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2010/03/19 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 法務委員会 第5号
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2010/03/19 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 法務委員会 第5号

#1
第174回国会 法務委員会 第5号
平成二十二年三月十九日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     松浦 大悟君     牧山ひろえ君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     前川 清成君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松 あきら君
    理 事
                今野  東君
                松岡  徹君
                松村 龍二君
                風間  昶君
    委 員
                石井  一君
                千葉 景子君
                中村 哲治君
                平田 健二君
                牧山ひろえ君
                簗瀬  進君
                浅野 勝人君
                丸山 和也君
                森 まさこ君
                仁比 聡平君
   国務大臣
       法務大臣     千葉 景子君
   副大臣
       法務副大臣    加藤 公一君
       防衛副大臣    榛葉賀津也君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中村 哲治君
       厚生労働大臣政
       務官       足立 信也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十二年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十二年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (裁判所所管及び法務省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(松あきら君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、松浦大悟君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえさんが選任をされました。
    ─────────────
#3
○委員長(松あきら君) 去る三月十七日、予算委員会から、三月十九日の本会議散会後の一日間、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 裁判所及び法務省関係予算につきましては既に説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○丸山和也君 自由民主党の丸山和也でございます。よろしくお願いします。
 今日、大臣に五項目ぐらいをいろいろ御質問したいと思っているんですけれども、基本的には、大臣の所信表明に対して別にけちを付けるとかけしからぬということじゃなくて、やっぱりそれを中心にして、そこに盛られているいろんな施策についてやっぱり議論を含める必要があると、冷静にやっぱり議論を含めて、こういう大きなある意味で政治の節目と言われるような時期に実りあるものをつくっていくと、そういう姿勢でいろいろ質問させていただきたいと思っています。
 まず、最初に通告しております国選付添人制度ですね、少年に対する。これについて、実は私はこの問題に最近まで余り特別な関心を持っていなかったんです、正直言いますと。ただ、裁判員制度が始まった後、いろんな各弁護士会、あるいは少年事件をやっている弁護士等から、やっぱり今残されている、彼らの立場から見て、運動を進めてきた中でやはり残されていると思っている問題に、全面的に国選付添人を付ける制度を創設する必要があるんじゃないか、ここだけがまだ残っている、裁判員制度が実現したにもかかわらず、また一般成人の刑事事件についての被疑者国選が認められたにもかかわらず、この部分がやはり取り残されているんじゃないかというかなりの強い要望を複数から受けまして、それで少しこれについて、本当にその必要性があるのかどうか、また単にこれは弁護士会の運動の一環としてやっておるのか、それともやっぱり少年法の趣旨から考えて国選付添人を拡充するということが方向性として望ましいのかどうか、こういうことについて、こういう観点からちょっとお聞きしてみたいと思うんです。
 それで、現在の少年審判事件については、もう御存じのように、審判を受ける少年にとって国選付添人の選任率といいますと、少年鑑別所に収容され審判を受ける少年の約四〇%だそうです。それで、審判を受ける少年全体では八・五%だと。
 一般の成人の刑事事件では一〇〇%あるいは一〇〇%に近い被告人に弁護人が付くことから考えますと、非常に心身共に成長の未熟な少年に対する配慮といいますか、法的保護が不十分な状況にあるんじゃないかというふうに言われて、そこからこの問題が指摘されているわけでありますけれども、現行の制度は、主に殺人とか強盗、重大事件にのみ国選付添人を付けることができ、しかもその付けるか否かは裁判所の裁量に任せられていると。そのため、結果的には多くの事件で、必要と思われる事件についても国選付添人というのは付けられない、要するに四〇%ぐらいだと言われているんですが、こういう状況について、まず制度自身が、これは刑事裁判と違って検事と弁護士が対決するという構造じゃないものですから、裁判所が保護者的立場から全体をバランス取りながら運用していくからこれでいいんだという思想が背景にあったと思うんですけれども、現状の指摘も踏まえた上で総括的にどのようにお考えになっているのか、御意見をお聞きしたいと思います。
#5
○国務大臣(千葉景子君) 丸山委員の御質問にお答えをさせていただきたいと思っております。
 今委員が御指摘をされましたように、少年事件、そして家裁での少年審判等は、家庭裁判所が少年に対して後見的な役割を果たしながら審判を行うと、こういうことが大きな基本になっているというふうには思います。
 ただ、そういう中で、この間、制度的には、平成十二年に、検察官が一定の重大事件で審判に関与する場合には必要的国選付添人制度と、片方に検察官が付くということをもって付添人が付いた方がいいと、こういう改正がなされて導入がされました。それから、平成十九年の改正では、少年が一定の重大事件で身柄を拘束されているというような場合など裁量的に国選付添人制度、国選付添人を付けることができると、こういう制度が導入をされました。また、平成二十年の改正では被害者参加というような流れがございまして、被害者等による少年審判の傍聴を許す場合、必要的国選付添人制度ということで国選付添人の意見を聴かなければならない。
 こういう何回かの改正がなされて、確かに家庭裁判所が後見的役割を果たすけれども、少年に対しても一定の条件の下に付添人を付すこと、こういうことが順次なされてきているものだというふうに承知をいたしております。
 また、それに対して様々なところから、やはり全体的に付添人を付与すべしという、大人の方がある意味では国選弁護人などが付く、むしろ少年の方にきちっとしたサポートが必要なのではないかと、こういう御意見が出されている、それから私もいただいたりしていることも承知をいたしております。
 こういうことを考えますときに、様々な御議論、これから皆さんの中でも重ねていただければ大変有り難いというふうに思っておりますけれども、今申し上げましたような、家庭裁判所が少年の後見的役割を果たしていると、こういうことは否定できないものだというふうに思いますし、あとは、付添人、本当にどこまで必要なのだろうか、あるいは検察官が関与する場合の事件とそうでない場合との兼ね合いとか、それからこの制度に対して国民の皆さんのどれだけ納得と理解が得られるか、財政的な問題にもかかわってまいりますので、そういうところなどを総合的に考えながら、しかしそういう大変強い御主張などが、御意見があることも承知をいたしておりますので、これから議論をさせていただければというふうに思っております。
#6
○丸山和也君 大臣おっしゃったように、これから議論を是非進めていただきたいと思うんです。といいますのは、私も、もう大分前ですけど、結構の数、少年事件をやったことがございまして、やはり少年というのは、幾ら家庭裁判所が保護者的立場から配慮していろいろやってくださっている、やっぱり一つの役所としてそうやられるのと、それから自分に本当に個人的に付いてくれて、いろんな話を聞いてくれて、指導してくれて、またいろんな説明をやっぱりしてくれて、それから審判を受けるのと、大分やっぱり安心感というのが違うと思うんですね。
 それで、特に少年というのは、自分のもちろん身を守る能力にもそんなにすべたけていませんし、それから、こう言っちゃあれですけれども、ちょっとさじ加減でうまくだまされるんですね。本当に裁判所からだまされると言うと変ですけれども、その仕組みからうまくやられてしまうということも結構あると思うんですよ。
 そういう意味では、本当に人間主義に立つならば、やっぱりあなたと僕は同じ立場に立っているんだよという立場の付添人がいるということがあって初めて保護者的な裁判所の機能の中で安心して物を言おうという気持ちにもなってくると思うんですね。それで、そういう審判を受けたことで、幸いにしてというか、それから先に成人に達しても、犯罪とかそういう世界に足を踏み込まない一つの納得した自分の覚悟なりが少年の中にも生まれてくると思うんですよ。
 ですから、そういう意味では、成人以上に少年というのはやっぱり手間が掛かるんだと思うんですよ。だから、手間が掛かるだけに、より寄り添って、しかるところは厳しくしかって、しかし温かく説き伏せるところは説き伏せるという、そういう立場の人は、なかなかすべて裁判所にお任せするということは、現実問題として、個々の事件をやっていると、やられた方、見られた方はたくさんおられると思うんですけれども、非常に難しいと私は思うんですよ。
