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2010/03/23 第174回国会 参議院 参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第6号
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2010/03/23 第174回国会 参議院

参議院会議録情報 第174回国会 総務委員会 第6号

#1
第174回国会 総務委員会 第6号
平成二十二年三月二十三日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     高嶋 良充君     川崎  稔君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                加賀谷 健君
                武内 則男君
                林 久美子君
                礒崎 陽輔君
                世耕 弘成君
    委 員
                川崎  稔君
                土田 博和君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                内藤 正光君
                長谷川憲正君
                吉川 沙織君
                木村  仁君
                小泉 昭男君
                関口 昌一君
                谷川 秀善君
                二之湯 智君
                魚住裕一郎君
                澤  雄二君
                山下 芳生君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     原口 一博君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚 耕平君
       総務副大臣    渡辺  周君
       厚生労働副大臣  長浜 博行君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        津村 啓介君
       総務大臣政務官  小川 淳也君
       財務大臣政務官  古本伸一郎君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    江利川 毅君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩見 政幸君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   佐々木敦朗君
       消防庁長官    河野  栄君
       国土交通大臣官
       房審議官     佐々木 基君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰介君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、高嶋良充君が委員を辞任され、その補欠として川崎稔君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局公務員部長佐々木敦朗君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰介君) 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○木村仁君 自民党・改革クラブの木村仁でございます。
 本日は税の質問だということでございますが、それほどたくさん質問する事項があるわけではありませんので、やはり儀礼として、一丁目一番地からちょっとごあいさつをさせていただきたいと思います。
 地域主権という言葉が使われております。この言葉については、我が自民党の同僚の皆さんはおおむね、余り適当な言葉ではないということで、使わないというような御発言があるようでございますが、私は余り抵抗を感じません。昔、私ども自身が中央政府に対して地方政府と言い出したときにやっぱり大変反発があったと思いますが、今にしてみれば、ごく普通に地方政府、中央政府という言葉が使われておりますし、また国と地方公共団体という言葉も特に差し障りなく使われていると、こういうことでありますから、やがて地域主権という言葉も、元々あるわけでしょうし、人口に膾炙していくに違いないと思います。
 私自身としては、同床異夢という言葉がありますが、私はこの問題については異床同夢であればいいなと思っております。地方公共団体を中心とする日本の地方自治制度ができるだけ大きな権限、そして大きな裁量権を持って、地域の問題はまず自分たちが考えると、そしてそれを、市町村であれば県、県であれば市町村とともに国、そういうものに提案をし、説得をして、そして自分たちの地域の行政を編み上げていくと、こういうことが私は理想であろうと考えております。したがって、概念を整理する意味で少し質問させていただきたいと思います。
 まず、大臣にお尋ねいたしますが、地域主権と地方分権というのはどういう関係にあるんでしょうか。
#7
○国務大臣(原口一博君) ありがとうございます。木村先生におかれましては、自治大学校長それから消防庁長官あるいは自治行政局長と、本当に地方自治のために大変なお力をいただきまして、ありがとうございます。
 その上でお答えをしますと、やはり主権という意味で、日本国憲法で使われる幾つかの文言がございます。それは、統治の主体という場合、あるいは国が持つ排他的、他国に対して唯一侵されるべきでない唯一無比の権利という、国が持ついわゆる主権という場合と、それから今委員がお話しのように国民主権、これは憲法に定められるものでございますが、国民が主体的に国をつくっていくんだと。
 今、分権というのは、まさに中央にあった様々な権限を地方に移しこれを分け与えていくというパラダイムであるのに対して、地域主権改革の推進は、地域主権という場合は、日本国憲法の理念の下、住民に身近な行政は地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革でございまして、内閣府設置法上に定義をする予定でございます。
 また、委員がおっしゃるように、まさに国民が自ら主体的に国家に対して様々な貢献をしていくあるいは国づくりをしていくのと同様の意味において、地域を主体的に自らの主権を持つ国民が自らの住む地域を自らの責任においてつくっていくという改革の取組を指して私たちは地域主権改革というふうに申し上げているところでございまして、大変有り難い御質問をいただきましたことを重ねてお礼を申し上げたいと思います。
#8
○木村仁君 有り難い御質問と言われるとこっちがたじろいでしまうわけでありますが、私は、やはり地方分権と素直に言っていいんだろうと思います。そして、地方主権という状態をつくり出すことはお考えの理想のとおりでありますが、その過程というのはやはり地方分権ではないかと、そういうふうに考えているわけであります。
 確かに、鳩山由紀夫内閣総理大臣の「新憲法試案」にも地域主権という、あるいは地方主権というんですか、そういうものが入っておりますが、憲法草案そのものには地域主権というような言葉は出てこない。そして、極めてどちらかというと多くの条文を地方行政の分野に割いて、そしてある形を示しておられるわけであります。
 私から言わせれば、地方主権と、地域主権というのであれば地域がそういうことも考えていくということが究極の姿かと思いますので、やはり今の現状からいえば、大臣がその書物の中で書いておられますように、中央集権的パラダイムを地域主権的パラダイムに変えていくんだ、民主的パラダイムに変えていくんだと、そういうことでよろしいのであって、パラダイムというのはあくまでパラダイムであって、制度そのものの根幹に関するものかどうかよく分かりませんが、パラダイム転換ということは大いに必要でありますから、そういうことをおっしゃるのはよろしいのでありますが、やはり国家というものは、国家の形、成り立ちというものをきちっと明らかにしておかなければ混乱が生ずると思います。その点、いかがでございましょうか。
#9
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりだと思います。私たち、地方分権についても、これ否定をしておりませんどころか、むしろ私は緑の分権改革という言葉も使っておりますが、まさにその分権改革の先にあるもの、それが私たちが言う地域主権改革であると思います。
 また、委員がおっしゃるとおりで、国家の形、成り立ちというものを明らかにするということは極めて重要でございまして、国家に対する様々な思いや、あるいは参画をして国づくりをしようという思いも、やはりその原点は地域に対する貢献であり地域に対する愛情である、あるいは地域づくりであると。これは、決して地域をつくることと国家をつくっていくということは相反する概念というよりも、むしろ地域についての思いがない人が国家をつくれるわけございませんので、私たちは、まさにこの地域に根差した活動、あるいは地域が自らのことを自らで決めていくということを大事にしたいという思いでこの地域主権という言葉を使っておるところでございます。
 以上でございます。
#10
○木村仁君 どうもやっぱり異床同夢でありますからなかなか論点がはっきりしませんが。
 それでは、このペーパーを御覧いただきたいと思います。これは、日本の地方自治の成り立ちを私なりに理解をして書いたものでございます。明治の初期に山県有朋が市制町村制という法律を作って日本の地方自治制度を発足させるわけでありますが、そのときの考え方がこの考え方であります。
 図表では、何でもやれるということが一番左の端に書いてあります。一番右には何もやれないというゼロが書いてあります。日本の地方自治というのは概括的授権の方式というんだそうでありますが、もう御承知のことをあえて釈迦に説法でありますが、そこからスタートするのが日本の地方自治であります。これに対して個別的授権の方式という方式がありまして、これは地方自治の母国と言われる英国の制度であります。これは何もできないということからスタートするわけでございます。ただし、やはり団体の、公共の福祉でありますとか存立目的をきちっと達成していくべきものであるということで、その大枠がはまっていることは言うまでもありません。
 それで、日本では何でもやれるということから始まって、しかしそこに国の専権事項であるよとか、あるいはこれはもう国が先占してしまった分野ですよとか、それから地方が独自にやろうとしていることに対して、必置規制というのは必ずこれはやりなさいと。それから、枠付け、これは御党がお使われになっている言葉でありますが、枠をつくってこれからはみ出してはいけませんと。あるいは負担をさせる。それから、多くの関与があります。協議、承認、許可、指導エトセトラ、いろんなものがあります。こういう規制ががんじがらめになって、日本では何でもやれるはずなのに何もやれなくなっていると。
 これが実は明治以来百四十年の歴史であったと思うんです。それは、最初からとうとうと流れている中央集権の流れには違いありません。山県有朋自身が地方制度をつくるに当たって、どんどん政党化していく国の政治に対してこれを地方に及ぼしてはいけないということで、そのセーフガードとして地方の有望家たちが、名望家というんですか、その人たちが中心になって地方自治というものをつくっていくということを考えたわけですから、基本的には中央集権的考え方、しかし制度そのものは非常に地域集権的な考え方でできていたんだと私は思っております。
 その下にちょっと笑い話みたいな例を出しておきましたけれども、これだとよく分かると思います。日本のすぐやる課や何でもやる課は、住民の要望にこたえて、ため池の食用ガエル、これはうるさいからですね、それを捕獲したり、あるいは夫婦げんかの仲裁までやっておりました。これは別に、無駄でありますからやがてそういうことはしなくなりましたが、権限踰越でも違法支出でもないと私は思います。
 ところが、イギリスの制度はどうかというと、個々の法律あるいはゼネラルローというんですか、一般法で授権したり、個々の法律で、プライベートローというのは、もう女王陛下の下では地方公共団体も市民も一緒でありますから、地方公共団体が権限を得ようとすれば、プライベートアクトというのを国会に出して、そして議決してもらって新しい権限を取ると、こういうことでずっとそれが重なって地方自治の機能が大きくなっているんだと私は考えておりますが。
 その例でありまして、英国の女王陛下のオンブズマン、これは女王陛下と書きましたのは、日本のオンブズマンとは違って、英国では数少ないオンブズマンが女王陛下の任命によってありまして、それがいろんな国民の苦情を受け付けているそうでありますが、それが幽霊を市営住宅から引っ越しさせるよう市に勧告してほしいと要請したおばあさんに対して出した回答です。非常にこのオンブズマンというのは人格高潔な方々でありますから、妄想に悩んでいるおばあさんを冷やかしたりするようなことはしないんです。本件は、私が申立人に代わって幽霊を引っ越しさせるよう自治体に要請すべき事案とは思えなかった、また私は幽霊が害をなすことを禁止する権限を自治体に与える法律があることを知らないのであると、こういうことを言っておるわけであります。つまり、これは冷やかしでもからかいでも何でもなくて、この地方団体には幽霊を追い出すための措置を講ずる権限はないと、そういうことを言っている、そういうプライベートアクトはありませんと。
 もっとまじめな例でいえば、路面電車を運行する権限を得た地方団体がその路面電車に荷物を積んで運ぼうとしたら、これは差止め命令が来て、そして訴訟になって結局その団体は負けたと、こういう例があります。日本ではそういうことは考える必要がないと。なぜならば、何でもできる地方団体だからであります。
 そういうことで、その何でもできるはずの地方団体、明治にその団体ができたときに何を一番にやったかというと、みんな一生懸命小学校を造ったわけですよね。ですから、伊豆の岩科学校なんというのはすばらしい小学校で、ほとんど総建設費の五%を使って、あそこの名人と言われた何か長七か長八か知りませんけれどものこて絵を講堂に飾ったりしているわけでありまして、そういうのが言わばこの日本の良き地方自治の根っこにあった伝統だと思うんです。
 それをもう一度私は生かしていくことが必要だと、そういうふうに考えておりまして、そういう意味で、地域主権地域主権というと、何か地域が主権を持っていて国とけんかすればいいんだと、そういう考えになるおそれがあります。こういう元々の姿をもう少し大事にして育てていくようなことが私は必要ではないかと。そのためには、今おっしゃられるとおりの分権改革というのをやって、そしてどんどんこの規制の部分を消していけば理想の姿になっていくんだと思いますが、私の言っていることはうんと間違っているでしょうか。
#11
○国務大臣(原口一博君) 大変大事なお考えだと思います。概括的な授権方式、それから個別的授権方式、これはゼネラルロー、プライベートアクトとございますけれども、これのやはり歴史的な成り立ちの違いというものを意識をしながら、なおかつ今委員がおっしゃるように、規制をこれは外していくということがとても大事だと思います。
 日本国憲法前文に、「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とございますが、そもそも今お話のあった統治の主体、国に統治のその権利を与えているものは一体何なのか。「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」と。このとおり、統治の権力を与えているもの、それはやはり主権者たる国民の判断であるというふうに思っております。
 したがって、今の概括的授権の方式を取っている日本のやり方にしても、その統治の主体である、統治の権力を正統化させている国民主権というものからしても、国民が、地域の住民が自らの権限にかんがみ、自らの責任と参加によって地域をつくっていくということが極めて大事だと思いますし、私たちの考え方に明確な一つの論点を持ち込んでくださいまして、大変大事な考え方であるというふうに思います。
 一方、今、一番、先生からいただいた資料に、法律に明示の根拠のない自治体の行為はまさにウルトラ・バイリーズになるおそれがあると書いてありますけれども、このことも肝に銘じておかなければいけないというふうに思っております。
#12
○木村仁君 もう一つ想起しておきたいことは補完性の原則ということであります。
 皆様のお書きになったものを見ますと、団体自治、住民自治、これが我々が学生時代に教わった地方自治の原則、基本的な要素でありました。それに皆様の著書には当然のごとく補完性の原則というのが書いてあります。私は、この補完性の原則というのは、一九八五年ですかにヨーロッパの地方自治憲章ができたときにはっきりと打ち出されて、そしてそれがやっぱりどんどん世界的なスタンダードになりつつあるんだろうと思うんです。これにイギリスは、同じ系統の制度であれば、アメリカもそうでしょうけれども、抵抗をしておったんですけれども、どうやら十年ぐらい前にイギリスもその原則を認めていこうと、そういうことで、現実にはもう余りこういう理論的な差がなくなってきているのかなというふうに思います。
 私は、結論として申し上げますと、日本国憲法で、ちょっとその前に、せっかく大塚副大臣お見えになっておりますので。担当でいらっしゃいますよね。
 お聞きしておきますが、私は、この地域主権戦略室とか戦略局というようなものは国の政府にできるのが本当はおかしいんじゃないかというふうに思っております。地域主権というのはあくまで地域が自分の独自の権利として主張するものであって、それを国がおせっかいに何かしてやろうなんというんでそういうものをつくってみたって、私はそれは本来の姿ではないと、そういうふうに思っております。
 例えば英国でありますと、地方行政の大臣というのは大臣じゃありませんよね、ミニスター・オブ何とかというので。それはセクレタリー・オブ・エンバイロンメントか何か、今はどうか知りませんけど、そういう大臣の中の一部にあるわけです。つまり、地方政府というのはあくまで独自の政治体制でありますから、余り国が介入しないようなシステムを国もつくっておこうと、こういうことなわけだと私は思います。
 ですから、自治省、昔自治省と言い今は総務省でありますが、総務大臣という方がいて、それがあちこち兼務してそういうことをやっているんじゃなくて、総務大臣がきちっとそれなりの考えで進めていかれればそれでいいことであって、屋上屋を重ねるような行政組織をつくって、そしていろいろと、ああしたらどうだ、こうしたらどうだと言うのは誤解を招くおそれがあると私は思うんですけれども、御感想をお聞かせください。
#13
○国務大臣(原口一博君) 極めて大事な御議論だと思います。ですから、よく地域主権改革の後の絵を全部示せとか、あるいは道州制の国の形を全部示せというお話がございますが、そのことについては私はこのように答えるようにしています。つまり、委員がおっしゃるように、キャンバスは地域自らがお作りになるものであって、私は工程表も作らせていただいておりますけれども、この工程表は国、地方協議の場で共に作っていくものだと。まさに補完性の原理に基づいて地域自らが自らのデザインをやるべきだと、そのように考えています。
 その上で地域主権戦略会議についてでございますが、今まさに委員がお話をいただきましたように、概括的授権の方式の中で義務付け、枠付けだけでも一万ございます。そして、これはやはり強力なリーダーシップを持ってやらないと、各省にまたがったもの、今回も一括交付金やあるいは義務付け、枠付けの撤廃、直轄事業負担金の廃止といったことについても議論をしていますけれども、現状の今の中央集権体制の中では、地方が自ら、今委員がおっしゃるように、理想的な形で自ら戦略会議をつくってやってもなかなかそれが前に進まない、また一方で世界とは都市間競争にもなっておりまして、そういうものをかんがみてみたときに、やはり中央政府としてしっかりとした法律の枠組みを作り分権の地域主権の工程を作るということが一方で大事であると、そういう考えで、今、地域主権戦略室あるいは戦略局ということで立ち上げてきたところでございます。
#14
○木村仁君 そういう理解を私もいたしておりますが、あえて一言申し上げさせていただきました。
 この問題についての私の基本的な理解を申し上げて御感想をお聞きしたいと思いますけれども、私は、日本国憲法というのは、主権者である国民が天皇陛下を自分たちの統合の象徴として、その権力はすべて国に信託しているというふうに私は考えております。しかし、その信託の過程で地方自治の本旨という概念を立てて、その地方自治の本旨に従って地方制度をつくらなければならない、そのために法律で地方制度を書きなさいと、こういうことを言っているわけであります。地方制度を法律で書きなさいと言う以上は、地方自治体、地方そのものに主権があるわけではなくて、あくまで主権は国が独占するものであると。私は地方分権主義者でありますから、それは理屈としてそう理解しなければいけないということでありますが。
 したがって、最近は憲法的保障説とかってそれだけのものを認めるのが憲法上も必要だということも言われますし、また例えば西尾勝先生が、もうこれは十年ぐらい前になりますけれども、お書きになったものの中に同じような思想があります。地方自治の根拠をいわゆる伝来説あるいは授権説に立って解説するにしてもと。だから、解説はそうしなさいと。しかし、今や地方政府の自治権は国、中央政府から授権されたものではなく主権者たる国民から直接に授権されたものとして説明されなければならないと。こういうふうに書いておりまして、流れは少しずつ変わってきているのかなと思いますけれども、やっぱり基本的な形は、主権は国にあって、それを分任するのが地方自治体だと。それ、分任するということをやはりおっしゃられるような地域主権的な考え方に立ってつくり上げていかなければいけないと。
 こういうことで、したがって私は、民主党がおっしゃる地域主権というのは一種の、何というんですかバナーというんですか、旗印で、その旗印にできるだけ近くなるような分権改革を行っていこうと、こういう御意思だというふうに理解しますが、それでよろしゅうございましょうか。
#15
○国務大臣(原口一博君) まさにおっしゃる趣旨で私たちはこの地域主権改革という言葉を使っています。
 先ほど日本国憲法にある主権の概念に大体大きく分けて三つの、主権という日本語は非常に美しい言葉ですから、一つの言葉で定義を幾つもしていると。あるときにおいては統治の主体、つまり国権、これは他国の権限からもだれからも侵されることのない唯一無比の排他的な権限ということで定義をしている場合もございますれば、あるいは国民主権という場合の主権というのは、これはまさに国家に対して主権を正統化させるその原点となるもの、それは国民であるということでございまして、西尾先生がお話をされているとおり、私たちは今までその統治の主体の一部を、権限を授権していくんだという考え方の一方で、自らの地域を自らが、主権者たる国民がつくっていく権限を持つんだという話を議論をしているところでございます。
 まさに、バナーとくしくもおっしゃったとおりでございまして、今この日本国憲法と地域主権というものの考え方を間をつなぐ地方政府基本法、これ基本法というのは様々な基本法がございますけれども、まさに憲法の理念を補完をし、さらに現代化するための基本法について議論を深めているという状況でございますので、是非また御指導をよろしくお願い申し上げたいと思います。
#16
○木村仁君 考えていることは余り変わらないのかなと安心をいたしますが、ただ、ちょっと感想を述べさせていただくと、私は地方政府基本法という法律名は余り好きじゃないですね。
