を今支えているんですよ。
 ですから、担い手や集落営農をやっている人たち、そういう人たちもしっかり応援していくけれども、しかし、一方でそういう小規模の人たち、意欲のある人たちもしっかり応援していくということが何でこれと、この法改正と矛盾するんですか。これが分かりません、私には。
#68
○山田俊男君 大臣、やっぱり、改良資金の貸付対象者というのはこんなふうに定まっていて、そして使いづらくなってきているということも実際あるわけで、そのことがおっしゃるとおりの八億円のレベルにとどまってしまっているという背景もあるわけです。
 ましてや、おっしゃいますように、こうしたことの中で、基本計画の中において多様な担い手、意欲ある多様な担い手、この方向を打ち出されたわけでしょう。とすると、資金面についてもそういう思想を受け継いだ対応が当然私は必要なんだというふうに思いますし、農業者も期待するんだと思うんです。
 とすると、ここは是非、農業改良資金を始めとするこの制度資金が、これを農業者にとって非常に使いやすいものにするために、また同時に、新たな食料・農業・農村基本計画で考え方を出されているわけですから、そうした考え方にのっとって具体化を進めると。とりわけ、何でかといったら、さっき大臣は、だってそれぞれ地域で対応していると、そしてそれで足りないところは検討していくというふうにもおっしゃっているわけですから、是非そのことを私は、委員長、確認してもらいたいというふうに思います。
#69
○委員長(小川敏夫君) 大臣よろしいですか。赤松大臣。
#70
○国務大臣(赤松広隆君) 先ほども申し上げましたけれども、国の制度としても二十二年度予算の中で農業経営資金繰り円滑化特別保証事業ということで、農業者に対するこうした負担するリスクの一定割合を国の補助金で補てんをするという制度もあるわけです。こういうのは、規模の小さなところについても十分使えるということなんです。それからあとは、やはり千葉県には千葉県の、愛知県には愛知県の、長野県には長野県の、それぞれの県独自の小規模の農業者に対する融資制度等があるんです。
 ですから、こういう中で、国の制度を使った方がいい場合、あるいはそれぞれの都道府県、自治体がやっている融資制度を使った方がいい場合、いろんな場合がありますから、それは農業者が自分のサイズに合った、自分のまた返済の仕方に合ったいろんな仕組み、制度を使っていけばいいわけで、そこまでがんじがらめに、社会主義国家ではないんですから、それぞれが自らの意思でもって選択をしてそういう制度を選んでいくということは、決して私は矛盾をしていないというふうに思っております。
#71
○山田俊男君 大臣、スーパーLと近代化資金とそれと農業改良資金なんですよ、いろいろあっても。だから、これが国がきちっと、ましてや法律として出して対処する話なんですから、そういう観点でやっぱり整合性がなきゃいかぬのですよ。
 今後、もう整合性はないと。農林水産省の、民主党政権は基本計画ではこっちです、戸別所得補償でこっちです、いや、金融についてはこっちですと、整合性のない政策になっていますねということでいいんですね。
#72
○国務大臣(赤松広隆君) 整合性、あり過ぎるぐらいあると思っております。
 私どもは、今までの前政権、自民党時代は一定規模以上のそうした担い手と言われる人たちに対する、ある意味でいえば力をそこに集中してきたということですけれども、私どもはそれも否定しているわけじゃありません。それはそれできちっとやっていきます。
 それに加えて、今まで小規模で、中山間地や、あるいは本当に兼業農家、あるいは高齢農家、そういう人たちが年金をもらいながら、しかし先祖伝来の土地を放すわけにいかないということで一生懸命頑張ってきた、そういう人たちに対してしっかりそれを応援をしていこうということでありますから、決してそれは矛盾をしないと思いますし、私どもは、先ほども申し上げましたけれども、今朝、戸別所得補償制度、歴史的な日本の農政の大転換だと思いますけれども、すべての意欲のある農業者に対するしっかりとした応援をやっていく、この基本を中心に据えながらやっていきたいと、このように思っております。これは融資制度に限りません。あらゆる形での応援を是非していきたい、このように思っております。
#73
○山田俊男君 委員長、どうもこのままでは収まらないといいますか、どうも納得がいかない、腹に落ちないんです。だから、一体どんな方策があるか、ちょっと、大事な法律であることは間違いないわけですから、だからちゃんと整理してもらいたいというふうに思います。(発言する者あり)
#74
○委員長(小川敏夫君) 質問者の御趣旨は、検討するかどうかについて明確な返答がないという御趣旨ですか。
#75
○山田俊男君 そういうことです。そうです。
#76
○委員長(小川敏夫君) じゃ、その点について明確に御返答ください。赤松大臣。
#77
○国務大臣(赤松広隆君) 私が言っているのは、さっきから例に出して言っていますけれども、融資枠等が、やや百億を見ているけれども、実際にはそれが足らなかったよというようなときに、当然、じゃそのときどうするかみたいに見直していくのは当たり前の話じゃないですか。
 ですから、そのこととこれそのものを見直すなんということは決して私は言っていないし、改良資金はこのままで通してもらうんですということを最初からお願いしているわけですから、何が見直すと言ったというんですか。はっきり言ってくださいよ、それ。じゃ、見直す、これについてはもしそういう事態になれば……
#78
○委員長(小川敏夫君) 答弁者は質問をしないでください。
#79
○国務大臣(赤松広隆君) 見直しますよということを私は申し上げたし、改良資金そのものについては御心配の向きはないと、ちゃんとこれでできるんですということを言っているんですから、そのことにいささかも変更するなんということは一切言っていませんよ。いつ言ったんですか、そんなこと。
#80
○山田俊男君 必要があったら、だって必要があったら見直すということじゃないんですか。だって、先ほどそれぞれ地域で対応していると、それで足りない分は検討していくとおっしゃっているわけですから、そこはちゃんとないと。それは大臣、こんなの対象農家にこだわっていてもしようがないじゃないですか。
#81
○委員長(小川敏夫君) 委員長といたしましては、御指摘の点も十分に踏まえて、理事会で協議いただき、各党の御意見を承って対処してまいりたいと思います。
 質疑の時間来ておりますので。
#82
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案に関連しまして、質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、農業経営基盤強化促進に関しまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初ですけれども、農用地の利用の集積、改良、造成などを通じた農業経営の安定化を促進するために行われております担い手育成農地集積資金の新規貸付けが減少しているということでありまして、この原因についてお伺いをしたいと思います。
#83
○副大臣(郡司彰君) 御指摘がございました担い手育成農地集積資金の貸付けでございますけれども、平成十一年度、百八十五億円でございましたが、その後減少傾向にございます。平成二十年度は七十七億円と、このような数字になっているところでございます。
 このように減少、低下をしているということの原因でございますけれども、その理由といたしましては、公共事業予算の縮減等に伴いまして、同資金の主な貸付対象事業でありますこの圃場整備事業というものが予算額が減少をしてきております。そのことに伴って、そのことが影響をしてこのような額に減少をしているのではないか、そのように見ているところでございます。