 もちろん国家財政には限りもありますし、何でもかんでも国が国選でやれという、こういうことも言えないし、裁判所にももちろんそういう親的な機能を果たしてもらう努力も更にやってもらう必要はあるんですけれども、やはりこれだけ需要があって声があるということ、そしてまた日弁連もそういう会費の中からそういう私的、私的って変ですけれども、そういう政府の制度じゃない援助制度も設けて取り組んでいるぐらいですから、これは少なくとも前向きに是非、将来の日本社会の大人になる基礎たる少年ですから、少年少女、少年法の、是非前向きに検討していただきたいと思います。
 もう一度、大臣の。
#7
○国務大臣(千葉景子君) 基本的な認識といいましょうか、それは丸山委員と私も共通するところ、本当に大でございます。
 先ほど申し上げましたような課題もございますけれども、それから、少年に対する様々なサポートというのがこういう国選付添人という形だけでいいのかどうかという、そういうこともあろうかというふうに思います。そういうことも併せながら、これは本当に真剣にまた検討を、皆さんとも議論をさせていただきながら、してまいりたいと思います。
#8
○丸山和也君 では、是非よろしくお願いします。
 次に、いわゆる人権救済機関の、これはここ数年随分話題になりまして、賛否両論あり、また国際機関から指摘もされている、こういう国際的にも注目されているイシューだと思うんですけれども、これについて少しお聞きしたいと思うんですけれども。
 ほかの委員の方からも当委員会においても何度か質問があったので、余り重複することは差し控えますが、これは法務省も、前政権の段階から、いわゆる総括的な人権救済機関の設立の必要性を認めて法案の提出の準備もされていたと聞くんですけれども、いろんな中で、かつての与党の中でも意見が対立がいろいろするなりして、結局、法案提出に至らず、非常に問題の多い、政治的に問題の多い案件として葬り去られてしまって、その後に政権交代もした中で、千葉大臣も意欲的にこの問題を取り組んで法案提出にこぎ着けたいと、そういうお考えだと思うんですけれども、これについて大臣の基本的な所見をお伺いしたいと思うんですが。
#9
○国務大臣(千葉景子君) ありがとうございます。
 この人権救済機関につきましては、今委員が御指摘されましたように、これまでも、法務省等での検討もあり、あるいはそれぞれの各党会派での検討などもされてまいりました。しかしながら、今の段階まで実る形にはなっていないというのが実情ではないかというふうに思っております。
 現在は、人権擁護については法務省が所管をさせていただいて、そして人権相談あるいは人権侵犯事件の調査・救済活動などを通じて一定の人権救済に取り組んではいるところでございます。
 しかし、依然として、児童あるいは高齢者に対する虐待とか、あるいは女性に対する暴力、あるいは障害等を理由とする差別や学校や職場におけるいじめなど、本当に数限りない差別や人権問題というのが生じているというのが実情ではないかというふうに思っております。
 それから、各種人権条約に基づいて、国際的にも、国際的な委員会が我が国に対して、独立した国内人権機構の整備の必要性について、この間、度重ねて指摘をされていると、こういう状況もございます。
 こういうことを考えてみますときには、人権侵害の救済に対して実効性のあるそういう体制というものがやはり必要なのではないかということを私も常々考えておりまして、是非、政府からの独立性のある形で人権救済機関というものを設け、そしてこのような数々の人権侵害あるいは差別などが一つ一つ解消されていく、こういう社会を構築するために寄与できることができればと、こんなことを私も考え、何とかそのような体制を整えることができないかということで今検討を進めさせていただいているという状況でございます。
#10
○丸山和也君 大臣、今非常に大事なことをおっしゃっていただいたんですけど、やっぱり政府から独立した形でと、これは非常に大事な点だと思うんですね、この点については後にもちょっと触れたいんですが。
 やはりこれが非常に議論を沸騰させた理由の一つは、どういう位置付けの機関なのかなということと、それから、強大な国家機関の一部にすると、それが新たに、本当の私人間の人権侵害の中に、国家が人権侵害の調査だ是正だという形で私人間の私生活の中に入ってきて、新たな人権侵害をむしろ国家の手によって誘発するんじゃないか、これはもう逆行じゃないかと、こういう危惧も学者を含めいろんな方が指摘されていたんですね。
 そういうことがあって、非常にこれは全く中身がまだはっきりしないということで、とらえようがないという形で葬られてしまったんだと思うんですけれども、やはり位置付けは、国家機関の一部というんじゃなくて、政府から独立した公正中立な機関にするということがポイントだと思うんですね。
 それと、この人権という言葉がなかなか、何かということは、これは昔から言われているんですけど、非常に難しいんですよ。やはり私は、人権という概念も時代によってやっぱり変化していくと。基本的には、やっぱり人間のそれぞれの幸福を追求して自由で幸福な社会を実現しよう、そのための個々人の権利を守っていこうということには違いないと思うんですけど、それに反する行為はどういうことが人権侵害だと考えるかということは、社会によって時代によって変化していっていると思うんですね。変化し、また昨今非常に多様化しているんじゃないかと思うんですよ。
 さっき大臣がおっしゃったようないじめの問題とか、いろいろあります。松岡先生が前回も言っておられたように、同和とか部落問題という、いわゆる古典的と言ったら失礼だけれども、現代でもあるんでしょうけれども、そういう伝統的な事件問題というのから、全くそういう部落とか出身とか門地とか関係ない、新たに今の社会、情報化社会の中におけるやっぱり人権問題というのが出ていると思うんですね。そういう意味で、人権の定義というのは常に検証していかないと侵害ということも摘発できないと思うんですね。そういう意味で、そういう非常に柔軟性を持った、しかも政府から独立した機関にするという必要が是非あると思うんですね。
 そこで、手元にお配りしました一枚資料にもあるんですけれども、この中で、大臣は政府から独立したということをおっしゃったんでそれについては特に聞きませんけれども、救済の範囲の中で、いわゆる公権力による人権侵害という中で、かつての政府案、法務省案といいますかね、それとかつての民主党法案というのは、差別と虐待に限り対象とすると。それに対して一番右側の日弁連案というのは、公権力によるすべての人権侵害を対象とすると。こういうふうに、必ずしも公権力による人権侵害というのは差別と虐待だけでないと。私もそう思うんですね。
 そういう意味では、やっぱり救済の対象範囲は幅広く基本的に設定した方が僕はいいと思っているんですけれども、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
#11
○国務大臣(千葉景子君) 今御指摘がございますように、人権ということは、言葉では人権と表現をしましても、個別具体的にどういうものが人権侵害か、あるいは時代、社会の状況によって本当に動くこともあるでしょうし変わっていくと、こういう面もあるのではないかと、私も大変難しい問題ではあるというふうには思っております。
 それで、公権力による人権侵害ということについては、これは人権擁護推進審議会がこういう人権救済の機関をつくるようにと、こういう議論をして答申をされているのですけれども、ここでは、公的機関による人権侵害についてはあらゆる人権侵害を対象として簡易な救済が図られるべきであるというふうにされておりまして、公的機関による差別、虐待については特に積極的な救済を図るべきであるというふうにされております。
 私もまだ最終的な考え方を固めさせていただいているわけではありませんし、この辺もこれから、今どういう形でこの機関を設置するかという議論をさせていただいておりますので、こういう中で検討をいたしたいというふうに思っておりますけれども、こういうあらゆる人権侵害を対象にせよと、こういう答申なり、それからまた日弁連なぞの意見もございますので、こういうことも是非念頭に置きつつ、その範囲といいましょうか、それをよりより適切に考えてまいりたいというふうに思っております。
#12
○丸山和也君 是非そういう幅広い視点で柔軟に検討していただきたいと思います。
 それから、これが、次が一番具体的には問題になった点かと思うんですけれども、いわゆる私人間というのか、私人による人権侵害と言われるものですね。これがまさにこの社会の中でいろんな形で、これは人権侵害じゃないかと、何でこんなのが人権侵害になるんだとか、やっぱりとらえ方の、考え方の違いもあって非常に難しいものなんですけれども、この点について少しお聞きしたいんですけれども。
 これが、やはり政府から独立した機関といえども、公的機関がやっぱり私人間の全くプライベートな、例えば少人数のクラブ活動というか同好会、そういうたぐいの中でだれかれがだれかれを非難する発言したとか差別的発言したということですね。個人間の従来のそれが名誉毀損とか侮辱とか、そういう司法的救済を受ける手続、これなら問題ないんですけれども、いわゆる人権救済機関がそこに立ち入って調査したり、場合によっては、罰則があるかないかはこれ別にしまして、そういう権限を行使するということについては、やはりそれが意図的に、あるいは政治的というか思想的に利用されるおそれがあって、陰では国家権力によって一定の政治的色彩の下に特定の人物が糾弾されたり排除されたりするおそれがあるんじゃないかというようなことがいろいろ議論もされたりして、かつての反対論の一つにもなっていたんですけれども。
 そういう意味では、やっぱり私人間のいわゆる侵害ということについては、無条件に幅広くというのじゃなくて、これは一つの案ですけれども、ここにも言っていますけれども、社会的影響力のある組織、集団によるものを対象に限定すべきだというような、こういう歯止めを一つ設けているんですが、私もこれは一つの考え方じゃないかなと思っているんですね。いわゆるバランス感覚ですよね。本当はどうか、私人間の中でのこういう人権侵害というのが一番問題かも分からない。でもやっぱり、それにすべていわゆる公的機関が入っていくかどうかということは、これはまた、入るということ自身のインパクトの大きさも含めて、いろいろやっぱり慎重にしなきゃならないと思うんですね。