 もう日本に四十幾つ基本法というのがありますが、大臣も立法に関与されたことがあるでしょうから余り悪口言っては失礼かと思いますけど、大体余りろくな法律はないですよ。理念を書いて、そして国が方針を示すから県が計画を作れ、市町村はその計画に従ってまた計画を作れ、そしてそれができれば基本法だって、こういうのは、だから基本法なんていうのは余り尊敬しないんです、私は。
 したがって、やっぱり、自分の過去のことから言うのかもしれませんけれども、自治法、地方自治法というのはいい名前ですよ。民法、刑法、憲法、地方自治法と。そして、歴史からいえば、戦後のあの憲法ができた当時、一番進んだ民主的な考え方を持っていたのは実は内務省の役人だったような気がするんです。大正デモクラシーの名残ですよね。その大正デモクラシーのころに大学出て、大正デモクラシーの中で育った人たちが地方自治法を作っているんですよ。
 ですから、これはまたそのときに議論しなきゃいけませんが、それがもう極めて、何というのか、この五十年、六十年の経過の中でヒディアスな形になって、もう五百数十条あるんじゃないですか。そんな法律はおかしいと。だから、大臣もそうお考えでしょうけれども、例えば二百五十条とか三百条とか、それくらいの基本法でいいと、基本法でいいと思うんですが、名前だけはちょっと勘弁していただきたいなと、そういうふうに思っておりますが。
#17
○国務大臣(原口一博君) 今、木村先生がおっしゃったものをまさに西尾先生からもこの間の地財審の議論でいただきました。私、四つも基本法の起草者でございますので、非常に恥ずかしい思いがいたしました。それは、やはり基本法という言葉を安易に付けて、本来はプログラム法であったり、あるいは実施のための前提となる考え方をまとめた法律であるにもかかわらず、憲法という国家の根幹にかかわるものを更に広げると誤解をされるような基本法というのはそんなに簡単にたくさん作ってはならないんだというお話をいただきました。
 私もまさにそのとおりであって、自治法と今先生がおっしゃるその言葉にしても、今の憲法が予定をしている概念を更に膨らまして、そしてより国家国民のために大事な指針を示す、あるいは理念を明確にするという意味での、お嫌いと言われるから地方政府基本法という言葉は使いませんが、自治法の抜本改正というのは私は必要であろうと、このように考えております。
#18
○木村仁君 地方自治法の換骨奪胎というんですか、抜本改正、そして本当に基本法らしい基本法にするということは私も大賛成であります。恐らく、大臣が準備されたことの一部が生きていって、自民党がそういう法律を作るのではないかと、こういう期待をいたしておりますので、申し上げておきたいと思います。
 以上の議論につきましては、またあるいは同僚議員から後で違った意見が言われるかもしれませんので、予告しておきたいと思います。
 それでは、二、三の具体的な問題に入らせていただきます。依然としてまだ税でないので、申し訳ありません。
 一括交付金の問題、この間、私どもの同僚議員から質問が起こっておりました。私も、一括交付金というのは、経過的な措置としては非常にいいと思っております。
 ただ、一括交付金を長年運用してみた結果がどうなるだろうかと予測しますと、第一に、事業の積み上げを一体だれがやって決めていくんだというのが一つあります。それから、実施についてのいろんな基準、セーフティーネットといいますか、セーフティーガードというんですか、国の立場からする、こうあってほしい、ああやってほしいというのがどんどんできていくと思います。それから、知識の集権といいますから、やっぱりどうしても中央官庁が知識はたくさん持っているという、これはある程度本当でもあり、あるいは虚構でもありますけれども、そういうことがあって技術指導が行われ、それは実際には干渉になっていくだろう、そして最後にその結果を詳細に報告しろと、こういうことになりますと、これは各省庁から見れば個別補助金と大差がないものになっていくと、私はそういう運命にあるのが一括交付金だと思いますが、大臣はどうお取りになっておりますか。
#19
○国務大臣(原口一博君) 今、一括交付金についての議論を進めていますが、まさに今委員がおっしゃるように、事業の積算根拠、積み上げをどうするのか、あるいはセーフティーガードの問題、そしてやはり知見ということからすると中央省庁の持っている知見、何せ自分がルールを作るわけですから、これに地方がかなうわけはない。
 ただ、その中で私たちがこの一括交付金化とともにやろうとしているのは、行政事務や様々な先ほど委員がお話しになりました概括的授権の過程において、各自治体が共通な部分についてはやはり予見が可能であるように、自らが判断できるような行政システムをつくっていくことが必要なんではないか。電子政府化ということを私たちは申し上げていますけれども、中央に来ないとその運用が分からない、あるいは中央政府に聞かないと決断の細部についての判断ができないということであれば、私もこの一括交付金化というのは、徐々に徐々にですけれども、ひも付き補助金と全く変わらない、そういうものになる危険があるというふうに考えています。
 ですから、これは多くの方向性であって、それを補完する幾つもの分権的な制度を持っておかないと委員がおっしゃることの危惧を払拭できないと、そこは私たちも今、中で同じ議論をしているところでございます。
#20
○木村仁君 原口プランによりますと、二十二年の夏までにフェーズ1において基本的な考え方、論点を整理した上で、おおむね平成二十二年夏から二十五年夏まで、フェーズ2の中で平成二十三年度から段階的に実施して一括補助金みたいなものをつくっていくということであります。欲を言えば、そういう過程の先に、これは最終的には交付税に投げ込んでやるぞというような意気込みがあれば非常にいいわけです。
 イギリスでも個別補助金はもちろんあります。それから、ブロックグラントという、一括補助金だと思います。それがだんだん、あるいは日本の制度を勉強したんじゃないかと思いますけれども、交付税的なもの、何というんですか、レベニューグラントという形になって、一定の方式に従って財政調整及び財源保障を含みながら制度化されてきたという、イギリスでもそうであります。日本でも、恐らく各省庁の抵抗というのはすごいものがあるだろうと思いますから、大臣が一時的な形として一括補助金をまずつくってみようというのは私は正しいと思います。
 この点については、地方財政審議会の、私も猜疑心がありますから、地財審の委員が最近替わっとりゃせぬかと思って調べてみました。今の委員長さんは、自民党政権の中で任命された方で去年の暮れにまた再任されておりますから、多分中正な立派な方であろうと思います。大体、地財審というのはお年寄りの集まりでありますけれども、まあまあまともなことを言ってきたなと私は見ておりますが、その人たちが言うのは、一括交付金も特定補助金の一類型であるならば、将来的には地方自治体の自主財源として地方税や財政調整制度としていくことを前提とすべきであり、あくまでも過渡的な制度とすべきである、また真に必要なものを除きできるだけ速やかに地方財源や財政調整制度へと移行していくべきであると、こう言っております。
 私は、むしろ個別補助金はあってもいいと思うんです、非常に限定された形で。例えば、教育職員の国庫負担なんかはもうひも付きでなければ私はいけないと思いますし、福祉のあるものもそうであろうかと思います。そのことは御党のマニフェストにもきちっとそういう書き方がしてあります。そのほかにも、どうしても国が政策としてやりたいということを補助金で奨励したいと思えば、ある程度ひも付きでもいいと思うんです。例えば、この間、吉川先生がおっしゃられたJアラート、それなんかは、本当に大臣の命令一下、もうどっと補助金を付けて一挙にやってもいいと。その裏打ちを、地方分担部分を交付税できちっと見るというようなことで、早くつくらなければいけないと思うんですよ。
 ちょっとわき道へそれますけれども、ハイチのことで今日ODAでも質問がありましたけれども、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、お分かりでなければよろしいですけれども。
 あのハイチの情報が入った日の朝、四、五時間後には救助隊、警察、消防、そういうところの救助隊員はもういつでも出発できる状態になっていたわけでしょう。なぜ飛び立たないのかというのが私の疑問なんです。飛び立てばいいじゃないですかと。救急車でも、あるいはドクターヘリでも、飛び立つ、走り出すんですよ。しかし、もう必要ないと思えばまた降りてくる。それはオーバートリアージといって無駄なことかもしれませんけれども、ともかく飛び立って、その上で交渉をすれば必ず向こうは来てくれと。現に、七日たって八日たって助かった人もいるじゃないですか。そういうのが私は国際貢献だと思いますが、要らざることを聞きますけれども、ちょっと御感想があれば教えてください。
#21
○国務大臣(原口一博君) 私は木村先生と全く同じ認識を持ちまして、消防庁それから救急救助のつかさつかさの人たちは、地震が起こってすぐレディーの状態、それをずっと続けていたわけです。私も即外務省に話を入れて、いつ飛び立てばいいのかと、それを待っているからという話でした。インドネシアでは世界一早く駆け付けて、そして多くの感謝を勝ち取ったばかりでございます。
 ところが、このハイチの地震の場合は中央政府の機能、やはり要請主義でございまして、この間のチリもそうでした。まず、ハイチについて申し上げると、ハイチの地震は首都直下であったために政府機能が壊滅的な状況を持っていたということ、我が国の在外公館は機能をしていましたけれども、一方でPKOが出ているような地域ということで、あれ、何で中国は出ているのに日本は出ていかないんだと言われましたけど、あれはPKO部隊を出していて、そこからの情報があって出ていったわけでございます。また、今回のチリにおきましても、最初はずっと、やはり自分たちは自分たちでやれるんだということで、それは要請をされない。やはり要請のない、その国家が、まさに先ほどの主権の議論でございますけれども、他国を入れたくないということを意思表示をされれば、それはやはり入れないというのが現状でございます。
 ただ、今委員がおっしゃるように、あのハイチの地震の直後に消防庁の幹部を呼びまして、取りあえず近くまで、フロリダやその近くまで行くことができないのか。帰ってきてもそれは国民から非難を受けるようなことではなくて、一刻も早く、世界一の救命救急の、救助の装備を持ち、もう日々本当に世界一の厳しい訓練に耐えた隊員の皆さんの、その皆さんのことを思ってみても、やはりもう一回ロジスティックの在り方を変えることができないかということで今指示をいたしまして、一定の方向が消防庁から上がってきたところでございます。
 また御指導いただければと思います。
#22
○木村仁君 ちょっと変なことにそれてしまいまして、失礼いたしました。
 先ほども申し上げておりました地財審の答申、一括交付金というのはあくまで経過的なものと考えてほしいと、やがては交付税がいいのか何か知りませんけれども、もっと大きな地方政府間の調整制度の中に入っていくべきものだという見解でありますが、大臣のこの点についての見解を確かめておきたいと思います。
#23
○国務大臣(原口一博君) 私は、今委員がおっしゃるように、地方が独自に使える税財源、これをもう増やせればそれでいいと。つまり、交付税というのはまさに地方が自由に使える財源ですから交付金よりも更に自由度が高い。
 ただ、一方で、じゃ、今議論をしているのは一括交付金の対象となるひも付き補助金の範囲、今も委員も触れられましたけれども、命にかかわるところとか国家の責務にかかわるところであるとか、あるいは、この間、吉川委員が御質問いただきましたように、即応しなければいけないようなところ、そういったものはやはりある一定限は補助金という仕組みも残さなければいけないと、そのような議論もあるところでございまして、地方の自由度の拡大とそれから国のかかわりについてなお議論を深めていきたいと思います。
 また、ヨーロッパ憲章には、地方自治体に対する補助金又は交付金は可能な限り特定目的に限定されないものでなければならないと書かれておりまして、私もそのとおりだというふうに考えております。
#24
○木村仁君 約束の時間がだんだん迫ってまいりましたのでちょっと取り急ぎ参りますが、いろんな施設設置等の基準を条例にゆだねておるというのが規制改革の昨年の暮れの御党で、政府でお作りになった計画の中に入っております。
 それを見ておりますと、一つの例でありますが、保育所等の設置基準の条例による規定というのを、これを地方に渡すと、こういうことになっていますが、それについて、その中身を三つに分けておりまして、医師等の職員の資格に関する規定とかなんとかいうものは従うべき基準と、国が基準を示してそれに従いなさいと。それから、施設の利用者の数に関する基準は標準であると、標準に従って作りなさいと。それから、その他の基準については参酌すべき基準と。分権推進委員会そのものがそういう基準を作って、そして条例に委任するけれども、従うべき基準、標準、参酌すべき基準と三つに分けて、やっぱりどうしても枠付け、たがをはめようとするわけですよ。
 これはもう中央官庁の物すごい縄張争いの中でできてきた基準でありましょうし、あるいは保育所等については非常にタッチーな問題で、やはり国の基準を欲するという設置者側の希望もあるのかもしれませんから、非常に難しい問題だと思いますけれども、せっかく地域主権を標榜しておやりになるのであれば、こういう基準を離してしまって、条例ということに決めて、そして、手はあるんですよ、条例準則というのを作れば大体の団体はそれに従うとか、そういうからくりもあることはあるんですが、やっぱりもうこの際そういうものは整理をして、できるだけこの制約はなくすようになさったらいかがでしょうか。
#25
○国務大臣(原口一博君) 全くおっしゃるとおりだと思います。
 中央政府で、つまり地域主権をやらなきゃいけないのは、いろんな基準も、決めている人とそれから実行する人、あるいは企画する人と実行する人あるいは実行する団体、これがばらばらであっては一体的なサービスはできないわけでございまして、私は、今委員がおっしゃるように、保育というものについても地方が条例で決め、そしてそれを地方に決めさせたら国はその保育に対する責任を放棄するのかというのは大変極端な議論であると、私はそのように考えております。
#26
○木村仁君 こうしてここで議論しておると簡単なようですけれども、これは非常に難しい問題だと思います。ひとつ気合を込めて頑張っていただきたいなと考えております。
 それからもう一つ、直轄事業負担金の問題について、これはマニフェストで明らかに廃止すると書いてありますし、それからインデックス二〇〇九ですか、その中では、直轄事業負担金一兆円を廃止すると。その財源は奪うことなく交付税の中に取っておくと書いてあるんですよ。それはインデックスですから、それは知らぬのだということかもしれませんけれども、そういう決意のほどにしては非常に進捗が遅いんです。そして、まず、二十五年ぐらいを目途にして、大臣のプランにも、原口プランにも出てきますが、直轄事業負担金の廃止は二十五年ぐらいになっちゃうというようなことになっております。これはちょっとやっぱり遅いのではないでしょうか。全国知事会も、少なくともこの夏の地域主権戦略大綱までにははっきり廃止の時期を書いてくれと言っておる。
 去年の暮れに政務官の会議をやられたんですか、四大臣。それで、そういう素案になっているけれども、これはあれですか、政務官が発言が弱かったんですか、それとも元々枠組みが決まっておって、このとおりせいと言うから素案のようになったんでしょうか。ちょっと、意地悪質問じゃないですから、いいですけれども。
#27
○大臣政務官(小川淳也君) 恐れ入ります。先ほど来、木村大先輩と申し上げてよろしいんでしょうか、いろいろと本当に御見識と御経験に満ちた御指導をいただいております。
 お尋ねの直轄負担金に関する議論でございますが、昨年年末に財務省と国交省そして農林水産省、そして私ども総務省、四省庁の担当政務官で再三にわたり協議を続けてまいりました。もちろん、政権公約がこの直轄負担金の全廃を掲げて国民の皆様の信をいただいた以上、そこに高い目標を置いて議論をしてまいったことは事実でございます。
 しかしながら、急に一兆円全体を視野に入れた制度改変ということになりますと、事業費の総量確保や自治体にもたらす混乱、その他様々な副作用も、これも懸念されるものですから、今般、二十二年度当初においてはまず維持管理費の廃止、そして、その後も鋭意この議論なり検討を続けてまいりまして、できるだけ早期に結論を得たいというふうに考えておるところでございます。
#28
○木村仁君 総務省は素直な省だけれども、他の省はそうはいきませんから、そういう機会があるときにはもう腹を据えて頑張っていただきたいなと思います。
 私は、直轄事業負担金の問題については、私のこれは全く個人の意見でありますけれども、逆だと思うんです。建設費の直轄事業負担金はおいておいて、維持管理費の方を額が小さいからでしょうけれども整理していったと。これは私は逆だと思うんです。国がなぜ直轄事業をやるかといえば、それは日本国において必要だからやるんですから、こんなものに、ここの団体は早く地元負担をやるから早くするとか、そういう関係は一切ないはずなんですよ。ですから、これはもう負担金は要らない、全部国でやると。ただ、使用することになればそっちの方の負担金を取るなり、あるいは管理権を地方に渡して、例えば道路であれば地方に管理権を渡せばその両側にきれいな花を植えてみようとか、いろんな地域の知恵が出てくるんですよ。だから、これは関西で言うてれこになっていると。
 私は、工事費の負担金を早くやめて、ある工夫の下に維持管理費はむしろ地方に持たせていいんではないかと思っておりますが、これはどなたがあれでしょうか。
#29
○大臣政務官(小川淳也君) 大変本質的な高い御見識をいただいたものとして胸にとどめさせていただきたいと思います。
 ただ、一方、この議論の経過でございますが、一部の都道府県知事からぼったくりバーというような表現が出たりというような経過がございました。その際に、例えば国家公務員の退職手当ですとか、あるいは庁舎の建設、維持費ですとか、そういったものも含めてこれらの中に盛り込まれていたという経過からする事実がございまして、そのような中から二十二年度当初こうした措置をとることになったわけでございますが、いずれも今委員からいただいた御見識は非常に本質的な議論として胸にとどめさせていただきたいと思います。
#30
○木村仁君 今の説明でよく分かりました。夾雑物が入っていたわけですよね。人件費が入っていたり、そういうあるべきでないものが入っていたから、それを初めに整理したと。ちょっと私もそれ気付きませんでしたから、失礼しました。しかし、基本は、維持管理費は純粋な維持管理費のことですから、そういう考え方ではどうかと思っております。
 やっと、約束の時間はもうすぐ近まって、まだいいですか、当面の改正税制について足早に質問をいたします。
 子ども手当そのものの議論はいたしませんが、個人住民税の扶養控除及び特別扶養控除を廃止されました。これは全く子ども手当とは本質的に関係のない税制改正ではないかと私は考えております。そして、扶養控除を子供についてつくるか、あるいは特別扶養控除をつくるかということは地方税プロパーの問題であって国の政策とは関係ない部分だから、それを、財源が苦しいからそうなさったんでしょうけれども、免除してしまったというのはおかしいと思います。
 それを、これは衆議院でも議論されたと思いますけれども、所得税だけでなくて地方の個人住民税までそうするといううわさが立ったときに、自民党がそれに対して抗議した。それに対して民主党は、これは住民税のことはだれも言っていない、所得税の話だ、所得税ならば国の政策について講ずる措置だから構わぬだろうと、こういうことで、もう少し慎重に議論をしなさいという抗議の文書が来たんだそうでありますけれども、実際、開けてみたら、地方税も含めて、技術的な問題はあるのかもしれませんけれども、扶養控除をやめてしまったと。これは本当にちょっとおかしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#31
○大臣政務官(小川淳也君) 委員におかれましては、大変専門的な御知見を基にお尋ねをいただいておりますので、少し丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、昨年の総選挙におきまして、所得税に限って配偶者控除及び扶養控除の双方を廃止をし、住民税については存続をするということを掲げましたのはこれ事実でございまして、まずここが出発点になろうかと思います。その後、政府の税制調査会等におきまして大変丁寧に議論を続けてまいりました。そこで問題になった点が幾つかございます。
 まず一つ目でございますが、国全体で所得の再分配機能を負っております所得税と、これに対しまして地域の回避的な性格の強い住民税、同じ所得課税ですから控除項目はすべてそろえられております。しかし、控除の額については所得税の方が金額が大きいという体系が取られているわけでございます。これを前提にしますと、公約に掲げたとおりのことを断行いたしますと、その税体系が非常に乱れてしまうということが一つございます。
 あわせて、申告を受けた税務署から課税情報を各市町村が受け取って、そして課税しているわけでございまして、もしここも所得税と住民税で大きな取扱いが異なることになりますと、課税の実務の上でも大変大きな混乱を生じるおそれがございます。
 あわせまして、所得税の配偶者控除と扶養控除を見直した場合の増収額が一・四兆円、一方、配偶者控除双方の見直しについては行わなかった場合、今回そういう結論に至ったわけでございますが、所得税、住民税の扶養控除のみ併せて見直しを行った場合の増収も一・四兆円、この増減収が公約の範囲内に収まったことも大きな論点の一つでございまして、まさにこうした諸点を総合的に勘案をした結果、公約の一部修正という形で現在法案の御審議をいただいているという経過をたどりました。
#32
○木村仁君 つまり、マニフェストもたまには間違っておると、そういうことですね。
#33
○大臣政務官(小川淳也君) 衆議院でも同様の御指摘をいただいたわけでございまして、この公約そのものの是非については、これは御批判も含めて甘んじてお受けしたいということでございます。
#34
○木村仁君 もう一つ言い分があるわけでありますが、地方税の控除というのは、地方税の中の控除であって国税とは違うと、しかし技術的に大変だからやめましたと。両方やめたために大分子ども手当の支給額自身にひずみができてきましたよね。だから、それはそちらの御事情でよくなかったのかもしれませんが、もう一つ大変けしからぬのは、控除を廃止したために地方に増収ができました。どれくらいありますか、四千億ぐらいあるんですか。
#35
○大臣政務官(小川淳也君) 四千億円前後でございます。
#36
○木村仁君 これは政務官じゃなくて大臣にお聞きしたいんですけれども、その四千五百億円という増収は、これは国の政策と何にも関係ない、制度がなくなったことによる増収ですから一〇〇%地方の財源でしょう。これをどうして四大臣協議で将来は子ども手当の財源に使うという約束をされたんですか。
#37
○国務大臣(原口一博君) そこは最終的に子ども手当の財源に使うという書き方はしておりませんし、そういう合意はしておりません。
 委員御案内のとおり、これは二十三年度以降については地域主権戦略会議において議論をすると、国、地方の先ほどおっしゃいました保育のサービス、私が出した案はまさに、中央政府は現金給付、地方政府がサービス給付、これですっきりさせようと、そして地方政府はその財源を中央から大幅に移譲してそこでやっていただくという形にしておりまして、まだこれは決着をしたわけではございません。
#38
○木村仁君 くれぐれも財源に窮してそういう変なことはしないようにしていただきたいと思います。