#84
○渡辺孝男君 成立しました平成二十二年度予算で、農業の基盤整備事業である農業農村整備事業を前年比三六・九%ということで大幅に減少させたわけでありますけれども、今のお答えでありますと、更にまた資金の需要が減ってくるというようなことが考えられるわけでありますけれども、担い手の育成、農地集積というのは大変重要でありまして、これに対する影響というものをどのように考えておられるか、大臣にお伺いをしたいと思います。
#85
○副大臣(郡司彰君) 先ほど申し上げましたように、公共事業、あるいはまた圃場整備そのものがかかわって減少をしているということはあろうかというふうに思っております。また一方、農地の集積そのもの、あるいはまた担い手の育成ということは、これは必ずしも減少をしているということにはなっていないという現実もございまして、この予算の、予算といいますか、その額の減少だけでその問題を図るということではなく、もろもろの政策の積み上げとしてこれまでの関係から農地の集積そのものは一定の進捗を見ていると、このように感じているところでございます。
#86
○渡辺孝男君 国際的にもやはり農業が競争力を高めていく、農業のこれからの経営の安定のためにもやはり農用地の利用の集積というのは当然ながら進めていくということになるわけでありますけれども、今のお話ですと、関連の先ほどの予算の削減とこの農地集積あるいは担い手の育成ということには直に関係はしていないんだというようなお話でありましたけれども、そうなりますと農用地の利用集積のための支援策というのはどのようにお考えであられるのか、お聞きをしたいと思います。
#87
○国務大臣(赤松広隆君) 三六・九%の対前年比で大幅に下がっているということで、委員大変御心配をいただいているということだと思います。
 私どもは、確かに額としては減りましたけれども、新規に一千五百億の新たな農山漁村地域整備交付金というこうした制度も創設をいたしましたし、先日箇所付けをいたしましたけれども、これはホームページで公平にしかもすべてを公開するということで、一斉に二十九日の九時を期してホームページに載せて発表しましたけれども。
 個々に点検をしていただけば分かると思うんですけれども、重点といたしましては、安定供給に不可欠な農業水利施設の更新、あるいは農地の排水対策というところに重点は置いてありますけれども、ほぼ継続した、旧来やってきた、まだあと一年、二年掛かるというような事業については、それぞれ継続できるようにかなり努力をして箇所付けをしたというつもりでございますので、当初心配をしていただいたほどでは多分なかったんじゃないかというふうに思っておりますが、更に私どもとしても、限られた財源の中でございますので、しっかりと農業者のための重点的なあるいは効率的な予算の執行ということに努めてまいりたいと思っております。
#88
○渡辺孝男君 これからいろいろ、新しい施策あるいは新政権の農業の政策の推進につきましては、やはり検証をしっかりしながら、よかったのかどうかというのを見ていきたいと、また、当然ながら問題があれば即改善を図っていかなければいけないと、そのように思っているわけであります。
 次に、民間金融機関の農業者向け融資について質問をさせていただきたいと思います。
 平成十四年の農業経営の改善に必要な資金の融通の円滑化のための農業近代化資金助成法等の一部を改正する法律案の改正以来、民間金融機関が都道府県から資金を借りて農業者に貸し付ける転貸方式が採用されておりますけれども、これまでの融資実績はどのようなものなのか、また、民間金融機関の農業者向け融資についてどのような課題というか問題点が指摘されているのか、舟山政務官にお伺いをいたします。
#89
○大臣政務官(舟山康江君) お答え申し上げます。
 農業改良資金の転貸方式による貸付けですけれども、これ、御指摘のとおり平成十四年の改正によってこの転貸方式を導入して以来、年々増えておりまして、平成二十年度実績では、金額ベースで貸付総額の九一%となっています。そのほとんどが農協系統金融だということになっています。
 そういう中で、農業向け融資につきましては、やはり農業生産が自然条件に大きく左右されるということ、それから資本の回転率が低くて資金返済までの期間が長いといった、そういった特性を有しておるということで、民間金融機関ではなかなか対応し難い状況にあるということで、民間金融機関で対応し難い部分を制度金融が補完すると、そういった考えの下に、例えば農協等の民間資金をベースとした農業近代化資金、それから日本政策金融公庫によるスーパーL資金等を措置してきたところであります。
 そういう中で、金融機関にとって農業向け融資を行うためには、やはりいろんな特性に応じたノウハウが必要だということで、実は、これにつきましては、公庫の方からも民間金融機関との業務協力提携の推進を進めていただいたりとか、それから農業者に農業経営上のアドバイスを行うのに必要となる各種知識を付与する農業経営アドバイザー制度、こういったものがありまして、研修を受けていただいたりということで、この認定ですか、アドバイザーになっていただくと。これ、試験も実施しておりまして、これまで十回の試験を実施して七百四十五名が合格していると。このうち六百五十二名が公庫職員以外ということで、かなり多くの民間金融機関でもこういう農業関係の専門知識をかなり得るようなそういった職員が増えてきているということでありまして、そういうことを通じて、今、私の地元でも徐々に民間金融機関が農業者向けの融資に参加していきたいと、そういった動きもありまして、やはりこういう取組を通じて資金調達チャネルの多様化が図られるようにこれからも努めていきたいと思っております。
#90
○渡辺孝男君 農協系統の金融機関から転貸を受けていることが多いというお話でありましたけれども、いろんなそういう事故等で回収が難しいというようなことも当然起こってくるわけでありますけれども、そういうものを防ぐために農業信用保証保険の制度もあるわけでありますけれども、この農業信用保証保険のこれまでの事故の件数と額、そしてどういう内容の場合にこういうのが保証されているのか、その動向についてお伺いをしたいと思います。
#91
○大臣政務官(舟山康江君) 今御質問のとおり、やはり非常に事故の件数も少なくないという状況であります。そういう状況の中で、まずは農業融資における信用補完について都道府県段階で農業信用基金協会が保険を行う保証保険、それからもう一つは、この保証保険を補完するものとして、大口融資など都道府県段階の基金協会ではなかなか対応が難しいものについて全国段階での信用基金が融資機関と直接契約する融資保険と、この二本立てでの信用補完が行われております。
 このうち県段階の基金協会の債務保証についての代位弁済は、これは数字を申し上げますと、十七年度で七千八件、百九十一億円、十八年度、六千三百三十一件、百八十六億円、十九年度、六千五百八十四件、百七十二億円、二十年度、五千八百九十九件、百七十三億円と、ここ数年間ほぼ横ばいの傾向にあります。
 また、県ではない全国段階での信用基金の融資保険につきましては、保険金を支払う事故も散発的でありまして、平成十七年度で一件、三億円、平成十八年度はありません、平成十九年度、一件、一億円、平成二十年度なしと、そういうふうになっております。
 最近の大まかな傾向で見ますと、やはり飼料価格の高騰、また食肉の価格の低迷ということで、やはり畜産関係がかなり大きく増えているという、そういった傾向があるかなと思っています。全体の件数はやはり耕種農家が多いわけですけれども、傾向とすればやはり最近畜産が厳しい状況なのかなというのがこの状況を見ても非常に分かるという状況になっております。