 だから、何事も一〇〇%の完璧を求めれば、それが完璧に達成されるバイプロダクトとして、副産物として別のものが生まれる可能性というのは必ず往々にしてありがちですから、そういう意味では非常にここはデリケートなイシューなんですけれども、バランス感覚を持って、やはり純プライベートな問題については基本的には余り立ち入らないと、こういうバランス感覚が必要だと思っているんですけれども、法案になる前ですけれども、大臣の御感触はいかがなものでしょうか。
#13
○国務大臣(千葉景子君) 基本的な人権が保障されるべきであるということは当然でございます。
 基本的に人権保障というのは、元々公権力とか、あるいはそういうものからの自由といいましょうか、そういうことから発祥して、そして成熟をしてきた概念であろうというふうに私は基本的な認識としては考えております。しかしながら、じゃ、私人間で全く人権の相対立がないかというと、そういうことでもないだろうと。しかし、片方の人権を尊重することによって他者の人権をまた逆に侵害をするのではないかと、こういうおそれが指摘されているということも私も十分よく分かります。
 そういう意味では、この問題というのは、御指摘のように、そういうことがあるのでなかなか救済機関とかあるいは、何というんでしょうね、救済のシステム、こういうものがつくりにくかったということもこの間あったというふうに思います。是非、そういう意味では、私人間について一方の人権救済ということが他方の人権侵害につながるとか、そういうことがないように、それからまた御指摘の公権力がそういうところに余り手を出すことはむしろ慎重であるべきだと、こういう意見もございます。
 そういうことで、政府から独立性のあるということにもなるのだろうというふうには思いますが、是非、御指摘の点、私も非常に難しい点ではありますけれども解決をしていかなければいけないことだと思いますので、少し柔軟な考え、頭を持ちながら検討をより一層深めてまいりたいというふうに思います。
#14
○丸山和也君 是非その点は、基本的には自由にし、しかし行き過ぎというところにはやっぱり時代に応じた権利保護、人権の擁護、侵害に対する調査、そういうことで保護の手を差し伸べるという、こういうスタンスでいくべきだと思いますので、是非十分な意見を聞いて、バランスのいい配慮を是非しながら法案作成にこぎ着けていただきたいと思います。
 それと、それの関連で、実際のそういう人権侵害の救済の申立てがあったときに調査し、それから違反があったときにどうするかという、調査権限とか罰則、これも絡んでくるんですけれども。
 やはりこれも、ここに強制力を認める、あるいは違反の場合、調査に応じないのには罰則を設けるとか、これを余り強くやるとやっぱり同じ問題が、危惧が非常に生じますので、やはりここも、日弁連案にありましたように、調査に強制力を持たせない、それで調査に拒否した場合は拒否の事実は公表すると。公務所には調査協力義務を認める、それから過料等の罰則は設けない、特にと。やっぱりそういう侵害があると言われながら調査の協力にも応じないんだよということは、その限度で公表し間接的な社会的制裁を受けるであろうという限度にとどめている、これはバランス感覚だと思うんですね。
 ここらはやっぱり、人権というのは非常に見方によって違う面がありますし、それから感性による、何でこの程度のことを言ったことが、あれしたことが何で侵害になるんだ、おれは親切で言ってやったんだとか、いろんな日常生活の中では個々的には起こっていますので、やはり余り過大な権力的な力を、あるいは刑罰的な罰則を設けると、やっぱりそれに萎縮してしまって、本来伸び伸びとした人間らしい生活をみんなが送れるようにといったのが、びくびくして物が言えない、行動が取れない、あるいは適当なところで抑えてしまうというか、そういう萎縮した社会になってしまうとこれはやっぱり人間性の発露という点から見ても社会全体の大きなマイナスになると思いますので、そこら辺は十分な配慮を強制力、罰則についてもしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#15
○国務大臣(千葉景子君) 御指摘の点、人権救済については、やはり救済機関をきちっとシステムを設けるとすれば、一方ではそれなりに実効性のあるものでなければならない、こういうこともあると思います。しかし、反面、今御指摘のあるように、それが逆に非常に窮屈な社会をつくってしまったり、あるいは新しい人権侵害といいますか、抑圧のようなそういう機能を果たしてしまうというふうなことになっては、これは本末転倒ということになろうと思います。
 人権救済機関、そしてそういうシステムをつくるということは、むしろ本当に一人一人の自由とそして人権が十分に生かされ、そして闊達に伸びやかに生きられると、むしろこういう社会をつくろうという意味を持ってこういう機関をつくろうということですから、そこが本末転倒になるようなことがあってはならないというのはもう御指摘なとおりだろうというふうに思っております。
 そういう意味で実効性はなくてはなりません。しかし、窮屈な社会につながるようなことがあってもこれもなりませんので、そういうところを、御指摘の点も十分踏まえて、できるだけ早くいろんな議論をまとめてこの機能が発揮できるように、そしてそういうシステムが機能していくようにしてまいりたいというふうに思っております。
#16
○丸山和也君 では、具体的なスケジュールについてはもう余り聞いてもちょっとあれでしょうからお聞きしません。
 次の問題に行きますけれども、いわゆる取調べの可視化の問題、これも大臣は大臣になられる前から個人的主張としてもされていましたし、民主党の政策の中でも重点政策の一つ、公務行政に関するですね、取り上げていたんで、これについてお聞きしたいと思うんですけれども。
 いわゆる取調べの可視化については、はっきり言っていまだに賛否両論あるんじゃないかと、全面的可視化につきましてはいまだに賛否両論あるんじゃないかと思います。その中で、菅家さん事件とか志布志事件とかいろんな事件がありまして、世論的には取調べ可視化を非常にバックアップするような事件が続発しまして、ああ、やっぱり可視化があった方が良かったのかなというある種の大きな世論ができているのかもしれません。しかし、そういう一時的というか、世論だけじゃなくて、やっぱり可視化の光と影という両方やっぱり見ていく必要があると思うんです。
 それで、私、今日質問したいのは、やはりこの問題に関しては、基本的議論としてやっぱり決定的には冤罪を防ぐ、それから取調べにおける人権保障を確保すると、これがやっぱり公正な刑事司法を実現するために是非とも必要なんだという基本的な考え方、これはまあそれなりに間違っていないと。一方の方で、取調べが十分できない、あるいは取調官と被疑者との間の信頼関係が築けないとか、あるいは組織犯罪による捜査が行き詰まってしまうとか、あるいはおとり捜査とか傍聴、盗聴ですか、そういうことがかなり司法取引も含めて合法化されていかないと、合法拡大されていかないと、やっぱり捜査全般の機能が低下してしまって、いわゆる犯罪者というのをどんどん取り逃がしてしまって、社会的な治安も悪くして、もって法の目的である安心、安全の社会が根本から崩壊してしまうんだという意見と、結構真っ向からがっぷり四つでずっと議論されてきたと思うんですね。
 それで、私もこれは、その中で一つの議論として、可視化を進める、その代わり取調べ手法、司法取引も含めて、そういうものも並行して拡充していくと、こういう車の両輪のようなことをやったらどうかという折衷案的な意見もありました。
 しかし、大臣の意見をずっとここ半年ほど聞いていますと、必ずしも両輪という、並行してということじゃなくて、可視化は可視化としてこれはもう進めるんだ、進めなきゃならないんだと、そして、必要な取調べの、あるいは捜査の手法の拡充とか、外国で認められているような司法取引とか、そういうものはそれとして別個にまた必要なものは検討し進めていくと、こういうお考えのように私は受けたんですけれども、受けているんですけれども、こういう認識でよろしいんでしょうか。
#17
○国務大臣(千葉景子君) 御指摘をいただきました。基本的にはそのように考えております。
 この可視化については、今お話があったように、やはり冤罪があってはならない、それから捜査の透明性、信頼性を高めていくということがあろうというふうに思います。
 その冤罪を防ぐということは、逆に言えば、本来の被疑者、あるいは犯罪のあるいは真相をむしろやみに葬ってしまうということにつながるわけですので、そういう意味では、やはりきちっと適正な捜査をして冤罪を防ぎ、本当の意味での犯罪を解明をすると、こういうことにつながっていくだろうというふうに思っております。
 そういう意味で、私は、まずは可視化を進めるということを一点にというか、その側をまず進めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 ただ、お話しのように、今でも、じゃ犯罪の捜査手法あるいは更なる捜査のいろいろな手法の進展、成熟、科学的捜査等も含めて、そういうことも決して否定するものではございません。でき得る限り科学的な捜査なども含めて十分な捜査能力を高めて、そしてそれがまた冤罪を防いだり、あるいは捜査の信頼度を高めるということにもなるわけですので、逆にそういうところはまた警察庁なども含めて努力をされ、そして検討もされているというふうに伺ったりしておりますので、必ずしも私は両方合わせて用意ドン、両輪でということを考えてはおりませんけれども、そういう捜査についての様々な取組がより一層進展をしていく、成熟をしていくということについて、これは別に否定をするものではございません。それはまた様々な形で御議論をいただければというふうに思っております。
#18
○丸山和也君 やっぱりこの可視化というのは、一つは、全然やらないで危険だ、やってみてどうと。やっぱりやってみないと分からない面も結構あるんですね、一部、部分的可視化を既にやっていますけれども。だから、外国においてもやっぱり制度導入前は賛否両論あった国がたくさんあったと聞きます。やってみると案外うまくいくな、あるいはそれほど取調べが難しくなったこともないなということもあるようですし、それから、やはりちょっとやりにくいという捜査官の証言もあるようです。
 だから、ざっくばらんに言えば、やっぱり時代の流れの中で試してみる価値はあると思うんですね、私は。しかし、それはやはりいろんな形、裁判員制度との関係があるし、それから、必ずしも両輪でないけれども、そういう意味での諸外国に認められている制度の積極的な取り入れる勉強もする必要もあるし。