 それからもう一つは、トリガーの問題ですが、これは余りにも、何というか、マニフェスト関連で苦しんだ結果の手練手管でありまして、こういう経済の動きに従ってころころ税率が変わるとか、そういうことはいたずらな混乱を生むだけで、私は決していい制度ではないと思いますが、率直な意見をお聞かせいただけませんでしょうか。
#39
○副大臣(渡辺周君) トリガー制度の中身につきましては、もう委員御案内のとおりかと思います。
 本来ならば、暫定税率を直ちに廃止をするというふうにお約束をしたわけでございます。ですから、当然、それを期待されたユーザーに対しては、これは厳しい声をいただいております。これに対しては謙虚に受け止めなければならないというふうに思っています。
 反面で、財源なき暫定税率の廃止はしてはならないということで、地方自治体からはそういう要求もございました。その上でこうしたトリガーの税制というふうになったわけでございますけれども、この点につきましては暫定の措置であるというふうに我々は認識をしております。この制度がいつまでも続くということは、まさに税体系の上からおいていろいろな今委員が御指摘のような混乱も含めて懸念をされることはぬぐえないというふうに思っていますので、新たな税制を今税調の中で検討しているところでございます。
#40
○木村仁君 トリガーという言葉が先に出てしまいましたけれども、そもそも暫定税率を廃止すると言いながらこれをしないということは、やはり財源との関係だと思いますね。しかも、政府はやめるつもりであったのが、まあ某所からやめちゃいかぬと来たからやめないというようなことで、この部分は我々から見ても本当にちぐはぐな意思決定過程であったと、そう思います。もう御返事は要りませんけれども、指摘しておきたいと思います。
 もう約束の時間になってしまいましたが、一つだけ。一、二簡単に。
 国と地方の税源の配分が五対五というのは、もう随分昔からそういうことを言われているわけです。大臣も何度も御指摘になっておりますように、歳出は六対四、歳入は逆に四対六と、こういうことであるから、どうしてこれ五対五になるんだろうかというのが少しも分からないんです。もう十年も前にこの議論があって、大体五対五でいこうじゃないかという話になって、ずっと今これ地方分権推進委員会の最終答申でも五対五と書いてあると思うんですけれども、これ何も五対五である必要ないんじゃないですか。六対四、地方六、国四という意気込みでやっていかなければ、五対五も実現できないんじゃないでしょうか。
#41
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりだと思います。
 実際に日本の国の成り立ちを見ますと、地方の自治体が随分多くの仕事を負っています。これほど多くの仕事を負っている体系を持つ国というのも珍しいと思いますので、今委員がおっしゃるような趣旨で頑張ってまいりたいというふうに思います。五対五なんという控えめなことは言うべきじゃないと。私、元々控えめな人間なものですから、しかし、ここはあえて委員の御指摘のように更に踏み込んで頑張りたいと思います。
#42
○木村仁君 私は野党の立場で無責任なものですからいいかげんに言いますけれども、大変難しい話だと思いますけれども、一頑張りする値打ちはあるのではないかなと、こう考えております。
 時間がありませんから、ふるさと納税のことをちょっと教えていただきたいと思います。
 今、実績、二十一年度で全体の数字が出ていますでしょうか、ふるさと納税の実績。
#43
○副大臣(渡辺周君) 平成二十一年度の都道府県、市区町村への寄附金の控除が適用された方が三万三千人、控除対象寄附金額がおよそ七十三億円ということでございまして、控除金額はおよそ十九億円でございます。
#44
○木村仁君 これ、知事によっては非常に熱心に東京に来るたび宣伝して歩いている方がいらっしゃるんですよ、東京が金持ちだから東京の人ならば寄附するんじゃないかということで。これは本当は税制度そのものの制度として導入したかったんでしょうけれども、なかなかそれは大変だということで、寄附をしてその分を控除しましょうという制度にしちゃったわけですね。
 これは、日本人の寄附風土といいますか、それが非常に薄いからなかなか成功しないだろうと思っておりましたが、まだ十八億って少ないですけれども、徐々に増やしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#45
○副大臣(渡辺周君) 今、新しい公共ということで、いわゆる寄附税制、税額控除のことも我々税調の中で検討しておりまして、近くまとめることとしておりますけれども、まさにこの寄附文化というものが日本には根付かないのでは、根付いていないのではないかというようなことも言われます。
 その一つとしては、特にふるさと納税の場合は、もう知事さんによっては名刺の中にふるさと納税は○○県へと、我が県へというふうに書いて渡している方もいるんですが、私は、一つにはやはりどう使われているかということ、寄附をした人の達成感あるいは本当に貢献しているんだということを、やっぱり自治体がどう使っているかということをもっと明確にする必要があろうかと思います。ふるさとの花いっぱい運動だとか例えば並木の整備ですとかそういう、何かこういうことで自分の寄附が貢献しているんだと、使われているんだというようなやっぱりはっきりしたことがあれば、私は寄附した側に対しても達成感、納得感があろうかと思います。まず、そういうことも地方自治体の代表の方々と率直にお話合いをしているところでございます。
#46
○木村仁君 最後の質問にいたします。
 名古屋市及び半田市で標準税率を下回る一〇%カットの税率を定めました。定めること自身は別に与えられた権限ですからよろしいんでありますが、それをやりますと、今度は地方債を発行するときに総務大臣協議になると思います。協議に来たときに、にこにこしてお受けになりますか。
#47
○国務大臣(原口一博君) いや、にこにこして受ける、これは個別の案件ですから一般論としてお答えいたしますが、やはり標準税率未満の地方団体が建設地方債を発行する場合は、もう委員御案内のとおり、地方財政法第五条の四第四項に基づき総務大臣の許可が必要とされておりまして、建設地方債の許可に際しては、減税の所要財源について地方債による将来世代への転嫁ではなくて自ら財源を捻出している点や地方税収の確保の状況等を勘案し適切に判断をしていきたい。
 つまり、減税競争をしてそこの住民に耳触りのいいことだけを言ってなさっているということであれば、それはにこにこではなくて厳しい顔をして会わなければいけないというふうに思っております。
#48
○木村仁君 全国の地方自治体が財源に悩んでいるわけです。たまたま名古屋市あるいは半田市は、もうトヨタも随分悪くなりましたけれども、それでもお金のあるところであります。国の借金は、これはいろんな方策があって何とかなるわけでしょう。しかし、地方自治体の借金というのはどうしようもないわけでありますから、そういうことが、全国の都道府県、市町村が苦しんでいるときに、名古屋だってそんなにうんと金が余っているはずはないんですから、そういう人気取りの、人気取りと言うといけないかもしれませんが、措置をとることについては厳しく対処をしていただきたいと思います。
 終わります。
#49
○礒崎陽輔君 どうもこんにちは。自由民主党の礒崎陽輔でございます。
 それでは、質問を始めていきたいと思います。
 最初に、人事院総裁にお伺いをいたします。
 実は、四か月前に質問通告はしたんですけれども、いろんな事情があって聞くことができなかった。委員会に出られなかったり、委員会に出たんですけれども、ほかの質問が多くて聞けなかったものですから、四か月ぶりにちょっと大事な質問だけさせていただきたいと思います。
 江利川総裁を選ぶとき、鳩山総理が、ひょっとしたらと、ひょっとしたらと言ったかどうかはちょっと覚えておりませんけど、人事院の幕引きをしてもらわなければならない人事だと、そういうことを言ったということは総裁も御存じだと思いますが、四か月もたってからこういうことを聞くのもなんでありますけれども、総理が人事院の幕引きという言葉を使われて総裁の人事をやったことについてどういう御感想をお持ちでしょうか。
#50
○政府特別補佐人(江利川毅君) 鳩山総理が舛添前厚生労働大臣との御議論の中で総理の答弁としまして、これから労働基本権の回復などということを行って、ある意味で人事院そのものの存廃が必要なぐらいの、その議論が必要なぐらいの人事院改革をしなければならない、こういう趣旨のことを言っております。このことだと思います。
 人事院には二つの機能がございまして、一つは公務員人事の中立公正の確保という点でございます。もう一つは、労働基本権が制限されておりますので、その代償機能を果たすということでございます。鳩山総理のこの基本権問題の回復云々という議論は、その後者の方に該当する部分であります。
 これは、基本法によりましてその長所、短所を国民に提示をして、国民の理解を得て、議論を経て進めるということになっておりますので、今後、政府内部においてそういう議論が行われ、また国会においても様々な議論があるんだと思います。人事院としましては、そういう議論の結果を踏まえながら対応させていただくということになろうかと思っております。
#51
○礒崎陽輔君 まさに今総裁がおっしゃったように、鳩山総理の頭の中には、やはり人事院というのは労働基本権が公務員には完全に与えられていないことの代償措置として人事院が存在するんだということが念頭におありだと、それでそういうような発言になったんだと思います。もちろん、人事院としてみれば、別に労働基本権の代償措置の仕事だけをしておるわけではないというのも、もちろんそれは事実だろうと思いますけど。
 なかなか当事者としては言えないのかもしれませんが、そこで人事院として明確な発言をしてほしいのは、じゃ国家公務員にどの程度の労働基本権を与えるか、これは自民党と民主党のお約束もありますし、今後また立場が変わった中でまた御議論していかなきゃならぬと思いますけどね。もしもある程度の労働基本権が国家公務員に与えられた場合、人事院は要らなくなるんでしょうかどうかということについては、人事院としてはどういうふうにお答えになりますでしょうか。
#52
○政府特別補佐人(江利川毅君) お答えの前段階の問題としまして、公務員の労働基本権の問題をどう考えるかというのがあると思います。
 一つには、確かに使用者側と働く側という形にはなっているわけでありますが、一方、憲法からくる要請もあるわけでございまして、公務員には全体の奉仕者としての立場がございますし、また使用者たる政府に対しましては、財政民主主義であるとか人事行政につきましての法定主義というものがございます。
 こういう中で、いわゆる使用者側も制約されている中ではございますので、こういう中で一体どういうことが可能なのかと。また、民間と違いまして倒産も、国家には倒産もありませんし、それから利益の配分という意味での共通の土俵の中での労使関係の議論というのもなかなかできないわけでございます。ILOにおきましても、公務員につきましては、例えば直接行政に携わる公務員については制約があってもよろしいというスタンスに立って意見がなされています。私は、こういうことを全体を踏まえて議論されることがまず基本であるということでございます。
 そういうことを踏まえて、国民の代表である国会において議論されて、その結果が出ましたならば、これは人事院は法律に基づいて設置されている組織でございますので、また法律に基づいて仕事をさせていただきたいということでございます。
#53
○礒崎陽輔君 総裁としてはそういうお答えになろうかと思いますね、分かりますが。
 今回、国家公務員法の改正案も与党は出そうとしております。ところが、人事院改革は今回見送られたようであります。これについては、人事院としては有り難かったということになるのか、どういうような御感想をお持ちでしょうか。
#54
○政府特別補佐人(江利川毅君) 今回の公務員制度改革は幹部人事の一元管理というところを基本にした改正でございますので、この一元管理の部分に、そういう一元管理という世界におきましては直接人事院にかかわるところは出てこないということでございます。結果としてそういうことになったというふうに理解しております。
#55
○礒崎陽輔君 私は、やはり新しい人事管理をやる中で、昨年我が党が出した案のように、人事院も含めてこの改革をやっていくことは必要だと思います。
 なかなか法律を作る立場でないということでしょうからお答えにくいのかもしれませんが、昨年、前総裁の谷総裁が特に級別定数の管理、指定職まではこれはもう内閣官房移行で話が付いたんでありますが、課長クラスの級別定数管理も絶対譲らないといって最後まで抵抗していただいたんで、私も随分内閣官房と人事院の間に立って調整をしたんですが、お互い譲らなくてなかなかうまくいかなかったという経験が私もあるんですが、一般職というか課長クラスの級別定数管理というのは、これは人事院が絶対に保持しなきゃならない権限とお考えでしょうか。
#56
○政府特別補佐人(江利川毅君) 同じ課長クラスでも様々なレベルがあるわけでございまして、大変官房の課長のように責任の重い課長から局の筆頭課長あるいは各原課の課長、様々あるわけでございます。給与はその課長のポストに応じて決まりますので、重たいポストに就く課長の数はこのぐらい、中間的な人はこのぐらい、それに比べて軽い人はこのぐらい、人数が決まっているわけでございます。
 人事院勧告は、そういうレベルの課長が何人いるかということを踏まえながら、トータルとして給与勧告をしているわけでございます。もしこれを勧告を離れて各省において自由に、例えば課長はみんな高いところに付けてしまうんだということになりますと、人事院勧告が十分生きるわけではございませんし、逆に低いところへ付けてしまうんだということになりますと、人事院が代償機能を十分果たせないということになってしまいます。そういう意味で、現在の勧告制度を前提にしますと、級別定数というものは一緒にあるべきではないかというふうに考えているわけでございます。
 ただ、政府としましては、私どもが聞いているところでは、基本法におきましても基本権の在り方について議論をこれからしていくことになっておりますし、労働基本権の在り方いかんによってはこの級別定数を必ずしも人事院が持っている必要がなくなってくるわけでございますので、この秋以降の、夏以降のでしょうか、議論を踏まえてその辺は変わってくると思います。
 現時点では、人事院勧告制度が残っておりますので、そういう意味ではこの人事院勧告と一体不可分の級別定数は一緒にあるべきではないかというふうに思っております。
#57
○礒崎陽輔君 これは率直にお答えいただいたと思うんですね。ただ、それだと前谷総裁と同じなんですね。労働基本権について異動がなければ、課長級の級別定数管理についても人事院としてはやはり保持しておかなきゃならぬという御答弁であったと、そのとおりだと思うんですが。
 総務大臣にお伺いします。
 私もやっぱり内閣における人事の一元化というのは、私は反対じゃありません。それは非常に当然必要なことだと思いますが、一つ今言ったような人事院との絡みがあったわけですね。今また新総裁からも級別定数管理は必要だという御答弁をいただきましたが、私は人事院も含めてやはり全体的な人事管理の在り方を見直すべきだと思いますが、大臣、どうお考えでしょうか。
#58
○国務大臣(原口一博君) 委員におかれましては、前政権においても公務員制度改革に大変御熱心に取り組んでくださいました。またその御知見をいただきたいというふうに思います。
 私は、考え方は委員の考え方に近いです。労働三権というものをある一定以上回復する過程においてはやはり人事院制度そのものの役割についても見直しが行われるべきであると、このように考えております。
#59
○礒崎陽輔君 今日はこの問題ではないので、また公務員改革法は出てまいりますので、そこで、当委員会かどうかは別にして、また別の機会で議論をさせていただきたいと思います。
 次に、政治とお金の問題について少しお伺いをしたいと思います。
 原口大臣は、報道によりますと、昨年八月にアピール21から受けた献金三百万円を返還するという報道があったんですが、それはもう返還なされたんでしょうか。
#60
○国務大臣(原口一博君) もう返還しているというふうに聞いております。
#61
○礒崎陽輔君 原口大臣は、平成二十年のアピール21からの献金五百万円については訂正報告をなさっておりますが、これはどういう理由で訂正報告をなさったんでしょうか。
#62
○国務大臣(原口一博君) これは、この場でもおわびをさせていただきましたけれども、他の団体と間違えまして、それで、通帳やあるいは出納簿には正しく書かれておりましたものを、政治資金収支報告書に書くときに原口一博後援会とアピール21を間違って、原口一博後援会からの献金と誤って記載したものでございまして、記者会見を開き、弁護士等を入れた調査チームにお願いしまして、そして正しい形で訂正をさせていただいたという経緯でございます。
#63
○礒崎陽輔君 うがった聞き方をして申し訳ないんですけれども、アピール21は献金先を公開しておるということがございます。公開しているということで急に訂正をしたというわけではないわけですね。
#64
○国務大臣(原口一博君) 全く違います。事務的なミスでございまして、その前、たしか、ちょっと年限が違えば後で訂正させていただきますが、十八年かに、アピール21、これはNTT労組のつくる、有志の方々がつくっていただいている、まさに一口千円とか二千円のカンパのお金でございまして、正しくそれまでは記載をしております。
#65
○礒崎陽輔君 アピール21については今御答弁ありましたけれども、原口総務大臣はそれ以前にもNTT労組からの献金をお受けしていると思うんですが、それについてもきちんと収支報告なされていますでしょうか。
#66
○国務大臣(原口一博君) アピール21からの献金について収支報告に載せております。
#67
○礒崎陽輔君 NTT労組時代は献金はなかったですか。
#68
○国務大臣(原口一博君) ちょっと通告がございませんので、調査をしたいと思いますが、その認識は持っておりません。
#69
○礒崎陽輔君 通告がないと言われるとこちらもそれ以上はありませんので、それはまた後ほどお伺いしたいと思いますけれども。
 次に、公務員の方の献金の問題について話をしたいと思うんですが、地方公共団体で労働組合費のチェックオフというのが行われております。チェックオフというのは、御承知だと思いますけれども、給与の天引きと言うと平たい言葉であると思いますが、地方公共団体のチェックオフというのは地方公務員法上どういうルールになっているのか、公務員部長にお伺いいたします。
#70
○政府参考人(佐々木敦朗君) 地方公務員法第二十五条二項がございまして、その中で、「職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。」ということになってございまして、この法律に基づく条例が定められている場合には給与から控除ができるという仕組みになってございます。
#71
○礒崎陽輔君 法律又は条例の根拠が必要だということでございますが、そのような法律の根拠というのはございますか。
#72
○政府参考人(佐々木敦朗君) いろんな法律を私は全部承知をいたしておりませんけれども、例えば地方公務員の共済の掛金などは法律で決まっておるものの例だというふうに承知をいたしております。
#73
○礒崎陽輔君 分かりました。
 多分、労働組合費については法律の根拠はないという認識でよろしいですね。
#74
○政府参考人(佐々木敦朗君) そのように承知しております。
#75
○礒崎陽輔君 では、そうすると結局、地方公共団体が労働組合費をチェックオフするためには各々の団体で条例の根拠が必要であるということになるわけでありますけれども、実際地方公共団体でチェックオフをしている団体数はどのくらいございますでしょうか。
#76
○政府参考人(佐々木敦朗君) 私どもの方で、都道府県と指定都市でございますが、こちらの方、条例がホームページに公表されております。そちらの方で調べましたところ、条例に職員団体費のチェックオフにつきまして何らかの根拠規定を持っておる団体が、都道府県で一団体、指定都市で十六団体ございました。
#77
○礒崎陽輔君 質問に答えてないんですね。チェックオフをしている団体は何団体ありますかと今お伺いしたんですけれども。
#78
○政府参考人(佐々木敦朗君) 私ども、都道府県と指定都市が条例をホームページに公表しておるということで、その中からお話もございましたので調査を、公表されたデータで調べたわけでございますが、私どもの方でそれぞれの地方公共団体におきますチェックオフの実態というものは把握をしておらないところでございます。
#79
○礒崎陽輔君 ちょっと何か前段が分かりにくいんですけど、余り言葉の問答をやっても時間の無駄だから申し上げますが、チェックオフをしている団体が何団体あるか総務省では把握していないという趣旨と考えてよろしいですか。
#80
○政府参考人(佐々木敦朗君) 条例がある団体につきましては先ほど御答弁をしたとおりでございますが、現実にチェックオフをしているかどうか、どのようにしておるかというような実態については私どもの方で把握をしておらないということでございます。
#81
○礒崎陽輔君 では、条例についてお伺いしますが、先ほどの話では、都道府県では一団体ですね、多分これ鳥取県だと私も認識しております。政令市は基本的に条例があるんですね。大阪市があった条例をいったん廃止したので少し減っておるんだと思いますが、一般市町村については今お話がありませんでしたが、把握してないんでしょうか、条例について。
#82
○政府参考人(佐々木敦朗君) 一般市町村についてどのような条例が定められておるかということについては調べてございません。
#83
○礒崎陽輔君 分かりました。
 総合して申し上げますと、だから、条例については検索して調べてみると、都道府県が一、政令市が十六まで把握しておって、一般市は幾つ条例があるか把握していないと、そして一般市町村については分からないということでありますけれども。じゃ、条例のないところでチェックオフが行われてないということを理解しておるわけではないですね。
#84
○政府参考人(佐々木敦朗君) 条例があるかどうかにつきまして先ほど、都道府県と指定都市の公表情報により把握をしておりますが、チェックオフをしているかどうかを含めましてその実態については私どもの方で把握をしておらないということでございます。
#85
○礒崎陽輔君 もっと素直に答えてほしいんですけれども、条例のある団体はしている可能性が高いんでしょうね。条例のない団体でしておるかどうかは知らないということでよろしいですね。
#86
○政府参考人(佐々木敦朗君) 特に私どもとして承知をいたしておりません。
#87
○礒崎陽輔君 先にちょっとほかの問題をお伺いしたいと思いますけれども、例えば自治労であれば、通常の組合費のほかに闘争資金というのがあるんですね。闘争資金というのは、今現在のことはどうか、もし違えば御指摘受けてもいいんですけれども、大体年額で定めておるから、多分年一回とかそういうことで徴収していると思うんです。
 例えば条例であれば、職員団体の会費というような書き方をしているところがチェックオフの条例があるところは多いんですけれども、職員団体の会費という書き方で、臨時的な、今言ったような闘争資金であるとか、あるいは闘争資金というのは、これは自治労の中でも特別会計があって特別な使われ方がしておるわけでありますけれども、多分にこれは政治性が高いものだと思うんですけれども、そういうような闘争資金のようなものを臨時的に今言った職員団体の会費というような条例の規定で徴収していることは問題ないでしょうか。
#88
○国務大臣(原口一博君) 職員の給与は直接職員に全額を支払うことが原則でございますが、条例で認められたものについては職員の給与から控除して支払うことが可能とされているものでございます。また、どのようなものをチェックオフの対象に認めるかについては、それぞれの地方公共団体が判断して条例で定めるものでございます。各地方公共団体においては、チェックオフの必要性及び具体の対象項目について十分に検討した上で条例を制定し運用していただくべきものだと考えています。