#92
○渡辺孝男君 なかなか農業者が規模拡大等でどうしても資金が必要だというときには、こういう今の信用保証制度あるいは保険というシステムを使って、どうしても事故が起こってしまった場合に返済ができるようにということが大事だと思うんですけれども、既に民間金融機関の農業融資のノウハウの向上ということについては舟山政務官の方からも先ほどお話がありましたので、更にこれについて追加することがあればお聞きしたいと思います。
#93
○大臣政務官(舟山康江君) 先ほどもお答えしましたけれども、やはり公庫を通じて、公庫のノウハウをいかに民間にもたくさん付与して、できるだけ金融のチャネル増やすということを公庫にもやっていただいておりまして、その一つが先ほど申し上げました農業経営アドバイザー制度です。農業の特殊性、融資の特殊性などをやはりしっかりと勉強していただいて的確に対応できるような、そういった方を増やしていきたいということでやっているんですけれども、この合格者を見ますと、例えば民間の金融機関の職員が二百十七名、税理士の方も大分試験を受けていただいておりまして三百三十五名、相当様々な多岐にわたる分野の方がこういったアドバイザーとして認定をされておりまして、是非、現場においていろんな資金の需要に対して相談に乗っていただいて、できるだけやはりきちんとニーズに対応できるような体制を取っていただきたいと思っております。
#94
○渡辺孝男君 次に、今のと関係するんですけれども、今回の法改正のメリット、農業者にとってどのような今回の法改正でメリットがあるのかについて、大臣に簡潔にお答えいただければ幸いです。
#95
○国務大臣(赤松広隆君) 今回の改正につきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、この融資実績を見ると、本来は資金需要が多いはずなのに実際にはお金が借りられていないと。これは何でだろうかということで突き詰めてまいりますと、やっぱり借りにくい、借りたいけれども、保証人あるいは担保、そういうことがあってなかなか借りにくい、窓口もなかなか少なくて相談にも行けないというようなことでこういう、残念ですけれども、低実績にとどまっていたということでございますから、私どもは、特にこれから六次産業化あるいは自給率の向上というようなことを図っていくためにいろいろな投資も当然必要になってくると思いますので、そういう中で借りやすい形で融資をどんどん使っていただく、有効に活用していただく中で、農業者が、それが所得の増大につながっていくような、あるいは自らの農業が将来に向かって大きく展望が開けていくような、そういう形で御利用がいただければということで、PR等にもこれから更に力を入れて御活用いただけるような努力をしてまいりたい、このように思っております。
#96
○渡辺孝男君 活用が進むようにということでありますけれども、今回の法改正に伴う本年度の、まだ成立はしていないわけでありますけれども、それを予想した本年度の融資の枠の拡大ということではどのようにお考えになっているのか、この点をお伺いをしたいと思います。
#97
○大臣政務官(舟山康江君) 先ほど来何人かの方から質問がありましたけれども、二十年度の貸付実績が八億円と非常に低迷している中で、今回の見直しによる需要増を見込みまして、二十二年度は百億円の融資枠を設定したところであります。
#98
○渡辺孝男君 日本の農業が発展するためにはやはりこういう資金を円滑に利用できるということが大事でありますので、そのように、予想どおり進むように私も期待をしておりますけれども、大変景気が厳しい中で農業者の皆さんも、将来展望といいますか、そういうことに対して不安を持っておられる方もいらっしゃいますので、そういう意味では農業者そのものが希望を持てるような流れになっていけば、融資といいますか、こういうのも使う方々も増えてくると思いますので、その点、希望の持てる農政ということでしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、金融関連で一つ質問をさせていただきたいんですが、郵政改革に関する問題でございますけれども、三月の二十四日に発表されました郵政改革に関する諸事情等についての談話の後、閣僚間で意見の食い違いが認められ問題となっておりましたが、去る三月三十日に閣僚懇談会で一任を受けました鳩山総理が、郵貯の貯金限度額を一千万円から二千万円に、簡保加入限度額を一千三百万から二千五百万円で決着をさせたということでありますけれども、この決定過程におきまして赤松農林水産大臣はどのような御発言等をされておったのか、御意見等をおっしゃっておられたのか、この点をお伺いをしたいと思います。
#99
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思いますが、この政権のいい意味での性格は、事務次官会議をなくしました、前日のですね。そのために、いろんなことについては閣僚がそれぞれ自分の所管外のことについても大いに議論をして、ちょうちょうはっし議論をする中で、しかし最終的に決まったことについては内閣の責任としてみんなで力を合わせてやっていこうということで、正直、郵政のこの限度額引上げやそういうことについて、多少それぞれの意見の相違はあったと思います。
 しかし、議論の結果、御努力をいただいた亀井郵政改革担当大臣、そして原口総務大臣、二人の案をベースにして、その方向で行こうということで最終的に決着をしたわけでございまして、大変、結論的には内閣が、総理のリーダーシップの下、総理に、これだけ議論したことを踏まえて、あとは一任しようではないかということを私自身も申し上げまして、そして、総理の決断で亀井・原口案、これを中心にした形で結論が出たということでございます。
 ただ、今後のいろいろな在り方、運用の問題、資金運用の問題等について、これは直ちに三十日に決めなければならない問題ではありませんので、これは大いにこれからも議論をしながら、よりいいものにしていこうということもそういう中で決めさせていただいたというふうに私は理解をしております。
#100
○渡辺孝男君 JA全中あるいはJA共済連そしてまた農林中央金庫は、この件に関しまして、信用・共済事業に対する甚大な影響が懸念されると、断じて認められないというような意見、見解を発表しておるわけでありますけれども、まず、このJAグループの見解について赤松農林水産大臣はどのようにお考えになっておるのか、それをお伺いしたいと思います。
#101
○国務大臣(赤松広隆君) 私も土曜、日曜を使って、ほとんどこの一月以降、全国へ行っています。青森へ行き、鳥取へ行き、島根へ行き、高知へ行き、長崎へ行き、福岡に行き、それぞれ、私が参りますと、別に私が声を掛けるわけじゃありませんが、向こう側から、相手の方から、農協の組合長とかあるいは全農さん、全中さん、そういう人たちが、是非大臣が来るなら話聞いてくれといって、お見えになります。私は一切、だれだからということ、どういう団体だからということで差別せずにお話は聞かせていただいています。必ず出るのが、第一番目に出るのが実はこの話でございまして、当初は限度なしとかあるいは五千万円とか、まあちょっと下がって三千万円かなみたいな、そういう話が一般的だったものですから、中小の金融機関あるいは農協系金融機関、そういうところの人たちは大変危機感を持って、私に対してもそういう要望や陳情がございました。