 それから、これ外国と、まあ外国といっても国によって違いますけど、例えばアメリカ辺りに比べても、日本の場合は、刑事事件の起訴した場合九九・九八%が有罪になるとか、映画のあれでもありませんけれども、そういう統計もありますけれども、アメリカ辺り見ていますと、やっぱり有罪の答弁をして認めたやつはもう正式裁判やりませんから。それで、実際に起訴して正式裁判になったやつで見ると、やっぱり二五%ぐらいは無罪になっているんですね、起訴された事件の、すごい数なんですけれども。だけど、それが当たり前なんですよ。やっぱり陪審員がいる中で裁判をしてもう四分の三が有罪になっているわけですから、何ら問題ないと。しかし、やっぱりそこで検察官、弁護士、闘って、そこで白黒付けて判定が下っているわけですからね。何も九九・九九%が、起訴したのを全部有罪にしなきゃならぬという、こういう前提自身はもちろんないわけですから。
 そういう意味では、刑事司法制度自身を、僕は思うんですけど、刑事裁判も含めてですけれども、やっぱり根本から取調べの在り方、それから裁判の在り方、それから判決における有罪率とかいろんなことも含めて、一回やっぱり、これまでのやり方を金科玉条とするんじゃなくて、フレキシブルに一回見直していいと思うんですよ、僕は。
 そういう意味で、大臣、これは一つの節目ですから、やはり大きな観点から、単にその取調べの可視化ということだけじゃなくて、これも物すごい改革なんですけど、それによって刑事裁判全体がどのように変わっていくのか、またどういう点が良くなるのか、問題が出てくるのか、こういうことを総括的に是非検討していただきたいと思うんですけれども、どうですか。
#19
○国務大臣(千葉景子君) ありがとうございます。
 今お話をいただきました点は、私もこの可視化ということは、決してこの可視化というだけにとどまることなくして、やはり日本の刑事司法、刑事手続、そういうものの大きな骨組みと密接にかかわるものだというふうに思います。
 これまで日本の刑事手続というのは、非常に精密司法とも言われるように大変緻密な捜査をし、そしてきちっとした調書を作り、そしてそれを裁判に提出をして、もうそこまで行くとほぼ有罪が大体固まっているというような形で推移をしてきたのではないかというふうに思います。
 ただ、考えてみますと、裁判所があるということは、最終的な判断というのは、やはり裁判所が双方の主張を聞き、そしてどのような証拠に裏付けられているかということを吟味をして判断をすると。裁判所があるわけですので、その前の段階ですべて決着をさせようという必要はないのではないかということは私も感じます。
 そういう意味で、有罪率が非常に高いということを余りすごいことだということを思う必要はなくて、最後にやっぱり裁判所があるからきちっと判断がされるんだ、こういうことで納得できればいいのではないかなというふうに思っています。
 それから、裁判員制度ということになりまして、やはり調書とかの裁判ではなくて、やはり法廷の場でそれぞれの主張やあるいは証拠をきちっと検証して、そして裁判員も含めてそこで判断をするという形になりますので、そういう意味で調書の位置付け、こういうことも大分変わってくるのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、刑事司法、本当に大きな裁判員制度が導入されることも併せて今変わってきているのではないか、こういうことも感じておりますので、可視化ということにとどまることなくして、そういう大きな日本の刑事司法の在り方、刑事手続の在り方等々も私も改めて勉強させていただいたり、あるいはこういう場で本当に実りのある前向きな議論ができればと、こんなことを考えております。
#20
○丸山和也君 質問通告してないんですが、そこで、ちょっと大臣の言葉に出ました、やっぱり最後は裁判所が決めるんだと。そこで一言、これは私の希望ですから回答は要らないんですけど。やっぱり司法制度改革によって司法試験の合格者が大幅に増えてきていると。これはある意味では、大きな司法をつくるという意味で、日本は非常に小さな司法だということに対する大きな脱皮ということで基本的には望ましいことだと思っているんですが、若干今増え過ぎだということでまた違う人が、違う人って、いろんな意見も出ていますから、数に関しては議論のあるところですけれども。
 それで、ただ、司法試験合格者がかなり増えてきて千五百人近くになっているんですかね、なっていて、大半がやっぱり弁護士になっていくと。それで、最後は裁判所できちっとした公正な司法の、受けられるんだと、判定を。これを言うためには、裁判所が、やっぱりある意味で裁判所の機能の充実、予算の充実、つまり裁判官、それからスタッフの充実、それから予算のそういう手当て、これが絶対必要だと思いますので、ややここらが、裁判官の給料も結構いいんですよ。仕事の割にはまだ少ないとおっしゃる方がおられるかもしれないけれども、結構高いんですよね。今たくさん増えてきた弁護士と比べると裁判官というのは非常にいいなと言われていて、だから、裁判所自身が余り裁判官を増やして、その代わり自分らの給料も減ったら困るからということで人員増加に反対されているんでもないでしょうけれども。
 やはり予算も取り、それから裁判官の数も増やしていただかないと、刑事だけじゃなくて民事事件におきましても、今、やはり三審制になっていましても、高裁での機能というのが非常に、何というか、ほとんど審理しないというか、最高裁じゃないんだから、高裁で、私らがかつて十年、二十年前にいわゆる控訴して、高裁というのは本当に立派な裁判官おられて、もう一度じっくり証拠を全部見て、必要な追加尋問なり証拠調べというのを随分やってくれていたんですよ。ところが、今は、多くの弁護士にも聞きますけれども、ほとんどそういうことが極めて難しくなって、やらないんですね。これは必ずしも、まあ一審重視だと言えば聞こえはいいんですけれども、やっぱりもうやれないというか、早く処理してしまうという非常に官僚的というか、スピードアップ、裁判の迅速化という美名の下で余り控訴審がやや形式化していると。これはやっぱりそういう人員とかいろんな問題もあると思いますので、是非ここらを検討していただきたいと思っています。これは私の意見ですけれども。
 それから、いよいよお待ちかねの死刑制度についてお聞きしたいと思うんですけれども。
 大臣は就任されて半年余りになりますかね。それで、今のところ就任されてからの死刑執行はなかったかと思っています。そしてまた、大臣、個人的には死刑制度の見直しというか廃止のお考えじゃないかとも思っています。違っていたらおっしゃってください。
 それで、基本的にこの死刑の問題というのは非常に大きな問題であり、世論調査なんかを見ると、もう八割近い方が、まだ死刑は残虐な犯罪に対しては社会の安全、いろんな意味で必要だという世論もある。この中で、しかし世論調査がそのまま政策になるわけでもないでしょうし、将来の政策をつくる意味で、やはり大臣としてそろそろ基本的なお考えをびしっと言われても僕はいいんじゃないかと思うんですよ。例えば、私は死刑制度については廃止の方向で考えております、ですから私の在任中は死刑は執行いたしません、少なくとも、その間に死刑制度全般について十分議論を進めたいと思いますとか、こういうこともおっしゃっても僕は一つの見識だと思うんですよ。
 そこら辺については、この問題でいろんな、大臣を辞めた人もおりますから、いろいろいますから、非常に慎重になられているんだと思うんですけれども、やはりこれは避けては通れない問題だと思いますので、大臣の明確なお考えをお聞かせいただけたらと思っています。
#21
○国務大臣(千葉景子君) 大変重い問題だと思います。正直言いまして、私もそう単純な人間でもありませんので、いろんなことを思い巡らせ、あるいは頭の中を悩ますことの一つであることも確かでございます。
 私自身は、御承知のとおり、この間、死刑制度廃止という、そういう方向も日本の社会の中で考えていくべきではないだろうか、こういうことを多くの皆さんと一緒に考えてきたという一人でもあることも、これは別に否定をするものでもありません。
 しかし、反面、やはり日本の国が今死刑という刑罰を制度として持っており、そしてその最終的な執行の責任、それは法務大臣が負っていると、こういうことも厳然たる事実だというふうに思っております。
 そういう意味で、少し長い本当に将来を考えたときに、皆さんと、何らか死刑制度というのが本当にどうあるべきか、あるいはない方向へ行くのか、あるいはやっぱり存続をさせてきちっと執行を対処していくのかと、こういうことも含めて私も問題の御提起をしていかなければいけない、そういうことも感じております。
 そういうことも併せながら、今様々、どういう形で御議論をいただいたり、あるいは私自身も御提起をさせていただくことがよいのか、そんなことも考えているところでございまして、なかなか明確な御答弁にならないことを大変申し訳なく思っておりますけれども。
 これは国の本当に根幹にかかわると、こういうことでもあろうかというふうに思いますので、是非、丸山委員にも、いろんな意味での御論議の材料といいますか、御意見などをいろんな場で闊達にお出しいただければ大変私も有り難いというふうに思っております。
#22
○丸山和也君 複雑な胸のうちをお聞かせいただいたんですけれども、一応制度を前提とした上で、二つばかり私の方から注文というか、問いたださせていただきたいことがあるんですが。
 一つは、現行制度の中の執行の方法ですね。特に告知の問題。今日執行するぞというのが、聞きますところによると、当日の午前中、まあ七時ごろか何か早朝だと聞いていますけど、告知されて、そのほんの一、二時間後ですか、数時間後に、午前中に執行されると、これが基本的なやり方だと聞いているんですけれども。
 これは前々から私が取り上げているんですけれども、国連の幾つか人権委員会の方からもそういう指摘されていますけれども、やはり私の言葉で言えば、家畜の屠殺じゃないんですから、やはり人間が国家の命を受けて自分の命を絶つわけですよね、まあ絶たされると。それに対する、どんなことをやった人間であれ、やっぱりリスペクトというのがあると思うんですよ、命を奪う、受け入れる、相手は受け入れざるを得ない、そういう状況の中で。それに対して、朝起きて、いつか分からない、朝目が覚めたら今からだと、ぱっとね。これはやはり心の準備、それから親族含めこれという人に対する断りとか最後のあいさつとか、いろいろあると思うんです、自分のしまい方についてのね。ここらぐらいは僕はやっぱり温かく敬意といいますか、払ってやってもいいと思うんですよ。それくらいのことはやっぱり国家が命をもらう代わりにするべきだと私は前から思っているんですよ、どんな極悪人であれ。