 なお、さっきのアピール21ですが、今もう返却を指示をしていますが、当時、野党時代で何も問題でなかった献金を、今度大臣となってその所管のNTTという労組の、対して献金というもの、こちらの方が問題ではないかという一部法律家から異議が出て今法律的な詰めを行っているということで、答弁を訂正させていただきたい。それが整理され次第、一刻も早く返却したいと思います。
#89
○礒崎陽輔君 まだ返還していないということですね。分かりました、それは分かりましたが。
 今の大臣の答弁もちょっと少し私の質問と違うんですが、要はいろんな条例の書き方があります。私、調べてみましたけれども、今言ったように、職員団体の会費という表現をしている条例が多いんです、会費。そうした中で、臨時的、政治的趣旨を有する闘争資金のようなものをチェックオフをしていることは問題ありませんかと、こう質問をしておるわけであります。
#90
○政府参考人(佐々木敦朗君) 先ほど、私どもの方で都道府県、指定都市のホームページでいろんな条例があることを調べましたというふうに申し上げました。その中で、書き方として、職員団体の団体費というような記載をしているところもございますし、職員団体がその運営のために構成員から徴収する経費というような言い方をしている団体とか、いろんな定め方があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、条例で規定した事項がどこまでの内容を含むかにつきましては、一義的にはそれぞれの条例を定めた地方公共団体において判断をしていただくべきものではないかと考えております。
#91
○礒崎陽輔君 その答弁はそれでいいと思うんですけれども、じゃ逆に聞きますと、条例できちんと定めれば職員団体、労働組合の徴収金は何でもチェックオフをできると、そういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
#92
○政府参考人(佐々木敦朗君) 地方公務員法の第二十五条第二項では、職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で直接職員に全額を支払わなければならないと書いてございますので、条例で定めたものにつきましては控除ができるという法律になってございます。
#93
○礒崎陽輔君 地方公務員法上は確かにそう書いておりますが、公共的団体がやるわけですから、公共的団体が給与の天引きをやるわけですから何でもいいわけじゃないんでしょうね。恐らく、いや、今のがそれに当たるというわけじゃないけれども、例えば公序良俗に反するようなものがあればやっぱりそれは駄目だと思うから何でもいいということにはならぬと思いますけれども、言葉の議論をしてもここのところは余り実りある議論にはならぬと思いますから、今の答弁を、一応は条例にちゃんと書いておればいいという答弁があったというふうに私は受け止めたいと思います。
 それで、何が言いたいかというと、幾つか自民党でサンプル調査をしてみました。そうしたら、サンプルですので全国を調べたわけではありませんが、ほとんどの団体で、かなりの団体で労働組合費のチェックオフは行われておりますが、条例のある団体が少ないということが逆に分かってまいりました。そうなりますと、これは非常に問題があろうかと思うんですね。労働組合費がどうこう今日は言っておるんではなくて、今言ったように、地方公務員法ではチェックオフするには条例の根拠が必要だと書いているわけですから、条例の根拠があって天引きしているのは別に構わぬわけでありますけれども、我が方の調査では、ほとんどの団体で労働組合費の天引きが行われているにもかかわらず、実際に条例があるところは少ない。市町村の条例も検索してみました。大体三百団体ぐらいです、条例があるのが。だけれども、労働組合費の天引きをしておるのは八割、九割の団体で、私ども調べたところではそういうふうな状況になっておりますが、これはちょっと問題であると思いますが、大臣後ろ向いておるので、先に公務員部長、問題ではありませんか。
#94
○政府参考人(佐々木敦朗君) 私どもとしては、条例に基づいて、地方公務員法は条例により特に認められた場合を除き全額を支払わなければならないとなってございますので、この特例に基づいて控除をする場合には条例を定めていただくべきものだというふうに考えてございます。
#95
○礒崎陽輔君 明らかですね。地方公務員法で、さっき組合費を集める法律の特例はないというわけだから、そうであれば条例の根拠がなければ労働組合費の天引きをしちゃいかぬと、これはもう当たり前であって、それが少なくとも違う答弁は出てこないと思うんですが。
 今大臣にお願いしたいのは、これはさっきも言ったように、別に政治的意図を持っているんじゃないんですけれども、調査したところ、今言ったように、条例のあるところは極めて少ない。大体、我々の調査、多少間違っているかもしれませんが、市町村で三百団体ぐらいしかチェックオフ条例ありません。にもかかわらず、かなりほとんどの団体でチェックオフをしているという。サンプル調査の結果、今ここでは言いませんが、また後でお見せしてもいいと思うんですけれども、これは是非、違法な状態が放置されているのはやっぱり国家としては問題があると思いますので、まず取りあえず、我が方は今野党でございますので正式な調査はできません、だからこの辺を総務省として取りあえず御調査いただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#96
○国務大臣(原口一博君) このチェックオフ、今お話しのように、条例で、先ほど答弁させていただいたようなとおりでございますので、それが違法に行われているということであれば、それは特段の関心を持って検討しなければならないと、そう考えております。
#97
○礒崎陽輔君 大臣にしちゃちょっと明確な答弁じゃないんですが。もう私は明確に質問をしております。かなりの違法状態が我々のサンプル調査でも見られますので、是非総務省で御調査をお願いをしたいという質問をしておるんでありますが、調査していただけないんでしょうか。
#98
○国務大臣(原口一博君) それは検討させていただきたいと思います。
#99
○礒崎陽輔君 検討するというのはどういう意味でしょうか。何で検討せなきゃいかぬのでしょうか。
#100
○国務大臣(原口一博君) マンパワーが掛かりますが、この間も予算委員会で、使用許可でしたか、あのときは。自民党さんの委員の方から、ほとんど条例によらず施設を使用させているというお話でしたから、即座に違法状態であればそれはいけないということで調べましたら、ほとんどございまして、実態がどうなのかというのは、委員の御指摘のように、違法なことは違法ですから調査の検討をさせていただきたいという意味でございます。
#101
○礒崎陽輔君 いや、これはもうちょっと明確な御答弁をいただきたいと思いますね。だから、別にそんなマンパワーは掛かりません、これはもう役所がやるんなら簡単でありますから。全国あてに、労働組合費を、まあ労働組合費と書かなくてもいい、給与を天引きする条例の根拠はありますか、その中で、あるいはまた労働組合費を天引きしていますか。ほかも調べてほしいですけれども、最低限でよければその二問を全国にぱあっとばらまけば、もう別に客観的な話ですからね、条例がありますかどうか、あるいは労働組合費を天引きしていますかどうか、その二つのクエスチョンで問うていただければいいわけですから、これはマンパワーが掛かるようなそんな、この前の労働組合の施設の利用のようなややこしい話は全くないんで、ここは、大臣、明確に調査しますと言ってほしいですね。
#102
○国務大臣(原口一博君) いや、だから、その調査項目についても、今委員は二項目をおっしゃいましたけれども、何がどのように違法なのかということも含めて調査の検討を、これ調査しないと言っているわけじゃないんで、調査をするためには様々な検討も必要なので、お時間をいただければというふうに思っています。
#103
○礒崎陽輔君 大臣、ここは国会の総務委員会ですよね。だから、野党の言うとおり何でもせにゃいかぬというわけじゃもちろんないのはもうお互い分かって言っておることでありますけれど、違法状態があるとかどうか感触をまず見なきゃならぬというんだったら、私どもサンプル調査の結果をお役所の方に提供してもいいですけどね。いや、あるんですよ、実際。だからそこは、いや、もちろん調査内容は検討していただいて結構ですよ、別にあしたやってくださいとかそんなことを言っておるわけじゃないんで。する方向で検討していただけるというのであれば、私はそれで結構であります。
#104
○国務大臣(原口一博君) ありがとうございます。
 その調査の中身を教えてくだされば、どういう問題意識に沿って、つまり条例がなければチェックオフというのはできないんだけれども、それなしにやっているという明確な御調査をなさっているということでございますから、いただいて、そして調査項目について検討をさせていただきたいと思います。
#105
○礒崎陽輔君 少し議論はさせていただきたいと思いますけれども、さっき言ったように、それは見せていないからということがありましょうけれど、我が自民党の調査では、もう一度申し上げますけれど、ほとんどの団体で労働組合費のチェックオフが行われているけれど、そのチェックオフをするための根拠となる条例がないところが多い。全国で大体、これもインターネット検索でやっていますので本当かうそかは少しあれですけど、三百団体ぐらいしかない。まあ、三百団体は間違いなくある。もう少し違う、変な書き方しているところへ検索できませんのでチェックできませんけど、そのくらいの調査結果が出ておりまして、それ幾つかの県で実際に国会議員が調査したところによりますと、ほとんどの団体でチェックオフをしているにもかかわらず、ない団体が多いという結果が出ております。だからこれは調べておきたいと思いますが。
 かなり前向きになってきたようでございますが、このことについては理事会の方でまたお願いをいたしたいと思います。
#106
○委員長(佐藤泰介君) 後刻理事会で検討させていただきます。
#107
○礒崎陽輔君 これは今日のところは実態がまだ分かりませんので、これ以上私もあれこれ言うのはやめますけれど、そのような不思議なことがあるので、この辺についてもいろいろ御検討をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、本案であります地方財政についてお伺いをしたいと思います。
 これにつきましては、三月十日の本会議でかなり質問をさせていただきました。遅刻の問題もそのときに言いましたけど、あれは一回目の遅刻についての話でございますが、今日はこの話はもう決着付いたんで余り申し上げません。
 もう一点、大臣を孫悟空に例えたことについては後ほど大分非難がありまして、孫悟空として例えるには大臣の体格は良過ぎるんじゃないかという非難が多くて、孫悟空の仲間にはもっと適切な仲間がいたんじゃないかという話もあったわけであります。これは冗談はさておきでありますけど。分かっていただきたいのは、別にこの地方財政の件で私が知っていることをいろいろ言って大臣をやり込めようという趣旨ではないんです。やはり地方財政が一番大事でありますから、大臣に客観的なことを是非とも御理解をいただきたいというのが私の本意でございますので、今日はその続きを少しやらせていただきたいと思います。
 お手元に今日の配付資料が既に届いていることと思います。今日ここにあるのは全部総務省に作っていただいた資料です。中には大分渋って出してきた資料もありますけれど、一枚目のこの資料は、最初から総務省がずっと我々に対する地方交付税法の説明に配っている資料であります。一番上に書いている、地方交付税の一・一兆円の増額、地方が自由に使える財源を増やすため、地方交付税総額を配分される出口ベースで一・一兆円増額、これは事実であります。そこには十一年度以来十一年ぶりと書いているわけであります。
 公債費の負担軽減は飛ばしまして、その下に地方交付税及び一般財源総額を増額確保と書いてあります。地方交付税はダブりますね。二番目は実質的地方交付税、その下に一般財源が五十九兆四千億円で三千億円増えていますよと、地方一般歳出が六十六兆三千億円で一千億円増えていますよと、こういう資料を配っているものですから、これも、今日は付けておりませんが、総務省の財政局の担当者から、もう全国の知事さんから絶賛を得ておるという資料も私も見せていただきました。だけど、なかなか、地方交付税制度、地方財政制度、難しいものですから、正確に理解されているかどうかというのが私の問題意識であります。
 昨年の臨時国会のときの総務委員会で私が言いましたように、地方交付税を増額するだけでは今ほとんど意味ないんです。なぜ意味がないかというと、財源不足額の方がはるかに大きいからなんですね。基準財政需要額と基準財政収入額の差額を地方交付税で補てんしなきゃならぬのですけど、地方交付税の方が今はるかに小さいわけですから、財源不足額の方がはるかに多くて地方交付税が小さいわけですから、これを埋めるのはどうやるかというと、地方交付税で埋めるか起債で埋めるかしか基本的にないんですね。地方交付税でない特例加算というのもあるのかもしれませんけれども、基本的に言えば交付税か起債でその財源不足額を埋めなきゃならぬと、そういう構図になっておるわけであります。
 小川政務官が担当のようですから、今のことをもう一回役所の方から聞きますけれども、財源不足額というのは今言った私の定義でよろしいでしょうか。
#108
○大臣政務官(小川淳也君) 間違いないと思います。
#109
○礒崎陽輔君 じゃ、今言ったように、それも昨年の臨時国会でお伺いしたわけでありますが、地方交付税が増えたというだけでは、財源不足額が非常に多い中、地方にとってはメリットがないという質問をしましたけれども、あのときも小川政務官と原口大臣にお答えいただきましたけど、それは間違いないですね、小川政務官。
#110
○大臣政務官(小川淳也君) 財源不足を埋めるための一つの主要な手段が地方交付税でありますが、厳密には、そこはお互いに深く関連しますけれども、一対一の対応関係にはないと思います。
#111
○礒崎陽輔君 いや、一対一という意味が分からないんですが、今、財源不足額の定義は私のでいいと政務官おっしゃったんですね。財源不足額を埋めるのは交付税か地方債かしか基本的にないわけだから、その埋め方がたまたま地方交付税であったからといって、その財源不足を埋める埋め方が交付税であっただけですから、交付税を増やしたからといって地方にメリットがあるということにはならないですねと聞いておるんですが、いかがですか。
#112
○大臣政務官(小川淳也君) その限りにおいては御指摘が当たっていると思います。
#113
○礒崎陽輔君 ありがとうございます。当たっていると言っていただいたんで、うれしく思いますが。
 そこで、昨年の臨時国会で大臣に申し上げたのは、財政需要をちゃんとその分積まないと意味がないんだと、まさに地方の使える自由な財源が増えるといったためには、その交付税の増えた分を自由な財源として財政需要に積み上げなければ意味がないんだという質問。それで、これもこの本会議で言いましたけど、昨年の委員会のときは理解いただけてなかったようですが、今回、地域活性化・雇用等臨時特例費九千八百五十億円、約一兆円積んでいただいたというのは、私の言った質問を理解していただいて、財政需要額を大体交付税の増額と見合う分だけ積んだというふうに理解いたしますが、小川政務官、それでよろしいですか。
#114
○大臣政務官(小川淳也君) はい、そのような理解で取り組んでおります。
#115
○礒崎陽輔君 そうしたら、交付税は一兆一千億増ですね。今の特例費は一兆円の増ですね。一千億円はどこに行ったんでしょうか。
#116
○大臣政務官(小川淳也君) 地方財政計画全体で御覧をいただきたいと思いますが、投資的な経費につきましては、一・二兆円減額しておりますし、単独分で一・二兆円の減額ですし、補助分でも〇・九兆円の減額。そして、これらを補うための需要として、委員御指摘のとおり、地域活性化・雇用等臨時特例費の方を約一兆円増額。その他、やや細かい話になりますけれども、決算乖離を是正をいたしました雑収入の減が約九千億等々、様々な経費の積み上げの結果でございまして、これら総合して一・一兆円の出口ベースでの増額ということになっております。
#117
○礒崎陽輔君 まあ間違った答弁ではないんでしょうけれども、そのためにさっきの御答弁いただいたのでね。
 だから、一兆一千億円交付税を増額したけれど、地方が自由に使える財源には一兆円増えただけで、あとの一千億円はまさに財源不足額の穴埋めの方に使ったから、それは計算したらそういうことになるんでしょうけれども、そうであると。後ろでうなずいている方もいらっしゃるので、それで多分間違いないんだと思います。いいですね、それで。
#118
○大臣政務官(小川淳也君) 大変造詣の深い委員からの御指摘ですので、そのように私どもも理解をいたしております。
#119
○礒崎陽輔君 別に小川政務官をいじめようと思って言っておるんじゃないんだけれど、これだけ難しいわけであります。一生懸命、地方財政の担当として政務三役さん御尽力いただいておるんだけれど、地方財政というのは非常に分かりにくいから、こういう入口のところでもこんなに難しいわけであります。
 だから、この前の本会議でも言いましたように、交付税は増えないより増えた方がいいので、原口総務大臣に頑張っていただいて一兆一千億円の交付税を確保したというのは事実であります。そのうち一千億円はどこかに飛んでしまったんですけれど、約一兆円で先ほどの地域活性化・雇用等臨時特例費を積んだ、そこまでは意味があるわけです。
 じゃ、本当に一兆円、地方が財政が良くなったのかというと、決してそんなことはないというのが私が言いたいわけであります。
 資料の三ページをちょっとお開けください。これが地方財政計画の歳出一覧でございまして、これは兆円単位ですので非常に分かりにくいわけでありますが、何が増えて何が減っているかといいますと、この右側の汚い字で書いたのが私の字で書いたところでございまして、これが一般財源の増減であります。昔書いたもので、提出するんだったらもっときれいに書いたんでありますけれども、何かメモに書いたのをそのまま資料に出したので恐縮でありますけれど。
 結局、一般行政経費のところの単独はプラス・マイナス・ゼロなんですね、プラス・マイナス・ゼロ。二十二年度と二十一年度のその他のところを見てください。その他と書いていますが、その他のことが一般財源だというふうに御理解いただければいいわけであります。大体そういうことでいいと思います。真ん中辺の地域雇用創出推進費、これは我が自民党が予算措置をした経費でございますが、もう無残にも削られてしまいまして、五千億円のマイナスであります。今言った大臣が積んでいただいた地域活性化・雇用等臨時特例費がプラスの一兆円であります。
 一番問題なのは、これも本会議で申し上げましたけど、地方単独事業を一五%も削っている、一兆二千億削っておるんです。この一兆二千億の中に〇・八兆円、すなわち八千億円、本会議ではこれ七千億円と言いましたけれども、こういう表にするとちょっと四捨五入の関係で八千億円になるようでありますから、八千億円減っているんですね。簡単に言いますと、上の地域雇用創出が〇・五マイナス、下の単独事業は〇・八ですから、一兆三千億円も減っているんですね。一兆三千億円減って、大臣が積んでいただいたのは一兆円です。
 これじゃ、地方の財政は私は苦しくなるという認識をしていますが、小川政務官、どうですか。
#120
○大臣政務官(小川淳也君) 御指摘の点でございますが、重ねての御答弁になりますけれども、全体像を御覧をいただいた上で財源確保に努めている様子を是非御理解をいただきたいと思っておりまして、それら御指摘に加えまして、税収全般の落ち込みを踏まえて不交付団体の水準超過経費についても約六千億円余り減で見込んでおります。
 これらについても、実質的に加味をしていただきますと、総合的に地方自治体の一般財源の所要額については〇・三兆円余り前年度比で増というふうに御理解をいただきたいと思います。
#121
○礒崎陽輔君 いや、それはそんなものを全部加味したのがこの表になっておるわけでしょう。
 それなら、じゃ次の四ページから順次見ていただきたいと思いますが、四ページの、地方の一般歳出が増えた増えたと言っておるんですね。六十六兆二千億円が六十六兆三千億円と、まあ増えた増えたといっても一千億円ですけれどもね、大したことはないんですが。
 その下の表を見てすぐもう分かるわけでありますが、子ども手当が一兆三千億円入っておるわけです、一兆三千億円。これだけでも話はもう終わりなんですけれども、子ども手当というのは、児童手当の分は残りましたけれども、基本的に国が全額負担する経費でありますから、これは別に地方が自由に使える財源じゃありませんね、経費じゃありませんよね、皆さん。
 それだけじゃなくて、障害者自立支援給付費なんかもそうです。生活保護費もそうです。こんなものがばたばたばたと一般行政経費の中で二兆二千億円あるわけですから、これを引いて考えると、別に地方が自由になる歳出が増えたわけではないというのは一目瞭然だと思いますが、政務官、私の言っていること違いますか。
#122
○大臣政務官(小川淳也君) この点も、用語の、言葉の遊びみたいなことにならないように私も誠意を持ってお答えをしたいと思うんですが。
 今まで委員から御指摘をいただいた一般歳出あるいは一般財源という表現に従いますと、公債費の部分だけ除いて議論をするという前提で申し上げてまいりました。それからいきますと、子ども手当に要する経費は確かに自治体の自由というわけにはまいりませんので、その部分についての御指摘ということであれば、これは受け止めなければならないと思います。
#123
○礒崎陽輔君 まあ、慎重にお答えになるのはいいと思いますけれども、私はうそは言いませんので、客観的な数字で物を言っておるわけで。
 これはもう明らかに一般歳出が一千億、一千億増えたのは事実ですよ。事実だけれど、その中身を見たら、子ども手当だけでもいいですよ、議論は、子ども手当だけ見ても一兆三千億円入っているわけだから、これはもう国が全額持つ経費じゃないか、国の政策じゃないかと。地方が自由に使える金がないのはこれは皆さん御理解いただけると思うから、それを引いたら一般歳出はマイナスでしょうというのは別に変なことを言っておるわけでも何でもありません。もうこれは余り抵抗せず素直に受け入れた方が後のためになると思いますけれども。
 それで、もう一つは五ページですね。
 今度は、じゃ、一般財源が増えているという宣伝をしています。五十九兆一千億円が五十九兆四千億円で三千億円増えていると。
 これは先ほどと少し違いますが、この中にも、聞いたところ、子ども手当が五百億円、大した額ではなかったですが入っておるわけでありまして。ただ、その下見てください。障害者自立支援給付費、生活保護費、後期高齢者医療給付費、介護給付費、こんなものが地方の自由になる財源じゃありませんよね。これ、全部合わせますと五千億あるんです、五千億。その下はいいでしょう、地域活性化・雇用等、これは大臣の成果でありますから、一兆円ある。しかし、その下に公債費が入っているんですね。公債費で財源が増えている部分が一千億円あるわけでありますから、この上と下の五千億円と一千億円を足せば六千億円の一般財源というのはほとんどこれ自由に使える金じゃないんじゃないですかと。そうすると、三千億円増えているといいますけれども、実質は三千億円のマイナスと考えてもいいんじゃないですかと。自由に使える財源という観点からですよ。ペーパーが間違っておると言っておるんじゃないんですよ。
 自由に使える財源という観点からは、実際はこれより六千億円少ないマイナス三千億円じゃないですかと言いたいわけなんですが、私の言っておること違っていますでしょうか、小川政務官。
#124
○大臣政務官(小川淳也君) 大変詳細にわたる御指摘をいただいております。