 私はそのとき申し上げたんですけれども、これからはこういう自由経済の時代ですから、それぞれが、大きかろうが小さかろうが、やっぱり融資先に対するあるいは預金者に対するあらゆる努力を、いい意味で競争してやっていただかなければいけない時代ですよと、かつての歴史や組織にあぐらをかいて、おれのところに金を預けに来て当たり前だというようなことはもう通用しませんよと、皆さんが必死に努力するんですと、そういう中でより国民にとっていい金融制度ができると思いますということをまず大前提で申し上げて、しかし、そういう御意見があったということは担当大臣である亀井大臣や原口大臣に私の方からちゃんと伝えておきますということで、お伝えはしました。
 今回決まりましたあの二千万円、二千五百万円、そういう意味でいえば、まあまあいい、両者が納得できるところなのかなと、私自身はそんな感想を持っておりますけれども、しかし、これは今後の推移を見ながら下げるときもあれば上げるときもあるというのは当然だと思いますので、当面はこれでスタートをしていくということで、各農協や、あるいは漁業の関係のこうした金融機関もございますので、こういうところも含めて、これからはいい意味でさわやかな競争をやっていただきながら、漁業者あるいは農業者のためのいい相談相手、金融機関として成長していっていただければ大変有り難いなというふうに思っております。
#102
○渡辺孝男君 郵政改革に当たっては、やはり民間ができないようなことをしっかりやると、民業の補完ですね、そういうことと、民業圧迫に関連するわけですけれども、民業圧迫にならないような、そういう改革を目指してきたわけでありまして、これは与野党共にそういう方向であったというふうに私は考えておりますけれども、そういう趣旨にそぐわないような改革に進まないようにしていただきたいと、そのようなことを申し上げて、次の質問に入らせていただきます。
 認定農業者の経営の支援について、先ほどもいろんな議論があったわけでありますけれども、認定農業者の現状、どのように増えてきているのか。また、今後の担い手としての認定農業者の位置付け、これもいろいろ議論があったわけですが、認定農業者の位置付けについてどのように御認識なのか。そしてまた、認定農業者に対しての経営資金の支援策について今後どのようにされていくのか、この点について大臣にお伺いをしたいと思います。
#103
○副大臣(郡司彰君) 認定農業者制度でございますけれども、これは農業者自らが作成をする経営改善計画、市町村に提出をしていただいておりまして、認定をいただくということになるわけでありますけれども、これに基づき関係機関が協力をして地域農業の担い手を育成確保をするという仕組みとして普及定着をしているというふうに思っております。現在、全国で二十四万六千経営体が認定をされているというふうになっております。
 今後、私どもの国の農業の持続的発展を図るためには、私どもがこれから、四月から導入をすることになっておりますけれども、戸別所得補償制度の導入によりまして、意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整備をするということにしていくつもりでございます。
 そのことによりまして、下支えをされた農業者の中から、六次産業化の取組の推進等を通じて、競争力のある経営体が育つようにしていきたいというふうに思いますし、地域農業の担い手を育成確保をするということが必要だというふうに認識をしております。この際、地域に普及定着をしているこの認定農業者という方々がこの制度を推進をしていくというようにも考えているところでございます。
 この認定農業者に対しまする経営改善のための資金調達を支援をするための制度でございますけれども、先ほど来から御議論がございましたけれども、スーパーL資金等の低利融資を措置をしております。また、二十二年度の予算におきましては、資金繰りに余裕がない貸付当初五年間の金利負担軽減措置、実質これは無利子でございますけれども、を追加的に講ずることとしておりまして、スーパーL資金等の金利負担軽減措置として融資枠一千五百億円というものを用意しているところでございます。
#104
○渡辺孝男君 農業の経営の改善等あるいは規模の拡大等、しっかり計画を立ててやっていくと。そういう認定農業者に対してはやはり支援を、財政が豊かであればすべての農業者ということになるんでしょうが、今財政が厳しい中ではやはり認定農業者に対してより重点を置いた支援というのがあってしかるべきかなと、私はそのように考えておるわけでありまして、認定農業者の育成、支援にはしっかりやっていただきたいと、そのように思っております。
 それから、余り時間がないんですが、農業経営なかなか大変厳しい状況にありまして、今回、金融の問題でございますけれども、農業者の農業経営に係る借入金が現在どのようになっているのか、そういう課題に対してどのような改善策を取っていくのか、この点を郡司副大臣にお伺いをしたいと思います。
#105
○副大臣(郡司彰君) 御指摘をいただきました借入金の現状でございますけれども、農業経営向け融資の総残高、近年減少傾向にございます。平成十一年度三兆円でありましたけれども、貸付総額、平成二十二年度は二・二兆円まで減少をしているところでございます。
 この農業経営向けの融資全体の七割を超える部分が公庫資金あるいはまた農業近代化資金などの制度融資が占めているわけでありますけれども、この残高も、平成十一年度一・二兆円でございましたが、二十年度には一兆円まで減少をしております。単年度の融資実績で見ましても、十一年度が二千億円だったものが二十年度は一千八百億円まで減少をしております。
 このような現状の中でありますけれども、今後、自給率を向上をさせる、あるいは六次産業化を実現をさせるためには、農業者の資金調達というものは重要な課題であるというふうに認識をしております。そうした観点から、今回、意欲のある農業者のチャレンジ性のある取組を無利子で後押しをするような今回の改正案を行っているところでもございますし、あるいはまた、地銀等の民間金融機関からの融資の円滑化を図るための融資保険の見直しなどの措置を講じていくというつもりでございます。
#106
○渡辺孝男君 時間ですので、終わります。
#107
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 農業改良資金助成法等の一部改正ということでお聞きしますが、この農業改良資金の融資実績について件数で見ますと、二〇〇八年度で百五十七件と。ピーク時というのは七二年で六万五十三件だったわけですから、わずか〇・二%ですね。新規貸付額ということで見ますと、二〇〇八年度で八億円。これも、ピーク時が九一年だったわけですけれども、四百六十四件まで減っていますから、一・七%の水準なわけです。
 その背景に、農業近代化資金や認定農業者を対象とするスーパーL資金などの制度資金が広がったという面もあると思うんですけれども、懸念すべきことは、農業改良資金と一体的に行われてきた協同農業普及事業が、二〇〇四年の普及センターの必置規制の廃止や協同農業普及事業交付金の税源移譲などで、これ、普及センターがピーク時の三分の一まで減ったと、それから普及指導員がピーク時の約二分の一まで減ったということがある中で弱体化しているんじゃないかと、それが原因で融資実績が激減しているんじゃないかというふうに思うわけです。
 食料自給率を引き上げていくということのためにはこの農業普及事業の強化というのはどうしても必要だというふうに思うわけですけれども、その点でまず大臣の見解を明らかにしていただきたいと思います。
#108
○大臣政務官(舟山康江君) 御指摘のとおり、農業改良資金の貸付実績が大きく減少しております。
 様々な理由がありまして、借り入れる農業者側の要因としては、やはり他の資金との優位性が相対的に低下していることですとか借入れのハードルが高いことがあります。