 それは、やはり早く言えば、動揺するからとか、いろんなことをおっしゃっていますけれども、是非、私で言えば数か月、まあ二か月、三か月でもいいんですけど決めて、それでむしろその上で自ら本人が希望する日に執行すると、ここまでのやっぱり自主性を認めたらどうかと、こういう意見を持っておりますので検討していただきたいということと、それともう一つ、これに関して、これは死刑の存置の論に関するんですけど、これ変わった見方かも分かりませんけど、やっぱり死ぬ権利というのもあると思うんですね、死にたいという。
 例えば、犯罪を犯した人が、もう自分は、いろんな動機があると思うんですよ、自分の人生はこれで終わりだ、早く死にたい、あるいは自分が罪を犯した、もうどうしようもない、これは償いようがない、自分の命で償わせてくれと、こういうことだってあると思うんです。それから、最近では、やや若干異常な精神状態かも分かりませんけど、早く執行してくれ、控訴も要らない、上告も弁護人がやっても取り下げる、早く執行してくれと言ってそのままになっていくケースもある。
 だから、人間というのは、死刑だと言われて命がずっとそのままあることが決して幸せかどうかという深い問題があるんですよね。だから、死にたいという人の死ぬ、まあ死ぬ権利と言うと変ですけど、それを奪ってしまうことにもなるんですね、死刑廃止ということは。そこら辺についても、やはり少しやや、これは私も死刑宣告されたことがないもので分かりませんけれども、やっぱり刑務官とかいろんな方に聞きますと、何年も死刑宣告されてずっといる人は、ずっと安らかな気持ちになって、早くその日を迎えたいという人がかなりいるというんですね、本当の話。
 そこら辺も含めて、私は、死ぬ権利とまで言いませんけれども、やはりそういう状況の中で告知、事前告知ということをより充実させていただきたいというお願いをして、大臣に一言お答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#23
○国務大臣(千葉景子君) 丸山委員からは、先般からもこういうお考え方をお聞かせをいただいてまいりました。
 本当に死刑については、今お話がございますように、その執行に至るまでの様々な対応とか、それから、自ら命を絶つ権利とまで言えるかどうかは分かりませんけれども、そういうある意味での最終的な自らの尊厳のようなものをやはりどうやってむしろ尊重していくかと、こういう問題などもあるだろうというふうに思います。
 それから、執行というのは、執行が刑罰の執行であって、それまでの処遇のようなもの、これも一体どういう問題点があるんだろうかと、こういうこともあるだろうというふうに思いますし、それから、ここまで言うとどうかとは思いますけれども、例えば本当に執行方法等も一体どういうことなんだろうかと、いろんな御意見がおありの方もあるだろうというふうに思います。
 そういうことなども併せて、存置かどうかということだけではない死刑制度、それからその手続等についての議論というものは私も必要なのではないかということはやはり感じます。そういう意味で、先生の御意見も十分にまた私も心に留めておきたいというふうに思っております。
#24
○丸山和也君 時間がなくなりましたので、実は法テラスについて少しお聞きしようと思ったんですけれども。
 法テラスが随分利用状況も増えてきて認知もされつつあるということで、また他のいろんな機関との連携も少しずつ進みつつあると聞いているんですけれども、簡単にそれについて一言、どういうことかということを、どなたでもいいんですけれども、お答えいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(千葉景子君) ありがとうございます。
 法テラス、大分年ごとに認知がされてくるようになりました。しかし、まだ六割ぐらいの方は法テラス知らないという状況でございます。でき得る限り、いろいろな悩みを持ったり、あるいは相談などをどこかにしたいと思っている方が最初に訪れるところというのは、行政の窓口であったり、あるいは警察であったり、福祉関係のところであったり、そういうところなどが多いのかなというふうに思いますので、そういうところにできるだけ法テラスの分かりやすい資料を提供をするとか、連携を図っていくとか、あるいは何らかのメディアを通じた啓蒙あるいは情報提供、こういうこともさせていただきながら、是非この法テラス、更に皆さんに活用いただけるような、そういう体制あるいは方向にしていきたいと、私も努力をしてまいりたいと思っております。
#26
○丸山和也君 終わります。
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#27
○委員長(松あきら君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、牧山ひろえさんが委員を辞任され、その補欠として前川清成君が選任をされました。
    ─────────────
#28
○風間昶君 公明党の風間ですけれども、三日前の委員会でもまだ十分理解をすることがちょっとできない部分があったものですから、改めて足立政務官においでになっていただきまして確認をさせていただきたいと思いますけれども。
 御存じのように、二十一年の警察の死体取扱いでは、十四万四千三百十六体が非犯罪死体として、そのうち行政解剖されたのはまさに一〇%弱の九千六百十五体で、したがって、単純計算でいうと、残りのこの十三万四千七百一体はまさに外表検査で、触診、視診で死因が特定されているわけであります。
 三日前、足立政務官は、私はこの外表検査で十四万数千体の遺体がどういうふうに人口動態に反映されているのかということをお聞きしたんですが、そもそも論の方に話が行って、なおかつ政務官は、いずれにしても、死亡診断書も死体検案書も医師の判断によるから、そこで死因が記載されてそれが分類されていくということに答弁をされましたから、基本的には十三万体の死因については人口動態統計に反映されているというふうに受け止めます。
 しかし、そうすると、毎年毎年出している、日本人の百十四万人ですか、おととしか、百十四万人の方が亡くなっていて、簡単死因別分類出されていますのは御存じのとおりだと思いますけれども、どこにどう入っているのかということを教えていただきたいと。それが分からないと言うんだったら、むしろ今の、最終的に死亡診断書あるいは死体検案書で、まあ私もそうですけれども、外表面に何にもなかったら、あっ、これは急性心筋梗塞だろうねという形で結果的にだけど死亡診断書に疑いとして書いていた場合もあるし、単純に心不全と、実際に臨床をやっていたときはそういうこともあるわけですけれども。
 だから、この十三万数千体の方々の死因はどういうふうになっているのかを是非教えていただきたいと思います。
#29
○大臣政務官(足立信也君) ゆっくりちょっとお話ししますが、結論を言いますと、行政解剖された遺体とそれ以外の遺体が死因別にどういう分類をされているかということにリンクされているわけではありません。ですから、結論からいくと、その十三万体はどうなっているかということについてはリンクがないから説明はできませんが。
 どういう形かと。ちょっとおさらいみたいで申し訳ないんですが、百十四万の死体があります。警察等に届け出なければならないのは、自然死体を除いた不自然死体、つまりこれが十六万八百五十八と、検視の対象となる変死者あるいは変死の疑いのある人が一万五千七百三十一。犯罪死体は、犯罪死体とその検視の対象となる死体からは、刑事訴訟法に基づいて司法解剖される場合があります。これが六千五百六十九。そして、非犯罪死体は、十四万四千三百十六のうち行政解剖されたのが先ほど議員がおっしゃいました九千六百十五という形になっているわけですが、残りの約十三万が動態統計の中にどういうふうに割り振られているかというリンクがされている統計上のものはないんですね。
 委員おっしゃるように、私も五年前愕然としたのは、例えば千葉県のある市で、亡くなった方が一週間に二十一あった中で、死因が縊死、首つりですね、これが四例、あとは全員急性心不全と。この市には脳出血がないのかというような状況で死亡診断書、死体検案書が書かれているということでございます。それが動態統計に反映されていると、そういうことです。
#30
○風間昶君 いや、ですから、政務官もお医者さんだから分かるように、現実に私も、表面上何もないのは、結局、犯罪が絡んでいようがいまいが、急性心筋梗塞あるいは急性心不全で済ませちゃっているわけですよ。実際に、じゃ日本人の死亡、死因統計で、百十四万亡くなって、三十数万人ががんで、一位の死因ですよね、そして次が心疾患になっているわけですよね。心疾患の中には心不全も入っているわけですよ。そうですよね。
#31
○大臣政務官(足立信也君) そうです。
#32
○風間昶君 ですから、本当にそれが心不全かどうかということは分からないままで、それを、出てきた死亡診断書の数を統計の中に入れ込んで、私たちは、日本人の死因はがんが一番多くて、次は心臓疾患だ、次は脳血管疾患だとやっているけれども、本当にそれでいいんですかということを、厚生労働省のサブの統括官としてどうとらえているのかということを、私はこれどうにかしなきゃならないと思うんですよ。
#33
○大臣政務官(足立信也君) ですから、前回私申し上げたように、死因を究明するということは亡くなった方への最後の尊厳であると私は思っています。これをしっかり、医師としてもまた国としても、それははっきり原因を突き止めることが私は大事だと思います。この大前提に立っているわけで、現状はそうなっていないという問題認識の下にこれから改革していこうと、そういうふうに思っているわけです。
#34
○風間昶君 まさに政務官がおっしゃったように、死というのは究極の人権侵害なんですよ。そういう言い方もできるわけです。ですから、そういう意味で、私は検視制度の在り方の問題の方がかなり大きいなというふうに思っていまして、つまり再発防止につながっていない今の検視制度になっている。まさに、湯沸器事故で何人もの人が亡くなりました。あれ、最初の犠牲者をきちっと解剖していれば、あんなに多くの人が亡くならないで被害甚大を、拡大を防止できたわけです。
 時津風部屋の問題もそうでした。あれは非常にお父さんが物すごいエネルギーを使って、是非解剖してくださいってお願いに行った、警察ではもう一切取り合ってくれなかったから。それで実際に分かってきたということがあるんですよね。そういった事件性のものも、実際は事件が絡んでいた。