 繰り返しの御答弁で恐縮ですが、伝統的に一般歳出ないしは一般財源と議論してまいりました場合には、先ほど来申し上げているとおりでございますが、その中に逐一積算の過程といいますか根拠といいますか、その部分の中で必ずしも自由にならない経費なり歳入があるではないかという御指摘があるとすれば、それは当然正しい御指摘をいただいているものでございまして、その限りにおいては、私どもとしてもその趣旨をよく受け止めて今後の地方財政運営に当たってまいりたいと思っております。
#125
○礒崎陽輔君 先ほど言いましたけれども、慎重な御答弁はそれで結構なんでございます。別に一枚目の紙がでたらめを書いていると私は言っておるわけじゃない。ただ、一番上に書いている、自由な財源が増えたと大臣はおっしゃっていますから、そんなこともないですよということを私は言いたいわけです。いろいろまだ言いたいことはあるんですが、ここまでのところで、ちょっと大臣、どういう御感想でしょうか。
#126
○国務大臣(原口一博君) 大変精緻な御議論をいただいて、ありがとうございます。
 財政需要額を積み増して地方が独自に使える財源を増やせというそういう御指摘、あれ、たしか秋でしたか、いただきました。まさに私たちはその方向を向いて頑張ってまいりたいと、今の議論を聞いていましても、その決意を固めたところでございます。
#127
○礒崎陽輔君 もう少し明確な答弁をいただきたいんですが、また少し議論を進めながらやっていきたいと思いますけれども。
 なぜこうなったかというと、先ほど言いましたように、地方単独事業を一兆二千億円、対前年度比で一五%も削ったところが私は大きな問題ではないかと思います。この一兆二千億の中に実は八千億円の一般財源が入っていたんです。それが私は非常に問題が大きかったと思うんですね。
 もちろん、民主党政権はコンクリートから人へといって、公共事業費の方は一八%、地方負担の方はそれに伴って一五%ぐらい、約二千億円ぐらい減っております。それについて我々も意見はありますけれども、それは個々の議論じゃないから私は黙っておりますけれども、地方単独事業は個々の経費であります。実際に、これも本会議で言いました、地方単独事業というのはほとんど起債を充てるんです。起債を充てるんだけれども、地方財政計画を組むときには実に六割が、実に六割がこれ一般財源を充てておるんです。それはどういう意味か、小川政務官、分かりますか。
#128
○大臣政務官(小川淳也君) 地方債の充当率なり交付税の算入率が関係しているかと想像いたしますが、もう少しかみ砕いて御質問いただけると有り難く存じます。
#129
○礒崎陽輔君 多分分からないのはやむを得ぬと思うんですが。ただ、私たち言いたいのは、皆さんは政治主導政治主導と言って政務三役で何でも、何でも決めるんだと言っちゃったかどうか知りませんけど、政治主導とおっしゃっておるけど、そういうことを理解しないで一兆二千億円、地方単独事業を削られたのは、私、まずそこが遺憾なんですよ。事務当局が皆さんにちゃんと説明したのかどうか、それはおたくの総務省の内部の問題でありますから、それを私は今とやかく言うつもりはありませんが、実に地方単独事業というのはとらの子なんですよ。
 結局、地方交付税というのはどうやってつくられるかというと、ほとんどが積み上げでつくるんですよね、ほとんどが積み上げで。地方負担額調といって、今までのやり方でやると、各省の補助金が三分の二付けばあとの三分の一というのを全部積み上げて、そういうことでずっと地方の財政需要額を積み上げていく。ほとんどがそうなんです。人件費なんかいうのは、大体この団体はこの人数ということでずっと積み上げていく。地方債なんかいうのはもう過去の発行高が分かっているから積み上げていく。ほとんど自由なところがないんですよ、基準財政需要額の積み上げというのは。唯一自由に積み上げてきたのがこの地方単独事業なんです。
 こういう言い方は悪いですが、分かりやすく言うと、地方財政計画を作るときにある程度鉛筆のなめられる部分なんです、ここは。まあ鉛筆をなめると言ったらしかられますから、もっと違う言葉を使えば、政策的に積み上げられる部分なんです。だから、逆に言うと、旧大蔵省も財務省もここの部分を削れといって言ってくる部分なんですよね。それがいとも簡単に、国の公共事業が一八%削られるんだからという、それに合わせたんでしょう、地方単独事業も一五%ぐらい削っておけと。削ったんだけれど、実はこれ宝箱だったんですよ。
 だから、これがほとんど起債でやっておるんだったらこれほど大きな問題はない。問題がないことはないんですよ、一兆二千億円の財政需要は減るわけだから、その分、財源不足額は減るわけですから、それも問題なわけでありますけど、ただその中に、この地方単独事業の実に六割が一般財源であったということが物すごく大きいわけであります。
 だから、大臣、この地方単独事業を一兆二千億削ると言った途端に、今言った八千億円ものお金が簡単に言えば財務省にお返ししたようなことになっているんです。そこはちょっと大臣、私の言っていることは御理解いただけますでしょうか。
#130
○国務大臣(原口一博君) 委員は御理解されておっしゃっていると思うんですけれども、一方でコンクリートから人へと全体の事業の見直しがございました。
 その中で委員がおっしゃっているのは、まさに総務省としても地方としてもとらの子のお金を財務省に差し出してしまったじゃないかと、まさにもっと自由に使える財源が今回の交付税の一・一兆円だけじゃなくてほかにもあったではないかという御議論だというふうに思います。
 私たちも、今の委員の御指摘を基に、まさに交付税の積み上げの算定方式、どれを交付税の中に入れるかということで議論をしてきたわけでございますので、以後も配慮をしながら頑張ってまいりたいと思っております。
#131
○礒崎陽輔君 大臣に頑張っていきたいと言われますと、余り言うのも遠慮しなきゃならぬのかもしらぬですけれど、今言ったように、コンクリートから人へといって公共事業を一八%切った、だから地方単独事業も一五%切った、民主党の新政権の立場に立てばそれはそうなんでしょう。だけど、その中身をよく議論しなかったところに私は問題があると思うんです。地方単独事業を切るのは切っても、民主党の立場に立てばいいんですよ。いいんだけど、切られた八千億円をどこかに付けてもらわないかぬです。それが一番言いたいことなんですよ。
 これが今、実際の地方単独事業はほぼ一〇〇%これ起債でやっているから、地方単独事業そのものの影響はないんだけれど、この地方単独事業という宝箱の中に、一兆二千億の中に八千億円の現ナマが入っておったんですよ。金庫の中が空っぽかと思ったら、金庫の中に現金が入っておって、それで廃品回収に出してしまったようなものなんです、私に言わせれば。
 だから、切るのはいいんですよ、地方単独事業を。切るのはいいというのは、立場は違いますよ、政府の立場に立って言えば、仮に切ってもいいですよ。切ってもいいけど、切ったら、一緒に金庫の中に入っておった八千億円の現ナマまで財務省に返すことはなかったので、それならそれをどこかほかのところで大臣が使ってくれたらもっといい地方財政計画ができたんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#132
○国務大臣(原口一博君) この間、本会議で、お釈迦様の上の孫悟空になるなという御指摘をいただきました。今度は孫悟空じゃなくて別の生き物ではないかと非難をされたみたいですけど、猪八戒にならないように頑張りたいと思っております。
#133
○礒崎陽輔君 猪八戒にならないように頑張りますというのは答弁になるのかどうかは問題ですけど、さっきも言ったように、別にこの話で大臣の首を取ろうと思って私も言っておるわけじゃないんです。
 だから、もう少し、新政権ですので大変だけど、やっぱりこれ大きな額ですからね、もう大臣のその判断でこんな大きな金が動く役所はほかないんですよ。総務大臣というのはやっぱりそれだけ大変な権限を持っている。一声で何兆円とか何千億円いう金が動く、非常に権限のある、力のある大臣なわけですから、ちょっと失敗しましたじゃ私は通らぬと思うんです。
 だから、お願いをしたいのは、今言ったような、まずつくり方が私は間違っていた。地方単独事業を削るという考え方は、それは新政権はあるのかもしれない。あるのかもしれないけれど、その財源を一緒になって返さなくてもよかったんではないかという感じが一つあるというのが一つの大きな感想でございますが。
 翻って、大臣が地方が自由に使える財源が増えたというのは違うんではないかというさっきの話に戻りますが、小川政務官、ちょっと勉強したようですが、もう一度言いますけれども、地域雇用創出で五千億削って、地方単独で八千億の一般財源を削って、そして大臣が付けてくれた地域活性化・雇用等臨時特例費は一兆円しか増えていないから、差引き三千億円ぐらい減っていませんかということは、いかがですか、理解していただきましたか。
#134
○大臣政務官(小川淳也君) 委員のお立場なりからの御指摘なりお尋ねについては、十分その趣旨は承ってまいりました。
   〔委員長退席、理事林久美子君着席〕
 ただ、私どもの立場からいたしますと、単独事業に代わって先ほど来の特別枠を加算をいたしておりますし、また一般行政経費の中で自由な裁量利かないじゃないかという積算費目があることは事実でございまして、この点はしっかりと受け止めたいと思いますが、やはり交付税制度のその建前からいいますと、それも含めて一般財源ということでございまして、これはもっと広く言えば地方税の留保財源分ともかかわってまいりますし、そういう意味で、財源確保に努めてきているというその事実は是非とも御理解をいただきたいと思います。
 また、単独の減額でありますが、これは必ずしも、もちろんコンクリートから人へという大ざっぱな方向感といいますか大きな方向感はあるわけですが、それとも絡めて、かねてから決算乖離が生じてきていたというその地方の実情との兼ね合いもございます。
 こういったことも含めて、今後も誠意を持って地方財政対策に万全を期したいと思いますし、ただ、この審議を通して、質疑を通していただいた各点については大変的確なものとしてしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
#135
○礒崎陽輔君 多分、決算乖離という次、答弁出てくるんじゃないかと思って待っていたんでありますけど、決算乖離ってどうして起きるんですか。
#136
○大臣政務官(小川淳也君) 地方財政計画の策定に当たってその見積りは常に適正を期すように努力はいたしておりますが、そうは申しましても、全国、今で千八百団体近い団体の個別の事情により様々な需要が賄われるわけでございまして、これとの間にはやはり常に乖離が生じる潜在的な可能性がございまして、特に投資単独に関してはここ数年その乖離が大きかったということでございます。
#137
○礒崎陽輔君 間違えている答弁ではないと思いますけれども、さっきも言ったように、地方財政計画上、地方単独事業というのはその金庫的役割があったということを是非御理解賜りたいと思うんです。それがいいかどうかは別、もっといい交付税制度にすべきなのかもしれない、それはそう思うんですが、少なくとも昔から地方単独事業は今言ったように実際は起債を充てて、最近はもう起債が多いですから、起債を充てる、充てるところがないぐらい困っているぐらいな今感じでありますから、起債を充てるんだけれども、地方財政計画上は一般財源を六割充ててきたという長い慣例があるんです。
 だから、これはとらの子であったから、簡単に財務省が決算乖離があるからといってはいはいといってこれを切るわけにはいかない。切るときには、しかるべきその切った部分をどこかに付けてきたというのが今までのずっと我々が与党時代の財政措置であったんです。だから、決算乖離という問題がいつまでも残っていたということは是非御理解をいただきたいと思うわけでありますが、数字のものは与党の先生方も大分御理解いただいたと思いますので、余りもうくどくどと言いません、さっき言ったとおりでありますが。
 だから、余り、大臣、地方に交付税を増やしてそして一兆円積んだことは、私、これも率直に評価するというふうに本会議では言いましたけど、だからといって全体でそれほど地方が急激に楽になったわけではないという認識は今日の審議でしていただけましたでしょうか。
#138
○国務大臣(原口一博君) これは、委員がおっしゃるように、衆議院でも総務委員会でもお答えをしていますけれども、一・一兆円回復したからといって、少しほっとしていただいたぐらいであって、これはあくまで通過点でございますので、前回委員がお話しのような地方交付税の法定率、これを正式に引き上げて更に自由に使える財源を増やしてこそ本当の意味で胸を張れるんだと、そのように考えております。
#139
○礒崎陽輔君 今日は、政府側の方が私の質問より先にお答えをしていただくので非常に有り難いわけでありますけれども。
 今言ったように、決して今回の地方財政措置がそんなにバラ色のものではなかったんですよね。それ実際、予算を組んで分かったというのが各地方団体の話です。大臣の話を聞いて、一兆一千億円交付税が増えて、自由な財源が増えたと思って予算を組んでみたらやっぱり足らなかったと、計算してみたら。それはそうなんです、地方単独事業であれだけ削っているわけですから。やっぱりどうしても数字の上で足らないという結果が出て、僕はこれは本会議でも言いましたけれども、徳島県じゃ自殺対策基金まで削って地方単独事業に充てていると、そんな県も実際出てきているわけであります。
 したがって、それ以上同じような答弁いただいてもしようがないですから言いませんけれども、やっぱりもう少しここの部分は財政をしっかり、勉強というと政府に対して失礼でありますけれども、もう少し勉強して、本当に地方のためになるような財政措置をしていただきたいと思います。
 もうこの話はこの辺でまとめたいとは思いますけれども、必ずしも今大臣言ったように、十八兆円も、十八兆円も財源不足額がある中で一兆一千億円地方交付税が増えただけなんです。しかも、一般財源のマイナスもあったわけですから、余り効果はなかったというのが私の感想であります。
 そこで、今法定率の問題は大臣もう既に答弁していただきました。確かに、これだけの税収減の中で法定率を上げることができなかったと、そこは本会議でも率直な御答弁をいただいたと思います。ただ、十八兆円というと、もう地方交付税が十六・九兆円ですから、地方交付税を超える財源不足額があるわけですね。ここまで来て法定率をあたれないというのは、地方はもうどうしようもならなくなると思うわけであります。
 その辺について大臣の御所見をもう一回伺います。
#140
○国務大臣(原口一博君) まさにおっしゃるとおりでございまして、やはり地方、不断の行革も必要でございますけれども、自由に使える財源、特に今委員がお話しのように、法定率を上げるということは、もうここに来ては必須ではないかと、そのように思います。
 また、先ほどの対前年度比一五%の減のところでございますけれども、地方債相当分で〇・四兆円、それから一般財源相当分で〇・六兆円、これ、四千八百五十億の特別枠、地域活性化・雇用等臨時特例費、地域雇用創出推進費の身代わり。それから、一般行政単独の増、これが二千億、公債費の増二百七十五億で、それ、委員がおっしゃっているように積んでいることも事実でございますので、またその辺御指導いただければと思います。
#141
○礒崎陽輔君 その答弁を事務方からもらわないでできるようになっていただければ一番有り難いと思いますけれどもね。
 ただ、今年はまだ、去年、我が政権のときに積んだ基金が大分あったんで何とかなりました。来年はもうその基金が恐らく各地方公共団体、三年分積んだんでもう少しあるのかもしれませんけれども、非常に厳しくなります。もっともっと厳しくなるので、その辺は、ここからはもう別に与野党じゃありません、まさに地方の財政を我々は考えるためのこの総務委員会、総務省でありますから、どうぞ大臣に御尽力をいただきたいと思います。
 それでは、少し消防について話を伺いたいと思います。
 まず、チリ大地震のときの避難状況なんですが、東北三県で大津波警報が出た、その割に余り避難状況が良くなかったと聞いておりますが、それについてどういう御意見を持っているか、消防庁長官、お伺いします。
#142
○政府参考人(河野栄君) チリ地震に起因する津波に際しての避難の状況でございます。
 消防庁の取りまとめている数字でございますけれども、避難勧告あるいは指示の対象となった人数に対します避難所などで避難が確認された人数の割合ということでとらえておりますけれども、これは大津波警報の発令地域で七・五%、またその他の地域も含めまして全体で三・八%というふうになっております。
 この数字自体はかなり低いわけでございますけれども、これ、先ほど申し上げましたように、いずれも市町村が避難所などにおいて把握することができた人数の割合でございます。当日は休日の昼間でもございましたので、高台や安全な家屋の中にいた方もおられると思いますし、その他の施設に、安全な場所に避難された方もおられるかと思います。
 そういった事情にございますので、今回の把握した人数以外にもそうした安全な場所にいた人が多数いたことが考えられる事情を踏まえまして、現在、住民の避難行動の実態について分析するために抽出調査を実施しておりますので、そういった調査の状況も踏まえまして適切な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#143
○礒崎陽輔君 正確な御答弁いただいたんだと思うんですが。確かに、避難所避難率しか分からないので、どのくらいか正確には調べなきゃならぬというのがお役所の答弁なのかもしれませんが、その後、先週もNHKが検証番組やっていまして、当然長官は見ておられると思いますけれど、数字はまだつかめてないと思いますが、避難はこれで良かったのか悪かったのか、その辺どうお考えですか。
#144
○政府参考人(河野栄君) NHKのニュースそのものはちょっと私、拝見しておりませんけれども、学者の方などが調査された結果で実際はもっと多くの方が避難しておられたという情報もございます。
 ただ、正確なところはしっかりした調査をやってみないと分かりませんので、先ほど申し上げましたように、これ内閣府と連携をしてでございますけれども、現在、避難行動について調査をしておりますので、そういった結果を踏まえまして適切な対応を取っていきたいというふうに考えております。
 なお加えまして、大臣からは、そうした避難の状況の把握の仕方につきまして、ICTの時代でございますので、そうしたICTを活用した避難状況の把握の方法について検討せよという御指示をいただいておりますので、現在、情報通信の担当部局とも協力しながら検討をしているところでございます。
#145
○礒崎陽輔君 大臣、消防庁長官はお役人であるのでそういう答弁になると思うので、大臣はこの前の避難の状況はいいとお考えですか、悪いとお考えですか。
#146
○国務大臣(原口一博君) 避難の最中にも、私、四道県の知事さんともお話をしました。地域によって随分差があったなということを思っています。ただ、前もって申し上げたいのは、そこで大変な御尽力をいただいた地方自治体始め関係者の皆さんにこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
 私はあのとき思いましたのは、本当に三メーターの津波が来ていたらと思うと、やはりぞっといたします。というのは、今消防庁長官が答弁をしましたけれども、現実には避難所でのカウント以外に有効なカウントの仕方がない。あるいは、周知をするに際しても、私は各知事さん方に特に障害者の方あるいは高齢者の方に配慮した避難ということでお願いをしたわけですけれども、まだ課題は残しているというふうに認識をしています。
#147
○礒崎陽輔君 まさに大臣がおっしゃったとおりだと思うんですが、この前のNHKで言ってたものですね、こういう湾口がございまして、入口のところに検潮所があると。検潮所のところでは一メートルぐらいの津波だったかな、三メーターと予報したんだけど一メートルぐらいしか来なかったと。だけど、こうぐるっとやって、この奥に川がありまして、川を遡上するところでやはり二メートルの津波になっているという話をこの前NHKではやっておりました。
 結果的に大きな津波ではなかったので、直接亡くなる方もいなかったということでございますのでよかったんでありますけれど、やはり避難の指示が出ておるのに避難をしない人があるというのは私、それだけで問題であると思います。避難勧告であればこれは強制力はないのであれですけれども、避難の指示というのはこれ基本的に避難してもらわなきゃならぬわけでありますから、それでも逃げてない人がおる、結果的に良かったという。私はやはり少し問題があるのではないかと思います。
 避難が余り、私は良くなかったと断定していますけれど、良くなかった原因というのは、大臣、どういうところにあるとお考えでしょうか。
#148
○国務大臣(原口一博君) やはり危機に対するハザードマップ、一体どこからどこまでが危険なのかといったことの認識、それから、これはもう大変、めったに起こらない、それが災害の恐ろしさなんですけれども、災害に対する認識、こういったものに幾つかの問題点があったというふうに思います。
 ただ、翻ってみますと、避難所には行かれておられないけれども高台に行かれていた、あるいは一メーターであれば逆に言うとマンションの三階部分とかにおられれば動かない方がかえって危険が少なかった、そういう御判断もあったのかも分かりませんが、私が今消防庁長官やICTの局長に指示をしているのは、位置情報を分かるようにできないのかと。どこからどこまでが、今回は津波ですから、危険だというのはある程度もう事前に行政の方で知っておいて、そこに入った人たちを強制的に、強制的にというか、一定の権能を持って出ていただくと、そういうことができないのか、多面的な検討を指示をしているところでございます。
#149
○礒崎陽輔君 私は、一つの原因はやはり時間的余裕があり過ぎたというのがあると思うんですね。今回の場合は、もう数時間前から津波が来ることが予測されている、かつ日本全土に、全海岸に、太平洋側のほとんどの海岸に来るというような予報だったから、何をしていいのか分からないというのがまずあったんだと思います。それともう一つは、途中にハワイがありますので、ハワイで五十センチとか一メーターぐらいの津波しか来ていないから、ハワイで大きな被害が起きたという話もすぐには伝わらないからということもあったと思うんですが。
 そういう、何というか、長時間、今度の場合はまさにいいんです、チリ地震のようなときの警報の出し方あるいは避難のさせ方、この辺にも課題があると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりだと思います。非常に情報化社会になっておりますので、今委員がおっしゃるように、ハワイを見ていた人ってやっぱり多いと思います。あれ六時間後ぐらいですか、ハワイに津波が到達して六時間後ぐらいが日本でございますから、ハワイで大きな被害がないということはある意味では日本でもと、そういう思いをした方がいらっしゃると思います。
 ただ、地形によっても、今おっしゃるように二メーターになったり三メーターになったりしますから、そこのところは日ごろの災害に対する備え、教育、そして地域の防災体制の整備、こういったものを更に強固にしていく必要があると、このように考えております。
#151
○礒崎陽輔君 あと、この後またNHKの予算の審議もあるんですが、NHKも、この前少し聞いたら、これもテレビを見ていると全国なんですよね、全国の警報を流していると。そして、時々、話を聞いたら、地元の画面に切り替わったりするというようなこともあったんですが、NHKも多分こんな放送したことないと思うんですね。だから、いろいろと恐らく議論をしていただいておると思うんですけれども、それはやっぱり警報の出し方というのも考えないといかぬと思います。
 それから、ミサイルのようなときも全国どこに落ちるか分からぬというようなことになりますね。ミサイルの方はまた破壊力も強いから、そんなのも一体どういうふうに警報するのかなというような感じもしますけれども、いろいろまだ考えていかなきゃならぬ面もこれはもう山ほどあろうと思いますので、今日のところは多面的な検討を是非行っていただきたいという御要望をさせていただきたいと思います。