 もう一方、都道府県側の要因として、今御指摘いただきましたとおり、やはり普及指導センター等の出先機関の統廃合によって相談窓口が減少しているというのが非常に大きいと思っております。またもう一つは、やはり金融の専門家ではない都道府県普及センターのその担当職員が債権管理業務というものをかなり厳格にやらなければいけないというそういった負担感もあって、貸付けに一層消極的になっているということが原因だと思っています。
 そういう中で、普及指導センター、これ、かなりセンター数も職員数も非常に減っているような状況でありまして、そういう中で、やはり今まさに食料自給率の向上ですとか六次産業化ですとか、そういった経営の多角化を進めるに当たりましては、やはり指導普及員の役割というのは依然として大きいと思っています。
 そういう中で、普及事業に効果的かつ効率的に取り組めるように、普及指導員と市町村、農協、民間専門家等の多様な方々との連携を今まで以上に推進していくこと、それから普及指導員の計画的な養成や能力、資質の向上に向けた国と都道府県との適切な役割分担による研修の実施、それから普及指導員同士とか普及指導員と研究機関とをつなぐ情報ネットワークの運営、様々な試験研究機関ともやはり連携していかないといけないと思いますし、そういう情報共有、ネットワーク化、そういったものもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。
 都道府県に移管されている部分も多いわけですけれども、やはり国として、大きな食料自給率の向上ですとか農業農村の活性化といった、やはり国家戦略として農業をもっと活性化していかなければいけないというそういった目標の中で、やはり国と都道府県、関係機関連携してこういった制度をしっかりと活用していきたいと思っております。
#109
○紙智子君 今、重要性に触れて、国としてもしっかりやっていくということでいうと、減らすんじゃなくて増やす方向でということでよろしいですか。
#110
○大臣政務官(舟山康江君) この普及所、普及員の数につきましては、現場の状況ですとか様々な要因があって何とも今ここでお答えできませんけれども、ただ、いずれにしても、やはりその必要性は十分認識しておりまして、数はもちろんですけれども、やはり能力をいかに向上していただくのか、そして、いろんな、様々たくさんいらっしゃるその専門家同士がいかに協力をして現場の普及に当たっていくかと、そこも非常に重要なのかと思っておりまして、その辺がきちんと連携できるような、ネットワークが組めるような、そういった支援をまずしていかなければいけないのかなと思っています。
#111
○紙智子君 非常に大事な役割を果たしていると思いますので、そこはしっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、今回の法改正の最大の動機というふうに思うんですけれども、食料安定供給の特別会計、これを、積立金を国庫に返還させるということにあると思うわけです。
 問題は、国庫に返還されたものが一般会計に入るわけですけれども、これが農業予算としてきちんと使われることになるのかということなんですけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。
#112
○大臣政務官(舟山康江君) 先ほども少しお答えしましたけれども、今回の特別会計から一般会計への繰入れというのは、例えば、特別会計に今ある積立金、剰余金で今使わないもの、必要のないものを一般会計に返納して、今の非常に厳しい国の財政状況を踏まえて国の資金を有効活用するために行うものでありまして、これは当然お金に色が付いていませんので、特別に農業関係予算に使途を限定して繰り入れるものではありません。
 ただ、一方で、農業関係予算につきましては、このような繰入れとは別の問題として、現場のニーズにこたえるためにやはり必要な予算はしっかりと確保していかなければいけないと、そんなふうに思っておりまして、予算配分にめり張りを付けることで農業を抜本的に立て直して食と地域の再生を図っていきたいと。
 やはり、今回の二十二年度予算につきましても、コンクリートから人へというあの大きな流れの中で、人を直接支援するようなそういった予算に組み替えておりますし、やはり様々な予算配分を見直す中で、食と地域の再生のために一番効果的な予算をしっかりと確保していきたいと思っております。
#113
○紙智子君 特別会計は特別会計としての意味があったわけで、やっぱりそれなりに農林水産予算の一環として位置付けられていたわけです。不要な積立金があったとしたらこれを活用するというのは当然だというように思うわけですけど、あくまでもやはり農林水産予算として使われなければ意味がないというふうに思うんです。その点では、そこの部分というか原則については貫いてほしいというふうに思うんですけれども、これ、いかがですか。
#114
○国務大臣(赤松広隆君) 紙委員のような御指摘も分かります。農林水産大臣としては当然そういう気持ちだということも分かりますが、もう一つ、政治家という立場でいえば、やはり自分の省だけ予算が増えればいいのか、自分の省の政策だけやればいいのかということでもないものですから、これは総合的に内閣としての優先順位を付けながら、そして、それぞれの政党がマニフェストで選挙のときにいろいろ国民に約束をしてきたわけですから。
 そういう意味でいえば、私どもの今の三党の連立の政権でありますけれども、民主党、社民党、国民新党、三党で合意をした政権政策というのがございますので、その一つの大きな柱が、四つぐらいあるとすれば、そのうちの一つが戸別所得補償制度ということで、これについては自給率向上の事業等含めて五千六百十八億円、非公共の予算としては一一四%だったと思いますが、昭和六十年以来最も大きな予算を組むことができたということで、そういうめり張りのある形でこれからも予算編成をせざるを得ないと、このように思っております。
 ちょっとさきの質問にも私からも一言だけ付言をさせていただきますが、農業普及員の問題については、私も実は今年、農林大臣が出たのは初めてらしいんですが、普及員の総会がありまして、そこでもお話をしてきましたが、委員指摘のように大変地域で大きな役割を果たしているということで、是非これからも普及員制度を充実させていけるように頑張っていきたいと思います。
#115
○紙智子君 今、予算の問題では戸別所得補償政策で最大のという話をされたんですが、しかし総枠でいうと、これ農林水産に関連する予算でいうと、今年の予算は二兆四千五百十七億円ですから、これ前年比で九五・八%と。これは、三十四年前、一九七六年以来の低水準の予算なわけですよね。
 これ、予算委員会の要求資料で見ますと、二〇〇七年の農家一戸当たりの農業予算ということで他の先進国などと比較しますと、例えば米国は三百八十四万円なんです。イギリスは二百七十一万円、フランスは三百五十五万円、ドイツは四百一万円。これに対して日本は七十四万円ということですから、これ五分の一水準なんですよね。
 ですから、これでは、今の農林水産予算の水準では、本当に先進国並みの食料自給率を目指すということについていえば、これはなかなか無理じゃないかと、この枠の中では。やっぱり、五〇%に引き上げていこうということを大目標として掲げている以上、予算の拡充ということは当然やっぱり必要なことで、その点について、大臣、伺いたいと思います。
#116