 私も実際、法医を少しやったときに、後からこっちに回ってきたんだけれども、その前まではいわゆるコット、ベッドのさくに首が挟まって、挟まった状態で亡くなったのが、往診した地域の先生がこれは要するに窒息だといって、だけれども、触ってみたらどうも胸がぼこぼこぼこぼこすると。そして、よくよく見たら、レントゲンを撮ったら肋骨が何本も折れていたということでこっちの法医に回ってきた。それで初めて死因が言わば家族の方の暴行、虐待が高じてのということがあった事例を私自身は経験として持っているわけです。
 ですから、そういう意味で、政務官はこの間私の質問のときに、解剖に偏重するものではないというふうにおっしゃったのは、それは病院死のことだと思うんですけれども、そうでない病院以外での死亡はやはり私は解剖をすることを前提にした検視制度をきちっとすべきだと思うんですが、そこはどうですか。
#35
○大臣政務官(足立信也君) 北見市の事案だと思います、湯沸かしのこと。これは一酸化炭素中毒死であったわけですが、これは八九年だったと思いますが、これは半年ぐらいの間に二件続いて、そのことが反省として、あるいは究明されていなかったから十何年後に同じ事態が起きたということだと思います。
 そこで、私がこの前申し上げたのは、解剖だけが、あるいは解剖さえすればすべてが分かるという認識では、それは多少誤りがあるという認識に立っているわけです。
 例えば、解剖と一口に申しましても、頭の解剖は余りされないことがよくあります。虐待の揺さぶりで亡くなったようなお子さんは、頭の解剖をしなかったら分かりません。それはむしろCTを撮ればすぐに分かることです。
 例えば、委員はフロンガスで学位論文だったと思いますが、一酸化炭素中毒死と心不全は外表から見れば私は違いがすぐ分かると普通は思います、極めて特徴的な色合いをしておりますから。しかし、それを擦り抜けた。であるならば、例えば血清やあるいは髄液や、そういうサンプリングを残すこと、あるいは画像でしっかり原因を確かめること、そして解剖をして更に詳しく見ること。これらはどれが一つあればいいという問題ではないと私は思っているんです。すべて重要なことであり、またその時々に応じて何かを選ぶ必要もある。
 結論から申しますと、死因究明をすることは非常に大事である、これをやらなければいけない、そのときに解剖さえすればすべてが分かるんだということは多少違いがあるんではないかというのが私の認識です。
#36
○風間昶君 私の質問は、解剖さえすればいいんじゃないかというふうに質問したつもりは全くありません。
 死因究明制度、死因の究明は大事だから、検視、見ただけ、触っただけの診断では、専門の法医学者ですら四五%前後ぐらいしか正しい診断ができかねないというふうにおっしゃっている方もいるわけです。つまり、半分ぐらいが見ただけでまあまあ死因が多くの人が見ても当たっているかもしれないけれども、半分以下が全く違う死因になって人口動態統計に表れているという点も問題だけれども、そしてまた、今政務官がおっしゃったように、今の日本のこの制度ではどの人もすべて解剖するというふうには現実的には無理でございます。それはもうよく分かります。今のあれでは絶対無理だと私も思います。
 それで、問題は、先ほども詳しく政務官おっしゃっていただきましたように、こういった再発防止になるような形の死因究明制度でないと困ると思うんですよ。それは認識、一緒にできると思うんですよ。だから、そのために、是非この部分については厚生労働省もうちょっと腰を上げて、研究会をやられているというからあれなんですけれども、警察庁とも連携してやるというふうにおっしゃっているから、どこまでやれるかというのは、政務官がそこまでおっしゃるならきちっとスケジュールを立てて、ここまでやれる部分はやるというふうに腹決めていただきたいと思うんですよ。是非お願いしたいと思いますが、どうですか。
#37
○大臣政務官(足立信也君) この前お見えになられていた中井国家公安委員長の下で、どうも医療関連死を除いた死因究明について話し合うというような形になっておりますが、その中でも厚生労働省の関与は私は必要だと思いますし、医療関連死を除いた場合は、これはもちろん厚生労働省が主体となってどういう形で死因を究明するのがいいのかというのをやらなきゃいけないわけです。
 今現在もモデル事業が続いておりますし、この中から制度改革をしていかに死因を明らかにしていくか、そしてそれを予防にどうつなげていくかということは、今まで厚生労働省として推進してきた方向性とは異にする可能性が非常に高いですけれども、方向性は同じだと。同じだというのは、死因をしっかり究明して再発予防につなげるということは同じだと思っております。
 今まさにその検討は私のところでやらせていただいているところでございます。
#38
○風間昶君 ありがとうございました。
 ちなみに、法医解剖を、ちょっと話がまた違いますが、経費って一体当たり三十万ぐらい掛かるんですよね。外国はすべてみんな公費でやっているわけですけれども、日本の場合はそうでない部分もあるわけで、これは厚生労働省所管ではないにしても、これからもきちっと連携をして、どういった在り方が最も死因の究明につながるのかということをよくよく研究して、要は死因をはっきりさせてという遺族の方の要望にこたえられるかどうかということが私はまた物すごい大事なことで、そういう意味で是非しっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。──一言もないようだから、政務官、どうぞもう結構でございます。ありがとうございます。
#39
○委員長(松あきら君) それでは、足立大臣政務官、御退席いただいて結構でございます。
#40
○風間昶君 財団法人民事法務協会というのはもう長年ずっと様々なお仕事をされてきて、主に登録業務、登録事務もやっていられたと思いますけれども、この登録事務のコンピューターへ移行作業がたしか去年かおととしをもって終了されているんです。
 それで、まずこの財団法人民事法務協会というのは、ある意味では法務省あるいは法務局にお勤めになっていた方々の実は再就職先になっている構図にもなっているわけであります。
 それで、まずこの民事法務協会がなぜ必要なのかということについて、いったん主流の業務、コンピューター化が終わって、システム、コンピューターに変えたんですから、それでも必要なんですかということを問いたいんですけれども、いかがでございましょうか。
#41
○国務大臣(千葉景子君) 風間委員が御指摘のとおり、コンピューター化というのがもう済んでおります。
 この財団法人民事法務協会、現状といたしましては、証明書の交付事務の包括的民間委託について、登記所で一般競争入札によって行われておりますけれども、その受託者を決定をいたしております。そして、その一部について協会が受託して業務を行うなどで、法務行政の円滑な運営というものを担っているということでございます。
 ただ、協会の在り方については、今御指摘がございましたように、コンピューター化が終了する、そして今民間への様々な委託等が進められているという中で、これからもどのような在り方がよろしいのか、これはいろいろな形で真摯に検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#42
○風間昶君 そうすると、今主たる事業というのは、今大臣がおっしゃったように、交付事務の民間委託事業でございますか。ただ、登記書、まだ残っていると思うんですよね、かなり。この部分も作らなきゃならないんじゃないかと、登記書の作成もやらなきゃならないんじゃないかと思うんですけれども、どちらにしても、そういうことが必要だからということで民事法務協会は維持しなければならないというお立場ですか。
#43
○国務大臣(千葉景子君) 今お話がございますように、登記事項証明書の作成業務も行っております。これも民間委託もされているのですが、登記事務ということでもあり、必ずしもそれを受託できる、そういう民間の組織がすべて受託している、できるということにもなっておりませず、そういう意味では一定の今必要な業務を担っているということがございますので、直ちになくて大丈夫だということには私はならないというふうに思います。
 ただ、問題が全くないということではないというふうに思いますので、いろいろな御指摘を受けて改善などはしてまいりたいというふうに思います。
#44
○風間昶君 なかなか大臣の苦しい答弁、少しずつ伝わってきているんですが、まさにこれ、民主党が事業仕分第二弾の対象にこの民法協会はなっているわけですよ。
 それで、今の説明で、主たる事業はコンピューターの移行が終わったけれども登記書の、登記事項の作成にはプロの目が必要だという言い方と、もう一つは民間委託という話をされましたけど、まずはその対象になっていることの受け止めを伺いたいというふうに思います。そして、本当にがちがちの議論になったときにどう対応するのか伺いたいと思う。
#45
○国務大臣(千葉景子君) 対象になっていることはもう承知でございます。ただ、この対象になっているというのは、一定の要件に該当をする部分があるので、それで事業仕分の対象になるのではないかということで、事前の調査などが今されているということでございます。
 そういう意味では、これから本当に対象となり、そしてまた、どういう議論を、あるいは指摘を受けるのかまだ分かりませんので、それに対してはきちっとした実情等も踏まえた対応を取ってまいりたいというふうに思います。
#46
○風間昶君 大臣はそういう御決意だと思いますけれども、現業の人たちはもっとそれ以上に深刻にとらえているんだと私は思いますよ。だから、そこの部分がきちっと大臣に伝わってないんじゃないかと思うんですけどねという私は感を受けました。
 それで、まさにこの官から民の流れの中で、民間委託事業は、本当に私はここがやる必要あるのか、民間に任せていけばいいじゃないかというふうに私は思うんですけれども、それこそがまさに事業仕分なんじゃないかと思うんですけれども、大臣はどのようにこのことについて思われますか。
#47
○国務大臣(千葉景子君) この登記事項証明の交付等も、この間、民間委託を進めております。基本的にすべて民間で担うことができるという状況であればそれは一つの方向であろうというふうに思いますが、今そこに至っていないというのも事実でございますので、現実にこの民事法務協会が担っているというその実情は十分に踏まえていかなければならないと。できるものをやらないということであればこれは問題だというふうに思いますけれども、民間委託を進めて、そして競争入札をしながら、しかし今ここまでなんだという現状でございますので、それを踏まえて対応していかなければならないと考えております。