   〔理事林久美子君退席、委員長着席〕
 そのときに、ちょうどまたJアラート、これはもういい質問を大分していただきましたけれども、吉川先生いなくなりましたけれども、先日やっていただきましたけれども、それが故障したというんですが、故障の原因は簡単に言うと、長官、どういうことなんですか。
#152
○政府参考人(河野栄君) チリ地震を原因とします津波の際には、Jアラートによりまして全国で、全国の津波警報あるいは注意報が発表された地域の市区町村で百二十五団体、実際に、発令された市区町村が百二十五ございますけれども、このうちの九十三の団体で津波警報や注意報が放送されております。
 この際の課題といたしましては、一つには津波注意報の解除時に誤って津波注意報が放送された団体が五団体ございます。これにつきましてはシステムの不具合によるものでございまして、一部地域で津波警報が継続され一部地域で解除されると、そういうふうに警報の発令と解除が混在する場合に、これは現在のシステムでは自動起動によって放送が行われるような仕組みになっておりますので、この点につきましては早急に、三月中にシステムの改修を実施してまいりたいというふうに思っております。
 それから、もう一点の課題といたしましては、この放送の際に、気象庁の発表ごとに複数回繰り返して放送された市町村が七十二団体ございます。これは、現在の仕組みといたしまして、気象庁が発表する電文におきましては、一つの電文の中に全国各地域の発表情報、これを一括して信号で流すと、こういうふうになっております。現在のシステムでは、気象庁の発表ごとに他地域での切替えがあった場合にその地域で切替えがない場合にも放送されると、こういう仕組みになっておるところでございます。
 この点につきましては、当面、自治体の判断で複数回の放送を行う必要がないという場合には手動に切り替えることができるということにつきまして、当面の対応として徹底をしているところでございますけれども、加えて、今後の課題といたしまして、今後、平成二十二年度には気象庁も現在の電文形式より汎用性の高い形式での発表を予定していると聞いておりますので、こうした気象庁とも連携も図りながら、まずこういう際にどういう形の放送内容にしたらいいのかということ等につきまして、自治体の意見も聞きながらこれは改良を進めていきたいというふうに考えております。
#153
○礒崎陽輔君 渡辺副大臣、この前、この問題を答弁なさっていましたけれども、私もJアラートと名前がいいものですから随分期待しておったんですけれども、少し、ちょっとやっている人もいるから失礼かもしらぬけれども、シャビーなシステム過ぎたんじゃないかという気がするんです。近代化というか、バージョンアップを図ろうということをしていますけれども、やはり国がやっている警報がこんな大事なときに間違うようなことじゃ困ると思うんですが、その辺、副大臣の御意見を。
#154
○副大臣(渡辺周君) 委員御指摘のとおりで、大変多額な、百億円を超える整備費でこのJアラートをとにかく二十二年度中には自治体各地に整備をしたいということでございますが、肝心のときに誤報するようなシステムでございまして、これではちょっと、そもそも、これは災害ももちろんですけれども、例えば国民保護の観点から、何らかの北朝鮮から飛翔体が飛んできた場合にも対応するんだというそもそもの国民保護の観点から導入の議論が始まったとも記憶しておりますけれども、これでは余りにも、まさにシャビーとおっしゃいましたけれども、本当にこれ高額の負担を、国民に負担を、税金を払ってまですべきほどのものなんであろうかというようなやっぱり疑念もぬぐい去れないわけでございまして、これは製造メーカーもそうですけれども、とにかくこのシステムの高度化についても徹底して我々としてはこれは検証したいと思いますし、これは徹底してやはり事前の例えば訓練等もしなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。
#155
○礒崎陽輔君 これも与党のときに質問したんでありますけれども、テロップというのか何といいますか、音声が十種類ぐらいしかないんですよね。それを聞いて私も本当にがっくりしたんですが、やはり今のまさに原口大臣のICT時代にもうちょっとレベルの高いものをやらないと本当にもったいない。こんなことをやっていると、それこそ事業仕分をされると大変でございますから、これはもう是非とも方向性を出して、国民の命が何よりも一番大切ですので、その辺もう十分御理解いただいていると思いますのでそれ以上追及はいたしませんけれども、頑張っていただきたいと思います。
 もう一点、グループホームの火災がまた北海道で起きたんです。昨年ですか一昨年ですか、大事故が起きて、もう続いてなんですね。これについて、消防庁、ちょっと考え方、感想があったら教えてください。
#156
○政府参考人(河野栄君) お話ございましたように、これは三月十三日の未明でございますけれども、札幌市の認知症高齢者グループホーム「みらいとんでん」におきまして火災が発生をいたしまして、七名の方が亡くなられるという大変痛ましい火災が発生をしたわけでございます。
 この火災原因の詳細につきましては、今後精査を必要とするわけでございますけれども、一階の食堂のストーブ付近から出火、拡大をして、各個室で就寝されていた方、入居者が逃げ遅れたということのようでございます。
 お話ございましたように、こうしたグループホームにつきましては、平成十八年にも長崎県の大村市で大きな火災がございまして多数の犠牲者を出したわけでございまして、その際に防火体制あるいは予防の設備の面の強化を図ってきておるところでございます。
 元々、認知症高齢者グループホームなどにつきましては、基本的には、防火管理について防火管理者を選任して消防計画を作成する等の義務付けを行っておりますし、それから消防用設備等につきまして技術基準に従って設置をするように義務付けておるわけでございますけれども、この大村市のグループホームの火災を受けまして、ハード面ではすべての施設に消火器あるいは自動火災報知設備、さらには消防機関への通報設備の設置を義務付けております。ただ、一部につきましては、現在、経過措置の期間中でございます。また、防火管理体制それからスプリンクラーの設備につきましても、従前と比べますとより小規模な施設を対象とするように、例えばスプリンクラーにつきましては、従前千平米以上の施設を対象としておりましたけれども、二百七十五平米以上の施設に設置を義務付けるように改正をしたところでございます。
 ただ、今回こういった事故が重ねて起こっているわけでございますので、現在、私どもの方で一つは緊急実態調査を行っております。これは、国交省あるいは厚生労働省とも連携、分担をいたしまして緊急調査を現在進めておりますので、一つにはそういったことを踏まえて必要な対応を検討してまいりたいと思っております。
 加えて、火災原因につきましても、消防庁からも当日五名を派遣いたしまして火災原因の調査に当たっておりますけれども、引き続きまして、現在、札幌消防局でまだ火災原因を調査中でございますので、そういった火災原因の状況あるいは人的被害が拡大した要因等も究明をして対策を講じていく必要があろうと思っております。
 なお、当面の対応といたしましては、三月十三日付けで予防課長名によりまして、社会福祉施設等に係る防火対策の更なる徹底についてということで、消防法の施行令の先ほど申し上げました改正に係る指導、あるいは消防法令違反等の是正等の徹底、さらには夜間における応急体制の確保、あるいは火気管理の徹底などの火災予防対策の推進を図るように地方団体に通知をしているところでございます。
#157
○礒崎陽輔君 国土交通省にちょっとお伺いしますけれども、たしかこの火事のある二日ぐらい前にNHK放送があって、グループホームの建設が促進されないというのがあったんですね。あれを見ましたら、共同住宅として扱っているところとそのまま個人の住宅として扱っている県があると。共同住宅になると壁の耐火性であるとか、そんな話が出てくるはずですね。したがって、非常にそれも経費が掛かってグループホームの整備が進まないと。私もそのニュース見て、これは、じゃちょっとそっちの方で少し緩和してもらうように言った方がいいのかななんか思ったやさきにこの火事が起きて、本当にびっくりしたんですが。
 今言った取扱いですね、共同住宅として扱うべきなのか、一般住宅として扱うべきなのか、あるいは今回の火事を受けてその方針が変わるのか変わらないのか、あるいはどういう方向性でいくのか、その辺についてまとめて審議官から御答弁をお願いします。
#158
○政府参考人(佐々木基君) ただいま先生お話ありましたけれども、今回火災のありましたグループホームは、建築基準法上は原則として寄宿舎に該当するというふうに考えております。
 したがいまして、火災の拡大を防止して安全に避難できるようにするために、今先生幾つかお話ありましたけれども、例えば防火上必要な間仕切り壁について天井裏まで達するように準耐火構造にしろとか、あるいは、二百平米以上の木造等の建築物につきましては、居室やあるいは廊下、階段の壁あるいは天井、これ、燃えにくい材料で造りなさいとか、あるいは廊下、階段に一定の非常用の照明装置を設置しなさいということになっておるわけでございます。
 おっしゃいましたように、現実の問題としては、なかなかグループホームの経営の方も経営状況厳しいという状況ございまして、これだけのものを設置してお金を掛けてグループホームを経営されているという方は、報道にもありましたけれども、少ないのではないかと思っておりますが、基準法上はそういう扱いをさせていただいているところでございます。
#159
○礒崎陽輔君 これだけ重大な火災事件が起きたわけですから、当然規制は厳しくなるんだろうと思います、それは致し方ない部分もあるんですけれど。グループホームといってもいろいろありまして、まさに共同住宅のようにそれぞれの部屋にかぎを掛けて居住しているようなグループホームもあれば、本当に家族のように生活しているようなグループホームもあるんですね。今、本当に障害者の皆さんの生活を考えたときに、本当にグループホームって必要なんですよね。だから、そこのところを総合的によく判断を今後してほしいと思います。
 単に、もちろん燃えないようにするのが一番大事でありまして、人の命が大事ですから、そこの規制もしっかりとしていかなきゃならぬし、こういう事態の中で規制の強化は私も基本的にはやむを得ぬと思うわけでありますけれど、やはりグループホームの整備自体を余りに阻害をしてしまう。だから、役人出身の私が言うのもなんですが、余り官僚的にやらぬでほしいと思うわけでありますね。やっぱり優しく考えて、グループホームの必要性ということも厚生労働省とよく相談をした上で、その生活実態に沿った規制ができるような方向で考えてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#160
○国務大臣(原口一博君) 今回発生した火災でお亡くなりになった方、けがをされた方に心からお見舞い申し上げたいと思いますが、委員が御指摘のように、一回これ、グループホーム火災の原因調査の進捗等を踏まえ必要な対応を検討するように指示をしておりますが、この規制の関係については、経済的な負担あるいはグループホームのそれぞれの特性、こういったこともございまして、厚労省あるいは関係事業者団体等との調整が必要であるというふうに考えておるところでございます。
#161
○政府参考人(佐々木基君) お話ありましたように、グループホームでございますので、私ども、それから厚生労働省、それから消防庁等々とやっぱり連携を取っていくということが大事だと思っております。
 基準法の扱いにつきましては、基本的にはそれぞれの特定行政庁、公共団体でどのように判断してどういう規制を掛けていくかということはあるわけでございますけれども、私どもも、今回の火災を踏まえまして緊急対策のプロジェクトチームを三省共同で設置いたしましたので、その中でも先生御指摘のようなことにつきましては議論をさせていただきたいと思っております。
#162
○礒崎陽輔君 今もう、最後に大臣からいただくつもりでありましたけど、大臣からも御答弁いただきました。本当に両面から考えていただきたいと思います、この問題。人命がもちろん一番大事でありますけど、その次がやはり障害者の皆さんの生活も大事でありますから、両面から関係省庁よく議論をして、いい結論を出していただきたいと思います。
 今日はいろいろと質問をさせていただきました。前向きにいろいろと御検討いただけると思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 では、少し早いですが、終わります。
#163
○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
 礒崎委員のように難しい質問ではありませんので、分かりやすい質問をいたしますので、分かりやすくお答えをいただければというふうに思います。
 最初に、暫定税率について伺います。
 もう先ほどから議論されておりますが、民主党のマニフェストでは、自動車関係諸税の暫定税率は廃止して、国と地方を合わせて二・五兆円の減税を実施するとされていました。今回の地方税法の改正で暫定税率は廃止されるのでしょうか。
#164
○大臣政務官(小川淳也君) 暫定税率でございますが、これまでの十年間を前提にいたしました暫定税率という仕組みそのものは廃止をさせていただきたいと思っております。ただし、この間の原油価格の安定や昨今議論になっております地球温暖化対策との関連、また大変に厳しい地方財政の現状等を総合いたしまして、現行の税率水準については当分の間延長をさせていただく前提で現在法案の御審議をいただいておるという状況でございます。
#165
○澤雄二君 質問要旨に沿って先に全部答弁をいただきましたが、改めて質問をいたしますが、今、暫定税率は廃止するとおっしゃいましたね。今御答弁になりましたが、確認をしますが、現行の税率水準とはどこが違いますか。
#166
○大臣政務官(小川淳也君) 改正をお願いをしておりますその前の状態ですと、十年間を前提にし、税率の水準も固定をしているわけでございますが、現在御審議いただいております改正案では、その期限が当分の間、あわせまして、原油価格を基にしたガソリンの価格の上下に応じてその課税の停止なり、また再開なりということが予定をされておるということで、大きくこれまでの制度とは異なるかと存じます。
#167
○澤雄二君 お出しした質問要旨に沿って先々に答弁をされていますが、もう一度確認します。暫定税率は廃止したと言われました。税率は現行とどこが違いますか。
#168
○大臣政務官(小川淳也君) 税率そのものは異なっておりません。
#169
○澤雄二君 暫定税率は廃止したけれども税率は変わらない。じゃ、伺います。ガソリンや灯油、軽油は安くなりますか。
#170
○大臣政務官(小川淳也君) 現在の価格を前提にいたしますと、現行の水準、課税水準を含めて維持されるということでございまして、大きな変動はないという結論になろうかと思います。
#171
○澤雄二君 大きな変動はないじゃなくて、全く変わらないですね。一円も安くなりませんね。
 民主党はマニフェストで、暫定税率を廃止して二・五兆円の減税をしますとおっしゃっていました。この地方税法の改正案が成立して、これで暫定税率が廃止になりますと、皆さん方がいろんな講演のところに行かれたり遊説で言われると、国民はみんなガソリンや灯油、軽油は安くなると思ってしまいませんか。一円も一銭も安くならないで暫定税率を廃止したというふうに喧伝されることは国民を欺くことになりませんか。
#172
○大臣政務官(小川淳也君) そもそも選挙の際の公約としては完全な廃止を前提に議論をいたしておりましたので、そのときは非常にそのことを前面に立てて選挙も戦いましたし、またその後も公約どおりの実施に向けて鋭意検討を進めてきたことは事実でございます。
 しかし、結果として、その仕組みとしては廃止をする法律案の審議をお願いしているとしても税率水準そのものは維持をしたわけでございますから、ただいま委員御指摘のような形で国民の皆様に誤解を招くような形での伝わり方がなされないように、その点はよく気を付けなければならないと思っております。
#173
○澤雄二君 仕組みを変えたって、仕組みは変わってないんです。後で質問しますが、トリガー条項という新たな仕組みといいますか、新たな引下げの項目はできましたけれども、だから聞いてきましたよね。税率は変わりますか。変わらない。一円、一銭も安くなりませんね。安くならない。だから、仕組みは変わらないんです。
 質問をしたのは、それなのに暫定税率を廃止したと喧伝したら、国民はガソリンや灯油が安くなると思いませんか、それは国民を欺くことになりませんかと。
#174
○大臣政務官(小川淳也君) 重ねての御答弁で恐縮でございますが、税率水準は変わりませんので、そのことが暫定税率という仕組みの廃止であるにもかかわらず、委員御指摘のとおり、一円でも二円でも課税の関係上安くなるというふうに国民の皆様に誤解を与えることはないように、その点はよく気を付けなければならないと思います。
#175
○澤雄二君 時局でありますとか街頭で、民主党はマニフェストに沿って暫定税率を廃止しましたと言われないようにしてください。国民を欺くことになります。
 じゃ、少し答弁されましたが、伺います。税率は変わらないですね。今まで暫定税率と呼ばれていたところを、今回その上乗せ部分は何と呼ばれますか。
#176
○大臣政務官(小川淳也君) この点、衆議院で御審議いただいた際にも御指摘をいただきました。
 その暫定税率という言葉そのものでございますが、何ら法律用語ではございませんで、この四十年来の中で定着をしてきた一つの呼称であろうというふうに考えております。
 そこで、今回はかつてのように十年という明確な区切りはないわけでございますが、ひとまず当分の間という形で課税関係をお願いをするわけでございまして、これを前提に呼称については是非御議論をいただきたいと思いますし、また定着を待ちたいと思っております。
#177
○澤雄二君 当分の間税率と呼ぶということですか。
#178
○大臣政務官(小川淳也君) 場合によってはそのように呼んでいただいても間違いではないと思いますし、いずれにしても法律用語ではございませんので、その実勢に合わせて御議論なり、また時間を掛けて定着をしていくべき呼称ではないかというふうに考えております。
#179
○澤雄二君 今お手元に資料を配付してありますが、国語辞典で暫定と当分の意味の違い、お渡ししてあります。暫定と当分というのはどこが違いますか。国語辞典だとほとんど同じ。しかも、当分の意味では、将来のある時期までを漠然と表す語、しばらくの間って書いてあります。このしばらくというのは、漢字で書いたらどの字を使いますか。
#180
○大臣政務官(小川淳也君) 漢字にいたしますと、暫定の暫ではないかと思います。
#181
○澤雄二君 どこが違いますか、当分と暫定。
#182
○大臣政務官(小川淳也君) ここはあくまで租税法の中での用語としてちょっと厳密に申し上げたいと思いますが、暫定という形で法律に明記したことはないであろうと思います。
 一方、今回御審議をいただく内容としては当分の間というふうに法律に明記をしているわけでございまして、この趣旨は、特段の期限を定めるものではありませんが、恒久的な措置ではないという程度の意味合いで御理解をいただきたいと思います。
#183
○澤雄二君 暫定と当分の意味の違いについては御答弁いただけませんでした。
 暫定というのは、いわゆるでございます、通称、それはそのとおりでございます。今、じゃ、当分の間というのは法律の解説書では何て書いてあるか申し上げます。当分の間を用いて暫定措置であることを示すと法律の解説書に書いてあります。
 暫定措置と当分の間、どこが違いますか。
#184
○大臣政務官(小川淳也君) 様々な解説なり、また用語の解説なりということはあろうかと思いますが、あくまで御審議をいただいている内容からいたしますと、かつては十年間の暫定措置という形で規定をされていたものが、今回は明確な期限を定めずに当分の間の税率として御審議をいただくということでございまして、用語の解説なり法律の解説は様々あろうかと思いますが、今回はこの条文に引き付けて是非とも御審議をいただきたいと思っております。
#185
○澤雄二君 様々なんかないんですよ。一つ一つ分かりやすく聞いているんですよ。言葉を使い分けて何かいいかげんなことを言っているわけではなくて、どんなに言葉を繕っても暫定と当分は一緒なんですよ。
 あえて言いますと、今説明されていましたように、法律で当分の間とする言葉が使われることは今回初めてではありません。過去にも例があります、おっしゃるとおりであります。しかし、この当分の間というのは期限の定めがないんです、おっしゃるとおり。暫定税率は、いわゆる暫定税率は十年間の期限の定めがありました。当分の間は期限の定めがないんです。だから、この当分の間を使われていて何十年もそのまま残っている法律もあるんです。だから、むしろ改悪なんです、当分の間にしたことは。どうですか。
#186
○国務大臣(原口一博君) 大事な御指摘をありがとうございます。
 まさに、後で御質問なさるかも分かりませんが、私たちは税全体の体系を変えたいと考えておりまして、暫定税率という呼び名でずっと何十年もこの税率が維持をされてきた、こういったものはこの度やめようと。そして、基本的な税体系、グッド減税、バッド課税、そして特に自動車関係諸税で申しますと地方が随分な環境対策をやっています。地方環境税や多くの問題の議論をしっかりと整理をするまで、大変申し訳ない、これは逆に暫定税率なくしたって喧伝するんではなくて、鳩山総理自らがこの部分については国民の皆様に謝罪をしておりますように、私たちがここで、急激な地方の財源不足がございましてお約束どおりできませんでしたから、そういった財源も見ながらしっかりとした結論を出していこうという意味で当分の間としておりまして、決して改悪にならないように議論を前に進めてまいりたい、税調の会長代行としてもそのように考えておりますので、よろしく御指導をお願いいたします。
#187
○澤雄二君 今大臣がおっしゃいました。ですから、大事なことは、当分の間というのは一体いつまでなんだということであります。大臣は、当分の間はいつまで続けるというお考えですか。
#188
○国務大臣(原口一博君) これは、もちろんこれは政府税調で議論をしなければいけませんが、私は短ければ短いほどいいと考えております。と申しますのも、先ほど申し上げましたように、地球温暖化対策のための地方環境税というのも私、同時にお願いをしております。そういったものも踏まえてどのような税体系にするのか。EUの基準ぐらいに税率を下げて、そしてなおかつそれは地方がしっかりと、先ほども御議論にございましたけれども、自由に環境対策に使える財源としていただくと、そういったことも税調で議論をしておりますので、また御指導をいただければと、そのように思っております。
#189
○澤雄二君 環境税については後で少し議論をさせていただきますが、この当分の間税率は来年度改められるんじゃないんですか。いつまで続けるかというのはまだ御判断の中にはないんですか。
#190
○国務大臣(原口一博君) 今御答弁申し上げましたように、当分の間税率というのは短ければ短いほどいいというふうに、三年も四年もというようなことでは考えておりません。逆に、二十三年度、地球温暖化対策のための税ということを議論をする、軽油引取税として当分の間措置される税率の在り方についても、今申し上げたような温暖化対策、地域の、地方の環境対策、そういったものを想定しながら議論を詰めていきたいというふうに考えております。
 したがって、二十三年度、もし国民の御理解をいただければ新たなステップに踏み出せればと、これは今、総務大臣としての私の意見でございますので、政府では、財務省それから環境省、また別の意見を持っておりますことを留保しながら申し上げておきたいと思います。
#191