○国務大臣(赤松広隆君) 各国との比較ということで、まあ数字の取り方はいろいろあると思いますけれども、そのことはともかくとして、私ども、更に積極的な政策の実現ということになれば、それは予算がしっかりあった方がいいわけですから、これはもう共産党も含め各党の是非応援と御支援をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#117
○紙智子君 やはり、農林水産業という問題では、これをどういうふうに国の政治の中に位置付けるかという位置付けの問題でもあると思うんですね、予算の枠を取るということは。そういう意味では、今所得補償政策を示しているわけですけれども、この目標でやろうと思っても補償水準が低ければやっぱり達成されていかないわけですから、そこは努力をしていただきたいと思うわけです。
 それから次に、前回私が所信質疑のときに質問したことなんですけれども、ミニマムアクセス米の問題を質問した際に、私が、自民党政権の時代に、WTO協定上は書いていないけれども、自分たちで解釈をして政府の統一見解ということでミニマムアクセス決めたと、だとすると、そういうWTO上の特に根拠のない解釈を政権が替わった下で民主党政権が引き継がなきゃいけないのかということで質問したわけですけれども、大臣はそのとき、これは一つの国際約束でございましてと、こうした約束そのものは政権が替わっても守っていかざるを得ないというふうに答弁をされているわけです。
 そこでお聞きしますけれども、その国際約束というのは、これ一体どこの国とのどういう内容の国際約束なのかということについてお聞きしたいと思います。
#118
○国務大臣(赤松広隆君) これは、正確に言いますと、当時、非自民の細川連立政権ができた、あのときのたしか十二月がガット・ウルグアイ・ラウンドのあった年ではなかったかと記憶をいたしております。その中で、ガット・ウルグアイ・ラウンドの中でこうした米の関税化の問題等出まして、とにかくこの障壁を何とかしろという各国からのいろいろな話がありまして、結局、ミニマムアクセスを受け入れることによって今の七百何十%というその関税ができたと、事実上それで米の輸入を阻止することができたということではないかと思います。
 その意味で、私どもはそれだけ高い関税をする代わりに最低限これだけのお米はミニマムアクセスとして受け入れるということを約束をしたわけで、そういう意味では私は、これは各国に対する、世界に対する約束なんだと、国際約束なんだ、だからこれを勝手にやめたり縮小するなんということはできませんということを申し上げたと記憶しております。
#119
○紙智子君 大臣が言われる国際約束というのは、WTO協定で要するにミニマムアクセスと言ったのは輸入機会の提供だと、そのことについての約束という意味を言われたんですか。だとすると、七十七万トンどんなことがあっても毎回のように入れなきゃいけないということは、これは国際約束にはなっていませんよね。
#120
○国務大臣(赤松広隆君) たしか、これは大いに当時の予算委員会でもめた案件でございまして、政府統一見解ということで、一、二、三と三項目にわたっての見解が示されております。
 現実に輸入される数量がミニマムアクセス機会として設定される数量に満たなかったとしても法的義務違反が生ずるものではないということで、しかしその前段には、かかる例外的なケースにおいてということで、輸出国が凶作で輸出余力がないというような輸入が困難な状況もあり得ないわけではないので、そういう例外的なケースにおいては満たなかったとしても法的義務違反が生ずるものではないというふうに三項目めに書いてあるというふうに理解をいたしております。
#121
○紙智子君 私が質問しているのは、要するに、政府統一見解というふうに言うのは国内で話をしたことで、WTO協定上そのことについて約束が決まったということはないわけですよね。にもかかわらず、それが国際約束であるかのように発言されたんで、それは違うのであれば違うんだと是正していただきたいんですよね。
#122
○国務大臣(赤松広隆君) 例えば、今、日本がミニマムアクセスどこから入れているかというのを見ますと、アメリカ、中国、タイです。そうすると、これは国際約束ではないから、もうアメリカからも中国からも米一切取りませんよと、あるいはタイに対してもですね、一方的に例えば通告する、そんなことはあり得ないんですけれども、もしそういうことが起こるとしたら、これはそれ以外に日本に対するいろんな形でのやっぱりマイナスが生じるということは当然想像されるわけで、まさに私どもは国益ということを中心に置いて考えるわけですから、ある意味でいえば、これを譲ることによってこれだけ大きな利益がもたらされる、これによって日本の農業を守ることができると思えばいろんなことを考えるのはもう当然でございまして、今の状況の中で、むしろ私どもはこの七十七万トン、七十万トンのときもある時期ありましたけれども、この量というのをやっぱり国際的な約束としてきちっと守っていくことの方が結果的には日本の農業を守るということになると私は理解をいたしております。
#123
○紙智子君 質問していることに答えていただきたいんですけれども、今おっしゃったことは、国内でそう考えて、これからの対応を考えたら心配だから守っていくことがいいんじゃないかという話をされるんだけれども、WTO協定上は七十七万トンずつ必ず入れなければならないと、それをしなければ違反するというふうなことで決まっているわけじゃないですよね。それ自身は協定じゃないわけですよね。そのことについてお認めになりますよね。
#124
○国務大臣(赤松広隆君) だから、私が言っているのは、そういうことをもししたときに、例えば、今韓国でもWTOに、これはほかの案件ですけれども、提訴をされたり、いろんなことが生じてくることもあり得るわけです。ですから、そういうことを総合的に考えたときに、単にこれはWTOでこういう文書があってこういう約束ではないんだから、だからそんなものは一方的に破棄していいんだとか、そういう乱暴なことは、残念ですけれども、私どもの良識ある政権ではできないということを言っているんです。
#125
○紙智子君 ミニマムアクセス米については、これはあくまでも米を生産しているすべての国が日本に輸出する権利を持つということになっていて、特定の国に限られているわけじゃないわけですよね。ところが、アメリカだとかそういうところから入れるということに対して、こことは絶対にこれは守らなきゃいけないということになると、これはちょっとWTO上も問題になる話だと思う、逆に、秘密でそういうことを話し合っていたのかということになるわけですから。いや、そういうことですよ。
 だから、その対応として、これからのことって、これは交渉次第のことでこれから先のことであって、今までの経過ということで見たときに、WTO協定上はそういうことがきちんと特に書いていないのに一方的に我が国の中で約束守らなきゃいけないという形でやってきたということ自体を、やっぱり実際に即してどうだったのかということをきちっと、国際協定でないんだったらないとしてこれからの対応を考えていくべきだと思いますし、それを何か今までの継続だからということで統一見解をそのまま引き継がなきゃならないという理由はないと思うんですけれども、いかがですか。
#126
○国務大臣(赤松広隆君) ですから、何回も申し上げておりますが、WTOの協定上、国家貿易の場合はMA米を全量輸入すると具体的に規定があるわけではありません。また、そのように規定されているわけでもないし、約束があるわけではありません。しかし、ミニマムアクセス自体は輸入機会の提供ということですので、仮に民間貿易によって行うと、国家貿易ではなくて民間貿易で行うということになったときに、ミニマムアクセス数量の枠内において民間企業の自由な輸入を認めればよいということになります。