#48
○風間昶君 じゃ、次に移ります。
 三年前に我が国初めてのPFI刑務所が、まあ刑務所という言い方がいいのかどうか分かりませんが、行刑施設ができました。現在は四つが動いているというふうに承知しています。島根県、栃木県、兵庫県、一番最初は山口県でしたか。
 それで、このPFI方式を導入する背景というのは、要するに行刑施設全般にかかわる改革しなければならないテーマがあるということでこうなったんだというふうに思うわけですけれども、承知している限りでは、過剰な収容、それから規制改革、つまり民間にやれるものはどんどん民間に委託してやってもらう、それからもう一つは職員の方々の意識改革を含めた行刑部門における改革と、こういう三つのテーマがあったからPFIに移行したという、導入したというふうに聞いているわけですけれども。
 じゃ、三年たって、少なくとも一番最初にできたところはもう完全に三年たっているわけでありますから、過剰収容についてどのぐらい改善されているのか、まず伺いたいと思いますけれども。
#49
○国務大臣(千葉景子君) 今お話がございましたPFIの導入とこの過剰収容の解消というのも全く無関係ではありませんけれども、過剰収容の解消についてはそれ以外の形でも努力をしてきたところでもございます。
 今、実際には、平成二十一年十二月末現在で収容定員は九万三百五十四人、それに対して収容は七万五千二百五十人で、収容率八三・三%というところまで参りました。ただし、施設によってやはり異なりますので、刑事施設の本所七十七庁中二十庁ではまだ収容率が一〇〇%を超えているという状況もございます。ただ、全体とすれば、いっときの過剰収容状況というのは解消をされてきているというのが実情でございます。
#50
○風間昶君 その中で、特に過剰収容の問題では女性の過剰な収容のことが極めてクローズアップされたわけでありますけれども、今のは、大臣の御答弁は全体、両性合わせての話だと思うんですけれども、女性の過剰収容を改善していくための早急な対策はどんなことがなされたのか、教えていただきたいと思いますけれども。
#51
○国務大臣(千葉景子君) 御指摘のとおりに、先ほどのように、全体とすれば過剰収容が解消されているとはいうものの、女子の場合はもう施設が決まっておりますので、そこの部分についてはまだ過剰収容の状況が続いていると。収容率が平成二十一年十二月末現在で一〇九・七%という状況でございます。
 これまでに、例えば福島刑務支所の新設、これで五百人増員、あるいは札幌刑務支所の改築で二百二十四人増員、美祢社会復帰促進センターの新設で五百人増員と、こういう様々な取組はしておりますけれども、やはり限られた施設ということになりますので、一気に解消というところまでには至っておりません。
 今後、二十一年度の補正予算で六百人の収容能力の拡充が図られるというふうに見込んでおりますので、さらに、これからもできるだけ、これはもう施設を造るとか、あるいは改築をするというようなことをしないとなかなか解消しにくいとは思いますけれども、努力をしていきたいというふうに思います。
#52
○風間昶君 分かりました。なかなか女性の方への対策というのは大変だと思いますが、順次やっていただきたいと思います。
 二つ目の規制改革のテーマについては、これは基本的には民間の方々に施設内外での参入というふうにとらえていますけれども、どのぐらい効果、効果というか規制改革がなされたのかということを副大臣に御答弁いただきたいと思います。
#53
○副大臣(加藤公一君) 御指摘のように、刑務所の運営につきましてもPFIの活用というものが進んでございまして、その中で当然のことながら規制緩和がなされてございます。
 この刑務所PFI事業におきましては、民間のノウハウを活用して効率的かつ効果的な施設運営をするということを目指してございまして、いわゆる警備などの公権力の行使にかかわる業務も含めまして、幅広く民間に委託するために構造改革特別区域法に規制の特例措置というものがございまして、それを利用しているというところでございます。
 現状につきましては、この特区法に定めております規制の特例措置によって、平成十九年の四月運営開始の美祢社会復帰促進センターを皮切りに、先ほど委員からも御指摘のありました喜連川、播磨、島根あさひの各センター運営してございまして、おかげさまで今までのところ特段の事故もなくおおむね順調に運営をされているというふうに理解をいたしております。
 また、この規制緩和によりまして、施設の警備、あるいは収容の監視、あるいは収容者の改善指導の実施、また職業訓練の実施など、比較的公権力性の弱い業務を民間に委託することが可能となってございまして、これは今まで国が直接運営をしている段階と比べますと、大いに民間のノウハウ、アイデアが提供されて効果的に進められているというふうに理解をしてございます。
#54
○風間昶君 どの程度の効果を出しているかと、数で出すのはかなり難しい部分があると思います。三つ目のテーマである行刑改革、これは職員の意識の改革なので、これはもっとより数で表すのは難しいと思いますが、全体的にこの三つのテーマがあってPFIを導入した。そうすると、PFI方式ということについての省内における評価と国民側からの評価と両方あると思うんですけれども、省内における評価は点数的に言うとどのぐらいなのか、政務官に伺いたい。
#55
○大臣政務官(中村哲治君) 当初、安上がりに上げるためというようなイメージがとかくあったPFI事業なんですけれども、むしろ、今やってみて、かなり民間のアイデアが生かされるという形で、今まで官がやっていただけでは気付かなかったこと、それを積極的に示してもらっているという、そういうふうな新たな論点も見えてきたのかなと、私自身はそういうふうに認識をしております。
 そういうふうな、ある種民間の人たちと一緒に働くことによって意識改革がかなり進むという部分がありまして、普通で考えたら六十点とか七十点なのかなと思うんですけど、ちょっと甘めかもしれませんけど、今は八十点付けてもいいんじゃないかなと、そういうふうな感じで思っております。
#56
○風間昶君 終わります、時間ですから。
#57
○仁比聡平君 共産党の仁比聡平でございます。
 先週といいますか、さきの土曜日、日曜日に沖縄県に行きまして、名護からまだ更に北の東村高江に泊まってまいりました。
 お手元に資料をお配りをしているかと思いますけれども、一枚目の写真でやんばるの森が写っているかと思います。もう沖縄はサツキが咲きまして、本土でいえば五月という気候なんですが、写真では本当に到底伝え切れない美しい森です。那覇市の二倍の面積にイタジイというシイの仲間がこうした森をつくっているわけですけれども、新芽が芽吹いて、この森にヤンバルクイナ、ノグチゲラ、そういう絶滅危惧種も生きているわけですね。世界自然遺産に度々推挙をされて、沖縄本島の水源の六割をこの森が担っています。
 高江という村は、この豊かな森に囲まれてあります百六十人ほどの村なんですけれども、千葉大臣、大臣はやんばるには行かれたことはございますか。
#58
○国務大臣(千葉景子君) 大分以前になりますけれども、沖縄を訪れて行ったことはございます。
#59
○仁比聡平君 この豊かな森は、米軍直接統治下の一九五七年に住民の抵抗を封じて接収されまして、ベトナム戦争のゲリラ戦の訓練が行われました。米軍にとって現在、世界唯一のジャングル戦闘訓練センター、日本の提供名でいいますと米軍北部訓練場にされているわけです。
 二枚目の写真は、今年一月に撮影をされた普天間基地所属のCH46という米軍ヘリです。普天間を飛び立って十五分ぐらいでこの高江の海側の方、東側の方から進入をして、低空飛行で高江集落の上空を飛び回るわけですね。
 現在、この北部訓練場、森の中に二十一か所のヘリ着陸帯、ヘリパッドというものがございまして、そのうち東村には十五か所あります。それを使ってホバリングの、あるいは離着陸の訓練をする。海兵隊の兵士やりゅう弾砲に見立てたコンクリートの塊をこのヘリコプターがつり下げて持ち上げて運んでみたり、あるいは兵士の方は、森の中で叫び声を上げて、発砲音を響かせながら、激しい亜熱帯ジャングルでの戦闘訓練を繰り返すわけです。
 このヘリに対しては、住民の皆さんからは石を投げれば当たるぐらいだと。操縦兵の顔も見えるし、こういう森で起伏の大きい土地ですから、庭先に爆音とともにどどどどどっとヘリが上昇してきまして、操縦士と目が合ったという、そういう住民の方もありますし、墜落や火災も繰り返されてきました。
 この高江に住みます安次嶺現達さんという方がいますが、この方は、この小さな村を取り囲むように米軍のヘリパッドが新たに六か所造られようとしています。今も米軍のヘリコプターが私たちの生活を脅かし、昼夜問わず民間地上空を低空飛行で、夜は十一時過ぎまで飛び、私は村や防衛局に何度も抗議の電話をしていますが、現時点で何一つ変わっていません。私たち家族は、ただ普通の生活がしたいだけなのです。やんばるは、自然に囲まれ、子供が伸び伸びとたくましく生きていく大切な場所です。ヘリパッド予定地は私の家から約三百メートルしか離れていません。そのことに反対するのは当たり前ですとおっしゃっているんですね。
 三枚目の写真は、この高江の集落の真ん中にあります高江小中学校の二階に私お邪魔をいたしまして、教室から外を見ているわけですけれども、この窓の遠望に先ほどのやんばるの森があります。子供たちは、演習が始まるとこの子供たちの目線で米軍のヘリが飛び回るという中で暮らしているわけです。
 高江区として二回の反対決議が上げられていますとおり、先ほど紹介した安次嶺さんの思いは私は高江住民の総意だと思います。ところが、二〇〇七年の七月に安倍内閣の下で工事が強行着手され、〇八年の十一月に麻生内閣の下で安次嶺さんと伊佐真次さんを始めとした十五人に対して通行妨害禁止の仮処分というのが申し立てられました。そして、今年の一月二十九日に政府は、安次嶺さん、伊佐さんのお二人を被告とする通行妨害禁止の民事訴訟を提訴いたしております。原告は国で、代表者は千葉大臣なんですね。その訴状では、少なくとも〇七年七月四日の通行妨害には、被告とされた安次嶺現達さんが、同年八月二十二日の通行妨害には被告ら、つまり安次嶺さんと伊佐真次さんがそれぞれ現に参加したというふうに主張をなさっているんです。
 千葉大臣は、具体的にこのお二人のどのような行為をもって通行妨害だというふうに国が主張をしているのかということは、これはお分かりになりますでしょうか。
#60