○澤雄二君 環境税は非常に難しい税金だと思いますので、そんな簡単にはできないだろうというふうに思っております。まあ分かりません。暫定税率をもし今回廃止したと言われるんであれば、本則を含めて、その後の自動車関係諸税をどう改正するのかと、その姿を見せてから暫定税率を廃止するのが正しい姿だと、私はこういうふうに考えております。
 民主党政権は、今回の税制改正大綱で、公平、透明、納得の三原則を基本とするというふうに税制改正で述べられていらっしゃいます。今回のこの暫定税率を廃止したと言われている内容については、国民がとっても納得できる状況ではありません。非常に分かりにくいことをおやりになってしまったというふうに思っております。
 時間がありませんので先へ行きますが、次に軽油引取税のいわゆるトリガー条項について伺います。
 大臣政務官が少し先ほど御答弁されておりましたが、これは、ガソリンが高騰してリッター百六十円を超える期間が三か月以上続いた場合、本則税率の上乗せ部分を停止する。つまり、これで軽油が十七・一円安くなる。ガソリンでいえば二十五円安くなりますね。今度は逆に、百三十円を下回る期間が三か月以上続いた場合、上乗せ分の課税を復活する。つまり、またガソリンは二十五円高くなると、こういう規定でありますね。
 この措置は、去年十二月二十二日の税制改正の取りまとめの直前というよりも、ほぼその当日現れてきました、世の中に。つまり、税制調査会でこのトリガー条項について十分な議論、討論が行われたんだろうかという疑問であります。
 これ、その税制改正が発表される数日前に、いわゆる、先ほどもありましたが、天の声がありました。この天の声に動かされて十分議論をしないままトリガー条項を入れてしまったんではないか。つまり、暫定税率を廃止することはできないから、それに代わって何か国民に理解をしてもらう何かをつくらなきゃいけないというんでトリガー条項というのを急に入れることにしたんではなかろうかというふうに思います。
 おととしの四月、暫定税率が一か月間停止されました。そのときには消費者、業者、自治体の間で大混乱が起きました。今回、このトリガー条項を入れるに当たって、消費者、自治体、業者などから十分な意見を聞かれましたか。
#192
○副大臣(渡辺周君) このトリガーにつきましては様々の検討も内部でされておりました、党内部で。昨年暮れに、毎日新聞だったでしょうか、一部新聞ですっぱ抜かれた後に様々な問い合わせが総務省の方にも参りまして、たしか説明を、問い合わせには答えたと思います。ただ、一昨年のあの一か月間の停止で様々、タンクローリーの手配ですとか、あるいは課税済みのものを仕入れてしまって、しかし世間は安くなっただろうということである意味ではその分かぶって、要は中には倒産になってしまったというような例も聞きます。それだけに、いろいろ様々その点の、そのときの様々な事象も含めて様々検討したということでございまして、若干そのトリガーの在り方につきましては唐突感が世間にはあったと思いますけれども、若干の検討は党内でされていたというようには聞いております。
#193
○澤雄二君 非常に御正直な答弁なので。若干の検討はされていたと。つまり、これ大変な問題が次から次へと起きてくるので、こういうトリガー条項みたいなものを入れるときには業者とか消費者とか自治体とか十分に議論をして、問題の所在を確かめてからじゃないとこんなことできるはずがないんです。おととし暫定税率が停止されたときには、今ちょっとおっしゃいました、買いだめ、買い控えができました。それで、買いだめするときには、あの灯油を入れるポリタンクにガソリンをいっぱい買ってそれを家の駐車場に置いておくとか、これ物すごい危ない、そういう危険性、可能性が世の中に広まりました。こういうことに対する対応は今回どういうことを考えておられるのか。
 続けて質問をします。
 今回、価格操作が起きるんじゃないかということが懸念をされています。つまりどういうことかというと、トリガー条項が発動されそうな状況になったとき、例えば百五十九円になったといったときにわざとガソリンを高く売るわけ、百六十円とか百六十一円とか。そうすると、トリガーが発動されるぞと、ガソリンが安くなってガソリンの売行きが良くなるぞというのでガソリン価格が引き上げられる。今度は、トリガーの条項が発動停止になりそうになったとき、例えば百二十九円になりそうになったとき、百二十九円ではなくて百三十円、百三十一円で売れば、トリガーがそのまま継続されるからまたガソリンが安くなるのでガソリンはたくさん売れると。こういう価格操作の懸念がされています。
 そこまでお聞きします。
#194
○副大臣(渡辺周君) このトリガーについて、導入を決めたときに様々な、報道等でも識者の方から、これは税制が業界の意向でゆがめられる懸念もないわけではないと、業界が意図的に委員御指摘のように値上げしてしまう可能性も否定できないのではないかというようなやっぱり指摘もございました。
 まさに性善説を信じるか性悪説を信じるかということになろうかと思いますけれども、御案内のとおりガソリン価格の調査というのは十五万以上の都市における場所で総務省が調査をしております。
 物理的に十分な競争状態にある業者さんたちがみんなで値段をつり上げるということはなかなか考えにくいのではないかなというふうにも思いますけれども、ただ一般論として、事業者が相互に連絡を取り合って本来ならば自主的に決めるべき商品の価格を共同で取り決めた場合は、これはいわゆる違法カルテルという形で独占禁止法に抵触する可能性があるというふうに我々は聞いてはおります。
#195
○澤雄二君 性善説については、後で課税の問題についてお伺いをしますが、これ人間のやることですから、みんなガソリン安くなった方がいいと思っているわけですから、業者も消費者も、だから別にカルテルなんか組まなくたって自然にそういうことが起きる可能性があるよと、それが価格操作の懸念であります。
 もう一つ、今度財務省にお聞きをしますが、トリガーが発動されたときに、高い税金のとき買っていたガソリンが売れ残ったと、その負担を一体どこが持つのかと。それから、今度逆に、安く仕入れたガソリンを発動されたトリガーが元に戻りそうだというときに売惜しみをする。つまり、安く仕入れたガソリンの在庫を増やしておく、高くなったときにそれを売り出すと。こういう心配もされていますが、これに対して財務省はどう対応されますか。
#196
○大臣政務官(古本伸一郎君) お答えいたします。
 ちょうど二〇〇八年の四月の一か月でありましたけれども、いわゆる暫定税率の課税が執行停止になった際には、今委員御指摘のような問題が全国のガソリンスタンドで発生したというふうに承知をいたしております。
 一点目は、トリガー税率を発動し課税を停止したときには、言わば高値で仕入れた在庫について安値で売らなければならないという市場圧力が掛かってまいります。その際、二〇〇八年の反省に立てば、あのとき多くのガソリンスタンドの皆様は企業努力として自ら暫定税率分を課税した高値在庫について安値で売る努力をなさっていただいたわけであります。
 この問題を解決するために、これは恐らく、軽油引取税は総務省所管でありますけれども、軽油引取は御案内のとおり小売課税でありますので、この問題は恐らくリニアに解決できるんだと思いますが、揮発油税の場合には御案内のとおり蔵出し課税になっておりますので、元売が既に税務署に納めているということになります。
 したがって、それぞれのガソリンスタンドの油槽タンクの中に残っている在庫について、今約四万の、四万二千ほどガソリンスタンドあるうちのほぼ七割近いガソリンスタンドがPOSシステムを完全に導入しておりまして、このPOSによる在庫管理によって、いわゆる高値で仕入れた分については自己申告に基づいて国税から還付をするという仕組みを取る仕組みを今準備をしております。これは法律にもうたっておりますし、政令で別途具体の帳票等々も定めて、よもやスタンドの皆様がかぶるということのないようにまずしたいと思います。
 他方で、委員御指摘の、今度百三十円を下回ることが三か月続いた場合には元に戻りますので、課税が復活した際には、今度は逆に、言わば安値で仕入れたはずのガソリンを、あってはならないことでありますが、便乗値上げをする方もあるかもしれません。つまり、税が復活した分をあたかも自分はそれで仕入れたかのごとく乗せて売ることも技術的にはできないことはないと思います。したがって、これについては、いわゆる租税回避をもちろんきちっと監視する、あるいは税の不公平を排除するという意味において、手持品課税を行いたいというふうに考えております。
 この手持品課税につきましては、そのすべてを把握するということはなかなか難しい面がありますので、その時点で、トリガー復活が発動した際に十キロリットルを保管をされておられるガソリンスタンドにおいては、二つ以上のスタンドを持っておられる方についてはその合計について十キロリットル以上、大体ローリーで一本です、一本分の十キロリットルについて、これは同じくPOS管理に基づいて、あるいは計測管理に基づきまして、在庫はコンピューターで管理されておりますので、その申告に基づいて別途税務署から課税をさせていただくということによっていわゆる便乗値上げあるいは租税回避は防ぎたいと。
 こういうことによって、二〇〇八年の四月の反省に立ちまして、きちっと手を打ってまいりたいというふうに思っております。
#197
○澤雄二君 今の御答弁にもありましたが、POSシステムは三割が入っていません。それから、全部今の御説明は自己申告でありますから、いわゆる普通の納税と同じシステムですよね。ですから、脱税だとか節税だとかというのは自己申告の中から出てくるわけですから、今の御答弁でどれだけそれが把握できるのかというのはやってみなきゃ分からない、あくまでもここで性善説に立たないとそれが成り立たないということであります。
 先に進みますが、このトリガー条項が仮に三か月発動された場合、国と地方で見込まれる一か月当たりの税収減、地方の譲与税含みますが、どれぐらいでしょうか。
#198
○大臣政務官(小川淳也君) 一か月当たりで試算をいたしますと、国分で約一千百億円、地方分で約四百億円と試算をいたしております。
#199
○澤雄二君 これは大臣に御答弁お願いしますが、もう大臣も既に認識されていますけど、地方財政は非常に厳しい状況にあります。このトリガー条項の発動によって地方の税収見込みが、さっき四百幾らとおっしゃいましたか、一か月。
#200
○大臣政務官(小川淳也君) 四百億。
#201
○澤雄二君 四百億円。一か月で四百億、三か月で千二百億円減収になります。これをどのように補てんすることを考えておられますか。
#202
○国務大臣(原口一博君) 今委員がおっしゃるトリガー規定発動時の地方の減収分への対応については、その時点で減収の発生やその規模を踏まえて検討をする必要がございますけれども、国の政策により生ずる大規模な減収である以上、確実な補てんが必要である、税制調査会でもその旨を指摘をしております。
 したがって、この点については、平成二十年四月の暫定税率一時失効時の減収について、あのときは交付金を創設して補てんをしておりますが、それが参考になるものと考えております。
#203
○澤雄二君 この対応は速やかに周知徹底する必要があると思います。それはなぜかというと、おととし一か月間暫定税率が停止したときに、地方公共団体はいろんな項目で予算の執行を停止しました。公共工事がほとんど止まっちゃいました。日本経済が大混乱したんです。それは、一か月後か二か月後に戻ってくるかもしれないけれども、取りあえず入ってくる金が入ってこないことが分かったから地方自治体は予算の執行ができなくなっちゃったんです。
 ですから、トリガーが発動されるような状況になったときには、される前に速やかにそうなったときにはこういう財源の手当てをしますということを発表されないと日本の経済は大混乱をしていきますので、もう一度御答弁をお願いします。一言でいいです。
#204
○国務大臣(原口一博君) 心して対応をいたします。
#205
○澤雄二君 同じ質問になりますが、来年度以降の話でありますが、環境税か自動車環境税かどういう税体系になるか分かりませんが、これおつくりになるときに是非確認をしておきたいのは、これは大臣に対してもエールでありますが、今のその自動車関係諸税で地方に入る税収が八千から九千億円あります。これ確保しないと地方財政は完全に破綻をいたします。
 一言申し上げたいのは、目的税にしたときに、道路だとか裏負担に堪える財源だとか、これまで起債されたものに対する返還に充てることができなくなります。そのことも併せて、どうやって確保する決意なのか、御答弁お願いします。
#206
○国務大臣(原口一博君) 大事な御指摘だと思います。
 今回、苦肉の策でいわゆる税率そのものを残さざるを得なかったのも、今委員がおっしゃる八千億円地方に穴が空くということでございまして、昨年秋の税制調査会において総務省として、ガソリンに対する地球温暖化対策税が導入される場合には、地方税として軽油に対する課税を行うことを前提に検討する必要がある、また、地球温暖化対策税を導入する場合には、地方が地球温暖化対策に主要な役割を担っていることを踏まえ、地方譲与税等の形により地方の財源をしっかりと確保する仕組みを組み込むことが必要であるということで主張をしたところでございます。
 まさに今委員がおっしゃるように、地方そのものの財源、地方の方が環境対策をやっているわけです。ですから、そこに配慮した税の方向性をしっかりと確保してまいる所存でございます。
#207
○澤雄二君 目的税だと環境対策しか使えないので、それでは地方財源を確保したことにならないというお願いをしています。
#208
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおり、今まで暫定税率があった時代には、様々なことで地方がその財源を使っていました。中には、それを元に地方の借金になっている部分もございますので、目的税化ということよりも、むしろ地方が環境中心に使えると、そういう税についても議論をしてまいりたいと思っています。
#209
○澤雄二君 もう御答弁はいいですが、この八千億、九千億はほとんど道路財源なんですよ。だから、そのことを頭に置いて検討をしていただきたいというふうに思います。
 次に、公的資金の繰上償還について伺います。
 今回の交付税の改正案に、第二次といいますか、来年度以降の繰上償還が含まれています。これは税収減に苦しんでいる自治体にとって大変な救いの声だと思い、総務省の決断を高く評価したいと思います。
 第一次といいますか、三年前から行われている補償金免除の繰上償還は、三か年、総額五兆円という大規模な繰上償還が実行されるまでに様々な紆余曲折があったことと思います。これは、何より財務省や財政制度審議会がこの繰上償還に強く難色を示していたからであります。総務省は、地方のどのような声を受けて決断され、実施されたのでしょうか。
#210
○国務大臣(原口一博君) これは、まさに澤委員の大変な御尽力もあって実現に至ったものでございますが、平成十九年度から三年間の公的資金補償金免除繰上償還は、現下の厳しい地方財政の状況の下、数多くの地方公共団体が公債費負担、もう借金の負担でつぶれちまうということで、その軽減のため、公的資金に係る高金利の地方債について補償金を免除する繰上償還を求める強い要望がございました。
 そのような地域の熱い声にこたえたものですが、心ある政治家の皆様のお力があってこそ実現できたものだというふうにこの場を借りて感謝を申し上げたいと思います。
#211
○澤雄二君 ありがとうございます。
 少し自慢話をさせていただきますが、この繰上償還は、三年半前に私、この総務委員会でその実施を強く要望してから一週間から十日後に実は決定したものであります。質問のきっかけになったのは、公明党の八王子の市会議員の訴えからでありました。八王子市がかつて下水道など公共事業のために財投特会から借りた資金は五%から八%の高金利でありました。それが今は一%台で融資を受けられる。この借金を繰上償還して借り換えることができれば、金利負担がその分減る。下水道事業だけでも金利負担が三十五億円も少なくなるんですと。しかし、財務省はがんとしてこの繰上償還を認めてくれませんと。何とかなりませんかというのが訴えでありました。
 私はこの総務委員会で質問させていただいたわけでありますが、質問で何を聞いたかというと、財務省がなぜこの繰上償還を認めないかという理由を実際に三つ説明していました。でも、三つともその約束をたがえていました。
 一つだけ申し上げますと、五%以上と一%の金利差があります。財務省は、この利ざやを稼ぎませんと言った。これ、将来金利が上がったときの、そのときのリスクのために貯金しておきますと。変動金利準備金であります。だから、そのリスクのために貯金するから、高い金利だけども払い続けてねと財務省は言っていました。だけど、その準備金が二十五兆円も積み上がっていました。そしたら財務省は何をしたかというと、黙って十二兆円を国債整理基金、赤字国債の返済に回しました。
 だから、質問はそこから始まりました。その金は地方自治体の金じゃないかと。何の説明もしないでそういうことをするんだったら、繰上償還に回すべきだという質問をさせていただきました。
 たしか一週間ぐらいたってだと思いますが、総務省の方が私の部屋に飛び込んできて、繰上償還決まりました、五兆円ですと言われたときの光景は忘れません。
 これ、非常に地方自治体にとっては助かっていると思いますが、五兆円、一体どれぐらい実際に繰上償還されて、どれぐらいの軽減になったかというのは教えていただけますか。まだ見込みだと思いますが。
#212
○大臣政務官(小川淳也君) 十九年度から三年間の実現の見込額でございますが、旧の資金運用部で三兆二千億余り、旧簡易生命保険で五千億円余り、公営企業金融公庫で一兆二千億余りでございます。全体で一千四百七十五団体に恩恵が及んだと見込んでおりまして、八割強の都道府県、市町村でこれを実施する見込みでございます。補償金の免除の相当額でも一兆円を超える規模になるのではないかというふうに推計をいたしております。
#213
○澤雄二君 時間がなくなりました。資料を手元に配ってありますので、これは質問から省略をいたしますが、大規模な政令指定都市などでは大変大きな額を繰上償還をされています。下水道事業とか公共事業がその主な内容でありますが、中では政令指定都市では地下鉄工事に大変な莫大な借金を抱えていて、これの償還に大変役立っているというお話を伺っています。
 今度の改正案で、第二次といいますか、来年度からまた繰上償還が始まりますが、これで一体今まで繰上償還を受けられなかった自治体が新たにどれぐらい受けられるようになるか、教えてください。
#214
○大臣政務官(小川淳也君) 二十二年度からの三年間で第二次の対策を講じます。総額で一・一兆円でございまして、財政力の指数や実質公債費比率等に応じた条件設定を変更いたします結果、現時点で正確に予測するのは困難でございますが、ある程度前提を置きますと、おおむね一千団体程度が対象になるのではないかというふうに見込んでおります。
#215
○澤雄二君 新たに一千団体というのは大変助かると思います。
 時間がなくなりましたので、質問通告したことを一言だけ申し上げます。子ども手当のことであります。
 これ、大きな問題があります。それは、後でゆっくり御覧ください、三歳未満の子供を持っている家庭、これもし二十四年以降一万三千円が続きますと、確実に負担増になります。それは、三歳未満の子供を持っている家庭は今児童手当が一万円だからであります。三千円しか増えないんです。その三千円は、年少扶養控除がなくなることですっ飛んでしまいます。
 それから、もう一つ大きな問題があります。資料でお配りしていますが、この扶養控除がなくなることで所得が増えます。所得が増えて、リンクしている制度が五十あるそうです。今お配りしているのは三十二書いてあります。その中の左側のところに、真ん中辺に保育料があります。この保育料は所得にリンクをしています。そして、私が調べたある市では保育料はゼロ歳児が一番高い。それは一番手間掛かるからです。五歳児は安いんです。例えば、五歳児が二万五千円で、でもゼロ歳児は五万五千円とか倍以上違います。ですから、この保育料の値上げがゼロ歳児から効いてきます。
 どういうことかというと、子ども手当は少子対策のはずであります。だけど、今、じゃ、子ども手当もらえるからって若い夫婦が一生懸命子づくりに励んだ。来年子供が生まれた。ゼロ歳であります。そうすると、途端に負担増になるんです。これじゃ子供をつくらない方がいいじゃないかということになってまいります。大変な大きな問題をこの子ども手当は抱えています。
 ですから、私が提案をしたいのは、三歳未満の子供を持っているところは年少控除を廃止しないとか、そうでなければ、保育料を十分負担増にならないように国が補てんしてあげるとか、そういう制度を考えないと、この子ども手当で子供を産まなくなってしまいます。
 大臣、一言だけ御答弁いただけますか。
#216
○国務大臣(原口一博君) これは各種税制、それから年齢間、子供のですね、それから、今お話しになったようにこれに付随する制度との連関、所得が高くなることに、これ税調でも議論をいたしました。そして、今委員がおっしゃったような懸念の生まれないように、各種手当についても、各種制度についても整合性を持ってほしいということで議論を詰めてきたところでございますが、なおまた、次年度というか二十三年度については、これは子ども手当全額、あるいは控除を倒したことによる影響がゼロ歳児に出ないようにしっかりと厚労省や政府全体でも目配りをしてまいりたいと、このように考えております。
#217
○澤雄二君 終わります。
#218
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 今、先行の澤議員から、子ども手当の不具合といいますか、質問があったところでございますが、その子ども手当あるいは高校無償化ですか、その財源に振り向けるということで、本法案では、住民税についての年少扶養控除、また特定扶養控除の上乗せ分の廃止、行うということにされているわけでございますが、これもうかねてずっと質疑されておるんですが、民主党のマニフェスト、どういう整合性があるんだと、なかなか納得できる回答はございません。インデックスにも載っていなかったなというふうに思うわけでございますけれども。要は、この民主党の目玉政策である子ども手当とか高校無償化、その実現のために手を付けやすいところに手を付けたというふうに言わざるを得ないところであって、とても整合性のある施策とは言えないと思います。
 平成二十三年度以降、地方にも子ども手当の負担を求める可能性を残したままであって、民主党の掲げる地域主権という理念に逆行するんではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#219
○国務大臣(原口一博君) 今回、個人住民税の年少扶養控除、これを廃止は確かにマニフェストに載せておりません。先ほど小川政務官の方からお答えをさせていただきましたけれども、税源充実の観点及び税体系上の整合性、地方及び国民に与える影響等も踏まえて政府税調で総合的に判断した結果、廃止することとしたものでございます。なお、議論の過程において地方団体からも、年少扶養控除を見直すのであれば、所得税と住民税を一体として見直すことが望ましいという御提案をいただいたところでございます。
 政府税調ですべての控除について、控除から手当へという中で、その中で最も厳しい生活環境、経済状況の中で総合的に判断した結果というふうに御理解をいただければと思っております。
#220
○魚住裕一郎君 平成二十二年度税制改正大綱では、高校無償化に伴い、これ、特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分を廃止すると、それを受けて本法案が出されているわけでございますが。もう既に指摘があるわけでありますが、高校に通っていない、あるいは授業料の減免措置を受けている、私は名古屋市なんですけれども、今度、学用品の補助みたいなものもやめるというんですわ。いろんな形で、いろんな軽減策、家計の負担の軽減について施策がなされているわけでございますが、今指摘したような状況の中でかえって家計の負担が増加する、そういうようなことが懸念されるわけでございます。