 そういう結果で、紙さんが意図しているようないい結果が出ますか。自由に商社がどんどんそういうのを民間貿易としてやってくると、あるいはそれはもっと国家間でするんじゃなくて市場にどんどん出せと、ミニマムアクセス米を、そういうことに、自由にやったときに、日本の農業者にとって、あるいは消費者にとってと言ってもいいかもしれませんが、いい結果が出るんでしょうか。そこが基本的に私どもと多分共産党と考えるところが違うというところではないかと思っております。
#127
○委員長(小川敏夫君) 紙さん。なお、時間が来ていますので簡潔にお願いします。
#128
○紙智子君 規定がないということはお認めになったと思います。それで、これからの交渉についてはまた私どもとしても、前回も質問していますけれども、提案する中身というのはありますから、また大いに議論をしていきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#129
○委員長(小川敏夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(小川敏夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 一川君から発言を求められておりますので、これを許します。一川保夫君。
#131
○一川保夫君 私は、ただいま可決されました農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・改革クラブ、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農業経営に関する金融上の措置の改善のための農業改良資金助成法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、公的資金及び民間資金を有効に活用しつつ、農業経営の改善を図る際に必要となる資金が円滑に融通されるよう、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 公的資金及び民間資金を有効に活用した農業経営に関する金融上の措置は、農業者等の自主的な判断を尊重した重要な支援措置であることを十分認識し、使いやすさ、分かりやすさを旨として、制度の運用に当たること。特に、無利子資金に対する需要の増大が見込まれることから、その借入れに際し様々な制約が付け加えられることのないよう、利用者にとって借りやすい環境整備を図ること。
 二 新制度が十分に活用されるよう、農業者、都道府県、関係金融機関等に対し、制度改正の趣旨及び内容の周知徹底を図ること。
   また、農業経営に必要な農業者の資金ニーズに応じて的確かつ円滑に融通されるとともに、資金融通後において着実な経営改善が図られるよう、普及指導センター等をはじめとする関係機関の緊密な連携による支援活動を推進すること。
 三 見直し後の農業改良資金の貸付けに当たっては、貸付主体となる株式会社日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫(以下「公庫」という。)並びに農業改良措置の認定主体である都道府県による緊密な連携体制を構築し、借入れ窓口等において農業者等にとって親身になった対応が行われるよう、相談・窓口の充実を図るなど農業者等の資金需要へきめ細やかに対応すること。
   また、災害その他やむを得ない理由により貸付金の償還が困難であると認められる場合には、公庫がその償還金の支払いの猶予を行うよう、所要の措置を講ずること。
 四 農業改良資金における担保・保証人の義務付けの廃止は、借入れに対して相当の改善になるものの、それに見合うだけの経営資料の整備等の諸条件が加えられる懸念があることから、借入れに係る諸手続及び書類作成の面でも改善が図られるよう、特段の配慮を行うこと。
 五 「当分の間」実施するとされている担い手育成農地集積資金については、食料自給率向上に資する農用地の改良又は造成の推進に果たしてきた役割を検証し、制度上の位置付けの明確化に向けた検討を進めること。
 六 銀行等を融資保険の対象にすることについては、融資額に伴う交付金負担を適切なものとし、そのための規程の整備を行うなど、独立行政法人農林漁業信用基金の事業運営にいささかも影響を与えないように万全の措置を講ずること。
 七 農業関係者に対する信用保証保険制度等については、今後より一層、農業特有のリスクにも配慮しつつ、事業者の多様なニーズへの対応や利用者の利便性向上が図られるよう、関係省庁が一体となって、制度相互間の連携の強化など必要な見直しを行うこと。
 八 農林漁業者の所得の増大を図る観点から、農林水産物に係る地産地消や販路拡大、付加価値向上などの取組を強化するため、制度金融の更なる充実・強化を図ること。その際、無利子資金である林業・木材産業改善資金、沿岸漁業改善資金等の在り方について、利用者の利便性の観点から、検討を進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#132
○委員長(小川敏夫君) ただいま一川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(小川敏夫君) 全会一致と認めます。よって、一川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、赤松農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤松農林水産大臣。
#134
○国務大臣(赤松広隆君) ただいまは法案を御可決いただき、大変ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
#135
○委員長(小川敏夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#137
○委員長(小川敏夫君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 食料・農業・農村基本計画に関する件について、政府から説明を聴取いたします。赤松農林水産大臣。
#138
○国務大臣(赤松広隆君) 食料・農業・農村基本計画につきまして御説明申し上げます。
 食料・農業・農村基本法第十五条の規定に基づき政府が策定する食料・農業・農村基本計画につきましては、三月三十日に閣議決定を行いました。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 今後の世界的な食料需給の逼迫等にかんがみ、国民に対する国家の最も基本的な責務として、食料の安定供給を将来にわたって確保していかなければなりません。このため、まず、「まえがき」におきまして、食料・農業・農村政策を日本の国家戦略の一つとして位置付けるべきこと、また、農業農村の多面的機能の恩恵は、すべての国民が広く享受していること、さらに、農業農村をめぐる厳しい状況は、個々の農業者の努力のみでは克服し難いものであることを述べております。
 その上で、こうしたお金で買うことができない固有の価値を有する農業農村を将来の世代に継承すべく、消費者と国民が豊かな食と環境の恩恵を受け、また、農業者や食品産業事業者が誇りと希望を持って生産活動にいそしむことができる国民全体で農業・農村を支える社会の創造を目指すことが必要である旨定めております。
 次に、第一の食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針におきましては、食料、農業、農村の状況を踏まえ、政策の実効を期す上でどのような課題があるのかといった点を明らかにするとともに、今後取り組むべき施策の基本的な方針を整理しております。