○国務大臣(千葉景子君) 御指摘をいただきましたように、国の訴訟につきまして私が代表者になっているという、そういう形で行われております。それは、制度的にそのようなことでございますので、私も承知をいたしております。
 そして、本件については、被告の皆さんに対して通行妨害禁止を命ずる那覇地方裁判所の仮処分決定が出され、そして被告の皆さんからの申立てに基づく起訴命令を受けまして、それに応じて提訴をしたというものでもございます。現在、那覇地方裁判所に係属中のものでございます。
 そういう意味では、今、係属している事件でもございますので、具体的なことについてのコメントはなかなか私もできませんけれども、これまでの仮処分決定の中でも、被告の皆さんが反対派の代表格であるということから、今後も通行妨害の高度の蓋然性を認めたと、この仮処分の中で認められたということは私も承知をいたしているところでございます。
#61
○仁比聡平君 今日、千葉大臣に、鳩山政権の言われる沖縄県民の思いを受け止めるというのはどういうことなのかということを特に伺っていきたいと思うんです。
 今、起訴命令にこたえて提訴したものでもあるというふうにおっしゃったんですけれども、債務者とされた住民が仮処分決定を不当だと思えば、これに対する不服申立ての意思の表れとして起訴命令の申立てをするのは、これは当然のことであって、それは弁護士としての千葉大臣もよくお分かりのとおりだと思うんです。
 しかも、前政権がこの仮処分の申立てをした。この仮処分の審尋の中では、名指しをされた、当初十五人ですが、この債務者が何をやったから妨害だというのかという行為の具体的特定の問題が一貫して問題となり、求釈明を繰り返されながら、前政権はそれにこたえてこられていないんですね。仮処分決定を読みましても、安次嶺さんと伊佐さんが何をやったから妨害行為だというのかというのは明らかではありません。
 まして、大臣は先ほど代表格というふうにおっしゃったけれども、仮に住民の思いを訴えるその代表格の方であったとしても、具体的に妨害をする行為というのが特定されない限り、これは妨害行為としてあれこれ言われるというのは、これはおかしな話なのではないでしょうか。
 法廷の中でどういう議論がされどういう判断が下されていくのかというのは、今日ここで議論すべきものでもないだろうとは思うわけですけれども、政治家として、あるいは政権としてこういうことでいいんだろうかというのを私は思うんですね。
 安次嶺さんは、私たちは何の説明もなくいきなり工事を進めようとする防衛局に対し説明を求めているだけですとおっしゃっています。実際、住民説明会では、なぜさらに六つもヘリパッドを造るのかという住民側の問いかけに対して、それが米側の返還条件だというふうに言うだけで、今でさえ耐え難いじゃないかという怒りに対して、ヘリがどのルート、高度を飛行しているのかの運用については承知していません、新しく新設をされた後、どういう飛行ルートを飛ぶのかは把握していませんと。防衛局の説明というのはそういうものなんですよ。そういう説明のまま工事が着工されるということになれば、現場に行って何が起こっているのか監視をし、説明を求め、抗議をする、それは私は当然のことだと思います。
 そうした中で十五人の仮処分の申立てというのがされたんですが、時間がありませんから端的に伺いますけれども、榛葉防衛副大臣、二月二十五日の衆議院の予算委員会の第一分科会で、民主党の瑞慶覧長敏衆議院議員から、仮処分の十五人のうち一名は小学生で、申立て後、理由も示さずに取り下げられたんですけれども、この小学生に対する申立てについての所見を問われまして、副大臣は、「ずさんなという言葉がございましたが、私は決してそのようには思っておりませんで、むしろ、お子さんがそのようなところにいることが極めて危ないし、その辺はやはり大人がしっかりと配慮しなければならない問題ではないかなというふうに思っております。」と答弁をされました。その答弁が親子の心を深く傷つけています。
 私はお母さんにお会いしましたけれども、娘はその現場にはいませんでした、子供が何をしたというんですか、娘はとても傷つきおびえています、防衛局が証拠として挙げたものの中には、娘の写真はおろか証拠となるものは何一つありませんでしたと言っておりますし、私も、そして弁護団もそのことは確認をしているんですね。
 副大臣がこの答弁をされるときに、何を根拠に、何を根拠にこの小学生のお子さんがそのようなところにいたとか、極めて危ないとか、大人が配慮しなければならないとか、この答弁をされたのか、その根拠を伺いたい。
#62
○副大臣(榛葉賀津也君) その前に、この今やんばるの森の話がございましたが……
#63
○仁比聡平君 いや、その前にはいいですよ。
#64
○副大臣(榛葉賀津也君) いえいえ、これは七千五百ヘクタールの北部演習場、このうちの半分以上の四千ヘクタールを御地元に返還をすると。返還をするために、今二十二あるヘリパッドのうち七つを元に、原状復帰して、つまりは自然に帰して、七つ減らして六つ新しく造るという事業でございまして、この起訴命令のとおりに起訴しませんと、保全命令そのものが駄目になってしまいまして……
#65
○仁比聡平君 駄目になっていいじゃないですか。
#66
○副大臣(榛葉賀津也君) 土地が御地元に、北部演習場を御地元に返したいと、基地を地元に返したいという県民の切なる願いも無論あるわけでございまして、我々は一日も早くこのやんばるの森、北部演習場の半分以上を沖縄に返してあげたいと、その思いでやったわけでございます。
 なお、今御指摘の女の子の件でございますが、私も子を持つ親として子供はかわいいです。他方、実際にそのような妨害活動があったとするならば、よわいや性別に関係なく、きちっとこれは司法の判断を仰ぐべきであるという根拠から、我々はそのような行動に至ったということでございます。
#67
○仁比聡平君 信じ難い答弁ですよ。
 いなかったと言っているじゃないですか。いなかった子供を、何が司法の判断を仰ぐですか。小学生を仮処分の通行妨害者として申立ての対象にするということを決めたのはもちろん前政権ですけれども、司法の判断を仰ぐ前に小学生を裁判の対象にするということを決めたその政治の姿勢を私は問うているんです。
 しかも、榛葉副大臣、根拠を示せないじゃないですか。いなかったんですよ。根拠があるなら裁判ででも、私にでも示せるものなら示してくださいよ。もういいですよ。
 千葉大臣、仮処分は、十五名のうち二人については決定が出ましたがあとは却下をしたように、この十五名のこの申立てというのは、極めて行為も特定されていない、そういうものなんですよね。
 先ほど、榛葉副大臣、過半の返還のためにはとおっしゃったけれども、こうした行為があっても、例えば砂利を敷くだとかフェンスをやるだとか、防衛局は仕事を着々とやっているじゃないですか。実際、この行為が妨害になったというのは私は思えないんですけれども。
 その是非は別として、この子供さんに対する申立ても始めとしたこういうやり方が、一体何のためにやるのかと。私が伺いましたところ、仮処分を含めて、少なくともこの十年間、米軍基地の中のいろいろな建設工事をするということに当たって国が住民に対する民事上の妨害禁止訴訟を起こした例というのは、この高江以外にないんですね。例のないことなんですよ。何でこんなことをやるのかと。本当のねらいは、住民の皆さんの平和的な監視や説得や抗議のそうした活動を恫喝して、萎縮させて反対意見を上げにくくするようにする、そういうところに目的があるんじゃないんでしょうかね。
 だから、これ、工事の強行のときには県内や県外の大勢の人たちが抗議に来ているんです。だけれども、殊更、普通に暮らしている高江住民を、しかも監視活動にほとんど参加していないとか全く参加していない人まで、奥さんだからとか子供だからとか、家族ぐるみで裁判所に引きずり出すんですよね。
 沖縄タイムスで二十六歳の男性が投書をされていますけれども、国家権力の強みは正しくないことを合法的にできること、住民の弱みは正しいことが違法とされてしまうこと、法は一体何を守っているのでしょうかという投稿です。
 私は、住民を恫喝してヘリパッドを押し付けるようなやり方は、そのSACO最終報告の問題をどうするのかとかいうような点についての立場は仮に違っても、司法を使って国が住民をこういう形で提訴してそれで押し付けるというようなやり方は、これは僕はやめるべきだと思います。
 こうした裁判はすぐに取り下げるべきではありませんか、千葉大臣。千葉大臣。
#68
○国務大臣(千葉景子君) この問題については、私の立場として、そしてまた、国全体としてどう対応するかと、国が起こしているわけですので。私自身は、この訴訟に対して、法的な観点から問題がないかどうかということで法務省そして国の代理役をさせていただいているという立場でございます。そういう意味で、沖縄の皆さんの様々な御意見とかあるいは思い、そういうものを大事にするということは当然のことでございます。
 いろんな形を通じてそういうものを受け止めていくということは当然のことだというふうに私は思いますけれども、この訴訟につきましては、基本的な法的な観点から見て問題がないということで私の名の下に起こさせていただいているということでございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
#69
○仁比聡平君 普天間の問題もそうですが、沖縄県民の皆さんの噴き上がるような怒り、マグマと言われるような怒りに火を付けたのはだれなのかと。伊佐真次さんは、住民の生活よりも軍事が優先だから辛抱してくれと言われて、身の回りに危険が迫ってくるのに黙っている人がいるでしょうか、あなた方は基地のない沖縄を求める県民に火を付けたと、そう訴えています。私はそのとおりだと思います。
 今日、第一回口頭弁論が那覇で同日開かれていますけれども、千葉大臣や関係大臣がこれまでの経過をよく検証されて、少なくともこうした司法手続を進めていくというところに本当に合理性があるのか、そのことをよく検討されて取り下げてほしい、やんばるを沖縄の皆さんに返してほしい、そのことを強く申し上げて、私は質問を終わります。
#70
○委員長(松あきら君) 以上をもちまして、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、裁判所所管及び法務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(松あきら君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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