 小川政務官も、とにかく家庭の負担増にならないよう善処するというような答弁がなされているようでございますが、実際どのような措置を講ずるのか、具体的に説明をいただきたいと思います。
#221
○大臣政務官(小川淳也君) この点につきましても、既に何度か御指摘をいただいているところでございます。
 高等学校に通われている子供さんがいらっしゃる御家庭ではトータルで負担増になることはございませんが、全体で二%とか三%程度、高等学校に行かれない御家庭では確かに御指摘の点を十分に踏まえなければならないわけでございます。税制改正大綱の中に、こうした御家庭向けにはきちんとした対策を検討するということが明記をされているわけでございまして、この点は十分に具体化をせねばなりません。
 今のところはまだこの場で具体策をというほどに検討が進んでいるわけではございませんが、引き続き議論を進めてまいりたいと思っております。
#222
○魚住裕一郎君 具体策が出てくると。要するに、家庭の負担増がないようにしていくという施策をもし取った場合、今度また各自治体の事務的な負担というのも出てくるんだろうと思うんですね。それも、事務経費も含めて十分配慮する必要があると思いますが、政府の方針を確認したいと思います。
#223
○大臣政務官(小川淳也君) そうした点も含めて、十分にこれは検討する必要があろうと考えております。
#224
○魚住裕一郎君 次に、たばこ税についてお聞きをしたいと思います。
 同じく税制改正大綱では、たばこ税について、国民の健康に対する負荷を踏まえた課税に改めるべきだというふうにされているところでございますが、その方針を踏まえて本法案が出されているわけでありますが、三・五円というかつてない、一本当たり三・五円という大幅な税率の引上げになるわけでございますが、国民の健康に与える負荷という点にかんがみてどういう意味を持つ金額になるんでしょうか。税制調査会の議論を見ていると、いっときは更なる引上げをという議論もあったようでございますが、結局は三・五円になった。その理由は何でしょうか。
#225
○国務大臣(原口一博君) これまでの政権では、一円以上、一本一円以上お上げになったことはないという認識をしております。
 税収の増そのものだけを考えると、一円以内に増税を抑えておいた方が、これは何と申しますか、ゆっくりたいたお湯はそんなに急に、熱くなっても余り熱く感じないのと同じで、増税ということのいわゆるこれは痛税感というものでございますが、痛税感を感じないと。したがって、痛税感を感じないんであれば、本来の今回の政策目的のように、たばこの消費を抑制するため将来に向かって税率を引き上げていく必要はございますけれども、たばこの消費を抑制する観点からは大幅に引き上げることが適当であると、こういうことを主張する、特に厚生労働省を中心とする考え方がある一方、税率の引上げ幅によっては、今申し上げたような大幅な消費の減少により、たばこの税収というよりか葉たばこ農家、この葉たばこ農家やたばこ販売店等への多大な影響が生じないこと等を勘案する必要がございまして、今回、この税率の引上げに当たっては、この両方の観点を踏まえ、税制調査会において議論を重ねて、税率の引上げ幅を、今までのような一円以内ということではなくて、やはりここは健康に配慮をして三・五円とさせていただいたところでございます。
#226
○魚住裕一郎君 健康のためには早くやった方がいいですわね。前回、たしか平成十八年ですか、七月から施行になったんですよ、この税制改正。今回十月施行と、これはどういう理由からでしょうか。
#227
○副大臣(渡辺周君) なぜ十月からということでございますけれども、実は様々なたばこのそうなりますと値上がり前の駆け込み買いだめ等も予想されるわけでございます。そうしますと、いろいろ、実はJTのたばこ製造の工場が全国各地にあるわけですけれども、この年度末で閉める予定のところも、閉鎖するという工場もあり、また幾つか事業を縮小するというところも実はございまして、その間の調整を考えますと、この駆け込み需要にこたえるための生産の確保ということで少々の時間的幅を持って十月というふうに時期を決めたわけでございます。
#228
○魚住裕一郎君 だけど、健康を考えていただいて、早くやっていただいたな、民主党政権すごいなと、それが本来の在り方じゃないの、大臣の御答弁からすればですよ。それを今、いいじゃないですか、もう駆け込み需要で、もう足りません、ありませんよと、その分健康が増進されるわけだから。何かちょっと詭弁だなと。もちろん参議院選挙が目の前にありますから、ということも、何だと、一体、健康を理由にしながら、結局自分たちの選挙のことを考えているなというふうにしか判断できないわけでございますけれども。
 それで、大臣、今、健康で三・五円と、ゆでカエルみたいな議論がありましたけれども、しかし十月、やっぱり痛税感を感じるんじゃないですかね、十月になったら。同じでしょう、そんなものは。そして、何で三・五円かの理由が分からない、先ほどの答弁は。別に十円だっていいでしょう、それは健康のためだと。
 ということで、その生産者、関係者あるいは消費者、愛煙家、一体どのぐらいまで、更に引上げも検討もされるんではないかと非常に不安を感じているんだろうと思いますが、たばこに係る税負担、適正水準、どの程度を考えているんですか。大臣の御見解を求めます。
#229
○国務大臣(原口一博君) 私は今回の三・五円というのは妥当なところだと思います。
 先ほど、私たちは選挙で十月にしたんではなくて、これは渡辺副大臣が申しましたように、JTの事情、またたばこ税収や、葉たばこ農家、たばこ販売店等へのこの中からの支援措置といったものも考えながらこういう時期にしたものでございまして、最近の消費動向による自然減のほか、この価格上昇により禁煙又は節煙をする方が増加して、たばこの販売量は平成二十二年度には今年度との比較で更に一〇%程度減少すると見込んでおりまして、これはやはり一気に上げろと委員がおっしゃるように、私、たばこ嫌いなんで、本当は十円ぐらい上げてくれればいいと個人的には思っていたんです。ただ、やはりそこで生計を営んでおられる方々、小売業者等への影響、これを勘案しても三・五円というものは妥当な数字であるということを考えております。
#230
○魚住裕一郎君 現時点、たばこ大好き人間が嫌いな大臣に質問をするという変な話になるかもしれませんけれども。だけれども、健康のためという美しい言葉でこの増税目的に掲げているわけでございますが、政府として全体的にたばこ税の在り方をどのように考えているのか。税制大綱では、「たばこ法制について、現行のたばこ事業法を改廃し、たばこ事業のあり方について、上記のたばこ関係者の生活や事業の将来像を見据えて、新たな枠組みの構築を目指すこととします。」とされているわけでありますけれども、これやっぱりまず新たな枠組みというのをしっかり示して、そして国民の理解を得ることが先決じゃないですか、大幅な税金の引上げというよりも。大臣、どうですか。
#231
○国務大臣(原口一博君) 本当に、そこは委員がおっしゃっているところをきっちり踏まえたいと思います。
 これは、非常にたばこに対しての考え方というのは、喫煙をなさる方、なさらない方、もう本当に様々であります。私は、たばこを吸う人が悪いとか、たばこを吸うこと自体が悪いという余りにも行き過ぎた考え方もいかがなものかと思っております。
 おまえ自身はどう思うかと言われたら、隣でたばこを吸われるのは非常に嫌ですし、たばこを吸う人の呼気にも反応する方もいらっしゃるやに聞きますけれども、やはりそこは今おっしゃるように、たばこというものの文化や、たばこが持つ様々なコミュニケーションを豊かにするといったことについてもしっかりと踏まえた上で、ただ健康については、やはりグッド減税、バッド課税ですねということで今回の措置に至ったところでございまして、今後税率を引き上げていくときには、たばこ消費の単なる抑制ということだけではなくて、幅広いたばこ全体についての基本的な考え方から検討を重ねてまいりたいと、そのように考えております。
#232
○魚住裕一郎君 たばこの規制について、いわゆるWHOの枠組条約が発効しているところでございまして、WHOにおいてはたばこの次は酒だというように意気込んでいるようでございます。
 たばこはニコチンの依存症、アルコールはアルコール依存症という形になるわけでございますが、要は政府、昔専売でしたからね、国民をニコチン中毒にしてそこで税収を上げてきたという、そういう構図になっているわけですよ。だけど、それだけ国民に広く普及して、今はもう国民的嗜好品という位置付けであると思うんです。それに対して大衆課税、逆進性を伴った大衆課税になっていくわけでございまして、健康増進は大事な目的ではありますけれども、やはり先ほども申し上げましたけれども、国民的嗜好品について、取りやすいところから税を取るというそういう安易な形ではいけないと思うんですが、大臣の御見解はいかがでございましょうか。
#233
○国務大臣(原口一博君) ここはまさに、私はそれになったこと、分かりませんけれども、ニコチン中毒にやはり国民をしてきたという今の御指摘も私はあながち否定できないところではないかと。やはり委員がおっしゃるように両方お声があります。たばこという文化についてやはり理解できない朴念仁のようなことではどうするんだということ、それも確かにあります。
 ただ一方で、徐々に徐々に税収維持のために引き上げていくのではなくて、やっぱり三・五円とか上げてくれたらもうあきらめも付くよと、いや、五円だったら、十円だったらもっとあきらめが付くのにという声も一方でもらうわけでございまして、私たちは取りやすいところから取るということではなくて、これはマニフェストでもお約束をしていますけれども、やはり先ほど申し上げたような健康増進という意味からも、これでもたくさんの健康に対する税が使われて、一方で肺がんやそういったものになると使われておるわけでございますし、また私は、私事で恐縮ですが、父が腺がんというものになったと誤診されました。腺がんというのは、隣でたばこを吸っている人、副流煙によって肺の表にできるがんだそうでございますが、大変な苦しみであります。そういったものについてもやはり一定の抑制の効果が必要ではないかということで、今回大変大きな議論をいたしまして結論に至っておりますので、御理解をいただければというふうに思います。
#234
○魚住裕一郎君 先ほど大臣からもお話ございましたけれども、関係事業者というか、大変幅広い影響があるわけでございます。
 たばこ消費について、本数もずっと微減をしてきた、値上げとともにがくっと落ちて、だんだん本数も減ってきた、あるいは税収も落ちてきているというような傾向性にあるわけでございますが、今回これ三・五円ですか、一本当たり、上げたらどのぐらいに減るんだろうか。もちろん、日本のメーカーである日本たばこ産業ですか、これも大変な収入減になるんではないだろうかなというふうに考えられます。また、葉たばこ農家あるいは卸業者、小売業者、場合によっては先ほど事業の縮小みたいなお話も副大臣からございましたけれども、雇用の縮小にもつながりかねない。あそこは食品労協でございますけれども、そういう労働問題まで絡んでくるということでございまして。
 大臣は衆議院の総務委員会で、今回の三・五円の中の一部、一円部分ですか、そういったところについては、葉たばこ農家の、あるいはたばこ関係の産業の皆さんの打撃に使おうじゃないか、そういったことも併せて議論をしておりますというふうにお答えになっているわけでございますが、具体的に、総額でどのぐらいの規模の金額を関係者にどのように補てんしていく予定であるのか、お聞きしたいと思います。
#235
○副大臣(渡辺周君) 具体的にどれぐらいの額を補てんするのかということでございますけれども、これは実際想定の範囲でしかございません。
 実はこれ、たばこを二十二年度に今年度と比較で値上げした場合にどれぐらい減るだろうかということで見込みますと、一〇%程度は税収は減るのではないかというふうに見ております。結果として、たばこの値上げによってこの機会にたばこをやめる、煙からお別れする人たちが出てきて、これは大体値上げした時点でいつもそうなんですが、喫煙者は減る傾向にございます。もしこのまま二十二年度の十月に三・五円一本引き上げますと、販売数量が二千億本、税収にすると大体一兆円ぐらいになるであろうと。今現在が、平成二十年度でいきますと大体一兆二千五百億円ぐらいでございますので、ほぼ一〇%ぐらいは減るであろうということでございます。見込みが、このまま行きますと大体国と地方で合わせますと一千五百億円ぐらいの減収になるであろうというふうに見ております。
#236
○魚住裕一郎君 いや、だから関係者にどうやって具体的に支援をするのか。
#237
○副大臣(渡辺周君) これは当然、葉たばこ農家でありますとかあるいはたばこの小売店、これで生計を立てている方々もいらっしゃいます。ですから、当然そこには、何らかの形で転作をするあるいは小売店をやめる場合に例えば何か別のものを扱うような、当然何らかの形で相談も乗らなければいけないと思いますし、当然JTも人員削減ということになってくれば、もし売れ行きが落ちて、そのときにはJTが扱う例えば品目、たばこではなくて様々な分野に、ほかの分野にやはり事業展開するようなことも含めてこれは考えていかなければいけないだろうというふうに考えております。
#238
○魚住裕一郎君 いや、さっき大臣は、今回三・五円の中の一部、一円部分ですか、それを充てるというような言い方をしているわけですよ、衆議院で。だから、具体的に何か目算があるんだなと。
#239
○国務大臣(原口一博君) これは税調でそういう議論をしておりまして、三・五円分の例えば一円に当たる部分は、例えば転作についての必要な財源に充てるとか、あるいは小売店の様々な支援、融資やそういったものに充てるとか、そういう議論をして今回の三・五円というものになったということを答弁で申し上げたところでございます。
#240
○魚住裕一郎君 実際の販売価格はJTの売上げの落ち込みを考えて値上げという形になって、これはもう本当にやむを得ないのかなというふうに思いますけれども、やはり、どこまでも健康目的とは言いながらも逆進性の伴った、例えば失業してもやっぱりたばこを吸いたい人は吸いたいんですよ、そういうことも是非おもんぱかっていただきたいなというふうに思います。
 次に、いわゆる課税適正化条項といいますか、今回、市町村たばこ税の課税について若干改正点があるようでございます。
 本当に、この法律案見ると、さっき先行委員から市町村のチェックオフの条例があるかないかと、よく分からないみたいな話がありましたけれども、このたばこのことについては、いや、実にきめ細かく地方のことまで目が行き届いているなというふうに思う次第でございますが。
 今回、市町村のたばこ税が、昼間流入人口を含む成人一人当たりのたばこ税が全国平均の三倍を超える場合云々と、それを都道府県で吸い上げますよと。この三倍というのを二倍に引き下げるということでございますが、この三倍とか二倍というのは、これはどういうところからこの基準が出てくるんでしょうか。
#241
○大臣政務官(小川淳也君) このたばこ税でございますけれども、販売予定本数に基づいてその営業所所在の市町村にお納めをいただくということでございます。
 今回御審議をいただいております改正案の一つのきっかけでございますが、既に新聞等でも明らかになっておりますとおり、一台の自販機が十五億円のたばこ税を特定の市町村にもたらしたという経過がございました。これ、単純計算いたしますと、自販機一台で一日に六万箱売り上げた計算になります。これ、一秒半に一箱、二十四時間売れ続けたという計算でございまして、ちょっと常識的には考えにくい結果をもたらしている。
 このようなことが特定の市町村に過大な利益、便益をもたらし、その一方で本来入るべきところに入らないというようなことをもたらしてはいけませんので、その全国平均との比較の水準を、かつては三倍ということであったわけですが、それをやや強化して二倍という形で御審議をお願いしているということでございます。
#242
○魚住裕一郎君 いや、強化、それは三から二に引き下げれば強化であることは間違いないですよ。そうじゃなくて、どうして三倍なのか、どうして二倍なのか、それで今言ったことが是正されるということなんですか。
#243
○大臣政務官(小川淳也君) 一つの社会問題化しました今回のたばこ税の課税実態を踏まえて、より強化をする観点から三倍を二倍にということでございます。またあわせて、このたばこ税額を基準にして事業者に対して補助金などを出すことを禁ずる措置と併せて、このような課税の適正化が更に図られることを期待するものでございます。
#244
○魚住裕一郎君 何だかちょっと分からないですね、ちょっと今の御答弁だと。なぜ三倍か二倍かというのが、どういう因果関係をもってそういうふうな形を入れるのか。
 そして、これは二倍を超えたらその部分は都道府県に上がるんですか。都道府県は黙っていても税収という形になるんですね。普通なら国から県、県から市町村になるところが、この部分については市町村から都道府県に上がっていくというか逆交付税みたいな形になるわけですね。これは、だから県からしてみると歳入が増えたなという形になるんでしょうけど、これは最終的には、例えば国から交付税が行っていますね、その分を減らすんですか。分かりますか、言っている意味。つまり、市町村から取り上げて、その分国からいろんな交付税行くときに引くということになるんじゃないかと。そうしたら、親鳥がひなのえさを取り上げるような世界になるんじゃないですかということなんですが。
#245
○大臣政務官(小川淳也君) 都道府県に交付を、市町村の側から受けるわけでございますので、その分都道府県が増収になるというのは御指摘のとおりかと思います。それと交付税との関係につきましては、ちょっと精査をしてお答えを申し上げたいと思います。
#246
○魚住裕一郎君 それで、今ちらっと答弁がありましたけれども、市町村の企業誘致条例というのがあって、いろんな企業来てくださいよ、それは例えば大きな工場を呼ぶよということをやる、世界最先端のテレビメーカーを呼ぶとか印刷会社を呼ぶとかそういうようなことを積極的にやって、その地域の経済発展をやる。あるいは県とか、やる。ただ、それはちょっと余りにも平等原則に反するんじゃないの、公益性が本当にあるんですかというような訴訟が実はあるわけでございますけれども、しかし私、それはやはり各自治体の創意工夫に任されてしかるべきだろうなというふうに思うわけでございますが、各自治体も厳しい財政状況の中いろんな工夫をされていると思いますが、企業誘致条例もやっぱりその一環だと思うんですね。
 この休みに、予算上がる前に海外視察、どうかと私は思いますけれども、韓国に大臣行かれました。そして、そのクラウドだけじゃなくて、地方都市の活性化策も御覧になってきましたね。やっぱりそれは全国一律じゃなくて、それぞれの取組の中で、いろんな独自性を発揮しつつ、地域のことは地域に住む人が決めるんだということでやっている姿なんだろうなというふうに思うんですね。ですから、地域主権を一丁目一番地としてやっているわけでございまして、地方が独自にこの財源を確保するための取組、これは重要だと思いますが、大臣のこの点の認識はいかがですか。
#247
○国務大臣(原口一博君) おっしゃるとおりに、地方が自らの独自の財源を確保し、それから富を生む仕組み、韓国のお話をいただきましたけれども、過疎地にデジタルディバイドのある情報化村というのをつくって、そこでは特産品を、中央政府がホームページを作ったりあるいは情報化をすることを手伝って、そして自分のふるさとにどんなものが植えられあるいは実っているのか、あるいは作られているのかというのを見た都会にいるそこの地域の若者たちがまたその物品を買うと、そして新たな物産が生まれるということも情報化村の試みで韓国はやっておりましたけど、やはりおっしゃるように地域が自ら富を生み出して、そしてそこに独自の財源ができてくるということがとても大事だと考えております。
#248
○魚住裕一郎君 それで、日本各地に企業誘致条例というのがあって、やっぱり地域発展どうするか。そのいろんな要件つくって、期間中に新しい事業所つくってくださいね、あるいは市税をきちっと完納してくださいね、普通税の一税目について一課税年度につき三千万以上とか、そういういろんな要件を付けながら企業を引っ張ってこよう、これも私は独自で本当に奨励すべきことだろうなというふうに思っております。
 今、政務官が報道されたケースということで取り上げられましたけれども、まさに、これは泉佐野のケースでありますけれども、今回法律で、何かたばこ小売に対する補助金や貸付金の貸付けを禁止するという条項があるわけでございますが、このたばこ税の獲得のためだけにやっている条例じゃないわけですよ。今回のこの法律はそこだけをねらい撃ち的にやっている条項なんであって、この特定事業、じゃアルコールはどうなんですかということにもなるし、ちょっと、広く企業を呼び寄せるというその奨励金のうち、たばこ税に係る部分だけ禁止されると。
 本来、地方自治の本旨からいえば、あるいは民主党のおっしゃっている地域主権ということから考えれば、このような形の目的でこの条項を、禁止するという条項を作ることはちょっといかがなものかな、憲法の地方自治の趣旨あるいは民主党の言っている地域主権に反するんではないか。そしてまた、特定の事業だけねらい撃ちですわ、これは。だからそれを、多分このたばこ税の仕組みをうまく活用した、こすいかもしれない、こすいかもしれないけど合法なんだから、ある意味ではそれはこすっからいかもしれないけれども、それはある意味じゃ創意工夫とも言えるわけであって、それを法律で禁じますよというのは憲法の平等原則にも反するんではないのか、こう懸念が持たれますけれども、この地方自治の本旨の観点と平等原則の観点の御答弁をいただきたい。
#249
○大臣政務官(小川淳也君) 御指摘は大変本質的なところでございまして、これはきちんと受け止めさせていただきたいと思います。
 ただ、委員、各市町村が是非地元でたばこを買ってくださいというふうに一生懸命運動しているのも一方で御存じだろうと思います。そこで、一般の企業誘致と同様にこれを健全な前向きの競争だというふうにとらまえていいかどうか、そこが問題になろうかと思うわけでありますが、きちんと投資をして、あるいは融資をして付加価値を生んでいく企業と、たまたまこれたばこ税の課税方法ともかかわりが出るわけですが、販売予定本数をどこへ申告するかによって、他の売り上げられた自治体に本来入るべき収入がその申告次第で一か所へ集められてしまうという事態を招くわけでございます。
 地方財政法の中にこういう規定がございます。運営の基本、第二条でございますが、地方公共団体は、財政の健全な運営に努め、いやしくも国の政策に反し、又は国の財政若しくは、ここからでございます、他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行ってはならないという基本方針がございます。
 委員御指摘の点は十分踏まえなければならないと思いますが、今回のこうしたケースに関しては、健全な競争か、あるいは他との関係において公正を害しかねない、やはり自粛すべき態様かという判断に立ったときに、後者ではないかという前提でこの改正案の審議をお願いしているということでございます。
#250
○魚住裕一郎君 今、いやしくもという表現ございましたけれども、しかしそんなことを言ったら創意工夫ができませんよ。これ、昔からあるたばこ税の仕組みの中で考え抜いたとも言えるわけであって、そんなことじゃ全国一律どこから見ても金太郎あめみたいな自治体しか出てこないじゃないですか。それを打ち破っていこうというのがこの地域主権という考え方であるんではないのかなと私は思うんですね。
 ちょっと時間が来ましたので、ここで質問を終わります。
#251
○委員長(佐藤泰介君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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