 具体的には、農業所得の減少、後継者の不足、耕作放棄地の増大、農村の疲弊等、食料、農業、農村をめぐる状況や、地球環境問題、人々の価値観、ライフスタイルの多様化など国内外を取り巻く新たな潮流を分析し、各々の状況に応じた政策の対応方向を示しております。
 以上のような政策的な対応方向を踏まえ、農政を大転換するに当たり、農業農村を再生させ、これを我が国全体の繁栄に結び付けることができるよう、戸別所得補償制度の導入、品質、安全、安心といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換及び六次産業化による活力ある農山漁村の再生の三つの政策を基本に、各般の施策を一体的に推進し、我が国の食料自給率の向上を目指していくこととしております。
 次に、第二といたしまして、食料自給率の目標を定めております。
 世界人口の増加や地球温暖化等による水資源の不足や砂漠化の進行等により、農産物につきましては需給両面での懸念が生じており、我が国にとって中長期的な食料の確保に不安を抱かざるを得ない状況をもたらしております。
 このため、平成三十二年度の総合食料自給率目標につきましては、供給熱量ベースで五〇%、生産額ベースで七〇%まで引き上げることを明記しております。
 また、この食料自給率の向上に向けて、水田を始めとした生産資源の最大限の活用や消費者等に国産農産物が選択されるような環境の形成など、生産、消費両面からの取組を進める必要がある旨を定めております。
 次に、第三といたしまして、食料、農業、農村に関して総合的かつ計画的に講ずべき施策を定めております。
 一つ目は、食料の安定供給の確保に関する施策であります。
 このうち、食の安全と消費者の信頼の確保につきましては、後始末より未然防止の考え方を基本とし、生産から消費までの各段階におけるGAP、HACCP等の取組を通じた国産農林水産物・食品の安全性の向上はもとより、米穀等以外の飲食料品に関するトレーサビリティー制度、加工食品における原料原産地表示の義務付けの着実な拡大、リスク管理機関を一元化した食品安全庁等につきましても検討することとしております。
 また、国民への食料の安定供給に重要な役割を果たしている食品産業の持続的な発展と新たな展開を図るべく、その将来への対応方向を明らかにする食品産業の将来方向を平成二十二年度に策定することとしております。
 総合的な食料安全保障の確立につきましては、不測時のみならず、平素から食料の供給面、需要面、食料の物理的な入手可能性を考慮するアクセス面等を総合的に考慮しつつ、食料の安定供給に関する不安要因に対応することが必要である旨を定めております。
 二つ目は、農業の持続的な発展に関する施策であります。
 このうち、戸別所得補償制度の創設と生産・経営関係施策の再整理につきましては、農業生産のコスト割れを防ぎ、意欲あるすべての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる環境を整備するとの考え方の下、販売農家を対象に戸別所得補償制度を導入することを明記しております。あわせて、作目別に講じられてきた生産関係施策を再整理し、多様な用途、需要に対応した生産拡大の取組を後押しする政策への転換を図ることとしております。
 兼業農家や小規模経営を含む意欲ある多様な農業者による農業経営の推進につきましては、現場の主体的判断を尊重した多様な努力、取組を支援する施策を展開していくこととしております。
 優良農地の確保と有効利用の促進につきましては、平成二十一年度に改正された農地法等に盛り込まれた転用規制の厳格化等の措置を適切に運用することとしております。また、農業生産を目的とする土地利用とそれ以外の土地利用とを一体的かつ総合的に行うことができる計画を策定する制度の検討を進めることとしております。
 農業生産力強化に向けた農業生産基盤整備につきましては、我が国の農業生産力を支える重要な役割を担うものであり、施策体系や事業の仕組み等の抜本的な見直しを進めることとしております。
 三つ目は、農村の振興に関する施策です。
 このうち、農業農村の六次産業化につきましては、農山漁村に由来する農林水産物、バイオマスや農山漁村の風景、そこに住む人の経験、知恵に至るあらゆる資源と、食品産業、観光産業、IT産業等の産業とを結び付け、地域ビジネスの展開と新たな業態の創出を促すこととしております。
 また、都市と農村の交流につきましては、訪問外国人等の新たな交流需要の創出を進めるとともに、農村を教育、医療、介護の場として活用するための施策を推進することとしております。
 都市及びその周辺の地域における農業の振興につきましては、都市農業の機能、効果への都市住民の理解を促進しつつ、その持続的な振興を図るため、これまでの都市農地の保全や都市農業の振興に関する制度の見直しを検討することとしております。
 集落機能の維持と地域資源・環境の保全につきましては、人口減少や高齢化の進行等農村の厳しい現状を踏まえ、政府と地域が一体となった農村コミュニティーの維持再生に取り組むとともに、中山間地域等直接支払制度や農地・水・環境保全向上対策等につきましては、農業生産活動や多面的機能の維持の観点から、今後の在り方を検討することとしております。
 さらに、農山漁村の再生・活性化に向けた地域の主体的な取組を促進し、その効果的な展開を期するため、関係府省の連携の下、農山漁村活性化ビジョンを新たに策定することとしております。
 四つ目は、食料、農業、農村に横断的に関係する施策であります。
 このうち、技術・環境政策等の総合的な推進につきましては、農林水産分野の変革を実現するための包括的な技術・環境戦略を平成二十二年中に策定することとしております。
 また、農を支える多様な連携軸の構築につきましては、農業を取り巻く多様な分野の関係者が、我が国農業農村の価値や意義を共有した上で、相互に協力し合い発展する結び付きの構築を促進することとしております。
 五つ目は、団体の再編整備に関する施策であります。
 食料、農業、農村に関する団体につきましては、その機能や役割が効率的、効果的に発揮できるよう、経営の健全化やコンプライアンスの確保に向けた自主的な取組の促進や、必要な場合には法律に基づく指導監督を適時適切に行いつつ、効率的な再編整備につき所要の施策を講じることとしております。
 最後に、第四といたしまして、食料、農業、農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項を定めております。
 この中で、国、地方など関係者の適切な役割分担の下、十分に連携しつつ施策を推進していくとともに、国民の行政に対するニーズの変化等、迅速かつ効果的、効率的に対応できる体制を整備していくこととしております。また、政策に関する国民の声や科学的、客観的な分析を踏まえた政策決定プロセスを実現するとともに、財政措置の効率的かつ重点的な運用につきまして定めております。
 農林水産省といたしましては、以上のように、本計画にのっとり、所要の施策を果敢に推進していく所存であります。委員各位におかれましては、食料・農業・農村政策の推進のため、今後とも一層の御支援、御指導、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。
#139
○委員長(小川敏夫君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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